ご~るでん☆れとりば~ず! (カール・ロビンソン)
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1・G41はいいことを思いつきました(その1)

 ある日のことです。G41はいつものように指揮官室で副官業務をしてました。

 といっても、ご主人様のお仕事をG41はほとんど手伝えません。せいぜい、お茶を入れるとか、カリーナさんとのやり取りをするとか、ご主人様が手を離せない時に電話の応対をするとかぐらいです。

 

 なので、G41はソファーに座ってご主人様をじっと見ています。ご主人様が大好きなG41はご主人様を見ているだけでも幸せです。もちろん、本当は甘えたいですが、仕事の邪魔をしてはいけないので我慢しています。

 ご主人様もG41を見ています。視線が遠いのは、頭の中が大忙しだからです。でも、G41を見ていると頑張れるってご主人様は言ってます。二人は相思相愛です。えっへん!

 

 ふと、ご主人様の視線が近くなりました。次の瞬間、椅子に身体を投げ出して言いました。

 

「終わった…」

 

 長くため息を吐いて、頭のケーブルをIFNデッキから抜きました。ご主人様は頭をサイバー化していて、インターフェイスネットワーク(=IFN)上で仕事ができます。さすがご主人様。凄いです。

 

「ご主人様。仕事終わったの?」

 

「ああ。後は適当に情報処理セルを走らせておけばいいだろう」

 

 ご主人様の言葉にG41は嬉しくなって、立ち上がります。仕事が終わったので甘えてもいいのです。

 

「ご主人様! 頭撫でてー!」

 

「おう! おいでおいで!」

 

 そう言ってご主人様は自分の膝を叩きます。お膝の許可が出ました。G41は大喜びで飛んでいきました。そして、ご主人様のお膝に座って、ご主人様の胸にもたれかかります。

 

「あー、癒されるー…」

 

 ご主人様はしみじみとそう言って、G41を抱っこして頭を撫で撫でしてくれます。G41は幸せです。ご主人様も幸せです。二人は相思相愛です。えっへん!

 

 しばらくそうしていると、不意にG41は背中に電流が走るような感覚を覚えました。

 

「うわぁ!」

 

 びくぅ! として、G41は素っ頓狂な声を上げてしまいました。

 何でそんなことになったのかと言いますと、G41の頭のミミをご主人様がはむっ、としたからです。

 

「す、すまん、G41!」

 

 ご主人様が慌てて口を離して、謝ります。ご主人様はG41をお膝に乗せていると、ついミミをはむっとしてしまいたくなるそうです。

 

「…ご主人様? びっくりしたよ?」

 

「悪い悪い。G41があまりにも可愛すぎてつい、な?」

 

 ジト目で見上げるG41に、ご主人様は謝ってくれます。

 ご主人様が可愛い、と思ってくれるのは嬉しいです。でも、いくら相思相愛でもいきなりミミをはむっとしてはいけないと思います。

 お膝に乗ると、8割以上の確率でご主人様ははむっとしてきます。そろそろ、ご主人様にいきなりはむっとされたらびっくりすることを分かって貰わないといけません。でも、どうしたら分かって貰えるでしょう?

 

 いいことを思いつきました!

 

 G41はご主人様のお膝から降りて、椅子を90度回転させます。

 

「ご主人様。こっち向いててね?」

 

「あ? ああ…」

 

 ご主人様に約束して貰って、G41は行動を開始します。しゃがんで机の陰に隠れながら、ご主人様の後ろに回り込むのです。

 ちなみに、ご主人様からはミミが丸見えだったらしいですが、黙っていてくれました。ご主人様は優しいです。

 

 それで、ご主人様の後ろに回りこんだら、ばっ!って立ち上がって、ご主人様の耳をはむっとしました!

 

「おおう!」

 

 ご主人様はびっくりしました! 作戦成功です! えっへん!

 

「ほしゅひんはま、ほうふぁ~」

 

 耳をはむはむしながら、G41は勝利宣言をします。これでご主人様も耳をはむっとされる気持ちがわかったと思います。

 

「ああ~…なんか、超幸せだ…」

 

 でも、ご主人様はなんだかご満悦です。ご主人様が幸せなのはいいことです。でも、何か違うと思います。これではミミをはむっとされる気持ちが理解してもらえないかもしれません。G41は困りました。

 

「仲良いわね、二人とも」

 

 そう言いながら、FALさんが部屋に入ってきました。

 FALさんは凄い先輩で、なんでも知っています。G41はご主人様から離れて、FALさんの方に駆けていきました。

 

「? どうしたの、G41?」

 

「あのね、FALさん…」

 

 不思議そうなFALさんにG41は耳打ちしました。ご主人様にミミをはむっとされるのでどうしようか、と相談したのです。

 

「ああ! 任せて、G41!」

 

 FALさんはとっても素敵な笑顔でそう言って、G41に解決策を耳打ちしてくれます。素晴らしい案でした! 流石、FALさんです!

 

 G41はご主人様の前に駆けて行って、嘘泣きをしながら言いました。

 

「ご主人様。G41はもうお嫁にいけません。責任を取って誓約して下さい」

 

「こら、G41! FAL、余計なことを教えるな!」

 

「あら? 女の子に恥をかかせたのだから、責任は取るべきでしょう?」

 

「ご主人様~」

 

「う… あ、ああ。借金を返し終えたらな…」

 

「わーい! 借金返したら、ご主人様が誓約してくれる~♪」

 

「よかったわね、G41! 私が証人だからね?」

 

「わーい!」

 

「お前らな!」

 

 こうして、3人でじゃれあいながら時間が過ぎていきました。幸せな一日でした。

 G41はご主人様と誓約したいです。でも、FALさんを差し置いて誓約するのは少し気が引けます。FALさんもご主人様が大好きで、付き合いはG41よりもずっと長いからです。

 だから、せめてFALさんの後に誓約してもらえたら良いな、と思いました。後、一〇〇式ちゃんも一緒だと良いです。M14さんとかSOPMODちゃんとかも一緒だと良いです。みんな大好きだからです。

 というわけで、ご主人様は一杯の戦術人形と誓約しないといけないです。ご主人様、早く借金を返してください。待ってます。まる。

 



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2・G41はいいことを思いつきました(その2)

 G41は普段第一部隊、通称一〇〇式隊に所属しています。

 一〇〇式(モモ)ちゃんを隊長とする常設部隊で、AR小隊や第2小隊(通称M590隊)と入れ替わりに緊急対応部隊に割り当てられています。緊急対応部隊に当たっている時は、緊急時にすぐ動かないといけないので、巡回任務や後方任務にも参加しません。

 

 なので、非常事態が起きるまでは割と暇です。

 そんなわけで、G41はご主人様の所に行くことにしました。今日副官には一〇〇式(モモ)ちゃんが就いていますが、今は文書を取りに行っているところだと思うので、G41がいる方がいいと思います。

 

 指揮官室のドアの前に着きました。こんこん、とノックしますが、反応がありません。きっとお仕事が忙しいのでしょう。

 

「G41入ります!」

 

 G41はそう言って、ドアを開けます。すると、ご主人様は椅子にもたれかかって寝ていました。

 カリーナさんやヘリアンさんが見たら、さぼっているように思うかもしれません。でも、ご主人様は忙しいと2日も3日も寝ないでお仕事をしています。暇な時ぐらい寝ていても、文句は言えないと思います。

 

 ふと、G41は思いました。人間は寝ていると体温調節機能が低下するみたいです。このままだと、ご主人様が風邪をひいてしまうかもしれません。ご主人様が病気になると、G41は悲しいです。

 

 G41はお布団を探してみました。でも、指揮官室にはお布団の代わりにかけられそうなものがありません。G41はどうしたものか、としばらく考えました。

 

 いいことを思いつきました!

 

 G41はご主人様を起こさないように静かに近づいていきました。それで、ご主人様の方を向いてお膝に乗って、そのまま被さるようにしました。

 G41の身体は温かくて柔らかいのでお布団の代わりになります。そうすると、ご主人様は風邪をひきません。G41もご主人様の側でいられるので嬉しいです。とっても名案です!えっへん!

 

 というわけで、ご主人様にそっと覆いかぶさりました。ご主人様の匂いがします。嬉しいです。

 すると、ご主人様にぎゅっ、とされてしまいました。頭をなでなでしてくれます。

 

「どうした、G41? 甘えに来たのか?」

 

 ご主人様が目を開いて、笑ってくれます。ご主人様に撫でてもらえるのは嬉しいです。でも、G41はご主人様にゆっくり休んで欲しかったのです。自分の役目を果たせなかったので、G41はしょんぼりしました。

 

「ごめんなさい、ご主人様。起こしてしまいました…」

 

 G41はご主人様に謝ります。お布団になろうとして、寝ているのを邪魔しては本末転倒です。

 

「ああ、そういうことか」

 

 ご主人様はG41の意図に気づいてくれました。それで、ぎゅっとしたまま笑って言いました。

 

「G41。俺は別に寝てたわけじゃないよ」

 

 そう言って、ご主人様は頭のケーブルを見せました。どうやら寝ている風に仕事をしていたみたいです。目が疲れていたのかもしれません。

 

「でもまあ、G41が気遣ってくれるのは嬉しいな。ありがとう」

 

 ご主人様からお礼を言われて、G41は幸せな気持ちでいっぱいになりました。ご主人様はG41の気持ちをよくわかってくださいます。G41はそんなご主人様の戦術人形で幸せでした。

 

「戻りました、指揮官…」

 

 ドアを開けて一〇〇式(モモ)ちゃんが入ってきました。何だか、顔が凍り付いています。手から書類が落ちました。でも、顔が赤いです。風邪でしょうか? 普通の戦術人形は風邪をひかないですが、一〇〇式(モモ)ちゃんは風邪をひくかもしれません。一緒にご主人様にぎゅっとして貰おう、と思って口を開きかけた時、

 

「し、指揮官…! お、お邪魔しました…!!」

 

 一〇〇式(モモ)ちゃんは顔を真っ赤にして、どこかに行ってしまいました。大慌てです。どうしたんでしょうか?

 

「も、一〇〇式(モモ)ー!?」

 

 ご主人様が絶叫しました。本当にどうしたんでしょう? G41には分かりません。

 

『…FAL。緊急任務が発生した。直ちに遂行を頼む』

 

『はいはい、分かったわ。…お礼はガトーショコラね?』

 

『う… わ、わかった…』

 

 ご主人様は通信モジュールを開いて、FALさんに緊急任務を依頼しました。お仕事の最中に何か非常事態が発生したのかもしれません。単独で任務を貰えるなんて、さすが、FALさんです。

 FALさんはガトーショコラが貰えるみたいです。あれは物凄く高いので滅多に食べられません。任務の報酬で貰えるなんて羨ましいです。G41も一口だけ貰おうとおねだりしてみます。

 

 次の日、ご主人様はお金が無くなったみたいで御飯がお水だけになってしまったみたいです。何にお金を使ったのでしょう。

 よくわからないですが、この前一〇〇式(モモ)ちゃんに習ったオムライスを作って差し入れてあげようと思います。ご主人様、待っててね? まる。



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3 ・G41はいけないことを思いついてしまいました(その1)

 最近は鉄血の連中が大人しいので、ご主人様の仕事がすぐに終わることが多いです。

 なので、今日も仕事が終わってるといいな、と思いながらご主人様の所に行きます。

 もちろん、仕事が終わっていたらご主人様と遊びたいです。ご主人様のお伽話を聞くのがG41は大好きです。本当はご主人様がご主人様になる前の話も聞きたいのですが全然話してくれません。

 ご主人様はグリフィンに来る前は軍のえりーとだったらしいです。えりーとはかっこいいらしいので、是非その話を聞きたいです。でも、それを聞こうとすると凄く暗い顔になります。

 FALさんは知っているらしいですが、FALさんも全然話してくれません。

 きっと、余程嫌なことがあったんだ、と思います。えりーとはかっこいいらしいですが、大変でもあるらしいからです。なので、いつか話してくれたらいいな、と待ってます。

 

 ふと、廊下の向こうから歩いてくる人がいます。ご主人様です! G41は嬉しくなって飛んでいきました。

 

「ご主人様~!」

 

「お、G41!」

 

 ご主人様は突撃したG41を優しく受け止めてくれて、なでなでしてくれました。G41は幸せです。今日もご主人様が一緒にいると思うともっと幸せな気持ちになります。

 

「おい、ボス。鍵借りてくるぞ?」

 

 後ろにいたトンプソンさんが言います。G41はご主人様になでなでしてもらっている頭を少し傾げました。倉庫の鍵か何かでしょうか?

 

「うん、お願いね。ついでに一服して来ていいわよ?」

 

 同じく後ろにいたFALさんがトンプソンさんに言います。3人は一緒に何かするのでしょうか?

 

「ご主人様、どうしたの?」

 

「ああ。これから少し外に出かけてくるんだ」

 

 ご主人様の言葉を聞いてG41は少し悲しくなりました。折角、ご主人様といられると思ったからです。でも、G41はすぐに気分を切り替えました。G41は戦術人形です。だから、ご主人様のお役に立てます。

 

「ご主人様! G41を護衛として連れてって!」

 

 G41は笑顔で言います。G41は元々護衛用として開発された戦術人形で、故に他の戦術人形にないミミ型簡易動態センサーと、精密射撃用の狙眼が搭載されています。この基地でもM4さんやFALさんと並ぶエースです。きっと連れて行ってもらえる、と思いました。

 

「いや、護衛とドライバーはトンプソンとFALに頼んでいるんだ」

 

 あう。いきなり断られてしまいました。G41はしょんぼりです。

 

「悪いな、G41。少しビジネスの話もあるんでな」

 

「G41は一〇〇式(モモ)と一緒にお留守番をお願いね?」

 

 トンプソンさんとFALさんがそう言います。二人とも頼りになる先輩で、特にFALさんは戦闘以外の仕事でもご主人様に頼られる凄い戦術人形です。なので、戦力としては心配ないと思います。

 でも、G41はご主人様と一緒にいたいです。連れてってくれないなら出かけて欲しくないです。でも、どうしたら出かけるのを止めてくれるでしょう?

 

 いけないことを思いついてしまいました!

 

 G41は走って整備班の方に行きます。それで恐らくご主人様達が使うであろうトラックの鍵を先に借りてしまいます。なぜトラックなのかというと、鍵が必要な車両はトラックしかないからです。

 

 それでご主人様のところに戻ります。ご主人様は笑顔でG41を待っててくれました。G41が鍵を借りてきてくれた、と思っているのかもしれません。でも、今日のG41は悪い子です。

 

「大変です、ご主人様! 鍵がありません!」

 

 G41は後ろ手に鍵を隠して言いました。鍵がないとご主人様は出かけられません。どうしても出かけたいなら、鍵を持っているG41を連れていくしかないです。とっても名案です!

 もちろん、これは悪いことです。でも、ご主人様は目的のためなら親の仇でも使う、ってよく言ってます。G41がちょっと悪いことをしても怒らないと思います。

 

「おい、G41。お前な…」

 

「まあ落ち着け、トンプソン」

 

 呆れ顔で詰め寄るトンプソンさんをご主人様が止めます。G41を連れてってくれるのでしょうか。G41はワクワクしてご主人様の言葉を待ちます。

 

「鍵が無くなったのか。困ったな、FAL」

 

「そうね、指揮官」

 

 ところがG41の目の前でご主人様はFALさんと相談を始めました。あう。もしかして、G41が鍵を持ってるんじゃなくて、本当になくなったと思ってるんでしょうか? でも、今更G41が持ってます、とは言えません。今日のG41は悪い子です。

 

「でも、大切な用だから必ず行かないといけないわね、指揮官?」

 

「ああ、仕方ない。歩いて行くか」

 

「そうね。丸一日がかりになるから、今日は帰ってこられないわね」

 

 FALさんの言葉を聞いて、G41は内心で大慌てです。大変です。ご主人様の帰りが遅くなったら本末転倒です。どうしましょう。

 

「それに街まで歩いて行ったら危険よね。指揮官死んじゃうかもしれないわよね」

 

「そうだな。大気汚染もあるし、鉄血の連中に襲われるかもしれないしな」

 

 ご主人様の言葉を聞いて、G41は超大慌てです。ご主人様が死んでしまったら、G41は生きていけません。ましてやG41のせいで死んだりしたら泣くに泣けません。どうしましょう。とんでもないことになってしまいました!

 

「鍵があったら昼までには帰ってくるんだけどな」

 

「そうよね。お菓子もいっぱい貰ってね」

 

 ご主人様とFALさんがG41を見つめて言います。もうどうしようもありません。G41は観念して、鍵を差し出して言いました。

 

「ご主人様、ごめんなさい。鍵、ありました…」

 

「ああ。ありがとう、G41」

 

 ご主人様は鍵を受け取って、頭を撫でてくれます。ご主人様は怒らなかったです。でも、本当は連れてって欲しかったです。

 でも、ビジネスの話をする時、G41や一〇〇式(モモ)ちゃんがいると気兼ねしちゃうそうです。ご主人様の負担になってはいけません。G41は自分にそう言い聞かせて、諦めることにしました。

 

「そういえば、SOPMODがG41を探してたわよ? 面白い玩具を手に入れたんですって」

 

「そうだな。二人で仲良くお留守番頼むな?」

 

 FALさんとご主人様がそう言ってくれます。SOPMODちゃんは大の仲良しです。二人で遊んでたら、きっと楽しくてすぐ時間も経って、ご主人様が帰ってきてくれると思います。

 なので、G41はご主人様を駐車場までお見送り押した後、いい子でお留守番することにしました。ご主人様、待ってます。 まる。

 

 ちなみに、SOPMODちゃんに通信モジュールで連絡を取ってみると、野外訓練場で待ってる、とのことです。どんな玩具を手に入れたのでしょう。楽しみです。わくわく。



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4・G41はいけないことを思いついてしまいました(その2)

 


 突然ですが、G41はいけないことを思いついてしまいました!

 

 G41はご主人様に誓約して貰いたいです。

 でも、ご主人様は借金があるから、と誓約してくれません。

 

 ご主人様の借金はとっても多いですが、カリーナさんに聞いたら一年前の事件と、ここ最近起きた二つの事件の特別報奨で半額ぐらいを返せているそうです。後、幾らか事件が起きたら返済できると思います。

 なので、G41は作戦を立てて、ご主人様に誓約して貰おうと考えています。とにかく、ご主人様に誓約するって言って貰いたいのです。

 

 もちろん、ご主人様を引っかけるのは悪いことです。

 でも、ご主人様は戦場においては策にかかるやつが悪い、騙されるやつが悪い、と言ってました。そして、恋は戦争と言います。なので、ご主人様は引っかけても怒らない、と思います。

 

 というわけで、早速G41はご主人様の所に行きます。幸い、ご主人様は一人で座ってお茶を飲んでいました。仕事が一段落したみたいです。そして、一〇〇式(モモ)ちゃんはお使いに出ているみたいです。チャンスです。

 

 というわけで、早速作戦を開始します。

 

 まず、G41はご主人様のところに走って行きました。

 

「ご主人様~」

 

「おお、G41! おいでおいで!」

 

 G41を見るなり、ご主人様は手招きをして迎えてくれました。作戦の第一段階は成功です!

 

「ご主人様! まず、褒めて!」

 

 作戦は第二段階に入りました。まず、G41はご主人様に褒めの言葉をおねだりします。

 

「ああ。G41は今日も可愛いな」

 

 ご主人様はいつものように褒めてくれます。作戦の経過は順調です。

 

「頭撫でて!」

 

 次になでなでをおねだりします。耳を寝かせて頭を差し出してみます。

 

「ああ。よしよし」

 

 ご主人様はG41の頭を優しくなでてくれます。気持ちいいです。G41は幸せです。

 でも、作戦を忘れてはいけません。ここからが肝心なのです。

 

「ご主人様、超褒めて?」

 

 G41はおねだりをグレードアップさせます。これが作戦の内容です。

 おねだりをグレードアップさせて、最後に誓約して? っておねだりすることで、なし崩し的にうんって言って貰うことです。名付けて、雪だるま作戦です!

 

「ああ。G41は本当に可愛いな。お前は俺の天使だ。宝物だ」

 

 ご主人様はG41を超褒めてくれました。嬉しいです。

 ご主人様は順調に作戦に引っかかってくれています。ご主人様は数多くの敵を作戦で引っかけて倒してきました。その凄いご主人様が作戦にかかってくれています。一生懸命考えた甲斐がありました! えっへん!

 

「ご主人様、超撫でて?」

 

 G41は勢いに任せてそう言いました。

 

「おお! よ~しよしよしよし!!」

 

 ご主人様はG41の頭を抱えてわしゃわしゃしてくれました。超嬉しいです。

 G41は幸せいっぱいです。これ以上の要求はないので、いよいよG41は作戦の締めにかかります!

 

「ご主人様、誓約して?」

 

 G41はご主人様を見上げてそう言いました。ここまで来たら作戦はきっと上手く行く、と思いました。

 

「こら、G41!」

 

 でも、ご主人様はそう言ってG41の頭をぺちっとしました。

 とっても優しいぺちっだったので痛くはないです。でも、作戦は失敗でした。

 G41は少し残念でしたが、でもしょうがないと思いました。ご主人様は賢いので、G41の作戦を見抜いてしまったのです。もっと上手に作戦を練らないといけません。

 

「全く、借金を返し終えるまで無理だって言ってるだろ?」

 

「でも、G41はご主人様に誓約して貰いたいです」

 

 G41はご主人様に正直に言います。G41はご主人様とずっと一緒がいいです。だから、誓約して欲しいです。

 

「まあ、それはもう少し待つんだ。代わりによしよししてやるから」

 

 そう言って、ご主人様は椅子に座って膝をパンパンします。お膝の許可が出ました。G41は喜び勇んでご主人様のお膝の上に座ります。

 

 ふと、G41は思いつきました。今日もご主人様はミミをはむっとしてくるかもしれません。なので、最初に言っておくことにします。

 

「ご主人様? ミミをはむっとしないでね?」

 

「ああ。G41が嫌だというならやらないよ?」

 

 ご主人様がそう言ってくれたのでG41は安心してご主人様のお膝を満喫します。幸せです。

 

「G41、なでなでしていいか?」

 

「はい、ご主人様!」

 

 ご主人様の言葉にG41は喜んで頷きます。ご主人様になでなでしてもらうと幸せだからです。

 ご主人様はG41の頭をなでなでしてくれます。気持ちいいです。G41は幸せ100%です。

 

「G41、ゴロゴロしていいか?」

 

「はい、ご主人様!」

 

 ご主人様の言葉にG41は喜んで頷きます。ご主人様にゴロゴロしてもらうと幸せだからです。

 ご主人様はG41の喉を撫でてくれます。とても気持ちいいので、ゴロゴロと喉を鳴らしてしまいます。G41は幸せ120%です。

 

「G41、はむはむしていいか?」

 

「はい、ご主人様!」

 

 ご主人様の言葉にG41は喜んで頷きます。ご主人様にはむはむしてもらうと… あれ?

 次の瞬間、G41の背筋に電流が走るような感覚がしました。

 

「うわぁ!」

 

 G41は驚いて素っ頓狂な声を上げてしまいます。

 

「ご主人様? はむってしないでって言ったのに…」

 

「いや、はいって言うから嫌じゃなくなったのかと思ってな」

 

 膨れるG41に、ご主人様はしれっとそう言います。確かに、ご主人様は嫌ならやめる、と言ってました。そして、G41はあまりよく分からないうちにはいって言ってしまいました。

 なんと、G41はご主人様の作戦に引っかかってしまいました! 流石ご主人様です!

 

 というわけで、G41はご主人様に負けてしまいました。

 でも、ご主人様にたっぷり甘えられたのでとっても幸せでした。なので、作戦は部分的成功でした! まる。

 



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5・はたらくG41(その1)

 G41は今ご主人様の部屋の掃除をしています。

 ご主人様の部屋の掃除は当番制で戦術人形の有志がやってます。ご主人様の部屋を掃除し隊です。隊長はM590さんがやってくれてます。以前は一〇〇式(モモ)ちゃんが隊長だったのですが、いろいろ忙しくなってきたのでM590さんが代わりに就任したのです。

 

 ご主人様の部屋は結構汚いです。

 服は脱ぎ散らかしているし、飲んだお酒の瓶とかも机に放置しています。

 ご主人様は私生活ではかなりだらしないです。困ったご主人様です。今度会ったらめっ!しないといけません。

 

 G41は部隊結成初期から隊員だったので、今や勝手知ったるご主人様の部屋です。

 なので、どこに何を片付けたらいいかはご主人様より知っています。早速お片づけを始めます。

 

 まず机の上のお酒を片付けることにします。空の瓶とコップとお皿をお盆に乗せます。

 少しだけ瓶の口を舐めてみます。なんだかとっても安っぽい味がしました。ご主人様は給料日なのにこんな安っぽいお酒しか飲めません。可哀想です。

 お金を稼いだら、ご主人様にいいお酒をあげたいと思います。シャンペンというのがしゅわっとして甘くて美味しいので、それを買ってあげたいです。

 次にコップをちょっと舐めてみます。やっぱり安っぽい味がしました。でも、ご主人様と間接キッスです。嬉しいです。えへへ。

 

 続いて、服のお掃除です。

 いつも着ているスーツとYシャツを回収します。Yシャツはお洗濯で、スーツはアイロンして消臭剤をかけることにします。

 最初G41はアイロンが難しくて、スーツをダメにしたこともありました。でも、一〇〇式(モモ)ちゃんと一緒にスプリングフィールドさんに習って、とっても上手になりました。

 なので、G41はいいお嫁さんになれます! えっへん!

 

 回収した服をくんくんしてみます。ご主人様の匂いがしました。嬉しいです。

 嬉しかったので、ついついぎゅっとしてすりすりしてしまいました。G41はご主人様の匂いが大好きです。

 名残惜しいですが、それを籠に入れて、持ってきた新しいシャツとスーツをクローゼットにかけておきます。しっかりアイロンしたので、脱ぎ散らかしてしわしわにしないで欲しいものです。脱いだらちゃんとハンガーにかけるぐらいはして欲しいです。やっぱり、めっ!しないといけません。

 

 後はお部屋に掃除機をかけて、拭き掃除をします。

 掃除機をかけていると、ベッドの下に何か当たるものがありました。とってみると、それはエロ本でした。

 新しい本だったのでG41は早速読んでみます。何だか一〇〇式(モモ)ちゃんみたいな服の女の子がいっぱいでした。

 もしかしてご主人様は一〇〇式(モモ)ちゃんみたいな服が好きなのでしょうか。なら、今度G41もああいう服用のスキンを作って貰いたいです。今度ペルシカさんに頼んでみます。

 

 エロ本をたっぷり読んで、ご主人様をのーさつするお勉強をした後、掃除機と拭き掃除を仕上げてしまいます。

 部屋は綺麗になりました! G41はお掃除が得意です! なので、G41はいいお嫁さんになれます! えっへん!

 ちなみに、エロ本は机の上に置いておきました。お気に入りのエロ本だと思うので、すぐに読めるように、と配慮したのです。G41は気が利きます!

 

 後はベッドメイキングだけです。今日はシーツ交換はしないで、消臭剤をかけるだけです。

 布団を持ち上げたところで、ご主人様の匂いがしました。G41はご主人様の匂いが大好きです。ご主人様の匂いに包まれたいと思ってしまいました。

 なので、G41はご主人様のベッドに寝っ転がってお布団を抱っこしました。ご主人様の匂いでいっぱいです。ぬくぬくです。G41は幸せです。

 

 何だかちょっと眠くなってきました。でも、寝ちゃいけません。まだお掃除が完全に済んでないからです。でも、もう少しだけコロコロしていたいです。

 コロコロしているうちにますます眠くなってきてしまいました。ご主人様の匂いは安心するからです。でも、寝ちゃいけません。寝ちゃいけません。寝ちゃ…ZZZzzz…

 

 …何だか、頭を撫でてくれている感触がします。ご主人様の手みたいです。なのでちょっとすりすりしてしまいました。

 

 あれ? G41は今どうしてるんでしょうか? あれ?あれ?

 あ! G41は思い出しました! お掃除の途中でした!

 G41は慌てて身を起こしました。すると、ご主人様が隣に座っていました。

 

「おはよう、G41」

 

 ご主人様が笑顔でそう言ってくれます。体内時計を確認してみると、もう夕方です。ご主人様は仕事を終えて部屋に戻ってきたのです。

 G41はしょんぼりです。コロコロの誘惑に負けて、お掃除を最後までできませんでした。G41はダメな子です。

 

「ごめんなさい、ご主人様。寝てしまいました…」

 

 G41はミミをペタンとしてご主人様に謝ります。これではいいお嫁さんになれません…

 

「いや、いいんだよ。いつもありがとうな、G41」

 

「…ふぇ? 頭、撫でてくれた…?」

 

 でも、ご主人様はG41をなでなでしてお礼を言ってくれました。怒られるかと思っていましたが、どうやら余計な心配だったみたいです。

 

「せっかくだし、もう少しG41を愛でてから飯にしよう」

 

 ご主人様が嬉しいことを言います。G41は幸せです。お掃除し隊に入ってて本当に良かったです。

 ちなみに、洗濯物や洗い物は一〇〇式(モモ)ちゃんが片付けてくれていたみたいです。一〇〇式(モモ)ちゃんフォローありがとう。今度お礼にほねっこを持っていくから待っててね? まる。



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6・はたらくG41(その2)

 今日はみんなで巡回任務の日です。メンバーは私とFALさん。それにSOPMODちゃんとステンちゃんとスコーピオンちゃんです。

 一〇〇式隊所属の私とAR小隊所属のSOPMODちゃんは普段巡回任務には出ないのですが、最近事件がなさ過ぎてつまんないので出させてもらうことにしました。FALさんは引率です。

 

 ダミードールを引き連れて、無事帰還です。みんな傷一つありません。戦闘はなかったからです。鉄血は最近本当に勢力を減退させています。巡回に出ても、雑魚さえ出てきません。SOPMODちゃんはつまらなさそうです。

 でも、G41は久しぶりのお外で楽しかったです。ステンちゃんやスコーピオンちゃんも最近は後方任務ばっかりだったのでお外は楽しかったようです。やっぱり散歩は大事だと思います。

 

「みんな、お帰りなさい」

 

 副官の一〇〇式(モモ)ちゃんが玄関までお迎えに来てくれました。

 

「あ、一〇〇式(モモ)ちゃんだー!」

 

 SOPMODちゃんが嬉しそうに言います。G41も嬉しいです。二人とも一〇〇式(モモ)ちゃんが大好きだからです。

 

「「一〇〇式(モモ)ちゃ~ん!!」」

 

 嬉しかったので二人で突撃しました。その後ろをダミードール×8が追従します。

 

「「一〇〇式(モモ)ちゃん~」」

 

 そして、二人×5で一〇〇式(モモ)ちゃんをもみくちゃにします。舐めたり、スリスリしたり、髪を弄ったり、無駄に上着を脱がしたりします。

 

「あ、あの… G41ちゃん? SOPMODちゃん?」

 

 一〇〇式(モモ)ちゃんが戸惑うように言いますが、G41達は止まりません。一〇〇式(モモ)ちゃんが大好きだからです。もちろん、一〇〇式(モモ)ちゃんを虐めているわけじゃありません。じゃれているだけです。

 

一〇〇式(モモ)ちゃん~」

 

 G41は遠慮なく一〇〇式(モモ)ちゃんのほっぺを舐めまくります。一〇〇式(モモ)ちゃんのほっぺはぷっくりしてて気持ちいいです。それに、桃ちゃんと名前が似ているせいなのか、なんだか甘い気がするからです。

 

「こら、そこまでにしなさい二人とも」

 

 FALさんがそう言うと、G41とSOPMODちゃんはすぐに一〇〇式(モモ)ちゃんから離れます。一〇〇式(モモ)ちゃんは怒らないですが、FALさんが怒るとげんこつされます。

 げんこつは痛いので嫌です。なので、FALさんに怒られないようにしないといけません。

 

「FALさん…」

 

一〇〇式(モモ)、嫌なら嫌って言いなさい。この二人、悪気はないけど遠慮も際限もないんだから」

 

 FALさんはSOPMODちゃんのダミーから上着を取り返して、一〇〇式(モモ)ちゃんに着せてあげながら言います。

 FALさんの言葉に、G41とSOPMODちゃんはしゅんとします。もしかして、一〇〇式(モモ)ちゃんに嫌われてしまったのでしょうか?

 

「いいえ、FALさん。嫌じゃないですよ。…二人とも大切な友達ですから」

 

 一〇〇式(モモ)ちゃんの言葉にG41達は笑顔になりました。嬉しかったのでもう一度じゃれに行きたかったですが、FALさんに睨まれたので止めておきます。

 

「みんな、おかえり」

 

 しばらくすると、ご主人様も来てくれました。G41とSOPMODちゃんは喜色満面です。

 あまりにも嬉しかったので、二人でご主人様に突撃しました。その後ろをダミードール×8が追従します。

 

「ご主人様~!」

 

「しきか~ん!」

 

「おっ、二人共ご苦労だったな!」

 

 突撃する二人×5をご主人様は両手を広げて迎えてくれます。さすがご主人様です!

 

「ご主人様~、全員の頭撫でて~」

 

「指揮官、だっこ~」

 

 G41&SOPMODちゃん×5はご主人様を遠慮なくもみくちゃにします。でも、ご主人様は、

 

「ははははは、こぉいつぅ~」

 

 とっても幸せそうでした。流石ご主人様です。

 

 ふと見ると、ステンちゃんが何だか羨ましそうにこっちを見ています。ステンちゃんもご主人様が大好きだからだと思います。G41とSOPMODちゃんに遠慮して来ないのだと思います。

 

「ステンちゃん! 一緒にあまあましよ!」

 

 なので、G41はステンちゃんを呼びました。ご主人様は凄い人なので全員でもみくちゃにしても大丈夫です。なので、ステンちゃんも一緒がいい、と思いました。G41にとってステンちゃんもお友達だからです。

 

「…うん、ステン-MKⅡ、行きます!」

 

「…じゃあ、私も行こうかな」

 

 ステンちゃんだけでなく、スコーピオンちゃんもご主人様にあまあまするみたいです。ご主人様は何だかとんでもないことになっていますが、幸せそうです。なので、遠慮しなくていいと思います。

 

「はい、みんなそこまで」

 

 でも、FALさんから待ったがかかって、みんな動きを止めました。G41とSOPMODちゃんも離れます。

 FALさんの口調は怒ってそうじゃないですが、言うことを聞かないとげんこつされてしまいます。FALさんを怒らせないようにしないといけません。

 

「もう、指揮官もいい加減にしてよ? いつまでも報告できないじゃない」

 

「すまんな、FAL。あまりに幸せだったからな」

 

 FALさんの言葉に、ご主人様は笑って服装を直します。FALさんもそれを手伝ってます。なんだか、お父さんとお母さんみたいです。G41達には両親はいないですが、何となくそう思いました。

 

「で、指揮官。仕事は終わったの?」

 

「大体な。後は情報処理セルが妙なものを見つけて来なければ、お仕事は終わりだ」

 

「なら、この娘達の相手をしてあげて? 雑務は私と一〇〇式(モモ)でやっておくから」

 

 FALさんの言葉に、みんな笑顔になりました! FALさんはやっぱりいい人です。G41はFALさんのことも大好きです!

 

「みんな、ダミードール置いて、一応診断と消毒だけは受けて、それから指揮官に甘えなさい?」

 

「「「「は~い!!!!」」」」

 

 FALさんの言葉に、みんな素直に従います。FALさんは厳しいことも言いますし、怖いこともありますが、でもみんなのことを思いやってくれます。みんなFALさんが大好きです!

 

「あ、そうだ。FAL」

 

「何? 何か忘れ物?」

 

 立ち去ろうとするFALさんにご主人様が近づいて行きます。

 

「ありがとうな、FAL。助かるよ」

 

 そう言って、FALさんをなでなでしました。何だか珍しい光景です。

 

「ちょっ!? し、指揮官!? もう…」

 

 FALさんは顔を真っ赤にして驚きましたが、嫌がったりせずにご主人様になでなでされてます。やっぱり、FALさんもご主人様が大好きです。

 

 みんなもご主人様が大好きで、ご主人様もみんなが大好きです。G41達は幸せです。ご主人様も幸せです。そんな幸せで平和な日々が続いて欲しいな、と思いました。まる。

 

 あ、でも、何か事件が起こらないとご主人様がいつまで経っても借金を返せません。ほどほどに事件も起きて欲しいです。



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7・ご奉仕G41(その1)

 突然ですが、G41はいいことを思いつきました!

 

 いつもご主人様に撫でてもらったり、褒めてもらってばかりでは不公平です。なので、G41もご主人様に気持ち良くなって貰おうと思います。

 というわけで、G41はこの前から一〇〇式ちゃんにある技を習ってました。そして、もう免許皆伝の腕になりました! えっへん!

 

 後、Five-sevenさんから貰ったご奉仕用の服も着ています。紺色のワンピースとその上に白いエプロンドレスとヘッドドレスを着けてます。白い手袋と黒いストッキングも身に着けました。なんでも、これはメイド服って言って、昔からご奉仕するときに着る服だそうです。これを着ていくとご主人様が大喜びするって言ってたのでこれで完璧です!

 

 というわけで、今日はその技のお披露目です。G41は早速指揮官室に行きました。

 

「G41入ります!」

 

 ノックして、そう言ってお部屋に入りました。ご主人様はIFN通信で誰かとお話し中です。

 

「うちの一〇〇式はいささか忙しくてですね。それに彼女も人前に出るのは少々苦手な性格でして…」

 

『そこをなんとか』

 

 あう。交渉事の最中でした。ご主人様は交渉中にG41達を近づけることを嫌います。返事があるまで待てばよかったです。ご奉仕するつもりがいけないことをしてしまいました。

 

「ふむ。そういえば、一〇〇式は最近お腹を減らしていることが多くてですね…えぇ!?」

 

 ご主人様がG41を見た瞬間素っ頓狂な声を上げました。とっても目が大きいです。あう。もしかして怒られるのでしょうか? G41はしょんぼりです。

 

『どうしました? 天野指揮官』

 

「急用が入りました。この話はまた今度。では」

 

 ご主人様はそう言って強引に通信を打ち切って、すぐに立ち上がります。そして、G41の前に大股で歩いてきました。

 

「じ、G41!((*´Д`)ハアハア) お前はなんていけない子なんだ!((*´Д`)ハアハア) これはおしおきをするしかない…(じゅる)おっと、涎が…」

 

 ご主人様が何だか怖い目で、息を乱してそう言いました。もしかして、もの凄く大事な交渉だったのでしょうか。ご主人様のお邪魔をして、G41はしょんぼりです。

 

「ごめんなさい、ご主人様。失望させました…」

 

 G41はミミをペタンとして、上目遣いでご主人様に言います。悲しいので、つい目がウルウルしてしまいました。

 

「ぐおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」

 

 そう言った次の瞬間、いきなりご主人様が床に倒れて横にごろごろし始めました。一体どうしたのでしょう? G41はびっくりです。一体何が起こったのでしょうか?

 

「…い、いかん、いかん。俺、正気に戻れ… G41をそんな目で見るんじゃない…」

 

 ご主人様はうつ伏せで寝ころんだままそう言って、立ち上がりました。

 

「ご主人様?」

 

「すまん、G41。取り乱してしまった。お前は悪い子じゃないからな。可愛い可愛い、俺の大天使だ」

 

 なんだかよくわかりませんが、いきなり超褒められました。怒られるんじゃなかったのでしょうか? よく分からないですが。褒められたのでG41は嬉しいです。

 

「で? G41、どうしたんだ?」

 

「はい! ご主人様にご奉仕しに来ました!」

 

「ご奉仕…だと…?」

 

 ご主人様は凄く驚いてそう言います。とってもサプライズだったみたいです。というわけで、G41はソファーの端に座って、膝をパンパンしました。ご主人様のお膝の合図の真似です。

 

「うおおおお… マジか…」

 

 ご主人様は何だか感極まった様子でそう言って、いそいそとソファーに寝っ転がって、G41のお膝を枕にしました。G41は高級モデルなので、臭くないですしお膝も柔らかいのでいい枕になります。

 

「ご主人様、どうですか?」

 

「ああ。幸せすぎる…」

 

 ご主人様は本当に幸せそうにそう言いました。ご奉仕大成功です! でも、G41のご奉仕はまだ始まったばかりです。

 

「ご主人様、横向いて?」

 

「こうか?」

 

 ご主人様が頭を右に向けました。ご主人様の耳が前にあります。いよいよ、日ごろの訓練の成果を発揮する時です。

 G41はポケットからピンセットを取り出しました。先にはゴムがついていて突いても痛くないようになっています。

 G41は精密作業が得意なので、耳かきや綿棒よりピンセットを使うほうが扱いやすいのです。

 

「ご主人様、耳掃除しますね?」

 

 そう言って、G41は耳の穴にピンセットを入れました。そして、ちょっと大きい耳垢を摘まみます。パリっていって、耳垢が取れました。

 

「おおう!」

 

 ご主人様が声を上げます。気持ちいいみたいです。ご奉仕はとっても順調です! えっへん!

 

「ご主人様、ここかゆいですか?」

 

 G41は取れた耳垢のあった場所をピンセットで優しくカリカリします。そこがほんのちょっとだけ赤くなっていたからです。

 

「ああ… めっちゃ気持ちいい…」

 

 ご主人様はため息交じりにそう言います。ご主人様が気持ち良さそうなので、G41は嬉しいです。ご奉仕はとっても順調です! えっへん!

 

 G41は丁寧に耳垢をとっていきます。ご主人様はあまり耳掃除をしないらしく、結構耳垢がたくさんありました。それを一枚一枚、ゆっくり剥がしてとっていきます。ぱりっと剥げるたびに、ご主人様は気持ちよさそうな顔をします。なんだかG41は嬉しいです。もちろん、赤い部分があったらカリカリするのも忘れません。

 

 いよいよ仕上げです。まずはふーふーをします。

 G41は口をご主人様の耳に寄せ、息をフーフーしました。

 

「うおぅ!?」

 

 ご主人様はびっくりしたみたいです。なんだか、今日のご主人様は何だか可愛いです。そんなご主人様を見られて、G41は嬉しいです。ご奉仕はとっても素晴らしいことだ、と思いました。

 

 いよいよ、最後の仕上げです。G41は耳の壁を少しピンセットの先端でなぞって、へこんでいる部分を探します。それはすぐに見つかりました。ここが耳のツボらしいです。

 そこを優しくピンセットの先端でつんつんしたり、カリカリしたりします。ここを刺激されるととっても気持ちいいらしいです。

 

「やべえ… 幸せすぎる…」

 

 そう言って、ご主人様は大きな欠伸をしました。このツボを刺激すると眠くなるみたいです。そうでなくても、ご主人様は一生懸命私たちのために働いてお疲れです。ゆっくり休んで欲しいです。

 

「ご主人様、お眠してもいいですよ?」

 

「ああ。すまん、G41」

 

 そう言うなり、ご主人様は反対を向いて別の耳をG41に向けました。寝てる間にこっちもお願い、ということだと思います。

 

「はい、ご主人様。おやすみなさい」

 

 そう言って、G41は再び耳の掃除を始めました。大きな耳垢がたくさんあります。掃除のし甲斐があります。

 そうして、耳垢をパリパリしていると、ご主人様の寝息が聞こえてきました。ご主人様の寝顔が何だか可愛くて、G41は嬉しかったです。ご奉仕は大成功でした!

 ご主人様が寝ていても、G41は手を抜かずご奉仕します。ゆっくりお休みください、ご主人様。まる。

 



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8・ご奉仕G41(その2)

 今日はG41が急遽副官です! なんと、一〇〇式(モモ)ちゃんが副官の予定だったのを押しのけての副官業務です! 

 G41は今日もメイド服です。ご主人様はどうもメイド服が大好物みたいです。一〇〇式(モモ)ちゃんに勝ったのは初めてです。これからもうずっとメイド服でもいいかもしれません。

 でも、それはちょっとずるい気がするので、一〇〇式(モモ)ちゃんにもメイド服をお勧めするつもりです。そうしたらずるくないです。ご主人様の取り合いは、正々堂々するべきです。大事なお友達の一〇〇式(モモ)ちゃんだから猶更です。

 でも、後で聞いたら急遽16Labにデータ提出に行く必要があったからだったらしいです。良かったです。でも、一〇〇式(モモ)ちゃんにもメイド服はお勧めします。きっと可愛いからです。思わずペロペロしちゃうかもしれません。

 

 それはさておき、お仕事が終わったご主人様は首を捻ります。ゴキゴキ音がしました。

 

「うー、何だか奥歯が痛いな…」

 

 ご主人様が顎を押さえて言います。虫歯でしょうか?

 

「ご主人様、虫歯?」

 

「わからん。G41、少し見てくれるか?」

 

 そう言ってご主人様はG41に向けて口を開けます。G41はポケットからペンライトを取り出して、照らしながら中を確認します。

 ご主人様は歯磨きを丁寧にするので臭くないです。虫歯が酷ければ臭いはずなので、虫歯ではないと思います。奥歯も黒かったりはしないです。

 

「ご主人様、虫歯じゃないみたいです」

 

「そっか。やはり、肩の凝りすぎか」

 

 ご主人様は顔をしかめて肩を回します。ご主人様の仕事は脳を直接使うという生物としては歪な仕事です。そして、脳の疲労は肩と首に溜まるといいます。歯が痛いのもそれが原因かもしれません。

 

「ご主人様、かたもみしましょうか?」

 

 G41はそう申し出ました。実はG41はかたもみとかたたたきには自信があります! だって、カリーナさんをじっけんだ…もとい、カリーナさんに実践してやり方を熟知してるのです! えっへん!

 

「ああ。よろしく頼む」

 

 ご主人様はそう言って、背中を向けました。ご主人様の信頼を感じます! ご主人様、G41は頑張ります!

 

 まず、ご主人様の肩回りを4本の指先でツンツンするようにして具合を確かめます。肩から肩引きにかけてつついて回ります。

 

「おおう! …いい感じだ、G41」

 

 ご主人様がため息交じりに言います。気持ちいいみたいです。

 ご主人様が気持ちいいのはいいことです。でも、あんまりいい感じじゃないのでG41は黙ってます。

 

 ご主人様の肩はカリーナさんと違ってあからさまに固くないです。でも、何というか表面ではなく奥のほうが固い気がします。あまりよろしい状態じゃない気がします。

 

 とりあえず、コリを散らす必要があります。

 G41はご主人様の肩から背中にかけてをさするようにします。丁度、肩から肩引きにかけてT字になるようにさすります。何度も何度も繰り返します。肩を摩擦で温めて、血の通りを良くして、滞った悪い血を心臓に送るのです。

 

「おおっ!? 何だか本格的だな」

 

 ご主人様がびっくりして言います。それはそうです。G41はご主人様に喜んでもらうためなら手を抜くつもりはないのです! G41はご主人様のためならいつでも一生懸命です!

 

 肩が温まってきたところで、首の後ろに手をやります。そして、首の後ろの強張った筋肉の側面を親指で押します。

 

「おおう!」

 

 ご主人様が気持ちよさそうに言いました。G41はそこをほぐすように指を動かしながら、眉を顰めます。思ったより良くない状況な気がします。首の側面の筋肉の奥。そこに変な筋ができているのです。肩こりの酷いカリーナさんにもこんなのなかったです。恐らく、これが歯痛の原因です。

 G41はとりあえず首と頭の付け根になる部分に親指を据えます。そして、頭蓋骨の隙間を押すようにします。そこは風池とか天柱とかいう経絡があるみたいです。実際手ごたえでへこんでいるのがわかります。

 

「おおおおおおお!?」

 

「ご主人様、どうですか?」

 

「気持ちいい。だけど何だろう、妙にピリピリ来る」

 

 それはとっても悪いんだと思います。ご主人様が可哀想です。G41達のために一生懸命働いてくれるご主人様の疲れが、そういうところに現れているのです。だから、G41は頑張って、お疲れを癒してあげたいです。

 

 後は、首の側面を押さえながら首筋に沿って心臓に向かってなぞるように指を動かします。筋に溜まった疲労物質を心臓に送るのです。

 それを懸命に何度も何度も繰り返します。ご主人様の疲労が少しでも消えるように、一生懸命繰り返します。

 

「おおおお… マジ天国だ…」

 

 ご主人様が感動したように言います。何だか可愛いです。だから、ご主人様がもっと癒されるようにG41は頑張ります。

 首の筋をほぐすとともに、肩の筋肉をほぐすのも忘れません。肩の筋肉に掌を当てて、回すようにします。そうして、コリをほぐして疲労物質を散らすのです。そうやって、首の疲労物質を心臓に通るようにするのです。

 

 ご主人様の首と肩が暖かくなってきました。血の通りがよくなってきたのだと思います。G41は嬉しいです。きっとご主人様の歯痛は収まると思います。

 G41はご主人様のお仕事を手伝えません。でも、こうしてご主人様の疲労を癒すことはできます。そう考えると、ご奉仕は本当に尊いものだと思います。ご主人様にご奉仕できて、G41は幸せです!

 

 気が付くと、ご主人様が寝息を立てています。ご主人様の寝顔は可愛いです。G41のご奉仕は大成功です! えっへん!

 後はもみ返しが来ないように、優しく肩をトントン叩くのみに留めます。とんとんとことん肩たたきです。

 

 数時間後、目を覚ましたご主人様は気分が凄く良くなった、と喜んでくれて、G41の頭をなでなでしてくれました! ご奉仕はいいことです! カリーナさん、じっけんだ… もとい、肩を揉ませてくれてありがとう! 一回ごきってやっちゃったのは許してください。まる。

 



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9・G41と仲間達(その1)

 海です!

 青い海が目の前にあります!

 

 凄いです! G41は感動しました!

 青い海なんて、VRシアターでしか見たことないです!

 G41は感動で胸がいっぱいです!

 

 でも、もちろんこの海は本物じゃありません。

 本物の海は崩壊液で汚染されて、すっかり死の海になっています。人間どころか戦術人形でさえ近づいたら危険です。悲しいです。

 

 ここはNEWハワイアンというリゾート施設です。最近、海洋研究所がスピンオフで始めた高級リゾート施設です。

 海を浄化しようと、必死で研究している海洋研究所ですが、こういうことをしないと予算が下りないらしいです。悲しいです。

 

 当然、ここは高級市民の人用の施設なので、本来はG41たちが来られる場所じゃないです。でも、海洋研究所からプロモーション動画や写真を撮りたい、と言われて招かれたのでした。

 

 何故なら、G41はグリフィンドール総選挙5位の人気者だからです! えっへん!

 

 ちなみに、堂々1位の一〇〇式(モモ)ちゃんと6位のFALさんも一緒です。FALさんがグラビア写真の係で、G41と一〇〇式(モモ)ちゃんが動画の係です。

 でも、脚本とかそういうのはないみたいです。ただ、遊んでいて欲しい。それだけみたいです。スタッフの人たちはいい人です!

 

 というわけで、G41と一〇〇式(モモ)ちゃんと一緒に砂浜にいます!

 ちなみに、水着はワンピースのスクール水着というものらしいです。ちゃんと胸にG41と一〇〇式って名前も書いてます。G41が白で、一〇〇式(モモ)ちゃんが紺色です。

 ご主人様に似合うかどうか見せたら、いきなり鼻血を吹いて倒れてしまいました。FALさん曰く、病気らしいです。物凄く心配でしたが、M16さんやトンプソンさんに任せれば治るらしいので、お任せしました。ご主人様、早く元気になってね?

 

「行こう、一〇〇式(モモ)ちゃん!」

 

「う、うん!」

 

 G41と一〇〇式(モモ)ちゃんは潮風を頬に受け、裸足で駆けていきます! 生臭い潮風はやっぱりVRシアターでしか体験したことがありません! こんなのまで再現できるなんて、海洋研究所の人達は凄いです!

 

「えーい!」

 

 どっぱーん! G41は波間に頭から飛び込みます。冷たくて気持ちいいです。G41は水が大好きです!

 

一〇〇式(モモ)ちゃん、水がしょっぱいよ! 海だ!」

 

「うん! 海だね、G41ちゃん!」

 

 G41は立ち上がって、唇を舐めながら言います。同じように海に突っ込んだ一〇〇式(モモ)ちゃんも同じようにして言います! 凄いです! 海です!! G41のテンションが上がってきました!

 

「えーい!!」

 

 G41は両手で水を掬って、一〇〇式(モモ)ちゃんの顔にかけます! こういうことをVRシアターで体験したことはありますが、リアルでは初めてです。すっごく楽しいです!

 

「わっぷ! やったな~、G41ちゃん!」

 

 一〇〇式(モモ)ちゃんも反撃してG41の顔に水をかけてきます。わっぷい。冷たいです。おのれ~、一〇〇式(モモ)ちゃん、かくなる上は…

 

「だいれくとあたーっく!」

 

 G41は一〇〇式(モモ)ちゃんに飛び掛かり、

 

「きゃ~」

 

 どっぱーん! 二人は一緒に海の中に倒れこみました。超楽しいです。

 

 一〇〇式(モモ)ちゃんと一緒に海の中のG41。目の端をきらきら輝くものが通り過ぎました。お魚さんです!

 

一〇〇式(モモ)ちゃん! お魚さんだ!」

 

「うん! 魚もいるんだね!」

 

 立ち上がったG41と一〇〇式(モモ)ちゃんは感動しました! 海洋研究所の人達の仕事は凄いです!

 

 G41と一〇〇式(モモ)ちゃんはいそいそとお魚さんを追いかけていきました。深いところに入っていきますが、気にしません。高級モデルの戦術人形であるG41と一〇〇式(モモ)ちゃんは泳げるのです! 防水だって完璧です! えっへん!

 

 途中で足がつかなくなったので、二人で泳いでいきました。でも、お魚さんは早いです。全然追いつけません。しょんぼりです。

 

 ふと、目の前から大きなお魚さんが近づいてきます。なんでしょうか? 鮫さんだったら嫌だなぁ、と思いました。銃がないので襲われたら危ないです。

 

 でも、それは似ていましたが違いました。イルカさんでした! 生でイルカさんを見るなんて夢にも思わなかったです! G41も一〇〇式(モモ)ちゃんも感動で胸がいっぱいです。

 

 イルカさんはG41の前にやってきて止まりました。目が合います。

 イルカさんが胸を口で突いてきました。ちょっとくすぐったいです。

 お返しに、G41もイルカさんの口先を突きました。なんだかくすぐったそうです。

 なんだか、心が通い合った気がしました! 二人は相思相愛です! えっへん!

 

 G41と一〇〇式(モモ)ちゃん、それにイルカさんは一緒に泳ぐことにしました。泳ぎはイルカさんのほうがずっと上手ですが、なんだか手加減してG41達に合わせてくれたみたいです。

 イルカさんと共に、360度自由な海の中を泳ぐ。青い水と沢山のお魚さん達、それに揺らぐ光。そして、水の中を舞うG41達とイルカさん。まるで、夢みたいなひと時です。

 

 しばらくして、アクアラングを着た人たちが、やってきました。海洋研究所の人達らしいです。通信モジュールを通じて聞いたところ、このイルカさんは施設から逃げたみたいで連れ戻しに来たそうです。

 

 イルカさんは戻るのは嫌そうで、G41達の後ろに隠れます。でも、逃げてはいけない、とG41は思いました。海洋研究所の人達だって、悪意があってイルカさんを閉じ込めたりはしてないと思います。

 だから、G41はイルカさんの頭に触れて思いました。帰ってあげてって。

 

 すると、思いが通じたのかイルカさんは自分から職員の皆さんのところに行きました。凄いです! やっぱり、G41とイルカさんは相思相愛です! えっへん!

 

 職員の人達から感謝の言葉をもらって、イルカさんと別れたG41達は一度砂浜に戻りました。すると、撮影を終えたFALさんが待っていてくれました。

 FALさんは砂のお城を作って遊ぼうって言いました! 嬉しいです! 砂遊びは大好きだからです!

 こうして、G41達はとっても楽しい海の一日を過ごしました!

 

 後日の話ですが、G41と一〇〇式(モモ)ちゃんの遊んでいるところは、ドローンで撮影されていたみたいです。

 それで、G41とイルカさんが触れ合う場面はまるで映画みたいだ、と大好評だったみたいです!

 というわけで、感謝の印としてタダ券をいくつか貰いました! わーい!

 また、イルカさんとも遊ばせてくれるみたいです! イルカさん、また会おうね! まる。



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10・G41と仲間達(その2)

 ある日の事です。G41が娯楽室にやってくると、M590さんが黄昏ていました。

 なんだか、暗い表情でため息を吐いています。悩みがあるのかもしれません。

 M590さんはご主人様の部屋を掃除し隊の隊長さんです。隊員として、M590さんの悩みを解決しようと思います!

 

「M590さん!」

 

「あ、G41ちゃん」

 

 G41が近づくと、M590さんもこっちを見ました。笑顔ですが、なんだかちょっと悲しそうです。M590さんが悲しいとG41も悲しいです。何とか力になってあげたいです!

 

「M590さん? 何かあったの?」

 

 G41の言葉に、M590さんは少しだけ迷うように視線を彷徨わせましたが、しばらくするとため息を一つ吐いて悩みを打ち明けてくれました。

 

「実は指揮官のことなのですが…」

 

 悩みはどうもご主人様のことらしいです。それならG41には自信があります! 何せ、G41は46時中ご主人様のことばかり考えてます。ご主人様に関する理解度はFALさんの次ぐらいだと自負しています!

 

「私、指揮官から敬遠されているのではないかと思って…」

 

 M590さんの言葉にG41は首を傾げました。そんなことはないと思います。ご主人様はM590さんのことを頼りにしていますし、お掃除に関しても感謝しています。その後に続いたあんよが云々は聞き流しましたが、それでもM590さんを避けているとは思えません。

 

「うーん、考えすぎだと思うよ?」

 

「でも… M500にはかなりフランクに話をするのに、私の前では固いのですよね…」

 

 G41の言葉に、M590さんはまたため息を吐いて言います。M500さんはこの前入ってきたばかりのSG型戦術人形で、M590さんの妹分みたいなものです。

 言われてみれば、確かに入ってきたばかりなのにご主人様と頻繁に話しているところを見かけます。なんでしょう。ほんのちょっぴり腹が立ちました。何としても、M500さんからM590さんにご主人様の視線を取り戻さなければいけません! ご主人様を取り戻せ作戦開始です!

 

 G41は冷静に分析してみます。ご主人様やFALさんからは問題が起きたときは、まず対象や事象を比較することから始める、と言います。

 まず、M590さんとM500さんを比較すると、M590さんの方が古参です。戦場での活躍も大きいです。でも、M500さんの方が話しかけられる理由はなんでしょう?

 ぴこん! G41は分かりました! 謎は全て解けました!

 

「分かりました、M590さん!」

 

「…ええと、もしかして指揮官のM500に対する態度のことですか?」

 

「はい! それはミミがあるかないかです!」

 

 M590さんの問いに、G41は力強く答えます。もうこれしかありません。G41の名推理です! えっへん!

 まず、ご主人様はG41が大好きです。隊の最古参で、自身の右腕と言うFALさんと比べても同じぐらい好きだと思います。そして、G41にはミミがあります。だから、ご主人様はミミのある戦術人形が好きなのです!

 

 というわけで、推理が成立しました! 後は、それを検証しないといけません。

 というわけで、G41はご主人様のところに行くことにしました。

 

「M590さん、ちょっと待っててね?」

 

「え、ええ…」

 

 というわけで、G41はご主人様の部屋にダッシュです。部屋の前に行って、申告したのち入ります。部屋の中には一〇〇式(モモ)ちゃんとFALさんがいました。ご主人様の机に座って、勝手にご主人様のお茶を飲んでいるFALさんとそれに文句を言うご主人様。その間でおろおろしている一〇〇式(モモ)ちゃん。いつもの平和なご主人様の部屋の日常です。

 

「やあ、G41。どうしたんだ?」

 

 G41を見つけたご主人様が声をかけてきます。G41はとりあえずご主人様の前に駆けて行きます。そして、猫さんみたいなポーズをして言いました。

 

「ご主人様、G41だにゃ~♪」

 

 それはIDWちゃんの台詞を真似たものでした。ミミのある戦術人形の代名詞であるIDWちゃんの物まねをすることで、ご主人様がミミを好きかどうかを測るのです。

 

「ぐはぁ!」

 

 そう言って、ご主人様は一瞬天を仰ぎ、そして机に突っ伏しました。どうしたんでしょう?

 

「ちょっと、指揮官?」

 

「ああ… 余りに可愛くて意識が飛んでしまった…」

 

 FALさんの呆れ半分の言葉に、ご主人様は真顔でそう答えました。そして、G41をなでなでしてくれました。気持ちいいです。

 というわけで、ご主人様がミミが好きということは確定事項になりつつあります。でも、まだ確実ではありません。というわけで、もう一度検証をしてみます。

 

一〇〇式(モモ)ちゃん、ちょっと手伝って?」

 

「え? うん、私はいいけど…」

 

「ああ。ちょうど暇だし、席を外していいぞ、一〇〇式(モモ)

 

 ご主人様からの許可が出たので、G41は一〇〇式(モモ)ちゃんを抱えて娯楽室までダッシュします。

 そして、部屋の隅のおもちゃ箱からこの前のハロウィンで使った猫さんの耳の付いたカチューシャと尻尾の付いたベルトを取り出しました。

 

一〇〇式(モモ)ちゃん、これ着けて?」

 

「え? う、うん」

 

 一〇〇式(モモ)ちゃんが頷いた次の瞬間、G41はカチューシャとベルトをセットしました。一〇〇式(モモ)ちゃん、黒い猫さんみたいで可愛いです。

 

「それでね、あのね…」(ごにょごにょ)

 

「う、うん。分かったよ」

 

 G41の伝えた作戦内容に一〇〇式(モモ)ちゃんが頷きます。そして、二人はダッシュでご主人様の部屋に行きました。部屋に入るのは一〇〇式(モモ)ちゃんだけです。G41はドアの陰で、ご主人様の反応を見守ります。

 

「あ、あの…指揮官…」

 

「どうしたんだ、も…」

 

 一〇〇式(モモ)ちゃんの姿を見た途端、ご主人様が言葉を失いました。FALさんも目を見開いて、何も言わずに様子を見守っています。

 

「え、ええと…ひゃ、一〇〇式機関短銃だにゃ~…なんて、えへへ…」

 

 一〇〇式(モモ)ちゃんが猫さんみたいなポーズでそう言います。最後ちょっと照れました。可愛いです。

 でも。ご主人様とFALさんは無反応です。どうしたんでしょう? 可愛い一〇〇式(モモ)ちゃんにミミが付いたら物凄くご主人様は喜ぶと思ったのですが。

 

「う…」

 

 ご主人様が呻くようにそう言って、次の瞬間

 

「うぼあー」

 

 そう言って、机に突っ伏しました。何が起こったのでしょう?

 

「…一〇〇式(モモ)。そういうことはやめなさい。余りに可愛すぎで指揮官が死ぬでしょ?」

 

 私もちょっときゅんとしたわ、とFALさんが言います。何と、一〇〇式(モモ)ちゃん+ミミはご主人様を倒してしまいました。やっぱり、ミミは偉大です! えっへん!

 というわけで、ご主人様はミミが大好きだということが確定しました。というわけで、G41は一〇〇式(モモ)ちゃんを持って、娯楽室に帰りました。

 

「M590さん! やっぱり、ご主人様はミミが大好きです!」

 

「え、ええ。そうなの…」

 

「というわけで、はい!」

 

 何だか戸惑っているM590さんに、G41は一〇〇式(モモ)ちゃんから外したミミと尻尾を手渡します。

 

「これを着けて、あの台詞を言えば、ご主人様を倒せます!」

 

「た、倒すの?」

 

 M590さんが戸惑いがちに言いますが、G41はご主人様を倒すにはこれしかない、と思っています。そういえば、M590さんの悩みってなんでしたっけ? ちょっと忘れましたが、でもこれで大丈夫だと思います!

 

「M590さん…何事も挑戦です!」

 

 多分事情がちっとも分かってない一〇〇式(モモ)ちゃんも応援してくれます。それを聞いて、M590さんも少しその気になったみたいです。ミミと尻尾を着けて、猫さんみたいなポーズをして言いました。その瞬間、娯楽室のドアが開きました。

 

「…M590だにゃ~、なんて…」

 

「…M590!?」

 

 部屋に入ってきたFALさんが驚いて言います。なんでしょう、部屋の空気が凍り付いた気がします。

 

「…M590、休暇の申請出しておくわね…」

 

「ち、ちがうんです、FAL!」

 

 部屋から出ようとするFALさんをM590さんが必死で止めます。それで今までの経緯をFALさんに説明します。

 

「…なるほどね」

 

 M590さんの言葉にFALさんは軽くため息を吐いて言いました。

 

「単にスタンスの問題よ。M500はテキトーだけど、M590は真面目でしょ? それに合わせて対応しているだけよ」

 

 FALさん曰く、ご主人様は数多くの戦術人形を相手にしないといけないのでそれぞれに対応が少し違うらしいです。考えてみれば、G41と一〇〇式(モモ)ちゃん、それにFALさんでもそれぞれ態度が違います。固く見えたのは真面目なM590さんに対する態度だったからです。

 

「そういうことですか…」

 

 M590さんは軽くため息を吐いて言います。安心したのか、それとも少し残念に思っているのかは定かではないですが、FALさんの言葉を信じたみたいです。ご主人様のいうことを一番知っているFALさんがそういうのです。絶対間違いありません!

 

「でも、そうだとすると、指揮官の態度はこれからも固いままなのでしょうか?」

 

 M590さんは少し残念そうに言います。M590さんはご主人様にもっと親しく接して欲しいみたいです。

 

「任せて、M590!」

 

 FALさんはとってもいい笑顔でそう言います。

 

「貴女のセンスを直してあげるわ!」

 

 そう言って、M590さんを引っ張って連行します。

 

「え、ええ!? FALのセンスって…!?」

 

「つべこべ言わないの。行くわよ!」

 

 微妙に抵抗するM590さんと有無を言わさず連れていくFALさん。きっとFALさんに任せておけば大丈夫です! 一〇〇式(モモ)ちゃんは何だか不安そうでしたが、きっと大丈夫です!

 

 明くる日、G41はFALさんのアドバイスの成果を見ました。ミニなチャイナドレスを着たM590さんです! しかも、頭にミミも付いています。さすがFALさん! 完璧です!

 案の定M590さんは副官に急遽任命されました。流石です! これもミミがあるおかげです! G41の検証は間違っていなかったです。

 でも、ご主人様の視線が何だか低いです。足元ばかり見ている気がします。何だかよくわかりません。

 でも、M590さんがご主人様と仲良さそうなので問題なしです! M590さん、良かったね! まる。

 



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11・いたずらG41(その1)

 ある日、ワンちゃんの動画を見ていた時のことでした。

 頭のいいワンちゃんは悪戯をしたときに、ご主人様のお膝に頭を乗せて愛嬌を振りまきます。それで許してもらおうとするのです。

 G41は感銘を受けました。ワンちゃんも賢いものです! G41もご主人様にそうやって悪戯を許して貰おうと思います!

 

 というわけで、さっそく実践です!

 

 その日、G41は副官でした。朝起きて、ご主人様のお茶を準備して、ご主人様の部屋に行きます。ご主人様はいつものようにいて、G41を笑顔で迎えてくれました。

 

「G41が可愛いから、今日も頑張れるよ」

 

 ご主人様は早速褒めてくれました。嬉しいです。G41も笑顔でご主人様にお茶を出しました。ご主人様はカップを手に取って啜ります。

 

「ああ。今日もG41のお茶は美味しいな」

 

 そう言って、ご主人様はお茶を褒めてくれます。嬉しいです。G41はタンポポ茶を淹れるのがとっても得意です! えっへん!

 

 一通り副官の仕事が終わりました。G41はおもむろにご主人様の側に近寄ります。

 お茶を啜りながら、ご主人様が不思議そうにG41を見ています。G41はそんなご主人様の前に座ります。そして、そのお膝に顔を乗せて、上目遣いで言います。

 

「ご主人様、許してね?」

 

「ごふっ!」

 

 突然ご主人様が息を詰まらせます。そして、何度も咳き込みます。どうしたんでしょう? お茶が気管に入ったのでしょうか?

 

「ご主人様、大丈夫?」

 

「ああ、大丈夫だが、お茶を飲んでいる時にそういう可愛いのは勘弁してくれ。咽てしまう」

 

 そう言って、ご主人様はG41の頭をなでなでしてくれます。でも、ちょっと怒られちゃいました。作戦は失敗でしょうか?

 

「それにな、G41。一つ聞きたいんだが」

 

「何ですか、ご主人様?」

 

「ええと、俺は何を許したらいいんだ?」

 

 ご主人様の言葉に、G41ははっとしました。なんと、G41は許してもらうことばかり考えていて、肝心の悪戯をするのを忘れてました!

 

 というわけで、今から悪戯をします。

 

 まず、ご主人様の椅子を90°回転させます。

 

「ご主人様、こっち向いててね?」

 

「あ、ああ…」

 

  ご主人様に約束して貰って、G41は行動を開始します。しゃがんで机の陰に隠れながら、ご主人様の後ろに回り込むのです。

 ちなみに、ご主人様からはやっぱりミミが丸見えだったらしいですが、黙っていてくれました。ご主人様は優しいです。

 

 それで、ご主人様の後ろに回りこんだら、ばっ!って立ち上がって、ご主人様の目を両手で塞ぎました!

 

「だ~れだ?」

 

「…う~ん、G41かな~」

 

「正解です、ご主人様!」

 

 ご主人様はすぐに答えてくれました。さすがご主人様です!

 というわけで、悪戯達成です!

 G41はまたご主人様の前に回り込みました。そして、ご主人様の前に座って、お膝に顔を乗せて、上目遣いで言いました。

 

「ご主人様、許してね?」

 

「…G41は本当に可愛いな」

 

 G41の言葉に、ご主人様は微笑んでなでなでしてくれました。ということは、きっと許して貰えたということです。作戦は大成功でした!

 

 そして、次の日です。今日もG41は副官です。

 味をしめたG41は今度こそ最初に悪戯をしてから許して貰おうと思いました。

 というわけで、G41はご主人様が来る前に指揮官室の机の下に隠れています。そして、ご主人様がやってきたらわっ!て飛び出してびっくりして貰うのです!

 ちなみに、机の上にお茶は置いてあります。保温性の高いカップで蓋も被せているのでしばらくは冷めません。G41は副官業務も抜かりありません!

 

 そろそろご主人様が来る時間です。G41はワクワクしてご主人様を待ちます。

 でも、5分してもご主人様が来ません。どうしたんでしょう。お寝坊したのでしょうか?

 10分待ちました。ご主人様は来ません。やはり、お寝坊したのでしょうか? もしかして、急にお出かけの用が入ったのでしょうか?

 15分待ちました。ご主人様が来ません。寂しくなったので、G41は机の下から出てご主人様を探しに行くことにしました。

 そして、ドアから出てすぐのことです。目の前が真っ暗になりました。誰かがG41の目を塞いでいるのです。

 

「だ~れだ?」

 

 後ろから声がしました。この声と手の感触と匂い。それらをG41がわからないわけがないです。

 

「ご主人様!」

 

「正解」

 

 そう言って、ご主人様は手を放しました。ご主人様の姿が見えたので、G41は嬉しいです。なでなでもしてくれたのでさらに嬉しいです。ご主人様がいるだけでG41は幸せです。

 

「全く、傍から見たらバカップルね、貴方達」

 

 後ろからFALさんの声がしました。バカップルというのはよく分からないですが、G41は今日もご主人様が大好きです。ご主人様もG41が大好きです。二人は相思相愛です。えっへん!

 

 というわけで、今日は逆にご主人様に悪戯をし返されました。

 でも、ご主人様がG41を置いてお出かけしたとかじゃなかったのでよかったです! ご主人様と一緒に居られてG41は今日も幸せでした! まる。

 



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12・いたずらG41(その2)

 G41は思いつきました。次はFALさんに悪戯したいと思います。

 最近FALさんとは作戦以外で付き合いが薄くて、G41はしょんぼりです。また、FALさんと仲良くしたいので悪戯をして、こらって言って欲しいです。

 

 でも、あんまり変なことをするとげんこつされるので悪戯は考えないといけません。げんこつは痛いので嫌です。

 なので、だーれだするぐらいなら怒らないと思います。

 …そう考えると何だか悲しくなりました。最近だーれだとかさえFALさんとしてません。FALさんの仕事が忙しいからです。FALさんが命を賭けるようなことが最近2件も起きています。二つとも世界の運命をかけるような大きな事件だったので仕方ないですが。

 なので、G41はFALさんともっと仲良くしたいです。FALさんにも幸せを感じて欲しいです。

 

 というわけで、作戦を開始します。FALさんに隠れてだーれだをするのです。

 

 FALさんを発見しました。廊下の真ん中です!

 

「貴女は何を考えているの!? 一〇〇式(モモ)ちゃんにあんな露出の大きい格好をさせて! 客でも取らせるつもり!?」

 

「ふざけるんじゃないわ、Five-Seven! 誰がそんなことを考えるものですか!」

 

 あう。FALさんはFive-Sevenさんと盛大に喧嘩中です。FALさんとFive-Sevenさんが喧嘩することは珍しくはないですが、今回のは結構大きいです。二人とも親しい先輩なので、仲良くして貰いたいです。

 二人ともG41の悪戯で場を笑納してもらいたいです。というわけで、G41は作戦を開始します。FALさんだ~れだ作戦です!

 内容は簡単です。FALさんの背後に近づいてだーれだすることです。

 でも、FALさんは歴戦の戦術人形です。背後に忍び寄るのは生半可な難易度ではないです。更に、索敵能力に優れたFive-Sevenさんまでいます。これは只事ではありません、

 でも、G41には必勝の策があります! えっへん!

 

 G41の手には段ボール箱というアイテムがあります。これは伝説の潜入工作員が用いたという最強のスニーキングアイテムです。Am RFBちゃんからそう聞きました。でも、装着時の無敵時間とかそういうのは意味がわからないので聞き流しておきました。

 

 これを用いて、G41は頑張ります。

 まず被ってみました。何だか狭くて居心地がいいです。今のG41は段ボール箱です。怪しくないです。うん。何だかいける気がしてきました。作戦開始です!

 G41は段ボール箱を被ったまま匍匐前進第二法で進みます。ずりずりずり…

 

「大体、あんたは先輩をなんだと…ん!?」

 

「うるさいわね! 先輩なら先輩らしく…ん!?」

 

 あう。何だか、FALさんとFive-Sevenさんの視線がこちらに向いている気がします。

 今のG41は段ボール箱です。怪しくないです。FALさん、怪しまないでください。そう願いながら、しばらくその場で動かずにいました。

 

「…まあいいわ。大体、あんただって随分挑発的な格好じゃない。ベガスか何かにでも憧れたの!?」

 

「なんですって!? あんたの娼婦同然の格好に比べれば随分マシでしょうが!?」

 

 …どうやら気づかれずに済みました。でも、喧嘩はますますエスカレートしてるように思います。悪戯をして笑納させないといけません、G41は使命を胸に進みます。ずりずりずり…

 

「誰が娼婦よ!? だいたいあんたは… うん!?」

 

「その格好でセンスがあるとかほざいているのは… うん!?」

 

 あう。また視線がこちらに向いた気がします。

 今のG41は段ボール箱です。怪しくないです。FALさん、怪しまないでください。そう願いながら、しばらくその場で動かずにいました。

 

「…ええと? もしかして、G41? 何しているの?」

 

 ぎくっ! FALさんの言葉にG41はびっくりです。完全に怪しまれています。しかも、どうしてG41のことがわかったのでしょう。流石、FALさんは洞察力があります!

 

 こうなったら奥の手を使うしかないです。伝説の工作員ニンジャが用いたとされるあの手です!

 

「にゃ~」

 

 G41は猫さんの物まねをしました! これで今までのことは猫さんの仕業と思って貰えるかもしれません!

 

「…なんだー、猫かー」

 

「…うん、猫の仕業だったのねー」

 

 やりました! Five-SevenとFALさんが猫さんの仕業と思ってくれました! 流石、ニンジャの秘術です!

 

 何だか、FALさんとFive-Sevenの喧嘩が収まりました。仲直りしたのでしょうか。よかったです。

 というわけで、G41はいそいそとFALさんらしき人に近づいていきます。

 そして、その前に行った時に段ボール箱を脱ぎ捨てて、ばっと立ち上がりました!

 

 その瞬間、いきなりハグされました。顔に柔らかいものが当たります。匂いから考えてFive-Sevenさんです。

 更に次の瞬間、目の前が真っ暗になりました。目を誰かに塞がれたのです。

 

「だーれだ?」

 

 声が聞こえます。声と手の感触と匂いから考えて間違いないです。G41は答えを言います。

 

「FALさん!」

 

「正解よ、G41!」

 

 そう言うと、視界が開けました。目の前にはFive-Sevenの、振り向けばFALさんの笑顔がありました。

 

「もう。なんでこんなに可愛いの、G41ちゃんは!?」

 

 Five-SevenさんはG41に頬ずりをして言います。くすぐったいです。Five-Sevenさんはよく一緒に戦ってきた人形で、G41によくしてくれました。大事な先輩です。

 

「はいはい。G41に邪なことを考えないでよね?」

 

 そう言って、よしよししてくれるFALさんは一番尊敬する先輩で、一〇〇式隊の同僚でもあります。G41はFALさんが大好きです!

 

 なんと、G41は大好きな先輩たちのサンドウィッチになってしまいました! でも、嬉しいです。二人ともG41をあまあましてくれます。えへへ。

 

「折角だし、三人でカフェでもいきましょうか?」

 

「そうね。G41ちゃんとならお茶も進むわ」

 

「はい! FALさん、Five-Sevenさん!」

 

 G41は二人に誘われてカフェにお茶をしに行くことになりました。わーい。G41は二人が大好きなので、いっぱいお話がしたいです。

 

 というわけで、G41のスニークミッションは失敗に終わりました。

 でも、FALさんとFive-Sevenさんにいっぱい構ってもらえて、G41は幸せでした! 二人も仲直りできました! なので、作戦は部分的成功でした! まる。



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13・G41にもブルーな日はあります(その1)

 ある日のことです。G41は突然、副官業務をキャンセルということになってしまいました。理由はM99ちゃんが予定より早く訓練を終えて帰ってきたから、ということです。

 M99ちゃんはこの間入ってきたばかりの戦術人形で、ご主人様ともそこまで親しい仲ではないです。というわけで、ご主人様はM99ちゃんと仲良くなるために、かねてより副官に据えようとしていました。

 

 そして、今回その機会が来たというわけですが。

 …やっぱりG41は面白くありません。今日もご主人様と一緒にいられると思ってわくわくしてたのに…本当に残念です。

 

 というわけで、G41はご主人様の部屋の前でドアののぞき窓から中の様子を見ています。M99ちゃんとどういう風に過ごしているのかが気になるのです。

 

 今M99ちゃんがお茶を出したところのようです。M99ちゃんがお茶を淹れたのを見たことはありません。でも、G41はお茶には自信があります! 一〇〇式(モモ)ちゃんと一緒に一杯練習したからです。だから、お茶で負けてはいないと思います!

 

「うん? 何だか、独特の香りの茶だな」

 

「はいっ! メグスリノキっていう木から作られたお茶です! 目や肝臓にいいんですよ!」

 

「そうか… うん、旨いな。ありがとう、M99」

 

 む~、ご主人様が美味しそうにお茶を飲んでいます。そんな変わったお茶を出すなんて反則です。

 

「はいっ! 指揮官の身体が良くなるといいです!」

 

「ああ。M99はいい娘だな」

 

 む~、M99ちゃんの頭をご主人様がなでなでしています。M99ちゃんも気持ちよさそうです。本当だったら、今日もG41がなでなでして貰う立場だったのに… む~。

 

「指揮官、今日もいろいろ教えてください。でも、前みたいに変なもの教えたら承知しませんよ! 恥ずかしすぎますから…」

 

「ああ。あの時のM99は可愛かったなぁ」

 

「もー、指揮官!」

 

 む~、何だか楽しそうにお話ししています。G41や一〇〇式(モモ)ちゃんの時はお茶を飲んだらすぐに仕事に取り掛かるのに。しかも、変なものって何なんでしょう。実はご主人様とM99ちゃんはG41が思っているよりも親しいのでしょうか。む~。

 

 とっても面白くないです。でも、M99ちゃんに当たってはいけません。そんなことはしてはいけないことです。

 G41は一〇〇式(モモ)ちゃんやFALさんといった優しい先輩ばっかりだったので幸せでした。これがG41をやっかんだりする先輩ばっかりだったらG41も悲しかったでしょう。自分が嫌なことを人にしてはいけないと思います。だから、M99ちゃんに当たってはいけません。

 

「まあ、M99はいつでも最高に可愛いけどな」

 

「もー… でも、認めてくれてありがとうございます、指揮官…」

 

 む~、いつまでも喋ってないで仕事をしてください、ご主人様!

 何だか、M99ちゃんに当たるのは筋違いな気がしてきました。悪いのは節操のないご主人様です! ぷー。

 

 もうG41は怒りました。ご主人様のばか。もうしりません。

 今日は一〇〇式(モモ)ちゃんやFALさんと一緒に遊ぶことにします。それでご主人様が楽しそうだから混ぜてって言って来てもつーんします。つーん。

 というわけで、バイバイご主人様。つーん。

 てててててててて…

 

 …てててててててて。戻ってきてしまいました。やっぱり、気になります。む~。

 

「M99、おいでおいで」

 

「はい。何ですか、指揮官?」

 

 ご主人様は手招きでM99ちゃんを呼びます。そして、無警戒にやって来たM99ちゃんを抱え上げてお膝に乗せました。

 む~。G41は悲しい気持ちでいっぱいです。ご主人様のお膝はG41の特等席なのに… む~。

 

「指揮官っ!なななな何をするのですか!?警察呼びますよ!」

 

 ぴこん! チャンス到来… もとい、M99ちゃんのピンチです! G41はすぐにドアを蹴り開けて部屋に乱入しました!

 

「ご主人様ー!!」

 

「え!?」

 

「ん? G41、どうしたんだ?」

 

 目を白黒させるM99ちゃんとご主人様に、G41は素早く近寄ります。そして、M99ちゃんを抱え上げて横にどかせてから言いました!

 

「ご主人様、めっ!」

 

 G41はご主人様を叱ります。M99ちゃんは警察を呼ぶぐらい嫌がってました。もうこれはセクハラです! セクハラはいけません。一〇〇式(モモ)ちゃんもM14さんもセクハラはいけませんって言ってます!

 

「ご主人様! セクハラするとFALさんに言いますよ!!」

 

「う… わ、悪かったよ、M99にG41…」

 

「あの…そ、そこまで大げさなことじゃないですから…」

 

 G41の言葉にご主人様が謝ってくれました。M99ちゃんもご主人様を許してあげるみたいです。これにて一件落着です。

 G41はM99ちゃんのピンチを助けてあげました! G41はいい先輩です! えっへん!

 

 というわけで、G41はご主人様のお膝に座りました。

 M99ちゃんをお膝に乗せるということは、ご主人様も癒しが欲しい、ということだと思います。でも、M99ちゃんはご主人様のお膝が警察を呼びたくなるぐらい嫌だそうです。なので、代わりにG41がご主人様のお膝に座ることにしたのです。

 後輩の嫌がる仕事をG41は積極的に引き受けてあげます! G41はとってもいい先輩です! えっへん!

 

 でも、何か落ち着きません。M99ちゃんの匂いがご主人様からするからです。む~。

 というわけで、G41はご主人様の方に向いて座りなおします。そして、身体全体でご主人様に全力ですりすりします。

 

「ええ!? ちょっ…!」

 

「お、おい!? G41!?」

 

 M99ちゃんとご主人様がびっくりしていますが、G41は構いません。すりすりすりすりすりすり…

 

「し、指揮官! お、お邪魔しました!」

 

「お、おい、M99!?」

 

 何だか、M99ちゃんが部屋から駆け出していきました。でも、G41は気にしません。すりすりすりすりすり…

 うん! ご主人様についた匂いがG41のものになりました。G41は改めてご主人様のお膝に座りなおします。うん。しっくりきます! やっぱり、ご主人様のお膝はG41の特等席です!

 

『…FAL。緊急任務が発生した。直ちに遂行を頼む』

 

『はいはい、分かったわ。…お礼はブッシュドノエルね?』

 

『う… わ、わかった…』

 

 ご主人様は通信モジュールを開いて、FALさんに緊急任務を依頼しました。何か非常事態が発生したのかもしれません。単独で任務を貰えるなんて、さすが、FALさんです。

 FALさんはブッシュドノエルが貰えるみたいです。あれは物凄く高いので滅多に食べられません。任務の報酬で貰えるなんて羨ましいです。G41も一口だけ貰おうとおねだりしてみます。

 

 次の日、ご主人様はまたお金が無くなったみたいで御飯がお水だけになってしまったみたいです。何にお金を使ったのでしょう。

 よくわからないですが、この前一〇〇式(モモ)ちゃんに習ったカレーライスを作って差し入れてあげようと思います。ご主人様、待っててね? まる。



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14・バレンタイン大作戦!

 G41はうきうきです。もうすぐバレンタインデーだからです。 

 バレンタインデーというのは好きな人にプレゼントをあげる日らしいです。なので、みんなどんなプレゼントを準備しようか、とうきうきしています。

 もちろん、この基地の戦術人形の好きな人というのは概ねご主人様です。もちろん、G41もご主人様が大好きです。

 なので、去年はほねっこをプレゼントしましたが、すごく微妙な顔をされてしまいました。なんでも、人間はほねっこを食べられないんだそうです。しょんぼりです。

 なので、今年こそは人間の食べられるプレゼントを贈ってご主人様に喜んでもらいたいです。

 FALさんの話だとこの国では主にチョコレートをあげるらしいです。

 G41はこの日のために貯金して来ました。チョコレートなら十分買えます。後はカリーナさんに陳情するだけです。わくわく。

 

 ところが、陳情しに行く一日前になって、FALさんがみんなを娯楽室に集めて言いました。

 

「みんな、チョコレートをあげるのは禁止ね」

 

 その一言に、みんなショックを受けました。G41もショックです。せっかく今年こそご主人様にチョコレートをあげようと思ったのに…

 

「ぶーぶー! FALさん、横暴だー!」

 

「ちょっとFAL! どういうつもり!?」

 

 SOPMODちゃんとAR-15さんがFALさんに抗議します。他のみんなも不満顔です。一体FALさんはどうしてチョコレートを禁止したのでしょう?

 

「あのねぇ… みんなが買えるチョコって言ったら戦術人形用の擬似チョコレートだと思うけど、あれって人工甘味料の塊みたいなものだから、人間の身体には悪いのよ?」

 

 FALさんの言葉に、みんなしん、となります。確かにFALさんの言うとおり、G41達の食べているのは擬似チョコレートです。確かに、あれはあんまり人間の身体に良さそうなものじゃないです。指揮官への好意を表そうとして、指揮官が身体を壊したら本末転倒です。

 

「あの、FALさん。天然物のチョコレートならいいんですか?」

 

「そうね。できたら、ダークチョコレートがいいわね。指揮官、甘いもの好きじゃないし」

 

 一〇〇式(モモ)ちゃんの質問にFALさんが答えます。確かにご主人様は甘いものが苦手です。それにダークチョコレートは身体にいいということを聞いたことがある気がします。

 でも、天然物のチョコレートはとんでもない贅沢品で、上級市民の人でないとなかなか食べられるようなものじゃないです。G41達戦術人形では買うのはかなり難しいです。

 

「じゃあ、チョコレート以外に指揮官には何を送ったらいいんですか!?」

 

 ステンちゃんが不満顔で聞きます。ステンちゃんもご主人様が好きなのでチョコレートをあげようとしていたに違いありません。なので、別の何かを送りたいのでしょう。G41もそれを聞きたいです。

 

「うーん、クッキーとかキャンディーとかでいいんじゃない?」

 

 FALさんはなんだかテキトーな様子でそう答えました。食べ物のことになるとFALさんはあまり頼りにならなくなります。凄いFALさんにも苦手なことはあるみたいです。

 

 というわけで、集会は解散になりました。

 

 G41は部屋に帰って貯金箱をひっくり返しました。じゃらじゃらじゃら、とコインが出てきました。結構いっぱいです。がんばって貯めた甲斐がありました。でも、天然物のチョコレートにはとても手が届きません。桁が違います。

 

 困りました。チョコレートも駄目でほねっこも駄目となると難しいです。クッキーを作ったらいいかもしれませんが、みんなでクッキーばかり上げるのもご主人様としては困ると思います。何か別のものにしたいです。

 

 いいことを思いつきました!

 

 G41は貯金箱を抱えてカリーナさんのところに行きました。物品を陳情するのです。

 

「カリーナさん、はい!」

 

 G41はカリーナさんの机のところに行って、どちゃっと貯金箱を置きました。お金が好きなカリーナさんの目が¥マークに変わりましたが一瞬で元に戻りました。カリーナさんはいい人なので、戦術人形の持ってきたお金を横領したりはしません。

 

「ええと? 物品の陳情?」

 

「はい! ささみジャーキーをお願いします!」

 

 カリーナさんの質問にG41は元気に答えます。ささみジャーキーのことを思うと幸せいっぱいです。

 G41はささみジャーキーをご主人様にあげることを思いつきました。ささみジャーキーはほねっこより好きなおやつです。G41の憧れです。ささみジャーキーなら、ご主人様も喜んでくれると思いました。

 もちろん、ささみジャーキーは天然物の肉を使うのでほねっこよりずっと高いですが、天然物のチョコレートよりはずっと安いです。貯金箱の中身で十分足ります。

 もちろん、G41はささみジャーキーを食べたいです。でも、ご主人様の喜ぶ顔を見るのが何よりも優先です。惜しむことはありません! …でも、一つ貰えたら嬉しいな、と思います。

 

「うん、わかったわ。ささみジャーキーなら一週間もあれば届くと思うし」

 

 あう。カリーナさんの言葉にG41は困りました。バレンタインデーは明後日です。とても間に合いません。

 でも、G41は一応カリーナさんにお願いしました。もしかすると何かの弾みで早く届くかもしれませんし。それにご主人様はあまりそういうことを気にしないと思うので、遅れてあげても喜んでくれると思います。

 

 でも、やっぱりG41はすっきりしないです。明後日、みんながプレゼントをあげている中、G41だけ手ぶらだとしょんぼりです。

 どうにかできないものか、FALさんに相談しに行くことにしました。FALさんなら物品を早く移送する方法を知ってるかもしれないからです。

 というわけで、G41は宿舎にFALさんを探しに戻りました。

 

「あ、G41ちゃん!」

 

 途中で一〇〇式(モモ)ちゃんに会いました。なにやら手に荷物を抱えています。一〇〇式(モモ)ちゃんはG41を探していたらしく、すぐに駆け寄ってきました。

 

「G41ちゃん、指揮官へのプレゼントは決まった?」

 

「うん、一〇〇式(モモ)ちゃん。あのね…」

 

 G41は一〇〇式(モモ)ちゃんに今までのことを正直に伝えました。すると、一〇〇式(モモ)ちゃんは力強く頷いて、言いました。

 

「よかった、役に立てて」

 

 そして、手にしていたものをG41に差し出しました。それは、ビニールに包まれたチョコレートの塊みたいでした。

 

一〇〇式(モモ)ちゃん、これ…!」

 

「天然物のダークチョコレート。これで指揮官へのプレゼントが作れるね!」

 

 驚くG41に一〇〇式(モモ)ちゃんは笑顔で言いました。きっと、G41がプレゼントで困っているだろうなって思って準備してくれたみたいです。

 

「でも、一〇〇式(モモ)ちゃんはこれ使わなくていいの?」

 

「いいの。G41ちゃんが喜んでくれる方が嬉しいから」

 

 G41ちゃんは大切な友達だから。そう言って、チョコレートをG41に渡してくれました。

 

 信じられません。どうやって手に入れたかは知りませんが、こんなのを準備しているのはきっと一〇〇式(モモ)ちゃんだけです。これでご主人様へのプレゼントを作ったら、ご主人様はきっととっても喜んで、一〇〇式(モモ)ちゃんのことを凄く好きになると思います。

 でも、一〇〇式(モモ)ちゃんはG41のためにこれをくれました。

 何だか、G41は感動しました。一〇〇式(モモ)ちゃんが友達で凄く良かったって思いました。G41は一〇〇式(モモ)ちゃんが大好きです。一〇〇式(モモ)ちゃんもG41が大好きです。二人は相思相愛です。えっへん!

 

「じゃあ、行こう。チョコレート作るの、手伝うよ」

 

「うん! ありがとう、一〇〇式(モモ)ちゃん!」

 

 一〇〇式(モモ)ちゃんの申し出にG41は嬉しくなって、抱きついてぺろぺろしてしまいました。一〇〇式(モモ)ちゃんも擽ったそうですが嬉しそうです。二人は相思相愛です。えっへん!

 

 そして、いよいよ迎えたバレンタインデー。G41はご主人様にチョコレートを渡しました。アーモンド入りのハート型の小さいチョコを一杯です。

 ご主人様はきっとブランデーとかと一緒にこのチョコレートを食べるらしいので、小さくて沢山の方がいいと一〇〇式(モモ)ちゃんに教わったからです。

 ご主人様は凄く喜んでくれて、G41を超なでなでしてくれました。俺、G41と誓約するとまで言ってくれました。物凄く嬉しいです。一〇〇式(モモ)ちゃん本当にありがとう。

 

 ちなみに、一〇〇式(モモ)ちゃんはご主人様に毛糸のマフラーをあげたみたいです。赤いマフラーなので、何だか一〇〇式(モモ)ちゃんとお揃いに見えます。ご主人様は喜んでいました。

 というわけで、G41と一〇〇式(モモ)ちゃんのバレンタイン大作戦は大成功でした! まる。



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