魔法少女あべ☆こべ (ただのアホ)
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第一話

  まだ原作キャラは出て来ません。


                         どういうことだ?さっきまで俺は高校の卒業式で先生達への挨拶や友達との話しを終えて家に帰っていたはずだ。それが気がついたらこんなことになっているなんて、わけがわからない。

 

 

 

 

ここはどこなんだ?真っ暗で何も見えない、それどころか身体すら満足に動かせない。   

でもなぜか心地良い、温かくてとても落ち着く、ずっとこうしていたいとさえ思えてくる。  

だがいつまでもこうしている訳にはいかない、なんとかこの状況をどうにかしようと身体をできる限り動かしてみるが、何かにあたりうまく動くことができない。

 

どうやらかなり狭い場所のようだ。先程動いたせいか疲れを感じた、たったあれだけの動きで?と疑問に思いつつも疲れに身を任せ眠りに落ちた。

 

 

 

                                                    しばらくすると強く押し出されるような感覚に襲われた。

 

 

 

 

だが頭がつっかえてなかなか出ることができない、少しずつ数時間かけてようやく出ることができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

っ!これは光?しばらくぶりの光に少し驚いていると少しずつぼやけていた視界がクリアになりしっかりと見えるようになった。

 

 

 

 

そこには優しく微笑みながらこちらを覗き込んでくる女性の顔があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?     え?     え?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ、元気な男の子ですよ」

                                                                                                    

「オギャー!!! オギャー!!!亅

 

 

 

 

 

 

 

 

な、なんなんだこれは、それにさっきから聞こえてくるこの泣き声は。

 

 

 

 

                                                  

そこで俺はすべて理解した、先程から聞こえてくるこの泣き声は自分自身から発せられているものだと。   そして自分が赤ん坊になっているということを。 

 

 

 

先程は病院の先生に抱かれていたが今は俺を生んだらしき長い黒髪の綺麗な女性に抱かれている、出産した直後で苦しそうに息切れを起こしながらも、愛おしそうに微笑みながらこちらを見つめ、抱きしめてくる。

 

 

 

「あぁ、私の可愛い子供、無事に生まれて来てく

れてありがとう」

 

 

 

「オギャー!!!  オギャー!!!」

 

 

そんな言葉を投げかけて来るが返事をすることなどできるはずもなく、オギャー!!と泣き声をあげることしかできない。

というか先程から泣き止もうとしているのだが身体に釣られて無意識にやっているのか、本能なのか泣き止むことができないのだ。

 

 

 

 

 

少しして俺を産んだ女性、いや母親と呼ぶべきなんだろう。母親は出産の疲れで寝てしまった。

母親と離れ、これからまだ色々な診察や検査があるのだろう。退院するのはもう少し先のことになりそうだ。

疲れていたのはどうやら母親だけではなかったらしい。この身体もずいぶんと疲れを感じていたらしく、俺は再び疲れに身を任せ眠りに落ちた。

 

 

 

 

 



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第二話

 


 

 

あれから数週間ほどがたった、病院は診察や検査で何も問題なかった為一週間ほどで俺も母親も退院することができた。

病院に居た間たくさんの人がお祝いに来てくれてた、どうやら母親の人望は厚いらしい。

 

しかしお祝いに来てくれたほとんどの人が女性だった。

そう言えばこの病院でほとんど男性を見たことがないのだ。

さらに父親らしき人物を見たことがなかった、その時は出張にでも行っていてたまたま帰って来れないだけだと勝手に納得していた。

男性をほとんど見たことがないのも偶然だと思い、それほど気に止めなかった。問題はないと思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、何も問題はない、そう思っていた、母親は見た目どうり優しく、家も大きく、生活も安定している。何も問題ないと思っていた。

この家で暮らし始めてから5日がたったちょうどその時だった二つの大きすぎる問題が発覚してしまったのは。

 

 

 

 

 

母親はあまりテレビを見ない、見るのは精々天気予報の番組を時々見るときぐらいである。必然的に俺がテレビを見る機会もなくなる。しかしその日は違った、母親にしては珍しく、テレビをつけっぱなしにしながら、いつもよりご機嫌そうに鼻歌を歌いながら部屋の掃除をして料理をしていた。

そのおかげでテレビを見ることができていた、しかし今は休日の昼時だやっているものはニュースぐらいだ、しかしそのなんでもないニュースが俺に今世紀最大の衝撃を与えることになる。

 

 

「今日、十一時ごろ三十代の男性に猥褻な行為いたとして………」

 

                  

 

「男性用車両をさらに増やすべきだという声が………」

 

 

 

 

 

………………………………………………は?なんだこのニュースは偶然か?いや、でも男性用車両ってそれにまるで普段からそういうことがあるかのような言い方だ。

 

その後も流れ続ける女性から男性に対するセクハラや痴漢(ここでは痴女と言うらしい)に関するニュース。

さらに衝撃のニュースに俺は認めざるおえなくなった、なんとこの世界の男女比は1:9らしい俺は目の前が真っ暗になったように感じた。

 

そんな俺にさらに追い打ちをかけるように天気予報のニュースへと変わり。

 

 

 

 

 

「見滝原市の天気予報は…………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………………………………………………………………………は?MI☆TA☆KI☆HA☆RA☆SHI?イヤイヤイヤイヤたまたまこっちの世界に見滝原っていう市があるってだけで______

 

 

 

 

 

 

─────ピンポーーーン

 

 

 

 

家のチャイムの音だ、母親がスリッパでパタパタと玄関へ駆けていくのがわかる。なるほど朝からいつもより機嫌が良かったわのはお客さんが来るからか。

 

 

 

 

 

「は~い今でるわ〜〜」

 

 

母親のよく透き通る声がここまで聞こえてくる、そう言いながら玄関へと向かい内側にあるかぎを開けガチャリと扉を開けた

 

 

 

「いらっしゃい絢子、知久さん、まどかちゃん」

 

 

「こんにちは、おじゃまします」

 

「おっじゃましま〜す♪ほら、まどかも」

         

「キャ♪ キャ♪」

 

礼儀正しく落ち着いた挨拶をする男性の声。まるで慣れ親しんだ自分の家のような雰囲気を出しながら挨拶をする女性の声。その女性の言葉に応えるように、ご機嫌そうに声を出すまどかと呼ばれた赤ちゃん。

そして男性と女性どちらの声にも聞き覚えがあった。

 

 

 

 

        

         

 

 

         神は死んだ

 

 

 

 

 

 

今わかった、ここは魔法少女まどか☆マギカの世界だ。

 

説明しよう!魔法少女まどか☆マギカとは!?

 

 

・主人公が少女でピンク髪(ここ重要)

 

 

・魔法少女もの

 

 

・タイトルに☆が付いている

 

 

という、どれか一つでも当てはまっていればグーンと危険度が跳ね上がるものすべてにドストライクな作品なのだ!!!

 

そして見滝原市とはまどマギの舞台となる場所であり、魔女と呼ばれ人を襲う化物がそこら中に存在する魔境なのだ!!

 

 

 

 

いや待て、早まるな、まどマギの世界だと決めつけるのまだはやい!たまたま見滝原市という場所があり、たまたま名前が同じ夫婦がいて、たまたま声が似ていて、たまたまその娘がまどかという名前というだけの可能性もあるんだ。まだ焦るときじゃない。

 

 

 

 

「お!今回はちゃんと起きてるな!」

 

 

「この前来たときは寝ていたからね」

 

 

どうやら色々考えているうちに家に上がりリビングまで来ていたようだ。ベビーベッドで寝転がっている俺を覗き込みながらそう言った。

はい、完全に鹿目さんご夫婦ですね。ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 




   まどかと主人公は同い年です。


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第三話

 六年後までキングクリムゾン


まどマギの世界に来てから六年の月日がたった、この六年間の間に様々な情報を得ることができた。

まず、俺に父親がいないということだ、正確に言えば存在はするが母さん(この数年で母さんと呼ぶようになった)と夫婦関係ではないということだ。 

この世界は男女比が1:9の為、夫婦になることの方が珍しく、ほとんどの子供が人工授精によって生まれて来る。

さらに男性のなかには学校などには通わず専属の家庭教師を雇い、家の中で勉強するものもそれなりにいるようだ。

学校に通う男性はほとんどが小中高一貫性の男子校に通うそうだ。

ちなみに俺は通うつもりはない。なぜなら男子校に通いそのまま禁断の扉をブチ破り、アッーー!と薔薇の花を咲かせる男性も少なくないからだ。わざわざ魔法少女の世界に来て、何が悲しくて男と薔薇の花を咲かせにゃならないんだ。

 

 

 

 

 

 

 

法律も異なっており、男性用車両や一夫多妻制、男性が生まれた家への国からの資金援助など他にも色々な法律があった。

この家も俺が生まれたことでこの資金援助を受けているが母さんはバリバリ働いている。俺が生まれた直後は育児休暇をもらい俺の世話をしていたが1歳になる頃には俺を幼稚園に預け仕事に戻っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

歴史のことなども調べてみた。起こってきたことに大きな違いはなかったが女尊男卑の風潮があったり(最近ではあまりないが)、英雄や歴史上の人物のほとんどが女性になっていた。この過程でわかったが男女の身体能力なども逆転しているようだ。

 

 

 

 

 

 

前世(めんどうなのでこう呼ぶことにした)のことも色々と考えたが何一つわからなかった、何故まどマギの世界に生まれたのか。前世の俺はどうなったのだろうか?死んでしまったのだろうか、それすらわからない。

両親は元気にしているのだろうか、放任主義な両親だったが、愛はしっかりと伝わってきた、俺には勿体ない、いい両親だったと思う。父は寡黙な人だったが、俺や母の誕生日やクリスマスなどの記念日には会社を休み、必ず一緒に祝ってくれる、俺にとっては尊敬できる父親だった。母はいつも優しく微笑みながら父や俺を支えてくれた。俺が悩んでいるときや困っているとき真っ先に気付いて、相談に乗ってくれた。優しい母だった。

友人たちはどうしているだろうか。バカやって一緒になって怒られたり、くだらないことで笑い合ったりした気のおけない奴らだ。

 

 

だが考えていてもしょうがない、今は目の前の現実をどうにかしなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鹿目家とは今も良好な関係を築けている、というかなんとお隣さんだったのだ。

主人公と家が隣で幼馴染みとか完全に原作に関わらせる気満々じゃないですかこの世界。

しかも母さんと絢子さん、中学からの付き合いらしい。今は、お互いライバル会社に勤めていて今月はコッチが勝ったとかなんとか言い合っているのをよく見る。

ていうか原作主人公の母親と親友とか、母さんェ…。

 

 

まどかとはこの六年間一緒に幼稚園へ通い仲を深めてきた。この事を考えると家がお隣さんだったことは好都合だったかもしれない。母さんグッジョブ。

あと幼稚園に通って改めて貞操観念が逆転しているとわかった。あれは5歳になった辺りだろうか、周りの女の子の俺を見る目がまるで獲物を見つけた飢えた獣のようだった。幼稚園児のしていい目じゃねーよアレ。

なんかまどかの俺を見る目も最近、時折怪しくなる気がするが、多分、きっと、絶対、気のせいだ、気のせいに決まっている。

 

 

 

 

――――――ピンポーーン

 

 

 

家のチャイムの音だ、情報を整理している間にまどかが迎えに来たのだろう。

 

 

「あら来たみたいね、行きましょう、かず。」

 

 

「うん」

 

 

かず、と呼ばれた俺は短く返事を返す。かずと呼ばれたが本名は高村かずやである。母さんの名前は高村圭子だ。

すでに準備はできている為あとは家を出るだけだ。

 

 

何故まどかが迎えにに来ているのか、それは何を隠そう今日から俺はピカピカの小学一年生なのだ。

 

玄関の扉を開けると、そこには俺と同じく新品のまだ何も入っていないピンク色のランドセルを背負ったまどかとスーツを着こなす絢子さんと知久さんがいた。

 

 

「おはよう!かず君、圭子さん」

 

「おう、おはようまどか」

 

「おはよう、まどかちゃん」

 

 

元気よく挨拶してくるまどかに挨拶を返す俺と母さん。

その後絢子さんと知久さんに挨拶をすませ、そのまま小学校へと向かった。

 

 

 

 

 

「かず君、私たち同じ教室になれるかな?」

 

「なれるだろ、多分」

 

「うん!そうだよね!ウェヒヒヒヒヒ」

 

 

学校へ行く道中まどかが少し不安そうに聞いてきた。

家が隣になるような世界だ、学校の教室ぐらい同じにしてくれるだろう。そう思い俺は根拠もなく答えた。

まどかはそれで満足したようで、不安そうな顔は消えすぐに笑顔に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

小学校につき、立て看板のところで写真を撮ることになった。俺や知久さんがいるからだろうか?周りからの視線が熱い。しかし母さん、絢子さん、まどかはどこか自慢げだった。

それにしてもやけに高そうな三脚つきのカメラで撮っていた。

聞いてみると今日の為にわざわざ一番良いものを親三人で買いに行ったとか。つくづく親バカだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

それから校門をくぐり学校の中へと入った、今はまどかと共に指定された一組の教室に向かっている。お察しの通り、まどかとは同じ教室だった。まどかはぴょんぴょんと飛び跳ねながら喜んでいた。かわいい。

親達はすでに入学式を行う体育館へ行っている。俺たちのことをカメラを用意しながら待っているだろう

 

 

 

 

指定された教室につき中へ入るとほとんどの生徒がすでに着席しており、クラス中の視線がコチラに向いた。

 

 

 

「え、男の子?!」

 

 

 

「うわ、カッコイイ////////」

 

 

 

「男だ!ヒャッハー!」

 

 

 

「イケメンktkr!」

 

 

 

「美少年hshs」

 

 

 

「かず君prpr」

 

 

 

おいコラちょっと待て最後の奴。なんか隣から聞こえた気がするんだが?気のせいだろう?気のせいだと言っておくれ。それにほら、隣を見てもいつものかわいいまどかしかいないぞ、まどかがあんな事を言うはずがない、

ない…よな……?。

 

 

 

 

「どうしたのかず君?教室に入ろ?」

 

「ア、ウン」

 

 

 

ま、まぁ気を取り直して教室へ入った。ランドセルを指定されているロッカーの中にしまい、これまた指定されている席へ座った。最初はあいうえお順なのでまどかとは別々の場所だ。どうやら俺たちが最後だったようで俺たちが座りすべての席が埋まった。

教室を見渡すと各々周りの子と話をしている。男子は俺の他に三人いたが三人とも女子に話しかけるなオーラを放っていた。

 

 

俺も隣の子と自己紹介でもして暇を潰そうと思ったとき、ちょうど先生が入ってきて入場の仕方などを軽く説明され、体育館へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

な、長かった。話などは右から左へ聞き流していたが、いかんせん長い、座っているだけでも疲れが溜まってくる。それを普通の小学一年生が耐えれるはずもなく、周りの子たちはコソコソとお喋りをしていた。何?じゃあお前もすればいいって?それがこっちから話しかけると顔を真っ赤にして、あ…!とか、え…!とかしか言わなくなるんだ。忘れていたよ、アイツら獣みたいに男に飢えてるくせして童貞の100倍ウブなめんどくさい奴らだった。

というわけで俺はただ時が過ぎ去るのを待つしかなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

入学式を終えて教室へ戻った、今は教科書や学習用具の配布など諸々の事を終えて、先生の話を聞いている所だ。なんでも今から記念撮影をしに行くとかでもう一度体育館に行くらしい。正直、前世の入学式の事など覚えていないので記念撮影のことなど覚えていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

記念撮影をし終えてまた教室へ戻ってきた。今日はこれで解散らしい、貰った教科書や学習用具を家で名前を書く為にランドセルの中に入れ、まどかと一緒に親達と合流して家へ帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

家についた俺はドッと疲れを感じた、まぁランドセルが重かったせいだが。母さんが持とうとしてくれたのだが、まどかが自分で持っている手前俺が持ってもらうわけにはいかなかった。だってなんかカッコ悪いじゃん。

 

 

明日から授業が始まるのか、心配だな〜主に人間関係が。

 

 

 

 

 

 

 

 



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第四話


感想、お気に入りなどしてくれた方ありがとございます。



 

 

 

 

 

教室につき、自分の席へと向かう、そして隣の席の青い髪の少女と朝の挨拶を交わす。

 

「よう、おはようさやか」

 

 

「あ、おはよ!かずや」

 

 

そう、さやかちゃんである。最初のあいうえお順の席から席替えをした、その時隣になったのがさやかだった。

ちなみにまどかは俺の後ろの席だ。隣じゃなかったことを残念がっていた。「ずっと見ていられるし、これはこれで……」とかボソボソ言ってた気がするが俺は知らない。

それにしても席替えのときはひどい有り様だったな、席替えの結果を見て涙を流しながら喜ぶ者、この世の終わりの様な顔をして絶望する者。男子と席が近かった者とそうでない者だ。

俺の隣であるさやかは当然ように勝ち組で嫉妬の目を向けられていた。

まぁ嫉妬の目を向ける気持ちもわからないでもない、はっきり言うと俺は超絶美少年で人気がある、いやまぁこの体がなんだけど。前世と容姿がかけ離れ過ぎているからか容姿を褒められても素直に喜べないのだ。

鏡を見て自分でも驚いた、シミ一つない透き通るような白い肌、黄金に輝くサラサラとした金色の髪、ルビーよりも綺麗な赤い瞳、という金髪赤眼の中二病全開な美少年だった。母さんは黒髪黒眼だからこれは父親の方の遺伝子なのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

さやかと話をしている間にまどかが教室に入ってきた。

 

「も〜置いていくなんてひどいよ、かず君」

 

 

「寝坊したまどかが悪いんだろ?」

 

 

「そーだけど、一人で登校するなんて危ないよ!」

 

 

「わかった、わかった次から気をつけるよ」

 

 

いつもは一緒に登校しているが今日はまどかが寝坊したことによって一人で登校した。そのことにまどかは不満を抱いているようでぶつくさと文句を言ってくるがそれを軽くあしらう。

 

 

「相変わらず仲いいね〜」

 

「いや〜それほどでもあるかな〜//////」

 

そんな俺たちを見て、からかう様な口調で言ってきたさやかの言葉を真に受けて照れるまどか。

 

 

 

さやかとは席が近いこともあり、一緒に遊ぶくらいには仲良くなった。流石原作で一番仲がいいと言われていただけあってまどかとさやかはすぐに打ち解けた。

 

 

しかし…まどかとさやかが同じ小学校なのは知っていたが一年生から友達だったか?まどマギはアニメしか見ていない上に見たのはだいぶと昔だ。細かい設定は覚えていない。

 

杏子はまだ大丈夫だろうし、マミさんとほむらはぶっちゃけ今はどうしようもないし。

とりあえずの今の目標はまどかとさやかを魔法少女にしないことだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから一年、二年と時が過ぎ、小学校を卒業して中学生になる時期がやってきた。

 

その間これといった大きな問題はなかった。強いて言えばまどかの変態性が年々ひどくなってきたことだろうか。前々からその片鱗を見せていたが、小学五年生辺りから浮き彫りになり六年生で完全に開花したようだ。

 

具体的にどんなことかというと、盗聴でもしない限り俺しか知らないはずの情報を知っていたり、俺の日用品(服など)がなぜかまどかの部屋から出てきたり、盗撮でもしたかのような角度からの写真を大量に持っていたり、俺のファンクラブなるものを作ったりと。

結構やばいところまで行ってしまってるような気がする。あれ?もしかしてこれ手遅れ?まぁコレは置いておこう。

 

 

実はもう一つ問題がある、それは上条恭介君のことだ。

さやかと幼馴染みのはずなのだか恭介君の影すら見当たらないのだ。さやかに恭介という名前を聞いてみても知らないと言っていたし。何かがあったのだろう。考えられる理由は大きく分けて二つだ、一つ目は俺という存在が恭介君の存在する枠を取ってしまった可能性。もう一つはあべこべな世界が影響して今はいない可能性だ。

俺的には後者であってほしいが、どちらにせよ今はまだわからないから保留だな。

 

 

 

 

 

 

それとこれは問題というかなんというか。最近こんなニュースを見た。

 

 

『今話題の新宗教、その正体とは?!』

 

 

 

そのニュースに映っていた教会が見滝原の隣の風見野市ある教会だった、つまり佐倉杏子の家だ。どうやら新しく開いた宗教が人気になっているようだ。

まぁそのことはとても喜ばしい事なんだか…その宗教の内容が…

 

 

「この世は処女(絶望)であふれている、こんなときこそ新しい教えが必要だ」

 

 

「今のままでは人々を救うはできない。童貞(希望)が必要なのです」

 

 

 

大体こんな感じだ。宗教とは名ばかりですることと言えば、どうすれば男性と付き合えるとか、ヤりたいとか、ムラムラします、とかいうことを話しているだけだ。

それが人気になっているというのだから、この世界大丈夫なのだろうか?

 

 

実は気になって内緒でコッソリとこの教会へ行ったことがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが教会か…」

 

 

変装のためのサングラスとマスクとフードを教会をよく見るため、外しながらつぶやいた。

 

どうやらすでに信者は帰ったあとのようで人の気配はなかった。

すると不意に後ろから声をかけられた。

 

 

 

「あの、すいません入信希望者の方ですか?ごめんなさいもう時間が過ぎちゃっててまた明日……」

 

 

振り向くと言葉を途中で止めて固まってしまった。

 

そこには赤い髪を後ろに束ねた少女…佐倉杏子がいた。

買い物袋を持っている、買い物帰りなのだろう。

 

 

 

 

「え!?//////お、男の人!?//////な、なんでこんな所に……キャ!!」

 

 

顔を真っ赤にして動揺し、後退りして小石につまずき尻もちをついてしまった。

 

 

 

「イタタタ……」

 

 

「お、おい大丈夫か?」

 

 

 

杏子を立ち上がらせようと近づき手をとり立ち上がるのを手伝おうとして、手が触れたとき。

 

 

 

「て////手が!///// きゅー//////…………」

 

 

「え?…ま、まさか?…………………気絶してる……」

 

 

このまま放置するわけにはいかないのでとりあえず杏子を休ませるために教会に入ることにした。

 

 

 

「すいませーーーん!」

 

 

玄関らしき場所の扉をノックしながらこの家の人間を呼ぶ。

少しすると扉が開きシスター服を着た女性が出てきた。まさに清楚という言葉を表したような女性だった。

 

 

「はい、なんの御用でしょう」

 

 

「あの、この子が倒れていて」

 

 

「きょ、杏子! と、とりあえず中へどうぞ話も中でお聞きします」

 

 

「はい、ありがとうございます」

 

 

今はさっきの事を反省してマスクとサングラスをつけている。声もなるべく男だとバレないようにした。

 

 

 

 

家の中へ入らせてもらい事情を説明した。

いきなり倒れてしまったと言ったが嘘ではない、少し説明を省略しただけだ。

それとこの女性は杏子の母親だそうだ、そしてこの教会の教祖でもあるとも言っていた。

この世界では父親ではなく母親がやっているようだ。

 

 

 

「それにしてももうマスクとサングラスをとってはいかがですか?」

 

 

「えっと、あの、それは…」

 

 

「それとも人には顔を見せられないような事情でもあるのですか?」

 

 

 

疑うような目でこちらを見てくる。

そりゃー家の中に入ってもマスクとサングラスを外さないとか怪しさMAXだよな。

 

これ以上疑われるのも嫌なので仕方なくマスクとサングラスを外すことにした。

 

 

「あの……俺実は男なんです」

 

 

そう言いながらマスクとサングラスを外した。

 

 

 

「………………あ……………ああ…………」

 

 

「やっぱりこうなったか………ハァ…」

 

 

俺の顔を見た途端、目を見開いたまま絶句してしまった。俺を見た人は大体こういう反応をする。

 

俺もバカじゃない、理由はわかっている。俺が超絶美少年だからだ、うぬぼれでもなんでもなく事実だ。

前世で見たアイドルやモデルなんか比べ物にならないくらいのイケメンだ。

だから普段はなるべく顔を見られないようにしてる。

 

 

 

 

 

 

「ところで話は変わるのですが………」

 

 

少ししてショックから完全に目を覚ました杏子の母親が何やら覚悟を決めた顔で話かけてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「入信して、私とイッパツどうですか?」

 

 

 

 

 

……………………は?何言ってんだこの人。

 

 

 

 

 

「あの…言っている意味がわからないんですけど……」

 

 

 

「いえ、ですから入信して私とセッk「言わせねーーよ!!!」

 

 

 

 

 

いやホントに真顔で何言ってんの!?さっきの清楚さはどこに行ったんだよ!!

 

 

 

「いきなりそんな事言われてもこまるんですけど……」

 

 

 

「これは神が与えたもうた運命なのです………神は私達につながれと、そう言っているのです!!」

 

 

 

 

ダメだ話が通じねぇ!!助けて神様!いや神はダメだ信用できねぇ。もうこの際まどかでも誰でもいいから助けてくれ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う……ん……あれ?あたし、どうして……」

 

 

 

 

もうダメだと思ったその時、救いの女神が目を覚ました、杏子ちゃん!俺は信じてたぞ!ありがとう!

 

 

 

 

「杏子!大丈夫?おかしな所はない?」

 

 

「あ、うん大丈夫だけど…どうして…」

 

 

「この方が杏子が倒れているのを運んでくださったの」

 

なんかさっきとキャラ違うくないか?娘の前だとこうなるのか?とにかく助かったみたいだ。

 

 

 

そして、ここで初めて俺の方を見る杏子。

 

 

 

「あ!…そうだ!あたし……夢じゃなかったんだ…」

 

 

「やぁ大丈夫か?いきなり倒れたからビックリしたぞ」

 

 

「だ、大丈夫……あの//////…あたしを運んでくれたんでしょ?/////その……あ、ありがとう/////」

 

 

顔を真っ赤してうつむき、モジモジしながらお礼を言ってれた。お礼を言うのはコッチの方だ。

 

 

 

「私からもお礼申し上げます、本当にありがとうございました」

 

 

「いえそんな、頭を上げてください」

 

 

深々と頭を下げる杏子の母親、それほどのことはしていないし、ていうか原因俺だし。

頭を上げて欲しい、そう言った。

 

 

その時、壁に掛けてある時計が目に入った。マズイ!もうこんな時間だ。

帰るためのバスが来る時間だった、このバスを逃せば確実に門限に間に合わなくなる。そうなれば、まどか達と同じ学校に通えなくなるかもしれない。

 

母さんは俺を男子校に通わせたかったそうだ、だがそれは嫌なので、まどか、さやか、絢子さん、知久さん、俺の全員で説得した。その結果、門限を付けることを条件にようやく納得してくれた。

 

 

あの俺に激甘な母さんが門限を付けてようやく納得してくれたのだ、ここで門限を破ればまた説得し直さなくてはならないだろう。男子校に行くのは絶対に嫌だ!!

 

 

そうと決まれば俺の行動は速かった。

 

 

 

 

 

「すいません!もう時間なので行きます!」

 

 

 

「あらそうですか、まだお礼も充分にできていないのに」

 

 

「え?……もう行っちゃうのか?……」

 

 

「すいません、門限までに帰らないといけないので」

 

 

 

別れの挨拶もそこそこに俺はバス停へと急いだ。杏子と杏子の母親は最後まで見送ってくれた、お礼がしたいからまた来てくれと言っていたが多分もう行かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事、門限までに家につくことができたが内緒でコッソリ出かけていたのがバレて怒られた。

 

 

 

 

 

 

ちなみにアレから教会には行っていない。別に杏子の母親が怖いとかではない、でも多分二度と行くことはないだろう。

 

 

 

 

 

 

 





という訳で杏子ちゃん一家生存です。


杏子ちゃんかわいい。


それに比べてまどかは……どうしてこうなってしまったのか………。

最初はこんなふうにするつもりはなかったのに……。

一体誰がまどかをこんなふうにしたんだ!!




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