ソードアート・オンライン  ステルス・ウォーリアー (ddds)
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始まりのあと

おはようございます。戦闘活動を開始します

実験作です。妄想が暴走気味なので書きました
あまり長く書くつもりはないですが、
マルチ投稿が可能になるまでは書くつもりです


チート気味の強さになるかもしれませんが、
本来なら弱体化してます。
つか、普通に戦うと滅茶苦茶弱いです
そのあたりを矯正することができる経験があり、
それに裏付けられた強さということでご了承ください



世界初の完全没入型ゲームハード『ナーヴギア』

 

人類の理想を実現する装置、その一般化で最も大きい役割を果たし、

同時にもっとも大きい危険性を世に知らしめた装置である。

 

 

 

 

ソードアートオンライン。

その危険性を最大限悪用し、また史上最大の殺人事件。

後の歴史にも残るであろうVRMMORPGの始まりである。

 

 

 

 

 

 

 

そんな事件、いや宣言がたった数日前にあったというにも関わらず、

自分は全力でこの『ゲーム』を楽しんでいた。

 

彼は『これは現実だ』と言っていた。

しかし、自分にはどちらでもよかった。

 

現実は退屈な事この上ない。面白い事もあるにはあるが、

自分は未だ関与できない立場であった。

その立場に立つため、自分は現実を生きることにしていた。

 

 

 

そんな自分の数少ない楽しみはとあるFPSでゲリラ戦を繰り広げることである。

そして、そのFPSがついに完全没入型、更に米軍が開発協力ということもあって、

 

 

開発は十中八九されるだろう

そう考えてはいたものの、開発発表があった翌日に

自分は先走ってハードを買ってしまったが、ソフトがなかった。

なので一番騒がれていたこのゲームを購入した。

勿論徹夜である。

 

 

 

 

 

そして、あの宣言だ。

しかし、周りが泣き喚き、崩れ落ち、声も出ないような状況の中で、

自分はこうも考えた。

 

自分なら間違い無く思いつくだろうその内容は、

昔読んだ本のとあるセリフである。

「そっちのほうが面白い。」

 

 

これはむしろ、退屈を打開する機会であると考えた。

 

現実の肉体は、あの男が言うとおり、政府主導の元、病院で集中管理が行われるだろう

回線切断、電源供給時間の余裕が異様に長いのもそのせいだろう。

 

ゲーム内で死んだらどっちにしろすぐに死ぬだろうが。

 

 

 

 

このような状況になってしまった以上、仕方ない。

 

だったら

この状況はむしろ生かしたほうがいいかもしれない。

そう考え、翌日には武器屋に足を運んでいた。

 

最も、この武器選びに一日かかってしまったが。

 

 

このゲームには、ソードスキルなるものが存在する。

これを用いないと基本的には戦えないし、まともなダメージを与えられない。

自分はどうも変わり者で、他人と同じ事はあまりしたくない主義だ。

 

よって、『ソードスキルを使わずに狩りをしてみよう』という結論に至った。

勿論、無茶だと分かったらやめるつもりだった。

 

それを前提に武器を選ぶことにした。

 

 

RPGである以上、現実のように敵の足に貫通させれば行動不能になったり、

腕に大ダメージを与えても攻撃が止まることはない。

だとすると、貫通重視のパイクや矛等の槍の類はダメ

リーチは長い方がいいが、ここではあまり役に立たないだろう。

 

データであるので、大量に持ち歩く必要もない投槍、

いわゆるジャベリンも検討したのだが、同じような理由で没。

あまりダメージが期待できない。

 

ATGMの方のジャベリンだったら中盤までのボスは一撃で粉々だろう。と思ったが

勿論そんなものは無い。

逆にそんなモノであっても破壊できないことがある戦車の硬さは異常である。

終盤の方のボスが超広範囲平原戦闘かつ戦車とかだったら恐ろしすぎる

圧倒的な距離からHEAT弾ぶち込んできて死亡、ゲーム終了とか

シャレにならん

 

まあ、世界観に合わないからそんなもの無いのはほぼ確実だが

 

 

ポールウェポンを選ぶのだとすれば、十文字槍や薙刀のような物だろう

 

 

そもそも、ソードスキルなしであるとすれば敵の攻撃をかわせる確率を高めることができる

軽量で動きやすいものを使うべきだろう。

よって槍系はすべて没。

 

同じような理由で、盾も没。

某ゲームのように盾を攻撃に使えばいいのでは?と思ったのは狩りを始めてからだった。

 

最も、あれは透明で超頑丈な素材を製造できる、

高分子化学の賜物でこそ出来る行為であり、

この世界にゃ透明な素材なんてガラスくらいしか無い。

フィルムすら挟めないガラスしか無いので、思ったがすぐに頭から消えた。

 

 

鎧なんぞ論外である。

自分は極端に機動性と軽量を重視する傾向にあり、

某ロボットゲームでは軽量二脚を使い、『当たらなければどうということはない』を実践し

某戦車ゲームでは機動力を生かして敵の砲弾やミサイルを避けたり等、

機動力重視で装甲は不要物という傾向が全体的にある。

 

 

 

次に、剣を検討した。

 

恐らく、一番わかりやすくまた一番種類が多く、

そして一番人気がある武器だろう。

 

とりあえず保留とした。

 

他にあるとすれば、たいまつやメイスである。

前者はどっかの革パンツのおっさんじゃあるまいし、

後者はケチュア戦士を思い出すので両者とも没。

 

 

 

 

 

 

 

結局、超軽量の槍、パイクをひとつ、サブでナイフをひとつ。

以上である。

 

 

 

回避しながら何度も斬りつけるか、

静かに近づき、一気に貫通させて動きを遅くした後にナイフで斬りまくる。

これがソロ、ソードスキル無しにおける最善だと思った。

勿論、どうせすぐに限界が来るとは思っていだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静かに後方から近づけばなんとかなるもんで、

他の人はあまり行きたがらない茂みの中から獲物を待つのは、

ベトナム戦MAPを思い出させる。

 

何故茂みや森に行きたがらないのかは分からないが、

強い敵が居たり、視界が悪いからだろう。

最も、他のゲームで同じ事をしていると音だけで敵の方向と大体の距離は分かってしまうが。

この辺りもRPGのプレイヤーとは少し離れた、自分が現実で持ち合わせている

スキルの優位性かもしれない。

 

 

茂みに隠れ、敵が近づいたら一気に攻撃。貫通してしまえばあとは殴り放題。

 

 

 

 

 

更にその翌日2つ目の村に移動することにした。

勿論ルートは、誰も行きたがらない街道から離れた森を経由していく。

そんな感じでレベル3くらいになったところで、スキルがこれまた普通とは違った伸び方をし始める。

 

 

まず、能力値の伸びが、AGI(俊敏)以外異様に遅い

逆にAGIは極振りしたかのごとく伸びていく。

自分の戦闘スタイルにとっては理想的だが、

この手の物って自分で割り振るもんじゃなかったっけか?と思っていた。

 

 

 

最も、MMORPGなんぞほとんどしたことのない自分には分からんので

自動は有難いが。

 

 

 

自分は聴音を選択し、音を頼りに周りの状況をつかめるようにした。

 

まるで潜水艦のソナーマンである。

最も、現実の陸上戦でも音は重要な情報であるから、潜水艦よりはるか以前から

音を聞くのに長けた人間は重要だっただろう。

 

最も、距離や方向は感覚と勘に頼らざるをえない。

聴音は、あくまで遠くの小さな音を聴き取れるだけなのだ

 

 

 

勿論複数選択できるので、その次は索敵。

恐らくソロプレイヤー必須のスキルだろう。

聴音とカブるが、聴音はいろんなものに応用が効く。

そもそも、索敵は視界内じゃないと駄目だが、

聴音は振り向く必要がなく、場合によっては装備等も把握できる優れものだ。

しかし、索敵は有視界であれば長距離でも動作する。

伝達能力で言えば、音は光に勝てないのだ。

そして、索敵はオブジェクトの向こうの敵は分からない。

 

 

 

 

そして、隠密である。

 

 

 

隠密は敵に気づかれにくくするために。

足音が静かになり、また視覚的にも気づきにくくなる・・・らしい。

他にもその他の音が聞き取りづらくなるらしい。

これも、聴音のレベルによっては聞こえるかもしれない。

一番の恩恵は、敵の索敵に引っかからないことだろうか。

もちろんこれも相手のレベルに応じて変化してくる。

 

 

 

 

ソードスキルを使わないプレイヤーへの救済措置だと思って放置した。

その時は・・・



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一話 兵器の入手

SAOに存在するべきでない
存在してはならない兵器の登場です

マジで出していいの?原作者が見たら激怒しない!?

とも思いますが・・・・
まあ許してつかーさい


宣言から6日め

まだあまりプレイヤーの居ない2つ目の街近くで、いつもどおり狩りをしていた。

 

レベルが5になった瞬間、システムメッセージが目の前に表示された。

 

 

『特殊クエストを達成しました』

 

 

目の前に現れたのは、見たことも聞いたこともないクエストの名前だった。

内容を一瞬見ただけで、とんでもないものであることが分かった。

 

 

 

『      プロイセンの野望

 

  ユニークスキル 射手を取得可能です

 

射手を取得すると、専用のアイテムが支給されます。

射手用のアイテムはこのゲームにおける唯一の遠距離攻撃武器です。

うまく使いこなせば非常に強力です。

しかし、相応の欠点があります。

 

それでも、射手を取得しますか? 』

 

 

といった内容だった。

 

剣などを用いた超接近戦闘、そして体を動かすことに重点を置いたSAOにおいて遠距離攻撃武器だと?

精々投石が限界だと思っていたが・・・

 

そもそもユニークスキルって何だ。俺はそんなの聞いた覚え無い

 

 

射手・・・ということはやはり弓か?

 

 

しかし、プロイセンの野望・・ねぇ

プロイセンが侵略拡張をしていた頃には確か・・・

 

 

だが、他人と同じものは嫌い主義の自分には合っているのも確か。

欠点のことなど考えず、○を押した。

 

 

 

 

 

押したが、何も起こらない。

 

アイテムストレージを見ると、現実では恥ずかしすぎる、所謂厨二病的ネーミングの

アイテム名の中に、

自分の見覚えのあるアイテム名があるのを見つけた。

 

その名前は『ドライゼ・ニードルガン』

 

世界初のボルトアクションライフルであり、その強さはオーパーツ的なものだったと言える。

立たなければ再装填できなかった今までの前装填式の銃器と違い、

後ろから装填できるため、伏せながらの戦闘が可能となった。

それによって達成した被弾面積の減少によって、プロイセン帝国を勝利に導いた

 

ニードルというのは撃針のことで、

発射時の機構に針を採用したのは、量産型兵器で世界初のことであるため、

このような名前がついた。

 

この世界観に合わせるなら長弓やクロスボウだと思っていた。

あれなら比較的短時間で次が放てるし、かなり遠距離からでも使える。

スキルのレベルを上げていけば精度も上がるだろう。と。

 

 

正直、コイツだと強すぎる。

当時の他のライフルよりは射程が劣るとはいえ、マスケットより遥かに長い射程を持ち、

更に再装填の早い後装式である。

 

確実にこのゲームのバランスを崩壊させる要素足り得た。

最も、数が揃えば。だが

 

 

 

とりあえず、それを手元に出して、アイテム説明を読んだ。

 

 

『     ドライゼ・ニードルガン

 

プロイセン帝国で製造された銃であり、

ユニークスキル『射手』専用の武器。

 

特殊効果として、ほとんどの敵は、弱点に攻撃すれば一撃で死亡する。

 

また、銃剣がついており、槍カテゴリとして使える』

 

強い。あまりにも強すぎる。

そこまで遠くからではないが、狙撃すれば安全に狩りができる。

失敗して追いかけられても脚力が高ければ逃げられる。

 

迷宮区は入れたもんじゃないだろうが、無理して入る必要もない。

ボスクラスは一撃死とは行かないだろうが、大ダメージを与えられる。

 

ありえない。不公平すぎる。基本的に公平に設計されているはずのこのゲームで、

この不公平はありえない。

 

 

アイテムストレージには、ペーパーカートリッジが400も入っていた。

更に予備の撃針5本、クリーニングロッド2本、スプリング2つ、

メンテナンス用の工具セットが1つ

火薬と雷管の製造法が書かれた本が1冊

 

 

おかしい、明らかにおかしい

随分とサービス気味だが、これは絶対に裏がある。

ソードスキル無し以上の欠点が確実にある。

 

そもそも、剣をベースに置いたこのゲームで

銃のクリーニングやメンテナンスが必要ってどういうことなの・・

 

 

そして、武器の威力や精度次第では・・・とんでもないハズレクジを引いたことになる。

 

 

しかし、いつまでも後悔しては居られないので、200m程先の、

イノシシのようなモンスターに撃ってみることにした。

 

 

右側にあるボルトレバーを左側に回し、そのまま手前に引き出す。

ペーパーカートリッジをバレルに挿入し、

ボルトを押し込んで、今度は右側に回し、固定する

 

そして、ボルトの手前についているスプリングを深く押しこむ。

 

 

銃を構え、フロントサイトとリアサイトを一直線上にして、

目標を中心に捉える。

 

 

 

そして、引き金を引く

 

 

 

 

 

 

 

いつもと同じ、気味のいい音がした。

間違いない。これは銃だ。

 

 

しかし、おかしい。

リアサイトの向こうにある生物は、ダメージも受けずに

異常を感じたのか逃げ出してしまった。

 

 

これは、いやまさか

 

 

 

いやな予感が脳裏をよぎった。

 

 

 

恐る恐る、煙る銃口を見てみると・・・・・

 

 

 

 

 

ない。あるべきものがない

 

 

 

 

ない、ないのだ

 

 

 

溝が、回転する溝が、溝がない。

ましてやバレルの形状が円でなく、それがねじれているわけでもない・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ライフリングがねぇええええええええええええええええええええええ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

銃声よりも遥かに響いたと思われるその声は、

視界に居るモンスターが逃げ出すほどだった。




プロイセンの野望とドライゼ銃は本来なら
本来なら、それぞれ
『赤服の呪い』と『ブラウン・ベス』だったんです

しかし、機構上の問題から没にしました。なーむー

ただ、赤服の呪いだと
英国面に汚染された感じの文章になってしまうので
むしろこっちのがよかったのかな・・・?とも思いますが。


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二話 武器に関する検証

無い。ライフリングがない。

 

やばい 

 

ヤバイ 

 

矢倍

 

 

 

 

これは致命的な致命傷、いや致命的な欠点を意味する。

 

ライフリングがないということは、弾に回転がかからないということであり、

回転がかからないという事象は、

旧式マスケットと同じような射程になるということを意味する

 

事の要は、遠くを狙えないのである。

 

狙撃ができないのである。一方的な攻撃ができないのである

人を狙うなら100mが限界なのである

 

弱点たる頭を狙うなら30mがイイトコなのである

 

最も、コレがマスケットと同じような精度である保証は何処にもないが。

更に低いかもしれないし、多少は高いかもしれない。

 

 

どちらにせよ、本来のドライゼ銃よりは精度が低いことはほぼ確実だろう。

 

 

 

 

ああ、そうか。これが例の欠点なのか。

それを実感した。

 

 

 

しかし、ここで挫折するわけにも行かず、結局この日は一日中銃の実証に費やした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、実証で分かったことがある。

まず、マスケットよりは多少精度がいい『だろう』こと

実際に撃ったことがないし、そもそも研究も曖昧なものが多い。

 

 

 

 

 

次に、とんでもない貫通力と威力を持っていること。

 

 

 

実証の一環で、街で廃材同然の鉄板を集めて、それに撃ってみたが

目算ではあるが1cmもあろうかという鉄板を優に貫通していた。

これは7.62mmNATO弾と同じ程度の貫通力に相当する。

 

勿論、本来のドライゼ銃にこんな威力があるはずがない。

そんなことしたら撃針がいくつあっても足りない

 

 

正直、こんな物食らって人間が生きていられるとは思えない。

いくらファンタジー世界の鎧だからといっても簡単に貫通してしまう威力がある。

剣については不明だが、弾かないのであれば確実に貫通するだろう。

 

 

 

「色々と恐ろしいものを手に入れてしまったな」

心底そう思った。こいつはヤバい。

しかし、敵は層を上がるごとに強くなる。

勿論体力も、防御も上がっていくだろう。

 

銃の威力がそれに伴って上がるとは思えない。

上がるゲーム

 

あるとすれば、層ごとに新たな銃に交換されることだ

 

次の銃はライフリング込みのシャスポー銃で、

その次がリー・エンフィールド

 

その次がM1ガーランドで、

その次がM14でー・・・・じゃなくて!

 

とにかくそんなことがあったら更にバランスが崩壊する。

考えるのをやめよう。現状ですらバランスは崩壊気味なんだ。

 

基本的に、MMOは公平に作られているし、そうあるべきなんだ。

 

絶対に裏がある。あるとすれば銃依存による自滅かもしれない。

威力が上がらないというのは、つまりそういうことだ

 

 

更に、火薬や雷管が手に入るかどうかすら分からない。

一応製造方法は分かるものの、その資源を手に入れられなければ

弾薬は生産できない。

弾薬が無くなるまでにが生産できなければ・・・・

 

そこに待つのは、間違いなく死だろう。

 

しかし、現実の自分は既に死んでいるも同然である以上、

ここで足掻けばなんとかなるかもしれない。

こうなってしまった。ならそれに従うしか無いのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、突然話は変わるがSAOにおける他の武器の話である。

 

 

 

 

SAOで使われる武器は基本的に現実に存在するもの、したものである。

(武器の種別が実在するという意味であって、細かい装飾などを除く)

 

しかし、現実の武器というものは、

一回でも負傷すれば痛さで動けなくなり、戦闘どころではなくなるような敵にたいして使うことが大前提であり、

ゲームのように何度も切りつけてダメージを蓄積させても平然と戦い続けるような用途は考慮されていない

そんなことは有史以来一度もありえなかったのだ。

例外があるとすれば大麻中毒者、ハシシを食らう者と言われる

有名な『アサシン』を含む

現代でも存在する麻薬戦士くらいで、

 

そんな彼らですら足がもげれば歩けないし、腕が取れれば攻撃なんてできないのである

 

また、人間はなるべく遠くから一方的に攻撃できる武器を好むため、

剣よりも槍、槍よりも弓、弓よりもライフルといった感じに、

より遠くに攻撃できる手段が生まれると、それを優先的に使用していく。

(ただし長弓からマスケットになった例外が存在する)

 

例えば、剣を使った乱戦の時代はほとんど紀元前には終了し

槍を用いた密集陣形による戦闘が、ライフルが開発されるまでの戦いの基本だった。

槍による集団戦闘はマスケットが普及するまで続けられ、

その基本的な形は武器をマスケットに変えても、1800年代初頭まで続けられた。

 

 

 

つまるところ、SAOや他のRPGで主流の長剣が戦闘の主役だったことは

紀元以後『一切』なかった。

要は実用的でない兵器である。

(但し、二次大戦で使用する変態が居たことはまた別の話)

 

そんな旧時代の武器しかない世界で、密集陣形戦闘を終わらせた

ライフルが存在するということは、かなり脅威である。

おかしい。絶対におかしい。

 

 

 

さて、では現実の武器ということを念頭に置いてSAOにおいて、一対多数戦闘を考慮した最強の武器とはどういうものだろうか。

 

多分、現実にそのような武器は存在しない。

 

何度傷めつけても立ち上がり、果てにはむしろ強くなる敵に対して攻撃する武器など無い。

強いて挙げるとすれば、遠距離攻撃武器であり、投槍いがいマトモなものが存在しないSAOにおいて、それは存在しない。

あるのは手元に存在するライフルだけ。

 

現実にあるもので妥協するとすれば(刃の欠けや耐久力を無視した場合)

長剣がその用途に一番合うであろうというのが自分の考えである。

 

最も、現実の長剣はその実用性の無さ故に、装飾が施されて実用には耐えないものも多かったが。

 

この世界でも、そのような武器は数多いだろう。

しかし、装飾がないから、強いというわけではない。

装飾によってファンタジー的要素が追加されて強くなる可能性だって大いにある

 

 

この世界で最も最適な武器とは何か。

それはこの世界で開発されるべきかもしれない。

 

 

この世界においてイレギュラーな存在であるこのライフルは現状最強の武器である。

だが階層が上がると共に相対的に弱くなっていく。

 

それが、この武器の欠点かもしれない。




ゲリラ戦他が書きたくて書いてただけなのに
こんなに考えちゃってどうすんの俺・・・
(お陰で今書いてる続きがかなり適当気味)
まあ、MMORPGの経験がなくて、FPSばっかりなのがたたってるんでしょう多分



ああ、何とかが書きたかっただけだから
神様転生とか理由がないとかバランス崩壊とか無いです
主人公は弱くなります。弱くして見せます


虚無と大戦もちゃんと書いてますよ


(鎧についても書きたかったけど、書き続けると7000字ほどになる上、今後書く機会はありそうなので今回はパス)


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三話 1ヶ月とボス攻略会議

今回はかなりネタ気味です。



宣言より29日後

 

ゲーム開始より一ヶ月近く経過したが、誰も第一層を突破できていない。

その間に2000人が死んだ。

 

不慣れな内にモンスターにやられたのもあるが、

主な要因は自殺である。

 

『システムから死亡という形でシステムから切り離されれば戻れるはずである』という発想の男が始めた

その行為は、延々として進まないゲームへの絶望感から

未来に対する恐怖感によって行われる。

 

因みに、自分の意見としては、『どうでもいいそんなこと』である

茅場の意思として読み取れるのは、『本気で攻略して欲しい』が基本である

そしてそのオプションとして『死に対する恐怖を持った戦い』が付属している形になる

 

こう考えると、ゲームで死んだらあっちで目覚めるが、

もう二度と戻ってこれないし、ヘッドギアを外したりバッテリーを解体しようとすると

実際に死に至るというシステムでもその目標は達成可能と思える

 

中にいる人間にとっては同じことである。外部から見りゃだいぶ違うが。

 

まあ、何にせよその程度で死ぬ人間の精神の細さったら・・・

何も自分が攻略する必要はない

他人に任せて時を待てば出れるかもしれないのだ。

 

 

 

ああ、宗教ってこういう人達からお金集めていくのね・・・

 

 

 

 

しかし、現実に戻ったところで不幸しかない自分みたいな奴も居るわけで、

そういう奴が死を恐れない戦いを行うのかもしれない

 

 

「ま、どうでもいいか」

その独り言は誰も聞かず、誰も気にしなかった。

 

 

 

 

 

第一層、迷宮区直前のトールバーナという街を拠点に今日も狩りをするつもりだったが、

 

ボス攻略会議なるものが開催されると聞いて、とりあえず見るだけ見てみようと考えた。

敵の配置や状況、味方の内容などによっては銃が活躍する可能性は存在するからだ。

しかし、第一層とはいえ、弱点一撃即死なんてことはないだろう。

曲がりなりにもボスなのだ。

 

 

 

 

集合場所は・・・・何といえばいいのだろうコレは。

半円、そして階段上に並べられたイス、いや、

コンクリートで作られたような半円階段の中央に

これまた半円の平面が存在している。

 

 

自分はこれによく似たものを見たことがある。

かつてローマ帝国の娯楽のひとつであった劇場である。

 

劇場といえば、

自分がCivilizationというゲームにおいて、プレイ後半に都市を建設、または征服すると

まず自分が建設するのは、真っ先に劇場である。

 

 

 

・・・そう考えると、最初の街にグローブ座さえあれば、

不幸な市民、もとい不幸なプレイヤーは誰一人現れず、

完璧で幸福な市民、じゃなくてプレイヤーになっていたかと思うと

茅場を呪わざるをえない

 

 

お前はプレイヤーの自殺対策を怠ったのだぞ(-20)

これはガンジーでも核兵器片手に宣戦布告するレベル

 

そして、脳内に響くパパパウワードドンという不快なラッパ

 

 

何故あの野郎はグローブ座を立てなかった!

お陰で宿屋引きこもりプレイヤーが増えてしまったじゃないか!

不幸な赤服市民を大量生産して逃走しやがった

 

 

 

徴兵する余裕が無いよどうすんのさ・・・

完璧で幸福なプレイヤーを引き連れて総攻撃とかできないじゃないですか

デススタックを積み重ねりゃこのゲームも確実に攻略できるはずなんだがなぁ・・・

 

 

最も、完成された指揮系統と

陣形を崩すだけで勝ちが決まるような戦闘を前提とすれば、の話だが

 

そんなことがやりたいならTOTAL WARでもしとけって話になるが。

 

 

 

話がそれた。戻そう。

 

この劇場は、見た目的にはボスラ遺跡の劇場によく似ている。

ただし、規模が半分くらいの小さいものだが。

 

 

 

 

そんなこんな考えてるうちに、人が集まり始めた

 

 

 

周りにはよくみるごく普通のプレイヤー達。

一人全身をフード付きのローブで隠しているアヤシイ奴が居る以外は特に変わったことはない。

あと上げるとすればガタイのいい黒人がいるくらいか。

 

 

皆、軽量の鎧を装備し、武器の種類の比率は

長剣>槍系>斧系と言ったところか

 

 

 

 

 

 

 

壇上にいる人物が手を叩き、注目を集める

「はーい! それでは始めさせてもらいまーす!」

 

軽鎧と、片手剣盾の男。

身長は比較的高く、顔はそりゃ『美青年』というには申し分ない。

 

リア充爆発しろとかそういう発想に持っていく人も多いだろうが、

自分は最早そんなことどうでもよくなってくる。

 

年齢は17から22くらいだと見積もる。

 

 

そして、特徴的なのが現実では存在しないだろう黒みがかった深い青い色をした頭髪。

 

染めたらかなり髪が痛むだろうし、

ヘタしたら毛根ごと死滅しそうな

多分この世界にも髪の染色技術があるのだろう

無茶苦茶な色で染めても髪を傷めないという仕様なんだろう。

 

恐らく、今後も酷いのが出てくると思う。

そうして考えると、黒をベースとした彼の髪の色はかなり落ち着いている方なのだろう

 

 

「今日は俺の呼びかけに応じてくれて、ありがとう! 俺はディアベル。職業は、気持ち的にナイトやってます!」

 

ナイトと言えば某迷言集を思い出す。最も、迷言集しか知らんのだが。

 

 

「ジョブシステムなんかねーだろ」

「こんな時にギャグかよ」

観客席から笑いながらの野次が入る

 

 

真剣な場、人命も掛かっているはずなのに雰囲気は和やか。

それなりに馴染んでいるのか、それともやはり強者故の余裕か・・・?

 

 

 

壇上に立つ青年は、静粛にと、両手を下げるような合図を送ると

真剣な面持ちで

「今日、俺達のパーティが、あの塔の最上階でボスの部屋を発見した!」

 

 

「おお・・・」

「まじかよ」

さっきとは雰囲気の違うざわめきが聞こえる。

 

一ヶ月もかかってついに見つかったというボスの部屋。

自分はあの塔に入ったことがないのでなんとも言えないが、

『迷宮区』と名乗るからには発見は難しいのかもしれない

 

 

「俺たちはボスを倒し、第二層に到達してこのデスゲームをいつかきっとクリアできるって事を、はじまりの街で待ってる皆に伝えなきゃいけない! それが 今この場にいる俺たちの義務なんだ! そうだろ、皆!?」

 

 

演説が始まったのかと思った。

 

周りは顔を御見合わせたりして多少困惑したようだが、

基本的には同意見のようで、拍手と歓声が壇上に送られた。

 

 

自分はどうでもよかったのでとりあえず見るだけ。見るだけである

 

 

「OK。じゃあそれじゃあさっそくだけど、これから攻略会議を始めたいと思う。まずは、六人のパーティーを組んでみてくれ。」

 

 

 

は?

 

 

ぱーどぅん?

 

 

わっでぃっじゅーせい?

 

 

 

 

 

ええなにそれちょっとよくわかんなーい

 

 

 

 

何故か、いや理解できなかったゆえに

瞬間的にではあるが、

脳が10年単位で退化してしまったような気がした。

 

 

攻略会議って、編成決めてからやるのかよ

普通なら武器や装備、戦い方などの特徴や敵の情報などを照らしあわせて、

編成をつくり上げるもんじゃないのか?

 

軍事オタの自分には意味がわかりませんでした。

 

 

 

 

しかし、それを言うわけにも行かず悩んでるうちに周りが6人くらいで固まってしまっていた

 

「よーし 俺リーダーやっちゃうぞー」

 

 

 

「パーティって、当然俺ら一緒だよな」

 

 

パーティーが出来上がるのが早い。早すぎる。

既にお仲間同士で固まっていたと見るべきか

 

 

 

左に目を回すと

自分と同じ観客席の上の方に座って居たソロプレイヤーらしき二人がその場に座ったままで居る。

一人は青い服に軽装の中学生から高校生程度らしき男。

パーティーを組みそびれて焦っているのか左右を何度も見回している。

ぼっちここに極まり・・・か?

 

 

 

もう一人はローブを羽織った謎の人物。微動だにしない。不気味すぎる

 

 

 

しかし、彼らとパーティを組まないと埒が明かない。

彼らの方に行って見ることにする

 

俺が近づくと、

青い服の男が座ったままローブの人物の方へすごい速度で移動した。

どういう技なんだあれ

 

 

多少遠いが、聴音のお陰で会話は聞こえる

「あんたもあぶれたのか?」

青い服の男が尋ねる

 

多少の間を置き、ローブの人物は答えた。

「あぶれてない。周りが皆お仲間同士だったみだいだから遠慮しただけ」

 

 

 

なんか高い感じの声、これは女か?

 

 

「ソロプレイヤーか。なら、俺と組まないか?」

ローブの人物は何も言わず、男の方を向いた。

「ボスは一人じゃ攻略できないって言ってたろ。今回だけの暫定だ。」

 

ローブの人物が頷いた所に、自分は彼らのところに到着した。

 

 

 

「俺も入れてくれよ」

ローブの人物と反対側から、青い服の男に話しかける

勿論、背中にだが。

 

青い服の男はこちらを向いて

「あんたもソロプレイヤーなのか?」

 

 

 

「ああ、興味本位で来たはいいがまさか作戦会議前にパーティーを組むことになろうとは」

 

 

男はメニューを開き、自分とローブの人物に対してパーティに招待する。

 

自分の目の前にはパーティ招待のシステムメッセージ。

その下には○と✕のアイコン。

勿論、ローブの人物の前にも。

 

考える間もなく、俺は○を押した

 

ローブの人物も同じく、○を押した。

 

視界の左上に体力ゲージが追加された。

ゲージの左側にはKiritoと、Asunaと書かれている。

 

名前はわかるが、とりあえず自己紹介

「自分はハンス。よろしく頼む。」

 

現実の名前とは大きくかけ離れた名前を自己紹介する。

 

 

因みに、ハンスというのはドイツ語系の名前で

キリスト教における聖人ヨハネスの略称だそうだ。

 

最も、自分はそんなこと気にせず、突然の発想でこの名前にしたが。

 

青い服の男も自分の名前を語る。

「俺はキリトだ。」

「アスナ」

 

流れでローブの人物も名前を言った。

口数少なすぎだろこいつ・・・

 

 

 

ディアベルが頃合いを見て話を進めようとするが

「よーし、そろそろ組み終わったかな? じゃあ・・」

「ちょいまってんか!」

 

ディアベルの話を止め、観客席からジャンプを決めて壇上に上がった男は、頭髪が尖っていた

ちょっと笑いそうになってしまった

 

 

 

キバオウと名乗るその男は、

ベータテスターが知っている情報を利用して経験値や金、アイテムを独占していると主張した。

そのせいで一ヶ月で2,000人も死んだとも言った。

まあ要約するとこんな感じだった

 

俺にはどうでもいいので、聞き流すことにした。

 

そもそも死んだのは自殺が殆どだし、

経験値や金を少数で独占したほうが早くクリアできると思ったのは俺だけでないはず

 

恨むんだったらグローブ座の建設を忘れて不幸なプレイヤーを

出してしまった茅場を恨むんだな。

 

 

 

その中で、無料配布されているガイドブックの話が出てきた。

本能と自前の知恵だけで戦っていた自分はもらっていない。

そもそも街に戻ることが殆どなく、むしろ夜のほうが狩りはしやすい。

 

落下ダメージなどを利用すれば群れごと殲滅できる。

トラップが作れれば遥かに狩りやすくなるのだがなぁ・・・

 

まあ、ガイドブックは後で貰っておくことにしよう

 

 

 

さて、思考を目の前で動いている話に戻す。

 

 

「ついさっき、そのガイドブックの最新版が配布された!」

ディアベルは話を続ける

 

 

「それによると、ボスの名前はイルファング・ザ・コボルロード」

 

うっわ、なんだその名前長ったらし

まあ、覚える必要はないだろう。

 

「それに、ルイン・コボルド・センチネルという取り巻きがいる」

 

こちらも無意味に長ったらしい。勿論覚えない

 

「ボスの武器は斧とバックラー、4段あるHPゲージが最後の一段が赤くなると、

曲刀カテゴリのタルワールに武器を持ち替え、攻撃パターンも変わる。ということだ」

 

まあ、最後のほうが強くなるのは定番だな。

 

「今この場にいるのは6人パーティが5つ、そして3人のパーティがひとつだ。

6人パーティ3つがボスを攻撃、残りのパーティが取り巻きを攻撃する。

取り巻きを確実に防ぎ切れればそれだけボス攻撃側のパーティが攻撃しやすくなる。

華はないかもしれないが役割は重要だ。理解してくれ。」

 

異論を唱えるものは居なかった。

ディアベルはそれを確認して話を続ける

「最後に、アイテム分配についてだが

金は全員で自動均等割、経験値はモンスターを倒したパーティのもの

アイテムは、取得した人のものとする 依存はないかな?」

 

周りも問題ないようで、ざわめくものの大きく声を上げる者は居なかった

 

「よし、明日は朝10時に出発する。

では解散!」

 

と、いったところで解散となった・・・が

 

 

 

 

 

 

 

今更気づいたのだが、隣でキリトがずっとこちらを見ていた。

「な、なんだよ…」

「お前の武器、ちょっと変わってないか?」

隠すつもりはなかったが、バレたらしい。

 

 

「ああ、実を言うと、これな、銃なんだわ…」

 

 

「なんだって!?」

 

 

キリトが大声を上げたおかげで、各自解散していた周りの注目を集めてしまった

 

「い、いや なんでもない」

キリトも注目を集めたことに気づき、恥ずかしいようである

 

 

 

しかし、銃であることに気づいた者は居なかった…はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと見せてもらっていいかな」

なんということか、ディアベルが気づいたらしい。

 

 

 

自分の疑問を、一応聞いてもらうことにする

「やはり、このゲームで銃なんてのは異端なんですかねぇ?」

 

 

 

ディアベルが答えた

「異端も何も、存在してはいけないはずなんだ。」

「だよなぁ…銃なんて…」

その後、詳細に銃について話した。

射手というスキルの専用武器であること。

そのスキルの達成条件は大体の予想はつくこと

弾薬に限りがあり、それがなくなったら困ること

制度がかなり低く遠距離狙撃には使えないこと

ヘッドショット即死属性があること。

 

 

「最も、ボスなんかにゃ即死攻撃なんて効かないでしょうがね」

 

 

 

「まあ、そうだろうが…」

ディアベルは納得したようだ

 

「とにかく、その銃の存在はあまり知られない方がいい。

と言っても、それを使う以上は最早止められないだろうけどな」

 

 

俺にはその意味と理由が理解できなかった

 

「なんで知られたらダメなんだ?」

 

今度はディアベルでなくキリトが答えた

「まず、情報屋がスキルの取得条件を調べに来る。

現実のマスコミを想像してもらえばわかりやすいだろう。」

 

 

 

「ああ、なるほど…」

 

 

「あと、ゲーマー連中は嫉妬深い。

場合によってはPKされることもある」

 

「PK?なんだそれ」

 

今度はディアベルが答える

「プレイヤーキルの事だ。

他のゲームでも好き好んでプレイヤーを殺している奴が居たから、

もしかしたらこのゲームでも出てくるかもしれない。

ただ、このゲームだと復活なんてしないから…」

 

なるほど、

「現実の殺人になるわけだな。精神的な作用はいかほどか。」

自分はその行為よりも殺人に対する精神的抵抗がどの程度のものか気になる。

 

 

「まだそんな話は聞いてないが、システム上は不可能ではない。気をつけた方がいいだろ」

 

殺人というのは案外精神的負担が大きいものだから、

かなり圧力がかからないと起こらないとは思うが・・・

 

 

 

自分そっちのけで、経験者二人が語り始める

「しかし、ユニークスキルってなんだろうな」

「分からないな。どういう意味だろうか…ユニーク?」

 

こうして、ボス攻略前日の日は暮れていくのだった




とりあえず書くこと無し。
追記の可能性は超高い。


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四話 ボス攻略戦

かなり長くなりました。
数年間待たされたBlackMesaがリリースしたり、
その他諸々色々めたもるしてました。

その間少しづつ書いた甲斐があって、自分初の一万字超えの話になりました。


指揮官殿の支持に従って撃つだけの簡単なお仕事。

 

ディアベルの指揮下で銃撃を繰り返すだけの簡単なお仕事です。

 

 

 

 

翌朝。

久々に宿屋で寝たら既に9時を回っていた。

実に10時間睡眠である

 

食事も取らずに急いで外に出る。

着替えも歯磨きも顔を洗う必要もないのはいいかもしれない。

 

その行為を現実で誰かが代行してくれているのだろうが、

あまり考えたくないことだ。出来れば戻った時には

リハビリ類も必要ない全身義体が実用化されていればいいのだが・・・

 

一番問題であった脳からの信号受信に成功し、このような形ではあるが

家庭向けに発売できたということは非常に大きな進歩だ。

あとはランニングコスト、製造コストを落とせば立派な全身義体の誕生である。

 

ま、買えるかどうかは怪しい

 

 

とりあえず、10時までには集合地点に到着できた。

 

ディアベルを先頭に33人がボス攻略のために迷宮区へ歩き出した。

 

 

因みに自分はその最後尾。

アスナとキリトも最後尾である

 

 

二人が、ボス戦について再確認している

「確認しておくぞ。あぶれ組の俺達の担当は

ルイン・コボルト・センチネルっていうボスの取り巻きだ

ああ。俺が奴らのポールアックスをソードスキルで跳ね上げさせるから即座にスイッチして、飛び込んでくれ」

 

 

そして、この場の約二名がとある単語に疑問を持った

「「スイッチって」何?」

 

 

相変わらずローブを羽織ったままの女も、玄人っぽく見えたが

俺と同じく、MMORPG初心者だったか

 

 

キリトは一瞬間を置いて、

「もしかして、パーティー組むのはこれが初めてなのか?」

「俺なんざMMORPGすら初めてだぞ」

これについては昨日話した。

しかし役割上必要なかったのかスイッチについては聞いてなかった。

 

 

 

「ボス戦が心配になってきた」

キリトは不安を隠せないようだ。

初心者を連れる玄人は大変ですな

 

 

その後、ひと通り基本的な用語についてキリトから説明を受けた。

 

そのうちニュアンスで覚えていくだろう。妖精さんか。

 

 

 

 

 

さすがに見つけたというだけあって迷うこともなく、

また最前方の人たちがモンスターをどんどん片付けていくので

ボス部屋までは単に歩くだけであった

 

 

 

一時間もしないうちにボス部屋の目前まで到着した。

 

 

 

 

その場で再度おおまかに作戦を確認。

先ほどまでモンスターを狩っていた時の雰囲気とは一転、

さすがに最初のボス攻略戦ともあって、

場の雰囲気は重苦しく感じられる。

下手したら死ぬ。それを全員、今実感させられている

 

 

恐らく、一番後ろで打ち続けるだけの自分が

一番緊張感に欠けていただろう

 

 

 

確認の後 ボスの部屋の戸を前にして、

ディアベルは皆の方に向いて立ち、

「最後に、俺から言うことはたったひとつだ。」

 

 

「勝とうぜ!」

 

 

 

「行くぞ!」

ディアベルはその言葉と同時に戸を開けた。

 

第一回、ボス攻略戦の始まりである

 

 

 

 

 

部屋の中は真っ暗だった。

 

 

ボスの部屋は広く、恐らくサッカーコートくらいの面積はあるだろう

両側にありがちな柱が並び、その一番奥の玉座にそれは座っていた。

いやどっちかといえば仏像の台座である。

外のヨーロッパ風の景色とは合わないだろう。どういう選択だ。

 

 

 

ボスが動き出すと同時に部屋は一気に明るくなり、

その姿がはっきり見えるようになった

 

部屋の壁は現実ではありえないような色彩。目が狂いそうだ

 

 

ボスは部屋の半分にも届こうかという跳躍の後、部屋の中ほどに降り立ち、

情報通り斧とバックラーを両手に持つ、赤い巨体のモンスターが

我々の前に立ちはだかった

 

中世における悪魔の想像図の体をメタボのオッサンに変えて、

皮膚を赤くしたような感じである

まあ、説明するのもよく分からんくらいバランスが悪い。

 

 

頭上に赤いマーカーが表示され、敵であることを示し、

同時にボスの名前も表示される。

その右側の体力ゲージは普通のモンスターではありえない4段。

左右2体づつ、ボスの前方に1体取り巻きが湧いて、登場演出は終わったようだ。

 

 

中央の取り巻きを先頭に、ボスと取り巻きががこちらに向かって突進してくる

 

「攻撃 開始っ!」

ディアベルは前に指揮杖代わりの長剣を前に向け、攻撃の合図とした

 

 

むさ苦しい雄叫びを上げながら突撃、交戦を開始した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

ない。

何がないか。簡単だ。やることがない。

ニートもびっくりの無労働なのである。

 

 

敵の周りには味方が群がるため、自分が後方から撃つのは危険である。

全く、後方からの支援を行わない戦争なんてゲームでも

最近はめっきり見たことなかった。

存在はしているが、自分が認識していない。興味が無いのである

 

最低でも迫撃砲や航空支援は受けられるのが自分の常識だから・・・

 

そう考えると、このゲームには投石機やバリスタ等はあるのだろうか。

弓矢が無い所を見るとバリスタは無いだろう。

トレビュシェットやカタパルトも無いと思われる。

 

腕で振り回す投石具や投槍器(とうそうき)くらいだろう

 

 

「A隊C隊、スイッチ!」

「来るぞ!B隊ブロック!」

 

隣にいる指揮官様は前方の指揮で手一杯のようだ

その指揮は正確で、味方方にはほとんど被害は出ていない。

 

ゲーム内では優秀な指揮官である。

こんな芸当を何処で習得したのやら。

 

「C隊ガードしつつスイッチの準備」

「後退しつつ、側面を突く用意!」

「D.E.F隊は側面を確保しろ!」

 

 

「了解!」

キリトは指示を確認すると、前方に居た取り巻きに攻撃を仕掛ける

 

持っている剣を横に大きく振り、取り巻きの斧を弾き飛ばし、ノックバックを発生させる

 

「スイッチ!」

そうキリトが言う前に、ローブの人物 もといアスナはレイピアを前にし、

全力で突進をかける。

 

レイピアは突くための剣。

チェインメイルの間を刺すために用いられた。

プレートアーマーが普及すればその存在価値は低下し、

戦斧やロングソードを用いた打撃、レイピアより遥かに貫通力の高い兵器、

具体的に言えばマスケットが普及するとレイピアは実戦では用いられなくなった。

 

 

彼女のレイピアでの戦い方は現実のそれとは異なる。

フェンシングのような戦い方ではなく、

体重を前にかけ、全力で走る。

そして、その動きは非常に早い。

 

まさに『突進』という動き。

 

しかし、突く武器である以上、引くという動作を伴うため、

時間的な攻撃回数が少なくなってしまう。

その欠点をカバーできるかどうか、またレイピアが本当に不利かどうかは知らない。

恐らく、ソードスキルでどうにかなるんだろう。

 

 

「三匹目!」

彼女は取り巻きの装甲に見事攻撃を当て、貫通させたようだ。

 

取り巻きは叫ぶ間もなくその場から消えてなくなった。

 

 

 

 

正面から雄叫びが聞こえてきたのでそちらを見る。

どうも体力バーが4段目の半分を切ったようで、

誰もが攻撃の手を止めている。

 

 

ボスは両手に持っていたバックラーと斧を放り投げた。

 

 

「情報通りみたいやな」

関西弁が聞こえる。

確かに情報は正しかったようだ。

 

 

RPG等での定番、ダメージを受けると強くなるパターンである。

当然、リアルでは在り得ない。

ダメージは受ければ受けるほど弱くなる。強くなるゲームは今までやったこともなかった。

話題性と勢いで買ってしまったこのゲームだが、

やはり自分には合わないと思う。というか合わない。

皆が皆弱くて、知恵を絞って、連携し戦術を持って敵を倒すのが

自分の好きなゲームなのだ。

 

 

 

 

「下がれ! 俺が出る!」

ディアベルは何故か駆け出し、パーティーの全面に出て、

剣を掲げてスキルを準備する硬化状態に入った。

 

 

 

一方、ボスがその巨体の後ろから出してきたのは大剣。

 

 

 

僅かな反りもない片刃剣が出てきた。

 

 

 

反りがない?

情報では、インドの曲刀タルワールだったはず。

 

しかし、自分が今見ているのは僅かな曲がりもない直刀。

中華包丁を長くしたようなものである。

 

昨日貰ったガイドブックには

「これはベータ時点での情報です。製品版では変更されている可能性があります」

といった旨が記載されていた。

 

 

繋がった。

製品版で変更された箇所か!

武器が違う。武器が違えば使い方は違う、動き方も違う!

つまり…

 

「駄目だ!」

左の方から聞こえてきた。この声はキリトのものだ

 

「全力で、後ろに飛べ!」

キリトも同じく気づいたようだ。

 

ボスはその間、部屋にある支柱の上部、その間を飛び回り、

プレイヤーを撹乱していた。

いつ落ちてくるかわからない。

しかし、自分の銃は既に正面、そしてそのわずか上を向いていた。

撃つなら、敵さんが落ちてくるのを狙うしか無い。

フレンドリーファイアのリスクがない上から落ちてくる時、それを狙うしか無い。

 

最早考える暇も殆ど無い。

ほぼ反射のような形で攻撃を行う。

 

チャンスは一度、降りてくる所を仕留める。

 

 

7-8回程柱の間を飛び回った後、ボスは落ちてきた。ディアベル目掛けて。

奴は降りてきた。ボスは降りてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、引き金は遅すぎた。

弾は空中を飛び、壁にあたって砕けた。

ボスの攻撃は弾が飛んでいる間にディアベルに直撃。

ディアベルはノックバックで飛ばされ、硬直が発生。

 

 

ボスは着地した後、そのままの勢いで空中のディアベルに再度攻撃した。

 

これもまた避けれるはずもなく直撃。ディアベルは部屋の左方に飛ばされた。

 

 

「ディアベル!」

キリトが飛ばされたディアベルの方に駆けて行った。

しかし、こちらはそれどころではない。

 

ボスはパーティーを飛び越えて扉の方に立ちはだかった。

これでは撤退もできやしない。

できたとしても、相当な犠牲を払うことになるだろう。

 

 

しかし、キリト達の会話は聴音スキルによって

周りがいくら騒がしくても聞こえてしまう

「何故一人で…」

 

「お前も、ベータテスターなら 分かるだろ?」

何?キリトとディアベルがベータテスターだと?

 

「ラストアタックボーナスによるレアアイテム狙いか」

欲張った結果自爆とは・・・

 

 

 

「ボスを……ボスを倒してくれ…皆のために」

オブジェクト破壊音がした。恐らく消えたのだろう。

 

 

 

 

一方、正面では

指揮官を失ったパーティーは散発的な攻撃と防御を繰り返して、なんとか被害はないが

これもいつまで続くか・・・

しかも取り巻きは何事もなかったかのように湧いてくる。

 

おいF隊仕事しろ!

と、声に出すのはやめておいた。

 

 

 

 

 

 

 

パーティーメンバーのほとんどがボスに目を向けており、

取り巻きには手が回らない状況。

そんな中、予想通りパーティーに対して側面から取り巻きが攻撃を仕掛けようとしていた。

 

 

「クッソが!面倒増やしやがって!」

つい口に出てしまった。

 

久々に足を動かし、

自分は全力で取り巻きに近づき、確実に当てれる距離まで近づいて引き金を引いた。

 

この間、銃は正面に向けたままである。

 

 

取り巻きは一撃で砕け散った。

どこに当たったかは確認してない。多分頭だろう

 

 

 

しかし、当然ながら取り巻きは一体ではない。

自分が居る反対側からも攻撃は加えられる。

つまり・・・

 

「ぐあっ!」

「側面が危ない!皆引くんだ!」

「後ろを振り向くな!少しづつ退却しろ!」

反対側のパーティーメンバーが取り巻きから攻撃を食らい、それを見て皆が引き始める。

しかし、それには組織性がないため、損害は増していく。

 

幸いなことに死者は出ていないが。このままでは・・・

 

 

 

「攻撃を再開する」「了解」

キリトとアスナは最後方で攻撃する体制を整えたようだ。

これで退却できる。

 

 

 

そう思った瞬間、目の前に腕が飛んできた。

 

 

ボスは武器をパーティーメンバー目掛けて大きく振り払い、

引くのが遅れていた自分は側面に居たため直撃はしなかったものの、

振り払った腕が直撃。

 

おかしいかな自分は部屋の左奥まで吹き飛ばされた。

痛さはないものの、一瞬の出来事過ぎて理解するのに暫し時間を要した。

視界左上のHPゲージは3分の1以下。表示は赤になってしまった。

 

ナーヴギア搭載のメディカルサポートメッセージが心拍数の上昇を知らせる。

とりあえず問題は無さそうだ。

 

 

 

 

 

しかし、武器が直撃していたら…即死だっただろう。

 

その間もボスの攻撃は止まらない。

 

 

「手順はセンチネルと同じだ!」

ボスより向こう側に、走る二人の姿が見えた。

あの馬鹿ども、退却支援じゃなくて撃破に向かおうとしている!?

 

 

この状況ならコレ以上の被害なしで引き上げることだって容易い…

いや、自分は退却できないか

 

損害2名 戦果なし…となるか

 

ボスは向かってくる二人に対して攻撃すべくソードスキル発動モーションに入った。

それにキリトのソードスキルをぶつけて双方硬直する。

その間にアスナが…

 

と思いきやボスの硬直時間がかなり短くなっていた。

再度攻撃をするためバランスを立て直す。

 

「アスナ、危ない!」

キリトは気づいたようで、アスナは間一髪攻撃から逃れたようだ。

 

これじゃ二人では攻撃は成立しない。

しかし、パーティーは既に組織戦闘力がなく、士気もボロボロ。

 

引き上げようにも俺が居る限り引き上げないだろう。

恐らく彼ら二人なら。

 

 

でも、それではボスは撃破できないし巻き添えで全滅だって起こりうる。

 

 

 

そんな状況で一人だけ外れた存在が居ることに気がついた。

それは自分である。

 

 

 

自分は現在、ボスの死角に居る。

真後ろから攻撃を仕掛けることができる。

しかし、一撃で仕留めなければ反撃を喰らい、ただでさえ少ない体力が付きて

俺もディアベルと同じように死んでしまうだろう。

 

 

だが、その反撃の間にキリト達が攻撃を加えれば

ほぼ確実にボスは倒せる。

 

 

 

どっちにしろ、俺が攻撃すれば俺以外はほぼ確実に助かる。

選択する余地すらなかった

 

 

 

「次来るぞ!」

このままじゃジリ貧だと知っていながら攻撃を続ける二人。

その後ろで不安そうに見るしか無い疲弊しきったパーティーメンバー。

 

 

俺は銃を構え、弾を再装填した。

これで準備は整った。後は運任せだ。

 

足は以外に素直に動いてくれた。

あとは戦列歩兵でも真っ青の銃剣突撃を決めてやるだけである

 

 

 

 

 

「しまった!」

武器を早く振ってしまったせいで、キリトはボスの攻撃をモロに食らった。

その後ろに居たアスナもろともノックバックで飛ばされる。

 

 

 

それを見て、足は更に早く動いた。

「チャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアジ!!!」

何も考えずとも出た銃剣突撃の掛け声。

 

 

 

ボスの背中目掛けて、足を動かすだけ。

頭にはそれしか入ってなかった。

「馬鹿!やめろ!」

 

 

 

誰かの声が聞こえて気がしたが足は止まらない。

ボスの背中に乗るように、ジャンプする。

 

 

視界がぼやけたと同時に、武器が刺さる音。

ここぞとばかりに引き金を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Congratulation」

空中には。そうあった。

 

 

 

「いやっったあああああああ!」

「勝った!勝ったぞ!」

 

 

 

視線を下に下ろすと

「you got the last attacking bonus!」

「コートオブミッドナイト」

 

う…うわぁ、厨二が好みそうなこのネーミング…

あんな激戦の後でこう考えられる。自分は間違い無く生存しているようだ。

 

「お疲れ様。」

話しかけてきたのは…

 

染めたであろう茶髪に近い長髪。身長はそんなに高くない女。

顔は整っているし、これまた美少女と主張しても意義は出ないレベル。

俺はこんな知り合いは居ない。現実でも、SAOにも居ない。

「あんた誰だ?居たっけか?」

「パーティーメンバーの名前すら忘れるの?」

 

忘れたわけじゃないが…

「まさかローブか」

「なんでそんな名前で呼ばれなきゃいけないのよ」

 

俺の脳内で勝手につけた名前は嫌われたようです

 

 

「なんにせよ、俺達は勝ったってことだな」

元ローブ、その隣にはキリトも居る。

 

「全く、最後の攻撃はどうなるかと思ったぜ

なんせ背中に飛び乗って頭にゼロ距離射撃だからな。

失敗したらどうするつもりだったんだ?」

やはりあの時声をかけたのはキリトだったか。

 

 

「失敗したら死ぬと知ってて突撃した。

仮に俺が死んでもお前らがボスを撃破できるだろうと思ってな。

それでこそ英国面というものだ」

「なんだそれ」

和気藹々と談笑。

 

 

あの緊張感のあった戦場は何処へやら。

 

そこに大柄の黒人が現れた。

その体格、特徴とともにすぐに名前を覚えたエギルさんだ。

「Congratulation。この勝利はあんたのものだ。」

「いや、キリトとアスナが居なかったら攻撃は成功してなかった。

感謝するなら、二人の方に頼む。

俺は腹に爆弾を抱えて突っ込んで、運悪く生き残っただけさ」

 

そして、感謝すべき人物がもう一人。

 

「あと、攻略会議を招集し、優秀な指揮能力を発揮し、

損害を最低限に抑えてボス攻略を成功に導いた

指揮官ディアベルに追悼と感謝の意を。」

そう言った途端、周りのお祝いムードも一気に収まり、静かになった。

 

 

現実よりも死が身近な世界で、自らその世界から脱出すべく

人々を集め、指揮し、脱出の第一歩を成功させるも死んだ男。

 

昔の日本なら神社が建つレベルだ。

意味があるかは分からないが、墓くらいは立てないといけないな

 

そう考えていると、ある人物が騒ぎ出した

「なんでや!」

関西弁。あの人しかおるまい

 

「なんでディアベルはん見殺しにしたんや!」

誰に向けての言葉かは分からなかった。

 

「見殺しにした?」

キリトが反応した。

 

「そうやろ!自分はボスの使う技知っとったやないか!」

キバオウはキリトを疑っているようである。

何を勘違いしているのか自分にはイマイチ理解できなかった

 

「最初からあの情報伝えとったら、ディアベルはんは死なずに済んだんや!」

 

それを聴いた周りは「確かに」などと勘違いな人を増加させている。

 

 

あのガイドブックが正しいと仮定すると、

ベータテストと製品版で違う部分が発生する可能性は、キバオウも知っているはずである。

 

キリトが製品版のボスについて知っているとキバオウは考えている。

 

では何故、キリトは製品版のボスについて知っているのか。

そこの『何故』が抜けている。普通に考えりゃ酷い言いがかりである。

 

このような環境では人間不信も発生しやすい。

頭が回らなくても納得してしまう人も多いだろう。

 

「それになんや!その武器!

最初から思っとったけど銃なんておかしなモンなんで持っとるんや!」

 

「俺に聞かないでくれよ…俺だって狙って出したわけじゃない」

事実である。無実である。特殊でチート臭い物だとは分かっているが、

リスクもかなり大きい。

 

「嘘つけ!どうせベータ上がりやろ!」

ベータテスターはそんなに有能ですか?

 

 

もはや話が通じない。だったら

「じゃあアンタは一撃で死ぬようなリスクを負って、

これを使うことができるのか!?ワザワザ死ぬような武器を使うのか!?」

リスクを全面に出して押し切る

 

 

「そ…それは…」

さすがに一撃で即死は効いたようだ。

 

 

 

「とにかく、なんでディアベルはんを見殺しにしたんや!」

矛先を戻した。何がやりたいんだろうこの人。

普通にありがちな人間不信だが…

 

 

そんな時、誰かが言った。

「きっとアイツ、元ベータテスターだ!

だからボスの攻撃パターンも全部知ってたんだ!

知ってて隠してたんだ!」

 

知ってて隠す利点って何だよ…

利点もなくそんな事するか。普通。

 

「他にも居るんだろ!出てこいよ!」

 

ここでディアベルがベータテスターだったと主張しても

最早証明する手段はない。

逆に、ベータテスターだと因縁をつけられても、

違うと証明する手段がない。

悪魔の証明。魔女裁判そのものである

 

しかも、この場にいる全員が周りをベータテスターでないかと疑いはじめた。

ますまず魔女裁判である。人間不信にも程がある

 

自分は別に嫌われても、ソロでしか狩りをしないので問題ないが、

キリトが一番問題だ。否定のしようがない。

 

この人間不信状態では、以後の攻略に確実に支障が出る。

損害は増大し、士気も低下、組織的攻撃能力を失って

最後には攻略を行う人間がいなくなり、全滅。

 

なんてのも笑い話ではない。

 

だが、自分には人間不信を止める手段はない。人間だもの

人間不信は、特にこのような状況では発生しやすく、また止まりにくい。

そんな時だった。

 

「ふははははははは」

わかりやすい悪者笑い。

その発信源はベータテスターとレッテルを貼られたキリトのものだった。

最も、実際にベータ上がりなのだが。

 

キリトはパーティーメンバーとキバオウの方に立ち直り

「俺をあんな素人連中と一緒にしないでもらいたいな」

 

狂人を演じ始めたのである

 

「な、なんやて!」

 

「SAOのベータテストに当選した1000人のうちの殆どは

レベリングのやり方も知らない初心者だったよ」

 

「だ、だからなんや」

全く持ってだから何だという話である。

 

 

「いまのあんたらのほうがまだマシさ」

キリトはキバオウの方に歩きながら続ける。

「でも俺は違う。」

 

「俺はベータテスト中に、誰も到達できなかった層まで登った

ボスのスキルを知ってたのはずっと上の層で、似たような武器を使うモンスターとさんざん戦ったからだ」

冷静に、そしてかなり上から目線で見れる自分としては、

かなり嘘臭く聞こえるが、まあ嘘2割ってところか。

 

「他にも色々と知っているぜ

情報屋なんかと比べ物にならないくらいにな!」

狂人を演じるのは構わんが、キリト。お前すごく痛いぞ。

 

 

 

「なんや・・・なんやそれ。そんなのベータテストどころやない!

そんなんチートやチーターやろ!」

 

そんな嘘臭くて痛いセリフを真に受けるキバオウ。

茅場こんな人間不信から発生する事象を観察したかったんだろうか。

 

「そうだそうだ!」

「ベータじゃなくてチートかよ!」

「ベータとチーター 合わせてビーターだ!」

BetaとCheater合わせてBeaterだと。

 

英語的には泡だて器となる。なんだそら

 

「ビーター。いい呼び名だな、それ。そうだ 俺はビーターだ」

そして、泡だて器を自称するキリト。

 

「これからは元テスターごときと一緒にしないでくれ」

俺はキリトを「Beater(あわだてき)」と呼称することにした。

 

言い終わったキリトは、次の階層へと向かう階段。

ボスが居座っていた仏像台座の後ろにあるドアへと足を進めた。

 

「ちょっと待て。」

つい声をかけてしまった。面白かったからである。

顔には出ていない。出していないはずだ

 

「なんだ?」

 

「これ、もってけ」

俺はアイテムストレージから先ほど獲得した

厨二ネームな<<コートオブミッドナイト>>を選択。

譲渡を押した。

 

「俺には必要ねぇし、今のお前にはあったほうがいいだろう。」

主に更に面白く、そして厨二臭さを増すためである。

 

キリトは一瞬の間を置いて

「そうか、じゃあありがたく貰っておこう」

そう言って進もうとした瞬間

 

「待って!」

今度は女の声である。

この場に女はアスナ以外居ない。

 

「まだお礼を言ってない。」

お礼…ねぇ

 

 

キリトは何も言わず。パーティーコマンドから解散を選択。

自分の目の前にも解散通知が届いた。

 

「むしろ、俺が謝りたいくらいだ」

何についてかは考えるのすら面倒なのでやめておいた。

 

 

「君は強くなれる。だからいつか、誰か信頼出来る人にギルドに誘われたら、

絶対に断るなよ。ソロプレイには限界があるからな。」

そう言いながらソロへの道を確定させてしまった泡立て器さん。

 

「なら、あなたは…?」

キリトは答えなかった。

 

 

その後アスナは何も言わず、

 

 

キリトは第二層の扉の向こうへと消えていった。




ということで、泡立て器さんの誕生です。
今後もちょくちょく名前として使っていくかもしれませぬ

ようやくとこさ一区切りつける形になりました。
続きもかなり具体的にできてしまっているので、
もしかしたら「虚無と大戦」の方がちょっと・・・

虚無と大戦も書きなおしを検討しましょうか・・・
二度めの書き直し、三度手間。いつになったら完結するのやら。


リアルの方は
人類は衰退しましたを10回近くループさせて見てたので
かなり頭がゆるくなってきてます。

そして、12話でSAOに対する認識が大きく変わりました。
それに関しては「なろう」の活動報告辺りに書くかもしれません。

あー あたまいたいー


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五話 火薬と雷管

おはよう御座います。私です。
最近まだリアルが忙しくてなかなか書けてませんが、
とりあえずまとまった分だけ投稿します。


「キリトぉ!そっちいったぞ!」

 

銃声に反応して動いた、視界中にある表示。

 

何が動いているのかは見えないが。分かる。

少なくとも草食系の動物に近い生物モドキというところまでは。

 

いや、見た目的にはブタモドキなんだけども。

 

 

 

草食動物性モンスターは逃走傾向がある。

 

現実のウサギや野良猫のようなもので、

人間、もといプレイヤーがが近づくと全速力で逃げていく。

 

しかも、被弾面積・・・というか小さいので、なかなか攻撃が当たらない

ちょこまか動くお陰で当たらない当たらない

 

 

遠距離攻撃武器が殆ど存在しないSAOでは倒すのにも一苦労だが、

その分、ドロップアイテムはかなり良い。

 

 

簡単に言えば、経験値でなく大量の金を落とす、はぐれメタルである。

 

 

この場所は崖になっており、

奥に行けば行くほど足場は細くなり、群れ単位で追い詰められて行く。

崖はそれほど高くなく、AIは落ちても生存は十分可能と判断してブタモドキは落ちていった

 

 

落ちてから一秒もせずに、奇声が聞こえてきた。

その前にはソードスキルの発動音が聞こえていた。

 

落下したウサギモドキには・・・

 

 

 

 

 

 

「ふん!」

落下した先で屠殺パーティーが行われていることは理解できなかったようだ

 

 

 

 

崖の下でうごめくのは黒いコートの男、泡立て器氏である。

 

 

 

 

 

自分が銃を使い敵を追い込み、落下させて下でキリトが屠殺する。

経験値はキリトが獲得し、自分はアイテムを貰い売り払い、金にする。

 

双方、金と経験値

別別の物がほしいから成立する役割分担である

 

 

---------------------------------------------

 

 

あのチュートリアルでの宣言から1ヶ月と5日。

現在最前線は僅か数日で第5層に達していた。

 

 

第二層のボスはキバオウ氏が自らの知り合いだけ集めて、

第一層攻略の翌日にボス攻略を決行。

 

指揮官たるキバオウ氏が優秀だったと聞いているが、

彼のお陰で無損害で第2層を突破。

 

第3層は好戦的モンスターがかなり少なかった上、ボスもかなり弱かったので2層突破当日に

楽々攻略。

第4層は2日ほどかかったが、ベータテスターの情報と協力もあり

攻略活動による損害はナシ。

 

ディアベルと並ぶ名指揮官と呼ばれる

キバオウは今現在における最強ギルドのマスターとなっている。

最も、キリトはそれが不満そうであるが。

中学生らしい、自分を批判した人物に対する嫌悪かも知れない。

 

あの後キリトとは第3層で再会、

経験値不足に悩んでいたようなのでPTを組んだ。

と言ってもシステム上経験値はPTで自動分配されるため、

狩るときはPTは組んでいない。

 

 

というのがここまでの流れである。

 

 

 

 

そしてここは第4層、

中世ドイツのような建物と、針葉樹の森が広がる大地。

現在位置はmapの中でもかなり端のほうだ。

 

 

 

 

休憩と昼食を取っている時に、キリトが話しかけてきた。

「しかし、なんでそこまでして金がほしいんだ?

普通は経験値を欲しがると思うんだが」

上向きに寝転がるキリトは横で座っている自分の方すら向かずに言った。

 

 

そういや、あの話はまだしてなかったんだな

「いや・・・少し気づいたことがあってな…

俺のレベル、いくらだと思う?」

 

キリトはさも当たり前のように

「11だろ?」

 

キリトは前回のレベルアップの時に一緒に居た。

 

「じゃあ、体力を見てくれ。上がってると思うか?」

「…11にしちゃ低すぎだよな」

 

レベルが3も上がっているのに、ロクに体力が上がっていない。

というか全く上がっていない。レベル5から1たりとも変動していない

SAOはステ振り、というかステータスの概念が希薄なようで、

レベルが上がると筋力と体力、俊敏が順当に伸びていく。

 

因みに、ステータスを偏らせるアイテムもあるそうな。

 

 

「そんなに低いと、10層くらいのフィールドモンスター

でも最大威力の直撃で即死だぞ…?」

「マジか…」

ボスの第二形態の攻撃に耐えた…

いや、あれは直撃ではなく、副次損害に近かったから耐えれたのか

 

「この銃と引換に体力固定とは、厳しいなぁ」

キリトは横になり、天井がある空を見上げていた。

 

銃は筋力パラメータが上昇しても一ミリたりとも与えるダメージは増えない。

 

結局、事の要は『経験値もといレベル上げてもあまり恩恵が無い』ということである

 

「あと、もう一つ。」

理由は、もうひとつある

 

 

「もう弾薬がない」

「ホントにか…」

400発もあった、

いや、400発しかなかった弾は30日程で見事に消費され、残り50発を切った。

 

400発なんてLMGでも、普通に使ってりゃ10分でも無くなる程度の量だ。

最も、サプレッシングファイア――

もとい制圧射撃なんてしないから事情はだいぶ違うが。

 

 

「でだ、弾薬を作るには場所がほしい。」

「宿屋じゃダメなのか?」

 

「大量の機材が必要になる。家と機材と、材料費がな」

「具体的にはどんなのが要るんだ?」

おろ?てっきり内容には興味が無いかと思ったが…

宜しい。では語ってやろう

 

「まず雷管を手に入れる。衝撃によって発火する物質が必要になるが、

今回はアジ化鉛をベースに製造する。鉱物ベースで最も基本的な材料が必要になるが、

そこから遡るとアジ化ナトリウムと酢酸鉛に分けられるが、

前者の製造から行くと」

「ストップ!」

キリトに話を止められた。まあ当然といえば当然か

 

「その話どのくらいかかるんだ?」

 

必要な薬品は70近くになる。

「んー… 火薬の製造まで含めて一時間くらいか?」

それを聞いた途端キリトはこちらに向いて頭を下げた。

 

正座のまま頭を下げたのである。

「聞いた俺が悪かった。」

 

「よろしい」

何を許したか分からんがとりあえず適当に返した。

まあこうなるとは予想してたからな

 

「しかし、そんなに手間がかかるとは

総費用どのくらいかかるんだ?」

「家込みでざっと40万コルだ」

40万コル。恐らく第一層で立派な住居つきの店が構えられる価格

 

それを聞いたキリトは固まった。一瞬ラグかフリーズかとも思った

「俺はこの辺で…」

そして立ち上がってそそくさ逃げようとする

勿論行かせやしない。下手したら俺だけ死ぬ。

 

「マテコラ」

キリトに銃を向けた。ちゃんとフロントサイトの向こうにキリトを捉えている。

「だってよ、そんな金額集めるんなら上層階行かないとダメだぞ」

 

「弾がなけりりゃ上層階なんて行けないんだよ!」

開放していたボルトスプリングを深く押しこむ。

この状態なら引き金を引いた瞬間キリトはポックリ昇天が確定する。

 

「わかった、わかったから銃を降ろせ!」

 

 

 

 

 

-----------------------------------------------------------------------

 

あの後更にモンスター狩りをして、街に戻り夕食を取ることとなった。

因みにだいぶ遅くなってしまい、午後10時頃である

 

勿論、キリトと一緒である。店もキリトが教えてくれた。

何故相手が女でないのかと一瞬考えたが、生き残ることが最優先。

キリトと組むのが現状の最善だろう。

 

女と組むとろくな事がないというのは現実の状態と体験とか他人の苦労を見てると

嫌でもわかる。少なくとも当面は女と組みたくはないね。

 

 

他のパーティーからも誘いがかなりあったが、

下手したら殺されて銃を奪われる。

信用ならないのでパス。一度でも一緒に戦うと信頼は一気に上昇するものである。

 

 

 

 

 

「じゃあこれと、これで」

店員のNPCに大してメニューを指さしながらキリトが注文する。

キリトが選んだ店でなら、同じもので良かろう

「俺も同じ奴お願いします」

 

ちなみに、その店員は男だった。

何故俺の周りには男しか居ないのか。むさ苦しい。

せめて目の保養程度に、女がいても良かろうに。今日は一人も女を見ていない。

「かしこまりました」

 

 

 

 

店内は遅いこともあってかガラガラだった。

自分達二人以外は誰もいない。

 

 

「クエスト?」

「ああ、領主の依頼するクエストがあるんだ」

領主クエスト。聞いた話だと高難易度であるが報酬の大きいという

 

「金が出るのか?」

「出ない。だが家がもらえる。」

今の所機材を設置できる家さえあればいい。

家の質だの場所だの環境だのは二の次である。

 

「まあ、現状はどんな家でもいいが、難易度はどうなんだ?」

「正直お勧めできない水準だ。ベータの時はレベル20の5人パーティーでギリギリながら倒した。」

現在のレベルは俺が前述のとおり11。キリトが22

 

「厳しい…が、最早選択の余地はあるまい。」

「じゃあ俺はこれで…」

またキリトが逃げようとする。反射的に銃を構えてしまう

 

「待て」

「わかったよわかりました手伝うから!手伝うから構えるな!降ろせ!」

最早立派な恐喝である。しかしそれを取り締まる警察が居ないこの世界では何の意味もない。

…と言ってもここは街中、所謂『圏内』なので攻撃してもダメージは受けないはずである。

反射的に言ってしまっているのか、純粋に忘れているのか

それともこのやり取りを楽しんでいるのか。

いずれにせよ、キリト、前衛が居ないと一人でクエストなんて達成できない。

普通に狩りをするなら一人でも問題ないが、クエストになると厳しい。

ダンジョンだったらそこで試合終了である。

 

 

「じゃあこうしよう。家は二人で使うんだ。

俺は機材全部置くスペースをもらうから、後はお前のもんだ」

必要だとしてもさすがにただ働きしてもらう訳にはいかない

 

「それ、機材のスペースで家全部埋まらないか?」

機材の数的に普通にありうる。しかしここは嘘をついておく。

有利に事が運ぶなら多少の嘘は厭わないのである

 

「多分大丈夫だと思うが…

だったらその機材を転用して作るものを今後お前に提供してやる。

多分ポーションとかも作れるはずだ。」

 

キリトは数秒の間を挟んで口を動かした

「んー…プレイヤーが開発製造するポーションは効果が高いらしいしな…

わかった。引き受けよう」

「うっし。交渉成立だな」




はい。私です。
最近ソードアート・オンラインのアンチスレに常駐しておりました

あのスレは「こうすれ面白くなる」
「この辺りに矛盾あるからこうすればいい」が大量に転がってるので
1レスも見落とせない状況です。


二次創作を書くならアンチスレを見てみるのも良いかも知れません

まだ少しだけ多めに書いてる分があるんですが、それはまた今度。
次は二週間後くらいかな?


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