特典を喰らう騎士 (ボルメテウスさん)
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ディスガイア風 次回予告

ディスガイア4がPS4、ニンテンドースイッチで再び登場する記念で書かせてもらいました。
ディスガイアの次回予告は好きなので、ぜひとも、リメイク版の新要素で新たな予告が見れるのを楽しみにしたいです。


2話予告

 

「突然現れた謎の敵、ガイソーグ。

そして、発覚する驚愕の事実。

カレーに必要なカレー粉を作り出したのは、インドではなくイギリスだった!」

 

「何事かと思えば、カレーの事か」

 

「というか、それよりもヤバいのがいるじゃろ」

 

「インドは確かにカレーを作り出す為に必要なスパイスがあったが、スパイスを組み合せの一つがカレーだったに過ぎなかった」

 

「それは確かに衝撃的だったが、一応はカレーはインドの食べ物じゃろ?」

 

「それだけではない。

日本で現在でも愛されているトロミのあるカレーを作り出したのもイギリスだ!!

つまりは、インドで生まれ、イギリスで育ったのが正しい言い方だ」

 

「なんだかカレーの話ばかりになっているぞ」

 

「だから、インドならばカレーというイメージは大きく間違っている。

生まれた国がインドだからと言って、カレーが一番旨い国という訳ではないぞ!!」

 

「なんだか、色々とヤバい話じゃぞ」

 

「今日からは、カレーはインド生まれ、イギリス育ちの食べ物だと思うが良い!!」

 

「方向性が違うだろ」

 

「次回「かれぇぐらし」第2話!「ぐざい」 」

 

「なんだか、全然違う話になったぞ」

 

3話予告

 

「ガイソーグを退けた、無事に勝利を収めた俺達の前に信じられない事実が現れた」

 

「まさか、俺達以外にリュウソウジャーがいるとは」

 

「なんと、日本に伝わった頃のカレーの材料はカエルや長ネギを使用されていたのだ!!」

 

「それは確かに衝撃的な事実だけど、向こうの方が色々とやばいだろ!!」

 

「現在では当たり前のようになっている材料の数々で作られるカレーが出来上がるのは大正時代になってからだ。

それまでの間は、西洋料理指南書では上の材料で作られていたらしい」

 

「長ネギはなんとかできるけど、カエルってあんまり食べ慣れていないな」

 

「その後、昭和の頃は地域で採れる材料によって、その地域でオリジナルカレーが数々作られるようになった。

今では珍しくないシーフードカレーなどもだ!!」

 

「地域によって、様々な食材がある。

それは凄いです」

 

「次回「平成武装怪盗団」第3話!

「もし君がカレーを疑うなら」最後の一つまで食べきれ!!」

 

第4話

 

「強敵シャドームーンを倒し、新たな力を得た連。

仲間との絆を深めている中で、俺達は新たな事実にぶつかる」

 

「ブラックさん、彼の正体は一体」

 

「カレーにはライスカレーとカレーライスの二つの名前があるのだ」

 

「別にどうでも良い!」

 

「最近の店では余り聞き慣れななくなっていたライスカレー。

ライスカレーは元々はご飯にかかっている状態をライスカレーと呼んでいる」

 

「普段、食べ慣れている方だな」

 

「そして、俺達が聞き覚えのあるカレーライスは、カレーとライスが別々だからカレーライスだったんだ!!」

 

「なんだか、どっちでも良いだろ。

カレーはカレーだから」

 

「だが、ライスカレーがいつ始まったのかは分からない。

ライスカレーの言葉の始まり自体は明治6年に陸軍の食堂のメニューに描かれている事は確認されているが、何時が始まりなのかは謎が多すぎる」

 

「謎が多いのは、このカレーの拘りが強い、お前だよ

 

「次回、「名探偵ペルソナ」第4話。

「炎魔法殺人事件」真実はいつもカレーに解決されない」

 

「えっ殺人事件!?

誰か死ぬのっ!?」

 

「それはお前だぁ!」

 

 

第5話

 

「未だに合流しないリュウソウブラック。

他に見ない個性を持つ悩みとは」

 

「あれは、俺達のような過去が、それも辛いのが」

 

「そう、他に見ないカレー。

それは沖縄のカレーだ!!」

 

「こんな時にカレーかよ!!」

 

「現在、日本で各地で見る茶色のカレーはブイヨンを侵透させた物となっており、日本人好みとなっている」

 

「まぁ、カレーと言えば茶色だな」

 

「だが、沖縄のカレーは違う。

沖縄は長い間アメリカの占拠下にあった為、沖縄にはカレーブームは訪れなかった。

つまりは、沖縄に日本が作り出したカレーは来なかったのだ!!」

 

「じゃあ、何色なんだ?」

 

「黄色だ!!

だから、現在の沖縄の住民も、その黄色いカレーを好んで食べている。

違う文化のカレーも気になる所だ」

 

「リュウソウブラックも、無事に仲間にできると良いですか」

 

「次回、「KARE」第5話 【華麗】お前のカレー、頂く!」

 

「次回こそは6人で活躍だ」

 



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EPISOOD01 復活の騎士竜

ギャングラーとの戦いを終え、世界は再び平和な日々が始まってから数ヶ月。

 

「あぁ、それにしても平和だなぁ」

 

「良い事じゃないか」

 

「そうじゃな」

 

俺達は店で客がいないの事もあり、のんびりと過ごしていた。

 

「ギャングラーがいなくなった事もあってか、派手な動きをする奴もいなくなったからな」

 

「まぁ今では転生関連も死神が管理しているから、心配はないからな」

 

「儂らの出番はほとんどなしじゃからな」

 

「グットストライカーもな」

 

そう言いながら店の中には何時の間にか入り込んでいたグットストライカーに対して愚痴るように言う。

 

「おいらとしても出番がないのは嬉しい事だけどな。

というか、お前達もあの最終決戦で無茶しすぎだぜ。

一番被害が少なかったビクトリーストライカーでさえ、この状態なんだから」

 

そう言い、見てみると、そこにはビクトリーストライカーだが、既にボロボロの状態になっており、それ以外のダイヤルファイターもそうだがVSチェンジャーは死神様の元で修理中である。

 

「とりあえずはビクトリーストライカーも頼むぞ。

俺にとっては大事な奴だからな」

 

「分かっているって。

他のアイテムも修理が終わり次第に持ってくるからな」

 

そう言い、グットストライカーは空へと消えていった。

 

「これでルパンレンジャーはしばらくは活動できなくなったな」

 

「まぁ良いじゃないか、そんな大ごと、そうそう「おい今は平気か!!」へっ?」

 

そう呟いていると、店のドアが開いて、見てみるとクリス達が慌てて入ってきた。

 

「どうしたんだ?」

 

「実は、とんでもない事が起きたんだ!!

とにかく来てくれ!!」

 

「はい?」

 

俺達はいきなりの呼び出しに驚いている間に連れられた場所はS.O.N.Gに連れてこられたんだが

 

「一応聞くけど、今の俺達はルパンレンジャーになれないから、あんまり役に立てないと思うけど」

 

「いや、ペルソナやゴットイーターに吸血鬼が揃っている状態で何を言っているんだ?」

 

まぁ確かにルパンレンジャー以外の力も使えるのだが、それでも大きな助けになるとは思えないのだが

 

「今回の任務は、俺達だけではなく、様々な世界で戦いの経験を得た君達にも力を借りたい」

 

「どういう事なんだ?」

 

既に俺達は怪盗戦隊になる事ができない俺達では余り力になれないと思うのだが?

 

「いや、君達の経験ならば、分かると思う。

これを見てくれ」

 

その言葉と共に現れたのは何かの遺跡のようだが。

 

「これは?」

 

「ギャングラーとの戦いによって、融合世界が崩壊してから現れた数々の遺跡だ。

この遺跡自体もつい最近発見された物だ」

 

「つい最近?」

 

「遺跡については様々な専門チームによる調査が行われたのだが、未だに謎が多い」

 

「そこで色々な世界を渡り歩いた俺達の出番か」

 

「あぁ、一つの視点だけでは分からなくても、君達ならば分かる事もあるかもしれない」

 

そう言われたら、確かに俺達でも役に立つ事ができるかもしれないな。

 

「分かった、一応はやってみる。

それで場所は?」

 

「あぁ遺跡の場所は長野県にある。

詳細については現場で」

 

「分かった」

 

その言葉と共に遺跡にたどり着いた。

 

「それにしても、本当にこんなのが突然現れたのか?」

 

「なんだか信じられないよねぇ」

 

今回の調査に当たって、俺、ソーマ、忍、響、クリスのメンバー5人で遺跡の中を探っていた。

 

遺跡の中にはこれまで見た事のない文字があり、俺達もさっぱりだった。

 

「にしても、こんなのがあるとは驚きだよ」

 

「まぁそうだな」

 

「けど、気味の悪いのが混じっているようだな」

 

遺跡の中に入ってから感じる奇妙な気配と共に、俺は借りていた銃で背後に向けて撃つと銃弾は弾かれ、地面に銃弾がめり込んでいた。

 

そして、奥から出てきたのは全身が縄のような何かで覆われた男だった。

 

「えっえぇ!!

だっ誰なの!?」

 

「全身縄って、変態かよ!!」

 

「・・・あの縄、武器」

 

「それにこの奇妙な感じ」

 

「お前、転生者だな」

 

「えっ!?」

 

この世界に転生してから、元転生者達は特典は失っている者達が大半だったが、目の前にいる奴はシンフォギアでもなんでもない、未知の力。

 

「まさか、ここで怪盗にシンフォギアがいるとはな」

 

「どうやら、この遺跡で何かするつもりだな」

 

「そうだと言ったら」

 

「ここで止めさせてもらう」

 

「やれる物ならば、やってみるが良い」

 

その言葉と共に一斉に縄が襲い掛かり、俺は前に出ると共にアルセーヌを呼び出し、炎の壁によって縄を燃やす事で攻撃を防ぐ。

 

「まったく、世界が変わってもこういう事をする奴がいるのかよ!!」

 

「とにかく、なんとかしないと」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に、俺達は各々の武器を持ちながら、転生者に向かって攻め込むが

 

「見た目は変態なのに」

 

「なんつぅ防御力なんだよ!!」

 

「まぁな、この縛の装の防御は貴様達では突破はできない。

そして」

 

「やばそうな感じがするっ!!}

 

その言葉と共に縄が一斉に外れ、そこから出てきたのは鎧が出てくると共に、俺達に縄が襲い掛かり、俺達を拘束する。

 

「がぁ!!」

 

「ちっ、これじゃあ動けない」

 

「さて、あとはこれを使えば」

 

そう奴が呟くのに合わせるように、地面から信じられない程の地響きが辺り一帯に置き、俺は周りを見渡す。

 

すると、目の前にあった通路が崩れ去り、目の前に現れたのは巨大な竜の顔だった。

 

「ついに、復活したか!!」

 

「復活、まさか聖遺物!?」

 

「そうだよ、この世界特有の物だからね。

一つは手に入れたかったのさ」

 

 

その言葉と共に、目の前に出てきたのは竜が現れ、あまりの大きさに俺は口を閉ざす事ができなかった。

 

「なんだ、これは」

 

「さぁ、俺の声に従え!!

俺が主だ!!」

 

そう言い、奴は叫びながら、聖遺物に向けて杖を向ける。

 

だが、聖遺物は何の反応も示さなかった。

 

「どうなっている?

確かに操れるはずだ」

 

「・・・」

 

奴が何を目的にしているか分からないが、このまま奴にあれを奪われたら危険だ、何とかしなければ。

 

『おい、人間』

 

「っ!?」

 

俺がなんとか聖遺物の対処方法について考えていると、突然頭に響いた声に俺は周りを見渡すが、声の主は見つけられない。

 

『お前に聞きたいが、お前、さっき力が欲しいと思っただろ』

 

「それがどうした」

 

「あぁ?」

 

俺は謎の声に対して静かに応えると、転生者はこちらに視線を向けてきた。

 

『もしも、その力を手に入れる事ができるとしたら、お前は何をする?』

 

「・・・そうだな、とりあえずは、目の前にいる奴を止める」

 

「おいおい、ついには頭が悪くなる」

 

『殺さないのか?

そいつを放っておけば、確実にお前の仲間にも手を出すぞ?』

 

「それはしない、それが俺の誓いだからな」

 

この1年間の戦いにおいて、多くの出会いを経て、様々な事を経験したが、人の命の重さは変わらなかった。

 

だからこそ、それを守りたい。

 

『なるほど、俺が反応したのも頷けるぜ。

おい、お前の名前は』

 

「雨宮連!!」

 

『ならば、人間、今日からお前が俺の相棒だ!!』

 

「なっ」

 

その言葉に応えるように、辺り一面に巨大な地響きが起きると共に、巨大戦艦の周りにあった石は崩れ落ち、そこから出てきたのは、先程の巨大戦艦から変形したティラノザウルスだった。

 

「なっなんだ、これは!?」

 

「お前が、俺に話しかけてきたのか!?」

 

『おい、連!

受け取れ、これがお前に渡す力だ!!」

 

その言葉と共に、俺の元に光が降り注ぐと、右腕には恐竜を模したブレスレットが巻かれており、手にはオレンジ色の鍵が現れるも、一瞬で黒い炎に包まれると、鍵の色は赤く塗り替わる。

 

「なんだ、なんだその力は!?」

 

『連、リュウソウチェンジャーにリュウソウルを挿入するんだ』

 

「あぁ、この形でだいたい分かった!!」

 

VSチェンジャーのように、ダイヤルファイターをVSチェンジャーにセットする事で変身できると思い、俺はリュウソウルをリュウソウチェンジャーにセットする。

 

【ゲボーン!】

 

「雨宮」

 

『バイザーを回して、再び付けろ!!』

 

【ワッセイワッセイ!ソレ!ソレ!】

 

俺は声の指示に従うように、バイザーを回し、そのまま再度付ける。

 

【リュウソウSOCOOL!】

 

その音声が鳴り響くと同時に、俺の姿は赤い光に包まれると、俺の姿は変わり、そこに出てきたのは目の前にいるティラノサウルスを模した姿へと変わり、俺に馴染みがある赤の姿へと変わった。

 

「これは」

 

『それこそ、お前の姿。

勇猛の騎士だ!』

 

「騎士、騎士か。

怪盗の次に騎士とは皮肉だな」

 

その言葉通り、俺の腰には何時の間にか剣があり、見る限り、恐竜を模した剣だと分かる。

 

「なっなんだ、貴様は」

 

「そうだな、今は一人だけど、せっかくだから名乗らせてもらうぜ!!」

 

その言葉に合わせるように、俺の後ろにティラノザウルスが移動し、吠えると共に俺は剣を持ち、構える。

 

「勇猛の騎士、リョウソウレッド!!」

 

『リュウソウレッド?』

 

あぁ、ルパンレッドではなく、この姿で戦う事になるが、その決意として、俺はこの姿の事をリュウソウレッドと名乗る。

 

『へっなかなかに面白そうじゃないか。

だったら、俺達の名前も決まったな』

 

あぁ、そうだな!!

 

『「騎士竜戦隊リュウソウジャー』」

 

その言葉と共に、俺の後ろからティラノサウルスが巨大な雄叫びを上げる。

 

「くっ姿が変わったぐらいで調子に乗るなよ!!」

 

その言葉と共に奴は再び雄叫びを上げると、その姿は先程まで戦っていた縛の装だった。

 

「この鉄壁に、貴様は破れるものか」

 

「言っておくが、ここからの俺の戦いは一味も二味も違うぜ」

 

その言葉と共に、俺は手に持った剣を構えると、奴の身体から幾つもの鞭が現れ、こちらに向かって襲い掛かってくる。

 

それに対して、俺は持っている武器は剣一本だが、驚く事に、羽のように軽く、俺の動きに合わせてくれる。

 

そして何よりも切味が鋭く、目の前に迫っていた鞭を全て切り裂いた。

 

「なっ!?」

 

「こいつは凄いぜ!!」

 

『リュウソウケンはお前の最大の武器だ。

そいつは己の魂や、敵の魂を食わせる事でさらに強くなるぜ』

 

「殺す気はないぞ」

 

『分かっているぜ。

奴の持っている、あの鎧は奴の魂と密着している。

あの鎧を喰らえば良いだけだ』

 

「なるほどな」

 

『レッドリュウソウルを作り出して、リュウソウケンに入れるんだ』

 

「こういう感じか?」

 

そう言い、俺は手を前に出すと、そこに出てきたのは先程まで変身に使っていたアイテムが現れ、俺はそのままリュウソウケンのレバーを開き、入れる。

 

【それ!それ!それ!それ!その調子!】

 

その音声と共に俺は剣に溜まった赤いエネルギーを奴へと向かって切り上げるのを合図に連続に斬っていく。

 

【剣ボーン!】

 

そして最後に剣を振り下ろして、とどめを刺す。

 

「ぐぅ、だが特典は奪えないならば、また仕返しをするだけの話だ」

 

「確かに、それは『いいや、剣にある顔を転生者に向けてみろ』こうか?」

 

「なっ」

 

俺はその言葉に従うように前に出すと、奴の身体から出てきたのは先程まで戦っていた縛の装が現れると共に、竜の口が開き食らいつく。

 

「食べた!!

 

「なんだか、ネフィリムを思い出すな」

 

そう言っている間にも、縛の装が消えると共に、俺の手元には茶色の茨の鞭があるリュウソウルが出てくる。

 

「これって?」

 

『縛りソウル。

そいつの特性を得たリュウソウルだ』

 

「まるでダイヤルファイターみたいだな」

 

「それにしても凄いよ!!

まさか雨宮君がルパンレンジャーって、さっき違う名前だったよね」

 

「あぁ、ティラミーゴが教えてくれたんだよ」

 

「ティラミーゴ?」

 

「こいつ」

 

そう言い、俺は後ろにいるティラミーゴを見て、大きく声を出した。

 

「ほっ本当に、この子が」

 

「あぁ、それにしても特典を食べるって」

 

「とりあえずは、ティラミーゴをどうするかだけど、なんか分からないのか?」

 

「そう言われてもな、ティラミーゴ、なんかないのか?」

 

『あぁ、それならば遺跡の奥にあるリュウソウルを使えば何かあるはずだぞ』

 

「奥にもあるのか」

 

「えっまた何か言ったのか?」

 

「あぁ、とにかく行ってみるか」

 

その言葉と共に、俺達は奥へと進んでいくと、俺が使っていたリュウソウルや先程手に入れたリュウソウルに似た物が二つあった。

 

「これを使うんか?」

 

そう言い、俺は一つのリュウソウルを取ると、リュウソウルが光りだすと、先程まで一緒にいたティラミーゴが小さくなり、俺達と同じぐらいの大きさになった。

 

「なっなぁ、なんだよこいつは」

 

『おいおい、嬢ちゃん。

あんまりそんな事を言うなよ』

 

「なっ今の声ってもしかして」

 

『俺の声だ、よろしくな嬢ちゃん達!!』

 

「えぇティラミーゴの声って、なんだか渋いんだね」

 

『そりゃあ、長生きしていたからな』

 

「なんだかよく分からないけど、ティラミーゴ、お前は一体なんなんだ?」

 

俺もティラミーゴの指示で戦ってしまったのだが、意外とあっさりと戦えたんだが

 

『俺達は太古から輪廻転生から離れ、世界を乱す存在を守る存在として作られた騎士竜だ』

 

「輪廻転生から外れた?」

 

「それって、転生者の事?」

 

「つまり俺達と似たような感じか」

 

ティラミーゴは俺達と同じような役目を持っているとはな。

 

「あれ、待てよ。

そう言えばここと似たような遺跡があるっていう事は。

ティラミーゴ、お前以外にも騎士竜っているのか!?」

 

『あぁいるぜ』

 

その言葉を聞いて、衝撃を受けた。

 

という事はここ以外の遺跡には騎士竜がいるという事か!!

 

「だったら、他の騎士竜の所へと行かないとやばいじゃないかよ!!」

 

『そんなに心配する必要はない。

リュウソウジャーになるには、その騎士竜に認められなければならない。

俺は雨宮を見た瞬間から期待したら、相棒に選んだだけだ』

 

なるほど、騎士竜を選らばれた奴にしか、俺が今変身しているリュウソウジャーな訳か。

 

「また、何か不穏な事が動き始めているのか?」

 



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EPISOOD02 3人ならば無敵

「解析が終わりましたよ」

 

「本当か?」

 

あの戦いを終えて、俺が手に入れたリュウソウチェンジャーやティラミーゴについてを調べてもらったのだが

 

「わぁ可愛いデス!!」

 

「スベスベしている」

 

『いやぁ照れるぜ』

 

なんだかティラミーゴは声とは正反対にマスコットのような存在になり、S.O.N.Gでも受け入れられている。

 

「それにしても、ギャングラーがいなくなったのに、まだ特典を使う人がいるなんて」

 

「元々、ギャングラーはそういう転生者を集めたり、無理矢理にさせた組織だからな。

転生する奴が多ければ、そういう考えをする奴も自然と出てくるからな」

 

「ティラミーゴさんは何か知っているんですか?」

 

『それが、俺の名前と、一緒に戦うには相棒が必要な事。

ある程度のリュウソウルに関する事だけだからな』

 

「つまりはギャングラーが分かる前と変わらない行動すれば良いけど」

 

「儂らには、その騎士竜はまだいないがな」

 

「どうした物か」

 

「それだったら、他の遺跡に行ってみたら?」

 

「確かに、そうかもしれないな」

 

ティラミーゴを見つけたのは発見された遺跡の内、一つだからな。

 

「それじゃあ、別々に行かせてもらう」

 

「儂らがいない間は頼むぞ」

 

「調っ!!

私達も行くデス!!」

 

「もう一回、なってみたい」

 

「それじゃあ、俺はこのまま待機させてもらうよ」

 

「それじゃあな」

 

そう言い、忍達は各々の遺跡へと向かっていた。

 

「まぁ、そう簡単に事件なんて起きないよな」

 

そう言いながら、S.O.N.Gで待機していた。

 

だが、それは1時間も経たない内に発生した。

 

「なんだ?」

 

「えぇ、転生者の反応です。

ただ、なんですかこれは?」

 

「とにかく行ってみる」

 

その言葉と共に、俺は反応のあった場所へと向かった。

 

辿り着いた街の様子はあまり破壊されておらず、道の真ん中で待ちかまえている怪しい奴以外にはいなかった。

 

「なんだ、あいつ?」

 

そこにいたのは、紫色の鎧を着た何者がおり、その手には俺がリュウソウレッドで使っている武器であるリュウソウケンを持っている。

 

「誰だ?」

 

「我が名はカイゾーグ。

貴様を倒す存在だ、雨宮連」

 

「ガイゾーグ、よく分からないが、お前がこの騒ぎの元凶だな」

 

「だとしたら」

 

「ここで止める」

 

その言葉と共に、俺はリュウソウルを変形させ、リュソウチェンジャーにセットする。

 

【ゲボーン!】

 

【ワッセイワッセイ!ソレ!ソレ!】

 

その音声が鳴り響いている間、俺達は構えながら、バイザーを回し、そのまま再度付ける。

 

【リュウソウSOCOOL!】

 

その音声と共に、俺はリュウソウレッドへと変身し、リュウソウケンを構える。

 

「こちらから行くぞ!!」

 

その言葉と共に、リュウソウケンをこちらに振り下ろし、俺は手に持ったリュウソウケンで受け止めるが

 

「重いっけど!!」

 

見た目以上の剣の重さに驚いてしまうが、俺はすぐに剣を受け流し、ガイゾーグに向けて蹴り上げる。

 

だがガイゾーグはすぐに盾で受け止めると、盾を使い俺を後ろへと吹き飛ばす。

 

「ぐっ!!」

 

その隙を突いて、手に持った剣を構え、紫色のエネルギーを剣に籠めた。

 

「エンシェントブレイクエッジ!」

 

「ぐっ!!」

 

すぐに俺はリュウソウケンでその攻撃を受け止めるが、予想以上の威力であり、後ろへと吹き飛ばされ、変身が解かれる。

 

「期待した俺が馬鹿だったな。

ここで死ね」

 

「ぐっ」

 

そう言いながら、カイゾークがこちらに向けて、剣を振り下ろそうとした時、俺は目を瞑ってしまった。

 

だが、いつまで経っても衝撃が来ず、俺は目を開けてみると

 

「ソーマ、忍!」

 

「まったく、一人で無茶をする」

 

「勝手に行くんじゃないぞ」

 

そう言いながら、二人は手に持っている剣でカイゾークの剣を退けると共に構える、

 

「思った以上に早かったな」

 

「遺跡に入れば、案外簡単に手に入れる事ができたからな」

 

「マジかよ」

 

「まぁ、お前のピンチを救えたから、良いがな」

 

「・・・あぁそうだな!!」

 

そう言いながら、俺は再び剣を構えながら、目の前にいるカイゾークを睨みつける。

 

「カイゾーク!

確かに俺は弱いけどな、こうして一緒に戦ってくれる仲間がいれば、俺は弱くてもお前に勝ってみせる」

 

「ほぅ」

 

「どうやら、こちらは無駄足じゃなかったようじゃな」

 

「あぁ」

 

そう言い取り出したのは俺の持っているリュウソウルとは違い、青と黄色のリュウソウルだった。

 

「ブルーとイエロー、ルパンレンジャーと変わらないな」

 

「まぁ儂ららしくて、良いんじゃないか?」

 

「あぁそうだな、だから、行こうぜ!!

俺達3人が力を合わせれば、最強だ!!」

 

「あぁ」

 

「分かった!!」

 

その言葉と共にリュウソウルを各々の腕にあるリュウソウチェンジャーにセットする。

 

【ゲボーン!】

 

【ワッセイワッセイ!ソレ!ソレ!】

 

その音声が鳴り響いている間、俺達は構えながら、バイザーを回し、そのまま再度付ける。

 

【リュウソウSOCOOL!】

 

その音声が鳴り響くと同時に、俺の姿はリュウソウレッドへ、二人の姿は各々も同じく青と黄色へと変わった。

 

「勇猛の騎士!リュウソウレッド!」

 

「叡知の騎士!リュウソウブルー!」

 

「雄飛の騎士!リュウソウイエロー!」

 

「己の正義に仕えし、騎士!騎士竜戦隊!リュウソウジャー!」

 

その言葉と共に、俺達は構えると、ガイゾークもその手に持っていた剣を構える。

 

「今度は三人か、面白い、来てみろ!!」

 

「あぁ、行ってやるよ!!」

 

その言葉と共に、手に持っていたリュウソウケンを構えながら、走り出すと、再びその剣から強烈な風の刃を襲い掛かってくるが、手に持ったリュウソウケンで受け流しながら近づく。

 

俺が前に出て、全てを切り捨てる間に、後ろにいたソーマが横へ、忍は俺の背中を踏み台にして、カイゾークへ奇襲をかける。

 

「ふっ」

 

だが、それを予想していたように剣で防いだ後に、手に持った楯で防ぐが、これによってがら空きになっている懐へと飛び込むが

 

「ふっ」

 

瞬時に手に持っていた二つの武器を離し、手には二丁の斧があり、それで俺の攻撃を防いだ。

 

「んっ?」

 

その斧の特徴は俺にとっては見覚えがあったが、今はそれよりも攻撃の手を緩めないように続ける。

 

『相棒!

遺跡で手に入れたリュウソウルをリュウソウケンに入れるんだ!!』

 

「リュウソウルを?」

 

俺はその言葉に従うように、遺跡で手に入れた二つのリュウソウルの内、一本をリュウソウケンに挿入する。

 

【リュウ、ソウ、そう、そう!この感じ!ツヨソウル!!】

 

その音声が鳴り響くと共に、俺の腕には新しく銀色の鎧が身に纏われ、同時に溢れ出る力を感じた。

 

「なんだか、強くなった気がするぜ!!」

 

その言葉と同時に俺はさらに追撃を行うように連撃すると、先程まで簡単に受け止めていたガイゾークは瞬く間に後ろへと下がる。

 

「ぐぅ!」

 

「一気に決めるぜ!!」

 

「あぁ」

 

「了解した」

 

その言葉と共に、俺達は同時にリュウソウケンのレバーを引く。

 

【それ!それ!それ!それ!その調子!剣ボーン!】

 

その音声が鳴り響くと同時に俺達の剣は赤、青、黄の三色の光が纏まり、同時に切り裂く。

 

それによりガイゾークは吹き飛ばされ、鎧から出てきたのは

 

「三ノ輪!?」

 

それはかつて出会った事のある勇者であるはずの三ノ輪。

 

なぜこんな事を

 

「いや、どうやら一筋縄ではいかなさそうじゃ」

 

「あぁ」

 

その言葉に同意するように、三ノ輪が纏っていた鎧が外れ、そこには中身のないはずの鎧が一人で立っていた。

 

「ガイゾークの鎧が、勝手に?」

 

「というよりも、鎧が本体のようだな」

 

「三ノ輪は操られていただけという訳か」

 

「試しに使ってみたが、転生者の力はなかなかに使える。

本来は存在しない力を手にするからな、実に心地が良い」

 

「てめぇを逃がすと思っているのか?」

 

「さぁな、だが、あれを放っておいても良いのか?」

 

その言葉と共に出てきたのはかつて倒した事のあるバーテックスの一体だった。

 

「ではな、雨宮」

 

「ちっ、あの野郎」

 

「放っておけ、それよりも今はあいつだが」

 

「どうやって、倒すか」

 

『だったら、俺に任せろ!!』

 

「その声は!!」

 

俺は声が聞こえ、見てみると走りながらこちらに迫っているのはなんとティラミーゴだった。

 

『この場に三体の騎士竜がいれば、戦えるはずだ!!』

 

「そうか、だったら」

 

「分かっておる」

 

「行くぜ!!」

 

その言葉共に、ティラミーゴの横から出てきたのは剣を思わせる鋭い角を持ってるトリケラトプスと丸い翼が特徴的なプテラノドンが現れる。

 

「あれがソーマと忍の騎士竜か!!」

 

「さっさと決めるぞ!!」

 

「あぁ行くぜ!!」

 

その言葉と共に、俺達は各々の騎士竜に乗り込むと共に、腕に装着されていたリュウソウチェンジャーからリュウソウルが出てくると共にティラミーゴが変形する。

 

ティラミーゴは変形すると共に、リュウソウルがティラミーゴへと挿入する事により、完全な人型へと変わる。

 

『まさかトリケーンとプテラールドとはな。

そのまま、合体するぞ』

 

「分かっているぜ!!

 

同時に二人の騎士竜が人型になっているティラミーゴの右腕にトリケーン、左腕にプテラールドが装着する。

 

『完成!キシリュウオースリーナイツ!!』

 

「キシリュウオーか、なかなかに動きが良いな」

 

「あぁ、確かにルパンカイザーと同じような感じがする」

 

その言葉の通り、キシリュウオーはルパンカイザーと同じように素早くトリケーンを振りながら、目の前にいるバーテックスに向かって走り出す。

 

バーテックスはすぐにこちらに向けて無数の弓矢を放つが、プテラードルを前に出すと、盾は回転を行い、攻撃を完全に防ぐ。

 

そのまま簡単な攻撃は受け止め、危険な攻撃は避けながら接近すると共に、バーテックスへと近づき、切り裂く。

 

「すげぇ、すげぇぜ、キシリュウオー!!」

 

「さっさと決めるぞ」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に、キシリュウオーはそのまま上空へと飛び、そのまま縦一閃に切り裂き、バーテックスを斬る。

 

それにより瞬く間にバーテックスは真っ二つになり、爆発する。

 

同時に胸にあったティラミーゴがその光を吸い込むと、俺の手元には新たなリュウソウルが現れた。

 

「これが現れたという事はやっぱり銀は、転生者?」

 

「あぁ、だがあのガイゾーグは特典ではないようじゃが」

 

「謎はまだまだあるようだな」

 

そう言いながら、俺達はすに銀の元へと降りるが、すぐに後ろに別の視線を感じ、振り向く。

 

「誰だ?」

 

「なるほど、お前達がブルー、イエロー、そしてレッドか」

 

「一人だと苦戦していたようだけど、チームワークはなかなかのようだったな」

 

「少し心配になりますが」

 

「はぁ?」

 

疑問に思いながら、見ると、そこに立っていたのは俺達と同じリュウソウジャーがいた。

 

違いがあるとすれば、向こうはブラック、グリーン、ピンクという三人組だという事だけ。

 

「お前らは?」

 

「俺達はお前達と同じリュウソウジャー。

まぁ、この世界ではないけどな」

 

そう不敵な笑みを浮かべるようなブラックと俺達はそのまま対峙する。



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EPISOOD03 贋作の正義

「ブラック?」

 

「グリーン?」

 

「ピンクだぁ?」

 

いきなり現れて、こちらに対してリュウソウジャーと言われて俺は戸惑い、ソーマは疑うように見つめており

 

「えっと」

 

「けっ」

 

「イエロー!!」

 

忍はなぜかピンクの胸部を睨み付けており、俺は慌てて忍を引っ張っていく。

 

「まさか、これが先代のルパンレンジャーだとはな」

 

「そう言うお前達は何者だ?

なんか転生者みたいか気配をしているが?」

 

「まぁその通りだ。

俺達はとある事情があって、死神と契約し、リュウソウジャーになった」

 

「俺達としては先輩としてあんた達の様子を見させてもらったけど、やっぱりこういうのは実践でやった方が分かりやすいと思ってな」

 

「・・・」

 

「なるほどね」

 

各々の反応は違うようだが、俺達の実力に対して疑問があるようだ。

 

「・・・良いだろう。

直接確かめるのは、その後だ」

 

「あぁそうだな」

 

そう言い、グリーンとブラックはその場から去っていった。

 

「お前は行かないのか?」

 

「私は正直言って、未だに分かりません。

世界を救ったと言われても信じられず、聞かされた貴方達の経緯で」

 

「なるほどな、まっ確かにな」

 

改めて考えてみれば、怪盗となって活動している俺、神を殺す為に作られた人造人間ともいえるソーマ、そして長年人を喰らい続けた吸血鬼。

 

その三人だから、向こうからしたら信じたら良いか分からない存在だろう。

 

「まぁ確かにそうだな。

けど、とりあえずは行くか」

 

「そうだな」

 

「けっ」

 

「はっはい」

 

忍は最後までなぜかピンクを気に入らない様子で現場へと向かったのだが、そこには黒く月を思わせる奴の他に黒と白の模様の盾と槍を持った奴らがいた。

 

「なんだこいつらは?」

 

「さぁな、だが」

 

「数が数だけに厄介そうだな」

 

「とにかく片付ける」

 

俺達はその言葉と共に手に持ったリュウソウケンで周りにいる奴らを吹き飛ばしながら、黒い奴に向かっていく。

 

「一番乗りは貰うぜ!!」

 

そう言い、グリーンは剣を使って斬りかかるが、目の前にいる奴は意図も簡単に受け止め、グリーンを吹き飛ばす。

 

「なっ!!」

 

「貴様は未だに未熟だな。

俺の相手にはならない」

 

「てめぇ」

 

「俺の名はジャークムーン。

俺を満たす強者はいないのか?」

 

「とにかく油断はできない相手だな」

 

「確かにな」

 

その言葉と共に、俺達は一斉に囲むように攻め込んでいくが、ジャークムーンは俺達の合間を縫うように攻める。

 

「数も強さもある程度はあるが、連携はなっていない」

 

「ぐっ!」

 

その言葉に否定はできず、先程の事もあり、俺達は息を合わす事ができていない。

 

そうして、俺が倒れ込んでしまうと、ジャークムーンはこちらに剣を向けてきた。

 

「この程度か、この世界を守る奴は」

 

そう言い、ジャークムーンはそのまま剣を振り下ろすのと同時に俺は剣を上に押し上げて、リュウソウケンを押し当てる。

 

同時にリュウソウケンを引くと、リュウソウケンはジャークムーンから何かを吸い上げて、俺の手元には新たなリュウソウルが現れる。

 

それをすぐにリュウソウケンに挿入する。

 

【リュウケンドー!】

 

【ゲキ・リュウ・ケン!スーパーヒーロー!リュウケンドー】

 

「なっ!!」

 

その音声が鳴り響くと同時に、俺の剣から青い龍が現れジャークムーンを吹き飛ばし、上に一度吠えると共に俺の元に来ると、瞬く間に俺の身体を覆う。

 

覆われるのと同時に俺は先程の龍をイメージさせる青い装甲を身に纏う。

 

「くっくはははぁ!!

面白いぞ、まさかこの世界でリュウケンドーの力を使う奴と出会えるとはなぁ!!」

 

「リュウケンドー?」

 

「さぁ勝負だ、リュウソウレッド!!」

 

その言葉と共に俺に再び剣を振り上げ、襲い掛かるが、俺は手に持ったリュウソウケンを持ちながら、応戦する。

 

「これはっ?」

 

俺はリュウソウケンを振り上げると、これまで苦戦していたとは思えないように、ジャークムーンの剣技を受け流す事ができた。

 

「なにが起きているんだ?」

 

「奴の身体に残っている魂が再現したんだろ」

 

「どういう事じゃ?」

 

「リュウソウケンは相手の特典を喰らい、その特典をリュウソウルに変える能力がある。

だが、転生者自身が力を持っており、特典を持っていない奴の場合、リュウソウケンは持ち主と近い力を再現する」

 

「だとしたら」

 

「あいつはリュウケンドーという奴と似ているから、そいつの力を再現しているだろ」

 

「なるほどな」

 

情報として、なんとか聞き取れたが、どうやらこの力自体は紛い物みたいで、本物ではないようだ。

 

「だが、紛い物だろうと、人を守るのにそんなのは関係ない!!」

 

「あぁそうだ!!

お前がリュウケンドーの偽物だろうと関係ない!

今、こうして俺と戦えている、それだけで戦う価値がある!!}

 

そう言い、俺をさらに攻め込んで来る。

 

「思考は大事だが、今、必要なのは!!」

 

「そう、斬り合っているこの感覚だけだ!!」

 

俺は剣を交えながら、剣による斬撃を受け止め、弾き、反撃を行っていく。

 

「どうなっているんだ、これは!!」

 

「さっきとは確実に動きが違う」

 

ジャークムーンとの戦いの中で、俺は手に持ったリュウケンドーソウルを再度リュウソウケンに入れる。

 

【ファイ!ナル!ブレ!イク!剣ボーン!】

 

「暗黒月光剣!斬月の太刀!!」

 

その音声と共に、俺は上空へと飛び、剣に青いエネルギーが集まりながら、ジャークムーンへと向かって振り下ろし、ジャークムーンも剣に闇のエネルギーを集めて、ぶつかり合う。

 

互いの剣のエネルギーがぶつかる事により、俺は後ろへと吹き飛ばされながら、手に持ったリュウソウケンを地面で押さえて、勢いを殺しながらジャークムーンの方へと見る。

 

ジャークムーンは未だにこちらに剣を向ける。

 

油断ができないと思い、手に持ったリュウソウケンを構えるが

 

「ふっ」

 

だがジャークムーンは剣を地面に落として、その場から膝から崩れ落ちる。

 

「ジャークムーン」

 

「そう悲観するな、リュウソウレッド。

所詮は紛い物の命、決着が終われば消えゆく運命だったのだ。

だが忘れるな、リュウソウレッド」

 

そう言い、俺の肩に手を置く。

 

「最後に俺の望みを叶えてくれて、感謝する。

お前のおかげで、満足のいく死に方ができた」

 

「・・・」

 

「受け取れ、貴様にはその責任がある」

 

その言葉と共にジャークムーンは光に変わり、自らリュウソウケンへと入り込むと、そのまま飛び出ると、そこにはリュウソウルへと変わっていた。

 

「・・・ジャークムーンは」

 

「もう意識はない。

残っているのは力だけだ」

 

ブラックは地面に落ちていたジャークムーンだったリュウソウルを取り確認すると、既にこの世にはジャークムーンがいない事が分かった。

 

「・・・そうか、だったら、俺は初めて転生者を殺してしまったかもな」

 

これまで、一度として破るつもりがなかった約束。

 

それを俺は破ってしまった。

 

それはジャークムーンが悪い訳ではない、俺の覚悟が足りなかったせいだ。

 

「人は生きていたら何度でもやり直せる。

俺はかつて、それを信じて戦っていた。

だけど、それは偽りだと気づかされて、絶望していた」

 

「ブラック、お前も似たような事を」

 

「お前は今、その時の俺と同じ道に行こうとしている。

変わるとしたら、お前が本当に人々を救う為に歩むのかどうかだ」

 

「・・・あのっ俺からもいいっすか?」

 

「グリーン?」

 

「俺は正直、ジャークムーンは死んで良かったと思っています。

あいつは自分がどこに向かうべきか分からなかったけど、そのレッドさんと戦ったおかげで道を見つけられたと思います」

 

「道か」

 

「確かに生きる事も大切です。

けど、死んでしまった後、本来辿るべきだった道へと戻す事も冷酷だけど必要だと思います」

 

「本来か、難しいな」

 

「私もです。

限られた命を精いっぱい生きる事、それを償う為に生きる事。

そして死んで、本来の道へと導く事、それが私達にできる事だと思います」

 

「・・あぁそうだな」

 

これまでの戦いの多くは転生者に新たな道を歩ませる事に固執していた。

 

だけど、時には本来の居場所へと行かせる為に倒す事も必要かもしれない。

 

「未だに迷うが、それもまた人間だ」

 

「それに儂らには仲間がいるからな」

 

「あぁ」

 

俺はそれを聞き立ち上がり、気持ちを切り替える。

 

あの戦いで様々な道を教えてくれた好敵手の為にも、俺は迷いながらでも進まないといけない。

 

「・・・お前達は?」

 

「俺は、お前の意思を未だに確認ができていない。

今度な」

 

「俺は別に良いっすよ。

あんたからはさっさんと良い奴の感じがするから」

 

「私も先輩と似たような感じがしますので」

 

「そうか、俺は少しだけ離れる」

 

そう言い、ブラックはその場から離れた。

 

「本格的に集まるのはまだまだだな」

 

「にしてもお主ら、儂らの素性を知っているようじゃが、人間ではない匂いもしているが?」

 

「あっそれを含めて自己紹介させてもらいます!!」

 

そう言い、リュウソウチェンジャーからリュウソウルを取り出し、変身を解除する。

 

「俺はリュウソウグリーン、不知吟士!

生前は喰種捜査官をしておりまして、その半分喰種です」

 

「「「?」」」

 

「私はマシュ・キリエライトです。

カルデア所属のデミサーヴァント、クラスはシールダーです」

 

「「「???」」」

 

いきなり出てきた喰種やデミサーヴァントなど訳の分からない単語で俺達は同時に頭を捻らせてしまう。

 

「・・・ようするに、まぁ似た者同士な訳か」

 

「ここにまともな人間はいない訳か」

 

「それはまぁ合っている気がするけど」

 

「あははぁ」

 

こうして、俺達は新たな仲間を向かえた。



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EPISOOD04 炎のマジック

「それで、お前達は一体何者なんだ?

俺達と同じリュウソウジャーらしいが?」

 

「いや、実は俺達もよく分からないんだよ」

 

「私達は最近死んでしまったのですが、その時に死神と名乗る人物から頼まれたんです」

 

「死神様が?」

 

どういう事だ?

 

そういえば、最近は連絡してないが

 

「なんでも、魂の強奪が多いらしいんだ」

 

「強奪?」

 

「えぇ善悪、関係なく。

そして、それらは全て転生させられて、様々な世界に送り込まれています」

 

「黒幕は?」

 

「分かりません。

魂は数々の組織に所属しているようで、その実行犯については未だに」

 

「そこで、俺とマシュ、それにあのブラックは先輩達の助っ人として、この世界に呼ばれた訳だ!!」

 

「そういえば、なんだか聞き慣れない単語があったが、それは一体?」

 

「あぁそれですか。

なんていうか」

 

「事情を説明するのは難しいですね」

 

「まぁ事情は今度で。

とりあえず、デミサーヴァントとか、クインクスだけでも頼む」

 

「それでしたら。

私は生前に英雄と呼ばれた人物の魂と融合する事で力を得た存在です。

そこで呼ばれたのがデミ・サーヴァントです」

 

「俺の世界にいた人を食う存在である喰種に対抗する為に、同じような力を得た半分人間で、半分喰種の存在の事をクインクスと呼んでいるぜ」

 

「どちらもただの人間ではないという事か」

 

それを聞くと、確かに対抗するだけの力はありそうだ。

 

「それらしき犯人はやっぱり」

 

「カイゾークじゃな」

 

今回の始まってから現れた謎の存在であるカイゾーク。

 

元々は協力者だったはずの銀は未だに昏睡状態である為、銀のような状態になっている可能性が多々ある。

 

「それでも謎が多いけど」

 

そう言いながら、俺達は頭を悩ませていると

 

「聞こえるか、雨宮君」

 

「指令、どうしたんだ?」

 

「あぁ、その付近で謎の反応を感知した。

すぐに向かってくれないか?」

 

「分かりました。

という事で、自己紹介が終わった所でさっそくだけど」

 

「あぁ分かっているぜ!!

張り切っていくぜ!!」

 

そう言い、不知はすぐに走り出した。

 

「元気じゃなぁ」

 

「えぇ、彼は出会った時から積極的に話してくれましたから」

 

その言葉と同じように、明るい性格のようで、俺達にも自然と笑みを浮かべる。

 

そうして、走りながら、すぐに現場に入り、そこには

 

「ここなのか」

 

「酷い」

 

「くっそぉ」

 

辿り着いた先に起きていたのは、多くの人が何かによって突き刺された後ができていたり、身体を半分焼かれている光景だった。

 

「おぉ、やっと来たか」

 

「てめぇか、こんな事をした奴はぁ!!」

 

不知はその声が聞こえた方向に向かって叫ぶと、そこにいたのは白いロボットが立っており、手には緑色の槍を持っていた。

 

「君達かね、この世界を守っている奴らは」

 

「てめぇは?」

 

「僕かい?

一応騎士だから、名乗らせてもらうよ。

僕の名前はルキアーノ・ブラットリー、元は騎士だけどね」

 

「騎士?

騎士ならば、なんでこんな事をっ!!」

 

「なぜか?

そんな簡単な事も分からないのか」

 

「なんだと?」

 

「私は生前から人の大事な物を奪うのが好きなんだよ。

それが、イレブンならばなおさら」

 

「イレブン?」

 

「あぁこの世界では未だに日本人と名乗っているのか。

まぁ関係ないがね」

 

「まさか、お前っ!?」

 

「日本人だけでっ!!」

 

「私には十分すぎるぐらいな理由さ」

 

「てめぇっ!!」

 

そう言い、すぐにでも飛び出しそうになっている不知の肩を叩き、抑える。

 

「なにするだよっ!!」

 

「戦うな」

 

「なっ何を言ってやがるんだ!!

あいつを倒さないと「今、ここでは駄目だ」っ!!」

 

その言葉を聞き、不知は言葉を理解すると共に、周りを見る。

 

そこには確かに大怪我をしているが、生きている人が多くいる。

 

「だとしても、どうやってっ」

 

「あのな、俺達は単独で動いていないんだぞ」

 

「だとしても、どうやって、あの野郎を」

 

「まぁ任せておけ」

 

そう言い、俺は前に歩みだすのと同時に俺の身体に徐々にだが変化していく。

 

俺が身に纏っていたのは、怪盗として活動していた時の黒コート、それに加えて騎士を思わせる銀色の装飾が加わっていた。

 

「ほぅ、怪盗か。

君には大変興味があったのだよ」

 

「俺もな、新しい力を使う為にも、少し試させてもらうぜ。

・・・ペルソナ」

 

その言葉と共に、俺の背後に現れるのは、もう一人の俺とも言える存在アルセーヌ。

 

アルセーヌの出現と同時に黒い炎が辺り覆い、ルキアーノは警戒を行い始めた。

 

「なるほど、確かに、これは興味深い!

ですが、そんなので、何ができるっ!!」

 

そう言い、アルセーヌに向かっていくルキアーノ。

 

すぐにアルセーヌはその場で作り出した黒い炎で対応するが、ルキアーノはまるで先読みをしていたように、その場で止まり、砲台をこちらに向ける。

 

「っ!!」

 

その状況が危険だと感じた俺はすぐにアルセーヌをルパンマグナムへと変えて、その砲撃と相殺するように放つ。

 

「油断は禁物っ!!」

 

「がぁ!!」

 

その隙を突くのと同時に、俺に向かっていたルキアーノはその槍を俺の身体に突き刺す。

 

それにより、俺の身体はまるで全身が痺れる痛みに支配した。

 

「どうですかぁ?

私の槍はぁ、この槍の痛みはなぁ、生前に味わった痛みと同等の物を与える事ができるのですよぉ」

 

「へぇ、つまりは、てめぇはそんだけの事をした訳か」

 

「本当にムカつきますね。

その声も、日本人という事も、全てムカつく相手を思い出させます」

 

「がぁ!!」

 

「ちぃ、雨宮を離せっ!!」

 

「五月蠅い」

 

「がぁっ!!」

 

すぐに助けに入ろうとした不知だが、簡単に踏まれてしまう。

 

「お前、勢いがあるようだけど、全然なっていないなぁ」

 

「っ!!」

 

「そんなのじゃあ、すぐに死ぬ。

まったく、こんな奴がリュウソウジャーとはねぇ」

 

「はぁ、てめぇも五月蠅いなぁ」

 

「ほぅ、喋る余裕があるのか?」

 

「あるさ、てめぇ程度の痛みなんて、不知の力に比べたらな」

 

「なにを言っている?」

 

「そいつは、さっきから傷ついた人達を傷つけたてめぇに対して怒りを燃やしている。

誰かを思えて、すぐに行動できる奴は、俺は好きだぜ」

 

「戯言だな」

 

「そうかな?

それに、不知のおかげで、作戦も成功したしな」

 

「なに?」

 

「てめぇ、いつまでも踏んでるんじゃねぇぞぉ!」

 

「なっ!!」

 

その言葉と共に不知はその場から立ち上がり、バランスが崩れたルキアーノに向かって、一発蹴り上げた。

 

「ほぅ、なかなかに面白いな。

しかし、作戦?」

 

「ふっ」

 

その言葉と共に、俺は手を上に向けて指を弾くと同時に、辺り一帯の黒い炎が消え去り、そこには先程まで倒れていた人々はいなくなっていた。

 

「これは?」

 

「さっきまでの人達は」

 

「まったく、苦労させる」

 

そう言いながら、出てきた忍達は疲れた表情をしながら、出てきた。

 

「えっこれって」

 

「戦いに人を巻き込む訳にはいかないだろ。

だから、少し演技させてもらった」

 

実は現場にたどり着くのと同時に既にS.O.N.Gの職員が待機していたのを見かけていた。

 

それを見つめると同時に俺はわざとアルセーヌを召喚し、ルキアーノから視線を逸らせるようにわざと行い、その間に忍達が職員と協力して、迅速に避難させた。

 

怪我の内容なども医療チームが優秀な人々が多くいた為、身体の損傷が見られるも死傷者は0という奇跡的な状態になった。

 

「なるほど、この私を騙していた訳か」

 

「というか、俺も聞いていないんですけど!!」

 

「お前はすぐに表情に出そうだったらかな」

 

「えぇ」

 

「だが、お主のおかげで、ルキアーノの奴はすっかり騙されたからな」

 

「あぁ、まさか馬鹿をこんな使い方をするなんてな」

 

「ばっ馬鹿って」

 

「だけど、不知さんのおかげでここにいた人達を助けられました」

 

「いやぁ、それ程でも」」

 

作戦が終えると共に各々の言葉を受け取ると共に、不知は顔色を変えていた。

 

「さて、そろそろ本番だ。

気合入れろよ」

 

「あぁ、分かったぜ!」

 

その言葉に応えるように、俺達は各々のリュウソウルを取り出し、構える。

 

【ゲボーン!】

 

その音声が鳴るのと同時、俺達の周りにリュウソウルを模した各々の色と同じ人形達が現れ、俺の周りでまるで祭りを行うように囲んでいた。

 

【ワッセイワッセイ!ソレ!ソレ!】

 

そして見計らうように、同時にバイザーを回し、そのまま再度付ける。

 

【リュウソウSOCOOL!】

 

それにより、俺達は各々の姿が変身する。

 

「勇猛の騎士!リュウソウレッド!」

 

「叡知の騎士!リュウソウブルー!」

 

「雄飛の騎士!リュウソウイエロー!」

 

「剛健の騎士!リュウソウピンク!」

 

「疾風の騎士!リュウソウグリーン!」

 

「正義に仕えし、5本の剣!騎士竜戦隊!リュウソウジャー!」

 

名乗りを終えると共に、警戒するようにルキアーノはすぐにその場から飛び上がる。

 

「だったら、ここは」

 

「私達がなんとかします!

皆さんは、とどめを」

 

「頼めるか」

 

「あぁ」

 

「任せておいてください!!」

 

そう言うと共に不知は気合を入れるようにリュウソウケンを地面に突き刺すと共に背中から出てきたのは山形の何かが背中から生える。

 

「はあぁ!!」

 

その雄叫びと共に、背中に出てきた山形の何かは爪だと思わせるミサイルが次々と打ち込まれていき、空を飛んでいるルキアーノに向かっていく。

 

「ちっ、威力はとんでもないようだけど、避ければ、これぐらいは「今だぜ、マシュっ!!!」

なっ」

 

【カタソウル!】

 

「スキル、展開します」

 

その言葉共に、マシュはカタソウルを展開した左腕を前に出すと、ルキアーノは放とうとしたビームは全てマシュへと向けられる。

 

「なっなっがぁ!!」

 

「今です!!」

 

「分かった」

 

不知が行った攻撃についてはある程度は理解できたが、マシュが行った行動については未だに疑問がある。

 

それでも、その行動のおかげで、これまで軌道が見えなかったルキアーノの動きが止まり、攻撃できるチャンスができた。

 

「一気に決めるぞ!!」

 

「「あぁ」」

 

【【【それ!それ!それ!それ!その調子!】】】

 

その音声が流れると共にミサイルによって地面へと落ちていくルキアーノに向かって走る。

 

【【【【剣ボーン!】】】

 

その音と共に忍、ソーマ、俺の斬撃が順番に切り裂いていき、全てが終わる頃にはルキアーノの身体には赤、青、黄の三色の大きな傷跡が残っており、剣を収めるのと同時にルキアーノは叫び声を上げながら倒れる。

 

「やったぜっ!」

 

「はいっ!!」

 

それを見た不知は同時にハイタッチし、倒す事に成功した事を分け与えていた。

 

「それにしても、お前達の力は一体?」

 

「本部でも話しましたけど、俺はクインクス、いわば喰種の力を持った捜査官です。

その力であるクインケは、さっきみたいな奴を打ち出す事ができるです」

 

「へぇ」

 

つまりは、現状における遠距離攻撃の中の一つか。

 

複数という事もあって、破壊力もあるうえに、応用力は多くありそうだ。

 

「だけど、マシュのは一体?」

 

「私のは、その、この世界に来る前にあった力のほんの一部です。

内容は敵の狙いをこちらに向けさせる物で、先程みたいに敵の狙いを無理矢理変える事ができます」

 

「だから防御を上げるカタソウルを」

 

それでも、彼女の力のほんの一部という事は全体的な力は一体

 

「だけど、まずはルキアーノから「があぁっ!!」なに?」

 

俺達がすぐにルキアーノから特典を奪おうとした時、ルキアーノに身に纏っていた鎧が大きく動き始め、ルキアーノから離れると同時に、その姿を巨大な物へと変わった。

 

「巨大化だってっ!!」

 

「あれは、負の感情が特典を動かしています」

 

「あぁ、さっきから嫌な感じがあそこから見えるぜ」

 

「なるほど、ペルソナを召喚する連だからこそ分かるかもしれないな」

 

「ペルソナって?」

 

「ペルソナはその本人の現身のような存在、つまりはもう一人の自分だ。

連はその中でも多くの人の絆を力に変える事ができるワイルドの能力を持っている」

 

「なるほど、つまりは連さんはこの中で一番に心という存在に近い人物という訳だから」

 

「あぁ、奴からは嫌な気配が止まる事がない」

 

そもそも特典を持っている転生者の多くはあの嫌な感じをしているが、あれはそれらを鎧の中に詰め込んでいる感じがする。

 

「とにかく、もう一度倒さないといけないなっ!!」

 

その言葉と共に、俺は手に持ったレッドソウルを投げると、そこにティラミーゴが現れ、合体する。

 

「完成、キシリュウオー!」

 

『おい、連!

なんでマイナソーがこんな所にいやがる!!』

 

「マイナソー?」

 

『知らないのか?

特典の中に溜まりこんだ負の感情によって作り出された怪物共だ。

俺達はそいつらと戦う為に作られたんだ』

 

「マイナソー、まさか、こいつが」

 

つまりはティラミーゴ達が戦っていた転生者の大半はマイナソーだという事か。

 

「だけど、俺の戦っていた奴は、そんな奴は」

 

『あの鎧野郎に関係している可能性があるな』

 

「ガイゾーグか」

 

確かに今は病院で休んでいる銀ちゃんから取り出した特典も似たような感じはしたが

 

「その可能性を考えるのは」『あとだなっ!!』

 

俺達はその言葉と共に走り出すが、相手はルシアーノが操っていた時と変わりなく、空中で飛びながら、こちらに牽制を行っていく。

 

「ぐっ!!」

 

「この僕、パーシヴァルが、お前達如きに負けるか」

 

「特典が喋った!?」

 

『あれは、思念だな。

特典に残っている負の感情が形成された物だ』

 

「なるほど」

 

納得している間にもパーシヴァルは攻撃を仕掛けるのをキシリュウオーはすぐにでも槍を避けるように行動するが、パーシヴァルはそのまま旋回し、こちらに向けて再度攻撃を仕掛けてくる。

 

キシリュウオー自体はルパンカイザーでも可能だった空中戦を行えない為、現在は地上の動きに制限されており、空へと逃げていったパーシヴァルを追う術はなかった。

 

それに対して、パーシヴァルは現在も空を跳びながら槍での近接攻撃や牽制の為のレーザー砲の遠距離攻撃を行える為、キシリュウオーへの警戒を怠らない為、危機的状況になっている。

 

「空を飛べれば、なんとかできるけどっ!!」

 

現状では、どうにできない。

 

その事実に俺は歯を食いしばるしかなかったが、パーシヴァルがこちらに向かって襲いかかる為に降りてくるのと同時だった。

 

パーシヴァルに向かって、黄色の渦がパーシヴァルを襲った。

 

「これは!!」

 

「儂らをいる事を忘れるなよ」

 

「お待たせしました!!」

 

「忍にマシュ!!」

 

キシリュウオーの危機を救ったのは忍が乗っているプテラードルとマシュが乗っている騎士竜だった。

 

「合体すればなんとかできるじゃろ」

 

「だけど、腕に合体しても」

 

『誰が腕だと言った?

キシリュウオーはルパンカイザーとは違って、変幻自在に変われるぜ』

 

「本当か!!

だったら!!」

 

俺が悩んでいる所でティラミーゴの声が聞こえると同時に、キシリュウオーは走り出すと、プテラードルのパーツが外れ、翼部分はキシリュウオーへと繋がる。

 

そしてそれに合わせるようにマシュの騎士竜が上半身が盾のように左腕に装着され、残ったパーツであるティラミーゴの尻尾、マシュの騎士竜の下半身、そしてプテラードルの胴体が合わさり、一つの矛へと変わる。

 

「「「完成!ティラミーゴランス!」」」

 

完成すると同時に武器となった槍を回しながら、構えると同時にパーシヴァルの元へと飛んだ。

 

本来ならば盾として使う翼部分を背中に使う事により、不可能だった空中戦闘が可能になった。

 

それだけではなく、新しく追加された武器の攻撃範囲は広く、パーシヴァルの接近にもすぐに対応ができる応用力がある。

 

同時に牽制ように使っていたレーザーに関しても、放つ前に槍の先端にあるマシュの騎士竜のハンマー部分から出される牽制弾により、攻撃を防ぐ事ができる。

 

「決めるぜ!!!」

 

不利な状況を察したのか、パーシヴァルはその場で離れるように飛んでいくが、それを逃さないようにキシリュウオーランスは空中で構えて、一気に接近する。

 

「シャイニングランス!!」

 

その時にはキシリュウオーランスは一筋の光となり、パーシヴァルに接近するのと同時に貫く。

 

貫かれたパーシヴァルは、その攻撃を受けるのと同時に爆散し、そこからで出てきた光をキシリュウオーになっているティラミーゴの頭がその光を噛みつく。

 

「なんとかなったな」

 

さすがに三連戦は疲れてしまう。

 

一日だけでもとても濃くなっており、地上にたどり着くとすぐにでも倒れそうになる。

 

「おぉ、帰ってきたか、リーダー!!」

 

「リーダー?」

 

「おぉ!!

どう呼ぼうか悩んでいたけど、連さんはリーダーって呼ぶとなんかしっくり来るんだよなぁ」

 

「リーダーねぇ」

 

心の怪盗団時代から、そう呼ばれる事は多かったので、大きな違和感は特になかった。

 

「別に良いぜ、好きに呼んで」

 

「本当かっ、じゃあ、これから頼むぜ」

 

「あぁ」

 

その言葉を聞き取ると共に、俺達は報告を終えて、すぐに喫茶店へと帰る事になる。

 

「だけど、最後の一人、ブラックは今は、どこにいるんだ?」



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EPISOOD05 集うのは6人の騎士

「未だにリュウソウブラックについては本当に謎だな」

 

あれからも多くの転生者や、マイナソー達と戦いを繰り広げていたのだが、その戦いの中でリュウソウブラックが時折助っ人として現れているのだが

 

「実力は高いのは分かるんだけどな」

 

戦闘能力において、リュウソウルを使わない剣術では俺達の中でも誰よりも強かった。

 

あの戦いからして、俺のように銃と一緒に使った戦いではなく、ソーマのような巨大な剣でもなく、忍の使う刀よりもリュウソウケンの方が近い剣を使った経験があるのが分かる。

 

「リュウソウブラック、一体何者なんだろう」

 

「どちらにしても、あいつも見つけないと、これからの戦いは厳しいからな」

 

「あぁ」

 

ここまでは俺達でもなんとか対応する事はできたが、それはガイソーグの襲撃がなかったのも大きな理由だ。

 

奴の正体は未だに不明で、憑かれていた銀からも情報を得ようとしたが、彼女はほとんど覚えておらず、自分が死ぬ直前までしか覚えていないらしい。

 

「とにかくブラックに出会ったら、なんとか話さないと」

 

そう俺達が悩んでいると、急に警報が鳴り響く。

 

「緊急事態だ、ガイソーグが出現した」

 

「またかっ!!」

 

その反応の正体について知ると共に、俺達はすぐに場所について聞き、すぐに駆け付ける。

 

走り、駆け付けた先で待ち受けてたのは、リュウソウブラックとガイソーグが戦っており、ガイソーグはその手に持っている槍で吹き飛ばした。

 

「ぐっ」

 

あまりの衝撃で、リュウソウブラックの変身が解け、そこに現れたのは白髪で白いコートを着ている男が現れた。

 

「無事か」

 

「お前達は」

 

「まぁ反応があったからな。

どうやら、無事のようだな」

 

怪我はなさそうだし、ガイソーグの攻撃を喰らって、変身が解除されただけか。

 

「だが、奴の持っている武器はっ」

 

ガイソーグの武器に見覚えがあるようだな。

 

「知っているのか」

 

「・・・奴が一体誰かは分からないが、何者かは分かる」

 

「どういう事だ?」

 

「奴はおそらくは魔戒騎士。

ホラーから人々を守る為に戦う戦士だ」

 

「という事はお前も?」

 

「俺が魔戒騎士か。

確かにそうだった」

 

「そうだった?」

 

「俺は自分の中にあった狂気に身を任せてっ」

 

その言葉と共に、ブラックの顔はからは確かなる後悔を示していた。

 

「・・・俺も前の世界で間違ってしまった。

だけど、この世界で俺はその間違いと向き合いながら、戦っている」

 

「そんなの、俺だって「違う」っ!?」

 

「今のお前はまるで死ぬ為に戦っているようだ」

 

「そんなのっ、俺はっ、この命で償いをしようと」

 

「だったら、生きろっ!!」

 

「っ!!」

 

俺はそう叫びながら、ブラックの胸倉を掴みながら言う。

 

「命懸けの戦いは良い。

だけどな、命を最初から捨てるような戦いをするのが償いだと思うなっ!!」

 

「・・・まさか、そんな事を言われるとはな」

 

そう言うと、ブラックはゆっくりと立ち上がる。

 

「神牙」

 

「えっ?」

 

「俺の名前だ」

 

「あぁ、そうかよろしくな、神牙」

 

「おい、そんな所でのんびりと話している場合じゃないぞ!!」

 

「良いから手伝ってくれぇ」

 

「わっ悪い」

 

俺達が話している間に、カイゾークと戦っていた4人から文句を言われて、俺達はすぐにリュウソウチェンジャーを取り出す。

 

【ゲボーン!】

 

その音声が鳴るのと同時、俺達の周りにリュウソウルを模した各々の色と同じ人形達が現れ、俺の周りでまるで祭りを行うように囲んでいた。

 

【ワッセイワッセイ!ソレ!ソレ!】

 

そして見計らうように、同時にバイザーを回し、そのまま再度付ける。

 

【リュウソウSOCOOL!】

 

その音声が鳴り響くのと同時に、俺と神牙は同時にガイソーグを吹き飛ばす。

 

「それじゃあ、6人揃った事だし、行くぜ」

 

「そうだな」

 

「既にお決まりじゃな」

 

「なんだ?」

 

その言葉と共に

 

「勇猛の騎士!リュウソウレッド!」

 

「叡知の騎士!リュウソウブルー!」

 

「雄飛の騎士!リュウソウイエロー!」

 

「剛健の騎士!リュウソウピンク!」

 

「威風の騎士!リュウソウブラック!

 

「疾風の騎士!リュウソウグリーン!」

 

「正義に仕えし、6本の剣!騎士竜戦隊!リュウソウジャー!」

 

俺達は構えると、ガイソーグはこちらに構える。

 

「6人揃ったか。

ならば、その力を試させてもらう」

 

その言葉と共にガイソーグは手に持った槍を構えて、こちらに向かって突っ込んでくる。

 

見ると同時にソーマは前に出てくる。

 

【シバリソウル!】

 

その音声と共に、ソーマの腕から茶色の鞭となり、ガイソーグへと向かっていく。

 

ガイソーグが鞭の合間を擦り抜けていき、突っ込んでいく。

 

だが、それを見ると、忍は手に持ったリュウソウルをすぐに取り出す。

 

【サイクロンソウル】

 

その音声が鳴ると同時に、鞭は軌道を変えて、足に絡みつく。

 

「っ!!」

 

「行くぜ、マシュ!!」

 

「えぇ!!」

 

【ハヤソウル】

 

【オモソウル】

 

その音声と共に、不知とマシュは手に持った各々のリュウソウルでガイソーグの動きを封じる。

 

「ぐっ」

 

それを見ると共に、俺と神牙は各々のリュウソウルをリュウソウケンに入れ、構える。

 

【それ!それ!それ!その調子!剣ボーン!】

 

俺は赤いエネルギーが、神牙は黒いエネルギーが剣から溢れ出し、俺達はガイソーグの胴体に向けて、俺達の剣が交差するように切り裂く。

 

「ぐっががぁぁ!!」

 

その一撃によって、ガイソーグは爆発と共に、倒れ、ガイソーグの中にいた人物は倒れた。

 

「ふむ、ここまでとはな」

 

「ガイソーグ!!」

 

ガイソーグはそのまま、遠くで再構成され、その手に持っているのはリュウソウルだった。

 

「お前の目的はまさかっ!!」

 

「前回は失敗したが、今回は上手くいったようだな」

 

その手に持っている物は、リュウソウルだった。

 

「お前達の相手は、また今度だ。

ではな」

 

その言葉と共にガイソーグは手を上に翳すと、そこに現れたのはまるで悪魔を連想させるマイナソーが現れる。

 

「あれは、ホラーっ!!」

 

「マイナソーかよ」

 

それを見つめている間に、ガイソーグの姿は消えていた。

 

「今はあっちだ。

ティラミーゴ!!」

 

『あぁ、分かった!!』

 

「それじゃあ、今回は俺が!!」

 

「えっ不知さん!!」

 

俺の声に合わせるように、不知はリュウソウチェンジャーに手を添えると

 

「タイガランス!!」

 

「あっアンキローゼ!!」

 

その言葉と共に、ホラーに向かって緑色の閃光が走り、その姿を現した。

 

「これが不知の騎士竜」

 

「行くぜ、リーダー!!」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に、ティラミーゴは変形し、キシリュウオーへと変わる。

 

同時にタイガランスも変形し、これまで一つのパーツだけに収まっていた騎士竜とは違い、全体に鎧を身に着けるように装着し、アンキローゼはそのまま右腕にハンマーが先端になるように装着する。

 

そして、俺のリュウソウルが外れ、代わりに不知のリュウソウルが装着される。

 

「完成!キシリュウオー・タイガランス!」

 

完成と同時に、タイガランスの胴体によって完成した槍を構える。

 

「行くぞっ!!」

 

その言葉と共にキシリュウオー・タイガランスはマイナソーに向かって走る。

 

その速さはこれまでのキシリュウオーからは想像できない速さで接近し、手に持った槍で切り裂く。

 

「がああぁ!!」

 

マイナソーはそのまま雄叫びを出しながら、その手から幾つもの紫色のエネルギーを放つが、右腕に装着されているアンキローゼで攻撃を打ち返していく。

 

「これだったら、すぐにいけるぜ!!」

 

「あぁ!!」

 

その言葉と共に槍を高速で振りながら、マイナソーを斬りつけながら、アンキローゼの先端が巨大なエネルギーのハンマーへと変え、マイナソーを空へと跳ぶ。

 

「がぎゃあぁ!!」

 

「とどめだ!!」

 

その言葉と共にティラミーゴ・タイガランスの槍に緑色のエネルギーが集まり、それを振りながら、マイナソーを狙う。

 

「「「タイガーソニックランサー」」」

 

その言葉と共にキシリュウオー・タイガランスは猛スピードで飛翔し、手に持っている槍でマイナソーに一撃を喰らわせる。

 

「があぁあ!!」

 

その一撃を喰らい、マイナソーは雄叫びを出しながら、爆発する。

 

それを完了すると同時に、キシリュウオー・タイガランスは手に持った槍を地面に構える。

 

「なんとか勝てたな」

 

周りを再び見ても既に奴の姿はなかった。

 

「だけど、あいつの目的は少しは分かったよな」

 

「あぁ」

 

ガイソーグは転生者を取り込んで、その力を手に入れる事だ。

 

その背後にある組織については未だに謎だが、これから激しい戦いになる事は間違いない。

 

「だけど、今は」

 

そう言いながらも、下を見つめると、忍にソーマ、そして新しく加わった神牙。

 

それにマシュに不知。

 

なにより響達も一緒に戦ってくれる。

 

「それだけで、なんとかなる気がする」

 

根拠のない自身だが、確かに俺は落ち着きを取り戻しながら、笑みを浮かべる。

 




次回よりいよいよ合同作品として、作品同士の対決が始まります。
投票によって、ストーリーは変わりますので、【転生者を裁く救世主】の方でもアンケートを行いますので、皆様、よろしくお願いします。


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EPISOOD06 隕石決戦

合同作品最初の対決です。
良かったら、どうぞ、そしてアンケートの方もよろしくお願いします。



「宇宙にまでいるとはな」

 

その日、俺達は宇宙へと飛び出し、とある場所へと向かっていた。

 

「本当に、こんな所に転生者がいるのか?」

 

「それは既に地球人でもないと思うが」

 

「宇宙人の転生者か?」

 

「しかも隕石にとはな」

 

そう、先程からの会話の通り、今回の転生者は宇宙に迫りつつある隕石に乗ってこちらに迫っていたのだ。

 

数日前に観測された謎の隕石に疑問に思い、調べた結果によると、転生者の力とよく似た反応があった。

 

隕石を呼び出す特典かと考えられたが、力の大元は隕石内部から観測された為、直接隕石を破壊する為にここまで来ていた。

 

ついでに言うと、俺達が宇宙まで来た方法はキシリュウオーとプテラードルが合体したキシリュウオー・スカイと、その後ろにクリスのミサイルを付けて打ち上げるという、非常識の塊のような作戦である。

 

「もうすぐ目的地だが、馬鹿でかいな」

 

目の前まで迫ると、その大きさはキシリュウオーの数十倍を誇っており、容易な破壊は無理だと思われる。

 

『おい、連。

この隕石の周りには空気があるぞ』

 

「本当か!!」

 

外にいるティラミーゴからの話を聞き、俺達は降り立つと確かに空気があるようで大きく息を吸っても問題ない。

 

「重力がないというのは変な感じだが、問題はなさそうだ」

 

「ティラミーゴ達は俺達が合図するまで、少し離れておいてくれ」

 

『何かあったら、呼べよ』

 

その言葉と共にティラミーゴは遠く離れ、俺達はすぐに隕石内部へと入っていく。

 

中はまるでありの巣のように入り組んでおり、全員で一緒に行動しなければすぐに離れてしまう。

 

「本当にここは転生者が作ってそうだな」

 

「確かにな」

 

通り道では、人間が動くのには丁度良い穴が掘られており、何時何処から的が現れるのか分からないので、油断ができない。

 

「なんか、音がする?」

 

「確かに?」

 

俺達はすぐに音の元へと走ってみると

 

「この集団は一体」

 

「本当に嫌な程の連鎖だな」

 

俺達が目の前に迫っていた星に乗り移ると、そこにいたのは星の内部は既に赤、青、緑の三色が様々に混ざっている怪物とその中心には三色と共に闇色のドレスを身に纏った奴がいた。

 

見ると、見た事のない戦隊それも9人と人数が多い奴らが転生者と戦っていたが、さすがに9人だけで目の前にある空間を覆う程の物量の差で押し切られそうになっていた。

 

「この星がもしも世界にぶつかったら、天地が無くなるだけじゃなく」

 

「こいつらが一斉に動き出すという訳か」

 

ある意味世界の危機とも言える行動に俺達はため息をつく。

 

「本当に世界の危機かよ」

 

「っ!!」

 

その事実を知り、不知とマシュは戦慄しながら、腕が震えている。

 

「何を緊張している。

おそらくだが、世界の危機なんて、これから山程出てくる」

 

「俺達はそれらと戦わなければならない。

それもいつまで続くか分からない程にな」

 

「それでも、皆の笑顔を見たいからやっているけどな」

 

「・・・あぁっそうだよなぁ!!

やってやるぜ!!」

 

その言葉を聞き、不知は自分が弱い気持ちを吹き飛ばすように腕を叩き、マシュも震えながらも立ち上がる。

 

「それじゃあ、行くとするか」

 

その言葉と共にアルセーヌを呼び出す。

 

「奪え、アルセーヌ!」

 

その言葉と共にアルセーヌは手を前に伸ばし、その腕から黒い炎が飛び出し、その場にいた敵を全て燃やし尽くす。

 

「なっこれは闇のエネルギー!?」

 

「ぐっ、なんだっこれは!!」

 

「隊長、あれはっ!!」

 

「アルセーヌっ!!

あのペルソナはもしかしてっ!!」

 

「どうやら、正体不明の奴らはお前達だったとはな」

 

俺の正体もそうだが、隊長と聞き覚えのある声を出すのは、俺が知る限りだと奴らしかないな。

 

そのまま俺は腕を振るうと、炎は晴らされ、同時に俺達は地面にたどり着く。

 

「なんだっ貴様らは!!」

 

「俺達か?

俺達はお前達のような奴らから、人々を守る騎士だよ」

 

「騎士?」

 

「さぁて、行くぜ」

 

その言葉と共に、俺達はリュウソウチェンジャーとリュウソウルを取り出す。

 

リュウソウチェンジャーにリュウソウルを挿入すると、周りにいた奴らは一斉に俺達に襲い掛かる。

 

【ケ・ボーン】

 

だがリュウソウチェンジャーから現れた多くのリュウソウルがそれらの攻撃を防いで、俺達の周りで踊りだす。

 

【ワッセイ!ワッセイ!ソウ!ソウ!ソウ!ワッセイ!ワッセイ!ワッセイ!ソウ!ソウ!ソウ!】

 

「まさか、あいつらも」

 

その音声が鳴る中で、俺達は一斉にリュウソウチェンジャーのバイザーを回す。

 

【リュウSO COOL!】

 

音声が鳴るのと共にリュウソウルが俺達に向かっていき、リュウソウジャーへと変身する。

 

「なんだっ、あの戦隊はっ!!」

 

「僕達が知らないスーパー戦隊!!」

 

「知らないだったら、教えてやるよ!!」

 

その言葉と共に俺達は手に持ったリュウソウケンを構える。

 

「勇猛の騎士!リュウソウレッド!」

 

「叡知の騎士!リュウソウブルー!」

 

「雄飛の騎士!リュウソウイエロー!」

 

「剛健の騎士!リュウソウピンク!」

 

「威風の騎士!リュウソウブラック!

 

「疾風の騎士!リュウソウグリーン!」

 

「正義に仕えし、6本の剣!騎士竜戦隊!リュウソウジャー!」

 

「リュウソウジャー」

 

「騎士だとっ!!

まさか、私の前で騎士が現れるなんてなっ!!

やれっボスキート!!」

 

「ボスキート、人間じゃない奴らも転生した訳か」

 

「油断はできないようだな」

 

「だったら、嵐を巻き起こしてやるぜ!!」

 

その声と共に不知はリュウソウルを一つ取り出す。

 

【サイクロンソウル!】

 

「おらぁ!!」

 

サイクロンソウルを発動させると同時に背中から飛び出したミサイルが一斉にボスキートに向かって襲い掛かる。

 

「なっあれはカグネっ!!」

 

「知っているの?」

 

「あぁ喰種と呼ばれる奴だけが持っているけど、まさかっ奴ら!!」

 

そのままミサイルの煙の中で俺達は走り抜けており、手に持ったリュウソウケンで対抗しながら、ブラックが取り出したのはリュウソウケンとは別の剣だった。

 

「それは確か?」

 

「あぁ俺のもう一つの剣だ」

 

「なるほど」

 

前世の世界で使っている武器だと分かり、二刀流で戦う姿だ。

 

「それにしても、数が数なだけでにやばいな」

 

「あいつが本体だと考えても良いとしたら」

 

「俺達が道を作るとするか」

 

「そうだなぁ!!」

 

その言葉と共に、神牙は手に持ったリュウソウケンと剣を擦らせると、そこに紫の炎が溢れ出し、その炎をデボネアの前にいる全てのボスキートに向けて放った。

 

「行けっ!!」

 

「サンキュー!」

 

俺はそのままできた道を通っていく。

 

「あれはっ」

 

「あれも知っているの?」

 

「あぁもしも正しかったら、あの二人は危ないよ」

 

「止めないとなっ!!

2つに分かれるぞ、俺達はグリーンとブラックをアストルフォ達はデボネア達を」

 

「分かった」

 

「えっ!!」

 

何を言い出すかと思ったら、向こうの9人の内5人はグリーンとブラック達を、俺が戦っているボスキートのボスだと思われるデボネアには4人が来ていた。

 

「悪いけど、僕達も戦わせてもらうよ」

 

「嫌だね、仲間を襲う奴は信用できない」

 

「君は知っていて仲間にしているつもりかい!!

あの二人は危険だよ」

 

「だからなんだよ」

 

「彼らはもしかしたら多くの人を犠牲にするかもしれません!!

それを分かっていて、仲間にするつもりですか」

 

「それがどうした?」

 

俺は奴らに疑問を答えるように手に持ったリュウソウケンで周りにいるボスキートと共に向こうのキュウレンジャー達を吹き飛ばす。

 

「なっこの力はっ」

 

「悪いが、あいつらの過去はお前達程に知らない!

けどな、今を生きているあいつらを信じないで、どうするんだよっ!!」

 

その言葉と共に、俺はあるリュウソウルを取り出す。

 

【ゲッカソウル!】

 

「借りるぜ、ジャークムーン!

『暗黒月光剣 三日月の太刀』」

 

「なっ」

 

その言葉と同時に俺の周りに集まっていたボスキートに三日月状のエネルギー波を敵に向けて撃ち放っていく。

 

周りを囲んでいた全てに対して放っていき、一匹だけ残っているボスキートに向けてリュウソウケンを向けると、ボスキートから光の球が現れ、それを喰らった。

 

「特典を食べた!」

 

「これは」

 

手に持っているのは、ボスキートから出たとは思えないクリアな色になっており、これがボスキート本来の力ではなく、別の力だと思えた。

 

「ボスキートを倒したかっ!!

だが、その程度で「まだ終わっていないからなぁ!!」なに?」

 

俺はその言葉と共に新しく手に入れたリュウソウルをリュウソウケンに挿入する。

 

【グランセイザー!】

 

【装・着!スーパーヒーロー!グランセイザー!】

 

その音声が鳴り響くと同時に惑星の壁の外から光が集まり、俺の右腕には巨大な赤い弓矢が装着される。

 

「あれは、グランセイザー!!」

 

「ぐっ」

 

「なんだか、分からないが、力が沸き上がるぜ!!」

 

「調子に乗るな!!」

 

その言葉と共に赤い稲妻が一斉に襲い掛かるが、俺はすぐにアルセーヌを呼び出すと共にルパンマグナムへと変形させる。

 

同時にルパンマグナムを右腕にある巨大な弓矢に装着させる。

 

【ルパンフィーバー!アン!ドゥ!ドロワァ!】

 

その音声が鳴り響くと同時に弓矢に巨大な赤い矢へと変わり、俺はデボネアに向けて構える。

 

【イタダキ!ド・ド・ド・シューティング!!】

 

「っ!」

 

その音声と共に俺は弓矢を引くと、赤いエネルギーがデボネアの稲妻を全て吹き飛ばすと共に貫く。

 

「なんだとっ」

 

「てめぇの特典、頂くぜっ!!」

 

その音声と共にリュウソウケンを構えると、リュウソウケンの口は開き、彼女を吸い込み、飲み込む。

 

同時にリュウソウルへと変わり、目の前には既に力を失ったデボネアがいた。

 

「怪盗っ!!」

 

「それじゃあ、久しぶりに会ったが、俺達はここで逃がさせてもらうぜ」

 

「決着はついたようだな」

 

「では、グリーン!!」

 

「俺かよっ!!」

 

その言葉と共に不知の背中からミサイルが飛び出し、同時に俺達は飛び上がり、上を見るとティラミーゴが叫んでいる声が聞こえた。

 

「これを使えというのか?」

 

当初は予定通りプテラードルに乗って、退散するつもりだったが、地面を見ると未だに隕石は無くなる雰囲気はなかった。

 

「だったら、ティラミーゴ!!」

 

その声と共にティラミーゴに向けて、手に入れたグランセイザーのリュウソウルを投げると、キシリュウオーへと変形すると同時にリュウソウルが入ると同時に、これまでになかった赤い翼が追加される。

 

「まさか、新しい姿にもなるのか」

 

同じスーパーヒーローでもリュウケンドーにも使えるのか、気になるが、今は

 

「行くぜ、ティラミーゴ!!」

 

「あぁ!!」

 

俺の答えに応えるように、キシリュウオーは構える。

 

そして、その向こう側には俺達とは別のロボットがあり、中心にはキュウレンジャーの奴らがいた。

 

だが今は

 

「争っている場合じゃないよな」

 

それに同意したかどうか分からないが、キシリュウオーの腕に装着されていた弓矢は隕石に向け、向こうのロボットも隕石に向けていた。

 

「キシリュウオー!サジタリウス・ブレイク!」

 

その声と同時に、向こうからも弓矢を模した攻撃が放たれ、隕石を同時に当たり、消滅する。

 

消滅した時の爆風は凄まじく、思わず目をつぶってしまうが、改めて見てみると、そこには隕石は無くなっており、同時に奴らの姿もなかった。

 

「ふぅ、なんとかなったな」

 

「だが、奴らは今後も出てくるだろうな」

 

前に戦った事があるからこそ、奴らの強さを知っている。

 

そして、今度は数は前回の倍以上の9人になっており、他のメンバーがルパンレンジャーになれない事も考えて、俺達6人で戦わなけばならない。

 

さらには向こうが所属している管理局はこちらのSONGよりも所属している職員も多く、数でも不利であり、今後の鍛錬がより必要になっていく。

 

「まぁな」

 

「あいつら、俺達の正体を知っているようだった」

 

「つまりは

 

その言葉だけで二人が思っている事も分かり、向こうは俺達とは違って情報量が多く、俺達の知らない不知と神牙の情報を知っているかもしれない。

 

だけど、今の俺達は

 

「俺達は今のお前達を信じている。

過去のお前達がどうだろうと、今は関係ない。

そうだろ」

 

「・・・はぁ、まったく」

 

「そうか」

 

その言葉を聞き、神牙は少しため息をついたようだが、今は地球へと帰る事に集中しよう。

 

「それにしても、あいつらからは」

 

「あぁお前達が危険だったけど、それがなんだ?」

 

「ふぅ、いやなんでも」

 

そう言うと神牙は目を伏せていた。

 

「・・・もしも間違えた時には、俺達が絶対に止めてやる。

だから、お前も俺達が間違った時は、頼むぜ」

 

「・・・あぁ」

 

その答えを聞き、少しは落ち着きを取り戻したように神牙は目の前の光景に目を向ける。

 

俺も、俺達の帰りを待っている人達の元に戻る為にキシリュウオーを動かす。



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EPISOOD07 出現、謎の組織

今回は肘神さまが出された転生者を採用させて頂きました。
これからもよろしくお願いします。


前回の隕石の事件から時が経ち、各々が様々な仕事をしている時、俺は特にやる事もなかったので、喫茶店で店番をしていたんだが

 

「うえぇん、助けてください連君!!」

 

「どうしたんだ?」

 

喫茶店で仕事をしていると、いきなりドアを開いて入ってきた響は何やら困っている様子だが

 

「夏休みの仕事が終わらないよぉ」

 

「がんばれ」

 

その一言と共に、俺は仕事を再開した。

 

「ひっ酷いよぉ!!

あんなに苦楽を共にしたじゃない!!」

 

「時には仲間の為に冷たくするのも、仲間の務めだ、諦めろ」

 

そう言いながら、俺はとりあえずは響が宿題を行いやすい席へと案内して、しばらくは様子見を行いながら、過ごしていた。

 

「それにしても、よくここまでため込んだものだな」

 

「うぅ、だって夏は色々あったんだもん。

連君が同級生だったらなぁ」

 

「そんなの言われても、俺は二度目の高校生活なんて、望んじゃいないからな」

 

「それはそうだけど。

あれ、そういえば、連君」

 

「なんだ?」

 

「それだと連君は転生者になるよね」

 

「どうだろうなぁ」

 

ルパンレンジャーとなって戦った時は確かに記憶を無くしており、戦いをとして記憶を取り戻したので、転生者というのは間違いない。

 

だがよくよく考えてみれば、この世界での俺はペルソナ能力に目覚めなかった場合の俺で、この世界と俺の元の世界は既に完全に融合した新世界になっているので全然違う世界という訳で

 

「まぁ難しい事はどうでも良いか」

 

「うわぁ、丸投げだぁ」

 

そう言いながら、ふとした疑問を呟いていると、バンっとドアが開く音がした。

 

「こんな所にいやがった!!

 

「連!!

さっさと来い、転生者が暴れているぞ!!」

 

「えぇ嘘、だったら「アタシ達は別件だ!!さっさと来い」えぇ!!」

 

突然店にやってきたソーマとクリスに連れられて、それぞれの仕事場へと行く事になった。

 

「一体どういう事だ?」

 

「こっちは転生者関係で、向こうは少し国的な関係だ。

あいつらが行っている間の日本の守りを任された訳だ」

 

「へぇ、そうか。

でも響って、確か宿題が「さぁな、そこは管轄外だ」はぁ、帰ってきたら、少しは手伝ってやるか」

 

少し響が可哀想になった事もあって、彼女を応援する事を含めてため息を尽きながら現場にたどり着くと

 

「寒っ!」

 

「あいつらの仕業」

 

そう言うと、街の真ん中で暴れているのは何やら派手なメイクをしている少年と、厚化粧をして痛々しい恰好をしているおばさんがいた。

 

「なんだい、ここの奴らは結構弱いねぇ、ギロム!」

 

「あぁ本当だなぁ、姉ちゃん!!」

 

「なんだ、あいつら」

 

「さぁな」

 

見ている限りだと、奴らは氷を操っているのは一目瞭然であり、これまでにない程に氷を操っている。

 

「うわぁ、なんだよ、この状況は」

 

「おぉやっと来たぜ、姉ちゃん」

 

「あんたらがキシリュウジャーかい?」

 

「お前は」

 

「ふっ無知なのは気の毒だね。

だったら自己紹介をするよ、私は世界で一番美しい女ラプンチェル」

 

「えぇ」

 

ラプンチェルって、確か童話で出てきた主人公の名前だよな。

 

とてもではないが、美しいとは言えず、さらには性格によって、これまで見た中でも一番のブスに見えてしまう。

 

「俺はギロムだぜぇ」

 

「・・・こいつらのいた世界は一体どうなっているんだ?」

 

「多分悪人だな」

 

目の前で行われている残虐な行為も含めて、そう予想するのは簡単だ。

 

「許せねぇ、さっさと片付ける」

 

「それには賛成だが、今回は俺一人でやらせろ」

 

「できるのか?」

 

「ちゃちゃっとな」

 

【ゲボーン!】

 

【ワッセイワッセイ!ソレ!ソレ!】

 

「余裕ぶっている奴だね、まずはお前から始末するよ、行くよギロム!」

 

「あぁ姉ちゃん!!」

 

そして見計らうように、同時にバイザーを回し、そのまま再度付ける。

 

そして、その合間を縫うように二人が手を合わせて放ったのは、俺よりも遙かに巨大な雪玉が目の前まで迫っていた。

 

【リュウソウSOCOOL!】

 

「雨宮さんっ!!」

 

俺を心配してか、マシュが叫ぶが

 

「なっどうなっていがるんだ!!」

 

「私達二人の力を合わせたはずの一撃をなぜ貴様は平気なんだ」

 

俺は無傷の状態で、その場で立っていた。

 

それには、忍とソーマ以外は驚いた様子で、見つめていた。

 

「どうなっているんだ!?」

 

「これのおかげ」

 

そう言い、俺は後ろに指をさすと、そこにいるのは俺よりも遙かに巨大な王冠を被った雪達磨が存在し、先程から全ての攻撃を全て吸い取っている。

 

「なっなんだよ、あれは!?」

 

「そう言えば、お主らには説明していなかったな」

 

「能力?

それって確かアルセーヌの事じゃないのですか?」

 

「まさか、あれもアルセーヌなのかっ!!」

 

「そうであって、そうじゃない。

奴の能力、それは」

 

「ペルソナ、俺の能力だよ」

 

「だけど、それがどういう事なんだよ!!」

 

「こいつはキングフロストと言ってな、全ての氷の技を吸い込む事ができるペルソナだ。つまりは、お前らのご自慢の氷は全部無駄なんだよ」

 

「だったら、下がってて、ギロム!!

ネイチャーアーム、ヘアマスター!!」

 

そう言い、自身の髪を伸ばして、こちらに向けて一斉に襲いかかってくるが

 

「ふっ」

 

だが、その軌道は非常に読みやすく、リュウソウケンでラプンチェルの髪を根元から切り裂いた。

 

「結構うざいから、全部カットさせてもらった」

 

「なっ」

 

「まぁこれぐらいは当たり前だろうな」

 

「お前ぇ「マハブフダイン」」

 

奴らがこちらに何か言おうとした瞬間、俺はキングフロストに指示を出すと、二人は一瞬で氷の中へと閉じ込める。

 

「ここまで、とんでもないのかよ」

 

「ペルソナ使いの中でも強力なワイルド。

雨宮はその一人だからな、これぐらいは当たり前にできる」

 

【それ!それ!それ!その調子!剣ボーン!】

 

そう、俺の説明を言い終えると共に、合図をするように俺はリュウソウルをリュウソウケンに入れ、同時に氷の中に閉じ込められる二人に向けて切り裂く。

 

切り裂かれた二人はそのまま地面へとめり込むように倒れ、二人からリュウソウルを手に入れる。

 

「V」

 

俺はとりあえず勝利できた事を知らせるように、皆に向ける。

 

「なるほど、奴が言うだけの事があるワケダ」

 

「あの二人、性格はともかく、強さは結構あったはずなのにねぇ」

 

「だが、あの程度ではこれが限界か」

 

「誰だ?」

 

後ろから聞こえてきた声に振り向くと、そこには3人の女がいた。

 

3人共、バラバラな恰好をしているようだが、ギロム達を知っている事もあって、転生者関係だと考えれば良いと思うが

 

「転生者という訳ではなさそうだな」

 

「えぇ、私達はもとからこの世界に存在する者。

だけど、貴方達とは敵対している関係よ」

 

「お前達も我々の事を知っているワケダ」

 

「知っている?」

 

「もしかして」

 

「パヴァリア光明結社!!」

 

「その通りだ」

 

その言葉を聞くと共に、真ん中にいたリーダーらしき人物が取り出した銃をこちらに向けると一斉に放った。

 

警戒してしまったが、その銃弾は俺達ではなく倒れている二人に当たった。

 

「お前っ!!」

 

「慌てるな、お前達と戦うのはまたの機会だ」

 

「今回は、貴方達の力を見るつもりだったけど、本当に厄介な奴も分かったから良しとするわ」

 

「またの機会に」

 

その言葉と共に3人の姿は消えてしまう。

 

同時に背後にいた二人から奇妙な力が溢れてきた。

 

「まさかっ」

 

「マイナソーかよっ!!」

 

それに合わせるように、二人からあふれ出した緑色の液体はまるで一体の生き物に合わさり、現れたのは氷の巨人がその姿を現した。

 

「マイナソーだったら、ティラミーゴ!」

 

「だったら、トリケーン!」

 

「アンキローゼ!」

 

「プテラードル!」

 

「えっ4人、だったら」

 

「さすがに定員オーバーだ。

俺達はこいつらを運ぶぞ」

 

「そんなぁ」

 

そう言っている間にも、ティラミーゴがこちらに走ってくると、それに合わせるように空からはプテラードル、地上にはアンキローゼとトリケーンが来てくれた。

 

「せっかくだ、これを試してみるぜ!!」

 

そう言い取り出したのはリュウケンドーソウルを取り出し、投げると、リュウケンドーソウルはティラミーゴと合体すると、共に全ての騎士竜が反応した。

 

肩と籠手として、トリケーンとアンキローゼの二体が合わさり、背中にはプテラードルが合体する。

 

それが終えると共にティラミーゴの頭が外れ、そこには変わりに青いライオンの顔が現れ、ティラミーゴの頭から巨大な剣が現れ、それを握る。

 

「「「「完成!キシリュウオー・リュウケンドー」」」」

 

その言葉と共に、剣を構え、合体を終えて、構えると同時にマイナソーがこちらに向けて氷のつぶてを放ってくる。

 

キシリュウオーになった事で、ペルソナの効果を発動する事はできなくなったが、剣と一体化しているティラミーゴの叫び声と共に瞬く間に吹雪は押し返される。

 

「っ!!」

 

「すっ凄いです、このキシリュウオー!!」

 

「あぁ、だけど」

 

そう言っている間にトリケーンが装着していた方のパーツが電流が走ると共に外れてしまう。

 

「活動時間には限界があるようじゃな」

 

「一気に決めるしかなさそうだな!!」

 

その一言と共にキシリュウオーはマイナソーに向かって走り出し、トリケーンが外れた場所に剣を装着する事で楯の状態に変えて、攻撃を伏せながら一気に近づく。

 

マイナソーから放たれる吹雪を防ぐ事は容易く行えるが、時間が経つ度に様々なパーツ部分に電流が走り、活動限界が迫る。

 

だが、その活動限界前にキシリュウオーのパーツのほとんどが取れ、残るは剣だけになった所で、マイナソーが目の前に来る。

 

「ファイナルブレイク!魔弾斬り!!」

 

その一言と共に、キシリュウオーは手に持った剣に青い光を纏わせると同時に切り裂く。

 

たった一撃だけ喰らうと、マイナソーの身体は真っ二つに切り裂かれ、同時に爆発する。

 

「まさか、ここまでとはな」

 

「果たしてリュウソウルが違うとこうなるのか、それとも」

 

リュウソウルの中でも異質な二つだけなのか、未だに謎は残っている。

 

「それよりも響達にこの事を知らせないと」

 

「あぁ」

 

これまで謎に包まれたパヴァリア光明結社についての報告。

 

それが、これからの戦いをより激戦な物へと変化する事を、俺達はまだ知らなかった。

 




キャラクターファイル

雨宮連
今作の主人公。
元はペルソナ5の主人公だったが、別ルートに進んだもう一人の自分によって、記憶を無くし、世界をさまよう事になってしまう。
そんな中で出会った石堂によってルパンレンジャーとなり、数々の出会いを通し、成長し、やがてもう一人の自分を倒す事に成功した。
今はリュウソウジャーとなって、世界の平穏を守っているが、彼自身はまだ知らない因縁が何かあるようだ。

リュウソウレッドとしての戦闘能力は万能型である。
怪盗として素早い動きと騎士としての力強い戦い方が合わさった事により、様々な状況に対応できる。
またリュウソウジャーの中でも雨宮だけが持っているペルソナ能力は様々なペルソナを召喚する事ができ、状況に応じて、有利な戦い方ができる。


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EPISOOD08 炎の騎士竜

オリジナル騎士竜を募集しています。
元ネタが恐竜以外にも、虫や魚などを恐竜として騎士竜として出しても問題ありません。
こちらまでよろしくお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=215864&uid=45956


「そちらにも来ていた」

 

「という事は」

 

「あぁ俺達の所にも出てきた」

 

俺は現在、携帯で海外で活動している響から連絡を受けていたが、どうやら俺達と接触した奴らと同じ連中と響達も接触したらしい。

 

奴らの持っているテレポートジェムはどういう仕組みなのか未だに謎が多いが、組織についても謎が多い為、移動での時間短縮はおそらくは可能だ。

 

「錬金術師と転生者。

これは厄介だ」

 

響達から聞いたフィーネと呼ばれる人物、それに加えて俺達が直接戦ったキャロルもそうだが、錬金術師というのは巨大な力と知識を持っている。

 

そいつらが組織として集まっており、さらには種類が豊富な特典を持った転生者がいれば、その脅威は火を見るよりも明らかだ。

 

「それにガイソーグ、本当に」

 

何が起きているんだ。

 

そんな疑問が絶えなかった。

 

「大変です!!」

 

「んっどうしたんだ?」

 

「とにかく、これを」

 

俺が悩んでいると入ってきたマシュが取り出したスマホを見てみると、そこにはこの周辺が大火事になっている情報が映し出されていた。

 

「なんだ、この規模はっ!!」

 

しかも、それはビルが幾つも燃えており、燃え始めたのは、なんと火がなかった所から、たった一時間でこのような状態になっている。

 

「ガス爆発という訳でもない。

もしかしたら」

 

「転生者の可能性が」

 

「あぁ、ソーマ達は」

 

「既に現場に」

 

「それじゃあ、行くか」

 

その言葉を聞き、俺達はすぐに現場へと向かう。

 

周りは火によって包まれていた。

 

「とりあえずは、行くぞ」

 

「はい!!」

 

【ゲボーン!】

 

【ワッセイワッセイ!ソレ!ソレ!】

 

燃え盛る炎の中で俺達は炎の先に何か確認するように見つめながら、バイザーを回す。

 

【リュウソウSOCOOL!】

 

「まずは火事をどうにかする為にも、使うか」

 

そう言うと、俺は一つのリュウソウルを取り出し、リュウソウケンに入れる。

 

【コゴエソウル!リュウ、ソウ、そう、そう!この感じ!コゴエソウル!】

 

その音声と共に俺は剣を突き刺すと、周りに燃えている炎は瞬く間に凍るとマシュはすぐに燃えていた炎の中で、救助する人がいないか探し出し、救助していく。

 

「無事ですか?」

 

「あっあぁ」

 

「何が起きたんだ?」

 

「わっ分からないっ!!

突然火が燃えて」

 

そのまま混乱したのか、救助した人は気絶してしまう。

 

「一体何が」

 

「これはっ!!」

 

「おい」

 

「皆も来ていたのか、この状況は?」

 

「さあな、でもここまで派手に動いたおかげで、犯人は早く来たようだぞ」

 

「なに?」

 

疑問に思うよりも先に、凍っていた炎が再び燃え始めて、見ると炎がまるで蛇のように動き始めた。

 

「うわぁ」

 

「炎を操っているだとっ!!」

 

周りに燃え広がっている炎はまるで生き物のように動いており、切り裂いても炎なので消え去る事はできない。

 

「どっか水はないのか!?」

 

「あったとしても、この炎を消すのは不可能です」

 

「その通りだ」

 

「まさかっ」

 

突然聞こえた声に驚き、見ると炎の中から出てきたのはポリゴンのような黒い鎧を身に纏っており、口のような目のようにも見える白い紫色の奴が出てきた。

 

「てめぇが、この火事を引き起こしたのかっ!!」

 

「だとしたら?」

 

「なんでこんな事を」

 

「燃やしたかった、それだけだ」

 

「はっ?」

 

言っている事が理解できずに思わず呆けた声を出すが、奴はそのまま何か怒り狂ったように大きな声を出す。

 

「それだけだっ!!

全部燃えろ、燃えろ、燃えろっ!!」

 

「おい、あいつは一体どうなっているんだっ!?」

 

「特典に取り込まれたか」

 

「特典に?」

 

「あぁ余りにも強すぎる特典はその本人に強い影響を受ける。

そして相性が悪ければ、本人の性格とは関係なく暴走する」

 

「つまり、あの人は」

 

「特典に操られている状態だ」

 

皮肉な事にルパンレンジャーとしての活動を行っている間に戦ったほとんどの転生者達は支配欲が強い事や、ギャングラーによる洗礼なのか暴走はほとんどなかった。

 

「だったら、あの人の意思とは関係なく」

 

「と言いたいが、おそらくは本人も知らない部分だろうな」

 

人間というのは自分の知らない黒い感情を持っている。

 

それが暴走した状態が目の前にも該当している。

 

「だったら、早く特典を奪わないと、あいつは」

 

「あぁ、さっさと止めるぞ!!」

 

その一言と共に俺達は転生者の元へ走り出した。

 

奴はそのまま周りにある炎に手を伸ばすと炎はまるで蛇のような形へと変わるのと同時に俺達に向かって襲い掛かる。

 

「防御するな、そのまま突っ込めっ!!」

 

下手に防御を行えば、形を変える事のできる炎によって拘束される事は分かる。

 

なので、ここからは避ける事だけを考えての行動しかない。

 

「燃えろ燃えろ燃えろっ!!」

 

その咆哮と共に、次に手を伸ばした時に現れたのは巨大な棒だった。

 

そのまま棒を持ちながらこちらに突っ込み、攻撃を仕掛ける。

 

「攻撃しにくいなっ!!」

 

「しかも、応用性も高すぎるだろっ!!」

 

実際に目の前で暴れている奴の能力は炎を操るというシンプルな能力だが、特典に支配されているからか、特典自身が知っている方法でこちらを攻め込んで来る。

 

変幻自在に変わる武器に、無数に襲い掛かる炎。

 

「だったら、ジャック・ランタン!」

 

そう言い、俺はペルソナであるジャック・ランタンを呼び出し、炎を吸収するが、目の前にいる奴はそれを狙っていたように炎の蛇をこちらに向けて放つ。

 

「っ!!」

 

「リーダーっ!!」

 

「どういう事だっ!!」

 

「まさかっ!!」

 

「瓦礫っ!」

 

奴は炎の蛇の内部に潜ませていた瓦礫でこちらに攻撃を仕掛けてきた。

 

おかげで、俺は遠くまで吹き飛ばされ、炎の中へと閉じ込められた。

 

すぐに脱出する為にペルソナチェンジを行うとしたが、炎は絶え間なくこちらに攻撃を仕掛けてくる為、ペルソナを変えるのと同時に身体が炎に包まれてしまい、終わりだ。

 

確かにペルソナは変えれば、それに対応した属性の攻撃に対して有利に働く事ができるが、奴はそれを熟知したうえで対策として炎の中に瓦礫を混ぜて仕掛けてきた。

 

シンプルだからこそ、その応用性が分かる。

 

シンプルだから、その弱点も分かりやすく、それを補う方法も思いつく。

 

「これは、下手な強力な能力よりも厄介だな」

 

そう言いながら、俺は立ち上がる。

 

『汝に問う』

 

「あぁ?」

 

そんな炎の中で突然聞こえてくる声に驚きながら、俺は周りには炎しかなかった。

 

『汝は、なぜ奴は暴れていると思う?』

 

「さぁな、それは知らない」

 

『ならば、止める権利はお前にはあるのか?』

 

「そんなのは知らないよ」

 

『無知だと思わないのか?』

 

「まぁな、けどそれで止まる理由になるのか?」

 

『というと』

 

「確かに俺はあいつがなぜ暴れているのか分からない。

特典で暴れているだけかもしれないし、奴の中にある因縁みたいのでやっているかもしれない。

けどな」

 

そう言いながら、周りで燃え盛る炎を見つめる。

 

「これが奴の中にある悲しみだって言うんならば止めたい。

まぁ俺の自己満足な行動だ」

 

『なるほど、貴様は馬鹿だな』

 

「まぁな」

 

『だが、見捨てる冷徹な奴よりは気に入った』

 

「んっ?」

 

どこから聞こえた声と共に後ろから何かの足音が聞こえ、振り向くとそこに立っていたのは、その身を炎に包み込んでいる騎士竜がいた。

 

「お前は」

 

『我が名はディメボルケーノ、炎を司る騎士竜だ』

 

その言葉と共に、ディメボルケーノから放たれた炎は俺の手元に来ると、その形は一つのリュウソウルへと変わり、収まった。

 

『メラメラソウル、我の力を込めてある』

 

「だったら、ありがたく使わせてもらうぜ」

 

そう言うのと同時にメラメラソウルをリュウソウケンに入れる。

 

【強!リュウ!ソウ!そう!この感じ!メラメラソウル!】

 

その音と共に、俺の身体は炎が纏うのと同時に、炎は形を変える。

 

そこには炎を模した鎧があり、その先には先程現れたディメボルケーノを模した顔があった。

 

そのまま俺は横へと切り払うと、先程までこちらに襲っていた炎は全て消え、代わりに俺の身体へと吸い込まれていく。

 

「これが、メラメラソウルの、ディメボルケーノの力!!」

 

そう言いながら、炎を切り払いながら、皆の元へと戻ってくる。

 

「えっりっリーダー!!」

 

「やっと戻ってって」

 

「なんだ、その姿は」

 

「あぁ少しな、力を借りている」

 

「あそこから戻ってきた程度で、調子に乗るな!!」

 

そう言い奴は炎を溜めてこちらに放っていくが、すぐに炎をリュウソウケンで斬ると、炎は真っ二つに斬れ、その中にあった瓦礫は粉になって消える。

 

そして炎はそのまま拡散する事なく、俺の元へと吸収される。

 

そのまま無言で手に持ったリュウソウケンを構えながら、目の前にいる転生者を睨む。

 

「炎が、ふざけるなっ!!」

 

その言葉と共にこちらに向けて炎を放ってきたが、俺はゆっくりと前に進みながら転生者に近づく。

 

放たれた炎は俺に直撃したが、まるでダメージがないように散らばり、全ての炎が俺が装着しているアーマーへと吸収されていく。

 

「炎が、連にっ!!」

 

「どうなっていやがるんだ!?」

 

『炎の力を身に纏う事ができる力、それがメラメラソウルだ』

 

「この声って!!」

 

突然聞こえてきた声に驚き、俺以外の全員が声の主を見ると、そこには炎を身に纏った騎士竜がそこに立っていた。

 

「あれはまさか、騎士竜なのか!?」

 

『その通り、我が名はディメボルケーノ

我は炎を操る事ができる騎士竜、そして今の雨宮は』

 

「その炎を操る事ができる、つまりは」

 

「あの転生者にとってはまさに天敵っ!!」

 

「ふっふざけるなぁ!!」

 

その言葉と共に、身体が出てくる炎はまるでポリゴンのように変わっていき、そこには巨大な剣を作り出し、襲い掛かってくる。

 

激突する炎による剣は周りを炎の海に変えながらも続いていく。

 

「燃やすんだよっ!!

何もかも、全部!!」

 

「燃やして良いのは魂だけなんだよ!!

止めてやるよ、てめぇの憎しみの炎を全部!!」

 

その一言と共に、俺は転生者を蹴り上げると同時に片手に召喚したルパンマグナムを構える。

 

「とどめだ」

 

「ぐっ!!」

 

そのまま俺はメラメラソウルを取り出し、ルパンマグナムの上の部分に連結させる。

 

元々ルパンマグナムはVSチェンジャーと合わせる事ができる事もあり、アルセーヌが変形した事もあり、この部分をリュウソウルに合わせる事も可能になっている。

 

【メラメラフィーバー!】

 

その音声が鳴り響くのと同時に俺のアーマーからこれまで貯めてきた炎が一気に出てくるのと同時にルパンマグナムの先端にはディメボルケーノの頭を模した炎が形成されていく。

 

【メラ!メラッ!メラッ!!メラメラシューティング!】

 

その音声が鳴り響くのと同時にルパンマグナムの引き金を引くのと同時にディメボルケーノの咆哮と共に転生者に向けて放たれる。

 

「ぐっ!!」

 

すぐに目の前で炎の壁を形成するも、瞬く間に燃えると同時に転生者から出てきた特典が上に浮かび上がると同時にディメボルケーノがそれを喰らった。

 

「ここは」

 

「お~い、大丈夫か?」

 

「あっあぁ。

ここは、あれ、俺死んだはずじゃあ」

 

「覚えているか?」

 

「それが、死んだ後の事は、でも」

 

「でも?」

 

「なんかキノコみたいな奴が、俺に何かを」

 

「死人を利用した訳か」

 

胸糞悪い話だが、それ以上にキノコみたいな奴?

 

「敵はガイソーグや錬金術師だけじゃない」

 

これまで見た事のない奴の情報があるとしたら

 

「俺達は未だに戦いすら、始まっていないのか?」

 




???
元ネタ:プロメア
生前はバーニッシュと呼ばれる炎を操る超能力を持っていたが、とある実験で死亡した。
その後、謎の存在によって暴走する。


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EPISOOD09 新たな合体

新しく募集をしております。
皆様の応募、お待ちしています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=217055&uid=45956

また、このSSや他のSSでの挿絵も募集しています。
皆様、よろしくお願いします。


俺達は、現在いるのはS.O.N.Gが管理している病院にいた。

 

というのも、今回の転生者に気になる事を言っていたので、聞く為に来たのだが、特典を与えたという謎の存在についてを聞いていたのだが、やはり記憶に関してはこちらが有利になる情報は消されていた。

 

これまでの転生者達もそうだが、この施設に連れてきた転生者のほとんどは記憶を無くしており、生前の記憶もほとんど残っていない。

 

その為、この病院である程度のリハビリや社会生活の保証など様々な事を行っている。

 

「ギャングラーではない転生者達の共通点の他にだが、ガイソーグの目的は」

 

転生者の力を取り込む目的については未だに分からないが、このままガイソーグが力を取り込むのを放っておいて良いのか、どうか。

 

「なんじゃ、考え事か?」

 

「まぁな」

 

「考え事とは、なかなかに余裕じゃな」

 

「別にそういう訳じゃないが」

 

現在、俺達が向かっているのはとある森の中だ。

 

今回は俺達の協力者の一人であり、ソーマの父親から、なんでも騎士竜の遺跡が発見され、その遺跡の近くから騎士竜らしき影を見つけたとの報告を受け、街の守りをマシュ達に任せて、俺達はその遺跡に向かっていたのだが

 

「本当にここなのか?」

 

「あぁ、親父の情報が間違いがなければな」

 

その日、俺達はソーマに連れられ、ある場所へと向かっていた場所、それは琵琶湖だった。

 

琵琶湖に出現した遺跡という事で普通は話題になるはずだが、その遺跡は通常では見つかりにくく、危険な罠があるという事で一般では侵入は禁止になっている。

 

「しかし、本当にここにいるのか?」

 

「・・・間違いないようじゃな。

お前達には聞こえないようだが、気味の悪い音で儂らを追い出そうとしている奴がな」

 

「なに?」

 

「どうやら、ようやく僕達の力を使いこなせそうな人達が来たね、相棒」

 

その言葉と共に飛び出たのは俺が知る限りだとパラサウロロフスに似ており、背中に様々な音を発生すると思われる背びれに角から、その音を出しているようだ。

 

「・・・うん」

 

その後ろの琵琶湖から出てきたのは首長竜なのか巨大な顔をこちらに向けており、その顔はまるで槍のように鋭かった。

 

「お前達は騎士竜なのか?」

 

「そうだよ、僕の名前はパラサウンド、こっちは相方のエラスピア」

 

「2体の騎士竜が一緒にいたとはな」

 

「騎士竜も色々といるんだ。

様々な方法でこの世界を守るのが、僕達の役目なんだ」

 

「それは知っているけど、どういう基準で選んでいるんだ?」

 

「僕達が認めた戦士」

 

「ぶっちゃけ、相性が良いと思った人だね」

 

なっなんと、曖昧な決め方なんだ。

 

「幾ら力が強くても、信頼できる相手じゃないとね」

 

「なるほどね」

 

ようするに、彼らは本当に一緒に戦える相手を相棒にしている訳か。

 

「それじゃあ、ディメボルケーノもか?」

 

「あの一番に人間と一緒に戦いそうにない彼がか!!

なるほど、確かに面白そうだなぁ」

 

そう言い、俺を二匹を見つめた後、各々がソーマと忍を見つめていた。

 

「そうなったら、僕達は」

 

「うん、ディメボルケーノが認めた君の仲間と一緒に戦うよ」

 

「ほぅ、儂らはおまけ扱いか」

 

「だが、後悔はさせないがな」

 

その言葉と共に各々の騎士竜から光が現れると共に、その光はそのままリュウソウルへと変わった。

 

「まったく、せっかくの騎士竜がいたって聞いたのに、もう先回りされたのかよ」

 

「お前は、なんだ?」

 

いきなり声が聞こえたので見てみると、なにやら緑色のキノコみたな奴が出てきたが

 

「あれって、確か証言にいた」

 

「どうもぉ、俺はクレヨン、まぁ今は変体野郎の下で働いているけどね」

 

「お前達は一体」

 

「ちょ辞めろよ、今日は騎士竜をゲットしにきただけなんだから。

まぁ失敗したようだけど」

 

「だったら、俺達に付き合ってもらおうか」

 

俺達はそのままリュウソウケンを取り出す。

 

「いやいや、お前達の相手は、こいつだよ」

 

そう言うと、クレヨンが指パッチンすると、後ろから出てきたのは巨大な炎と共に出てきたのは前回の転生特典と瓜二つの姿だったが

 

「マイナソー!?」

 

「そう、このバーニッシュ・マイナソーで、とりあえずは全部燃やさせてもらうぜぇ!

じゃあなぁ」

 

そう言い、クレヨンはその姿を消した。

 

「あぁ、あの野郎!!」

 

「ちっ、とりあえずはあのマイナソーから片付けるか!!

 

その言葉と共に俺達はリュウソウチェンジャーにリュウソウルを入れる。

 

「「「リュウソウチェンジ!」」」

 

【リュウソウSOCOOL!】

 

その音声と共に、俺達はリュウソウジャーへと変身を完了すると同時に後ろにいるパラサウンドとエラスピアの他に、俺が呼び出したティラミーゴとディメボルケーノが走ってくる。

 

「あっお前達は」

 

「ここにいたのか?」

 

「旦那にディメボルケーノ!!」

 

「本当に仲間になっていた、凄い」

 

「なんだか、馬鹿にされているような」

 

「とにかく、合体だ!!」

 

その一言と共にティラミーゴが走り出すのと同時に、ディメボルケーノは走り出すと、頭部が外れると共にキシリュウオーへと変形した胸部分に装着される。

 

そのままエラスピアは変形し、右腕に装着されると腕と一体化になった巨大な槍へと変わり、パラサウンドはそのまま変形し、左腕は巨大な盾になり、そのまま左手はティラミーゴの頭が装着される。

 

そうして、残りのパーツはキシリュウオーは背中に装着され、新たな姿へと変わる。

 

「誕生、キシリュウオー・ドライブ!!」

 

その声と共にキシリュウオーの周りには炎や水や風が現れながら、エラスピアに全てが集まるのと同時に振り払い、現れる。

 

「これは、凄まじい力だなっ!?」

 

「あぁ、この前のリュウケンドーと同じか、それ以上じゃないかっ!?」

 

「あぁ」

 

キシリュウオーはこれまでにない力を感じ、目の前にいるバーニッシュ・マイナソーに向けて槍を構えながら走り出す。

 

パラサウンドから出てくる突風により、瞬時に近づくと共に突き刺すように迫るとバーニッシュ・マイナソーはそのまま手に広げた炎を盾に攻撃を防ごうとする。

 

だが、槍から放たれる水を纏いながら突き刺した事によって事により、炎は瞬時に蒸発し、蒸発した蒸汽を振り払うと共に攻撃を行っていく。

 

炎と水のぶつかり合いは、街の中を瞬く間に煙に覆われている。

 

「だが、燃やさせるかよ!!」

 

そう言いながら、キシリュウオーの左腕から出てくる風と共にエラスピアの水を周りに散らしながら、消火を行っていく。

 

そして、正面から受けるバーニッシュ・マイナソーの攻撃は、ディメボルケーノの力である炎を吸収する力でキシリュウオーの力を高めていく。

 

「一気に決めるぜ!!」

 

その言葉と共に、後ろへと下がるのと同時に槍から炎、水、風のエネルギーを使い三角形のエネルギーをキシリュウオーの前に出す。

 

「「「キシリュウオー!カイザー・D・フラッシュ!!」」」

 

その言葉と共に、ティラミーゴの頭を突き出すと、そのエネルギーが目の前にいるバーニッシュ・マイナソーを包み込むのと同時に槍で一振りするのと同時に、今度こそバーニッシュ・マイナソーは無くなる。

 

同時に剥き出しになっている特典に向けて、ティラミーゴは大きく口を開き噛みつくと、特典を今度こそ飲み込む。

 

「今度こそ、倒せたようだな」

 

「あぁ、にしてもクレヨンなぁ」

 

見た目からして、明らかに人間ではない事や転生特典を与えてマイナソーにする事以外はまるで謎の存在である。

 

「とりあえず、新しく騎士竜が仲間に成功する事ができて、良かった」

 

未だに、この先で、何が起きるか分からない以上

 

「戦い続けるしかなさそうだな」



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EPISOOD10 最強の黄金

「いよいよ、明日か」

 

マイナソーを作り出した存在との接触から数日後、響達が日本に帰ってくる事が聴かされ、待っていた。

 

これまでの情報もそうだが、錬金術師についての情報も統合して、これからの対策についてを話したかった。

 

「そう言えば、向こうでも騎士竜を発見されたらしいぞ」

 

「なに!?」

 

そのことについては、俺は思わず起き上がって、ソーマに迫る。

 

「どうやら向こうでヨナルデパズトーリとの戦いで出てきたらしい」

 

「・・・なんか噛みそうな名前だな」

 

思わず言ってしまうが、それでも新たな騎士竜が仲間になってくれたのは嬉しい。

 

「そう言っている間に、どうやら転生者が出てきたぞ」

 

「まったく、こういう時に」

 

俺達はすぐに駆け付けると、そこにはまるで黄金に輝く球体が街を囲んでいた。

 

「まったく、転生者達の能力は本当に」

 

「とにかく行くぞ」

 

俺達はその言葉と共に結界の中へと入り込む。

 

結界の中はまるで桜の花びらで覆われており、街の中を歩いている。

 

「一体何が起きているんだ、この空間は」

 

「なるほど、お前達がリュウソウジャーか」

 

この空間について話していると、何やら声が聞こえ、その方向を見てみると、まるで平安時代の貴族のような恰好をした男が立っていた。

 

「お前が、この空間を作り出したのか」

 

「そうだったら」

 

「お前を止める!!」

 

そう言い、リュウソウルを取り出そうとしたが、手に持ったリュウソウルが光が閉じ込められた。

 

「これは」

 

「お前達を倒すのは簡単。

変身させなければ良いだけ、そして」

 

その言葉と共に目の前にいる男は黄金の鎧を身に纏った。

 

「お前っ、なぜ魔戒騎士の鎧を」

 

「支配者たる藤原道長には相応しい姿だろ」

 

「だからと言って、負けるかよ」

 

そう言い、俺はアルセーヌを呼び出す。

 

「お前達、ここは俺に任せろ。

まさか、これを使うとはな」

 

そう言い、神牙が取り出したのはリュウソウケンとは違う剣を取り出し、宙に円を描く。

 

それと共に現れたのは、目の前にいる狼の鎧とは正反対の黒い鎧を身に纏っていた。

 

「ほぅ、貴様も魔戒騎士だったか」

 

「まったくもって、未熟な奴だがな!!」

 

そう言い、剣と剣が交わす。

 

藤原の動きは素人とも思える動きで、神牙の方が圧倒的に有利なはずの戦いだった。

 

だが、全自動で動くように対応しており、どんどん追い込まれていく。

 

「ぐっ!!」

 

「所詮、下賎の者はこの程度の事」

 

「ぐっ」

 

そして、神牙は吹き飛ばされ、鎧は解除され、俺達は受け止める。

 

「この時代でも、やはり私が支配しなければならないようだな」

 

そう言い、鎧の下からでも分かる程に気味の悪い笑みを浮かべる。

 

リュウソウルを封じられ、不利な状況になっている。

 

それでも諦めるつもりはなく、俺達は藤原に向けて睨み付ける。

 

「人々の支配しか考えないお前に、これ以上好きにはさせない」

 

「えっ!?」

 

突然聞こえた声に、俺達は見てみると、そこには本部にいるはずの司令がゆっくりと近づいていた。

 

「馬鹿な、この結界を抜けれる人間がいるはずがない!?」

 

「俺一人だったら、無理かもしれないな。

だが、俺には多くの仲間と、そして相棒がいてくれたおかげで、ここまで来れたのさ」

 

そう言い、取り出したのは、これまで見たことのない銃だった。

 

「それは!?」

 

「少し隠していて済まなかった。

だが、後は任せてくれ」

 

そう言い、司令が取り出したのは黄金に輝くリュウソウルだった。

 

「リュウソウチェンジ!!」

 

そのまま銃にリュウソウルを入れて、先端部を回す。

 

同時に俺達が変身する時に見た黄金のリュウソウルが踊る。

 

【ドンガラハッハ!ノッサモッサ!エッサホイサ!モッサッサッサ!】

 

「リュウソウチェンジ!!」

 

【リュウSOCOOL!】

 

その音声と共に出てきたのは黄金に輝くリュウソウジャーに変身した司令だった。

 

「リュウソウジャーに変身した!?」

 

「栄光の騎士!リュウソウゴールド!」

 

その声を出すだけで、周りの空間が揺れる程の衝撃が現れ、俺達も立っていられない程だった。

 

「では、行かせてもらうぞ」

 

「だが、貴様が来た程度でっ!!」

 

そう藤原が言うが、司令はまるで雷になったような速さで急接近し、正拳突きで吹き飛ばした。

 

それだけで黄金に輝いていた鎧を瞬く間にヒビが入る。

 

「ばっ馬鹿なっ!!

なぜ、動きを読めているはずなのに、見えないだと!?」

 

「心を読むよりも早く、殴っているのか!?」

 

「元々は化け物のような身体能力だったけど、もしかしてリュウソウゴールドになった事でここまで強化されたのか」

 

そこからリュウソウゴールドの動きはまるで見えず、藤原の鎧はただただ破壊されるのを許すだけだった。

 

「悪いが、さっさと決めさせてもらうぞ」

 

そう言い、腰に締まっていた、手に持っていたリュウソウルを再度入れる。

 

【めっさ!ノッサ!モッサ!よっしゃ!この感じ!】

 

その音声と共に足に力を籠め、藤原に向けて引き金を引く。

 

そうする事により、恐竜を摸した雷のエネルギーが藤原に向かっていき、そのまま藤原を飲み込んだ。

 

「こんな、事に!?」

 

その叫び声と共に、余りにも高すぎる威力に、藤原に取り付いていた特典とマイナソーは吹き飛ばされ、すぐに実体化される。

 

その姿は先程までの黄金に輝く狼の鎧とは程遠い獣のような姿になっていた。

 

「おいおい、本当に何者なんだよ」

 

「さて、まだ終わっていないようだな。

それじゃあ、こいつらの紹介も兼ねて、戦うか!!」

 

「もしかして、司令の騎士竜!?」

 

その言葉と共に後ろの海から出てきたのは巨大なワニを思わせる騎士竜、それに付き従うように亀とアノマロカリスのような騎士竜が現れる。

 

「行くぞ、モサレックス、カメロドリル、アノマシンガン、竜装合体!!」

 

その声と共にモサレックスは叫ぶと、リュウソウルがモサレックスの口の中に入り、カメロドリルとアノマシンガンがモサレックスに装着する。

 

「完成、キシリュウネプトゥーン・ナイツ」

 

その言葉と共に現れたキシリュウネプトゥーン・ナイツはその手に巨大な剣を手に持ちながら、アノマシンガンをマイナソーに向ける。

 

一秒に何百という弾丸を打ち込まれ、マイナソーは怯んでしまう。

 

それでもマイナソーは、進む事を辞めず、噛みついてくる。

 

「ッ!?」

 

だが、その攻撃はカメロドリルの盾によって防がれ、同時に攻撃を仕掛けていく。

 

「おいおい、どうなっているんだよ、あれは!?」

 

「おそらくだが、司令の動きもトレースしているのか」

 

「これでとどめだ!!」

 

その言葉と共にキシリュウネプトゥーン・ナイツは空へと飛ぶと同時に、手に持った槍ごと身体を回転させて、マイナソーを貫き、倒した。

 

戦いを終えて、俺達は本部の潜水艦に来たのだが

 

「まさか、あんたがリュウソウジャーになるとは」

 

「あぁ、俺自身も驚きだがな」

 

そう言っているが、潜水艦の周りには司令の相棒のような存在であるモサレックス達が泳いでいた。

 

「あの時は驚いた。

まさか、あの時にな」

 

そう言われて、干渉深く言っている。

 

「とにかく、これで師匠も一緒に戦えば心強いですね」

 

「いや、それは、少し」

 

「俺は一応はここの司令をしている。

だから、非常事態のみにしか出撃はできなくなっている」

 

そうため息をついているが、確かにこの人だけで全てを解決できそうだからな。

 

「それに、向こうで気になる情報を聞いたからな」

 

「情報?」

 

俺達は首を傾げる。

 

「マイナソーは奴らにとっては通過点でしかないらしい」

 

「通過点?」

 

そう言われ、出てきたのはマイナソーの画像だったが

 

「こいつらは、なんだか」

 

「他のマイナソーとは違う」

 

そこに映し出されていたのは城と一体化しているような奴やマジシャンを思わせる奴がいるが

 

「こいつらは」

 

「錬金術師と共に行動していたマイナソーだと思われる奴らだ。

だが、その能力は、これまで戦ってきたマイナソーとは比較にならない程の能力を持っていた」

 

「もしかしてクレオン達はこいつらを作り出すのが目的?」

 

未だに分からない奴らの目的に対して、俺達は気を引き締めるように見つめる。

 



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EPISOOD11 決闘‼タンクジョー

「それにしても、相変わらずよく分からないな、こいつらは」

 

「あぁ、正直正体が不明すぎるからな」

 

俺達は現在、全員で本部に集まり、これまでの転生者についてのデータと新たに現れたタンクジョーなどの奴らと比べてみた。

 

これまでの転生者達は能力や道具に関わらず、本人の価値観もあって人の姿のままでいる者達がほとんどだった。

 

それは俺達がルパンレンジャーとして活動していた頃からも変わりなかった。

 

だがタンクジョウ達は完全に人間の姿を捨て、異形の姿を求めた存在となっていた。

 

その裏では人の身体を乗っ取り、その能力を取り込むガイソーグが絡んでいる事まで分かっている。

 

「俺も現地で様々な騎士竜を仲間に、転生者の特典を奪い、戦力は十分なぐらいに増えたからな」

 

「それにしても、どうやったリュウソウゴールドに?」

 

「なに、例え種族が違っても、拳と拳でぶつかり合えば分かり合えただけだ」

 

「あれ、何を言っているのかさっぱり分からねぇ」

 

「えっと、そこから先は僕が説明します」

 

そう言いエルフナインが出てくると、何やら映像が出てきたのだが

 

「僕達が調査を行っている時に敵側は神の力を再現したヨナルデパズトーリを召喚したのです」

 

「名前が言いにくいな」

 

「おほん、それで緊急事態という事もあり、指令が直接出て、そのヨナルデパズトーリと戦ったのです。

その戦いの最中で念のために持ってきたリュウソウルのサンプルが強い反応を起こして、なんとヨナルデパズトーリを騎士竜モサレックスへと変わったのです」

 

「モササウルスは俺が一番好きな恐竜だからな。

ある意味、俺達は相性が良かったのさ」

 

「・・・どうしよう、この人、特殊能力もなにもないのに、色々とやばい」

 

その話だけ聞くと、元々敵だった存在を騎士竜として仲間に引き入れたようだ。

 

既に最強の名前を持っても可笑しくない指令に、話を聞く限りだと神の力を持つというヨナルデパズトーリの転生体であるモサレックスがパートナーになった訳か。

 

「もう俺達、いらなくない」

 

そう不知は思わず言ってしまう。

 

「あぁ、だが元々は敵の戦力という事もあって、上はモサレックスを信用していなくてな。

今回の事態でもない限り許可は出ないのだ」

 

「それを聞く限りだと、まぁ確かに」

 

最強×最強が合わさったような人だから、俺達にとっては本当に切り札のような存在だろう。

 

「っ、緊急警報、アルカノイズの反応感知。

同時に別の地域にて、タンクジョウ出現ですっ!!」

 

「アルカノイズは響君達に、タンクジョウは任せれるか」

 

「あぁ、分かった」

 

俺達はその言葉を聞き、すぐに基地から出ていき、現場へと向かって行った。

 

三人称Side

 

現場へと駆け付けた連達。

 

そこに待ち受けちえたのは、まるで城自体が怪人のような存在、タンクジョウがいた。

 

タンクジョウは連達の登場を見つめると、立ち上がり、確認する。

 

「なるほど、貴様らがリュウソウジャーか」

 

「てめぇは」

 

「我が名はタンクジョウ、ガイソーグ様に仕える騎士だ」

 

「騎士?」

 

「まぁ貴様らには関係ない話だがな」

 

その言葉と共に体格と同じぐらいの大きさを誇る大剣を振り回しながら構える。

 

「ガイソーグの事、少しは知っているようだな」

 

「まぁな、だが貴様らに教えるつもりは毛頭ない」

 

「だったら、すぐにでも聞かせてもらうぜ」

 

その言葉と同時に連達は各々のリュウソウルを取り出し、リュウソウチェンジャーに挿入する。

 

【ゲボーン!】

 

その音声が鳴るのと同時、連達の周りにリュウソウルを模した各々の色と同じ人形達が現れ、周りでまるで祭りを行うように囲んでいた。

 

【ワッセイワッセイ!ソレ!ソレ!】

 

そして見計らうように、同時にバイザーを回し、そのまま再度付ける。

 

【リュウソウSOCOOL!】

 

同時に周りにいた人形達から一体ずつ連達へと飛びつき、リュウソウジャーへと変身させる

 

「勇猛の騎士!リュウソウレッド!」

 

「叡知の騎士!リュウソウブルー!」

 

「雄飛の騎士!リュウソウイエロー!」

 

「剛健の騎士!リュウソウピンク!」

 

「威風の騎士!リュウソウブラック!

 

「疾風の騎士!リュウソウグリーン!」

 

「正義に仕えし、6本の剣!騎士竜戦隊!リュウソウジャー!」

 

名乗りをあげると同時にタンクジョウはリュウソウジャー達を見て、笑みを浮かべると同時に手を上げる。

 

するとタンクジョウの背後から数十のドルン兵が現れる。

 

「ふんっ、行け!!」

 

タンクジョウの言葉に応えるようにドルン兵達は一斉に襲い掛かる。

 

「一気に攻め込む!!

アルセーヌ!!」

 

その言葉と共に連の背後から出てきたアルセーヌは腕を交差させ、巨大な闇をタンクジョウとドルン兵に向ける。

 

その攻撃により、一瞬でドルン兵は消え去るが

 

「ほぅ、なかなかやるな」

 

「へぇ」

 

その闇をタンクジョウは軽々と受け止めていた。

 

その様子を見て、連も面白い物を見るように見つめると、アルセーヌをルパンマグナムへと変える。

 

「はあぁ!!」

 

同時にルパンマグナムの銃弾を次々とタンクジョウに向けて放っていくが、タンクジョウはその腕を交差させ、攻撃を防いだ。

 

「なるほど、なかなかやるようだが、それが命取りだ!!」

 

「なっ!!」

 

タンクジョウはそう言うと、剣を地面に叩きつけると、同時に地震が連達に襲い掛かる。

 

「なんだっこの地震はっ!!」

 

「まさか、奴の能力か?」

 

「そんなの、貴様らで調べてみろ」

 

「それもそうだな」

 

そんな中でソーマは怯む事なく、手に持ったリュウソウケンを構えながらタンクジョウに向けて攻撃を放っていく。

 

タンクジョウもその攻撃に対して巨大な剣で防いでいく。

 

「おい、可笑しいぞ」

 

「あぁ」

 

タンクジョウは先程の攻撃を行う訳でもなく、ただソーマの攻撃を受け止めるだけだった。

 

その違和感を感じながら、タンクジョウは左拳でソーマに向けて殴りつける。

 

「っがはぁ!!」

 

「ソーマ!!」

 

たった一撃でソーマは吹き飛ばされてしまい、急いで不知は飛びあげて受け止める。

 

だが

 

「なっがぁ!!」

 

「何をっ」

 

「どうなっているんですかっ!!」

 

ソーマを受け止めた不知はまるで攻撃を受けたような衝撃で吹き飛ばされ、神牙とマシュの二人が受け止める事によって、なんとか威力を殺す事ができた。

 

「一体何が起きたんですか」

 

「・・・まさか、奴は地震を起こす程の力なのか」

 

「さぁ、それはどうかな」

 

単純なパワー、だがそれは使い方がしっかりと行えば幅広い応用力ができる武器となる。

 

先程のように地面を殴り地震を起こし、集団攻撃をしたり、一撃で敵を倒す事も可能になる。

 

単純なパワーだけであそこまでならば、正直言って、かなり危険だ。

 

「だが、しかし。

何か妙だとは思わんか」

 

「妙?」

 

「奴はなぜ、最初からその攻撃を行わなかった」

 

「・・・」

 

忍の言葉を聞き、連はそれまでのタンクジョウの攻撃について考える。

 

行ったのはたった2回、その驚異的すぎるパワーのせいで、何か見落としている所はないのか、連は少ない情報の中で一つの仮説を立てた。

 

「試す必要があるかもな、忍」

 

「分かっておる」

 

【ライディングソウル!リュウ、ソウ、そう、そう!この感じ!ライディングソウル!】

 

その音声と共に地面から巨大なウミサソリ型の騎士竜エウリプテローダーが現れ、そのままバイクへと変形させる。

 

「なんだ、それは?」

 

「指令のおみあげさ。

それに、少し実験だよ」

 

「ほぅ、ならば来てみろ」

 

そう言い、タンクジョウはこちらに向けて挑発を仕掛けてくる。

 

それに応えるようにエウリプテローダーを走り出す。

 

エウリプテローダーは、地震によって乱れてしまった地面の上でも苦も無く走っており、一瞬でタンクジョーまで近づく。

 

同時に連はリュウソウケンを構え、タンクジョウに攻撃を仕掛ける。

 

リュウソウケンと比べて、巨大な剣は連を捕らえるように大振りで仕掛けていく。

 

だが、エウリプテローダーの速さについて来れずにいた。

 

しかし、それとは反対にリュウソウケンはタンクジョウの城だと思える程の防御力の前では無力に等しく決定的なダメージを与えられない。

 

「くっそ、タンクジョウの攻撃当たれば、一発で危険だぞ。

すぐにでもリーダーを助けないと「それは駄目じゃ」えっ!!」

 

「今は攻撃するな」

 

タンクジョウの攻撃に対して油断できずに攻められないと思い、拳を握り締める不知はすぐに飛び出そうとするが、忍はそれを止める。

 

「なんでだよ、仲間がピンチなのにっ、黙っていられるか!!」

 

「お前には連が危機的状況に見えるのか?

それは少し違うぞ」

 

「・・・なるほどな」

 

神牙は何か納得したように一つのソウルを取り出す。

 

「何か分かったのですか?」

 

「あぁだいたい分かった。

忍、タイミングは何時だ」

 

「マグナムを撃ったその瞬間じゃ」

 

「えっ、えっ、えっ?」

 

「どういう事なんですか!?」

 

状況に理解できずに混乱する不知とマシュを置いて、不敵な笑みを浮かべる忍と手に持ったリュウソウルを構える神牙。

 

そして戦いが激化する中で連は手に持ったルパンマグナムをタンクジョウに構えると同時に打ち込む。

 

「この距離だったら、どうだろうなぁ!!」

 

「ふっなかなかの一撃っ!!

だがしかし、爪が甘い!!」

 

その言葉と共に大剣を連に向けて振り上げる。

 

【ヘアソウル】

 

その瞬間を見計らうように神牙は取り出したソウルをリュウソウケンに挿入し、腕に装着した鎧の力で伸びた髪をタンクジョウに向けて放った。

 

それにより、タンクジョウの攻撃の軌道は変わり、地面へと叩きつけると共に地震が起きる。

 

「ぐっ!!」

 

「おらぁ!!」

 

タンクジョウはすぐに剣を構えようとするが、連はすぐに蹴り上げて、タンクジョーの腕から大剣を落とした。

 

同時にリュウソウケンにリュウソウルを挿入し、構える。

 

同時にタンクジョウも腕を連に向けたまま、固まる。

 

「あぶねぇリーダー!!

すぐに逃げろ!!」

 

先程のようにソーマのようになると心配し、不知は叫ぶ。

 

だが、タンクジョウは一切動こうとしない。

 

「どういう状況なんですか」

 

「タンクジョウは見た目はパワータイプに見えるが、それ以上にとんでもない奴みたいだな」

 

「えっどういう事なんですか?」

 

「奴は、自分が受けたダメージをそのまま受け流すカウンタータイプだったんだ」

 

「えっ!!」

 

その言葉を聞き、不知はすぐにタンクジョウのこれまでの行動を思い出す。

 

「そういや、最初の攻撃だって、リーダーのルパンマグナム。

次の攻撃はソーマさんの攻撃、そして今のは再びルパンマグナムを受けた後だった」

 

「・・・そこまで分かったのならば正解発表だ。

俺の能力は受けたダメージを地震エネルギーに変える事ができる能力だ。

この地震エネルギーってのは、俺の力に変える事ができたり、さっきみたいに地震を起こす事自体簡単に行える。

まぁ俺にはあまり攻撃力はなく、一級品の防御力と技量があるからな」

 

「見た目とは違って厄介な奴だな。

でも、そんなに喋っても良いのか?」

 

「まぁな、ガイソーグ様の情報を渡さない代わりの楽しませてもらった礼だ」

 

「何をっ!」

 

同時に再び地響きが起き、見てみるとマイナソーが現れていた。

 

「ぐっ」

 

「それでは、また会おうリュウソウジャー」

 

その言葉と共にタンクジョウは手に持っていた物を地面に叩きつけると、魔法陣と共にその姿を消した。

 

「くそっ、テレポートジェムか!!」

 

「それよりも、まずはあのマイナソーを」

 

「・・・そうだなっぐっ!!」

 

すぐに立ち上がろうとした連だが、既にダメージを受けすぎて、まともに立つことすらできなかった。

 

「ティラミーゴを借りるぞ」

 

「・・・あぁ、頼む、神牙」

 

その言葉を受けると同時に連達の元にティラミーゴを始めとした騎士竜こちらに向かって走ってくる。

 

そして、連とソーマ、そして二人を守るようにマシュが残った。

 

残りの三人は見合わせると同時に騎士竜達に向かって跳ぶ。

 

「「「騎士竜合体!!」」」

 

神牙の言葉に合わせるように、集った騎士竜ティラミーゴ、アンキローゼ、プテラードル、そして神牙の相棒であるミルニードルが向かってくる。

 

そして4体の騎士竜が合体し、神牙のブラックリュウソウルが挿入される事で新たなキシリュウオーが誕生する。

 

「完成、キシリュウオー・ガーディアン」

 

そこに現れたのは、これまで攻撃重視が多く見られたキシリュウオーとは違い、全身がまるで鎧を身に纏った防御重視のキシリュウオーが現れる。

 

キシリュウオー・ガーディアンへと変わるのと同時にマイナソーは目線をキシリュウオーへと向け、背中から巨大な剣を持つ手を3本生やし、両腕も剣へと変わり、襲い掛かる。

 

キシリュウオーが行った行動はその両腕に持った巨大な盾で、その攻撃を防ぐ事だった。

 

5本の剣の速さに対応する事ができずに、キシリュウオーはその場を動かず、ただ攻撃を耐えるだけだった。

 

だが、それは決して劣勢になっているからではなかった。

 

「っ!!」

 

気づくと、マイナソーの持っている剣は徐々にだが、確かに刃が荒くなっていた。

 

「今だっ!!」

 

その掛け声と共にキシリュウオーの手に装着されている楯から次々と棘が放たれていく。

 

驚くマイナソーは思わず後ろへと下がるが、マイナソーの剣は既に全てが折られていた。

 

キシリュウオー・ガーディアンは防御を得意としており、その手に持つ楯は相手の武器を壊す機能が備わっていた。

 

そして、全ての攻撃を受けきると同時に全身を覆っていた鎧が分離し、その手には全ての武装が合わさった巨大な剣となった。

 

「行くぞ、キシリュウオー、ニードルスラッシュ!!」

 

その声と共に、キシリュウオー・ガーディアンは巨大な剣を振り下ろすと、マイナソーは瞬く間に真っ二つに切り裂かれる。

 

真っ二つに切り裂かれたマイナソーはそのままゆっくりと地面に落ち、爆発する。

 

同時にマイナソーから出てきた特典と転生者を回収し、神牙達の戦いを終える。

 

連Side

 

「響」

 

「あっ連君!!」

 

俺達は戦いを終え、互いに無事に終わった事を確認して、一安心する。

 

「おいおい、お前達二人が寝込むって、どういう状況なんだ!!」

 

クリスも遅れて来ると、俺とソーマが倒れている事に驚いていた。

 

「まぁな、タンクジョウと戦って、逃がしちまった。

まぁ能力は分かっただけでも良かったけど」

 

「タンクジョウ、奴一人だけでも、まさか連とソーマの二人をここまで追い詰めるなんて。

パヴァリア光明結社、ますます油断できないな」

 

「だけど、今の所、戦える戦力は俺達だけだしな。

切歌達はシンフォギアを纏えないし、どうしたものか」

 

「おいおい、久しぶりに来たら何やら困りごとだな」

 

「んっ、その声って?」

 

「えっ?」

 

突然聞こえた声に俺達は急いで周りを見渡す。

 

すると、物陰から一匹の猫が出てきた。

 

「えっと、猫しかいませんが「モルガナ!!」えっ知り合いですか!?」

 

「うわぁ、モルガナだ!!

あんまり触る機会はなかったけど、なかなかにモフモフだぁ」

 

「ちょっお前、触るなよ!!

吾輩の毛並みが崩れるだろ!?」

 

「相変わらず弄られキャラだな、お前は」

 

響はモルガナが出てくると、飛び込むようにモフモフしており、必死にモルガナは抵抗している。

 

「あの、皆さん、あの猫とお知り合いですか?」

 

「あぁそういえば、マシュは知らなかったよな。

あいつはモルガナ、まぁいわば連の相棒のような存在だな」

 

事情を知らないマシュは疑問を浮かべるように言い、クリスは呆れたように言う。

 

「それにしても、お前、いきなりいなくなってびっくりしたぞ」

 

「悪いな、ちょっと死神様の所から預かりものがあってな。

それを受け取るのに時間がかかったんだよ」

 

「預かりもの?」

 

「あれだ」

 

ぞう言い、モルガナが指を指したのはスーツケースだった。

 

試しに開けてみると、中に入っていたのは

 

「これはVSチェンジャーに似ているけど」

 

そこにあったのは、かつての戦いで壊れてしまったルパンチェンジャーがあった。

 

だが、その形は以前よりも小さくなっており、俺達のリュウソウチェンジャーのようになっていた。

 

「あぁ、お前達の戦闘から得た情報を元に開発した新型のルパンチェンジャーだ」

 

 




今回は烈 勇志の合体パターンと転生者のマイナソー、いりごま塩さんの騎士竜で送りました。
まだまだ募集しておりますので、皆様の応募、お待ちしています。


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EPISOOD12 復活の怪盗

その場所は長野県。

 

そこで現在マリアと翼が持ち帰った機密文書の解読を護衛する為にシンフォギア奏者達とリュウソウジャーのメンバーは別れてパトロールを行っていた。

 

そして、そんな中で目的の人物達を探している三人組がいた。

 

「それで、本当にこいつらで倒せるの?」

 

そう言い、メンバーに話しかけるのは、褐色肌が特徴的な女性カリオストロ。

 

パヴァリア光明結社のメンバーの一人であり、幹部である彼女は現在はある理由があり、その二人と行動していた。

 

「心配なんてないさ。

なんだって、既に私にはリュウソウジャーの戦闘データを元にした完璧な作戦があるのだから」

 

そう言い、自信満々に言うのは異形の怪物ともいえる存在だった。

 

全身が青くまるでマジシャンを思わせる格好をした怪人は、隣にいるカリオストロに向けて堂々と言う。

 

その存在の名はワイズルー、タンクジョウと同じ存在らしいが、そのあまりの性格に既に

げんなりとした表情でカリオストロは睨んでいた。

 

「本当なのかしら?」

 

「マジマジ、クレオン」

 

「はぁいはぁい。

今回、ワイズルー様が考えた計画はヘイゼル君の重火器と姫島さんの炎犬でリュウソウケンを離した瞬間に鳳春院君が一気に倒す計画となっております」

 

三人のうち、最後の一人であるクレオンはそう言うと共に現れたのは三人に転生者だった。

 

そこに立っていたのは40代の男性、短髪の男の子、そして全身が黒い鎧を身につけていた存在だった。

 

共通点があまりにも少なすぎる三人だが、その目は何も見ていないように空虚になっていた。

 

「エクセレント、さすが私の作戦だ」

 

そう言いながらワイズルーはクレオンによって召喚された転生者達の武器を叩きながら笑みを浮かべながら歩く。

 

「それにしても、本当にこいつら、一切喋らないわねぇ」

 

「それがワイズルー様の能力だからなぁ」

 

「あいつの?」

 

「おっと、これ以上喋ったら、俺が酷い目に合うんだった。

それよりも」

 

クレオンはそう言い、見てみると、そこには連、ソーマ、忍の3人が現れた。

 

「計画通り、ではいっつショータイム!」

 

ワイズルーはそう言い、指パッチンを行い、ワイズルーは連達の前に飛び出す。

 

「やぁやぁ、リュウソウジャーの3人、初めましてだね」

 

「お前、タンクジョウと同じ奴か?」

 

「いかにも、私はワイズルー。

華麗なるマジシャンさ」

 

そう言い、格好をつけながらワイズルーは言う。

 

だが、それに対して、連は何かに気づき、口に手をやっていた。

 

「どうしたんだい?

私のあまりにも格好良すぎる自己紹介に痺れたんかい?」

 

「いや、なんていうか。

かっこつけている所、悪いんだけどさ」

 

連はそう言い、ゆっくりと近づく。

 

「おっと、何のつもりか分からないが、それ以上は近づかない方が良い

 

戦闘か不意打ちを警戒し、ワイズルーは連を見つめる。

 

「でも良いのか、教えなくて」

 

「何を教えるというのだ?」

 

「いや、まぁ、あとでめんどくさい事になるよりも言った方が良いと思うけど。

お前、ズボンのチャック、空いてるぞ」

 

「えっマジで?

あっ」

 

連の言葉を聞き、ワイズルーは疑いながら、ズボンを見るとあっけを取られたように声を出す。

 

「ぷっわははは、ワイズルー様!!」

 

「あいつ、さっきまでキザに決めていたのにっ!!」

 

その事に対してクレオンとカリオストロは地面を叩きながら、爆笑していた。

 

「・・・・」

 

その瞬間、身体のボディが青いはずのワイズルーの顔は急激に赤くなっていった。

 

「・・・ワイズルー、貴様の目的は一体なんなんだ」

 

あまりにもの光景だったので、話を変えるように連は叫ぶ。

 

「っ!!

ふふっ、貴様達を倒す為に私の特別な作戦があるのさぁ」

 

ワイズルーはすぐに連の言葉に乗りながら、先程の出来事をなかった事にするように慌ててズボンのチャックを元に戻した後、格好付けて言う。

 

「今更、格好つけてもな」

 

「言うな」

 

その光景を見ていた忍はクレオン達と同じように笑いそうになるが、ソーマは押さえつける。

 

「では、最後のショーを楽しみたまえ」

 

その言葉と共にワイズルーは何事もなかったように言うと、周りにはワイズルーが用意した転生者達が現れる。

 

「まさか、こんな日に現れるとはな」

 

「まぁ良いじゃろ、儂としても暴れたかった気分だからな」

 

「こちらも行くか」

 

そう言うと連達はポケットに入れていたリュウソウルをそのままリュウソウチェンジャーにセットする。

 

【ゲボーン】

 

その音声が鳴り響くと同時に連達の周りに人形が現れる。

 

「あれ?」

 

その人形を見ると、ふと疑問に思うようにクレオンが頭を掻きながら、見つめる。

 

「どうした?」

 

「いや、ワイズルー様。

リュウソウジャーが変身する時に周りにあるリュウソウルって、あんな感じでしたっけ?」

 

「むっ?」

 

その言葉を聞き、ワイズルーはそのリュウソウルを見つめる。

 

そこに立っていたのは、これまで騎士を模していたリュウソウルとは違い、帽子をかぶり、マントを着ている紳士を思わせるリュウソウルだった。

 

「なんだか、私と似ていて親近感が湧くなぁ」

 

「いや、なんか嫌な予感がするんだよなぁ」

 

そうしている間に連達は構えると同時にヘンゼルと姫島が一斉に武器を構える。

 

「怪盗チェンジ」

 

【怪盗チェンジ!】

 

「「あれ?」」

 

連達の一言、そして本来なるはずだった音声との違いに素っ頓狂な声が出ると同時に連達の身体は変身していく。

 

迫りくる弾丸や炎犬の攻撃を避けながら、これまでの騎士を思わせる姿とは違い、軽装でありながら様々な所に恐竜の牙を模した飾りが施しているタクシード。

 

恐竜を思わせる兜の変わりに、各々が似合う帽子を模した仮面を付ける。

 

そして迫りくる鳳春院の攻撃をまるで予知したように避けると同時に、その背中には足元まで伸びたマントが現れる。

 

その姿へと変わると同時に、腰に装着していた各々の相棒である騎士竜の顔を模した銃からの弾丸を鳳春院へと放ち、瞬殺で倒した。

 

「・・・ねぇワイズルー様。

俺達って、確かリュウソウジャーを倒そうとしていましたよね」

 

「あぁ、間違いなく、リュウソウジャーだ」

 

「でもあれって」

 

「おいおい、まさかタンクジョウに続いて、お前が出てくるとは」

 

「まぁ探す手間は省けた」

 

「丁度良いし、新しい姿のお披露目といくか」

 

その言葉と共に、手に持った銃を上空に打ち出すと指を鳴らした連が言う。

 

「ルパンレッド」

 

続いて、指を鳴らすソーマは顔を少しだけ隠すような動作をする。

 

「ルパンブルー」

 

そして、最後の一人になった忍はこれまで通りの威風堂々とした姿で言う。

 

「ルパンイエロー」

 

その言葉と共にレッドが最後に手を大きく上げ、叫ぶ。

 

「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー!」」」

 

「くっ、悔しいが、格好良い。

さすがは私のライバルだ」

 

「えっ、いつからあの人、ワイズルー様のライバルになったんですか?」

 

「ズボンのチャックを指摘しなかった貴様らよりも、よっぽど良い奴だからだ」

 

「さっきの事、まだ根に持っているわね」

 

名乗りを聞くと、ワイズルーは羨ましそうに見つめていた。

 

「さぁ、あんたらのお宝頂くぜ!!」

 

その言葉と同時に手元に持っていた新たな武器、リュウソウジュウを持ち、転生者へと向かっていく。

 

3つに分かれたリュウソウジャーは各々の目の前にいる相手と戦いを行う。

 

「それにしても、これは失敗だな」

 

「どういう事ですか?」

 

「あれを見てみろ」

 

その言葉と共にソーマと鳳春院の戦いを見る。

 

人外とも言えるその速さで目が追いつけない状況だったが、ソーマは手に持っているリュウソウジュウを使い、逃げ道を封じながら、手に持ったゴッドイーターで簡単に追いつめていく。

 

「あら、一人やられましたか」

 

「私は相手がリュウソウジャー相手を想定して、このメンバーを選んだけど、これは失敗だなぁ」

 

「リュウソウジャーを相手に?」

 

そう言っている間にもイエローとヘイゼルの戦いは瞬く間に終わりそうになっていた。

 

手に持ったマシンガンで襲いかかるが、イエローはその手には自身よりも巨大な刀を持ち

瞬く間に全ての武器を切り裂いた。

 

急いで逃げようとするが、手に持ったリュウソウジュウによって、足を撃たれ、逃げられなくなる。

 

「リュウソウジャーはその高いパワーと防御力を駆使して戦う戦士達だ。

遠距離の武器も雨宮とグリーンのみしか持っていなかった。

だから、遠距離の攻撃を重視にした二人と、牽制用の速さ重視の一人を選んだが」

 

レッドは手に持ったリュウソウルを、そのままリュウソウジュウへと挿入する。

 

【怪盗ブースト!ス・ス・ス・ストロング!!】

 

その音声と共に、リュウソウジュウから出てきたエネルギーがレッドのマントに宿ると、マントの柄は変わり、レッドの速さも変わる。

 

姫島も慌てて、次々と使い魔を呼び出すが、レッドの手にあるリュウソウケンとリュウソウジュウの無双によって、瞬く間に消される。

 

そして、勢いよく蹴り上げる事により、姫島は吹き飛ばされる。

 

「だけど、ルパンレンジャーは機動力重視な上に、慣れ親しんだ姿だからかな?

想像以上の力を発揮しているから、これは勝てないわ」

 

「そっそんな呑気な事を言っている場合じゃないですよ!!

あれ、あれっ!!」

 

そう言っている間に3人の転生者は一カ所に集まり、ルパンレンジャーは手にあるリュウソウルをそのままリュウソウジュウへと装填する。

 

【怪盗必殺!リュウソウジャー!】

 

その音声と共に各々の後ろにはパートナーになっている騎士竜の幻影が現れ、同時にリュウソウジュウには巨大なエネルギーが溜まり始める。

 

それを転生者に向けると同時に引き金を引くと、騎士竜達は転生者達に向かっていき、かぶりつく。

 

それにより、転生者達の特典は完全にルパンレンジャーの手元へと行ってしまう。

 

「あぁせっかくの転生者達がぁ!!」

 

「ふむ、さすがは雨宮連だな。

では、さらばだ」

 

「結局、シンフォギアのお嬢ちゃん達と遊んでいた方が良かったわね、はぁ」

 

戦いを見届け、三者様々な反応を示しながら、その場から離れていった。

 

「もう行ったか」

 

「それにしても、まさかルパンレンジャーになれる日が来るとはな」

 

「だが、さっきの奴」

 

「あぁ、すぐに知らせないとな」

 

連達は、そのままワイズルーと共にいたカリオストロの存在もあり、さらに警戒を促す為に走り出した。




次回の出撃メンバーをアンケートを行っています。
アンケートは以下のメンバーとさせてもらいます。
皆様の応募、お待ちしています。

①ルパンレッド ルパンブルー ルパンイエロー ルパングリーン ルパンピンク
②リュウソウレッド リュウソウブルー リュウソウピンク リュウソウグリーン リュウソウブラック
③リュウソウレッド リュウソウブルー リュウソウイエロー ルパングリーン ルパンピンク
④ルパンレッド ルパンブルー ルパンイエロー リュウソウグリーン リュウソウピンク
⑤リュウソウレッド ルパンブルー リュウソウイエロー ルパングリーン リュウソウブラッ


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EPISOOD13 異世界での出会い

ワイズルーの進撃から夕方頃、未だに警戒を解かないように交代で見張り続けていた。

 

その時の担当である連達も錬金術師達を警戒していた。

 

「それにしても、また来るのでしょうか?」

 

「あぁ言う奴は何か仕掛けてくるはずだ。

油断はできない」

 

「それはそうじゃが・・・」

 

そう言いながら忍は手元にあるドーナツを食べようと口を開けようとした時。

 

忍の目に映ったのは奇妙な青帽子だった。

 

その特徴的な青帽子を見た瞬間

 

「ワイズルー、またお前か」

 

思わず突っ込むように立ち上がると、まるで待っていたようにぴょんと跳ねあがりながら、現れた。

 

「また私だ!

なに、前回は見事な戦いをしてくれたからね。

私から素敵なプレゼントを用意したのさ」

 

「はぁ?」

 

ワイズルーの言葉に疑問を覚える連を余所に、ワイズルーは地面にステッキを叩いた。

 

その瞬間、連達の足下に巨大な穴が開き始める。

 

「なっ!!」

 

「がっ」

 

「ちょっ」

 

「デス!!」

 

「うわぁ!!」

 

突然の出来事で上手く反応できずに、その場にいた5人はそのまま穴の中へと吸い込まれていってしまう。

 

「皆!!」

 

突然の出来事で、急いで響は手を伸ばすも穴はすぐに閉じてしまう。

 

「はっはぁ、さって、私はここで失礼するよ」

 

既に用事は済ましたばかりに、ワイズルー自身の足元にも穴を開けた。

 

「てめぇ、リーダー達をどこに連れて行った!!」

 

そう言い、不知は叫ぶが、ワイズルーは笑みを浮かべるように振り向く。

 

「なに、自然豊かな星だよ。

まぁ、今はどうなっているのか、私も分からないがね、では」

 

そう言って、ワイズルーは今度こそ、姿を消した。

 

そして、ワイズルーが姿を消した時、連達は

 

「むぎゅ」

 

連、ソーマ、忍、切歌、調の順番で地面に埋め込んでいた。

 

「ぷはぁ、なんだ、ここぉ!!」

 

すぐに目を覚ました連はすぐに起き上がると、目の前にある光景を見て、思わず叫んでしまう。

 

「綺麗」

 

「こんなの見た事ないデス」

 

目の前に広がるのは、これまで見た、どの景色よりも綺麗な森が広がっている場所だった。

 

澄み渡った空気に、透き通りそうなぐらいに綺麗な河、溢れる緑、どれも彼らが生きる世界ではあり得ない程の光景だった。

 

「だが、妙じゃ。

あのワイズルーが、なんでこんな所に」

 

「絶対に罠だが、その罠は一体」

 

目の前に広がる景色に感動する連達を他所に忍とソーマはワイズルーの企みについて考える。

 

「とりあえず、考えるとしても、ここを調べる必要はあるな。

何か手掛かりは」

 

そう言うと奇妙な違和感を感じた連は鋭く目を光らせた。

 

「連?」

 

「・・・どういう状況か、分からないが、どうやら思っていたよりも厄介な事がありそうだな」

 

そう言い、連が指を指した方向では、なんと空を飛んでいる二人の女性がいた。

 

女性は地面から何かに注意をしながら、飛んでいるが、突然、森の中から雷が現れ、二人を襲い掛かる。

 

「なっなんデスか!!」

 

「状況はさっぱりだけど、困っているようだから、助けるか」

 

「そうですね」

 

「・・はぁ、まったく、どこでも変わらないな」

 

「罠というのも考えて動けよ」

 

「あぁ」

 

既に行動が決まると同時に二人の女性が落ちた場所に向かって走り出す。

 

森の中は変わらず、まるでファンタジーの世界のように綺麗な光景だったが、その先にある焦げ臭い匂いが、それを邪魔している。

 

「いい加減、諦めてくれないか?

こちらは、それを渡してくれたら、良いけど?」

 

「あんた達みたいな奴に渡してたまるもんですか!」

 

「どのような理由であっても、いきなり侵略行為をしてきた貴方達に渡す物などありません」

 

「はぁ、たっく、面倒だなぁ」

 

森を抜けた先にある光景を見て

 

「先輩、あっちの悪そうな人は」

 

「転生者だな」

 

「まぁ、どっちにしろ」

 

「あっちから倒すのは変わりないデス」

 

「じゃな」

 

その光景を見ていた全員一致で、森から抜け出すと同時に転生者に向けて、ルパンマグナムを放ち、牽制する。

 

同時に二人の女性の前に連達は並び立つ。

 

「えっ貴方達は?」

 

「通りすがりの正義の味方かな?」

 

「何を言っておるんじゃが」

 

とりあえず、応えた連に対して、呆れたように忍は言う。

 

「やる事は変わりないな」

 

「では久しぶりに行くデス!!」

 

「切ちゃん、これはある意味初めてだから」

 

張り切る切歌を落ち着かせるように調は言いながらも、手に持ったシンフォギアをルパンチェンジャーにセットする。

 

それに少し遅れて連達もその手に持ったルパンソウルをリュウソウチェンジャーに挿入する。

 

【ゲボーン!】

 

「えっ」

 

その音声と同時だった。

 

連達の周りを囲むようにタキシードを着た人形達が現れ、連達はそのまま構える。

 

「怪盗チェンジ!」

 

その言葉と同時に、各々の手に持っている変身アイテムを動かす。

 

【怪盗チェンジ!】

 

連達の言葉に応えるように、周りにいた人形達はそのまま連達の元へと走っていき、一体化する。

 

変身を完了するのと同時に連達はマントを翻しながら指を弾く。

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「ルパングリーンデス!!」

 

「ルパンピンク」

 

「「「「「怪盗戦隊!ルパンレンジャー」」」」」

 

各々が自分の居場所を証明するように叫ぶ。

 

「何が起きているの?」

 

「さっさぁ」

 

目の前に現れ、叫んだルパンレンジャー達に対して、疑問の言葉を投げるが

 

「ルパンレンジャーだとっ!?」

 

「あれ、向こうは知っているようだけど」

 

ルパンレンジャーという言葉を聞き、驚いた様子で見つめる。

 

「さぁ、あんたらのお宝、頂くぜ!!」

 

連のその言葉がきっかけとなり、ルパンレンジャー達は各々の手に持ったリュウソウガンを放ち始める。

 

「遅いぜ」

 

「っ!!」

 

その言葉に応えるように、既にルパンレンジャー達の間を通り過ぎていた。

 

それに驚いている間にも、ルパンレンジャー達の身体には一瞬だけだが、切り裂かれた形跡があった。

 

「なんデスか、あの速さは」

 

「見れなかった」

 

その事で驚いている間に、すぐにでも行動を移そうとする敵に対してルパンレッドが行ったのは

 

「速いんだったら、速くなれば良いだけだ」

 

「あっそうデスか!!」

 

「今のルパンレンジャーだったら」

 

「何を言っているんだ」

 

その言葉に応えるよりも前にルパンレンジャー達が取り出したのはリュウソウルだった。

 

【ハヤソウル!】

 

その音声と共に、ルパンレンジャー達の背中にあるマントの模様は変わり、同時に走り出した。

 

「なっ!

ぐっ!!」

 

急激なスピードの変化に驚くも、すぐに対応するように転生者も動き出す。

 

「なに、これ、全然見えない」

 

「凄い」

 

その言葉通り、二人の目の前に映っているのは、影と雷がぶつかっているようにしか見えない光景だった。

 

余りの速さに対応できない中で、彼女は一つ思い出す。

 

「彼らが使っていたのは、もしかして」

 

その言葉と共に、懐に仕舞っていた物を取り出し、見つめる。

 

同時にルパンレンジャー達の姿が再び見えるようになり、転生者の姿も現す。

 

「まさか、この獪岳をここまで追い詰める速さがあるとはな。

さすがはルパンレンジャーと言った所か」

 

「誉めてもなんもねぇよ。

さて、どうしたものか」

 

その時、彼らは追い詰められていた。

 

速さをなんとか互角に持ち込む事ができたが、近接武器がなく、リュウソウガンでは弾丸の速さが獪岳に追いつかない。

 

そして、ルパンレンジャー達は自身の武器を使おうとしても、それはできなかった。

 

それは、本来はなかったシステムであるリュウソウルの力を使っている間、リュウソウガンとリュウソウケン以外は使用できないという弱点だった。

 

その為、近接武器を使う事ができないルパンレンジャーにとって、この状況はまさにピンチだった。

 

だが、その状況は

 

「これを!」

 

その言葉と共に赤髪の女性が投げた物によって、変わった。

 

すぐに受け取ったルパンレッドは、それを見ると同時に、驚愕だった。

 

「なんで、これが。

まぁ考えている暇はないよな」

 

その手に握られていたのは、なんとリュウソウルだった。

 

すぐにリョウソウガンに先程投げられたリュウソウルを挿入する。

 

【ビュービューソウル!】

 

【強!リュウ!ソウ!そう!この感じ!ビュービューソウル!】

 

そのままルパンレッドはリュウソウガンのグリップを引いていくと、その度にリュウソウガンから溢れる風をルパンレッドを包み込む。

 

そして、最後に引き金を引くと同時にルパンレッドの姿は変わる。

 

ルパンレッドの両肩にはまるで蛇を思わせる黄金の鎧を身に纏い、ルパンレッドの両手には二つの双剣を手にしていた。

 

「なっ、まさかとは思っていたが、リュウソウルとは」

 

「なんだか、向こうは知っているようだけど」

 

突然の事で戸惑う獪岳達だったが、そんな中でもルパンレッドは冷静に剣を振るう。

 

「ふむ、なるほどね。

使い方は、サイクロンダイヤルファイターの力と似たような感じだな」

 

その一言と同時に、剣を振り下ろすと、一瞬で獪岳の目の前に迫った。

 

「っ陸ノ型 電轟雷轟」

 

「もう、知っている」

 

獪岳は、すぐに周囲に向けて攻撃に移ったが、連の身体に雷が当たっても、それ程衝撃はなかった。

 

「なっ」

 

疑問に覚えるよりも先に獪岳の身体は既に宙に舞っており、ルパンレッドは既に構えていた。

 

「ショータイムだ」

 

「なっ」

 

その一言と共に獪岳は周りを見つめると、手足はワイヤーによって縛られ、身動きが取れない状態になっていた。

 

一瞬で宙に飛ばされていた時、他のルパンレンジャー達が取り出したワイヤーによって、身動きが取れない状態になっていた。

 

【超!超!超!超!イイ感じ!】

 

その音声と共に空中に投げた剣は回り始め、巨大な空気の球を作り出した。

 

その空気の球に向けて、リュウソウガンの引き金を引く。

 

引き金を引いた瞬間、空気の弾丸となり、獪岳は空気の球に激突した。

 

「がはぁ!!」

 

同時に獪岳は白目を向きながら、地面へと落ちていった。

 

「凄い、あいつを倒すなんて」

 

「・・・もしかしたら」

 

その戦いを見ていた二人はすぐに決心をつけると同時に近づく。

 

そして、ルパンレンジャー達も既に戦闘を終え、変身を解除した所で、近づいて来る二人に目を向ける。

 

「それで、聞きたい事があるけど、良いか?」

 

「えぇ、それは構いませんが、その前に一つ聞きます。

貴方達はオカマ魔女の手下ですか」

 

「・・・ふざけているのか」

 

「この反応は大丈夫だと思うよ、お姉ちゃん」

 

あまりにも真剣な表情で、とんでもない事を言ったので、その場にいた全員が声を揃えて突っ込んだ。

 

その反応を見て、ピンク髪の女性も少し呆れたように言った。

 

「いえ、これは、その本当なんですよ!!

だって、この事態を起こしたのは、そのオカマ魔女と名乗る変態なんです」

 

「・・・・」

 

「なんというか、無茶苦茶デス」

 

「うんうん、私も反対の立場だったら、そう言うわ」

 

「もぅキリエも!!」

 

そう言いながら、赤髪の女性も慌てた様子からして、連達は彼女達が嘘をついていない事が分かり、とりあえずため息を吐く。

 

「とりあえず聞きたいが、ここはどこなんだ?

とても地球とは思えない場所だが」

 

「えっ、もしかして、貴方達地球から来たのですか?」

 

「地球の事を知っているのか?」

 

「えぇ、以前色々ありまして。

もしかして、時空管理局の事も」

 

「・・・・まぁ関係はあるな」

 

「なんだか色々と含みがある言い方だねぇ」

 

「ぶっちゃけ敵対関係デス」

 

「切ちゃん、ぶっちゃけすぎるよ」

 

「っ、それじゃあ、犯罪者!?」

 

「いや、たぶんだけど、そういう感じじゃないと思うよ。

うん、なんだか少し親近感がわくかも、とりあえず、自己紹介だけしましょう。

私の名前はキリエ・フローリアン、こっちはお姉ちゃんのアミティア・フローリアンよ」

 

「ルパンレッド、雨宮連だ」

 

「おい」

 

「向こうは明かしてくれたんだ。

こっちも明かさないと信用関係はできないだろ」

 

「ふんっ、儂はルパンイエロー兼リュウソウイエロー。

それ以上は言わん」

 

「俺はルパンブルー兼リュウソウブルー。

こちらも同じだ」

 

「私は暁切歌、ルパングリーンデス!」

 

「はぁ、切ちゃんは、私もルパンピンク。

一応は名前は言わない」

 

「うんうん、連君と切歌ちゃんは教えてくれて嬉しいな。

けど、ブルーとイエローちゃんはなんで名前が複数?」

 

「複数の名前も当たり前じゃからよ」

 

「そうかそうかぁ」

 

二人はそのまま笑みを浮かべているが、キリエと忍の間は明らかに笑顔ではない何かが激突しており、色々な意味でハラハラさせる。

 

「それで、なんで敵対関係を?」

 

「まぁ話すと長くなるけどな。

とりあえず、向こうにむかつく奴がいたから、敵対している。

けど、まぁ仲が良い人はいるけどな」

 

「はっそれは初耳だぞ」

 

「えっ言ってなかったけ?」

 

連の言葉に思わず素で返したソーマ。

 

二人はそのまま森の中へと入り話し合いを始めた。

 

「あははぁ、なんだか混乱しちゃうね。

とりあえずは当面の味方だと思ったら良いわね」

 

「そうじゃな、未だに敵の影が見えない以上は妥当じゃな」

 

「うん、そうですね。

だけど、とりあえず、私を挟んで会話するの辞めてくれません」

 

そう言いながら、未だに睨み合いが続くキリエと忍の間に立つ調は明らかに疲労しながら答える。

 

「それで、オカマ魔女って、一体何者なんだ?」

 

「分かりません。

ある日、突然侵略してきた謎の奴らです。

奴らは先程縛り上げた獪岳のような人達と共に攻め込んできました。

私達も必死で戦ったのですが、今はこうしてバラバラになっております」

 

「それで、さっきのリュウソウルは一体」

 

「それが、随分前にレビィが見つけた物なのよね。

あっレビィはうちの家族の一人だけど」

 

「以前まではなかったのですが、数ヶ月前に突然現れたのです」

 

「なるほどなぁ」

 

そう言いながら連は手元にあるビュービューソウルを見つめる。

 

「だったら、早くオカマ魔女達を倒すデス!!

私達も、元の世界に帰りたいけど」

 

「困っている人は、見捨てれない」

 

「・・・なるほどな」

 

「どうしたんじゃ?」

 

何か理解したようでソーマは苦虫を噛むような表情をしていた。

 

「ワイズルーの作戦だよ」

 

「えっ?」

 

「もしかして、この人が嘘を」

 

「いいや、真実だろう。

あいつはどういう意図でか分からないが、この世界に侵略を仕掛けた。

おそらくはオカマ魔女はその刺客だろ」

 

「ほうほう、でもそれが、なんで罠に?」

 

「俺達が人を助ける事に迷わない事だよ。

ここで俺達がオカマ魔女を倒す為に行動していたら、その分だけ時間がかかる」

 

「その間に、響さん達が!!」

 

「あぁ」

 

その考えが分かったソーマ達にとっては最悪な作戦だった。

 

オカマ魔女達の侵略を防げば、その間に味方に大きな被害が出る。

 

反対に、彼らを放って、元の世界に帰れば、この世界はオカマ魔女に侵略される。

 

まさに究極の板挟みだ。

 

「どうすれば「簡単な話だ」えっ?」

 

悩んでいる調の言葉に応えるように、連は立ち上がる。

 

「速攻でオカマ魔女達を倒して、速攻で元の世界に帰る。

それだけだ」

 

「無理です!!

相手はオカマ魔女以外にも多くの戦力があります。

対抗しようにも、この人数じゃ」

 

「何を言っている。

お前達が持っていたこれが最大の味方を知らせてくれたんだよ」

 

そうビュービューソウルを見せつける。

 

「リュウソウルが?」

 

「あぁ、こいつを纏った瞬間、最初は分からなかったけど、今はようやく分かった。

こいつは俺を導いている、自分の元に」

 

「まさかっ!!」

 

「あぁ騎士竜が、この世界にいる」

 

「騎士竜とは一体?」

 

「騎士竜ってのは、世界を守る為に誕生した恐竜デス!

色々と謎が多いデスけど、どの騎士竜もとんでもなく強いデス!!」

 

「しかも、こいつ、俺が感じた限りだとティラミーゴと同じか、それ以上だ」

 

「だったら、できるかも!!」

 

「えっと、つまりは」

 

「勝てるかもしれないという事!!」

 

未だに見ぬ騎士竜に対して、希望を抱き始めた一同。

 

「なら、行動は早くしないとな。

その騎士竜とは一体どこにいるんじゃ」

 

「それじゃあ、とりあえずはついてこい。

本当は空を飛べれば早いけど」

 

「すみません、さすがにこの人数では」

 

「まぁ幸い、場所はそれ程遠くない。

行くぞ」

 

その言葉と共に出発する。

 

未だに見ぬ、騎士竜を求めて



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EPISOOD14 古の鎧

「ここが、ソウルに導かれた場所?」

 

連達はあれから1日を賭けて、その場所へと向かった。

 

道中では、彼らの道を阻むように、星の特有の生き物や、転生者達が襲いかかってきた。

 

だが、連達はそれを乗り越え、ついに辿り着いた場所。

 

その遺跡は、彼ら7人は知らないがイリスとユーリ、その二人が出会った遺跡だった。

 

既に星の再生が行われていながら、近づけなかったはずの遺跡は、ビュービューソウルの力により、遺跡にあった死蝕を吹き飛ばしていた。

 

それを知らない彼らは、その遺跡の奥へと進む。

 

「本当にここなの?」

 

「あぁ、間違いない。

この遺跡、なんだか普通の雰囲気じゃない」

 

そう言いながら、連はゆっくりと足を進めながら見つめる。

 

「なんだか慣れた動きね。

やっぱり怪盗だから?」

 

「先輩は私達に出会う前から怪盗をやっていたから。

それこそ、私達が知る限り、最強の」

 

「そうデスよ!!

今はリュウソウジャーだけど、心の怪盗団だったり、色々と活動していたんデス!!」

 

「お前達、あまり情報を流すな。

そいつらは管理局と繋がっているからな」

 

気になったキリエに対して、自慢気に話す二人に対して、呆れたように忍は言う。

 

「・・・あの、質問なんですか、よろしいですか?」

 

「なんだ?」

 

「なんで、怪盗になったんですか?」

 

素朴な疑問、アミタは目の前にいる連にそれを抱いていた。

 

たった1日だけ共に行動していたが、連を初めとしたメンバーはかつて出会ったなのは達と同様に困っている人を助ける善人だと思える。

 

だが、それでも怪盗という、世間では余り認められない存在に、自らなったのか。

 

「きっかけなんてのは俺の場合は複雑だな。

だけど、あえて言うならば、困っている奴を助けるのが怪盗になる。

それだけだ」

 

「それだけですか」

 

「まぁ、復讐ってのもあるけどな」

 

そう言いながら連はからからと笑うが、アミタは目の前にいる連の存在に対して、さらに複雑な気持ちを持っていた。

 

「・・・へぇ」

 

「まさか」

 

そんなアミタを見て、キリエは少し笑みを浮かべており、忍はむっとした表情になった。

 

そんな道中を進む中、洞窟の奥から強烈な風が吹く。

 

「なにっ!!」

 

「なんじゃ、この風は!!」

 

「えっ?」

 

台風のような風は瞬く間に連を除く者を吹き飛ばす。

 

そして、連と彼らを阻むように透明な光の壁が現れる。

 

「なっ、これは一体」

 

『これは試練』

 

「試練?」

 

洞窟から聞こえくる声に疑問に思いながら、全員が周りを見渡す。

 

『騎士竜の力を得る者は、今から戦う者との決闘に勝ち、その力を証明せよ』

 

「それで、なんで俺が?

 

『貴様の中にある神殺しの力』

 

「そんな事までとはね」

 

「神殺し?」

 

「喋るなよ」

 

「はっはい!!」

 

「お口にチャックデス!!」

 

疑問に思ったアミタはすぐに聞こうとするが、忍の鋭い視線に、調と切歌はすぐに黙った。

 

「なんで、それを知っているか知らないけど、良いぜ、受けてやるぜ、その試練を!!」

 

その声を皮切りに、洞窟は光り始め、その奥から鎧の音が聞こえ、近づいてくる。

 

一切の油断なく、その正体を探るように見つめながら、現れたのは

 

「てめぇは!?」

 

連が構えた先に待ちかまえていたのは、ガイソーグだった。

 

「なんで、てめぇが!?」

 

「我はここにいる騎士竜のかつてのパートナー。

そのパートナーを摸した存在だ」

 

「摸した存在だと?」

 

「お前が、ガイソーグという存在を知っているようだが、目の前にいるのは、同じ存在であって、全く別の存在だ」

 

疑問の言葉が出てくる度に丁寧に話をするガイソーグに対して、警戒は続く。

 

「あの、知り合いですか?」

 

「ガイソーグ、儂らとは敵対している最悪な奴じゃ。

だが」

 

「奴からは、感じる気配がまったく違う」

 

かつて感じたガイソーグから来る狂気とは別に、まるで武人のように佇むガイソーグは姿が同じだけで、別人に思えた。

 

「つまりは、中身は全然違う奴という事か。

だけどな、ガイソーグは鎧だけの存在だろ?」

 

「違う」

 

「えっ?」

 

その言葉に連達は驚きを隠せなかった。

 

「あの、どういう事なんですか?」

 

「あのガイソーグは人々に取り付いて、その人の能力を自分の物にする事ができる鎧なんデス!!」

 

「だけど、違うって」

 

「我は所有者がいなければ、動かぬ鎧。

鎧を主にした者は、鎧を使い、他の者を操る事ができる」

 

「それを信用するとでも?」

 

「それは貴様次第だ」

 

その言葉を聞き、わき上がりそうになる怒りを抑え込みながら、連はゆっくりと息を吸いながら落ち着く。

 

「・・・あぁ、分かった。

もう、お前の正体がどうかは関係ない。

俺は、その先にいる騎士竜の力が必要だ」

 

「ならば、我と戦え」

 

「言われなくても」

 

その言葉と共に、連はリュウソウルを取り出し、リュウソウチェンジャーにリュウソウルを挿入する。

 

「リュウソウチェンジ!」

 

【リュウソウCOOL!】

 

その音声と共に連の周りに現れた網状に鎧のパーツが現れ、リュウソウケンを持った連がガイソーグの剣が激突すると同時に、リュウソウレッドへと変身する。

 

「ほぅ、リュウソウジャーか」

 

「はぁ!!」

 

驚きの声を漏らすガイソーグだが、その声を吹き飛ばすようにリュウソウレッドはリュウソウケンを振り払う。

 

ガイソーグはその剣を受け流し、手に持っている盾を連にぶつけ、後ろへと吹き飛ばす。

 

受け止めると同時に受け身を取った連はすぐに地面を蹴り上げ、ガイソーグに向けて飛び上がり切り上げる。

 

「まだまだ」

 

だが、まるで予知をしているように盾でその攻撃を受け止めると同時に、剣を使い連に攻撃を仕掛ける。

 

「がはぁ」

 

攻撃を受け止めきれず、地面へと倒れた連をそのままガイソーグは手を押さえ込むように踏みつける。

 

「剣の戦いにはまだ慣れていないようだな、その動き」

 

「だったら、なんだよ」

 

「なに、惜しいと思っただけだ」

 

「連さん!!」

 

 

ガイソーグはその一言を告げると共に、その手に持った剣を連の心臓に向けて、振り下ろした。

 

「まだまだぁ!!」

 

その言葉と共に腰に装填されていたリュウソウルの一つをリュウソウケンに装填し、レバーを操作する。

 

【オーシャンソウル】

 

「なに」

 

リュウソウケンから鳴り響く音と共に、連の身体を包み込むように水が溢れ出し、水の勢いに負け、ガイソーグはそのまま後ろへと下がる。

 

その隙を見て、連はそのまま後ろへと下がり、レバーをさらに操作する。

 

【強・リュウ・ソウ・そう!この感じ!オーシャンソウル!】

 

その音声と共に連の身に纏ったのは、メラメラソウルの力によって得られる炎の鎧とは正反対の、水を自由自在に操る事ができるオーシャンソウルの力を身に纏った水の鎧。

 

「まさか、強竜装を使える者がいるとはな」

 

「何を言っているんだ」

 

「ふっ、知らないのか、その力を」

 

そう言いながら、ガイソーグはこちらに向けて剣を構えながら、喋る。

 

「強竜装、それはリュウソウジャーが力を増大させる竜装を越える力の事だ」

 

「はぁ?」

 

「何も知らずに会得したのか。

いや、だからこそか」

 

「そういう細かい事情は正直、どうでも良い。

俺達は、今、時間はない」

 

「ふっ分かっている。

来るが良い」

 

その言葉を受けると同時にリュウソウケンに水が集まり始め、刀身を伸ばし、刀身を伸ばすと、そのままガイソーグに向けて一閃に斬る。

 

「なに?」

 

予想外の戦い方を行い、驚きの声を出しながらも、盾を受け止めたガイソーグに、そのまま追撃を行うように、連は動き始める。

 

水の刀身による攻撃は、これまで近接戦闘を行っていた連とガイソーグの戦いを変えていた。

 

「これは一体」

 

「あのオーシャンソウルには水の力が宿っておる。

その水を操る力で周りの水分をリュウソウケンに纏わせる事で伸縮自在の攻撃を可能にしたんじゃろ」

 

「でも、なんで、あんなに切れ味が良いの」

 

調は疑問に思い、見ると、先程から周りの洞窟にある岩が簡単に切り裂かれていた。

 

「ウォーターカッター、水が作り出す刃よ」

 

「水を自由自在に操れるなら、そのような事も可能でしょうけど」

 

「正直、言葉で言っているよりも、確実に難しいわ。

なんだって、自分にも当たる可能性があるのに、あのレッド、一切ミスをせずに、攻撃をしている」

 

「これまでの経験だな」

 

その言葉に疑問に思うようにアミタ達は首を傾げる。

 

「俺達の中でも、特に連はこれまで奇妙な戦いを何度も行っていた。

その経験の数々が、連をここまで強くした」

 

「先輩は、これまで沢山の人を助ける為に無茶をしたからデスね」

 

「沢山の人を?」

 

「うん、私達を含めて、とても沢山の人を」

 

その言葉を聞き、アミタの中にあった連の印象が変わり始めていた。

 

そして、戦いはついに終わりを迎えようとしていた。

 

「これで決める!!」

 

その言葉と同時にリュウソウケンのレバーを操作する。

 

【超!超!超!超!イイ感じ!】

 

その音声と共にその手に持っているリュウソウケンに纏っている水の量はさらに増えていき、その大きさは洞窟の真上を埋め尽くす程だった。

 

「はあぁぁ!!」

 

巨大な刃は水によって形成されており、行く途中の瓦礫などは通り過ぎながら、真っ直ぐとガイソーグに向かっていく。

 

「はあぁ!!」

 

その攻撃に対して、ガイソーグは刀身に集めたエネルギーを使い、反撃する。

 

だが、その攻撃すらも通り過ぎ、ガイソーグの鎧を吹き飛ばした。

 

「やっやりました!!」

 

「あっぶねぇ」

 

そう、連が言うと、連の後ろには先程ガイソーグが放った攻撃によって、亀裂ができていた。

 

あと少し場所が違えば、連は確実にやられていた。

 

「・・・私の負けだ。

まさか、これ程の強者がいるとはな」

 

「おい、教えろ、ガイソーグ。

てめぇは一体なんなんだ」

 

「・・・さぁな、私自身の記憶もそれ程ない。

だが、私はお前達の元になった存在、そして本来ならばお前達と同様に人々を守る存在だ」

 

「それが、なんで」

 

「さぁな、鎧は所有者を選べない。

もしも、お前が現代のガイソーグが出会う事があれば、止めてくれ」

 

「・・・あぁ、止めてやるよ」

 

「本当に、貴様ならば託せそうだな」

 

その言葉を最後にガイソーグは完全に消滅した。

 

「おっ通れるようになれた」

 

「先輩」

 

ガイソーグが倒された事により、連達を阻んでいた光の壁は消え、心配そうに二人が寄り添う。

 

「道具は使われる。

所有者を選べないか」

 

その言葉を胸に秘めながら、ゆっくりと目を開く。

 

「お前の意思、確かに受け取った」

 

その言葉を皮切り、洞窟に巨大な揺れが発生する。

 

「うっうわぁ、これってなんなんですか!?」

 

「とにかく出よう!!」

 

何が起きたのか、分からず、大急ぎで外に出る連達。

 

外に出た連達が目にしたのは

 

「えっティラミーゴ!?」

 

そこに立っていたのは黄金に輝く鎧を身に纏った黒いティラミーゴがそこに立っていた。

 

『我の息子を知っているのか』

 

「えっ息子!?」

 

その言葉に連達は驚きを隠せなかった。

 

まさか、ティラミーゴに父親が出てくるとは思わなかった。

 

『そして、我が目を覚ましたという事は、そうか、貴殿が試練を超えし者か。

名は』

 

「連、雨宮連」

 

『ならば、連よ。

そなたの願いを言え』

 

「決まっている、この星を守る為に力を貸してくれ!!」

 

『良かろう!!

我が名はディノミーゴ、』

 

その叫び声と共に連達はこの星の最後の戦いへと向かう。



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EPISOOD15 重なる影

ディノミーゴを仲間に向かえた連達は、一連の事件の主犯であるオカマ魔女の元へと向かっていた。

 

これまでの遅れを取り戻すように。

 

「あそこが、オカマ魔女の拠点か」

 

遠くからでも分かる程の不気味な雰囲気を漂っていた。

 

『油断をするな、奴らのボスはこちらに気づいていないが、周りの奴らは気づいたようだ』

 

「そのようだな」

 

その言葉と共に遠くから見える影に対して、連は呟く。

 

「いけるか」

 

『勿論だ』

 

その言葉と同時にディノミーゴの身体は変形し、連の持っているビュービューソウルが巨大化すると共に、地中から黄金に輝く蛇のような騎士竜が二体現れる。

 

その二体が合体する事により、ディノミーゴは新たな姿へと変わる。

 

「完成、キシリュウジン」

 

キシリュウジンへと変形を完了すると同時に、その手には二つの剣を構えた時だった。

 

施設の様々な場所から奇妙な形のロボット達が現れ、キシリュウジンに向かって襲い掛かってきた。

 

「あれは一体」

 

「あれは、機動外殻、かつての事件で消滅された物がなんで」

 

「おそらくはオカマ魔女共が作り出したんだろう。

それに見てみろ、奴らの中には転生者もいるそうだな」

 

「オカマ魔女達は、今はなぜか動いていないわ!!

今、ここを破壊すれば」

 

「決着が着く訳か」

 

その言葉を合図にキシリュウジンはその手に持った剣で、近くにいた機動外殻を破壊する。

 

破壊された機動外殻は瞬く間に爆散されるも、それでも未だに空を埋め尽くす程の機動外殻は怯む事なく、攻め込んで来る。

 

武人をモデルにしたような機動外殻はその手に持った巨大な槍でキシリュウジンに襲い掛かるが、一瞬、右手の剣を宙に浮かせ

 

「ザントマン」

 

その言葉と共に、連の背後から現れ月を模した顔を持つ存在が現れる。

 

同時にキシリュウジンの腕から溢れた風の刃によって、目の前に迫っていた機動外殻は全て吹き飛ばされた。

 

「きええぇぇー!!」

 

同時に、その風の刃を突き抜けて現れたミキサーを模した機動外殻が襲い掛かる。

 

「おい、連、あの中には」

 

「あぁ、転生者だな」

 

その言葉を受けると同時に連の背後にいたザントマンの姿は消え、代わりに闘牛士の恰好をした骸骨が現れる。

 

「マタドール」

 

その出現と同時にキシリュウジンの姿は一瞬で消え、再び現れた時には、機動外殻はバラバラに破壊されていた。

 

「嘘だろぉ!!」

 

中に入っていた転生者はそのまま吹き飛ばされ、特典を奪われると同時に遠くへと吹き飛ばされる。

 

ビュービューソウルの力により、倒された転生者達はエルトリアの森に飛ばされていた。

 

「これは一体、何が起きているの」

 

「忍先輩!!」

 

「まぁ良いじゃろ。

どちらにしてもバレるからの」

 

「ありがとうデス!!」

 

「これが、連先輩の力、ペルソナ」

 

「ペルソナ?

心理学でよく聞く単語だけど」

 

「連先輩は心の内にあるもう一人の自分を呼び出して、その力を使えるデス!

しかも、その数は多いデス」

 

「それは確かにね」

 

キリエは切歌の説明を聞きながら、目の前に起きている蹂躙する姿を見て、納得する。

 

彼女達にとっては、機動外殻を一つ破壊するのにも苦労しており、過去の事件でこれ程の数の敵がいたら、確実に負けていた。

 

なのに、キシリュウジンの力があるとはいえ、連のペルソナが合わさった瞬間、まるで目の前にいる機動外殻は容易く破壊していた。

 

「なるほど、神殺しって言われるだけあるわね」

 

目の前の光景を作り出す連の力を見て、改めてその感想を言うキリエだったが、不安は残っていた。

 

目の前にいる人物は確かに規格外の力を持っているが、それでも人間だ。

 

この力にも必ずリスクがある。

 

そう思っていたが連の表情には多少の焦りが見えた。

 

「連、少しは落ち着け」

 

「まだまだ、止まっている場合じゃないから」

 

「やっぱり、あんた無茶していたでしょ!!」

 

最初に使用していた時と比べてみると、疲労は明らかに見えており、攻撃を行う度に、彼の汗の量が考えられない程に多かった。

 

「あなたはなんで、そこまで」

 

「言っただろ、早く戻る為だ」

 

その言葉と共にキシリュウジンの背後から突然来た衝撃に吹き飛ばされ、地面に激突する。

 

「なにっ!」

 

「しまった」

 

その言葉と共に振り向くと、そこに立っていたのは機動外殻だったが、その形はこれまでの存在とは比べものにならない程の巨大なドラゴン型だった。

 

「こいつ、これまでの奴らとは違う!?」

 

『あそこから感じる気配。

これまでの転生者とは違うようだが』

 

「あれはヤバいな」

 

その言葉と共に機動外殻の中央部を見てみると、一人の青年が捕らわれていた。

 

「あれは一体」

 

「転生者の能力を強制的に引き上げている。

しかも」

 

「あぁ、早く助け出さないと命の危険がある」

 

「なに」

 

その言葉を聞いた瞬間、連の様子は変わった。

 

「これって」

 

「スイッチが入ったな」

 

「スイッチ?」

 

その言葉と同時に迫りくる機動外殻に対して蹴り上げる。

 

それによって、一時的に宙に舞った機動外殻の隙を突くと同時にキシリュウジンはそのまま地面に手を置く。

 

「ガルダイン」

 

その言葉と共に空高くに舞い上がり、連の手には新たなリュウソウルを取り出す。

 

「ガロソウル!」

 

ガロソウル、それはかつて藤原との戦いにおいて得たリュウソウル。

 

リュウケンドー、グランセイザーと同様にスーパー戦隊とは違う英雄達の魂を宿したリュウソウル。

 

その言葉と共にキシリュウジンに装填されていたビュービューソウルは外され、新たに装填されたガロソウルが装着する。

 

それにより、これまで黒い装甲の部分も黄金に輝き、両手に持っていた剣は一つへと変わる。

 

「一体」

 

「連の奴は無意識だけど、実力を完全に発揮するには条件があるんじゃよ」

 

「実力を?」

 

「あぁ、その中でも、誰かを助けようと思った連は最強じゃよ」

 

その言葉と同時に迫りくるドラゴン型機動外殻は次々と火炎弾を放っていくが、その手に持った剣で弾け飛ばしていく。

 

「とどめだ!

キシリュウジン、ガロソウルスラッシュ!」

 

その言葉と同時にキシリュウジンの手に持っていた剣に緑色の炎が宿る。

 

ドラゴン型機動外殻は反撃するように巨大な炎を放つ。

 

炎と炎のぶつかり合いは激しく、周りにいる機動外殻を全て破壊する程の衝撃だった。

 

だが、キシリュウジンはそのままドラゴン型機動外殻を切り裂き、その手には中に入っていた少年を抱える。

 

「これで、機動外殻は破壊されたな」

 

「あとは、あそこに突入だ!!」

 

その言葉と共に近くにあった機動外殻は拠点へと突っ込んでいく。

 

「・・・あら、こんな派手な登場、頼んでないけど?」

 

城の中で黒幕と思われる奇妙な恰好をしたオカマを見つけると同時にキシリュウジンから飛び出た連はそのまま手にはルパンリュウソウルを挿入していた。

 

「怪盗チェンジ」

 

【怪盗チェンジ】

 

その音声と同時にオカマ魔女の片方の隣に立つと同時に、手に持っていたリュウソウガンの銃口を向けて、引き金を引く。

 

【怪盗必殺!リュウソウジャー!】

 

「マカオォ!」

 

「ジョマァ!」

 

突然の攻撃に片方のオカマ魔女はもう一人の魔女を助ける為に吹き飛ばし、特典を奪われる。

 

「あれは、怪盗!?

 

「まさか怪盗の力を取り戻したの!?」

 

連はその声に気づき、振り向くと、そこにはバンを始めとしたキュウレンジャーメンバーが揃っていた。

 

(なるほど、こいつらを相手にしていたから、こっちの異変にはまったく気づかなかった訳か)

 

何が行われていたのかは分からずとも、少なからず、今回の戦いはバン達のおかげで勝利できた。

 

そう受け取っている間に

 

「よくもやってくれたわねぇ!!」

 

その声が聞こえ、見ると、そこにはもう片方に残っていたオカマ魔女がこちらに向けて攻撃を仕掛けていた。

 

既に体力の限界を迎えていた連は避ける事ができず、そのまま吹き飛ばされる。

 

「無茶をしすぎデス!!」

 

「いきなり飛び出して、びっくりしました」

 

そんな連を受け止めるように切歌と調は受け止めると、オカマ魔女には既に青と黄色の光によって、吹き飛ばされる。

 

「特典は、なんとか奪えた」

 

「だが、思っていた以上に最悪な事態じゃな」

 

すぐに倒すように動き出した忍とソーマだが、彼らは予想以上の最悪な出来事が起きていた。

 

「まさか、ルパンレッドの正体が、雨宮連だと!?」

 

それは、レッドの正体がバレた事だった。

 

「よく考えたら、ペルソナを使っていた。

それに転生者じゃないんだったら、それも考えられる」

 

「怪盗が怪盗の力を得る。

不思議ではなかったんですね」

 

「あの人の事を知っているんですか?」

 

「あぁ、心の怪盗団と呼ばれる集団のリーダーだ。

世直しで人の認知を変えるけど、まさかレッドが」

 

少なからず、雨宮の事を知っている様子で目の前にいるバン達は苦渋の表情を浮かべていた。

 

「嘘だろ」

 

「ヴィータ隊長?」

 

その中で、ヴィータは驚きで目を見開いていた。

 

「お前、どういう事だよ、なんで、お前が怪盗なんだよ!!」

 

「ヴィータちゃん、知り合いなの?」

 

「あぁ、地球で住んでいた時にはやてが弟のような存在だって言ってた奴だよ」

 

「えっ!?」

 

「どういう事だ!!」

 

ヴィータからの一言、それはキュウレンジャー達にとっては驚きを隠せない事だった。

 

「一体、何が?」

 

『お前達、時空のひずみに穴が開いた。

今なら帰れるぞ』

 

「あぁ分かった、という事で、ここでお別れだ」

 

ディノミーゴの声を受けて、ソーマはそう内部にいたアミタ達に伝えると、彼女達はそのまま城の中へと入っていた。

 

「えっアミタにキリエ、どうして怪盗達と?」

 

「はっはい、実は私達は彼らに助けられて」

 

「だけど、どういう事態かさっぱり分からないのよね」

 

そう言いながら、ディノミーゴはそのまま連達を乗せて、その場から走り出す。

 

(連さん、あなたは似ているかもしれない。

たった一日だけだったけど、あなたは本当に優しい人だ)

 

そう言いながら既に歪んだ時空の中へと飛び込んだディノミーゴを見つめながら、アミタは思い出すのは、一人の男だった。

 

(だからこそ、あなたは、フィル・マクスウェルのような存在にならない事を、本当に祈っています)

 

アミタはどこか歪な正義感が連と似ていると感じていた。

 

しかし、フィル・マクスウェルは自分が絶対的に正しく、自身の為ならば自身を含めて全てを平気に犠牲にする。

 

雨宮連は多少は自分の中で正しく思っているが、決定的に違うのは犠牲だった。

 

他者の為ならば、自身がどうなっても構わない。

 

恩人であるなのはとフィル・マクスウェルが合わさったような存在の心配が、彼女の心の中で占めていた。

 




次回の出撃メンバーをアンケートを行っています。
アンケートは以下のメンバーとさせてもらいます。
皆様の応募、お待ちしています。

①リュウソウレッド リュウソウゴールド
②ルパンレッド ルパンホワイト
③リュウソウレッド リュウソウグリーン リュウソウブラック
④リュウソウレッド リュウソウイエロー リュウソウピンク
⑤リュウソウレッド ルパンブルー ルパンイエロー


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EPISOOD16 最強タッグ!?レッド&ゴールド

ディノミーゴは時空を超えながら、連の身体は徐々に回復していく。

 

「おっおぉ、改めて見ると凄いデス」

 

「はぁ、助かった」

 

そこには、先程までの戦いにおける疲労とは別に身体の傷が回復していた。

 

「まったく、無茶ばかりするからの」

 

そう言った忍の身体は大人へと変わっていた。

 

忍は吸血鬼であり、彼女は連の血を吸う事で、連が血を吸うまでの間、完全体に近い状態になる。

 

その影響で連も一時的にだが、吸血鬼の力を使える事ができる。

 

「そろそろ目的地だな」

 

「そうじゃな、という事でお前達、向こうを向いておけ」

 

「はぁいデス」

 

「少し気になるけど」

 

その言葉を受け取るとソーマ、切歌、調は後ろを見ると、その間、連は忍から血を吸い出す。

 

そうして、忍の身体は大人から子供へと変わる。

 

「さて、目的地にたどり着くようだが、向こうの状況は」

 

その言葉と共に、時空の先にある光景を見てみると、とある戦艦での光景が映し出されていた。

 

そこではリュウソウグリーン、リュウソウピンク、リュウソウブラックが一体の怪人と戦っていた。

 

「ふんっ!!」

 

「がぁ」

 

「きゃぁ!!」

 

「ぐっ」

 

その怪人は全身から生えた砲台をリュウソウジャーに向けて放たれ、吹き飛ばされる。

 

「くっそぉ、負けてられるかよ!!」

 

その言葉と共にリュウソウグリーンは背中から生やした赫子で怪人に攻撃を仕掛けるが

 

「無駄な事を」

 

攻撃を全て受け止めると、怪人の砲台はたちまち破壊されるが、驚く程の速さで再生する。

 

「またかよ!!}

 

「このガチレウスの前ではどのような攻撃も無駄だ」

 

そう、ガチレウスを呟きながら、周りにはマイナソーが暴れており、キシリュウネプトゥーンと激闘を繰り広げており、響達は錬金術師と戦っていた。

 

「このままじゃ、やばいデス!」

 

「・・・ソーマと忍はマイナソー。

切歌ちゃんと調ちゃんは響達の援護。

俺はガチレウスとか言う奴をなんとかする」

 

「あぁ」

 

「了解デス!」

 

その言葉と共に空間を抜けた先でディノミーゴはキシリュウジンへと変わり、マイナソーの一体を切り裂く。

 

「なっ見た事のない騎士竜!?」

 

「えっ切歌ちゃんと調ちゃん!!」

 

「「「「助けに来た」」」」

 

その言葉と共に各々は戦いが始まる。

 

「ふっ所詮ワイズルーの策略だな。

余り長くは時間稼ぎはできなかったか」

 

「俺の仲間が世話になったな」

 

そう言いながら、リュウソウケンをガチレウスに向ける。

 

「だが、役立たず三人を抱えた状態で、どう戦う?」

 

「簡単な事だ、二人で戦えば良いだけだ」

 

その言葉と共に船へと乗り移ったのは

 

「司令!?」

 

その言葉と共にモサレックスが口を大きく開き、それを見たリュウソウブラックは二人を抱えて、モサレックスの口の中へと飛び込む。

 

「三人を頼むぞ」

 

それに応えるようにモサレックスは雄たけびと共に海の中へと飛び込んだ。

 

「ネプトゥーンは俺が動かさないといけなかったからな。

だが、彼らが来たのならば、俺も遠慮なく戦える」

 

「今回は許可は」

 

「あぁ、ばっちりだ」

 

そう言うと弦十郎はモサチェンジャーを取り出し、連もまたリュウソウルを取り出す。

 

そして、各々の変身アイテムにリュウソウルを挿入する。

 

【ワッセイワッセイ!ソレ!ソレ!】

 

【ドンガラハッハ!ノッサモッサ!エッサホイサ!モッサッサッサ!】

 

その音声と共に連と弦十郎は、リュウソウルが現れ周りで踊りだす。

 

「「リュウソウチェンジ!!」」

 

【リュウSOCOOL!】

 

その音声と共に二人の身体はリュウソウジャーへと変身する。

 

「勇猛の騎士リュウソウレッド!」

 

「栄光の騎士リュウソウゴールド!」

 

「「人々を守りし、炎と雷!騎士竜戦隊リュウソウジャー!」」

 

その言葉と共にガチレウスは笑みを浮かべる。

 

「最強の二人が相手か。

最強である証明には丁度良い!」

 

「悪いが、負けるつもりは毛頭ない」

 

「お前を、ここで倒す!」

 

「無駄だ、貴様らのデータは既に揃っている」

 

「データが揃っていたとしても」

 

「負けるつもりはない」

 

「その余裕、いつまで続くか!」

 

ガチレウスはその言葉と共に身体の様々な所から砲台が現れ、リュウソウレッド達に向かって放たれた。

 

ガチレウスの放たれた砲弾は連達の方ではなく、未だに避難ができていない職員の方へと向かっていた。

 

「ふっ、これは避けられない」

 

そうガチレウスは余裕の笑みを浮かべるがリュウソウレッドはその手に持ったリュウソウケンを逆さに持ち、砲弾を切り上げた。

 

切り上げられた砲弾は爆発する事なく、別の砲弾へとぶつかり爆発していく。

 

リュウソウゴールドはその手に持ったモサブレードから放たれる電撃の鞭によって、周囲の砲弾を全て纏め、海へと投げ捨てる。

 

「なっなんだ、その技は!?」

 

「「今、思いついた」」

 

「なっ!?」

 

その言葉と共にリュウソウゴールドはモサブレードをリュウソウレッドに向けて投げる。

 

リュウソウレッドはそれを受け取ると、リュウソウケンとモサブレイカーの二つの剣を重ねる。

 

同時に炎と雷の二つのエネルギーをリュウソウレッドは纏う。

 

それを見届けるとリュウソウゴールドはその手に持ったモサチェンジャーにビリビリソウルを挿入する。

 

【ビリビリソウル!ザバーン!】

 

その音声を確認すると、そのままモサチェンジャーを操作する。

 

【めっさ!ノッサ!モッサ!ヨッシャ!この感じ】

 

「はぁ!」

 

その言葉と共に引き金を引くと、同時にリュウソウゴールドの身体には黄金に輝く鎧を身に纏う。

 

「はあぁ!!」

 

同時にリュウソウゴールドは目にも止まらない速さでガチレウスへと接近すると、全ての砲台に向けて、殴る。

 

「おら!おら!!おら!!おらぁ!!!」

 

リュウソウゴールドの叫びと共にガチレウスの砲台はリュウソウゴールドの攻撃により、全てが壊されてしまう。

 

「ぐぅ、だが、すぐにでも再生をっ!?」

 

「無駄だ!!

貴様が俺達の事を知るように、俺達もお前の事を知っている!!」

 

「なに!?」

 

「再生がどういう仕組みか難しく考える必要はない。

だが、お前は見た目がどう変わろうと、人間なのは変わりない!!」

 

「まぁ単純に言うと、再生する時に必要な電気信号を止めただけだ」

 

「まさかっ、そんな無茶苦茶な」

 

「それが、俺達だからな」

 

その言葉を聞くと、リュウソウゴールドは横へと跳ぶと、空から来たリュウソウレッドは二つの剣を叩き込む。

 

「がぁ」

 

「はああぁ!!」

 

二つの剣から放たれる炎と雷の二つの斬撃はガチレウスは次々と切り裂いていく。

 

「ぐっ、なんなんだ、これは」

 

怒涛の攻撃を終えると共に、モサブレードをリュウソウゴールドに投げる。

 

それを受け取ると同時に二つの武器を一つに組み合わせたモサブレードにする。

 

「とどめだ、いけるか」

 

「勿論」

 

その言葉を受け取ると同時にリュウソウゴールドはリュウソウルをモサブレードに挿入する。

 

【いただきモッサ!来る!来る!来る!来る!どんと来る!】

 

リュウソウルを挿入した後、レバーを引きながら、その狙いはガチレウスへと向けた。

 

それと同時にリュウソウレッドはリュウソウケンにリュウソウルを挿入し、走り出す。

 

【それ!それ!それ!それ!その調子!】

 

「はぁ」

 

【モッサドーン!】

 

同時に引き金を引くと、モサブレードから巨大な騎士竜を模した雷が現れる。

 

リュウソウレッドはそのまま飛び上がり、雷の上に乗り、ガチレウスに突入する。

 

「こんな事がっ!!」

 

【剣ボーン!】

 

「おらぁ!!」

 

その一言と同時にリュウソウレッドのリュウソウケンの赤いエネルギーを纏ったリュウソウケンは雷と共にガチレウスを切り裂く。

 

同時にガチレウスの身体は一瞬亀裂を作り出すと同時に真っ二つに割れる。

 

そこから厳つい軍人のような男が現れ、倒れる。

 

「はぁ、倒せたか」

 

その言葉と共に連はその場で倒れる。

 

「うわっと」

 

そんな彼を受け止めたのは、先程まで錬金術師と戦っていた響だった。

 

「おかえり」

 

「あぁただいま」



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EPISOOD17 最強海賊参上

活動報告にて、新たな募集を行っています。
興味がある方はぜひお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=221874&uid=45956


「えぇ、異世界に行っていたの!!」

 

「まぁ、その結果でディノミーゴを仲間にしたんだ」

 

連達は無事に帰還し、異世界で起きた出来事について話した。

 

響達もその間に起きた出来事を話し合いながら、外の光景を見ていた。

 

『父ちゃん!』

 

『でかくなったな、息子よ。

だが、私は戻らなければならない』

 

『っあぁ、分かっている』

 

『私が必要な時は何時でも呼んでくれ。

では』

 

その言葉と共にディノミーゴは再び時空の亀裂の中へと入っていった。

 

「それにしても、向こうの方に知り合いがいたとはな」

 

「まぁ次元融合で、他の世界の俺と重なったんだと思うがな」

 

「次元融合?」

 

その言葉に疑問に思ったのか、不知は首を傾げる。

 

「なんでも、他の世界と融合した現象だ。

ギャングラーのボスがいなくなった事で元の世界に戻ったらしいがな」

 

そう言いながら、彼らはあの時の戦いの事を振り返った。

 

「とにかく、錬金術師に対抗する為の手段も手に入れたし、連達も戻ってきたから、これで万全だな」

 

「あぁ」

 

「さぁ、それはどうかな」

 

「誰っ!!」

 

突然聞こえてきた声に、全員がその場を振り返る。

 

そこに立っていたのは赤い海賊衣装を身に待っていた男がおり、全員が警戒で睨んでいた。

 

ただ一人を除いて

 

「マーベラスさん!」

 

「久しぶりだな、連」

 

そこに立っていた男の正体を知っている連はすぐに近づき、握手した。

 

「知り合い?」

 

「あぁ俺達に力を貸してくれた海賊戦隊ゴーカイジャーのゴーカイレッドのマーベラスさんだ」

 

「「「「えぇ!!」」」」

 

その言葉を聞き、全員が驚きを隠せなかった。

 

「それにしても、マーベラスさん、なんでこっちに?」

 

「なに、今回のガイゾーグに関しては俺にも因縁があってな」

 

「因縁?」

 

「まぁ、それは別にどうでも良い。

肝心なのはこっちの届け物だ」

 

そう言い、マーベラスさんが取り出したのは宝箱だった。

 

「おっおぉ!!!

これは海賊のお宝デスか!!」

 

「本物、初めて見た!!」

 

「これを?」

 

「まぁな」

 

その言葉を受け取ると、連はゆっくりと宝箱を開ける。

 

そして、本物の宝箱が出てきた事で連以外のメンバーも気になり、その宝箱の中を見る。

 

その中には

 

「たっ卵?」

 

「それにリュウソウルに」

 

「でっかい石」

 

その中に入っていたのはダチョウの卵と同じぐらいの大きさの卵に何やら巨大な石が入っていた。

 

疑問に思いながらもリュウソウルを取り出すと

 

「これって、マーベラスさんの?」

 

「あぁ俺達スーパー戦隊の力が籠められたリュウソウルだ。

だが、あくまでもてめぇを認めた奴らのリュウソウルだけだがな」

 

その言葉を聞き、探ってみると、リュウソウルの中で確かな絵柄があるのは連達に出会ってきた数々のスーパー戦隊のみだった。

 

「確かにリュウソウルは分かったけど」

 

「この二つは」

 

「卵はなんでも最強の騎士竜の卵で、岩は最強の武器らしい」

 

「さっ最強の!!」

 

その言葉を受け取り、全員がその二つを見つめる。

 

「だが、今はまだその時じゃない。

二つとも、お前達のこれから次第だ」

 

「おっおぉ」

 

「恐竜の卵なんて、初めて見た」

 

その言葉を聞き流しているように切歌や調、それに不知などのメンバーは既に卵に夢中になっていた。

 

「でも、なんか条件があるんですよね」

 

「まぁな」

 

そう言いマーベラスは連を見る。

 

「これから、てめぇに未だに認められていないスーパー戦隊と戦ってもらう。

まぁ時には共闘する形で認められる可能性もある」

 

「認められていない、スーパー戦隊」

 

「それができた時に、その武器は完全に使える。

てめぇらにそれはできるか」

 

その言葉に対して全員は

 

「勿論」

 

そう、全員が応えた。

 

「良い返答じゃねぇか。

それじゃあ、とりあえず連、てめぇはこっちに来い」

 

「えっ、俺?」

 

「当たり前だ、てめぇには俺から直々にスーパー戦隊の戦い方を叩き込んでやる」

 

「えっえぇ!?」

 

その言葉と共にマーベラスに引きづれられる形で、その場を後にした。

 

「なっなんていうか、色々と唐突だった」

 

そう誰が呟いたか分からない一言はその場にいた全員が頷いた。



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EPISOOD18 雨宮連の事件簿

「つっ疲れたぁ!」

 

「えっえぇ大丈夫ですか!?」

 

連はマーベラスとの戦いを終え、家に帰ると同時に倒れ込んだ。

 

「まっマーベラスさん、次々と色々なスーパー戦隊に変身して、本当にやばかった」

 

「そんなにですか」

 

「あぁ、だけど少しだけ掴んだような気がする」

 

そう言いながら、リュウソウルとルパンソウルを取り出す。

 

「何か分かったのですが?」

 

「まぁ、まだ完全には分かっていないけどな」

 

そう言いながら、連は映し出されたニュースを見た。

 

「連続爆弾魔ねぇ」

 

そこに映し出されていたのは、これまではあり得ない爆発が連続で起きており、どこも厳重な警備がある警察関係の場所を限定していた。

 

そして、犯人は未だに捕まっていないらしい。

 

「錬金術師の仕業という訳じゃないよな」

 

「けど、放っておく訳にはいかないな」

 

「あぁ、被害者が増えているからな。

片手間でも調査しとくか」

 

「おしゃあ、さすがはリーダーだぜ。

でも、どうやって?」

 

「そうだなぁ」

 

そう言いながら、連は頭を悩ませる。

 

「んっ?」

 

そう言っている間に連はニュースのある場面を見つめる。

 

「んんっ?」

 

「連、どうしたんじゃ?」

 

「いや、ちょっとな」

 

そう言いながら連は休息を取れると同時に走り出す。

 

「えっ、連!?」

 

「少し気になる事があってな、出かけてくる」

 

「えぇ!!」

 

突然の行動に驚きを隠せないメンバーを放って、連は走り出す。

 

連は事件現場にたどり着くと、爆発現場を見ていた。

 

「やっぱり、普通の爆弾じゃないよなぁ」

 

そう言いながら、爆発跡を見ていた。

 

「焦げ跡もそうだけど、監視カメラを見ている限りでは爆発の威力が余りにも大きすぎる」

 

「お前、そこで何をやっている」

 

「んっ?」

 

そう言いながら、現場を見ていた連の後ろから声が聞こえ、驚く。

 

「あっ」

 

「なんだ?」

 

そこにいたのは、ルパンレンジャーとして活動していた時にレギオンを特典にした転生者との戦いの時に出会った刑事だった。

 

「なんで、こんな所に一般市民が」

 

「いやぁ、なんていうか、そのぉ」

 

そう言いながら、言い訳を考えていると

 

「んっ?」

 

「おい、お前」

 

そんな中で連は気になる物を見つける。

 

「これって」

 

「なんだぁ、なんかの破片か?」

 

破片を見つめると、それは何かの切れ端のようだった。

 

「もしかして、なぁおっさん」

 

「おっさん言うな!!」

 

「事件の時になんかボールとか落ちていなかった」

 

「ボールって、何を急に」

 

「良いから良いから」

 

「ボールねぇ、まぁ確かにあったようだぞ。

目撃現場でもなんか砂のようなのがあったようらしいけど」

 

「なるほどねぇ、爆弾の正体はこれだったわけか」

 

「はぁ?」

 

「おっさん、おっさん。

探して欲しいのがあるんだけど」

 

「一般市民が口を出すな。

たくぅ」

 

そう言いながら刑事はその場から立ち去ろうとした。

 

「別に一般市民じゃないんだけどな」

 

そう言いながら、連はその場から去った。

 

「さてっと、あとは現場から考えて」

 

そう言いながら連はゆっくりと歩き出す。

 

やがて辿り着いたのは刑務所だった。

 

刑務所の近くにある壁を見て回り、その場所に向けてワイヤーを投げ、そこから侵入する。

 

そこから見えた怪しい人影が見えた。

 

「やっぱりなぁ」

 

そう言い、連が取り出したのは怪盗の予告カードを投げた。

 

「っ、これは」

 

「もうバレた訳」

 

そう言いながら、目の前にいる二人を見ながら連は近づく。

 

「お前は」

 

「予告カードで分からなかったか、転生者」

 

「ちっ」

 

そう言い、その二人の影が現れる。

 

そこには警備員の恰好をしている男女が現れた。

 

「確かに俺達は転生者だけど、犯罪なんてやっていないですよ」

 

「いや、お前らだろ、爆弾を仕掛けたのは」

 

「爆弾?

どこにある訳、そんなの」

 

「これだろ」

 

そう言い、連はボールを取り出す。

 

「はぁ、そんなボール、どこにもあるじゃない」

 

そう言い、ボールを地面に置くと弾く事なく、そのままペタッと落ちてしまう。

 

「ほら、爆発しない「ほらぁ」あっ!」

 

連はそのまま火花を散らしながらボールを切り裂く。

 

すると二人はそこから隠れ始めた。

 

「なに焦っているんだ、ただのボールだぞ」

 

「てめぇ」

 

「お前達はボールの中にある土、多分だけど火薬かなんかを詰めたんだろ。

しかも、この地球ではない何かだろ?」

 

「まさか、そこまでバレているとはな!

まぁ、けど、怪盗だったら、まだ良いか」

 

「んっ」

 

そう転生者である男は笑みを浮かべながら言う。

 

「お前も警察の奴らには恨みがあるんだろ。

だったら、俺達は仲間じゃないかよ」

 

「仲間?」

 

「そうだよ、俺とムギと同じじゃないか」

 

「同じ?」

 

そう言いながら、眼を細める。

 

「アサムも私も元は警察だったんだけど、悪事がバレて殺されたのよね」

 

「そっ、ボスの奴も気に食わなかったけど、それ以上に俺達の人生を滅茶苦茶にしたデカレンジャー達には恨みしかないの」

 

「だから、実験程度と憂さ晴らしも一緒に警察施設を破壊していた訳」

 

「たったそれだけか」

 

「あぁ?」

 

「はぁ、本当、くだらない理由だぜ」

 

「なに?」

 

そう言い、連は二人を睨みつける。

 

「確かに俺と戦っている奴らは警察みたいな奴らだから、気に入らない所もある」

 

「へぇ、やっぱりお前も警察を気に入らない訳か」

 

「それじゃあ、私達と同類じゃない」

 

「別にお前らと同類になるつもりはない。

それに、お前らじゃ、デカレンジャーだろうとあいつらだろうと、まして交番に勤務しているお巡りさんにだって勝てないよ」

 

「「なに?」」

 

その言葉に切れたように、二人は連に向けて睨み付けた。

 

「何を言ってっ!!」

 

そう言って何かに気づいたようにアサムは、手に持ったSPライセンスを取り出す。

 

「爆弾がないだとっ!?」

 

そこには既に爆弾の元になるボールは全て回収された後を監視カメラから確認できた。

 

「はぁ、何を馬鹿な事を言っているの。

結構な数をまき散らしたのに、それを全部見つけて、回収したの」

 

「だからお前ら程度じゃかなわないと言ったんだよ」

 

そう言いながら連は余裕の笑みを浮かべていた。

 

「おい、怪盗、これで良かったんだな」

 

そう言ったのは連と出会った刑事がいた。

 

「はっはぁ何よあいつは!!」

 

「俺か、俺はただの刑事だよ。

にしても、お前からこれが届いた時は驚いたぜ」

 

そう言い男が見せたのはルパンレンジャーとして活動していた時の予告状のカードだった。

 

そこには【ボールが爆弾】とだけ書かれていた。

 

「たった、それだけで!?」

 

「だから、警察舐めるなって言っただろ。

元警察なのに分からなかったのか」

 

「てめぇ!!」

 

そう言い、アサムは刑事に向けて銃を構えようとした時だった。

 

アサムとは別方向から銃音が聞こえ、アサムの銃を弾いた。

 

「なっ」

 

「んっ?」

 

突然の事で驚いてる間にその場にいた全員がその場を見ると、そこには赤い服を身に纏った男とスーツを身に纏った犬が立っていた。

 

「いっ犬!?」

 

「転生者じゃない?」

 

「俺はドギー・クルーガだ。

君が雨宮連だな」

 

「知っているのか?」

 

「まぁな」

 

「おっお前達は」

 

「なんで、こんな所にドギー・クルーガと赤坂伴番がっ!?」

 

「知り合い?」

 

二人の言葉に疑問に思った連は首を傾げると

 

「まぁな。

あいつらは元々は俺達の世界にいた奴だけど、戦いで死んだ。

まさか、この世界に転生していたとはな」

 

「だけど、例え先輩達だろうとぉ!!」

 

その言葉と共にアサムがSPライセンスを操作すると、地中から次々と巨大ロボットが現れる。

 

「どうよ、これは!

新しいボスからの贈り物の大量の怪重機はよぉ」

 

「それじゃ、私達はここで」

 

そう言おうとした時だった。

 

怪重機の一体は倒される。

 

「今度はなんだよ!!」

 

「まさかこんなに用意していたとはな。

おい、雨宮」

 

「んっ!?」

 

バンは雨宮に向けて、何かを投げた。

 

それを受け取ると、雨宮の手元にはアサム達が使っているのと同じSPライセンスがあった。

 

「お前の言葉、確かに受け取ったぜ」

 

「多くの事を見てきた君ならば、きっと道を間違えない事を見ている。

行くぞ、バン!」

 

「了解、こっちは任せろ!」

 

その言葉と共にバン達は怪重機を倒す為に向かった。

 

「あぁ、確かに受け取った」

 

その言葉と共に連はルパンソウルを取り出し、リュウソウチェンジャーにセットする。

 

「怪盗チェンジ!」

 

【怪盗チェンジ!】

 

その音声と共に連はルパンレッドへと変身する。

 

「ルパンレッド」

 

「へっ、だったら怪盗相手に警察が相手をしてやるよぉ!!」

 

「「エマージェンシーデカレンジャー!」」

 

その声と共に連の目の前にいるのはスクワットモードとなっているネオデカレッドとネオデカイエローに変身し、銃を構えた。

 

「そんな小さい銃で何ができるだよ!!」

 

「銃は一つじゃなかったら、どうするんだ?」

 

そう言い、連は先程受け取ったSPライセンスを取り出し、もう片方の手には何も描かれていないリュウソウルを取り出す。

 

するとSPライセンスはリュウソウルに吸い込まれ、そこには新たなリュウソウル【デカレンリュウソウル】へと変わる。

 

同時にデカレンリュウソウルをリュウソウジュウへと装填する。

 

【デカレンジャー】

 

その音声と共にリュウソウジュウから出てきたもう一つの光、それはデカレッドが使用していた武器であるディーマグナムを取り出し、構える。

 

「ちっ、あのデカレッドと同じ武器を使った所でぇ!!」

 

そう言い、二人のデカレンジャーはルパンレッドに向けてディーリボルバー による銃弾が襲いかかる。

 

だが、ルパンレッドはすぐにワイヤーを使い、その場からすぐにその場から離れる。

 

宙に避け、両手に持った銃を二人のデカレンジャーのディーリボルバーの銃口を防いだ。

 

それにより、不穏な音がディーリボルバーから手を離すと、たちまちディーリボルバーは暴発する。

 

「はっはぁ!?」

 

「そんな馬鹿げた事がっ!」

 

「まだまだだぁ!!」

 

その言葉と共にルパンレッドはそのまま二等拳銃で二人のデカレンジャーを打ち抜いていく。

 

「くっくそぉ」

 

「纏めて決めるぜ!!」

 

その言葉と共にディーマグナムをリュウソウガンと合体させ、デカレンジャーに向ける。

 

「リュウソウガン・Dモード!

デカレン・フィニッシュ!」

 

その声と共に放たれた巨大なエネルギー弾がデカレンジャーに向ける。

 

「ぐっ」

 

「きゃぁ!!」

 

その攻撃を見て、ネオデカレッドはネオデカイエローを盾にして、その場を逃れる。

 

「あははぁ、これで」

 

「だと思ったよ!!」

 

【リュウソウチェンジ】

 

すぐにネオデカレッドは新たなディーリボルバーを構えようとした時だった。

 

連は既にリュウソウレッドに変わっており、その手のディーマグナムはデカマスターが愛用の武器であるディーソード・ベガへと変わる。

 

そのまま滑るようにネオデカレッドへと迫る。

 

「ベガスラッシュ」

 

「があぁ!!」

 

そのまま一閃し、ネオデカレッドを切り裂き、ネオデカレッドを倒す。

 

「くそぉ!」

 

そのまま倒れたネオデカレッドは倒れ、完全に倒される。

 

「くそっ!!」

 

そのまま変身が解除されたアサムは上を向くと

 

「「ブラストランチャー!」」

 

デカレンジャーの二人が乗り込んだデカレンジャーロボ フルブラストカスタムによって、大量に溢れた怪重機を一全て破壊した。

 

「嘘だろ」

 

「どうやら年貢の納め時だな」

 

そう言い、全ての戦いを終え、刑事は出てくると手錠を取り出す。

 

「アサム、ムギ、連続強盗事件容疑で逮捕する」

 

「くっくそぉ」

 

その言葉と共に刑事はそのまま二人を連れていく。

 

「それにしても、あの時からさらに変わったな」

 

「そうか?」

 

そう言いながら連は刑事を見る。

 

「あの怪獣事件では本当に感謝する」

 

その言葉と共に刑事はその場から去った。

 

「へっ、やるじゃないかよ」

 

そう言い、バンは連の背中を叩いた。

 

「うわっと」

 

いきなり叩かれた事で驚きながら、連は振り返る。

 

「お前は決して相いれない人とも力を合わせる事ができる可能性を持っているな」

 

「聞くが、君は管理局と協力する気は」

 

「ない」

 

「そこははっきり言うんだな」

 

そう言いながら、驚いたようにドギーはガクッと肩を落としてしまう。

 

「理解はできるが納得する事はできない」

 

「なぜかね、君達の持つ力と同じ力を持って彼らは戦っている」

 

「それでも、あいつらは更生も使う。

俺達は例え間違ったとしても、人は変われると信じて戦っている。

だから」

 

「なるほどなぁ、ようするにお前は敵を殺すというのを嫌っている訳か。

それは俺達の方法や他のスーパー戦隊に対してもか」

 

「・・・えぇ。

尊敬はしてますし、その行動も理解できる。

だけど、俺は「良いんじゃないの」えっ?」

 

その言葉に対してバンは笑顔で応える。

 

「俺達はデリートを許可があれば殺す事もある。

それはどんな理由を述べても変わらない。

けど、お前は殺しは間違っているとはっきり言える、それは一つの強さじゃないのか」

 

「戦いの中で命を奪うという決して許されない事を我々は多く行う。

君もそれを行う時があるだろう。

だからこそ、君の信念を忘れないで欲しい」

 

そう言われ、連は同じく笑みで応える。

 

「あぁ、勿論」

 

それに応えると共にバン達はその場から消えていった。

 

 

 



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EPISOOD19 不器用先輩と素直な後輩

「でっ出ていってしまいましたね」

 

「まぁ、連は時々、一人で動く時があるからのぅ」

 

連が爆弾魔事件を追っていた時、彼が出ていった所を見ていたソーマ達は呆然としていた。

 

「とりあえずは自由行動じゃな」

 

「えっ、忍さん!?」

 

連が出ていった事をきっかけに忍も出ていこうとしていた。

 

「えっ良いのか!?」

 

「元々はルパンレンジャーの時から自由行動が多かったからな」

 

「そういう感じなのか」

 

忍の行動に対して呆れたように不知は言い、神牙は特に何もなかったようにコーヒーを飲み始める。

 

「っ、私、忍さんに付き添います」

 

「えっマシュちゃん!?」

 

忍の後を追うように店から出ていった。

 

「今日はなんだか騒がしいなぁ」

 

「とりあえず、お前達も働け」

 

「「えっ」」

 

ソーマはそう言いながら、エプロンを取り出し、二人に押し付けると不知と神牙は驚きの顔で振り返る。

 

そんな事が喫茶店で起きている間、マシュは忍の後についていく。

 

「まっ待ってください!!」

 

「なんじゃ、お主が着いて来る」

 

「えっ、その、忍さんとはあんまり話した事がなくて、その一緒に戦うメンバーなので」

 

「あぁ」

 

「えっ?」

 

忍に話しかけたマシュだが、忍は何やら機嫌が悪くなったのか、振り返った。

 

「えっ?」

 

「勘違いするなよ、小娘。

儂は別に一緒に戦う仲間だとは思っていない」

 

「えっ、それは一体なんで」

 

その言葉に戸惑うマシュだが、忍は変わらず冷たい目で見つめていた。

 

「儂がなんでお前達と一緒に戦っているか分かるか?」

 

「えっ、それは転生者から人々を助ける事ですか?」

 

「儂は連の為に戦っているんじゃよ」

 

「リーダーですか?」

 

「あぁ、儂にとってはそれだけしかない]

 

その言葉を聞いて、マシュは

 

「それでも構いません」

 

「はぁ?」

 

その返答に対して、思わず素で返してしまう忍。

 

「生前、私は様々な人と一緒に戦っていた。

忍さんは戦う理由は、とても純粋で、信用できると思いましたから」

 

「だからと言って、儂が仲間だと思う理由にはならないぞ」

 

「それでも」

 

その言葉の終わりと共に、攻撃を仕掛けてきたのに気づき、マシュはすぐにその手に盾を持ち、攻撃を防いだ。

 

「一体、何者っ!?」

 

「ふふっ、丁度良いぜ。

まさかリュウソウジャーの二人がいるとはな」

 

「なんじゃ、貴様らは」

 

「俺はサウナギンナン!

そして、ここにいるのは我が幹部だよ」

 

その言葉と共に現れたのは、かつて歴代恐竜戦隊を苦しめさせた幹部達がいた。

 

「丁度良い、憂さ晴らしには丁度良い」

 

「まっ待ってください」

 

【リュウソウチェンジ!】

 

同時にリュウソウジャーに変身し、忍達は走り出す。

 

「ふっ」

 

それを見たエンドルフは銃を取り出し、リュウソウジャーに向けて放つ。

 

「カタソウル!」

 

【カタソウル】

 

すぐにリュウソウピンクは前に飛び出し、その手に持った盾と共にカタソウルで攻撃を防ぐ。

 

そして、その背中を土台にして幹部達の中心に入ると

 

「ノビソウル」

 

【ノビソウル】

 

その音声と共にその手に怪異殺しを持ち、周りにいた全ての幹部を一気に切り裂く

 

「なっえぇ!?」

 

「儂の事は知らされてなかったのか?

これであとはお前だけだな」

 

「それは、どうかな」

 

「なに?」

 

サウナギンナンは手を上に伸ばすと、サウナギンナンの身体から霧が出す。

 

「なに?」

 

その霧はやがて人型に変わると、現れたキルボレロとアイスロンは各々の武器でリュウソウイエローに襲い掛かる。

 

「復活したじゃと?」

 

「まさか、彼らは全てサウナギンナンによって作られた偽物?」

 

「それは違うぜ、俺達は偽物などではなく、本物だ」

 

「まさか恐竜戦隊の奴らにこうして倒せる日が来るとはな」

 

そう言いながら、全員が気味の悪い笑みを浮かべながら、囲んでいた。

 

「危ない、ハヤソウル」

 

【ハヤソウル】

 

その音声と共にリュウソウピンクはハヤソウルを使用し、リュウソウイエローを掴み、その場から離れた。

 

「一体どういうつもりじゃ?」

 

「仲間だからです」

 

「だから「リーダーの為ですよね」っ」

 

「だけど、リーダーは私の事を仲間だと思ってくれています。

だから、忍さんは連さんが信じてくれた私達を信じてください」

 

「連が信じた仲間か。

ふっ、本当にあいつは、こんな所まで影響を出すとはな」

 

その言葉と共にリュウソウイエローは手は立ち上がる。

 

「まだ、いけるじゃろ」

 

「はいっ!!」

 

その言葉と共にリュウソウピンクも立ち上がる。

 

「何をしても、もう遅いんだよ」

 

そう言いデスリュウジャーはその手に持ったフルートバスターを投げた。

 

「おらぁ!!」

 

「なっ」

 

フルートバスターは彼女達に当たる直前、フルートバスターを叩き落した赤い影が現れる。

 

「なっなんだ!?」

 

「行くぜ、同じブラック同士の連携見せてやるぞ」

 

「分かりました。

ファイヤーインフェルノ」

 

「なっなぁ!?」

 

「うわぁ」

 

そんな赤い影に驚いている間に現れた黒い戦士の片方は手にした武器を地面に突き刺す。

 

そうした事により、地面から溢れ出るマグマがデスリュウジャー達を襲い掛かる。

 

「獣電ブレイブフィニッシュ」

 

そして吹き飛ばされたデスリュウジャーに向けて放たれた黒い弾丸がデスリュウジャー達を倒した。

 

「これって一体」

 

「まさか、スーパー戦隊が助けに来るとはな」

 

「遅れてごめん、色々な事があってね」

 

「本当にすまないな、レディ達に怪我をさせてしまって」

 

「えっと、貴方達は」

 

「あっはい、私はアスカ、アバレブラックです。

そして、こっちはアバレッドとキョウリュウブラックです」

 

「なんだか雑だな、まぁ良いけど」

 

「・・・お前達は確か既に儂らに力を貸してくれたはずじゃが?」

 

「うん、だけど、今回は少し事情があってね。

俺達、アバレンジャーの力を一番使える子に預けに来たんだ」

 

「アバレンジャーの力」

 

「できるか、リュウソウピンク」

 

「えっ私!?」

 

力を受け取る相手がまさか自分だという事に驚き、眼を見開く。

 

「どうだね?」

 

「ですが、ここは一番の実力者である忍さんの方が「何を言っている」えっ」

 

「奴らが渡したい相手がお前じゃ。

それを受け取らない馬鹿がいるか」

 

「ですが」

 

「最初から諦めるのか?」

 

「・・・私、やります!!」

 

リュウソウイエローの言葉を聞き、覚悟を決めたリュウソウピンクは頷く。

 

「だったら、やりますよ。

本来のやり方とは違うけど」

 

「俺のブレイブも加わるからな。

一体どうなるかは、お嬢さん次第だぜ」

 

「勿論」

 

その言葉と共にリュウソウピンクに向けて手を伸ばす3人の戦士。

 

同時に3人のエネルギーがリュウソウピンクに注がれると共にその手にはマシュが英霊として戦っていた時に使っていた盾が現れる。

 

そして、その盾の形は変わりスティラコサウルスを模した盾、スティライザーへと変わった。

 

同時にリュウソウピンクの黒い部分が黄金へと変わる。

 

「なっ何が起きたんだ!?」

 

「まぁ、面白そうじゃから良いんじゃないかのぅ」

 

「俺達は少し無理そうだけど、いけるか」

 

「大丈夫です、今の私は負ける気がしません!!」

 

その言葉と共にリュウソウピンクはゆっくりとサウナギンナン達の元へと向かって行った。

 

「姿が変わった所で、こちらの数が多いのは変わりない!!

行けっ行けぇ!!」

 

その言葉を皮切りにリュウソウピンクに向けて、幾つものレーザーが襲い掛かる。

 

だが、リュウソウピンクはその手に持ったスティライザーを前に出すと、全てのレーザーを受けたまま、その場で一回転する。

 

「お返しします」

 

「なっ!!」

 

リュウソウピンクはそのまま腕を振るうと、レーザーはサウナギンナン達に当たり、吹き飛ばされる。

 

「嘘やろぉ!!」

 

「マックスフィールド、展開します」

 

その一言と共にスティライザーを構えると、眼を背ける程のの眩しい光が広がる。

 

「なっ何が起きたって、あれぇ!?

皆、どこに行ったんだぁ!?」

 

サウナギンナンが目を覚めると、そこは見た事のない雪景色が広がっており、周りにはサウナギンナンによって蘇ったはずのアースレバン達がいなかった。

 

「サウナギンナン、ここであなたを倒させてもらいます」

 

「なっ何が起きているんやっ!?」

 

「ここはマックスフィールド。

私の力を最大限に発揮できる場所です」

 

「なっ、だったら、お前を倒して、ここから脱出するだけっ!!」

 

「行ったはずです、ここで終わらせると」

 

その一言と共にリュウソウピンクはスティライザーを持っていない手でリュウソウケンに【アバレンソウル】を装填する。

 

「くそぉ、負けてたまるか!!」

 

そう言いサウナギンナンはリュウソウピンクに向けて、雷を放とうとするが

 

「必殺クラッシュマキシマム!」

 

その一言と共に、巨大化したスティライザーと共にサウナギンナンに向かって突進する。

 

電撃を受けても、傷一つつけられないスティライザーを前にサウナギンナンは抵抗空しく吹き飛ばされる。

 

「やっやられたぁ、がくっ」

 

その一言と共にマックスフィールドは解除され、サウナギンナンの特典がリュウソウピンクの元に来た。

 

「やりおったようじゃな」

 

「はい、あの他に蘇った幹部は」

 

「マシュちゃんが帰ってきたのと同時に消えたよ。

サウナギンナンの力が無くなって、元の世界に帰ったんだろう」

 

「そうだったんですか」

 

そう言い、マシュは落ち着いた様子で、その場で座り込む。

 

「それにしても、今日は騒がしい日じゃった。

連は飛び出すわ、お前が無茶をするわで大変な日じゃった」

 

「すっすいません」

 

「まぁ、後輩の面倒を見るのも先輩の役目じゃからな」

 

「えっ、今、なんて」

 

「なんでもない、とにかく戻るぞ」

 

マシュは忍が後輩と認めたのが嬉しくなり、聞き返そうとしたが、面倒臭くなった忍はすぐにその場から離れていった。

 

「結構良いチームじゃないか」

 

「あっすいません、アバレッドさん。

せっかく来てもらって」

 

「大丈夫だよ、それに忍野ちゃんはきっと良い子だから、仲良くしなよ」

 

「はい、勿論」

 

そう言ったマシュは笑顔で再び忍を追っていった。

 

そこには出掛ける前には見られなかった不器用な先輩と、素直な後輩の二人の笑みが確かにあった。



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EPISOOD20 燃えるレスキュー魂

現在、リュウソウジャーのメンバーが住んでいる喫茶店に客はほとんど入っていない。

 

そんな状況の中で、ソーマ、不知、神牙は三人揃って店番をしているのだが

 

(((何を話したら良いんだ)))

 

それが三人の考えだった。

 

(いつもならば、連が中心になって話してくれるから良いが、俺一人で話すのなんて無理がありすぎる)

 

(マシュちゃんがいれば、なんとか話の場を和ませる事ができるけど、下手な事を言ったら一生きまずくなる)

 

(時々、あの忍の堂々とした態度がうらやましい。

まさか、ここまで話す事が苦手だったとは)

 

 

(((どうすれば良い)))

 

この三人は基本受け身で話す事が多い為、積極的に話す事を苦手にしている。

 

これまでは連や響などが場を盛り上げたりした為に話せたのだが、現段階では居心地が悪すぎる。

 

そう思っていた時だった。

 

「んっ?」

 

「どうしたんだ?」

 

不知が突然外を見始めた。

 

「なんだか、焦げ臭い匂いがする」

 

「焦げ臭い?

今はカレーも温めていないし、コーヒーも」

 

「まさか、火事!?」

 

その言葉と共に三人は外を一斉に出る。

 

すると、店からそれ程遠くない場所で多くの人が集まっており、近くのビルが燃えている。

 

「なっ、どうなっていやがるんだ!?」

 

「分からない、だがっ!!」

 

不知はその言葉と共に、隻眼になると共に見つめる。

 

「あそこに子供がっ!!」

 

「なに!?」

 

その言葉を聞くと、そこには家事の中で逃げ遅れたと思われる子供がいた。

 

だが、既に煙によって、他の人からは見えない状態になっていた。

 

「ちっ、階段は使えない。

ならば、おい、ソーマ、不知」

 

「なんだ」

 

「協力しろ、俺があそこに行って、子供を助ける」

 

「そんな無茶な」

 

「無茶でもやるだよ。

俺はもう」

 

そう言った神牙は震える声と共に見つめる。

 

「・・・不知、なんか受け止める為の毛布を用意しろ」

 

「はぁ、たく、無茶な事ばっかり言う」

 

そう言い、不知は急いで店の中へと入る。

 

「行くぞ!!」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に人々の中を潜り抜け、ソーマは両手を構える。

 

神牙はそのままソーマの両手に乗り、飛び上がる。

 

人間を超えた身体能力を持つ二人だからこそできる連携を行う。

 

「おい、持ってきたぞ」

 

「あぁ、広げろ!!」

 

不知が布を持ってきたのを確認すると、布を広げる。

 

「神牙!!」

 

ソーマはそのまま神牙に向けて叫ぶと、窓から勢いよく飛び出す。

 

子供を抱えながら、子供の盾になるように背中を向けながら落ちていく。

 

そんな中で、一人の男が飛び出す。

 

「そこじゃ駄目だ。

こっちだ」

 

「えっあぁ!!」

 

「急げ!!」

 

男の言葉を聞き、ソーマ達はすぐに移動した。

 

その直前、建物から爆風が起き、神牙は先程よりも少し遠くの場所へと落ちる。

 

だが、男の指示によって、神牙は無事に着地し、子供も無事だった。

 

「はぁ、死ぬかと思った」

 

「お前は無茶をしてっ!!」

 

「そうでもしないと、助からなかった。

俺はもう見捨てたくなかった」

 

そう言いながら、神牙は助け出した子供を親の元へと送り届けながら、その様子を見る。

 

「かつて、俺には弟がいた。

だけど、俺は自分の間違いで弟を殺してしまった。

だから、弟のような子の未来を少しでも守りたい」

 

「ふっ、どうやらお前らは思った以上に熱い奴らだったみたいだな」

 

「あっおっちゃん!!

さっきはありがとうな、にしても凄いなぁ、なんで爆風が起きるって分かったんだ?」

 

「仕事柄、こういう現場は多く見るんだよ」

 

「仕事?」

 

ソーマは一瞬、男の身柄が気になり、警戒するが、そう思っていると、男が取り出したのは何かのマークだった。

 

「人の命を奪わないからと言って悪人じゃないとは言えない。

そう思って見させてもらったが、人の為に動けるお前達だったら、俺達の力を預ける事ができそうだな」

 

「俺達って、まさかスーパー戦隊!?」

 

その男の正体が分かり、驚き目を見開きながら不知は言う。

 

「あぁ、俺はゴーゴーファイブの一人、巽マトイだ」

 

その言葉と共に窓から飛び出る小さな何かにソーマは気付く。

 

「あれは、蝿?」

 

「えっ蝿ぐらいは「あいつ、全然燃えていなかった」はい?」

 

「焦げ目もなにも」

 

「そこまで見えるのか、だとしたら」

 

「あぁ」

 

確信のない推測だが、ソーマ達はすぐにその蝿を追いかける。

 

一目の少ない路地裏に入ると、ソーマはリュウソウガンを取り出し、蝿に向けて撃つ。

 

「ぎゃあぁ、なっ何をしやがる!?」

 

「嘘だろ、マジで」

 

「お前は、ピエール!!」

 

「ちっ、まさかゴーゴーファイブまでいるとはな」

 

「知ってるのか?」

 

「あぁ、俺達がかつて戦った災魔一族の一人だ。

だけど、なんで」

 

「私はあの方によって、蘇ったのだ。

もう少し力を溜めたい所だったが、仕方ない」

 

「てめぇ、そんな事の為にっ!!」

 

「絶対に許さねぇ」

 

その言葉を聞き、三人は一気に構える。

 

「行くぞ、お前ら!」

 

「「あぁ!!」」

 

ソーマの叫びに応えるように不知と神牙は答え、各々の手にあるリュウソウケンを構えながら、走り出す。

 

「ここで倒されてたまるか!!」

 

その言葉と共にピエールはカードを取り出し、自身に押し込む。

 

「悪の魔力よ、我らに最後の力を与えたまえ。アミアス・アミアス・アミダーク、災魔合身!」

 

その言葉を言い終えると共にピエールの姿は変わり、そこには先程まで胡散臭い詐欺師のような姿ではなく、真っ黒な鎧を身に着けた存在へと変わった。

 

「この合成災魔ボリピエール、最強の姿に勝てるかぁ!」

 

ボリピエールは、叫びながら、迫りくるソーマ達に対応するように剣を取り出し、応戦する。

 

先程まで逃げていた弱気な態度からは想像できない程のパワーで、ソーマ達を圧倒していく。

 

「なっなんだよ、あいつ、急に力を上げた!?」

 

「どうやら、切り札のようだな」

 

「これでも食らえ!!」

 

その一言とともにボリピエールはその手に集めた炎をソーマ達に向けて放った。

 

「さっき渡したバッジをリュウソウルに着けろ」

 

「リュウソウルに」

 

その言葉に従うようにリュウソウブルーは取り出したバッチをリュウソウルに近づけると、リュウソウルは二つに分かれ、形が変わる。

 

「これは、いや今は迷っている場合じゃない!!」

 

リュウソウブルーはそのままゴーゴーソウルを、リュウソウケンに装填する。

 

【ゴーゴーソウル!】

 

その音声と共にゴーゴーファイブが使っていたアイテムの一つであるビルドディスチャージャーが現れ、構える。

 

「はぁ」

 

リュウソウブルーはその雄叫びと共に引き金を引くと、ビルでディスチャージャーから高圧の冷凍ガスが放射され、ボリピエールの炎を食い止める。

 

「こちらも使わせてもらう」

 

食い止めている間にマトイから渡されたもう一つのリュウソウルを、神牙はそのままリュウソウケンに装填する。

 

【ジークソウル!】

 

その音声と共にリュウソウブラックの手には両手で抱える程の大きさのバズーカ砲・ジークブラスターを手に持ち、構える。

 

「まさか、銃を使うとはな。

だが、悪くない」

 

その一言と共に引き金を引くと、ボリピエールに向けてエネルギー弾が放たれる。

 

「うわぁ!?」

 

炎による攻撃に集中していたボリピエールはその攻撃を防ぐ事ができずに吹き飛ばされてしまう。

 

その隙を見逃さないようにリュウソウブルーは構える。

 

「一気に決めるぞ」

 

「でもどうやって?」

 

「これを使ってだ」

 

その言葉と共にリュウソウブルーはその手に持っているディスチャージャーを投げると、ディスチャージャーの元に光が集まる。

 

そこに現れたのはディスチャージャーとは別の5つのアイテムが集い、完成したのはゴーゴーファイブの武器であるライブバード。

 

その最後の姿であるライフバード・ブレイカーモードだった。

 

「うぐぅ」

 

リュウソウブルーはそのままライブバード・ブレイカーモードを構えると共に、リュウソウブラック、リュウソウグリーンは彼を支えるように構える。

 

「ターゲット」

 

その声と共にリュウソウブラックから溢れ出る緑色のエネルギーはライフバード・ブレイカーモードへと注ぎ込まれる。

 

「ロックオン!」

 

注ぎ込まれたエネルギーはライフバードの先端へと集まる。

 

「ファイア!」

 

そしてリュウソウブルーの一言と共に引き金は引かれる。

 

ライフバードから出たエネルギーはボリピエールへと向かっていき、彼の胴体を容易く貫く。

 

「そんなぁ、私が、負けてしまうなんてぇ」

 

その声と共に倒れ、ボリピエールの体から特典は漏れ、リュウソウケンに食われる。

 

「なんとか、勝てたな」

 

「あぁ」

 

そう言い、三人は手を合わせる。

 

「へっやればできるじゃないか」

 

「まだ、いたのか」

 

「まぁな、お前達の熱いレスキュー魂、確かに見させてもらった」

 

その言葉と共にマトイは親指を立てながら、その場から消えていった。

 

「まったく、最後までお騒がせな奴だぜ」

 

「まったくだ」

 

そう言いながらも、マトイが消えていった先を見つめていた。

 

「あれ、ソーマ達も帰りか」

 

そんなソーマに声をかける声に気付き、振り向くと連がいた。

 

「リーダー、今までどこに行っていたんですか!?」

 

「まぁちょっとな。

おかげでとりあえずはデカ先輩に認められたからな」

 

そう言い、懐に仕舞っていたデカレンジャーソウルを見せると、不知は驚きの表情で声を出す。

 

「えっリーダーも!!」

 

「俺もって、お前達も?」

 

「まぁゴーゴーファイブの力をな」

 

「凄いなぁ、だったらこの調子で大丈夫そうだな」

 

「なんじゃ、お前達、こんな所で」

 

「皆さん、どうしてここに?

 

そう話している間に忍達も合流してきた。

 

「いやぁ、少し厄介事に巻き込まれて」

 

「えっ皆さんもですか!!

実は私達もなんです」

 

「少々手間はかかったがな」

 

「へぇそうなんだ、だったら、皆無事で良かった」

 

「あぁ」

 

そう言い、その場にいる全員が見まわした。

 

「それで、誰が店番しているんだ?」

 

「「「「「・・・・・あっ」」」」」

 

連のその一言で場が凍るのと同時に全員が走り出す、店に向かって。



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EPISOOD21 ワキワキ!拳法入門

「はぁ疲れたぁ」

 

「まったく、これぐらいでへこたれるな」

 

キャプテンマーベラスがこの世界に来訪してから数日、その間連を始めとした多くのメンバーが特訓を受けていた。

 

だが、模擬戦においては彼に勝つ事ができずにいた。

 

「まぁスーパー戦隊の経験もそうだけど、次々と姿が変わるのがとんでもない」

 

「我々にはなく、様々な状況に対応できるのは恐ろしい」

 

「スーパー戦隊の力を知らなければ、どういう風に使えば良いのか分からないからな。

言葉で説明するよりも拳でやった方が早いだろ」

 

「得意武器も全然違うし、本当にどうなっているのか」

 

「そういえば」

 

ふと疑問に思った響は立ち上がり、質問する。

 

「あの、拳メインで戦うスーパー戦隊っていますか?」

 

「おいおい、変身しているんだぞ、だいたいは武器とか「あぁいるぞ」いんのかよ」

 

「俺が知っている限りだと、3つのスーパー戦隊がいる。

マスクマンにダイレンジャー、それにゲキレンジャーだ」

 

「さすがに多く存在するだけはあるわね。

私達との相性が良いスーパー戦隊もいるのかしら?」

 

「さぁな、なんだ気になるのか?」

 

「それは勿論!」

 

「なんだ、お前、ゲキレンジャーにニキニキなのか!!」

 

「ニキニキって、なんですか、マーベラスさん」

 

「いや、俺じゃないぞ」

 

突然出てきた言葉に驚く響だが、マーベラスはすぐに否定する。

 

ならば何者かと気になり、振り返ると、そこには赤い漢服を着た青年が立っていた。

 

「えっ誰!?」

 

「んってめぇは確か」

 

「俺、漢堂ジャン、ゲキレンジャーだ」

 

「えっ嘘、そんなにあっさりと!!」

 

「丁度良いじゃないか、修行をつけさせてもらえ」

 

「えっそんな急に言っても「別に良いぞ」良いんですか!!」

 

そうあっさりと答えるジャンに驚きを隠せない響だった。

 

「これは気になるわね、スーパー戦隊の特訓」

 

「マーベラスさん以外の特訓」

 

その特訓に気になり、とりあえずは様子見という事で響の後をついていく。

 

「お前も付き合え」

 

「えっ俺も!!」

 

特訓で疲れ切っている連も連れて、その場から離れる。

 

「さて、まずはこの基地が丁度上がったことだし」

 

そう言い、S.O.N.Gの潜水艦に乗るとジャンが二人に手渡したのは

 

「これは」

 

「雑巾?」

 

「おぉ、今から潜水艦を雑巾がけする」

 

「「ええええぇぇぇぇ!!!!」」

 

その言葉を聞き、二人は驚きの声を出してしまう。

 

「なんと、まさか、これは」

 

「司令何時の間に!!」

 

「というよりも、これはって?」

 

何やら弦十郎は興奮した様子で雑巾を見る。

 

「カンフーアクションの映画の中でも有名な作品で、日常の中にある動きが特訓になるというあの有名な特訓に似ている。

無意味な行動の中に重ねている」

 

「俺の所では日常の中に修行ありという方針がある。

まぁそんな感じだな」

 

「しかし雑巾がけって、この上を全部」

 

そう言い、改めて見渡してもとてもじゃないが雑巾がけをできるとは思えない広さをしていた。

 

「何を言っているんだ、ここ全部だぞ」

 

「いや、だからここ一帯じゃないんですか?」

 

「まぁ俺が見本を見せるから、見ておけ」

 

「見ておけって」

 

そう言うとジャンが雑巾を持ち、走り出した。

 

その速さは常人を超えており、瞬く間に潜水艦の端に行き、そのまま下に落ちた

 

「えぇぇ!!」

 

「じゃっジャンさん!!」

 

思わず心配になり、見に行こうとするが

 

「まだまだぁ!!」

 

「えぇえ!!」

 

なんと、ジャンはそのまま潜水艦の側面をも拭きながら帰ってきたのだ。

 

「まさか、全部って」

 

「おう、潜水艦全部だ」

 

「えええぇ!!」

 

「そっそりゃあ、そんだけやれば強くなるかもしれないけど」

 

「無茶苦茶よ」

 

そのあまりにもな特訓内容に思わず引いてしまうが

 

「「「やってやる!!」」」

 

「えぇ、やる気が出ている!!」

 

「というかおっさん、お前まだ仕事残って」

 

そう突っ込む事も間に合わず、三人は走り出した。

 

「あの馬鹿やおっさんはともかく、連の奴はあんな事をするのか」

 

「あいつ、朝起きたら結構運動して、コーヒー飲んでいる事多くなったな」

 

「以外と似た者同士なのね」

 

その感想を言いながら、3人の特訓は続いた。

 

「こんな事をしている場合じゃないと思うんですけど」

 

「まぁ司令も、結構ストレスが溜まっていたから、良い機会じゃないかな?」

 

「今後の打開策も考えないといけないし」

 

そう言いながら、3人の行動を黙認する形でそのまま放っておく事になった。

 

そして次の日

 

「「「これが拳法」」」

 

次の日、驚く事に3人の体はとてつもなく変わっていた。

 

特に元々の強さがとんでもない弦十郎はジャンの課す特訓により、映画の格闘術と本格的な格闘術の二つを学んだ事により、既に音を置き去りにする正拳を繰り出す事ができるようになっていた。

 

「いや、どんだけ強くなっているだよ!!」

 

「だが、今後は強さを抑える特訓をしなければならないな」

 

「強くなる為の特訓は分かるけど、まさか手加減をする特訓だとは」

 

「色々と複雑デース」

 

その感想を呟いていてると

 

「っこちらに急速に接近する物体を確認しました。

これは転生者!!」

 

「なに!!」

 

その言葉を受け、上空を見ると、そこには亀の甲羅から炎を出しながら回転し、接近する者が近づいていた。

 

「なっあれはまさか」

 

「ガメラか!!」

 

「違う、俺の名前は臨獣トータス拳の使い手のメカだ!!」

 

「なっ、まさかここがバレたのか!!」

 

「たまたま散歩していたら、まさかリュウソウジャー達の基地だとはな。

ここの基地をいじれば、お前達の邪魔になるだろう」

 

「そんな事はさせない」

 

「特訓の成果を」

 

「見せてやる!!」

 

そう言い、連と響、そして弦十郎が出るが

 

「おっさんが暴れると、基地が壊れるだろ」

 

「今回は諦めて、大人しくしといてください」

 

そう言い、弦十郎はそのまま基地の中へと戻っていき、連と響がメカの前に飛び出る。

 

「リュウソウチェンジ!」

 

【リュウソウCOOL!】

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

各々の言葉と共に、姿は変わり、ソウゴはリュウソウジャーに、響はシンフォギアを身に纏うが、その姿は変わっていた。

 

その姿はまるでトラを思わせる鎧に変わっており、爪はまるでトラの爪のように鋭く変わっていた。

 

「えっあれって、もしかして心象変化で変わったのですか!?」

 

「俺達ゲキレンジャーは、獣の心を心に感じ、獣の力を手にする拳法だ。

だから、響があの姿になったのも当然だ」

 

「今なら、やれそうな気がする」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に三名は各々が拳で構える。

 

一瞬の静寂の中で動きを見せず、ゆっくりと相手の出方を見る。

 

その緊張感は基地内でも広がり、そして

 

「はぁ!!」

 

メカの掛け声と共に始まった。

 

メカの拳が響に襲い掛かるが、響は虎のような動きで、メカの背後に回り、蹴り上げる。

 

だが、メカの背中に装着されていた甲羅により、その一撃は封じられる。

 

だが、リュウソウレッドは正面で、メカを殴る。

 

「無駄だ、俺の全身は完全な防御が可能になっている。

貴様らごときで突破など、不可能!!」

 

メカの言葉を受けながら、亀とは思えない素早い動きで二人を攻めこむ。

 

だが、二人はその攻撃を軽々と避け、さらに攻撃を仕掛ける。

 

「やべぇな、この状況」

 

「えぇ」

 

数としても攻撃の速さとしてもリュウソウレッドと響の方が圧倒的に有利だが、メカはそれを補う防御力が備わっており、カウンター狙いでの攻撃を行っている。

 

どれほどに優れた素早さを持っていたとしても、体力が尽きれば二人の敗北は確実。

 

「何を言っている。

この勝負、あいつらの勝ちだ」

 

「えっ」

 

「「はああぁ!!」」

 

ジャンの言葉に合わせるように、前後に立っていた二人は同時に拳を当てた。

 

同時に、メカの体にヒビが割れ、砕ける。

 

「がぁ、なっ何が!?」

 

「どうなっているんだ!?」

 

「どんなに強力な防御でも一点で当て続ければいずれ崩れる。

しかも、あの二人は互いにそれを悟られないように動き、戦っていた」

 

「そんな事を!!」

 

「同じ特訓を乗り越え、より強い信頼関係を結んだあいつらだからこそできた事だ」

 

その言葉と共に響とリュウソウレッドは後ろに下がる。

 

「これで決めるぞ」

 

「うん」

 

その言葉と共にリュウソウレッドが取り出したのはキョウリュウジャーの力が宿ったリュウソウル【キョウリュウソウル】を挿入する。

 

同時にリュウソウケンから飛び出たのはガブティラファングが二つ現れる。

 

「っ!!」

 

メカはすぐに目の前に巨大な盾を作り出し、防ごうとする。

 

「騎士「絶唱拳 龍虎突拳」」

 

その言葉と共に恐竜と虎を思わせるエネルギーが二人の拳に宿り、放たれる。

 

「ぐぅ」

 

その威力はメカにとっては予想外に高く、盾は崩壊し、そのまま二人は突き進み、砕ける。

 

「がぁ」

 

盾が崩壊した後、拳はそのままメカを貫き、そして爆散する。

 

「「よっしゃぁ!!」」

 

そのまま爆散したメカは海に落ちたが、S.O.N.Gの職員の迅速な行動により、特に問題なく救助される。

 

「それにしても、さっきのは一体?」

 

「切ちゃんと私が一緒に連携をしている時に行うような感じだけど」

 

「もしかしたら、これは使えるかもしれない」

 

「えっどういう事?」

 

「連さん達は異世界に行っていたので状況はまだ説明していませんでしたが、錬金術師側にある賢者の石の能力によって、イグナイトを使う事ができなくなったのです」

 

「通常の姿でも戦闘は可能だけど、相手は幹部。

とてもじゃないけど通常の姿では無理だったわ」

 

「だけど、先程響さんと連さんの二人が放った技の威力はイグナイトの放つ技と同等かそれ以上の出力が出ていました」

 

「つまりは」

 

「はい、スーパー戦隊とシンフォギアの技を一つにすれば、錬金術師に対抗できるかもしれません」

 

「ユニゾン技という事か」

 

その言葉と共に、新たな希望を持てた一同を見ながら、ジャンはゆっくりと笑みを浮かべる。

 

「お前、まさかこの為に?」

 

「さぁ、どうだろうな。

俺は声が聞こえたから、来ただけだから」

 

そう言いながら

 

「けど、俺達が最後には叶う事ができなかった事を、あいつらには叶えてほしいからな」

 

それだけ呟くと、ジャンはその場から消えていった。

 

「まったく、あいつは。

でもまぁ、俺も人の事は言えないか。

最後まで気にくわなかったけどな」

 

その言葉と共にマーベラスは呟くと共に、響と連を見る。

 

「あいつらがどんな選択を選ぶかだな」

 

その言葉を聞く者はその場にはおらず、ただ、その言葉が実現するのは、そう遠くない話でもあった。




今回登場したユニゾン技のような、スーパー戦隊とシンフォギア奏者との合体技は活動報告の「特典を喰らう騎士 スーパー戦隊 」でも募集しております。
興味がありましたら、ぜひお願いします。


https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=221874&uid=45956


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EPISOOD22 希望となる絆

特訓の日々は続き、錬金術師達の狙いを探り、日常は過ぎていた。

 

その日は連と神牙は買い物当番で外出していた。

 

「それにしても神牙は結構買い物上手なんだな」

 

「まぁな」

 

その日は近くのスーパーなどで買い込んだ材料を持ち帰っている中で連はふと思った疑問を投げる。

 

神牙はまるで手慣れたように荷物を持っており、彼がこの世界に来る前にどのような生活を送っていたのか疑問に思えた。

 

だが、連はそれを聞く事はしなかった。

 

そんな時だった。

 

「んっ?

 

「どうした?」

 

何かを感じた神牙は周りを見渡した。

 

気になる、手を伸ばすが、神牙はそれよりも早く走り出した。

 

「おい!!」

 

突然の行動に驚き、神牙の後ろへとついていくと、そこには神牙が纏っていた鎧とは違う黒い鎧を身に纏った存在がいた。

 

「まさか、また」

 

かつての戦いにおいて、神牙と同じまたは近い存在と二回戦った連は直感ではあるが、気付いた。

 

その事に気付く前に神牙は黒い鎧の後を追う。

 

「っ!!」

 

「おい!!」

 

急いでそのあとを追う。

 

「ここは!!」

 

辿り着いた場所、そこはかつて訪れた場所であるミッドチルダだった。

 

その世界への警戒を最大限に上げながら、連はいつでもミッドチルダから脱出できるように準備を行いながら、神牙を探す。

 

「神牙」

 

あの鎧を見た瞬間、彼の様子が変わった。

 

知り合いかどうかなど分からないが、それでも

 

「お前は、雨宮連!!」

 

「ちっ、こんな時に」

 

誰もいないと思える廃れた町の中で出会ったシシレッドことバンに出会い、舌打ちを打ちながら構える。

 

「お前は、なぜこの世界に!!」

 

「さぁな、どっちでも良いよ」

 

そう笑みを浮かべながら、ゆっくりと逃走経路を探るが、バンから隙を作るには戦うしかない。

 

「お前がなぜミッドチルダにいるか分からないが、この世界にいる以上、逮捕させてもらう」

 

「?」

 

ミッドチルダは確かに危険だと思うが、バンの言葉には何か別の事が含まれている。

 

そう感じる連だが、現在はそれよりも仲間である神牙の捜索が最優先であった。

 

すぐにリュウソウルを取り出し、構える。

 

「リュウソウチェンジ!」

 

「スターチェンジ!」

 

【リュウソウCOOL!】

 

【シシキュータマ!セイザチェンジ!】

 

その音声と共に連の姿はリュウソウレッドへ、バンもシシレッドへと変身する。

 

互いの武器を構え、先に動いたのはリュウソウレッドだった。

 

その手に持ったリュウソウケンから身を守るようにシシレッドはキューウェポンを構え、防ぐ。

 

「お前はリュウソウブラックの正体を知ってやっているのかっ!」

 

「さぁどうだろうか?」

 

突然現れた神牙の話題に驚きながらも、戦い続ける。

 

シシレッドはその手に持っているキューウェポンだけではなく、セイザブラスターによる牽制も同時に行いながら戦っていく。

 

リュウソウレッドはそんな攻撃をリュウソウケンで受け流しながら、戦いは続いていく。

 

「奴は神牙!

かつて、牙狼の世界において人々を守る戦士でありながら、自らの欲望の為に多くの人をその手にかけた最悪の戦士だ」

 

その言葉を聞きながらも、リュウソウレッドの攻撃は止むことなく、シシレッドは言葉を続ける。

 

「奴がどういう経緯でお前達の仲間になったかは知らないが、このままだと悲劇を繰り返すんだぞ!!」

 

「それで?」

 

「お前は、それをそのまま引き起こすつもりなのか!!」

 

そうい言い、リュウソウレッドを吹き飛ばしたシシレッドはペガサスキュータマを取り出し、セイザブラスターに装填する。

 

【ペガサスキュータマ!セイザアタック!】

 

「だから、その前に俺が止める!!」

 

その言葉と共にリュウソウレッドに向かって、突っ込む。

 

「はぁ、さっきから過去の事ばっかりだな、お前」

 

「なに!」

 

その言葉と共に、リュウソウレッドが取り出したメラメラソウルを取り出し、リュウソウケンに入れ、発動させる。

 

【メラメラソウル!】

 

「神牙がこれまで行った事なんて、知らないよ!

だけどな!!」

 

その言葉と共に、炎を纏ったリュウソウケンを一閃に切り裂き、シシレッドを吹き飛ばす。

 

「仲間ぐらい信じないで、何が戦隊だ!」

 

「ぐっ」

 

ペガサスアーマーを身に纏ったシシレッドはその高い運動性能でリュウソウレッドを追い詰めようとしたが、リュウソウレッドはリュウソウケンから伸びた炎の鞭でシシレッドを切り裂く。

 

「ぐぁ!!」

 

同時にシシレッドの変身は解除され、リュウソウレッドはその場から立ち去ろうとする。

 

「次に過去の事とかくだらない事を引きずったら、今度は容赦しない」

 

「待っ」

 

シシレッドはすぐにリュウソウレッドを追いかけようとするも、気絶し、言葉が途切れる。

 

その言葉と共にリュウソウレッドは走り出す。

 

辿り着いた先に待ち受けていたのは、魔戒騎士としての鎧を身に纏った神牙と同じく暗黒騎士の鎧を身に纏った転生者が戦っていた。

 

「どうした魔戒騎士!!

その程度じゃないだろ、貴様はぁ!!」

 

「ぐっ!!」

 

戦いとしては一方的な攻められているが、神牙は迷いを隠しきれてない様子で、防御しているだけだった。

 

そんな中で、神牙の剣は吹き飛ばされる。

 

「しまっ」

 

「つまらん!!」

 

そう言い、転生者が槍を突き刺そうとした瞬間、間一髪に間に合ったリュウソウレッドが斬りあげる。

 

「なっ」

 

「連っ!!」

 

突然現れたリュウソウレッドに驚きを隠せない両名のうち、転生者はその場を離れ、見つめる。

 

「良いぞ、まさか魔戒騎士以外にこれ程の強者がいるとは」

 

「お前は」

 

「俺はナイト、強者を求め、再び生を受けた男だ!!」

 

「連、逃げろ!!

奴は強い」

 

「仲間を置いて、逃げれるかよ。

それに、どうもこれが、さっきから光って仕方ないから」

 

そう言い、取り出したガロソウルは点滅していた。

 

まるで自身を使えと言うばかりに。

 

連はそのままガロソウルに応えるようにリュウソウケンに挿入する。

 

【ガロソウル!】

 

その音声と共に、リュウソウケンから溢れ出す光はリュウソウレッドに包み込まれ、体を黄金の輝く装甲に変える。

 

同時にリュウソウレッドの後ろから現れたアルセーヌは、そのままリュウソウレッドに身に纏う。

 

そうして誕生したのは、リュウソウジャー、ガロ、ペルソナ、異なる3つの力が合わさった戦士『リュウソウレッド 牙狼・闇アーマー』だった。

 

「あれはっ」

 

「牙狼!!」

 

その場にいた神牙とナイトは驚き、目を見開いた。

 

「悪いが、ナイト。

お前をここで倒させてもらう」

 

「良いぞ、良いぞぉ!!

闇に落ちた牙狼と戦えるならば、喜んで戦うぞ!!」

 

その言葉と共にナイトはその身に暗黒騎士の鎧を身に纏い、構える。

 

「行くぞ、牙狼!」

 

その言葉と共に狼の兜から出てきたミイラのような顔を露わにし、その手に持った槍を構えてリュウソウレッドへと近づく。

 

それに合わせるようにリュウソウレッドはリュウソウケンを構えると、リュウソウケンは牙狼が使っていた武器、牙狼剣のような形に変わり激突する。

 

互いの武器がぶつかり合った衝撃は周りの建物を崩壊する。

 

「ははあぁ!!

良いぞ、この力、素晴らしいぞ!!」

 

ナイトから繰り出される槍による素早い連撃、それに対抗するように力強いリュウソウレッドの剣劇は瞬く間に町が崩壊しそうになる。

 

「貴様は転生者から人々を守ると言った。

命を奪わない為に戦うと言った!!

だが、そのような使命に囚われていたら、弱くなるだけだ!!」

 

その言葉と共に槍は深々とリュウソウレッドへと突き刺さる。

 

「くだらねぇ」

 

「なにっ!!」

 

だが、深く突き刺さっているはずの槍をリュウソウレッドは掴みながら、立ち上がる。

 

「囚われている?

それが何が悪い!!」

 

その言葉と共にリュウソウレッドはナイトを蹴り飛ばす。

 

「守るべき人々を見失わない道標になるならば、俺は使命に喜んで囚われてやるよ!!」

 

「っ!!」

 

その言葉を聞いた瞬間、ナイトの脳裏に映し出されていた光景はかつて戦った牙狼の姿と重なった。

 

「なるほどぉ、貴様もあの黄金騎士と同じという訳かぁ!!」

 

ナイトは歓喜の声を出しながら、さらに攻め込む。

 

地を駆り、空を舞い、光と闇がぶつかり合いながら、戦いは激しさを増していく。

 

その戦いは永遠に続くと思われる戦いは

 

「っ!!」

 

【超!超!超!超!イイ感じ!!】

 

その音声と共に、リュウソウケンに纏った光と闇がナイトを切り裂く。

 

同時にナイトの体から鎧は消え、変身が解除した連は向き合う。

 

「やったか?」

 

「多分な」

 

そう言い、連と神牙はナイトを向き合う。

 

「はははぁ、まさか二度も敗れるとはな!!」

 

戦いに負けたはずのナイトは高笑いをしながら、連を見つめる。

 

「お前は勝てないよ。

例え、この場に俺達以外のリュウソウジャーが来たならば、止められる」

 

「そうか、そうか」

 

その言葉と共にナイトは目を閉じ、気絶した。

 

そして、神牙の目の前にはナイトから現れたリュウソウルがその手に収まった。

 

「・・・連、俺は」

 

「別に気にするな」

 

「だが、お前もキュウレンジャーから聞いたはずだ!!」

 

「まぁな、でも俺はお前から直接聞いてない」

 

「何を」

 

「俺はお前が過去に何をやったのか、それを知ってから判断する。

ただ、それだけだ」

 

「・・・はぁ、分かった。

お前に、いくら言っても分からないなら、言うしかない

 

その事を真っすぐと連は伝えると同時に諦めたように神牙は語り始める。

 

神牙の人生、それは裏切りと殺戮、欲望と後悔、人々の負が合わさったような狂った物語だった。

 

語っている神牙の顔は暗く、冷や汗が出始めるが、連は最後まで聞いた。

 

「そうして、俺は死神様の力を借り、結末を変え、ここに来ている。

分かっただろ、俺がどうしようもない屑だと」

 

「あぁ、分かった。

お前は人々を守る守護者で裏切り、闇に落ちた。

けど、闇から人々を守る為に戻ってきたじゃないか」

 

「何を言っているんだ、俺は!!」

 

「間違えて、全てが悪だと思うな。

お前は間違って後悔して、本当にやりたい事を思い出したんだろ」

 

「俺の本当にやりたい事」

 

「お前がやりたい事はなんなんだ」

 

その言葉を聞きながら、ゆっくりと手の中に納まっているリュウソウルを握りしめる。

 

「俺は今度こそ人々を守る騎士となりたい!!」

 

その言葉は既に弱弱しく、自殺しそうな言葉ではなかった。

 

そして、黒かったはずのリュウソウルは白銀に変わり、目の前に鎧が現れる。

 

「これはさっきまでナイトが纏っていた鎧?」

 

その鎧は闇だと思われる部分が剥がれ、現れたのは白銀に輝く鎧だった。

 

【ボルグソウル!】

 

その音声と共に、神牙の手の中に納まった。

 

「鎧が、俺を」

 

「お前にしかやれない使命あるかもしれないな」

 

「・・・あぁ」

 

「だったら、さっさと帰るとするか。

キュウレンジャーの奴らが来ても面倒だからな」

 

そう言い、神牙の背中を叩き、連は走り出す。

 

それに笑みを浮かべながら、神牙もまた走り出す。

 



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EPISOOD23 新たな可能性

その日、S.O.N.Gの調査は奇妙な事件を捜査する事になっていた。

 

町の中で次々と人々がまるで漫画に出てくるようなゴブリンに襲われるという事件が起きていた。

 

ゴブリンというこれまでに確認されていない存在という事もあり、転生者に関わる可能性が高いと判断し、調査を行う事になった。

 

「それにしても、本当にこんな事を頼む奴がいるんデスか?」

 

「世界は多くいるからな、多分ゴブリンを召喚する奴だろ」

 

「気味が悪いのを頼む奴がいたもんだ」

 

そう言いながら、今回の調査は雨宮、ソーマ、忍、切歌、調の5人が行う事になった。

 

謎も多く、多くの状況に対応が可能な5人が選ばれた。

 

そうして、5人が移動をしていると

 

「んっ、これは」

 

「どうしたんじゃ?」

 

雨宮は何かを見つけたように青い扉を見つめる。

 

気になり忍も見つめるが、忍の目には、その青い扉は映っていなかった。

 

「すまんが、少し行ってくる」

 

「えっどこにデスか!」

 

連の言葉が気になり、引き留めようとした時だった。

 

彼らの目の前から連がいなくなった。

 

「えっえええぇ!!!」

 

「どうなっているの!?」

 

「んっ、あぁなるほど」

 

「ベルベットルームか」

 

「それって、確か」

 

連がいなくなった事に疑問に思った二人とは裏腹にソーマと忍は何か分かったようにうなずく。

 

「先輩達は知っているんデスか?」

 

「あぁ、連の力は知っているか」

 

「確か、様々なペルソナを使える能力だったはず」

 

「あぁ、それらの力を扱う時に出てくるのがベルベットルームだ。

だが、今、なぜ?」

 

「それよりも、どうやらお目当ての奴がでてきたらしいぞ」

 

その言葉と共に忍達を囲むように、無数の目が現れる。

 

「ここは、ベルベットルームか?」

 

忍達が戦闘を行っている時、連の目の前には真っ黒の中で片目だけが光を灯る骸骨が現れる。

 

「よう、忙しそうでなによりだ」

 

その骸骨は、雨宮に向けて、訪ねてきた。

 

「お前に聞きたい事がある。

救いようのない悪党でも変われると思うか?

努力さえすれば誰でも良い人になれると思うか?」

 

奇妙な質問に連は

 

「なれる」

 

「ほぅ」

 

その答えに骸骨は疑問に思うように見つめる。

 

「それは面白い言葉だな。

だが、そいつらは最悪な目をしているんだぞ。

それ以上続けても、お前は心の底から後悔する事になるぜ」

 

骸骨はそう言い、まるでこれまでの行動を止めるように、連に言う。

 

「あぁ、かもな。

でも続けないと、結局は後悔するんなら、俺は目の前で救える奴を救ってやる!!」

 

その言葉を骸骨に答える。

 

「・・・そうか。

だとしたら、本当に面白い奴だな。

良いだろう」

 

その一言と共に目の前にいる骸骨はその姿を見せる。

 

青いパーカーを来ており、どこにでもいる青年の恰好をしている骸骨はこちらに尋ねる。

 

「お前はおいら、おいらはお前。

これよりはお前の力となり、お前の救いに手を貸すぜ。

おいらの名前はサンズ、これからよろしく頼むぜ」

 

その言葉と共にサンズは連の中へと吸い込まれていた。

 

「さて、これは一体どういう事だ」

 

そう言い、後ろを振り向くと、そこにはラプンツェルが立っていた。

 

「申し訳ございません、トリックスター。

ですが、あなたの新しい可能性の説明変わりです」

 

「説明って」

 

その言葉に疑問と共に本を開く。

 

「ペルソナとは、人の心の一部というのは説明しましたね。

その心は様々な神話などから反映されており、あなたのアルセーヌも、その一つです」

 

「だけど、サンズなんていうのは知らないぞ」

 

「それもそのはずです。

彼は異世界の住民ですから」

 

「異世界の住民!?」

 

それに疑問に思い、ラプンツェルを見つめる。

 

「あなたはゴーカイレッドとの修行を通して、様々な可能性を引き寄せる力を得ました。それが、今、あなたに必要な力です」

 

その言葉と共に、ベルベットルームの外の光景を見せる。

 

「まったく、どこから出てくるのか分からないデス」

 

「ここ自体が罠という訳か」

 

忍達は暗闇の中で無数のゴブリン達に囲まれ、危機的状況に陥っていた。

 

ゴブリン達は、その手に持った武器で襲い掛かり、防いでいるが、その数は膨大であり、逃げ出す事はできない。

 

「行ってください、マイトリックスター」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に連は走り出し、ベルベットルームへと抜け出し、ルパンチェンジャーを構える。

 

「怪盗チェンジ!」

 

【怪盗チェンジ】

 

その音声と共にルパンレッドに変わり、忍達の元へと辿り着く。

 

「遅かったじゃないか」

 

「あぁ少しな。

それに新しい仲間もできたからな」

 

「仲間?」

 

その言葉を待たない内にゴブリン達が連達に向かって襲い掛かる。

 

「燃やせ、サンズ!!」

 

だが、連はその一言と共に連の上空から現れたサンズは奇妙な笑みを浮かべながら、手を前に出す。

 

同時に無数の骨がゴブリン達に襲い掛かり、無残に串刺しにする。

 

「ぐっグロ画像デス、これは」

 

「でも、助かった」

 

「まぁまだ、終わっていないけどな。

一気に終わらせる、構えろ」

 

「ふむ、分かった」

 

その言葉と共にリュウソウガンの中に各々の変身アイテムを装填する。

 

【怪盗必殺!リュウソウジャー!】

 

【絶唱必殺!シンフォギア!】

 

その音声と共に、各々のリュウソウガンの先端に巨大なエネルギーが集まる。

 

「だけど、場所が分からないぞ」

 

「あぁ、奴は儂らの情報を知り尽くしているようじゃが」

 

「だけど、サンズは知らないだろ」

 

その言葉と共にサンズは指をさすと、そこから青い光と共に一人の男が現れる。

 

「なっ!!」

 

「あっという間に!」

 

「決める!!」

 

その言葉と共に各々のリュウソウガンから放たれた光線が男に当たる。

 

「がああぁ!!」

 

同時に男から特典は奪い、その手にリュウソウルを手にする。

 

「なっなんでだ、俺の情報に存在しない、データを」

 

「そんなの乗り越えただけだ」

 

「ぐっ、くそ」

 

「なんだか気味の悪い奴だったデスね」

 

「でも、周りにいるゴブリンの死体もなくなって、安心」

 

その言葉通り、既に骨だけしか残っておらず、ゴブリンがいない事もあり、安心した表情をする。

 

「それにしても、これはこれで不気味なペルソナデスね」

 

「おいおい、そんな事を言ったら、おいらは悲しいぜ」

 

「しゃ喋ったデス!!」

 

突然サンズが喋った事に驚くが

 

「握手しろよ」

 

「えっ」

 

突然の言葉でオドオドとした様子で切歌は握手すると

 

ブウウウウゥッーー

 

「・・・」

 

「引っかかったな、またな」

 

その言葉と共にサンズは消えていった。

 

「・・・せっ先輩」

 

「なんだか、俺のペルソナがさらに可能性が広がって、色々な奴を引き寄せるみたいなんだよな」

 

「デースッ!!」

 

その日、新たな可能性の力を得た連は、怒り狂う切歌に1日中、追いかけられる事になった。




今回登場した、アンダーテールで登場したサンズのようなペルソナを現在募集しております。
下記のURLからでも募集していますので、皆様の応募、お待ちしています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=223479&uid=45956


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EPISOOD24 決戦再び!怪盗VS警察

パヴァリア光明結社の刺客に対抗する為、その日も様々な場所で手掛かりを探していた連達。

 

その日、連は自然が溢れる世界に来ていた。

 

「うわぁ、隠れるのにはぴったりな場所だな」

 

連はそう言いながらも、歩いているが、道中で原住民と会わない事を願いながら進んでいく。

 

「早い所、スーパー戦隊の力を受け継がないとな。

少しは見えてきたからな」

 

そう言いながら、連はポケットの中にあるスーパー戦隊のリュウソウルに触れる。

 

一週間程、マーベラスの修行を行っていく内にこれまで見た事のないスーパー戦隊に認められる事ができた。

 

未だに正体が分からないガイソーグに対抗する為にも、早く力をつけたいという焦りが連の中にはあった。

 

そんな中

 

「また、お前か」

 

これまでに感じた事のある視線に気づき、振り向く。

 

連は見つめると、そこにはバンが立っていた。

 

「雨宮連、お前は、分かっているのか」

 

「何をだ?」

 

会って、何を言い出すのか、気になり、見つめていると

 

「ジンガの危険性をだ!!」

 

「また、過去の事かよ。

それを言ったら容赦はしないと言ったはずだぞ」

 

「いいや、分かっていない!!

ジンガは多くの人々を傷つけ、殺してきた。

奴を放っておけば、また被害が出る、それが奴の所業なんだぞ」

 

「はぁ」

 

それだけ言ったバンに対して、連はため息を吐きながら

 

「さっきから被害だとか殺しただとか言っているけどな。

例えそれが、本当だとしても、俺は神牙をお前らに渡すつもりはない」

 

「いい加減に「いい加減にするのはてめぇだ」っ」

 

「人の過去をベラベラと喋っているけどな、だったらあいつがどんな思いでそれをやったのか分かって言っているんだろうな」

 

その言葉と共に連は神牙が語った過去の話の中で、彼の後悔を聞いた。

 

人々を巻き込み、多くの人々を殺した。それを行った理由はかつて守ろうとした人々によって、自分達の大切な存在を奪われたから。

 

自分の力を絶対視し、多くの人々を闇へと落とした。その力が人々を救う事ができると信じていたから。

 

神牙の行ってきた悪行は確かに許されない事ばかりだ。

 

だが、それは同時に彼自身の優しさが引き金になった悲劇でもあった。

 

心の怪盗団の始まりであった人助けも、春の父親が犠牲になった事件、それらは連にとっては重なる所もあり、神牙を信用する事ができる。

 

だからこそ

 

「お前のようにやった事しか目を通さない奴の話を聞くつもりはない」

 

「やはり無駄だったか」

 

その言葉と共にバンはキュータマを取り出す。

 

同時にソウゴもルパンレンジャーソウルを取り出し、リュウソウチェンジャーにセットする。

 

「はやてにどう謝ろうかな」

 

そう、こちらを睨みながら言う。

 

「怪盗チェンジ」

 

「警察チェンジ」

 

【怪盗チェンジ】【警察チェンジ】

 

その音声と共に連はルパンレッド、バンはパトレン1号へと変身する。

 

変身を終えると共に、ルパンレッドはリュウソウガンを、パトレン1号はセイザブラスターを構える。

 

互いに動きを見せず、気味の悪い静けさが支配する中で、近くから物音が一つなる

 

「「っ!!」」

 

それを合図に、互いの武器の引き金を引く。

 

互いの攻撃が激突し、消滅を繰り返しながら、二人は接近する。

 

「ほわちゃぁ」

 

「はっ!!」

 

パトレン1号はルパンレッドへと接近すると同時にその手に持ったヌンチャク、クレシューズを使い、襲い掛かってきた。

 

「特典か」

 

「あぁ、俺にはまだ扱いきれなかった分の武器を、今は使えるようになったんだよぉ!!」

 

その言葉のまま、その手に持ったヌンチャクでパトレン1号は襲い掛かってくるが、ルパンレッドは

 

「ペルソナ!!」

 

その言葉と共に、襲い掛かるクレシューズの攻撃を遮るように召喚した紫色の狼がパトレン1号を襲う。

 

「なっ、なんだ、このペルソナはっ!!」

 

目の前にこれまで見た事のないペルソナに驚きを隠せないバンだが、なんとかクレシューズの攻撃で現れたペルソナを吹き飛ばす。

 

「へぇ、なかなかに面白い奴だな。

おい、人間」

 

「なんだ」

 

「名前は」

 

「連だ」

 

「そうか、だったら、俺の力を使ってみろ!」

 

その言葉と共にペルソナは紫色の光と共に、ルパンレッドの手には紫色の剣が現れる。

 

『我は汝、汝は我。

我、欲望を喰らいし者。

汝の欲望が尽きるその日まで、我が牙を使え。

我が名はルシエド、欲望を司るガーディアン』

 

「今のは、まさかルシエドっ!」

 

「悪いが、剣の扱いも鳴れているんだよ」

 

その言葉と共にルパンレッドはその手に持ったルシエドを構え、互いにぶつかる。

 

「たぁ」

 

「はぁ!!」

 

ルシエドから溢れるパワーと共にルパンレッドはパトレン1号に攻撃を仕掛ける。

 

一撃で地面を抉る程の威力を見て、警戒を高めたパトレン1号もすぐにクレシューズに秘められた力を開放する。

 

「神器開放!!」

 

同時にパトレン1号はこれまでにない速さと共にルパンレッドの攻撃を逸らしていく。

 

ルパンレッドは力を、パトレン1号は速さで。

 

これまで正反対だった二人の戦いはまるで入れ替わったように戦いは繰り広げられていた。

 

「まさか、こんな所でな」

 

「やるぞ!!」

 

そんな二人の戦いを割り込むように入ってきたのは黄金の鎧と黒い鎧、2体の怪人が襲い掛かる。

 

彼らはかつてリュウソウジャー以外の恐竜スーパー戦隊が戦った相手であるネオグリフォーザーとネオガイルトンであった。

 

彼らがここに来たのは偶然であり、ルパンレッドとパトレン1号の戦いを見て、チャンスだと思い、襲い掛かる。

 

だが

 

「「邪魔だぁ!!」」

 

それまで戦っていた二人は襲い掛かってきた2体の怪人を吹き飛ばすと同時に、その手に持っていた武器で怪人を吹き飛ばす。

 

同時にルパンレッドはリュウソウガンとリュウソウケン。

 

パトレン1号はセイザブラスターを構えた。

 

【ギャラクシー!】

 

【ジュウレンソウル!】【アバレンソウル!】

 

パトレン1号はセイザブラスターを構える。

 

ルパンレッドは、それとは別にまるでゴーカイレッドを思わせる動きで銃を構える。

 

「オールスタークラッシュ!」

 

「ゴーカイキョウリュウブラスト!」

 

その言葉と共にパトレン1号から放たれる必殺技は二人の怪人の動きを完全に止め、リュウソウガンから放たれた弾丸はリュウソウケンから出た斬撃を浴び、巨大なティラノザウルスとなり2体の怪人を完全に食らう。

 

「「がああぁ」」

 

瞬きにもならない程の一瞬の攻撃により、倒された2体の怪人はそのまま倒れる。

 

「さて、邪魔な奴はいなくなった」

 

「続きをするか」

 

その言葉と共に、二人は再度睨み合い、その手に持った武器を構える。

 

「「はああぁぁ」」

 

「辞めんかい!!」

 

そんな二人の激突を止めたのは、なんとはやてだった。

 

はやては二人が激突する直前、その手に持った杖で叩く。

 

「がぁ、なっ何をする!!」

 

「それはこっちの台詞や。

まったく、バン君はもう少し落ち着き。

それに連君も」

 

「別に俺は「戦う理由も分かる。けど、周りも観ないとあかん」すまん」

 

はやての言葉を聞き、少し落ち着きを取り戻した連は周りを見ると、そこには巨大な骸骨の三つ首龍がいた。

 

その姿は皮肉にも2体の怪人が仕えていたボルドスの姿に似ていた。

 

「あれは」

 

「君達が倒した奴らが合体した姿や。

とにかく、バン君も急ぎ」

 

「あぁ、そうだな」

 

パトレン1号はそれに頷くと同時に手に持ったセイザブラスターからシシボイジャーを呼び出し、飛び立つ。

 

「それにしても、ほんとまぁ、色々と無茶をするな」

 

「そうでもしないと、救えない人がいるからな」

 

「そうか、ならうちから言う事はない。

だけど、連君、バン君の事を嫌いにならんといてくれないか」

 

そう言い、シシボイジャーで戦うパトレン1号の姿を見る。

 

「あの子は色々と真っすぐすぎて、思い込みが激しい所があるんや。

周りもそれに賛同している所が多いからな。

だから、君みたいに、真正面から反対してくれる子が必要なんや」

 

「真っすぐか」

 

そう言われて、連は少しばかりため息をつく。

 

「まぁ俺も思い込んでいる所があるからな。

まぁ、とりあえずは間違えた時は、全力で止める」

 

「おぉ、期待しとるで」

 

その言葉を受けると同時に連はその手にあるリュウソウチェンジャーに手を添える。

 

「ティラミーゴ!!」

 

その叫び声と共にティラミーゴがこちらに迫ってきた。

 

「連君」

 

「んっ」

 

「私の立場から言うのは変だけど、頑張ってな」

 

「あぁ」

 

その言葉を受けると同時に連はティラミーゴに乗り込む。

 

そんな走り出したティラミーゴに向かって、落ちてきたのはシシボイジャーだった。

 

「ついでだ、試しにやるか、ティラミーゴ!!」

 

「分かった!!」

 

連が何を行おうとしているのか理解したティラミーゴは雄叫びをあげる。

 

ティラミーゴの体は分裂し、空中で飛んでいたシシボイジャーへと迫る。

 

そうして分裂したパーツがシシボイジャーに合わさる事で、新たな姿へと進化した。

 

「完成、キシキュウレンオーなんてな」

 

「なっ何が起きた!?」

 

キシキュウレンオーの胴体にあたるキュウタマに入っているバンは何が起きているのか分からず周りを見つめているが、そんなバンの事を無視し、手を前にかざす。

 

するとシシボイジャーの顔を模した銃と盾が一体化した武器とティラミーゴの顔を模した剣がキシキュウレンオーは手に取った。

 

「さぁ、俺の騎士道見せてやる」

 

「なっその声は、雨宮連っ!!」

 

そのままキシキュウレンオーが走り出すと、迫りくるボルドスはこちらに向かって襲い掛かる。

 

だが、盾を使い、その攻撃を防ぐと、そのまま剣で切り裂く。

 

「勝手に動かすな」

 

その言葉と共に連の操作から離れ、バンの動きによって、背中のバックパックから炎が噴射し、空中に飛び、盾から放たれるレーザーによって、首を撃ち落とす。

 

「この形態はあんまり長続きそうにないな」

 

『あぁ、向こうのエネルギーとは上手く合わない。

性能はこれまでで一番だが』

 

「息の合わない者同士という事か。

だったら、一気に行くぜ!!」

 

その言葉と共に盾を構える。

 

すると盾から出てきた巨大な赤いエネルギーの球体がボルドスを閉じ込めると、キシキュウレンオーは構える。

 

「キシキュウレンオー!ギャラクシー真っ二つ斬り!!」

 

「なんだ、今のダサい名前は」

 

「ふっ」

 

バンの言葉を無視するように、シシボイジャーを吹き飛ばすと、そのまま立ち去った。

 

『そんな事じゃ、仲良くなれないぞ』

 

「仲良くするつもりはないからな」

 

そう言いながら、ティラミーゴと共に世界を渡り歩いていた。

 

『それは神牙の事で怒る理由も分かるが、奴らからしたら、過去の事しか知らないから仕方ないだろ?

それに今の神牙の事を知らない』

 

「まぁ神牙の事もあるけど、俺は個人的にあいつを気に入らない」

 

『えっ、理解できるのにか?』

 

連の言葉に驚いたように、ティラミーゴは連に聞く。

 

「当たり前だ。

理解しても、気に入らない奴は気に入らない。

それに、あいつは神牙の事を悪く言えないだろ」

 

そう言いながら、連は拳を握りしめる。

 

「人の気持ちを考えないような奴にはな」

 



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