Aqoursのみんなと平凡な彼 (アルス零式)
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Aqoursのみんな、そして俺 1話 〜始まりはいつも唐突だった〜

 はじめまして、アルス零式と申します。

今までは見ている側の人でしたが自分の好きなラブライブ作品の小説を見ているうちに書いてみたくて書いてみました。文章力皆無の私ですが、多くの方に楽しんでもらえる作品にしたいと思います。

 

両親の都合で浜松から内浦に引っ越すことになり、一人暮らしの生活となった少年、湧矢。内浦についてから彼に訪れる新たな出会い。人を信じれない彼は心を開けるのか…?

 

 

Aqoursと彼の物語を。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜湧矢side〜

 

学校から帰ると父さんが俺を呼んだ。

湧「なんだよ父さん話って、俺今から検定のために勉強するんだけど」

 

父「突然ですまんな。今年の4月から俺は東京で、母さんは海外で働くことになったんだ。お前は今の学校から転校して沼津の学校に行ってもらうことになる。」

 

湧「えっちょ、待ってくれよ。一人暮らし?嘘だろおい…」

 

父「すまない、こんな日まで黙っていたことは謝る。だがこれはお前のためでもある。小学校の時からお前は俺たち以外とあまり話していた姿を見てない。。これは、お前が社会に出ても困らないようにするためでもある。就職をするんだ、俺たち以外の人と話せないと、色々厳しいぞ?」

 

湧「…わかった。やるよ、一人暮らし。」

 

父「よく言った、それでこそ俺の息子だ。学費は振り込んどくし携帯代は俺が払う。お前が遊ぶために使うお金は送る。しっかり治してこいよ。」

 

湧「おう!」

 

浜松から電車に揺られて3時間〜無事に沼津に到着。

意外と時間かかるんだな、電車に居る時間は読書に費やしたけどね。

 

湧「ここが沼津か、駅周辺は俺のいた街とそんなに変わらないんだな。確か俺が新しく住む家はちょっとばかり遠いって父さんも言ってたし…バスの時間までは暇だな。本屋あるかな。」

 

そして沼津についてから真っ先に俺がやったのは本屋を探すことだった。

 

湧「意外と遠いな…って、なんだあれ。」

 

本屋に入って真っ先に彼が見たのはふろしき中に大量の本を入れていた少女だった。

 

湧(おい、あんなに大量の本を1度に持って帰るのか…?なんか足ふらついてるし…しょうがねぇ…)

 

湧「君、そんなに大量の本を1度に持って帰るのか?なんか足ふらついてんぞ?」

 

??「ずら?もしかして、まるのこと言ってるの?」

 

湧「逆に今まで生きてきて本屋でこんなに大量の本を持ってるやつを、俺は見たことがないんだが…あとずらってなんだ?方言か?」

 

??「あ、またいつもの癖で出てました。…変じゃない?」

 

湧「ん?別に変だとは思わないな。そこで長年過ごしてきたのに今更それを直せって言われても難しいもんな。」

 

「よかったずら。あ、自己紹介がまだでしたね。オラは国木田花丸、高校1年生なんだ。」

 

湧「あ、そういや俺もだ。俺の名前は前島湧矢。今年で高校3年だ。」

 

花丸「あ、まるの2個先輩なんですね。」

 

湧「いや、むしろタメ口でいいよ。敬語は慣れないんだ。」

 

花丸「わかったずら!」

 

店内にあった時計を確認してギョッとする。

 

湧「やっべこんな時間だ!バスまであと5分しか無い!じゃあな花丸!またどっかで会えるといいな!」

 

花丸「うん!またどこかで会えるといいずらね。」

 

慌てて俺は店から出てバス停に向かって走る。

なんとかバスには間に合った。

 

湧「ギリセだな…引越し初日からこんなんで大丈夫かよ…」

 

バスに揺られて伊豆三津シーパラダイス付近に到着。

意外とバスの料金高いんだよな…

 

湧「確かこの辺だったよな、父さんが言ってた新しい俺の家って。」

 

付近を歩いて大体1時間、ようやく彼の一人暮らしのための住居に到着した。写真で見たよりもずっと大きく感じる。2階建ての立派な家だ。

シーパラから1時間て…道に迷いすぎだろ…

 

湧「意外と中は綺麗にされてるな。さて、俺の部屋の道具とかは明日届くって事になってるし、今日は軽い荷物とかしか持ってないし一日暇だな…ご近所さんに挨拶行ってくるか。」

 

そう言って俺はご近所さんに挨拶をしに外に出るのだった。

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どうでしょうか?文章力には自信が無いので読みにくかったら申し訳ないです。これから彼には様々な出会いが起こります。そのたくさんの出会いの中で彼は何を見つけられるのか、これからの展開にぜひご期待ください!

 

※セリフなどの時に1行開けるのは見やすくするためです、特に意味はありません。



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Aqoursのみんな、そして俺 2話 〜ご注文はみかん少女ですか?〜

皆さんこんちには、私です。アルス零式です。
連載が始まった「Aqoursのみんなと平凡彼」、ついにみかんの娘が登場します!
それでは本編、スタートです!


ご近所に挨拶をしに歩いていると立派な旅館を見つけた。

十千万旅館と書いてある。これまた立派で豪華な匂いがするな。

 

湧「こんにちは、今日ここに引っ越してきたものです。ご挨拶に来ました。」

 

??「あらあら、遠いところお疲れ様。ここじゃ見ない顔だけど、引っ越してきたの?」

 

湧「はい、今日ここに引っ越してきた前島湧矢です。引っ越してきたのでご近所さんに挨拶をしておこうかと思いまして。」

 

??「それは、遠いところご苦労さま。私は高海志満、よろしくね。」

 

随分おっとりとしている人だ、とこの時の俺は思った。実際見た感じだととても優しそうだ。

 

??「ただいまーって…この人は?」

 

志満「こら、引っ越してきた人に失礼でしょ?ちゃんと挨拶しなさい?」

 

??「あぁ、引っ越してきた人なんだ。ごめんね?私は高海美渡、志満ねぇの妹だよ。」

 

湧「いえいえ、気にしないでください。自分だって時間とか全く気にせずにここに来てますし。」

 

美渡「礼儀正しくていいねぇ、これからよろしくね〜」

 

大雑把な感じの性格だと第一印象では思った。でもすごく美渡さんも美人だ。

 

志満「そういえば、君の1歳下の妹がいるの。今呼んでくるからね。それまではお茶を出すから飲んで待っててね。」

 

湧「あ、はい。ありがとうございます。」

 

志満「千歌ちゃーん、ご近所さんに挨拶しなさーい。」

 

??「はーい!」

 

随分と元気な声だな。俺はこの元気な声に耐えられるだろうか…

 

??「はじめまして!私は高海千歌、ここの旅館の姉妹の中の末っ子だよ!よろしくね!ところで、あなたの名前は?」

 

うわぁ、めちゃめちゃ元気。あと何故か俺が1番気になっていたのは俺に挨拶している間頭のアホ毛がアンテナのように動いていたことだ。

 

湧「あぁ、まだ言ってなかったな。俺は前島湧矢。両親の仕事の関係で昨日ここに引っ越してきたんだ、よろしくな。」

 

千歌「そういえば、ここの周辺はもう見た?」

 

湧「いや、まだだな。今日ここに来たばかりだからまだ何も。バスが来るまでは少し沼津を歩いたがまだここの土地感にも慣れてないんだよ。」

 

千歌「じゃあ私が案内してあげる!行くよ!」

 

湧「お、おい、ちょっと待ってくれよ!志満さん、お茶ありがとうございました。美味しかったです。」

 

志満「お粗末さまです、またいつでも来てね〜」

 

〜外にて〜

 

千歌「そういえば、あなたは今何年生なの?私は今高校2年生なんだ。」

 

湧「俺か?俺は今高校2年生だな。4月から高校3年だよ。」

 

千歌「へぇ〜、じゃあ果南ちゃんやダイヤさんと同じだね。私たちね、この先にある浦の星女学院でスクールアイドルやってるんだ!」

 

湧「スクールアイドル?なんだそりゃ、聞いたことも無いな。」

 

千歌「えー!?知らないの!?あんなにキラキラしてるのに!?」

 

(驚きすぎだろ!あと顔が近い!なんか女の子特有の匂いがするし!)

 

湧「いや、俺がいた街だとそんなものはなかったからな。知らんけど…あ、でも俺の友達はめちゃめちゃ詳しいな。」

 

千歌「じゃあ今度教えてあげる!連絡先教えて?」

 

湧「おう、L〇NEでQRコード表示してくれ。」

 

こうして俺と千歌は連絡先を交換した。そして2人で内浦の街を歩くことにした。

 

湧「そういえば、高海はスクールアイドルをやってるって言ってたな。」

 

千歌「うん、確かに言ったよ。」

 

湧「楽しいのか?」

 

千歌「うん!練習は確かに大変だけどそれでもライブとかをやると楽しいんだ!今度練習見に来る?」

 

湧「ほえぇ〜って、いやいや!高海が通ってるのって女子校だろ?男の俺なんかが入っていいわけないだろ!」

 

千歌「あ、それもそうだった。えへへ〜」

 

アホなのか?この子はとんでもないアホなのか?言ってしまっていいのか分からないがこの子がアイドルをやっていて本当にいいのだろうか…と彼女と歩きながら俺はそう思うのだった。

 

湧「そういえば、高海はスクールアイドルのどこが好きなんだ?」

 

千歌「うーん…どこがって言われると答えにくいな…」

 

あ、これはなんかまずい質問したかもしれん。俺はなんてことを質問してるんだ…

 

千歌「全部…かな。ひとつに絞れないんだ。東京でμ‘sを見てから私も輝きたいって思ったわけだし、でもひとつに絞れないくらい楽しいんだ!」

 

湧「なるほどな、高海のスクールアイドルへの思いっていえばいいのかな?よくわかったよ。好きなんだな、μ‘sも、スクールアイドルも。」

 

千歌「うん!そういえば、あなたはどこの高校に行くの?」

 

湧「え?いや…なんも聞いてないんだが…」

 

千歌「え…ここら辺だと浦女以外に高校なんて無いよ?こっから沼津の高校だと相当時間かかるけど…」

 

湧「ウッソだろおい…まさかの俺ここに来て高校は入れないのかよ…」

 

千歌「だいじょーぶ!きっと見つかると思うよ!」

 

湧「そんなに楽に言わないでくれよ…俺の人生かかってるんだぞ…」

 

高校のことで悩んでいるうちに太陽は西へ傾きつつあった。腕時計を確認すると17:30を指していた。

 

湧「おっと、もうこんな時間か。そろそろ夕飯の材料を買いに行かないとな。そんじゃあ高海、俺はこの辺で。じゃあな!」

 

千歌「うん!またね!高校見つかるといいね!」

 

夕飯を済ませ、風呂に入り、父さんに電話をかけることにする。

 

父『もしもし?どうした、こんな時間に。』

 

湧「どうしたじゃねぇよ…俺の高校のことで聞きたいことがあるんだよ。ここに引っ越したはいいけどさ、俺って高校どこに入ればいいんだ?」

 

父「あぁ、その事か。お前の新しい高校生活の舞台は浦の星女学院だよ。」

 

え…ちょっと待て。今父さんはなんて言った?浦の星女学院?嘘だよな?嘘だって言ってくれよ?

 

湧「ごめん、めっちゃ疲れててよく聞こえなかった。もう1回言ってくれないか?」

 

父「だから、浦の星女学院だって。」

 

やっぱ聞き間違いじゃなかったよ…なんでよりにもよって女子校なんだよ…

 

湧「おい父さん、冗談は辞めてくれよ。あそこは女子校だろ?男子の俺が入れるわけないじゃないか。」

 

父「あぁ、言ってなかったな。今年から浦の星女学院は共学になるんだよ。それにあたってテスト生を募集しててな。理事長の方にも理事長の親の方にも話は通してあるから、まぁ頑張れ。」

 

湧「あっちょ、待てよ父さん!…って切れてるし…」

 

湧「はぁ…なんで女子校に入ることになるんだよ…絶対変な目で見られるじゃん…何故か今まで心を開いてきた父さんを疑うよ…まぁいいや。今日はもう疲れたし、寝るとするか。まだ学校が始まるまでは時間があるし、色々回ってみるかな。」

 

こうして俺は浦の星女学院に共学化テスト生として編入することになったのだった。

 

 




改めて第2話、どうでしたか?
全員がでてきたら彼の過去となります。ちなみに、今年から高校3年生ということはちかちゃんはまだ高校1年生ということになりますね。
次回はあの飛び込み少女が登場します。千歌ちゃんも出ますよ!
では次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺。 3話〜飛び込み少女と水泳好きな俺〜

第2話をご覧になっていただき誠に感謝します!話の方ですが、全員が登場してから彼の過去という形でやっていこうかと思います。
さて、今回は飛び込み少女が登場します!
それでは本編、スタート!


ピピピピピッ!

携帯のアラームが耳元で鳴り響く。それと同時に俺の意識は夢から現実に引き戻される。

 

湧「うーん…まだ昨日の疲れが残ってるな…それにしても浦の星女学院に俺が編入とは…人生何があるのかわからんな。」

 

そう、昨日の夜電話越しに父さんに言われたのは俺の編入先の高校のことについてだ。理事長に話も通してあるとか言ってたけどどんだけ用意がいいんだよってこの時の俺は思ってしまった。と言うよりも他言無用なのは仕方ないのかもしれないが女子校に男子1人なんて心細くて仕方ない。

 

湧「はぁ…うだうだ言ってても何も始まんないしな。」

 

ピンポーン!

 

湧「ん?あぁ、多分引越し屋さんだな。荷物は確か今日辺りに全部届くって話だったし。さて、俺の快適な勉強ライフを過ごすための部屋を完成させるとするか。」

 

そんなことを呟きながら俺は玄関のドアを開けた。

 

??「おっはヨーソロー!あなたが昨日引っ越してきた人?」

 

ん?あれ?引越し屋さんじゃないぞ?そっかー疲れてるから幻覚が見えてるんだな。

 

湧「ごめんなさい、多分人違いですよ。」

 

そう言ってドアを閉める。

 

ピンポンピンポンピンポン!

 

湧「だあぁ!わかった!わかったから!とりあえずこんな朝から家のチャイムを乱打しないでくれ!引越しそうそう近所迷惑になっちまうだろ!一旦家入れ…」

 

??「あ、やっとでてきた。」

 

湧「ほい、お茶でよかったか?」

 

??「ありがとう。あ、自己紹介がまだだったね。私は渡辺曜、今年で高校2年生。千歌ちゃんや梨子ちゃんと同じなんだ。」

 

湧「そっか、高校2年か。俺は前島湧矢。今年で高校3年だ。お願いだからもう朝から家のチャイム乱打はやめてくれよ?」

 

曜「わかった、もうやらないよ。」

 

湧「わかればいいんだよ。あ、そういえば渡辺ってなんかスポーツとかやってるのか?」

 

曜「え?うん、やってるよ。私はね、高飛び込みをやってるんだ!よく私がスポーツやってるなんてわかったね。」

 

湧「まぁ、立ってる時の姿勢とかでおおよそ分かったよ。…それにしても高飛び込みか。また珍しいものやってるんだな。」

 

曜「へぇ〜姿勢でわかるんだね。そういう前島くんは?何かやってるの?」

 

湧「俺か?俺は水泳だな。これでも県大会までは行けるほどの実力なんだよ。」

 

曜「水泳やってるの?じゃあ今度競走しようよ!私もこう見えて早いんだよ?」

 

湧「お、夏になったらやるか?」

 

曜「うん!そういえば千歌ちゃんには会った?」

 

湧「あぁ、昨日挨拶には行ってきた。一応連絡先も交換はしたな。」

 

曜「え、連絡先も交換したの!?うーん…そうだ!」

 

突然何かを閃いたのか、携帯を取り出す渡辺。一体何をするつもりなのだろうか。

 

曜「ねぇ!連絡先教えてよ!」

 

湧「お、おう。了解。」

 

こうして俺は渡辺と連絡先を交換した。

 

曜「ねぇ、この後千歌ちゃんと沼津に行く予定なんだけど一緒に行かない?」

 

湧「おう、着替えてくるからちっと待っててくれないか?」

 

曜「うん!」

 

〜十千万旅館からバス停までの間の会話〜

 

千歌「あ!前島くん、おはよー!どう?高校の方は見つかった?」

 

湧「おっす。それがあんまり。まぁ、沼津の高校に行くとは思うけどな。」

 

曜「え、ここからだとすごく遠いよ?」

 

湧「まあ、そこは俺の生活の方を変えればなんとかなるだろ。お、バスが来たみたいだな。」

 

曜「さすがに無理して生活まで変える必要ってないんじゃない?」

 

千歌「そうだよ、無理は体に良くないんだから。」

 

心配してくれるふたりの女の子に正直俺は心を救われてるよ…

 

沼津にて〜

 

バスでおおよそ20分くらい、料金が圧倒的に高いのがたまに傷だがなんだかんだで沼津に到着。

 

湧「それで、2人はここに何を買いに来たんだ?」

 

千歌「新しい衣装の材料だよ!」

 

湧「そっか、自分たちで衣装とかも作ってるんだったな。改めて考えると大変だな、それ。」

 

曜「でも作り終えた時の達成感と、ライブの時に着ることが出来るって考えるとワクワクしちゃうんだよね〜」

 

湧「ほえぇ〜」

 

千歌「あー!絶対わかってなさそうな顔してる!これは私の家でスクールアイドルとは何かってところから徹底的に知識を叩き込まなきゃダメかな?」

 

湧「それは勘弁だな。」

 

そんなことを喋りながらも目的の店に到着。雑貨屋で衣装を作ってるんだな。どうやったらあんな衣装が出来上がるのだろうか…

 

曜「それじゃあ選ぼうか。」

 

〜なんやかんやで小一時間後〜

 

めちゃめちゃたくさん衣装の材料を買った。なお、俺は現在荷物持ちとしてしっかり働いてます。意外と重いんだな、量があるからなんだろうけど。

 

千歌「あ、そういえば前島くんにお願いがあるんだ。」

 

曜「あ、私も。」

 

湧「なんだよ、お願いって。無理のない範囲でなら聞いてやるけどよ。」

 

千歌「ホント!?じゃあ、私たちからのお願いはね…」

 

2人「「私たちAqoursのマネージャーになってください!!」」

 

…は?今なんと?マネージャーに?いやいや、お願いってなにか奢ってとかだと思ってた!マネージャーとかやった事ねえよ!

 

湧「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺はてっきりなにか奢ってとかだと思ってたんだが…」

 

千歌「えー!でも聞いてくれるって言ったじゃん!」

 

曜「そうだよ!男に二言は無いってよく言うじゃん!」

 

ぐっ痛いところをついてきやがる…仕方ない。聞くと言ったのは俺だし、男に二言は許されないって言うし…父さんにもそう教えられてきたし…

 

湧「わかった。やってやるよ。Aqoursのマネージャー。」

 

千歌「ホント!?わーい!ありがとう!」

 

だから近いんだってば!当たってる!女の子としての部分が俺の胸のあたりに当たってる!

 

曜「本当にいいの?」

 

湧「当たり前だろ?男に二言はない!」

 

そんな感じで、俺はAqoursのマネージャーになったのだった。




3話をご覧頂きありがとうございます。なんと彼がAqoursのマネージャーにこんなに早い段階でなるとは…書いてた自分も正直こんなに早くていいのか心配ですw
次回はピアノ少女です。
まだ主人公前島湧矢くんのことについて書いてなかったのでここで詳しく紹介します。

本名:前島湧矢
身長:178cm
年齢:17歳(今年の4月から高校3年)
出身地:浜松
高校の時に所属していた部活:水泳部
趣味:水泳、ゲーム、読書
特技:水泳


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Aqoursのみんな、そして俺 4話 〜ピアノ少女と同人誌〜

第3話をご覧頂きありがとうございます。
4話ではついにピアノ少女こと、桜内梨子ちゃんが登場します!Aqoursのマネージャーになることになった湧矢、ここから先彼の身に何が起こるのか…それでは4話ご覧下さい!


湧「男に二言は無いとか言って引き受けたけど…実際アイドルと一般人に変わりないんだよな…はぁ…気が重い…」

 

そんなことを呟きながら付近を散歩しているとどこからかピアノの音色が聞こえてきた。

 

湧「綺麗な音色だな…なんかさっき考えてたことが馬鹿らしくなってきたや。」

 

俺は音を頼りにピアノの音色の発生源を探すことにした。

 

〜30分後〜

 

湧「ここっぽいなって、よく見たら千歌の家の隣じゃないか。」

 

そんなことをボヤいていると隣から千歌が出てきた。俺を見つけるなり元気な声が聞こえる。

 

千歌「あ!おーい!前島くーん!」

 

湧「おっす。相変わらず元気だな。」

 

あといちいち俺に挨拶をする度に頭のアホ毛が動くのが気になる。

 

千歌「それで、梨子ちゃんの家に何か用でもあるの?」

 

湧「いや、これといって用はないな。ただ綺麗なピアノの音色が聞こえてきたからさ、誰が引いてるのか気になって音を頼りにここまで来たんだよ。」

 

千歌「へぇ〜。あ、ついでだから梨子ちゃんに挨拶していきなよ!私梨子ちゃん呼んでくるね!」

 

湧「あ、おい!…って行っちまった…」

 

俺が呼び止めようとしたが千歌はもう玄関のチャイムを鳴らしていた。それから程なくしてワイン色の髪をした綺麗な少女がでてきた。

 

??「はーい…って、千歌ちゃん?どうしたの?」

 

千歌「あ、梨子ちゃん!歌詞が完成したから1回見てほしいんだけど…」

 

梨子「随分と完成が遅いけど…まぁいいよ。…ところで千歌ちゃん、あの人は?」

 

千歌「あぁ!すっかり忘れてた!この人は前島湧矢くん。この間内浦に引っ越してきたんだ。」

 

湧「こんにちは、高海の紹介じゃ内容不足だと思うからここで少し補足しとくな。改めて俺は前島湧矢。今年で高校3年だ。よろしくな。」

 

梨子「うん、よろしくね。」

 

湧「うん、やっぱりどこかのアホと違って落ち着いた雰囲気がある。」

 

千歌「ちょっと!今アホって言った!?言ったよね!?」

 

湧「昨日沼津で衣装の材料買った時にAqoursのマネージャーになれって言ってきたのはどこのどいつだ?」

 

千歌「うぅ…それを言われちゃうと反論できない…」

 

梨子「千歌ちゃん、いきなりマネージャーになってって誘うのは良くないよ?すみません前島さん、迷惑じゃありませんでしたか?」

 

湧「俺は全然問題は無いから。それより歌詞とメロディーを合わせるんじゃなかったのか?」

 

千歌「あ、そうだった。」

 

梨子「千歌ちゃん…」

 

湧「お前…ほんとアホだろ…」

 

千歌「うわーん!梨子ちゃーん!前島くんが千歌のこといじめるー!」

 

そんなことをしながら俺達は千歌の作った歌詞とメロディーを合わせる作業をするのだった。

 

〜2時間後〜

 

千歌「これで完成だね!ありがとう!」

 

梨子「うん、無事完成してよかったね。」

 

湧「千歌の歌詞もよかったが桜内のピアノの音色がすごく綺麗だったな。じつはさ、散歩をしている時に桜内のピアノの音色が聞こえてきたんだ。それで音色の発生源はどこかって思って歩いてたらここに来たんだよ。」

 

梨子「そうなんだ。ピアノの音色を褒められるのは素直に嬉しいな。あ、お茶持ってくるね。」

 

湧「お、おう。」

 

桜内はそういうとお茶を持ちに行った。

 

湧「ん?なんだこれ。」

 

俺はベッドの下で奇妙な本を発見した。

 

湧「壁ドン…?しかも中を見た感じだと完全にあっち系の本だな…」

 

そう言っていると部屋のドアが開かれ、桜内がお茶を持って立っていた。しかし、俺が持っている本を見ると突然顔色を変えた。

 

梨子「だめええぇぇぇ!」

 

そんな桜内の悲鳴に近い叫び声が響き渡ったのだった。

 

湧「まあ、女の子がこんな本を持ってても違和感は感じないけどな。」

 

梨子「そういう問題じゃないの!」

 

湧「お、おう。」

 

なんだか気まずい空気になった。

 

湧「さ、桜内も意外とこんな感じの本を読むんだな。」

 

梨子「悪い?」

 

湧「いやいや、そうじゃなくて。」

 

梨子「じゃあどういう意味?」

 

湧「なんだか、珍しいって言うか、意外と乙女っていうか…」

 

梨子「意外とは余計でしょ?」

 

湧「見られたくないものは人間やってればいくつかは出来るさ。でもさ、見られたくないよりも、見られて恥ずかしいってことの方が強いってことだろ?俺は見られて困るものとか基本ないからこんな感情が羨ましくてさ…」

 

梨子「そうなんだ…」

 

湧「あぁ!なんか湿っぽい話にしてごめんな?そうだ、トランプとかしないか?」

 

梨子「それならポーカーなんてどう?」

 

湧「お、ポーカーかぁ。俺意外と強いぜ?」

 

梨子「私も負けるつもりは無いよ?」

 

そして俺と梨子はトランプでポーカーなどをやって遊んだ。気がつくと太陽が西へ傾いている。

 

湧「じゃあ桜内、俺はこの辺で。」

 

梨子「あ、うん。またね!」

 

笑顔で桜内は手を振ってくれたのだった。




いかがだったでしょうか?梨子ちゃんの部屋に落ちている同人誌をたまたま彼が発見してって展開で書きました。
次回はお寺の娘と臆病な娘が一気に登場します!さすがに個別で書くにはあの二人は難しいと思い、一気に登場させる形になってしまいました。

次回も是非ご覧ください!


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Aqoursのみんな、そして俺 第5話 〜文学少女との再開、そして紅玉との出会い〜

投稿遅れて申し訳ございません!リアルが忙しくてあんまり時間が確保できませんでした。前回までは2年生との回でしたがいよいよ今回から1年生に突入していきます。初めから2人一気に出してますが個別よりも描きやすいのではないかと個人的に思ったのでこうしました。
花丸ちゃんとの再開ではありますが改めて自己紹介する形にします。
それでは本編、始まります。


俺は沼津に来ていた。何故なら、検定を取得するために漢字、英語の問題集と参考書を買いにここにいるからだ。

 

湧「よし。これで検定の問題集は問題ないだろ。…ん?あれって…」

 

そう言ってレジに向かおうとすると大量の本を持った女の子がいた。

 

湧「あれ…あの子って確か…」

 

花丸「うぅ〜ん…重いずら…」

 

そう、俺が沼津に引っ越してきた時に初めてあったあの少女である。

 

湧「おいおい、大丈夫か?」

 

花丸「ずら?あれ?この前どこかで会った気がするずら…」

 

湧「重くないか?良かったらレジまで半分持ってくぞ?」

 

花丸「マルは大丈夫…ずら!?」 ドテッ!

 

湧「ほら…言わんこっちゃない…」

 

その子は盛大に転んで本をぶちまけてしまった。慌てて本を拾う。

 

湧「ほら…大丈夫か?怪我とかしてないか?」

 

花丸「怪我はないずら。でも盛大に転んじゃったずら…」

 

湧「まぁそう気を落とすなって。半分持つぞ?君1人じゃまた転んじまうかもしれないからな。」

 

そう言って俺はそのこの本を半分持つ。そしてその子と一緒にレジに向かうのだった。

 

店員「ありがとうございました〜」

 

店を出て俺は帰ろうとすると後ろから声がかかった。

 

花丸「あの!本を持ってってくれてありがとうございました!」

 

湧「ん?あぁ、問題ねぇよ。相変わらずその風呂敷に入れてくんだな。重くないか?」

 

花丸「マルは大丈夫…」

 

そう言ってはいるが明らかに足がふらついていた。おそらく体力もあまりないだろう。転んだせいで足も腫れていた。

 

湧「貸してみな。俺が家まで持ってくよ。また転んで怪我するかもしれないしな。」

 

花丸「良いんですか?じゃあお願いするずら。」

 

湧「おう、任せな。…って、本もこれだけ入ってると結構重いんだな。」

 

俺が持っている本も合わせればかなりの重さだった。そう言いつつその子の本も持ちながら帰っていると俺の隣にいる子が急に声を出した。

 

花丸「ん?あれって…ルビィちゃん!」

 

??「あ!花丸ちゃん!…ピギィ!」ドテッ!

 

こちらに向かって走っていた女の子も盛大に転んだ。あれ、なんだこれ。デジャブ?

 

花丸「ルビィちゃん!大丈夫?」

 

??「うん…」

 

湧「おいおい、なんかさっきと同じ光景をどっかで見たぞ…君、大丈夫か?怪我とか無いか?」

 

??「はい…ピギィ!」

 

その子は特徴のある悲鳴をあげながらブラウン色の髪の子の後ろに隠れてしまった。女の子に悲鳴を挙げられるのなんて人生で初めてなんだが…

 

花丸「ごめんなさい。ルビィちゃん、極度の人見知りで男性の方が苦手で…」

 

湧「なんだ、そうだったのか。えーっと、ルビィちゃん?驚かせてごめんな。」

 

ルビィ「はい…こちらこそ急に悲鳴をあげたりなんかしてごめんなさい…」

 

なんかお互い謝る形になってしまった。

 

湧「あ、自己紹介がまだだったな。俺は前島湧矢。先日ここに引っ越してきたんだよ。」

 

ルビィ「黒澤ルビィです。」

 

湧「へぇ〜宝石系の名前なんて珍しいな。黒澤って名字もあんまり聞かないな。」

 

ルビィ「はい、内浦の方では有名な名前なんです。」

 

湧「なるほど。」

 

花丸「そういえば、前島さんは高校生ですか?」

 

湧「あぁ、今年で高校3年だな。君たちは?」

 

ルビィ「お姉ちゃんと同い年なんですね。」

 

湧「ん?お姉さんがいるのか?」

 

ルビィ「はい。今年で高校3年生になるお姉ちゃんがいるんです。お姉ちゃんはルビィと違ってとっても綺麗で…」

 

湧「そんなに自分を過小評価するな。君も十分綺麗だ。」

 

ルビィ「え…綺麗…?///」

 

湧「あぁ、十分綺麗だよ。まだ君のお姉さんを見てないからお姉さんがどんな人か分からないけどな。」

 

花丸「前島さん、ルビィちゃんを口説くのはその辺にするずら。」

 

湧「おいおい、口説いてはないぞ?」

 

花丸「明らかに口説いてたずら。見るずら。ルビィちゃんが真っ赤ずら。」

 

湧「うわ!ホントだ!」

 

そんな他愛もない話をしながら俺達はバス停に向かった。3人でバスに乗り込む。すると俺が前まで住んでいた場所の話が始まった。

 

花丸「前島さんはどこから引っ越してきたんですか?」

 

湧「俺は浜松から引っ越してきたんだよ。」

 

ルビィ「浜松ってどんな所なんですか?」

 

湧「うーん…どんな所って言ってもなぁ…沼津とあんまり変わらないな。駅周辺はかなりビルとかあるけどそれ以外は…って感じだな。あと俺が前まで通ってた高校があるくらいだな。」

 

花丸「高校はどこに編入なんですか?」

 

湧「それがまだわからないんだよ…父さんも何も言ってくれないし…」

 

ルビィ「あ、あはは…」

 

俺が前まで住んでいた場所の話や編入する高校の話をしていると俺の家の近くの駅に着いた。

 

湧「おっと、そろそろ俺の家だな。降りなきゃ…と言いたいが明らかに花丸の本のことが不安だしな…」

 

花丸「おらは問題ないずら」

 

湧「おい、それさっき盛大にすっ転んだ自分を見ても言えるか?」

 

花丸「うぅ…」

 

湧「家まで持ってくって約束だろ?別に勉強の時間はいつでも確保出来るし問題ないよ。俺は花丸がまた怪我しないか心配なんだよ。」

 

花丸「じゃあ…お言葉に甘えて…」

 

湧「おう、任された。あと俺は堅苦しいの嫌いだし、敬語じゃなくていいぞ?」

 

ルビィ「え?いいの?」

 

湧「あぁ、俺はむしろそっちの方が話しやすいな。」

 

ルビィ「じゃあこれからこっちにするね。」

 

そういって俺達はバスに揺られるのだった。すると花丸がこんな質問をする。

 

花丸「そういえば前島さんも本を買ってたけど、なんの本を買ったずら?」

 

湧「あぁ、その事か。これは検定のやつだよ。検定に向けた勉強をしてるって感じかな。」

 

ルビィ「前島さんはいくつ検定を持ってるの?」

 

湧「うーん…確か…漢字検定2級、英語検定2級、情報処理検定3級、簿記検定3級、電卓検定1級、文章力検定3級くらいだったかな…確かまだいくつか持ってたはず…」

 

花丸「み、未来ずら…」

 

ルビィ「うゅ…」

 

湧「あれ、なんで若干引いてるの?」

 

検定の話をしていると花丸の家の近くに着いた。

 

湧「この辺までで大丈夫か?」

 

花丸「ここまで来ればあとは一人で大丈夫ずら。」

 

湧「じゃあな。またどっかで会ったらまた話そうな。ルビィも、またな。」

 

花丸「うん!」

 

ルビィ「うん!」

 

そう言って俺と花丸は別れた。その頃には太陽が西に傾いていた。

 

花丸「前島さん、いい人だったずらね。」

 

ルビィ「うん、それに優しい人だったね。」

 

ルビィ「また会えるかな…?」

 

花丸「きっと会えるずら。」

 

湧「へっくしゅん!…誰か噂でもしてんのか?っといかんいかん。集中集中…」

 

誰かに噂されてるとも知らず、俺は勉強に取り組むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。ちなみに私が通っている高校ではこれにプラスしてもう3個くらい検定を取らされます。
彼はもう社会に出ても困らないでしょうね…
次回は遂にあの堕天使が…
次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第6話〜不幸な堕天使は普通になりたい〜

皆さんこんにちは、そうです、私です。
前回はルビィちゃんと花丸ちゃんが一緒に登場する話でした。今回はみんな大好き、堕天使ヨハネ様です。

それでは本編、スタート!


1度検定の勉強を切り上げ、俺は海を見に浜辺に来ていた。

 

湧「う〜ん、やっぱり海はいいな。心が落ち着く。潮の香りが心地いい…」

 

潮風がなびき、勉強での疲れが和らぐ。検定への勉強での疲れか、つい浜辺に寝転んでしまう。このクセ早めに治さないといけないかもな。

 

湧「検定まではまだ日数あるけど今回受験する級はトップクラスで難しいからな…かといって疲れたまま勉強しても頭の中に執着するわけじゃないし…少しこのまま寝るか…」

 

そう言って俺は浜辺で寝ようとする。すると奇妙な言葉が聞こえた。

 

??「聞こえます…天界からの導きが…」

 

湧「うん?なんだこれ…魔法の詠唱でもやってんのか…?」

 

奇妙な詠唱のようなものが聞こえたので起き上がり辺りを見回す。すると頭にお団子をのせ、そのお団子に黒い羽を刺した少女がなにやら奇妙な言葉を呟いていた。

 

湧「うわぁ…何やってんだあれ…こういうのには関わらない方がいいな。ここじゃなくて家に帰って寝ることにしよう。」

 

そして帰ろうとして身体を起き上げ、帰ろうとする。すると、何もない砂浜で足を取られて転んだ。

 

湧「え、なんでこんな所でコケたんだ…?」

 

再び立ち上がり歩く。すると再び足を取られて転んだ。

 

??「誰…このヨハネの結界に足を踏み入れたのは…?」

 

湧(ヨハネ…?なんだそれ…)

 

ヨハネ「逃げようとしても無駄よ…あなたは既にヨハネの結界の中から出られない…」

 

湧「結界…?何言ってんだお前…」

 

言葉を聞いただけで一瞬にしてわかった。彼女、中二病というものだ。まさかここで出会うとは思わなかったが…

 

ヨハネ「このヨハネの結界に足を踏み入れて何も無いまま帰れるなんて思わないでちょうだい。この結界に足を踏み入れた時からあなたは既にヨハネの虜…クックック…」

 

湧「えーっと…とりあえず頭の中を整理してもいいか?」

 

ヨハネ「そんな暇を与えるつもりは無いわ。あなたには私、堕天使ヨハネのリトルデーモンとして契約してもらうわよ。」

 

湧「うん、人の話くらいちゃんと聞けや。まぁ、契約するつもりなんて1ミリたりともないけどな。そんじゃ、俺はこれで。」

 

そして帰ろうとする。しかし、俺はまた転んでしまうのだった。

 

ヨハネ「ダメよ。このヨハネと契約しない限り、あなたはここから出られない。」

 

湧「くっそ…なんだよこれ…本当に今日はついてないな…」

 

ヨハネ「きっと私の不幸体質がうつったのでしょう。あぁ、私ってなんて罪な堕天使なのかしら…」

 

湧「どうやら、まともに話し合って解決できるわけじゃなさそうだな…しょうがない、少しばかり付き合ってやるか…」

 

そして俺は中学の時によくやっていたポーズをする。そして、完全中二病モードに入る。これ、やってて恥ずかしいから封印してたんだよな…

 

湧「フハハハハ!堕天使ヨハネとやら!我を誰と心得える!堕天使ルシファー以上の力を持つこの我と対等に戦えるとでも思っているのか?」

 

ヨハネ「なんですって?あのルシファー以上?あなた、名前は?」

 

湧「フッ…我が名は竜騎士アレス。ヨハネとやら、この名を聞いてもなお我と対等にやれると?」

 

ヨハネ「クッ…このヨハネを舐めないでちょうだい!アレスだって、すぐにヨハネの虜にしてヨハネのリトルデーモンにしてやるんだから!」

 

そんなふうにノリノリになった所で俺は普通に戻る。

 

湧「ってことで帰っていいか?これやるの恥ずかしいから…////」

 

ヨハネ「うふふ、顔を真っ赤にして可愛い反応ね。」

 

湧「ヨハネとかはどうでもいいや、俺はお前の本名が知りたいんだが。」

 

ヨハネ「うぅ…」

 

湧「わかったよ。じゃあ、携帯あるか?俺の連絡先教えるから、お前の連絡先も教えてくれ。」

 

そして俺達はL〇NEでお互いの連絡先を交換する。

 

湧「改めて自己紹介からしとこうか。俺は前島湧矢。先日ここに引っ越してきた。よろしくな。お前の名前は…津島…善子か。」

 

善子「善子ゆーな!」

 

湧「なんだ、意外とかわいい声してんだな。」

 

善子「か、かわいい!?////」

 

湧「あぁ、可愛い声だと思うぞ?堕天使モードもよかったがこっちの方が俺は好きだな。」

 

善子「え!?好きって!?好きって!?////」

 

湧「おいおい、混乱しすぎだろ…ほら、深呼吸して少し落ち着け。」

 

数分後〜

 

湧「落ち着いたか?」

 

善子「ええ、お陰様で。」

 

湧「そいつは良かった。」

 

善子が落ち着いたところで俺は話を切り出す。

 

湧「そういえば…津島はなんでここでこんなことをしてたんだ?」

 

善子「…ここなら誰にも見られないと思ったのよ。」

 

湧「現に今俺に見られた訳だが?それについてはなんかあるか?」

 

善子「何も無いわよ!」

 

湧「…そうか。」

 

善子「私ね、小さい頃は自分は天使だと思ってたの。いつか羽が生えて天界に帰るんだと思ってたの。」

 

湧「天界に帰る…か。」

 

善子「ヨハネはね、生まれつき不幸な体質なの。遠足の日は決まって雨、受験の日には熱で受験すら受けられない、何も無いところでも普通に転ぶし…」

 

うわぁ…聞いてるこっちが申し訳ない…なんかこれだけ辛いことが連続するともう呆れるな…

 

湧「大変なんだな…お前も…」

 

善子「同情ならいらないわ。」

 

湧「よし、ならこの俺アレスがお前のその不幸すぎる体質を全部もらってやる。そしたらお前も普通のかわいい女の子になれるだろ?」

 

善子「そんなこと!不可能に決まってるじゃない!」

 

湧「最初からそうやって全部決めていいのか?俺はむしろお前のその不幸な出来事を全て無くしてやるって言ってるんだぜ?」

 

善子「…わかったわよ。私の不幸体質、あなたにあげる。」

 

湧「むしろこっちの方が俺からしたらちょうどいいくらいだ。何も無い平凡な日々なんて、過ごしてて楽しくないもんな。むしろ俺が退屈な時間を過ごしてた分だけ、お前は普通の日々を精一杯楽しみな。」

 

善子「わかったわよ。」

 

湧「そんじゃ、帰るとするか。良かったら一緒に行かないか?」

 

善子「良いわよ。このヨハネの不幸な体質を貰ってくれたあなたの頼みだもの。」

 

そう言って俺達はバス停に向かって歩き始めた。

正直、善子の不幸体質をもらっても3日間なんともなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ヨハネ様の不幸な体質をもらっても彼はなんともなかったみたいです。
次回からいよいよ3年生組に突入します。それが終わったら浦の星での学校生活、彼の過去編となります。

次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第7話 〜編入試験と大和撫子な生徒会長〜

皆さんこんにちは、そうです。私です。
6話を読んで下さりありがとうございます。今回からついに3年生が登場します。ようやく彼の編入先の学校の話に本格的に入っていきます。

それでは、第7話始まります!


先日、浦の星女学院から連絡があった。入学試験をするため学校に来て欲しいとの事らしい。

 

湧「本当に浦の星女学院なんだな…今でも信じられねぇよ…」

 

未だに自分が女子校にたった一人の男子だということが信じられない。当然だ。本来なら女子しかいない場所なのだ。男子が入学できるわけがない。

 

湧「でも現実なんだよなぁ…っと、そろそろ出ることにするか。」

 

そして俺は浜松に居た頃の学校の制服に着替え、浦の星女学院に向かうのだった。

 

浦の星女学院にて〜

 

湧「坂キツすぎだろ…バス代はそこまでかからなかったが…」

 

バス代自体はそこまでかからなかった。しかし、学校までの道のりが長かった。オマケに物凄い坂。なんやかんやで俺は今浦の星女学院の正門にいる。正門に着くと黒髪のいかにも大和撫子な人が待っていた。

 

??「お待ちしておりました。あなたが今回共学化テスト生で入学する前島さんですね?」

 

湧「はい。本当に浦の星女学院に編入になったんですね…俺…」

 

??「今更何を言ってるのです?」

 

湧「いえ、その…父からは新しい学校はここだって言われてはいましたけど…まだ本当にここなのか信じられなくて…」

 

??「あなたのお父様から私も理事長も話は聞いておりますわ。安心してください、あなたの新しい学校はここ、浦の星女学院ですわよ。」

 

湧「よかった…嘘ではないんだな…」

 

??「それでは編入試験を開始致しますので私についてきてください。」

 

湧「あ、はい。」

 

そして俺は編入試験が行われる教室に行った。

 

??「それでは編入試験を開始致します。そちらにある3教科、現代文、数学、英語のテストを行います。全て出来たら私に渡してください。提出してから30分後に面接を行います。」

 

流れの解説の後、直ぐに編入試験が行われた。正直、ある程度の知識を持ち合わせていれば大体の点数は取れるテストではあった。

 

湧「終わりました。」

 

??「随分と早いのですね。」

 

湧「いえ、それほどでも。中学の勉強と多少の高校での知識があれば全然解ける問題でしたよ。ここの先生は本当にいい問題を作りますね。」

 

??「あら、まさか問題を褒められるとは思いませんでしたわ。」

 

面接の試験まで少し時間があるので試験管の生徒と会話する。

 

??「申し遅れました。私、黒澤ダイヤと申します。」

 

湧「自分も自己紹介が遅れて申し訳ございません。前島湧矢です。」

 

ダイヤ「そろそろ時間ですね。生徒会室で面接を行います。私についてきてくださいませ。」

 

ダイヤさんの指示で生徒会室に向かう。

 

生徒会室にて〜

 

ダイヤ「それでは、今から面接を行います。」

 

湧「よろしくお願いします。」

 

ダイヤ「まず、この学校でやりたいことを教えてください。」

 

湧「やりたいこと…ですか…難しい質問ですね…」

 

ダイヤ「あなたのことを調べさせてもらいましたが、随分とたくさんの検定をお持ちなのですね。」

 

湧「はい、私が前まで通っていた学校で取っていました。」

 

ダイヤ「でも、この学校ではあまり多く検定を取れませんが?」

 

湧「検定は多く持ってるから偉いではないと思ってるんです。確かに持っていれば社会では頼りにされます。でも、それだけではない気がするんです。他人にあって、私には無いもの。それを探しに来ました。」

 

ダイヤ「他人にないものとはなんですか?」

 

湧「以前通っていた学校でも私はあまり人と多く喋って来ませんでした。そんな時、両親から一人暮らしを提案され、学校に通いながらいろんな人と交流することで社会に出ても困らないようにするという両親の願いがあって私は今ここにいるんだと思います。私に欠けている人とのコミュニケーション能力を上げるために、私はここに編入しました。」

 

ダイヤ「なるほど…以上で面接を終わります。」

 

湧「ありがとうございました。」

 

面接が終わり、時間も中途半端だったこともあり少しダイヤさんと喋ることにした。

 

湧「そういえば、黒澤ルビィって子を先日沼津で見かけましたけど…」

 

ダイヤ「ルビィをですか?あの子は私の妹なのです。」

 

湧「そうでしたか。でも途中でダイヤさんと自分自身を比べて自分を過小評価していたので…なんだか自分に自信が無い感じでした。」

 

ダイヤ「あの子は人見知りで自分を過小評価してしまう癖があるのです。」

 

湧「そういうことでしたか。そういえば、ダイヤさんは今年から高校3年生ですか?」

 

ダイヤ「そうですね。今年から高校3年生になりますね。前島さんは…」

 

湧「自分も今年から高校3年生ですよ。その前にまずは編入試験に合格してないと元も子もないんですけどね。」

 

ダイヤ「あなたのことです、きっと合格してますよ。」

 

湧「そうでしょうか?」

 

ダイヤ「えぇ。」

 

そうやって俺達は会話をしていた。ふと腕時計を見ると時刻は12:00を指していた。

 

湧「おや、もうこんな時間でしたか。私はこの辺で…」

 

ダイヤ「はい、帰り道もお気をつけて。試験結果は後日あなたのお家に郵便で送りますね。通知が来たら浦の星女学院にもう一度来てください。理事長からの挨拶をした後、あなたの制服と教科書などをお渡しします。」

 

湧「わかりました。通知が来しだいまたお伺いしますね。」

 

そうして俺は浦の星女学院を後にした。結果は正直に言ってわからない。郵便の通知しだいだから。

合格していれば俺の高校生活が再び幕を開けるだろう。

 

 




第7話をお読みいただきありがとうございました。
残すところあと2人となりましたね。リアルが立て込んでてなかなか投稿頻度を上げられず申し訳ございません。
次回は主の推しでもあるダイビングショップのあの子が登場します!
次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第8話〜試験結果とダイビングショップの優しいお姉さん〜

先日感想を頂きました。やはり、梨子ちゃんの回で少し「うん?」となることがあるようです。少し修正を加えて見ますね。
さて、今回はダイビングショップのあの子が登場します。主の推しでもあるので張り切って書いていきたいと思います。

それでは本編、どうぞ!


朝起きてポストを見ると見慣れない封筒を見つけた。

 

湧「ん?なんだ、この封筒」

 

封筒の差出人を確認すると浦の星女学院からだった。おそらく、編入試験の結果だろう。

 

湧「浦の星から…ってことは編入試験の結果だな。随分と早いんだな…って、俺一人だけだから早いのは当たり前か。さて、中で封を切って結果を拝見しますかね。」

 

俺はペーパーナイフで綺麗に封を切った。何枚か学校に関することが書かれた紙が出てきたあと、本命の紙が顔を出した。

 

湧「お、これだな。どれどれ…」

 

編入試験結果:合格

 

湧「うん、無事に合格したようだな。多少捻った問題が出てきてたりで難しかったっちゃ難しかったな。でもこれで俺の高校のことは問題ないだろう。…本当に女子校に合格するとは生涯でも初めての経験だがな…」

 

試験も無事に合格したので朝ごはんを手早く作る。朝から甘いものは控えたいので普通に野菜炒めなどで朝食を済ませた。

 

湧「そういえば、編入試験の結果を父さんに報告しときたいんだが…報告ってしてもいいのか?」

 

そう、無事に編入試験に合格した事を両親に報告しておきたいのだ。しかし、紙には他言無用と書いてある。

 

湧「朝早くで大迷惑極まりないかもしれないがダイヤさんに確認とってみるか…」

 

そして俺は携帯からダイヤさんの連絡先を探し、電話をかけた。

 

prrr…

 

ダイヤ「もしもし…?なんですの?こんな朝早くに…」

 

湧「こんな朝早くに電話してごめんなさい。封筒届いてました。」

 

ダイヤ「そうでしたか。おめでとうございます。無事合格ですよ。」

 

湧「ありがとうございます。って、そうじゃなくて。この封筒の中の紙に他言無用って書いてあるんですけど、これって両親にも言っちゃダメなんですか?」

 

ダイヤ「そのことでしたか。これは浦の星女学院に通う生徒に言ってはいけないということです。御両親には結果が行ってると思いますけど…」

 

湧「そういうことでしたか、わかりました。他の浦の星女学院に通う生徒には言わないでいます。」

 

ダイヤ「制服等は後日浦の星女学院に来た際にお渡しします。」

 

湧「わかりました。」

 

ダイヤ「では、入学式であなたが学校に来ることを楽しみにしてますよ。」

 

湧「はい。朝早くに本当に申し訳ございません。失礼します。」

 

そして俺は電話を切る。

 

すると電話を切った直後に父さんから電話が来た。

 

湧「もしもし?父さん?」

 

父『あぁ、俺だよ。良かったな、無事に合格出来て。』

 

湧「あれ、今さっきそっちに結果が届いたってことか?」

 

父『あぁ、母さんもさっき電話が俺のところに来て発狂でもしてるんじゃないかってくらい喜んでたよ。』

 

湧「そうなのか。なんにせよ、これで俺の高校問題についてはなんとかなるな。」

 

父『あぁ。入学式までは暇だろう?そっちには慣れたか?』

 

湧「だいぶ慣れたかな。これからまた出掛ける予定。」

 

父『なんだ?彼女がもうできたか?』

 

湧「そ、そんなんじゃねぇよ!」

 

父『はっはっは、すまんすまん。普段あまり出かけることをしないお前がよく外に出るようになったからな。父さん嬉しいよ。』

 

湧「そいつは良かった。」

 

父『おっと、父さんはそろそろ仕事の時間だ。それじゃあな!』

 

湧「おぅ!」

 

そして俺と父さんの会話が終わった。入学式まではまだある程度日はある。

 

湧「淡島、行ってみるか。」

 

俺は着替えて淡島に行くことにした。

 

淡島にて〜

 

フェリーに揺られて淡島に到着。意外とフェリーって揺れるんだな。でも潮風が心地よくて乗り心地も意外とよかった。

 

湧「ここが淡島か…まだあんまり見たことないし、いろいろ回ってみるか。」

 

そして、俺の淡島探検が始まった。

 

1時間後〜

 

湧「意外と広いんだな。あと、神社が物凄く階段きつい…登りなれてない人はキツイかもな…」

 

そう、淡島神社を登ったのだ。階段が急斜面でかなり登りにくかった。そして、めちゃめちゃ階段が多いせいか、無駄に疲れた。

 

湧「ふぅ…少し休憩…」

 

俺は近くの自販機で水を買うと直ぐにキャップを開けて3分の1くらい飲みほした。火照った身体に冷たい水が入り、身体の熱が冷めてゆく。

 

湧「良いところだよなぁ…ここ。潮風が気持ちいいし、地域の人は暖かいし…浜松にいた時も良かったけど、今はここで生活してる方が何倍も楽しい。」

 

そんなことをなんとなく呟いた。俺のこの呟き声も、潮風に流されて消えていった。

 

湧「さて、もっと淡島を見ておくか。」

 

そして俺はまた歩き始めた。

 

30分後〜

 

しばらく歩くとダイビングショップがあった。

 

湧「へぇ〜ダイビングショップなんてあるのか。」

 

??「ん?もしかして君、ここは初めて?」

 

湧「え、あ、はい。初めてですね。」

 

急に後ろから声をかけられる。慌てて振り返るとそこには青い髪とポニーテールが特徴的なお姉さんが立っていた。

 

??「と言うよりも、ここじゃ見ない顔だね。観光?」

 

湧「いえ、先日ここに引っ越してきたんです。」

 

??「へぇ〜引っ越してきたんだ〜。前はどこに住んでたの?」

 

湧「浜松です。…と言っても駅周辺は沼津駅と似てるんですよね。」

 

??「そうなんだ。どう?この辺には慣れた?」

 

湧「ある程度って所ですね。」

 

お姉さんはおおらかなのか、とても落ち着く声で話しかけてくる。

 

湧「あ、自己紹介がまだでしたね。俺は前島湧矢です。先日ここに引っ越してきました。今年から高校3年生です。」

 

??「へぇ〜、じゃあ私と同い年なんだね。」

 

湧「え?てっきり俺は大学生に見えましたけど…」

 

??「も〜失礼だなぁ…これでもまだ高校生だよ?今年から高校3年生の。」

 

湧「まさかの事実…」

 

??「私は松浦果南。浦の星女学院に通ってるんだ。今年から高校3年生だよ。よろしくね。」

 

湧「はい、こちらこそ。」

 

俺と果南さんは近くのベンチに腰掛け、少し話した。

 

湧「そういえば、果南さんのその格好…」

 

果南「あ、やっぱり気になる?」

 

湧「はい。もしかしてダイビングですか?」

 

果南「うん、当たりだよ。うちの実家はダイビングショップを経営してるんだ。良かったら今から一緒に潜らない?」

 

湧「そういうことなら、喜んでお誘いに乗りますよ。」

 

俺はウェットスーツに着替え、シュノーケルを頭につける。

 

湧「あれ、船って誰が操縦するんです?」

 

果南「私だよ?」

 

ん?あれ、聞き間違いかな?そっかー高校無事に合格したから嬉しさでまだ現実を受け入れきれてないのか。確かにそうだよな。高校生が船を操縦するなんてそんなこと、本来無いもんな〜…

 

湧「ごめんなさい、あまりにも非現実的すぎてわかりませんでした。もう1回言ってくれますか?」

 

果南「だから、私だって。」

 

やっぱり聞き間違いじゃなかったか…

 

果南「大丈夫だって、安全運転を心がけるから。」

 

湧「そういうことなら…」

 

そして俺達は船で沖まで行った。

 

果南「じゃあ、行こうか。しっかり私の手を握っててね?」

 

湧「わ、わかりました。」

 

2人で海に潜る。やはり世界が変わって見える。何も音が聞こえない静寂の世界だった。

 

ダイビング終了後〜

 

果南「どうだった?」

 

湧「普段とは世界がまるで変わりますね。見ていてすごく新鮮な気持ちでした。」

 

果南「それは良かった♪」

 

不思議とご機嫌なように見えた。すると果南さんがウェットスーツを脱ぎ出す。ウェットスーツの中からスタイルのいい身体が見えた。

 

湧「ち、ちょっと!果南さん!?いきなりなんで脱いでるんですか!///」

 

果南「ん?何赤くなってるの?」

 

これが無自覚ってやつか…おそろしいな…結局淡島に帰るまでの間、俺の頭から果南さんのグラマラスな身体が離れることはなかった。

 

湧「今日は楽しかったです。また来てもいいですか?」

 

果南「もちろん、大歓迎だよ!」

 

そんな事を言っているうちに太陽が少しずつ西へ西へ沈んでいく。

 

湧「それでは、俺はこの辺で…今日はありがとうございました。」

 

果南「うん!またいつでもおいで!」

 

家に帰る頃には夕日が完全に沈んでいた。

そして、俺の一日がこうしてまた幕を閉じたのだった。

 

 




ここまでご覧頂きありがとうございました。
主は果南ちゃんの性格に惚れたのが果南ちゃんを推すきっかけですね。次回はいよいよ浦の星の理事長です。
これが終わったら本格的に学校編です。

次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第9話 〜入学前日と理事長〜

第8話、どうでしたか?
クオリティとモチベーションを高く保つことが小説を書く上で重要だと思ってます。頑張っていきます。

さて、いよいよ浦の星入学前日となりました。理事長からの挨拶です。理事長のあのノリに、前島くんは耐えられるのか…
それでは第9話、スタートです!


朝起きてポストを開けると随分と派手な封筒を見つけた。

見ると、俺の名前が書いてある。

 

湧「誰からだ…この封筒…」

 

封筒の内容から察するに淡島に来いとのことらしい。フェリーに乗って淡島に向かった。

 

湧「場所によるとここか…」

 

そこはホテルだった。とても豪華なホテルである。偉い人が泊まりに来るくらいだった。

 

湧「おいおい…なんでホテル…グダグダ言ってても始まらないな。行くか。」

 

自分の頬を叩き、ホテルの中に入る。受付の人に要件を言うと、すぐにその人が来た。

 

??「よく来たな、話は君のお父さんからも聞いているよ。じゃあ、私の部屋に行こう。ついでに浦の星の新しい理事長も紹介したいしな。」

 

湧「わかりました。」

 

そしてホテルの最上階に向かう。

 

??「申し遅れたね。私はこのホテルのオーナーで浦の星女学院の新しい理事長の小原鞠莉の父親だよ。」

 

湧「理事長の親でしたか。」

 

鞠莉の父「この度は浦の星の共学化テスト生として入学してもらったこと、誠に感謝している。」

 

湧「そんな、とんでもないです!頭を上げてください!」

 

鞠莉の父「実は浦の星は廃校の危機に瀕していてね…それで共学にすることにしたのだよ。しかし、いきなり共学にするのはまずいと思い、共学にするにあたってテスト生を1人入学させることにしたのだ。」

 

湧「そういうことでしたか…」

 

鞠莉の父「君のことはお父さんから聞いているよ。前の学校では様々な検定を取得していたとの事だが…」

 

湧「そうですね、確かに検定自体は沢山持ってはいます。でも、私には圧倒的に人として欠けている部分があるということも事実です。」

 

鞠莉の父「欠けているもの?」

 

湧「はい、私には人と話す能力があまりにも無いのです。入学式などで自己紹介が出来る程度で、日常生活ではほとんど話をしないんです。」

 

鞠莉の父「そういう事だったか…」

 

湧「だからこの機会に、社会に出ても問題ないくらいのコミュニケーション能力は身に付けておきたいと思ってます。」

 

鞠莉の父「わかった。おや、こんな時間か。私はこれから少し用事があるからこの辺で失礼する。後は浦の星で鞠莉から聞いてくれ。」

 

湧「わかりました。わざわざ話の機会を設けて下さりありがとうございます。」

 

そう言って俺はホテルを後にする。そしてフェリーに乗って内浦に戻り、今度は浦の星女学院に向かった。

 

湧「やっぱりここに編入なんだな…入学前日なのに信じられねぇ…」

 

なんとなくそう呟いていると後ろから声が聞こえた。

 

ダイヤ「事実ですわよ。明日からあなたはここの生徒です。」

 

湧「ダイヤさん、こんな所でどうしたんです?」

 

ダイヤ「私は生徒会長ですから、明日の入学式の準備です。あと、理事長から前島さんを呼んでくるように言われてますの。案内しますから、ついてきてください。」

 

湧「え、あ、はい。」

 

そして俺とダイヤさんは理事長室に向かった。

 

ダイヤ「失礼します」

 

湧「失礼します」

 

そう言って理事長室に入る。

 

??「ハァ〜イ、あなたが今回の共学化テスト生の前島湧矢ね?私はここの理事長の小原鞠莉よ。気軽にマリーって呼んでね?」

 

随分テンションが高い。金髪ということはおそらくハーフなのだろう。しかし、俺にはそんなことよりも気になっていることがあった。

 

湧「えーっと、なんで理事長なのに浦の星の制服を着てるんです?」

 

鞠莉「え?だって私、ここの生徒でもあるし。」

 

普通に言ってるよ…え?生徒なの?理事長なの?どっちなんだ?どっちかにしてくれよ…

 

鞠莉「正確には、生徒兼理事長ってところね。わかりやすく表すならカレーと牛丼ってところかしら。どう?わかった?」

 

湧「まったくわかんねぇ…」

 

鞠莉「あら?分かると思ったんだけど…」

 

ダイヤ「わからないに決まってますわ!それよりも鞠莉さん、本題に移ってください。」

 

鞠莉「それもそうね。パパも言ってるけど、浦の星は廃校の危機に瀕してるの。それで廃校か共学化と選んだ結果、共学化にしたの。それで共学化にするにあたってテスト生を1人入学させることなって、それであなたが選ばれたのよ。」

 

湧「なるほど…」

 

鞠莉「今日は私からの挨拶だけだから安心して?制服と教科書は生徒会室にあるわ。あなたの本当の学校生活は明日からだから、今日はゆっくり休んでね。」

 

湧「はい、俺もこの学校で何かを見つけられるように精一杯頑張ります。」

 

そう言って俺は理事長室を出てダイヤさんと生徒会室に向かう。

 

ダイヤ「これがあなたの制服と教科書です。明日の入学式の時に全校生徒の前で自己紹介をしてもらいますから、明日は早めに来てくださいね。」

 

湧「わかりました。でも、普通に正門から入ったら不審がられますよね?俺はどこから入れば良いんです?」

 

ダイヤ「正門に私が居ますから、裏口から入って体育館へ私と一緒に行きましょう。明日は全校生徒の前で自己紹介です。よろしくお願いしますね。」

 

湧「はい、緊張するな…」

 

ダイヤ「あなたなら大丈夫ですよ。」

 

湧「そうだといいですね…」

 

そして俺は制服と教科書を持って家に帰る。いよいよ明日は浦の星女学院の入学式、緊張もあるが新しい学校での新しい生活が始まるのかと思うとワクワクする。

 

湧「明日から頑張るか。多分みんな驚くだろうな…ずっと沼津の高校だって誤魔化してたけど多分千歌に捕まって質問攻め確定だな。」

 

 

家に帰っている最中に父さんから電話が来た。

 

湧「もしもし?父さんから電話なんて珍しいな。普段は俺からなのに。どうしたん?」

 

父『いや、明日から浦の星に入学だなってことを今小原さんから聞いてな。頑張れよ?』

 

湧「え、父さん理事長の親と知り合いなの?」

 

父『知り合いも何も、俺の高校時代の友達だし』

 

湧「高校からの友達なのかよ!」

 

父『まぁそんなとこだ。彼女の1人くらい作ってこいよ?』

 

湧「なっ彼女は余計だろ!」

 

父『女子校に男一人だからな。ハーレムだぞ?まぁ、検定の取得もあるんだし頑張れよ。』

 

電話の向こうで父さんがニヤついてるのが一瞬でわかった。でも不思議と今はワクワク感の方が強い。明日からの生活、色んなことが起こるのは間違いない。嫌なことも当然あると思う。でも今を精一杯楽しまないとこの先いろいろキツイのは間違いない。過去のこと、未来のことを考えるよりも今を精一杯楽しもう。

そして俺は明日から始まる生活に不安とワクワク感を抱えながら眠るのだった。

 

 

 

 

 

 

 




第9話ご覧になっていただきありがとうございました。
ついに浦の星女学院に入学です。次回から学校編です。
ここからどうなって行くのでしょうか、書いている私もドキドキしています。

次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第10話 〜始業のチャイムは穏やかに鳴り響く〜

第9話をご覧になっていただきありがとうございます。
ついに浦の星女学院に前島くんが編入します。ここから彼の新たな学校生活が始まります。どんなふうにして行こうかまだまだ悩んでますが頑張って書いていきたいと思います。

それでは第10話、スタートです。


入学式当日、俺は生徒の登校時間よりも早く学校に来ていた。他の生徒に見つかって不審者と勘違いされて通報されないようにするためである。

 

湧「っと、到着だな。ん?あれって…」

 

浦の星に到着するとダイヤさんが正門で待っていた。

 

ダイヤ「おはようございます。随分と早いのですね。」

 

湧「早いというよりも生徒に見つからないようするための配慮ですよ。そういうダイヤさんも、随分と早いですね。」

 

ダイヤ「入学式の準備もありますから。」

 

湧「そっか、生徒会長だから準備とかもありますよね。」

 

ダイヤ「では、行きましょうか。」

 

俺達は裏口から校舎に入った。中は丁寧に掃除がされているのだろうか、とても綺麗だった。体育館につくとダイヤさんが改めて入学式の流れを説明する。

 

ダイヤ「私と鞠莉さんが新入生と在校生に挨拶をします。その後、理事長が編入生を紹介してくれます。前島さんは理事長の言葉の後に入ってきてくださいね。」

 

湧「わかりました。」

 

ダイヤ「学年は制服のスカーフの色で区別できます。黄色は1年生、赤は2年生、そして前島さんと私は緑だから3年生です。」

 

湧「スカーフの色で区別するなんてまた珍しいですね。」

 

ダイヤ「すぐに学年を見分けるための工夫ですわ。」

 

入学式の流れを聞いていると鞠莉さんが入ってきた。

 

鞠莉「おはよう、ついに湧矢の新しい学校生活が始まるわね。どう?緊張してる?」

 

湧「はい、でも内心まだ信じきれてないです。なんせ女子校に男子1人編入ですからね…楽しみな反面、受け入れてもらえるか心配でもあります。」

 

鞠莉「でも事実よ?」

 

湧「事実ですものね。」

 

ダイヤ「そろそろ入学式の時間ですわ。前島さん、お願いしますわよ?」

 

湧「はい!」

 

そして入学式が始まった。司会進行はダイヤさんだった。理事長の挨拶の時に鞠莉さんが若干ふざけ気味で挨拶をしてダイヤさんが怒ってたり、いろいろあったが俺の番が来た。

 

鞠莉「ここで皆さんに重要なお知らせがあります。この度浦の星女学院は、共学となります。そして、共学化にするにあたってテスト生を1人編入することにしました。じゃあ、挨拶してもらえる?」

 

湧「はい!」

 

俺は元気よく返事をして壇上に上がる。

 

湧「皆さんはじめまして。この度共学化テスト生として編入することになりました、前島湧矢です。よろしくお願いします。」

 

俺は軽く自己紹介を済ませる。すると在校生の中から声がした。

 

千歌「前島くん!?」

 

曜「え!?前島くん!?なんで!?」

 

梨子「テスト生って前島くんだったの!?」

 

ルビィ「ピギィ!」

 

花丸「ずら!?前島さん!?」

 

善子「リトルデーモン!?何故ここに!?」

 

果南「あはは…まさか湧矢だったとはね…」

 

 

そう、そこには俺が内浦に来てから入学式までの間で会ったメンバーが勢揃いだった。心底俺もビビったっての…

 

千歌「テスト生って前島くんだったんだー!」

 

湧「って、おい!何人か俺のこと見て叫んでんじゃねぇ!あと千歌!一旦黙っとけ!そのみかんのヘタみたいなアホ毛引っこ抜くぞ!」

 

ダイヤ「静粛に!」

 

ダイヤさんの声で全員が黙る。

 

鞠莉「そんなわけだから、よろしくね〜」

 

湧「あ、あはは…大丈夫かな…俺…」

 

そして、波乱?の入学式は終わったのだった。俺は入学式終了後、ダイヤさんと一緒に職員室に来ていた。

 

担任「うん、確かに。よろしくね、前島くん。」

 

湧「はい、こちらこそよろしくお願いします。」

 

担任「じゃあ後で向かうから、ダイヤさんは前島くんを教室に案内してあげて?」

 

ダイヤ「わかりました。いきましょうか。」

 

そして俺とダイヤさんは教室に向かう。

 

湧「随分と賑やかな入学式でしたね…」

 

ダイヤ「えぇ…まったく、千歌さんたちは…」

 

湧「でも驚くのも無理ないですよ。今までずっと沼津の高校だって誤魔化してたんです。それで急に浦の星に来たんですから、驚かない方が不思議ですよ。だから、あんまり千歌たちを叱らないでください。」

 

ダイヤ「まぁ、前島さんがそう仰るなら…っと、ここですわ。」

 

湧「ここか。じゃあ俺は廊下で待機かな?」

 

ダイヤ「そうですね、先生がいらっしゃるまで少し待っていてください。」

 

数分後〜

 

担任「お待たせ〜じゃあ、私が合図をしたら入ってきて自己紹介をしてね。」

 

湧「はい。」

 

担任「はーい、ホームルームを始めるから席に着いてー」

 

数分後、ホームルームが無事に終わったところで担任が言った。

 

担任「今日からこのクラスに転校生が来ます。仲良くしてあげてね?じゃあ入ってきて〜」

 

湧「えっと、入学式の時に紹介してるから名前は知ってますよね。じゃあ簡単に…改めて、前島湧矢です。1年間よろしくお願いします。」

 

そう言ってお辞儀をする。頭をあげると果南や鞠莉と目が合った。

 

担任「えっと、前島くんの席は…果南ちゃんの隣にしようかな。」

 

湧「わかりました。」

 

果南「まさか編入生が湧矢だったとはね〜私もびっくりだよ。これからよろしくね。」

 

湧「うん、改めてよろしくな。」

 

担任「じゃあ、前島くんの自己紹介も終わったし、今日は入学式だけだから特に授業は無いし…そろそろ下校の時間かしらね。」

 

なんてことを担任が言っていると下校を知らせるチャイムが鳴った。

 

担任「それじゃあ皆さん、3年生としての1年を有意義に過ごしてくださいね。さようなら〜」

 

担任が教室から出ていくと俺はすぐに帰りの支度をはじめた。すると突然、クラスの女子から質問攻めが始まる。

 

女子「前島くんてどこに住んでたの?」

 

女子「得意な教科はなんですか?」

 

女子「前島くんの好みの女の子は?」

 

おいおい!いきなり色々聞きすぎだろ!ひとつずつ答えていくも、かなり時間がかかった…

 

湧「この短時間で寿命の半分を取られた気分だ…」

 

果南「大丈夫…じゃなさそうだね…」

 

ダイヤ「いきなりあんなに質問攻めにされたら誰でもああなりますわ…」

 

鞠莉「ワァ〜オ!湧矢ったら人気者ね!」

 

湧「そんなことを言うくらいなら助けてくれよ…」

 

そしてかなりげっそりした感じになりながらも学校を出た。

 

湧「正直まだ信じられない。でもこれが現実。ならば精一杯やってやるよ。…さて、家に帰って勉強しなきゃ…」

 

そう呟きながら俺は帰路に着く。正門を出る時にちょうどチャイムが鳴った。まるで俺の新しい学校生活を祝福するかのようになったチャイムの音色を耳に留め、俺は家に帰るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第10話、いかがだったでしょうか。
これから始まる前島くんの新たな生活。次回は千歌たちから前島くんが逃げ回る!?

それではまた次回まで、ゆっくりお待ちくださいね。


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Aqoursのみんな、そして俺 第11話 〜前島、Aqoursに入るってよ。〜

ご感想をくださりありがとうございます。いろいろ見返して手直しを加えておきました。
まだ分からないことだらけですが暖かい目で見ていただけると幸いです。

さて今回ですが、本格的に部活が始まります。正式に認めて貰えるのでしょうか?

それでは本編、始まります。


今日一日の授業が終わり、俺は帰ろうと支度をしていたら果南が声を掛けてきた。

 

果南「ねぇ、途中まで一緒に行かない?」

 

湧「ん?あぁ、別にいいぞ。」

 

果南「ちょっと待っててね、すぐに支度するから」

 

そういって少し待っていると果南だけでなくダイヤ、鞠莉も出てきた。

 

ダイヤ「それでは、行きましょうか。」

 

俺達は途中まで一緒に歩いていた。そして不意に果南が俺に質問する。

 

果南「そういえば湧矢って検定?いっぱい持ってるって聞いたけど…いくつくらい持ってるの?」

 

湧「え、それ前にルビィと花丸に言ったらめっちゃ引かれたんだけど…」

 

ダイヤ「書類を拝見した時に見て目を疑いましたわ…見たことありませんもの…」

 

湧「えっと…確か…簿記、英語、漢字、情報処理、文章力、ビジネス文書、電卓、ワード、パワーポイントと…」

 

鞠莉「私のホテルに雇いたいくらいね、どう?私のところで働かない?」

 

ダイヤ「鞠莉さん、決めるのは前島さん自身ですよ?」

 

湧「まぁ、考えておくよ。」

 

果南「凄いね…この数は…」

 

あれ、また引かれた気がする…気のせいかな…

若干引かれたことに傷を覚えながらも昇降口に着いた。

 

果南「じゃあ私達はこっちだから。」

 

湧「おう、また明日な。」

 

果南たちと別れ靴を取りに行こうとすると、後ろで声がした。

 

千歌「あ!いたいた!おーい!前島くーん!」

 

曜「前島くーん!こっちこっち!」

 

湧「千歌に曜じゃないか。どうした?俺は帰ったら検定の勉強するから早く帰りたいんだが…」

 

千歌「何言ってるの?マネージャーでしょ?」

 

曜「まだ部室を案内してなかったから案内しに来たの。」

 

湧「俺の言葉を真に受けてもらっては困る。」

 

曜「ふーん、じゃあこの言葉も嘘なの?」

 

そう言って曜は携帯を取り出す。そして携帯の音声を再生した。

 

音声「男に二言はないって言うしな。やってやるよ。」

 

湧「なっ!?録音してたのか!?」

 

音声を聞いて顔が赤くなる。その隙に千歌と曜は俺の腕をガッチリと捕まえる。あ、これ多分部室行くまで帰れないやつだ。

 

曜「うん、あの時に録音しといたんだ〜」

 

湧「おい!ちょっと待て!」

 

千歌「じゃあ、私たちの部室に行こう!」

 

曜「了解であります!部室に向かって、全速前進、ヨーソロー!」

 

湧「録音なんてきたねぇぞ!離せ!ってかお前ら…俺の話を聞けぇー!」

 

俺の叫びも虚しく、2人によって俺は部室に連行されるのだった。

 

部室にて〜

 

千歌「ここが私たちの部室だよ。」

 

曜「もうみんないるかな?いろいろ説明しないとね。」

 

湧「はぁ…早く帰りたい…」

 

そして千歌が部室のドアを開ける。

 

千歌「あ、みんないた。」

 

ルビィ「え…なんで前島さんがここに?」

 

ルビィのその言葉で1年生と3年生が俺の方を見る。

 

湧「えっと…その…千歌に連行された。」

 

ダイヤ「千歌さん?どういうことですか?」

 

千歌「あれ?説明してなかったっけ?」

 

ダイヤ「してませんわ!」

 

湧「そもそも千歌と曜だけの時に決めたんだからあとのメンバーにこのことなんて一切説明してないだろ…」

 

曜「あ、あはは…」

 

梨子「千歌ちゃん…」

 

千歌「なんでここにいるかって言うとね、前島くんには私たちのマネージャーをやってもらいたいの。」

 

花丸「マネージャーずら?」

 

千歌「うん、マネージャーだよ。」

 

善子「でも大丈夫なの?」

 

ダイヤ「そうですわ。前島さんは検定の勉強で忙しいのですから、マネージャーをやっていたら勉強時間が足りなくなるのでは…」

 

湧「それは俺の生活リズムを少しいじればなんとかなると思うけど…」

 

ダイヤ「そうではありません!検定の曜日にライブが重なったりすれば、前島さんは検定を受験することも出来ないのです。検定はいつでも受けられるわけではありません。」

 

果南「そうなの?」

 

湧「大体あってる。指定された曜日以外は取り合ってくれない。」

 

鞠莉「つまり、出来ないってこと?」

 

湧「でも、ここに来て千歌と初めて会って千歌の夢を聞いた時に、すげぇなって思ったのも事実だ。スクールアイドルとして輝きたいって言う夢は口では言えても実際にできるかどうかはわからない。俺は千歌のその夢を叶える光景が見たい。」

 

千歌「それじゃあ…」

 

湧「改めて千歌と曜には言うことになるかもな。」

 

俺は深呼吸を2回ほどやって気持ちを落ち着かせる。恐らく、俺がやろうとしてることはもしかしたらかなり厳しいことになるかもしれない。検定取得のための勉強とマネージャーの両立。口で言うだけなら簡単かもしれないがそれを実行するのは難しいと言えるだろう。この深呼吸は、2つを両立するための決意とも言える。

 

湧「俺にAqoursのマネージャーを、やらせてくれ!」

 

千歌「もちろんだよ!」

 

曜「前島くん、よろしくね!」

 

梨子「無理しないでね?」

 

ルビィ「えっと…これからルビィ達をよろしくお願いします!」

 

花丸「前島さん、よろしくずら!マルも頑張るずら!」

 

善子「ヨハネのリトルデーモンならそう言うと思ったわ、期待してるわよ?」

 

ダイヤ「マネージャーの方、よろしくお願いします。本当に大丈夫ですか?」

 

果南「湧矢、よろしくね!」

 

鞠莉「マリー嬉しい!一緒に頑張りましょう?シャイニー!」

 

みんな俺の事を正式な部員として認めてくれたようだ。

自分ではまだマネージャーがどんなことをすればいいのかとかまだわかってないけど。でも、千歌たちが自分たちが追い求める輝きを見つけられるまで俺も頑張る。それだけはハッキリ言える。

 

千歌「前島くんもこれでAqoursの一員だね!」

 

梨子「千歌ちゃん、マネージャーとしてやって欲しいこととか説明しないの?」

 

千歌「あ…」

 

湧「お前やっぱりバカだろ…」

 

千歌「もう!みんな〜!前島くんが千歌のこといじめる〜!」

 

ダイヤ「今回は完全に千歌さんが悪いですわ!」

 

果南「あはは、これから楽しくなりそうだね。」

 

鞠莉「これからとっても楽しい日々が始まりそう!シャイニー!」

 

ルビィ「ルビィ、これからとっても楽しみ!」

 

花丸「千歌さん、早く前島さんに説明するずら。」

 

善子「リトルデーモン、これから楽しくなりそうね。」

 

この日俺は、Aqoursの正式な一員となった。これから刻む時間はきっと忘れられないものになる。

そう思いながら俺は微笑むのだった。




第11話、どうでしたか?
感想に関しては自由に書いてもらって構いません。「ここおかしくない?」と思った点はもちろん、作品に関する感想も書いてくれると私としても励みになります。
(おかしいと言われた点はすぐに手直しをしておきますのでご安心を。)

次回はいつ頃投稿になるかな…まだ未定です。まだいろいろ決まってないので…

それでは次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第12話 〜Aqoursの練習風景、見てみませんか?〜

投稿遅れてごめんなさい!
リアルが立て込んでてなかなか投稿出来ませんでした!

前島くんがAqoursの練習風景のことです。最初にちょっと余計なことを書くかも?

それでは本編、スタートです!


正式にAqoursに入って翌日、携帯のアラームで俺の意識は夢から戻された。今日は休日だった。

 

湧「そうか、今日は休日か。時間もちょうどいいし、まだ練習の開始は午後だから時間もあるし、少しランニングするか。」

 

そう言って俺は着替えて軽くランニングを開始する。家から浦の星まで行って帰っての簡単なランニングをすることにした。

 

湧「うん、久々にやると意外と結構運動神経が落ちてるな…と言ってもプールなんてこの辺にないし…」

 

曜「おやおや?お困りかな?」

 

湧「あぁ、水泳やってた時の感覚を戻したくてな…って!曜!今の全部聞いてたのか!?」

 

曜「おはヨーソロー!朝起きて窓を開けたら前島くんが走ってるのが見えてね。せっかくだからランニングついでに跡をつけてみた次第であります!」

 

湧「威張るところじゃねぇ!後ろから大声で呼べば気づくから呼べばよかっただろ?」

 

曜「それは…恥ずかしいというか…」

 

湧「ほーん、そういうもんなのか?」

 

曜「そういうものなの!っと、プールに入りたいんだよね?」

 

湧「あぁ、前に曜に話しただろ?前の高校では水泳をやってたって。」

 

曜「じゃあ…今から入る?」

 

湧「え?おま、何言ってんだ?」

 

曜「今からプールに入るって聞いたんだけど」

 

湧「そういう問題じゃねえだろ?第一勝手に入っていいのか?」

 

曜「私は水泳部でもあるからね。そういうことなら部長に頼めば問題ないよ。」

 

湧「そ、そういうものなのか…」

 

曜「うん!じゃあ部長に連絡して…」

 

数分後〜

 

曜「使ってもいいって!」

 

湧「随分あっさり許可したな!」

 

曜「じゃあ1回水着を取りに家に戻ろっか。そろそろバスも出るからバスで帰ろ?」

 

湧「わかったよ。」

 

そう言って俺と曜はバスで1度家に帰り、水着を持って浦の星に集まった。

 

湧「お待たせ、本当に使ってもいいのか?」

 

曜「いいの!ほら、行くよ!」

 

湧「わかったから、手を引っ張るな…」

 

俺は更衣室で着替えてプールサイドで軽く準備体操とストレッチをしていた。

 

湧「この感じ…久しぶりだな。どうしよう、今から水泳部に入りたくなった…」

 

曜「何言ってるの?前島くんはAqoursのマネージャーでしょ?もう決定したんだから今更転部なんて私たちが許すと思う?」

 

湧「だよな…」

 

曜「それとも…みんなの前で前島くんのあの時のボイス流しちゃおっかな〜やるって言ったのは前島くんなのにな〜」

 

湧「おまっ!それは卑怯だろ!」

 

曜「冗談だよ!さ、やろう!」

 

湧「おぅ!」

 

そして俺は高校の時にやっていた練習メニューをやり始めた。プールに入る前にウエイトトレーニングを軽くこなし、高校の先生に水泳部の今の練習メニューを教えて貰ってプールで練習メニューをこなし始めた。

 

曜「へぇ〜、前島くん本当に水泳早いんだね〜」

 

湧「少しは信用をしてもらえないかな…」

 

曜「ごめんごめん、かなり早いペースで泳いでたから」

 

湧「前の高校の部活の時はもう少し早かったかな?今はペースを戻したりとかのためにやってるわけだしこの位のペースがちょうどいいんだよ。」

 

曜「ふーん。そうだ!今から競走しない?」

 

湧「お、やるか?言っとくが手加減は出来ないぞ?」

 

曜「そっちこそ!私に負けたらどんなことさせちゃおっかな〜」

 

湧「おい、なんだその不敵な笑みは。」

 

曜「別に〜なんでもないよ。」

 

湧「絶対なんかあるだろ!」

 

曜「とにかくやるよ!それじゃあ飛び込み台について…」

 

曜「よーい…どん!」

 

曜の掛け声で2人がいっせいにスタートをする。種目は自由型、お互いにクロールでの競走だ。

 

湧(曜もなかなか早いな…しゃあない、体が追いつくからわからないがペースアップだな。)

 

そして俺はペースをあげる。水泳では最初の飛び込みから終わりまでのほんの1分足らずで全部の力を出し切らなければ県レベルは戦えない。体の全ての力が抜けるまでの間にゴールまで着くこと。それが県大会で戦う選手の最低限のマナーなのだ。手を抜くことは敗北を意味する。

 

曜(前島くん、どんどんペースが上がってる…でも私も負けないよ!)

 

負けじと曜もペースをあげる。残り25mに差し掛かっている頃にはお互いに1歩も遅れを取らないように必死に食らいついていた。そしてこの競走も決着がついた。

 

湧「ぷはぁっ!!ふぅ…」

 

曜「ぷはぁっ!!」

 

結果は同着。引き分けだった。

 

曜「前島くん早いね〜全然抜けなかったよ」

 

湧「あぁ、だけど前みたいに最初からトップスピードで泳げてない。まだまだだな、俺も。」

 

曜「あれでまだ本気じゃないの?前の高校の前島くんてものすごい早いってこと?」

 

湧「そうでも無いな。俺より早いやつなんて部活内に沢山いたし…とりあえずプールから上がるか。」

 

曜「うん!」

 

プールから上がり、プールにお礼を大きな声でやってから俺と曜は帰路に着いた。家に帰る頃には時間は9時頃になっていた。

 

軽く昼食をとって俺はまた浦の星に向かう。集合時間より早めに来て部室に入ると果南がもう来ていた。

 

湧「こんちはっす」

 

 

果南「あれ、湧矢じゃん。早いね。」

 

湧「あれ、ダイヤと鞠莉はわかるが果南がこんなに早いとは思わなかった。」

 

果南「なにそれ〜もしかして私が時間を守れないような人だと思ってるの?」

 

湧「で、机の上に教科書を広げてどうした?」

 

果南「英語の課題やってるの。みんなが来るまで時間もあるしね。私英語は苦手でやるの忘れてて…」

 

湧「あぁ、そういうことか。だから部室でダイヤに教えてもらおうとしてたんだな。どれどれ…?あぁ、これか。」

 

果南「え、わかるの?」

 

湧「わかるもなにも、これ使う文法は中学2年のやつだからな。えっとこの質問文だと…Becauseを使って解くのが正解か。」

 

果南「へぇ、なるほど…」

 

湧「ほら、解けた。」

 

果南「ほんとだ!」

 

そう言って果南の英語の課題を見ていると千歌たちが部室に来た。

 

千歌「前島くん!こんちか!」

 

湧「…なんだその挨拶」

 

千歌「えー!知らないのー!」

 

湧「知らないも何も、この挨拶が理解出来るやつがいたら俺はそいつとじっくり話したいんだが…」

 

曜「前島くん、要はこんにちはってことだよ。」

 

湧「普通に言えよ…」

 

梨子「前島さんは果南さんと何をしてたんですか?」

 

湧「あぁ、果南の英語の課題を見てやってたんだよ。まさか中学のBecauseがわからないとは思わなかったがな…」

 

果南「仕方ないじゃん!英語って難しいんだから!」

 

そしてしばらくすると1年生が来た。

 

ルビィ「前島さん、こんにちは。」

 

花丸「前島さん、こんにちはずら。」

 

善子「随分と早いのね、ヨハネに会えるのが嬉しくて早く来ちゃったの?」

 

湧「それだけはない。」

 

花丸「すごい早さで否定したずら。」

 

善子「な、なんでよー!」

 

1年生と戯れているとダイヤと鞠莉が来た。

 

ダイヤ「皆さん、そろそろ練習を始めますわよ!」

 

ダイヤさんの掛け声で練習が始まる。

 

千歌「ワン、ツー、スリー、フォー」

 

ルビィ「ここでターンして…ピギィ!」

 

ルビィが転んだ。

 

千歌「ルビィちゃん!大丈夫?」

 

ルビィ「うん…大丈夫…」

 

ダイヤ「少し休憩にしましょうか。」

 

湧「ほい、飲み物買ってきたぞ。」

 

そう言って俺はみんなに飲み物を渡していく。屋上のため日当たりがとても良く景色もいい。

 

湧「改めて屋上からこの街を見ると、やっぱり時間の流れが緩やかだな…」

 

俺はひとりでにそう呟いた。その何気ないつぶやきも、春の風に吹かれて消えていった。

 

ダイヤ「そろそろ再開しましょう、最後に通してやりましょうか。前島さん、最後に通してやりますから見ていてくださいますか?」

 

湧「了解」

 

ダイヤ「それでは始めましょうか。配置についてください。」

 

そう言ってみんな各々配置に着く。そして曲が流れ、踊り始めた。

 

通し練習の後〜

 

ダイヤ「どうですか?改善点などありますか?」

 

湧「そうだな…千歌、花丸の動きが少し遅いかな。気持ちもう少し早めを意識だな。善子は手の動きが少しズレてた。こんな所かな。」

 

ダイヤ「わかりました。今日はもう遅いですからここで終わりにしましょうか。」

 

「「「「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」」」」

 

 

そしてみんなで帰りのバスに乗り、バスに揺られる。練習の疲れからか、花丸とルビィはバスの中で寝てしまった。

 

湧「いつもこんなハードな練習してればそりゃ眠くもなるよな。」

 

俺は制服のブレザーを脱ぎ、2人にそっと掛ける。そして椅子に座ると鞠莉が声をかけてきた。

 

鞠莉「どう?Aqoursには慣れた?」

 

湧「おかげさまで、いつもの日常より何倍も学校が楽しく感じたよ。」

 

鞠莉「それは良かったわ。そうだ、今度校内でライブをやろうって考えてるの。」

 

湧「校内でライブかぁ〜いいな、やろう。」

 

鞠莉「湧矢に私たちのライブを見せる最初のチャンスだもの、頑張るわよ!シャイニー!」

 

湧「おい鞠莉、バスの中なんだから少し声のボリュームは落とそうな。」

 

そして、俺達はバスに揺られる。これから過ごす時間、きっと人生で忘れることは出来ないだろう。

 

湧「ここでの生活も少しずつ慣れた。もっとここで過ごしたい、ここが俺の第2の故郷なのかもな。」

 

その俺の言葉は流れる景色の中に消えていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




長くなったけどご覧になって下さりありがとうございました。
次回はどうしようか、どんな話にしようか、まだまだ考えてます。気長にお待ちください!

それでは、また次回お会いしましょう!


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Aqoursのみんな、そして俺 第13話 〜ライブと検定、重なったけどどうすれば?〜

投稿遅くなってごめんなさい!学年末テストで書けませんでした!
さて今回は、ついにライブ!と言いたいのにまさかの検定と日が被る。どうなるのか!?

それでは本編、始まります!


千歌「それじゃあ今週末に前島くん歓迎ライブをします!」

 

湧「また突然だな…」

 

曜「まぁ、衣装とかは出来てるし曲も完成してるからね」

 

梨子「あとはフォーメーションを少し調整するだけだから、今週末にライブをするのは問題ないんじゃないかな?」

 

湧「まぁ、練習を見た感じ動き自体はあってるから問題は無いか。」

 

浦の星に来て数週間、部室で勉強をしていたら千歌が突然俺の歓迎ライブを開催すると言い出したのだ。

突然の千歌からのライブを開催するというニュースを受けたが、特に問題なく開催できそうだ。

 

湧「ところで、場所はどうするんだ?さすがに今からじゃあんまり場所もないだろ?」

 

鞠莉「そこは心配しないで、浦の星の体育館を使えば良いからね。」

 

ダイヤ「放送で告知すれば人は来ると思います。浦の星初の男子生徒ですもの、歓迎しないといけませんわ。」

 

湧「わざわざいいのにな。」

 

果南「まぁまぁ、素直に見ておきなよ。」

 

湧「それもそうだな。あ、検定の曜日と被ってなきゃいいけど…」

 

俺は携帯を取り出し検定の曜日を確認する。

 

湧「あ」

 

俺は曜日を見て固まる。

 

ルビィ「どうしたんですか?」

 

花丸「悪いニュースでも入ったずら?」

 

善子「もしかして…もしかしちゃったの?」

 

湧「今日は珍しく勘がいいな。そのまさかだよ。」

 

俺は携帯を千歌の方に向ける。そう、まさかの検定とライブの曜日が被っていたのだ。

 

千歌「えー!そんなぁ!」

 

湧「仕方ないだろ、今からタイムマシンで未来に行ける訳でもない。」

 

ダイヤ「どうしますの?」

 

湧「幸い時間は午前中だ。それも朝の早い時間からだから午後は完全にフリーになる。」

 

曜「つまり…午後からならライブが見れるってこと?」

 

湧「そうなるな。」

 

千歌「じゃあライブは午後からだね、今日の部活はここまでにしよう!」

 

全員「ありがとうございました!」

 

そして全員が帰り、俺も今週末に向けて勉強をすることにした。

 

湧「今回の検定…合格できるだろうか…?」

 

検定当日〜

 

朝のアラームで目を覚まし、検定に向けて準備をする。会場はそこまで遠くにあるわけではないが早めに到着しておいて試験に向けて最終確認を済ませておきたいのだ。

 

湧「いよいよか…簿記検定1級。この日のためにやれるだけのことはやってきた。全部をぶつけるとしようか」

 

そう言ってドアを開けて外に出ると携帯が鳴った。誰かと思って見てみると父さんからだった。

 

父「おう湧矢。日付見たぞ。いよいよ1級簿記の受験だな。」

 

湧「あぁ、いよいよだ。」

 

父「今までやれるだけのことはやったんだろ?なら思い切って全部ぶつけて来い!」

 

湧「あぁ!」

 

父さんからの応援ももらって俺は会場に向かった。

 

Aqours side〜

 

千歌「前島くん、検定とれるかな〜」

 

曜「きっと大丈夫だよ。」

 

梨子「そうだよ、部室にタオルを取りに行った時にすごく集中して問題解いてたもの。」

 

千歌「そうだよね、大丈夫だよね。」

 

ダイヤ「みなさん、ライブに向けて最後の確認を行いますわよ!」

 

ダイヤの声で私達も最後の確認を始めた。

 

Aqours side end〜

 

試験監督「それでは今から試験を開始します。合図があるまでは問題を開かないように。携帯は電源を切ること。」

 

始まるまでの数分間、俺はずっと頭の中で復習をしていた。今回の検定は難易度もトップクラス。父さんも取得するまでに時間がかかったって言ってたから1発で合格しておきたいところ。

 

試験監督「はじめ!」

 

試験監督の合図とともに全員が一斉に問題を解き始める。時折聞こえる電卓の音が試験の雰囲気を物語っている。

 

湧「全部出し切るんだ、俺がやってきたこと全て。」

 

そう言って俺は問題と向き合うのだった。

 

試験後〜

 

湧「ふぅ、終わった終わった。手応えありって感じだな。」

 

問題も解き方さえ分かれば解けたものばかり、合格できるかはわからないが結果が楽しみだ。

 

湧「時間は…やべっ!そろそろライブが始まる時間だ!」

 

腕時計を確認して慌ててバスに乗り込む。そして浦の星女学院まで向かうのだった。

 

湧「ふぅ、着いた…」

 

ダイヤ「前島さん!検定は終わりましたの?」

 

湧「あぁ、無事に終わったよ。時間は大丈夫か?」

 

ダイヤ「そろそろ時間です。行きましょうか。」

 

そう言ってダイヤと俺は体育館に向かう。体育館は人で賑わっていた。

 

湧「うわっすごい人だな、入れるかこれは…」

 

ダイヤ「問題はありませんよ。それでは私はライブの準備に行ってきますので。」

 

湧「あぁ!楽しみにしてるよ。」

 

そして俺は前の方に行って待っていた。そして、時間は来た。

 

千歌「みなさん!今日は急な所来てくれて本当にありがとうございます!私たち浦の星女学院スクールアイドル!」

 

全員「Aqoursです!」

 

千歌「今から、前島湧矢くんの歓迎ライブを行います!最後まで楽しんでいってください!」

 

千歌の挨拶の後、曲が流れ始める。曲に合わせて一人一人がキラキラと輝いて見えた。

 

湧「綺麗だ…一人一人の演技がイキイキしてる…」

 

俺はその9人を前に言葉が出なかった。一人一人がキラキラしていてとても眩しかったのだ。

 

ライブ終了後〜

 

湧「お疲れさん、ライブ良かったよ。今日は俺のためにサンキューな。」

 

千歌「全然いいよ、私達も前島くんが来てくれて毎日楽しいしね。」

 

湧「お、嬉しい事言ってくれるじゃん。」

 

千歌「それじゃあ改めて…」

 

9人「前島湧矢くん!浦の星女学院とAqoursにようこそ!」

 

湧「あぁ、これからよろしくな!」

 

この日、前島湧矢歓迎ライブは大成功に終わった。

 

 

 

 

 




第13話を見ていただきありがとうございました。
改めて投稿遅くなり申し訳ありません。もしかしたら高校生活が終わるかもしれない学年末テストだったので勉強に時間を費やしてました。

さて、次回は中間テスト編を書いていこうかと思ってます。

それでは次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第14話 〜さぁ、テスト勉強といこうか〜

こんにちは、私です。アルスです。
さて今回ですが、テスト勉強の回にしようかと思います。
中間テストが近いAqours、無事に赤点回避できるのか?

それでは本編、はじまります!



朝、ポストを開けると検定の結果が届いていた。

 

湧「お、きたきた。さて、開けるか。」

 

そう言って俺はリビングで封筒を開ける。ペーパーナイフで綺麗に封を切り、本題の結果を確認する。

 

結果:合格

 

湧「やった…やったぁ!合格だぁ!」

 

合格した。無事に。早速父さんに報告する。

 

湧「もしもし父さん?受かったよ!」

 

父「お!合格したか!お前ならできると思ってたよ。おめでとう。」

 

湧「俺、これからも頑張るよ!」

 

父「おぅ!頑張れよ。」

 

そう言って父さんは電話を切った。ようやくなのだ。今まではずっとあと少しのところで落ちていた。でも今回ようやく合格できたのだ。嬉しくないはずがない。

 

湧「よし、学校行くか。」

 

手早く身支度をして家を出る。不思議と体が軽いのは、きっと検定の結果のことで頭がいっぱいだったからだろう。

 

朝のホームルームにて〜

 

担任「さて、そろそろ中間テストの時期です。気を抜かず、全力で取り組んでくださいね。」

 

湧「そっか、もう中間テストの時期か。」

 

ダイヤ「前島さん、ちょっとよろしいですか?」

 

湧「おぅ、どした?」

 

ダイヤ「実はAqoursで勉強会をしたいのです。」

 

湧「うん、やればいいじゃん。」

 

ダイヤ「そこで、あなたも出てくれませんか?」

 

湧「え?なんで俺が?」

 

ダイヤ「あなた以外にできる人がいないからです!」

 

湧「まぁ、勉強教えるくらいなら別に問題ないけどな。それで、いつからだ?」

 

ダイヤ「今日からです。」

 

湧「へ?」

 

ダイヤ「今日の部活から、Aqoursは勉強会です!」

 

ダイヤは休み時間に俺にそう言った。おいおい、今日からなんていきなりすぎるって…幸い問題無い程度に知識はあるけどさ…そんなことを考えながら帰り支度をした。そして普段は下駄箱に向かうその足を部室に向けて歩かせた。部室に入ると2年生が来ていた。

 

湧「こんちわっす、来たけどもうやってるのか?」

 

千歌「あ!前島くん!こんちか!」

 

湧「だからその挨拶が理解できる人と話しがしたいって言ってるんだが…っと、いかんいかん。ダイヤは?」

 

曜「ダイヤさん?なんで?」

 

湧「いや…非常に申し上げにくいんだが…お前ら、1週間後、何があるか知ってるな?」

 

梨子「中間テスト…ですよね?」

 

湧「そうだ。そこで今日からダイヤが勉強会をするそうだ。」

 

千歌「へ?聞いてないけど…」

 

湧「え?聞いてない!?」

 

そう言って2年生と話していると3年生が来た。

 

果南「あれ、湧矢じゃん。今日は随分と早いね。」

 

鞠莉「チャオ〜湧矢、今日の練習メニューは?」

 

ダイヤ「前島さん、1年生が来たら私から説明を開始します。1年生を呼んできてくれませんか?」

 

湧「了解した。」

 

そう言って俺は1年生を呼びに行く。以外にもすぐに見つかった。

 

湧「あぁ、いたいた。おーい!」

 

花丸「ずら?前島さんがこっちに来るずら。」

 

ルビィ「そんなに慌ててどうしたんですか?」

 

善子「まさか…結界が破られたの!?」

 

湧「いや、そんなことは無い。っと、そうだった。部室に来てくれ。ダイヤから話があるそうだ。」

 

俺はそう言って部室に戻った。それから程なくして1年生が部室に集まった。

 

ダイヤ「皆さん、1週間後何があるか知ってますよね?」

 

果南「中間テスト…だよね…」

 

ダイヤ「そうです、だからこれから中間テストが終わるまでの間、Aqoursでは勉強会をしたいと思ってます。」

 

ダイヤ、俺以外の全員「えぇー!?」

 

善子「ちょっと!聞いてないんですけど!」

 

湧「俺も休み時間に聞いた時にはゾッとしたぞ…いくらなんでもいきなりすぎるって…」

 

ダイヤ「対策しないと、赤点からは逃げられませんわよ?特に千歌さん、善子さん、果南さん?」

 

3人「うっ…」

 

湧「まぁ待て。確かにテスト対策はやらなきゃいけない。ならば分割すれば効率がいいんじゃないか?」

 

ダイヤ「どういうことですの?」

 

湧「3人は俺が引き受ける。ダイヤ、あとの奴らは頼めるか?分からんところがあったら聞いてくれ。俺が教える。よし、じゃあ3人は俺とやるか。」

 

3人「はぁーい…」

 

そしてAqoursの勉強会が始まった。

 

千歌「あーん!英語わからないよー!」

 

湧「グダグダ言ってても英語は終わらないぞ?ほら、ここの問題は…」

 

善子「リトルデーモン、ここの問題ってどうするの?」

 

湧「あぁ、そこか。そこは…」

 

果南「湧矢、ここの英文どう訳すの?」

 

湧「お、だいぶ進んだな。そこはな…」

 

問題をとき始めて大体のことが分かってきた。

千歌は単語力が無い、善子は公式が頭の中でゴチャゴチャになってる、果南は千歌とは逆で英文の読解はあるが単語の意味が分かってない。

 

湧「課題は山積みだな…まぁ、仕方ない。」

 

俺はと言うと、自分の勉強と教えを両立していた。自分の勉強をしながらみんなの勉強のわからないところを教える。両立ってやっぱり難しいな…

 

湧「よし…少し休憩したいな…」

 

そう言って俺は大きく伸びをする。そして腕時計で時間を確認する。

 

湧「ダイヤ、そろそろ時間的にもちょうどいいんじゃないか?」

 

ダイヤ「そうですね、そろそろ時間的にもちょうどいいと思います。皆さんお疲れ様でした。」

 

全員「お疲れ様〜」

 

そう言って全員帰路についた。帰路についている中で俺はさりげなく言った。

 

湧「簿記受かった。」

 

その瞬間、千歌が自分の事のように喜んだ。

 

千歌「前島くんおめでとー!!」

 

曜「受かるなんてすごい!おめでとう!」

 

梨子「お疲れ様、本当に頑張ったね。」

 

2年生の3人からお祝いをもらった。

 

そして家に帰ってもう一度合格証書を見る。

 

湧「俺、本当に受かったんだな…まだ夢かもしれないって信じてるよ。」

 

ベランダでそう呟く。星が空に煌めき、空を綺麗に彩っている。そんな中で現実になったのにまだ夢なんじゃないか、そんなことを思っている。

 

湧「この調子で、これからも頑張らないとな。」

 

そう小さくつぶやく。空の星が応援するかのようにいっそう輝いて見えた。

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?次回は中間テストの結果発表にしようかと思ってます。

それでは次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第15話〜テスト勉強をしよう、1年生編〜

アイデアを考えて悩んだ末に、学年ごとにわけて3話出すことにしました。今回は1年生編です。

テスト勉強をしていた前島くん、そこに1年生から勉強を見て欲しいとの依頼が。

それでは本編、始まります!


部屋で自分の勉強に取り組んでいると突然電話が鳴り出した。

 

湧「ん?誰からだ?もしもし、前島です。」

 

善子「リトルデーモン?私だけど」

 

湧「おかけになった電話番号は現在使われていないか電波の受信しにくい場所にある可能性があります。」

 

善子「嘘つかないでよ!」

 

湧「冗談だって、で、何の用だ?」

 

善子「これからずら丸の家でテスト勉強をすることになったの、それで…」

 

湧「俺に勉強を見て欲しいんだな?」

 

善子「察しが早くて助かるわ、じゃあ午後、ずら丸の家に集合ね。ルビィも来るから」

 

湧「了解、科目は…数学か?」

 

善子「数学もそうだけど…英語も不安だから…」

 

湧「問題ない、ちゃんと見てやるよ。」

 

善子「ありがとね」

 

湧「おぅ、じゃあ後でな。」

 

そう言って俺は電話を切る。こんな時間に善子から電話が来ること自体が珍しかったが今回の中間の対策をして欲しいとの事だった。今やっている分野を切り上げ、俺は善子たちのためにいろいろ準備を始めた。

 

午後〜

 

湧「ふぅ、着いた着いた。」

 

花丸「あ、前島さん。どうしたずら?」

 

湧「ヨハネ様がテストの対策をしたいってことで依頼された。」

 

花丸「そうだったんですね、オラは先に始めてるずら。」

 

湧「了解、ヨハネ様もルビィちゃんもまだ来てないの?」

 

花丸「まだ来てないずら」

 

湧「じゃあ俺は花丸の勉強を見ることにしようかな、どうだ?初めてのテスト、問題無い?」

 

花丸「オラは特に問題ないずら、ただ善子ちゃん最初の方は学校に来てなかったから…」

 

湧「そうなのか?だから英語も数学もヨハネ様だけ妙に遅れてるのか。」

 

ルビィ「花丸ちゃん、お待たせ!あれ、なんで前島さんがいるんですか?」

 

湧「ヨハネ様が勉強見て欲しいって頼まれたんだよ。その肝心のヨハネ様が居ないんだけどな。」

 

ルビィ「じゃあ先に始めちゃいましょうか」

 

湧「それもそうだな、ルビィちゃんは英語が不安なんだっけ?」

 

ルビィ「そうですね…」

 

湧「安心しなって、俺がちゃんと教えてあげるから」

 

ルビィ「はい!あ、わからないところって言うのは…」

 

湧「ふむふむ、giveを使った文か。確かにそこは覚え方を間違えるとこんがらがっちまうよな。」

 

ヨハネ様が来るまではルビィちゃんの英語を見ることにした。

 

湧「giveのあとは基本的に人、heやsheなどが来るんだ。稀に名詞、ものを表す単語が来る場合もあるけどものが先に来た場合は名詞の前にtoがついてる。注目するのはgiveの後ろの文章だ。」

 

ルビィ「なるほど…こういうことですか?」

 

湧「どれどれ?うん、それであってるよ。」

 

ルビィちゃんの勉強を見ていたら善子が来ていた。

 

善子「やっとついた…」

 

湧「どうした、そんなに息切らせて。」

 

善子「バス乗り遅れちゃったの!」

 

湧「あぁ、そういう事か。それなら仕方ないな。ほれ、始めるぞ。」

 

善子「はーい」

 

湧「それで、ヨハネ様は数学だったか…どうだ?部室である程度わからない所は教えたつもりだが…」

 

善子「一応家に帰って学校で配られたプリントは一通りやってみたわ、見てくれない?」

 

湧「どれどれ…大問2と3が違うな。その公式じゃ三角形は求められない。聞いているのはsinだ。教科書を見せてみな。」

 

善子「はい」

 

湧「いいか?正三角形の場合は1:1:√2が基本だ。これに当てはめれば大問2は解けるだろ?」

 

善子「そういうことだったの?」

 

湧「そういうことだ、あとの問題はあらかた出来てる。見た感じ正答が多いからな。あとはそこを出来るようにすればある程度いい点は期待できるだろ。」

 

善子の答案を見て驚いた。意外にも大体が正答だったのだ。そうとう努力をしたのだろう、遅れを取り戻すために頑張っている善子の姿が目に浮かぶ。

 

花丸「うーん…」

 

湧「どうした花丸、どこか分からないところがあるのか?」

 

花丸「オラは日本史ずら…」

 

湧「日本史か…歴史は年号とその年に何があったかを正確に覚えなきゃいけないからつまづきやすいよな。」

 

花丸「オラ日本史は意外と苦手で…」

 

湧「そうだな…歌にしてみたらどうだ?」

 

花丸「歌?」

 

湧「そうだ、流れで覚えていくのが歴史だ。対策用のプリントも作ってきたし穴埋め感覚で教科書を見ながら埋めてみな?そしたらテストの範囲のところを自分が好きな歌に合わせて歌ってみるんだ。寝る前とかが効果的だ」

 

花丸「すごいずら、的確に教えてくれるずら。」

 

湧「自分が好きなものに例えてやっていくといい。例えばゲーム感覚でやっていく。難問ほど強い敵って考えれば俄然倒したくなるだろ?それと一緒だよ。」

 

そうして時間が過ぎていった。いつの間にか辺りは夕焼けの赤い光に包まれ、一日の終わりを告げようとしていた。

 

湧「お、もう夕方か。どうだ?問題無いと思いたいが…」

 

ルビィ「なんとかなりそうです。」

 

花丸「要点とか、歌って覚えてみるずら。」

 

善子「フッ…ヨハネに不可能などない…」

 

湧「あとは各自で復習だな。わからんとこがあったら問題の写真を送ってくれ。アドバイスはしてやるからな。よし、今日の勉強はここまでにしよう。帰りにコンビニでなんか奢ってやるよ。頑張ったご褒美だ。」

 

花丸「いいんですか?」

 

湧「いいんだよ、頑張ったからな。テスト当日もお互いに頑張ろうな。」

 

花丸「はい!」

 

そう言って俺達はコンビニでアイスを買って食べた。

春の暖かな夕日が町を紅く照らし、一日の終わりを告げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第15話ご覧になっていただきありがとうございました。
次は2年生編です。
次回もゆっくり待っててください!


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Aqoursのみんな、そして俺 第16話〜テスト勉強をしよう、2年生編〜

こんにちは、私です。
考えている間にこんなに日がたっていることを知りました。
今回は2年生編です

それでは本編、はじまります。


朝起きて携帯を確認すると着信記録があった

 

湧「まったく…こんな朝から誰だ…」

 

通話履歴を確認すると千歌から着信があった。

 

湧「こんな朝から…一体何の用だ…?」

 

まだ寝起きで覚醒し切っていない頭をフル回転させるためにリビングで濃いめのコーヒーを飲む。ようやく頭が目覚めてきた。軽く朝食の支度をしようとした時、玄関のチャイムが鳴った。

 

湧「誰からだ?宅配便なら来てもおかしくはないが…」

 

そう言って俺は玄関のドアを開ける。

 

千歌「あ、前島くん!おはよー!」

 

曜「前島くん、おっはヨーソロー!」

 

湧「………」ガチャッ…

 

無言でドアを閉める。朝からあんなにテンションが高いとこっちが朝から疲れてしまう。朝食の支度を再開しようとする。

 

千歌、曜side〜

 

千歌「曜ちゃん、どうしよっか…」

 

曜「千歌ちゃん任せて!前島くんはこうすると出てくるんだ〜」

 

そう言って私は彼の家のチャイムの前に立った。そして…

ピンポンピンポンピンポン!

彼の家のチャイムを連打した

 

千歌「曜ちゃん、これで出てくるの?」

 

曜「うん、出てくるよ。」

 

千歌、曜side out〜

 

俺は朝食に何を作ろうか迷っていた。とりあえずパンを焼くところから始める。パンをセットして焼き始めた時のことだった。

ピンポンピンポンピンポン!

 

湧「なんだ!?火事か!?」

 

ガチャッ…

俺は直ぐに玄関のドアを開けた。しかし、外は何も無かった。

 

湧「なんもないのかよ…じゃあなんで玄関のチャイムがあんなに激しく鳴ったんだ?」

 

そして家に戻りリビングに戻る。するとそこには千歌と曜が居た。

 

湧「…あれ、多分勉強で疲れてるんだろうな…千歌と曜が見える…」

 

千歌「前島くん残念!現実でした!」

 

曜「改めて前島くん、おっはヨーソロー!」

 

湧「何の用だ、俺は今から朝食の支度をしようと思ってるんだが…」

 

千歌「中間テストまであんまり日が無いでしょ?だから勉強を見て欲しいの!」

 

湧「それは問題ないが…今からか?」

 

曜「違うよ、午後から千歌ちゃん家でやろうと思ってるんだ〜。あ、梨子ちゃんも一緒だよ」

 

湧「そういう事か、で、なんで朝から玄関のチャイムをあんなに連打してたんだ?」

 

千歌「それは…」

 

曜「前に前島くんのお家に行った時にこうしたら出てきたから…」

 

湧「そういうことか…呆れてものも言えねぇ…」

 

そんな他愛もない会話を交わしているうちにパンが焼ける音がした。素早くベーコンを焼いてスクランブルエッグを作り朝食にする。

 

湧「お前らって朝食済ませたのか?もしあれなら作ってやるが…」

 

千歌「まだだけど…いいの?」

 

湧「了解、この様子だと曜もまだっぽいな。」

 

素早く朝食を作り3人で朝ごはんを食べる。

 

曜「ハムッ…!美味しい!」

 

湧「ただちょっと卵をスクランブルエッグにしただけで大袈裟な…」

 

そして賑やかな朝食は終わり、千歌の家で勉強を開始した。

 

梨子「千歌ちゃん、来たけど…あれ、前島くん?どうしたの?」

 

湧「おっす、朝からこいつらに勉強を見て欲しいって頼まれてな…それで見てたんだ。」

 

梨子「私も手伝おっか?」

 

湧「それは助かる、千歌の数学を頼めるか?俺は曜の英語を見てるから」

 

梨子「うん、千歌ちゃん、やるよ?」

 

千歌「梨子ちゃ〜ん…この問題わかんな〜い…」

 

梨子「そんなこと言ってても問題は終わらないよ?」

 

千歌「うぅ…梨子ちゃんの鬼…」

 

曜「あっちは大変そうだね…」

 

湧「あぁ、それで?どこがわからないんだ?」

 

曜「あ、うん。わからないところって言うのはね…」

 

湧「なるほど…英作文か」

 

曜「わかれば書けるんだけど書き方がね…」

 

湧「英作文は問題に書いてある条件を満たせばちゃんと点が貰えるんだ、質問に対してちゃんと回答を当てはめれば正解を貰えるからそこまで重く考えなくても問題ないぞ。この質問だと、社会に出るのに英語は必要ですかって質問だからそれに対して考えればいい。」

 

曜「そういうことなんだ〜、えっと…こう?」

 

湧「そういうこと、長文読解で点が取れてればこの問題くらい直ぐに解ける。少し1人でやっててもらえるか?」

 

曜「いいけど…どうしたの?」

 

湧「あれを何とかしてくる。」

 

俺が指を指す方向には問題集とにらめっこしてる千歌の姿。交代のサインだ。

 

湧「梨子、交代頼めるか?自分のテスト勉強やりながらでいいもんで曜を見てやってくれ、俺は問題とにらめっこしてるやつをなんとかする。」

 

梨子「うん、じゃあ私もはじめようかな。」

 

湧「よし…千歌、はじめるぞ。それで…あぁ、この問題かこの問題はな?」

 

千歌「すごーい!前島くんのおかげでスラスラペンが進む!」

 

湧「それは良かった、一応ここに簡単な小テストがあるから少し解いててくれ。」

 

そして千歌に小テストを渡す。すると梨子から声がかかった。

 

梨子「前島くん、ちょっといい?」

 

湧「ん?どした?」

 

梨子「化学の問題なんだけど…」

 

湧「あぁ、どこだ?」

 

梨子「このmol計算がわからなくて…」

 

湧「あぁ、mol計算か…そこって1回わからなくなるとつまづきやすいもんな。じゃあ一日は何秒か計算したことあるか?」

 

梨子「一日を?」

 

湧「まぁ、やってみなって」

 

梨子「…出来たけど…なにか意味があるの?」

 

湧「これにヒントがある。一日を秒に直す時、必ず何かを消していたはずだ。」

 

梨子「えっと…」

 

湧「これだ。」

 

俺は計算のなかで射線が引かれている「時間」「分」のところを指さした。

 

湧「化学では単位が変化するんだ。つまり、計算の時に用いるのは単位変換。単位が色々変わるから分かりにくいかもしれないがこれを用いると一目瞭然」

 

梨子「そういうことだったのね」

 

湧「そういうことだ。よし、簡単な問題を何問か作ったからやってみるか。」

 

そして数時間後〜

 

俺は時計を確認する。

 

湧「お、もうこんな時間なのか」

 

時計の針は17:30を指していた。

 

湧「どうする?時間も丁度いいし終わりにするか?」

 

曜「今って何時なの?」

 

湧「17:30だ」

 

梨子「集中してたから時間のことすっかり忘れてたわ、すごい時間集中してたってことだよね」

 

千歌「これで問題は無いと思うけど…」

 

湧「なに弱気になってんだ?わからん所があれば今ここで教えるが…」

 

千歌「最後のここの問題なんだけどね…」

 

湧「どれどれ…使う公式はあってる。どこかで計算ミスがあるな。どれどれ…ここでミスをしてるから答えがあってないんだ。」

 

千歌「そっか…こうだ!」

 

湧「うん、正解だ。」

 

みんな見た感じだいぶ出来るようになっていた。俺も驚くくらいだ。

 

湧「じゃあ今日はここまでにしよう。わからん所は写真で送ってくれ。解き方は教えるぞ。各自復習を忘れずにな。帰りになんか奢ってやるから、今からコンビニ行くぞ。」

 

千歌「え、なにか買ってくれるの!」

 

曜「じゃあ早速行こう!」

 

梨子「いいの?まだテストも終わってないのに…」

 

湧「いいんだよ、今日は3人とも集中してたからな。俺からのご褒美だ。」

 

そして俺はコンビニで買ったコーヒーを飲み、3人はアイスを食べる。疲れ切った頭にコーヒーの苦い味が広がり、俺の頭を覚醒させる。コンビニで3人といろんな会話に花を咲かせる。

夕陽が海を綺麗に照らし、水面が光っていた。まるでみんなに「頑張れ」と言っているみたいに。

 

 

 




第16話ご覧になっていただきありがとうございました。
次回は3年生、その次は中間テストの結果発表にしたいと思っています。

次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第17話〜テスト勉強をしよう、3年生編〜

皆さんこんにちは、私です。
予告通り今回はテスト勉強3年生編です。

部活のことやら何やらでなかなか時間が取れなくて申し訳ありませんがまったりお待ちくださいね。

それでは本編、はじまります。どうぞ!


目覚ましを止めて意識が覚醒を始める。朝日が窓から差し込み夢から現実に引き戻される。

 

湧「うん…時間は…5時か。ランニング行くか…」

 

そう言って俺は着替えてランニングを始める。ルートは果南と同じようにして少しペースを早めにしている。

 

湧「この時間だと…やっぱりいた。」

 

ちょうど走り始めるくらいだろう果南が準備体操をしていた。

 

果南「あ、湧矢じゃん。ヤッホ、今からランニング?」

 

湧「あぁ、そういう果南もランニングか?」

 

果南「私もちょうど走り始めるところだよ、一緒に行かない?」

 

湧「それは構わんが…俺のペース分かるか?」

 

果南「頑張って合わせるよ、行こっか。」

 

湧「おぅ、置いてかれんなよ?」

 

そう言って俺と果南は走り始める。

 

淡島神社にて〜

 

果南「ハァ…意外とペース早いんだね…なんとか着いてこれてたけど…」

 

湧「前の学校じゃこれが練習メニューに入ってたからな。それに全速力階段ダッシュ2往復15セットとか平気でやってたからこの位なんて事ないし、今度見せてやろっか?」

 

果南「なにそれ…超スパルタじゃん…」

 

湧「まぁお陰で1年で県大会出てるからな、2年で全国行けたから…頑張ればまだまだ上は目指せたかもな。…休憩も程々にして戻るか?」

 

果南「そうだね、戻ろっか。今度見せてよ、全速力階段ダッシュ。私もやってみたいからさ、もし出来そうならAqoursの練習メニューに加えてみたいかも」

 

湧「最初のうちは軽めにしとかないと足が痛くなるどころじゃなくなるぞ?俺だって最初のうちは朝起きてから足が痛いどころじゃなくなったからな…じゃあ行くぞ、置いてかれんなよ?」

 

そう言って来た道を戻り始める。ちょうど果南の家に着く頃には時計の針は6時30分を刺していた。家に着くと果南からお願いされた。

 

果南「あ、今日ダイヤの家でテスト勉強やるんだけど…湧矢も一緒にやらない?」

 

湧「そういうことなら行くぞ、ついでに果南のテスト勉強見ておかないとな。善子も千歌もあの様子なら問題無いだろ。」

 

そう言って俺は果南に千歌と善子のLINEを見せる。そこにはわからない問題の写真がたくさん貼ってあった。

 

湧「あいつらもあいつらなりに頑張ってる。俺たち3年が頑張らないとな。」

 

果南「そうだね、じゃあテストが終わったらご褒美に市民プールに行こうよ!曜に教えてもらったんだけど湧矢ってすっごい早いらしいじゃん、競走しようよ!」

 

湧「言ったな?負けて恥かいても知らんぞ?」

 

果南「お、じゃあ皆呼ぶ?」

 

湧「そうするか、夏の練習メニュー考えるついでにもなるし。」

 

果南「じゃあ決まりだね!あ、勉強会だけど10時頃に松月に来てね?」

 

湧「了解、じゃあ後でな」

 

果南と別れ、俺は家で朝食を作る。甘いものは好みじゃないため普段パンに付けてるのもシナモンとこれまた渋い組み合わせだ。朝食を終え、支度を開始する。

 

湧「こんなもんでいいだろ、行くか。」

 

そして俺は待ち合わせ場所に向けて歩き始めるのだった

 

にて〜

 

松月に着くと果南が立っていた

 

果南「ヤッホ、時間より早めに来たんだね。」

 

湧「時間に遅刻するなんて失礼なこと出来るわけないだろ?1分でも遅刻したら社会じゃやってけないからな」

 

果南「鞠莉はもうちょっと後かな、じゃあ待ってよっか。そういえば水泳っていつから始めたの?」

 

湧「水泳は幼稚園からやってたな。最初はもちろん水が怖かった。風呂とかで湯船に顔を付けるやつやってたら怖く無くなくなって水泳やりたいって父さんに言ったんだよ。」

 

果南「へぇ〜、じゃあ小学校くらいにはもう大会出てたんだね。」

 

湧「まぁ、出てたな。でも結果が出始めたのは小4から。それまでは結果が残せてなかったからな、結果が出なくて何回も辞めたいって思ったこともあった。」

 

果南「なんで続けられたの?」

 

湧「ずっと期待に応えないといけないって使命感があったからな…それが足枷になってたんだと思う。コーチに今は結果が出なくても仕方ない、お前はまだ体が出来てないんだ。体が完成すれば誰にも負けないくらい早く泳げる、だから今は蕾でも良い。お前を認めない奴もいるかもしれないけど、俺はお前の実力は本物だと思ってる。って言われたからやって来てたんだよな」

 

果南「良いコーチだったんだね、良いなぁ。」

 

鞠莉「二人とも随分と仲が良くなったわね〜マリーも憧れちゃう!」

 

果南「鞠莉!いつからいたの!?」

 

鞠莉「うーん…水泳を始めた年代辺りから?」

 

湧「ほぼ最初じゃねぇか…この様子だと影から聞いてたって感じだな…」

 

鞠莉「じゃあそろそろ行きましょ?」

 

湧「そうだな」

 

ダイヤの家にて〜

 

ダイヤ「2人が来るのは分かりますが…なんで前島さんまで来てるのです?」

 

鞠莉「あら、言ってなかったっけ?」

 

ダイヤ「聞いてませんわ!!」

 

果南「まぁまぁ落ち着いて、湧矢は勉強見てくれるんだから。」

 

湧「お、おぅ…まぁ俺も勉強見るついでに最後の復習やっとかないといけないからな。」

 

ダイヤ「そういう事でしたか、それならそうと言ってくだされば良いのに…では始めましょうか、私の部屋でやりますから来てください。」

 

3人「お邪魔します」

 

ダイヤの部屋にて〜

 

果南「湧矢、ここの問題なんだけど…」

 

湧「ん?あぁ、そこか。そこはな?」

 

そして勉強会が始まった。基本自分の勉強をやりつつわからない所を聞く形式だった。

 

湧「こういうことだ、何問か問題作ってきたからやってみるか?公式覚えとかないと数学は点が取れないからな。」

 

果南にプリントを渡す。その時果南の手と俺の手が触れ合う。

 

果南「ありがと…////」

 

湧「おぅ、わからんとこあったら聞いてくれよ?」

 

鞠莉「ダイヤ、あの二人妙に近くなったと思わない?」

 

ダイヤ「そうですね、何かあったんでしょうか…」

 

2人がコソコソ話をしているが俺は気にせず自分の勉強に専念する。当日に赤点を取れば恥晒しどころの問題ではないのだ、それに勉強を見てやった立場の人間が赤点を取るなど断じて許されない。集中力を最大限発揮して難しい英作文を書き上げる。

 

鞠莉「湧矢、ここわかる?」

 

湧「…ん、悪い。集中してて気づかなかった、どこだ?」

 

鞠莉「漢文なんだけど…」

 

湧「漢文か、それは…」

 

鞠莉は国語が苦手なようだ。とくに漢文など、中国語系は間違いが多かった。

 

湧「鞠莉、ここの訳し方も間違ってる。ここはな?」

 

鞠莉「なるほどね〜。漢文は馴染みが無いから難しいわ…」

 

湧「留学したんだっけ?」

 

鞠莉「1年の時にね、イタリアに行っちゃったから漢文とかはサッパリなの。ちょっと漢文で色々教えてもらえない?」

 

湧「留学してたんなら仕方ない、良いぞ。今からある程度点を取れるくらいまで伸ばしてやる。」

 

そして鞠莉に漢文を教え始めた。

 

しばらくして腕時計を確認するともう昼頃だった。

 

湧「もう昼なのか…時間が過ぎるのって早いもんだな。」

 

ダイヤ「一旦お昼休憩を挟みましょうか」

 

果南「そうだね、数学はある程度取れるようになったかな」

 

鞠莉「私も漢文はこれで問題ないわ。一旦休憩しましょ?」

 

湧「そうだな、軽いものなら作れるけど…台所借りても良いか?洗い物とかは俺が全部やっとくし…」

 

ダイヤ「ならお願いしても良いですか?」

 

湧「と言ってもフレンチトースト作ってそれに合うおかずとか作るだけなんだけどな。デザートはちょっと凝ったもの作るけど」

 

果南「湧矢って料理も出来るんだ…」

 

鞠莉「知らなかったの?彼一人暮らしよ?」

 

後ろで話し声が聞こえるがよく分からない。これがガールズトークというものなんだろう。俺は早めに母さんが作っていたフレンチトーストのメニューを思い出しながら作り始める。デザートはトンスイを作る。

(トンスイはシンガポールのデザート)

 

湧「ほいっと、完成だ。」

 

フレンチトーストに卵焼きなどの昼食を作り昼食にする。

 

果南「あれ、湧矢はフレンチトースト食べないの?」

 

湧「こう見えても甘いものは苦手でな…俺はシナモン付けて普段食べてるんだよ。」

 

ダイヤ「意外ですわ…甘いものが苦手って珍しいですわね。」

 

鞠莉「う〜ん!デリシャス!」

 

果南「ホントだ、美味しい!」

 

ダイヤ「程よい甘さで美味しいです、隠し味に何を使ったのです?」

 

湧「バニラエッセンスを少し加えたんだよ。じゃあデザートの仕上げに行ってくるからちょっと待っててくれ。」

 

そして程なくしてデザートを持ってきた。

 

ダイヤ「これは…なんですの?」

 

湧「トンスイって言うシンガポールのデザートだよ。母さんがこの前レシピを教えてくれたんだ。海外勤務だからいろんな国の料理を教えてくれるんだよ。」

 

鞠莉「聞いたことも無い名前ね、どんな味が…!」

 

果南「美味しい!甘過ぎずあっさりしてるんだね。」

 

湧「ココナッツミルクとかで作ってるからまろやかに仕上がるんだよ。マンゴー使ってるから疲れた頭の回復に最適だと思うんだが…」

 

ダイヤ「確かに糖分は頭の回復に必要ですわ。」

 

湧「さて、俺は洗い物しますか。」

 

洗い物を済ませ、午後の勉強を再開する。

 

ダイヤ「前島さん、ちょっといいですか?」

 

湧「ん?どした?」

 

ダイヤ「物理の問題なんですけど…」

 

湧「物理か、計算とかは公式がややこしいからわかりにくくなるのも無理はないよな。」

 

ダイヤ「相対速度と合成速度の問題です、教えてもらえますか?」

 

湧「問題ないぞ、じゃあ始めるか。これはな?」

 

ダイヤ「なるほど…そういうことなんですね。」

 

湧「そういうこと、問題何問か作ったからやってみるか。わからない所は教えるからさ。」

 

ダイヤ「わかりました」

 

外が茜色に染まり始めた。俺は腕時計で時間を確認する。

時刻は17:20を刺していた。

 

湧「もう5時か、明日が本番だし各自自習でわからない所をLINEでって形にして良いか?」

 

ダイヤ「この問題だけ分からなくて…」

 

果南「私も英作文教えて?」

 

鞠莉「物理の問題1問解いたら終わりにしましょう?」

 

湧「すごいや…3人ともここまでやるとはな。俺も負けてられないな。」

 

数分後〜

 

ダイヤ「それではこの辺りで終わりにしましょう。」

 

果南「ん〜…やったやった!」

 

鞠莉「私もよ、これであとは復習だけね」

 

2人が大きく伸びをする。

 

湧「お疲れさん、わからん所はLINEで聞いてくれ。解き方を教えるから。それじゃあ今日はこれでお開きにするか」

 

そしてダイヤの家の前で別れる、いよいよテスト本番。

全部だしきって結果を残さないとな…茜色に染まる空と海の彼方に沈み始める太陽が俺を優しく照らしていた。

まるで太陽が俺にエールを送っているみたいに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第17話、どうでしたか?
よく見たら4000字を超えてましたw中の人は甘いのは苦手ですw振舞ったことは何回かありますよ。ココナッツミルクとかを買わないといけないのがキズですけどね。

次回は結果発表と果南ちゃんとの競走編にしようかと考えてます、それでは次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第18話〜テスト当日だし本気出すか〜

投稿ペースをあげるとか言っておいて変わらずで申し訳ありません、私です。
今回ですが、テスト当日の方を挟んでおきます。短めにしてもう1話出しますね。

それでは本編、始まります



アラームよりも早く起床し、俺はランニングに出かける。

朝の澄んだ空気を目一杯吸って頭を早く起こすためだ。

 

湧「ふぅ、それじゃ行くか」

 

俺はランニングを始める。短めに済ませると言っても浦の星までは走らないと体力的にも鍛えることが出来ないのもあるが朝の空気をたくさん吸っておきたいのもあるのだ。

 

浦の星前〜

 

湧「こんなものか、帰って朝ごはんにしよう。最後の復習をしておきたいからバスの中で参考書を軽く読んでおこうかな。」

 

そう呟きながら俺は家に帰るのだった。

朝ごはんを軽く済ませ、家を出る。学校でも復習をするために早めのバスに乗り、学校に向かう。すると意外なやつが乗ってきた。

 

曜「前島くん、おっはヨーソロー!」

 

千歌「前島くん、おはよー!」

 

梨子「前島くん、おはよう。」

 

湧「珍しいな、いつもは遅刻ギリギリに来てるのに」

 

千歌「えっへへ〜、前島くんがバスに乗るのが見えたからね。そうだ、最後の復習したいから学校まで少し勉強見てくれない?」

 

湧「いつになくやる気だな。」

 

曜「当然だよ、みんな前島くんに勉強見てもらってたんだからね。赤点とったら前島くんに申し訳ないし…」

 

梨子「千歌ちゃんもかなり頑張ってたからね、みんな今回に関しては張り切ってると思うよ。」

 

湧「なるほどな。参考書読みながらだけど軽く教えるから、どの分野だ?」

 

千歌「化学だよ。計算の仕方がまだ少し引っかかるんだよ…」

 

湧「計算か。千歌、下敷き出しな。紙に一日を秒まで計算してみろ、分数でな。」

 

千歌「えー!良いけど………終わったよ?」

 

湧「さて、お前は秒まで計算をするのに何かを消していたはずだ。なんだと思う?」

 

千歌「えっと…」

 

曜「私もそうやって覚えたな〜。わかりやすいしね、前島くんの教え方」

 

梨子「計算楽になったよ、結構単純なんだね。」

 

千歌「わかんないよ〜!」

 

湧「これだよ、単位だ。化学の計算は単位が切り替わる。一見面倒に見えて公式は単純だ。単位変換さえ覚えればあとは計算ができれば何も苦労することなく解ける。」

 

千歌「そうだったの!?」

 

曜「千歌ちゃん…」

 

梨子「もしかして…わからなかったの…?」

 

そうしている間に浦の星に着いた。

 

湧「じゃあ、俺はこっちだからこれで。お前らも頑張れよ?」

 

3人「うん!」

 

教室に入るとダイヤ、果南、鞠莉が復習をしていた。

 

湧「おっす、随分と気合い入ってるんだな。」

 

ダイヤ「当然です。テストですもの、良い点を取るために頑張るに決まってますわ!」

 

果南「湧矢に教えて貰ったんだし赤点なんか取ったら申し訳ないしね〜」

 

鞠莉「私も最後に少しだけ復習をって思ってね、湧矢も復習?」

 

湧「当然だ、浦の星に転校してそうそうに赤点取って補習なんて最悪なスタートは切りたくないし、アイツらにも勉強を教えてた身だ。赤点なんて取ったらあいつらにも示しがつかん。」

 

果南「随分気合入ってるね…私も頑張ろうかな!」

 

そう言って俺達はホームルームが始まるまでテスト勉強をやっていた。

 

担任「皆さん、中間テスト当日です。不正をせず、最後までしっかり問題を解いてくださいね〜」

 

そして程なくしてテストが始まった。中間テストは2日間に渡って行われる。1日目は国語、数学、英語だ。

 

テスト中〜

 

湧(うん、読み通りだ。これならしっかり復習しておけば点を取ることができる。)

 

ダイヤ(勉強会をした時に前島さんが予想していた場所がピタリと出ましたわ。これなら点は取れますね)

 

果南(うん、湧矢が教えてくれた場所だね。何とかなりそう)

 

鞠莉(わかりやすく教えてくれたおかげね、スラスラとペンが進む!湧矢に感謝ね)

 

そして2、3時間目のテストを終え1日目のテストが終了した。

 

湧「お疲れさん。どうよ、自信の程は」

 

ダイヤ「結果が帰ってくるまでは分かりませんわ。でも読みがだいたい当たってましたわね、どうやって予想したのです?」

 

湧「俺のノート見るか?その方がわかりやすいと思う。」

 

そう言って俺はダイヤ達にノートを見せる。

 

ダイヤ「これは…」

 

果南「すごいね…私でもこんなノート見たことないかも…」

 

鞠莉「Oh my god…」

 

湧「先生が授業中にさりげなく言ってたことまで書き留めておいたんだよ、応用みたいな問題も何問か出てただろ?解くためにはある程度先生が普段から言ってることまで書き留めておくと楽に考えられる。」

 

ダイヤ「これが前島さんのノート…参考にしてもいいですか?」

 

湧「無理に自分のノートのとり方を変える必要は無いと思う。自分がやってきたようにしてわからない所、ピンと来ないところを後で質問するなりして自分で補うんだ。」

 

ダイヤ「なるほど…」

 

私立の高校はテストが終わったあとは下校となっている。残って勉強をするのも帰って勉強をするのも自由なのだ。俺はカバンに荷物を入れて教室を出る。次の検定である漢字検定に向け、勉強をするためだ。それと両立してテスト勉強を行う。

 

テスト2日目〜

 

俺は教室に着くなり参考書を見ながら物理の問題を解き始める。少しでも点を取る為、1秒でも時間を無駄にしないためだ。

 

ホームルームが終わり、テストが始まる。

今日は現代社会、物理、常識問題だ。

 

湧(やっぱりな。授業中に先生が言ってたことまで全部小耳に挟んでノートに書き留めておいてよかった。)

 

テストが終わり、張り詰めていた空気が無くなる。昼休みになり、俺は屋上に行く。

 

湧「ふぅ…終わったな。やべっ…少し眠気が…」

 

俺は屋上に着くなり少し横になった。屋上のドアが開く。

 

1年生side〜

 

善子「あれ、誰か居る…リトルデーモン!?」

 

花丸「善子ちゃん、どうしたの?」

 

善子「いや、あれ…」

 

ルビィ「あれって…前島さんだね。どうしたんだろ…」

 

私達は近づいてみる。

 

善子「やっぱりリトルデーモンじゃない…なんで屋上で寝てるのよ…」

 

花丸「善子ちゃん、どうする?」

 

善子「起こすに決まってるでしょ?」

 

ルビィ「えぇ!?起こしちゃ悪い気が…」

 

善子「何言ってるのよ!そもそも屋上で寝てる方がおかしいでしょ!」

 

私は彼に近づくなり体を揺すった

 

1年生side end〜

 

湧「ん…あれ…どした…」

 

善子「それはこっちのセリフよ!なんで屋上で寝てるのよ!」

 

湧「昨日徹夜したんだよ…気がついたら朝まで勉強してた位だ…」

 

花丸「すごいずら…おらには真似出来ないずら…」

 

ルビィ「テストは問題なかったの?」

 

湧「一応はな。だがテストが終わった瞬間眠気が襲って来たんだよ。さすがに教室で他の人に見られながら寝るのは無理だからここで寝ることにしたんだよ。あぁ…よく寝た…訳でもないや。」

 

善子「無理は禁物よ?リトルデーモンの体の心配をするのもヨハネの役目なんだから…次無理したあげくヨハネに寝てるのを見つかったらお仕置きするわよ?」

 

湧「じゃあ見つからなきゃいいんだな?」

 

善子「そういう問題じゃないわよ!」

 

そう言っている間に昼休みが終わる。

 

湧「もうそろそろ授業だな。さて…戻るか。」

 

俺は屋上を後にする。

午後の授業は難なく受けることが出来た。明日からテストの結果が返ってくる。不安はまだ拭いきれないのが事実だ、もしかしたら変なところでミスを取ってるかもしれない。不安を持ちつつも結果を楽しみにして家に帰るのだった。

校門を出た時に鳴ったチャイムは結果を楽しみにと言っているようにも聞こえた。

 

 

 

 




18話をご覧になっていただきありがとうございました。
結果だけにするか迷いましたがやっぱりテストの回を挟んでから結果という形を取りました。
次回は結果発表です。

次回をお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第19話〜テスト結果発表、赤点は回避出来たのか〜

続けて次話を投稿する形にします。私です。
さて今回は、いよいよ結果発表となります。Aqoursは無事に赤点を回避できたのか!?

それでは本編、始まります。


テストの結果が返される日が来た。この日は普通の学生ならば憂鬱な日だ。だが自信満々で居れるほど大人でもない。自信は無いが頑張ったのは見てわかるだろう。

 

湧「結果発表か…正直に言って自信無いな。ケアレスミスとかで点を落としてるかもしれんし、まぁ反省は帰ってからするか。」

 

そう言って俺はいつも通りバスに乗る。バスの中には既に千歌、梨子、曜が居た。

 

千歌「前島くん、おはよー!」

 

曜「前島くん、おっはヨーソロー!」

 

梨子「おはよう、ちょっと眠そうだね。」

 

湧「結果のことが心配であんまり寝れてないんだよ…ケアレスミスで点落としたらって考えたら不安で夜も寝れないっての…」

 

千歌「ダメだよ?夜はちゃんと寝ないと…明日の朝ちゃんと起きれなくなっちゃんじゃん!」

 

湧「逆に何でお前はそんなに元気なんだよ…」

 

曜「千歌ちゃん、今回のテストは手応えあったみたいだからね。」

 

梨子「前島くんの読みが当たったからスラスラ問題が解けたって喜んでたよ?」

 

湧「それはよかった…俺は限界だから学校着くまで寝るよ…」

 

そう言って俺は学校に着くまでの間寝ることにする。

 

千歌「寝ちゃったね、前島くん」

 

曜「可哀想だしこのまま着くまでは寝させてあげよう?」

 

梨子「そうだね、学校に着いたら私が起こすよ」

 

湧「……zzZ」

 

学校付近〜

 

梨子「前島くん、そろそろ着くよ?」

 

湧「ん…そっか…寝ちまったか…悪いな…起こしてもらって…」

 

梨子「良いって。それに寝てた時の前島くん、結構可愛かったよ?」

 

湧「ちょっ…////…写真とか撮ってないよな?」

 

梨子「撮ってないよ。もうそろそろ駅だから、降りる準備してね。」

 

湧「お、おぅ…良かった…写真撮られてなくて…」

 

学校に着き教室に入る。

 

湧「おっす、赤点回避出来てるといいな。」

 

果南「そうだね、まぁ湧矢が教えてくれたから問題ないと思うけど…」

 

ダイヤ「勉強会で教えて貰ったところは出てましたし、なんとかなると思いますよ?とはいえ慢心はいけませんわね。」

 

鞠莉「ダイヤったら硬いよ?大丈夫だって信じましょう?」

 

ホームルームが終わり、1時間目が始まる。1時間目から答案が返され回答と説明が始まる。

 

湧「ちぇっ…やっぱりケアレスミスあったし…それでも得点は94か。まぁまぁだったな。」

 

2、3時間目と答案が返される。大方俺のミスはケアレスミスだけだった。昼休みになるが俺はこれまでの疲れから机に伏せて寝ていた。

 

午後の授業が始まり答案が返される。

物理は87点、現代社会は89点、常識問題は88点だった。

 

帰りのホームルームが始まり担任から順位などが書いてある紙を渡される。

 

湧「順位は…1位だったのか。ケアレスミスあっても上だったんだな。」

 

果南「結果はどうだった?」

 

湧「ほい、こんな感じだった」

 

果南「えっ1位!?」

 

湧「そんな驚くもんでもないだろ…」

 

担任「テストお疲れ様でした。帰ってゆっくり休みましょうね、それではホームルームを終わります。」

 

担任が教室が出るなり俺は帰りの支度を始める。

 

ダイヤ「前島さん、ちょっとよろしいですか?」

 

湧「ん?部活は今日から再開だろ?」

 

ダイヤ「はい、そこで今日の部活の時にテストの反省をしようかと思いまして…」

 

湧「また突然だな、まぁいいんじゃないか?」

 

ダイヤ「では部室に着いたら皆さんに言っておいてくださいね。」

 

湧「了解、ダイヤは生徒会で少し遅くなるのか?」

 

ダイヤ「そうですね、生徒会で少しやることがあるので…」

 

湧「そっか、無理すんなよ?」

 

ダイヤ「もちろんそのつもりですわ。」

 

そう言って俺はダイヤと別れ部室に向かう。

 

部室にて〜

 

湧「おっす…って、まだ誰もいないのか…仕方ない、来るまでちょっと寝るか…」

 

部室に来るが誰もいなかった。疲労もあり机に伏せて寝ることにする。

 

数分後〜

 

ルビィ「あれ…誰もいないのかな…」

 

花丸「ルビィちゃん、まるたちが一番乗りずら?」

 

善子「ヨハネ、降臨!って…ズラ丸、よく見なさいよ。机に伏せて誰か寝てるわよ?」

 

花丸「ほんとずら。寝てるのって…」

 

善子「リトルデーモンじゃない…なんでまた寝てるのよ…」

 

ルビィ「起こさないとダメ?」

 

善子「当然よ!このヨハネの前で寝るなんて、許されると思ってるの?ほら起きなさい?いつまで寝てるのよ!」

 

湧「ん…?善子か…おっす…」

 

善子「だからヨハネよ!って、また寝てたじゃない。まさかまた寝てないとか言わないでしょうね?」

 

湧「今度はちゃんと寝たさ…寝ても2時間位だけどな…結果が不安すぎて寝れなかったんだよ…」

 

ルビィ「2時間てもうお昼寝だよ…」

 

花丸「今日から練習開始ずら?」

 

湧「いや、ダイヤがテストの反省をするってさ。…ふぅ、大分休んだし目も覚めてきたな。」

 

1年生と会話しているうちに2年生と3年生が来た。

 

千歌「前島くん、こんちか!」

 

曜「前島くん、こんにちヨーソロー!」

 

梨子「こんにちは、もうみんな来てたんだね。」

 

湧「なんで千歌と曜はそんなに元気なんだよ…」

 

果南「今日から練習開始なの?」

 

湧「いや、ダイヤがテスト反省するってさ。」

 

鞠莉「みんなのテスト結果を知りたいんだって、赤点とってたらダイヤの雷が落ちるわよ?」

 

そんな噂をしているうちにダイヤが部室に来た。

 

ダイヤ「前島さん、皆さんに説明はしましたか?」

 

湧「バッチリな、全員今日やることは把握済みだよ。」

 

ダイヤ「では皆さん。テストの結果を教えてください。」

 

千歌「私は特に赤点は無かったよ。」

 

曜「私も、化学が意外と点が取れてたかな」

 

梨子「全体的に問題ありませんでした、赤点は無いですよ。」

 

善子「ヨハネに掛かれば造作もない…」

 

花丸「勉強会のおかげで不安箇所もバッチリ点が取れたずら」

 

ルビィ「ルビィも赤点は無かったよ、お姉ちゃん。」

 

果南「私も無かったよ。湧矢が教えてくれたところが出てたおかげでよく点が取れてたね。」

 

鞠莉「No problem!苦手だった分野も満遍なく点が取れたわ。」

 

ダイヤ「私も、少しミスはありましたが満足のいく結果でした。」

 

湧「俺はケアレスミスだけだったな。順位は言ってもいいけどダイヤたちに恨まれそうだから言わないでおくよ。」

 

全員の結果を聞く限り赤点はひとつもなかったようだ。あれだけ努力したんだ、結果が大きく反映された証だろう。

 

湧「とりあえずお疲れさん、今日は解散か?」

 

ダイヤ「そうですね、テストのあとですから休みたいでしょうし…今日はこれで解散にしましょう。」

 

9人「お疲れ様でした!」

 

バス停でバスを待つ間、千歌たちが結果を聞いてきた。

 

千歌「前島くんはテストどうだった?」

 

湧「さっきも言ったろ?ケアレスミスが原因でちょっと点を落としたよ。」

 

曜「順位って教えて貰える?」

 

梨子「私も気になるかも、何位だったの?」

 

湧「ダイヤにだけは言うなよ?多分怒られるからな。ほれ、結果だ。」

 

3人「1位!?」

 

湧「ちょっ声がでかいって!驚きすぎだ!」

 

千歌「いやこれ…驚くなって言う方が無理だよ…」

 

曜「こんな結果見たことないかも…」

 

梨子「音ノ木坂に居た頃でもこんな結果見たこと無かったわね…」

 

あれ、また引かれた気がする…俺が少し落ち込んでいる間にバスが到着する。バスの中から見える紅い夕焼けが海と浜辺を照らし、俺達のテスト結果を祝福しているようにも見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




19話どうだったでしょうか。
こんな感じである程度頭は良いように設定しましたw次回からまた日常に戻していく感じにします。

次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第20話 〜そうだ、テストのお疲れ様会をしよう〜

ご無沙汰してます、アルスです。
今後ですが何となくメンバー一人一人のお出かけ回を挟んでもいいのでは?と思っている今日この頃…どうしようかまだ色々決まってないです…申し訳ありません…

さて今回ですが、テストということでお疲れ様会をやろうかと思います。

それでは本編、始まります。


ホームルームが終わり俺は部室に行くために支度を始める。

 

湧「よし、支度もしたし行くか」

 

そう言った矢先、果南から声がかかった。

 

果南「湧矢、ちょっと待っててくれない?」

 

湧「ん、じゃあ廊下で待ってるから支度終わったら声掛けてくれ」

 

果南「うん、じゃあ少し待っててね」

 

そう言って果南は支度を始め、ダイヤたちと出てきた。

 

鞠莉「じゃあ行きましょう?」

 

湧「そうだな、行くか」

 

廊下にて〜

 

鞠莉「テストが終わったわけだし順位張り出されてたわよね?マリー見て驚いちゃった!湧矢学年1位なんだもの!」

 

湧「おいバラすなよ…改めて言われると恥ずかしいから…////」

 

ダイヤ「教えるのが上手いのですからテストの順位が高くても仕方ないのではありません?私も驚きましたわ…教科ごとの順位でも必ず前島さんの名前があったんですもの…」

 

果南「私は結果の紙が渡された時にこっそり教えてもらったな〜、それでもやっぱり点は高いね。」

 

湧「お前らな…でもその結果何日か徹夜したんだからな?問題作ったり自分のテスト勉強やったりとかしたら朝日が俺の顔を照らしてたんだから…結果屋上で寝てたっての…」

 

ダイヤ「だから昼休みにふらりといなくなったのですね、無理はぶっぶーですよ?」

 

湧「無理はしてないさ、ただ結果自体は高めに取っておきたいもんなんだよ。中学の時は目標高くしすぎて挫折して最下位とったことあったけどな」

 

鞠莉「やっぱりうちのホテルで雇ってもいい?パパにも相談してみるから!」

 

果南「鞠莉、それは湧矢が自分で決めるから今は候補に入れておくだけにしておいてよ?」

 

そんな会話を交わしているうちに部室に着いた。

 

湧「おっす、もうみんな来てるんだな。」

 

千歌「前島くん、こんちか!」

 

曜「前島くん、こんにちヨーソロー!」

 

湧「随分と癖の強い奴らが何人かいるけどまぁ無視でいいか」

 

千歌「もう!前島くん無視なんてひどいよー!反応の1つくらいくれてもいいでしょ!」

 

曜「無視は流石にどうかな…前島くんの水着の写真みんなに見せちゃうよ?」

 

湧「お前あの時撮ったのか!?今すぐ消せ!恥ずかしいんだから!すまん梨子、この癖が強いふたりをどうにかしてくれ!」

 

梨子「千歌ちゃん、曜ちゃん、みんな来たから練習行きましょ?」

 

千歌「うん!あ、終わったら1回部室に集合ね?」

 

湧「え、お、おぅ…また急だな…」

 

俺は屋上に向かう途中で果南たちに新しい練習メニューを提案する。

 

湧「練習メニュー見ててさ、メニュー追加してもいいんじゃないかと思ったんだけど…どうだ?」

 

ダイヤ「いいと思います。何を追加するのです?」

 

湧「俺が浜松の学校にいる頃にやってたメニューなんだけどな、全速力階段ダッシュってやつ。」

 

果南「え、ホントにやるの?説明聞く限りじゃかなりキツそうなイメージがあるんだけど…」

 

鞠莉「何事もやってみないとわからないでしょ?1回やってみましょう?」

 

湧「それもそうだな」

 

屋上に着くと1年と2年が集合してストレッチをしていた。

 

湧「じゃあメニューの発表だ。新しくひとつメニューを加えてみようと思うんだが…大丈夫か?」

 

千歌「うっ…増えるの?」

 

曜「私は問題ないかな、ランニングの距離増やすの?」

 

梨子「前島くん、キツいメニューはあんまり追加しないでよ?」

 

花丸「おら全部出来るか心配ずら…」

 

ルビィ「お姉ちゃんたちは知ってるの?」

 

善子「ヨハネに掛かれば造作もないことよ…」

 

湧「じゃあ発表するぞ?追加するメニューは全速力階段ダッシュだ。まぁ文字の通りだな。」

 

千歌「えー!階段ダッシュ!?」

 

湧「あぁ、階段ダッシュだ。まだ足が出来てない感じがするから少し足を鍛えておこうと思ってな。じゃあ校舎の1階行くか。」

 

そう言って俺達は歩き出す。1階につき説明を始める。

 

湧「全速力とは言ったが追加するかは出来次第だ。軽く手本を見せるから携帯でタイム計ってくれないか?」

 

そう言って俺は制服のブレザーを脱ぎ軽く準備運動をする。

 

湧「じゃあ行ってくる、スタート」ダッ!

 

そう言って俺は勢い良く階段を登って行った。

 

千歌たちside〜

 

千歌「すごい勢いで登ってったね…」

 

花丸「おらに出来るか不安ずら…」

 

前島くんの携帯を見るとまだ1分とちょっとしか経過してない、全速力って言ってたけど前島くんのペースってどれくらいなんだろ…

 

曜「果南ちゃん、前島くんのペースってどれくらいあるの?」

 

果南「うーん…私のランニングのペースよりちょっと早いかな?」

 

曜「それって果南ちゃんよりも早いってこと?」

 

梨子「どのくらい早いのか想像つかないわ…」

 

梨子ちゃんがそう言った矢先、湧矢が降りてきた

 

千歌たちside end〜

 

湧「ただいま、えっとタイムは…3分前後か、まだまだ遅いな…今度淡島神社で全速力階段ダッシュ2往復15セットやるしかないか…」

 

ダイヤ「3分の時点で早いのは間違いないですわ…」

 

鞠莉「いつまで言っててもはじまらないし、私達も行きましょう?湧矢、最初だし自分のペースで行ってもいいかしら?」

 

湧「問題ないぞ?全速力でやって明日筋肉痛になりましたなんて言われたらシャレにならんからな」

 

ダイヤ「皆さん、行きますわよ!」

 

そう言ってみんなは階段を登って行った。

 

数分後〜

 

湧「お疲れさん、果南と曜はまだまだ余裕っぽいな」

 

曜「意外と楽なんだね、私なら何往復か出来るかも」

 

果南「私も行けそうだね」

 

湧「あとのやつらは…ダメっぽいな。これはたまにやるくらいでいいか。」

 

善子「自分のペースでって言われても登りがキツいわよ…はぁ、足が痛い…」

 

湧「ほれ」

 

善子「冷たっ!」

 

湧「水でも飲んで少し休むか」

 

善子「そうね。そう言えばアレス、聞きたいことがあるんだけど…」

 

湧「なんだ?お前の生放送なら出ないぞ?」

 

善子「そんなんじゃないわよ!前の学校で水泳やってたって言ってたでしょ?これ何回やってたの?」

 

湧「階段ダッシュか?2往復15セットだな。全速力だから慣れないうちは足が毎日悲鳴をあげてたんだよ…あの頃が懐かしいな」

 

善子「スパルタもいい所いくわね…」

 

湧「見た感じまだ足の方が出来てないイメージがあるんだよ、お前も含めてな。スタミナをつけるって面でも階段ダッシュは効果的だと思う。」

 

善子「そういう事だったのね」

 

花丸「おらもう限界ずら…」

 

ルビィ「ルビィも…」

 

湧「ほれ、水飲んで少し休みな。流石に慣れないメニューだと体力が早く落ちちまうよな、たまにやるくらいにしとくか。」

 

千歌「ふぅ、だいぶ休んだし屋上に行こ!ステップとか練習しないと!」

 

千歌の掛け声で屋上に向かう

 

屋上にて〜

 

ダイヤ「では通しますから見てもらえますか?」

 

湧「了解」

 

♪〜♪〜♪〜

 

ダイヤ「どうでしたか?」

 

湧「そうだな…曜が気持ち早いな、梨子の手が伸び切ってなかった、善子の方は少し遅かったかな」

 

ダイヤ「わかりました、では各自で練習しましょう。」

 

数分後〜

 

ダイヤ「では最後に通しますね。前島さん、よろしくお願いしますわ」

 

湧「了解」

 

♪〜♪〜♪〜

 

湧「うん、だいぶ良くなったな。千歌、部室に集合なんだっけ?」

 

千歌「うん、じゃあ行こう!」

 

部室〜

 

千歌「テストも終わったことだしお疲れ様会をしたいんだよ!」

 

湧「また突然…でもないな。鞠莉が廊下で言ってたっけ…で、やるのはいいけどどこでやるんだ?」

 

千歌「あ…」

 

湧「やっぱりバカ千歌じゃねぇか…」

 

曜「あ、前島くんの家とかどう?」

 

湧「…は?俺ん家?まぁ1人暮らしだし別にいいけどさ…」

 

千歌「じゃあお疲れ様会は前島くん家に決定!今日の部活はここまで!早速前島くんの家に行こう!」

 

そう言って慌ただしく部活は終わった。

 

前島宅〜

 

湧「ほい、じゃあ軽く料理とか準備するからみんなはゆっくりしててくれ」

 

千歌「前島くん料理できるの!?」

 

梨子「千歌ちゃん…前島くん一人暮らしだよ?料理くらい出来るよ?」

 

花丸「前島さんの料理楽しみずら〜」

 

ダイヤ「1度食べたことはありますがとても美味しかったです。今度は何を作ってくれるんでしょうか」

 

みんながゆっくりしている間にヒラメの下準備を始める。

冷蔵庫からヒラメを取り出し、捌く。ヒラメに塩、胡椒、小麦粉をまぶし、フライパンの準備を始める。サラダ油入れ、バターを溶かし焼き上げる。

器に盛り付け、フライパンの中のバターにレモン汁を加えてソースを作りヒラメにかける。付け合せにバジル、ミニトマトを添える。

 

湧「ほい、1品目な。直ぐに2品目作る。曜、手伝ってくれないか?」

 

曜「私?良いよ!」

 

湧「曜、野菜室からオクラ、黄パプリカ、アスパラガス、ホワイトアスパラガス、カリフラワー、キャベツ、ズッキーニ、ニンジン、ヤングコーンを出してくれ。」

 

曜「うん!随分多いんだね、何を作るの?」

 

湧「それは出来てからのお楽しみだ」

 

俺は冷蔵庫からコンソメスープの素、ワインビネガー、小麦粉、粉ゼラチン、マヨネーズ、オリーブオイル、タイム、パセリを出す。

 

湧「さ、始めるぞ。」

 

曜「曜ちゃんにおまかせ!ヨーソロー!」

 

湧「曜、鍋にワインビネガーを入れてカリフラワーを茹でてくれ」

 

曜「おまかせ!」

 

曜は料理に慣れているのか慣れた手つきでカリフラワーを茹で始めた。俺はその間にニンジン、ヤングコーンを茹でる。

 

曜「カリフラワー終わったよ!」

 

湧「よし、じゃあキャベツの葉を茹でて茹で終えたら芯を取り除いてくれ。」

 

曜「うん!」

 

湧「よし、コーンとニンジン終わり。そしたらパプリカの方を炒めて…」

 

曜「キャベツ終わったよ!」

 

湧「よし、パプリカ頼めるか?ズッキーニ仕上げる。」

 

曜「了解!」

 

ズッキーニを細く切る

 

湧「曜、パプリカを皿に持っておいてくれ。ズッキーニ頼んでいいか?」

 

曜「了解!」

 

曜にズッキーニを任せ、アスパラガスの皮を剥き、ホワイトアスパラガスに取り掛かる。

 

湧「曜、オクラを頼んだ。アスパラは任せてくれ。」

 

曜「はーい!」

 

オクラのガクを剥き軽く茹でる。

 

湧「曜、オクラが茹で上がったら塩を降ってまな板で擦ってくれ。」

 

曜「まな板で擦る?」

 

湧「そうすると食材の表面を軽く削げるだけでなく適度に塩味がつくんだ。終わったらこっちに頼む。」

 

曜「はーい!」

 

オクラを炒めて流水で洗い流す。そしてソースを直ぐに仕上げ、型を用意する。

そこにキャベツを敷く。そしてパプリカ、ズッキーニ、ヤングコーン、ニンジン、カリフラワー、オクラ、アスパラガスを置く。そこにコンソメで作ったソースを流し込む。

 

千歌「良い匂ーい!何作ってるの?」

 

湧「出来てからのお楽しみだ、もうちょっと待っててくれ。今のともうあと1品作るからそれが終わったらお疲れ様会をやろう。」

 

千歌「うん!」

 

花丸「随分本格的に作るずら…楽しみずら…」

 

ルビィ「そうだね、ヒラメを使ってるから外国の料理なのかな?」

 

鞠莉「ルビィ鋭いわね。そうよ。これは外国の、それもフランスの料理なの。」

 

ダイヤ「前島さん…いろんな料理ができるとは聞きましたがここまでとは…」

 

果南「前に食べたデザートも美味しかったよね。トンスイって言うんだっけ?」

 

湧「そうだ。シンガポールのデザートだな。甘いものが苦手だからレシピだけ母さんに教えてもらったんだよ。」

 

みんなと話しながら型に野菜を詰めキャベツを被せる。

ラップをして冷凍庫に入れて少し放置。その間に次の料理を始める。

 

湧「お疲れ様、曜は向こうで休んでてくれ。」

 

曜「うん、また前島くんと料理したいな。」

 

湧「それは嬉しいことを、ぜひまたやろうな。」

 

そう言って曜はみんなの方に向かった。

 

湧「よし、じゃあラスト1品作るか。」

 

鶏肉を切り、白ワイン、塩胡椒でマリネする。

その間にニンニク、玉葱を切り、トマトを湯煎する。そしてサラダ油を使って熱しそこにニンニクと玉葱を入れて炒める。湯煎したトマトを入れ30分間ブーケガルニする。

30分間の間にオレンジの皮を剥き、白い所を取り除き千切り。そして水と砂糖で甘く煮詰める。身の部分をさっきの汁で甘く煮る。マリネした鶏肉をフライパンで炒め焼き、その後鍋に移してトマトソース、白ワイン、サラダ油を加える。そして先程のオレンジを加えてもう10分煮込む。

 

湧「よし、そろそろテリーヌが仕上がるな。」

 

冷凍庫からテリーヌを取り出し丁寧に仕上げる。

 

湧「よし、テリーヌ完成。あとは鶏肉だけ!」

 

数分後〜

 

湧「よし、煮込み具合も良いだろう。盛り付けて…完成!」

 

梨子「完成?」

 

湧「あぁ、待たせて悪かったな。始めるか。梨子、向こうのテーブルに持って行ってくれ。」

 

梨子「うん、じゃあ持ってくね?」

 

今現在でかなり時間がかかってしまった。調理の開始は3時過ぎからだがもう7時を回っている。

 

湧「家に連絡とか入れとけよ?」

 

9人「はーい!」

 

湧「完成だ、フランスの料理なんだけどな」

 

ダイヤ「すごい…これまさか1人で?」

 

湧「いや、テリーヌだけ曜に手伝ってもらったんだ。こいつだけは行程が多いから面倒なんだよ。」

 

ルビィ「花丸ちゃん、テリーヌ綺麗だね!」

 

花丸「前島さん、何種類野菜を使ったずら?」

 

湧「ざっと9種類。だから9種の野菜のテリーヌだな。」

 

善子「このムニエル随分早く作ったけど…手馴れてるの?」

 

湧「基本ムニエル系は一通り慣れてるんだ。母さんが海外に行く前に叩き込まれたんだよ、フレンチの技法とかも全部な。」

 

善子「あんたのお母さん何者よ…」

 

湧「いろんな国で料理作ってる人だな。」

 

果南「鶏肉いい匂いだね〜」

 

湧「オレンジを使ってるんだ。甘く煮たんだよ。」

 

鞠莉「やっぱりうちで働かない?あなたのその腕を見込んで頼みたいわ!」

 

湧「考えさせてくれないか?」

 

千歌「みんな、グラスを持った?それじゃあ中間テスト全員赤点回避を祝して…乾杯!」

 

全員「乾杯!」

 

千歌の乾杯の合図でお疲れ様会が始まった。

 

千歌「ハムっ…美味しい!野菜だけなのにこんなに美味しくなるんだね!」

 

湧「野菜も舐めたもんじゃないぞ?ハムっ…クオリティはまだまだだな。」

 

曜「前島くんとの共同作業すごかったよ、次々に色んなことが飛んできて…私もうクタクタ…」

 

そしてお疲れ様会が終わり片付けを終えたところで解散となった。

 

湧「じゃあまたな、暇があったらまた振る舞うよ。」

 

ルビィ「とっても美味しかったです、普段和風な料理しか食べてないから…」

 

湧「そっか、網元の名家以前に家も和風だもんな。また振る舞うよ、いつでもおいで?」

 

ルビィ「うん!」

 

湧「今日は楽しかったな…久しぶりにいろんな料理も作ったし…ふぁ…疲れたな…すこし夜風に当たろう…」

 

そう言って俺はベランダに出る。

空に煌めく無数の星は、まるでAqoursを象徴しているかのように眩しく見えた。

 

 

 

 

 

 

 




20話いかがでしたか?
フレンチの料理は時間がかかるので難しいですよね

次回は各メンバーごとにデートをすることになると思います。

それでは次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第21話 〜お出かけしよう、みかん娘編〜

みなさんこんにちは、私です。アルスです。
今回から各メンバーとのお出かけパートとなります。上手くかけるかわかりませんが温かい目で見てください。

最初はAqoursのリーダー千歌ちゃんです

それでは本編、始まります。どうぞ!


着信音〜♪

 

湧「ぅん…?こんな朝っぱらから誰だ…?はい、前島です…」

 

千歌「前島くん、おっはよー!」

 

湧「……」ブツッ…(電話を切る)

 

朝から大きすぎるモーニングコールで叩き起される。

 

数分後〜

 

湧「…はい…前島です…」

 

千歌「もう!私からのモーニングコールを切るなんてひどいよ!」

 

湧「普通に考えたら朝からそんなでかいモーニングコールは誰も期待しねぇよ…それで、何の用だ…?」

 

千歌「前島くんって今日空いてる?一緒にお出かけしようよ!」

 

湧「まぁ空いてるっちゃ空いてるな。どこに行くんだ?」

 

千歌「お買い物に行きたくて、洋服とかも見てほしいんだ。」

 

湧「別にいいけど…俺にセンスを問うなよ?」

 

千歌「男の子とお買い物に行く機会なんて滅多にないから貴重な意見がもらえると思うな、じゃあお昼頃に家に来てね!」

 

湧「ん、了解した。」

 

千歌との電話で意識が覚醒した。昼まで時間もあるのでいつも通りランニングをしようと外に出る。

 

湧「この時間なら……やっぱり居た、おっす。相変わらず早いな。」

 

果南「お、来たね。じゃあ行こっか」

 

湧「それもそうだな、しっかりついてこいよ?」

 

果南「うん、私も負けないからね?」

 

湧「そいつは楽しみだ。淡島神社に着いたら俺は全速力階段ダッシュやるけど…やるか?」

 

果南「じゃあ私もやってみようかな。」

 

湧「おっけ」

 

俺は日課のランニングを果南とやるようになった。少しずつだが果南も俺のペースについてきている。

 

淡島神社〜

 

湧「よし、じゃあ俺はやるか。」

 

そう言って俺は下に降り腕時計をタイマーモードにしてセットする。

 

湧「3 2 1 スタート」ダッ

 

一気に階段を駆け上がる。この全速力階段ダッシュは高校でやっていたメニューの一環で、毎日部活でこれをやる。これが出来ないようではスタミナ以前に足の力が弱くなり水を強く蹴れない。足を大きくあげ、それでもスピードは変えずに登る。

 

湧「頂上、よし。下りいくぞ。」

 

そして下り。登りより簡単なため下りは早い。登りで大きく足を上げるため慣れないと足の筋肉が次の日に悲鳴を上げる。

 

湧「よし、1往復目。もう1往復っと。」

 

湧「よし、1セット終わり。」

 

果南「すごい早さだね…私も行こうかな。」

 

湧「行くならこれ貸すぞ?俺の腕時計。階段ダッシュやったばっかりだから汗がついてるかもしれんけど…」

 

果南「ありがと、じゃあ借りようかな」

 

俺は腕時計を丁寧に拭いて果南の腕に付ける。

 

湧「ここを押してタイマーモードにして…よし」

 

果南(湧矢がこんな近くに…腕もがっしりしてる…って何見てるの私!?)////

 

湧「果南?顔が赤いけどなんでだ?」

 

果南「なんでもない!バカ!」

 

湧「なんで罵倒…」

 

そう言っている間に果南も階段ダッシュを始める。

 

果南(学校でやった時は階段の数が少なかったけど淡島神社だと階段の数が多いからキツイな…これを2往復ってことは湧矢の体力って私よりも化け物じみてるってこと?)

 

湧「いきなり淡島神社の階段でやってるが大丈夫なのだろうか…」

 

そう呟いている間に果南が帰ってきた。

 

湧「おかえり、やっぱり最初から淡島神社の階段はキツいか?」

 

果南「うん、意外と湧矢と同じようなスタイルでやってたから慣れてないんだよね。」

 

湧「まぁ最初はそんなもんだよ。むしろ1往復でもできただけマシなもんだ。じゃあ戻るぞ」

 

ランニングを終え果南と別れ家に戻る。時刻は7時30分を指していた。

 

湧「さて、朝食を作るか。なにかあったかな…?お、コイツとご飯、味噌汁でいくか。」

 

冷蔵庫の中から買ってあった鯖を取り出し包丁で捌く。頭を落とし苦玉を潰さないように気をつけながら胃、腸を取り出す。

 

湧「よし、下処理完了。煮付けにして食べるか。」

 

鯖の皮の面を上にして塩を振る。やかんに水を入れ、お湯を沸かす。お湯が沸いたら沸き立てのお湯を鯖にかける。

生姜を切り、水、砂糖、料理用酒、みりんを入れてひと煮立ちさせる。鯖の皮目を上にして鯖を入れ、落し蓋をして弱火で3分煮込む。3分後、醤油を加えて10分弱火で煮込む。

 

湧「うん、煮込み具合も良いだろう。盛り付けるか。」

 

皿に鯖を盛り付け煮汁を少しかける、三葉を刻んで鯖の上に盛り付ける。

 

湧「よし、ご飯も炊けたし味噌汁も鯖と並行して作ったから完成だ。」

 

朝食後〜

 

朝食を終え勉強を始める。次の検定である漢字検定の取得のため、日頃からの勉強を欠かさない。今回受験する級は2級。受かるかは日頃からの自分の努力にかかっているため問題集とにらめっこしながら問題を解き進める。

 

2時間後〜

 

時刻は11時前を指していた。

 

湧「そうか、約束のお昼までもう少しだな。支度するか。」

 

ブラックパンツを履き、ベルトを付ける。白いTシャツを着てその上から赤と黒のチェックシャツを着てネックレスを付ける。黒のボディバッグを掛けて準備を完了させる。

 

湧「準備完了っと、昼は軽めに済ませるか。」

 

昼は朝の余りの味噌汁とご飯、卵焼きを作り済ませる。

 

湧「じゃあ行くか。」

 

財布、身分証明書、携帯、イヤホン、ハンカチを持って家を出る。鍵をかけバッグの中に鍵を入れておく。

 

十千万旅館にて〜

 

千歌「あ、来た!」

 

湧「人との約束をすっぽかすわけないだろ?」

 

千歌「それもそうだよね。それにしても前島くん、随分ファッションに気合い入れたね。」

 

湧「普段からどっか行く時にはこんな感じのファッションしてるっての。」

 

千歌「そうなの?そろそろ行こっか。」

 

湧「そうだな。」

 

千歌と俺は2人でバスに乗り込む。

 

湧「沼津に大きなショッピングモールなんてあったか?」

 

千歌「あるよ?そこで服とかを見る予定だよ。」

 

湧「了解」

 

沼津〜

 

湧「意外とあるんだな…」

 

千歌「だから言ったじゃん。行くよ?」

 

千歌に手を引っ張られながらショッピングモール内を見て回る。目的の服屋に着くと千歌は早速服を見始めた。

 

千歌「うーん、大人っぽく赤にしてもいいけど…」

 

湧「これなんかどうよ、赤でも少し薄めのやつ。」

 

千歌「あ、それいいかも!試着してくるね。」

 

湧「おう、いってらっしゃい。」

 

千歌「どうかな?」

 

湧「大人っぽくていいんじゃないか?」

 

千歌「じゃあお金払ってくるね。」

 

お金を払って服屋を出て次に行ったのはアクセサリー等が売られている場所だった。

 

千歌「イヤリングとか付けたことないかも…」

 

湧「イヤリング?ピアスとはまた違うんだっけ?」

 

千歌「うん。ピアスは穴を開けないといけないんだけどイヤリングは穴を開けなくても良いんだよ。」

 

湧「へぇ、見てみるか?」

 

千歌「良いの?」

 

湧「良いぞ、見てみるか。」

 

そう言って俺達はイヤリングを見始めた。

 

千歌「このイヤリング可愛いね〜」

 

そう言って千歌が俺に見せてきたのはハートが付いたピンク色のイヤリングだった。

 

湧「確かに、お前が付けたら可愛いかもな。どうする?」

 

千歌「うーん…買っとこうかな。」

 

湧「じゃあちょっと貸してみ?」

 

そう言って俺は千歌からイヤリングを受け取るとレジに持って会計を済ませた。

 

湧「ほい、俺からのプレゼント…になるのかな?まぁ受け取っといてくれよ。」

 

千歌「良いの?」

 

湧「良いんだよ。いっつも練習で頑張ってるし朝のモーニングコール、いらんとか言ったけどあれで目も覚めたしな。」

 

千歌「ありがとう!…でも改めて言われると恥ずかしいね…////」

 

湧「少し休憩するか。なんか飲む?」

 

千歌「じゃあみかんジュースで!」

 

湧「相変わらずみかん好きだな。」

 

千歌「もちろんだよ。みかんはいつ食べても美味しいからね。」

 

湧「じゃあ少し待っててな、俺はどうしよっかな…」

 

自販機にお金を入れてみかんジュースを買う。甘いものが苦手な俺はブラックのコーヒーを買うことにした。

 

湧「ほい、みかんジュースな。」

 

首筋にみかんジュースを当てる。

 

千歌「ひゃっ!?」

 

湧「ぷっ…なんだ今の声…」

 

千歌「もう!私の事からかって遊んでるでしょ!」

 

湧「悪い悪い、あんまりにもお前の反応が可愛かったんでな。子供の頃に母さんにやられた時の俺に反応が似てたもんでな…」

 

千歌「そうなんだ、でも私で遊ぶのはダメだよ?」

 

湧「そこは悪かったって、みかんジュース飲んで機嫌直せよ。お詫びになんか買ってやるからさ」

 

千歌「言ったね?じゃあ…」

 

そう言って千歌はさっきのアクセサリーショップに来た。

 

湧「さっきのところだな。何を買うんだ?」

 

千歌「これだよ!」

 

千歌が俺に差し出したのはペアルックのブレスレットだった。

 

湧「ペアルックのやつか。千歌、貸してみ?」

 

そう言って千歌からブレスレットを受け取り会計を済ませる。

 

店員「お客様、ペアルックの物ですしよろしければ写真をお撮りしますよ?」

 

千歌「どうしよっか?」

 

湧「じゃあ、お願いします。」

 

そう言って俺と千歌はブレスレットを付けて写真を撮ってもらい写真を受け取った。

 

湧「なんか恋人みたいだな、ペアルックのブレスレット付けてると」

 

千歌「そうだね、恋人みたいだね…////」

 

ショッピングモールを出て帰路につく途中、アイスクリーム屋を見かけた。

 

千歌「そうだ。帰りにアイス食べて行きたいかも!」

 

湧「また突然だな、でも俺は甘いもの食べれないし…」

 

千歌「大丈夫!アイスと一緒に前島くんが飲んでたコーヒーも自販機で買ってくるから!」

 

湧「いいのか?」

 

千歌「良いの!ブレスレットとイヤリングのお返しだと思って!」

 

湧「じゃあそこのベンチで待ってるよ、荷物預かっとくから買ってきな?」

 

千歌「うん!いってきまーす!」

 

数分後〜

 

千歌「買ってきたよ、はいこれ。コーヒーね」

湧「悪いな、金返すからちょっと待っててくれ。」

 

千歌「お金は良いよ、私だって前島くんにブレスレットもイヤリングも買ってもらったんだから。」

 

湧「……そうか。お前がそこまで言うなら」

 

千歌「うーん!冷たくて美味しい!」

 

湧「今日は楽しかったか?」

 

千歌「うん、とっても!また2人でこうやってお出かけしたいね。」

 

湧「もちろん出来るって。また2人で出かけような。」

 

そう言って俺は千歌の頭を撫でる。

 

千歌「くすぐったいよ〜」

 

湧「俺からの礼だよ」

 

アイスを食べ終えバスに乗り込む。千歌との1日はこうして終わりを告げた。

 

旅館前〜

 

千歌「前島くん、またね!」

 

湧「おう、イヤリングとブレスレット大事に持っとけよ?」

 

千歌「うん!」

 

そう言って千歌は旅館の中に入っていった。

旅館の前で見る空が茜色に染まり、1日の終わりを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




21話いかがだったでしょうか。
完全に千歌ちゃんとのデート回でしたね。

次回は梨子ちゃんを予定しております。いつ投稿になるかはわかりませんが早めに書きあげますね。

それでは次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第22話 〜お出かけしよう、ピアノ少女編〜

皆さんこんにちは、私です。
学校が始まるのでまた落ちるかもしれません、申し訳ありません…

今回は梨子ちゃんとのお出かけ編です。

それでは本編、始まります。


部屋で本を読んでいるとLINEに通知が来た。

 

湧「こんな時間に誰からだ?」

 

俺は携帯を確認する。梨子から連絡があった。

 

梨子「今日時間があったら映画に行きませんか?ちょうどチケットがあるから一緒に見に行きたい映画があるの。沼津駅に9時頃に来てくれるかな?」

 

とのことだった。

 

湧「特に用事もないし行くか。」

 

着替えを始める。黒のチノパンを履き、黒のTシャツを着て青のジャージを着てネックレスを付けてボディバッグをかける。ワックスを付けて髪をセットし、腕時計を付けて準備を終える。

 

湧「よし、支度完了だな。」

 

携帯、財布、バッテリー、鍵、身分証明書を持って家を出る。鍵をかけてボディバッグに入れておく。

 

湧「バスは…そろそろか。これに乗っていけば待ち合わせまでには余裕で間に合うし、向こうに着いたら自販機でコーヒーを買ってゆっくり梨子を待つとしようか。」

 

そう言って俺はバスに乗り込んだ。

 

梨子side

 

梨子「あんなふうに誘っちゃったけど…やっぱり恥ずかしいな…////」

 

彼のLINEに今日一緒にお出かけしませんかと送ったのはいいけど送ったあとになって恥ずかしさが来てしまう。私は着替えて待ち合わせの場所に向かうことにした。

赤のフレアチュールスカートを履き、白のパーカーを着てポーチを肩からかけて支度を終える。財布や携帯を入れて家を出る。

 

梨子「お母さん、行ってくるね!」

 

梨子の母「あらお出かけ?もしかして彼氏とか?」

 

梨子「そ、そんなんじゃないってば!////」

 

梨子side end〜

 

沼津に着き、自販機でコーヒーを購入して飲んでいると、見慣れた髪色の少女が来るのが見えた。

 

梨子「急に誘ってごめんね、待たせちゃったかな?」

 

湧「いや、時間ぴったし。俺もコーヒー飲んでリラックスしてたから問題無いぞ。」

 

梨子「じゃあ行こっか、映画館に移動するのにも少し時間掛かるからね」

 

湧「そうだな」

 

そして俺と梨子は映画館に向けて移動を開始する。

 

湧「そういや、梨子が見たい映画ってなんだ?」

 

梨子「恋愛系だよ、結構好きなんだ。」

 

湧「恋愛系か…俺はあんまり見ないな。普段映画をそこまで見ないしな…」

 

梨子「大丈夫、前島くんでも内容はわかると思うから」

 

湧「なら安心だ。」

 

映画館に着くと梨子と俺はチケットを買い、上映される場所に向かった。お決まりの広告から始まり映画本編が始まる。思わず映画を見入ってしまった。

 

主人公の彼女は病気持ちだった。その病気によって主人公の彼女は残り1年しか生きることが出来ないという展開から始まり、思い出作りのような感じで物語が進んでいく。

最後に気持ちを伝える前にその女の子は亡くなってしまいそれが忘れられない主人公は天国の彼女に向けて手紙を出すというものだった。

 

上映終了後〜

 

湧「終わったな…あぁ、久しぶりに映画で泣いた気がする…」

 

梨子「前島くん、すっかり見入ってたね。ちらっと前島くんの方を見たら目から涙が出てて…やっぱり恋愛ものって感動するよね。」

 

湧「そうだな。普段見ないけど今度また梨子のオススメとかあったら教えてもらおうかな。」

 

梨子「ふふっ、すっかり恋愛系映画の虜になっちゃったね。」

 

湧「か、からかうなよ…////」

 

映画を出て時計を確認すると時刻は昼の12時を指していた。

 

湧「もう昼時か…昼にするか。」

 

梨子「そうだね、フードコート空いてるかな?」

 

湧「昼になり始めだからまだ大丈夫だと思う。」

 

フードコートに着くと席が意外にも空いていた。空いている席に腰を下ろし映画のことについての話題になる。

 

梨子「最後の手紙のところが良かったね。死んじゃったのに女の子を思う気持ちって切ないけどいいよね。」

 

湧「俺もそこは良かったな。あと思い出を作る最中にやったキスの場面、あそこは涙無しで見れないかもな。」

 

梨子「私もあそこは泣いちゃったな、前島くんも目元が赤いよ?」

 

湧「そういう梨子だって赤いじゃないか、やっぱり恋愛系もまた面白そうだな。」

 

梨子「良かった。前島くん普段から勉強しかしてないから映画とか見るのか不安だったの。普段からあんまり見ないって言ってたから何にしようか迷ったんだ。」

 

湧「たしかにあんまり見ないけど…恋愛系ってかなり難易度高かったんじゃないか?初めて恋愛系を見る人にとってはジャンルが難しいかもな。」

 

映画の話をしながら昼食を済ませる。

 

湧「この後はどうしようか…」

 

梨子「私靴を見たいんだけど…良い?」

 

湧「おぅ、了解。じゃあ行くか」

 

そう言って俺と梨子は靴屋に向かうことにした。

 

靴屋〜

 

梨子「これなんかどうかな?」

 

湧「梨子が見せてきたのはピンク色のパンプスだった。」

 

湧「パンプスか、その服に合わせるならパンプスは少し濃いめの色でもいいんじゃないか?」

 

梨子「そうかな?じゃあこっちかな」

 

湧「どれどれ…うん、こっちの方が良いかもな。試しに履いてきたらどうだ?」

 

梨子「うん、じゃあ行ってくるね?」

 

湧「行ってらっしゃい」

 

数分後〜

 

湧「どうだ?」

 

梨子「サイズもちょうど良かったよ。こんな感じだけどどうかな?」

 

湧「うん、良く似合ってる。春とか夏にこんな感じのパンプスは合うかもな。」

 

梨子「そうかな?じゃあ会計してくるね」

 

程なくして会計を済ませた梨子が来た。

 

梨子「そうだ、靴を見てもらったし…前島くんはどこに行きたい?」

 

湧「そうだな…時計を少し見たいかな。今使ってる時計も古くなってきたからもしこれと同じのがあったら見ておきたくてさ」

 

梨子「そういえばいつも付けてるよね。いつから使ってるの?」

 

湧「中学の時から使ってるな。部活の時のタイムの測定で使ってたんだよ。少し古くなってきたから買い替えてこれは中学の時の思い出として大事に取っとこうかなって。」

 

梨子「そんなに前から使ってるんだね。」

 

湧「防水機能があるものを見ておこうかなって思ってな。お、ここだ。」

 

時計屋に着くと俺は防水加工の施された時計を見始める。学生だからあまり高いものは買えないので見るだけにする。

 

梨子「前島くん、これなんかどうかな?前島くん青とか黒とか好きでしょ?」

 

湧「よく俺の好きな色がわかったな。」

 

梨子「だって前島くんの携帯のケースって青と黒のやつでしょ?だから青とか黒が好きなんだろうなって思ったの。」

 

湧「まさか一瞬でバレるとはな。うーん…色合いは好みだけど今買えるかってなるとまだ無理かもな。また今度見てみるか。」

 

梨子「そっか、残念…」

 

湧「そう落ち込まなくても良いって。むしろ俺の好きな色の時計があっただけでも良かったよ。また見に来た時にお金に余裕があったら買うことにするよ。」

 

時計屋を後にしてその後も服やポーチ、バッグなどを見ていた。

 

湧「そうだ、ここに寄っていいか?」

 

梨子「アクセサリーショップ?」

 

湧「あぁ、少しだけ時間をくれないか?」

 

梨子「うん、じゃあ待ってるね。」

 

俺はアクセサリーショップでピンク色のハート型のネックレスを購入し、アクセサリーショップを出た。

 

湧「待たせて悪かったな。これ、今日のお礼だよ。」

 

梨子「私に?なんだろう…!これってネックレス?」

 

湧「あぁ。この前ここに少しアクセサリーを見に来た時に見つけたんだよ。まだあって良かった…」

 

梨子「前島くん、ありがとう!」

 

湧「喜んでもらえて良かった、早速付けるか?」

 

梨子「うん、前島くん付けてもらってもいい?」

 

湧「任せな」

 

俺は梨子の首にネックレスを掛けてあげる。

 

梨子「綺麗…本当にもらってもいいの?」

 

湧「良いってことよ。新しい趣味になるものも見つけられたしな。」

 

俺は腕時計を確認すると時間は16時30分を指していた。

 

湧「そろそろ行くか」

 

梨子「そうだね、行こっか。」

 

俺と梨子はショッピングモールを出る。すると不意に梨子がこう言った。

 

梨子「前島くん、ちょっと待っててもらっていい?」

 

湧「ん?わかった。」

 

そして程なくして首筋に冷たいものが当たる。

 

湧「ぅお!?なんだ!?」

 

梨子「はいこれ、前島くん甘いものは苦手って言ってたから今日のお礼にコーヒー買ってきたの。」

 

湧「そういう事だったのか…いきなり首に冷たいもの来たからびっくりしたぞ…」

 

梨子「結構可愛い反応するんだね」

 

湧「ばっ…からかうなよ…////」

 

梨子「向こうにベンチがあるから座ってゆっくりしよっか」

 

湧「そうだな。」

 

そして俺と梨子はベンチに腰をかける。

 

梨子「今日は急に誘ったのにありがとう。おかげでとっても楽しかったよ。」

 

湧「俺もだよ。映画なんてここ数年見てないから久しぶりにいい感じで息抜き出来たな。誘ってくれてサンキューな。」

 

梨子「また勉強に戻るの?」

 

湧「そうだな。また勉強もしながらAqoursのことを見るかも。」

 

梨子「無理しちゃダメだよ?」

 

湧「無理するつもりは無いよ。ただ少し生活リズムを削ってるだけだしな。」

 

コーヒーを飲み終えバスに乗り込む。疲れからかバスの中で梨子は寝てしまった。夕日が梨子の首にかけられたネックレスを照らし、鮮やかな色を見せる。そして一日がまた終わっていくのだった。

 

 

 

 




22話いかがでしたか?

梨子ちゃんとのお出かけでした。主は恋愛系はあんまり見ないですね。

次回は果南ちゃんか曜ちゃんにする予定です。

次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第23話 〜お出かけしよう、飛び込み少女編〜

皆さんこんにちは、私です。
長くなって申し訳ございません!部活の後輩のことなどでいろいろあって書く時間がなかなか取れませんでした…

さて今回は、曜ちゃんとのお出かけ回となります、どこに行くのかな?

それでは本編、どうぞ!


朝起きるとLINEに連絡があった。

 

湧「相手は…曜からか、なんだろ…」

 

俺は眠い目を擦りながら携帯を起動して内容を見る。

 

LINE「今日空いてる?時間があるなら私とお出かけしない?午後に私の家に来てね」

 

湧「今日か、検定までは全然期間もあるし勉強は夜やれば良いから問題ないか。」

 

俺はLINEに「問題ない」と返信する。ちょうどその頃には目も覚めてきていた。朝のランニングの準備をする。

 

湧「よし、行くか。」

 

俺はもう日課になっているランニングを開始する。今日はペースもかなり早めにして浜松にいた頃と同じくらいにする。浜松にいた頃は朝と夜でランニングをしていたがここ最近夜は走っていない。

 

湧「そろそろ本格的に体を戻さないとな。家に筋トレのためのものもあるし朝から筋トレするか。」

 

ランニングのゴールである浦の星女学院に到着し、家まで帰る。家に着くと直ぐにシャワーを軽く浴び、着替えて朝食を作る。冷蔵庫の中にあった鮭を軽く焼いて大根おろしを添えて盛りつけを終える。ご飯、味噌汁を作り朝食にする。

 

朝食後〜

 

湧「よし、始めるか。」

 

浜松にいた頃と同じメニューで筋トレを始める。腕立て、腹筋を50回3セットやってスクワット60回2セットを軽くこなす。タンスからウエイトトレーニングようのウエイトを取り出す。重さは1つ5キロ。

 

湧「お、久々に持つと重く感じるな。筋肉が落ちてる証拠か、戻さないとな。」

 

ウエイトを持って軽く動かす。

 

3時間後〜

 

ウエイトトレーニングを終え、少し休憩をすることにした。

 

湧「久し振りにやると汗だくだな。またシャワー浴びないと…」

 

シャワーを浴びて汗を流す。ふと時計を見ると10時を指していた。

 

湧「そっか、午後から出かけるから着替えないとな。」

 

俺は白のスキニーパンツを履く。黒のTシャツを着て青のデニムを着る。首に青と黒を基調としたネックレスを付ける。腕時計をつけ、肩から黒のボディバッグをかける。ワックスを使って髪をセットして準備を終える。

 

湧「準備完了かな、どうせだし出掛けた先で昼は食べるか。」

 

バックに携帯や鍵、財布を入れて家を出る。

 

曜side〜

 

曜「朝からあんなふうに送っちゃったけど今になって恥ずかしいよ…////」

 

朝から顔を真っ赤にして携帯の画面を見る私。

 

曜「前島くんとお出かけかぁ…これってひょっとしてデート…になるのかな…?…こうしちゃいれない、準備しないとね」

 

私は青のトップスを着て白のスカートを履く。そして腰にブラウンのサッシュベルトを巻いてネックレスを付ける。

 

曜「準備完了!午後からって言ったけど向こうでお昼は食べよっかな。」

 

曜side out〜

 

ピンポ-ン

 

玄関のチャイムを押し少し待つ。

 

曜「来てくれたんだね!随分早いけど…待てなかった?」

 

湧「そういう曜だって随分気合い入れてるんだな。楽しみだったのか?」

 

曜「うん!だって前島くんと出掛けるのって今日が初めてだもん。」

 

湧「行き先とか決まってるのか?」

 

曜「うん、私が行きたいのはね…伊豆三津シーパラダイスだよ!」

 

湧「伊豆三津シーパラダイスか、まだ行ったことないから初めてだな。」

 

曜「そう言うと思ったよ。だから今日は私が伊豆三津シーパラダイスを案内してあげる!早く行こう!」

 

湧「おう!」

 

伊豆三津シーパラダイスに行くためバスに乗る。

 

曜「伊豆三津シーパラダイスが初めてってことはあわしまマリンパークも行ったことないの?」

 

湧「そうなるな、あんまり水族館行かないからそんなに知らないんだよ。」

 

曜「そうなんだぁ、じゃあ今日は私が前島くんをエスコートするってことになるのかな?」

 

湧「…そうなる…のか?」

 

曜「あ、そろそろ着くよ!」

 

俺達はバスを降りる。

 

湧「ここが伊豆三津シーパラダイスか…意外と千歌の家から近いんだな。」

 

曜「バスで数分だからね、それはそうと前島くん。今日は随分とファッションに気合い入れたんだね。」

 

湧「た、たまたまだっての…普段から出かける時はこんな感じのファッションなんだよ。」

 

曜「へぇ〜、そうだ!帰りに私の家に寄って行かない?やりたいことがあるんだ〜」

 

湧「やりたいこと?まぁ、良いけどな。じゃあ、行くか。」

 

チケットを買ってシーパラの中に入る。

 

湧「へぇ、いろんな魚がいるんだな。」

 

曜「私はもう何回も来てるから新鮮じゃないんだけどね、いつ来てもここは楽しいんだ。」

 

湧「曜の思い出の場所ってことか?」

 

曜「そうなるのかな?」

 

湧「なんで疑問形なんだ…」

 

曜「うーん…そういえば前島くんはお昼って食べた?」

 

湧「俺か?俺はまだ済ませてないな。向こうで済ませればいいと思ってたし。」

 

曜「じゃあお昼にしよっか!」

 

俺は時計を確認する。時刻は12時ちょい過ぎくらいを指していた。

 

フードコートにて〜

 

湧「意外と混んでるな…空いてる席は……あったあった。曜、空いてる席見っけたぞ!」

 

俺達は空いてる席を見つけて腰を下ろす。

 

曜「じゃあ私は注文行ってくるね?」

 

湧「あぁ、じっくり選んできな。曜が帰ってきたら俺も行こうかな。」

 

曜「前島くん終わったよー!」

 

湧「随分早いんだな、じゃあ俺も行くか。」

 

俺は立ち上がってカウンターに向かう

 

湧「今日は気分的にもうどんがいいかもな。」

 

俺はカウンターに注文を終えて席に戻る。

 

曜「前島くんどうだった?今度はあわしまマリンパークにも行かない?」

 

湧「お、それいいな。お昼食べたら少し見たいところがあるんだけど良いか?」

 

曜「いいよ、何を見るの?」

 

湧「グッズだよ。何か面白いものとかあれば良いんだけどな。」

 

 

昼食後〜

 

俺は伊豆三津シーパラダイスに売っているグッズを見ていた。

 

湧「こっちがいいのかな…それともこっちか…」

 

俺はブレスレットかネックレスかで悩んでいた。どっちも装飾がとても綺麗だったからだ。

 

湧「こっちだな。」

 

俺はブレスレットを持ってカウンターに向かう。会計を終えて曜のいる場所に戻った。

 

湧「お待たせ。」

 

曜「意外と短かったね。何を買ったの?」

 

湧「それはお楽しみだよ。曜、手を出してくれるか?」

 

俺は曜の腕にブレスレットを付ける。

 

曜「綺麗…これ私に?」

 

湧「あぁ、今日は伊豆三津シーパラダイスにも初めて来ていろいろエスコートしてもらったからお礼ってことで受け取ってくれ。」

 

曜「前島くん、ありがとう!////」

 

曜にお礼を言われた直後に館内放送が流れる。

 

館内放送「まもなくイルカショーが始まります。ご覧になる方はぜひお越しくださいね。」

 

曜「イルカショーだって!せっかくだし見てこう!」

 

着くと直ぐにイルカショーが始まった。

 

湧「イルカショーなんて始めてみるな。どんな感じなんだろう…」

 

曜「前島くんイルカショーは初めてなの?」

 

湧「あぁ、意外かもしれないな。家族できたことはあるけどショーの時間の前に帰っちゃうんだよ。」

 

曜「そうなんだ。じゃあ今日が人生初のイルカショーになるね。」

 

湧「そうだな、楽しみだよ。」

 

俺はそういった矢先にイルカショーが始まった。

 

湧「へぇ、イルカってあんなに高く飛べるんだな。頭がいいってことは父さんが教えてくれたけど…」

 

曜「私も始めてきた時は驚いたな。あんなに高く飛べる生き物がいるんだもん。」

 

そこから俺達はイルカショーを見て楽しんだ。途中で水が跳ねてきたがイルカショーに夢中の俺達は全く気にしなかった。

 

湧「おおぅ…意外と濡れたな…」

 

曜「楽しかったね、イルカショー。また見たいな〜」

 

湧「そうだな。また来た時に見たいな。今度は濡れないように気をつけないと…」

 

曜「あはは、結構水しぶきが飛んできたもんね。」

 

湧「でも人生初のイルカショーであんなに楽しかったのは初めてだよ。」

 

時計を確認すると時刻は2時を指していた。

 

湧「今からどうしようか?」

 

曜「じゃあ私の家に行こっか。やりたいことがあるって言ったしね。」

 

俺と曜はシーパラを出てバスに乗る。

 

湧「あぁ、楽しかった。」

 

曜「前島くん終始楽しそうだったよね。ヒトデを触った時なんて面白い顔してたよ?」

 

湧「し、仕方ないだろ?初めて触ったんだからよ…////」

 

曜「おやおや?顔が赤いようですな?」

 

湧「あ、赤くなんかねぇよ…////」

 

曜「嘘つくのは良くないよ?」

 

曜にからかわれながらバスに揺られる。終始顔が赤くなってたのは内緒

 

曜「到着であります!入って入って〜」

 

湧「お邪魔します 」

 

曜「ここが私の部屋だよ、好きなところに座ってね。今お茶を持ってくるから」

 

俺は言われた通り腰を下ろす。

 

湧「へぇ、曜の部屋ってこんな感じなのか。お、机の上の写真って…これは…千歌と曜と果南か?幼い頃も可愛かったんだな。」

 

曜「お待たせ〜」

 

湧「サンキュ、そういや曜って幼い頃も可愛かったんだな。机の上に写真が飾られてたから見てたけどよ」

 

曜「もう…あんまり女の子の部屋をジロジロ見るのは良くないよ?」

 

湧「以後気をつけるよ。そういえば曜がやりたいことってなんだ?」

 

曜「それはね…これだよ!」

 

曜はクローゼットから制服を取り出す。

 

曜「私がやりたかったことはね、前島くんでコスプレ写真を撮ることだよ!」

 

湧「コスプレ…マニアックなこともするもんだな。」

 

曜「じゃあ早速これに着替えてきてね。」

 

湧「え、俺が着るのか?」

 

曜「そうだよ?さっきも言ったじゃん、前島くん「で」コスプレ写真を撮るんだもん。」

 

湧「俺が撮られる側なのか…まあ良いけどさ…恥ずかしいんだよこれ…」

 

俺は直ぐに着替えを済ませる。渡してきたのは男物の警察官の服だ。

 

湧「ほい、こんな感じになったな。」

 

曜「前島くん似合ってるよ!いいねぇ…すごくカッコイイ…」

 

湧「曜、今のそのセリフだとお前はグラビア写真の撮影者みたいな感じになるぞ?」

 

その後も俺は曜のコスプレ写真撮影に付き合った。消防士から他校の学校の制服まで様々なものを来ては写真を撮られた。

 

湧「ふぅ…ここまでたくさん着替えて写真を撮られたのは初めてだ…」

 

曜「お疲れ様、今日撮った写真だけど欲しい?」

 

湧「なんで自分のコスプレ写真を自分で見るんだよ…」

 

曜「じゃあ千歌ちゃんとかにあげようかな。」

 

湧「見せるのか!?」

 

曜「見せるよ、だってあんなにカッコよかったんだもん。誰かに見せても恥ずかしくないって!」

 

湧「俺が恥ずかしいわ!恥ずかしくて学校行けないって!」

 

曜「大丈夫だよ、みんな褒めてくれるから。」

 

湧「そういう問題じゃねぇ!」

 

曜「良いじゃん減るもんじゃないんだし…」

 

湧「はぁ…Aqoursのメンバーだけだぞ?」

 

曜「良いの?」

 

湧「良いよ、今日は俺も楽しかったしな。これからも曜のコスプレ写真撮影に付き合ってやるよ。」

 

曜「やった!ありがとう!」

 

湧「そんなお礼を言うことなくても…」

 

俺は時計を確認する。時計は5時を指していた。曜の家から見る夕陽は赤く綺麗で曜の腕に付けられたブレスレットを優しく照らす。

 

曜「前島くん、今日は本当にありがとう!とっても楽しかったよ!」

 

湧「あぁ、俺もだよ。今日は本当に楽しかった。こっちこそありがとな。」

 

俺は優しく曜の頭を撫でる。

 

曜「えへへ…////」

 

曜の家を出る頃には太陽は完全に沈み、夜の闇が辺りを包み込んでいた。

 

 

 

 




23話いかがだったでしょうか?

曜ちゃんとのデートは水族館だろうと頭の中で考えてはいたのですが中々文にするのが難しかったですw
結構拙い文章でしたが自分なりに考えてみた結果ですね。

次回は1年生編になると思います。

それでは、次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第24話 〜お出かけしよう、宝石姉妹、妹編〜

そんなわけでこんにちは、私です。

今回から1年生とのお出かけ編になります、元気いっぱいの1年生、どんな内容になるのかお楽しみに!

それでは本編、はじまります。


朝起きて日課となるランニングに向かう。少し距離を伸ばし、ペースも同じように上げていく。浜松の高校にいた頃はもっと早かったのだ、少しでもペースを戻さなければならないのは事実。

 

湧「こんなところか、だいぶこのペースにも慣れてきたな。もっと早くしないと浜松の時よりももっと早くならないとな。」

 

日課となるランニングを終え家に戻る。充電されている携帯を起動するとルビィちゃんから一通、連絡が来ていた。

 

LINE「今日時間ありますか?一緒に動物園に行きたいです。」

 

との事だった。

 

湧「へぇ、動物園か。あんまり行ったことないし早めに出ればそんなに待たなくても園内を見て回れそうだな。」

 

俺は「了解した」と返信をして朝食の支度を開始した。冷蔵庫からサワラを取り出し、綺麗に捌いてフライパンで焼き上げる。フレンチの技法のひとつ、ポワレを使いしっかりと焼き色をつける。皮にバリッとした食感を加えるためだ。ご飯を用意し、お湯を沸かして塩昆布茶を作る。サワラをご飯の上に乗せて塩昆布茶を回しがけしてお茶漬けを作り、朝食をすませる。

 

湧「時間も早めがいいだろう、着替えて行こうかな。」

 

黒のチノパンに黒のTシャツ、青と黒のチェックのパーカーを着て荷物を用意する。携帯、財布、家の鍵などをボディバックに詰めて荷物の支度を終える。ワックスで髪を軽く整えて家を出ることにした。

 

ルビィside〜

 

ルビィ「えへへ…前島さんとのお出かけ楽しみ…////」

 

私は朝からお出かけのことが楽しみだった。みんなといる時はあんまり話せてなかったけど、二人でいる時はいっぱいお話したい、もっと彼のことを知りたいのも一つだったからね。

 

ダイヤ「ルビィ?前島さんとのお出かけが楽しみなのですか?」

 

ルビィ「うん!あんまり前島さんのことを知らなかったからよく知るチャンスかもね。」

 

ダイヤ「お出かけ、楽しんできなさい」

私は白のスカートを履いて白のTシャツを着る。ピンク色のパーカーを着て荷物の支度をする。ポーチにお財布や携帯を入れて家を出る。

 

ルビィ「行ってきます!」

 

ルビィside end〜

 

沼津駅に着くがまだルビィちゃんは来ていないようだった。幸い時間はまだあるので自販機でブラックコーヒーを購入し、少しリラックスをすることにした。

 

湧「やっぱり落ち着くな。」

 

ベンチに腰掛け、コーヒーを飲みながら待っていると見慣れた赤いきれいな髪の子がキョロキョロしているのが見えた。間違いない、ルビィちゃんだろう。コーヒーを飲み終えルビィちゃんの元へ向かう。

 

湧「おっす、今日は楽しみだな。」

 

ルビィ「あ、前島さん。おはようございます。」

 

湧「動物園ってことは電車で向かうのか?」

 

ルビィ「そうだね、電車で行くよ。」

 

湧「よし、次の電車もそろそろだろう。切符買って待ってようか。」

 

俺はルビィちゃんに右手を差し出す。最初はキョトンとしていたが察してくれたのか俺の手を握り返す。

 

駅のホーム〜

 

切符を買って電車を待つ。するとルビィちゃんがこんなことを聞いてきた。

 

ルビィ「前島さんって浜松じゃ水泳やってたんですよね?」

 

湧「そうだな、やってたけどどうしたの?」

 

ルビィ「大会とか出てたのかなって思って…」

 

湧「そんなことか。大会はもちろん出てたよ。結構大きな大会にも選抜として抜擢されたことはある。」

 

自分の過去を語るとやっぱり恥ずかしいものがある。時折頬を掻きながら説明するのだった。

 

湧「お、電車が来たな。じゃあ乗ろっか。」

 

電車に乗りこみしばらく揺られる。電車の中で俺はルビィちゃんにこんな質問をする。

 

湧「ルビィちゃんはダイヤさんと同じ稽古をやってるんだっけ?」

 

ルビィ「うん、やってるけど…」

 

湧「ルビィちゃんはさ、その稽古楽しい?」

 

さっき俺に水泳のことを聞いたのと同じように、俺はルビィちゃんに稽古のことを質問する。

 

ルビィ「もちろん楽しいよ。お姉ちゃんみたいには出来ないけどね。でもお姉ちゃんを見てても、実際に自分でやってみても、楽しいのは同じかな。」

 

湧「そっか、良かったな。」

 

ルビィちゃんの頭に手を乗せて撫でる。

 

ルビィ「えへへ……////」

 

しばらく電車とバスに揺られて動物園に到着する。時刻は10時を指していた。券売機で入園用のチケットを購入し園内に入る。

 

ルビィ「わぁ、シマウマさんだ!」

 

子供のようにはしゃぐルビィちゃん、初めてここに来たかのようにも見えた。

 

湧「動物園は初めて?」

 

ルビィ「初めてじゃないよ、でも何回来ても動物は可愛いから…」

 

動物が可愛い、彼女はそう言って園内で楽しそうに動物を見ていた。将来は動物愛護団体に入っててもおかしくないようにも思えた。

 

湧「お、ここからは猛獣のコーナーか。」

 

ルビィ「ライオンさんとかですか?」

 

湧「Exactly」

 

ルビィ「うぅ…ルビィ怖いの苦手…」

 

湧「襲ってこないから安心しなって。飼育員の人がしっかり管理してるから脱走の心配はないよ。」

 

ルビィ「それなら安心です…」

 

猛獣のコーナーを見て回る。ライオンが気持ちよさそうに日向ぼっこをしていた。ネコ科の動物はやっぱり昼寝が好きなのか、日向ぼっこand昼寝でリラックスしていた。

 

湧「気持ちよさそうだよな、日向ぼっこand昼寝って。」

 

ルビィ「それって中間テストの時の前島さんにそっくりですね、あの時は起こしちゃったけど…」

 

湧「あの時は仕方ないだろ…最近になって屋上で昼寝するのが日課になったんだよ。」////

 

ルビィ「そういえば千歌ちゃんが屋上で寝てる人がいるって言ってましたね。」

 

湧「うん、間違いなく俺だ。」

 

ここ最近勉強に力を入れている以上、休みを取るのが難しい。遅くまで起きているので昼間は結構体に来ているところがあったりする。張り詰めている以上、気力も持ってかれるのは言わずもがな、疲れがたまる中でこういうリフレッシュが出来ると言うのはありがたかった。

だいぶ歩いたので少し休憩をする。自販機でコーヒーとジュースを購入し、ルビィちゃんの元へ持っていく。

 

湧「ほい、お待たせ。」

 

俺はジュースをルビィちゃんの頬に当てる。

 

ルビィ「ピギッ…冷たい…////」

 

湧「冷えてるからな。俺は相変わらずのブラックだよ。」

 

少しベンチに腰掛けながら休憩する。

 

湧「ルビィちゃんはどう?好きな動物とかいる?」

 

ルビィ「ルビィはうさぎさんが好きなんだぁ、モフモフしてて可愛いの。」

 

湧「うさぎかぁ、女の子はうさぎとかの小動物好きな子が多いもんね。」

 

ルビィ「前島さんはいるの?」

 

湧「俺はワシかな。威風堂々とした佇まい、大空を悠然と飛ぶ姿、カッコイイ以外の何物でもないよ。」

 

二人で好きな動物のことについて喋る。休憩を終えてまた園内を見て回ることにした。

 

湧「お、お触りコーナーだって。ウサギとかに触れるのか。行ってみる?」

 

ルビィ「うん!」

 

ルビィちゃんは中に入ってウサギを撫で始める。

 

ルビィ「フワフワ…可愛いな…」

 

ルビィちゃんは中に入ると直ぐにうさぎを撫でていた。俺も中に入りうさぎを撫でる。

 

湧「確かに毛の触り心地も良いな。小さな子や女の子が好きなわけだ。」

 

しばらくして時計を見るとお昼をさしていた。昼食をとるために少し歩く。フードコートで開いている席に腰を下ろす。

 

湧「さきに注文しておいで、俺はここで待ってるから。」

 

ルビィちゃんは立ち上がるとトコトコとお店に走っていった。しばらくして戻ってきたので俺も立ちあがり注文をしに行く。

 

湧「半日経ったけどどう?楽しい?」

 

ルビィ「はい!ウサギさんも撫でられたし、前島さんのこともよく知れた気がします。」

 

湧「そいつは良かった。まだ見てないところもあるし見ていこっか。」

 

昼食を済ませてまた園内を見て回る。今度は猿やチンパンジーなどのコーナーだ。

 

湧「凄いよな、チンパンジーと人間って遺伝子の構成が少ししか違わないんだよ。生物の授業で詳しくやると思うから俺からはここまでかな。少し頭の中に入れておくといいよ。」

 

ルビィ「ほんとに似てるね。」

 

チンパンジーのことに関して少し授業じみた説明をしておきつつ猿のコーナーを見て回る。ゴリラの場所に来た時にルビィちゃんがこんな質問をしてきた。

 

ルビィ「あれ?あのゴリラさん、背中が白いよ?」

 

湧「あぁ、あれはシルバーバックって言うんだよ。」

 

ルビィ「シルバーバック?」

 

湧「群れの中で1番高齢で、もっとも強い証だよ。群れのリーダーってことかな。」

 

ゴリラを見終え、今度は猛禽類などのコーナーに入る。

 

ルビィ「あ、鳥さんのコーナーだ!」

 

湧「俺の好きなワシが見られるといいな。」

 

猛禽類のコーナーへ入る。鳥が飛び交い、いろんな鳥の鳴き声が響き渡る。

 

湧「お、あの顔、あの佇まい、間違いないな。」

 

ルビィ「あれがワシさん…カッコイイね。」

 

湧「だろ?あんなに堂々としてるんだ。カッコイイよな。」

 

まるで睨まれたら凍ってしまうんじゃないかと思うくらいの眼光で周りを見ている。猛禽類のコーナーを出ると今度は熊のコーナーに着いた。

 

湧「今度は熊か。動物園は飽きないな」

 

ルビィ「クマさんだと1番メジャーなのってシロクマさん?」

 

湧「そうだな、1番熊と聞いて想像するのはホッキョクグマだと思う。他にもたくさんいるよ、ほら、あんなのも。」

 

俺が指さした方向にはツキノワグマがいた。群れの辺にある白い毛が3日月のように見えることからツキノワグマらしい。

 

ルビィ「わぁ…白い毛があるんだね。」

 

湧「日本に生息してる熊だよ。のそのそ歩いてるように見えて熊は足が早いんだ。1番日本で有名なのは熊が川のあたりで鮭をとってる所かな。」

 

ルビィ「冬眠するからだっけ?」

 

湧「冬眠のための栄養の確保だな。冬眠中に出産をするから少しでも体に栄養を与えなければならないってこと。」

 

ルビィ「勉強になるね、前島さんの説明を。」

 

湧「そいつは良かった。」

 

腕時計を確認すると時刻は5時を指していた。

 

湧「すまん、少し見たいものがあるから良いかい?」

 

ルビィ「いいよ、何を見るの?」

 

湧「グッズだよ、何かあったらいいなって思ってね。」

 

俺はグッズ売り場でぬいぐるみを見ていた。

 

湧「お、うさぎのぬいぐるみか。これにしようかな。」

 

俺はグッズ売り場でうさぎのぬいぐるみを購入しルビィちゃんのところへ戻る。

 

ルビィ「おかえりなさい、何買ってたの?」

 

湧「はいこれ、プレゼントだよ。」

 

ルビィ「わぁ!うさぎさんのぬいぐるみだ!」

 

湧「楽しかったからそのお礼。時間もいいし帰ろっか」

 

動物園を出て駅に向かう。切符を買って電車に乗り、電車に揺られていると肩にルビィちゃんが頭を乗せてきた。

楽しかったから寝てしまったのだろう、隣では可愛らしい寝息を立てながらルビィちゃんが寝ている。そっと頭に手を乗せて撫でる。すると嬉しいのかルビィちゃんの顔が少し笑った。窓から見える太陽が一日の終わりを告げるように地平線に沈み、一日が終わるのだった。

 

 




24話いかがだったでしょうか?
ルビィちゃんとのデートは動物園がいいかなと思って書きました。主はラッコと鷹やワシなどの猛禽類が結構好きですw

さて、次回は花丸ちゃんにしたいと思います。

それでは、次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第25話 〜お出かけしよう、文学少女編〜

こんにちは、私です。
1週間に1話程度で更新頑張ってますが少し頻度が落ちてくるかもしれません。ご了承くださいませ…

さて今回ですが、花丸ちゃんの回となります。

それでは本編、始まります


日課となっているランニングを終え、朝食を終えて部屋で勉強をしていると携帯に連絡が来た。

 

湧「誰だ?」

 

携帯を起動し内容を確認する。意外にも相手は花丸だった。

 

LINE「今日時間ありますか?図書館で勉強を教えて欲しいです。」

 

との事だった。

 

湧「勉強を教える分には問題ないな、俺も少し環境を変えて勉強出来る。」

 

俺はLINEに「問題ない、今からそっちに向かう」と返信して着替えることにした。黒のチノパンに白のTシャツ、グレーに近い黒のカーディガンを来て着替えを終える。腕時計を付け、携帯、財布、勉強道具とテキストを持って家を出ることにした。

 

花丸の家に着いた直後に驚いたことがある。

 

湧「ガッツリ寺じゃねぇか…」

 

お寺に住んでるなんて知らなかったのだ、俺は今絶賛驚いている。玄関前で携帯を操作して着いたという報告を花丸にしておき少し待つ。少しして花丸が出てきた。

 

花丸「お待たせずら」

 

湧「いや、そんなに待ってないぞ。図書館に行くんだっけ?」

 

花丸「そうずらね、勉強を教えて欲しいのもあるから…」

 

湧「了解、じゃあ行こうか。」

 

俺達は図書館に向かい勉強をやり始める。俺は次の検定でもある漢字検定の勉強を、花丸は自分の苦手な分野をやり始めた。少しして花丸から質問が来た。

 

花丸「前島さん、ここの問題ってわかる?」

 

湧「ん?…あぁ、長文読解だな。長文読解の質問の答えは文章中に転がってるんだよ。この問題だとスティーブ・ジョブズは何を作ったかって意味だろ?こいつの答えは文章の上の方をよく読んでみると…」

 

花丸「あ、ここにmobile phoneってあるずら」

 

湧「そういうこと、だから答えはmobile phone。書く時はJobs was made mobile phoneってなるな。」

 

どうやら花丸は英語の読解があまり得意ではないらしかった。何回か読んでいる時も噛んでいるときがあり、どこかぎこちなかったのだ。

 

湧「花丸、ちょっと良いか?」

 

花丸「ずら?」

 

俺は図書館から英語の本を持ってきて花丸に見せる。それは小学生や中学生が読むような簡単な英語が書いてある単語集だった。

 

湧「花丸、こいつを一通り読んでみてくれ。」

 

花丸「わかったずら」

 

数分後〜

 

花丸「読み終えたずら」

 

湧「うん、やっぱりだ。」

 

花丸「?」

 

頭にはてなマークを浮かべたような表情をする花丸。

 

湧「花丸、多分だけど中学の時にあんまり英文を読んでなかったな?それか読んでたけど少し訛りが入ってただろ?」

 

花丸「うん、入ってたけど…」

 

湧「やっぱりだ、どこかぎこちなかったんだよ。」

 

花丸「直さないとダメずら?」

 

湧「いや、少し訛りが入るくらいなら問題は無い。」

 

花丸「じゃあ直さなくても良いずらか?」

 

湧「あぁ、問題ないな。ただ少し意識を変えれば普通に読めるだろうから読む時に少し意識を変えてみるといいかもしれないな。」

 

花丸「わかったずら」

 

花丸は勉強の休憩に本を読み始めた。夏目漱石や芥川龍之介、他にも太宰治や志賀直哉など、数々の有名作家の本を持ってきて読んでいる。

 

湧「本当に花丸は本が好きなんだな」

 

花丸「うん、まると本は友達なんだ。1人だったまるに本がいろんな世界を見せてくれるから、だからまるは本が好き」

 

湧「へぇ、そんなことが…」

 

花丸「前島さんは?本は好きずら?」

 

湧「俺はずっと英語で書かれた本を読んでたんだ。だから英語の読解とか人が話している英語とかを聞いてると少し発音が違ったりしたら分かるようになっちゃったんだ。最近だと人の心の奥底に潜む気持ちとかに関する本を読んでるくらいだよ。」

 

花丸「前島さん随分とマニアックずら、人の奥底の気持ちなんてどうやって知るの?」

 

湧「その人と話してる時の手の動きとか話す時によくやってる癖とかで知るんだ。例えばこの人は俺と話す時に髪をいじるな、ってかんじ。人の感情や気持ちを知ることはこれからも役に立つからな。」

 

花丸「やっぱり前島さんはマニアックずら。前島さん、良く考え事をする時っておでこの辺りに手を当ててる?」

 

湧「…当たってる。良くやる俺の癖のひとつなんだけど、よく見てるんだな。」

 

花丸「だってまるが憧れる人だから…////」

 

湧「ん?なんか言ったか?」

 

花丸「な、なんでもないずら…////」

 

腕時計を確認するともうお昼頃になっていた。

 

湧「そろそろお昼時だし勉強はここまでだな。お昼食べながら午後はどうするか考えようか。」

 

花丸「まるもうお腹ペコペコずら…」

 

近くのレストランに入り注文をする。俺はボンゴレパスタと飲み物はブラックのコーヒーを花丸はパスタとサラダ、他にもいろいろ注文していた。

 

湧「……ずいぶん食べるんだな」

 

花丸「そうずら?」

 

湧「……そう…なのか?」

 

俺は花丸の見事なまでの食べっぷりを目の当たりにしながら自分が頼んだボンゴレパスタを食べる。花丸が頼んだものはあっという間に花丸の胃の中に消えていった。

 

湧「……一瞬花丸がカービィに見えた…」

 

花丸「前島さん?どうかしたずら?」

 

湧「いや…なんでもない…連日の勉強で疲れたみたいだ…」

 

花丸「大丈夫ずら?」

 

湧「問題ない…はず…」

 

昼食を終えて午後はショッピングモールに来ていた。お金が貯まったので時計を見に来たこともあるが少し遊びたかったのだ。

 

湧「へぇ、クレーンゲームにこんなの来てたのか。」

 

ゲームセンターで景品を見つつ歩いてたら花丸がある景品の前で止まった。それはキャラクターのぬいぐるみだった。

 

湧「やってみるか?」

 

花丸「いいずら?」

 

湧「やるもなにも、そんな欲しそうな目で景品を見てたら声掛けるっての。」

 

花丸「じゃあ少しだけやってみるずら」

 

クレーンゲームに100円を投入しゲームを開始する。横に移動するボタンを押す。

 

花丸「おぉ!クレーンが横に動いたずら!」

 

湧「これで驚くってことはゲーセンには来たことはないってことか?」

 

花丸「そうずらね、基本的に家で本を読んでたから機械系はあんまり強くないずら」

 

湧「花丸、そこでストップな。今度は奥に行くボタンを押してごらん?」

 

花丸「おぉ…おぉ…!クレーンが今度は奥に…!み、未来ずらぁ!」

 

湧「よし、そこでストップな。あとは神に祈るのみ」

 

物の見事にアームが景品のぬいぐるみを掴む。そのまま取り出し口まで景品を運び、取り出し口の真上でアームが開き景品を取り出し口に落とす。

 

花丸「これがクレーンゲーム…未来ずら…」

 

湧「そんなクレーンゲームで驚かれてもな…まぁいっか。花丸、今度は俺の買い物に付き合ってくれないか?」

 

花丸「もちろんずら、何を買うの?」

 

湧「これだ」

 

俺は花丸に腕時計を見せる。中学から使っていたがだいぶ古くなって来ていた。

 

花丸「腕時計ずら?そういえばずっと付けてたような…」

 

湧「よく俺が学校に腕時計をつけてるの知ってたな。」

 

花丸「休憩中によく腕時計の調整をしてるの見てたから」

 

湧「本当によく見てるんだな」

 

花丸と話しながら時計屋に入る。

 

湧「防水機能があるものが嬉しいな…デジタル表示だと見ずらいし…」

 

花丸「前島さん、これなんかどうずら?」

 

花丸が見せてきたのは防水機能がある腕時計だった。

 

湧「ビンゴ、あとはデジタル表示じゃ無いものを厳選してっと…お、これは…」

 

俺が見つけたのは青と黒を基調としたデジタル表示ではない腕時計だった。

 

湧「うーん…」

 

花丸「どうしたずら?」

 

湧「いや、時計をどっちにしようか迷ってたんだよ。こっちは青と黒だしこっちは白と黒だし…」

 

花丸「前島さんが好きな色の方が愛着湧くと思うずら」

 

湧「そうだよな。」

 

俺は青と黒を基調とした腕時計を購入した。値段は34000円とかなり高額だった。

 

湧「出費でけぇ…父さんが仕送りとかやってくれてるからなんとかなってるけどさ…」

 

花丸「時計だったら仕方ないずら」

 

新しく買った腕時計をつけてサイズを調整する。ピッタリハマるサイズまで調整し、しっかりと固定し、腕につけた。

 

花丸「綺麗な色ずらね、その時計。」

 

湧「俺の好きな色だからな。」

 

買い物を終えてショッピングモールを出る。太陽はもう西に傾き、綺麗な夕陽がアスファルトをオレンジ色に照らしていた。

 

湧「今日はありがとな、時計見てもらったりいろいろと。楽しかったよ。」

 

花丸「まるの方こそ。図書館で集中してる前島さん、とってもかっこよかったずら」

 

湧「ばっ…面と向かって言われると恥ずかしいっての…////」

 

花丸「あ、前島さん赤くなってるずら」

 

湧「赤くなってねぇよ…////」

 

花丸にからかわれながらもバスに乗る。窓から見える海と夕陽が2人を優しく照らして一日を終わりへと導いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




25話、いかがだったでしょうか?

花丸ちゃんとなると図書館になっちゃいますね。でも午後からはお買い物になるという…でもそれでも良いのかもしれませんね。

次回はヨハネ様にしようかと思います。

それでは次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第26話 〜お出かけしよう、堕天使編〜

皆さんこんにちは、私です。
令和になりましたね。ニュースを見て初めて元号が変わったんだと実感が湧きましたw

さて今回はヨハネ様とのお出かけ回となります。

それでは本編、始まります。


俺は沼津の屋内プールに来ていた。探したら意外にも沼津に市民プールがあり、支度をしてプールで久しぶりに泳いでいた。

 

湧「ふぅ…久しぶりに泳いだな。普段はランニングだけだから水の中ってなると感覚がまだ戻らないや…もう少し泳いで行くかな。」

 

1時間後〜

 

湧「はぁ、泳いだ泳いだ。浜松の時よりかは少ないけどここまで泳いであんまりバテないのはランニングのおかげかもな。」

 

着替えて家に戻ることにする。バス停付近に来た時に携帯に着信が入った。

 

湧「もしもし?前島ですけど…」

 

相手は意外にも善子だった。

 

善子「もしもし?今日なんだけど時間ある?」

 

湧「…お使いの番号は現在使われていないか、電波の届かないところにある可能性があります。しばらくしてから電話を掛け直して下さい。あと数分後にはお使いの携帯電話は爆発しますのであしからず」

 

善子「嘘つくんじゃないわよ!」

 

湧「アハハ、バレたか。」

 

善子「バレるに決まってるでしょ?あと用件はさっき言ったからね?」

 

湧「分かったって、今日は幸い時間あるから心配すんな。んじゃ、また後でな。」

 

俺はそう言って善子との電話を終えて帰宅する。帰宅するとすぐに黒のチノパンを履き、白のTシャツに着替えて青と黒のジャージを着る。首にネックレス、この前買った腕時計を腕につけ、ワックスを付けて髪を整える。ボディバッグに携帯、財布などを入れて準備を終え、家を出る。

 

湧「待ち合わせってどこなんだろ…」

 

善子のLINEに待ち合わせ場所を聞く。すると意外と早く善子から返信があった。沼津駅に来てくれれば良いらしい。本日2度目となる沼津にバスに乗って向かうのだった。

 

沼津〜

 

駅で待つことにする。すると見慣れたお団子頭が居るのが見えた。

 

湧「少し脅かしてやるか。」

 

俺は気づかれないようにゆっくり善子の背後に近づく。

 

善子「アレス?居るのは分かってるわよ?」

 

湧「ちぇっ…バレてたか…流石ヨハネだ…」

 

善子「このヨハネアイから隠れられると思ってるの?その考えが甘いのよ、このヨハネに勝とうなんて1000年早いわね。」

 

湧「お前はまずそのアレスって呼び方をやめてくれ…俺の過去のコードネームみたいなもんなんだから恥ずかしいんだよ…////」

 

善子「あら?アレスったら顔が真っ赤じゃない…やっぱりアレスって呼び方は辞めてあげないわ。」

 

湧「くっ…」

 

善子「それじゃ、行きましょうか。アレス、こっちよ?」

 

善子は俺の手を取り歩き始めた。

 

湧「なんだここは……」

 

善子「わからないの?私がよく堕天使グッズを買いに来てる場所よ。」

 

明らかに怪しい店と言わんばかりの見た目のお店に善子は躊躇することなく入っていく。

 

湧「なるほど…これが常連客か…」

 

意を決して俺も店内に入る。店内にはマントはもちろん、本物と見間違えるくらい綺麗な水晶玉、指ぬきグローブなど、中二心をくすぐられるアイテムばかりだった。

 

善子「これ、アレスにピッタリじゃない?元々竜騎士を名乗ってたんだったらマントとかを着ないと騎士って感じが出ないと思うんだけど…」

 

湧「なんで俺は自分で封印したあの時の中二病を復活させないといけないんだ…」

 

善子は他にも指ぬきグローブや剣など、色々なものを手渡してきた。

 

湧「おい、これまさか買えってのか?」

 

善子「当たり前でしょう?あなたを今日呼んだのは買い物じゃなくて私の配信に付き合って欲しいわけなんだし」

 

湧「ちょっと待て…あれに俺が出るのか?」

 

善子「あら?言ってなかったかしら?」

 

湧「初耳だ!とにかく、これは買わないからな!」

 

善子「なんでよー!」

 

湧「当たり前だ!恥ずかしいだろ!」

 

善子「アレスなら似合うと思うんだけどなぁ…」

 

俺はすぐに店を出て外で待機する。すると善子が袋をもって出てきた。

 

湧「お前…何を買ったんだ?」

 

善子「マントと指ぬきグローブよ?」

 

湧「え?」

 

なんと、善子はマントと指ぬきグローブを買っていたのだ。そんなにあの配信に俺を呼びたいのかと思うと善子の必死さが伝わってくる。

 

湧「…よし分かった、出てやるよ。お前のその配信。他には何を買えばいいんだ?」

 

俺はその他の騎士に必要そうなグッズを買い、店を出た。

 

湧「…あぁ…あんなに恥ずかしい買い物は初めてだ…」

 

善子「でも良かった、これでアレスも私のリトルデーモンね!」

 

湧「だからなったつもりないからな?」

 

善子「あら?私に攻撃を読まれてまだ勝てると思ってるの?このヨハネアイは全てを見通すのよ?」

 

湧「勝てる気がしねぇ…」

 

俺は項垂れる。あの日ものすごい恥ずかしいコードネームを友達と考えた日々はもう封印したと思ったのだ。ところがこんな所に思わぬダークホースが居たせいでまた俺の中の中二病を呼び覚ます日が来るとはと思うとこれからまともに生活できる自信が無い。

 

数分後〜

 

善子「ここが私の家よ、さ、入って?」

 

湧「お邪魔します。」

 

善子の家に着くと直ぐに善子は着替えを始めた。

 

湧「やっぱり俺も出るのか…」

 

善子「あそこまで準備しておいて出ないなんて選択肢があるわけないでしょ!さ、早くアレスも準備するのよ!」

 

湧「…はぁ…」

 

俺は買ってきたマントなどを着ていく。幸いにもサイズはちょうどよく、しっかり着ることが出来た。最後に背中に剣を刺し、準備を終える。

 

湧「…こんな感じか?」

 

善子「中々いい感じじゃない。さ、少しセリフを練習しましょ?」

 

善子は俺に紙を手渡してくる。そこには俺の言うセリフが書き込まれていた。

 

湧「これを言うのか…恥ずかしいって…」

 

そう言いつつも俺はセリフを覚え始めた。

 

善子「それじゃ、行くわよ?」

 

湧「了解」

 

ついにカメラが回った。

 

善子「今宵も地獄へようこそ、迷えるリトルデーモン達…」

 

善子「今日は私のリトルデーモンを紹介しようと思うの…出てきなさい!竜騎士アレス!」

 

湧「…フハハハハ!我は竜騎士アレス、竜の力を体に宿した竜騎士である!」

 

善子「よく来てくれたわね、アレス。」

 

湧「うむ、今宵は何をするのだ?」

 

善子「どうやったら人間界を恐怖のどん底に落とせるか考えようと思うの。」

 

湧「いっそ大量の悪魔の軍団や俺の竜を人間界に侵略させるのはどうだろうか?」

 

善子「いえ、それではつまらないわ。」

 

湧「ではどうするというのだ?」

 

善子「私のリトルデーモン達を使って侵略すればいいのよ。」

 

湧「ヨハネのリトルデーモンを?」

 

善子「そうよ。」

 

湧「そなたのリトルデーモンを使ってどう侵略すると?」

 

善子「ヨハネのリトルデーモンに魔法をかけるの。ヨハネのお願いを忠実に聞くように魔法を。」

 

湧「なるほど…それでヨハネの命令に忠実に従う下僕にするという事だな?」

 

善子「よくわかったわね。それじゃ、早速取り掛かりましょう?」

 

湧「了解した。」

 

そう言って魔法陣を描き善子がその真ん中に立つ。そして何やら詠唱を始めた。しばらくして詠唱が終わり、善子がロウソクの火を消す。

 

善子「では、人間界が悪魔に支配される日を楽しみに待ってなさい?」

 

そう言ってカメラを止めた。

 

湧「あぁ…恥ずかしかった…恥ずかしくて死にそうになった…」

 

善子「そうかしら?私は竜騎士になりきってるアレス、結構かっこよかったわよ?」

 

湧「俺は恥ずかしいんだよ…」

 

俺はそう言って着替えを始める。元の格好に戻ると腕時計を確認する。時刻は夕方の5時となっていた。

 

湧「うお、もうこんな時間なのか。」

 

善子「それじゃあ今日はここまでね。楽しかったわ。」

 

湧「俺は恥ずかしかったけどな…」

 

善子「またやりましょう?」

 

湧「…まぁ…たまになら付き合ってやるよ」

 

そう言って俺は善子の家を出る。首にかけられたネックレスが夕日で綺麗に輝き、沈みゆく太陽に向かって歩き出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




26話どうでしたか?
配信の内容は自分で全部考えたので変だと思っても暖かい目で見てくださいw

次回はダイヤさんになると思います。

それでは次回をお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第27話 〜お出かけしよう、宝石姉妹、姉編〜

なんやかんやでこんにちは、私です。
ゴールデンウィークはいかがだったでしょうか?私はアケフェスやったりオセロニアしてたりとゲーム尽くしでしたw

さて今回ですが、いよいよ3年生に突入していきます。

それでは本編、始まります


朝起きると珍しい人から着信履歴があった。

 

湧「ダイヤから?珍しいこともあるもんだな、なんの用だろうか…」

 

俺はダイヤの連絡先をタップして連絡をする。程なくしてダイヤが電話に出た。

 

ダイヤ「はい、黒澤です。」

 

湧「もしもし?湧矢だけど…」

 

ダイヤ「あら、前島さん。どうされたんですの?」

 

湧「こんな朝っぱらから電話をかけてくるなんて…何かあったのか?」

 

ダイヤ「実は前島さんに頼みたいことがありまして…」

 

湧「頼みたいこと?」

 

少し間が空いて声が聞こえた。

 

ダイヤ「生徒会の仕事を手伝って欲しいんですの。」

 

湧「なんだ、そんなことか。了解、今から浦の星に行けばいいか?」

 

ダイヤ「引き受けてくださるんですね、ありがとうございます!」

 

湧「流石に友達からの頼みなんて断るわけないだろ?」

 

ダイヤ「それもそうですわね、では浦の星で待ってますわ」

 

そう言って俺は電話を切る。朝から勉強をしようかと思っていたが張り詰めすぎていたこともあり、少しリフレッシュできることを考えて今日ばかりは勉強を休むことにした。

 

湧「よし、行くか。」

 

焼いたトーストを口にくわえて家を出る。

 

浦の星〜

 

ダイヤ「おはようございます、お待ちしておりましたわ。」

 

湧「おはよう、手伝いとかの依頼なら普通に前日言ってくれれば全然大丈夫だったんだけどな。」

 

ダイヤ「ではこれからはそうさせてもらいますね。こちらです。」

 

ダイヤに案内され生徒会室に入る。

 

ダイヤ「各部活の部費の整理などをお願いしたいのです。1人だと大変なので…」

 

湧「そういうことなら喜んで、PCは…そこか。じゃあ俺は早速作業に取り掛かることにするよ。」

 

俺はそう言ってPCの電源を入れてExcelとWordを起動する。Excelですぐに計算や整理を始めた。

 

数分後〜

 

湧「ダイヤ、ちょっといいか?」

 

ダイヤ「どうされました?」

 

湧「陸上部少し部費の使用料多くないか?帳簿見せて貰えないとなんとも言えないけど…」

 

ダイヤ「遠征やら何やらやっていると言ってましたけど…」

 

湧「バスとか使えば確かに結構使うと思うが…すまない、全部活の会計帳簿持ってきてくれないか?1から全部見直してみる。」

 

数分後〜

 

ダイヤ「持ってきましたわ」

 

湧「サンキュ、えっと…」

 

俺はすぐに会計帳簿を見直し、全部活の今月の使用料を確認した。

 

湧「うん、特に変な点は見られないな。よし、やるか。」

 

すぐに指をキーボードに走らせる。

 

ダイヤ「あんな速度で打って間違えないなんて…」

 

数分後〜

 

湧「よし、全部活の会計帳簿の整理終わりっと。あとはこれをWordに貼っつけて…」

 

すぐにWordに作った表を貼り付ける。そして前回との比較などを簡単に記入し作成を終える。

 

湧「おまたせ、はいこれ。全部ひと通り終わったぞ。」

 

ダイヤ「ありがとうございます。それにしてもあんなに早く打ってよく間違えませんね。」

 

湧「普段からPCは使い慣れてるからな。ダイヤの方もそろそろ終わり?」

 

ダイヤ「えぇ、こちらもそろそろ終わりますわ。午後って空いてます?」

 

湧「午後?空いてるけど…」

 

ダイヤ「実は前島さんと一緒に出かけたくて…Aqoursの次の衣装の材料とかを買っておきたいんですの。」

 

湧「じゃあ今から行っとくか?」

 

ダイヤ「そうですね、行きましょうか。」

 

沼津〜

 

沼津につくなりバスを降りる。

 

ダイヤ「では行きましょうか。」

 

湧「最初はどこに行くんだ?」

 

ダイヤ「そうですわね…あっちにしましょうか。普段からよく小物などを買っているお店がありますの。」

 

湧「向こうだな、じゃあちゃちゃっと行きますか。」

 

そう言って俺たちは歩き始める。しばらく歩いてダイヤが言っていた雑貨屋があった。

 

湧「ここで買ってるのか…普段はメニューとかを作ってるだけだからあんまりこういうところは来ないな。」

 

ダイヤ「そうなんですか?」

 

湧「服も父さんと母さんで一緒に見に行ってたし…でもネックレスは自分で見てたな。」

 

ダイヤ「前島さんの両親はいい人ですね。」

 

湧「そうか?たまに彼女がどうとか聞いてくるからな〜」

 

そんな他愛もない会話をしながら衣装に必要な小物を選んでいく。一通り買い物を終え店を出ることにした。

 

ダイヤ「これで衣装に関して困ることはありませんね。」

 

湧「もしあれなら荷物は持つぞ?帰りに曜の家に寄って小物とか全部渡しとくよ。」

 

ダイヤ「本当ですか?ではお願いします。……このあとどうしましょうか…」

 

湧「あ、じゃあ俺の買い物付き合ってもらっても良いか?」

 

ダイヤ「前島さんの買い物にですか?何を買われるんですの?」

 

湧「パソコンのキーボード、あとは新しい保存メモリとかな。」

 

そう言って俺は近くのショッピングモールの家電量販店にいく。

 

ダイヤ「キーボードにもいろいろあるんですね、これなんていいのではありません?」

 

湧「ダイヤ、それはゲーミングキーボードだ。」

 

ダイヤ「…違いがわかりませんわ…////」

 

湧「どうしてもわからない人はわからないかもな、えっと…俺が探してるのは…あった、これだ。」

 

俺が探しているのは少し値は張るものの、長時間打ってても指が疲れないものだった。

 

ダイヤ「これにするんですの?」

 

湧「あぁ、値段もちょうどいいし俺が今使ってるキーボードとよく似てる。多分メーカーは同じだから信用できるだろう。」

 

俺はレジで会計を済ませ店を出る。

 

ダイヤ「買い物はこれで終わりですか?」

 

湧「あぁ、これで終わりだよ。次は俺がダイヤの買い物に付き合う番だな。」

 

ダイヤ「私のですか?私はですね…」

 

そう言ってダイヤが向かった先はμ‘sのグッズが売っている場所だった。

 

湧「本当にμ‘sが好きなんだな。」

 

ダイヤ「えぇ、見飽きませんわ。」

 

湧「俺はあんまりμ‘sのこととかわからないからな〜今度教えてくれないか?」

 

ダイヤ「私にですか?」

 

湧「ダイヤが良いんだよ、教え方も上手だしな。」

 

ダイヤ「そういうことでしたら…ではどこから話しましょうか…」

 

湧「ちょっと待て!?まさかここで話すつもりか!?」

 

ダイヤ「今すぐに知りたいのではありませんの?」

 

湧「今度時間がある時でいいよ!」

 

そんなことがありながらもショッピングモールを出る。

近くでクレープでも売っているのか、チョコやクレープ生地の甘くていい匂いが鼻腔をくすぐる。

 

湧「帰る前に少し寄り道しないか?」

 

ダイヤ「良いですけど…何か買うんですか?」

 

湧「ん?それはお楽しみってやつだよ。そこのベンチで待っててくれ。」

 

俺はそう言って近くのベンチに荷物を置いて財布を持って掛け出す。1度ショッピングモールのアクセサリーショップに向かい、赤やピンクなどを基調としたブレスレットを購入し、ショッピングモールから出る時にクレープを購入する。

 

湧「お待たせ、はいこれ。」

 

ダイヤ「これを…私に?でもこのブレスレットどこで…」

 

湧「ものすごい速度で走ってったからわかんなかったかもな。1度ショッピングモールに戻ったんだよ。そこのアクセサリーショップで買ってきたんだ。クレープはすぐそこでな。」

 

ダイヤ「そんな、貰えません!」

 

湧「今日のお礼みたいなもんだよ。ダイヤの意外な一面も見れて楽しかったからな。制服で出掛けるのも悪くないって思えたしさ。」

 

ダイヤ「そう言うのはあなたぐらいですわ…////」

 

そう言ってダイヤはクレープを食べる。

 

ダイヤ「美味しいです、前島さんは…」

 

湧「俺は甘いものは苦手でね。ブラックコーヒーとかをよく好んで飲んでるんだよ。あとこれ、ちょっと目を瞑ってくれないか?」

 

ダイヤ「えぇ…良いですけど…」

 

ダイヤが目をつぶったことを確認して俺はスクールバッグからブレスレットを取り出す。

 

湧「ほい、目を開けてくれ。」

 

ダイヤ「ん…?」

 

湧「実はお礼はもうひとつ、このブレスレットもプレゼントだよ。」

 

ダイヤ「綺麗…赤やピンク…春にピッタリの色ですわ」

 

湧「1目見てから春が似合う人だって思ったからな、休日とかに付けてくれ。」

 

ダイヤ「ではありがたくいただきますね。そろそろ帰りましょうか。」

 

そう言ってダイヤは立ち上がる。右手にはさっきあげたブレスレットが夕陽に照らされて色鮮やかに光っていた。

 

ダイヤ「では前島さん、今日はありがとうございました。」

 

湧「俺も今日は楽しかったよ。ダイヤの意外な一面も見れたしな。」

 

ダイヤ「なっ!?キーボードのことは忘れてください!思い出すのはブッブーですわ!」

 

湧「それが出来たら苦労は無いな」

 

少しダイヤをからかいながら帰り道を肩を並べて歩く。2人の影の密接の仕方はまるで出来たてのカップルのようにも見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第27話いかがだったでしょうか?
こんな感じの甘酸っぱい恋って女性の方とかは特に憧れますよね。恋はしたことないのであんまりわからないですけど…w

次回は果南ちゃんになると思います、もっと甘酸っぱくなるかも?

それでは次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第28話〜お出かけしよう、ダイビング少女編〜

大変長らくお待たせいたしました、私です。
考えに考えてどうしようかと悩んでいたらこんなに日がたってしまうとは…

さて今回は、ついに果南ちゃん回となります。ダイヤさんよりも甘酸っぱくしておきますので最後までお楽しみくださいね。

それでは本編、始まります。


俺は朝の日課であるランニングをして沼津市内にある市民プールで夏に浜松で行われる水泳大会に向けた調整をしていた。出場種目は400メートル個人メドレー。今は沼津にいるが、夏の大会に出場するために浜松に帰りすぐに所属していた水泳チームのコーチに連絡して戻ったことを報告し、夏の大会に出場させてもらえるようにする予定だ。もちろん大会はしっかり出場する。

 

湧「うん、だいぶ形になってきたな。メドレーはひと通り行けるだろうし、あとはもう少しペースを上げれば問題なく1位で賞取れるだろう。」

 

今日の練習を終え、1度家に戻る。戻る途中で携帯を確認すると果南から何通か連絡があった。内容によるとダイビングの誘いだった。

 

湧「今日は本当に水に触る機会が多いな、特に用事もないし行くとしよう。」

 

フェリー乗り場の最寄りのバス停でバスから降りてフェリーで淡島に向かう。

 

果南Side

 

果南「湧矢、今日空いてるかな。一緒にダイビングしたいな」

 

私は1度湧矢のLINEに連絡を入れてお店の準備に向かう。今日も予約している人がいるから一日しっかりお店をやらないといけない。

 

果南「よし、今日も頑張ろうかな。」

 

私はダイビングスーツに着替えて最初に予約したお客さんと一緒にダイビングをするためにボートに乗るのだった。

 

果南side end

 

船着場について周りを見渡す。

 

湧「連絡を寄こしたのは俺が水泳の最終調整をしている時間だから…時間が経ってるな、多分果南はダイビングだろうし、近くでコーヒーを飲みながら少し散歩するか。」

 

俺は近くの自販機でコーヒーを買い、淡島の中を散歩し始めた。

 

湧「最初に来た時はざっと見て回るだけだったから分からなかったけど改めてよく見てみるとのどかでいい所だよな…将来ここに住むのもありだな。」

 

何故か将来住む場所を考えながら淡島の中を散歩して行くと淡島神社に来た。

 

湧「よし、例のアレやるか。」

 

俺は荷物を置き、腕時計をセットして軽く準備運動をする。そう、全速力階段ダッシュだ。

 

湧「よし、行くか…よーい…スタート。」

 

俺は前にやった時よりも早いペースで階段を上っていく。前のペースは少し遅めだったが今回はかなり早めに登り、少しでも体をいじめ抜いておきたかった。

 

湧「よし、2往復目。」

 

すぐに二往復目に入る。さっきとペースは変えず、少しでもペース維持を心がけた。水泳でもペース維持は重要なことの一つなのでペースを崩さないように、キープランを心がけた、一段一段登っていく。

 

湧「よし、こんなものか。」

 

1セット目が終わったあたりで時計を見る。時刻は13時手前を刺していた。

 

湧「もうこんな時間か、そろそろダイビングショップに行ってみるか。」

 

俺は荷物を持ってすぐにダイビングショップに向かうのだった。

 

果南side

 

果南「ありがとうございました!」

 

私は予約したお客さんの相手を終え、一息つく。今日の予約はさっきので最後だったからあとは道具の方の調整などを始めた。

 

果南「よいしょっと…さ、はじめよっかな。」

 

酸素ボンベ、シュノーケルなどに水を掛け、丁寧に洗っていく。海水が着いたままだと道具がダメになってしまうので一つ一つの作業は丁寧に、落とし残しが無いか一つ一つチェックしながら洗っていく。

 

果南「よし、あとはしっかり日向で乾かして…うん、終わりかな。」

 

道具を洗い終えて携帯を確認する。彼から何通か連絡があった。開いて見てみると午後にはそっちに向かうとあった。

 

果南「それにしても遅いなぁ…」

 

そう言いながらも私はダイビングショップのカウンターで明日の予約のリストを確認しながら彼を待つのだった。

 

果南side end

 

湧「ふぅ…着いた…だいぶ待たせたかもな、拗ねてないといいけど…」

 

俺はそう呟きながらダイビングショップのドアを開ける。

 

果南「あ、やっと来た!もう、どこ行ってたの?」

 

湧「遅くなって悪かったな、夏の大会に向けて最後の調整をやってたんだ。11時頃にここに着いたんだけど多分ダイビングショップの営業で出てるだろうって思ったから少し淡島の中を散歩してた。」

 

果南「来てたんならお店の中で待ってれば良かったじゃん…」

 

湧「そんなわけにもいかないだろ?ダイビング、するんじゃなかったのか?」

 

果南「うん、じゃあ早速行こっか。湧矢は向こうで着替えてきてくれる?」

 

湧「了解、前に一回ここでダイビングはやってるから忘れては無いと思うし、すぐに着替えてくるよ。」

 

果南「じゃあ私は道具とか準備してくるね。」

 

そう言って果南は外に出ていった。俺も手早く着替えを終えて外に向かう。

 

湧「お待たせ、着替え終わったぞ。」

 

果南「よし、じゃあ船は私が操縦するからね。」

 

湧「安全運転で頼むぞ?」

 

果南「わかってるって、じゃあ行くよ?」

 

そして果南と俺を乗せた船は沖に向かって進み始めるのだった。

 

沖〜

 

果南「ちゃんと酸素ボンベ背負った?」

 

湧「背負ったって、これでいいんだっけ?」

 

果南「うん、ちゃんと固定されてるね。じゃあ潜ろっか。」

 

そして俺たちは海の中に潜った。普段太陽が当たっている陸とは違って、海の中は神秘的な闇の世界だった。改めて見ると海の偉大さに驚いた。

 

ダイビング後〜

 

湧「改めて潜るとやっぱり海の世界もいいもんだな。」

 

果南「そうでしょ?じゃあ戻って道具の掃除をしようか」

 

湧「そうだな」

 

俺はそう言ってダイビングスーツを脱ぐ。

 

果南「ちょ、湧矢!?」

 

湧「心配すんなって、下にちゃんと競泳水着着てるから。」

 

果南「そういう問題じゃないから!」

 

そんな感じのデジャブ感を出しつつダイビングショップに戻った。途中で果南が俺の体をちらちら見てたのはここだけの話…

 

湧「湧矢の体、やっぱり逞しいね。水泳やってたらそんなふうになるの?」

 

果南がダイビングの道具を洗いながら話しかけてきた。

 

湧「いや、水泳だけだとこんなふうにはならないな。ちゃんと日々の栄養管理、トレーニングの賜物だよ。」

 

果南「すごい腹筋割れてるし腕も足もがっちりしてる…」

 

湧「これだけないと強く水をかけないんだ、あと水の抵抗を減らすために体のほとんどの毛を無くしてる。」

 

果南「ほんとだ、足の方とか全く毛が無い…」

 

湧「これだけやんないといいタイムは出せないよ。」

 

ひと通り道具の掃除を終え、ひと休みする。

 

湧「あぁそうだ。一つ伝えときたいものがあった。」

 

果南「なに?伝えたいことって」

 

湧「今年の夏、大会があるんだ。」

 

果南「大会って、水泳の?」

 

湧「あぁ、来るか?」

 

果南「うん!みんなで応援しに行こうかな、みんな予定合えば良いけど…」

 

そう言って果南はAqoursのグループLINEにメッセージを入れた。数秒待たずして何人かが返信を寄こした。

 

湧「返信早っ、どんだけ暇してんだあいつらは…」

 

果南「大丈夫みたいだね、何月頃?」

 

湧「夏休みに入ってからだから8月だな。」

 

果南「じゃあしっかり応援しないとね。」

 

湧「恥ずかしいからあんまり目立つ行為はするなよ?」

 

果南「どうしよっかなー、だって私の連絡に対して2時間も時間開けて返信寄越すような人だからなー」

 

湧「すんませんあれは仕事の邪魔しちゃ悪いと思った俺の最低限の配慮だから…」

 

果南「でも目立ちすぎないように気をつけるよ。大会までが楽しみだね。」

 

湧「あぁ、あと何回か最終調整を加えておけば良いだろう。」

 

ふと時計を確認すると時刻はもう4時を刺していた。

 

湧「今日は楽しかったよ、久しぶりに海に潜っていい気分転換になった。」

 

果南「こっちこそ今日は楽しかったよ。大会頑張ってね。」

 

湧「もちろんそのつもりだよ、応援よろしくな。」

 

俺はそう言ってダイビングショップを後にする。

夕陽に照らされて水面がいくつもの光のアートを作り上げた。まるで、Aqoursの輝きを表現するかのように…

 

 

 

 

 

 

 

 

 




28話、いかがだったでしょうか?

普段とは一味違ったお出かけ回だったと思います。

さて次回は、いよいよ最後の一人、鞠莉ちゃんです。徹底的に振り回される湧矢が想像出来る…

それでは次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第29話 〜お出かけしよう、理事長編〜

ご無沙汰してます、私です。
中間テストも終わったのでまたのんびり書いてます。

さて今回ですが、いよいよ最後の一人である小原鞠莉ちゃんになりました。次回はどうしようか迷ってますw

それでは本編、始まります。


朝食の支度をいつもより少し遅めに行い、盛り付けて朝食を取ろうとした矢先、携帯に着信が来ていた。

 

湧「こんな朝から…ダイヤか?それとも果南か…?」

 

携帯の画面を見ると、鞠莉からだった。

 

湧「もしもし?こんな時間に電話なんて珍しいな、どうしたよ。」

 

鞠莉「チャオ〜湧矢、マリーからのモーニングコールはどうかしら?」

 

湧「……切るぞ?」

 

鞠莉「It's joke、せっかくの休みなんだしどこかにお出かけしないって言うマリーからのお誘いよ?」

 

湧「それならそうと言ってくれ…危うくどこかのみかん娘みたいに無言で切るところだったぞ…」

 

鞠莉「あら、ちかっちもマリーと同じことしてたの?先越されちゃった」

 

湧「んで、出掛ける件だったな。問題ないぞ、どこに行くんだ?」

 

鞠莉「うーん、じゃあ遊園地とかどう?二人っきりの遊園地デート。いいと思わない?」

 

湧「おま、デートって…恥ずかしいから…」

 

鞠莉「あら〜?もしかして照れてるの?」

 

湧「う、うるさい!とにかく、着替え終わったらそっちに行くからな。」

 

俺は電話を切り、すぐに朝食を取ろうとする。残念なことに冷めていたためにあっためて食べたけど。

黒を基調としたファッションにして家を出る。好きな色が黒なのもあるがシンプルで父さんに大人っぽく着こなせるからとオススメされたのだ。

 

湧「よし、行くか。」

 

いつも通りネックレスと腕時計をして準備を終える。

 

ホテルオハラ〜

 

ホテルの前で鞠莉を待つ。携帯で音楽を聴いて少しリラックスをしていると突然視界が塞がれた。

 

??「私は誰でしょう?」

 

湧「…鞠莉だろ?」

 

鞠莉「off course!さ、行きましょう?」

 

湧「そうだな、今日はめいっぱい遊べるといいが…」

 

一瞬にして嫌な予感を察知したのだった。

 

遊園地〜

 

鞠莉「ねぇ湧矢、ジェットコースター乗ろうよ!」

 

湧「やっぱりか…」

 

当然のことながら悪い予感が的中してしまった。鞠莉は来て早々ジェットコースターに乗りたいと言い出した。

 

湧「ま、鞠莉?まずは色々見て回ってからでもいいんじゃ…」

 

鞠莉「ノンノン、時間は待ってくれないよ?さ、Let's go!」

 

湧「ちょ、引っ張るなって!あ、あぁぁ…やっぱりこうなるのか…」

 

鞠莉「結構高いのね、ここから一気に急降下だと思うとワクワクしちゃう!」

 

湧「やべぇ…高ぇよここ…一気に来るんだよな…?」

 

数秒後、一気にジェットコースターは加速した。

 

湧「…」

 

俺は顔に来る空気や風に対して特に何かをする訳でもなく無言で耐え忍んだ。そう、何を隠そう俺は高いところがあまり好きではないのだ。

 

ジェットコースター後〜

 

湧「し、死ぬかと思った……」

 

鞠莉「楽しかったわね!もう1回行く?」

 

湧「もういいわ…さすがに死ぬって…」

 

鞠莉「あら、もうダウン?じゃあ少し休みましょうか。」

 

湧「そ、そうだな…」

 

俺は鞠莉にリードされながら近くのベンチに座るのだった。

 

数分後〜

 

湧「ふぅ…だいぶ気分も良くなった。心配かけてごめんな?」

 

鞠莉「ノンノン、そんなこと言ってたら幸せが逃げちゃうよ?」

 

湧「鞠莉はなんでもプラスにとらえてそうだよな。」

 

鞠莉「?」

 

湧「俺みたいに最初は不安とかいろんな感情がごちゃ混ぜになってるような感じじゃなくて、最初からなんでも楽しめそうな性格してるってことだよ。」

 

鞠莉「あら、私だって不安になったりすることはあるのよ?」

 

湧「わかってるって、同じ人間だもんな。さ、行こうか。今度はどこに行く?いっそお化け屋敷とかどうだ?」

 

鞠莉「じゃあそうしましょうか、お化け屋敷に行ったらお昼にしましょ?」

 

湧「よし、じゃあ行くか。」

 

俺は鞠莉に右手を差し出す。何かを察したのか鞠莉はすぐに右手を掴んだ。

 

お化け屋敷〜

 

湧「だいぶ本格的に作り込まれてるんだな、文化祭でどこかのクラスとかがやっててもおかしくないな。」

 

鞠莉「結構中は暗いのね…」

 

お化け屋敷のスタッフ「くへへへ…」

 

湧「ん?誰か笑ったか?」

 

その直後にお化けがでてきた。

 

湧「うおっ!?」

 

あまりに突然だったのか俺は体制を崩して近くの壁に頭をぶつける。

 

鞠莉「湧矢、大丈夫?」

 

湧「あぁ…突然でびっくりしただけだ…」

 

そのまま何回かドッキリ企画でもしくんだかのようにいきなりお化けが現れたりする仕掛けがあったりしながらもしっかりと外まで出てきた。

 

湧「随分驚かされたな、あぁ楽しかった。」

 

鞠莉「そうね、それにしても最初の湧矢の驚き用は凄かったわ。」

 

湧「仕方ないだろ?いきなり目の前に来たら誰でも体勢ぐらい崩すって…」

 

鞠莉「でも結構私も驚いちゃったかも、やっぱり遊園地って楽しいわね!」

 

湧「鞠莉が最初に提案したんだろ?まぁおかげで俺もこうして楽しめてるんだけどな。」

 

その後2人で昼食を取り、他にもゴーカートやメリーゴーランド、コーヒーカップなどをして思いっきりはっちゃけた。途中で鞠莉がまたジェットコースターに乗りたいと言っていたのは内緒…

 

湧「お、もうこんな時間なんだな。」

 

時刻は17時を刺していた。

 

湧「なぁ鞠莉、最後に観覧車乗ってかないか?」

 

鞠莉「良いわね、観覧車。じゃあ最後は観覧車にしましょ?」

 

俺たちは観覧車に乗り、夕日に照らされた遊園地を見る。

 

湧「やっぱり綺麗だな…この街は…」

 

鞠莉「そうね、みんなキラキラしててShiny…」

 

湧「そうだ、一つプレゼントな。」

 

鞠莉「なにかしら…」

 

湧「少し休憩してる時あっただろ?その時にさりげなく買ってきたぬいぐるみだよ。大事にしてくれよな。」

 

鞠莉「湧矢…ありがとう!大事にするわね!」

 

そう言って鞠莉は俺に抱きついてきた。

 

湧「ちょっ!?抱きつかれると恥ずかしいから!」

 

鞠莉「あら?観覧車で二人っきりなのに恥ずかしいの?本当、湧矢は可愛いんだから!」

 

湧「からかうなって!」

 

そして二人並んで手を繋ぎながら遊園地を出る。沼津に帰る頃には外はすっかり暗くなり、星が夜空を彩っていた。

 

湧「じゃあ鞠莉、今日は楽しかったよ。ありがとな。」

 

鞠莉「私もよ、また2人で行かない?」

 

湧「お、また行くか。じゃあ気をつけて帰れよ!じゃあな!」

 

俺は鞠莉と駅で別れ帰路につく。夜空の星と月が街に柔らかく光を注ぎ、終わり、また始まる明日への架け橋のようになっていた。




第29話いかがだったでしょうか?
鞠莉と言ったら私は遊園地で思いっきり遊ぶ感じが想像つきますね。

次回は多分湧矢の両親が襲来するかもしれません、まだ未定なのでどうなるかはわかりません…申し訳ないです…

それでは次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第30話 〜あれ…この感じまさか…風邪?〜

ご無沙汰してます、私です。ライブが一週間後に迫ってきました。2日目に参戦する予定の私です。今まではいざ行こうってなっても呼び戻されて行けなくなるということがあったのですが、今回やっと行けます。

さて今回ですが、どうしようか迷ってこうしました。多分あんまりないかもしれないシチュエーションですが暖かい目で見てくださいね。

それでは本編、始まります。どうぞ!


朝起きると妙に気怠い感じに襲われた。頭も体も重く、喉が痛む。あと起きようと立ち上がるとふらつく。

 

湧「……身体が重いな…なんだか変な気分だ…」

 

そう思いつつも時間はすぎていくことに変わりはなく、いつも通り学校に行くための準備を始めた。

 

湧「朝食は…パンでいいか…」

 

トーストを1枚、トースターに入れて少し待つ。それでも身体のだるさや重さは抜けず、頭もかなり痛む。トーストが焼けた音がすると俺はすぐにトーストを加えつつ家を出ることにするのだった。

 

バス停〜

 

誰にもバレないように平然を装いながらバスを待つ。多分風邪の類かもしれないが風邪なんてここ数年引いたことがない以上ありえないと思った。

 

千歌「あ、前島くん!おはよー!」

 

曜「前島くん、おっはヨーソロー!」

 

梨子「おはよう、千歌ちゃんも曜ちゃんも朝から元気ね。」

 

湧「おっす、相変わらず元気だな…」

 

千歌「あれ?前島くんもしかして体調崩し気味?」

 

湧「んなわけないだろ…少し寝る時間が少なかっただけだ…」

 

曜「でも少し顔色が良くないような…」

 

湧「き、気のせいだって言ってるだろ……」

 

千歌&曜「…怪しい…もしかしてなにか隠してる?」

 

梨子「3人とも、バスきたから乗ろう?」

 

湧「そ、そうだな…」

 

上手く隠し通し、少しバスの中で眠る。明らかに体調が悪いのは分かってはいるが余計な心配をかけたくないという子供っぽい感覚で素直に風邪気味だということは出来ずにいるのだった。

 

学校前〜

 

湧「やっぱり少しきついな…」

 

頭痛や喉の痛み、体のだるさと戦いながら学校に向かう。前日ほとんど寝てないこともあり疲労は限界に達していた。それもそのはず、そろそろ文書作成能力試験があり、それに向けてパソコンと向き合っていたのだ。

 

湧「前日にパソコンやるんじゃなかったな…」

 

善子「あら?アレスったら珍しく今日はお疲れモードなのね。」

 

湧「…おっす…お疲れモードって…ロボットか俺は…」

 

ルビィ「善子ちゃん…前島さんはロボットじゃないからね?」

 

花丸「そうずら、前島さんはちゃんとした人間ずら。」

 

善子「それもそうよねって、私はヨハネよ!」

 

1年生組との会話を混じえながら昇降口に向かう。上履きに履き替え教室の机に伏せる形で少し眠ろうとする。

 

湧「さすがに寝る時間を削りすぎたな…こんなに反動が来るとは思わなかった…」

 

果南「あれ?湧矢、今日は珍しいね。」

 

湧「おっす…日課のランニングすっぽかしちまったからな…」

 

果南「来なかったからどうしたのかと思ったよ、何かしてたの?」

 

湧「いや…少しお疲れモードになってるだけだ…」

 

机に伏せながら果南と会話する。顔を見られれば保健室行きも考えられるだろう。おまけにあんまり勉強に集中できてないことがバレれば保健室行きも心配される。他の奴らに心配だけはかけたくないのだ。

 

果南「大丈夫?体調悪い?」

 

湧「いや…問題ない。」

 

ダイヤ「おはようございます。」

 

鞠莉「おはよう。あら?湧矢もしかしてお疲れ気味?」

 

湧「…そんなとこだ…最近少し無理してる時があったからな…」

 

ダイヤ「だから無理をするなと言いましたでしょう?」

 

湧「気をつけるよ…」

 

そう言って俺は机に伏せる。少しでも考えることをやめて頭を休ませることにした。

 

ホームルームが終わり、1時間目から体育だった。着替えを終えてグラウンドに向かう。

 

湧「うっ…やっぱりふらつく…」

 

壁に寄りかかりながら進む。疲労が蓄積している証拠だろうか、少し身体が暑かった。

 

果南たちside〜

 

私たちは着替えながら今朝の出来事を鞠莉たちと話していた。

 

果南「ねぇ、今日の湧矢ちょっと変じゃなかった?」

 

ダイヤ「どういうことです?」

 

果南「声もいつものようなトーンじゃなかった気がしてさ、ダイヤたちが来る前もずっと机に伏せて顔を隠してたから気になってさ。」

 

鞠莉「もしかしたら風邪なのかも。少し気にかけておきましょ?」

 

果南「そうだね」

 

ダイヤ「えぇ、無理して倒れられても困りますし…」

 

着替えて私達もグラウンドに向かうのだった。

 

果南たちside end〜

 

1時間目のチャイムが鳴り、体育が始まる。準備体操を終えてストレッチを終える。持久走をやるとのことらしかった。

 

湧「持久走か…あんまり得意じゃないんだけど…」

 

果南「私よりも化け物じみた体力しといて何言ってるの?」

 

湧「それもそうだったな…体力おばけなんて言われてたっけ…」

 

ダイヤ「そろそろ測定ですよ、位置に行った方がよろしいのでは?」

 

ダイヤに言われて位置につく。スタートをしてからしっかりと自分のペースで走りだした。

 

体育終了後〜

 

校舎に戻り着替え終えたところで鞠莉から呼び出された。

 

湧「なんだよ…」

 

鞠莉「湧矢、もしかして無理してない?」

 

湧「無理なんてしてねぇって…」

 

鞠莉「持久走の時に変だって思ったの、もしかして体調崩してでも無理に学校に来てるんじゃないかって思ってね。」

 

湧「そんなわけないだろ…」

 

鞠莉「そう、その言葉を聞いて安心した。戻りましょ?」

 

湧「…あぁ」

 

すぐに教室に戻る。教室に戻って数分後には次の授業のチャイムが鳴るのだった。

 

お昼〜

 

屋上でさくに寄りかかりながら考える。このまま隠せる自信が無いから素直になるべきか…バレるまで隠すか…

 

湧「数学の問題かよ…」

 

どっちにしてもお説教は必須だ。少なくもと早退は確定事項だろう。

 

湧「飲み物買いに行くか…」

 

そして飲み物を買いに行こうとして立ち上がった瞬間だった。意識が途絶え…倒れてしまうのだった…

 

果南たちside〜

 

湧矢は昼休みが始まってすぐに出てってしまった。

 

果南「やっぱり変だって、今日の湧矢」

 

ダイヤ「そうですね、いつもより動きが鈍くなってる気がします。それに顔色も優れない様子でしたし…」

 

鞠莉「本来ならこの時間までには戻ってるはずよね」

 

果南「どうする?」

 

ダイヤ「屋上に向かいましょう、少し気になります。」

 

そして私たちは屋上に向かった。

 

屋上のドアを開けた瞬間目に入ったのは倒れた湧矢だった。

 

果南「え…?」

 

ダイヤ「果南さん?どうしまし…た…?」

 

鞠莉「Oh My God…」

 

果南「湧矢!?大丈夫!?」

 

ダイヤ「…すごい熱です…なんでここまで無理して…」

 

鞠莉「やっぱり私の予想通りだったじゃない…」

 

果南「鞠莉、やっぱり知ってたの?」

 

鞠莉「えぇ、さっき湧矢を呼び出して無理してるんじゃないかって聞いたの。まったく無理してないって答えてたんだけど…思いっきり嘘ついてるじゃない…」

 

ダイヤ「すぐに保健室に運びましょう!」

 

鞠莉と私で湧矢を運ぶ。保健室につくと保健室の先生が湧矢を見るなりすぐに体温計で熱を測った。チャイムがなる数分前だったため私たちは教室に戻った。

 

果南たちside end〜

 

目を開けると見慣れない天井が目に入った。

 

湧「ここは…」

 

保健の先生「あら、気がついたのね。担任の先生には私の方から伝えたから荷物取っておいで。」

 

湧「え…?事が進みすぎて何が何だか…」

 

保健の先生「あなた、屋上で倒れたのよ。クラスの子がここまで運んでくれたわ。すぐに体温を測ったら38.9℃もあったんだもの、びっくりしちゃった。」

 

湧「やっぱりか…」

 

保健の先生「無理しすぎて体調を崩したら本末転倒よ、家に帰って休みなさい?」

 

湧「そうします…」

 

教室に向かい教科担当の先生に事情を説明した。担任から事情は説明されたとのことだが一応念の為報告しておいた。

 

果南「お大事にね、帰ってゆっくり休むこと。わかった?」

 

湧「わかった…」

 

ダイヤ「だから無理は禁物と言ったのにあなたは…」

 

鞠莉「あと、マリーに嘘はダメよ?簡単に暴いちゃうから」

 

湧「なんだそりゃ…」

 

先生「果南、昇降口まで着いて行ってやれ」

 

果南「はい。じゃあ行こっか」

 

湧「あぁ…」

 

昇降口〜

 

昇降口につくと担任の先生が車で送ってくれるとのことだった。

 

果南「湧矢、じゃあお大事にね」

 

そう言って果南は教室に戻って行った。

 

担任の先生に送って貰って家に戻る。家に戻るなりすぐにベッドに倒れるようにして意識を手放した。

 

 




いかがだったでしょうか?次回は看病される回になるかもです。倒れるほどの熱ってかなり辛いですよね。次回は文字通り看病になると思います。あとお説教も挟みますね。

それでは次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第31話〜看病って大事だよね〜

ご無沙汰してます、アルスです。

先日Aqoursの5thライブがありましたね。2日目に参戦させてもらいました。キャストさんもみんな可愛くて、会場がひとつになったように最後の方には虹が出来てて、開幕からテンションMAXで盛り上がれました。本当に楽しかったです。

さて今回ですが、前回風邪をひいてしまったということなので看病回にしようと思います。

それでは本編始まります、どうぞ!


一人暮らしは何かと不便なことが多い。当然いいことも沢山あるが何より風邪などをこじらせた時は1番めんどくさかったりする。

 

湧「…くそ…風邪なんか引くんじゃなかったな……」

 

早退して家に帰ってすぐに部屋で寝落ち、時間帯も夕方に差し掛かり日が沈み始めてきた。まだ頭痛も喉の痛みも、身体の気だるさも何もかもが抜けきっておらず、ほとんど動けないような状態の身体を無理やり起こして水分補給をしようと台所に向かう。

 

湧「ふぅ…」

 

水を飲んでもやはり体のつらさは収まることを知らない。どんどん俺の体を蝕んでいる気がする。無理しすぎた反動もあるが、ここ最近かなり張りつめていたから精神的な負担もかなり大きい。

 

湧「ダイヤに知られたら説教確実だな…」

 

そして俺は壁にもたれながら部屋に戻るのだった。

 

Aqours side

 

果南「やっぱり風邪だったね……気付いてあげれれば…」

 

ダイヤ「ここのところほとんど寝る時間がなかったようですね…時折疲れたのか瞬きをする回数が多い時もありましたから…」

 

鞠莉「なによりマリーに嘘までつくなんて…お説教かしらね!」

 

私たちは部室に向かいながら今日の出来事について話していた。屋上で倒れているのを目撃してから保健室に運んであげるまでになんで朝に気づいてあげられなかったのかなどの後悔が主だったりするけど。

 

果南「お見舞い…どうする?」

 

ダイヤ「一人暮らしで何かと大変だと思います、ですがいきなり全員で押しかけたらかえって彼の負担や増やすことになるかもしれませんし明日にしましょうか。」

 

鞠莉「そうね、じゃあ明日みんなでいきましょうか。」

 

部室につくと千歌たちが歌詞を考えていた。

 

千歌「あ、果南ちゃん!…あれ?前島くんは?」

 

ダイヤ「それが…」

 

梨子「?」

 

1,2年「早退!?」

 

果南「ちょ、声が大きいから!」

 

善子「ちょ、アレスが早退って、どういうことよ!」

 

鞠莉「そのままの意味よ。実は屋上で倒れたの。保健室に運んだら即早退って言われて帰ったわ。」

 

ルビィ「前島くん、朝から少し疲れ気味だったよね。」

 

ダイヤ「えぇ、無理しないでとあれほど言ったのに無理をするんですから…お説教しないとダメなようですわね…」

 

曜「そんなことよりも、お見舞い行く?」

 

果南「大勢で押しかけるとかえって彼の負担を増やすことになるかも、明日にしよう?」

 

千歌「そうだね、じゃあ明日お見舞いに行こっか。」

 

明日彼の家に訪問してお見舞いをすることに決めた。

 

Aqours side end

 

湧矢side

 

体調が悪い時に見る夢は決まっていいものでは無い。なにか得体の知れないものに追いかけられるような夢を見て目を覚ます。

 

湧「…!…夢か……ひどい夢だな…風邪の時ほど決まってこんな夢ばかり見る…」

 

体のだるさ等は抜けることも無く、むしろ強くなってるんじゃないかと思う。体温計をとり熱を測る。測り終えると表示された体温は39℃にまでなっていた。

 

湧「これ直るか…?」

 

考えても仕方ないと思い、少しでも頭を休ませるためにその日は寝ることにした。

 

湧矢side end

 

翌日

 

湧矢side

 

朝起きてすぐに体温を測る。しかし表示される体温は昨日と変わることはなく、全く同じ数字を表示していた。

 

湧「下がらないな…」

 

喉の乾きを癒すため、俺は台所で水を飲むことにした。しかし水を飲むために部屋を出て台所に着いたところで俺は意識を手放しその場に倒れるのだった。

 

湧矢side end

 

Aqours side

 

私たちは彼の家の前にいた。

 

果南「やっぱり男の子の家ってだけで緊張する…」

 

ダイヤ「今更何言ってますの、看病するのでしょう?」

 

花丸「この前すごく辛そうだったから早く元気になって欲しいずら。」

 

私たちは彼の家のチャイムを鳴らす。

 

千歌「返事無いね…」

 

ダイヤ「まだ寝てるのかもしれませんわね」

 

曜「任せて!こういう時はね…」

 

曜は何を思ったのか彼の家のチャイムを連打した。

 

ピンポンピンポンピンポン!

 

ルビィ「よ、曜ちゃん!?なんで連打したの!?」

 

曜「だって、これやったら大体前島くん出てくるんだもん」

 

善子「もっと別の方法あるでしょ…」

 

そして善子ちゃんがドアノブを引いた瞬間ドアが開いた。

 

8人「あ、開いた。」

 

善子「あいたっ!?」

 

善子ちゃんは後頭部をぶつけてしまいその場にうずくまる。その間に彼の家に入る。

 

果南「おーい!湧矢?いる?」

 

呼びかけたが返事がなかった。彼の部屋に向かうことにするのだった。

 

湧矢の部屋

 

果南「湧矢?入るよ?」

 

そしてドアを開けたがそこに湧矢の姿はなかった。

 

鞠莉「あら?いないの?」

 

ダイヤ「そのようですわね…どこに向かったのでしょうか…」

 

彼のいきそうなところを考えていると千歌が慌てて階段を昇ってきた。

 

千歌「果南ちゃん大変!」

 

果南「千歌、どうしたの?」

 

千歌「前島くん、台所で倒れてる!」

 

3人「!!」

 

すぐに台所に向かうとそこには彼が倒れていた。

 

ダイヤ「千歌さん、すぐに曜さんたちを呼んでください!…すごい熱…上がってないといいのですが…」

 

少しして曜ちゃんたちが来た。

 

ダイヤ「曜さん、果南さんと2人で前島さんを部屋に運んでください。残りのメンバーで買い出しに向かいます。」

 

曜「うん!任せて!」

 

果南「そっちは任せたよ!」

 

そして私たちは分担して作業に取り掛かるのだった。

 

Aqours side end

 

湧矢side

 

意識を手放してからどれくらいたっただろうか…時間の感覚でさえも少し狂ってきている。何時間経過して、いつから倒れたのだろう。そんなことも考えることがどうでも良くなるくらい身体がSOSを出していた。

 

湧「…ん…?」

 

見慣れた天井、机の上のパソコン、本棚、山のように買い込んだ問題集

 

湧「俺の…部屋…?」

 

曜「あ、目が覚めたんだね。気分はどう?大丈夫?」

 

湧「曜…なんでここに…」

 

曜「実はみんなで看病しようかと思って…」

 

湧「そういうことか…」

 

曜「今みんなが付きっきりで看病してくれてるよ。早く良くなってね。」

 

湧「そうだな…」

 

少ししてルビィたちが入ってきた。

 

ルビィ「あ、前島くん起きたんだね。大丈夫?」

 

湧「悪いがそうもいかない…そうだ…台所から漢方薬持ってきてくれないか…?」

 

ルビィ「漢方薬?普通のお薬じゃなくて?」

 

湧「…母さんが風邪とかを引いた時のために作ってくれた秘伝ものだ…」

 

ルビィ「うん!持ってくるね!」

 

ルビィはそう言って台所に向かっていった。

 

花丸「それにしても前島さんが風邪なんて珍しいずらね」

 

湧「ここんところ張り詰めてたからな…」

 

花丸「張り詰めてばかりじゃダメずら!たまには休むことも肝心ずら!」

 

湧「善処するよ…」

 

程なくしてルビィが漢方薬を持ってきてくれた。

 

ルビィ「これであってる?」

 

湧「…あぁ…サンキュ…」

 

すぐに漢方薬を飲んで横になる。少しでも早く風邪を治そうと努力するのだった。

 

Aqours side

 

果南「湧矢?入るよ…あちゃ、寝ちゃってたか…」

 

私は持ってきた汗ふきタオルなどを床に置き彼の寝顔を見る。おでこに濡れたタオルを乗せ、少しでも寄り添ってあげる。

 

果南「こうすれば少しは安心するかな?」

寄り添ってあげたら少しだけ彼の表情がゆるくなった。手を握り、聞こえるかわからない声で呟く。

 

果南「早く良くなってね…」

 

Aqours side end

 

湧矢side

 

少ししてダイヤがお粥を運んできた。

 

ダイヤ「前島さん、よろしいですか?」

 

湧「…あぁ…どうぞ…」

 

ダイヤ「お粥を持ってきました、少し気分が良くなったら食べてください。」

 

湧「…まさかお前たちが俺の家にいるとは思わなかったな…」

 

ダイヤ「看病しようと言い出したのは千歌さんですわ。」

 

湧「千歌に感謝だな…他の奴らにも…」

 

ダイヤ「まったく…本当に無理をするんですから…倒れたあなたを見た時は本当にびっくりしたんですからね?」

 

湧「…いろいろと張り詰めてたからな…心身共にかなり負担をかけた…もちろんお前たちにもな…」

 

ダイヤ「今は謝らないでください。」

 

湧「…あぁ…サンキュ…」

 

そして彼はお粥を食べ始めた。

 

湧「…ふぅ…サンキューな…いろいろと」

 

ダイヤ「本当ですわ、無理して体調を崩したら本末転倒です。みんなあなたのことを心配してたんですから…」

 

湧「そうだったのか…」

 

ダイヤ「えぇ、ですから体調が回復したら皆さんからお説教ですからね?」

 

湧「ぇ…?」

 

全員からのお説教が確定となった。ダイヤは皿などの片付けのために部屋を出る。入れ違いで千歌が入ってきた。

 

千歌「具合どう?」

 

湧「…まぁ…ぼちぼちだな…なんで桶とタオル持ってるんだ…?」

 

千歌「えっと…背中、拭いてあげようと思って…」

 

湧「…?」

 

千歌「だから!背中拭いてあげるってこと!」

 

湧「そんな若干怒りながら言わんでもわかるって…でも助かる…頼んでいいか…?」

 

千歌「それじゃあ失礼して……」

 

千歌は俺の背中を拭き始める。

 

千歌「やっぱり前島くんの身体ゴツゴツしてるね。」

 

湧「男だからな…」

 

背中を拭いてもらうことは今まで母さんにしてもらったことはあったが、自分より一つ下の女の子に背中を拭かれるのはなんだか恥ずかしかった。

 

千歌「うん!これでよし!」

 

湧「あぁ、サンキューな…」

 

千歌は部屋から出ていった。背中を拭いてもらったことが恥ずかしかったのか、体が少し暑くなった。

ふと窓の外を見ると、太陽がもう高く昇っていた。

 

湧「そうか…もう昼なのか…」

 

夕方だと思っていたのだがどうやら疲れすぎて時間感覚も狂っていたらしい。かなり危ないところまで来ていたのかもしれないと自覚して迷惑をかけたことが申し訳なくなった。

 

湧「いつまでも迷惑かけてられないよな…」

 

そして俺はおもむろに何を思ったのか布団から出て台所に向かおうとするのだった。

 

湧矢side end

 

曜「あれ?誰か降りてくる音しない?」

 

梨子「そう?」

 

曜「千歌ちゃんかな…?」

 

梨子「私見てくるね…って!ちょっと!まだ寝てなきゃダメだよ!」

 

曜「じゃあ降りてきたのって…」

 

急いで梨子ちゃんの方に向かうと前島くんが壁にもたれながら階段を下りてきていた。

 

湧「いや…水飲みに来ただけだから…」

 

梨子「具合はどう?」

 

湧「ぼちぼち…だな…おかげさまで少しは良くなったよ」

 

曜「喉は大丈夫そうだね。あとはこのしつこい風邪か…」

 

湧「元々こんなになるまで無理した俺が悪いんだし自業自得だよ。」

 

曜「それでも心配なものは心配なの!」

 

梨子「とにかく!水分補給をしたら部屋に戻って休むこと!」

 

湧「わかったよ…」

 

そしてグラス1杯分の水を飲んで彼は部屋に戻っていった。

 

湧矢side end

 

あれから夕暮れになるまで付きっきりで看病してようやく熱が下がった。

 

果南「…ふぅ…ようやく下がったね。」

 

湧「なんか本当にすまんな…お前たちの貴重な休日まるまるぶっ潰して…」

 

果南「いいの、私たちは湧矢が心配で看病してるんだからさ。」

 

ダイヤ「そうですわ、明日は部室でお説教ですからね?」

 

鞠莉「久しぶりにマリーもお説教に参加しちゃおうかしら、覚悟しておいてね?」

 

鞠莉がいたずらに舌を出す。その笑顔はまるでいたずらっ子が何かをやらかしてしまった時に親に許してもらうように頼むかのようだった。

 

湧「覚悟しておくよ。」

 

ひとつ深めに深呼吸をして、訛ったからだを慣らす。1日寝込むだけでこうなのだ、明日からしっかり鍛え直さなければならないと心に刻み込んだ。

 

翌日

 

湧「おっす」

 

Aqours「前島(くん)(さん)!そこに正座!」

 

文字通りすっかり熱も下がり部室に来た瞬間ダイヤたちに正座させられ、ありがたいお説教を長々とされる湧矢であった。

 

湧「やっぱり風邪なんか引くんじゃないな…」

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
風邪って1度こじらせて悪化すると本当に辛いですよね。私も悪化して高熱を出して何日か寝込んだことがあります…(そのせいで学校の勉強全くわかんなかったですw)

さて次回は、彼の両親を襲来させておこうかと思います。この両親がまた波乱を生むかもしれないw

それでは次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第32話 〜両親がログインしました〜

ご無沙汰しています、私です。アルスです。
体育大会が終わって少しずつ年間行事が無くなってきました。卒業までもあっという間になりそうですね。

さて今回ですが、両親を降臨させてみようかと思いましたw拙い文章ですが暖かい目で見守ってください。

それでは本編、始まります。どうぞ!


朝起きるとリビングに誰かがいた。

 

父さん「おぅ、おはよう。」

 

湧「おっす…じゃなくて!なんで父さんがここにいるんだよ!?」

 

父さん「連絡入れ忘れてたな。出張でここに来てるんだよ。」

 

湧「あぁ…出張で…なら居ても違和感ないな。」

 

父さん「そう言えば、母さんも今ここに向かってるんだよ。」

 

湧「え、母さんが?」

 

父さん「なんでも忘れ物をしたから取りに戻るとのことだそうだ。」

 

湧「母さんが忘れ物なんて珍しい…今どこにいるんだっけ?」

 

父さん「イギリスに居るよ、まぁ昨日から飛行機で向かってるとのことだから夕方くらいにはここに着くと思う。」

 

湧「夕方頃か…やべっこんな時間だ!」

 

父さん「ランニングか?」

 

湧「あぁ、夏の大会に向けてな。」

 

父さん「そういう事か、今年も出るんだな。頑張れよ?」

 

湧「もちろんだ、頑張るよ。んじゃ、行ってくる!」

 

そしてランニングをするためにいつもの場所に向かう。この時間だともうついている頃だろう。

 

果南「あ、来た来た。おはよ」

 

湧「おっす、遅れて悪いな」

 

果南「ううん、そんなに待ってないよ。それよりどうしたの?何かいいことでもあったような顔してるね。」

 

湧「え、そんな顔してたか?」

 

果南「顔に出てたよ?」

 

湧「まぁ、いいこと?なのかはわからないけどあったのは事実だな。」

 

果南「へぇ〜、どんなこと?」

 

湧「父さんと母さんが少しの間だけここにいることになったんだよ。」

 

果南「湧矢の両親が?」

 

湧「あぁ。父さんは東京の会社に勤めてて母さんは海外を飛び回って料理をしてるんだよ。久しぶりにちょっとだけこっちに帰ってくるって。」

 

果南「湧矢としてはやっぱり嬉しいの?」

 

湧「もちろんだよ、母さんからは新しい料理の技術を教えて貰えるし父さんからは検定や就職に関することを教えて貰えるからな。」

 

果南「へぇ〜、また食べたいな。湧矢の料理。」

 

湧「まぁ、時が来たらまたみんなに振る舞うよ。」

 

ランニングをしながら両親のことについて話す。前回テストの反省会で振舞った料理が好評だったのか、また振舞って欲しいとの声が多かった。海開きなどのイベントがあればその時に振舞ってみたいとは思っているがイベントの情報がわからない以上、今は自分の腕を磨くために自分で作って自分で食べるくらいしかない。

 

果南「今日はここまでだね。じゃあ学校で会おうね」

 

湧矢「おぅ、じゃあ学校でな。」

 

果南と別れ家に戻る。時刻は6:30。すぐにシャワーを浴び、浴びた後すぐに朝食の準備を始める。

 

父さん「お、朝食か?」

 

湧「あぁ、今からすぐに作っちゃうよ。父さんは盛り付けるための皿とか準備してくれない?」

 

父さん「はいよ」

 

冷蔵庫から卵を出し、割ってかき混ぜる。フライパンを温めて卵を入れる。卵焼きができるまでの間に鰆を取り出して捌く。塩を振って余分な水気をとり小麦粉をまぶす。すぐに卵焼きを盛り付けて鰆と味噌汁に取り掛かる。豆腐、小松菜、油揚げを切り、かつお節でだしを取って塩で少し味を整える。味噌を加えて具材を加え、弱火でしっかり火を通しておく。フライパンにバターを溶かし、鰆を焼き上げる。大さじ1杯の醤油と味醂を混ぜ合わせたタレを入れてしっかり鰆に絡ませる。焼きあがったら三葉を切って盛り付ける。味噌汁も完成した。

 

湧「ほい、出来たぞ。仕事間に合う?」

 

父さん「充分間に合うよ。待ってるから制服に着替えておいで。」

 

数分後

 

制服に着替え、学校の支度を終えて二人で朝食をとっていた。

 

父さん「うん、美味い。また腕を上げたな?」

 

湧「まぁな。でも母さんには勝てないよ。」

 

父さん「母さんの料理には愛情という名のスパイスが入ってるからな。」

 

湧「違いないな、どうりで何回勝負しても勝てないわけだ。」

 

朝食と片付けを終えるとバスの時間が近くなった。

 

湧「じゃあ行ってくる。母さんが帰ってきたら対応よろしくな。」

 

父さん「その辺は任せておけ、いってらっしゃい。」

 

バス停

 

千歌「あ!前島くんおっはよー!」

 

曜「前島くん、おっはヨーソロー!」

 

梨子「おはよう、前島くん。」

 

湧「おっす、やっぱり2人は朝からこんなテンションなんだな。」

 

下手したら雨の日でもこんなテンションなのかもしれないと思うとどこからそのテンションが来るのか気になったりする。程なくしてバスが来たため乗り込む。

 

梨子「もうすっかり体も良くなったみたいだね。」

 

湧「あぁ、お前たちのおかげだな。でもそのあとの長すぎるお説教は確実にいらなかったよな?」

 

千歌「仕方ないじゃん、お説教をしてしっかり叱っておかないとまた前島くん無理して倒れるかもしれないもん。」

 

曜「無理されて倒れられる方が心配するの!」

 

湧「そういうものなのか…」

 

千歌&曜「そういうものなの!」

 

梨子「2人とも、ここバスの中だからね?」

 

バスの中で会話をしているうちに学校に到着した。昇降口に靴を入れて教室に向かう。

 

ダイヤ「おはようございます、今日は少し遅めなんですね。」

 

湧「まぁな、朝からすこしバタバタしてたから」

 

鞠莉「あら?もしかして誰かが尋ねてきたとか?」

 

湧「あながち間違いじゃないかもな。」

 

果南「湧矢の両親が少しだけここにいることになったんだって。」

 

ダイヤ「そういえば両親とは別々なんでしたっけ?」

 

湧「別々と言うよりも仕事の都合上こうなったって方が正しいかもな。」

 

少ししてホームルームが始まった。

 

午前の授業後

 

屋上でいつも通り仰向けでぼんやりと空を見上げる。これからもっと忙しくなることを考えると頭が痛くなる。

 

湧「自分の進路に夏の大会、Aqours、検定取得、やることは沢山あるな…時間が足りるかどうか…」

 

善子「あら?またいつものようにここにいるの?」

 

花丸「やっぱり屋上は前島さんの特等席ずら」

 

ルビィ「こんにちは、前島くんもお昼?」

 

湧「いや、ぼんやり考え事。朝からバタバタしてたからな。」

 

善子「朝から?何かあったの?もしかして、天界の天使たちがアレスを捕まえに来たとか…」

 

花丸「善子ちゃん、それだけは絶対ないずら」

 

ルビィ「もし天使さんが捕まえに来てたら家から光が出てるからね?」

 

湧「絶対お前の考えてる事じゃないぞ、善子」

 

善子「善子言うな!ヨハネだってば!それで?本当は何があったのよ。」

 

湧「両親が帰ってきた。少しの間だけな。」

 

花丸「両親って何をしてるの?」

 

湧「父さんは東京の会社で働いてる。母さんは世界中飛び回って料理作ってる人」

 

ルビィ「すごい人…特に前島くんのお母さん…」

 

湧「まぁ、数日だけではあるけどここに帰ってくるって言って実際に帰ってきてるんだし少しは休み貰えた方なんだろうな、母さん。」

 

善子「連絡とかとってるの?」

 

湧「まぁ取ってるにはとってる。前の電話だとフランス語で近いうちに帰るとか言ってたな。」

 

花丸「み、未来ずら…」

 

ルビィ「フランス語で電話…ルビィには出来ないよ…」

 

湧「お、昼休みがもう少しで終わるな。じゃあ教室戻るよ。」

 

俺は教室に戻ることにした。

 

午後の授業も特に何事もなくこなし、部室に向かう。部室でもやはりぼんやりと考え事をしていた。

 

ダイヤ「前島さん?どうしました?なんだか心ここに在らずと言った感じですけど…」

 

湧「…ぁ…悪い。少しぼんやりしてた。」

 

ダイヤ「悩み事ですか?」

 

湧「いろいろ考えることがあるんだよ。両親のこと、Aqoursのこと、進路のこと、夏の水泳大会のこと、検定取得のこと、他にもいろいろな。考える時間もあんまり無いけど」

 

ダイヤ「焦らず一つ一つ目の前のことから処理していけばいいと思いますわ。いっぺんに考えるとパンクしてしまいます、私たちに相談を持ちかけるのもひとつの手段ですよ?」

 

湧「そうだな、まぁ目の前のことから考えることにするよ。」

 

練習が終わると部室で千歌がこんなことを言った。

 

千歌「そうだ!今から前島くんの家で歌詞とか考えようよ!」

 

湧「…まぁた急だな…」

 

果南「千歌、いきなり押し掛けたら湧矢に悪いよ?」

 

湧「いや…俺の場合は別に問題がある…」

 

携帯にはもう既に母さんが家にいるという通達があったのだ。こんな大勢の女子を家に招けば母さんが何を言い出すかわかったものでは無い。

 

ダイヤ「前島さん?もしかしてもう帰ってきてるとかですか?」

 

千歌「?帰ってきてるって誰が?」

 

湧「…母さん」

 

曜「なにかまずいことでもあるの?」

 

湧「よく考えてみろ…こんな大勢の女子を家にあげれば母さんが覚醒するから…」

 

善子「その時は私のナイトメアハンドで…」

 

花丸「善子ちゃん、人の親にまで何しようとしてるずら?」

 

ルビィ「確かにここまで多いと勘違いとか生みそうだよね…」

 

湧「まぁ良いでしょ。最悪父さんが説明してくれるさ。」

 

鞠莉「最悪の場合は私達も説明するから安心して?」

 

そして俺たちは家で歌詞を考えることにするのだった。

 

湧矢の家

 

湧「やっぱり帰ってきてるな。じゃあ俺が先に母さんに事情だけ説明してくるから」

 

鞠莉「お願いね?」

 

湧「…行ってくる」

 

数分後

 

湧「良いってよ」

 

全員で家に上がる。すると彼の母親が出てきた。

 

湧矢の母「あらいらっしゃい、ゆっくりしてってね。」

 

Aqours全員「おじゃまします。」

 

湧矢の母「湧矢、あんたもやるようになったわね〜。こんなに可愛い子達9人も連れてくるなんて!」

 

湧「ちょっ!?今覚醒すんなし!」

 

湧矢の母「それで?誰が湧矢の彼女なの?」

 

湧「ちょっ!?いろいろ待て!一気に質問すんな!」

 

そんなやり取りをしつつほかのみんなにアイコンタクトで助けを求めるが全員が全員顔を赤くして下を向いていた。

 

湧「ちょっ!助けてくれよォ!」

 

無慈悲なまでの質問攻めが俺のライフポイントを奪うのだった。

 

千歌「凄かったね、前島くんのお母さん。」

 

曜「前島くんもタジタジだったね。」

 

梨子「私達すごい勘違いされてたよね?」

 

果南「湧矢の彼女…想像するだけで恥ずかしいよ…」

 

ダイヤ「殿方の両親の前ではしっかりと説明をしておけるようしておきませんと…」

 

鞠莉「考えるだけで頭の中がシャイニーよ…」

 

善子「アレスの彼氏…生涯を共にする関係…」

 

花丸「なんだか恥ずかしいずら…」

 

ルビィ「ルビィ…まだ恋愛とかわからないよ…」

 

部屋の中で彼女たちは顔を赤くしながらさっきの出来事について話しているのだった。少しして湧矢が部屋に来た。

 

湧「あぁ…やっと解放された…あれ?なんでお前ら揃って顔が赤いんだ?」

 

Aqours全員「…はぁ…」

 

湧「え…なんで今度はため息…」

 

しっかりと歌詞を完成させるために頭を働かせつつも全員の溜息の原因がわからず、悩みがひとつ増える湧矢であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




32話を読んでいただきありがとうございます。
なんとなく恋愛な感じに入っていきたいと思います。母さんとの料理対決も次回書こうかな?いろいろ考えてますw

それでは、次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第33話〜母親はどうしても湧矢の彼女が知りたいようです〜

ご無沙汰してます、アルスです。
お待たせしました、テストが終わったので投稿を再開します!新しく仮面ライダー響鬼とAqoursをコラボさせた小説も書きたいと考えてるので投稿が終わったらすぐにそちらにも取り掛かります。
拙い文ですが、最後までよろしくお願いします!


みんなが帰ろうとしていた矢先に母さんから声が掛かった。

 

母さん「みんな、どうせなら今日はここで食べていかない?」

 

千歌「良いんですか?」

 

母さん「もちろん!湧矢のお友達なら大歓迎よ、湧矢は材料の買い出し行ってきてくれない?」

 

湧「いきなり買い物か…まぁ良いけど、じゃあ行ってくる」

 

俺はそう言って家を出た。

 

母さん「それで、誰が湧矢を好きなのかな?」

 

ルビィ「ピギッ!」

 

全員の頬が一気に赤くなる。

 

母さん「その様子だと、まだ誰も手を出してないみたいね。湧矢を落としたい?」

 

花丸「それは…////」

 

善子「あのリトルデーモン鈍感だし…ねぇ…////」

 

母さん「じゃあ夕飯が出来るまでは湧矢の小さい頃の写真でも見てみない?」

 

千歌「え!前島くんの小さい頃の写真!?みたいみたい!」

 

母さん「じゃあ持ってくるね、少し待ってて〜」

 

そう言って彼の母は押し入れの中を探し始めた。

 

一方その頃…

 

湧「へくしゅっ!…風邪か…?誰か俺の噂してんだろ…」

 

俺は商店街行きのバスを待っているのだった。

 

母さんside

 

彼の母が大きな本を持って来た。

 

母さん「はいこれ、湧矢の小さい頃の写真よ。」

 

果南「わぁ…幼稚園の頃の写真だ…ちっちゃくて可愛い…////」

 

ダイヤ「なんだか…母性本能をくすぐられますわね…////」

 

曜「あ、ソフトクリーム持ってる!これは…」

 

母さん「あぁ、その写真ね。これね、初めて私から料理を教わってる時の湧矢の写真なの。この頃は砂糖と塩を間違えたり胡椒をとって欲しいのに近くにあったターメリック持ってきたり可愛いミスばっかりしてて…」

 

梨子「こんなにちっちゃい頃から料理を習ってたんですね、小学生くらい?」

 

母さん「そうね、この頃だと小学生くらいかしら。ここに入学式の写真があるでしょ?」

 

鞠莉「ホント、小さい頃はとってもcuteなのね。今は勉強に水泳にって色々やってるけどあれも全部彼の希望?」

 

母さん「そうね、水泳も全部湧矢の希望でやらせてたの。そしたらあの子見違えるように体を鍛え始めて…父さんに似たのかしら。」

 

その時玄関のドアが開く音がした。

 

父さん「ただいま〜って、やけに靴が多いな。湧矢、誰か呼んでるのか?」

 

母さん「父さんが帰ってきたみたい、おかえり〜」

 

父さん「おぅ、ただいま。湧矢は?」

 

母さん「夕飯の買い出しに行かせたわ、この靴全部湧矢のお友達の靴なの。」

 

リビングに男性が入ってきた。

 

父さん「こんにちは」

 

Aqours「こんにちは!」

 

父さん「みんな湧矢の友達?」

 

千歌「はい、お邪魔してます!」

 

父さん「元気な子たちだね、さっき沼津で湧矢を見たからもうすぐ帰ってくるけど…帰らなくてもいいのかい?」

 

母さん「湧矢がお友達連れてきたから夕飯一緒に食べようと思って、良いかしら?」

 

父さん「そういう事か、いいんじゃないか?湧矢が聞いたら呆れそうだけどな」

 

父さんが自分の部屋に行ったと同時に玄関のドアが開き、湧矢が帰ってきた。

 

湧「おっす…って、なんでまだみんないるんだ?」

 

鞠莉「あなたのお母さんがみんなでご飯食べたいって」

 

湧「母さん…だから俺に買い物行かせたのか…」

 

リビングに入った瞬間に俺の視界にはみんなの前で広げられている本が目に入った。

 

湧「っ!?おい母さん!恥ずかしいからアルバム出すなって言ったじゃん!」

 

母さん「見たいって言ったのは彼女たちよ、そんなに嫌なら彼女たちから返してもらえばいいじゃないの」

 

善子「はっ!リトルデーモンが近ずいてくる!」

 

湧「アルバム…返せ…」

 

ルビィ「ピギィッ!そんな、怒らないで〜!」

 

千歌「アルバム持って逃げろ〜!」

 

千歌はアルバムを持ったままリビングから立ち去る。その後ろをしっかりと彼がついていったのは言うまでもない。しばらくして千歌は無事に捕獲されしっかりと彼からお説教をされたのだった。

 

母さん「賑やかでいいわね、こういうのも悪くないかも」

 

しばらくして…

 

母さん「湧矢、夕飯作るから手伝って〜」

 

湧「ちょ…マジか…この量は初めてだぞ…」

 

母さん「今日は軽く四川麻婆と青椒肉絲、餃子で中華料理にしようかしら。じゃあピーマンとひき肉ちょうだい?」

 

湧「はいよ、じゃあ俺は麻婆豆腐やるかな。」

 

腰にまくタイプのエプロンを着て作業に取り掛かる。

ニンニクと生姜、鷹の爪をみじん切りにした後、豆腐を一口サイズに切り分ける。鍋に塩を2つまみほど入れて沸騰させる。沸騰した後豆腐を入れてタイマーをセット、2分ほど茹でる。

フライパンに油をひき、挽肉を中火で炒める。色が変わるまで炒めたらニンニク、生姜、鷹の爪を少量入れてさらに炒める。そしたら豆板醤、甜麺醤、豆鼓醤を入れてさらに炒め風味を出す。

 

花丸「すごい…2人だとこんなふうになるんずらね…」

 

父さん「すごいだろ、母さんに料理を教わってからは自分で作って食べて味を研究してるんだ。多分このまま行けば湧矢は料理人として働く道を選ぶかもな。」

 

果南「料理人…今どれくらい作れるんですか?」

 

父さん「そうだな…中華、イタリアン、フレンチ、和風…くらいか。」

 

鞠莉「やっぱりうちにスカウトしたいわ〜、ちょっと行ってくる!」

 

父さん「今は辞めておくといい。集中すると調理場の声以外は耳に入らないから。」

 

鞠莉「じゃあ終わったらスカウトしよっと」

 

鞠莉はそう言って座ってみんなと喋っていた。

 

湧「うん、だいぶ香りが出てきた。これなら…母さん、一瞬頼む。味見だけしてくれ。」

 

母さん「…うん、上出来。でも少し刺激が足りないかな〜、じゃあ豆板醤小さじ1杯足してもう少し風味を付けてごらん?」

 

俺は豆板醤を小さじ1杯足して少し時間を置く。だいぶ風味が出てきた所で豆腐を入れて醤油、酒、砂糖、鶏がらスープを入れてタイマーをセット。3分半煮込む。

その間に次の料理の支度を手早く済ませ、すぐに餃子の餡を作り始める。キャベツ、ニラ、ニンニク、生姜をみじん切りにする。キャベツは塩もみし、しっかりと水分を切って置いておく。ひき肉に酒、醤油、オイスターソース、昆布出汁を加え、粘り気が出るまで捏ね続ける。

 

湧「母さん、青椒肉絲どうだ?」

 

母さん「もうすぐ仕上がり。餃子やるから麻婆豆腐と青椒肉絲盛り付けとか頼むわね。」

 

湧「合点!」

 

塩、胡椒で味を整えた後、1度火を止めて少し置いておく。

水溶き片栗粉でとろみを加える。とろみがではじめたら強火で一気に熱を加え、辣油を入れてグツグツと音が鳴るまで煮込む。その後盛り付けて完成。

 

湧「よし、四川麻婆終わり!青椒肉絲は…うん、これなら問題ない。」

 

青椒肉絲も器に盛り付け、母さんがやっている餃子の手伝いに入る。

 

湧「母さん、詰めるのは俺がやるから母さんは他の準備頼む。」

 

母さん「じゃあ任せるわね。」

 

餡を完成させ、冷蔵庫で絶賛寝かせている最中だった。

すぐにほかの支度を終え、餡を包む準備を済ませる。

小一時間した後、餡を包み始める。母さんは包んだ餃子の形を丁寧に整えていた。フライパンにサラダ油を入れて温める。油が温まったら一度火を止めて餃子を並べる。

タイマーをセットし、中火で2分ほど焼く。熱湯を加えて蒸し焼きにする。水分が飛んだことを確認したら胡麻油を投入。更に2分ほどタイマーをセットする。

 

母さん「うん、上出来ね。浜松餃子風に盛り付けてっと…」

 

全ての料理の工程が終わり、みんなでご飯を食べることにした。

 

ダイヤ「…この麻婆…とっても辛味が効いて…」

 

湧「ダイヤには辛かったか、四川料理はからみが強いことで有名だからな。母さんが本格的な四川料理にするならって言って豆板醤を少し多めに入れるようにアドバイスしたからな。」

 

ダイヤ「そういうことでしたのね…でも辛味が効いててとっても美味しい…」

 

母さん「喜んでもらえてよかった、明日には日本を発つから最後にこうやって料理ができるのは嬉しいの。」

 

湧「もう経つのか?次はどこに…」

 

母さん「中国、四川に向かうの。そこでもっと技を磨かないと…」

 

果南「湧矢…また寂しくなっちゃうね…」

 

湧「寂しかねぇよ、久しぶりに戻ってきてこうやって出来たんだ。楽しかったしな。」

 

曜「それはそうと、前島くんは料理人になるの?」

 

湧「?なんでそんな話になってるんだ?」

 

父さん「あぁ、だって母さんと料理してるんだからお前も海外で働くのかもって思っただけだよ。」

 

湧「まぁ、考えてはいる…かな」

 

鞠莉「そっか、せっかくホテルで働いてもらおうかと思ったのに…なんだか悲しいわ」

 

湧「まぁまだ決まったわけじゃないし、鞠莉の所に働きに行くってことはあるかもな。」

 

鞠莉「あら?じゃあまだ考えてる最中なのね。」

 

そんな会話が流れながら賑やかな夕飯の時間は終わりを迎えた。




33話、いかがだったでしょうか?
四川料理はまだ食べたことないですw辛いのが得意な方は意外にあっさり行けるかも…?次回はお泊まり会にしようかと思います。新しい作品と並行して行うと投稿頻度が遅くなりますが、気長にお待ちいただけるとありがたいです。

それでは、次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第34話〜波乱のお泊まり会?〜

ご無沙汰してます、アルスです。
新しい作品はもうご覧になっていただけましたか?はい、仮面ライダー響鬼とラブライブサンシャインをコラボさせました。アニメ通りにしようか迷ってます、気長に書いていく予定なので首を長くしてお待ちください。

さて今回ですが、前回の予告通りお泊まり会にしたいと思います。一波乱あるかも?
拙い文章ですが、暖かい目でご覧いただけたら幸いです。
それでは本編、どうぞ!


千歌「お泊まり会しようよ!」

 

唐突に部室で千歌がそう言った。

 

梨子「千歌ちゃん…」

 

湧「また突然だな…計画も何もなしに何かやろうとすると失敗するだろ…」

 

千歌「2人とも甘いよ、ちゃんと計画は立てて……無いです…」

 

湧「やっぱりな…」

 

計画も何もなしにいきなりこう言ったのだ、既に何人か呆れている者がいる。

 

果南「それで、なんで急にお泊まり会なんかしようと思ったの?」

 

千歌「そろそろ期末テストもあるでしょ?だから勉強会兼お泊まり会、なんて思って…」

 

ダイヤ「そういえばもうそんな時期ですね」

 

鞠莉「期末で赤点なんかとったら補習まみれになっちゃうしね〜」

 

千歌「そういうこと、だから早めに対策しておきたいのだ」

 

曜「そういうことなら賛成だけど…他のみんなは?」

 

ルビィ「特に問題ないよ」

 

花丸「おらも問題ないずら」

 

善子「ヨハネも同じく」

 

千歌「じゃあ決まり!土日に家に集合、忘れないでね?」

 

俺は携帯の日付を見て硬直する。そう、例の文書デザインと情報処理が見事に被っていたのだ。

 

湧(さすがに今ここで言うのはまずいかな…せっかく千歌が提案してくれたのに俺だけ出れないは…)

 

携帯の画面を見て硬直する俺をみたダイヤが声を掛ける

 

ダイヤ「前島さん?どうかされたんですか?」

 

湧「っ!?いや?なんでもないぞ?」

 

果南「湧矢、ちょっといい?」

 

明らかに様子がおかしい俺を見て果南が俺を呼び出す。

 

湧「それで、呼び出してどうした?」

 

果南「被ってるでしょ、検定試験と勉強会の日程」

 

湧「なぜバレた…」

 

果南「さりげなく見えてたからね〜」

 

湧「言わなきゃダメか…」

 

果南「そりゃ言わなきゃ伝わらないって、ちゃんと言いなさい」

湧「はい…」

 

俺は部室に戻るとさっきの事で謝罪をした。

 

湧「すまん…」

 

曜「どうしたの?急に謝り出して」

 

湧「……行けるの午後になるかもしれん…」

 

善子「なんでよ、もしかしちゃったとか?」

 

湧「Exactly…」

 

俺は千歌たちに自分の携帯の画面を見せる。

 

千歌「えー!そんなぁ!」

 

梨子「千歌ちゃん、文句言っても検定試験は延期にならないからね?」

 

ルビィ「そうなると夕方まではルビィたちだけになっちゃうね…」

 

湧「試験が終わり次第すぐにそっちに向かうで許してくれ…」

 

千歌「むー…ちゃんと来てね?」

 

ダイヤ「仕方ありませんよ、時間の変更もできない以上夕方までは前島さんの知識を借りずに自分たちでやるしかありません。」

 

鞠莉「教えられるところはちゃんと教えるから、分からないところは聞いていいわよ?」

 

千歌「ほんと!?」

 

突然千歌が元気になる。元気になると同時に頭のアホ毛が揺れる。感情のアンテナかなにかだろうか

 

湧「とにかくそんなわけだ、夕方までは自分たちで頑張れ。」

 

そしてその日は解散になった。俺は家に帰るなり明日のことに向けて支度をしつつパソコンを起動し試験対策を始めた。

 

翌日

 

私たちは十千万旅館の前に集合する。

 

果南「久しぶりだね、ここに来るの」

 

曜「そうだね、最近来てなかったからね。お泊まり会なんて子供の頃以来だよ」

 

千歌「あ、曜ちゃんに果南ちゃんも!入って入って!」

 

果南「みんなは?」

 

千歌「梨子ちゃんはもう来てるよ。鞠莉ちゃんたちはもう少ししたら着くって」

 

曜「じゃあ先に始めてよっか」

 

私たちはすぐに試験対策に取り掛かる。しかしものの数分で千歌が見事に化学の分野で悲鳴をあげた。

 

千歌「もー!わかんないよー!」

 

梨子「千歌ちゃん、教えるからやろ?ここはね…」

 

果南「あはは…湧矢が来るまではこんな調子だね…」

 

曜「前島くんが来るまでは辛抱するしかないね…」

 

ダイヤ「こんにちは」

 

鞠莉「チャオ〜」

 

善子「ヨハネ、降臨!」

 

ルビィ「お邪魔します」

 

花丸「お邪魔しますずら」

 

他のみんなも随時到着し、勉強道具を取り出して勉強を始めた。

 

湧矢side

 

やはりかなり遅い時間までやっていた。もうすぐ日が昇る。

 

湧「よし…こんだけやれば良いだろ…」

 

Wordには大量の文書デザインが書き込まれていた。処理条件などを確認しながらやっていたがこれだけやれば頭の中に残るだろう。情報処理も同じようにしてExcelに大量の表計算が書き込まれていた。

 

湧「時間は9時からだから…」

 

時計を確認する。時間は朝の4時を刺していた。

 

湧「少し寝るか…」

 

俺は机に伏せる形で睡眠をとり始める。アラームを7時頃になるように設定し、すぐに眠りにつくのだった。

 

湧矢side end

 

私たちは勉強にかなり苦戦していた、収集がつかないのだ。これだけ大人数での勉強会はやったことが無いため出来るものと出来ないもののまとまりが出来ていなかったのだ。彼のLINEに助けを求めるように連絡しても彼からの返信は無かった

 

ダイヤ「これでは収集がつきませんわね…」

 

果南「どうする?」

 

鞠莉「どうしようにもね…」

 

そこには勉強を教える者、教わるもの、1人で黙々とやっているもの、様々だった。

時刻はもうすぐお昼になる。湧矢の検定試験が終わるのは13時だからもうあと1時間はこんな状態である。

 

千歌「そっか、この公式を使えば…」

 

曜「えっと……」

 

梨子「これなら解けるんじゃない?」

 

ふと目に止まったのは2人に勉強を教えながら自分の勉強を並行して行っている梨子さんだった。

 

ダイヤ「そうですわ…学年ごとにまとまれば…」

 

果南「そっか、じゃあ私達も私たちで固まろっか」

 

鞠莉「梨子を見て思いついた案ね、でもこれが一番効率がいいかも!」

 

ダイヤ「皆さん、学年ごとに纏まってやりましょう。教えるほうも頭の整理になります。知識が同じくらいなので説明する側も色々考えながら出来るので効率がいいと思います。」

 

花丸「そっか…じゃあまるたちもまとまろっか」

 

ルビィ「そうだね。花丸ちゃん、ここにまとまろ?」

 

善子「ふっ…ヨハネは一人で十分…」

 

花丸「善子ちゃん、何意地はってるずら?さっきから数学の問題解けなくてぐでーっとしてたのバレてるずらよ?」

 

善子「う、うっさいわい!」

 

学年ごとに纏まってやった瞬間まとまりが出来て収集がついた。

 

このまま集中して対策に励むのだった。

 

湧矢side

 

検定試験が終了し、バスに乗り自分の家の付近まで向かう。家に帰って荷物を手に十千万旅館を目指す。そう掛からずに十千万旅館に着いた

 

湧「…やっと終わった…」

 

志満「あら、いらっしゃい〜」

 

湧「ご無沙汰してます…ふぅ…」

 

志満「随分おつかれなのね、何かあったの?」

 

湧「昨日千歌が勉強会をしようって言ってたんですけど、諸事情と重なって少し遅くなってしまって…」

志満「そういうこと、千歌ちゃんなら部屋にいるから部屋に行ってね?」

 

湧「はい…お邪魔します」

 

俺は旅館に上がり千歌の部屋に向かう。ドアを開けた瞬間、部屋には見慣れたメンツが勢ぞろいしていた。

 

湧「遅れてすまなかった、わからんとこ聞いていいから始めよう。」

 

千歌「やっと来たぁ!えっとね…ここと…」

 

湧「あぁ、そこな。1molがどれくらいの分量あるか計算するだけだ。1molは6.0×10の23乗だろ?聞かれてるのはアルミニウムの1molあたりの質量だから…」

 

果南「投げ下ろしなんだけどわかる?あんまりイメージつかなくてさ…」

 

湧「投げ下ろしだな?ペットボトルのキャップ貸してくれ。」

 

果南「はい、これで何するの?」

 

湧「投げ下ろしはこういうことだ。」

 

俺は床に向かってペットボトルのキャップを投げる。

 

湧「これが投げ下ろしだ。」

 

果南「…どういうこと?」

 

湧「自由落下はパッと手を離すだけだったろ?投げ下ろしは投げてるんだよ。つまり自由落下には無いものが投げ下ろしにはかかってくる。公式は等加速度直線運動と全く同じだから等加速度直線運動覚えて単位変えて数字突っ込めば解ける。」

 

式だけは作ってあとは果南にやらせてみた。

そんな感じで勉強会は進み、夕方になっていた。

 

湧「こんな時間か、キリもいいし終わるか?」

 

ルビィ「何時なの?」

 

湧「18時を回ったな。」

 

花丸「もうそんな時間にまでなってたんずらね、集中すると時間が経つのが早く感じるって本当だったずら」

 

梨子「朝からずっと集中してたけどこんな時間までやると疲れるね…」

 

湧「そうだな…俺はこれより多い時間やってた時期はあったけど寝不足だとかなりきつい…」

 

俺は少し伸びをしようと立ち上がる。すると今までの疲れなのか立ちくらみが出た。

 

ダイヤ「無理しすぎですわ」

 

とっさにダイヤが俺を受け止める。少し伸びをして勉強会は終わりになった。ちょうどお風呂が湧いた時間らしく、女子全員はお風呂に向かった。俺はもう少し勉強を始めるのだった。

 

数十分後〜

 

お風呂から上がって部屋に戻ると机に伏せる形で前島くんが眠っていた。

 

千歌「起こすの勿体ないね…」

 

曜「やっぱり試験勉強に期末対策までやるとここまで疲れちゃうのかな?シャーペン持ちながら寝てる」

 

梨子「これより長い時間までってことは朝から夜までやったこともあるってことになるのよね?」

 

善子「このヨハネの前でこんな寝顔を晒すとは…永久保存ね…」

 

花丸「善子ちゃん、何携帯出して顔写真撮影しようとしてるずら?」

 

ルビィ「ルビィたちもここまでやれば期末テストは大丈夫だよね?」

 

千歌「じゃあ来週も同じようにやろっか!」

 

ダイヤ「また突然そんな計画を…」

 

果南「まぁまぁ、いいんじゃない?まだ日はあるんだしこれくらいは」

 

鞠莉「それに、湧矢の可愛い寝顔も見れるしね〜」

 

もう一度彼の寝顔を見つめる。疲れきって電池が切れたロボットのように眠っていて可愛らしい。そんな彼を起こさないように果南ちゃんは彼にそっとカーディガンを掛ける。

 

千歌「お疲れ様…少しだけ休んでてね…」

 

みんなにも聞こえない声で彼の耳元でそう囁くのだった。

 

 

 




34話の前編でした。
最後の千歌ちゃんのあのセリフは耳元で言われたら疲れが吹っ飛んでいきそうですね。後編もぼちぼち書き上げていく予定です。

それでは、次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第34話 後編? 〜波乱のお泊まり会?〜

ご無沙汰してます、私です。
前回はお泊まり会前編ということで、後編?です。
ハテナが付いているということはもうわかりますね?はい、もう1話続かせますw
何起こるかわからない、それが波乱というものですw

それでは本編、始まります。どうぞ!


湧矢「…んぁ…?」

 

変な時間に目が覚めた。時刻は現在午後6時を少し過ぎた辺りだった。

 

湧矢「…寝ちまったのか…」

 

千歌「あ、前島くん!起きたんだね!」

 

湧矢「あぁ…目薬どこやったかな…」

 

俺はバックの中を漁る。目薬がないと目が覚めた時に目が痛むのだ。徹夜付けで何かをした時や眠りから覚めた時に目がよく痛む。それを予防するためにも目薬は必需品だった。

 

湧矢「…ふぅ…」

 

目薬を刺して目が覚めた俺は少し伸びをする。すると襖が開く音がして梨子が入ってきた。

 

梨子「あ、起きたんだね。すっかり寝落ちしてたけど…大丈夫?」

 

湧矢「お陰様で、まぁ少し休めたよ。今から俺はまた再開するけどな。」

 

千歌「あ、お風呂空いてるから早めに入ってね?」

 

湧矢「はいよ、んじゃやりますかね。」

 

俺はすぐに勉強に戻り始める。途中で寝落ちしたこともあったが、睡眠が取れたことで頭はだいぶ冴えていた。

 

Aqours side

 

梨子「前島くん、また勉強始めちゃったね」

 

果南「そこまで追い詰められてるわけじゃないのにね、なんであそこまで勉強熱心なのかな?」

 

ダイヤ「えぇ…不思議ですわね…」

 

鞠莉「でも寝顔は可愛かったわね!さりげなく写真撮っちゃった♪」

 

ダイヤ「鞠莉さん!何してますの!」

 

善子「マリー、あとで私のところに送ってちょうだい?」

 

ルビィ「善子ちゃん…」

 

曜「本当に可愛かったのは事実だからね。私も写真撮ればよかったな〜」

 

花丸「でも勉強熱心なのに女心はまるでわかってない気がするずら…」

 

千歌「そうなんだよねぇ…」

 

Aqours「はぁ…」

 

みんなでいっせいにため息をつく。どれだけ勉強ができても女心がわかってないんじゃ彼を落とせない。この前お出掛けした時も服装は褒めてくれたしプレゼントをしてもらったメンバーも居る。でも私たちの本音には気づいて貰えなかった。彼のお母さんが言っていたが、天性の鈍感持ちだったのは当たりみたいだ。

 

湧矢side

 

湧矢「途中から会話が丸聞こえなんだよ…」

 

なんだよ女心って…俺にはさっぱり理解できなかった。何やら母さんがなにか吹き込んだのは違いない、今度帰ってきたら母さんから聞き出さないといけないようだ。

 

湧矢「よし、数学はこんなもんか。お風呂借りようかな?」

 

俺は襖を開けて千歌に声を掛ける。

 

湧矢「千歌?お風呂借りるぞ?」

 

千歌「えっ!?ビックリした…」

 

湧矢「どうしたんだ?」

 

千歌「な、なんでもないよ?それよりお風呂だね?案内するから着いてきて?」

 

湧矢「はいよ、んじゃ着いてくかな」

 

千歌の後ろをついて行く形でお風呂場に向かう。着替えをカバンから出し、他にもいろいろ出してお風呂場に向かう。

 

千歌「ここがお風呂場だよ、それじゃあゆっくり浸かってってね」

 

湧矢「サンキュ、んじゃ借りるかな」

 

俺は脱衣所で着替えて服を綺麗にたたむ。持ってきた道具を持って風呂に入る。体を綺麗に洗い、湯に浸かる。

 

湧矢「ふぅ…勉強後の風呂は気持ちがいい…」

 

散々頭を使い疲れきった俺にお湯が染み渡る。顔を洗って風呂から上がり、化粧水でスキンケアも欠かさず行って部屋に戻る。

 

湧矢「お風呂サンキューな。気持ちよかったよ。」

 

千歌「うん!あ、志満ねぇがご飯出来たって。」

 

果南「それじゃあ行こっか」

 

みんなで高海家のご飯を食べる。和食を基調としたもので、魚料理や漬物などが出された。漬物はしっかりと浸かっていてとてもご飯にあって美味しかった。

 

曜「美味しかったね、千歌ちゃん家のご飯」

 

湧矢「そうだな、俺もいくつか教えてもらおうかな…?」

 

曜「アハハ、何を教えてもらうの?」

 

湧矢「魚料理かな」

 

梨子「やっぱり料理人になるの?」

 

湧矢「まだ決まってないな、何になるかも何を目指すのかも。もう少し悩もうかと思ってる」

 

夕食を食べ終え部屋に戻る。俺はそこで何かを思いついた。財布を持ってバス停に向かう。その前に志満さんに頼み事をしておいた。

 

湧矢「志満さん、あとで冷蔵庫と厨房借りても大丈夫ですか?」

 

志満「いいけど…何か作るの?」

 

湧矢「まぁ、今日1日勉強頑張ったあいつらにご褒美をしてあげようかなって思って…」

 

志満「そう!それならお父さんに頼んでみるね。材料はどうするの?」

 

湧矢「さっき調べたらもうすぐバスが1本来るのでそれに乗って駅方面に向かおうかなって。そこで材料買ってきます。」

 

志満「気をつけてね?」

 

湧矢「はい、行ってきます。」

 

俺はバスに乗って沼津に向かっていった。

 

Aqours side

 

ご飯を食べてからみんなでトランプや人生ゲームをして遊んでいた。

 

千歌「えっと…えー!?会社が倒産!?そんなぁ…」

 

果南「アハハ…千歌、ドンマイ」

 

千歌「ちっとも励ましになってないよ…」

 

鞠莉「これで千歌っちが今のところビリってことよね?」

 

善子「普段運がないヨハネにも勝ちが回ってくる…?」

 

次に善子ちゃんがルーレットを回す。止まったマスは結婚マスだった

 

善子「運命の相手と結ばれる…ねぇ…」

 

一瞬みんなの手が止まった。

 

梨子「運命の相手…」

 

曜「運命の相手…かぁ…」

 

まだ恋する乙女の時期だから運命の相手と聞いた瞬間に色々な妄想をしてしまう。どんな人なのか、どんなふうに結婚式をあげるのか、色んなことを頭の中で考えてしまうお年頃。善子ちゃんが車に青いバーを刺してゲームは再開された。

 

Aqours side end

 

湧矢「よし、これでいいかな。」

 

スーパーでドライフルーツ、強力粉、牛乳、砂糖、ドライイースト、卵、ナッツ、レーズンを購入して十千万旅館に戻る。

 

湧矢「戻りました、冷蔵庫お借りしても良いですか?」

 

志満「あら、お帰りなさい。お父さんが使っても良いって、今から作るの?」

 

湧矢「はい、今から仕込みをしておかないといけないので…良かったらみなさんも召し上がります?」

 

志満「じゃあお言葉に甘えちゃおうかな、何かあったら呼んでね?」

 

湧矢「わかりました、ではお借りします。」

 

十千万旅館に戻る前に家からパネットーネの型やレモン、ラム酒、オレンジピールキャンディ、ベーキングペーパーを持ってきておいた。

 

湧矢「んじゃ、はじめるかな。」

 

牛乳と水を混ぜて電子レンジで温める。そこにドライイーストを加えて泡立つまでかき混ぜておく。卵に砂糖と塩を入れてしっかりとクリーミーになるまでかき混ぜる。そこにさっきのドライイーストを加えた牛乳を入れる。

そこに強力粉を加えてさらにまぜあわせる。

さらにナッツ、レーズン、溶かしたバター、オレンジピールキャンディ、すりおろしたレモンの皮を入れてさらに捏ねる。数分放置して発酵が終わったら取り出して3つに切り分け、空気を抜くようにしながら巻いていく。ベーキングペーパーに包み、型に入れていく。さらに発酵が終わるまで放置、アルミ箔を巻いてオーブンで焼き上げる。

最初は200度で20分ほど、タイマーをかけて焼き上げる。その後は焦げないように少しずつ温度を落として175度で止めて15分焼く。

 

湧矢「…よし、そろそろ良いだろう…」

 

オーブンから取り出して粉砂糖を振り、盛り付けて完成

 

湧矢「志満さん、ありがとうございました。良かったらお父さんや美渡さんと召し上がってください。」

 

志満「これは?」

 

湧矢「イタリアのスイーツです。パネットーネって言うんですけど、母さんがレシピを教えてくれたので作ってみました。」

 

志満「美味しそうね、じゃあ後でみんなでいただくね。」

 

湧矢「じゃああいつらの所に持っていきますんでこれで…片付けはやったので今日持ってきたものは持って帰ります。」

 

志満「はーい、ありがとね」

 

俺は出来たばかりのパネットーネを持って部屋に戻る。襖を開けて部屋に入る。

 

ダイヤ「前島さん、どこに行ってましたの?こんな遅い時間に出歩くのはぶっぶーですよ?」

 

湧矢「悪いな、ちょっと作りたかったものがあってよ…」

 

鞠莉「湧矢、それは?」

 

湧矢「バレちまったか…まぁ…今日1日頑張ったからご褒美だよ。スイーツ作ったけど食べるか?」

 

ルビィ「ご褒美?なんて言う料理なんですか?」

 

湧矢「パネットーネ、イタリアのスイーツだよ」

 

花丸「美味しそうな匂いがするずら〜」

 

果南「食べてもいい?」

 

湧矢「まぁもうちょっと待ってくれ。今切り分けるから…」

 

俺はパネットーネを切り分けてみんなに配る。でも甘いものが食べれない俺は食べない。

 

千歌「それじゃあ!」

 

Aqours「いただきます!」

 

善子「…これ、中にレーズンが入ってる…ドライフルーツもちょうどいいバランス…」

 

ダイヤ「フワフワでパンが柔らかいです…甘さも絶妙ですね…」

 

果南「婿さんに貰える人は幸せ者だね…」

 

湧矢「まだ結婚は考えてないからな?まぁ好評で良かった。作る時にバターを加えるタイミングを間違えて前に失敗したからな。」

 

千歌「間違えた?」

 

湧矢「バターを加えるのは最初の発酵が終わってからなんだよ。発酵する前に入れると失敗する。」

 

曜「なんだか…専門用語だね…」

 

みんなパネットーネを気に入ってくれたようだ。すると鞠莉が突然こんなことを言い始めた。

 

鞠莉「湧矢も来たことだし、王様ゲームでもやらない?」

 

俺はその瞬間背中に寒気を覚えた




はい、今回はこんな感じです。実はもう1話続かせて次回完結という形にしたいと思います。

それでは次回をお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第34話 後編 〜波乱のお泊まり会?〜

ご無沙汰してます、私です。
先日野球応援がありました。無事に初戦を勝利で収め、次に進むことが出来ました!2回戦目はどうなるのか楽しみですw

さて今回ですが、前回鞠莉さんがとんでもない爆弾発言しましたね?そこから行きたいと思います。

それでは本編始まります、どうぞ!


鞠莉が王様ゲームをやりたいと言い出したのだ。

 

湧矢「鞠莉!?王様ゲームはマズいゲームだから!」

 

鞠莉「あら?私は面白そうだと思ったから提案したんだけど?」

 

湧矢「疑問で返すんじゃねぇ!とりあえずやるなら俺はパスな、んじゃ…」

 

俺はそう言って腰を上げようとする。しかしどういう訳か腰が上がらない。振り返ると千歌が引っ付いて離れなかった。

 

千歌「やりたくないの?私はやりたいけど…」

 

梨子「わ、私も…」

 

曜「前島くんの恥ずかしいエピソードとか聞いてみたいというか…」

 

ルビィ「まだあんまり知らないから…知りたいです」

 

花丸「おらも興味あるずら、前島さんのこと」

 

善子「リトルデーモンアレスのこと、知らないで損は無いのだけれど…?」

 

湧矢「はぁ…やるしかないのか…」

 

ダイヤ「まぁ…鞠莉さんはこうなると止まりませんから…」

 

果南「変なことになったら私たちで止めるから安心して?」

 

湧矢「…そういうことなら…まぁ…」

 

仕方なく参加することになった。それが大きな過ちだということも知らずに…

 

全員「王様だーれだ!」

 

千歌「あ、私だ。じゃあね…5番の人は私の頭を撫でる!」

 

果南「あ、私だ。じゃあ…」

 

果南は千歌の頭を撫でる。それだけ見るとまるで姉妹のようにも見える。幼馴染みだということは知ってたけどここまでくると家族に見えなくもない。

 

千歌「じゃあ次行くよー?」

 

全員「王様だーれだ!」

 

ダイヤ「私ですね。それでは…1番の方は今度家にいらして下さい。お勉強です。」

 

善子「そんな…私だなんて…」

 

どうやら善子は今度ダイヤとマンツーマンで勉強をみっちりされるらしい。善子、ご愁傷さま…

 

全員「王様だーれだ!」

 

果南「あ、私だ。じゃあ2番と6番でハグかな?」

 

花丸「まると…誰ずら?」

 

鞠莉「私ね、じゃあ花丸?行くわよ?」

 

2人でハグし合う。外国だとこれが挨拶となるらしい、母さんが教えてくれたし母さんも外国の人とよくハグをするなんて言っていた。

 

全員「王様だーれだ!」

 

鞠莉「私ね、じゃあ4番の人は…8番の人に壁ドン…とか?」

 

鞠莉から爆弾発言が飛び出した。普通の命令だと思ったがまさかの壁ドン…手元の番号を確認すると4と表記されていた。一気に顔が真っ青になる。

 

湧矢「…うそ…だろ?一瞬で俺の番号当てやがって…」

 

曜「あ、私8番だ。4番って誰?」

 

曜は真っ青になった俺の顔と手元の紙を見る。その瞬間曜の顔が真っ赤になった。

 

曜「ま、まさか前島くんが私に壁ドン…!////」

 

湧矢「バカっ!声に出すなよ!」

 

鞠莉「ワァオ、湧矢ったら大胆ね♪」

 

湧矢「この野郎…自分が王様になった瞬間にこんな命令出しやがって…」

 

そして俺は曜に接近し、壁ドンをする。真っ赤になった曜の顔が、曜の唇がもうあと数センチにまで迫る。俺の心臓は爆発寸前にまでなっていた。

 

曜「はふぅ…////」

 

湧矢「…そ、そんな声出すなよ…」

 

梨子「まさかこんなに破壊力が高いなんて…」

 

千歌「すごいね…いいなぁ、曜ちゃん…」

 

後ろでなにやら千歌と梨子の話し声が聞こえる。そこではっと我に返り、壁から手を離す。曜はまだ真っ赤になったまま壁の近くにいる。

 

全員「王様だーれだ!」

 

善子「我、王の座を引き当てたり!」

 

善子だった。なんとなく厨二病チックな言葉でなにかポーズをするのだろう。おおかたそんな感じの命令が来ると予想出来た。

 

善子「なら…3番の人はヨハネのリトルデーモンとしての名前を授けましょう…」

 

梨子「私…3番なんだけど…」

 

梨子だった。真っ先に番号を言われて顔が真っ青になっていた。一瞬で察したのだ。(あ、3だな…)と予測がついた。

 

善子「ならばあなたには…リトルデーモンリリーの名前を授けましょう」

 

梨子「リリー!?恥ずかしいから人前では言わないでね!?」

 

善子「リトルデーモンリリー、あとはリトルデーモンアレス…ヨハネが魔界から侵略する日も遠くはないようね…」

 

湧矢「おい!さりげなく俺のコードネーム出すなよ!」

 

花丸「コードネーム?」

 

湧矢「しまっ…」

 

善子「あら?アレスったら必死になって反抗してるようね。でも無駄よ?ヨハネのリトルデーモンだという事実はもう変わらないからね?」

 

果南「湧矢?あとで詳しく聞かせてね?」

 

湧矢「…はい…大人しく話します…」

 

善子の巻き込みによって2人に俺の恥ずかしいエピソードを話さなければならなくなった。その後も王様ゲームは順調に進んで行った。鞠莉の爆弾発言からどうなるかと思ったが善子から元の路線に戻り始めたようだ。

 

曜「じゃあ…9番の人は恥ずかしいエピソードを話してもらおうかな?」

 

湧矢「だからなんでお前は俺の番号を的確に当てるんだよ…」

 

曜「えへへ〜なんとなくで言ったら当たっちゃった。じゃあ聞かせてもらおうかな」

 

湧矢「まぁ…中学のテストの時に名前書き忘れて0点とった。もちろん担任にもだけど教科担当の先生にもめっちゃ怒られた。そんで俺だけ補習になった。宿題山ほど出されて死にそうになったしやらかさないようになったな。まぁ今は笑い話だけどな」

 

千歌「アハハ!まさかあんなに勉強出来る前島くんがテストで0点取ったなんてね〜!」

 

千歌に絶賛笑われる。まぁあの時は初めてのテストだったから仕方ないといえば仕方ないし緊張していないといえば嘘になるからやらかしたのは仕方ないといえば仕方ないが改めて誰かに話すとものすごく恥ずかしい。

 

全員「王様だーれだ!」

 

湧矢「あ、俺だ。そんじゃ…7番、猫の真似してくれ。」

 

ルビィ「ルビィ…猫さんになるの?」

 

1番小動物っぽい子を引いてしまったようだ。それでも命令は命令、ルビィは猫の真似を始めた。

 

ルビィ「に、ニャ〜…」

 

湧矢「ほーら、こっちおいで?」

 

ルビィはそのまま俺の元に来る。俺の方に来たルビィの頭をわしゃわしゃと撫でた。

 

湧矢「よしよし、よく出来ました。昔から猫をわしゃわしゃするのは好きだったからこういうの慣れてるんだよね、ほーら…ワシャワシャ…」

 

ルビィ「ニャ〜♪」

 

果南「なんだか…ホントに飼い主と飼い猫だね…」

 

花丸「前島さん、そろそろ次に行くずら」

 

湧矢「おっと、そうだったな。なんだか猫と戯れてたあの頃が懐かしくてな」

 

ルビィ「前島さんも意外と可愛いところあるんだね」

 

湧矢「そう言われるのは初めてだけどな」

 

特に問題なく終わると思った王様ゲーム、しかしとんでもない爆弾発言が飛び出した。

 

鞠莉「I am King!」

 

湧矢「おい…まさかまた…」

 

鞠莉「そのまさかよ!じゃあ9番はみんなにプロポーズしてもらおうかしら?」

 

湧矢「…!逃げるか…!」

 

俺は逃亡を測った。しかしその逃亡も虚しく鞠莉に捕まる。

 

鞠莉「王様の命令は絶対のはずよ?やるまではここから逃げられないから!」

 

全員の顔を見渡す。全員顔が真っ赤に染まり今にも火が出そうだった。

 

湧矢「……はぁ…」

 

俺は一旦自分の思考をオフにする。そして再び自分の頭のスイッチをオンにする。

 

湧矢「千歌、ちょっといいか?」

 

千歌「へ?」

 

俺は千歌の正面に立つ。そのまま俺は千歌に囁いた。

 

湧矢「千歌…お前のことが好きだ…空を照らす太陽みたいなその笑顔が好きだ…無邪気に笑うのに1度決めたことを投げ出さないその精神力が好きだ…こんな俺で良ければお前と2人で一生を過ごしたい。」

 

そして俺は千歌を抱きしめる。優しく、包み込むように。そのまま千歌は力無くへたり込んでしまった。次は曜だ。

 

湧矢「曜」

 

曜「は、はい!」

 

湧矢「いつかお前と2人で航海がしたい。俺とお前が2人で歩む未来に向かってな…行き先はまだ見えない未来だ。素敵な航海になる気がしないか?」

 

曜「そんな、未来に向かってだなんて…恥ずかしいよぅ…」

 

曜は顔を真っ赤にしてしまった。そして小さな声でさっきの言葉を復唱している。

 

湧矢「梨子」

 

梨子「な、なんでしょうか!」

 

湧矢「梨子のピアノの音色はまるで穏やかな波の音みたいだ…その音色、もっと近くで二人っきりで聞かせて貰えないか?」

 

梨子「そんな…改めて言われるとなんだか恥ずかしい…」

 

曜と同じように真っ赤になって俯いてしまった。これで3人、まだ6人もいる。次は1年生だった。

 

湧矢「ルビィ、おいで?」

 

そう言うとルビィはそのまま俺の元に来た。俺はルビィの頭を撫でながら語りかけるようにルビィに言葉をかける。

 

湧矢「ルビィの髪はまるでひとつの宝石みたいな色をしている。その瞳はエメラルド、髪はルビーみたいだ。知ってるか?ウィリアム・シェイクスピアはルビーをこう言ったんだ。妖精からの贈り物ってな」

 

ルビィ「妖精さんからの…贈り物?」

 

湧矢「あぁ、だからルビィのその笑顔も全部妖精からの贈り物なんだよ。」

 

ルビィ「えへへ…」

 

ルビィは笑った。顔を赤くしながらも笑顔で笑っていた。

 

湧矢「花丸」

 

花丸「ずらっ!?」

 

湧矢「花丸、その方言がとても愛くるしい。無理に直そうとしなくてもいい。俺はその方言が花丸の魅力だと思ってる。」

 

花丸「でも…まる、東京とかだと地方の人だって見られるのが怖いし…」

 

湧矢「じゃあ…何かあったら俺が全力で守ってやる。もし方言が出てバカにされたんなら俺がそいつをバカにしてやる。方言女子だって、立派に可愛いんだよ。」

 

花丸「か、可愛い…!」

 

湧矢「あぁ、可愛いよ。俺とお前だけでひとつの文学作品ができるかもしれないくらいにな。今度作ってみないか?俺とお前だけの物語を…」

 

花丸は地面にへたり込む。座り方も女性の座り方になっていた。

 

湧矢「ヨハネ様」

 

善子「な、なによ!」

 

湧矢「ヨハネ様…俺と2人、魔界で幸せな式を挙げよう。お前がいくら不幸体質でも関係無い。俺がそんなの打ち消してやる。だから2人、魔界で幸せに暮らそう。」

 

善子「魔界で…挙式?」

 

湧矢「堕天使と竜騎士、お似合いだと思わないか?」

 

善子「えぇ…とってもお似合いよ。むしろ私からもお願いしたいくらいに…」

 

顔を赤くして善子は下を向いてしまう。

 

湧矢「ダイヤ」

 

ダイヤ「な、なんですの…」

 

湧矢「ダイヤ、何事にも妥協せずに取り組むお前が好きだ。」

 

ダイヤ「その程度の安い告白なら私は受けませんわよ?」

 

湧矢「安いわけないだろ?今からこの告白に価値を付けるんだから…ダイヤモンドは純粋無垢な白い鉱石、その輝きは磨けば磨くほど強くなる。ダイヤモンドの意味は永遠の絆。」

 

ダイヤ「永遠の絆…」

 

湧矢「そうだ。未来永劫、お前と結ばれる。決して切れない、それこそダイヤモンドのように硬い絆でな。」

 

ダイヤ「ダイヤモンドのように硬い…ですか…?」

 

完全に乙女のような目になった。甘い吐息が口から出ている。

 

湧矢「果南」

 

果南「は、はい!」

 

湧矢「果南、その海みたいな包容力が好きだ。お前の瞳の色は美しい紫。紫は緊張を抑え、穏やかにさせる。ライブで緊張していると思ったがお前だけは落ち着いていた。そして紫色の宝石であるアメジストは真実の愛を示すんだ。紫はキリストで情熱を示す赤と冷静を示す青を混ぜた色、情熱的で冷静なお前が俺は好きだよ。」

 

果南「はふぅ…もう…だめ…」

 

座り込んでしまった。どうやら果南は褒められるのに弱いらしい。お姉さん体質な果南の意外な弱点を見た。

 

湧矢「鞠莉」

 

鞠莉「遂にマリーに愛の告白をする時が来たのね?」

 

湧矢「もちろんだ。」

 

鞠莉「聞かせてちょうだい?」

 

湧矢「鞠莉、夜空に光る月のような色をした瞳と髪が魅力的だ。お前の言葉はいつも周りにいる人の気分を明るくする。いつもシャイニー!って言ってるよな?あれってshiningって言ってるんだろ?お前の言葉はいつも周りにいる者の心を落ち着け、歌声は月の女神アルテミスにも負けないくらい美しい。そんなお前が好きだ。」

 

鞠莉「もう…ダメッ!」

 

全員に言葉をかけてから数十分が経っただろうか、俺は我に返った。そして周りを見て俺はその後の事態を一瞬で予想出来た。そう、お説教だ。王様ゲームの道具を片付け、部屋を後にしようとする。すると後ろから手が伸びた。振り返ると果南が俺の襟首を掴んでいる。

 

果南「どこに行くの…?」

 

ダイヤ「あれだけ私たちに恥ずかしい思いをさせたんです…あなたにも同じ目にあってもらいますよ…?」

 

続々とほかのメンバーも起き上がり俺に迫る。

 

Aqours「そこに正座!」

 

俺はその後全員からお説教を受けた。もちろん寝る場所も全員と一緒にされた。本来は寝る場所も違うというのにだ。千歌曰く、あんなに恥ずかしい思いをしたんだから前島くんにも同じ思いをしてもらうという理由だった。そして絶賛俺は今全員が寝てる中にいる。もちろん寝れるはず無かった。

 

湧矢「…夜風に当たるか…」

 

窓を開けて夜風に当たる。空を照らすのは星と満月。綺麗に浮かぶ夜空の月が誰かの影を写していた。

 

湧矢「…あれって…」

 

果南「あれ、湧矢?」

 

湧矢「果南も、どうした?」

 

果南「アハハ…さっきの王様ゲームでのことが恥ずかしくて寝れないんだよね…」

 

湧矢「…そういう事か…」

 

果南「ねぇ…湧矢はさ、自分のイメージカラーとかって考えたことあるの?」

 

湧矢「イメージカラーか…考えた事ないな。時折黒とか深い青とか色々言われるけど…」

 

果南「そういえば黒ってね、こんな意味があるんだって。神秘的、男性的ってね。」

 

湧矢「そんなに神秘的に見えるか?」

 

湧矢「少なくとも私は見えるかな。あとすごく男の人だって意識できる。」

 

湧矢「なんか恥ずかしいんだけど…」

 

果南「そういう一面が可愛いんだけどね」

 

湧矢「からかうなよ…恥ずかしいんだよ…」

 

果南「あ!赤くなってる!」

 

湧矢「バッ赤くなってねぇよ…」

 

果南「じゃあなんで顔を逸らすのかな?」

 

完全に主導権を握られた。こうなると俺は弱いのだ。さっきみんなはこんな気持ちだったのかってことを認識する。

 

湧矢「…それでも女心だけは永遠にわかんないな…」

 

果南「何か言った?」

 

湧矢「……いや?なんでもない」

 

俺は再び夜空に浮かぶ月を見上げる。月と星に彩られた夜空を見てなんとなく懐かしい気持ちになる俺だった。




はい、そんなわけで第34話完結です。

途中から完全に告白になってましたね、私も書いててすごく恥ずかしかったですw次回はついに夏休み、とは言っても主人公は浜松に里帰りしてそこから話が始まるんですけどね。

変なところがあったらぜひコメントで教えてください、すぐに手直しを加えます!

ではまた次回お会いしましょう!


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Aqoursのみんな、そして俺 第35話 〜帰還、そして大舞台へ〜

ご無沙汰してます、私です。
この挨拶が恒例になってきましたねwですが帰るつもりは毛頭ありませんのでご安心をw

さて今回ですが、夏休み編に入ります。何話か続けて書き上げますのでお楽しみに!とは言っても水泳大会が終わって沼津に帰ってまたみんなと遊んでそしたら2学期という形にしますので夏休み編あたりが1番長くなるかもですw

それでは本編始まります、どうぞ!


電車に揺られて浜松まで戻る。夏休みは俺が今までやってきた水泳の大会があり、それに出場するためだ。水泳大会は8月の前半、それまでは毎日泳いでしっかりと体を慣らしていかないといけない。

 

湧矢「戻ってきたな、浜松に…」

 

長い時間電車に揺られていた。駅に着くと俺を呼ぶ声がした。

 

コーチ「おかえり、じゃあ早速行くぞ」

 

湧矢「お久しぶりです、コーチ。よろしくお願いします」

 

この人は俺の水泳のコーチを務めてくれる人だ。中学の時の先生の紹介で俺はこの人に水泳を見てもらっている。

 

トビオにて

 

トビオに着くと早速水着に着替えてプールサイドに向かった。するとそこには懐かしいメンツが沢山いた。

 

前田「久しぶりだな!お前が沼津に行ってから寂しかったんだぜ?」

 

湧矢「おぅ、久しぶり。また種目争いやるか?」

 

こいつは前田、バタフライでの俺のライバルのようなものだ。いつもバタフライで勝負を挑んでは2人でことある事に競走してきた。今回俺はメドレーのためこいつと種目争いはできない。

 

水姫「久しぶりね、湧矢君。沼津でも元気でやってる?」

 

湧矢「おっす、水姫も相変わらず元気そうだな。」

 

こいつは水姫、自由形で俺たちの間では右に出るものはいないくらい早い選手の1人。俺の小学校からの友達で俺と仲がいい。他にもたくさんの懐かしいメンツが俺に話しかけては色んなことを聞いてきた。学校のこと、勉強のこと、様々だ。

 

コーチ「よし、湧矢の沼津でのことは後にしろ。さぁ、練習を始めようか。今日は湧矢が久しぶりにこっちに復帰したから軽めなものから行くぞー」

 

そう言ってコーチは早速俺たちに今日のメニューを渡す。

 

湧矢「…久しぶりとはいえこれが軽いメニューなんだよな」

 

そこには大量の種目別メニューがびっしりと書き込まれていた。

 

Aqours side

 

千歌「こんちかー!ってあれ?湧矢くんは?」

 

曜「ホントだ、普段はいるのに今日はいないね。」

 

梨子「あれ?聞いてないの?湧矢君なら今浜松にいるのよ?」

 

千歌「えー!?」

 

曜「そう言えば言ってたね。浜松で水泳の大会があるって…もう行っちゃったんだね。いつもいるからなんだか寂しいや」

 

善子「ヨハネ、降臨!…あら?アレスがいないわね…」

 

花丸「善子ちゃん、湧矢さんなら今浜松にいるずら。」

 

善子「善子ゆーな!」

 

ルビィ「大会があるとか言って朝早くにここから電車で行っちゃったみたいだね。」

 

ダイヤ「おはようございます、先程連絡がありました。浜松に着いて早速大会に向けて体づくりをしているみたいです。」

 

果南「そう言えば私とダイビングした時に大会があるから来て欲しいって言ってた気がする。応援どうする?」

 

鞠莉「いいんじゃない?ちょうどいい機会だし、みんな湧矢を落としたいってことは一緒なんだし!」

 

全員が湧矢を落とすということで合意しているため応援に行くのは良いのだ。いいのだが…料金が意外と高い。ここから浜松まででも片道で結構お金がかかる。

 

果南「行きたいけど何よりお金がね…それに向こうのことも何も知らないし…」

 

ダイヤ「何も知らないのに闇雲に向かうのはそこまで良くないでしょう。それなら少し時間を置いて湧矢さんに連絡してから向かった方がいいかもしれませんね。」

 

千歌「やったぁ!旅行みたいだね!」

 

曜「浜松にはどんなものがあるのかな?今から気になるであります!」

 

梨子「2人とも気が早いよ?湧矢くんから連絡が来てから色々計画立てようね」

 

善子「向こうでヨハネのリトルデーモンを増やすのもありね、どれくらいできるかしら?」

 

花丸「善子ちゃん、向こうでもやるつもりずら?」

 

ルビィ「向こうのお店も気になるね、花丸ちゃん!」

 

みんな浜松に向かうことが楽しみなのか今から計画を立て始めてしまった。

 

ダイヤ「さぁ、練習を始めますわよ!」

 

ダイヤの掛け声で全員着替えて練習を始めた。私は湧矢にしっかりとLINEで連絡してから着替えを始めた。

 

湧矢side

 

休憩に入り、全員プールから上がって休息をとっている。俺はその間に1度携帯を確認する。なにやら果南からメッセージが来ていた。このあとみんなでこっちに来るらしい。

 

湧矢「なるほど、駅まで迎えに来て欲しいってことか。それなら良いだろ」

 

俺はLINEにおk、駅で待ってるとだけ返信しておく。すると後ろから前田が俺の携帯を見ていた。

 

前田「おーおー、お前まさか今の彼女か!?紹介しろ!」

 

湧矢「ちげーよバカ!向こうでの友達だ!何勝手に勘違いしてんだよ!」

 

前田「なにがちげーよだ!お前、将来は1人で暮らすって言ってただろ!」

 

湧矢「言ってねぇから!勝手に勘違いすんな脳みそ筋肉野郎!」

 

前田「んだとこの勉強馬鹿!」

 

湧矢「馬鹿じゃねぇよ向こうじゃ学年トップとってんじゃこっちは!」

 

水姫「2人してけんか?まぁいつもの事か」

 

そう、これは俺と前田の恒例行事のようなものだ。いつもバタフライ種目で争った後や俺がLINEで母さんと話してる時に乱入してくる。そしてだいたいこんな感じで色々言い合っている。でもこれが俺たちだ。

 

前田「じゃあ大会来るんだったら紹介しろよな!お前の彼女!」

 

湧矢「だから彼女じゃねぇって!いつまで勘違いしてんじゃおめぇは!」

 

水姫「え!?湧矢向こうで彼女作ったの?私にも教えてよ!」

 

湧矢「お前まで味方に着くなよ!」

 

コーチ「よし、休憩は終わりだ。午後練始めるぞー!」

 

コーチの掛け声で一斉にプールに飛び込む。そして午後の練習が始まった。

 

Aqours side

 

午後になり全員支度を終えて電車に乗り込む。これだけ大荷物だと意外と重い。

 

千歌「早くつかないかな〜」

 

曜「ここから確か3時間くらい電車に揺られるんだったね、結構遠いんだね」

 

梨子「大会、頑張れるといいね。」

 

善子「我が堕天使の力を送れば大会では必ずトップを取れるはず…」

 

花丸「善子ちゃん、向こうでは堕天使封印ずらよ?」

 

善子「なんでよ!」

 

ルビィ「恥ずかしくないの!?」

 

ダイヤ「皆さんお静かに、迷惑になってしまいますわよ?」

 

果南「あ、さっき連絡入れたら駅で待ってるって言ってたよ?」

 

鞠莉「じゃあ駅に着いたら早速湧矢に案内してもらわないとね。」

 

そして電車が動き出す。電車に揺られて浜松まで、3時間ほどの道のりで景色がどんどん変わっていく。沼津から一旦離れて少しずつ景色が変わり、都会チックなところに着いたところで車内アナウンスが流れた。

 

アナウンス「次は浜松、浜松です。」

 

車内アナウンスが流れて程なくすると浜松駅に到着する。

 

千歌「着いたー!」

 

曜「長かったね…」

 

梨子「曜ちゃん、じっとするの苦手だもんね。」

 

改札を通り抜けて少し行くと湧矢君が待っていた。

 

湧矢「よ、無事に着いたみたいだな。」

 

花丸「沼津よりも都会に感じるずら…」

 

湧矢「そんなに都会じゃないな、まぁここで立ち話もなんだし行くか。」

 

ルビィ「行くって?」

 

湧矢「爺ちゃんとこだよ。今はそこで俺も世話になってる。9人くらいならじいちゃんも大丈夫だよ。」

 

俺はそう言ってじいちゃんに電話をかける。

 

湧矢「おぅ、じいちゃん?俺だよ、湧矢。久しぶりだな。何人か人来るんだけどいい?うん、9人くらい。OK?じゃあそっちに向かうからよろしくな。」

 

果南「おじいちゃんどんな家に住んでるの…」

 

ダイヤ「想像もつきませんわ…」

 

しばらくしてバスでじいちゃんの家まで向かうことになった。

 

じいちゃんの家

 

湧矢「ただいま」

 

じいちゃん「おぉ、おかえり。そちらの女性さん方は沼津からのお客さんかい?」

 

湧矢「まぁそんなとこ、みんな泊まれるだけのスペースある?」

 

じいちゃん「おぉ、あるぞ。案内してやってくれ。」

 

俺はじいちゃんに言われた通りみんなを案内していく。少し言った所にかなり広い部屋があった。

 

湧矢「ここだ、エアコンとかもちゃんとつくから寝る時はそんなに困んないかもな。」

 

鞠莉「湧矢はもしかして水泳の後?」

 

湧矢「そうだけど、どうかしたか?」

 

鞠莉「髪がまだ濡れてるから…ちゃんと乾かしておきなさい?」

 

すると玄関のチャイムがなる音がした。

 

湧矢「まぁ、気を付けとくよ。…?お客さんか?お前ら以外は特に何も無いと思ったんだが…」

 

俺は玄関に向かいドアを開けた。するとそこには前田がいた。

 

前田「よっ、お前の彼女ってのを見に来たぜ」

 

湧矢「…失せろ」

 

それだけ言ってドアを閉める。しかしどこまでもしつこいのがこの男、何回もチャイムを押してきた。

 

善子「なんか下の方騒がしくない?」

 

曜「そうだね、どうしたんだろ…」

 

足音がしたため後ろを振り返ると曜と善子が立っていた。

 

善子「アレス…何やってるの?」

 

湧矢「これは…!しまった!後ろ向いたらドア開いちゃうじゃん!」

 

だが時すでに遅し、ドアが開けられ前田が入ってきた。

 

前田「ふぅ…ようやく開いた…なんか可愛い子いんじゃん!お前ばっかズリいよ!」

 

湧矢「うるせぇ勝手に入んな!早く出てけ!」

 

曜「ごめん湧矢君…この人誰?」

 

湧矢「なんも気にすんな、こいつはただの不審者だ。」

 

善子「その割には随分仲良いのね…」

 

湧矢「仲良く見えるか?これが…」

 

前田「お前いつの間にこんな可愛い彼女作ったんだよ、いたんなら写真の1枚くれればいいのに」

 

湧矢「うるせぇ黙っとけ!早く帰らんとお前の親に通報すんぞ?」

 

前田「それだけは勘弁、親父怒ると怖いからな」

 

湧矢「わかったらはよ帰れ」

 

それだけ言うと前田は了承したのか帰って行った。

 

曜「なんか面白い人だったね」

 

湧矢「まぁチームのムードメーカーはアイツだけだからな、根はいい奴なんだが暴走するとこうなる。あと俺とはよく種目争いやってる。」

 

善子「アレスも大変ね…」

 

じいちゃん「湧矢、じいちゃんこれから畑行って野菜採ってくるから帰ってきたらご飯にしよう。」

 

湧矢「はいよ、そんじゃ風呂沸かしとくからじいちゃんはご飯食べ終わったら入っといてくれ。」

 

曜たちは部屋に戻って行った。俺はその間にお風呂を沸かす。夏ということもあり少しぬるめのお湯でお風呂を沸かした。部屋に向かい入りたいやつから入ってくれとだけ言って俺は少し壁によりかかってゆっくりしていた。

 

千歌「お風呂もらったよーって…寝ちゃってるね」

 

曜「まぁ、朝早くから帰って練習してってなればこうなっちゃうよね…」

 

果南「お風呂上がった?じゃあ私もらおうかな」

 

ダイヤ「私は果南さんの次にしますわ。それにしても、浜松もまたいい所ですね。」

 

鞠莉「少し行けばビルが並ぶ場所に出るもの、服とかも揃いそうよね。」

 

湧矢「…んぁ…寝てたのか…わり…顔洗ってくる…」

 

千歌「はーい!」

 

曜「千歌ちゃん待って!今って確か…」

 

梨子「果南ちゃんいなかったっけ?」

 

千歌「あー!」

 

湧矢side

 

どうやら眠ってしまったようだった。目を覚ますために洗面所に向かうが事件は起きた。

 

果南「え?」

 

湧矢「…?」

 

服を脱ぎ下着状態の果南との鉢合わせである。すぐに目が覚めた。

 

果南「ば、ば、バカーー!!」

 

湧矢「わりぃっ!すぐ出る!」

 

すぐに洗面所から出る。後ろでは千歌たちが黒いオーラを出しながら立っていた。後ろで般若が見えた気がした。

 

千歌「湧矢くん?」

 

曜「ちょっとこれは…」

 

梨子「お説教…かな?」

 

その後、俺は千歌たちだけでなく果南にもしっかりとお説教をされ、結果として寝る場所とかも変えられた。正確には辱めのために寝る場所をアイツらと一緒にされた。当然寝れるはずはなかった。夕飯もじいちゃんが帰ってきてから天麩羅をすぐに作ってしまった。

 

湧矢(寝れるかバカ…)

 

全く寝れないため俺はベランダに出て外を眺める。夜風がとても気持ちよかった。ベランダに誰かが立っていた。

 

果南「あれ、よくここで会うね」

 

湧矢「誰のせいで寝れないと思ってんだか…」

 

果南「湧矢が私の下着覗いたんでしょ?」

 

湧矢「覗いてねぇ!寝起きはあんな感じなんだよ!」

 

果南「ホントに?」

 

湧矢「ホントだよ、普段は目薬使って目を覚ましてる。目薬が近くになかったから顔を洗いに行ったんだよ…」

 

果南「じゃあそういうことにしといてあげる。でも、ちゃんと私からお仕置があるのは忘れないでね?」

 

湧矢「軽めので頼む…」

 

果南「そういえば大会っていつ頃?」

 

湧矢「明後日だよ、沼津で体は作ってたから最後の調整だ。一日目は200メートルメドレー、二日目は400メートルメドレーだな」

 

果南「じゃあ張り切って応援しないとね。」

 

湧矢「それは素直に助かる、サンキューな」

 

果南「どういたしまして、じゃあお仕置は明日私と2人で午後からデートってことにしようかな。」

 

湧矢「午前はなにしてるんだ?」

 

果南「湧矢の練習見てるよ、どんな泳ぎなのか気になるしね」

 

湧矢「恥ずかしいわ馬鹿野郎…」

 

果南「うふふ、明日が楽しみだね」

 

湧矢「楽しみにしておくよ」

 

それだけ言って2人で夜空を眺める。向こうとはまた違う光景が空に広がり、射手座の矢が蠍座を狙っている光景が見えた。まるで誰かのハートを射抜くかのように…




はい、35話でした。ちゃっかりラッキースケベを入れてみましたw

まぁ入れる予定でしたwあと全員の呼び方が変わってるのは王様ゲームで決まりました、字数が恐ろしくなりそうなので省いてしまいましたが…やっていく以上どこかで遅かれ早かれ統一しないといけないということになりそうなので王様ゲームで省略された部分で呼び方に関するものを変える命令を入れました、都合により省略はしましたが…ご了承ください。

次回は果南ちゃんとのデート回になります、まぁ下着見ちゃった代償ですね。

そんなわけで、次回もお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第36話 〜さぁ、デートのお時間だ〜

ご無沙汰してます、私です。
前の話はもうご覧になったでしょうか?とんでもないハプニングがありましたね、そんなわけで書き上げたいと思います。

今回は果南ちゃんとのデート回、意外と大胆な果南ちゃんが見れるかもですね。

それでは本編始まります、どうぞ!


果南「起きて!ランニング行くよ!」

 

朝から果南にそう言われて起こされる。目は覚めていたのだが昨日の疲れが出ていることもあり少し眠気があった。

 

湧矢「なんでそんなに上機嫌なんだよ…」

 

果南「だって…デートだから?」

 

湧矢「俺は逆に別のことで不安を覚えるんだよ…」

 

ランニングをしながら話す。朝からデートのことで頭がいっぱいのようだ。

 

湧矢「時間は…やっば、自主練やらなきゃ。んじゃ行ってくる!朝飯は…買ってくか」

 

果南「いってらっしゃい、後でトビオだっけ?向かうからね!」

 

湧矢「恥ずかしいわ!」

 

果南「じゃあ後でね!」

 

それだけ言われ俺はすぐにトビオに向かう。着替えて自主練から始め、体を慣らしておく。次に大会種目を練習する。

 

前田「よ、お前は相変わらずクソ真面目だねぇ」

 

湧矢「うるせぇほっとけ、俺は今回の大会のためにしっかり調整してるからな。」

 

前田「じゃあ今からバタフライ競走やるか?」

 

湧矢「お、言ったな?吠え面かくなよ?」

 

前田「そっちこそ、負けたら彼女紹介しろよ?」

 

湧矢「彼女じゃねえって言ってんだろ!勘違いも大概にしやがれ!」

 

前田「よし、行くぞ?よーい…ドン!」

 

掛け声と同時に一気にスタートを切った。互いに1歩も譲らない。むしろこいつにだけは負けたくないというド根性にも近いライバル精神が互いを突き動かした。俺が1歩リードしてると思えばすぐ真横にいて、逆にあいつがリードしてると思うと負けたくないという感情でどんどんピッチが上がっていく。互いに競り合って、抜かして抜かされて、それを繰り返していつの間にか同時に壁にタッチしていた。

 

湧矢「ちぇっ、引き分けか」

 

前田「残念だが今回は引き分けだな。練習始まるし少し休もうぜ」

 

湧矢「そうだな」

 

俺はプールから上がると前田とハイタッチを交わす。すると観客席の方から視線を感じた。見上げると果南が俺の方を見て手を振っていた。手を振り返すと果南が微笑んだ。

 

前田「お前、やっぱり彼女じゃねぇか!誰だ!俺にも紹介しろよ!」

 

湧矢「うるせぇ黙れ!」

 

水姫「こらこら、その辺にしときなって。湧矢が困ってるでしょ?」

 

前田「あそこにあいつの彼女がいるのに何も言わずに見てられるか!」

 

水姫「それ自分に彼女が出来ないから湧矢が羨ましいだけなんじゃ…」

 

前田「う、うるさい!」

 

湧矢「はぁ…ま、賑やかでいいか。水筒水筒っと…」

 

俺は水を飲んで少し休む。あいつとの勝負はずっと勝って負けての繰り返し、今日はたまたま引き分けたが次はどうなるか分からない。

 

湧矢「もっと記録、あげないとな…」

 

コーチ「おはよう、じゃあ始めようか。」

 

コーチの掛け声がかかりいつも通りメニューが渡される。

びっしりと書き記されたそのメニューを見て絶句する者ももちろん居た。

 

コーチ「今日は午前だけだ、明日の大会に向けてしっかり体を休めておけ。」

 

全員「はい!」

 

ストレッチ、アップ、それぞれしっかり終えて俺はプールに入り早速泳ぎ始める。今回の大会は決勝に残れば東海大会まで行くことが出来るため俺は一層気合が入っていた。

 

練習後

 

着替えてトビオを出ると果南が待っていた。

 

果南「お疲れ様、お昼あるけど食べる?」

 

湧矢「もちろん貰うよ、練習で疲れたからな。」

 

果南「それにしてもコーチの人すごい厳しかったね。一人一人の泳ぎのフォームまでしっかり指摘して…」

 

湧矢「コーチはいい人だよ、厳しくても早くなるためにはフォームとかをしっかり考えなきゃいけない。それが水泳の世界だからね。」

 

俺は果南が作ってきた昼食を食べながら大会のことを話す。

 

果南「勝てば東海大会!?じゃあ張り切って応援しなきゃね」

 

湧矢「応援は嬉しいがナンパとかには気をつけろよ?トビオ周辺とかであるらしいからな。」

 

果南「大丈夫だよ、湧矢が守ってくれるからね」

 

湧矢「ボディーガードじゃねぇから…っと、よし。なら竜ヶ岩洞とかどうだ?夏場ならぴったりだろ」

 

果南「竜ヶ岩洞?」

 

湧矢「鍾乳洞が見られるんだ、今からなら行けるだろ。行くぞ」

 

俺は果南に手を差し出す。最初はポカンとしていたが果南も状況を飲み込んだようだ。みるみる顔が赤くなる。

 

果南「あ、案内よろしくね…」

 

湧矢「任された」

 

バスに揺られて竜ヶ岩洞へ向かう。少し遠目だが竜ヶ岩洞に到着した。

 

果南「へぇ、ここが竜ヶ岩洞…」

 

湧矢「夏は涼しいし結構オススメできる。ちょっと中は暗いけどな」

 

中に入り早速進んでいく。竜ヶ岩洞には天然の鍾乳洞が沢山ある。中でも1番の見所は鳳凰の形に見える鍾乳石だ。

 

果南「これが…」

 

湧矢「そ、鳳凰の形に見える鍾乳石。年月も掛かるし簡単にはできない。自然が作る芸術だな。」

 

果南 side

 

果南「綺麗…」

 

思わず口からそう言葉が零れてしまう。鍾乳洞自体そこまで来たことがない以上珍しいのいえば珍しいが、何より自然が何年もかけてこんな綺麗なものを作っていたのかと思うと感動してしまった。すると首にヒヤッとしたものが落ちてきた。

 

果南「冷たっ!?」

 

思わず湧矢の腕に抱きつく。

 

湧矢「どした?」

 

果南「首になにか…」

 

湧矢「多分雫だな、時折落ちてくるよ。…それとすごく言い難いんだけど…」

 

果南「?」

 

湧矢「当たってるから…」

 

果南「!」

 

どうやら腕に抱きついた時に胸が当たっていたようだ。改めて言われるとすごく恥ずかしい。

 

果南「ご、ごめん!離れるから!」

 

湧矢「離れたら雫が降ってきてまた首に落ちるぞ?」

 

果南「うぅ…あ、でも私に抱きつかれてた時、顔赤くしてたでしょ?」

 

湧矢「な、なんのことだ…?」

 

果南「誤魔化してもダメ、ちゃんと私は見てたからね?ほら、まだ顔が赤い」

 

一転して彼は攻めにはとても弱い。立場が逆転すると一気に弱くなる。

 

果南「攻めに弱いのはお互い様だね」

 

湧矢「ほっとけ…」

 

その後も竜ヶ岩洞で鍾乳洞を見て回った。綺麗な形のものが沢山あり、どれもとても美しかった。

 

果南「竜ヶ岩洞綺麗だったね。また来たいな」

 

湧矢「そうだな。また今度、な?」

 

果南「そうだね、また2人で…来ようね」

 

湧矢「恥ずかしいからやめろ…」

 

果南「うふふ、こうやって湧矢をいじめるのも楽しいね。もっといじめてあげよっか?」

 

湧矢「急にSに目覚めんな、お前だって攻めには弱いだろ」

 

果南「む、またそう言っちゃう…じゃあまた腕に抱きついちゃおうかな?」

 

湧矢「やめんか」

 

このデートで彼の弱点を見つけてしまった。意外と攻めには弱い…みんなに教えてあげないとね。

 

湧矢「よし、竜ヶ岩洞で涼んだことだし浜松城行くか。運が良かったら会えるかもしれないな。」

 

果南「会えるって?」

湧矢「それはお楽しみ」

 

果南「ぶー…」

 

再びバスに揺られ、今度は浜松城に向かう。浜松城に着くなりすぐに近くの公園に向かった。

 

湧矢「お、今日は運がいいな。リスがいる」

 

果南「え、リス?」

 

湧矢「そ、ここは運がいいとリスが見られる。自然があって景色が綺麗、リスが見られる。まぁリスははぐれメタルみたいな感じで見れたらラッキー程度に思っとけばいいよ。」

 

果南「そんなにレアなんだね。可愛い…」

 

果南はリスに手を差し伸べる。女の子はやはり可愛いものが好きなようだ。これだけしか分からない。

 

湧矢「リスも懐くとこうなるのか?おぉ、腕張って来た」

 

果南「懐かれてるね、まぁ私もだけど」

 

2人とも片腕にリスが登ってきていた。このままでもいいがさすがに移動させるのはまずいと思いリスを離してやる。リスが木に登っていったのを見届けてから浜松城へ向かうことにした。

 

浜松城

 

果南「綺麗な景色だね!」

 

湧矢「俺は見慣れてるけど何度見ても景色綺麗だよな」

 

果南「こうしてみると浜松も結構都市みたいな感じなんだね、後で洋服とかみたいな」

 

湧矢「時間はまだあるし全然問題ないな。んじゃ、早速行くか」

 

果南「そうだね。どんな服があるか楽しみだな、エスコートよろしくね?」

 

湧矢「任されました、お嬢様…なんてね」

 

果南は俺に手を差し出してくる。やはり向こうが攻めの立場に回ると俺は弱い。どうやら弱みだけ握られたようだ。すでに果南の下着まで事故とはいえ見てしまったのは事実、次第にAqoursのみんなを女性として見始めている俺がいた。

 

湧矢「…お前らは恥ずかしくないのかよ…」

 

果南「ん?何か言った?」

 

湧矢「いや、なんでも。明日から始まる大会のこと考えてたからな」

 

果南「明日が楽しみだね。」

 

湧矢「勝ってくるよ、明日は。俺が出る2種目両方で東海の切符勝ち取ってくる」

 

果南「湧矢なら勝てるよ、きっとね」

 

果南にそう励まされ俺は少し落ち着いた。なにも今から緊張する必要は無い。今はこの時間を精一杯楽しもう、それだけ考えて俺は果南の手を取った。

 

服屋

 

果南「どう?」

 

湧矢「うん、よく似合ってる。イメージカラーだから果南にぴったりだな」

 

果南が着ていたのはエメラルドグリーンのワンピースだった。正直なところをいうとすごく似合ってる。それに果南のスタイルも相まって大人の魅力が出ていて少しセクシーだった

 

湧矢「なんというか…大人の魅力だな」

 

果南「へぇ…こういうのが好みなんだ?」

 

湧矢「好みっていうか…お前のスタイルとかと相まって似合ってるって感じだからな」

 

果南「あ、また赤くなってる!今度は私の体で興奮したのかな?湧矢も男の子なんだね」

 

湧矢「う、うるさい!お前だってダイビングの時俺の体見てただろ!」

 

果南「あ、あの時はなんというか…」

 

湧矢「なんというか、なんだよ」

 

果南「思わず抱きついちゃおうかと思っちゃった」

 

湧矢「お前…痴女?」

 

果南「ち、痴女じゃないもん!そんなこと言ってるとハグしちゃうよ?」

 

湧矢「恥ずかしいからやめろ!とりあえず会計だけしてこい」

 

そう言うと果南は会計を済ませに行った。戻ってきて色々見て回っているとアクセサリーショップでなにかを見つけた。

 

湧矢「へぇ、ブレスレットか」

 

果南「興味あるの?」

 

湧矢「興味があるっていうか、女子ってこういうの好きそうだなって思っただけだが…」

 

果南「確かに女の子はこういうの好きだよ。」

 

湧矢「んじゃ、あれだな。」

 

果南「?」

 

俺はブレスレットを持って会計を済ませ、果南にそれを付けてあげる。

 

湧矢「あの時のお詫びだ。それに、今日のお礼も兼ねてのちょっとしたプレゼントな」

 

果南「ありがと、大事にするね。」

 

果南がにっこりと俺に微笑む。

 

果南「よし、じゃあ休憩しよっか。あ!パフェだって!」

 

湧矢「丁度いいし果南はパフェ食べて待ってな。俺はコーヒー買ってくる」

 

果南「じゃあそうしよっかな」

 

果南はパフェを買いに、俺はコーヒーを買いにそれぞれ行ってすぐ近くのベンチに腰かける。少しずつ太陽が西に傾きつつあった。

 

果南「明日だね、大会」

 

湧矢「あぁ、緊張する。勝てるか分からないし万が一のアクシデントがあったらって思うと不安で胸がいっぱいだ。」

 

果南「大丈夫、湧矢なら勝てるよ。」

 

湧矢「その自信はどっから湧くんだ…」

 

果南「どこからだと思う?」

 

湧矢「さぁ…」

 

果南「内緒、分かりたいんだったらまずは乙女心を理解するところから始めないとね」

 

湧矢「乙女心か…俺には難しすぎるな」

 

果南「頑張って理解してね?」

 

湧矢「善処するよ」

 

やがて太陽が沈み、夜がやってくる。夜、俺は部屋でみんなに話した。明日の大会、2種目両方で東海大会の切符を掴んでくると。そうしたらみんなは全力で応援するから頑張ってねと俺を精一杯励ましてくれた。

明日はついに大会当日、俺はしっかりみんなと約束した。

2種目両方で東海に出ると。

 

 

 

 

 

 

 




はい、36話でした。果南ちゃんオンリーのデート回でしたね。かなり悩みました、どこを出すかで。そして湧矢くん、意外と女子からの攻めには弱いです。

次回から大会です、彼はしっかり東海の切符を2種目で取ることが出来るのか?

それでは、次回をお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第37話〜大会・喜劇・悲劇〜 前編

ご無沙汰してます、私です。
2話構成で行きたいこと思います、かなり迷って迷って、どうしようか考えた末にこうしました。

それでは本編、始まります。どうぞ!


朝、大会の会場にじいちゃんに送ってもらう。朝来るとすぐに会場内でアップを行っている選手がいた。

 

湧矢「やっぱりいるな、たくさん」

 

曜「沢山いるね、アップしてる選手」

 

果南「こんなに沢山の人が出るんだね」

 

ダイヤ「緊張はしません?」

 

湧矢「まぁ、しないといえば嘘になる。」

 

善子「あら?アレスも随分弱腰ね、ヨハネの加護があるのだから大丈夫よ」

 

花丸「善子ちゃんの加護だとむしろ緊張が強まっちゃう気がするずら」

 

ルビィ「うゅ…迷子になりそう…」

 

湧矢「迷子にはならんだろ、観客席に居てくれればまぁ大丈夫。んじゃ、アップ行ってくる」

 

鞠莉「もう行っちゃうの?」

 

湧矢「今行かないとここからあとはしばらく体を動かせないからな。」

 

俺は更衣室に向かい練習用の水着に着替える。着替えて準備を終え、プールサイドで準備運動をしてからプールに入る。たくさんの選手がいた中に前田もいた。

 

前田「おっす、お前の種目メドレーだろ?」

 

湧矢「そうだな、2種目東海狙ってる。頑張ろうな、お互い」

 

前田「そうだな、まぁお互い頑張ろうな」

 

アップを終えて互いにハイタッチ、これは俺と前田の恒例で互いに頑張ろうと決意した時や労い、励ましの意味も兼ねている。

 

前田「負けねぇからな!」

 

湧矢「こっちこそ、2種目東海目指してるから負けたくねぇんだよ、応援はしてやるから安心して泳いできな」

 

それだけ言い残してアップを終える。着替えてじいちゃんが作ってくれた特製のおにぎりを食べて一日の活力を入れておく。

 

千歌「ついに始まるね、大会」

 

湧矢「そうだな…開会式だ。」

 

開会式が程なくして行われた。選手宣誓を終えた後、コーチの指示に従ってプールに挨拶をする。

 

大会メンバー全員「お願いします!」

 

一際大きい声を出して席につく。他にもストレッチをするもの、競技のためにアップに行くもの、眠って体力を回復する者、様々だった。

 

湧矢「曜、ちょっと手伝って欲しいことがあるんだが…いいか?」

 

曜「ん?何するの?」

 

湧矢「ちょっと体押してくれ、ストレッチしときたいんだ」

 

曜「いいよ!じゃあ後ろ失礼して…」

 

湧矢「…!」

 

ふと背中に違和感を感じた。当たっているのだ。

 

曜「?顔赤いけどどうしたの?」

 

湧矢「な、なんでもない…」

 

それだけ言うが曜はすぐに自分の体勢を把握した。みるみる曜の顔が赤くなる。

 

曜「ご、ごめん!」

 

湧矢「いや…大丈夫だ…」

 

背中を押してもらってストレッチを終え、曜に声をかける。

 

湧矢「サンキューな…戻るけどどうする?」

 

曜「じゃあ私も戻ろうかな…」

 

曜と一緒に席に戻る。会場のアナウンスと共に競技が始まった。

 

アナウンス「では、200メートルバタフライの競技を始めます。招集場所に向かってください。」

 

前田「あ、俺だ。行ってくる!」

 

湧矢「前田、頑張れよ」

 

俺は前田とハイタッチを交わす。すると前田は駆け足で招集場所に向かっていった。選手が集まったのを確認して競技が始まる。

 

アナウンス「5レーン、前田くん」

 

前田の名前が呼ばれた。トップバッターで泳ぐようだ。俺はすぐにメガホンを持って準備をする。応援だ。名前を呼ばれると前田はお辞儀をした後、俺の方へ向き直り握りこぶしを作って俺に向けてくる。それを返すように俺も握りこぶしを作って返した。

 

アナウンス「では、競技を開始します。……よーい……」

 

選手が飛び込み台に乗りスタンバイ、その後ピッという音と共に選手が一斉にスタートした。バタフライは泳ぎの中でもトップクラスに体力を使う種目、途中でへばってしまえば勝ちは無い。東海を狙うならば尚更だ。前田ならおおよそ2分30秒もすればゴールするだろう。

 

アナウンス「1位、5レーン前田くん」

 

前田はトップでゴールしガッツポーズ、プールから上がると前田はプールに向かって大きな声で挨拶をした。そこから1時間ほどして全員の競技が終わり結果が出た。前田は150人中3位で東海大会確定になった。その後表彰が行われ、前田は賞状を持って帰ってきた。

 

前田「おっす、東海行ったぞ。今度はお前の番だ」

 

湧矢「お疲れさん、おめでとさん。」

 

水姫「お疲れ様、東海おめでとう。次は湧矢じゃない?」

 

確かに次の競技は400メートル個人メドレーだ。すぐに招集場所に向かう。だが向かう前に俺は前田にひとつ頼み事をした。

 

湧矢「わり、頼む」

 

前田「任せろ、負けたら許さんからな?」

 

前田はそう言うと合わせられた俺の手を思いっきり両手で叩く。ジンジンと痛むが緊張はほぐれた。

 

前田「行ってこい、とびっきりでかい声で応援してやるからな」

 

水姫「私も、応援してるからね」

 

湧矢「んじゃ、行ってくる。」

 

俺は招集場所に向かう。既に何人かの選手が集まって泳ぎの確認をやっていた。程なくしてアナウンスがなる。

 

アナウンス「只今より、400メートル個人メドレーの競技を行います。」

 

1レーンから順に名前が告げられ、4レーンで俺の名前が呼ばれた。

 

前田「頑張れよ!」

 

今いる位置から聞こえるくらいでかい声だ前田が俺を応援する。恥ずかしいが応援されて気持ち悪い感じはしなかった。よく見るとみんなもいる。

 

アナウンス「では……よーい……」

 

数秒後、ピッという音が鳴り選手が一斉に飛び込む。最初はバタフライだ。トビウオに近い動きのため体力消費がいちばん大きい。最初のバタフライを難なくゴールする。次は背泳ぎだ。50メートルでターンしてトップでゴール、平泳ぎもそこまで苦戦せずゴールしてクロールになった。そこからほかの選手が追い上げてきたのか、何人か横に並んだ。

 

湧矢(ここからが正念場だな…)

 

俺は全神経を1回1回の掻きに使い、しっかりと水を捉えて進む。残りは50メートルだ。自分の中にある力を全て出し切り、トップで壁に触れた。結果は4分32秒52。トップでゴールし東海出場タイムを切った。

 

アナウンス「1位、4レーン。前島くん」

 

ダウンをしているとコーチが俺のところにきた。

 

コーチ「よく頑張ったな。東海はお前が手にした。」

 

湧矢「そうですね、無事に行けてよかったです。」

 

まずひとつ、みんなとの約束を達成した。すぐにが表彰が行われ、俺は146人中2位で東海だった。賞状を持って席に戻る。前田が真っ先に俺に話しかけてきた。

 

前田「お疲れ、お前も東海だな。もうあと1種目だろ?明日も全力で応援してやるからな!」

 

湧矢「じゃあ頼む。」

 

水姫「おめでとう、東海だね。」

 

湧矢「そうだな。水姫も東海狙ってるんだろ?」

 

水姫「うん、私は明日だから今日は応援に専念しちゃおうかな」

 

どうやら水姫も東海狙いのようだ。

 

湧矢「飲み物買ってくる。」

 

それだけ言って俺は自販機に向かう。だがそこで違和感が起きた。妙に両足が痛むのだ。壁に手を付きながら進むが痛みはかなり強かった。

 

湧矢「この痛み…明日は修羅の道かもな…」

 

自販機で飲み物を買って俺は会場に戻る。席に戻ると果南たちが集まってきた。

 

ダイヤ「お疲れ様でした、東海おめでとうございます」

 

湧矢「いや、記録としてはまだまだだな。東海だと4分25秒行かないと勝てない。ここからあと5秒縮めないとな」

 

善子「5秒?」

 

湧矢「そう、5秒。たった5秒って聞こえるけど水泳の5秒は簡単じゃない。それだけは理解しておいてくれ」

 

曜「うん、水泳で5秒縮めるのって大変だよ。」

 

果南「そんなにキツイの?」

 

湧矢「血の滲むような努力しないと縮まない。その間に肉体が故障すると東海を諦めないといけないこともある。」

 

梨子「そうなの?」

 

湧矢「まぁ、怪我したら勝てないってことだ。」

 

ルビィ「怪我には気をつけないとですね」

 

花丸「じゃあストレッチは入念にするずら」

 

湧矢「そうだな」

 

俺はすぐに後ろの方で少しストレッチをして体をしっかりほぐして休めておく。こうして俺は無事に東海出場を果たして1日目を終えた。翌日の大会で2種目となる。

 

湧矢「明日も頑張らないとな…この足の痛みが来ないといいが…」

 

それだけ胸に決めて明日の大会への不安を持ちつつも1日目の残りは応援をしっかり行った。

 

 

 




はい、今回は短いですが前編終了です。順調に行けましたね、湧矢は。しかし、タイトルから察してくれる方もいると思います。次は鬼門です。
次の話が結構長くなるかも…しれません。無事に東海ですが次回でどうなるのか、それはわかりませんね。無事に2種目行けるのか!?

それでは次回、またお会いしましょう。


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Aqoursのみんな、そして俺 第37話〜大会・喜劇・悲劇〜 後編

ご無沙汰してます、私です。
夏休みなのに勉強漬けの日々でなかなか取り掛かれませんでした…すみません。
お待たせしました、後編に入りたいと思います。今回なんですが、かなり湧矢荒れます。

それでは本編、どうぞ!


朝起きてから足に異常を感じていた。今までよりも強く痛む。心当たりはいくつかあった。連日の練習、大会…正直コンディションはかなり良くなかった。

 

湧矢「行くしかないよな…」

 

覚悟を決めて2日目の大会に望んだ。

 

花丸「湧矢さん、東海行ける?」

 

湧矢「さぁな…正直今かなりコンディションは良くないし、相手によるかな。」

 

果南「大丈夫?ストレッチしとく?」

 

湧矢「いや、アップしてからでいい。んじゃ、行ってくる」

 

そう言って俺はすぐに応援席から出ていく。膝はかなり痛むがアップして体を動かしてストレッチでもすれば良くなると思った。

 

前田「おっす、いよいよお前の2種目目の東海が掛かった大事な大会だな。気合入ってるか?」

 

湧矢「力みすぎない程度にな。やれる所までやるしもちろんトップ目指す予定」

 

前田「それだけ言えれば問題ないだろ、んじゃ頑張れ。」

 

前田はそう言ってロッカールームに戻っていく。俺も早めにアップを済ませ、何本か飛び込みをしてから戻った。だが飛び込みの最中にも終始嫌な予感がしたのは言うまでもない。なにか良くない事がおきそうな気がしてならなかった。

 

湧矢(なんだか…嫌な予感がするな…当たらないといいが…)

 

この日はじいちゃんも応援に来ていた。じいちゃん、Aqoursのみんな、前田、水姫、正直応援こんなにいらないと思うくらいたくさんの人が来ていて嬉しい反面恥ずかしかった。

 

アナウンス「それでは、開会式を始めます。」

 

開会式が始まった。俺の種目は1番最初、200メートル個人メドレーだ。開会式からかなり緊張している。既に400の方では東海出場を果たしたが、200で同じように行けるかというとかなり不安が募る。力を入れるタイミングが違うためだ。

 

アナウンス「それでは只今より、200メートル個人メドレーをはじめます。プールに大きな声で挨拶をしてから召集場所に集まってください。」

 

アナウンスのあと、全員でいっせいにプールに向かって挨拶をする。隣で前田が大きな声で挨拶をしているのを聞いて負けじと大きな声で挨拶をした。

 

湧矢「行ってくる。」

 

前田「おぅ!応援は任せとけ、かき消すくらいに応援してやるからな!」

 

湧矢「周りの迷惑にならん範疇で頼む。」

 

前田「はいよ」

 

それだけ言って俺は前田とハイタッチを交わし、召集場所に向かっていった。

 

Aqoursside

 

千歌「出れるかな、湧矢くん。」

 

曜「きっと出れるよ。あんなに頑張ってたんだから」

 

梨子「でも見てる側も結構不安よね」

 

ダイヤ「湧矢さんなら大丈夫ですわ」

 

ルビィ「ルビィ、おっきな声で応援するね。」

 

鞠莉「大丈夫、今は信じましょう。湧矢をね」

 

善子「ヨハネの加護があるのだからトップ間違いなしよ、絶対ね。」

 

花丸「善子ちゃんの加護だとよくないと思うんだけど…」

 

善子「うっさい!」

 

果南「まぁまぁ、精一杯応援しよっか」

 

正直言うなればかなり不安だった。彼は朝少し足を痛めていたらしい。彼のおじいちゃんから聞いた話、水泳をやっていると必ずしもなることだから仕方ないのかもしれないとのこと。

 

千歌「どうか東海に行けますように…」

 

私は水泳の神様にお願いするように小さな声で呟いた。

 

湧矢side

 

アップを終えて召集場所に向かい、名前が呼ばれた。すぐにスタンバイをしていつでも泳げるように体を解しておく。

 

湧矢「不安しかないな…あれをやってもらってないから」

 

あれとは前田が昨日俺にやった合掌した手を思いっきり両手で叩いてもらうあれだ。もちろん一人でやることは出来ない。ハイタッチを交わした以上、ライバルに負けるわけにはいかないと思った。

 

アナウンス「それでは只今より、200メートル個人メドレーをはじめます。なお、この種目でベスト8に残った者のみ東海大会に出場出来ます。」

 

1レーン目から順に名前が呼ばれていく。そして5レーンで俺の名前が呼ばれた。

 

アナウンス「5レーン、前島くん」

 

立ってお辞儀をする。ベストコンディションではないが泳げないほど体調が悪い訳でもない。怪我ならば多少スピードは落ちるがトップを狙えるように工夫すればいい。使うのは主に手と肩の筋肉、そこに重点を置けば問題ない。

 

アナウンス「では、はじめます。よーい…」

 

ピッという音と同時に選手はいっせいにスタート、バタフライからトップスピードで隣の選手との差を広げることにした。バタフライは手の動きと呼吸のタイミング、キックの強さで速さが決まる。痛む足で早く泳げるのかというとそれは難しい。

 

湧矢(…足が痛む…トップかも分からないくらいになりそうだな…)

 

足の痛み、隣の選手との差、それだけを気にして泳ぎ続ける。ターンして背泳ぎ、背泳ぎは手と肩を軸にして描き進めた。トップで100メートルを泳ぎ、平泳ぎに移る。すると平泳ぎで異常なほどの痛みが出た。

 

湧矢(…っ!このやろ…)

 

膝の痛みに耐えながら最後のクロールに、最後まで痛みに耐えながらもなんとかトップでゴール。

 

千歌「やったぁ!トップだよ!」

 

梨子「やったね!」

 

嬉しそうに観客席でみんなが喜んでいる。結果は2分3秒56となった。プールから上がりダウンに向かう。

 

コーチ「…あいつまさか…あの歩き方…」

 

この時コーチは俺の足に異常があることに気づいていた。

ダウンをしていると俺はコーチに呼ばれた。

 

湧矢「どうかしましたか?」

 

コーチ「…湧矢、申し訳ないが東海大会は辞退しろ」

 

湧矢「…え…?」

 

コーチ「お前、足を怪我してるだろ。それもかなりひどい状態だ。恐らくだが平泳ぎ膝、半月板損傷だ。」

 

湧矢「…バレてましたか…」

 

コーチ「…お前の歩き方でわかった。歩く時妙に右膝をかばって歩いてたからまさかとは思った。このままいけばお前の足の骨が変形するかもしれない。」

 

湧矢「…それでも辞退したくないです…アイツらとの約束もあるので…」

 

コーチ「今のお前なら治療か大会どっちが大事かなんてわかるはずだ。今は治療に専念しろ、二度と水泳が出来なくなるかもしれない。手術必須にまでなればもっとブランクが空く。お前ならどっちが重要かなんて考えればわかるはずだ、頭を冷やして少し考える時間を取れ。」

 

湧矢「……はい…」

 

悔しかった。せっかく出れると思ったのに、目標でもありアイツらとの約束でもある東海大会出場。その切符を手にしたと思った矢先に俺は東海への切符を捨てた。東海に出れたようで出れない。勝負に勝って試合に負けた気分だった。悔しさで泣きそうになった。こんな時に限っていつも俺は大事な大会で怪我をして、東海大会の出場権等を捨てていた。

 

湧矢「…くそっ…」

 

ロッカールームに戻り着替え終える。だが不思議とロッカールームから出たいとは思わなかった。あいつらに合わせる顔がない。出れると思ったのに出れない、それだけで失望されるのが怖かった。

 

湧矢「くそっ…くそぉっ!」

 

悔しさと悲しさ、申し訳なさで俺はロッカールームの壁を力任せに殴った。しかし返って来るのは拳への痛みだけ。ロッカールームから出て荷物を置くと携帯だけ持って俺はすぐに会場から出て行った。アイツらと顔を合わせたくなかった。もし出れないないなんてバレたら失望される。それが怖くて俺はアイツらから逃げた。すると曇り空から雨が降り始める。それはだんだん強くなっていき大雨となった。まるで、俺の心の悲しさと悔しさを体現したかのように。傘もささず俺は雨の中を歩き続けた。

 

Aqours side

 

ルビィ「花丸ちゃん、湧矢さん早かったね!」

 

花丸「さっき結果が出てたけど東海は無事に行けるみたいずら。」

 

善子「やはりこのヨハネの加護があったからこそ、後でアレスには感謝の意を示してもらわなければならない。」

 

千歌「…あれ?湧矢くん遅いね、ダウンから戻ってないのかな?」

 

曜「たしかに遅いよね。東海大会出場が決まったからコーチから話でも聞いてるのかな?」

 

あれから戻ってきていない。どこに行ってしまったのだろうか。電話をかけてみることにした。

 

湧矢『…はい』

 

千歌「あ、湧矢くん?今どこにいるの?」

 

湧矢『…ほっといてくれ…今は1人になりたい』

 

それだけ言って電話を切られてしまう。

 

ダイヤ「どうかしたんですか?」

 

千歌「うん、それがほっといてくれだって。どうかしたのかな…」

 

果南「待ってみるしかないね」

 

鞠莉「帰ってきたら祝ってあげないとね!」

 

突然梨子ちゃんがなにかを聞いたのか血相を変えていた。

 

梨子「…嘘…」

 

千歌「どうしたの?」

 

梨子「出てっちゃったって…」

 

善子「本当…?」

 

梨子「うん…いま彼のおじいちゃんから聞いたの…あまりにも遅いから電話を掛けて場所を聞いたら急に青ざめて…どうしたのか聞いたら会場から出てったって…」

 

果南「外って今雨じゃなかったっけ?」

 

ダイヤ「えぇ、結構降ってます。この雨の中出ていくなんて…何かあったんでしょうか…」

 

鞠莉「今は考えてる場合じゃないわ、探さないと!」

 

花丸「とは言ってもどこに行ったのかも分からないし…」

 

ルビィ「探しようがないよね…」

 

曜「でも、今は探さないと始まらないよ。とりあえず行こう」

 

梨子「そうね。見つかったら何があったのか聞きましょ?」

 

彼の尋問を確定して私達は会場から出て探し始めた。

 

湧矢side

 

雨の中を行くあてもなく彷徨う。その姿は魂が抜けた死者にも見えた。痛む足をかばいながら歩き続ける。

 

湧矢「…こんな足が無ければ…」

 

今になってまた怒りがぶり返してきた。どうして俺ばかりこんな目に遭うのだろう、どうして出場できなくなるのだろう、どんどん頭の中は悪い考えで満たされて行った。歩き続けると川原に来た。誰もいないのはもちろんだった。そこで初めて俺はびしょ濡れだということに気づき、橋の下で雨宿りを始めた。

 

湧矢「…なんで…なんで俺ばっかり水泳でこんな目に…」

 

俺は初めて水泳の神様を憎んだ。努力してきた俺を嘲笑うかのように雨は降り続ける。すると寒さからか俺はだんだん眠くなり意識が朦朧とし始めた。だが不思議と悪い気がしない。どこからか足元に猫が2匹集まって雨宿りしていた。

 

湧矢「お前らも雨宿りか…」

 

この雨の中どこから来たのかも分からない猫と少しの間だけ戯れる。頭を撫でると気持ちいいと言うかのように鳴き、俺にすり寄ってきた。

 

Aqours side

 

手分けして彼を探す。有力な手がかりなどほとんどなく、半分お手上げに近かった。

 

千歌「見つからないね…」

 

曜「どこに行ったんだろ…雨だから風邪ひいてないか心配だし…」

 

正直かなり心配だった。ロッカールームから出てきた時から元気がなさそうな顔をしていたからだ。それを見てから心配だった。すると善子ちゃんから連絡が入る。

 

善子side

 

このひどい雨の中どこに行ったのかも分からない彼を探してみんなで走り続けた。すると川原の辺りで人影が見えた。橋の下に入っていくのが見え、少し近づいて確信する。

 

善子「もしかしてあれって…」

 

もう少し近づいてそれは確実なものに変わった。そこには猫と戯れるアレスがいた。

 

善子「アレス…あんたここで何して…」

 

湧矢「…!」

 

するとアレスは見つかって怖くなったのか走って逃げ出そうとする。それを見て私はすぐにみんなに連絡を入れた。

「川原の近くでアレスを確認、すぐに来て。」

簡潔に文章を入力してアレスを追いかけ始めた。

 

千歌・曜side

 

千歌「川原だって!」

 

曜「見つけたみたいだね、すぐに向かおう」

 

善子ちゃんから湧矢くんの確認情報が入り私達は動き始める。川原に到着すると走って行く人影が見えた。

 

曜「千歌ちゃん、あれってもしかして…」

 

千歌「うん、多分湧矢くんだよ!」

 

走ってその人影を追いかける。善子ちゃんも途中から合流し、その人影との距離が縮み始めた。少ししてその人影を捕まえた。

 

湧矢side

 

見つかった。よりによって1番見つかりたくない奴らに。俺は走って逃げ出そうとする。だが足を痛めている以上無理に走ることが出来ない。それでも全力で逃げ出そうとする。痛む右足をかばいながらも走って走って走り続けて、この雨の中を逃げ惑う。

 

湧矢「…ハァッ…ハアッ…」

 

息が上がってきても関係なかった。後ろからどんどん距離が詰められる。言いたくなかった。足を怪我して東海を辞退させられたことなど言えるはずなかった。そして距離は詰まり、俺は滑って転び、そして捕獲された。

 

千歌「…ハァッ…ハアッ…やっと捕まえた…」

 

曜「…早いよ…」

 

善子「…この雨の中何しに行ってたのよ…」

 

湧矢「…ほっといてくれ…1人になりたい…」

 

千歌「…ほっとくわけないじゃん。」

 

だが俺が歩き始めた時に曜が俺の以上に気づいた。

 

曜「もしかして…足…」

 

湧矢「……チッ…」

 

千歌「…足がどうしたの…?」

 

善子「あんたもしかして…」

 

湧矢「…その通りだ…俺は足を痛めてる…」

 

曜「そんな状態で大会に?」

 

湧矢「東海が掛かった大事な大会なんだよ!」

 

俺は声を荒あげる。続々と合流し始め、全員が揃った。

 

鞠莉「どうしてこの雨の中出てったの…」

 

湧矢「…」

 

ダイヤ「心配しましたよ?」

 

湧矢「…」

 

答えることなく歩こうとする。逃げたかった。コイツらに全部教えるくらいなら身投げした方がマシだ。東海への切符を失った俺がこの場にいるなんて場違いだと思った。川に向かって歩こうとすると腕を誰かに掴まれる。

 

果南「…逃げようとするの…やめなよ」

 

湧矢「どうでもいいだろ…ほっといてくれよ!」

 

ついに俺は今までの悔しさとかが爆発して怒り始めた。強引に手を振りほどこうとするが果南はその手を離そうとしない。

 

ルビィ「教えてくれませんか…何があったのか…」

 

湧矢「…お前に何がわかる…お前らに何がわかる!こんな悔しさも悲しさも虚しさも何一つ分からないだろ!」

 

恐怖で怯え始める者もいた。知られたくなかった。優しくされたくなかった。わかって欲しくなかった。理解されたくない、怖い。そんな気持ちが俺を支配した。

 

バチンッ!

 

突然俺の右頬が熱くなる。鞠莉が俺をビンタしていた。

 

鞠莉「何があったの…話して…」

 

湧矢「…半月板損傷…」

 

曜「それって…」

 

湧矢「…怪我の名前だ…」

 

花丸「怪我…ずら?」

 

湧矢「もう出れないからだよ…東海大会に…」

 

梨子「どういうこと?」

 

湧矢「怪我してるからだ…」

 

ダイヤ「どうして言ってくれなかったんです?」

 

湧矢「この怪我は悪化すると手術が必要になる…俺はコーチに半月板損傷が慢性化し始めてるって言われた…酷くなると変形性膝関節症になり骨が変形して激しい運動が難しくなる…正直今足を伸ばすのも辛い…」

 

ルビィ「そんなに辛いの…?」

 

湧矢「だからほっといてくれって言ったんだよ…もう良いだろ…笑えよ…失望しただろ…俺に…」

 

千歌「そんなわけないでしょ!」

 

千歌が俺の元に来る。

 

千歌「そんなので失望するわけないでしょ!一生懸命やったのに出られなくて、そんなことになって失望するわけないでしょ!」

 

曜「そうだよ!そんな怪我で出られないのに失望なんかしたら失礼だよ!」

 

梨子「むしろそんな怪我で大会に出てたのが凄いくらいよ…」

 

湧矢「お前らに合わせる顔がないだろ…あんなに早く泳いでたのに東海に出られないなんて…」

 

ルビィ「そんなわけないよ!よく頑張ってたもん!ルビィ泳いでる湧矢さんがかっこよく見えたもん!」

 

花丸「怪我なら直せばまたリベンジできるずら。今は治療が先ずら」

 

善子「あんたがそんな怪我で大会に臨んでたのが心配だったのよ…いつ酷くなってもおかしくなかったんでしょ?」

 

湧矢「…期待を裏切っただろ…あの日言っただろ…東海に出るって…」

 

ダイヤ「湧矢さん…そんな約束に囚われてましたの?」

 

湧矢「…?」

 

果南「確かに約束はしたよ。でも怪我が酷くなってまで東海に出て欲しいとは思ってない。」

 

湧矢「…」

 

鞠莉「むしろ酷くなった時の方が嫌だったの。その怪我…今から悪化すると入院レベルでしょ?」

 

湧矢「…慢性化すればな…」

 

鞠莉「やっぱり…」

 

意外だった。あの日の約束に囚われ無理やり出ようとしてた俺が恥ずかしかった。失望されるのが怖くて無理して取り繕って、それでも失望ではなく励ましの言葉をかけて心配された。

 

湧矢「…なんだよ…これ…」

 

自分が情けなくて泣けてきた。悔しさも悲しさも全部受け止められた。それどころか失望も落胆もせず東海に行けなくて絶望してる俺に手を差し伸べてくれた。

この雨の中俺は声を殺して泣いた。その間も手を離さず、ずっと手を握られていた。会場に戻るとコーチに死ぬほど怒られ、心配をかけたことや東海に出られないことを話し謝罪した。前田も水姫も残念そうな顔をしてると思ったら心配の言葉と治療が終わったらまた勝負しようと言われた。閉会式を終え会場を出る。

 

湧矢「…ありがとな…」

 

千歌「ん?何か言った?」

 

湧矢「…ありがとなって言ったんだよ…」

 

千歌「うん!じゃあ治療に専念だね!」

 

終わったわけじゃない。治療が終わったらまたリベンジができる。直したらまた1から練習を始めて東海どころか全国まで行ってしまおう、そう思って夕日に照らされた道を歩いていくのだった。清々しいくらいに夕焼け空が眩しく見える。治療のことを考えよう、終わった過去をいつまでも引きづるのは良くないことだ。アイツらに言われたその言葉だけ頭の中で再生してじいちゃんのところに向かうのだった。




はい、37話でした。かなり荒れさせました。東海大会に出れるだけでも相当な実力です、それを辞退したんですから悔しさも人一倍ありますよね。次回をどうしようか未定です。リクエストとか募集しますのでこれを書いて欲しいとかあればどんどんください!

それでは、次回またお会いしましょう


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Aqoursのみんな、そして俺 第38話 〜励まし〜

ご無沙汰してます、お盆休みも家で力尽きてました。私です。

さて、前回最後にリクエストを募集してました。まだ募集してます、どしどしリクエストください!

はい、今回なんですがリクエストを貰ったので曜ちゃんと鞠莉ちゃんがメインになると思います。友情ヨーソローのコンビですね。なぜこの2人なのかというと、鞠莉ちゃんは足の関連で、曜ちゃんは水泳関連でってことです。

それでは本編、どうぞ!


沼津に戻ってからも気分が優れることは無かった。足はまだ痛むしリハビリも並行してやらなきゃいけない。やらなきゃいけないことの方が圧倒的に多い。何よりまだ東海でのことを引き摺っていて頭の中がその後悔で埋め尽くされててやる気が起きなかった。最近まともにご飯を食べたのがいつだったかも覚えてない。

 

湧矢「…また…思い出したな…」

 

またあの時のコーチとの話の光景が浮かぶ。東海で今頃頑張ってるヤツらがいる中俺は足のせいで出られないことに激しく苛立っていた。ランニングも、筋トレも、何も出来ないことが悔しくて仕方ない。

 

湧矢「…外、行くか」

 

着替えてカロリーメイトをひとつかじり、夏の暑い中外に出る。黒い半ズボンに藍色のトップス、帽子をかぶって誰かに見つからないようにする。携帯と財布、イヤホンだけ持って鍵をかけて外に出かけた。

 

曜・鞠莉side

 

曜「やっぱり気分が優れないのかな…」

 

沼津に戻ってからも気分はまだ優れていない様子だったのは確かだ。あの日、泣きじゃくって向こうでチームメイトに励ましの言葉をもらっていたが後悔のあるような目をしていた気がする。

 

鞠莉「湧矢が心配?」

 

曜「鞠莉ちゃん…うん、心配」

 

鞠莉「そうよね…あんな目をしていたから心配よね。じゃあ励ましに行きましょ?」

 

曜「うん、行こう!」

 

短く会話をして私達は彼の家に向かう。まだ東海を諦めきれてない、まだ足枷のように重く残っているのかもしれない、そんなように思えてしまった。

 

湧矢の家

 

彼の家に着いてチャイムを鳴らす。だが返事がなかった。ドアを引くが鍵がかけられていて開かない。どこかに出かけたのか、それとも開けたくないのか、全くわからなかった。とりあえず彼を探すことにするのだった。

 

湧矢side

 

暑い中歩き続けて途中の自販機でコーヒーを買って浜辺に寝そべる。コーヒーの缶を置いて浜辺で空を見上げていた。今頃東海が行われている時間か、そんなことを考えてまた悔しさとむなしさが込み上げてきた。照りつける太陽に向かって手を伸ばす。届くことのない俺の手は無情にも空を向けられているだけでなにも掴んではいなかった。

 

湧矢「届かないな…あの光には…」

 

まだ後悔している。終わったことなのに、終わって次また頑張ろうって言われたのに、まだ諦めれない。今から戻って大会に出たい、そう思っても希望なんてもうない。立ち上がることなく浜辺で寝そべったままずっと空を見上げて時間が過ぎるのを待つ。あいつらに見つからないだろうか、そんな不安だけが俺の頭の中に残っていた。

 

湧矢「はぁ…」

 

また溜め息。運が逃げるとか噂されてるけどため息が出るほど酷く蹴落とされた。試合には勝ったのに勝負には負けて、大きな敗北感だけが俺の中に残っていた。まだ東海に出ている自分が想像出来る。ここまで来ると痛いヤツだ。でもあんな敗北じゃ残るのは悔しさと虚無感、それだけだった。すると、浜辺に誰か来るのがわかった。

 

曜side

 

彼を探して歩いていると浜辺に誰かいるのが見えた。藍色で帽子をしていて、結構暗い服装をしているけど見ててわかったことがある。彼だ。

 

曜「湧矢くん?」

 

湧矢「…曜…」

 

気持ち的にもかなり暗い。まだあの時のことが忘れられないんだと思うと胸が締め付けられる。

 

曜「隣、いい?」

 

湧矢「…」

 

何も言わない。私は隣に座り込み、水泳をしていた時の悔しさとかを話すことにした。

 

曜「私ね、水泳部もかけ持ちしてるんだ。たまに大会に出てるんだけど大事な大会で負けちゃって、その先に進めなかったの。悔しかった。もちろん勝てなかったこともそうなんだけど努力が足りなかったのかなとか、泳ぎのフォームが悪かったのかなとか、いろんな悪い考えが頭の中に浮かんでどんどん悪い方に考えちゃったの。でもね、お父さんに励まされたんだ。下ばかり向いてちゃダメだ、今は無理でもそこから這い上がれ。そして前を見て、まずは1歩踏み出せ。そしたら必ず虹が見えるからってね。」

 

湧矢「…そうか」

 

黙って聞いてから短く返事をした。おそらく彼は今私と同じような状態にある。パターンは違えど同じ水泳をやっていたもの同士、そこからまずは手を引いてあげないといけない。鞠莉ちゃんに連絡してしばらく2人で海を眺める。鞠莉ちゃんが到着すると私は彼の手を握って行きたい場所があるとだけ言った。

 

曜「ね、鞠莉ちゃんと3人で行きたいところがあるの。今から行かない?」

 

湧矢「…」

 

鞠莉「あら、NOとは言わせないわよ?過去を引きずるのはノンノン、明るく前向きに行きましょ?」

 

湧矢「…あぁ…」

 

手を引いて立ち上がらせる。私が彼と一緒に行きたい場所、それはびゅうおだった。もうすぐ時刻は夕方になり始める。びゅうおの中に入りベンチに3人で腰掛ける。すると鞠莉ちゃんが口を開いた。

 

鞠莉「まだ諦めきれない?」

湧矢「…当然だ…あんなふざけた負け方したらな」

 

鞠莉「でもね、私達はそう思ってないの。」

 

湧矢「?」

 

鞠莉「あの時はたしかに残念だとは思った。でもね、精一杯やって負けたのなら誰も笑わないと思うの。それを笑う人はまともな努力もしてない人だから。これは私の過去の話なんだけど…私ね、1年生の時にスクールアイドルやってたの。東京のイベントに呼ばれた時に私は足を負傷していた。途中で足を捻挫して、それでもライブをやった。でもね、果南もダイヤも私のことを思ってなのか歌わなかった。もちろん結果は最下位。酷い敗北をした。結果を残せなかった。その時まで私は留学の話が沢山来ててね。留学のことを断ってたのがバレてたみたい。その数日後に解散、2年も時間を無駄にして3年でまた立ち直ったの。」

 

湧矢「…鞠莉にもそんなことが…」

 

鞠莉「だからね、必ず立ち上がって欲しい。立ち上がってくれないなら私たちが手を引いて助けてあげる。辛い時には手を取り合うのが大切でしょ?」

 

曜「だから今は泣いてもいいよ。」

 

湧矢「…うぅ…」

 

そこから彼は声を殺して泣いた。声を上げるのは恥ずかしかったのだろう。あの時も雨の中泣いていたがここでも彼は泣いた。

 

湧矢side

 

2人の過去のことを聞かされた。2人とも負けを味わい、鞠莉は友情関係が無くなったことまで聞いた。俺はそれを黙って聞いていた。自分のことと照らし合わせて、敗北を乗り越えて立ち直ったことを聞いて、いくつも共通点があった。自然と涙が溢れ出す。大粒の涙が溢れて止まらない。

2人に寄り添われながら俺は子供のように泣いていた。戻ってからもかなり荒れていてストレスばかり貯めて、あの時の光景がまだ頭の中でフラッシュバックしてそれでまた悔しさを味わって、その無限ループみたいな感じだった。ようやく俺はこの悔しさの無限ループにケリをつけられる。そう思うと涙が溢れて止まらない。

 

湧矢「…諦めれなかった…東海を…水泳を…」

 

曜「うんうん、今は泣いてもいいよ。いつでも励ましてあげる。」

 

鞠莉「いいの、また頑張ればいい。今度はその足を治して万全な状態でね。今はあの過去を乗り越えることだけ考えて?」

 

2人に抱きしめられて、俺は泣きじゃくる。まるで子供だ。夕焼けの中泣き続けた。その間も2人は俺の横にしっかりと

寄り添っていた。涙がようやく止まるころにはあの時の光景がフラッシュバックすることも無くなった。

 

湧矢「…なんか子供みたいな1面みせたな」

 

今になって恥ずかしくなる。だいぶ弱い一面を見せた。

 

曜「良いって。あの時の悔しさは湧矢くんしか知らないもの。でもね、もし落ち込んでたら話は聞くしいつでも励ますよ。だから一人で抱え込まないで欲しいな」

 

鞠莉「溜め込んでもいい事ないよ?まずは笑顔から、そこからまた1歩踏み出せばいいの。落ち込んでたらいつでも頼って?」

 

湧矢「…そうする。サンキューな」

 

お礼を言うと同時に俺は笑った。もう大丈夫、終わったことを引きずる事もないだろう。帰る頃には夕陽が沈み夜になる。その頃にはきっと、あの時のことでクヨクヨするとこもないだろう。俺の笑顔を見て2人もとびっきり素敵な笑顔で笑った。夕陽に照らされながらみんなでびゅうおを後にする。

 

俺の心の中にはもう、あの時の悔しさや虚しさはほとんど残っていなかった。

 

 

 




はい、短いながらですが彼、立ち直りましたね。時間的には午後という形で表してます。意外と涙脆いのかな、と思ったのかもしれませんが結構涙脆い感じです。
次回なのですが、残念なことに未定です。どうしよう…まだリクエストは募集してるのでどんどんコメントしてくださいね!


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Aqoursのみんな、そして俺 第39話〜夏祭りに行こう〜

いやはや1週間ぶりですね、私です。ちゃんと生きてます

実は案が尽きてまして…かなり無理やり引っ張り出してきてますw

さて今回ですが、唐突に夏ということで夏祭りになりました。もう夏も終わりかけだという現実の問題は完全無視し、小説の世界に入りましょうか。

それでは本編どうぞ!


千歌「ねぇ、夏祭りって行く?」

 

湧矢「夏祭り?」

 

唐突に夏祭りの話題を出された。もうそんな季節か、と思ったがここの夏祭りには参加したことがない。あんまり最近祭りごとに参加するわけでもないから興味があるわけでも無いのだ。

 

湧矢「いや、無いな。そんなに盛大なのか?」

 

曜「うん、結構有名だよ。花火とかも結構上がるし」

 

果南「県外からも来る人がいるからね、ここの花火を見るために」

 

湧矢「そんなに有名なのか」

 

結構夏祭り自体は有名だそうだ。

 

湧矢「んじゃ、ちょっと考えとくか」

 

果南「いいの?」

 

湧矢「あぁ、たまには勉強のことを忘れて思いっきり遊びたいんだよ」

 

実際そうだった。ここの所かなり張りつめている。進路のことを考える歳だから仕方ないのかもしれないが正直やりすぎて頭がパンクしそうなのだ。暑い中でやる以上集中力が持続するかというとそうでも無い。

 

千歌「やったぁ!」

 

曜「浴衣用意とかないとね、湧矢くんを惚れさせちゃおうかな?」

 

湧矢「?何言ってんだお前ら…」

 

果南「え…それでも気づかないんだ…」

 

3人「はぁ…」

 

盛大にため息を疲れる。そんなに残念なのだろうか、それとも乙女心を知らないだけ?頭の中に理解できないほどの数式を並べて考えていた。

 

 

グループに千歌が夏祭りに参加するかの多数決を取った。もちろんの如く全員が参加、満場一致で参加が決まったようだ。家の中を探してみると父さんが使っていた男物の浴衣が残っていた。雪駄も一緒に。柄を確認するとものすごく派手だった。龍が描かれていた。

 

湧矢「派手すぎるっての…恥ずかしいわこれ…」

 

それでも浴衣の着付けの仕方など全く知らない俺はそれ以外に浴衣があるはずもないので仕方なくこの龍が描かれた浴衣を着ることにした。

 

湧矢「着付けどうしよう…ダイヤとかならわかるか。確か明日だから…」

 

俺は携帯でダイヤに電話をかける。

 

ダイヤ「もしもし?どうされました?」

 

湧矢「おぉ、明日お祭りあるじゃん。家に男物の浴衣あるけどどうやって着るかわからなくて…」

 

ダイヤ「そういうことでしたらお任せ下さい、キッチリ着付けをしてあげますよ。」

 

湧矢「サンキュ、んじゃまた明日な。着付けしてもらったら会場まで一緒に行こう」

 

ダイヤ「はい、ルビィと3人で向かいましょうか」

 

着付けのお願いをして電話を切る。

 

湧矢「この柄…明日切るの恥ずかしいんだけど…」

 

父さんは毎回こんな龍柄のやつを着てたのかと思うとゾッとする。父さんが着てるのを実際見てて違和感はほとんどなかった。それなら多分俺でも着れるだろう。

 

湧矢「ま、明日を楽しみにしておくか」

 

そして俺は勉強に戻るのだった

 

翌日

 

午前は部活をしていた。

 

果南「はい、じゃあ休憩ね」

 

千歌「暑いよー…」

 

絶賛屋上で暑さにやられているやつらがいた。

 

湧矢「ほれ、お疲れさん」

 

千歌「ひぁっ!?」

 

千歌の首に冷えたスポーツドリンクを持っていく。可愛らしい悲鳴をあげて頬をふくらませていた。

 

千歌「もうっ!不意打ちはダメだよ!」

 

湧矢「隙だらけだから仕方ない」

 

曜「えいっ!」

 

湧矢「っ!?」

 

突然後ろからペットボトルが当てられる。曜からの攻撃だった。

 

曜「引っかかったね!」

 

湧矢「やられたな…」

 

そう言ってほかのメンバーにもペットボトルを配る。

 

善子「感謝する、アレス」

 

花丸「ありがとうずら〜あ、お祭りどうするずら?」

 

ルビィ「浴衣準備しておかないとね」

 

みんながお祭り談義を始めた。ダイヤたちにも飲み物を配っていく。

 

ダイヤ「ありがとうございます、午後浴衣を持っていらしてください。着付けをしますので」

 

湧矢「はいよ、んじゃ練習終わって軽くシャワー浴びたら向かう。」

 

ダイヤ「では私も帰ったら少し体を洗って…」

 

鞠莉「アラ〜?もしかしてお祭りデート?」

 

ダイヤ「鞠莉さん!?違います!」

 

果南「あれ、湧矢浴衣とかあるの?」

 

湧矢「家に一着父さんが着てたものが残ってる。それを使うしかないけどな」

 

果南「じゃあ私もダイヤに着付け頼んじゃおうかな」

 

ダイヤ「それなら来てくれれば問題ありませんわ、みなさんで向かいましょうか」

 

その日の練習は半日で終わった。家まで急いで帰り、お昼を済ませる。シャワーを浴びて髪を整え、財布や携帯、家の鍵に浴衣を持ってダイヤの家に向かう。

 

ダイヤside

 

湧矢さんが家に来る。それだけで酷く緊張してしまう。浴衣を着たらどんな風になるのか、どんな浴衣を持っているのか、それが気になる。

 

ダイヤ「なんだか…胸がモヤモヤします…」

 

前の浜松でのことから彼のことを考えると胸がモヤモヤする。普段はあんなに頼りになるのにあの場面ではとても弱々しくて、少しでも力を入れたら壊れてしまいそうなくらいだった。彼のことで頭がいっぱいで最近では勉強に身が入らない時がある。

 

ダイヤ「…破廉恥ですわ…」

 

虚空に呟いたその言葉は誰にも聞こえることなく虚空に消えていった。

 

湧矢side

 

ダイヤの家について玄関のチャイムを鳴らす。すると中から綺麗な女性が1人出てきた。

 

??「あら、どちら様で?」

 

湧矢「はじめまして。前島湧矢です。ダイヤさんに用があって…」

 

??「あら、そういうことでしたの?ダイヤ、最近随分考え事をしていたから何かと思ったのだけれど…」

 

ダイヤ「お母様!今はそんなこといいですから!」

 

ダイヤの母「あらあら、余計なお世話だったかしら。」

 

ダイヤ「湧矢さん、行きますわよ!」

 

湧矢「お、おう…」

 

ダイヤに手を引っ張られてダイヤの部屋に連れて行かれる。既に鞠莉も来ていたようだ。果南も浴衣に着替えていた。

 

湧矢「ビリだったな、今回の俺は」

 

鞠莉「じゃあビリの湧矢には射的で景品を取ってもらおうかしら?」

 

湧矢「合点」

 

ダイヤ「さ、着付けをしますから浴衣を出してください」

 

俺は言われた通り浴衣を出す。広げた瞬間にダイヤが口を開けていた。

 

ダイヤ「すごい浴衣…龍が描かれているものなんて初めて見ました」

 

湧矢「…父さんからのお下がりなんだよ…これしか置いてかなかったみたい」

 

果南「アハハ…着るの勇気いるやつじゃんそれ」

 

鞠莉「とってもcoolな浴衣ね、着替え終わるまで待ってるから着替えてらっしゃい?」

 

湧矢「はいよ…」

 

先が思いやられる。こんな恥ずかしい浴衣初めて見た。父さんは似合っていたが俺が似合うかどうかは別問題。

 

ダイヤ「では肌着に着替えてください。」

 

湧矢「はいよ」

 

俺は言われた通り肌着に着替える。もちろん着替えている間はダイヤには後ろを向いてもらっていた。

 

ダイヤ「では、浴衣に袖を通したら袖を持って背縫いを背中に合わせてください。」

 

湧矢「…それはいいんだけど…浴衣の柄を見て笑わないよな?」

 

俺は浴衣を着て背縫いを合わせる。

 

ダイヤ「なるほど…いいデザインだと思いますよ。湧矢さんのお父様が龍の柄を着ているのは予想外でしたが、黒に藍色や白を用いた龍のデザイン…男前でかっこいいですよ」

 

湧矢「そ、そうか…なんか恥ずかしいな…」

 

背縫いを合わせて着てそこから前の方を合わせ始めた。下前を左の腰骨に当て、上前合わせていく。そしたら角帯でしっかりと紐をしめていく。

 

ダイヤ「終わりました、男前でかっこいいですね」

 

湧矢「そう何度も言うなよ…恥ずかしい…////」

 

ダイヤ「あら、照れてますね?」

 

湧矢「う、うっさい!////」

 

着付けが終わったのを確認しに果南も鞠莉も入ってくる。

 

果南「終わった?」

 

鞠莉「あら、随分かっこいい柄じゃない!龍柄なんて初めて見たわ!」

 

着付けが終わるとルビィも入ってきた。

 

ルビィ「あ、湧矢さんも来てたんだね。浴衣…かっこいいね!」

 

湧矢「そんなに言うなよ…恥ずかしい…」

 

果南「あれ〜?赤くなってる?」

 

湧矢「うっさい!////」

 

真っ赤になって否定する。羞恥心がモロに出ていた。みんなを友達としてではなく異性として初めて認識した気がする。

 

ダイヤ「では行きましょうか、みなさん待ってますし」

 

俺達は浴衣で祭り会場に向かうことにした。

 

祭り会場

 

千歌「遅い…」

 

梨子「まぁまぁ、そろそろ来ると思うよ?」

 

曜「そうだね、もう少しすれば多分だけど…」

 

善子「あら、他のみんなは来てないの?」

 

千歌「善子ちゃん、花丸ちゃんと一緒じゃないの?」

 

善子「ずら丸ならあそこにいるわ」

 

花丸ちゃんはフランクフルトを1本持っていた。それを持ってこちらに来る。

 

花丸「お待たせずら」

 

これで5人揃った。残りを待つ。

 

鞠莉「チャオ〜」

 

そこに鞠莉ちゃんが到着、あとからダイヤさん、果南ちゃん、ルビィちゃん、湧矢くんが到着した。みんなしっかり浴衣を着ている。

 

曜「ようやくだね、もう始まって少し経っちゃった」

 

湧矢「遅れてすまんな、浴衣着てたら時間が…」

 

果南「湧矢ったら、浴衣着たら恥ずかしがっちゃってね…反応が可愛かったよ」

 

千歌「そうなの?でも確かに…結構かっこいい浴衣着てる!」

 

梨子「龍が描かれてる浴衣なんて初めて見たよ…」

 

ダイヤ「では、はぐれないようにしながらお祭りを楽しみましょうか」

 

ダイヤの言葉でお祭りを楽しむために解散という形になった。

 

果南・鞠莉side

 

私は鞠莉と一緒に回ることにした。

 

鞠莉「こうして果南と回るのも久しぶりね」

 

果南「そうだね。あ、射的やってく?」

 

射的屋を見ると既に先客が居た。湧矢だった。

 

湧矢「すーはー…よし、行くか」

 

コルク銃を構えると景品の下の方を狙って発射。台が抜け落ち景品が落ちる。

 

果南「よーし、私もやろうかな。」

 

鞠莉「じゃあ私も!」

 

2人でお金を払って湧矢の隣に行く。

 

果南「隣、失礼するね」

 

湧矢「おっす、2人も射的?」

 

鞠莉「えぇ、もちろん。さっき湧矢に景品取ってもらう約束してたしね。」

 

湧矢「はいよ」

 

私は銃を構えて景品を狙う。あのイルカのぬいぐるみだった。

 

果南「えいっ!」

 

意外と耐久が高いのか落ちてくれない。

 

湧矢「助太刀か?」

 

果南「いいの?」

 

湧矢「任しとけ」

 

湧矢はお金を払って追加の玉を貰うとイルカのぬいぐるみの口先を狙って撃った。すると命中と同時に少しだけ動いた。

 

湧矢「口先だな」

 

果南「相当狙い定めないと無理じゃない?」

 

湧矢「安心しろ、必ず仕留める」

 

まるでハンターだった。数発してもうすぐ落ちそうなタイミング、だが湧矢には鞠莉との約束もあるからここでリタイアして鞠莉の方に向かった。もうあと2発くらいで落ちそうなくらいにまでなっているイルカの口先を狙い、しっかりと玉を当てる。すると2発でイルカのぬいぐるみをゲットし、ちょうど玉も尽きた。私は射的屋を出て2人を待つ。程なくして2人も出て来てた。鞠莉はシャチのぬいぐるみだった。

 

湧矢「んじゃ俺はなんか食べ物買ってくる。」

 

そう言って湧矢は人混みに消えていった。私達はラムネを買いに人混みに入っていくことにした。

 

湧矢side

 

湧矢「ふぅ、とりあえずなにか買おうかな」

 

そう言って歩いていると金魚すくいの屋台でダイヤとルビィが見えた。

 

ルビィ「わぁ…金魚さん可愛い…」

 

ダイヤ「家で飼うの?」

 

ルビィ「うん!」

 

ダイヤ「では数匹だけにしておくのですよ?」

 

ルビィ「じゃあ…えい!」

 

威勢のいい掛け声が聞こえたがそれも虚しくルビィの悲しそうな声が聞こえた。

 

ルビィ「う、うぅ…」

 

湧矢「どした?」

 

ダイヤ「ルビィが金魚を飼いたいと…」

 

ダイヤに声をかけ、ルビィの方を見る。ルビィは涙目になっていた。

 

湧矢「金魚すくいか…自信はないけど2匹なら行けるか?」

 

ダイヤ「では、お願いしても?」

 

湧矢「はいよ」

 

俺はしっかりと金魚の進行方向を見ながら狙いを定める。ポイの端の方で金魚をすくい上げ、3匹ほど取ってポイは破れてしまった。

 

湧矢「あれま、破れちった」

 

取れた金魚をルビィに渡しておく。

 

ダイヤ「でも金魚は取れてます。ルビィ、湧矢さんにお礼を言っておくのですよ。」

 

ルビィ「うん、ありがとう!」

 

湧矢「帰ったらしっかりお世話してやるんだぞ〜」

 

それだけ言い残して俺は焼きそばとお茶を買ってベンチに腰を下ろす。すると隣に善子が腰掛ける。

 

湧矢「どした?」

 

善子「あんたを見掛けたから一緒にと思っただけよ」

 

湧矢「焼きそば、あるけど食べるか?」

 

善子「じゃあお言葉に甘えて…」

 

善子は口を開けているだけだった。

 

湧矢「?」

 

善子「あら?あーんも出来ないの?恥ずかしいのかしら…」

 

湧矢「わかったよ…あーん…」

 

善子「……うん、美味しい!じゃあ私もやってあげようかしら…ほら、口開けなさい?」

 

湧矢「恥ずいからやめろ…」

 

善子「あら?私にはやっておいて自分は逃げるの?竜騎士なのにヘタレね」

 

湧矢「わかったよ……これでいいか…?」

 

善子「よろしい、あーん…」

 

湧矢「うん…味付けもちょうどいいな」

 

善子「あら?アレスに餌付けしてるみたいでなんだかそそられる…」

 

なんだか善子に餌付けされているみたいだった。恥ずかしくてあとの焼きそばは全てあげることにした。少し歩くと花丸がチョコバナナのところで待っていた。

 

花丸「あ、湧矢さん。お祭り楽しんでるずら?」

 

湧矢「まあな。花丸はチョコバナナか、甘いものはあんまりだな…」

 

花丸「まるは甘いものも好きだから」

 

善子「よ、ようやく追いついた…」

 

湧矢「あれ、善子。付いてきてたんだな。」

 

善子「当然よ、さっき餌付けしたのを忘れたの?」

 

花丸「湧矢さん、善子ちゃんに餌付けはダメずら」

 

善子「逆だから!餌付けしたのは私でアレスは餌付けされた側だから!」

 

善子は聞き方によっては勘違いされそうなことを言っていた。

 

花丸「まるはチョコバナナ買うけど善子ちゃんは?」

 

善子「じゃあ私も」

 

俺は待ってることにした。少しして2人がチョコバナナを持って出てくる。

 

湧矢「買えたようだな、歩きながら食べ歩きでもしようか。」

 

花丸「うん!」

 

花丸は嬉しそうにチョコバナナを頬張る。やはり花丸は食べている時が一番幸せそうな顔をするようだ。俺の料理を食べている時もとても美味しそうな顔をするのは花丸だった。

 

善子「ずら丸、あんたここに来てからどんだけ食べてるのよ…」

 

湧矢「そんなに食べてるのか?」

 

善子「そうよ。焼きそば、フランクフルト、チョコバナナ…」

 

湧矢「食べてばっかりだな…まぁ、それも花丸のいい所なんじゃないか?」

 

花丸「そうずら?」

 

湧矢「あぁ。花丸は俺の料理をとても美味しそうに食べるからな、作りがいがあるんだよ。」

 

花丸「だって美味しいのは事実だし、美味しいって思ったら顔に出ちゃうずら。」

 

湧矢「それでいいんだけどな」

 

花丸と善子はチョコバナナを食べ終えるとラムネを買いに行ってしまった。千歌が声をかけてくる。

 

千歌「おーい!」

 

湧矢「お、千歌。曜たちは?」

 

千歌「ヨーヨー釣りの所にいるよ!」

 

湧矢「はいよ、んじゃ行くか」

 

ヨーヨー釣りの屋台に着くと曜と梨子が立って待っていた。

 

曜「おそーい、どこまで行ってたの?」

 

湧矢「人混みに聞いてくれ」

 

梨子「まぁまぁ…疲れ気味だけど大丈夫?」

 

湧矢「問題ないよ。あ、そうだ。さっきこんなの見っけたんだよ。ほい」

 

千歌「風車?」

 

湧矢「そ。部屋とかに飾っておきな、風が吹くと綺麗に回るよ。3人のイメージカラーで買ったんだ」

 

梨子「綺麗…貰ってもいいの?」

 

湧矢「良いんだよ、俺も少なからず楽しんでるし」

 

千歌「あ、もうこんな時間!」

 

湧矢「どうした、なんかあるの?」

 

曜「花火だよ!早く行こう?取っておきの場所があるの!」

 

2人に案内されて向かう。ほとんど人が来ない場所に連れてこられた。少しするとほかのメンバーも集結し、いつの間にか全員集まっていた。集まって少しして花火が上がり始める。

 

湧矢「…綺麗だな…」

 

鞠莉「とってもキラキラShiny…」

 

果南「そうだね…圧巻」

 

ダイヤ「何度見ても美しいですわ…」

 

善子「この光…地獄にいる悪魔にも見せてあげたい…」

 

花丸「綺麗ずら…」

 

ルビィ「お空に光る綺麗な花火…何回みても飽きないね…」

 

梨子「綺麗…言葉にならないね」

 

曜「また見たいね、こんな風に…」

 

千歌「見れるよ、何度でもね」

 

空に咲く綺麗な花火を見て言葉が出なかった。ここまで綺麗な花火を見た事がない。空に咲いては消えゆく花火を見ながら、夜の夏の芸術に酔いしれていくのだった。




はい、39話でした。

結構苦し紛れに書いたように見えるかもしれません、申し訳ございません…実は結構ネタがなくなってまして、リクエストを募集してはいるのですがなかなかリクエストも集まらずと言った状況で書き上げました。リアルのこともあって投稿も遅れました…上手く両立はしていく予定ですがどうなるかは分かりません。

絶賛リクエストも感想も募集してますのでぜひぜひリクエストも下さいね。

では、次回をお楽しみに!


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Aqoursのみんな、そして俺 第40話〜宿題と夜と線香花火〜

ご無沙汰してます、活動報告をまたひとつ書いておきました。

はい、唐突ながら案を募集します。

理由は様々ですが皆さんが思い描く湧矢とAqoursとの日常を話にしたいと思い、案を募集するという形に踏み切りました。ぜひたくさんのコメントお待ちしてます。

そんなわけでタイトル通りです、誰の宿題が終わらないんですかね…w

それでは本編、どうぞ!


Aqours side

 

千歌「宿題が終わらない!」

 

ダイヤ「へぇ…それはとてもよろしくない状況ですね…」

 

そう、私は絶賛課題が終わっていなかった。遊びすぎたのもあるが練習もあってなかなか手をつける暇がなかった。

 

曜「進行状況によるけどどれくらい終わってないの?」

 

千歌「ちょっとは手をつけたけど…」

 

善子「けど…どれくらいあるのよ」

 

千歌「まだ結構…」

 

ダイヤ「…ぶっぶー、ですわ!!」

 

千歌「ごめんなさい!」

 

当然のごとくダイヤさんのぶっぶーですわ!が飛んでくる。それも仕方ないのだが…

 

鞠莉「それなら、湧矢に助けを求めるとかは?」

 

果南「あ、その事なんだけどね…」

 

ルビィ「どうかしたの?」

 

果南「湧矢、今リハビリ行ってるの。」

 

花丸「そっか、足の件で…」

 

梨子「そうなると今から練習してたら千歌ちゃんの宿題が間に合わないかもね…」

 

果南「私連絡してみるよ。その間でどうするか決めといて?」

 

ダイヤ「わかりました」

 

リハビリに行ってる湧矢の携帯に電話をかける。何回かコール音が鳴って湧矢が電話に出た。

 

果南「あ、もしもし?」

 

湧矢『もしもし、どしたよ。』

 

果南「実はね…」

 

私は湧矢に千歌の課題のことを説明する。説明し終えて

 

湧矢『了解、俺ももう少ししたらそっち向かうから。俺の家でやるといい。あと果南、さりげなくお前も終わってないだろ?』

 

果南「ギクッ…」

 

湧矢『わかりやすいな…じゃあ今から俺の家で特別授業だ。多分ダイヤも同じようなこと言うし』

 

果南「はーい、じゃあ切るね」

 

私は電話を切ると湧矢に言われたことを説明した。

 

ダイヤ「なるほど…では湧矢さんの家に向かいましょうか。千歌さんの他でまだ課題が済んでないのは…」

 

果南「…はい…」

 

善子「…」

 

曜「……」

 

ダイヤ「…とりあえず状況は理解しました、向かいますよ」

 

部室をあとにして彼の家に向かうことになった。

 

湧矢 side

 

医師「うん、順調に回復はしてるよ。このまま行けばもうあと半年とちょっとくらいで半月板損傷のリハビリは終われるかな?ただ、慢性化のちょっと前の段階だから今はまだ痛むと思うけどね。」

 

湧矢「えぇ、実はまだかなり痛みます。」

 

医師「今日は気をつけて帰りなさい、激しい運動も控えること。」

 

湧矢「わかりました。次のリハビリはいつ頃に?」

 

医師「そうだねぇ…来週の半ばかな。」

 

湧矢「わかりました、その日は空けておきます」

 

そう言ってカウンターで料金を払い病院をあとにする。バスに乗って家に戻る。家に着くとみんなが俺の事を待っていた。

 

千歌「あ!やっと来た!おかえりー!」

 

湧矢「わざわざ家の前で待たなくてもいいと思うんだが…まぁいいや、入れ。涼しい環境の方がやりやすいだろう。課題に付き合ってやるから今日で終わらせるように」

 

千歌「えー!」

 

湧矢「えーじゃない」

 

果南「むぅ…」

 

湧矢「ほっぺを膨らませてもダメだ、終わらないと成績取れないどころか練習に支障が出るだろ」

 

曜「それは確かに…」

 

善子「ヨハネの真の力を解放して終わらせるしかないようね…」

 

課題を今日で終わらせることが確定し全員を家の中に招き入れる。

 

湧矢「千歌は相変わらず数学と化学…曜は英語…善子は国語に日本史…果南は物理…了解。」

 

ダイヤ「なんとかなりそうですか?」

 

湧矢「他の奴らに協力をあおがないとこの量は難しい。千歌と善子が特に問題だ、多分あんまりやってないだろう」

 

ワークのページをパラパラと捲るが課題として設定されている1番最後のページまでの中で6割が埋まっていない

 

梨子「じゃあ千歌ちゃんと曜ちゃんは私が見るよ」

 

鞠莉「じゃあ果南は私ね」

 

花丸「善子ちゃんはまるとルビィちゃんで何とかするずら」

 

ダイヤ「では私は…」

 

湧矢「よっと…飲み物を持ってこようか、麦茶でもだすよ」

 

そう言って立ち上がるがやはり足がまだ痛む。立った時にかなり痛みが来て膝をつく。

 

ダイヤ「では私は湧矢さんのサポートですね」

 

湧矢「飲み物持ちに行くだけだから心配すんなって…」

 

ダイヤ「ぶっぶー、ですわ。リハビリから帰ったとはいえまだ痛むのでしょう?なら無理はかけられません。グラスは私が持ちますから、お茶をお願いします」

 

湧矢「はいよ」

 

俺とダイヤはキッチンに向かい、麦茶を持って部屋に戻る。みんなに麦茶をついで渡していく。

 

湧矢「じゃあ俺は自分の勉強をやるか。」

 

そう言って俺が取り出したのは大量の問題集。大学の問題集が主だ。

 

ダイヤ「…恐ろしいですわね…」

 

湧矢「そうか?」

 

鞠莉「Oh my god…そんなたくさんやるの?」

 

湧矢「いや…暇だし…」

 

大学をめざしているのもそうだが大体の問題集は解き終えている。今持っているのは大学のパソコンの問題集だ。俺がパソコンをいじっている傍ら、みんなで課題を手伝い始めた。

 

数分後…

 

千歌「ここは?」

 

梨子「ここはこの公式でしょ?だから…」

 

曜「うーん…英語見てると眠く…」

 

梨子「寝ないで、もう少し頑張ろ?」

 

2年生は梨子1人。どうしてもひとりで2人を見るのは大変そうだ。

 

湧矢「チェンジだ。曜、今から急ピッチで全て仕上げる。ついて来れるな?」

 

曜side

 

課題に対して悪戦苦闘してると湧矢くんから声がかけられた。

 

湧矢「今から急ピッチで仕上げる。ついて来れるな?」

 

曜「よ、ヨーソロー…」

 

そこからはものすごく早かった。難しい英作文も書き方となにを聞かれてるかだけ教えてもらい自分で埋めていく。埋まっていなかった回答がどんどん埋まり、あっという間に最後のページまで進んだ。

 

湧矢「よし、最後のページは自分の力でやってみな。多分解ける」

 

曜「う、うん…」

 

私は早速取り掛かる。すると意外なことにペンが進んでいた。やはり分からないところはあるから考えてしまうがそれでも前よりは格段に問題の答えを埋める速度が早かった。

 

曜「終わったー!」

 

湧矢「よし、千歌の方を見てくれ。」

 

曜「ヨーソロー!」

 

私は終わった英語のワークをカバンに入れて千歌ちゃんの課題を手伝うのだった。

 

果南side

 

私も物理で苦戦していた。物理は正直苦手中の苦手。計算があるからではなく考えにくいからだ。

 

果南「…えっと…どうなるの?」

 

鞠莉「だからこれはね?」

 

鞠莉が公式を使って説明を始めるがいまいちピンと来ない。頭の中でその状況が起こらないのだ。

 

湧矢「お困り?」

 

果南「うん…」

 

鞠莉「結構公式使ってるからわかると思うんだけどね〜」

 

湧矢「公式だけ説明してもわからんだろ。そもそも本来なら物理の問題の9割型は現実で考えれないからな。」

 

果南「どういうこと?」

 

湧矢「空気抵抗が無いって状況は真空でないといけないってこと。だから実際に頭の中で考えても答えなんて出せないよ。俺は公式覚えて数字突っ込むだけって覚えてたけど。じゃあ今から俺と交代だ、鞠莉は少し休んでおくといいよ」

 

鞠莉「じゃあそうさせてもらうわ、お願いね?」

 

湧矢「任された。ここはな…」

 

説明を受けると意外に簡単なことを聞かれていることに気がつく。こんな単純な問題なのに難しく解釈したから苦戦したのかと思うと呆れてモノも言えない。説明を受けながら最後まで課題を終わらせる。

 

果南「これで全部終わりだね、ありがと♪」

 

湧矢「ま、こんなもんだな。」

 

ダイヤ「とにかく、これであとは2人だけです。なんとかなりそうですね。」

 

湧矢「だな」

 

数時間後…

 

残りのふたりの課題も全て埋めさせ、無事に課題を終わらせることに成功する。

 

花丸「終わったずら〜」

 

ルビィ「…疲れたよぉ…」

 

湧矢「ん、お疲れさん」

 

千歌「何はともあれ無事に終わったね!」

 

湧矢「お前が時間見つけてやればこんなことになってねぇよ…」

 

外を見るともうすぐ日が沈む。

 

湧矢「そうだ。あれ、やらないか?」

 

鞠莉「あれって?」

 

湧矢「花火だよ。浴衣を探す時に出てきたんだ。沢山あるし今日の夜は花火をしないか?宿題頑張ったご褒美だ」

 

曜「賛成!」

 

梨子「じゃあ私も賛成かな。…ふふっ、楽しみだね」

 

ダイヤ「では各自連絡をしておいて下さい。」

 

保護者に連絡を入れ終わったらしく、みんな花火を楽しむ準備が出来たようだ。俺はキッチンにスイカを切りに向かう。

 

Aqours side

 

湧矢くんが居なくなったのを確認してみんなで集まる。

 

千歌「それで、みんなはどうなの?」

 

曜「やっぱり優しいし…」

 

梨子「いろいろ相談持ちかけやすいし…」

 

善子「一緒にいて楽しいしねぇ…」

 

異性としてみてくれているのか、私たちの恋心に気づいているのかが知りたかった。ぐるりと部屋を見渡すと机の上に置かれているノートに目がいく。

 

鞠莉「これは…」

 

花丸「日記帳ずら」

 

ルビィ「勝手に見るのはまずいんじゃ…」

 

鞠莉「Let's オープン!」

 

鞠莉ちゃんがノートを開ける。どうやら相当な数の日記が付けられていた。

 

ダイヤ「勤勉ですわね…」

 

果南「日記つけてるなんて初めて知った…あ、これみて?」

 

そこには大会のことについて書かれたものがあった。雨の中会場から逃げ出したこと、私たちに励まされたこと、足のこと、他にもいろいろ書かれていたが最後の一文に目が止まった。

「いつの間にか友達としてではなく異性としてみているのかもしれない」

と書かれていた。

 

千歌「…見てくれてるんだね…」

 

曜「初めて知ったよ、湧矢くんが私たちを見てくれてるの」

 

梨子「なんだか恥ずかしいね…」

 

花丸「文学作品の中にも確かこんな感じのがあるずら」

 

ルビィ「意外…でもないね」

 

善子「ツンデレはどっちよ…あんたの方がツンデレかましてるじゃない…」

 

ダイヤ「なんだか…意外な事実を知って混乱します…」

 

果南「改めてって訳でもないけどこうして見ると嬉しいね。」

 

鞠莉「じゃあ絶対落とさないとね?」

 

私たちに抱かれている気持ちを確認出来てすごく嬉しかった。異性としてみてくれてるんだと思えた。

 

 

 

夜になって庭に出る。どうやら早速始まったようだ。ネズミ花火や打ち上げるタイプの小型花火、他にもいろいろな花火を使ってそれぞれ楽しんでいる。

 

湧矢「楽しんでいるようで何よりだな」

 

ダイヤ「あら、やらないんですか?」

 

湧矢「俺は見てるだけでいいよ」

 

果南「あ、スイカ!」

 

千歌「え、スイカ!?食べる食べる!」

 

湧矢「そんな慌てなくてもスイカは逃げねぇよ、今はしっかり遊んでこい!」

 

花火で戯れるみんなを見ながらスイカに塩を降って1口かじる。夏も半ばになって来た。今日が終わったら今日のこの出来事も日記に記しておこう。毎日つけておかないといけないと思っている。俺の忘れられない日々だから。

 

千歌「最後は線香花火だよ!」

 

湧矢「じゃあ俺も参加しないとな。」

 

果南「湧矢も参加だね、はいこれ」

 

湧矢「はいよ。火をつけてっと…」

 

線香花火が火花を散らし始めた。色はついていないものの鮮やかな火花の散り方に俺は感動している。みんながみんな線香花火の光に酔いしれ、過ぎ行く夏の日々を思わせる。

 

善子「なんだか…切ないわね…」

 

花丸「綺麗…」

 

ルビィ「うん…」

 

ダイヤ「でも、なんだか寂しく感じますね…」

 

果南「そうだね…もう少ししたら夏も終わっちゃうもんね…」

 

鞠莉「そしたら私達は進路に向かうだけだものね…」

 

千歌「大丈夫、またみんなで集まれるよ」

 

曜「千歌ちゃん…そうだよね」

 

梨子「また来年も、再来年もね…」

 

千歌「Aqoursは湧矢くんも含めて10人だもん…来年も再来年もきっとみんなで集まれるよ」

 

湧矢「千歌…」

 

どうやら線香花火の方も終わりが近くなったのか、より一層火花が散り始めた。絶え間なく出る火花が終わる頃、みんなの線香花火が一斉に落ちて終わった

 

千歌「終わっちゃったね…」

 

湧矢「さっき言ったばかりだろ、またみんなで集まれるってな。だから大丈夫だ。さ、スイカを食べよう」

 

線香花火が終わってみんなでスイカを頬張る。心做しかそのスイカはいつもより甘く感じた。星が煌めく内浦の夜、俺たちは花火とスイカで夏を満喫した。

 

千歌「じゃあまた明日ね!」

 

曜「おやすみ!」

 

梨子「おやすみなさい、あんまり無理しちゃダメだよ?」

 

花丸「湧矢さん、おやすみずら」

 

ルビィ「湧矢さん、明日の部活で!」

 

善子「アレス、また次の部活もちゃんと来なさいよ!」

 

ダイヤ「おやすみなさいませ、また明日部活で」

 

果南「湧矢、おやすみ!今日は課題手伝ってくれてありがとね!」

 

鞠莉「湧矢、おやすみなさい!ちゃんと女の子の恋心について勉強しておいてね?」

 

湧矢「うん、おやすみ」

 

全員が帰ったのを見届け、俺は部屋で今日のことについて日記帳に書き記す。二度と今日を忘れないようにするために、楽しかった思い出を日記に書き記し始めた。




そんなわけで第40話でした。

何となくこんな感じの夏休みを過ごしたかったと思ってます、ずっと家にこもってるのが私の夏休みでしたw

さて、活動報告を見てもらえればわかるようにアイデアを募集してますのでぜひぜひ気軽にアイデアをリクエストしてくださいね。

ではまた次回お会いしましょう!


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Aqoursのみんな、そして俺 第41話〜旅館に温泉、そして誘惑〜 前編

ご無沙汰してます、私です。
活動報告を更新致しました、書いてあるとおりでリアルがかなり忙しい状態でなかなか書けない状況です。そんなわけでこの回も何回かに分けて書きたいと思います。

それでは本編、どうぞ!


千歌「見てよ!温泉旅行だよ!」

 

湧矢「お前また突拍子もないことを…」

 

また千歌が突拍子もないことを唐突に発言した。今度は旅行か…

 

千歌「そうでもないよ、他のみんなにはちゃんと通達したんだよ?」

 

湧矢「俺だけ除け者じゃねぇか…」

 

梨子「まぁまぁ、忙しそうだったから声をかけづらかったんだと思うよ?」

 

湧矢「まぁたしかに最近は忙しかったけどさ…」

 

ダイヤ「それはいいとして、なんでまた温泉旅行なんです?」

 

千歌「お母さんが旅館で羽を伸ばしてきなって言ってくれたから…それに、旅館の人と知り合いらしくて利用してもいいってことなんだって」

 

果南「ずいぶん特典いいんだね」

 

鞠莉「それはいいんだけど、いつ行くの?」

 

千歌「明日からだよ?」

 

千歌以外の全員「え?」

 

千歌「だから、明日だよ!」

 

湧矢「ばかやろう!旅行に行くのはいいとしてもいきなり明日なんて行けるわけないだろ!」

 

本当にビックリさせられる。旅行に明日から行くなんてことを言ったんだから。今から準備とかを含めればかなり時間がかかる可能性もある。そのことを考えれば行くのは明後日からにした方がいいと思うが…

 

千歌「大丈夫だよ、今から準備すればなんとかなるって!」

 

善子「それで何とかなったらすごいわよ…」

 

花丸「逆に今から準備して間に合わせるなら至難の業ずら…」

 

ルビィ「帰ってから準備して明日行くならまだなんとかなるかも?」

 

湧矢「そうなると練習は出来ないだろうな。」

 

こんなことを言われると練習は出来ないだろう。今から準備だ。そう考えれば楽なのかもしれないが正直準備が最も時間がかかって面倒、忘れ物でもしようものなら即アウトだ。

 

果南「じゃあ今日は練習じゃなくて旅行の準備だね。」

 

果南の一言で解散し、全員明日の準備を始めるために家に帰ることになった。

 

湧矢が居なくなった部室

 

千歌「あ、大事なこと伝え忘れてた。」

 

梨子「大事なこと?」

 

曜「なにを忘れたの?」

 

千歌「旅行先の旅館、混浴温泉だった」

 

善子「え?」

 

ダイヤ「…ぶっぶー!ですわ!破廉恥です!」

 

果南「これ、今から湧矢に知らせるの?」

 

鞠莉「そうだ!」

 

花丸「鞠莉ちゃん、なにか思いついたの?」

 

鞠莉「この混浴温泉を使って、湧矢との距離を縮めるのよ!」

 

ルビィ「ピギィっ!まさか一緒にはいるの!?」

 

ダイヤ「いけません!男女混浴でなんて破廉恥極まりないです!」

 

鞠莉「あら〜?じゃあ湧矢が私たちに取られても文句言えないわよ?」

 

ダイヤ「それは…」

 

ダイヤさんはかなり迷っている。湧矢くんのことはもちろん慕っているみたいだし仕方ないのかもしれない。本来は不純異性行為になりかけているようなものなのだから

 

ダイヤ「節度を弁えるのであれば、許可します…」

 

どうやらダイヤさんが折れたようだ。

 

湧矢side

 

いきなり旅行と言われても正直あまり乗り気ではない。準備も何もかもがまだなのだ。

 

湧矢「そりゃ旅館で1人温泉に浸かってのんびりしたいってのはいいんだけどさぁ…」

 

なにやら部室が騒がしかったのが聞こえた。話している内容はわからなかったが多分旅行のことで何か話していたのだろう。大方の予想がついていた。

 

湧矢「何も変なことが起こらないといいが…」

 

念の為お守り代わりに胃薬をカバンの中に詰めるのだった。

 

Aqours side

 

千歌「みんなと旅行かぁ…」

 

私は準備をしながら1人考え事をしていた。この旅行で湧矢くんが私に惚れてくれたら、私のことを見てくれたらって思うとなんだかにやけてしまう。まだ私のことを見てくれると決まった訳では無いのに不思議な気分だ。胸の当たりがもやもやしている。

 

千歌「なんだろう…この感じ…」

 

よく分からない気持ちに襲われながらも準備をするのだった。

 

曜side

 

曜「湧矢くんたちと旅行かぁ…」

 

部屋に戻るとすぐにその事が頭をよぎる。湧矢くんだけなんの知らない混浴温泉なのだ。多分みんなで入れば湧矢くんの慌てふためく顔が見れる。そんな期待をしていた。

 

曜「湧矢くんの慌てた顔、結構可愛いんだよね」

 

コスプレした湧矢くんの慌てた写真が目に入る。それを見る度に湧矢くんへの思いが膨らむのだった。

 

果南side

 

果南「最初聞いた時はビックリだったね…」

 

いきなり幼なじみから旅行の話をされた時はさすがの私でも驚いた。突拍子も計画性もないそんな旅行なのに、湧矢の名前がでてきた瞬間興味が湧いて仕方ない。もっと湧矢と一緒にいたい、湧矢に私の全てを貰って欲しい、そんなことを考えてしまう。

 

果南「なんだか…変な気分…」

 

リズムを刻む心臓に手を当てながら湧矢のことを考えるのだった。

 

花丸side

 

お寺に帰るとすぐに本の世界に入った。だが不思議なことに本の内容が全く頭に入らない。これはどういうことなのだろうか

 

花丸「なんだか不思議な気持ち…」

 

明日のことでどうしても湧矢さんとお風呂に入っているまるを想像してしまう。お寺の子なのに煩悩にまみれてばかりだ。

 

花丸「これが恋煩い…」

 

ルビィ・ダイヤside

 

ダイヤ「ルビィ、明日の準備は出来ました?」

 

ルビィ「うん、バッチリ!」

 

ダイヤ「それは良かった。明日が楽しみですね。」

 

明日の旅行が不思議と楽しみになってしまう。それも当然だ。普段見れない彼を見れる、もっと距離を縮められる、そう思えば多少の破廉恥な行為も許せる気がした。

 

ダイヤ「ホント…破廉恥です… 」

 

善子side

 

善子「アレスと旅行ねぇ…」

 

私は準備をしながらアレスのことを考えてしまうのだった。これは堕天使をも屈服させる恋の病というものなのだろうか、なにも分からなかった。まだ自分のこの気持ちに正直になれていない。

 

善子「ツンデレアレスめ…」

 

きっとこの気持ちに気づく頃にはアレスも私の気持ちに気づいてくれるはず、そう思えてしまった。

 

梨子side

 

部屋に戻ると千歌ちゃんの部屋を見てしまう。さっきまで部室で湧矢くんを落とそうとみんなで話していたが、なんだかモヤモヤして仕方ない。胸の中に分厚い雲がたちこめているみたいだった。

 

梨子「なんだろう…」

 

不思議な気持ちだ。それだけはよくわかった。

 

梨子「まだよく分からないけど…暖かい…」

 

胸の中がじんわりと暖かい時がある。それは湧矢くんと話しているときだ。その時だけ胸が暖かくなる。

 

鞠莉side

 

さっきはあんなことを言ったけど正直に言うなら今すぐにでも彼の家に向かって彼の全てを食べてしまいたい。そう思ってしまう私がいる。きっと今の私は誰が見てもわかるくらい変な顔をしているだろう。

 

鞠莉「湧矢…好き…」

 

思わず口に出してしまう。無意識に出してしまう時もある。たまに彼が本気で欲しくなってしまう時がある。それくらい彼の存在は大きかった。

 

翌日

 

湧矢「なんとか終わった…」

 

一通りの準備と確認を済ませて鍵を閉め、俺は駅に向かう。朝が結構早めで向こうに着いたら旅館で過ごすようだ。

 

湧矢「お願いだから何にも起こらないでくれよ…」

 

家から持ってきた胃薬をお守りにみんなを待つことにした。

 

数分後

 

千歌「お待たせ!」

 

湧矢「いんや、そんなに待ってないな。ゆっくり出来たし俺としては問題ない」

 

曜「湧矢くん、おはよう!」

 

果南「おはよ、旅行楽しみだね」

 

梨子「おはよう、いい旅行になるといいね」

 

鞠莉「チャオ〜、なんだかいい日になる予感がするの」

 

善子「はぁい、ヨハネを呼んだかしら?」

 

湧矢「呼んでないぞ?」

 

善子「嘘言うんじゃないわよ!」

 

花丸「善子ちゃん、簡単に騙されるのもよくないずら」

 

ダイヤ「おはようございます、よく眠れましたか?」

 

ルビィ「ふわぁぁ…」

 

湧矢「随分大きなあくびだな…」

 

ルビィ「楽しみで眠れないよ…」

 

湧矢「遠足前の子供みたいだな、電車の中で寝るといい。」

 

ルビィ「うゆ…」

 

それぞれ電車の切符を買うと電車の座席に腰かけた。数分後に電車が発車、電車に揺られてルビィは寝てしまった。

 

旅行先の旅館にて

 

千歌「着いたー!」

 

曜「やっと…だね…」

 

湧矢「大丈夫か?おんぶくらいならしてやるけど…」

 

曜「お願い…」

 

俺は曜をおんぶして旅館の中に入る。中に入ると高価なのが一瞬で見てわかるほど広かった。それに俺達は貸切で使える。千歌のお母さんには感謝しかない。

 

湧矢「この様子だと風呂も期待出来そうだ。1人でゆっくり入るとしよう。」

 

部屋に案内されるとすぐにトランプや他のことをして思い思いの時間を過ごしていたみたいなので俺は寝ることにした。

 

 

湧矢「ふぅ…お風呂貰おうかな…」

 

俺は色々道具を持って温泉に向かう。着替えて体を洗い終えると目の前には温泉が広がっており、疲れに聞きそうな気がした。

 

湧矢「ふぅ…」

 

久しぶりにゆっくり肩まで浸かってお風呂に入った。シャワーがほとんどだったが最近になって普通にお風呂に入る機会もめっきり減った。

 

湧矢「やっぱり風呂はいい…」

 

そんなことをボヤくとドアが開く音がした。

 

千歌「わー!やっぱり広ーい!」

 

湧矢「!?」

 

千歌たちだ。おそらく風呂なんだろう、だがここは男湯、ここにいて1番の場違いは千歌たちの方だ。最悪端の方に引っ込んでれば問題ない。

 

果南「あ、湧矢じゃん。お風呂、一緒してもいい?」

 

湧矢「ちょ…近い…」

 

果南が近寄ってくると同時にほかのメンバーも近づいてくる。

 

ダイヤ「私も…あなたと入りたいんです…」

 

ダイヤも釣られて近寄ってくる。

 

湧矢「ちょ…まじでまって…」

 

後ろに下がっていくと壁に当たる。もう逃げられなくなってしまった。これぞまさしく四面楚歌。

 

曜「そうだ!みんなで湧矢くんを洗ってあげようよ!」

 

唐突な曜の発言で全員の目の色が変わった。




はい、今回はここで区切りたいと思います。後半に続きます。

活動報告でも書きましたがかなりリアルに時間がありません。小説の投稿事態がかなり遅くなるかもしれせんが気長に待ってくれるとありがたいです。
まだリクエストも受け付けてるのでぜひぜひリクエストお待ちしてます。

ではまた次回、お会いしましょう。


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Aqoursのみんな、そして俺 第41話 〜温泉でのとある出来事〜

ご無沙汰しております、私です。
実は就職関係で書けないことが続いてしまいました。試験が終わるのももう少し先なのでそれまでは投稿頻度が落ちるかもしれません。この41話も何部かに分けて投稿します、それだけは了承ください。

さて、前回は曜ちゃんのあの発言で終わりましたね。そこからまた再会されます。

それでは本編、どうぞ!


曜「体洗ってあげようよ!」

 

曜の突然の発言で果南たちの目の色が変わった。

 

湧矢「ち、ちょっと待て!俺の意見はどうなる!」

 

千歌「温泉から出てそこにお座り!」

 

湧矢「俺は犬じゃねぇよ…」

 

俺の講義も虚しく俺は引っ張りだされてお座り、それを千歌、曜、果南たちが囲んでくる

 

果南「じゃあ私は背中だね」

 

千歌「私は腕、洗うね!」

 

曜「じゃあもう片方は任せて!」

 

湧矢「ち、近寄るな…に、逃げ…」

 

逃げようと入口に向かうと入口に善子が待ち構えており、抵抗も虚しく堕天流鳳凰縛で捕まる。そこからは善子、鞠莉、花丸の監視の元で俺の体を洗うことになった。

 

果南「じゃあ失礼して…」

 

果南はナイロン製のタオルで俺の背中を擦り始めた。洗い方がとても優しい。優しく優しく擦ると、突然背中に伝わる感触が変わった。

 

ムニッ…

 

いきなり背中に柔らかい感触が当たる。スポンジだろうか…と思ったが明らかにスポンジとは違う。ふと後ろを振り返ると果南が胸を押し当てて体を洗っていた

 

湧矢「か、果南さん…何をなされているのでしょう…」

 

果南「ん?体洗ってるんだよ?」

 

湧矢「なんで胸で洗うんだよ!」

 

果南「傷つけないように?」

 

湧矢「もっと別の洗い方無いのかよ…」

 

善子「果南…なかなかやるわね…」

 

花丸「大胆ずら…」

 

鞠莉「果南ったらスキンシップが激しいわね〜、ちょっと嫉妬しちゃう!」

 

湧矢「見てないで止めろよ!」

 

6人「ヤダ」

 

湧矢「息合わせんな…」

 

感触を忘れようと頭の中で何度も他のことを考えるが全然感触が離れない。両腕もガッチリ拘束されており逃げることも出来ない、これぞまさしく四面楚歌とはよく言ったものだ。

 

千歌「腕、逞しいね」

 

曜「普段から鍛えてるからかな、メニューいくつか取り入れてもいいかもね」

 

千歌と曜は俺の腕を洗いながらなにやら練習メニューのことについて話し合っている。

 

千歌「どう?気持ちいい?」

 

曜「ある程度調整してるからそんなに痛くはないと思うけど…」

 

湧矢「あ、あぁ…問題ない…」

 

後ろでは果南がまだ大胆にも胸を押し付けて体を洗っている。このままでは俺の貞操が危ない気がした。

 

湧矢「も、もう良いだろ!俺はもう上がるから!」

 

善子「あら?まだ前の方が残ってるでしょ?」

 

湧矢「お、お前まさか…」

 

花丸「まる達に交代ずら!」

 

鞠莉「だいじょーぶ!ちゃんと優しく洗ってあげるから!」

 

湧矢「…」

 

ダイヤ「この辺りにしておきません?湧矢さんも困ってますよ?」

 

ルビィ「ルビィにはできないよぉ…」

 

梨子「真似しなくても…いいと思う…」

 

ダイヤから声が掛けられた。心の中でダイヤに感謝しておく。だがこいつらの暴走は止まらなかった。

 

善子「まだ洗えてないところがあるでしょ?洗ってあげるからじっとしてなさい?」

 

鞠莉「私も湧矢と洗いっこしたいし〜」

 

花丸「たまには湧矢さんも心から癒されて欲しいずら」

 

湧矢「その心だけが欲しかったよ…行為まではいらない…」

 

既にこの3人が暴走を始めようとしていた。千歌、曜、果南は既に暴走していたようで果南は後ろの方で甘い吐息が聞こえてくる。

 

果南「ハァ…ハァ…」

 

湧矢「…お、おい…それ以上は…」

 

理性が飛びそうだった。あまりの気持ちよさに頭で考えることを放棄していた。

 

善子「じゃあ…前も洗うわね?」

 

湧矢「え?」

 

いつの間にか俺の前には善子がスタンバイしていた。

 

湧矢「ちょ、お前…なんでもういるんだよ!」

 

善子「大人しくなさい、髪が洗えないでしょう?」

 

俺の目の前には善子のバスタオルに包まれたお腹が見えた。それだけで俺の理性は削られていく一方で、考える気力も残っていなかった。

 

ダイヤ・梨子・ルビィside

 

お風呂に向かってかけ湯を済ませ、湯船に浸かっていると曜さんたちが湧矢さんの体を洗い始めていました。そこから悪ノリするかのように鞠莉さん、花丸さん、善子さんも混じってしまってしまいました…

 

ダイヤ「このままでは湧矢さんが上せてしまいます!」

 

ルビィ「お、お姉ちゃん?」

 

ダイヤ「1度果南さんたちを抑えないといけません」

 

梨子「ダイヤさん…もしかして湧矢くんを助けに?」

 

ダイヤ「当然です、あのままではのぼせるどころか風邪を引いてしまうかもしれません。湧矢さんも私達も癒されるためにここに来ているのに湧矢さんだけ風邪を引いてしまったら湧矢さんに癒されてもらうどころではありません!」

 

梨子「そうなったら嫌だよね…」

 

ダイヤ「すぐに止めなければなりません。ルビィ、梨子さん、協力お願いします」

 

2人の協力の元私達は果南さんたちを止め始めた。

 

ダイヤ「みなさんおやめなさい!湧矢さんが風邪をひいたらどうするんです!」

 

ルビィ「お、落ち着いて!」

 

梨子「ほら、湧矢くんも困ってるから…」

 

彼も必死になって抵抗しているが止まってくれる気配はなさそうだ。

 

湧矢「も、もう…」

 

バタ…

 

果南「あれ?湧矢?おーい!」

 

俺はあまりの刺激に意識を手放し、しばらく目覚められなかった。

 

数分後

 

湧矢「ん…」

 

梨子「あ、起きた?大丈夫?」

 

湧矢「あぁ…」

 

起き上がろうとしたがまだフラフラする。

 

梨子「あぁ、ダメだよ!まだ安静にしてて?」

 

ルビィ「あ、起きたんだね!」

 

湧矢「おぉ…俺…どうなったんだ…?」

 

ルビィ「それは…」

 

ダイヤ「目が覚めましたか。具合はどうです?今は安静にしておかないと…」

 

湧矢「それはいいんだが…果南たちは?」

 

ダイヤ「しばらく反省してもらってます。あのまま行けば最悪のぼせて湧矢さんが風邪をひくなんてことになりかねません。ネタばらしをしてしまうと、この旅行は日頃から頑張ってくれている湧矢さんへの恩返しのようなものなので…」

 

湧矢「そういうことか…だから部室でお前らの話し声が聞こえたんだな」

 

どうやら恩返しのための旅行らしい。部室で何を話していたのかまでは分からなかったがこれはこれで嬉しい面がある。さすがにさっきのあれは要らなかったが

 

湧矢「俺は怒ってないから、果南たちを呼んできな。さすがにそれを聞いちまったら怒ろうに怒れんって」

 

ダイヤ「では、呼んできますね」

 

ダイヤが果南たちを呼びに向かった。

 

千歌「湧矢くん、その…大丈夫?」

 

曜「さすがにまずかったよね…ごめんね?」

 

湧矢「いや、気にしてないから安心しな。さっきダイヤからなんでこんなことしたのか聞いたら怒ろうにも怒れなくなったし…まぁでも、こんな感じで恥ずかしいから今後はあんまりやんなよ?」

 

果南「私なんであんなことして…」

 

湧矢「いや…その…うん…」

 

果南「バカっ!」

 

湧矢「なんでキレた…」

 

鞠莉「果南ったらあんなに興奮して…ダイヤも湧矢が気絶してからはすぐに体を洗ってあげて外に寝かせてたみたいよ?」

 

湧矢「そうなのか?」

 

ダイヤ「緊急時でしたから…」

 

善子「アレスったら、私のこの体に興奮してたのかしら?」

 

湧矢「?」

 

善子「アレスのリトルデーモンが元気になってたから…」

 

湧矢「…!」

 

花丸「善子ちゃん、それは言っちゃダメずら。男の人はどうしてもなっちゃうものずら。湧矢さんごめんなさい。まる、本来なら善子ちゃんを止めないといけないのに…湧矢さんに心からゆっくりして欲しい一心で…」

 

湧矢「まぁ、それは良いから。花丸のその心遣いだけ貰っておくよ。」

 

鞠莉「そろそろご飯かしら?それが終わったら部屋でなにかして遊ばない?トランプとか、UNOとか!」

 

湧矢「それは良いな、久しぶりにUNOやりたいし。あと父さんがくれたんだけどこんなのあったんだ。」

 

俺はリュックから絵札を取り出す。

 

ルビィ「これは?」

 

ダイヤ「花札ですね。私もやったことは無いのですが…」

 

湧矢「父さんが小さい頃じいちゃんとよくやってたみたいなんだよ。ひと通り遊ぶためのものはもらったからやってみないか?」

 

ダイヤ「ではUNOをした後は花札で湧矢さんと勝負ですね。そのあとは…」

 

千歌「枕投げ!枕投げやりたい!」

 

果南「この辺だったら星を見に行きたいんだけど…どう?」

 

梨子「トランプとか?」

 

やりたいことは沢山ある。この旅行はまだ始まって1日目、楽しむには十分だろう。

 

湧矢「時間もまだありそうだし、明日からいくつかゲーム考えて遊ぶか」

 

曜「賛成であります!」

 

この旅行で俺はなにを得られるのだろう、この旅行でなにを学べるのだろう、そんな謎の期待を込めながらまだフラつく中頭の中でどんなことが得られるのか楽しみにしていた。




はい、お風呂での誘惑完結です。

次回で完結させようか何部かに分けようかって感じです。実はまだこの先が決まってないんですよねw
なのでまた考える期間に入ると思います。温泉とかの話って結構難しく感じてしまって、どんなハプニングを起こしてやろうかって考えてもそれを文章だけで表現するのってなかなか難しいんですよね。

だからこんな幼稚で拙い文章ができるんだろうなって思ってますw

次回はまだ未定ですが、気長に待ってくれるとありがたいです。次回もお楽しみに!


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