戦姫絶唱シンフォギアZ-ゼロ- (ザ・ワン)
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プロローグ 1話 出会い

皆さん、前作を知っている方々は私のミスにより削除してしまって申し訳ないです。

今回の作品も前作と同じ主人公で、話をリメイクして行きながら進めていきたいと思います。
どうかよろしくお願いします。

因みに今回の作品はプロローグを3話続けてから本編へと進んで行きます。
このプロローグでは、中学時代の紘と響の出会いを描いてますので是非とも読んでくれたら嬉しい限りです。


......

 

遡ること2年前...ツヴァイウィングのライブを楽しみにしていたわたしは親友である未来と待ち合わせをしていたのだが、未来は急用でライブに行けなくなった…。

わたしは来れなくなった未来の分までライブを楽しむ事にしたのだが、事件は起こった。

 

そう、ライブ会場に沢山の認定特異災害《ノイズ》が現れたのだ。

警備用レプリロイドに導かれる様に会場から逃げる人々だが、急なノイズの出現に観客達はパニックになり、警備用レプリロイドもノイズに取り込まれてイレギュラー化してしまい、わたし含む観客達は絶体絶命に追い込まれた。

 

そんな地獄と化した会場に歌が流れる...。

さっきまでライブの衣装に身を包んでいたツヴァイウィングの2人は謎のプロテクターを身に纏い武器を持ちノイズやイレギュラーと化したレプリロイドを次々と殲滅して行ったのだった。

 

逃げる観客達にわたしは着いて行ったのだが、途中で恐らく母親とはぐれた小さな女の子が独りで泣いていた。

わたしは駆け寄って少女の元へ行き、今すぐ逃げるように言うと、少女は急いでこの場から逃げて行った。

 

安心したわたしも急いで逃げようと思ったのだが、私の周りをノイズやイレギュラーが囲み、逃げ場を失った。

更に突如、私の胸に謎の破片が突き刺さる。

大量の血を流しながら、意識が朦朧としながらわたしは死を覚悟した。

 

その時、ツヴァイウィングの1人である天羽奏さんがボロボロの姿でわたしの元へ駆け寄りこう言った。

 

「...生きるのを諦めるな!」

 

そう言い、奏さんが歌う歌は戦場に響き渡りノイズやイレギュラーを消滅した...。

しかし、そのエネルギーは奏さんの身体を蝕みその場で倒れる。

 

朦朧とする意識の中、わたしが最後に見た光景がツヴァイウィングであり奏さんのパートナーの風鳴翼さん。

翼さんの腕の中で奏さんは息を引き取り、翼さんの奏さんの呼ぶ声を最後にわたしの意識は途絶えた...。

 

 

......

 

 

その後、病院に緊急搬送されたわたしは何とか生きていた。

後から聞くと、ライブ会場を襲ったノイズやイレギュラーによる被害より、逃げ惑う人々の起こした暴行や、将棋倒しに倒れた際の圧迫死の方が圧倒的に多いとの事だった。

その被害は実に12874人による。

 

そんな中生きていたわたしは奇跡の生還とまで言われて、周りに祝福され、国からの被害金として沢山のお金がわたしの家族に寄付された。

 

未来や家族に会いたい決心で頑張ってリハビリをして、身体も順調に回復し3ヶ月もしたら退院出来る様になった。

 

そして学校へ復学出来る様にしてもらい、わたしは以前と変わらずに学校へ足を運んだ...。さらなる地獄が待っている事も知らずに...。

 

わたしが学校に着くと、周りの生徒達がわたしの事を怪訝な目付きで見てわたしに聴こえない程度の陰口を言っていた。

それは廊下でも続き、わたしが教室に入ると、クラスの皆はわたしの事を見て何か話している。

 

周りからの目に足取りを重くしながら自分の席へ着くと机には何者かが描いたのか解らないが、『金ドロボー』『お前が死ねばよかった』『馬鹿!アホ死ね』など沢山の文字が書かれていた。

 

それでもと気にせずに机の中に入れていた教科書を見ると、ビリビリに破かれていて1ページ1ページに同じ様な言葉が書かれていた。

 

それを見ていたわたしにクラスの女の子が泣きながら言った。

 

「何であんた見たいな取り柄のない奴が生きてるのよ!?」

 

彼女がこう言うのには理由があった...。

この中学校のサッカー部には、将来が有望視された一人のサッカー部員が居た。

彼もまた、ツヴァイウィングのファンで同じ様にライブに観客として参加していたのだが、彼はノイズに襲われて命を落とした。

彼女がさっき言った通り、何故将来が有望視されてる彼が死んで何も取り柄のないわたしが生きているのか...。

生徒達はそれが不思議でならず、尚且つ国からの被害金として受け取ったお金をわたしが持っていると言うのにも納得が行かないと言う。

 

それが、わたしに対する虐めの理由だと...後で知った。

 

それからと言うもの、虐めはエスカレートして行き、わたしだけでなくわたしの家族にまで被害が及ぶことになった。

お母さんとおばあちゃんはわたしを守ってくれたが、肝心のお父さんが事件以降、わたしが原因で仕事をリストラされ家でも酒やら暴力やらで家庭は崩壊していく...。

そのお父さんはある日を境にわたし達に何も言わずに家を出て行き、お母さんもおばあちゃんも心身ともに疲れ切っていた。

 

親友である未来にもわたしと居たら同じ被害を受けると思い、極力会うのは避けて独りでいる事が普通となった。

 

こういった生活が続いて行き、元々明るかったわたしの性格も也を潜め暗い性格となってそれを面白がってクラスの皆はわたしに対する虐めを辞めずにいた。

 

ある日、わたしは学校を早退しようと思ってボロボロになった鞄を手に取って教室を出ていった。

校門を出て家に帰ろうと思ったわたしに後ろから1人の男の子の声が聴こえた。

 

「待って!...立花さん、今から帰るのか?」

 

後ろを振り返ると、同じクラスの男子生徒がわたしと同じ様に鞄を持ってわたしの所へ走って来た。

 

「...だったら何?」

 

素っ気ない態度で彼を振り切ろうと思ったが、彼はわたしの隣へ来てこう言った。

 

「なら、俺も帰ろ。たしか...途中まで帰り道一緒だったよな?」

 

「...わたしに着いて来ないで。一人で帰るから」

 

わたしは一緒に帰ろうと言う彼にそう言って早足になって歩く。

すると突然わたしの腕を掴んだ彼はわたしに向かって言った。

 

「あんな悲しんでる立花さんを見てたら一人くらい助けたいと手を伸ばす人が居るんだ。それが俺なんだけど...。俺で良ければ話だけでも聴かせて欲しい」

 

「...なっ!」

 

どこかのイケメンが言い放ちそうな彼の言った言葉にわたしは顔を真っ赤にして俯く、少しばかりわたしに笑顔になった。

 

「立花さんは、さっきの湿気た顔より笑ってる方が良いよ?笑ってる方が立花さんらしいっていうか...」

 

「あ...あぁあ...//」

 

どうやら、わたしの笑顔を見逃さずに彼は言った。

バレてないと思っていたわたしは言葉を失った。

 

「こうやって話すのは初めてだな、知ってると思うけど俺の名前は桜花紘(おうかひろ)!よろしく!」

 

「...よ、よろしく...」

 

彼が握手をしようと手を差し伸べ、わたしはその手を掴んで握手に応じた。

 

紘くん...彼こそがわたしのこれからの人生を変えてくれた人。

そして、紘くんのこれから起こる人生をわたしが支える。

 

今思うと、紘くんとの出会いはわたしにとって最高であり最悪でもあったのだ...。

 

 

to be continued




今後とも新生桜花紘をよろしくお願いします。

設定などは本編が開始したらちょくちょく公開していきます!


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第2話 過去

遅くなって申し訳ないです。

最近忙しいのが理由だと言い訳だけしときます。
ですが、次こそは何とか早めに更新して、本編へと話を進めていきます!


わたしと紘くんは帰り道を無言で歩いていた。わたしは鞄を持って黙々と歩いているのに対して紘くんはスマホの画面をマジマジと見つめながら難しい表情を浮かべている。

わたしは何をしているのか気になって、つい紘くんに話し掛けた。

 

「...何を見てるの?」

 

わたしの声に紘くんは反応してスマホの画面をわたしに見せ付ける。わたしが立ち止まって画面を見るとわたしが行ったライブ事件の事だった。

わたしはその記事を見て以前の事を思い出して俯く。

 

「......」

 

その様子を見て紘くんは不思議そうな顔をする。

 

「...どうしたんだ?」

 

「...わたし、これが原因で皆から虐められてるんだ...」

 

そう言うと紘くんは直ぐにスマホの電源をオフにして制服のポケットにしまった。

 

「...ご、ごめん。嫌な記憶思い出させちゃったな...」

 

「...ううん、良いよ。元々から紘くんに全て話すつもりでいたし...」

 

「...そっか」

 

「わたし...早く未来や家族に会いたくて頑張ってリハビリをしたのに...。学校へ戻ってくると皆からは陰で叩かれるし、心配掛けたくないからって未来とは疎遠になっちゃうで...これからどうして行けば良いんだってずっと思ってるんだ...」

 

「......」

 

その後、紘くんは何も言わずにただ黙ってわたしの話す事に耳を傾けていた。

 

「最近思うようになったんだけど...わたしじゃなくて、さっき言ったサッカー部の人が生きてれば...わたしが代わりに死んでいればって...」

 

「それは違うと思う」

 

わたしがそう言うと、今まで黙って聞いていた紘くんが口を開いた。

その一言に...否定されたわたしはついカッとなってしまう。

 

「何が違うの...!?わたしなんてなんの取り柄も無い...何もないわたし何かより、将来が決まっているサッカー部の人が生きていた方がよっぽど良かったんだよ!!」

 

「...そんな考えがもう違うんだよ。何だよ生きてた方がって...そんなのは想像でモノを言っているだけだろ。過去なんて変えれる訳ないだろ?今を生きろよ、今を」

 

「......」

 

「大体、クラスの奴らも何だよ。立花さんは死に物狂いで頑張ったのに、それを否定して立花さんをさらに傷付けて...立花さんが暗くなるのも頷けるよ」

 

「...あ、あの...急に怒鳴っちゃってごめん...。そんな事言ってくれると思わなかった...。わたし、ずっと悩んじゃって...答えが出て来なくて、ずっと悩んでいて答えなんて出るのかなぁ...?」

 

「...うん、分からないなぁ...。だってさ、こんな簡単に答えなんて出たら悩む事は無いと思う。何年掛かっても良いんだよ。みんな悩んで大きくなるんだから。立花さんの場所は無くならないよ。立花さんが生きてる限りずっと、その証拠に俺が話している人は立花響なんだよ」

 

「......紘くん」

 

「もし、明日も明後日も誰かが立花さんを傷付ける人が居たら俺が出来る限り護るよ!」

 

「護ってくれる...の?こんなわたしを...?」

 

「だって人を傷付けるのは違うでしょ?俺もそんなのは見てられないよ、だから立花さんはいつも通りの生活を送って欲しい!」

 

紘くんは、わたしに心配させない様にサムズアップをする。

その姿にわたしは自然に涙が流れていた。

 

「...う...うぅ...グスッ...あ、ありがとう...」

 

「ほらほら。俺、ティッシュしか無いけど鼻かみな?」

 

紘くんは笑いながらポケットティッシュを差し出した。わたしはその優しさに思い切り泣いてしまった。

 

「うぅ...うわああああん!!」

 

その後、ずっと泣き叫んでるわたしを紘くんは泣き止むまで傍に居てくれた。街歩く人々は紘くんがわたしを泣かせてる風景にしか見えずに、最悪の事態で警察が紘くんの所へやってきて事情聴取された。

 

 

......

 

警察の御用から釈放された後、わたしと紘くんは公園に来ていた。紘くんはブランコに座り、わたしはそれを立って見ていた。

 

「...はあ、やっと終わった」

 

「ご、ごめんね...?わたしのせいで警察が来て...」

 

「いや、大丈夫だから気にしないで?...取り敢えずさっき言った事だけど」

 

「う...うん。ホントにわたし何かを護ってくれるの...?」

 

「護る護る!俺に任せて信じて!」

 

「...信じてる...わたし、紘くん信じてるから...無茶だけはしないでね?」

 

「大丈夫!俺もこれ以上立花さんの涙は見たくない。これからも笑顔でいて欲しいんだ。だから後は俺に任せといて!」

 

「ありがとう...。紘くんがこんな優しい人だとは思って無かったよ」

 

「そう?ただヒーローの台詞を引用しただけだけどね。だけど気持ちは込めて言ってるから嘘じゃないよ!」

 

「思ったけど紘くんって、ヒーローに凄い拘りがあるよね。名前と一緒だから?」

 

「それもあるし...ヒーローってさ、凄いよね。カッコイイし...みんなの為に戦ってるってとても凄い事だと思わない?俺もそんなヒーローに憧れてるんだけど...この歳になって、変かな?」

 

「ううん?変じゃないよ。紘くんらしい?なんならわたしも応援したいな」

 

「...立花さぁん。こんな事話したの立花さんくらいだよ」

 

「あははっ、そうなんだ?じゃあ今日は色々お互いを知れて良かったね」

 

「ホントだねぇ...。まあ立花さんのはいい話じゃないけどね...」

 

「まあ...紘くんに話したお陰なのかな?かなり心がスッキリした気分だよ。本当にありがとね?」

 

「うん、2人で頑張ろうね!」

 

 

 

.........

 

 

 

紘や響達が通う中学校

 

昼の大休憩が終わり、わたしの親友である小日向未来は、教室に戻っていた。しかし、わたしや紘くんが戻って来ない事に気付いてソワソワしている。

 

(響...もしかして帰ったのかなぁ...。もう直ぐ授業が始まっちゃうし...。響があんな性格になったのは、私のせいだよね...?ずっと響の隣に居れなかったから...)

 

未来は机の中にある教科書を取り出して、少し考えた後、教室にある壁時計に目を向ける。

 

(まだ...授業は始まらない。学校を抜けて響の家に行ける...?だけど行った所で、響は私をどういう目で見るんだろう...。ずっと見て見ぬ振りしてたもん...きっと私の事なんてどうでもいいと思ってる...)

 

そう考えていると、2人の女子生徒がわたしの事を話している。未来はあまり意識して無かったけど、結構声が大きいので嫌でも耳に入ってくる。

 

「あーあ、立花さんが居なかったらつまんないなぁ~」

 

「あんた、凄い楽しんでるでしょ?...まあ私もなんだけどね」

 

その女子生徒の内の1人が、以前わたしにサッカー部員について言われた子だ。恐らくその生徒を中心にわたしへの虐めが起きている。それを聴いていた未来は拳をグッと握り締め、机の上にあった教科書を鞄に入れた後、勢い良く教室から出て行った。

 

「はぁ...はぁ...!!...響!!」

 

途中で何人かの先生とバッタリ鉢合わせしたが、陸上部で鍛えた脚で全て振り切った。

そして校舎を抜けた後、未来はある所へ向かった。

 

 

 

......

 

 

 

紘くんとわたしは公園で他愛のない話をしていると、わたしのお腹がグゥと鳴った。

 

「うう...お昼ご飯食べなかったから...」

 

わたしがそう言うと、紘くんが手を叩いて言った。

 

「あ、そう言う事なら、一度立花さんに連れて行きたい所があるんだけど、どう?」

 

「?」

 

わたしはただ頷くと紘くんはわたしに着いて来て欲しいって言い。わたしは紘くんの後を着いて行く。

一体、何処に連れて行かれるのかが少しだけ不安だったが、紘くんに至ってそんな事は無いだろうと思い黙って着いて行った。

 

数十分後、紘くんが店に指を指す。

 

「ここなんだけど、この店は知ってる?」

 

「うん、喫茶店って言うのは知ってるけど、入った事は無いかなぁ」

 

わたしが連れてこられた店は、喫茶店「歌音(かのん)」だ。

紘くんは店のドアを開けると、中から「いらっしゃい」と声がする。

 

「...お、紘か?何だ、もう帰ってきたのか」

 

「少し事情があってね。紹介するよおやっさん、此方は同じクラスの立花響さん!」

 

紘くんが店主らしき人にわたしを紹介すると、わたしは頭を下げると、どうもどうもと店主も頭を下げる。

 

「そして、此方は歌音の店主のおやっさん!俺ここで居候させて貰ってる代わりに店の手伝いしてるんだ」

 

「へぇ...?」

 

何で居候してるんだろう、家族はどうしたんだろうと思ったけど、わたしはその時は何も言わずに紘くんの言う事を聞いていた。

 

「おやっさん、おやっさん!立花さんに新作メニュー出してあげてよ?」

 

「お、あれか!良いぞ良いぞ。さ、お嬢ちゃん座って座って!」

 

そう言われてわたしは店主に席まで案内されて席に座ると、紘くんが水が入ったコップをわたしに差し出してくれた。

お昼と言うのにお客さんはわたししか居らず、広い店なのにかなり静かだった。

 

「この店、客があまり来ないんだ~。だから毎日暇なんだよ」

 

「そうなんだ。綺麗な店なのにね?」

 

わたしが、店の周りを見回ながらそう言うと店主が厨房から出て来た。

 

「それにしても驚いたなぁ。紘がこんな可愛い嬢ちゃんを連れて来るなんてなぁー...さっ、食べて食べて」

 

店主がわたしの座っている所にカレーが盛られている皿を置き、紘くんを見つめてそう言う。

 

「えっ...ええっ!?か、可愛いだなんて...」

 

わたしが店主の言った言葉に照れていると紘くんが店主に言った。

 

「あ、そうだ!聞いてくれよおやっさん!立花さんすっごい可哀想な事が起きてたんだよ!」

 

「ほぉ...?なんだいなんだい?」

 

店主は、その話が気になるのか聞きたそうにわたしの顔を見た。

 

「いやぁ...紘くんに相談したお陰で特に気にはすること無くなったんですけどね...」

 

「そっかー、そっか。良く分からないけど、悲しい事や辛い事があっても笑顔を忘れちゃ駄目だぞ!」

 

「!...は、はい!」

 

「ほらほら、早く食べないと冷めちゃうよ」

 

「あ、はい!じゃあ、頂きまーす!」

 

わたしは置いているスプーンを手に取ってカレーを食べ始める。

 

「.........お、おいしい!」

 

「だろだろ?さ、沢山あるから沢山食べなよ!」

 

「はーい!」

 

 

 

.........

 

 

 

中央公園 高台

 

 

「はぁ...響、何処にも居ない...」

 

未来は1人高台に登って街の景色を眺めながらため息を吐いていた。

 

「...私、もう響と仲直り出来ないのかな...」

 

鉄柵を握り締めてそう言うと、未来の頬から涙が零れた。

 

「嫌だよ...!そんなのは嫌だよ...響ぃ...!!」

 

未来が高台を降りようと梯子に足を掛けたとき、地面に何かが落ちているのに気が付いた。

 

「...何だろう?グスッ...宝石.....?」

 

ゆっくりと梯子を降りていって落ちていた宝石の所へ駆け寄り、それを拾った。

 

「水色で...三角形の形だけど...。何だろう...」

 

スマホを取り出して宝石の正体が何かを検索していると、街で大きな爆発が起こる。

 

「...!?な、なに!?まさか、の...ノイズ!?」

 

 

 

......

 

 

喫茶店 歌音

 

「おいしー!...ブフゥッ!!」

 

カレーを食べていたわたしは突然の大きな爆発に驚いて口に含んでたカレーを紘くんの顔に目掛けて吹き出す。

 

「おおおっ!?」

 

紘くんが顔に着いたカレーに驚き、店主が慌ててタオルを紘くんに渡す。

 

「ご、ごめんね紘くん!?それにしても、この爆発って...?」

 

「うぅーん、イレギュラーかぁ...?ノイズなら警報がなる筈だからなぁ...?」

 

顔を拭いてる横で店主が首を傾げてそう言うと、紘くんがタオルをテーブルに置き、席を立つ。

 

「俺ちょっと見てくる!」

 

「え!?紘くん危ないよ!」

 

紘くんがわたしの言葉を聞かずに店のドアを勢い良く開けて外へ飛び出す。

 

この時、わたしは紘くんをちゃんと止めていれば...紘くんは...。

 

 

to be continued



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3話 現実

おまたせしました。

今回の話であのキャラが出て来ますが、性格がめちゃめちゃ変わってます。

それでは


「ふふふ...」

 

突然、街中で現れた長い金色の髪をした紅いレプリロイド。

人々は紅いレプリロイドの姿に恐怖し逃げていき、その様子を楽しそうに眺めて笑っていた。

 

「...ん?」

 

紅いレプリロイドが何かに気付いて後ろを振り返ると、1人の青い髪をした女性が紅いレプリロイドを睨み付けていた。

 

「僕を倒しに来たの...?シンフォギア装者...」

 

「貴様、破壊された筈では...どうやって復活した!?」

 

女性がそう言うと、紅いレプリロイドは何処からかセイバーを取り出してそれを女性に向ける。

 

「眠っているのも退屈でね...?僕はもっと楽しみたいんだよ...強き者と戦うのを」

 

そう言われ、女性は怯むことなく謎のペンダントを取り出して言った。

 

「貴様を此処で野放しにして居ては街に危険が広がるだけだ!...ネオアルカディアの防人として貴様を此処で破壊する!」

 

 

Imyuteus amenohabakiri tron(エミュテウス アメノハバキリ トローン)

 

 

女性が歌を歌うと、突然女性の周りが輝き始め、身体にアーマーが装着されていく。

装着が完了して剣を持つと、構えながら紅いレプリロイドに言い放つ。

 

「...いざっ!!推して参る!」

 

そうして戦いは剣とセイバーのぶつかり合いから始まり、どちらかが攻撃し、それを避け、もう一方が攻撃し、避けの戦いになっている。

 

「...な、何だ...あれ」

 

少し前に現場に着いていた紘くんが隠れながらその戦いを見ていた。

戦いを見ていた紘くんは、心臓がドクンドクンと鳴っていた。

 

「うっ...!!」

 

戦いを眺めていると、紘くんは突然頭を抑える。頭に謎の映像が浮かび、その映像には紅いレプリロイドが謎のレプリロイド軍団と戦っていた。

 

「くぅ...うあぁ...何だ?何なんだ...急に...!」

 

「な...っ!民間人か!?...逃げ遅れたのか!」

 

紘くんの声が2人に気付かれたのか、女性は紘くんを見てそう言う。紅いレプリロイドは紘くんを見てクスクスと笑っていた。

 

「助けたいかい...?じゃあ行ってきなよ!」

 

「何っ...!?」

 

紅いレプリロイドはセイバーを振るって、女性の持っていた剣を弾き飛ばし、勢い良く回し蹴りをして女性を紘くんの居てる方へ蹴り飛ばした。

 

「ぐあぁっ!!」

 

勢い良く壁に激突した女性に紘くんが近付く。

 

「だ...大丈夫ですか!?」

 

倒れている女性の身体を揺さぶると、女性はゆっくりと目を開き紘くんを見つめて言った。

 

「...何をしている、早く逃げるんだ...」

 

「そんな...駄目ですよ!俺が逃げたら貴女が!」

 

紘くんは女性のボロボロの姿を見てそう言うが、女性はゆっくりと立ち上がって言った。

 

「私に...構うな!力のない者がこんな所にウロウロしてたら余計に邪魔だ...!!」

 

「......!!...はい...じゃあ...帰ります」

 

紘くんは女性に言われて驚いて、両手を上げ立ち上がりゆっくりと来た方向へと歩いて行った。

女性は紘くんが帰ったのを見るとよろよろと立ち上がり、紅いレプリロイドが言った。

 

「...さ、邪魔者は居なくなったね。続きを始めようか?」

 

紅いレプリロイドは両手を広げてそう言う。女性は地面に突き刺さった剣を抜いて構える。

 

「...私は負けない!エックスやネオアルカディア四天王が居ない今、イレギュラーやノイズを倒せる者は私1人だ...!!」

 

「ふふふ...そうだね。だからこそボクを楽しませてよ...人類を護る小さな命よ...」

 

「はあああっ!!」

 

女性は持っていた剣を変化させ大型化させると、大きく飛び上がり、紅いレプリロイドに向けて剣を大きく振るう。

 

【蒼ノ一閃】

 

エネルギー刃が紅いレプリロイドに向けて放たれるが、紅いレプリロイドはピクリとも動かずに、その場を立っていた。

 

「くっ...!?」

 

回避しない紅いレプリロイドに女性は驚き、エネルギー刃が直撃して爆発する。

 

 

.........

 

 

その少し前、紘くんは女性に言われた言葉を思い出しながらゆっくりと歩いて居た。

 

「...力のない者か。それにしてもさっきのイメージは何だったんだろう...」

 

紘くんがブツブツと独り言を呟いていると、目の前に走って来る人物が、紘くんのことに気付いて声を出す。

 

「あっ...!」

 

その声に驚いて目の前を見ると、そこに居たのはわたしの親友の小日向未来だった。紘くんは未来に指を指して言った。

 

「あ、あれ?同じクラスの小日向さん...だよね?どうしたの、こんな所で」

 

「...桜花くんこそ、そっちで大きな爆発があったから...気になって...」

 

「それなら...向こうで戦いが起こっている..。危ないから来るなって怒られたから戻って来たんだ」

 

「え...。戦い...?」

 

「うん、いやそんな事よりも、そんな事で学校抜け出したの?」

 

紘くんが未来にそう言うと、未来は本来の目的を思い出した様で紘くんに言った。

 

「あ...!そうだ桜花くん!響知らない...?突然帰ったみたいなんだけど、何処にも居なくて...」

 

「立花さん?」

 

紘くんは、わたしが暗くなる以前に良く未来と一緒に居た事を思い出して未来に言った。

 

「あ、立花さんと友達の小日向さんか!立花さんなら今...ん、小日向さんの左手に持ってるのって?」

 

話の途中で紘くんは未来の持っていた三角形の物が気になって、それを未来に言った。

 

「え...?あ、あ...私、落し物を持って来ちゃった...。分からないけど...何だろう」

 

「ねね!それちょっと良く見せてよ。凄いの拾ったよね〜...」

 

「う...うん、そんな事よりも...」

 

未来は持っていた物を紘くんに渡す。紘くんが物に触った瞬間にさっきと同じ様に頭に謎の映像が流れる。

 

「うっ...!!ま、また!?」

 

頭を抑えて蹲る紘くんに未来は驚く。

 

「ど、どうしたの!?」

 

「わ...わからない!だ、だけど...」

 

 

ドゴオオオオォォン

突然、さっきまで紘くんが居た所からの大きな爆発が起こった。

 

「また...爆発が!」

 

未来がその爆発を見てそう言うと、紘くんが立ち上がって未来に言った。

 

「ちょっと、行ってくる!」

 

「え...!あ、危ないよ!それに今の頭痛って」

 

「もう平気、大丈夫だから!それと立花さんは喫茶「歌音」って言うお店に居てるから小日向さんもそこに居といて!」

 

「あ...え?え...紘くんは!?」

 

「俺の事は平気だから!取り敢えず歌音って店に小日向さんは行ってきて!」

 

紘くんはそれを未来に伝えて、もう一度来た道を引き返して行くその様子を未来はボーゼンと立ち尽くしていた。

 

「...行っちゃった」

 

 

 

......

 

 

 

「ぐ...っ!!つ、強い!」

 

倒れている女性は紅いレプリロイドを睨みつけそう言うと、ゆっくりと歩いて来る紅いレプリロイドは不服そうに言った。

 

「なんだ...大して強くないね?もっとボクを楽しませて欲しかったな」

 

「な...何だと!?...ぐうっ!!」

 

女性はもう一度立ち上がろうとするが、受けたダメージが酷く立ち上がる力が入らず、纏っていたアーマーも砕け散る。

 

「くそ...!シンフォギアが...!!」

 

「あーあ、その程度かー。これなら不完全体でも簡単に世界を破壊出来そうだね?」

 

紅いレプリロイドが笑いながらそう言うと、女性は歯を食いしばって言った。

 

「...奏、ごめん。...私が弱いばかりに...皆を護る事が出来なかった」

 

「あまり楽しく無かったけど...これでサヨナラだ」

 

そう言い紅いレプリロイドはセイバーを女性に突き刺そうと振りかぶる。女性は死を覚悟したのか目をゆっくりと瞑る。

 

「......!!」

 

「危ない!!」

 

突然大声を出した謎の声に、紅いレプリロイドと女性は振り向く。

 

「うおりゃーっ!!」

 

すると、その声が聴こえた方向から紅いレプリロイドに目掛けてドロップキックをする。不意打ちなのか、紅いレプリロイドは壁まで吹っ飛んで行った。

 

「お、お前は...!」

 

「大丈夫ですか!?」

 

女性が見たその人物は、さっき帰って行った紘くんだった。

ボロボロになった女性の身体に着いていた砂埃を手で払いながら紘くんはそう言った。

 

「な...何しに来たの!?」

 

「言われた通り帰ってたら、すっごい爆発があったんで、何かあるな~って思って戻って来たんです!どうやら予想は合ってた見たいです!」

 

紘くんは笑顔で女性にそう言うと、女性は呆れて強く言った。

 

「...そんな事で...!いい!?ここは戦場なの、そんな甘い事をしていると命を落とすぞ!?」

 

「大丈夫ですよ!こうやって甘い事をして救われた命が此処に有るんですから!」

 

「ぐっ...そんなヒーローの真似事を...」

 

「真似事じゃありません、俺、滅茶苦茶真剣にやってるつもりです!ヒーローは皆真剣に命掛けて戦ってるんです!俺も、貴女を彼奴から護ります!!」

 

「...き、貴様は...」

 

「俺...桜花紘って言います!ヒーローを夢に見ているただの一般人です!」

 

紘くんが女性にそう言うと、女性は力尽きたのか意識が無くなった。それを見た紘くんは身体を揺さぶる。

 

「あっ!大丈夫ですか!?...ん?あれ...この人って、あのトップアーティストの風鳴翼さんにそっくりだな...。双子かなぁ...」

 

「ふふふ...このボクをここまで吹き飛ばすなんて...ただの人間にしてはやるね?」

 

「!」

 

瓦礫から紅いレプリロイドの声が聴こえ、紘くんはそちらの方を振り向く。

 

「......」

 

埋まっていた瓦礫から手が伸びて瓦礫を吹き飛ばすと、身体を払いながら立ち上がった紅いレプリロイドは紘くんを見つめる。

 

「...君ならボクを楽しませてくれそうだね?」

 

そう言うとセイバーを取り出して紘くんに向かって走り出だして紘くんにセイバーを振るう。

 

「うおっ!?」

 

それを紘くんは紙一重で避ける。しかし紅いレプリロイドの攻撃は止まらない。

それを何とか避けている紘くんに段々とイラついてきたのか、突然紘くんの首根っこを掴む。

 

「ぐうっ!?...ぐっ...あぁ...」

 

首根っこを掴まれて宙ぶらりんになっている紘くんは脚をバタバタと紅いレプリロイドに攻撃するが、微動だにしない。

 

「...これで攻撃が与えれるね!」

 

紅いレプリロイドは紘くんの腹部に強烈なパンチを与えた後、紘くんを地面に放り投げる。

 

「ぐううっ!...くぅ...あっ!...はぁ...はぁ...」

 

お腹を抑えてじたばたしてる紘くんに紅いレプリロイドは歩み寄る。

 

「く...っ!...このままじゃ...死ぬ...やられる!」

 

「ふふふ...ボクの勘違いだったみたいだね...?人間にあれ程の力はある訳が無いんだって...」

 

紘くんは蹲りながらじたばたしていると、突然ポケットに入れていた未来から受け取った物が少しだけ光った。

 

「ん...?それは...」

 

紅いレプリロイドはその光に気が付いたが、紘くんは光に気付かずにゆっくりと立ち上がった。

 

「くっ....はぁ...はぁ...うおぉりゃ!」

 

紘くんは立ち上がって直ぐに紅いレプリロイドに殴り掛かったが、掌で拳を受け止められる。

 

「くっ...!?」

 

その受け止めた拳から伝わるじぃんとした痛みに紅いレプリロイドは不思議な感じに包まれた。

 

「...どぉりゃ!」

 

今度は、脚で紅いレプリロイドを蹴ると、確かな痛みが紅いレプリロイドに伝わっていた。掴んでいた拳を離して紘くんは直ぐに距離を置く。

 

「...き、効いてるのか!?」

 

紘くんは自分の拳を見て驚いている。紅いレプリロイドはその力に何かを気付いて紘くんに言った。

 

「その力は...。ふふ...そういう事だね」

 

「......?」

 

紘くんは紅いレプリロイドの言うことが分からずにただ構えて様子を見ていた。

 

「君がボクと同じ力を持つ者ならば...今戦うのは辞めよう。お互い不完全体だからね。最強の力を持った時...この場所で戦おう...」

 

「......」

 

「それまで戦いはお預けだ...。あ、そうだ当たり前だけど...ボクとの再戦の前に死ぬ様な事は辞めてね?」

 

そう言うと、紅いレプリロイドはどこかへ消えて行った。

辺りが静かになると紘くんは膝から崩れ落ちる。

 

「はぁ...はぁ...。何なんだったんだ?それに...さっきの力は...?」

 

紘くんはポケットを触ると気付いた。

 

「あ...あれ?...おかしいな...確か、ここに入れてたんだけど...」

 

さっきまでポケットに入れていた謎の物が無くなって居たのだった。辺りを見ても物は見当たらず、紘くんはそれを不思議に思っていたが、倒れている女性を思い出して駆け寄る。

 

「翼ッ!!大丈夫か!」

 

紘くんが駆け寄ると同時に、車が走って来て中から赤いシャツとネクタイを胸ポケットに入れている大柄な男性が倒れている女性の元へ走って来た。

 

「かなりの重体だな...。緒川、彼も今すぐネオアルカディアの病院施設に搬送するぞ!」

 

「はい!」

 

車から1人の男性が救急車を要請していると、大柄な男性が紘くんに気付いて、近寄った。

 

「君か?...翼を救ってくれたのは...」

 

大柄な男性にそう言われて、紘くんはサムズアップをして笑顔で言った。

 

「何とか護ることは出来ました。敵も追い払う事が出来たので、取り敢えず一件落着です!」

 

「それにしても...君は一体?」

 

「ただの一般人ですので、俺はこれで帰ります!じゃあ!」

 

紘くんはそう言って、現場から急いで立ち去った。その様子を後ろから眺めている大柄な男性が呟く。

 

「...ただの...一般人だとぉ!?」

 

 

 

.........

 

 

 

「ぐっ...うぅぅ...っ!!」

 

現場を急いで立ち去った後、人が居ない歩道で紘くんはお腹を抑えて蹲っていた。

 

「つぅ...滅茶苦茶痛い...」

 

「お、桜花くん!?...大丈夫なの!」

 

歩道の手摺りに掴まりながらゆっくりと歩を進めていると、目の前で未来の声が聴こえた。

 

「あ...あれ?小日向さん...歌音に行ってなかったの?」

 

紘くんがそう言うと、未来は紘くんの腕を自分の肩に持っていき、紘くんに言った。

 

「桜花くんが居ないのに響に会っても心配で何も言えないよ...」

 

「そっか...」

 

「それにしても平気なの?凄い痛そうだけど...」

 

「...大丈夫!こんな痛み...あの女性が受けていた痛みに比べれば痒い位だよ...」

 

「...痒いって、さっき滅茶苦茶痛いって言ってたでしょ...?」

 

「あは...あはは...。あ、そうだ...小日向さんに受け取った謎のアレ...無くなっちゃったんだけど」

 

「...別に私の物じゃないからあれだけど...それじゃあ持ち主の人が困るね...」

 

「...そうだね...持ち主に申し訳ない...」

 

「取り敢えず、その歌音って所まで連れて行くから...もうちょっと頑張って...!」

 

紘くんと未来はゆっくりと歩を進めて歌音へと向かって行った。

 

 

 

.........

 

 

 

喫茶店 歌音

 

日が落ちて辺りは真っ暗になるも戻って来ないわたしは席に座りながらソワソワしていると、店主がコーヒーを机に置いて言った。

 

「そんなに紘が心配かい?大丈夫だよ、戻って来るさ紘は」

 

コーヒーを飲んで落ち着いている店主とは違い、わたしはドキドキしながら紘くんの帰りを待っていた。

 

「でも...あれから時間もかなり経って...もう19時回ってますよ...?」

 

「待つのも戦いだよ?嬢ちゃん。嫌でも帰ってくる、だって此処がアイツの帰る場所なんだから...嬢ちゃんは紘を信じてないのかい?」

 

「...おじさん、わたしは...」

 

わたしが目を瞑って言おうとした瞬間、突然店の扉が開く。

 

「お、いらっしゃい...って、紘!それに隣の嬢ちゃんは...?」

 

店主がそう言い、入口を見ると紘くんが未来の肩を持ってヨタヨタ歩いていた。

 

「た...ただいまぁ...」

 

「あ、あの!桜花くんが...」

 

わたしは急いで紘くんの元へ行き、勢い良く抱き締めた。

紘くんはわたしの行動に驚き戸惑っている。

 

「た...立花さん?あのー...これは?」

 

「バカ...ずっと心配してたんだよぉ...」

 

「あ...あはは...ごめんね?心配かけさしちゃって...でも、もう大丈夫だから...ね...」

 

話の途中で紘くんは疲れなのか、急に眠りに着いた。

 

「何だかだいぶ疲れてるみたいだな...?何があったのか知らないけど、取り敢えず無事で何よりだ...」

 

店主がそう言うと、寝ている紘くんを持ち上げて部屋へと運んで行った。

そして未来とわたししか居ない空間に沈黙が続くと思ったが、未来は何かわたしに言いたそうにしている。

 

「...あ、あの...ひ、響」

 

「...ありがとう。あの様子じゃあ未来が居なければ、紘くん何処かで寝ちゃってた見たいだし...」

 

「う...うん、あのね...私!」

 

わたしは未来が何かを言う前に、先に未来に言った。

 

「わたしはもう気にしてないよ...!紘くんを見てたら自分の事なんかちっぽけに見えて来ちゃって...」

 

「......」

 

「初めて話したのに、不思議な感じがするんだ。紘くんって...。皆を笑顔にさせるのが上手っていうか...ね」

 

わたしが言う言葉を未来は黙って聞いていた。

 

「今回の出来事で未来がわたしにどう思ってたのかは知らない...だけどこうなったのも未来に相談しなかったわたしの責任だと思っている...だから...ごめんね、未来」

 

わたしは申し訳なさそうに頭を下げると、震え声で未来が言った。

 

「そんな...響は何も悪くないよ...。わたしも...響が辛いの知っているのに、それを見て見ぬ振りをして...響を避けてた...」

 

「うん...。だけど、それは以前の未来でしょ...?分かるんだ、今の未来ならずっと傍に居てくれるって...」

 

そう言うと、未来はわたしを抱き締めた。

 

「当たり前だよ...!もうずっと傍に居る!私、響を離さない...!!ずぅっと!離さない!!」

 

「み...未来。それは言い過ぎじゃあ...」

 

わたしが困った様子で未来に言う。

 

「私、緊張してて...もし響に嫌われちゃったらって...凄く緊張してたの...怖かったの...」

 

「...うん」

 

「...ほら見て響、私の手...。ずっと拳を握り締めていたからなのか緊張で手が開かなくなったの...」

 

未来がわたしにスッと握り拳を見せる。力を入れてるつもりなのか拳が開かなくて、ずっとグーの状態になっていた。

わたしはその光景が某猫型ロボットの手を想像してしまい、思い切り笑ってしまった。

 

「あは...あはははっ!」

 

「も...もぉ...そんなに笑わないでよぉ...」

 

その後、紘くんはそのまま眠りにつき、わたしと未来はそれを見届け店を出て2人で家に帰った。

 

.........

 

 

 

ネオアルカディア本部 治療施設

 

「ん...私は...?」

 

意識を取り戻した女性が目を覚ますと、そこは治療室だった。それに気が付いた大柄な男性が女性に言葉をかける。

 

「目が覚めたか、翼」

 

「...叔父様」

 

「まさか、オメガが復活してしまうなんてな。ネオアルカディアの上層部の奴等もオメガを必死に捜索しているが、まだ見つかっていないそうだ」

 

そう言われた女性は、自分の無力を思い出して拳を強く握った。

 

「私が弱いばかりにオメガを逃がしてしまった...!!これでは奏との約束が...!!」

 

「...そう言えば翼、桜花紘くんと言う男を知っているのか?」

 

「桜花...紘。私は彼に助けて貰って...」

 

「その様子じゃあ知らないのか...そうか、なら良いんだ。我々が特に気にする事は無いのかもしれん。翼はゆっくりと身体を休めておけ、オメガを発見したら直ぐに伝える」

 

「...わかりました」

 

そう言って大柄な男性が病室を出て行き、病室は翼さん1人になった。

 

「...オメガ、今度は倒してみせる。その為にはもっと強くならなくては...!!」

 

 

 

......

 

 

 

喫茶店 歌音

 

「...う...うぅん...」

 

深夜、目覚めた紘くんは天井を見て、自室という事に気付いて起き上がり、お腹をさすった。

 

「...あれ?」

 

さっきまであれ程の痛みを襲っていたのに、今はなんの痛みを感じない紘くんは不思議に思ったが、取り敢えず立ち上がって、階段を降りた先の厨房に店主が居たので声を掛ける。

 

「おやっさん、おはよう」

 

「お、紘。もう平気なのか?」

 

「うん、もう大丈夫!ところで立花さんは...?」

 

「もう帰ったよ。ほら、腹減ってるだろ。早く座んな?」

 

店主が紘くんを席に案内すると、紘くんは椅子に座る。

 

「そっか...。あの様子だったらもう大丈夫見たいだし、何とかなりそうだな!」

 

厨房からカレーが乗った皿を紘くんの目の前に差し出すと、店主が言った。

 

「紘を連れてきた女の子と響ちゃん喧嘩してたみたいだけど、仲直りしてたから良かったな。いやぁ~若いって青春だな!」

 

「そっかー。あ、聞いてよおやっさん!多分だけど風鳴翼にあった気がするんだけど!」

 

紘くんが店主に言うと、驚いた表情で紘くんの肩を掴む。

 

「それは本当か!?あのトップアーティスト風鳴翼だぞ、元ツヴァイウィングの!」

 

「そーなんだよ!そっくりさんにしては似すぎだよなぁって思ってたんだけど、あれ絶対本物だよ!」

 

「くそー!紘だけズルいぞ、俺も翼ちゃんに会いたかったぞ!風鳴翼ファンの俺の名が疼くぞぉ!」

 

「ほんと、翼さん好きだよなおやっさん。CDも全部集める位だし」

 

紘くんがチラッと棚の方へと目をやるとズラーッと風鳴翼のCDが並べられていた。

 

「...というか紘、お前どこに行ってたんだ?」

 

「そうなんだよ!紅いレプリロイドと青い戦士が戦ってたんだ!凄いかっこよかったなぁ~。じゃ、いただきまーす!」

 

「お、おう...??...な、何だ?何言ってんだ?」

 

 

 

......

 

 

「全てのイレギュラーを復活させるには、不完全体だから時間が掛かりそうだね...まあいいか。復活させた時がゲームの始まりだよ...。そして、あの力が現実になるならボクの楽しみが増えそうだ...。ボクも強くなって100年前の雪辱を果たすよ...ゼロ」

 

 

 

プロローグ...END

 

NEXT EPISODE.1 復活



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戦姫絶唱シンフォギアZ EPISODE.1 復活【A】

皆さん、おはこんばんちは。

最近、モチベがグーンと伸びてきたお陰で、早い段階で投稿出来てます。

いよいよ、物語の開幕となりますが、ここでお詫びだけします。
この物語は某特撮ドラマにかなり話を似せていて、舞台も殆どが実在する地名となっていますが、実際は全くの無関係と思って下さい。

難しい文章は苦手なので、何もお詫びになっていませんが、どうかよろしくお願いします。


 

2214年 4月3日

 

喫茶店 歌音 07:20 a.m

 

 

おじさんがズンズンと階段を駆け上がり、紘くんの名前を呼びながら部屋の扉を開ける。

 

「おーい、紘!いい加減に起きないと、響ちゃんと未来ちゃんを何時まで待たせるんだー?...あら?」

 

「あ!おはよう、おやっさん!」

 

そう元気よく挨拶する紘くんは、既に今日入学する「私立リディアン音楽院高等科」の制服を着た後で鞄に入れて行く物のチェックをしていた。

 

「あらぁ...起きてたのね」

 

「うん、何だかあんまり眠れなくてさ。じゃ、行ってくる!」

 

「お...おう。気をつけて行ってこいよ」

 

紘くんが階段を降りて玄関へ到着すると、わたしと未来がそこで待っていた。

 

「ごめんごめん、待たせちゃった!」

 

「もう、待たせすぎだよ~!もうちょっとで入学式始まっちゃよぉ!?」

 

わたしは膨れっ面で紘くんに言うと、隣に居た未来も紘くんに言った。

 

「あれ程、寮生活にした方が良いって言ったのに...」

 

「いやぁ...おやっさんもそうしろって言ってくれたんだけど...やっぱり俺の帰る場所って言ったら此処しか無いなって思ってさ」

 

紘くんはわたし達に笑顔で手を広げてクルクル回り始める。

それに釣られてわたし達も笑顔になって未来に言った。

 

「まぁ...紘くんらしいね?」

 

「そうだね。私達も寮生活だからって此処に来れば何時だって紘くんに会えるし...」

 

わたし達が話していると、紘くんがわたし達を交互に指をさして言った。

 

「わ!2人共すっごい制服似合ってるね~?流石、リディアンの制服って感じだなぁ!」

 

「え、ほんと!?似合ってる?」

 

「うん、すっごくお似合いって感じ!」

 

隣に居た未来が紘くんに向かって言った。

 

「響、昨日からずっと制服に着替えてて...紘くんに似合ってるって言われて相当嬉しいんだよ」

 

「そっか、それなら良かった」

 

わたし達3人が話していると、階段から降りてきたおじさんが、壁掛け時計に指さして言った。

 

「おーい、お前達いいのか?もう時間が無いぞー」

 

そう言われて時計を見ると、時刻は7:30分を指していた。

 

「わ、わわぁ!早くしないと入学式早々遅刻だぁ!」

 

わたし達は、急いで歌音から出て行きリディアンへと向かって行った。

 

 

 

長野県 名もなき廃研究所 07:34 a.m

 

 

長野県のとある山中に人々から忘れられた廃研究所がある。

その使われなくなった研究所に紅いレプリロイドが立っている。

紅いレプリロイドの掌には電撃をバチバチと纏っている。

 

「さ...始まりだよゼロ。今度は君が強くなる番だ...強くなってボクを楽しませてよ?」

 

紅いレプリロイドが掌を天にかざすと電撃は空中に飛び上がり、散開して地面に着弾する。

 

「目覚めなよ...古き時代のイレギュラーと呼ばれたレプリロイド...。ゼロの生け贄にして人類にとっての絶望...」

 

紅いレプリロイドがそう言うと、地面から続々と手が生えてくる。それを紅いレプリロイドが楽しそうに眺めている。

 

「ふふふ...あはははは!」

 

 

.........

 

 

ネオアルカディア改め、特異認定対策機動部二課 本部

07:36 a.m

 

二課本部内で、先程の謎の落雷を検知した男性オペレーターの1人は司令官となった大柄な男性...風鳴翼の叔父である風鳴弦十郎に報告する。

 

「長野県山中に謎の落雷が発生!周囲への被害は無い模様ですが、1度確かめに現場に急行した方が...」

 

腕を組んでモニターを見つめている弦十郎は少し考える。

 

「ノイズの仕業では無さそうだな...。ノイズにはあんな能力を持つ個体は存在しない...」

 

そう言うと、後ろからコツコツと歩いて来た女性研究者が弦十郎に言った。

 

「そうなると...考える事は1つよね?...弦十郎君」

 

「了子くん...。ああ、恐らくロストイレギュラー0号の仕業だな...。」

 

弦十郎が言うロストイレギュラーとは、今から数百年前に起こったイレギュラー戦争時代からラグナロク計画の間で、レプリロイド達の思考回路が善悪を判断出来なくなり周りを破壊する為だけの暴走をする状態をイレギュラーと呼称していたのだが、ある英雄の活躍によりイレギュラーは世界から消滅した。その後、2214年現在に置いて、レプリロイドのイレギュラー化を恐れた政府達の見解もあり、以後新たなるレプリロイドは作成されず、既存のレプリロイド達だけで、今の地球をノイズの危機から二課と共に人類を護って来た...。

今現在、存在する事の無くなったイレギュラーを政府達は、ロストイレギュラーと呼称した。2年前、東京に出現した紅いレプリロイド「オメガ」を0号と呼んでいる。

 

「0号が何を企んでるのかは知らないけど...この2年動きは無かったから、今が計画実行のチャンスが出来たって訳かしらね...?」

 

「...そうかもな。よし、一度長野へ調査レプリロイド隊を向かわせて、何かあった時に翼が出撃出来るように言っておく!調査隊で

その廃研究所を捜索するぞ。もしかしたら何か掴めるかも知れんからな!」

 

弦十郎がオペレーターにそう言うと、了子は1人司令室を出て行き、扉が閉まると呟く。

 

「...ロストイレギュラー0号か。ふふっ...」

 

 

 

......

 

 

 

リディアン音楽院高等科 音楽科1-A 09:24 a.m

 

桜満開、生徒達の高校生活が始まる入学式が何事も無く終わったのだが、教室に居た生徒達はクスクスと笑っていた。

 

「立花さんッ!貴女って人は遅れてくるだけじゃなく、何なんですかその猫はッ!?」

 

「う...うぅ...」

 

わたしは入学式の後、木から降りれなくなった小さな子猫を助けようとしたのだが、夢中になって時間を忘れてしまい、助け出した後には、教室に戻る時間を大幅に過ぎていたのだった。わたしは子猫を抱えたまま急いで教室に戻って来たのだが、時既に遅しで先生がカンカンに怒ってわたしの前に立っていた。

危機を脱する為に、何とかしてわたしは言い訳をする。

 

「いやぁー...先生?見て下さいよこの子猫。すっごい可愛いじゃないですか!?...そんな子猫が木の上で降りれなくなったら誰でも助けますって!」

 

にゃあ。わたしが言い訳した後に、子猫が一言鳴いた。

子猫のつぶらな瞳が先生を見つめている。

 

「...うっ!ま、まぁ...猫助けは素晴らしいと思います。小さな命を救ったのは感謝しています...」

 

「えっ...!?じ...じゃあ!」

 

先生のその言葉に、わたしは許されたと希望を持って先生にそう言うと、先生の表情は暗くなる。

 

「課題を少しだけ減らしてあげます」

 

そう言われた瞬間にクラス中が大笑いした。入学式初日から先生に怒られて初クラスの笑い者にされるわたしって...

 

 

 

......

 

 

「たは~、疲れた~。今日は1日色んな事があり過ぎてクライマックスが百連発気分だよ~。わたし呪われてるかも...」

 

リディアン音楽院高等科 学生寮 05:13 p.m

 

「半分は響のドジだけど、残りは何時ものお節介でしょ。呪われてるんじゃなくて、自業自得」

 

「えぇ~、未来までぇ...」

 

「もう...時間を忘れてまで子猫を助けするなんて...。用務員さんに言っておけば良かったのに...」

 

未来は少しだけ頬を膨らませて、わたしに言った。

寝っ転がっていたわたしは起き上がって未来にサムズアップをした。

 

「だってさ、あの子猫今すぐに降りたいって感じがしたんだよ?だったら近くに居たわたしが助けなきゃ!」

 

「そうかも知れないけれど...そのお陰でレポート書かされて、終わったけど結局こんな時間になって...」

 

「いや~ごめんね未来!手伝ってもらって、本当に感謝してるよ~!」

 

未来がひとつ溜め息を吐くと、わたしに言った。

 

「本当に、紘くんに似てるよね...響って」

 

「う...う~ん...?そ、そうかな?...わたし、紘くんに似てるかな?」

 

「うん...そっくり。まあ、2人らしいって言うか...なんて言うか、お似合いカップル...?」

 

未来にそう言われたわたしは、顔を真っ赤にして必死に否定した。

 

「ち...ちちち...違うよぉ!お似合いカップルなんて...!いやぁ...恐れ多い!」

 

「あははっ...響ってば動揺しすぎ」

 

再び寝っ転がったわたしは天井を眺めながら未来に呟いた。

 

「あーあ、紘くんは普通科を受けたから、これからあんまり会えなくなっちゃうね?」

 

「うん、私達が受けた音楽科は、音楽の授業が普通科よりも多いもんね。それ以外は基本、合同授業で普通科の生徒達と一緒だから...その時に会えるよ」

 

「ああああ...なんで紘くんも音楽科にしなかったんだろ...。あのトップアーティスト風鳴翼に出会えるチャンスなのにぃー」

 

「紘くん...音楽苦手だからーって言ってたもんね...?進学した理由も歌音のおじさんが風鳴翼の大ファンだから、サイン貰ってきて欲しいって理由で...」

 

「翼さん3回生だから校舎が離れてるし...会えるのかなぁ、翼さんに...」

 

「信じていれば何時か出会えるよ、きっと...」

 

わたし達が話していると、突然未来が壁掛け時計に目を向ける。

 

「...それにしても紘くん遅いね?17時過ぎた頃から歌音で入学祝いをするから部屋で待っててって言ってたのに...。先に歌音で待ってる?」

 

「うーん...それだと入れ違いになったら駄目だし...紘くん携帯持ってないからもう少し待ってみようよ!」

 

 

 

30分前...。

 

 

東京都千代田区 東京駅 04:43 p.m

 

「俺さ、どんなに辛い事や怖い事があっても泣かない男ってカッコイイって思うんだ。ヒーローもさ、敵が現れて怖いな~って感じなのに、それに立ち向かうんだ弱音なんて吐かないし泣かない。それってとってもカッコイイと思わない?」

 

紘くんは恐らく迷子になった小さな男の子が家族に会えない不安で泣いている所をたまたま発見して、慰めているのだが一向に泣き止まない。

 

「う...うぅ...ひっぐ...うわぁぁん!!」

 

「ね、そのサッカーボールお兄ちゃんに貸してごらん?」

 

泣き止まない男の子に紘くんは、その子が持っていたサッカーボールを受け取って、リフティングを始める。

 

「よっ、ほっ。ほい、ほい」

 

それまで泣いていた男の子は、紘くんのリフティングを見て

自然と泣きやみリフティングを嬉しそうに見ていた。

紘くんがリフティングを終えて男の子にサッカーボールを返すと、その男の子にサムズアップをした。

男の子も同じように紘くんにサムズアップをする。

 

「泣き止んでくれて良かった、これで君も立派な男の子だ」

 

「僕、お兄ちゃん見たいなカッコイイリフティングが出来る様に頑張るー!」

 

それを聞いた紘くんは男の子の頭をガシガシと撫でながら言った。

 

「お、そうかぁ!なら泣かない様に頑張ったら、きっと上手くなる筈だぞ!」

 

「うん!僕もう絶対に泣かないよ!!」

 

すると遠くの方で、その子の名前であろう名が呼ぶ声が聞こえた。

 

「雄介ー!!」

 

雄介くんのお母さんとお父さんが、雄介くんの元へ駆け寄り抱き締める。

 

「ママー、パパー!」

 

「もう!どこ行ってたのよ...心配したのよ?」

 

お母さんが涙を流して雄介くんにそう言うと、紘くんが雄介くんに言った。

 

「良かったなぁ、パパとママに会えて」

 

雄介くんのお父さんが紘くんを見て深々とお辞儀をする。

 

「ありがとうございます!雄介を...」

 

「い、いえいえ、俺は全然!」

 

「お兄ちゃん!ありがとう!!」

 

「うん、頑張れよ、雄介くん!」

 

家族からお礼を言われた後、家族と手を振って別れる。そして紘くんは駅にある時計に目を向けると、時刻が17時を過ぎていた。

 

「あ、やっばいなぁ...響さんと未来さんに約束したのに...まだ行けるかなぁ」

 

時刻を見て驚いた紘くんは、地面に置いていた鞄を手に取って、わたしと未来の居るリディアンの学生寮へと走って向かった。

 

 

 

リディアン音楽院高等科 学生寮 05:30 p.m

 

 

30分まで待ってみたもの、一向に紘くんが来ない事にわたしは、何かあったのかと思ってソワソワしてる横で未来はボーッとテレビで放送されてる夕方のニュースを見ている。

普段、ニュースなど観ないわたしはテレビに目を向けること無く、玄関の方を眺めていた。

そんな時、未来がわたしに言った。

 

「ねぇ響。今日の朝、長野県で落雷があったんだって...」

 

「...落雷?雨でも降ってたんじゃ」

 

わたしがそう言うと、未来はスマホの画面をわたしに見せる。画面に映し出されていたのは天気予報で、全国の今日の天気は晴れ予報だった。

 

「何でもその落雷が廃研究所に落ちたみたいで、二課のレプリロイド捜索隊が現場に捜索に行ってるみたいなの...」

 

「え、二課が?...何で?」

 

「分からない...ニュースではそこまで報道されてないから、何にも言えないけど...私、何だか嫌な予感がするの」

 

未来は持っていたスマホをギュッと握り締める。わたしは不安な様子の未来をそっと抱きしめた。

 

「大丈夫だよ、何か起きても二課がわたし達を護ってくれるし、わたし達には紘くんも着いてるんだから...へいきへっちゃらだよ」

 

わたしはこの時、未来にそう言ったが。まさか自分自身もこの出来事に関わる事になるなんて思っても無かった...。

 

 

 

EPISODE.1 復活 【A】END

 

NEXT...EPISODE.1 復活 【B】





サブタイトルの【A】と言うのは、Aパートという意味です。
そうしなければ、文字数が1話目にして万を超えてしまうから皆さんが見ずらいと思い、このようにして分けてみました。これからもこういう事があれば、【A】【B】と分けて話を進めます。

それと、地の文ですが。主に紘、響、未来視点では響が地の文を担当。
その他は、普通のナレーションで進めていきます。
これは今だけの設定なので、後で変更すると思います。

描きたいことが滅茶苦茶ありますが最後に、オメガの性格が全然違うじゃん!〇ね!と思いの皆様。
どうもすみません。某特撮ドラマを見ていたら、オメガの性格を残虐非道な無邪気な少年(?)にしたかったのです。そこだけはどうかお許しください。紘も某特撮ドラマの主人公寄りの性格に変更しています。

それだけ許して下さい。


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