セーブ?そんなの在るわけないだろ? (扶桑畝傍)
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転生準備

 
あの~?

ん?

あの~?

こんな澄んだ声で

知り合いは居ない。
 



 

『あの~?』

 

「ちょっと、まちぃね。」

 

身体を起こす動作を使用とするが。

 

「あれ?」

 

左腕が・・・

 

『すいません、

 慌ててこっちに呼び込んだ際に、

 “魂の情報が少し欠けてしまいまして”

 貴方は少しカケタ存在になっています。』

 

「ぁ~・・・。」

 

これじゃぁ、

フォークリフト、運転出来ないなぁ。

 

『ふぉーくりふと?は、

 知らないのですが、

 それでは不便でしょうから、

 “私の加護を付けた義手と、義足”を、

 お付けいたしますね?』

 

ん?義手に義足?

 

「なんと、まぁ・・・。」

 

膝から下が無い両足に、

 

肩から無くなった左腕。

 

『それと、義眼はハメ込んでいますので、

 違和感は無い筈かと?』

 

「あのさ?」

 

『はい?何でしょうか?』

 

おじさんになっても、これは頂けない。

 

「服は着て。」

 

『へ?地球の男性は、

 大抵“裸エプロン”で、

 女性をはべらしてしているものだと?』

 

「・・・。」

 

首を振り、それは

 

そう言う趣味の一定男性と、

 

相手との同意を得て

 

成立する物だと説明した。

 

 

小一時間程、はわぁ~っ!?

 

と、叫んでいたが、

 

どうやら落ち着いたようだ。

 

『すいませんでしたっ!!』

 

ばるん、と、大きな実りが揺れ動く。

 

「ぉ~。」

 

『なんでしょうか?』

 

「いや、眼福。」

 

『本当に裏表がない人ですね。』

 

「え?」

 

『ま、本来人間程度に

 謝罪なんてしませんからね、

 今までの会話で、

 “貴方の思考と、記憶を読み取りました”

 そこそこスケベェで、

 気に入った女性には甘くて、

 気に入らない男性には、

 ぐちぐち言う、

 そして、優秀な友人に

 どんな顔して会えばいいか、

 常に片隅で考えている。』

 

「その通りで。」

 

『あ~、

 とっとと転生なりすればって、

 おもったでしょ?』

 

「そもそも、

 こうして会話している時点で、

 おかしいかと。」

 

『えぇ、

 特例中の特例、

 貴方の都合なんてどうでもいい、

 私の世界にちょっかいを出す奴がいるのよ、

 そいつのせいで、

 私の世界が滅茶苦茶になりそうなのよ、

 だから、

 “地球の神様(お兄ちゃん)”に、

 お願いしたら、

 アンタでどうだって言われたのよ。』

 

「どうして、

 カケタ状態に?」

 

『兎に角、

 お役目として、

 私の世界に転生して頂戴、

 “前の転移者の用に”

 余計な事はしない事。』

 

「・・・余計、ねぇ。」

 

『それと、

 その義眼には、

 補助の為に色々詰め込んであるから、

 わかんなかったら、

 ソレに聞いて頂戴。』

 

ぁ~やだやだ。

 

大体、男なんだから、

 

イケメンを送って頂戴よね?

 

あんなフツメンださ男なんて、

 

ゴブリンがお嫁でいいでしょうww

 

「おい。」

 

『なに?

 ステータスは、

 向こうに行ってから確認して頂戴、

 割り振りも

 アンタの自由だから、

 寿命以外では死ねないから

 気楽にやって頂戴、

 あ、その前にお役目が終わっても、

 アンタはこの世界の住人だから、

 もう戻れないからね?』

 

「いや。」

 

『なに?

 なんか文句あるの?』

 

「後ろ。」

 

『え?後ろ?』

 

『・・・。』ニッコリ

 

『ひっ!?

 お兄ちゃん(地球の神様)?』

 

「・・・イケメンだ。」

 

『それはどうも、

 さて、お説教の時間だ、

 キミは、もう向かうといい、

 良く言い聞かせておくから、

 まぁ、

 “くれぐれもやり過ぎないようにね?”』

 

「りょ、了解しました。」

 

 

 




 
「あ、死因ぐらい
 聞いとけば良かったな。」


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先ずは割り振りと?

 
どっぽん

『ごぼっ!?』

無我夢中で浮き上がろうとする。



 

げほっ、げほっ

 

『・・・と、

 とりあえず生きてるか。』

 

なんとか

岸部?らしきものに這い上がり、

身に着けている者を確認する。

 

『服装は、

 レ〇スパーカーの、

 何時もの部屋着、

 出かける前だったから、

 ジーパンと、

 あ、何時ものポシェットと財布、

 とりあえず、

 ここ、どこ?』

 

“該当する情報無し”

 

『え?』

 

“貴方の知識の中には、

 該当する情報はありません”

 

(これが、補助のアレか)

『この世界での地域名は?』

 

“該当、ありません”

 

『・・・あっ、そ。』

 

 

補助の意味ってなんだろう?

 

『兎に角、服を乾かしたい。』

 

適当な枯れ枝を探し、

 

そこら辺の石を組み上げる。

 

『後は、火種か。』

 

“火種、

 該当する情報があります

 表示しますか?”

 

『・・・あぁ、頼むよ。』

 

 

火種

 

該当する情報

 

炎系統の初級魔法・マッチ

 

 

『・・・使えるの?』

 

“ステータスを表示します、

 割り振り、

 スキルの取得を”

 

『え~。』

 

有無を言わさず、

 

目の前には自分のステータスが表示される。

 

 

Lv1

 

名前____

 

年齢32歳

 

性別・男

 

HP20

 

MP50

 

スキルポイント

3000

 

所有スキル・ナシ

 

 

正直、これ、即死レベルじゃね?

 

 

まぁ、

 

色々つけるか。

 

 

・即死無効・1500ポイント

 

・魔法簡略・100ポイント

 

・西洋剣術・10ポイント

 

・東洋剣術・10ポイント

 

・睡眠回復・500ポイント

 

・サバイバルLv1・80ポイント

 

・疫病体制・50ポイント

 

・高速治療・200ポイント

 

・危険察知Lv1・100ポイント

 

・毒耐性Lv1・20ポイント

 

・魔力常時回復Lv1・30ポイント

 

・無限書庫Lv1・1ポイント

 

・補助機能増加Lv1・150ポイント

 

・造型魔法Lv1・150ポイント

 

 

3000→2901

 

残り99

 

 

『では。』

 

一度はやって見たい、モーション。

 

『指パッチンで、

 ボッて、行けんのかな?』

 

マッチ

 

 

日替わり?教訓

 

・マッチと言えど、

 炎系統の“魔法”だと言う事

 

『ほんとに、

 マッチだ・・・。』

 

正にマッチを擦って、ちょろちょろと出る火。

 

『げ、

 しかも点いてる間、

 消費するのかよ。』

 

サバイバルのおかげで、

 

手早く焚火に火を点けられた。

 

『後は、

 ステータスの方か。』

 

 

装備品

 

・レ〇スパーカー

 

 防寒(中)防御20

 

・インナー

 

 防寒(小)防御1

 

・ジーパン

 

 防寒(小)防御20

 

HP20

 

MP50

 

攻撃力  20

・素手

 

防御   41

 

素早さ  32

 

スタミナ 30

 

瞬発力  58

 

運    10

 

治癒能力 32

 

演算能力 47

 

 

『なんだこりゃ?』

 

治癒能力は、恐らく傷の治る速度。

 

『演算能力って?』

 

“状況判断、

 魔法の構成、

 身体の動きから、

 無駄を排除し、

 より専念された動きが出来ます”

 

『なるほど、さんきゅー。』

 

“さ?さんきゅー、

 該当する情報ナシ”

 

『・・・まぁ、ありがとう、だ。』

 

“情報、更新しました”

 

『さて、幾つポイントがあるのかな?』

 

 

 

1945

 

『・・・まぁ、

 うん、割り振りますか。』

 

 




 
HP20→1000

MP50→200

攻撃力20→200

防御41→300

素早さ32→100

スタミナ30→100

瞬発力58→150

運10→36

治癒能力32→100

演算能力47→100

『こんなもんか。』


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レベル上げと、衣・食・住

  
焚火にて温まりつつ

“個別呼称?”

『あぁ、
 おいって、
 声を掛けるのも、
 なんか変だろ?』

“・・・・”

『ん~、
 レトでいいか?』

“・・・レト
 個別呼称、登録しました”

『それじゃ、レト、
 色々大変だけど、
 今後もよろしくな?』

“・・・該当する情報、ナシ”

『おいおい。』



 

『早速だけど、

 俺の知識と、

 この世界での常識、

 結合、

 最適化を頼めるかな?』

 

“了解しました

 最適化には・・・”

 

『あれ?

 お~い、レト?』

 

“・・・”

 

『あれま、

 フリーズか?まいったな。』

 

危険察知を取得して正解だった。

 

ズドンと音を立て、

 

温まっていた焚火は、

 

無残にも消え去った。

 

『うぇ~い、

 いきなりエンカウントかよ。』

 

そこそこ

ゲームはたしなんでいたので、

 

相手が何なのか何となくわかる。

 

『棍棒振り回して、

 2~3mの体躯、

 下品な顔って事は、

 オークか、

 ゴブリンロード系統だよなぁ。』

 

なぜ、こんなにも冷静なんだろう?

 

普通なら、慌てふためいて、

 

一撃は最低食らう筈。

 

ここは、オークと呼んでおこう。

 

『さて、お次はなにをするのかな?

 ノロマなオーク君?』

 

あ、叫んだ、

 

馬鹿にしているのはわかるようだ。

 

ステータスを切り変えたい。

 

“第三者視点に切り替えます”

 

『レト、大丈夫なのか?』

 

“・・・”

 

『まぁ、戦い方やすいわな。』

 

ダー〇ソ〇ル系統をやった方は

 

分かるだろう、

 

画面越しに眺めているように見えるが、

 

正直、遅い。

 

『オークなんだよな?

 ゲームだと、

 もう少し動きが速かったような。』

 

振り上げモーションに合わせ、

 

左に避ける。

 

そうすると、

 

右後方に棍棒が振り下ろされ、

 

いとも簡単に避けれてしまう。

 

(あれか?

 演算能力のせいか?)

 

見て避けるは当たり前で、

 

予測もしてみると、

 

これまた思った通りに振り下ろして来る。

 

スタミナの回復が鈍り出したので、

 

元々の鍛えていない身体には、

 

無理があるようだ。

 

『攻撃しようにもなぁ。』

 

造型魔法。

 

即実戦で試して見ようとは思って無かったが、

 

仕方ない、

 

ショートソードをその辺の鉱石か、

 

石で出来る物なのだろうか?

 

『造型魔法!!

 ショートソードっ!!』

 

ごそっと、何かが減った気がする。

 

MPが、50も減ったっ!?

 

『でも。』

 

正直、これには助けられてばかりの、

 

使い慣れたショートソードが

 

手元に来る。

 

『うし、

 殺るか・・・。』

 

何時までも逃げに徹する事は出来ない。

 

 

棍棒の一撃を受け流され、

 

驚愕の表情を浮かべながら

 

オークは倒れる。

 

人間如きに遅れをとり

 

死に逝くのだから。

 

 

『あっけない物、か。』

 

定番の吐き気、嫌悪感、

 

罪悪感が無い。

 

『・・・あはは、

 やっぱ、

 既にどっかおかしくなってたのか。』

 

ショートソードは、

 

直ぐに砕けてしまった。

 

『そう言えば、

 武器のステータスも見れたりするのかな?』

 

 

・砕けたショートソード

 

 粗悪なショートソードが砕けた物

 

 的確なイメージを添付されなかった物

 

 ※使用者のイメージ不足により

  使用回数は一度きり

 

 

『・・・へーへー、

 悪ぅござんした。』

 

誰が見ている訳でも、

 

聞いてるわけでも無い。

 

少し経つと、ただの石ころが

 

そこには転がっていた。

 

 

 

 




 
『結局、レトは黙ったまま。』

さて、どうした物か。

『あ、ステータスを表示。』

“レベルアップしました”

『・・・す、
 ステータス振り分けかぁ~。』



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衣・食・住を求めて。

 
ステータスの割り振りをしていたら、

立て続けにオークに襲われた。

レベルアップした。

てか、

この死体の山をどうしようか。
 



 

『レト、

 一部で良いから、

 この世界での常識を表示してくれるか?』

 

“わかりました”

 

(お?柔らかい言葉だ)

 

『あ、やっぱ

 “耳”で良かったのか。』

 

こう言う世界なら、

 

ギルド系統な組織が在るはずで、

 

その討伐した部位を納品するだけで、

 

“金銭”と交換してくれるそうだ。

 

『ただ、

 どっちに行けば良いのやら?』

 

この浜辺?岸部?付近は、

 

この見える範囲だけ開けていて、

 

その先は、

 

20mは下らないであろう針葉樹林が、

 

延々と生い茂っている。

 

『レト、

 どっちに行こうか?』

 

“・・・”

 

『またか。』

 

度々黙ってしまい、会話が続かない。

 

『うぬぅ、

 造型魔法じゃ、

 出来る物も限られるし、

 回復するとは言え、

 一度に50は痛い。』

 

さて、コンパス・・・いや、

 

無駄遣いは出来ない。

 

『・・・そもそも、

 これ、川か?』

 

“川、

 取得した情報より推察

 おそらく中流付近かと”

 

『中流か、

 なら下流に向かって行けば、

 なにかしらありそうだな。』

 

適当な枝を放り投げてみる。

 

あっちか。

 

流れる方に顔を向ける。

 

ただ、

 

この時ばかりは、

 

第三者視点で良かったと思えた。

 

顔は、下流を見ている。

 

しかし、第三者視点の良いとこは、

 

立ち位置より、

 

“後方から見ているので”

 

左右の視界が広い事にある。

 

 

『電気魔法はっ!?』

 

“電気・・・

 該当在り

初級

 雷魔法・プチサンダー

中級一級

 サンダー

中級二級

 サンダーレイン

中級三級

 サンダーボルテージ

上位一級

 サンダーアロー”

 

『とりあえず、

 サンダーっ!!』

 

 

川から這い出て来た、

 

“二足歩行のナマズ”は、

 

ぐべべべべ、と叫び出す。

 

“雷系統、ダメージを確認

 有効”

 

ただ、がくっと、

 

気力が抜ける感覚が襲って来る。

 

『くそっ!?

 この魔法も50持って行かれるのかっ!!』

 

“報告、

 一段階上がる毎に、

 消費魔力は増大します”

 

『やっぱりかっ!!』

 

二足歩行のナマズは、

 

尻尾を振り回して来るわ、

 

突っ込んで来るわ、

 

意外とすばしっこい。

 

『粉糞っ!!』

 

砂利を掴み、ナマズに投げつける。

 

どうやら目に入ったようで、

 

物凄い声で悶えている。

 

『今度は、

 しっかりとイメージして。』

 

雷槍を呼び出す。

 

『ぐぅっ。』

 

残りMP10

 

『とっととくたばりやがれっ!!』

 

脳天目掛け

 

“突き刺したのがいけなかった”

 

 

対岸に続く、焼け焦げた道。

 

足だけを残し、

 

二足歩行のナマズは、焼失した。

 

『使い所、

 間違えたらヤバいな、コレ。』

 

この雷槍は、突き出した方向に、

 

“雷が直進する武器で”

 

後の“無限書庫”が、

 

レベルアップしてから知る事なのだが、

 

“神器クラス”の、雷槍だった。

 

 

『あし・・・一応、持って行くか。』

 

オークの耳(左)20個

 

二足歩行のナマズの足、一本

 

使い所に困る雷槍一本

 

『重い・・・筈なのに。』

 

 




 
ステータス

名前___

年齢32歳

性別 男

Lv30

HP   4568

MP   500

攻撃力  780

防御力  1289

素早さ  2398

スタミナ 3500

瞬発力  999(MAX)

治癒能力 500(MAX)

演算能力 1945

運    44

スキル

・即死無効

・魔法簡略

・西洋剣術

・東洋剣術

・槍術Lv2

・睡眠回復→睡眠超回復
 (睡眠時、
  魔力・HP完全回復)

・サバイバルLv2

・疫病体制→疫病耐性
 (症状緩和→完全抗体精製)

・危険察知Lv5

・毒耐性Lv2

・魔力常時回復Lv3

・補助機能増加Lv3

・造型魔法Lv3

・無限書庫Lv1

“レベルアップに応じて、
 必要ポイントも増加します”

『そう言うのは、
 先に言おうね?』

“善処します”
 


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廃村

 
道中、

川沿いに進むしか目印が無い為、

日替わり川魚シリーズに

襲われ続けた。

またまたレベルアップしてた。

てか、上がるスピードがおかしい気がする。




 

『レト。』

 

“はい”

 

『そう言えば、

 なんで時折り黙り込むの?』

 

“・・・”

 

(まただ)

 

『まぁ、いいか、

 この世界基準で、

 何日だ?』

 

“地球換算で、2週間です”

 

『え?いや、

 この世界での日数なんだけど?』

 

“時間の基準は地球に準拠しています”

 

『そうなのっ!?』

 

2週間も川魚シリーズを食べて、

 

お腹を壊さないとは・・・

 

なんともありがたい。

 

『いい加減

 町か、村ぐらい無いモノかね?』

 

レトとこうして会話するだけでも

 

気を紛らわせるのだが、

 

“人間”を未だに見ていない。

 

川魚シリーズの

 

“二足歩行モンスター”やら

 

オークの群れ、

 

2回だけだが、

 

地面にめり込んだ。

 

まぁ、どデカい鳥モンスターに

 

掴み上げられ、落とされた。

 

むかついて、

 

翼をもぎ取れてしまったので、

 

攻撃力=筋力と捉えて良いようだ。

 

『しっかし、

 5000ポイント分の

 十分な能力だな、コレ。』

 

スキル・有限収納

 

これは、一品目毎の上限が、50個で、

 

耳、足、腕、目、羽、あらゆる部位の、

 

収納上限が50個(枚)

 

それでも、~の羽と、

 

名前が変わるので、一品目と数えられる。

 

『大鷲の羽50枚、

 大鷹の羽24枚、

 うん、一品目毎だから、

 羽のくくりになって無い、

 ここまで仕える物とは。』

 

“危険察知圏内に

 モンスターが居ません”

 

『・・・そりゃぁ、持って行けない物は、

 置いて来たから、

 その《餌》に、

 夢中なんだろうよ。』

 

有限の名前の通り、大きさも決まりが在る。

 

俺の背丈以下なら、収納可、

 

以上だと、

 

刻んで小さくしてもダメだった。

 

『ま、食糧には困らないからいいけどさ。』

 

ここで気づく人は気づくだろう。

 

雷槍は、入らない。

 

常に背負っている。

 

時たま枝に引っ掛かるので

 

少し邪魔になりつつある。

 

『はぁ、

 流石に飽きて来るな。』

 

川と針葉樹林が、延々と続いているのだ。

 

景色に変化が無いのだ。

 

“補助機能増加が、レベルアップしました”

 

『ん?』

 

はて?このスキルに関しては、

 

取得時以外、ノータッチだったけど、

 

何が使えるのやら?

 

“補助機能増加は、

 追加スキル

 ・監視衛星を取得

 ・周囲5km圏内の

  地形情報の表示が追加されました”

 

わ~ぃ、ちーとだ~・・・。

 

〇ン〇ンプレイヤーならご存知、

 

画面の下端に、簡易マップが表記されるだろう?

 

『うへぇ、

 それでも針葉樹林が

 とんでもなく広い。』

 

マップを見ても、

 

針葉樹林と、川しか映らない。

 

どんだけデカいんだ?

 

“更にレベルが上がりました”

 

『え?』

 

(つまり?使えば使う程、

 この補助機能増加のレベルは、

 上がり続けると?)

 

『今度は・・・100kmサイズにして、

 やっと端が見えるのか、

 この針葉樹林は・・・。』

 

表記されるマップに、

 

《小さなゴマ粒》を見つけた。

 

『これは?』

 

“廃村

 ・放棄され

  何年か経っています”

 

『・・・人間に会えるのは、

 何時になるのやら?』

 

重い足取りで、

 

廃村へ向かう事を決めた今日この頃。

 

 




 
補助機能増加Lv2

追加スキル

・監視衛星
 最大圏内500kmにアップ

・追尾機能
 今まで行動した足跡を表示

“以上です”

『・・・まじかぁ。』

マップの500km範囲にして、

やっと人間が居そうな村?を確認できた。

どうやらこの辺りは、

モンスターの活動範囲が広がった為、

放棄された地区らしい。

 


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廃村にて

 
『そう言えば、
 スキルの〔高速治療〕って、
 どうなったんだ?』

“・・・”

『またかい。』

“・・・治癒能力が、
 カンストしたため、
 表記の必要が無くなったかと”

『・・・そう言うもんなのか。』

 



 

更に日数を3週間かけ、

 

廃村に到達したのは

 

“遅かったのか、

 間に合ったのか”

 

正直、どうでもよくなっていた。

 

『てめぇら、

 楽に死ねると思うなよ?』

 

オークの群れが、

 

女性・少女を凌辱し、苗床としてる光景が、

 

そこかしこで行われている。

 

数体のオークが向かってくるが。

 

『木属性魔法、

 〔ストラングラーフィグ〕』

 

地面を突き破り、

 

オーク達を捕らえ。

 

『絞め殺される苦しみの中で、

 死ね。』

 

オークをそのまま締め上げ、

 

成長していく樹木は、

 

“絞め殺しの木”と呼ばれる、

 

地球でも普通にいる植物だ。

 

 

また数体、向かって来る。

 

『金属性魔法、

 “ピアノ線”』

 

目で確認するには、

 

よほど注視しなければ見えない。

 

『良かったな?

 “苦しみは一瞬だ”』

 

ぽん、と、軽い音を立て、

 

輪切りのオークが並ぶ。

 

 

『土属性魔法、

 “ウスバカゲロウ”』

 

先ほどまで土がむき出しの道が、

 

砂に変わり、

 

円を描くようにどんどん深くなって行く。

 

オーク達は、

 

そんな事をお構いなしに突っ込んで来る。

 

『知らないだろうから教えてやるよ、

 ウスバカゲロウの幼虫ってさ、

 別名“アリ地獄”なんて、

 言われてんだぜ?』

 

砂に踏み込んだオーク達は、

 

もがけばもがくほど、

 

中心に向かって吸い込まれていく。

 

『こんな餌で悪いな。』

 

砂中から、

 

巨大なノコギリに似た顎が

 

オーク達を銜(くわ)えて、

 

砂中に消えていく。

 

 

『さて。』

 

オーク達を幾つか殺しても、

 

まだまだうじゃうじゃいる。

 

産まれたてだろうか?

 

小型のオークもちらほらいる。

 

見たままの判断だが、

 

恐らく、母体になった者は、

 

“出産と同時に絶命しているようだった”

 

『転送系統の魔法、

 あるかな?』

 

“・・・あ、ありません”

 

あれ?レトが怯えたような声をするなんて。

 

『そうか、

 廃村の外に誘導できそうな物は?』

 

“・・・挑発が

 一番の有効手段かと思われます。”

 

『そ。』

 

 

喋り過ぎて若干疲れた感覚に襲われるが、

 

どうでもいい。

 

『雷槍。』

 

背中の雷槍を構え。

 

刃先を空へ向け、

 

地面に勢いよく突き立てる。

 

『雷衝撃射。』

 

暗雲が一挙に広がり

 

オーク全てに稲妻の一撃が入る。

 

『けっ、

 豚肉と同じ焼ける臭いってのは、

 頂けねぇよな。』

 

 

残された亡骸を

 

ウスバカゲロウに手伝って貰い、

 

一か所にまとめ、埋葬する準備をしていると。

 

・・・タクナイ

 

『レト、

 今の声、誰だかわかるか?』

 

“・・・確認しました、

 妊娠していますが、

 まだ生きています”

 

『・・・俺のスキルで、

 彼女を救えるのか?』

 

“・・・体内のオークベビーを摘出、

 対象を彼女に設定すれば、

 高速治療が、

 自動で発動します”

 

 

幾つかの死体の下に、

 

彼女は生きていた。

 

『激痛に耐えても、生きたいか?』

 

『死にたくないっ!!』

 

死にかけの人間が言う声では無い、

 

生きたいと強く願う声だ。

 

『なら、

 “耐えろよ?”』

 

 




小話
 
『お?
 まさかの生存者とはね。』

いや~、さすがに別キャラを出さないと、

展開を考えられなくてww

『いや、作者?
 寝る時間大丈夫なのか?』

am02:40

まっずぃ

『寝ろよ、
 書いてくれるのはありがたいけど、
 倒れられても困るからな?』

りょ~かい
 


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とりあえず、近辺の安全確保

 
私の日常は

本当に一瞬で終わりを告げた

そしてオークの苗床として

廃村になって久しい

“故郷ではらまされた”

 



 

何日?

 

何カ月?

 

何年?

 

もぅ、わからない

 

強制的に“何かの肉団子”を食べさせられ

 

毎日

 

毎日

 

毎日

 

犯された

 

そんな中でも

 

生きて

 

生きて

 

復讐してやる

 

復讐してやる

 

そう、心に決めていた

 

でも

 

遂にオークの子供を妊娠してしまった

 

いやだ・・・

 

このまま出産してしまえば

 

“死んでしまう”

 

嫌だ

 

死にたくない

 

死にたくない

 

 

大分お腹が大きくなって来た

 

もう直ぐ

 

産まれてしまうだろう

 

そんな矢先

 

オーク達の絶叫が響き渡る

 

え?

 

こんな

 

こんなタイミングで助け?

 

決めた

 

このノロマな救助者も

 

殺そう

 

なんでこんなにも遅いのか

 

なんで?なんで?なんで?

 

 

死にたくない

 

お腹の中が動き出している

 

死にたくない

 

もぞもぞうごいている

 

死にたくない

 

『シニタクナイ』

 

 

『激痛に耐えても生きたいか?』

 

そう、聞かれた

 

答えは決まっている

 

復讐の為にっ!!

 

『死にたくないっ!!』

 

 

『なら、“耐えろよ?”』

 

 

その男は私の中に腕を突っ込み、

 

腹の中を動かしだした

 

勿論激痛

 

表現できない声で喚き散らした

 

枯れた筈の涙も

 

声も

 

ぐぃ

 

男の腕が私の口にかぶさる

 

『ここからが一番きつい、

 “自身の歯を砕きたくなければ”

 俺の腕を噛んでいろ、

 “コイツを殺して

  引きずり出すんだからな”』

 

その瞬間

 

ぽん

 

そして

 

身体をそのまま引き延ばすような

 

ねじ切るような

 

もぅ

 

痛み以外

 

感じ取れなくなった

 

 

『レト、

 高速治療の効果は?』

 

“正常に機能しました、

 損傷部位ならび

 妊娠によって変形した身体パーツは

 全て

 〔妊娠以前の処女〕に、

 完全修復されました”

 

『・・・普通に、

 完全修復だけでいいからな?』

 

“・・・情報、更新しました”

 

 

ふと

 

目を開けた

 

『・・・。』

 

あの痛みは何だったのだろう?

 

おもむろにお腹へ視線を移す

 

『・・・え?

 膨らんでない?』

 

理解できなかった

 

オークの出産に耐えられる生き物は

 

事実上あり得ないから

 

『ない・・・

 膨らんでない・・・

 痛くない・・・。』

 

立とうにも

 

『・・・だめ。』

 

足腰に力が入らない

 

逃げられない

 

なんで

 

こんな事に

 

オークさえ居なければ・・・

 

突如として

 

雷鳴が響き渡る

 

『っ!?』

 

その方角を見ると

 

『槍?』

 

一本の槍が地面に突き刺さっていた

 

『この臭いっ!?』

 

オークが焼け焦げる臭いだ

 

『この槍が?』

 

空には暗雲が漂い

 

また、雷鳴が響き渡る

 

『・・・まもって、

 くれてるの?』

 

気を許した瞬間

 

涙が溢れ出した

 

『・・・っ、

 い・・てる

 わ・・・し、

 いき、てる。』

 

『あぁ、

 生きてる、

 ほれ、薬草と、

 ハーブスープだ、

 レトに聞いて

 お前さんが“エルフ”だとは

 わかってるが、

 先ずは、

 なにか口にしろ。』

 

 

暖かいスープは

 

エルフの里で良く寒い時に

 

お母さんが作ってくれた

 

香辛料の効いた

 

ハーブスープだ

 

『・・・っぐ、

 おがぁざん゛・・・

 おがぁざん゛っ!!』

 

『辛いなら、

 泣け、

 泣いて、それから

 次を考えろ、

 今は、

 生きてる事を噛み締めろ。』

 

こうして

 

私は

 

異世界人に助けられた

 

回りの惨状に“目もくれずに”

 

 

『寝た、か。』

 

“周囲200km圏内に、

 敵対生物の反応ありません”

 

『そうか、

 俺もひと眠りするか。』

 

 

そう言って

 

直ぐに眠ってしまった

 

私は

 

彼が寝ている以上

 

なにか出来る事は無い

 

万が一彼が襲われるような事が在れば

 

一時的に肉体を動かし

 

対処出来るだろう

 

でも

 

それは一番望まない

 

それは

 

“敵味方問わず皆殺しにしてしまうからだ”

 

 

『・・・うぅん。』

 

どれだけ寝たのだろうか?

 

すぅ

 

すぅ

 

静かな寝息が聞こえる

 

『・・・コイツが。』

 

私を助け・・・ちがう

 

なんで?こんなに遅かったの?

 

『なんで?

 なんでこんなに遅くなってから

 助けに来たのよっ!?』

 

首を絞めようと手を伸ばした瞬間

 

『こんな美人に殺されるか

 儚い人生だったな。』

 

起きていた

 

『・・・怒らないの?』

 

正直、身体は動かせても

 

魔法一つ撃てるほど魔力は回復していない

 

『いや、

 推測だが、

 俺を救助隊と

 勘違いしてるんじゃないのかって。』

 

え?違うの?

 

『生憎、

 俺はこの川の中流付近に

 “落っこちて来たんだ”

 行く当てが無いから、

 川を下りつつ、

 ギルド系統に

 この

“部位を納品しに行く途中だったんだ”』

 

『ご、ごめんなさい。』

 

人間に謝るのは癪だけど、

 

エルフの掟にも反する事だわ

 

『って、

 この川の中流?

 エルフでも、

 A級以上のギルドランカーじゃないと

 帰って来れない、

 “死の森”から?』

 

『え゛っ!?

 やっぱヤバかったのかあの辺。』

 

『そりゃそうよ、

 A級の初心者殺しの代名詞の森よ?

 最低でも、

 S級一人と、

 A級複数人での

 パーティーを組んで行く物なの、

 よく生きてたわね?』

 

(おい、レト)

 

“・・・”

 

『ちっ、

 都合のいい時だけだんまりか。』

 

『誰がよ?』

 

『あ?

 あぁ、俺の左目は

 補助を主目的の“妖精”が

 住んでるんだよ、

 レトって言ってな、

 コイツのおかげで

 生きているようなもんだ。』

 

『へぇ~

 エルフでも妖精と会話なり、

 協力関係なんて、

 なかなか出来ないのに、

 変わり者の妖精なのか、

 あんたになにか

 引き寄せる

 なにかがあるようにも・・・

 見えないんだけど?』

 

(あちゃぁ、

 妖精もレア物だったか

 まぁ、それで通して行くしかないか)

 

『それはそうと、

 タオル一枚じゃ色々

 眼福なんだけど、

 “そこら辺の死体から”

 衣服を拝借して

 洗って来たから、

 何か着てくれないか?』

 

『・・・変態。』

 

デスヨネー

 

頬に綺麗な紅葉を咲かせつつ

 

『あ、

 改めて状況が理解出来てきたわ。』

 

あちこちにこびりついた大量の血痕に

 

見た事が無い“木属性魔法”で

 

絞め殺されているオークやら

 

なにコレ?

 

ぎちぎちと、

 

ノコギリが二本動いてるんだけど?

 

『みんな、

 殺しちゃったのね?』

 

『あぁ、

 目に入った奴らは

 片っ端からな。』

 

『そぅ、なんだ。』

 

それじゃぁ

 

私の覚悟って・・・

 

『ま、

 そこに“生け捕りにしたオーク”が

 一匹いるんだが、

 必要ないんなら

 今すぐ殺すけど?』

 

この人間

 

いま、なんていったの?

 

『必要か?』

 

僅かに回復した魔力じゃ

 

大した魔法は撃てないけど

 

『必要よ。』

 

私達のエルフの里で

 

一番最初に教わる魔法

 

『古より在りしわが友よ

(いにしえ)

 その力を

 今ここに具現し

 かの者を

 “刻みたまえ”』

 

『ウィンドスラッシャーっ!!』

 

拘束されていた

 

“何かの糸ごと”

 

オークを切り裂いた

 

『へ~

 それが詠唱魔法なんだ。』

 

『・・・。』

 

そのまま倒れる彼女を抱きかかえる。

 

『無茶をするねぇ。』

 

『復讐してやるって、

 決めてたから。』

 

『そか。』

 

 

廃屋の中に

 

湯気が漂う

 

『あんたさ?』

 

『ん~?』

 

俺は外で薪をくべている

 

『これからどうするの?』

 

『いや、そっちこそ。』

 

『私?

 私は~・・・。』

 

そうだ、

 

周辺のオークも

 

コイツが殺してしまっていた

 

そこらじゅうに

 

死体の山が

 

見える範囲に延々と

 

『あんたはどうなのよ?』

 

あれ?

 

なんで返事がないのよ?

 

『まだ、なんにも。』

 

『そ、そう、なんだ。』

 

この2、3日、

 

衣服は死体の物を洗って使っているけど

 

ゴハンを、毎食作ってくれている

 

『その部位、

 納品したら?』

 

『したら~・・・

 まぁ、飯かな?』

 

『ねぇ?』

 

『ん~?』

 

『一緒に行って良い?』

 

 

まただ

 

『まぁ、

 いいよ。』

 

『なによ?

 私の裸見た癖に。』

 

『タオル越しの

 スタイルだけな?』

 

そう、コイツ

 

本気で見ようとはしなかった

 

そんなに魅力が無いのだろうか?

 

いや、エルフの里1、2を争う程に

 

美しいともいわれたお母さんの娘だもん

 

そんな事、絶対ない

 

『ねぇ?』

 

『なんだ?

 程々にしないと

 のぼせるぞ~?』

 

そ、それは不味いわね

 

『ゴハン食べながら話しましょ?』

 

『へ~い。』

 

 

まだ使える食器を洗って

 

すくうスープに

 

小麦粉のお団子

 

野草の湯通しサラダ

 

素揚げの野草

 

『・・・どうなってんのよ。』

 

わ、私が作るより美味しい

 

『んな事言ってもなぁ~。』

 

“そこまでエルフに合わせて

 食べなくても”

 

『あ、ばか、言うなよ。』

 

『え?』

 

合わせてくれていた?

 

レトは、大事な事を、

 

結構簡単にポロっと言ってしまうそうだ

 

『無理してんの?』

 

『いんや、

 お前さんが見てない所で、

 焼肉を少し食べてるぐらいだよ。』

 

そう、コイツは人間

 

私はエルフ

 

そもそもの食生活が違うのに

 

『別にいいわよ、食べても。』

 

正直、そこまでされてて

 

レトが言うまで、

 

気づけなかった自分を恥じたい

 

『そか、

 まぁ、それでも極力は

 見えない所で食べるよ。』

 

そう言って、スープを飲み干す。

 

『人間でも、

 スープは美味しいって思うの?』

 

『ん~?

 さぁ?俺は好きな味だからなぁ、

 気にならんのだが?』

 

『すっ!?』

 

『ん?スープの味だろ?』

 

『そっ!?そそそうよねっ!?』

 

ちょっ!?

 

なんでそんなに淡々と言えるのよっ!?

 

 

食事も終え、

 

大きな墓標に向かって

 

コイツは、見た事が無い

 

“十字を切る”

 

『これか?

 まぁ、

 とある宗教の真似だよ、

 せめて

 “神様の保護の元

  少しでも幸せな

  来世があらん事を”ってな。』

 

『・・・私も?』

 

『真似だけなら

 いいんじゃないか?

 もう一つあるけど、

 これは“やたら長い”から、

 あんまやらんのよ。』

 

長い?

 

『この十字を切るのは、

 “キリスト教”

 手を合わせ

 合掌しながら、

 お経・真言などを言うのが、

 大まかに言って“仏教”

 詳しくは知らないから、

 真似事だけな?』

 

『そ、

 なら、こっちで。』

 

そう言って十字を切る

 

『・・・嫌に似合うな、それ。』

 

『どう言う意味よ?』

 

『いや、綺麗だなぁ~って。』

 

 

つい、引っ叩いてしまう

 

『お~、いって~。』

 

『もう、ばか。』

 

一応の目的は決まった

 

一番近い町に行き、

 

部位を納品

 

少量の金銭を得よう

 

それで

 

また考えようって事になった。

 

 




 
小話

『・・・どうした?』

いや、止まんなくて

『てか、
 また時間。』

わかってるって

『まったく。』



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少なくても経験値は3ぐらい?

 
この数日

コイツと一緒に行動してるど

巷で聞く“男女パーティーは危険”

的な事が一切起きない。

(本当に魅力がないのかなぁ?)

とか考えてしまう。
 



 

『レト、

 この近辺で野営に適した場所は?』

 

“いえ、

 このペースでは

 30日歩き続けても

 開けた場所はありません”

 

『だよなぁ~。』

 

そう

 

このエルフが連れ去られた場所は

 

廃村から10日の場所で

 

その村も

 

村民の飢餓で全滅していた

 

 

『オークのせいで

 畑もめちゃめちゃ、

 エルフの畑って、

 長い年月を使い続けるから、

 “状態最適化”って言う魔法を

 地中に刻んで管理してるんだけど。』

 

『少しでも外的要因が入ると

 その魔法が機能しなくなるって事か。』

 

『うん、

 それに魔法を刻む行為って、

 “エルフでは一番力を使うの”

 だから

 一度刻んだら

 そのエルフの魔法は

 100年は使えなくなってしまうの。』

 

『ひゃ?』

 

『100年よ?

 私のお母さんですら、

 475歳で、

 “まだ若い部類”なのよ?』

 

『・・・大変なんだな。』

 

『へ?まぁ、うん。』

 

なんだ?キョトンとした顔で?

 

『てっきり

 “私の年齢”を聞いて来るのかと?』

 

『いや、俺の“嫌な予感”は、

 前の世界でも、

 ほぼ外れがないんだ。』

 

『へ~。』

 

『まぁ、なんだ?

 聞かれたくないだろうって思ったし、

 “悪魔で同じ目的を元に

  行動を共にしている”

 それを崩したくはないからさ。』

 

(・・・なんかチクッてする)

 

『仮に、そう言う関係になったとしても、

 聞かない。』

 

『ふぇ?』

 

『は?』

 

『なんでよ?』

 

『いや、

 あの・・・。』

 

『な・ん・で?』

 

(顔が近いし、

 ぁ、いい香りがするなぁ~)

 

『・・・っ!?

 後ろへ飛べっ!!』

 

その一呼吸の一瞬で

 

目の前に“屍”が落ちて来た

 

『え?なんで翼竜の死体がっ!?』

 

『上を見ろ、

 これは不味いぞ。』

 

『縄張り争い・・・。』

 

 

上空では、

 

翼竜同士の縄張り争いが行われていた

 

勿論、翼竜達は

 

“周囲に配慮なんて一切しない”

 

『くっ!?』

 

『きゃっ!?』

 

着地に失敗し倒れ込む

 

『ったく、

 捕まってろ。』

 

柄にもなく“お姫様抱っこ”で

 

回避を続ける

 

『うわわわっ///』

 

 

まだ小声だが縄張り争いの声が聞こえる

 

『ったく、

 これから先が思いやられるぞ。』

 

ちょっと

 

『しっかし、

 今ので現在位置を見失ったな、

 レト、位置情報を再受信、

 最短距離からどれだけ離れたんだ?』

 

“・・・”

 

ちょっと

 

『おい?レト、

 何してるんだ?

 位置情報を早くくれないか?』

 

~~~///

 

『もぅっ!?

 いい加減降ろしなさいよっ!!』

 

 

何度目かの紅葉を受け取り

 

位置情報を再受信した結果

 

『運よく最短距離で、

 進んでいたのか。』

 

“はい、

 このペースなら

 14日~16日前後で

 《グラォシティ》に到達可能かと”

 

『そうか、

 うし、久しぶりの風呂までもう少し、

 流石に浄化の魔法で、

 “80”持って行かれるのは

 辛いからな。』

 

『ねぇ?

 気になってたんだけど、

 “80”って、

 なに?』

 

『あれ?

 MPって数値で出てるんだよな?』

 

『は?出ないわよそんなの。』

 

『・・・ぁ。』

 

ここでようやく

 

“第三者視点”のままだった事に気づけた。

 

『・・・レト。』

 

“・・・”

 

『気づいてたら言え。』

 

“いえ、聞かれませんでしたので”

 

(コイツ、

 俺の左目じゃなかったら

 ぶん殴ってやるのに)

 

『まてよ?

 レト、

 エルフ『イーグル・フィト』

 え?』

 

『私の名前よ、

 イーグル・フィト、

 覚えて頂戴。』

 

『ぉ、おぅ。』

 

『なによ?』

 

『・・・真面目な感想いいか?』

 

『勿論。』

 

『・・・カワイイ。』

 

『そ。』

 

(あれ?)

 

『で?あんたの名前は?』

 

鋳船(いせん)零染(れいじ)

 

『イセン・レイジだ。』

 

『・・・あぁ、

 レイジが名前ね?

 家名がイセンで、

 異世界人の名前って、

 変わってるのね?』

 

『そうか?』

 

『そうよ。』

 

 

 




 
『やっと名前がでたわね?』

はい、寝ぼけまなこで決めました

『うぉい。』

『まぁ良いじゃない、
 “そう言うキャラクター”の
 名前にならなくてよかったわ。』

『確かに。』



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ステータスと小話?

 

鋳船(いせん)零染(れいじ)

 

年齢32歳

 

性別 男

 

Lv32

 

HP4857

 

MP600

 

攻撃力   789

 

防御力  1298

 

素早さ  2400

 

スタミナ 3500

 

瞬発力   999(MAX)

 

治癒能力  500(MAX)

 

演算能力 2020

 

運      45

 

スキル

 

・即死無効  ・魔法簡略

 

・西洋剣術  ・東洋剣術

 

・槍術Lv3 ・睡眠超回復

 

・サバイバルLv2

 

・疫病耐性  ・危険察知Lv6

 

・毒耐性Lv2

 

・造型魔法Lv3・無限書庫Lv1

 

・魔力常時回復Lv3

 

・補助機能増加Lv3

 

・監視衛星

 最大圏内1000kmにアップ

 

・追尾機能

 今まで行動した足跡を表示

 

・現在位置情報

 

 

追加スキル

 

・有限収納→上限収納

 

※収納制限が

 

 自身の背丈の3倍まで収納可能に

 

『スキル強化で、

 また5000も使うなんて・・・。』

 

・狩猟スキルLv1

 

 500ポイントのお得スキル

 

※サバイバルと併用機能し

 

 連動して内容が強化される

 

※調理に反映され

 

 聞けば大抵の料理を作れる

 

※モンスター、魔物から

 

 食用可能部位を瞬時に判断し

 

 食用に適した下準備が出来る

 

・魔法高速習得Lv1

 

※習得したい魔法を見ると

 

 初級を直ぐに使えるようになるが

 

 一つでも使用ランクが上がると

 

 通常の2~5倍の魔力を消費する

 

※本来の習得Lvに近づいて行くと

 

 正規の魔力消費量に補正されていく

 

 

スキルポイントに関しては

 

Lvアップと

 

倒したモンスター、魔物により入手出来る

 

同じモンスター、魔物でも、

 

微々たる時も在れば、

 

ドカンと、入る時も在る

 

 

ステータスポイントは

 

Lvアップ時のみ入る

 

ステータスを1上げるだけでも、

 

ポイントを1~30消費するので

 

気よ付けて使うように

 

※再振り分けは出来ません

 

 

イーグル・フィト

 

年齢__歳

 

性別 女

 

Lv3

 

HP    133

 

MP   4989

 

攻撃力    30

 

防御力    58

 

素早さ  2019

 

スタミナ 1568

 

瞬発力   380

 

治癒能力  283

 

演算能力 1367

 

運       8

 

スキル

 

・植物魔法

 

※植物の成長促進停滞を操作し

 

 年中同じ収穫量を

 

 確保する為に使われる

 

・森林の加護Lv5

 

※森林、又は雑木林で

 

 ステータス補正+55%

 

・草原適正

 

※森林の加護程ではないが

 

 草原での

 

 ステータス補正+15%

 

・禁肉食

 

※エルフの特性上

 

 肉類を摂取すると

 

 ステータス補正-50%

 

・薬膳食

 

※木の実・ハーブなど、

 

 植物由来の食品を摂取すると

 

 ステータス補正+20%

 

・風属性魔法増幅

 

※先のウィンドスラッシャーは

 

 MP消費5でありながら

 

 金剛石

(ダイヤモンド)クラスの硬度すら

 

 問答無用で切り裂ける

 

 威力補正は消費魔力に

 

 二乗されていく

 

 

『恐らくだが、

 フィトも

 ステータス割り振りが

 出来るかもしれない。』

 

『なにそれ?』

 

“ですが、

 どうやって

 自身のステータスを見るので?”

 

『・・・あ、

 レト、

 “この方法なら?”』

 

“・・・可能です

 実行しますか?”

 

『あぁ、頼む。』

 

 

フィトは、

 

透き通るグリーンフレームのメガネをかけた

 

『うわっ!?

 なにこれっ!?』

 

『これで

 ステータスポイントと、

 スキルポイントを割り振って、

 今の自分に

 “常時強化”の様な事が出来るんだ。』

 

『へぇ~。』

 

『まぁ、そこはフィトの好きに

 割り振りなよ、

 死ぬまで

 効果は消えないプラス補正だ、

 無駄遣いするなよ?』

 

『じゃぁ、

 最初はレイジがやってよ?』

 

『え?』

 

『今後の参考にもしたいから、

 やってよ?』

 

『・・・いいのか?』

 

『だって、

 “どうやるのかわからないから”』

 

『へいへい。』

 

 

 




 
小話

『あら?
 私の割り振り後のステータスは?』

また次の時に

『だから、
 寝ろってば。』

03:30

へ~ぃ
 


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静かに暮らすのは無理・・・だね。

 
『なぁ?フィト?』

『なによ?』

『ステータス、
 真面目に大丈夫なのか?』

『え?レイジが強くしてくれたんでしょ?
 問題ないじゃない?』

『ぇ?あぁ、う、ぅん。』

(絶対強化する方向間違えたな、コレ)
 



 

グラォシティに到着したはしたのだ。

 

『いや、駄目。』

 

『え?』

 

『ぁ~・・・その服装?』

 

『いや、これしかないし。』

 

グラォシティの門

 

そこで止められた。

 

『そんな紅い着物に黒髪、

 ましてや“エルフ”とつるむ人間なんて

 聞いた事が無い。』

 

『は?』

 

『あん?』

 

二人してガン飛ばしまくる。

 

『くっ、

 こ、ここの門番として、

 自身を証明出来るものが無ければ、

 ここを通す訳には行かないんだ。』

 

へぇ~

 

この世界の人間は

 

“黒髪”と、エルフを嫌う傾向があるのか。

 

『ねぇ?レイジ。』

 

『んぁ?』

 

『殺っちゃう?』

 

『それは勘弁、

 お尋ね者で世界を回るのは正直嫌だし、

 せめてもの

 “討伐報酬”ぐらい貰わないと、

 また魚尽くしの旅になるぞ?』

 

『・・・ねぇ?

 お願いだから

 この換金報酬だけでも駄目かしら?』

 

・・・このウルウル瞳の少女?は、

 

先ほどと同じフィトなのだろうか?

 

まぁ、普段の状態が一番俺は好きなんだが

 

『・・・ハンターでしたか。』

 

『フィト、

 ハンターだってさ。』

 

『それはレイジでしょ?』

 

『そ、そもそも

 オークの耳を

 それだけ持っている時点で、

 “A級ギルドランカー”に匹敵しますので、

 討伐報酬用窓口に案内します。』

 

『へ~ぃ。』

 

『レイジ、持ってるやつ

 全部出せる?』

 

『いんや、

 暫く食う分に困らない程度で

 残りは残しとくよ。』

 

『なんで?』

 

『いや、

 何時でも討伐対象が居ればいいけど、

 土地や、ギルドが無い町で

 換金出来る物が無いと、

 厳しいだろ?』

 

『あ、確かにそうね、

 ってか、

 私、着いてって良いの?』

 

『ん?違うのか?』

 

『違わないわよ。』

 

『そか。』

 

 

報酬窓口

 

『ぇ、えっと・・・。』

 

『はい、これでいくら?』

 

あぁ、窓口のお姉さんが引きつってる。

 

『レイジ?

 この人間引きつって動かないんだけど?』

 

『フィト、

 恐らくだけど、

 換金できる分の“金貨”が

 無いんじゃないのか?』

 

あ、うなずいた

 

『じゃぁ、

 今のレートを教えてくれる?』

 

あ、紙に書いてくれてる。

 

『ふむふむ。』

 

あ、引きつる訳だ、

 

オーク自体がA級報酬扱いで

 

それを複数(30個)も

 

持ってくれば

 

まぁ、こうなるわな。

 

『なぁ?フィト、

 この耳1つで“金貨100枚”に

 なるんだってさ。』

 

『・・・へ?ひゃく?まい?』

 

『グラォシティの財政って?』

 

あ、また紙に書いてる。

 

・・・ん~、これは不味いね。

 

『耳一つだけでいいよ、

 受付嬢さん、

 残りを換金出来そう町は

 どこかにあるのかい?』

 

てか、この受付嬢さんは、

 

あんまり喋らないんだな。

 

『・・・ゴルデン王国、かぁ。』

 

ん?

 

あ、地図も出してくれた。

 

『・・・遠っ。』

 

地図上の中央に表記されているのだが、

 

このグラォシティの場所が、

 

“地図上の端っこ”なのだ。

 

『へぇ~

 アタシらの村って、

 こんな大陸の端っこだったんだ。』

 

『見たいだな。』

 

うへぇ~、

 

どう見ても要所要所に

 

山岳地帯やら、

 

大森林やら、湿地帯、

 

間違いなく

 

“巻き込まれるフラグ乱立”だな

 

『とりあえず、ゴハンにしない?

 お腹空いちゃった。』

 

『そだな、

 食べてから考えよう。』

 

あ、今度は本?

 

『グラォシティの“グルメ集”

 受付嬢さんのお勧めは?』

 

何々?

 

人間さんなら“チーズが売りのピッツァ”

 

エルフさんは、薬用食膳食堂がおススメ

 

『ありがと、

 受付嬢さん、はい、コレ。』

 

受け取った金貨をそのまま渡す。

 

もの凄い勢いで首を振り

 

おつりをくれた。

 

銀貨9枚

 

『・・・ま、いいか。』

 

小声で“臨時収入///ヤッタ///”って聞こえたが、

 

気のせいにして置こう。

 

 




 
小話

『てか、
 私のステータス、
 なにを強化したのよ?』

『いや、色々。』

『も~、ちゃんと見せてよ?』

『また、次回にな?』

『え~。』


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やっぱり間違えたね?コレ

 
『ぁ~、
 フィト?
 ほ、程々にね?』

『え?い・や・よ?』
 



 

少し相談し、

 

ここはフィトに合わせて、

 

薬用食膳食堂に向かって・・・

 

 

『よぉ?エルフの姉ちゃん?

 俺らと遊ばない?』

 

(うわ、

 ド定番のナンパ)

 

『ねぇ?レイジは何食べるの?』

 

(あ、ハイ

 ガン無視ですねわかります)

 

『そうだな、

 小麦粉で作った

 豆腐丼を食べたいかな?』

 

(正直、

 まともな飯自体が久しぶりだからなぁ)

 

『あと、豆腐ステーキなんてのも

 よさそうね♪』

 

『おい、

 無視するたぁ

 いい度胸じゃねぇか?』

 

『レイジ?

 お金あるんだったら、

 新しい装備品も揃えたいよね?

 防具にしようかな?

 アクセサリーで、

 状態補助効果が

 付いてるのにしようかな?』

 

『ん~、

 現状スキルにステータス、

 正直色々いじったから、

 あんまり必要ないかなぁ~って。』

 

『そう言えば、私のステータス、

 まだ確認してなかったのよね~。』

 

『てめぇっ!!

 いい加減にしろっ!!』

 

ならず者はフィトに対して

 

手をあげ・・・

 

めきっ

 

『あれ?

 ちょっとしか力入れてないのに。』

 

『あ゛~っ!?

 腕がぁあっ!?』

 

(ぁ~

 やっぱり間違えちゃったのか)

 

イーグル・フィト

 

年齢__歳

 

性別 女

 

Lv3→5

 

HP    133→589

 

MP   4989→7890

 

攻撃力    30→279

 

防御力    58→346

 

素早さ  2019→2050

 

スタミナ 1568→1600

 

瞬発力   380→569

 

治癒能力  283→500(MAX)

 

演算能力 1367→1459

 

運       8→15

 

スキル

 

・植物魔法

※植物の成長促進停滞を操作し

 年中同じ収穫量を

 確保する為に使われる

・禁肉食

※エルフの特性上

 肉類を摂取すると

 ステータス補正-50%

・薬膳食

※木の実・ハーブなど、

 植物由来の食品を摂取すると

 ステータス補正+20%

・風属性魔法増幅

※先のウィンドスラッシャーは

 MP消費5でありながら

 金剛石

(ダイヤモンド)クラスの硬度すら

 問答無用で切り裂ける

 威力補正は消費魔力に

 二乗されていく

 

・魔力常時回復

 休息、歩行一歩に付きMP回復10

 

・地形補正Lv3

※森林の加護

 草原適正の上位互換

 余程荒廃している土地でない限り

 ステータス+30%

 魔法“火力”+30%

 

・魔法高速習得Lv3

 レイジが所有しているスキルと同じ

※必要レベルに近づくと

 威力補正も本来の威力になる

 

・体術超高速習得

※教本、見本、聞き伝え

 それらを全て

 身体に習得させる

※レイジから

 “CQC・CQB・柔術系統”を

 聞いた為、

 体術オンリーでは、

 レイジは勝てなくなってしまった

 

ならず者達は、

 

グラォシティの憲兵に救護され

 

消えて行った。

 

 

『うは~・・・。』

 

『なんか、その、

 ごめんなさい。』

 

改めてステータスを確認して、

 

若干呆れているようだ。

 

『まぁ、その、

 ありがと。』

 

『ん?』

 

『さっきの奴らの間に入ろうとしたでしょ?』

 

(まぁ、それをする前に

 フィトの反射スピードに

 ついてけなかったんだけどね)

 

『まぁ、ね。』

 

『ねぇ?

 パーティー登録して、

 一緒に旅をしよ?』

 

豆腐ステーキを食べながら誘われた

 

『へ?』

 

造型魔法Lvが上がって、

 

錬成魔法へと変化した魔法で、

 

箸を創って食べてたのだが、

 

危うく落としかけた。

 

『いいでしょ別に、

 レイジなら一緒に居て

 “大丈夫”って、

 思えるから。』

 

『大丈夫って、

 男と女、

 それをわかってて言ってるんだよな?』

 

『・・・あ、そっか、

 そ~だよね、

 “なんだか兄さんの用に”

 気軽に話してたから、

 気にならなかったのよ。』

 

『・・・そうか。』

 

(あれ?

 なんだか淋しそうな顔?)

 

『まぁ、いいよ、

 ただ、色々面倒事に

 巻き込まれるのは覚悟してくれよ?』

 

『いいわよ?

 平凡すぎる日常よりは、

 少しぐらいスリルが無きゃ、

 退屈で死んじゃうもん。』

 

 

ま、この時点では

 

あんな事に巻き込まれるなんて

 

考えにも予測しようにも

 

どうやっても無理でしょ?

 

 

『ごちそうさま、

 店主?

 この料理は

 他の町でもやっているのか?』

 

『え?

 まぁ、兄弟が何人かいるので、

 “トゥルーレ”

 この名前で店を出してる筈です。』

 

『なるほど、はいこれ、

 “今後のトゥルーレの発展の為に”』

 

金貨を5枚ほど、ぽん、と、

 

店主に握らせる。

 

『な゛っ!?』

 

『約束して下さい。』

 

『な、なにをでしょうか?』

 

『今後も、

 種族に関係なく、

 良心的な料金で提供して下さいね?

 何かあれば、

 コレに手紙を書いて下さい。』

 

『これは?』

 

『“連絡符”

 経営なり、嫌がらせとかあれば

 随時これに書き込んでくれ

 直ぐにぶっ飛んで戻って来るから。』

 

『あ、ありがとうございます。』

 

 

店を後にし

 

『あ、あのさ?』

 

『ん~?』

 

『レイジは

 私を女として見てくれるの?』

 

『・・・悪いか?

 率直に言えば好みの顔立ちだし、

 “声”も好きだし、

 出会って早々に、

 色々あったけど、

 “大事にしたい”って、

 正直に思ったさ。』

 

『・・・った。』

 

(は?いや、なんで?)

 

『なんで泣くんだよ。』

 

裏路地に引き込み、

 

周りから見えないように

 

抱えてあげる。

 

『だっ・・・って、

 み・・く、ない、って。』

 

『魅力がない?』

 

(ぁ~、過度に

 見ないように避けてたのが、

 完璧に裏目に出たのか)

 

『フィト、

 怒るなよ?』

 

顎をくぃっとあげ、

 

俺よりは小柄なフィトに

 

そっと口づけをする。

 

『・・・バカ。』

 

『はいはい、バカですよ~。』

 

 




 
小話

『おい作者?』

はいよ?

『もっと後にしてから、
 こう言う関係に
 するんじゃなかったのか?』

いや、やっぱ我慢できなくてww

『まぁ、
 ちゃんと続けてくれよ?』

うへぇ~い。
 


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大事な人を守るのに加減は要らない

 
『あんまり離れるなよ?』

『用を足すだけよ?』
 



 

今、

 

正直俺が如何に

 

“日本の平和ボケした空気”に

 

どっぷり浸かっていた事を痛感した。

 

『ブッコロス。』

 

フィトが山賊らしき

 

グループに拉致された。

 

 

(・・・目隠しに、

 手錠、それに・・・魔力が感じられない)

 

『へっへっへ、

 今回は運が良かったぜ。』

 

『あぁ、

 たまたま用を足してる

 エルフに出くわすなんてなww』

 

『おうよ、

 先ずは俺達の“家”で、

 まわしてから、奴隷市場に売り飛ばせば、

 傷モノでも、金貨10枚はくだらないからな。』

 

(・・・はぃ、

 ブッコロ確定、

 さてと、レイジに聞いててよかったわよ、

 “魔力が使えない時の戦闘方法”)

 

 

少し前

 

『あん?

 魔力が切れた時?』

 

『えぇ、

 私達エルフは、

 魔法が基軸で戦闘を組み立てるから。』

 

『ぁ~、なるほど。』

 

そう、ここで

 

“CQC・CQB・柔術”を教えたのだ。

 

 

(関節を自由自在に外すって、

 ・・・なるほど、

 い、痛いけど、

 手錠は外せるわね)

 

『そうだ、

 コイツ、ほんとに一人だったのか?』

 

『あぁ、どう言う訳か

 コイツ一人だったな。』

 

『まぁ、用心だけはしておこう。』

 

 

“無名の洞窟”

 

『おかしぃ、

 見張りの奴らがいねぇ。』

 

『ちっ、

 中から声が聞こえる、

 襲われてるぞっ!!』

 

『なにっ!?』

 

(いたっ!?

 いきなり地面に落とすとか、

 信じらんないっ!!)

 

『どうする?

 このエルフは?』

 

『仕方ない、

 ここに置いて

 洞窟の仲間を助けに。』

 

(あれ?

 声が続かない?)

 

『て、てめぇっ!!』

 

(誰?誰が居るの?)

 

『ぐっ!?

 は、あ゛な゛ぜぇ゛っ。』

 

(あぁ、

 なにかかはじけ飛んだ音がする)

 

『おっ、おいっ!!

 他の仲間はどうしたんだよっ!?』

 

(仲間?)

 

『・・・。』

 

『答えろっ!!

 “紅人(あかびと)”』

 

(え?

 そんな伝説級の人が

 今、そこに居るのっ!?)

 

『・・・。』

 

『言えよっ!!』

 

(せめて、声だけは聴きたい)

 

 

(・・・この弾ける音、

 ぁ、オークが弾ける音に近い)

 

『帰るぞ、フィト。』

 

(え?

 なんで?)

 

目隠し、手錠が外される。

 

返り血で真っ赤に染まったレイジが

 

まるで、人形の表情と変わらない

 

凍り付いた顔をしてる。

 

『レイ、ジ?』

 

『なんだ?』

 

『・・・その。』

 

『・・・悪かった。』

 

『え?』

 

『油断していた、

 町の雰囲気のまま、

 外に出ていた俺の問題だ。』

 

『ちっ!?ちがっ『どこがだ?』』

 

『現にお前がさらわれた、

 これが俺の失態の何者でもない。』

 

『でも。』

 

『・・・大事にしたい、

 これは嘘じゃない、

 全身全霊を掛けてこれは本当だ、

 だけど、

 少なからず恐怖も感じたろう?』

 

『・・・あぁ、

 そうかも、でもね?』

 

ばちーん

 

久し振りの紅葉ビンタを喰らう。

 

『今のアンタにはこれが一番でしょ?』

 

『・・・私は貴方に助けられた、

 それに、今回も、

 だから、

 だから・・・。』

 

まったく、

 

女性に対する対処法が

 

皆無なのが物悲しいな。

 

『・・・言葉が見つからん、

 だが、ありがとう、

 そして、やはりすまん。』

 

返り血をものともせず

 

すすり泣くフィトを抱きしめる。

 

『・・・血生臭いのよ、バカ。』

 

『ごめん。』

 

 

結局、半年ほどグラォシティに入り浸り、

 

周辺のオーク共を皆殺しにし、

 

二足歩行の“ナマズ”は

 

新種としてギルドに登録された。

 

『生態系が変わった?』

 

『そうらしいのよ、

 オークが減って、

 例のナマズが少し増えて、

 “ゴブリン”が増加傾向にあるのよ。』

 

『しまった、

 奴らは一応の

 生態系を調整していたのか。』

 

『そうだとしても、

 オークが居るのは許せないわよ?』

 

『代わりの調整者が必要か。』

 

『“調整者”?』

 

『生態系を調整するモノが必要なんだよ、

 ゴブリンが増えすぎると

 “人間・エルフ・ドワーフ”と言った、

 他の人型に標的を移し、

 略奪・凌辱と言った、

 被害が絶え間なく広がるだろう。』

 

『・・・不味い、わね。』

 

『はぁ、

 フィト?

 オークや、ゴブリンが

 ギリギリ維持出来る“数”って

 わかるか?』

 

『は?』

 

『用は、種族を維持するのに

 最低限の個体数が

 何体か知りたいんだ。』

 

『ちょ、

 どう言う事よ?

 レイジ?

 なに考えてるの?』

 

『なに?って。』

 

 

『動力は周辺魔力を収集して、

 自己修復機能と、武器は、

 “超振動破断剣”で、いいか。』

 

『・・・ナニ、コレ?』

 

『これ?

 “ゴーレム”』

 

(ゴーレムっ!?

 これも伝説級の

 シロモノじゃないのっ!!

 どうしていとも簡単にレイジは

 創り出せるのっ!?)

 

『この片刃のバスターソード2本に、

 ペンタゴンを

 少し細長くしたシールドを一つ、

 背中には、加速、ジャンプ用の

 魔力噴射口2つ、

 そして、

 シールドから延びる砲身は、

 魔力を実体弾にして撃ち出す、

 シールド内蔵魔力砲3門、

 そして推測だが、

 オーク200体、

 ゴブリン1000体、

 ナマズ500体、

 恐らく、

 これが種族維持の限界数だと思う。』

 

『・・・思うって。』

 

『コイツに、

 暫くの間調整者をして貰う。』

 

『は?』

 

『先の数値から、

 増え過ぎたら、

 ブッコロ全開で動くから、

 これでようやくグラォシティから、

 出発出来るよ。』

 

(・・・常識って、

 なんだったっけ?)

 

 




 
小話

『おい、
 あのゴーレムって。』

〇フカ〇タ〇だよ。

『まぁ、強いからいいけどさ。』

さっすがに寝るぞ~

03:20

『あほかっ!!』
 


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隣の町

 
『なぁ?』

『なっ、なにかしら?』

お互いの好意を確認してから

やったらモンスターや

魔物に襲われ

“レト”が完全に黙り込んだ。
 



 

済まないと思いつつ、

 

正直、“使い所が無いのが現状なのだ”

 

『さて、

 どうしたものか。』

 

『そうは言ってもねぇ。』

 

レトが黙り込んではや数カ月

 

魔物も、モンスターも、

 

異様に多い。

 

『監視衛星は普通に見れるし、

 他の能力も問題ないし。』

 

(まぁ、

 フィトとの仲が良くなったのが

 気に入らないんだろうと推測出来るけど)

 

『そうだ、レイジ?』

 

『なんだ?』

 

『レトちゃんってさ、

 女の子?』

 

『え?』

 

(確かに、

 声はそう聞こえるような)

 

『多分、そうだろう。』

 

(今の今まで気にしていなかった)

 

『多分って、

 ほぼ一年は一緒に居るんでしょ?

 少しは気にしてあげなさいよ?』

 

『・・・すまん。』

 

『私じゃなくて、

 レトちゃんに言いなさいよ。』

 

“レト”

 

“・・・”

 

“すまん”

 

“・・・”

 

“いや、です”

 

(おっと、

 ちゃんと返答が来たぞ?)

 

“嫉妬、してる、よな?”

 

(ぁ~、

 女性に対する経験値が

 少ない弊害がここでもかぁ~)

 

“ここから見る風景は好きです”

 

“・・・そうか”

 

“でも”

 

“でも?”

 

“【私も二つの目でこの世界を見たいのです】”

 

『フィト、

 同行者を増やしても?』

 

『レトちゃんでしょ?

 今更じゃない、

 ちょっと恥ずかしい所も、

 きっ、キスも、

 見られてるんでしょ?』

 

『・・・レト、

 どうなんだ?』

 

“・・・私も経験出来るのでしょうか?”

 

『さぁ、な。』

 

『レイジ?

 レトちゃんはどうやって

 同行者にするの?』

 

『・・・錬成魔法でも、

 出来ない事はある。』

 

“そうですね、

 この世界でも禁じられています、

 それに、その代償も、

 甚大を凌駕し、

 世界その物を破壊しかねません”

 

『まぁ、

 ちょっと色々触れる

 ギリギリでやるけどね。』

 

 

別次元?

 

『ちょっと、ちょっと、

 何でアイツこんなに強くなってるのよ?』

 

『神様、

 それは貴女様が“放置”した他に無いかと。』

 

『何よ?ミーティアちゃん?

 部下の癖に文句があるの?』

 

『いえ、

 この様な場合も、

 テラ・地球の管理者様に

 ご報告を入れねばなりません。』

 

『え゛っ?』

 

『既にご報告済みですので、

 お逃げにならぬようお願いしますね?』

 

『よぅ、

 またやらかしたんだって?』

 

『ひっ!?

 お兄ちゃん。』

 

『はぁ、

 馬鹿垂れ、

 レイジのヤツ、

 真面目にこの世界では

 “死ねなくなるぞ?”』

 

『・・・それって。』

 

『えぇ、

 神様のせいで、

 “世界の理(ことわり)”を壊す

 “不老不死者”が、

 誕生してしまいますね。』

 

『ヤバいじゃないそれっ!?』

 

『あぁ、

 だが、レイジは

 人間であり続けるつもりだ。』

 

 

『・・・フィト、

 お前の卵子を貰えるか?』

 

ばちーん

 

『いきなり何言ってんのよっ!!』

 

『いってぇ・・・

 あのなぁ、

 無から肉体を錬成魔法で

 創れないし、

 創れたらこの世界が壊れる、

 だから

 “有から肉体を錬成し直すんだ”』

 

『え?』

 

“まさか?”

 

『俺の精子とフィトの卵子で

 “子供を創り”

 その子を、レトへ再錬成するんだ。』

 

 

別次元?

 

『レイジ、

 お前さん、なぜ?

 人間の枠にこだわる?』

 

『レイジ様、

 素晴らしいですね。』

 

『ば、馬鹿な、

 こんな裏ワザじみた事が通るなんて。』

 

 

『つ///つまり///』

 

『いや、行為は必要ない、

 それに、

 “こう言う事は想定済みだ”』

 

小さな小瓶を出す。

 

“ソレは?”

 

『・・・黙ってて悪かったが、

 フィト、

 あの時に一つだけ回収しておいたんだ、

 俺の精子とかけ合わせて、

 “本当に出来るのか”って、

 調べておいたんだ。』

 

『は?』

 

『い、いやぁ、

 あのさ、

 そもそもが異世界人の俺が、

 こちらの世界の純正エルフに、

 適性があるかも怪しかった、

 ちゃんと出来るのかってのも、な。』

 

『じゃぁ、最初から?』

 

『・・・好きだったし、

 嫁に・・・欲しいと。』

 

“あの~、

 やっぱりアウトオブ眼中ですか?”

 

『・・・どうして

 そのネタを知っている?』 

 

“・・・神様から教えて貰いました”

 

『・・・ほぅ。』

 

(地球よ、

 報復は任せた)

 

(【あぁ、オシオキ中だ】)

 

(そうか)

 

(【一つ聞きたい】)

 

(ん?)

 

(【なぜ、

  人間の枠で居ようとする?】) 

 

『・・・わからん。』

 

『レイジ?』

 

“レイジ?”

 

『わからんから、

 人間の枠でいたいんだろうな。』

 

 

『ふふっ、

 わからないから、か、

 良い答えだ。』

 

 




 
小話

『お、い。』

ん~?

『寝ろ。』

ぁ~・・・02:53
 


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結局、色々さじ加減って難しい

 
『・・・え?』

『えっと・・・。』

『まさか、
 こうも簡単に産まれちゃうとは。』
 



 

え~

 

手順は間違って無かったはずなのに

 

『正直、

 “出産”って、

 こんなに簡単にだっけ?』

 

『んな訳あるかぃ。』

 

『・・・多分、

 オークの激痛を

 身体が覚えているから、

 私が産まれても、

 左程激痛とは感じなかったかと。』

 

人工子宮を創ると、

 

流石にリスクがあるので、

 

フィトに、“レト”を妊娠して貰い

 

そのまま“通常の妊娠期間”を

 

想定してた・・・

 

『ぁ~・・・

 確かに、アレの激痛に比べれば、

 レトを産む痛みは

 全然だったわね~。』

 

(・・・妊娠期間も異様に早いし、

 レトに関しては、

 まだ一週間しか経っていないのに、

 全長136cmつるぺたすとん、

 フィトに関しては、

 また高速治療で、

 ・・・“完治”した)

 

『この世界って、

 どうなってるのやら。』

 

『『正直、貴方(レイジ)の方が、

  どうなってるのよ?

 (どうなっているのですか?)』』

 

『・・・デスヨネー。』

 

 

ステータスも弄れる様に

 

あのメガネをレトに渡す。

 

『・・・?』

 

『あり?見れない?』

 

『え?私は見えるよ?』

 

『い、いえ、

 “カテゴリー”に、

 レイジと、フィトの娘と、

 表記が在るのですが?』

 

 

『ぁ~、

 浅はかだった、

 色々、ごめん。』

 

しっかり、土下座をする。

 

『いっ!?いいのよ、

 正直、

 いずれはそのつもりだったし///』

 

『肉体を得られる時点で、

 私には

 選べる権利は無いですが、

 “お父さん、お母さん”ですか、

 嬉しいです///』

 

(あ、あかん、

 これは不味いって、

 俺の警鐘が鳴り響いてる)

 

『『旦那様?(お父さん?)』』

 

『はぃ。』

 

『『仲睦まじく、末永く

  よろしくお願いします!』』

 

『・・・お願いされました、

 こんな父親で良ければ、

 よろしくお願いします。』

 

 

深夜

 

(って、

 簡単に受け入れられたけど、

 はて?

 あの神様が言ってた、

 “他の世界からの妨害”

 だったっけ?

 ソレは、

 もう始まっているのか?)

 

『レイジ?

 なに考えてんの?』

 

『お父さん?』

 

『ん?

 あぁ、いや、

 所帯を持つなんて、

 初めてだし、

 家族が増える事も考えると、

 どこかに拠点か、

 “家”を構えた方がいいよなって。』

 

『・・・必要なの?』

 

『必要なのでしょうか?』

 

あれ?

 

『私達エルフは、

 外に出ると流浪の民になって、

 “拠点はあれど家は持たない”

 これがエルフの歴史ね。』

 

『お父さん、

 どの様な知識と

 符合させているのか解りませんが、

 この世界の常識は、

 貴方の知る常識ではありません。』

 

(・・・あぁ、

 やっぱり常識の違いと、

 そもそもの生きて来た世界の違いが

 ここに来て更に痛感するなぁ)

 

『ごめん、

 やっぱりどこまでも、

 “日本人”である事は

 抜けきれなくて。』

 

『日本人?』

 

『あぁ、

 お父さんの“元居た世界”ですね。』

 

『あ、バカ、

 言うなってば。』

 

『・・・あ。』

 

『レイジ?

 本当に異世界人なんだね。』

 

『レト、

 俺の記憶の

 “情景部分だけ”

 フィトに見せる事は可能か?』

 

『・・・出来なくはありませんが、

 お勧めしたくは無いです。』

 

『どんなスケベな

 情景を見て来たのよ?』

 

『偏見だ、

 俺の言う情景は、

 “見て来た風景”の事だ。』

 

『ぁ///

 ごめんなさい、お父さん。』

 

『え?レトちゃん?

 それって。』

 

『お母さんに言われたくありません。』

 

『!?』

 

『へぇ~、

 まぁ、それは置いといて、

 レト、

 頼めるか?』

 

『え?あ、はい、

 では、

 お父さん、お母さん、

 おでこを出してください。』

 

『ほい。』

 

『これでいいの?』

 

『では、

 “移し見”』

 

レトが二人のおでこに触れると、

 

俺が見て来た情景が、

 

フィトが見て来た情景が、

 

お互いに流れ込んで来る。

 

『フィト、

 ほれ、隠すから。』

 

『ぅん。』

 

『お母さん、

 無理しないで。』

 

『そう言うレトもな?

 ほれ、隠すから。』

 

二人を抱え、

 

頭を撫でてあげる。

 

まぁ、泣き止むまでに

 

“空気を読む魔物やモンスターはいない”

 

 

『さて、

 今日はバーベキューかな?』

 

『それもそうね、

 私はハーブスープを所望するわ!』

 

『私の場合は、

 どちらが適応されるのでしょうか?』

 

『そもそも、

 Lv1じゃ、

 何にもステータス弄れないから、

 コイツ等倒して、

 Lv上げするか。』

 

『賛成!』

 

『お父さん、お母さん、

 お願いします。』

 

『・・・ぉ~。』

 

『な、なんだか、

 こそばゆいわね///』

 

『なんでしょうか?

 正直、私でもこそばゆく感じます///』

 

この一瞬はどうやら

 

魔物も、モンスターも、

 

空気を読むみたいだ。

 

『なら、

 サクサク殺るか。』

 

『サクサク?』

 

『さくさく?』

 

若干禍々しい“包丁”を二本装備する。

 

『え?』

 

『お父さん、ソレって?』

 

『え?サクサクする?』

 

魔物の腕、

 

足の筋をサクサク切り

 

止血をままならなくさせ

 

『ほらほら、つぎつぎぃ~ww』

 

モンスターの首筋を切りつけ

 

もがき苦しみだす

 

『ひっ・・・。』

 

あれ?レトが引きつってる?

 

『ん~?どした~?』

 

声を掛けつつも、

 

切り裂くのは止めない。

 

『ぁ~、

 あの盗賊達が、

 “紅人”って、

 言った意味が

 ようやくわかった気がするわ。』

 

二人曰く、

 

返り血でも、

 

“冷たい笑顔”が崩れないのが

 

物凄く怖いそうです。

 

 




 

小話

『さ~く~しゃ~?』

え?

『サクサクしてやろうか?』

いや、ごめんなさい、

素直に寝ますんで、

勘弁してください。

『や・だ。』

ザクザクザクザクッ!!

ギャ~ッ!!
 



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レベルを上げて、物理で殴れ

 
『え?』

『フィトは10Lvで、
 レトが5Lvだな。』

『あの、お父さん?』
 



 

鋳船(いせん)零染(れいじ)・イーグル

 

年齢32歳→34歳

 

性別 男 

 

妻・イーグル・フィト・イセン

 

娘・イーグル・レト・イセン

 

Lv32→35

HP4857→5000

MP600→1000

攻撃力 789→800

防御力  1298→1560

素早さ  2400

スタミナ 3500

瞬発力   999(MAX)

治癒能力  500(MAX)

演算能力 2020→2023

運      45

スキル

・即死無効  ・魔法簡略

・西洋剣術  ・東洋剣術

・槍術Lv3 ・睡眠超回復

・サバイバルLv3→4

・疫病耐性  ・危険察知Lv6→7

・毒耐性Lv2→3

・錬成魔法Lv5・無限書庫Lv1

・魔力常時回復Lv3

・補助機能増加Lv4

・星系マップLv1

※・監視衛星

  最大圏内1000kmにアップ

 ・追尾機能

  今まで行動した足跡を表示

※監視衛星のおかげで、

 この星のワールドマップを作成でき、

 “上空から見える範囲”は、

 全て網羅してある

※監視衛星・追尾機能は、

 星系マップに統合された

・現在位置情報

・上限収納Lv1→2

・狩猟スキルLv1→2

・魔法高速習得Lv2

・体術超高速習得

 

『正直、上がりにくくなったな。』

 

『そもそも過剰よ?』

 

『そうか?』

 

イーグル・フィト・イセン

 

年齢__歳

 

性別 女

 

夫・イセン・レイジ・イーグル

 

娘・イーグル・レト・イセン

 

Lv5→10

HP   589→768

MP   7890→8940

攻撃力  279→320

防御力  346→456

素早さ  2050

スタミナ 1600→1621

瞬発力  569→600

治癒能力 500(MAX)

演算能力 1459→1501

運    15→42

スキル

・植物魔法

・禁肉食

・薬膳食

・風属性魔法増幅

・魔力常時回復

・地形補正Lv3→6

※上方補正60% 

・魔法高速習得Lv3 

・体術超高速習得

・即死無効

・有限収納

・疫病耐性

・オートディフェンサーLv3

※自身とレベルに応じた人数に、

 風魔法

 ・オートディフェンサーを付与する

 物理防御上方補正

 魔法防御上方補正共に、30%

 

『・・・いくら何でも、

 やり過ぎよ?』

 

『いや、万が一ってのもあるし、

 その、傷つく姿は、

 あんまり見たくないし、

 “他人に見せたくない”』

 

『もぅ、バカね。』

 

『ごちそうさまです。』

 

イーグル・レト・イセン

 

年齢2歳

 

性別 女

 

父・イセン・レイジ・イーグル

 

母・イーグル・フィト・イセン

 

Lv1→5

HP   20→453

MP   5624→8920

攻撃力  5→210

防御力  5→589

素早さ  3→269

スタミナ 30→1191

瞬発力  12→256

治癒能力 5→500(MAX)

演算能力 56→1329

運    42→78

スキル

・即死無効

・魔力常時回復

・魔法高速習得Lv1

・体術超高速習得

・魔法威力上昇Lv2

※消費魔力はそのままに、

 20%上方補正

※下方修正が効かない為、

 加減が難しいスキル

※消費魔力を任意で増やし

 “更に威力の上乗せが出来る”

・体術超高速習得

・有限収納

・疫病耐性

・植物魔法

・薬膳食

・地形補正Lv1

・状況有利化Lv1

※いかに不利でも、

 必ず突破の糸口と、

 行動を物にする

※レベルに応じた人数に

 付与出来る

 

『・・・うわぁ。』

 

『ちょっ!?

 私とほぼ同じの保有魔力なのっ!?』

 

『ぁ~、

 やっぱ、間違えてる?』

 

『『うん。』』

 

『ソウダヨネー。』

わかっていてやっている

 

 

『って、言うかレイジ?

 このままゴルデン王国に向かうの?』

 

『そうですよ、お父さん?

 路銀もそこまで潤沢にはありませんし、

 換金報酬を貰うにも、

 他の町へ行かねばなりません。』

 

『ん~、

 ワールドマップを見る限り、

 周辺市町村は、

 ほぼ同規模に見えるんだよ、

 それに、街道こそあるけど、

 “道中の安全は保障できない”

 そう言う道ばかりだからさ、

 盗賊達を駆逐しつつ、

 隣の町に行こうかと思ってる。』

 

『駆逐って、

 まぁ、悪い事してるんだから

 その報いを受けるのは当然ね。』

 

『では、その盗品も?』

 

『まぁ、売れそうな剣とか防具な?

 金・銀・銅貨は、程々に回収して、

 “そのまま残して置く”

 遺品は、出来たら

 その届け先がわかれば

 そこに届けるか、

 発送して、

 こっちの名前は伏せる。』

 

『名前を?』

 

『お父さん?

 名声を上げるのに

 なんら問題は無いかと?』

 

『嫌なんだよ、

 偽善者や勇者でもあるまいし、

 言い方は悪いけど、

 “身内以外どうでもいい”

 それに、

 名前が売れれば売れる程、

 “自由に動けなくなる”』

 

『ぁ、確かに、

 私の兄さんがソレね、

 エルフの癖に体術ばっか強くて、

 魔法はからっきしなんだもん、

 200歳の誕生日に

 村を出たんだけど、

 毎日、女の子に追っかけられて、

 大変だって、

 たまに手紙が来てたわ。』

 

『なるほど、

 浮気相手がウロウロしない点が

 在るのですね?』

 

『フィト。』

 

『うん。』

 

『え?』

 

『『レト?

  そう言うのは早過ぎ。』』

 

『は、はぃ、ごめんなさい。』

 

『それに、

 そのステータスに

 敵う男を探すのが大変だぞ?』

 

『それもそうね、

 私達の用に、

 割り振りや、

 スキル習得をやってない

 純粋に生きてる人達なんだから。』

 

『そうでしたっ!?』

 

 




 
小話

『だからさ。』

うん、寝るってば

『どうして深夜に
 更新するんだ?』

気力と、切り変え?

『なんだそりゃ?』

まぁ、スイッチが入るんだよ

こぅ、“あ、行ける”ってさ

『まぁ、程々にしろよ?』

わ~ってるよ
 


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チート、チート、うるせぇんだよ。

 
『へぇ?
 エルフの女の子だ~っ!!』

『レイジ?
 女の子って誰?』

『さぁ?』

『お父さん?
 換金報酬は受け取りましたし、
 次の町へ行きましょう?』
 



 

はい、絶賛誰かを家族揃って

 

“ガン無視中”です。

 

『ねぇねぇねぇ!

 暇?ねぇねぇねぇ?

 俺と付き合ってよ?』

 

『レイジ、

 この前の町のトゥルーレだっけ?

 この町にもあるんでしょ?

 行こうよ。』

 

『トゥルーレ?

 そうですね、

 私はまだ食べた事無いですから、

 “燻製肉”や、

 お父さんのハーブスープぐらいしか、

 味を知らないので、

 楽しみです!』

 

『そうだったな、

 すこし奮発して、

 コース料理も良さそうだな。』

 

『おい。』

 

『『『あ゛?』』』

 

おっと、いけない、

 

3人揃って同じ反応をしてしまったww

 

『さっきのからシカトぶっこいて、

 調子乗ってんじゃねぇぞ?』

 

『誰だ?』

 

『おっさんは引っ込んでろよ、

 俺はそこの女の子と話してるんだ。』

 

 

どうやら、どこかの家族が、

 

最近“転生者”とか

 

言いふらしているヤツに

 

絡まれているようだ。

 

仕方ない、加勢に。

 

 

メキメキ

 

『あがぁあ゛ぁ゛っ!?』

 

『その汚い手で、

 お母さんに触れるな。』

 

おや、

 

俺が手を出す前に、

 

レトが手を出しちゃったか。

 

『いってぇ・・・

 ぜってぇ折れたぜコレ、

 慰謝料だ!!

 慰謝料として、

 お前は、俺の奴隷な!

 先ずは裸になって、

 俺のムスコを

 しゃぶって貰おうかっ!!』

 

『・・・ふっ。』

 

あらあら、

 

そんな見下し笑いなんて、

 

俺は教えて無いんだが?

 

『レト、

 肩慣らしには

 丁度いいんじゃないかしら?』

 

拳をゴキゴキ鳴らしながら、

 

ちゃっかり結界の魔法を唱えてるし。

 

『いいのか?

 俺はチートを使えるんだぜ?』

 

さて、

 

コイツのステータスは

 

見れるのかな?

 

???

 

年齢???歳

 

 

ステータス不明

 

スキル

 

・ベクトル操作

 

え?これだけ?

 

『おらぁっ!!』

 

あ、レトの掴みが解かれた。

 

『ちっ。』

 

素早く態勢を整え、

 

もの凄い速さで、

 

詠唱魔法を唱えた。

 

『ワンハンドレッドニードルレイン。』

 

これはレインだけ見れば水属性だが、

 

れっきとした“土属性魔法”で

 

円錐型のダイヤ張りに強度のある土塊が、

 

降って来る物だ。

 

『ベクトル操作ぁあっ!!』

 

確かに、使用者本人には当たらない。

 

『まったく、

 結界張っといて正解ね。』

 

フィトの結界が無ければ、

 

少なからず“死傷者”が出ていた。

 

『お前、

 周りの被害を考えないで、

 ベクトル操作なんてすんなよ。』

 

『おっさん、なんで知ってやがる?』

 

『レイジ、

 コイツどうするの?』

 

『普通に考えれば、

 憲兵に突き出せばいいけど

 手錠程度じゃ壊されるからなぁ。』

 

 

なんてこった、

 

あの3人の家族?は、

 

いとも簡単に撃退を

 

続けているでは無いか。

 

とんでもない実力者が居るモノだな。

 

 

『お父さん、

 ベクトル操作とは?』

 

『簡単に言えば、

 “力の流れをコントロール”する物だ、

 まぁ、

 脳の演算能力が余程よく無ければダメだが、

 コイツは、

 “貰っただけ”だろうから、

 簡単だ。』

 

『なんだとぉっ!?』

 

殴りかかって来るが

 

『受け止めると前提し、

 計算する、

 それに対して、

 “受け流すと?”』

 

いとも簡単にこけた。

 

『な゛っ!?』

 

『所詮模造品の能力、

 お前程度の“ただの人間”に、

 あの作品の良さは

 分からないだろうよ。』

 

『おっさん、

 全部見てたのかよっ!?』

 

『あ?

 お前に教える義務なんて無い、

 それに、

 俺の奥さんに、

 娘にも手を出したんだ、

 当然、その報復も

 覚悟しての行動なんだよな?』

 

あ、二人が少し距離を取ってくれて、

 

周りに結界も張っといてくれた。

 

『お、俺の奴隷だ!!

 おっさん如きに、

 不釣り合いなんだよっ!!』

 

またベクトル操作をして来るが、

 

それを“血流の反転”で、

 

返してあげる。

 

 

今、チート、チート、と

 

連呼する少年が絶命した。

 

今、この御仁は何をしたんだ?

 

少年が、真っ赤になり

 

“破裂”したんだぞ?

 

 

(ほんと、

 罪悪感って

 どこに逝ったのやら)

 

上限収納から布を出し、

 

顔を拭く。

 

『・・・レイジ、

 無理、してない?』

 

『お父さん、

 大丈夫なんですか?』

 

『あぁ、

 問題無いよ、

 飯より、風呂だな、

 あ、

 そこのお兄さん、

 この辺で、

 お風呂提供してる宿はあるかな?』

 

 

え?俺に声を掛けて来たっ!?

 

『えっと、

 俺ですか?』

 

『えぇ、

 しっかりとした防具でいて、

 “身綺麗にしている”

 つまり、この近辺に

 お風呂を提供している宿屋か、

 “温泉”を知っているのかなと、

 思ったのですが、違いましたか?』

 

す、鋭い、

 

確かに俺が泊まっている宿屋が、

 

風呂を提供している。

 

『は、はい、

 俺が泊まっている宿屋なら、

 お風呂を提供していますね、

 案内しましょうか?』

 

ここは話しを合わせよう。

 

『良かった、

 流石に血生臭いままでは、

 妻にも、娘にも、

 笑われてしまいますから。』

 

(笑えないわよ)

 

(笑えないですよ、お父さん)

 

(お二方が引きつっていらっしゃる)

 

『で、では、

 ご案内します、

 死体は

 先ほど住人から、

 憲兵に通達したと

 連絡を受けていますので、

 後ほど、回収に来る筈です。』

 

『助かります、

 あの、お名前は?

 俺は、

 イセン・レイジ・イーグル

 悲しいけど、

 この死骸と同じ、

 転生者に近い、

 “異世界人”に当たります。』

 

『い、異世界人ですと?』

 

『まぁ、ここではアレなので、

 宿屋でお話でも。』

 

『は、はい。』

 

異世界人、生きている内に

 

巡り会うとは。

 

(この人、

 どっかで見たような)

 

(あれ?お母さんは

 見覚えがあるのかな?)

 

 




 
小話

『さて。』

まぁ、一人目って事で

『ベクトル操作一つって、
 いくら何でも無さすぎない?』

いや

そもそもの許容量が

無かったヤツって事で

『・・・俺は?』

俺が書き続ける限り増え続けるかな

『はぃ?』

んじゃ寝る~

『ちょっ!?おぃっ!?』
 


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今後の方針は如何に?

 
『なんだい?
 あんた今日は戻らないって。』

『あ、おかみさん、
 お風呂を貸して貰えませんか?』

『え?
 あんた朝風呂入ってったろうに。』

『あ、すいません、
 俺が使いたくて・・・。』
 



 

宿屋の女将さんに呆れられつつ、

 

お風呂を借り、

 

さっさと血を洗い流す。

 

 

食堂

 

『へぇ~、

 あの五月蠅いガキを、

 殺っちまったのかい。』

 

どうやら、アイツは

 

町民からも嫌われていたようだ。

 

『まぁ、

 俺の奥さんと娘に手を出したんで

 それ相応の対価といいますか、

 見せしめのようなもんです。』

 

『し、しかし、

 殺してしまって、

 今後の行動に支障が出るとは

 思わなかったのかい?』

 

あ、この人

さっきの甲冑の人で、

れっきとした“人間”だ。

 

女将さんは、

まさかの“ドラゴンとエルフのハーフ”

 

『それは思ったけど、

 あんだけウザい奴なら

 お咎めも少ないかなって。』

 

『確かに幾つか苦情が入ってたようだが、

 そこそこ

 “ギルド”の依頼も

 こなしていたらしいんだ。』

 

え?マジで?

 

『ちょっと、レイジ?

 顔色、悪いわよ?』

 

『お父さん?』

 

『ぁ、あぁ、大丈夫だ、

 その依頼って、

 どんなのかわかりますか?』

 

『えっと、

 確か“オークの討伐”やら、

 “ゴブリン”の駆除だったような。』

 

『『『なぁ~んだ、

   心配して損した。』』』

 

おぉっ!?

ここまでハモると気持ちが良いな。

 

『か、仮にも、

 ギルドからの正式な依頼だよ?

 それに実害も出ているから

 それなりに頻度が在るんだ。』

 

おや?女将さんが誰かと話をしている。

 

『アンタ達、

 “青白い騎士の亡者”って

 知らないかい?』

 

『青白い?』

 

『騎士の?』

 

『亡者・・・あぁ。』

 

『き、キミ達、

 何か知っているのかい?』

 

『アレね。』

 

これはフィト

 

『アレ~、ですね。』

 

これはレト

 

『女将さん、それ、

 俺の知り合いの様な者です。』

 

『なら丁度良かった、

 このギルドランカーさんが

 詳しく聞きたいから、

 ギルド支部に

 来てもらえないかってさ。』

 

『初めまして、

 この“フィール”の町、

 フィール支部のギルドランカー、

 フィカール、

 貴方がその知り合いさん?』

 

『あぁ、イセン・レイジ・イーグル

 この二人の旦那で、

 フィトが奥さん

 レトが娘だ。』

 

あ、吐血して膝を着いたぞっ!?

 

『しっ、しっけい、

 な、なにせ、

 このような女子の私は、

 貰い手が居なくてな、

 未だに独り身なのだ。』

 

ぁ~、見掛け上

フィトが若くて小さいから

勘違いしてるんだ・・・ん?

 

『差し支えなければ、

 フィカールさんは、

 どちらの種族何でしょうか?』

 

あれ?

返答が帰って来ない。

 

『あ、

 あぁあああっ!?』

 

『うぉっ!?

 どうした、フィト?』

 

『思い出した~っ!!

 ゼルネ・フィカールでしょっ!!』

 

『・・・え?

 その言い方、まさか?』

 

『イーグル・フィト・イセンよっ!!

 何年振りかしらっ!!』

 

あぁ、更に凹んでいる。

 

『そんな・・・

 フィトにも先にされるなんて。』

 

どうやら元同郷のエルフだそうで、

フィトのお姉さんの娘で、

小さい頃に、

フィトのお兄さんと一緒に

里を出たんだそうだ。

 

『そうか、

 キミがあの時の少女だったのか。』

 

今度は甲冑のお兄さん・・・

には少し無理があるだろうけど、

何やら納得してる様子。

 

『って事は、

 ポンコツお兄ちゃんかぁ~。』

 

『ポンコツ言うなっ!!』

 

ポンコツお兄ちゃん事、

“トマス・レイニー・コレト”は、

小さい時、

良く遊んで貰った人間だそうだ。

 

ちなみに、

 

フィトの父は存命らしいのだが、

何処に住んで居るかはわからないそうだ。

 

他に、兄二人、姉一人、

妹は例のオークで・・・。

 

『そうだったのか、

 この町に依頼が届いた時にはもう。』

 

『うん、

 でもレイジが

 “オーク達を皆殺しにしてくれて”

 身体も治してくれて、

 それに、

 レトちゃんも授けてくれたの///』

 

『もぅ、お母さんったら///』

 

あの、お姉さんと、

お兄ちゃんの視線がキツイのですが?

 

『それはともかく、

 その“青白い騎士の亡者”は

 良いのですか?』

 

『あ、そうだったね、

 それにしても、

 あんなに

 “紳士的”な亡者が居るなんてな。』

 

『え?』

 

おかしい、命令は一定数の維持だけの筈。

 

『そうそう、

 大剣を二つ構え

 モンスターと“女性ギルドランカー”の

 間に割って入り、

 お姫様抱っこで、

 その女性ランカーを助けたり、

 時には、

 男性ランカーと一緒にオーク達や、

 ゴブリン共を倒してくれたり。』

 

『新種のナマズモンスターにも、

 援軍として駆け付けてくれたりと、

 亡者にしては、

 えらく人間臭いんだよ。』

 

・・・これって、あれか?

アノ作品のアレをモデルに、

あのパイロットの用に、

義理人情に厚い感じで

創ったから、そうなったのか?

 

『ただ、聖職者達が調査した所、

 間違いなく、“亡者”で、

 歴史的遺産の、

 “ガーディアンゴーレム”では

 無いのだろうかって、

 噂が出回る程なんだ、

 レイジ君は知り合いと言ったが、

 どう言う関係なのかね?』

 

『まぁ、俺も助けたり

 助けられたりしたんで、

 知り合いと言ったんですよ。』

 

言うなよ?二人共

 

はぁ~い

 

はぁ、

しょうがないですね、お父さん

 

『助けたり?』

 

『えぇ、

 瓦礫の中に埋もれていた

 “何かの魔法陣”に触れてしまい、

 そこから飛び出て来たんですよ、

 最初は焦って構えましたけど、

 オークと交戦に入りまして、

 共闘し、安全だと判断したまで。』

 

『なるほど、

 それなら合点が行くわね、

 ギルド長に報告してくるわ、

 レイニー、

 明日でいいから、

 3人をギルドに連れて来てね?』

 

バイバ~イ

 

と、猛ダッシュで駆けて行った

 

『ちょっ!?』

 

哀れレイニー、

明日の用事をキャンセルする為に

月が昇り沈む寸前まで

お詫びと新たに予約を入れて来たそうだ。

 

 




 
小話

『ふんっ!!』

ごふっ!?

『寝ろやっ!!』

やだ

『お前なぁ、
 明日(今日)は、
 7:30起きなんだろうがっ!!』

そうですね

『今、何時だ?』

2:15ですね

『寝ろーっ!!』

ごきっ!!

ピチューンッ!!
 


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自重と言うステータスはありません

 
『うわぁ。』

『えっと、
 “アレ”を殺しても、
 Lvが上がるんですね。』

『どうすっかね。』
 
※キャラクターの
 ステータス紹介回の様な物です。


 

鋳船(いせん)零染(れいじ)・イーグル

 

Lvアップ無し

 

『まぁ、そもそも

 上がりにくくなってたからな。』

 

『まぁ、あの森Lvの

 相手じゃなかったしね。』

 

『っていうか、

 お父さんもお母さんも、

 その森で、

 良く平気でしたね?』

 

 

イーグル・フィト・イセン

 

年齢__歳

 

性別 女

 

夫・イセン・レイジ・イーグル

 

娘・イーグル・レト・イセン

 

Lv10→12

HP   768→800

MP   8940→9000

攻撃力  320→322

防御力  456→487

素早さ  2050

スタミナ 1621→1623

瞬発力  600

治癒能力 500(MAX)

演算能力 1501

運    42→45

スキル

・植物魔法

・禁肉食

・薬膳食

・風属性魔法増幅

・魔力常時回復

・地形補正Lv6→7

※上方補正70% 

・魔法高速習得Lv3 

・体術超高速習得

・即死無効

・有限収納

・疫病耐性

・オートディフェンサーLv3

※自身とレベルに応じた人数に、

 風魔法

 ・オートディフェンサーを付与する

 物理防御上方補正

 魔法防御上方補正共に、30%

 

『ステータスポイントの必用値が、

 急に上がったのよね。』

 

『ふむ、

 もしかしたら

 ステータスの限界値が、

 近いのかもしれないな。』

 

 

イーグル・レト・イセン

 

年齢2歳

 

性別 女

 

父・イセン・レイジ・イーグル

 

母・イーグル・フィト・イセン

 

Lv5→7

HP   453→481

MP   8920→9120

攻撃力  210

防御力  589→603

素早さ  269→286

スタミナ 1191→1201

瞬発力  256→277

治癒能力 500(MAX)

演算能力 1329

運    78→86

スキル

・即死無効

・魔力常時回復

・魔法高速習得Lv2

・体術超高速習得

・魔法威力上昇Lv3

※消費魔力はそのままに、

 30%上方補正

※下方修正が効かない為、

 加減が難しいスキル

※消費魔力を任意で増やし

 “更に威力の上乗せが出来る”

・体術超高速習得

・有限収納

・疫病耐性

・植物魔法

・薬膳食

・地形補正Lv2

・状況有利化Lv2

※いかに不利でも、

 必ず突破の糸口と、

 行動を物にする

※レベルに応じた人数に

 付与出来る

 

『あの、お父さん?

 益々上げる方向、

 間違ってないですか?』

 

『うんにゃ、大丈夫。』

 

『遂に抜かれた・・・。』

 

 

ゼルネ・フィカール

 

年齢121歳

 

性別 女

 

Lv4

 

HP   132

MP   6892

攻撃力  56(+45)

・魔効弾籠手

※魔力を消費し

 魔力弾を撃ち出す籠手

※耐久力はあるのだが、

 連発には不向きで

 一定の魔力チャージが必要

※各属性の魔法も撃ちだせる為め

 基本ワンオフで

 既存の籠手を

 カスタマイズするのが主流 

 

防御力  34(+45)

・闘拳士の鎧

※重要部分を

 複数の鎧部品で覆い

 格闘術の阻害に

 ならない様に工夫されている

 

素早さ  143

スタミナ 721

瞬発力  201

治癒能力 221

演算能力 892

運    51

 

スキル

 

・植物魔法

・禁肉食

・薬膳食

・風属性魔法増幅

・地形補正Lv2

※森林の加護

 草原適正の上位互換

 余程荒廃している土地でない限り

 ステータス+20%

 魔法“火力”+20%

 

『へぇ~、

 便利な物ね、コレ。』

 

『あげますんで、

 お好きに上げて下さい。』

 

 

トマス・レイニー・コレト

 

Lv4

 

年齢28歳

 

性別 男

 

HP   219

MP   142

攻撃力  69(+55)(+50)

・ロングソード(+55)

※極めて標準的な剣であり

 この世界では

 大抵の鎧を着こむ者達に

 愛用されている

※地域ごとの差異があるが

 装飾程度で

 実用面では全く変わらない

※刺突にはやや不向きで、

 重量を持った切断が主役

 

・ブロードソード(+50)

※ロングソードと

 対を成すほど普及している

※斬撃・刺突に対応

※ロングソードの予備として装備

※属性として

 出血属性が付与されており

 一度切りつければ

 簡単には出血が止まらず

 長期戦闘には必要不可欠 

 

防御力  55(+60)

・騎士道中鎧

※冒険・ギルドランカーの

 御用達標準鎧

※剣での戦闘を

 好む者が着用目的な為め

 やや動作が制限される

※(こちらの世界風に言えば

  プレートシリーズの

  少し装飾がある感じ)

 

素早さ  112(-10)

※騎士道中鎧の重量も様々であり

 レイニーは

 この鎧を

 ランカーデビューから

 使用しているので

 僅かなデメリットに収まっている

 

スタミナ 570

瞬発力  210(-35)

※同上

 

治癒能力 154

演算能力 329

運    52

 

スキル

 

・剣技Lv3

※剣と名前が付く武器の

 精度・威力・耐久の追加補正

 各15%上方補正

 

・無手戦闘術Lv2

※剣を使わないが

 鎧を装備したまま戦う体術

※鎧の耐久性にもよる為

 余り取得している人物は居ない

 

・生薬精製Lv1

※言わずと知れた

 薬草を生成するのに必須スキル

※一定の材料で

 “毒素”を含んだ

 副産物が生成される

 

『ほぉ。』

 

『まぁ、コレ上げますんで、

 好きに使って下さい。』

 

 




 
小話

『ほんとに、
 ステータス紹介だったな。』

Zzz・・・Zzz・・・

『ったく、
 仕事でなんかあるたんびに
 こうやって夜中に更新するとは、
 どうなってんだ、
 作者の会社は。』
 


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