季節は秋。だんだんと寒くなり、学校でも紅葉が散っている。しかし、まだまだ冬用の制服に変えるには早く感じる程度の寒さだ。ある教室には既に冬用の制服になっている男子生徒がいる。
「おいおい。もう冬用かよ」
その生徒に指摘をする男子生徒がいた。
「いやいや、十分寒いだろ」
冬服の生徒はそう返しながら鞄から学ランを取り出した。
「一応持ってきてるしな」
「まだ19度だぞ。大袈裟すぎないか?」
冬服の生徒にそれ以上はなにも指摘はせず、他愛もない会話が続いた。
チャイムの音とともに、生徒はそれぞれ席につき、教員が入室した。
時間を少し飛ばし放課後。
冬服の生徒は、足早に教室の戸を開きそのまま教室を出た。そして、目の前には異常な光景が広がっていた。地面は大量の雑草。木が生い茂り、今が何時なのかも分からないほどに薄暗かった。
「は?」
冬服の生徒は呟き、目を擦り、辺りを見渡した。
どこまでも木が広がっており先ほど自分が来た戸すらもなかった。そのまま数秒立ち尽くした。我にかえり、ここを動くことに決めた。歩いても歩いても、森を抜けることはできなかった。1時間ほど歩き、そこで生徒は気を失った。
生徒が目を覚ますと、いつの間にか誰かに運ばれたのか、知らない天井がまず視界に入った。
生徒が目を覚ますと、金髪の女性がいた。
「おっ、起きたのか」
女性が話しかけると生徒は眠そうにしながら答えた。
「あぁ。起きた」
少し無愛想にも感じる態度だ。
「大丈夫か?私が家を出てすぐのところで、お前が倒れているのを見つけてここに運んだぜ」
女性は安否確認をしてから軽く何があったのかを話した。
「それはすみませんでした。そして、ありがとうございます」
冬服の生徒は上半身だけ起こした状態で、女性の方に体を向けたまま述べた。
「そういえば、私の名前は霧雨魔理沙よろしくな」
魔理沙は自己紹介をした。生徒もそれに続けた。
「よろしくお願いします。僕の名前は」
自己紹介しようとしたところで魔理沙に止められた。
「敬語はなしで頼むぜ。そういうのは苦手なんだ」
「あぁ、ごめん。次から気を付けるよ」
と謝罪し、さらに続けた。
「ところで、ここはどこなんだ?気がついたら森にいたんだが」
魔理沙は淡々と答えた。
「お前が来たのは幻想郷という場所だ。外の世界とは結界で分離されているんだぜ」
生徒はなるほどと答え、さらに質問した。
「外の世界ってのは俺がいたところってことだな?」
魔理沙は答えた。
「その通りだぜ。因みに外から入ってきた人間を外来人と呼ぶんだぜ」
生徒は外来人と復唱した。そして、さらに魔理沙は少しトーンを変えて続けた。重要なことを話すのだろうと生徒も身構えた。
「ここから先は命に関わることだからよく聞いてほしいんだぜ。この世界には妖怪がいるんだぜ。妖怪にも、人間並の知能を持ったやつがいて、さらに人間よりもはるかに協力なんだぜ。妖怪の中には人を喰う奴もいるんだぜ」
生徒は引っ掛かることがあり、質問をした。
「どのくらいいるんだ?その、人を喰うっていう妖怪は」
魔理沙は少し悩みながらも答えた。
「いや、どのくらいと言われてもなぁ。妖怪にもルールがあって無駄に人間に手を出さないようにはなっているんだぜ。でも、必ずそれを守るとは限らないんだぜ。毎年被害は出ているんだ」
生徒は理解し、気になっていたことを聞いた。
「ここには、超能力とか魔法とかそういったものはあるのか?」
唐突な質問に魔理沙はキョトンとした。
すぐに我にかえり、魔理沙は質問に答えた。
「そういえば、外では魔法や能力者っていうのはレアなんだったな。結構いるぜ。因みに私も持っているぜ。魔法を使う程度の能力で、なかなか使える能力なんだぜ」
最後の方は少し誇らしげに聞こえた。
「メルヘンな超能力だな。たしかに汎用性は高くて便利な能力だな」
生徒は感想を述べた。
「俺も一応超能力はあるんだ。簡単に言えばテレポートだ。まぁ、あんまりパッとしない超能力だけどな」
超能力があることに、魔理沙は少し驚いたが、何かに気づき話した。
「なるほど。てっきり超能力がないから超能力ほしさに超能力が有るのか否かを聞いたのかと思ったけど、もしかして超能力を持っているってことで昔何かあったのか?」
生徒は部が悪いようだが、助けてもらった恩もあるので、きっちりと答えた。しかし、生徒は俯いている。
「小学生のころ、気がついたらこの超能力は覚醒していたんだ。無邪気だった俺はこの超能力を周りにいたやつらに自慢した。それから1ヶ月ぐらいしたときに、黒い服を着た4人の男が現れ、俺を連れ去った。その日から2年間俺は実験台になった。」
魔理沙は少し待てと言って止めた。
「どうした?」
生徒はなぜ止められたのか分からず、魔理沙に聞いた。魔理沙は疑問を生徒に聞いた。
「何で
「情けない話だが、その頃はまだまだ未熟で4メートルしか
一応脱走を試みていたと魔理沙は悟った。
生徒は話を戻した。
「実験台になってから2年後、俺の能力は唐突にレベルアップして移動出来る距離が、4メートルから4キロメートルまで延びたんだ」
魔理沙は1000倍になったことに感心し、感想を述べた。
「おぉ!良かったじゃないか。でも4キロか......微妙だぜ」
生徒はあ。と言って訂正した。
「ごめん。4キロじゃなかった4光年だった」
魔理沙は一瞬目の前の男が何を言ってるか分からなかった。あわてて問いただした。
「何で急にそんなに延びたんだ?だいたい4光年っていう数字はどこから出したんだ?」
魔理沙の質問に生徒は答えた。
「神様にあったんだ。ヨグ=ソトースっていう神。まぁ、実際はそいつの落とし子なんだけど。で、その神様に教えてもらったんだ」
魔理沙は納得した。
「なるほど。レベルアップもその神様が関係してるのかもな」
「それについては何とも言えないかな」
生徒は答えた。
「まぁこの話はここまでにしようぜ」
魔理沙の一言で、この話は終了した。
生徒は立ちあがり魔理沙に言った。
「ありがとう。お世話になったよ」
出ていこうとする生徒を魔理沙は止めた。
「まぁまぁ、もう昼だぜ。飯を食べていけ」
魔理沙の提案に生徒は乗ることにした。
「それじゃあ、ごちそうになろうかな。何か手伝おうか?」
魔理沙は手を横に振りながら答えた。
「いや、大丈夫だぜ。」
そして、適当なイスを指差して続けた。
「そこに座って待っててくれ」
生徒は礼を言ってから魔理沙が指差したイスに座った。
それから数分し魔理沙が料理を持ってきた。
キノコが大量に入ったシチューだ。
生徒と魔理沙はいただきますと言ってシチューを食べ始めた。両者が完食たところで、魔理沙が生徒に聞いた。
「これからすることはあるのか?」
生徒は首を横に振りながら答えた。
「いや、ない」
それならばと、魔理沙は提案した。
「博麗神社へ行ってみないか?」
生徒は答えた。
「あぁ、そうするよ。案内を頼めるか?」
魔理沙は無論と答えた。
二人が20分ほど歩き、目的の博麗神社に着いた。
ここまで読んでくださった方ありがとうございます。
ほとんど生徒の能力説明とつじつま会わせになってしまいました。
また、誤字や脱字があると思いますので見つけた方は教えてください。お願いします。
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第二話 輸出拒否
魔理沙と生徒が階段を登り終えると、赤い鳥居が目に入った。そして、鳥居には『博麗』と書いてある。
鳥居をこえると神社が目にはいる。静かで、誰もいないようにも感じる。
博麗神社につくなり魔理沙は神社に向かって呼び掛けた。
「おーい。霊夢ー。遊びに来たぜー」
神社の中から一人の女性が出てきた。おそらく先ほど魔理沙が言っていた霊夢という者だろう。女性はかなり嫌そうな顔をしている。
「何?」
女性は魔理沙に尋ねた。
「霊夢。外来人をつれてきたぜ。あと、お茶をくれないか?歩いて来たから喉が乾いたんだぜ」
霊夢は溜め息をついた後に神社の中に戻っていった。
「私達も入ろうぜ」
そう言って魔理沙は神社に上がった。生徒はそれについていく。
生徒が魔理沙についていき、少し広い部屋に入った。部屋は床は畳で、家具は机と棚がある程度だ。生徒は、最低限のものしかないという印象を受けた。
魔理沙と生徒は適当なところに座り、少しして霊夢がお茶をもって来た。
「あなたがその外来人?」
霊夢はお茶を机に置きながら、生徒に確認をするように尋ねた。
「はい」
生徒は肯定した。
霊夢は説明を始めた。
「
生徒は霊夢の説明を遮るように聞いた。
「僕は
霊夢は話を途中で遮られたことに少しの苛立ちを覚えた。そして、生徒の質問に答えた。
「別に構わないけど、住むところはあるの?」
生徒は気まずそうに答えた。
「ないです」
霊夢と魔理沙はあきれた。霊夢は少し考え、生徒に提案する。
「じぁ、人里で宿を借りてそこにすみなさい。宿を借りれるまでは、神社の部屋を1つだけ貸してあげるわ」
生徒は嬉しそうに言った。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
魔理沙は驚き、霊夢に聞いた。
「おいおい。どういう風のふきまわしだ?」
霊夢は苛立ちを覚えながら答えた。
「私を何だと思ってるのよ」
霊夢は、生徒の方を向いて言った。
「私は博麗霊夢。よろしく。それと、そのいまいちな敬語はいらないわ。使うならもっと正しく使えるようになってから使いなさい。失礼よ」
生徒は落ち込みながら言った。
「これでもきちんと使っているつもりなんだけどなぁ。慇懃無礼というやつか?」
その言葉に魔理沙は違いないと言ったが、霊夢は否定した。
「いいえ、慇懃無礼はそういう意味じゃないわ。その敬語は単なる無礼よ」
魔理沙は立ちあがり言った。
「それじゃあ、今から人里に行こうぜ。霊夢も来るか?」
霊夢は「パス」と答えた。
生徒は魔理沙に尋ねた。
「人里ってあの森よりも奥にあるのか?」
魔理沙は「おう」と答えた。
「じゃあ、魔理沙の家までテレポートしようぜ」
生徒の成案に魔理沙は賛成した。そして、霊夢は生徒に尋ねた。
「テレポートってあなた、能力持ってたの?」
生徒は少し何かを考えるそぶりをしてから答えた。
「一応」
魔理沙はそれに付け足した。
「こいつの能力はテレポートする程度の能力ってところだな」
魔理沙の言葉を生徒は否定した。
「いや、テレポートする程度の能力というよりかは、あらゆるものを移動させる程度の能力の方が感覚的に合っている......気がする?」
魔理沙はその言葉を軽く流しす。
「ま、さっさと行こうぜ。」
生徒は霊夢に告げた。
「ありがとう。それじゃ、また後で」
良い終えると、魔理沙の右肩に手を置き、テレポートした。
魔理沙の家に着いた。生徒は『霧雨魔法店』という看板を見て、魔理沙に聞いた。
「ここって店だったのか。何を売ってるんだ?」
魔理沙はまるでそんなことも分からないのかというような口ぶりで答えた。
「魔法関連の道具だぜ。魔法店って言ったら創造つかないか?」
生徒は「つかない」と返した。
すると魔理沙は家の中から箒を取り出してきた。
「そうだ。魔法というものを見せてやるぜ」
生徒は魔理沙が箒にまたがっている姿を見て、ベタだなと思ったが、それは口外しない。
魔理沙はその状態から宙に浮いた。魔理沙はニヤリと笑って言った。
「頑張ってついてこいよ」
魔理沙はそのまま飛んでいった。生徒は愚痴をこぼした。
「乗せてくれないのかよ」
生徒はテレポートしながら魔理沙を追いかけた。
少しして人里に着いた。
魔理沙は生徒に言った。
「なかなかやるな。次はもっとスピードをあげるぜ」
生徒はそれに返した。
「甘いな。場所が分かれば俺は一瞬でゴールできる」
二人はそれから宿を探した。
一通り宿を借りれるか確認をしたが、一軒も空いていなかった。
生徒は魔理沙と別れ、博麗神社に戻った。
以下 おまけ(ボツネタ)
魔理沙「信じられないだろうが幻想郷には妖怪がいるんだぜ」
生徒「妖怪?そんなものいるわけないだろ。だいたい俺はそういったオカルトは信じてないんだ。あ、お化けだ」
ボツ理由
・生徒事態がオカルト的存在で神を見ているから。
・ツマラナイから
ーーーーーーーーーー
生徒「部屋は空いてますか?」
大家「相部屋で良いんなら空いてるぜ」
生徒「マジですか?因みにどんな人ですか?」
大家「ろくに仕事をしていないホモでオカマ
のおっさんだよ」
生徒「やっぱり遠慮しておきます」
ボツ理由
・単純に書いていて寒くなったから
・ツマラナイから
・内容が陳腐すぎるから
ーーーーーーーー
誤字や脱字があれば、教えてください。お願いします。
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第三話 輸送
それから1ヶ月の月日が流れた。
生徒は博麗神社で居候している。そして、家事全般は生徒の仕事である。
これはとある朝の出来事。
「おーい。ご飯できたぞ」
生徒は朝食を運びながら霊夢に呼び掛けた。そして生徒は味噌汁の入ったお碗とと白米入れたお茶碗を机の上においた。
「ありがとう」
霊夢は礼を述べた。
2人は手を合わして「いただきます」と言ってから食事を進めていく。
食事が終わると、生徒は皿を洗いに行った。
その間に霊夢は掃除をする。
その時だ。空からの一撃。魔女が舞い降り、霊夢が集めていた枯れ葉が宙を舞う。
「霊夢。遊びに来たぜ」
魔理沙は悪びれもせずにそう言った。
ちょうど、生徒は皿を洗い終え、外に出てきた。
「お、お前もいたのか」
魔理沙は生徒を見てぽつりと一言。
「そりゃまぁな」
生徒は適当に返した。
「で、何の用事?」
霊夢は不機嫌そうに魔理沙に尋ねた。
「いや、ただ単純に遊びに来ただけだぜ」
魔理沙はキョトンとしながら答えた。そして、期待を込めて2人に聞いた。
「暇だったりは......」
「今、忙しいから」
その言葉は霊夢により途中で打ち消された。
生徒は霊夢の後に述べた。
「悪い。俺も人里に用事がある」
それならばと、魔理沙は生徒に提案した。
「それなら、私も一緒に行っていいか?」
生徒は溜め息をついてから答えた。
「別にいいが。対して面白くもないぞ」
魔理沙は喜び生徒に言った。
「やった。それなら行くときに呼んでくれ。私は部屋でくつろいでるから」
その言葉に霊夢と生徒はあきれた。
生徒は身支度を終わらせ、魔理沙がいる部屋に
生徒が来ると魔理沙は口を開いた。
「お、じゃあ、早速行こうぜ」
生徒は魔理沙の肩に手をのせ、人里へ瞬間移動した。
人里についてすぐに魔理沙は生徒に尋ねた。
「今日も宿探しか?」
生徒はそれに答えた。
「ああ。ついでに今日の夕飯の買い物かな」
生徒は1週間に1回人里に訪れている。その度に宿が空いていないか確認をしている。しかし、なかなか空いていないため博麗神社に居候しているのである。
「おう。あんたか」
4度目の訪問であるためか、相手も用件が分かっているようだ。
「2日ほど前に住んでいたやつに夜逃げされてな。今なら空いているよ」
40歳ぐらいの大家はそう話した。
生徒は少しテンションが上がっているのか、嬉しそうに聞いた。顔も笑顔になっている。とても夜逃げされた大家に対する顔とは思えないものだ。
「いつから住めますか?」
生徒の質問に大家は答えた。
「そうだね。中がかなり散らかっているから今は掃除をしているんだ。すまんがあと1日ほど待ってくれんか」
その言葉を聞くなり生徒は提案した。
「それなら手伝いますよ。どうせ僕が住む部屋なんですから」
大家は安心したように言った。
「それは助かった。人手が足りなかったんだ」
魔理沙は言った。
「それなら私も手伝うぜ」
それから部屋に入った。部屋の中はかなり荒れていたが、少し掃除したのか、玄関のところはマシになっていた。
このありさまを見て魔理沙は一言。
「これはひどい」
生徒は大家に確認した。
「とりあえずこのゴミは全部捨てるんですよね?」
大家はその質問に答えた。
「ああ。捨てる。それがどうかしたか?」
生徒は右手を広げ、前に向けた。次の瞬間ゴミや部屋のダメージが全て消えた。まるで、はじめから何もなかったかのように。
「おぉ。これはすごい」
思わず魔理沙が呟いた。
「何をしたんだい?」
大家は生徒に尋ねた。
生徒はそれに淡々と答えた。
「いえ、ただ単にゴミを太陽に移動させて、蓄積されていたダメージを適当なところにいた適当な虫に適当に移動させただけです」
魔理沙は納得したが、大家は納得しなかったのか更に質問した。
「おいおい、そんなことして大丈夫なのか?」
生徒はそれに答えた。
「?大丈夫ですよ」
大家は不安そうに呟いた。
「そうか?」
生徒と魔理沙は取敢えず、その場を後にし、夕飯の買い物に向かった。
いつも生徒が寄っているらしい店に入ると、陽気な老婆が生徒に声をかけた。
「おやおや、あんたかい。ここでの暮らしにはもうなれたかい?」
生徒はそれに笑顔を浮かべながら答えた。
「ああ。だいぶ慣れたよ」
魔理沙は生徒に尋ねた。
「お、ちゃんと交流はしてるんだな」
生徒は魔理沙に言った。
「まぁな」
生徒は、メモに書いてあったもを買い、博麗神社に瞬間移動した。
「ただいま」
生徒がそう告げると、奥から「お帰り」という声が聞こえてくる。
「それじゃあ、私はそろそろ帰るぜ」
魔理沙は箒に跨ごうとすると、生徒が魔理沙の肩に手をのせた。
「せっかくだ送ろう」
そう生徒が言った瞬間に魔理沙は消えた。
生徒は、神社の中に入ると、買ってきたもので、調理を始めた。
「さて、作ろうか」
料理が終わり、生徒は料理を運んだ。
「霊夢。ご飯できたぞ」
生徒は霊夢に呼び掛けた。霊夢が部屋に入ってきた。霊夢と生徒はそれぞれ座り、食事を始めた。
「ようやく住むところが見つかった」
生徒は霊夢に話した。
「良かったわね。明日から?」
霊夢は生徒に尋ねた。
「ああ。ま、たまに遊びに来るよ」
生徒は霊夢に言った。
霊夢は冗談を言うように言った。
「そのときはお賽銭に入れるお金を持ってきなさいよ」
生徒はそれに「ああ」と答えた。
それから食事が終わり、生徒は皿を洗いに行こうと立ち上がった。その時、どこからか赤い霧が幻想郷を覆った。
これにて導入は終了です。
本当は1話におさめたかったのですが、無理でした。
また、誤字や脱字がありましたら、ご報告ください。
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紅魔郷
第四話 幕開け
その前に、生徒の超簡単なプロフィールを書いておきます。
名前:
性別:男性
能力:あらゆるモノを移動させる程度の能力
以上です。
それでは、どうぞ
「おい。どうした?」
「何があった?」
「何だ?異変か?」
人々の口から不安が漏れる。その姿は非常に慌ただしく、かなり混乱しているのだろう。
博麗神社につくと、霊夢は空を見上げている。おそらくこの霧について何か思うところがあるのだろう。
「あぁ、あんたね。本当に迷惑よね。これじゃぁ洗濯物が乾きにくいじゃない」
霊夢は嫌そうにしながら呟いた。
「これは何なんだ?人里のやつらも不安そうにしていたし、事件か何かなのか?」
霊夢は
「幻想郷ではこんな風に妖怪が起こした事件を異変と呼ぶのよ」
異変という単語を
「ま、害は無さそうだししばらくは放置ね」
そう霊夢は
「しばらく放置か......何もなければいいんだが」
生徒は一言呟き、家に帰った。
人里ではまだ混乱は続いている。
人々の行動は、ひどく慌ただしく、恐ろしい。
それから2日ほどしたときに、
その報告を受け、
「何の目的があってか知らないが、これ以上は自由にはさせねぇ」
魔法の森に入った辺りで、一人の少女を見つけた。
「あれ?人間だ」
少女は
「そういうお前は妖怪か?名前は?」
少女は
「私は宵闇妖怪のルーミア」
そして、
「あなたは食べても良い人間?」
「俺を食ったら腹壊すぜ」
右へ行き、左へ行き
「さぁて。お返しだ!」
ナイフは外れ、ルーミアはそのナイフを手に取り、
そして、もう一本のナイフを取り出してルーミアの背中に向かって一撃。
「これでどうだ!」
ルーミアにナイフが当たった瞬間に
「ぐああああぁぁぁぁ!!!!」
その行動にルーミアは驚いたが、肩から口を離さない。
そして、次の瞬間、
「イヤアアアアァァァァ!!!!」
今度はルーミアの甲高い声が響く。
「とうだ。これが俺の食らったダメージだ」
突然ルーミアの悲鳴がやみ、ルーミアの笑い声が
「私の能力は闇を操る程度の能力。闇を操ってさっきみたいに相手の視界を奪うことができる。そして、闇を操るということは」
まさかと
そして、ルーミアの言葉は続く。
「
ルーミアが言い終わると、
「うあ。うああああぁぁぁぁーーーー!!!!」
ルーミアは
「随分辛い人生だったみたいね。それもこれで終わり」
ルーミアが
突然ルーミアの真上に木が出てきてルーミアを押し潰した。しかし、さすがは妖怪。木を持ち上げ、その場から逃げようとする。しかし、次々に上から木が落ちてきて、上手く逃げることができなかった。
「うああああぁぁぁぁーーーー!!!!」
ルーミアが能力をとき、数秒すると、木の落下は治まった。
「あれ?さっきの妖怪は......?」
そして、大量に木が倒れているところに近より、その木に触れた。
ルーミアを潰していた木がなくなりルーミアは倒れたまま周囲を確認していく。
「立てるか?」
「何で?」
ルーミアはなぜ
「悪かったな。やり過ぎた」
「こっちこそいきなり襲って、ごめんなさい」
ルーミアの傷は一瞬にしてなくなり、代わりにずたぼろの木が横たわっている。
「これで大丈夫か?」
ルーミアは元気そうに答えた。
「大丈夫なのだ」
ルーミアの返事を聞くと、
今回はここまでです。
ルーミアのしゃべり方はこれで良いのか悩ましいです。
もしかしたら、しれっとしゃべり方だけいじるかもしれません。内容には直接影響はしません。
誤字や脱字がありましたら、ご報告ください。
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第五話 決闘
異常な寒さが唐突に
その寒さは自分が南極にいるのではないかと勘違いしてしまうほどだ。
不意に
「あたいの縄張りに入るとはあたいの強さを知らないな?」
子どもの声であることはすぐに分かる。
そして、もう一人、また別の声が届く。
「ダメだよチルノちゃん。相手は人間なんだから」
チルノは、文句を言う。
「でも、大ちゃん。こいつがあたいの縄張りに入ったんだから、こいつが悪いの。あたいが悪いみたいに言わないで」
大ちゃんは、少し考えるような仕草をし、
「ごめんなさい。チルノちゃんは、ああなると聞かなくて。どうにか逃げてください。あ、私は大妖精と申します」
「分かった」
そして、チルノに
「こいよ妖精。全力で相手してやる」
この言葉により開戦。
最初に動くは
しかし、チルノは前方に少し動くことで、深さ2センチ程度に押さえた。
チルノの傷から少量の血が流れる。
「今のを避けるとは、なかなかやるじゃねぇか。でも、その傷は大丈夫なのか?」
「あたいにはこんな
チルノがそう言ったとたんにナイフで刺した場所が凍りつく。
唐突に発生した冷気、凍りつかせた傷。
この二つから
そして、
しかし、同じ攻撃はなかなか通じないものだ。
チルノは
「あんたバカ?同じ攻撃が通じるわけない......」
しかし、その言葉はチルノが振り返り終わった辺りで止まる。
チルノの背中に8本ほどのナイフが突き刺さった。
唐突な攻撃と唐突なダメージにチルノの思考は一瞬ながら停止する。
その一瞬を逃すほどの甘さを
「食らえ!」
さらにもう一本ナイフを取り出し、チルノの腹部にナイフを突き刺そうとする。
反射的に動いたのか、チルノの右手の平にナイフは当たり、腹部には届かない。
「危なかった」
チルノは一言、安心したように呟いた。
「安心するのは早いぜ」
もう一度
しかし、それは、チルノに届かない。
チルノの前に唐突に現れた氷の壁に防がれたのだ。
チルノは余裕の顔を浮かべ
「そう?」
その瞬間、
「勝負ありね。あたいに勝とうなんて100年早い」
チルノは
「あっ、危ない」
大妖精は
不意にどこからか声が聞こえる。
「甘いなぁ。そんなんじゃ、俺は倒せない。」
「勝負ありだな」
「逃げようとは思ったんだが、悪い」
大妖精は、慌てながら答える。
「いえいえ、良いんです。それより、どうやってあの氷から逃れたんですか?」
神喰は、返答した。
「あれか、俺の能力は、あらゆるモノを移動させる程度の能力なんだ。それで、俺の動けないという状況をチルノに移動させたんだ。ま、できるかどうかは怪しかったんだがな」
大妖精は、
「氷の中でそれを行ったんですか?」
「俺があの極寒の中にいて何ともなかったのと同じ理由なんだが、俺の周りの空間に、正常な空気を連続で移動させていたんだ。だからあの極寒の中も何ともなかったし、氷の中でも簡単に行動できたんだ」
今回はここまでです。
誤字や脱字があれば、ご報告ください。お願いします。
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第六話 うち逃げ
紅い霧、紅い外壁。そして、そびえ立つ紅い館。
和のイメージを持つ幻想郷には似つかわしくないはずなのに、この館には違和感を感じない。
「寝てるよな?」
「関係者以外立ち入り禁止ですよ」
不意に
「起きてた?」
「眠るといってもかなり浅い眠りです。横を誰かが通れば簡単に起きれますよ」
蹴りを腹に食らった
「なかなかやるな。名前は何っていうんだ?」
「紅美鈴といいます」
「先程の攻撃はあまり手加減はしていなかったのですが、あなたは人間ですか?」
美鈴は
「素晴らしいことに人間だ。ただし、残念な部類の人間だがな」
二人の距離が2メートルほどになった時に、
その攻撃の後にできたわずかな隙を逃さず、美鈴は拳を
「ぐっ」
美鈴に直撃し、美鈴は声を漏らした。
「なかなかやりますね」
美鈴は
「まぁな」
美鈴は、正拳突きをする。美鈴と
「なっ!?」
そこに美鈴は大量の弾幕をとばす。
次々と飛んでくる弾幕を
「がはっ」
美鈴は、何かされると悟り、左方向へ1メートルほど跳躍。しかし、何も起こらない。
次の瞬間、美鈴は、物凄い気持ち悪さに教われる。
美鈴は朦朧とする視界の中で、
「何を......した......?」
「そこら辺にあった二酸化炭素を大量にお前に送り込んだんだよ。つまり、重度の二酸化炭素中毒を起こさせたって訳だ」
そして、
「あれ?まだ動けた?」
美鈴の答えは簡単であった。
「私の能力は気を使う程度の能力。自分の気をコントロールして、気を取り戻しました。そしてこの拳は気を込めた一撃。おそらく人間であるあなたは死ぬでしょう。最後に言いたいことはありますか?」
「甘いな」
「頭を破壊しなければ、もしかしたらこんな風にやり返されるかもしれないぜ」
今回はここまでです。
誤字や脱字があれば、ご報告ください。
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第七話 原始
赤や青や緑など、さまざまな色の弾幕とレーザーが巨大な図書館の中を飛び交う。
それらを飛ばしているのは、魔理沙である。標的は紫色が多い女性で、少し前の会話から、パチュリー・ノーレッジという名前であることが分かる。
魔理沙が飛ばす魔法はパチュリーの眼前で魔法が粉砕されるかのように打ち消される。
「何で当たらないんだ?」
魔理沙の呟いた言葉は誰にも届くことはない。
魔理沙の耳に声が届く。
「手伝おうか?」
観戦していた
「不要だぜ」
魔理沙はそう返答するが、その顔には寸分の余裕すらもない。
「なるほど。確かあいつの能力は
その呟きを真横で聞いていた霊夢は確かにね。と言ってから答えた。
「でも、それは魔法を知り尽くしているに過ぎない。ここの図書館の中身は魔法関連の物が非常に多いわ。だから魔法以外で対応できればまだ勝機はあるんじゃないかしら」
しかし、魔法以外の戦いかたは魔理沙は知らない。
つまり、勝機は無いに等しい。
魔理沙はパチュリーの後ろをとり、極大のレーザーを叩き込む。
「恋符『マスタースパーク』」
当然それは打ち消された。威力も死角も関係なくパチュリーは、魔法を打ち消す。
「そろそろ諦めたら?」
ここでパチュリーが口を開いた。
魔理沙は大量の弾幕を打ち込むことで返答する。
その行動にパチュリーはため息をつく。
弾幕は全て打ち消され、後に残ったのは余裕そうなパチュリーと、余裕のない魔理沙のみ。
それは、絶望からのものなのか、希望からのものなのか。
「じゃ、魔理沙はもう大丈夫そうだから、先に行く」
霊夢は、一瞬本から
魔理沙はパチュリーに正面から極大のレーザーを放つ。
「恋符『マスタースパーク』」
パチュリーの視界にマスタースパークが広がる。先程までより、少しだけ威力が上がっているように見える。
しかし、関係ない。問題なくその攻撃は打ち消される。
次の瞬間、パチュリーの視界に魔理沙はいない。背後から強烈な一撃を叩き込まれたと気がつくも、パチュリーは気を失う。
騒音まみれだった図書館に、唐突に静寂が訪れる。
その静けさに、魔理沙の声が木霊する。
「魔法が聞かないなら物理で対応だぜ。余裕でギリギリのラインだったからヒヤヒヤしたけどな」
ふと、パタンと、本が閉じる音が聞こえた。魔理沙がそちらの方を見ると、霊夢が魔理沙の方に向かって歩いてきている姿が映る。
霊夢は魔理沙に一言。
「あいつ行ったわよ」
魔理沙はヘラヘラと笑いながら返答。
「悪い。悪い。苦戦したんだぜ」
霊夢と魔理沙は、先程
今回はここまでです。
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第八話 試行錯誤
誰もいない通路。そこに一人分の足音が響く。
ふと、大きく開けた場所で、足音が消える。
「お、次は誰だ?」
返答はなく、その代わりに風邪を斬るような音が
後ろへ大きく跳ぶと、先程まで
さらに、
「十六夜 咲夜。メイド長です。あなたを倒しに来ました」
「
そして、次の瞬間には、
「やはり厄介な能力ですね」
咲夜は、まるで、何度も
その言葉に
「初対面だよな?」
「未来でお会いしました」
咲夜は、その一瞬を逃さず、確実に完璧に洗練された一撃を叩き込む。
その動きから、何度も繰り返し行ってきたという印象を抱く。
腹部にナイフが刺さったまま、
「何......回目だ?この戦いは......何回目だ?」
咲夜は、流れるように追撃を連続で叩き込む。
「忘れましたが、軽く700は越えています」
「能力が何なのかは分からないが、時間を巻き戻すことができるか、過去に飛べる、あるいは移動することができるといったところか」
それでも、喋り続ける。
「700回もやっているということは、つまり、700回負けたってことだ。つまり、その過去に戻った方法を見つけ出し破壊すればいい」
唐突に咲夜が消え、
しかし、咲夜を移動させようとした瞬間に、咲夜は少し離れたところに移動した。その結果、ナイフは誰もいない空間を通過する。ジャラジャラと金属音が鳴り響く。
ナイフ同士が衝突し、地面に崩れ落ちる。
「何!?」
「何度見ても、あなたの硬さには驚かされます。それだけの攻撃を食らえば、普通は動くことができないはずですから。しかし、だいぶ飽きてきましたわ。そして......」
その言葉の続きを言えないまま、咲夜はその場に倒れ臥す。
その代わりにと、
「回避不能、絶体絶命、理解不能」
先程までのダメージが完全に無くなった
「その状況を、俺からお前に移動させた。そして、気絶すれば聞こえない。だから何度挑んだって、何度俺が何をしたか説明したって、何度気絶したって、お前には絶対に届かない。そして、今回は俺はお前の能力が理解できなかった。だから」
ここで
「お前の理解を、俺に移す」
次に戻される前に、全てを終わらすしか無いという結論に至る。
「親玉はレミリア・スカーレット。運命を操る程度の能力。幻想郷を支配するために異変を起こした」
「一時間以内にこの異変を終わらせる」
そして、
「俺が勝てる確率は1パーセント未満」
そして
今回はここまでです。
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