やはり俺のボーダー生活は間違っている (小野こまっち)
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プロローグ
やはり俺のボーダー選抜は間違っている


比企谷八幡がボーダー入隊したらというお話です。
処女作なので違和感等あると思いますがあたたかく見守っていただけると嬉しいです。
基本は原作に準拠しますが、ランク戦の相手などオリジナル要素が入る予定です。
よろしくお願いします。



「相手来ます!!戸塚さんの援護お願いします!!」

 

「了解・・・つか結構距離あるな。戸塚ちょっと耐えてくれるか?」

 

「けぷこんけぷこん、八幡よ、ここは我が戸塚氏の援護に行こうではないか!!喰らえ――」

 

「いやそれいつもの適当メテオラだろうが・・・まぁいいや今のうちに離脱してくれ戸塚。とりあえず合流しよう。マーカー地点集合で」

 

「分かったよ八幡!」

 

「ムハハハハ!心得た」

 

「合流地点マーカーしますね!!」

 

――どうしてこんなことやってんだっけ・・・ あぁ今回も平塚先生からの依頼だったか・・・

 

 

 

これは俺がボーダーに入隊する数ヶ月前の事だ・・・

いつもの如く平塚先生に呼ばれた俺は職員室のいつもの応接間にいた。

 

「すまない。遅くなった。」

 

「いや別にいいんすけど・・・。つか何の用っすか?何かやらかした記憶はないんすけど・・・」

 

「ああ、今日君を呼んだのは少し頼みがあってだな・・・。比企谷、君はボーダーという組織は知っているかね?」

 

ボーダー・・・確か三門市にある界境防衛機関だったか?4年前に現れたネイバーとかいうバケモンから世界を守る機関だったと思う。当時は結構なニュースになった記憶がある。最近は少なくなったが三門市から避難してきたとかいう転校生もいたなぁ・・・関わりは無かったけど。

 

「あれっすよね・・・三門市にある防衛機関」

 

「そうだ。そのボーダーが新規隊員を周辺の都市からも集めているんだが・・・。ウチの学校からも何人か選抜して送ろうという話になってな」

 

煙草に火をつけはじめる平塚先生。おいおいまさか頼みってのは・・・

 

「君を選抜させてもらったよ。」

 

やっぱりー。いや予感はしてたよ?だが俺の答えは決まっている。答えはNOだ。理由は働きたくないから、こっちにはなんのメリットもないしむしろリスクしかない。俺にあんなバケモン倒せるとは思わんしはいQED.

 

「まぁコレばかりは強制は出来ない。安全な仕事とは決して言えないからな。親御さんからの承諾もいるし・・・」

 

「いや強制じゃないならやる訳ないんだよなぁ。」

 

「君の言いたいことも分かる。だが事態が事態だけに出来れば協力してもらいたい。三門市に出現するネイバーは増えてるらしい。才能が少しでもあるなら協力して欲しいというのが向こうの言い分だ。なんなら私からの依頼と取ってもらってもいい。」

 

「それはもはや強制じゃないっすか・・・」

どうやら拒否権はあるようでないらしい。こうなると逃げ場がないんだよなぁ。

 

「はぁー・・・分かりましたよ。とりあえず親の承諾はもらってきます。」

 

「そうか!引き受けてくれるか!詳しい話は追って連絡する。承諾書は私に提出してくれたらいいからな!」

 

家族からの承諾はすんなり貰えた。小町に至っては

「ごみぃちゃんが人の為に働くんだね!いやーよかったよかった。でもボーダーってモンスターと戦うんだよね?小町はちょっと心配だなぁ・・・、今のは小町的にポイント高い!!」

という始末である。俺の扱いさぁ・・・

次の日には承諾書を提出し、俺のボーダー選抜が決まった。



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なぜか彼らは引かれ合う

第2話です。


 

「戸塚、それから比企谷。あとで生徒指導室まで来るように」

 

またかよ・・・おそらくボーダー選抜関連だと思うが―

って戸塚?なら奉仕部関連か・・・とにかく行きますかね。

重い腰を上げると戸塚が話かけてきた。

 

「八幡!一緒に行かない?なんの用だろう?」

 

「おっおう!そうだな」

相変わらず戸塚は天使である。思わずどもるレベルで、そんな戸塚と並んで歩けるとは・・・そうかここが天国か―

だがそんな時間は長くは続かなかった。

 

「むむっ・・・そこにいるのは我が相棒八幡ではないか!!」

 

「いやー本当に何の用だろうな?なんか心当たりあるか?戸塚」

 

「反応してあげようよ八幡・・・」

 

くっ・・・戸塚が言わなければスルー出来ていたのに。むしろ俺の天国空間を邪魔したので万死に値するレベル。いや逆にコイツは気づいた戸塚の優しさに感謝した方がいいすらある。

 

「なんだ材木座。また新作か?」

 

「それはまた後日・・・今は平塚女史に呼ばれて生徒指導室に向かうところでな、そこで相棒の気配がしたのだよ!!」

 

後日読むのかよ?!あと俺の気配ってなんだよ?俺は死神か何かかよ。むしろ影が薄すぎて常時チャ○状態なんだが・・・ ん?平塚女史?

 

「って事はお前も平塚先生に呼ばれたのか?材木座」

 

「お前もという事は八幡、お主も平塚女史に?」

 

「僕たちも先生に呼ばれたんだ。良ければ一緒に行かない?」

 

「――そうだな!戸塚氏の有難い申し出を受けるとしよう!

共に参ろうではないか!!八幡、戸塚氏!!!!」

 

「なんでお前が仕切ってんだよ・・・」

 

こうして俺達3人は平塚先生の元へ行った。今日はいつもの応接間ではなく生徒指導室だ。部屋には既に平塚先生が待っていた

 

「よし!3人揃ったな。戸塚、材木座、それから比企谷。お前達は選抜隊としてボーダーに入隊してもらう。今日はその説明と顔合わせのようなものだ。午後の授業時間を使うから終わり次第帰宅してもらって構わない。」

 

選抜されたの俺だけじゃ無かったのか。顔合わせといっても見知った顔ではあるな。まぁ説明くらいはしっかり聞いておくか

そこから俺達は三門市への出発日程や引越しなどの予定、入隊後の予定について、その他諸々の手続きについての説明を受けた。

 

「それから君達の様子を見て第2選抜隊を送る事も計画されている。まぁむやみやたらに生徒を送る訳には行かないからまだ選抜途中だがな。ここまでで質問はあるか?」

 

おいおい俺達はモルモットかよ・・・だがここまでの説明から言って詳しい事は入隊初日の説明会で説明するからって感じだ。守秘義務とかもあるのだろう。

 

ここで戸塚が質問をはさんだ

 

「あの!僕達が出発までにやらなくては行けない事って他にはあるんですか?」

 

「いや特にはない。荷物をまとめて・・・ああ、あとは家族以外の親しい人には事情を話した方がいいだろう。もちろんあまり不特定多数に話すのは辞めて貰いたいが・・・」

 

なるほどな・・・あいつらには話しておくか。

 

「他にはないか?ないなら今日は解散とする。また連絡事項があれば集合してもらうことになるだろう。」

そう言って平塚先生は退室していった。戸塚はテニス部に顔を出してくると言って、材木座はゲーセン仲間に呼ばれたらしく慌ただしく出ていった。

 

俺はというと奉仕部の部室へ向かっていた。

 



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そして比企谷八幡は旅立ってゆく

3話です



「うぃーっす」

 

奉仕部部室には部員の2人、雪ノ下雪乃と由比ヶ浜結衣が部活、もといお茶会をしていた。どうやら依頼は来てないらしい。

 

「あら、ようやく来たのねサボりヶ谷君。今日はもう来ないと思っていたわ。」

 

「ヒッキー!どうしたの?また平塚先生に呼ばれたみたいだけど・・・」

 

「へーへー遅れて悪ぅございます。まぁ遅れた言い訳って訳じゃないが、ちょっと色々あって呼ばれたんだわ。」

 

こうして俺はボーダー選抜に選ばれた事、出発日、しばらく戻ってこれないことに伴って部活に出れないことなどを2人に説明した。

 

「つまりヒッキーはそのボーダーってとこに行って働いてくるわけだね。」

 

「そういう事だ。守秘義務とかあるから詳しくは言えないんだがな。」

 

「そう・・・しばらくはその腐った目を見なくて済むわけね。少し寂しくなるわね。」

 

おい寂しくなるポイントそこかよ。まぁこいつなりに別れを惜しんでくれてるのだろう。

 

「こっちもお前の罵倒を聞かなくて済むのは気が楽ってもんだよ。」

 

「まぁまぁ・・・そうだ!送別会しようよヒッキーの!さいちゃんとか小町ちゃんとか読んでさ!・・・あと中二も」

 

おいなんだその間は・・・オマケ扱いの材木座に合掌―

「まぁ・・・そうねしばらく会わなくなる訳だし、いいのではないかしら。」

 

「決まり!じゃあみんなに連絡して予定合わせとくよ!」

言うやいなや慌ただしくメールを送り始める由比ヶ浜。さすが上位カーストこんな感じの事に慣れてるな。そんな様子を横目に雪ノ下が語り始めた。

 

「比企谷君。私達に出来ることがあるかは分からないけど、あるなら連絡しなさい。協力するわ。」

「ああ・・・ありがとな」

 

こうして出発までの時間は慌ただしく過ぎていった。由比ヶ浜主催の選抜隊送別会には小町の他に平塚先生や川・・・川なんとかさんも来ていた。材木座は忘れずに呼ばれていた。良かったな・・・

そして出発の朝、家族や雪ノ下達に見送られながら俺達はボーダー本部へ向けて千葉を出発した。本部までは平塚先生が引率するらしい。

 

「すまんが私がいられるのは三門市の駅までだ。本部は警戒区域の中にあるから一般人は入れないんだそうだ。そこから先は担当の指示に従ってもらう。確か担当は嵐山とか言ったかな?」

 

そんなことを言っていると三門市に到着した。とてもネイバーの脅威に晒されてるとは思えない普通の街だった・・・・・・

時折聞こえる閃光や爆音を除いてはだが。

 

おいおいマジかよ。なんでここの住人普通に生活してんだよ?慣れってやつだろうか。

こうして俺達は三門市に足を踏み入れた。




4話は少し感覚空きます


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なんと嵐山准は有名人である

間隔が開くと後書きに書きましたが予定が片付いたためつまんない嘘をついた形になりました。
地の文が多い4話です。


「君達が総武高校の生徒さん達ですね。初めまして!ボーダー嵐山隊の嵐山 准です。ここからボーダー本部までご案内しますね。」

 

そう言って一人づつ握手をする嵐山さん。なんつうか葉山みたいなヤツだな・・・イケメンだし、絶対に上位カースト以外にならないタイプってところだろうか。材木座に至っては完全に雰囲気に押されている。しかし何処か親近感というか近いモノを感じる、いや気のせいだな・・・。

 

「では私はこれで失礼するよ。戸塚、材木座、比企谷、しっかりな。嵐山さん、後はよろしくお願いします。」

 

そう言って平塚先生は千葉へ帰って行った。

 

「じゃあ、俺達も行こうか!」

 

そう言って歩き出す嵐山さんに俺達も続いた。歩きながら三門市について色々話してくれる嵐山さん。道中ではたまに声をかけられていた。どうやら有名人らしい

 

「有名人なんすね、嵐山さん。」

 

「ああ俺達の部隊はボーダーの広報部隊でもあるんだ。いわゆるボーダーの顔ってヤツ。テレビなんかにも出たりするから声をかけられることは多いかな。」

 

そんな話をしていると目の前に巨大な建物が見えてきた。

 

「あれがボーダー本部だ。とりあえず今日はオリエンテーションを受けてもらうから、本格的な訓練は明日からになるんじゃないかな?」

 

確かに秘密基地って感じだな。デカいし・・・

その後俺達は本部のとある部屋に通され、そこで今後の訓練日程、ボーダーの活動について、今日付で俺達は仮入隊扱いとなる事、約2ヶ月後の入隊日まで訓練をする事などが説明された。

 

今日の予定は以上らしく宿舎までの地図、カードキーを渡され解散となった。本来本部にはトリガーなるものがないと入れないらしいが、まだ俺達はトリガーを持っていないためこのカードキーを使うらしい。

 

宿舎に着いた俺達はそれぞれの部屋に別れた。部屋の中には既に荷物が運び込まれていた。1人で使うには少々広いなこの部屋。

やることもないし明日からは本格的な訓練が始まるし今日は早めに寝るか・・・

その日はすんなりと眠る事が出来た。そして俺のボーダー隊員(仮)生活が始まった。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

訓練の初日はトリガーやネイバー、トリオンなど基礎的な知識を学ぶ座学、そしてトリオン量を計量することから始まった。

計量の結果、俺と戸塚のトリオン量は並、なぜか材木座のトリオン量は平均より少々多いようだ。そのせいで

 

「むほんむほん、やはり我の剣豪将軍としての眠っていた才覚が――」

 

と調子にのせる事になってしまった。

 

明日からは座学に加えて、一通り基本的なトリガーを試して行くらしい。それによって自分のポジションを決めてからポジション別の訓練に入る予定のようだ。

 

こうして俺達のボーダー隊員(仮)としての1週間が過ぎていった。

 

 



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言わずもがな当真勇は一味違う

5話です
作者は太刀川さんが好きなのですが、出す場面はしばらくないでしょう。
残念です


「2人はもうポジション決まった?」

 

「うむ!我はやはり剣豪将軍として弧月を使った――」

 

「いや無理だろ・・・」

 

戸塚の問に真っ先に反応したのは材木座。その設定まだ生きてたのね・・・

 

「むむっ?!何故だ八幡よ。まさか我のありあまるトリオン量に嫉妬して・・・」

 

「んなわけあるか。お前ただでさえ的がデカくて俊敏さに欠けるんだから接近戦は最も避けるべきだろうが。」

 

「ふむぅ・・・ならばガンナーにでもするかな・・・・・・・・・FPSで慣れてるし・・・」

 

理由それでいいのか・・・まぁ接近戦を諦めてくれただけ良しとするか。

 

「戸塚はどうするんだ?」

 

「うーん・・・今のところは孤月を使ってみようかなって。使ってみた感じがラケットに近くてさ。手に馴染むっていうか・・・八幡は?」

 

「・・・・・・スナイパーだな。」

 

訓練で色々試してみた結果、1番結果が出たのがイーグレットによる精密射撃訓練だった。感覚で撃ってみたがなんとかなるもんなんだな・・・

どうやら俺は集中する事に関してはなかなか得意なようだった。読書なんかで自然と鍛えられたのかもしれない。

 

「となると我がガンナー、戸塚氏がアタッカー、八幡がスナイパーか・・・。これはなかなかバランスのいいパーティではないか!」

 

確かにチームバランスはいいかもしれない。うまく回るかは別問題だろうが・・・

 

こうして次の日から俺達のそれぞれのポジションに別れての訓練が始まった。

スナイパーとしての訓練はそれぞれのライフル・・・イーグレット、ライトニング、アイビスの特性を覚えること、イーグレットの精密射撃の2つである。

そんな訓練の中俺はある人と出会う。今思えばあの先輩との出会いはただの偶然だったかもしれないが、間違いなく俺の技能の多くを育ててくれた人だと思う。

その人との出会いは精密射撃の自主練をしている時の事だった。

 

「・・・とりあえずこんなもんか。スコアは・・・見ても分かんねぇなこれ。」

 

「おうおう新人にしちゃあ悪くねぇスコアじゃねーの?お前見ねえ顔だな?C級って訳じゃないみたいだが・・・」

 

なんだこのリーゼント男は?ツッパる事が男の勲章な世界から来たのか?

・・・つかでけぇなおい。軽く180cmはあるんじゃねぇか?

 

「かっこいい髪型っすね先輩。俺は仮入隊でまだC級ですらないんすよ」

 

「おっ!俺のリーゼントの良さに気付くとは、なかなか違いのわかる新人じゃねーか!気に入ったぜお前。」

 

おいおいマジか・・・。皮肉のつもりだったんだが気に入られてしまった・・・。

これはアレだ。昼休みに呼び出されて焼きそばパンダッシュとかさせられるやつだ。そしてきっちり買ってくるまである。

――買っちゃうのかよ・・・。

 

「まぁ明日も同じ時間くらいに来いよ。先輩が指導してやるよ♪」

ほら早速呼び出しだよ。初対面の人間の予定を押さえにくるとか本家もびっくりのジャイ○二ズムである。 ドラ○もーん〜〜

 

「ヒッ・・・いやあの明日は親がアレで試験がコレでですね・・・」

 

「まぁなんでもいいわ、俺は当真勇。お前は?」

 

「ヒャイ!!・・・比企谷八幡ですぅ。」

 

こうして俺は当真先輩と出会ったのだった。

 

 

 



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やっと彼らのボーダー生活が始まる

6話です
ラーメンは豚骨が好きです


「ちげーんだよハチ!もっとこう・・・感覚を研ぎ澄ませてだなぁ・・・」

 

「いや、感覚的すぎてアドバイスになってないんだよなぁ・・・」

 

とまぁこんな感じできっちり同じ時間に来ちゃったんですよねぇ・・・

いや違うんだ、上の人には逆らえない社畜の血が逃げることを許さなかったんだ。俺は悪くない、上下関係なんてもんを生み出した社会が悪い。

 

「もっとグッと集中していけるって閃いたとこで撃つんだよ!」

 

「どこの長○監督だよ先輩は・・・」

 

こうして俺と当真先輩の放課後射撃タイムが始まった。

・・・絶対流行らないなこれ

 

一方で戸塚と材木座は少し実戦的な訓練に入っていたらしく、仮想空間でネイバー相手に戦闘を行うって内容の訓練をしていたらしい。

材木座はかなりボコられたのか訓練後は静かだった・・・。

 

―それから2週間ほど過ぎた頃、放課後射撃タイムも実戦的な訓練をしていた―

 

「ハチよぉ、お前の買ってくるこのMAXコーヒーってのはどんだけ飲んでも甘さに慣れねぇな」

 

「そう言いながら毎回飲んでるじゃないっすか・・・。缶がバナナ色だからっすか?」

 

「んなわけねーだろ。俺は違いのわかる男だからな!」

 

「答えになってねぇ・・・」

 

「うるせぇ! ・・・ハチ次外したらラーメン奢りな!」

 

「うわぁ・・・理不尽」

 

この後ラーメンは奢りました。

しかしそんな放課後射撃タイムは唐突に終わりを告げる

この頃には当真先輩との自主練の成果は訓練のスコアにもかなり現れていた。

それはそんなある日の事だった。

 

「ハチ・・・悪いんだがしばらく練習を見てやれねぇんだわ」

 

「どうしたんすか?ついに反比例出来ないのがバレて留年っすか?」

 

「違ぇよ!まぁお前もいずれ正隊員になるだろうから言っとくが、俺はしばらく遠征でネイバーフッドに行ってくる。」

 

ネイバーフッド?確かゲートの先にある別の世界だったか?ボーダーはそんな事までやってたんだな。

 

「帰って来るのはしばらく先だ!俺の言った事を忘れずに精進しろよ。」

 

「分かってますよ。・・・・・・帰って来たらまたラーメン行きましょう」

 

「・・・・・・おう!もちろんハチの奢りな」

 

「理不尽すぎる・・・」

 

こうして当真先輩は遠征に行った。俺はまた訓練の毎日に戻ったわけだ。

こうして、なんだかんだで月日は流れ正式入隊日を迎えたのである。

 

ついに俺達ははれて正式なボーダー隊員(C級)になった訳だ。

オリエンテーションを受けランク戦の説明を受けた後、当面の目標を話し合うため俺達はサイゼに来ていた。

 

「さてと、とりあえず今日はお疲れ。どうだったよ訓練?」

 

「なんかまぐれでいい得点出したみたいで・・・色んな人から声かけられちゃった。」

 

・・・なん・・・だと!?戸塚に声をかけるとは、どこの輩だ?緊急射撃案件だな。

 

「うむ!大型ネイバーを13秒で討伐とは・・・話題を独り占めであったな!」

 

「そんな事ないよ!材木座君もなかなかのタイムだったじゃないか!!」

 

「けぷこんけぷこん まだこの剣豪将軍材木座義輝、全力を出し切ってはいないがな!!」

 

「いやそこは全力でいく所だろ・・・ あっドリア来たわ」

 

ともかく俺達の当面の目標はB級に上がって部隊を結成する事に決まった。

 

 

 

 

 



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どうしても材木座義輝は強くなりたい

更新が空いてしまいすいません。
初めての実戦ですね。
7話です。


「はちえもーん!個人ランク戦で勝てないよー」

 

とまぁ俺達のB級に上がろう計画はなかなかに頓挫していた。

特に材木座。ポイントが2300位から伸びてこない1時は2000点を割る時もあったくらいだ。

 

「とりあえず格上から毟られないようにするしかないだろ。雑魚狩りして調子乗って毟られての繰り返しだろお前の場合は・・・」

 

「ふむぅ・・・対人戦は予期せぬ挙動がある故・・・なかなかなぁ」

 

「格ゲーと一緒にすんなよ・・・。」

 

こんな材木座を尻目に戸塚の点は右肩上がりだった。既に3000点を超えているので俺達の中で1番早くB級に上がれる可能性が高い。戸塚は戦闘も出来る天使・・・これは深夜で覇権を争えるな。

 

「しかし八幡よ。お主もなかなかに苦戦しておるのではないか?」

「まぁな・・・。だがお前ほどではねぇよ。」

 

「むぅ・・・。なんとか強くなれぬものか・・・ 覚醒イベとか」

 

「・・・ねぇだろ。」

 

しかしなんとかしなけれならないことも事実だ。このままでは俺達2人がB級に上がるのにかなりの時間がかかってしまう。急ぐことは無いのだが、おそらく先にB級に上がるであろう戸塚を待たせすぎるのもアレだしな・・・

 

「・・・・・・!! ぬはははは!!我に妙案があるぞ八幡よ。」

 

「却下」

 

「話くらい聞いてよはちまーん」

 

「どうせろくな案じゃないだろ。聞くだけ無駄だ。」

 

「まぁそう言わずに・・・話だけでも・・・。」

 

材木座の妙案とは俺達2人が戦ってお互いの弱点を見つけようという作戦だった。

何度か戦えば俺達のポイントは動くだろうが、弱点を知り、その後に他の隊員から獲得出来るであろうポイントを考えれば安いものだと材木座は語る。

 

「・・・材木座にしてはまともな案だな。誰のアイディアだ?」

 

「我だよ。」

 

なにそれ・・・。ちょっとかっこいいじゃねえか。

こうして俺達は早速個人ランク戦をすることにした。

 

「我は205だ。お手柔らかに頼むぞ。」

 

「はいよー。205・・・205・・・これか。」

 

 

―対戦ステージ『 市街地A』C級ランク戦開始―

 

市街地Aか・・・、俺と材木座どちらかに偏って有利って訳じゃ無さそうだ。ならとりあえず隠れて材木座を見つけるか・・・。

材木座は割合すぐに見つかった。スナイパー対策として射線を切りながらこちらを探しているらしい。だが・・・・・・

 

「あれじゃただうろちょろしてるだけじゃねーか。」

 

アレなら行けるわ。俺は迷わず材木座を狙い撃った。

 

 

 

「そもそもアサルトライフルでスナイパーに勝てってのが無理ゲーなんだよなぁ・・・」

 

「うるせぇ・・・愚痴ってないで反省会するぞ。」

 

とりあえず今日は3戦して俺の3勝 ドン勝だ。

 

「だがな八幡よ。最後の1戦。我は主を見つけるまではいったのだ。次はこうは行かんぞ。」

 

「いやねぇから・・・。とりあえず今日はこんくらいにしとくか。」

 

「ふむ。明日も付き合ってもらってもよいか?」

 

「まぁしゃーねぇだろ。・・・・・・戸塚を待たせる訳には行かねぇし。」

 

「我の扱いェ・・・・・・。」

 

こうして材木座との個人ランク戦対策が始まった。

 



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ゆっくりと材木座義輝は強くなる

8話です。
よろしくお願いします。


「これで我の3戦全勝。ドン勝だな!!」

 

なんだかんだ毎日3戦俺と材木座はランク戦をしては反省会を繰り返しついに材木座は俺に完勝するまでになった。あれ?俺弱すぎ?

「んで・・・まぁ反省会だが、なんかあるか材木座」

 

「ふむ。何度か剣を交えるうちに八幡の癖のようなものが分かるようにはなったな!!」

 

「俺達どっちも剣使ってねぇだろうが。しかし癖か。なんなんだ俺の癖ってのは」

 

「うーむ・・・なんというか王道というか基本に忠実というか。いる所がわかりやすいのだよ八幡は。」

 

「いる所がわかりやすいか・・・。でも先に見つかっていた感じはしなかったんだが・・・」

 

「けぷこん。もちろん我も確実に分かっているわけではないさ。だがスナイパーのいそうな場所かつ反撃を受けにくそうな場所には十中八九、八幡がおるのだ。わかりやすいだろう。」

 

なるほどな。道理で材木座の動きが途中からなんか変わったというか、こっちに気付いてるような動きになったのか。

 

「いや・・・王道が悪いと言っているわけではない。だがこうも連戦で同じ考え方で動けば読まれても仕方なしというもの。」

 

「・・・そうかもな。そろそろスナイパー相手なら格上からでもポイント取れんじゃねーか?」

 

「うむ!前よりはいけると思うぞ。いつもすまんな・・・」

 

「それは言わない約束でしょうが・・・」

 

「あっ八幡!材木座君!もう反省会は終わったのかい?」

 

「戸塚!今終わったとこだ。ランク戦終わりか?」

 

「うん!ランクが上がるとなかなか簡単には行かないね。」

 

しかし戸塚はもう3570点か・・・。B級に上がるのは時間の問題って感じだな。俺も頑張らなきゃならんな。頑張るゾイ!

 

「とっ戸塚氏!もしよければ我と手合わせ願えないだろうか?」

 

「うん!僕もみんなとランク戦してみたかったんだ!」

 

「あっ悪い、俺スナイパー合同訓練あるわ。」

 

「そうなんだ・・・八幡とは明日かな?またね!」

 

「むはははは!頑張るのだぞ!相棒!」

 

「・・・おう。またな」

 

2人と別れた俺はスナイパー合同訓練に向かった、今日は通常狙撃訓練だったか?少しでもポイントを稼いでいかねぇとな・・・

 

くぅ疲、これにて訓練終了です。

っとまぁなかなかのスコアではあったな。ただスナイパー訓練で貰える点ってあんまうまみないんだよなぁ・・・

頑張っても保険料やらなんやらで色々引かれてあまり貰えない手取り給みたいだよなこれ・・・。社会の嫌なところだな。

そんな人生にくぅ疲な時はマッ缶に限るな。

人生は苦いからコーヒーくらいは甘くていい・・・

 

俺がマッ缶を飲みながら練乳の甘さに浸っていた時長身の女性が話しかけてきた。

 

「へー珍しいモノ飲んでるね。ここでそれ買ってるヤツ初めて見た。」

 

「ヒョッ!!ひょうなんですか?アハハ。」

 

不意打ち過ぎてヒョッ!!ってなった上に噛んでしまった。

えっ?!私のコミュ力低過ぎ・・・

 

「なんで噛んでんのさ・・・。あたしは熊谷友子。」

 

「・・・比企谷八幡だ。」

 

「比企谷ね、よろしく。あんまり見たことないから新入り?」

 

「ああ・・・。まだC級だ。」

 

「そっか。ならまだ関わることないかもね、あたしB級だから。じゃあまた何かあったらよろしく比企谷!」

 

「おっおう。」

 

当麻先輩以来の正隊員との絡みだったな。なんというか健康的なパンチとか撃ってきそうなやつだった。

 

 



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どうにか彼らはB級へと昇っていく

9話です。
天使ちゃんマジ天使


Angel 〇eats!というアニメを知っているか?

第1話で主人公は天使に刺されるんだが・・・。

俺は今天使・・・、もとい戸塚彩加に真っ二つにされていた。

 

「これで今日は2勝1敗。八幡にも勝ち越しだね!」

 

2勝の内容はかなりのワンサイドゲームだった。テニスで鍛えられたフットワークと動体視力で撃った弾は全て避けるか上手く遮蔽物でやり過ごされて戸塚の被弾は0。

運良く見つかる前に不意打ちで撃ち抜けたのが俺の1勝の内容である。

ちなみに材木座も同じく1勝2敗。戸塚に勝ち越されている。

 

「でもやっぱり距離を取られると厄介だね、スナイパー・・・。」

 

「逆に言えば、距離詰められたら為す術もないってことだがな。」

 

俺達に協力して貰っている戸塚は既に4000点を獲得し、すでにB級への昇級が決まっている。俺も材木座もどうにかB級が見えるところまで上がって来た。

 

「しかし遠いなB級は・・・俺と材木座は来シーズンまでかかるかもな。」

 

「そんな事ないんじゃない?ほら材木座君とか調子いいみたいだし。」

 

「いやあれは調子がいいってより調子に乗ってるって感じだろ。」

 

戸塚にフルボッコにされた時はもはや見てられないほどだった材木座は戸塚以外と戦って勝ちを重ねて来ると、

見える・・・見えるぞ!!ついに我もニュータイプに――

と今のような調子になっていった。

 

「けぷこんけぷこん。我の話をしているのは貴公か?我が永遠の相棒八幡よ!!」

 

「・・・まぁそうだな!戸塚が言うならそんな事ないのかもな。」

 

「あの・・・ちょっ・・・。八幡?もしもーし」

 

「とりあえず戸塚に早く追いつくために俺も頑張るか!」

 

「ちょっ・・・あの・・・。助けて〜戸塚氏〜」

 

「あはは・・・相変わらずだね八幡も。」

 

「んだよ材木座。人が珍しく頑張ろうとしてる時に。」

 

「いやすまん。ついに我もB級に上がったのでな!いの一番にお主に報告しようとしたら我の話をしているではないか!これはちゃんすと思って・・・」

 

「いや今お前が調子に乗ってるって話を・・・、今なんて言った?」

 

「いや我B級に上がったのだ。今しがただがな!」

 

なん・・・だと・・・?

 

「おめでとう材木座君!」

 

「うむ!戸塚氏には感謝してもしきれんほど世話になったな!」

 

「お前昨日までは俺と大差無かったじゃねえか。マジかよ・・・」

 

「ほむんほむん。あとは八幡!お主が上がるだけだな!」

ついに材木座も4000点を稼ぎだし、B級昇級を決めた。俺がB級に昇格したのはそこから3日後の事だった―――

 

 

「へー比企谷もB級に上がったんだ!じゃあ昇級祝いに奢るよ。マッ缶でいい?」

 

「いや俺は施しを受ける気は・・・」

 

「いいからいいから!」

 

そういうと熊谷はマッ缶を手渡した。俺と熊谷はあの日以来たまにこうして雑談を交わすようにになっていた。

 

「比企谷はランク戦、出るんでしょ?」

 

「とりあえず来シーズンからな。それまでにオペレーターを探さなきゃならなくてな・・・」

 

「なるほどね。あたしたちのオペレーターはスカウトしてきたんだ。」

 

「ほぅ。スカウトねぇ・・・」

 

「まぁ来シーズンまで時間まだあるし、ゆっくり探しなよ。」

 

「そうするわ。」

 

しばらくはオペレーター探しか・・・ぼっちにはなかなかハードルの高い仕事だな。



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また彼と彼女達は巡り会う

10話です。
次話は番外編を予定しています。


FROM 平塚静

 

TITLE 昇級おめでとう

 

――――――――――――

 

お久しぶりです。戸塚くんから近況を聞きました昇級したそうですね、おめでとう。比企谷くんは私にあまり連絡をしないので、とても心配していましたがよくやっているようで何よりです。しかし教員という立場上たまには近況程度で良いので連絡が欲しいものです(笑)。さて、こちらの近況ですが、雪ノ下さんがボーダーにスカウトされて仮入隊することになりました。また由比ヶ浜さんもオペレーターとしてボーダーに入隊するそうです。そちらでもうまくやって下さいね(笑)。そうそう、近況といえば、幕張でいいラーメン屋を見つけました。豚骨系のスープに醤油と塩の2種類を基本としている店でトッピングも充実していて、昼はライス無料と至れり尽くせり。私としてはこの店は塩がオススメです。また脂に関しても・・・・・・・・・

 

 

 

 

重い重い重い重い長い長い長い長い!!相変わらず平塚先生からのメールはドン引きする分量だった。

しかも内容の8割がラーメンの事なのでもはや本題がなんなのか分からない。

俺はB級部隊結成で与えられた作戦室で適当にメールに返信していると戸塚と材木座がやって来た。

最近はランク戦の他に各自トリガーの設定を行っている。

正規のトリガーになったこともあり、俺達の戦術の幅はかなりの広がりを見せていた。

 

「といってもいじってんのは材木座だけだがな・・・。」

 

「ほむんほむん。仕方なかろう、4種類の弾に加えて合成弾、さらには補助トリガーなどなど。色々考えねばならんのだからな。」

 

「何回も聞いたなそれ。」

 

「お主こそよいのか?オペレーター探しはかなり難航しているようだが・・・」

 

「熊谷繋がりはあらかたダメだったからなぁ・・・。正直厳しい。」

 

本当色々な理由で断られたな。単純に忙しいから俺の目が受け付けないまで・・・熊谷は爆笑していた。

 

「ちょっとマッ缶買って来るわ。戸塚はなんかいるか?」

 

「じゃあオレンジジュースお願い!」

 

「材木座は?コーラでいいな。」

 

「うむ・・・。頼んだぞ相棒!」

 

 

自販機で目的の飲み物を手に入れ帰ろうとした時、俺は懐かしい声に呼び止められた。

 

「あっ!ヒッキーだ!!!!」

 

「なっ由比ヶ浜?なんでここに?」

 

「えっ?先生はヒッキーには私達が入隊する事言っておいたって聞いたけど?」

 

そういえばあの長いメールにそんな事書いてあったような無いような・・・。

俺がメールの文章を思い出しているとまたしても懐かしい声がした。

 

「由比ヶ浜さん、そろそろ休憩時間が終わるけど・・・あら?久しぶりね。正隊員になったと聞いたけど相変わらず目は腐っているのね。比企谷君」

 

「それは久しぶりの人間にいう言葉じゃねーだろ。久しぶりだな雪ノ下。」

 

「久しぶり。つもる話はあるのだけれどもうすぐオリエンテーションがあるの。私と由比ヶ浜さんは行くわね。」

 

「あっホントだ、後でねヒッキー!!」

 

「おう。」

 

今度から平塚先生のメールにはちゃんと目を通そうと思った。

 

 



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いわゆるボーダーの日常編
見ての通り浜松凛子は元気である


オリキャラ登場回です。
本編11話になります


「あっそうなんだ!平塚先生から聞いてたけど2人のオリエンテーションは今日だったんだね!」

 

「みたいだな。」

 

「ねぇ八幡。2人に僕達の隊に入って貰えたりしないかな?雪ノ下さんはスカウトされるくらいだからトリオンや能力は高いだろうし、由比ヶ浜さんはオペレーターとして入隊するんだよね?今後絶対に彼女達の力は必要と思うんだ。」

 

「ふむ。一理あるな戸塚氏。オペレーター探しは急務、それに戦力は多いにこした事はないであろう八幡よ。」

 

「・・・そうだな。オリエンテーションの後飯でも行って頼んでみるか。2人も協力たのむ」

 

「もちろんだよ!」

 

「御意」

 

早速由比ヶ浜にオリエンテーションの後みんなで飯に行かないかと誘いのメールを入れる。

しばらくして由比ヶ浜から参加するって返事とオリエンテーション終了の時間が送られてきた。

それを見て食事会の時間と店(サイゼ)を決めて由比ヶ浜に送り、それまでは解散という形になった。

 

 

 

「さいちゃん!中二も久しぶりだね!」

 

「久しぶりだね由比ヶ浜さん!オペレーターとして入隊してくるなんてびっくりだよ!」

 

「あっはいお久しぶりです。」

 

キャラ変わりすぎだろ材木座・・・。

 

「まさかあなた達とこうして一緒になるとは思わなかったわ。」

 

「でも雪ノ下さん達と一緒に戦える事になって僕は嬉しいよ!ね?八幡!」

 

「・・・まぁそうかもな。」

 

「やけに素直ね。何か裏でもあるのかしら?」

 

「裏ってわけじゃないが・・・、少し頼みがある。雪ノ下、それから由比ヶ浜にも。」

 

俺は2人に俺達の隊への勧誘を始めた。戸塚や材木座もフォローに入ってくれていた。

俺達の頼みを聞いた2人の返事は、予想よりも好意的な物だった。

 

「あたしは入ってもいいよヒッキーの隊。みんなもこんなに頼んでるわけだし、ゆきのんはどうする?」

 

「そうね・・・。私も出来ることがあればと言った事だし、協力するわ。」

 

「じゃあじゃあ乾杯だね!ほらゆきのんもヒッキーもコップ持って!!」

 

「えーあたしとゆきのんのボーダー入隊(仮)と比企谷隊入隊を祝して!」

 

「「「「「乾杯!!」」」」」

 

こうして俺達比企谷隊は結成となった。

―つか2人は仮入隊だから比企谷隊(仮)って感じだな。某美少女アプリかよ・・・。

 

雪ノ下、由比ヶ浜は当面正式入隊日まで訓練、分からないことは俺達がサポートしていく形になった。オペレーターになる由比ヶ浜に関しては誰も教えられないんだが・・・。まぁなんとかするだろう

 

 

 

こうして比企谷隊(仮)が始動した翌日、俺は本部に呼び出しを喰らった。

内容はオペレーター不在によって俺達が防衛任務に参加出来ない件について。

本部としてもB級部隊をいつまでも暇させるわけにもいかないようで本部からオペレーターが派遣されることになった。

期間は次のシーズンまで。そして派遣されたのが・・・

 

「本部から派遣されてきました!!浜松 凛子(はままつ りんこ)です!!よろしくお願いします!!」

 

この無駄に元気な中3、浜松凛子だった。

ボーダー本部開発室期待の星だとかで現場を1度体験させたいという開発室の思惑と暇な部隊を働かせたい本部の意向がベストマッチした形での派遣だそうだ。

 

「はじめまして。僕は戸塚彩加。短い間だけどよろしくね!」

 

「よろしくお願いします!!・・・比企谷先輩、部隊には男しかいないって嘘じゃないですか!!早速凛子を騙したんですね!」

 

「いや浜松、戸塚は可愛いが男だ。」

 

「あはは・・・。本当に僕は男なんだよ。」

 

「凛子信じられません・・・」

 

「まぁいいけど。こっちのでかいのが」

 

「けぷこんけぷこん、お初にお目にかかる。我は剣豪将軍材木座義輝である!よろしく頼むぞ浜松氏よ。」

 

「よろしくお願いします!・・・比企谷先輩。凛子知ってます。クラスにもいました。この人っていわゆる中二び―」

 

「みなまで言うな浜松。悪いやつじゃないから仲良くしてやってくれ」

 

ちなみに俺は既に本部で自己紹介は済ませたんだが、不思議な事に浜松に懐かれた。

理由を聞くと死んだペット(鯉)に目が似てるかららしい・・・。

なんだよそれ・・・。

とにかく俺達比企谷隊は雪ノ下、由比ヶ浜が合流するまでこの4人で活動する事になった。

 



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何かと諏訪洸太郎は絡んでくる

本編12話です


「八幡聞いた?三雲君のこと」

「ああ。訓練用トリガーでネイバー倒したんだってな。」

 

俺達でも普通に苦戦するんだけどなぁ・・・。

ラジオにお悩み相談してきた彼も成長したんだなぁ。これが親の気持ちってやつだろうか?ラジオでしか関わった事ないけど。

 

「新型のネイバーにイレギュラーゲートと最近暗い情報ばっかだからなぁ、少しは明るいニュースもあった方がいいだろ。」

 

「それもそうだね!じゃあ僕雪ノ下さんのとこ行ってくるよ。」

 

「おう。頑張ってな」

 

戸塚が作戦室を出た後、しばらく俺は持ち込んだ文庫本を読んでいた。がそんなまどろんだ時間は浜松の元気すぎる入室と共に終わりを告げた。

 

「比企谷先輩!!任務です!害虫駆除しますよ!」

 

「は?」

 

――――――――――――――――――

 

「つまりこの小型ネイバーを駆除するわけか。」

 

「はい!指揮はS級隊員の迅さんがとるそうで、C級隊員まで動員する大規模作戦だそうです!!」

 

「ほむんほむん。して浜松氏よ、この小型ネイバーはどうやって見つけるのだ?」

 

「レーダーに反応が出るようになるのでだいたいの場所はそこで分かると思います!あとは反応を頼りに目視で探す感じですね!」

 

なるほど確かに害虫駆除だわ。使うのはゴキ〇ェットじゃなくてトリガーだけど。

 

「かなり数がいるみたいで出撃は昼夜問わないようですね!ローテを組んで出撃するそうです!!これがうちの隊のシフトですね!」

 

「うわぁ・・・。」

 

昼夜問わないで働けとは、ボーダーも立派なブラック企業である。しかもこのシフトなかなかシビアな感じがするし、バッくれてぇ・・・

仕方ねぇ今まで防衛任務してなかった分働きますかね・・・。

こうして害虫駆除もとい小型ネイバー駆除作戦が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そっち行ったよ!八幡」

 

「こいつ小さいから当て辛いんだよなぁ・・・」

駆除はなかなか順調に進んでいた。

戸塚が見つけ次第切るまたは、追い詰めたとこを俺が仕留める。この形がハマって俺達はそこそこの数を駆除していた。

ちなみに材木座はどうしてるかというと・・・

 

「材木座先輩!次あそこのガレキお願いします!!」

 

「御意!!必殺―――――」

 

というやり取りをしながらガレキにメテオラを打ち込み小型ネイバーを一網打尽にしたりしなかったりしていた。

アレ便利だな。解体業とか向いてると思う。

 

――――――――――――――――――

 

「交代の時間ですね!!先輩方お疲れ様です!!」

 

「終わったか・・・。とりあえず基地帰って休む一択だな。」

 

「次のシフトまでは自由にしてください!また時間になったらお知らせしますよ!!」

 

「了解」

 

作戦室で一旦解散した俺達はそれぞれ休息に入った。

俺はもちろんマッ缶でブレイクタイムだ。

 

「おっ珍しいモン飲んでんじゃねーか!」

 

なんというかデジャブってるな。というかマッ缶そんなにレアなのかよ・・・

 

「あっ・・・。うす。」

 

「おっとはじめましてだな!俺は諏訪洸太郎、確か新しく上がってきた・・・・・・ヒキタニだっけ?」

 

「・・・比企谷です。はじめまして諏訪先輩。」

 

「そうかそうかよろしくな比企谷。任務後の休憩か?」

 

「あっはい。先輩もっすか?」

 

「いや俺はこれから。っとそろそろ行かねーと。なんかあったらよろしくな比企谷!」

 

「うす。」

 

諏訪先輩か・・・。普通にタバコ吸ってたけどここ禁煙だったような?まぁいいか・・・。

 

 

 

 



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淡々と比企谷八幡の日常は過ぎてゆく

13話です



「先輩方!たった今レーダーから全ての反応が消えました!任務終了です!」

 

「いやー長かったね!みんなお疲れ様!!」

 

「こぷんこぷん。早く帰って休みたいでおじゃる。」

 

「おじゃる〇かお前は・・・」

 

最初の出撃から数えて5回、小型ネイバー駆除作戦は終わりを告げた。

いや本当この規模の作戦はしばらく勘弁して欲しい。

後から聞いた話だがこの小型ネイバーの件は三雲が1枚噛んでいたらしい、これが元でB級に昇格しただとか。仕事増やしやがって・・・

 

――――――――――――――――――

 

そんな小型ネイバー駆除作戦から数日後、俺は諏訪先輩に呼ばれて焼肉屋に来ていた。

 

「おっ比企谷!こっちだこっち」

 

「うっす。えーっとこの方達は・・・」

 

「おっそうかはじめましてか。紹介するわA級嵐山隊の時枝充と開発室の寺島雷蔵だ。」

 

「時枝です、よろしく。」

 

「よろしく〜」

 

「まぁ座れや比企谷。作戦の疲れは肉食って酒飲んでれば取れるだろ!」

 

「肉はともかく酒はアウトなんだよなぁ・・・」

 

なんだかんだで俺は先輩方から色々な話をした。特に時枝先輩とは猫を飼っているという共通点があり色々話すことが出来た。

 

「なんかあったらウチの作戦室おいでよ。仕事が無ければ色々相談のるよ。」

 

「ありがとうございます、時枝先輩。」

 

「俺のとこにも来いよ。麻雀しようぜ麻雀」

 

「こいつの作戦室雀卓あるからな。ちょっとした雀荘だよ」

 

「えぇ・・・」

 

なんでもありなのか作戦室。つか諏訪先輩の好きな物がタバコビール麻雀ってダメ大学生を絵に描いたような感じだな・・・。

まぁいい人ではあるんだけど。

こうして二次会のカラオケまできっちり付き合わされてこの日はお開きとなった。

 

―――――――――――――――

 

「おーハチじゃねーか。元気だったか?」

 

「当真先輩!帰ってきたんすね」

 

「まぁな。またすぐ仕事なんだがな。」

 

「大変っすね。」

 

「まぁ落ち着いたらまた練習見てやるよ!じゃあまたな」

 

嵐のように来て嵐のように去って行ったな。まぁあの人も色々忙しいらしい。

とりあえず俺は個人ランク戦でもしてくるか。

そういやもう少しで雪ノ下達の正式入隊日か、2人とも頑張ってるらしいな。後で差し入れでもしてやるか・・・。

 

―――――――――――――――――――

 

「ちわッス。時枝先輩に呼ばれてきました。」

 

「やあ比企谷。いらっしゃい」

 

「これつまらないものですが・・・」

 

「手土産にマッ缶を持ってきた人ははじめてだよ。」

 

雪ノ下達はまだ訓練中ということで俺は嵐山隊の作戦室へお邪魔した。仕事があるとかで嵐山さんをはじめ何人かは不在らしい

 

「なるほど、ランク戦についてか。ログはもう見たかい?」

 

「はい・・・。でもぶっちゃけ隊の方向性も決まってないんで一体何を見たらいいか・・・。」

 

「まぁ確かにね。・・・このコーヒー随分甘いね。」

 

俺が時枝先輩にマッ缶の甘さについて解説しようとしたとき作戦室のドアがあいた。

 

「お疲れ様です。あら?お客様ですか?」

 

「おかえり木虎。彼は最近B級に上がった比企谷君。そこにあるコーヒー貰っていいよ。」

 

「よろしくお願いしますね。木虎藍です。」

 

「・・・比企谷八幡です」

 

なんだろう敬語で接してくれているのにそこはかとなく漂う偉そうな感じは・・・。

こういうタイプ苦手なんだよなぁ・・・。

 

「なんですか?!このコーヒー!!甘すぎ・・・。こんな趣味悪い飲み物飲んでる人なんて・・・」

 

「はぁ?いきなり出てきて人の好物趣味悪い呼ばわりとか何様だよ・・・」

 

「あなたが持ってきたものだったんですね・・・。その腐った目同様味覚もおかしいんじゃないですか?」

 

「んなっ?!目は関係ねーだろ」

 

「まぁまぁ2人とも・・・。比企谷君場所を変えようか。木虎も少し頭冷やしな。」

 

こうして俺と時枝先輩は諏訪先輩の作戦室で麻雀を打ちながら相談に乗ってもらった。諏訪先輩は麻雀が強かった。

 

―――――――――――――――――――――

 

 

こうして俺達の日常は過ぎていき、雪ノ下と由比ヶ浜は正式入隊日を迎えた。



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そして比企谷八幡は何を思う

14話です


「あら比企谷君。あなたはもうB級ではなかったの?もしかしてまたC級からやり直すつもりかしら?」

 

「いくら初志貫徹がモットーでもそれはねぇよ。まぁ様子見って感じだ。」

 

「そう・・・。由比ヶ浜さんにも会ってきたらどう?様子見なんでしょう?」

 

「そうだな。また後で作戦室来いよ。戸塚も楽しみにしたぞ」

 

「えぇ。そうさせて貰うわ」

 

雪ノ下達ははその後嵐山さんと一緒に訓練の説明に向かっていった。

残った奴らの中から由比ヶ浜を見つけると話しかけた。

 

「おっす由比ヶ浜。オペレーターの案内はまだなのか?」

 

「あっヒッキー。もうすぐ案内されるって。そこから研修があって次のシーズンにはオペレーターとして参加出来るみたい。」

 

そうか・・・とにかくオペレーター問題は何とかなったな。

 

「まぁ頑張れ。後で作戦室来いよ。雪ノ下も呼んでるし、報告会しようって戸塚が言ってた。」

 

「うん!あっ案内始まったみたいだから行くね。」

 

「おう。」

 

由比ヶ浜と別れた後で俺も仕事へ向かった。C級隊員の訓練指導である。

射撃場には続々と隊員が集まってきて、佐鳥の指示に従って訓練が始まった。

まずはスナイパー用トリガーの試し撃ちである。

一見すると小学生位の小さな女の子がアイビスの試し打ちをするらしい。

 

そしてその女の子の放った弾が射撃場の壁をぶち抜いた。

 

まぁ当然訓練は一旦中止。当事者含む何人かを残して他の隊員は上の階で訓練を再開する事になった。俺の負担は増えた。

しっかしトリオンによって威力が変わるアイビスでアレだからあのちびっ子めちゃくちゃなトリオン量なんじゃないか?バケモンだな。

 

各自訓練終了後作戦室に集まった俺達は今日の報告会を開催した。

まず口を開いたのは戸塚だった。

 

「2人とも今日はお疲れ様。どうだった?訓練は・・・」

 

「1人すごい人がいたわ。確か空閑君といったかしら?全ての訓練で1位、特に仮想ネイバー戦闘訓練では0.4秒の記録を出してたわ。」

 

「ほむん。我も見たがアレはなんというか相当な経験がある猛者だな。動きに無駄がなかった。」

 

「雪ノ下さんも全訓練2位、戦闘訓練も10秒だったじゃないか!この分ならすぐB級に上がってこれるよ。」

 

「そうかしら・・・。頑張ってみるわね。」

 

「八幡はどうだったのだ?風の噂ではモンスターがいたとか・・・。」

 

「ああ・・・それな。」

 

俺は今日あった事を話しそれが終わるとと由比ヶ浜が口を開いた。

 

「なんかオペレーターが1番平和だね。普通に楽しんじゃった。」

 

「平和なのが1番よ、由比ヶ浜さん」

 

確かにな。良くも悪くも話の2人は目立ってしまった。色んな事を言うやつらも出てくるだろう。平和が1番ラブアンドピース。

 

「そう言えば八幡よ。我らと同期の三雲氏が今日A級の隊員と対戦しておったぞ」

 

そういって材木座はその対戦について話し始めた。結果は三雲の24敗1引き分け。ボロ負けだったそうだ。

 

「だが最後の引き分け。アレは我も心震えたぞ。」

 

「・・・なるほどね。まぁ今日はこれくらいにして各自頑張る感じで。」

 

こうして今日は解散となった。

すると携帯に小町からメールが入っていた。

 

FROM 小町

No. TITLE

――――――――――

お兄ちゃん、小町三門市に遊びに行くよ!

色んな所案内してね!

 

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きっと比企谷小町は世界一の妹である

14話です
しばらく更新空きます
申し訳ないです。
次回は番外編予定です


「おにいちゃーん!こっちこっち!」

 

我が世界一可愛い妹、小町がこっちに手を降っていた。

今日の俺は非番なので任務の事を気にすることなく遊ぶ事ができる。

 

「へー異世界人が攻めて来てる割には平和だね。」

 

「ここはまぁ警戒区域外だからな。それより腹減ってないか?なんか食べたいものがあれば・・・。」

 

「うーん・・・小町はなんでもいいかなぁ?お兄ちゃんのオススメは?」

 

「そうだな・・・ハンバーガーなんかどうだ?結構美味しいぞ。」

 

「じゃあそこにしよっか!」

 

こうして俺達はハンバーガー屋にむけて歩き出した。

小町は千葉での近況を、俺はボーダーでのことについて話した。案外千葉でもボーダーのことは知られているようで、兄がそこの隊員ということで小町ポイントが上がっているらしかった。

 

そうこうしてるうちに店に着き注文を済ませて席に座っていると・・・

 

「あれ?比企谷?そっちの女の子は・・・彼女?」

 

「熊谷!いや妹だよ。珍しいな非番か?」

 

「いや午後から防衛任務。はじめまして熊谷友子です。」

 

「妹の小町です。兄がお世話になってます。」

 

「へー兄に似ず出来た妹じゃんか」

 

「うるせぇよ」

 

妹さんと楽しんでと言って熊谷は店を後にした。

 

「姉御肌な義姉・・・小町的にはアリだよ!」

 

「何言ってんだ・・・。ほら来たぞ」

 

小町は何かブツブツ言っていたが唯一ちゃんすと言っていたのは分かった。まだ死語になってなかったんだなちゃんす・・・。

 

「お兄ちゃんは他にはどんな女の人と関わっているのか・・・小町気になります!」

 

「えるたそかよお前は・・・。しかし俺の周りにいるのは奉仕部の2人と熊谷、浜松くらいか・・・。」

 

「へー、ボーダーにいればさほらたまにテレビとかで見る木虎さん?とか知り合いかと思ったけどそうでもないんだね。」

 

「木虎なぁ、テレビではアレ猫かぶってるし、実際は味覚おかしいプライド激高のビッ・・・」

 

「誰が味覚おかしい猫かぶりなんですか?」

 

「なっ木虎何故ここに・・・。」

 

「見知った顔が可愛い女の子と一緒だったので。あなたの事だから何かよからぬ事でも企んでいるのかと・・・。」

 

「んなわけねーだろ。妹だよコイツは。」

 

「うわぁ・・・。本物の木虎さんだ!兄がお世話になってます。妹の小町です!」

 

「木虎藍です。兄と違ってしっかりした妹さんね。比企谷先輩?」

 

「うるせぇよ。さっきも似たようなこと言われたしな。」

 

「あの!写真撮って貰ってもいいですか?」

 

「私は芸能人じゃないからやめて欲しいんだけど・・・」

 

――――と言いながらキメ顔で撮ってんじゃねーか木虎・・・。

ちなみに木虎は次の任務があるからと帰って行きました。

 

「いやー本物の木虎さんに会えるとは思わなかったよ!ゴミぃちゃんがあんまり好かれてないみたいだけど。」

 

「いや小町より年下なのに俺への扱い酷すぎでしょ。だいたいなぁ・・・」

 

俺が木虎に文句をつけようとした

そんな時、空が急に暗くなり警戒区域に無数のゲートが開いた。

 

「おいおい・・・なんだこりゃ。んっ!緊急呼び出しか?」

 

「比企谷先輩!非番の所すいません!大規模なゲートの発生が確認されました!今からマークする地点に戸塚先輩、材木座先輩が向かってます。先輩も合流してネイバーの迎撃をお願いします!」

 

「小町、スマンがかなりヤバい事になった。とにかく逃げろ。なるべく基地から離れたところに!」

 

「うん・・・。気を付けてねお兄ちゃん。」

 

 

俺はトリガーを起動し、駆け出した。

ネイバーの大規模侵攻が始まったのである。

 

 

 



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大規模侵攻編
突然にネイバーの侵攻は始まった


お待たせしました。
15話です。


「八幡ー!こっちこっち!」

 

「むほんむほん、とりあえず無事に合流したな。しかしこれは・・・。」

 

「詳しいことは分からんが・・・。とにかく本部に連絡入れるわ。――比企谷隊合流、及び現着しました。」

 

本部からの指示は基地の南でネイバーの撃破。罠だかで数が減っているとはいえ異常な数だなコレ。

「とにかく市街地に出さないようにする事が第一で、戸塚中心で俺と材木座で援護。こんな感じでよろしく。」

 

「うむ。承知した。」

 

「了解!」

――――――――――――――――――

 

「先輩方!近くまでネイバー来てます!撃破お願いします。」

 

「・・・いやもう見えてるって。材木座、メテオラであの辺の射線通してくれ。戸塚はそこの見えてるモールモッドを頼む。」

 

「うん!」

 

「御意!」

 

・・・つかいつ減るんだよコレ。なかなかの量だと思うんだけど。でもデスティニーランドの客よりは少ない気がする。いやでもマリンのホームゲームのファンより多いか?・・・不人気過ぎだろマリーンズ。

千葉ジョークをかましつつネイバーを狩っていた俺達にある知らせが届く・・・。

 

―――各隊警戒されたし以上。

 

「新型?!しかも隊員を捕らえるって・・・。」

 

「おいおいしかも近いじゃねーか。勘弁してくれよ・・・。」

俺達に届いたのは新型ネイバー出現の知らせだった。しかも俺達のいる南地区に・・・。

割とこういう場面で出てくる新型の敵ってシャレにならん強さしてたりするんだよなぁ・・・。

「とにかく援護に行くか。・・・比企谷隊東隊と合流して援護に回ります。」

 

「あっ待って下さい!B級隊員は合流してネイバーの群れを撃破するみたいです!場所は指示するので先輩方はそちらへ向かって下さい!」

 

「でも新型はどうすんだ?放っとく訳にはいかんだろ?」

 

「現在鈴鳴第一の村上隊員が対応してます!基本的に新型はA級隊員が対応するようです!とにかく今は合流を優先してください!」

 

「・・・分かった。」

――――――――――――――――――――

 

「・・・・・・!おいおいまたベイルアウトかよ。」

 

「けぷこん、先程から見えているビームの攻撃であろう・・・。しかしアレヤバいなぁ・・・。」

 

合流した俺達を待ってたのは人型ネイバーの登場と1度に5人のベイルアウトのお知らせだった。

どっかの隊の人のセリフを借りるなら新型だけでもきちいってのによってヤツだ。

 

「浜松、今ある人型のデータくれ。特徴とか攻撃とかあるだけ頼む!」

「了解しました!東さん達の戦闘データ送ります!」

 

 

 

送られてきた映像を見るに、人型の攻撃は基本ビームっぽいな。連射も出来るし、射程もある。シールドも障害物もお構い無しの威力、さしずめチートシューターってとこか?ゲームなら通報されるレベルだろコイツ・・・。

さらにイーグレット防ぐシールド持ちときたもんだ。笑えないチートだなこれ。

 

「現在人型は旧三門市立大学方面へ向かっています!」

 

「見た感じ攻撃すると位置がバレて高確率でやられるっぽいし、今は隠れて様子見るしかないな。A級の合流までは手出ししないほうがいいだろ。つかあんなん手に負えねぇわ。」

 

「・・・うむ。それが賢明だろうな。」

 

材木座さんそれは武者震いですよね?ビビってるわけではないですよね?

とにかく俺達はこの大規模侵攻の1つの山場を迎えようとしていた。




26000UA、お気に入り120人突破しました。
ありがとうございます。
頂いた感想も全部読んでます。
返信等は番外編等で随時行っていきたいと思うので、これからも感想、応援、意見などお待ちしてます。


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さすがランバネインは手強い

更新が長引いて申し訳ありません
16話です。


旧三門市立大学で行われている人型ネイバー対A級の方々。いやもはや、異次元の戦闘が繰り広げられていて、俺達なんもやることないのよね。

 

「なあ材木座、さっきの曲がる弾なんか普通と違くね?あんなに爆発するもんだったか?」

 

「むほん、あれも合成弾の1つトマホークだな。メテオラとバイパーを合わせたやつで爆発はそのメテオラ成分と言ったところだな。」

 

「はぁー。色々あるもんだなぁ。」

 

「うむ。しかしさすがA級といったところだな。威力の桁が違う。おっ!人型が攻撃を外したな。」

 

「さっきの弾道から予想したんだろうがあんだけぐにゃぐにゃ曲げられてるとは思わないだろ・・・。おいおい槍も曲がるのかよ・・・。」

 

いまの槍といいトマホークといいA級ではぐにゃぐにゃ曲げる武器が流行っているんだろうか。きっとそのうちひねくれた性格もブームが来るかも・・・いや来ないな。

 

「出る幕がないとは言え二人とも気を抜きすぎだよ!」

 

「そうは言ってもだ戸塚、A級に任せとけば何とかなりそうな雰囲気出て・・・っ!!やべっ飛びやがった!退避!」

 

適当に逃げ込んだ直後俺達のいた場所はネイバーの攻撃の雨に晒されていた。

 

「あっぶねー。大丈夫か?戸塚・・・・・・と材木座」

 

「八幡よなんだその戸塚氏と我の扱いの差は。」

 

「あはは・・・。ちょっとかすっちゃった。でも問題ないよ大丈夫。」

 

「そうか・・・。」

 

あの人型戸塚にかすり傷を・・・。万死に値するなぶっ倒してやる!

 

A級の人達がな!!

 

そんな邪な願いが通じたのか分からないが俺に東さんから通信が入った。

 

「比企谷、次に人型がさっきみたいに飛ぶ事があれば攻撃が始まる前に狙撃してくれ。」

 

「・・・了解っす。」

 

東さんかぁ。合同訓練とかで見たことあるんだけどあんまり親しくないんだよなぁ・・・。まぁなんか慕われてたし悪い人じゃないんだろう。

「すまん、これから俺は別行動をとるわ。なんかあの人型がまた飛んだら撃たなきゃいけないんだと。とりあえず2人はここに残って東さんの指示に従ってくれ。」

 

「了解」 「うむ。心得た。」

とりあえず射撃出来そうな場所はどっかあるか?まぁあの辺のビルだな高いし、多分この大学全体が見渡せるはずだ。

 

「んじゃさっさと行きますかね。」

 

俺はグラスホッパーを使って大学の裏のビルの屋上へ向かった。こんなときグラスホッパー便利だよな。

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

「1人ずつなら問題なく倒せるという認識・・・改める必要があるな・・・」

 

ゴオッ

 

「おっあれか!」

 

人型ネイバーが飛んだ所にさっきの弾先輩の弾丸が浴びせられる。俺はその避けた所を狙撃した。

 

「当たったのか?」

 

かすり傷かもしれない、だけどこれでおあいこだな。いや全然足りないわ。頭でも狙ってやろうか。

 

「やべっ攻撃来るか?あっ来なかったわ。」

 

こういう警戒してる時ほど案外来ないもんだよなソースは中学の俺

いやあれだよ?小学校から上がり立てでイジメの対象にされると思ってたら案外何も無かったってだけで・・・。いやあれよく考えたら空気薄すぎてスルーされてただけだわ。

 

過去の苦い思い出を振り返っていると東さんからB級全員での人型包囲の命令が入る。



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こうして大規模侵攻は終結する

私生活が忙しくなかなか更新出来ず申し訳ありませんでした。
本編18話です。


「包囲か・・・。」

 

このタイミングで押すのか?まぁ東さんなりの考えがあるんだろうな。戸塚は心配してないけど材木座はなぁ・・・。

絶対震えてるね。ガクブルだよ。別に誰かに会いたいわけじゃないだろうけど・・・。

 

まぁ何とかするだろアイツらなら。・・・大丈夫だよね?ハチマン心配。

 

主に材木座が・・・。

――――――――――――――――――――――――――――

「けぷこんけぷこん!このタイミングで包囲とは!確かに敵の意識がA級に集中しだした今が好機!ゆくぞ!戸塚氏!!」

 

「材木座君足が震えてるけど・・・。」

 

「・・・・・・・・・むっ武者ぶりゅいだ!!」

 

材木座君緊張してるなぁ。最後の方噛んでるし。でも八幡がいない今僕がしっかりしなきゃ!だよね。

 

「とにかく人型を包囲しにいこう。僕は射撃出来ないから材木座君の援護に回るよ。」

 

「・・・うっ うむ!頼んだぞ戸塚氏!」

 

大丈夫かどうかは分からないけどとにかく今は出来ることをやらなくちゃ。 どうなるかは行けば分かるさ。・・・ってね。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

「クッソあの野郎フラフラ飛びやがって。」

 

これじゃ当たる弾も当たらないってもんだ。

 

しかしアレだな。実戦を経験して改めて感じるけどスナイパーってのはつくづく陰気なポジションだよな。

見てない所から攻撃したり遠くからちょっかい出したり。

はいそこ。俺にピッタリとか思った奴。八幡先生怒らないから手を挙げてー。

いや誰もいないからピッタリって思った奴俺だわ。

 

まぁそれはともかくとして、全然当たんないんだが俺の腕が悪いのだろうか。当真先輩なら普通にぶち抜いて色々言ってくるんだろうな。

所詮俺はB級スナイパーってことで。

 

「あっ射線切られちまった。」

 

俺の仕事は一旦待機かなぁ・・・。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

「材木座君右上!」

 

「うむ。了解した。」 ガガガガガガガ

 

「向こう行ったね。」

 

「相手の射線を切りながらとなると校舎沿いに追いかけた方がいいだろうな」

 

「そうだね!行こうか。」

 

―――攻撃手配置完了。弾で獲物を追い込んでくれ

 

「・・・・・・了解です!材木座君頼んだよ!」

 

「御意。」 ガガガガガガガガガガガガガガ

 

―――――――――――――――――――――

 

飛び回りながらでは狙いが定まらんな・・・。かといってぬるい機動では的になる。ここは建物で射線を切って・・・。 ギュンッ

 

「浮いた兵から狩っていくか。」

A級の先輩が人型に襲いかかる。

 

仕留めた?!

 

「なるほど。こうして敵を呼びこむわけだな。よく理解できたよ・・・。」

 

「・・・・・・と思うじゃん?」

 

「・・・・・・戸塚氏!!」

 

「うん!」

 

「「両防御!」」

 

「こっちは「部隊」なんで悪いな。」

 

こうして僕達人型を倒したんだ!

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

「みんなよくやった。だがまだ終わってない。B級合同部隊は南部地区の防衛に戻るぞ。」

 

「了解!」

 

俺達はこのまま南部地区の防衛に務めていた。他の地区や本部では色々あったらしいが詳しくは知らないんだよなぁ

まぁなんだかんだ対近界民大規模侵攻三門市防衛戦は集結した。

 

 

 

 

・・・・・・だけどこの戦いは俺達に肉体の怪我以上の傷を負わせていった。



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その事実は彼らに重くのしかかる

「お疲れ様です!先輩方!凄いですよ!B級合同という括りですが我が比企谷隊が二級戦功を頂きました!!・・・・・・ってすいません。こんな時に。」

 

「いや、いいんだ浜松。」

 

「そうだよ凛子ちゃん。気にしないでよ・・・。」

 

「でも・・・。」

 

「由比ヶ浜の言う通りだ、気にすんなって。そうだマッ缶奢ってやるよ浜松。お前らも飲み物いるだろ?適当に買ってくるわ。」

 

「比企谷先輩・・・。」

 

「ほら行くぞ。」

 

比企谷隊の先輩方と由比ヶ浜先輩がこんな雰囲気になったのは大規模侵攻終結後まで遡ります・・・。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

「いやー疲れたなぁ。市民の救助も終わってやっと任務終了か・・・。」

 

「すっかり暗くなっちゃったね。」

 

「ほむん!これは夜食にラーメンでも・・・「先輩方!!すいません本部に着いたら作戦室に来てもらっていいですか?」

 

「どうした浜松?急な用事なら通信ででも・・・」

「とにかくお願いします!」

 

 

 

浜松から呼び出された俺達が作戦室に戻ると下を向きうつむく由比ヶ浜と慰める浜松がいた。

「おいおいどうしたんだよ・・・?」

 

震えながら浜松は口を開いた。

 

「どうやら大規模侵攻の最中にC級隊員が何名かネイバーに攫われたようです。それで・・・・・・それ・・・で。」

 

嗚咽をもらしながら浜松はゆっくりと話し始めた。

 

「雪ノ下先輩がネイバーに攫われました・・・・・・。」

 

「嘘・・・だろ?」

 

「点呼にも現れず、連絡も繋がりません。雪ノ下先輩が避難誘導をしていた地区の救助は終わっていて見つかってないです。おそらく攫われたと考えていいと思います。」

 

浜松の言葉が終わる前に由比ヶ浜は泣き崩れていた。

 

その日は誰も言葉を発しないまま解散となった。

―――――――――――――――――――――――――――

 

その日から先輩方はなんだが元気がないです。なんとかできたらいいんですけど・・・。

 

「ほれ」

 

「あっありがとうございます!」

 

相変わらずこのコーヒーは激甘です。でも現状を考えたらこれくらいの方がいいのかもしれません。比企谷先輩がいつも言ってたヤツですね。コーヒー位は甘くていいって。今ならわかる気がします。

 

「浜松・・・。由比ヶ浜へのオペレーターの引き継ぎ頼んだぞ。」

 

「・・・はい。でも・・・。」

 

「由比ヶ浜なら多分大丈夫だと思う・・・。まぁぼちぼちやってくれや。」

 

「分かりました。比企谷先輩は妹さんは大丈夫でしたか?」

 

「まぁな今は一旦避難所にいるらしい。明日非番とって千葉まで送って来るわ。」

 

「・・・そうですか。無事で何よりですよね・・・。」

 

「まぁな。おっそろそろ記者会見の時間だな。」

 

「そうですね!作戦室で見ましょうか。」

 

「そうだな。おっとみんなの分も買ってかなきゃな・・・。」

 

―――――――――――――――――――――――――――――

「おいおいメガネ君凄いこと言ってんなぁ」

 

「むほん!だが遠征に行くには基本A級であることが条件なのだろう?我らには縁遠い話というか・・・。」

 

「ねぇヒッキー・・・。A級になってさ・・・。私達でゆきのん取り戻しに行こうよ。」

 

「由比ヶ浜・・・。材木座の話聞いてたか?気持ちは分かるが・・・。」

 

「だってゆきのんは私達の友達なんだよ?!そのA級の人がどれだけ凄いかは分からないけどさ!?その人に任せましたはい終わりなんて出来ないよ!」

 

「・・・由比ヶ浜。」

 

「・・・ごめん。ワガママ言ったよね。実際に戦うのはヒッキー達なわけだし。やっぱり・・・忘れて。」

 

俺は由比ヶ浜に答える事が出来なかった。大規模侵攻で目の当たりにしたA級、それどころかB級にすら及ばないのではないかとすら感じる自分達と他の部隊との実力の差が答えさせなかったのかもしれない。

 

しばらく重苦しい空気が流れた。しかしこんな空気ですらぶち壊したのはあの男だった。

「八幡よ。我は由比ヶ浜氏の意見に乗ろうと思う。」

 

「・・・材木座」

 

「確かに我と雪ノ下氏はあまり良好な関係とは言えなかっただろう。だが・・・。それでも何かの縁があって関わってきたのだ。それに同じ部隊の隊員の願い。無碍には出来ぬさ。」

 

「僕も同じ気持ちだよ八幡。」

 

「確かにA級になるのは難しいし現状ほぼ不可能かもしれないけど・・・やって見なきゃ分からないじゃないか!それに何もせずに待つだけだったら絶対に後悔するから・・・。」

 

「さいちゃん!中二!」

 

「・・・由比ヶ浜。オペレーターしっかり引き継げよ。ランク戦勝たなきゃA級には上がれないからな。」

 

「・・・・・・ヒッキー! うん!」

 

「私も頑張って由比ヶ浜先輩にオペレーターのAからZまで引き継ぎますよ!」

 

久しぶりに隊が明るくなった気がした。



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どこまでも浜松凛子は元気である

本編20話です。
キリがいいので番外編の更新もしたいですね


「そっか。そんな事になってたんだね。」

 

「まぁ雪ノ下の事があったからな。小町が無事で何よりだよ。」

 

小町を家に送るために俺は千葉に帰って来ていた。

しかしアレだよな。しばらく帰ってないだけなのにどこか変わってしまったというか不思議な違和感を覚える帰郷あるあるを凄く感じる。

変わらない街はハンバーグな師匠の故郷くらいなのかもしれない。

 

「いやー小町よりお兄ちゃんのが危ない事してる訳だし、お兄ちゃんのが無事で何よりだよ。今の小町的にポイント高い!」

 

「最後のでポイントだだ下がりだよ・・・。」

 

「お昼どうするの?夕方には帰るんでしょ?」

「ああ平塚先生に呼び出されてるからいらないわ。時間もギリギリだから小町送ったらすぐ出るわ」

 

「んーもう少しゆっくり出来ると思ってたんだけどなぁ。」

 

俺としても自宅で色々とゆっくりしたかったんだが平塚先生の無駄に大量のメールが前日に届いたためスルー出来なかった。どんだけ暇なんだよ誰か早くもらってあげて!!

 

そうこうしてる間に我が家に着いた。

 

「ありがとお兄ちゃん。気を付けてね」

 

「おう。」

 

「雪乃さんの事頼んだよ。」

 

「・・・まぁやるだけやってみるわ。」

 

こうして小町と別れた俺は平塚先生との待ち合わせ場所に向かった。

いや総武高校なんだけどね。もっと場所なかったのかよ・・・。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

しばらくえっちらおっちら歩いていると校門が見えてきた。近くに見慣れた車が止まっている。えっ何早すぎない?まだ待ち合わせ時間まで結構あるよ?あの人俺の事好きすぎるだろ危うくときめく所だった。

 

近くに行くと先生が出てきた。

 

「早いな比企谷。」

 

「いや先生も大概でしょ。何分間からいたんすか?」

 

「・・・・・・・・・結構前かな。とにかく乗りたまえ。近くにいいラーメン屋があるんだ。積もる話はあるだろうがまずは腹ごしらえといこう。」

 

「おいちょっとまてなんだよその間は・・・。」

 

ホントどんくらい前からいたんだ?軽く恐怖だぞ。

 

 

今回のラーメンはいわゆる白湯ラーメンというやつだ。

あまり手を出さないジャンルだったがこれはアリだな。

豚骨とはまた違った濃厚な旨み。だがくどくないから箸が止まらない。ごちそうさまでした。

 

少し話をしようという事で近くの喫茶店にやって来た俺達。注文を済ませると平塚先生はタバコに火をつけながら話し始めた。

 

「雪ノ下の件は聞いたよ。こちらでもなかなか問題になっていてな。雪ノ下の場合自ら志願したとはいえ・・・な。」

 

「まぁ怪我ならまだしも連れ去られた訳ですからね。」

 

「そういう事だ。比企谷達の安全を考えて引き上げさせようという話もある。」

 

確かに次は自分の娘、息子がと考えたらそんな意見が出るのも納得だ。

 

「今の所君たちを引き上げさせようということは無いが、由比ヶ浜、雪ノ下以降の人材派遣は見送るという形になった。まぁ落とし所としてはこれがベストだろう。スカウトを受けてとか、学校を通さずとかなら話は別だろうが・・・。」

 

「そんなもんすよね。俺達の引き上げをナシにしたのも先生が?」

 

「いや、今回の件を上手く利用しようとする人間も上にはいるということさ。連れ去られた仲間を救うというのはなかなかに美談だからな。上手くやればイメージアップなんかも難しくないだろう。」

 

なるほどね。雪ノ下の実家云々を考えたらこの騒動を利用しようってのも頷ける話ではある。

 

「だがな比企谷・・・。私は・・・」「お待たせ致しましたー!!」

 

注文した品が届いたため先生が何を言おうとしているのか分からなかった。

この後由比ヶ浜達の事を話したり、ラーメンの話で盛り上がったりした。あっという間に時間が過ぎ、俺は駅まで送ってもらい三門市へと帰った。

―――――――――――――――――――――――――――――――

 

戻ってからは由比ヶ浜をオペレーターに据えての防衛任務にあたっていた。初めはグダグダしたりミスも多かったが、なんとか形になってきた。空気を読みすぎる由比ヶ浜の気質が意外とマッチしたのか必要な情報をいいタイミングで出してくれる事がかなり多い。

 

そしてランク戦前日。俺達は浜松凛子の追いコンをカラオケで行っていた。

ささやかな贈り物を渡すと浜松は号泣していた。

 

「私はいつまででも比企谷隊ですからね!!トリガーとかめっちゃ改造しますから!いつでも遊びに来てくださいね!!」

 

感動ムードで流しそうになったけど改造ってなに?ちょっと興味湧くじゃねーか!改造は男の永遠のロマンである。

 

こうしてなんだかんだあったが比企谷隊がA級を目指すためのランク戦が始まった。



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ランク戦編
それはランク戦前のささやかな出来事


久々に更新します


これはランク戦前日、浜松の追いコン前の出来事である。

 

「ということで第1回比企谷隊ランキング戦!チキチキデビュー戦を勝利で飾る作戦会議ー!!」

 

「いっ・・・いぇーい!」

 

由比ヶ浜のどこかで聞いたタイトルコールと頑張ってノリについて行こうとした戸塚の声が比企谷隊作戦室に響き渡った。

なんだあれか?結果発表でもするのか?まだ1回も戦ってないんだが・・・。

 

「ほらほらヒッキーも中二もノリ悪いよ!」

 

「んなアホ丸出しのノリについていけるか・・・。」

 

「まぁまぁ2人とも、戦う前から仲間割れしてたら勝てる物も勝てないよ!」

 

「うむ!戸塚氏の言うとうり。時間もあまりあるわけではないのだしな。」

 

「・・・それもそうだな。とりあえず相手の部隊のデータの整理からいくか。」

今回俺達が当たるのは早川隊と茶野隊・・・。って言っても俺はよくわからん。そんな事を知ってか知らずか材木座が話始めた。

 

「むほんむほん!ではこの幕張の知将剣豪将軍材木座義輝が相手部隊のデータについて・・・・・・」

 

材木座の長くて回りくどい話を要約すると、早川隊はオールラウンダー1人、ガンナー2人の3人チーム。茶野隊はガンナー2人のチーム。どちらも中距離戦を得意とするチームだそうだ。

 

「なら今回の作戦は、何とか相手をこっちの間合いに引き込むか、相手の間合いの外から攻撃するか・・・。何とか中距離での撃ち合いをやらせないかってのがメインになりそうだな。」

 

「うむ!流石八幡。我が言わずとも伝わっているな。あとは相手が合流されるのも防ぎたい。」

 

「となるとMAP選択が重要ってわけか。」

 

「あっそっか!今回はウチがMAP選択権持ってるんだっけ」

 

「ああ。となるとなるべく遮蔽物の多いMAPのがいいか?いやでもあんまあっても俺が狙撃出来ないし・・・。」

 

「今回スナイパーは八幡だけだもんね。何とか生かせないかなぁ。」

 

「うーむ。しかしそれは相手も分かっていること。MAPによってはポイントを先に抑えられて八幡をいち早く落としに行く作戦で来る可能性もあるだろうな。」

 

「確かにスナイパーを潰せば向こうはかなりやりやすくなるな。近づけさえすれば俺を落とすのは難しくないだろうし。」

 

「どうしてもスナイパーは機動戦になると不利だしね。特に今回の感じだと・・・」

 

「ねぇねぇヒッキーこのMAP選択ってどこまで決められるの?」

 

「どこまでって言われてもなぁ・・・」

 

「けぷこんけぷこん!それは我が説明しよう。どこまでと言われると全部といった感じだな。基本のMAPの他に昼か夜か、さらに天気まで決められるのだ!」

 

「へーじゃあ雪とか台風とかも出来るんだ!」

 

「無論だ。」

 

へー天気とかも決められるんだな。ん?ならこのマップもしかしたら・・・。

 

「なあ材木座相手が使ってきそうなトリガーって分かるか?できるだけ正確な情報が欲しい。」

 

「ほむん。ログを見返せば主なヤツは特定出来るだろうが・・・。何か閃いたのか八幡よ。」

 

「まぁ1つだけどうにかな。」

―――――――――――――――――――――――――――――

こうして俺達は会議を重ね、ついにランク戦当日を迎えた。

 

「うっし・・・んじゃ最終確認終わり。あとは何とか頼むわ2人共」

 

「うん!」

 

「御意。我が刀の錆を増やしてくれるわ!」

 

「お前刀のトリガー使わんだろうが。」

 

「みんな転送始まるよ!頑張ってね!」

 

「「「・・・・・・・・・トリガーオン!!!!」」」

 

 

 

 

 

 



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とことん材木座義輝のメテオラは妨害に向いている

「B級ランク戦ROUND1、昼の部で実況を務めます嵐山隊綾辻です!解説席には風間隊の風間隊長と三輪隊の古寺隊員にお越し頂きました!」

 

「どうぞよろしく」

 

「よろしくお願いします」

 

「今回MAPを選択したのは比企谷隊、河川敷Aを選択しました!」

 

「射線が通りやすいMAPなのでガンナー、スナイパーは有利な地形ですね。ただ・・・」

 

「今回はガンナーが4人オールラウンダー、スナイパーを入れて6人がその恩恵をうける。比企谷隊が特別有利になる訳ではないな。」

 

「何か別の狙いがあるということでしょうか!さぁここで全チーム仮想ステージへ転送完了!戦闘開始です!」

 

「・・・・・・・・・!!!!これは!」

 

「これは!今回天候が暴風雨に設定されています!」

 

―――――――――――――――――――――――――――――

始まったなぁ。とりあえず戸塚と材木座の位置は・・・、川を挟んでMAPの左側に材木座、右側は俺と戸塚か・・・。他はバックワームで分からんな。まぁ今はとっとと作戦を始めよう。

 

「材木座、早速例のやつを頼む。由比ヶ浜は射撃地点をマークしてくれ!戸塚はその地点の近くに移動して俺と合流でいこう!」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

「比企谷隊の材木座隊員、どうやら橋を渡って合流を目指すようですね。」

 

「橋付近への転送だったし、賢明だろうな。」

 

「・・・・・・?材木座隊員、橋の1/3付近で止まりました。・・・・・・・・・!!おぉっとこれは!材木座隊員、メテオラで橋を爆破!MAPが2つに分断されました!」

 

――――――――――――――――――――――――――

 

<ランク戦前日>

 

「今回、天候を暴風雨に設定して戦闘開始直後に、この橋を爆破する。」

 

「ふーん・・・・・・。ってアレ?これがどうして中距離対策になるの?ヒッキー」

 

「まぁ正確にはこれは俺達3人の合流と他の隊の増援を防ぐことを同時に成立させる為の作戦だ。それでこの後が中距離対策なんだが・・・」

―――――――――――――――――――――――――――

 

「橋が破壊されたことにより、川を挟んでMAP左側に早川隊の早川隊長、丸井隊員、茶野隊の茶野隊長。右側に早川隊の船橋隊員、茶野隊の藤沢隊員と比企谷隊に分断された形になりました!」

 

「この川では川を直接進めませんから、上手く比企谷隊は数的優位の状況を作りましたね。」

 

「数だけで勝負は決まらないが、かなり右側の2人は厳しくなったな。」

 

 

 

 

 

とりあえず作戦の第1段階名付けて1つの班を2つに分離して食べる給食班作戦は無事成功だな。これは俺が小学校4年生の時・・・いや、今は辞めとこう。材木座曰く、グラスホッパーを使ってるのは俺と戸塚だけらしいので橋を伝っての合流の可能は低い。このMAPは完全に分断した。あとは・・・

 

「材木座あの仕掛けが終わったら、適当に爆撃を開始、戸塚は材木座の方に移動して準備を頼む。由比ヶ浜は仕掛けのポイントをマークしてくれ。こっちにいる相手は俺を警戒して射線が通りにくい所を移動しているはずだ。気を付けて頼むわ。」

 

「了解」

 

「けぷこん!承知した。」

 

 

 

「右側では材木座隊員に戸塚隊員が合流しようと動きだしました。左側も茶野隊長が奮戦していますが・・・。」

 

「状況は厳しいですね。藤沢隊員との合流がない今、撃ち合いになれば不利なのは明らかです。」

 

「茶野隊長、一矢報いれるか?」

 

 

 

 

「むほんむほん!こちら材木座、八幡よ例の仕掛けが完了したぞ!」

 

「了解。俺も狙撃ポイントに着いた。爆撃を開始してくれ」

 

「御意。」

 

その言葉と同時にマンションの屋上からメテオラが発射される。さーて誰かいてくれよ・・・。

 

「・・・・・・!出てきた。あれは早川隊の人か。」 ドッ

 

 

「おーっと船橋隊員間一髪、比企谷隊長の狙撃は足をかすりましたがダメージは軽微。射線が通らない路地へ逃げ込みました。」

 

 

 

「あーあ・・・。戸塚、2番の路地だ。」

 

「うん!了解!」

 

まったく、自分で設定しといてなんだが、この暴風雨で射撃精度ガタ落ちなんだよなぁ。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

「足のダメージは大丈夫。その路地を抜けて建て直しよ。」

 

「了か・・・!!これはエスクー」 スパッ ピシッピシッ

 

[戦闘体活動限界。ベイルアウト]

 

「おーっとここで戸塚隊員が船橋隊員を撃破!」

 

「予め射線が切れる路地にエスクードを張っておいて誘い出す・・・。そしてグラスホッパーの勢いで一気に距離を詰めて撃破。上手く決まりました。」

 

「目の前のエスクードで路地の上への注意を上手く外したな。」

 

何とか俺達比企谷隊は初の得点を獲得した。



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比企谷八幡は弾丸に襲われる

お久しぶりです
また少しずつ更新していきます。


「現在ROUND1昼の部、茶野隊、早川隊、比企谷隊で行われているランク戦第1戦です。現在ベイルアウトは早川隊の船橋隊員となっています。今回から参戦の比企谷隊が先制点を取りました。」

 

「マップ選択や橋の爆破など積極的に動いた結果が出たな」

 

「そうですね。古寺隊員はどうでしょう?」

 

「そうですね。スナイパーとして比企谷隊長には難しい条件ではありますがあの場面でしっかりと当てて欲しかったですね。ですがエスクードを設置した路地という第2の攻撃に繋げたのでそこは評価したいです。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

なんとか上手く決まったな。これが俺達の中距離対策、遠距離からの攻撃と不意打ち近距離攻撃の合わせ技だ。一本道の細い路地に誘ってエスクードで前方を塞ぎ引き返そうとした所を上から奇襲する。案外前後でなんかあると上下への注意って疎かになるよな。

あれは俺が小学生の頃・・・、いやもうこれはいいか。

 

「ヒッキー、藤沢隊員はバックワーム使ってる。なんとか見つけて」

 

「なんとかってお前・・・。まぁいいやこの辺は警戒されてるだろうし・・・。とりあえず戸塚と材木座はその場から離脱、射撃地点で落ち合おう」

 

まぁこの状況ならあとは追い詰めるだけだ。上手く行けばもう1人落とせる・・・・・・。 なんかさっきから見られてるような・・・?

 

ドンドンドンドン

 

「のあっ・・・?!あっぶねぇ!!」

 

振り返った俺に浴びせられた弾丸は、腕をかすめた。

すぐさま物陰に隠れたのでそれ以上は当たらなかったのが幸いだったな。

 

「戸塚、材木座、狙撃地点の近くで敵を発見!今めっちゃ撃たれて・・・ひょうえぇ〜・・・!!」

 

やっべぇ。油断してたから変な声出しちまった。すぐに2人から応援に向かうと連絡があったので、相手の位置を知るために物陰から顔を出したいんだが・・・。

いや嫌な予感がしたのでやめとこう。なんか見られてる気がすごいする。例えるなら隠れてえっちな写真集見てる時に誰もいないのに後ろが気になるあんな感じがする。なんでやましい事があると後ろを気にするんだろうなぁ。

 

「位置がバレてるから脱出したいんだが・・・。でも下手に動いたら負けだよなぁ・・・。」

 

グラスホッパーがあるとはいえ飛び出した瞬間を撃たれたら1発は当たるかもしれないし・・・。材木座に爆撃してもらってその隙に出るか。

 

「材木座、狙撃地点から北にあるちょっと高いアパート周辺爆撃してもらっていいか?その間に脱出するわ。」

 

材木座が御意と言った直後、弾が飛んできた方角への爆撃が始まった。さて脱出脱出っと。

どうやら上手く注意を引けたようで脱出成功。

狙撃地点近くで2人と合流した。



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斬撃と銃弾の果てに

「さてと、どうしたもんかなぁ・・・。」

 

合流後、俺達は少し話し合って材木座が爆撃でおびき出し、戸塚が適当に戦ってポイントまで誘い出し、俺が決める作戦で行く事になった。なんで責任が重いことを俺に押し付けるかなぁ。責任世代ではないのに救心が欲しいすらある。

 

しばらくすると材木座から通信が入り、

 

「こちら剣豪将軍、作戦地点に到着した。おびき出しといったが・・・。別に倒してしまっても構わんのだろう?」

 

「お前さぁ・・・。」

 

なんでそういうこと言うかなぁ・・・。すぐに戸塚からも作戦地点到着の連絡が入り準備が整った。

 

「・・・うし。始めるか!」

 

「御意!」

 

その掛け声と共に材木座のエスクードが火を噴いた。

 

「どうだ戸塚?そっちから見えるか?」

 

「いや全然見えないよ?」

 

あれれーおっかしいぞーとメガネの小学生に言われそうな事態だ。

材木座が上手いこと当てたか?

だが真実は名探偵の推理を待たずして分かった。

 

「ぎょえー!!八幡!八幡!はちえもーん!!こっち!こっち来たこっち来てるぅ・・・。」

 

「・・・マジか!? ったくあんなこと言うから・・・。戸塚!作戦変更、材木座の方に向かってくれ!由比ヶ浜は材木座に逃げ道の指示をしてくれ!できるだけ射線が通らないとこで頼む!」

 

「了解!」

 

「おっけー!!」

 

「材木座?大丈夫か?今戸塚と俺が向かってるから何とか生き残れよ?」

 

「ぎえぴー!!」

 

今にもひんしになりそうなピッ・・・。もとい材木座にはなんとか生き残ってもらうとして・・・。

とにかく俺は何とか材木座の避難の援護か敵の撃破を狙うしかないか・・・。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「左側では、早川隊長が茶野隊長を撃破しました。」

 

「数的不利ではあったが善戦したな。茶野隊は合流して戦う戦術がメインだから、こういう分断されて合流が難しいとき1人でどう戦況を打開するかが今後の課題だな。」

 

「茶野隊の今後に期待ですね。右側では材木座隊員が藤沢隊員に追いかけられる展開が続いてますが・・・。」

 

「変に逃げ続けているのが気になりますね。反撃できる機会はいくらでもありそうですが・・・。」

 

「比企谷隊長の戦い方を見ると、何か作戦があるかもというのが考えられないでしょうか?もうすぐ戸塚隊員も到着しますし・・・。」

 

「どうでしょう・・・。可能性はないとは言えないですね。」

 

「わからんな。(いやただ逃げてるだけなんじゃないか?)」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「材木座!次の右の路地に入ったら俺の指示でエスクードを後ろに出せ!いいな?」

 

「ふぇぇ・・・。ぎょっ・・・、御意」

 

息も絶え絶えな材木座がフラフラと路地裏に逃げる。

それを追いかけ、藤沢隊員も路地裏に入った。

 

「・・・・・・・・・・・・!今だ材木座!」

 

俺の合図と共にエスクードが展開される。

 

「くそっ・・・。どっかから回り込むか・・・。」

 

「旋空孤月!!」

 

「ぐっ!!」

 

振り返った藤沢隊員を戸塚の旋空孤月が襲う。

上手く体を使い被害は腕が1本飛んだだけに留めたが、トリオンがかなり流出しているはずだ。

 

「・・・・・・クソっ!!」

 

バンバン

 

残った片方の腕で反撃を試みるも、放った弾丸は戸塚がシールドで防ぎきる。

しかし戸塚も両手でシールドを展開しているため反撃が出来ずジリジリと後退していく。

 

バシュ ピキピキピキ

 

[戦闘体活動限界。ベイルアウト]

 

今度は外さなかったな。まぁ前回も当てにはいったんだけど・・・。

俺の射撃で藤沢隊員を撃破。

 

 

 

1回戦残り15分

 

 

 

 

 

 

 



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そこで、彼らは戸塚彩加の策に乗る

感想評価お待ちしてます。


「さて由比ヶ浜に確認してもらった通り、残ってるのは俺達と早川隊が2人だそうだ。残り15分、分断された左側に行くかどうか・・・。」

 

敵を1人倒した後、俺は戸塚、材木座を集めて作戦会議をしていた。

 

「ふむ・・・。向こうに攻めるのはいっこうに構わんが、我は共には行けぬな。グラスホッパーもないし、先の戦闘でボロボロだ。足手まといにしかならんだろう。」

 

上手く逃げ回って決定打は防いだが材木座もそこそこに被弾していたらしい。こっちに残って生存点をとった方がいいだろう。

 

「行くなら僕と八幡の2人になるんだね。でも向こうもこっちが攻めてくるのは想定してるんじゃ・・・。」

 

「それなぁ・・・。」

 

実際、攻めるよりも守る方が色々と余裕が出来るのは事実。色々と対策なり待ち伏せなり仕掛けてくるだろう。ってか俺ならそうする。

 

「適当に引っ掻き回してタイムアップ狙うか?素直に凸って待ち伏せ食らってやられたら元も子もないし・・・。」

 

「ほむん。それがよかろう。しかし橋の残骸を渡るのは警戒されてそうだな」

 

「まぁ渡る可能性が高い場所だからな。」

 

「・・・・・・ねぇ2人とも。僕に少し考えがあるんだけど、僕が囮になって向こうの2人を上手くおびき出す。それで後から八幡が橋の切れ目から仕留めるってのはどうかな。」

 

「ほむん。今我らに出来そうな戦法と言えばそれくらいだろう。」

 

「大丈夫なのか?2対1だし向こうは同じ隊、連携だって・・・。」

 

「なんとかなるよ。一応予備に持ってきたメテオラもあるし、上手くやるさ。」

 

「そうか・・・。」

 

「時間もないし、早速やろう!」

 

「・・・ああ!材木座は橋に近い屋上から戦況を見てくれ、と言ってもこの天気だ。あんま見えないだろうけど。」

 

「承知。」

 

戸塚を先頭に橋に向かう。願わくば何事もなく終わって欲しいもんなんだがなぁ・・・。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「じゃあ始めるよ。」

 

「了解、気をつけてな。」

 

「ほむんほむん!武運を祈っているぞ!」

 

戸塚が橋の残骸を伝って対岸に渡る。敵を見つけたら戸塚から通信が入ることになっている為、それまでは待機だ。

橋を渡りきり戸塚が路地に入って行く。

 

 

 

 

 

 

 

「八幡!ごめん見つかった!完全に挟まれちゃった・・・。今逃げながら誘い出してるから位置に着いて!」

 

「了解、由比ヶ浜?今戸塚どこ逃げてるか分かるか?」

 

俺は急いで狙撃位置、橋脚の残骸へ。距離はギリギリ、何とかやってみるか・・・。

 

「えーっと・・・・・・。もうすぐ左の路地から出てくる。多分彩ちゃんの真後ろに1人敵がついてきてる!もう1人はバックワーム使っているからわかんない!」

 

「戸塚!後ろの奴は任せろ。」

 

戸塚にそう伝え、狙いを路地の出口に定める。

集中しろ。この場面外したらおそらく次はない。

呼吸をゆっくりと、銃口のブレを少なく・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戸塚が出てくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて敵が1人出て来てアサルトライフルを構えて止まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は引き金を引いた。

 

 

 



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どうにか彼らは初戦を終える

感想評価お待ちしてます。


「ROUND1昼の部が終了しました。各隊の結果は比企谷隊が6ポイント、早川隊が1ポイント、茶野隊が0ポイントとなりました。総括の方をお願いします!」

 

「そうだな・・・。今回の勝敗を分けたのはやはり数的有利に立てたかどうかだろうな。どの隊も絶対的エースがいないし、合流して集団戦というのが主戦法になってくる。そういう意味で序盤で完全に分断させられてしまった茶野隊はかなり不利な状況だったと思う。逆に比企谷隊は終始得意な戦法で戦えたからこその得点だろう。」

 

「なるほど。」

 

「だが今後この3つの隊以外にも言えることだが、合流出来なかった時、数的不利な状況でどう立ち回るかが課題だろうな。特に比企谷隊は今回のようにMAP選択権があって転送位置も良くてなんて偶然はほぼ無いだろう。次戦はその辺りが見どころだな。」

 

「ありがとうございます。古寺隊員はいかがでしょうか。」

 

「比企谷隊はMAP選択権のアドバンテージを見事に活かしたと思います。天候を上手く使っての分断はグラスホッパーなどが無い部隊には今後1つの対策になるのではないでしょうか。」

 

「なるほど、ありがとうございます。以上でランク戦ROUND1昼の部を終了します。次戦の組み合わせは夜の部終了後に発表となります。

本日は実況が私嵐山隊綾辻が、解説は風間隊の風間隊長と三輪隊の古寺隊員でお送り致しました。」

 

「「ありがとうございました。」」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「みんなお疲れ様ー!はいこれ!」

 

由比ヶ浜が飲み物を配りながら、声をかける。それを受け取りながら俺達は席に着いた。

 

「ごめんね最後、ギリギリまで粘られちゃって。」

 

「けぷこん!気にすることはない。相手は隊長だったようだし、いくら戸塚氏といえど簡単にはいかんだろうよ。」

 

「いやお前見てただけじゃねーか。どの立場から言ってんだよ・・・。」

 

「あはは・・・。八幡もありがとうね。」

 

「おっ・・・おう!」

 

戸塚からの感謝に思わず声が上ずってしまう。

 

「ねぇ!みんなこの後暇?ご飯行こうよ!」

 

「いや、パスで。」

 

「なんで?ヒッキー意味分かんない!」

 

「なんでって別になんか特別って訳じゃないだろ。あとめんどくさい。」

 

「まあまあ、僕はいいと思うよ!材木座君は?」

 

「うむ。今回の戦は大勝、祝っておくべきだろう。それに反省会もしたいしな。」

 

「ねっ?八幡も行こう?」

 

「ぐっ・・・・・・。戸塚が言うなら・・・行く。」

 

いや違うからこれは戸塚の誘いを無下にしたくなかっただけだから。決して俺が行かないと収まりつかないだろうな。とか感じてないから。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

という訳で俺達は全国の学生達の味方サイゼにやってきた。

 

「お前ら注文どうする?俺は決まってるけど。」

 

「我も。」

 

「早すぎでしょ・・・。あたしはどうしよっかなぁ・・・。」

 

由比ヶ浜と戸塚がメニューを眺めている。俺くらいのサイゼ通になると注文はメニューを見なくても済む。材木座もその域にいるのか同じくメニューは見ない。千葉のぼっちサイゼ通説あるなぁ・・・。

 

 

 



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彼らは次戦について杞憂する

感想評価お待ちしております。


「ミラノ風ドリア4つとパンチェッタのピザ2つ」

 

「あっあと辛味チキンとパルマ風スパゲッティ」

 

「あとドリンクバー4つ、以上でお願いします。」

 

注文を終え、各々ドリンクバーへ向かう。サイゼのドリンクバーはモクテルといって公式がいろんなジュースを混ぜることを推奨している訳だが、ここで狼狽えるのは素人、俺のセレクトはオレンジジュースにトニックウォーター。

ジュースのくどい甘さをトニックウォーターがさっぱりさせてくれる為どんな料理にも合う。両方とも柑橘系飲料の為シナジーが生まれるしな。

シンプルイズベスト。

 

ちなみに俺と材木座以外はモクテルを作ってなかった。奴のセレクトはコーラにオレンジジュース。昔ファ○タのフレーバーにあったよなそれ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「そういえば次の相手はどこなの?」

 

食事もそこそこに進みプリンを食べながら由比ヶ浜が訪ねる。

 

「まだ夜のランク戦があるからそれが終わったら決まるんだろうが、少なくとも今回みたいな大量得点!大勝利☆みたいにはいかないだろうな。」

 

「うむ。今回のようにMAP選択権があるとは限らんし、相手も今回より実績のある所と当たるだろう。」

 

材木座がフォッカチオにガムシロをかけながら言う。それうまいけど由比ヶ浜引いてるから。1人の時にやった方がいいと思う。

 

「こっちの手の内もある程度分析されるだろうしな。まだウチのデータが少ないだろうから完封されるような対策はうってこないだろうが・・・。」

 

「そうだね・・・。」

 

「でっでもさ!皆が協力すればなんとかなるんじゃない?ヒッキーも彩ちゃんも相手倒してるし!中2も・・・、ほら爆発のヤツ凄いし!」

 

俺達3人の空気を察して由比ヶ浜がフォローする。確かに相手の決まっていない現段階でする心配ではないのかもしれない。まぁ相手決まったらすぐに杞憂民となるだろうが・・・。

 

「実際今の俺達の実力じゃ協力しなきゃ厳しいしな。なんとかなるようにするしかねーだろうな。」

 

「そうだね!由比ヶ浜さんと八幡の言う通りだよ。」

 

「ほむんほむん!まだ相手も決まらぬ内から要らぬ心配だったな!!あっティラミス頼も・・・。」

 

この後反省会をしてランク戦夜の部まで解散となった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「いやアレはチートではないか?レギュレーション違反だろ・・・。」

 

あまりの衝撃に口調がおかしくなっているぞ材木座。まぁ無理ねぇけど・・・。

片方は3人を瞬殺して、もう片方はとんでもない威力のアイビスの子、俺は1回見たことがあるから多少マシだが初見のこれは衝撃だよなぁ・・・。

 

「あっ・・・。次の相手決まったみたい。ウチは柿崎隊と那須隊だね。」

 

「さっきの玉狛第二?じゃないんだね!よかったー!」

 

「いやそうとは言えんだろ一概には・・・。まぁとにかく明日の任務終わってから分析と作戦考えるか。MAP選択権はウチにないみたいだから色々考えねーとな。」

 

「レギュレーション違反・・・。レギュレーション違反でござる・・・。」

 

 

 



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昔からメガネキャラはデータマンと決まっている

お久しぶりです
またゆっくり更新してきます


古今東西メガネキャラといえばデータマンと相場が決まっているものである。

 

データに沿って相手の弱点を攻める戦い方を得意とし、最後にデータで負ける。様々な作品に登場したおなじみの設定の1つである。

一応、我が比企谷隊にもメガネキャラ(データマン)がいるにはいるが・・・

 

「むほんむほん。さて次のランク戦に向けての作戦会議だが・・・。聞いて驚け!この比企谷隊の軍師!剣豪将軍材木座義輝が対戦相手のデータはまとめておいたぞ!」

 

丁寧に写真付きでデータが書かれたホワイトボードを叩きながら叫ぶ材木座。

つか将軍なのか軍師なのかはっきりしてくれ。その2つが両立してるのは信○の野望の中だけだ。

 

「なんか刑事ドラマのホワイトボードみてぇだな。」

 

「でも雰囲気出ていいじゃん!真実はいつも1つ!」

 

「それは探偵だろうが・・・。」

 

いや面白いけどね?コ○ン。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「編成は那須隊はうちとほぼ同じ、柿崎隊がオールラウンダー2人にガンナー1人だね。」

 

「MAP選択権は柿崎隊か。まぁ普通に考えるなら、射線が通らない場所にしてうちと那須隊のスナイパーの動きを制限するだろうな。」

 

「うむ。柿崎隊はオールラウンダーがアタッカーにシフトして白兵戦も出来る。射線が通らない事はマイナスにはならないからな!」

 

「ただ・・・。仮にそんな障害物の多いMAPだったとして厄介なのが・・・。」

 

「うむん。那須女史だな。」

 

「材木座君のデータによると、基本は障害物を盾にして戦うんだよね。」

 

「ほむんほむん。スナイパー2人とエースどちらかを封じればどちらかが有利になる。なかなかに難しい。」

 

会議室の中には重苦しい雰囲気が流れる。由比ヶ浜に至っては相槌以外の反応をしていない。

 

「はぁ・・・。ちょっと休憩するか。」

 

「うむ。我はもう少しデータを見直してみよう。」

 

こうして会議は一旦解散、俺はマッ缶を買いにいつもの自販機へ。

ふう・・・。やはり頭脳労働の後はマッ缶に限るな。脳細胞に素早く染み渡る甘さ。唯一無二の黄色いイナズマ。

 

「アンタまたそれ飲んでるの?そのうち体壊すよ。」

 

「熊谷か。探りでも入れにきたのか?」

 

「そんなことしても比企谷は喋らないでしょ?ただの休憩だよ。比企谷は?」

 

「俺も同じくだ。会議が煮詰まっててな。今回はどっかの隊からポイント取らなきゃならんからな。」

 

「ひどい言われよう。まぁウチも新人に簡単にはやらせるつもりはないけどね。」

 

「おっ・・・お手柔らかに。っとそうだ、なぁ熊谷。柿崎隊ってどんな感じなんだ?」

 

俺はこの場にいない柿崎隊の情報を聞き出してみる事にした。敵の敵は味方。実際に戦ったことのある奴の話は参考になるだろう。

 

「そっちはどれだけ掴めてるの?」

 

「ぶっちゃけログから分かるような事くらいだな。ソロでも当たった事は無いし・・・。」

 

「なら私から言えることはないかな。比企谷は敵の敵だけど味方ではないからね。まぁなんとなく柿崎隊の作戦は読めるけど。」

 

「そうか。」

 

まぁこっちにめぼしい情報がないのなら手の内は明かさないよな。まぁ那須隊は柿崎隊の作戦にある程度目星をつけてるって情報だけでも収穫か。

 

「あっあたしもう行くね。お互い頑張っていこう。」

 

「ああ。」

 

熊谷を見送ってから俺は残りのマッ缶を飲み干し、会議室に戻った。

 

 

 

 



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こうして各部隊の思いは交差し始める

ーROUND2当日ー

「結局大した作戦立てないまま当日になっちまったな。」

 

「・・・・・・仕方ないだろう。柿崎隊は初手合流、那須隊はエースを軸に組み立てる。これだけ頭に入れてその場で対応するしかあるまい。」

 

「まっまあ、とにかく頑張っていこー!ねっ!みんななら何とかなるって!」

 

重い空気を察してか由比ヶ浜が励ましの言葉をかける。

こいつの空気読むこの感じありがてぇなぁ。

 

「んじゃ、最後の確認だけしとくか。とりあえず今回も開始したら合流を目指す。他の隊も合流狙いだろうから、移動中かち合う可能性あるけど逃げ一択で。」

 

「ほむん。確かその後那須隊、柿崎隊を戦わせ我が隊が漁夫の利を得るという方針だったな。前回のように色々出来る立場ではない分対応力が試されるな。」

 

「まぁ全員で正面から当たるより点取れる可能性はあるだろ。戸塚も間合いだけ気を付けてな。」

 

「うん。一応ガンナーとは何回か模擬戦してきたから間合いはなんとなくは掴めたと思うけど・・・。」

 

「自信ないか?」

 

「うーん・・・。乱戦に持ち込めば行けると思うけど、実際の間合いはやってみないと分からないし、不安はあるかな。」

 

なんてこった・・・。エースの戸塚に不安があるとなるとやれる事は限られてくる・・・。これはつまり・・・。

 

「これはつまり我と八幡の戦果が勝利に直結するということだな・・・。むは!むはははは!燃えてきた!燃えてきたぞ八幡!この剣豪将軍材木座義輝。日本一の武功を挙げてみせよう!」

 

「あっスタート3分前だよ。みんな準備よろしく!」

 

「うし、いきますか。」

 

「えっちょっ・・・。我スルー?八幡?はちまーん!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー同時刻、那須隊作戦室ー

 

「じゃあ最終確認するよ。柿崎隊は言わずもがな合流狙いだろうね。出来れば合流前に叩きたいけど・・・。」

 

「そこは転送場所による所が大きいですもんね。」

 

「それに比企谷隊・・・。やれる事は限られているとはいえ、何をしてくるか分からないんだよねぇ。まずは合流してくるとは思うけど。」

 

「いずれにしても、いつも通りくまちゃんは防御を、茜ちゃんは援護よろしくね。何をされてもわたしが点を取るわ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー同時刻、柿崎隊作戦室ー

 

「今回のMAPは展示場でいこう。合流して開けた場所で撃ち合いで仕留める。」

 

「了解です。那須隊はいいとして、比企谷隊ってどんな感じなんですか?」

 

「いやーわからん。なんか隊としては影浦隊に似てる感じだよな・・・。乱戦の場でサッと掠め取ってく感じの・・・。あと隊長の目がヤバい。」

 

「ああ前戦のログ見ましたけど、アレはヤバいっすよね〜。」

 

(なんとなく気になるのよね・・・。あの比企谷隊長。)

 

「どうした文香?」

 

「いえ、なんでもないです。」

 

「とにかくルーキーだろうが容赦はしねぇ!今回も4人で勝つぞ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「B級ランク戦2日目夜の部で実況を務めます、海老名隊オペレーター武富桜子です!解説席には冬島隊当麻隊員と嵐山隊木虎隊員にお越し頂きました!」

 

「よろしく。」

 

「よろしくお願いします。」

 

「さて、今回のステージは展示場ですね。開けた場所が多く撃ち合いが予想されますが・・・。」

 

「柿崎隊はおそらく合流して撃ち合いで決めるつもりだろうな。となると、中央の室内展示場がメインの戦場の可能性が高い。ただ室内は遮蔽物がないから撃ち合いに自信がない場合は屋外戦になる可能性が高いステージだ。」

 

「エースがアタッカーの比企谷隊はかなり不利なステージかもしれませんね。那須隊の場合はエースが射撃戦に参加できる分点を取れる可能性がありますから」

 

「なるほど!そのあたりにも注目ですね!さぁ!まもなくROUND2夜の部スタートです!」

 



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序盤は静かにされど確実に進む

間が空いてしまい申し訳ありません。
話数が間違ってしまったので訂正しました。


転送が完了しランク戦が始まった。

ステージは夜の展示場か・・・。

レーダーには誰もいない所を見ると恐らくバックワームで隠れて合流だろう。

 

「まさか我の庭が戦場になるとは・・・、この戦もらったな八幡よ。」

 

「いや、お前の庭のビックサイトとはまた別だろうが。とりあえず俺のいる地点で合流しよう。戸塚もいけるか?」

 

「うん大丈ぶ・・・。あっ待って!近くで足音がする。ちょっと時間かかるかも。」

 

「了解。無理はするな。材木座もな。」

 

「御意。」

 

とりあえず合流までは俺は周りの警戒をしときますかね。たまたま屋根の上だし。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「試合開始から5分。柿崎隊は全員合流し、大会議場に入りましたね。那須隊は日浦隊員は小会議場の屋上、那須隊長と熊谷隊員は大会議場表口に集まりました。」

 

「おそらく那須隊長、熊谷隊員が会議場内の柿崎隊を攻撃し裏口から出てきた所を日浦隊員が仕留める作戦でしょう。日浦隊員のいる屋上から、裏口は丸見えですから。ただ3対2・・・、撃ち合いになる事が予想される為、実質3対1で撃ち勝つのはいくら那須隊長でも厳しい気がしますが。」

 

「まぁそこは戦術だろうな。とりあえずこの作戦は柿崎隊を圧倒的に倒さなきゃいけないって訳じゃない。とりあえず一旦立て直そうって気持ちにさせれば成立する訳だし。」

 

「一方で比企谷隊の動きですが・・・。全員合流しましたね。会議場には入る感じには見えませんが・・・。」

 

「撃ち合いには参加しないのでしょう。・・・・・・・・・一体何を仕掛けるつもりなのかしらあの味音痴。」

 

「味音痴?」

 

「いえ・・・なんでもないわ。とにかく狙いがいまいち掴めないのが怖いですね。比企谷隊は。」

 

「まぁハチの事だ。なんかやるだろ。なんてったって俺の弟子だからな。」

 

「そのあたり詳しく聞きたい所ではありますが、比企谷隊が動きましたね。」

 

「材木座隊員、戸塚隊員の2人は比企谷隊長と別れて正面入り口の方へ向かいましたね。これは・・・。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「入り口が見えるところに移動完了したよ八幡。」

 

「どうだ?誰かいるか?」

 

「那須隊の2人だね。この感じだと八幡の予想通りっぽい。」

 

「わかった。じゃあさっき言った通り那須隊の2人が突入して銃撃戦が始まったっぽくなったら突入してくれ。」

 

「了解。」

 

戸塚との通信を終えて俺も移動を開始する。

まぁ俺の予想が正しければ那須隊のスナイパーの位置は裏口が狙える会議場横の建物の屋上だ。確か小会議場だったかな?そこの死角になるような側面の壁に張り付いておく。

さてどうなるかな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ほむん・・・、まだ入らんな那須隊は・・・。」

 

「いつかは仕掛けると思うよ?案外スナイパーがまだ配置についてないとかじゃないのかな。」

 

さっきの八幡の通信からだいたい3分たったけど、状況に変化がない。

待つことは苦手じゃないけど、制限時間もあるし、焦ってくるなぁ。

材木座君も待ちきれないのかなんだかソワソワしてるし・・・。

 

「動きがなさそうだから仕掛けるか。材木座、少し移動して那須隊の2人に見つからない所からメテオラで会議場に穴開けてくれ。壁じゃなくて屋根に・・・。」

 

「御意。待機ばかりでうずうずしていた所よ!開戦の狼煙役承った!」

 

そう言って、移動する材木座君。少ししてメテオラのたまが会議場に向けて飛んで行った。



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番外編
番外編 ボーダーonレディオ#1


番外編になります。
反響とか質問とかあったらコメントくれると2回目があるかもしれないです。


「つーわけで始まりました。ボーダーonレディオ。お相手は比企谷八幡と」

 

「戸塚彩加でお送りします!このラジオはボーダー内の娯楽を増やそうという事で不定期に放送するラジオだよ!」

 

「今シーズンのランク戦参加しないなら暇だろって事で半ば強制的に押し付けられた仕事なんだよなぁ」

 

「あはは・・・。とっとにかく最初のお便りいってみよう!」

 

ボーダーネーム 世界一の妹

―――――――

兄がいつもお世話になってます!比企谷隊の皆さんのポジションと使っているトリガーが知りたいです。

―――――――

「というわけで僕達のポジションと使用トリガーをまとめたよ!」

 

比企谷八幡

 

ポジション スナイパー

 

トリガー

メイン

イーグレット

ライトニング

シールド

アイビス

 

 

サブ

バックワーム

グラスホッパー

シールド

freetrigger

 

 

戸塚彩加

 

ポジション アタッカー

 

トリガー

メイン

弧月

旋空

シールド

グラスホッパー

 

サブ

freetrigger

freetrigger

シールド

バックワーム

 

 

材木座義輝

 

ポジション ガンナー

 

トリガー

メイン

メテオラ(グレネードガン)

ギムレット(アサルトライフル)

シールド

エスクード

 

サブ

メテオラ(グレネードガン)

???

シールド

バックワーム

 

「一応これボーダー内で流れるんだよなぁ?ウチの隊のネタバレ過ぎな気がするが・・・。そしてこの材木座の???ってなんだ?一応free枠ってわけじゃないみたいだが・・・」

 

「来るべき時になれば分かる・・・だってさ!次のお便りいってみよう!」

 

ボーダーネーム 剣豪将軍

―――――――

何故八幡が隊長なんですか?我・・・じゃない材木座君や戸塚君にも可能性はあったと思うんですが・・・

―――――――

 

「身バレしてるしお前はどうやって決めたか知ってるだろ材木座。」

 

「まぁ自己推薦の材木座君と僕が八幡を、八幡が僕を推薦して意見が割れたんだよね。」

 

「最終的に材木座が戸塚の説得に折れたんだったな。一応書類上の隊長は俺だが隊の中の上下は無しにしたいな。」

 

「八幡らしいね。そろそろ次のお便りいくね!」

 

ボーダーネーム オッサム(メガネ)

―――――――

最初の仮想ネイバーを倒す訓練で時間切れになりました。やはり僕には隊員は無理なのでしょうか?

―――――――

 

「ガチの相談じゃねぇか。俺の勘だと同期のアイツだよな。」

 

「あはは・・・どうだろうね?八幡はどう思う?」

 

「諦めるだな。」

 

「即答だね・・・。でもオッサム(メガネ)さんは諦めたくない理由とかあるんじゃないかな?」

 

「ならなんとかしてしがみつくしかねーだろ。人間持ってる手札で勝負するしかないんだから。俺は手札が悪きゃ諦めるがな!!」

 

「とにかくオッサム(メガネ)さん。頑張って!!」

 

「あっ八幡そろそろ時間だね。このラジオでは質問、相談などなどのお便りを大募集してます!」

 

「宛先はこちらのコメントまで・・・ってこれ2回目あるのか?」

 

「それは反響しだいかな?今日のお相手は比企谷隊の戸塚彩加と」

 

「比企谷八幡でした。」

 

「エンディング曲はBANDーM〇IDでgloryです!また次回〜」



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番外編 ボーダーonレディオ#2

番外編です。
予定より早く書き上がったため番外編を更新します。
本編はもう少しかかるので更新が空いてしまいます、申し訳ないです。


「・・・まさかの2回目だな。このボーダーonレディオ、お相手は比企谷八幡と」

 

「むほんむほん。この剣豪将軍材木座義輝が務めさせて貰おう!」

 

「前回は戸塚に進行を任せてたんだが、材木座には無理そうだから今回は俺が進行するわ。」

 

「ちょっ・・・八幡?!我にも進行ぐらいは・・・」

 

「はいはい。んじゃ早速いくか、最初のコーナー」

 

〜やはり俺のゲストへの質問は間違っている〜

 

「つーわけでこのコーナーはゲストに寄せられた質問を答えて貰おうってやつだな。今回は材木座への質問で多かったのをいくつか紹介するぞ。」

 

「うむ!まとめてかかってくるがよいぞ!」

 

「誰と戦う気だお前は・・・。とりあえず1つめな」

 

 

 

 

〜ギムレットはメインとサブ両方使うのでは?〜

 

「このギムレットへの質問が多くてな。実際のところどうなんだ?」

 

「うむ。ギムレットを含む合成弾はガンナーの場合、銃に設定すれば撃てるのだ。ただ合成弾しか撃てない銃になるだけでな。メインとサブ両方使うシューターとはそこが違う。」

 

「なるほどな。でもトリオン消費ヤバいんじゃないか?」

 

「ああ、我が幾らトリオン量が多いとはいえな。だがその分攻撃力を取ったと思えば安いものよ。もちろん乱発は出来んがな。」

 

「いわゆる諸刃の剣ってことか。んじゃそろそろ次の質問いくか。」

 

 

 

 

〜マイナーなものが多い材木座のトリガーはどうやって選んだの?〜

 

「追記でコミュ障の材木座が人に聞いたとは思えないともあったぞ。」

 

「うぐっ・・・。これに関してはログを見まくったのと、後はサポート系のトリガーを全部試したのだ。エスクードなんかはそこで良いと感じたので採用したわけだ。」

 

「そういや影浦隊のログはよく見てたな。グレネードガンはそこからか?」

 

「うむ。影浦隊の編成は我らと近いからな、八幡の言う通り我は的が大きく前線向きでは無い。遠距離から戦況を変える北添氏の戦法は参考になったぞ。」

 

「お前・・・、意外と考えてるんだな。だけど全部1人でやってる辺りやっぱりコミュ障じゃねーか。」

 

「八幡よ、真の強者はいつでも孤独なものなのだ。」

 

 

〜お便り紹介のコーナー〜

 

「次は恒例のお便り紹介だな。」

 

「うむ。やはりラジオはこうでなくては!」

 

―――――――――――――――

ラジオネーム 世界一の妹

―――――――――――――――

兄がいつもお世話になってます。

先日木虎さんとお会いして、あまりのオーラに圧倒されました。

これからも応援してます!

―――――――――――――――

 

 

「これ思いっきり身内ではないか?八幡よ・・・。」

 

「あん時なぁ・・・。お互い初対面だったからか敬語だったな。」

 

「確か同い年ではなかったか?」

 

「まぁ次からはタメ口になるんじゃないか?知らねーけど。」

 

―――――――――――――――――――

 

「さて今回はこんな所でお別れの時間だな。」

 

「けぷこん、なかなか充実した番組になったのではないか?」

 

「どうだかな。さてと、前回に引き続きボーダーonレディオでは質問やコメント大募集中だ。コメントによろしく頼む。」

 

「できるだけ紹介したいとは思うぞ。まぁこの作品コメント少ないから・・・。」

 

「それ以上はやめとけ。とにかくお相手は比企谷八幡と」

 

「材木座義輝でした。」

 

「エンディング曲はフレデ○ックでTOGENKYOです。また次回〜」




というわけで番外編でした。
少し補足すると材木座のギムレットに関しては、BBFの作者への質問コーナーのガンナーの合成弾についての質問を自分なりに解釈して使っています。
シューターとは違い合成する前の弾は撃てない為1つのトリガーとしてギムレットのアサルトライフルは扱っていく方針です。
なのでトリガーはメインだけを使うという設定にしています。

ですが合成弾を使うガンナーというのが異色過ぎて手探りで書いているというのが現状です。コメントで突っ込まれることが多く、このような形でまとめて答える形を取りました。ご意見ありがとうございます。


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