ToLOVEるの世界に駆ける狼の牙 (シャチ猫)
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第一話

ToLOVEるのキャラと牙狼が大好きで書いてしましました。

何分初めての小説なので駄文になってしまっていると思います。


「あれ?ここ・・・どこ?」

 

 俺、鈴村海翔(すずむらかいと)は気がついたらあたりが真っ白の所にいた。

 

「確か横断歩道を渡ろうとして・・・」

 

「目が覚めましたか?」

 

「ッ?!」

 

 俺が今ある状況を整理しようとしたら、突然後ろから声をかけられ、振り向いた。

 そこにいたのは、白い服を着たきれいな女の人がいた。

 

「あなたは・・・?」

 

「私は神です」

 

「か、神!?」

 

「はい、そうです。」

 

 俺は女の人が自分は神だと言われて、神様なんて本当にいたんだなぁと思っていた。

 

「それで、神様俺はどうしてここにいるんですか?」

 

 俺は何で自分がなぜここにいるのか尋ねようとしたら

 

「覚えていないのですか?」

 

「えっ?」

 

「あなたは横断歩道を渡ろうとした時、信号無視したトラックに轢かれそうになった親子をかばって死んだのです。」

 

 そっそうだ!!あの時目の前の親子にトラックが突っ込んで来たから、咄嗟に親子を突き飛ばして・・・・

 

「あの親子は!?無事ですか!?」

 

「ええ、あなたのおかげで親子は助かりました。」

 

「そ、そうですか。よかった~」

 

 無事だと知って、俺はほっと胸をおろした。

 

「あなたはとても勇敢な人です。普通だったら、とっさにあんな行動はできません。」

 

「いやぁ~、あの時は無我夢中だったし。それに、あの場合はだれだって助けますよ。」

 

「確かに助けるかもしれません。ですが、言うのと実行するとは違います。大抵の人はあんな行動はできません。あなただったからあの親子は助かったのです。」

 

「そ、そうですか?」

 

 こんなに褒められたことがないので、なんだか照れてしまう。

 

「そんなあなたの勇気を称えて、あなたに提案があります。」

 

「提案?」

 

「はい。あなたを・・・・・・転生させようと思います。」

 

「転生?転生って輪廻転生の?」

 

「はい。しかし、ただの転生ではありません。漫画やアニメなどのフィクションの世界に特典付きで転生させようと思います。」

 

「マジっすか!?」

 

「はい。なので、行きたいところをおしゃってください。」

 

「じゃあ、≪牙狼」の世界に行きたいです!!」

 

「牙狼・・・ですか?」

 

「はい!あれ、もしかしてダメですか?」

 

「いえ、可能です。しかし、あの世界はとても危険ですよ?」

 

「はい、分かっています。でも、人のために影で戦うあの姿はとても憧れて、自分もあんな風に戦う男になりたいです!!」

 

「わかりました。では、あなたを牙狼の世界に転生させます。」

「ありがとうございます!!」

 

 やった!!憧れの牙狼の世界に行ける!!冴島鋼牙や涼邑零みたいな魔戒騎士と一緒に

 戦えるかもしれない!!

 それに「貴様の陰我、俺が断ち切る!!」って、言えるかも(笑)

 

「では、特典はどうしましょう?」

 

「特典は、魔戒騎士になれる身体能力をお願いします。」

 

「鎧の特典はいいのですか?」

 

「いや、さすがにそこまではいいです。それは、さすがに卑怯だと思いますから。」

 

 自分だけ特別な鎧を持ってるなんて、それはさすがにずるいと思う。

 なので、あっちに行って称号をもっている鎧でも一般魔戒騎士の鎧でもそれは運命として受けいれよう。

 

「わかりました。では、身体能力だけあなたに授けます。」

 

「はい。何から何までありがとうございます。」

 

「いえいえ、あなたの行動はそれに値するものです。」

 

「は、はぁ~」

 

 大袈裟に言いすぎなんだよなぁ、さっきから。

 

「この扉の先が牙狼の世界です。」

 

 神様が、そう言うと目の前に『牙狼』と書かれた扉が現れた。

 

「それでは、行ってらっしゃいませ。」

 

「はい!!では、行って来ます!」

 

 そう言って俺は扉を開き光の中へ歩いていく。

 ようし、絶対に立派な魔戒騎士になってやる!!!

 

 神様SIDE

 

 ふぅ・・・・行きましたか。

 彼が牙狼の世界に行くとは驚きましたが・・・・彼なら大丈夫でしょう。

 

「さっ、私も次の仕事に取り掛かりましょう。」

 

 私が次の仕事に取り掛かろうとしたとき、

 

「せ、先輩~!!」

 

 後輩の神が私のところに慌てた様子で走ってきました。

 

「どうしたのですか?そんなに慌てて」

 

「じ、実は先ほど先輩が転生させた人のですが、『転生の扉』に不具合が起きてしまって

 別の世界に転生されてしまったのです!!」

 

「何ですって!?」

 

 まさか、『転生の扉』に不具合が起きてしまったとは・・・・

 

「それで、転生先は?」

 

「はい、調べたところ≪ToLOVE」のようです」

 

「何と・・・」

 

 よりにもよって、バトルとは無縁の世界とは・・・

 しかし、宇宙人との戦いでは戦う力が必要ですね。

 仕方ありません。

 

「今からでも彼に特典を追加しましょう」

 

 私は彼にオリジナル魔戒騎士の力を追加しました。

 ついでに、チートな能力も付けておきました。

 




いかがでしょうか。

なにかアドバイスがあればよろしくお願いいたします。


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第二話

第二話を投稿します。

今回は、ヒロインの一人を出会います。

ヒントは・・・

「ハレンチです!」


目をあけるとどこかの家のベッドの上に横たわっていた。

ここが俺の新しく住む家か・・・・結構デカくね?

俺は家の大きさに驚いていると、ふと自分の手を見てしまった。

あれ?なんかちっちゃくね?

疑問に思って窓を見たら、小学5年生くらいまでに縮んだ俺の姿があった。

 

 

 

 

 

「・・・マジか。」

 

どうりで手が小っちゃかったり、家がやけにデカいと思った。まあ、でも魔戒騎士になるためには小さい時から訓練をしなくちゃいけないから、当然といえが当然か。

実際に、牙狼でもそうだったし。

 

 

「まっ、取りあえず家の探索でもしますか。」

ベッドから降りた俺は、家の探索を始めた。調べたところ、普通の2階だての一軒家だった。

それでも、俺が住むには少し大きさ気がするが。

最後に、リビングに行くとテーブルの上に、鞘の入っている剣とライターらしきもの、そして箱が置いてあった。

 

 

 

 

・・・えっ?これって魔戒剣と魔導火?

 

 

 

 

何で!?オリジナルの鎧は必要ないって言ったのに。まさか、『神ノ牙 -JINGA-』みたいに由緒ある家系に転生しちゃった?

驚いていると、近くに手紙が置いてあったので読んでみた。

 

 

 

 

 

『鈴村海翔様へ

これを読んでいるということは転生できたということですね。

実は、あなたが通った「転生の扉」に不具合が起きてしまって牙狼の世界に転生できず

≪ToLOVEる≫の世界に転生しまったのです。

こちらの落ち度です。大変申し訳ございません。

お詫びに、オリジナル魔戒騎士の力、魔導火、魔導具、生活に困らないぐらいの貯金を追加させていただきました。

さらに、学校の手続きもこちらで済ませました。

詳しい事情は、箱に入っている魔道具にお尋ねください。

この度は、大変申し訳ございません。

それでは、よい転生人生へ

神より』

 

 

 

・・・・マジかよ!?

牙狼の世界じゃない!!?せっかくこれから頑張ろうと思ってなのにぃ~

しかも、ToLOVEるって・・・・

俺、キャラクターぐらいしか知らないんだけど・・・・(困惑)

 

「まあ、ここでグチグチ言っても仕方ない。とにかく、頑張りますか。」

 

俺は、気持ちを切り替えた。

 

「そう言えば、詳しい事情は魔道具に聞けって書いてあったっけ」

 

俺は今の現状を魔道具に聞こうと箱を開けた。そこには、女性の顔を模したストラップみたいな魔道具がいた。

ストラップか・・・てっきり指輪か腕輪だと思った。ストラップって、何か新しいな。

少し驚いていると、魔道具の眼が開いた。

 

 

『あなたが鈴村海翔ね?

私の名前はラルヴァ。これから、あなたのサポートをすることになったから、よろしくね。』

 

ラルヴァと名乗った魔道具は、ウィンクをしながら自己紹介をした。

 

「ああ、これからよろしくな。それで、ラルヴァ。現状はどうなっている?」

 

『ええ、まずあなたの両親はすでに他界していて、この家には一人で暮らしていることになっているわ。ちなみに、あなたの年齢は11歳よ』

 

「なるほど・・・」

 

この家を俺一人か・・・・掃除大変そうだな。

 

『次に、学校のことだけど、手紙にも書いてあったけど。あなたは、学校に通ってもらうことになってもらうわ。ちなみに、場所は彩南第一小学校よ。』

 

「やっぱ、そうなるか・・・」

 

ここが牙狼の世界じゃないからな。さすがに、お金があるからと言ってこの年からニートはまずいしな。

 

『最後に、鎧のことよ。今のあなたは、魔戒剣を持つことはできても自由に振ることはできないわ。もちろん、鎧を纏うこともできないわよ。』

 

「それは、何となくわかってた。」

 

というより、そうなるように頼んだしな。でも、牙狼の世界じゃないからどうやって鍛えようか。

 

『だから、鎧を纏うために私があなたを鍛えることになるわ。』

 

俺の心情を察したのか、ラルヴァはそう言ってきた。

 

「なるほど。じゃあご指南のほどよろしくな。ラルヴァ。」

 

『ええ、あなたを最高の魔戒騎士にするためにビシビシ鍛えるから覚悟してね。』

 

「ああ、よろしくな。」

 

こうして、ラルヴァからあらかたのことを聞いて、今後の方針を決めた。

 

『さて、海翔これからどうする?』

 

「そうだなぁ・・・まずはこの町のことを知るために、散歩しにいくか。」

 

『じゃあ、さっそく行きましょ。』

 

俺はラルヴァを左胸のあたりにつけて、この町の探索をするために家を出た。

 

 

しばらく探索して、ここが≪彩南町≫という所だと分かった。一見すると、転生前の住んでた町と変わらない平和な町だなあ。

 

「この町で、一体何が起きるのやら・・・」

 

『不安?』

 

「まあちょっとな。でも、俺には鎧があるし、何より、お前がいるからな。何とかなるさ。」

 

『ふふ、ありがとう。』

 

そんな会話をしていくと、赤い鳥居が見えた。

 

「神社か・・・せっかくだし、お参りに行くか。」

 

そう思って、神社の中に入ろうとしたら・・・・

 

「だれか、助けて!!」

 

「ん?」

 

大きな声が聞こえたから中をのぞいて見ると、そこには、赤いランドセルを背負っているツインテールの女の子が同年代位の男子に声をかけていた。

 

 

 

 

???side

木の上に猫ちゃんが登っちゃった!!あんな高い所から落ちちゃったらケガしちゃう!

私は、同級生の男子たちに声をかけた。

 

「ねぇ、誰かあの猫ちゃんを助けて!!」

 

私は、必死に男子に頼んでみたけど

 

「(見ろよ。風紀委員の古手川だぜ。)」

 

「(あいつ、いつもエラそーなこと言ってくるから、無視しようぜ)」

 

「(そうだな)」

 

男子たちは、神社からでようとしていた

 

「ちょっと待ってよ!!」

 

私が声をかけても男子たちは、無視して神社から出てしまった。

もう、これだから男子は!!

 

「こうなったら、私が・・・」

 

私が猫ちゃんを助けようと木に近づこうとしたら、そこに知らない男子が木に登ろうとしていた。

 

???side end

 

 

 

 

俺は、鳥居に隠れて事の一部始終を見ていた。

どうやらあのあの女の子はあの木の上にいる猫を助けようとしてんだな。それで、男子たちに頼んでいるが案の定無視と。

ひでぇな、あの男子たち。あんな必死に頼んでるのに無視とか。

 

『あの女の子、男子たちから嫌われているんじゃない?』

 

「それにしても、無視はないだろう。あの子が可哀想だ。」

 

あの子がどんな子か知らないが、女の子の頼みを無視するなんて。

 

『それで、どうするの?』

 

「行くさ。あの子が困っているからな。」

 

あの高さで、もし落ちてケガをしちゃったらあの子が悲しむことになる。

全く知らない女の子だけど、女の子の悲しむ顔は見たくないしね。

 

『じゃあはやく行きましょ。』

 

「ああ」

 

俺は神社の中に入り、木に登ろうとした。

 

「あ、あの・・・」

 

女の子が戸惑った様子で、俺に声をかけてきた。

 

「上にいる猫を助けたいんだろ?俺が行くから待ってな。」

 

「あっ・・・」

 

そう言って俺は、木によじ登り猫を捕まえて下に降りて行った。

 

「この猫、君の?」

 

「い、いや、私のじゃないけど・・・」

 

「あっ、そうなんだ。」

 

てっきり、この子の猫かと思ったら野良猫だったのか・・・

野良猫なのに助けようとしたのか。この子、心が優しいんだな。

 

「ほれ、もう危ない所に行くんじゃないぞ。」

 

俺は、猫を地面に下ろすと猫は森の中に行ってしまった。

 

「さて、じゃあ俺はもう行くね。」

 

女の子に背を向けてその場をあとにしようとしたら

 

「あ、あの!」

 

「ん?」

 

「猫ちゃんを助けてくれて、あ、ありがと・・・」

 

女の子は恥ずかしそうにお礼を言ってきた。

 

「あれくらい、お安い御用だよ。じゃあな」

 

俺は神社から出て行った。

 

 

 

 

???side

「あれくらい、お安い御用だよ。じゃあな」

 

私はそう言って帰っていく男子を見えなくなるまで見ていた。

男子なんて野蛮で、自分勝手な人ばかりだと思っていた。

さっきの同級生の男子たちもあの猫ちゃんを助けようとしなかったし。

なのに、あの男子は自分から猫ちゃんを助けてくれた。

男子にもあんな人がいるんだ。

 

「また、会えるかな・・・」

 

???side end




いかがだったでしょうか。

何分ToLOVEるはにわかなので、実際のものとは状況が違うと思いますがご容赦ください。

私的には、古手川さんはあまりツンツンしない方向にもっていきたいと思っています。



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第三話

第三話

今回は、出てくるのはTS化したあのキャラクターです。

それでは、どうぞ。


猫を助けてから、都心の方に行きスーパーなどの日常生活品を買う場所を覚えるがてら見て周った。

 

「だいぶ町のことも知れたし、そろそろ帰るか」

 

『そうね。明日からの修行に備えて今日は帰ってゆっくり休みなさい。』

 

俺は、帰ろうとして横断歩行を渡ろうとしたが、赤になっていたため止まっていた。反対側には、親子がいた。

そういえば、転生前にもこんな状況だったっけ。あの親子元気かな。

と前世で助けた親子のことを思っていると、青になったので歩いた。

 

「お母さん、はやくはやく!」

 

「そんなにはやく行くと、危ないわよ。」

 

女の子が母親より先に飛び出して行った。

 

すると、突然__________________________

 

 

 

 

プップー!!!!!

 

 

 

 

『ッ!!?海翔!!!』

 

 

「!!!」

 

 

軽自動車が女の子に向かって突っ込んで来ていた。

 

「リコッ!!!!」

 

「えーーーーーーーー」

 

女の子は突然のことで身動きが取れないでいた。

 

俺は、とっさに女の子を抱きしめそのまま転がった。

 

「ふぅー・・・・間一髪」

 

ギリギリ女の子を助かったことで、俺はほっと胸を撫で下ろした。

一方、女の子はまだ状況をつかめていないのか、呆然としている。

 

「リコ!!!」

 

血相を変えて、母親が駆け寄ってきた。

 

「リコ、大丈夫!?ケガはない!?」

 

母親は女の子にケガがないか、くまなく調べていた。

 

「もう!!だから、言ったじゃない!!危ないって!!」

 

「ご、ごめんなさい・・・」

 

女の子は状況を理解したのか、泣きながら母親に謝った。

 

「もうっ、本当に心配かけるんだから・・・・」

 

母親は女の子を抱きしめてた。すると、俺の方に顔を向けた。

 

「娘を助けてくれて、本当にありがとう。君が助けてくれなかったら、今頃娘はどうなっていたか・・・・」

 

「いえ、そんな。俺も無我夢中だったので。」

 

今回は、死なずに済んだし。女の子にはケガがなかったし。万事解決、オールOKってね。

 

『(不謹慎よ。やめなさい。)』

 

「(ごめんなさい。)」

 

ラルヴァに怒られちった。

 

「そうだっ、君はケガしてない!?」

 

「俺はこの通り。大丈夫ですよ。」

 

「本当?良かった」

 

母親は俺にもケガがないと分かると、再び安堵の息をした。

すると、女の子が俺に顔を向けてきた。

 

「た、助けてくれて、あ、ありがとう」

 

頬を赤くしながら、俺にお礼を言ってきた。

 

「大丈夫だよ。それより、君にケガがなくて良かった。」

 

俺は笑いながら言うと、女の子はさらに顔を赤くなった。

恥ずかしいのかな?

 

「そうだ。君の名前は?私は、結城林檎。この子は、娘の結城梨子」

 

「結城梨子・・・です」

 

「俺は鈴村海翔です。」

 

「海翔君ね。ねえ海翔君、ご両親は今家にいらっしゃる?海翔君が助けてくれたことにお礼を言いたいのだけど」

 

あ~親か・・・。俺、親いなからどうしよ。ここで出張中とか嘘つくのいやだし、ここは素直に答えるか。

 

「両親は・・・いません。」

 

「「えっ?」」

 

林檎さんとリコちゃんが驚愕な顔をしていた。

 

「小さいとき、二人とも亡くなって。それから、一人で生活をしています。」

 

「そんな・・・お金とかどうしてるの?」

 

「お金はある程度残っているので大丈夫です。」

 

そう言うと、二人は心配そうな顔で俺を見つめていた。

・・・やっぱり、嘘ついたほうが良かったかな?

 

『(両親がいるって嘘ついても、いつかバレると思うから、正直に言ってもいいんじゃないかしら)』

 

「(そう・・・だよね)」

 

ラルヴァとそんな会話をしていると、リコちゃんが俺に心配そうに話しかけてきた。

 

「寂しく・・・・ないの?ずっと、一人なんて」

 

リコちゃんが少し涙目になって言ってきた。

 

と言っても、一人だって分かったのは今さき分かったことだしな。ここは、心配かけないように言いますか。

 

「まあ寂しくないって言ったら嘘になるけど、まあ何とかなるさ。」

 

明るく言ったつもりだったが、結城親子はまだ心配そうな顔をしていた。

 

あれっ?なんかまずいこと言ったかな?

 

俺が疑問に思っていると、林檎さんが俺に尋ねてきた。

「ねえ、今から海翔君の家に行っていい?」

 

「え、ええ、いいですよ」

 

林檎さんから俺の家に行くと言い出して、俺は戸惑ったが断わる理由もないので同行を許可した。

 

そんなこんなで、俺の家に着いた。

 

「ここが、海翔君の家?」

 

「はい、そうです。」

 

「そう・・・・」

 

そう言うと、林檎さんがなんか少し驚いた顔をしていた。

 

「あの、どうしんですか?」

 

「あっ、ごめんね。実はこの近くに私たちの家があるのよ。」

 

「そうなんですか。」

 

まさか、ご近所さんだったとは・・・世の中って意外に狭いんだな。

 

「ねえ、海翔君。もし、なにか困ったことがあったらいつでも言ってきてね。

 寂しくなったら、うちに泊まってもいいし。」

 

「ありがとうございます。」

 

何て親切な人なんだ・・・。

 

「じゃあ、私たちはもう帰るね。海翔君、本当に娘を助けてくれてありがとう。」

 

「ありがとう。」

 

結城親子は、再び俺に頭を下げてお礼を言ってきた。

 

「いえ、そんな頭をあげてください。俺はリコちゃんが助かっただけでよかったですから。」

 

何か最近、感謝されてばっかだな。ほんと、照れるな・・・。

 

「それじゃあね。海翔君」

 

「ばいばい」

 

「さよなら」

 

そうして、結城親子は帰っていった。俺は、家の中に入ってリビングにあるソファーに座った。

 

「ふぅー・・・なんか色々濃い時間だったな」

 

『今日は、助けてばかりだったわね。』

 

猫を助け、リコちゃんを助け・・・。

まさか、横断歩行でまた助けるとは思わなかったな。

 

「さて、少しはやいけどご飯の支度でもするか。」

 

『その前に、少しいいかしら?』

 

「何だ、ラルヴァ?」

 

『あなたにまだ紹介していない所があるの。』

 

「紹介していないところ?」

 

『そう。私の指示する方に行って。』

 

ラルヴァを持って指示のある方に行ったら、その場所は1階の奥にある物置みたいなところだった。

「ここか?」

 

『そうよ。中に入って?』

 

ラルヴァに言われた通りに中に入って行くと、左の壁の中央に鈴みたいのがあった。

 

『鳴らしてみて』

 

俺は鈴を鳴らすと、きれいな音が鳴った。すると、奥の壁が左右に開き階段が現れた。

 

「これって、まさか・・・」

 

俺は、おそるおそる階段を下っていった。そこには、武道場のようなものがひろがっていた。

 

「まさか、この場所まであったとは・・・」

 

≪牙狼≫や≪牙狼 魔戒ノ花≫に出てくる冴島邸の地下にある武道場まで追加してくれていたとは・・・。しかも、グラウ竜の牙まである。

神様・・・・ありがとうございます!!

 

『この場所なら、思う存分剣の練習ができるわ。』

 

「確かに、外で練習をするとまずいしな。」

 

もし、警察官に見つかったら未成年だけど銃刀法違反で捕まっちゃう。さすがに、前科持ちは絶対にいやだからな。

 

「あつ、よく見たら木人形まである」

 

≪牙狼 蒼哭ノ魔竜≫にでてくる子供の魔戒騎士が訓練するための魔道具で、打ち合いができるからより実践的に練習ができる。まあ、木刀でだけど。

 

『いきなりグラウ竜の牙はできないから、まずは体力作りと剣に慣れるところからね。

 明日からビシビシ行くわよ。』

 

「そうだな。じゃあ、改めてよろしくな。ラルヴァ」

 

俺は気持ちを新たにして、明日からの修行のために早く就寝した。

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、学校っていつから?」

 

『明々後日からよ』

 

「早くね!?」

 




いかがだったでしょうか。

後半が、グダグダになってしまって申し訳ございません。

それでは、次回をお楽しみに。


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第四話

第四話

長くダラダラとなってしまっている感じがします。

どこを省略していいか、分からない今日この頃・・・

それでは、どうぞ。


『海翔、起きて』

 

ラルヴァの声に、俺は目を覚ました。時計を見たら、AM4:00となっていた。

 

「どうした、ラルヴァ?こんな朝早くから」

 

『どうしたじゃないわよ、今日から修行よ。まずは、体力作りとして朝のランニングから始めるわよ。』

 

「なるほど・・・」

 

俺は寝ぼけた頭を切り替えるために、一度体を伸ばした。

 

「んーーーー、と。行きますか。」

 

ベッドから起きて、ジャージに着替え、ラルヴァを持って外に行こうとした。

 

「あっ、そうだ。」

 

『どうしたの?』

 

「おはよう、ラルヴァ」

 

やっぱり、朝のあいさつは礼儀でしょ。相棒なら、なおさらしなきゃならないしな。

 

『――――ふふっ、おはよう、海翔』

 

ラルヴァと朝のあいさつを済ませて、外に出て行った。

 

「それで、どれくらい走ればいい?」

 

ストレッチをしながら、ラルヴァに走る距離を聞いた。

 

『初回から長距離走ると、体に負担が大きすぎるから、私がいいというまで走ってね。』

 

「分かった。じゃあ、行きますか。」

 

ストレッチを終えた俺は、走り出した。

 

約30分ぐらい走っているとき、ラルヴァからストップがかかった。

 

『はい、ランニング終わり。歩いて。』

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

俺は息たえだえになっていた。やっぱり、小五の身体だから体力がないな。

すげぇ、疲れた・・・・。

5分くらい歩いて、ようやく息が整ってきた。

 

「ふぅー・・・疲れた・・・。」

 

『小五の体だから、体力がすぐ尽きちゃうわね。だからって、手を抜くつもりはないわよ?』

 

「分かってるよ。ていうか、手を抜いてもらっちゃこっちが困るから。」

 

ここで基礎を怠ったら、いざって時戦えないからな。

 

『その心意気よし。じゃあ、帰りもランニングするわよ。コースは今来た道を走ってね。』

 

「よし、行くか!」

 

俺は走ってきた道を逆走して家に向かって走った。

家に戻り、クールダウンした後、汗を流すためにシャワーを浴び、朝食を食べた。

 

「ごちそうさまでした。」

 

『それじゃあ、休んだ後、次は地下で筋トレをするわよ。』

 

「了解」

 

俺は、一旦部屋にもどりベッドに腰かけた。しばらくぼおーとしていたが、ふと壁に立てかけてある魔戒剣に目がとまった。おもむろに、それに手に取り、鞘から抜いて刃を見つめた。魔戒剣は、ずっしりと重く、持っているだけでやっとだった。

 

「俺はまだまだ未熟だからお前に認められていない。だから、これから修行していつかお前に認められるになるからな。」

 

俺は語りかけるように魔戒剣に言った。ここが、望んだ世界じゃなくてもいつか来る戦いのために俺はこの剣を使いこなすと決意した。

 

『海翔、そろそろ始めるわ。地下に行くわよ。』

 

「ああ、すぐ行く。」

 

俺は魔戒剣を鞘に戻し再び壁に立てかけ、ラルヴァを持って地下に行った。

 

 

 

『それじゃ、始めるわよ。まず、腕立て伏せ、腹筋、スクワットをやるわよ。回数はランニングと同じように私がいいよと言うまで。それから、数分休憩して次に移るわ。最初は、腕立てからやって。』

 

「よし、やるか!」

 

武道場の中央で腕立てから始まった。ラルヴァがいいと言うまで行い、3~4分休憩し、腹筋に移った。スクワットの時も同じことを行った。一連の流れを、2セットぐらい行った後、

ランニング終わりのように、息が絶え絶えになってしまった。

 

「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

 

『それじゃあ、休憩ね。その後、木刀を使った素振りからね。』

 

「あっああ・・・ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

 

俺は武道場の中央でそのまま大の字になって、寝転んだ。

き、きつい・・・。この体で筋トレってこんなにきつかったっけ。

しばらく、大の字のまま休んでいた。

 

『よし、休憩終わり。次は、木刀使って素振りをするわよ。』

 

「了解」

 

俺は立ちあがって、木刀を手にした。

 

『まず、剣の斬り方を教えるわ。最初は袈裟斬りと逆袈裟斬りよ。』

 

「名称なら聞いたとこがあるがな」

 

具体的にどういった斬り方なのかは知らない。なにせ、剣に関してはからっきしだからな。

 

『袈裟斬りは相手の肩から逆側のお腹を斬るような斬り方。逆袈裟斬りは、袈裟斬りの逆つまりお腹から逆側の方へ斬り上げるような斬り方よ。』

 

「肩から腹・・・腹から肩、か」

 

ラルヴァから剣の振り方を教えてもらって、さっそく素振りを始めた。

 

『もっと、重心を低く!!』

 

「はいっ!」

 

『もっと力強く!素振りだからって、手を抜かない!!』

 

「はいっ!」

 

ラルヴァからの今まで以上に厳しく指導を受けていた。もはや、スパルタのレベルを超えていたが、俺は必死になって木刀を振るった。

 

『よしっ、そこまで!』

 

「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

 

やり終えて、また大の字になって寝転んだ。

ランニングや筋トレ以上にきつい・・・。またしばらく、そのままの態勢で休んだ。

 

「はぁ・・・疲れた・・・」

 

『お疲れ様。でも、午後もあるからもっと疲れるわよ。』

 

「そう・・・だな。」

 

午後のためにもしっかり休まないとだな。と、思っていたらグゥ~と腹が鳴った。

 

『そういえば、もうすぐお昼ね。』

 

「じゃあ、飯作って食べますか。」

 

お昼近くになったので、昼飯を作るために武道場を後にしようとしたが

 

「あっ、そういえば冷蔵庫の中あんまりなかったっけ・・・」

 

朝冷蔵庫の中を確認したら、食材があまりなかったことを思い出した。修行のことで、すっかり忘れていた。

 

「はぁ・・・マジか・・・」

 

『買いに行くしかないわね。』

 

「はぁ・・・行きますか。」

 

俺は、食材を買うためにスーパーに行った。野菜やお肉など、ちょっと多めに買い、スーパーの中にあるフードコートで昼食を済ませた。今から作るのはさすがに面倒だからな。

そして、昼食を食べ終え、家に帰り食材を入れた。

 

『さて、午後の修行に始めるわよ。また、ランニングから始めるわよ。』

 

「よっしゃ、行くか!」

 

家から出てまたランニングを始めた。今度は、朝と違ったコースを走った。

 

『はい、ここまで。クールダウンして。』

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

俺は息を整えるために歩いていていた。ふと、見ると昨日の神社についていた。

そういえば、昨日は猫を助けてそのまま帰ったから、お参りできなかったな。

時間もあるし、今日こそお参りするか。

 

「なあ、ラルヴァ、昨日できなかったお参りしてってもいいか。」

 

『ええ、いいわよ。』

 

ラルヴァからもOKともらったので、俺は中に入っていった。

鈴を鳴らし2回拍手をして、願いを込めながら深く礼をした。

この世界で平和に生きていけますように、

 

 

そしてーーーーーーーーーー

 

 

「(守りたいものを守れる男になれるように。)」

 

 

 

数秒礼をした後、修行に戻ろうと神社を後にしようと振り向いたら。

 

「あーーーー」

 

そこにいたのは、昨日神社にいた女の子だった。

 

 

 

???side

昨日、猫を助けてくれた男子。

私が今まで会った男子とは違った感じがして、気になっていた。

なぜか、分からないけどまた会いたいと思ってしまった。

だから、何となく神社に行ってみた。昨日と同じ場所にいるはずないのにね。

半分期待半分諦めの気持ちで神社に行くと

 

「あーーーー」

 

昨日の男子がいた。

 

???side end

 

 

まさか、2日連続で会うとはな・・・。本当に世の中って狭いんだな。

とりあえず、あいさつをしますか。

 

「よっ、昨日ぶりだな。」

 

「あっ、うん・・・」

 

俺が話かけると、女の子は戸惑った感じで返事を返してきた。

 

「この場所好きなのか?」

 

「い、いや、そう言うわけじゃないけど・・・」

 

「あっ、そうなんだ」

 

「あなたは何でこの場所にいるの?」

 

「俺は、お参りに来たんだ。」

 

「そっ、そうなんだ・・・」

 

やばい、会話が続かない・・・。俺は元々人と話すのがあまり得意じゃないしな。

 

『(あら、意外ね。だれとでも、仲良くなれる性格だと思ったけど)』

 

「(過大評価ですよ、ラルヴァさん。それで、どうすればいい?)」

 

『(私に聞くの?全く・・・。とりあえず、名前を聞いたら?)』

 

「(そっその手があった。サンキュー、ラルヴァ)なあ、君の名前は?」

 

「えっ?」

 

「2日連続で会うなんて何かの縁だと思うし、せっかくだから名前を聞こうかなって。

俺は鈴村海翔。君は?」

 

「こ、古手川唯・・・」

 

「唯ちゃんね。」

 

すると、唯ちゃんは恥ずかしそうな顔をした。

 

「あっ、いきなり名前呼びは馴れ馴れしかった?」

 

「ち、違うの。ちゃんなんて呼ばれたことがないから、びっくりしただけ」

 

「そうなんだ。」

 

「でも、ちゃんはこそばゆいから、普通に名前で呼んで欲しいな」

 

「じゃあ・・・唯でいいか?」

 

「う、うん・・・」

 

女の子――――古手川唯ちゃん改め唯とようやく自己紹介をした。

 

『(海翔、そろそろ行かないと。)』

 

「(そうだな。)」

 

そろそろ、行かないと修行の時間がなくなるかな。

 

「じゃあ、俺はそろそろ行くね。」

 

「あっ・・・」

 

俺はそう言って神社から出ようとしたら。

 

「す、鈴村君!!」

 

唯が俺を呼び止めた。

 

「どうした?」

 

「あっあの・・・その・・・」

 

唯がモジモジしながら、何か言いそうにしていた。

 

 

 

 

「明日も・・・この時間に・・・会えるかな・・・?」

 

 

 

 

 

「えっ・・・?」

 

 

 

 

「そっその・・・鈴村君ともっと話したから・・・」

 

・・・マジかよ!?俺と話したい!?こんなかわいい子が!?

転生前でもない経験だったので、

 

「(ど、どうしよ、ラルヴァ!?俺どうしたいい!?)」

 

『(何そんなにうろたえてるのよ、あなたは。まあこの時間なら休憩にもなるから大丈夫よ。)』

 

「(そ、そうか。よし。)ああ、この時間なら大丈夫だよ。」

 

「!!うっうん!!」

 

唯はうれしそうな笑顔を見せた。

 

「じゃあ、明日な。ばいばい」

 

「ば、ばいばい」

 

俺は唯と明日の会う約束をして、修行に戻った。

 

 

 

唯side

昨日会った男子―――――鈴村海翔君。まさか、会えるなんて思っていなかったから、頭が真っ白になってしまって何を話していいか、分からなくなった。

会話がないまま、鈴村君が帰ろうとした私が、思わず止めてしまった。

 

「す、鈴村君!!」

 

「どうした?」

 

「あっあの・・・その・・・」

 

どうしよ・・・何も考えずに呼び止めちゃった・・・えぇーと・・・

 

「明日も・・・この時間に・・・会えるかな・・・?」

 

そう言って私は後悔した。自分でも何言ってんだろと思う。会ってすぐの男子に明日会えるかな、なんて。絶対に変な人だって思われちゃった。

私は自分の言ったことに後悔して悲しんでいると。

 

「ああ、この時間なら大丈夫だよ。」

 

鈴村君は、あっさりと明日会うと約束してくれた。普通だったら、絶対にしないのに。

思わず、私は笑顔になった。

 

「!!うっうん!!」

 

「じゃあ、明日な。ばいばい」

 

「ば、ばいばい」

 

そう言って、鈴村君は帰っていった。

普通断わるはずなのに、そんな素振りもみせずに約束をしてくれた。

なんだろ・・・なんか分からないけど、うれしい・・・!

私は上機嫌になって帰っていった。明日、何しゃべろうかな。

そんなこと考えながら家に帰っていった。

 

 

 

 

※ちなみに、唯の家族はやけに機嫌が良く帰ってきた、唯を見て何があった!?とちょっとした騒動が起きていた。

 

 

 

 

唯side end

 

 

俺は神社から出た後、午後の修行の続きを無事に終えて、夜食を食べ、風呂に入り終わって部屋のベッドで寝転んで今日の出来事を思い出していた。

いやあー、今思い出してもうれしいな。こんな俺と話をしたいなんて・・・。

 

「ほんとに夢みたいだな・・・」

 

『あなたの人柄を感じ取ったのでしょ。』

 

「人柄?」

 

『そう。あなたは自分を省みず人を助けたでしょ。転生前の親子やリコちゃんの命を。他人をどこまでも助けようとするその優しさがあの子には、あなたの雰囲気で伝わったのよ。』

 

「優しさ・・・ねぇ」

 

なんかあまりピンとこないな。

 

『ピンと来てないって顔ね。まあ、いいわ。それより、早く寝なさい。明日も朝早いんだから。』

 

「そうだな。そうしますか。」

そう思って部屋の電気を消した。

 

「おやすみ、ラルヴァ」

 

『おやすみ、海翔』

 

俺は、ラルヴァにそう言って眠りについた。

 




いかがだったでしょうか。

ランニングや筋トレ、剣の素振りは自分の勝手な想像です。

その筋のプロの方、申し訳ございません。もし、不快と感じたのであれば、謝罪します。

それでは、次回をお楽しみに。


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第五話

UA1万越え+オレンジタグ・・・(驚愕)

こんな作品を見てくださっている方々、大変ありがとうございます!!!

まだまだ、駆け出しの私ですが、これからも精一杯良い小説が書けるよう努力しますので

何卒よろしくお願いします!!!


それと、タグを追加しました。


今日の午前も修行をして時間を費やした。やっぱり、木刀を使っての素振りが一番きつく、

まだ全然慣れない。その上、ラルヴァの厳しい指摘もあるので中々につらい。

だが、俺は音を上げるつもりは一切ない。この厳しさは、魔戒騎士には絶対に必要なことだ。

それに、せっかく鎧を授けてくれた神様に申し訳ないから俺はこの厳しさ修行を続けていくつもりだ。

 

『そこまで!午前の修行はここで終わりにしましょ。続きは、午後ね』

 

「ぜぇ・・・ぜぇ・・・あ、ありがとう・・・ございました・・・ぜぇ・・・」

 

毎度の如く、大の字になって休憩をしていた。休憩が終わったら、昼食を食べるために1階の台所に行き、昼食を作った。ちなみに、料理はハンバーグを作った。

 

「うまそー」

 

自分で作った料理だけど、いい匂いがするし、すげぇうまそう。

 

「じゃあ、いただきます。」

 

一口いただく。すると、肉汁が口のなかであふれ出てくる。

 

「うめぇ~!やっぱ自分が作った料理食べるのうまいな。」

 

自分が作った料理に自画自賛していると、ラルヴァが話してきた

 

『料理の舌鼓をするのはいいけど、時間大丈夫?』

 

「大丈夫って?」

 

『唯ちゃんとの時間よ。修行の合間の休憩時間だから早めに行った方がいんじゃない?』

 

「うーん、そうだよなぁ」

 

確かに唯と話せる時間は、休憩の時間だからあまりない。俺は、楽しみでもあるからできるだけ長く話したい。

「よし、もう少し経ってから、行くか。」

 

俺は、残りの料理を食べ、食器を洗い終えたあと、午後の修行を行った。

あっという間に、ランニングのクールダウンするための神社に着いた。

まずは息を整えた。息たえだえだと不審がるからな。

 

「はぁっ・・・はぁ~・・・よし、だいぶ落ち着いた。」

 

やっと、息が整ってきたので、神社の中に入っていった。

もう来てるかなと、中に入っていて探していると階段の所に座っていた。

 

「おーい、唯っ」

 

俺は唯の名前を呼びながら近づいた。唯は、俺の声に気が付いて笑顔を向けて手を振ってきた。

 

「あっ、鈴村君っ」

 

 

唯side

私は昨日より早く神社に来てしまった。やっぱり、中には誰もいなかった。

私は、階段に座って待つことにした。なんか、一人で待ってると時間が長く感じてしまう。

 

「鈴村君、来るよね・・・?」

 

鈴村君が約束を破るとは思ってないけど、やっぱり不安になっちゃう。

そんな気持ちでいると、神社に誰か入ってきた。

あっ、あの姿は・・・

 

 

「おーい、唯っ」

 

 

 

やっぱり、鈴村君だ。私は手を振って、合図をした。

 

「あっ、鈴村君っ」

 

唯side end

 

 

「ごめん、待った?」

 

「ううん、待ってないよ」

 

「なら、良かった」

 

俺と唯はそのまま会話を続けた。どこら辺に住んでいるのとか、学校はどこへ通っているなどの身の上話をした。

ちなみに、唯は彩南第二小学校という同じ町にある別の小学校に通っていることが分かった。

そんな会話を続けていると、家族の話になった。唯の家族は、両親と兄の4人暮らしだそうだ。

 

「えっ、1人なの・・・?」

 

俺の家族の話になって、俺に家族がいないと分かったら、とても驚いた顔をしてこっちを見た。

 

「ああ、俺が小さいときに亡くなってな。それから、1人で生きてるんだ。」

 

すると、唯は今度は心配そうな顔をした。

 

「つらく・・・ないの?ずっと、1人ぼっちなんて」

 

唯は心配そうな顔のまま、俺に聞いてきた。何か前にもあったな、こんなこと。

 

「まあ今何とか生活しているし、大丈夫だよ。」

 

俺は笑顔で言ったが、まだ唯の顔はそのままだった。

何で?前もそうだったけど、俺は大丈夫って感じで話したのに、何でまだ不安げな顔?

 

『(言い方に問題があるのよ)』

 

「(そんなに変か?普通に言ったつもりなのに)」

 

ラルヴァとそんな会話をしていると、突然唯が俺の手を握ってきた。

えっ、突然どうしたの!?

俺は突然の出来事に頭が追い付かず思わず唯の顔を見たら、唯は何か決意したような目をしていて俺の顔を見た。

 

「何かつらいことがあったら、私に相談して?何ができるか分からないけど、鈴村君の力になりたいの」

 

唯は俺の目を覗き込むように顔を近づけながら言った。女の子にこんな心配されるなんてな。俺の中に、自分に対して情けなさとうれしい気持ちがあった。

 

「ありがとう、唯。困ったことがあったら相談するよ」

 

「ええ、いつでも言ってね。」

 

俺がそう言うと唯はうれしそうな顔をした。そんな顔を見たら、俺も笑顔になった。

ただ、さっきから唯の顔が妙に近いことに気づいた。いや、かわいいしずっと見ていたいけど、さすがに恥ずかしいから唯に声をかけた。

 

「あの、そんなに見つめられと、さすがに照れちゃうよ」

 

「あっ、ご、ごめんなさい・・・」

 

唯は顔が近いことに気がついて、顔を赤くしながら慌てて顔を離した。

俺と唯の間に気恥しい空気が流れ、無言になってしまった。

何かしゃべらなきゃ・・・え~と・・・あっ、そうだ。

 

「じゃあさ、唯も何か困ったことや悩んでいることがあったら相談に乗るよ」

 

「あ、ありがとう・・・」

 

唯は顔を赤らめたまま、微笑んだ。

か、かわいい・・・。俺は、思わず見とれてしまった。

 

『(見とれとるところ悪いけど、そろそろ時間よ)』

 

「(ハッ!そ、そうか・・・もうそんな時間か)」

 

ラルヴァの言葉で目が覚め、俺は修行の続きを行うために神社を出ようとした。

 

「ごめん。俺そろそろ行かなきゃ」

 

「あつ、うん・・・」

 

俺が行こうとすると寂しそうな顔をした。うっ、罪悪感が・・・。

 

「ほんとにごめんな。また、ここで会うからさ」

 

「うん、分かった・・・いつ会う?」

 

「そうだなぁ・・・」

 

俺と唯はお互い小学校が違うからな。時間割は当然違うだろうし。そうなると、自然と休日に会うことになる。

 

「じゃあ、今度の土曜日に合わない?」

 

「う、うん・・・分かった」

 

唯は分かったと、頷いた。

 

「それじゃあ、ばいばい」

 

「うん、ばいばい」

 

俺は、その場を後にして修行の続きをした。

 

 

唯side

鈴村君と色々な話をしていくと、鈴村君は家族がいないと知った。私と会う前から、ずっと1人でいるなんて・・・。

鈴村君は大丈夫と笑っているけど、やっぱり1人は寂しいと思う。私は思わず鈴村君の手を握った。

 

「何かつらいことがあったら、私に相談して?何ができるか分からないけど、鈴村君の力になりたいの」

 

私のできることなんて少ないと思うけど、それでも鈴村君の力になりたいから。

 

「ありがとう、唯。困ったことがあったら相談するよ」

 

「ええ、いつでも言ってね」

 

鈴村君が私を頼ってくれる。そのことが、うれしくなり思わず笑顔になった。

 

「あの、そんなに見つめられと、さすがに照れちゃうよ」

 

「あっ、ご、ごめんなさい・・・」

 

わ、私ったら、男子の手をいきなり握るなんて、何てハレンチなことを・・・!

私は慌てて手を離した。

うぅ・・・恥ずかしくて鈴村君の顔が見れない・・・

しかも、顔をあんな近づけちゃったから、ますます顔が見れない・・・

そのまま俯いていると、鈴村君が私の悩みを相談してくると言ってくれた。

本当に鈴村君って優しいのね。思わず、笑顔になる。

 

そうしているうちに、鈴村君が用事があると言って神社から出ようとした。

明日も話をしたいけど、お互い学校があるから時間が合わせられない。そうなると、休日にしか会えない。私は少し寂しい気持ちになってしまった。

もう会えないってわけじゃないけど、初めて仲良くなれた男子だからもっと話をしたい。でも、これっばかりはしょうがいないから次の土曜日に会う約束をして、私も家に帰り、次の日の予習をして、夜ご飯を食べた後、お風呂に入り、寝る準備をした。

土曜日のために明日からがんばろう。そう思って、眠りについた。

 

唯side end

 

 

神社を出た後、寝るまでいつも通りの修行を行った。

そのあとは、晩飯を食べて、風呂入って、寝る・・・の前に、明日学校へ行くための準備を行った。

2回目の小学校・・・。なんか、緊張するな。大丈夫かな。

 

『あなたならやっていけるわよ』

 

「そうか?そうだといいが」

 

第一印象は大事だからな。しっかりしないとな。

 

「じゃあ、ラルヴァお休み」

 

『お休み、海翔』

 

そう言って、俺は眠りについた。

 




いかがだったでしょうか。

何だか、古手川さんがチョロインみたいになっちゃいました。

それもそうですが、牙狼のガの字もなければ、エロのえの字もでてこない・・・

いや、構想は何となくあるのですが、それに辿り着くまで時間がかかってしまいます。

期待されている方そうでない方も申し訳ございません。


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第六話

赤タグ・・・だと?(驚)

正直信じられません。

こんな初心者の書いた作品がここまで評価されているとは。

これもひとえに皆様のおかげです!

本当に本当にありがとうございます!!!!!

これからも皆様の期待に応えるようにがんばりたいと思っています!!!


月曜日。今朝のランニングと筋トレはいつも通りに行った。ただ、距離や回数がいつもより少なかったが。

ラルヴァいわく、初日の学校で疲れて寝るなんてみっともないから、だそうだ。まあそうだなと俺も納得した。

そして、ランドセルを背負って彩南第一小学校に行った。

まず職員室に行き、これからお世話になる担任の男性先生にあいさつをし、先生と一緒に教室まで歩いていった。その道中、先生と会話をしていた。

 

「でも、こんな時期に転校なんて珍しいな」

 

「ええ、まあ」

 

俺がこの学校に来た時期は、3学期だからだ。もう1・2ヶ月で進級をする微妙なこの時期に転校は中々ないから、先生が不思議がるのは無理もないな。

 

そんな会話をしていき、たどり着いてのは、≪5年A組≫とプレートがぶら下がっている教室だ。ドアの前で、思わず深呼吸をしてしまった。

 

「すぅー・・・はぁ~」

 

「何だ、緊張しているのか?」

 

「ええ、まあ」

 

「大丈夫だ。皆いいやつだからな。すぐ仲良くなれるさ」

 

先生が笑いながら言ったので、いくぶん緊張が和らいだ。

 

「よし、じゃあ呼んだら入ってきて」

 

「はい」

 

先生は先に教室に入っていった。

 

「みんな、おはよう。今日は、みんなに転校生を紹介するぞ。さっ、入って自己紹介して」

先生に呼ばれて、教室に入っていく。

俺は黒板に“鈴村海翔”を書いて、クラスメイトの方を向いた。

 

「鈴村海翔です。変な時期に転校してしまいましたが、どうぞよろしくお願いします」

 

俺は全員の顔を見るように自己紹介をした。見渡してみると、茶髪の女の子と目があった。

その子は、横断歩道で助けたリコちゃんだった。

 

 

リコside

学校が終わった後、お母さんと一緒に買い物して、その帰りの横断歩道で目の前に車がきた。

私は、突然のことで体動かなかった。

その時、助けてくれたのが、鈴村海翔って男の子だった。

最初は突然のことで分からなかったけど、私の命を助けてくれたことが分かると途端に顔が赤くなった。私はお礼を言うと、笑顔でケガがなくてよかったと言ってくれた。

うぅ・・・そんなこと笑顔で言われると、恥ずかしい・・・。

しかも、顔がかっこいいから、余計に顔が赤くなる・・・。

 

そうしていると、お母さんは鈴村の両親にもお礼がしたいと言ったけど、鈴村はもう亡くなったと言った。

私と同じくらいの年なのに家族がいないなんて・・・。

鈴村は何とかなるって言ったけど・・・寂しいよ、やっぱり・・・。

すると、お母さんが鈴村に家に連れってくれって行った。鈴村の案内で、家に行くと私たちの家の近所だと分かった。こんなに近くだったなんて・・・。遊びに行こうかな?

その日は、それで家に帰った。

 

次の日、土曜日だったけど私はサッカーのクラブに入っているから、練習に行った。

本当は、鈴村の家に遊びに行きたかったけど、クラブは休むことにはできない。

日曜日は、何もないけど、お母さんが1日仕事でいないから家のことを頼まれた。お父さんも仕事で普段から家にいないため、家事は私がすることになる。

ちなみに、最近は妹である美柑が私もお手伝いしたいと言うから、簡単な家事をやらせている。

 

そんな休日を過ごして、月曜日の学校で美柑と一緒に登校をする。学校に着いて、私が5年で美柑が1年なので、下駄箱で別れて教室に行く。教室行く途中で友達と会ったので、一緒に行く。私は、自分の席にランドセルを置き、友達たちと会話をした。

友達と話していると、あっという間に朝礼の時間になって先生が入って来た。

「みんな、おはよう。今日は、みんなに転校生を紹介するぞ。さっ、入って自己紹介して」

 

先生の言葉でみんながざわついた。

転校生?この時期に?

不思議に思っていると、男の子が入ってきた。その子を見て、とても驚いた。

なぜなら、その子は___________

 

 

 

 

 

「鈴村海翔です。変な時期に転校してしまいましたが、どうぞよろしくお願いします」

 

私の命を助けくれた男の子、鈴村だったから。

 

リコside end

 

 

自己紹介が終わって、授業がスタートした。授業は、普通についてきている。まあ前世は一応大学まで通っていたから、これぐらいは余裕だ。

そんなこんなで昼休み、俺は今非常にまずい事態に陥っている。それは・・・

 

「前はどこに住んでたの?」

 

「好きな食べ物は?」

 

「何かスポーツやってる?」

 

「好きなことは?」

 

クラスメイトの質問の嵐にあっていることだ。

俺は、1人1人の質問に丁寧に答えた。

 

「ふぅ・・・」

 

ようやく質問が終わった。思わず、ため息が出てしまった。小学生ってすごいなぁ・・・。

『(それを嫌な顔しないで答えるあなたもすごいわよ)』

 

「(そうか?まあちょっと疲れたけど)」

 

ここで、いやな顔したら嫌われてハブられるからな。

 

「ちょっと、いいか?」

 

まだ、いるのか・・・。俺は、疲れた顔を隠し、声をかけた人を見た。

その子は、リコちゃんだった。

 

「大丈夫?疲れたような顔していたけど」

 

あら、見られちゃっていたのか。

リコちゃんが俺に少し心配そうな顔で言ってきた。

 

「ああ、大丈夫。ちょっと、みんな元気だなって思っただけ」

 

「あはは・・・」

 

俺の言葉にリコちゃんは苦笑いをした。

 

「それにしてもリコちゃんと同じクラスとはな」

 

「うん、私も驚いた」

 

リコちゃんとそんな会話していると、リコちゃんの友達が聞いてきた?

 

「あれ?リコ、鈴村君のこと知っているの?」

 

俺とリコちゃんが親しげに話しているのが疑問に思ったのか、声をかけてきた。

 

「ああ、この前会ってな」

 

「へぇー」

 

そのまま俺たちは昼休みが終わるまで会話をした。

そして、午後の授業も終わり帰りの準備をした。見ると、リコちゃんも帰る準備ができていた。

 

「リコちゃんも帰るんだ。」

 

「うん、クラブも今日は休みだし」

 

リコちゃんはクラブに所属しているのか。そう言えば、学校のことまだ分からない

 

「あ、あのさ・・・」

 

「うん?どうした?」

 

リコちゃんを見ると若干顔を赤らめながら、何か言いたそうにしていた。

 

「い、一緒に・・・帰らない?」

 

「・・・えっ?」

 

「ほ、ほら、家近いからさせっかくだし、学校のこととか」

 

・・・今何て言った?一緒に帰らない!?マジかよ!?女の子と一緒に下校するなんて、しかもあっちの方から誘われた!!

 

「あっ、ああ、いいぞ」

 

「!!じゃ、じゃあ、帰ろうか」

 

俺はリコちゃんと一緒に帰ることにした。

帰り道、学校のことを話して歩いていた。クラブ活動が盛んだそうで、運動系と文化系合わせると結構多いそうだ。リコちゃんは、サッカークラブにはいっているそうだ。

 

「へぇー、サッカークラブに入ってるんだ。」

 

「うん、元々サッカーが好きだからさ。学校とは別のサッカークラブにも入ってるし」

「じゃあ、休日にもサッカーを?」

 

「うん、土曜日に行ってる。あとの日は・・・」

 

リコちゃんは、自分のサッカー事情について話を始めた。

 

「あっ、ごめん。私のことばかり話しちゃって・・・つまらなかったでしょ?」

 

「いや、全然。リコちゃんがどれほどサッカーが好き伝わってきたし、おもしろかったよ」

 

自分の好きなことをやり続けるって、素敵なことだと思うし。

こうやって自分の好きなことを熱く語るって、

 

「そ、そう?なら、良かった」

 

リコちゃんが安心したように笑った。うんうん、女の子は笑顔が一番だ!

・・・・って、ちょっとチャラかった?

 

『(まあ見方によってはそう見えるかもしれないけど、あなたは見えなかったわよ)』

 

「(そっそうなのか?)」

 

ラルヴァがそんなことを言った。

何で俺は見えなの?他の男と俺は何が違うのか?不思議だ。

ラルヴァの言ったことに疑問を感じていたとき、リコちゃんが話かけてきた。

 

「ところでさ・・・」

 

「ん?どうした?」

 

「朝とかさっきとか、私のことリコちゃんって呼んでたよね?」

 

あっ・・・、俺ってばまたやってしまった。まだ知り合って間もない子の名前をちゃん付けで呼ぶなんて、失礼だよな。

 

「ごめん、いやだった?」

「ち、違うの。ただ、びっくりしただけ。」

 

そうなのか。よかった。でも、いきなり同年代の女の子をちゃん付けはまずいよな。今度から気をつけよ。

 

「あ、あのさ・・・よかったら、リコって呼んでほしい・・・な」

 

こちらを上目遣いで言ってきた。

何でこの世界の女の子はこんなかわいいんだ・・・。

そんな顔をされたらだれだって、うんって言うしかないじゃんか。

 

「あ、ああ、分かったよ。リコ」

 

「う、うん!」

 

リコちゃん改めリコは、うれしそうな笑顔でうなずいた。

 

「わ、私も海翔って呼んでいい?」

 

「ああ、かまわないぞ」

 

「あ、ありがと」

 

互いの名前を決めた後、たわいもない会話をしていた。

 

「あっ、あれ私の家なんだ。」

 

そんな会話をしていると、リコの家が近づいていた。

 

「あれ?お母さん?」

 

リコの家と思われる所の玄関に、林檎さんが今まさに入ろうとしていた。

 

「あ、リコお帰り」

 

「うん、ただいま」

 

「あれっ、海翔君?」

 

「お久しぶりです。林檎さん」

 

俺は久しぶりに会った林檎さんにあいさつをした。

 

「何で海翔君がリコと一緒にいるの?」

 

「実は、俺はリコ同じ小学校に転校してきたのです」

 

「あらっ、そうだったの。すごい偶然ね」

 

確かに家が近所で、同じ学校、同じクラス・・・。すごい偶然だな。

 

「お母さん仕事は?」

 

「ひと段落したから、久々に家に帰ってきたの」

 

結城親子の会話を横で聞いていると、

 

「そうだっ。ねえ、海翔君。今から家でご飯食べて行かない?」

 

「えっ?」

 

突然の誘いで俺は驚いた。

 

「リコを助けてもらった時のお礼でさ。食べていって。リコもいいわよね?」

 

「う、うん、私はいいよ」

 

リコも晩飯をごちそうすると言っている。

うーん、どうしようか。ここで、断るとせっかく誘ってくれた結城親子に悪し・・・。

よし、今回は誘いを受けるか。

 

「それじゃあ、お言葉に甘えさせていただきます」

 

「ええ、いらっしゃい」

 

俺が了承すると、結城親子はうれしそうな顔をした。リコは、特にうれしそうだった。

結城親子、俺の順番で家に入っていった。

 




いかがだったでしょうか。

自分でも早くR-18展開と戦闘展開に行きたいと思っています。

省略できるところは省略して、すこしでもはやく皆様にお届けしたいと思っています。

何卒よろしくお願いします


次回は今回の続きです。


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第七話

第七話です。

前回の続きの回となっております。

いい加減にエロ&牙狼要素を書かないと、マジで詐欺だと怒られてします・・・


「あれ?お父さんの靴がある」

 

「あの人帰ってきてたの」

 

どうやらリコのお父さんもいるみたいだ。

 

そして、リビングに案内されると、妹らしき女の子と額に≪大漁≫と書かれた赤いハチマキを巻いた男の人がソファーで話をしていた。

 

「ただいま。美柑、お父さん」

 

「おかえりっお姉ちゃん」

 

「おおっ、リコお帰り!!」

 

「うん。お父さんもお帰り。仕事はどうなったの?」

 

「ああ、何とか締め切りまで間に合ったからな。久しぶりに我が家へ帰ってきたのだ。」

 

「そうなんだ、大変だったね。」

 

「あなた、お疲れ様」

 

「おおっ、林檎!久しぶりだな!元気してたか?」

 

「おかげさまでね。あなたも元気そうで良かったわ」

 

俺は結城家の会話を聞いていた。この会話を聞いていると、とても仲が良い家族だなって思った。

 

「ん?そこいる坊主は誰だ?」

 

リコのお父さんが俺の存在に気付いたのか、俺に尋ねてきた。

 

「初めまして。鈴村海翔です。」

 

「鈴村海翔?・・・ああ!林檎とリコが話してた男か!」

 

リコのお父さんが俺の名前に覚えがあるのか、少し考えていたがすぐに思いだしたようだ。

やっぱり、あの時のこと話したんだ。

 

『(当たり前でしょ。むしろ、話さない方がおかしいでしょ。)』

 

「(あ、はい)」

 

ラルヴァに厳しいツッコミをいれられた。何か最近修行以外でも厳しくなってないか。

 

「君のことは林檎とリコから聞いているよ!俺は結城才培だ。よろしくな!」

 

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 

リコのお父さん―――才培さんが俺にあいさつをしたので俺も応える。

才培さんと会話をしていると才培さんの背中に隠れながらもこちらを見ている小学校1年生くらいの女の子がいた。

 

「ああ、この子はリコの妹の美柑だ。美柑、ほらあいさつをして」

 

「み、美柑・・・です」

 

リコの妹―――――美柑ちゃんが才培さんに言われて、俺の前に来てあいさつをした。

俺は美柑ちゃんと目線を合わせるようにしゃがんであいさつをした。

 

「初めまして。鈴村海翔です。よろしくね。」

 

俺が自己紹介をすると美柑ちゃんはこくりとうなずいたあと、才培さんの背中にまた隠れてしまった。

ありゃ、怖がられたかな?

 

「悪いな。美柑は恥ずかしがってるんだ。許してやってくれ」

 

「いえ、俺は全然気にしてませんよ」

 

そうしてあいさつを終えると、林檎さんが俺に助けてもらったお礼をも兼ねて晩飯をごちそうすると才培さんに言った。才培さんは、おう食ってけ食ってけとすぐ俺をもてなした。

晩飯はリコが作るらしく、俺も手伝おうとしたら、お客様なんだから待っててと止められた。

なので、リコが晩飯を作っている間ソファーで才培さんと林檎さんと話をした。

 

「海翔君。改めてお礼を言うよ。娘を助けてくれて、本当にありがとう。」

 

「私ももう一度言うわ。ありがとう。」

 

結城夫妻が頭を下げて、感謝の言葉を言ってきた。

 

「頭を上げてください。俺もリコさんが助かってよかったと思ってますし、大丈夫ですよ」

 

俺はそう言って二人の頭を上げさせると、美柑ちゃんが俺に寄ってきた。

 

「どうしたの?美柑ちゃん」

 

すると、美柑ちゃんは驚く行動をした。

 

「お姉ちゃんを助けてくれて、ありがとう」

 

俺にお礼を言ってきたのだ。結城夫妻も目を丸くして驚いている。

いきなり、どうしたんだ?美柑ちゃんは?

 

『(多分自分の親が海翔にお礼を言ってるのを見て、自分もしなきゃと思ったのだと思うわ

最も美柑ちゃんは何のお礼か分かっていないと思うけど。)』

 

ラルヴァはそう考察した。

美柑ちゃん・・・この年からしっかりしているんだな。

 

「俺は大丈夫だよ。わざわざありがとう。美柑ちゃん」

 

俺は美柑ちゃんの頭を撫でながらそう言った。美柑ちゃんは、気持ちよさそうに目を細めた。

そのまま美柑ちゃんは俺の横に座って、ぴったりとくっついた。

 

『(なつかれたみたいね)』

 

どうやらそうみたいだな。美柑ちゃんを横に座らせたまま、結城夫妻と色々な会話をした。

その中で、結城夫妻の仕事のことも分かった。

林檎さんは、ファッションデザイナー兼モデルのプロデューサーを行っていて、普段は海外で暮らしているらしい。今は、お休みをもらったらしく日本に帰国しているらしい。

林檎さんは仕事を優先してしまい家事をリコに任せていることに負い目を感じているそうだ。

才培さんは漫画家で、才培さんの漫画はとても人気があるそうだ。

今連載中の漫画とは別の連載が始まるそうで、とてもうれしそうな顔をしてはなした。

才培さんも仕事が忙しく、普段は自分のスタジオで寝泊まりをしているそうだ。

今日は連載中の漫画の締め切りに間に合って、久しぶりに帰ってきたが明日の朝にもすぐに戻らなければならないらしい。今度、漫画を読ませていただく約束をした。

 

色々な会話をしていると、リコが料理ができたと俺を呼んだ。

テーブルには、おいしそうな料理があった。

それぞれ席につき手を合わせた。

 

「「「「「いただきます。」」」」」

 

俺は目の前にある唐揚げからいただいた。

 

「ど、どうかな?」

 

リコが不安げな顔をしてこちらを見ていた。

 

「おいしい、すごくおいしいよ」

 

「ほ、本当?よかった・・・」

 

リコは安心したようで顔をゆるめた。

そんなリコの料理を堪能しながら、今度はリコを交えての会話を始めた。

晩飯を食べ終わり、俺は帰宅することにした。

 

「本日はありがとうございました。」

 

「いいのよ。お礼なんだから」

 

「そうだぞ。これぐらいお安い御用だ」

 

俺は結城夫妻にお礼を言うと、二人は気にしないでと言ってくれた。

 

「もう行っちゃうの?」

 

美柑ちゃんが寂しそうな顔をしてこちらを見た。

 

「大丈夫だよ。また会えるから。」

 

俺は再び目線を合わせて頭を撫でた。美柑ちゃんは、うんと笑顔を浮かべながらうなずいた。

 

「海翔、いつでもきていいからね」

 

リコがそう言ってきた。

 

「分かった。また今度お邪魔させていただくよ。じゃあ、リコ、また明日な。」

 

「うん、また明日。」

 

「それじゃあ、お邪魔しました」

 

俺は結城家に別れのあいさつをして、結城邸を出た。

その帰り道、結城家のことを思い出していた。両親が離れて暮らしているが、絆が深く繋がっていて、すこし羨ましいと思ってしまった。

 

『大丈夫?』

 

「えっ何が?」

 

ラルヴァがそんなことを言ってきた。

 

『何だか寂しそうな顔してたから』

 

俺そんな分かりやすい顔をしてたのか。

 

「ごめん、心配かけて。まあ、正直羨ましいって思っちゃったけどさ、寂しいとは思ってないよ。リコや唯のような友達や林檎さんや才培さんのような他人なのに俺を温かく向かいいれてくれる人がいるからな。それに・・・」

 

『それに?』

 

「すぐそばにはお前っていう“家族”がいるからな。全然寂しくないよ」

 

ラルヴァは俺をいつも助けてくるこの世界で唯一の家族だからな。

 

『そう。それならよかった』

 

ラルヴァは俺の言葉で安心したみたいだ。

 

「これからもよろしくな。相棒」

 

『ええ、よろしくね。』

 

ラルヴァと会話をしていると家につき、寝る準備をした。

まだまだ始まったばかりだからな。頑張らないとな。

 

俺は、そう思いながら目を閉じて眠りについた。

 




いかがだったでしょうか。

何分、ToLOVEるはにわかなので口調がおかしいと思った方、

誠に申し訳ございません。

それでは、次回お楽しみに。


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第八話

まさかランキングになるとは・・・・

いまだに信じられません。

これもひとえに皆様のおかげです。

ほんとにありがとうございます!


次の日からの俺の日々はあまり変わらない。朝修行をして、学校に行って、帰りはリコがクラブがない日は、一緒に帰って。帰ってきたら、また修行する。休日には、唯と神社で休憩がてら会話をするといった、1週間を過ごした。

そして、学校生活2週間目に突入する月曜日。朝の修行を終えて、学校へ行く。

ただ、一つ違うのは・・・

 

「あっ、おはよう。海翔」

 

「おはよう、海翔お兄ちゃん」

 

「おう、おはよう。リコ、美柑」

 

結城姉妹と一緒に登校することだ。家が近所だから登校する道が同じだ。

だから、リコが朝も一緒に行かないかと誘われた。

最初は戸惑ったけど、せっかく誘いだから了承して、先週の木曜日から一緒に登校している。

美柑ちゃんも一緒で、美柑ちゃんは海翔お兄ちゃんと一緒でうれしいと笑顔で言った。

 

美柑ちゃん・・・天使だ・・・。

 

ちなみに、海翔お兄ちゃんというのは俺がお兄ちゃんみたいと言ってそう呼んでいる。

言われたときはえっと思ったけど、美柑ちゃんが、いや・・・?と涙目で見たから俺は即OKを出した。

あんな目をされて断るやつなんて絶対いない。俺もだけど。

 

そして、今日も一緒に他愛もない会話をしながら登校をしている。

学校について、美柑ちゃんと別れてリコと教室に向かった。

 

教室につき俺は自分の席にランドセルを置き、話しかけてきた男友達と会話を楽しんだ。

 

 

リコside

海翔と先週から帰りだけでなく朝も一緒に登校をしている。

美柑もうれしそうにしているので、よかった。

ただ、海翔お兄ちゃんと呼んでいたことは驚いたけど、前に海翔がうちでご飯を食べに来たときに、なついていたたしね。何か納得した。

そして、今日も一緒に学校へ行った。いつもより、楽しい登校だった。

学校へ着き、下駄箱で美柑と別れ海翔と教室に行き、教室についてたら友達が私の所に来た。

 

「ねね、リコと鈴村君って付き合ってるの?」

 

「な、何で?」

 

「だって、帰りによく帰ってるし」

 

「それに朝も一緒に来てたしね」

 

「リコと鈴村君が付き合ってるんじゃないかって、噂だよ?」

 

「えっ!?」

 

そ、そんな噂があったなんて・・・。思わず、顔が赤くなる。

確かに、私は海翔のことが好き・・・だと思う。あの横断歩道のことで私は海翔に一目惚れをした。それから、もっと海翔といたくて朝と帰り一緒に登下校している。

でも、そんなことになっているなんて。

 

「べ、別に付き合ってないよ!?」

 

「え~、じゃあ何で一緒に帰ってるの?」

 

「そ、それは家が近くだから・・・」

 

「それにしては、リコいつもより笑顔だよね」

 

「うんうん、機嫌もよくなるし」

 

「あ、あの・・・その・・・」

 

友達からの質問攻めに、私はしどろもどろになってしまう。

うぅ・・・どうすれば・・・。結局朝礼の時間まで続いた

リコside end

 

 

友達と話していると、何やら騒がしい。見ると、リコがなにやら女子に質問攻めを受けていた。リコは顔を赤くなって、あうあうといった感じになっていた。

その質問攻めは、朝礼まで続いていた。何やってたんだ?

朝礼のあとは、普段通りの授業が始まった。

 

時間は、飛んで放課後。俺は帰宅をするが、リコはクラブがあるそうで帰れないそうだ。

なので、俺は1人で帰ることにした。

ちなみに、この学校のクラブは入るか入らないか自由だそうだ。

俺は入らないつもりだ。修行の時間がなくなるからな。ただ、先生には、まだ迷ってますと伝えているが。

 

 

俺は1人で帰っていた。そういえば、1人で帰るのは久しぶりだな。

 

『(ずっと、リコちゃんと帰っていたからね)』

 

「(まあそうだな)」

 

『(なら、今日は早く帰って修行に取り組みましょ)』

 

「(よっしゃ、がんばりますか)」

 

ラルヴァと会話をしていると、5~6m先に見覚えのある女の子が1人で歩いていた。

 

「あれは・・・美柑ちゃん?」

 

どうやら、美柑ちゃんたち1年生はこの日の下校は5年生とかぶったみたいだ。

 

「よっ、美柑ちゃん」

 

「あ、海翔お兄ちゃんっ」

 

俺が声をかけると、美柑ちゃんはうれしそうな顔をした。

せっかく、会ったのでそのまま一緒に帰ることにした。

色々話しているうちに、結城邸についたが電気が消えていた。

美柑ちゃんに聞くと、林檎さんはもう海外に行ってしまい、才培さんも帰っていないらしい。

加えてリコちゃんはクラブでいない。

ということは、今この家には美柑ちゃんがしかいないということになる。

こんな小さい子が家で1人なんて・・・寂しすぎる。

 

『(あなたも家では1人でしょう?)』

 

「(俺はいいんだよ、精神年齢大人なんだから。それに、お前もいるし)」

 

ラルヴァとの会話を終わると、俺は考えた。

おそらく、家に帰ったら1でいるなんてことは、美柑ちゃんにとって日常茶飯事だろう。

そんな日常をおくる美柑ちゃん・・・・よし!

 

「なあ、美柑ちゃん、家に寄ってもいいかな?」

 

「えっ?」

 

「ほら、今家に1人でしょ?寂しいと思うから、リコが来るまで一緒にどうかなって思ったけど」

 

美柑ちゃんからしては、大きなお世話と思うけど。

 

「迷惑だったかな?」

 

「う、ううん!そんなことないよ!入って入って!」

 

美柑ちゃんは最初は戸惑ったけど、すぐにうれしそうな顔をして俺を招き入れた。

 

「今お茶だすから待って」

 

「いいよいいよ、そんな」

 

「いいから待っててっ」

 

美柑ちゃんから強く言われて、俺は素直に待つことにした。

美柑ちゃんって本当に小1か?しっかりしすぎているな。

すぐに、お茶を入れたコップを持ってきた。

 

「はい、どうぞ」

 

「ありがとう、美柑ちゃん」

 

俺は差し出されたお茶を飲んだ。うまいな。

 

「さて、何しようか」

 

勢いで来たからな。何をするか全く考えていなかった。

うーん、何しようかな・・・・そうだ

 

「美柑ちゃんってさ、何か授業で分からない所ってある?よかったら、教えるけど」

 

小1の授業内容だから俺でも教えることができる。

 

「えーと・・・・じゃあ、ここがちょっと分からないけど・・・・」

 

そうして、俺は美柑ちゃんに勉強を教えることにした。

 

「これは10になるからこれは?」

 

「あっ、そっか!25なんだ!」

 

「正解、よくわかったね」

 

美柑ちゃんは理解力が高く俺が少し解き方を教えると、次からスラスラと解いていく。

美柑ちゃんって元々頭いいんだな。このままいくと、俺の教えることがなくなるな。

 

「できた!」

 

「どれどれ・・・・全部丸だよ」

 

「ほんと!?」

 

「うん、美柑ちゃん頭いいね」

 

美柑ちゃんの頭を撫でながら言うと、美柑ちゃんはえへへと照れたように笑った。

そんな時間を過ごしていると、玄関が開く音がした。

おっ、リコが帰ってきたか。

 

「ただいまーって、海翔!?」

 

リコがリビングに入って来ると、俺がいたとこに驚いていた。

 

「な、何で海翔がいるの!?」

 

「ああ、それはな・・・・」

 

俺はリコにここにいる理由を話した。

 

「そ、そう。ごめんね、わざわざ」

 

「いやいや、俺が好きでやったことだから」

 

俺は時計を見てみるとそろそろ帰る時間になっていた。

 

「さて、俺はそろそろ帰るね」

 

「もしよかったら、夕飯つくるよ?」

 

「いや、今日は大丈夫。この後、ちょっと用事があるし」

 

夕飯の誘いを受けたが、修行をするために断った。

 

「そう・・・・じゃあまた今度来て」

 

「ああ、そうするよ」

 

俺はお暇しようとすると服を引っ張られる感じがした。見ると、美柑ちゃんが俺の服を引っ張りながらこちらを見ていた。

 

「どうしたの、美柑ちゃん?」

 

「また・・・・勉強教えてくれる?」

 

美柑ちゃんは不安気に俺に言ってくる。

俺は美柑ちゃんに視線を合わせるようにしゃがんで話した。

 

「ああ、また今度必ず教えるよ」

 

俺は安心させるように頭を撫でながら美柑ちゃんに言った。

美柑ちゃんはうれしそうな顔をして、うんっと頷いた。

 

「じゃあな、リコ、美柑ちゃん」

 

「じゃあね、海翔」

 

「バイバイ、海翔お兄ちゃん」

 

俺は二人にさよならのあいさつをして、結城邸を出た。

 

そのまま家に帰り、修行を行った。

 




いかがだったでしょうか。

最後の方は、ちょっと雑に終わってしまいました。

それでは、次回もお楽しみに。


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第九話

第九話です。

今回は結城姉妹と唯の出会いです。

無理やりなうえに、かなり短いです。

では、どうぞ


この世界に転生して約1ヶ月、学校生活にも慣れ友達もできた。

修行も順調に進んでいるため今のところは、問題なく生活をしている。

 

今日は、6年生の卒業式である。

午前中で帰れるのはいいけど、体育館がクソ寒すぎる・・・・。

こんなこと思っちゃいけないけど、早く終わってくんねぇかな・・・カイロだけじゃもたん。

そうして、長かった卒業式が終わり在校生は下校となって、結城姉妹と帰ることになった。

 

帰り道、3人でしゃべりながら歩いていると、赤いランドセルを背負った女の子と出会った。

その子はなんと―――――――――

 

 

 

 

「唯?」

 

 

 

「えっ、鈴村君?」

 

唯とばったり会った。普段休日にしか会っていないから平日に合うなんて基本的にない。

唯の状況から見て、彩南第二小学校も卒業式だったのだろう。

 

「唯の学校も今日卒業式?」

 

「う、うん。在校生は午前で終わりだから」

 

「こっちも何だ。でも、平日に会うなんてな」

 

「そうね。いつもは休日にしか会っていないから」

 

唯と会話をしていると、リコが聞いてきた。

 

「海翔、この子は?」

 

「ああ、ごめん。紹介がまだだったな。この子は古手川唯。彩南第二小学校の友達だ。

唯、この子は結城リコとリコの妹の美柑ちゃんだ。」

 

「初めまして、私は結城リコ。」

 

「結城美柑です。」

 

「私は古手川唯。よろしくね」

 

3人の自己紹介が終わったところで、俺は唯に提案した。

 

「唯、この後用事ある?もし無かったら、4人で遊ぼうと思うんだけど」

 

せっかく、ここで会ったのだから、親睦会ってわけじゃないけど、この3人には友達になって欲しい。

ちなみに、遊ぶことはラルヴァから許可を得ている。

 

「あっ、ごめんなさい。この後、買い物に行く予定が入っているの」

 

だが、唯は用事があるそうで、申し訳なさそうな顔をして謝った。

用事があったか・・・・残念。

でも、いくらでも機会はあるから大丈夫か。

 

「そっか、じゃあ仕方ないか」

 

「ごめんね」

 

「いいよいいよ、遊ぶ時間なんてこの先いくらでもあるから」

 

そうして唯は俺たちとは違う方向に帰って行った。

 

俺は一旦家に帰り昼食を食べ、結城邸へ行った。

家の中でゲームやボードゲームなどをして遊んでいたとき

 

「ねえ、海翔」

 

「ん?なんだ?」

 

「さっきの唯って子といつ知り合ったの?」

「あいつと知り合ったのはリコと同じ時期だな」

 

「ふーん・・・・じゃあ、休日にしか会ったことがないっていうのは?」

 

「それは、唯と休日に遊んでるんだ」

 

「遊んでる?」

 

「遊んでいるとうより、おしゃべりをしているだな。学校違うから休日にしかできないんだ」

 

「・・・・ふーん」

 

俺が唯のことを言うと、リコはおもしろくなさそうな顔をした。

よく見ると、美柑ちゃんもそんな顔をしていた。

2人とも、どうしたんだ?

 

疑問に思いつつも、遊びを続けた。夕方ぐらいになって、そろそろ帰ろうかと思ったら、結城姉妹はご飯食べてってと言ってきた。最初は断ろうとしたが、2人がいつもより強く言っていたので、俺は食べていくことにした。

にしても何だったんだ、今日はえらく強く引き留めたな。唯との出会いを聞いたら少し不機嫌になったし。どうしたんだ?

 

 

 

 

 

『(なるほどね。2人とも海翔のこと・・・・。海翔はいつ2人の気持ちに気付くのかしら)』

 




いかがだったでしょうか。

短くなってしまって、申し訳ございません。

では、次回もお楽しみに


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第十話

第十話です

それでは、どうぞ


時が過ぎ、俺とリコは6年生になった。あと1年で小学校終わりか・・・・。

リコたちは長かったようで短かった6年間小学校生活を終えるのだが、俺に関しては1年しか通っていない。実を言うと、もうちょっとだけ通いたかったなあ、なんて。

 

まあ、そんなことはどうでもいい。6年生になって俺の生活は2つ変わった。

1つは、修行のことだ。何と次のステップということで木人形を使った修行に移った。

やっと木人形までたどり着いた・・・・。でも、ここからが、ある意味本当の修行になる。

気を引き締めないとな。

そして、木人形に挑んだら・・・・あっさり負けた。

意外にも力が強く2つの腕みたのに力負けしたり、片方の腕を木刀で押さえつけていたらもう片方の腕で殴られたり、と散々な結果になった。

正直なめてた。まさか、木人形があそこまで強いとは・・・・。

ラルヴァからも侮りすぎとしかれた。返す言葉もない・・・・。

俺は気持ちを切り替え、木人形に攻撃されないよう努力しようと決意した。

 

2つ目は、休日にいつも唯と会っていが、そこにリコと美柑ちゃんが加わったのだ。

ある日の休日に唯といつも通りにしゃべっていると、リコがやってきたのだ。

どうしてここにと尋ねたら、少し慌ててたまたまここを通ったと答えた。

リコの様子に少し疑問をもったが、せっかくなのでリコも一緒にしゃべった。

最初は唯とリコがお互いのことを話し終えたあと、俺も再び話の輪に入った。

帰る時、リコが今度から私も一緒にいいかと言ってきた。

俺は唯に聞いてみたら、いいわよと言った。俺も断る理由がないから了承した。

リコはうれしそうな顔をした。

その日から、次の休日にはリコも来るようになった。

また、別の日には美柑ちゃんもリコと一緒に来た。リコいわく、美柑ちゃんが私だけ仲間外れはいやだと言ったらしい。それから、美柑ちゃんも加わった。

ちなみに、会っていくうちに唯とリコはお互いのこと、唯、リコさんと名前で呼ぶようになった。

 

そんな変わったことがあったが、俺の日常は正常運転である。

 

 

時をさらにかっ飛ばし、夏に入った。太陽が照り付けてかなり暑い今日は、体育の授業で今年最初のプール開きとなった。男子更衣室で水着に着替えていたらクラスの男子が声を俺に声をかけた。

 

「鈴村、お前体すごいな」

 

「そうか?」

 

「おお、すごい引き締まってて。鍛えてるのか?」

 

「まあな」

 

俺はあまり自分の体のことは気にしたことはなかったな。そんなにすごいか?

 

「(おい、見たか?鈴村のアレ)」

 

「(ああ、チラッとだけ)」

 

「(あいつ、体もそうだけど、アレもやばいな)」

 

「(今度から鈴村さんって呼ぼうかな)」

 

何やら男子が集まってひそひそと話をしている。何やってんだ?

 

俺は着替え終えたので更衣室から出た。

 

 

リコside

「リコってほんと胸大きいわね」

 

「えっ、な、何突然?」

 

「そうそう、去年も大きかったけど、また大きくなった?」

 

私が着替えているとクラスの友達が私の胸のことを言ってきた。

私自身クラスの女子より大きいってことは何となくわかってた。

 

「この胸でクラスの男子どもを誘惑しちゃえば?」

 

「ゆ、誘惑なんて、そんな・・・・」

 

「それにその胸を使えば鈴村君を堕とせるかもしれないよ~」

 

「お、堕とすって!?」

 

私は友達の言葉で顔を真っ赤になった。

確かに海翔のことは好きだけど・・・・。でも、む、胸を使うなんてそんな・・・・。

私は顔を赤くしたまま、ずっと悶々と考えていた。

リコside end

 

 

男子女子ともに着替え終えてプールサイドに集まって先生のプールの授業を行る上での注意点の説明を聞き、消毒を行い、プールの授業を行った。

まず、プールの中で歩くということを行った。並んで自分の順番になったらプールの中に入り、端まで歩いてプールから出るというのをやった。

自分の順番まで待っているとき、クラスの男子が話しかけてきた。

 

「なあなあ、鈴村」

 

「どうした?」

 

「プールの時間ってほんとにいいよな」

 

「ああ、確かに。最近暑いからな。涼むのにいいな」

 

「ちげーよ。俺が言いたいのは、女子の水着姿が見れるってことだよ」

 

俺は呆れてしまった。こいつ・・・。思ったとしても、ここで堂々というか?普通?

 

「あんまり女子のこと堂々と見ない方がいいぞ」

 

「何だよ。お前は興味ないのか?見ろよ、うちのクラスの女子ってみんなかわいいから水着が似合ってるんだよ。特にリコちゃんが一番いいね」

 

友達が女子のほうを見ながら言ってきた。そんなことを言ってきたから、俺は思わずチラッと見てしまった。

小学生のプールの授業の時の水着は、やはり前世のときと同じで所謂スクール水着を着用している。前世の時は、そんなに気にしていなかったが、今はそうではない。

前世と今世の年齢を合わせると、かなり年が上である。だから、性的なことも考えてしまう。

俺だって男だ。そういうことに興味はある。今だってあまり見ないようにしていたが、ついリコのスクール水着を見てしまった。

サッカーをやっているせいかほどよい筋肉がついたきれいな脚、丸みをおびた臀部、何より特筆すべきところは胸である。他の女子と比べるとリコの胸は年齢の割には大きいのである。

実は、リコの胸が大きいのは前から気付いていて、夏になったので体操服が半袖になり薄着になる。その時、男子たちが騒いでいたのを聞いてしまった。

それも思い出してしまって、思わず数秒リコのスクール水着姿を見てしまった。

そんな俺の視線に気づいたの、友達が言ってきた。

 

「なんだよ、お前も見たいんじゃないかよ」

 

俺は友達の言葉で、はっと気が付き、うっせぇと言った。

まだ友達が話かけてきたが、俺の番になったので、そいつの話を無視してプールの中に入った。

はあ・・・俺ってかなりスケベなのか・・・。

そんなことを考えながら、プールの中を歩いた。

 

 

リコside

着替えが終わり先生の注意を聞いたあと、消毒をしてプールの授業が始まった。

私は順番に待っていると、さっきの友達がまた話かけてきた。

 

「ねね、リコ」

 

「はあ・・・今度は何?」

 

「鈴村君の体ってすごいよね」

 

「あっ、私も思った。他の男子よりもかなり引き締まってるね」

 

友達がそう話をしていたから、チラッと見てしまった。

海翔の体は確かに引き締まっていて、かなり鍛えているのが分かる。

筋肉なんかもう中学生にしか見えない。

 

「あれ?リコッてば、やっぱ鈴村君のことが気になる?」

 

「えっ!?そ、そんなんじゃないよ!?」

 

「またまた~今鈴村君に熱い視線をしてたじゃない」

 

「だ、だから違うって・・・・」

 

もう~、勘弁して~・・・・(泣)

 

リコside end

 

 

授業が進み、今度は実際に泳ぐことになった。泳ぐなんて本当に久しぶりだ。

俺は、水泳が好きで、前世でもよく夏になると海に行ったりした。

今もクロールで25mを泳いでいる。たった25mだが、俺はものすごく楽しい。

クロールが終わり上がって列に戻った。

 

「鈴村って本当運動神経いいよな」

 

「なあ、今度泳ぎ方教えてくれよ」

 

「ああ、いいぞ」

 

友達とそんな会話をしていると、先生は残り時間は自由に泳いでいいぞと言った。

そして、みんな思い思いに遊んでいた。俺はさっきの友達に泳ぎ方を教えていた。

リコの方も友達と楽しそうに遊んでいた。

あっという間に、授業が終わった。楽しいことは時間がはやく過ぎるな。

更衣室で着替えていると、男子たちが女子のことで盛り上がっていた。

あの子スク水姿は良かったとかあの子のお尻はかわいかったとか猥談を始めていた。

お前ら・・・・。

俺は呆れたようにため息が出た。

 

リコside

「リコ、なんで鈴村君を誘わなかったのよ」

 

授業が終わり更衣室で着替えていたとき、友達がまた言ってきた。

もう~いい加減してよ~・・・・

 

「だから・・・・」

 

「でも、もう遊ぶ時間なんて6年生の今しかないよ?」

 

「そうそう、中学になったら、部活も忙しくなって遊ぶ時間なんて減っちゃうよ。運動系なら、なおさら」

 

私は友達の言っていることに考えてしまった。

確かに中学生の部活は忙しくなり、休日も練習をしないといけない。運動部は練習も倍になり、平日も帰りが今より遅くなるって聞いたことがある。

考えると、海翔と遊べるのは6年生のこの時期しかない。

 

「確かに、そうかもね・・・・」

 

「でしょ?だったら、後悔しないように遊ばなくちゃ」

 

残りの小学校生活は悔いが残らないように海翔との思い出を作ろう。

私はそう決意した。

 




いかがだったでしょうか。

重大報告を行います。

詳しくは、活動報告にて。


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