悪堕ちデート・ア・ライブ (早見 彼方)
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悪堕ちデート・ア・ライブ

 十四歳の少女、五河(いつか)琴里(ことり)は、レオタードに似た形の黒いボディスーツに細身の体を包み、硬質で滑らかな床にハイヒールの音を響かせて長く続く廊下を歩いていた。黒いリボンで束ねた鮮烈的な赤い髪を揺らしながら、窓の外へとちらりと視線を移した。

 上空を浮遊する黒塗りの城『エデン』から一望できたのは、瓦礫の山が延々と続く荒廃した土地だった。かつて天宮(てんぐう)市と呼ばれた街並みの姿は見る影もなく、人が住めない環境へと変わっている。まだこの土地以外には人が生存している場所もあるが、そこもいずれは同様の景色となるだろう。

「醜いわね」

 自分が住んでいた土地を貶すように言った後、琴里の興味は尽きた。再び前を向き、廊下を歩く。目的の場所が近づくと琴里は強気そうに細めていた目を緩ませ、年相応の愛らしい顔に微笑みを湛えた。

 琴里が今から向かう場所には、琴里の唯一の居場所となっているエデンの主である男がいる。その男は琴里にとっての主であるのと同時に、琴里の愛する夫でもあった。琴里の左手薬指に嵌められた黒い指輪がその証拠だ。

「ふふ……」

 琴里は堪えきれずに小さな笑い声を漏らした。

 今から琴里は、主に身も心を愛してもらえるのだ。他にも大勢の妻がいる主にとって琴里は妻の一人という立場に過ぎず、寵愛を受けるのも数日に一回といった頻度だ。他の妻が主に抱かれる様を映像越しに見て慰めることなど日常茶飯事。生身の主を相手にするこの日を、今か今かと待ちわびていた。

 廊下を歩いていた琴里は、足を止めた。

 正面に聳えるような大きな扉。その取っ手を掴むと、ゆっくりと開いた。

 絨毯を敷き詰めた広い部屋。壁際には見事な調度品が並べられていて、壁に絵画もかけられている。一目見るだけで位の高い人間が住んでいるのだとわかるその部屋には天涯つきの大きな寝台もあり、そこには一人の男が眠っていた。

 琴里は寝台の側へと歩み寄ると、男の顔を覗き込んだ。

 短く逆立つように切り揃えた黒髪の似合う野性的な顔。白いシーツ一枚だけを纏った引き締まった裸体。今は隠れているが、男の股間の一物は非常に逞しく、主である男によってもう何度も琴里の幼い体を膣の内側から味わい尽くされてしまった。

「っ……」

 顔を見ただけで膣が愛液で濡れる。そうなるように体と脳が改造されてしまっている。たとえ、この男が琴里の目の前で両親を惨殺し、まだ反抗的だった琴里を犯した者であっても、今は琴里の愛の全てを注ぐに値する主だった。

「失礼します……」

 軽く頭を下げると、琴里はハイヒールを脱いでベッドへと上がった。四つん這いで進んでシーツの端を捲り、中へと小柄な体を忍び込ませて男の股間へと向かった。

 そして、琴里は再会する。

「ようやく会えたわね」

 琴里の身も心も快楽の海へと沈めてくれる代物。男の肉棒は太く硬く、そして長く屹立していた。琴里の幼い体には入らないと思えるほどの威圧感を帯びているが、琴里の膣内を何度も蹂躙したことは事実だ。

 子宮が疼くのを感じながら、琴里は肉棒へと顔を寄せた。鼻先を近づけると、雄の強烈な臭い。昨日も別の女と繋がり、精を放出したに違いないのだが、睾丸は大きく、手の平に乗せて持ち上げるとずっしりとした重みが伝わってきた。

「おはよう」

 琴里は睾丸を優しく揉みながら亀頭にそっと唇を当てた。それだけで全身が喜びに沸き立つ。これをもっと深く味わいたい。その思いに駆られ、口づけの後に流れるような動作で亀頭を口に咥えた。

「あむっ、ちゅ、くちゅ……」

 太く丸々とした亀頭。琴里が好きだった棒つきキャンディーのそれよりも大きく生臭く、味わい深いと感じていた。

「ぐぷっ、ぐぷぷぷっ」

 亀頭を口にしっかりと含み終えると、ゆっくりと肉竿へと奉仕対象を移す。口内に溜まった唾液を肉棒へと伝わせた後、睾丸を触っていた手を肉竿へと移動させる。唾液を肉棒全体へと広げるように手で優しく扱きつつ、口に咥えられるところまで肉棒を収納していく。

「んっ、ふー、ふー……」

 男の肉棒は大きく、琴里の口では全てを飲み込むのが難しい。だが、できないわけではない。喉奥まで使えば、男を隅々で愛することができる。

「ぐぶぶっ、ぢゅるる、ぐちゅ、ぢゅー!」

 琴里は定期的に唾液を啜りながら肉棒をさらに奥へと満たしていった。息苦しさが襲い、目尻に涙が浮かぶがどうということはない。男の肉棒を奉仕する。そのことだけを考えた。

 そして遂に、琴里は肉棒を口と喉に満たした。

「んぐっ、ぉえっ、んっ、くちゅ、ぢゅる」

 しかし、それはまだ始まりに過ぎない。琴里はそこまで来てようやく顔を上下に動かし、肉棒を扱き始めた。

「ぶちゅっ、ぐぢゅ、ずぞぞぞっ、ぢゅるっ」

 琴里はこのときほど、棒つきキャンディーを日頃から好んで舐めていて良かったと思ったことはない。このフェラチオで男から直々に称賛の言葉をかけられる程度には琴里の技術は素晴らしく、何度も頭を撫でてもらえたのは記憶に新しい。

 琴里は頬を緩めながら肉棒をしゃぶり続けた。

 そのとき、琴里の頭に妙な光景が浮かんだ。自分よりも年上の中性的な少年に頭を撫でてもらう光景。その少年が剣を手にして琴里を庇いながら主である男に立ち向かう光景。男に返り討ちにされ、傷を負いながらもその肉体は青白い炎に包まれて強制的に傷を癒し、再び男へと向かっていく光景。

 少年が男に敗北し、暗い場所へ幽閉される光景。そこでは今、少年の肉体を少女へと作り替える実験が行われている。少年の全身は怪しげな肉塊によって丸のみにされ、肉体や脳をじわじわと女の子へと書き換えられているのだ。

『消去します、消去します、消去します』

 脳内で響いた少女の声で、たった今何を思い出していたのかが琴里自身にもわからなくなった。目尻から溢れた大粒の涙を流しながら、琴里は男の肉棒をなめ続けた。

 直後、肉棒がビクビクと震えた。

 もう一息。琴里は自分にそう言い聞かせると、先程までより激しく、より丁寧に肉棒をしゃぶっていく。

「ぢゅるるっ、ずぢゅ、ぐちゅ、ぶぢゅるるる!」

 頬を窄めて肉棒へと内頬を密着させ、扱きながら舌で肉棒を弄くり、吸引も施す。自分の口は男のために存在するのだと自覚し、誠心誠意の気持ちを込めて丹念に舐め続けること数十秒。

 肉棒がさらに大きく震えたかと思うと、精を放出させた。

 どびゅるるるっ、ぶびゅるるっ、ぶびゅーっ、ぶびゅーっ、びゅるっ、どぷっ。

「んんーっ!?」

 肉棒を咥えていた琴里の頬が一瞬で大きく膨らむほどの射精。琴里が精液を零さずにいられたのは男の精液の量を知っているからだ。知っていても毎回驚かされるほどで、今も琴里は目を見開きながら必死に精液を嚥下していた。

「ごくっごくっ、ごくっ、んっ、ごきゅっ、ごくんっ……!」

 飲み込んですぐにまた精液が押し寄せるため、息が続かない。鼻息荒く精液を味わい続け、ようやく落ち着き始めた頃だった。

 突然、シーツが捲り上げられ、シーツの中の琴里が曝け出された。

 琴里は射精中の肉棒から精液を啜りながら、ボディスーツの滑らかな生地に包まれた小振りな尻をふりふりと揺らしていた。早く下の口にも肉棒を突き入れてほしいという感情だだ漏れの動きを、シーツをまくり上げた張本人に見られてしまう。

「おはよう、琴里」

 体を起こして頭を撫でたのは、琴里の主である男だ。至って普通の笑みを浮かべているだけだが、それであっても狡猾な笑みに見えてしまう。常に悪巧みを考えていそうなその顔を見て、琴里は表情を綻ばせながら肉棒から口を離す。

「ずぢゅぢゅぢゅっ、ぢゅーっ、ちゅぽっ!」

 一滴残らず精液を吸い尽くした琴里は、目覚めたばかりの男へと口内を見せつけた。

 男が出した精液で塗れた琴里の口内を、男自身に見せつける。男の許しを得るまでは、全てを飲み切るつもりはなかった。

「ほら、残しているぞ」

 男は琴里の口元へと指を伸ばすと、口の端についていた男の陰毛を摘まみ上げた。そしてそれを琴里の口へと近づけ、開かれたそこへと陰毛を落とした。琴里はしっかりと口内で陰毛を受け止め、精液だまりの上に陰毛が一本浮かんだ。

 嬉しそうな男。その端正な顔に琴里は見惚れていると、男が両手を軽く叩いた。

 それが合図だった。

「んぐっ、ごくっ、んっ、ぁ、ごくっ……!」

 琴里は口を開いたまま口内の精液も飲み干した。勿論、陰毛も全部喉へと流し込んだことを男へ報告するために、口をさらに大きく開いて舌を伸ばした。

 すると、男は琴里の頭へと手を伸ばし、優しく撫で始めた。

「んっ……ご主人様ぁ……!」

 甘く蕩けた表情と声で喜びを示す琴里。男に惚れこんだ牝の顔だ。

「くくくっ……!」

 男は琴里を見て噛み殺すように笑った。反抗的だったときの琴里と今の琴里を比較しているのかもしれない。自分に従順な琴里を可愛がり、射精後の肉棒をむくむくと大きくさせた。

「琴里。朝の奉仕ご苦労様。次は、下も奉仕してもらおうか」

 男はそう言って立ち上がると、四つん這いになっていた琴里の背後に両膝を突いた。

 まだ小さく左右に揺らされている琴里の尻に向かって、男の肉棒が突きつけられる。まだ子どもの琴里にはやはり不釣り合いと思える大きすぎる大人チンポ。しかし、男はやる気だった。もう何度も交わっているのだから、今さら心配することはないのだろう。

「さぁ、琴里。その小さな体で、俺を気持ちよくしてくれ」

「はい、ご主人様!」

 男は琴里の長いツインテールを両手で手綱のように持つと、琴里へと促した。すると琴里は自ら男の肉棒へと尻を近づけ、ボディスーツの秘所にあった切れ込みに指を差しいれ、左右に開いた。

 くぱぁと陰裂ごと開かれ、琴里の幼いマンコが姿を現す。これまでに何度も男を受け入れてはいたが、まるで初物のように綺麗だった。ピンク色に染まった粘膜の中に膣の小さな穴があり、ヒクヒクと収縮しながら透明な液体を垂らしていた。

 その穴が肉棒を捉え、男の肉棒を食らうのに時間は掛からなかった。

 ずぶっ、ずぶぶぶっ、と肉棒が琴里の膣内に飲み込まれていく。男を受け入れる態勢にあった膣は極太の肉棒だろうと飲み込み、膣壁でずりずりと扱き上げながら奥へ奥へと誘導していく。

 ズンッ、という衝撃が琴里の子宮を襲う。

「ん、ひっ……!?」

 琴里は背を反らす。表情には喜悦が浮かぶ。未発達の体だが、こうして男と繋がり合えたことに感謝を捧げる。そうしてから、この喜びを与えてくれた男に対しても感謝を捧げようと、それを始めた。

「んっ、あっ、あ、ふっ……!」

 琴里主導の四つん這いセックス。男は琴里のツインテールを握ったまま、琴里の腰遣いに身を任せている。琴里の膣内からは男の肉棒が姿を現しては、すぐに膣内に姿を隠す。極太な肉棒が狭い膣内に入っていくことで、男には強烈な快感がもたらされているだろう。

「あんっ、あっ、うっ、んっ……!」

 琴里がベッドで両手を突きながら腰を振っていると、男の手で乱暴にツインテールを引っ張られる。まるで道具扱いだが、琴里はショックを受けない。これが男による妻の愛し方なのだ。琴里だけでなく、男は他の妻に対しても乱暴なセックスをしている。女の命である髪を弄ぶことなど大したことではない。

 愛情には様々な形がある。琴里は幸せだった。男を愛していた。

「あんっ! あっ! あっ! やぁっ、い、イクッ、イクゥッ!?」

 愛しているから、腰の動きが止まらない。肉棒がまた射精準備に入ったようで、より一層硬くなって琴里の子宮に突きを放つ。いつの間にか男の方からも腰を振っていて、主導権は男が握っていた。その激しさに、琴里は快楽の頂点に誘われ、全身を痙攣させた。

 パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ!

 卑猥な音を耳にしていた琴里は、男の手で思い切り髪を引っ張られ、天井を仰ぎ見た。

 その直後、射精が始まった。

 ぶびゅるるるっ、ごびゅーっ、どびゅーっ、ぶびゅーっ、どびゅっ、びゅぶぶっ。

 濃厚精液は、琴里の子宮を一瞬で白く染めた。ぷるぷるとゼリーのように震える塊が子宮を満たし、子宮口から膣へと逆流しようとしている。だが、子宮口は男の亀頭で栓をされているために逃げ場はなく、子宮を押し広げて精液は溜まっていった。

 琴里の子宮が精液専用の器へと変わり、腹が丸々と膨らむのに一分も掛からなかった。

「ひ、うっ、ぁ、す、すごい、ご主人様の子種が、こんなに……」

 今もなお子宮に精液を受け止める琴里は、膨らむ自分の腹を見つめて笑った。

 この腹の膨らみが精液ではなく、いつか本当の子によって形成されるときが来るのだろう。そのときのことを思って身震いするほどの幸福を噛みしめるとともに、この素敵な男とこうして出会えた現実に感謝する。

 琴里の愛するこの男は、今から半年前、エデンとともに突如としてこの世界に現れ、死と絶望を振り撒いた。大勢の人間が命を落とし、今も瓦礫の下で眠っているだろう。

 この異常事態に対処しようと、人間離れした強大な力を有する『精霊』と呼ばれる存在が束になったが、男の相手にもならなかった。琴里を含む精霊たちはたった一人の男に敗れ、捕まった。

 人間など足元にも及ばない圧倒的な存在。男はこの世界とは異なる場所からやって来た異邦人と自分で言っていたが、詳細は未だ不明だ。ただ、男の目的については、琴里を含む精霊の少女たちが揃いの黒いボディスーツを着て土下座をする前で男の口から公表された。

『俺の子を孕め。俺は、俺の子を産める強い女を求めている』

 自分の子を産むことのできる強い牝を求めていた男は、そう言った後に土下座をしたままの全員に種付けを行った。夜刀神(やとがみ)十香(とおか)四糸乃(よしの)時崎(ときさき)狂三(くるみ)、五河琴里、八舞(やまい)耶倶矢(かぐや)八舞(やまい)夕弦(ゆづる)誘宵(いざよい)美九(みく)七罪(なつみ)鳶一(とびいち)折紙(おりがみ)本条(ほんじょう)二亜(にあ)星宮(ほしみや)六喰(むくろ)。一人一人順番に犯され、従順に男の種を子宮で受け止めた。

 精霊たちは皆、男によって脳を書き換えられている。男のためにその身を捧げ、男のために子を孕む。そのためだけに生きて、喜びを感じられるような都合のいい愛妻兼子孫製造用の精霊となっている。当然、男に危害を加えようとする者に容赦はしない。男がエデンの中で精霊と子作りに励んでいる中、精霊たちは外にいる害ある人間たちの殺戮を行っている。精霊一人一人が既に、最低でも万単位の人間を殺めていた。

 いずれ、この世界は男が精霊と子作りをするに相応しい場所へと変わるだろう。

 そのときは近い。琴里は男の子種で子を孕み、産み落とす瞬間を想像し、また絶頂した。



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