無限航路~戦火の先へ真実の愛を~ (空社長)
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プロローグ ガトランティス

プロローグを大幅に変えて再投稿しました


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………我らはガトランティス…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人の形を型どった者

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人の感情を持たぬ者

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここまで言って、分からんか…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだな…………一言で言うならば…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"人と異なりし者だ"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーアンドロメダ銀河系外縁ー

 

 

 

 

2つの艦隊が互いに争っていた

 

 

 

 

一方は艦形がやや丸い特徴を持ちほぼ全ての艦が紫色に塗装されていた

そして、一艦のみ紅血に塗装されやや大型であった

総数2800隻

 

 

 

もう一方はやや多種類であり、500mクラスの双胴型の艦首を持つ大型艦が何隻も揃い、他には白と緑で塗装された楕円形の艦艇が多数いた

総数200隻

 

 

 

空母艦載機がいない中で後者は数で押されかけていた

無論、押されかけているだけであって、未だに戦線は維持していたが……

 

 

 

 

「戦線を維持せよ。我らに撤退は許されない。撤退、それは大帝への反逆と取られるのだ。」

 

 

艦隊の前衛に位置する双胴型艦首の艦艇の艦橋にいたその男は緑色の目を顰める

 

 

双胴型艦艇は5連装砲塔から黄緑色のビームを断続的に発射し、敵艦を一個一個潰していく

 

だが、相手は2000隻ごえの大艦隊、時間がかかりすぎており、また自軍の駆逐艦が敵艦隊の砲撃を喰らって轟沈することが相次いだ

 

 

 

「時間がかかり過ぎるな。」

 

 

「ええ。さらに我々の駆逐艦の被害も相次ぎ、これでは"処理"は一向に進みません。」

 

艦隊司令と思われる男は副官と話す

 

 

 

 

「ふんっ、この程度の被害、どうということは無い!まだこれほどの数がいるのだ。一気に押し込めぇ!我らボラー連邦を相手にしたこと後悔させてやるのだ!」

 

 

ボラー連邦艦隊約2800隻は進撃を開始する

 

ほぼ全艦艇に共通する艦首砲を連続で放ち、多くは外れるも、数発が小型艦に命中し轟沈する

 

 

 

 

 

その時

 

 

 

「我が艦隊の上方及び下方から空間跳躍の反応多数。識別は……援軍です。」

 

オペレーターが艦隊司令の方を向き、報告する

 

 

「そうか……"奴"か……」

 

 

 

 

 

 

上方と下方からボラー連邦艦隊に向けて迫る大群

 

上方は黒き戦艦が、下方は白き戦艦が先頭となり、緑色の戦艦群が続く

 

 

その艦隊は全ての艦艇が同型の艦艇で構成されていた

 

 

 

艦隊総数4万隻……その大群にボラー連邦艦隊は混乱が訪れた

 

「敵艦隊増援!!総数、4万隻!!」

 

 

「なんだとっ!我が艦隊の10倍以上だと!!」

 

 

 

 

 

「「殲滅……!」」

 

 

2人の女性の声がテレパスとなって4万隻の戦艦に伝わり……

 

後部のエンジンノズルから緑色の炎を吐きながら艦隊は加速する

 

 

ボラー連邦艦隊を上下から挟み込む形で展開する艦隊

 

さらに、背の高い上部構造物がボラー連邦艦隊の方を向けて旋回し、上部構造物に搭載されている3連装砲3基9門、連装砲1基2門、他に艦体に搭載されている多数のドーム状の回転砲塔から緑色のビームが連射された

 

 

 

その砲火はあやゆるものを燃やし尽くす

 

弾幕の射程圏内にいたボラー連邦艦隊はその弾幕に次々と貫かれていき、撃沈艦艇が続出する

 

 

「ぜ、全艦後退!!」

 

 

紫色の艦艇群は後退命令により艦首ノズルから逆噴射を開始した

 

 

 

だが、それを逃すほどガトランティスは甘くは無い

"否"

 

ガトランティス程戦意を消失した者には容赦無いのだ

 

 

 

多くの艦艇がそのまま追撃を開始する中、極少数の艦艇はボラー連邦艦隊に正面を向け、浮遊砲台で構成される緑色のリングを高速回転させ、

先程よりも更に激しい弾幕を前方にピンポイントで投射した

 

 

 

「何だこの攻撃はー」

 

その投射範囲となってしまったボラー連邦艦隊の旗艦と思われる赤い大型戦艦は、艦体を穴だらけにされ爆散した

 

 

 

 

「フッ、脆い……」

 

 

「ですね、お姉様。」

 

 

「ならば……」

 

 

「「全艦前進、殲滅せよ!!」」

 

 

 

旗艦を失ったボラー連邦艦隊は潰走し始めるが、容赦なくガトランティス艦隊は襲いかかる

 

 

 

緑色のビームが四方八方に飛び、次々と紫色の艦艇が裂かれていく

 

 

大量の緑色の戦艦は陣形も維持せず、ボラー連邦艦隊を叩き潰していく

 

 

その最中、黒き戦艦と白き戦艦が最前列に出て、艦首に白く薄い膜を展開し、敵艦に突っ込んでいく

突っ込まれた敵艦はまるで豆腐のように粉微塵に粉砕される

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後にはボラー連邦艦隊は文字通り1隻残らず殲滅された

 

 

「……任務完了。」

 

 

「帰投します。」

 

 

 

2つの微妙に異なる声が命令となって全艦に通達され、

 

 

その4万隻の大艦隊は青い逆三角が重なったリング中央に突入し消え去った

 

 

 

「あれは……」

 

 

「ツインスカーレット……我らの援軍だ。」

 

 

「紅の姉妹……」

 

 

「まあな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、全ての兵士の視界が白き閃光に染め上げられる

 

 

 

 

この次元に住む全ての生命体には観測しえない次元振動が発生し、それはガトランティスの領域のみに広がっていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり、起きはじめたか、我らへの神の導き

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この宇宙で我らの運命は虚しいものとなるのは既に確定している

 

 

 

ならば…………

 

 

 

いや、これこそ我らの正しき道

 

 

 

神の導きによって我らの道を成す

 

 

 

 

 

 

 

オーバーロード()の導きこそ我らの真に正しき道

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無限に広がる大宇宙

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静寂と光に満ちた世界

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死んでゆく星もあれば生まれゆく星もある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、宇宙は生きているのだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生きて…………生きて…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから、愛が必要だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーバーロードの導きによって成せる愛が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星間戦争が頻発し、儚き命が次々と失われていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虚しい……実に虚しい……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この宇宙の人の行動に一体何の意味があるのか、いや、ありもしないであろう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり愛が必要だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この宇宙から根こそぎ苦痛を取り除き

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次元の創造と破壊を繰り返すオーバーロード……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その導きによる救済を成せる愛が必要だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうは思わんか、()()()




※詳細設定

・オーバーロード

上記の通り、次元の創造と破壊を繰り返す高次元生命体
DSゲーム無限航路のラスボス


・ボラー連邦

ヤマトIII 太陽危機の時に天の川銀河系の二大勢力のひとつとなる
2202のガトランティスを除き、最大の物量を誇る


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第1話 謀りごと

今日(投稿時には昨日のこととなってるかw)、ヤマト2202第七章初日見てきました
そして、これを書いている時、無限航路再開しようかなと頻繁に思いましたw


 

 

 

 

 

この宇宙は何度か星間戦争が起こり多くの人々が宇宙の塵と化すも、強大な帝国が国を滅ぼすことも無くどの国も存続していた

 

 

 

 

 

奴らが来るまでは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大マゼラン暦2550年

 

 

 

 

 

 

2つのマゼラン銀河を望める宙域に白く禍々しい巨大な彗星があった

 

 

 

 

彗星都市帝国~監察の間~

 

 

 

暗く青い空間、周囲には異型の化石が浮かぶ中、2人の人物がその空間の中央にたっている

 

 

 

1人は帝星ガトランティス諜報記録長官ガイレーン

 

そして、もう1人は帝星ガトランティスを統べる大帝ズォーダー

 

 

 

 

ガイレーン「……大帝、2,6ソルボン前、微弱な次元震を観測、我々は新たなる世界に転移しました。」

 

 

ズォーダー「新たな世界か……では、兵を進めるとしよう。」

 

 

その時、逆三角形のウインドウが浮かび上がり、大小マゼラン銀河を映し出す

 

 

ガイレーン「では、選択する必要がございます。大マゼランの国家は連携し合っており、実験体として試すのにはふさわしくない……ならば…」

 

 

ズォーダー「小マゼランか……」

 

 

ガイレーン「はい。小マゼランには3つの国が存在しております。」

 

 

「1つはエルメッツァ。これといった特徴はございません。」

 

「もう1つはカルバライヤ。装甲面で優れた技術を持つ様ですが、我らガトランティスに比べれば紙同然です。」

 

「最後にネージリンス。これは大マゼランのネージリッドの難民が移住してきた国であり1部の技術も受け継いでおります。また、先ほど申し上げたカルバライヤとは犬猿の仲のようでございます。」

 

 

ズォーダー「ふむ……」

 

 

ガイレーン「大帝、答えは既に決まっておりましょうな。」

 

 

ズォーダー「当然だ……」

 

 

 

「我らはネージリンスを実験として使う!」

 

 

《クライヴ……分かっておるな。奴らと接触を果たせ……》

 

 

ズォーダー大帝はテレパスのような感応波で同じ場所にはいないクライヴという者に語りかける

 

 

クライヴ《……了解致しました……ズォーダー大帝……》

 

ズォーダーに似た顔の特徴を持ちながら髪の毛は焦げ茶色に染まった髪で服は武人のような服装をしていた

 

感応波【コスモウェーブ】でズォーダーに返答をした後、閉じていた目を開き、艦橋の暗い空間の中で前方の一点を見つめる……

 

 

そして、決意したかのように目を少し細め…

 

 

クライヴ「全艦に通達、往くぞ。」

 

 

 

通常空間に青い三角を重ね合わせたような大きい輪が現れ、1隻の重厚かつ聳え立つ艦橋に重武装が施された戦闘艦

ーカラクルム級戦闘艦ー

が出現する

 

さらにその周りに一回り小さい輪が6つ現れ、双胴型の戦闘艦

ーメダルーサ級殲滅型重戦艦ー

が6隻現れる

 

そして同様の小さい輪が多数現れ、二等辺三角形とロケットを組み合わせた様なフォルムの巡洋艦と駆逐艦

ーラスコー級突撃型巡洋艦とククルカン級襲撃型駆逐艦ー

が100隻程出現する

 

最後尾に大きめの輪が2つ現れ、ロケット型の艦体上部に楕円を乗せた様な独特のフォルム

ーナスカ級打撃型航宙母艦ー

が2隻出現する

 

 

 

その大艦隊は大戦艦を先頭とし突き進む……

 

 

 

 

 

 

「おい、奴らなんなんだ……?」

 

 

突然出現した100隻規模の艦隊に遭遇したネージリンス星系共和国宙域警備隊第23警備小隊の哨戒艇の兵士達は唖然とする

 

 

兵士1「さあな……」

 

 

兵士2「突然出現するとか有り得るか?ボイドゲートでしか渡ることが出来ないはずだぞ。」

 

 

小隊長『おい、貴様ら!領域侵犯なら報告しろ!任務を忘れたか!!』

 

 

兵士1「すみません!」

 

 

小隊長『まあ、いい。既に報告をした。直に主力艦隊がやってくる。お前らは奴らの前進を停止させとけ!』

 

 

兵士2「はい!」

 

 

兵士1『こちら、ネージリンス星系共和国宙域警備隊!貴艦隊に告ぐ!直ちに停船せよ!さもなくば攻撃する!』

 

 

 

クライヴ「ふむ……最低限の節度は備えているようだ。これは……期待できそうだ。全艦停止。」

 

 

クライヴが手を上げると、艦隊は瞬く間に停止した

 

 

 

兵士1「停止した……反応が早いな。」

 

 

兵士2「まもなく主力艦隊が到達する。俺達は一旦下がるぞ。」

 

 

兵士1「あぁ…そうだな。」

 

 

 

そのすぐ後にネージリンス星系共和国航宙軍首都防衛艦隊が到着した

 

艦隊提督はフュリアス・マッセフ

 

 

フュリアス「突然出現したという話は本当なのか……?」

 

 

参謀「……さあ、私にも分かりません。」

 

 

フュリアス「……この接触が我が国にとって吉となるか凶となるか……前方の艦隊との通信回線を開いてくれ。映像付きでな。」

 

 

 

ガトランティス兵士「通信です。開きますか?」

 

 

クライヴ「開け。」

 

 

ガトランティス兵士「はっ。」

 

 

 

フュリアス「……!」

 

 

フュリアスは正面のスクリーンに映し出された光景ー艦橋の薄暗い空間とその眼前に立つ武人のような服装をした厳つい顔の人物ーに少し畏怖を覚える、だが、軍人としての精神が彼を落ち着かせた

 

 

フュリアス『まずあなたにお聞きしたいことがある。国籍を明らかにしていただきたい。』

 

 

クライヴ『我々は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ゼムリア公国】……』




パイプオルガンで弾かれる「白色彗星」って何かいいよね好き


用語解説

・2,(コンマ)6ソルボンについてですが、宇宙戦艦ヤマト2202第三章純愛編にて約3~4年前を31,72ヘブロンと言っていますのでそれよりも小さい単位があってもおかしくはないと思って作りました
2,6については適当です、ごめんなさい

・無限航路のワープ原理について
無限航路の世界ではワープというものがありません(原理を知ってるかは置いといて)
ボイドゲートという未知の人工物によってゲート同士を行き来することによって生活が成り立っています
ヤマト2199で言えばあのバラン星にあった亜空間ゲートと同じ様なものが宙域ごとに大量に配置されてるとお考えください


次回予告

第2話 二国の外交

ネージリンスはゼムリアと偽ったガトランティスのことを知る事となる
実験が始まる……


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第2話 二国の外交

戦闘シーンが無いし……国交締結シーンだとなぁ……書きづらい()


 

 

 

 

 

フュリアス『ゼムリア……聞いたことないが…』

 

その時、クライヴが話を遮る

 

 

クライヴ『それは貴艦にて話す事としよう。』

 

 

フュリアス『……分かった。』

 

 

 

ネージリンス星系共和国首都防衛艦隊旗艦ヴァランシエヌ級空母『スエルネーヴ』とゼムリア公国と偽る帝星ガトランティス小マゼラン方面派遣艦隊旗艦ガイゼンガン兵器軍=カラクルム級戦闘艦『カルトラフス』が接舷した

 

 

 

クライヴただ1人だけが『スエルネーヴ』へと移り、広い会議室で両者が対峙した

 

 

フュリアス「お待たせしました。ところでゼムリアとは?」

 

 

クライヴ「我々は……ゼムリア公国はかつて別の星にて安寧の日々を送っていました。ですが、凶暴な蛮族とその星の周辺環境悪化……主星が蛮族によって超新星化されてしまい……我々は長い放浪の旅の中、過酷な環境に耐えるため、戦闘民族として強化せざるを負えなくなったのです。このように……」

 

 

クライヴは右腕の表面の服装を外し……そこには機械の腕があった

 

 

クライヴ「我々は生き残るため、体の一部を機械化する事を受け入れました。会談の場所をここにしたのは我々が戦闘民族であるため、艦橋には楽に話せるような場所がなかったからなのです。」

 

 

フュリアス「そうですか……」

 

 

フュリアス他参謀らはその聞いた内容とわかりやすいように立体投影装置に表示された内容を見て……驚きを隠せなかった

 

 

 

無論これはほとんどが嘘である

 

 

帝星ガトランティスが滅ぼしてきた文明データの中の1部を盛り、演じているだけであった

 

 

(閑話休題)

 

 

 

クライヴ「我々はネージリンス政府に対し国交の締結と我々の一部技術譲渡を提案します。」

 

 

フュリアス「……!?」

 

 

この一言にフュリアスらは驚愕した

 

何しろ国交が締結され安全保障条約を結ぶことが出来ればカルバライヤに対し2対1で挑むことが出来る……

それだけではなく、噂に聞く自律ワープ技術を持つことができるかもしれない……

 

だが、軍人の一存だけでは決められない……

 

 

フュリアス「あなたの提案はわかりました。ですが、政府の了承がいります。」

 

 

クライヴ「無論、分かっています。お気楽に……」

 

 

フュリアス「ありがとうございます…」

 

 

クライヴ「我々に提案がある。私がネージリンス首都へ赴き、交渉を行ないましょう。」

 

 

フュリアス「それは……ありがたい!」

 

 

クライヴ「いえいえ……」

 

その直後、クライヴは【コスモウェーブ】をズォーダーへと繋ぎ……

 

 

クライヴ《大帝…彼ら我々を疑うことも無くすんなりと行きました。予定通り……》

 

 

ズォーダー《上手く遂行しろ…分かっているな?》

 

 

クライヴ《無論……》

 

クライヴがリンクを切断したあと……

 

大帝は聞くものがいないが語りかけるように……

 

 

ズォーダー《人間どもよ……どう我を楽しませてくれよう……》

 

 

 

ネージリンス星系共和国首都星アークネージ

 

 

そこではネージリンス星系共和国最高評議会議長エドル・ローレンス

 

同評議会議員外務担当委員長フレーデル・ケッセン

 

同評議会議員国防委員長ヘンリー・クレム

 

そして、現場の当事者である航宙軍総司令官フュリアス・マッセフ中将

 

最高評議会に出席していた為参加することになった統合作戦本部長レイピル・オリスン中佐

 

がクライヴと面会した

 

 

 

クライヴは

 

・戦闘艦艇等の既存兵器の性能向上

 

・一部ゼムリア公国兵器の譲渡及び生産方法の指導

 

……等航宙軍全体の強化を盛り込んだ譲渡内容を提案した

 

 

この好条件の内容にネージリンス側の代表全員が驚愕、そして、フレーデルとフュリアス以外の3人が狂喜した

 

 

ローレンス最高評議会議長は直ぐに臨時評議会を開催し、国交を締結しこの提示内容を呑むかの議題が開かれた

 

 

結果は直ぐに判明し、外務担当委員長フレーデル・ケッセンを筆頭とする穏健派数名が反対した以外、賛成多数で議決された

 

 

 

後日、アークネージ最高評議会ビル前にて

 

ゼムリア公国全権のクライヴ・ゲスタッテとネージリンス星系共和国外務担当委員長フレーデル・ケッセンが握手し…国交が締結され、クライヴが示した提示内容の全てが了承された

 

 

その際、フレーデルは終始不審そうな目でクライヴを見つめ、クライヴはそれを理解した上で何もしなかった

 

握手する際に耳元にある言葉を囁いたのみは……

 

 

クライヴ「……我々を疑っているようだな……無駄だ……人は欲には抗えぬ……選択を後悔せぬようにな……」

 

その時クライヴは真顔の表情で囁いており、フレーデルにはそれがなお一層恐怖させた

 

 

 

ゼムリア公国のネージリンス駐留艦隊の基地は前首都星シェルネージに置かれることが会議で決まり、

 

 

クライヴは思念波で国境宙域にいた自らの艦隊に司令を出し…

 

 

ガイゼンガン兵器群=カラクルム級戦闘艦5隻、ナスカ級打撃型航宙母艦12隻が追加された合計126隻はシェルネージに向かった……

 

 

 

 

ズォーダー《クライヴ…計画の第一段階は終了した。だが、人間のように油断するでないぞ……》

 

 

クライヴ《分かっております……大帝。》

 

 

ズォーダー《……愚かなり人間…我らの策に簡単にハマるとは。欲というものに惑わされるとはな面白いものだ、人間は…。》




用語解説

・【コスモウェーブ】
帝星ガトランティスの一部人物が使えるテレパスのようなもの


オリジナル人物解説


・エドル・ローレンス

ネージリンス星系共和国最高評議会議長

国家元首、対カルバライヤ攻戦派、カルバライヤを倒す為にはどんな手を使ってでも倒すと意思を示している人物


・フレーデル・ケッセン

ネージリンス星系共和国最高評議会議員外務担当委員長

外務大臣、対カルバライヤ穏健派、出来れば外交で関係改善を図りたい人物
ガトランティスの真意を見抜いてる数少ない人物


・ヘンリー・クレム

ネージリンス星系共和国最高評議会議員国防委員長

国防大臣的立場、エドル・ローレンスの腰巾着であり、彼の人形
その立場はお飾りで利用するためでしかない

次回予告

第3話 動向


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第3話 動向

戦闘シーンめっちゃはかどって5000文字近くになったのと、地の文でどのように感情表現すればいいのかよくわからないです……





 

 

 

エルメッツァ星間国家連合ロウズ宙域惑星バッジョ近傍

 

 

『こちら第12小隊、トトラス総督府。現在我々はバッジョ近傍の海を航行している、周辺状況に変化なし、報告終わる。』

 

 

エルメッツァ中央政府軍アーメスタ級駆逐艦の艦長は惑星トトラスの総督府に定時連絡を飛ばした

 

 

直後……

 

 

オペレーター「艦長、後方に重力震!」

 

 

艦長「何……!」

 

一瞬驚いたが不審そうに前を見つめるだけで何も命じなかった

 

……それが"命運"をわけたとも知らずに……

 

 

後方から突き進んできた高エネルギーの紅蓮の炎がその艦を飲み込み……消滅させた……

 

 

 

『な、何が起きた!?』

 

 

『突然炎に旗艦が飲み込まれたぞ!?』

 

 

旗艦を失った第12小隊の残り2隻は混乱し、適当な回避運動をし始めた

 

 

 

ちょうど密集していたところを炎に貫かれ……2隻とも轟沈した

 

 

 

 

その残骸になった小隊の旗艦のアーメスタ級駆逐艦の索敵範囲外

 

 

 

双胴型の戦闘艦ーメダルーサ級殲滅型重戦艦『グロックメルン』と

ククルカン級襲撃型駆逐艦2隻がいた

 

 

将校1「転送投擲機、正常に起動を確認。」

 

 

将校2「改良型火焔直撃砲、全弾命中。精度、威力ともに良好。」

 

 

将校3「発射試験を終了、砲身を冷却開始。」

 

 

艦長「エストゥヒ様……」

 

 

エストゥヒ「…我々の役割は威力偵察に過ぎん。機を待つのだ。」

 

 

艦長「はっ。」

 

 

『グロックメルン』は2隻の駆逐艦と共に回頭を行い、小マゼランから離れていった…

 

 

 

 

 

ネージリンス首都星アークネージ

 

 

 

首都郊外にある大昔の古風な印象を感じるカフェ……

 

 

そこにはネージリンス星系共和国外務担当委員長フレーデル・ケッセンがいた

 

 

その後ろからその肩を叩き、フレーデルが振り返っていたのは

 

ネージリンス航宙軍総司令官フュリアス・マッセフ中将であった

 

 

 

フュリアス「ここにいたんですか、外務委員長。」

 

 

フレーデル「一応、休暇はとっている。問題は無いはずだ。お前の方は大丈夫なのか?」

 

 

フュリアス「もはや、老兵の身、彼にとっては最早必要ないでしょう。」

 

 

フレーデルはその言葉で確信した

 

レイピル・オリスン統合作戦本部長の専横が高まっていることに

 

 

フュリアス「外務担当委員長。気になったことがあります。なぜ、今まで勤勉に働いていた…休みひとつせずに働いてきたあなたが急に……ゼムリア公国との国交締結を境に休みを?」

 

 

フレーデルは少し間を置いて、コップに入っていた少量の酒を飲み干し、答え始めた…

 

 

フレーデル「秘密にしてくれるな?」

 

 

フュリアス「…無論、友人として。」

 

 

 

フレーデルは自分の心境と状況を事細かく、それも小さな声でハッキリと一語一句話した……

 

 

 

 

それを聞いたフュリアスも少しの間黙ってしまい……2分後……やっと口を開いた

 

フュリアス「……『人は欲には抗えぬ……選択を後悔せぬようにな……』と?本当ですか?」

 

 

フレーデル「さっきも言った。本当だ。」

 

 

フュリアス「欲には抗えぬ……確かにあの時欲により彼らからの武器譲渡に飛びつきました。私たちの選択は間違っていたのでしょうか?」

 

 

フレーデル「わからん。常人から聞けばなんともないのだが、彼らから聞くと恐ろしく恐怖を感じた……」

 

 

フュリアス「そもそも彼らは人のはずでは……いくら機械化してるとはいえ中身は人のはず…」

 

 

フレーデル「…もし、彼らが嘘を言ってるならば、艦艇の性能が向上することなどない!何をしたいんだ!!」

 

 

フュリアス「落ち着いて下さい。」

 

 

置かれたコップの水を飲み干し、フレーデルは落ち着いた…

 

フレーデル「……伝えたいことがある。」

 

 

フュリアス「なんでしょう?」

 

 

フュリアスはなお一層真剣な目でフレーデルを見つめた

 

 

フレーデル「私は仕事をやめようと思う。外務担当委員長も最高評議会議員もな。」

 

 

フュリアス「それは……その後一体どうする気で?」

 

 

フレーデル「大マゼランへ向かう。危険なのは承知している。だが、できる限り小マゼランは離れたい。」

 

 

フュリアス「……止めれませんな。そこまで決意が固まっているなら。」

 

 

フレーデル「お前は……どうする?」

 

 

フュリアス「私ですか……閣下が外で見守るなら、私は中から見守りたいと思います。」

 

 

フレーデル「そうか……ネージリンスを頼んだ。」

 

 

フュリアス「できる限りですが……」

 

 

2人は握手して、1人は航宙軍司令部へ、もう1人は最高評議会人事部へと向かっていった

 

 

 

 

 

エルメッツァ・ロウズ宙域 トトラス総督府

 

 

先程からそこは騒がしかった

 

 

士官「第12小隊との連絡はつかんのか!!」

 

 

オペレーター「何度も呼びかけていますが、反応がありません!」

 

 

トトラス総督府警戒艦隊司令「何やってるか! 直ぐにこの情報をツィーズロンドに送れ!」

 

突如として命令を飛ばした司令に士官が食ってかかる…

 

 

士官「は!?こんな情報送ったって……」

 

 

警戒艦隊司令「わからんか!突如として撃沈など普通はせん!つまり、未知の兵器が第12小隊を襲った!と考えられんか!?」

 

 

士官「……た、確かに…直ぐにツィーズロンドに情報送信!」

 

 

 

 

 

エルメッツァ首都星ツィーズロンド中央政府軍司令部

 

 

 

士官「軍政長官、トトラス総督府より情報送信。バッジョ近傍にて突如として哨戒中の小隊がやられた様です。」

 

 

エルメッツァ中央政府軍ルキャナン・フォー軍政長官が不思議そうな顔でその士官を見た

 

ルキャナン「なぜ、その様なしょうもない情報を私に言うのだ?」

 

 

士官「それが……定時連絡のすぐあとに反応が途絶したということから犯人は我々の索敵範囲外からの攻撃を行ったと思われると書いてあります。」

 

 

次いで怪訝な表情で新たに口を開いた人物がいた

 

同軍モルポタ・ヌーン大佐

 

モルポタ「索敵範囲外…だが、それだと攻撃を確認するまでの時間はあったと思うが。」

 

 

その隣にいた人物が異議を唱える

 

同軍オムス・ウェル中佐

 

その士官から情報端末を受け取り

 

オムス「ヌーン大佐、ですが情報によると定時連絡の後に何の報告もなしに反応が途絶したと書いておるので違うかと。」

 

 

モルポタ「じゃあ、なんなんだ、何が襲ってきたと思う?」

 

 

オムス「……突如として大型ビームがあらわれるとか……」

 

 

モルポタ「突如として……机上の空論ではないかね?」

 

 

ルキャナン「だが、実際問題、謎の敵がエルメッツァに襲いかかってきているのは事実だ。トトラス総督府には防衛作戦の立案を急がせろ。」

 

 

その直後、オムスが立ち上がる

 

 

オムス「それと、長官。調査部隊を派遣したらどうでしょうか?残骸から何かわかるかもしれません。」

 

 

ルキャナンは少し躊躇するふりを見せたがすくに回答を出し

 

ルキャナン「……そうだな。ラッツィオ軍基地に伝達しろ。」

 

 

 

 

 

 

 

2日後、ロウズ宙域・バッジョ近傍

 

 

 

エルメッツァ中央政府軍のサウザーン級巡洋艦を旗艦とする11隻の艦隊が2日前の事件地点に向かっていた

 

 

特別調査艦隊司令「全艦、警戒を怠るな!まだ近くにいるかもしれん!」

 

 

アリアストア級、アーメスタ級駆逐艦を含む5隻が左舷側を警戒

 

テフィアン級駆逐艦や海賊より鹵獲したガラーナ級駆逐艦改修型、旗艦のサウザーン級巡洋艦を含む6隻が右舷側を警戒

 

 

士官「司令、まもなく反応途絶地点です。」

 

 

司令「……ん?あれは残骸……なのか……?」

 

 

光景に唖然としてしまった司令

 

その光景とはアーメスタ級駆逐艦やアルク級駆逐艦等の面影すらない大小様々なデブリが散らばっていた

 

 

士官「自然に出来た……ものじゃないな……ここはほぼデブリがない場所だ。」

 

 

司令「駆逐艦クラスをこれほどまで消滅させるとは……どんな兵器を使ったんだ?」

 

 

 

彼らがそれぞれの感想を述べていく中、死が近づいてることに気づくことは無かった

 

 

 

 

彼らの正面

 

 

2日前と同様にメダルーサ級殲滅型重戦艦『グロックメルン』が2隻のククルカン級駆逐艦を従えていた

 

 

更に2日前とは違い、メダルーサ級の索敵範囲外という超遠距離から照準を定めた

 

 

ではなぜ狙うことが出来るのかということに関してはエルメッツァ最新鋭艦アリアストア級の索敵範囲外ギリギリに布陣している斥候艦からの索敵情報とリンクしているからであった

 

 

将校1「エネルギーダンパー起動!コスモエナジーとの連動開始!ダンパーに注入!」

 

艦前方の大砲らしきものが回転しエネルギーが充填していく……

 

 

将校2「エネルギー転送跳躍機開け!照準固定!」

 

さらに双胴の部分から何らかのエネルギー波が展開される……

 

 

エストゥヒ「波動砲と連動した新たな火焔直撃砲か……」

 

 

将校1「波動エネルギー注入完了!低出力波動機関、安定!」

 

 

艦長「発射準備完了!」

 

 

エストゥヒは一拍おき……

 

 

エストゥヒ「放て。」

 

 

艦首の大砲らしきものー火焔直撃砲ーから紅蓮の炎と青い炎が絡まり合った巨大なエネルギーが一気に噴き出し転送波の中に吸い込まれていく……

 

 

そして、数秒後、突如としてエルメッツァ特別調査艦隊の前に出現し、死を悟った司令もいる中でそのエネルギーの奔流に飲み込まれ、旗艦のサウザーン級含めて7隻が宇宙の塵と化した

 

 

 

将校「敵艦4隻……いや3隻を討ち損じました。残り3隻は巨大な楕円軌道を描いた回避運動を実行中、火焔直撃砲では狙えません。」

 

被弾したと思われるテフィアン級駆逐艦が勝手に爆散したため報告を途中で変更せざる負えなかった

 

 

エストゥヒ「構わん。火焔直撃砲で狙えないと言うなら直接叩くまで。斥候艦に伝達。」

 

 

将校「はっ。」

 

 

斥候艦として潜んでいた240m級のラスコー級突撃型巡洋艦8隻がエンジンを点火

 

300m越えの駆逐艦3隻に突進していく

 

 

その頃、残存したアーメスタ級駆逐艦2隻、アリアストア級駆逐艦1隻は怒涛の混乱状態にあった

 

その内1隻のアーメスタ級駆逐艦内でなんとか混乱が収まりツィーズロンド軍司令部へ報告を始めた

 

 

『こちら、特別調査艦隊6番艦!!』

 

『どうした、何があった?』

 

『艦隊の内、旗艦含め8隻が轟沈!その内7隻は突然出現してきた巨大なエネルギーに飲み込まれ!!』

 

『待ってくれ……詳細を話してくれ。』

 

『前方から突然青い輪っかが現れたと思ったらその中から巨大なエネルギーが飛び出し……』

 

 

「謎の小型艦急速接近!」

 

 

「小型艦に通信開け!」

 

 

『こちら、エルメッツァ中央政府軍!直ちに機関停止せよ……』ぐぁっ!?」

 

 

 

ラスコー級突撃型巡洋艦はまるで艦載機のように動き回り…すれ違った瞬間に後部より光弾ー量子魚雷ーを発射

 

全弾機関部に着弾し航行不能に陥らせた後、

 

 

そのアーメスタ級駆逐艦の前方に艦首を向けて急速旋回、

 

アーメスタ級の艦橋乗組員が恐怖を感じる中、1秒置いて、甲板に備える回転式砲塔から緑色のビームを発射し艦橋を潰した……

 

 

その間にも他の7隻のラスコー級が2隻の駆逐艦に襲いかかっており

 

 

混乱からやっと立ち直り、途端に謎の小型艦からの攻撃の対応に追われている2隻に報告の余裕などなかった

 

 

ラスコー級は脅威となりうると判断されたアリアストア級駆逐艦に集中的に襲いかかり

 

アリアストア級駆逐艦がミサイルを放ち、何発か命中させる度に

 

 

量子魚雷20発以上、ビーム30発以上をくらい、爆発の中で木っ端微塵となった

 

 

残されたアーメスタ級駆逐艦1隻は全回線で降伏の意思を示すも、8隻のラスコー級は猛獣のように襲いかかり、操縦を間違え、上から艦橋に激突したラスコー級の爆発で船体が崩壊、轟沈した……

 

 

エストゥヒ「……これで下準備は整えた。全艦撤退。もう、エルメッツァに用はない。」

 

 

ラスコー級7隻が合流し、直ぐに回頭を始め、2日前と同様に漆黒の宇宙へと消えていった、

獲物の残骸を背にして……

 

 

 

ズォーダー《エルメッツァは滅ぼさなくてはならない……奴らは愛を最も忘れた醜く愚かな人間ども。我らで首を刎ねるのだ……実験体に遅れを取ってはならぬ。》




無限航路の人達ってワープすら知らないから、ヤマト2199の人達でさえ突然のビーム出現に対応できなかったから、対応出来るわけないよね
というか、艦艇が簡単にワープできることだけで驚くなw


第4話 侵攻開始


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第4話 侵攻開始

やっぱり戦闘回はノリがよければ直ぐに書き終えますね()


大小マゼラン銀河を間近に望む空間に木星規模以上の巨大な白色彗星が浮かんでいた

 

 

 

その中心部……

 

ガラスを散りばめたような空間

 

中央の塔らしきもの

 

その頭頂部にある玉座に一人の男が座っていた

 

大帝ズォーダー……それがその男の名

 

ズォーダーは突然立ち、マントを翻しながら話す

 

 

ズォーダー《時は満ちた。エルメッツァ、悪しき種は滅ぼさなねばならん。直ちにな。》

 

 

~BGM: 白色彗星~

 

 

 

 

彗星内より白き霧をまといながら520mクラスになる幾多もの"戦艦"が前進してくる……

 

彗星の外に出たあと、その艦の外観がはっきりと見えた……

 

 

ガイゼンガン兵器群=カラクルム級戦闘艦

 

 

これがその艦の名称だ

 

 

その周りでカラクルム級を含む艦隊はいつの間にか10万隻規模にも膨れ上がっていた

 

 

10万隻もの艦隊は小マゼラン=エルメッツァ領外縁に展開

 

航路に表示されない無名な宙域の為、エルメッツァ艦艇は1隻たりとも現れなかった

 

 

 

 

 

 

ネージリンス首都星アークネージ

 

同共和国最高評議会

 

 

エドル「……エルメッツァへ侵攻ですと?」

 

ローレンス最高評議会議長はモニター上に映るゼムリア公国大使 クライヴ・ゲスタッテに問い質した

 

 

クライヴ『そういったはずだ。』

 

 

エドル「しかし、突然なぜ?」

 

 

クライヴ『それは我々の元首が決めること。それに、他国の政治に介入するものではなかろう……』

 

 

その時、最高評議会では奇妙な威圧感に襲われた

 

 

エドル「それで、我々ネージリンス政府に何の用件で?」

 

 

クライヴ『いい質問だ。貴様らの憎き敵、カルバライヤ星団連合と戦争してもらいたい。』

 

その時、国防委員長のヘンリー・クレムが素っ頓狂な驚いた声を上げた

 

 

ヘンリー「し、失礼……。ですが、我々に勝てるのでしょうか?」

 

 

クライヴ『我々の技術を舐めているのか?問題ない。すぐにでも戦争を行えるよう、技術者には命じているからな。』

 

 

エドル「分かりました。直ちに作戦計画を立案し、カルバライヤに侵攻致します。」

 

 

クライヴ『……もし、負けなどでもしたら……分かっているな。』

 

 

エドル「はっ!!」

 

 

 

その後、30分ほどで最高評議会国政会議が終了、5分後には国防会議に移ろうとしていた時……

 

 

???「はぁ……この先どうなるか……」

 

 

たった今ため息混じりに呟いたのは先日退職したフレーデル・ケッセンの後継として外務担当委員長に選ばれたヴラミル・フローダルである

 

 

ヴラミル「まあ、考えても仕方が無い。始めてしまった戦争の終わらせる手段を探っていくとするか。その前に……」

 

彼は携帯端末を取り出し、電話をし始めた

 

その相手は前外務担当委員長フレーデル・ケッセンその人であった

 

 

フレーデル『そうか……始まるか。』

 

 

ヴラミル「はい……」

 

 

フレーデル『ゼムリア…奴らの動きには気をつけろ。お前も命を大事にしとけ。無様に国のために死ぬようなことはするなよ。』

 

 

ヴラミル「もちろんです。」

 

そう答え、電話を切った

 

 

 

 

 

 

 

 

3日後

 

 

遂にエルメッツァと帝星ガトランティスが戦端を開いた

 

 

 

ロウズ宙域・惑星トトラス近傍にてエルメッツァ側のレーダーが初めてガトランティス艦をレーダーに捉えた

 

 

士官「司令!領域侵犯してきた艦隊を確認!」

 

 

司令「全艦、戦闘態勢!奴らを敵と認識せよ!」

 

 

トトラス総督府の警戒艦隊司令は素早く命令を飛ばし、各艦は慌ただしくなってきた

 

 

 

次の瞬間、前方に青い輪が現れ、紅蓮の炎が飛び出し、左舷の艦隊を削り取った

 

 

士官「左舷、第9中隊、第21小隊全滅、その他多くの艦艇が壊滅的被害を受けています!」

 

 

司令「くっ……調査艦隊を襲った炎と同類だな。」

 

司令は本能的に苦い顔を見せた……

 

 

オペレーター「敵艦、500m級の艦船を多数確認!現在確認されてるだけでも5000は下りません!」

 

 

司令「5000!?……このペースだと1万にも達するのか……?」

 

報告を受けて驚愕した表情を浮かべ……再び苦い表情に戻った

 

 

司令(おいおい…最近のエルメッツァ中央軍は異例の軍備増強で総数5万隻に増えていて、特に重要視されてもいないロウズ方面も2000隻はある……だが、勝てるのか……)

 

 

司令は途端に通信機を取り出し、全艦に繋いだ

 

 

フューズ『私はトトラス総督府警戒艦隊司令、フューズ・バレット少将だ。』

 

 

フューズ『全ての乗組員の命、私に預けて欲しい。勝てるかどうかはわからない。だが、おめおめとは降伏しない。宣戦布告もせずに攻撃を仕掛けてきた蛮族共に一泡吹かせてやるのだ!』

 

その声にほぼ全ての乗組員は賛同、

 

そばにいる参謀からも賛同の声があった

 

 

主任参謀「司令、私もあなたに命を預けます。たとえ……勝てなくても。」

 

 

フューズ「そうか……」

 

 

オペレーター「敵艦、約8000隻程度に落ち着きました。……!?速度を上げて接近中です。」

 

 

フューズ『全艦、敵艦の先鋒に砲撃を集中せよ!各個撃破戦法で敵の数を減らせ!』

 

 

サウザーン級巡洋艦やアーメスタ級駆逐艦で構成される前衛艦隊がカラクルム級戦闘艦群先鋒に砲撃を集中させる……!

 

 

だが、突然カラクルム級戦闘艦群は隊列を整え始め、先鋒の100隻規模のカラクルム級船体上部の大型回転砲塔や艦橋の大口径砲の連続射撃でたちまち穴だらけにされてしまう……

 

 

オペレーター「前衛艦隊壊滅!」

 

 

参謀「あの弾幕はなんだ……本艦でさえ耐え切れるのか?」

 

 

フューズ「……攻撃を継続せよ!」

 

 

 

中衛にいた旗艦のグロスター級戦艦『フェンガル』、他の駆逐艦や巡洋艦、後衛艦隊の射程圏内に入り、攻撃を開始する……!

 

 

 

こちらが攻撃をする度に被害が増大していくばかりであったが、各個撃破戦法が功を奏したのか……

 

 

カラクルム級の1隻が航行不能に陥り、密集していた為他のカラクルム級と衝突し、一気に10隻以上が連鎖的に誘爆して轟沈した

 

 

 

オペレーター「敵艦10隻以上撃沈!」

 

 

司令部は一瞬歓喜に包まれるが

 

フューズ「まだ早い!」

 

とバレット少将が喝を飛ばしたことにより、静まった

 

 

 

カラクルム級戦闘艦群は10隻以上が撃沈されたことで一時的に前進を止め、隊列を組み直し

 

 

幅が広い複横陣が形成され、再び……なお一層激しくなった連続射撃されるビームの弾幕が襲いかかった

 

 

 

 

 

グロスター級戦艦『フェンガル』

 

 

オペレーター「護衛のアリアストア級が轟沈!」

 

 

隣のアリアストア級駆逐艦が轟沈し、その炎の明かりが艦橋にいるフューズの顔を照らした

 

 

 

その後、800mもある『フェンガル』はカラクルム級戦闘艦群にとって格好の的となり、砲撃が集中した

 

 

『フェンガル』を守ろうとした一部の巡洋艦や駆逐艦が前に出たものの、その弾幕を受けてすぐに爆沈した

 

 

フューズ「他の艦を下がらせろ!トトラスまで……いや、ラッツィオ宙域までだ!」

 

 

主任参謀「まさか……本艦が盾になるんですか!?」

 

 

フューズ「当たり前だ!それに……全員死ぬわけじゃない。俺と一緒に死にたいものがいればついてこい。それ以外は強制退艦だ!」

 

 

主任参謀「!?……」

 

 

 

主任参謀は驚愕はしたものの、考えは既に決まっており、静かに敬礼をした

 

それに続いて艦橋内の全乗組員が敬礼をする

 

 

さらに、艦内カメラ映像で多くの乗組員が敬礼をしていた

 

 

フューズ「ふっ……馬鹿な奴らだ……」

 

 

グロスター級戦艦『フェンガル』は限界が来るギリギリまでエンジンを最大出力に上げ、残存する兵装で孤軍奮闘をし……

 

 

 

最後には残存兵装が無い中、密集している集団に対し突撃し、爆発を起こした

 

 

この突撃により、カラクルム級戦闘艦は撃沈された艦と誘爆に巻き込まれて爆沈した艦を含め、先鋒100隻を含め、200隻以上が沈んだ

 

 

 

 

 

その後、トトラス総督府警戒艦隊残存艦艇は全てラッツィオ宙域に逃亡

 

 

 

残るカラクルム級戦闘艦群約7800隻はロウズ宙域を完全に占領した




やっぱりガトランティス(2202)は物量がやばいですわ……

オリジナル人物解説

・ヴラミル・フローダル

フレーデル・ケッセン前外務担当委員長の跡を継ぎ、現外務担当委員長
フレーデルと同じく対カルバライヤ穏健派
交渉で解決すべきだと思っている
また、ガトランティスにも不信感を抱いている


・フューズ・バレット

エルメッツァ星間国家連合トトラス総督府警戒艦隊司令
階級は少将
エルメッツァに忠誠を尽くす軍人
ただし、エルメッツァが絶対とは思ってはいない
また、兵士達に人気のある将校
ルキャナン長官と影で人気ナンバーワンを競っている


次回予告

第5話 地獄絵図

ズォーダー《悪しき種は滅ぼさなけれならない……利用価値の低いもの、たとえそれが女子供であろうと……》


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第5話 地獄絵図

そこまでシーンはグロくないはず


ロウズ宙域に帝星ガトランティスが侵攻した直後……

 

 

 

 

エルメッツァ=ラッツィオ軍は約2万隻というほぼ全ての艦隊をラッツィオ軍基地周辺に集結させていた

 

 

艦隊司令官はロイウッド・ハンセル中将である

 

 

エルメッツァ=ラッツィオ宙域軍総旗艦

 

グロスター級戦艦『ハンベルゼルク』

 

 

旗艦『ハンベルゼルク』では慌ただしく兵士達が動いていた

 

 

士官「クラーレ、ラッツィオからも艦隊を撤退させました!」

 

 

 

ロイウッド「……わざと分散させずに一斉投入をすることで敵艦隊を撃滅する……戦力分散の愚から考えれば戦術上はあっている……だが、ラッツィオ宙域の大半の惑星を一時的ながらも放棄せざるを得ないとは……」

 

ロイウッドは苦しげに気持ちを語った……

 

 

参謀「ですが、敵は占領するならば惑星の市民たちを殺しはしないと思います。」

 

 

ロイウッド「敵が国家ならば当然生かすだろうな……」

 

 

 

だが……彼らの選択は間違った

 

そして、彼らは後悔することになる

 

ガトランティスが通常の基準では考えてはいけないものだと……

 

 

 

 

 

同宙域:惑星ポポス近傍

 

 

 

青い三角が重なりあった輪が多数出現し、約4 万隻のガイゼンガン兵器群=カラクルム級戦闘艦が現れる中、ロケット型の艦体上部に楕円を乗せた様な独特のフォルム……ナスカ級打撃型航宙母艦、計300隻が現れる……

 

 

ナスカ級打撃型航宙母艦『ワグランスカ』

 

 

将校「大都督、全艦攻撃準備完了致しました。」

 

 

大都督と呼ばれた男は艦橋後方の座席より立ち上がり、大きさからして1mはありそう派手な装飾のされた弓を前に向け、弦を引っ張った……

そして、矢を放つかのように離し……喋り始めた

 

 

 

カーデチス「『轟炎のカーデチス』よりラッツィオ宙域に住む人間ども……さらばだ。奴らの星を"石器時代に戻してやれ!!"……殺戮の時間だ……。」

 

 

 

合計約4万隻の内、60隻ほどのカラクルム級戦闘艦と10隻のナスカ級打撃型航宙母艦からなる第1打撃群が前進

 

その甲板上ではカブトガニの様な形をした甲殻攻撃機『デスバデーター』が発進準備をしていた

 

2機同時発艦可能な構造の為、2機が機体下面に

多数の対地ミサイルを懸吊しながら並び、機体の各部に光を灯し、パイロットは管制室と交信していた

 

自動的にカタパルトが起動し機体は固定され、各部に灯していた光が一斉に消え、発進準備が整い……

 

 

管制《1番機、さっさと上がれ。以上。》

 

 

パイロット《ヴェル(了解)。さっさと血祭りにあげてくれる。》

 

 

機体の最終チェックを終えていたパイロットは命令を聞き、エンジンを吹かし始める……

最大出力に達しそうな時、カタパルトが解除され、エネルギーが解放、2機の機体は一気に加速し打ち出された……!

 

その後、後続機は次々と発艦を繰り返し、他の空母でも発艦が続き、計240機に膨れ上がった第1打撃群の艦載機隊は惑星ポポスに殺到

 

 

一斉に対地ミサイルを発射

 

 

ある1発は無防備なビルに

 

ある1発は多くの人々がいた街中に

 

さらにある1発は対地ミサイルと見せかけたドローンユニットであり、ナイフとノコギリを合わせたような形状の飛行形態から大きめの腕を持ち上部に長方形の4つの目のような観測パーツを搭載する3m越えの半人型形態に変形した

 

人々が驚く間もなくその自律兵器は大きめの腕の砲口を前に向け、取捨選択することなく無差別に人々に杭を三連射した

 

 

「グェ!?」

 

「が……」

 

「痛い!お母さん……」

 

 

杭によって即死するものもいれば、体の一部を貫かれて悶える者もいた

 

その自律兵器はまだ生きているものに対し容赦なく杭を打ち出し殺害した

 

 

 

上空では第1打撃群ばかりではなく第2、第6、第13、第22、第27打撃群が合流

 

 

1240機が追加投入され、地上に残る健在な人工物に集中的に攻撃され、地上には多数の爆炎が生まれた

 

また、自律兵器も1240機の内、約2割の機体に搭載されており、爆撃では効果がない……路地裏や洞窟、地下道付近に投下され、非武装の民間人を虐殺した

 

 

しかし、反撃するものはいた

 

 

エルメッツァ軍が占領された後のレジスタンス活動用として地下に残していた歩兵部隊などであった

 

 

隊員「隊長、敵自律兵器3機

きます!」

 

 

隊長「3機か……お前ら敵の腕には気をつけろ!こちらに向いたら……回避しろ!」

 

隊長が話し終わる前にその3機の自律兵器は腕の砲口を見せつけてきて杭を放った

 

「ぐぁっ!?」

 

 

隊長「まさか……連続発射だと!?」

 

その自律兵器は1発だけではなく、回避する相手には何発も連続で放った

 

 

やられていく一方の歩兵部隊だが、反撃の機会は訪れた

 

 

隊長「よし、メーザーブラスター撃ち方はじめぇ!」

 

号令を発すると、自律兵器の左右後方から少数の歩兵部隊が近づき、それぞれ物陰からメーザーブラスターを撃った

 

 

それらは自律兵器の下部にほとんどが命中

だが、効果は無かった

 

 

隊長「なんだと…」

 

隊長は唖然とした

 

効果がないのは当然で、自律兵器の下部の動力ユニットには戦車クラスの陽電子ビームを防ぐ装甲があり、歩兵の光線銃クラスなど無意味だった

 

 

その自律兵器は後方に振り向き、3連装2基の砲口より杭6発一斉発射された

 

「ぐぇ!?」「ガハッ!」「かはっ……」

 

悲鳴が上がる……さらに自律兵器は生命反応を確認すると、追い打ちをかけた

 

 

2回の斉射計12発を喰らい……沈黙した

 

 

隊長は唖然としたままだったが、我を取り戻し……

 

 

隊長「後退しろ。司令部にこの状況を伝えるんだ!」

 

 

遭遇の時は18名だったが、今やわずか6名になっていた

彼らは分散し、敵を誘った

 

 

そして……傷を負いながら元々潜伏していた洞窟にたどり着いたのはわずか2名であった

 

 

 

 

グロスター級『ハンベルゼルク』艦橋

 

 

オペレーター「司令!ポポスの守備隊から通信です。」

 

 

ロイウッド「……繋げ。」

 

 

そして、スクリーンには洞窟内で身体中に血がついた状態の2名が映った

 

 

その光景にロイウッド以下の艦橋の人員は唖然とする

 

 

ロイウッド「ゴホンっ……どうしたんだ……?」

 

 

隊長『……まずはこの映像をご覧下さい……』

 

 

ロイウッド「!!」

 

 

そこには……

 

 

都市にミサイルを放ち、民間人にレーザーを放つ攻撃機

 

 

杭を放ち、人々を刺し殺していく半人型の自律兵器

 

 

2m越えの兵士が、民間人……それも母娘に対し大剣で切り裂く様子

 

 

地上戦艦が人々を、街を踏み潰しながら進む様子

 

 

迎撃機が杭によってあっさりと撃墜される様子

 

 

等が映っていた

 

 

 

さらに、彼らは知らなかったが、今この時、カラクルム級が上空より降下し、自律兵器や地上部隊を辺境へと差し向けた後、壊滅した都市に向けて、絶え間なく砲撃を続けていた

 

 

 

ロイウッド「…………そんな……」

 

 

ロイウッドは唖然とした様子でなんとか言葉を絞り出したが、それは何か意味のある言葉でもなかった……

 

 

隊長『我々はもちろん抵抗はしました。が、結果はこの有様で……自律兵器に対しメーザーブラスターさえ……効きませんでした。」

 

 

隊員『ハンセル中将……救援の……艦隊を……お願い……します。』

 

隊長の隣にいた兵士は傷が深く出血多量だが、なんとか言葉を絞り出し、伝えた……

 

 

ロイウッド「……」

 

 

ロイウッドは悩んだ……その間に

 

 

オペレーター「クラーレ、ラッツィオからも通信です。……繋ぎます!」

 

 

クラーレ守備隊『こちら……クラーレ守備隊……壊滅……カハッ…』

 

 

ラッツィオ守備隊『敵の攻撃により民間人に多数の死者が……救援を……うわぁぁ!!』

 

 

クラーレ守備隊は突入してきた自律兵器により全滅

 

ラッツィオ守備隊は巨大な爆発に飲み込まれ消滅した

 

 

オペレーター「惑星レーンからも同様な報告が……!」

 

 

ロイウッド「……クソ!!!」

 

 

ロイウッドは目の前の机を拳で叩き、しばらく俯いた……

 

 

その後顔を上げた……

 

 

隊長『我々は構いませぬ……救援を。』

 

 

隊員『そう……ガハッ…』

 

その時、隊員の後ろから杭が刺さり、体を貫いた、勢い余り、血が通信投影装置にかかった

 

隊長『とうとう来ましたか……ご武運を!』

 

 

隊長はメーザーブラスターを自分の頭に向け、頭を吹っ飛ばした

 

 

 

ロイウッド「……全艦に伝達。我々はラッツィオ、クラーレ、ポポス救援に赴く。」

 

 

参謀「!?……ですが、それだと…」

 

 

ロイウッド「だが、それはあくまで名目に過ぎない。我々は殺された人々の恨みを晴らす!我々は敵艦隊と戦闘を行う。数の差があるため厳しい戦いになる。だが、奴らに我々の力を思い知らさなければならない!」




人物解説


・ロイウッド・ハンセル

エルメッツァ軍中将 ラッツィオ宙域にあるラッツィオ軍基地司令兼艦隊司令官

名前の元ネタは第二次大戦時アメリカ合衆国のB29空爆の実働隊を指揮していた人物 ヘイウッド・ハンセル准将より
軍事工場のみを爆撃していた(らしい)


・カーデチス


帝星ガトランティス第9機動艦隊提督
ナスカ級という機動空母戦力を多用している

名前の元ネタはセリフの元ネタでもあるカーチス・エマーソン・ルメイ
戦略爆撃の父である



次回予告


第6話 理性など存在しない


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第6話 この戦いに理性は存在しない

狂気と理性がない状態って=で示せるんでしょうかね?


 

 

 

 

惑星ラッツィオ地上

 

 

 

一人の男が艦艇群の砲撃などによって壊滅した都市の道路を歩いていた

 

 

すぐ後ろに2機の自律兵器を従わせながら

 

 

 

カーデチス「全く……ニードルスレイヴというものは使い勝手はいい……楽だ。」

 

 

そういい、女性だった肉塊に刺さっていた杭を抜き、再び……それも損壊していなかった頭に刺した

 

 

カーデチス「ん?」

 

 

カーデチスはふと前方の死体が積み重なっている場所を見た

次の瞬間、死体の間より生きている一人の男が対戦車ロケットランチャーという古くも効果的な武器を取り出し放ってきた

 

すぐにニードルスレイヴと言われる自律兵器がカーデチスの前に立ち、対戦車ロケット弾を弾く……

 

そして、杭を何発も連続で放ち、その男を絶命させる

 

 

カーデチス「処分しろ。醜い。」

 

 

ニードルスレイヴはその命令に従い、男の体を"粉砕"した

 

 

カーデチスはその処分が終わったことに満足し上空を見上げる

 

 

そこにはカーデチスが率いる大艦隊が整然と並んでいた

 

 

 

見上げている間、ニードルスレイヴがある音を発してカーデチスの前方に移動し、表面上に赤い逆三角形のウインドウが浮かび上がり、自分の乗る艦、『ワグランスカ』の艦長が映し出された

 

ワグランスカ艦長『大都督、先遣艦より報告、エルメッツァ軍基地より敵艦隊が行動を開始、ラッツィオに向かっています。』

 

 

カーデチス「分かった。全艦戦闘態勢のまま待機させろ。それと、先遣艦には敵艦隊への妨害行為をさせろ。」

 

 

ワグランスカ艦長『ヴェル(了解)。』

 

 

そこでウインドウは閉じた

 

 

 

カーデチス「くくく……ハッハッハッ!」

 

 

カーデチスは突如として笑い始めた……

 

 

カーデチス「全く……理性も忘れたか……エルメッツァの者共は。全く感情というものは持つべきものでは無いということか。ラッツィオ軍基地で迎え撃つつもりだっただろうが……これだから人間は面白い。脆いがな。」

 

 

 

カーデチスはその後、『ワグランスカ』へと戻り艦隊を前進させた

エルメッツァ艦隊と遭遇する形で……

 

 

 

 

エルメッツァ=ラッツィオ軍

 

ラッツィオ軍基地より惑星ラッツィオに向けて進んでいた

 

 

旗艦: グロスター級戦艦『ハンベルゼルク』

 

オペレーター「敵艦接近!」

 

 

参謀「またか……しつこい!駆逐艦隊に命じて撃沈させろ!」

 

 

アーメスタ級駆逐艦やアリアストア級駆逐艦等の10隻程に集中攻撃され、帝星ガトランティスのククルカン級襲撃型駆逐艦は遂に撃沈した

 

 

ロイウッド「……駆逐艦か…目標は敵本体だ。」

 

 

 

 

 

帝星ガトランティス第9機動艦隊

 

カーデチスが率いる約4万隻のカラクルム級戦闘艦、300隻のナスカ級打撃型航宙母艦は整然としている陣形で進行していた

 

 

ワグランスカ艦長「大都督、先遣艦1隻が撃沈されました。撃沈ポイントはここです。」

 

艦長が指し示すと、正面に赤い逆三角形のウインドウが現れ、航路情報の上に撃沈ポイントが記された図が映し出された

 

 

 

カーデチス「そこか……!」

 

目を顰め……

 

 

カーデチス「全艦、空間跳躍!敵が戦いを欲するならば……こちらから出向いてやろう!」

 

 

全ての艦が青い三角が重なりあった輪を発生させ、最大出力のまま突入した

 

 

そして……

 

 

エルメッツァ艦隊の前に現れた

 

 

 

 

 

旗艦『ハンベルゼルク』

 

 

オペレーター「敵艦隊正面!」

 

 

参謀「それぐらいわかりきっている!」

 

 

ロイウッド「……」

 

 

ロイウッドは通信機を取り出し、全艦に繋いだ

 

 

ロイウッド『私は艦隊総司令、ロイウッド・ハンセル中将だ。奴らは人を殺す悪魔だ。悪魔は撃滅されるべきだ。多くの民間人を殺した恨みをここで晴らしてやれ!撃滅せよ!』

 

 

通信が終わると、約2万隻のほぼ全艦が突撃を開始した

 

 

それに応戦する形でカラクルム級の大集団も砲撃を開始した

 

両者とも歩みを止めずに遂に

 

 

先頭のグロスター級戦艦とカラクルム級戦闘艦が衝突し連鎖的な爆発で2隻とも轟沈する

 

 

ロイウッド「直援機隊を上げろ!」

 

エルメッツァ側が航宙機隊を上げる中

 

 

カーデチス「飛ばせ!」

 

ガトランティス側もナスカ級300隻から全機総数7200機のデスバデーターを発艦させようとした

 

 

 

オペレーター「敵艦隊空母発艦準備中のようです!」

 

 

ロイウッド「阻止しろ!」

 

 

前衛部隊に含まれていたグロスター級数隻がガトランティス艦隊中衛にいたナスカ級を狙い撃ちする

 

 

ナスカ級は重武装ではあるが装甲は無いため、甲板に直撃後すぐに態勢を崩し2発目の直撃で轟沈する

 

 

だが、300隻もある空母を全て撃沈することは叶わず、20隻程度がやられたのみで280隻の空母からは6720機という膨大な量の甲殻攻撃機デスバデーターを発艦させた

 

 

対するエルメッツァ側はレ・エールという名の要撃戦闘機1000機のみであった

武装は20㎜レーザー2基、空対空ミサイル4発搭載というものであった

 

 

 

艦隊同士が前線でぶつかり合いながら航宙機を飛ばす意味は無きに等しいが、それでも両者は激突した

 

艦艇と艦艇の間という狭い空間で先頭のデスバデーターが8つの機銃を撃ち始め、同じく先頭のレ・エールも20㎜レーザー2基の連続射撃を開始した

 

 

この最初の撃ち合いはレ・エールが勝利し、被弾して空対艦ミサイルを懸吊したままのデスバデーターが胴体を近くにいるカラクルム級に擦り付け何発もの空対艦ミサイルが連鎖誘爆を起こし、カラクルム級が爆散、その爆発の熱で20機ものデスバデーターが巻き込まれた

 

一方勝利したレ・エールはカラクルム級撃沈を見ることなく沈む前のカラクルム級の対空砲火を喰らい、近くを通過しつつあったデスバデーターと衝突し爆散した

 

 

あるレ・エールはデスバデーター1機をその長い20㎜レーザーの銃身でぶっ刺し近くのカラクルム級の艦橋に衝突して爆散……

 

 

また別のレ・エールは味方のレ・エールと共にナスカ級1隻に突っ込んだ……

 

 

そして別のレ・エールは何機ものデスバデーターを巻き添えに爆散した

 

何機も何機も……

 

 

 

艦隊の方も狂気に充ちていた

 

 

グロスター級戦艦数隻が被弾しながらも突撃し、カラクルム級を沈めながら奥深く進み、カラクルム級十数隻を巻き添えに轟沈する……

 

 

サウザーン級巡洋艦がカラクルム級と衝突し轟沈……

 

 

アリアストア級やアーメスタ級駆逐艦、テフィアン級駆逐艦、海賊相当にしか役に立たないはずのジュノー級やアルク級駆逐艦も次々と自ら当たりに行き数倍以上のカラクルム級を巻き添えに沈んでいく……

 

 

さらにアリアストア級に牽引されている大量の爆弾を積載した徴用輸送船ボイエン/L級10隻がガトランティス艦隊内に突入して爆発し1隻あたり十隻以上のカラクルム級がこれに巻き込まれ沈んでいく……

 

 

 

旗艦『ワグランスカ』艦橋

 

 

『ワグランスカ』艦長「大都督!」

 

 

カーデチス「戦線の膠着は許されぬな……デスバデーターの状況は?」

 

 

将校「ナスカ級がかなり撃沈され、6000機程度です。」

 

 

カーデチス「全機上げろ。殲滅する。目障りな敵の航空部隊は消えた。今が好機だ。」

 

 

将校「はっ。」

 

 

 

再び大量のデスバデーターが発艦する……

 

 

今回は先の出撃の反省を生かし、左右から、上方からエルメッツァ艦隊を攻撃した

 

 

しかし、少数の直掩機は残っており、彼らはデスバデーター群の奥に突っ込み、一機あたり十数機を巻き添えに果てていった……

 

 

次に障壁となったのはサウザーン級等の対空改装の巡洋艦であり、主砲すらも迎撃に加わり……しかし、大量の対艦ミサイルが次々と命中し漆黒の宇宙に船を沈めていった……

 

 

それでも彼らは次々とガトランティス艦に突撃していき果てていく……

 

 

その光景は感情が無いガトランティス人であっても動揺させるものだった……

 

 

『ワグランスカ』艦長「大都督……」

 

 

カーデチス「自殺攻撃……奴らの何がこの行動を起こさせるものなのか……だが……終わらせなければならない……インフェルノ・カノーネ、発射準備!!」

 

 

 

艦隊の中衛にいた6隻のカラクルム級が1列の単縦陣に並び、それぞれ雷撃ビットと呼ばれる無数の小型装置で巨大なリングを形成

さらにその巨大なリングは先頭のカラクルム級に集まり重なり合う……

ビームエネルギーを増幅しその全てをリングに集中してる様子が見て取れ……一拍置く間に先頭艦が燃えだし……

 

 

カーデチス「殲滅……!」

 

 

その声が発せられた途端に射線上の艦艇は全て左右に分かれ……インフェルノ・カノーネのエネルギーが解放された

 

 

 

エルメッツァ艦隊旗艦『ハンベルゼルク』

 

 

オペレーター「敵艦隊中央より高エネルギー反応接近!」

 

 

ロイウッド「何……」

 

 

前方から白いエネルギー流が迫っているのが見えたロイウッドは静かに目を閉じて……

 

 

『ハンベルゼルク』はエネルギー流に呑まれ消滅した

 

 

直後、砲身となった6隻のカラクルム級は爆発を起こし機能停止した

 

 

 

カーデチス「これで降伏するだろう……指揮官さえいなければ人間は弱いのだ。」

 

 

だが、旗艦がやられてもなお、エルメッツァ艦隊は突撃してきた……!

 

 

カーデチス「……雷撃旋回砲用意。」

 

前衛のカラクルム級数十隻は無数の雷撃ビットで巨大なリングを形成し……

 

 

カーデチス「殲滅……。」

 

ビームエネルギーを増幅し、雷撃ビットよりシャワー状の放射弾幕を放った

 

 

 

その切れ間のない高密度の弾幕により次々と遮るものも無く沈んでいく……

 

 

爆発が連鎖的に起こり、火球が次々と生まれていく

 

 

 

雷撃旋回砲を放った艦艇は後続のカラクルム級と交代しその艦艇も雷撃旋回砲を放つ……

 

 

 

次々とエルメッツァ艦艇は沈んでいき……遂に最後の1隻が沈んだ……

 

 

 

 

カーデチス「損害は?」

 

 

将校「撃沈5000隻以上……撃墜数1000機以上。」

 

 

カーデチス「そうか。ラッツィオ軍基地を攻略する!」

 

 

 

帝星ガトランティス第9機動艦隊は残存艦艇でラッツィオ軍基地を強襲、守る艦艇が1隻すら存在しなかった為、ラッツィオ軍基地は壊滅状態となった

 

その後、ラッツィオ宙域の他惑星に艦隊は分散し、主要軍事施設を落とし、降伏させた

 

 

 

 

 

 

……まだ残る中央宙域にもガトランティスは大量の艦隊を差し向ける……

 

……エルメッツァ星間国家連合はまもなく滅びを迎えようとしていた……




用語解説

・ニードルスレイヴ

帝星ガトランティスの半人型自律兵器
3連装ニードルガンを2基装備し、杭のようなものを発射する
下部の動力部の装甲帯には陽電子反応装甲を装備し戦車砲程度の陽電子ビームを弾くことが可能


次回予告

第7話 激戦


人間を愚弄する存在と人間としてエルメッツァとして守る存在がぶつかる……


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第7話 決戦前

少し展開と文字数に悩んでいて遅れました

本格的な戦いは次話に回します。


 

 

 

 

 

 

ラッツィオ宙域で艦隊同士が激突していた頃

 

 

 

エルメッツァ星間国家連合

 

中央宙域外縁

 

 

 

帝星ガトランティス第8機動艦隊5万4000隻が出現する

 

 

その中央に一際目立つ白銀の塗装を施したカラクルム級がいた

 

 

艦隊旗艦『ギルガメル』

 

 

将校「メーザー提督。現在敵艦隊の存在は確認されておりません。中央深く篭っているかと。」

 

 

メーザー「ふむ……どう攻めようか……」

 

彼はかつてテラにあった日本という国の戦国時代の武将の甲冑のようなロングコートを纏い、やや波打つ様な髪形が特徴的な細目の顔立ちである

 

 

 

そこにある男が近づく

 

 

???「メーザー殿、そこまで劣等種族に慎重になる必要などないのでは?ククク……」

 

 

メーザー「メルナード、貴様は舐めすぎだ。人間どもを。」

 

 

その男はメーザーとはうって変わって西洋風の甲冑の様なロングコートを纏い、豊かな顎髭を蓄えていた

 

 

メルナード「劣等種族なのだぞ、コズモダートも即座に攻撃しろと言っている。」

 

 

メイナードは前衛空母打撃群司令官の名をあげる

 

メーザーは振り返らず無言で虚空の宇宙を見つめていた

 

 

メイナード「メーザー殿、劣等民族を過大評価することは私にとってはどうでも良いが……大帝陛下への忠誠心を疑われてもいいのか……」

 

 

その時、メーザーは目を顰め、振り返る

 

 

メーザー「忠誠心はある。先程も言ったが貴様は人間を舐めすぎだ。人間は感情以外にも知能というものは存在する。奴らはバカではない。覚えておけ。」

 

 

メイナード「……まあ、命令には従います。それでは……」

 

 

 

メーザー「そうか……。先遣隊にパルネラを攻撃させろ!そして、別働隊にも行動開始命令を出せ!」

 

 

 

その頃……

 

 

 

エルメッツァ首都星ツィーズロンド

 

中央政府軍司令部

 

 

オペレーター「未確認艦隊が宙域外縁に出現したのを広域レーダーが補足しました。」

 

 

出現という彼らでは理解できないワープという原理に1人の人物が声を荒らげる

 

モルポタ「どういう原理で突然出現できるんだ!」

 

 

その一方、冷静な判断で状況を推理する者もいた

 

オムス「それを今言っても仕方が無いでしょう……それより……ロウズが陥落したという情報は本当でしょうか?」

 

 

ルキャナン「……本当らしいな。」

 

 

???「……どうするかね?長官。」

 

 

ルキャナン「!?……」

ルキャナンが声がした方に振り向くとそこには……

 

 

エルメッツァ星間国家連合大統領

 

ヤズー・ザンスバロスであった

 

 

ルキャナン「大統領!なぜここに?」

 

 

ヤズー「なに……君達の献身ぶりを見に来ただけだよ。ところで……」

 

 

ザンスバロス大統領は目を顰め、軍司令部の面子を見つめる

 

ヤズー「この戦いは勝てるのかね?」

 

 

ルキャナン「善処致します……」

 

 

ルキャナンは額についた汗を拭きながら返答の言葉を絞り出した

 

 

オムスはその様子を見つめ…

 

 

オムス(大国エルメッツァの上にあぐらをかく人物、それがヤズー・ザンスバロス大統領……若き頃は活気もあるとても優秀な政治家だったらしいが、今ではエルメッツァという領域を維持するだけで尊大な態度を示すか……衰えたな……)

 

と内心思った

 

 

すると、大統領の付き添いと思われる人物が息切れた様子で入ってきた

 

 

ヤズー「どうした?」

 

 

職員「失礼します!大統領の耳に入れておきたい緊急の情報がありまして、軍司令部の方にも関係がございます。」

 

 

ヤズー「……聞こう。」

 

 

職員「分かりました。」

 

 

その職員は軍司令部のオペレーターに席を替わらせ、モニターに別の情報を表示した

 

 

その時、モルポタ・ヌーン大佐は肩のワッペンに書かれたPCIという文字に気づき

 

 

モルポタ(大統領直属中央諜報部だと……なぜだ?)

 

と内心呟いた

 

 

職員「先程、ネージリンス国境付近の惑星より出撃した後方輸送船団より緊急連絡がありました。」

 

 

その時オムスが手を挙げ発言した

 

オムス「少しよろしいでしょうか?それならば軍司令部に直接報告が行くはずですが。」

 

 

数秒間沈黙が続き、沈黙を破ったのは逡巡していたのが見て取れる大統領であった

 

 

ヤズー「将官以下にはこの話は話していないからな。それは私直属の戦略研究局が開発していた決戦兵器『アトラテス砲』を輸送していた部隊だ。極秘兵器だったから、本当は君達には伝えたくなかったのだが…。」

 

 

職員「続けます。報告の内容は先日よりロウズ等で確認されていた未確認艦隊がネージリンス領域方面より出現が確認されました。そして……重要なのはここからです。」

 

 

「その未確認艦隊の両端にネージリンス艦と思われる艦隊が確認されました。」

 

 

直後、ルキャナンが条件反射的に叫んだ

 

ルキャナン「本当か!?」

 

 

職員「はい。フリエラ級巡洋艦10隻、リーリス級駆逐艦30隻及びドゥガーチ級空母2隻が確認されました。」

 

 

ヤズー「……輸送船団はどうなった?」

 

 

職員「緊急連絡以後通信途絶、全滅したと思われます。」

 

 

ヤズー「……ネージリンス……なぜ侵略者に協力したのだ……我々がネージリッドからの難民へ援助したのにも関わらず……。」

 

 

その時、思い出したかのようにルキャナンが話し始めた

 

ルキャナン「……大統領。覚えていますか?ネージリンスと国交を結んだ国を。」

 

 

ヤズー「なぜその話題を……!?……ゼムリア公国……答えを聞きたくはないが、それがどうした……?」

 

 

ルキャナン「……未確認艦隊とゼムリア公国……まさか同じ国では?」

 

 

ヤズー「……ゼムリア公国が我々とカルバライヤと接触すらも持たないのもこの侵攻を行う為だというのか……名を聞いた事がないから小国だとして気にしなかったが……まさかこのような大艦隊を有する大国だとは!!」

 

ヤズー・ザンスバロス大統領は話し終わる頃には怒りが滲み出て力を込めた拳を机にぶつけた

 

 

 

ズォーダー《……気づいたか。遅すぎるな……愚かなり人間どもよ。》

 

 

彗星内部にてズォーダー大帝は司令部内にて士官を装っている自らの観測体を通じて映像を見ており、静かに呟いた

 

 

 

ルキャナン「既存の迎撃プランが使い物にならなくなった……すぐに大将を呼べ!」

 

 

???「お呼びですかな?」

 

声がした方には壁に背を預けた初老の人がいた

 

 

ルキャナン「ドナール・ラファイエット大将……いつの間に……」

 

 

ドナール「まあ、私は喋っていない時は影が薄いのでね。それより作戦計画ですが……」

 

 

ルキャナン「まず、敵の戦法が分からないことにはな……」

 

 

ドナール「敵の戦法が分からないならば、我々の戦法に引きずり込んでは?」

 

 

ルキャナン「……そうか……ラファイエット大将……作戦計画の立案を任せる。君の好きなようにしたまえ。」

 

 

ドナール「はっ!」

 

 

その時、1人の士官が叫んだ

 

 

士官「長官!!パルネラが!!」

 

 

モニターが瞬時に切り替わり、惑星パルネラが映る

星の一部が強力な砲撃を喰らい、岩塊が飛び散っている様子が映っていた

 

 

 

 

1時間前

 

 

戦いは突然始まった……

 

 

 

メダルーサ級殲滅型重戦艦やカラクルム級戦闘艦、ナスカ級打撃型航宙母艦等を中核とする小艦隊がエルメッツァ中央政府軍パルネラ防衛艦隊の前に突然出現

 

メダルーサ級の双胴型艦体の下部にある大砲から紅蓮の炎が発射され、パルネラ防衛艦隊のグロスター級戦艦を直撃する

追加でもう1隻のメダルーサ級が紅蓮の炎を撃ち込み、遂に貫かれグロスター級は撃沈される……!

 

さらにメダルーサ級前部甲板の大口径5連装砲から緑色のビームが噴き出し、全長450mのサウザーン級巡洋艦を前後に切り裂く

 

 

カラクルム級は1隻あたり艦橋部主砲9門や甲板の大型回転砲塔の連続射撃からなる弾幕によって、サウザーン級巡洋艦や300mクラスの駆逐艦を八つ裂きにしていく

 

 

また、ナスカ級は1隻あたり24機の攻撃機デスバデーターを発艦させ、エルメッツァ艦隊を越え惑星パルネラ市街地を爆撃していく

 

 

そして、カラクルム級6隻からなる単縦陣が1つ形成され、雷撃ビットと呼ばれる小型浮遊装置を円状に連続回転し単縦陣の前方にエネルギーが集中し、大量のエネルギーが1つの砲撃となってパルネラ市街地を襲い、消滅させ地殻の1部をさらけ出した

直後、砲身となったカラクルム級6隻は自壊する

 

 

 

 

エルメッツァ中央政府軍首都星ツィーズロンド司令部

 

 

モルポタ「市街地を……破壊しただと……」

 

 

ヌーン大佐は唖然とした

彼らが宇宙での慣例《戦いは宇宙で決すること》を無視したことに

 

 

ドナール「もはやなってしまったことです。我々軍人はただ戦うまでです。」

 

そこに意を決したかのようは顔立ちのドナールが口を開く

 

 

だが、ヤズー・ザンスバロス大統領は焦っていた

 

ヤズー「落ち着いていられるか!惑星が1つおとされたのだぞ!すぐに迎撃艦隊を出せ!」

 

 

ドナール「大統領、焦りは禁物です。それは敵の思う壺になりますぞ。」

 

そこに落ち着きはらしたドナールが諌める

 

 

ヤズー「わ、分かった……」

 

諌められザンスバロス大統領はなんとか感情を抑えつつも焦りの色が見え隠れしていた

 

 

ルキャナン「ところで敵艦隊の進路は?」

 

 

オペレーター「……なんと言えば……」

 

 

困惑入り交じった声でオペレーターが答える

 

 

オムス「どういうことだ?」

 

 

状況を理解できない彼らは首を傾げる

 

 

オペレーター「これを……」

 

 

オペレーターがカーソルを操作しモニターの画面が切り替わる

 

 

 

帝星ガトランティス第8機動艦隊は先遣隊が惑星パルネラにて抵抗を完全に排した後、本隊が到着、この世界にて航路が繋がってないはずの惑星ゴッゾに向かっていた

 

 

ルキャナン「は?バカな……パルネラからゴッゾだと!!本当なのか?!」

 

 

オペレーター「何度も再計算を繰り返していますが、敵艦隊の進行方向はゴッゾで間違いありません!」

 

 

彼らは困惑する

それもそのはずであり、彼らの常識では惑星と惑星は航路と呼ばれる道で繋がっており、それから外れば一生迷いかねないというものであった

 

惑星パルネラから惑星ゴッゾは航路が繋がっておらず、帝星ガトランティス第8機動艦隊はその宇宙空間を突き進んでいた

 

 

ルキャナン「……さっきから驚きの連続だ。だが……惑星ジェロンに艦隊を派遣しろ!そこが決戦場だ!今更ゴッゾに艦隊を派遣しても遅い。」

 

 

 

エルメッツァの興亡をかけた決戦が迫る




次回予告

第8話 激戦

エルメッツァの興亡をかけた戦いが今始まる


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第8話 激戦

互角の戦力の戦いがしたかった……(独り言)


ガトランティスが惑星ゴッゾに襲来して2時間後

 

すでにゴッゾは壊滅している中

 

 

 

 

惑星ジェロン近傍

 

 

 

ここにエルメッツァ中央宙域のほぼ全艦隊が集結した

 

 

エルメッツァ中央政府軍連合艦隊

 

 

連合艦隊及び第零艦隊旗艦グロスター級戦艦『エルゲットバイヒ』艦橋

 

 

ルキャナン『頼んだぞ、ラファイエット大将。』

 

 

ドナール「もちろんです。長官。そして……」

 

後ろを振り向いた先の男に視線を変え

 

ドナール「バルト・アーモル中将。」

 

 

この男は眼鏡をかけ大体の髪は黒いが各所に白髪が目立つ、堂々とした顔立ちであった

 

 

バルト「よろしく。第零艦隊司令官のバルト・アーモルです。しかし、アトラテス砲を使えないのですか……」

 

 

ドナール「高望みはいけんよ。我々は最善を尽くすのみ……」

 

 

バルト「分かっているつもりですよ。この艦隊はあなたにお預けします。」

 

バルトは敬礼をし、ドナールも面と向かって敬礼を返した

 

 

オペレーター「司令、第二艦隊第14部隊旗艦『レナウン』より通信です。」

 

 

ドナール「その艦は……ヌーン大佐か。」

 

ドナールは思い出したかのようにその名前を言った

 

 

モルポタ『失礼……ラファイエット大将、アーモル中将。』

 

 

ドナール「大佐、君はその艦に乗ってるというが、司令部の監査将校かね?」

 

 

モルポタ『そのようなややこしいものでは無い。私はただの第二艦隊配下の部隊長だ。』

 

 

ドナール「……分かった。なら軍人として務めろ!」

 

 

モルポタ『はっ!』

 

 

 

 

その時、エルメッツァ艦隊前方に青い四角を重なりあわせたかのような輪を纏いながら、重厚な戦闘艦が多数出現する

 

 

帝星ガトランティス第8機動艦隊5万4000隻はエルメッツァ艦隊の前方に展開する

 

 

対するエルメッツァ中央政府軍連合艦隊は約4万隻

スカーバレル海賊団が壊滅した今、悩ましい海賊退治にリソースを割くことも無くなった

この総力戦の為、主力艦隊ばかりではなく惑星防衛部隊や余っていた海賊対策の艦隊もかき集めた結果だった

 

 

 

ドナール「……」

 

ドナールは『総力戦』という言葉が頭の片隅で引っかかり、最後に緊張していた

そのせいか、暑くないはずなのに汗が滲み出ていた

 

 

バルト「……ラファイエット大将……そこまで肩の荷を持つことは無いと思います。重責は私にも預けて欲しい。」

 

 

ドナール「ええ……ですが、ここは私だけに……。」

 

 

バルト「ラファイエット大将すまない……全艦隊攻撃用意!艦載機隊を発艦させろ!」

 

 

ドナール「アーモル中将!」

 

 

バルト「貴方に倒れては欲しくないのです。艦隊戦は任せます。」

 

 

ドナール「……分かった。」

 

ドナールは肩の荷が下りたかのように腕を伸ばす

 

そして、リラックスした

 

 

 

 

 

帝星ガトランティス第8機動艦隊

 

 

空母打撃群旗艦ガイゼンガン兵器群・アポカリプス級航宙母艦『イェルメート』

 

 

全長1000mを越え、巨大な甲板が上下から挟み込んだ形状をしている艦艇であった

 

メルナード「人間が我々と同じ数を集めようが無駄……叩き潰してくれる……メーザー提督に打電!」

 

 

メーザー『……計画通りに進めよ。』

 

 

メルナード「カタパルト回転!全艦載機発進!」

 

 

同時に

 

 

ドナール「全機突撃!」

 

と命令が重なった

 

 

 

『イェルメート』の巨大甲板が艦橋部を主軸に左回りに回転しだし、同時に甲殻攻撃機デスバデーター計600機が発艦開始

また、周囲のナスカ級打撃型航宙母艦50隻からもデスバデーター計1200機が発艦開始した

 

 

エルメッツァ側からも多数の航宙機が出撃していた

最新鋭機LF-G-11レ・エール戦闘航宙機と量産機LF-F-035フィオリア、LF-F-033ビトン戦闘航宙機が護衛としLG-0015エルナーサやLG-0014ディミラ航宙攻撃機が護衛合わせ計2600機出撃した

 

 

1000機のフィオリア、ビトンはSSL対宙ミサイル2発を一斉に発射

また、200機程度のレ・エールはSGL空対空ミサイル1発を一斉発射

 

 

対するデスバデーターは対空戦闘の役割を与えられた600機が空対空ミサイル6発を一斉発射

さらに飛行形態のニードルスレイヴが腕を格納したまま、杭を前方に超高速で打ち出した

 

 

ミサイル同士が激突したり、杭がミサイルを貫いたり、また運悪くミサイルが命中する機体が現れるなど混戦となった

 

 

その間にほとんどの機体がミサイルを使い切り、ビトンやフィオリアはK133リニアガン、レ・エールはKW1リニアバルカンによる攻撃に切り替えた

デスバデーターも回転式ビーム砲塔と8丁の固定機関銃による攻撃に切り替えた

 

 

そのうち、1部の両軍の対艦攻撃機が混戦を突破、

 

 

エルナーサやディミラはT3及びT2対艦ミサイル2発をカラクルム級群に向けて一斉発射

 

艦体部を狙ったものは致命的なダメージを与えられず砲門一部損壊や対空砲損傷程度の損害しか与えられなかったが、艦橋部を狙ったものは行動不能に追い込んだ

 

だが、それでもそれは1部に過ぎず、多くのミサイルは猛烈な対空砲火に晒され、さらに母機でさえ多くが撃墜された

 

 

エルメッツァ艦隊に辿り着いたデスバデーターも対空砲火に晒された

しかし、それでも6発の空対艦ミサイルを一斉発射し駆逐艦や巡洋艦等数隻は次々と火だるまになりかなりの損害を負う艦艇もおり、撃沈される艦艇も出てきた

 

 

 

そして、両軍とも艦載機の数は減っていき、最終的に空戦を制したのは……

 

 

 

エルメッツァ側であった

 

しかしそれでも300機程度しか残っておらず壊滅状態ではあったが

 

 

 

『イェルメート』艦橋

 

 

メルナード「馬鹿なっ!!!デスバデーターが全滅したというのか!!ニードルスレイヴはどうなった?!」

絶対勝てると思っていた彼は大きな衝撃を受け、叫んだ

 

 

将校「少数が生き残っております。ですが……未だ300機程度の敵艦載機が残っている中、元々は地上用のニードルスレイヴでは勝てませぬ……」

 

 

メルナード「ぐ……ぐぐぐ……ぐぬぬ……」

 

彼は衝撃のあまり、歯ぎしりしか出来なかった

 

 

その時突然メーザーから通信が開かれる

 

メーザー『だから言ったであろう。人間を舐めるなと……』

 

 

メルナード「ふっ……艦載機等人も機体もいつでも生産できる。問題ない。最終的に艦隊戦で圧勝すれば問題ない……艦隊戦ではほぼ勝ち続き……苦戦する理由などない。」

 

 

メーザー『……メルナード。攻撃準備に入れ。』

 

 

メーザー「全艦隊突撃。」

 

 

 

 

『エルゲットバイヒ』艦橋

 

 

オペレーター「敵艦隊前進開始!」

 

 

ドナール「とうとうか。アーモル中将、艦載機隊の収容を頼んだ。それと、"あれ"も頼む」

 

バルト「……"あれ"も……分かりました。」

 

 

ドナール「……()()()()()()()、発射用意!」

 

 

 

 

カラクルム級群最前列は艦橋最下部の大型連装砲にエネルギーを集中させていた

 

まずカラクルム級3隻が最初の射撃を開始する

 

弾速は通常の砲撃に比べると遅いが一方で威力は高かった

 

とてつもなく大きい轟音と共にサウザーン級巡洋艦に直撃し一瞬にして轟沈した

 

 

 

バルト「…な、なんだあの威力は!報告にある攻撃方法とも違うぞ!」

 

彼以外に他の者もその攻撃に動揺し全く動けない者がいた

 

 

オペレーター「……え、えっと……サウザーン級が1発の射撃で轟沈したと思われます!」

 

その後気づいたオペレーターが報告し始めたが、誰もが気づいてる内容であり、アーモル中将が叱りつけた

 

 

バルト「そんなことは分かっている!!」

 

 

オペレーター「す、すみません……」

 

 

 

その後しばらくその砲撃が続き、グロスター級戦艦でさえその砲撃の餌食となり、1発目は耐えたものの、2発目で轟沈した

 

 

 

メルナード「ふんっ、脆い……脆すぎる……!やはり、幾ら数が多かろうと我らの敵ではない!」

 

 

将校「メルナード様!エルメッツァ艦隊後方より高エネルギー反応!今まで観測されたものとは比べ物にならないものです!」

 

 

メルナード「何?」

 

 

 

数分前

 

 

 

バルト「ラファイエット大将、プランタット砲発射準備完了!」

 

 

ドナール「よし、撃てぇー!!」

 

 

 

わずか全長800mのグロスター級戦艦に外付けで搭載された1500mの『プランタット砲』の発射機構からエネルギーの奔流が前方に飛び出す……!

 

左右上下に射線を空けたエルメッツァ艦艇の間を通り、艦隊前方にて何十、何百、何千もの線に分かれ、ガトランティスを襲う!

 

 

 

 

ガトランティス艦隊は密集していた為、次々と被弾していった

 

 

 

その直後にエルメッツァ艦隊からの砲撃が襲う

 

先程の一方的な攻撃のお返しとばかりに猛烈に撃ち続けた

 

 

 

 

『イェルメート』艦橋

 

 

メルナード「ば、ばかな!」

 

メルナードは多数の艦艇がやられてる様子に 驚きが隠せなかった

 

 

将校「メルナード様、行動不能になった艦艇、1万隻を越えました……」

 

 

メルナード「……メーザー!!」

 

怒りという感情に囚われ、自分の上司の名を叫んだ

 

 

メーザー『呼んだか?』

 

 

メルナード「敵の艦載機隊をなぜ攻撃しなかった!」

 

 

メーザー『それとこれとは別問題だ。貴様こそ怒りという感情に汚れ、状況を見誤るな。』

 

メーザーは冷静に彼を、そして状況を見つめた

 

 

メルナード「……くっ」

 

 

メーザー『コズモダートを呼べ。』

 

 

 

 

ナスカ級打撃型航宙母艦『コズモダート』艦橋

 

 

コズモダート「何でしょう、メーザー提督。」

 

 

メーザー『艦載機は残っているか。』

 

 

コズモダート「いえ……いや本艦には数機は残っております。」

 

 

メーザー『……そうか。』

 

 

 

 

旗艦『ギルガメル』艦橋

 

 

 

メーザー「敵のあの砲撃は恐らく装填に時間がかかるはずだ……特科砲撃群を突出させろ。」

 

 

将校「それは……はっ!」

 

その将校は多少躊躇したものの、命令とあってすぐに従った

 

 

 

特科砲撃群・・・メダルーサ級殲滅型重戦艦改B(ヴェー)型を集めた第8機動艦隊の特殊戦力である

 

 

それらは10隻以上の単横陣が何列も並ぶ陣形で前進を開始した

 

 

 

 

『エルゲットバイヒ』艦橋

 

 

オペレーター「敵艦隊に変化あり!双胴型の艦艇多数が前方に突出しつつあります!」

 

 

ドナール「……『プランタット砲』の再装填は?」

 

 

バルト「……まだです。今さっき母艦を切り替えたとの報告がありました。」

 

 

ドナール「……グロスター級の全エネルギーを使用するからな……仕方ないか……」

 

 

バルト「どうします?」

 

 

ドナール「まだ艦載機隊は残っているな?」

 

 

バルト「補充も完了しているとの報告も来ました。」

 

 

ドナール「よし、全艦突撃!」

 

 

同時に

 

 

 

メーザー「全艦突撃せよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3万8000隻程度に減ってしまった帝星ガトランティス第8機動艦隊と戦闘途中で訪れた援軍含め3万2000隻となったエルメッツァ中央政府軍連合艦隊が本格的に衝突する

 

 

 

エルメッツァ側は本格衝突した際の作戦プランに基づき、ジェロン近傍に浮かんでる大小の多数の岩塊を利用していた

 

 

ガトランティス側は迂回もせず正面から突撃した

 

 

エルメッツァ側は残していたLF-G-11レ・エール戦闘航宙機1000機を残しており、全機を突撃させた

 

「いくぞぉぉ!!……」

 

「が……」

 

「うわぁぁぁー!!」

 

 

彼らは圧倒的なガトランティス艦隊の対空砲火に次々と撃墜されていくも

 

「全機、撃てぇ!」

 

 

残った機体は新型で試作型のT4対艦ミサイルを放ち、ガトランティス艦隊に損害を与えていく

 

そして、そのまま敵艦に追突し自殺攻撃を敢行した

 

 

 

あるカラクルム級1隻の連装大砲塔より砲撃が加えられ、サウザーン級巡洋艦が一撃で轟沈する

 

 

「サウザーン級が!」

 

 

「くっそ、敵艦艦橋に砲撃を加えろ!」

 

そこにグロスター級戦艦1隻の連装砲2基より砲撃が襲い、カラクルム級は艦橋部が潰され航行不能となる

 

 

「全門斉射!!」

 

そのグロスター級戦艦は艦体を斜めにし、連装砲4基8門により一斉射でさらにもう1隻のカラクルム級を撃沈させる

 

 

そこをメダルーサ級は見逃さず、5連装大砲塔と回転砲塔、量子魚雷という光弾による攻撃を食らわせる

 

比較的口径が小さい回転砲塔による射撃は耐えるも、5連装砲の射撃と量子魚雷による着弾は堪え、轟沈する

 

 

そしてあるサウザーン級は…

 

 

「敵艦、2連装砲こちらに向いています!」

 

悲鳴じみた声で報告する

 

 

「全力で回避しろ!急げ!」

 

 

即座に砲撃が襲う

 

しかし、後部に掠った程度でほとんどそのエネルギー弾は外れた

 

 

「よし、今のうちだ。砲撃から少しタイムラグがある、今のうちに横に回りこめ!」

 

艦長が命令を発し、回避機動を取りながら、砲撃を行ったカラクルム級の左側面に回り込むことに成功した

 

 

「なんて重武装だ……よし、全門斉射!!」

 

連装砲3基6門の全門から砲撃を加え、さらに右舷のミサイル発射管からミサイルを打ち付ける

 

 

カラクルム級は後部甲板の回転砲塔から砲撃を加えるも寸前のところで回避され主砲で滅多打ちにされ、航行不能へと追いやられた

 

 

「よし、次だ!」

 

 

「艦長、前方の敵艦が!」

 

 

「何……!」

 

 

前方にいたカラクルム級は雷撃ビットを超高速回転させてたが、頭頂部の発光部がさらに輝き出し、艦橋部の3連装砲3基9門を連射し始めた

 

 

その弾幕に避ける手段はなく、サウザーン級は次々と被弾していく

 

 

「ぐっ……艦長ー!」

 

 

「……最後のあがきだ!突撃せよ!最大出力!」

 

 

その弾幕に滅多打ちにされながらも進む…

そして、衝突し両艦ともに爆発の中で塵と消えた

 

 

 

 

『エルゲットバイヒ』艦橋

 

 

バルト「損耗率が馬鹿にならないぞ……これ。」

 

 

ドナール「プランタット砲はどうだ?」

 

 

バルト「まだ…」

 

その時、別の士官から報告を聞く

 

 

バルト「いや、発射準備完了との報告が入りました。収束モードで行きますか?」

 

 

ドナール「あぁ。やってくれ。」

 

 

期待を込めつつも、あまりの損害の大きさに二人とも気迫がなかった

 

それをお構い無しにプランタット砲の発射機構から再びエネルギーの奔流が発射される

 

 

放たれたエネルギー流は収束したまま、ガトランティス艦隊の中央にいた5000隻を消滅させた

 

 

しかしその大戦果とは裏腹に危機が迫っていた

 

 

 

 

特科砲撃群旗艦メダルーサ級殲滅型重戦艦改B型『ウランガル』

 

 

将校「ウランガル様!敵の決戦兵器と思われる発射地点を特定しました!」

 

 

「そうか……くくく……」

 

 

暗い艦内で黒い布で顔を隠したウランガルと呼ばれた男は気味悪く笑った

 

 

「ならば、片付けるまで。」

 

 

と一言発すると、ガトランティス兵士たちは動き出し、艦首両舷の突き出た部分から転送波が放射され、艦体下部の火焔直撃砲もすぐにエネルギー充填が完了した

 

 

将校「ウランガル様、本艦他全艦発射準備完了。」

 

 

ウランガル「よし……」

 

 

その時、『ウランガル』含め3隻の火焔直撃砲の砲身にエルメッツァ艦隊からの砲撃が偶然直撃し煙が吹いた

 

 

ウランガル「どうした?」

 

 

将校「はっ、本艦含め3隻の火焔直撃砲が敵艦隊からの砲撃により機能停止致しました。」

 

 

ウランガル「ふむ……3隻を除いた全艦は引き続き発射態勢を継続せよ。本艦含め3隻は雑魚敵の掃討にあたる。」

 

 

将校「では。」

 

 

ウランガル「うむ……火焔直撃砲、発射。」

 

 

特科砲撃群の最前列10隻の内、7隻の火焔直撃砲が発射され、エネルギーの奔流が転送される

 

 

数秒後、『プランタット砲』の発射機構の母艦含めその護衛群の前方に青い円が出現

火焔直撃砲のエネルギーが転送され、エネルギーの奔流が飛び出し、護衛群ごと飲み込んだ

 

 

 

『エルゲットバイヒ』艦橋

 

 

士官「緊急事態です!『プランタット砲』が消滅しました!」

 

 

バルト「どういうことだ!?暴走か?!」

 

 

士官「いえ、付近にいた艦艇によれば、『突然出現したエネルギーの奔流に飲み込まれた』と……」

 

 

ドナール「何……?」

 

ドナールは目を顰める

 

 

バルト「……まさか……ロウズにて調査艦隊がやられた攻撃と同じか……」

 

 

ドナール「……まさか、奴らはわざと攻撃させたのか……」

 

 

バルト「どうします?」

 

 

ドナール「……クソッタレが!!」

 

その時、目の前の机を叩き、思いっきり叫んだ

 

 

バルト「!?」

 

 

ドナール「すまない……部隊指揮官にまではこの情報を通達しろ。それ以外はダメだ。」

 

ドナールは顔を俯き、目を背けたまま話した

 

 

ドナール「全艦に通達、反撃をしつつ後退せよ。生き抜け。」

 

 

バルト「……それは……分かりました。」

 

 

すぐに命令が伝達され、エルメッツァ中央政府軍連合艦隊は攻撃しつつ後退を開始した

 

 

だが、ガトランティスがそれを見逃すはずもなかった

 

 

 

『ギルガメル』艦橋

 

 

コズモダート『メーザー提督。敵艦隊が後退に入ってる模様。やはり、敵にとっての決戦兵器をやられて勝ち目がないと判断したのでしょう。』

 

 

メルナード『メーザー殿。ここは追撃のチャンスだ。』

 

 

メーザー「分かっている。全艦、追撃せよ。1匹にも逃すなよ……」

 

 

 

特科砲撃群のメダルーサ級殲滅型重戦艦改B型百隻近くが連続で火焔直撃砲放ち、エルメッツァ艦隊に次々と穴を開ける

 

 

また、カラクルム級群も雷撃旋回砲を発射し、その猛烈な弾幕で次々とエルメッツァ艦隊を砕いていく

 

 

 

グロスター級戦艦『レナウン』

 

 

士官「第二艦隊旗艦が轟沈!」

 

 

モルポタ「くっ……」

 

 

艦長「大佐、配下の部隊が全滅した以上、本艦は単独行動が可能だ。どうする?」

 

 

モルポタ「砲撃を継続せよ。やれることはそれしかない……」

 

 

艦長「……そうか、なら私も従おう。」

 

 

モルポタ「一矢報いることが出来ればっ!」

 

モルポタは顰めっ面した顔を出した

 

 

士官「……艦長、敵艦隊に動きが。1000mを超える大型空母が接近中、大型砲を用い砲撃しています。」

 

 

モルポタ「……」

 

モルポタはその大型空母を見つめる

 

それこそアポカリプス級航宙母艦『イェルメート』だった

 

 

 

『イェルメート』艦橋

 

 

『イェルメート』は空母ながらも、メルナードの命令により最前列に展開していた

 

 

メルナード「雑魚敵は私が直接叩き潰さなければならん!」

 

 

『イェルメート』は回転砲塔を乱射し、量子魚雷を乱発して、それこそ射線の邪魔になる艦艇は味方であっても沈めていた

 

 

将校「高速接近する敵艦を確認!」

 

 

メルナード「ふんっ、最後の抵抗か、面白い、沈めよ。」

 

メルナードは薄気味悪く笑った

 

だが、その直後に驚愕へと表情は入れ替わることとなる

 

その艦艇が明らかに突っ込んできていたからである

 

 

 

『レナウン』艦橋

 

 

艦長「大佐!まさか突っ込む気か!」

 

 

モルポタ「最後の最後に一矢報いねばと……」

 

 

艦長「もう、この戦いに負ければどうなるか分からんからか?」

 

 

モルポタ「ええ、愛国心に何故か目覚めてしまってね。」

 

 

艦長「……だそうだ、諸君。もう拒否権は無きに等しいが、一応聞こう。付いてきてくれるか?」

 

 

士官1「もちろんです!」

 

 

士官2「私も。」

 

 

モルポタ「感謝する。……」

 

 

「……エクシード機関、リミッター解除!最大出力!突っ込め!!」

 

 

 

『イェルメート』艦橋

 

 

メルナード「おとせぇ!!」

 

驚きと恐怖が入り交じった表情でメルナードは必死に命じていた

 

 

その気迫に押される様に射撃可能な全門が砲撃を『レナウン』へと向けた

 

 

しかし、エクシード機関を最大にしている為、当たらなく、さらに対艦攻撃能力は高くとも、対空能力は低く、高速航行する『レナウン』には効果がなかった

 

 

そして、グロスター級戦艦『レナウン』は高速航行状態でアポカリプス級航宙母艦『イェルメート』の正面から衝突した

 

800mの戦艦が1240mの空母にぶつかるのだ

 

 

速度差により、『レナウン』が『イェルメート』に潜り込む形となり、艦内ではバキバキッという破砕音が響き、『イェルメート』の上半分がえぐれていき、遂に『レナウン』が限界に達し、爆発した

 

抉り込んだ状態での爆発は『イェルメート』すらも大きな被害を蒙った

 

 

破損した『イェルメート』の艦橋では

 

 

ただ一人、メルナードだけが立っていた

 

 

その時突然正面に逆三角形のウインドウが現れ、メーザーの顔が映された

 

 

メーザー『ひどい破損状況だな。まあいい。上から見てるところ生きてるのはお前だけらしい。まあ、我らに生存も死亡もないがな。』

 

 

メルナード「で、どうするのだ?」

 

 

メーザー『それは私が言うべきことだ。その体をどうする?幼生体に記憶媒体を継がせるか?』

 

 

メルナード「無論、まだこの体で行くつもりだ。」

 

 

メーザー『では、修復の手配をしておこう。とりあえず、本艦に移乗せよ。』

 

 

 

 

旗艦『ギルガメル』艦橋

 

 

メーザー「やはり、まだ決定打が足りないか……」

 

 

???『お呼びかね?メーザー提督。』

 

 

メーザー「その声は……」

 

 

???『私だよ。』

 

突然逆三角形のウインドウが現れ、声の主が映された

 

 

メーザー「クライヴ提督か。それで、何をしようと?」

 

 

クライヴ『まあ、見たまえ。』

 

 

その言葉の直後、ガトランティス艦隊の中央に全長1500mの艦艇が出現した

 

 

その姿はカラクルム級等とは異なり、滑らかな印象を覚え、艦首には上下2つの白い突起物が存在しその間に大きな穴があった

 

 

クライヴ『メーザー提督。本艦、ルナバエル級の射線には入らないでくれよ。』

 

 

メーザー「はっ。」

 

 

クライヴが座乗する艦艇『ルナバエル』

 

その艦首に蒼白い光が灯り始める……

 

それはさらに輝きを増し、大きくなり……

 

そして一気に放出された

 

 

 

 

エルメッツァ艦隊旗艦『エルゲットバイヒ』艦橋

 

 

オペレーター「敵艦隊後方より高エネルギー反応!直撃します!……」

 

 

ドナール「……」

 

 

バルト「!?」

 

 

士官「……嘘……だろ……」

 

 

階級の関係なしに兵士達はそれぞれ絶望、悲しみ、怒り等様々な感情の篭もった表情を浮かべ……

 

 

 

蒼白いエネルギーの奔流に呑み込まれ、塵となって消えていった

 

 

 

 

クライヴ『どうだ、見たかね。()()()の力を。』

 

 

メーザー「凄い……クライヴ提督、流石です。」

 

 

旗艦を失ったエルメッツァ艦隊は後退から潰走へと変わり、総力を上げて追撃してくるガトランティス艦隊によって即座に殲滅された

 

 

 

この激戦でエルメッツァ中央政府軍連合艦隊は全滅

 

また、帝星ガトランティス第8機動艦隊は健全な艦艇が残り1万隻程度しかいなかった

 

 

 

 

エルメッツァ星間国家連合首都星ツィーズロンド

 

大統領官邸危機管理対策室

 

 

ヤズー「負けたか……」

 

 

ルキャナン「大統領……脱出し大マゼランへ亡命の用意を。」

 

 

ヤズー「私は行かん。」

 

 

ルキャナン「え?」

 

 

ヤズー「それよりもオムス・ウェル中佐を呼んでくれ。」

 

 

ルキャナン「はっ、ただいま。」

 

 

数分後

 

 

オムス「大統領、何でしょうか?」

 

 

ヤズー「長官……。」

 

 

ルキャナン「中佐、私はお前を中将に任じようと思う。」

 

 

オムス「!?……待ってください……三階級特進ですか?何故?!」

 

オムスは突然の事で驚いた表情をした

 

 

ルキャナン「先の敗北は聞いているな?」

 

 

オムス「ええ。」

 

 

ルキャナン「私は一般庶民に下り、再興の機会を図ろうと思う。現在高級将校が減ってる中、中佐に脱出の指揮をさせるのは見栄えが悪いと思い中将にしたまでだ。」

 

 

オムス「……大統領はどうなされるおつもりです?」

 

 

ヤズー「私かね。私は残る。この星に生を受けた者、そしてこの国の大統領となった者として最期まで見守りたいのだ。」

 

 

オムス「……」

 

 

ヤズー「大国エルメッツァ……この上に胡座をかいていたことは認めよう。だがね、最期の瞬間になると愛国心というものが芽生えるのだよ。」

 

 

オムス「……ところで私は……一般人を収容して大マゼランに向かうのが任務としてでよろしいでしょうか?」

 

 

ヤズー「いや、あと一つだけある。理不尽にも投入できなかった決戦兵器『アトラテス砲』の設計図を大マゼラン=ロンディバルト連邦国へと持って行って欲しい。そして、いつか大マゼラン諸国とともに我がエルメッツァを奪還して欲しいのだ。」

 

 

オムス「はは……重責ですな。ですが……やります。」

 

 

ルキャナン「それでは……」

 

ルキャナンはオムスの中佐の階級章を外し、中将の階級章を取り付けた

 

 

ルキャナン「……おそらく奴らはすぐに来る。首都星防衛隊と残存艦艇を率いて、民間人を可能な限り収容次第、脱出しろ!」

 

 

オムス「はっ!」

 

 

 

 

6時間後

 

 

オムス・ウェル()()率いる脱出船団500隻程度が首都星ツィーズロンドを出発

 

外交使節団としてはルロー・エンペンス副大統領、ベロヌ・フランクリン外務局長等が随伴した

 

 

 

 

そして、その2時間後

 

 

帝星ガトランティス第8機動艦隊1万2000隻が

首都星ツィーズロンドに到達

損害の多さによる艦隊の再編によって予定よりも時間がかかったが、予定通り占領統治の準備に入った

 

 

 

エルメッツァ星間国家連合政府代表のヤズー・ザンスバロス大統領は即座に降伏

その後、ガトランティス兵によってどこかに連れていかれ、後にその姿を見たものはいなくなった

 

 

 

 

ー彗星都市帝国ー監察の間ー

 

 

ズォーダー「やっと終わったか……」

 

 

ガイレーン「ですが、大帝。損害の大きさが気になるところなのです。」

 

 

ズォーダー「別に構わん……。さて、ネージリンスよ。どのように楽しませてくれるか?」

 

 

 

1つの国が今滅び、さらにもう1つの国が滅びを迎えようとしていた




『プランタット砲』はまさにヤマト2202の拡散波動砲の縮小版みたいなものです


次回予告

第9話 憎み合う両者の戦争

ネージリンス星系共和国とカルバライヤ星団連合はついに本格的に衝突する


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