「暁よ。よろしく。……何? ああ、分かった。『一人前のレディとして扱ってよね。』これでいいかしら?」 (水澄 信)
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プロローグ

ブインのイベントはE1甲 E2丙 E3丁 でやりました

まだLv99がいない&重巡摩耶以外いない だったのでダブルダイソンが倒せずE3は途中で難易度を下げましたorz

初イベの成果としてはどんな感じですかね



昨日武蔵出ました。次回イベまでに育成間に合うかな……


「……ふう。」

 

高層ビルの屋上で、俺は息を吐いた。

 

「さて……メモ書き、良し。スマホ、良し。家のブレーカー……どうだっけ。まあいいか。」

 

突然だが、俺は今から――

 

「……遺書、良し。さて、最初で最後の紐なしバンジーだ、楽しまないとな!」

 

――自殺する。

 

 

 

※―※―※―※―※―※―※―※―※

 

 

 

高校の頃、俺はだれしも一度は考えるであろう疑問を抱いた。

 

 

――自分は何のために生きているのだろう。――

 

 

中二病の年代、あるいは社会に出てから、人によって考える時期は違うだろう。そして、ほとんどはその答えを見出すことはできない。

 

だが、俺はその問いの答えを見つけた。

 

見つけて、しまった。

 

 

――殆どの人間は、生きる意味など持っていない。

 

 

ただ種の存続のためだけに生み出され、ただ社会の存続のためだけに決まった仕事を繰り返している。

 

ただただ、人形のように。

 

 

勿論俺はそれから逃れようとした。他の人形(やつら)とは違う何かを得ようとした。

 

――剣を学んだ。何も変わらなかった。

 

――機械を学んだ。何も変わらなかった。

 

――ゲームに没頭した。何も変わらなかった。

 

 

結局俺は「大多数の中の一人」から、抜け出すことはできなかった。

 

 

ここで俺が死んで何が変わる?

 

何も変わらないかもしれない、いや、何も変わらない。

 

所詮、「個」とはそんなものだ。

 

 

 

※-※-※-※-※-※-※-※-※

 

 

 

「……高いな。」

 

25階建てのビルで、当然のような感想を抱く。

 

「……次は、そうだな。戦闘あり、友情あり……。少なくとも、今の世界は勘弁願いたいな。」

 

――そして、飛び降りた。

 

どんどん近づいてくるアスファルト。不思議と恐怖はなかった。

 

「俺の来世に幸あれ、なんてな。」

 

瞬間、視界が暗闇に包まれた。

 

 

 

※―※―※―※―※―※―※―※―※

 

 

 

目が見えなくなって、体感で三十分ほどたった。

 

(……静かだ。)

 

聞こえるのは心地よい波の音だけ。そして耳元をくすぐる風は、どこか潮の匂いが――

 

(……潮?三途の川って海だったの?)

 

そんなことをぼんやりと考えていると、徐々に光が戻ってきた。

 

そして、目を開けると。

 

 

目前にはただただ広大な海が広がっていた。

 

 

「……は?」

 

 

これにはさすがに茫然とさせられる。

 

そしてもう一つ違和感を感じる。

 

「あれ、俺の声って、こんなに高かったっけ?」

 

そう、さっきから自分の声がやけに高いのだ。

 

「まあ待て、いったん落ち着こう。」

 

そしていつものように頭を掻きながら状況を整理しようとして、

 

長い髪に触れた。

 

「………………。」

 

……よし。覚悟は決まった。

 

目の前は海、俺は水面をのぞき込み。

 

「ああ、うん。」

 

……。

 

「いや、まさか、まさかね?」

 

…………。

 

「あ、あかつきよ!いちにんまえのれでぃーとしてあつかってよね!」

 

………………。

 

「どうしてこうなったああああああああああああああああ!!」

 

 

 

拝啓、天国の両親へ。

 

俺の前世の願いは叶ったようです。

 

 




状況が理解できない暁(転生)!

とりあえずサバイバルだ!

次回!

……タイトル思いつきませんでした。内容決めてからじゃないとタイトルが書けないSS初心者。


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1話-やくそく

5-1攻略。暁はタ級の連撃でHPが1になりました。

4-3突破。港湾棲姫のHPが7残ってA勝利でした。

4-4攻略中。ボスは昼戦で片付くみたいです。ゲージあと一回!

Bismarck dreiが強いです。


俺の絶叫から30分も経った。はっやい。

 

そして、やっと俺の脳は状況を理解し始めたようだ。

 

「うん……とりあえず、多分俺は死んだ。で、転生した。そしたら……あれだ、艦これの暁になってた。」

 

転生したら暁だっ…なんでもない。何か怒られそうだ。

 

 

 

 

駆逐艦 暁。特型駆逐艦の暁型、その一番艦だ。

 

艦これでは駆逐艦の中でも心身ともに幼く、「いちにんまえのれでぃ」を目指していた艦だ。

 

対潜能力こそ低いものの、夜戦火力の高さや優秀な索敵能力を持ち、俺もかなり重宝していた。

 

 

……そして、練度(レベル)が95を超えた頃、俺が。

 

沈めてしまった艦娘だ。

 

 

 

 

さて、こんな所で突っ立っててもどうしようもないし、今後の方針でも考えるか。

 

「まずは住処にできそうな場所を探さないとな。無人島の一つもあればいいんだけど……」

 

そう、何を隠そう目覚めた場所は海のど真ん中、俺は今水面に立っている。そして太陽の傾きから考えると今は午後2時頃。

 

何としても日没までには安眠できる場所の一つ位は見つけたい。

 

そうと決まればやることは一つ。

 

「暁、水雷戦隊。しゅつげきしますっ!」

 

とりあえず何も考えずに、自分の足で探す!

 

 

 

※-※-※-※-※-※-※-※-※

 

 

 

「………………。」

 

と、意気込んでからおよそ2時間。変わらない海、変わらない空。

 

「あーあ、そろそろ島の一つも見えてきてもいいと思ったんだけどなあ……」

 

何度目かの独り言、そして何度目かの溜め息。そして、

 

 

「それはですねー」

 

「らしんばんをまわしてないからだとおもいますー」

 

「わあっ!?」

 

 

初めての会話。

 

「やっときづきましたー」

 

「はじめましてー」

 

「……よ、妖精?」

 

「よーせーさん、とよんでほしいなー」

 

「わ、分かった。 それで、羅針盤を回すって?」

 

「それはですねー……」

 

 

妖精さん曰く、艦娘は妖精さんの羅針盤に沿って航行するらしい。

 

妖精さん曰く、それがないと艦娘は海上で自分の位置が分からず、ごく稀に直感で突きすすんで迷子になる艦娘もいるらしい。

 

妖精さん曰く、俺は隣に妖精さんがいるのにもかかわらず、それに気づかず"ごく稀"な状況に陥った珍しい艦娘らしい。

 

 

「……ありがとう、大体分かった。」

 

「ふふーん、どやっ」

 

「おやくにたててなによりー」

 

「それで、あともう一つだけ聞きたいことがあるんだけど……」

 

「んー?なになにー?」

 

「こまったときはわれらよーせーさんにおまかせ!」

 

「じゃあさ……その"困ったときはお任せできる"妖精さんはさ、何でさっきまで、困ってた俺に声をかけてくれなかったんだ?」

 

「……。」

 

「…………。」

 

「………………。」

 

「「みてておもしろかったからです!」」

 

「このやろおおおお!!!」

 

本日、二回目の絶叫。

 

 

 

※-※-※-※-※-※-※-※-※

 

 

 

「しまありました!」

 

「……おおー。俺が苦労する必要なかったな。」

 

「どやっ」

 

妖精さんの羅針盤を回してからおよそ10分。俺の努力を嘲笑うかのように、島影が見えてきた。

 

「本当あの2時間なんだったんだよ……。」

 

「どんまいどんまい!」

 

「ていとくさんすっごくおもしろかったよー」

 

「そうかい、良かったな……。島に着いたら色々手伝ってくれよ?」

 

「「はーい」」

 

日没まではおそらく2時間程度、それまでに何とか一晩くらい安心して眠れる場所が「ありましたー」……あったらしい。

 

見れば、沿岸から数百メートルのところに半壊した廃墟が建っている。確かに辛うじて雨風を凌ぐことができそうだ。というか、それより……

 

「……妖精さん、何で俺の考えてることが分かったんだ?」

 

「ふふーん、てれぱしー・ぱわー!」

 

「てーとくさんにくっついてたら、なんとなくわかるですー」

 

「……マジで?」

 

「うそですー」

 

「ねどこはさばいばるのきほんですー」

 

「……そうだな。」

 

「このしまはだいぶまえにしんかいせいかんにこわされましたー」

 

「ひととかいないからきにせずきょてんにしちゃおー」

 

「要はここまで攻めてこられる可能性があるんだな?」

 

「「だいじょーーぶっ!」」

 

「……不安だ。」

 

玄関が崩落していて使えなかったので、崩れた壁を探して中に入る。ちょうど誰かの自室だったらしく、部屋の隅にあったベッドが目に付き、同時に自分がかなり疲れていたことに気付く。

 

「使っても大丈夫かな……」

 

ベッドに潜り込むと、やはり長い間放置されていたのか大分固く、毛布も埃っぽかったが、すぐに睡魔に襲われて俺は意識を手放した。

 

 

 

※―※―※―※―※―※―※―※―※

 

 

 

「……かん。」

 

声が聞こえる。

 

「……れいかん。」

 

目の前に誰かが立っているのがぼんやりと見える……

 

「しれーかんっ!」

 

俺はその声でやっと目を開けた。

 

「あ、起きた!全く、さっきからずーっと呼んでたのに、どうして気付いてくれないのよ!レディを待たせるなんて紳士じゃないわ!ぷんすか!」

 

少し怒っているようにも見える、その少女は……

 

「……暁?」

 

 

 

自殺する少し前。俺はオンラインゲームに没頭していた。今思えば、"普通"でない人間になろうとしてゲームに浸かっていた時点で、きっと俺は既にどこかおかしくなっていたのだろう。

 

その時一番没頭していたのは、"艦隊これくしょん"。艦娘を使って深海棲艦を倒すという一見単純なゲームだが、このゲームには一つの特徴がある。

 

 

――轟沈(Lost)した艦娘は、二度と復活しない。

 

 

いくら積み重ねたものが多くとも、崩れるのは一瞬。そんなゲームシステムがどこか琴線に触れたのか、他のゲームをやめていった中、このゲームだけはずっと続けてきた。

 

この前のイベント、ブイン防衛作戦までは。

 

最終海域。

運が悪かった。

何度も撤退してきた焦りもあった。

"もしかしたら進軍しても大丈夫かもしれない"そんな思いもあった。

何と言い訳しようと、結果が変わるわけじゃない。

 

俺は彼女らを進軍させ、その時大破していた暁が、ボスの砲撃で、沈んで(死んで)いった。

 

その日から、俺は二度と艦これを開かなかった。

 

 

 

「……暁。」

 

「ん? どうしたの、司令官?」

 

だから俺は、目の前にいる彼女に、

 

 

「本当に、ごめん。」

 

 

どうしても、謝らなければいけなかった。

 

 

「……司令官。」

 

「あの時、撤退してやらなくて、お前を死なせて、ごめん。」

 

「いいの、大丈夫。そう言ってくれただけでも、私は満足だわ。」

 

まるで全く気にしていないような態度の暁。

 

だけど。

 

「…………。」

 

「な、何よ。」

 

「……恨んで、ないのか?」

 

「……私が?司令官を?そんな訳ないでしょ?」

 

「………………。」

 

「司令官は、私を強くしてくれた。私を信頼して、最前線に出してくれた。それに……私が沈んだことに、泣いてくれた。司令官は優しいんだから、恨むわけないじゃない。」

 

「……そうか。」

 

 

「あっ、でも……怖かったんだからね?」

 

「……ああ。」

 

「水底に沈んでくとき。司令官に、見捨てられたんじゃないかって。……私は、司令官の役に立てなかったんじゃないかって。」

 

「…………ああ。」

 

「本当に、怖かったんだからね。」

 

「………………ああ。」

 

後悔。罪悪感。それらが顔に出ているのだろうと自分でも分かった。

 

「……だから、司令官。」

 

そしてきっとこれは、暁の優しさだろう。

 

「私と約束してくれる?」

 

「……約束?」

 

「そう、約束。してくれるんだったら、私に怖い思いさせちゃったのも、今までお子様扱いしてたのも、ぜーんぶ許してあげる。」

 

「分かった。俺は何をすればいい?」

 

「そんなに難しいことじゃないわ。まず一つ目。もしかしたら、司令官の、私たちの鎮守府の子たちに会えるかもしれない。その時は、私にしたみたいに、ちゃんと謝って。"『いなくなってごめん。』『心配かけてごめん。』ってね。」

 

こうすれば許してあげられる、そう言って俺に目的を与える。これで俺の気が少しでも楽になるだろうと考えている。

 

「……何だ、俺なんかよりよっぽど大人じゃないか。」

 

「えっ、そ、そんなことないわ!」

 

「いや、お前はきっと、一人前のレディーになれてるよ。」

 

「……そう。そう、なのね。良かったわ。」

 

そう言って微笑む彼女は、どこか儚げだった。

 

「司令官、ちゃんと守ってね?」

 

「ああ、分かった。ありがとう。」

 

 

「それじゃあ私は行くわね。」

 

「……行くって、どこへ?」

 

「司令官も気付いてるでしょ?ここは夢の中だって。目が覚めたら、私はいなくなってるわ。」

 

「……そうか。」

 

寂しそうだ。そう思ったときには、もう口が動いていた。

 

「暁。何か俺にやって欲しいことはあるか?」

 

「……?私、約束して欲しいことは伝えたわよ?」

 

「そうじゃなくてだな、その……。お前がさっき言ったのが約束なら、これはお願いだな。お前に何か心残りがあるなら、代わりに俺がそれをやってやる。」

 

「…………。そう、やっぱり司令官は優しいわね。じゃあ、一つだけお願いしてもいい?」

 

「ああ、任せろ。」

 

少し考えるそぶりを見せた後、暁が口を開く。

 

「司令官は確か、今は私の姿をしてるのよね。」

 

「ああ、そうだが。」

 

「なら、これにするわ。」

 

そう言った途端、急に視界が歪む。

 

「!?あ、暁!」

 

「もうお別れか……もう少し話していたかったな。」

 

そして、

 

 

 

目が、覚めた。

 

 

 

※―※―※―※―※―※―※―※―※

 

 

 

「あ、おきたー」

 

「おはよー」

 

妖精さんが声をかけてくる。

 

「ええ、おはよう。いい朝ね。」

 

「えー!?」

 

「てーとくさんがみもこころもおんなのこになったー!」

 

「……少し、違うかな。」

 

「?」

 

 

 

――私の代わりに、暁として、一人前のレディになって。

 

 

 

消えゆく前に聞いた願いは、俺が叶え続けるから。

 

「夢の中で、暁にお願いされたんだ。」

 

「ゆめー?」

 

だから、待っててくれ。

 

 

 




この話とは異なり、うちの鎮守府では暁が今日も元気に豆を投げられて泣いてます。節分は過ぎたよ。もうやめたげて。

今回の話には関係ないけど、練度はうちの鎮守府の艦娘と共通にします。


書いてる途中に照月の対空上げたくて、ノリで大型建造したらSaratogaがでました。小説書くと大型当たるようになるので是非お試しください。


2/17 タイトルがくどかったので直しました。


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2話-さばいばる

武蔵を出して3日後、2隻目の武蔵が……

メインで書いてるなろうの方より投稿が断然早い(早いとは言ってない


作者「やった!大和だ!」

なろう「おめでとう」

ハーメルン「で、投稿は?」

作者「」


……中間試験やらなんやら言ってる間に新イベ始まってんじゃんか俺の馬鹿野郎!

大和はE2で初投入。


転生してから僅か2日目。俺はまた、一つの疑問に直面した。

 

 

答えのない疑問、しかしこの疑問を抱く者は少ないだろう。

 

 

人が生きる理由、それを考えた時以上に俺を悩ませる、この疑問は。

 

 

 

 

 

「サバイバルでレディーらしくってどうすりゃいいんだよ……。」

 

 

 

 

 

※―※―※―※―※―※―※―※―※

 

 

 

 

数時間前。目を覚ました俺は、妖精さん相手に暁らしい口調の練習をしながら廃墟の探索を行った。その結果分かったのが、

 

「この廃墟なんもないな……。」

 

「てーとくさん、あかつきしなきゃ!」

 

「あ、ごめん。」

 

他の部屋の殆どが天井の崩落によって瓦礫の山と化し、到底使えそうなものは見つからなかった。収穫といえるものは空の段ボールが十数個に運よく無事だった空き部屋が一つ。

 

他人の部屋を使うというのも落ち着かないので、拠点を空き部屋に変えるとして。

かなり妖精さんたちが騒がしい。

 

「妖精さん、段ボールの上で飛ぶのやめて。」

 

「「えー」」

 

「埃が舞ってる。」

 

「「えー(´・ω・`)」」

 

……やはりというか、かなり聞き分けが悪い。まるで幼稚園生みたいだ。

 

「じゃあ、島の探索したいから着いてきてくれない?」

 

「「はーい!( ◦ ▽ ◦ )」」

 

新しい玩具(しごと)をあげれば喜んで着いてくるところとかも子供のそれだな。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

そして、廃墟から出ておよそ30分。

 

 

「てーとくさんなにさがしてるのー?」

 

「食用の果実が取れる木か魚が取れる湖、木材に、スクラップなんかも欲しいな。それに出撃するなら燃料は絶対。」

 

「わー」

 

「たよれるー」

 

「ふふ、当然。もっと頼ってもいいのよ?」

 

 

何気ない会話だった。

 

 

でも。

 

 

「さばいばー!」

 

「だいこくばしらー!」

 

 

「う、うん?」

 

 

「れきせんのおとこー」

 

「ひゃくせんれんまー」

 

 

「いや、サバイバルはまだ3回目だし、レディーってのはサバイバルなんて……」

 

 

気付いてしまった。

 

 

「サバイバルでレディーらしくってどうすりゃ……

 

 

そして冒頭に戻る。

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

「たしかに」

 

「れでぃーはさばいばー?」

 

 

「まずは考えろ。暁の思い描く"レディー"ならどうする?」

 

「かんがえるひと」

 

「わいるでぃっく!」

 

 

「イメージが湧かないな……。俺の知ってるレディーはまずサバイバルなんてやらないし……」

 

「うぃあっさいーごのっ!」

 

「さばーいばっ!」

 

 

「そもそも"レディー"って何だ?優雅さ?知性?暁は何を以て"レディー"と考えた?」

 

「いのししとったどー!」

 

「ばーべきゅー!」

 

 

「妖精さん達はそこん所どう思う!?」

 

「え?わかるー」

 

「やっぱりにくにはごはんがほしいよねー」

 

「話聞いとけやああああああ!」

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

「成程。つまり、一人前のレディーだ何だってのは、人前じゃなきゃ気にしなくてもいいのね?」

 

「そうそう」

 

「うらおもてはれでぃーのたしなみ」

 

「ふーん。妖精さんは裏とかあるの?」

 

「びっぐなやぼーがあるのだー」

 

「くわーはっはっはー」

 

「ふーん……。猪肉焼けたよー」

 

「「このにくはわれらがいただく!!」」

 

「……裏表なさそう。」

 

妖精さんが大荷物(猪肉)を入手したので一旦拠点に戻り、料理をせがまれてから優に五時間が経ち、既に日も暮れようとしている。

 

 

と、いうのも。

 

 

「りょうりしろー」

 

「にくをよーきゅーするー」

 

「いいけど、包丁は?」

 

「「………………。」」

 

「火種はどうしようか?」

 

「「なんてこったーい/(^o^)\」」

 

というわけで妖精さんに瓦礫から石包丁を作ってもらい、その間に薪を集めようとして。

 

 

「妖精さん。」

 

「んー?」

 

「羅針盤を回して欲しいんだけど……」

 

「らしんばんまわせるのはあっちのほうだよー?」

 

「あっちって、今包丁作ってる子の方?」

 

「うん」

 

「……じゃあさ。  ここどこ?」

 

 

……迷子になったのが原因である。

 

何とか戻ることができたものの、薪を忘れてきたので二往復する羽目になり、結局調理し始めたのは日が傾き始めた後だった。

 

調理といっても妖精さんの眼鏡を火種にして焚火を用意して、作った串に肉を刺して、海水から作った塩をかけて焼いただけだけど、

 

「こんごのしょくじがかりににんめいするー」

 

「こーえーにおもえー」

 

「「うまー!」」

 

中々に好評である。

 

「てーとくさんもたべてみー?」

 

「わけたげるー」

 

「……私が焼いたんだけどねそれ。じゃあ、頂きます。」

 

そして、

 

「美味っ!」

 

「てーとくさんくちょーくちょー!」

 

「れでぃーれでぃー!」

 

「おっと。……そうね。」

 

驚くほど美味かったので残りの肉も保存用に焼いて、余った部位は干し肉にしておいた。

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

「あさー」

 

「おきてー」

 

「んう……あとごふん……」

 

 

「おきろー!」

 

「ひっさつ、」

 

「「だぶるだーいぶっ!」」

 

「ゴハァッ!」

 

 

三日目の朝だ。朝食は昨日の干し肉。

 

サバイバル感はあるが……レディー感は全くない。

 

「てーとくさん」

 

「きょーはなにするのー?」

 

「そうだねまずは勢いよく鳩尾にタックルかましてくれやがった説教かな。」

 

「「ごめんなさーい」」

 

「……冗談よ。今日は……やっぱり島の探索かな?昨日は猪獲って帰ってきちゃったし。」

 

「おー!」

 

「さかな!」

 

「もくざい!」

 

「ねんりょー!」

 

「食べたら出発するからね。」

 

「「はーい!」」

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

三十分ぐらいで朝食を済ませ、廃墟から出る。

 

「じゃあ行くよ?忘れ物はないわね?」

 

「「はーい!」」

 

「じゃあ、出発!」

 

「「おー!」」

 

そして、一歩踏み出して。

 

 

 

 

「てーとくさん!」

 

妖精さんに引っ張られて砂浜に倒され、

 

 

 

 

丁度さっきまで頭があった位置を砲弾が通り過ぎて行った。

 

 

 

「てきかんみゆ!」

 

 




どうでもいいけど元号発表されましたね。

友人曰く、「麻雀の役みたいな元号」 んー……なんだかなぁ。


WGないのでE3で沼ってます。ほっぽちゃんの妹装甲固すぎ……。


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3話-いきゅう

イベ告知はっやい

8月末予定ってことは9月中旬頃……あれ?文化祭……。

E3はT有利で何とか突破し、E4の中枢棲姫の柔らかさ(ほっぽ妹比)に感動し、E5の支援艦隊を眺めながら完走しました。



Johnstonキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!


砲弾の飛んできた方角を見ると、視界に入ってきたのは赤黒い魚のような怪物、400m程先からでも分かる艦これプレイヤー(提督)なら誰しも見たことのあるシルエット。

 

 

「あれは……イ級?」

 

 

駆逐イ級。

鎮守府正面海域(1-1)から出現する、いわゆる雑魚である。

砲撃、雷撃いずれも弱く、例え直撃しても改二となった艦娘なら駆逐艦でも掠り傷で済む。

 

但し、

 

「あいつこーきがただよー」

 

「しかもえりーと!」

 

通常種に限る。後期型のイ級はそうでないものと比べ段違いに強く、運が悪ければ重巡洋艦でも大破に追い込まれることもある。そのelite(上位種)となれば万一のことも十分起こり得る。

 

ましてこちらは肉体こそ98の練度(レベル)を誇るが(艦娘)になってから実戦の一つも経験していない駆逐艦一隻。艦これは近代化改修(強化合成)改造(進化)を済ませてしまえば火力や雷装(ATK)装甲(DEF)耐久(HP)練度(Lv)が上がろうと上昇せず、そしてステータスは同じ艦種同士で比べれば基本的に艦娘より深海棲艦の方が高い。それでも艦娘が深海棲艦に勝てるのは練度による回避率、命中率の上昇つまり技術面によるものなので、海上での実践経験のない()の勝ち目はかなり薄い。

 

でも。

 

「まだこの身体の間合いとか、全然掴めてないんだけどなあ……。」

 

「てーとくさ…あかつき!」

 

「はやく!」

 

「……あー、分かってるよ!駆逐艦『暁』、抜錨!」

 

 

いくら愚痴を溢しても状況は変わらない。生き延びたいなら自力で目の前の敵を仕留めるほかない。

 

 

前世で習った武術だけを頼りに海に出る。

 

 

 

砲弾が飛んでくる。

 

 

斜め前に跳躍して躱し、そのまま水面を蹴って距離を詰める。

 

 

互いの距離が200メートルを切ったところで、また砲撃。

 

 

接近する速度を上げて躱す。

 

敵がようやく動き始めたが、遅い。

 

 

残り100メートル。妖精さんが何か叫んでいるような気がするがよく聞こえない。

 

 

残り50メートル。足元に迫っていた魚雷を飛び越えて躱す。

 

 

着水、残り20メートル。その勢いのままもう一度跳躍。

 

敵は砲塔を上に向けようとしているらしいが、それも遅い。

 

 

そして、残り0メートル(接敵)。落下に合わせて敵の頭頂部目掛けて踵を振り下ろす。

 

当てた位置は大きく陥没しながらも重量差で弾かれる、その勢いに乗りとんぼ返りして、そのまま顎に一撃。

 

 

するとイ級の眼は光を失い、一瞬痙攣した後に沈み始めた。

 

「おっと。」

 

……折角だし引き揚げて持って帰る。

 

 

「しかし、思ったより馴染んでるな……。」

 

この身体で初めての戦闘だとは思えない程に思い通りに動いたことに安堵しつつ、上機嫌で島に戻ると。

 

 

「ちがう、ちっがーう!」

 

「しゅほーは?ぎょらいは?」

 

「えっ」

 

「「かんむすは、なぐりあいなんてしません!」」

 

「い、いやでも、霧島とか長門とか金剛とか……」

 

「「くちくかんは、しません!!」」

 

「……そうなんだ。」

 

 

怒られた。

 

 

 

※―※―※―※―※―※―※―※―※

 

 

 

あれから30分。妖精さんの怒りも(主に干し肉が)収めたが、しばらくの間妖精さんから艦娘としての戦い方を教わることになった。

 

 

……座学で。

 

 

「あの、実戦は……?」

 

「てすとつくるから」

 

「ごーかくしたらねー」

 

「……分かった。」

 

「おわったらじっせんのほーもみたげるから!」

 

「ほーげき、らいげき、たいくーしーあい、なんでもござれ!」

 

「……肉弾戦は?」

 

「「いいかげんにせい!!」」

 

 

 

※―※―※―※―※―※―※―※―※

 

 

 

イ級の捌き方(解体方法)を妖精さんに教わったあと、流れ弾のせいで更に崩壊した廃墟(寝床)を片付けることにした。

 

「……それにしても、駆逐艦一隻だけでも随分と荒らされるものね。」

 

今まで出入り口にしていた穴は瓦礫に塞がれ、部屋としての形を残していた場所も幾つか潰されていた。

 

散らかった瓦礫を一箇所にまとめる。

 

「っと、重……。後で妖精さんが使うって言ってたけど、一体何に……あうっ!?」

 

考え事をしていたせいで不注意になり、足元の瓦礫に躓いて転ぶ。

 

「痛……。ついてないなあ……。」

 

そのまま立ち上がろうとして、

 

「…………?」

 

足元にある大きな穴に気付く。 暗く底が見えないがそこまで深くはなさそうだ。

 

 

 

「………………。」

 

 

 

普段なら安全策をとって、位置を覚えて戻り、妖精さんと相談してから調査するだろう。

 

だが、俺はそうしなかった。

 

「……ちょっと先に行ってても、問題ない……よな?」

 

僅かな気まぐれと好奇心から、

 

 

「よっと」

 

 

そのまま飛び降りた。

 

 

 

直後、何かに包 み込まれるよ  うな感覚。

 

 

 

どうや  ら周囲にあ   るのは液体ら    しい。しか    も触れ  ているだ    けで体か    ら力がど        んどん抜       けてい    く     。

 

 

 

 

 

次        第に     意識

 

 

 

 

 

 

も薄

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そおい!」

 

妖精さんにバケツ一杯の冷水をかけられて目を覚ます。

 

「……知らない天井だ。」

 

「おはよー!」

 

「うん、おはよう。」

 

「おきたおきた!」

 

「だいはっけん!ゆあべりいらっきー!」

 

「……どうしたの。」

 

異常な程にテンションの高い妖精さんを見ながら問いかけると、

 

「ここ、もとちんじゅふ!」

 

「ちかにあったにゅーきょどっくとそーこはぶじだった!」

 

「……マジで?」

 

残っていた眠気が吹き飛んだ。

 

「まじまじ」

 

「わたしたちうそつかないよー」

 

「ねんりょーもだんやくもごひゃくぐらいあったよ!」

 

「けんぞーどっくはこわれてたし、ぼーきもなかったけど……」

 

「……いや、十分すぎるでしょ。」

 

燃料と弾薬があれば補給は可能だし、入渠ドックあるなら回復もできる。ここにいればしばらくは困らないかもしれない。

 

「……『ついてない』ってのは撤回かな。」

 

「うんうん、ゆあべりいらっきー!」

 

「それじゃあはやくでてきてー!」

 

「……出てくる?そういえばここ何処?」

 

「どっくだね」

 

周囲には薄緑の暖かい液体が広がっている。予測はしていたが……

 

「……もしかして私、湯船に直接落ちた?」

 

「そーだね」

 

「にゅーきょじゅうじかんはんくらいだったよー」

 

「十……っ!?」

 

「ごーちんしてたからねー」

 

「ばけつつかったよ?」

 

「そっか……。まあ、ありがと。」

 

どうやら暁の身体は轟沈状態だったらしい。

 

その状態でも正常に入渠できたことに安堵していると、一瞬疑問が浮かんだ。

 

「……ねえ、妖精さん。」

 

「なーにー?」

 

「さっきイ級と戦闘したけど、あれって大丈夫だったの?」

 

「んー……。 わかんない!」

 

「分かんないって……」

 

「まあ、いまだいじょーぶそうだしいいんじゃない?」

 

「……それも、そうね。」

 

分からないことがあるなら放置するに限る。余計に頭使ってもあまり良いことないしね。

 

「そだねー。ところではやくでてきてー」

 

「はいはい分かってる。ああ、とりあえず今日中に鎮守府跡は一通り見ておきたいから、案内お願いできる?」

 

「いいよー」

 

ドックから上がる。少しふらついたが大きな問題ではなさそうだ。

 

一歩、踏み出す。

 

 

「「わたしたちのぼーけんは、ここからだ!!」」

 

「……これ最終回じゃないからね?」

 

 

 






改二

Lv175

HP:轟沈0/36

入渠時間:10時間27分30秒

轟沈時は95~98という設定です。

因みに、イベ海域で艦を轟沈させてしまった場合、リザルト画面に入る前にブラウザを閉じ、イベ終了時までログインしないとLostは回避できます。
その際母港を見ると、轟沈HP0の艦娘を見ることができます。入渠も可能です。
但し、出撃させると、死にます。



レアドロップ履歴

E1
・国後
・岸波
・秋月
E2
・江風
・矢矧
・鹿島
・藤波
・石垣
・大淀
・大淀
・天津風
E3
・大東
・ガングート
・野分
・神鷹
・タシュケント
E4
・大淀
・大淀
・Johnston
・Commandant Teste
・Gambier Bay
E5
・まるゆ

イベ期間中に入手したcommon艦
・霞
・由良
・熊野

E5確率しょっぱかったですね。50週でまるゆだけはちょっと……。

因みにE5で一度だけ道中撤退したんですが、摩耶大破、大鳳中破、北上中破、照月中破全ての原因が警戒陣での駆逐二級改後期型っていう……
ルフラに抜かれたならともかくなあ……
因みに夜戦まで追撃しましたが倒せませんでした。




大淀4隻もいらねえ


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4話-かたな

皆さん第二次欧州作戦お疲れでした!
こちらはイベ2週間後に中間テストがあったので


テスト勉強は程々に艦これやってました()

これじゃあ小説投稿遅れても仕方ないよね?


……ねっ?


ドロップ
E1:御蔵、U-511、Richelieu
E2:Pola、日振、Ark Royal、朝雲、Grecale、Zara
E3:Littorio、Jervis、Roma、Nelson、時津風

いや~、戦果”は”上々でしたね~。

資源150000ずつとか普通に飛んだけど。


―――ああ、私、沈むのね。

 

 

―――そっかあ、沈むんだ……

 

 

―――思ったより、怖くないわね。

 

 

―――響、どうして泣いてるの?

 

 

―――何言ってるの、お姉ちゃんが妹を守るのは当然でしょ?

 

 

―――響、あなたなら大丈夫。

 

 

―――だって、私の妹でしょう? だから、大丈夫。

 

 

―――あとはおねがいね、ひびき。

 

 

 

 

 

 

※―※―※―※―※―※―※―※

 

 

 

 

 

 

「「おきろ~!!」」

 

「ふみゅうっ!」

 

4日目の朝だ。

 

 

寝起きの頭を覚ますため、重しをつけた紐をヌンチャクの要領で振り回す。

 

「今日は……正直さっさと出撃してみたいけど、まずは瓦礫片づけないとね。昨日は残ってた施設を軽く回ってからすぐ寝ちゃったし……」

 

「ざがくもあるよおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

「テストも作り終わってるよおおおおおおおおお!!!」

 

妖精さんの声がドップラー効果で反響するのもなかなか面白い。

 

「じゃあそれもやらなきゃね。 ……反省した?」

 

「「すみませんでしたああああああああああああ!!!」」

 

「次はもう少しまともな起こし方してよね?」

 

眼もしっかりと覚めて、妖精さんからも反省と焦燥と嘔吐の色が見られたので、紐を振り回すのをやめ先端の重し(妖精さん)を取り外す。

 

「めが、めがぁ……。」

 

「うえがひだりで、ひだりがみぎで~?」

 

「はい、朝ごはんだよ。」

 

「「ごはん!!」」

 

肉を持ってきた途端に復活した妖精さんを見ながら朝食を済ませ、作業に取り掛かる。すぐに妖精さんが寄ってきた。

 

「……てーとくさん、なにしてるの?」

 

「ちょっと工作」

 

 

妖精さんのジト目が険しくなった。

 

 

「……なに、つくってるの?」

 

「………………。」

 

「「………………。」」

 

「…………昨日さ?イ級解体した時に、結構たくさん鋼材出てきてたでしょ?」

 

「あったね~」

 

「うん、それで?」

 

「折角だし、刀が欲しいな~って……。」

 

「「………………。」」

 

ジト目が更に鋭くなった。

 

「ほら、やっぱり近接武器も欲しいでしょ?」

 

「「………………。」」

 

「ねっ……?」

 

「「………………。」」

 

「……作っちゃ駄目なら素手で殴ります。」

 

「「どうぞつくってください」」

 

勝った。

 

 

 

 

 

※―※―※―※―※―※―※―※

 

 

 

 

 

瓦礫を片付け、妖精さんの話も聞き、テストも終え、すっかり日も暮れた。

 

「ん~……。」

 

「どうしたの~?」

 

テストの採点が終わったのか、妖精さんがこちらに寄って来た。

 

「刀づくりが少し行き詰ってて……。ま、あと数時間あれば何とかできそうだけどね。」

 

「「できなくていいよ」」

 

「つれないなぁ。 ……それで、採点は終わったの?」

 

「ん、はいこれ。」

 

妖精さんから返されたテストに目を通しつつ尋ねる。

 

「ありがと、それで、どうだった?」

 

「…………………………まことにいかんながら」

 

「ごうかくでした………………………………」

 

「何で不満そうなの?……まあいいや、とにかくこれで明日から出撃して良いんでしょ?楽しみね!」

 

「「……ウン、ソウダネ」」

 

「ほら、明日に備えて早く寝ましょう?私はもう少しだけ刀弄ってから寝るから。」

 

「「わかった、おやすみ~」」

 

「二人とも、おやすみ。」

 

妖精さんが寝床に戻ったのを見てから、刀としての形を帯びて来た鉄塊を艤装で加熱しながら別の艤装で叩くという作業に戻る。

 

「平へしにも火床にもなるなんて、艤装って便利ね~。」

 

…………当然、艤装はあくまで砲弾や魚雷などを撃ち出すための武装であり、平たい面を使って熱された金属を叩くものでも、砲身を異常なまでに加熱させることで金属を熱するものでもない。 しかし、妖精さんがこの場にいない今、それに触れる者はいなかった。

 

 

 

 

 

※―※―※―※―※―※―※―※

 

 

 

 

 

「ふう、終わった……」

 

つい"もう少しだけ"と続けてしまったが、おかげで刀が完成した。碌な鍛冶用具は使っていなかったのでかつての最高傑作には遠く及ばないが、それでも並の軍刀程度なら軽く両断できるだろう。

 

「さて、銘は……『鼬』でいいか。」

 

イ級で作った太刀なのでイタチ。我ながら単純な名づけだが、無銘よりはマシだろう。

 

銘を刻んでから寝室へと向かうと、なんと妖精さんと鉢合わせした。

 

「あれ?まだ寝てないの?」

 

「「……。」」

 

何故か冷たい目を向けられる。

 

「明日は出撃だから早く寝ようって言ったのに……」

 

「「……………………………………。」」

 

眼光が鋭くなる。何故だ。

 

「てーとくさん。」

 

「……何?」

 

「いま、なんじ?」

 

「何時って、ここに時計なんて……」

 

 

ここまで口に出して、違和感に気付く。

 

 

「……明るい?」

 

「「れでぃーは、かたなかじなんかでてつやなんてしないでください」」

 

「…………………………ごめんなさい。」

 

 

 

5日目の、朝だ。




はいっという訳で!前書きが書きはじめで!

あとがきは書き終えてから書きましたっ!

何と!イベント2つも挟んで何も書いてませんでした!

投稿さぼってんじゃねーよこのクソ作者馬っ鹿じゃねーの(戒め



防空巡棲姫を装甲破砕なしで倒し、E3でFletcherをお迎えできましたが、E2で200周ほど行った伊13掘りは、何の成果も、得られませんでした……。


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