やはり俺の煌臨はまちがっている。 (零崎罪識)
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プロローグ:日常から異常へ

バトルスピリッツの二次創作で背景世界のやつってないよなと思って書いた。

アレックスかわいい


「守られているだけではダメだ」

 

「煌臨せよ!煌龍皇シン・ジークフリード!」

 

「目覚メロ、伝説王者タイタス・エル・グランデェェェェェエェェ!!!」

 

「煌臨!風兎の神皇アニマ・ビット!」

 

「さて、行くよ?煌臨、煌天凰ジオ・シルフィード」

 

「行くぞ。煌臨、海賊龍皇ジークフリード・アビス!」

 

「あ、あれ?ここが黄の世界?って、戦争中?どうなってるの〜〜〜っ!?」

 

「かつての侵略者が、侵略される側に回るか……、時の流れとは無常なものだ。天使たちよ、道化の娘に感謝せよ。虚無を討つならば、我ら煌星使徒、そなたらの剣となろう」

 

「今、世界から平和が失われようとしている。私はそれを見過ごすことはできない。秩序軍(ノーブル・オーダー)の名において、平穏な世界を取り戻すことを、ここに誓おう」

 

「アナタ モ 戦士デスカ? ナラバ 共ニ 戦イマショウ」

 

「……よろしくね」

 

「煌臨せよ、僕たちのもとに!」

 

 

 

「……なっつ」

 

俺は、1年半ほど前の出来事を思い出していた。口にするのもおぞましい熾烈な戦い。6つの世界を賭けた、文字通り世界を救うための戦いを。

 

「あいつら、元気にしてるかな」

 

優しい顔して人が困る顔が大好物の青い槍使い。寡黙で繊細な赤い剣士。ナルシストそうで実はガサツな紫の魔術師。最年長で一番身軽な緑の軽業師。機械の身体で臆病な白の機人。陽気なのにいたって真面目な黄色の奇術師。そして、世界を救う存在を探す者として選ばれた少年……じゃなかった。少女だ。前に男と間違えて張り倒されただろうが俺。しっかりしろ。

 

「……って、もうこんな時間か。さっさと学校行こ」

 

……俺が誰かって?それは俺が知りたいぐらいだ。人間は自分を定義した瞬間、その定義とは別のものに成り果てるのだから。まあ、仮に定義するとすれば……

 

「おっと、忘れるところだった」

 

枕元に置いてある御守りを掴み立ち上がる。さて、自己紹介でもするか。俺は比企谷八幡。高校2年生で、かつて異世界「グラン・ロロ」を救う存在を探す旅に出た8人の探索者の1人。

 

……そして、この人間と動物だけの世界において唯一異形の力を活用出来る存在だ。

 

 

 

「おはよう八幡」

 

「……ああ、おはよう」

 

今俺に話しかけてきたのは数少ない友人である戸塚彩加。かわいい男の娘。え、家族はどうしたのかって?妹と親こそいるが、親は妹の小町にかかりっきりでその妹は少し前に起きたことで仲違い真っ最中だ。

 

修学旅行の嘘告白。確かにやったことはロクでもないことこの上ないが、せめて話を聞こうとぐらいしてくれてもいいじゃないか。なんでこんなことをしたのかとか考えなかったのかね。小町も、奉仕部も。あ、奉仕部っていうのは俺の入っている部活なんだが、確か「飢えた人に魚を与えるのではなく魚の取り方を教える」とのこと。つーか飢えた人に魚の取り方を教えても飢えてるんだから取るだけの体力なんてないだろ。ついでに言うとそれだけの体力があったとしても川に入ったら下手すると流されて死人が出る。もうちょいまともな例えはないんですかね?

 

「「……」」

 

そしてこっちをチラチラと見てきているのは同じクラスのカースト最上層である由比ヶ浜結衣と葉山隼人。前者は同じ奉仕部の部員で、後者は奉仕部部長である雪ノ下雪乃の幼馴染らしい。ついでに俺のことを申し訳なさそうな目で見るのは同じくカースト最上層の海老名姫菜。腐女子。さて、狸寝入りするか。

 

 

 

「きゃああああ!!!!!」

 

狸寝入りするつもりが普通に寝ていた俺を、クラスメイトの女子の叫び声が叩き起こす。顔を上げると、ミイラのように全身に包帯が巻かれた首のない怪物が教壇の前に立っていた。俺はそれを見た瞬間、気付かれないように戦闘態勢に移行し鞄の中から常に持ち歩いているあるものを取り出す。

 

それは銀色のハンドガンで、フロントサイトからリアサイトの銃上部に賭けて赤・白・緑・黄色・青・紫の宝石で装飾されている。大きな特徴としては「薄い」。通常ハンドガンのバレルは筒のようになっていて「細長い」と形容できるが、明らかに余分であろう部分があり形状としてはグリップと引き金の上に板が縦に載っているかのようになっている。ハンマーがあるはずの部分には取っ手がついており引き出すと何かを入れるスロットのようなものがあるという異質な形状をしている。

 

これが俺の愛銃兼御守りの「煌臨銃グラン・ロロ・ブラスター」。俺はこれを使うことで戦闘とある特殊な行動が出来るが、今は置いておこう。周りから見えない位置……俺の座席は窓際の一番後ろの席なこととクラスの全員が怪物に視線を向けているので気付かれないように用意を整えるのは割と簡単だった。

 

普通逃げるはずのクラスメイトは席から動かない。単純に豪胆なのか無謀なのか。はたまた恐怖で動けないのか。まあいい。下手に動かれると邪魔だからな。少しずつ椅子を下げながら相手の隙を探す。怪物はゆっくりと一番近くのクラスメイトに近付き、腕を振り上げるーーーーー今だ。

 

グラン・ロロ・ブラスターから放たれた銃弾は、クラスメイトの間を縫って怪物に直撃する。それによりノックバックで後ろに下がった時に続けて2発のエネルギー弾を叩き込む。そして一気に怪物に接近、開いていた窓の向こうに蹴り込む。すぐさま懐から常に何枚か持ち歩いているカードの中の1枚を取り出し、ブラスターの取っ手を引き出しそこのスロットに装填、膨大なエネルギーが凝縮されていくのを感じながら銃口を蹴り飛ばされた怪物に向ける。

 

「……ファイア」

 

銃口から放たれた赤いエネルギーの奔流が怪物を呑み込み、跡形もなく消滅させる。エネルギーが消えると、ブラスターの機能により自動的にスロットが開かれ内部のカードが弾き出される。

 

……あれは間違いなくスピリット。少なくともこの世界にはいない存在のはずだ。あいつの名称がわからんが……首がないミイラとなると、首なしという意味の単語である「ヘディレス」とミイラという単語の「マミー」を組み合わせ「マミーヘディレス」と仮称しておくか。

 

そんな感じに俺は色々と考えていた。……俺のことを見るクラスメイトのことを忘れながら。

 




誤字脱字など修正点があれば感想にて


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