ぶく茶がエンリ? (嵐山)
しおりを挟む

1話

 

数日前にメールが送られてきた。

 

数年前に辞めてしまったゲーム『ユグドラシル』

ギルド・マスターの、モモンガさんから送られてきていた。

以前給料のほとんどを課金したり、寝る間も惜しんで夢中になっていたゲーム、

それが終わる知らせ。最終日、都合が合えばメンバーで集まらないかという内容だった。

 

何とかインしたい思いがあって、終了30分前だけどインできそうだった。

顔見世程度の挨拶ぐらいしか出来そうもないけど、懐かしいメンバーに会うのもいいと思った。

ずいぶん前の事でパスワードがわからない、時間も無い焦る‥‥

電話で、弟に急いで聞いてみたら覚えててくれた。

いけない事だけど、私より長くやっていて、私のIDでなりすまし悪戯をしていたらしい。

弟は行けそうもないからみんなに『ヨロシク言っといて』だってさ‥‥

 

IDは『分福茶釜』からモジったんだ、パスワードは本家だ。

 

九階層、円卓の間にインしたけど

 

 

「誰もいないじゃない・・」

 

 

(アバター冷静に今見ると卑猥すぎー)

 

 

こんなことしている場合じゃない、みんなどこにいるんだろう?

(解散しちゃったのかな?)

玉座の間に居るのかもしれない、場所覚えているか不安だけど。考えるより行動。

 

 

「わ~~もう時間が無いよ‥」

 

 

こんな時に限ってPCが落ちるとかありえない・・・

こんな事なら実家のゲーミングPC持って来ておけばよかった。

確かにスペックが少し足りないけど、話すぐらいは出来ると思っていたから。

 

間に合わないかもしれないけど、すぐにサーバーダウンにならない事を祈っている。

 

 

 

 

 

入れた、でもさっきと違う。光で何も見えない。

そばで女性の声が聞こえる。

 

 

「エンリ、ネムと一緒に水を汲んできてくれるかい?」

「は~い」

 

 

幼い声も聞こえた。辺りが見えるようになると、そこには見たことも無い人がいた。

(なにこれ?エンリ?ネム?水汲み?え!何の事?)

 

 

「エンリなに『ぼぉーっと』しているんだい」

 

 

私は自分を、指さして確認してみた。

 

 

「そうよ、あなたに決まってるじゃない」

「お姉ちゃんどうしたの?」

 

 

(えっえ~やっぱり私なの?何が何だかわからないよ!!)

訳が分からないまま、ちびっ子に手を引かれ井戸まで連れていかれてた。

 

 

「お姉ちゃん早く水くんでよ」

「え~~~」

 

 

(井戸なんて使ったこともないし、わからないよ。どうしよう・・)

行動に移さない私を見て、じれったくなったのか教えてくれた。

 

 

「お姉ちゃんは引き上げてよ」

「は・はい、このロープを引けばいいのね」

「今日のお姉ちゃん変なの~」

 

 

水を汲み終わると運ぶのだけど、水って重い、こんなのやった事無い。

いつもなら蛇口をひねれば水は出る。

 

戻る時、周りを見て見た。やっぱり見たことも無い場所。

リアルよりも、ユグドラシルよりも、ずっとずっと古い時代。

 

今までに把握した事、私は名がエンリ、ちびっ子は妹でネム、それと両親らしい人がいる事。

姿もリアルの私ではない、アバターぶくぶく茶釜でもない。

幼いがリアルの私より胸は大きい、凹む。

 

ゲームの中という感じはしない。つねってみると痛いし、おなかも減る。

ご飯は美味しいものではなかった。

(どうなってるんだろう‥‥いつ元に戻れるのかな‥‥ここはどこなのよ)

 

色々な可能性を考えたけど、思い当たることはない。

リアルの世界では考えられない、外に居ても平気、環境汚染とは無縁の世界。

昼間は太陽が出ていてポカポカする。夜には星も見えて綺麗。

 

この数日間は、おもに家の手伝いなどをしている、リアルでは出来ない畑仕事、太陽の下での作業、大変だけど新鮮でいい経験になる

あと忘れてはいけない、状況確認をしてた。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2話

 

平和だった村が、いつもと違って騒がしい。

遠くから悲鳴も聞こえてきている。何か起きている。

 

そんな時、両親が家の中に飛び込んできた。

 

 

「エンリ、ネムを連れて急いで逃げなさい」

 

 

何が起こっているのかわからない。

外からの悲鳴や、馬の足音がどんどん近くなるのがわかった。

 

外を見て絶句した。

(何よこれ!!逃げ惑う人が斬られているじゃない…)

 

 

「エンリ何をしてるの?お願いだからネムを連れて逃げて」

 

 

母親が必死に促す、ネムは声も出せないほど、狂乱している。

すぐに中央方面から兵士らしき人がやってきた。

 

 

「逃げろエンリー逃げるんだー!早く行けー!」

 

 

父親が兵士の盾になり必死に叫んだ。

私もパニックになり、ネムの手を引き逃げる。必死に走った。振り返ると父親が背中を刺され

母親はすでに血を流し倒れていた。

(なんなのよ?何よこれ!もうわけわかんないよー!)

 

今まで体験したことがない恐怖、目の前で人が殺された恐怖。聞こえる悲鳴の恐怖。

次は自分の番かと思う恐怖。リアルの世界でもこんな事知らない。狂いそうになる。

 

村の端れまで必死に逃げた。しかし、大人の男と子連れの女、追いつかれるのが当たり前。

追いつかれた瞬間。

 

背中が熱い、焼けるように熱い、動けない、そう思った時には自分の体で隠すように

ネムを抱きかかえていた。

 

 

「‥お姉ちゃん…」

 

 

(ネムごめんね、私どうすることも出来そうにないよ…動けないよ)

死ぬ恐怖より母性本能か?この子を強く守りたいと思った。

しかし、打開するその力がない、迫りくる死を待つだけ。

 

死を待つ時間は長く感じる、でもなぜか一向に斬りつけられない、

思い切って兵士の方を見てみる。

 

兵士たちは何かに怯えるように後ずさっている。

私も兵士の視線の先を見た。そこには見たことがある物があった。『ゲートだ』

さらにその中から出てきた人も、見たことがある。ネムにはこちらも怖い者の対象で

強く抱き着いてきた。

 

その人はすぐに魔法を唱えていた。

 

 

「グラスプ・ハート」

 

 

知っている魔法。1人の兵士は死んだ。

持っている杖はギルド武器のスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン

(間違いない?モモンガさんだよ!ピンチの時に助けてもらうとかっこよく見えるよ

それにしてもユグドラシルの魔法、ここはゲームの中?)

続けて2回目の魔法。

 

 

「ドラゴン・ライトニング」

 

 

二人目の兵士も即魔法で倒した。一度私達を見た後。

(アンデット作成でデスナイトを作っているよ)

見ていたら思わず声に出していた。

 

 

「ウギャー!気持ち悪い…なにそれ」

 

 

作成は何度も見たことがあるけど、ユグドラシルとは違い、作り方が気持ち悪い。

 

 

「ハァ~?まあいい、小娘の事は後だ」

 

 

ゲートからもう一人出てきた。見た所華奢な体つき全身フルメイル、見事な双丘、女性だ。

(女性型のギルドメンバーかな?誰なんだろう?フル装備でわからないよ)

二人は会話を始めていた。

 

 

「準備に時間が掛かり、申し訳ありませんでした」

「いいや、実にいいタイミングだ。アルベド」

「ありがとうございます…‥‥それで、この下等生物の処分はどうなさいますか?」

「とりあえずの敵は、そこに転がっている鎧を着た者達だ」

「畏まりました」

 

 

こちらを見て赤い物体を渡してきた。

(これマイナーポーションだよね?)

 

 

「怪我をしているようだな、飲め」

「あ・ありがとう」

「お・お姉ちゃんダメだよ、やめて」

 

 

ネムに止められた直後、お付きの人が武器を振り上げ怒りだした。

 

 

「下等生物風情が!!」

「ま・まて!急ぐな!武器を下げろ!」

「畏まりました」

 

 

(何この人短気すぎよ、それにアルベド?タブラ・スマラグディナさんが作ったNPC?)

安心したら背中の痛みを思い出し、すぐにポーションを飲み干した。

ゲームの中でのポーションと全く違う。リアルに痛みが引くのがわかった。

敗れた服も元通り‥‥

 

 

「お前たちは、魔法を知っているか?」

「うん、さっきのが魔法じゃないの」

「ん。ん?そうだが、ならば話が早い私はマジックキャスターだ」

「うん、知ってるよ」

 

 

(モモンガさんだとわかって、余裕ができた。昔のように話してもいいよね?)

 

 

「はぁ~??まあいい。守りの魔法をかけておいてやる、そこに居れば安全だ。

それとこれをくれてやる、吹けばゴブリンがお前にしたがうべく、姿を見せるはずだ

そいつらを使って身を守るが良い」

 

(それいつかの課金ガチャの外れアイテムじゃない‥‥私も持ってる)

 

「あ・ありがと、でも終わったら必ずここに来てよね。あとお名前を聞いても?」

「名前?‥‥‥‥我が名を知るが良い。我こそがアインズ・ウル・ゴウン!!」

「エッ~!ププッ。‥‥アインズさん終わったら必ず来てね」

 

 

アクションをつけて名乗った。偽名を。吹き出す笑いを堪えるのは大変。

すぐにモモンガさん達は村に向かって行った。

 

私達はここで事が終わるまでおとなしく待っている。

考えてみた。魔法も、NPCのアルベドが意志を持っていること。

もしかして、アウラやマーレも?ほかのNPCも?

 

斬られてわかった事。死ぬほど痛い、リアルで転んだ時よりも痛い。

本来のゲームなら痛感は無い、やられた時の悔しさだけ、わからない事だらけ。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3話

 

村の方からまだ悲鳴が聞こえるが。これは、兵士があげてる悲鳴だ。

しばらくすると、悲鳴も聞こえなくなってきている。

 

あれからすでに1時間は過ぎたはず。

(モモンガさんはなにしているんだろう?)

 

噂をすれば。二人がこちらに向かって来ていた。

 

 

「待たせたようだな」

「こんな下等生物のために、アインズ様が出向くなどあってはならない事です」

「まぁ~話もあったしいいじゃないか、アルベド下がっていろ」

「畏まりました。下等生物失礼が無いようにしなさい」

 

 

アルベドはこんなにきつい性格だった?あの時は各々自分の制作に忙しく

ほかのNPCまではわからなかった。

 

 

「アインズさん。二人だけでお話しできませんか?」

「こちらも話したいことがある」

 

 

二人は少し離れた場所に向かった。それを見ていたアルベドは睨んでいた。

 

 

「アインズさん出来れば、周りを遮断出来る結界をお願いしたいのです」

「ハァ~~なぜだ!お前の言う事を聞くつもりはないぞ!調子に乗るなよ人間!」

「では、別な方向から話しますね。『モモンガさん』」

「何!!お前は誰だ!!」

「その為に、結界をお願いしたいな~アルベドにも聞かれないようにお願いね」

 

 

しぶしぶ警戒しながら結界を張ってくれた。

 

 

「嫉妬マスクは取ってもいいよ、気にならないからね、でもネムの前では慣れるまで

嫉妬マスクしてもらえたらうれしいかな」

 

 

モモンガはマスクを取り、警戒しながら慎重に話しかけてきた。

 

 

「お前は我々の事を、どこで知った?なぜモモンガと呼ぶ?名乗った覚えはないぞ」

「私にとってのアインズ・ウール・ゴウンはギルド名で、そのギルド長が

モモンガさんだと記憶してますよ」

「何だと!!貴様は何者だ!!」

「そんなに興奮しないでください。モモンガさん私は‥‥」

 

 

『フハハハハ!我が名を知るが良い。我こそがかぜっちよ♪』

 

 

モモンガが名乗った時と同じ、アクション付きで真似してみた。

(私は声優、成りきるのは負けないよ!でもダメージが帰ってきた)

 

 

「はあ~ん?!!えー!!‥‥ぶくぶく茶釜さん??」

 

 

驚きの後は、うろたえている。カッコイイと思っていたアレを真似されたんだ。

ダメージも受けるだろう。骸骨の表情と結界に助けられたようだ。

 

 

「うん、そうだよ。ユグドラシルの最終日、円卓の間に行ったんだけど誰も居なくてさ

移動したのかなと思って、王座の間を目指していたらPCが落ちた。急いで入りなおしたら、なぜかわからないけど、この子になっていたのよ」

 

 

この後、今までの事、今の状況でわかっている事をお互いに話し合った。

他のメンバーは今の所誰もいない。NPCは個々に自我が芽生え、考えて行動出来る事

一番大事な、NPCはギルメン41人に今も絶対忠誠である事。

 

アルベドに聞かれたくなかったのは、NPCがどうなっているか分からない、

短気すぎ用心で結界を張ってもらっていた。

 

問題ない事がわかりモモンガは結界を解いた。

モモンガはアルベドに向かいこちらに来るように合図をしている。

 

 

「アルベド、お前にとって至高の41人はどんな存在だ?」

「至高の御方は、ナザリックの者達が使える最高の方々達です。41人の中でも

アインズ様は特に‥‥その私の愛するたった一人の方です!!」

「アインズさん‥‥これは何ですか??そんな設定あった?」

「う・うん・・アルベドお前の忠義はよくわかった。だがナザリック外部でそのような事は言ってはならんぞ!」

「ほ~ほ~あとで詳しくおしえてくださいね」

 

 

(これは何かしたね、さすが我が弟の親友)

 

 

「この下等生物が!!アインズ様に対してなんて口の利き方を!!殺す!!」

 

 

アルベドは武器を振りかぶった。

 

 

「アルベド!!待て!待て!武器をおろせ!!」

「畏まりました」

 

 

軽いデジャブ、自我を持つと怖いアルベド。

 

 

「アルベド、よく聞け、この人は至高の41人ぶくぶく茶釜さんだぞ!!」

「!!お隠れになる前と、お姿が全然違いますけど??」

「ま~我々は種族や姿などどうにでも変えられる。お前たちを作ったのが

誰か忘れたわけでもあるまい」

 

 

(モモンガさん、言い訳がうまいよ)

アルベドは片膝をつき、エンリに向かい非礼を詫びる。

 

 

「ぶくぶく茶釜様、今までの数々のご無礼お許しください。首を撥ねてお詫びいたします」

「な!何言ってるのよ!そんなことしなくても許すって」

「私になんと慈悲深いお言葉ありがとうございます。これからも誠心誠意尽力して参ります」

 

(なによこれ?やっぱりモモンガさんが何かしたね?)

モモンガを『じぃーと』見ると目線を外された。

 

 

「アルベド至急、アウラとマーレに連絡を取り、ここに来るように伝えるのだ」

「畏まりました」

 

 

アウラとマーレに会える。どんな感じかな楽しみ。

 

 

「モモンガさん、ネムは私の妹一緒に暮らします、ナザリックNPCからの安全確保を

約束してもらえませんか?」

「もちろんかまわないですよ。約束しようギルド長として責任は持ちます。

それに茶釜さんが言うだけでも、問題はないと思いますけど?」

「モモンガさん、ありがとう。でもすぐにNPCに会おうとか、ナザリックに行こうとか思ってないの、数年も行っていない場所なのだし、少し怖いの‥‥今はまだ知らせないでほしい」

「わかりました。でも安全のためアウラとマーレは茶釜さんの護衛につけます・・・アルベド聞いたな?他言無用だいいな」

 

 

アルベドは何も言わず、一礼をした。

 

 

4人で村に戻る。途中村人や兵士の血塗れの屍が、所々にある。

血の匂いやリアルにグロい屍、吐ける物がないほど吐いていた。ネムも同じ。

これに気が付いたアルベド、デスナイトを使い見えない所、そう町の外の一ヶ所に集めて見えないようにしてくれていた 血の匂いはきつい。

 

人の死とはすぐ隣にあるもの。人の運命は最後には絶対の死がある。

遅いか早いかのささやかな差しかない。それを必死に抗うのが人間の性だ。

 

今回の報酬を村長と相談、と言う事にしてモモンガは近辺の情報取集をする。

初めの接触者としてエンリ姉妹も参加することになった。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4話

 

村長との会談。

ここはリ・エスティーゼ王国のカルネ村

近くには歩いて1日程度で着く城塞都市エ・ランテルがある。

周囲の国、バハルス帝国、スレイン法国があるとの事。

通貨が白金貨、金貨、銀貨、銅貨が使われている。このくらいが国外れの村長の情報。

またこれが限界らしいと、銅貨ばかりが詰まった袋が礼金だった。

 

ネムは村長にあずかってもらい、村長宅を出る。

 

 

「モモンガさん、ここはどこなんでしょう?」

「それがわからないんですよ、魔法は使えるんですがコンソールは使えない、

ナザリックの周りは森林や草原で、ここカルネ村が初めて、この世界の人と接点を持ちました。」

「そうですか‥‥新たなゲームの世界のバグとかは、考えられませんか?」

「それも考えたんですけど、こんな長い時間バグは考えられない。それにですよ

ナザリックのNPCごと他のゲーム!って事ですよ。どう考えても矛盾が多すぎます」

 

 

モモンガとエンリが並んで話している数歩後ろにアルベドはついて来る。

エンリの住んでいる家に向かう。

 

村人たちは家族、身寄りのない人、今回の襲撃で亡くなった人の供養、お墓などを作っていた。

エンリはそんなに悲しんではいない両親の事、今回死んでしまった両親の事だ。

本当の世界に本当の両親がいる弟もいる。しかし、ネムにとってはまぎれもない両親。

 

 

「モモンガさん、私はそうでもないけど、ネムにとっては最愛の両親だと思うの?

復活魔法が使えるよね、生き返らせたいと思うの、いいかな?」

「いいですよ。町民が寝静まった深夜にでもおこないましょう」

 

 

夜を待つだけになった。言い方は悪いがネムの面倒を見られないかもしれない。両親がいた方が

ネムにはいいと思ったからの提案だった。

 

 

「アインズ様、ぶくぶく茶釜様、マーレはすぐにでも来られますが、アウラは周辺調査のため

外に出ており、もうしばらく時間がかかるとの事です。マーレだけでも来るように伝えますか」

「いえ、二人そろってからでいいです。あと時間があるようなら一般メイドのレイリンも

呼ぶ事は出来るかな?」

「畏まりました」

 

 

モモンガは不思議そうに話しかけた。

 

 

「ん?茶釜さん、一般メイドのレイリンとは?」

「はい、ヘロヘロさんに言って私が作ったメイドよ‥‥ホムンクルスじゃなくエルフ

隠れ設定でアウラ達の姉なのよ‥‥この3名は知っているはず」

 

 

モモンガはギルド長として、ナザリックNPCを把握していない事に焦ったようだ。

 

 

「ヘ!!エッ!!ま・まぁ~メイド達の設定はヘロヘロさん、ク・ドゥ・グラースさん、

ホワイトブリムさん達に丸投げしていたかな‥‥詳細までは把握していなかった。

メイドの名前すらわかっていない」

 

 

本来なら、41人それぞれが自分のメイドとして作る事になっていた。

しかし階層守護者、プレアデスをはじめ重要なNPC作成だけで手が回らなくなった。

その他の理由もある、設定そのものを考えたりするのが苦手、大半がこれ。

 

 

「モモンガさん違うでしょう??」

「‥‥他のNPC作成で手が回らなかった‥‥はい」

 

 

 

 

しばらくしてまた何か問題が起きたようだ。住民が怯えだし、慌てはじめている。

 

騎士のような集団がこのカルネ村に近づいて来ているらしい。

数時間前に起こった出来事が、より恐怖感を煽る。

モモンガもエンリがいるため無下にも出来ないのだ。

 

生き残った村人を村長の家に集めるように指示を出し、村長とエンリのみ残り

ここに来るであろう集団を待つ事となった。

 

姿が見えはじめ、観察する。

先ほどのような鎧などは統一はされていない、装備も心もとないのが見てわかる。

威圧的でもない、すぐに目の前までせまってきた。

(なんだろう?風格があるのはわかるのだけど、怖さはないわね)

 

 

「私はリ・エスティーゼ王国、王国戦士長ガゼフ・ストロノーフ、この近隣を荒らし回っている帝国の騎士を討伐するために、王のご命令を受け村々を回っている者である」

「お、王国戦士長?」

「この村の村長だな?横に居るのはいったい誰なんだ?教えてもらいたい」

「この方は」

「それには及びません。はじめまして王国戦士長殿、私はアインズ・ウール・ゴウン。この村が襲われておりましたので、助けに来たマジックキャスターです」

(モモンガさん‥‥もう改名してアインズ・ウール・ゴウン確定なんだ!)

 

 

王国戦士長は馬に乗っていたが、馬から降り、さらにアインズに近づいていった。

 

 

「この村を救っていただき、感謝の言葉も無い」

 

 

王国戦士長が言い終わると同時に、部下の兵の報告が来た。

 

 

「戦士長‥‥周囲に複数の人影、村を囲むような形で接近しつつあります」

「・・・・・」

 

 

村の空き家に潜み、周囲を見渡し警戒していく。

(‥‥また同じ光景になるのはイヤだな、グロは嫌いよ‥‥)

人影がある、それも複数のマジックキャスター。

 

王国戦士長からの情報、スレイン法国の六色聖典のいずれかだろうと。

アインズもエンリもそれを聞いても何かわかるはずもない。この世界に来てまだ数日。

 

さらに、初めに襲ってきた者は、バハルス帝国を装ったスレイン法国の偽装だろうと

カルネ村にも価値などない、ましてエンリたちは来たばかり、残る目的は戦士長。

 

 

「ゴウン殿、よければ雇われないか?報酬は望まれる額を約束しよう」

「お断りさせていただきます」

「そうか、ではゴウン殿お元気で。この村を救ってくれたことを感謝する‥…本当に感謝する。我儘を言うようだがもう一度村の者達を守ってほしい。今差し出せる者は無いが、なにとぞ‥‥」

 

 

アインズはこの先の言葉や行動を、さえぎるように肩に手を置いた。

 

 

「そこまでされる必要はありません。了解した。村人は必ず守りましょう。このアインズ・ウール・ゴウンの名に懸けて‥‥」

(モモンガさん・・・成りきっていますね~自分に酔っているよね?すごく笑いたい!!!でもここで笑ったらシリアスが壊れる我慢我慢よ!口元を隠すので精一杯よ)

「ならば後顧の憂いなし、前のみを見て進ませていただこう」

「では、こちらをお持ちください」

「君からの品だ、ありがたく頂戴しよう‥‥‥‥では」

「ご武運を」

(また!ガチャの外れアイテムじゃない‥‥使ったことないけど転移系だった気がする)

 

 

王国戦士長ガゼフは、部下を引き連れ草原に向かい疾走した。

 

 

「モモンガさんは、外れアイテムを偉そうに上げるよね~!それと名前はアインズに改名確定?さっきのやり取りシリアスで場を壊したらと思っていたけど、いい見世物だったね『アインズ・ウール・ゴウンの名に懸けて』って弟にも見せてあげたかったよ」

「あ・あ~!‥‥‥茶釜さんがいたんだ‥…」

「ぶくぶく茶釜様、お戯れはほどほどにお願いします」

「アルベド‥‥なぜそんなにモモンガさんの肩を持つのよ??」

「そそれは…私の『アルベド!!アウラ達はどうなった』確認いたします」

「モモンガさん、今の何??」

「・・・・・」

 

 

アインズは開き直った、村長にある程度戦士長の事情を伝えた。

(絶対私に隠していることがある!!アルベドの態度が私とちがうよね!!)

 

 

「アインズ様、ぶくぶく茶釜様、アウラ、マーレ、レイリンの用意が整いました」

「了解した」

 

 

人目につかない空き家まで移動して、アインズが『ゲート』で3人を招き入れた。

 

 





至高の41人、メイドも41人なので
こんな感じかなと捏造してしまいました。orz

アインズ様も一般メイドまでは、そんなに覚えていないと思い
新キャラ設定のメイド、ホムンクルスではないエルフのレイリンです。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5話

 

 

「モモンガ様、遅れてしまい申し訳ありませんでした」

「モ、モンガ様‥遅れてしまってすいません…」

「モモンガ様、お待たせしました」

 

 

アインズに対して、3名とも片膝をつき挨拶をした。

見たことも無いエンリの事はいない者として、気にもかけない3名。

 

 

「アウラ、マーレ、レイリン良く来た。さてお前たち3姉弟には、内密で最重要事項の任についてもらう。この人の護衛をしてもらう、必ずお前たちの命に代えても守るんだぞ!ナザリックの事はその次でよい」

「「「!!!」」」

「アウラとマーレがいない時の第六階層守護者、アルベド、お前の判断に任せる、補佐にプレアデスを使え」

「畏まりました‥…あなた達はアインズ様の勅命により、必ず遂行しなさい」

 

 

3姉弟は戸惑う。

エンリは、ワクワク、ドキドキで飛び掛かりそうな感じ。

 

 

「モモンガ様、なぜアタシ達がこんな人間を?それも命を懸けてまで守るのでしょうか?」

「あ・あの~僕もわかりません‥‥」

「私は至高の41人のメイドです‥‥このような人に使えるのは‥‥」

「あなた達!!アインズ様に意見をするなんて不敬よ!!」

「それにアルベド…さっきから言ってるアインズ様って誰なの??」

 

 

アウラが不思議に思うのは当然だ。この3人には伝えていない、

モモンガが改名してアインズ・ウール・ゴウンになった事。

ナザリック全体にも伝えていない事だった。

 

 

「それはね~『我が名を知るが良い。我こそがアインズ・ウール・ゴウン!!』ってモモンガさんがカッコよく宣言し、改名したんだよ」

「「・・・・・」」

 

 

アインズは地味にダメージをうけたようで、手で顔を隠すように蹲っている。

アルベドはなんとも顔が強張っている・・・今にも怒りだしそうな雰囲気を醸し出している。

他3人はポカ~ン・・・

 

これには、状況把握が出来ていない3名にも不愉快な事だった。

アウラは即座に鞭を出し、エンリめがけて斬りつけてきた。

 

エンリにはアウラの動きが全く見えていない。出来たことと言えば、事が終わった後冷や汗を流すだけ。状況がわかったのは、アルベドが中に割って入り鞭をいなしていた後だ。

 

 

「アウラ!何をしているかわかっているの!アインズ様は、エンリ様を守るように言ったのよ」

「こいつがモモ‥‥いえ、アインズ様を見下した発言を‥‥」

「お・お姉ちゃん…」

 

 

エンリの恐怖からの立ち直りは早かった、ドスを利かせた低音で開口一番。

 

 

「アウラー!!テメー何てことをしてくれるのよ!!死ぬところだったじゃない!!いくらモモンガさんに忠実だからっていきなりだぞ!!ゴラァーーー!!」

「フン!!人間が何言ってるんだか」

 

 

アインズは仲介にも会話にも入ってこない。地味にダメージが抜けていない

 

 

「レイリンこっちに来なさい」

「・・・・・」

「いいから来なさい!!」

「レイリン、エンリ様の言う通りになさい。アウラは何かしらの罰則は覚悟しておくことね」

「・・・・・」

「アルベドありがとう」

 

 

マジで怖かったよー!!それよりもアウラに攻撃された…早く正体を伝えないと、何かのきっかけですぐに死んでしまう‥‥

 

私はすぐ近くまで来たレイリンの、向かって右の胸に右手を置き、左手を抱きかかえるように腰に伸ばし、エルフ特有の耳にキスを・・・・

 

 

「偽装解放」

「・・ん・・あっ!!!」

 

 

ユグドラシルでは、特に男性には解除できないはず。女性なら解放できたかもしれないお遊び?

男性プレイヤーが、これをしたら18禁に引っかかる。

女性なら解除できたとしても、やり方を知らなければ無理なお話。

 

不安はあった。解除方法を知っている、餡ころもっちもちさん、やまいこさんがもしかしたら、

ふざけて解除していた場合よ。同じことをした人には、嫌悪感が生まれるようにしていたんだ。

 

 

「レイリン、これで誰かわかったわね?」

「‥‥はい!!」

 

 

返事と同時に思いっきり抱き着かれた‥‥‥

 

 

「‥レ‥イ‥リン‥し‥死ぬ~~~…」

「ハッ!」

 

 

エンリの状況に気が付いたレイリンは、素早く目の前で片膝をつく。

 

 

「お帰りなさいませ。41人の至高のお方、我が創造主ぶくぶく茶釜様」

「「!!!」」

「アウラ、マーレ何をしているのです!私達の創造主ぶくぶく茶釜様ですよ」

「お前達、私は言ったぞ。最重要事項だと、必ずお前たちの命に代えても守れと‥‥それにだなぜお前達3人なのかも考えたらわかるだろ?」

 

 

アインズの言葉を聞き、エンリに抱き着こうと走ってきた。

 

フフフフ、私はさっきの事をまだはっきり覚えているわよ。マーレとレイリンは抱き寄せ、

アウラには鉄拳パーンチ!!本当に怖かったんだから!!でもすっきりした。

 

正体を隠していた負い目もあるので、これ以上は言わない。

3人に会うのも話すのも楽しみにしていたんだしさ。

その後は4人で楽しく話していた。

 

 

「そろそろ、先ほどの戦士長がマズイ状況になっている。茶釜さんはどうしますか?」

「少しでも情報が欲しいし行きますよ…‥‥あなた達私を守ってよね」

「「「はい!!!」」」

「レイリンは一般メイドでしょう?ここで待機させた方がいいのではないですか?」

「多分大丈夫よ。解除したのでプレアデスと同等のレベルのはずよ」

「はいー!!何処にそんなポイントが??」

「課金アイテムと、皆のあまったポイントを集めたのよ」

 

 

いくら課金したかあまり考えたくない。アウラとマーレを作るにもポイントが足りない。

他の階層守護者がレベル100なのに、50レベル二人だと見劣りがする。

二人作るからポイント200ください!とは言えなかった。

言ったら一人でいいじゃないかと言われたと思う、でも私のこだわり、そこで課金だった。

あの頃は‥‥狂っていたんだよ‥‥二人作るにも大変だったのにレイリンも作ってしまった。

貯金も0になり生活費も無くなり、弟に借金していた。

一時期弟に逆らえなかった。いい思い出。

 

 

「では、行こうじゃないか!」

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

6話

 

 

戦士長ガゼフとアイテムで強制入れ替え、さっきまで居た場所にガゼフ達が居る。

エンリ達は、ガゼフが戦っていたマジックキャスター達と対面した。

 

 

「何者だ?」

「初めまして、スレイン法国の皆さん。私の名前はアインズ・ウール・ゴウン、アインズと呼んで頂ければ幸いです」

「私はエンリよ。よろしくね」

 

 

両方とも様子見、しばしの沈黙があったが、アインズが口火を切る。

 

 

「あの村とは少々縁がありましてね」

「村人の命乞いにでも来たのか?」

「いえいえ、実は‥‥お前と戦士長の会話を聞いていたのだが、本当にいい度胸をしている」

 

 

なるほどね。さっきアウラの時無反応だったのはこっちの会話を聞いていたんだ。

私は危なく死にかけたんだけど…

 

 

「ああ!」

「お前たちは、この私が手間を作ってまで助けた村人を、殺すと公言していたな?

これほど不快なものなどあるものか」

「そうよ!そうよー!あの村は私の村なのよ!!」

「不快とは大きく出たな!マジックキャスター!で!だからどうした?」

「抵抗することなくその命を差し出せ!そうすれば痛みは無い。だが拒絶するなら

愚劣さの対価として、絶望と苦痛の中で死に絶えるだろう」

「く!天使たちを突撃させよ!」

 

 

私はすぐにモモンガさんの後ろに下がった‥‥ユグドラシルと同じ天使なら私以外なら瞬殺ね!

びっくりした~!!モモンガさんを貫いて光の剣が飛び出てきた。

 

 

「無様なものだ、下らんはったりで煙に撒こうと・・・ん!」

「言っただろ、抵抗することなく命を差し出せと、人の忠告は素直に受け入れるべきだぞ」

 

 

アインズは2体の天使を力任せに潰してみせた。

スレイン法国のマジックキャスターが驚き、浮足立ち始めている。

 

 

「お前たちがなぜ、ユグドラシルと同じ魔法を使い、同じモンスターを召喚できるのか

知りたかったんだが、まあ~それはひとまず置いておくとしよう。

次はこちらの番だ、ゆくぞ、殴殺だ!」

「全天使で攻撃を仕掛けろ!!いそげー!」

「皆、下がれ」

「レイリン、運んで~自力じゃ無理~!!」

「ハッ」

 

 

‥‥お姫様抱っこされた‥‥そんなこと考えてる場合じゃない。

モモンガさんの攻撃に巻き込まれたら‥‥確実に私死んじゃうよ。

 

 

「ネガティブ・バースト」

 

 

アインズの魔法で天使は一瞬で塵となった。

 

モモンガさん危ないじゃない!私がいるんだよ。もう少し気を使ってほしい。

兵達が魔法を唱えだした。いろいろな方向から魔法が飛んでくる

 

エンリは魔法が飛んでくると、騒ぎながらドタバタドタバタとよけているつもりになっていた。

実際はマーレが魔法を消していのだ。

 

 

「キャー!キャー!!!ちょっとレイリン、アウラ、周りの兵たちを殺さないように無力化して来てよ。マーレは私の事よろしくね」

「「「はい」」」

 

 

二人は行き追い良く飛び出し、無力化していくがエンリには動きが全然見えない。

ただ、人が倒れていくのだけしか見えていなかった。

 

 

「茶釜様、終わりましたわ」

「アインズ様と相対している者達は、制されたのでそのままにしてきました」

「レイリン、アウラ、お疲れ様。これで安心できるかな‥…モモンガさん後はよろしくね」

「あ・あ~茶釜さんは無理しないでください」

 

 

残りは兵数名と司令官と召喚したプリンシパリティ・オブザベイションだけになった。

司令官の焦りはよくわかる、天使がモモンガの魔法で一瞬、次にレイリンとアウラで瞬殺。

体験したことがない事態となっていた。

 

 

「プリンシパリティ・オブザベイションかかれ!」

 

 

天使は武器を具現化してアインズに殴りかかるが、片手で止められた。

 

 

「やれやれ、反撃と行こうかヘル・フレイム」

 

 

アークエンジェル・フレイムよりも少しだけ強いプリンシパリティ・オブザベイションも一撃だ。

アインズ達にしたら取るに足りない雑魚。それでもスレイン法国の兵にしたら強い部類。

 

 

「ありえるか!!上位天使がたった一つの魔法で滅ぼされるはずがない!!」

「ニグン隊長!我々はどうすれば…」

 

(あの司令官はニグンと言うんだね、ここまで名前もわからなかったよ)

 

 

「最高位天使を召喚する!!」

 

 

そのニグンは水晶を取り出して、自信満々に宣言する。

 

 

「モモンガさん、あれはちょっとヤバくない?セラフ・エイススフィアが出てきたら

面倒だし、私はすぐ逃げるわよ」

「それならまだいいです。セラフ・ジ・エンピリアンが来る可能性も?茶釜さんはこれらが出たら、ゲートを開くので退却してください」

「了解よ」

「アルベド、マーレ、全力で私と茶釜さんを守れ」

「ハッ」「は・はい~」

 

 

アルベド、マーレは前に出てスキルや魔法を駆使し、防御優先で守りに入った。

エンリとアインズを中心に、左右をアウラとレイリンがいつでも攻撃できるよう陣形を取る。

 

 

「見よ~!ドミニオン・オーソリティ」

「「・・・・・」」

「あの~モモンガさん綺麗な天使だね」

「茶釜さん何も言わないで…」

 

 

モモンガさんも真面目になるから、逃げる準備もしていたのに!

ドミニオン・オーソリティなら、レイリンでも倒せるじゃないのよ!

 

 

「ちょっと!ニグン隊長!思わせぶりでも『最高位天使を召喚する』て言ったんだから、最低でもケルビム・ゲートキーパーぐらい出しなさいよ!」

「なに?!」

「モモンガさん、時間も勿体ないからまた瞬殺で、くだらない相手だしレイリンにやらせてもいいけど?」

「あ~いや私がこのお遊びを、終わらせよう」

「お遊び!何を言っている!‥…まさか!!いや~ありえん!人類では勝てない存在を前に、ハッタリだー!ホーリースマイトを放てーー!!」

 

 

ドミニオン・オーソリティはホーリースマイトをアインズめがけて放ってきた

エンリはまたもドタバタ騒ぎ・・・

 

 

「ンギャーーーー!!撃ってきたよ!!マーレお願いよーー」

「は・はいーー」

 

 

結果エンリには、全然影響がなかった。

大騒ぎをしたけど、全く影響なし・・・これは恥ずかしい。

ここでいたたまれなくなり照れ隠しに走った・・・左手は腰に右手はニグンに向けて。

 

 

『フハハハハ!我が名を知るが良い。我こそがエンリよ』

「グ八ッ…茶釜さん!!!!なぜ俺にダメージ与えるんですか!!!!」

「ごめんね、照れ隠し…」

 

 

アルベドは、ホーリースマイトでダメージを負ったアインズを見て怒り狂っていた。

しかし、エンリからのダメージの方が大きく、別な意味で冷静になった。

アルベドはエンリの方を見ていた。

 

私を見ている・・フルフェイスで見えないけど絶対に睨んでいそう・・

モモンガさん関係で怒ったアルベドは怖い‥‥少し控えよう。

 

 

「終わりにしよう。『ブラック・ホール』」

 

 

アインズの魔法でドミニオン・オーソリティも即塵と化した。

 

 

「魔人をも超える力。お前はいったい何者なんだ」

「アインズ・ウール・ゴウンだよ。この名はかつて知らない者はいないほど轟いていたのだがね」

 

 

その時、空に亀裂が入り割れた。

 

 

「な・何が!?」

「何らかの情報魔法を使って、お前を監視しようとしたものが居たようだな、私の構成防壁が起動したから、たいして覗かれていないはずだが」

「ほ・本国が…俺を!」

「では、遊びはこれくらいにしよう」

「ま・ま・待ってほしい。アインズ・ウール・ゴウン殿!いやー様、私だけでかまいません、命を助けていただけるなら望む額を用意を、用意を」

「あなた間違っているわ、人間という下等生物であるあなた達が、頭を下げ命を奪われるのを感謝しながら待つべきだったの」

 

 

アルベド・・・今私も下等生物って事なんだけど・・・

 

 

「か・下等・生物‥」

「確かこうだったな?無駄なあがきを辞め、そこでおとなしく横になれ、せめてもの情けに苦痛なく殺してやる」

 

 

モモンガさん・・悪役が板について来てますよ。この世界で悪役になるの??

 

スレイン法国兵士は、意識ある者は放心状態だ。

 

 

「モモンガさん、殺すのはいつでもできるんだし、殺さず情報を優先しましょうよ」

「それもそうだな、アルベド、シャルティアにゲートを開かせ全員連れていけ。その後はナザリックで情報収集だ。まかせる」

「畏まりました」

 

 

エンリ達、アルベド以外は町に向かって歩き出した。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

7話

 

エンリの家に着くころにはいい時間になっていた。

 

・・・・びっくりだ!!家の前にデス・ナイトが微動だにせず待機している。

モモンガさんもすっかり存在を忘れていた様子だった。

 

 

「モモンガさん、この世界の両親の生き返らせるの頼んでもいいかな?」

「昼間言っていた事ですね?かまいませんよ」

 

 

墓地に行き、遺体を掘り起こすマーレの魔法で一瞬だ。

 

 

「お願いします」

「ワンド・オブ・リザレクション」

「「・・・・」」

 

 

魔法発動と同時に灰になってしまった。

エンリもアインズも、レベルダウンのペナルティの事を忘れていた。

 

 

「・・・モモンガさん・・・」

「ん~‥‥これはレベルが足りなくて、デスぺナが耐えられなかった?…失敗だ‥‥」

「その考えだと第9位階魔法のトゥルー・リザレクションでも、耐えられていたかどうかもわからないわね。完全にペナルティを忘れていました…ここにネムが居なくて幸いでした」

 

 

アインズは、この出来事については収穫だと思っている。

この世界に、強敵やユグドラシルプレイヤーがいる可能性がある。

敵対した場合、人数にもよるがナザリックNPCが少なからず死ぬだろう、その時に復活魔法が使えるか使えないかで、対策を練る必要が出てくる。

 

 

「もしかしたら、生き返らせる事が出来ない世界だとは考えられません?」

「‥‥そうね。リアルの世界なら蘇生なんて不可能な事だものね……捕まえたニグンが情報持っていると助かるわね」

「そうですね、アルベドに最優先と伝えておこう」

 

 

生き返らせる事が出来ない世界だった?まだわからない、デスぺナで蘇生できなかったのかもしれない。後者なら私も耐えられるよう、レベルを上げないとね・・・

 

私は、両親の事はそんなに親しみも無いので、それほど悔しくも無いのが本音。

愛着が沸く事よりも、私自身がこの世界に来て状況把握を優先していたためかな?

ただ何度かあった事がある人、顔見知りが死んでしまった、こんな感じ・・・

でも、人が死んだ事には悲しいよ。今の私はこの程度・・・

 

 

「茶釜さん、レイリンの事をきいてもいいですか?」

「ん~?何?168-88-55-88よ、嫁にはあげないわよ」

「何ですかそれは?」

「男性が聞きたい事じゃないの?身長とサイズでしょう?それとも中身が見たい?」

 

 

モモンガさんとこんな話をしていると思いだす。

餡ころもっちもちさん、やまいこさんとよくからかって遊んでいた事を。

 

モモンガさんは女性経験がない事も、弟から聞いていて知っていた、その後どうなったかはわからないけど、この反応は以前と変わらないね。

やまいこさんなんかもう!過激な発言ばかりで、それを本気にした弟・・・・リアルで、会いに行き経験を積もうとまで考えていたアフォな奴・・・ボコった。

その後オフ会で、本当にやまいこさんと経験を積み、今では‥‥やまいこさんは私の義理の妹に、そう二人は夫婦になってるよ。

 

モモンガさんのはっきりした年齢はわからないけど、少なくとも私よりは年下だったこともあるわね。

 

 

「何言ってるんですか!!レベルや職業とかですよ!…コンソールが使えないので聞くしかないんですよ。メイド時のレベル1じゃないでしょう」

「うん、違いますね。アウラ、マーレの姉で、戦闘メイドと同等のレベル59魔法戦士。でもプレアデス6姉妹全員でもレイリンには勝てないかもしれないわよ」

「あ~課金アイテムですね?」

「レベルを上げられなかったから、アイテムで強化。神器級数点と伝説級で‥…2年分の年収を課金していたとか、昔の私を殴ってやりたい気分になるわね」

「・・・わかりました・・・茶釜さんそろそろナザリックに戻ります。・・・・アウラ、マーレ一度戻るぞ、何時間は取らせない、本来は茶釜さんにも来てもらいたいが、今はレイリンが護衛に居れば問題ないだろう」

「ネムの事もあるし、まだナザリックには行きたくないわね。アウラ、マーレよくモモンガさんの話を聞いてくるんですよ」

「「はい」」

 

 

遅くなったけど、村長宅に預けていたネムを向かいに行き、今日は寝ることに。

 

 

 

朝、寝ていたエンリをのぞき込むように見ていた者がいた。

 

 

「おはようっす。アインズ様に言われて来たっすよ、そこにいるメイドと同じナザリックのルプスレギナ、この村の手伝いや連絡、ん~?雑用を頼まれたっす」

「私はエンリっす。監視?」

「あっマネッすか?半分はあたり、監視対象は王国戦士長達っす。様子見てくるっすね」

 

 

プレアデスのルプスレギナ・ベータ。ナザリックのNPCも人外、本当の姿は別にある。

茶釜が作成した3姉弟は闇エルフと普通のエルフ、本来ならば人の枠、やまいこの妹が気軽にナザリックに来られるようにと、同じ人種のエルフを作成。実際は茶釜がエルフと作りたくてそれを理由にごり押し、モモンガや弟を使い根回しをしていた。

 

アウラとマーレも戻ってきた。

遅れた理由と、昨日ナザリックでの出来事などを簡単に聞いた。

 

モモンガは本格的に、改名をしてアインズ・ウール・ゴウンになる宣言をした事。

宝石箱が欲しいとか面白いとか?世界征服もするとデミウルゴスが聞いたことを話したとの事。

 

なんだろう?嫌な未来が見えて来たよ・・・改名はいいよ、ほんの少しの確立だけど、私みたいにこの世界に来てしまったギルメンがいるかもしれないから、目印として使うことは賛成。

デミウルゴスがモモンガさんから聞いたという・・・・世界征服?なにこれ?魔王にでもなる気かな?この辺りは直接聞いた方がいいよね・・

 

最後にこの世界を見て回るために、ナーベラルを連れてエ・ランテルの冒険者になるみたい。

聞いたら私もやりたくなった。

そうそう門番にいるデス・ナイトの命令権を、私にしたから適当に使っていいよとの事。

 

 

・・・・『メッセージ』・・・・

「茶釜さん今大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ」

「では、まだ確実性はまだ無いですけど、昨日捕らえたやつからの情報です。蘇生魔法は存在するらしいです、昨日のはデスぺナに耐えられなくて灰になったと思っていいでしょう」

「私も念のためレベル上げしておきます……アウラに聞いたんですけど、改名の理由はいいと思いますよ、これからはアインズさんと呼ぶね。もう一つの方は何?世界征服するって??」

「ハァー??茶釜さん何言ってるんですか?」

「なんか宝石箱が何とかで?世界征服をするってデミウルゴスが聞いたって?ナザリックの者はそれを目標に動くみたいだよ」

「え!!マジですか??そんな気今全くないんですけど‥‥この世界の事がわからないのに、余計な敵は作りたくないですよ。ハアー、頭が痛いです」

「会話を聞かれたら面倒です茶釜じゃなくて、エンリと呼ぶようにしてよ‥‥今回は時間稼ぎね、

今の所不確かな情報しかない状況よね?情報収集で冒険者になるんでしょ?今以上に管理を徹底してくださいよ、暴走されたら目も当てられませんから・・」

「了解、え~と、エンリ~~さんはこれからの予定は?」

「‥…リ・エスティーゼ王国の情報収集を二人でやるよりも、私は他の国の情報をって思っているけど?支障が出るならやめるわよ?」

「問題ないです、でも行くならバハルス帝国がいいです。スレイン法国は絶対人間主義の国なようで、エルフでもいらぬ面倒ごとに巻き込まれるようです」

「了解」

「間違っても無理はしないでくださいよ。また連絡します」

 

 

あ!!またアルベドの事聞くの忘れた・・・

 

私の目標は蘇生に耐えられるようにレベルを上げる。

バハルス帝国に行き、情報収集。

 

戦士長の様子を見に行っていたルプスレギナが陽気に戻ってきた。

 

 

「戻ったっすよ~」

 





捏造しまくりですorz


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。