アトリエループ (ネルケは積みゲに流れてしまった)
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狼たちから村を守りましょう!
二周目


世界観はオリジナルだけど、正直なところ元ポストアポカリプスな世界であることくらいしか決めてない。
主人公は、勘が良くて器用だけどひらめき低いタイプ。


2周目 3

 

 いまいち自分でも整理できていないので、整理する意味も込めて日記をつける。

 前世での経験から、毎日ブログを書くと何もしていない日が減ることを知っているので、それも込みで書いてる。

 

 9年も生きておいて今更だが、前世のこととかTSしてることとか色々と書きたいことがある。けど、とりあえず今書くべきことは一つ。

 

 私は、死に戻り的な何かを経験している。

 ループとも言い換えてもいい。昔からSF小説とかによくあるそれだ。

 

 今日から一か月後に起こる"ウォルフ"という狼の大群による襲撃、私の村はそれで滅んでしまった。私が死んだのもその時だ。

 そして、起きたら(今日から見て)一ヶ月前に死んだ祖母の倉庫の中。ちょうど遺品を整理していた時の私に巻き戻っていた。

 

 ちなみに、一昨日ではなく今日から日記を書き始めたのは、何が起きていたのか全然わからず、目の前で食べられたお母さんが生きていたのを見かけて大泣きして抱き着いてしまったせいだ。年甲斐もなく(前世では成人していた)泣きついてしまい、恥ずかしい限りである。

 

 ループの理由に関しては、一つ推測がある。たぶん、この日記にはまっていた懐中時計のせいだと思う。

 ループ前の一ヶ月前、即ちループ前世界における三日前の私は、遺品の整理中にこの日記にはまっていた時計を外し、自分のものとして一か月間持ち歩き続けた。元日本人として、時間を認識できるツールが欲しかったからだ。この村には、時計と言ったら日時計しかないので、この時計は本当に貴重品だった。

 そして死に、意識が戻ったのはこの日記から時計を外した瞬間。ほぼ間違いなくこの時計が原因だろう。

 祖母は錬金術士だったらしいし、そんな不思議アイテムを持っていてもおかしくない。

 

 そう、錬金術士。

 この世界は、某アトリエシリーズの世界だ。栗がうにって呼ばれてたから間違いない。

 ゲームはユーディーとトトリしかやってない私には、この世界がどのシリーズかはわからないが、とにかくアトリエシリーズだ。錬金術士が人間を辞めている世界だ。

 

 私は、この錬金術でウォルフを撃退しようと思う。

 師匠はいないが、時間は一か月もある。爆弾であるフラム、もしくは最低でも初期爆弾アイテムであるクラフトあたりが量産できれば、ウォルフなんて敵じゃないはず。

 幼いころからこんな田舎の村なんて出ていきたいと思っていたけど、流石に故郷が滅ぶとなってはそんなわけにはいかない。

 

 今日から、錬金術士として勉強を始めることにした。

 

 ・メモ

 錬金術の鍋が見つからなかったので、どこからか調達しておきたい。

 重要なアイテムが作成できた時は、日記の最後のコマにメモしておくこと。

 最終日に、日記に書いたアイテム調合レシピをまとめなおすことで忘れないようにすること

 

 

 

 

2周目 4

 

 参考書がないので、今日は祖母の倉庫をお掃除した。

 色々と見つかった物があったので、以下にメモ。

 

・参考書4冊

・錬金術士の杖

・無事な器具(ミルクパン、乳鉢、トンカチ、ナイフ)

・なんとか使えそうな器具(ルーペ、羽ペン、ガスランプ)

・壊れた器具(ガラス器具、遠心分離機、天秤、かご)

・怪しい樽

・怪しい金属製の箱

 

 色々怪しいものが出てきた。

 他にも妙に保管状態がいい水色の布の塊とか(ミニチュアのテントみたいな感じ)、ピンクのガラス瓶に入った謎の薬品(絶対ヤバい)とかあったから、私には理解できそうにないものだったので倉庫の隅にあった棚に放り込んでおいた。未来の私、お願いします。

 

 不思議なことに、錬金術士にとって一番重要な、あの一般家庭には絶対ないサイズの鍋は無かった。壊れた形跡もない。ぐつぐつ煮るために薪とかもなかったので、ここでは錬金術はやっていなかったのかな?

 

 明日は、参考書を読んだら、もう一度鍋を探すつもり。床下とかは見てないから、もしかしたらそこにあるかも。

 なかったら……家からかっぱらおうか。

 

 あと、器具があるのでおそらくこの世界はアーランド系錬金術の世界ではないと思われる。

 

 

2周目 5

 

 参考書に目を通した感じ、どのアイテムも私には作れそうになかった。

 参考書にあったのは以下のアイテム。調合方法は不明。私には読み解けなかった。

 

 ・暗黒水

 ・プファイル像

 ・古代の仮面

 ・消えないフラム

 ・溶けないレヘルン

 ・恒久ドナーストーン

 ・永転地球儀

 ・無限メテオール

 ・うつろふ指輪

 ・七星円環

 ・竜の砂時計

 ・メルキシル剤

 

 明らかに高度すぎるアイテムばかり。

 暗黒水の参考書に関しては、おそらくユーディーに登場した参考書"ヘルミーナの日記"を清書したものだと思う。うつろふ指輪、七星円環、竜の砂時計も、グラムナートの参考書、もしくはそれに近い物だろうか。まあ、この六つに関しては、そこそこ高度なアイテムであると認識できるだけいい。

 問題は、無限に使える一般攻撃アイテムシリーズと、メルキシル剤。これらは、どれほど高度なアイテムなのかすらわからない。メルキシル剤は、名前からして案外エリキシル剤の安価版だったりするのかもしれないけど、それでもエリキシル剤の亜種という時点で難易度はお察し。

 こんなもの、初心者が調合できるわけがない。

 

 幸い、床下から中和剤のメモを見つけたので、明日はそれを使って調合する予定だ。ただ、中和剤だけしか調合できないなんてどうしようもないので、早急に新しい私にもわかる参考書を見つける必要がある。

 

 

 

 

 

2周目 6

 

 自宅から一番大きな鍋を持ってきて、調合をしてみた。

 作ったのは中和剤。メモに書かれていた材料は、粘土と水が1:1。

 ゲームではどんな材料でも良かった気がするけど、とりあえず村の端にあった粘土層っぽい地面から、粘土っぽい土と井戸水で試してみた。

 

 結論から言えば、成功した。ただ、目的のものはできなかった。

 

 できたのは、黄色い中和剤。グラムナートの中和剤はオレンジっぽい色だった筈なので、これは失敗だと思う。アーランド系錬金術でも中和剤は黄緑だったはずなので、これは失敗だ。

 

 2回調合してみたけど、結果は同じ。黄色い中和剤しかできなかった。

 爆発しなかったことだけは、不幸中の幸いだろう。

 

 あと、調合時のかき混ぜ棒として家の庭に落ちていた枝を使っているので、せめて武器として使えるものに交換したい。

 

 

 メモ

 

 中和剤 粘土:水 = 1:1 (ただし、ある程度量がないと作成できないらしい)

 

 

 

2周目 7

 

 朝から調合中和剤、結果は黄色。失敗だった。

 あの赤っぽいオレンジ色の中和剤を完成させるには、材料以前に何か足りない気がする。

 たぶん腕前、というか錬金術で材料と腕前以外に何が介在するかわからないので、腕前と仮説をたてるしかない。

 

 繰り返し調合したら、何か変わるかな?

 

 また、『全自動ウニ射出装置』なるアイテムのレシピが書かれたメモを発見した。

 一瞬、アトリエシリーズでおなじみの初期爆弾アイテム『クラフト』かと思ったが、クラフトはニューズ(棘のある木の実的なもの)の棘を飛ばすものなので、これとは違うものだと思う。

 そもそも、材料にあるうに袋って何?

 

 かき混ぜ棒をきちんと杖などの武器にしたら、もしくは何らかの武器を整えたら、近くの森でウニを調合のために拾いたい。

 剣みたいな刃物は私の年齢だと入手できないと思うので、なかなか武器の入手は難しい気がする。最悪の場合は、トトリではフライパンが武器になったので、台所からフライパンを拝借して武器にすることになるだろう。

 フライパンを武器にするって大丈夫だろうか。いくら何でも、武器としては心細すぎる。

 

 メモ

 全自動うに射出装置 

 うに袋:(金属):(火薬):(中和剤)=0.5:1:0.5:0.5(分量は中和剤を参考)

 

 

2周目 8

 

青ぷに強すぎ問題。

たしかトトリでは10歳の男の子がガチで戦ってなんとか勝てるくらいっていってたから覚悟はしてたけど、まさかこんなに強いとは思っていなかった。

 

まあ、十分な武器を持ち出せなかったからもあるとは思うけれど。

 

 昨晩、農具を武器にすることを考えたが、持ち出せないようにしっかり管理されていたので持ち出せなかった。

 ただ、スコップは持ち出せたのでそれを暫定的に武器にすることにする。私にとってはなかなか重たいので、もっと軽い武器に変えたい。

 

 問題であったうには、無事に手に入れることができた。

 個数は4個。拾った数は8個だったのだけれど、うち4つはぷにぷに(スライム系モンスター)に攻撃アイテムとして使ってしまった。

 他に拾ったものは、地面に落ちて潰れて乾燥したハチの巣、金属を含んでいるっぽい石ころ、トーン(ユーディーにおける魔法の草と呼ばれるであろうアイテム)を4つだった。

 今日はつかれたので、レシピの研究は明日にしたい。

 

 

 

 

2周目 9

 いま手元にあるレシピは、このあいだ挙げたものと中和剤と全自動うに射出装置だけ。

 物置の中をひっくり返してもこれ以上出てこないので、これだけでどうにかウォルフを撃退する必要がある。

 けれども、私が作れるのは中和剤だけ。なので、これらのレシピから、私が作れるアイテムのレシピを作り出す必要がある。

 ユーディーのアトリエで、レシピの改変(あれは素材アイテムの代替だったけど)ができたので、きちんと考えればできるはず。

 

 注目するべきなのは、無限使用系アイテムのなかでも初歩であろう『消えないフラム』『溶けないレヘルン』『恒久ドナーストーン』の三つ。これらのレシピには、フラムとレヘルンとドナーストーンのレシピに繋がるものが書かれてると推測できる。

 明日は、このレシピの解明に使う予定。

 

 で、今日何をしていたのかと言えば、新しいレシピ作成の前段階、レシピの改変ができることの証明だ。

 中和剤に使用しているアイテムを変えても、問題なく中和剤ができることを確認していた。

 

 実験の結果をメモにまとめるので、結論から。

 結論として、レシピの改変は成功だった。問題なくというわけではないけれど、中和剤は完成した。ただ、色とか少し気になることもあったので、それに関しては明日時間が余ったら研究することにする。

 

 メモ

 

 中和剤(青) 井戸水=2.5 (分量は元レシピを参考)

 中和剤(赤) 井戸水:石ころ=1:1

 中和剤(緑) 井戸水:トーン=1:1

 

 

 

 

2周目 10

じっくり参考書と向き合った結果、この参考書のレシピからレシピを作ることは不可能だとわかった。

 理由は簡単、無限使用アイテムの素材には元の使用アイテムが使われており、この参考書にはそれの無限化についてしか書かれていなかったからだ。

 爆弾系アイテムの作成時における注意事項とかはなんとなくわかったが、爆弾系アイテムの作成については何もわからなかった。

 

 中和剤に関しては、少し進展があった。

 グラムナートのレシピとは異なり、基本的に(水系アイテム)+何かで調合できるっぽい。

 また、同じ材料で製作した中和剤でも、熱を持ったり、仄かに光ったりするものがあったりすることがわかった。品質に関係しているのかと考えたけれど、どうやらそうでもないみたい。

 熱を持ってない中和剤は、総じて色別に別の性質を持ってた。赤は火がついたのでおそらく火薬か燃料、青と黄色は匂いからしてケミカル系、緑は~〜うん、食べれたので食材カテゴリだと思う。

 

 メモ

 

 中和剤(青) 水系アイテム=2.5

 中和剤(赤) 水系アイテム:鉱石=1:1

 中和剤(緑) 系アイテム水:植物=1:1

 

 特性

 中和剤(青)(黄) 毒 or 薬品

 中和剤(赤) 燃料 or 火薬

 中和剤(緑) 食材

 

 机の端に液体を置かないこと!

 青や赤、黄色だったら全身発火したり溶けたりしていたかもしれないので、本当に注意!

 

2周目 11

 赤の中和剤が火薬or燃料の性質を持つことがある、という昨日の結論から、スプレーみたいに霧状に噴射しながら火をつければ武器にならないかなと思ったが、そもそも霧状に飛ばす手段が思いつかなかったので断念した。とはいえ発想は悪くなさそうなのでここにメモしておく。

 

 クラフトもフラムも作り方わからないので、実質的に何もできない。

 やけになってうに一個と赤中和剤を入れて調合してみたけれど、燃えるうに(およそ30秒くらいで燃え尽きえる)なんて無駄アイテムしかできなかった。調合は失敗すると爆発するので、レシピもなしに適当にやって爆発しなかったのは奇跡かもしれない。

 残り20日ってことが見えてるせいか、焦りばっかりが胸を占めてる。

 辛いのでさっさと寝る。

 

 メモ

 嫌になって寝たので書き忘れたけれど、たぶん赤中和剤の特性は燃料だと思う

 

 

2週目 12

 なるようになれ、なんて投げ出せないのがつらいところ。

 とりあえず、全自動うに射出装置のレシピを書き換えて作ることにした。

 

 書き換えるにあたり、問題となっているのはうに袋だ。

 名前から考えるにうにを利用しているのはわかるが、袋とは何なのか。

 おそらく、うにの見た目をしたハリセンボン的なものなのだと思うが、これの代替材料をどうすればいいのか、考えるのが難しい。

 何も考えずにうにを入れてみていろいろ試行錯誤したところ、メッキ化されたうにや手のひらサイズの小型大砲からうにを打ち出すアイテムなどができたが、ちょっと火力や範囲攻撃に難がありそうなのでそこまで実用的ではなさそうだった。

 小型うに大砲に関しては多少使えそうな感じがするものの、鉱石をそのまま使うのでは砲身の硬度に問題があるのか、一発で壊れてうにもまっすぐ飛ばないという問題がある。

 鉱物をインゴットに一旦加工してから調合すれば実用に足りそうなので、インゴットを作れたら考えたい。

 

 根拠のある話ではないが、直感的に、全自動うに射出装置をつくるには、そのまま既存のアイテムを代替に使ったのではうまくいきそうにない気がする。

 なのでうに袋を作るか、うに袋の代わりとなる中間素材アイテムを新しく作ることを考えたい。

 明日はその辺かな。

 

 メモ

 小型うに大砲(失敗作) うに:(金属):(火薬):(中和剤)=0.5:1:0.5:0.5 ※(金属)を(武器素材)に変更することで改善できるかも

 うにメッキ(仮) うに:(金属):(火薬):(中和剤)=0.5:1:0.5:0.5

 

 

2週目 13

 うにメッキ意外と使える件。

 

 予定では中間素材アイテム研究をする気だったけど、うにとかの素材がなくなったので近くの森に取りに行った。

 前回の教訓を生かし、持っていく武器をスコップではなく、うにメッキを先端に刺した鍋かき混ぜ棒にした。つまりモーニングスター。

 うにメッキが意外と軽かったので、考えていたよりも使いやすかった。

 帰り道でウォルフに遭遇した時も、うにだと二発必要だったのに対し、うにメッキを投げたら一撃で倒せたので、攻撃アイテムとしては、うによりもかなり使えそうな気がする。

 

 集められたアイテムは、

 うに:8個 (拾った数は13個)

 トーン:9つ

 よくわからない赤い鉱石:3つ (見た目から考えるに、フラムの材料であるフロジストンではない)

 金属を含んだ石ころ:いっぱい

 蜂の巣:6つ

 

 もっと拾いたかったけれど、重さの関係でこれ以上は無理だった。

 工事現場の一輪車とかあればいいけれど、それを作ったりするのは難しそうだし、そんなものを造ったら流石に勝手に森に入っていることがばれてしまうので難しそう。

 これ以上拾うには、筋力強化アイテムか、アイテム転送アイテムが必要になりそう。

 

 

2週目 14

 うにメッキの火力がどうしてここまで高いのか、ちょっと仮説を立ててみた。

 可能性として考えられるのは、グラムナートのウニに近いものになっている可能性。

 グラムナートのウニは、植物のうにではなく、まったく同じ外見をした金属製のウニだ。品質などによって威力が変わって、究極のウニと呼ばれる最上級のウニに至ると、基本ストーリーのボスであるドラゴンを一撃で倒せるようになった記憶がある。

 推測だが、メッキ化により、うにとしての威力ではなく、ウニとしての威力が発揮されたのだと思う。

 後日、品質の異なるうにメッキを作って実験したい。

 

 うに袋の代替となる中間アイテムに関して、布にうにの針をくっつけるという形で作ってみた。仮名称はうにバッグ、材料はメモに書いておく。

 結果としては、これでは全自動うに射出装置は完成しなかった。

 完成したアイテムは、うにの外見をした風船。ちなみに直感だが、たぶん割ると爆発すると思う。

 暫定名称として、うにバルーンという名前を付けておく。

 思ったものはできなかったけど、割と爆発物としては使えるかもしれない。

 明日使って試したい。

 

 メモ

 うにバッグ うに:布(着れなくなった服を使用):中和剤(青)=1:2:1

 うにバルーン うにバッグ:(金属):(火薬):(中和剤)=1:2:2:1

 

 

2週目 15

 中和剤の黄色と青の特性がわかったので、以下に書く。

 

 中和剤(青) 水系アイテム=2.5

 中和剤(赤) 水系アイテム:(鉱石)=1:1

 中和剤(緑) 水系アイテム:(植物)=1:1

 中和剤(黄) 水系アイテム:(粘土)=1:1

 

 中和剤(青) 毒

 中和剤(黄) 薬品

 中和剤(赤) 燃料

 中和剤(緑) 食材

 

 で、ふと思ったことがある。

 このレシピを見るに、中和剤は材料の属性を抽出して付与していると考えられる。緑色は、植物の持つ植物としての側面を、青色は水というか、水の含む酸素の持つ毒物としての側面を、赤はたぶん熱量(溶岩)で、黄色は石油辺りだと思う。

 

 この中和剤の原理から考えられるのは、錬金術とは概念的な属性を抽出する技術であるということだ。

 まあ、この考察をしたからなんだという状況ではあるけれども。

 

 さて、昨日宣言したとおり、森でうにバルーンを試してきた。

 結論として、使い勝手としてはひと手間かかるクラフトといった使い勝手だった。

 遠くからうにバルーンにうにとかをぶつけて割る必要があるが、範囲攻撃は魅力的だった。

 生きているナワみたいに自動攻撃機能をつけられたらかなりいいものになると思う。

 

2週目 16

布団の中で、無限うにバルーンとかどうだろうと思って例のアイテム無限化の参考書を読んでいたところ、いいことを思いついた。

この参考書では爆弾系アイテムを取り扱う上での注意点などが触れられており、これを守らないと失敗して爆発してしまう。

この爆発は、爆発やその規模を抑える調合方法とかが書かれているので(こういうの書いておかないとフラム三個が目の前で爆発して重症、最悪の場合無限化された攻撃アイテムが無限に炸裂して死亡とかある)、万が一があっても特に怪我につながることはない。

つまりこれを工夫すれば、いい感じのタイミングでうにバルーンを爆発させたりできるのではないだろうか。

 

つまり、時限式爆弾、もしくは衝撃式爆弾化だ。

 

実験のための試作品として、不純物を可能な限り取り除いた金属(インゴットには程遠いレベル)を用意し、それを使って小型うに大砲を4つ試作してみた。それぞれに2つずつだ。狙いは安定しないし、見た感じ2発が限界な感じがするけど、実験にはこれで十分だろう。

 

流石に村で撃つとバレるので、明日森の中で撃ちに行きたい。

 

ついでに、ちょっと余った時間で例のモーニングスターを、ちゃんと枝とうにメッキが綺麗にくっついたモーニングスターにしておいた。

名前は特に考えていなかったので、ウーニングスター(仮)としておく。

 

 




全自動うに射出装置は公式アイテム(この名称も公式で出たもの)
これの正体知ってたらアトリエのやりすぎなのでネルケをやりましょう


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三周目-1

3周目 4

非常に死にたみが深いが、死んでも意味はないので日記を書く。

まあ、書かないと現実逃避してこのことを無意識に忘れそうであるという理由もあるが。

 

あの日、実験から帰ってくると村はウォルフに蹂躙されていた。

私の行動以外で未来が変わることはないので、これは私のせいだろう。おそらく、私が何度も森に入ったことでウォルフを刺激したか、私の匂いを追って村に気がついたかのどちらかが理由で襲撃が行われたと推測される。

両親を助けに自宅に向かうも、ウーニングスターは道中のウォルフを二体ほど倒した段階で破損、うにはすべて使い切り、うにバルーンは効果があったものの殲滅するには数が足りない。しかも何らかの手段で強化されてるのか、うにメッキでも一撃で倒しきれなかったので普通にアイテム切れに陥った。

 

最終的に、自宅に辿り着けず私は死んだ。

複数のウォルフに生きたまま踊り食いにされたので、本当に怖くて痛かった。一匹目に噛みつかれてから意識がなくなるまで5秒程だったけど、その5秒は一生夢に見る自信がある

 

今回のことで、森に入ると襲撃が早くなるかもしれないことが分かったので、森に入らないように攻撃アイテムを調達する手段を考えないとければ。

 

 

3周目 5

昨晩日記を書いたおかげか、精神的に少し安定できた。

 

村以外で採取ができそうな場所を探すため、村の周辺を回ってみた。

 

まず、村の北にある森。私が行っていた森だ。とても広くて、村の北側一帯と西側を覆っている。

私の家が村の北側にあるので、錬金術を習う前は、遊び場としてよく使っていた。

 

そこから、東に街道一本挟んであるのが花畑。別に花畑を作っているわけではないらしいんだけれど、観光資源として使える程度には広い。

花畑の位置関係上、村長の家や雑貨屋、宿屋など、村の主要施設はこの東側にまとまっている。

東南が施設、北西が住宅地といった感じだ。

 

真南に向かう街道が一本あって、そこから森の境までの間には草原が広がっている。昔は街道沿いに森があったらしいんだけれど、森から急にモンスターが現れて危険だからって、数年前に森を切り開いたらしい。

 

つまり、村には森と花畑以外は見事な程になにもない。

花畑も、花を植物素材として採取するくらいしかできないだろう。

草原ならトーンとかを採れるかもしれないが、可能な限り森を刺激したくないので、草原に行くことは避けたい。

 

明日は、村の中の施設を回ることにする。

 

 

 

3周目 6

今日は、村の中で手に入るものを確かめるために雑貨屋さんを覗きに行った。

年齢一桁な私にはお金などがなかったので前は見向きもしなかったが、森に行けない以上頼れる場所はここしかない。

品ぞろえはこんな感じだった。

・ハチの巣

・アイヒェ(木材の名前)

・青竹

・岩塩

・塩

・小麦粉

・はちみつ

・クロース(布)

・ゼッテル(紙)

・シャリオミルク

あまり良いラインナップではないが、意外と使えそうなものが揃っている。

どうにかして、このアイテムだけで爆弾をそろえなければならない。

それ以前に、お金という問題があるけれども。

 

ひとまず、今日は祖母の倉庫を掃除して、調合できる空間を整えた。

 

 

3周目 7

アトリエでおなじみの酒場でお仕事を受けることを考えたが、うちの村の酒場ではそんなサービスはしていなかった。

しかし、雑貨屋さんにダメもとで、岩塩を粉末の塩にしたり、ハチの巣からはちみつを抽出したりしたらお金くれたりしないかと言ってみたところ、はちみつに関しては良い返事がもらえた。

 

なんでも、ハチの巣ははちみつが売り切れたときくらいしか売れないから、できるだけハチの巣は加工してしまいたいらしい。

話を聞いているときは、なぜ全部加工しないのかと疑問に思ったが、直後に在庫として余った大量のハチの巣を見せられて納得せざるを得なかった。店番があるせいで、ハチの巣を採取できても、それを全て加工できるほどの時間を確保できないらしい。

 

こんなわけで、金銭に関しては多少は何とかなりそうな気がしてきた。

明日、道具とその使い方を教えてくれるそうだ。いや、錬金術で自作した方が品質もよくできそうな気がするのでそっちでしたいのだが。

とはいえ、祖母が錬金術士なのに母が錬金術の話を一切しない辺り何かありそうな気がするので、可能な限り錬金術が使えることを避けたい自分としては、雑貨屋さんの前で鍋を使うわけにはいかない。この狭い村、雑貨屋さんが誰かに私が錬金術を使えることを漏らせば、24時間以内には母の耳に届くだろう。

面倒だが、頑張ることにする。

 

メモ

お金を稼ぐ理由は、母にサプライズプレゼントをしたいからとしておいたので、誰かに聞かれたときのために忘れないように。

 

 

3周目 8

疲れた。明日書く。

 

 

3周目 9

ハチの生態に関して少しだけ詳しくなった二日間だった。

 

まずは昨日について。

昨日はハチについて教わり、実際にハチの巣を取りに行ってから分離させるまでを教わった。

一言にハチと言っても何種類かいるらしく、村の外れにある花畑で雑貨屋さんが飼っているハチは、穏やかで毒を持たない種類のハチなんだそうだ。

厚手の長袖を着て、花畑に設置された百葉箱のようなモノに入れられたハチの巣から、蜜の詰まった上の部分を切り取る。これを何度も行った。

ハチの巣は重かったので意外と重労働で、あっという間にヘトヘトになった。

私が疲れて休んでいる間に、雑貨屋さんは別の場所に設置してあった別の種類のハチの巣を取ってきており、完全に体力の差を感じることになった。もっとも、9歳と成人女性を比べるほうが間違っている気もするが。

取ってきたあとは、遠心分離機ではちみつを分離させた。これも思ったより重労働で、スプーンも満足に持てないくらい疲れてしまった。

仕事に関してはこれくらいだ。

 

昨日仕事を終えた時点でわかったのは、正直にそのまま働いたら身体がもたないということだった。

早速帰った私は、ちょっと無謀な試みを行った。それがこれである。

 

遠心分離機用携帯錬金鍋(仮) 中和剤(黄:薬持ち):中和剤(赤:燃料持ち):粘土=5:5:20

 

できはしたが、はっきり言って出来は非常に悪かった。というか、携帯という名前を振ったが、どう考えても携帯できない重さになってしまった。強度や耐熱性もイマイチっぽいので、何度も錬金術が行えるような鍋ではないだろう。正直、普通の鍋以下だ。土塊に近い。壊れたアイテム半歩手前といった風だ。

しかし、利用できるものではあるので、今日使ってみた。

 

今日は、雑貨屋さんに役割分担を申し出て、ハチの巣を取りに行く時間もはちみつ作りに使わせてもらった。

雑貨屋さんがハチの巣を取りに行っている間に、家から携帯錬金鍋を持ってきて、近くに隠して普通にはちみつ作り。雑貨屋さんがハチの巣取りから戻ってきて、その他色々やることを終えて、店番をしだしたことを確認してから、私は錬金鍋を使い始めた。

 

この錬金鍋は、遠心分離機用に作ったものだ。ピッタリとはいかないものの、いい感じに遠心分離機が鍋に収まるように作られている。

 

アトリエシリーズに登場したはちみつのレシピは忘れたが、ユーディーで利用できる機材に遠心分離機があったので、たぶんそれ+ハチの巣でできると思いやってみた。

器具を使った調合は初めてだったので、これ(鍋に遠心分離機を放り込む)で良いのか心配だったが、結果的に言えばなんとかなった。

 

錬金術を用いたおかげか、昨日よりも速く少ない力で作ることができた。

ただ、雑貨屋さんは特に何も言っていなかったものの、完成したはちみつは店売りのものよりも不純物がいくらか浮いており、品質があまり良くなかったので、レシピを改良する必要がある気がする。なんとなく改良案は想像がつくので、そこまでは苦労しないだろう。

 

ちなみに、携帯錬金鍋を持って帰る途中で割ってしまったので、この日記を書き終わったら、家を抜け出して材料を取りに行ってくる。おそらく、今夜は徹夜になると思う。

レシピ改良もそうだが、持ち運ぶ手段も考える必要がありそうだ。

 

メモ

はちみつ ハチの巣:? 要:遠心分離機

 

遠心分離機用携帯錬金鍋(仮) 中和剤(黄:薬品):中和剤(赤:燃料):粘土=5:5:20

(失敗作。レシピもそうだが、明らかに技量が大幅に足りていない)

 

 

3周目 10

はちみつのレシピを変えてみた。

レシピを変えてみたと言っても、足りないであろう材料に関しては予想できていたので、特に困ることはなかった。

 

はちみつ ハチの巣:中和剤=1:1

 

中和剤の分量に関しては改良の余地がある気がするが、ひとまず店売りレベルの品質は出せたのでよしとする。

驚くべきことに、遠心分離機は必要なかった。というか、ない方が早くできた。

私の使う錬金術は、機材を必要としない。倉庫に機材があったことを考えると、ここに少し違和感があるが、考察している時間はないので今はひとまず無視することにする。

 

雑貨屋さんは明日は休みだそうなので、その連絡ついでに御駄賃をくれた。

せっかくお金をくれたので、その一部でクロースと小麦粉を少し買っておいた。布素材と火薬素材は、うにバルーンの調合に必要だからだ。肝心のうにが手に入らないという問題があるけど。

 

買った内容にちょっと不審に思われたっぽいけど、秘密だと言っておいたら特に深く聞かれなかった。

 

明日は調合に一日使いたい。

 

メモ

はちみつ ハチの巣:中和剤=1:1

 

 

3周目 11

調合Dayな一日だった。

まず、うにがなくても爆弾が作れないか確認するために、うにバルーンのレシピを書き換えて調合してみた。

名前は、うにバルーン-うにということで、バルーンとしておく。

 

バルーン クロース:石ころ:小麦粉:(中和剤)=1:2:2:2

 

バルーンは、うにバルーンとは異なり破壊力を持っていなかった。

簡単に言えば、クラッカーみたいなものだ。音は出るけど殺傷力はない。

ただ、本当に音は凄かった。念の為、花畑の奥の方で鳴らして正解だった。バルーンからは少し離れたところで割ったにもかかわらず、驚きでひっくり返ってしまった程だ。

殺傷力は一切ないけれども、もうちょっと私の腕が良ければ、光らないスタングレネードみたいな使い方ができたと思う。石ころをマグネシウムみたいに燃えやすい金属とかにすれば、あるいは今の私の腕でも作れるかもしれない。フロジストン(発火成分を含んだ鉱石)とかあれば、いい感じのものがフロジストンがあるならフラムを作ったほうがいいや。

 

次に作ったのは、インゴット。

 

インゴット 石ころ:中和剤(赤:燃料)=1.5:1

 

はちみつのレシピを参考に作ってみた。中和剤が赤以外だとうまく純度を高められなかったので、たぶん中和剤というよりも燃料カテゴリのアイテムが必要なんだと思う。

これで、うに大砲がちゃんと作れるように。うにないけど。

 

ついでに、実験用にこれも作った。

 

試作小型大砲 インゴット:小麦粉:中和剤(赤:燃料)=1:0.5:0.5

 

飛ばすのは、うにじゃなくて金属の塊。

……武器としては、これでもいいんじゃないだろうか。砲弾が爆発物じゃないから、範囲攻撃できないけど。

今度作るときは、大砲型ではなく拳銃型に成形するといいかも。

小型うに大砲よりも重いので、持ってると疲れるのが難点。

 

ここまで書いて思ったけど、区切りのいいところで、単位の表記方法を是正したい。0.5が最低単位なのは見にくい。

ウォルフを倒すか、もしくは……うん、まあ、そういう事になったら変えよう。

 

メモ

バルーン クロース:石ころ:小麦粉:(中和剤)=1:2:2:2

インゴット 石ころ:中和剤(赤:燃料)=1.5:1

試作小型大砲 インゴット:小麦粉:中和剤(赤:燃料)=1:0.5:0.5

 

 

 

3周目 12

雑貨屋さんに、見覚えのないアイテムが置かれていた。

話を聞くと、なんでも昨日、行商の人が来てたらしい。

入荷して増えたアイテムは以下の通り。

・サシャの織物(在庫:15)

・アルファルの糧食(在庫:5)

・祝福のワイン(在庫:30)

・ビア(在庫:40)

・解毒剤(在庫:20)

・植物用栄養剤(在庫:5)

・研磨剤(在庫:10)

・ロウソク(在庫:100)

……酒屋かな?

まあ、この村には娯楽がないし、アルコールの需要が高いのは当たり前だろう。

解毒剤の用途は、酔い冷ましだろうな。

 

行商が次にくるのは、一ヶ月以上後になるそうだ。

 

ちなみに、閉店の時点でアルコールの類いは半分近く売れていた。

 

 

3周目 13

昨日アルコールが大量に売れた理由を娯楽が少ないからだと勘違いしていたが、どうやら微妙に違ったらしい。

なんでも、一昨日大きな音が花畑の奥の方から聞こえたらしく、村の男性が数人で調査に行っていたらしい。

 

一昨日、大きな音……

 

当然、原因はわからず村に戻ってくることになり、その人たちでヤケ酒を呷ったそうだ。

 

次からは、もっと村から離れた場所でやろうかと思う。

 

調合に関しては、試作小型大砲を試作拳銃にしただけで、特に進捗はない。

現状、試作拳銃が6回限りの使い捨てなので、使用回数回復アイテムとかがあると良いかもしれないとは思っているが、はたしてどうすれば作れるのか見当もつかない。

たしか、ユーディーやトトリにもそんなのなかったはずだしね。

 

祝福のワインとビアが売り切れそうな気がしたので、残りのお金をほとんど使って、それらとサシャの織物を買っておいた。

サシャの織物は、そのうち防具作りに使う予定。

 

 

3周目 14

雑貨屋さんのバイトと中和剤作りしかすることがないので、祖母の倉庫の大掃除をすることにした。

まあ、掃除と言っても、掃き掃除拭き掃除をして、場所を取っていたいらない道具や怪しいアイテムを倉庫にあった樽の中へ放り込んだり捨てたりして、参考書を金属ケースに詰めたくらいだけれども。

空いた棚には、だんだん増えてきて置き場所に困っていた中和剤を色別に並べておいた。

 

日記を書いていて今思ったが、アイヒェとインゴットでメイスでも作ると良いかもしれない。明日作ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3周目 15

樽の中身と金属ケースの中身、全部消えてなくなっちゃった



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三週目-2

二時間で樽の正体が見破られるとは……


3周目 15

樽の中身と金属ケースの中身、全部消えてなくなっちゃった。

わけが分からない。強盗でも入ったのかと思ったけど、この村にそんなことする人はいないし、そもそも樽の中身と金属ケースの中身だけ持っていく理由がわからない。

 

この二つ、何らかのマジックアイテムだったのだろうか。

トトリやユーディーに、樽や金属容器のマジックアイテムなんてあっただろうか。

 

不幸中の幸いなのは、犠牲になったのは使い道のない器具類と謎のアイテム、参考書だけなので調合に影響はないことだろうか。

色々実験したいが、残り15日しかないので後回しになるかも。

 

今日は、インゴットを量産していた。

武器を作るにも、試作拳銃を作るにも、インゴットは必要だ。

今手元にあるアイテムで、まともに攻撃アイテムとして使えそうなのが試作拳銃くらいしかないので、余裕があるうちに量産しておかないと。

 

 

3周目 16

拳銃以外の攻撃アイテムを考えていたけれど、いい感じのものは思いつかなかった。

現状、攻撃アイテムはウォルフを一撃で倒せる威力を出せることが最低条件だが、なかなかそんなアイテムは思い付けない。

持ち運びや取り回しを意識しなければなくはないが、そんなものを作っても役に立たないだろう。拳銃よりも少し下程度の威力が、正確には小型うに大砲の威力を持ち、かつ軽く使いやすい武器何てなかなかない。

理想を言えば範囲攻撃アイテムだが、材料のフロジストンがない以上、考えるのも無駄だ。

 

うにがほしい。

正確には、うにバルーンが欲しい。

範囲攻撃アイテムが欲しい。

 

解ってはいるのだ。拳銃は火力があるけど単体攻撃で、かつ取り回しが悪いから複数の相手と戦うには不向きだって。

けれども、今の私にはこれ以外のアイテムは作れない。このまま戦えば負けるしかないのはわかっていても、この役に立つかもわからないアイテムを作るしかない。

 

クラフトもフラムも、レシピも素材もない以上作れない。

何もできない。私は無力だ。

 

なんかダウナーな感じなのでもう寝る。

 

 

 

3周目 17

昨日はどうかしていた。

どうにもならないことはどうにもならないのだから、考えなければよかったのに。

 

心機一転、今日は回復アイテムに関して考えていた。

使う余裕があるかはわからないが、作っておいて損はないだろう。

 

とはいえ、レシピがあるない以前に薬品アイテムの作り方なんてさっぱりなので、どうすればいいか考えるだけで自由時間のほとんどを潰してしまった。

候補として考えたのは、食品系アイテムだ。トトリではパイが、ユーディーではアイスクリームやパンが回復アイテムになったことを覚えていたので、これをいい感じに調合できないかインゴットを調合しながら考えていた。

 

パイはちょっと作ったことがなかったし、アイスはちょっと保存の問題があるので、作るとしたらパンだろう。

パンの材料は、最低限だけ考えれば小麦粉と水で済む。イースト菌とかが気になるが、たしか発酵に必要なだけだった気がするので、錬金術ならなくてもどうにかなる。もし無理なら、酵母が入ってるはずのビールかワイン辺りをちょっと入れればいいはず。

ユーディーには酵母なんてアイテムなかったはずなので、なくてもできるとは思うけどね。

 

拳銃を作るにも小麦粉が必要なので、お給料日には買い込んでおこう。

 

書いてて思ったけど、拳銃を作るのに小麦粉が必要ってすごい言葉だ。

 

 

3周目 18

雑貨屋さんが21日をお休みにすると聞いたので、20日時点で仕事を辞めさせてほしいと言っておいた。

だいぶ身勝手な話で申し訳ないが、ウォルフが来るまで残り10日なのだ。残り10日は、時間をアイテムの量産に使いたいので許してほしい。流石に、2度もアイテム不足で死にたくない。

 

辞める代わりに、いつも調合に使っている時間をすべて使ってはちみつを調合しておいた。

残りの量的に、明日の雑貨屋さんが取ってくるハチの巣の数が急に増えたりしない限り、明日もっと頑張れば全てのハチの巣を調合しきれるはずだ。

 

 

 

3周目 19

錬金術を使えることは、雑貨屋さんにはバレていたらしい。

一応、黙ってもらうことを約束してもらったが、ちょっとまずいかもしれない。

 

はちみつは全部作り終わった。

もともと、倉庫に貯まったハチの巣をはちみつにするために雇ってもらっていたので、ここまですればそこまで迷惑にならないはずだ。

全部やってくれたお礼に何かくれると言っていたので、ちょっと楽しみ。

 

 

3周目 20

今日はちょっと色々あったので疲れた。

でも、すごく良いことだったので、この興奮が冷めぬうちに日記を書いてしまおうと思う。

 

まず、雑貨屋さんから参考書をもらえた。

参考書の名前は、『ケントニス見聞録・第三版』。中身は以下の五つ。

 

フラム フロジストン:(火薬):(中和剤)=1:0.5:0.5 要:乳鉢

N/A (爆弾):フロジストン:アードラの寝床:不死鳥のおっぽ=1:1:0.5:0.5

生きてるナワ トーン:ぷにぷに玉=1:0.5

奇跡の杯 インゴット:グラヴィールベル:暗黒水:(宝石)=0.5:0.5:0.5:1

ネクタル 祝福のワイン:ひとくちだんご:(神秘)=1:0.5:0.5 要:ガラス器具

 

待望だったフラムが書かれた参考書だった。

フロジストンがないので調合はできないが、それでも作り方がわかったのは大きな収穫。雑貨屋さんには足を向けて眠れない。

 

そして、それ以上に驚かされたのは金属ケースの方だった。

雑貨屋さんのところから帰ってきた後、ふと金属ケースの方を見てみると、手紙と複数のレシピが入ってたのだ。

入っていたレシピはこんな感じ。

 

フラム カーエン石:(火薬):(燃料)=1:1:0.5

うに袋 うに:(火薬):(鉱石)=1:0.5:0.5

レヘルン ハクレイ石;(水):(中和剤)=1:1:0.5

医者いらず (植物):(水):(紙)=1:1:0.5

エルトナ軟膏 (水):医者いらず:自然鉱物油:(植物類)=1:0.5:0.5:0.5

 

別レシピのフラムや、謎だったうに袋、考えていた回復アイテムの調合に関するレシピだった。

手紙には、珍しい参考書をありがとう、お返しに自分の持ってるレシピを送りますといった内容が書かれていた。

カーエン石やハクレイ石が何なのかわからないのでフラムとレルヘンは作れないが、本当にありがたかった。

金属ケースの正体は、トラベルゲートか何かを利用した転移装置か何かなんだろうと思う。

レシピを送ってくれた人はフィリスという人のようで、そのうちお返しの手紙と『ケントニス見聞録・第三版』を金属ケースに入れておこう。

 

一気にレシピが増えたので、明日は森に入ってウニなどの材料を拾いに行きたい。一回二回なら、安全に戻ってこれるはず。

雑貨屋さんに手伝ってもらえないか頼んだところ、27日目に位置する日ならいいと言われたので、明日一通りの材料を拾って、27日に集める材料を決めるつもり。

 

メモ

フラムA フロジストン:(火薬):(中和剤)=1:0.5:0.5 要:乳鉢

フラムB カーエン石:(火薬):(燃料)=1:1:0.5

N/A (爆弾):フロジストン:アードラの寝床:不死鳥のおっぽ=1:1:0.5:0.5

生きてるナワ トーン:ぷにぷに玉=1:0.5

奇跡の杯 インゴット:グラヴィールベル:暗黒水:(宝石)=0.5:0.5:0.5:1

ネクタル 祝福のワイン:ひとくちだんご:(神秘)=1:0.5:0.5 要:ガラス器具

うに袋 うに:(火薬):(鉱石)=1:0.5:0.5

レヘルン ハクレイ石;(水):(中和剤)=1:1:0.5

医者いらず (植物):(水):(紙)=1:1:0.5

エルトナ軟膏 (水):医者いらず:自然鉱物油:(植物類)=1:0.5:0.5:0.5

 

 

3周目 21

うに 17個

トーン 2個

赤い鉱石 2個

ぷにぷに玉 6個

 

拳銃1個と2発分

 

疲れたので、調合は明日する。

 

 

3周目 22

全自動うに射出装置の正体は、クラフトだった。

 

また、今までうに袋はうにの姿をした袋だと思っていたが、そうではなくうにが入った袋のことだった。

錬金術でイイ感じにうにを袋の中に入れたものが、うに袋というアイテムだった。ただ、単純に袋の中にうにを入れたものではないみたいだ。

試しに、錬金釜の中ではなく普通に手で袋の中にうにを入れたものでクラフトを調合しようとしてみたところ、うまくいかずうにメッキになってしまった。

 

ついでに、生きているナワの調合も行った。

参考書通りに作ってみたところは、今までの調合とは少し毛色が異なる手法であったため、一度失敗してしまった。

二回目は成功したものの、品質はいい感じにものができたが、ほかの調合と違って少し体力ではない何かが消費された感じがして少し疲れた。

『ケントニス見聞録・第三版』のレシピは、今までとは色々違いすぎるので、注意した方がいいかもしれない。

 

 

3周目 23

朝、花畑から花を、雑貨屋さんでゼッテルを買ってきた。医者いらずを作るためだ。

 

医者いらずは、回復系の調合アイテム。

作った感じそこまで効果があるようには思えなかったけれど、私みたいな子供が使うには十分そうなアイテムだった。

 

残った時間は、生きているナワと拳銃の調合に。

これは勘だが、生きているナワの調合には、MP的なものが消費されているのだと思う。

 

何というか、『ケントニス見聞録・第三版』のレシピは、他とは錬金術としての体系が微妙に異なる気がする。

そこまで大きな差ではないが、細かなやり方が色々と異なる。あと、いろいろ細かい。

他のレシピの調合方法で行いそうになるので、慣れるまではすごく大変だ。

 

 

3周目 24

色々考えたが、最終的にクラフトを量産することにした。

うにバルーンとどちらにするか悩んだが、設置して爆破するという使い方ができない代わりに、うにバルーンよりもコスパがいいのでクラフトを選んだ。

残ったインゴッドを全部拳銃にしたら、本格的にクラフトの量産に移ろうと思う。

 

というわけで、今日やったのは、昨日に引き続き生きているナワと拳銃の調合。

明日にはインゴットもぷにぷに玉も使いきれそうなので、明後日からはクラフトの量産をすることになる。

27日に採取に行くことを考えると、うにの残量的にもちょうどいい感じだろう。

 

 

3周目 25

ちょっと思うところがあったので、最後のインゴットは拳銃ではなく武器の作成に使うことにした。

作ったのは、ウーニングスター。前作った時よりも錬金術の腕が上がっているので、もっと軽くて重心が安定したものが作れた。頑丈さも前より上なので、これで前みたいに武器が壊れるなんてことはそうそうないだろう。

アイテムは量産するつもりだけれど、無限じゃない。仮にアイテムが足りたとしても、自分のすぐそばではクラフトも使えないし、接近戦の備えはしておいても損はないはず。

 

 

3周目 26

うにをすべてクラフトにした後、時間ができてしまったので赤い鉱石に関してちょっと調べてみた。

結論を言うと、この鉱石は鉱石というよりも水晶に近いものっぽい。錬金術でうまく加工すれば、宝石みたいな感じにできると思う。

ウォルフを倒したら、これを使ってアクセサリーとかを作ってもいいかもしれない。レシピがないからすぐにはできないだろうけどね。

 

 

3周目 27

予定通り、雑貨屋さんと一緒に森に行った。

目的はうに。今の私には、それ以外は眼中にない。

 

荷物を持ってもらったり、モンスターと一緒に戦ったり、雑貨屋さんに色々と手伝ってもらったおかげで、30個以上のうにが集まった。

これだけ集めれば、うにが足りなくなるということはないだろう。

 

それにしても、本当に雑貨屋さんにはお世話になりっぱなしだ。

どうしてここまで手助けしてくれたのか気になって聞いてみたところ、私の祖母にとてもお世話になったからだと言っていた。

まあ、錬金術士だから期待しているというのもあるとか言っていたので、本音の部分はそこだろう。いろいろな商品を扱う雑貨屋は、錬金術で作ったアイテムを取り扱うのに適している。雑貨屋さん的には、もしかしたら私のアイテムで商売をすることを考えているのかもしれない。

 

ちなみに、雑貨屋さんの武器は剣と弓とナイフだった。狩人っぽいので試しに聞いてみたら、若い頃はホントに狩人をしていたらしい。

 

 

3周目 28

ぶっちゃけ書くことがない。

というか、今日から三十一日目まで、クラフトの量産以外のことをする気がないので、本当に書くことがない。

クラフト以外に何か調合することになったとしても、医者いらずくらいだろう。

 

できれば当日までに防具とかを作りたかったけど、クラフトの量産の方が先だ。

錬金術師としては、防具よりも攻撃アイテムの方が重要だ。布製品で作れる防具なんてたかが知れてる。将来的にならともかく、今の私にはウォルフの爪や牙が刺さらない服を作るのは難しいっていうのもあるしね。

 

 

3周目 29

イイ感じにコツを掴めたおかげか、レシピよりちょっと多めに使えるクラフトを作れるようになった。

そろそろ決戦だ。体調を整えるためにも、そろそろ夜更かしはしないようにしないと。

 

 

3周目 30

うに袋なんてあるんだし、クラフト袋とかもいいかもしれない。

そんなことを、調合中に考えてしまった。クラフトを作る以外のことをほとんどしていないせいか、精神的に疲れているのかもしれない。

 

 

3周目 31

いよいよ明日。ウォルフが来る。

攻撃アイテムはそろえた。回復アイテムも多少はある。防具はないけれど、武器は整えた。

 

私ができることは全部した。あとは、明日の私が頑張るだけだ。

 

作ったアイテムのレシピを覚えなおすため、一通り日記に書いておくつもりだったけど、睡眠不足になりたくないからもう寝る。

 

明日で決まる。

おやすみなさい。



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村に広がる病気を根絶しよう!
3週目


この手のものは、アトリエでは出してはいけない気がする。


6月1日

勝った!

色々と予定外のことはあったけれど、無事に勝てた。

本当にフィリスさんには頭が上がらない。

 

雑貨屋さんにも本当に感謝感激だ。

最後に出てきたウォルフのボスであるヤクトウォルフなんて、あの人がいなかったら間違いなく勝てなかった。

私の作った拳銃片手にウォルフの群れの中を突っ切って、ヤクトウォルフに跳びかかりそのまま組み付くとかあの人以外にできないと思う。

たぶん、村の被害とか一切気にしなかったら、雑貨屋さんにウォルフの襲撃日を教えてそれを何とか信用させることができれば、村が滅んだりしなかったと思う。

狩人ってすごい。初めて触った拳銃をあんなにうまく使ったり、すれ違いざまにウォルフの片足斬り飛ばすとか私には何年たってもできない自信がある。

 

森の中に何匹かはいるかもしれないけれど、村の有志で山狩りをするとか言っていたので、とりあえずウォルフの襲撃はもうないだろう。

 

怪我人はいっぱいいるし、私自身何箇所か噛まれたけれど、死者はなし! ゼロ人!

 

本当に勝ててよかった!

 

 

6月2日

怪我の少ない人達が山狩りに向かった。帰ってくるのは4日の予定らしい。

 

その間、私は薬の調合を任されることになった。

死者はいないけれど、けが人はいっぱいいる。

中には腕を噛みちぎられた人もいて、診療所はいっぱいいっぱい。村でストックしてあった薬はもうなくて、行商人が来るのもひと月近く先みたいだから、私が薬を作らないと遠からず死者が出そうな雰囲気がしている。

 

とにかくひたすら医者いらずの量産だ。

材料の採取は残った村の人がやってくれるので、私は調合に専念することができた。

退屈だけれど、これを何日も続ければ錬金術の腕はめきめき上がると思う。

 

寝る前に、フィリスさんのへのお礼を送っておいた。

金属ケースがちゃんとフィリスさんに届けてくれるかわからないけれど、届くことを祈ろう。

 

あとは、お母さんのことも色々考えないといけなさそう。

当然のことながら、お母さんに錬金術が使えることがばれてしまった。村がこんな状態だから私が錬金術をすることに反対はしてないけれど、なんだかちょっぴり口数が減ってた。

心の中では、ずっと反対してるんだと思う。

 

心が苦しい。

ここひと月よりかはそこまで苦しくないけれど。

 

 

6月3日

今日初めて診療所に顔を出してみたけれど、本当に酷かった。

野戦病院ってこんな感じなんだろうなって光景だった。

薬を作ったからか、みんな私にありがとうって言ってくれたけれど、言われた身としては心が辛かった。

クラフトばっかりじゃなくて、もっと薬を作っておくべきだった。

 

雑貨屋さんにはあんまり気にしないほうがいいと言われたけれど、気にせずにはいられない。

 

忘れるために調合のことで頭をいっぱいにしたおかげか、同じ材料で作れる量がちょっぴり増えた。

 

 

6月4日

山狩りの人たちが帰ってきた。

これで、今回の一件は完全に終わりになる。

あとは、私が薬を作るだけだ。

 

お母さんが薬のお礼に食材をもらったみたいで、今晩の夕食は少し豪華だった。

でも、私とお母さんの間の雰囲気がおかしいことにお兄ちゃんたちも気が付いたようだったので、食事は静かで、あまりおいしいと思えなかった。

 

 

6月5日

 

フィリスさんから、いくつかレシピが届いた。

 

汎用触媒

・花 : 1

・プニプニ玉 : 1

・(中和剤) : 1

 

蒸留水

・(水) : 3

・(燃料) : 1

・(布) : 1

 

エルトナ軟膏

・医者いらず : 1

・自然鉱物油 : 1

・(水) : 2

・(植物類) : 1

 

ドナーストーン

・ライデン鉱 : 2

・(粘土) : 2

・(中和剤) : 1

 

送った参考書は『イルちゃん』という人に間違って届いてしまったらしいが、知り合いだったそうなので無事にフィリスさんに届いたらしい。

お礼に送った参考書に返礼が届くなんて、少し複雑な気分だ。

今度時間ができたら、私のレシピを送りたいな。

今回もらえたアイテムので気になったのは、エルトナ軟膏というアイテム。

材料から考えて、医者いらずよりも効き目の強いアイテムなんだと思う。

ただ、調合時間がかなりかかりそうで、エルトナ軟膏だけでも丸一日近く必要な気がする。

診療所の人と相談してから、これを調合するべきか判断する必要がありそう。

 

 

6月6日

朝、居間で爆発音がして目が覚めることになった。

行ってみると、大きな調合用の鍋があって、そのそばでお母さんが震えながら泣いてたから、たぶんお母さんが錬金術を行おうとして調合に失敗したんだと思う。

やっぱりというべきか、お母さんは錬金術士だった。近くにレシピと思われるメモがあったので間違いない。

 

でも、あんな簡単なアイテムを失敗するって逆に難しいような。

なにか錬金術をしない理由がある気がする。

 

エルトナ軟膏に関しては、診療所の人から至急作ってほしいと言われた。

怪我の酷い人たちが、医者いらずではもう限界らしい。

さっき完成したので、これを書き終わったら渡しに行こう

 

メモ

お母さんが調合しようとしたアイテム

 

ほうれんそう

・魔法の草 : 2

・中和剤 : 1

 

 

6月7日

今日は医者いらずを調合。

昨日のエルトナ軟膏はだいぶ良く効いたみたいで、あとは今日調合した医者いらずで十分みたい。

本当に医者泣かせのアイテムだねって笑って言ってたので、笑えるだけの状況には回復できたんだと思う。

 

問題はお母さんだ。

昨日のあれから、なんだか痛々しく笑うようになった。

表面上は前より良くなったけど、あれはかなり危ない兆候な気がする。

 

お兄ちゃんたちに相談しても役に立たなかったので、明日時間を作って雑貨屋さんに相談に行こう。

 

 

6月8日

保管していた医者いらずの数が減った気がする。

昨晩寝ぼけて納品にでも行ったのかもしれないと思ったけれど、診療所の人には違うと言われたので違うみたい。

昨日納品に持っていく途中で落としたのかな?

もしかしたら、今日作ったエルトナ軟膏の材料比を間違えたのかも。

 

雑貨屋さんにお母さんのことを相談に行ったら、どうにもならないから時間で解決を待つように言われた。

雑貨屋さんは、お母さんが錬金術を嫌う理由を何か知っているのかも。

事情を知る人がそういう以上、仕方がないので時間で解決することを待つことにした。

 

あと、お母さんに全く関係ないけど気になることが一つ。

雑貨屋さんに行ったとき、陳列してあったはちみつのうちいくつかに、なんだか変な印象を感じた。

気になって倉庫の方を見せてもらうと、倉庫のハチの巣からその感覚を強く感じた。

別に見た目には何の違いもないんだけれど、絶対何かおかしい気がする。

雑貨屋さんにそのことを言ったら、ハチの巣採取についていくことになった。お給料も出してくれるらしい。

 

別に嘘は言ってないんだけれど、なんだかマッチポンプを起こした気分……

 

 

6月9日

朝から体の調子が良かった。

持っていたエルトナ軟膏の数が減っていたので、たぶん寝ぼけて使ったんだと思う。何してるんだ私。

 

雑貨屋さんとハチの巣を見に行ったら、明らかに蜂たちの様子がおかしかった。

前に行ったときは特に何の問題もなくハチの巣を採取できたけれど、今回はすごい蜂に攻撃された。

特に毒針とかは持たない品種だったので怪我とかはしなかったけれど、明らかに様子がおかしい。

 

蜂は北側の巣ほど攻撃的な傾向があったので、たぶん原因は北側にあるんだと思うけど……

 

それにしても何だろう、このハチの巣の変な感じ。

今日取ったハチの巣から作ったはちみつをなめてみたところ、ちょっと前のより甘かった。間違いなく何かが起きてる。

何か嫌な感じだ。

 

 

6月10日

また減っていた。これ以上寝ぼけて使われるとたまったもんじゃないので、さっき祖母の倉庫の方にエルトナ軟膏を置いてきた。流石に違う建物においておけば、寝ぼけて使うなんてことはないはず。

 

診療所から、軽症だった患者が急に具合が悪くなったと連絡を受けたので、昨日帰ってきて調合した医者いらずの一部を置いてきた。

うーん、本当に何となくだけど、いやな予感がする。

こういう予感って当たったことあんまりないけど、ほんとになんだかおかしな感じがするので注意した方がいいかもしれない。

とりあえず、エルトナ軟膏を調合しておいた。

 

 

6月11日

寝起きが絶不調だったけど、家を出て祖母の倉庫に向かううちにスッと元気になった。

やっぱり、無意識のうちに家の中を息苦しく感じているんだろうか。

たしかに、何も悩まずにいられる調合作業は気分が楽だけど、家族と一緒にいるより気が楽だと思っていると考えたくない。

 

ちなみに、エルトナ軟膏は何故か減っていた。

時間経過で数が減る性質でもあるんだろうか。もしそうなら、昨日と一昨日は寝ぼけてたわけじゃないということになる。

ひとまず、昨日調合したエルトナ軟膏を玄関の外に、この間調合したエルトナ軟膏を鍋の近くに置いておいて、様子を見ることにした。一律で環境に関係なく減るのか、特定の条件を満たすと減るのか、これで仮説は立てられるはず。

 

雑貨屋さんの方に顔を出すと、雑貨屋さんの調子が悪そうだったので医者いらずを分けてあげた。

使ったとたんに元気になったので、本当に名前に違わず医者いらずだと思う。

 

ハチの巣変質問題は、一向に解決の糸口がつかめない。

雑貨屋さん曰く、朝様子を見に行ったところ様子のおかしいハチの巣が増えていたらしい。

雑貨屋さんにとって蜂は商売道具なので、一刻も早く解決したいと息巻いていた。私としても早く解決したい。雑貨屋さんへの恩義もあるけど、甘味料はこの村では貴重だから一刻も早く解決したい。

 

明後日に北東から森に入る約束をしたので、明日は攻撃アイテムを調合する。

 

 

6月12日

朝はやっぱり調子が悪かった。

家を出て少ししたら気分がよくなったので、やっぱり私は家に居たくないと考えているみたい。

倉庫入る前、入り口のエルトナ軟膏を確認したら量が減っていた。

でも、鍋の近くに置いておいたエルトナ軟膏は減っていなかった。特定の環境で量が減るっぽい。

 

よく考えたら、クラフトは余ってないけど拳銃がいっぱい余っていたので、今日は回復アイテムを調合した。

医者いらずの調合にも慣れたもので、前よりも少し多めに調合できるようになった気がする。

 

 

6月13日

予定では今日森の調査に向かう予定だったけれど、二人して体調を崩したので延期になった。

なんというか、全身がすごくだるいというのもあるけど、高熱でも出しているのか意識がぼーっとするのだ。

雑貨屋さんも同じ症状だったので、たぶん同じ風邪を引いたんだと思う。

 

結局、夜になってもよくならなかったのでエルトナ軟膏を使ってしまった。

 

 

6月14日

朝、雑貨屋さんのところに行ったら、目を血走らせた雑貨屋さんにナイフ片手に襲われた。

すごくホラーだった。バイオハザードでゾンビに襲われる人の気持ちが少しわかった気がする。

咄嗟にエルトナ軟膏を使ったところ落ち着いたので、たぶん昨日の風で頭がおかしくなったのが原因だと思う。雑貨屋さんに話を聞いたところ、私に襲われる幻覚を見たらしい。

 

いや、襲われたのはこっちなんですけど。

 

それにしても今更だけど、軟膏で風邪が治るってすごいと思う。今更だけど。

 

ひとまず、元気になったので森へ行くことにした。

ただ、森を日帰りできる範囲で一通り見て回った感じ、特に何かがあったりはしなかった。

雑貨屋さんは、ちょっと動物が少ない気がするとか言っていたけれど、たぶんウォルフの影響だということになった。

 

ハチの巣は相変わらず異常のまま。それから作ったはちみつもなんか変なまま。

結局原因はわからなかった。

 

なんだろう、はちみつに関しては何となく喉元まで出かかってる感じがする。

濃縮は違うし、変質……とは何か違う。なんていえばいいか……汚染?



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四週目-1

ヴィオラートのアトリエ〜グラムナートの錬金術士2〜を購入
pspが壊れるのが先か、ヴィオラートの全クリが先か、非常に楽しみ


4周目 1

死因がわからない。

いつの間に死んだんだろう。

 

日記を書いて寝て、気がついたらいつもの祖母の倉庫。

たぶん、寝てる間に死んだか殺されたんだと思うんだけど、さっぱり原因が特定できない。

 

ちょっと整理するために日記に書き出してみる。

 

まず、死因を他殺とそれ以外で分ける。

何で分けるのかというと、他殺とそれ以外で今後取るべき行動が大きく変わると思うから。

 

 

・他殺と仮定した場合

誰かに殺されたのだとしたら、痛みを感じることなく殺されたことから考えて、殺害方法はおそらく以下の三つのうちどれか。

 

1.毒物で眠るように殺害

2.鈍器等での頭部の破壊

3.爆発物で私を瞬時に消し飛ばす

 

爆発物は、この村には私のクラフトしかなかったので除外できるから、1か2のどちらかに絞れる。

そして、人間の頭を一撃で破壊できるような鈍器を使える人間は、雑貨屋さんくらいしか──いや、雑貨屋さんはショートソードとか弓とかを使う軽戦士だからそれは多分ない。できなくはないだろうけど、あまりにも非効率すぎる。

そもそも、鈍器で撲殺という手法自体が非効率な気がしてきた。トンカチくらいの小さな鈍器だと、声を上げさせることなく殺せるか不安が残る。頭部を粉砕できるような鈍器で殺すにしても、それを持って家に押し入るのはあまりに目立つ。外傷による殺害を目指した場合、刃物で喉を潰してから心臓を一突きとかのほうが殺し方としてはスマートな気がする。想像でしかないけど。

残るは毒殺だけど、昨日口にしたものはお昼のお弁当含めて全部自宅で用意したものなので、お母さんが毒を盛ったとかでもない限りありえない。

そして、お母さんが私を殺す動機がないから、他殺は考えられない。

 

そうだ動機、動機がない。

この小さな村では、殺害という行為はあまりにリスクが高すぎる。そのリスクを上回る動機、果たしてそこまで恨まれるような事をしただろうか。

 

やっぱり他殺の可能性は低そう。

 

 

・他殺以外による死亡要因

他殺以外で考えられる死因は、風邪や病気、モンスターの襲撃。

夜中とはいえ、モンスターの襲撃があったら流石に起きるので、モンスターの襲撃は可能性から除外できる。

そう考えると、残る原因は病気。

……実は、ちょっと心当たりがある。

死ぬ直前に雑貨屋さんで貰ったはちみつを観察していたとき、はちみつから汚染されているという感覚を受けた。

劣化しているとか、低品質とかではなく、汚染。あくまで私の直感でしかないから証拠は一切ないけど、もし私の感覚通り何かに汚染されていたのだとしたら、はちみつ以外の汚染されたものを食べて私の身体が汚染されていたのかもしれない。

汚染……なんとなくとはいえ、何かに汚染されてるような気がするという感覚は、そんな簡単に感じるようなものじゃない。あのはちみつに何かがあるというのは間違いないと思う。

 

とりあえず、原因がはっきりするまでは、病気であると仮定して行動することにする。

 

 

 

4周目 2

今日は採取に向かうことにした。

行先は花畑。ウォルフ対策に医者いらずを作るため、花が欲しかったからだ。

前の時の診療所みたいな光景を作らないためにも、医者いらずとエルトナ軟膏の量産をしておきたい。

 

ついでにトーンも拾っておいた。

別に森に入ったわけじゃない。ループ直前に森に入った際、花畑と北側の森の境にある道の端にトーンを見つけたから、それを摘んできた。

エルトナ軟膏は、あと鉱物油を村の中で採取すれば作れるので、明日の朝に採取してくる予定。

 

それにしても、前はそれどころじゃなかったから全然気にしてなかったけど、村の中で自然鉱物油が採取できる環境ってどうなってるんだろう。村の下に鉱脈でも眠ってるのかな。

 

 

4周目 3

花畑が随分と不思議すぎると思う。

昨日、大量に花を採取したところに行ったら、花が前と同じ状態まで復活してた。

花って一晩で生えてきて花を咲かせるものだったっけ。絶対違うよね。

 

回復アイテムの材料がそろったので、明日から調合を始める予定。

医者いらずを一ダースと、エルトナ軟膏を二つか三つ作っておけば、あんなことにはならないと思うから作っておきたい。

あれ、でもたしかエルトナ軟膏は条件次第で揮発するんだっけ。条件調べないとなあ。

 

ついでに、フィリスさんとつながりを作りたいので金属ケースに私のレシピ集と参考書類を入れておいた。一緒に入れた手紙に、エルトナ軟膏の揮発に関する問い合わせも書いておいたので、もしかしたら教えてくれるかも。

 

 

4周目 4

お母さんにバレた。

最低でも6日目よりも前に錬金術を始めると、お母さんにバレるっぽい。

 

錬金術に使っていた鍋を没収され、祖母の倉庫に鍵をかけられてしまったので、調合ができなくなってしまった。

お母さんが出かけている隙に鍋だけでもと思って探してみたけれど、まったく見つからない。どこに隠したんだろう。錬金術用の鍋ではないとはいえ、あんなに大きな鍋、隠すのは難しいと思うんだけど。

 

そもそも、なんでお母さんは錬金術を禁止したんだろう。

錬金術は応用が利きすぎるせいである意味危険な技術だけど、そんな禁止されるような技術じゃないと思うんだよね。そもそも、錬金術に関する知識が多少なりともないと、錬金術が危険な技術とは考えにくいだろうし。

 

やっぱり、お母さんは錬金術士だったのかもしれない。いや、間違いなくそうだ。前の時、お母さんほうれんそう調合しようとしてたし、失敗してたけど錬金術のたしなみはあるに違いない。

まあ、そうなるとなんでほうれんそう程度の調合に失敗したのかなって疑問が生じるけど、まあそれは置いておく。

 

錬金術士だったお母さんがどうして錬金術を禁止するのか……何かある気がする。

 

 

4周目 5

お母さんが錬金術を嫌う原因を雑貨屋さんが知っていたことを思い出したので、雑貨屋さんのところに聞きに行ってみた。もちろん教えてもらえなかった。

 

ついでに、錬金術ができなくて手持無沙汰なところがあったので、雑貨屋さんのアルバイトを申し出ておいた。

お母さんに錬金術を解禁してもらったときに、素材がないとかだと話にならないからね。ウォルフの襲撃とか前回の私の死亡日とかの日数を考えると、ただでさえ時間がないわけだし。少しでも採取にかかる日数を減らしておきたい。

 

あと、夕食の時に、無意識にお母さんと険悪ですよオーラ出し過ぎてお兄ちゃんに怯えられてしまったので、思ったより時間を無為に潰しかけてることにストレスをためてるっぽい。

 

 

4周目 6

遠心分離機ぐるぐるするのは本当につらい。錬金術使いたいな。

雑貨屋さん曰く、この遠心分離機は普通のものよりも短時間ではちみつを作れるようにできているらしいんだけど、いまいち実感がわかない。一般的な遠心分離機はどんだけ辛いんだ。

 

頑張ったで賞的なものなのか、今回ははちみつを少しだけ分けてもらえた。

念のためちょっと観察した感じ、汚染されたような感覚は欠片もなかったので、この時期には汚染は全く起こってないみたい。

それどころか、どちらかというと清潔というかなんというか……透き通った感じを受ける。ユーディーのアトリエ風に言うなら、『清められた』の従属効果を持つ感じだろうか。

 

この『清められた』はちみつが、一か月後には『汚染された』はちみつに変化するってすごい。未来を知ってる自分でも、ちょっと信じられない。

どう考えても、何かヤバいものが森の北側にあるとしか思えない。

 

 

4周目 7

今日も今日とて遠心分離機ぐるぐるしてた。つらあじ。

本当に普通の遠心分離機はこれよりも辛いのか、雑貨屋さんの言葉を疑いそうになった。お昼時に聞いてみたら、普通のだったら九歳の子供が毎日一人でできるようなものじゃないとか言っていたので嘘じゃないと思うけど。

ちなみに、この遠心分離機は楽な代わりにデメリットもあるらしい。

 

たしか、雑貨屋さんは十日に一回休みだったはずなので、残り三日働けば休みになる……三日もこんな日が続くのか。つらい。

 

ウォルフとかに噛み殺されるよりはマシだと思えばお仕事中は何の不満も感じずに動けるけど、寝る直前みたいな自分を客観視できる時間になるとつらいとかくるしいとか思ってしまう。そんな弱い自分が嫌だ。

 

お母さんと喧嘩中だから家の中でも休めないし、本当につらくなってくる。

ここで弱音を吐いて立ち止まってしまったらもっとつらいことが待ってるんだから、弱音吐いてないで頑張らないと。

 

 

4周目 8

お母さんとの冷戦問題が少し進展した。

お昼休憩中に、雑貨屋さんに来た村長からお母さんが錬金術を禁止する理由を聞くことができたのだ。

 

話を聞いて思ったのは、お母さんが錬金術を禁止するのも当然だなということだった。

 

まあざっくりいうと、約十年前、お母さんは錬金術でテラフラム(フラム系上位爆弾アイテム)の上位版を発明しようとして、失敗して爆発事故を起こしてしまったらしい。その時に、お父さんとお兄ちゃん達の一個上の娘、つまり私の姉にあたる人物が巻き込まれて死んでしまったようなのだ。

錬金鍋かき回していたお母さん自身がなんで無事なのかちょっと不思議だなって思ったけれど、ひとまずはお母さんが錬金術を禁止するのも納得だった。昔からお父さんがいないのも変だなって少し思ってたけど、こんな理由があったんだね。

 

たしかに、ユーディーのアトリエのことを考えると、錬金術は髪の毛一本混入するだけで大惨事が起こる技術だ。

そんな危険な技術を、若干九歳の子供にさせたいとは思わないだろう。ましてや実際に大規模な事故を起こしてしまった人間なら、絶対にさせないはず。

 

お母さんがほうれんそうという簡単な調合にすら失敗した理由もこれでわかった。

家族を殺してしまった技術なんて、トラウマ直撃間違いなしだもんね。失敗してもおかしくない。

 

どうしよう。

お母さんには、禁止されている私の目から見ても、錬金術を禁止する正当な理由がある。このままいけば、私がきちんと物事を考えられる年齢になるまで、最低でも十五歳くらいまで錬金術は禁止されてしまうだろう。もしかしたら、成人するまで禁止されるかもしれない。

けれども、その年齢まで待つということはできない。錬金術がなければ、ウォルフの襲撃かそのあとの謎の死因で死亡するのが確定しているからだ。

 

ウォルフの襲撃だけならまだ時間はあるけど、はちみつ問題のことを考えるともう時間がないし、一週間以内には錬金術が使える環境を整えたい。

 

さて、どうやってお母さんを説得しようか。

 




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四週目-2

2019/03/30追記
プロット吹き飛んだのでもう少し待ってください

──────────────────────

岸田先生落書き会の注意事項を読むに、公式には鍋ではなく釜みたいですね
もう鍋って書いてしまったので鍋で行きますけど


4周目 9 

お母さんが聞く耳を持ってくれない。

ループのことも話したけれど、信じてくれなかった。竜の砂時計みたいな時間に干渉するアイテムがあるんだから、もっと信じてくれてもいいと思うんだけれど。

このままじゃまずい。このままだとウォルフすら突破できない。

 

とにかく、お母さんを説得するしかない。

 

 

4周目 10 

初めてお母さんに本気で怒られた。

まあ、今回に関しては、トラウマほじくり返した自分が悪いと思うから特に憤りとかはないけど。

 

……いや、嘘だ。あんなに荒れたお母さんは見たことがないから何も言えなかったけど、文句がないわけがない。

そもそも、錬金術の失敗でお父さんと見たこともないお姉ちゃんを吹き飛ばしたのはお母さんだ。お母さん自身が失敗したから、私が錬金術を勉強できないなんて因果関係がおかしいと思う。

そりゃあ錬金術を一生失敗しませんなんて言う気はないけれど、お母さんみたいな失敗をする気はない。爆発物なんて危険な物の調合で、安全を確保してないお母さんがおかしいんだ。

 

 

4周目 11 

雑貨屋が休みだったけどやることがなかったので、雑貨屋さんと一緒に行商の人に会った。

思ったよりも行商の品ぞろえはよくて驚いた。これは売り物じゃなかったけど、自立して戦ってくれる魔剣とか特に面白そうだった。魔剣の作り方とかはわからないから魔剣では無理だけど、ただの剣を自在に動かして戦うとかできそうな気がする。生きているナワとか完全にそれ系アイテムだし。

あと、これも非売品だったけど、時の石板というアイテムが本当にすごかった。効果としては竜の砂時計と同じ時間停止。いつかこういうアイテムを作れるようになりたい。

参考書とかもあったので買いたかったけど、今回は武器であるグラセン鉱の杖を買った。高かったので、行商人の人からものすごく値引きしてもらって、さらに雑貨屋さんからお給料を今月分全部前借してようやく買えるというひどい買い物だったけど、万が一のことを考えると錬金術ができない今はこれ以上に必要なものはない。

それと、行商人の人から『アイゼルの参考書』という参考書をおまけしてもらえた。ぼろぼろの中古で、版が三つ古くてしかも人気がなくだぶついてた不良在庫ならしいけど、ただでくれるとはありがたいことだ。

もっとも、参考書読んでるところをお母さんに見つかって喧嘩になったけど。

 

メモ

アイゼルの参考書

 

中和剤

・ほとんど何でも:1

 

チーズケーキ

・小麦粉:1

・シャリオチーズ:1

・ハチミツ:1

・(液体):1

 

ウニ

・(鉱石):1

・(火薬):1

 

クラフト

・ニューズ:2

 

賢者の石

・ドンケルハイト:1

・アルハイルミテル:1

・竜の舌:1

・地底湖の溜まり:1

 

 

調合専用釜

・インゴット:2

・ボリッシュ:3

・研磨剤:1

 

釜と鍋って何が違うんだろう?

 

 

4周目 12 

雑貨屋さんにお母さんのことを愚痴ったら、子供を見る眼で見られてしまった。

たしかに、雑貨屋さんには関係のない話なので、愚痴ったのは間違いだったかもしれない。

この問題は、私たち家族の問題だ。雑貨屋さんからしてみたら、私の話はいい迷惑でしかなかっただろう。ちょっと反省するべきだと思った。

 

雑貨屋さんは、お母さんともっと落ち着いて話し合ってみたら? なんて言ってたけど、残念ながら落ち着いて話し合ってる時間はない。

はちみつ問題を無視しても、ウォルフ襲撃前にはある程度回復効果を持つ薬品をそろえる必要があるんだから。

 

 

4周目 13 

盛大に大喧嘩をした。

まあ、今回は前と違って意図的にお母さんの地雷を踏み抜いたからだと思うけど。

ただ、そのおかげでお母さんが爆発事故を起こした時の状態がわかった。

 

村長さんが言っていたことは、大筋では間違ってなかったけれど、些細な部分が微妙に違っていた。

 

まず、テラフラムの上位版(お母さん曰く『エクサループフラム』)は、完成していたみたい。完成したことを外部に知らしめたりとかはしていなかったみたいだけど、レシピもきちんと完成していて、材料の最適化こそできていなかったものの、レシピ通りに調合すれば何の問題もなく調合できるところまで行きついていたらしい。

 

爆発事故が起こったのは、レシピの開発ではなくお姉ちゃんが原因だった。

その日は初めてお姉ちゃんが錬金術を教わった日だった。お母さんと錬金術士だったらしいお父さんは、お姉ちゃんに錬金術を教える際に、錬金術はどんなことができるのかという例として、パイとかパンとかマジックアイテムとかを調合して披露していたみたいだ。勉強に興味を持たせるために教師などが行う典型的な手法だ。

そこで、最後に自分たちの錬金術の集大成として、お父さんとお母さんはそのエクサループフラムを調合した。当然、お母さんたちにとってその調合は片手間でできるものじゃない。必然的に、少しだけお姉ちゃんから意識が外れることになったんだと思う。

その意識が向かなくなった瞬間に、お姉ちゃんは動いた。調合中の鍋に何かを放り込んだのだ。

なんでそんなことをしたのかはわからないけれど、当時のお姉ちゃんの年齢を考えれば何となく理由の想像は付く。たぶん、悪戯とか好奇心とかそんな感じのだ。

 

で、それをお父さんが何かしらの方法で抑え込んで、でも全部は抑え込めなくて爆発。

お父さんとお姉ちゃんは消えて、お母さんは怪我こそしたけど生き残って、外で遊んでいたお兄ちゃんたちは何事もなく無事だった。

……結局のところ、監督不行き届きというべきだろう。お母さんがお姉ちゃんのことをちゃんと見てなかったのが悪い。英才教育みたいな感じに錬金術を教えたかったんだろうけど、お姉ちゃんはそれに見合うしつけをされていなかった。だから事故が起きた。

あと、そんな危ないものを調合したのも悪い。お母さんが作れるのか知らないけれど、回復アイテムであるエリキシル剤とかでもよかったはずだ。

 

この感じだと、きちんと分別があることも証明する必要がある気がする。

何となく、無理そうな気がしてきた。でも、あきらめるわけにはいかない。

 

 

4周目 14 

説得材料が全く思い浮かばない。

ぱっと思いつくのは錬金術に失敗しないことを証明することだけど、錬金術に失敗しないことなんて証明できないからそれは不可能。

錬金術の必要性を話す……ループのことを説明すればいいかなって思ったけど、そのことを話しても言い訳というか、そういったことにしか思われなかった。

 

最悪、一旦錬金術のことはあきらめて、ウォルフ対策のために雑貨屋さんの説得と武器探しに時間をかけた方がいいかもしれない。

このまま雑貨屋さんの手伝いを続けていればはちみつの観察はできるから、次のループでのはちみつの汚染時期の特定に生かせる。

 

 

4周目 15 

昨日の自分はどうかしていた。

試行の片隅にこの周回を見捨てるような考えが存在してしまっていた。よくない。

ループ環境を活かすためには、何度か捨て周回を行ってデータをそろえた方がいいのはわかっている。でも、そこで割り切ってしまっては駄目だ。

ここで割り切れば最後、いや、書いたらそうなってしまいそうなので書かないでおく。

とにかく、捨て周回なんて考えちゃだめだ。この世界はゲームじゃないんだから。

 

 

4周目 16 

どうすればいい。

どうすればいいか何も思いつかない。

この間大喧嘩したのは失敗だった。あの日から、お母さんがもっと頑なになった気がする。

素直にどうして錬金術がダメなのか聞けばよかったんだ。そんなにすぐ答えてくれるとは思えないけど、お母さんならきちんと辛抱強く聞けば答えてくれたはずだ。

落ち着いて話し合って、きちんとお母さんと意思疎通を取る努力をすれば、確証はないけど答えてくれたはずなのに。

 

今更後の祭りだけど、ループしてきた直後からお母さんに協力を求めるべきだった。

錬金術を行えるか未知数だけど、そうしていれば少なくともこんなに拗れることはなかったと思う。

 

 

4周目 17 

とんでもない悪魔の発想が頭をよぎった。私はもうだめかもしれない。

どうしようもなさ過ぎて、疲労困憊で何も考えられなくなる仕事の時間を楽しみにしている自分がいる。遠心分離機をかき混ぜている間は、危機感から逃避できる数少ない時間だ。

残り2週間でウォルフが来る。グラセン鋼の杖という武器は用意したけど、これで生き残れる保証はない。そもそも生き残れたとしても、村が無事かどうか。

 

はちみつのことなんて気にしている場合じゃない。どうすればいい。どうすれば、お母さんにウォルフが来ることを信じてもらえる。どうすれば、錬金術の許可がもらえる。

もう何も考えたくない。

 

 

4周目 18 

今日はお母さんとまともに話もできなかった。

それどころか、家の中ではお母さんにはいない者扱いされる。夕食を用意してくれているのが不思議なくらいだ。

 

お母さんに内緒で、村の中に錬金術に使える釜か鍋を持ってる人がいないか聞いて回ったけど、誰もいなかった。

村長さん曰く、この村には私の両親と祖母しか錬金術士はいなかったそうだ。錬金術士みたいな特殊な職業でもない限り、あの大きな鍋は持っていないだろうとも言われた。

 

一人になると悪い考えばかりが頭をよぎるようになってきた。

こうやって日記に悪い考え以外のことを吐き出してないと、そのことで頭がいっぱいになりそうだ。

 

 

4周目 19 

雑貨屋さんに顔色を心配された。今にも自殺しそうな顔をしているらしい。

自殺する気はない。命はいっぱいあるけれど、命は無駄にできないのだ。

いや、自殺してやり直すのも手かもしれない。初日からやり直して、お母さんと,

 

……ダメな思想で頭が占領されてる。自殺は駄目だ。何を考えているんだろう私は。

もう無理にお母さんに話しかけるのも辛い。事情を聴いたのか、お兄ちゃんたちからの視線もつらい。

もう嫌だ、家族みんなで仲が良かったころに戻りたい。

 

売り上げが下がるからって、今日は早く帰されたけど帰りたくなかった。唯一気楽でいられる雑貨屋さんももうだめだ。

幸いというべきか、お母さんは私が帰ってきたら家から出かけて行った。出ていく前のあの視線は忘れられない。

もう話しかけるのも嫌だ。家の中をまた探したけど、祖母の倉庫の鍵もでっかい鍋も出てこない。何もできない。

 

 

4周目 20 

前世の記憶があっても、私は大人ではなく九歳の子供でしかないというのを実感する。

前世の私だったら、きっと何度もあきらめずお母さんに話しかけに行ったはずだ。もしくは、何らかの現状を打開する策を思いつくだろう。

 

でも、前世の記憶を持つだけの子供でしかない私には、そんな行動力は、勇気はない。

 

今日は、雑貨屋さんに行ったらそのまま帰された。よっぽど酷い営業妨害級の顔をしているらしい。

時間が余ったので、森に行ってきた。グラセン鋼の杖をモンスターに使ったことがなかったから、試しに青ぷにを殴りに行った。

武器を振ることもなく、ぶっつけ本番というのもよくないだろう。

 

ちょっと苦戦したけど、いい杖なだけあって特に問題なくぷにを倒せた。

ストレス発散にもなったので、雑貨屋さんが休みになる明日もモンスター退治に来てもいいかもしれない。

 

 

4周目 21 

お母さんに話があるって言われたけど、もう話すのもつらいので森に逃げた。

あれほど話したいと思っていたのに、今はもう話すのも辛いなんて自分勝手な話だと思う。でも、もうお母さんにあんな視線を向けられるだけでも怖い。だから行きたくない。

自分の弱さが情けない。もう嫌だ。なんで私がこんな目に遭わなきゃいけないの。

こんなに苦しむなら、ループなんかしたくなかった。

 

 

4周目 22 

簡単なことだった。

最初っからこうすれば、錬金術ができるようになったんだ。

どうせ、雑貨屋さんが頑張ればヤクトウォルフはどうにかなる。怪我人なんか知ったことか。あとで薬を調合して治せばいい。

 

今日の朝のうちにお母さんと雑貨屋さんには言っておいた。雑貨屋さんは信じてくれるかわからないけど、警戒くらいはしてくれると思う。

どうせお母さんは聞いてないだろうけど、別に今は本気にしてくれなくてもいい。後で証拠が付いてくれば、信じざるを得なくなる。錬金術をさせたくなくても、許可を出さざるを得なくなる。でなきゃ死ぬんだから。

 

私が森に入るのは今日で三度目。明日か明後日には、私の匂いを嗅ぎつけたウォルフが来るはずだ。



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