Aqoursのアスルクラロ沼津観戦日記 (384)
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基本用語解説
用語解説(基礎知識・第0話)


各話に出てきた、少々わかりづらいかな?と思った単語を解説いたします。
「間違っている」「まだわかりにくい」などのご指摘があればぜひよろしくお願いします。


○基本知識

●「ホーム」

チームが主に活動している地域のスタジアム、並びにそのスタジアムで行われる試合のこと。

アスルクラロ沼津の場合は、沼津市にある「愛鷹広域公園多目的競技場(この小説内では、「愛鷹」で統一)」。

対戦相手は、次の「アウェイ」と呼ばれる。

 

●「アウェイ」

対戦相手の活動地域のスタジアム、並びにそのスタジアムで行われる試合のこと。

アスルクラロ沼津が愛鷹で試合を行う際は、その対戦相手がアウェイチームとなる。

アスルクラロ沼津が愛鷹以外で試合を行う際は、アスルクラロ沼津がアウェイチームとなる。

 

●「J3リーグ(以降、「J3」)」

日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)のカテゴリー3。つまり上から3つ目のリーグ。

2014年設立と歴史は浅い。アスルクラロ沼津は2017年からJ3リーグに所属。

2019年は18チームが参加する。

1つの対戦相手につき、「ホーム」と「アウェイ」を1回ずつ行い、全34試合で順位を決定する。

試合は前半45分+後半45分で延長やPK戦などはない。

勝点制をとっており、「1試合勝ち」なら3点、「1試合引分」なら1点、「1試合負け」なら0点が貰える。

この勝点が一番多いチームが優勝となる。

(細かい順位決定については9月ごろ話に盛り込みます)

 

●「天皇杯」

J1・J2の40チーム+各都道府県代表47チーム+アマチュアシード1チームの88チームで行うトーナメント戦。J3は都道府県代表にならないと出場できない。

 

 

○第0節

●「日程くん」

Jリーグ等の開催日程を決めるプログラミングシステム。

・3連続ホームorアウェイなどの過度な贔屓、過度な負担を回避

・開幕戦がホームなら、最終戦はアウェイ

etc...

など、人間がやると時間がいくらあっても足りないものを、わずか数分で行ってしまうスグレモノ。

 

●「中断期間」

J3リーグに存在した、いわゆる「夏休み」。

2018年までは8月ごろに3〜4週間ほど試合がない週があった。

照明設備の揃っていないスタジアムが多いJ3では、夏場に昼から試合を行うことが難しいために存在したと思われるが、2019年は実質2週間のみとなった。

 

●「スルガカップ」

静岡県のNo.1サッカーチームを決める大会。

(ただし「ジュビロ磐田」と「清水エスパルス」は出場しない)

この大会で優勝したチームは、その年の天皇杯に「静岡県代表」として出場できる。

アスルクラロ沼津は2017年に出場しているが…

 

●「H○nda FC」

日本アマチュアサッカー最上位リーグ(JFL)に所属する最強アマチュアチーム。

今後しっかり書くことになるが、静岡の雄をかけて戦う永遠のライバル…??

母体はあの自動車メーカー。

2018年スルガカップ王者。2017年はスルガカップ不出場であり、アスルクラロ沼津は公式戦で過去一度も勝利できていない。

 



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J3リーグ編
第0節「はじまりのはじまり」(日程発表・雑談)


※このストーリーは、J3リーグを知っているとより楽しくなる(はずの)ものです。わからない用語については、「予備知識」に掲載しておきますので、参照しながら読んでいただけると幸いです。(そのまま読んでも大丈夫な記述にしているつもりではあります)


第0節 「はじまりのはじまり」

(日程発表・雑談)

 

─────2019年1月11日

 

Aqours/L○NEぐるーぷ! (9)

 

Chika:みんなー!

 

Chika:今年の開幕戦、大阪だって!

 

 

 

これは、彼女たちスクールアイドル・Aqoursと、

 

 

 

かなん:今年もアウェイで開幕かぁ〜…

 

梨子:「日程くん」が決めたんだし、仕方ないよね

 

黒澤ダイヤ:そうですわ!どんな状況だろうと、前を見るのが私たちサポーターの役目ですわ!

 

はなまる :精一杯応援しないと、ずら!

 

るびぃ:そうだね、お姉ちゃん!

 

Mari:困ったらなんでも相談してね!

 

ようそろー:じゃあ今年も、アスルクラロ沼津の優勝を願って!全速前進ヨーソロー!

 

 

 

─────「アスルクラロ沼津」を巡る、1年間のお話である。

 

 

 

Yohane… :太閤のエインヘリヤルが眠りしサンクチュアリィ……ヨハネにぴったりの場所ね!

 

はなまる :豊臣秀吉の魂が眠る大阪城ってちゃんと言うずら。あと豊臣秀吉が亡くなったのは大阪城じゃなくて伏見城ずら。

 

Yohane… :ずらまるうるさーい!!!

 

 

 

はたしてそれだけでこのストーリーができあがるのかどうかは、また別のお話である……。

 

 

 

Yohane… :ところでこのナレーションは何なの?

 

ようそろー:メタい発言はなしにしようよ、よーしーこーちゃーん。

 

Yohane… :だから、ヨ!ハ!ネ!

 

 

 

 

 

 

─────2019年1月23日

 

かなん:ついに、全日程が発表されたね

 

ようそろー:最終節は、また愛鷹なんだね

 

かなん:そうだね。

 

かなん:3年連続で、最後はホーム。

 

かなん:中断期間が短いのは、意外だったなぁ……

 

Chika:そのぶん、1年中サッカーを楽しめそうだね!

 

るびぃ:4月の3週目と、5月の2週目が空いてるのは、スルガカップ の影響かな?

 

Mari:たぶんそうね。県協会のHPにそう書いてあったわ。

 

Chika:今年こそ倒したい……H○nda FC……

 

かなん:今年こそ倒してやる……Ho○da FC……

 

黒澤ダイヤ:2人とも、おやめなさい

 

梨子:今年も、曜ちゃんがゲストとして呼ばれる日はあるのかしら?

 

はなまる :あるといいずらなぁ……あわよくばオラたちも……

 

黒澤ダイヤ:ない、とも言い切れませんわね。

 

るびぃ:私も、みんなと愛鷹のピッチに立ちたい!

 

Mari:なんならホテルオハラが寄付金出してピッチに立たせてあげるわよ?

 

かなん:これだからカネモチは

 

Chika:鞠莉ちゃん、そういうのはナシだよ

 

Chika:ところで、J3ニューカマーの八戸・熊本・讃岐のアウェイはバラバラに分かれたね

 

ようそろー:八戸が5/19、讃岐が7/27、熊本が10/27。ほんとだね。

 

黒澤ダイヤ:私たちも、少しくらいアウェイにも行ってみたいですわね。

 

るびぃ:ルビィも!

 

梨子:一度くらい、みんなで行きたいですね!

 

Mari:寄付金の話はイッツジョーク!として…

 

Mari:うちのプライベートジェット使って、開幕戦、大阪にみんなで行かない?

 

かなん:これだからカネモチは

 

Mari:果南はそれしか言わないわね〜〜

 

かなん:本当のことじゃん

 

Chika:私、行きたい!

 

ようそろー:私もであります!

 

はなまる :天下の台所、大阪。一度行ってみたかったずら!

 

梨子:春休み前だし、いいかもしれないわね!

 

黒澤ダイヤ:少しくらい、いいかもしれませんわね。

 

るびぃ:お姉ちゃんと大阪!楽しみ…………

 

Mari:@かなん 他のみんなは、こう言ってるけど?

 

かなん:分かったよ、行くよ!

 

Mari:ホントは一番行きたがってたクセに〜〜強がっちゃって♡

 

かなん:ま〜〜〜〜〜〜り〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!

 

 

 

 

 

Chika:あれ、そういえば善子ちゃんは?

 

 

 

 

[Side 善子]

 

 

……今日の配信終了っと!

あら?○INEの通知…………

 

 

 

Aqours/L○NEぐるーぷ! (9) [283]

Chika             [10]

梨子              [7]

ようそろー          [8]

るびぃ             [15]

はなまる           [12]

Mari             [5]

 

 

 

……………………………………。

嫌な予感がするのは、私の気のせいかしら…………?

 

 

 

 

 

《第0節 終》

【第1節 vsセレッソ大阪U-23 に続く】




第0節 あとがき
この本では各節ごとに話を進める(=私が書く)ことになるので、毎節あとがきっぽいものを書いた方が内容が伝わりやすい&読みやすいかなぁと思いました。

これを書いているのは、2019年2月9日と10日の境目、すなわち松浦果南嬢の誕生日になったところですね。お誕生日おめでとうございます。
ちなみに場所は沼津・湯河原万葉の湯。ファンミも舞台挨拶も行く予定がないのになぜかここにいます。まぁ単に僕の期末試験が終わって遊びたい気分だったんですけども。
やはりAqoursのことについて考えるのに、沼津以上の場所はないでしょう。インスピレーションがモリモリ湧いてきます。

節のあとがきがあまり長くなっても仕方ないので、ここで内容について語りましょう(詳しいことは巻末あとがきに書きます)。

基本的に客観的事実はそっくりそのまま書きました。日程発表の日付・時刻から、試合会場まで。これは今後第1節から第34節まで書くにあたって当然と言えば当然のことです。

17時といえば、メンバーが集まっていることはないんじゃないかなぁと思って、第0節はLI○Eグループ上での会話、という体で書きました。なかなか文字にするって難しいですねぇ……。

あと、開幕戦はやっぱりボリューミーに書きたいんですけど、アウェイだとどうしても記述量が減っちゃう気がしたんで、無理矢理にでもAqoursを大阪に連れてくることにしました。まぁ大阪は私の地元かつ居住地なので、書きやすいようにしたかったのが本音ですが。

J3開幕まであと1ヶ月、ちょこちょこっと第0節を修正しながら、連載の用意をしたいと思います。それでは第1節、またお会いしましょう。


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スルガカップ・天皇杯編
#1 予選①(スルガカップ概説・2年生)


開幕(3/9,10)まで何もしないのも面白くないし、何より僕が飽きないように、定期的に更新していきましょう。
というわけで、(開幕までの暇つぶしという名の)スルガカップ編、始めます!
あと、執筆してみてわかりました。9人登場させるのがすごく難しい。

というわけで、試験的にユニットor学年で話を進めてみます。


「ついに、発表されたね、今年のJ3の日程。」

 

曜がそう問いかける。

 

「うん!まだ2ヶ月もあるけど、やっぱり楽しみだよ〜〜!!」

 

千歌はいつものようなテンションでそう答える。

 

「去年はバタバタしていてあまり追っかけられなかったけど、今年はじっくり見てみようかしら」

 

梨子は大人し目に、そう答える。

 

「それにしても、今年もスルガカップにHonda FCが出てくるなんて……千歌ちゃん、どう思う?」

 

「どうもこうもないよ……まだ沼津は1度も公式戦で勝ったことがないんだよ!?」

 

「JFLを3年連続制覇しているのに、アマチュアシードがないって……」

 

「しかも今年はHondaがディフェンディングチャンピオン……沼津は藤枝と準決勝かなぁ」

 

曜と千歌は嘆きと悲壮感を漂わせている……が、一人だけ違った。

 

 

 

 

 

「ねぇ、曜ちゃん、千歌ちゃん。『スルガカップ』って何??」

 

 

 

 

 

この言葉が、2人の闘志を再燃させることになろうとは、この時の梨子は思う由もなかった。

 

 

 

 

「「じゃあ、梨子ちゃんのための、『ようちかスルガカップ講座』を始めるよ!」」

「(なんでこうなった……あとただ仲良しなところを見せつけられているだけな気がする……)」

 

 

ここは十千万旅館2階の千歌のお部屋。目の前の机には、何やらサッカーの用語が書かれたノートが置かれている。

これから「スルガカップ」の解説が始まるであろうということは、やや鈍感気味な梨子でもさすがに理解していた。

 

 

「じゃあ、曜ちゃんがまず、スルガカップについて説明して、その後で私が参加するチームについて説明しようか!」

「そうだね、千歌ちゃん!」

「じゃあ……お願いします。」

 

 

 

 

「『スルガカップ』は、静岡県のNo.1チームを決めるサッカー大会。2月の終わりから5月中頃まで、3ヶ月ほどを使って進めていく、県内最大の大会だよ。」

 

 

「静岡の雄を決める大会なのね、『スルガカップ』って。」

 

 

「そう、そしてこの大会は、その年の天皇杯の【静岡県代表】の選考も兼ねているんだ。だからJ1チームとして天皇杯に無条件で出場できる『ジュビロ磐田』と『清水エスパルス』はこの大会には出場しないんだ。」

「J3チームは、プロなのに天皇杯には無条件で出られないんだもんね……」

 

 

梨子がそう呟く。

 

 

「そう。J3チームは都道府県予選を勝ち抜かないと、天皇杯に出場できない。静岡や神奈川でなければ、J3チームは【スーパーシード】で決勝戦からの登場なんだけど……」

 

 

「さっきの『Honda FC』の話ね。」

 

Honda FC。アマチュアチームながら、その実力はJ2の上位チームに勝るとも劣らないレベルであると、サッカーファンの間で評されることも少なくはない。

 

「さすが、梨子ちゃんだね。静岡県には、アスルクラロ沼津の他に、同じくJ3の『藤枝MYFC』と、JFLの『Honda FC』っていう強豪チームがいて、J3のチームでも準決勝から戦わないといけないんだ。」

そう話す曜の顔は、少し曇っていた。

「2回勝てば天皇杯、と言われれば聞こえはいいけど、準決勝に残った他の3チームは、沼津と同程度かそれ以上の実力の持ち主。勝ち抜くのは本当に難しいんだよね……」

 

「そういえば……」と千歌がつぶやき、話し始める。

「2017年に、アスルクラロ沼津はスルガカップを優勝しているけど、この年はHonda FCがアマチュアシードでスルガカップには出場していなかったんだ。」

 

だけど、と言葉を続ける。

 

「この年はアスルクラロ沼津が本戦で大暴れしたんだよ!」

そうそう、とでも言いたげに、曜も話に入ってくる。

「1回戦は、福井県代表の『サウルコス福井(現・福井ユナイテッド)』に1-0で勝ったし、2回戦は、J2屈指の名門『京都サンガFC』にアウェイ・西京極でまさかの勝利!!テレビ放送がなかったから、試合自体は見られなかったけど、テキスト速報で「試合終了」の文字を見たときは武者震いしちゃったね……!!」

 

いつも以上にテンション高く、目をキラキラさせながら語るようちかコンビに、梨子は少々たじろいでいた。

 

「でもさ、千歌ちゃん。」曜がそう、優しく語りかける。「本当に嬉しくて、そして悔しかったのは、その次でしょ?」

 

「そう……なんだ。何があったの?」

 

実は梨子は、この試合のことを知っていたが、あえて知らないフリをした。

千歌の、本当の気持ちが聞きたかったからか、その場の空気を読んだからか、それは読者の想像にお任せする。

 

「……3回戦の相手は、J1オリジナル10、Jリーグ発足から一度たりとも2部降格を経験していない、超強豪『横浜F・マリノス』。って言っても、東京から来た梨子ちゃんなら、これくらいのことは知ってるよね。」

 

当たり前よ、そう言おうとして、梨子は口を紡ぐ。

 

「私たちのホーム、愛鷹は、ナイターができるほどの照明設備は持っていない。だから、優先開催権が沼津にあるのに、3回戦はマリノスのホーム、三ツ沢で開催されたんだ。」

 

天皇杯3回戦は例年、週のど真ん中水曜日に開催される。もちろん真昼間から試合をするわけもなく、必然的にナイトゲームになる。

照明設備がなければ、試合も開催することができないのだ。

 

それはいいんだけど、と言いたげな様子で千歌は続ける。

 

「もちろん下馬評はマリノスの圧倒的優勢。それを示すかのように、沼津は前半終了までで3失点して、敗色濃厚だったんだ。」

 

そう。ここまでならよくある話だ。でも、本当にすごいのはここから。

梨子は、()()()()()()()()()()()()()()()、胸を熱くさせる。

 

「一転して後半は沼津ペース、と言っても3点リードでマリノスが守りに入っただけだったのかもしれないけど…」

 

千歌の声はもう震えに震えている。

 

「35分間無失点、それどころか……後半35分にJ1チーム相手に初ゴールを決めたんだよ……!しかもその時、サポーターが歌っていたのは、私たちの歌。『MIRAI TICKET』。これを超える喜びが他にあると思う……!?!?!?」

 

「AT1分に相手に4点目を決められて、まず勝ちはなくなったんだけど…そこからもう1点返したし、『アスルクラロ沼津』の名前をマリノスの選手とサポーターに刻み込むには、十分な戦いだったよね。」

 

千歌の代わりに、曜がそう説明する。

 

あの気持ちをもう一度味わうには、勝たなければならない。

負けるわけにはいかないんだ。

そんな気持ちが、3人の心の中には満ちていたことだろう________。

 

 

 

 

 

《#1 終わり》

【#2 予選②(スルガカップ出場チーム) に続く】




曜・千歌が教える側、梨子が教えられる側っていうのは、このスルガカップならではかなぁと思いました。

本編(Jリーグ編)では、梨子が結構サッカーのことを知っている、という形の方が話が進めやすいのですが、こと「スルガカップ」に限っては、「静岡県」の大会なので、唯一浦の星に来るまで静岡県に馴染みがない梨子が教えられる側である方が進めやすいのです。(映画の"アレ"は梨子じゃないの?というツッコミはナシで。まずあんなに小さかったら覚えてないでしょう。)

さて、今回はスルガカップの概説…という名の、2017年天皇杯の「過去の栄光」の振り返りでしたね。
私自身、アスルクラロ沼津を見始めたのがこの年の天皇杯2回戦「京都サンガFC」戦でしたね。
その時の思いについては、また機会があれば誰かに代弁していただきましょう。

開幕まで1ヶ月を切り、楽しみが膨らんでいきます。
今年は天皇杯に出場できるといいなぁ……

あ、#2で出場チームについて、千歌に解説してもらいます。


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