上原ひまりえいえいおー大作戦 (『シュウヤ』)
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上原ひまりえいえいおー大作戦
「ご一緒に! ──えいえい、」
「「おーっ!」」
「おお……花音さん、ありがとうございます!」
「う、うん……」
「そういえば、りみ達も一緒にやってくれたよね……。もしかして、やってくれないのってAfterglowのメンバーだけなんじゃ……? これは確かめなくちゃ!」
「ひまりちゃん?」
「花音さん!」
「は、はいっ」
「私、頑張ります! 絶対にめげませんから!」
「そ、それは、頑張って……ね? ──何をだろう……」
「──りみ〜!」
「あ、ひまりちゃん。どうしたの?」
「いやー、特に用事は無いんだけど、後ろ姿見つけて声かけちゃった」
「そうだったんだね。嬉しいなぁ」
「お、その手に持ってる袋はもしや?」
「あ、うん。バレンタインの材料だよ」
「へ〜、りみは手作りするの? どんなの?」
「チョココロネだよ」
「チョココロネ作るの? 難しそう……」
「かもしれないけど、沙綾ちゃんにとっておきの秘訣教えてもらったから!」
「とっておきの秘訣?」
「うんっ。──ちょこちょこころね〜、ちょこころね〜」
「あー…………なるほど。ま、まあ頑張ってね」
「ありがとうひまりちゃん」
「じゃあ美味しいチョココロネが作れるように、一緒にアレやろっか!」
「“あれ”……?」
「いくよ、──えいえい、」
「「おーっ!」」
「ありがとうりみ!」
「う、うん。ひまりちゃんもバレンタイン、頑張ってね」
「ありがと〜。じゃあね〜! ──多分沙綾に騙されてる気がするけど……。言わない方がいっか」
「あそこにいるのは……──おーい、あこ〜!」
「ん? ひーちゃんじゃん。どうしたの?」
「私はちょっと散歩。あこは?」
「現世にて、電脳空間にて出会いし友との邂逅を果たすべき……えーっと…………」
「ああ、燐子先輩とオフ会か」
「もー! せっかくカッコよく言おうと思ってたのに〜!」
「ごめんごめん。あこって燐子先輩とオフ会する時、何話すの?」
「んーとね〜、ゲームの攻略の話とか、おねーちゃんが超超カッコいい話とか、最近だとRoseliaの話も!」
「へ〜、じゃあ結構盛り上がる感じなんだ」
「そりゃ、あことりんりんの仲だもん!」
「ふっふっふ……そんな楽しいオフ会がさらに楽しくなるおまじない、やろっか?」
「え、何それ! ひーちゃんお願い!」
「あこも一緒にやるんだよ〜。それじゃあいくよ、えいえい、」
「「おーっ!」」
「ありがと〜! これで楽しいオフ会間違いなしだよ!」
「ホント⁉︎ ひーちゃんありがとう!」
「──ヒマリさんではないですか?」
「イヴじゃん! 今日は色んな人に会うな〜。どうしたの?」
「私はこれからアルバイトに向かう途中です!」
「ああ、つぐのお店か。そういえばイヴは、バレンタイン何か用意するの?」
「はい! 茶道部の皆さんと一緒に、和菓子をモチーフにしたチョコ作りに挑戦するつもりです!」
「おお、何だか本格的……」
「ヒマリさんは、どうするのですか?」
「う〜ん、悩み中なんだよね……。中々『これだ!』ってチョコが見つからなくて……。メンバーには『最高の友チョコ用意する!』って大見得切っちゃったし……」
「なるほどなるほど。では私から、ツグミさんに潜入調査をしてきましょう。同胞に探りを入れるのは、時代劇でもよくあります!」
「わーダメダメ! これは私がなんとかする事だから! メンバーには何も言わないで!」
「ヒマリさんがそこまで言うのなら……。私は忍びましょう!」
「何かちょっと違う気もするけど……気持ちは受け取っておくね。ありがとイヴ」
「いえ、お安い御用です!」
「じゃあ私は、イヴのバイトを応援するね。イヴも一緒にお願い! ──えいえい、」
「「おーっ!」」
「ありがとう〜!」
「こちらこそ! 身が引き締まる思いです!」
「やっぱりみんなやってくれるじゃん……。タイミングが悪いだけなのかな? 勢いに任せて行けば案外うまくいくかも……?」
「ひまりちゃん、チョコ決まったのかな。私も、迷ってばかりじゃなくて早く決めないと。──えいえい、おーっ!」
「──沙綾ちゃんが美味しいって言ってくれるようなチョココロネ、頑張って作らなきゃ! ──えいえい、おーっ!」
「──りんりん、今日の攻略も頑張ろうね! ──えいえい、おーっ!」
「──本日のアルバイトも、ブシドーの精神を忘れず臨みましょう! ──えいえい、おーっ!」
「──よーしみんな、今日の練習も気合い入れて頑張ろう! ──えいえい、おーっ!」
「「「「……………」」」」
「何でやってくれないのーっ!」
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