ポケットモンスター the master road (海苔巻000)
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始まり

これからよろしくお願いします!


ここはリルドタウン。始まりの風が吹く街──。

今日この街で1人のポケモントレーナーが誕生しようとしていた。

 

「リオ!早く起きなさい!」

そういう母の声が下の階から聞こえてくる。時計を見ると既に9時を回っていた。

この街でポケモンの研究をしているブリーク博士から新しいポケモンを貰う約束の時間は8時だったはずだ。

「やべぇ!」

そこまで考えた所で事の重大さに気づき、すぐに飛び起きて着替え始める。

 

青いジャケットとジーパンに四天王である父親に買ってもらったマスターボールが刺繍されてある帽子。

いつも外に出かける時の格好だ。

 

急いで下にかけ降りると母親がエプロン姿で少し怒った顔をしながらこっちを見つめる。

 

「やっと降りてきた。朝ごはんを食べて早く行きなさい。カインとシアはもうポケモン貰って出発しちゃったわよ。」

「嘘!?じゃあ行ってきます!」

これからライバルとなる幼馴染に先を越されたと聞くとリオは朝食も途中にしてショルダーバッグを持って家を出た。

 

「ちょっと!ご飯は!?」

後ろから母親の声が聞こえるが「帰ってから食うよ!」と叫びながらリオは研究所に走っていった。

 

研究所の前に着いてから息を整えてドアを開けると博士がニコニコしながら出迎えてくれた。

「おお、リオくん。遅かったな。さあ君のポケモンはこっちだよ。」

そう言いながら研究所の裏庭に行くとそこにはたくさんのポケモンがいた。

「うわぁ!」

「ゆっくり決めなさい。こんなにたくさんいるんだからね。」

たくさんのポケモンを見ながら目を輝かせるリオを見て博士は嬉しそうに微笑みながら笑った。

 

──フカマル、ヒトカゲ、ロコン、コイキング。

たくさんのポケモンがここにはいる。

この中から1匹、相棒となるポケモンを決めれば夢にまで見たポケモントレーナーになれる。

その感動と喜びに浸りながらポケモンを選ぶ。

 

ポケモン達を見回しているとリオの目に1匹のヒトカゲが入ってきた。

他のポケモン達が楽しく遊んでるのにも関わらずこのヒトカゲはそれを退屈そうに見ていた。

「なあヒトカゲ。お前俺と一緒に旅に出ないか?」

それを聞くとヒトカゲは一瞬こちらを睨んだがすぐにそっぽを向いた。

「……博士。俺こいつにする。」

それを聞いた博士は驚いたようにこちらを見た。

「本当かい?…このポケモンはかなり強いし珍しい技も持っているんだけど、少し人が苦手らしくてね。餌も滅多に食べないしトレーナーにも全く懐かない上に言うことを聞かないからみんな返しに来てしまうんだけど……。」

大丈夫かい?と言いたげな顔をしてブリーク博士がこちらを見つめる。

リオはそれを真っ直ぐと見つめ返して「この子にします!」と言った。

それを聞いたブリーク博士は笑顔になって「分かった。」と呟き、

「君ならこのヒトカゲの真のパートナーになってやれる気がするよ。」

と言った。

 

「これが君のトレーナーカードとジムバッジケース。あとはポケモン図鑑と、ヒトカゲのモンスターボールだ。無くさないように気をつけてね。」

博士はそう説明しながらカードとケースを渡してモンスターボールにヒトカゲを戻してからリオに渡してくれた。

「よろしくな、ヒトカゲ。」

リオはモンスターボールからヒトカゲを出してそう言うが、ヒトカゲは興味なしと言うようにそっぽを向いた。

苦笑いしながらヒトカゲをモンスターボールに戻すとブリーク博士がリオのことを見つめながら

「これから君の旅に幸があらんことを願うよ。」

と言ってから笑いかけてくれた。

 

 

家に帰り、食べ忘れていた朝食を食べるとリオは懐からモンスターボールを取り出し、ヒトカゲを出した。

ヒトカゲは母親の方を見ると

「お母さん、僕のポケモンだよ!」

「あら、可愛いポケモンじゃない!やっぱりヒトカゲね。リオも旅に出るんでしょ?頑張りなさい。途中で諦めるなんてダメよ?」

そう言うとお母さんは少し寂しそうに笑った。

それを見てリオも寂しくなったが「うん。」と一言だけ返した。

 

街の門に行くと母が見送りに来てくれた。

門から一番道路に出て、後ろを振り向くと母は大きく頷いた。

僕も大きく頷いて走り出した。もう振り向かなかった。




稚拙な文章と作品ですが、これからもお付き合い頂ければ幸いです
読んでいただきありがとうございました。


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野生のポケモン

よろしくお願いします


街が見えなくなったところでリオはポケモン図鑑を取り出してヒトカゲについて調べ始めた。

 

ポケモン図鑑は出会ったポケモンをカメラで認識して情報を瞬時に出す機能とスキャンした自分のポケモンのデータを見る機能がある。

 

このポケモンは珍しい技を持っている(・・・・・・・・・・)と博士は言っていた。

リオはその技を確認しようとしているのだ。

 

ポケモン図鑑に記されていた情報を確認するとヒトカゲのデータが記されていた。

 

ヒトカゲ とかげポケモン No.004 タイプ:炎 特性:もうか

覚える技

げきりん タイプ:ドラゴン 龍の舞 タイプ:ドラゴン

フレアドライブ タイプ:炎 噛み砕く タイプ:悪

 

「……俺が知ってる技と違う。」

リオの知っているヒトカゲの技構成と言えばひっかく、なきごえくらいだ。後はひのこくらいか。

しかしリオのヒトカゲの技は全く見たことの無い名前の技ばかりだ。

「なんなんだ?お前は?」

リオは自身の選んだ相棒の入るモンスターボールにそう語りかけるがその問にヒトカゲが応えることはなかった。

 

その時、近くの草むらから1つの視線を感じた。

「誰だ!?」

リオが大声を上げながら振り向くとそこには紫色の身体をしたネズミのようなポケモン、コラッタがいた。

こちらが気づいたと分かるとコラッタは"でんこうせっか"で素早くリオの後ろに回る。

「うわっ!い、行け!ヒトカゲ!」

狼狽えながらもリオは何とかモンスターボールの開閉スイッチを押してヒトカゲを繰り出した。

ヒトカゲは目の前のコラッタを見つめて臨戦態勢に入る。

「よし……!ヒトカゲ、えーと"げきりん"だ!」

リオはさっき図鑑で見た技の名前を口にするがヒトカゲは全く無視して動かない。

「おい、ヒトカゲ?どうした!?」

ヒトカゲはリオの声に反応してこちらを睨んでからようやく動き出し、技を放った。

 

──"フレアドライブ"を。

 

ヒトカゲの放ったその技はリオの命じたげきりんという技とは思えない攻撃だった。

炎を纏い、コラッタに向かって突進するその攻撃はドラゴンタイプのげきりんではなくほのおタイプの技のようだった。

その技を見てリオは「まさかあれ、"フレアドライブ"か?」と呟く。

確かにドラゴンタイプのげきりんと言うよりはほのおタイプのフレアドライブの方がしっくり来るかもしれない。

 

そのヒトカゲが放った技はコラッタにクリーンヒットし、一撃でコラッタの体力を奪い去っていった。

 

その間にリオがさっきヒトカゲが打った技名をポケモン図鑑で確認するとそこには"フレアドライブ"と記載されていた。

「……やっぱりか。」

リオはため息をついて図鑑をしまうとヒトカゲにその技を打った理由を聞こうとヒトカゲに近づいて手を伸ばした。

するとヒトカゲはその手をすり抜けてリオのズボンのポケットに入っていたモンスターボールの開閉スイッチを勝手に押してモンスターボールの中に入っていってしまった。

 

「え?ちょ、ヒトカゲ?」

リオは驚いてボールの中に語りかけるがヒトカゲからの反応はない。

 

リオはこれからへの不安を感じながら次の街へ向かっていった。

 

「ようやく見えてきた……。」

一番道路を抜けて街の門が見えてきた安心感からリオはそう口にした。

その時、目の前を大量のジグザグマの群れが横断した。

「!?なんだ?」

驚いて立ち往生してるとそのジグザグマを追うように1人の少年が草むらから出てきた。

 

「あれ、リオ?」

その少年はリオの方を向いてリオの名を口にした。

リオの目の前に現れたその少年は幼馴染のカインだった。




ありがとうございましたー


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VSカイン 前編

よろしくお願いします


「お前こんな所で何してんだよ。」

早くも再開した幼馴染にリオは質問をする。

寝坊をした自分よりもこの2人はずっと早く旅立ったからもっと先に進んでしまっていると思っていたのだ。

「何って、ジム戦のために強いポケモンをゲットしようとしてたんだよ。」

「え?じゃあさっきのジグザグマの中に強い奴がいたのか?」

なら呆然と突っ立ってないで捕まえておけば良かっただろうか、とリオが考えているとカインは呆れたように

「そんな訳ないだろ。」

と言った。

「あのジグザグマの群れを纏めてるリーダー的なポケモンをゲットするんだよ。ポケモンの群れは基本的に実力至上主義だからな。」

リオは、なるほど、やはりカインは自分よりもずっとよく考えている。と思った。

思えばカインは子供の頃から3人の中で1番頭が良かった。

「そんなことよりリオもポケモン貰ったんだろ?バトルしようぜ。」

カインはリオのモンスターボールを見てそう言った。

「え、でもさっきのジグザグマは?」

「とっくに見失っちまってるよ。」

そう言うとカインは懐からモンスターボールを取り出して開閉スイッチを押した。すると中から緑色のトカゲのようなポケモンが出てくる。

リオが即座にポケモン図鑑でそのポケモンをスキャンするとそのポケモンの情報が瞬時に出てくる。

「ツタージャ、イッシュ地方のポケモンか。」

「ああ、お前もポケモン早く出せよ。」

「……ああ。」

だがリオはあまりバトルに乗り気ではなかった。

理由はさっきの命令無視。だがリオはしぶしぶモンスターボールを取り出してスイッチを押しながら

「行け!ヒトカゲ!」

と、掛け声を上げた。

それと同時に中からヒトカゲが出てくる。

「なるほど、ヒトカゲか。相性悪いな。」

等とカインが冗談めかして言う。

 

「頼むぞ、ヒトカゲ!"フレアドライブ"!」

だがヒトカゲはその命令を無視して動かない。

「……っ。」

「おいおい、お前自分のポケモンに認められてねぇのかよ。」

そのカインの言葉に何も言い返すことが出来ずにリオは舌を噛む。

「しかも、"フレアドライブ"って……。お前のヒトカゲも変な技覚えてるのか。」

そう言うとカインはツタージャの方を見て技を指示する。

「行け、"マジカルリーフ"!」

その時ツタージャの尾から葉っぱのようなものが現れてヒトカゲに襲いかかった。

『カゲ!』

ヒトカゲはその攻撃を見て1度は避けるがその葉っぱは追尾してきてヒトカゲに直撃した。

「ヒトカゲ!」

だがヒトカゲはすぐに体制を整えて臨戦態勢に入った。

「へー、お前のヒトカゲ強いんだな。でも今の攻撃ならあと2,3発当てれば流石にそのヒトカゲも倒れるだろ。」

恐らくカインの言う通りだろう。多分相手のツタージャはこちらのヒトカゲよりも経験を積んでいる。

「頼む、ヒトカゲ!言うことを……。」

そう言い終わる前にヒトカゲはツタージャに炎を纏って突っ込んでいった。

「うお、マジで"フレアドライブ"使えんのかよ。」

ツタージャは何とか避けようとするが間に合わず、ヒトカゲのフレアドライブが直撃する。

「倒したか!?」

しかしツタージャは悠然と立ち上がりカインの方に下がった。

「やるな。ツタージャ、動きを鈍らせるぞ。"へびにらみ"!」

ツタージャはもう一度炎を纏おうとするヒトカゲを睨みつけた。するとヒトカゲが微量な電気を纏い、纏おうとしていた炎が消え、動きが鈍くなる。

「これは……!?」

「まひ状態だ。相手の筋肉を鈍らせて動きを制限する状態異常。確かにそいつは強いけど俺の勝ちだな。」

カインはそう言うとしてやったりという顔でほくそ笑んだ。

「くっ…、ヒトカゲ!頼む、俺の言うことを…。」

その時、リオは考えついた。ヒトカゲに言うことを聞かせるのではなく、

「ヒトカゲ!俺と一緒に戦ってくれ!」

上下関係ではなくあくまでポケモンとトレーナーは対等。ヒトカゲはそんなトレーナーを求めていたのかもしれない。ヒトカゲはこちらを見てニヤリと笑い、初めて大きく声を上げた。




なんかむっちゃ話のテンポ悪い気がする。

あ、あとこの話のポケモンバトルはダメージ計算機で計算してます。決して適当に多分耐えるでしょ、的な感じではありません。
少しレベル差があるとはいえツタージャってヒトカゲのタイプ一致フレドラ耐えるんだなぁってちょっとびっくりしました


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VSカイン 後編

よろしくお願いします


「やっとまともにバトルが出来そうだな。ツタージャ、"マジカルリーフ"!」

カインの指示を受けたツタージャがさっきの変な葉っぱを出して攻撃する。

「行こうぜ、ヒトカゲ!"フレアドライブ"!」

リオの指示にヒトカゲは応え、炎を纏い、ツタージャに突進した。

ツタージャの"マジカルリーフ"がヒトカゲの身体にダメージを蓄積していくがそれに構わずヒトカゲは突進を続ける。

「……チッ、避けろ!ツタージャ!」

その声とほぼ同タイミングでツタージャがフレアドライブを紙一重で避ける。

「クッ……!」

──やはりまひのせいで速度が落ちている。

 

そう感じたリオは足りなくなった素早さを補うためある技を放った。

「頼む、ヒトカゲ!"龍の舞"!」

その指示を聞いたヒトカゲはニヤリと笑ってその場で舞い始めた。するとヒトカゲの周辺に龍の形を象ったようなオーラが放たれる。

「なんだそれは?」

カインが不思議がって聞く。

「見てりゃ分かるさ。」

そう言いながらリオはヒトカゲに指示を言った。

「ヒトカゲ、最後の"フレアドライブ"だ!」

「……っ!早い!」

「さっきの"龍の舞"の効果さ。」

珍しく焦るカインを楽しみながらリオが言う。

さっきポケモン図鑑を見た時に記してあった"龍の舞"の効果。

 

「攻撃力、そして素早さが上昇する!行け!ヒトカゲ!」

「くっ、ツタージャ!!」

カインが今までで1番と言っていいほど声を張り上げる。

それに応えるようにツタージャは"マジカルリーフ"をヒトカゲに向かって放つ。

「行けええ!」

"マジカルリーフ"を受けながらもヒトカゲが決死の思いでツタージャに突っ込む。

激しい激突でその場に大きな爆発が起きた。

 

煙が晴れ、その場に立っていた者は、

 

いなかった。

 

「……相打ち、か。」

カインが少しだけ悔しそうに言う。

「そうだな、いいバトルだったよ。」

リオはそれににこやかに返す。

カインにとっては勝てる勝負を逃した結果となったのかもしれないが、リオにとってはヒトカゲとの距離が縮まった貴重なバトルとなった。

 

「全く、また修行のし直しだな。」

そう言うとカインは倒れているツタージャをボールに戻して街に向かっていった。

「どこに行くんだよ?」

ヒトカゲをボールに戻しながらリオもカインに語りかける。

「ジム戦か?」

「馬鹿、ポケモンが戦えなくなったらポケモンセンターだろ。」

「あ、そっか。」

すっかり忘れたいた。ポケモンセンターとはポケモンに関する様々なイベントを行っている施設で基本的にトレーナーの宿泊施設、さらに傷ついたポケモンを無料で治してくれるというような活動を行っている。

「俺、ポケモンセンター行くの初めてだ。」

「まあ、リルドにはなかったからな。お前も来るか?」

「……おう、行く。」

そんな会話をしながら2人は街に入っていった。




ポケセンがかなりの万能ハウスになっています。
ちなみにこの時点で
カインのツタージャはlv.9
リオのヒトカゲはlv.5
です
個体値はどちらもそれなりには強いポケモンです


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マニルタウン

よろしくお願いします


「ここがマニルタウンか……。」

始めてくるリルドタウン以外の街にリオは少し感動していた。

「何ぼーっと突っ立ってんだ。行くぞ。」

ハット我に帰るとカインはもうかなり先に行っていた。

「お、おお。」

などと呆けたような声を上げながらリオは小走りにカインの隣に行く。

「そういや、お前さっきもボーッとしてたよな。まだ寝ぼけてんじゃねぇの?」

「んなわけねえだろ。」

等と言いながらも頭の中でリオは実はそうなのかもな。などと考えていた。

 

そんな会話をしながら歩いていくと赤色基調の建物についた。ポケモンセンターだ。

モンスターボールが元ネタなのだろう。

 

「おい、さっさと入るぞ。」

カインがそう言いながらポケモンセンターの中に入っていく。

「おお、自動ドアなんだ。ハイテク感あるな。」

「そうだな。」

自動ドアに目を輝かせるリオとは対照的にカインはあまり興味がなさそうだ。1度見ているのだろう。

 

中に入るとたくさんのポケモンとトレーナーがいてその奥の方にポケモンナースのジョーイさんがいた。

「こんにちは。ポケモンの回復ですか?宿泊ですか?」

近づくと決まり文句をこちらに投げかけてくる。

「回復です。」とカインが言うとジョーイさんは「かしこまりました。」と言ってカインのポケモンを奥に運ぶ。

すると交代で別のジョーイさんが出てきて今度はリオに質問を投げかけた。

「あなたも回復ですか?」

「はい。」と返してモンスターボールを渡すと番号札を渡され、「席に座ってお待ちください。」と指示を受ける。

 

席に座るとカインがこちらを見ていた。

「ポケモンセンターってこんな感じなんだな。」

「どんな感じだと思ってたんだ。」

カインが笑いながら問い返す。

「キズぐすりとかで一瞬でパァァって行くのかと思ってた。」

「まああれはいわゆる応急処置だしな。さらに言うとドーピングだし。」

「え?そうなの?」

あまりに驚いたリオは素っ頓狂な声を上げる。

カインは少し耳を塞ぐ仕草を見せながら続ける。

「あの薬を注入すると一時的にポケモンの痛みが薄らいでさらにアドレナリンが抽出されるんだと。キズぐすりの種類は痛みの薄れやすさ?みたいなので変わるらしい。まあポケモンの身体にいいもんじゃないらしいがな。」

「へー。」

リオは心の中でポケモンにキズぐすり系統は使うのはやめよう、と心に決めた。

 

ポケモンセンターの2階を見上げながらカインは

「あ、そーだ。」

と何か思いついたように言った。

「どうした?」

とリオが聞くとカインは2階を指さして

「レンタルバトルしようぜ。」

と言った。

 

「レンタルバトル?」

聞き覚えのない言葉にリオが首を傾げる。

「ポケセンでレンタルされてるポケモン借りてバトル出来んだよ。裏にフィールドあるし、やろうぜ。」

「へー、いいなそれ。やりたいかも。」

「よし、決まりな。」

そう言うとカインが立ち上がってリオを引っ張りながらポケモンセンターの2階に登る。

 

「俺とこいつにポケモン1匹ずつ!」

と言いながらカインはリオの胸ポケットからトレーナーカードをぶんどると職員に見せた。

すると「かしこまりました。」と言ってから職員が2つのモンスターボールを持ってきた。

「……なんで俺のトレーナーカードの場所分かったんだよ。」

「お前大事なものはいっつも胸ポケットにしまうからな。」

 

そう言いながら2人はモンスターボールを手にしてバトルフィールドに向かった。

 

「よし、行くぞ。」

リオが頷くのと同時にカインがボールの開閉スイッチを押す。すると「ブィール!」という鳴き声とともに中から黄色と黒の色を基調としたイカついポケモンが出てきた。

「うお、強そうだな。」

と、言いながらリオもモンスターボールのスイッチを押す。すると「ブァァ!」という声とともに全身炎に包まれたポケモンがボールから現れた。

 

「エレキブルと、ブーバーンか。」

2人が同時にポケモン図鑑で自身のポケモンと相手のポケモンについて調べる。

 

「「よし、行くぞ。」」

全く同タイミングでそう言うと2人はまた同じタイミングで技名を口にした。

「ブーバーン!"かえんほうしゃ!"」

「エレキブル!"10万ボルト!"」

2人のバトルが始まった。




レンタルバトルっていう要素をポケセンに追加しました
リオがブーバーンでカインがエレキブル。
こっちが忘れそうになるw

どっちもレベルは50固定です
読んで下さりありがとうございました


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レンタルバトル

よろしくお願いします


"10万ボルト"と"かえんほうしゃ"がぶつかり合い、火花を散らす。

その中で先に反応したのはリオだった。

「行くぜ!"にほんばれ"!」

その指示を聞いたブーバーンが両手を上にあげる。すると天気が良くなり、日差しが強くなった。

 

"にほんばれ"を使うとほのおタイプの威力が上がる。

リオはその事を理解していた。

「もういっちょ喰らえ!"かえんほうしゃ"!」

「残念、"まもる"!」

カインの指示を聞いたエレキブルが手を前にかざしてバリアのようなものをだした。

「まさか天候を利用して技の威力を上げてくるとはな。やるじゃねぇか。」

「まあな。」

リオは珍しくこちらを純粋に褒めるカインに嬉しく思いながらも意表を突くつもりでうった天気の技のカラクリが見抜かれていたことに少しだけガッカリした。

同タイプの天候の補助が入った"かえんほうしゃ"ならエレキブルもひとたまりもないはずだったが。

「じゃあこっちの番だ。エレキブル、"プラズマシャワー"。」

カインが指示を言うとエレキブルがフィールドに黄色い雨を降らせる。

ポケモンに触るとパチパチと静電気のような音を出すが何もダメージはないようだ。

「なんだこれは?」

「分からないようじゃまだまだだな。行け!"ギガインパクト"!」

それを見たブーバーンは"かえんほうしゃ"を打つ体制を取った。

"ギガインパクト"なら耐えられると判断したのだ。

それにこの技は使ったあとに反動で動きがとまるデメリットがあるのでもう一撃浴びせられる。

それなら確実に勝てる。

しかしエレキブルのうった"ギガインパクト"は黄色い色をしていた。

その黄色い"ギガインパクト"はブーバーンに直撃し、その体力を丸ごと持っていった。

 

「な!?」

リオは予想外の出来事に目を見開いて驚愕の表情を露わにする。

「さっきの"プラズマシャワー"のおかげだよ。」

リオが得意顔で説明を始める。

「あの技はノーマルタイプの技をでんきタイプにする力を持ってるんだ。」

「くっそー。」

素直に悔しい。勝てる勝負を完全にダメにしてしまった。

「"まもる"しとけば良かった……。」

「なんでしなかったんだ?」

「"まもる"使ったら技使うの遅れただろ。どうせ耐えると思ってたし。」

それを聞くとカインは「馬鹿だな。」と一言いって笑った。

その時、

「129番、130番の方。ポケモンの回復が終わりましたよ。」

というアナウンスが聞こえてきた。

リオたちの番号だ。

 

「じゃ、こいつら返してから取りに行くか。」

カインのその言葉にリオも頷いてからポケモンをモンスターボールに戻した。

 

「おまちどおさま!ポケモンはすっかり元気になりましたよ!またのご利用をお待ちしております!」

「「ありがとう。」」

2人で声を揃えたあとカインがジョーイさんとなにかの話をしてからお金をだした。するとジョーイさんがどこかの鍵を持ってくる。

「?なにそれ?」

それを聞いたカインはありえない、と言ったような顔をして

「え?ここの客室の鍵に決まってるだろ?お前泊まんないの?もう夜になるぞ。」

と言った。

リオは納得した顔をしてからカインに習って鍵を貰った。

「お前102号室か。明日の7時にロビー集合しようぜ。ジム戦行こう。」

そう言ってから一呼吸置いて

「遅刻したら置いてくからな。」

とカインがニヤニヤしながら言った。

何笑ってんだ。と思いながらリオは「いいよ。」と答えた。

 

その日2階の食事場でヒトカゲと一緒に食べた食事はとても美味で予想を遥かに超えるものだった。

そしてリオは風呂に入り、打ち解けてきたヒトカゲのことを一撫でして布団に入った。

 

朝、目が覚めて時計を見ると時計は9時を過ぎていた。




この世界のポケモンセンターは5階建てで
1階がロビー、エントランス、そしてポケモンの医務室
2階に食事場、レンタルルーム。
3階はホテルの101~110号室。
4階は201~210号室。
5階は301~310号室。
という設計になっています。

あと、レンタルバトルで使用したエレキブルとブーバーンのデータです。

エレキブル ♂ lv.30
特性:でんきエンジン 性格:いじっぱり
個体値6U
プラズマシャワー 10万ボルト
ギガインパクト まもる

ブーバーン ♂ lv.30
特性:ほのおのからだ 性格:れいせい
個体値6U
かえんほうしゃ にほんばれ
まもる オーバーヒート

この2体はオーバーヒートとプラズマシャワーギガインパクトのぶつかりで決着にしようと考えていましたがめんどくさくなってやめました。w

ではこの辺で失礼します。ありがとうございました


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マニルジム

よろしくお願いします


「また寝坊したー!」

そう言いながらリオが布団から飛び上がってすぐ準備してから部屋の外に出た。

 

もうカインはとっくに出発してるんだろうな。と思いながらロビーに出るとそこにカインがニコニコしながら立っていた。

 

「あれ、お前待っててくれたのか?」

リオが笑いながら言うとカインは何も言わずにバッジケースをポケットから取り出した。

そこには黒い丸が描かれた白いバッジがあった。

マニルバッジだ。

 

「あ!お前……。」

「お前大事な時はいつも遅刻してくるよな。シアにもあんまり差を付けられたくないし先に行かせてもらうぞ。」

そう言うとカインはバッジケースを閉まって去っていった。

「くそー!」

先を越されたという悔しさからリオは憤慨しながらダッシュでジムに向かった。

 

やがてリオの前に1つの黄色い建物が現れる。マニルジムだ。

 

トレーナーとしての腕試しに最も最適なジム戦。リオは今、それに挑戦しようとしていた。

 

「たのもー!」

道場破りのような声を出しながらリオがジムの門を勢いよくこじ開ける。

すると中に1人のボーイが立っていた。

「いらっしゃいませ、ジム戦ですか?」

ボーイはリオの方を見据えるとそう尋ねる。

リオが肯定の意を示すとボーイはリオのトレーナーカードとバッジケースの中身を確認するとリオをジムの奥へと案内した。

 

リオが案内されるままに進むとそこには巨大なバトルフィールドがあった。

そこの奥には1人の黒髪の青年が立っていた。爽やかな印象の好青年でまっすぐとこっちを見据えているこの青年の手にはモンスターボールが握られていた。

ボーイが何かを言うと青年はボールを構えてから自己紹介を行う。

「僕はマニルジムジムリーダーのカイト。挑戦者ですね。早速始めましょう。」

テンポよくそう言うとフィールドの真ん中にたったボーイがルール説明を行う。

「使用ポケモンは1匹ずつ。どちらかが倒れた時点で勝者が決まります。審判は私が努めさせていただきます。それでは両者ポケモンを出してください。」

「行け、ビッパ!」

ボーイの説明が終わるのを待ってカイトがモンスターボールからポケモンを繰り出す。小さなビーバーのようなポケモンだった。

見るからにノーマルポケモン。ジムにはそれぞれタイプによって別れているがここはノーマルジムということなのだろうか。

そんなことを考えながらリオもモンスターボールに手を伸ばした。

「行け、ヒトカゲ!」

ヒトカゲがやる気十分といった感じでビッパを睨みつける。

「それではバトル……。」

リオの初めてのジム戦が

「開始!」

始まった。

 

「行くぞ、ビッパ。まずは小手調べだ。"たいあたり"」

その指示を聞いたビッパが突っ込んでくる。基礎技の"たいあたり"だ。

ヒトカゲはそれを真正面から受け止める。

「いいぞ、ヒトカゲ!そのまま投げてくれ!」

そう言うとヒトカゲはビッパを思い切り真上に投げた。

ビッパは空中で何も出来ずにいた。

「よし、ヒトカゲ!"げきりん"!」

宙に浮いたビッパは避けることが出来ずに"げきりん"が直撃し、受け身も取れずに地面に突撃するが何事もなかったように立ち上がる。

「ビッパ、"まるくなる"。からの"ころがる"。」

そう言うとビッパは体を丸めて高速でヒトカゲに向かっていった。

ヒトカゲはそれを真正面から"げきりん"で迎え撃つ。

2体の攻撃はぶつかり合うが、すぐにヒトカゲが押し負けた。

幸いにも直撃はしなかったためまだ動けるがダメージが大きい。

しかしビッパがヒトカゲを休ませるつもりもなく再び突っ込んでくる。

先程の攻防で"げきりん"が切れたヒトカゲは混乱しながらも紙一重で攻撃を避ける。

ビッパの"ころがる"状態は解除されるが追い打ちをかけるように再び攻撃態勢に移った。

「"ずつき"。」

そう指示を受けたビッパは全速力でヒトカゲの方に飛んでくる。ヒトカゲはなんとか顔の前に腕を置いてダメージを軽減する。

「よし、"りゅうのまい"!」

不幸中の幸いと言うべきか、"ずつき"の衝撃でヒトカゲの混乱状態が解けたのでビッパに改めて向き直る。

「変わった技を使いますね。ビッパ、続けて"ずつき"」

さらに連続でビッパが突っ込んでくる。しかし龍の舞を積んだヒトカゲはビッパの攻撃をかわしてカウンターの形をとる。

いまのヒトカゲの傷ついた状態では反動に耐えきれるかわからない。ならば……。

リオはお世辞にも回転の早いとは言えない頭を回転させて考える。

「よし、ヒトカゲ!"かみくだく"!」

ヒトカゲはビッパに飛びかかってビッパに思い切り噛み付いた。

するとビッパは身体が少し痙攣し始める。

「よし!」

リオは運良く自分の狙い通りに行ったことで思わずガッツポーズをとる。

「なるほど、防御を下げてきましたか。」

カイトが感心したように頷く。レベル差のあるビッパとの試合でのリオの切り札だ。

「よし突っ込め!ヒトカゲ!」

ヒトカゲは指示通りにビッパに突っ込む。

「ビッパ、"まるくなる"。そして"ころがる"。」

ビッパは再び先程のコンボでヒトカゲに襲いかかる。

いくら防御が下がっていても押し切れば問題ないというカイトの判断だ。

しかしリオはヒトカゲに技の指示をしていなかった。

ヒトカゲもその意味を理解していた。

 

ヒトカゲはぶつかる直前に真上に攻撃を避ける。

最初から真っ向勝負をするつもりはなかったのだ。

「よし。"げきりん"!」

ビッパにヒトカゲが真上から攻撃を当てる。

本来"まるくなる"で防御が上がっているビッパはこの攻撃はギリギリ耐えるはずだったが"げきりん"が偶然急所にあたり、気絶した。

「ビッパ、戦闘不能!よって勝者チャレンジャーリオ!」

審判のボーイがビッパの方を見てからそう宣言する。

「よっしゃ!」

喜びからリオは思わずガッツポーズを取った。

カイトはケースからジムバッジを持ってきてリオに手渡した。

「これがマニルジムで実力を認められた証、リーグ公認のバッジだよ。これが8つ集まればナショナルリーグの挑戦権が得られる。」

そう言いながらリオのバッジケースにバッジがはめられる。

トレーナーの憧れであるチャンピオンになるための第一歩。

リオはそのジムバッジを入れたケースを握りしめて「ありがとう。」と一言言った。

 

そしてリオはジムを出て、2番道路に向かった。




ありがとうございました
とりあえずマニルタウンの話はおしまいです

今までで1番長くなりましたねw2500文字越えたしw

ダメージ計算にミスが生じてかなり執筆に時間かかりました
文章力と書く速度が欲しいです…w
この作品は設定を微塵も練らずに行き当たりばったりでかき始めましたがリーグ関連だけはきちんと作りました

割と長くなる予定なのでこれからもよろしくお願いします


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2番道路

よろしくお願いします




ポケモンセンターによってからマニルタウンの門を開けるとリオの目に2番道路が飛び込んできた。

「そろそろ他のポケモンもゲットしておきたいな。ヒトカゲ。」

モンスターボールから自らの相棒を出してそう言う。ヒトカゲはそれを聞くとゆっくりと頷いた。

 

 

「おい、あいつとかどうよ。」

「いいすっね、ヒトカゲとか珍しいし。」

そう言いながら2人組の黒服の男がリオとヒトカゲを見つめて囁く。

「よし、バトル挑みに行くか。」

そう言うと2人はモンスターボール片手にリオの方に走っていってモンスターボールのスイッチを押した。

「いけ、デルビル!」

「いけぇ!ポチエナ!」

2人は同時にポケモンを繰り出し、リオに襲いかかった。

「デルビル!"スモッグ"!」

そのうちの一人がデルビルに指示を出す。するとその指示通りデルビルは毒ガスのような技を──

 

──リオに放った。

「うわ!」

リオはその攻撃を咄嗟に避けてヒトカゲの方に向き直り、指示を放つ。

「てめえ、いきなり何すんだ!ヒトカゲ!"げきりん"!」

その指示を聞いたヒトカゲがデルビルに飛びかかる。

しかしその攻撃は間に割って入ったポケモンによって防がれてしまう。

「よくやったっす!ポチエナ!」

デルビルのトレーナーの横に立っていた太った小さい男が歓喜の声を上げる。

「よし、いいぞ。マルコ。やっぱりあのヒトカゲは妙な技持ってやがるな。デルビル、"ひのこ"」

デルビルがこちらに向かって小さな火を吹く。基本技の"ひのこ"だ。

「こっちの炎はそんなもんじゃねぇぞ!ヒトカゲ!"フレアドライブ"!」

声を上げてリオがヒトカゲに指示を出す。ヒトカゲは炎を纏ってポチエナの"ひのこ"を吹き飛ばしながらデルビルに突撃した。大きな砂ぼこりが巻き起こる。ヒトカゲ最強の技が直撃したことで、リオは勝利を確信する。

しかし砂ぼこりが収まるとそこにデルビルは倒れていなかった。

「なん……。」

リオが思わず驚愕の声を上げる。

「残念、こいつの特性さ!」

そう言うと男はデルビルに再び指示を出す。

「デルビル!"ひのこ!"」

デルビルは再び"ひのこ"を口から吹いた。

しかしその"ひのこ"は先程より威力が上がっているように感じた。

その予感は間違いではなく直撃したヒトカゲは少しだけ後退する。

その隙をついてポチエナがこちらに突っ込んでくる。

"たいあたり"だ。その攻撃をモロに受けたヒトカゲは大きく体勢を崩してしまう。そしてその隙にデルビルが技を放つ。

「"スモッグ"!」

さっきリオを狙った攻撃はヒトカゲを寸分違わず狙っていく。

「ヒトカゲ!避けろ!」

そんな指示を出すが間に合わず、ヒトカゲにスモッグが当たりかけた。

しかしその攻撃の間に割って入ったポケモンがいた。

茶色い綺麗な毛並みに犬のような容姿のポケモンだ。

「何者だ?」

リオが驚きつつもポケモン図鑑で検索する。しかしそれより早く男が目を輝かせて声を張り上げる。

「イーブイだ!ははっ、こんな珍しいポケモン見逃せねぇぞ!やれ!デルビル!!」

 

──イーブイ。

リオのポケモン図鑑にもようやくデータが記された。

「たくさんの進化の姿をもつポケモン。ヒトカゲを、守ってくれたのか?」

イーブイはこちらをチラッと見ると男達を再び見た。

デルビルが突っ込んでくる。イーブイはそれを避けようとするが体制を崩してデルビルにぶつかってしまう。

「よし、"ひのこ"!」

デルビルのうった攻撃は急所にあたり、イーブイが吹き飛ばされる。

「イーブイ!」

毒に侵されている。さっき"スモッグ"を受けた時に貰ったのだろう。

「っ……!ヒトカゲ、イーブイを守るぞ。"龍の舞"!」

自分を守ってくれたこのイーブイのためにヒトカゲは必殺の"龍の舞"を放つ。

するとヒトカゲの周りに赤いオーラが現れてヒトカゲを包み込む。

 

そして三体のポケモンが睨み合い、いつ戦況が動いてもおかしくないという状況になった時、サイレンの音とともに緑色の髪の女警官がパトカーに乗って現れた。

ジュンサーさんだ。

「チッ、サツか。ずらかるぞ。」

男達はこっちを睨んで舌打ちをするとこの場から離れた。

緊張状態から解放されてリオはその場にへたり込む。

「大丈夫?」

ジュンサーさんがへたり込むリオに心配したように声をかける。

「ありがとう。」とお礼を言いながらリオはイーブイのことを見て

「こいつを先に助けてやってください。」

と言った。

 

ジュンサーさんは後に応援に来た別の警察にイーブイをポケモンセンターに連れていくように頼み、リオのこともパトカーに乗せて事情聴取を行う事となった。

 

「そういや、あいつらは何だったんでしょう?」

リオは気になっていたことを問いかける。

そこらのチンピラじゃないのは分かっている。

手慣れていたし何より強かった。

ジュンサーさんはリオの方を見つめるとこういった。

「恐らくヤツらはこのウズラ地方の裏社会を牛耳るポケモンマフィア。名はウズラ連合。」

 

 




ありがとうございました
この話もかなり文字数が増えたな… 
この世界のジュンサーさんは基本パトカーです

ウズラ地方っていうのは夕飯がウズラの卵だったので即席で決めましたがウズラ連合という名前のダサさに今、絶望しています。w

イーブイは好きなポケモンです。
特にブラッキー。カッコイイし可愛いですw
あとは書くこと…とくにないですかね
ではこの辺で。


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うずら連合

よろしくお願いします


「うずら連合?」

リオは聞き慣れない単語に首を傾げる。

随分おかしな名前だ。

いまいちピンと来ていないような表情の

 

「彼らはポケモンを盗んで裏で流したり、法外な実験を行うなどをしてお金を荒稼ぎしてる。いわゆる、ポケモンマフィアよ。」

「なんだそれ。」

その話を聞いたリオは思わず怒りの表情を顕にした。

ポケモンをなんだと思っているのか。

「その通りだと思うわ。でもヤツらは狡猾で中々尻尾が掴めずにいて……。」

そう言うとジュンサーさんは悔しそうに言い淀む。

手強い相手なのだろう。先程のヤツらは下っ端なのかもしれない。

 

リオが事情聴取を受けているのと全く同時刻にとある場所ではリオを襲った2人組の男が自身らのアジトに帰ってきていた。

「で?お前ら成果はどうだった。」

片方の目が白目の男がもう片方の目で男達を睨みつける。

「へえ、それが今回は一体も……。申し訳ありません、ボルドー様。」

デルビルを使っていた方の男がビクビクしながらも報告を行う。ボルドーと呼ばれた男は舌打ちをして

「使えない奴らだ。」

と吐き捨てた。

しかしそこでポチエナを使っていた男が補足を行う。

「で、でも!おもしれぇヒトカゲを見つけたんすよ!"フレアドライブ"とか"げきりん"とかを覚えていて……。」

「捕まえてなきゃいみねぇだろうが。」

男の必死の言い訳もボルドーは一瞬で切り捨てる。

しかし男の言葉を聞いていた整った顔の青年が興味を示した。

「おい、そのヒトカゲは研究所のポケモンじゃねぇか?」

しかし男は青年を睨んで「知らねぇよ。」と言った。

 

部屋を出ると男達はそれぞれの愚痴を漏らす。

「全くあのイケメン野郎、なんであんな馴れ馴れしいんすかね。幹部にも気に入られてるし。ただの用心棒の癖に。」

「さあな。俺たちに上の者の考えは分かんねぇよ。」

そんなことを言っていると2人の男の前に一人の男が現れた。白髪で身長2mを超えていそうな大男だ。

「おい、ボルドーはいるか?」

「ああ?何者だ?てめぇ。」

「てめえのことはこのアジトで見たことねぇな。新入りって感じでもねぇし……。」

そう言うと2人はモンスターボールに手を伸ばした。

「俺たちは今気がたってんだ。誰だか知らんが身の程を教えてやる。」

そう言うと兄貴分の方がモンスターボールからデルビルを繰り出した。

「何言っとるんだ。」

そう言うと大男もモンスターボールを懐から取出してポケモンを繰り出した。

中からは龍のような巨大なポケモンが現れる。

「うわぁ!なんだ、こいつ?」

「ビビってんなよ、おい!」

ポチエナ使いの方が驚愕の声を上げて、腰を抜かしてしまう。

兄貴分の方も強がりながらも震えている。

「く、デルビル、"ひのこ"!」

デルビルが巨大なポケモンに"ひのこ"を放つ。

しかしその攻撃は全く通用せずかき消されてしまった。

「ふん、ギャラドス。身の程を教えてやれ。」

ギャラドスと呼ばれたそのポケモンは尾に水を纏ってデルビルを吹き飛ばした。あまりの衝撃でアジトの壁ごとデルビルが吹き飛ぶ。

「な……。デルビル?」

当然デルビルは戦闘不能。男はあまりの恐ろしさに腰を抜かしてしまった。

「あ、兄貴ぃ……。」

弟分の方は動くことすらできていない。

すると騒ぎを聞きつけてボルドーが駆けつけてきた。

「ちょ、グラド様!何を?」

男達は耳を疑った。

いつも偉そうにしているこの幹部がこの男に敬語を使っている。よっぽど身分の高い人間なのだろうか。

「おい、お前ら。何か無礼を働いていないのだろうな。」

ボルドーが男達を睨む。

「え?えと、ボルドー様。この男は……。」

「下っ端は知らされていないのか。このお方はグラド様。うずら連合のナンバー2だ。」

それを聞いた瞬間この男に無礼を働いてしまった2人は全く同時に思った。

──絶対死んだ、と。

「貴様ら、今回は見逃してやる。情報が伝わっていなかったようだしな。」

あまりの恐怖で死んだような顔をしていたふたりをみて憐れに思ったのかグラドは見逃すと言った趣旨の発言をした。しかしその声は2人に届いてはいなかった。

 

そんな2人を尻目にボルドーはグラドに今回の件について追求し始めた。

「ところでグラド様。なぜここに?」

「……あるトレーナーについて調べたくてな。」

 

グラドは微笑を浮かべながらそう言った。




ありがとうございました

うずら連合の幹部達(今考えた)を徐々に出していきます
今回のデルビルvsギャラドスは当然ながらダメ計すらしていません。絶対確一ですしねw

なんかモチベが上がりません助けてください(´;ω;`)



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イーブイ

なんか昨日(正確には今日)あげたうずら連合の話がむっちゃ重複してたっぽいですね
状況が理解出来ず、10秒位固まってましたw
昨日はすぐ寝ちゃってたからなぁ次から気をつけます

手なわけで今回もよろしくお願いします


うずら連合のことについて聞いているとパトカーが止まった。

 

どうやら2番道路の先にある警察署に着いたらしい。

「とりあえず私も上に報告してくるけどリオくんはこの先の警官にさらに細かい事情聴取を受けてきて。」

もう一度行うのか……。とうんざりしながらもリオが頷くとジュンサーさんは満足気な顔で歩いていった。

 

その後約3時間の事情聴取を終えて部屋を出てくると別の警察官からモンスターボールを渡された。

「あなたのポケモンです。」

そう言われてモンスターボールを手に取るとリオは気になることについて警察官に問いただした。

「あの、イーブイはどうなったんですか?」

かなり強かったからトレーナーのポケモンかとも思ったが警察官はその予想に反してこんなことを言ってきた。

「あの子はジョウト地方から来た野生のポケモンらしいからとりあえず保護してジョウト地方に返すと言う話で進んでるよ。回復もできたからね。」

「ジョウト地方?」

聞きなれない地名に首を傾げていると警官が説明を続けた。

「理由はあのイーブイが"のろい"という技を覚えていたから。この技はカントー地方、そしてジョウト地方でしか制作されていないわざマシンだ。自分のものじゃないモンスターボールにも普通に入ったしトレーナーのポケモンでもない。」

「……なるほど。」

少しだけ頭の中で情報を整理してからリオはとあることを警察官に提案した。

「あの!イーブイを僕に預けてくれませんか?」

「なぜだい?」

警官は不思議そうに首を傾げる。だがリオにとっては当然のことだ。

「あいつは俺のこと助けてくれたし、仲間にしたいんです。トレーナーのポケモンなら、いいですよね?」

リオは真っ直ぐと警官を見つめて問う。

警官は少し悩んでからどこかに電話をしてから

「待っていてください。」

と言うとどこかに行ってしまう。

少し待っていると警官は1つのモンスターボールとオレンのみを持ってきた。

「イーブイのモンスターボールです。どうするかは君に任せようと思います。許可もとってありますので。」

「はい……何でオレンのみ?」

「この子はわんぱくな子なので。」

そう言うと警官は警察署の奥に行ってしまった。

意味は理解できないがリオはとりあえず外に出るとモンスターボールの中からイーブイを出した。

「イーブイ、俺の仲間にならないか?」

率直にそう告げるとイーブイはこちらを見て臨戦態勢に入った。

「ええ、なんで?」

リオが驚くとイーブイはニヤリと笑ってヒトカゲの入ったモンスターボールを見る。

「…バトルで力を見せろってことか?」

そう言うとイーブイはニッコリと笑って臨戦態勢に入った。

なるほどだからオレンのみか、と思いつつリオはモンスターボールに手を伸ばした。

「行け、ヒトカゲ!」

ヒトカゲが雄叫びを上げながら出てくる。

そしてすぐに臨戦態勢に入った。

「"龍の舞"!」

ヒトカゲは既に初手で使うことがパターン化しつつある"龍の舞"を放つ。

イーブイはそれを見ると有無も言わさず突っ込んでくる。

ヒトカゲはそれを余裕を持って避けてから再び"龍の舞"を積んだ。

 

「"フレアドライブ"!」

ヒトカゲ自身の最高火力である"フレアドライブ"を放って超スピードで突っ込む。

するとイーブイが肉体全体に力をこめる。

その瞬間イーブイの身体が硬化してヒトカゲを迎え撃つ体制に入った。

一撃入るがイーブイは倒れない。

逆にカウンターでこちらに攻撃してきた。

ヒトカゲもそれを耐えるが思ったより重い攻撃でヒトカゲは思わず一歩後ずさった。

「なるほど、今のが"のろい"か。動きが遅くなる代わりに攻撃と防御が上がる技……。でも素早さが上がってないならこれで終わりだ。"フレアドライブ"!」

指示を出すとヒトカゲが再びイーブイに突っ込む。

イーブイは"のろい"を発動しようとするがその前にヒトカゲはイーブイに突撃し、イーブイはその場に倒れ込んだ。

「俺の勝ちだ。イーブイ。」

そう言うとリオはさっき手渡されたオレンのみをイーブイに食べさせる。

食べ終わるのを待ってリオはイーブイにもう一度切り出した。

「イーブイ、俺の仲間にならないか。」

そう言ってモンスターボールをイーブイに見せるとイーブイは開閉スイッチを前足で押して中に入っていった。

「……これからよろしくな。イーブイ。」

 

リオに新たな仲間、イーブイが増えた。




トレーナーのポケモンはそのモンスターボール以外には入れないという後づk…設定です

本編でも書きましたがイーブイをジョウト地方のポケモン設定にしたのは金銀しかのろいの技マシンがないからですね
イーブイはその辺に落ちてたのをおもちゃにしてたら偶然起動させちゃってのろいを覚えちゃった。的な設定を考えました


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練習試合

ありがとうございました


イーブイをゲットした後、リオはポケモンセンターのロビーでバトルの相手を探していた。

イーブイとの連携をとるためだ。

幸いポケモンセンターには血気盛んな若いトレーナーが沢山いたのでリオは相手には困らなかった。

「行け、イーブイ!"ほしがる"!」

イーブイの一撃が綺麗に決まって相手のピジョンは気絶する。

「ちくしょー。君、強いんだな。またバトルしてくれよ。」

「ああ!」

調子もよく連勝しているとリオの前に1人の男が現れた。

「次は僕とやってくれるかい?」

そう言うとモンスターボールから見たことないポケモンを出す。

とても顎が発達していて鳥のような姿をしている。

「なんて言うんだ?」

「プテラだ。他の奴とはひと味違うぞ。」

「わかった。」

姿的にひこうタイプのポケモンだろう。手強そうだ。

「イーブイ!」

リオもモンスターボールからイーブイを繰り出す。

「行くぜ、先手必勝!"ほしがる"!」

イーブイが突っ込みながら相手の懐を探る。

"ほしがる"は相手の道具を奪いながら攻撃する技だ。

直撃はしたが、プテラは眉ひとつ動かさない。

「!?硬……。」

「"がんせきふうじ"」

プテラが叫ぶと周辺に大きな岩が現れてイーブイに襲いかかる。

「避けて、"つぶらなひとみ!"」

この特訓の中で覚えた新たな技だ。プテラの攻撃が下がる。

「よし、"のろい"!」

その指示を聞いたイーブイが全身に力をこめる。するとイーブイの肉体は硬化して岩の上に乗っかった。

「さらに"のろい"!」

イーブイが再び身体を硬くする。

かなり力を溜めているはずだが、男とプテラはピクリとも動かない。

舐められているのだろうか。

「まだまだ!"のろい"!!」

さらに"のろい"を積む。

「"のろい"を限界まで積み続けろ!」

イーブイはさらに身体を硬くし続けて限界まで硬化した。

「もういいか、プテラ。"つばめがえし"。」

プテラがようやくか、というふうに動き出してこちらに飛んでくる。

だが、こちらに飛んでくるなら丁度いい。

「カウンターを狙うぞ……。イーブイ。」

イーブイもリオも極限まで集中してプテラを見据える。

そしてプテラの一撃がイーブイを貫いた。

その一撃でイーブイがよろめく。

「……っ!イーブイ、"ほしがる"!」

カウンターでイーブイの一撃が入る。

「んん?元気だな。」

それを聞いたイーブイはにっと笑って舌についた木の実の残骸を見せる。

「なるほど、一回目の"ほしがる"で盗んでいたか。」

「2発入ってもピクリともしねえな。」

「当然だ。年季の差があるからな。終わりにしてやる。"つばめがえし"。」

そう言うと男はまたプテラに同じ指示を出す。プテラは再びイーブイに一撃を浴びせようと突っ込んでくる。

「っっ!"すなかけ"!」

リオは最後の賭けでイーブイに"すなかけ"をするように指示を出す。

しかしリオは賭けに勝てなかった。

「あー!イーブイ!」

イーブイに"つばめがえし"が直撃し、目を回して倒れた。

「残念だったな。」

そう言うとフードの男はプテラをモンスターボールに戻して去ろうとした。

「待って!」

リオは必死に叫んで食い止める。

「なんだ?」

「あんた、何者だ?どうやったらそこまで強くなる?」

「……旅を続けろ。そうすりゃいずれ強くなる。」

そう言うとフードの男は去っていった。

 

「どうだった?あいつは。」

ポケモンセンターの出口でたっていた男がフードの男に問いかける。

「中々でしたが……あなたがお目をかけるほどには見えませんでしたが?グラド様。」

そう言うとフードの男は被っていたフードをとる。ボルドーだ。

 

一方ポケモンセンターの中ではリオがイーブイを預けてからバトルの反省をしていた。

「強かった。歯が立たなかった。やっぱり鍛えりゃ強くなんのかなー?……そういやここにもジムあんだよな。よし、挑むか。この街のジム……マスバジムへ!」

リオの頭にあの男の言葉が響く。

『……旅を続けろ。そうすりゃいずれ強くなる。』

「111番の方ー。」

ジョーイさんの声だ。

リオは立ち上がってポケモンを取りに行った。




今回ボコられたのはイーブイのレベルが低かったからですね
プテラはレベル40超えてました。

マスバタウンって出すの初な気がします。

ではまた。


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ジムリーダー探し

よろしくお願いします
何気UA1000超えましたねありがとうございます


「たのもー!」

マニルジムの時と同じようにリオはジムの重そうな門を思い切り開ける。すると中にはまたボーイが立っていた。

「チャレンジャーの方ですか?」

「そうだ!」

「ジムリーダーのカガリ様は現在外出中ですよ。」

「ええ……。」

どうやらカガリという男は一目見たらすぐ分かるほど厳格な男らしい。その後リオは携帯も持っていないので探しに行ってみれば、とボーイに言われた。

 

ジムを出てとりあえず人の集まりそうな商店街を探してみた。

"一目見たら分かる厳格な男"というほどなら格闘道場にでも行ってるのだろうか。

そう考えたリオは格闘道場を探して聞き出してみたがいない。

途方に暮れているととある飲食店で足が止まった。

サングラスを付けてチェック柄の帽子を被っているが、それでも隠しきれない風格とその体格。

「間違いない……。」

絶対にあの人だ、とリオは確信した。

店の看板を見るとこう書かれていた。

 

スイーツ店 "ティファニー"

「……!?」

目を擦ってもう一度確認するが目の前の信じ難い名前の店の看板は消えない。

信じられないがあの菓子など認めぬ!と言いそうな男は女子力満載のこの店でスイーツを食べているらしい。

だから変装しているのだろうか。

リオは何も見なかったことにしてその場からそっと立ち去った。

 

ポケモンセンターで1,2時間特訓をしてからリオはジムに再び向かった。

 

「おお、さっきの。ジムリーダーは見つけることが出来なかったようですね。でも安心してください。さっき帰ってきましたよ。」

「そーですか」

リオは先程の衝撃映像を見てしまったのもあり、苦笑いでそれを聞いていた。

マニルジムのようにジムバッジとトレーナーカードの確認を行うとジムの奥に案内される。

 

するとそこに少し前までは美味しそうにスイーツを頬張っていたとは思えないほど厳格な男が仁王立ちしていた。

「私がジムリーダーカガリだ。バッジは1つか。貴様とポケモンとの絆がどれほどの者か。見てやろう。いざ参る!」

カガリはそう言うと懐からモンスターボールを取り出してスイッチを押した。

中から青い小柄な人間のようなポケモンが出てくる。

リオが即座に図鑑で調べる。

「ワンリキーか。」

小柄ながらも力自慢のポケモンらしい。

「よし、修行の成果を見せてやれ!イーブイ!」

リオはスイッチを押してイーブイを繰り出す。

すると中からイーブイが気合いたっぷりで出てくる。カガリはそれを見てピクリと眉を動かした。

 

「ルールの説明をします。バトルは2対2。交代はチャレンジャーのみ認められます。道具のしようはなし。戦闘不能は私の方で決めさせていただきます。」

「へー、交代できるんだ。」

そんなことを呟くとレフェリーが手を挙げてバトル開始の合図を出した。

 

リオの2度目のジム戦が始まった。




今回は短いですね

恵方巻き、皆さん食べました?
東北東の方角が分からずにスマホで調べたりしてました。w

カガリのお菓子好きというギャップ付けがしたいがためにこの話を無理やり作り出しました。

シバさんに似たイメージです。今朝ピカブイしてたら思いつきました。
お菓子好きは適当です。
それではこの辺で


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マスバジム

「先手必勝!"ほしがる"!」

そう命じるとイーブイはワンリキーに突撃する。

攻撃しながらもイーブイは相手の懐を探るが、何も盗らずに戻ってきた。

どうやら何も持っていなかったようだ。

「一撃入魂!"空手チョップ"!」

ワンリキーがイーブイに向かってチョップを打ってくる。

「"のろい"!」

イーブイは返しの"のろい"で迎え撃つ。

しかし"空手チョップ"はかなりの威力でイーブイを吹き飛ばした。

「イーブイ、戦闘不能!」

「な!?」

リオは驚愕の声を上げるが、カガリは当然だ。という顔で

「どうやら急所に入ったな。」

と口にする。

「でも"のろい"で防御を積んでたのに……。」

「効果抜群なんだ。当然だろう。」

「……あ。」

すっかり忘れていた。そうだ、ポケモンには相性があったんだった。

「そんなことすら考慮出来ぬのならまだバッジは渡せないな。」

カガリが煽るようにこちらに淡々と語りかけてくる。

「くっ……。ごめん、イーブイ。戻ってくれ。出てこい、ヒトカゲ!」

リオが自身の最強の相棒を繰り出す。ヒトカゲも先のポケモンセンターの特訓で力をつけた。準備はバッチリだ。

「行くぜ!"龍の舞"!」

ヒトカゲがいつも通り舞って攻撃と素早さを上昇させる。

「ん?イーブイといい、お前のポケモンは変な技ばかり覚えているのだな。」

カガリが珍しく驚きの声を出す。

しかしすぐに冷静になってワンリキーに指示を出した。

「だが何を出そうと打ち砕くまで!ワンリキー!"ローキック"!」

ワンリキーがそれを聞くと足を狙って攻撃してくる。

ヒトカゲはそれをギリギリで避けて、"フレアドライブ"をぶつけた。

「ぬぅ、"フレアドライブ"まで使えるのか……。だが!ワンリキー!連続"ローキック"!」

ワンリキーは執拗に足を狙って蹴りをいれてくる。ヒトカゲはなんとか避けているが相手の攻撃の流れが早くて中々反撃出来ていない。

 

「くっそ!ヒトカゲ!避けてるだけじゃダメだ!攻撃をモロに受けるつもりで"フレアドライブ"!」

ヒトカゲはなんとか攻撃を受けながら一撃当ててワンリキーも倒した。

「ワンリキー戦闘不能!」

審判の声がすると同時にヒトカゲは苦悶の表情を浮かべる。そして"ローキック"が致命傷になったかヒトカゲも倒れてしまった。

「ヒトカゲ!」

「荒いな……。ワンリキーの最大の一撃をモロに受ければ致命傷になりうるのは当然だろうな。」

「……くっ!」

リオは思わず舌をかんだ。自分のミスでポケモンを危機に陥らせてしまった。

悔しがっているとヒトカゲが立ち上がってこちらを見てニッと笑い、おおきく鳴いた。

まるでリオのことを慰めているかのように。

「良いパートナーを持ったようだな。戻れワンリキー。ここからだ。行け、リオル!」

カガリはそう言うと少し笑って2匹目のポケモンを出した。

目の周りが黒いが、それ以外は青色のポケモンだ。

「ヒトカゲ!一撃で仕留める!行け!」

ヒトカゲはその声に頷くと臨戦態勢に入った。

「"げきりん"!」

体力の少ない状態で反動のある"フレアドライブ"は危険と感じたリオは"げきりん"を指示する。

自我を失う、というデメリットは持つが、強力な技だ。

一発目の攻撃がリオルに直撃し、なす術なく吹き飛ぶ。

しかしリオルはすぐに体制を立て直して再びヒトカゲを迎え撃つ体制に入る。

「行けええ!」

ヒトカゲが突っ込むと同時にカガリはニッと笑ってリオルに指示を出した。

「"フェイント"」

その声と同時にリオルが紙一重で避けて、ヒトカゲに右ストレートをぶつけた。

リオはまずい、と思った。

ヒトカゲはここまでかなりのダメージを蓄積している。

この一撃は絶対に受けきれない。

「ヒトカゲェェ!」

その声でヒトカゲは踏みとどまり、リオルの方を向いた。

そして意識が無いはずのヒトカゲはリオルのフェイントを顔をズラして避けた。

カスったがダメージはないはずだ。

「なに!?まさか、無意識で?」

カガリが驚愕の声を上げる。それと同時にリオのヒトカゲが"げきりん"をモロに当てる。

リオルはその攻撃に耐えきれず、気絶した。

「リオル、戦闘不能!よって勝者、チャレンジャーリオ!」

「よっし!」

思わずガッツポーズをとる。本当に苦しい試合だった。

 

「見事。お互いを信じる心。このバッジを渡すに相応しい。」

そうやって渡されたジムバッジは拳の形を象った茶色いバッジだった。

「それと技マシンを。"ローキック"の技マシンだ。うまく活用してくれ。」

「ありがとう。」

お礼を言ってジムバッジと技マシンをバッグにしまい、ポケモンセンターでポケモンを回復すると、リオは3番道路へと向かった。




そういやマニルジムのカイトからわざマシンもらってない気が……。まあ最初に向かったジムはわざマシン貰えないってことでw

てか、結局ジム戦ヒトカゲ無双でしたね
格闘ジムでイーブイ活躍させるのは無理です
最後のヒトカゲの避けは完全に主人公補正ですね

ではこの辺で(書くことがない…)


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3番道路

よろしくお願いします


「行くぞ、"フレアドライブ"!」

ヒトカゲが炎を纏ってコドラに突っ込んでいく。

コドラはなんとか凌いでカウンターの体制になるが、さらに一撃くらって気絶した。

「よっし。」

既に何回目かも分からないほどのバトルだ。このままじゃポケモンたちも持たない。

「にしても……なんでここの野生のポケモンはこんなに強いんだ?てか珍しいポケモンも多いし。大丈夫なのかよ、生態系とか。」

そんなことを呟いているうちにある一体のポケモンが出てきた。

「……っ!ヒトカゲ!"かみくだく"!」

反射的にヒトカゲに指示を出す。その声と同時にヒトカゲは相手のポケモンにとびかかる。

しかし一撃では倒れない。ピカチュウのような見た目をしているが、少し違う。

まるで着ぐるみのようなポケモンだった。

「……なんだ、このポケモン?」

思わずそう呟くと相手のポケモンはなにかの技を打ってくる。

「……!まずい、ヒトカゲ!技を打たせるな!"げきりん"!」

何かを感じ取ったリオはヒトカゲに攻撃を指示するが、またしてもヒトカゲの一撃は相手にに全く効果がない。それどころか、何度打っても効果がないようだ。

「うそだろ?なんなんだあいつは。」

攻撃を続けているとヒトカゲが急に倒れた。

相手のポケモンは何もしていないはずだが……。

得体の知れない恐怖を感じてリオはマスバタウンへと走って逃げ帰った。

 

街に戻ってポケモンセンターでヒトカゲを回復している待ち時間で先程のポケモンを検索していた。

現在700種類以上のポケモンがいるが、あのポケモンも見つかるだろうか。

「あった。」

──ミミッキュ。

先程のポケモンと同じだ。恐らくこれで正解だろう。

だが野生のポケモンにしては破格の強さだった。

こちらの技が通用しない。こんなことはリオにとって初めてのことだった。

「タイプは……ゴーストと、フェアリー?なるほど。」

リオは合点がいった、という顔で頷いた。フェアリータイプはドラゴンタイプの攻撃を無効化する性質がある。だから"げきりん"が全く効かなかったのだろう。

 

だが不可解な点もある。なぜ"かみくだく"も効果がなかったのか。なぜなんの攻撃もしてないのにヒトカゲが倒れたのだろうか。

僅かな不安を持ちながらリオは再び3番道路へと向かった。

 

少し野生のポケモンとバトルしていると再びミミッキュが現れた。

「出やがったな。"龍の舞"!」

リオの指示に従い、ヒトカゲが舞う。

「"フレアドライブ"!」

間髪入れずにリオはまだ試していない技である"フレアドライブ"の指示を出す。

だがこの技も聞いてはいない。

だがミミッキュは首の部分がポッキリ折れているようにもみえた。

 

「!まさか……。」

リオは自分の勘が当たっていると信じて再びヒトカゲに指示を出した。

「"フレアドライブ"!」

すると今度はミミッキュは明らかにダメージを喰らったような様子を見せた。

「やっぱり!」

リオは最初に会った時のことからミミッキュにはどんな技も効かないと感じていた。

しかし違った。ミミッキュのこの皮に仕組みが隠されていたのだ。

恐らく1度だけ攻撃を無効化するという効果でもあるのだろう。

そうなればあとは簡単だ。

「ヒトカゲ!"フレアドライブ"!」

再びヒトカゲがミミッキュに攻撃をぶつける。

負けじとミミッキュもなにかの技を出そうとするが、もう遅い。

「トドメだ!」

その声とともにヒトカゲの"フレアドライブ"が三度直撃してミミッキュは戦闘不能になった。

「よっしゃ!」

喜びながらも、こいつをゲットしておこうとボールを構えるが、倒しきれていなかったのかそのミミッキュはどこかに消えてしまっていた。

「……。」

流石のリオもこれにはへこんだが気を取り直して再び歩き出した。

 

その後も何匹かのポケモンを見つけながらも一匹も捕まえることが出来ず草むらを出ると牧場のようなところに出た。

看板を見ると育て屋さんと書いてある。

その道の前ではタマゴのようなものをカバンなどに入れながら自転車で走り回るポケモントレーナーが沢山いた。

 

 




はい、安定の廃人ロード。
ついでにミミッキュ出してみました。
全抜きもできて起点も作れて相手の攻撃も1発は耐えるこのピカチュウもどきは対戦でも重宝してます。

書くことマジでないですしここらで失礼します
あ、あと受験1ヶ月前なので更新できない日が出てくるからも知れません
すみませんm(_ _)m


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育て屋

よろしくお願いします


「な、なんだココ?」

リオは戸惑いながらもポツンと建っている一軒家の扉を開いた。

中には物腰の柔らかそうな老夫婦がカウンターに座っていた。

「あの、ここは?」

「ここは育て屋。ポケモンを預かって育てるところさ。2匹以上預けるとタマゴが見つかることもあるんだよ。

「あ、じゃあその人達は…。」

「あの人たちはタマゴを孵化させてるんだよ。ポケモンのタマゴは親が温め、動けばすぐに孵化するからね。

「……なるほど。」

だからと言ってあんな必死な形相でタマゴを作りまくるのは何なんだろうか。

そう考えながらリオは外に出た。

今は2匹しかポケモンがいないし、預けるべきではないと判断したからだ。

 

もう一度草むらに入ってポケモンを探そうと考えて茂みに行くと声が聞こえてきた。

「チッ、こいつもハズレか。」

一人の男がいて、そう呟いていた。すると男はモンスターボールのスイッチを押して中のポケモンを茂みに追いやった。

「おい!」

いま、この男は自分のポケモンを捨てたのだろう。その現場を見てしまったからには放置するわけにも行かない。

「なんだよ。」

男がジト目でリオの方を見てくる。

「今、ポケモン捨てたのか?なんでだよ。」

「弱かったからだよ。」

あまりに身勝手な理由に憤慨する。弱いから捨てるのか。旅していた仲間ではないのか。しかし帰ってきたのは予想外の言葉だった。

「こいつはさっき生まれたやつだよ。弱かったらそりゃ捨てるだろ。お前厳選してないの?」

「厳選?」

リオにとって理解できないことだらけだった。産まれたばかりのポケモンを捨てることも、何もかも。

 

「生まれたばっかのポケモンはみんな弱いだろ!それに生態系だって……!」

「なんだ、お前初心者か。てか、この辺の生態系なんかもう手遅れだろ。珍しいポケモン、来る途中で見ただろ。」

「あ……。」

そう言えばそうだ。あのミミッキュも、捨てられたポケモンだったのだろうか。

ならここのトレーナーはみんな厳選をしているのか。

ポケモンをみな、捨てているのか。

「俺とポケモンバトルしろ!弱いポケモンなんかこの世にいないって、思い知らさせてやる。」

そう言うとリオはモンスターボールからヒトカゲを繰り出した。

「ふん、厳選してないポケモンなんて取るに足らねぇよ。こいつで充分だ。出ろ、ファイアロー。」

男はそう言うとモンスターボールから赤い鳥のようなポケモンを繰り出して指示を出した。

「一撃で吹っ飛ばしてやる。"ブレイブバード"。」

そう指示をだすとファイアローはそれに応えるように青い光に体を包み込ませ、ヒトカゲに突っ込んできた。

 

「ヒトカゲ!避けて、"フレアドライブ"!」

リオが自身の最高打点の技を指示する。

ヒトカゲはその指示通りに動き、ファイアローに一撃を加えた。

すると男は心底驚いたように目を見開いてこちらに問いかけてきた。

「そいつ、"フレアドライブ"なんか使えるのかよ。なんだ、お前も厳選してんじゃねぇか。」

「そんなわけねぇだろ。こいつは研究所から貰ってきたやつだ!」

「へぇ……。じゃあそいつ捨てられてきたんじゃねぇの?」

その声を聞いたヒトカゲは本当に怒ったように男に叫んでいた。

そしてヒトカゲは指示も聞かずに飛び出していった。

「ふん、"ブレイブバード"」

男は冷めた目でヒトカゲを見るとそう指示をする。

ファイアローは再び光をまとうとヒトカゲに突進した。

「ヒトカゲ!避けろ!」

しかしその指示は間に合わず、攻撃はヒトカゲに直撃してしまった。

あまりの威力でヒトカゲはリオの後ろの木に激突して気を失ってしまった。

「ヒトカゲ!」

リオの呼びかけにもヒトカゲはピクリとも動かない。

完全な敗北だった。

「お前が俺と同じ場所に立つならそいつとじゃ無理だよ。そいつにはこいつを食わせとけ。じゃあな。」

そう言うと男は去り際にリオに木の実を投げた。オレンのみではないようだが、梨のような形の木の実だ。

「くそ……。」

リオは疑いながらもヒトカゲに木の実を食わせると悔しげにそう口にした。厳選をすれば確かに強くなるのかもしれない。

だがリオはあの男のやり方は間違っていると言う考えは曲げなかった。

 

いつかあのトレーナーを倒してやろうと、リオはヒトカゲの回復を待って再び特訓に向かった。




なんか迷走してきた感が…w
ヒトカゲって何気に負けるの初めてでは。
ヒトカゲが焼き鳥に負けたのは前のプテラと同じでレベル差ですね。
どんなに厳選してもレベル差だけは埋められません

このあとの展開マジで思いつかないんで失踪する可能性が微レ存


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VSシア

よろしくお願いします


「ヒトカゲ!"げきりん"!」

その声を聞くと同時にヒトカゲが突っ込み、相手のポケモンを撃破する。

あのトレーナーに敗北してから、リオは特訓を続けていた。

ポケモンを捨てる気はないが、あの男にはいつか必ずリオの強さを分からせる。

リオはそう心に決めながら特訓を続けていた。

 

ヒトカゲはそんなリオの姿を神妙な顔で見つめていた。

 

少しずつ特訓を続けながらリオはいつの間にか3番道路の出口に出ていた。

 

その街には沢山の工場があり、とても工業の盛んな街、というイメージだった。

ポケモンセンターによってからジムを探そうとウロウロしていると一人の女の子がリオに声をかけてきた。

「あれ、リオじゃん。」

「あ、シア!?」

幼馴染のシアだ。

三人の中で一番元気でトラブルメーカーのような存在だった。

 

「もう追いつかれちゃったかー。今からジム戦?」

「おう。お前は?」

「私はもう終わった。ほら。」

そう言うとシアはにこやかにバッジケースを見せてきた。

たしかにバッジケースの中には三つのバッジが収まっている。

「じゃあまた先を越されるのか。カインは?」

「あいつはもう言ったよ。相変わらずせっかちなんだから。」

半笑いでそう言いながらシアはそう言う。

カインはやはりシアを抜いたのか。リオは自分も頑張らなくては、と考えながらシアにある提案をした。

「なあ、1対1でバトルしようぜ。腕試しにさ。」

シアは少し驚いたような顔をして一言

「いいよ。」

と言ってからモンスターボールからポケモンを出した。

水色の体で目が綺麗でアザラシのようなポケモンだ。

「オシャマリだよ。可愛いでしょ?強いんだよ。」

なるほど、たしかに強そうだ。りおの目から見てパッと見は水タイプのような印象を受ける。

ならヒトカゲじゃ分が悪いはず。

「行け、イーブイ!」

リオは掛け声とともにイーブイを繰り出す。

ボールから出てきたイーブイはリオの方をチラッと見ると臨戦態勢に入る。

「へー、可愛いね。よし、オシャマリ"アクアジェット"!」

シアの指示を聞いてオシャマリが水を纏い、突撃してくる。

ものすごいスピードで避けきれずイーブイに突撃するが、イーブイはすぐに体制を立て直してオシャマリに向き直った。

「よし、反撃だイーブイ。"のろい"!」

リオはこのイーブイの十八番とも言える技を指示する。

イーブイの身体が硬化して強力になる。

「行くぞ、新技を見せてやる。"でんこうせっか"!」

先程の特訓の過程で覚えた新技だ。

"のろい"によってすばやさの下がったイーブイでも高速で動くことが出来る。

その攻撃はオシャマリを確実に捉え、さらにもう一撃加えた。

「!やるじゃん……。ならこれはどう?"チャームボイス"!」

シアの指示を聞き、オシャマリが可愛らしい声を出す。

その声は波動となり、イーブイに襲いかかった。

「……っ!イーブイ、すぐに立て直して"でんこうせっか"!」

このまま押し込まれて敗北するのを恐れたリオはイーブイにすぐに立て直すことを指示した。

イーブイはほぼその指示通りに動き、オシャマリに突撃する。が、オシャマリはシアと目配せするとそれを余裕を持って避けた。

「なに!?」

「まだ覚えたばっかりでしょ?それ。読みやすいよ。」

「……くそ。なら"ほしがる"!」

イーブイは慣れた攻撃である"ほしがる"で攻撃をするがオシャマリは素早くそれを回避する。

「チッ。イーブイ!どうにか隙をつけ!」

イライラしながらもリオはイーブイに僅かな隙を着くように指示する。

が、イーブイが一瞬動きを止めた瞬間オシャマリが攻勢に転じた。

「隙あり、オシャマリ、"チャームボイス"!」

再び先程の音攻撃でオシャマリが硬化したイーブイを吹き飛ばす。

イーブイは何とか体勢を立て直したが、その顔には明らかに疲労の色が見え始めていた。

「まだだ、イーブイ"のろい"!そして"でんこうせっか"!当たるまで続けろ!」

イーブイは疲れた体に鞭打ち、オシャマリに突っ込んでいくが、イーブイの攻撃はオシャマリに当たらず、逆にカウンターで"アクアジェット"を当てられてしまう。

イーブイが体制を崩したのを見てオシャマリは再び"チャームボイス"をぶつけると、そのままイーブイは戦闘不能になった。

「くっそ…。」

リオはイーブイをモンスターボールに戻しながら本気で悔しがった。

 

「ねえ、リオ。」

シアが近づいてきながらリオに一言言い放つ。

「かわいそうだね。」

 




はい、ありがとうございました
御三家の火水草タイプのバランスは崩さないでおこうと思ってて。
カインの御三家出す時、シアを女の子らしいアシマリ系列にしようとした結果カインがくさタイプで決定しました。
まあジャローダも強いし多少わね?
カインの相棒はキモクナーイで有名なラグラージにしようとしたんですけどアシマリは捨てられなかったw

ところで今のこれは一応闇落ち…ってことでいいんですかね?w
最近この作品の話がドンドンずれてる気がしてるきがしてなりません


それではこの辺で
また次回|・x・)ノ


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かわいそう

よろしくお願いします


「なんなんだよ、かわいそうって!」

リオは激昴しながらシアにそう問いかける。

シアに同情される筋合いなんてない。

そうリオが言おうとするとシアは

「リオじゃないよ。ポケモンが。ねえ、ちゃんとポケモンのこと考えてるの?」

そう無表情で口にする。

ポケモンのことを考えているか。

「考えてるに決まってるだろ。こいつと一緒にどうやって勝てるかとかな!」

「そうじゃないよ。リオがトレーナーになったのは勝つためじゃなくてポケモンと友達になるためでしょ?」

リオが子供の頃から言っていたことが頭に浮かぶ。

 

「俺はポケモンを手に入れたら友達になるんだ!」

 

確かにそうだ。

リオはポケモンと友達になるためにポケモントレーナーになった。実際、イーブイもヒトカゲも仲良くなってきている。

 

それでも。

 

「今は違うよ……。」

そう言うとリオはシアの元から離れてジムを探すために歩き出した。

「リオ!」

後ろからシアの声が聞こえてきたが、リオはそれを無視して歩を進めていった。

 

ポケモンジムを探しているあいだ、リオは先程のシアの言葉が頭から離れなくなっていた。

 

「ポケモンと友達になる。」

 

自分が忘れていたことだ。

でももう強さを求める、ということが自分にとって一番重要なことだ。あのポケモンが弱いからと言って切り捨てるトレーナーにどんなポケモンも強くなると思い知らさせてやるために。

 

その時、急にリオのモンスターボールが開いた。

「!?おい、どうした!」

中からはヒトカゲが出てきてリオの方を睨みつける。

リオがヒトカゲの行動を理解出来ずに固まっているとヒトカゲは走ってどこかに行ってしまった。

「え、おい!待てよ!ヒトカゲ!!」

 

ヒトカゲはリオの静止も聞かず、走り続けて街の端まで行くとリオの方に向き合い、大きな声で叫んだ。

 

「なんだよ…。何が言いたいんだ、ヒトカゲ?」

ヒトカゲの行動の意図が理解出来ず、リオはただヒトカゲの瞳を見つめ返していた。

だが、ヒトカゲの真っ直ぐな瞳を見つめるのが何故かとても申し訳なくなってリオは目を逸らした。

ヒトカゲはもう一度大きく叫んだ。

「お前もシアと同じこと言うのか?でも俺は……。」

そこまで言ったところでヒトカゲがリオに向かって突っ込んできた。

その衝撃でリオはその場に倒れ込む。

「何すんだ!」

ヒトカゲはリオをずっと見つめ続けてその場から離れなかった。

 

その目を見たリオの頭にはシアの姿が浮かんでいた。

「かわいそうだね。」

「ああ、そうだよな。ヒトカゲ。強さだけ求めて他のこと捨ててるんじゃあいつと同じだよな。」

そう言いながらリオはヒトカゲに手を差し伸べる。

結局リオは強さだけを求める、ということは出来なかった。

 

「ごめんな、ヒトカゲ。また俺と戦ってくれるか?」

リオがそう言った瞬間ヒトカゲの姿が変わり、さらに大きく強そうな姿に変化した。

「これ、まさか……。進化!?」

初めての体験だった。このような出来事に遭遇するのは。

リオはすぐにポケモン図鑑でヒトカゲの進化系の名前を調べる。

「リザード……。」

リオはリザードを抱きしめ、

「これからもよろしくな。」

そう言った。




闇落ち展開考えるのめんどいんで早々に切り上げました

そういやイーブイさんのことすっかり忘れてました( ̄▽ ̄;)
この街のジム戦で活躍させられるかな


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ビニルジム

よろしくお願いします
この街の名前がビニルタウンだった、って以前言いましたっけ?


ポケモンセンターに戻ってからジムの場所を聞き込んでいるととあるとある工場にあると言われ、地図まで書いてもらった。

その通りに行き、中に入ると言われた通りの工場だった。

いつも通りボーイが立っていてリオのバッジケースとトレーナーカードを確認してリオを関係者以外立ち入り禁止、という扉の中に入れる。

 

奥のバトルフィールドで少し待っていると黄色い髪の少女が出てきた。

それと同じタイミングで客席に大量の人達が入ってくる。

「チャレンジャー頑張れよー!」「社長!ファイトー」

などと声援をしている。

「うちの従業員ですよ。私がバトルする時は作業止めて応援に来るんですよ。」

と困り顔で言いながら少女は言葉を続ける。

「改めまして、私はここの工場長兼ジムリーダーをしています。ラウラと言います。使用タイプはでんき。よろしくお願いします!行って、コイル!」

ラウラはそう言うとモンスターボールからポケモンを繰り出す。鉄の機械のようなポケモンで両隣に磁石がついている。

「よっし、行くぜ!イーブイ!」

リオはモンスターボールからイーブイを繰り出す。

イーブイはリオの方を見てからニヤッと笑ってコイルの方を見て臨戦態勢に入った。

「ジムのルールを説明します。バトルは2対2。交代はチャレンジャーのみ。どちらかのポケモンが全て戦闘不能になれば終了となります。では、初め!」

 

「イーブイ!"のろい"!」

リオは防御をあげる技を指示して相手の攻撃を受ける体制をとらせる。

「防御を上げたってこの子には意味ありませんよ!"電気ショック"!」

コイルの磁石から電撃が放たれ、イーブイに直撃する。

コイルが倒しに近づいたところを倒そうと思っていたリオだが、遠距離攻撃をされてはジリ貧だ。

「イーブイ、"でんこうせっか"!」

イーブイがフルスピードでコイルに突っ込んでいく。

直撃はしたがダメージはあまりなさそうだ。相性が悪いのかもしれない。と感じたリオはイーブイを一旦引き違うポケモンを出した。

「頼むぜ、相棒!」

道を外れかけた自分を元の道に戻してくれたリザードだ。

「なるほど、相性を考えましたか。ならば"電磁波"!」

その指示を聞いたコイルは磁石を前に出し、電撃の輪のようなものを何重かにして出してきた。

「リザード、避けて"フレアドライブ"!」

そこまで早くはないその電撃を避けるとリザードは炎を纏い、最強の一撃を放つ。

その一撃は綺麗にコイルの体力を持ち去り、戦闘不能にした。

「まだ荒いですが、いいポケモンですね。でも次の子はこうは行きませんよ。行って、ルクシオ!」

犬のようだがでてきた瞬間にこちらを威嚇してくる。

リザードが額に汗を垂らすのを見てあのポケモンは何か厄介なことを行っている、ということがリオにも理解出来た。

「リザード、"龍の舞"!」

リザードの十八番である積み技で攻撃力と素早さを上昇させる。

「吹っ飛ばせ、"フレアドライブ"!」

再び炎を纏った攻撃。だが相手には満足のいくダメージが与えられず、逆にルクシオの攻撃圏内に入る。

「"かみつく"!」

ルクシオがリザードに噛み付いてくる。

どうやらリザードの"かみくだく"と似たような技らしい。

先の"フレアドライブ"の反動もあるリザードはルクシオと距離をとる。

これ以上の追撃を受けないためにリオはリザードを引かせて再びイーブイを繰り出した。

「頼むぞ。」

イーブイは任せろ、と言うようにリオの方を見て頷く。

「"ほしがる"!」

イーブイの一撃でルクシオはよろめくがやはり以前固く、イーブイを迎撃態勢に入る。

「"のろい"!」「"スパーク"!」

指示は同時に行われ、イーブイがルクシオより僅かに早く身体の硬化に成功させてスパークを軽減した。

ルクシオの手の電撃はイーブイの体に確実にダメージを蓄積していく。

イーブイは既に満身創痍だ。

それでも、

「イーブイ、行くぞ。"でんこうせっか"!」

リオはイーブイを信じきった。

この距離でこのスピードなら避けられない。

イーブイの"でんこうせっか"はルクシオにクリティカルヒットしてルクシオも戦闘不能となった。

 

「お見事です。素晴らしい采配でした。これがビニルバッジです。お受け取りください。それとわざマシン。"電磁波"です。これもぜひ有効活用してください。」

ポケモン達を信じての完璧な勝利。その味を噛み締めてリオはジムバッジとわざマシンを受け取った。

 

観客たちからの拍手を受け取りながら外に出る途中工場の奥をチラッと見るとそこがモンスターボールの工場だとわかった。

 

リオは外に出てから再びポケモンセンターに向かい、4番道路への道を歩み出した。




ありがとうございました
女の子のジムリーダーは初めてでしたね。

でんきタイプの女性ジムリーダーはイッシュ地方のカミツレさんがいますが、この人はカミツレさんとは違うタイプです。
…そうですよね?

イーブイは名前ありトレーナーのポケモンに初勝利ですね
まあ名前ありトレーナーと言ってもジムリーダーとか格上とかばっかなんですけどねw

そろそろ新しい仲間を追加したいですねぇ…


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釣り

よろしくお願いします


4番道路の道を歩いていると途中で巨大な池があった。

釣り堀もいくつかあり、何人もの釣りをしている人がいる。リオが興味を示していると1人の若い男性がリオの方に寄ってきた。

キタローわけの髪型で貴族のような服を着ている。

「君、これに興味があるのかい?」

そう言うと男は釣り堀の方を指さした。

「ええ、まあ……。」

「そうかい、ここで会ったのも我々の運命だ。魔王の力を持ちし、この究極の釣竿(アルティメットロッド)をさずけよう!貴様とは運命(さだめ)というものを感じる!」

「はあ……どうも。」

よく分からないが釣竿を受け取った。

せっかくだし釣ってみようと釣り堀に行くと男が着いてきて

「我が釣りの極技を貴様に伝授してやろう。我が名はジェノサイド・ヴァン・グラヴィードマスターブレイズ……。」

「……長いっすね。」

名前は全く覚えられなかったがリオは黙ってそれに従うことにした。

 

だが30分後…

「……全く釣れませんが。」

究極の釣竿(アルティメットロッド)の恩恵が全く感じられないことに思わず不満を漏らしながら横を向くとあの男はすっかり眠りについていた。

「ちょっと!?」

「ん?ああ、よく寝た……じゃなくて、どうだ少年!

我が究極の力を受け継ぎしその釣竿は!」

「……釣れません。」

「まあ釣りはそう簡単に成功するものではないからな。だがこの究極の釣竿(アルティメットロッド)ならばこのフィールドにすまう悪魔の化身を釣ることすら可能!さあ少年よ!粘れ!」

「悪魔の化身?なんですかそれ。」

「このフィールドのモンスターを統率している主だ。人を喰らい、成長し続ける怪物と聞いている。」

そう言いながら名前の長い男は不敵にフフフ・・・と笑いながらリオの方を見る。

「怖ー。」

その言葉を全く信じずリオが棒読みで返したその瞬間、リオの釣竿が僅かに動いた。

「うお!」

その瞬間釣竿を引いて一気に持ち上げようとするが力が強く引き戻されそうになる。

「我が力をさずけよう!神よ!この者に加護を…」

「手伝わねーのかよ!」

「我は魔王に力を封印されており、力を使おうとすれば邪眼が…」

「だー、もう分かったよ!」

リオは踏ん張りながら思いきり釣竿を引っ張りあげる。

すると池の中から巨大な化け物のようなポケモンが現れた。

「あれが悪魔の化身だ!」

男がそう叫ぶとリオはポケモン図鑑を確認する。

「ギャラドス……。行くぞ、リザード!」

リオはリザードをモンスターボールから繰り出す。

そしてギャラドスの出方を伺いにかかった。

「手助けしよう。我が邪眼の呼び声に答えし魔獣よ……。その悪魔のごとき姿を……」

「そんなんいいから早く!」

リオの催促に男もしぶしぶセリフを中断してモンスターボールのスイッチを押した。

「いでよ、ヘルガー!」

 

中からは犬のような羊のような姿のポケモンが出てくる。

かなり強そうだ。

 

「この魔獣は天空をも力に変える!参れヘルガー、"にほんばれ"!」

ヘルガーが呆れた顔をしながら空に向かって大きく吠える。すると空に照りつけていた太陽がさらに強く、光り輝きだした。

「なんだこれ。…まあいいや、リザード、イーブイ俺達も行くぞ。」

リザードとイーブイはそれに頷き前のポケモンを見据える。

「"フレアドライブ"!」

リオの指示に応じてリザードは炎を纏ってギャラドスに突撃するがほとんどダメージは与えられた様子はなく、逆に反撃の一撃を喰らい、リザードは大きく吹き飛ばされた。

 

「強え……。攻撃が全く通らない。」

さすがはこの池の主と言った所か。とんでもない強さを秘めている。

「違うぞ少年。ギャラドスの邪眼(クリムゾンアイ)によって君のポケモンは力を出し切れていないだけだ。だが、私のポケモンには関係なし。我が力とくと見よ。ヘルガー!攻撃態勢!」

そう言うとヘルガーは急に笑い出して好戦的な目でギャラドスを見つめ始めた。

「準備完了。この世のありとあらゆる物を焼却し、焼き払う破壊の現化!!地獄の業火をとくと見よ!ヘルガー! "オーバーヒート"!」

その声とともにヘルガーは今までにないような爆風を放ちギャラドスを吹き飛ばした。

その威力でギャラドスの身体は池の向こうまで吹き飛ばされ、一撃で戦闘不能となった。

 

「うわぁ……すげぇ。強いんだなあんた。」

男の方を振り向くと男はドヤ顔でこちらを見ていた。

「なんかムカつくな。あんた。」

そう言うとリオの後ろから1人の男性が走ってきた。サングラスをかけたその男は

「バン様!ここにおられましたか。」

と言いながらバンに詰め寄る。

「え?えーと……。」

状況が把握出来ていないリオは2人の男を交互に見るがヘルガー使いの男は

「ようやく来おったか。」

などと余裕をかまして言った。

「バン様!勝手にどこかに行かれては困ります!」

「バンって言うのか?あんた。」

ヘルガー使いの男はこちらを見て頷くとサングラスの男に向き直り「我の勝手だろう。」と言った。

サングラスの男は呆れ顔で

「……。とにかく!これからすぐ会場に戻ってもらいますからね。」

等と言いながらバンを引っ張っていく。リオはそれを見て聞きたかったことを思いだした。

「あの、あんた!何者なんだ?」

サングラスの男はリオの方をチラッと見てからバンが逃げないように腕をガッチリと掴みながら

「こちらの方はこの地方の四天王、あくタイプ使いのバン様です。」

「四天王!?」

 

リオは衝撃のあまり、大声をあげた。




厨二病キャラです
厨二病の書き方が分からなくて適当になりました
喋ることが無駄に多くなって文字数増えますね、これ

ついでに四天王初めて出てきましたね。レベル差のせいですが、あのヘルガーの1発であのギャラドスは4,5体飛ぶらしいです

ではまた次回で


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四天王

よろしくお願いします
ついでにUA2000越えありがとうございます


「あんたが……四天王!?」

ただの痛い人だと思っていたこの青年がこの地方で最強クラスのトレーナーである四天王の一角だったと言う事実に驚きが隠しきれないリオは、思わず驚愕の声を上げた。

 

「そうだ。我が闇の皇帝、悪魔の化身という異名を持つ闇の四天王バン様だ!」

「え、でもさっきは妙に長ったらしい名前を……。」

「馬鹿め、悪魔の帝王である我が幾つもの偽名を持っているのは当然の事だろう。」

「そうですか……。」

もう突っ込むのも疲れてきたリオはそのまま適当に受け流すことにした。

 

「て言うかバン様。早くこちらに。」

サングラスの男がバンを再び引っ張って乗ってきたのであろう車に乗せる。

「なあ、どこに行くんだ?」

「ポケモンの大会会場です。ライダーズカップがこれからあるのでバン様はそのエキシビジョンマッチで呼ばれたのです。」

と説明が入った。

リオはそれを聞くと少し考え込み、

「なら俺も行っていいですか?」

と聞いてみた。

「な、そんなこと……。」

「いいだろう。」

サングラスの男がすぐに拒否しようとしたのをバンが遮り、言った。

「バン様!」

「こやつは我の遂行なる(しもべ)だ。ならどうするのも我の勝手だろう、そうだ少年。会場に来るなら先の戦いで我が葬ったあのウミヘビは貴様がゲットせよ。」

そう言うとバンはリオの懐に入ったからのモンスターボールを指す。

「なんでだ?あんたが倒したポケモンだろ?」

「貴様にくれてやる。我の軍団には似合わん。」

そう言うとバンは車の中に入った。

少し躊躇ったが、リオはバンの言う通りにして瀕死のギャラドスを捕まえた。

サングラスの男はバンに向かって何か言おうとしたが、諦め多様な表情で運転席に乗り込む。

リオも少し戸惑いながらもそれに習い、乗り込む。

とても高そうな車だ。さすがは四天王。

そんなことを考えていると運転席から声が飛んでくる。

「あなた、お名前はなんとおっしゃるんですか。」

「リオです。」

「そうですか、ではリオ様。これから大会会場に行かれるのならあなたも出場されるのがよろしいでしょう。あの大会はそれなりのレベルのトレーナーが出ているでしょうし経験値になるはずです。」

「それは良いな。エントリーは我がしておこう。」

リオの返事を待たずトントン拍子で話が進んだが、リオとしても悪い気はしなかった。初めての大会はたしかに大きな経験になるだろう。

 

車はやがて山をのぼり始め、ある程度言ったところで止まった。

外に出ると巨大なホールが目の前に広がっている。

 

「では私は控え室に行ってくる。受付の場所はマップで確認せよ。リオ。」

「りょーかい。」

「ではまた後で。」

 

サングラスの男はバンについていき、リオは受付の場所を探し始めた。

 

リオの初の大会が始まろうとしていた。




ありがとうございました
グラサン男はクレヨンしんちゃんであいちゃんの援護をしてるあのボディーガードみたいなイメージで書いてます。

強引に確保させましたリオの新たな仲間、ギャラドスです。
一応今のところリオのチームで最強ですね。
このライダーズ大会編は割と頑張って書きたいですw


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エキシビジョンマッチ

よろしくお願いします



マップで示してあった場所に向かう途中、ポケモンセンターのような回復施設を見つけた。後で使うこともあるのだろうか、と思いながら受付に向かうと1人の少女が受付を行っているのがリオの目に見えた。

「あ、シア。」

正直こんなに早く再開するとは思わなかったリオは嬉しく思う反面、気まずくもあった。

ビニルタウンでのあの出来事が頭に浮かぶ。

声をかけるべきかどうか手をこまねいているとシアからリオの方に気づき、歩いてきた。

「リオも大会に出るの?」

「ああ、こいつらと一緒に(・・・)強くなるためにな。」

シアは少し驚いた顔をしてから表情を和らげて

「……そっか。カインも出場するらしいし、3人全員揃うことになるね。お互い頑張ろう。」

「ああ。」

シアは頷いてリオの元を去っていく。

 

リオ、シア、カインの3人が揃うのは旅立つ前日以来だ。

 

リオの心はこの大会を前にして昂っていた。

 

 

大会の開会式までは残り3時間。

出場者60人によるトーナメント方式で4人をシード枠に加えて試合を行う、という形だ。

ジムリーダーのカイトもシード枠にいる。

あとはロイ、タケシ、クリードというトレーナーがシード枠にいる。

 

皆強いトレーナーなのだろう。顔も見たことの無いトレーナー達に闘志を燃やしていると後ろから声をかけられた。

「おい、我を待たせすぎだ。早く来い。」

バンだ。そういえばそれなりに時間も経っている。

「悪い。で、待機室は?」

「貴様にそんなものは無い。その辺で待っていろ。」

「え?」

一瞬バンのタチの悪い冗談だと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。

実際出場者らしきトレーナー達は皆ここで特訓をしているようだ。

 

「ではわれは戻る。3時間後の我が演舞を肴に待っていろ。」

そう言いながらバンは高笑いをして控え室に戻っていった。

 

リオは仕方なく、ここで訓練がてら練習試合を何人ものトレーナーに申し込んだ。

ここのトレーナーは手強く、何人かには負けたが、それでもここでのバトルはかなり経験を積むことが出来た。

 

そして何度目か分からないポケモンセンターでの回復を済ますとシアとカインが呼びに来た。

 

「よー、リオ!マジで来てたのか。」

「リオ!四天王同士のエキシビジョンマッチが始まっちゃうよ!」

「そうだな。」

バトルによる手応えを噛み締めながらバンの出るエキシビジョンマッチを走って見に行った。

 

会場内の観戦席に向かうと何人ものトレーナーがそこにいて試合を待ちわびている。

「すっげえ数。」

「そりゃあ四天王にあう機会なんかこの辺じゃ大会のエキシビジョンマッチ以外でまずないからな。」

カインの言葉を聞きながら自分は割と幸運だったんだな。ということを考えながらリオはエキシビジョンマッチの始まりを待っていた。

 

「レディースエンドジェントルマン!今宵の熱い大会の前に、四天王同士のエキシビジョンマッチを行います。地方最強のポケモンバトルをその目に焼き付けよ!」

司会が興奮気味に話すとバトルフィールドの端にある2つの扉が開き男が2人入ってきた。

片方はバン。もう片方の男は黒いフード服を来ていて、手をポケットに突っ込んでいるオッドアイの男だ。

 

「バン様ー!」「ジャック様ー!」

という歓声が半々になって聞こえてくる。

ジャンはもう1人の四天王の名前だろうか。

「フッフッフ。僕共(しもべども)の声が我を昂らせるぞ!さあさらに上げろ!行くぞ、ジャックよ。」

「相変わらずうるせえ奴だな……。」

2人はそれだけ交わすとモンスターボールを構えた。

「バトルは1対1!制限時間10分で片方がやられれば戦闘不能!制限時間内にバトルが終わらなければ引き分けとなります!それではバトルはじめぇー!」

その声を聞いた2人が同時にモンスターボールを開く。

「行け、悪魔の力を得し爆炎の魔獣ヘルガー!」

「来い、ウィンディ。」

ヘルガーとウィンディ。どちらも大型肉食獣型のポケモンでとても強そうだ。

「かっけぇ!俺もあんなポケモン欲しいなー。」

「そうだな。」

カインが珍しく客席から身を乗り出してはしゃぎ出す。

なんとなくそれが面白くてリオは笑い続けていた。

 

「ウィンディ、一撃で沈めるぞ。"インファイト"。」

ジャックの指令とほぼ同時にウィンディは動き出し、ヘルガーに向かって前足で無数の連撃を放つ。

すざましい威力のパワーとスピードだ。

とても目で追い切れない。だがバンのヘルガーはそれを紙一重で交わし続けていた。

「ふっ、そう焦るな。ここの奴らを我が狂宴の虜にしてしんぜよう!ヘルガーよ!全てを燃やし尽くす爆炎の一打を当てよ!"オーバーヒート"!」

「……でた!」

リオはその指示に反応したがヘルガーはすぐには技を出さずニヤリと笑ってからウィンディに一撃をぶつけた。

こちらもかなりの威力だがウィンディは倒しきれない。

だがかなりのダメージを負っている様子ではあった。

「はっはっは!どうしたジャックよ!指示が鈍っているのではないか?」

バンの煽りも無視してジャックはウィンディに再び指示を出す。

「"かみなりのキバ"」

"オーバーヒート"の反動で一瞬動きが止まっているヘルガーを捉えたウィンディは電気を纏った牙でヘルガーを貫く。

ヘルガーは一瞬だけよろめいたが、すぐに立て直してバンの方に戻ろうとした。

「追撃。」

技名も指示せずにジャックはウィンディに攻撃の指示をする。しかしウィンディは完全に理解したように頷くと信じられないほどのスピードで移動を始めた。

ヘルガーにあっという間に追いつくと攻撃の姿勢を見せる。

「"オーバーヒート"!」

前置きの言葉もなくバンが指示をする。だがこの攻撃はウィンディに防がれ、倒すことは叶わなかった。

そしてそれもそこそこにウィンディの一撃がヘルガーに突き刺さる。

 

「ふん、私の慢心だな。だが勝利という称号は譲らぬ!ヘルガー、"かえんほうしゃ"!」

ヘルガーが直線上に範囲の広い火を放つ。

ウィンディは再び先程の高速移動でヘルガーに近づくが今度はヘルガーが反撃の動きを見せた。

「甘いな。貴様の"しんそく"ごときにそう何度も翻弄される我ではない!」

そう言うとヘルガーはウィンディの目の前で"しんそく"の動きに追随して攻撃しようとする。

紙一重でウィンディが逃げたが今ので勝負が終わってもおかしくない動きだった。

一進一退の攻防をハラハラしながら見守っていると隣に1人の男が座った。細い目の少し日焼けしている男だ。

「隣、いいかな。」

「あ、ああ。」

どこかで見覚えがあるその男を見ているとこちらをそれとなく見たシアが大きな声で叫んだ。

「あー!あなた、タケシさん?」

「タケシ?」

「今回のシードの人よ!カントーのジムリーダーやってる人。」

「へえ、俺はこんな遠い地方の少年少女にまで知られているのか。ちょっと嬉しいな。」

そう言うと細目の男、タケシはニッコリと笑い、

「君たちも大会に出場するのかい?」

と聞いてきた。試合から目を離してタケシの方を見たカインが「そうだぜ!」と言うとタケシはニッコリ笑ってから

「大会でバトルするのが楽しみだ。」

と呟いた。

 

するとその時、大きな歓声が上がった。

バトルフィールドを見ると2匹が互角の攻防を続けていた。タイマーは残り30秒を切っている。

「爆炎よ、三度あの獣を焼き払う力となれ!"オーバーヒート"!」

「これで最後だ……"インファイト"!」

ウィンディの方が早く攻撃に移ったが当たる直前に"オーバーヒート"が発動したため2つの技は相殺され、爆風が起きた。

 

煙が収まっても、フィールドには2匹のポケモンは健在だった。

 

その時、試合終了を知らせるタイマーが鳴った。




タケシ、好きなキャラなんですよね…w
カイトって覚えてます?ジムリーダーのキャラ達の影薄すぎますよね。でも基本使い捨てなのがなー
ゲームでグリーンも使ってたけどウィンディってカッコよくないですか?むっちゃ好き
にしても文字数が多いな今回は。大会編なのだからやむを得ないのか…


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ライダーズカップ

お久しぶりです

充電器壊れてて更新出来ませんでしたw
これからまた投稿しなくなることがあったらスマホとか充電器が壊れたんだなぁとでも思っといてくださいw


その瞬間会場から割れんばかりの拍手が巻き起こる。

リオ達もそれに続いて拍手をする。素晴らしい試合だった。

 

二人の四天王も観客達に手を振っている。

 

「見たか!神々の闘いの極地(エデン・オブ・ファイト)を!さあ我らに続け貴様ら!ライダーズカップ開催だ!」

 

大会解説者そっちのけでバンがポーズをとりながら大会開始を宣言する。

大会関係者たちはポカンとしているが会場の人々は大変な盛り上がりで皆一様に歓声を挙げている。

 

「そんな選手宣誓みたいなことまでしなくていいだろ。」

「何を言うか。ここの下々の民共が皇帝に挑戦する力があるか見極めるために鼓舞したのだろう。」

ジャックの呆れたような言葉とは全く正反対でバンはとても上機嫌に見える。

 

「フッ。まあいいがな。」

お前らしいな。とでも言うようにジャックはその場を去る。バンもそれに着いていき、その場には呆気に取られる審判と歓声だけが残った。

 

「凄かったね。四天王どうしのバトル。」

「そうだな。俺もいつかはあの場所に……。」

「お前には無理だろ。俺が行くんだよ。」

3人がそれぞれの感想を述べる。いつかあのトレーナーの頂点たちに勝てるくらいの力を得られるのだろうか。

リオはそんなことを考えていた。

「じゃあ僕は失礼するよ。試合で当たったら宜しくね。」

タケシはそう言いながら微笑んで席をたち、どこかに言ってしまう。

 

その時フィールドの真ん中に一人の男がマイクを持って喋り始める。

「それでは大会のルールを説明します!」

先程のバトルの興奮覚めやまぬまま解説がルール解説に入る。

後ろからも解説の声が聞こえてくるのであのマイクを通して会場全域に聞こえているのだろう。

 

「バトルは3対3!交代はどちらかが戦闘不能になった時のみとし、どちらかが降参するか審判の判断で戦闘不能となり、それが3回続けば試合終了となります。皆さん!優勝目指して頑張ってください!」

その男の声とともにまた大きな歓声が上がる。

ライダーズカップの幕が上がった。

 

少ししてから三人は張り出されたトーナメント表を見に行った。

「俺は第八試合か。」

「俺は第四だな。カインとは準決勝でだな。」

「そこまで行ければな。」

「私はえーと……十二?そのあいだ暇だなぁ。」

トーナメントを見ながら雑談しているとバンがリオ達の方に寄ってきた。

「リオよ。ここまで連れてきて申請の手引きまでしてやったのだから腑抜けた試合をするなよ。その場合我が断罪してくれよう。」

「わ!四天王のバン!?」

リオがそれに答える前にカインが大声を上げる。先程の試合でもそうだったがかなり四天王が好きらしい。

「べつに手引きまではして貰ってないだろ。」

そう言うとカインが

「お前この人としりあいなのか!?」

と目を見開いて本当に驚いたように聞いてくる。

「一緒にバトルしたぜ。」

と自慢したように言うとカインは本当に驚いたような顔をする。シアまで目を見開いて驚いている。

四天王と知り合うのがどれほどとんでもない事なのかが良くわかる。

 

「まあいいや。バン!おもしれぇバトルしてやるから見とけよ!」

「うむ。貴様らも期待している。我を楽しませよ。」

満足気な顔でバンはカインとしシアにもそれを言う。

緊張した顔で二人が頷くとバンはニヤニヤ笑いながら帰っていった。

 

「じゃあ私はバトルの作戦を立ててくるから。じゃあまた後でね。」

「俺も。じゃあな2人とも。」

カインとシアはやはり四天王に期待をかけられたということもあり気合十分だ。

リオは試合会場を見に行こうともう一度観客席に向かった。




覚めやらぬだっけ…?覚めやまぬだっけ…?
国語得意な方なんだけどなぁま、いいか

大会のバトルルールはアニメと似てますね
リオ→第三試合 カイン→第八試合 シア→第十二試合
ですね

今回はバトルなしでしたね
3人のバトルは次回からです


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一回戦①

よろしくお願いします


試合会場では既に第一試合が始まっている。

片方が繰り出したのはコラッタ。もう片方はガーディだ。

「よし、行くぞガーディ!"かみつく!"」

「迎え撃てコラッタ!"でんこうせっか"!」

2体のポケモンがぶつかりあい、火花を散らす。熱いバトルだ。

 

するとアナウンスが鳴った。

「第五試合までのトレーナー達は控え室に集まってください。」

その声を聞いてリオは控え室に歩いていく。

 

控え室にはもう大体のトレーナーが集まっていた。

「えーと第三試合の奴は……。」

「君が僕の対戦相手かい?」

そう言いながら茶色い髪の少年が話しかけてきた。

「僕はマサル。君の一回戦の相手だよ!よろしく。」

そう言うとマサルはリオに向かって手を差し出す。

リオも「よろしく。」と言いながらその手を握り返すと

「大会は初めてかい?」

とマサルが聞いてきた。話しやすく社交的なマサルと雑談をしていると時間はあっという間に過ぎ、リオ達の出番となった。

 

「お、僕達の出番か。じゃあ行こう、リオくん。」

「ああ。負けねぇよ?」

リオがそう言いながら不敵に笑うとマサルもそれに習って笑う。話していてマサルが15歳で大会にも幾つか出場していると聞いた。

一回戦からかなり苦戦しそうだ、とリオは感じていた。

 

『さあ第三試合は!リルドタウンから来たリオ選手!ジムバッジ2つの今大会初参加の期待のルーキーです!対するはこちらも若手!ジムバッジ4つのマサル!さあどのような戦いを見せてくれるのか!試合開始です!』

その声と同時に審判が手を上げる。

刹那、リオとマサルは同時にモンスターボールのスイッチを押した。

 

「行くよ、キュウコン!」「出ろ、イーブイ!」

2体のポケモンが向かい合う。

相手のポケモンは水色でたくさんの尾がついている。

とても綺麗なポケモンだ。

 

少し気を取られているとフィールドにパラパラ、とあられが降ってくるのが見えた。

「……!?なんで?」

「リージョンフォームキュウコンの特性。"ゆきふらし"。こおりポケモンじゃない君のポケモンじゃ体力を奪われてしまう。」

「なるほどな……。ならその前に倒す!イーブイ"のろい"!」

『おっと、これは珍しいわざと特性の押収!隠れ特性のゆきふらしにジョウト地方以外ではあまり見ることの無いイーブイの"のろい"!』

アナウンサーが興奮気味に話す。

「よし、イーブイ!新技のお披露目だ。"かみつく"!」

特訓で手に入れた新たな技だ。イーブイが相手に襲いかかり、ぶつかる。

キュウコンは吹き飛ばされるがすぐに体制を立て直した。全く攻撃が通用していないようだ。

「お返しだ。キュウコン。"ムーンフォース"!」

キュウコンが力をため、一撃を放つ。

その一撃はイーブイに直撃し、激しい轟音が聞こえた。

 

「イーブイ!」

イーブイはなんとか立ち上がったがもう既に満身創痍だ。

「頼む、イーブイ。頑張ってくれ。"でんこうせっか"」

イーブイが高速でキュウコンにぶつかる。だがキュウコンは余裕を持ってその攻撃を受け切ると返しの技の準備をした。

「キュウコン、"オーロラベール"!」

その指示を出すとキュウコンが大きな声で鳴く。するとオーロラのようなものがキュウコンの前に現れ、それが消える頃にキュウコンの前に壁が作られていた。

「……なんだ、あれ?」

リオがあっけに取られているうちにキュウコンは"ムーンフォース"でイーブイに一撃を加えて撃破した。

 

「よし、作戦通り。このままじゃ君に勝ち目はないよ。」

不敵な笑いを上げながらマサルがリオに向かってそう言う。

『おーっと!先手を取ったのはマサル選手!やはり経験の差で一枚上手なのかー!?』

 

そんなアナウンサーの声を聞きながらリオは2体目のポケモンを繰り出す。

「行け、リザード!」

「なるほど相性意識か。戻れキュウコン。行くよ、サンドパン。」

 

『おっと?マサル選手どうしたことか。キュウコンを戻して炎が4倍弱点のサンドパンを出してきました。なにか作戦があるのか。』

 

「当然だ。このあられ下の状態なら僕のサンドパンは……無敵だよ。」

その声とともにサンドパンが動き出す。

「……速い!?」

とんでもないスピードでリザードの後ろに回るとサンドパンはリザードが反応する前に技を繰り出す。

「"まるくなる"、そして"アイスボール"!」

以前見た"まるくなる"と"ころがる"のコンボだ。

一撃でリザードは体制を崩される。

「もう一撃!」

これを好機と見たマサルはサンドパンに追撃を指示する。

だがリザードは身を捻らせ、ギリギリでそれを避ける。

「なに!?」

マサルとサンドパンが驚愕の表情を見せる。そこに一瞬の隙が生まれた。

「"フレアドライブ"!」

リザードの一撃がサンドパンに直撃する。

いくら防御が上がっていてもリザードの最強技である"フレアドライブ"は並の火力ではない。

サンドパンは体制を崩し、絶好のチャンスを作り出した。

「トドメだ、"フレアドライブ"!」

「負けるな、サンドパン!"アイスボール"!」

お互いの最高火力がぶつかり合い火花を散らす。

押し切ったのはリザードだ。"フレアドライブ"を纏ったリザードは丸くなったサンドパンを貫き、吹き飛ばした。

 

「……まさかあられ下のサンドパンを倒すとはね。お見事。じゃあこいつはどうかな?行け、グレイシア!」

マサルの最後のポケモンはまた綺麗な水色のポケモンだった。こいつもこおりタイプなのだろう。

「リザード、このまま行くぞ!」

リザードは頷くと前を向き、大きく吠えた。

「"フレアドライブ"!」

先程同様リザードは"フレアドライブ"でグレイシアに飛び込むが、その攻撃は空を切る結果となった。

「残念だったね。このあられの中で僕のグレイシアを見つけられるかな?」

この強いあられの中でグレイシアの目は獲物を見据えた捕食者のように光った。




ちな前回で書き忘れてましたがこの大会は持ち物なしです
バトル終わらないと交換出来ないルールを今になって後悔し始めてます

Rキュウコンって強いと思うんだけど何故か使ってる人あんまり見ないんですよねー。
以前スカーフ巻かせてゲッコウガの上とってフリーズドライとか打ってたけどあんまり有効打点にならず断念した記憶があります
サンドパンは弱点が少なければ使うこともあるんでしょうがね。グレイシアは……どうなんでしょうね


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一回戦②

よろしくお願いします


「なんだ……?」

グレイシアが出てきた瞬間またあられが強くなり、グレイシアの姿が吹雪の先に消える。

「"こごえるかぜ"!」

その指示のワンテンポあとに風のようなものがリザードに遅いかかる。

「なんだ、どこから?リザード"げきりん"!」

体力の少ないリザードの状態では反動のある"フレアドライブ"は危険だと感じたリオは"げきりん"を指示する。

だがリザードの動きに違和感があることを、リオはすぐに気がついた。

「動きが遅い……?」

「"こごえるかぜ"の効果さ。その状態であられに隠されたグレイシアを見つけられるかな?」

こちらを煽るようにマサルは言葉を紡ぐ。

だがたしかにそれは事実だ。リザードの攻撃は全く空を切っている。

「落ち着け、リザード!よく見ればグレイシアの姿が見えるだろ!よく見れば捉えられる!」

しかしリザードは狂ったように直線上に攻め立てるだけ。

リオはここで自身のミスに気がついた。"げきりん"は使用者の正気を薄くする。今のリザードではとてもグレイシアに攻撃を当てることが出来ない。

「にしても君のリザードは随分珍しい技を覚えているんだね。……まあいいけどさ。行くよ、グレイシア。」

そこで一呼吸置くとマサルは無慈悲に言い放つ。

「"れいとうビーム"」

氷の光線があられで薄く見えるグレイシアの方からリザードに向かって襲いかかる。

リザードはそれに向かって突っ込んでいき、戦闘不能となった。

「……そんな!」

リオのエースが敗れた。ほとんど敗北とも言える状態。

しかしリオの目はまだ死んではいなかった。

 

「行け!ギャラドス!」

四天王バンと共に(ほぼバンだったが)捕まえたリオの最終兵器。

練習試合ですら1度も使っていないのでぶっつけ本番だが、リオはそれにかけた。

リオはポケモン図鑑でギャラドスの使う技を見ると指示を行った。

「頼む、ギャラドス!"たつまき"!!」

リオの精一杯の声はギャラドスに届き、それにギャラドスは応えた。

大きく吠えたギャラドスの周りに竜巻が現れて四方八方に飛ぶ。

グレイシアにも当たったが大したダメージではないようだ。

「あんまり聞いてないようだが?」

マサルが余裕を持ってそう言ってから技を支持しようとするとあることに気づく。

「!?あられが……。」

そう、あられが吹き飛んでいた。

「これが狙いだ。たつまきであられを飛ばす。これがなきゃ隠れるもクソもないだろ?」

「なるほど……。」

マサルが感心したように呟くのを聞き、反撃される前に勝負を決める最大の一撃を放った。

「ギャラドス"あばれる"!」

これもげきりんと同じく正気を失う技だがあられさえなければ簡単にあたる。

"あばれる"を打つギャラドスはグレイシアを吹き飛ばして、さらに追撃してグレイシアを戦闘不能にした。

「やるね。ここまで追い詰められるとは。ならここで勝負を決めよう。ねえ、キュウコン!」

最初に出てきたイーブイを倒した狐のポケモンだ。

 

ギャラドスと睨み合い、臨戦態勢をとる。

それを見たギャラドスはリオの支持を待たずにキュウコンに突っ込む。

その一撃は直撃し、キュウコンは体制をくずした。

「いいぞ、ギャラドス!」

ギャラドスはさらに追撃をしてキュウコンにぶつかるが、キュウコンは最初に使った壁を貼って攻撃を防いだ。

「……またか!」

「僕の優勢だね。君のギャラドス。そろそろ限界じゃないかい?」

マサルが指を指すと同時にギャラドスはフラフラしてその辺に頭をぶつけ始めた。

「これは……混乱状態か!」

「その通り。"あばれる"などの強力な技には代償がある。今度はこっちの番だ。キュウコン"フリーズドライ"!」

不思議な氷がギャラドスに襲いかかる。

「避けろギャラドス!」

しかしギャラドスはその指示を無視して"フリーズドライ"に突っ込んでいく。

瞬間大量の蒸気とともに氷が爆発し、ギャラドスはその場に倒れ込んでしまう。

「ギャラドス!!」

「水タイプに効果抜群となる氷だ。立ち上がれるかな。」

マサルは余裕綽々、という笑みでそう言った。

「頼む、立ち上がってくれ。ギャラドス!」

呼びかけるとギャラドスはなんとか立ち上がり、大きく咆哮を上げた。

「へえ。やるな。」

マサルは感心したように言う。

「よし、ギャラドス。頼む。俺を信じて突っ込んでくれ。」

ギャラドスはニッコリと笑うとつっこむ。混乱も先程のダメージで治っているようだ。

ギャラドスの体力ではもうキュウコンの攻撃は受けきれない。

なら避けるのが困難な"あばれる"では不安。ならば技なしでギリギリまで引きつけるしかない。

「"フリーズドライ"!」

そんなことを考えていると先ほどの氷が飛んでくる。

「避けろ!」

今度は当たらずにきちんとよける。

そしてキュウコンの前に隙が出来た。

「行くぞ、"あばれる"!」

そしてギャラドスが暴れだしてキュウコンにダメージを与えていく。

そして一撃はキュウコンの体力を一気に持っていき、キュウコンは戦闘不能となった。

 

「キュウコン戦闘不能!ギャラドスの勝ち!よって勝者、リオ選手!」

その審判の声とともに歓声があがる。

リオは大会での勝利というのが現実感なく価値が決まってもボーッと突っ立っていた。

ギャラドスが寄ってくる。

そしてその後からマサルが来て

「急所に入ったようだね。運も味方に付けている。素晴らしいトレーナーだ。バトルが出来たことを幸運に思う。次も頑張って。」

そう言われて握手を求められたことでようやく現実へと戻ったリオは一度「よっしゃあああ!」と叫ぶとスッキリした顔でマサルの手をしっかりと握り返した。




バトルの勝敗
リオ vs マサル
イーブイ● vs ○キュウコン
リザード○ vs ●サンドパン
リザード● vs ○グレイシア
ギャラドス○ vs ●グレイシア
ギャラドス○ vs ●キュウコン
1 ─ 0

1回ダメ計してたらギャラドスのレベル間違えてフリーズドライ確一って出てうわ、やべー…って思ってましたw
ではまた次回


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二回戦

よろしくお願いします


一回戦の試合は何事もなく進み、カインとシアはそこまで苦戦することなく二回戦に進出した。

一番苦戦したのはリオだ。そこは少し劣等感があったが、実際バトルすればそこまで差はないはず。リオはそう感じていた。

 

そして二回戦、第一試合。

シードであるタケシの試合が始まる。

 

『さあ、二回戦がついに始まるぞ!第一試合は新進気鋭の短パン小僧。ルイとカントー地方から来たいわタイプ使いのジムリーダータケシだァ!』

運営のその声と同時に会場は大いに湧き始める。

やはりジムリーダーの本気のバトルを生で見られる機会は中々ない。

会場全体がこのバトルに釘づけだった。

リオ自身も過去に何度かテレビでジムリーダーのバトルを見たことがある。ジム戦での腕試しとは桁違いの素晴らしいバトル。

それが見れると言うのでリオはとてもワクワクしていた。

 

フィールドに2人がつき、睨み合う。

「言っとくけど!ジムリーダー相手だからってかませ犬になっちまうつもりはないんだからな!俺がぶっ潰して大番狂わせ起こしてやるよ!」

「そうか。楽しみにしている。いいバトルにしよう。」

そう言うとタケシはニッコリと笑う。先程の観戦の時も感じていたが穏やかな性格なのだろう。

 

『それでは!バトル開始ィ!』

歓声とともに2人が同時にモンスターボールを構える。

「行け、イワーク!」

「出てこいカメール!」

タケシが繰り出したのは前評判どおり、いわタイプのイワーク。短パン小僧が繰り出したのは甲羅を背中に乗せた亀のようなポケモンだった。

「水タイプか。」

「当然!お前のポケモンはいわタイプばっかりだからな!弱点さえつけば怖くなんかねえんだよ!」

「それはどうかな?イワーク"ステルスロック"だ。」

イワークが先手を取り、周囲に岩がばら撒かれる。トラップのようなものだろうか。

「なんだこれ?カメール、迂闊に動くなよ。"みずのはどう"!」

選択したのは遠距離攻撃だった。水の輪が連鎖してイワークを襲う。

「避けろ、イワーク!」

その指示をイワークは的確に受け取り、あっさりと避ける。

「まだまだ!連打しろ!」

何度も何度も続けるがカメールの攻撃は一向にイワークには当たらない。

次第にカメールの顔色に疲れが見えてきた。

 

「くそ、いい加減当たれよ!」

それでも"みずのはどう"を打ち続ける。ヤケになっているのだ。

しかしカメールは"みずのはどう"を撃たない。いや、撃てない(・・・・)のだろう。

水切れだ。ポケモンの打てる技の数には限界がある。休憩を挟まないと回復しないがバトル中はそうはいかない。

「くそ、"あわ"!」

病むなく短パン小僧は指示を切り替え、威力を下げた別の技に変える。

これも避けるのかと思ったが、違った。

「突っ込め、イワーク!」

なんとタケシは回避せず、突っ込むことを指示した。

しかしイワークは躊躇せずにカメールの作った"あわ"に飛び込んでいく。ダメージは入ったように見えるが、倒れない。

「イワーク、"すてみタックル"。」

タケシの冷静な声が入る。

穏やかな声とは裏腹に恐ろしい威力でイワークの重い一撃が入る。

カメールはたまらず吹き飛び、何度か転がってようやく壁にぶつかる頃には戦闘不能となっていた。

「強いな。まさかここまでだとは。次はこいつだ。スワンナ!こいつはな……。」

説明を始めようとした瞬間スワンナの身体にビシビシと岩が突き刺さる。"ステルスロック"だ。

「何!?」

「ステルスロックは相手のポケモンが変わると自動的に襲いかかる岩だ。」

出てきた瞬間スワンナはかなりダメージを受けた。かなり強力な技だ。やはりジムリーダーのバトルは参考になる。

リオがそう考えていると隣の空席にシアが座ってきた。

「強いね、タケシさん。」

「そうだな。遠い存在だ。」

『スワンナ戦闘不能!』

リオが話を始めた瞬間、スワンナはやられていた。あのイワークだけで全部倒してしまいそうだ。

「ならば、俺の切り札!ニョロボン!」

ニョロボンはイワークの方を見るとやる気満々でファイティングポーズをとる。

「リオ。」

「ん?」

「リオさ。ちょっと前にヤバかったじゃん。」

「……。」

思い出したくもない記憶だ。まさしく中二病と言うやつだろう。

あのバンよりはましだが「俺は強さを求める(キリッ)」とかやっていた。今思えばとても恥ずかしい。

「あれ、何が原因なの?」

「あるトレーナーだ。ポケモンを厳選していらないポケモンは捨てていた。あいつとは違う形で追い抜きたい。」

「そっか。」

話題がなくなるとどちらもすぐに黙る。カインがいれば違ったのだろうが生憎いないのでどうすることも出来ない。

 

「ニョロボン、"きあいパンチ"!!」

フィールドから大きな声が聞こえてくる。バトルは終盤に差し掛かっているように見える。

ニョロボンの気合を込めたパンチはイワークに軽くいなされる。

「イワーク、"すてみタックル"!」

お返しの一撃でニョロボンは倒れる。1度起き上がろうとしたがすぐに力尽きた。

『ニョロボン戦闘不能!』

見事なバトルだった。イワークでの三連勝だ。

会場では大きな拍手が起こる。いつかこんなトレーナーになりたい。

対戦相手に敬意を込めて誠心誠意握手をするタケシを見てリオは切にそう願った。




ありがとうございました
今回はバトルかなり端折りましたね
明日から受験最後の追い込みかけるので投稿は休みます。
戻ってくるのは3/6くらいですかね
ではまた


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