ハイスクールB×B (カンパネラ35)
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第一話 蓮太郎と木更

どうも、ハイスクールB×B第一話です。
今回これを書く目的は木更さんと蓮太郎の恋愛を書きたかったんです。ハイスクールD×Dは、いずれ読もうと思っていたのでクロスオーバーに選びました。
因みに完全に妄想で書いてます。書いてる自分自身が恥ずかしさで飛びそうです。因みに文章下手なので言葉が足りない所や色々突っ込みどころがありますがうまく文章で表現できていません。そこは読む方各々の脳内補完でお願い致します。


今、この瞬間全てが終わった。目の前には地に倒れ伏しすでに生き絶えているかつての養父『天童菊之丞』の姿があった。そして隣には俺の大事な人、『天童木更』が居た。今のこの状況は彼女が作り出したものだ。木更さんは両親を他の親族である天童一家に陰謀に巻き込まれ両親をガストレアに殺された。それを知った木更さんは天童の家を出た。そして、俺と共にこの世から全ての天童を消し去る為に『天童民間警備会社』を設立した。民警として依頼をこなす傍ら木更さんは機会を伺っていた。延珠達が来て俺と木更さんも少しは変わった筈だと思っていた。でも、実際は木更さんは殆ど変わっていなかった。まず最初は兄である天童和光から始まった。そして今、天童菊之丞をもって終わりを迎えた。途中止める機会はいくらでもあった。でも…俺は木更さんを止められなかった。俺は先生の言葉によれば木更さんに狂ってしまったんだろう。心の支えであった延珠とティナがいなくなってしまったことも大きな要因の一つだった。

 

「木更さん…」

 

その言葉に返答はなかった。その代わりに彼女の体が蓮太郎の方に倒れこんでくる。蓮太郎はそれを支えることが出来ず、木更と一緒に地面に倒れてしまう。無論、蓮太郎は木更の事を支えようとしなかったわけでも反応が出来なかったわけでもなかった。蓮太郎と木更の体はとっくの昔に限界を迎えてボロボロだった精神的にも肉体的にも。二人はそれが原因で立っていることも出来なくなっていた。木更は両親を失った精神的なショックからずっと腎臓が悪かった。そんな中でも天童を殺す為に戦い、時には蓮太郎と共にガストレアとの戦いに出ることもあった。結果として悪かった身体は更に悪化してしまった。しかし、それでも彼女の体を動かしていたものは、

 

『天童への復讐』

 

と言う名の執念だった。その執念だけが彼女の身体を動かしてきた。それが無くなった今、彼女の身体は活動を停止しようとしていた。

では、蓮太郎はどうしたのか?

蓮太郎は、度重なるゾディアックガストレアとの戦闘の最中で負った傷と、精神的な支えであった延珠とティナを失ったこと。そして、最も大きな要因は蓮太郎がとあるゾディアックとの戦いでガストレアウィルスに感染してしまったことだった。では、蓮太郎は何故今ガストレアになっていないのか?それは、『室戸菫』のおかげだった。蓮太郎が、先生と呼ぶ人物だ。彼女は世界最高の頭脳を持つもの『四賢人』の一人で蓮太郎の恩人でもある人だった。彼女は蓮太郎が倒したゾディアックやステージⅣのガストレア、そしてIP序列が上がり閲覧できるようになった機密情報などから世界初の『抗ガストレアウィルス剤』の開発に成功していた。しかし、量産は難しく公表は控えていたらしい。それのおかげで蓮太郎は助かったが、進行していたガストレアウィルスのせいで身体はおかしくなっていた。『抗ガストレアウィルス剤』は、ガストレアウィルスを死滅させるものではなくガストレアウィルスの侵食を止める物である為、蓮太郎は今半ガストレア状態である。延寿やティナ達と同じ『イニシエーター』のような状態である。結果更に強くなった蓮太郎は見事最後のゾディアックガストレア『レオ』を撃破することに成功した。しかし、倒した時にはもちろん身体は限界だった。それでも蓮太郎は止まらなかった。先程のように言うのならば

 

『木更への執念』

 

だろうか。蓮太郎は木更を一人にしない為に、木更の最後を見届ける為に今ここに立っていた。その目的が果たされた今、蓮太郎に体を動かす力など残っていなかった。室戸菫が見ていれば、「蓮太郎君、君は馬鹿だね。」とでも言われかねない状態だ。その先生も、気付いた時にはいなくなっていて、現在も行方不明である。

 

「蓮太郎君…やっと、終わったわね…。」

 

「あぁ、お疲れ様木更さん。」

 

木更が蓮太郎の上に倒れこんだ状態のまま話を続ける二人。もう互いに起き上がる力すらも残っていなかった。

 

「蓮太郎君…ここまで私に付き合ってくれてありがとう。」

 

「どうしたんだよ急に。お礼なんて木更さんらしくもない。」

 

木更からの突然の感謝の言葉に蓮太郎は不安を覚える。

 

「蓮太郎君には、迷惑をかけたわ。」

 

「やめてくれよ木更さん。」

 

死ぬ前にそんな言葉は聞きたくなかった。蓮太郎は彼女の言葉を止める。

 

「いいえ、どうしても…貴方に伝えたい事があるの。」

 

そう言って彼女は切り出した。

 

———

 

ねぇ、蓮太郎君?私ね考えたの、私は蓮太郎君に何も与えられてないなって。終わりが近かったからなのかしらね、ふとそんなことを考えたの。そうやって考えているうちにまた疑問が浮かんでくるの。「なんで私はこんなに蓮太郎君の事を考えているの?」ってその事を考えていくと気付いたの。私、蓮太郎君の事が好きなんだなぁって。蓮太郎君が私の側からいなくなる事が考えられなかった。蓮太郎君に幸せになってほしかった。私は貴方に迷惑をかけてばかりだったから最後くらい何かをあげたいと思ったの。でも、どれだけ考えても私が蓮太郎君にあげられそうな物は思いつかなかった。だから嫌々ではあったけど未織に聞いてみたの。それで———

 

———

 

「ねぇ、蓮太郎君。私ね…やっぱり蓮太郎君が…好き。うん…大好きよ。こんな私でよければ貰って欲しいの。」

 

その言葉に蓮太郎の頭の中が真っ白になる。今自分が何を言われているのか理解が追いつかない。しかし、理解が追いついてくると多くの疑問が湧いてきた。

 

「いきなりどうしたんだ木更さん!?」

 

蓮太郎はいきなりの告白に驚きすぎてかなりパニック状態に陥っていた。もう身体に力などないはずなのについ叫んでしまっていた。

 

「本当に嫌だったけど、未織に聞いてみたの。そしたら、「何もないなら身体でもあげたらどうなん?」って言われたの。」

 

蓮太郎の頭の中にニヤつきながら木更に言葉を送る未織の顔が鮮明に浮かんできた。

 

「だから、私が終わる前くらい素直に実行してみようかなって。」

 

頑張って笑顔を作りながら木更は蓮太郎にそう言う。しかし、ずっと脇腹のあたりを押さえているのを見るともう長くはないだろうという事がよく分かった。

 

「それで、どうなの蓮太郎君?女の子を待たせる…とモテないわよ?」

 

答えないというのはあり得ない話だった。最後の時に木更がここまでしてくれているのに答えを先延ばしにするほど蓮太郎は酷い奴のつもりはなかった。

 

「あぁ、分かったよ木更さん。」

 

蓮太郎も最後くらいは素直になろうと決意をして木更に話し始める。

 

「木更さん、俺はずっとあんたが好きだった。まぁ、分かってたかもしれないが。だから最後くらいは俺もしっかり言わせてくれ。」

 

蓮太郎は心を落ち着ける

 

「木更さん、俺と結婚してくれませんか?」

 

そう言って力の入らない腕を最後の力を振り絞り木更の背中に回し優しく抱きしめる。

 

「口約束でもいい、俺と一緒にいて欲しい。それに…俺が貰わなかったらあんたを貰ってくれる人は誰もいなくなっちまうからな。」

 

木更さんを見ると涙を流していた。

 

「ありがとう、蓮太郎君。こんな私を貰ってくれて、最後まで一緒にいてくれて。口約束だけどこれで私も『里見木更』になるのかしらね?…これで本当に『天童』は完全にこの世からいなくなったのね。」

 

そう言って最後に木更さんは嬉しそうに笑っていた。もう互いに喋る事も辛くなってきていた。二人の目がゆっくりと閉じていく。そして、二人は最後に同じ事を考えた。

 

『今度はここより平和な場所で木更さん(蓮太郎君)に会えますように』

 

と。そして二人はこの世を去った。




やっと、書き終わりました第1話。
これ書くのに四日ぐらいかかってます。やっぱ恋愛系書くのは難しいです。でも書きたいというジレンマから結局書いてしまった。まぁ、これ読んで良かったと思っていただければ幸いです。


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第二話 平和

どうも、お久しぶりです。また、ブラックブレットを見てモチベーションが上がってきた作者です。ずっと原作の更新もないものかと待っているのですが。この作品も大変遅れてしまい申し訳ありませんでした。生存報告も兼ねた更新でございます。今回はだいぶ短めです。

前回のあらすじ

なかなか恥ずかしい事書いてあった。


『…………!』

声が聞こえた。なんと言ったかは目覚めたばかりの蓮太郎にはうまく聞き取ることができなかった。

『……郎君!』

今度は先程よりもはっきりと聞こえた。この声には聞き覚えがあった。ついさっき意識がなくなる寸前まで聞いていた大切な人の声。そこで蓮太郎は違和感を感じる。俺は死んだはずだ…と。何故———

『起きて!蓮太郎君!』

疑問を感じる間もなく蓮太郎の意識は浮上して行った。

 

———

 

蓮太郎が目を覚ますと目の前には泣きながら自分を覗き込む木更の姿があった。

 

「…木更さん?」

「…」

 

木更は何も言わずに蓮太郎に抱きつく。そして、

 

「蓮太郎君どれだけ呼びかけても目覚めないから…一緒にいるなんて言っておいて私一人だけ残していくつもり?」

 

蓮太郎にも今の木更の気持ちはよく分かった。もし蓮太郎自身が木更の立場であったらと考えるともしかしたら今の木更の数倍は取り乱していただろうことは想像に難くなかった。

 

「ごめん…木更さん。本当に心配かけた。」

「本当よ。蓮太郎君のバカ。…本当にバカ。」

 

———

 

「ありがとう蓮太郎君。もう大丈夫。」

 

あれから少しの間木更さんは俺から離れなかった。落ち着いた事で今自分がしていることに気が付いたのか顔を少し赤らめながら離れていく木更さんは、こんな状況ながらとても可愛かった。そんな木更さんをもう少し眺めていたかったが、今は俺達の置かれている状況を確認しなければならない。

 

「なぁ、木更さん。どうして俺たちはまだ生きてるんだ?」

 

今いる場所を見渡せば俺たちがいる場所はただの部屋だ。今座っているベッドと少し離れたところにテーブルと椅子があるだけの簡素な部屋だ。だが、もしあの状態で生きていたのならばこんな綺麗な部屋ではなく今頃は牢獄の中だったはずである。国家元首である『聖天子』様の補佐官であった天童菊之丞を暗殺したのだから最悪処刑されてもおかしくはないはずだ。

 

「私もさっき目覚めたばかりだから分からないの。何故生きているのかそれすらも。」

 

俺は何かを探そうと起き上がり部屋を散策する。そして、先ほど見えたテーブルの上に一枚の手紙のようなものを見つける。俺たちの名前が書いてあるが、誰からのものなのかは書いていなかった。

 

「木更さん。なんか手紙を見つけたんだが。…読むべきだと思うか?」

「…えぇ、読みましょう。私達には情報が必要だわ。罠かもしれなくても読むしかない。」

 

ゆっくりと手紙を開く。そして読み始めるとすぐにそれが罠ではないことが分かった。それはかつて俺を2度も救ってくれた人からの手紙だった。今は行方不明になっているはずの人からの手紙に驚きながらも読み進めていく。

 

『とりあえずお疲れと言わせてくれ。それと急に君たちの前から姿をくらませてしまってすまなかった。最後まで君たち二人の行く末を見れなかったことは残念だった。なんて湿っぽいことを言っているが別に私は死んだわけではないよ。それどころかピンピンしている。では何故君たちの前から消えてしまったのか。それは今の君たちの状況が関係してくる。おそらく蓮太郎君も木更も一度死んだはずだ。そしてそれは私も同じだ。そして気づけばここにいた。ここは私達のいた世界とは全く異なる世界なんだよ二人とも。この世界にはガストレアが存在しない。だが代わりに悪魔や堕天使なんていう神話の中の生物達が存在しているそんな世界だ。向こうと比べればかなり平和な世界だよここはだから今度は君たち二人も静かに平和に過ごせばいいさ。その家は私からのプレゼントというやつだ。今日一日はゆっくりと過ごしたまえ。明日になったら私も君たちに会いにいく。そこでまた話そうじゃないか。【室戸菫】』

 

かなり衝撃的なことが書かれているが俺はまず室戸先生が生きていたことの嬉しさが込み上げてきた。そして次にガストレアが存在しない異世界に来たということ。どれだけ平和であればいいと望んだことか。常に危険と隣り合わせの世界で生きてきた。だからこそガストレアのいない平和な世界だということを頭が理解すると、目から涙が溢れてきた。やっと終わったのだと。どうやら木更さんも同じようで、隣で静かに涙を流していた。そんな木更さんをそっと抱きしめ二人で泣き続けた。




ちょっと短めですがとりあえず生きていることを知らせるためにも投稿しておきます。


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