歪んだ戦士の力を持った者達 (龍蟹迅)
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p髏lォG

「~♪」

 

とある列車の中、一人の少女が鼻歌を歌って目的地に着くのを楽しみにしていた。

少女の他に幾つかの人影があった。

しかし、それらは異形の存在ばかり。その異形の者達はそれぞれで暇を潰していた。

体半分がターコイズカラー、もう半分が黒の怪人と多少長いピンク色の髪を持つプレ〇ター似の怪人、頭が指輪のようになった魔法使い風の怪人にフードを羽織った白髪の怪人はババ抜きをして暇を潰していた。

身体の至る所に血管のような模様を付けた怪人は腕と足を組んで寝ていた。

鎧を纏った落武者のような怪人と骸骨を表したような忍者の怪人は将棋をしている。忍者の怪人がかなり押されているのか、唸り声を上げていた。

赤と青の怪人と宇宙飛行士を歪めたような怪人は何かを作っていた。何かはわからないが。

目から山羊のような赤いツノを生やした怪人は珈琲を入れていた。近くでは頭が赤い鳥、上半身が虎のようなもの、下半身が飛蝗の様なもので形成され怪人が手伝っていた。

そんな異様な光景の中でも少女はものともせず、鼻歌を歌っていた。

 

「随分と楽しそうだな。」

 

するとそこへ、珈琲を入れていた怪人が珈琲を少女の目の前に置いた。少女は出された珈琲を手に取り一気に飲み干した。

 

「だって楽しみなんだもん。」

 

少女はカップを置くと珈琲を出してくれた怪人に向かって笑顔で言った。

しかし、その笑顔はただの笑顔ではなく悪意のある様な笑顔だった。

怪人はその笑顔を見て「おぉ、怖」とわざとらしく震え少女の近くの席に座った。

 

「〜♪」

 

少女は鼻歌を歌い続ける。周りにいる異形の怪人達はなんの反応も示さない。ただ、少女の鼻歌と列車の走る音が聞こえ続ける。ただ時間だけが過ぎていく。

その時

 

~〜♪

 

《!!》

 

突如として車内に音楽が流れ始めた。

彼らはそれに反応して各々のやっている事を中断した。視線を向ければ『間もなく目的地に到着致します』という文字が流れた。

 

「ようやく…キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」

「アァ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」

 

それを見て少女は思いっきり立ち上がり両手を上げて嬉しそうに叫んだ。それを見て宇宙飛行士のような怪人も立ち上がり両手を上げて叫んだ。赤いツノの怪人はそれを見てやれやれと言って立ち上がる。そしてその車内の窓から外の景色を除く。

 

「さぁーて、最初の世界はどんな世界かな?」

『どちらにせよ、私達に障害があれば全力で潰しますが。』

 

赤いツノの怪人がそう言うと少女の左手首に付けている腕時計から女性の声がした。赤いツノの怪人は少女の左手首に付けている腕時計を見て言った。

 

「あんましやりすぎんなよ?月の夢、金も。」

『分かってますよ。』

「もー心配性だなー。アナザー電王は。」

 

少女『龍蟹金』と腕時計から発せられる声『月の夢』は赤いツノの怪人『アナザー電王』に注意されるが2人は全く気にしないような感じで言った。

それを見てアナザー電王は1つため息をつくと立ち上がり列車『アナザーデンライナー』の出入口へと向かった。

それと同時に列車は止まった。それは目的地に到着したという事。

それと同時に金は出入口へと向かい忍者の怪人も立ち上がり鎧を纏った怪人にお辞儀をして出入口へと向かった。

そしてドアは開く。世界へと繋ぐドアが開く。

 

「いってきまーす!」

「あ、おい!?」

 

金は見るやいなや一足先に飛び出して行った。アナザー電王は止めようとするが既に行ってしまった。

アナザー電王はやれやれと言うと忍者の怪人へと視線を向けた。

 

「それじゃあアナザーシノビ。偵察と情報収集、よろしくな」

「ゥゥ!」

 

忍者の怪人『アナザーシノビ』は頷くとアナザーデンライナーから出ていった。

アナザー電王はアナザーシノビを見送ると1度扉を閉める。

 

「さてと、俺達は……」

 

アナザー電王は視線をあるところに向けると考え始めた。周りにいる怪人『アナザーライダー』はアナザー電王へと視線を視線を向ける。やがて、アナザー電王顔を上げると腰つけられた武器を両手に持つ。そしてアナザー電王は声を大きくして言った。

 

「テロリスト共をぶっ潰すぞーーーー!!!」

『オオオォォォォォォォォォォ!!!』

 

最初にやる事がテロリストを潰すとはこれ如何に。しかし、既に彼らは行動に移した。最早、止める者などいない。彼らはテロリストいるであろう所へと向かった。

アナザー電王が視線を向けた先にはある事が表示されていた。

 

 

 

 

 

 

『無限の成層圏の世界』と。

 

 

 

おまけ

 

 

「な、なんだこのバケモン達は!?」

「こ、こっちに来るなーー!!」

「ちょ、ちょっと貴方達!何y「オルァ!!」きゃあぁ!?」

 

最早地獄絵図。テロリスト達は突如やって来た怪人たちに為す術もなく、殺られていった。

 

「テメェらぁ!!何しやがる!?」

「カ・チ・コ・ミじゃァァァァァァ!!!!」

『オオオォォォォォォォォォォ!!!』

 

最早謎のハイテンションで仕掛ける怪人達を止めることなどできない。更に上空にも何機もの兵器がそのテロリストを潰しにかかった。

 

そしてその日、その周辺にいた組織は壊滅した。




誤字、脱字の報告よろしくお願いします


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キャラ紹介

龍蟹金

『アナザークウガ』及び『アナザーアルティメットクウガ』への変身が可能の少女。

可愛らしく元気で健気。しかし、やることなすことが恐ろしい。怒り具合によっては口調が荒々しくなる。

時間停止が使え、肉体と精神共に不死身である。

月の夢にアナザーライドウォッチの作成を頼んでいる(それも毎回)。

アナザークウガ(アナザーアルティメットクウガ)に返信する時、目がイノセントになる。過去に何が起きたか覚えていないらしい。

 

【挿絵表示】

 

『《ラブ・ギルティ》』

SE:ERROR

装備:血染&血濡

真っ赤に染った二本の鉈。通常サイズにも変化可能。

特殊武装:聖盾、メモリーズ

前者は、ありとあらゆる攻撃を防ぐ超硬質の盾。

後者は、ワームホールから風見鶏、コンパス、電球、懐中時計、天体望遠鏡、鍵盤を出現させ攻撃する。

単一仕様能力:『デッド・エンド・コード』

『5』からのカウントのホログラムによる攻撃を行った後、全広範囲による回避不可能なホログラムと衝撃波の攻撃を行う。攻撃を受けた機体は、様々な機能が使用不可になる。

神装:『 戦士化(バーサークモード)

一定時間の間、攻撃、俊敏、防御全てを限界突破させる。使用者は狂気状態となる。

金の専用機。

機体は赤黒く、目元にバイザーが付けられている。尚、『《ラブ・ギルティ》』には、月の夢が搭載されている。月の夢の機能も使用することが可能。

金曰く『《ラブ・ギルティ》』は『《‘’愛”は‘’有罪”》』という意味。

 

月の夢

別名:ムーンドリーム

『《ラブ・ギルティ》』に搭載されている『超次元ゲイムネプテューヌ』の大人ネプテューヌの姿と『星のカービィ ロボボプラネット』の星の夢のデータを組み合わせた、AI及びマザーコンピューター。

単体でも動くことが可能。

“無”や“有”から様々なものを想像する力を持つ。

様々なコンピューターにアクセス及びハッキング(クラッキング)する事ができる。

アナザークイズの変身者。

 

アナザー電王

他のアナザーライダーと違い、明確な意思と知性があるアナザーライダー。

別の次元や時間に移動することの出来る、『アナザーデンライナー』を所持している。

 

アナザービルド

ハードガーディアンに『アナザービルドライドウォッチ』を埋め込んで創り出したアナザーライダー。やや、機械的な動きが残っている。

 

アナザーエグゼイド

ゲムデウスに『アナザーエグゼイドライドウォッチ』埋め込んで創り出したアナザーライダー。電脳世界への移動が可能。

 

アナザーフォーゼ

オリオンゾディアーツに『アナザーフォーゼライドウォッチ』を埋め込んで創り出したアナザーライダー。

 

アナザーファイズ

アークオルフェノクに『アナザーファイズライドウォッチ』を埋め込んで創り出したアナザーライダー。偶に高みの見物をする事が少々。

 

アナザーウィザード

グールに『アナザーウィザードライドウォッチ』を埋め込んで創り出したアナザーライダー。暇な時は魔法の研究をしている。

 

アナザーオーズ

屑ヤミーに『アナザーオーズライドウォッチ』を埋め込んで創り出したアナザーライダー。何故かコンティニュー土管を使っての移動も可能。

 

アナザー鎧武

ビャッコインベスに『アナザー鎧武ライドウォッチ』を埋め込んで創り出したアナザーライダー。植物を自在に操ることが可能。

 

アナザーゴースト

眼魔コマンドに『アナザーゴーストライドウォッチ』を埋め込んで創り出したアナザーライダー。相手に憑依する(取り憑く)事ができる。

 

アナザーW

マスカレイド・ドーパントに『アナザーWライドウォッチ』を埋め込んで創り出したアナザーライダー。好奇心旺盛らしく、調べ物等が趣味。

 

アナザーシノビ

ダスタードに『アナザーシノビライドウォッチ』を埋め込んで創り出したアナザーライダー。隠密行動が得意で常に偵察や暗殺等に向かっている。手下のダスタードを呼び出す事も可能。

 

アナザーアギト

チャーリーバグスターに『アナザーアギトライドウォッチ』を埋め込んで創り出したアナザーライダー。人間に噛み付くことでゾンビのように増殖させることが可能。

自転車によるテクニック技や車輪での攻撃をする。

 

アナザーブレイド

アルビノジョーカーに『アナザーブレイドライドウォッチ』を埋め込んで創り出したアナザーライダー。アルビローチを召喚する事ができる。

 

アナザー龍騎

変身者不明。

 

業ガーディアン

月の夢が『インフィニット・ストラトス』『ガーディアン』のデータを元に開発した無人機。『 間移動機能(テレポートシステム)』を搭載している。

 

アナザーリュウガ

鏡の世界に住むアナザーライダー。

ジオウ(■■■・■■■■)と一緒に行動することが多い。

 

■■■・■■■■

鏡の世界の■■■・■■■■◼◼■。

仮面ライダージオウ(鏡Ver.)の変身者(本人はミラーライダーと言っている)。

 

オニキス・ダーズ

仮面ライダーリュウガ。

仮面ライダーリュウガの肉体を手に入れた混沌と闇の化身。

アナザーリュウガと■■■・■■■■を生み出し、■■■・■■■■にジクウドライバーとジオウライドウォッチ、リュウガライドウォッチを渡した張本人。

↓ベントカード一覧↓

SWORD VENT

ドラグセイバーを召喚3000AP

GUARD VENT

ドラグシールドを召喚3000GP

STRIKE VENT

ドラグクローを召喚3000AP

ADVENT

ドラグブラッカーを召喚6000AP

FINAL VENT

ファイナルベント

ドラゴンライダーキックを発動7000AP

 

 

鉄蒔無

組織『Robots』のリーダー。

正体はロイミュードであり常に仮面ライダーキカイになっている。

ガーディアンとXガーディアン、ハードガーディアンを手下として率いている(もはや組織と呼べるか怪しい)。

常にアナザーキカイを追っている(しかし、いつも逃げられるか、見失う)。

 

鉄芭

蒔無に拾われた少女。

マキナの事を『パパ』と読んでいる。

仮面ライダーグリスに変身する。

蒔無、ルージュ、ガラノス、ジョーヌを大切な家族のように思っている。

ルージュからの(重すぎる)愛に困っている。

 

【挿絵表示】

 

 

ルージュ・シャトー

キャッスルロストスマッシュの変身者。

イメージカラーは赤。

色に反して大人しい。しかし、芭(それと蒔無)の事となると雰囲気が変わる。

 

ガラノス・エラフォカンタロス

クワガタロストスマッシュの変身者。

イメージカラーは青。

ムードメーカー的な性格の人物。

 

ジョーヌ・シュエット

アウルロストスマッシュの変身者。

イメージカラーは黄色。

苦労人でツッコミ体質。

 

アナザーキカイ

有機物に寄生することが出来るアナザーライダー。

セルメダルを使用する事が出来るらしく、偶蹄目のヤミーを生み出す。その時、ヤミーは宿主に寄生する。

『□□□□□□□□。』訳:セルメダルは主食。



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女子高と男子と金

金side

 

……暇。物凄く暇。

この世界に来てから数ヶ月、私はある高校へ入学している。

その高校というのが『IS学園』と言う場所に入学している。

まず、『IS』とはなんなのか。

『IS』、通称『インフィニット・ストラトス』呼ばれている。意味は『無限の成層圏』と言うらしいが私はどうでもいい。

だって今ISは兵器として使われる事が多い。

今はスポーツ用となってはいるけどテロリストとかはそうじゃない。

まぁ……そのテロリストの一部はアナザー電王が潰したらしいけど。

このISは本来なら宇宙へ行くために造られたものだけど日本にありえない数のミサイルが撃たれたらしい。

それを撃墜したのが原点のIS『白騎士』。

その白騎士の圧倒的な力でミサイルを壊したらしい。

けど、ISにはある欠点がある。

それは『女性しか動かせない事』。

それ以来世界には『女尊男卑』という風潮が流れ始めた。

女性達(と言っても一部の女性は違う)は「女性こそが至高」「男性は女性の奴隷であるべき」と巫山戯た考えを持った女性(クズ)共が増えていっているらしいがな…。

おっといけない口調が。

まぁ、その後政府がアラスカ条約とやらを作ってISの兵器として扱う事を禁止しているみたいだけど。

けどそれでもアラスカ条約を無視する輩がいるけど。

そんなこんなで今では『モンド・グロッソ』というIS専用のスポーツ大会が開かれて、更にはISの操縦者を育てる学校を設立した。それがここ、『IS学園』。言わば女子校。

しかし、世界中を驚愕させる出来事が冬頃に起こった。

それは、『世界初の男性IS操縦者』が現れた事。

今、教室の先頭の真ん中に座っているのがその世界初のIS操縦者、『織斑一夏』。

現在、カチンコチンというぐらいに物凄く緊張してる。

女子校に男一人ってきついからね。

私は興味無いので窓の外を見ている。

いわば、物凄い暇。

 

「……面白いことないかなぁ……」

『(……先生が来るまでチェスでもやる?)』

「(そうしとく。)」

 

暇潰しには良いだろうね。

 

 

一夏side

 

キツい……。何がキツイって視線がだよ!

今俺の周りには女子しかいない。

そして、俺の背中に視線が刺さる。

もう一度言う。キツい。

どうにかならないかと横を見れば見知った顔があった。

黒髪にポニーテールの大和撫子のような雰囲気。

間違いない、箒だ。

 

「(助けてくれ!箒!)」

 

そう視線で伝えるが。

 

「…………」フイッ

 

なんでだよ!?

幼馴染だろ!?

どうにかならないかと再び視線を後ろなどに目線を向ける。

 

「…………。…………。…………。」

 

なんか一番後ろにいるツインテールの娘が俺に興味なさげに視線を外に向けながら何かを呟いてるんだけど。

なんで興味無いんだよ。いや、それはそれで困るけど。

くそっ!どうにかなんねぇのか。

そう俺が悩んでいると。

 

『ガラッ』

 

扉を開ける音がして視線をそちらに向けると、教師らしき人物が入って来た。

その人は教壇に立つと自己紹介を始めた。

 

「皆さん、おはようございます。私は一年一組の担任、『山田真耶』と言います。よろしくお願いします。」

「よろしくお願いしま〜す。」

 

…なんか、回文みたいな名前だな、この人。

というかなんか見た目が中学生が無理矢理大人の服を着たって感じなんだけど。

ってか返事したの一人だけ!?

先生は返事が一人だけなのか若干涙目になってる。

 

「そ、それじゃあ自己紹介を始めますね。」

「は~い。」

『…………。』

「うぅ……。」

 

頼むから返事して上げろよ!ってかまた一人だけだし!俺も声出せねぇんだけど……。

てか自己紹介って何をいえばいいんだ?

箒は助けてくれそうにないし、周りの視線が痛いし。

 

「……ら君?織斑君!」

「は、はい!」

 

突然の呼びかけに俺は思わず立ち上がってしまった。

 

「ごめんね大声出して。『あ』から始まって今『お』なんだよね。自己紹介してくれないかな? 駄目かな?」

「いや、あの………そんなに謝らなくても…………」

 

ってかもう順番来てたのかよ!?

俺は気を取り直して後ろを向く。

……やはり視線がキツイ。

だが、自己紹介くらいしっかりしないと!

 

「織斑一夏です!よろしくお願いします!」

 

俺はできるだけ大声で自分の名前を告げるが、無反応。

な、なんか期待の目が向けられてるんだけど…。

 

「い、以上です!」

 

『ガタガタガタッ』

 

あ、あれ?おれ、なんか間違えた?

箒とツインテールの娘を除いた女子がコントみたいにコケてんだけど。

 

「お前はまともに自己紹介もできんのか。」

 

『パァァン』

 

「いってぇ!?」

 

なんか頭に物凄い攻撃が来たんだけど!?

俺が振り返るとそこには見知った顔がいた。いや、見知ったなんてものじゃない。何せその人物は俺の肉親の姉なんだから。

 

「げぇ!?関羽!?」

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

 

『パァァン』

 

いってぇ!?またかよ!?

俺が頭を抑えてる間にその人物は山田先生と話し始める。

話が終わると教壇に立ち自己紹介を始めた。

 

「諸君、私が織斑千冬だ。君達新人を、一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聞き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は、弱冠15歳を16歳までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな?」

 

いや、どこの軍人だよ、それ……。

 

『パァァン』

 

「いってぇ!?なんでだよ!?」

「お前が余計なことを考えたからだ。」

 

いや、ニュー〇イプかエスパーかよ!?

 

 

千冬side

 

自己紹介を終えると黄色い歓声が響く。

………毎年、よくもこれだけの馬鹿者が集まるものだ。

私は思わずそれを声に出してしまったが帰ってくるのは相変わらずの黄色い歓声。

何だこの教室は、Mっ気のあるヤツらばかりなのか?

そう思って視線を教室の後ろ側を見るとつまらなそうに何かを呟いている生徒が一人いる。

私はその女子生徒に向かって歩いていき、出席簿を振り下ろすが。

 

『バァァァァァン』

 

「な!?」

「えっ?きゃあ!」

 

出席簿は手刀で跳ね返され、遠くの女子生徒に当たりそうになる。

何かを呟いていた女子生徒はつまらなそうに視線を向けると。

 

「体罰は良くないですよ?千冬せんせー。」

 

そんな呑気な声で視線を外に向けるとまた何かを呟き始めた。

……自慢ではないが私の身体能力はオーバースペックだ。

それなのに目の前の女子生徒は何も問題無く弾き返した。

 

「あ、あの……。織斑先生。出席簿……。」

「あぁ、ありがとう。」

 

私は少し呆然としながら元の場所へと戻り自己紹介を再開させた。

そして、いよいよ例の弾き返した女子生徒の番になった。

女子生徒は呼ばれたのに気づくとゆっくりと立ち上がり、視線を前に……いや。

“私を見て”自己紹介を始めた。

 

「私は龍蟹金だよ。現在暇で~す。小柄で中学生に見えちゃうかもだけどよろしくね。自己紹介ちゃんと出来なくてごめんね。」

 

女子生徒、『龍蟹金』は自己紹介をすると私に向けてニッコリと笑った。

だが、私は思わず構えてしまった。

嫌な気配を纏ってる。それも、あの“天災”並に。いや、それ以上に。

 

「あ、後料理は苦手だよ?下手したら物体Xができちゃうくらいに。」

 

最後のはいらん。

 

 

金side

 

あれから時は流れても私は相変わらず暇。

もうほとんどが月の夢やアナザー電王が教えてくれたことばかりで正直言ってつまらない。

教室では一夏君がISの参考書を電話帳と間違えて捨ててしまったという事が発覚したり、金髪縦ロール『セシリア・オルコット』が一夏君に絡んだりとあったが、私は全くもって興味が無い。

 

「それではこの時間は、実戦で使用する各種装備の特性について説明する前に、再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけない」

 

そんな会話が聞こえてくる。

曰く、生徒会の開く会議や委員会への出席等、言わばクラス長を決めるという話。曰く、一度決まると一年間変更はないからそのつもりで。自薦他薦は問わないという話だった。

うん、興味無い(即決)。

 

「織斑君がいいと思います!」

「私も!」

 

…なんで?

まさか、男だからという理由で決めたんじゃ……。

うん、決めてる。

 

『(……織斑一夏も不幸だね。)』

 

私もそう思う。

他の女子生徒が一夏君を推薦して行くと突如、ヒステリックな叫び声が聞こえた。

視線を向ければ先程一夏君に絡んできたセシリアちゃんが立ち上がってた。

その後、日本を島国と罵倒などをし始めた。

……一応、ISを開発したのは日本人の『篠ノ之束』なんだけどなぁ。

 

「イギリスだって大してお国自慢ないだろ。」

「なっ!?」

 

……馬鹿なの?下手したら国際問題だよ?いや、もうなってるか。

私は再び視線を外に向けると。

 

「“決闘”ですわ!」

「おう。良いぜ。四の五の言うより分かりやすい」

 

……“決闘”?

今……決闘って言った?

つまり、戦うって事だよね?

なら、参加せざるを得ない。

 

「千冬せんせー。」

「織斑先生だ。……なんだ龍蟹。」

 

千冬先生は何かを警戒して問いかける。

まぁ、私のせいなんだけどね。

 

「私もその“決闘”に参加してもいいですか?」

「…………………………良いだろう。お前の専用機のデータを取りたかった所だ。」

 

千冬先生が私が専用機持ちだということを告げると教室はざわめき始めた。

まぁ、ISに使われる『ISコア』が少ないから仕方ないよね。

…アナザー電王が見つけたらしいけど。

 

「あら、貴方も専用機を持っていたんですの?」

「そうだよ〜。この子の力を見たかったからね。」

 

セシリアちゃんがそう聞いてきたので、私は軽く答える。

 

「まぁ、その専用機で私に刃向かえるのならですが。」

 

……。今、ナンテ言ッタ?

 

 

千冬side

 

「…………!?」

 

ゾクッと寒気がした。

寒気がした方に視線を向けると龍蟹が下を俯きながら黙りこくっていた。

嫌な予感がした。

 

「ま、待て。オルk」

「どうせ、貴方の作ったISなんてどっかの企業が作ったオンボロでしょが。」

 

しかし、間に合わなかった。

オルコットがそこまで言ったその時だった。

 

「今、ナンツッタ?」

 

自分の席にいた龍蟹はいつの間にか、オルコットのそばまで移動して真っ赤な鉈を二本出してオルコットの首筋に当てた。

 

「ヒッ…!?」

「モウ一度聞クゾ。今ナンツッタ?」

 

オルコットは恐怖で動けずにいた。

当たり前だ。離れた場所にいた龍蟹が一気に接近して鉈を首筋に当てているのだから。

 

「お、落ち着け、龍蟹。い、一旦ソレをしまえ。」

「………………チッ。」

 

龍蟹は舌打ちをするとオルコットを睨み、自分の席へと座った。

 

「一週間後の月曜の放課後、第三アリーナで今の3名で代表決定戦を行う。人はそれぞれ用意をしておくように。」

「…………。」

「はい……。」

 

多少の沈黙の中、授業を始めた。

 

 

月の夢side

 

『…………………………。』

 

「ユルサナイ。ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ。」

 

『(助けて、アナザー電王(泣))』

 

私は最早収集がつかなくなり、ここにいないアナザー電王の名を呼んだ。

 

 

アナザー電王side

 

「ふぇっくしっ!?……風邪か?」

「ウゥ?」

 

なんか嫌な予感すんな。




金は怒ると恐ろしいです:(;゙゚'ω゚'):


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金の実力と白式の事実とアリーナ外での戦闘

今回、早めに投稿できたのでどうぞ


金side

 

あれから一週間。

未だに怒りが収まらない。

口調が元に戻るまでは収まったけど、これ以上収まることはない。

 

「絶対に許さない。」

『……そろそろ落ち着いて、金。』

「やだ。」

 

月の夢はそう言うがハッキリと拒否した。

アナザー電王が作ってくれたこの専用機を『オンボロ』?

 

「お前らの技術とは桁が違ぇんだよ。」

『(……助けて(泣))』

 

私が愚痴っていると通信が入る。

見れば『アナザー電王』と書かれている。

 

「なに?」

『「物凄く怒ってるな……。」』

「当たり前。見てもいないのにアナザー電王が作った専用機をオンボロって言ったんだよ?なんの根拠があってそんなこと言えるの?巫山戯んなよ?アナザー電王の技術はそんじょそこらの技術者とは格が違ぇんだよ。」

『「oh......」』

 

あいつだけは絶対にユルサナイ。

 

『「……龍蟹。……聞こえるか?」』

「あぁ?」

 

突如として織斑千冬から連絡が入る。

織斑千冬は一瞬怯むが、話を続ける。

 

『「織斑の専用機がまだ届いていなくてな。先に……お前が行ってくれ。」』

「……へぇ♪」

『(ヒッ…!)』

『「(タイミング悪過ぎんだろ織斑千冬ゥゥゥゥゥゥゥ!?)」』

 

いいタイミングだよ?織斑千冬。

 

「オイデ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『《ラブ・ギルティィィィィ!!!!》』」

私の叫び声とともにそれは展開された。赤黒い装甲。頭にはバイザー。そして両手に鉈。

私の専用機、『《ラブ・ギルティ》』が展開された。

 

「アハッ。サァ、半殺シニシテ上ゲル♪」

 

 

 

 

『「(しまった。)」』

『(もう、やだ……。)』

『「(……しーらね…。)」』

 

 

アナザー電王side

 

俺は今、アリーナ上にいる。

金の初戦闘を見る為だ。

しかし、今の金はご機嫌ななめ。

嫌な予感が的中したよコノヤロウ。

 

「……程々にしてけよ?」

 

まぁ、しないだろうけど。

 

 

三人称視点

 

(い、いきなり彼女からですの!?)

 

現在、セシリア・オルコットは愛機『ブルー・ティアーズ』に乗って宙に浮いていた。

しかし、彼女の体は震えていた。

決して、武者震いなどでは無い。

目の前にいる人物に恐怖で震えていた。

 

「………………。」

「……ッ。」

 

ギョロリとその目をセシリアに向けた。

セシリアは歯をガチガチと震わせ金を見据えた。

 

「わ、私と戦える事をこ、光栄に思いなさい!」

 

セシリアは強がって恐怖を払おうとするが。

 

「……………な。」ギリギリ

「ヒッ!?」

 

今の金にそれは全くもって逆効果。

歯軋りが聞こえる。体を震わせる。鉈を持つ手が強くなる。

眼が鋭くなる。

 

『試合開始』

「調子に乗るなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

その叫び声とともに金は一瞬にしてセシリアへと接近した。

 

瞬時加速(イグニッションブースト)!?)

 

セシリアは金が瞬時加速を行った事に驚きを隠せなかった。

そんなセシリアの気も知らず金は両手の鉈『血染&血濡』を使ってセシリアを叩き斬る。

強力な一撃にセシリアは地面に叩きつけられた。

 

「くっ……『ティアーズ』!」

 

セシリアはBT兵器『ブルー・ティアーズ』を出動させて金に向かわせた。

 

「『メモリーズ』!!!!」

 

しかし、それに対して金は『メモリーズ』を出動させる。

叫び声とともに虚空に穴が空いた。そして、そこから天体望遠鏡、風見鶏、懐中時計、コンパスが現れた。

天体望遠鏡から光が放たれるとBT兵器の一つが落とされる。

風見鶏からいくつかの矢を発射させてBT兵器を落とす。

懐中時計は蓋を開くとそこには似つかわしくない牙が見える。そして、BT兵器に噛みつき破損させた。

コンパスからは弾幕が発射され、BT兵器を撃ち落とした。

 

「そ、そんな……。」

 

セシリアから悲痛の悲鳴が聞こえるが、そんな事を金は知る由もない。

そして、“一つ目”の切り札をきった。

 

「『狂戦士化(バーサークモード)ォォォォォォ』!!!!」

 

その叫び声とともに金は、

 

“一瞬にして消えた”

 

「へ…………?『ガァァァン』アグゥ!?」

 

セシリアは金が消えたことに一瞬呆けるが次の瞬間に激しい痛みが走る。

 

「アハハハハハハハハハハハハ!!アハハハハハハハハハハハハ!!アハハハハハハハハハハハハ!!アハハハハハハハハハハハハ!!アーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!」

 

最早、正気の沙汰ではない。

金を探そうとするも速すぎて見つけることが出来ない。

探してる間にもSE(シールドエネルギー)が減っていく。

金は一方的にセシリアにダメージを与える。

そして。

 

『ブルー・ティアーズ、シールドエネルギーエンプティ。勝者、龍蟹金』

 

そんな音声と共にピタリと金の攻撃が止まった。

 

眼下を見ればブルー・ティアーズは解除されて、セシリアがうずくまって震えている。

 

「………………。」

 

金はセシリア見てその後、興味なさげに立ち去ろうとする。が。

 

「おい!」

 

ふと、叫び声聞こえ金は振り向く。

そこには白い機体に乗った一夏がいた。

 

 

千冬side

 

「あの馬鹿!」

 

先程までオルコットと龍蟹の試合を見ていたが結果として龍蟹の圧勝。

戦闘技術も龍蟹が上だった。

特に『狂戦士化(バーサークモード)』と呼ばれるものを発動してからは一方的の戦いだった。

それを見かねた織斑は直ぐにアリーナへと向かっていった。

あまりにも戦力差がありすぎる。

どうなるかは一目瞭然だろう。

 

「ど、どうしましょう!?」

「落ち着け。今は織斑の無事を祈るしかない。」

 

とは言うが、私も気が気でならない。

私は珈琲に砂糖を入れて飲もうとした。

 

「織斑先生。それ、塩ですけど。」

「…………。」

 

何故ここに塩があるんだ!

 

 

金side

 

(あの機体……もしかして。いや、考えすぎかな?)

 

私は一夏君の機体を見てどこか既視感を覚える。

私の思い違いだといいけど……一応調べた方が良いよね?

 

「(月の夢。あの機体の情報、集めといて)」

『(……ハイ。)』

 

なんか片言だけど気にしない。

 

「いくらなんでもやり過ぎだろ!?」

「だから?」

「えっ?」

「だから何?一夏君も千冬先生の事馬鹿にされたら怒るでしょ?それと同じだよ?」

「だからって…!」

 

五月蝿い。

本当に五月蝿い。

見てもいないのにアナザー電王が作った機体をオンボロって勝手に決めつけたセシリアちゃんが悪いし。

 

『(金。情報を見つけました。)』

 

仕事が早い。

やっぱり月の夢はひと味違うね。

私は月の夢が見つけて来た情報に目を通す。

 

「……へぇ。」

 

その情報を見て私は気分が悪くなる。

一夏君はこの事知ってるのかな?

ちょっとカマかけてみようかな?

 

「にしても良かったね~。一夏君。」

「な、何がだよ。」

「だって、他に製作予定だったISを凍結させて君の機体を先に作って貰えたんだし。」

「……え?」

「多分、千冬先生もこの事は知らないのかな?調べた限り千冬先生は注文だけしたみたいだし。先に一夏君のを作れって言ってないみたいだし。あ〜でも、一人だけ反対した人がいたみたいだけど。」

 

勿論、途中からは仮説を立てた思い込み。

千冬先生がそんなことするような性格じゃないのは知ってるし。体罰多かったけど…。

それに、そんなこと所長さん(?)が見逃す分けないし。

一夏君を見れば有り得ないというような反応をとってる。

まぁ、もう一つ情報があるけどこっちは言わないでおこう。大事になっちゃうし。

 

「そ、そんな訳……。」

「その機体を作った人達が千冬先生の信者とかなら、有り得ない話じゃないと思うよ?まぁそんなことは置いといて……。」

 

そういって私は血染と血濡を持って構える。

 

「まだ遊び足りないんだ。やろうよ?」

 

さぁ、二回戦開始だね。

 

 

アナザー電王side

 

「あの龍蟹金って奴物凄い事ぶちまけたな。」

 

俺はアリーナの上で金が物凄い事実を暴露した事に驚きを隠せないでいた。

当然、観客席にいる奴等も驚きを隠せないでいた。

だが、今はそれどころじゃないかもな。

そう思い、俺は立ち上がる。

 

「いい加減出てきたらどうだ?更識楯無生徒会長さん?」

「あら、気づいてたのね?」

 

俺が振り向けばそこには水色の機体を纏った少女がいた。

特徴から言えば、外側にはねた水色の髪、そして赤い瞳。

彼女こそロシア代表更識家17代目頭首更識楯無。

本名は更識刀奈。

そして彼女が纏っているISが第三世代型IS『霧纒の淑女(ミステリアス・レイディ)』。

 

「いつから気づいていたのかしら?」

「最初からだよ。」

 

観戦してる途中で誰かが来る気配が来たから金を赤の他人の様に呼んだが…バレてないよな?

 

「もう一つ質問。何しに来たのかしら?」

「そりゃあ世界初の男性IS操縦者の実力を見に来たに決まってるだろ?まぁ、来るの早かったみたいだがな。」

 

そう言ってアリーナを見れば金が織斑一夏に反撃されることなく牽制してる。

 

「今出てるみたいよ?」

「どっちにしろ負けるだろ。龍蟹金って娘が圧倒的戦力差みたいだし。」

「まぁ、そうよね。」

 

いや、納得すんのかよ。

 

「そろそろあなたの名前聞きたいのだけれど?」

「おっとそうだったな。」

 

そう言って俺は腰に付けた武器を取り構える。

それを見た更識楯無は警戒して戦闘態勢をとる。

 

「俺の名はアナザー電王!歪んだ戦士の力を持った者の一人だ!」

 

 

一夏side

 

「やぁ!!」

「くっ…!」

 

強すぎる!戦力差がありすぎるだろ!

龍蟹さんは両手に持った鉈で俺に攻撃を仕掛けてくる。

俺が反撃しようとすれば風見鶏や天体望遠鏡からの援護射撃が入る。

 

「くそっ!隙が見当たらない!」

「一夏君ってちゃんとISの操縦訓練ってやったの?全然なってないんだけど……。」

「いや、やってねぇよ。」

「えっ?」

 

途端、龍蟹さんの動きが止まった。

チャンスと思い攻撃を仕掛けるが風見鶏からの攻撃が来る。

 

「えっと……。今まで何してたの?一週間ぐらい余裕はあったよね?」

「剣道をやってたけど…。」

「え、えぇ……。ダメじゃん」

 

おう、俺もそう思って箒に言ったけど目を逸らされた。

けど、それより気になることが一つある。

 

「なぁ……。」

「ん?」

「さっき言ってた事本当なのか?」

「さっき?あぁ、他の人の機体を後回しにしたってやつ?厳密に言えば途中で誰かが手を加えたみたいだけど、ハッキリ言えば本当だよ。」

「……っ。」

 

なんだよそれ。

他の奴の機体を後回しにして俺の機体を先に作ったって。

 

『「織斑。先程龍蟹が言っていたことは本当らしい。所長は反対したらしいが他の開発者が後回しにして織斑の機体を作ったらしい。」』

「なんだよ…それ。」

 

千冬姉の言ったことに俺は驚愕するしか無かった。

あいつは、その事知ってたのかよ。

 

「人間の中にはそういう奴らもいるんだよね。そうじゃないのもいるけど。」

 

龍蟹さんはやれやれといった感じの仕草をして告げる。

 

「聞きたいことはもう終わりかな?それじゃあ行くよ!」

「ッ!」

 

龍蟹さんは再び構えると俺に攻撃を仕掛けてきた。

 

 

千冬side

 

私は織斑と龍蟹の戦いを見ながら先程の事を考えていた。

 

「まさか……更識妹の機体を後回しにして機体を作っていたとはな。」

「……はい…。」

 

私は龍蟹の言っていたことに驚き、『白式』を作った『倉持技研』に問い合わせたところ、更識妹の専用機を後回しにし、織斑の専用機を優先したという事がわかった。

あいつは、一体どこでその情報を掴んだんだ?

 

「あの…千冬さ……織斑先生。」

「なんだ、篠ノ之。」

 

私が龍蟹の情報の出処に疑問を抱いていると、篠ノ之から声がかかる。

 

「何故あの風見鶏と天体望遠鏡は下から攻撃を仕掛けているんですか?」

「何?」

 

篠ノ之の言ったことに疑問を抱き映像を見る。

確かに風見鶏と天体望遠鏡は下から織斑に攻撃を仕掛けている。

先程のオルコットとの戦闘では上から攻撃を仕掛けていたというのに今は下から攻撃を仕掛けている。

まさかと思い、私は織斑達が戦っている場所の下を見る。

そこには今だにうずくまっているオルコットがいた。

 

「まさか、オルコットの事を考慮して……?」

 

 

月の夢side

 

『(金!先ずはオルコットさんを避難させないと!)』

「(やだ!)」

『(デスヨネ……。)』

 

私は、何とかメモリーズの攻撃がオルコットさんに被弾しないように下から撃ってるけど、金はお構い無しに攻撃を仕掛ける。

 

『(アナザー電王、助けて!)』

 

最早私は、どうにかなるはずもないのにアナザー電王に助けを求めてしまう。

 

 

楯無side

 

「……?」

「余所見してていいのかしら!?」

「おっとぉ!?」

 

私はアナザー電王と名乗った怪物と現在進行形で戦っている。

蒼流旋に備え付けられているガトリングで狙うが、アナザー電王はすぐ様回避する。

見た目の割に結構素早いのね。

さて、そろそろかしら。

威力は下がっちゃうけどこれなら回避できないわよね?

 

「ねぇ。なんかここ暑くない?」

 

私はわかりやすいようにアナザー電王に告げ、清き激情(クリア・パッション)を発動しようとする。が。

 

『ビュオオオオオ』

 

「!?」

「なら、その暑さをも吹き飛ばす突風はいかがかな?」

 

突然の突風に水蒸気が霧散され吹き飛ばされて行く。

彼の隣にはターコイズグリーンと黒で分けられた怪物がいた。

 

(いつの間に!?)

 

その怪物が来ていたことに全く気づかなかった。一体いつからいたの?

 

『ROCKET ON』『GATLING ON』『LAUNCHER ON』

 

『イーグル ジェット ベストマッチ』

 

「きゃあ!?」

 

突如として背中に伝わる痛みに思わず跪く。

何事かと思って辺りを見渡せば先程まではいなかった怪物達がいた。

 

「い、いつの間に…。」

「最初っからだぜ?こういう事も考えて待機させたんだよ。」

「嘘でしょ……。」

 

全く気が付かなかった。

私が驚いていると赤と青の怪物がこちらに殴りかかってきた。

私は急いでアクア・ナノマシンで防御をするが。

 

『デンキウナギ 発電機 ベストマッチ』

 

「あぁああああぁぁぁ!?」

 

向こうはベルトのレバーを回して電気を纏うことで私を痺れさせた。

 

「ハァ!」

「オルァ!」

「くっ!」

 

更に、落ち武者の様な怪物とアナザー電王による連携攻撃で、ダメージが蓄積する。

 

「強すぎるにも程があるでしょ……。」

「まぁ、それが俺達だからな。」

「それで?お仲間さんはこれだけじゃないんでしょ?」

「勿論。後はアナザークウガがいる。」

 

アナザークウガ。

恐らく、そいつがこいつらのボスなんだろうけど。一体どこに……。

 

『ガガガガガガガガ』

 

「!?」

 

私が考えてる中、突如として何処からか攻撃が飛んできた。

すかさず避けようとするも、まだ痺れていて思う様に動けない。

結果、ほとんどの攻撃に被弾する。

上空を見れば何機ものISが宙に浮かんでいた。

 

「何よ…あれ……。」

「業ガーディアン。俺達が設計して作り上げた無人機だ。」

「無人機!?」

 

無人機という言葉に思わず驚愕する。

こんな大量の無人機を作り上げるなんて普通じゃない。いや、もう怪物って時点で普通じゃないだけど。

 

「けど、もう役目は終わりだけどな。」

「どういう……!?」

 

理由を聞こうとするとパーカーを羽織った怪物とターコイズグリーンと黒の怪物が上空へ飛び上がって蹴りの姿勢に入る。

 

『DRILL ON』

 

『キックボクサー』

 

宇宙飛行士の様な怪物と赤と青の怪物がベルトを操作して同じ様に蹴りの姿勢に入る。

私はアクア・ナノマシンで防御に入ろうとするけど。

 

「!?発動しない!?」

 

アクア・ナノマシンが作動しない事に驚き、すぐ様機体を見る。

よく見ればアクア・ナノマシンを操作するためのアクア・クリスタルが壊れていた。

やられた。

あの無人機は最初からアクア・クリスタルの破壊が目的だった。

そう悔やんでる間にも四体の怪物はこちらに蹴りかかった。

 

「きゃああああ!?」

 

その後私は“四回”程の衝撃を受けて意識を手放した。

 

 

アナザー電王side

 

「あっやべ。」

 

更識楯無を倒したはいいものの、流石に四体での『アナザーライダーキック』(俺命名)は流石にやり過ぎた。

アリーナのシールドを突き破ってその先にいた織斑一夏に直撃して地面に落ちていった。

 

「ん~これはあれだ。」

 

俺はアナザーデンライナーを呼び出して大声で告げる。

 

「撤☆退☆」

 

俺達はアナザーデンライナーに乗り込みその場から去った。

 

 

時は遡り、金side

 

「おおおおおおおおおお!!!」

「あははっ。無駄無駄〜♪」

「それ反則だろ!?」

 

なんか聞こえるけど無視無視~♪

私は聖盾を取り出して一夏君の攻撃を防ぎまくる。

……今更だけど、なんでこれだけ綺麗なの?

 

『(金。遊んでますね?)』

「(ん〜?なんの事かにゃ~? )」

 

月の夢がそう言うが私ははぐらかす。

私は頃合いを見て血染を取り出して一夏君に一撃を与える。

 

「やぁ!!」

「がァ!?」

 

一夏君は一気に吹き飛ばされ、壁に激突する。

けど、それだけじゃ終わらない。

 

「メモリーズ!」

 

メモリーズを呼び出し一夏君に連続攻撃を与える。

だけど、これで終わりという訳じゃない。

何か来る。そう、私の感が告げる。

 

『(金。白式が初期化(フォーマット)最適化処理(フィッティング)及び一次移行(ファースト・シフト)が完了させました。)』

「……やっぱり。」

 

月の夢の報告を聞いて勘が当たった事にため息をつく。

見れば、一夏君の機体は先程よりも更に白くなっていて、手に持っていた近接ブレードはレーザーブレードに変わっていた。

 

「俺はいい姉を持ったよ。」

「ん?」

 

一夏君のISを観察していると一夏君が何かを呟き始めた。

 

『(金。どうやらアレは零落白夜の様です。)』

「(零落白夜って現役時代の千冬先生が使ってた単一仕様能力(ワン・オフ・アビリティ)だっけ?)」

『(はい。なので防ぐか、回避のどちらかでやればシールドエネルギーはなくると思います。)』

(急に知的。)

 

一夏君が何か言ってるけど無視して、月の夢からレーザーブレードに関しての情報を聞いた。なんか、フラグっぽいのが聞こえたけど。

 

「うおおおおぉ!!!」

「!!」

 

一夏君が特攻を仕掛けてきたので私は聖盾を構えて防御の体制をとる…………が。

 

『ドゴォォォォン』

 

「きゃああああ!?」

 

『ドゴン』

 

「ぐほっ!?」

「……えっ?」

『はっ?』

 

『ズドォォォォン』

 

『白式、シールドエネルギーエンプティ。勝者、龍蟹金』

 

上空から何かが落下してきてそれが一夏君に衝突。

あまりの出来事に月の夢も思わず声に出してしまう。

よく見れば、水色のISに乗った少女が一夏君を下敷きにしてのびていた。当然、一夏君ものびている。

 

『プァァァァン』

 

状況を整理していると上空から音がした。

上空を見ればアナザーデンライナーが走り去っていくのが見えた。

 

「あぁ。なるほど。」

 

原因が何となくわかった私は取り敢えず、一夏君と水色のISに乗った少女の救出に向かった。

セシリアちゃんは他の人に任せた。

 

 

三人称視点

 

「……今、何が起きた?」

「さ、さぁ?」

「…………。」

 

突然の出来事に千冬、真耶、箒の三人は唖然としていた。




いかがでしたか?

小説下手くそですみません


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戦いの後

後半辺りで謎の人物が二体でます


金side

 

今、私はアナザーデンライナー内にある自分の部屋にいる。

あの試合の後、空から落ちてきた生徒会長(千冬先生から聞いた)はどうやらアリーナの外で侵入者(多分、アナザー電王達)を捕らえようとしたが返り討ちにあってしまったらしい。

それと千冬先生にやり過ぎだと軽く怒られた(けど私は悪くない)。

因みに、セシリアちゃんは精神状態は安定したものの、今だに私に対してトラウマになっているみたい。知ったこっちゃないけど。

それで、その後はIS学園に備え付けられている寮の部屋に戻ろうとしたけど、アナザー電王から連絡が入ってアナザーシノビが興味深い物を見つけたらしいので、私は即座にアナザーデンライナーに戻りアナザーシノビからそれを受け取りそれを調べている。

 

「ふーん、なるほどねぇ。」

 

結果から言えば、現代の科学ではできるものでは無いことがわかった。

強い雷の力を纏っていて、下手に扱えば辺り一面を焼け野原にしてしまうくらいの威力があった。

 

「これは『《ラブ・ギルティ》』に搭載させるのは危険だなぁ…。」

 

私は『《ラブ・ギルティ》』にこれを搭載させるのを諦める事にした。

そろそろ寮に戻らないと千冬先生に怒られるなぁ。

 

 

楯無side

 

「はぁ。まさか油断するなんて……。」

 

私は、寮の自室のベッドに横になってあの時の出来事を思い出していた。

 

(アナザー電王……。その仲間に無人機の業ガーディアン。厄介すぎるにも程があるでしょ……。)

 

IS学園に侵入してきた怪物と無人機。

あんなのがまた来たらと思うと気が思いやられるわね。

 

「そういえば、アナザークウガとか言うやつの情報を聞くのを忘れていたわね。迂闊だったわね。」

 

私はアナザークウガに関しての情報を聞き出せなかったことに悔やんでいると。

 

『コンッコンッ』

 

「お嬢様。よろしいでしょうか?」

「虚ちゃん?いいわよ。」

「失礼します。」

 

虚ちゃんが私の部屋に来るなんて珍しいわね?

虚ちゃんを見れば何やら真剣な顔をして入って来た。

 

「どうしたの虚ちゃん?そんな真剣な顔をして。」

「お嬢様はクラス代表決定選の行われているアリーナの外で怪物と無人機と戦ったって仰ってましたよね?」

「え、えぇそうよ?それがどうかしたの?」

 

何故その事を聞くのかと思い、私は虚ちゃんに聞いた。

 

「もしかしたら先日、テロリストを潰したという奴らかもしれません。」

「えぇ!?」

 

私は虚ちゃんが言ったことに驚きを隠せないでいた。

当たり前だ。あんな少ない数でテロリストを潰したなんてありえないからだ。

 

「その時の映像がテロリストのアジトがあった場所に残されてたISの残骸に僅かな映像データがありました。それがその時の映像です。」

 

そう言って虚ちゃんは端末を操作して私に見せてきた。

 

 

◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢

 

『な、何だよこいつら!?』

『弾が全然聞かねぇ!?』

『役に立たないわねあんた達!!退きなさい!!』

 

『ドゴォォォォン』

 

『これで死んだでしょ。』

 

『ROCKET ON』『DRILL ON』

 

『なっ!?なんで効いてnきゃああああ!?』

『ど、どうなってんだよこのバケモン共!?』

『行くぜゴルァ!!』

 

『ガガガガガガガガガガガガ』

 

『う、上からも敵襲!?』

『何よあの数……。千は軽くこえてるじゃない!?』

『俺たちの力舐めんじゃねぇぞゴルァ!!』

『くっそが!!舐めんなぁ!!』

『お、おい!待て!!』

 

『ザシュッ』

 

『あ……が…。』

 

『ドサッ』

 

『ヒィ!た、助け…。』

 

『ダァン』

 

『あ…あぁ。』

『コレで外いる奴らは全員か?』

『…………ッ。』

『ん?あぁあと一人いたな。』

『!?』

『おっと、逃げんなよっ!!』

 

『ザシュッザシュッザシュッザシュッ』

 

『ガァァァァァァァァァ!?』

 

『ガシャン』

 

『全く、敵が多いってのは大変だなぁ。』

『グ……!』

『それじゃあ……goodbye』

 

◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤

 

「これって…。」

「はい。間違いなくお嬢様の言っていた怪物と無人機と思われます。」

 

何よこれ……。業ガーディアンってあんな大量にいるの!?

はっきり言って勝てっこない。

映像で見ただけでも千は軽く超えている。

今現在あるISコアの量をはるかに凌いでいた。

対策しとかない下手したらやられる。

 

「あら?」

 

私が対策を考えている中、虚ちゃんが何かに気づいたようだった。

 

「どうしたの虚ちゃん?」

「この映像、まだ続きがあったみたいです。」

「ホント!?」

 

私はその事に驚きすぐさま映像を見る。

 

◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢

 

『よーし。終わった終わった。』

『…………。』

『ん?あぁ、わかってるって。急いで帰るぞ。』

『…………。』

『あぁ、取りこぼしはねぇぜ。』

 

『ピピピッピピピッ』

 

『ん?アナザーフォーゼ。連絡来てるぞ?』

『……?』

 

『CAMERA ON』

 

『アナザーシノビから連絡?なになに?………………あぁついに来たか。』

『…………。』

『あぁ。早く帰らねぇとこg』

 

◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤

 

『バリンッ』

 

「「!?」」

 

私達が映像を見ていると突如どこからが何かが飛んできて端末を破壊した。

私達慌てて振り返るがそこには誰もいなかった。

そして、端末を破壊した物の正体を見れば、忍者などが使う苦無である事がわかった。

 

「…………『これ以上知るな』ってこと?」

 

少なくとも、油断出来ないっと言うことがよく分かった。

 

 

???side

 

「………………つまらんな。」

 

やはりこの世界で一人だけというのはつまらん。

たまには“現実の世界”にも出る必要があるか?

 

「…………行くか。」

 

少しぐらい暇つぶしになればいいが。

 

 

あの時、暇つぶしになればいいと思った俺を恨みたい気分だ。

 

「見つけたわよ!」

「チィッ!!」

「きゃぁぁ!?」

 

後ろを見れば妙な鎧を纏った連中(全員女だが)が追いかけてきた。

しつこいにも程があるだろぉ!!

 

「オラァァァァァァァァァァァァァ!!」

「「「キャアアアア!?」」」

 

炎を纏わせた斬撃を飛ばして鎧を纏った連中の動きを止めた。

 

(今のうちに。)

 

 

三人称視点

 

教師達が侵入者の攻撃を受けて再び追跡を行うが既にその侵入者の姿は無かった。

 

「いない!?」

「何処に!?」

 

教師達が必死に探すも、侵入者は見つからず諦めて戻ろうとするが。

 

【ライダータイム!】

【仮面ライダージオウ!】

 

「「「!?」」」

 

突如として聞こえた音声に、教師達は音のした方に振り向く。

そこには先程の侵入者とは別の侵入者がいた。

顔は腕時計で出来ており、鏡文字で『ライダー』と書かれていた。

その侵入者はゆっくりと近づくと左腕に付けられていた“なにか”を取り外す。そして、それの表面を90度回転させるとスイッチを入れた。

 

【リュウガ】

 

それをベルトの右側のスロットにセットし、ベルトの上についているスイッチを押しロックを解除する。

そしてそのまま、ベルトを360度回転させた。

 

【ライダータイム!】

【仮面ライダージオウ!】

【アーマータイム!】【アドベント!リュウガ!】

 

その音声と共にその侵入者に装甲が装着された。

両肩に黒い龍の頭の装甲が装着され、顔は先程の腕時計ではなく騎士の顔のようになっており、額に禍々しい龍のエンブレムがついている。

そして、顔に鏡文字で『リュウガ』と書かれている。

 

「な、なんなのよあんた!?」

「人間如きがっ……!」

「きゃあ!?」

 

気を取られてるうちに背後に先程の侵入者が現れ、教師の一人を斬り付ける。

 

「……。」

 

【ジカンギレード!】

 

もう一人の侵入者は剣を取り出すと教師達に斬り掛かる。

教師の一人は装甲を纏った侵入者にアサルトライフル『焔備』で狙い撃つが、もう一体の侵入者が守るように攻撃を受ける。

同時に目の前に鏡が現れ、先程侵入者が受けたダメージがそのまま教師達に当たった。

 

「きゃあ!?」

「嘘でしょ!?」

「…………。」

 

【フィニッシュタイム!】【リュウガ!】

 

ダメージを受けて倒れた教師達を見た装甲を纏った侵入者は、両方のスロットに取り付けられたアイテムのスイッチを入れ、ベルトをもう一度360度回転させた。

 

【ファイナル!タイムブレーク!】

 

「ハァァァァァァァ……ハァッ!!」

「「「キャアアアア!?」」」

 

二人の侵入者は教師達に向かって強力な蹴りを与える。

直撃した教師達は余りの衝撃にISを解除されて吹き飛ばされる。

 

「「………………。」」

 

二人の侵入者は教師達が気絶してるのを確認すると、すぐ様その場から退散した。

 

 

???side

 

「悪い。」

「別に構わん。」

 

俺は元の世界に戻ると近くの椅子に座った。

横目に“彼女”を見ればまだ変身は解いていないようだった。

彼女は外を眺めていた。

 

「……どうした?」

「なに、まだ“私”が来ないのだなっと思ってな。」

 

そう言って彼女は腰に付けている『ジクウドライバー』のスロットに付けられている『ジオウライドウォッチ』と『リュウガライドウォッチ』を外し変身を解除した。

 

「私を見た時の反応が楽しみだ。」

 

そう言った彼女は笑みを浮かべていた。

それを見て俺はやれやれと呟いた。



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授業!次にLet'sparty!そして事件へ

お待たせ致しました。

また、新キャラ出ます。

(||゚Д゚)ヒィィィィ


金side

 

「(侵入者?昨日の夜に?しかも二人?)」

『(はい、二人です。)』

 

月の夢からそんな報告を受けて内心首を傾げる。

今、教室では一夏君がクラス代表に決まったことが言われているが、そんなものは無視して月の夢の報告を聞いた。

 

「(どんなの?)」

『(一人は全身真っ黒だったのでよく分かりませんが、もう一人は恐らくジオウかと思われます。)』

「(……げ。)」

 

その名前を聞いて、私は心底嫌そうな顔を浮かべる。

ジオウ。

フルネームで言えば仮面ライダージオウ。

もしかしたら天敵になるかもしれない戦士の一人。

未来で魔王となる戦士。

別にジオウが魔王になるのは興味ないが、問題はその性質。

過去の仮面ライダーの力を受け継ぐという事。

私達アナザーライダーはそんな過去の仮面ライダーの力、姿を歪めたもの。

そしてその弱点は、オリジナルの仮面ライダーの力。

今は月の夢のおかげでその弱点は無くなったが、安心しきったらやられるかもしれないと少し恐怖している。

 

『(けど、普通のジオウとは少し違います。)』

「(?どゆこと?)」

 

『バシンッ』

 

「きゃあ!?」

 

なんか、頭上から降ってきたけど気にせずに月の夢の話を聞いてみよう。

 

『(…………左右反対でした。)』

「(左右反対?)」

『(はい。ライダーの文字も、ライドウォッチをセットする位置も。)』

 

左右反対。

それはつまり鏡のように正反対になっているっと言うこと。

ということは……。

 

「(鏡の中のジオウって事?)」

『(恐らく……。)』

 

となると。

もう一人の侵入者は…………。

 

『バシンッ』

 

「いい加減しつこいよ?」

「…………っ。移動だ。」

 

どうやら考えるのはここまでみたいだ。

そう思って私は立ち上がり移動を開始した。

 

「こーちゃん!先ず着替えて!?」

 

あっ、忘れてた。

 

 

???side

 

「すぅ……すぅ……すぅ……。」

「随分と寝てるな。」

 

俺は寝ている彼女をじっと見ている。

彼女は少し前にふらりと現れて自らを『ミラーライダージオウ』と名乗った。確かにミラーだったが。

それからは偶に現れてはどこかへと行くという事が多い。昨日の夜もジオウがどこかへと出かけて行き、一人という結果になり暇になった。

暇になった時はいつも外の世界へと出向き、人に見つからずに散歩するのだが、昨日は運悪く監視に見つかった。

ジオウが来なければどうなっていたことか。

 

「昨日の夜は大変だったらしいな。」

「…………オニキスか。」

 

俺がジオウを見ていると後ろから声が聞こえた。後ろを振り向けば俺としては知っている人物だった。

オニキス。

俺を生み出した張本人。

俺のオリジナルである『仮面ライダーリュウガ』の姿を持つ。

勿論、リュウガとしての能力を持っている。

ただ、違う点を上げるとすれば、ハンマーも扱う事。そして、ガードベントとソードベント、ファイナルベントの組み合わせでドラグブラッカーになれる事だ。

後は、目が赤ではなく紫だと言うことだ。

 

「完全な俺の不注意だ。」

「いや、昨日の事は仕方がない。なにせお前の前に侵入者がいたらしいからな。」

「……そうなのか?」

 

だとするなら、昨日警備の連中に見つかったのは警備を強化していたからという事だ。

とんだとばっちりだ。

 

「んぅ……。」

「ん、起きたか。」

 

どうやら起こしてしまったらしくジオウが起きてまう。

ジオウは目を擦っていると不意に動きを止めた。

視線の先にはオニキスがいたので恐らくオニキスの事が気になったのだろう。

 

「紹介しとかなければな。こいつは「オニキスか、久しいな。」……知ってるのか?」

「あぁ。私にジクウドライバーとライドウォッチをくれた人物だ。」

 

どうやらオニキスと会ったことがあるのは俺だけではなかったようだな。

 

「何か用なのか?」

「……あぁ。」

 

そう言ってオニキスは指を鳴らし、腕を組む。

すると、オニキスの背後に何体かの左手が現れた。その左手の動きは何やら狂ったかのような動きをしていて不気味だった。

 

「こいつらと一緒にクラス代表選に現れる無人機を倒して欲しい。」

「無人機?」

 

恐らくISの事だろうが何故無人機なんだ?

そう疑問に思っている事に気づいたのか、オニキスは俺に告げた。

 

「篠ノ之束が織斑一夏に手柄を立てるために無人機を向かわせる気らしい。」

「身勝手にも程があるだろ……。」

 

長身の男性が言ったことに思わずよろめき、ジオウは天を仰ぐ。

篠ノ之束は大人ではあるのだが精神的に子供なことが多々多い。

 

「というか、今妹の篠ノ之箒に専用機を作ってるらしい。」

 

続けてオニキスが言ったことに頭を抑えたくなる。

流石にここまで来ると自分勝手すぎる。

 

「そういう事だ。こいつらと一緒に頼むぞ。」

「あぁ、わかった。」

「承った。」

 

俺達が了承するとオニキスは何処かへと去って行く。

ふと立ち止まると、オニキスはこちらを向いた。

 

「頼んだぞ。アナザーリュウガ、……ジオウ。」

 

ふとジオウを見れば、三日月のように笑っていた。

 

 

金side

 

『「何をしている。スペックではブルー・ティアーズより上だぞ。」』

「そう言われても……。」

「ISの訓練をしなかった結果だよ。」

「うぐ……。」

 

現在私、セシリアちゃん、一夏君はISの授業で専用機を纏って空を飛んでいます。

千冬先生の言っている事を察するに、私のラブ・ギルティ、一夏君の白式、セシリアちゃんのブルー・ティアーズという順に速いみたいだけど、一夏君は剣道しかやっていなかったため、すごい遅い。

しょうがないね、剣道やってたから。

上空に着くと一夏君とセシリアちゃんが話し始める。

……なんかセシリアちゃんが一夏君を名前呼びにしてるけど……まさか、惚れた?チョロい。

 

『「一夏!いつまでそんなところにいる!早く降りてこい!」』

 

そんな声が聞こえてきたので下を見ると、箒ちゃんが真耶先生から通信機を奪って講義(?)している。

あっ、叩かれた。自業自得だよね。

 

『「オルコット、龍蟹、織斑。順番に急降下と完全停止をやってみせろ。目標は地上10㎝だ

」』

「はーい。」

 

千冬先生がそう言うので私は真っ先に急降下して完全停止を行った。

結果は見事に10cm。やったね。

次にセシリアちゃんが来て、その次に一夏君が来た…………あれ?なんか早く……

 

『ズドーーーン』

 

「……うっそーん。」

『最早駄目ですね。』

 

一夏君が地面に激突して〇神家みたいになってる。

流石にこれは酷い。

この後、あの穴は一夏君が塞ぐことになった。

 

 

第三者視点

 

『ハァァァァァァ!』

『□□□□□□□!』

 

IS学園から少し離れた場所。

そこで二体の者による戦いが起きていた。

片や顔がレンチで出来た機械のような戦士。

片や木でできた奇妙な怪人。

その二体が戦闘を行っていた。

 

『はぁ!』

『□□!?』

 

機械の戦士は木の怪人を殴り飛ばすとベルトの左右ユニットに両手をかざす。

すると、機械の戦士の上半身全体にエネルギーがチャージされる。

機械の戦士大きく飛び上がり、木の怪人に足を向ける。

足にエネルギーが行き氷柱が生成されると同時に、機械の戦士は必殺技を放った。

 

『フルメタル・ジ・エンド!』

 

木の怪人に直撃し、大きく吹き飛ばされ爆散する。

 

『やっべぇ!?』

 

機械の戦士は不味いと思い、慌てて木の怪人が爆散した場所に向かう。

しかし、そこにあったのは燃えて炭となった木材だけであり他に何も無かった。

 

『だぁぁくそぉ!!やり過ぎた!!』

 

機械の戦士は悔しがると慌てて周囲を探し出す。

しかし、探している“モノ”は全く見当たらなかった。

ふと、機械の戦士はゆっくりとある方向に視線を向けた。

その先は、IS学園。

 

『……まさかな。』

 

 

???side

 

「姉貴~。カレーの準備が出来ました!」

「姉御~。俺も~。」

「…出来た。」

「ありがとう。」

 

私は仲間と共に料理を作る準備をしてる。

今回は私たちが好きなカレー。

私はエプロンを付けてバンダナを締める。

私は良しっと意気込んでカレーを作り始めようとする。

 

『~♪〜♪~♪』

 

突如として通信が入った。

画面を見れば『パパ』と出ていた。

 

「……?パパから?」

「……芭。ボスがそろそろ親離れしたらって言ってたよ。」

「あっ……そうだった。」

 

私は苦笑いしながらパパからの通信に出る。

 

『『……グリス聞こえるか?』』

「……うん、聞こえるよパ……キカイ。」

 

パパがコードネームで呼んだので私も呼ぼうとしたけど、危うくパパと呼びそうになった。

パパはしばらく黙ってたけど話し始める。

 

『『悪いグリス。昼御飯作ってる途中だったか?』』

「これから。」

『『そうか……悪いな。ちょっと頼み事があるんだが良いか?』』

「…………なんでしょうか?」

『『実はまたアナザーキカイを逃してしまった。』』

「またかよ。倒したあとの行動力早すぎだろ。」

「ガラノス、黙れ。」

「いったァ!?」

『『(ご愁傷様……)もしかしたらIS学園に向かったのかもしれねぇら……頼めるか?』』

「わかりました。」

『『悪いな。』』

 

そう言うとパパは通信を切った。

ホントならすぐにでも昼御飯を作って食べたいけど、アナザーキカイはある意味危険。

直ぐに対処しないと周りに被害が出る。

特に、IS学園のような“欲望”が渦巻いていそうな場所は。

 

「行くよ、ルージュ、ガラノス、ジョーヌ。」

「よっしゃあ!行くぜ!」

「ガラノス。芭の足でまといになるようだったら五右衛門風呂だから。」

「ルージュ!?それ拷問!!」

「なんぼのもんじゃあ!」

「了承しないで!?」

 

私は少し苦笑いしながら出動した。

今回は長くなりそうな気がする。

 

 

「芭。カロ〇ーメイト。」

「あ、ありがとう。」

「(ルージュの奴自分の全部あげたぞ?)」

「(そっとしておこう。)」

 

 

金side

 

「それじゃあ、織斑君のクラス代表就任を祝って!」

「「「「「かんぱーい!!!」」」」」

 

クラス代表就任しただけで祝う?普通?

しかも食堂でパーティするとか。

私は騒ぐ人達を無視して料理を食べる。うん。美味しい。

料理作れたらいいんだけど、私下手くそだからね。物体X出来ちゃう。前、オムライスとか作ったけど普通に不味いし、カレー作ったらやばいオーラ出たし(味見したら死にそうになった、死なないけど)。

 

「はいはーい、失礼しまーす。新聞部でーす。話題の新入生、織斑一夏君に特別インタビューしに来ましたー!」

 

そんな声が聞こえるのでそちらに視線を向けると眼鏡をかけた人がやって来た。

リボンの色からして恐らく三年だと思う。

名刺を一夏君に渡してたので覗いてみるど『黛薫子』という名前だった。

 

「ではではすばり織斑君!クラス代表になった感想をどうぞ!」

「え!?えーと……なんというか、頑張ります」

「えー、もっといいコメントちょうだいよー。俺に触れると火傷するぜ!みたいな」

「自分、不器用ですから」

「うわっ、前時代的!……まあ、適当に捏造しておくからいいとして」

 

……薫子先輩も前時代的。あと捏造すんな。

私は血染を出して脅すと、薫子先輩は顔を青くして捏造しないと言ったのでしまった。

 

「あ、織斑君と戦ったセシリアちゃんも何かコメントちょうだい」

「わたくしですか!?……あまり好きではありませんが、仕方ないですわね。では……」

「あ、やっぱ長くなりそうだからいいや。適当に捏造しとくね、織斑君に惚れたことにしとこうか」

「な、なななな………」

「薫子先輩……?」

「すみませんでした!!!」

 

この人、迷惑って奴を知らないの?

私は料理を呆れながら食べる。騒がしいのは別に構わないけと流石にこれはどうかと思う。

私が黙々と食べていると薫子先輩がこちらへとマイクを向ける。

あっ、私の番?

 

「それじゃあ織斑君とセシリアちゃんを倒した金ちゃんから織斑君に一言。」

「剣道と一緒にすんな。装備の性能を確認しろ。ド下手くそ。直ぐ調子に乗るな。フェイントとかかけろ。BT兵器上手く扱えるようになれ。」

「ぐふっ……。」

「わたくしまで!?」

 

私はただ単に率直な感想を述べただけ。

薫子先輩を見れば若干顔が引きつってる。

服がダボダボな娘(多分本音ちゃん)は「おー」と拍手してる。

 

「そ、それじゃ、最後に三人で写真を。はいはい、よってよってー。」

 

料理を食べさせてよ。

先輩によって強引に手を繋がされる一夏君とセシリアちゃん。そして一夏君をじろじろと見るセシリアと箒ちゃん。

私はセシリアちゃんの横に行く。

セシリアちゃんはビクッとするが気にしない。

 

「それじゃあ撮るよー!35×51÷24は?」

「74.375。」

「正解!」

 

いや、簡単すぎる。

そう思って座って食事を再開する。

 

「……?」

 

今一瞬、銀髪の女の子がガラスに写った気がしたけど……。

 

(…………何もいない。気のせいか。)

 

私は食事を再開する。

 

 

???side

 

「ふふふ、ついに来たわ。待ってなさいよ、一夏!」

 

私はIS学園に着いてそう意気込んだ。

私は受け付けの所に向かおうとするが、何処か判らない。

仕方無く近くに誰かいないかと探しながら進むと。

 

『カサカサカサカサッ』

 

「ひぁああ!?」

 

地面に奇妙な虫が現れてそのまま木へと登って行く。

 

「な、何なのよ……あの虫。」

 

私がそう言ったその時だった。

気に登った奇妙な虫から赤い糸のようなものが現れて、木を縛り付ける。

そして、木は徐々に姿を変えていき。

 

『□□□□……。』

「ヒッ……!?」

 

木は奇妙な化け物に変わった。

その木の化け物は、そのまま私の方に視線を向けた。

そして近付いて来て、私の喉を掴む。

 

「あぐ……。」

『□□□□□□□。』

 

木の化け物は私に何かを入れた。

途端に苦しくなって胸を抑える。

 

「あ……あぁ!?あぐぅ…ぅあ……た…………助けて………………一……夏…………。」

 

私は一夏の名前を呼ぶが叶わず、意識が遠のいた。

 

 

第三者視点

 

「ブルォォォ……。」

『………………。』

 

暗闇の中に二体の怪物がいた。

片方は木でできた牛の怪物。

もう片方は機械の戦士が倒した怪物『アナザーキカイ』

 

「ブルォォォ……!」

『…………□□□…。』

 

牛の怪物『ウッドカウヤミー』は唸ると何処かへと走って行った。

アナザーキカイはもう一つ欲望の感じる方へと向かって行った。

 

 

???side

 

「あれは一体?」

 

俺は何処かへと走って行く木でできた牛の怪物を見かけた。

 

「嫌な予感がするな……。」

 

俺は、アナザーリュウガと〇〇〇を呼びに行った。




次回予告

VSヤミー

お楽しみに


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VSヤミー×3

最初に言っておく。

今回はかーなーり長い。


アナザー電王side

 

「!?」

「うおっ!?あっつあ!?……どした、アナザーオーズ?」

 

俺はいつも通りに珈琲を飲んで休んでいると、アナザーオーズが急に立ち上がった。

その衝撃で珈琲を零して熱い目にあった。

俺は零した珈琲を拭きながら、突如立ち上がったアナザーオーズに問いかける。

しかし、アナザーオーズは黙ったまま立ちすくしていた。

そして。

 

「あっおい!?アナザーオーズ!?」

 

アナザーオーズは慌てながらアナザーデンライナーを降りていった。

騒ぎを聞きつけたのか、隣の車両からアナザービルドとアナザーエグゼイドが顔を出した。

他のアナザーライダーも、アナザーオーズが飛び出して行った方向を見て首を傾げたり、目を合わせたりとしていた。

 

「どうしたんだ?」

 

そう思っていると影からアナザーシノビの手下『ダスタード』が現れた。

ダスタードは懐から紙を取り出した。

それはアナザーシノビからの報告。

俺はそれを受け取り内容を見る。

 

『IS学園にてヤミー発生。

今現在の数は一体。

何かを探している模様。』

 

「何!?」

 

俺は思わず立ち上がる。

アナザーオーズが急に出て行ったのはこれが原因か……!

 

「こうしちゃいられねぇ……。行くぞ!お前ら!」

 

俺は急いでアナザーデンライナーを降りる。

他のアナザーライダーも急いで降りて行く。

アナザービルドとアナザーエグゼイドは隣の車両に入って何かをした後、大急ぎで降りて行く。

 

 

第三者視点

 

アナザーライダー達が出て行った後。

アナザービルドとアナザーエグゼイドがいた場所で変化が起きていた。

 

『カタカタッ』『カタカタッ』

 

粒子状の物が入った瓶が揺れ始める。

それは次第に揺れて行き。

 

『ガシャン』『ガシャン』

 

地面へと落ちて割れた。

そして、粒子状の物はやがて人の形を作っていき。

 

「………………。」

「………………。」

 

二体の怪人が生まれた。

その二体の怪人は見た目は似ているが色が異なった。

片方は黒系統の色。もう片方は一部に茶色が入っていた。

“既に完成された”それは、隣の車両へと移動して、そのまま運転車両へと向かった。

そして二体の怪人は己達が行きたい場所へと向かった。

 

感染者(宿主)”を求めて。

 

 

金side

 

「ごちそうさま。」

「あれ?こーちゃんもう行っちゃうの?」

「うん。」

 

食べ終わった私は立ち上がり、食堂を出ようとする。

けど。

 

『ビー!ビー!ビー!』

 

「……ウェ( 0w0)?」

『アナザー電王からの緊急通信?』

 

私は食堂から少し離れて通信を開く。

画面にはアナザー電王が映った。

何故か慌てているようだけど?

 

『「金!!そっちでヤミーが出た!!」』

「え“」

 

アナザー電王がそう言った時だった。

 

『バリーーーン』

 

「ブルォォォォォォォ!!!」

「ウェェェェェェェェェェェイ( ;0w0)!?」

 

突如、窓ガラスをぶち破って何かが現れた。

それは木でできた牛の怪人。

恐らくアナザー電王の言ってたヤミーだと思う。

 

「ナ,ナズェココニイルンディスカ( ;0w0)!?」

『金!落ち着いて!言語が可笑しくなってる!』

 

うん!ごめん!無理!

だってヤミーって欲望の塊怪人でしょ!?何でいるの!?

すると牛の怪人は、食堂に向けて移動しようとした。

逃がさないと思い、足を掴むが。

 

「ブルォォォォォォォ!!!」

「ウェェェェェェェェェェェェェェェェェェェイ( ;0w0)!!!!????」

『『「金ぇぇぇぇぇぇ!?」』』

 

あえなく私は引き摺られていく。

ヤバい、死にそう。死なないけど。

 

 

???side

 

「……はぁ。」

 

やっぱり上手くいかない。

もう無理なのかな?

本音の誘い乗れば良かったのかな?

お姉ちゃんに叶わないのかな?

 

「……駄目。弱気になっちゃ駄目。絶対、お姉ちゃんを見返してやる。」

 

私はやる気を取り戻して作業を再開した。

 

『チャリン』

 

「ぁあ!?あグゥ……ゥあぁあ…がァ…………。」

 

突如として苦しさが全身に伝わる。

何が起きたのか理解できなかった。

後ろを見れば木のような怪人がいた場所。

 

「タ……助けて…………お……姉ちゃ…ん」

 

私は意識を手放した。

 

 

一夏side

 

「ん?」

「どうした、一夏?」

 

何か、誰かの断末魔のようなものが聞こえたけど、気のせいか?

そう思ってた時だった。

 

「ブルォォォォォォォ!!!」

「ウェェェェェェェェェェェイ( ;0w0)!!!!????」

「「「「「!?」」」」」

 

突如として食堂にそれは現れた。

木でできた牛の化け物が走ってやってきた。

……よく見るとその化け物の足に龍蟹さんがしがみついてる。

 

「…………コフッ」チ───(´-ω-`)───ン

「こーちゃん!?」

 

だが力尽きたのか化け物の足を離し、力尽きた。

牛の化け物は辺りを見渡し、

 

 

 

 

俺と目が合った。

 

「…………えっ?」

「ブルォォォォォォォ!!!」

「一夏!!!」

「一夏さん!!!」

 

そのまま牛の化け物はこちらに一直線へと走ってきた。

俺は思わず棒立ちしてしまった。

ここで死ぬのかと思った。

けど、それは現れた。

 

『バリーン』

 

「オォォォォォォォ!!!」

「ブルォ!?」

 

窓ガラスを突き破ったそれは木でできた牛の化け物に攻撃を与えた。

牛の化け物は突如の攻撃に反応出来ずに吹き飛んだ。

現れたそれも同じ様に化け物だった。

頭は鷹のような頭で、両腕は虎のような柄の腕、そして緑色の脚の化け物。

 

「ブルルゥ……。」

「ウゥ……。」

 

牛の化け物と三色怪人(上から赤、黄色、緑の色合いだったので)は互いに距離をとり攻撃に備える。

 

「ブルォォォォォォォ!!!」

 

先に仕掛けたのは牛の化け物だった。

牛の化け物は吼えると三色怪人に向かって突進して行った。

対して三色怪人は動かずその様子をただ立ち止まって見ている。

そして。

 

「アァァ!!」

「ブルォ!?」

 

三色怪人は牛の化け物にカウンターで腹部を引き裂く。

すると、チャリンチャリンという音が聞こえてきた。

 

「メ……メダル?」

 

音の発生源は銀色のメダルだった。

あの化け物はメダルで出来てるってのか?

そう考えてる内に牛の化け物は再度三色怪人に攻撃使用とする。

 

「ウェェェェェェェェェェェイ( #0w0)!!!!!!!!」

「ブルォ!?」

 

だが、ISを纏った龍蟹さんが蹴りを放ち、牛の化け物を外へと追い出した。

三色怪人は牛の化け物を追って外へと出て行った。

…………後、龍蟹さん。その叫び声何?

 

「さっきのお返しだァ!」

「こーちゃん大丈夫〜?」

 

そこへ、龍蟹さんを心配してきたのほほんさんが救急箱を持ってやってきた。

 

「結構痛いかな…………保健室行ってくる。」

「ついて行こうか?」

「ありがとう……大丈夫だよ。」

 

そう言って龍蟹さんはのほほんさんから救急箱を受け取ってフラフラと食堂を出て行った。

 

『ゴンッ』

 

「ウェイッ( ;0w0)!?」

 

絶対大丈夫じゃないだろ……?

 

 

芭side

 

「やっぱり被害が出てたか……!」

 

ガラノスはその状況を見て悔しがるような仕草をした。

視線の先には牛の化け物と三色怪人が相対していた。

その後に何体かの怪人が現れる。

 

「ど、どうする?」

「そんなの、答えは一つだけ!」

 

私は金色のレンチが付いた水色のドライバー『スクラッシュドライバー』を腰につけ、ゼリー飲料の容器『ロボットスクラッシュゼリー』をスクラッシュドライバーにセットした。

 

【ロボットゼリー!】

 

ロボットスクラッシュゼリーをセットすると待機音がなる。

ルージュ、ガラノス、ジョーヌはそれを見て懐からボトルの容器『ロストフルボトル』を取り出し、それを振ってフタを正面に合わせた。

そして私は戦士になる為の言葉を叫んだ。

 

「変身!」

 

【潰れる!流れる!溢れ出る!】

 

私の周囲にビーカーが現れ、機械の潤滑油の様な黒い液体で満たされると、ビーカーが絞られるように収縮し、ゼリー飲料の飲み口の様な頭部を持つパワードスーツの姿が露わになり、頭部から突然金色にも見える色のゼリーが噴き出し、そのパワードスーツの頭部や胸、肩に降りかかり、ゼリーが固まると余計な部分がはじけ飛んだ。

 

【ロボット イン グリス!】

【ブルァァァ!】

 

金色と黒を基調とした戦士『仮面ライダーグリス』へと私は変身した。

 

ルージュは赤い煙を纏い、城壁に似た怪人『キャッスルロストスマッシュ』に、ガラノスは青い煙を纏い、鍬形虫に似た怪人『スタッグロストスマッシュ』に、ジョーヌは黄色い煙を纏い、梟に似た怪人『オウルロストスマッシュ』に変身した。

 

【ツインブレイカー!】

 

「みんな!行くよ!」

「えぇ!」

「「おう!」」

 

私はツインブレイカーを装備してヤミーへと特攻して行った。

 

 

???side

 

「やはりこうなったか」

 

俺達は金色の戦士と三体の怪人の後ろからやって来て、その先にある出来事を見て呟く。

 

「アイツらに任せた方が良いんじゃないのか?」

「数は多い方がいいだろう。」

 

アナザーリュウガと〇〇〇がそんな話をする。

まぁ確かに手強い相手だったら数は多い方がいいだろうからな。

 

「ジオウ。変身しなくていいのか?」

「そうだな。」

 

そう言うと〇〇〇はジクウドライバーを腰に付け、懐からジオウライドウォッチを取り出し起動させる。

 

【ZI-O】

 

ジオウライドウォッチを『D'9スロット』にセットし『ライドオンリューザー』を押しロックを外す。

背後には様々なアナログ時計が現れた回っている。

そして〇〇〇は戦士になるための言葉を言う。

 

「変身。」

 

ジクウドライバーを時計回りに回転させ元の位置に戻す。

 

【ライダータイム!】

【仮面ライダージオウ!】

 

〇〇〇の身体にアーマーが形成され、その姿を変えて行く。

そして、背後の大きなアナログ時計には鏡文字の『ライダー』の文字が現れ、ジオウの顔に『インジケーションアイ』として装着される。

 

【ジカンギレード!】【ケン!】

 

ジオウの専用武器『ジカンギレード』が現れそれをジオウが手に取る。

先頭の準備はバッチリだ。

 

「やるぞ。」

「「あぁ。」」

 

俺達は戦闘を開始した。

 

 

アナザー電王side

 

「どーすんだぁ、この力任せの敵。」

 

俺は目の前の敵『ウシヤミー(仮名)』をどうするか悩んでいた。

 

「ブルォォォォォォォ!!!」

「やっべぇ!?」

 

あれこれ悩んでいるとウシヤミー(仮名)はこちらに突っ込んできた。

完全に油断して回避しようとする。

 

【スクラップフィニッシュ!】

 

「ハァァァァァァ!」

「ブルォ!?」

 

が、突如としてそれは現れた。

金色と黒を基調とした戦士が現れてウシヤミー(仮名)を吹き飛ばした。

その後ろからは恐らく仲間と思われる怪人が三体現れた。

 

「大丈夫ですか!?加勢します!」

「あぁ、ありがとう……、あんたらは?」

 

俺は少々戸惑いながらも、やってきた戦士と怪人達に名前を聞いた。

 

「私は仮面ライダーグリスです!」

「私はキャッスルロストスマッシュ。」

「俺はクワガタロストスマッシュだ!」

「僕はオウルロストスマッシュです。」

 

金色の戦士、赤い模様の入った城壁の怪人、青い模様の入った鍬形虫の怪人、黄色い模様が入った梟の怪人の順に自己紹介をして行く。

やっぱりと言うか本名は名乗れないのか。

 

「(本当は本名を名乗りたいんですけどまだパパの許可もないですし、無関係の人も多いので一応。)」

「(なるほど、よく出来た娘さんだ。)」

 

偉いもんだとグリスの頭を撫でようとするが。

 

『ガンッ』

 

「いったァ!?」

 

突如として何かに遮られそちらを向く。

振り向けばキャッスルロストスマッシュがこちらを見て睨んでいる。

 

「グリスに気安く触れるな……。」

「アッハイ(⌒-⌒; )」

 

怖っ!?この娘怖っ!?

しかもなんか背後に般若が見えんだけど!?

オウルロストスマッシュはやれやれと言った感じに頭を横に振るう。

 

「俺達も加勢しよう。」

「えっ?…………!?」

 

声が聞こえ、後ろを振り返って硬直した。

そこには、黒い龍をモチーフにした騎士のような戦士。右隣にはそれを歪ませたような怪人。そして、顔に鏡文字で『ライダー』と書かれた戦士『仮面ライダージオウ』がいた。

俺達(アナザーライダー)はジオウの方を見て硬直した。

 

「私を仮面ライダージオウと一緒にするな。私の名は『ミラーライダージオウ』だ。悪いがまだ本名を明かす訳には行かない。それと持っているライドウォッチはリュウガだけだ。」

 

ジオウがそう言うので安心はするが、それでも若干近寄り難い。

 

「俺も名乗っとかなければな。俺はアナザーリュウガだ。」

 

右隣にいた怪人『アナザーリュウガ』は淡々と自己紹介を済ませた。

…………気のせいか?こいつの声、俺の声に似ているが……。

 

「後は俺だけか。」

 

そして最後に黒い龍の戦士が一つ咳払いをして自己紹介を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の名はダーズ・オニキス。仮面ライダーリュウガだ。よろしく頼む。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダーズ?ダーズ、ダーズ……………………。

 

「ウェッ( ;0w0)!?ダーズ!?ダーズナンデェ( ;0w0)!?」

 

ウッソだろおい!?ダーズって闇と混沌の化身のダーズだろぉ!?何で!?

待て待て待て待て待て!

流石に無い!これは無い!!

そうだ!多分聞き間違えかなんかだと思う!そうだ!きっとそうだ!

 

「あ、アノォ…。もう一度お願いできますか……?」

「ダーズ・オニキス。仮面ライダーリュウガだ。」

「ウゾダドンドコーン( ;0w0)!!!!」

 

チックショウ聞き間違えなんかじゃなかった!

マジでダーズだよ!

どうすりゃいいんだよ!

 

「あ、あの。大丈夫ですか?」

「ウゥ……。」

 

グリスとアナザーゴーストが優しく俺の背中を撫でてくれる。

君達の優しさが目に染みる。

 

【STRIKE VENT】

 

「ブルォ!?」

 

俺が項垂れてる時にウシヤミー(仮名)は攻撃しようとしたのか、ダーズのストライクベントで焼かれた。熱そう。

 

「項垂れてる暇があるのなら戦うぞ。」

「……ハイ。」

 

俺はなんとか立ち上がり、ウシヤミー(仮名)を睨み付けた……が、後ろに三つほどの人影が見えたことに気がついた。

 

「お前ら何をしている!?早く逃げろ!」

 

ジオウがその人影を見て大声をあげる。

その人影の正体は織斑一夏と篠ノ之箒、そしてセシリア・オルコットだ。

恐らく気になって来たんだろうがそれは単なる自殺行為だ。

すると、ウシヤミー(仮名)はジオウが叫んだ方向を振り返った。

そして暫くの硬直の後、そちらに向かって走り出した。

 

「ブルォォォォォォォ!!!」

「「ガァッ!?」」

 

ウシヤミー(仮名)はアナザーフォーゼとアナザーファイズを突き飛ばして織斑一夏達へと走っていった。

 

「くっ……!」

 

【ジュウ!】

【フィニッシュタイム!】

 

「ヤバい……!」

 

【ビームモード!】

【シングル!ツイン!】

 

ジオウは剣から銃に変え、ライドウォッチをジカンギレードの『ライドウォッチスロット』にセットして必殺技の体制に入った。

同じくグリスも左腕に付けられた武器のモードを変え、スロットにボトルとゼリー飲料容器をセットして必殺技の体制に入った。

だが、間に合わない。

この後に起こる惨劇を想像しながら目を瞑った。

しかし、そこで予想外のことが起きた。

 

『ダキッ』

 

「…………えっ?」

「「「「…………えっ?」」」」

「「「「「…………はっ?」」」」」

 

あろう事か、ウシヤミー(仮名)は織斑一夏に抱き着いた。抱きついたまま動かない。

えっとどういう状況?これ?

 

「ぐっ……離せ!」

「ブルォ……。」

「おい!貴様!一夏を離せ!」

「一夏さんを話なさい!」

 

織斑一夏達はなんとか引き剥がそうとするが怪人に生身の人間。力の差は圧倒的だ。

 

「えっと……どうしましょう、これ?」

「チィ、奴が邪魔で下手に撃てん。」

 

ジオウとグリスは必殺技の体制に入っていたので戸惑っていた。

アナザーライダー達もどうすればいいのか分からず、互いに顔を見て困惑していた。

 

「ブルォ!」

「ぐぁ!」

「きゃあ!」

「箒!セシリア!」

 

ウシヤミー(仮名)はしつこいと感じたのか二人を突き飛ばした。

急いで試行錯誤をしていると、それは突然やってきた。

 

【キカイデハカイダー!】

 

「ハァ!」

「ブルォ!?」

 

突如現れた戦士がウシヤミー(仮名)を蹴り飛ばした。

 

「「!!」」

 

【ジオウ!スレスレシューティング!】

【ツインフィニッシュ!】

 

それに気づいたジオウとグリスはウシヤミー(仮名)に向けて必殺技を放った。

そしてそれは見事命中しウシヤミー(仮名)を更に遠くへ吹き飛ばした。

 

『大丈夫か?少年?』

「えっ?あっはい…大丈夫です……。」

 

その機械のような戦士は織斑一夏を確認する。

無事なのを確認すると「良かった」と言って肩を軽く叩く。

 

「パパ!」

「お義父さん!」

「「ボス!」」

 

グリス、キャッスルロストスマッシュ、クワガタロストスマッシュ、オウルロストスマッシュがその機械の戦士を見て叫んだ。

てかグリス、あれがパパ?明らかに機械っぽいんだけど。

それとキャッスルロストスマッシュ。お前今変な呼び方しなかったか?

 

「お前は誰だ?」

 

アナザーリュウガが機械の戦士を睨みつけながら問いかける。

機械の戦士はそれに気づいたのか、アナザーリュウガに向けて答えた。

 

『鋼のボディに熱いハート……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面ライダーキカイ!』

 

機械の戦士『仮面ライダーキカイ』は大声を上げながら名乗りを上げた。

 

『少年達。ここは危ない。早く逃げろ。』

「けど!」

『……倒したい気持ちは判る。だが、俺達はISよりも未知の存在だ。下手して死んだらシャレにならない。ソレにウッドカウヤミーは少年が狙いだ。わかったな。』

「……あぁ。」

 

キカイはまるで子供に言い聞かせるように織斑一夏の両肩に手を置き説得した。

てかあのヤミー、ウッドカウヤミーって名前なのな。

織斑一夏は納得しない顔だったが直ぐにその場から逃げ出して行った。

 

「ブルォォォォォォォ!!!」

『させるか!』

 

ウッドカウヤミーは織斑一夏を追おうとするが、キカイが手をかざすとウッドカウヤミーの動きがかなり遅くなった。

 

『君達、ヤミー達を倒すのに協力してくれないか』

 

キカイは歩きながらこちらに協力を求めて来た。

勿論、俺達は倒す為にここに居るからな。

俺は答えようとするがキカイの言ったことに疑問を抱いた。

 

「「「「達?」」」」

『実はもう一体ヤミーが現れて更識楯無という人物を襲ってるんだ。』

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

『そこで二手に別れてヤミーを倒そうと思うんだがどうだ?調べた結果、三人程度なら大丈夫だ。』

 

更識楯無の所にもう一体が居るのか!

人選はどうするかと悩んでいると。

 

「なら、俺達が行こう。」

 

ダーズが自ら名乗り出た。

するとジオウもアナザーリュウガもダーズの元へとよった。

 

『わかった。よろしく頼む。えーと……。』

「ダーズ・オニキス。」

『ダーズ……これはまた凄いのが……。』

 

だよな、そう思うよな。

ダーズ達はもう一体のヤミーの元へと走っていった。

 

『さてと、俺達はウッドカウヤミーの相手だ。』

「あぁ、そうだな。よろしく頼むぜ?キカイ。」

『こちらこそ。』

 

俺達は横並びになって攻撃態勢に入る。

いざ、戦い始めようとしたその時だった。

 

「オオオオオオオオオオオオ!」

『「!?」』

 

突如として聞こえた大きな雄叫びに俺達は振り返った。

そこには巨大な木でできた鹿の怪物だった。

角の部分には緑が生い茂っていた。

よく見れば、赤い果実が実っている。

 

「おい……まさかとは思うが……。」

『……訂正だ。合計三体だ。』

「((((;゚Д゚)))))))アワワワワ」

「デカい……。」

「なんじゃーこりゃー!!??」

「うえぇマジで?」

 

あまりにも突然の登場で各自混乱する。

当たり前だ。こんなデカいやつが出るなんて聞いていない。

 

『ここは俺が……。』

 

キカイは手を耳にあて、何かを呼ぼうとすると。

 

「■■■■■■■■■■■■■■!!!」

『オワッ!?』

 

巨大な鹿のヤミーに向かって何かが来た。

上半身は赤いボディ、昆虫のような手脚が特徴の怪物。

そう、アナザークウガだ。

 

「アナザークウガ!」

「えっ?あれ仲間?」

「こっちもこっちでデカい……。」

 

オウルロストスマッシュとグリスがアナザークウガ()を見て唖然としている。

 

『なら……!』

 

キカイは何かを決心したのか、アナザークウガ()に近寄った。

 

『アナザークウガ!加勢する!』

 

その声にアナザークウガ()は反応して頷いてみせた。

キカイはそれを確認すると今度こそ手を耳にあて、叫んだ。

 

『ビクトリーストライカー!グッドストライカー!ブルーダイヤルファイター!イエローダイヤルファイター!』

 

その声に答えたのか、空から四基の飛行物体がやってきた。

 

『はぁ!』

 

キカイはその中で黒い飛行物体へと乗り込んだ。

 

【快盗ガッタイム!勝利を奪い盗ろうぜ!(Let's steal and steal victory!)

 

そんな音と共に、四期の飛行物体は合体を始めた。

黒い飛行物体は黒と橙の飛行物体の真後ろ辺りに。青い飛行物体は後ろの右辺りに。黄色の飛行物体は後ろの左辺りに。

そして黒と橙の飛行物体は変形を始め、足となり、地面に足をついた。

 

『完成!ビクトリールパンカイザー!』

 

四期の飛行物体は一体の巨大ロボットとなって佇んでいた。

 

「てか快盗?ルパン?関係なくね?」

「そこは……気にしたら負けです……。」

 

グリスは目を逸らして言った。

気にしたら負けって……。

まぁいい。俺も負けちゃいられねぇ!

 

「アナザーデンライナー!」

 

俺はアナザーデンライナーを呼ぶとアナザーデンライナーは少し遅れて(・・・・・)やってきた。

俺はアナザーデンライナーに乗り込むと運転車両あるマシンデンバードに乗った。

 

「俺も加勢するぞ!」

 

俺はアナザークウガ()とビクトリールパンカイザーと共に巨大な鹿のヤミーに特攻した。

 

 

 

 

 

 

(……ん?なんで少し遅れて来たんだ?)

 

 

芭side

 

パパはビクトリールパンカイザーでアナザークウガと呼ばれる怪人(?)とアナザー電王と一緒にウッドハインドヤミーを倒し始めた。

 

「どうする?姉貴?」

「やるしかないよ。」

 

私はアナザーライダー(恐らく)達に視線を向けた。

 

「協力……してくれる?」

 

尋ねるとアナザーライダー達は一斉に頷いた。

私はそれを確認するとウッドカウヤミーに視線を向けた。

 

「それじゃあ行くよ!」

「えぇ!」

「「おう!」」

 

私達とウッドカウヤミーとの戦いが始まった。

 

 

 

 

ウッドカウヤミー戦side

 

【アタックモード!】

 

「ハァァァァァァ!」

 

芭ことグリスは『レイジングビーマー』を稼働させてアタックモードに変え、ウッドカウヤミーに一撃を与える。

仰け反りそうになったウッドカウヤミーはなんとか踏みとどまり、グリスに攻撃しようとする。

しかし、アナザーファイズはそれを許すはずもなく、高速移動でウッドカウヤミーにダメージを蓄積させて行く。

だが、諦めないのかアナザーファイズを振り切りグリスへと突進していく。

 

「グリス!」

 

だが、横から来たキャッスルロストスマッシュが両肩の『グランドランパート』でウッドカウヤミーの突進を防ぐ。

 

「グゥゥ……。」

 

しかし、ウッドカウヤミーの力が強く、次第に押されていく。

 

「だったら!」

 

【スクラップフィニッシュ!】

 

スクラッシュドライバーの『アクティベイトレンチ』を押し下げて、両肩の『マシンパックショルダー』から『ヴァリアブルゼリー』を勢いよく噴出させ、キャッスルロストスマッシュの背中を押し完全に止める。

 

「オラァ!」

「ハァ!」

「ブルォ!?」

 

クワガタロストスマッシュとアナザー鎧武による攻撃でウッドカウヤミーは吹き飛ばされてしまう。

 

【FIRE ON】

 

「オォォォォォォォ!!!」

「ブルォォォォォォォ!!??」

 

それを見たアナザーフォーゼは身体に炎を纏い、ウッドカウヤミーに突進する。

木は炎に弱いため、ウッドカウヤミーはかなりのダメージが与えられた。

引き摺られる途中、すれ違いざまにアナザーシノビとアナザーオーズがウッドカウヤミーに攻撃を与える。

アナザーフォーゼは立ち止まると上空に向けてウッドカウヤミーを投げ飛ばす。

 

【LAUNCHER ON】

 

アナザーフォーゼは炎が付与されたランチャーミサイルでウッドカウヤミーを更に上空へと吹き飛ばす。

 

「「ハァァァァァァ!」」

「ヤァァァァァ!」

 

そこへ、アナザーWとアナザーゴーストによるダブルアナザーキックとオウルロストスマッシュによる攻撃でウッドカウヤミーに大ダメージを与える。

ウッドカウヤミーはそのまま地面へと落ちて、フラフラになりながらもなんとか立ち上がる。

 

「ブルァァァ!」

 

ウッドカウヤミーは大きく吼えると右腕を上げてその手に武器を召喚させた。

 

「何あれ?」

 

ウッドカウヤミーが手にしたのは金属製の武器。

薙刀のような物が連結してできた武器。

 

「ブルァア!!」

「おっとぉお!?」

 

ウッドカウヤミーが投げた武器をクワガタロストスマッシュはなんとか避ける。

 

「はっ!遅いな!」

「スタッグ!後ろ!」

「へっ?……うぉ!?」

 

オウルロストスマッシュの掛け声にクワガタロストスマッシュはすぐ様後ろを見ると先程ウッドカウヤミーが投げた武器が戻ってきた。

クワガタロストスマッシュは間一髪の所で避けた。

 

「あっぶねー!ブーメラン式かよ!?」

 

クワガタロストスマッシュが愚痴ってるとウッドカウヤミーはまた武器を投げる。

クワガタロストスマッシュはまた避け、戻ってきた武器もう一度躱す。

ウッドカウヤミーは武器を取ろうとするが。

 

【チーター!ブースター!ベストマッチ!】

 

アナザービルドのスピード系ベストマッチの攻撃にウッドカウヤミーは武器を取ることは出来なかった。

車線上にいたアナザーエグゼイドは屈むことで武器を避け、ウッドカウヤミーへと特攻して行った。

途中、アナザーエグゼイドはチョコブロックを生成して叩き壊した。

 

【マッスル化!】

 

叩き壊したチョコブロックの中からエナジーアイテムが現れ、アナザーエグゼイドを強化して行く。

パワーアップしたアナザーエグゼイドは、ウッドカウヤミーに連続攻撃を与えた。

アナザーエグゼイドはウッドカウヤミーを掴みそのまま投げ飛ばした。

その先には別のチョコブロックがあった。

チョコブロックはウッドカウヤミーがぶつかったと同時に壊れ中のエナジーアイテムが現れ、ウッドカウヤミーへと入っていった。

 

「「「「あっ。」」」」

 

グリス達はウッドカウヤミーがエナジーアイテムを手に入れてしまいマズいと思った。

アナザーライダー達はバッドステータスであって欲しいと願う。

やがてウッドカウヤミーはゆっくりと立ち上がった。

その姿は頭にフワフワの付いた赤い帽子。口当たりには真っ白い髭。更には赤い服を来たという感じだった。

つまりは。

 

【クリスマス!】

 

「「「……ブッ。」」」

「いや、なんでクリスマスのアイテム?があんだよ!?今四月ぐらいだろ!?」

 

サンタクロースの衣装だ。

その姿に思わすグリス達は吹いてしまった。

当たり前だ。クワガタロストスマッシュが言った通り、まだ四月だと言うのになぜクリスマスがあるのだと思ったからだ。

 

【バインド】

 

アナザーウィザードは(なんとか笑いを堪えながら)ウッドカウヤミーを拘束した。

それを見たアナザーライダー達は攻撃の体制に入った。

グリス達もそれに気づき同じ様に攻撃態勢に入った。

 

「「「「ハァァァァァァァァァ……。」」」」

 

全員力をため、一部のもの以外は一斉に飛び上がる。

アナザー鎧武、アナザーシノビ、クワガタロストスマッシュは一斉にウッドカウヤミーへと走り出す。

 

【ストロング忍法!】

 

「だりゃあ!」

 

アナザー鎧武、アナザーシノビ、クワガタロストスマッシュの順で斬り掛かる。

 

「ハァァァァァァ!」

 

キャッスルロストスマッシュは砲撃ユニット『カタプルタキャノン』から強力なレーザーをウッドカウヤミーに放った。

 

【ROCKET ON】【DRILL ON】

【キックストライク】

【スクラップフィニッシュ!】

 

「「ハァァァァァァ!」」

 

アナザーライダー達の連続アナザーキックとグリスによるスクラップフィニッシュ、そしてオウルロストスマッシュによる攻撃がウッドカウヤミーに炸裂する。

 

「ブルァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」

 

ウッドカウヤミーは断末魔を上げながら爆散して行った。

残ったのは、ウッドカウヤミーが爆散したことによって降ってくるセルメダルと。

 

【メリークリスマス!】

 

「いやだから今クリスマスじゃねぇって!!」

 

季節に似合わない掛け声とクワガタロストスマッシュによるツッコミだった。

 

 

ダーズside

 

俺達はもう一体のヤミーがいる所へとやってきた。

 

「くっ…。何なのよ!?」

 

予想通り、もう一体のヤミーは水色のIS『霧纒の淑女(ミステリアス・レイディ)』を纏った生徒、更識楯無と戦っていた。

 

【STRIKE VENT】

 

俺は右腕にドラグクローを装備してもう一体のヤミーへと火球を放った。

 

「アゥッ!?」

「!?何!?」

 

更識楯無は多少混乱しながらこちらへと視線を向けた。

更識楯無はアナザーリュウガを見るや否や警戒しだした。

 

「まさか、アナザー電王の仲間?」

「今は協力関係ではあるが正式な仲間ではない。お前はどこかへ行け。さもなくば「何で……」ん?」

 

ガゼルのような見た目のヤミーが話を遮った。

名付けるならウッドガゼルヤミーだな。

そのウッドガゼルヤミーはヨロヨロと立ち上がりながら何かを呟いた。

 

「何で……何で……何で…ナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ。」

「これは……。」

「おいおい勘弁しろよ。」

 

どうやら僅かにだが自我が残ってるみたいだな。

ウッドガゼルヤミーはまるで呪詛のように何でを繰り返している。

 

「ナンデお姉ちゃんばっかなの?ナンデ後回しなの?ナンデ打ち止めなの?ナンデ凍結されるの?」

「うそ……まさか……簪ちゃん…………!?」

「絶対…………絶対………絶対……絶対…絶対!!見返してやる!!!」

 

……なるほどな。

要するにあのヤミーとやらは人にとりつく力があるらしい。

そして、恐らく欲望の糧によってその力や性質がことなるみたいだな。

なら…………。

 

「アナザーリュウガ、ジオウ。急いで更識楯無の妹に取りついてるヤミーを剥がすぞ。」

「!?ま、待って「安心しろ、殺しはしない」……ッ。」

 

更識楯無はそのまま黙って俯いた。

そのままどこかへ行って欲しいんだがな。

 

「なら……。」

「?」

「なら……ここにいさせて……。こうなったのは私の責任だから……。」

「…………勝手にしろ。」

 

俺達は更識楯無を無視して戦いを始めた。

 

 

 

ウッドガゼルヤミー戦side

 

戦闘が始まったと同時にウッドガゼルヤミーは薙刀を取り出しダーズ達へと走ってきた。

 

【ジカンギレード!ケン!】

 

ジオウはジカンギレードを取り出しウッドガゼルヤミーの攻撃を防いだ。

 

【SWORD VENT】

 

そこへ、ダーズとアナザーリュウガは剣を大きく振りかぶってウッドガゼルヤミーに一撃を与える。

 

「〜〜〜!アァァァァァァ!!!」

 

ウッドガゼルヤミーは悶えながらも武器を取り、ダーズへと薙刀を振るう。

 

「甘い。」

「ッ!?」

「ハァ!」

「ガァ!?」

 

しかし、ダーズはその薙刀を片手で抑え、それを引き寄せウッドガゼルヤミーに蹴りを与える。

蹴られたウッドガゼルヤミーはダーズの蹴りがかなり効いたのか、中々立ち上がれずにいた。

 

「本当に三人なのか?一人でも十分行けるぞ?」

((それはオニキスが強すぎるだけだ。))

 

ダーズの言った事にアナザーリュウガとジオウは思わず心の中でつっこんだ。

ウッドガゼルヤミーはなんとか立ち上がり、ダーズ達へ向けて無数のミサイルを放った。

 

「!」

 

【GUARD VENT】

 

ダーズはすぐ様ドラグシールドを展開し、アナザーリュウガ達の前に出てミサイルを防ぐ。

かなりの衝撃だったのか、ダーズは多少後退りした。

 

「チッ。アナザーリュウガ。」

「あぁ。」

 

【ADVENT】【STRIKE VENT】

 

「グオォォォォォォオオオ……!!」

「「ハァァァァァァ!」」

 

ダーズはドラグブラッカーを召喚して、右腕にドラグクローを装備してダーズ、ドラグブラッカー、アナザーリュウガによる火炎放射でウッドガゼルヤミーを焼き尽くす。

 

「アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」

 

ウッドガゼルヤミーは絶叫を上げながら身体の炎を払おうとする。

しかし、身体の炎は簡単には消えず燃え続けている。

 

「今のうちに決めるぞ。」

「あぁ。」

「了解。」

 

【リュウガ!】

 

そこへジオウはリュウガライドウォッチの『ウェイクベゼル』を90度回転させ、『ライドオンスターター』を押す。

そしてジクウドライバーの『D'3スロット』へとリュウガライドウォッチをセットした。

最後に『ライドオンリューザー』を押し、ジクウドライバーを360度回転させた。

 

【ライダータイム!】

【仮面ライダージオウ!】

【アーマータイム!】

【ADVENT!リュウガ!】

 

ジオウは通常フォームから『ミラーライダージオウ リュウガアーマー』へと姿を変えた。

 

「フッ!」

 

ダーズは、ドラグセイバーを上に投げダーズも跳び上がる。

瞬間、ダーズ姿が変わっていく。

身体は、本来の人体構造を無視した変形を仕出して、右腕に装備していたドラグクローは頭となり、ドラグセイバーは尻尾となる。

 

「グオォォォォォォオオオ!!」

 

ダーズは『リュウガドラグブラッカー』となりアナザーリュウガ達の周りを動き回る。

 

(い、痛くないのかしら?)

 

無理も無い。

人体構造を無視した変形をしたためかなりの激痛がするはずだ。

 

「さっさと決めるぞ。」

「あぁ。」

 

【フィニッシュタイム!リュウガ!】

 

ジオウが両方のライドウォッチの『ライドオンスターター』を押し、『ライドオンリューザー』も押すとアナザーリュウガとジオウは不気味に浮き上がる。

そして、ドラグブラッカーとリュウガドラグブラッカーはアナザーリュウガとジオウの後ろに回る。

ジオウはドラグブラッカーが後ろに回ったのを確認してジクウドライバーを回転させた。

 

【ファイナル!タイムブレーク!】

 

「「グオォォォォォォォォオオ!!」」

「「ハァァァァァァァァァ!!」」

 

『ドゴォォォォォォオオン』

 

「アアァァァァァァァァァ!?」

 

ドラグブラッカーとリュウガドラグブラッカーが黒炎を放ちアナザーリュウガとジオウを包み込む。

アナザーリュウガとジオウによる『ドラゴンライダーキック』がウッドガゼルヤミーへと放たれた。

ウッドガゼルヤミーは断末魔を上げながら爆散して行った。

アナザーリュウガとジオウが立ち上がるとセルメダルが雨のように降ってくる。

 

 

アナザーリュウガside

 

「簪ちゃん!」

 

更識楯無は解放された更識簪の元へ駆け寄った。

 

「簪ちゃん!簪ちゃん!」

「うぅ……お姉…………ちゃん……?」

「…………良かったぁ……。」

 

更識楯無は涙を流しながら更識簪に抱きつく。

更識簪は状況がわかっていないのかキョトンとした顔をしている。

 

「お邪魔みたいだな」

「フッ。姉妹愛か。」

 

ジオウがそんなことを言っていると隣にリュウガドラグブラッカー状態のオニキスがやって来る。

 

『もう一体ヤミーが現れたらしいぞ。向こうで。』

「「!!」」

 

オニキスの話を聞き俺達は瞬時にやってきた場所へと視線を移す。

そこでは巨大な鹿が列車と巨大ロボットと虫の怪物相手に戦っていた。

 

「私達も行くぞ!」

 

『タイムマジーン!』

 

ジオウがタイムマジーンを呼び出し乗り込もうとする。

俺も乗り込もうとする。

 

「待って……!」

 

しかし、突如として後ろから声がかかる。

後ろを振り向けば更識簪が俺達へと視線を向けていた。

 

「名前……教えて」

 

更識簪が名前を聞いてきたので俺はジオウとオニキスへと視線を向ける。

 

「私はミラーライダージオウだ。鏡の中の戦士だ。」

「アナザーリュウガ。鏡の中の怪人だ。」

 

ジオウは更識簪に向けて自己紹介をしたので俺も自己紹介をする。

 

「ダーズ・オニキス。それ以上でも、それ以下でもない。」

 

ダーズが一度元の姿に戻り、更識簪へと自己紹介をする。

そしてまた、リュウガドラグブラッカーへとなる。

 

『行くぞ。』

「「了解。」」

 

ダーズがドラグブラッカーと一緒に巨大な鹿のヤミーへと向かっていく。

俺達もタイムマジーンに乗り込み、巨大な鹿のヤミーへと向かった。

 

 

簪side

 

(ダーズ・オニキス……。)

 

私は黒い龍となった戦士を見送った。

 

「簪ちゃん、立てる。」

「…………うん。」

 

私はお姉ちゃんに支えられながらもなんとか立ち上がり、黒い戦士が向かった方向へと視線を向ける。

 

また(・・)……助けられちゃったな。)

 

私はお姉ちゃんと一緒に保健室へと向かった。

 

 

 

ウッドハインドヤミー戦side

 

『ハァッ!』

「!?!?!?」

『「ぶっ飛べ!」』

「!?!?!?」

「■■■■■■■■■■■■!!!!」

「!?!?!?オオオオオオオオオオ!!!」

『おっとぉ!?』

『「危な!?」』

「■■■■…………■■!!!!」

「!?!?!?」

 

現在、ビクトリールパンカイザー(仮面ライダーキカイ)アナザーデンライナー(アナザー電王)アナザークウガ(龍蟹金)は、ウッドハインドヤミーと交戦していた。

ウッドハインドヤミーは攻撃を受けてはいるが、負けずとその巨体を活かして突進してきている。

ビクトリールパンカイザー達は多少苦戦(・・)しながらも、優勢に入っていた。

何故、多少苦戦(・・)しているのかと言うと。

 

『「ぶっぱなせぇ!」』

「オオオオオオオオオオ!!!!」

『「だぁぁぁああくそぉっ!!また障壁かよ!!」』

 

ウッドハインドヤミーは度々、遠距離攻撃を障壁で防御していたからだった。

その障壁に阻まれて、中々ダメージが通らない事に、アナザー電王は多少苛立っていた。

その時だ。

 

「「グォォォォォォォオオ!!!!」」

 

二匹分の咆哮。そして何かの駆動音。

アナザー電王達がその音がした方に視線を向けると、二体の黒い龍とアナザークウガ程の大きさの機体がこちらに向かって飛んできた。

アナザー電王は二体の黒い龍の姿を見て驚く。

 

『「ウェッ( ;0w0)!?ドラグブラッカーガニタイ!?ナンデェ!?」』

『「もう片方の龍はオニキスだ!安心しろ!」』

『「あぁ、なるほど…………What!?」』

 

その二体の黒い龍の正体はドラグブラッカーとリュウガドラグブラッカーだった。

そして、やってきた機体はジオウとアナザーリュウガの乗ったタイムマジーンだった。

 

『状況はどうなっている?』

『「ウッドハインドヤミーを攻撃しているが、障壁に阻まれて中々ダメージを蓄積出来ない。」』

『そうか。』

『「いや、順応はえーなおい!?」』

 

リュウガドラグブラッカーから質問されて、キカイはなんの疑問も持たずリュウガドラグブラッカーに答えた。

それに対しアナザー電王は、キカイのあまりの順応力の高さに、思わずツッコんだ。

 

『「いや、リュウキドラグレッダーの例があるからな。」』

『「あ、そう……(そんなんでいいの?)」』

 

キカイとアナザー電王が話してる横で、リュウガドラグブラッカーはウッドハインドヤミーを観察した。

今も尚、アナザークウガとタイムマジーンがウッドハインドヤミーに攻撃を与えている。

そして、リュウガドラグブラッカーはある事に気付いた。

ウッドハインドヤミーが障壁をはる直前、ウッドハインドヤミーの角に実った赤い果実が僅かに光った気がした。

もう一回観察してみると、やはり障壁をはる直前、赤い果実が光ったのに気付く。

 

『(そういう事か……)ドラグブラッカー!!』

「グォォォォォォォオオ!!!!」

 

リュウガドラグブラッカーの掛け声に、ドラグブラッカーは口から炎を赤い果実目がけて放った。リュウガドラグブラッカーも、もう一つの赤い果実に目がけて炎放つ。

 

『ドォォォォォォオオン』

 

「!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

 

火球が果実に命中すると見るからに動揺し出す。

その隙をついてアナザークウガとタイムマジーン、ビクトリールパンカイザーとアナザーデンライナーが攻撃を与えていく。

今度はどれ程攻撃しても障壁が現れることは無い。

リュウガドラグブラッカーの思った通り、あの赤い果実は障壁をはる役割をしていた。

 

『(何処かの小説で似たような奴がいたな……)今のうちに決めるぞ!』

『「『「『「了解!」』」』」』

 

リュウガドラグブラッカーの掛け声で全員迎撃体制へと入った。

 

『「まずは俺から!グッドストライカー蹴散らしちまえキック!」』

 

ビクトリールパンカイザーは飛び上がり、飛行モードへと変え錐揉み回転しながら放つ両足キック【グッドストライカー蹴散らしちまえキック】をウッドハインドヤミーに向かって放った。

 

「!?!?!?!?!?!?」

『「今度は俺だァァァァァァァァアア!!!」』

 

アナザーデンライナーから大量の砲撃が放たれ、ウッドハインドヤミーに大ダメージを与える。

ウッドハインドヤミーはフラフラになりながらも、アナザーデンライナーを睨みつける。

地面から無数の植物を生やし、アナザーデンライナーへと特攻して行く。

 

『「そっちばっか見てて良いのか?」』

 

【フィニッシュタイム!リュウガ!】

 

タイムマジーンは既に攻撃態勢へと入っていた。

タイムマジーンの背後にドラグブラッカーとリュウガドラグブラッカーが回り込む。

 

【ファイナル!タイムブレーク!】

 

「「グォォォォォォォオオ!!!!」」

『「ハァァァァァァァアア!!」』

「!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

 

タイムマジーンによる、『ファイナルタイムブレーク』がウッドハインドヤミーに炸裂する。

オマケにドラグブラッカーとリュウガドラグブラッカーが放った、黒炎によって身体の至る所が萌え始めている。

 

「!?!?!?オオォォォォォオオ!!!!」

『「うおっとぉ!?」』

『「クッ……!」』

『「まだ足掻くか……!」』

『「スキがないな……!」』

 

しかし、ウッドハインドヤミーは最後の抵抗とばかりに、地面から無数の植物を勢いよく伸ばし攻撃してくる。

アナザーデンライナーは車両が長いせいか、植物に捕まった。

ビクトリールパンカイザーは巨体であるため、避ける事も出来ずに捕まる。

タイムマジーンはギリギリの所で避けられてるが、捕まるのも時間の問題だった。

ただ一つ、捕まっておらず攻撃出来るものがいるのなら。

 

「■■■■■■■■■■■■■■■!!!!」

 

アナザークウガのみだ。

アナザークウガは三体が攻撃してる間に上空へと高速で飛んで行き、Uターンして右足を突き出して特攻して行った。

ウッドハインドヤミーがそれに気付き、アナザークウガへと攻撃して行くが、既に加速された攻撃に勝てる訳もなく植物を押し返して行った。そして……。

 

『ドゴォォォォォォォォオオン!』

 

「!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

 

アナザークウガによる、『アナザーマイティキック(金命名)』がウッドハインドヤミーに炸裂した。

ウッドハインドヤミーはその攻撃に耐えられる訳もなく、爆散した。

 

□◻…………□……□…□………(びゃ…………く……し…き…………)。」

 

最後にウッドハインドヤミーは何かを口にして、消えていった。

キカイはビクトリールパンカイザーから降りて、ダイヤルファイター達を帰した。

アナザー電王もアナザーデンライナーから降りて、アナザーデンライナーを見つからない場所へと戻した。

ジオウとアナザーリュウガも同じに降りてタイムマジーンを戻す。

ダーズはリュウガドラグブラッカーを解除して、ドラグブラッカーを鏡の世界へと帰した。

アナザークウガは何処かへと飛んで行く。

 

『ジャラジャラジャラジャラジャラジャラ』

 

「痛たたたたたたたたたたたた!!??セルメダルが地味に痛てぇ!?」

「おぉ……グリードからすれば立派なご馳走だな。」

「大丈夫か?」

「あぁ、大丈夫だ。」

「……どうにかならないのか?これ。」

 

着地したと同時に爆散したことによってセルメダルが大量に降ってくる。

セルメダルは硬貨とほぼ同じような素材で出来ているためなのか、それとも高い所からセルメダルが降ってきたことによってか、それとも両方か。

キカイ達の上に落ちてくるので、地味に痛い。

 

 

アナザー電王side

 

空から大量にセルメダルが降って来て俺達に当たったからかなりの体が痛い。

というかお前ら、なんで平気なんだよ。

 

「キカイ!」

「「「ボス!」」」

 

遠くから声がしたのでそっちを見てみればグリス達がこちらへやってきた。

どうやら向こうも終わったみたいだ。

 

「グリス、キャッスル、スタッグ、オウル、お疲れ。被害者は?」

「問題ありません。」

 

キカイの質問にキャッスルロストスマッシュが答える。

どうやら、ウッドカウヤミーに寄生された被害者は無事だったようだ。

キカイはアナザーリュウガ達にも被害者の安否を聞いてみたところ、そちらと無事のようだ。

なんでも、近くにいた被害者の姉が保護したらしい。

ウッドハインドヤミーの被害者も同じ様に無事。

 

「後は、セルメダルの回収か……。」

「♪」

 

俺がそう言うと、アナザーオーズは嬉しそうにセルメダルの回収を始めた。

よっぽど我慢してたんだな…………。

グリス曰く、ウッドカウヤミーを倒した後も、アナザーオーズはセルメダルを回収して食べてたらしい。

相変わらずだな。

俺が内心でヤレヤレと呆れていると。

 

『ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ』

 

「うぉっ!?」

「きゃ!?」

「!?」

 

突如としてセルメダルが浮き上がり、何処かへと飛んで行く。

俺は急いでセルメダルが飛んで行った方向へと向くと。

 

「□□□□□□□……。」

 

身体中、木でできた怪人が大量のセルメダルを吸い込んでいった。

そして全て吸い終わると、その木の怪人は両腕から無知のようなものを出し、それを地面に叩きつけて何処かへと去っていく。

 

「!待て!!」

 

【シングル!ツイン!】

【ツインフィニッシュ!】

 

キカイの叫び声にグリスとキャッスルロストスマッシュはその木の怪人に向かって攻撃するが、ほんの僅かのところで当たらなかった。

それを見てキカイ達は悔しそうな仕草をした。

 

(成程。ヤミーが出現した原因はあの木の怪人か……。)

 

俺がキカイ達の反応を見てそう結論づける。

 

「動くな!」

「ん?」

 

そんな声が響き渡り、声がした方向を見るとISを纏った教員が武器を構えていた。

その中に織斑千冬と更識楯無もいた。

 

「無駄な抵抗は辞めて投降しろ。」

「簪ちゃんを助けてくれたのは感謝するけど、捕まえるのとは別よ。」

 

なるほどね。

ダーズ達が助けた被害者は更識楯無の妹の更識簪だったか。

どうしようかと思い後ろを振り返ればそちらにもISを纏った教員がいる。

包囲は完全とでもいいたいか。……だが。

 

「生憎、俺達はそう易々と捕まる気はないんで…………ね!」

 

『ザバァァァァァアアン』

 

「え!?キャァアア!?」

「何!?ぐうぅぅ!!」

 

俺は海水を操り、周りにいる教員を纏めて海水を当てる。

かなりの水圧で攻撃してるため、例えISだろうと吹き飛ぶ。

俺は再びアナザーデンライナーを呼び出した。

 

「乗れ!!」

「え!?どうやって!?」

 

そう言ってる間にもアナザーデンライナーはやって来て、俺達を乗せて走る。

アナザーデンライナーには既に月の夢と金が待っていた。

どうやらあの後、アナザーデンライナーに向かってそのまま乗車したらしい。

金はスヤスヤと横になって寝ていた。

 

 

 

 

 

………………金が寝るなんて珍しいな?




大変だった。

その一言で十分なくらい。


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自己紹介と会議

お待たせしました

それではどうぞ


芭side

 

今、私達はアナザーデンライナーと呼ばれる場所で自己紹介をしていた。

 

「これで全員だな。後は……。」

 

アナザー電王さんはそこまで言うと近くの椅子を見る。

そこには私に少し似た女の子が寝ていた。

その子は今もスースーと寝息をついてる。可愛い。

 

『金が寝る事って有り得るんですか?』

「いや、ないな。金は精神も不死身らしいし、寝るなんて概念すら必要ないだろ。」

 

アナザー電王さん、サラッと言ってるけどそれ凄いことなんじゃ……。

とりあえず起こさないとと思い、その子に近づいた。途端。

 

「!!!」『ガバッ』

 

『ゴンッ』

 

「「〜~〜~〜!?」」

 

い、痛い(涙)。

突如としてその子は起き上がって私とその子の頭に激突した。

その子は頬を赤く染めながら頭を抑える。

かと言う私もかなり痛いんだけど。

 

「芭!大丈夫!?」

「だ、大丈夫……。」

「え……と、ごめん。」

 

その子は私を確認するやいなや、謝ってくる。

私は別にそこまで重症ではないので「大丈夫」とだけ伝えといた。

 

「金。お前が寝るなんて珍しいな?何があ「聞くな」…え?」

「聞くな。」

「……ハイ。」

 

その子は恐ろしい顔でアナザー電王を睨みつけていた。なんの夢を見たの。

 

金side

 

私は嫌な悪夢を忘れようと何とか首を降る。

アンナ罰ゲームハナイ。最悪ダ。思イ出シタクモナイ。

 

「えっと、今どこまで行ったの?」

「自己紹介して後は金だけだ。」

「わかった。」

 

そこまで言ってたんだ。

私も椅子から立ち上がって自己紹介を始める。

 

「Hello!こんにちは!初めまして!よろしくね!龍蟹金だよ!」

「「何処のスパイダー少女だ。」」

 

私らキランという感じで自己紹介をする。

アナザー電王と知らないアナザーライダーがツッコミをしてきたが気にしない。

 

『初めましてだな。俺は鋼のボディに熱いハート。仮面ライダーキカイ。本名は鉄蒔無だ。』

「私は鉄芭。よろしくね、金ちゃん。」

「私はルージュ・シャトー。」

「俺はガラノス・エラフォカンタロスだ!宜しく頼むぜ。」

「僕はジョーヌ・シュエット。よろしく。」

「うん!よろしくね!」

 

私は自己紹介した人達に握手をした。

蒔無はなんかまさに機械って感じ。

芭ちゃんは、なんか私に似てる。

ルージュは大人しい感じだけど芭との距離が近い。

ガラノスはなんかムードメーカーって感じ。

ジョーヌなんか苦労人の気配がする。

さてと次は。

 

「ダーズ・オニキス。」

「ミラーライダージオウ。」

「アナザーリュウガ。」

 

うわぁ……。物凄い簡潔に終わらせた。

にしても月の夢の情報通り『ライダー』の字が左右反対。全体もだけど。

その横には新たなアナザーライダー、『アナザーリュウガ』がいてさらにその横にその元となったオリジナル『仮面ライダーリュウガ』がいる。

 

「なんでジオウとダーズは変身したままなの?」

「俺の場合、肉体(ボディ)がこの姿だから解除する事が出来ない。」

「私はまだネタバレとやらをするにはまだ早いと思ってな。」

 

成程成程。

 

「これで全員だよね?」

「あぁ。」

「じゃああそこで起きたことを話し合おうか。」

 

そう言って私は近くの椅子に座る。

他の人たちも椅子に座り、話を聞く体制になる。

何人かは立ったままだが。

 

 

〜会議開始~

 

 

[アナザー電王]

まずはあそこで何が起きたのかだが……。

 

[ジオウ(仮)]

まず、あのメダル?の怪人はなんだ?

 

[月の夢]

アレはヤミーと言って宿主の欲望を元に成長する怪人です。

倒せば大量のメダルが現れます。

今回のヤミーの特徴は二つ。

一つ、“宿主に寄生する”という事。

二つ、“必ず、木でできている”という事。

今回の被害者は『凰鈴音』、『更識簪』、『ダリル・ケイシー』です。

 

[ジオウ(仮)]

凰鈴音は何となくわかる。

恐らく、織斑一夏の独占。

更識簪は姉、『更識楯無』への嫉妬。

だが、ダリル・ケイシーは?

 

[鉄蒔無]

ダリル・ケイシーについてはこちらが調べとく。

 

[アナザーリュウガ]

蒔無、お前達にひとつ聞いていいか?

 

[鉄蒔無]

大方、察しはついてるけどどうぞ。

 

[アナザーリュウガ]

最後に現れたアレはなんだ?

 

[龍蟹金]

見た感じ鉄蒔無もとい、仮面ライダーキカイのアナザーライダーだと思うけど。

 

[鉄芭]

はい。

あの怪人は『アナザーキカイ』。

ぱ……キカイの偽物です。

 

[アナザー電王]

おい待て、今何言いかけた?

 

[ルージュ]

私達はあのアナザーキカイを捕らえようと必死に追いかけています。

 

[アナザー電王]

(スルーかよ)

 

[ガラノス]

けど、すばしっこいのなんの。

 

[ジョーヌ]

中々捕まえられなくて。

 

[ダーズ]

すばしっこい?

あのたいかくでか?

 

[鉄蒔無]

いや、本体は顔の所なんだ。

 

[アナザー電王]

は?

 

[鉄芭]

顔の所です。

 

[龍蟹金]

つまり、あの身体も寄生して手に入れたもの?

 

[ルージュ]

はい。

有機物になら何にでも寄生して肉体を得ます。

 

[アナザー電王]

寄生〇かな?

 

[アナザーリュウガ]

思った。

 

[月の夢]

けど、アナザーライダーは本来、オリジナルとほぼ同じ能力を持ちます。

なぜ、アナザーキカイがヤミーを生み出せるんですか?

 

[鉄蒔無]

わからない。

けど、これ以上被害が出たら不味いからな。

捕まえたあとはしっかりと調べる。

 

[龍蟹金]

じゃあこれからは協力しようよ!

私は賛成!

 

[アナザー電王]

自分で言うのかよ。

まぁ、俺も賛成だが、他は?

 

[ダーズ]

別に構わない。

 

[鉄蒔無]

こっちも大丈夫。

 

[龍蟹金]

なら決定!

 

[アナザー電王]

じゃあ今回はここまでだな。

 

 

~会議終了~

 

 

蒔無side

 

会議が終わるとダーズ達鏡の住民組はアナザーデンライナーの窓に入っていった。

次に俺達が出ていこうとする。

 

「あっ!蒔無!ちょっと待って!」

『ん?』

 

金がそう言うと別の車両へと走って行く。

暫くすると手に蒼白い光を放つ何かを持ってきた。

 

「戻った時にこれ調べてくれるかな?」

『これを?』

「うん!お願い!」

 

金は手を合わせてお願いしてきた。

確かにコレは興味深いかもな。

 

『わかった。こっちで調べとく。』

「ほんと!?ありがと!!」

 

俺は手を振ってアナザーデンライナーを後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??side

 

「□□、□□□□□。」

「ありがとうございます、アナザーキカイ。この調子でじゃんじゃん稼いでくださいね。」

 

私はアナザーキカイから大量のセルメダルを受け取り資金へと変える。

 

「順調順調♪」




アナザーキカイを操る謎の人物

一体彼女は?


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閑話休題

お待たせ致しました

今回は若干カオスです


~音w 悪ノt蔽r 離dぇr~

 

第三者視点

 

「何が出るかな~♪何が出るかな~♪」

 

金はそう歌いながら手に持ったアナザーウォッチを弄る。

月の夢が新たなアナザーウォッチを四つほど完成させ、テーブルの上に置いた

今、手に持っているアナザーウォッチは『アナザーアギトライドウォッチ』。

2001年に誕生した仮面ライダー『仮面ライダーアギト』の力を持ったアナザーライダー。

……見た目は仮面ライダー(?)アナザーアギトだが、しっかりとした仮面ライダーアギトの力を持ったアナザーライダーである。

そして金は、そのアナザーウォッチを入れる為の怪人を召喚しようとしている。

金には、怪人を召喚するという特殊能力を持っている。

これは、金が『アナザークウガ』であるが故の特殊能力。

 

(一体何がでるんだろうねぇ~。金、運良すぎるし。)

 

その様子を、アナザー電王は遠くで見ていた。

アナザー電王がそう思うのには理由がある。

金はランダムで(・・・・・)怪人を召喚している。

そして、ピンポイントでそのアナザーライダーの元となった仮面ライダーの時代(世界)に登場する。

所謂、強運というやつだ。

例として、アナザーエグゼイドはゲムデウスを元に生み出している。

通常のバグスターウイルスや、幹部クラスのバグスターでは無くラスボスであるゲムデウスを呼び出した。

その時のアナザー電王は天を仰ぐように意気消沈しかけた。

 

(今度はまともなのが出て欲しい……。)

 

そんな事を思いながら金の様子を見る。

金はクルクルと回った後、黒い煙を出して怪人を召還した。

現れたのはチャーリーバグスターだった。

 

「………………あれ?」

 

金はチャーリーバグスターが現れた事に不思議に思った。

勿論、アナザー電王も不思議に思った。

しかし、考えても仕方が無い。

金はアナザーアギトライドウォッチを起動してチャーリーバグスターに埋め込む。

 

AGITΩ

 

チャーリーバグスターはアナザーアギトへと姿を変える。

 

「コレで取り敢えずアナザーアギトは完成。アナザークイズは……月の夢で良いか?」

『……投げやりになっていません?』

 

金はテーブルの上に置いてある四つのアナザーライドウォッチの内の一つ、『アナザークイズライドウォッチ』を月の夢に渡した。

月の夢は少し呆れながらもアナザークイズの力を受け入れる。

 

『……っ。』

 

QUIZ

 

月の夢の姿は全身にクエスチョンマークや胸部のマルバツマークなどアバンギャルドな容姿で、頭部や胸部、両肩はビスやコードで脳が身体に取り付けられたような不気味な意匠を持つ。

頭部にはシルクハットに巨大な眼球がついたような形状のものが取り付けられている。

アナザークイズの元のライダーである『仮面ライダークイズ』は2040年の時代に存在する仮面ライダー。

仮面ライダークイズの戦い方は問題を出して戦う(・・・・・・・・)というかなり変わった戦い方。

 

「身体に異常はない?」

『はい。特に問題はありません。』

「じゃあ後は……この二つだね。」

 

金は再びアナザーライドウォッチが置いてあるテーブルを見る。

テーブルの上には残り二つのライドウォッチが置いてある。

一つは、2002年の時代で活躍した『仮面ライダー龍騎』の力を宿した『アナザー龍騎ライドウォッチ』。

もう一つは、2004年の時代で活躍した『仮面ライダーブレイド』の力を宿した『アナザーブレイドライドウォッチ』。

金はアナザーブレイドライドウォッチを手に取り、先程と同じ様にランダムで怪人を召還した。

召還されたのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アルビノジョーカー』だった。

 

「『「……………………………………………………。」』」

 

しばらくの沈黙。

金達はお互いに顔を見合わせ再びアルビノジョーカーを見やる。

そして…。

 

I'm from God!(神引き来たぁ!)

 

金が大声を上げてガッツポーズをとる。

アナザー電王と月の夢は(最早、豪運のレベル)と呆れていた。

そんな二人の心情を知らず、金はアルビノジョーカーにアナザーライドウォッチを埋め込む。

 

「よし!!それじゃあ月の夢!この紙に書いてある場所に行って自身の能力とアナザーアギトとアナザーブレイドの能力を確認してきて!」

『わかりました。』

「ん?龍騎はいいのか?」

「大丈夫、大丈夫。宛があるから。」

 

金はニシシッと笑うとアナザーデンライナーを出て行った。

アナザー電王達はため息をつきながら紙に書かれてある目的地へと向かって行った。

 

 

アナザー電王side

 

◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢

 

キャアアアァァァァァ!!??

『何コイツら!?ゴ●●●!?』

『おい!噛まれた仲間が!?』

『く、来るな!?ギャアアァァァァアア!?

『何でアイツ自転車の車輪を武器にして戦ってんだ!?』

 

◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢

 

「………………オーマイガー。」

『…………阿鼻叫喚の嵐だね。』

 

俺は今現在、Robotsにて新たなアナザーライダー達の能力を確認していた。

標的(ターゲット)はフランスのデュノア社。

デュノア社は色々と問題や黒い噂が絶たないらしい。

えっ?何でRobotsなのかって?

……大画面で見れるのがRobotsだったんだよ。笑えよ。

 

閑話休題(それは置いといて)

 

月の夢ことアナザークイズの能力はどうやら知識を奪うこと。それ、使えんの?

アルビノジョーカーことアナザーブレイドの能力はラウズカードを使ったかのような能力の操作。これはオリジナルと同じ。だが、アルビローチを呼び出せるという点では流石アルビノジョーカーと言う所だ。この阿鼻叫喚の状況になっている原因の一体。

途中から合流してきたアナザー龍騎は人間の生命エネルギーを吸収 する事が可能。

でだ、問題はアナザーアギトだ。

能力は人間の生身の部分に噛みつくことで肉体を変化させ、“アナザーアギトに変化させてしまう(・・・・・・・・・・・・・・・・)”だ。

それを踏まえた上で映像を見る。

 

アナザーアギトが人間の生身の部分を噛み付く

噛まれた人間の肉体が変化してアナザーアギトへと変身する

そのアナザーアギトが別の人間に噛み付きその人間がアナザーアギトとなる

 

言いたいことはわかるよな?

 

「アナザーアギトによるパンデミックじゃねぇかぁあ!!!!」

『…………上手いこと言うね。』

 

その後もアナザーアギトパンデミックは続いた。



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閑話休題 其ノ二

~アナザー響鬼~

 

「師匠~。ホントにここら辺かよ~。」

「あぁ。ここら辺だ。」

 

何処かの山の深い森の中。

二人の男女が森の中を歩いていた。

男は灰色のフードを被りポケットに手を突っ込んでいる。紫色の瞳を右や左へと向けて何かを探っている。

女は髪をハーフアップにした金髪で刀を持ち、頭に鬼のような角が生えている。

服装は黒一色、上は若干はだけておりサラシが見えている。

現在この二人はある場所へと向かって行く。

そして、暫くして何も無い場所へと到着する。

しかし、森の中に不自然な牛の像があった。

 

「ここか?」チャキ

「……あぁ。」

 

女は刀を構えて男は紫色の炎に包まれる。

紫色の炎が消えるとそこに居たのは鬼だった。

その姿は日本の古典芸能の面を思わせる様な顔、肩には風神の様な羽衣掛けられており、両肩には鬼瓦、鋭い牙が特徴的な口元はよく見ればその中にもう一つ口元が存在しており、さながら鬼のお面をつけている様にも見える。 

その鬼は二つの棘棍棒を持ち構える。

 

「妙な像以外何もねぇじゃん」

「ゆだんするな。行方不明者が多発してる場所だ。下手すればお前も行方不明者の一人だ。」

「ハイハイ。分かりましたよ。師匠。」

 

女が返事をしたその時だった。

 

『ズズズッ』

 

「「!!」」

 

突如と鳴り響く地響き。

目の前にあった像は目を開くと斧を構えて二人を見据える。

そして、地面から大きな腕が現れ、その巨体をあらわにする。

顔は牛のような顔。腕には多数の鎖が繋がっていた。

 

「ぐおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!!」

「ハッ!門番て所か?」

()お前は小さい方を頼む。」

「あいよ!師匠!」

 

その返事と共に二人は二体の牛の怪物へと特攻を仕掛けた。

 

 

『!?』

 

建設中の場所でアナザーキカイ(・・・・・・・)が何かに気付く。

 

『……………………。』

 

アナザーキカイのすぐ後ろではヤミー達が何かを建設していた。

近くには大量のセルメダルメダルがあり、ヤミー達はそれ等を石へと変える(・・・・・・)とそれを運び出す。

また、別の所ではセルメダルをこの世界の金に変換させた。

 

『………………。』

 

アナザーキカイは再び作業へと切り替える。

 

 

『ドゴォォン』

 

「うおっとぉお!!??」

 

金?は小さい方の牛の怪物『ミノタウロスヤミー』の攻撃を避ける。

その一撃はかなりのもので、叩きつけただけで地面にヒビが入るほど。

 

「グオォォオ!」

(パワー)には(パワー)だな!」

 

金?がそう言うと刀が燃え上がり先端に鬼瓦が着いた巨大な棍棒へと変わる。

 

「オオオォォォルァアアァァァアア!!」

「ぐぉおあぁ!?」

 

金?がその大きな棍棒でミノタウロスヤミーに叩きつける。

ミノタウロスヤミーはその一撃を食らって大きく吹き飛ぶ。

ミノタウロスヤミーは交戦中の巨大な牛の怪物『アステリオスヤミー』と激突する。

アステリオスヤミーは何が起きたのかまるでわからず混乱している。

 

「余所見をするな。」

「!?」

 

そこに鬼が炎を纏った棍棒でアステリオスヤミーに叩きつける。

アステリオスヤミーはそれをまともにくらい燃え上がる。

 

「木でできてるだけあって弱いな。」

「相性が悪過ぎたな。」

 

金?は刀に戻して炎を纏う。

鬼も同じ様に棍棒に炎を纏う。

 

「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ……」」

「ウォオリャアァァア!!」

「フンっ!」

「「グォオオォオオオオオオ!?」」

 

牛の怪物達はその炎の一撃に耐えられるはずも無く、呆気なく爆散した。

そして、それ等はセルメダルへと変わる。

 

「んだこりゃ?メダル?」

 

金?がしゃがみこんでセルメダルを取るがセルメダルは浮かび上がり虚空へと消えて行く。

しかし、よく見ればセルメダルは消える直前に小さな波紋を出し消えて言ってるのがわかる。

 

「成程な彼処に行方不明者達がいんだな?」

 

金?ニヤリと笑うとセルメダルが消えた方向へと走って行く……が。

 

『ドゴン』

 

「いだァあ!?」

 

金?は見えない壁にぶち当たりズルズルと落ちていく。

 

「(入る事は不可能か……。)金、ここは諦めてこの倒れてる奴らを最優先にして帰るぞ。」

「えっ?倒れてる奴?……あっホントだ。」

 

金?鼻をさすりながら倒れてる者達を確認する。

鬼は人の姿に戻り倒れてる者の一人を担ぐ。

金?も倒れてる者を担いで何も無い方を向く。

 

「今度は絶対侵入してやるからなぁ!!」

 

そう怒鳴りながらその場所を後にする。

 

 

後日、行方不明者のうちの二人が山の入口近くで倒れてるのを目撃された。




よっし投稿完了!

他の小説の投稿を急がなきゃ(焦


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