君は朝日のように眩しくて (藤井 悠)
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第一章
出会いは何気ない日常から


初めて小説を書きます。文章力が酷いかもしれませんがご了承下さい。

では早速本編ヘどうぞ


俺の名前は風神 蒼生(かみかぜ あおい)。

羽丘学園の2年生である。去年までは女子学園だったのだが、入学者希望数が少なくなってきているとのことで今年から共学となったそうだ。

俺は2年生だから関係ないと思うだろうが俺は最近になりこの地域に引っ越してきたので羽丘に転入したのだ。なのでこの学年の男子が俺しかいないのだ。

だから正直ちょっと馴染めてないところもある。

だが全員と言うわけでもない。というのも自分の趣味のおかげなのだが。その趣味というのが・・・

 

香澄「ねぇ、ちょっとわからない小節があるんだけどーー」

 

蒼生「んー?はいはい、どこがわかんないんだ?香澄?」

 

たえ「あとで私も教えてー」

 

蒼生「あいよー」

 

そう、俺は音楽が好きでギターをやっているのだが、引っ越して間もない頃、ここのライブハウス【CIRCLE】に来て弾き語りをした所、ここのスタッフの月島まりなさんという人に今この辺りで勢いのあるガールズバンドのライブを見て欲しいと言われた。

そして言われるがままそのガールズバンドのライブを見たのだが、俺は確かにそれぞれのバンド、個性はそれぞれ違うものの確かに惹き付けられるものがあった。

だがしかし俺はまりなさんがどういった目的で俺にこのライブを見せたのか、その真意が分からなかった。

ライブ後まりなさんに声をかけられて、ストレートに何故俺にあのライブを見るよう勧めたのか聞いてみたすると、

 

まりな「君は何年ギターやってるのかな?」

 

と返された。質問を質問で返すなァァァと、どこぞの殺人鬼みたいな事をいいそうになったがここは抑えて、

 

蒼生「・・・一応7年間やっていますけど。」

 

と返すと衝撃の答えが帰ってきた。

 

まりな「うんうん!道理で一人の弾き語りであそこまでお客さんを盛り上げることができるわけだよね。そこでお願いなんだけど、さっきキミが見てきたガールズバンドにキミの音を届けて上げてくれないかな?」

 

蒼生「・・・はい?」

 

いや普通急にこんなこと言われたら誰でもこうなるだろう。

てか音を届けるって何?とか、なんで俺?とか色々な疑問が浮かんできて更に混乱し始めて来たところでまりなさんが、

 

まりな「ほら、今ってガールズバンドってかすごく流行ってるしCIRCLEとしても腕のいいガールズバンドが増えてほしいんだよ。駄目かな?」

 

確かにこのCIRCLEはガールズバンドを応援しています!みたいなCMみたいなポスターが入り口に貼ってあったのでそれは理解しているんだがそもそも俺にメリットがあるわけでもないし・・・

 

まりな「もちろんそれを引き受けてくれた時は我がCIRCLEのバイトとしてやってもらいたいからお給料も出るけど・・・」

 

蒼生「やります!」

 

まりな「ありがとう!助かるよー。じゃあ日程は明日相談して決めることにしよっか。」

 

正直断って帰ろうと思っていたがお金様が絡んできたなら話は別だ。最近金欠だったしバイトも探そうと思ってたので、しかも自分の好きな音楽のことに関われるという最高の環境が整っている。これを断る手はないだろう。

 

まりな「あ、ちなみにそれぞれのグループにはキミ自身がお願いに行ってね。」

 

蒼生「・・・え?」

 

そして俺は5つのガールズバンドのいわゆるサポーター的な位置付けでアドバイスをすることになったのである。

だがしかしサポートをするには自身で全5バンドに許可を取らなければならないらしい。

方向性もあのライブを見る限りだとバラバラなので全部が全部うまく行かない可能性もあるがそこはそうなったときに考えよう。

まずRoseliaというグループだったがまず第一印象は『真面目』だと思った。どう真面目かというとサボる事は決してありえない、自分たちの音を極め続けるといったイメージである。ちょっとびっくりしたのがリーダーの湊さんという人に

 

友希那「まずあなたの音を聞かせて頂戴。」

 

と言われ側にいた氷川さんという人に

 

紗夜「そうですね。まずあなたの音を知りたいです。」

 

結局この二人のオーラに押され一曲披露したら

 

友希那「・・・」

 

紗夜「・・・」

 

そして他の3人もポカーンと微動だにしていない。もしかしてまずったかなと思っていると、

 

友希那「驚いたわ。ここまでの音が出せるなんて・・・」

 

紗夜「はい驚きました。」

 

そして今まで何も言ってなった3人も

 

リサ「うん☆アタシも♪ビリビリ来たね〜」

 

あこ「あこもです!りんりんもだよね?」

 

燐子「うん・・・私もだよ・・あこちゃん。」

 

友希那「皆今日から蒼生がこのRoseliaのサポートをする事に反対のある者はいないわね?」

 

「「「「はい!(うん!)」」」」

 

と言う訳でRoseliaからは承諾を頂いた。

 

次にハロー、ハッピーワールド!と言うバンドの所に行った。このバンドの印象は『笑顔』だった。

なんでもこのバンドは[世界を笑顔に]をモットーに活動しているらしい。だからここのメンバーの雰囲気も明るい。明るいのだが・・・

 

こころ「あなたが蒼生ね。待ってたわ!あなたも私達と世界を笑顔にしましょう!」

 

蒼生「部屋入って早々これですか・・・」

 

明るすぎるのだ。蒼生には少々元気すぎるのかもしれない。まあ最初から歓迎されてるのは良いのだがこれはこれで苦労しそうだ。

 

???「すいません苦労かけて。ほらこころ少し離れなよ。」

 

蒼生「いやいや全然大、丈夫・・・」

 

俺がそこで目にしたのは・・・

 

蒼生「・・・クマ?」

 

ミッシェル「ああ、あたしはこのハロー、ハッピーワールドでDJやってますミッシェルでーす。」

 

こころ「そうよミッシェルはこのハロー、ハッピーワールド!の守護神よ!ところで美咲はどこかしら?」

 

花音「だからこころちゃん。美咲ちゃんはここに・・・」

 

はぐみ「何言ってるのさかのちゃん先輩。みーくん今ここにはいないじゃん。」

 

薫「きっと忙しいんだよ。儚い・・」

 

花音「ふぇ〜〜〜」

 

ミッシェル「いいですよ花音さん。もう諦めてるんで。」

 

蒼生「・・・なんか察せたよ」

 

とどのつまりこのミッシェルがその美咲と言う娘なのだろうがこの3人は気づいてないのだろう。・・・馬鹿かな?

 

こころ「何はともあれ今日から蒼生が今日からハロハピでサポートしてくれるのは皆賛成よね?」

 

「「「「うん!(ああ)」」」」

ハロハピは後から苦労しそうだな・・・

 

次はPastel✽Palettesのところに行った最近人気になってきた『アイドル』バンドである。何気に俺もファンであったりする。今日は特別にCIRCLEに来てもらったらしい。ガチガチになりながらドアを開けると、Pastel✽Palettes

は全員集合していた。いや今までもそうだったが相手は芸能人な訳で、それでいて何気に自分もファンである為に今までに無い緊張が走っているのである。すると、

 

彩「えーと、君がまりなさんが行ってたサポーターの人?」

 

蒼生「はい!!神風 蒼生です!」

 

なんか面接みたいになってしまったが問題ないだろう。・・・あれ?なんかくすくす笑われてるけど。

 

千聖「もしかしてファンの方ですか?」

 

蒼生「え?あ、はい。そうです。」

 

まさか向こうからそう来るとは思ってなかったので素っ気ない返事になってしまった。すると、

 

彩「え!?ほんとに?じゃあじゃあ、私の事わかる?」

 

蒼生「え?丸山彩さんです・・よね?」

 

彩「うん♪まんまるお山に彩りを♪Pastel✽Palettesふわふわピンク担当、丸山彩です!」

 

wow、まさか生で見れるとは俺今日死ぬんじゃないのかな。

 

日菜「ねえ、まずはあたしたちの演奏聞いてもらおうよ。んでその後この人の演奏も聞こうよーそれが一番るん♪ってくるよー」

 

るん♪って日常でも使ってるんだ。

ってかなんで俺が弾くの?

 

千聖「ごめんなさいね。日菜ちゃんこう言い出すと多分もう聞かないから。お願いできるかしら?」

 

蒼生「あー、はい。わかりました」

 

そしてお互いに披露し合うと、

 

日菜「すごい!るるるん♪ってきた!」

 

麻弥「ホントにすごいですよ!」

 

イヴ「アオイさんの演奏にシビレました!ブシドーです。」

 

千聖「ブシドーは関係ないと思うけど、でも凄い演奏だったわ。私達がCIRCLEに来たらあなたにサポート、私達からお願いしたいくらいよ。」

 

oh、千聖さんにここまで言ってもらえるなんて・・・俺ギターやってて良かった(涙)

 

彩「じゃあ皆は蒼生君がサポートしてくれるってことで大丈夫?」

 

「「「「はい!(ええ)」」」」

 

次はAfterglowと言うバンドの所に行った聞いたところこのバンドは幼馴染5人で結成したらしい。ってことは一番交渉が厄介かもしれない。なんでかって?そりゃあ、

 

蘭「あたし達はあたし達のいつも道理演奏するだけ。あんたなんかいらない。」

 

こうなると思ったからだよ。幼馴染ってことはそれなりに固い『絆』で結ばれているだろう。

そこに見知らぬ他人が介入しようとしているのだ。

当然いい気分なんかしないだろう。

 

つぐみ「ちょ、ちょっと蘭ちゃん 」

 

モカ「いやー今日も蘭は平常運転ですな〜」

 

ひまり「ちょっとモカ、今はそんなこと言ってる場合じゃ。」

 

この焦り方を見る限り美竹は怒らせるとめんどくさいらしい

 

蒼生「ってか青葉おまえもなんかフォローしてくれよ・・・」

 

モカ「え〜そう言われましてもな〜。モカちゃんそもそもあおくんがどんな演奏するか知らないからな〜。」

 

いい忘れていたが青葉と俺は同じクラスなのだ。あいつが俺の昼飯のパンをパクった所から始まってなぜかそこそこ仲良くなったのだ。多分パン好きって共通点だけで。

 

巴「でも言われてみればそうだな、なあ今から蒼生のギター聞かせてくれないか?」

 

まあそうなるよな。と言う訳でまたここでも一曲披露することになった。そして演奏し終えたら、

 

蘭「・・・」

 

モカ「・・・」

 

つぐみ「・・・」

 

ひまり「・・・」

 

巴「・・・」

 

あれ?なんかデジャヴってない?

 

つぐみ「凄い・・・」

 

モカ「これはなかなかエモいですな〜」

 

巴「蘭、これは文句ないんじゃないか?」

 

蘭「・・・分かった。でもあたし達の音を乱すようならすぐ辞めてもらうから。」

 

モカ「蘭は素直じゃ無いな〜」

 

蘭「ちょ、モカ!///」

 

何とかなったみたいだな。とりあえずこのバンドでもやってけそうだな。

 

ひまり「じゃあ皆!頑張ろうね!せーの、えい、えい、おー。」

 

「「「「「・・・」」」」」

 

最後にpoppin'partyの所に行った。このときだけはCIRCLEではなく【市ヶ谷家】とのでかい家の蔵の中にいた。

このバンドはリーダーである戸山香澄が過去に自分が感じた『キラキラドキドキ』を見つけるために結成したバンドなのだそうだ。

そして俺がこの部屋に入って思ったことが1つあった。それは・・・

 

蒼生「変態がいる・・・」

 

香澄「変態じゃないよぉー。おたえーーー」

 

たえ「香澄は変態だよ。」

 

香澄「違うってばー。」

 

りみ「大丈夫だよ。香澄ちゃんは変だけど変態じゃないってばぁ。」

 

沙綾「なんかこのやり取り、前にもあったね。」

 

蒼生「あったんだ。」

 

しかもなんか安易に想像できちゃうし。

 

有咲「すみません。騒がしくて。」

 

蒼生「いえいえ。俺が発端ですし。」

 

沙綾「いつも一番有咲が騒いでるよね。ねー有咲」

 

有咲「そんなことねーし!!・・あ」

 

蒼生「えーと、まあ賑やかなのはいいことだしね。」

 

たえ「それで蒼生は私達をサポートをしてくれるんだよね?」

 

蒼生「そのつもりだけど。」

 

たえ「でも一回私達の演奏を聞いてほしい。」

 

沙綾「そうだね、その後蒼生の演奏も聞きたいかな。」

 

蒼生「分かった」

 

そして互いに演奏し合った。・・・ハロハピだけやってないな。

あの空気なら無理もないか。

 

香澄「凄い!!」

 

蒼生「うお!?」

 

有咲「おい香澄、びっくりさせんなよ。でもホントにすごい演奏だったな。」

 

りみ「ホントにすごかったよ。かっこよかった!」

 

たえ「震えた。ギター私より全然上手。」

 

蒼生「ありがと。一応どのバンドの演奏も聞いてきたんだが、バンドごとに違う味があって良いよな。」

 

香澄「私もそう思う!でも私達もっとキラキラドキドキしたいから私達のサポートしてくれる?」

 

蒼生「おうよ、任せとけ」

 

「「「「「よろしく(お願いします)」」」」」

 

と、こうして色々なバンドを回ってきたわけだけど今はポピパのことを教えている。

ギターのことは詳しく指摘できるが、キーボードに関しては俺はちょっとピアノをやった事があるくらいなので多少の指摘しかできない。

ベースとドラムに関してはズレた場所と音がズレたという事しか言えなくて細かいことは言えないのだがその大雑把な指摘だけでも皆一生懸命にやってくれるのでこちらとしてもとてもやりがいがある。

そして気づけばだいぶいい時間になっていた。

 

蒼生「そろそろ終わりにしよっか。」

 

香澄「もうそんな時間かー。」

 

りみ「また明日だね。」

 

たえ「蒼生も、またよろしく。」

 

蒼生「ああ。にしても皆の飲み込みが早くて助かるよ。」

 

沙綾「そうかな?私は教え方がいいからだと思うけどな?」

 

蒼生「そうかな?俺は思ったこと言ってるだけだから?」

 

有咲「思ったこと言ってついつい口が滑ったとかは勘弁だかんな。」

 

そしてみんなで笑ったあと、それぞれ帰宅準備を済ませた。

 

りみ「またね、有咲ちゃん。」

 

たえ「また明日ー。」

 

香澄「じゃあねー。」

 

沙綾「またね有咲」

 

有咲「・・・」

 

なんか寂しそうにしてる。すると、

 

有咲「・・んあーー、私もコンビニ!」

 

付いてくるみたいだ。あんなにツンツンしてでもやっぱりこのポピパが好きらしい。

 

 

 

有咲「だぁーーー、笑うなーーー!」

 

みんなコンビニのことを口実に出てきた市ヶ谷のことが可笑しかったり、可愛かったりで、笑っているんだろう。その後他愛のない話をしていると突然花園が、

 

たえ「ライブやりたいね。」

 

と言い出した。それにすばやくポピパメンバーは便乗していた。

 

香澄「いいねー私もライブやりたーい。」

 

りみ「予約も取らないとね。」

 

たえ「駐車場でやってみたい!」

 

香澄「かっこいい!!」

 

有咲「いや絶対大変だろ!?」

 

沙綾・蒼生「アハハ。」

 

なんで事を言っていると急に正面から。

 

???「あの、ポピパ・・・Poppin'partyさんですよね!?」

 

そしてちょっと同様気味に答えたのは香澄だった。

 

香澄「え?、はい」

 

???「助けてください!」

 

そしてもう一歩その娘は前に出てきて、

 

???「Galaxyのライブに出てくれませんか?」

 

(ってあれ?この声もしかして?)と思っていた矢先その娘はもう一歩前へ出てきて、街灯の光ではっきり見えた。

(間違いないあいつは・・・)

 

蒼生「もしかしてロック?」

 

ロック?「蒼生さん!?」




ありがとうございました。かなり長くなってしまったんですが次回からはもう少し少なめで投稿していきます。

また本作はBanG Dream!2ndSeasonを時間軸に置いてるのでガルパより全員一学年上です。

またBanG Dream!2ndSeasonの流れで行きたいのでアニメを見ていない方はネタバレになってしまう可能性があるのでご了承下さい。

 
     感想&評価お待ちしています。

      ありがとうございました。



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ロックな花との再開

藤井 悠です。

今回は六花と蒼生の関係についてが明らかになります。

またこの話から
六花「」
と表記します

それでは本編どうぞ。


りみ「すごいね、初めての場所なのに堂々としてる。」

 

有咲「おい、見てばっかないで説明聞けよ!」 

 

沙綾「ごめんね、朝日さん。」

 

六花「いえ、ポピパさんの出番は最後なのでのんびりしていて下さい。」

 

香澄「お客さん凄いね!」

 

六花「はい!皆さんのおかげでリニューアルオープン大成功です!」

 

有咲「それより蒼生と朝日さんが知り合いだったとはなー」

 

蒼生「しかしロックはこっち来てたのかー。引っ越したってのは知ってたがまさか同じところに引っ越してるとは思わなかったなー」

 

そう俺は【朝日六花】と引っ越す前でも知り合いだった。あだ名はロックで1つ俺より年下。

二人で仲良くギターの腕を磨き合い競い合って来た。

俺が引っ越すタイミングでロックも引っ越すというのは知ってたが、まさか同じ場所に引っ越して来たとは思わなかった。

 

六花「私もびっくりしました。でもまた蒼生さんとギター出来るんですね!」

 

蒼生「///そうだな。」

 

実は俺は六花のことが好きだ。引っ越すと決まったときはかなりショックだったが、またこうして会えたことだし、「また一緒に入れますね。」って言ってくれたし、また楽しくなりそうだな。・・・え?「また一緒に入れますね。」なんて言ってなかったって?ほっとけ。

そんなことを考えていると、楽屋のドアがバッと開いて

 

こころ「ハッピー、ラッキ・・あら?」

 

はぐみ「わぁァァ」

 

ハロハピの元気印のふたりが飛び出してきた。

 

香澄「はぐ?こころん?」

 

はぐみ「あれ?かーくん?ここ楽屋だ?」

 

こころ「あ!ステージの扉かと思ったわ。」

 

すると楽屋にまた一人の姿が現れた。

 

薫「儚い・・・」

 

なんてこった。美咲さん風に言う所の三バカがおバカな形で揃ってしまったようだ。あれ?なんか牛込がおかしくないか?

 

沙綾「ハロハピ出番次だよ?」

 

六花「ご案内します。」

 

こころ「ええ、それじゃあ・・?あら?花音とミッシェルがいないわ?」

 

はぐみ「迷子だー?」

 

こころ「花音〜〜、ミッシェル〜〜。」

 

六花「すみません、行ってきます。蒼生さんもまたあとで。ハロー、ハッピーワールド!さーーん!」

 

薫「またね、子猫ちゃん達。」

 

香澄「大丈夫かな?」

 

数分後三バカは観客に運ばれながらステージに到着するというなんともハロハピらしい出来事にポピパメンバーと俺は苦笑いしていた。

するとまた扉が開き、

 

蘭「あっつい」

 

ひまり「ぷはぁ、5キロくらい減ったかな?」

 

巴「減った減った、10キロくらい減ったよ。」

 

ひまり「もう、巴適当なこと言って!」

 

つぐみ「まぁまぁひまりちゃん、そんなに気にしなくても。」

 

Afterglowのメンバーが戻ってきた。

 

香澄「お疲れ様。すっごいカッコよかった。」

 

蘭「あ、ありがとう///。まあいつも道理だけど。」

 

モカ「あっれー、蘭顔赤いよ〜」

 

蘭「暑いだけ///」

 

巴「ポピパは最後だっけ?」

 

沙綾「そう。香澄が大当たり引いて。」

 

有咲「当たりか?」

 

香澄「当たりだよー」

 

蘭「当たりかどうかはともかくトリは大事だから。所で神風。さっきのライブだけど。」

 

蒼生「ああ、そうだな。まず蘭は・・・」

 

Afterglowの一人一人に今日の出来高とアドバイスをして、全員が終わったとほぼ同じタイミングで、

 

友希那「Roseliaです。今日はよろしくお願いします。」

 

蘭「リハ来てませんでしたけど、本番大丈夫なんですか?湊さん。」

 

友希那「問題ないわ。リハはこちらで済ませてあるし、丁度熱くなってる。」

 

そして湊さん率いるRoseliaはステージに向かった。

そしてポピパも準備ができたみたいだ。

 

蒼生「じゃあお前らも行くか。」

 

「「「「「うん!!」」」」」

 

そしてステージ裏に付くと

 

あこ「それでは皆の者!バイバーイ。」

 

燐子「あ、あこちゃん!」

 

丁度Roseliaが終わったみたいだ。

そしてポピパのメンバーをはステージに上がる。

ポピパがMCをしている間にRoseliaにアドバイスを済ませると、

 

六花「蒼生さん!」

 

蒼生「ロック!」

 

ハロハピの案内やらなんやらで姿を消していたロックがここに来た。

 

蒼生「仕事は?大丈夫なのか?」

 

六花「はい!なのでここでポピパさんの演奏を見ることにします。」

 

蒼生「そっか・・・なあロック?」

 

六花「はい?なんですか?」

 

蒼生「引っ越す前さ、受験シーズンのちょっと前くらいから引っ越したいって言ってたけどもしかして?」

 

六花「はい!受験前にSPACEでポピパさんのライブを見たんですけど、それに憧れてこっちに出てきたんです。」

 

蒼生「そっか。高校は?」

 

六花「羽丘に通っています。」

 

蒼生「え?そっかそっか。同じ所なんだな。」

 

六花「蒼生さんも一緒なんですか!?だったらまた一緒にギター練習できますね♪」

 

蒼生「それいいな!でもうるさすぎると生徒会やら風紀委員やら飛んでくるから向こう程はできないと思うけど。そういえば六花はお国言葉はあまり出さないんだね?」

 

六花「こっちで住むならあまり出さない方がいいと思いますし。・・・偶に出ちゃいますけど。」

 

蒼生「ハハ、俺もだよ。お!そろそろポピパはじまるぞ。」

 

そしてポピパのHappy Happy Party!も終わった所で今日の出演バンドがステージの上に上がった。ちなみにロックは号泣している。余程ポピパの演奏が聞けて良かったのだろう。

 

紗夜「最後に1つ、告知があります。」

 

お?あのことをここで言うつもりか?

 

友希那「私達Roseliaは来週主催ライブをやるわ。」

 

香澄「主催、ライブ?」

 

あこ「RoseliaのRoseliaによるRoselia大共演!皆の心して待つが良い!ほら、りんりんも。」

 

燐子「う、うん。自分達で主催するのは・・・緊張しますが・・・が、頑張ります。」

 

リサ「みんな来てねー☆」

 

実は主催ライブを勧めたのは俺だ。Roseliaのレベルならかなり良い仕上がりになるはずだし、何よりRoseliaの目標の為にも必要な段階であると思う。

 

紗夜「以上です。他に告知があるものは?」

 

するとなんだかポピパが主に戸山がそわそわしている。なんか嫌な予感が・・・

 

香澄「はい!私達もライブします!」

 

やっぱりこうなった・・・絶対勢いとやる気だけで何とかしようとしてるよ。だがしかしここでやると言われてしまった以上俺もサポートしなくてはならない

(・・・腹くくるか。)

 

「「「「「poppin'party、ライブします」」」」」

 

 

盛大な告知の後俺はガールズバンド達と別れロックと帰宅していた。

 

蒼生「じゃあ今は伯母さんの家で働きながら?」

 

六花「はい。でも毎日番台と掃除の仕事で家賃もゼロにしてもらっているんです。」

 

蒼生「それでGalaxyでも働いて、バンドメンバーも探してると・・・何と言うか相変わらず凄い行動力と言うか、ロックらしいな。」

 

六花「でも蒼生さんはここでもバンドは組まないんですよね?」

 

蒼生「ああ。サポートでも忙しいし、基本弾き語りとか一人でやるのが好きだからさ。あ、ロックは別だぞ?」

 

六花「はい!あ、私こっちなので。」

 

蒼生「おう、じゃあまた明日な。」

 

・・・明日から楽しくなりそうだな。だがしかし1つだけ不安なことがある。それは、

 

 

 

 

 

 

 

 

ポピパの主催ライブどうしよう 

 

 

 

 

でもやっぱり・・・

 

 

 

 

〜六花Side〜

 

今日久しぶりに岐阜県で友達だった蒼生君に再開できた。まさか学校まで同じとは思ってなかったけど、とても嬉しい。その・・・蒼生さんは私の憧れの人だから///

ってなんか恥ずかしくなってきちゃった〜。でも・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

蒼生・六花「「明日から、楽しみだな。」」




主人公のプロフィールはここに載せておきます

風神 蒼生(かみかぜ あおい) 

176cm

17才

4月8日生まれの羽丘2年生

イケメンで誰に対しても同じように優しく接している。
ギターを引くことが好きで、六花とはよく引っ越す前から一緒に弾いていた。六花に好意を寄せているがそのあたりは奥手であるためせっかく両思いであるのにお互いに気づかない。
使っているギターはフライングV。

どうだったでしょうか?アニメにできるだけ寄せたので会話が多くなってしまいましたがお許しください。
また岐阜県の訛りは分からないので必要なとき以外極力出さないようにします。


感想&評価お待ちしています。

ありがとうございました。


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青薔薇の覚悟と現れる壁

藤井 悠です。

今回はRoseliaがメインで出てきます。

多少六花の出番が少なくなってしまうかもしれません。

それでは本編へどうぞ。


友希那「出演バンドの時間の振り分けとチケットノルマはこれくらいかしら?」

 

蒼生「そうですね。ただノルマがちょっと多くないですか?」

 

リサ「ここのライブハウスの人がこのくらいは入れてほしいってさー。まあそこはアタシに任せといて☆」

 

今俺はRoseliaの主催ライブの打ち合わせをしている。

と言ってもほとんどは決まっているので、今は確認と段取りを確認しているだけだが。

 

蒼生「じゃあお客さんの確保は今井さんにお願いします。氷川さんと俺で出演バンドに時間を伝えます。後の3人で今の条件でいいかライブハウスの人に確認を取って下さい。」

 

リサ「オッケー、じゃあ早速言ってくるね。」

 

友希那「じゃあ行くわよ。燐子、あこ。」

 

燐子・あこ「「はい!」」

 

蒼生「じゃあ俺たちも動きましょうか?」

 

紗夜「そうですね。では神風さんはこのバンドをお願いします。」

 

蒼生「了解です。」

 

〜30分後〜

 

リサ「ただいまー。今大体半分くらいの人数が誘えたよー。」

 

蒼生「早!?」

 

どんな交渉したんだ?まあ早く集まるに越したことはないから良いけど。

 

友希那「私も戻ったわ。これで大丈夫だそうよ。」

 

紗夜「分かりました。こちらも全バンドに確認と了承を頂きました。」

 

蒼生「よし、とりあえず今日はここまですれば大丈夫だろ。まだ少し時間もあるしセットリストの曲一回通して解散かな?」

 

「「「「「はい!(ええ)」」」」」

 

そして各々帰宅し、俺も帰路を辿って、花咲川女子学園の前を通ると見知った連中が出てきた。

 

香澄「あ!蒼生だ!やっほー。」

 

蒼生「ポピパじゃん。今から帰宅?」

 

沙綾「うん。主催ライブの事とか色々相談してたらおそくなっちゃって。」

 

あんなに唐突な主催ライブ宣言だったからな。Roseliaよりも準備する時間は少なくなるだろしな。

まあそこは自分らで撒いた種だし、俺もサポートはするつもりだが出来るだけ自分達でやってほしい。

比べる訳ではないがRoseliaも殆どは自分達でやってたわけだし。

 

りみ「そういえば、明後日にRoseliaさんの所に主催ライブにでられるかお願いしに行くことになったんだけど。」

 

蒼生「・・・え?」

 

有咲「あー、ほら、まだ私達主催ライブのイメージもできてないし、気合でやるって言ったみたいなものだからな。そしたら燐子先輩が出てみないか?って誘ってくれてさ。」

 

なるほど白金さんが出演枠を増やせるかどうか相談してたがそういう事だったのか。

 

蒼生「そうだな。イメージを掴むのは大事だしな。まあ湊さんも分かってくれるとは思うけど真剣にな?」

 

香澄「うん!」

 

全く元気と気合ならどのバンドにも負けてないんだがもうちょっと後先考えて行動してほしいな。

 

〜2日後〜

 

香澄「よろしくお願いします!」

 

りみ「お願いします!」

 

有咲「し、します!」

 

そして一昨日の言葉どうりポピパの3人がRoseliaに出演許可をもらいに来た。

 

リサ「元気いいねー。」

 

燐子「友希那さん。どうでしょうか?」

 

あこ「あこは大賛成ですよ!友達と一緒の方がたのしいし。」

 

友希那「あこ、遊びじゃないのよ。貴女達も、Roseliaのライブに半端な熱はいらない。覚悟はできてる?」

 

「「「はい!!」」」

 

友希那「なら、決まりね。poppin'partyに正式に出演をお願いします。引き受けてくれる?」

 

「「「はい!」」」

 

蒼生「以外にあっさりしてましたけどいいんですか?」

 

友希那「ええ、poppin'partyは決して技術は高くないけれど・・・」

 

リサ「けれど?」

 

そこまで言い湊さんは着席して黙ってしまった。あとは察せと言うことなんだろう。

とここで違うところから声が聞こえた

 

まりな「ちょっと!なんでCIRCLEじゃないの?うちでも主催やってよ〜。」

 

友希那「さ、練習に行くわよ」

 

なんと、華麗なスルー。Roseliaどころかポピパも完全スルーだし。

・・・後でフォローしとくか。

 

友希那「蒼生も行くわよ。最後の仕上げをするから。」

 

蒼生「分かりました。まりなさんもポピパもまた後で。」

 

 

〜数日後〜

 

今日はとうとうRoseliaの主催ライブの日だ。昨日から徹夜で会場の準備を進めていた。

そして一区切りついたところで全員で楽屋に休憩に入る。

 

リサ「後は音チェックと出演バンドの挨拶くらい?」

 

紗夜「そうですね。もう少し休憩していても・・ふわぁ〜・・良いと思います。」

 

蒼生「皆さんお疲れでしょう?少し寝ててもいいですよ?」

 

なんせあの氷川さんが欠伸をしてしまうくらいだ。みんなの疲労もかなりのものだろう。

 

蒼生「ってあれ?」

 

誰からも返事が帰って来ない。見てみると既に皆撃沈(熟睡)していた。ってあれ?俺もなんか・・意識が・・・

結局20分後に来たポピパに助けられて、俺を含めた全員目を覚ました。

 

リサ「やばー。普通に意識失ってたわー」

 

沙綾「もしかして今日も寝てないんですか?」

 

蒼生「まぁ仕方ないんだけどね。」

 

紗夜「ライブ当日のセッティングもこちらがする約束で会場費を安くしてもらっていますので、仕方ないことですが。」

 

友希那「恥ずかしいところを見せたわね。」

 

その瞬間どこからか着メロが聞こえた

 

リサ「もしもし?はい、今日はお世話になります。」

 

どうやら今井さんだったらしい。

 

リサ「え?入り口?はいはーい、今外出ますねー。」

 

蒼生「俺もちょっと外の空気吸ってくるー。」

 

そして外に出るとロックがコチラに向かってきていた。

 

蒼生「ロックじゃん。ライブ見に来たのか?」

 

六花「はい。ポピパさんが取り置きしてくれて。」

 

蒼生「なるほどね。そっちの娘は友達?」

 

明日香「戸山明日香です。」

 

戸山?もしかして・・・

 

蒼生「君、もしかして?」

 

明日香「はい、戸山香澄の妹です。」

 

なるほど。言われてみれば顔も似てるな。見た感じこの娘の方がお姉ちゃんっぽいけどな。

 

蒼生「そっか。まぁ楽しんでいってくれよ。どのバンドもいい感じに仕上がってるはずだからさ。」

 

なにせあのRoseliaが主催するライブに来るのだ。半端なバンドは絶対来たりしないだろう。

 

六花「分かりました。それではまた後で。」

 

蒼生「あぁ、またな。って俺もそろそろ戻らなきゃな。」

 

戻ったら丁度Roseliaがステージの最終チェックを終えて開場の準備をしているところだった。

 

蒼生「湊さん。後はやっておきますからRoseliaの最終準備をしてて下さい。」

 

友希那「分かったわ。皆、行くわよ。」

 

そして開場時間になり、山ほどの人がこのライブハウスに詰め込まれた。

俺は舞台袖からライブを見ている。主にギターを聞くためだ。参考になるところは参考にしている。そうしている内にポピパの出番になった。Galaxyの時より完成度の高いHappy Happy Party!だった。

 

ポピパの出番も終わり、裏で労いの言葉をかけていると、不意にステージが暗くなり観客席がざわつき始めた。

Roseliaの出番が来たようだ。メンバー紹介するだけでボルテージが上がっていくのが分かる。そしてBLACK SHOUTのイントロが聞こえると歓声は更に大きくなる。

Roseliaも今出来る完璧な具合に仕上がっている。

そして全ての演奏を終えると今日一番の歓声がステージに響き渡る。そして横にいたポピパは全員驚愕の表情を浮かべていた。

Roseliaのメンバーを労いながら楽屋に戻ると、ポピパのメンバーが駆け寄って来た。

 

友希那「お疲れ様、今日は助かったわ。」

 

紗夜「Roseliaのライブは参考になりましたか?」

 

香澄「はい!」

 

戸山らしいいい返事だった。だがすぐにしゅんとなって

 

香澄「でも同じ事出来るかなって・・・」

 

蒼生・友希那「「同じこと?」」

 

思わず俺も呟いてしまった。この考え方は・・・

 

香澄「でも、絶対ライブします。いつか、Roseliaの皆さんみたいに。」

 

友希那「・・・その努力に意味はあるの?」

 

香澄「え?」

 

他のメンバーも同様驚いている。だがしかしこれに関しては俺も同意見だ。

 

友希那「poppin'party。貴女達、主催ライブをする覚悟が足りていない。」

 

蒼生「ちょっとつけ加えさせてもらうと、メンタル的な面でも、気持ちの整理もまだ足りてないものはある。」

 

「「「「「・・・」」」」」

 

その言葉を聞きポピパメンバーは押し黙ってしまった。

 

友希那「ところで蒼生、今日のライブはどうだったかしら?」

 

蒼生「それよりも今は帰宅準備をした方が良いと思います。時間も押してますし、移動しながらでもアドバイスはできますから。ポピパも急いだほうがいいぞ?」

 

香澄「は、はい。」

 

友希那「分かったわ。皆すぐに準備して頂戴。」

 

・・・確かに次の練習はポピパだったよな。自分達に足りないものは自分達で見つけないといけない。でもまぁ・・・ヒントくらいなら出してやるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺みたいにならない様に。




いかがだったでしょうか。
だいぶセリフ多めのアニメに寄り過ぎになってしまったとは思うのですが。少しシリアスな締め方にしてみました。次回は六花も多く出していくつもりです。
ではまた次回にお会いしましょう。

感想&評価お待ちしています。


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蒼い風と朝の花は古郷では

藤井 悠です。

ESPのサイトで六花ギターを見たらなんと約50万でした。
学生の手を出せる値段では無いので諦めました。


それでは本編どうぞ。


蒼生「そうか、やっぱり・・・」

 

明日香「はい。お姉ちゃん家でも元気なくて。」

 

俺は今は昼食を取りながら明日香にRoseliaの主催ライブの後のポピパの様子を聞いていた。

偶々通りかかった明日香を呼び止め話を聞いているのだが、戸山はいつもの平常運転というわけではなさそうだ。他のメンバーも同様だろう。

ちなみになんで明日香は名前呼びかと言うと姉と判別しづらいからだ。

 

蒼生「ありがとう。時間かけて悪かったな。」

 

明日香「いえ、気にしないで下さい。それではまた。」

 

そして俺は明日香の背中を見送りながら他の事を考えていた。と言うのも主催ライブがあった日のことである。

 

〜主催ライブ後〜

 

蒼生「・・・このくらいかな、今日は皆さんお疲れ様でした。とりあえず今日は家でゆっくり休んでください。」

 

リサ「なんか蒼生って中学の先生みたいなこと言うんだね。」

 

あこ「わかるわかる〜。あこの去年の担任がそんな先生だったもん。」

 

友希那「リサ、あこ、主催ライブが終わったからと言って気を抜かないように。まだここはRoseliaが通る通過点に過ぎないのよ。」

 

蒼生「まぁまぁ今日くらい良いじゃないですか。」

 

紗夜「でもまた明日から、サボってる暇はありませんからね。」

 

リサ「わかってるって〜☆」

 

あこ「あ、あこだって明日からまたちゃんとやりますよ。ね!りんりん。」

 

燐子「そ、そうだね。」

 

友希那「じゃあ明日はCIRCLEに5時集合でいいわね?」 

 

「「「「「はい!(うん!)」」」」」

 

蒼生「でも無理だけはしないで下さいよ。。今朝の楽屋みたいな状態はシャレになりませんからね。」

 

そんなこと言ってもきっとRoseliaは無理をしてでも頂点を目指そうとするだろう。

しかしメリハリはついているので誰かが活動限界になったり嫌気が刺すなんてこともないだろう。

・・・このバンドなら本当に頂点を取れるかもな。

なんてことを考えていると、不意に前から声がした。

 

???「湊 友希那さん、ですね?」

 

そこに立っていたのは赤毛の小柄な少女だった。

 

友希那「誰?」

 

チュチュ「フフ、始めまして。私プロデューサーのチュチュと申します。」 

 

友希那「プロデューサー?」

 

蒼生「つまりあんたはこのRoseliaをスカウトしに来たと?」

 

チュチュ「貴方は?」

 

蒼生「俺はRoseliaのサポーターをやっている神風 蒼生という者だ。」

 

チュチュ「そうですか。それでは貴方も一緒に来ませんか?Roseliaの手伝いをしているという事は貴方も腕が立つのではありませんか?」

 

確かにギターには自信がある。だがしかし、

 

友希那「待って頂戴。私達は貴女について行くとは言ってないわよ。」

 

チュチュ「え?」

 

友希那「おそらく蒼生も同じのはずよ。」

 

蒼生「そうだ。確かにギターには多少の自信はあるが、俺がサポートをしているのはRoseliaだけじゃない。1つのバンドの都合で動くわけにはいかない。」

 

チュチュ「・・・んでよ。」

 

ん?なんて言ったんだ?

 

チュチュ「なんでよ!Roseliaも貴方も私のプロデュースでPerfectなバンドになれるのよ!」

 

友希那「それでも私達にはプロデューサーは必要ないわ。皆、行くわよ」

 

チュチュ「ちょ、ちょっと待ってよ〜〜」

 

〜現在〜

 

そんな事があったのだ。多分しばらくは俺やRoseliaに付きまとってくるだろう。

まぁ湊さんは何度も言い寄られたからといって折れるような人じゃないから大丈夫だろう。

それより今はポピパだ。主催ライブをすると宣言したままゲッソリされても困る。

・・・どうするべきか。やっぱり自分達らしさが大事なのを気付かせなければ行かないのだが。

いや、待てよ。あいつが行けば・・・

 

〜放課後〜

 

俺はある人物を探して羽丘の中を探し回っていたそして校舎の出口でその人物の声が聞こえた。

 

リサ「先生にプリント出せた?」

 

友希那「ええ」

 

六花「し、失礼します。」

 

その声とほぼ同時にロックが駆け込んできた。

 

蒼生「いで!?」

 

六花「きゃあ!・・いってて、あれ、蒼生さん!?」

 

蒼生「よおロック。怪我はないか?」

 

六花「は、はい何とか。そういえば?蒼生さんはなんでここに?」

 

蒼生「あぁ、それはな・・・」

 

〜数十分後〜

 

今俺は市ヶ谷家の蔵の中にいる。そしてその後、戸山とロックが遅れてきた。

ポピパのメンバーはロックを歓迎しているが肝心のロックはガチガチに緊張していた。

 

六花「はわわわわ」

 

沙綾「好きなパン食べていいよ?」

 

六花「は、はい。」

 

りみ「紗綾ちゃん家のパン美味しいよ?」

 

六花「は、はい・・・」

 

有咲「戸山さんの相手は大変だったでしょう?」

 

六花「い、いえ。光栄で・・・」

 

その瞬間、花園がロックのシュシュを指さした。

 

六花「きゃあ!!」

 

たえ「星!」

 

有咲「おい、びっくりさせんな。」

 

すると今度は右方向からギターの音が聞こえてきた。

 

有咲「うわぁ!?びっくりさせんな!」

 

香澄「えへへ〜」

 

どうやら戸山がランダムスターを弾いた音らしい。

するとロックが、

 

六花「見てもいいですか?」

 

戸山のランダムスターを興味津々に見ていた。

 

香澄「うん!」

 

六花「わぁ〜。でらトキントキンだぁ〜。」

 

お?久しぶりに聞いた。ロックのお国言葉。

 

香澄「トキントキン?」

 

有咲「ってなんだぁ?」

 

りみ「もしかして名古屋の人?」

 

六花「あ、岐阜です。」

 

たえ「岐阜って真ん中にあるよね。」

 

六花「え?」

 

蒼生「真ん中?」

 

都道府県の位置的な話?

 

有咲「気にしなくていいぞ。」

 

沙綾「いつ来たの?」

 

六花「今年の3月です。」

 

りみ「家族と離れて寂しくない?」

 

六花「偶に寂しいけど電話するので大丈夫です。それに、蒼生さんもいますし。」

 

蒼生「まぁ俺に関しては偶々だけどな。」

 

沙綾「蒼生も両親と離れて来たの?」

 

蒼生「俺は親の仕事の都合でよく引っ越すんだよ。岐阜にも、元々住んでたんじゃなくて引っ越してきたんだ。まぁ多分今回が最後になるけどな。」

 

有咲「え?なんでだ?」

 

蒼生「うちの父さんもバンドやってて、あちこち飛んでってたんだけど、今年外国に出てさ。それで母さんがもうちょっと安定した職に付かなきゃいけなくなって、それがこの地域で見つかったんだ。」

 

香澄「蒼生もバンド組んでたの?」

 

蒼生「!? それは・・・」

 

六花「蒼生さん、無理して言わなくても。」

 

蒼生「いや、大丈夫だ。・・・バンドは組んでたよ。【Wild Baby】って言うんだけどな、俺はギター&ボーカルやってたよ。全員で4人のバンドで仲も良かった。それなりに大きい大会にも出てたりしてた。でも俺が引っ越す前にメンバー内で喧嘩しちゃってさ。理由は・・・主催ライブが原因だった。」

 

「「「「「!?」」」」」

 

蒼生「主催ライブを開くって決めてから皆、勿論俺も含めてそりゃあ皆で来る日も準備に明け暮れたさ。でもな、主催ライブの一日前にバンド内で緊張からか喧嘩になっちまってな。主催ライブは結果から言えば失敗だったよ。そこからはもうメンバーとは一回も話してないな。」

 

沙綾「そんな事が・・・」

 

蒼生「だからな、俺はポピパには同じ思いをしてほしくないんだよ。」

 

香澄「なんか、変な事聞いてごめんね?」 

 

蒼生「良いよ良いよ、過去の話だしさ。ほら、それよりロックには何も聞かないでいいのか?」

 

香澄「そうだね。六花ちゃんはどうしてこっち来たの?」

 

六花「それは、去年の夏にSPACEのラストライブを見に来たんです。私も地元の友達とバンド組んでたんですけど、高校受験でできなくなってしまって。悩んでいた時に閉店するって知って、今行かないと絶対後悔するって思って親に内緒で見に来たんです。」

 

「「「「「え!?」」」」」

 

六花「ステージの上の皆さん、楽しそうで。やっぱり、バンドやりたいって思いました。聖地は無くなっても、きっとここなら見つかるって。」

 

沙綾「旭湯さんから通うなら花女の方が近い気がするけど。」 

 

六花「親に迷惑かけないように特待生制度のある羽丘にしたんです。」

 

香澄「特待生!」

 

六花「人生で1番勉強しました。」

 

こいつらには言わないが実は俺も特待生だったりする。

 

有咲「んで、住み込みしながらライブハウスでバイトもして、バンドメンバーも探してると。」

 

沙綾「ロックだね〜」

 

りみ「あ!だからもしかして蒼生くんが六花ちゃんをロックって呼ぶのって?」

 

六花「はい!地元でのあだ名がロックでした。」

 

たえ「ロックはなんでGalaxyでバイトしてるの?」

 

蒼生「そういやそれは俺も気になってたな。」

 

有咲「確かに、わざわざあんなきつそうなとこ・・」

 

六花「あはは・・どんなところかなって入ってみたら店長さんが1人ですごく大変そうで、つい、手伝いますって。」

 

蒼生「ロックらしいな。」

 

六花「でも、いきなりリニューアルオープンライブの出演バンドさんを探すことになってしまって、バンドやってる友達いなかったし、色んなスタジオやライブハウスに行っても声掛けられなくて。そうしたら、先輩達を見つけて。また、ポピパさんに助けてもらいました。久しぶりにポピパさんのライブ見たらやっぱりキラキラで、夢じゃなかったって感動して、ポピパさんがまたライブするって聞いたときは夢見たいって思いました。こっち来て色々難しいこともいっぱいですが、来てよかったです。本当にありがとうございます。」

 

すると花園があの曲の1小節を弾いていた。

 

たえ「ピッタリの曲あった。」

 

するとポピパは俺とロックを残し全員前に出ると。

 

香澄「キラキラだとか夢だとか〜sing girls〜」

 

そしてロックのためのライブが始まった。いや正確にはライブとは言えないかもしれないがそれでもロックは、楽しそうに聞いている。

そしてサビ前のカウントダウンの所、この曲で1番盛り上がる所だろう。俺自分自身のテンションが上がっているのがわかる。そして2番に入るところで、ふとロックを見るとどこか遠くを見ているような目をしていた。まるで昔のことを考えているような。そんなことを考えてたら俺も少しずつ昔の記憶が蘇ってきた。

 

 




いかがだったでしょうか。

アニメと繋げながら主人公を入れるのは大変ですので時々オリジナル展開をまぜながら書いていこうと思っています。

感想&評価お待ちしています。


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捨てたい過去と捨てられない過去

藤井 悠です。

今回は蒼生の過去話になります。

それでは本編どうぞ。


〜1年前〜

 

蒼生「悪い、遅れた。」

 

蓮「遅えぞ〜全く。」

 

天音「それより、急がないと練習時間なくなりますよ!」

 

海斗「そうだな。よし、じゃあ入るぞ。」

 

今日はWild Babyの練習日だった。

 

ギター&ボーカル 神風 蒼生

ベース 神代 蓮

キーボード 神代 天音

ドラム 暁 海斗

 

の四人で結成されたバンドだった。ちなみに蓮と天音は兄妹である。

 

蒼生「すいませーん。予約していたWild Babyですけど?」

 

スタッフ「はい。では3番の部屋をお使いください。」

 

蒼生「ありがとうございます。じゃあ行くぞ〜」

 

海斗「おいおい、遅刻したのはお前だからな?」

 

蒼生「分かってるって。でも大事なのは量より質だぜ?」

 

天音「蒼生さん分かってませんよね?」

 

蓮「まぁいつものことだがな。」

 

そんな他愛のない話をしているともう部屋に付いた。

 

蒼生「もう主催ライブも近いからな。細かく調整してこうぜ。」

 

「「「おう!(はい!)」」」

 

その返事で皆の気合が入るのを感じる。いい傾向だ。

このメンバーなら主催ライブも想像以上の結果を残せるだろう。

この時はそう思っていたのに・・・

 

〜3時間後〜

 

蓮「うし!今日はこのあたりにしとくか。」

 

海斗「了解。そうだ、蒼生ちょっとここが気になったんだが。」

 

蒼生「ん?何処だ?」

 

天音「兄さん。私もここが分からなくて・・・」

 

蓮「ん?どれどれ?」

 

そして各々の確認に入る。時間になりライブハウスを出ると、全員でファミレスに行くことになった。

 

蒼生「じゃあドリンクバー4つとベーコンピザとミ○ノ風ドリアを2つ、ターメ○ックハヤシライスを2つお願いします。」

 

店員「かしこまりました。ごゆっくりどうぞ。」

 

そして各々飲み物を取りに行くと主催ライブの話になった。

 

蓮「やっぱりサイ○リヤだよなー。ところでセットリストの事なんだけどさ。」

 

海斗「あぁ、どんなのにしたんだ?」

 

天音「最初から最後まで激しい感じで行きます。」

 

蒼生「そうだな。トリだし1番客も熱くなってるだろうからいいんじゃないか?」

 

天音「後は海斗さんの体力が持てばいいんですけど?」

 

海斗「それは大丈夫だ。常に家でドラム練習してるし。2時間くらい休憩無しで。」

 

蓮「それはそれで心配だが本人がいいならいいだろう。」

 

蒼生「後1週間くらいだからな。気を引き締めていくぞ!!」

 

「「「おう!(はい!)」」

 

〜主催ライブ前日〜

 

蓮「海斗。今少しズレたぞもう少しゆっくり。」

 

海斗「わ、悪い。」 

 

蒼生「天音。今音外しただろ。」

 

天音「す、すいません。前日なのに・・・」

 

蒼生「いや、大丈夫だ。・・・皆!少し休憩にするか!」

 

天音「す、すいません・・・」

 

蒼生「いや、気にするな。焦ったところで結果は変わらないからな。それよりも今は落ち着いて切り替えることの方が大事だ。」

 

海斗「本当、すまないな蒼生。お前も緊張してる筈なのに・・・」

 

蒼生「気にするなってそれよりさ・・・」

 

蓮「・・・なあ、もうそんな悠長な事言ってる場合じゃないんじゃないか?」

 

蒼生「どういう事だ?」

 

蓮「ライブは明日だぞ?それに明日のライブはただ主催ライブをやるってだけじゃない。お前のWild Babyとしてのラストライブなんだぞ?」

 

蒼生「分かってるよ。だからこそだよ。確かに今日は主催ライブ前日だが、さっきも言ったように緊張や焦りで結果は良くなるわけじゃないだろ?」

 

蓮「そうかもしれないけどさ!明日なんだぞ!お前このままの中途半端な演奏で良いって思ってんのか!」

 

蒼生「そうは言ってないだろ!ただ落ち着いていこうってだけの話をしているとじゃないか!」

 

天音「ち、ちょっと2人共やめてください!」

 

海斗「そうだよ。俺が言えることじゃ無いのかもしれないけど今はそんなことで喧嘩してる場合じゃないだろ!」

 

そこからの空気は最悪だった。こんな空気で質の良い練習もできるはずもなく、解散となった。

 

翌日の主催ライブ、決して盛り上がらなかったわけではないのだがまるで、1つ1つの音が孤立している感じで全くまとまりを感じられなかった。

そしてその日から俺は引っ越す日まで彼らの顔はいちども見ることはなかった。

 

〜現在〜

 

そして今ちょうどポピパの演奏が終わった。

・・・ちょっと過去を考えすぎたかな?なんて思っていながらロックの方を見たら静かに涙を流していた。

 

六花「す、すみません。色々、思い出しちゃって。」

 

香澄「わぁ!ごめん。大丈夫?」

 

全くロックらしいな、なんて思いながら微笑んで居ると、

 

香澄「あれ?なんで蒼生も泣いてるの?」

 

蒼生「え?」

 

手を自分の頬に触れさせると確かに水滴が付いた。無意識のうちに昔のことを思い出して泣いてしまったのだろうか?

 

蒼生「わ、悪い。俺も、その、昔組んでたバンドの事思い出しちゃってさ。もう大丈夫だから心配するな。」

 

六花「私ももう大丈夫です。・・・私、諦めません!私もバンド組んでライブします!いつかポピパさんと同じSTAGEに立ちたいです。」

 

香澄「うん。私もライブしたい。」

 

たえ「私も。まだ足りないけど、届くってわかったから。」

 

有咲「はぁ、腹くくるかぁ。」

 

りみ「私も怖いけど、頑張る!」

 

沙綾「香澄。あんなに凄い主催ライブは簡単に出来ないよ?真似出来ないし、真似しなくていいと思う。・・・主催ライブやろう!」

 

香澄「うん!やる〜〜〜〜」

 

有咲「だぁ〜、まだやるって事しか決まってないからな!」

 

・・・良かった。上手く行ったみたいだな。

 

〜放課後〜

 

六花「そういえば、蒼生さんはなんでここに?」

 

蒼生「あぁ、それはなちょっとロックに用があってな。」

 

六花「私ですか?」

 

蒼生「実はな放課後下校するときにこのへんによって欲しいんだけど。」

 

六花「いいですけど・・・なんでですか?」

 

蒼生「お前なら教えてあげられるからだよ。」

 

六花「??分かりました。よく分からないけど行ってみます。」

 

いやいやどっちだよって言いたくなったがややこしい言い方をしたのは俺だしあえてツッコまない事にした。

これでポピパが気づけばいいんだけど。

 

〜現在〜

 

俺は今六花と2人で帰宅している。

 

蒼生「ポピパのライブはどうだった?」

 

六花「はい!やっぱりいつ聞いてもキラキラしてて、最高でした。蒼生さんが放課後にお願いしたのってポピパさんに合わせる為だったんですか?」

 

蒼生「・・・まぁそんなところだ。」

 

半分違うがそこは言わぬが仏だろう。

 

六花「・・・あの、ちょっと失礼なことをお聞きしますけど。」

 

蒼生「ん?なんだ?」

 

六花「もし蒼生さんはもう一度Wild Babyとしてライブ出来ると言われたらやりたいですか?」

 

蒼生「・・・そうだな。あのライブは未練たらたらで終わっちゃったからな。1回だけ、贅沢を言わせてもらうとやりたいって思うよ。」

 

六花「そうですか。ありがとうございます。答えにくい質問を答えていただいて。」 

 

蒼生「気にしなくて良いよ。もしもの話だろ?」

 

そしてその後は一切この話題に触れることなく他愛のない話をしながら帰宅した。

 

六花「じゃあ私、ここなので。」

 

蒼生「そうか。銭湯で住み込みしてるんだったな。今度客として来よっかな?」

 

六花「お、お待ちしています!」

 

蒼生「はは、あぁ楽しみにしてるよ。じゃあね。」

 

六花「はい、また明日。」

 

Wild Babyか。・・・今頃あいつらどうしてるかなぁ?

 

 

〜六花Side〜

 

今日私は蒼生さんにポピパの演奏を聞かせてもらった。それを聞いて私は今一度バンドを組むという覚悟を決めたのだ。

だがそれとは別にもう1つ決めたことがある。

 

 

 

六花「またお金ためないかんでなぁ〜」

 

 




どうだったでしょうか。

シリアスって書くのが難しいですね。もうすこし勉強が必要そうです。
あとそろそろ蒼生と六花の距離をもうすこし縮めなければ(焦リ)

感想&。評価お待ちしています。


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六花とロックなデート?

藤井 悠です。

アニメ4話には六花が出ないので、完全に妄想でいきます。

それでは本編どうぞ。


 

今日突如弦巻からハロハピ×俺に集合がかけられた。

どうもポピパが主催ライブをすると決めてから困っていて笑顔じゃないから、笑顔にしよう。という理由でライブをするらしい。

 

こころ「じゃあ香澄達を笑顔にするライブを開くわよ!」

 

はぐみ「かーくん、家のコロッケ大好きだよ?」

 

薫「兎を連れて行くのはどうだろう。たえちゃんは兎が好きなんだろう?」

 

はぐみ「あのね!おたえ、モーティンが好きなんだって!」

 

花音「それも兎かな?」

 

はぐみ「わかんないけど!」

 

いや分からないなら言うなよ!

ちなみにモーティンとはギタリストの中では有名なギタリストだが、知らない人も少ない訳ではないだろう。

 

ミッシェル「えっと、花園さんだけじゃなくてポピパの皆を笑顔にしないと。」

 

花音「チョココロネを持っていったらどうかな?りみちゃん好きでしょ?」

 

こころ「もう書いたわ。」

 

はぐみ「さっすがこころん!」

 

蒼生「チョココロネ!?あの二重に三角形が書いてあるやつが?!」

 

ミッシェル「神風さん。いつもの事だよ・・・」

 

蒼生「いつもなんだ・・・奥沢も苦労してるな。」

 

ミッシェル「全くだよ。それよりライブに話を戻さないと。」

 

こころ「皆の意見はわかったわ。」

 

そしてホワイトボードに何やら書き込んで、

 

こころ「こういうことね!」

 

薫「つまり、そういう事か。」

 

はぐみ「そっかー」

 

花音「そう、なのかな?」

 

いや、どうなんだよ!今弦巻はホワイトボードに羽みたいなやつと三日月みたいな何かを書いただけだぞ?!

 

ミッシェル「って、どうやってまとめればいいんだよぉ。」

 

こりゃあ奥沢も苦労するな。まぁ落とし込めちゃう奥沢も奥沢だけどな・・・

 

こころ「香澄は飛びたいって言ってたわ。」

 

蒼生「なるほど、それで羽と三日月か。まぁステージ上で宙吊りになって飛ぶ演出は偶に見るし変ではないと思うけど。」

 

薫「翼よ、あれがパリの灯りだ!ん?」

 

急に瀬田産の顔色が悪くなったがどうしたんだ?

 

薫「つまり、飛ぶのかい・・・」

 

こころ「飛ぶなら、空がいっぱい広がってる方がいいでしょ?あたし達、空を飛ぶの!」

 

薫「すまないが、もう1回言ってくれないか?」

 

そしてさっきより若干大きな声で、

 

心「あたし達、空を飛ぶの!!」

 

薫「シェイクスピア曰く、私の勘が当たってしまった!」

 

蒼生「あのーもしかして瀬田さんって?」

 

花音「うん高所恐怖症で高いところが・・・」

 

蒼生「なんかベタだけど、本当にこのライブをやるとしたら致命的じゃないか?」

 

こころ「香澄はやりたいのよ!」

 

はぐみ「そうだよ。かーくんの笑顔のために飛ぼう!」

 

ミッシェル「熊には、熊危うきに近寄らずって言葉があってね。」

 

おい、なんか間違ってるぞそれ。

 

薫「熊に追われて退場、儚い⤵」

 

蒼生「瀬田さん、それなんかもうわけが分からなくなるので、一旦落ち着きましょう?」

 

はぐみ「楽しそうだね!」

 

花音「小さい羽なら演奏の邪魔にならないよね!」

 

蒼生「え?松原さんも乗り気?」

 

花音「うん!頑張る!」

 

ミッシェル・蒼生「「えーーーーー!?」」

 

こころ「やれば分かるわ。出来ない事なんてないのよ!」

 

いやいや、大体貴女お金様の力で何とかなさるおつもりですよね!?

 

薫「そ、そうだよこころ。シェイクスピア曰く、何もしなければ何も起こらない。つまり、そういう事さ。」

 

瀬田さんが立ち直ったようで何よりだがこのライブ、どうなるんだ・・・

 

蒼生「じゃあ俺はもう行くぞ。奥沢さん、今日のこと出来るだけこれにまとめといたんで後で参考にして?」

 

ミッシェル「あー、ありがとう。いつもまとめるのに時間使うからさ・・・」

 

と言ってもほぼ後半のことしか書いてないが、話し合いの内容的にしょうがないだろう。

 

こころ「今日はありがとう!とっても助かったわ!」

 

はぐみ「またねーあっくん。」

 

薫「それじゃあまた会おう。」

 

花音「い、いつもごめんね?」

 

ミッシェル「ホント、お世話になります・・・」

 

松原さんと奥沢はずっと苦労していきそうだな。なんだかんだ本人達が楽しそうだから良いけど。

じゃあ俺も家に帰るか。

 

〜六花Side〜

 

今日蒼生さんに会おうと思って家に行ってみたけど居なかった。サポーターの仕事が忙しいのかな?

はぁ・・・今日こそはあの事を言うって決意してきたのに。

 

六花「はぁ・・・」

 

蒼生「ため息なんかついてどうしたんだ?」

 

六花「うわぁああ!」

 

〜Sideout〜

 

蒼生「ちょっと大袈裟すぎない?」

 

家に戻ると玄関前にロックが居たので声をかけたがなぜかびっくりされてしまった。

 

六花「な、なんでここに!?」

 

蒼生「俺ん家だから。ってかいくらなんでも慌て過ぎ。ほら、深呼吸して?」 

 

六花「すぅ〜、はぁ〜・・・はい。もう大丈夫です。」

 

蒼生「なら良いんだけど。そう言うロックこそなんで俺の家の前に?」

 

六花「あ、あの、その・・・蒼生さんに用があって。」

 

蒼生「あぁ全然いいけど。上がってく?」

 

六花「え?い、いえ、大丈夫です。あのどちらかというとすこし歩きながらの方がいい気がします。」

 

蒼生「気がしますって・・・まぁいいや。じゃあ行こっか。」

 

って待てよ。男女2人でお出かけ・・・

これって俗に言うデートってやつなのか!?

 

蒼生「///」

 

六花「どうかしました?」

 

蒼生「いや、ちょっと暑くてさ。大丈夫だ。」

 

六花「はい、なら良いんですけど。」

 

・・・あんまり意識しない方が良いかもな。ただでさえデートなのに相手はロックだからな。あたふたしてると変な心配されちゃうからな。

 

蒼生「んでどこ行くんだ?」

 

六花「細かい行き先は決めてないんですけど、商店街の方に行こうと思ってます。」

 

蒼生「分かった。寄りたい所があったら行ってくれ。」

 

〜15分後〜

 

蒼生「じゃあ紅茶とチーズケーキを。」

 

六花「私はカフェオレとモンブランをお願いします。」

 

つぐみ「はい、かしこまりました。」

 

今俺達は羽沢珈琲店に来ている。Afterglowの羽沢の父さんが経営してるらしく、羽沢も手伝いをしてるそうだ。

 

蒼生「そういえばロックとこうやって2人でゆっくり話す時間って向こうでも無かったよな。」

 

六花「はい。基本ギター練習か、ちょっと世間話するくらいでしたね。」

 

蒼生「まぁそれはそれで楽しかったけどな。」

 

六花「でも、こうしてゆっくりする時間も欲しかったので。」

 

蒼生「だから外に誘ってくれたのか?」

 

六花「え?あ、はい。」

 

ん?なんか今視線がズレなかっか?気のせいか。

 

つぐみ「お待たせいました。」

 

蒼生「あぁ、ありがとう。」

 

つぐみ「そういえばこの前蘭ちゃんか言ってましたよ。『蒼生の方にギターの音、悔しいけど凄かった。出来るならもう1回、いや何回でも聞いて技を盗みたい』って」

 

蒼生「そうか。じゃあ今度のAfterglowの練習の時はギター持ってけばいいか?」

 

つぐみ「うん。お願いね。」

 

そして羽沢は接客に戻った。

 

蒼生「っと、ごめんな。ひとりぼっちにして。」

 

六花「いえ、大丈夫です・・・」

 

ちょっと元気がない。ちょっとまずかったかな?

 

蒼生「ロック。俺のチーズケーキちょっと食べる?」

 

六花「え?でもそれは蒼生さんが・・・」

 

蒼生「ひとりぼっちにしちゃったしせめてものお詫びって事で。」

 

そして半ば強引にロックの皿の上に乗せる。

 

六花「あ、ありがとうございます!」

 

蒼生「良いって良いって。お詫びなんだからさ。」

 

そしてロックは美味しそうにモンブランとチーズケーキを頬張っていた。

 

六花「どうかしました?」

 

蒼生「いや、可愛いなっておもって。」

 

六花「え?」

 

蒼生「え?」

 

やばい。自爆してしまった。自分の体温が急上昇しているのがわかる。ロックを見ると、おなじく茹でだこの如く真赤になっていた。

 

蒼生「い、いや今のはそう言う意味じゃなくてなんていうか、その・・・」

 

六花「い、いえ。気にしていないので大丈夫です。」

 

蒼生「あ、あぁ。悪い。」

 

ロックに変な気を使わせてしまった。ちょっとだけ空気が変になるのを感じる。

 

蒼生「た、食べ終わったか?」

 

六花「は、はい。」

 

蒼生「じゃあ俺会計済ませて来る。」

 

六花「い、いや私も払います。」

 

蒼生「気にしなくていいよ。こういう時は男が払うって相場が決まってるんだよ。」

 

六花「・・・ごちそうさまです。」

 

しばらく考えていたようだったが、従うことにしたらしい。

 

蒼生「次はどこ行く?」

 

六花「そうですね。次は・・・」 

 

そこからの時間はあっという間だった。スーパーに行って晩御飯の食材を買ったり、肉屋さんに新米夫婦とからかわれ2人揃って顔を真っ赤にしたり、山吹ベーカリーのパンに舌鼓を打ったりしてた。

そして、

 

蒼生「もう遅いしこの辺りでお開きにしようか?」

 

六花「あ、あの、最後に一つだけ寄りたい場所があるんですけど。」 

 

〜5分後〜

 

六花「ここです。」

 

蒼生「公園?」

 

ロックに連れてこられたのは小さな公園だった。

 

蒼生「なんで公園なんだ?」

 

六花「ちょっと憧れてて。」

 

そう言ってロックは歩き始めた。そしてブランコに腰をかけると、

 

六花「蒼生さんも。」

 

と言うので隣のブランコに腰をかける。

 

蒼生「なるほど。確かにちょっと良いかもな。」

 

六花「ですよね。・・・あの蒼生さん、少しお話しても良いですか?」

 

蒼生「話?全然良いけど?」

 

六花「ありがとうございます。・・・蒼生さんは私達が初めて会った日のことを覚えてますか?」

 

蒼生「あぁ。ライブでの共演だよな。」

 

六花「はい。お互いの音に惹かれて、ギターの話をよくするようになって、それ以外の話もするようになって、そうしているうちに蒼生さんの音だけじゃくて蒼生さん自身に惹かれているのに気がついたんです。」

 

蒼生「え?」

 

今、なんて言ったんだ?

 

六花「ただ話してるだけで楽しくて。誰にでも優しくて、ギターも上手で・・・えっと、その、」

 

そしてひと呼吸おいて何かを決意した顔になって、

 

六花「す、好きです!」

 

蒼生「!!」

 

六花「蒼生さんのこと、ずっと好きでした。」

 

蒼生「・・・」

 

六花「・・・蒼生さん?」

 

蒼生「ロック。」

 

六花「は、はい。」

 

蒼生「俺、最初な。こんな小柄な娘があんな力強くて痺れる演奏ができる、そのギャップとギターの腕に惹かれた。でもな色々話して朝日六花という人を知っていく度胸にある違和感が訪れたんだ。」

 

六花「違和感?」

 

蒼生「俺も、最初は気のせいだとおもってた。でも徐々に確信していったよ。この気持ちは・・・恋なんだって。」

 

六花「え?」

 

蒼生「俺、俺はな、ロック、いや朝日六花、お前の事が好きだ!」

 

六花「・・・うっ」

 

蒼生「ロック!?なんで泣いて・・・」

 

六花「ごめんなさい、嬉しくて。ずっと両思いだったんですね。」

 

蒼生「あぁそうだな。・・・なぁロック。その、なんだ。俺と付き合ってくれないか?」

 

そしてロックは涙を拭いて満面の笑みで

 

六花「はい!」

 

そうして六花は目を閉じて背伸びをしてきた。

 

蒼生「ろ、ロック!?・・・良いのか?」

 

無言で頷く。そして俺は少し屈んでロックの唇に意識が吸い寄せられる。

そして夕日が移す二人の陰が1つになった。




どうだったでしょうか。

若干展開が早い気もしますが、長めにイチャイチャさせたいのでw
次回もオリジナルになると思います5話はその次ですかね。

感想&評価お待ちしています。


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目の前の花は何よりも甘くて

藤井 悠です。

ガルパの大型アップデートに備えてスターを貯めていますが、間に合う気がしません(涙)

それでは本編どうぞ。


俺は公園を出たあと、もう空は暗くなっていたので六花を家まで送る事にした。

 

蒼生「ロック。その、ごめんな。」

 

六花「え?どうしてですか?」

 

蒼生「告白ってさ、男の方からするもんだろ?」

 

六花「気にしないで下さい。私がしたかっただけなので。」

 

・・・いい娘過ぎるでしょこの娘。こんな娘に好かれるって俺って恵まれてるな〜。

 

六花「あの、蒼生さん。」

 

蒼生「ん?どうした?」

 

六花「えっと、本当に私で良かったんですか?」

 

蒼生「どういう事だ?」

 

六花「私から告白しておいて失礼ですけど、蒼生さんの周りには私よりも魅力的なの人が沢山いるじゃないですか。それでも私で良いのかなって。」

 

蒼生「・・・はぁ。」

 

六花「あ、蒼生さん?」

 

蒼生「あのな、ロック。さっきも言ったけど俺はロックを好きになったんだぞ?ロックは他の奴らの方が魅力があるって思ってても俺にとってはロックが一番だぞ?」

 

六花「えへへ〜」

 

蒼生「ロック?」

 

なんかロックが緩んだ顔で二ペ〜っとしてるんだがどうしたんだろう?

 

六花「すいません。幸せで〜」

 

蒼生「フフ、そうか。・・・ありがとな。」

 

六花「どうしてですか?」

 

蒼生「もし六花が告白してくれてなかったら、今感じてる幸福感はお互い無かっただろうからな。」

 

六花「じゃあ蒼生さんも幸せでですか?」

 

蒼生「さっき言っただろ・・・あぁ幸せだよ。あと、その。」

 

六花「??」

 

蒼生「す、好きだぞ。六花の事///」

 

六花「え?あ、えーと、その・・・わ、私もす、好きです///」

 

2人で初々しさ満点の会話をしているとロックが住む旭湯に着いた。

 

蒼生「あ、着いちゃったな。」

 

六花「そ、そうですね・・・」

 

蒼生「・・・」

 

寂しいけど楽しい時間とは過ぎ去ってしまうものだそれにまた明日学校で会って話せば良い。

 

蒼生「またな、ロック。また明日。」

 

そう言って別れを告げ自分の帰路に着こうとすると何かに袖を引っ張られた。見てみるとロックが俺の袖を掴んでいたのだ。

 

蒼生「ロック?」

 

六花「・・・たくありません。」

 

蒼生「え?」

 

六花「離れたくありません!折角お互いの気持ちも分かって、幸せで!だから、その・・・まだ蒼生さんと一緒に居たいです!」

 

蒼生「ロック・・・」

 

・・・俺だって一緒に居たい。まだこの幸せを噛みしめていたい。ロックに言わせてばかりじゃ駄目だ。俺もなにか考えないと。

・・・そうだ!

 

蒼生「なぁロック?旭湯って何時まで開いてる?」

 

六花「え?あと1時間半くらいです。」

 

蒼生「そうか。じゃあ風呂入ってから帰ろっかな。」

 

六花「え?」

 

蒼生「だから旭湯で風呂入ってくよ。良い?」

 

六花「はい!」

 

ロックの顔に笑顔が戻った。早めに風呂切り上げてロックと話す時間増やさないとな。

 

六花「叔母さん、戻りました。」

 

六花叔母「お帰り六花ちゃん。そっちの人は?」

 

六花「え、えっと・・・」

 

蒼生「こんばんは。お風呂入らせにもらいに来たんですけど。」

 

六花叔母「そうかい、ゆっくりしてくと良いよ。」

 

蒼生「ありがとうございます。」

 

チラッとロックを見るとホッとした顔をしていた。やっぱり恋人同士とは言いにくいのだろう。

 

六花「ご案内します。」

 

蒼生「ああ、ありがとう。」

 

〜20分後〜

 

蒼生「ふう、いい湯だった。」

 

六花「蒼生さん、お風呂どうでしたか?」

 

蒼生「すげぇいい湯だったよ。また来よっかな。」

 

六花「本当ですか!ぜひ来てください!」

 

六花叔母「六花ちゃん嬉しそうだね。」

 

蒼生「どうも、とても良いお湯でした。」

 

六花叔母「ありがとね。またいつでも来なよ。所で六花ちゃんとはどういう関係?」

 

六花「え、あの、その///」

 

そんなに顔赤くしたらほぼ答え言ってるようなものだ。

もう隠しようもないので正直に言うことにした。 

 

蒼生「その、六花さんとはお付き合いさせて頂いてます。」

 

六花叔母「そうなのかい、六花ちゃん?」

 

六花「は、はい。」

 

六花叔母「そうかいそうかい。どうか六花ちゃんの事、大事にしてやってね。」

 

蒼生「はい!」

 

六花叔母「ところで六花ちゃんとはどこまで行ったんだい?」

 

六花「な、何を聞いてるんですか!?」

 

蒼生「そうですよ、まだ付き合って間もないんですから。」

 

六花叔母「そうかい、六花ちゃん、ちゃんと親にも報告するんだよ?」

 

六花「わ、わかりました。」

 

六花叔母「そうだ、掃除は私がやっておくから彼氏さんを部屋に上げておやり。」

 

六花「え、でも・・・」

 

六花叔母「彼氏さんも居るんだし今日くらい良いよ。」

 

六花「あ、ありがとうございます。」

 

蒼生「ありがとうございます。」

 

そして俺はロックをに自室に案内してもらう。

 

六花「何もない所ですけど、どうぞ。」

 

蒼生「ありがとう。お邪魔します。」

 

そして俺はロックが用意してくれたクッションに座る。

 

蒼生「ん?ロック座らないのか?」

 

六花「私は、その・・・ここに。」

 

そしてロックは俺の横に座ると、ん?俺の横?

 

蒼生「ロック?」

 

六花「あの、駄目ですか?」

 

蒼生「いや、だめじゃないよ。ちょっとビックリしただけ。」

 

六花「そうですか・・・あの、蒼生さん。」

 

蒼生「何?」

 

六花「ちょっとだけ甘えても良いですか?」

 

蒼生「勿論だよ。おいで。」

 

するとロックは俺の腕に抱きついて頬ずりしてきた。

俺もロックの頭を撫でてやると、

 

六花「はぅ〜」

 

こんなの我慢できねぇ!理性のリミッターが外れちまう。

 

六花「でらたまらん〜。」

 

たまらんのは俺だよ!何この娘、抱きしめたくなるじゃねえか。

 

六花「キャ!」

 

蒼生「え?」

 

いつの間にか俺とロックは抱き合っていた。どうやら思ってた事が行動に無意識に出てしまったらしい。

 

蒼生「ご、ごめん今離すから。」

 

するとロックは俺の体に手を回して来た。

 

六花「もうちょっとだけ・・・駄目ですか?」

ゼロ距離&上目遣いで聞いてくる。これで駄目って言えるか?否、いないだろう。

俺は肯定をする代わりに抱きしめる力を少し強くした。

 

六花「ん///えへへ。ありがとうございます♪」

 

蒼生「こちらこそ。・・・ロック」

 

六花「はい?ってえぇ!?」

 

俺はロックの顔に自分の顔を近づけた。わかりやすく言うとキスをしようとしていた。

六花も目を瞑りこちらに顔を近づけてくる。

そして後数ミリで距離がゼロになるという所で、

 

プルルルルルルル

 

蒼生・六花「「うわぁ!?」」

 

どうやら俺の電話が鳴ってしまったらしい。 母親が帰りが遅いから心配してかけてきたと思うのだが、空気を読んでほしかった・・・

とりあえず電話に出てもうすぐ帰る事だけ伝えると電話を切り、

 

蒼生「ごめんロック、そろそろ時間が・・・」

 

六花「そうですか・・・また明日学校で会いましょう。」

 

蒼生「じゃあ、お邪魔しました。」

 

六花「あ、ちょっと待って下さい。」

 

蒼生「どうし・・んん///」

 

突然ロックに唇を唇で塞がれた。

 

六花「あの、さっきは出来なかったので・・・」

 

蒼生「あ、ああ。ありがとう・・・お休み。」

 

六花「はい。お休みなさい。」

 

そして家に帰って就寝しようとしたが今日の濃過ぎる出来事に寝るのに1時間費やしたのであった。




どうだったでしょうか。

次回は5話のパスパレ会です。実はこれアニメ10話を見た後に書きました。
めちゃくちゃ泣きそうです。

感想&評価お待ちしています。


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夢見るアイドルと蒼い風

藤井 悠です。

アニメ5話で書いていきます。

それでは本編どうぞ。


今日はパスパレの練習日だ。パスパレの練習は、何回か見ているので最初の緊張は無くなった。

全員揃うことは少ないが、一応全員との交流はある。ファンとしてはこれ以上嬉しいことはない。

ちなみに昨日まりなさんから連絡があり、パスパレが【WIF】に出るとの報告が入った。

規模としては結構大きなイベントの筈だ。パスパレとしてはここでは成功しておきたい所だろう。

そしてここで披露する曲はゆら・ゆらRing-Dong-Danceだ。彩さんと千聖さんのツインボーカル曲である。この曲は千聖さんがベースを弾きながら歌わなければならない。これはギター&ボーカルをやっていたからわかる事だがかなり難しいことだ。

なので今は千聖さんにはベースだけやってもらい、千聖さんのパートは俺が歌って彩さんに雰囲気を掴ませるようにしている。

 

蒼生「ふぅ、ちょっと休憩にしましょうか。」

 

麻弥「はい。蒼生さんもお疲れ様です。」

 

千聖「ごめんなさいね、ほんとうは私が歌わないといけないのだけれど。」

 

蒼生「気にしないで下さい。今はベースの状態を上げることが最優先です。そういえば日菜さん。最後の演奏、ちょっと走りがちでしたので気をつけてください。」

 

日菜「オッケー。それにしても蒼生くんの歌、るん♪ってくるよね〜。」

 

彩「うん。凄く合わせやすいし歌唱力も高いし。弾き語りしてたからかな?」

 

蒼生「多分そうだと思います。歌うこと自体は好きなので。」

 

ちなみにポピパ以外には俺が過去にバンドをしてた話はしていない。別に隠す気はないのだが、わざわざ言う事でもないので言わない事にした。

ふと千聖さんの方を見ると少し暗い表情をしていた。やはり、ボーカルの事も考えているのだろう。

 

蒼生「千聖さん、大丈夫ですよ。まだWIFには時間があります。確実に仕上げていきましょう。」

 

千聖「・・・ええ。」

 

千聖さん大丈夫かな?そういえばなぜ俺がパスパレのメンバーだけ名前呼びかというと、日菜さんが姉の方と紛らわしくなるから名前で良いの言ってくれたのだ。すると他のみんなが日菜さんだけだと変だからとみんなが名前呼びを許可してくれた。

 

千聖「私、次の現場があるので先に失礼します。」

 

日菜「おつかれ〜」

 

麻弥「お疲れ様です。」

 

彩「次の現場も頑張ってね。」

 

千聖「ええ、ありがとう。」

 

そう言って千聖さんは次の現場へと向かった。

 

蒼生「じゃあ俺達もそろそろ始めましょうか。」

 

「「「「はい!」」」」

 

〜2時間後〜

 

蒼生「今日はここまでですかね。お疲れ様でした。」

 

麻弥「お疲れ様でした。またよろしくお願いします。」

 

日菜「またるん♪ってしようねー。」

 

イヴ「お待ちしています!」

 

蒼生「ありがとうございます・・・彩さん?」

 

彩「え?な、何?」

 

蒼生「ボーっとしてましたけど大丈夫ですか?」

 

彩「う、うんちょっと考え事してただけだよ。」

 

蒼生「それなら良いんですけど。それじゃあ今日言ったところは各々自主練しておいてください。お疲れ様でした。」

 

そして俺はCIRCLEを出る。

 

蒼生「だいぶ汗かいたな。」

 

誰かと合わせて歌うことはバンド以来なので結構意識することが多くて結構体力を使う。その為かなり汗がでるのだが・・・というのは口実で本当は、

 

〜20分後〜

 

六花「いらっしゃいませ。あ!蒼生さん」

 

蒼生「よぉロック。」

 

六花「結構汗かいてますね。またサポーターの仕事ですか?」

 

蒼生「ああ、だから入らせにもらいに来た。」

 

六花「どうぞ、ごゆっくり。」

 

そして俺は脱衣所に向かう。俺が旭湯に来た理由。汗を流したいのはウソではないのだがロックに会いたいのでつい来てしまうのだ。付き合い始めてからだいぶ依存してしまってる気がする。嫌な気分にさせないように気をつけないとな。

 

〜20分後〜

 

俺は風呂を済ませ脱衣所を出ると、ロックは休憩中なのか椅子に座って扇風機の風に当たっていた。

そして俺に気づいたロックは俺に隣に座るよう、促すと

 

六花「最近よく来られますけどなにかありましたか?」

 

蒼生「いや、大丈夫だよ。実はね・・・」

 

そして俺はパスパレで千聖さんの代わりに歌っていることを話した。

 

六花「パスパレさんと一緒に歌ったんですか?すごいじゃないですか!」

 

蒼生「ああ、俺もそう思うよ。会って話してるだけでも奇跡に近いのにな。」

 

六花「蒼生さんって実は結構凄いこと任されてたんですね。」

 

それは仕事をやっていて実感している。同時に5つのバンドのサポートをする、特にRoseliaの様な実力派やパスパレの様に芸能界で活動している人達を見るという事は責任重大だし、それぞれのバンドの特徴を元にアドバイスをしないといけないので結構大変なのである。

 

六花「蒼生さん、疲れてませんか?」

 

蒼生「大丈夫。ちゃんと寝てるし適度に休憩もしてるから。ロックこそ疲れてないか?」

 

六花「私も大丈夫です。忙しくなるのは朝と夜だけが殆どですし、その・・・」

 

蒼生「その?」

 

と聞くと俺に耳打ちで

 

六花「あ、蒼生さんに会えるので///」 

 

蒼生「///そ、そうか。あ、ありがとな。」

 

と言ってロックの頭を撫でる。今は周りに客も居ないから大丈夫だろう。

 

六花「もっとお願いします〜。」

 

すると六花は蕩けた声で頭を俺の方に寄りかからせた。

 

蒼生「ああ、いくらでも。」

 

そして片方の腕で抱き寄せてもう片方の腕で頭を撫でていると、

 

六花「あの、蒼生さん。」

 

蒼生「ん?なんだ?」

 

六花「さっき千聖さんにベースに集中してほしいから蒼生さんが歌ってるって言ってたじゃないですか。あ、撫でるのはやめないでください。」

 

蒼生「え?ああ、ごめん。」

 

六花「えへへ〜。そ、それでですね、確かに弾きながら歌うのは難しいですからその練習方法はいいと思いますけど全員揃うのは少ないみたいですしWIFまでの期間も考えるとそろそろボーカルの練習もした方がいいのかなって。」

 

蒼生「確かにそれはある。でもな、最近気づいた事なんだが、千聖さんが練習に来るときは前に来たときの修正点はほぼ完璧にしてくるんだ。多分皆に隠れて練習してるんだと思う。」

 

六花「何で隠れてなんでしょう?」

 

蒼生「多分プライド的な問題だろうな。」

 

六花「大変ですね。」

 

蒼生「ああ全くそう思うよ。」

 

六花「はい・・・あの蒼生さん。ちょっとお願いがあるんですけど。」

 

蒼生「ん?どうした?」

 

六花「その、蒼生さんの頭を撫でてみたいです///」

 

不安そうな子猫の様な目で俺にお願いをしてくる。というか俺の頭を撫でたい?何この娘?天使なの?

 

六花「駄目ですか?」

 

蒼生「そんなことないよ。ほら。」

 

するとロックは手を伸ばし俺の頭をなで始めた。俺は撫でるのをやめてないので撫であってる形になる。

 

蒼生「ど、どうだ?」

 

六花「髪の毛、柔らかいです。いつも手でかき上げただけで髪型が変わるのでもっと硬いかと思ってました。」

 

蒼生「そっか。ロックの髪の毛もすべすべで気持ちいな。」

 

六花「え?そ、そうですか?その、ありがとうございます///」

 

と言って六花の顔が幸せそうに蕩ける。これを見て俺が1つだけ思ったことがある。

可愛いな!こんちくしょう!

 

六花「その、蒼生さん///」

 

そう言って目を瞑り顔を俺に近づけてくる。俺もそれに応える様に顔を近づけ、

 

六花「ん///」

 

そしてそのまま撫でていた手を離し抱きしめた。六花も俺を抱きしめる。最近ロックからのキス要求が増えた気がする。恋愛にも慣れてきた証拠だろうが、肝心の俺は心臓バクバクで全く慣れなんて物はやって来ない。

 

六花「んん///ぷはぁ。」

 

蒼生「ロック。」

 

六花「はい?きゃあ!」

 

そして強めに抱きしめる。なにがぷはぁだよ。可愛い過ぎるだろ。

 

六花「えへへ〜蒼生さん〜。でら嬉しい〜」

 

蒼生「ああ、俺も嬉しいよ。」

 

そしてしばらく俺たちは抱き合ってたのだった。

 

 




どうだったでしょうか?

すみません昨日は体調悪くて出せませんでした。皆さんも体調管理は大事にしてください。

感想&評価お待ちしています。


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仲間の大切さ

藤井 悠です。

昨日出せなかったぶん今日は2話投稿します。

それでは本編どうぞ。


六花「それではまたいらして下さい。」

 

蒼生「ああ、また来るよ。」

 

と言い、ほんの一瞬口付けを交わすと俺は旭湯を出た。

 

蒼生「山吹ベーカリーでも寄って行こうかな。」

 

小腹が空いたので山吹ベーカリーに行こうとすると見知った人影に会った。

 

蒼生「あれ?千聖さん?」

 

千聖「あ、蒼生くん!?どうしてここに?」

 

蒼生「山吹ベーカリーに行こうと思って。それより千聖さんこそどうしてここに?現場があるのでは?」

 

千聖「それは、その・・・」

 

なんだろう言い辛いことなのだろうか?ん?よく見ると千里の顔には所々の汗が見られる。最近暑くなってきたがまだ汗をかくような気温ではないはずだ。

 

蒼生「もしかしてベースの練習してました?」

 

千聖「!!え、ええ。・・・蒼生くん、お願いがあるんだけど。」

 

蒼生「パスパレの皆に言って欲しくないんですね?」

 

千聖「えぇ。お願いできるかしら?」

 

蒼生「分かりました。でもあまりオススメはしませんよ?」

 

千聖「分かってるわ。少しの間だけでいいわ。」

 

俺は無言で頷くと千聖さんは満足そうに俺に背を向けた。

俺は千聖さんにはああ言った物の心の中の不安は消えなかった。

 

〜翌日〜

 

イヴ「賄賂です!」

 

蒼生「賄賂ねぇ・・・」

 

部屋にイヴさんが入ってきて、今日の昼に千聖さんが花園に何かを渡してるのを見たと言う。

そのタイミングで、

 

千聖「おはようございます。」

 

蒼生「ち、千聖さん!?」

 

千聖「どうしたの?」

 

イヴ「あ、あの、その、拙者これにてドロンします!!」

 

そしてソファーの下に隠れようとするが日菜さんに捕獲されてしまう。

そうしている間に麻弥さんと俺で訳を説明すると、

 

千聖「お菓子をあげただけよ。」

 

と言われてしまう。明らかに疑わしいが言ったら言ったでグループ内分裂になりかねない。ここは抑えておこう。

 

蒼生「じゃあそろそろ始めましょうか。」

 

ここは話を切り替えるのが最善の策と判断し、練習を開始した。

 

しばらく練習すると彩さんが、

 

彩「千聖ちゃん。良かったら本番みたいにに練習しない?」

 

千聖「え?」

 

この答えにおそらく千聖さんはイエスとは答えないだろう。今は自分のベースをは仕上げたがっているし、その為に隠れて練習までしているのだ。

 

彩「やっぱり2人で歌う曲だから、大変だったら歌だけでも・・・」

 

千聖「それじゃあ本番みたいにならないわ。」

 

彩「でも私、千聖ちゃんと・・・」

 

千聖「嫌よ!!」

 

ついに感情が爆発してしまった。お互いに思う所があり、すれ違ってしまったのだろう。

 

千聖「ご、ごめんなさい。今のは・・・」

 

彩「ううん。私、顔洗って来るね。」

 

そう言い彩さんは走って部屋を出てしまった。その後をイヴさんと麻弥さんが追う。

 

日菜「あーらら」

 

千聖「・・・私、撮影に戻らなきゃ。」

 

蒼生「・・・千聖さん。」

 

千聖「何?」

 

蒼生「その、何というか、彩さんも千聖さんとパスパレを思って行動してたんです。それだけは分かってあげてください。」

 

千聖「えぇ、分かってるわ。」

 

〜数日後〜

 

麻弥「凄い雨ですねぇ。」

 

イヴ「アヤさん、練習来てくれるでしょうか?」

 

日菜「ズル休みはしないんじゃない?仕事だし。」

 

イヴ「このままじゃ駄目です。すれ違い続けてたら離れて行ってしまいます。なんとかしたいです。」

 

麻弥「ジブンも彩さんや千聖さんにはお世話になってるので、こんなとき何が出来るか分かりませんが。」

 

2人が言うことはよく分かる。俺もそれでWild Babyと離れてしまったのだから。

 

イヴ「麻弥さんは沢山支えてくれます。」

 

日菜「うん。麻弥ちゃんは一番音安定してるし、頼りにしてるよ。」

 

麻弥「そうですか?フヘヘ。ではジブンは演奏でパスパレを支えます。」

 

イヴ「私も、パスパレの真を見せます!」

 

日菜「まあ、5人揃ってないと面白くないしね。」

 

こうして全員が仲間のことを思っている限りはメンバー壊滅はあり得ないだろう。そしてちゃんと見えてさえすれば・・・

 

部屋に入ると彩さんが声出しをしていた。

 

蒼生「早!?」

 

理由を聞くと自分ができていないから千聖さんが歌ってくれないと考えたかららしい。

 

蒼生「彩さん。」

 

彩「何?」

 

蒼井「千聖さんは本当は歌いたいんですよ。あんなに必死に自分の気持ちを訴えかけるのも、WIFやパスパレに対する思いがあるからですよ。」

 

麻弥「ジブンもそう思います。じゃなかったらベースの弦があんなにくたびれるまで練習しませんよ。」

 

彩「日菜ちゃん、麻弥ちゃん、イヴちゃん、蒼生くん。行ってくる!」

 

そして彩さんは颯爽と外へ駆け出した。

 

蒼生「皆さんも行ってあげてください。これはみなさんの問題です。これ以上俺が出る幕はないですよ。」

 

麻弥「そうですね。すみません、失礼します。」

 

イヴ「私も、出陣です!」

 

日菜「じゃあ行ってくるね。」

 

〜WIF当日〜

 

あの後皆は仲良く戻ってきて、ほぼ完璧な上体にゆら・ゆらRing-Dong-Danceを仕上げた。

 

蒼生「じゃあまた後で、」

 

千聖「ええ、じゃあ皆行くわよ。」

 

「「「「おーー」」」」

 

そしてWIFは成功しパスパレの絆も深まったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・俺もこういうふうにできたのかな?




どうだったでしょうか?

次回はAfterglow回です六花も出てくるので張り切ります!

感想&評価お待ちしています。


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夕焼けに思いを馳せて

藤井 悠です。

ガルパ第二シーズンにRASが実装される事を願ってます。 

それでは本編どうぞ。


 

蒼生「ゴーフェス?」

 

六花「はい!商店街でのお祭りらしいんですけど。ポピパさんも出てくれるみたいで。」

 

蒼生「そりゃ良かったな。でも何で俺に報告したんだ?」

 

六花「はい。実は蒼生さんにお願いがあって。」

 

蒼生「お願い?」

 

六花「ゴーフェスでのライブに出てくれませんか?出演枠と時間外余っちゃうみたいなので。」

 

蒼生「・・・分かった。時間は?」

 

六花「2曲分くらいです。」

 

蒼生「分かった・・・それでさ、ロック。」

 

六花「はい、何ですか?」

 

蒼生「その・・・ゴーフェスさ、時間が合ったら一緒に回らないか?」

 

六花「はい!」

 

蒼生「ありがとう。じゃあまた後でな。」ギュッ

 

六花「はい、こちらこそありがとうございます。」ギュッ

 

少しの間ハグをすると、俺は旭湯を出る。

 

〜翌日〜

 

蘭「巴、ちょっと走りすぎ。」

 

巴「ゴーフェスが楽しみ過ぎてさぁ。」

 

聞けば宇田川は毎年この祭りで和太鼓をしているらしい。本人が好きでやってる事らしいので楽しみなのだろう。

 

つぐみ「そろそろ、山吹ベーカリー閉まっちゃうんじゃない?」

 

モカ「は!?パンが食べられない人生なんて〜。」

 

蒼生「急げ!!パンは待ってくれないぞ!」

 

蘭「分かってる、早く行こ。」

 

〜30分後〜

 

モカ・蒼生「おいひ〜」

 

つぐみ「なんか、二人共仲いいね。」

 

蒼生「パンの事だけだよ。」

 

モカ「パン好きに悪い人はいないよ〜。」

 

結局俺達はパンで繋がってるだけだ。しかし1つ、この2人の仲で大きな事が起こっているのだ。それは・・・

山吹ベーカリーのパンの9割が俺と青葉の手の中に収められたことである。

 

つぐみ「あ、ここにステージ組むんだって。」

 

蒼生「へぇ。」

 

これに限っては俺もただ事ではない。俺もこのステージで弾き語りをする以上俺もステージの雰囲気は知っておきたい。

 

蘭「そういえば今回は神風もやるんだ?」

 

蒼生「ああ、何気に久しぶりかもな。」

 

ひまり「弾き語りだっけ?」

 

巴「どれくらいやってるんだ?」

 

蒼生「この街に来てからだよ。引っ越す前でもギターはやってたけどな。」

 

つぐみ「バンド組んでたの?」

 

蒼生「まあそんなとこだ。」

 

ひまり「じゃあ蒼生も含めて、皆頑張ろーね。せーの、えい、えい、おー!」

 

「「「「「・・・」」」」」

 

ひまり「えー。巴と蒼生はやってくれると思ったのに。」

 

巴「ここはいつも通りで。」

 

蒼生「俺はそんなガラじゃないし。」

 

モカ「ひーちゃんひまってる〜。」

 

そして皆で笑い飛ばしていた。その雰囲気がどことなくWild Babyと似ている。ということはAfterglowも俺達みたいな言い争いがあったのだろうか?だとしたらどうやって乗り越えたのだろう?

 

巴「蒼生?どうした、ボーッとして。」

 

蒼生「いや、なんでもねえ。ちょっと久しぶりの弾き語りだから緊張しちゃってさ。」

 

モカ「無理ならうちらの時間にしても良いんだよ〜。」

 

蒼生「それは100%ないから大丈夫だ。」

 

そして俺達はそれぞれ帰路についた。

 

 

〜ゴーフェス当日〜

 

蒼生「思ってたより大規模なんだな。」

 

六花「そうですね。賑やかですし屋台の数も豊富ですね。」

 

現在俺は六花と商店街を回っている。やはり商店街全体のイベントだけあってかなり血気盛んである。

一番印象に残ったのが北沢精肉店の前でのハロハピのライブなのだが、弦巻がボールに乗りながらコロッケでお手玉という超人テクを披露していたのだ。一応コロッケは買って行ったのだが内心コロッケどころではなかったのだ。

 

六花「そういえば蒼生さんの出番は最後ですよね?」

 

蒼生「ああ、だからそれまではゆっくりできるよ。」

 

六花「本当ですか?」

 

蒼生「勿論だよ。」

 

六花「じゃあ、その・・・手、繋ぎませんか?」

 

蒼生「いいよ。ほら、手出して?」

 

そして俺らは指と指を絡め合う。恋人繋ぎというやつだ。

 

蒼生「じゃあ行くか。」

 

六花「はい!・・・あれ?」

 

蒼生「どうした?・・・ん?」

 

ここで空を見上げるとポツリポツリと雨が振り始めていた。

 

蒼生「おい。これステージまずくないか?」

 

六花「そうですね。急いだ方がいいかもしれません。」

 

そしてステージに向かうと案の定ポピパとAfterglowが機材を運び回っていた。

途中から俺とロックが加勢したことである程度早めに仕事は終わったが雨が止む気配は無かった。

 

沙綾「雨が、止むかな?」

 

りみ「一応、夕方には止むって予報にはなってるけど。」

 

つぐみ「良かったらこれ使って?」

 

一方羽沢は皆にタオルを配って回っていた。俺達がありがたく使わせてもらっていると、

 

沙綾「もしかして、Afterglowって野外ライブ慣れてる?」

 

つぐみ「そんなことないよ。」

 

ひまり「今慌ててもどうにもならないからね。」

 

蘭「何があってもいつも通りやるだけ。」

 

六花「・・・Afterglowさんはなんでバンド組んだんですか?」

 

巴「私達は腐れ縁っていうか、幼馴染でさ、」

 

Afterglowは全員が離れ離れにならないように結成されたバンドらしい。中学の時、美竹だけが違うクラスになってしまい、全員で一緒にいられる時間が少なくなったのがキッカケらしい。

 

蒼生「・・・なるほど。それがお前達がいつも通りを大切にする理由か。」

 

巴「まあそういう事だな。」

 

六花「素敵です!」

 

蒼生「ああ、俺もそう思う。・・・お?皆、外見てみろよ。」

 

香澄「晴れてる!」

 

りみ「でもステージが・・・」

 

巴「モップあったよな?」

 

つぐみ「うん、商店街の倉庫に。」

 

蒼生「じゃあステージの掃除はAfterglowに任せて俺達は機材運ぶぞ!」

 

〜20分後〜

 

有咲「重!」

 

香澄「一回休もう。」

 

そうして一回全員が止まる。

 

六花「私が!」

 

そう言うとロックはアンプの下に潜り込み持ち上げようとする。

 

香澄・沙綾「ロック!?」

 

有咲「おい、危ねえって!」

 

りみ「ロックちゃん!?」

 

蒼生「・・・はぁ、しゃあねえか。」

 

そして俺もアンプの下にはいると

 

蒼生「ったく、無茶すんじゃねえよ。」

 

六花「蒼生さん・・・」

 

蒼生「ポピパは横から頼む。行くぞ!」

 

そして10分後に俺達は無事にステージにすべての機材と掃除が終わった。

 

蘭「晴れたね。」

 

巴「お守りのおかげかもな。」

 

つぐみ「あ、私も持ってるよ。」

 

モカ「えも〜い」

 

ひまり「ん〜盛り上がってきたね。皆、頑張ろうね!えい、えい、おー」

 

「「「「・・・」」」」

 

ひまり「えー、こんないい雰囲気の時もやってくれないのー。」

 

蘭「これも、いつも通り。」

 

そしてAfterglowはステージに出ていきY.O.L.Oを演奏したが、時間の都合上、人グループ1つだけになってしまったのだ。

しかしその一曲でAfterglowの今までの時間が見えてくる感覚に誘われた。

 

蘭「ありがとうございました!」

 

そしてAfterglowが戻ってきた。

 

六花「それじゃあポピパさん、お願いします。」

 

香澄「はい!」

 

沙綾「行ってくるね、ロック。」

 

りみ「ロックちゃん、ありがとう。」

 

六花「??」

 

蒼生「フフ。」

 

六花「え?蒼生さん?今のありがとうございましたってどういう意味ですか?」

 

蒼生「つまり、そういうことさ・・・」

 

六花「はい?」

 

一回言ってみたかったんだこのセリフ。

 

蒼生「まあすぐ分かるよ。」

 

六花「えっと、はい。」

 

そしてポピパのHappy Happy Party!が終わる。

 

香澄「ここでお知らせです!poppin'partyの主催ライブは商店街のライブハウス、Galaxyでやることになりました!」

 

六花「え!?聞いてません!」

 

有咲「言ってねえし。」

 

りみ「びっくりさせたくて。」 

 

六花「サプライズ過ぎます〜。」

 

そう、ポピパはGalaxyでライブをする事になったのだ。ロックには内緒にしたいから言わないでくれと頼まれていたのだ。

そしていよいよ俺の番になった。

 

六花「じゃあ、お願いします。」

 

蒼生「おうよ。」

 

そしてステージの前に立つ。前の2グループが残した熱をまだ感じる。

 

蒼生「神風 蒼生です。早速ですが行きたいと思います。・・・『ロキ』」

 

そしてギター一本で俺はロキを歌い始める。エレキで弾き語りをするにはもってこいの曲なのだ。サビに差し掛かると観客の熱さが激しくなるのを感じる。そして感想、ここはギターだけなのでギターテクが物を言う。ここは指弾きに変えて速弾きにすることで繊細な音を出す。そしてラストを歌い終わる頃には俺も客も最高のテンションと熱さで終わることができた。

 

蒼生「ありがとうございました!」

 

そしてその後全員出てきて

 

「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」

 

全員で挨拶する頃にはゴーフェスは終わる時間となっていた。

そして今俺は六花と帰宅している。

 

六花「あの、蒼生さん。」

 

蒼生「ん?どうした?」

 

六花「アンプを運ぶとき、手伝ってくれてありがとうございました。」

 

蒼生「いいよいいよ。俺が勝手に手伝ったんだし。六花こそ無理しないでくれよ?」

 

六花「はい・・・そういえば蒼生さんの演奏、流石でした!」

 

蒼生「ありがとう。久しぶりだったけど楽しかったな。」

 

六花「私も早くメンバー集めなきゃ。」

 

蒼生「ああ、頑張れよ。・・・ロック、手出して?」

 

六花「はい、分かりました・・・あ、」

 

俺はロックの手を取るとそのまま恋人繋ぎにした。

 

蒼生「さっきは途中で終わっちゃったからさ。」

 

六花「そうですね。・・・えい!」

 

蒼生「うお!?ロック!?」

 

なんとロックは手を放しそのまま俺の腕に抱きついてきた。女の子の匂いやら柔らかさやらで頭がおかしくなりそうだった。

 

六花「すいません。昼間分も補給したかったので抱きついちゃったんですけど、駄目でしたか?」

 

蒼生「勿論いいよ。じゃあ行こっか。」

 

そして俺達は幸せな岐路を辿るのだった。




どうだったでしょうか。

次回は7話のナカナ イナ カナイです。話の持って行き方が思いつかない今日この頃です。

感想&評価お待ちしています。


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ナカナ イナ カナイ

卒業式で号泣してしまった藤井 悠です

本日を持ち僕は義務教育の過程を終える事ができました。

それでは本編どうぞ。


 

今日は市ヶ谷家の蔵にきている。

 

香澄「主催ライブ会議〜。新曲作ります!」

 

蒼生「イメージは固まってんのか?」

 

香澄「まだだけど?」

 

蒼生「だろうな。出演バンドとやる日は?」

 

りみ「夏休みは?」

 

香澄「こころん旅行だってー。」

 

たえ「千聖さんたち、6月なら空いてるって言ってた。」

 

香澄「パスパレ出てくれるの?」

 

有咲「てか凄くね?どんな交渉したんだ?」

 

たえ「秘密。」

 

んだよそれ、聞いてねえぞ。パスパレが出る?

・・・よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ

 

有咲「ん?どうした?そんなニヤニヤして。」

 

蒼生「いや、なんでもねえよ。じゃあ6月の後半がいいんじゃないか?」

 

香澄「じゃあここだね。」

 

そして戸山が指したのは6月の最後の休日の日だった。

 

蒼生「ああ、それがベストだな。・・・そういえば今年は花女と羽丘が合同文化祭するらしいな。」

 

りみ「そういえば、今年の文化祭でポピパ一周年だね。」

 

蒼生「へぇ〜。」

 

じゃあ結構最近組んだんだな。それであそこまで息を合わせられるのはかなり凄いと思う。

 

香澄「・・・ライブしたいね。」

 

たえ「一周年記念ライブ!」

 

有咲「ちょま、主催ライブは?」

 

香澄・たえ「どっちもやる!」

 

有咲「はぁ?」

 

蒼生「・・・俺はアリだと思うけどな。」

 

有咲「蒼生まで!なんでだよ!」

 

蒼生「文化祭はポピパの原点なんだろ?主催ライブをするにあたって、原点を思い出すのは大事だし、俺もアシストするから。」

 

沙綾「私もやりたい、かな。文化祭思い入れあるって言うか、今度は最初から出たいなって。」

 

有咲「・・・」

 

そして全員の視線が市ヶ谷に集中する。

 

有咲「だぁー、分かったよ!」

 

そして皆はセットリストやら新曲やらの話になる。同時進行は大変だが、ちゃんと計画していけば大丈夫だろう。

 

〜翌日〜

 

俺達はGalaxyに主催ライブの日程を予約しに行っていた。

 

六花「はい、週末の土曜ですね。」

 

蒼生「おいおいGalaxy大丈夫か?予定ガバガバだぞ?」

 

沙綾「でも平日は入ってるみたいだよ?」

 

六花「・・・あの、なんでGalaxyなんですか?私は嬉しいですが、他にも場所は・・・」

 

香澄「ロックがいるからだよ。」

 

沙綾「私達の事、よく分かってくれてるし。」

 

有咲「一度立ってるからイメージも掴みやすいしな。」

 

六花「えへ〜。」

 

有咲「ど、どうした?」

 

六花「幸せすぎて〜。」

 

蒼生「じゃあよろしく頼むな。・・・花園?」

 

ふと花園の方を見るとステージ上に置かれているドラムを見ていた。

 

たえ「・・・使い込まれてる。」

 

有咲「おーいおたえ、そろそろ行くぞ。」 

 

たえ「あ、うん。分かった。」

 

香澄「じゃあね〜ロック。」

 

沙綾「よろしくね?」

 

六花「はい!まかせてください。」

 

りみ「じゃあ主催ライブの練習頑張らないとね。」

 

有咲「じゃあ蔵戻るぞ〜。」

 

六花「ありがとうございました。・・・蒼生さん」

 

蒼生「ん?」

 

ロックは周りをキョロキョロした後、小さく手招きした。 

 

六花「蒼生さん。その、今誰も見てないので・・・」

 

蒼生「なるほど。分かった。」

 

そして俺はロックを抱き締めて頭を撫でる。

 

六花「はぁ〜幸せ〜〜。」

 

そしてロックも手を回してくる。

 

蒼生「ロックは甘えん坊だな。」

 

六花「う〜///でも蒼生さんが優しすぎるのがいけないんです。」

 

蒼生「はいはい。でもロックは特別だぞ?」

 

六花「じゃあ証明してくれますか?」

 

そういい目を閉じたロック。

 

蒼生「!!///」

 

俺はビックリしながらも、店長がこちらを見ていないことを確認して、そっと触れるだけのキスをする。

 

六花「ん///ありがとうございます〜。」

 

えへへ〜なんて笑いながらそう言ってくるロック。最後に俺はもうちょっと強めに抱きしめると

 

蒼生「じゃあそろそろ行くな。ポピパが待ってるだろうし。仕事頑張れよ。」

 

六花「はい!ありがとうございました。」

 

そして俺はGalaxyをあとにした。

・・・そして次の日プチ事件が起こった。

 

蒼生「合同バンド?」

 

日菜「そう!メンバーは集まったんだけどバラバラなメンバーだからアシストがいるかなーって思って。」

 

確かにメンバーは教えてもらったが、見事に違うバンドから集められている。

正直ポピパの事もあるし、悩んでいると。

 

日菜「んー、じゃあ何かるん♪ってすることがあればやってくれる?」

 

蒼生「るん♪って来ること?」

 

日菜「じゃあパスパレ全員のサインが入ったニューシングルは?」

 

蒼生「よし来た、引き受けましょう。」

 

物で釣られちゃしょうがない。何せ文化祭までの間のサポートでパスパレ全員のサイン入りシングルだぞ。

え?さっきポピパがあるからって言ってた?寝る時間でも何でも割いてやるわ(涙) 

 

日菜「じゃあよろしくねー。」

 

蒼生「分かりました。でもせめて曲だけは完成させといてくださいよ。」

 

オッケーと言うと日菜さんは走り去ってしまった。

 

その日の夜ポピパの練習を済ませて駅前を通ると、

 

蒼生「あれ?花園?」

 

俺より少し早めに蔵を出た花園がギターを取り出し何やら準備をしている。

 

蒼生「路上ライブか・・・」

 

花園は主催ライブまでに自分の腕を出切るだけ上げるため日々こうして路上ライブをしているのだろう。

そして花園が歌い始める。Time Lapseだ。ちらほらと通行人たちが足を止め、花園の演奏を聞いている。

 

たえ「ありがとうございました。」

 

そしてそのタイミングです花園のスマホが鳴る。

 

そしてその内容を確認したあと、花園が奏でたイントロは、

 

蒼生「・・・知らない曲だ。」

 

そして花園が歌い始めた。ゆったりとバラードのような曲調で歌われている。そしてしばらくすると1人の大人びた女性が花園の歌に入ってきた。花園はびっくりしていたが、構わず演奏を続ける。

 

蒼生「・・・あれ?」

 

考えてみればおかしい事が1つあった。俺は今花園が歌っている曲を知らない。俺はロック、アイドル、J-POPなど様々な曲を聴いている。その俺が知らないということはオリジナル曲なのだろうが、ならなぜ今入ってきた女の人はこの歌を歌えるんだ?しかし花園は花園で懐かしむ様な喜ぶ様な表情で歌っている。

 

蒼生「まあいっか。」

 

しかしこの歌の歌詞、別れを惜しまないで。という思いが込められた歌だが、それがどうしてもWild Babyの事を思い出してしまう。俺も元は路上ライブをしていて蓮に声をかけられたのだ。そしてこの歌の歌詞とWild Babyの最後がどうしても重なってしまう。そして気がつけば俺は一滴の涙を零していた。

そして演奏は終わり、花園とその女性はどこかへ走り去ってしまった。

・・・できる事ならもう一度会いたい。しかしあの喧嘩の原因は俺にあるのであって、オレから許しを乞う資格はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし心の何処かで諦めきれない自分が居るのを感じた。

 




どうだったでしょうか?

アニメに追い付かないように次回はオリジナル回で行こうと思います。

感想&評価お待ちしています。


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貴女と私はrock&crazy

藤井 悠です。

今回は出来るだけ甘くしたいと思います。

それでは本編どうぞ。


蒼生「ただいまー。」

 

俺は先程までポピパの主催ライブと文化祭ライブのアドバイスをしていた。いい時間になり今帰宅したのだが、

 

蒼生母「おかえり、蒼生。」

 

蒼生「どうした?出迎えなんて珍しいじゃないか?」

 

蒼生母「まあ、いいから入りなさいよ。」

 

そして半ば強引に俺は家の中に入らさせられた。そしてリビングには既に夕食の準備が出来ていた。

 

蒼生「何かあからさまに話がある雰囲気だな。」

 

蒼生母「まあ良いじゃない。とりあえず、食べましょうよ。」

 

蒼生「・・・ああ、分かった。」

 

正直乗り気はしない。こういう時は大体ろくでもない話を聞かされたりするからだ。

 

蒼生「じゃあ、いただきます。」

 

蒼生母「いただきます。」

 

蒼生「それで、話ってのはなんだ?」

 

蒼生母「まあ話っていう話でもないんだけどね。最近小耳に挟んだんだけど、アンタが最近女の子と手を繋いだりしながら歩いてるのを見たっていう情報を仕入れたから本当かな〜って思って。」

 

蒼生「・・・誰から聞いた?」

 

蒼生母「あら?その反応は図星なのかしら?」

 

蒼生「まずは質問に答えてくれ。」

 

蒼生母「近所の奥さんに聞いただけよ。」

 

蒼生「そうか。まあ結論から言うとその情報はあってるよ。」

 

蒼生母「本当に?アンタも隅に置けないわね〜。ところで相手って誰なのよ?」

 

蒼生「・・・ロックだよ。」

 

蒼生母「ロックちゃん?ロックちゃんも引っ越したのは知ってたけど同じところだったのね。・・・蒼生。」

 

蒼生「何?」

 

蒼生母「今度ロックちゃん連れてきて頂戴。久しぶりにあってみたいわ。」

 

蒼生「・・・良いけど変なこと言うなよ?」

 

蒼生母「それは保証できないわね〜。」

 

ったくこの母親は・・・

 

〜翌日〜

 

蒼生「ってことがあってさ。」

 

六花「蒼生さんのお母さんは相変わらずですね。」

 

蒼生「相変わらず過ぎて困るよ。それでさ、今日家来てくれない?」

 

六花「ええ!?今日ですか!?」

 

蒼生「嫌ならいいんだぞ?」

 

六花「いえ、ちょっとびっくりしただけです。私も蒼生さんの家行ってみたいです。」

 

蒼生「そうか、ありがとう。それで番台ってどれくらいで終わる?」

 

六花「後30分くらいです。」

 

蒼生「分かった。じゃあそのへんで待ってるな。」

 

六花「分かりました。」

 

そして番台をしている六花と他愛のない話をしていると30分はあっという間に過ぎていった。

 

六花「お待たせしました。」

 

蒼生「全然大丈夫だよ。じゃあ行こうか。」

 

六花「はい。」

 

そう言い俺達は手を繋いで俺の家へ向かった。

そして家について、ロックを家に上げる。

 

六花「お、お邪魔します。」

 

蒼生「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。」

 

そしてロックをリビングに案内すると母さんはソファーでスマホをいじっていた。

 

蒼生「母さん、ロック連れてきたよ?」

 

蒼生母「おかえり蒼生。ロックちゃんも久しぶりね。うちの馬鹿息子がお世話になって貰ってるみたいで。」

 

六花「い、いえ。蒼生さんにはいつも優しくして貰っていますので。そ、その、私の方こそお世話になっています!」

 

蒼生母「本当にロックちゃんはいい娘ね〜。これからも蒼生の事よろしくね?」

 

六花「はい、こちらこそ!」

 

蒼生母「蒼生、折角ロックちゃんが来てくれたんだから貴方の部屋に入れてあげたら?」

 

と、ニヤニヤしながら母さんが言ってくるがどうも冗談には聞こえない。

 

蒼生「は!?」

 

六花「ええ!?」

 

蒼生母「それと私はお買い物で夜7時まで帰らないからね。」

 

いやそんな変な気遣いいらねえよ。ていうか、この人絶対楽しんでるだけだし。

 

蒼生母「じゃあ言ってくるわね〜。」

 

そう言い、俺たちが何か言い返す間もなく出て行ってしまった。

 

蒼生「はぁ、全く。・・・とりあえず俺の部屋来る?」

 

六花「は、はい。」

 

そして俺の部屋に移動すると、自分の中でちょっと驚いたことがある。それは部屋が出かける前より少し片付いているのだ。・・・今度肩でも揉んでやるかな。

 

蒼生「とりあえず座ってよ。」

 

そして俺はロックを小さな椅子に座らせて、俺はベッドに腰をかける。そして麦茶を渡すと

 

六花「ありがとうございます。」

 

と素直に受取り一口飲むとテーブルに置いた。

そして俺のギターにロックの視線が行くのが分かった。

 

六花「蒼生さんはずっとあのフライングVなんですよね。」

 

蒼生「ああ。初心者の時からあれだったから慣れるのに大変だったらだったよ。」

 

六花「最初からフライングVってだいぶ特殊ですもんね。」

 

蒼生「最初からヘッドレスのロックがそれ言う?」

 

六花「まあそうですよね。」

 

そう、俺達は最初から特殊なギターを使っていたことから、岐阜ではロックと俺セットでrock&crazyと呼ばれていた。

 

蒼生「でもそのギターのおかげで俺達は会えたんだもんな。」

 

六花「はい。本当にギターやってて良かったって思います。」

 

蒼生「ロック・・・」

 

六花「蒼生さん?」

 

そして俺はロックを抱きしめる。

 

蒼生「・・・ありがとな。俺を好きって言ってくれて。」

 

六花「はい///今でも大好きです。」

 

そう言い俺にも腕を回してくる。

 

蒼生「俺もだよ。愛してる。」

 

六花「蒼生さん///・・・ん///」

 

蒼生「んん!?///」

 

急にロックがキスをしてきた。

 

六花「んん//っぷはぁ、えへへ〜。」

 

蒼生「はぁ、はぁ、急にどうした?」

 

六花「なんかしたくなっちゃって///」

 

蒼生「そ、そっか///・・・その、ロック?」

 

六花「はい?」

 

蒼生「その・・・もう一回しても良い??」

 

六花「///」コク

 

そして俺達は再度口づけを交わす。自然と抱きしめる力が強くなる。

 

六花「んん///ん、んんっぷはぁ、はぁ、はぁ。」

 

蒼生「はぁ、ふぅ、ロック。」

 

六花「はい?」

 

蒼生「本当に愛してる。」

 

六花「私も愛してます。」

 

そしてぎゅっと強く抱きしめた。そしてロックの頭を撫でる。

 

六花「えへへ〜もっと〜。」

 

蒼生「はいよ。」

 

六花「んん〜・・・ふわぁ〜」

 

蒼生「あれ?寝不足?」

 

六花「すいません。昨日お客さんの数が多くて。」

 

蒼生「そっか、ちょっと寝てもいいよ?」

 

六花「で、でも悪いですよ。」

 

蒼生「気にしなくていいよ。今日無理して来てもらっちゃったし、俺のベッド使っていいよ?」

 

六花「あ、蒼生さんのベッド!?」

 

蒼生「嫌だった?」

 

六花「いえ、使わせてもらいます!」

 

するとロックはベットの端っこの方に行った。

 

蒼生「もっと広々使っていいんだよ?」

 

するとロックはベットの方でもじもじして、とんでもない事を言い出した。

 

六花「そ、その、蒼生さんと一緒に寝たいです///」

 

蒼生「・・・はい?」

 

六花「折角2人になれましたし、蒼生さんなら変な事しませんよね?」

 

蒼生「そりゃあそうだけど・・・」

 

六花「駄目ですか?」

 

掛け布団を胸の前で握りしめながら上目遣いでみてくる。

・・・こんなもん断れるか!

 

蒼生「分かった。でも6時には起きるよ?」

 

六花「わかりました♪」

 

明らかに嬉しそうな顔で喜んでいる。

可愛い。

 

蒼生「じゃあ入るよ?///」

 

六花「はい///」

 

蒼生「大丈夫か?狭くない?」

 

六花「大丈夫です。はぁ〜〜〜蒼生さんの匂い〜♪」

 

何この娘、可愛すぎるでしょ。匂いかぎながら笑顔ですんすんしてるよ。

 

蒼生「なんか恥ずかしいな。」

 

六花「えへへ。すぅ〜、すぅ〜。」

 

蒼生「あれ?」

 

どうやらもう寝てしまったらしい。それにしても眼鏡をはずしたロックは久しぶりに見たかもしれない。ロックって眼鏡とシュシュを外すと可愛いとかっこいいが8:2くらいになる。

 

六花「あおいさ〜ん。ギュ〜〜〜〜。」

 

するとロックが可愛らしい寝言と共に、俺に抱きついてきた。

 

蒼生「ちょ、ロック!?」

 

しかしロックは離れる気配がなかったのでそのままにすることにした。

 

蒼生「おやすみロック・・・大好きだよ。」

 

そして俺も5分後にはぐっすり寝ていた。




どうだったでしょうか。

次回は8話です。六花も多めに出す予定です。

感想&評価お待ちしています。


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文化祭はエンジョイすべし

藤井 悠です。

ドリフェスガチャを引いたら限定こころを引き当てました。

それでは本編どうぞ。


俺とロックは6時に起床することに成功し、俺はスマホを確認すると母さんからL○NEが来ていた。

 

『スーパーで近所の奥さんに会ったのでお茶して帰ります。帰りが12時くらいになるからご飯は自分で食べてね〜。あ、ロックちゃんと何があったか明日には教えなさいよ。』

 

・・・どこに突っ込んでいいかわからねえ。まずこの時間にお茶ってのもおかしいし、12時帰宅ってのもおかしいだろ。どんだけ変な期待してんのか知らないけど、俺達はまだそういうのじゃないし。

 

蒼生「とりあえず・・・飯食べてく?」

 

六花「ありがとうございます。あ、でも番台が・・・」

 

蒼生「そっか、でも遅い時間だからな。送ってくよ。」

 

六花「ありがとうございます。」

 

その時どこかで振動音とギターの音が聞こえる。

 

六花「すみません。」

 

と俺に一言言ったあとロックは電話に出る。どうやらロックの着信音だったらしい。

 

六花「はい。・・・え!?でもそんな、・・・分かりました。すみません、ありがとうございます。失礼します。」

 

蒼生「どうした?」

 

六花「叔母さんからだったんですけど番台変わっておくからゆっくりしておいでって。」

 

蒼生「じゃあご飯どうする?」

 

六花「お願いしてもいいですか?」

 

蒼生「勿論だよ。」

 

〜30分後〜

 

蒼生・六花「いただきます。」

 

そして俺は2人分の夕食を作ってロックと一緒に食べる。と言っても簡単な和食しか用意できなかったのだが、

 

六花「んん〜でらうま〜。」

 

喜んでくれてるから良しとしよう。

 

蒼生「ごめんな、簡単なのしか出せなくて。」

 

六花「いえ、とっても美味しいです〜。」

 

蒼生「良かった。」

 

そうすると急にロックが顔を赤らめてもじもじし始めた。

 

蒼生「どうした?なんか口に合わないものがあったか?」

 

六花「いえ、そうじゃなくて、その、・・・」

 

蒼生「どうした?」

 

六花「その・・・あーんしたいなって。」

 

・・・なんだって?あの恋人の憧れのあーんだと?

 

蒼生「も、勿論いいぞ///」

 

六花「あ、ありがとうございます。じゃあ、あ〜ん///」

 

蒼生「あ、あーん///」

 

そしてロックはぎこちなく俺の口の中に箸を入れてくる。

 

蒼生「じゃあロックも、その、あーん///」

 

六花「え!?あ〜ん///」

 

蒼生「ど、どうだ?」

 

六花「は、恥ずかしいです。けど・・・」

 

蒼生「けど?」

 

六花「幸せです///」

 

蒼生「ああ、俺もだよ。」

 

〜10分後〜

 

蒼生・六花「ごちそうさまでした。」

 

蒼生「そろそろいい時間かな?送ってくよ。」

 

六花「はい。ありがとうございます。」

 

そして俺達は手を繋いで旭湯に向かう。

 

六花「そういえば蒼生さんのクラスは文化祭で何をするんですか?」

 

蒼生「あー・・・ジャズバー風カフェってのをやるんだけどな。」

 

六花「ジャズバー?」

 

蒼生「俺さ、アコギ持ってるだろ?あとピアノも一応できる。んで他にもピアノできるやつがちらほらといるから。」

 

六花「な、なるほど。」

 

蒼生「ロックのところは?」

 

六花「私のところはセッションカフェです。」

 

蒼生「・・・名前でなんとなく察しはついたよ。ロックが提案したんだろ?」

 

六花「は、はい。」

 

蒼生「まあロックらしいな。」

 

なんて言いながらロックの頭を撫でると、

 

六花「んん〜」

 

なんて言いながら俺の肩に頭をスリスリしてくる。

 

蒼生「最近本当に甘えん坊だな。」

 

六花「甘えさせてくれる蒼生さんが悪いんです〜。」

 

蒼生「はいはい。」

 

そしてロックの肩を抱き寄せると、

 

六花「幸せ過ぎます〜。」

 

蒼生「歩きにくくない?」

 

六花「はい。」

 

蒼生「なら良かった。・・・あ。」

 

そうしている間に旭湯に到着してしまった。一瞬ロックの顔が曇る。でもすぐに笑顔に戻ると、

 

六花「送っていただいてありがとうございました。」

 

蒼生「気にしないでいいよ、俺がそうしたかっただけだから。じゃあ、その、おやすみ。」

 

そして俺がロックに背を向けて帰ろうとした時、

 

六花「・・・蒼生さん!」

 

蒼生「どうし・・・んん///」

 

俺が振り向いた瞬間にロックは不意打ちキスをしてきた。

 

蒼生「んんっ、はぁ、ロック?」

 

六花「そ、その、おやすみなさい!」

 

そう言って走り去ってしまう。

 

蒼生「・・・反則だろ。」

 

そして俺も自宅への岐路を辿った。

 

〜数日後〜

 

たえ「別のバンドに行きたい。」

 

沙綾「・・・どういう事?」

 

今日はポピパの練習に来ていたのだが、唐突に花園がそんな事を言い出したのだ。

 

たえ「もっと、修行したい。」

 

花園が言うには、主催ライブに向けてもっと腕を上げたいのでサポートギターとして違うバンドに行きたいらしい。

 

蒼生「・・・文化祭にも影響はないんだな?」

 

たえ「うん、頑張る。」

 

蒼生「まあ、花園がそう判断するなら止めないが。」

 

それでもあんまり乗り気はしない。山吹を見ると同じく曇った表情をしていた。

・・・嫌な予感がするな。

そしてその日、俺は羽丘に来ていた。理由は、

 

彩「それじゃあ、新曲作ります!」

 

俺は文化祭記念バンドのサポートとして会議的なものに参加している。

 

蒼生「それで、ここに作曲できる人っているんですか?」

 

日菜「なんとかなるって〜。」

 

蒼生「・・・つまりいないんですね。」

 

リサ「モカのところはどうやって作ってるの?」

 

モカ「え〜、うちは〜蘭が、いつも通りにいつも以上にムムって悩んでますよ〜。」

 

リサ「ハロハピは?」

 

花音「うちは・・・美咲ちゃんが落とし込んでくれるから。Roseliaはどうやって作ってるの?」

 

リサ「んん〜、時々友希那の部屋の灯りが付いてて、多分イモってる?」

 

日菜「蒼生くんは作曲経験とかないの?」

 

蒼生「ないことも無いですけど、あんまり参考にはならないと思います。でも1つ言うなら俺はまずテーマから決めてましたよ。」

 

彩「テーマかぁ。日菜ちゃん、なにかアドバイス・・・」

 

日菜「バイトでイイじゃん」

 

「「「「「「あ!」」」」」」

 

蒼生「なるほど、確かにそれなら全員共通している事ですし、書きやすいんじゃないんですかね。」

 

香澄「なるほど。」

 

蒼生「へ?」

 

花音「香澄ちゃん!?」

 

香澄「作曲の勉強したくて。」

 

蒼生「・・・いつからいたんだ?」

 

香澄「Afterglowの作曲の話くらいからかな?」

 

結構最初じゃねえか。誰にも気付かせないとは、ちょっと怖えよ。

 

蒼生「とりあえず、まず曲のイメージは決まったことだし、歌詞だけ書いてきてくれたら作曲はするけど・・・」

 

香澄「それ、見てもいい?」

 

蒼生「いいよ。ただ本当に参考になるかは分からないぞ?」

 

香澄「うん!」

 

日菜「じゃあ今日は解散だね。」

 

「「「「「「お疲れ様です。」」」」」」

 

〜数日後〜

 

蒼生「なんですか日菜さん、急に生徒会室似呼び出して。」

 

日菜「文化祭の記念バンドなんだけどさ、今度リハがあるじゃん?」

 

蒼生「はい。今度っていうか今日ですよね。」

 

日菜「そのリハをさ、公開リハにしようと思うんだけどどうかな?」

 

蒼生「もう見せちゃうんですか?」

 

日菜「その方がるん♪ってしない?」

 

るん♪ってするかは置いておいて、急に公開にすると彩さんが緊張して噛んでしまう可能性が高いしな。

・・・緊張慣れも必要かな?雰囲気を掴むのも大事だしな。

 

蒼生「分かりました。俺は反対はしませんよ。」

 

日菜「オッケー。」

 

そして俺は生徒会室を後にした。そして中庭に着くと俺の見知った人が項垂れていた。

 

蒼生「バンドメンバー集め?」

 

そう、その人物は、

 

六花「蒼生さん。はい、でも全く集まらなくて。」

 

ロックだった。可愛らしいバンド募集の看板みたいな物を持っている。

 

蒼生「まあいつか諦めなければ絶対見つかるよ。」

 

六花「はい、ありがとうございます。」

 

多分ロックは俺のことも誘いたいのだろう。岐阜にいたときも組んでみたいって言われたこともあった。ガールズバンドじゃなくなるけど、それでもやってみたいと言っていた。ただ俺が一度バンドで苦い思いをしているから遠慮してしているのだろう。

 

蒼生「・・・ごめんな。」

 

六花「え?蒼生さん何かしましたか?」

 

蒼生「メンバー集めとか協力出来なくてさ。それと、俺も力になれなくてさ。」

 

六花「蒼生さん・・・」

 

蒼生「だからさ、俺にできることがあったら何でも言ってくれ。叶えられる事なら全部頑張るからさ。」

 

六花「フフ、蒼生さんは優しすぎですよ。・・・そうですね、じゃあ1つだけ良いですか?」

 

蒼生「ああ、なんだ?」

 

六花「そ、その、ギュってしてほしいです。」

 

蒼生「え!?でもここ学校のど真ん中だぞ?」

 

六花「駄目・・・ですか?」

 

上目遣いで聞いてくる。

・・・俺がこれに弱いって知っててやってるだろ。でもな、俺もそろそろこれは何回もやられてるからな、流石に外でハグするなんてそんな恥ずかしい事、

・・・駄目だ、上目遣いには勝てねえ。

 

蒼生「・・・今は人もいないしちょっとだけな?」

 

六花「はい!ギュ〜〜〜〜。」

 

蒼生「ったく、甘えん坊だな。・・・ひう!///」

 

何で急に変な声出したかって?ロックが耳にふ〜って息を吹きかけてきたからだ。

 

蒼生「ち、ちょ、ロック!?」

 

六花「えへへ〜、イタズラしちゃいました♪・・・ひゃん!?///」

 

やられっぱなしなのも癪なので背中をつつーーってしてやった。

 

六花「も、もう、蒼生さん!」

 

蒼生「ロックからやりだしたんだろ?」

 

六花「そうですけど・・・もう!」

 

なんて言いながら俺の胸をポカポカ叩いてくる。

・・・やべえ、痛くないし可愛いし。

 

蒼生「ごめんごめん、ほら。」

 

そう言いナデナデすると、

 

六花「ん〜〜、でらたまらん〜〜〜。」

 

蒼生「それなら良かった。それにしても人来ないな。」

 

さっきから人が居なかったのだが来なさすぎる気がする。

・・・まあいっか。皆文化祭の準備とかしてるんだろう。

 

日菜『皆ー文化祭記念バンドの公開リハやるよー講堂まで【おかし】だよ。押さない、駆けない、しらない人についていかない。』

 

・・・なにか違うけど、まあ良いか。

 

蒼生「・・・名残惜しいけどまた後でな。」

 

六花「はい・・・蒼生さん。」

 

蒼生「何だ?」

 

六花「私も見に行っていいですか?」

 

蒼生「勿論だよ、公開リハだからな。・・・俺は舞台袖で見るけどロックも来るか?」

 

六花「はい!」

 

そして公開リハが始まった。バイトの応援ソングだが、久しぶりに作曲した割には我ながらなかなかの仕上がりだと思う。

 

六花「わぁ〜。」

 

ロックも満足そうに見てるし、この調子で行けばこのバンドは大丈夫かな。

・・・あとはポピパか。主催ライブだがどうも胸騒ぎがする・・・

 

六花「蒼生さん?」

 

蒼生「いや、大丈夫だ。」

 

そして今日の放課後、花園から文化祭の日にダブルブッキングになったという連絡が入った。




どうだったでしょうか?

ここで報告なのですが、プライベートの都合上これから不定期更新が多くなります。出来るだけ頻度は上げるつもりですのでご理解お願いいたします。

感想&評価お待ちしています。


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文化祭パニック

藤井 悠です。

Returnsとナカナ イナ カナイのテーマの追加を待つばかりです。

それでは本編どうぞ。


蒼生「じゃあ文化祭には支障はないんだな?」

 

有咲「燐子先輩に相談して順番もずらしてもらうから大丈夫だろ。」

 

たえ「・・・ごめん」

 

今俺は蔵で花園の文化祭ライブとサポートギターをしているバンドのライブのダブルブッキングの件について話をしていた。

 

蒼生「今はどっちも成功させることを考えろ。」

 

たえ「分かった。・・・ほんとうにごめん。」

 

香澄「ううん、おたえも頑張ってね。」

 

そしてその後、少し練習した後解散した。

そして俺はCIRCLEにまりなさんに報告を済ませたあとCIRCLEを出ると、

 

チュチュ「来たわね、私の事覚えてるかしら?」

 

蒼生「お前は・・・」

 

そこには前に俺とRoseliaをスカウトしに来た奴がいた。確か名前はチュチュだったか。

 

蒼生「ああ、覚えてるよ。今度は何の用だ?悪いがスカウトなら受けないぞ。」

 

チュチュ「もうその件ならいいわ。それよりあなたにこれを。」

 

蒼生「これは・・・ライブチケット?」

 

チュチュ「ええ、私が作り上げた音楽を貴方にも見せてあげるわ。」

 

そこで俺は日時を確認する。そこに書いてあったのは2日とも文化祭の日だった。

 

蒼生「すまないが、この日は2日とも学園祭なんだ。」

 

そう言いチケットをチュチュに返す。

 

チュチュ「んな!?学園祭って何よ!私のStageの方が有意義な時間を過ごせるわよ!」

 

蒼生「だとしてもだ、俺にはやらなきゃならない事がこの日は山ほどあるんだ。だからこのライブにはいけない。それじゃあ。」

 

そう言って俺はチュチュに背を向ける。遠くで『文化祭って何よー!』とか聞こえてくるが無視無視。

 

〜文化祭当日〜

 

蒼生「じゃあ初日と2日目はどっちとも俺がトップバッターピアノで2日目の昼飯後位にちょっとアコギで入ればいいんだな?」

 

生徒A「うん、じゃあよろしくね。」

 

生徒B「蒼生くん。もう入っちゃって。」

 

蒼生「了解。」

 

俺は今、自分のクラスのジャズバー風カフェのオープンのをしている。1日目は出番も少なそうなのでゆっくりできそうだ。

 

モカ「じゃあそろそろ開けますよ〜。」

 

口調とは裏腹に青葉は素早く看板を立てかけドアの前のカーテンを開くと、

 

モカ「今からオープンしま〜す。」

 

すると数人の客が入ってきた。すでに何人か並んでいたのだろう。

そして大体の人が席に付いたのを確認すると、俺はピアノを引き始める。うちのジャズバー風カフェはジャズと入っても本当のジャズの曲だけを弾くんじゃなくて、アニメ曲やj-popの曲をジャズアレンジして弾いている。その方が沢山の客が稼げるから、と言う事らしいがその予想は当たったみたいで、時間が立つと客が増えてくる。

 

生徒A「蒼生くん、まだ大丈夫?」

 

蒼生「ああ、次の奴の演奏まで後どれくらいだ?」

 

生徒A「あと20分くらいかな。」

 

蒼生「了解、お前も仕事戻ってろよ。また客増えてきたぞ。」

 

気がついたらほぼ満席に近い状態になっている。

 

生徒A「オッケー。じゃあもうちょいよろしくね。」

 

そう言いそいつは仕事に戻っていく。俺はピアノを弾きながら、チラッと周囲を見渡す。すると俺からちょっと遠い席にロックが座っているのが見えた隣には明日香もいる。ロックと目が合うと小さく手を振ってくる。

・・・可愛いな、うちの彼女は。じゃあちょっとサービスしますか。

そして俺は今弾いてる曲が終わるとポピパの二重の虹をジャズアレンジで弾き始める。ピアノを練習し始めた時はかなりブランクがあったが今は音程さえ分かれば即興で弾けるくらいにはなっている。ロックの方を見ると、キラキラした目でこちらを見ていた。その後調子に乗って全部ポピパのアレンジをしたのだが、終わってロックと明日香の所に行くとロックには大絶賛されて、明日香には半ば呆れ顔で苦笑いされた。

そして仕事を終えた俺は今日この後はすべて自由時間だったのでロックと明日香、途中でRoseliaの宇田川と合流して、花女に行くことにした。

 

蒼生「んあ〜〜、疲れた〜〜。」

 

六花「お疲れ様です。どれくらい弾いてたんですか?」

 

蒼生「1時間休み無しでずっと弾いてたよ。ブランクもあったしキツかったよ。」

 

六花「でもブランクはあんまり感じませんでしたよ。」

 

明日香「私も音楽は詳しくないですけど、すごかったと思います。」

 

あこ「あこも蒼生さんが弾いてるところ見てみたい!」

 

蒼生「明日も同じくらいの時間に弾いてるぞ。アコギは昼過ぎ位にやるぞ?」

 

六花「あ、私昼過ぎから仕事だ・・・」

 

蒼生「あー、ロック?」

 

六花「何ですか?」

 

蒼生「昼過ぎって言っても何時から何時まで?」

 

六花「1時から3時までです。」

 

蒼生「俺は1時から2時までだから、今度は俺がロックの所行こっかな?」

 

六花「本当ですか!ありがとうございます!」

 

なんて言いながら俺に抱きつくロック。

 

蒼生「おい、2人が見てるから!///」

 

あこ「おお!六花大胆!!」

 

明日香「そーゆーのは家に帰ってからにしてくれる?」

 

六花「は!す、すいません///」

 

蒼生「いや、謝らなくていいけどさ・・・ほ、ほらもう着いたぞ///」

 

話を誤魔化すため俺達は花女の中に入る。いい忘れていたが、どのバンドも俺とロックが付き合っている事は知っている。たまたま旭湯でいちゃついてる所を今井さんに見られて、2日で拡散させられた。恐るべし、今井さんの人脈とコミュ能力。

そして俺達が花女に入ってウロウロしていると突然、

 

りみ「ばぁぁ」

 

牛込がお化けの格好で出てきたのだが、全く怖くない。

 

蒼生「・・・えーと、ここはどんな所?」

 

こころ「ハッピーなお化け屋敷よ!」

 

すると横から弦巻が出て来た。

 

あこ「ハッピーなお化け屋敷?」

 

明日香「まあ入ってみれば分かるんじゃない?」

 

蒼生「じゃあ入るか。」

 

そして中にはいると、中にはハロウィンの様な、しかし可愛らしい飾り付けがされてあった。

 

蒼生「なんつうか、凄えな。」

 

あこ「可愛い〜〜」

 

こころ「お化けが怖いなんて可哀想だものだから私達はハッピーなお化け屋敷にしたのよ。」

 

蒼生「確かに、弦巻らしいな。じゃあアイスティー1つ。」

 

そして各々注文を済ませて、一息ついているとロックが、

六花「そういえば、ポピパさんは文化祭ライブ出るんですよね?」

 

と聞いてきた。

 

蒼生「・・・多分な。」

 

六花「え?ポピパさん、何かあったんですか?」

 

明日香「そういえばお姉ちゃん、家でもいつもより元気ありませんでしたよ。」

 

蒼生「いや、大丈夫、だと思うぞ。」

 

六花「ならいいんですけど。」

 

正直、自信満々でポピパが大丈夫かと問われればはっきりYESとは言い難い。それは花園のサポートギターの件だけではなく、空気自体がおかしくなってきているからだ。そしてその空気がWild Babyをおかしくしたあの雰囲気と似ているのだ。

 

蒼生「まあ練習は重ねてきていたし、文化祭でポピパ1周年みたいだからな。心配いらないよ。」

 

とはいえ、こいつ等に心配させるわけにもいかないのでここは黙っておく事にした。

 

〜翌日〜

 

蘭「文化祭2日目も、盛り上がっていこう!」

 

俺は今羽丘の講堂でAfterglowのライブを見ている。午前の仕事を終わらせたので見に来たのだ。文化祭にライブやるから実はAfterglowの練習を見る回数も増えていたのだが、問題なく演奏できている。

 

蒼生「っと、もうこんな時間か。」

 

そして俺は講堂を出るとそこには4人の人影があった。

 

蒼生「お!丁度だな。」

 

香澄「あ!蒼生だ!」

 

有咲「あ"〜〜疲れた〜。」

 

蒼生「中、冷房効いてるから楽器置くついでにリラックスしてくれば?」

 

沙綾「じゃあそうするね。皆行くよ。」

 

そう俺はポピパの確認をするため、この時間にポピの待ち合わせをしていた。

 

蒼生「それで、花園は間に合いそうか?」

 

有咲「ギリギリだけどな。でも演奏出来る時間は十分から大丈夫だとは思うけど。」

 

蒼生「一応花園のライブが終わる時間は何時くらいになってる?」

 

すると山吹がスマホを差し出してくる。

そこに書いてあった見出しが目に入る。

 

『衝撃!RAISE A SUILENのファーストライブ!』

 

そこには、花園を含めた5人が写っている。確かに時間も書いてあったので間に合う確認は出来たのだが、それより気になったのが、DJをしている少女だった。そこにいたのは数日前俺に姿を見せたチュチュだった。

 

沙綾「蒼生?」

 

蒼生「え?ああ、なんでもない。これならなんとか間に合いそうだな。ってやば!」

 

話している間にもう少しで自分のクラスに戻らなければいけなくなった。

 

蒼生「悪い、仕事行かなきゃ。」

 

香澄「あ!じゃあ蒼生のクラス行ってもいい?」

 

有咲「また移動すんのかよ。もう動きたくね〜。」

 

りみ「でも、私も気になるな?」

 

沙綾「じゃあ行こっか。」

 

そしてポピパのメンツは、市ヶ谷は無理矢理だが俺のクラスに来た。

 

モカ「お〜、客を連れてくるとはなかなかやりますな〜。」

 

蒼生「はいはい、じゃあ俺は準備してくるからこの4人は任せたぞ。」

 

モカ「モカちゃん了解〜。4名様入りま〜す。」

 

そして5分でチューニングを終わらせるとピアノの隣に行く。

 

生徒C「行ける?」

 

蒼生「あいよ。」

 

そして俺達は引き始める。これは2人で弾くのでピアノソロみたいに即興で弾いたりはできないが、練習したものならほぼ完璧に仕上げられたはずだ。

 

有咲「なんか、凄えな。」

 

りみ「うん。エレキのときも凄かったけど、アコギでもここまで出来るんだね。」

 

沙綾「どれだけ長い間真剣にギターと向き合ったんだろう。」

 

皆口を揃えて俺のギターの話をしているがそんな大層なものじゃない。俺はギターが好きだったそれだけだ。そしてポピパにも、いや俺が見ている全バンドも楽器問わずそう思っているはずだ。その心があれば誰でも上手くなれる。俺はそう信じてる。

 

〜1時間後〜

 

蒼生「お疲れっした〜」

 

俺は文化祭でするべき仕事を終えるとロックのところへ向かう。勿論フライングVを持って。

 

明日香「いらっしゃいませ・・・って蒼生さん。」

 

蒼生「1人、良いか?」

 

明日香「じゃああちらへ、」

 

そう言い俺が釣れられた場所はロックの所だった。

 

六花「蒼生さん!来てくれたんですか?」

 

蒼生「そういう約束だったろ?」

 

六花「ありがとうございます。じゃあやりましょう。」

 

そして俺とロックのセッションが始まる。久しぶりにやったが、その割にはなかなか良かった気がする。

 

六花「ありがとうございました。・・・あ!そろそろ上がれる時間ですね。じゃあ一緒に講堂まで行きませんか?」

 

蒼生「分かった。じゃあ廊下で待ってるぞ。」

 

そしてロックと合流し講堂についタイミングで、

 

彩「文化祭、まだまだ行けますか?」

 

丁度文化祭記念バンドが始まろうとしている所だった。俺達は席には座らず舞台袖へと移動する。記念バンドのサポートのお礼も兼ねて使っていいと言われていたからだ。そして着いたら異常に気づく。

 

蒼生「あれ?花園は?」

 

沙綾「実はまだ来てなくて。」

 

香澄「おたえ・・・」

 

蒼生「何?予定時間だったらもうすぐ・・・まさか。」

 

アンコールか?さっき山吹にスマホを見せてもらった時にRAISE A SUILENの人気の高さは把握した。それが2日目ともなればアンコールの可能性は十分にありえる。

俺が考えている間に記念バンドの出番が終わってしまった。今は白金さんと日菜さんの指示のおかげで彩さんが辛うじて時間を稼いでいるが、テンパりまくってるので長くは持たないだろう。そして戸山は花園を迎えに行くと言い、行ってしまった。

・・・こうなったら、

 

蒼生「・・・ロック。」

 

六花「蒼生さん?・・・まさか、」

 

蒼生「そのまさかだ。頼む、六花も付き合ってくれないか?」

 

六花「・・・分かりました。」

 

そして俺達はギターを取り出し、

 

蒼生・六花「「行ってくる!(行ってきます!)」」

 

有咲「ロック!?」

 

りみ「蒼生くん!?」

 

そして俺達はステージに立つと彩さんに前を変わってもらい、

 

六花「羽丘一年、朝日六花です!」

 

蒼生「二年、神風蒼生です。」

 

蒼生・六花「「・・・ギターを弾きます!」」

 

ロックはシュシュを外し、メガネを取る。俺は髪の毛を掻き上げる。これが2人のスイッチの入れ方だ。さっきセッションカフェでセッションしたので息は合ってるはずだ。

俺達は少しでもポピパが揃うまでにギターで時間を稼ごうとしていた。

そして二人同時にギターを鳴らす。二人ともロック系の感じで即興でよくセッションはしていたのでその感じが蘇ってくるのを感じる。そして演奏が終わる。

 

蒼生・六花「「はぁ、はぁ、」」

 

しばらく沈黙が訪れる。しかしすぐに講堂は歓声に包まれる

 

アンコール!アンコール!

 

六花「アンコール!?あわわわわ」

 

蒼生「・・・じゃあもう一回やる?」

 

と俺が言った瞬間、背後でドラムの音がした。

 

あこ「蒼生さん、六花。かっこよかったよ。」

 

隣では白金さんがキーボードの準備をしている。そして舞台袖から今井さんが出てくる。

 

リサ「それで、どうするの?」

 

燐子「poppin'partyが揃うまで繋げます。」

 

リサ「りょうかーい。」

 

友希那「勝手に始めないで。」

 

その声とともに下から湊さんと氷川さんが出てくる。

 

友希那「Roseliaの音楽は何時でも最高のものを奏でるべきよ。」

 

紗夜「誰か、ギターを。」

 

日菜「おねーちゃん!使って!」

 

紗夜「仕方ないわね。」

 

ここでRoseliaが全員揃った。

 

友希那「少しだけ、私達にも付き合ってくれる?」

 

再び講堂がウェーブに包まれる。そして俺とロックがステージから去ろうとすると

 

友希那「ロックだったわ。後は私達に任せて。」

 

六花「!!、はい!」

 

蒼生「任せましたよ。」

 

そして俺達が舞台裏に戻った瞬間Roseliaのステージが始まる。

 

蒼生「ふう、とりあえずお疲れ。」

 

俺は髪を戻しながらロックに持っていたお茶を渡す。

 

六花「はい。お疲れ様です。・・・ポピパさん、大丈夫でしょうか?」

 

蒼生「正直言うと五分五分だな。」

 

そして舞台裏の全員が戸山と花園の帰還を待ったが二人が帰ってきたのはステージ公演が終わってから5分後だった。




どうだったでしょうか?

一話以来の5000文字超えです。次回は六花メイン回にします。

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心の風向きは変わりやすい

藤井 悠です。

今日のReturns、シビレました。

それでは本編どうぞ。


蒼生「お邪魔します。」

 

六花「どうぞ、上がってください。」

 

俺は今ロックの家にお邪魔している。最近文化祭でゆっくりできる時間が無かったので、文化祭お疲れ様の意味も込めて、泊まりに来たのだ。大事な事だから2回言おう。泊まりに来たのだ!

 

六花「えっと、お荷物はここに置いてください。」

 

蒼生「ああ、ありがとう。」

 

そしてロックは俺にクッションを指して座るように言う。そしてロックは俺の膝の上に座る。

・・・あれ? 

 

蒼生「・・・いきなりだな。」

 

六花「最近甘えられてなかったものなので。」

 

蒼生「それもそうだな。」

 

六花「・・・そういえばポピパさんは大丈夫だったんですか?」

 

蒼生「・・・今は大丈夫とは言えないな。これからのポピパ次第だな。」

 

実際俺も同じ経験をしてるのだ。言動が噛み合わないだけでバンドはバラバラになってしまう。それだけは避けてほしいものだが・・・

 

六花「す、すみません。ブルーな雰囲気にしちゃって。」

 

蒼生「気にするなよ。心配なんだろ?」

 

そう言いロックに手を回す。まるで父親と娘みたいになっている。

 

六花「もっと強くしてもらっても大丈夫ですよ?」

 

蒼生「・・・なんかどんどん恥ずかしくなってきた。」

 

二人きりの時に抱きつかれたりはよくしてるので、恥ずかしい事はあまり無くなったが、こんな感じで抱きしめるのは初めてなので、ちょっと照れてしまう。

 

六花「じゃあ私からもいいですか?」

 

そして俺が返事する前にロックは体の向きを変え俺に抱きついてくる。

 

蒼生「ほんとにロックはハグが好きだね?」

 

六花「ふふ、蒼生さんだけですよ。はむ♪」

 

蒼生「うわぁ!?ロック!?///」

 

いきなりロックは俺の耳をハミハミしてきた。

・・・最近こういうイタズラが増えてきた気がする。可愛いけど思いっきり体から力が抜けていくのが分かる。お返しとばかりに抱きしめてた手で脇腹をツンツンしたのだがこれが失敗だった

 

六花「んん//んふっ、んん〜///」

 

なんとロックは耳を咥えるのを止めなかったので息が耳にかかってしまうのだ。しかし、ここで俺が攻撃を止めてしまうとロックにイタズラされ放題になってしまうので、止めるわけにはいかない。

 

六花「んふふふ//んっ、んひゅひゅ///」

 

蒼生「ロ、ロック。そろそろ終わらないか///もう、力が・・抜け、て・・・うお!?」

 

六花「え?きゃあ!?」

 

力が抜けきった俺はロックごと倒れ込んでしまった。自分の体が下に来るようにはしたが、かなり気まずい体勢になっている。わかりやすく言うとロックが俺を押し倒してるみたいになっているのだ。

 

蒼生「ロック、その、大丈夫か?///」

 

六花「は、はい大丈夫です///」

 

蒼生「なら良かった。そ、それでだな、とりあえず離れよっか?」

 

六花「は、はい///」

 

そして二人は離れたわけだが、とりあえず気まずい。何か話を変えた方がいいのか?いや、それで会話がぎこちなくなるともっと気まずくなる気がする・・・

 

六花「そ、その、蒼生さん。」

 

蒼生「え?ああ、なんだ?」

 

六花「そ、その、飲み物取ってきますね///」

 

蒼生「あ、ああ。分かった」

 

そしてロックはこの部屋を出た。さっきは気まずい空気になったけどなんだかんだ言ってロック可愛かったな。出来ればさっきのをもう一回・・・って何考えてんだ俺はまた気まずくなるじゃねえか。

 

蒼生「っていうかロック遅くないか?・・・!?」

 

六花「しばらくこのままでいさせてください///」

 

俺が後ろを振り向こうとした瞬間、ロックが背後から俺に抱きついてくる。

 

蒼生「ど、どうした急に?」

 

六花「・・・私、蒼生さんに無理させてませんか?」

 

蒼生「え?」

 

六花「さっきの事もですけど、私、蒼生さんに気を使わせてばかりな気がして、迷惑じゃないかなって。」

 

蒼生「・・・ロック?」

 

六花「はい。」

 

蒼生「俺は確かにロックとこうして一緒にいるときはほとんどロックの事考えてるけど気を使ってるとかは無いよ?さっきの事だって俺が下に行かなかったらロックが怪我してたかもしれないだろ?当然のことをしただけだよ。」

 

六花「本当ですか?」

 

蒼生「勿論だよ。逆に聞くけどロックは俺に気を使ってるの?」

 

六花「え?そんなことないです!いつも自然体でいれて、幸せで、もっと一緒に居たいって思えて・・・は!す、すみません、喋りすぎました///」

 

蒼生「いいんだよ。ロックはそう思ってるんだろ?俺も同じだよ。ロックと一緒で幸せで、一緒にいたいって俺だって思ってるんだぞ?」

 

六花「ありがとうございます。あと、さっきはすみませんでした。」

 

蒼生「気にしないでくれよ。俺だって似たような事してたんだからさ。」

 

六花「な、なので、その、お詫びと言うと変ですけど、キ、キスしませんか?」

 

蒼生「いや、ほんとに気にしなくても良いんだぞ?キスは、その、嬉しいけど、俺はさっきのもうちょっと続けてても良かったと言うか・・・」

 

六花「え、ええ!?///」

 

蒼生「い、いや、忘れてくれ///それよりキスするんだろ?///」

 

六花「はい。お願いします///」

 

そしてロックは俺に正面から抱きついてきて、目を閉じる。そしてゆっくり近づいてくる。俺もそれに答えるようにゆっくり近づき、そして二人の距離はゼロになる。

 

六花「んんっ、ちゅ、ん///」

 

蒼生「ん///・・・んふ!?」

 

急にロックが抱きしめていた手を俺の首筋に持ってきて撫で回し始めた。いや確かにさっきはもうちょっと続けたいとは言ったけどまさか本当にするとは。ロックの細い指が器用に俺の首筋を走るたびにゾクゾクした感覚とともにキスしたときとは違う声が俺の口から漏れる。俺はロックの膝から太腿にかけて両手を這わせる。

 

六花「んん!?んふ//ふふふ!?」

 

どうやらロックはかなりくすぐったがりらしいが俺も人のことは言えない。実際今もかなりキテいる。しかも二人ともギターをやっているので指先が器用なのだ。だから根くらべみたいな感じになりそうなんだが、・・・これ遠くから見たら凄えシュールなんだろうな。

 

六花「んん//んふふっ、んふふふ///」

 

蒼生「んん、んんふふっ///」

 

ここまでは互角だっだがここで形勢が変わる。俺がロックの膝を5つの指で内側から外側へソワ〜ってすると、

 

六花「んん!?ひぅああ!?///」

 

蒼生「おっと、」

 

ロックが勢いで倒れそうになるので抱きとめる。

 

蒼生「大丈夫か?」

 

六花「はい。何度もすみません。」

 

蒼生「気にするなよ。・・・それよりさ、今ロックから離れちゃったよな?」

 

六花「え?は、はい。」

 

蒼生「じゃあ罰ゲームかな?」

 

六花「え?ひゃあ///」

 

抱きしめたまま脇腹を先程のようにつつくのではなく、指全てでこちょこちょする。ちなみに腕ごと抱きしめているので反撃される心配は無い。

 

六花「ひゃあ、あははははは、あ、蒼生さん、や、やめ、んふふふふ〜///」

 

ロックをくすぐるたび、ロックの体が火照り、熱くなるのを感じる。めっちゃ可愛い。

 

六花「ん//ふわぁ///んふふふっあははははははは、んん//」

 

・・・なんか変な声混じってないか?一回そう聞こえてしまうとその声が聞こえるたび意識してしまう。そして俺はくすぐる手を止めると、

 

六花「はぁ、はぁ、蒼生さん?///」

 

ロックは火照りきった顔で物足りなさそうにこちらを見てくる。

 

蒼生「・・・ロック」

 

六花「蒼生さん///」

 

そして再度二人の距離が近づき、ゼロになる・・・と思ったのだがその瞬間、

 

六花叔母「六花ちゃん、お菓子持ってきたけど食べるかい?あら?お楽しみだったかい?邪魔しちゃったね。」

 

ロックの叔母さんが入ってきてお菓子だけおいて行ってしまった。勿論入ってきた瞬間二人の動きは固まり、一気に気まずくなってしまう。

 

蒼生「・・・ごめん、調子に乗りすぎた。」

 

六花「い、いえ、私はもうちょっとされてても///・・・」

 

蒼生「え?」

 

六花「い、いえ何でもないです。」

 

蒼生「そ、そうか。っと悪い、電話だ。」

 

六花「あ、はい。どうぞ。」

 

蒼生「ありがとう。もしもし・・・は!?花園のは知ってるのか?・・・分かった。それじゃあ。」

 

六花「あの?何かあったんですか?」

 

蒼生「え?いや何でもないよ。それよりほら、お菓子持ってきてくれたし食べようよ。」

 

六花「はい!」

 

・・・参ったな。ロックには絶対に言えないな。花園がRASに正式なスカウトを受けたなんて。

・・・ポピパはこれから大丈夫だろうか?




どうだったでしょうか?

いつもの3倍くらいいちゃいちゃさせてみました。次は11話です。2話に分けて書こうと思います。

感想&評価お待ちしています。


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彼女と彼はもういちど

藤井 悠です

Returns実装マジ嬉しかったです。

それでは本編どうぞ。


蒼生「お邪魔しましたー。」

 

六花「はい、またいらして下さい。」

 

俺はロックの家に一泊し終えて、今日はこのまま学校へ行くことにしている。学校は別々で行くことにした。変な噂が立つのを回避する為だ。

 

蒼生「じゃあ後でな。」ギュッ

 

六花「はい!」ギュッ

 

軽くハグを交わすと俺は学校へ向かった。

 

〜放課後〜

 

俺は学校を終えたあと練習とは別の理由で蔵へ向かっていた。昼休みに市ヶ谷からこんな連絡が入ったからだ。

 

『今日、蔵に来れるなら来てくれないか?RAISE A SUILENのプロデューサーがポピパが揃うときに話がしたいって言ってたんだ。関係者もいれば連れてこいって言ってたんだ。予定大丈夫か?』

 

という連絡が入っていた。特に予定も入っていなかったので行くことにした。そして蔵につくとすでにそのプロデューサーは到着しているようだった。

 

チュチュ「これで全員かしら?」

 

香澄「うん・・・」

 

チュチュ「それじゃあ早速こちらの要件を話します。結論から言うと、たえ 花園にpoppin'partyを脱退してほしいのです。」

 

蒼生「・・・それは花園をRASに引き入れる為か?」

 

チュチュ「ええ、勿論よ。花園は2つのバンドを兼任するPowerが無いわ。だから正式にRASに入り花園は私のPerfectな音楽を奏でるギタリストとしてStartするのです。1つ頂いても?」

 

そしてチュチュはテーブルに置いてあるマカロンを指差す。

 

香澄「う、うん。」

 

そして一息置いたあとチュチュが再び口を開く。

 

チュチュ「・・・poppin'partyは友達同士で組んだバンドですよね?友達思いの花園は、皆さんに遠慮しますよね?」

 

有咲「・・・なんでおたえなんだ?」

 

チュチュが言うにはガールズバンドのトップに立つためのギタリストとして花園から適任と話す。確かに花園はポピパの中ではトップレベルの腕前を持つことは俺もサポーターをしているので分かる。だがしかしチュチュの言い分も理解できなくもないが少々自分勝手過ぎる。花園はポピパのギタリストであり決してRASのギタリストでは無いのだ。サポートに入っていたとはいえそれを自分の物のように言うのは間違っている。

 

チュチュ「そちらの主催ライブが終わるまで待ってあげる。良い答えを期待してますよ。友達思いの皆さん。」

 

そう言いチュチュと隣のカラフルヘアーは蔵から出ていく。

 

蒼生「花園、あんなの気に・・・」

 

するな。と言おうと思ったのだがその瞬間、山吹が、

 

沙綾「今じゃなくてもいいんじゃない?」

 

有咲「もっとちゃんと考えた方がいいと思う。私も本当は、うるせえって叩き出そうと思ったけど、あいつおたえのこと、ちゃんと認めてるみたいだし、でっかい目標もあって、口だけじゃなくて、何も言えなかった・・・」

 

たえ「・・・私、今日は1人で弾く。」

・・・この光景に俺はバラバラになるWild Babyの姿がフラッシュバックする。バラバラになってしまう一歩手前。もう二度と見たくないと思っていた光景だった。しかしポピパには同じ思いはしてほしくない。

・・・でも俺が言えることはただ1つだな。

 

蒼生「・・・待て、花園。」

 

たえ「・・・何?」

 

蒼生「みんなも聞いてくれ。俺は前にお前達に俺のバンドの話をしたよな?喧嘩して離れたって。もうちょっと詳しく言うと、俺ともう一人の意見と気持ちのすれ違いによって起こったことだった。・・・だから俺は今のお前たちの気持ちが痛いほど分かる。だからこそ、これだけは言っておく。・・・これはpoppin'partyの問題だ。自分達の問題は自分達で解決するんだ。俺は何もしないし、言わないぞ。」

 

「「「「「・・・」」」」」

 

皆は俺の言葉を聞くと押し黙り花園は蔵を出ていった。そして俺も蔵を出る。俺があんな厳しいことを言ったのは、全員の真意が知りたかったからだ。これは自分達の気持ちで決めないと、多分また同じ事が起こってしまう。Wild Babyは自分達で決めきる事が出来なかった。だから最悪の形になってしまったのだ。そんな事を思いながら俺はトボトボとCIRCLEに向かい、そのまま家に帰った。

 

〜翌日〜

 

蒼生「・・・はぁ。」

 

六花「蒼生さん?どうかしましたか?今日は溜め息が多いですけど・・・・」

 

蒼生「え?いや、何でもないんだ。・・・なあロック?」

 

六花「何ですか?」

 

蒼生「もし、もしだぞ?俺がもう一度Wild Babyとしてステージに立ちたいって言ったらどう思う?」

 

六花「え!?そ、そうですね。」

 

ん?何か今凄え慌ててなかったか?まあいいか。

 

六花「立ってくれるなら、もう一度で良いので見たいです。Wild Babyでギター&ボーカルをやっていた蒼生さんが一番輝いてましたよ。」

 

蒼生「ありがとう。・・・あいつら元気でやってるかな?」

 

六花「・・・やっぱり心配ですか?」

 

蒼生「そりゃそうだよ。喧嘩別れしたとはいえ、別に嫌いになった訳じゃないんだからな。」

 

六花「・・・良かった?」

 

蒼生「え?どういうことだ?」

 

六花「へ!?い、いえ、こっちの話です。」

 

蒼生「ならいいんだけど。っと悪いLI○Eだ。」

 

六花「ふぅ、」

 

何故か安心した様子のロックが気になったが俺はL○NEを開く。相手は花園だった。

 

『助けてほしいことがあります。』

 

たったそれだけだった。この内容は多分俺がなにもしないと言った事を承知した上で送ったものだろう。短いけど、しかしとても重い文である事がわかった。

 

『・・・分かった。どこに行けばいい?』

 

そう送ったあと、

 

蒼生「悪いロック、急用ができちまった。今日はこれで失礼するぞ?」

 

六花「い、いえ、私もこのあと用事があったので。」

 

蒼生「そうか、じゃあまたな。」

 

そう言い俺は旭湯を出る。そしてスマホを開くと花園の家に来てほしいと書いてあった。男が女の子の家に上がるのは彼女持ちとしてどうかと思ったが、真面目な話っぽかったのでそこは気にしないでいこう。

 

〜4時間後〜

 

俺は今、蔵に来ていた。花園は自分で答えを見つけたみたいだった。花園と戸山はポピパのメンバーを全員集合させ、今に至るのだ。そして覚悟を決めた表情の花園が、

 

たえ「自分の気持ち、全部込めました。聞いてください。」

 

そう言い花園の弾き語りが始まった。ただ、弾き語りをしてるんじゃない。花園の気持ちがこの歌に全部籠もっている。チュチュにいわれたこと、全員に考えるように言われたこと、ポピパでの思い出、そしてこれからのこと、全部をこの歌に答えを乗せてきた。

そして弾き語り画終わる。ただ皆は黙って花園を見守る。

 

たえ「・・・私、ポピパが好き。香澄と、りみと、有咲と、沙綾と。」

 

有咲「・・・はぁ、」

 

香澄「有咲?」

 

有咲「もう一回。」

 

たえ「え?」

 

有咲「今の歌って?」

 

たえ「・・・うん。」

 

そして再度、花園は歌い始める。すると、途中で市ヶ谷がキーボードで入ってくる。今は即興でやっているからだろうが多少の違和感がのこるが、問題のない演奏になっているように聞こえる。

 

有咲「・・・私はさ、ポピパが嫌いじゃねえし、バンドも結構楽しい。将来のことは分かんねえけど、5人でおんなじもん目指して、いつか武道館とか行くのも悪くねえなって思ってる。・・・でも本当のところ、おたえがどう思ってるか分からなくて、もしかしたら、ウチらとじゃなくていいのかもって思って、でも全部分かった。」

 

そして市ヶ谷は涙ぐんだ目で

 

有咲「でもさ、それで一曲作るなよ。おたえらしいけどさ。」グスッ

 

たえ「有咲!」

 

沙綾「・・・私も、言えなかった。向こうに行ってほしくないって。でも、わがままかなって、やっぱり私、駄目だね。言いたいこと、言えるようになったんだと思ったんだけどな。・・・おたえ、行かないで。」

 

たえ「・・・行かない。行かないよ、沙綾。」

 

沙綾「うん・・・ありがとう、りみりん。」

 

たえ「え?」

 

沙綾「今日ポピパやめるって言われたら怖いなって迷ってたら、一緒に行こうって迎えに来てくれたの。」

 

たえ「・・・りみ!」

 

りみ「おたえちゃんがポピパ大好きなの知ってるもん。ポピパの事いつもいっぱい考えてくれて、ありがとう。私も、もっともっと頑張ってみんなの事支えたい!・・・ポピパでいてくれてありがとう!」

 

たえ「・・・私、私」グスッ

 

そして全員が花園のもとに集まる。

 

たえ「・・・蒼生、ありがとう。」

 

「「「え?」」」

 

たえ「さっき歌った歌、蒼生が協力してくれて、すごいスピードで終わらせてくれたんだ。」

 

沙綾「蒼生・・・」

 

有咲「・・・お前、何もしないって言ったじゃねえかよ。」

 

蒼生「・・・作曲はその事と関係ないだろ。」

 

そう、俺は花園に連絡を受け、数時間前に花園の家で作曲をしていた。今日には仕上げたいとか、無茶苦茶なことを言い出したが、脳をフル回転させ、花園のサポートもあり、ギリギリで全員が起きている時間に仕上げる事ができた。

 

蒼生「それにその結論を見つけたのはお前達だ。結果的に俺は何もしてねえよ。」

 

有咲「・・・そういう事にしといてやるよ。」

 

蒼生「じゃあみんな、これから主催ライブのことについて、っと悪い、電話だ。」

 

今日はよく連絡くるな。とか思いながらその電話に出る。

 

蒼生「もしもし、神風蒼生です。」

 

六花『もしもし、六花です。』

 

蒼生「ロック?どうしたこんな時間に?」

 

六花『えーと、そ、その、ものすごく大事な話があるので今から旭湯に来てくれませんか?』

 

蒼生「今から?いいけど。」

 

六花『ありがとうございます!失礼します。』

 

そう言い残し、ロックは電話を切る。くわしい内容は聞かされなかったが、少し慌てていたし実は急いでるのかもしれない。ポピパの様子を見るとみんな感動に浸っているみたい出しそっとしてた方が良いかもな。

 

蒼生「じゃあ俺、予定できたから。・・・皆、頑張れよ。」

 

そして俺は蔵を出る。

 

〜30分後〜

 

旭湯につくとロックは銭湯側の玄関前で立っていた。中は薄暗く明かりがついている。

 

六花「すいません、こんな時間に呼び出して。」

 

蒼生「いや、気にしないでくれ。んで、なんの用だ?」

 

六花「入ったら分かります。」

 

そしてロックは入口を指す。中に誰かいるのだろうか?

 

蒼生「・・・じゃあ入っていいか?」

 

六花「はい。どうぞ。」

 

そして暖簾をかき分け、中には行った瞬間俺は驚愕した。

 

海斗「久しぶり、だな。蒼生。」

 

天音「ご無沙汰しています。」

 

蓮「・・・」

 

蒼生「なんで、ここにお前たちが・・・」

 

そこにいたのは他の何者でもない、Wild Babyのメンバーだった。




どうだったでしょうか?

ここでお知らせです。バンドリの2期なもうすぐ終わりますが、この話もそこまで書いたら一時連載を中止して、3期が始まったら再開したいと思います。その間に違う小説を書きます。ヒロインは香澄orつぐみで行こうと思っています。時間があればどちらも書きます。

感想&評価お待ちしています。


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蒼生の居場所

藤井 悠です。

最終回感動しました。Fire birdが特に好きでした。

それでは本編どうぞ。


 

蒼生「なんで、お前たちが・・・」

 

俺は目の前にいる3人を目の当たりにして唖然としていた。喧嘩別れをしてもう二度と関わることはないと、思っていたのだが旭湯にて呆気なく再開を果たしてしまった。

 

蒼生「ロックが呼んだのか?」

 

六花「・・・はい。」

 

そうなるといくつか疑問が出てくる。どうやってこの3人を連れてきたのか、何故連れてきたのか、何で3人はロックの頼みで、わざわざ岐阜からここまで来てくれたのか。

 

蓮「・・・」

 

すると蓮が一歩前に出てきた。俺はこいつとのすれ違いでWild Babyの喧嘩別れの原因を作ってしまった。今更になって俺は今、蓮になんて声をかけたらいいか分からなくなっていた。

 

蓮「・・・ごめん。」

 

蒼生「え?」

 

蓮「俺、お前に言ったよな。悠長なこと言ってる場合じゃないって。俺はそんなことを考え過ぎていて、たしかにお前の行った通り落ち着くことを怠ってたんだ。だからWild Babyがあんな形で終わってしまったのは俺のせいだ。本当にごめん。」

 

海斗「俺からも、すまなかった。二人の喧嘩、止めることができなかったのは、俺の責任でもある。」

 

天音「私もすいませんでした。せっかくの主催ライブ兼蒼生さんの最後のライブだったのに、私が失敗を続けてしまったせいで・・・」

 

蒼生「お前ら・・・」 

 

蓮「・・・俺からお願いがあるんだ。」

 

蒼生「その前に1つ、俺からも言いたいこともあるんだ。」

 

蓮「分かった。先に言ってくれ。」

 

蒼生「・・・俺は、俺はさ、多分怖かったんだと思う。俺は確かに蓮に落ち着いて演奏しようって言った。でもそれは怖かったんだ。お前らと最後になるのが、主催ライブで俺達は離れ離れになっちまうのが。だから空回りして意見が食い違ったんだと思う。だから・・・俺からも、ごめん。」

 

蓮「・・・蒼生。」

 

蒼生「はは、でもあんな終わり方は嫌だったな。出来ればもう一回やりたいな。なんて、夢物語か。」

 

六花「そんなことないです!」

 

そこで今まで黙っていたロックが口を開いた。

 

蒼生「どういうことだ?そもそもなんで、ロックはまたWild Babyを集結させたんだ?」

 

蓮「それは俺から説明するよ。俺がさっき言おうとしてた事とおんなじ事だから。」

 

蒼生「じゃあ頼む。」

 

蓮「まずロックがどうやって俺たちを集めたかなんだが、わざわざロックが岐阜まで来て俺達を説得しに来たんだ。」

 

蒼生「何!?でも金とかどうしたんだよロック?」

 

六花「それは貯金しました。宿は実家があったので対してお金は使いませんでしたよ。」

 

蒼生「なるほどな。」

 

蓮「続きを話すぞ。ロックは一日かけて俺たちを集めてもう一度Wild Babyを見たいって頭を下げたんだ。たったそれだけの為に岐阜に戻ってきたんだ。」

 

ロックの方を見るとほんのり頬を赤らめて照れている。わざわざWild Babyの為に金出して岐阜まで行ってくれるとかどんだけ良い娘なのこの娘。

 

蒼生「でももう一度やるったってステージとか決めなきゃいけないし色々時間を考えると俺らは今、住んでる所が違うわけだし厳しいんじゃないか。」

 

蓮「ロックはもう用意してるって言ってたけど蒼生知らなかったのか?」

 

蒼生「・・・は?用意してある?」

 

六花「はい。してます。Galaxyです。」

 

確かにロックはGalaxyで働いてるからって考え方もできるけど、当人の意見無しで決められるものなのか?

 

六花「ちなみにポピパさんの主催ライブです。」

 

蒼生「・・・聞き間違えか?ポピパの主催ライブに出る?」

 

六花「はい。確かにそう言いました。」

 

蒼生「ポピパの奴ら俺にはなんも言ってなかったぞ?」

 

六花「私がお願いして黙っていてもらいました。」

 

いわゆるサプライズってやつだ。ったくこいつらは。

 

蒼生「・・・うっ」グスッ

 

天音「蒼生さん!?」

 

海斗「どうした?」

 

蒼生「悪い。またこの五人でやり直せるって思ったら嬉しくてさ。」グスッ

 

蓮「泣くなよ。男だろ?」グスッ

 

そう言い後ろを向きながら俺に文句を言っているが泣いてるのはバレバレだ。見ると皆も涙ぐんでいる。

 

天音「実は今日の為に新曲、考えてきたんですよ。」

 

海斗「セトリもある程度まとまってる。あとは練習だけって所まで持ってきてる。」

 

蒼生「・・・本当、お前ら最悪だな。」

 

蓮「お前もな。俺達はこうじゃなきゃ、ライブは最高にならないだろ。」

 

蒼生「・・・ホントに最悪だよ。お前等も、俺も。じゃあWild Baby、最後の人踏ん張りするか!」

 

「「「おー!」」」

 

六花「・・・良かった。」

 

蒼生「ありがとな、ロック。」

 

六花「いえ、私はただ皆を集めただけで後は何もしてませんよ。」

 

蒼生「それをしてくれなきゃ俺達はすれ違いっぱなしだったよ。本当にありがとう。」ギュッ

 

六花「・・・どういたしまして。」ギュッ

 

海斗「・・・おーい二人とも〜。」

 

天音「はわわわわ、蒼生さんとロックちゃんってこんな関係でしたっけ?」

 

蓮「両思いってのは知ってたけどまさか実ってたとはな。っと、おい二人共、戻ってこ〜い。」

 

そして蓮は俺とロックを引き剥がす。

 

蓮「お前等。よく人前でできるよな。」

 

蒼生「すまん。耐えられなくて。」

 

六花「私もその、ギュってされたらドキドキしちゃって///」

 

海斗「こりゃ重症だな。」

 

天音「す、素敵・・・」キラキラ

 

蓮「はいはい、じゃあ俺達はここの近くの宿屋で泊まってるから練習とかはまた後日決めようぜ。」

 

蒼生「ああ、分かった。皆、またよろしくな。」

 

「「「おう!(はい!)」」」

 

そしてWild Babyの時はまた少しづつ動き始めたのだ。




どうだったでしょうか?

次回作ですが、友達のお願いで、湊 友希那さんで書くことに決まりました。よろしくお願いします。

感想&評価お待ちしています。


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Returns

藤井 悠です。

久しぶりの投稿になります。

それでは本編どうぞ。


俺は今蔵に来ている。その理由は2つだ。1つ目はいつもみたいにポピパの練習。もう1つは、

 

 

 

蒼生「こいつらがWild Babyの・・・」

 

蓮「神代 蓮だ。よろしく。」

 

天音「妹の神代 天音です。」

 

海斗「暁 海斗、よろしくな。」

 

Wild Babyをポピパに紹介するために来た。主催ライブに出演させてもらうのだから、お礼も兼ねて連れてきたのだ。

 

沙綾「この人達が・・・」

 

有咲「Wild Baby・・・」

 

たえ「すごい、4人そろうとすごいオーラを感じる。」

 

蒼生「いや出てねえから。それより皆、Wild Babyをポピパの主催ライブに出させてくれてありがとう。Wild Babyの代表として礼を言うよ。」

 

りみ「ううん、気にしないで。私達も蒼生くんのバンドとしての演奏も見たかったし。」

 

香澄「皆でキラキラドキドキしようね!」

 

蒼生「おうよ。じゃあ練習始めるか。市ヶ谷ちょっと俺たちの練習もしていいか?勿論お前達の練習も見るぞ?」

 

海斗「そういやお前、バンドのサポーター引き受けて金稼ぎしてるらしいじゃねえか。」

 

蓮「そういやロックがそんな事言ってたな。5バンド引き受けてるそうじゃないか。他にはどんなバンドなんだ?」

 

蒼生「あー、ほら!すぐに主催ライブの顔合わせするんだし説明するより聞いたほうが早いと思うぞ?」

 

蓮「それもそうか。」

 

天音「どんなバンドか楽しみです♪」

 

俺が今濁したのには理由がある。俺達Wild Babyは実は4人共パスパレのファンなのである。ロックが俺にはWild Babyが待っているというサプライズを施したが、メンバーの皆にはパスパレと会わせることで、サプライズをしたいのだそうだ。勿論パスパレに話は通してある。

 

蒼生「じゃあ皆やるぞ!」

 

「「「おう!(はい!)」」」

 

香澄「じゃあ私達も始めよう!」

 

〜2時間後〜

 

蒼生「ふぅ、とりあえず休憩。」

 

蓮「あ"〜疲れた。」

 

海斗「久しぶりに合わせたからか若干音ズレもあったな。」

 

天音「私、飲み物持ってきたので皆さん飲んでください。ポピパさんもどうぞ・・・ポピパさん?」

 

天音が不思議そうにポピパを見ていたので俺たちもポピパを見ると、一足先に休憩に入ったポピパの面々は口をパクパクさせたり、見開いた目でこちらを見ていた。

 

蒼生「・・・どした?」

 

有咲「これが本当に久しぶりの演奏かよ・・・」

 

たえ「全くブランクを感じなかった。」

 

蒼生「それでもまだまだだよ。Roseliaじゃないけど俺達は俺達が出せる音を出したいからな。まだバラついてる。」

 

沙綾「じゃあ向こうにいたときはもっと凄かったってことだよね?!」

 

蒼生「まあそうだな。良い言い方をするとそうなるな。」

 

りみ「そういえば蒼生くんはWild Babyはそれなりに大きい大会に出たことあるって言ってたけどどんな大会に出たことあるの?」

 

蒼生「1番大きいのだと【FUTURE WORLD FES】かな。」

 

有咲「え!?それってRoseliaが目指してる大会のことじゃねえか?」

 

蒼生「ああ、だからRoseliaには黙ってる。いろいろ聞かれたら面倒だし決していい結果だった訳でもないしな。」

 

蓮「あ〜あれか。審査員が『君たちは技術はあるがつまらない。』ってだけ言ってきたんだよな?」

 

海斗「そうだったな。だからその後みんなでパフォーマンスの練習とかしたけど結局どういう意味だったんだろうな?」

 

天音「いま気にしても仕方ないですよ。ところで蒼生さん、Roseliaって蒼生さんが見てるバンドですか?」

 

蒼生「ああ、FWFの為に技術を高めてる。多分5バンドの中で1番レベルが高いと思う。」

 

たえ「FWFに出て、つまらないって言われて凹まなかったの?」

 

蒼生「確かに良い気はしなかったな。でもそれでションボリしてたら、出せるいい音も出せなくなる。俺達は常にベストコンディションでいる事が最優先だからな。」

 

有咲「なんつうか、凄えな。」

 

沙綾「私達、実は結構凄い人に教わってたのかも。」

 

蒼生「はいはい、もうこの話は終わり。練習するぞ。」

 

話が変な方向に行く前に、練習を再開する。ちなみにFWFの件はしっかり口止めした。

 

〜数日後〜

 

まりな「じゃあポピパの主催ライブのポスターは入口と中の掲示板に貼っておくね。」

 

蒼生「ありがとうございます。」

 

俺は今、ポピパの主催ライブの宣伝ポスターを色々な所に配ったり貼ったりしているちなみにこのCIRCLEで最後だ。

 

まりな「それにしてなんでポピパをうちで主催させなかったの〜?」

 

蒼生「す、すみません。色々ポピパも俺も忙しかったもので。」

 

まりな「え〜、まあいっか。そのかわり、今度なにかライブある時はうちに誘ってよ?」

 

蒼生「わかりました。善処します。」

 

するとCIRCLEのドアが開く音が聞こえた。

 

蓮「よ!」

 

海斗「来たぞ〜。」

 

天音「すみません、少し遅れました。」

 

Wild Babyの面々が入ってきたのだ。

 

蒼生「いや、ギリ時間ピッタリだ。心配すんな。」

 

まりな「お!その子達がもしかして蒼生くんのバンドメンバー?」

 

蒼生「はい。Wild Babyです。」

 

まりな「そっかそっか〜。うんうん。蒼生くんの実力の理由がわかったよ。」

 

蒼生「え?」

 

まりな「私、全員の顔は知らなかったけど名前だけなら知ってるんだよ?結構大会とかも出てたから。」

 

蒼生「そういう事ですか。あんまり広めないでくださいよ?」

 

まりな「わかってるよ。」

 

天音「あの、蒼生さん。」

 

蒼生「ん?どした?」

 

蓮「聞いて驚くなよ。なんと天音が新衣装を作ってきてくれたのだ!」

 

海斗「なんでお前がドヤ顔なんだよ。でも新衣装ができたのは本当だよ。」

 

蒼生「マジ!?サンキュー天音。まりなさん、更衣室借りていいですか?」

 

まりな「うん、いいよいいよ。」

 

蓮「お前気が早すぎだろ。」

 

天音「そういえば。新衣装ができた時に1番テンション高くなるの蒼生さんでしたね。」

 

海斗「しかも1番似合うのも蒼生だもんな〜。」

 

蒼生「いいから着替えようぜ!」

 

海斗「はいはい。」

 

〜5分後〜

 

天音「うん!みんな想像通り似合ってます!」

 

蓮「おお!久しぶりに帰ってきたって感じがするな!」

 

海斗「確かにな。気合い入るよな。」

 

蒼生「その気合いは本番までとっとけよ。」

 

海斗「分かってるよ。所でGalaxyまでこの格好で行くのか?」

 

蒼生「え?だから着替えたんじゃないのか?」

 

海斗「いや、目立ちすぎないか?」

 

蓮「別にいいんじゃないか?別にそう遠くないんだろ?」

 

蒼生「ああ、商店街の中だからな。」

 

天音「私も兄さんと蒼生さんに賛成です!」

 

海斗「・・・じゃあいいか。」

 

そして俺達はなんだかんだCIRCLEを出た。

 

〜10分後〜

 

蒼生「ついた、ここだよ。」

 

蓮「おお!地下だ。」

 

天音「地下って聞くとワクワクしますね!」

 

海斗「確かに何なとなく分かる気がする。ちなみになんでさっきから蒼生はチラチラスマホを見てるんだ?」

 

蒼生「え?いや、なんでもねえよ。」

 

海斗「??ならいいんだけど。じゃあ行くか。」

 

俺がスマホを見てたのはLI○Eをしていたのだ。俺達が1番最後に来るようにするためだ。

まず入り口にポピパとAfterglowがいた。

 

蒼生「Wild Babyです。今日はよろしくな。」

 

香澄「うん!こちらこそありがとう!」

 

蘭「いつも偉そうにしてるんだからそれなりの音は出せるんだよね?」

 

蒼生「ああ、勿論だ。」

 

蘭「楽しみにしてるよ。」

 

そう言い、2バンドの面々は中には行っていった。

 

天音「蒼生さんって偉そうにしてるんですか?」

 

蒼生「まあ教える側になるとどうしてもそうなっちゃうのかもしれん。」

 

蓮「はは、でも一応信用はされてるみたいじゃん?」

 

海斗「まあ確かに蒼生の聞きの才能は凄いからな。」

 

蒼生「いいから行くぞ。もう時間ないんだから。」

 

話をそらし中に入る。中にはRoseliaとハロー、ハッピーワールド!、ロックに店長さんがいた。

 

蒼生「Wild Babyです。よろしくお願いします。」

 

友希那「Wild Baby!?」

 

なんだ?急に湊が驚いた声を出す。・・・まさかな。

 

友希那「Wild Babyって、じゃあ貴方、FWFに出た事が?」

 

・・・そのまさかだった。大した結果でもなかったのに俺達を知ってたとは、結構隅々まで結果の確認をしていたのだろう。

 

蒼生「・・・ああ、そうですよ。。」

 

友希那「後で詳しく聞かせて頂戴。」

 

蒼生「わかりましたよ。でも別に高評価を受けたわけじゃ無いですからね?」

 

友希那「ええ、だとしても出場したということは実力は持っているはずよ。」

 

蒼生「わかりました。じゃあ主催ライブが終わった後、いくらでも聞いてください。」

 

まさか把握しているとは予想外だった。隠し通そうと思っていたが無理だったようだ。

 

こころ「蒼生!来たわね!」

 

蒼生「相変わらず弦巻は元気だな。」

 

こころ「勿論よ!私達は世界を笑顔にするバンドよ!」

 

六花「蒼生さん、おはようございます。」

 

すると横からロックが出てきた。

 

蒼生「おはようロック。」

 

六花「はい、皆さんもおはようございます。」

 

蓮「おはよう。今日は頼むな?」

 

天音「ロックちゃんおはよう。」

 

海斗「完璧になんとか仕上げたからな、期待していてくれ。」

 

六花「はい!」

 

蓮「そういえば蒼生、全部で6バンドって言ってたけど後1バンド来てないぞ?」 

 

蒼生「いや、もう来てるぞ?」

 

海斗「は?でもここには5バンドしか・・・」

 

天音「あ!あのドアの向こうですか?」

 

蒼生「流石、天音は察しがいいな。その通りだ。あの向こうにもう1バンドいるよ。」

 

そう、こいつ等に一番会わせたかった奴等だ。

 

蒼生「じゃあ呼んでくるよ。」

 

そしてドアを開ける前に、

 

蒼生「そうだお前ら、心臓の準備はしておいた方がいいぞ?」

 

蓮「どういうことだ?」

 

蒼生「開けたらわかるよ。じゃあ開けるぞ。」 

 

みんな訳のわからなそうな顔をしている。ちなみにWild Baby以外の人はニヤニヤしたりしている。全員に事情は言ってあるからだ。

そしてドアを開ける。するとまず最初に、

 

彩「まんまるお山に彩りを!Pastel*Palettesふわふわピンク担当の丸山彩です!」

 

蓮「・・・え?」

 

千聖「いつも蒼生くんにはお世話になっています。」

 

天音「・・・へ?」

 

麻弥「フヘヘ、上から読んでも下から読んでもやまとまや、大和麻弥です、」

 

海斗「・・・うえ?」

 

イヴ「ブシドー!」

日菜「るん♪ってきた〜!」

 

「「「え!ーーーー−」」」

 

蓮「蒼生!?どどど、どういうことだ!?」

 

天音「夢!?夢なんですか!?」

 

海斗「なんでパスパレがここに・・・」

 

蒼生「あ〜、結果から言うとパスパレも俺が教えてるバンドの1つなんだよ。」

 

蓮「んな!?」

 

天音「蒼生さん、いつの間に!?」

 

海斗「ありえねぇ。」

 

彩「えーっと、みんな私達のファンなのかな?」

 

「「「ひ、ひゃい」」」

 

お!皆仲良く締まりのない返事。

 

千聖「いつも応援ありがとうございます。これ、いつも蒼生くんにお世話になってるのでメンバーの皆さんにも、これどうぞ。」

 

そして渡したのは最近発売したシングル(パスパレメンバー全員のサイン入り)だった。ちなみにすでに俺は持っている。

その後みんなは握手したり話ししたり大ハッスルだった実はこの時間を取るため皆には少し早めに来てもらった。俺らも早めに来たがこの時間の確保のためだ。皆喜んでくれたようで何よりだ。

 

蒼生「じゃあそろそろリハしようぜ。その後たっぷり話してくれていいから。」

 

その言葉で全員の顔が変わる。別に気合いが入るような言葉でも無かったがみんなにとっては十分だったようだ。

 

そして各バンド順にリハを済ませていく。最後のポピパの番、リハ曲は【Returns】だった俺が作曲した花園がポピパに対する思いを歌った歌だ。ポピパにしてはしっとりとした曲だが感動するという意味では凄く盛り上がる曲だろう。

そして演奏終盤に差しかかる。これで終わりか、と思ったが、アウトロが少し長い。花園と戸山以外少々驚いた顔をしている。内心俺もちょっと驚いているが、そして戸山が付け足した歌詞はこうだった『ありがとう 心から震えだす歌 Returns』この短い歌詞にとても重い意味が込められたのを感じた。そして曲が正真正銘終わる。そして他バンドからの拍手が飛んでくる。

 

六花「ポピパさ~ん、なにか修正点はありますか?」

 

香澄「大丈夫!」

 

六花「はい!これでリハは以上になります。お疲れ様でした。」

 

そして今日のリハが終わってみんな帰宅準備、と思ったのだが、

 

香澄「ねえ!Wild BabyもReturnsやってよ!」

 

蒼生「はい?なんでまた?」

 

市ヶ谷「そうだよ。あんまり無理言って蒼生を困らせるなよ?」

 

たえ「でも私も聞いてみたいな。」

 

蒼生「なんでだよ。別に文句がある訳じゃないが、この歌はポピパの曲だろ?」

 

たえ「でも作曲したのは蒼生だよ?」

 

蒼生「・・・」

 

蓮「いいじゃねえか。」

 

蒼生「蓮・・・」

 

天音「私も賛成です。」

 

蒼生「・・・天音」

 

海斗「俺達はまたこうして揃った。つまりReturnsしたんだからいいんじゃないか?」

 

蒼生「・・・海斗」

 

「「「それは色々間違ってる。」」」

 

海斗「あれ?いいと思ったんだけどな?」

 

蒼生「はぁ、分かったよ。1回だけだぞ。」

 

そう言うと、ポピパ以外のバンドからも拍手が沸き起こる。俺は髪の毛をかき上げると、

 

蒼生「じゃあ聞いてください。Returns。」

 

この瞬間俺は自分の居場所に戻ってきたのを感じた。




どうだったでしょうか?

次回で1章最終話です。ここでお願いなのですが、前回報告した友希那さんの作品以外で、燐子か、香澄のどっちかを同時進行してくれと頼まれました。なので皆さんの意見を聞きたいので感想で意見を言ってくださると助かります。

感想&評価お待ちしています。


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永遠の仲間たち

藤井 悠です

これが1章最終話になります。

それでは本編どうぞ。


今日が主催ライブ当日だ。俺はそれぞれのバンドの仕上がりの確認、自分のバンドの最終チェック、サポーターとして主催ライブの準備をしていたため俺は徹夜だった。もしかしたらポピパ以上に働いたかもしれない。

 

蒼生「あ"−疲れた。」

 

沙綾「ごめんね。ポピパじゃないのにここまでしてもらって。」

 

蒼生「いや、別に徹夜が初めてってわけじゃないからな。それにサポーターとしてやれる事をやってるだけだよ。」

 

沙綾「って言いながら凄い眠○打破の数じゃない?」

 

蒼生「・・・眠いもんは眠いんだよ。」

 

香澄「さ~や、手伝って〜。」

 

沙綾「ごめん、呼ばれたから行くね?」

 

蒼生「おう、皆にこの眠眠○破持っていってやれよ。」

 

沙綾「ありがとう。また後で。」

 

そして山吹は人数分の○眠打破を持っていくと戸山の元へと向かっていった。そして入れ替わるように、

 

六花「蒼生さん、お疲れ様です。」

 

蒼生「ロック、お疲れ。」

 

六花「ありがとうございます。これ一本貰っていいですか?」

 

蒼生「ああ、まだストックあるから大丈夫だ。」

 

そしてロックは眠眠打○をグッと飲み干す。

 

六花「ふぅ、生き返ります〜。」

 

蒼生「だよな。やっぱ徹夜はこれに限る。」

 

六花「でもまだ足りない感じです。」

 

蒼生「栄養的なものがか?もう一本飲む?」

 

六花「あの、そうじゃなくてですね、その、蒼生さん成分が足りないんです///」

 

蒼生「そ、そうか///じゃあ、ほら。」ギュッ

 

六花「ありがとうございます///」ギュッ

 

最近甘えさせられてなかったから、人肌恋しかったのかもしれない。

 

六花「やっぱり蒼生さんにくっついてると安心します。暖かくて、身長も高くて、格好良くて。」

 

蒼生「そこまで言われると照れくさいけどありがとな。俺もロックに抱きついてると安心するよ。あと、ありがとうな。Wild Babyのこと。」

 

六花「いえ、気にしないでください。私が聞きたかっただけなので。」

 

蒼生「それでもだよ。ロックが行動してくれなきゃ俺達は離れ離れのままだったよ。だから、せめてものお礼をさせてくれ。」チュ

 

六花「んん//チュッ、んんん///ぷはぁ。えへへ〜。蒼生さん大好き♡」

 

蒼生「俺も大好きだよ。ロックの為にもライブ頑張らなきゃな。」

 

六花「はい!じゃあ仕事があるので行きますね。」

 

蒼生「ああ、頑張れよ。」

 

そしてロックが行ったタイミングで、出演バンドが次々とやってきた。

 

つぐみ「おはようございますAfterglowです。」

 

蘭「Wild Baby、期待してるから。」

 

巴「お!蘭が期待してるって珍しいな。でもアタシも楽しみだな。」

 

モカ「モカってくる演奏期待してるよ〜あ、これ差し入れの山吹ベーカリーのパンだよ〜。」

 

蒼生「お〜!サンキュー青葉。美竹も宇田川も、期待しててくれよな。」

 

ひまり「んん〜気合い入ってきたね〜。じゃあ皆、頑張ろうね!せーの、えい、えい、おー!」

 

「「「「「・・・」」」」」

 

そして次にパスパレが入ってきた。

 

彩「あ!蒼生くん、おはよう。今日はよろしくね。」

 

千聖「お互い素晴らしい演奏にしましょう。」

 

麻弥「終わったらWild Babyが使ってる機材とか教えてくださいね。フヘヘ。」

 

イヴ「今日はブシドーで頑張りましょう!」

 

日菜「蒼生くん、るん♪ってくる演奏にしようね。」

 

蒼生「はい。もちろんですパスパレの皆さんも頑張ってくださいね。うちのメンバーの奴らもパスパレの演奏楽しみに来ているはずなので。」

 

彩「あはは、何か緊張しちゃうな。」

 

千聖「期待に答えられるよう、頑張るわね。それじゃあ皆、行きましょうか。」

 

そしてRoseliaが来た。

 

紗夜「蒼生さん、おはようございます。」

 

リサ「おっはよ〜☆今日はよろしくね〜。」

 

燐子「お、おはようございます。」

 

あこ「ふっふっふ〜。わらわの中に秘められた闇の力が・・・えーと。」

 

友希那「あこ、いいから行くわよ。蒼生、FWFの話、後で詳しく聞かせてもらうわよ。」

 

蒼生「わかってますけど、望むような話はできないと思いますよ。」

 

紗夜「それでも出場者の話は貴重ですから。よろしくお願いします。」

 

そしてハロハピが来た。

 

こころ「蒼生、やっほ〜。」

 

はぐみ「あおくん!うちのコロッケだよ。」

 

薫「おはよう蒼生。儚い演奏を期待しているよ。」

 

美咲「薫さん、儚い演奏って意味わからないから、神風さん、気にしなくていいからね。」

 

花音「でもいい演奏期待してるね?」

 

蒼生「ええ、こちらこそ。儚くなるかは分からないですが、頑張ります。ハロハピも頑張ってください。」

 

花音「うん、ありがとう。」

 

美咲「じゃあ皆〜、行くよ〜。」

 

そして最後に、

 

蓮「よ!蒼生。」

 

天音「おはようございます。」

 

海斗「大丈夫か?凄えクマだけど?」

 

蒼生「気にすんな。10分寝りゃ治るから。」

 

海斗「お前の場合それでほんとに治るから怖えよ。」

 

蓮「じゃあ先行ってるな。」

 

天音「これ、よかったら使ってください。」

 

そして天音は10○チャージをくれた。

 

蒼生「サンキュー。仮眠したあとに飲むよ。」

 

そして今日の出演バンドがすべて揃った。俺はポピパと店長さんに揃った報告をすると、仮眠に入った。

 

〜15分後〜

 

俺は5分前に起きて全員を集めて、円陣を組む。掛け声は戸山に会わせて、

 

『ポピパ!ピポパ!ポピパパピポパ!』

 

そしてライブが始まる。ポピパの番だ。そしていきなりReturnsを始める。

 

蒼生「あれ?確かココってHAPPY HAPPY PARTY!じゃなかったっけ?」

 

海斗「これいきなりステージ熱し過ぎじゃねえか?」

 

巴「でもこれを覚まさないのがアタシたちの腕の見せ所だな!」

 

こころ「だったら私達に任せて!」

 

そしてそのタイミングでReturnsが終わってポピパがステージから降りて、すぐにハロハピが出てくる。そしていきなり新曲の【えがお・シング・あ・ソング】を披露する。ってこれ3曲目じゃなかったっけ?しかし照明をこの曲に瞬時に合わせたロックは流石だと思う。

そして演奏を終えたあとパスパレがでてくる。そしてパスパレの新曲を披露した。

 

蓮「おお!凄え!」

 

天音「私達、パスパレと同じステージに立てるんですね!」

 

海斗「やべえな!テンション上がるな!」

 

まあ皆もご満悦なようだからいいか。

次にAfterglowだ。まあ予想していたがやはり新曲、【ON YOUR MARK】を1曲目に持ってきていた。Afterglowらしいアップテンポな曲調になっている曲だ。

次にRoseliaが出てきた。そしてRoseliaまでもが1曲目に新曲を持ってきた。この曲は最初はゆっくり入っていくのだが、徐々に盛り上がり最後には湊さんの超ハイトーンボイスで終わる曲だ。流石のクオリティーと言わざるを得ないだろう。

考えている内に気がつけば俺たちの番になっていた。

 

蒼生「じゃあ行くか!」

 

海斗「ああ!最高のステージにしよう!」

 

天音「あの日出せなかった音は。」

 

蓮「今日、全部出しきろう!」

 

全員が意気込みをしたところで俺は

 

蒼生「じゃあ、ほんとに行くぞ!」

 

「「「おー!」」」

 

そして俺はステージに立つ久しぶりのWild Babyとしてのステージだ。

 

蒼生「Wild Babyです。」

 

すると観客席から凄い声援が上がる。中には俺達を知っている人もいたようで数人俺たちの名前を叫んでいるのが聞こえる。

 

蒼生「久しぶりにステージに帰ってきました!それは今日出演させてくれたpoppin'partyのおかげでもあります。そしてpoppin'partyを祝し、色々な人達への感謝を込めて歌います!聞いてください。【Eternal companion】」

 

そして俺達のステージが始まる。この日のために用意した新曲だ。結局俺達も相談した上、1曲目に新曲を持ってくることにしたのだ。ロックはもう慣れたのか。素早い手付きで照明をしてくれている。そしてメンバーの奴らも。いい顔をしてそれぞれの楽器に向き合っている。

 

蓮(あの日、俺のわがままのせいでこのグループを崩壊させてしまった。もうこんな思いはしたくない!だから俺はWild Babyとして焦らず落ち着いて皆の気持ちに答えなきゃいけない!)

 

天音(兄さんと蒼生さんが喧嘩した日はどうなる事かと思ったけど、またこうして色々な人達のおかげでステージ立てた。私はやっぱりWild Babyが好きなんだ!)

 

海斗(俺の実力不足もあってこのバンドの雰囲気を壊してしまった。二人の喧嘩は俺が原因でもある。でも、今はそんなWild Babyの力になれてるなら、それって幸せだな。)

 

蒼生(皆の音が共鳴している!まるで1つの生き物みたいに!やっぱりこれがWild Babyだ!俺達はもう離れ離れにはならねえだろう!)

 

そして俺達のステージが終わった。そして楽屋に戻ると、

 

天音「ううっ、ふぇ〜〜〜ん」

 

急に天音が、泣き出した。

 

蓮「天音!?どうしたんだ?」

 

天音「すみません、グスッ、ライブが出来たのが嬉しくて、」

 

海斗「それは皆同じだよ。これが最後なんて勿体無いくらいさ。」

 

蒼生「・・・なぁ皆。」

 

そしてメンバー全員がこっちを見る。

 

蒼生「今日のステージ、最高だった。でもうたえば歌うほどもっと歌いたいって気持ちが強くなっていったんだ。だからさ、その、住む場所は違うけどさ、またライブしようぜ!」

 

蓮「・・・蒼生。ああ!勿論だ、」

 

天音「はい!まだまだ終わりませんよね!」

 

海斗「今度はそっちから遊びに来てくれよ。」

 

蒼生「おう!っと皆ポピパ始まるぞ。」

 

そして皆はポピパのステージに見入っていた。この短期間で高い壁に何個もぶつかったポピパだが、それを乗り越えてこのステージに立っている。それって凄いことだ。俺達はその壁を乗り越えられなかったのだから。

そしてポピパのアンコールも終わりポピパの主催ライブは無事に幕を下ろす事ができた。

そして帰り道6バンド全員で帰宅していると、例のチュチュとその側づきのパレオが出て来た。

 

パレオ「ほら、チュチュ様。」

 

そしてパレオはチュチュに何かを言わせようとしている。正直嫌な予感が半分期待が半分ってところだが、

 

チュチュ「音楽で一瞬でも私を感動させるなんて、あんた達、全員ぶっ潰してやるんだから!」

 

・・・嫌な予感の方だったらしい。




どうだったでしょうか。

これで一章は終わりになります。3期が始まったらまた書き始めるのでお待ちください。

感想&評価お待ちしています。


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第2章
BanG Dream!


藤井 悠です。久しぶりに彼が帰ってきます!

そしてこの作品はBanG Dream!3rdseasonのネタバレを大いに含みます。ご視聴の際はその点をご注意ください
それでは本編どうぞ


 

蒼生「ふわぁ」

 

みんな久しぶりだな。神風蒼生だ。ポピパの主催ライブから約3ヶ月たった。この間は色々あった。Roseliaの合宿に連れてかれてロックに妬かれたり、パスパレの夏の無人島番組の感想聞きに行ったらロックに妬かれたり、ハロハピの動物園ライブに何故か俺も壇上に上げられて、仕方なくギターしたらロックに妬かれたり、あれ?ロックに妬かれてばかり?気のせいか。

 

蒼生「へっくし!?」

 

ちなみに今は朝の5時半。俺は外に出ている。なぜこんな早くに出ているかと言うと、

 

蒼生「どうもー?」

 

六花「あ、蒼生さん!おはようございます。」

 

六花に会いにきた。最近オープン前の旭湯の手伝いをしに来てる。いつもは九割ロックに会う目的で来ていたのだが、今日はちょっとした報告も兼ねて。

 

六花「そう言えば蒼生さん、あれ受かりましたか?」

 

蒼生「おう。」

 

六花「わぁ!おめでとうございます!」

 

あれ、というのは原チャリの免許だ。なぜ原チャリかって?行動範囲が広まればロックとの手軽に行けるデート範囲が広がるし、ドライブデート?みたいな事もできるからだ。ちなみに本人には言ってない。

 

六花「でも、羽丘って原チャリ登校って大丈夫でしたっけ?」

 

蒼生「さすがに自転車でいくよ。所で、乗ってみたくない?」

 

六花「わ、私が!?」

 

蒼生「そうそう。後ろにさ、スピード落とすから。」

 

六花「そ、それなら、じゃあ掃除終わらせましょうか。」

 

蒼生「はいよ。」

 

それからは掃除も手早く終わらせ自由をもらう。

 

蒼生「いくぞ?」

 

六花「はい!」

 

ぎゅっと抱きついてくる。あかん、なんか、柔らかいのが当たって・・・気にするな、俺!そこからエンジンを入れ、自転車より少し早いくらいのスピードで走る。

 

蒼生「どうだ?」

 

六花「す、少し怖いですけど、楽しいです!」

 

蒼生「もう少し飛ばすぞ?」

 

六花「は、はい!」

 

これは、免許とって良かったな。今度また乗せてあげよう。

 

蒼生「ふう、こんなもんかな。」

 

六花「ありがとうございました。凄く楽しかったです!」

 

蒼生「こっちこそ、ありがとう。じゃあまた後で、学校で。」

 

六花「あ、そ、その前に、その///」

 

蒼生「ん?あ、あれな。わかった。ちゅ」

 

六花「ん♪あ、ありがとうございます///」

 

蒼生「おう。じゃあまた後で。」

 

最近はロックからのキスのおねだりも多くなったような気がする。本人はまだ緊張してるけど、俺は幸せの方が大きくなったかな。六花も、俺も。少しずつだが恋人としても成長している。成長といえば、RAS。成長したポピパをみて、ぶっ潰す宣言してたけど、どうする気だろう。あれから姿見ないし、まあ、いいか。

 

〜放課後〜

 

六花「蒼生さーん!」

 

蒼生「お、ロック!」

 

六花「一緒に帰りませんか?」

 

蒼生「すまん。今日ポピパの練習日でさ、このまま直行しないといけないから、途中までになるけど。」

 

六花「それでも、帰りたいです!」

 

蒼生「おーけー。わかった。じゃあ行こっか。」

 

俺は自転車を押して歩き出す。

 

蒼生「そういや最近のバンドメンバー集め、どう?」

 

六花「それが、上手くいってなくて・・・」

 

蒼生「そっか・・・何かあったら言えよ。絶対協力するから。」

 

六花「はい、ありがとうございます。あ、もう着いちゃいましたね・・・」

 

蒼生「そうだな、・・・ロック?」

 

なんか、モジモジしてる?

 

六花「あ、あの、今周りに人いないので///」

 

蒼生「なるほどな。ほら、おいで?」

 

手を広げてやると、もふっと抱きついてきた。

 

六花「はふぅ、落ち着くわ〜」

 

蒼生「よしよし、ロック」

 

六花「はい♡」

 

少しずつ顔を近づける。

 

有咲「こらぁ!人の家の前で何やってんだー!///」

 

六花「あわわわわ、す、すいません!」

 

蒼生「・・・悪かった///」

 

有咲「ったく、行くぞ!」

 

蒼生「お、おう」

 

ちゅ、とこっそりキスをしてロックと分かれる。

 

蒼生「もう全員いるのか?」

 

有咲「ああ。今日は全員の予定がたまたま会ってな。」

 

蒼生「そうか。なら今日は捗りそうだな。」

 

そのまま蔵に入る。

 

香澄「あー、蒼生くん来たよー!」

 

たえ「久しぶり。」

 

蒼生「おう、久しぶり。」

 

そう言えば花園とはバイトかぶりとかで会う機会無かったな。

 

りみ「あ、ねえねえ蒼生くん!これみて!」

 

蒼生「ん?これは、バンドリ、ガールズバンドチャレンジ?」

 

沙綾「そう。ガールズバンドを集めた大会なんだって。決勝はなんと武道館!」

 

蒼生「おー!出るのか?」

 

香澄「もっちろん!」

 

蒼生「なら今日からそれに向けた練習だな。新曲も考えた方がいいだろ」

 

有咲「また新曲か・・・忙しくなるな。」

 

たえ「がんばろー」

 

香澄「おー♪」

 

???「お邪魔します♪お戯れ中すみません♪」

 

六人「!?」

 

そこにいたのは

 

蒼生「あんたは、パレオ、だったか?」

 

パレオ「はい!覚えていただいていて恐縮ですー」

 

有咲「ふ、不法侵入!」

 

パレオ「ちゃんと門を通っておばあ様に案内して頂きました!」

 

蒼生「まあ、それはいいとして、今日はなんで?遊びに来たってわけじゃないだろ?」

 

パレオ「はい、ポピパの皆さんと、神風蒼生さん、あなたがたにこれを!」

 

蒼生「ん?」

 

猫型の封筒を渡される。

 

蒼生「これは、RASのライブチケット?」

 

パレオ「はい!是非いらしてください!それではー」

 

ポピパ「・・・」

 

蒼生「お前ら、これ行くのか?」

 

沙綾「うーん・・・」

 

りみ「えーっと・・・」

 

有咲「・・・」

 

まあ、複雑ではあるだろうけど、心配はないだろう。なぜなら

 

たえ・香澄「行く!」

 

有咲「・・・はぁ、そうだよな。」

 

りみ「う、うん!ちょっとこわいけど、行こう!」

 

沙綾「まあそうだよね。行こっか。蒼生くんも来るんでしょ?」

 

蒼生「もちろん。アイツらのことも少し気になるしな。」

 

たえ「気になるって?」

 

蒼生「まあ、多分後にわかるさ。そんなことより今は練習すんぞー。」

 

〜ライブ当日〜

 

蒼生「まさか、ロックまで誘われてるとは・・・」

 

六花「はい、でもなんで私なんでしょうか?」

 

蒼生「俺に聞かれてもな。って、入場始めたみたいだぞ?」

 

当日。ポピパと、他にも誘われていたらしいロックとRoseliaの面々と入場する。俺らは特別席。要は2階らしい。

 

友希那「・・・始まったわ」

 

RIOTが始まる。ギターは打ち込みだろうがそれにしたってなかなかの演奏力だ。Roseliaと同等のレベルを誇ってる。そしてRIOTの演奏が終わるとドラムの、確かマスキングって言ったか。ドラムソロが始まる。正確に、そしてリズミカルに叩かれるドラム。・・・佐藤ますき。二つ名は狂犬。独走力は流石ってわけだ。そう考えていると

 

チュチュ「ハロー、エブリワン!」

 

RASのボス。チュチュが出てきた。

 

チュチュ「アンコールの前に一つお知らせ、私たちRAISE A SUILENは、バンドリ、ガールズバンドチャレンジに出場します!」

 

その言葉にボルテージが凄まじく上がる。

 

チュチュ「そしてそこでRoselia、poppin'partyをぶっ潰す!」

 

友希那「・・・」

 

香澄「!?」

 

蒼生「・・・」

 

チュチュ「そして・・・」

 

スポットライトがロックと、え?俺?

 

チュチュ「ギタリストにロッカ アサヒ、アドバイザーにアオイ カミカゼをスカウトする!」

 

六花・蒼生「・・・へ?」

 

 




いかがでしたか?

感想&評価お待ちしております。


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ロックが、ロックじゃない?

藤井 悠です。

それでは本編どうぞ。


 

蒼生「・・・ただいまー」

 

蒼生母「おかえりー。ご飯できてるけど食べるー?」

 

蒼生「いや、明日の朝にする。」

 

蒼生母「わかったわ。・・・とりあえずお風呂はいっちゃって。」

 

蒼生「おう」

 

そのまま脱衣所にいき風呂に入る。

 

蒼生「はぁぁ、スカウト、か。」

 

〜数時間前〜

 

チュチュ「ギタリストにロッカ アサヒ、アドバイザーにアオイ カミカゼをスカウトする!」

 

六花・蒼生「・・・へ?」

 

スカウト、だと?ロックはともかくとして、俺も?どうするか、受けるべきなのか・・・。正直、急な話だし頭が追いつかないし、ここは

 

蒼生「保留で!」

六花「ごめんなさい!」

 

あ、ロック断った。

 

〜現在〜

 

蒼生「はぁぁ、冷静になってもどうしていいかわかんないな。・・・とりあえず上がろ。」

 

寝巻きに着替えスマホを確認する。すると

 

天音「お久しぶり・・・でもないですね。元気にしてますか?」

 

Wild Babyのグループチャットで天音からのメッセージが来ていた。

 

蒼生「もち。そっちは?」

 

天音「もちろん元気です(´∇`)」

 

蓮「しかし、まさか海斗が・・・」

 

天音「はい、残念ですよ。まさかトラックが・・・」

 

海斗「いや勝手に殺すな。」

 

こんな感じでポピパの主催ライブ以来たまにこうして連絡をとるようになった。

 

蓮「まあ、そこはどうでもいいとして、原付免許どうだったよ?」

 

蒼生「取ったぜ。ロックももう後ろに乗せた。」

 

天音「おめでとうございます(๑´ω`ノノ゙」

 

海斗「まあ、勉強は出来たし、身体能力とかのカンもよかったしな。他に変わったことはあったか?」

 

変わったことか・・・そう言えば。

 

蒼生「そう言えば、RASにスカウトされた。アドバイザーとしてな。」

 

海斗「RASって、あの時の?」

 

蓮「受けたのか?」

 

蒼生「保留にした。今も5バンドみてるし、正直まだ迷ってる。」

 

天音「なるほど・・・とにかく、無理はなさらないようにしてくださいね?(´・ω・`)」

 

蒼生「ああ。皆もな。」

 

それで今日の会話は止まった。

 

〜翌日〜

 

蒼生「ふわぁ、おはよー」

 

蒼生母「朝ごはん出来てるから、食べちゃって。」

 

蒼生「お〜」

 

実は俺、朝弱かったりする。だから前にロックの家泊まりに言った時とか、結構恥ずかしかったな。だから目覚めも悪くて、今も眠い

 

蒼生母「そう言えばね、お父さんもうじき帰ってくるってー」

 

蒼生「!?、ゲホゲホ」

 

訂正、すぐ目覚めたわ、

 

蒼生「ゴックン、か、帰ってくる?」

 

蒼生母「いつになるかは分からないけど、言ってたわよ」

 

蒼生「oh」

 

俺の父さん。前にも少し話したがバンドマンだ。5人編成の『dead emperor』のリーダー兼ギタボ。確かな腕前のバンドでその実力もあり今は海外に飛んでるのだが、

 

〜回想〜

 

蒼生父「蒼生、私と海外に行く気は本当にないのか?」

 

蒼生「ああ。俺の居場所はWild Babyだ。それは変わらない。」

 

蒼生父「お前の実力ならもっと会うやつが外にも・・・」

 

蒼生「アイツらの実力がないって言いたいのか?それなら大きな間違いだよ。アイツらは、いや、アイツらじゃなきゃ俺は演奏できないし、何よりアイツらの実力だって生半可なものじゃない。」

 

蒼生父「・・・とりあえずは分かった」

 

〜回想終〜

 

まあ、基本的には普通の父親なのではあるが、よく俺も海外に連れて行きたがる。確かに海外の方が腕のいい人がいるってのはそうなのかも知れないが、俺はアイツらががいいんだ。・・・なんて今考えても仕方ないか。断れば済む話だし。

 

蒼生「・・・寝るか。」

 

そして俺はそのまま色々あったせいかすぐに眠りにつくこと事が出来た。そして

 

蒼生「いってきまーす」

 

蒼生母「行ってらっしゃーい」

 

次の日、俺は何の気なしに羽丘に向かったのだが、その途中にとあるふたりを見つけた。

 

蒼生「あ、ロックと明日香」

 

六花「あ、お、おはようございます」

 

明日香「おはようございます。」

 

蒼生「おう、おはよう」

 

俺は自転車から降りて押して歩く。

 

六花「昨日は大変やったな〜」

 

蒼生「ああ、全くだ。」

 

明日香「何があったんです?」

 

蒼生「まあ色々、な。ん?なんだあの人だかり」

 

見ると校門前にガッツリとした固まりが出来ている。瀬田さんほどではないにしても、あれは?

 

チュチュ「いたー!」

 

六花「ひぃ!?」

 

蒼生「!?」

 

マジかよ、いやマジかよ!ここまで来るか、く、こうなれば、あまりやりたくは無いけど・・・

 

蒼生「すぅ・・・どけ!!!!」

 

超大声で叫ぶするとチュチュも怯んだようで、周りの女子も反射的に道を開ける。ボーカル舐めたらいかんぜよ

 

蒼生「行くぞ、ロック!」

 

六花「は、はい!」

 

全速力で門内にはいる。

 

蒼生「ふう、ここまでは入ってこれんだろ。」

 

六花「あ、あの、蒼生さん?」

 

蒼生「どした?」

 

六花「あの、私はともかく、蒼生さんは断った訳では無いですよね?その、逃げるまですることないんじゃ?」

 

蒼生「あー、あれじゃロック逃げにくかったろ?だから」

 

六花「なるほど、わざわざありがとうございます。」

 

蒼生「いいんだよ、勝手にやったことだから、っともう駐輪場着いたしまた後でな?」

 

六花「はい、ちゅ」

 

蒼生「!?」

 

へ?き、キス!?今!?な、なんで?幸い周りに人はいないが・・・

 

六花「その、逃がしてくれた、お礼?」

 

蒼生「なんで疑問形だよ・・・でも、ありがとうな///」

 

六花「はい、じゃあまたあとで///」

 

顔を真っ赤にしながら走っていく。あかん可愛いすぎ。

 

蒼生「ってなことがあってさ。」

 

モカ「後半のいる〜?」

 

蘭「絶対いらないよね?」

 

巴「ああ、いらないな。」

 

ひまり「だねー。」

 

こいつら冷たくない?ちなみにアフグロの面々に今朝の話を聞いてもらったのだが、ロックとの話は要らないだと稼働とか、酷いわ。

 

蒼生「あ、羽沢は?」

 

蘭「生徒会。」

 

蒼生「あーね、」

 

ピンポンパンポーン

 

蒼生「ん?」

 

放送「1年A組朝日六花さん、2年A組神風蒼生さん、至急職員室まで」

 

蒼生「は?」

 

蘭「なに、なんかやらかしたの?」

 

モカ「カップルだし、不純異性行為〜?」

 

蒼生「そげな馬鹿な、とりあえず行ってみる」

 

言われた通り、生徒会室に行くと

 

チュチュ「Hello」

 

蒼生「oh、chuchu」

 

日菜「すっごい発音だねー」

 

蒼生「ロックはもう来てたか。」

 

六花「は、はいその、RASさんに入らないかって・・・」

 

蒼生「・・・おれもか?」

 

チュチュ「Yes、否定したロッカアサヒならともかく、貴方は考えてくれたんでしょう?」

 

蒼生「しかし・・・他のバンドの事もあるし・・・」

 

チュチュ「バンドリの期間だけで構わないわ。他のバンドを見るなとも言わない。悪くないでしょう?」

 

確かに悪くは無いんだが・・・どうしよう。とそのタイミングで

 

キーンコーンカーンコーン

 

日菜「終わりだよー」

 

つぐみ「午後の授業がありますので・・・」

 

蒼生「そういう訳だから、もう少し考えさせてくれ。」

 

チュチュ「・・・わかったわ。いい返事期待させてもらうわね。」

 

ロックにも軽く挨拶を交し出ていく

 

蒼生「・・・凄まじい根性だな」

 

六花「で、ですね」

 

まあ、そんなこんなで午後の2時間も終えたのだが、舐めてた。ロックと、一緒にいた明日香と下駄箱で出会ったのだが、

 

チュチュ「迎えに来たわよ!」

 

パレオ「パレオもいます!」

 

蒼生「なんてこった」

 

パレオ「パンナコッタ?」

 

蒼生「言ってねえ!てかベタだな!」

 

明日香「いいから逃げるよ!」

 

俺らは3人揃って逃げだした。

 

チュチュ「GOパレオ!」

 

き、来た。てか速!そしてチュチュ遅!

 

明日香「あ、あたしもうダメかも!」

 

六花「うえぇぇ!?明日香ちゃん運動部じゃ?」

 

明日香「あたし水泳部だよ、走るの向いてない!現に先輩がいちばん速い!」

 

まあ、確かに。2人に合わせて走ってるが、本気出したら振り切れる。

 

蒼生「っと、駐輪場こっちだから、また後で!」

 

六花「は、はい!」

 

そして俺は全速力で駐輪場まで駆け抜ける。実は俺、割と足速い。50メートル6秒21が最高記録である。

 

蒼生「あらよっ」

 

キーを刺してからサドルに跨るまでを3秒でこなしペダルを踏むとちょうど校門をロックが駆けていってた。逃げ切ったか。

 

蒼生「ふぅ、ここまで来れば安心か?」

 

自転車をこいで逃亡していたらいつの間にか商店街に来ていた。

 

蒼生「ふぅ、疲れたしなんか飲んで帰るかな。」

 

ちょうど羽沢珈琲店もあったので一息つこうと思ったのだが

 

蒼生「ん?」

 

この声は、あのふたりが、よく見ると北沢精肉店の前に二人がいる。てかなんで追いついてんの。まあ、俺結構無意識についてたし、大回りしてたかも。

 

蒼生「とにかく、入るか」

 

自分の耳が良かったことにちょっと安心した気分になると奥の方の席に座り大分甘めのやつを飲ませてもらった。

 

蒼生「って今日はRoselia見る日じゃん。」

 

割と押してるな。急がないと。

 

紗夜「遅いですよ。」

 

蒼生「すみません。色々ありまして。」

 

友希那「・・・あの子かしら?」

 

蒼生「間違いなくその子です。」

 

紗夜「事情があるのでしたら、とにかく、FWFの事について、話し合いますよ。」

 

そして話し合いが始まる。俺も経験者ではあるし、アドバイスや、練習時間の目安を提案する。

 

紗夜「こんな所でしょうか?蒼生さんも、ありがとうございます。」

 

蒼生「気にしないでください。俺もバンドリで忙しくなるとは思いますが、始まるまではFWFに集中してアドバイス出来るので」

 

友希那「・・・その事なんだけど、バンドリ、ガールズバンドチャレンジに出場しようと思うわ。」

 

蒼生「・・・!?」

 

紗夜「本気ですか?」

 

あこ「あこは嬉しいですけど・・・」

 

蒼生「・・・おれはいいと思いますよ。」

 

紗夜「・・・理由はなんですか?」

 

蒼生「FWFに向けてこういう大会に出て気持ちを鼓舞させておくのも大事でしょう。何より相手はRAS。相手にとって不足はないでしょう。」

 

紗夜「・・・そういうことでしたら。」

 

リサ「でも、もそのぶん時間割かれるよ?」

 

蒼生「元々割かれてるなんて思ってやってないですし、平気です。」

 

あこ「ホントですか?ヤッター。」

 

蒼生「気を引き締めてくださいね。Roseliaの腕とはいえ、相手は多いですから」

 

友希那「当然よ。目指すは頂点ただ一つよ。」

 

真っ直ぐだな。もう俺なんか必要ないような気さえする。

 

蒼生「っと、失礼電話だ。」

 

誰だろう、ロック?

 

蒼生「もしもし?」

 

六花「・・・蒼生さん。」

 

今にも消えてしまいそうな声だった。

 

蒼生「どうした?」

 

六花「RASさんに、不合格になってしまいました・・・」

 

・・・なんだって




ありがとうございました。

だいぶ長くなってしまいましたね。次は気をつけます。

感想&評価お待ちしています


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ロックに咲け

藤井 悠です。新規友希那さん来ました。まじ嬉しいです!

それでは本編どうぞ


友希那「潰えぬ夢へ、燃え上がれ!」

 

蒼生「・・・始まったか。」

 

ついに始まったガールズバンドチャレンジ。俺はRoseliaの付き添いで今回は来ている。ちなみにここはCIRCLEなので諸々の手伝いもさせられた。それはどうでもいいとして今はロックだ。

 

〜数日前〜

 

六花「RASさんに、不合格になってしまいました・・・」

 

・・・なんだって

 

蒼生「不合格って・・・ロック審査受けたのか?」

 

六花「その、成行きで。」

 

蒼生「・・・そっか。とりあえず今度話そ。」

 

六花「分かりました、おやすみなさい。」

 

〜現在〜

 

そして今日に至る訳だが今日はロックも来ていたので話した。本人は気にしてないって言ってたけど、絶対気にしてるな・・・

 

蒼生「って終わったか。お疲れ」

 

友希那「ありがとう。どうだったかしら。」

 

蒼生「流石、ですね。とりあえず大きな修正点はないです。細かいところは練習しながらの方が教えやすいので、また今度でもいいですか?」

 

友希那「そういう事なら。みんな、行くわよ。」

 

Roseliaのレベル、この短期間で圧倒的に上がったな。FWFの事もあるだろうし、これならそんなに心配はいらないか。Roseliaも終わった事だし・・・今何時だろうか。えーと、6時半。この前の招待状に場所は書いてあったし行ってみるか、RASの城へ。

 

〜10分後〜

 

着いたな。原チャリ最高癖になる。

 

蒼生「くだらないこと考えてる場合じゃないか。・・・いくか。」

 

パレオ「いらっしゃいませー♪」

 

蒼生「・・・なんでいんの?」

 

パレオ「来るかなー?と思ってたのでー♪」

 

蒼生「チュチュが?」

 

パレオ「いえ、私が。」

 

なんてやつだ。まあ、ロックが来たらしいし予想できないことでもないか。

 

蒼生「とりあえず通してくれるか?」

 

パレオ「もちろんです♪どうぞー」

 

そしてついて行くが、このビルデカすぎ。しかも最上階がスタジオて。

 

パレオ「お待たせしましたー、こちらがチュチュ様のプライベートスタジオになります。」

 

パレオが入口を開けてくれる。

 

チュチュ「パレオ?どうしたのかし・・・あら、アオイじゃない。入る気になったかしら?」

 

蒼生「・・・今日は話があってきた。」

 

チュチュ「話?何かしら。ロッカアサヒの事?」

 

蒼生「そうだ。何故不合格にした?俺はあいつの腕前知ってるぞ。ギター腕なら確かに・・・」

 

チュチュ「これを聞いて頂戴。」

 

チュチュのヘッドホンをスポンと被せられる。

 

蒼生「・・・これは」

 

チュチュ「分かったかしら?」

 

蒼生「・・・ああ。」

 

なるほど。出し切れてない・・・岐阜の時のバンドのクセが残ってるのか。

 

蒼生「理解はしたよ。」

 

チュチュ「納得はしてなさそうね?」

 

蒼生「まあな・・・また来るよ。」

 

チュチュ「それはあの件を前向きに検討してもらえてると捉えても?」

 

蒼生「好きに取れ。じゃあな。」

 

ガチャンとドアを鳴らす。

 

蒼生「はぁ。どうするべきか。」

 

ピコン

 

ん、母さんからだ。珍しいな、なんだろう。

 

蒼生母「できるだけ早く帰ってきて」

 

・・・またまた珍しいな。なんかあるのか?とにかく急ぐか。

 

蒼生「・・・ただいま。どしたの?」

 

蒼生母「あんた宛に、正確にはあんた達宛にこんな手紙が来てるわよ。」

 

蒼生「な、こ、これは!?」

 

〜数日後〜

 

たえ「新曲、こんな感じでいいかな?」

 

蒼生「完璧だな。我ながらいい出来だ。」

 

紗綾「ごめんね。歌詞も編曲も手伝ってもらっちゃって。」

 

蒼生「いいんだよ。俺も、あいつには正直になって欲しいからな。あとは本番までに仕上げるぞ。時間ないから気合い入れろよ?」

 

5人「はい!」

 

〜ポピパ本番当日〜

 

蒼生「もうそろだな。」

 

六花「あ、蒼生さん!」

 

蒼生「よ、そろそろ始まるぞ?」

 

六花「はい、ものすごく楽しみです♪」

 

蒼生「そうか・・・ふふ」

 

六花「どうかしましたか?」

 

蒼生「いや、可愛いなって。」

 

六花「き、急にそんな///」ぎゅ

 

とか言いつつしれっと抱きついてくるし、可愛さ120点だな。

 

蒼生「・・・」ぎゅ

 

六花「えへへ♡すりすり」

 

蒼生「ん、」

 

頭と頭をくっつける、幸せだなって何か忘れて・・・あ、やべ。

 

蒼生「ところで、ライブ、そろそろ始まるぞ?」

 

六花「そ、そうでした!また後で・・・あと、ちゅ」

 

蒼生「ん、また後でな。」

 

ふぅ、ロックパワー充電したし、行くか。

 

有咲「おいおせーぞ?」

 

蒼生「わりわり、皆準備出来てるか?」

 

香澄「うん!」

 

りみ「緊張してきた〜」

 

紗綾「大丈夫だよりみりん、ほら深呼吸」

 

りみ「う、うん。すぅ、はぁ、も、もう大丈夫だよ。」

 

蒼生「なんだかんだ平気そうだな、よし、言ってこい!」

 

そしていつもの掛け声で出ていく!と同時に少し客席からざわめきが起きる。というのも山吹のドラム、市ヶ谷のキーボードがいつもと決定的に違う。チラッとロックを見ると戸惑ってるし。しかしポピパも面白いこと考えるよな。っと、そうこうしてる間にMC終わったな。

 

香澄「聞いてください!Step×Step!」

 

・・・始まった。明るい曲調にポップな雰囲気の曲。すごくポピパらしい曲だが、この曲は一味違う。この曲は『ロック』になってもらうための曲だから。

 

香澄「走り出そうよ!」

 

サビが始まる。やっぱ、いい曲だな。あいつらやっぱり持ってるよな。技術じゃどうにもならないものを。

 

蒼生「お?」

 

ロックがシュシュを外し走り始めた。

 

蒼生「・・・良かった。伝わってくれたか。・・・ん?」

 

香澄「〜〜♪」パチ

 

一瞬戸山がこちらを向いてウインクをする。・・・そういう事だよな

 

蒼生「・・・」コク

 

俺は静かに頷くと走って外に出た。見渡すとロックはいなかったが、行先はわかってる。急がないと。原チャリのエンジンをかけて追いかける、と

 

ますき「ん、お前は・・・」

 

蒼生「あんたは、RASの・・・」

 

ますき「あいつのこと追うのか?」

 

蒼生「あ、ああ。」

 

ますき「なら、私についてこい。早い道知ってる。」

 

蒼生「・・・恩に着る。」

 

そして直ぐに駅でロックを回収するとスタジオに一直線する。

 

六花「あ、ありがとうございます!」

 

ますき「・・・あいつ、だいぶ本気なんだな。」

 

蒼生「なあ、ロックがRASの試験受けたのって・・・」

 

ますき「ああ、すまん。それ私だ。」

 

蒼生「お前かよ!?まあ、いいけどさ。行くぞ?」

 

ますき「ああ」

 

ロックは成行きって言ってたけど、ロックが弾いてるところをたまたま見たとか?まあなんにせよあのバイクで連れてったんだろうが、あのスピードで言ったのか。よく平気だったな。

 

ますき「着いたぞ。」

 

蒼生「どうも。っと邪魔するぞ?」

 

チュチュ「なんだ、貴方も、いたのね。ロッカアサヒ。言ったでしょう?貴方にはRASで演奏する力が足りてないわ。それは蒼生も言ってたわよ!」

 

六花「あ、蒼生さんが!?」

 

蒼生「いってねえよ。理解したとしか言ってない。とりあえずチュチュ、聴いてやってくれよ。」

 

チュチュ「NO、パレオ。お客さまがお帰りよ。」

 

六花「帰らん!」

 

チュチュ「What?」

 

六花「私、ずっとバンドやりたかった・・・特別やって思える人達とバンドやりたかった。その特別の意味が、この前少しだけわかった気がして・・・」

 

蒼生「ロック・・・」

 

こいつ、そこまで・・・

 

六花「もう、遅いかもしれんけど、私RASさんと演奏したい・・・思いっきり、全力でぶつかりたい・・・

 

 

 

 

 

 

RASさんと、バンドがやりたいんや!」

 

ますき「・・・こいつの本気、聴いてやれよ。」

 

蒼生「俺からも、頼む。」

 

チュチュ「・・・ブースに入って。」

 

六花「!!」

 

チュチュ「lastchanceよ。」

 

蒼生「・・・俺も見せてもらうぞ。いいな?」

 

チュチュ「もちろん。構わないわ。かけるわよ?」

 

六花「はい!」

 

RIOTか、そしてロックの方も見る。声は聞こえなかったが、恐らく『行こまい』って言ったな。・・・やる気だ。

 

蒼生「・・・始まった。」

 

すげえ。完全に『入り込んでる。』アイツ自身の良さが滲み出てる。

 

パレオ「パレオ、感激してます・・・」

 

しかし、やるな、ロック。しかもこれは・・・

 

ますき「あいつ、ベースもキーボードも全部一人でやる気か?」

 

レイ「歌まで歌い出しそう。」

 

ますき「ふっ、たく。」

 

そう言い全員中に入る。そして、『RAISE A SUILEN』としての演奏が始まった気がした。ロックのあの顔・・・

 

蒼生「・・・ふふっ」

 

チュチュ「・・・♪」

 

そして、長いような、短いような、そんな時間が終わった。

 

4人「はぁ、はぁ。」

 

全員、いい顔してるな。

 

六花「バンドって、バンドって、てら凄い♪」

 

レイ「ふふ、ギター、走りすぎだよ。」

 

六花「あ、す、すみません。」

 

チュチュ「いいわ、貴女のRAS入りを許可する。」

 

六花「え!?」

 

チュチュ「ただし、RASのギター(仮)よ。」

 

六花「??」

 

ますき「(仮)?なんだそりゃ?」

 

チュチュ「ロックアサヒ、RASに相応しいギタリストになりなさい!」

 

六花「・・・」

 

チュチュ「そしてアオイ、どうかしら?気になった点は?」

 

蒼生「そう言われると思って、ほれ。」

 

チュチュ「・・・このノート、見ても?」

 

蒼生「ああ。」

 

最近アドバイスも口だけじゃ上手く行かなくなってきたし、5バンド分のノートを買ったんだが、予備の1冊がこんな形で使うことになろうとは。

 

チュチュ「・・・なるほど、このノートはこれからも使うのよね?」

 

蒼生「もちろんだ。ただ、お前らのためになればな。」

 

チュチュ「いいわ、貴方もRAS入りを許可するわ。ノート、お返しするわね。」

 

蒼生「ああ、よろしく。」

 

これは、予想以上に楽しみになりそうだ。

 

 

 




ありがとうございました。

最近あまりいいネタとか、書き方が思いつかなくて・・・アドバイスや意見いただけると嬉しいです。励みにもなりますのでよろしくお願いします。


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それは鍵

藤井悠です。

それでは本編どうぞ


〜Wild Babyグループチャット〜

 

蒼生「おーい誰かいるかー?」

 

天音「いますよ?」

 

蓮「おー、どうした?」

 

海斗「急用か?」

 

蒼生「実はな・・・」

 

〜数日前〜

 

蒼生母「あんた宛てに、正確にはあんた達宛にこんな手紙が来てるわよ。」

 

蒼生「な、こ、これは!?」

 

この封筒は、忘れもしない・・・

 

蒼生「FWFの・・・」

 

〜現在〜

 

天音「つまり、主催側からの招待ですか?」

 

蒼生「そういう事だ。なんと参加費も向こうが出すって」

 

海斗「おいまてまて!なんだってそんなにいきなり?だって、日本じゃ最高峰のイベだぞ?」

 

蓮「そうだよな、なんか出来すぎてる気がするが」

 

蒼生「本部に問い合わせたら間違いないってさ。ポピパの主催ライブ、動画サイトに出回ってんだろ?そこで見つけたそうだ。」

 

海斗「あー、なるほど。なら俺らも少しは成長できたってことか?」

 

蒼生「そうとらえて問題ないと思うぞ?どうする?出るか?」

 

蓮「あたぼうよ!」

 

天音「楽しみですね(ㆁvㆁ✿︎)」

 

海斗「俺らはもうつまらない演奏なんかしないもんな!みせつけてやろーぜ!」

 

蒼生「分かった。出る方向で返しておくよ。ありがとな皆。」

 

蓮「いや、俺も正直少し悔しかったし。ところで蒼生?話はガラッと変わるがお前は今何してんの?」

 

天音「確かに確かに!私たちとは違って頻繁に合わないんですから、教えてくださいよ!主にロックちゃんとか!」

 

海斗「そそ、リア充話聞かせろよー」

 

蒼生「リア充話も何も、これからデートなんですけど?」

 

蓮「は?こんな時間からか?」

 

ちなみに今は夜の7時半だ。

 

蒼生「そうそう。お家デート」

 

海斗「なるほど、しっぽりと・・・」

 

天音「あわわわわ///」

 

蒼生「違うからな?天音?あと海斗は今度あったらシメる。」

 

海斗「わりわり、じゃあ楽しめよー。」

 

〜チャット終わり〜

 

蒼生「ったく、海斗のやつ一言余計なんだよ・・・」

 

六花「あ、蒼生さん!お待たせしました。」

 

蒼生「いや、待つのもデートのうちって言うだろ?」

 

ちなみに俺は銭湯のフロアで待たせてもらっていた。

 

六花「えっと、じゃあ行きましょうか///」

 

蒼生「おう。」

 

そのまま手を繋ぐ。そのまま下のロックの部屋に行くだけなのだが、それでも手を繋いでくれる律儀さというか可愛さというか、とにかく愛おしかった。

 

六花「えっと、どうぞ。」

 

蒼生「お邪魔します。それで、MVはどうだった?」

 

MVとはRASが新曲のミュージックビデオを作りさらに知名度を上げてBanG Dream!を有利にしよう。という目的があったようだが

 

六花「撮影も演奏もなんとか。色々助けて頂きましたけど、楽しかったです♪」

 

蒼生「そっか。ならよかった。」ギュ

 

六花「あ///あ、あの、蒼生さん?」

 

蒼生「どうした?もしかしてやめて欲しい?」

 

六花「あ、それは続けてください!あの、蒼生さんってその、恥ずかしさとか今はあんまりないんですか?私未だにその、こういうの慣れなくて///」

 

蒼生「そっか。恥ずかしい、か。少しは照れるけどさ、今は幸せとか嬉しいとかそっちの感情の方が大きいかな。」むぎゅう

 

六花「はふぅ///そうなんですね、わ、私も嬉しいですよ///」ぎゅう

 

そう言ってロックからも甘えてくれる。最近はバタバタでこんな時間取れてなかったからな。今は精一杯甘えてもらおう。

 

蒼生「そうだ。今なにかして欲しいこととかあるか?俺に出来ることならするぞ?」なでなで

 

六花「ふえ?そうですね・・・」

 

しばらくうーんと首を傾げて考える。可愛い。

 

六花「じゃあ、その、一つだけ///」

 

蒼生「お、なになに?」

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

蒼生「ほんとにこれでいいのか?」

 

六花「はい♡」

 

ロックが志願してきたのは膝枕。ちなみに俺がする側である。

 

蒼生「大丈夫か?固くないか?高くない?」

 

六花「大丈夫です♪気持ちいいです♪」

 

上機嫌になるロック。あこがれてたのかな?

 

六花「えへへー」

 

蒼生「嬉しいならよかったよ。」なでなで

 

六花「蒼生さんのなでなで好きです♡」

 

そう言ってスリスリしてくる。少しくすぐったいけど、可愛いさ増し増しだな。そしてなんだか意地悪したくなってきた。

 

蒼生「そっか。ちなみに好きなのってなでなでだけ?」

 

六花「へ?そ、その、蒼生さん、も、好きです///」

 

蒼生「そっか、ありがとよ♪」なでなで

 

六花「うう、意地悪です///」

 

俺の膝に顔を填めてしまうロック。いやこれはこれで可愛いんだがな。

 

蒼生「ごめんごめん、可愛くてさ。」

 

六花「・・・わかってます///しばらく恥ずかしいのでこうさせてください。」

 

蒼生「あいよ。」

 

そしてしばらく顔を俺の膝に押し付けていたが、割と早く元の体制に戻した。そしてムクっと起き上がり

 

六花「あの、ありがとうございました///」

 

蒼生「おう。」ぎゅう

 

六花「ん///もしかしなくても蒼生さんって抱きしめるの好きですか?」

 

蒼生「ああ。なんかロック温かいからさ。今もそうだけどさりげなく抱き返してくれるだろ?そういうのが嬉しくてな。」

 

六花「え、えへへ///なんだか私いつも蒼生さんにデレデレにさせられてる気がしますね///」

 

蒼生「いいじゃないか。俺だってさせられてるし」

 

六花「そうなんですか?」

 

蒼生「ああ。心臓の音聞くか?ほら。」

 

六花「へ?あ、凄い・・・」

 

ロックを胸元に抱きしめて心拍音を聞かせるとそのまま聞き入っているのだが、自分でやらせといてなんだけど恥ずかしいな、これ。

 

六花「・・・」

 

蒼生「あ、あの、ロック?」

 

六花「・・・」

 

蒼生「・・・」コチョコチョ

 

六花「ひゃあ!?」

 

蒼生「その、恥ずかしいからここまで///」

 

六花「あ、す、すみません///」

 

2人「・・・・・・///」

 

2人とも抱き合ったまま制止する。なんだかんだまだ初々しさが残っている。

 

六花叔母「六花ちゃん?今のうちお風呂はいっちゃって?」

 

蒼生「・・・!?」

 

六花「はわわわ!?」

 

どちらともなくすぐさま離れる。見られた訳では無いが、妙な気恥しさが込上げる。

 

蒼生「・・・き、今日はここまでだな?」

 

六花「そ、そうですね。そうしましょう。見送りします」

 

バタバタと帰宅準備をする。

 

蒼生「じゃあまたな?」

 

六花「はい・・・」

 

くるっと振り返り帰路につこうとするとロックに袖をきゅっと掴まれた。・・・なるほど。再度振り返るとロックが俺に不意打ちキスを・・・

 

蒼生「ん」ヒョイ

 

六花「へ!?」

 

まさか避けられると思わなかったのかびっくりするロック。しかし本命はそっちじゃなくて

 

蒼生「・・・ちゅ」

 

六花「・・・!?!?///」

 

俺はそのままロックの頬にキスを。

 

蒼生「いつもの不意打ちのお返しな?じゃあな?」

 

六花「は、はい、えへへー♡」

 

そして今度こそ岐路につく。ちなみに翌日。ロックの正式なRAS入りが決まりロックが嬉しさのあまり俺に抱きついてきて茶化されたのは別の話。

 

 




ありがとうございました。

学校も休みになったので投稿ペース少しあげたいと思います。

感想&評価よろしくお願いします。


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蒼生は大忙し【前編】

藤井 悠です。

それでは本編どうぞ


 

蒼生「ポピV?」

 

香澄「そう!ポピV!私たちのこともっと知って貰いたいの!」

 

ポピパの練習日に戸山からそんな事を言われた。

 

有咲「いわゆるPVだな。」

 

沙綾「そこで何かアドバイス貰いたくて・・・」

 

蒼生「そうは言われてもな、俺こう見えてそういうの作ったことないからな。」

 

どう見えてるのか知らないけど

 

りみ「その、イメージだけでも、ダメかな?」

 

蒼生「うーん、まずはさ、曲にもよるけどどんな雰囲気にするかとかは大事じゃないか?」

 

たえ「・・・うさぎ?」

 

蒼生「まあ、なしでは無いけど作るならあまり俺は頼りにならないと思う。他のやつに聞いた方が絶対に良い。でもまあ、俺に出来ることがあったら言ってくれ。」

 

沙綾「うん、ありがとー、あれ?蒼生時間いいの?そろそろ次のバンドじゃないの?」

 

蒼生「やべ、じゃあな皆!」

 

香澄「うん、ばいばーい」

 

急いで原チャに跨り向かうのはCIRCLE。そこにAfterglowとハロハピが居る。時間交代で見に行かなければならない。

 

蒼生「間に合ったか?」

 

モカ「1分前〜」

 

蘭「なんか、最近忙しい?」

 

蒼生「まあな、1バンド見るのが増えたからさ、多少は、まあ仕事に支障はないからな、気にしないでくれ。」

 

つぐみ「でも、無理しないでね?」

 

モカ「つぐが言えないよね〜?」

 

巴「だよなー、1回倒れられてるし」

 

つぐみ「も、もう大丈夫だよ!それにほら、今は蒼生くんでしょ?」

 

蒼生「大丈夫だ。忙しいのは充実してる証拠だ。そんなことより大地蔵祭だっけ?あれもうすぐなんだろ?」

 

蘭「そうだね・・・じゃあ入ろうか。」

 

ひまり「よーし、えい、えい、おー!」

 

・・・・・・

 

ひまり「えー、やっぱり言ってくれないのー?」

 

蒼生「言ったろ?そんな柄じゃないって。行くぞー」

 

ひまり「そんなー」

 

〜1時間後〜

 

蒼生「・・・よし、皆だいぶ良くなってきたな?今日はこんなところだろ。あとは各々な?」

 

モカ「お疲れ様〜、ところであおく〜ん?」

 

蒼生「どうした?わかんないとこでも?」

 

モカ「そうじゃなくてー、なんて言うか、前より耳良くなったー?」

 

蒼生「耳?なんで急に?」

 

巴「あ、それアタシも思ってた。なんて言うのかな?」

 

そんなこと俺に言われても、自分じゃよく分からないんだがな、でもこいつらみんな確かに、みたいな顔してるし・・・

 

蘭「でもまあ、悪いことじゃないんだし、」

 

つぐみ「むしろいい事だよね!凄いね!」

 

蒼生「あ、ありがと?ってそろそろハロハピの時間か・・・じゃあな皆、また今度!」

 

ひまり「あ、待って!」

 

蒼生「ん、なんだ?」

 

ひまり「はいこれ、頑張って!」

 

そうして上原が渡してきたのは栄養ドリンク。

 

蒼生「お、助かる。サンキュー!」

 

ひまり「ちなみに買ったのは蘭だよー?」

 

蘭「ち、ちょっと!」

 

なんか、ほのぼのしてていいよな。このバンドは。見る方向は皆一緒で中も良くて。バンドとしても上手くやれてる。俺も教えがいがあるってもんだ。

 

蒼生「じゃあ、またな!」

 

改めて部屋を出る。グビっと先程貰ったドリンクを飲み干すと直ぐに別室に。

 

蒼生「お待たせー」

 

こころ「蒼生!来たわね!」

 

はぐみ「ほんとだー!あおくん!やっほー!」

 

薫「やあ蒼生。今日もよろしく頼むよ。」

 

さっそく三バカのお出迎えだ。なんだかんだ言って俺もこいつらに元気みたいなの貰ってる気がする。まあ、相手してると疲れるんだが・・・

 

花音「こんばんは。よろしくね?」

 

蒼生「よろしくお願いします。」

 

その調和を測る松原さん。ほんとこの人は凄いよな・・・あの人達にも順応してるし。

 

そして・・・

 

蒼生「相変わらずクマだな。」

 

美咲「クマで悪かったね。」

 

別に悪かないけど、慣れない。やっぱり俺のバンドも含めて色んなの見てるが慣れない。しかも不満そうにしてるのか、冗談で悪かったねって言ったのか着ぐるみだとわかんないし。

 

蒼生「・・・いいから始めるぞ。」

 

そしてまた1時間経過した。ハロハピのみんなも技術は格段に上達している。元々異色のバンドではあったもののその色もはっきり濃く形あるものになっている。

 

蒼生「お疲れさん。今日はここまでだな。」

 

はぐみ「おつかれー♪」

 

こころ「みんな良かったわよー!」

 

ふぅ、今日はこれでおしまいか・・・一段と忙しかったな。まあ楽しいからいいんだけど。

 

美咲「蒼生、お疲れー」

 

クマから人に戻った美咲が労いの言葉をかけてきた。てか戻るの早。

 

蒼生「ああ、お疲れ。」

 

美咲「なんか最近さ?耳良くなってない?」

 

蒼生「それさっきも言われた。なんでだろーな?」

 

美咲「言うことが的確になってきたからじゃない?細かいズレとか強弱とか、最近言うこと多くなったでしょ?ノートもそんな感じだったよ?」

 

蒼生「うーむ」

 

花音「あ、あのー?」

 

蒼生「あ、はい?」

 

花音「耳が良くなって困ることって会ったかな?」

 

蒼生「困ることですか?ないですね?自覚もなかったんで。」

 

花音「そっか、ならいいんだけど、意識すれば意外と良くなってるって自覚するかも、これからも良くなるかもだし。」

 

蒼生「そうですね。ありがとうございます!」

 

そして俺はまりなさんに報告を済ませたあと帰宅した。そして次の日、俺は様々なことに巻き込まれることになる。




ありがとうございました。
今回は少しつまらなかったかもしれませんが重要な内容は後編に詰め込むのでお許し下さい。

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蒼生は大忙し【後編】

藤井 悠です

それでは本編どうぞ。


 

今日はRoseliaの練習のみだった。と言ってもRoseliaはover the futureLIVEもあるし今のBanG Dream!にも出場してるし何気に1番忙しいバンドである。俺もこのバンドに関しては物凄く集中しなければならないので他のバンドに耳が良くなった!と言われても自覚はないが納得はしてしまう。ちなみに昨日帰って動画サイトに出回っている聴力検査の動画見たら『人外』の診断結果が出た。耳がいいことはわかった。まあ、俺の耳の話はいいとして今日はRoseliaのためにゲストを用意している。そいつらは、

 

蒼生「今日は来てくれてありがとな。」

 

蓮「いいってことよ。」

 

天音「こちらこそ、誘ってくれてありがとうございます。」

 

海斗「今日はRoseliaを見るんだっけか?」

 

蒼生「そうだ。」

 

うちのメンバーだ。創立記念日だから来てくれた。ちなみに明日から休日なのでこっちに泊まるそうで安めのホテルも取ってあるそうだ。ちなみにRoseliaには言ってない。

 

蒼生「そろそろ着くぞー?」

 

天音「楽しみですね。他のバンドをこういう風に見る機会はないですから」

 

蓮「だな!しかしRoseliaって言うとあのストイックそうな奴らだろ?いきなり押しかけて平気なのか?」

 

蒼生「まりなさ・・・ライブハウスの人には話してるから大丈夫だ。」

 

そんなこんなでCIRCLEに着いた。

 

まりな「あ、蒼生くん!メンバーの皆も、待ってたよ!」

 

蒼生「おはようございます。」

 

海斗「今日はお世話になります。」

 

まりな「ううん、いいよいいよ。蒼生くんもありがとね。連れてきてくれて。」

 

蒼生「人件費で給料4倍ですよ?」

 

まりな「あははー、お菓子でいい?」

 

天音「やったー!」

 

蓮「ったくガキだな。」

 

天音「なら兄さんはいらないですか?」

 

蓮「いるに決まってんだろ!」

 

この兄妹仲良いな相変わらず。しかも釣られた。

 

海斗「いいからいくぞ?こっち?」

 

蒼生「そこ女子更衣室。」

 

海斗「なぬ!」

 

天音「あー、変態ですー(棒)」

 

蓮「通報だー(棒)」

 

まりな「ほんとに仲いいんだねー!今度私にも演奏聞かせてよー。」

 

蒼生「いつか必ず。じゃあ行くぞ!」

 

3人「おー!」

 

そして変態(仮)とお菓子でつられた2人を連れてスタジオに向かう。まあまりなさんも言ってたが平和で仲いい証拠ではあるのだが、

 

蒼生「きたぞー?」

 

紗夜「神風さん、2分遅刻で・・・え?」

 

リサ「紗夜ー?いきなり固まって、どうした・・・の?」

 

Roselia「えーーーー!?」

 

天音「こんにちはー♪」

 

蓮「おっす!」

 

海斗「オスオス」

 

蒼生「4人揃って!」

 

・・・

 

蒼生「やらないんかい。」

 

海斗「お前からボケの振りは珍しいけどさすがにそれはダサいよ。」

 

蓮「ないない」

 

天音「ですです」

 

海斗には躱されるし兄妹には仲良く否定されるし、ちくしょう、いつかやらせる。

 

友希那「ど、どうして貴方のメンバーが?」

 

蒼生「ん?呼んだ。」

 

燐子「よ、呼んだと言われましても・・・」

 

紗夜「どうやって、では無く何故いるんですか。」

 

蒼生「Roseliaもレベルが高くなってるからな。今日は特別でパート別でみる。」

 

海斗「って訳だ。よろしく頼むよ。」

 

天音「もしかして、ご迷惑ですか?」

 

友希那「そんなことは無いわ。よろしく頼むわ。」

 

そして練習が始まった。俺は氷川さんと湊さん。蓮が今井さん。天音が白金さん。海斗が宇田川を集中的に見る。まずはFIRE BIRDからやって貰った。恐らくRoseliaで最難度の曲だし最近やる機会が多いからこの曲にしてもらった。

 

友希那「ふう、どうだったかしら。」

 

蒼生「そうですね、まず湊さん。大サビで抑揚なんですがもう少し押えていいかと思います。紗夜さんは1番と2番どっちもBメロの最後が若干リズム隊とずれてますね。」

 

蓮「あー、俺もその辺り気になったんですけど、リサさん?でしたっけ。1回間違えましたよね?あそこは指運びも難しいですから。」

 

リサ「うーん、そうなんだよね。」

 

天音「燐子さんはミスはありませんでしたけど、うーん、なんて言うんでしょう。」

 

燐子「えっと、どこか悪かったですか?」

 

天音「悪いわけじゃないんですけど、うーん」

 

海斗「俺も説明するの少し苦手だからな・・・」

 

蒼生「ならやって見せれば良いじゃないか。」

 

天音「そうですね。すみません、お借りしても宜しいですか?」

 

燐子「あ、はい。どうぞ。」

 

海斗「済まないな。俺も借りる。」

 

あこ「うん!」

 

蓮「なら俺たちも!」

 

蒼生「・・・しゃーねーな、紗夜さん。借ります」

 

紗夜「え、ええ。」

 

リサ「面白くなってきたねー、はい、これあたしのベース。」

 

蒼生「そうだなー、Bメロ序盤から入れるか?」

 

海斗「当たり前だろ、行くぞ?」

 

そしてBメロからサビに入る直前までやって見せた。

 

蒼生「って感じだ。各々分かったか?」

 

Roselia「・・・」

 

あれ?なんかデジャヴ?

 

あこ「すごーい!」

 

紗夜「言葉を失ってしまいました・・・」

 

蒼生「あ、いや、少ししかやってないぞ?」

 

燐子「でも、よく聞いてくださる神風さんはまだしも他の皆さんはあの時のライブ以来ですよね?」

 

友希那「それでこの完成度。素晴らしいわね。」

 

天音「えへへー♪あ、そ、その、言いたいところ、わかりましたか?」

 

燐子「あ、はい。ありがとうございます。」

 

紗夜「私達も負けてはいられませんね。」

 

友希那「そうね。練習再開するわよ。」

 

狙った訳ではないがRoseliaにとっていい刺激になったようだ。うちの他のメンバーも教える側になれたようで次の曲から段々と口で教えられるようになっていた。メンバーの聞く力も上がったってことだろうしWild Babyにとってもいい成長になっただろう。

 

〜次の日〜

 

海斗「んで、きょうはどこに連れてってくれるんだ?」

 

蒼生「今日は懐かしのあの場所だ!」

 

蓮「と言うと・・・なるほど。」

 

天音「あの場所ですね♪」

 

という訳でこの場所に来ました!(小並感)

 

六花「あ、皆さん!おはようございます!」

 

天音「久しぶりです♪」

 

そう、Galaxyだ。俺らの復活ライブをしたのも思えばここだし懐かしの場所と言っても問題ないだろう。

 

蓮「しばらくだな。蒼生のやつに変なことされてないか?」

 

海斗「もしくはされてなくて冷めたか?」

 

六花「い、いえ、とても優しくしてくれます///」

 

蒼生「まてまて、誤解生む言い方だぞそれ。」

 

天音「ま、まさか蒼生さん、そんなことを///」

 

蓮「おい蒼生。うちの天音に何教えてんだ?」

 

蒼生「俺じゃねえよ、どっちかって言うとバカ兄貴と暁さんがやったんですよね?」

 

蓮「そうでした。」

 

海斗「さーせん」

 

六花「と、とにかく入りましょう!」

 

バカ話を断ち切って俺らを中にいれてくれる。

 

海斗「おじゃましまーす」

 

天音「懐かしいですね♪」

 

蓮「ああ。」

 

六花「そう言えば?今日はどうしてここに?」

 

そういえば皆にはなんでここに誘ったか言ってなかったな。

 

蒼生「少し、話したくてな。」

 

蓮「話し?」

 

蒼生「ああ、別に重い話じゃないぞ?ただ、ほら。こうやってゆっくり話す時間なかったと思ってさ。」

 

六花「そう言えば、そうですね。」

 

蒼生「だから同窓会じゃないけどそれっぽく話そうぜ。店長さんには許可取ってるから」

 

六花「い、いつの間に」

 

天音「でも、たのしそうですね?」

 

蓮「だな。」

 

海斗「じゃあ何から・・・」

 

香澄「ロックー!いるー?って、あ!」

 

蓮「おー!いつぞやの!」

 

海斗「香澄だったな。」

 

沙綾「香澄ー、まってよー。」

 

りみ「はぁ、はぁ、やっと追いついたー。」

 

有咲「お前早すぎだろ」ゼェゼェ

 

蒼生「どうした?みんな揃って。」

 

香澄「あ、えっとねー、」

 

そこから説明を戸山からではよく分からなかったので市ヶ谷と山伏から聞く。

 

蓮「面白そうだな。」

 

天音「それ、私たちも入れてもらっていいですか?」

 

香澄「え!いいの!」

 

海斗「うちはリーダーのOKがあれば行けるが、」

 

蒼生「よし、もちろんいいぞ。」

 

そしてあっという間に2日たって・・・

 

蓮「ありがとな、誘ってくれて」

 

天音「少し名残惜しいですね、」

 

海斗「また会うだろ、なんだってFWFもあるからな!」

 

みんなが帰る時間になってしまった。なんだかんだあっという間だったな。そんなこと思っていると不意に俺のスマホがなる。それも2回だ。

 

天音「なんの連絡ですか?」

 

蒼生「えっと1つ目はなー、お!コレ見てみろよ。」

 

どうやら例のポピブイが完成したらしい。それも・・・

 

海斗「ほんとに使ってやがる。」

 

蓮「みんないい顔してんな。」

 

最後から二番目に俺たちとロックpoppin!って言ってるのが使われている。Galaxyで協力したやつだ。

 

天音「完成度高いですね♪」

 

蓮「だな。ちなみになんでPVなんて作ってんだ?」

 

蒼生「あーそれはな。まあ大会があるんだよ。」

 

海斗「知名度上げか?この完成度なら上手く行けばかなり飛躍しそうだな」

 

天音「期待ですね♪もう1件はなんですか?」

 

蒼生「えーっと・・・」

 

こ、これは・・・なんと言えばいいか。

 

天音「蒼生さん?」

 

蒼生「なんでもない。仕事の話だ。じゃあまたな?」

 

蓮「ああ、またな!」

 

天音「お元気で。」

 

海斗「バイビー!」

 

蒼生「古いわ!・・・じゃあな。」

 

そして3人に背を向けつつ考える。2件目はロックからだった

 

ロック『チュチュさんがRoseliaさんに宣戦布告したそうなんですけど・・・一応報告した方がいいと思いまして。』

 

という内容だった。俺は

 

蒼生『サンキュー。わかった。教えてくれて助かるよ。』

 

と返しておいた。宣戦布告か・・・どうなることか・・・

 

 

 




ありがとうございました!次回最終話です!・・・

エイプリルフールです。

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彼女達は彼女達らしく、俺は俺らしく。

藤井 悠です。

今更ですがRASが初夏に追加されますね。六花とパレオちゃん狙いです!


俺はロックから宣戦布告の話を聞きアイツらと分かれてからすぐにチュチュに連絡を入れる・・・が出なかったのでパレオに連絡を入れる

 

パレオ「もしもしー?蒼生さん、如何しましたー?」

 

蒼生「お宅のご主人様がRoseliaに、喧嘩吹っ掛けたって聞いたんだが?」

 

パレオ「その事ですね。チュチュ様はただいまステージングの調整をしておられますので、私から詳細を説明しますね。今から少し時間を頂いてもよろしいですか?」

 

蒼生「わかった。俺からそっち向かう。」

 

パレオ「お待ちしてますー。」

 

電話を切りすぐに原チャに跨る。しかし何故、って考えるまでもないか。チュチュはRoseliaを目の敵にしてるとこはあったし、このタイミング出決着を付けようってことか。まあ話を聞かないことには始まらないし、急ぐか。

 

〜15分後〜

かなり急いでビルに着いた。1個も信号に引っ掛からなかったからすぐに着いた。

 

パレオ「お待ちしてました♪」

 

蒼生「ああ、じゃあ手短に聞くぞ?何をするつもりだ?」

 

パレオ「RoseliaとdUbでツーマンライブをすると仰ってました。ツーマンにするためにチュチュ様には考えがあるそうですよ?」

 

蒼生「・・・危ない手じゃないだろうな?」

 

パレオ「大丈夫です。チュチュ様はちゃんと手段を選ばれる方なので。」

 

手段・・・か、まあ、反則行為をするやつじゃないだろうし、少し型破りなことはするかもしれないが、まあ今はパレオの言うことを信じるしかない。

 

蒼生「まあ、お前が言うならそうなんだろうな。」

 

パレオ「そうそう、伝言を預かってますよ?」

 

蒼生「伝言?」

 

パレオ「RoseliaとRAS、この期間中はどっちを教えるのか?だそうです。」

 

なるほど。RoseliaもRASも教えてるわけだし、気まずくしないようにしてくれてるのか?はたまた何も気にしないで1番いい調子でRASの練習に入って欲しいのか、どちらにせよ俺の身が重くなることは無さそうだ。

 

蒼生「具体的に俺になにかしてくれとは言われてないんだな?」

 

パレオ「そうですね。今の所は大丈夫です。あ、あと、これはパレオからのお願いなんですけど。」

 

蒼生「珍しいな。まあ内容によるけど、なんだ?」

 

パレオ「実はですね、2つあるんですけど、・・・・・・と・・・・・・です。」

 

蒼生「あー・・・なるほど。」

 

パレオ「お願いできませんか?」

 

蒼生「ちなみにそれっていつ?」

 

パレオ「来月の7日です。」

 

蒼生「それまでなら何とかなるか・・・了解した。」

 

パレオ「ありがとうございます♪ロックさんに相談したら蒼生さんが適任と言ってたので♪」

 

蒼生「そうかい。とにかく、今日は遅いし帰るよ。その件はまた今度。」

 

パレオ「わかりました♪ありがとうございます♪」

 

〜次の日〜

 

蒼生「って感じになったんですけど、こっちでは大丈夫ですか?」

 

友希那「構わないわ。皆も平気よね?」

 

紗夜「そうですね。大丈夫です。」

 

リサ「それより蒼生の方は大丈夫なの?」

 

蒼生「まあ、何とかなりますよ。もとより体力はあるので。皆さんも頑張ってください。」

 

あこ「よーし!がんばろーね!りんりん!」

 

燐子「う、うん・・・!」

 

皆気合いも入ってる見たいだし。俺も頑張るとしますか。

 

蒼生「じゃあ行きましょうか。」

 

友希那「蒼生。相談があるのだけど」

 

蒼生「なんですか?」

 

友希那「チュチュが提案をしてきたのよ。ライブ前の投票でライブの順番を決めよう、と。」

 

成程。人気がある方をトリにしようってことか・・・余程優劣をつけたいんだな。悪いことではないと思うが。

 

蒼生「それで、相談とは?」

 

友希那「先と後でセトリを変えようと思うの。」

 

蒼生「・・・思い切りましたね。」

 

2つにするという事は練習量も倍になるし更にRoseliaは後に別のライブを控えてる。負担はかなりのものだと思うが・・・

 

蒼生「大丈夫なんですか?」

 

友希那「何時でも最高の音楽を届けるのがRoseliaよ。」

 

あこ「あこも頑張りますよ!」

 

リサ「でも大変じゃん、セトリ違ったらセッティングも変わるし練習量も倍だよ?」

 

あこ「ば、倍!?友希那さーん!」

 

燐子「OVER THE FUTURE ライブとこんがらがらないようにしないと・・・」

 

皆気合い入ってる見たいだし・・・しかし、いいのだろうか。ハッキリいえばチュチュに煽るだけ煽られてそれを受けた形でこの勝負は成立している。そもそも俺はこの勝負の話アイツから聞いてなかったし他のメンバーにも納得いく形で伝わってるんだろうか・・・

 

友希那「じゃあ、練習始めるわよ。」

 

紗夜「・・・それは、どちらの練習ですか。」

 

友希那「紗夜?」

 

紗夜「OVER THE FUTUREライブを差し置いて、なぜこの勝負を受けたのですか。」

 

蒼生「・・・文句じゃないですが、俺も少し気になってました。」

 

友希那「・・・」

 

紗夜「湊さんは以前の自分と彼女が似ていると言っていましたね。それで見過ごせないという事ですか?これは本当にRoseliaに必要なことなのですか?」

 

リサ「2人とも、練習しよ?ね?」

 

友希那「いえ、この状態では練習にならないわ。」

 

紗夜「ええ、時間の無駄ですので、私はこれで失礼します。」

 

蒼生「・・・俺もこれで」

 

リサ「紗夜!蒼生!」

 

紗夜「・・・今井さんは、何も疑問を感じないんですか?」

 

リサ「分かってはないけど、友希那にも考えがあるんだと思うし、ホントにほっとけないのかも。蒼生も、ね?」

 

今井さんは俺にも諭すように言ってくる。俺は別に怒ってるんじゃないけどな。

 

蒼生「今井さん?俺は別に怒ってる訳じゃないです。ただ練習するならちゃんと気持ちができてる時にして欲しいんです。次、ちゃんとしましょう、ね?」

 

リサ「あ、う、うん。」

 

雰囲気か、俺の言い方が良かったか、今井さんはすぐ引いてくれた。

 

蒼生「すみません、また明日。」

 

リサ「ま、また明日。」

 

俺と氷川さんはそのままCIRCLEをでる。そのまま氷川さんは帰ってしまったので俺も帰路につくことにする。

 

蒼生「・・・はぁ」

 

俺も空気悪くしちゃったかなぁ、とか今更ながらに罪悪感が出始めた。まあ、悪いことしたわけじゃないし、平気、かな?

 

六花「あれ?蒼生さん?」

 

蒼生「あれ?ロック?どうした?」

 

六花「これからますきさんのところで練習するんです。蒼生さんはどうしたんですか?」

 

蒼生「今帰りだ、練習付き合うか?」

 

六花「いいんですか?お願いします!」

 

たまたまロックに出くわしたのでこの消化不良な感じを燃焼させてもらうことにしよう。

 

蒼生「てわけで来ました。」

 

ますき「そうか。聞いてくれるのはありがてえし、ロック!やるぞ。」

 

六花「は、はい!」

 

直ぐに練習が始まる。ロックも段々とRASの曲にも慣れてきているようで技術も着々と上がっている。

 

六花「ど、どうでしたか?」

 

蒼生「ああ、ドラムとのリズムも合ったしだいぶ仕上がってるな。ますきもなかなか良かったぞ。」

 

ますき「・・・ああ。」

 

蒼生「ん、なにか不満でも?」

 

ますき「いや、そういうわけじゃねえ。気にすんな。」

 

うーん、こういう些細なことが意外と大事だったりするんだがな、本人が言いたくないなら無理に聞き出すこともしたくないし、

 

蒼生「わかった。でも溜め込むなよ?ロックもな?」

 

ますき「・・・わかった」

 

六花「は、はい!」

 

蒼生「じゃあ続き行くか!」

 

俺はいい時間になるまで2人の練習に付き合った。そして次の日なんてあっという間にくるもので、氷今日もRoseliaを教える日だ。川さん大丈夫だろうか。と思っていると。

 

紗夜「すみません、委員会で遅れてしまって。」

 

リサ「紗夜!良かったー、来ないかと思ったよー、」

 

紗夜「練習だから来ますよ。それに、あんな人達に負けてる訳には行きませんから。」

 

あこ「じゃあ頑張ろー!ところで蒼生さーん?昨日はろっかのこと教えてたんでしょー?」

 

蒼生「!?」

 

紗夜「神風さん?」

 

リサ「へえ?アタシ達のことほっといてー?」

 

蒼生「い、いや、違うんですよ?」

 

あこ「え?、でもろっかが手取り足取り教えてくれて楽しかったーって言ってたよ?」

 

燐子「て、手取り足取りって///」

 

なんかそれだといやらしく聞こえるんですけど?てかなんで急にギャグな感じになるわけ?さっきまで少し物語的につまんなかったからか?おい作者!何とか言え!

 

友希那「まあいいじゃない。今日は練習できるんだし、昨日の分を取り返すわよ。」

 

ホッ助かった。

 

友希那「ちなみにその話、あとてぐわしく」

 

あ、終わった。

 

ライブ当日

 

香澄「あれー?蒼生だ!」

 

蒼生「戸山か・・・」

 

香澄「あれ?なんか元気ない?」

 

蒼生「ま、まあな」

 

だってRoseliaのとこから出てってロックとますき教えてたってバレてこってり絞られてたんだからな。

 

香澄「そういえば今日は楽屋側じゃないんだね?」

 

蒼生「俺も投票する。だから今日は客としてきた。」

 

香澄「え?どっちにするの?ライブ前のは貼った?」

 

蒼生「貼ったよ。」

 

香澄「どっちどっちー?」

 

蒼生「口が軽そうだから言わねーよ。」

 

香澄「えー、けちー。」

 

有咲「おーい、香澄ー?始まるぞ?」

 

香澄「すぐ行くー!じゃあまた後でねー、後教えてね!」スタスタ

 

蒼生「ハイハイ」

 

そしてライブ。結果は、RASの勝利だった。

 

蒼生「・・・やっぱりな。」

 

その時の俺の顔は、多分悲しい顔してたんだろうな。




ありがとうございました。

駄文が続き申し訳ありません。上手く蒼生を組み込むのが難しいもので、アドバイスくださる方や、感想をくださる方、大歓迎です。悪口でも構いません。よろしくお願いします


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Roseliaに

藤井 悠です

それでは本編どうぞ


あの勝負以来俺はRASの方には顔を出せていない。他のバンドがライブが近くなっているし、特にRoseliaはOVER THE FUTURE LIVEがある。向こうはチュチュが基本見てるだろうし俺も呼び出された時以外は来なくていいと言われていたから気にしては無いのだが。ちなみにロックとはちゃんと会っている。

 

六花「蒼生さん?」

 

蒼生「ん、どうした?」

 

六花「いえ、ぼーっとしてたので。」

 

蒼生「悪い悪い。じゃあ帰るか?」

 

六花「はい!」

 

ちなみに今は羽丘の帰り。最近ライブで忙しくてゆっくり帰れる時間があまり取れていなかったが今日は少し練習時間まで練習があるため一緒に帰ることにした。

 

蒼生「最近練習に顔出し出来てないがRASの方は大丈夫か?」

 

六花「はい。前のライブでモチベーションも上がって増すので。でもその、また練習見に来てくださいね?」

 

蒼生「そりゃ勿論。ロックもバンド楽しめてるようで良かったよ。」

 

六花「ありがとうございます。その、特に蒼生さんに見てもらってる時は、頑張ってます///」ボソボソ

 

蒼生「・・・チュチュにバレたら怒られるぞ///」

 

てかもうバレてるだろうけど。あとこういう事しれっとロックは言ってくるんだよな・・・まあ嬉しいからいいけど。

 

六花「・・・///」ギュ

 

蒼生「ち、ちょ、ロック///」

 

しかもこの雰囲気で腕まで組んできた。今は周りに下校してる生徒が見えない。見えないんだけど・・・恥ずかしいんだよな。

 

六花「もう着いちゃうので、少しだけダメですか?」

 

蒼生「・・・わかったよ」

 

なんだかんだロックには甘いんだよな。惚れた弱みか。

 

六花「あ、着いちゃいましたね。今日はRoseliaさんですか?」

 

蒼生「そうだな。大事なライブも近いし暫くは。」

 

六花「そうなんですね。落ち着いたら私達もよろしくお願いしますね。」

 

蒼生「勿論だ。じゃあな。」

 

六花「はい!また明日!」

 

少し幸せな時間を過ごし俺はCIRCLEに向かった。恐らくこの一週間はRoseliaの練習に集中的になる。まりなさんからもそうしてくれと言われているし、俺も頑張りますか!

 

蒼生「というわけでやりますよー。」

 

紗夜「何がというわけなのか分かりませんが、そうですね。始めましょうか。」

 

CIRCLEに着いた俺は先に到着していたRoseliaと合流し練習を始める。週末のライブに向けてみんなも気合いが入っている。ただ少し前のツーマンライブのことを気にしているのかあんまり目立つほどではないが音に乱れが見られた。だがFWFを目指すならかなり致命的なものになる。治していかなければいけない。だが急かすのもストレスになるし、教える側の些細な悩みの種だ。

 

蒼生「今日はここまでにしましょう。」

 

そんなこんなで今日の練習もあっという間に終わった。言葉を選びつつアドバイスをするのは大変だがライブのことは皆しっかり見えてるみたいだし明後日くらいには普通にできるだろう。

 

友希那「ええ。どうもありがとう。明日もお願いね。」

 

紗夜「・・・私は少し残ります。」

 

蒼生「俺も見た方がいいですか?」

 

紗夜「いえ、問題ありません。確認だけですから。」

 

蒼生「わかりました。何かあれば呼んでください。」

 

氷川さんを除きスタジオから出て少し休んでいる。すると練習が終わったのかAfterglowがでてきた

 

モカ「あ、お疲れまでーす。あおくんもちっすー」

 

蒼生「ちっすー。お前らも練習だったな。お疲れ。」

 

つぐみ「ありがとう蒼生くん。そう言えば前のRoseliaのライブ、すごかったですよ」

 

モカ「蘭も投票Roseliaにいれてましたよー。」

 

蘭「ちょ、モカ///」

 

そうだったのか。ちなみに俺はどちらに入れたかは誰にも言ってない。雰囲気を悪くしない為だ。

 

モカ「あおくんもだよねー。」

 

蒼生「そうそ・・・は?、なんで知ってんだよ?」

 

モカ「これでーす。証拠しゃしーん」

 

そこに移されていたのはRoseliaの投稿に使われた用紙の写真。そこにはひとつの書き込みが。

 

リサ「『がんばれよ』って、これだけ?なんでこれで分かるのモカ?」

 

モカ「ふっふっふー、モカちゃんはあおくんと席が隣なのでノートとか見せてもらうんだけどねー、筆跡が同じなのですよー。」

 

蒼生「それ理由にならないだろ?似てるのかもしれないし」

 

モカ「でもさっきなんで知ってるんだ?って言ってたよねー?」

 

この野郎、カマかけてやがったのか。まさか青葉に一杯食わされるとは思わなかった。

 

リサ「ま、まあまあ。で、蒼生?ホントなの?」

 

聞くのかよ!・・・まあそりゃ聞くよな。RoseliaにもRASにも本番前の練習日に聞かれたし・・・

 

蒼生「・・・そうですよ。」

 

モカ「ほら言ったとーりでしょー?」

 

蒼生「なんでお前が自慢気なんだよ・・・」

 

なんだかんだでバレた・・・もういいわ。

 

友希那「・・・蒼生」

 

蒼生「な、なんですか?」

 

友希那「・・・ありがとう」

 

蒼生「へ?あ、はい。」

 

まさか湊さんにお礼言われるとは。あんまり悪い気がしない

 

〜翌日〜

 

今日も今日とてRoselia練だ。皆のモチベも少しずつ上がってきたしあと少しで完全に仕上がるな。

 

蒼生「今日はここまでですね。」

 

リサ「蒼生!少し確認したいとこがあるんだけど。」

 

あこ「あ、あこも!」

 

燐子「わ、私も・・・!」

 

友希那「私もお願いするわ。」

 

蒼生「じゃあまりなさんに確認してきますね?少し待っててください。」

 

紗夜「・・・少し休憩にしましょう」

 

そう言い氷川さんは俺と同じタイミングで出ていく。先に俺はまりなさんに延長許可を貰い戻ったのだが・・・

 

蒼生「!?、氷川さん!」

 

氷川が倒れていた。かなり辛そうだ。

 

蒼生「失礼します・・・すごい熱だ。」

 

リサ「蒼生どうしたの?って紗夜!?」

 

あこ「わ!紗夜さん!」

 

リサ「あこ!まりなさん呼んできて!」

 

友希那「紗夜?・・・!?」

 

燐子「氷川さん・・・!?」

 

そのあとは大変だった。俺がロビーまで運んで休ませて救急車が来て。幸いただの熱だったからよかったが、大丈夫だろうか?疲れが溜まっていたのだと思うが・・・ライブまでに間に合ってることを祈る。

 

 




ありがとうございました。

明日続き必ず投稿します。多分今回が前編で次が後編みたいな感じになります。
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音の本流

藤井 悠です。

前の話で次の日に出すと言いましたが私用が重なり遅れました。申し訳ありません。・・・宿題なんて滅べばいいのに、

それでは本編どうぞ


氷川さんが倒れた次の日。まりなさんから今日の練習は氷川さんが来ないので俺は来なくて大丈夫と連絡が入った。ってなると持て余すんだよなぁ・・・

 

蒼生「はぁ」

 

六花「蒼生さん?」

 

蒼生「あぁ、いや、なんでもないんだ。」

 

ちなみに今は朝の教室。俺のとこにロックが遊びに来ていた。

 

六花「そ、それにしても先輩の教室って・・・緊張します。」

 

蒼生「まあ、そのうち慣れるよ。顔見知りもいるだろ?」

 

六花「そ、そうですけど、雰囲気が・・・」

 

あー、なんか違う教室でそうなるの分かるかも。特に学年が違うとそうなるよな。特にロックはそういうのに敏感なところあるし・・・

 

蒼生「気にすんな。誰も殴ってきたりしないよ。」

 

六花「わ、分かってますよー。もう。」

 

蒼生「あはは」

 

六花「そう言えば、Roseliaさん、大丈夫だったんですか?倒れたんですよね?」

 

冗談で少し和んだのかこの話題になる。

 

蒼生「幸いただの高熱らしい。今日の練習は俺は行かなくていいんだとよ。ロック、予定ある?」

 

六花「すみません。今日は練習で・・・」

 

蒼生「ならしょうがないか。・・・お?チャイムなったぞ?」

 

六花「あ、わかりました!また今度。」

 

ロックと別れ授業が始まる。なんだか身が入らなかった。Roseliaの事が何度も頭をよぎった。なんだかんだで俺も心配みたいだ。他のバンドの事は自分で解決させるようにしてるんだが。やっぱり長いこといるど情が出来るのかね。

 

先生「今日はここまで。各自復習しておくように。」

 

蒼生「あ・・・おわったのか。」

 

いつの間にか授業が終わっていた。

 

蒼生「・・・はぁ。」

 

仕方ない。氷川さんのとこ行くか。なんだかんだで心配だし。

 

リサ「あれ、蒼生じゃん!」

 

蒼生「今井さん!宇田川と湊さんも。」

 

あこ「奇遇だねー!あこたちこれから紗夜さんのお見舞い行くんだけど蒼生さんも行くー?」

 

蒼生「ああ、行くよ。」

 

リサ「じゃあレッツゴー」

 

というわけでRoseliaメンバーと行くことになった

 

〜氷川宅〜

 

あこ「さよさ〜ん(⸝⸝o̴̶̷᷄ o̴̶̷̥᷅⸝⸝)」

 

紗夜「宇田川さん、落ち着いて」

 

氷川さんは自室のベッドで寝込んでいた。日菜さんによればなんと39度もあったらしい。

 

蒼生「とりあえず色々買ってきたので冷蔵庫入れておきますね?」

 

紗夜「すみません、ありがとうございます・・・」

 

リサ「じゃああたしリンゴ向いてくるねー」

 

あこ「あ!あこも手伝うー!」

 

日菜「じゃああたし、お粥作るよ!」

 

燐子「わ、私も手伝います!」

 

友希那「・・・私は?」

 

リサ「友希那はまってて?」

 

湊さんと氷川さんを置いてリビングに行く。あの二人にしておけば多分Roseliaはいい方向に行くだろう。というのも音楽の方向性やあの対バンライブで割れてたのはあの二人だし落ち着いてる今なら多分いい話し合いができるだろ。

 

リサ「ねえ蒼生?」

 

蒼生「ん、はい?」

 

そんなことを考えてると今井さんが話しかけてきた。

 

リサ「蒼生ってさ?あの時私達に票入れてくれたって言ってたじゃん?」

 

蒼生「・・・はい。」

 

リサ「なんでアタシ達だったの?」

 

あこ「あ、それあこも気になる!」

 

燐子「わ、私も気になります・・・」

 

なんか他のふたりも食いついてきたな。

 

蒼生「・・・そうですね、正直最初はRASに入れようと思ったんですよ?ロックのデビュー戦ですから。」

 

リサ「わお、正直。」

 

蒼生「まあ直ぐにその考えは捨てましたけど。真面目な話、RASとRoseliaの技術は俺から見ればだいぶ近いものです。それこそ聞く人の好みで別れるくらいだと思います。」

 

燐子「それなら、どうして?」

 

蒼生「あくまで個人的な技術の話です。バンドとしての完成度はRoseliaの方が何段も上。俺はそう思ったので。」

 

3人「・・・」

 

あれ?なんか俺変なこと言ったか?

 

蒼生「えーっと?」

 

リサ「いや、思ったよりまともだったから。」

 

どういうことだコラ

 

リサ「あ、いや変な意味じゃなくて。なんか嬉しいこと言ってくれたなって思って。」

 

あこ「うん!ね、りんりん?」

 

燐子「う、うん、バンドマンとしては多分1番の褒め言葉、だと思います。」

 

蒼生「・・・それならようございました。」

 

日菜「あ、そろそろお粥できるよー!」

 

蒼生「あ、了解です。」

 

その後はリンゴを剥き何故かポテトを揚げ氷川さんに渡した。その後氷川さんは寝てしまったので帰ることにした。

 

〜金曜日〜

 

今日は最後の練習日だ。氷川さんも復活し練習に取り組んでいる。いい完成度だ。

 

リサ「今の、いい感じじゃなかった?」

 

蒼生「はい。申し分ありませんね。」

 

紗夜「ふぅ、本番ギリギリに時間を作って下さってありがとうございます。」

 

友希那「いえ、紗夜が言っていなかったら私が言っていたわ。」

 

燐子「あの、氷川さん?もう体調はいいんですか?」

 

リサ「はい、すっかり。」

 

みんなの音がまとまってる。これなら本番も・・・

 

友希那「・・・今日の私達は今までの私たちとは違う。」

 

リサ「そうだね。」

 

あこ「あこ、クタクタだけど燃えてます!」

 

燐子「わ、私も・・・!」

 

蒼生「皆さん。今の俺に言うことは無いです。思いっきりやってください。」

 

友希那「ありがとう。それじゃあ、いくわよ!」

 

そして本番当日皆さんの気合いも十分だった。

 

蒼生「それじゃあ皆さん、頑張ってください。」

 

友希那「行ってくるわ。」

 

リサ「行きますかー。」

 

紗夜「行ってきます。」

 

あこ「行ってきます!」

 

燐子「行って、きます・・・!」

 

そして、メンバー紹介が始まる。そして最後。

 

リサ「そして我らがボーカル、湊友希那!・・・??」

 

いつもならここで一礼が入るのだがしない。どうしてだ?

 

友希那「・・・皆。」

 

ん?なんだ?俺も聞いてないMCが始まる。

 

友希那「いつもRoseliaを支えてくれて、ありがとう」

 

・・・わぁぁぁぁぁ!!

 

会場がこれまでにない熱気に包まれる。今の思い。全てが籠っているのを感じる。

 

友希那「今再び、燃え上がれ!」

 

そしてFIRE BIRDが始まったのだが、

 

蒼生「!?」

 

この感覚は・・・

 

〜3年前〜

あれは俺が弾き語り終わりの時だった。

 

海斗「お前、凄いな!」

 

蒼生「ん、誰?」

 

天音「あの、突然すみません!」

 

俺の前にあいつらが現れたんだ。

 

蓮「ギターだよ。すごい腕だな。」

 

蒼生「ああ、その事か。ありがとな。これでもまあまあ長くやってるんでね。」

 

蓮「その腕を見込んで頼みがある。俺たちのバンドやらないか?」

 

蒼生「バンド、ねぇ。」

 

当時の俺はあんまりバンドに興味がなかった。父さんに海外のバンドだどうとかうるさく言われてたし若干の嫌悪感があったからだ。

 

蒼生「悪いが、今はバンドは・・・」

 

天音「あ、あの、1回だけ!」

 

蒼生「え?」

 

天音「1回だけ合わせてくれませんか!」

 

その後みんなから押されて次の日渋々合わせることになったんだ。

 

天音「あの、来てくれてありがとうございます。」

 

蒼生「いいけど、ほんとに一回で良いんだな?」

 

海斗「ああ、気に食わなかったら帰ってもらって構わない。」

 

蒼生「分かった。じゃあ行くぞ。」

 

海斗「1、2、3、4」

 

そして歌い始めた時俺は衝撃を受けた。3人の技術に呼吸の合い方。そしてそこに自然と入っていくような俺の歌声とギター。鳥肌が止まらなくて音の本流が見えるようだった。

 

蓮「・・・どうだった。」

 

蒼生「・・・バンド。入らせてくれ。俺からお願いする。」

 

海斗「うし!そういえば自己紹介もしてなかったな。俺は暁 海斗!」

 

蓮「神代 蓮。」

 

天音「神代 天音です、よろしくお願いします。」

 

これが俺のバンドの始まりだった。そして・・・

 

〜現在〜

 

その時の鳥肌、音の本流が見える。あの時とは違う、Roseliaの色の本流。そして何よりもこの音。この前の練習とは段違い過ぎる。

 

蒼生「・・・ハハ。」

 

これは凄い。今のRoseliaのレベルは間違いなくRASを超えている。俺たちすらも危ういかもしれない。

 

蒼生「・・・面白くなってきた。」

 

まるで自分のことのように俺はワクワクしていた




ありがとうございました。

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たまにはこんなのも

藤井 悠です

それでは本編どうぞ


俺はあのライブの余韻に未だに浸っていた。Roseliaの皆には一応のアドバイスはしたもののそう簡単には文句なんか出てこなかった。あいつら本人は気がついてなかったがあいつらはさらに大化けする。間違いない。

 

モカ「ねえあおくーん。」

 

蒼生「ん、どうした?」

 

モカ「なんかぼーっとしてたからー。最近そーゆー事多くなーい?」

 

蒼生「ああ、ちょっとな。色々あったもんだから。」

 

蘭「それって、あのRoseliaのライブのこと?」

 

モカ「へー、そーなのー?」

 

話に入ってきた美竹が突如聞いてくる。別に隠すことでもないし言ってもいいか。

 

蒼生「ああ。あのライブは俺が見たRoseliaの中で断トツだ。今までのあいつらじゃない。」

 

蘭「蒼生が言うなら間違いないね。あたしも見たけど、凄かった・・・。」

 

やっぱり美竹も感じるものがあったらしい。まあ今までのRoseliaを見てきた人ならわかるレベルで変わっていただろう。

 

六花「蒼生さん!お待たせしました!」

 

蒼生「おう。じゃあまたな。」

 

蘭「ん、また。」

 

モカ「またねー。」

 

六花の迎えも来たので帰ることにした。

 

六花「なんだか今日の蒼生さんの表情イキイキしてますね?」

 

蒼生「そうだな。まあいい事あったし。」

 

六花「そうなんですね♪蒼生さんのその顔好きです♪」

 

蒼生「ん、そ、そうか///」

 

今のは反則だろ・・・。なんか最近ロックにこんな事言われてなかったから不意打ちくらったな。不覚。

 

六花「その照れた顔も久しぶりですね。っとすみません。電話です。」

 

ひとしきりからかった後、ロックはかかってきた電話に出る。ロックは人をからかう事があまりない。むしろからかわれる側なんだがこうしてからかってくれるのは俺に気を許してくれてるからだろうか。まあ付き合ってからそこそこ経ったし特にギスギスしたことも無い。このまま平和に付き合えるといいな。

 

六花「はい、はい。分かりました。失礼します。」

 

蒼生「ん、今の声よしこさんだよね?どうかした?」

 

ちなみによしこさんはGalaxyの店長である。

 

六花「実は、その。温泉に行ってくれませんか?」

 

蒼生「はい?」

 

〜数十分後〜

 

蒼生「んで、これはなぁ・・・」

 

どうやらロック曰く商店街の長老さん達が温泉旅行の前に腰を全員やってしまいキャンセル出来ないのでガールズバンドをかき集めて旅行に行って欲しいとの事だ。それで一応俺も呼ばれたわけなんだが、女子達と温泉ってなぁ、ロックもいるからセーフかもだがこれ場合によっちゃアウトなんじゃないか?

 

蒼生「はぁ・・・」

 

六花「蒼生さん?どうしましたか?もしかしてあまり乗り気じゃないですか?無理しなくても・・・」

 

蒼生「あ、いや、別にそういう訳じゃないよ。ちょっと緊張してるだけ。っと。そろそろ行く時間じゃないか?」

 

六花「あ、そうですね!点呼取ってきます!」

 

ちなみに集まったのはポピパ、ハロハピ、アフグロ、Roseliaは全員。RASがますきとレイとロックの3人。かなりの大所帯だ、

 

六花「じゃあ乗ってくださーい。」

 

そしてバスに座らされる。席順はくじで決めさせられたが・・・

 

蒼生「あ、うっす。」

 

ますき「うっす。」

 

ますきの隣になった。が。

 

蒼生「・・・」

 

ますき「・・・」

 

喋りにく!圧が凄い!狂犬だよ狂犬!

 

ますき「・・・なあ?」

 

蒼生「ん?なんだ?」

 

幸いにも向こうから話題を振ってくれた。

 

ますき「すっげえどうでもいいことなんだけどさ?何であたしとレイは名前呼びなんだ?他の奴らは苗字だろ?」

 

蒼生「あー、その事な。単純だ。俺がお前たちの苗字知らないから。ちなみにチュチュとパレオに関しては本名も知らん。」

 

ますき「あ、それあたしも知らねえな・・・今度聞こ。」

 

意外とそこから話題は広がり宿までは退屈しなかった。

 

ますき「お、着いたみたいだな。じゃあまた後でな!」

 

蒼生「うっす。また後で。」

 

旅館に着いたあとは各々の部屋に連れていかれた。ちなみに俺は水蓮の間。RASと一緒の部屋に連れてかれた。誰一人嫌な顔しなかったのは精神的に大分楽でいられた。

 

レイ「随分広い部屋だね?」

 

ますき「だな。これでタダなのはいいよな。」

 

六花「ですよね!私はお風呂入りに行きますけど、皆さんは?」

 

蒼生「あー、俺はなんか入ろうとしてトラブルとか嫌だから、その辺ぶらぶらしてる。」

 

ますき「覗くなよー?」

 

蒼生「んな事言うと覗くぞ?」

 

六花「へ?あ、蒼生さん!?で、でも、蒼生さんなら・・・」

 

蒼生「いや待て待て、悪かった。冗談だから、な?」

 

レイ「あ、あはは、なんか大変そうだね?」

 

蒼生「ああ、慣れねえ事は言うもんじゃないな・・・」

 

そして部屋を出ていく。下に行くと

 

蒼生「あれ?パスパレじゃないですか!」

 

麻弥「あ!蒼生さんじゃないですかー!」

 

イヴ「アオイさん!ご無沙汰です!」

 

蒼生「何故ここに?仕事じゃなかったんですか?」

 

千聖「仕事がここだったのよ。まさかみんなも来てるとは思わなかったけれど。」

 

蒼生「なるほど・・・」

 

日菜「ねえねえ?あたし達と同じ旅館にいるってどういう気分ー?」

 

蒼生「控えめに言って最高っす。」

 

日菜「あははー♪面白ーい!」

 

彩「あ!そうそう、これ、前頼まれてたやつ!」

 

蒼生「お!あざます!」

 

そして彩さんが差し出したのは期間限定のパスパレ5人がのるストラップ。数量限定だったんだがバイトだったためゲット出来てなかった。そしたら彩さんが用意してくれると言ってくれたんだが、マジで用意してくれるとは・・・

 

蒼生「あれ?なんでこれ2つ?」

 

彩「あ、事務所の人が1つサービスしてくれたんだ!誰かファンの人に渡してあげて?私が渡すとダメだって千聖ちゃんが・・・」

 

千聖「そうよ。蒼生くんはコーチだから言いけれど、他の人に渡すとネットニュースとかにもなりかねないから。」

 

彩「そ、そうだよね。だから蒼生くん。これ2個持ってて?」

 

蒼生「分かりました。ありがとうございます。」

 

しかも裏にしれっと彩さんのサインがある。こりゃ超レアだ。

 

蒼生「それじゃあこれで、またどこか中で会えば。」

 

彩「うん!じゃあね!」

 

そしてウハウハで歩き出す。こんなにパスパレに優遇してもらえていいんだろうか。俺はさては世界一幸せなのでは無いのだろうか?しかもロックはこのパスパレ好きも理解してくれてるし、恵まれてるよなー。

 

ますき「ん、どうした蒼生。そんな気持ちわりぃ顔して、」

 

蒼生「気持ちわりぃわ余計だ。ちょっといい事あってな。」

 

ますき「ところでこれなんだけどよ、」

 

蒼生「ん、クレーンゲーム?」

 

ますき「あれ取れねえんだけど。」

 

ますきが指したのは可愛らしい人形だった。

 

蒼生「ああ、あれか、200円貸してみ?」

 

ますき「お、おお?」

 

200円投入するとまずはくるっとなってる耳に左アームをかける。このアームは握力は強い方なのだろう。それだけでゴール近くまできた。手助けだけしようと思ったが、行けるな?次に今度はさっきの耳を使って引きずるように人形を動かして・・・

 

蒼生「・・・ほれ」

 

ますき「す、すげえな・・・」

 

蒼生「まあな。多少自信はある。」

 

パスパレのグッズ狙いでやりまくってたら上手くなってたのはここだけの話。

 

花音「あ、あのー?」

 

蒼生「ん、松原さん?」

 

花音「あのー南館ってー?」

 

蒼生「あ、右です。」

 

花音「あ、ありがとう」

 

松原先輩方向音痴らしいからな・・・旅館内とかも苦手なんだろーな・・・て。

 

蒼生「道違います!そこ正面です!こっちですこっち!」

 

ますき「こっちっすよ。」

 

っと言うわけで2人で道案内することになった。途中儚い、とかブシドーとか言ってる連中を見かけたがガン無視して数分歩くと自販機の前に見知った顔が。

 

彩「あ、花音ちゃんだ!」

 

花音「良かったぁ。」

 

またもパスパレさんエンカウント。メンバー減ってるけど。

 

千聖「ん?あの人は確か・・・」

 

麻弥「き、ききききき、キング!?」

 

あ、そういや麻弥さんますきのファンのだったな。

 

ますき「・・・パステルパレットの、大和 麻弥さん?」ギロ

 

麻弥「ひぃ!?」

 

怖ぇ!喧嘩ふっかけねえだろーな・・・

 

ますき「尊敬してるっす!」

 

麻弥「うえ!?」

 

ますき「自分、麻弥さんのドラムがアイドルやられてる前から大好きで!あんなすげえドラム叩けてアイドルまでやってるなんてスゴすぎるっす!」

 

あ、ファンだったのな。すげえ目がキラキラしてる。

 

巴「あれ?何してるんですか?」

 

沙綾「あ、巴!鍵忘れてる!」

 

あこ「あ、お姉ちゃん!」

 

声に釣られたのかひとがワラワラやってくる。

 

麻弥「お!これは・・・」

 

ますき「麻弥さん?」

 

麻弥「ドラマー会議、しませんか?」

 

ってな訳で麻弥さん率いるドラマー達は言ってしまった。

 

千聖「蒼生くんはこれからすることはあるのかしら?」

 

蒼生「いえ、特には。千聖さん達は?」

 

千聖「私達はこれから花音と彩ちゃんとお風呂に入りに行くわ。」

 

そしてパスパレとも完全に別れ目に付いたのは

 

蒼生「・・・ポピーの間?」

 

なんか騒がしいな?ここはポピパ

 

蒼生「入るぞー?ってロック!?」

 

部屋に入るとロックが顔を真っ赤にして布団に入っている。てか市ヶ谷も花園もダウンしてやがる。部屋にはほかのポピパメンバー、イヴ、奥沢がいた。

 

蒼生「どうしたんだこれ?」

 

美咲「みんなのぼせたみたい。」

 

蒼生「あー・・・」

 

というかお風呂屋の手伝いしてる子がのぼせるってどうなの・・・

 

つぐみ「ポピパ、いるー?」

 

沙綾「いるよー、入って入ってー」

 

そうしてると上原と宇田川、羽沢が入ってくる。

 

蒼生「どした?」

 

上原「ポピパのMV、凄いことになってるよ!」

 

巴「早く教えたくってさ!」

 

一同「??」

 

そして画面を覗き込むと

 

一同「わぁ!(おー!)」

 

沙綾「再生数が1万超えてる!」

 

香澄「来れって凄いのー?」

 

蒼生「・・・凄いよ、これ。」

 

ポピパはこの辺でしか活動してないバンドだし。他のバンドも多数出演してるからだろうけどもだとしてもこの再生数は知名度もかなり伸びるはずだ。

 

有咲「・・・ワンチャンのるしかねぇ!」へろへろ

 

蒼生「は?い、市ヶ谷!?」

 

なんか言ったらぶっ倒れやがった。そこからはてんや。やれ水だの氷だの。なんだかんだ楽しい旅行になった




どうだったでしょうか?

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嫉妬そして欠落

藤井 悠です

それでは本編どうぞ


あの温泉旅行の翌日。俺とロックはチュチュのスタジオにお土産を渡しに行っていた。ロック曰くパレオは実家にいて温泉まで行けなかったらしくチュチュは単純に風呂が苦手でシャワー派のようだ。というわけでお土産だけでも持っていこうとロックと話し合い温泉まんじゅうを金を出し合い買った。ちなみに俺が買うと言ったら「絶対割り勘です!」とロック側が折れなかったので渋々割り勘にした。

 

六花「でも、これで良かったでしょうか?」

 

蒼生「まあ個数もちょうどいいし、お土産としても無難だし問題ないだろ。ほら、ついたぞ?」

 

六花「そうですね。開けてもらうので少し待っててください。」

 

余談だがこのチュチュの特大スタジオには顔認証システムが着いている。RASのメンバーは登録されているのだが何故か俺はされなかった。理由を聞いたら必要な事は携帯で全てやり取りすればいいし練習で来る時は大体ロックと一緒に来るから必要ないとの事だった。

 

六花「開けてもらいました。入りましょう。」

 

蒼生「ああ、サンキュー」

 

そそくさと中に入ると中にはチュチュの姿は見えなかった。その代わり

 

パレオ「いらっしゃいませ!本日はおふたりでどうされましたか?」

 

パレオが出迎えてくれた。手に持ってるのは・・・ああ、あれか。

 

六花「あの、これ。温泉旅行のお土産です。」

 

パレオ「わぁ!ありがとうございます!」

 

蒼生「ああ、それはいいんだけどよ?お前のご主人は?」

 

パレオ「すみません、チュチュ様は皆さんのステージングを詰めるのに集中していて。」

 

ロック「いえ、こちらこそ急にお邪魔しちゃって。でも凄いなぁ。曲も歌詞も演出も、全部やって。」

 

パレオ「はい!さすがチュチュ様です。」

 

蒼生「まあ、少し気張りすぎな所もあるかもしれないがな。無理しすぎない程度にお前らがフォローしてやれ」

 

六花「はい!」

 

パレオ「・・・」

 

蒼生「ん、どした?」

 

俺、今なんか変なこと言ったか?

 

パレオ「えーっと、二つ聞いてもいいですか?」

 

蒼生「ん?なんだ?」

 

パレオ「えーっと、何だか蒼生さんって言うことが時々先生っぽいというか、とても近い歳の人が言うこととは思えないんですよね?」

 

蒼生「あー、まあ色んなバンド見てきたから・・・」

 

パレオ「色んな?」

 

蒼生「・・・dead emperorボーカル神風 影狼の息子って言えばわかるか?」

 

パレオ「え!?dead emperorって、あの!?」

 

蒼生「腐るほどバンドは見てきた。納得出来たか?色々アドバイスが出てくるの。」

 

パレオ「は、はい。納得です。」

 

『dead emperor』バンドをやってなくても誰もが知ってるであろうその名前。世界的に有名で実力は衰えることを知らない。テレビ等にも度々出るほどの有名人。俺は色々めんどくさいので俺が息子っていうのは隠してる。

 

蒼生「2つ目は?」

 

パレオ「そのキーホルダーなんですけど?」

 

蒼生「キーホルダー?」

 

パレオが指したキーホルダーは先日パスパレの皆さんに貰った期間限定キーホルダーだ。

 

パレオ「それ羨ましいですよー、私が住んでるところ置いてなかったので。」

 

そんなことか・・・さっきまで少し真面目な話だったからびっくりした。ロックなんか俺の父さんの話と今の雰囲気の違いに着いていけてなくて目が白黒してるし。

 

蒼生「そうか、限定品ってそういうことあるよな・・・まてよ、てことはパレオお前・・・」

 

パレオ「はい!パスパレファンです!ファンクラブの会員証見ますか?」

 

蒼生「どれどれ・・・何!」

 

なんとそこに書いてあったのは『鳰原令王那 会員No、6』

 

蒼生「1桁だと・・・身近に俺以外の1桁がいるなんて・・・」

 

パレオ「えへへー、ってえ!?蒼生さんも1桁!?」

 

蒼生「ああ、No、7。お前の一つ下だな。」

 

こりゃ凄い巡り合わせだ。あ、そうだ!

 

蒼生「そういえばこのストラップもう一個あるんだけど、いる?」

 

パレオ「いいんですか!ありがとうございますー♪」

 

1桁に渡せるなら俺も本望だ。ちなみにWild Babyのメンバーでも全員10代の数字に入っている。

 

六花「・・・は!?ここはどこですか!?」

 

蒼生「あ、戻ってきた。大丈夫か?」

 

六花「は、はい。大丈夫です。」

 

蒼生「なら良かった。俺たちはこれでお暇するよ。」

 

パレオ「分かりました!お土産はパレオが責任を持って渡しておくので!あと7日の件、よろしくお願いしますね?」

 

蒼生「ああ、分かってる。」

 

六花「はい。それじゃあ、おやすみなさい。」

 

パレオ「はい、良い夜をー」

 

そのままロックと俺は帰宅する。ちゃんと意識がどっか行ってる間の説明はした。

 

〜翌日〜

 

蒼生「・・・はい!?」

 

まりな「だから、このBanG Dream!の期間が終わるまでは出場してるバンドに教えるの禁止って言ったの。」

俺はCIRCLEに着いた途端急にこんなことを言われた

 

蒼生「な、なぜ?」

 

まりな「うーん、やっぱりもう後半戦だし、後は自分たちの力でやってもらうのが1番かなーって。何よりガールズバンドのイベントだし。」

 

蒼生「まあ、まりなさんがそう言うなら。」

 

まりな「あ、でもライブ見に行くとかならいいからね?あとちゃんとRoseliaとポピパには連絡してあるから。」

 

蒼生「了解しました。」

 

まりな「ここで羽を伸ばすも良し他のバンドに集中するも良しだから、そこは蒼生くんに任せるね?」

 

ということでシフトはまりなさん通してゆっくり決めていいとの事だった。うーん、ここからどうするか。

 

プルルルルルルルル

 

蒼生「電話?市ヶ谷からか。もしもし?」

 

有咲「ああもしもし?なぁ、ひとつ聞きたいんだけど、」

 

蒼生「あー、実はまりなさんからな・・・」

 

有咲「いや、その話は私らも聞いたけどさ、演奏以外もダメか?」

 

蒼生「まあ、出来れば。」

 

有咲「わかった。私たちで決める。その代わり1つお願いがあるんだが。」

 

蒼生「ん?」

 

〜数日後〜

 

今日はGalaxyに来ている。何でも最近ポピパはハシゴライブを繰り返しやって票を稼いでいるそうだ。すごい体力だな。ちなみに数日前の相談はハシゴライブしても大丈夫かの確認だったらしい。そして、

 

香澄「ありがとうございましたー!」

 

ライブが終わる。

 

蒼生「えっと、例のやつは・・・あった。」

 

たえ「ふぅ、」

 

香澄「あ、おたえー、ちょっと待ってー♪」

 

たえ「ん、なにー?」

 

するとポピパの花園以外の4人がクラッカーを取り出し

 

「お誕生日おめでとう!」

 

おめでとうー、と客席からも聞こえる。よし、そろそろか

 

香澄「今日はゲストも呼んでます!どーぞ!」

 

蒼生「どうも、Wild Babyの蒼生です!」

 

きゃあぁぁぁあ!!!!

 

やっぱり1回ここでライブしたからか認知はされてるみたいだな。盛り上がってくれたようで何より。

 

蒼生「そして、誕生日、おめでとう。」

 

たえ「うん、おめでとう・・・だれの?」

 

蒼生「んが!?」

 

俺は裏で用意してたクラッカーバズーカを持ちながらズッコケる。

 

有咲「お前、今日何日だよ!」

 

たえ「ん?12月の3日・・・あ、私だ!おめでとー私♪ありがとーみんな!」

 

蒼生「はぁ、やれやれ、改めて、うい!」

 

客先に向かってバズーカをぶっぱなす。その後見に来てたチュチュとパレオ以外RASメンバーと祝ってたのだが・・・

 

蒼生「あ・・・」

 

六花「どうかしましたか?」

 

蒼生「RASの順位が・・・」

 

2位に落ちていた。

 

有咲「え?じゃあ・・・1位は・・・」

 

1st Roselia 8526票

 

そう、Roseliaがトップにたっていた。と同時にRASの3人と俺に連絡が入る。内容は今すぐスタジオに来いとの事。とりあえず各々思うことはあったものの向かうことにした。

 

六花「チュチュさんやっぱり怒っとるんかな・・・急に集合なんて・・・」

 

ますき「怒るって言うか拗ねてんだろ。なんか甘いもんでも作ってくればよかったな。」

 

チュチュ「必要ないわ。」

 

チュチュとパレオが入ってくる。今までにない緊迫した空気だ。

 

チュチュ「No problem。逆転する方法は考えてあるから。」

 

レイ「・・・方法って?」

 

チュチュ「私達も他のライブハウスに殴り込みをかける。」

 

蒼生「!?」

 

六花「殴り込み!?」

 

チュチュ「RASの力は既に知れ渡ってるわ。私たちが仕掛ければ他のバンドは辞退するはず、いや、させてみせる。」

 

ますき「物騒だな・・・」

 

チュチュ「それから、ここからは私の命令に全て従ってもらう。あなた達のスケジュールも私が管理する。それから他のバンドとの接触も禁止。時間の無駄だから。アオイも例外なくよ。」

 

蒼生「・・・本気で言ってんのか?」

 

チュチュ「ええ、予定は既に組みたててあるわ。全員それに合わせてバイトも個人的な用事も全部キャンセル。」

 

ますき「・・・聞き返すようだが、マジで言ってんのか?」

 

チュチュ「これは戦いなのよ!」

 

これは、行けない兆候だ。場の空気の重さ、トゲトゲしさ。でも、こいつらには悪いがいい機会か。RAISE A SUILENが1つのバンドとして完成させるためには、避けて通れない道だろう。

 

ますき「・・・ちっちぇーな。」

 

チュチュ「は?」

 

ますき「だからRoseliaに負けんだよ。」

 

チュチュ「はぁ!?負けてない!この間だって勝ったじゃない!もう一度やっても私たちが絶対勝つわ!」

 

レイ「・・・そうかな?」

 

チュチュ「・・・なによ。なにいってるの。」

 

レイ「・・・いや、」

 

チュチュ「そんな弱気じゃ勝てるものも勝てない、あなたRASとしての自覚あるの!」

 

蒼生「・・・」

 

チュチュ「他のふたりもそう、RASはこんな所でつまずくバンドじゃないでしょ?ポピパのライブなんか言ってる時間ない!遊んでる暇なんか無い!そんな甘い気持ちで私のバンドに参加しないで!!」

 

ますき「おい、チュチュ・・・」

 

ますきが宥めようと手をさしだすも、その手を払い除けて

 

チュチュ「逆らう気?私はプロデューサーよ!」

 

RAS「・・・」

 

蒼生「・・・」

 

ますき「・・・そうかよ。」

 

そのままますきは出ていってしまった。その後をロックが追いかける。

 

蒼生「・・・契約違反だ。」

 

チュチュ「は?」

 

蒼生「俺は他のバンドを見るからそれを理解した上でRASのサポートをさせてくれとそういったはずだ。だからはっきり言うぞ。余程のことがない限りもうここには来ない。」

 

俺もスタジオから出ていく。冷たく言い放ったが、あそこからRASは変われるか、ここがバンドとしての大事な分岐点になる。RASのヤツら、上手くやるといいが・・・




ありがとうございました。

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特別

藤井悠です

それでは本編どうぞ。


俺はRASのスタジオを出ると直ぐにロックを見つける。ますきは既に帰ってしまったようだ。

 

六花「蒼生さん・・・私達、その、これからどうなって・・・」

 

蒼生「・・・すまない。これから具体的にどうとは言えない。」

 

六花「そんな・・・」

 

やっぱりショックのようだ。そりゃそうだろう。せっかくバンド組んで上手く行き始めたのにこの有様だもんな。

 

蒼生「でも、これに関しては俺が口を挟むことじゃない。分かってるな?」

 

六花「・・・はい。頑張ります。」

 

そのままさようなら、とロックも帰ってしまう。恋人のあんな姿を見るのは心苦しいがこれもロックとRASのためだ。ロックは行動力高いし大丈夫、と信じてる。・・・とはいえあの状況で俺の頭も少し熱くなってる。今は俺も家に帰って休むことにしよう。

 

〜自宅〜

 

蒼生「ただいま・・・」

 

蒼生母「おかえりー、どうしたの?元気ないじゃない?」

 

家に帰ると母さんが俺のテンションの低さからかすぐ玄関に出てきた。

 

蒼生「・・・仕事で色々あったんだ。大丈夫、バイトクビになったとかじゃないから。」

 

蒼生母「そんな心配してないよ。あんたは大丈夫?」

 

蒼生「大丈夫だ。心配かけてごめんな。」

 

そのままリビングに入る。晩御飯の準備がしてあった。手を洗い席に着く。ついでに顔に冷水をぶっかけ頭をクールにした。

 

蒼生「いただきます。」

 

蒼生母「召し上がれ。そうそう蒼生?」

 

蒼生「ん、どうした?」

 

蒼生母「父さんだけどね、6日の夜に帰ってくるって。」

 

蒼生「ふーん、ん!?」

 

6日!?今日が3日だから・・・明明後日!?

 

蒼生「い、いきなり!?」

 

蒼生母「私だって驚いたわよ。いきなりさっき連絡入ったんだから。」

 

蒼生「ま、まあ分かったよ。ご馳走様。」

 

蒼生母「はい、お粗末様。」

 

リビングを出てすぐにベッドで横になる。

 

蒼生「・・・はぁ。」

 

なかなかに密度の濃い1日だった。仕事の事や花園誕生日からのチュチュのRASの方針。それに加え父さんがもうすぐ帰ってくる。

 

蒼生「・・・とりあえず明日考えるか。」

 

俺は疲れていたのかその後はすぐに眠りにつくことが出来た。

 

〜12月6日〜

 

そしてあれから早3日。父さんの帰ってくる日になった。母さんも朝から忙しそうだった。RASにはあれから顔を出していないし連絡も来ないので今どういう状況か分からない。ロックとは顔を合わせているがRASの話題が出てこない。昨日はRASのライブがあったそうだが一応ネットを確認するとどうにもパレオがライブに参加していなかったそうだ。俺のイメージではあいつが1番チュチュの近くに居たしあんな状況なら尚更近くに付くと思ったんだが・・・

 

蒼生「・・・わかんねえなぁ」

 

モカ「何がわかんないのー?」

 

蒼生「・・・青葉か。なんか最近よくお前らに絡まれるな。」

 

モカ「絡まれるような態度をよく取ってるからねー。」

 

蒼生「はは、返す言葉もない。」

 

モカ「んで、何悩んでるのー?」

 

なんか最近地味にこいつらに相談話ばかりしてる気がするな。向こうから聞かれることがほとんどだった気もするが、それほど俺って態度に出てたのだろう。

 

モカ「もしかして六花と喧嘩したー?」

 

蒼生「そうじゃないんだけど・・・これは俺が悩んでどうにかなることじゃないんだ。」

 

モカ「そっかー、でも悩んでるならやっぱり六花関連でしょー?」

 

蒼生「まあ、そうだな。」

 

モカ「うーん、何が起きたかはわかんないけど、なにか相談してきたらちゃんと答えて上げるのがいいんじゃない?Afterglowもそうやってきたしー。」

 

蒼生「・・・そうか」

 

俺はバンド内で何かあったら余程のことがない限りバンド内で解決して欲しいって考えてるんだが。青葉の言うことも大事なんだよな。

 

モカ「帰りのホームルームはじまるよー?」

 

蒼生「そうだな。」

 

そのまま担任が来てホームルームが終わる、と同時に

 

六花「蒼生さん!」

 

蒼生「うお、びっくりした。どうした?」

 

ロックが教室に飛び込んでくる。

 

六花「そ、その、来てください!」

 

そのまま腕をグイグイ引かれ連れていかれる。

 

モカ「ぐっどらっくー」

 

最後にその言葉を聞き教室を後にする。そのまま校門前まで連れていかれる。

 

蒼生「ど、どうしたんだ?他の人の前では話せないことか?」

 

六花「そ、そうですね。その、蒼生さんにお願いがあるんです!」

 

蒼生「お願い?」

 

六花「そ、その、パレオさんを探すの、手伝ってください!」

 

蒼生「・・・なるほど」

 

六花「わ、私、蒼生さんが、あんまりこういう事に手を出すの好きじゃないってわかってます!だけど、私たちだけじゃ不安で、後でお礼はします。だから・・・」

 

蒼生「・・・ストップ」

 

六花「え?・・・」

 

蒼生「気持ちは充分伝わった。でもバンド内の事は手を出さない。」

 

六花「・・・そうですか。」

 

蒼生「ただし!」

 

六花「え?」

 

蒼生「まあ、俺の知り合いっていうか、久々に見つけたパスパレ仲間が失踪したってのも気になるし、俺は友達を探しに行く。同一人物だから、自然と協力する形になるな?」

 

六花「蒼生さん・・・はい!行きましょう!」

 

そのまますぐに家に帰る。

 

蒼生「ただいま!その、母さん。」

 

蒼生母「おかえりー、どうかしたの?」

 

蒼生「その、ごめん。今から出かけるけど、父さんが帰ってくるまでに帰って来れないかも・・・」

 

蒼生母「・・・わかったわ。」

 

蒼生「だから・・・え?」

 

分かったって、そんなにあっさりいいのか?なにか裏があったりするのか?

 

蒼生母「あんたがそんなに必死そうな顔してるんだもの。ダメなんて言えないわ。」

 

蒼生「母さん・・・ありがとう!」

 

俺はすぐに原チャに跨り出発した。もちろん目指すは・・・

 

蒼生「いくぞ、鴨川!」




ありがとうございました。

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言葉は呪い

藤井 悠です。

課題なんて無くなればいいのに。

それでは本編どうぞ。


鴨川に着いてからは早かった。ますきとロック、俺で二手に別れてパレオを探すことにした。当然だが俺はこの辺りの土地勘は無い。文字通り虱潰しに探すことになる。今は原チャを手で押しながらゆっくりさがしている。

 

蒼生「・・・手がかりになりそうなのはパスパレ好きと、鳰原令王那って名前だけか。」

 

かなり厳しい条件だ。これが場所の特定になる訳でもないしこの名前で聞いて回ったりしたら不審者に勘違いされかねない。この時間だし人通りと言えば今目の前を歩いてる女の子だけだ。どうしたものか・・・

 

蒼生「うーむ、ダメ元で聞いてみるか・・・ん?」

 

その少女と丁度すれ違おうとした時、その少女の鞄から何かが落ちるのが見えた。小さかったのでよく見えないが、拾ってみるとそれはストラップ・・・ってこれは

 

蒼生「おまえ、パレオなのか・・・?」

 

少女「!?」

 

その少女は恐る恐ると言った感じで振り返る。髪の毛は黒、眼鏡もかけていて雰囲気こそ全く違うが俺の目に映るのは間違いなくパレオだった。

 

パレオ「・・・どうしてここに。」

 

蒼生「こっちのセリフだ。ライブを無断で休んでどうしてこんな所にいる。」

 

パレオ「・・・っ!」

 

蒼生「おい!」

 

パレオは答えずに走り出してしまう。すぐに原チャに跨り追うが狭い路地に入られて追えなくなってしまう。

 

蒼生(くっ、ロック達に連絡する暇はないか。でもな。)

 

俺はあいつの足音であろう音を頼りに別の道で追いかけていた。土地勘は無いので時々迷いかけたがこちらの方がスピードはあるのでそこまで距離は広がらなかった。そうこうしている内に逆に足音がこちらにちかづくのがきこえた。

 

蒼生(ん、なんでこっちに来てる?ってあれはロックとますき?)

 

なるほど。追った先で2人に遭遇したのか。って俺ここじゃUターン出来ねぇ。どうしよ、もう3人追い抜いた。これ詰んだか

 

〜5分後〜

 

蒼生「やっと回れた・・・」

 

ようやく回れるところを見つけてすぐに向かう。とりあえず先程のところまで行くと話し声が聞こえてくる。そう遠くない場所にいる。

 

蒼生「・・・いた」

 

海沿いの歩道橋の上に3人を見つけた。すくぞばに原チャを止めてその場所に歩きだす。向かいながら耳を傾けるとロック達が説得していた。

 

六花「パレオさんがいなくなったらRASやあらへん!」

 

パレオ「ロックさん・・・」

 

蒼生「その通りだ。」

 

俺も追いつき声を掛ける。

 

ますき「・・・遅かったな。」

 

蒼生「わり。おい、パレオ。」

 

パレオ「・・・はい。」

 

蒼生「お前にとって、RASはそんなものだったのか。俺はここで何をこいつらに言われて、お前が何を言ったのかなんて知らないし聞こうともしない。ただおれはいいたいことだけいわせてもらうぞ。」

 

パレオ「・・・」

 

普段なら俺はこんなことは言わないだろうが、せっかくここまで来たわけだしこいつらの為にも言わせてもらうか

 

蒼生「俺は何が経緯でお前がここから出てこなくなったのか。パレオというお前を閉じ込めたのかはわからんがお前自身はそれでいいのか?」

 

パレオ「・・・私はチュチュ様の隣に居られればよかったんです。でもチュチュ様は、私は必要ないと。私だけいてもしょうがないと。なのでRASに私の存在価値は無くなりました。あそこにいる理由もいていい訳もありません。」

 

蒼生「・・・つまり、チュチュが用済みって言ったからお前はRASにとって用済みになった。と言いたいわけか?」

 

パレオ「・・・はい」

 

蒼生「・・・お前は、ほんとにそれでいいって思ってるのか?」

 

パレオ「・・・」

 

蒼生「お前にとってRASはその程度で止めれるもんだったのか?」

 

パレオ「・・・それは」

 

蒼生「少なくともアイツはそうじゃないみたいだぞ?」

 

パレオ「え?」

 

俺は振り向き歩道橋の少し遠くを指す。

 

パレオ「!?」

 

チュチュ「はぁ、はぁ!」

 

遠くからチュチュとレイが走ってくる。足音が2人分聞こえてきたので俺は先に気がついていた。

 

パレオ「・・・そ、そんな」

 

蒼生「少なくとも、俺の視界には4人ほどその程度じゃない奴がいるが?お前はほんとにそれでいいのか?」

 

言い終わる前にパレオは走っていた。いま、パレオのためだけに走ってきた人のために、大事なご主人のために。

 

パレオ「チュチュ様!」

 

その勢いそのままにパレオはチュチュに抱きつく。

 

パレオ「チュチュ様ー!」

 

チュチュ「わ!?パレオ、苦しい・・・」

 

パレオ「チュチュ様!心配かけてすみません!勝手に休んですみません!電話に出なくてすみませんー!」

 

チュチュ「ち、ちょっと、恥ずかしいから///」

 

レイ「ふう。」

 

蒼生「お、レイ。お疲れ様。」

 

俺は感動の再会(?)を果たしてる2人を少し感動に浸らせてる間に俺はレイに労いの言葉をかける。

 

レイ「蒼生もお疲れ様。」

 

蒼生「俺はなんもしてねえよ。着いていただけ。」

 

レイ「んー、そうかな?パレオにすごく暑く喋ってたし、その間私達が追いつく時間も作ってくれたから何もしてないってことは無いんじゃない?」

 

蒼生「それは、フォローになってるのか?」

 

レイ「ふふ、さあ?」

 

六花「あ、あの、蒼生さん。」

 

息もすっかり整った六花が話に入ってくる。

 

六花「本当にありがとうございました。」

 

蒼生「気にすんなっての。俺は同士を見つけに来ただけって言ったろ?うだうだ言ってねえではよ帰るぞ?」

 

六花「・・・はい、そうですね♪」

 

そしてどさくさに紛れて俺の頬にキスをする。俺はめちゃくちゃ顔が赤くなったがレイは見てないふり。ますきはニヤニヤしながらこちらを見ていた。




大変お待たせして申し訳ありません!課題やらストレスやらテストやらで書く暇がありませんでした!また投稿ペース戻していくのでよろしくお願いします!


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解決のち土砂降り

藤井 悠です。

それでは本編どうぞ


ますき「いやぁ、何とかなったなぁ!」

 

蒼生「全くだ、ほんとに勘弁して欲しいぜ・・・」

 

俺とますきは原チャとバイクを飛ばしながらチュチュのマンションを目指してる。ていうか俺これ明らかに原チャのスピード違反になってるくらいの速さなんですけど、警察とか来ないよね?いないよね?

 

六花「でも、良かったですね!」

 

蒼生「まあな。兎にも角にもこれで万事解決だろ。ほら、まだスピード出すぞ?」

 

六花「え?、で、でも捕まっちゃうんじゃ?」

 

蒼生「もう捕まるスピードだわ!ならこれ以上飛ばしても問題ない!」

 

大問題だけど。

 

ますき「そうだな、じゃないと【アレ】に間に合わないかもしれないしな!」

 

蒼生「だよな!ロック、しっかり捕まってろ!」

 

六花「はい!」

 

俺はさらにスピードを出しチュチュ宅に向かった。途中で警察に出くわさなかったのはラッキーだった。

 

〜チュチュ宅〜

 

俺たちは到着するや否やバタバタとチュチュ達のいる最上階にダッシュ(エレベーターは使った)で向かった

 

蒼生「ふいぃー」

 

パレオ「あ、いらっしゃいませー!」

 

蒼生「いらっしゃいませー!じゃねえよ。」

 

パレオ「い!?ち、ちょっと、痛いですー!」

 

俺はパレオの頭に軽めのデコピンを食らわす。

 

蒼生「これでチャラだ。もう手間かけさせんな?」

 

パレオ「は、はいぃ。申し訳ございません。」

 

ますき「はは、帰ってきてやることがデコピンってw」

 

レイ「ふふ、まあそれですんだからいいと思うよ?」

 

六花「ま、まあ確かに思いっきり叩くよりかはいいと思いますけど。」

 

蒼生「いやみんなの中の俺のイメージどうなってるわけ!?っと、今何時?」

 

パレオ「ふふ、まもなく12時です!」

 

その言葉を聞きみんながニヤニヤっとした表情になる。1人を除き

 

チュチュ「What?12時から何かあったかしら?」

 

パレオ「それはですね?・・・っと、まもなくです!3、2、1!」

 

パレオのスマホの時間表示が12時丁度を指す。

 

パレオ「それでは皆さん、せーの!」

 

皆「チュチュ(さん)(様)誕生日おめでとう!(ございます)」

 

チュチュ「え・・・?」

 

六花「間に合って良かったです♪」

 

ますき「だから飛ばして正解だったろ?」

 

蒼生「ほんと、もう勘弁してくれ。原チャも俺の寿命もすり減るわ。」

 

チュチュ「え、今日って・・・」

 

レイ「ふふ、覚えてなかった?」

 

パレオ「それではチュチュ様!こちらへー♪」

 

チュチュ「え?ち、ちょっと!?」

 

パレオがチュチュを椅子ごとスタジオに連れていく。俺達も入り各々準備を始める。

 

チュチュ「な、何を・・・」

 

レイ「シー。」

 

全員の準備が整いレイが人差し指を口に添えて静かに、と意思表示する。そしてパレオのキーボードから演奏は始まる。その曲名を【beautiful birthday】という。俺がパレオに協力を求められ2人で作詞作曲をしていた。と言っても基本的にはパレオが作業し、詰まったら俺が手伝う、と言った形だった。歌詞に関しては俺はほとんど口出ししていない。しかしパレオはチュチュの側近をしていただけあって作詞作曲能力が高かったためここまで完成度の高い曲になった・・・ちなみに練習には、だいぶ口出しさせて貰った。

 

チュチュ「・・・」

 

俺のとなりで聞き入ってるチュチュ。そりゃそうだろう。この曲は、チュチュのRASによるチュチュの為の歌なんだから・・・そしてこの完成度、練習時など比較にならない。俺も思わず息を飲んでしまうほどだ。そして演奏が終わる。

 

レイ「・・・チュチュ、誕生日おめでとう。私をRASに入れてくれて、ありがとう。」

 

チュチュ「レイヤ・・・」

 

ますき「この曲はまぁ、蒼生とかにだいぶ助けて貰ったけどさ、でもあたしだってRASのドラムとして支えっから!」

 

チュチュ「マスキング・・・」

 

六花「チュチュさん。私、蒼生さんのおかげでここに入れて、でら楽しくって、だからこれからもよろしくお願いします!」

 

チュチュ「ロック・・・」

 

パレオ「チュチュ様・・・」

 

チュチュ「パレオ・・・」

 

パレオ「お誕生日おめでとうございます。大好きです♪」

 

チュチュ「こんなの、こんなのずるい!」

 

ぷいっとそっぽを向き涙目になるチュチュ。サプライズは大成功なようた。その後はかるーく談笑した後よるも遅いので解散という形になった。俺はロックを家まで送り届けたあと真っ直ぐ帰宅する。

 

 

蒼生「ただいまー」

 

影狼「・・・帰ったか。」

 

蒼生「・・・父さん」

 

俺を一番最初に出迎えたのは意外にも父さんだった。

 

影狼「・・・少し話がある。入りなさい。」

 

蒼生「・・・分かった」

 

言われるがままに部屋に入る。母さんは既に席に着いていた。

 

影狼「・・・蒼生。お前には私と海外に言ってもらう。」

 

蒼生「だから何度も言ったでしょう。俺はここから離れる気は無いよ。メンバーとも上手くいってるし色々充実してきたんだ。」

 

影狼「いや、来てもらうんだ。」

 

少し遅れて気がついた。言い方がいつもと違う。いつもなら来ないか?とか興味はないか?とかいう聞き方だったのに【来てもらう】って言うのは初めてだった。

 

蒼生「どういう、事?」

 

影狼「そのままの意味だ。蒼生、お前のその才能をそのままにしておくのは勿体ない。私と一緒に来て、それに相応しいメンバーを探して・・・」

 

蒼生「ふざけるな!!」

 

俺はついこの時間にも関わず叫んでしまう。

 

蒼生「俺に相応しいメンバー?そんなの、アイツらしかいないに決まってんだろうが!父さんのメンバーにだって遅れを取らないぞ!」

 

影狼「・・・ほう?」

 

しまった。つい頭にきてとんでもないことを口走ってしまった。dead emperor。前にも少し話した父さんのグループだが当然生半可なもんじゃない。テレビに出る時は拍手喝采が鳴り止まない。ゲスト出演する時は決まって大物と着けられて実力ゆえ世界各地にコネがある。そんな父さんに今俺は喧嘩を売るのと等しい言葉を言ってしまった。

 

影狼「ならばこうしようじゃないか。」

 

蒼生「・・・え?」

 

影狼「年末にJBBFがあるだろう。私達が出よう。お前のバンドも出るんだ。私たちに買ったら私が責任を持ち海外の話をなかったことにしよう。」

 

蒼生母「ち、ちょっとあなた!それはさすがに・・・」

 

影狼「蒼生が自分で先程あんなことを言ったんだ。どうする蒼生?」

 

蒼生「・・・くっ」

 

俺は自信がなくなってしまって、目の前が真っ暗になって、何も考えたくなくて、再び家を飛び出した。

 

 




ありがとうございました!

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抵抗の意思

藤井 悠です。

それでは本編どうぞ


何も考えられなかった。海外に連れていかれる。バンドの練習は?アイツらの指導は?ロックとの日々は?どう考えてもマイナスな方にしか考えが行かない。だから何も考えたくなくて、ひたすらに走った。一心不乱に走っていたらいつの間にか俺は旭湯の前にいた。

 

蒼生「・・・なんでよりによってここに来ちまったかな。」

 

ここにいると自然と思い出してしまう。初めてロックのギターを聴き衝撃を受けた事。ギターの話をするようになり、こっちに来てから他愛のない話も沢山するようになった事。付き合ってからの日々、沢山甘えて甘えられて、他の何をするより幸せだった事。そしてそんな日々が唐突に終わりを告げようとしていることに再び心が打ちのめされそうになった。

 

蒼生「くっ・・・」

 

頬に生暖かい感触。一筋の涙がこぼれるのを感じる。

 

???「あ、あの・・・」

 

蒼生「え?」

 

聞きなれた声。振り向くとそこには俺の最愛の人が戸惑いながら俺の方を見ていた。

 

蒼生「ロック・・・」

 

六花「あ、蒼生さん?その、どうかしたんですか?」

 

心配そうに純粋で真っ直ぐな目が俺を見てくる。話すべきか、話さないべきか。ふたつの考えが俺を交差する。

 

六花「何か言いにくいことなんでしょうか?」

 

蒼生「そう、だな。めちゃくちゃ言い難い。」

 

六花「・・・無理にとは言いません。でも私、さっきは色々助けてもらいました!今度は私が助けたいです!」

 

蒼生「・・・わかった。少し待ってくれ」

 

ロックの真っ直ぐな目を見てたら隠す気が段々失せてきた。覚悟を決めて話そう。

 

蒼生「・・・父さんから、日本を出ろって言われた。」

 

六花「え?で、でもそれってよく言われてたんじゃ?」

 

蒼生「今回は違うんだ。命令なんだよ。」

 

六花「そ、それじゃあ・・・」

 

一気にロックの顔が暗くなっていく。

 

蒼生「それで俺がカチンときてもう父さんのバンドよりも演奏できるから海外になんて行かないって言ったんだ。そしたら年末のJBBFに出て優勝しろって。父さん達も出るってさ・・・」

 

六花「JBBF!?」

 

【JBBF】毎年年末に行われる日本屈指のライブイベント。出場はプロアマ問わないが毎年世界レベルのバトルが行われている。ただでさえレベルが高いのに父さん立ちまで出ると来た。正直状況は絶望的だろう。

 

六花「・・・蒼生さんは、諦めてしまうんですか?」

 

蒼生「諦めたくはないよ。でも、相手が強大すぎる。練習時間も圧倒的に足りない・・・CIRCLEやGalaxyを借りたとしても集まれる時間も無い。勝算が無さすぎる。」

 

六花「・・・」

 

チュチュ「なるほどね。」

 

六花・蒼生「「!?」」

 

急に後ろから声がして振り返るとパレオとチュチュがそこにいた。

 

パレオ「盗み聞きして申し訳ありません。緊急事態だったと思いましてお話を聞かせていただきました。」

 

チュチュ「JBBFねぇ。面白いじゃない。本戦に出場するのは貴方たちのバンドなら訳ないはずよ。」

 

蒼生「でも、優勝なんて」

 

チュチュ「練習時間が確保出来ればいいのかしら?」

 

蒼生「・・・え?」

 

六花「チュチュさん?」

 

チュチュ「貴方に私のスタジオを貸すわ。設備も申し分ないと思うわ。まあアタシ達が練習してない時に限りね。」

 

蒼生「なんで、そこまで?」

 

俺はチュチュがそこまでする理由がわからなかった。正直だいぶ困惑している。

 

チュチュ「貴方には大きな借りがあるわ。後、他のバンドにも相談してみなさい?貴方はあなたが見てきた全てのバンドに大きなものを貸してきたはずよ。必ず力なになってくれるはず。」

 

蒼生「でもそれで迷惑は・・・」

 

チュチュ「言ったでしょう。みんな借りがあるのよ。それに借りがなかったとしてそれを迷惑がるような連中かしら?少なくともアタシたちは違うわ。パレオもロックもそうよね?」

 

パレオ「もちろんですー♪」

 

六花「はい!」

 

蒼生「お前ら・・・」

 

少しずつ、希望の光が見えてきた気がする。もし、仮に全員が力を貸してくれたとして、市ヶ谷の家の倉でさらなる練習場所の確保、AfterglowとRoseliaに練習も見てもらい弦巻の力で平日の放課後でも集合できるだろう。パスパレも協力してくれれば大きなモチベアップになる。

 

チュチュ「そして、貴方のバンドメンバー。この勝負を断るほど薄情ではないでしょう?ならマイナスな考えは全て捨てなさい。あと、JBBFはガールズバンドパーティが終わってからしばらく期間があるわよね?時間がある時は私達もサポートさせてもらうわ。」

 

蒼生「・・・色々すまねえ。力を貸してくれ、お前ら。」

 

チュチュ「sure!」

 

パレオ「はい♪」

 

六花「一緒にがんばりましょう!」

 

そして俺はささやかな希望を胸に家に帰った。母さんだけは起きていてすごく心配されたが今日は休みなさいと言われて自室に入れられた。翌日、全バンドから力を貸してもらう許可を得るのはそう時間はかからなかった。

 

 





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ごめんよりありがとう

藤井 悠です。

それでは本編どうぞ


俺はやることが決まったら早かった。まずWild Babyのメンバーに今の俺の状況を報告。皆力を貸してくれると即答してくれて余計な詮索はしないでくれた。そしてポピパ。経緯を話したら当然だがものすごく驚かれた。しかし市ヶ谷は

 

有咲「・・・まあ、世話になってるし、練習場所提供くらいなら、分かった。好きに使ってくれ。」

 

と文句一つも言わず蔵を貸してくれるといってくれた。AfterglowとRoseliaにももちろん相談。

 

蘭「それ、本当に私達でいいの?」

 

蒼生「ああ、第三者からの意見って大事だから。」

 

蘭「・・・わかった。」

 

友希那「私達も協力させてもらうわ。貴方には少なからず恩があるもの。」

 

と普通に協力を得られた。パスパレ?もちろん行きましたとも。

 

彩「モチベーション?」

 

蒼生「はい。これからうちのメンバーにもかなりの負担をかけることになると思うので、」

 

千聖「でも詳しくは何をすればいいの?」

 

蒼生「あー、多分アイツらのことなんでパスパレの皆さんが視界に入るだけで元気100倍になりますよ。」

 

彩「それはそれでどうなの?でも、うん!私たちにやれる事なら任せて!いつもお世話になってるからね!」

 

とあやふやなお願いをしたにもかかわらず5人からOKを頂いた。ハロハピの所は

 

蒼生「・・・つうわけでさ、何とかならないか?」

 

こころ「わかったわ。黒服の人達!お願いね!」

 

と、少々雑っぽい、というかあっさりしているが黒服の人達がヘリを飛ばして岐阜にいるヤツらを迎えに行ってくれるそうだ。ここまで恐ろしくチュチュの言った通りになった。ただ、BanG Dream!が終わるまでは蔵もRASの練習スペースもあんまり取れないだろうから個人練習が多くなるだろうがかなり希望が見えてきた。ちょうどメンバーの指導も休みを頂いてたので練習時間は沢山取れた。そしてある日、CIRCLEのスタジオを借りて練習していた帰り、見慣れた青い髪の毛が見えた。

 

蒼生「あ、ロック。」

 

六花「あ、蒼生さん!何だかお久しぶりですね?」

 

蒼生「だな。・・・少し時間いいか?」

 

六花「はい、もちろん♪」

 

そのままロックの手を引いてある所までやってくる。

 

六花「ここは・・・」

 

蒼生「・・・懐かしいよな。」

 

俺が連れて来たところはロックから告白を受けた公園だ。夕方なので人もいなくて夕日も差して少しロマンチックな感じになっている。

 

六花「その、最近どうですか?」

 

蒼生「順調に言ってるよ。色んな人が協力してくれてる。CIRCLEとか、チュチュや蔵の練習場が空いた時は集まってやってるし個人練習も欠かしてないよ。」

 

六花「・・・そうなんですね」

 

なんだか寂しそうだ。最近会える時間もめっきり減ってしまった。寂しい思いをさせてしまったかもしれないな・・・よし

 

蒼生「・・・ロック」ギュ

 

六花「ふわぇ!?あ、蒼生さん!?」

 

蒼生「寂しかったよな?ごめんな?」

 

六花「いえ。私もちょっと甘え過ぎてたかも知れないです。ちょっと露骨でしたよね・・・」

 

蒼生「そんなことないよ。俺も時間取れなくて、今は思いっきり甘えてくれ、な?」

 

六花「・・・はい♡」ムギュ

 

そう言うと思いっきり抱きついてくる。

 

蒼生「このままもう少し話しよっか?六花は最近どう?」

 

六花「そうですね、もう本番も近いですし皆で頑張ってますよ♪」スリスリ

 

俺の胸元に顔をスリスリとこ擦り付けながら会話をする。正直めちゃくちゃ恥ずかしい。

 

蒼生「そ、そうか。他のバンドとはどうだ?」

 

六花「はい、前よりもだいぶ関係は良くなったと思います♪最後にみんなで1曲歌うっていう話にもなったんですよ?」グリグリ

 

なんかさっきより押し付ける力は強くなってない?

 

蒼生「お、おう。ところでロック?」

 

六花「なんですか?」

 

蒼生「その、くすぐったいんだけど?」

 

六花「えへへ、ごめんなさい。いっぱい甘えたくて///」

 

蒼生「・・・なら条件がある」

 

六花「え?」

 

蒼生「それは・・・」

 

六花「それは?」

 

蒼生「俺にもやらせろー!」

 

六花「へ!?ひゃあ、あはははははは、こしょばいですよ♪」

 

とこの後1時間くらいイチャイチャしてた。久々に身も心も満たされた気がする。そしてその後・・・

 

六花「お邪魔しまーす・・・」

 

蒼生「はい、いらっしゃい」

 

連れ帰ってしまった。可愛すぎるから仕方ないよな。

 

蒼生母「あら、おかえりなさい。ロックちゃんもいらっしゃい。ゆっくりしていってね?」

 

影狼「・・・帰ったか。」

 

六花「え!?」

 

蒼生「・・・うん」

 

影狼「いいのか?こんな所で遊んでて。私達にそんなことで勝てるのか?」

 

蒼生「・・・勝つさ。今のうちに父さんも日本を堪能しておくといいよ。息子と過ごせるのは日本だけなんだから。」

 

影狼「・・・言うな。その自身の根拠はどこから来る?」

 

蒼生「・・・さあね、勝てる根拠はないよ。ただ今俺は最高の環境とモチベーションに恵まれてるんだ。そんな状況で負けると思えって言う方が無理な話だよ。いこ、ロック。」

 

六花「あ、は、はい。失礼します。」

 

影狼「むぅ・・・」

 

ロックはぺこりと頭を下げて中に入る。

 

六花「えっと、良かったんですか?あの影狼さんにあんなこと言って・・・」

 

蒼生「・・・良くなかったかもね?でもまぁ、いつかは当たる壁だからね。それに俺が言ったことも事実だよ。環境も才能だし、ガールズバンドのみんなが俺らのモチベ上げる為に頑張ってくれてるからな。」

 

六花「そう、ですか。蒼生さんがそれでいいなら。」

 

蒼生「ああ、おいで?」

 

六花「はい♪ぎゅー♪」

 

部屋に入り再びいちゃつき始める。これはただのカンだが、JBBFが始まるまでゆっくり2人で入れる時間はこれが最後になると思う。

 

蒼生「六花。」

 

六花「へ?な、名前・・・」

 

蒼生「今はこっちで呼ばせてくれ。六花。」

 

六花「は、はい。なんですか?」

 

蒼生「愛してるよ。」

 

六花「・・・はい///私もです///」

 

蒼生「なあ六花?」

 

六花「はい?」

 

蒼生「ずっと一緒にいような?これからも。その日々。俺が守るから。」

 

六花「・・・はい!あ、あの、蒼生さん。」

 

蒼生「んー?」

 

六花「その、六花ってこれからも呼んでくれませんか?」

 

蒼生「ん、なんで?」

 

六花「その、ときめいちゃったので///」

 

・・・あぁ、可愛い。ほんとにこの子は可愛い。

 

蒼生「お、おう。わかった。その代わり俺からもおねがい。」

 

六花「えっと、なんでしょう?」

 

蒼生「敬語」

 

六花「え?」

 

蒼生「敬語、俺と話す時はやめて?」

 

六花「そ、それは恥ずかしいですよ///」

 

蒼生「宇田川とか明日香にはタメなのに?」

 

六花「わ、分かりましたよぅ///」

 

蒼生「はは、これからもよろしくな?」

 

六花「・・・うん///」ぎゅ。

 

この一日でさらに六花と仲良くなれた気がする。そしてこの日を境にモチベーションをさらにバク上げさせた俺は練習に思いっきりパワーをつぎ込むことが出来た。




ありがとうございました。

次回、とうとう武道館に行きます!話も大詰めになってきます。

感想&評価お待ちしております。


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流れる星に魅せられて

藤井 悠です。

それでは本編どうぞ。


俺はたくさんの人達に支えられて練習を続けていた。今はRASもポピパもBanG Dream!の追い込みをしているので今日はCIRCLEで練習をしている。まりなさんにも事情を話すと

 

まりな「うん、そっかー。それならスタジオが空いてる時は言ってくれれば使ってもいいよ。頑張ってね!」

 

とCIRCLEの使用許可をしてくれた。そして俺達は休憩がてら少し会話していた。

 

蓮「それにしても、蒼生。お前本当に人間関係に恵まれたよな。」

 

海斗「同感だな。まあ日頃から6バンドの面倒見てんだろ?いい意味で報われたんじゃねえの?」

 

蒼生「そうだな。俺はこんな事になるとは思ってなかったし、仕事としてやってたから正直驚いてるよ。」

 

天音「でも、正直絶望的じゃありませんか?だって、相手のスケールが・・・」

 

蓮「天音、それ以上言うな。」

 

天音「でも・・・」

 

蒼生「いや、蓮。不安は吐き出せるうちに吐き出させておけ。絶望的なのは確かだからな。天音も、遠慮しなくていいからな?」

 

蓮「蒼生・・・」

 

蒼生「そもそもこんな絶望的な勝負の話を持ってきてしまったのは俺だ。文句くらい聞くさ。」

 

俺は淡々と話すがみんな少しブルーな雰囲気になってしまう。

 

海斗「まあ、こんな感じになってたら余計に勝てなくなるもんな!気合入れてこーぜ!」

 

天音「・・・そう、ですよね。もう弱音は吐きません、頑張ります!」

 

蓮「・・・そうだな。やるか!」

 

とは言ってもこのように最近は自分たちで士気を向上させることも多くなった。1度挫折を経験しているのでそうならないためにみんなで意識するようにしている。事実皆のモチベーションも上がるし技術も着実に上がっていってる。が、まだまだあの領域に届きそうにない。

 

天音「そういえば蒼生さん?近々BanG Dream!の決勝戦でしたよね?見に行かれないんですか?」

 

蒼生「もちろん見に行くぞ?それもしかも一応CIRCLEで働いてるから関係者のところで見れる。実質特等席だな。そして、お前らもそこに入れるようにしといた。」

 

天音「え、どうしてです?」

 

蒼生「いい刺激になると思ってな。俺も久しく練習は見てないが今のアイツらができる完璧に近い状態に仕上げてくるはずだ。3バンドとも決して実力は低くない。むしろ高いからな。それに、たまには羽根伸ばして思いっきり楽しむのもありだと思ってな?あんまり詰めすぎると精神的にも体力的にも宜しくないからな。」

 

天音「そういうことなら♪皆さんはどうしますか?」

 

海斗「モチのロンでいくだろ!」

 

蓮「ああ、行かせてもらうよ。ちょうど予定も空いてるからな。」

 

そのまま話の流れで4人で武道館に行くことが決定した。そのまま普段は学校。時間を作れれば練習。たまにBanG Dream!出場以外のバンドを見るという日々が続いた。そしてあっという間に決勝戦当日になる。俺は朝早くから手伝いのために武道館に着いていた。

 

蒼生「おはようございます。まりなさん、お久しぶりです。」

 

まりな「うん、久しぶりー。今日はごめんねー?こんな早くから。」

 

蒼生「いえいえ、俺もだいぶわがまま言わてもらったので。気にしないでください。」

 

まりな「そう?じゃあよろしくね。」

 

そのまままりなさんに連れられて中に入る。今日ステージになるところまで連れていかれるとスタッフさん達の支持を受けつつテキパキと準備する。スムーズに行ったので予定の30分ほど早く終わった。ゆっくりしているとスタッフとしてちょうど今入ってきた六花が声をかけてきた。

 

六花「あ、蒼生さん!おはよう♪」

 

蒼生「おはよう六花。早いね?コンディションは大丈夫そう?」

 

六花「うん、バッチリだよ。それに、一応スタッフだから早めに来ないとって思って。」

 

ちなみに六花呼び、タメ語の関係は今となってはお互い違和感はなくなっている。むしろ壁がなくなりさらに親密になった気がした。最近になってからかわれる回数が増えてきたし、気のせいじゃないと思う、多分。ちなみに六花は今日は出場するんだから遅く来てもいいと言われていたのだが六花自身が遠慮し、私も手伝います!と定時通りに来たのである。

 

蒼生「って言ってももう今できる準備は終わっちゃったんだよね。照明とかは六花は今日できないでしょ?今は休んでて大丈夫だと思うよ?」

 

六花「うん、じゃあ控え室で待ってるね?」

 

蒼生「ああ。っとそうそう、六花?」

 

六花「ん、なあに?」

 

蒼生「こういう事はあんまり立場柄言いにくいんだが、個人的に1番六花を応援してるから。頑張れ。どんな結果になろうと六花が最善を尽くせることを祈ってる。」

 

六花「えへへ、うん!ありがとう。」

 

六花の頭をポンポンと撫でると嬉しそうにニコッと笑って控え室に向かっていった。そして入れ替わるようにWild Babyのメンバーが入って来た。

 

蓮「おっす!」

 

天音「おはようございます。」

 

海斗「はよー」ネムネム

 

蒼生「ん、きたか。みんなおはよう。海斗は相変わらず朝弱いなー?」

 

海斗は眠そうな目を擦りながら、神代兄妹は元気そうにこちらによってくる。

 

海斗「わりわり〜。始まるまでには覚ましとくからよ〜。」

 

蒼生「当たり前だ。六花がやってる時に寝てたりしたらもうひっでえぞ?」

 

蓮「相変わらず彼女に甘々だな?」

 

蒼生「うっせ。それより早く来たならちょっと手伝ってくれ。この後各バンドで色々打ち合わせたりステージ色々合わせないと行けないから。」

 

天音「分かりました。」

 

そのまま雑談、準備、出演バンド三組に最後に言葉をかけるなどやる事をやっているとすぐに本番の時間になる。客席も満席。空席は全く見当たらない。今か今かとみんなが出てくるのを待ちわびている。俺も練習を見てない間、どこまでみんなが仕上げてきたか期待と楽しみ、という気持ちが湧き上がっていた。あと10秒で始まる。さあ、見せてもらおうか!

 




ありがとうございました。

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