チート特典エロ同人のおっさん (ワックス)
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チート特典エロ同人のおっさん(サンプル版)

「あの…何を言っているのか分からない」

「ですから俺が貴方のチート特典としてサポートする、エロ同人のおっさんです」

 

 俺の目の前にはデップリとしたお腹に油っぽく出来物のある顔をしたおっさんが立っていた。

 

「読んだことありません?エロ同人」

「いやあるけど……」

「それです」

「どれだよ」

 

 なぜ俺はなぜこんなチート特典なのか。普通に魔力が高いとかじゃだめなのだろうか。

 

「幸い町スタートなので急いで行きますよ、佐藤さん」

「何で俺の名字を……」

「エロ同人のおっさんですよ?そんなのどうとでもなります。さあ早く」

「何でそんなに急いでるんだ?」

「エロ同人ですからあまり長いページ書くことができないのです」

 

 どういう理論だ。

 

「ここはファンタジーな世界なのでさっさと小金を稼いでまずは拠点をつくりましょう」

「ファンタジー?ってことは魔法何かも使えるようになってたり……」

「いえ、佐藤さんは魔力が無いので使えません。おっさん以外のチートを持っていないので当たり前ですが」

「じゃあおっさんは使えたり……?」

「おっさんは基本物理型なので魔法は催眠以外は使えません」

「催眠は使えるんだ」

「流行りですからね。特に東の方何かでは特に」

 

 東の方……極東や日本って意味ではなさそうだ。

 

「とはいえ、基本女やナヨナヨした男には物理で勝てますが、動物には特に補正がないのでよくある冒険者ギルドとかで稼ぐのは無理ですね。なのでお金ですが……おっさんは薬を持ってるのでそれを売りましょう」

「持ってるんだ。科学者だったりするの?」

「エロ同人のおっさんなので、依存性がない快楽を得る薬から、依存性がある快楽を得る薬までありますよ」

「薬以外で稼ごう」

 

 ヤバい薬しかねえ。

 

「じゃあここは商売何ていかがでしょう?」

「商売って何を売るんだよ……」

「あなたのスマホや腕時計、ハンカチなんかです。好事家に売れると思いますよ?」

 

 けっこうまともな案だ……ここは任せてみよう。

 

「じゃあこれを売ってきてくれ」

 

 腕時計を渡すと、おっさんは少し離れて近くの商店に入って言った。

 暇なので周りを見ると、普通に文字は読めるし言葉もわかることに気がつく。……なぜだろう。

 

「売ってきましたよ」

「うわっ!早いな!」

 

 手のなかには重たそうな袋が吊り下げられている。

 

「エロ同人のおっさんは仕事が凄くできるか凄くできないかの二極ですからね。俺は有能タイプのおっさんです」

 

 お金は有るしとりあえず今日は疲れたから宿でもとろう。

 

「おや、すみませんサンプル版なので今日のところは失礼します。次回製品版でお会いしましょう、それでは」

 

 サンプルって何だよ。

 

 



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獣耳テイム

 ベッドで目が覚めると直ぐにおっさんが目に写った。

 

「……サンプルはもう終わりじゃなかったのか?」

「メタ発言は萎えるって意見の人がいるので避けた方が良いですぜ」

 

 また訳のわからないことを

 

「さて今日はどうしますか?」

「どうするって……昨日の腕時計のお金が思ったより大金だったし、まずはゆっくりこの世界のことを知ってから……」

「そんな寝とられナヨナヨ男のようなことを言ってはいけないですぜ。お金が有るうちに動くべきですぜ」

 

 確かに一理有るかもしれない……だが、ひとつ気になることが

 

「お前そんな口調だったっけ?」

「頭悪い系エロ同人のおっさんですから設定なんて簡単に変わりますぜ」

「ワケわからん」

「まあまあ、細かいことは気にせずに。まずはどうやって金を儲けるかですぜ」

「儲ける……か」

 

 金を得るなら仕事をするけどファンタジーでの仕事って何があるんだ?

 

「手っ取り早いのは女をエロ同人することですが、まともな稼ぎ方も持っておいた方が良いでしょう」

 

 エロ同人するって何だよ

 

「例えば肉体労働ですが、佐藤さんは……あまり向いてなさそうですね」

「否定はしない。後思い付くのは……職人とか農家とかだけど、どちらも難しそうだな」

「……ここは商売なんていかがでしょうか」

「俺商売なんてしたことないし簿記とかも知らないぞ」

「昨日腕時計を売るときに聞いたのですが、この町ではギルドが合って其処でお互いに助け合う制度が有るらしいですぜ。

 それに、今から職人や農家になるよりはずっと可能性有ると思いませんか?」

 

 ギルドか……そうだな。考えたら俺ってこの世界で役立つスキル持ってる訳じゃないし、まだ商売の方が可能性有るかもしれないな。

 

「じゃあ、ギルドとか言うところに行ってみるか」

「わかりやした。じゃあ場面転換ですぜ」

 

 xxxx

 ~~商人ギルド~~

 

 

「何をしたんだ?」

「場面転換ですぜ」

 

 辺りにはワイワイ話している人たちがいる。泊まっていた宿とはまるで異なり、TVで見るホテルとかのような空間だ。人もどことなくインテリでブルジョワジーな空気をまとっている人が多い。

 

「受け付けに行って加入しましょうぜ」

「なんかこういうの緊張するな」

「そんなこんなことで緊張なんて、おっさんはいつもアーサー王をエロ同人してるんですぜ?こんなの簡単ですぜ」

 

 受け付けに行くと、目付きの鋭い男性がいた。何か受け付けって女の人のイメージが有ったから新鮮だ。

 

「商売始めたいのでギルドに加入したいんですが、どのような手続きをしたら良いんですぜ?」

「加入ですか。……我々のギルドでは2つの条件を満たすことで仲間として受け入れています。1つ目は金、十万Uをギルドに納めること。そして2つの目は信頼です」

 

(おっさん、お金今いくら持ってるっけ?後Uってなに?)

(三十万U有るので大丈夫ですね、払ってしまいましょう。後Uはお金の単位でウスイと読みますぜ)

 

「これで良いか?」

 

 どのくらいで十万Uなのかわからないため、袋ごと出して渡すと、受付の人にほんの少し驚きの表情が出たのが見えた。

 

「……少々そちらの部屋で座ってお待ちください」

 

 部屋の中に入ると、低めのテーブルに大きめの椅子、果物が木の皿に入っておいてある。

 

「椅子も机も彫刻や装飾が有るし、かなり高いレベルですぜ。そして果物も……うん、旨い。佐藤さんに分かりやすく言うと、デパートでちょっと背伸びしたくらいの味ですぜ」

「……何か文明レベル低そうな世界だと思ってたけど、やっぱ金があるところは違うというか凄いんだな」

 

 恐る恐る果物に手を伸ばして食べる。俺の貧困な語彙力ではうまく表現できないが、普段食べてたものより豊かな味わいだ。

 

「そんなに緊張しないで、いざとなったらおっさんが催眠を……?これは」

「どうしたんだおっさん」

「いえ、人が来たようですぜ」

 

 扉を開かれる。目を向けるとそこにはモノクルのようなものを付けた小柄な獣耳を女の子がいた。足が悪いのか少し違和感が有る歩き方で椅子に迎い、席に座ると何枚かの紙をテーブルに広げる。

 

「どうも、今回のギルド加入について担当させていただくケモミミーです。お名前を伺ってもよろしいでしょうか」

「佐藤です」

「おっさんです」

 

「ではギルドに加入するということですが、推薦状など何か信頼するに足る何かを示していただけますか?」

 

 信頼か。ここに来たばかりの俺には推薦どころか知り合いもいない。

 

(おっさん、どうしようか)

(ここはおっさんに任せてください)

 

「推薦も紹介も有りませんぜ」

「…………では、商人ギルドに入るのですから商売をするんでしょうが、どのような計画を立てていますか?」

「入ってから立てる予定ですぜ」

「…………」

 

(おっさん、もうちょっと誤魔化すとか)

(この部屋には嘘を見抜くためのマジックアイテムが置いてありやした。ここは正直に話すべきですぜ)

(そんなのが……というかこの世界に来て初めて魔法要素が嘘発見器か)

 

 その後も幾つかの質問をされるが、どう考えても信頼を得られないような答えばかりをおっさんは返す。

 

(おっさん!何を考えてるのかわからないけどこのままじゃ……)

(いえ、大丈夫ですぜ。そろそろ効果が出る頃で……ほら)

 

 カランとペンが落ちた音が響く。さっきまで質問をしていたケモミミーさんの方を見ると、顔を赤くして息が荒くなっていた。

 

「おっさん、何をしたんだ薬でも盛ったの!?」

「いえ、薬なんて持ってないですぜ。」

「じゃあ催眠……」

「このギルドでは魔法が制限されてるので、私は催眠になんてかかってませんよ♥」

「へ?」

 

 ケモミミーさんはうっとりとした表情でペンを拾っておっさんを見つめた。

 

「おっさんの無限に有るエロ技のひとつ……雄臭ですぜ。作者によりやすが、今回は股間の雄臭に特化して使いやした」

「うわ、何か汚くてやだ!」

「犬みたいな見た目だったので使ってみやしたが効果抜群のようで」

「あぁ、こんなにたくましい雄の臭いを嗅いだら、女はこうなりますよ♥」

「あ、何か寝とり、寝とられ系エロ同人で見たこと有る台詞を」

 

「じゃあギルド加入のための信頼はどうなりやす?ケモミミー」

「勿論大丈夫です♥」

 

 ケモミミーはサラサラと書類にペンを走らせる。

 

「加入の手続きはお仕舞いです♥それと今後お店を開きたい時や取り扱う商品等について聞きたいことが有ったら何でも聴いてください♥」

 

「……まあ今の状況は置いといておっさん、どんな商売するかは今のうちに決めといた方が良くないか?」

「それもそうですね。ケモミミー、何か狙い目は無いのか」

「へ?狙い目ですか……最近町の近くのダンジョンが活性化してるので冒険者向けの商品とかいかがでしょう♥」

 

「冒険者向けか……ポーションとか銅の剣とか?」

「糸とかテントとかあのね系かもしれませんぜ?……まあそういう詳しい話は次回で良いでしょう。それじゃあそろそろおっさん一旦消えますね」

 

「えぇっ!?そんな、私のこの状態を解消してくださいよ♥」

「残念ながらここは全年齢対象の時空なので次回までに佐藤さんに慰めて貰いなさい」

「そんなぁ♥」

 

 ……全年齢対象って何だよ



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迷宮のあのね

「おや、なんの準備で?」

 

 おっさんが目の前に現れた。相変わらず訳のわからんおっさんだ。

 

「これから冒険者需用を調べるために一度ダンジョンに潜ってみるところ何ですよ」

「一応おっさんの分も用意しといたけど」

「有りがたく貰いますぜ。……剣ですか、細いですね」

 

「ケモミミーさんが元冒険者とのことで少し指導してもらったんだ」

「一応浅い所なら一人でもダンジョン潜れるくらいにはやれますよ」

 

 元冒険者だけど足に怪我をして引退したとのことだが、魔法も剣も使えるとのことだ。

 

「ふむ……じゃあ場面転換ですかね。よっこいしょ」

 

 

 XXXX

 

 ~~ダンジョン~~

 

「あれ、ここはどこです!?」

 

 周りを見るとダンジョン、また場面転換とかやらを使われたらしい。

 

「ケモミミー、微妙に口調が被るからこれからはワンと付けるかハートを付けて話すんだぜ」

「はい♥」

 

 ハートをつけて話せってなんだ

 

「それにしてもここがダンジョンですか……けっこう広いんですぜ」

「はい、所謂自然現象的に作られた物では無いですから♥」

 

 地面が土だ……洞窟って岩で狭くて暗いみたいなイメージが有るけど何か広いし土だし明るいし……なんなんだ?

 

「魔力はわずかに光る性質を持ちますから、魔力の濃いダンジョンは光源が要らないんですよ♥魔法とか使うときにぽわって明るくなるあれですね♥」

 

「エロ同人に細かい設定は要らないから早く行きましょうぜ」

「ここはエロ同人じゃねえよ」

「そうでしたハーメルンでしたね」

 

 ハーメルンって何だよ笛吹?

 

 

 暫くダンジョンを歩く。

 

「人とすれ違ったりって無いんだな」

「玉に他のパーティーと合いますよ♥ダンジョンの中って基本ダンジョンと特殊ダンジョンって言うのがあって、特殊ダンジョン……」

「細かい設定何て誰も読まないから聞かなくて良いですぜ。どうせ使わないですし」

「そんなぁ♥」

 

 雑談をしていると、ふと嫌な臭いがしてきた。

 

「なんの臭いだ?獣臭のようなトイレのような……」

「あれ、ほんとだ♥オッサンさんの香りに夢中で気づきませんでした」

「ふむ、これはもしや……って、危ないですよ」

 

 おっさんが飛んできたなにかを盾で受ける。これは……弓矢?

 

「やはりこれはゴブリンですね」

「いや、違うと思いますよ♥ゴブリンってもっと馬鹿で突撃してくるような……」

 

 と話していると奥からゴブリン逹が現れた。地獄の餓鬼を思い出させる細い四肢にボッコリと出た腹、よだれをたらし不潔な見た目で、持っているのは粗末な武器だがそのギョロリとした目は現代人である俺に恐怖を与えるのに十分だった。

 

「ちょっと任せてください♥【p_ket.is2.GXmzi】」

 

 ケモミミーさんが訳のわからないことを呪文?を唱えると僅かに光った後、光球がゴブリンに当たり体を弾き飛ばした。だが、後ろからどんどんとゴブリンがやって来る。

 

「え嘘。数多いし何かいつもと違う♥」

「ふむ……たぶんおっさんがいるからですね危惧していたことが起こったようですぜ」

「何が起きたんだ?」

「簡単に言うと……おっさんのエロ同人パワーによる補正がかかっているようですね。恐らく流行りのゴブリンをスレイする同人によりパワーアップしているようですぜ」

 

 ゴブリンをスレイするやつか……あれのゴブリンはかなり厄介だったはず。

 

「今回はおっさんが悪いですから、ちょっと本気を出しますぜ」

 

 おっさんは懐から吹き矢を取り出すと的確にゴブリンに当てていく。

 

 ゴブリン逹の動きが止まり、メキメキという音と共に大きくなっていく。四肢はすらりとして今まで生えてなかった髪の毛が生えて、口は小さくちょこんと赤く、目は大きいがギョロリという物からパッチリという擬音が似合うものになり……

 

「これがおっさんの無限に有るエロ技、美少女化ですぜ」

「技って言うか、なに使ったんだ?」

「ん?エロ同人の妖精さんを使っただけですよ。今の時代戦艦が美少女に成るんですからゴブリン位容易いものですよ。というかもう確かいましたし」

「もういるんだ」

「オッサンさん凄いですね♥」

 

 凄いで済ませて良いのか?

 

「所詮ファンタジー世界でしか出番がない弱者、ファンタジー現代男女問わずに活躍しているおっさんの相手をするには格が足りませんね。せめて触手やスライムと手を組めばわかりませんでしたが」

 

 美少女ゴブリンと残されたゴブリンが困惑している。そらそうなるか。

 

「奥に進みましょうか」

「ゴブリンはどうするんです?♥」

「勝手によろしくやるでしょうからほっときましょう」

 

 ほっといていいのか

 

 

 さらに奥へと行くと、聞いたことのない音が響いてきた。

 

「何だ?このキィンって感じの音」

「魔法の発動ですね♥たぶん冒険者のかたでしょう」

「おっさんのエロ同人がエルフとオークが戦っていると言ってやすぜ」

「エロ同人って付ければなにやっても良い訳じゃねーぞ」

 

 それにしてもエルフか……少し気になるな見てみたい。

 

「エルフとオークですか♥不味いですね……オークはかなりタフなのですが、エルフは魔法ばっか使いますからかすぐガス欠になるんですよね♥こんな浅い所なら新米でしょうし全滅も見えますね♥」

「ケモミミーさんなら勝てるのか?」

「私なら5、6匹位なら勝てますよ♥」

 

 ケモミミーさん意外と強キャラなのか。それならせっかくだし……

 

「おっさん、助けにいってみないか?」

「大丈夫だと思いますけどねぇ……まあ行きますか」

 

 音のする方へ行くと、悲鳴が聞こえてきた。

 

「たっ助けてくれー!!痴女が!痴女が!」

「まてまてー♪」

 

 ……これは

 

「おっさんのエロ同人により痴女エルフによる逆レイプがされようとしていますね」

「えぇ……」

 

 エロ同人さっきから変なことしかしてないな。

 

「ちょっとおっさんは次回までエロ同人抑えるのでその間に敵を倒しといてくださいね」

 

 ……エロ同人ってそもそもなんだよ



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佐藤さん店ノ金事情

「そろそろ終わりましたか?」

「今回は早いんだな」

 

 何時ものようにおっさんが現れた。いったいどんな法則で現れてるんだろう。

 

「このお方が私たちに支援魔法を使ってくれたのですか」

「ん?佐藤さんこのメスエルフどもはどうしたんでやすか?」

「ああ。助けた……助けたで良いのか?まあオークと戦ってたエルフ逹だ」

 

 エルフ曰く魔力切れてたところに急にモリモリ力が湧いてきてオークを腕力でねじ伏せたらしい。そこでおっさんが消えてエロ同人モードが終わり、ケモミミーさんがズンバラリとオークを切り伏せた。

 エルフたちは、エロ同人モードを支援魔法を使ってくれたと勘違いしている。まあ、エロ同人補正でストロング痴女になってたと言う説明したとしてもワケわからんだろうし。

 

「いやぁ~助かりましたよ。こんなお強い方が何で浅い層に?」

 

 エルフといっても性格には個性があるようで、おしとやかなお嬢様みたいなのもいれば、ざっくばらんとしたのもいるようだ。……女だけなのは何故なのだろう。この世界では当たり前のことなのだろうか。

 

「俺たちは冒険者向けの商売するために現場を見てみようかと思って……」

「そういえばそうでやしたね。参考になりやしたか?」

「うーん……まあそれなりに」

 

 正直ケモミミーさんに聞けば十分だった気もする。

 

「正直これ以上潜っても何か得られると思えないし引き上げたほうがいいか?」

「おやお帰りで?なら場面転換でやすね」

 

 XXXX

 

「この感覚にももう慣れたな」

「これって魔法……なんですか?♥」

 

 気がついたら泊まっている部屋に帰っていた。

 

「それで、今回はダンジョンを視察したわけですけど……お店は冒険者向けの方向性で進めていきますか?♥」

「うーん……そうしようかな。別に後から取り扱う物変えても良いわけだし」

 

 最初は冒険者向けから始めて、場合によってはコンビニのように色んな物を置いていく何てのも良いだろう。

 

「じゃあ事業計画立てていきますか♥先ず資本金ですが……。まあ最低800、出来れば1200Uは欲しいですからしっかり計画書書いて借りないと……♥」

「え、そんなに要るの!?」

「まぁ、そうてすね。キチンと返済は出きると思いますよ♥。それにウチのギルドって基本身内には優しいので色々サポートしてくれますし」

 

 何か不安だな……奨学金やローンはしたことあるけどこういう借金は初めてだ。

 

「しっかり計画書書きますよー♥融資の担当のお局様いるんですけど、私見たいな年下の女に対してスッゴい厳しいんですよ……はぁ……やだなぁ……」

 

 何か仕事の内容になったからか、ハートが減ってきてガチの溜め息が出てきてる……苦労してるのだろうか。

 

「ほぅ。そういうことならおっさんに任せてください」

「え、何する気なんだおっさん」

「おっさんは普段は戦車娘のお母さんや、笑顔のプロデューサーの上司を相手しているのですよ?任せてください」

「その言葉で何してくるか解ったがちょっと待て。それはちょっと……」

「オッサンさん♥是非ともあのクソ女のことお願いします♥……フフッ」

 

 ケモミミーさんがとても愉しそうな顔で笑っている。どれだけ嫌いだったんだ。

 

「そういうことですのでしばらく待っててください。次回までには調教し終えてくるんで」

 

 調教はアウトじゃないか?




「サブタイとかってつけた方が良いんでやすかね?」


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幕間

 書類をトントンと揃えてから袋に入れ、荷物を準備していると郵便受けに手紙が入る音が大きく鳴った。

 

「何が来たんだろう」

「心当たりは無いんですか?」

 

 ケモミミーさんはおっさんが居ないと普通に話す。最初は違和感があったが、今では慣れた。

 一度作業を中断して郵便受けに向かうと、1枚の封筒が入っていた。送り主は……おっさんと書いてある。封を切り、中身を見ると1枚の変わった紙が……

 

『ほら、もう一度いってみろ』

『フーッフーッ、あ、あたしはおっさん様のメス――』

 

 ビリィと紙を破る。何かもう少しで何かが危なかった気がする。

 

「あ、これってnhoo記録用紙ですね。高いし短時間ですけど音声と画像の記録が出来るんですが……まさかこんなことに使うとは」

 

 本当だよ。何でファンタジー世界で知らない奴の寝とられアへ顔ダブルピースビデオレター送られなきゃいけないんだ。

 

「あ、まだもう一枚入ってますよ。えーっと……」

 

『わ、わかりました!!ギルドから貴方のお店に無利子無担保返金義務無しで資金を提供しますので、だから早く、私にその――』

 

「……嫌いな人の惨めなところ見てたら何か興奮してきました。ねぇ、計画書出さなくてよくなったみたいなので今からヤりません?」

「まだ日が高いから……後、中身はともかく提出は必要だろ」

 

 せっかく書いたのを無駄にするのも何か悔しいし。

 

「じゃあ早く出してきて帰ったらヤりましょう」

「……何か昔の時代は10人兄妹とか居たのがわかるな」

 

 元々今日提出しに行く予定だったので、既に準備はほとんど終わっている。

 

「じゃあ私は先に向こうに行ってますね。私の担当ではありますけど、流石にプライベートでこういう関係となると色々問題ありますので」

「分かった。じゃあちょっと遅れていくわ」

「早く終わらせて帰りましょうね」

 

 軽く伸びをしてからケモミミーさんは立ちあがり、そのまま部屋を出ていった。

 俺は荷物を纏めてから封筒を机に仕舞おうとすると、中にまだ何かが入っていることに気が付く。上手く取れないので、中身を机の上にバサバサと落とすと数枚の5角形に折られた紙に日本語で書かれている。内容は『今度生む薬』『生える薬』『媚薬』『でかくする薬』『沢山出る薬』etc……

 

 俺は少し迷ってから幾つかを机に仕舞って、残りはゴミ箱に投げ捨てた。

 窓から外の大時計を見るが、全然時間は進んでいなかった。

 

「まだ早いけど、寄り道しながらいけばちょうど良い頃に着くかな」

 

 この世界には時計は既に存在している。腕時計も高額だが存在している。聞いたところによると、蒸気機関も有るらしい。まだ、蒸気機関を利用した物は存在していないみたいだがらこれからもしかしたら工業化していくのかもしれない。別に俺が発明しても良いかもしれないが……

 

「せっかくのファンタジーを楽しまないとな」

 

 



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薬取歌

「やあ、調子はどうでやすか?」

「今回は遅かったな、今日から開店だ」

 

 暫くおっさんは顔を出していなかった。その間に妙にもじもじしてる人に事業計画話してお金借りたり、建物選んだり仕入れたり、この世界の常識を聞いたりしていた。

 

「おっさんは佐藤さんのチート特典でやすから、貴方が必要としていない限りおっさんは現れないんですぜ」

「まあ今まで助けてはもらっていたと思うけど、何か認めたくないな」

 

 というかそういうギミックだったのか。

 

「さて、お店の店員は佐藤さんと……このメスエルフは?」

「この前ダンジョンで助けた子のルーエ。冒険者を諦めたんだってさ。地元への交通費を稼ぐために働き口探してたから」

 

 おっさんがいない間にもちょっと色々有ったのだ。店員も欲しいけど、ケモミミーさんはギルドの仕事有るから手伝えないし丁度良かった。

 エルフは長く生きてるからか、頭の良さはともかく知識は豊富なものが多い。具体的に言うとルーエは五桁の掛け算を九九のように暗記している上に言語を十以上話せる程で、頭脳労働では引っ張りだこな人材だったりする。正直この店で働くには勿体無い。

 

「おっさんは何をやれば良いんで?」

「そうだな。この世界不思議なことにレジもコインカウンターも有るし会計はこっちでやるから、他の品出しとか頼める?」

「はい、任されやした」

 

 何度かこの世界のコインカウンターを弄る。この国のコインは全て同じ大きさ、同じ厚みであり特定の金属がどれだけ含まれているかで価値が決まる。

 偽物を掴まされないようにカウンターに付いている投入口に入れると、重さ大きさで本物か見分けることができるようになっているらしい。

 

「そんな初体験前の童貞みたいに緊張せずに気やったほうがいいですぜ?そんなんじゃ立つものも立ちませんぜ」

「…………」

「どうせ新しい店といっても近所にコンビニやラーメン屋ができるようなもので、そんなに大したことじゃないんです。ヤり部屋に行くような気分で気軽に……」

「……結構悩んだ身としては少しイラッとくるが確かにそうだな。まさか特別な店というわけでもないし行列が出来るなんて無いし」

 

 そう思い外を見ると、やはり誰もいない。ちょっと残念だが安心もした。

 

「さとう店長、もうそろそろ時間なので、旗の準備してきます」

「わかった。お願いします」

 

 この地域だと店は営業中は旗を上げる。前の世界のopenーcloseのひっくり返すやつみたいなものだ。

 

「あ、そうだ佐藤さん。この前送った封筒見てくれやしたか?」

「見たよ。これからは音声とかいらんから紙で――」

「いや、そっちじゃなく一緒にはいってた薬なんでやすが……」

 

 カランと扉からベルが鳴り、纏まった人数が入ってくる。

 

「ルーエ!!来たぞー」

「おー悪くないじゃん」

「サトウさんおはようございます」

「ふぁぁ……皆よく眠くないね」

「んー、ちょっと変わった雰囲気」

 

 ルーエの元仕事仲間だ。地元でも友達だったらしいが、これは……お客様で良いんだよな?

 少し迷ってると裏からルーエが戻ってくる。

 

「おお、いらっしゃいナルミー」

「おうルーエ元気そうだな。皆が折角だしここでお金落としていこうってな」

「使ってけ使ってけー」

 

 ワイワイしながら彼女たちが商品棚を見ていく。取り合えず開店0人は回避できたようだ。

 そのうち他のお客様もチラホラ入ってきて仕事一日目が始まった。

 

 暫くして、棚の補充と整理をし始めると不意に袖を引っ張られる。振り替えると大人しそうな人間の女性がいた。

 

「あの……探してるものがあって」

「何をお探しで?」

「ぁの……その……子供が出来る薬を」

「えっ」

 

 有るといえば有るが、何故それを知っているのか。

 

「その、ギルドの私のお友達が教えてくれたんです。ここで働いている人に薬に詳しい人がおるって。わたし、子供が出来なくて………」

 

 ……理由は結構切実だ。だが、良いのだろうか。おっさんのにより作られた孕み100%と書かれたふざけたような薬をこんなに悩んでいる人に渡しても。飲んだらエロ同人補正で感動3000倍とかフタナリになるとか副作用あるかもわからないし。

 

(佐藤さん……おっさんです……いま催眠術の応用で心に話しかけています……あの薬に副作用は無いです……ご安心を……)

 

何かもうおっさん何でもありだな。

 

「……効果も副作用についても確かな保証は出来ませんが。それでも良いなら」

「ありがとうございます!」

 

 裏から何かあったとき用に取っていた五角形に折られた紙に包まれた薬を持ってくる。

 

「こちら飲み込めば効果が出るらしいので……」

「これであたし、今度こそ……!」

 

 色々大変なことがあったのかなと考えていると、レジのルーエが助けが欲しいとジェスチャーをしていた。

 

「では、お会計はあちらで」

「はい!!」

 

 とレジの応援に行こうとすると、今度は別の人に袖を掴まれる。

 

「性病に効く薬があるって……」

「ちょっとお待ちくださ――」

「勃起するようになる薬があるって本当ですか?」

「あのー避妊薬あるって……」

 

 ……いったい何が起きてるんだ

 

(おっさんです……佐藤さん、お店が繁盛するようにギルドの行き遅れメスを使ってそれとなく宣伝しておきました……)

 

 お前の仕業だったのか!

 

 

 ーーーーその後、俺の店は性の悩みを解決してくれるとして繁盛しました

 



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