世界で二番目の天”才” (塩なめこ)
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三人の関係性

3日寝て考えたらできた奴。見切り発車。







 

 

世界一の天才と言えば誰を思い浮かべる?

 

 もしテレビ局がこのような質問を街を行き交う人々に聞いたとしたら、誰も彼もが一字一句変わらない名前を答えるだろう。

 

「それは篠ノ之束だ」と。

 

 それは間違いない。昔を知るものならなおそう思うだろう。ISを作り出し、女尊男卑の世界にしてしまった稀代の『天災』。ISに隠れてはいるものの、一般にも応用されている新技術も生み出した産業革命者。

 誰もが天災であると分かってしまう。彼女が生み出した技術も、彼女が掲げていた理想も、彼女の本心も、何も理解出来なくても分かってしまう。いや、そう思うしかない。天災の定義そのもののような人間、それが篠ノ之束だ。知識としてその言葉を知っているならその存在を認めざるを得ない、それが篠ノ之束なのだ。

 

 

 

 では質問を少し変えてみよう。篠ノ之束の次に天才だと思う人物は誰ですか?

 皆、言葉を詰まらせる。そして少し考えた後「分からない」「知らない」と答えるだろう。

 何故かと聞けば一般人は「そういう方面の知識はない」と一蹴するだろう。ちょっとした知識人なら様々な名前を挙げた上で「吟味できない」と言うかもしれない。

 

 だがしかし、二番目の天才というのは確かにこの世に存在する。

 

 篠ノ之束も、その友人である織斑千冬も、ISに携わる者なら誰でも認めている。認めざるを得ない人物。

 それが男だと言ったならこの世界のたくさんの人が驚くだろう。そしてその人がIS学園で教鞭をとっているとしたら更に驚くだろう。嘘だと思うかもしれない。

 だがしかしそれは真実だ。

 

 篠ノ之束の次に最も各分野の知識があり、

 篠ノ之束の次に最も運動能力があり、

 篠ノ之束の次に最もISへの理解力があり、

 篠ノ之束の次に最も細胞が進化している人物。

 

 

 その名は『新城 鋼』と言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 カタカタカタと複数のキーボードから音がする。

 ディスプレイに映る画面では様々なウィンドウが開いたり閉じたりしている。

 そして、全てが同じタイミングでブラックアウトした。

 

 いつ見てもその速さと正確性には驚いてしまう。新城鋼。この幼馴染の男はいつもこうだ。時間に正確、動作も正確、理論も正確。気持ち悪いくらいにキッチリした男。

 

 

「千冬、別に迎えに来なくてもいいだろう? 」

「いや、今日は少し遅れることを言っておこうと思ってな。山田くんを頼むぞ。それと、教室では名前呼びはなしだぞ」

「分かっている。ここは俺の部屋だからな。要件は分かった。なら俺は山田先生に合流するとしよう」

 

 

 自身の研究用自作ノートパソコンと、授業で使用する様々なデータが入っているとされる端末を持って鋼は部屋を出た。二つとも持っていくのは珍しい。束と違ってコイツは公私の切り替えがよく出来ているはずなのだが。

まぁ、それだけ気になっているのだろう。我が弟がISを起動させたということに。ずっと夢見たISに自分も乗れるかもしれないと思っているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さん入学おめでとう! 私は副担任の山田真耶です」

 

 

 山田先生のあいさつが虚しく教室に響いた。俺はいつものことが起こらんように廊下から盗み聞いているのだが、うむ生徒は全く声を発さない。これが今どきの女子高生だろうかと思えるレベルである。去年はこんな感じじゃなかった。

 それだけ織斑一夏に興味があるということなのだろう。分かる。その気持ちは分かるぞ皆の衆。

 だがしかし、君たちにとってここは学校という教育の場。ISに関わる謎を解くのは教員と研究者の仕事だ。あまり推奨できる行為ではないな。

 

 山田先生はこの空気でも自己紹介、学校の説明、生徒の自己紹介の司会進行などを着々と進めている。少々引きつった笑顔ではあるが。

 しかしそれに対して生徒達はほぼ無視同然の塩対応。山田先生に指名された生徒が早々と自己紹介を済ませ、もう既に織斑一夏の番まで回ってきてしまっていた。

 その本人はと言うと慣れない環境に緊張している様子。山田先生の言葉への対応も遅いし言葉数も少ない。先程篠ノ之箒に助けを求めたようだが、あの妹はそれを無視。ふむ、あちらはあちらで昔からでは考えられない対応だな。

 

 

「……どうした?」

「む、織斑先生か。意外に早かったな。いや、中で生徒の自己紹介が終わるのを待っているのだが、織斑のところで止まっていてな。入るに入れん」

「なに? ……分かった。私があの愚かな弟を叩き直してこよう」

「いやまて、それでは俺がここにいる意味がな────」

 

 

 

 

 バシン

 

 

 

 と俺が言い終わる前に凄まじい速さで千冬は織斑一夏の頭を叩いた。身の毛のよだつ速さだ。流石俺が運動能力で勝てない女。一瞬ギロリと睨まれた気がしたが気にしてはいけない。

 

 

「ゲッ、千冬ねぇ!?」

 

 

 ゴツン

 

 

 音がさらに鈍くなった。しかし、あの拳骨を2度もくらって立っていられるのだから流石弟と言ったところか。自ら職業を隠していたくせに初見で彼が驚くのは無理もないし、拳骨を食らうのはおかしいと思うが決して声には出さない。あの巻き添えはくらいたくないからな。

 

 

「織斑先生、もう会議は終えられたんですか?」

「あぁ、あいさつを任せてしまって悪かったな山田くん。諸君、私が担任の織斑千冬だ。君たち新人を1年で使い物にするのが仕事だ」

 

「「「きゃああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」

「千冬様! 本物の千冬様よ!」

「私、千冬様に会うためにこの学園に来たんです! 北九州から!」

「私、千冬様のためなら死ねます!」

「というかその拳で殺してください!」

 

 

 出た。俺はこれが嫌で入りたくなかったんだ。それに一人野蛮人が居たな。この矯正もしなきゃいけないのがここの教員の辛いところだ。

 

 

「静かに! まだ私の話は終わっていないぞ! ……コホン、私たちの他にこのクラスに関わる先生を紹介する。入ってくれ」

 

 

 さて、俺の出番だ。

 

 

「特別顧問の新城鋼だ。この男性IS操縦者、織斑一夏の専任教師という名目だが気軽に話しかけてもらって構わない。主に座学では君たちと深く関わることになるのだからな」

 

「「「きゃああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」

 

 

 間髪入れずにもう一発の大歓声。やめて欲しい。俺は人の大声は嫌いなんだ。ほら、織斑一夏も困惑してるじゃないか。あ、この困惑は俺に対するものか。千冬と一緒で何も知らなかったもんな君は。

 

 

「は、鋼さん!? どうしてここに?」

「新城先生と呼ぶことを推奨する。そこにいる担任の餌食になりたくなければな」

 

 

 瞬間、頭からの衝撃。

 ふむ、最後の最後でボロが出てしまったようだ。昔からここだけは成長出来ていない気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 いつも自分の下にくっついている奴。いつも私の考えに追いついてくる奴。

 

 それが、新城鋼。

 

 そいつとの出会うきっかけになったのは単純な話、お互いのパソコンが未知のものだったからだ。

 当時学校にノーパソを持ってくる輩は私とはーくんぐらいなものだった。そんなことは元々知らなかったし興味もなかった。でも、彼が教室に置いていったそれを見た時に理解できなかったのだ。その薄さも、小さすぎるロード音も、発している光源の源も何もかも。だから興味が湧いた。

 

 

 翌日軽く話して同い年にしては出来るやつだと思った。

 その次の日普通に話して彼は着いていけるのだと気がついた。

 その次の日詳しく話して彼の才能を理解した。

 

 

「コイツ……いや、彼は私と同じ天才だ」と。

 

 

 ちーちゃんのように身体能力特化ではなく、私と同じように細胞レベルからの天才。

 毒も効かないし、耳は聖徳太子以上で、知識は勿論身体能力も私並み。作り出そうとしているもののレベルも同じで、なにより私と同じく容姿が完璧だった。

 

 というか私が惚れるレベルだった。

 

 今考えれば当然のことだろう。だって私の次に細胞レベルで天才ってことは男の中じゃ最高ということなのだから。雌としての私の生物的本能が、彼の雄としての魅力に惹かれてしまうのも無理はないことだった。

 その感情に気づくのはもっと後。お互いに夢を語り合い、優劣が決まり、しかし友人として付き合いがずっとあって、そして別れた頃。

 私がISを完成させ、はーくんは社会という表舞台に立つことなく、私だけが離れざるを得なかった頃のことだ。

 

 

 

 はーくんにはなんでも出来た。私に出来ることはほぼ出来たし、私に出来ないこともいくつか出来た。二人でそれを学び学ばせ合って、知識を一つにして、どんどん高めていったから最終的に二人共ほとんど同じことが出来るようになっていた。

 でも彼には一つだけ出来ないことがあった。ISのコアの理解とその製作。それだけが何故か彼にはできなかった。

 そこから彼との差は如実に現れた。

 装甲は作れるのに。武器は作れるのに。シールドに関してもブースターに関してもなんでも出来るのにコアが理解できなかった。ISの操作ができなかった。

 だから彼は私の後追いしか出来なくなった。次世代の開発案は出せても開発が出来なかった。追いつく速さが異常なだけのただの他人になってしまっていた。

 面白くなかった。私が起こした『白騎士事件』も最後まで反対的だったし、それ以外の非人道的なことや違法なことにもうるさかった。

 

 

 そして私は理解したんだ。「彼は天才であって天”災”ではない」のだということを。

 彼はいつもルールという鎖に縛られていた。それをいつでも破壊できるのに破壊しない。抗えるのに抗わない。人との付き合いも私と違って最低限行っていたし、個ではなく集で生きていた。

 だから別れた。つまらなかった。他の凡人みたいになったような気がして。それを指摘してもはーくんはちっとも怒らないし、嫉妬もしないし、変わらない。ただ凄いと褒めるだけ。

 

 

 でもそれで苦しくなったのは私のほうだった。彼の顔が、言葉が、私の心に焼き付いていたからだ。肯定する声も否定する声も無くて、微笑みかけてくれるあの笑顔も無くて、ひとりぼっちが嫌で苦しくて。

 

 

「私、何やってるんだろう」

 

 

 思わず呟いた。いっくんに渡した『白式』のデータを撮るための盗撮が、いつの間にかはーくんだけしか見ていない盗撮になってしまっている。

 

 あぁ、今彼は私の作った『白式』を手で触って、解析して、いっくん用にカスタマイズしてるんだ。

 あぁ、気づいてくれるかな、私のこと。気づいてほしいな私のこと。

 

 

 もう少ししたら、そっちに行くからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 さて問題です。

 細胞レベルで天才な輩は同じように細胞レベルで天災な輩を惚れさせることができます。では、逆ならどうでしょう?

 

 

(倉持技研から届いた『白式』を織斑一夏用にカスタマイズ中だ。急に決まった代表候補生との決闘とは言え、この一週間一夏にはISを使わせられなかった負い目がある。全力で使いやすくパーソナライズするとしよう)

 

 

 人類最強の天災篠ノ之束に、男である新城鋼が惚れないということはあるのでしょうか?

 

 

(それにしてもこの『白式』。とても特殊な機体だ。兵装は剣の一本しかないし、追加できるバススロットも無いからイコライザも出来ないし。ほうほう、武器の名前は『雪片弐型』と……。あれ、雪片?)

 

 

 答えは否。

 

 

(そう言えば……。倉持技研は色々あって到着が遅れたんだって言ってたな……?)

 

 

 たとえどんなに束の性格が一般的にはキツかろうが、彼は彼女の本心を知っています。

 

 

(あれ、もしかしてこれって……。いや、確実に……いや、まさかそんな)

 

 

 たとえどんなに束の心が歪んでいたとしても、彼は心が広い系の天才ですから受け入れることができます。

 

 

(……篠ノ之束だ。これを作れるのは篠ノ之束しかいない。そして、これを一夏に授けた。多分、ISコアの解析とこの雪片の解析─────)

 

 

 つまり二人は──────ベストマッチな奴らということです。

 

 

(てことは絶対くるじゃん束の奴!? ど、どうしよう、トラウマが、何も言わずに出ていかれた時のトラウマが……! いや、落ち着け俺よ。カッコイイところを見せればまだワンチャンあるだろう? 無い?いや、あるはずだ。でも、ISを使えるようになったら会いに行くと決めていたんだ。そんな、急に来ると言われても困るし……。あ、でも来てくれるのは歓迎で……。あぁ、ダメだ! 手元が狂「どうした新城先生。もう時間だが」……ハッ!)

 

 

「あ、あぁすまないそろそろ終わる」

 

 

 しかしこの二人、まるでテレパシーをしているようである。早くくっつけばいいのに。全てを察している織斑千冬はそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




おかしいな
イチャイチャ書きたい
だけなのに


篠ノ之束さんの愛は重い。
主人公のヘタレはヤバイ。
千冬様の板挟みはつらい。


ちなみに篠ノ之束さんの出番はこの先があるとしたらかなり先です。
次話の投稿は未定なり


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新城鋼という男

イチャイチャ書きてぇ
あとオリ主無双はやくしてぇ



 篠ノ之束との出会いはあまり綺麗なものではなかった。

 

 罵り合いだ。お互いの作り出した自作PCを自慢するための罵り合い。感情的に言葉をぶつけ合う熱血漫画のそれではなく、もっと陰湿で遠回しな罵倒の応酬。

 その中で見ることが出来た彼女のPCはとても面白く、そして俺レベルの凄さを持っていた。あちらもそれに気がついたのか次の日には普通に話していた。

 だって、無駄なのだ。ただの自慢大会を根に持って話さなくなる、なんて幼稚な考えで行動しても時間の無駄。この天才と組めばもっともっと高みへといけるのにそんなことはしていられない。

 

 偶然にも俺たちの夢は同じようなものだった。

 彼女は宇宙へと羽ばたく翼が欲しくて、俺は星々の海で漂えるスーツが欲しかった。

 後にISと呼ばれるそれを作るため、彼女とはそれから長い間付き合うこととなる。その中で彼女に惚れていったのは仕方ないことだと思って欲しい。だってコイツ、細胞レベルで天才なのだ。女性の中で最も魅力的なのだ。

 最初はキツかった性格は時間が解決してくれた。彼女は俺の前じゃ普通の女の子みたいに笑って泣いて怒ってくれる。それがとても綺麗で可愛くて。あぁ、語りきれない。

 

 とにかく、自分でも驚く程にご執心だった。だから、彼女が離れていってしまったあの時のことは最早トラウマみたいなものだ。

 世界は彼女を認めるべきだと思って、励まそうとした俺の言葉は彼女には届かなかった。きっと俺に落ち度がある。「机上の空論」と凡人たちに言われて一蹴された彼女の支えになれなくて何が恋人だ、彼氏だ、相棒だ。そんなもの夢見る資格なんて元々俺には無かったのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 セシリア・オルコットと織斑一夏の決闘。それは授業初日唐突に決まった。

 

 原因は女尊男卑の考えを持つセシリアがまわりの子たちから推薦される織斑一夏を認められず、代表候補生である自分が最適なのだと回りくどく罵倒をしながら自薦したことが始まり。

 その男を見下した発言と、日本を馬鹿にしたような発言に耐えきれなかった織斑一夏はそれに応戦。最終的に織斑先生の号令で決闘ということに。

 

 以来知識から叩き込まねばならない織斑一夏と、ほとんどツーマンセルの放課後授業を繰り返し、最低限戦えるレベルまで教えこんだ。

 ISは貸出中とかで全く触らせてあげられなかったが、彼のIS適正値は高い。基本的な空中浮遊さえ出来れば後は感覚でどうにかしてくれるだろう。織斑先生と戦い方も似ていることだし。

 

 

「さて織斑。まずは飛べ、感覚を掴め。後はお前の腕次第だ」

「はい、ありがとうございます新城先生。……俺、行ってきます!」

 

 

 織斑一夏はそう言ってピットから飛んで行った。いい感じだ。そのまま自由自在に動かして様々なデータが取れるように頑張ってくれ。

 

 

「どうだ新城先生。我が愚弟は」

「知識に関しては酷い。予習用の教本を電話帳と間違えて捨てるような奴だからそこはまぁ予想していたところだが。 対して身体能力だが、こちらは成長が凄まじい。基礎訓練の後ISの経験を積ませてやれば化けるだろう」

「なるほど、意外に高評価か。……じゃあどうしてそんなに焦っているんだ? 」

 

 

 何故? 焦らないはずがない。

 あの雪片弐型に篠ノ之束の姿を見た。展開装甲なんて搭載した剣を作れるのは世界でも俺とアイツだけだ。まず間違いない。

 アイツが来る。それだけで俺はどうしたらいいか分からなくなる。あの時どうすれば良かったかなんて今も分からない。

 6年ぶりに会う幼馴染。何を思いどんな顔をしてやって来るのか。その時俺はなんと言えばいい? 理解できない。

 

 

「篠ノ之束があの白式にはいた。それだけで分かってくれ」

「……お前は相変わらずだな。束よりも周囲に溶け込むのが上手いくせに束よりも不器用だ」

  「……篠ノ之束の心を理解するのは至難の業だと思うが」

「少なくともお前はアイツの心を掴んでいるよ。お前にはどれが心なのかどうか認識する能力がないだけだ」

 

 

 心を認識する能力がない……?

 うむむむ……よくわからん。

 

 

「あ、先生! 織斑くんが!」

一次移行(ファーストシフト)……。お前、ちゃんと仕事はしたんだろうな?」

「あー……。いや、別に他の女のこと考えていたとかそういう」

 

 

 ガコン

 

 

 と金属板が凹むような音がしたが拳骨だ。頭への拳骨だ。

 この千冬という女。本当に人間だろうか。ゴリラなどというレベルではない。最早怪異─────。

 

 

「それを言うならお前もだろう。アホタレめ!」

 

 

 もう一発、今度はビンタ。さすがに怪異は言い過ぎか。

 しかし今心を読んだな? なるほど、もっと積極的にそういうことをしろということか。人の秘密は蜜の味。そういうのを暴ける力が心を理解する力────!?

 

 

「なぜもう一発喰らわせようとする!?」

「いや、何故かお前が乙女心を弄ぶクソ野郎に見えたからな」

 

 

 どういうことだ。まるで意味がわからんぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 負けた。

 セシリアに俺は負けた。雪片弐型のバリア無効化攻撃の代償によってシールドエネルギーが尽きたためである。

 だというのに……。

 

 

「一夏くん、クラス代表就任おめでとうー!!」

 

 

 どうして俺はクラス代表になってんだ!?

 

 

「それはわたくしが辞退したからです」

 

 

 心を読んだようにセシリアが言う。そっか、辞退したからかぁ……。

 

 

「そう残念がるな織斑。就任したからにはしっかりと働けよ」

「でもは……新城先生、俺素人なんですよ?」

「お前の成長速度は凄まじい。なに心配するな。知識も基礎も俺が叩き込んでやる。ISに関しても練習相手を捕まえられたからな」

「練習相手……?」

 

 

 俺の返答を聞いて鋼さんは箒とセシリアを指さした。ということはまさか。

 

 

「この2人の進言でな。そういうわけで3人とも、後でこれからの練習日程を書いて渡すから確認を忘れるなよ」

「「はい」」

 

 

 マジかぁ……。セシリアはどうかしならないけど、箒も一緒なのか……。

 いや、幼馴染だから色々やりやすいっちゃあやりやすいんだけど、如何せん手が出るのが速すぎる。セシリアと戦うまでの基礎訓練でもいきなり突入してきては色々言って竹刀で叩くし……。言ってることはご最もな事なんだけど。

 

 

「っと、急用が入ったみたいだちょっと出てくる」

「えー!せっかくの先生枠がいなくなるのは困りますよ!」

「枠と言うな。まぁなんだ、はやく終われば戻ってくる。それまで先生の前で話せないことでも話しておけ」

 

 

 そう言って手を振りながら鋼さんは食堂を後にする。……あの人ってあんなに人付き合い良かったっけ? 束さんほどじゃないけど、あの人は他人に対してよく接してくれる人じゃなかったような……。

 意見を求めるように幼馴染の方を見る。箒は箒で何か違和感を感じているのか、これじゃないといいたそうな顔をしている。

 

 

「……箒」

「……一夏、やはり」

「箒もそう思うか?」

「……お二人で一体なんの話をしてらっしゃいますの?」

 

 

 俺たちのやり取りの意味が分からないセシリアがわざわざ箒と俺の間に入って言った。なんでそこなんだよ。

 

 

「いや、勘違いならいいんだけどさ。……新城先生、昔はあんな感じじゃなかった気がするんだ」

「私も同意見だ。あれは……あの人は、もっと……」

 

 

 箒が言い淀んだ。多分、苦手な姉である束さんを思い出したんだろう。あの二人はかなり似ている。

 

 

「なになに? 新城先生の昔話?」

「聞きたい聞きたい! そしてお近づきになりたい……」

「新城先生、カッコイイよね……。いや、可愛い? とにかくイケメンって感じ!」

「ウンウン。人付き合いもいいし、親切だし」

 

 

 俺たちの会話を聞いていたクラスメートが更に割って入ってきた。これ、もしかして喋っちゃいけないことを喋っちゃったか?

 

 

「箒、どうする?」

「……お前が決めろ」

「おいおい、そりゃないって」

「いいじゃんいいじゃんおりむー!先生もさっき『先生の前で言えないことでも言ってろ』的なこと言ってたし〜」

 

 

 

 そう言えばそうだった。なら、言っていいんだろうか?

 

 

 

「分かった。話すよあの人のこと。あの人は────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 少し黄色がかった目をしている以外特徴がない黒髪の少年。それが新城鋼の幼少時代の評価だった。

 

 まだ小学生になったばかりのその頃は容姿なんて気にしている人はあまりいない。どんな美少年でも、美少女でも、同年代と言うだけでアウトオブ眼中になることは少なくない。

 小学校低学年というのは年上に憧れる年代だ。新城鋼が注目されなかったのも不自然では無い。彼の異常さはその逆。目立たなすぎるのだ。

 

 彼は人から離れることが多かった。理由は篠ノ之束と一緒で付き合っていられないから。しかし、その方法は真逆だった。

 篠ノ之束は個として孤立することを選んだ。自身を周りにとっての悪役に仕立てあげ、近づくものには威嚇射撃をし、自身の境目を明確化させることで一人になった。

 新城鋼は集に隠れることでその姿を消した。堂々と集団の中心にいるのに誰も話しかけない誰か。遊ばないけど何となく友達な、友達の友達のアイツ。話しかければ相槌を返してくれる何となく良い奴。そうやって彼は自身の領域を示す境目を限りなく薄くした。

 結果、新城鋼は篠ノ之束よりも一人でいる時間が多かった。いや、正確には一人でいるように感じられる時間だろうか。

 悪役に突っかかるヒーロー様気取りのやつはどこの時代にだっている。そういう意味で篠ノ之束は孤高ではなかった。新城鋼にはそれがない。集と同化しているから一人ではないが、最早概念みたいなものになっていたため決して干渉されることがなかった。

 

 そうやって育っていった二人には明確な違いが生まれた。心への関心の度合いという違いである。

 篠ノ之束はいくつもの悪意と対峙した。自身の容姿に惹かれてやってきたチャラ男。ヒーロー気取りの偽善者に、ぼっちには何やってもいいと思ってるスクールカーストトップ勢。

 それらは決して束にとって良いものではなかったが、自身の心を形成する上で必要なものだった。

 彼女には理想を体現する力があったから、彼女の中で彼女基準の、悪意のない最も理想的な心が持てた。……まぁ、それが災いして誰に対しても善行をしているのだと錯覚することがあるのだが。

 

 対して新城鋼。彼は人の無意識の中にずっと居た。話し相手は自身の作る機械たちで、人とまともに会話したことなど全くない。彼が口を開いたのは隠れるために必要最低限な作業の時のみ。

 それらは鋼に絶対なる安静を生み出したが、彼の心を形成させなかった。

 真っ白なシーツ。彼の心を言葉にするならそんな感じ。他から学ぶ力はある。他からの影響を受けて色を変えることだってある。でも彼は自分自身で完成していたから他の影響を受けなかった。

 影響を受けないということはつまり、興味が無かったということ。

 

 

 

 最初、幼かった一夏たちにはそれが分からなかった。

 自分たちの姉たちと楽しそうに話す彼は、確かに楽しいと思っているのだろう。でも、自分との会話になった瞬間全然楽しそうじゃなかった。

 束と自分たちの夢について語る鋼。

 千冬とじゃれあいのような格闘をする鋼。

 この時の彼は目に光があるのに。

 

 一夏と箒、2人にこれから先のことを話す鋼。

 この時の彼は作業をしているかのような冷えた目をする。

 

 

 

 最もそれは本当に最初の頃だけだ。

 篠ノ之束という存在が彼の心をめちゃくちゃにしてしまった。真っ白なシーツには沢山の色が塗られた。でも色はあっても塗り方を知らなかった鋼には上等な絵などかける訳もなく、どこか抜けて歪な心になった。初心とも言えるかもしれない。

 

 篠ノ之束と新城鋼がISを作り出すまでの2年間で彼は明確に変わった。特に女心を学ぶような傾向になり、自分が男としてどう振る舞えばいいかという点について敏感になった。

 しかし、それにリソースを出力し過ぎたためだろう。その2年間で年下への対応を完璧にすることは出来なかった。

 

 元々一人っ子。隠れ蓑にしていた同年代のコミュニティは篠ノ之束に荒らされた。年下集団なんていう新しい分野に踏み込める土台のない彼は昔ながらの方法に頼るしかなかった。平坦で感情の起伏のない対応。一体それを一夏と箒がどう思ったのかなど言うまでもないだろう。

 

 それも今ではマシになった。学園で教師として働いていたことが主な要因だが、その前にチュートリアルとして一夏と鈴のなれ合いを見ていたのもあった。

 そういうわけで、鋼は一夏を「色々学ばせてくれたいい年下の男の子」という認識で接している。そして、IS男性適合者となった彼からはもっとたくさんのものを貰うだろう。

 その義理を返すために彼はエンジニア系の教師から織斑一夏専属特別顧問になった。とても不器用ではあるが感情がこもった感謝。

 

 元恐怖の対象であった年上の男性にそう接せられて一夏はどう思うだろうか。うん、気持ち悪いと思うだろう。なんか所々ホモ臭いし。

 それもまぁ仕方の無いこと。彼が見てきたのは青春を行き交う少女の乙女心が大半なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりだな中国少女。歓迎するぞ、盛大ではないが」

「鋼さんお久しぶりです! ……また変なものの影響を受けました?」

 

 

 

 もしも彼の心が真っ白なシーツのままだったなら、彼は篠ノ之束に並ぶもう一人の天災として名を世界に残していたかもしれない。

 しかし、色恋を知った彼はもう一人の男。天災級の知能を持った天才へと成り下がった。ルールを破らないから天才なんだとか束は考えているが本当は違う。好きな女の子という鎖に繋がれてしまったから彼は天才なのだ。

 

 

「それほどでもない」

「わー謙虚だなーって、褒めてないですよ」

 

 

 ちなみに束に振り向いてもらうことを目標に掲げる彼は、彼女と別れてから様々な方面に手を出して吸収していった。今の彼は一夏が考えているより割とコミカルである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんだぁこのキャラブレ度と変な文は……たまげたなぁ。でもシリアスなんざ必要ねぇんだよ!

ある意味おふざけモード束さんに近づいてしまっているオリ主。果たしてそんな状態で真面目モードの束さんの色気に勝てるのか!
ヘタレ童貞変人のオリ主の活躍に乞うご期待!話あまり進んでないけど!



は や く い ち ゃ い ち ゃ … … ( 遺 言 )




追記
なんか自動で原作名が私のログイン用メルアドになってましたけど気にしないでください。多分もうないと思います



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新城鋼とIS学園

うーむシリアス……。シリアス……? シリアスいや……(ブロックワード)

あ、今更ですけど戦闘シーンはあまり書く気ありません。ロボットモノはかける気がしねぇんだ……。


追記
タイトルが気に食わなかったので修正。


「2組に新しく専用機持ちが転入してきた?」

「うむ、そうだ。それにクラス代表にもなったらしい。お前の敵が増えたな織斑」

 

 

 そうか、会ってみてぇなと呑気に言う織斑。まぁ、変に敵対視するよりはマシか。あちらさんは織斑に特別な感情を持っている。2人が離れる時に交わされた約束。それを織斑は覚えているのだろうか。

 

 バンッ

 

 と教室の入口から音がした。どうやら噂の人が来たらしい。

 

 

「その通りよ! 私は中国の代表候補生凰鈴音! 今日は宣戦布告に来たわ!」

「鈴……おまえ鈴か……? なんだそれ、すっごく似合わないぞ」

「あ、あんたなんてこと言うのよ!」

 

 

 これは酷い。織斑の奴めやっぱり自身への好意に気づいていないな。

 とある本に載ってあったぞ。「女の子に劇的な変化があった時は意中の人にアピールする時」だと。似合わないというのは分かるが口に出すのは最低だぞ。

 っと、そろそろSHRか。この一悶着を止めなければな。

 この2人がいがみ合うと誰かが仲裁に入るまで(主に鈴が)引き下がらなくなる。

 これを放置していたら俺が職務怠慢で叩かれかねん。鈴には言いたいことがまだあるだろうが御退場願おう。

 

 

「逃げるんじゃないわよ一夏!」

 

 

 そう捨て台詞を吐いて隣の教室へと戻っていった。そして入れ違いで入ってくる千冬。走ってったけど衝突とかしてないだろうな?

 

 

 

「それではSHRを始める」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 鋼さんの授業はとても分かりやすい。千冬さんが言うには、うちの姉に勝っている数少ないものの一つだという。そう言われて何となく、この人が何故授業が上手いのかを理解した。

 

 なんせこの人は、あの姉に対して「教える」という行為を多分世界で唯一やってのけた人だ。あの自分勝手で人の話を聞かない姉にである。

 人の好き嫌いを瞬時に見分けられる。その人にとって何がセーフで何がアウトなのかをしっかりとふまえていて、どう扱えば自分の話に心から耳を向けてくれるのかが分かっている。その分析力を活かした授業はとても心に残る。

 

 

「いいか? 一年の座学で覚えるのは全て基礎知識だ。つまり暗記が必須となる。暗記科目はとてもつまらない。その最たる原因は授業と教本だ。だからこれは最初にうる覚える時や、振り返りの時にのみ使え。君たちはこの単語を何か面白いエピソードと繋げるように努力しろ。そうするだけで印象に残るぞ」

「面白いエピソード、ですか? 例えばどんな感じの……」

「そうだな……。変なイントネーションで言ってみたりだとか、何かおふざけで使ってみたりだとか……。布仏、何かやってみせろ」

「えぇ〜!? いきなりはひどいですよ先生〜」

「フッ……冗談だ。だが眠気は覚めただろう? 」

 

 

 ……うむ、心に残ると思う。ISの単語はどれも長くておふざけには使いづらいだろうが、言っていること全てが間違いという訳では無い。きっと、これはのほほさんを目覚めさせるのも織り込んだおふざけなのだろう。

 正直に言おう。私のイメージと乖離しすぎていないか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 ♦♦♦

 

 

 

 

 

 

 

 

 鋼さんと私たちが主に関わることになるのは基本的にはIS関連の授業だ。どうやら偶に一般科目で代理をさせられたり、HRでの通知やクラス会議の簡単な司会などもやることもあるようだ。

 だがどんな授業でもあの人は自身の端末から手を離すことは無い。授業だけではない。一夏との訓練の時だってそれを離したところを見たことがない。

 ある食事の席で、とても気になったので聞いたことがある。そのパソコンで何をやっているのですかと。そしたら鋼さんはこう答えた。

 

「対篠ノ之束用防衛プログラムを常に書き換えている。ここの防御システムの管理は俺に一任されているからな」

 

 そこで初めて知ったことなのだが、この人はIS学園が設立された時からずっとここで働いていたのだという。

 

 そして話してくれた。姉がISを作り、私たちの前から消え、私が故郷を離れてしまわなければならなかった後のことを。

 

「束のやつが消えてからというもの、千冬の所にも俺の所にも様々な国の奴らが来た。俺はアイツを探すのに集中したかったから軽くあしらったんだが……。それで買われてしまったらしい」

 

 以来世界から、篠ノ之束に対抗できる唯一の人間として評価されることになった。それからIS専用の最新鋭の研究環境を用意することを条件に、各国から独立した学園にだけ協力することを許したらしい。

 

「ISに乗るという夢が無ければ束のように雲隠れしていたかもしれん。いや、それがあっても多分この学園に来ようとは思わなかった。決め手になったのは千冬が学園に入学するという知らせだったよ」

 

 千冬さんがIS学園に来る。

 その知らせを聞いた鋼さんは確信したという。あの姉が必ずIS学園に興味を示し、自分たちに要らぬ世話をしてくるであろうことに。

 であればいつか会える日が来るかもしれない。そう思った鋼さんは、元々高校にも入っていなかったため十代後半での就職を決めたという。こう聞くと凄い経歴だ。……学園の一期生は同じ年齢の男に指導されていたことになる。

 

「俺はその時もまだ必死に束を探していた。あの時は束が離れていってしまったことについて、自分にどんな非があったのか理解していなかったらな。 学園のセキュリティや防衛機構に手を出したのは、ハッキングしてくるであろう束を逆探知したいがためだったよ」

 

 そのためには逆探知が完了するまで持ちこたえられるセキュリティが必要なのだという。理想を言えば姉が絶対に突破できないと思えるようなセキュリティ。

 ずっと端末をいじってセキュリティを書き換え、更新しつづけているのは、それが必要だったから。姉にAIが無作為に作ったセキュリティプログラムは効かない。それは理解している。それこそ、対抗できるのは鋼さんくらいなものだ。

 

「とはいえ、こっちは俺の作ったナノマシンを通して管理しているから本来はこんな端末要らないのだがな。これは確認と研究用だ」

「研究用はまぁ何となく分かりますが、確認とは一体何をしているんですか?」

「俺が外部端末を使った際にどれくらいこの防備を抜けるのに時間がかかるのかっていう確認だ」

「……はい?」

「要するに、俺は自分の作ったセキュリティを、この端末で解きまくっているということだ」

 

 答えをはじめから知っている自分が、ハッキングをするのにかかる時間。それは他人には絶対に突破することのできない記録(タイム)。つまり、あの姉であろうが何だろうが、外部の人間の侵入に絶対的な安全性を保証できる猶予ということだ。

 

「どんなに束や俺がタイピングがはやいと言っても、俺達は人間だ。物理法則までねじ曲げられない。故に答えを知った上で最短距離を走っても入力時間は絶対に発生する。それの計測だ」

「……ちなみに、それはどのくらいを目安に作ってあるのですか?」

「せいぜい俺で10分くらいを目安だ。凡人がやったら一年以上前かかるだろうな」

「……」

 

 

 思わず絶句した。そのようなレベルのセキュリティを常に書き換えるなんてとても苦労するはず。一体何故そのようなことを一心不乱にしつづけているのだろうか。

 

「束に会いたかったから……というのは昔の話だ。今は、束が惚れるような強い男であることを証明するためにやっている」

「姉を……惚れさせるために?」

「そうだ。だって女性は強い男を慕うのであろう? ならば、俺はアイツよりも強くなければならない。今のような互角の状況ではダメなのだ。負けてしまうなど以ての外」

 

 篠ノ之束が相手でも絶対に負けたくない、なんて言える人はこの人くらいだろう。こんな一途に思いを寄せられている姉が少し羨ましくなった。そして、一直線な鋼さんを少し尊敬した。

 

「そうですね……。一夏にもそうあって欲しいです」

「む。お前はそれで良いのか恋焦がれる少女よ。お前だって振り向かせたい男がいるのだから強くなけ( パァン!! )……痛いぞ」

 

 しかし、このデリカシーの無さはやはり姉に似ていて嫌いだ。どうして何一つ表情を変えないでズケズケと人の心に入れるのだろうか。恥を知れ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 クラス代表トーナメント戦が始まった。しかし中国少女こと鈴の機嫌は悪い様子。聞いてみれば織斑があの約束を変に捉えていたのが原因らしい。

 しかし織斑は凄いな。普通「毎日○○食べさせてあげるからね」的な約束を女の子の方からしてきたら分かるものでは無いだろうか。テンプレだぞテンプレ。

 

 

  「新城先生。防御体制は万全か?」

「大丈夫だ織斑先生。各国要人であろうが生徒であろうが、アリーナで戦う選手達についても防備は万全だ。各種砲台もキチンと動作している」

 

 

 っとそんなことを考えている場合ではなかった。今年のクラス代表トーナメントは特別なのだ。……俺の杞憂であって欲しいがきっと束の介入がある。

 なんせ今回は白式の正式な公式試合だ。前回のように急に決まった決闘ではないため、試合ギリギリに専用機を到着させるとかいう、束らしからぬ時間にルーズな動きはしてこないはずだ。多分束が念入りに準備をしてかかってくるだろう。

 

 何十門もの砲台とハッキング感知システム。セキュリティは俺がリアルタイムで更新していく。これ以上ない布陣を整えたがそれでも束に勝てるか怪しい。

 ISに乗れないのが無いのが痛すぎる。こっちにも教師陣の精鋭部隊があるが、あっちは非正規軍並の装備を持っていてもおかしくない。もしもアイツ自ら来るようなことがあっては、多分千冬くらいしか敵わない。

 しかし千冬を使うのもなしだ。俺は俺の力だけであいつに勝つ。

 

 

「随分気が立っているな。……来ると思っているのか?」

「……あぁ、半分ほど。すまん嘘をついた8割ほどそう思っている。しかし安心しろ。俺が全てくい止めてみせる」

「そう強ばるなよ。何も無かった時の脱力感で明日休まれてしまうと困るからな」

「……なぜ俺にそのようなイメージが?」

「お前、我が弟の適正結果を見た日と、セシリアとの決闘の日の次の日休んでいただろうが」

 

 

 あぁ、そんなこともあったな。しかしあの時は束の痕跡を探そうと色々していただけなのである。日本の倉持技研や一夏の試験会場に直で行ったりしていただけなのである。

 

 

「別に職務怠慢では無いだろう。俺は学園にとって必要なことをしていただけだ。束の居場所は世界各国も欲しい情報だ。それについて探るなど……」

「そう言って場所は探すくせに会う勇気がないと口で言う。本当にヘタレだなお前は。他の女にはそうはならないと言うのに」

「……ならヘタレではないではないか」

「ヘタレだよ。お前はアピールしかせん。束はそういうのを嫌うと心から理解しているくせに何故する?」

「……」

 

 

 束は好き嫌いが激しいし明確だ。そして心は純粋。心を許した者の行為ならばすぐに受け入れてしまう。それを理解した上であいつの苦手なことをするということはつまり───

 

 

「ま、それは一度置いておくとしよう。今は試合なのだからな」

「───あぁ、そうだな。束が来ないことを祈っているよ」

 

 

 

 ───俺は束から距離を置いていたいと思っているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちょい短めになってしまった。

てかバトルシーンもイチャイチャもギャグもないただのシリアスとか誰得だよ。やっぱりバトルシーン書くかぁ!(手のひらドリル)

束が舞い降りる時までイチャイチャも本編もねぇ! ただ進み続けるだけでいい! だからよ、エタるんじゃねぇぞ……。

でも終わり決めてないからどこで切り上げればいいのかわかんないや


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教師と生徒

……バトルシーンなんてなかった。はじめから無かったんだ。だから、この話はここで終わりなのさロッ(ry


 

 

『───ブロック成功。全システム正常に戻りました』

「あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ ぁ ぁ ……」

 

 

 システムアナウンスとおよそ女性のものとは思えない濁った声が室内に響く。声の主はぐったりと座る椅子の背もたれに寄りかかった。その手は疲れたように力なく垂れている。

 

 

「ほんと、はーくんは手強いなぁ……。今回も引き分けってことでいいよね?」

 

 

 その場にいもしない相手との会話。それができるのがこのすれ違い系カップルなのだ。束は少し間を置いて「ふふん」と嬉しそうに笑った。はやくくっつけばいいのに。

 

 

「でも零落白夜の起動は見れたしノルマはOK! ()()()()()()()()!」

 

 

 束は終始、砲台の制御権限だけが奪えなかった。最後の方はアリーナのロックも破られ学園にいる部隊の突入を許してしまったし、投入した無人機のほとんどが鋼の仕掛によって落とされてしまった。最後はハッキングの痕跡を辿って逆探知もしてきた。

 しかしそれでも一夏と鈴のタッグと無人機がまともに戦えてしまった。それは鋼にとっては負けたようなものだった。たとえその2人が全く傷ついていなくてもだ。

 生徒を危険に晒してしまったという時点で、教師であり完璧主義者でもある鋼にとってそれは勝利と呼べるものではなくなる。

 

 

「んんー!! 久しぶりにお風呂入ろーっと! 」

 

 

 それでも全てを束の思うがままにさせなかった。お互いに完璧主義者だからこそ、この勝負は引き分けなのだ。

 

 

「久しぶりに全力出すと気分がいい! ……はーくんはやっぱり素敵だなぁ。 にへ、にへへへへへぇ……♡」

 

 

 とろけるような笑顔を見せながら湯船でくつろぐ束。彼女の頭の中では意中の人とイチャついている光景でも映っているのだろう。だがしかし、その意中の人が真逆のことを考えていることを彼女は知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

(また勝てなかった。どうして勝てないんだ! 引き分けじゃ意味が無いんだ! 引き分けじゃ、束に振り向いてもらえないじゃないか!!

 

 

 これだよ(呆れ)

 彼の頭の中では今束に延々と侮蔑される光景が映し出されているのだろう。セキュリティルームで一人悶えている。5年以上も会ってないからこんなに拗れるんだ。

 

 

(それにしても無人機か。俺も考え無かった訳では無いし、理論だって成立させたがまさか実現してくるとは……。これにもやはりISコアへの理解が必要なのだろうか?)

 

 

 そう妄想しながらも分析を進めていくあたり流石天才である。並列思考の才能を無駄に使っているような気もするが。

 今回の攻防に投下された無人機は約10機。うち7機は砲台によって破壊され、2機は撤退。1機は一夏たち生徒の結束で無力化された。

 

 

(アリーナの砲台は操縦者を無力化させることに特化しているせいで無人機には通用しなかった。そのせいで一夏たちには悪いことをしてしまったな)

 

 

 アリーナの防衛システムは基本的にアリーナ内でISの暴走があった際のことを想定したものとなっている。故に操縦者を最低限の威力で無力化させることを目的とした電撃系の兵装だったり衝撃を与えるような兵装かがほとんどなのだ。

 生徒を誤って殺めてしまわないようにするための配慮ではあるが、人の乗らない無人機にそんなものが通用するわけがない。

 

 

(アリーナに侵入してしまった1機。動きを制限する程度の攻撃しかできなかった……!)

 

 

 外部で制空権を確保していた無人機たちはほぼ全て破壊できた。外のもの無許可で侵入してくる者達を殺すために作られているからだ。おかげで撃破した7機のコアは全て使い物にならなくなってしまったが。

 

 

『新城先生。ぐったりとしている所悪いが無人機の解析を頼みたい』

「……了解した。今そちらにいこう」

 

 

 それでも鋼はポジティブに考える。まだ登録されていないコアを1つ手に入れることが出来たのだからいいだろうと。

 

 

『……』

「ん、どうした織斑先生」

『いや、お前らは本当に似ているな。今新しいおもちゃが手に入ったと思っているだろう』

「否定はしない」

『……そんなんだからISに乗れないんじゃないのか?』

「そういうものだろうか」

 

 

 この男にはまだ分からない。自身の心の認識さえもが出来ていないというのに、ISの心を……。コアを理解するのは夢のまた夢。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 いつもの整備室に私の『打鉄弐式』以外の機体が置いてあった。

 黒いフルスキンのそのISの装備はほとんど外されていてマネキンのように佇んでいた。一体誰がこんなものを置いていったのだろうか。

 

 

「む。明かりがついてるからもしやと思ったがやはり簪か」

「あ、新城先生おはようございます。……朝先生が来るのは珍しいですね」

「そういうお前は昨日も徹夜したのか? 俺も普段から徹夜三昧だからあまり強くは言えんが思春期の体には障るぞ」

「いえ、昨日は調子が悪かったので早めに寝ました」

「そうか……。夏休み前までには完成させてやらねばな。年頃の女子生徒の体に無理をさせるのはよろしくない」

 

 

 この人とは入学した直後からプライベートな交流がある。もちかけてきたのは新城先生の方だった。

 様々な分野に精通しているこの人は自分の受け持つ授業以外も代役で務めることが多く、教え方が上手くて顔が良いため生徒間でも人気だった。聞いた噂じゃ「篠ノ之束に次ぐ天才」などとも言われていた。

 そんなあの姉よりも才能のありそうな先生が、いきなり自分に声をかけてきた時は驚いた。なんせ「お前の専用機の制作に協力させて欲しい」と頭を下げてきたのだから。

 私は代表候補生でありながら専用機がない。正確に言えば完成していない。本来なら倉持技研が制作してくれるはずだったのだが、世界初の男性IS適合者である織斑一夏の『白式』を作るためにリソースを全て持っていかれてしまった。

 故に「教師としてこの状況は看過できない」として私に頼み込んできたのだ。しかしこれは建前で、後に彼本人の口から「友人の不始末を拭うため」という有難い言葉を頂いている。

 

 だから私の中の先生の評価は微妙だ。

「篠ノ之束に次ぐ天才」と言われるだけあって技術力は凄まじいものだったし、教師という仕事柄、生徒との人脈が広い先生を通して整備科の先輩や同級生も協力してくれることにもなって色々と楽になった。完成までの予定がより詰まったのはは紛れもなくこの人のおかげだろう。

 でも動機が私には気に食わなかった。「友人の尻拭い」というのはどうにも引っかかった。

 きっとこの友人というのはブリュンヒルデの織斑先生のことを指しているのだと思う。新城先生が親友だと自ら言葉にしていたから間違いない。ならばあの人の不始末とはなんだろう? 私たちからしたら完璧超人にしか見えないあの織斑先生の不始末。それは弟である織斑一夏関連のことで他人に面倒をかけてしまったことに他ならない。

 つまり新城先生は織斑一夏の代わりをやっているのだ。そう思ってしまうと怒りが湧き上がってくる。特にあいつの弁護をしてくる新城先生は嫌いだ。何故あいつを庇うのだろうかと思えてならない。

 でも確実にお世話になっているので怒るに怒りきれないところがある。だからこの人の評価は微妙だった。

 

 

「それよりもこれはなんなんですか? フルスキンのISみたいですけど」

「ああそれか? それは俺のISだ」

「え……? でも先生ってIS敵性ありませんよね?」

「そうだ。だが俺が乗らなきゃ動かせる」

「……それは新城先生のISと言えるとは思えませんけど」

「案ずるな。これを動かすのAIだ。無人機の知能を作るのだから俺のISで何もおかしくはないだろう?」

「へ?」

 

 

 今この人はなんて言った……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

「今日はなんと転校生を紹介します!」

 

 

 山田先生が嬉しそうに言うと前の扉から1人の生徒が。男性用の制服を着た金髪のその生徒は礼儀正しくお辞儀をすると言った。

 

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました」

「お、男……?」

「はい。こちらに僕と同じ境遇の人がいると聞いて本国から転校を……」

「「「きゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!」」」

 

 

 全て嘘である。俺は彼もとい彼女の正体を知っているし、その目的も知っている。生徒はみな盛り上がっているが全て嘘なのでやめて欲しい。耳が痛い。ああもう言ってやろうかな?

 

 

「お久しぶりです、 鋼さん。……新城先生と呼んだ方がいいですかね?」

「あぁ、そうしてくれ」

 

 

 釘を刺された。口元に人差し指を当てなくてもいい分かっている。

 全くデュノア社も馬鹿なことを考える。俺が手を貸したことで躍進してる真っ最中の某社。勢いがあるのは分かるが、だからって娘を宣伝のためと織斑のデータ取りのために男装させるのはおかしいだろう。

 

 

 

 

 

 ♦♦♦

 

 

 

 

 

「本日より実習を開始する!」

「「「はい」」」

 

 

 クラス代表トーナメントも終わり知識を粗方詰め込んだ生徒達は今日から実習に入る。ある意味これまでがチュートリアルだ。これからがIS操縦者を目指す者にとっても技師を目指す者にとっても人生でとても大事なターニングポイントとなるだろう。

 ISの教科書に書いてあることなど所詮無理やり言葉に収めただけのものに過ぎない。束とISの開発をしていた頃は使っていなかった。使う必要が無かったとも言えるのだが。とにかく教科書に載っているのは世間に公表されてから無理やり名付けたものばかりなのだ。

 ISは触ってみないと分からないことだらけだ。織斑なんかがいい例だろう。白式を手に入れる前と後とでの自習授業の理解度は段違いだった。

 触れられる時間というものは限られているが、頑張りたまえよ青春を生きる乙女達よ。

 

 

「それでは実戦を行ってもらおうか。凰、オルコット」

「「はい!」」

「専用機持ちなら直ぐに始められるだろう。前に出ろ」

 

 

 とんとん拍子に授業は進んでいく。はて、この二人の相手は誰がやるんだったか……?

 

 

「どいてくださ~い!!」

 

 

 上空から悲鳴が。見ると山田先生がふらつきながらこちらに突貫しているではないか。おいおい、元代表候補がそんなんでどうするんだ。世話が焼ける。

 

 

「っ」

 

 

 着地点に密集している生徒たちの前に立って大きくジャンプ。突っ込んでくる山田先生を抱きかかえ、勢いを殺して広い場所に着地する。元々の不時着地点には織斑が。……突然のことだとはいえ、そうぼーっと突っ立っているのもどうかと思うぞ?

 

 

「あ、ありがとうございます」

「ISを身にまとっているときは気を付けてほしい。その状態の山田先生を受け止めるの少々骨が折れるのでな」

「うぅ……。すみません……」

 

 

 そう言ってうつむいてしまう山田先生。耳まで赤いが大丈夫だろうか?

 

 

「「「きゃああああああああああああああああああああああ!!」」」

 

 

 なにゆえに歓声? お願いだからその声をやめてくれ。なぜ入学式でもないのに一日に二度も聞かねばならんのだ!!

 

 

「てか、あの先生生身でIS受け止めてるんですけど……っ!?」

「いまもずっと持ち上げているままですし……。いったいどうなっていますの?」

「あうぅぅ……。そ、そろそろおろしてくださいぃぃ……」

「お前もお前で鈍感だな、新城先生?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気を取り直して戦闘開始。

 一見二対一で山田先生が不利に見えるこの状況だが実は逆。連携を強いられている鈴とオルコットが不利だ。なんせあいつらはまともに連携しようとしないからな。織斑の練習を見ていれば自然にわかる。

 

 

「デュノア! 山田先生の乗る機体の解説をしろ」

「はい! 山田先生の乗るISはデュノア社製ラファール・リヴァイヴです。第二世代開発最高期の機体ですが、そのスペックは初期第三世代にも劣らない──」

 

 

 シャルロ……こほん、シャルルが色々言っているがつまるところこの機体は万能型。装備によってどの距離でも戦えるこいつは急速に市場のシャア率を広げていき、今では世界一位の量産機となっている。

 俺も開発に関わった機体だ。色々な装備を付けられるように、バススロットを圧迫しないウェポンの開発に注力した。やろうと思えばスラスターの切り替えも瞬時に行える。軌道が変態的になってとても面白かった。

 ちなみに俺はデュノア社以外にも色々な企業で様々なものを開発している。簪の打鉄弐式も元々企画したのは俺だ。……束せいでおじゃんになったが、俺自ら触れるので別に気にしてはいない。彼女のわがままに付き合わされるのももう慣れっこだ。

 

 

「「きゃあ!?」」

 

 

 と言っている間に生徒二人が落ちてきた。山田先生もちょっと誇らしげな顔をして降りてくる。

 

 

「これが教師の実力だ。以後は敬意をもって接するように。次はグループになって実習を行う。リーダーは専用機持ちにやってもらう。では分かれろ!」

 

 

 ここからは俺の出る幕はない。元々実習授業にはやることが無くて参加していなかったくらいだしな。

 え?そんな奴がなぜ今ここにいるのかだって?それはもちろんデータを取るためだ。()()()のためのな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

「え、えーと……。きょ、今日も転校生を紹介します!」

 

 

 困ったように山田先生が言う。いくらなんでも転校生が二日連続で同じクラスに転入など、他の生徒からしたら怪しさ満天だ。

 実際教室はざわついている。だがしかしコイツに関して言えばこのクラスへの転入も仕方のないことなのだ。

 

 

「皆さんお静かに!まだ自己紹介も終わっていませんから」

「……あいさつをしろ、ラウラ」

「はい、教官。……ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

 

 ドイツの元軍人、ラウラ・ボーデヴィッヒをコントロールできるのは学園内でも千冬だけだ。

 それにコイツの憎む相手もここにいる。

 

 

「お前の席はあそこだ」

「……私はお前を殺すために来た。いいな?」

「公私ははっきり分けろよ元軍人生徒」

 

 

 少しは楽しくなるだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 




 
やっとオリ主の武器が手に入ったからもう間もなく戦闘描写書きます。ほんとですよ?


まぁそれよりも束との邂逅の方がはやそうですけどね!


追記
急で申し訳ありませんが未完とさせていただきます。理由は活動報告にて。


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