楽しき少年はコワサレタ (うみみ山)
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記憶

はい。やって参りました。
「楽しき少年はコワサレタ」少ない読者様大変お待たせしました。リメイクでございます。


皆様、こんにちは。

わたしは、今から語る物語の1人となるものです。どうぞお見知り置きを…

 

え?名前?

 

 

 

私の名前は、うーんそうですね………

困りました。なんて言えばいいんでしょうかねぇ…………

 

 

シリエー、とでも名乗りましょうか。

あまり踏み込むような詮索はしないでくださいね。もし詮索するような真似をすればあなたはもしかしたら後悔するかもしれません。これは強制ではないですけど、後悔先に立たずと言います。後悔してもいいのならどうぞ詮索はご自由に。そこから先は貴方の自由のままに…

 

 

さて、本題に入りましょうか…

突然ですが、私のとても大切な人の話をします。なんで?と思う人もいるでしょうけど、これから話すことはとても大事なことなんです。よく聞いていてくださいね?

 

 

むかしむかし、ある所に、とっても優しい男の子がいました。彼はとっても優しくて、どんな人にでも笑顔を振りまくような元気な男の子でした。そして、彼には生活の習慣として、外で遊ぶことと、両親(・・)に褒められることというものがありました。それは、いかにも彼を元気だということを象徴するような習慣でした。

 

 

彼はいっつも学校や習い事のグループの中心でした。持ち前の元気さ。若いというのに恐ろしい程のカリスマ性。誰しも彼を凄いと褒めて、ついていきました。彼がこれをやると言えば、誰もがそれとやり、彼がこれで遊ぶと言えば、誰もがそれで遊びました。

 

 

 

ですが、突如彼に悲劇が起こります。悲劇は突然やってくると言いますが、神様は理不尽です。酷ですが、受け入れざるを得ない理不尽。彼は立ち直れない程の心の傷をおってしまいました………

 

 

 

 

 

 

ここでひとまず話は切ります。質問?ええいいですよ。

 

 

─────これでめでたしめでたしなんですか?

 

 

はて、これでめでたしめでたしか?と……

 

 

 

ふふ、ご冗談を…これでめでたしめでたしとかだったら物語ぶっ壊れじゃないですか。随分と頭がお花畑なんですね。それとも頭にお花の種でもまきましたか?それなら仕方がないともうなずけますね。私の知り合いがいるのですが、その「元」お友達は自尊心の擬人化と言われてるそうですよ。もしかしてそれですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

失礼。少し煽るような言葉お許しを。

ここでめでたしめでたしではもちろんありません。この物語、私の大切な人の話は続きます。

 

 

さて、ここで変な質問をします。

 

 

 

 

貴方は今幸せですか?

 

 

 

少し目を閉じて、今の生活を、1日。24時間。1440分。86400秒の時間を思い出して見てください。

 

 

 

 

 

普通に朝起きて、親におはようと挨拶して、ご飯を食べて、学校に行って、友達と話して、授業を受けて、学校から家に帰って、ご飯を食べて、お風呂に入って、おやすみと親に言って、そのまま床につく。

 

 

 

 

大半の方が今の生活を『普通』とそう思うのではないでしょうか?

 

 

今から言う言葉を憶えておいてください。

 

 

『今過ごしている時間は掛け替えのもの。そして、唐突に奪われるものかもしれません』

 

 

もしも貴方に、自分に大切な人や日常というものがあるなら、絶対にそれを手放してはいけません。一分一秒をしっかりと噛み締めて生きて欲しいと私は願います。時に辛いことがあるかもしれない。でもそれを自分の心の中でしっかりと刻んでいってください。これ以上、彼のように壊してしまって欲しくない(・・・・・・・・・・・・)

 

 

これ以上は、私の口からは言えない。

 

 

 

 

 

 

 

前述に、壊してしまって欲しくないと言いましたが、彼は決して望んでそれをやった訳じゃないんです。言いましたね?彼は優しいと。だからこそ、彼は失ってしまった(・・・・・・・)んです。

 

 

 

これは彼の物語。壊れてしまった彼が、必死に直ろう(変わろう)とする物語。いつも何かが足りなくて、それでも自分を信じて前を進む彼の物語。一体彼はどうなっていくんでしょうか……

 

 

 

 

 

 

 

さて、もう一度先程と同じように日常を思い出して見てください。

 

 

──貴方は今幸せですか?

 

──貴方は今不幸ですか?

 

──貴方は今嬉しいですか?

 

──貴方は今悲しいですか?

 

──貴方は今楽しいですか?

 

──貴方は今つまらないですか?

 

 

 

 

もしも貴方が自分を見失ってしまう時があったら自分の今を振り返ってみてください。そして、自分は自分だと、自分は自分でいいんだと認めてあげてください。

 

 

貴方は貴方でいい──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、私の話はここまで…

 

 

ここからは彼の物語が待っています。

彼の物語の舞台は日本にある県の1つ静岡県。そこにある市、沼津。そして、そこにある学校『浦の星女学院(うらのほしじょがくいん)』で彼は9人の少女達と出会います。どうか、彼の物語を見届けてあげてください。これは私からの心からの願いです。ここで読むか読まないか、それは貴方達次第。ですが、どうか………

 

いえ、これ以上は喋りすぎですね。

 

では

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─物語の始まりです─

 

 

 

■□▪▫■□▫▪■□▪▫

 

 

 

 

 

 

 

 

──ここはどこだ?

 

 

目を開くとそこにはどこまでも続く荒野が広がっていた。体を360度回転させ、辺りを見渡しても、そこには何も無い。ただただ、何もない荒野があるだけ。

 

 

 

 

 

 

 

不安で少し狼狽する。こういう時にあがり症なのだ。パニックになりながら、目線を上に向ける。そこには、海のものとも山のものとも分からぬものが漂っていた。

 

 

それは地球のものなのか。それとも、地球ではない宇宙のものなのか。そもそも、この世には存在しないものなのか。定かではない。ただこれだけは分かった。

 

 

 

 

 

(夢の中…か)

 

 

そこは夢の中であった。なんとも言えない浮遊感。ボヤーっとする頭。これだけの不思議なことがありながら夢の中だと直ぐに気づけなかったのは自分が間抜けだったという他ないだろう。というか、この世のものとは思えないものを見ているというのに安心するって、なんかめちゃくちゃ複雑な気分だ。

 

 

まぁとどのつまりはこれ、明晰夢というやつだ。

なんというか、何気に見るのははじめてかもしれない。夢の中を自覚出来るというのは、不思議な高揚感があるものだな。アバウトに説明すると、なんか深夜にぶらつくいのちょっとしたスリル感だ。人の中には自由に明晰夢を見れる人がいるらしいが、科学的にはそれは結構危ないらしい。

 

 

 

 

(さて、どうしようか)

 

 

とりあえず、ここにいてもしょうがない。夢がいつ覚めるのかも分からない以上は、このままじっとしているのもつまらない。

 

 

 

なんでもいいから何かやらないと落ち着かない気分だ。と言ってもここにはただ続く荒野があるだけ。

 

 

なんとも言えない孤独感だけがあるだけだ。面倒だが歩くか。

 

 

 

1歩、1歩、足を動かし前へと進む。これが前なのか後ろなのかは分からない。

 

 

 

東西南北という概念はこの夢の中には存在しない。あるのはどこまでも続くような荒野だけ。歩くのにも気が遠くなりそうになる。人間は未知のものに恐怖するというが、なにが続くか分からないというのがここまで怖いとは知らなかった。夢なのに怖い。

 

 

例えるなら、お化け屋敷のような……そんな恐怖を覚える

 

 

歩くのがこんなに辛いものだとは…

 

 

すると、元いた場所からどれくらいか歩いた所に『ナニカ』があった。

 

 

『ナニカ』と言っても想像がつかないだろうが、強いて言うなら泉と言うべきか

 

 

何もない広い荒野に一つの小さな水たまりのような泉があるというのは、どうにもシュールなものだ。まぁ、夢なんてものは非現実的なものばかりだ。今だってこんな浮遊感があるのだから。

 

 

(!なんだいきなり…)

途端、いや、唐突の方が合っているだろうか。目の前が急に真っ暗になった。

どこまでも続く荒野が一変、何もない暗黒の空間だ。中二病からしたら、たまらんもんだろうが、こちらからしたら、たまったものではない。まるでテレビの画面のように先程まで見ていた景色が、一瞬にして消滅したのだから。

 

 

(一体俺はどんな夢を見ているんだ…)

人間というのは、自分が経験したことなどの夢は見れないという。まぁ、自分がこんな風だったらな〜という理想は見れるらしいが、そういう哲学的なことは、俺には全く分からない。とにかく、自分の望んだことや心の中に焼き付いたものが、夢の中に出てくる訳だな。

 

 

 

だが、妙なのだ。だって俺はこんなこと経験したこともないし、望んだ覚えもない。

 

 

(一体何でだ?)

 

 

考え込んでいると、突如真っ黒だった空間に一筋の光が伸びる。まるで行く道がこちらだと指し示しているかのように。伸びた光を辿って進んでいくと、そこには…

 

 

(これ、もしかして俺の記憶……か?)

 

 

記憶の欠片、見た感じは丸っこいのだが少し表現が難しい。記憶の片鱗とでも呼ぼうか。それらしきものがあった。記憶の片鱗は例えるならスライドショーのようにぐるぐると回っている。

 

 

人間は寝ている時に必要なものとそうではないものを分け、必要でないものは忘れるという。もしかしたら、それなのかもしれない。

 

 

人間の脳というものはすごいな。見たところ一部は俺も覚えてないような記憶がちらほらある。自分では覚えていないと思っていても、脳はしっかり覚えているんだなと勝手に1人で感激する。

 

 

浮遊感も忘れ、まるで遊園地に来た子供のように記憶のスライドショーに飛び込む。ここ最近の記憶や、少し昔の記憶まで多種多様に記憶が存在している。新しいことや知らないことを知ることはとても楽しい。未知というものは恐怖であり、またその追求はとても楽しいものである。この矛盾関係はいささか疑問もあるが、今はぶっちゃけどうでもいい。未知の探求追求は楽しいのである、以上。

 

 

自分の記憶を眺めながら奥へ奥へと進んでいく。どうやらここは奥へ奥へ進むにつれて自分のとても昔の記憶が見れるらしい。なんていうか、童心に返った気分だ。断る事にワクワクさせられる。昔の探検ごっこを1人でやってるバージョン的な?いや、悲しくなるからやめよう。

 

 

進むにつれ、先程まで見えていた片鱗たちはたちまち消えていく。

 

 

気付いたことがあるが、片鱗達はあかりの役割を果たしているようだ。周りの記憶の片鱗が消えたちまち辺りは暗くなる。夢の中だから原理はわからないから大量に流れてくる記憶が邪魔だからどけたいと願うとそれはたちまち消えるようだ。

なんていうか、今日だけ魔法使い〜♪気分だ。

 

 

まあ、こういう想像が難しい話は置いておこう。人の夢の話ほど、つまらないものはないと思うしな。

 

 

暗くなった道を進み続けると、そこには先程言った、とても昔の記憶らしきものが見えた。

 

 

(これが俺の奥底の記憶か)

人間は不必要な情報は忘れてしまう生き物。昔のことも全て忘れたと思っているのかもしれないが、それは違う。どれだけ忘れたと思っていても、人間は奥底で必ず覚えているんだ。正直言って自分でもこの記憶のことは覚えていない。でも、人間の本質上を覚えているはずなんだ。せっかくだし、見てみよう。こんなチャンス二度とないかもしれないし。

 

(一体どんな…)

俺は記憶の片鱗に触れた。

 

▲▼▷▷▲▼

 

光に包まれ、目を開けると人気のない公園に俺は立っていた。

そこにはまるっきり見覚えはないが一つ確信というものがあった。

 

 

ここは恐らく自分が昔住んでいた町だ。見覚えはない。でも妙な懐かしさがあった。周りを見渡せば、さっきまででは想像もしなかっただろう住宅街が囲っている。昔、自分は東京に住んでいたがそこだろう。空は見渡すととても美しい夕影の空が広がっていた。

 

 

(綺麗だ……)

 

 

自然とそんなことを思ってしまうほど、夕暮れの空は美しかった。

 

 

だが1つ、疑問が頭に浮かぶ。

(一体これ、何歳の時の記憶なんだ?)

 

当然ながら自分の姿を見ることは鏡などを見なければできない。記憶を見る中でどんなことをしていたのかはもちろん誰もが気になるだろうが、自分の記憶の最奥にあった記憶なのに、自分はポツンと公園に立っているだけなんて、少し拍子抜けだった。自分が想像していたのはもっと赤ん坊くらいだった記憶。だが、おそらく今のこの身長だと俺が今見ているのは小学校高学年あたりの……

 

「優くん」

 

 

突然名前を呼ばれ、思考が遮られる。誰だ?と振り向くと、そこには今の自分と同じ歳くらいの少女が立っていた。

 

 

(もしかして、俺の昔の知り合い…か?顔がハッキリ見えない…)

 

なんだろう。胸が締め付けられる。

少女の顔は何故か靄がかかってハッキリと見えない。でも何故だ。どうしてこんなに懐かしく苦しい気持ちになるんだ。

 

 

「ごめんね。こんな時間に呼び出したりして…」

 

少女は悲しげな声音で、俺に謝る。

 

「明日引っ越すことになったんだよね?」

 

 

何だ?これは一体いつの記憶なんだ?わからない。この少女が誰なのかも…一体君は……

意味がわからないまま話は進んでいく。

 

 

「だから、どうしてもこれを渡したくて」

一歩二歩と少女は俺に近づくと、棒立ちの俺の手を取って手に何かを渡して握らせた。

 

 

「これは私といつまでも繋がってるって印。私とお揃い。これで私たちはどこにいても一緒だよ」

 

微かだが、少女が俺の手をとった時震えていた。声も少し涙声だ。

 

当然ながら俺は呆然とする他なかった。

 

 

「じゃあ、私帰らなきゃだから。ごめんね突然呼び出して……」

 

 

!…待ってくれ。ダメだ。何かがダメなんだ。ここで何か言わなきゃいけなかった。そんな気がする。でもそれはわからない。でも、分からないからこそ、彼女を止めなきゃいけない気がする……!

 

 

「ねぇ……優くん………」

追いかけようとした俺の体は、呼び止められた瞬間硬直する。彼女は背を向けたままだ。少しの間を置くと、彼女はこちらを振り向いた。

 

 

「私のこと……忘れないでね………」

 

相変わらず顔は見えない。でも意味のない確信だけはある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女の瞳からは涙がこぼれていた。

 

 




はい。どうでしたでしょうか?
今回大きく変えた点は、視点を主人公を主観にさせました。前読んでいた方にも少し予想がつかないようにしてみましたが、根本は一緒です。ただ、主人公のトラウマはありません。ですが、これは大きな間違い。



今いえるのはここまでです。一体これから彼はどうなって行くのか。これからの展開にご期待ください。



誤字・脱字などありましたら、感想の方でご指摘お願いします!

評価・感想もお待ちしております!
ではまた!


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はい。
もう一個プロットありますよぉ〜
時間差投稿です!


 

 

 

ドカン!

この効果音はどこで使われることが多いだろうか?俺が知人や友人に質問した結果、誰もが口を揃えてこう言った。

 

 

『戦場』だと。チッチッチッ。残念ながらこれは不正解。

 

 

正解は……

 

 

「ちょっと!?なにが起きたの!!」

 

「あ〜いってぇ〜っ!!」

 

「って。何やってるのよ〜」

 

「っるせぇな!俺の朝はいつもこうやって始まるんだよ!」

 

「ベッドから落ちて、部屋にある机に衝突した後にその机に下敷きになって始まる朝なんて、随分とダイナミックな朝ネ」

 

「ほっとけ。つか、勝手に人の部屋にはいってくんなよ」

 

「一応ここ、私の家なんだけど?」

 

「でもここは俺の部屋だ。家と部屋は隔離させた。つまり、入っちゃいけない」

 

「解せないわ」

 

 

『朝の部屋』が正解。

 

 

いや〜、皆さんもロフトベッドで寝る時は絶対に落ちないようにするよう心掛けましょう。

 

 

さて、冗談は置いておこう。

 

 

俺は立ち上がるとパッパッと体のホコリを払う。

 

 

「まったく。入学式の日なのにこんなので大丈夫かしら…」

 

「お前こそ。なんで理事長に就いたのに入学式こねぇんだよ。お前がここに俺をよんだんだぞ?」

 

「私だってやることがあるのよ。色々ね」

 

「へぇ〜。例えば?」

 

「……お風呂とか?」

 

「はい次」

 

「………………お風呂とか?」

 

「はい次」

 

「…………………………お風呂」

 

「全部風呂じゃねぇかよ!!てめぇの趣味暴露しろって誰が言った!ええ!?」

 

「ソーリーソーリー。えっと、ワンダフォ〜トラベ〜ル!!とか?」

 

「いい加減殴るぞ?ええ?」

 

「イッツジョーク」

 

 

俺が今ギャーギャー言い合ってる相手は小原鞠莉。パツキンのイタリア系アメリカ人と日本人のハーフで俺の幼馴染だ。

 

 

彼女の父は、リゾートホテルチェーンを経営していて、彼女は紛れもない富豪。まぁ所謂お嬢様だな。こんなお嬢様と何故俺が知り合いなのか。

 

 

まぁいたって理由は単純明快。俺の母と彼女の母が大親友で、昔からよく遊んでいたのだ。俺は小学校に上がる頃に東京に引っ越して彼女とは離れ離れにはなったが、それでもどちらかが遊びに行っていた。

 

 

 

余談だが、俺も一応のお金持ちだ。父と彼女の父も仕事上顔を合わせることが多いらしい。俺は自分の父が何をやっているかは知らないのだがな……いずれも鞠莉の父と顔を合わせるのだからホテル系なのだとおもうが…

 

 

父は今海外で仕事をしていて、父とは離別している。俺の生活費などは父が出してくれていて、たまに電話で話したりもする。優しく、強く、俺の自慢の父だ。

 

 

「お前のジョークは置いとくとして。理事長に就くのに色々手続き的なのあるんだろ?」

 

「それもあるけど、色々準備があるのよね〜」

 

 

色々ねぇ〜。まぁそりゃ学校の理事長なんてめちゃくちゃ偉い人やからな。そんなもん直ぐに就任って訳にもいかねぇしな。

 

 

「さて、ユウキ。ここで話しててもしょうがないし、話は朝ごはんを食べながらしましょうか」

 

「それもそうだな〜。ていうか、本当にあそこに行くんだな。今になってすごく不安になってきた……」

 

「悪いわね。貴方以外頼れる人がいなかったのよ」

 

「俺がお前の話に乗ったのは、しっかり俺の行きたい進学先を推薦してくれるって言ったからだ」

 

「勿論、約束は守るわ」

 

 

俺は今日から『浦の星女学院(うらのほしじょがくいん)』という所にテスト生として通学する。浦の星女学院は静岡県の沼津市という所にある、小さな女子高だ。

 

 

 

俺がここに通うことになった理由としては、この学校が統廃合の危機を迎えていて、今のところ廃合の話が進んでいるそうなのだ。廃合すれば勿論男子生徒とも生活することになる。ということで男子生徒のテスト生として俺が派遣された訳だ。

 

 

 

「本当、お前の行動力には驚かせられるよ。昔っから変わんねぇよなお前。まさか北海道にいる俺を引っ張ってこっちまで連れてくるとは思わなかった」

 

「え?そうかしら。普通だとおもうんだけど……」

 

 

 

そう。察しのいい人はもう分かると思うが、俺はこいつに無理矢理ここに連れてこられた。

 

 

勿論条件付きだ。さっき言った通り、俺の行きたい大学への特別推薦権。とはいえ、まさか北海道からここ静岡まで連れてくるとは、まじで思わなかった。

 

 

ここまで連れてくるのに、北海道で一緒に住んでたばあちゃんにもう直ぐに話つけてきたからなこいつ。まじパネェ

 

 

「あと、私の行動力は果南譲りよ?」

 

「ってつっこむとこそこ!?でも確かに果南姉さんも行動力あったよな〜。というか、化け物並に元気っていうか……」

 

「そうね〜。というか、私のことも姉さんって呼びなさいよ」

 

「やなこった」

 

「可愛くないわね〜」

 

 

うっせえ。果南姉さんやダイヤ姉さんは姉さんだけど、鞠莉は鞠莉だ。

 

 

あっ、果南姉さんとダイヤ姉さんってのは鞠莉と同じで幼馴染だ。まぁ、学校違ったからちょっとしか遊んだ事ないけど、二人とも今でも覚えてる。

 

「果南とも会いたいわね〜」

 

「ん?会ってねえのか?」

 

「ええ。私もここに沼津に戻ってきたのはつい最近なのよ」

 

「へぇ〜」

 

「まぁ、高校2年の1年間だけ海外の方にいたんだけど廃合のこと聞いて、いてもたってもいられなくってね」

 

「そんなに思い入れがある学校なのか?」

 

「じゃなきゃ戻ってこないわよ。それに……」

 

「ん?それに、なんだよ?」

 

「ううん。なんでもないわ。さ、早く起きなさい。食堂に行くわよ」

 

「へぇへぇ」

 

 

俺は座っていた体を起こす。

はぁ〜。結構眠い。今日は変な夢見たからな〜。明晰夢ってのは思白いもんだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、一体彼女は誰だったんだろう?

それだけが頭から離れなかった。

 

 

「?どうしたのユウキ…」

 

「?」

 

 

突然鞠莉が驚いたように俺の方をじっと見る。なんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで、泣いてるの?」

 

 

「へ?」

 

 

思わず間抜けな声を上げる。

すると、目から涙が零れおちた。

 

 

「な、なんだよこれ……」

 

 

なんで泣いてんだ?さっきまで鞠莉と笑いながらふざけて話してたじゃんか。なんで、泣いてんだ。分からない。でも、どうしても涙が流れる。

 

 

「うっ……くっ……」

 

「………」ギュッ

 

「!ま、鞠莉?」

 

 

泣いてる俺を見兼ねてか、鞠莉が俺を抱きしめてきた。

 

 

「なにがあったのか知らないけど、泣きたい時は泣けばいいのよ?」

 

「ふ、ふん。誰が泣いてなんか…」

 

「ユウキ」

 

 

俺の反論を遮る声。

 

彼女の声は少しの怒気を孕んでいた。でも、とても優しく暖かい。

 

 

「嘘は、好きじゃないわ……」

 

「……………」

 

「だから正直に言ってみなさい。ね?」

 

 

今度の声は全くの怒気は孕んでいなかった。ただただ、優しく赤ん坊をあやすように、優しく俺に言葉をかける。

 

 

「わかんねぇんだよ」

 

「うん」

 

「なんで、こんなに胸が締め付けられるのかわかんねぇんだよ」

 

「うん」

 

「わかんないんだ。誰なんだよ彼女は。でも大切だったことは分かる。なんでそれだけが分かるんだ。俺はなんで泣いてるんだ!?」

 

「うん」

 

「俺は、分からないのが怖いよ……」

 

「うん」

 

 

鞠莉はただ俺の吐き捨てる言葉を優しく受け止めてくれた。そして、そっと俺の頭を撫でる。

 

 

「怖いなら、不安なら、私の胸で存分に泣きなさい。たまには、思いっきり泣くのも悪くないとおもうの」

 

「な………んだよ……それ」

 

「さぁ?いつものジョーク?」

 

「ふっ……敵わねぇな……」

 

「だって、姉さんだもの……」

 

「そっ…か……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は、全力で泣いた。

それをただそっと抱きしめてくれる鞠莉は、紛れもなく自分にとって幼馴染であり、姉のようだった。

 

 

俺逢沢優希の高校2年のスタートは、まさかの大泣きからのスタート。先に言おう

 

 

 

 

 

 

 

お先真っ暗である、と。

 

 

 

 

大泣きしたせいで朝ごはんが遅れて、遅刻しそうになったのはまた別の話。




はい。
北海道設定は死んでませんよぉ〜

ここで言いますと、まだ次の話のプロットは完成してないので、しばしの別れになりますね……大変申し訳ないです。


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感想・評価もお待ちしていますのでぜひ!

では、またな!!


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登校

さて、3話です!

しばしの別れとか言いましたが、思いのほか早くプロットができあがったので投稿しまーす!

今回は登校話です!


お金持ち。

それは誰もが一度は夢見るであろうこと。お金があれば自分の欲しいものややりたいことを早急に叶えることができる。まさに、現世界で恐らく1番のドリームアイテムだ。

 

 

だが、世の中にはなりたくなくてもお金持ちになった人間がいる。俗に言うおぼっちゃまやお嬢様。

 

 

ここからなにが言いたいか?まぁ、少し話を伸ばすようなことをして悪かった。

本題でございます。

 

 

お金持ちというのは基本的に考え方が、一般人のそれからかけ離れてる。例えばだが、友人にプレゼントという時に基本的に人は「なにをあげたら喜んでくれるだろうと」考える。

 

 

だが、金持ちの場合「どれであればいいだろうか?」と考える。どんなものも手に入るが故に何をあげたらなどはまず考えず、どんなことをすればいいかを考える。

 

 

これは例だが、みんなで遊べる野球場をプレゼントしたりする金持ちもいるらしい。非常にぶっ飛んでる。常識が通用しない。一般からみれば、非常識であろう。バカと金持ちはまさに紙一重である。

 

 

さぁ、ここから問題です。

 

一般の常識がない環境で生きてきた金持ちは、遅刻しそうな時、どうやって学校に登校するでしょう?

 

 

正解は…

 

 

「おいおいおいおい、バカなのかぁ!?」

 

「バカじゃないわよ?」

 

「いや、ヘリで学校とか、どう考えてもおかしいだろぉ!?」

 

「え?なんで?」

 

「やっぱりバカだろぉ!!!」

 

 

ヘリ登校でした。本日2度目の問題。ご清聴、ありがとうございました。

 

 

さて、前述で言った通り、金持ちはぶっ飛んでる。まじで。

ほんと今更だけどこんな奴に、俺の進学先の推薦任せても大丈夫なのか?途端に不安になってきたぞコレ。

 

時間は遡ること数十分前。大泣き(笑)事件で起こった、圧倒的な時間ロス。黒歴史を作ると共に、冷静になった俺は、ほぼ遅刻確定の現実を押し付けられた。普通に歩いても学校までは間に合わないし、バスも数が少なく、来る時間には確実に入学式に間に合わない。

 

このままでは遅刻コース確定。ということで、鞠莉が提案した登校案がこれだ。

 

 

いや、マジかよww

 

って笑えないからこれ。ホント、マジワラエナイ。

 

 

「車とかなかったの!?」

 

「今ちょうど送迎できる車がなかったのよねェ〜。まぁ我慢して頂戴」

 

「ヘリで登校って、めちゃくちゃ目立つじゃねえか。いやもう、いっその事歩いていって遅刻した方がましだったわ」

 

「安心して。近くで降ろすから」

 

「安心出来ねぇ……」

 

 

もちろんだが、俺は人生で初めてヘリに乗った。なんというか、飛行機に比べるとかなりうるさい。飛行機が緩やかで表現出来るなら、ヘリは荒っぽいと言うべきか。まぁ、飛行機も離陸する時はめちゃくちゃ揺れるから大してかわりはないのかもしれない。まぁ、デリケートなやつは苦手だと思う。

 

 

「さ、そろそろ着くわよ」

 

「そろそろって、降りれそうな所なんてどこにもないぞ?」

 

ヘリの窓から下を見渡すと、とてもじゃないが、降りれそうな場所など無かった。無理に降りたら、恐らく周りに危害を加えるだろう。

 

そもそも、この小さな町で、ヘリが降りられる所など海浜か鞠莉の家の淡島ホテルのヘリポートくらいだろう。

 

ていうか、今更だけどこんなところでヘリ飛ばして大丈夫なのか?騒音被害とかで訴えられたりしないだろうな?

 

基本的に内浦の人たちは優しく温厚だ。だが、きまりには厳しい。ダイヤ姉さんがいい例だ。規則に忠実で、ルールは必ず守る。守らないものは粛正し、正す。こんな目立つことをしたら、嫌でもそういうビジョンは浮かぶものだ。鞠莉はダイヤ姉さんのことを硬度10とかいってるけど、こんなの誰でも怒る気がする。まぁ鞠莉には、もとい、金持ちには常識は通用しない。多分指摘しても、「なんで?」の一点張りだろう。もう、諦めてきてる。

 

さて、だいぶ話が逸れてしまったが、一体どこに降り……

 

カチャカチャ

 

 

「あの〜、鞠莉さん?何をしていらっしゃるので?」

 

「見れば分かるでしょ?降りる準備よ」

 

「降りるのになぜ、パラシュートが必要なのですか?今一度ご説明を…」

 

「降りれる所がないから。以上よ」

 

「あの〜、流石に冗談だよな?だって俺スカイダイビングなんて経験ないぞ?」

 

「大丈夫よ。失敗してもダメージが最小限の所に落とすから。もう小原家の使用人が、その手配はしてあるわ」

 

「え〜、ちなみに失敗したときの怪我って予想だとどのくらいなんでしょうか?」

 

「全治1ヶ月くらいね」

 

「うん。俺帰るわ」

 

「逃がさないわよ?」

 

は?え?

いやまじで冗談だよな?常識ないってのにも限度があるぞ?だって、最小限のダメージが全治1ヶ月って笑えないレベルじゃないよ?等々頭の中にある脳みその全構造ぶっ壊れたのか?

 

「さ、行くわよ」

 

「嫌だー!!!俺はまだ死にたくねぇ!こんなのあんまりだ〜!!!」

 

「はい、せ〜のっ!!」

 

「ひっ…」

 

刹那。夢とは違う、明らかな浮遊感と開放感が身を包んだ。ヘリのドアはいつの間にか開いており、俺の体は宙へと舞った。物理法則に従い、俺の体は自由落下運動が始まる。あ、俺の人生終わったわ…

 

「チャーオー♪遅刻しないようにねっ♡」

 

「覚えてろよ、このクソアマァ!!!」

 

俺の絶叫が、内浦全体に響き渡る。

後に語られる、朝の狼の鳴き声の都市伝説は、紛れもない俺の絶叫音だ。遠くに響き渡る人間の声は狼の声に聞こえるらしい。どうでもいい知識が1つ増えた。

 

 

二度とヘリ登校などしない。そう固く誓った瞬間だ。

 

 

▲▼△▲▼

「はぁ、はぁ、結構この坂……急……だな……」

ヘリから突き落とされ、なんとか着地に成功した俺は、着地してすぐそこにあった浦女に続く坂を登っていた。

この学校の登校の手段としては、主に3つが挙げられる。

1つ目は徒歩。家が学校からすぐそこにある人などは歩いて登校する。

 

2つ目は自転車での通学。だが、この学校の自転車での通学は両の手で数える程しかいないらしい。理由としては、この急な坂が原因だろう。この坂から学校までの距離はかなりのものだ。自転車での通学はかなり厳しいものだろう。

 

3つ目はバスで学校付近のバス停で降りてそこから徒歩。家から学校がかなり離れている生徒はほぼほぼがバスでの登校。実際俺も、今日はアクシデントがなければバスでの登校だった。もう二度とあんな思いはしたくない。

 

だが、いいこともあったのは事実だ。

今日は入学式。前日の準備もあるだろうが、当日ももちろんある程度の準備が必要になってくる。だから、学校の多くの生徒はもう登校済みなのだ。

 

この学校の唯一の男子生徒。

テスト生だとはいえ、ずっと女子高だった学校に男子生徒が通うことになるのだ。いやでも注目されるだろう。だが、こんじつは、不幸中の幸いと言ったものか。登校者が周りにいない。つまり、登校中には視線に晒されず登校出来る訳だ。針のむしろにされず良かったと歓喜だ。まぁ、明日からは格好の的だろうな。というか、今日の教室とかでも注目されるだろうが、せめて入学式くらいは静かに登校したかったので、嬉しいものがある。

 

 

数分間坂を登り続けると、ようやく校舎らしきものが見えてくる。

 

「結構広いな」

 

ここから見る校舎は、少し古いが立派な校舎が聳え立っていた。ちらっと見えるグラウンドも、前通っていた学校より広かった。ま、僕部活やる気ないですケド。俺は汗水垂らして青春謳歌とかは柄じゃない。静かに、普通に学校生活を送りたい。そして将来、とにかく立派な社会人になってみせる。具体的になりたいものはまだ見つかってないが、だらけた人間になるつもりはない。この学校は、俺の人生の踏み台だ。

 

 

「いつか、父さんに認めてもらう為に……」

 

一歩二歩と、歩を進め、目に映る校舎はどんどん大きく映る。学校に近づいている証拠だ。ガードレールに沿って歩き、ようやく学校の校門の前につく。

 

「はぇ〜。すっかり入学式ムードだな。でも、人すくねぇ」

 

校門近くには、少しだけ生徒が残っていた。恐らく、俺と同じく、遅刻ギリギリの生徒だろう。俺も早く門くぐろ。

 

「お待ちなさい」

 

門をくぐろうと瞬間だった。

 

脇から、1人の女生徒が俺を呼び止める。ってあれ?あの黒髪ロング。そして、青緑色の瞳。いかにも大和撫子を体現したような立ち振る舞いと、あの特徴的な艶ぶくろ。

 

「もしかして、ダイヤ姉さん?」

 

「?わたくしは貴方に名前を呼ばれる覚えはないですわ。なぜ男子生徒がここにいるのですか。ここは由緒正しい、女子高であって、決してあなたのような人が入っていい場所では……」

 

「その話し方!やっぱりダイヤ姉さんだっ!は〜久しぶりだな〜ほんと」

 

当本人はキョトンと俺の興奮振りに首を傾げている。まぁ無理もないだろう。なにせもう8年近く会ってなかったのだから。ダイヤ姉さん随分と大人びたな。なんか、めちゃくちゃ大人な女って感じがする。

それはさておき、とにかく説明しないと分からないよな。

 

「俺だよ俺。逢沢優希。昔鞠莉たちと一緒に遊んだ…」

 

「え?もしかして、あの優希さんですか?」

 

「そ。その優希だよ。思い出してくれた?」

 

パ〜っとダイヤ姉さんの顔から険しさが無くなり明るくなる。

あっ、その表情カワイイ……

 

「久しぶりですわねっ!かれこれ8年振りくらいですか!」

 

「うん。ほんと久しぶりだね、ダイヤ姉さん」

 

「もう!最初から優希さんだと、そう言ってくださいな。少しキツく言ってしまったじゃないですか」

 

「いや〜ごめんごめん。俺はすぐ気づいたんだけどさ〜。そっちもすぐ気づいてくれると思ったんだけど、ダイヤ姉さんにとって俺って、そんな印象薄いやつだったのか……」

 

「そ、そんなことないです!」

 

わざとらしくしょんぼりしてみると、ダイヤ姉さんは慌ててそれを否定する。

 

「わ、わたくしは……その……優希さんがあまりにも……かっこよく、なっていたものだから……」

 

「その割には当たり強くなかった?」

 

「も、もう!だから、そこはさっき謝ったでしょう!」

 

「へぇ〜。カッコイイか〜。なんか照れるなァ〜」

 

「っ///相変わらず、意地悪ですわね」

 

 

あ〜、この感じ懐かしい。昔もよくこうやってダイヤ姉さんからかってたっけ。随分大人びたけど、根本はなんにも変わってない。昔のまんまだ。

 

「それで?優希さんはここに何をしに来たんですか?」

 

「あれ?もしかしてダイヤ姉さん話聞いてないの?」

 

「ええ。何かあるんですの?」

 

「いや。俺ここにテスト生として転校及び入学することになったんだけど」

 

俺がそういった瞬間、ダイヤ姉さんの表情が硬直する。

 

え?なんか俺不味いこと言った?

しばらく沈黙がつづき、一定の間を置くと、学校中に響き渡る声でダイヤ姉さんが叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

「はい〜〜〜!?!?!?」

 

「あ、あの。お、落ち着いてダイヤねぇ…」

 

「これが落ち着いていられますか!」

 

さっきの表情と一転。

ダイヤ姉さんの顔は、怒りMAX顔に変わっていた。いや〜、なんかすんません。

 

「なぜ、女子高である浦の星女学院に男子である優希さんが転入してくるのですか!?」

 

「いやだから、テスト生として、ここに通うことになって……」

 

「テスト生!?生徒会はそんなこと知らされていませんよ!?ましてや、校長の口からもなにも聞かされていません!!」

 

ええ、うっそー。そんなこと有り得るのか?だって転校生でも、絶対に学校への手続きが必要なのに、女子高にテスト生としての男子生徒を入学させるのだから、もっと教師内では知れ渡っているはず。そうであれば、生徒会に知れ渡るのも必然。なのに生徒会にも、果てには教師にすら知らされてない。どういうことだ?

 

「ダイヤ姉さんって、察しはついてるけど生徒会長?」

 

「はい!わたくしはこの学校の生徒会長を務めています」

 

そうか。生徒会長のダイヤ姉さんも知らない。そして、校長も知らない。となると、大体の検討はついてきた。

 

俺はスマホを取り出し、高速である連絡先にメッセージを送る。

 

 

『おい、浦の星女学院理事。お前、しっかり俺の入学のこと教師陣には伝えてあるんだろうな?』

 

送って数秒だが、メッセージに既読がつく。するとこう返ってきた。

 

『あ〜。最低限の入学手続きをパパパッとやって、肝心のこと忘れてたわ』

 

ほ〜〜ん。つまり、学校への入学は認められてるのに、みんな知らない状態なわけね……へ〜、なるほど。

 

『お前、俺が戻ったら覚悟しとけよマジで』

 

『(๑>؂•̀๑)テヘペロ』

 

「こなクソがァ〜!!!!」

 

「優希さんっ!?」

 

朝の件といい、なぜこうもアイツは……

 

全く……

 

もし登校が早かったらマジでどうなってたか……

 

俺今頃豚箱だったんじゃねえか?

 

 

 

俺は大きくため息を吐いた。

俺の学生生活は最悪のスタートから始まった。

 

前話でも言ったが、お先真っ暗だ…

 

 




はーい!
3話、ダイヤ様もとい、ダイヤ姉さんの登場です!

いやはや、結構トントン拍子で話進めてる節があるのでそこは僕の改善点ですね。話を急展開にすると読者様がついて行けなくなっちゃうので……


誤字・脱字あれば、感想のほうでご指摘お願いします!他にもここ日本語おかしいんじゃねぇか?って思う所なども言ってくれると助かります!

評価・感想もお待ちしております!!

では、またなっ!!!


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校長室は怖いとこ

久しぶりです皆さん。
わたくし、サボって五等分の花嫁のSSをpixivで書いてました。誠に申し訳ございません。

あ、普通にTwitterのプロフィールのリンクから見てくれる方は嬉しいです。(宣伝精神)

では、本編の方どうぞ!


人は大半が、モラルも信念もあり、どんな状況でも惑わされないと思い込んでいる。

が、それは大きな勘違いだ。

 

実際に人は、他人の行動に引きずられてしまう傾向にある。精神的に未熟な子供などは特に他人に依存してしまう人が多いだろう。リーダー的存在の人がこれをやると決めたらそれだと引きずられるのもこれの一部だ。

 

 

人は集団になると、過激な行為や暴力的で狂気的な事も平気でやってしまう。これは、どんな人でも当てはまることが多い。このようなことを社会心理学者は集団心理、群集心理と呼んでいる。

 

集団心理の身の周りにある例は、皆無くしたいと思っていても無くせないイジメはいい例である。

 

これ以上は長いから辞めておこう。

さて、じゃあ前述にある集団心理。それを踏まえて女子高に突如として男子生徒が現れたらどうなるだろう。

 

 

 

 

「ねぇ、なんで男子が生徒会長と歩いてるの?」

 

「生徒会長が捕まえたんじゃない?もしかして、変態ストーカーかもよ……」

 

「こわーい。でも、そんな人に臆さずに……生徒会長やっぱりすごーい」

 

 

はい、当然こうなりますね。1人がこうやってヒソヒソと話出せば、パンデミックのように広がっていく。集団心理とは、1人がターゲットというのが主である。これほどまでに精神的に来るとは……これが、これからしばらく続くって思うとたまんねぇな……

ていうか、八つ当たりさせてもらうけど3番目の女子生徒。仮に女子C。あんた絶対語彙力ないだろ。

 

 

「すいません。わたくしからは、後でしっかりと説明はしておきますので……」

 

「うん。ここは流石にお言葉に甘えさせてもらうよ……正直言って、まじでキツイ」

 

「鞠莉さんには、わたくしからきっちり言っておきますわ」

 

 

いえ、大丈夫です。家帰ったら、2時間正座の説教を私がしますので。

ダイヤ姉さんのお手を煩わせるつもりはありません。

 

 

「優希さんがこの学校に入学するのは勿論びっくりしましたが、その入学経由が鞠莉さんだったとは……」

 

「あ〜。そういえばアイツ、帰ってきたのはつい最近って言ってたな…」

 

「そう……ですか………」

 

 

?ダイヤ姉さんの表情が一瞬だけど曇った?朝の鞠莉のあの発言……なんか、あったのか?気になる……でも、余計な詮索も野暮な気がする…もし、ここで変な詮索をして迷惑をかけたなら、それはもう鞠莉に顔向け出来ない。ここは話を流すか。

 

「ダイヤ姉さんってここの生徒会長だって言ってたけど、入学式に話したりはするの?」

 

「あ、ええ。校長の式辞の後に少々挨拶を…」

 

 

まじか。そんな大役なのに、こんなところ居ていいのか?しかも、生徒会長って入学式とかって忙しいんじゃないか?俺のせいで結構迷惑かけてるんじゃ…

 

 

「迷惑をかけているのでは?と、考えているのなら、余計な心配ですわよ。歩いている途中に、生徒会の方に事情は説明しましたので…」

 

 

え、まじか。いつの間に。

そういえばさっき、少し寄っていくところがあるからって1つの教室に入ってたな。抜け目ないところもほんと変わってないな〜

 

「さて、時間もありませんし急いで校長室まで行きましょうか」

 

「そうだな」

 

俺たちは校長室まで足早で直行した。

 

 

▲▼▷▶︎▷▲▼

 

校長室と聞くと、少し緊張する人は結構いると思う。

これは俺個人の話になるんだが、1回だけ校長室に呼び出しを食らったことがある。原因としては、中学時代に暴行事件をおこしたことが原因らしい。その時のことは興奮状態だったのか、憶えていないのだ。憶えているのは、俺が殴った奴が、俺の友達に侮辱や誹謗中傷を浴びせ、俺の中で何かが切れたことくらいだ。

 

まぁ、その時に呼ばれて以来、校長室というゾーンに足を踏み入れることはなかったが、その中学時代の時も酷く緊張していたのを覚えている。殴ったことは覚えていないのに、都合のいい頭だこと。

 

学校に来て数分。

廊下を歩き、苦痛に耐えながら校長室に到着した俺とダイヤ姉さんは、早速校長室に入室しようとしていた。

まぁ、時間もないのだから当然だ。勿論、ダイヤ姉さんは緊張など微塵もしていないだろう。流石大和撫子だ。って大和撫子いま関係ないか……

 

だが、当の俺はというと……

 

「では、入りましょうか」

 

「お、お、おう」

 

「………もしかして、緊張しています?」

 

「い、いや断じてない。そんなことは断じて……」

「すごくガチガチになってますけど……」

 

「これは、俺が意図して故意に体を固くしているのであって、緊張している訳ではない!」

 

「強がりですね。相変わらずなのは昔のままです。手のひらに、人という字を書いて飲み込んでみてはどうですか?」

 

「俺は今から演説でもするんですかねぇ!?」

 

「どうでもいいですが、校長室に入るだけでそこまで緊張する人をわたくしは初めて見ましたわ…」

 

 

ご覧の有様である。足は震え、体はガチガチに固まっている。顔の表情も恐らくガチガチになっているだろう。生まれたての小鹿状態とはまさにこの事である。実に数年ぶりだが、校長室という場所に久々に来たが、独特の緊張感というものが、前回から抜け切れてない。なんていうか、前は放送で呼び出されて校長室に行ったが、部屋の前に立った瞬間呼吸すること忘れたから。ラスボスの部屋の前に立った気分だったから。

 

 

大丈夫だ、落ち着け逢沢優希。さっきこれよりやばいことしただろ。人生初のスカイダイビングを成功しただろう。頑張れ俺!お前なら出来る!ここには魔王なんていない!ここは決して魔界なんかじゃない!大丈夫。部屋を開けたらそこにはジジイが立ってるだけだ!超エキサイティィィ〜〜〜〜〜〜〜ンッッ!!

 

 

「よ、よし!ばっちこい校長室!!」

 

「校長室になんの因縁があるんですか?」

 

「決めつけるのは良くないよ!?」

 

「いや、それ以外考えられる節が見当たりませんもの」

 

「例えば、校長室がだよ!」

 

「はい」

 

「魔の領域だったら……」

 

「さぁ、入りましょうか」

 

 

ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!

それヘルゲートだから!!そんな簡単に開けないでぇ〜!!

 

「失礼します。生徒会長の黒澤ダイヤです。校長に少しお話が……」

 

「あ、ああ。大丈夫だ。話の内容は大体分かっている」

 

校長とダイヤ姉さんがおおよそ予想のついた話をしている。話というのも俺の転入についての話だろう。校長も動揺しているのか、声が酷く疲れた声だ。

まぁ、当の俺は話は入ってくるものの、ガチガチで扉の前で固まっている。

 

「まったく、鞠莉さんは本当に嵐のようだ。転入の手続きとして私を通すのは必須だと言うのに、過程をすっ飛ばしてくれよって。こんなこと異例中の異例だぞ…」

 

「まぁ、校長も昔はよく果南さんと鞠莉さんには振り回されっぱしでしたからね…」

 

「まったくだ。ちなみにだが君もだぞ?」

 

「そんなぁ!?」

 

 

やけにフレンドリーに2人は会話を繰り広げている。この後入学式を控えているというのに、マイペースもいい所だ。ダイヤ姉さんからはクレバーさが感じられない。かなり砕けているようだ。名前は硬度10だが、親しんだ相手とは硬度が急激に下がるのがダイヤ姉さんの面白い所だ。って…

 

 

「俺の話は!?」

 

「あ、忘れてましたわ」

 

「今一番忘れちゃいけない案件でしょうが!?」

 

「ははは。久しぶりだね優希」

 

「あ、久しぶりです……って誰?」

 

そう返すと変に凹まれた。いやいやいやいや。マジで誰よ。俺はこんなアラフォーのおっさん知らねえぞ。俺が知ってる校長といえば、中学時代のおっさんで……

 

 

「って、聖夜のおっさん!?」

 

「おいおい。マジで忘れてたのか。一応親戚なんだぞ!?」

 

「いや、ご無沙汰してます…あの〜小遣いください」

 

「は?」

 

「すいません。あなたに校長室トラウマ植え付けられたんで、マジでキレるのやめて。怖いから」

 

 

じつに3年振りにアラフォーの親戚のおっさんとコントを繰り広げる俺。懐かしの感じだ。まぁ、先生としては怖い人だが、普段は優しい人だ。ちなみにキレさせると、やべーい!である。とにかく怒らせるなという事だ。

 

鹿角聖夜。俺の親戚で、俺の従姉妹の父親だ。中学時代、北海道で校長をしてた人だが俺が高校に上がる時に、単身赴任で転勤したと聞いていたが、まさかここの学校だったとはな。女子高なのに、男が校長なの!?っていうのは俺の単なる偏見なのだろうか?まぁ、どっちにしろ、トラウマ植え付けられたとはいえ、親戚なのは話しやすくていい。色々矛盾はしているがな…

 

 

「さて、お前の転入についてだが…」

 

「ああ〜。それは鞠莉が通してくれたんだろ?面倒な手続きとかは今日判子もってねぇからさ」

 

「ああ。それは構わない。取り敢えず、もうそろそろ入学式が始まるが、まだ説明はしてないから終わるまでここでお前は待機だ」

 

「そうですか…」

 

「悪いな。こんなこと私も初めてなんだよ」

 

まぁ、そうだよろうな。転入するための最低限のことだけ済ませて、学校の誰も知らないだなんて、そんなのヤバすぎるだろう。それが、女子高に男子生徒が転入するとなれば絶対書類発送は必要だろうに。あのバカ……

 

「じゃあ私達は入学式に行ってくるから。すまないが、ここで待っていてくれ」

 

「分かったよ」

 

「では優希さん、またあとで」

 

「おう」

 

 

2人はそう言うと、部屋を後にした

 

 

 

 

▷▶︎▷

 

 

「まさか、校長と優希さんが親戚の知り合いだったなんて…今日はビックリさせられてばかりですわ」

 

黒澤ダイヤはたじろんでいた。そりゃあまぁ、いつもはしっかりしている校長が自身と話している時以上に柔らかく、砕けて話しているのは、ダイヤとしては悪夢といえば聞こえは悪いがそれを見せられているのに等しかった。なんていうか、ちょっと砕けすぎて怖かったのだ。

 

ダイヤと話す時でさえ、威厳というものがあるのに、優希と話す時は恐ろしいほどに威厳がなかったからだ。やはり校長といえど、親戚とはああいうものなのだろうか…

 

 

「まぁ、今日知らされるまでは優希だなんて知りもしなかったからな。実際私も驚いているんだ」

 

「そうは見えません…」

 

「そうなのか?まぁ、見えないなら見えないでも問題はないがな」

 

 

校長をそう言うと、ふっと柔らかく笑った。まるで優希の親のように、嬉しくて笑っているのだ。こんなに砕けた校長を見るのはもう無いかもしれないから写真を、撮りたいとダイヤの心中は埋め尽くされていたが、今から入学式だというのに、そんな軽率なことは出来ない。そんな葛藤に悩んでいる時に、ふと校長の表情を見た瞬間に私は絶句した。

 

 

「こ、校長?」

 

「………どうした?」

 

「なんで、そんなに悲しそうな顔をしているのですか?」

 

 

校長の顔はさっきとは一転、なにかを思い出したかのように、顔が歪んでいた。

しばらくして、体育館に着く。校長の顔は引きつったままだ。ダイヤは謎の不安感に支配される。謎の不安感は、段々と不快感へと変わり、何故か体調が悪くなる。人の感情は感染するというが、ダイヤの体調がまさにそれを物語っていた。集団心理とはここでも言えることなのだ。本当に怖いことである。

思い込みで悪くなるものならば、或いはプラシーボ効果に似たなにかなのかもしれない。

 

心配になりつつも、また人ちらっと校長のことを盗み見ると、ダイヤの背筋は凍りついた。

 

 

「さぁ、行こうかダイヤ生徒会長」

 

「……………はい」

 

 

条件反射も働かないほどにダイヤはゾッとするものを見たきがする。

 

それほどまでに校長の顔は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも以上に威圧した表情になっていたのだから。

 




いかがでしたか?

まぁ、察しのいい人はね?
多分気づいてるんだけど……まぁ見え見えのことですけど、お前ら驚かされることになるんだからな?覚悟しとけよ…(謎の宣戦布告)


ではまた次回。またな!


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