ゼウスファミリアの元副団長がオラリオにいるのは間違っているだろうか (虚屋ズク)
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プロローグ

はじめまして虚屋ズクと申します。

ダンメモをやっていたらふと考えついた作品です。

どのようにキャラクターを絡ませていくか定まらないことはありますが生暖かい目で見て貰えたら幸いです。


小さい家の扉が開いた

「どうしたんだ?親父?」

 

身長が2mに届きそうな体格のいい男が頭を低くしながら家に入りながら白い髪と髭が似合う老人に話しかけた。

 

「クレス、ワシはそろそろヘラから逃げなければならんからそろそろ雲隠れをしようとおもっとっての。じゃからベルの事を頼んだ。」

 

老神の名はゼウス、かつて三大クエストを2つクリアしたファミリアの主神である。

 

そして…

 

「それは主神としての命令か?それとも孫を甘やかしたいの爺の戯言か?」

 

クレスはゼウスファミリアの副団長であった。

 

「ファミリアは既に解散しとるのに主神命令もあるわけなかろう。ベルはきっと英雄になる儂らを越えるくらいのな。」

 

ベルが寝ている部屋に目配せをしながら優しく言った。

 

「英雄ね…その理由は?」

 

クレスは部屋を見つめながら聞いた。

 

「あの子はワシに似てきっとモテる、じゃからハーレムを作れる素質を持っとる!ワシの英才教育のお陰じゃな」

 

自慢気に話すゼウスだがクレスは大きくため息をついた。

 

「冒険譚の読み聞かせついでに何教えてんだ親父。まあいい分かった頼まれてやるよ」

 

呆れてはいたがクレス自身もベルが心配である。2人が話していると部屋の扉が開き

 

「お爺さん誰か来てるの?」

 

目を擦りながら寝起きのベルが出てきた。

 

「ようベルおはようさん」

 

クレスはベルに声を掛けた

 

「叔父さん!いつ旅から帰ってきたの!また冒険の話聞かせてよ!」

 

さっきまで寝惚けていたにも関わらずベルは驚きながらも喜んでクレスに近づいた。

 

クレスは普段村にはいなく世界中を回っているある目的を果たす為に。

 

「ああいいぞ、とりあえず顔洗ってこい今日は俺が料理作ってやろう爺の肉料理だけだとキツかったろ。ちゃんと野菜も食わせてやるからな。」

 

クレスはベルの頭を多少乱暴に撫でながら喋った。

 

「「ええー!野菜食べたくなーい!!」」

 

ベルとゼウスは同時にブーイングをだした

 

「やかましい!栄養が偏るんだよ!肉も出してやるから野菜も食え肉食系ども。」

 

そんな楽しいやり取りがある日々が続けば幸せだろう

 

だが少年の旅立ちの時は近づく

 

半年後ゼウスは失踪した。予め仕組んだ出来事に乗じて

 

 

「ベル、俺はまた旅に出ようと思うがお前はどうする?俺と来るか?」

 

クレスがベルの肩を屈んで両手で掴みながら提案した。

 

「叔父さんと旅に行くのは楽しそうだけどボク、オラリオに行ってみたい!冒険者になってみたい!それで、冒険譚に出てくるような英雄になりたい!」

 

ベルは覚悟を決めた目をしていた。クレスは口を小さく開けて驚いた。いつもゼウスやクレスに基本べったりだった少年が1人立ちを本気でしようとしていたからである。

 

「そうか、なら一旦お別れだなベル俺は明日にでもこの村を出る。お前はしっかりと準備してからオラリオに行くといい」

 

クレスはベルの頭を優しく撫でた。

 

「あ……ねえ、叔父さん…オラリオまで一緒についてきてよ…僕道に迷うかもしれないし…だから「ベル」あ…」

 

クレスはベルを抱きしめた。

 

「お前はこれから冒険者になって英雄を目指すんだろ?なら、この村から出た時点で冒険は始まってるんだ。お前が英雄になった時にオラリオまで家族に一緒に着いてきてもらいましたじゃ格好がつかない冒険譚になるぞ?だから、ベル今度あった時はお前が今より格好良くなってるのを楽しみにしてるぞ?」

 

クレスの言葉にベルは不安だが納得した。

 

「うん分かった…ねぇ、叔父さんまた会えるんだよね?」

 

「ああ勿論……」

 

クレスは旅立つ前にベルと一緒に村での最後の夜を楽しんだ。

 

 

そしてその数ヶ月後ベルはオラリオへと旅だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

更にその数ヶ月後ベルがミノタウロスを倒しレベル2へとレベルアップし最速記録を出した頃

 

港町エレンにクレスはいた。

 

「メレンにいつまでいるかなぁ」

 

モーニングコーヒーを飲みながら思案していたら店のマスターが話しかけて来た。

 

「お客さん、知ってるかい?オラリオの冒険者がランクアップの期間をあの剣姫を抜いたんだってさ。」

 

クレスも剣姫の事は知っていた。というより「隻眼の龍」討伐に出発する前に声を掛けた。大事な仲間の娘なのだから。

 

アイズがランクアップした時はお祝いの言葉を送りたかったがやめた。きっと彼女はまだ俺達の事を忘れてないから。

 

「それで?レコードホルダーはなんて言う名前なんだ?」

 

クレスはマスターに興味なさげに聞いた。

 

「2つ名が「未完の少年(リトルルーキー)」で名前がベル・クラネル14歳だとさ凄いねぇ最近の若い「ぶふっ」子はって、お客さん大丈夫かい!」

 

思いっきり身内じゃねえか!驚きのあまりコーヒーを吹いてしまった。

 

「ゲホッえホッ!大丈夫、大丈夫だからなんでもない。」

 

クレスは驚きはしたがその反面とても嬉しかった。

 

ベルが…俺達(ゼウスファミリア)の最後の家族が、英雄に相応しい序章の小さい偉業を成し遂げたのだから。

 

そしてクレスは先程まで思案していた答えを出した。

 

「ご馳走さんマスターコーヒー美味しかったよ。」

 

「お粗末さま、お客さんどこに行くのか決めたのかい?」

 

 

 

クレスは店の扉を、開けながら答えた。

 

「ああ、オラリオに行く。」

 

期間にして約15年、オラリオに伝説の1人が帰還しようとしていた。

 




いかがだったでしょうか?まだプロローグの段階なので軽く作りました。

ベルのじいちゃんゼウスなの!とかそういつネタバレがキツイかなと思う方は読むのにオススメしませんのでご了承ください。

1話はなるべく早く書けたらと思います。

読んでいただきありがとうございます。

ご意見、ご感想、質問等受け付けてますのでお気軽にどうぞ。

Ps.作者はダンメモ初めて10日ですが現在バレンタインリューをカンストしました。ダンメモ進行についても報告していきます。


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1話「拳帝」

プロローグ読んで頂いた方本当にありがとうございます。
第1話からは文字数もっと増やせるようにしていきますのでよろしくお願いします。



迷宮都市オラリオ、ここは数多の人間達が理由は違えど冒険者になり英雄を目指す場所

 

都市の門にてクレスは入場許可を待っていた。入場整理をしているのは人々からの人気も高いガネーシャファミリアであった。

 

「では次の方!…!?冒険者の方ですか?」

 

ガネーシャファミリアの団員がクレスの大きさとガタイの良さに驚いたように感じた。

 

「いや、元冒険者だ知り合いに会いに来たついでにココに住もうと思ってね。」

 

門番は入場の注意事項の書かれた紙にサインするように差し出した。

 

「クレス・アルケイデスと…これでいいかい?」

 

門番に紙を渡した。門番は確認をしてクレスを都市の中に入れる事にした。

 

「元冒険者の方ならこの都市での勝手はわかると思いますが何かあればギルドにどうぞ。」

 

「ありがとう。仕事頑張って」

 

門番に礼を言って都市の中に姿を消していったクレスを見ていたら。

 

「おーい交代に来たぞー。どうした?中の方を眺めて」

 

「いや今元冒険者の人が来たんだけどさ図体やガタイが凄いデカいんだけど何か違和感感じてさ」

 

門番はその違和感が何なのか分からなかった。目が離せなくなってしまうその違和感に。

 

「どんな奴か俺も見たかったな名前なんて言うんだ?」

 

どれどれと紙を覗き込んだ

 

「クレス・アルケイデス…どっかで見た名前だなまあ元冒険者だし後で団長達に聞いてみようぜ」

 

2人の門番はそう話して仕事に戻っていった。

 

 

 

オラリオを中央広場についたクレスは噴水の前に座りとりあえずこの後どうするかと考えていた。ベルがどこのファミリアにいるかも知らないし、アイズになんて言ってあえばいいかも分からないし

 

「おい」

 

それに会わなくちゃならないヤツらも結構いるしなぁ

 

「おい、聞こえているのか?」

 

何か声が聞こえた気がしたようなと思い顔をあげた。

 

「リ、リヴェリアの姫さん…」

 

クレスは驚いたというよりは焦ったアイズの事考えていたからである。ロキファミリアにアイズを預けたのを知っている者だからである。

 

「姫はよせ私はもう王族ではない。それで?私はなんと言えばいい拳帝クレスよ。よくも今更帰ってこれたなと言うべきか?」

 

リヴェリアの目は怒っていた。小さい家族を15年も会いに来ようともしない手紙も寄越さなかったのだから。

 

「あー……なんて言うか悪いなアイズを任せっぱなしで…「そんなことを聞きたいのではない!」…」

 

リヴェリアはクレスの言葉につい声をはりあげてしまった。

 

しかしその声に周囲が反応した。良くも悪くも現在オラリオで二柱に謳われているロキファミリアの九魔姫(ナイン・ヘル)である。目立たないわけがないわけがなかった。

 

「ナイン・ヘルが男と揉めてる!?」

「どういう関係かなぁ」

「雰囲気的に昔なにかあったとかじゃないのか?」

 

そういった俗物的な声が聞こえ始めたのでリヴェリアは

 

「あ……と、とりあえずギルドに一旦行くぞ!」

 

リヴェリアはクレスを促しギルドへ連れていった。

 

ギルドにいたエイナにギルドの応接室を借りて話すことになった。

 

「では改めて聞こうどういうつもりでオラリオに戻ってきた。」

 

リヴェリアがクレスに事情聴取をしているような形で質問をした。

 

「知り合いに会いに来た」

 

「アイズとは言わないのだな」

 

端的に答えたら心に刺さる感じの返しが来た。

 

「いや、勿論アイズにも会いに来たんだ」

 

「ほう、アイズに「も」か他にもいるのだな」

 

リヴェリアの目がどんどん鋭くなっていく

 

「そ、そりゃあ俺も15年はたったとはいえオラリオに知り合いは沢山いるさ」

 

「15年も経っているのに急に会いに来るということはどういう事だ?誰にあいにきたんだ?」

 

リヴェリアの事情聴取はもはや尋問に感じてきたので答えることにした。

 

「分かった分かった観念したから言う。勿論アイズに逢いに来たのは嘘じゃないどう会ったものかって迷ってたんだ。それと姫さんが知っているかは知らんないが未完の少年(リトル・ルーキー)は知ってるか?」

 

大きく息をはいて観念したとお手上げポーズをしながら答えた。

 

「未完の少年(リトル・ルーキー)と言ったらあのベル・クラネルの事か!まさかクレス知り合いだったのか!」

 

リヴェリアは汗をかいた何故ならベルがランクアップする要因となった戦いを目の前で見ていたのだから。

 

「知ってるなら話が早いベル・クラネルいやベルはゼウスファミリアの最後の家族(ラストファミリー)だ恩恵は授けちゃいないがな。」

 

「!?」

 

驚きを隠せなかったゼウスファミリアは解散したと知らされていたオラリオからいなくなる時でさえそんな事は知らなかった。

 

「俺達が隻眼の龍討伐に失敗した際お前達のファミリアとフレイヤファミリアに仲間の子供を託してオラリオを出ていった。さもお前達が追い出すようにしたかに見せて。そこの所はお前達も知っているだろ?「ああ」そうしなければ闇派閥(イビィルス)が俺達の子供を攫おうと画策していたからな」

 

「それは知っているだからこそ受け入れた、しかし何故ベル・クラネルだけは連れていったのだ?その素性を隠して」

 

リヴェリアはベルだけを連れていった理由が分からなかった。

 

「ゼウスが言ったんだベルだけは連れていくと俺もその真意はその時は分からなかった。だが成長するにつれ理解した。ベルは英雄の器だそれどころか世界から闇を祓う「福音」になる可能性を秘めている」

 

 

リヴェリアはクレスが何を言っているのか理解出来てしまった。

 

あの少年の言動や、行動、無謀を承知の冒険、クレスの言葉を聞いて納得してしまった。

 

「待て、それだけ重要な事!何故私に「姫さんが聞いたんだろ」!?あ…」

 

 

自分から問い詰めた事を忘れていたリヴェリアは思わず顔を手で覆った。

 

「まあいい大丈夫だ直ぐにはバレないようにしてくれるならアイズやベルには特になギルドに手回しすれば大丈夫だろ」

 

「うう、す、すまない…」

 

耳を真っ赤にさせて謝った。

 

「それで?アイズは元気にしてるのか?」

 

一息ついてからリヴェリアに聞いた。

 

「あ、ああ元気だ、だがアイズはお前達が何故一緒に連れていってくれなかったのかという理由を自分が弱かったからと考えている早く強くなればお前達が戻って来ると願ってる。」

 

アイズが考えていることは間違っちゃいないが間違っている

 

「そうか、アイズには悪いことしたな…連れていかなかったんじゃなくて連れていける力がなかった俺達が悪いんだがな…ありがとうなリヴェリア、アイズを見守ってくれて」

 

リヴェリアはふっと笑って答えた。

 

「私だけじゃないさ、ロキやフィン、ガレスだって共にアイズを見守ってくれたのだ。それに今では仲間もいるしあの子を慕う後輩もいる」

 

「そうか…良かったお前達に預けて正解だった」

 

嬉しそうに天井を見上げた。

 

「それに最近はアイズも楽しそうにしている。ベル・クラネルにあってから前より感情が豊かになっている」

 

「かぁーベルも隅に置けないなあ「リヴェリア様!すいません!今よろしいでしょうか!」ん?」

 

話の内容が明るくなってきた所で急にエイナが慌てた様子で応接室に入ってきた。

 

「どうしたのだエイナそんなに慌てて」

 

怪訝そうな顔をしながらリヴェリアは返事をした。

 

「そ、それが今ホールにオッタ「ここか…」オッタル氏!?ホールで待っていたのでは!?」

 

「その様な無駄な事はするつもりは無い…」

 

そこに現れたのは現在のオラリオ最強と謳われている「猛者(おうじゃ)」オッタルであった。しかも珍しく笑みを浮かべていた。

 

 

まるで獲物を見つけた様な目をしていた。

 

「久しぶりだな拳帝…」

 

「おお、オッタル坊や立派になったな噂は聞いてるぞ。で、急に何の用だ?今は姫さんと話してる途中なんだが?」

 

一瞬にして一触即発の空気が出来てしまった。クレスがオッタルの殺気に応えてしまったのである。

 

「え!?拳帝ってあの!?」

 

横でエイナが驚愕している

 

 

それもその筈「「拳帝」クレス」といえば世界規模の災厄である三大クエストの2つをクリアしたゼウスファミリアの副団長なのだから

 

つまり災厄を退けた英雄である。

 

 

「こんなお嬢さんに知って貰えてるとは光栄だな。まあそれはさておきオッタルお前さんの様はなんだい?」

 

不敵な笑みを浮かべながらクレスはオッタルを見やった。

 

「相変わらずだな…簡単だ昔と変わらない、俺と勝負しろ「拳帝」クレス・アルケイデス」

 

猛者が拳帝に対して宣戦布告したのである。

 

そのやり取りに頭を手で抑えているリヴェリアがいた。




いかがだったでしょうか1話何となくなオリジナルな要素をぶっ込んでしまいました。

因みにリヴェリアはヒロインではありません!

さて次回は猛者VS拳帝になる予定になったらいいな(希望)と思っております。

それでは今日の所は投稿はありませんので明日以降2話投稿したいと思います

読んで頂いた方本当にありがとうございました。

ご意見、ご感想、質問等受け付けてますのでお気軽にどうぞ

Ps.昨日のオラジオ放送、野澤さん運ないなぁと笑ってました。


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第2話「片思い」

早速メインヒロインがバレた件w

まあ感想に書かれているので知りたい方はどうぞ

お話で知りたい方は読んでください


それでは早速2話お楽しみください。


迷宮都市オラリオ ギルド本部 応接室

 

部屋の中は剣呑な雰囲気的になっていた。

 

「俺と戦え…拳帝…」

 

拳帝がオラリオに戻ってきたことに対して闘争本能むき出しながら嬉々とした表情を浮かべていた。

 

「いや、え!?オッタル氏何を言っているのですか!?」

 

エイナは最早、頭に状況が追いついていない状態でオロオロするしかなかった。

 

「オッタル坊やいきなり会って早々戦えとは物騒だぞ。そもそも今お前と戦う理由がないだろ、まさか昔と同じで自分がどれだけ限界なのか俺で試そうとしてんのか?」

 

「!?………」

 

オッタルが少し目を見開き驚いた

 

「図星かよ…そんな理由で今のお前と戦ったら色々騒ぎになるからダメだ。」

 

「武人が、強者がいるのならば戦わない理由がない…ましてやお前との勝負をずっと待っていた俺にとってはな…」

 

バン!そんな2人の会話に机を叩く音が割って入ってきた。

 

「いい加減にしろ!猛者!場所を弁えろ!」

 

怒り顔のリヴェリアが目付き鋭くオッタルに近づいて行った。

 

「お主は最早レベル7の冒険者だ!昔ならまだしも、今のお主とクレスがやり合ったら騒ぎどころでは無くなる!」

 

「いやそれさっき俺が言っ「黙っていろ!」はい…」

 

リヴェリアは完全に説教モードになっていた。

 

「九魔姫か…お前には関係ない…「関係はある!」ほう…」

 

オッタルとリヴェリアが謎の火花を散らし始めた。

 

「いいか、クレスと戦うのは問題は無いかもしれんだがそれはクレスが冒険者だった場合だ!だが冒険者を既に引退しているのだお主と戦っては最早ケガ所で済まなくなるだろう!」

 

リヴェリアが心配していたのはクレスが15年のブランクがある事だった。アイズにも会いに来たクレスがボロボロでは、アイズを心配させる要因にしかならないからである。

 

「既に冒険者ではなくとも拳帝から発せられる気はそうは言っていない。15年の間、何をしていたかは知らないが衰えていないのは事実だ。」

 

オッタルは気づいていた。1人の武人として、寧ろ武人だからこそ気づいた、クレスが15年前より強くなっていることに…。

 

「2人ともやめろって、お嬢さんが泣き始めたから。」

 

クレスの言葉に2人はハッとエイナの方を見る

 

「うぅヒック、お願いでずがらぁやめてくだざい!」

 

泣きながらエイナは懇願した。それもそうである上級冒険者、しかもオラリオで現在1.2を争うファミリアの冒険者2人が一般人でしかないエイナを間に言い争ってる。更に追い討ちをかける存在がクレスである。

伝説とされるファミリアの人間も居ることも含めて、訳が分からないし、怖いし、仕事だしと頭の中で三つ巴状態であった。

 

「あ…す、すまんエイナ争うつもりはないのだ。め、迷惑をかけて済まない!猛者!お主も謝れ!」

 

慌てて謝ったリヴェリアはオッタルにも謝るよう促した。

 

「何故、俺が謝らればならない……ふぅ…興が冷めた今日の所は引く。拳帝、いずれ再戦を申し込むオラリオに来た以上逃がしはしない…」

 

「お、おい待て!「いいよ姫さん止めるな」だがクレス!」

 

オッタルはクレスを一瞥した後に部屋から出ていった。

 

「それよりもだ、お嬢さん大丈夫かい?怖がらせて悪かったな。もう大丈夫だ」

 

エイナの頭にクレスの大きな手が優しく置かれた。

 

「あ…はっ!すすすすいませんアルケイデス氏!」

 

泣いていたエイナは咄嗟に我に返り、クレスに謝った。

 

「おいおい謝る必要はないんだぞ?それにまさか俺の名前をこんな可愛いお嬢さんに知ってもらえてるとは有難いな。」

 

「か、かわ…!」

 

クレスの言葉に驚いてエイナは後ろを向き耳を真っ赤にした。

 

「おいクレス、お主何勝手に口説いている」

 

冷めた目でリヴェリアがクレスを睨みつけた。

 

「ん?口説くも何も思ったこと言っただけだろ?」

 

「はぁ、まったくお主は…」

 

クレスは身長も高くガタイも良いが顔立ちや立ち振る舞いがよく傍目からしたらルックスのいい叔父様である。

 

クレス自身は昔はモテたなとかそういう考えで、今は普通のおっさんと同じくらいだろうと思っていた。

 

「いやいい……これも惚れた弱みか…」

 

リヴェリアが頭を抑えてため息をついた。

 

「ん?まあいいやお嬢さん、姫さんとの話は終わったからもういいぜ」

 

「か、かしこまりました!」

 

未だにクレスの前で緊張していたエイナは一礼した後に部屋から出ていった。

 

「まだ話は終わって「アイズの所」!?」

 

「連れて行ってくれるか?考えてたがまとまらなかった。だから会って話をする、連れて行ってくれ姫さん。いや、リヴェリア…」

 

昔惚れた男に名前をまた呼んでもらえた。リヴェリアは胸の奥が熱くなる感じを覚えた。

 

(ああ、私はまだこの男の事を…)

 

少し俯いた後に心の中にその想いをしまい顔をあげた

 

「ああ分かった、アイズにあった時の言い訳がひどい場合はお主を魔法で八つ裂きにしてくれる」

 

フッと笑ってクレスに返事をした。

 

 

 

 

2人はギルド本部から出て黄昏の館へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

一方バベルの高みからその様子を見ているものがいた

 

 

「ふふふ、いいわぁ久しぶりに見たけど未だに照りつける様な強さで光ってる」

 

「美の女神」フレイヤであった。

 

「ただいま戻りました。」

 

オッタルが戻ってきたのを見て

 

「オッタルたらクレスを見た途端に出て行っちゃうんだもの私より夢中になるのね?ちょっと妬けちゃうわ。」

 

皮肉めいた言葉だが笑いながらオッタルに喋った。

 

「大変申し訳ございません。貴方の傍から勝手に離れるような真似をしてしまい。どのようなバツでも受けるつもりです。」

 

オッタルは跪きフレイヤに謝った。

 

「いいのよオッタル。私は嬉しいのクレスがオラリオに戻ってきたのもそうだけど、貴方が私より夢中になれるモノがあって。いい?オッタル、思うままに動きなさい。あ、その前にクレスが何故戻ってきたのか知ってる?」

 

 

オッタルは顔をあげ答えた

 

「知り合いに会いに来たと答えていました。」

 

「ふーん知り合いねぇ」

 

 

少し考えた後にフレイヤは口を開いた

 

 

 

 

 

 

 

「オッタル、クレスが誰に会いに来たのか調べなさい。誰にあったか全て、ね?」

 

フレイヤは楽しそうにオラリオを眺めながらオッタルに指示をした。




2話いかがだったでしょうか

リヴェリアがヒロインかって?

どうでしょうね(焦り)

今回も読んで頂いて本当にありがとうございました。

ご意見、ご感想、質問等受け付けてますのでお気軽にどうぞ。

ではまた3話でお会いしましょう。


Ps.アルテミス様のカンストステが異常な件について


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3話「黄昏の館」

お久しぶりです

ダンメモやってたらバッチリこっちが疎かになりましたw

デート・ア・ライブのアニメ見てないんで新鮮な気持ちでコラボイベが楽しめます。

放置してたらいつの間にかお気に入りがめっさ増えてたので内心動揺しております。

すいませんしっかり書きますので読んでください。






迷宮都市オラリオ、黄昏の館前にてクレスは悩んでいた。

 

「あのー?リヴェリアさん?この人、なんでこんな悩んでるんですか?」

 

ロキファミリアの団員の1人は、リヴェリアが見知らぬ男の客を連れてきたのに、多少驚いていた。しかし、その客の男が一向に館に入ろうとしないのである。

 

「はぁー」

 

そんなクレスの姿を見て頭を抑えながらリヴェリアは溜息を漏らした。

 

「おいクレス、お前はアイズに会うのがそんなに嫌だというのか?」

 

眉間にシワがより始めた。

 

「いや、だがな?いざ会うって考えたら、どんな顔して会えばいいか悩んでしまってな。」

 

微妙な顔をしてクレスは答えた。

 

「いい加減にしろとりあえず館に入るぞ。手を掛けさせたな、門を開けてくれ。」

 

リヴェリアは痺れを切らし門番に開門させた。

 

「お、おい!まだ、心の準備が!「氷漬けにされたいのか?」入ります…」

 

もはや客を連れてきたというより、罪人を連行してる光景にしか見えなくなってきたと門番は思い、とりあえず敬礼をした。

 

黄昏の館へと入った2人を待っていたのは、ロキファミリア団長フィンディムナその人だった。

 

「親指が疼いて気になってホームにいたけど、久しぶりだねクレス。元気そうで何よりだよ。」

 

フィンは今朝、親指の疼きが止まらなかった。ダンジョンに行く予定が無いにも関わらずだ。

 

そして、リヴェリアが連れてきた客人を見て全てを納得した。

 

「ああ、久しぶりだなフィン。立派になったじゃないか、身長伸びたか?」

 

フィンが、当時より強くなってるのを確信したクレスは、からかった。

 

「あはは、残念ながら全く伸びてないよ。それで、早速で悪いんだけど、ロキが待ってるから案内しよう。」

 

引き攣った笑いをしながらクレスに用件を伝えた。

 

「まてフィン、先にアイズに会わせたい。その後では駄目だろうか?」

 

フィンの言葉にリヴェリアが遮るように伝えた。

 

「ごめんリヴェリア、コレは主神命令だ。寧ろリヴェリアも来てくれ。それにアイズなら今ダンジョンに出かけてるよ。」

 

フィンはリヴェリアに諭すように答えた。

 

「それは分かったがフィン、すまないがアイズが帰ってきたらクレスには必ず合わせるつもりだが、構わないだろう?」

 

2人の会話を聞きアイズがまだ帰ってきてないことに多少安堵したクレスだった。

 

「多少安堵したようだが、会わせるからな?コレはロキに背いても行う。いいな?「イエスマム」」

 

リヴェリアの冷えた眼に、クレスは背筋が寒くなった。

 

「じゃ、じゃあとりあえず行こうか。」

 

室内に入っていった。

 

 

しかしそんなロキファミリア大幹部2人が、相手をしている見知らぬ男の姿を、他の団員が見ないわけがなく、ロキファミリアのホーム内はざわつき始めていた。

 

「誰だ?あの男」

「改宗しに来た冒険者かな?」

「団長とリヴェリアさんが2人で対応する程の冒険者って…」

 

「どうしたっすか?そんなに騒いで?」

 

団員達のそんなざわつきを聞いて、ロキファミリアの2軍の指揮を任せられた男、ラウルが話しかけてきた。

 

「ら、ラウルさん!今、リヴェリアさんが明らかにガタイのいい男の人連れてきたんすよ!それで団長もその人の対応してるんですよ!」

 

団員の説明で事情を理解したラウルは、少し考えて答えた。

 

「団長とリヴェリアさんが対応しなきゃならない程の相手かあ、てことはガレスさんも対応するって事っすよね。ま、まあ皆、団長達が対応してるって事は。もしかしたら、本当にただのお客さんかもしれないっすから、そんなに慌てる必要はないっすよ!」

 

内心、ラウルも動揺はしていたが下の団員が騒いでいたらもっと騒ぎになるかもしれないという状況を考えて。落ち着かせる事にした。

 

「さっきからうるせえぞ!おいラウル!コイツら黙らせろ!」

 

その声を聞いた瞬間ラウルはああ、やっぱりと心の中で嘆いた。

 

「なになにー?どうしたのー!」

 

ベートの起爆剤の様な叫びに、ティオネが反応して走ってきた。

 

「こら、ティオネ急にはしるんじゃないわよ!あら?みんなどうしたの?」

 

ティオナまでもが現れた。

 

「あー…」

 

ラウルはもう頭を抱えるしかなかった。

 

 

 

黄昏の館、主神の部屋

 

「おおー!久しぶりじゃの!クレス!お主全然衰えておらんのう!ガハハハ!」

 

ガレスが、クレスの背中をバンバン叩いて。

 

「ガレスも久しぶりだな。筋肉量増えたか?」

 

同じアタッカーだけあってお互いの体つきを見て久しぶりの再会を楽しんでいた。

 

 

「そんなの後でやれや!ちゅうか!うちの前で男の筋肉談義すんなや!暑苦しいっちゅうんじゃボケー!」

 

ロキの怒涛のツッコミがこだました。

 

フィンは引き攣った笑いをし、リヴェリアは溜息をつくしかなかった。

 

 

 

そんな中アイズは

 

「じゃが丸くん美味しい」

 

ダンジョンからの帰りでじゃが丸くんを美味しく食べていた。




久しぶりの話いかがでしたでしょうか?

まだアイズとの、再開ならず!

今回はほぼギャグの要素強めだった気もしますが。

次回はシリアスな感じに多分なると思いますので、デート・ア・ライブコラボイベしながら頑張って投稿しますのでよろしくお願いします。

ご感想、ご意見、ご質問等あればご自由にどうぞ

お気に入り&評価して頂いた皆様本当にありがとうございます。そして遅れて申し訳ありませんでした。

Ps.ゾンビアイズ欲しいなぅ


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