指揮官とG3がお送りするドルフロ銃解説 (スツーカ)
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銃とは

ドルフロSSをいくつか読んで書きたいなと思い、偉大なる先駆者様の某銃器紹介を参考に銃の解説をするものです。基本的に指揮官とG3の台本形式で進めます


指揮官

「指揮官と」

 

G3

「G3の」

 

「「ドルフロ銃解説~」」

 

「「…………」」

 

G3

「……何番煎じですかこれ」

 

指揮官

「某銃器紹介を聞いてたらやりたくなった。後悔はしていない」

 

G3

「怒られても知りませんよ……それでこの小説(?)では何をするんですか?」

 

指揮官

「よくぞ聞いてくれた。ドルフロに登場している銃の解説は偉大な先駆者様がやっているから、ここでは銃の構造や歴史なんかを解説していく予定だ。具体的にはそもそも銃とは何ぞやというところから各銃種の解説、銃の歴史、構造をやっていくぞ。ネタが尽きたら番外編ってことでちょっとした小話なんかもやる予定だ」

 

G3

「かなり長編になりそうですね」

 

指揮官

「続かなくなって失踪する未来が見える。ちなみに参考文献は最後に掲載しておくから、気になった人はチェックしてみてくれ」

 

G3

「という訳で前書きはここまでです。それでは本編へ、どうぞ」

 

 

 

指揮官

「では改めまして、指揮官と」

 

G3

「G3がお送りする」

 

「「ドルフロ銃解説~」」

 

指揮官

「という訳で始まりました作者の突発的な思い付きで始まった銃解説でございます」

 

G3

「最初からメタいですね……それで記念すべき最初は何を解説するんですか?」

 

指揮官

「今回解説することは……ジャジャン!”そもそも銃とはなんぞや”!」

 

G3

「銃とは、ですか」

 

指揮官

「そう、一番最初だからね。厳密に言えば”銃の定義とは”ってのを解説しようと思う。G3はどう答える?」

 

G3

「そうですね……一般的なイメージは弾丸を火薬で発射する武器、でしょうか」

 

指揮官

「そうだね、一般的にも定義的にもだいたい合ってるね。銃砲刀剣類所持取締法によれば、銃は”けん銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃”の事を指すんだよ」

 

G3

「空気銃も入ってるんですね」

 

指揮官

「そう、空気銃は発射された弾丸が一定以上のエネルギーを持つ場合が当てはまるんだけどね。正確には0.989[J]を越えると空気銃になるんだ。これ以下は遊戯銃で規制がかからないよ」

 

G3

「私たちがいる2062年ではレーザーも主流ですけど、これは銃ではないんですか?」

 

指揮官

「レーザーは火薬も圧縮空気も使ってないからね。ただ、消費生活用製品安全法にてレーザー(正確にはレーザーポインタ)は規制されてるよ。作者がいる2019年では銃扱いじゃないけど、私たちのいる2062年では立派な銃扱いになっているだろうね。さて、銃の定義はこんなもんだろう。空気銃について触れたけれど、ここでは火薬を用いた銃だけに絞って解説するよ。空気銃は機会があればやろうと思う。といったところで今回はここまで」

 

G3

「それでは今回のまとめです。銃とは弾丸を発射する機能を持った装薬銃または空気銃を指します。2019年現在ではレーザーは残念ながら銃ではありませんが、将来的に銃に分類されるかもしれません」

 

指揮官

「と、このように終わりにG3が要点をまとめて締めとさせていただくよ。初回だから短かったけどいかがだったかな? 次回から専門的なことをバンバン出していくけどなるべくわかりやすいように解説していくつもりだ」

 

G3

「それでは皆様」

 

「「次回もお楽しみに」」

 

 

 

 

 

G3

「ところでどうして私なんですか?」

 

指揮官

「どうしてって、そりゃあ嫁だからよ」

 

G3

「も、もう、指揮官さんったら……//」

 

 




作者
「ドルフロSSを色々読んでいて思いました、G3居ないなぁって。だからゲームでも誓約したG3をだしてみました。それでは参考文献です」

参考文献
銃砲刀剣類所持等取締法 - e-Gov法令検索 2019年1月5日閲覧
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=333AC0000000006

独立行政法人国民生活センター 危険!!レーザーを用いた違法な玩具などが売られている!! 2019年1月5日閲覧
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20080328_1.html


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弾と銃の構造

指揮官

「指揮官と」

 

G3

「G3がお送りする」

 

「「ドルフロ銃解説~」」

 

指揮官

「今回は弾と銃の構造について解説していくぞ」

 

G3

「前回は銃の定義について解説しました。今回解説する構造は近代以降の金属薬莢を使用する銃になります」

 

指揮官

「火縄式やフリントロック式の銃については歴史のところで解説するよ。さて、銃の構造の前に弾について解説だ」

 

G3

「弾の構造は以下の図をご覧ください」

 

 

【挿絵表示】

 

 

指揮官

「弾は主に4つの部品から構成されている。まず1つ目は弾丸だ。弾丸は銃口から飛び出て実際に目標に向かって飛んでいく物だ。弾丸は爆発した発射薬に押されて銃身に入り、ライフリングで回転されて加速しながら銃口から出てくるんだ。弾丸は英語でBullet(バレット)だ」

 

G3

「まれにアニメ等で薬莢ごと銃口から飛び出てくる描写がありますが、あれば間違いですので注意してくださいね。銃の弾丸の素材は鉛を銅でコーティングしたものが多いですが、コーティングがなかったり鉛ではなく鉄やタングステン合金のものがあったりします」

 

指揮官

「次に発射薬だ。発射薬とは装薬とも呼ばれ、文字通り弾丸を発射するための火薬なんだ。現代においてこの火薬は無煙火薬と呼ばれるニトロ化合物(ニトログリセリン、ニトロセルロース等)が主流だな」

 

G3

「ニトロ化合物が火薬として登場するまでは黒色火薬と呼ばれる火薬が使われてました。このあたりは銃の歴史で話そうと思います。現在では黒色火薬は花火などに使われてます」

 

指揮官

「次は雷管だ。雷管は衝撃を与えると爆発する敏感な起爆薬を入れた部品だ。この雷管に衝撃を与えることで起爆薬を爆発させ、発射薬を着火させるんだ。雷管は英語でPrimer(プライマー)だ」

 

G3

「要するに起爆剤ですね。強い衝撃を与えると爆発するので、落としたり金槌で叩いたりすると暴発の危険があるので注意してください」

 

指揮官

「最後に薬莢だ。薬莢は上3つの部品を1つにまとめ、湿気や熱、衝撃から発射薬や雷管を守る役割をする部品だ。撃った時に横へ金色の円柱のものが飛んでいく描写があるだろ? あれが役目を終えて廃莢された薬莢だよ。薬莢は英語でCartridge case(カートリッジケース)または単にCase(ケース)と呼ぶぞ」

 

G3

「薬莢が金色なのは材料が真鍮(銅と亜鉛の合金。金管楽器等に使われる金色の金属)なんだからです。一部の国では銅の節約のために鉄製の薬莢もあるようです」

 

指揮官

「G11のような薬莢が無いケースレス弾と言うものがあるが、これは銃の歴史で取り扱うとしよう。弾の解説はっこんなところかな」

 

G3

「最後に、弾丸、発射薬、雷管、薬莢をまとめたものを実包と呼びます。英語ではCartridge(カートリッジ)ですね。ですが実包はあまりなじみが無いので、特に断りがなければ実包の事をここでは弾や弾丸と呼びますね」

 

 

 

指揮官

「では続いて銃の構造について解説していこう。下の図を参考に話を進めるぞ。ライフルやショットガンに多いボルトアクション式やポンプアクション式、アサルトライフルやサブマシンガンが利用しているガス圧式や反動利用式でも構造は同じだ。この構造の周りがどうなってるかで種類分けされるんだ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

G3

「では始めに撃針についてです。撃針は弾の解説で登場した、雷管に衝撃を与えるための硬く鋭い針のような部品です。この部品がなければ銃は成り立ちません。言わば銃にとっての生命線のようなものですね」

 

指揮官

「引き金を引くと撃針がバネに勢いよく押されて雷管を叩き、雷管が起爆剤となって発射薬を爆発させ弾丸が発射させる仕組みとなっているんだ。ハンドガンなんかはバネの代わりにハンマーで撃針を叩くぞ。英語でFiring pin(ファイアリングピン)と言うな」

 

G3

「そして撃針を収めているのが遊底です。英語でBolt(ボルト)と言い、こちらの方がよく聞くと思います」

 

指揮官

「ボルトは撃針を収め前後させて、さらに薬莢を銃の外に出す役割がある。このボルトに取っ手を付けて手動で動かすのをボルトアクション式、前後に動く稼働部品を付けて手動で前後に動かすのをポンプアクション式、レバーと繋げて手動で動かすのをレバーアクション式、発射時に出るガスを利用して自動でボルトを動かすのをガス圧式、発射時に発生する反動を利用して自動で動かす反動利用式があるな。各々の方式については歴史の時に解説するよ」

 

G3

「ちなみに私はガス圧式の一つ、ローラーロッキング式で動いています。同じ作動方式はMP5やMG42、MG3がいますね」

 

指揮官

「続いて薬室だ。薬室は弾を収め、発射薬を燃焼させる空間となる部品だ。英語でChamber(チャンバー)と言うぞ。ここが熱くなると暴発の危険があるから、機関銃やサブマシンガンでは引き金を引くまでここにボルトが後に居るままで開いたままのオープンボルト式が多いな。逆に引き金を引く前からボルトが前進した状態の方式をクローズドボルト式と言う」

 

G3

「オープンボルト式は引き金を引くと重たいボルトが一気に前進しますから、撃つ時の衝撃が強く銃口がブレやすいです。一方、クローズドボルト式は部品点数が多くなり、連続で撃つと薬室が過熱しやすいです」

 

指揮官

「最後に銃身と施条だ、これはまとめて解説するぞ。銃身とは爆発した発射薬に押し出された弾丸が加速する部分だ。そして施条は弾丸を回転させ軌道を安定させるために彫られた螺旋状の溝だ。英語で銃身はBarrel(バレル)、施条はRifling(ライフリング)と言うぞ。こっちのほうが聞き慣れているな」

 

G3

「余談ですが、ライフルの語源はライフリングが刻まれている銃の事です。よくライフリングが無い銃をマスケットと呼ぶことがありますが、マスケットは銃口から弾を込める前装式(マズルローダー)でライフリングが無い銃の事を指します。滑腔銃は英語ではSmoothbore(スムースボア)と呼ばれ、現在ではショットガンに使われています」

 

 

 

指揮官

「よしっと。これで今回の解説分はおわったかな」

 

G3

「前回に比べて長くなりましたが、いかがだったでしょうか? では以下にまとめておきますね」

 

・弾丸は実際に飛んでいくもの、発射薬は弾丸を飛ばす火薬、雷管は発射薬を爆発させる起爆剤、薬莢はこれらを1つにまとめる。これら4つ合わせて実包と呼ぶ

・撃針は雷管に衝撃を与える部品、遊底は撃針を収め薬莢を外に出す部品、薬室は弾を収め燃焼させる空間、銃身は弾丸を加速させる場所、施条は弾丸に回転を与える溝

 

指揮官

「次回は銃の歴史の予定だ。何回かに分けて歴史を紡ぎながらエポックメイキング的な銃を紹介していく感じだよ」

 

G3

「それでは皆様、また次回会いましょう」

 

 

 

 

 

G3

「私以外に戦術人形が出る予定ありますの?」

 

指揮官

「一応、歴史や銃の種類について解説する時に関連した子を出すつもりだよ。それとも二人きりでやりたいかい?」

 

G3

「い、いえ、そう言うつもりじゃ……」

 




参考文献
銃の科学 知られざるファイア・アームズの秘密
著者:かのよしのり 発行所:ソフトバンク クリエイティブ株式会社
 
図解マニアックス・2 小銃百科増補版
著者:安田誠 発行所:株式会社 幻冬舎コミックス


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コラム 〜口径と口径?〜

指揮官

「指揮官と」

 

G3

「G3がお送りする」

 

「「ドルフロ銃解説~」」

 

指揮官

「銃の定義のところで銃と砲の違いについて触れるのを忘れてたから、コラムという形で補完させていただくよ」

 

G3

「それでタイトルになっている口径とはどういうものですか?」

 

指揮官

「実は口径と言う言葉には2種類の意味があるんだ。銃で使う口径は弾丸の直径を意味し、砲で使う口径は口径長の略で砲身の長さを意味するんだ。もちろん、砲でも弾丸の直径を口径と言う場合があるし、銃でも銃身の長さを口径長で表すこともある」

 

G3

「なるほど、よく聞く.45口径や.50口径の口径は弾丸の直径だったんですね」

 

指揮官

「そう、.45口径は弾丸の直径が0.45インチ、つまり約11.4mmという意味なんだ。ST AR-15の専用装備.300BLK高速弾の.300は弾丸の直径が7.62mmと言う意味だな。一方、砲の口径は例えば45口径46cm砲といったように表され、砲身が46cmの45倍、つまり20.7mあるという意味なんだ」

 

G3

「砲の口径だととても大きくなるんですね。それで銃と砲の違いについては?」

 

指揮官

「それについて今から説明しよう。あぁ、ここからは特に断りがなければ弾丸の直径を口径と言わせてもらうよ。銃と砲の違い、それは弾丸の直径の違いだ。武器等製造法施行規則においては、口径が20ミリメートル以上のものを砲と定義しているよ。世界的にも20mmが銃と砲のボーダーラインになっているね」

 

G3

「20mmが境目になっているんですね。そう言えば前に見た資料に25mm機銃があったんですけど、20mm越えているのに銃なのはなんでですか?」

 

指揮官

「銃と砲の境界は時代や軍によって違うことがあるんだ。大日本帝国陸軍は13mmを、海軍は40mmを銃と砲の境界にしていたんだ」

 

G3

「そうだったんですね。あともう一つよろしいですか?」

 

指揮官

「おう、言ってみな」

 

G3

「グレネードランチャーも口径が40mmあるんですけど日本語では擲弾(てきだん)銃と言いますよね? あれはどうしてですか?」

 

指揮官

「興味深い質問だな。擲弾(グレネードの和訳)とは元々兵士が投げる爆弾のことだったんだ。漫画とかでよくある黒い球体に導火線が付いたものがあるだろ? あれが擲弾なんだ。銃の発達で手投げの射程外から撃たれるようになってからは廃れたんだ。だが第一次世界大戦で塹壕戦になると隣の塹壕まで手榴弾を投げる手段が欲しくなった。そこで銃にアタッチメントを付けて手榴弾を飛ばした。これがグレネードランチャーの始まりなんだ。擲弾は銃で飛ばすものという認識だったから、20mmより大きくても擲弾"銃"と呼ばれるんだ」

 

G3

「なるほど、ありがとうございます。勉強になりました」

 

指揮官

「では今回のまとめだ」

 

・銃における口径は弾丸の直径

・砲における口径は口径長の略で砲身の長さ

・銃と砲の違いは弾丸の直径の大きさ

・20mm以上なのに擲弾"銃"なのは擲弾を銃から発射していた歴史があるから

 

G3

「いかがだったでしょうか? それでは皆様」

 

「「次回もお楽しみに」」

 

 

 

指揮官

「感想2件も来てて嬉しい」

 

G3

「しかも銃器紹介の方も来てました。この場をお借りしてお礼申し上げます」

 

指揮官

「次はコラボだな!」

 

G3

「コラボできるぐらい投稿してから言ってください」

 




参考文献
武器等製造法施行規則 - e-Gov法令検索 2019年1月8日閲覧
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=328M50000400043

YAHOO!知恵袋 銃と砲の違いって何ですか?装備展示で、96式自動てき弾銃の説明をされ ... 2019年1月8日閲覧
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14142773654

銃の科学 知られざるファイア・アームズの秘密
著者:かのよしのり 発行所:ソフトバンク クリエイティブ株式会社


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銃の歴史その1 〜銃の誕生から火縄銃まで〜

 

指揮官

「指揮官と」

 

G3

「G3がお送りする」

 

「「ドルフロ銃解説~」」

 

指揮官

「今回から銃の歴史を解説していく。年号や人物名が多く出てきて混乱するかもしれないが、覚えなくて結構だ。だいたいこの時期にこんな事があった程度で大丈夫だぞ。テストもしないからな」

 

G3

「要点はいつも通り最後に書いておきますから、それをなんとなく覚えればそれで充分ですよ」

 

指揮官

「さて、早速始めよう。銃には火薬が必要だ。人類が初めて手にした火薬は黒色火薬と呼ばれるものだ。硝石(硝酸カリウム)、硫黄、木炭を混ぜて作られるが、いつどこで誰が発明したか定かではない。記録によれば、今から1000年以上前の中国、唐の時代に黒色火薬のことが記述されている。唐の時代から少し経った宋の時代に、硝石と硫黄を混ぜたものを容器に入れ投石機で投げ込んでいたんだ。これらは"てつはう"と呼ばれていた。この名前は聞いたことあるだろう? そう、モンゴルが日本に襲来した時に使われた手榴弾のようなものだ。火薬は最初、焼夷弾として使われていたんだな」

 

G3

「焼夷弾とは発火性の薬剤を詰めた弾のことです。ベクターやスコーピオンが投げているものですね」

 

指揮官

「火薬が登場した頃は爆発力が低かったが、やがて銃として使える程度まで改良された。1355年、世界で初めて金属の筒から弾丸を発射する武器が中国で発明されたんだ。この武器の名前は"火竜鎗(かりゅうそう)"と呼ばれた」

 

G3

火竜鎗(かりゅうそう)は下の図をご覧ください」

 

 

【挿絵表示】

 

 

指揮官

「同時期にヨーロッパではマドファと呼ばれる同じような武器が使用されていた。記録によると1346年に英仏百年戦争のクレシーの戦いにヨーロッパで初めて火薬を使った武器が使用されたらしい」

 

G3

「英仏百年戦争とはフランス王位を巡って、約100年にわたり断続的に行われた戦争です。また、この武器がマドファなのかどうかはわかっていません」

 

指揮官

「この火竜鎗(かりゅうそう)だがある欠点があった。それは発射時に照準がズレてしまうことだった。導火線に直接火を付けなければならないから、敵に狙いをつけていた目線が導火線の方に移って外しやすくなるんだ。最も、この頃の銃は狙っても当たるものじゃなかったけどな」

 

G3

「そこで引き金の原型となるSerpentine(サーペンタイン)と呼ばれるものが登場しました。「蛇のような」という意味で、この部品の先端に火の付いた縄をつけ、反対側を引くとシーソーのように動き火が発射薬に付く、という原理なんです」

 

指揮官

「だがこれでも引き金を引く動作が大きく、照準はズレてしまった。そこでバネを組み合わせ、引き金を引いてもズレないものが完成した。さらに真っ直ぐな木の棒からカーブしたものとなり構えやすくなった。発射薬へ火を付ける導火線も火縄となり、"火縄銃"が登場した。これらの改良は1450年から1500年に行われたとされている」

 

G3

「詳しくは下の図をご覧ください。サーペンタインにある火門とは導火線を入れる穴のことです。火縄銃の火挟みとは火縄を保持し、引き金が引かれると火門に瞬間的に落ちる部品です。現代の銃で言う撃針のようなものです。火蓋は火門を雨や湿気から守る蓋です」

 

 

【挿絵表示】

 

 

指揮官

「こうして人類初の銃である火縄銃は徐々にに普及し、ヨーロッパでは16世紀になるまで、日本では江戸時代が終わるまで兵士の主力を担っていく事となる。では今回はここまでにしてまとめにしよう」

 

・火薬は唐の時代で発明された(とされる)

・黒色火薬は硝石(硝酸カリウム)、硫黄、木炭で作られる

・最初は手榴弾のような使い方だったが、1355年に火竜鎗(かりゅうそう)が作られる

・のちに改良され火縄銃の形が完成された

 

G3

「いかがだったでしょうか? それでは皆様」

 

「「次回もお楽しみに」」

 

 

 

指揮官

「ぶっちゃけ近代に入るまで自信ないから、話半分で聞いてくれ」

G3

「ここで言うことではない気が……」

 

指揮官

「詳しく知りたい人は本屋に駆け込め! 次回はフリントロック式とパーカッション式だ」

 




作者「参考文献と呼べるものが下の本ぐらいしかないから合ってるか不安です」

参考文献
銃の科学 知られざるファイア・アームズの秘密
著者:かのよしのり 発行所:ソフトバンク クリエイティブ株式会社


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銃の歴史その2 〜フリントロックからパーカッションまで〜

指揮官の設定書いてたら割と量多かった。欲しい物好きがいれば感想なりメッセージなりどうぞ。ちなみに指揮官は女性です


 

指揮官

「指揮官と」

 

G3

「G3がお送りする」

 

「「ドルフロ銃解説~」」

 

指揮官

「前回は火薬の登場から火縄銃の完成まで解説した。今回は雷管の登場までをやっていくぞ。さてG3、早速だが火縄銃の欠点はなんだと思う?」

 

G3

「うーん……火縄が濡れると撃てなくなることでしょうか」

 

指揮官

「そう、火縄に火を付けなければならないから、雨や湿気で濡れれば火が付かず撃てなくなる。さらに待ち伏せしようものなら火の付いた火縄を1日中管理しなければならない。火縄銃は管理がとても面倒な銃だったんだ。そこで火を付けなくていいように、火縄の代わりに火打石を用いることにしたんだ」

 

G3

「火打石なら火の管理をしなくてもいいので楽になりそうですね」

 

指揮官

「最初に火打石を用いた方式は歯輪(しりん)式という方式だ。英語でWheellock(ホイールロック)と呼ばれる。歯車のような部品である歯輪(しりん)をバネの力で回転させ火打石に擦り付け、発生した火花で点火する方式だったんだ。だが撃つごとにバネを巻く必要があり、製造も手間がかかった。そのせいであまり普及せず一部の高級猟銃にしか用いられなかった」

 

G3

「そこで改良され登場したのが火打石式なんですね。英語でFlintlock(フリントロック)と言います」

 

指揮官

「そうだ。火打石式は17世紀に登場したぞ。仕組みはいたって簡単、引き金を引くとバネが火打石を当金(あてがね)という部品にぶつけて火花を起こし、発射薬に点火する。これは構造が簡単で故障しにくかったから広く普及したんだ」

 

G3

「良い事尽くめですけど欠点はなかったんですか?」

 

指揮官

「もちろん欠点は存在した。火打石で点火させるには強く当金にぶつけなければならない。そのために強力なバネを使うから引き金は強い力で引かねばならず、火打石をぶつける衝撃で銃がブレやすかったんだ。日本ではこれを嫌って、力があまり要らず命中精度の良い火縄式を使い続けたんだ」

 

 

 

指揮官

「では次はPercussion(パーカッション)式だ。日本語では管打ち式と呼ばれている」

 

G3

「これはどういったものなんですか?」

 

指揮官

「管打ち式は雷管を使う方式だ。その前に雷汞(らいこう)という火薬について話しておこう。雷汞とは雷酸第二水銀と呼ばれる物質だ。叩いたり強く摩擦すると爆発する敏感な火薬で、18世紀半ばに発明されたんだ。そして19世紀初期にこの雷汞を点火用の火薬として使おうと考えた。だが雷汞は敏感すぎて、容器に入れて運んでいる最中に中で擦れて爆発してしまい、安全性に問題があった」

 

G3

「とても危ない物だったんですね。ではどうやって安全性を確保したんですか?」

 

指揮官

「その答えは1822年、アメリカのジョシュア・ショウという人物が雷管を発明したことで決着が着いたんだ。雷汞を小さな金属性キャップに入れるという非常に簡単で画期的な解決策は全世界に瞬く間に普及した。そして現在は水銀汚染の問題もあり、雷汞はジアゾジニトロフェノールという爆薬に代替され使用され続けている」

 

G3

「雷管の発明が1822年とは驚きです。200年も使われているんですね」

 

指揮官

「確立された技術は技術革新が起こらない限り覆されることはそうそう無い。そしてここから50年でさらに変化するが、その話は次回にしよう。話を戻そう。この雷管を火門に被せ撃針で叩く方式、管打ち式が登場した。火縄式も火打石式も数十分の1秒程度だが引き金を引いてから発射までタイムラグがあったんだ。この間に銃が動くとたちまち当たらなくなる。だが雷管はそのタイムラグが無くなった。さらに雨で火門が濡れて撃てない、なんてことも無くなったんだ。今回はここまでとする」

 

G3

「ではまとめです」

 

・17世紀に火打石を使う火打石式(フリントロック)が登場した

・火打石式は火打石を当金にぶつけ火花を起こし、発射薬に点火する

・18世紀半ばに雷汞が発明された

・1822年に雷管が発明され管打ち式(パーカッション)が登場した

・管打ち式は火門に雷管を被せ撃針で叩き発火させる

 

指揮官

「いかがだったかな? それではみんな」

 

「「次回もお楽しみに」」

 

 

 

指揮官

「ところで今さらだが、これはラジオ放送じゃなくて教育ビデオという名目で撮影したものを動画サイトに投稿している設定だぞ」

 

G3

「説明部分は字幕や背後のホワイトボードに要点を書き口頭で説明し、図は動画内で出すという形を想像してください。要はニコ〇コ動画講座のようなものです」

 

指揮官

「……これ再生数伸びるんかねぇ……」

 

 




参考文献
銃の科学 知られざるファイア・アームズの秘密
著者:かのよしのり 発行所:ソフトバンク クリエイティブ株式会社

銃用雷管 Wikipedia 2019年1月11日閲覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/銃用雷管


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銃の歴史その3 〜ライフリングから薬莢まで〜

指揮官

「指揮官と」

 

G3

「G3がお送りする」

 

「「ドルフロ銃解説~」」

 

指揮官

「前回は火縄銃から火打石、そして雷管を使った管打ち式へと進化していったことを解説した。今回は現代の銃に欠かせないライフリングと薬莢、そして連発できる銃の先駆けとなったリボルバーについて解説しよう」

 

G3

「そこで今回は特別ゲストにお越しいただいています。西部を制した銃、コルトSAA(シングルアクションアーミー)さんです」

 

SAA

「きゃっほー! コルトSAAだよ!」

 

指揮官

「製造でMk23の代わりに8連続で出てキレた原因のSAAをゲストに迎えて解説するぞ」

 

SAA

「言い方酷いっ!? それあたしのせいじゃないよ!」

 

指揮官

「だまらっしゃい! 未だにMk23来ねぇんだキレて当然だろ! ……解説に入る。19世紀に至るまで、銃身にライフリングはなかった。正確に言えばライフリングはあったが、ごく少数だった。当時の銃は銃口から発射薬と弾丸を込める前装式(マズルローダー)だったからだ」

 

SAA

「あたしは銃身の後ろから弾込めする後装式(ブリーチローダー)だよ」

 

G3

「なぜ前装式だとライフリングが無いんですか?」

 

指揮官

「弾丸に回転を与えるにはライフリングが必要だが、弾丸をライフリングに食い込ませる必要があった。だが前装式では弾丸を銃口から奥まで押し込まなければならないから、ライフリングに食い込むほど大きい弾丸は弾込めするのに非常に苦労するんだ」

 

SAA

「それでこの問題を解決したのがミニエー銃だよ。あたしが生まれる30年ぐらい前に出たよ」

 

指揮官

「フランスのミニエーという人が1849年に発明したからミニエー銃と呼ばれている」

 

G3

「このミニエー銃はどのようにして問題を解決したんですか?」

 

指揮官

「まずは下の図を見てくれ。ミニエー弾の口径はライフリングに引っかからないよう一回り小さくなっている。そして弾丸の底が窪んでいて、そこにコルクが入ってるんだ。発射するとコルクが爆発で押されて弾丸の裾を押し広げて弾丸をライフリングに密着させるんだ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

SAA

「入れた後に大きくなれば問題ないってね。このミニエー銃のおかげで命中精度と射程はいきなり3倍にまでなったんだよ」

 

G3

「3倍ですか! それはかなり大きいですね」

 

指揮官

「このミニエー銃のおかげで、今まで隊列を組んで一斉射撃し命中精度を補っていた戦い方は大きく変化せざるを得なくなったが、この話はまた今度にしよう。次は連発を可能にしたリボルバーについて解説しよう」

 

SAA

「ついにあたしの出番だね! Revolver(リボルバー)はレンコンみたいに薬室がたくさんある回転式薬室(シリンダーブロック)のことだよ。火縄式や火打石式だと1発ごとに火皿に点火用の火薬を入れないといけなかったけど、雷管が登場してその手間が省けたから実現したんだ。リボルバーを作ったのはあたしの生まれたコルト社の創業者にして天才銃技師、Samuel Colt(サミュエル・コルト)なんだ!」

 

G3

「リボルバーってコルトが発明したんですか、初めて知りました。あっ、シリンダーブロックは以下の画像をご覧ください」

 

 

【挿絵表示】

 

 

指揮官

「コルト テキサスパターソンだな。"実用的なリボルバー式拳銃としては世界初"という注釈が付くがな。薬莢がまだ発明されてないから1発ずつ発射薬と弾丸を込め雷管をセットする手間があるが、ともかく人類は6連射できる銃を手に入れたんだ」

 

SAA

「金属薬莢を使ったリボルバーはS&W(スミス&ウェッソン)に世界初を譲っちゃったんだ」

 

指揮官

「と言う訳で次は薬莢の発明についてだ。ちなみにS&Wのは"金属式薬莢の弾薬を装填するために設計された貫通式の薬室を備えたリボルバーとしては世界初"っていう長ったらしい注釈が付くぞ。世界初も大変だな」

 

G3

「それでは薬莢についてです。薬莢のようなアイデア自体は15世紀からありました。フランキ砲というもので、薬室部分を砲身から取り外して交換できるようにした砲でしたが、発射時に隙間から高温高圧のガスが漏れて危険でした」

 

指揮官

「ガス漏れが防げず、発射薬を増やして強化できなかったから廃れてしまったんだ。それから数百年が経った1836年、フランスのカシミール・ルフォーシュによって最初の実用的な金属式薬莢が開発された。金属式薬莢は発射薬が爆発すると内側から圧力が薬莢を薬室へ押し付けて、ガスが漏れないように密閉する。こうやってガス漏れを防いでいるんだ」

 

SAA

「ちなみにー、20年後の1857年にS&Wが世界初の金属薬莢を使ったNo.1リボルバーを発売したんだ。でもコルト社は金属薬莢に出遅れちゃって、特許切れになるまで薬莢が使えなかったんだ。No.1が出てから20年も経ってからあたしが発売されたのは、こんな理由なんだよ」

 

G3

「特許ですか……いつどの国でも大変ですね」

 

指揮官

「そして薬莢の登場で後装式が容易になり、レバーアクションとボルトアクションが登場するのだが、これは次回の話だ。といったところで今回は終わりにしよう。ではまとめだ」

 

・ミニエー銃の登場でライフリングが普及した

・ミニエー銃は弾丸の底にコルクがあり、発射薬の爆発でコルクが押されて弾丸を押し広げライフリングがに密着させる

・1836年にリボルバーの原型となったコルト テキサスパターソンが登場した

・1836年に実用的な金属式薬莢が発明され、1857年にS&Wが世界初の金属式薬莢を使うリボルバーを発売した

 

G3

「いかがだったでしょうか? それでは皆様」

 

「「「次回もお楽しみに」」」

 

 

 

G3

 

「ところでSAAさんは私たちの基地に居ませんけど、どこから来たんですか?」

 

指揮官

「ん? あぁ、他の基地から後方支援で来ていて、たまたま居たから声かけたんだ」

 

G3

「……後で菓子折り持たせてきますね」

 




作者
「日版開始から5ヶ月経った先日に1週間経つとMk23貰えるの知って発狂したのは俺だけでいい。なんで自動で貰えないんだ……」

参考文献
銃の科学 知られざるファイア・アームズの秘密
著者:かのよしのり 発行所:ソフトバンク クリエイティブ株式会社

図解マニアックス・1 拳銃百科増補版
著者:安田誠 発行所:株式会社 幻冬舎コミックス

図解マニアックス・2 小銃百科増補版
著者:安田誠 発行所:株式会社 幻冬舎コミックス

回転式拳銃/SW M1 - MEDIAGUN DATABASE 2019年1月13日閲覧
http://mgdb.himitsukichi.com/pukiwiki/index.php?%B2%F3%C5%BE%BC%B0%B7%FD%BD%C6/SW%20M1

薬莢 - Wikipedia 2019年1月13日閲覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/薬莢

コルト・シングル・アクション・アーミー - Wikipedia 2019年1月13日閲覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/コルト・シングル・アクション・アーミー


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銃の歴史その4 〜ボルトアクションとレバーアクション〜

だんだん長くなってきて読み辛くなてきてます。なんとか読みやすい物を目指しますので、しばらくお付き合いしてください


 

指揮官

「指揮官と」

 

G3

「G3がお送りする」

 

「「ドルフロ銃解説~」」

 

指揮官

「前回はライフリング、リボルバー、そして薬莢の完成で現代の銃に必要な要素がそろってきたところまで解説した。今回は現在でも使われるボルトアクションと、映画でお馴染みレバーアクションについてやっていこう」

 

G3

「今回も特別ゲストにお越しいただいています。ウィンチェスターM1887ショットガンさんです。どうぞ」

 

M1887

「ウィンチェスター散弾銃、お目にかかれて嬉しいわ指揮官さん」

 

指揮官

「それでは解説を始めよう。時は1836年、前回登場した実用的な金属式薬莢と同時に、銃の歴史を変えたものがドイツで産声を上げた。それが」

 

G3

「Zündnadelgewehr(ツェンドナーデルゲヴェーア)です。Kar98kさんや漢陽88式さんのご先祖様であり、全てのボルトアクション式ライフルの元祖ですね。Zünd(ツェンド)は突く、Nadel(ナーデル)は針、Gewehr(ゲヴェーア)はライフル用の弾を使う銃(※意訳です)という意味です。ヨハン・ニコラウス・フォン・ドライゼが1836年に開発し、第二次シュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争、普墺戦争、普仏戦争で使用されプロイセンがドイツを統一する原動力となりました。構造は、紙製薬莢の中に黒色火薬と雷管が入っており弾丸で蓋してあります。これを後から込めてハンドルの付いたボルトで薬室まで押し込みます。ボルトには細長い撃針が入っていて、引き金を引くと撃針が紙製薬莢を突き破り、中の雷管に衝撃を加えて発射薬を起爆させるんです。日本では開発者の名前を取ってドライゼ銃と呼ばれることが多いですね」

 

M1887

「……指揮官、G3は物静かな戦術人形と聞いていたけど、随分と雄弁じゃない」

 

指揮官

「ここまで喋るG3は私も初めて見たぞ。やはりドイツ人気質なのか自分の祖国となると話したくなるものかもしれん」

 

G3

「あっ……ごめんなさい指揮官さん」

 

指揮官

「いや、謝らなくていい。私もサb……楽できるからな」

 

M1887

「言い直しても変わらないじゃない」

 

指揮官

「コホン、さっ、続きといこう。G3が説明してくれた通り、ドイツのドライゼという人が世界初の実用的なボルトアクション式ライフルの原型を発明した。構造はG3の説明の通りだが、そこから幾多の改良を経て以下の図のような形として完成された」

 

 

【挿絵表示】

 

 

指揮官

槓杆(こうかん)はボルトを動かすためのハンドルのことで、英語でBolt Handle(ボルトハンドル)と言う。ロッキングラグはボルトを固定するための突起で、ロッキングリセスはロッキングラグを収める空間のことだ。ボルトを押し込むと弾が薬室に入り、ハンドルを回すとロッキングラグがロッキングリセスと噛み合ってボルトは固定される。引き金を引くとボルトの中の撃針がバネに押されて雷管を叩き、起爆するようになっているんだ」

 

M1887

「そしてドライゼ銃に対抗してフランスはシャスポー銃、グラース銃を経て1886年に銃の革命児、ルベルM1886を開発するわ。この銃は世界で初めて無煙火薬を使う銃として開発されたの」

 

指揮官

「無煙火薬は第2回の"弾と銃の構造"でちょろっと出たな。ルベルM1886が登場するまでは硝石、硫黄、木炭を混ぜて作られる黒色火薬を使用していたが、これは撃つと大量の煙が発生する迷惑極まりない火薬だったんだ。隊列を組んで一斉射撃しようものなら戦場は発射した煙で霧のように覆われ、数百メートル先の敵すら見えなくなったほどだ。この時期の兵士が派手な色の軍服を着ているのは、黒色火薬の煙で見えずらいからなんだ」

 

G3

「そこでフランスのポール・ヴィエイユという人物が、1886年にB火薬というニトロセルロースにエタノールとエーテルを加えたものを発明しました。これが黒色火薬より遥かに煙が少なく、そして強力な世界初の無煙火薬となりました」

 

指揮官

「無煙火薬は発射した後、銃に煤が出にくく整備が容易になり、発生するガスの量と反動も大幅に増えた、このことは次世代の銃開発に大きく影響するが、それは次回にしよう。次はボルトアクション式と同時期に登場したレバーアクション式について解説しよう」

 

 

 

M1887

「ということで、私ことウィンチェスター散弾銃がレバーアクションについて解説するわ。レバーアクションは最初、S&Wがヴォルカニック銃を発売したのが始まりだわ。これを改良したヘンリー銃が普及して、かの有名な天才技師ブローニングの手によって完成されて私の生まれたウィンチェスター社が大量に販売したのよ」

 

指揮官

「構造については以下の画像を見てくれ。ロッキングボルトはボルトを固定する部品だ。撃鉄は撃針を叩いて雷管を起爆させる部品で、英語ではハンマーと言う。アンダーレバーを奥に(画像では右に)動かすとレバーの先端で抑えられていた弾が出てきてキャリアの上に載る。レバーを最後まで動かすとキャリアが弾を薬室手前までもっていき、レバーを戻していくとボルトが弾を薬室に押し込み装填される。レバーが完全に元の位置に戻るまではリンクの先端が次の弾が出てこないようになっている」

 

 

【挿絵表示】

 

 

M1887

「この構造を採用したライフル、ウィンチェスターM1873はコルトSAAと共に"西部を征服した銃"と呼ばれるわ。レバーアクションは連射に向いていて、ボルトアクションより早く撃てるの」

 

指揮官

「だがレバーアクションには欠点があった。構造的に強力な弾が撃てず、伏せて撃つ兵士にとって扱いにくい方式だったんだ。人気が出たアメリカの民間市場を除くとボルトアクションが最も普及した結果となってしまった」

 

M1887

「だが西部劇やアクション映画でたびたび登場して未だに根強い人気を誇るわ。これを見ているそこのあなたも、これを機に私を使ってみてはいかがかしら?」

 

指揮官

「といった感じで今回は終わりにしよう。次回は最初の世界大戦の象徴の一つとも言うべきあの銃だ」

 

G3

「それではまとめです」

 

・1836年に世界初の実用的なボルトアクション式ライフル、ツェンドナーデルゲヴェーアが登場した

・1886年に世界初の無煙火薬を使用するルベルM1886が登場した

・レバーアクションはヴォルカニック銃に始まりヘンリー銃で普及し完成形がウィンチェスターによって大量販売された

・ボルトアクションは構造が頑丈で強力な弾が使える

・レバーアクションは早く連射できるが構造が複雑で強力な弾が使えず伏せて撃つのに向かない

 

指揮官

「いかがだったかな? それではみんな」

 

「「次回もお楽しみに」」

 

M1887

「地獄で会いましょう、ベイビー」

 

 

 

G3

「ところでM1887さんはまだ配備されてないはずでは?」

 

指揮官

「今度の大規模な作戦の時に配備されるらしくて、その前の実地テストでうちに来てたんだ」

 

G3

「そうだったんですね。ではまた会えますね」

 

指揮官

「また解説に登場はしないと思うけどね」

 




参考文献
銃の科学 知られざるファイア・アームズの秘密
著者:かのよしのり 発行所:ソフトバンク クリエイティブ株式会社

図解マニアックス・2 小銃百科増補版
著者:安田誠 発行所:株式会社 幻冬舎コミックス

ウィンチェスターライフル - Wikipedia 2019年1月13日閲覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウィンチェスターライフル

小銃 - Wikipedia 2019年1月13日閲覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/小銃

ボルトアクション方式 - Wikipedia 2019年1月13日閲覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/ボルトアクション方式

B火薬 - Wikipedia 2019年1月13日閲覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/B火薬


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銃の歴史その5 〜機関銃の登場〜

指揮官

「指揮官と」

 

G3

「G3がお送りする」

 

「「ドルフロ銃解説~」」

 

指揮官

「今回は世界大戦で大量の戦死者を出した要因となった機関銃について解説しよう」

 

G3

「機関銃が登場する前にも弾を大量に撃てる銃は存在しました。リボルバーのような構造のパックルガン、銃身を何本も束ねて斉射するミトラィユーズ、そして多数の銃身を回転させ次々と射撃するガトリングガンなど、幾多のアイデアと試作、正式採用されたものがありました」

 

指揮官

「だがどれも欠点があった。一つ目は大きく重たいこと、二つ目は多数の銃身が必要なこと、三つ目は斉射すると装填に時間がかかることだ。ガトリングガンもミトラィユーズも当時の大砲と何ら変わりない大きさで、運用には多くの人員が必要だ。さらにミトラィユーズはライフルを何丁か束ねて斉射しているだけだから、持続して撃てず装填も大変なんだ」

 

G3

「しかし、1884年にハイラム・マキシムが世界を変えた画期的な銃を開発します。連続して撃ち弾幕を張ることができる銃、世界初の機関銃"マキシム機関銃"の登場です」

 

指揮官

「構造は下の画像を見てくれ。マキシム機関銃は撃った時の反動を利用して次々と弾を装填、発射、排莢を行うんだ。発射の反動で銃身と遊底が少し後退すると、銃身と遊底の閉鎖が解除され遊底だけ後退する。そして遊底は排莢を行い、弾薬ベルトから弾を引き抜き、バネの力で戻ってくるときに次の弾を装填する。この反動を利用する方式を反動利用式、あるいはショートリコイル式と呼ぶ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

G3

「このようにして連続した射撃を可能にした要因として、前回触れた無煙火薬があります」

 

指揮官

「無煙火薬は黒色火薬より煙や煤が出ず、発射時に出るガスが多く反動が強い特徴がある。煙や煤が少なければ連続した射撃でも敵が見えなくなることは無く、煤で銃が汚れて故障する頻度は低くなる。さらに強い反動で自動装填できる機構が動かせるようになった。だが連続射撃すると、発生した高温の燃焼ガスが銃身を熱してしまう。銃身が熱くなりすぎると銃身が摩耗し、やがて熱で柔らかくなって曲がったり折れたりしてしまう。それを防ぐため、マキシム機関銃は銃身の周りを水で満たす水冷式銃身を採用した」

 

G3

「一方、1897年にフランス軍はマキシム機関銃と対照的な機関銃を採用しました。オチキス社が開発した"Hotchkiss Mle1897機関銃"です。Hotchkissのフランス語読みはオチキスですので注意してくださいね。仕組みは以下の画像をご覧ください」

 

 

【挿絵表示】

 

 

指揮官

「このオチキス機関銃は発射時に出るガスを利用した。発射時に出た燃焼ガスの一部をガスポートに取り込む。取り込んだガスでオペレーションロッドを押すと、連動して遊底が薬莢を掴み排莢する。遊底が下り切るとバネがオペレーションロッドを押し返して元に戻り、そのときに弾薬ベルトから次の弾を装填する。このようにガスを利用する方式をガス圧作動式、またはガスオペレーション式と呼ぶ」

 

G3

「オチキス機関銃はマキシム機関銃と違い、水ではなく空気で銃身を冷やす空冷式銃身を採用しました。表面積が増えると銃身から空気中に伝わる熱の量が増えるので、銃身に突起をたくさん付けることで銃身を冷やしました」

 

指揮官

「マキシム機関銃はアメリカ、イギリス、ドイツ、ロシアで、オチキス機関銃はフランス、日本でそれぞれ使用され、各国でそれぞれの機関銃を元に発達させていった。日露戦争でロシアがマキシム機関銃を、日本がオチキス機関銃を使用し、第一次世界大戦でイギリスはヴィッカース機関銃、ドイツはMG08、ロシアはPM1910としてマキシム機関銃を改良し、フランスはオチキス機関銃を改良したオチキスMle1914を使用し、塹壕戦において幾多の死体を積み上げていった」

 

G3

「第一次世界大戦は別名"機関銃の戦争"と呼ばれるほど機関銃が猛威を振るいました。ドイツ軍の編制を例に見てみると、戦争が始まった1914年8月の編制では連隊(2000~3000人程度の部隊)にMG08機関銃が6丁だけ配備されているにすぎませんでした。ところが、戦争末期の1918年10月には同じ連隊でも機関銃は36丁にまで増やされています。このことから、機関銃はがいかに猛威を振るい、そして重宝されたがわかります」

 

指揮官

「ここでマキシム機関銃とオチキス機関銃の比較をしてみよう。マキシム機関銃は反動利用式で水冷式銃身、対してオチキス機関銃はガス圧作動式で空冷式銃身だ。反動利用式は撃った反動を利用するから内部の機構が複雑で重くなりやすいが、ガスを利用しない分汚れにくく故障しにくい。ガス圧作動式は反動利用式に比べ内部は簡単で軽く作れる。だがガスを内部に入れる分汚れやすく分解整備を多く必要とする」

 

G3

「銃身の話になりますと、水冷式銃身は水で冷やすので連続射撃しても熱で銃身がダメになるまでの時間が長くなります。ですが水がある分重くなり、消耗した銃身の交換がしにくくなります。空冷式銃身は水が無いので格段に軽くなり、また銃身の交換も容易に行えます。ですが水冷に比べ冷やす効率は劣るため、持続した射撃をするとすぐに熱で銃身がダメになってしまいます」

 

指揮官

「区切りが良いからマキシム機関銃とオチキス機関銃の比較で今回は終わりにしよう。次回は第一次世界大戦で登場したもう一つの機関銃について解説だ。それではまとめだ」

 

・1884年に世界初の機関銃、マキシム機関銃が登場した

・マキシム機関銃は反動を利用して装填、射撃、排莢を行い、銃身を水で冷やす

・1897年に世界初のガス圧作動式の機関銃、オチキス機関銃が登場した

・オチキス機関銃は発射時に出たガスを利用して装填、射撃、排莢を行い、銃身を空気で冷やす

・反動利用式は汚れにくいが重く複雑になりやすい。ガス圧作動式は軽く単純に作れるが汚れやすい

・水冷式銃身は効率よく冷やせるが水の調達が必要で重く、銃身交換がしづらい。空冷式銃身は軽く銃身交換が容易だが、冷却効率は水冷式より低い

 

G3

「いかがだったでしょうか? それでは皆様」

 

「「次回もお楽しみに」」

 

 

 

トンプソン

「戻ったぞ、人質の取引も成功した!」

 

指揮官

「お帰りー……ん? 冗談だよな?」

 

トンプソン

「街で立て籠もりがあったから解決してきたのさ!」

 

指揮官

「そうかそうか、それで後方支援の交通統制は? ……うん、その表情だと忘れてたみたいだな。始末書書いてこい」

 

トンプソン

「なっ!? 事件解決してきたんだから頼むよボス!」

 

G3

(命令違反で営倉入りじゃないだけマシだと思いますよトンプソンさん)

 

 




作者
「マキシム機関銃とオチキス機関銃の仕組みについては以下の動画が大変参考になったので、ぜひ見てみてください。この解説より遥かに理解できます」

参考文献
Maxim Transitional Machine Gun 1885 2019年1月15日閲覧
https://www.youtube.com/watch?v=D1CpLaVfnq8

Hotchkiss 1914 2019年1月15日閲覧
https://www.youtube.com/watch?v=4gJB7vE81G4&t=78s

マキシム機関銃 - Wikipedia 2019年1月15日閲覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/マキシム機関銃

ホッチキス Mle1914重機関銃 - Wikipedia 2019年1月15日閲覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/ホッチキス_Mle1914重機関銃

銃の科学 知られざるファイア・アームズの秘密
著者:かのよしのり 発行所:ソフトバンク クリエイティブ株式会社

図解マニアックス・2 小銃百科増補版
著者:安田誠 発行所:株式会社 幻冬舎コミックス

超ワイド&精密図解 世界の軍用銃図鑑 
発行人:鈴木昌子 発行所:株式会社 学研プラス


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