転生破壊者のヒーローアカデミア (ハッタリピエロ)
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プロフィール

空野真司

 

死神によって転生させられた少年。色々とチートな能力で数々の事件を解決し、数々の美女に好意を寄せされる。ワンピースの覇気は三種類全てを使える。覇王色が一番得意

 

年齢15→17→19歳

 

身長185cm

 

個性

 

・ディケイド(基本ディケイドの能力ならなんでもアリ)

・ワンフォーオール

・黒鞭

 

能力

 

モドモドの実(ただし原作より強化されている)

 

あらゆるものの時間を戻すことができる。

 

 

・ディケイドの技全部

・六式

・神気(イセスマの力)

・言霊魔法(ブラクロの力)

・CYCLONE SMASH 回転した勢いを叩き込む技

・TITAN SMASH ほぼTEXAS SMASHと同じ

・MAGNUM SMASH 指を一点に集中させて放つ技。範囲が狭い代わりに力が凝縮されている。

時間掌握(クロノ・スクロール) 対象の時間を好きな範囲で戻す。

時間逆行(クロノ・リバース) 世界を対象に時間を戻す。死者すらも蘇らせる。また好きな対象を時間戻しから外すことができる。

時間停止(クロノ・ストップ) 対象の時間を戻し続ける技。この世のあらゆるものには時間が流れ続けているためそれを戻し続けることで対象の時間を完全に止める技

時間停止 世界(クロノ・ストップ ザ ワールド) 世界そのものの時間を戻し続けることで世界の時間を止める技。好きな対象を時間停止から外すこともできる。また攻撃を当てる直前で解除することで停止中でもダメージを与えることができる。

 

 

 

趣味

・彼女と遊ぶこと

・模擬戦

・ギター

 

性格

・とにかく真っ直ぐな性格。

 

好きなもの

・彼女

・友達

・両親

・和食

・仮面ライダー

 

嫌いなもの

・差別

・いじめ

・人を弄ぶような奴

 

強さ

四皇クラス

 

全盛期のオールマイト以上

 

 

 

 

 

 

柳レイ子

 

本作のメインヒロインの一人で真司の彼女。また仮面ライダーゴースト。ワンピースの覇気は武装色、見分色の二つを使える。見聞色がカタクリより強くゴーストの力と組み合わせることであらゆる攻撃を先読みしてすり抜けることができる。

 

身長165cm

 

年齢16歳

 

個性

 

ポルターガイスト

なんでも自由自在に操れる。制限重量は個性伸ばしにより1000tまでアップ!また人を浮かせることもできるぞ!

 

能力 なし

 

趣味

・ネットサーフィン

・オンラインゲーム

 

好きなもの

・真司

・怖い話

・甘いもの

 

嫌いなもの

・真司の嫌いなもの

 

強さ

 

四皇幹部クラス

 

 

 

 

ユミナ・エルネア・ベルファスト

 

本作のメインヒロインの一人で真司の彼女。また仮面ライダーディエンド。見聞色、武装色の二つを使える。見聞色が得意

 

身長160cm

 

年齢12歳

 

個性 なし

 

能力 なし

 

ディエンドで召喚できるライダー

・クウガ

・アギト、G3、ギルス、アナザーアギト、G4

・龍騎、ナイト、ゾルダ、王蛇、シザース、ライア、ガイ、ベルデ、インペラー、タイガ、オルタナティブ、オルタナティブゼロ、オーディーン、リュウガ

・ファイズ、カイザ、デルタ、ライオトルーパー、サイガ、オーガ

・ブレイド、ギャレン、カリス、レンゲル、グレイブ、ランス、ラルク、

・響鬼、威吹鬼、轟鬼、斬鬼、歌舞鬼

・カブト、ガタック、ザビー、ドレイク、サソード、ダークカブト、コーカサス、ヘラクス、ケタロス、パンチホッパー、キックホッパー

・電王、ゼロノス、NEW電王、ガオウ、幽汽、G電王

・キバ、イクサ、サガ、ダークキバ、レイ、アーク

・キバーラ、アビス

・ダブル、アクセル、スカル、エターナル

・オーズ、バース、アクア、ポセイドン

・フォーゼ、メテオ、イカロス

・ウィザード、ビースト、メイジマン、白い魔法使い(ワイズマン)ソーサラー、ダークウィザード

・鎧武、バロン、龍玄、斬月、マルス、フィフティーン

・ドライブ、マッハ、チェイサー、ダークドライブ、ゴルドドライブ、ルパン、ハート、3号、4号

・ゴースト、スペクター、ゼロスペクター、ネクロム、ダークネクロム、ダークゴースト、エクストリーマー

・エグゼイド、ブレイブ、スナイプ、レーザー、ゲンム、パラドクス、ポッピー、クロノス、風魔、アナザーパラドクス

・ビルド、クローズ、グリス、ローグ、ブラッドスターク、ナイトローグ、リモコンブロス、エンジンブロス、ヘルブロス、エボル、マッドローグ、キルバス、ブラッド

・ジオウ、ゲイツ、ウォズ、シノビ、クイズ、キカイ、ギンガ

 

それぞれのライダーはフォームチェンジがあればフォームライドのカードでフォームチェンジができる。

 

趣味

・お茶会

・真司に対してのドッキリ

 

好きなもの

・真司

・パフェ

・恋愛ドラマ

 

嫌いなもの

・自分の魔眼で澱んだものが見える者

 

 

ボア・ハンコック

本作のメインヒロインの一人。真司によって奴隷から解放されて天竜人の紋章を消してもらい、好きになった。覇気は三種類全て使える上に原作より強く、ダグラスバレットに匹敵する。

 

年齢29歳

 

個性 なし

 

能力 メロメロの実

 

・スレイブアロー

 

・パヒューム・フェムル

 

・パヒューム・フェムル・マグナ

 

・ピストルキス

 

・メロメロメロウ

 

趣味

・真司とのイチャイチャ妄想

・戦士としての訓練

 

好きなもの

・真司

・白酒

 

嫌いなもの

・天竜人

 

拳藤一佳

本作のヒロインの一人。真司に入試で助けられてから恋心を抱いていた。武装色の覇気を使える。

 

個性 大拳

 

能力 なし

 

趣味

・真司とのバイクツーリング

 

好きなもの

・真司

・ブラックコーヒー

 

嫌いなもの

・人として最低なやつ

 

 

塩崎茨

本作のヒロインの一人。USJで真司に助けられてから恋心を抱いていた。武装色の覇気を使える。

 

個性 ツル

 

能力 なし

 

趣味

・祈りを捧げること

・植物鑑賞

 

好きなもの

・真司

・バラ

 

嫌いなもの

・人として最低なやつ

 

 

波動ねじれ

本作のヒロインの一人。真司の入試終わりに興味本位で出会った。覇気は三種類全て使える。三種類のうちどれも同じくらいの強さを持っている。

 

身長164cm

 

年齢17→19歳

 

個性 波動

 

活力をエネルギーにして放つ!原作ではねじれている波動だが真司との特訓の成果でねじれずに打てるようになった。

 

能力 マナマナの実

 

あらゆるエネルギーを変換させることができる。例えば熱エネルギーを電気エネルギーに変えたり風力エネルギーを光エネルギーに変えることもできる。自身の個性、波動と組み合わせることで瞬時にあらゆるエネルギーを使うことができる。

 

 

・エクスプロージョン エネルギー変換した爆発を放つ技

 

・サンダースパーク 光エネルギーと同時変換した電気を周囲一帯に放つ技。高熱を持っている上に実際の光よりは遅いが光に近い速度で広がる。

 

・フレアバースト 熱エネルギーに変換した炎を放つ技。

 

・サイクロンエッジ エネルギー変換した竜巻で切り裂く技。手加減すれば多少の切り傷程度で済ませることもできる上に脱出は困難。

 

・サイクロンベール エネルギー変換した風のバリアを作る技。物理的攻撃にめっぽう強い。

 

趣味

・人間観察

・真司と触れ合うこと

 

好きなもの

・真司

・ジャスミンティー

 

嫌いなもの

・性根が腐った人間

 

強さ

 

四皇最高幹部レベル

 

 

 

リーン

本作のヒロインの一人。真司の彼女。悪戯が好き。真司や冬夜を除けば誰よりも魔法に長けている。

 

年齢612歳(自称)

 

個性 なし

 

能力 なし

 

趣味

・真司をからかうこと

・知識の探求

 

好きなもの

・真司

・本

 

嫌いなもの

・変な趣味の人間

 

 

 

ファルネーゼ・フォルネウス

本作のヒロインの一人。真司に助けられて真司を好きになった。真司の彼女の一人

 

年齢13歳

 

個性 なし

 

能力 なし

 

歌唱魔法

 

・ジャミングワルツ

敵の魔法や個性などの特殊能力の効果を下げる歌

 

・ドリームファンタジア

味方の身体能力や個性、魔法の効果を上げる歌

 

 

趣味

・歌を歌うこと

・真司とイチャイチャすること

・真司に地球の音楽を聞かせてもらうこと(ライダーソングなど)

 

好きなもの

・真司

・歌

 

嫌いなもの

・性根の腐った人間

 

望月諸刃

本作のヒロインの一人。また、イセスマの神の一人である剣神。真司と付き合っているうちに真司を好きになった。覇気は神なので全て使える上に現段階では真司より上

 

個性 なし

 

能力 なし

 

趣味

・特訓

・真司と戦うこと

 

好きなもの

・真司

・戦い

 

嫌いなもの

・根性が腐ったやつ

 

ヒルデガルド・ミナス・レスティア

本作のヒロインの一人。フレイズに襲われていたところを真司に救けてもらい一目惚れした。そして騎士王国レスティアの第一王女。また剣術が得意で四式を習得している。

 

個性 なし

 

能力 なし

 

・剃

・月歩

・紙絵

・嵐脚

 

趣味

・特訓

・お風呂

 

好きなもの

・真司

・騎士物語

 

志村菜奈

本作のヒロインの一人。パラレルワールドでオールフォーワンに殺されかけたところを真司に救出された。覇気は武装色、見聞色の二つを使える。

 

個性 ワンフォーオールの残り火

 

能力 なし

 

趣味

・料理

・グルメ探求

 

好きなもの

・真司

・和食

 

嫌いなもの

・人を弄ぶような人間

 

 

 

レム

本作のヒロインの一人。オーロラカーテンに巻き込まれたところを真司に救出された。武装の覇気を使える。

 

年齢16歳

 

個性 なし

 

能力 なし

 

趣味

・メイドの仕事

 

好きなもの

・真司

・メイド服

 

嫌いなもの

・性格の歪んだ人間

 

アイン

本作のヒロインの一人。元海軍だったが自分たちの正義に疑問を持ち始めた時に真司と会ってついていった。二刀流に長けている。また仮面ライダーレーザー。武装色、見聞色を使える。

 

年齢16歳

 

個性 なし

 

能力 なし

 

趣味

・諸刃との特訓

・戦略性のあるゲームをすること

 

好きなもの

・真司

・ゼファー先生

 

嫌いなもの

・天竜人

 

レイジュ

本作のヒロインの一人。マッドトレジャーに捕まっていたところを真司に助けられた。真司によってレイドスーツを所有している。覇気は見聞色を使える。

 

個性 なし

 

能力 なし

 

趣味

・絵画鑑賞

・コーディネイト

 

好きなもの

・真司

・サンジ

 

嫌いなもの

・父

 

 

コアラ

本作のヒロインの一人。元革命軍のメンバーで新政府の幹部だったが真司に惹かれてついてきた。覇気は武装色と見聞色が使える上に魚人空手による中距離にも対応できる。

 

個性 なし

 

能力 なし

 

趣味

戦略ゲーム

 

好きなもの

真司

革命軍の皆

 

嫌いなもの

天竜人

 

 

 

ユウキ

本作のヒロインの一人。HIVに感染していたのを真司に助けられてついていくようになった。ワンピースの大業物、天羽々斬と閻魔を所有している。武装色しか使えないがカタクリやキングよりも上

 

個性 なし

 

能力 なし

 

趣味

・諸刃との特訓

・こっそり作った真司の抱き枕に抱きつくこと。(勿論真司本人に抱きつく方が好き)

・カメラ撮影

 

好きなもの

・真司

・なんやかんやあってもゲーム

 

嫌いなもの

・茅場晶彦

 

更識刀奈

本作のヒロインの一人。初めは悪戯心だったが真司に心から助けられて彼を好きになった。まだ覇気は使えない。だがISの強さはトップクラス

 

個性 なし

 

能力 なし

 

IS ミステリアスレディ

 

趣味

・簪や真司へのちょっかい

・洋菓子を囲んでのお茶会

 

好きなもの

・真司

・簪

 

更識簪

本作のヒロインの一人。真司に姉と比べることはないと言われて好感を持ち、姉との仲直りから真司を好きになった。

 

個性 なし

 

能力 なし

 

IS 未完成

 

趣味

・アニメを見ること

・ロボットアニメのプラモデル

 

好きなもの

・真司

・アニメやライトノベル

 

 

轟焦凍

 

本作では真司の相棒。今ではエンデヴァーとの関係も改善されている。モネが大好き。覇気は三種類使える。真司と同じく覇王色が得意。

 

身長179cm

 

年齢16→18歳

 

個性 半冷半燃

原作と同じだが出力は桁違い。エンデヴァーよりも上。また個性伸ばしで左側でも凍らされる上に右でも燃やせる。

 

能力

 

トリトリの実モデル"鳳凰"

あらゆる風を操ることができる。

 

 

・ブラストストーム 冷やした冷気を一気にあっため、衝撃波を放つ際に鳳凰の風を一気に放出する技

 

・ブラストブリザード 冷やした冷気を一気に風と共に周囲に放つ技。これでドフラミンゴの部下たちを凍らせた。

 

・ブラストヒート ブラストブリザードとは逆に熱した熱気で熱風を放つ技

 

・アインシクルエッジ 氷で作った氷柱を風で放つ技。アインシクルショットよりもスピードが速く風で追尾させることができる。

 

・餓狼氷牙 生成された氷の爪を振るう技。

 

・六式

 

趣味

・読書

・昼寝

 

好きなもの

・モネ

・蕎麦

・母さん

 

嫌いなもの

・辛いもの

・エンデヴァー(原作よりは改善されています)

 

強さ

 

四皇最高幹部と同等

 

 

バル

 

真司が拾った孤児。真司のことを実の兄のように思っている。現在はブリュンヒルド騎士団の一人。覇気は武装色と見聞色の二つを使える。

 

身長170cm

 

年齢16→18歳。

 

個性 なし

 

能力 ガチガチの実

 

自分自身を高純度な結晶に変える能力。また覚醒によってあらゆるものを結晶に変えることができる。例えそれが空気だろうと!

 

 

・エアプリズム 空気を結晶に変えることで壁を作ったり相手を閉じ込めたりする技。

 

・プリズムレイ 結晶に光を集めた放つ技。規模は結晶の大きさによって決まる。

 

・プリズムレイン 上空に結晶を作って光を雨のように放つ技

 

・プリズムショット 指に結晶を作って放つ技。ドフラミンゴの弾糸のようなもの。

 

・プリズムダスト 作った結晶をバラバラにして相手を攻撃する技。武装色を込めることもできる。

 

・リフレクトプリズム 光や衝撃を反射する結晶を作り相手の攻撃を跳ね返す技。

 

・プリズムアーマー 自分の周りの空気を纏って結晶にすることで鎧を作る技。

 

趣味

・漫画を読むこと

・真司と漫画について語り合うこと

 

 

好きなもの

・真司

・漫画

 

嫌いなもの

・天竜人

・世界政府

 

強さ

四皇幹部クラス

 

ルナ

 

バルと一緒に真司に拾われた孤児。現在はブリュンヒルド騎士団の一人。武装色、見聞色を使える。

 

身長140→183cm

 

年齢6→16歳(バットバットの実の能力によるもの)

 

個性 なし

 

能力 バットバットの実モデル"ヴァンパイア"

 

自身や相手の年齢をコントロールすることが可能。また暗闇を作ったり相手をヴァンパイアにして自分の支配下におくこともできる。そして超回復力と再生力による実質ノーダメージにする力。

 

 

吸力(ドレイク) 相手のパワーを奪い取る。

 

吸血(ドレイクブラッド) 触れた相手の栄養を奪い去る。土や無機物からも奪うことができる。

 

吸血支配(アルターブラッド) あらゆるものを自分の支配下に置く技。条件としては自分が触れるか、吸血の力を込めた針を刺すこと。

 

趣味

・レイ子たちとの真司に褒められるためのファッション会議。

 

好きなもの

・真司

・船の仲間

・肉

 

嫌いなもの

・人でなし

・野菜

 

強さ 四皇幹部レベル

 

タイソン

元奴隷で海兵の息子。真司に助けられて以来忠義を尽くしている。現在はブリュンヒルド騎士団の一人。覇気は覇王色以外使える。

 

身長180cm

 

年齢18→20歳

 

個性 なし

 

能力 ヒトヒトの実モデル"ビッグフット"

 

・六式

・生命帰還

体毛鎧(モジャローブ) 生命帰還による体毛を全身に巻きつけ鎧とする技。体毛がクッションになり衝撃をほぼ無効とする。

・ワイルドラリアット 単なるラリアット

 

趣味

・筋トレ

・相撲やプロレスなどの格闘技観戦

 

好きなもの

・プロテイン

・バトル漫画

 

嫌いなもの

・なし!

 

強さ 四皇幹部レベル

 

ルビー

元奴隷で双子の兄弟の兄。真司に助けられて以来真司のことを唯一無二の友と思っている。現在はブリュンヒルド騎士団の一人。覇気は覇王色以外使える。

 

身長169cm

 

年齢15→17歳

 

個性 なし

 

能力 ジキジキの実

 

磁気を操る。砂鉄を操ることも可能で覚醒により周囲のものに磁力を付与することも可能。

 

・マグネショット 電磁加速させた球を放つ技。

 

・マグネバースト 覚醒で敵に磁力を付与して電磁加速で敵を吹き飛ばす技。

 

・砂鉄時雨 某忍者漫画の技を参考にした。

 

趣味

・ボードゲーム

 

好きなもの

・某忍者漫画

 

嫌いなもの

・天竜人

・世界政府

 

強さ 四皇幹部レベル

 

サファイア

元奴隷でルビーとは双子の兄弟関係。真司のことを友と見ている。現在はブリュンヒルド騎士団の一人

 

身長171cm

 

年齢15→17歳

 

個性 なし

 

能力 ポケポケの実

 

あらゆるものを空間ごと異空間に収納できる。例えば壁を削り取って穴を作ることも可能。

 

強さ 四皇幹部レベル

 

モネ→轟雪菜

 

元天竜人の奴隷で真司たちに助けられた以来焦凍のことが大好き。焦凍に告白されてその思いが実を結んだ。そしてプロポーズされて現在焦凍の婚約者。

 

身長181cm

 

年齢14→16歳→17歳

 

個性 なし

 

能力 ユキユキの実

 

自然系(ロギア)の能力者で雪人間。また鍛えたかいもあって腕を原作のように雪の翼に変えることができる。そしてエネルやクロコダイル並みの出力を出すことができる。

 

 

・カマクラ 原作と同じ

 

・吹雪 原作と同じ ただし出力は桁違い

 

・万年雪 原作と同じ

 

・雪兎 原作と同じ。だが本作のモネは武装色を扱えるため威力は桁違い。

 

・たびら雪 原作と同じ

 

・スノーボンバー 雪の竜巻を上空にあげて上空で巨大な雪玉をつくって竜巻の回転を加えて隕石のように落とす技。

 

・スノープランツ 蔓状に作った雪で相手を拘束する技

 

趣味

・焦凍とイチャイチャすること

・ヒーローについての勉強

 

好きなもの

・焦凍

・シュガー

・ラーメンなどの麺類

 

嫌いなもの

・世界政府

・天竜人

 

強さ

四皇幹部クラス(原作以上の強さ)

 

シュガー

 

元天竜人の奴隷で真司に助けられて以来、真司のことを頼れるお兄ちゃんと甘えている。

 

身長145cm

 

年齢7→9歳

 

個性 なし

 

能力 クグクグの実

 

傀儡人間。あらゆるものに自身の糸をつけて操ることができる。

 

 

傀儡(ジャック)

針を刺すことで刺した人間、または動物、無機物を意のままに操る。無機物の場合は自身がコントロールしなければならない。

 

傀儡同調(シンクロジャック)

傀儡(ジャック)したものから力を共有して自身の力を何百倍にもする技

 

趣味

・おやつ作り

・真司と遊ぶこと

 

好きなもの

・真司

・甘いもの(主にグレープなど)

・可愛い人形

 

嫌いなもの

・世界政府

・天竜人

・辛いもの

 

強さ 四皇幹部レベル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第1章 ヒーローアカデミア編
プロローグ


初めまして。デュエキングです。
ヒロアカ書くのは初めてなんで
間違ってるとこや何かあるかもしれませんが
よろしくお願いします。


「お前は死んでしまった。想定外のことでな。俺も頭を悩ませている。」

意識が戻ると突然そんなことを言われた。確か、俺は…

 

「そうそうお前は下級の神が起こしたミスで起こった車の暴走で死ん

でしまった。ったく面倒なこと起こしやがって。」.

 

本当に面倒くさそうに言うが、俺のことはどうでもいいのか?

 

「いいわけないだろ。お前は本来死ぬはずがなかった。

それが死んでしまったんだ。これは看過できない問題なんだよ。」

 

えーっと、その前にこいつ誰だ?

 

「死神だよ!死神!」

 

そうそう死神さんか。ええっー!!

 

俺死んじゃったのかよー!

 

「今更!?」

 

ちょっと待て、俺は死んで死神がいる。ってことは地獄?

 

嫌だあー!地獄に行くなんてー!俺は何もしてません。

 

何も悪いことしてません〜

 

「ウルセェ!勝手に決めんな!死神が人間を地獄におくるってのは人間どもの勝手なデマだ!」

そうか。なら良かった〜

「変わり身早っ!」

でこれからどうなるんですか?

「ミスしたカスは既に処罰したとしてこれからこいつをどうするかだな…」

あの〜聞いてます?

「うるせぇ!こっちは考え中なんだよ!お前の処分をどうするかな!」

えっ、何ーそっちのミスなのに俺に文句言うんだー何様のつもりー

「ごちゃごちゃうるせぇな!言いたいことがあるなら言葉にして言いやがれ!それと俺は死神様だ!はぁ」

「ん?いいこと思いついたぞ♪やっぱり俺って天才♪」

天災かーそうかー自覚してるんだね!

「天災じゃなくて天才だ!馬鹿なんじゃねえか!てめえ!それと舐めくさった態度いい加減やめろ!」

分かった分かった。

「全く…、じゃこれからお前には転生してもらうからな。」

転生?

「そう転生だ。」

どこの世界?

「お前あんまり驚かないんだな。何百年もやってきたがお前のようなやつは初めてだ。」

最近じゃ転生モンはラノベで山程あるから。

「成る程…」

でどんな世界?それとも創作物の世界?

「僕のヒーローアカデミアって知ってるか?」

知ってる!知ってる!俺の好きな漫画だもん!

「その世界に転生してもらうからな」

えっ、嬉しいけど何で?

「オールマイトが弱体化してるだろ?

一人か二人チートを送り込んでバランス保たないと世界が崩壊するんだよ。(ちなみにこの小説のみの設定です。あまり気にしないでください)」

好きな個性とかって選べますか?

「いやお前の個性はもう用意した」

用意早っ!さっき思いつかなかったけ?

流石死神。言動から想像がつかない程の優秀っぷりだ。

「一言余計なんだった言ってるだろうが!」

それでどんな個性なんだ?変な個性とかやめろよ?

「安心しろ。お前が喜ぶ個性を作ってやったぞ」

詳しく教えて!

「残念ながら個性が発現するまでのお楽しみだ」

えー。何だよケチー

「それではな。せいぜい楽しめよ」

死神がそういうと俺の意識はフッと途切れた。

 

公園で二人の少年少女が特訓をしていた。

少女の方が拳を繰り出すと少年は体を反らすことで避け二撃目の拳を受け止めそのまま背負い投げた。

「きゃっ!」

勿論少年は加減した。

彼が本気を出せば、この少女が危ないからだ。

「痛てて…やっぱり真司は強いね。」

「いやいやレイ子も強くなったよ。ちょっと力が入っちゃった。」

少年の方は空野真司。本人しか知らないが転生者である。

ちなみにこの世界の記憶については消されている。

死神曰く悪影響を、与えかねないからだそうだ。

少女の方は、柳レイ子。

灰色の髪に左目が隠れている女の子

彼女の個性はポルターガイスト。

人一人分程の重量の物しか操作できなかったが真司との特訓で大型バス程の重量まで操作できるようになっていた。

ちなみに自分を、浮かすこともできる。

ふとしたことからこの二人は友達になっていた。

「やっぱすごいね。真司の個性」

「そんなことを言うならレイ子のポルターガイストだって凄いじゃないか」

「ありがと♪」

「俺礼を言われるようなこと言ってないぞ」

「何言ってるの♪充分過ぎるほどのことをしてるよ」

そう言われるが未だに分からない。

「さっ休憩は終わり。続きやるぞ。」

「うん!」

こうして二人の特訓は続いてゆく。

雄英高校に合格し、ヒーローになる為に

 



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試験と結果と修羅場

雄英高校入試当日。

俺とレイ子は雄英高校の門の前にいた。

「いよいよだな」

「うん、緊張するけど、真司がいれば大丈夫♪」

そう言って腕に抱きついてくるレイ子。

嬉しいけど恥ずかしさと周りの視線が痛い。

言っておくが俺とレイ子はまだ付き合っていない。

もう一度言う。付き合ってないぞ。

結局レイ子は俺に抱きついたまま、試験会場まで共にした。

 

・・・・

 

「今日は俺のライブにようこそー!!!エブリバディセイヘイ!!!」

プレゼントマイクが恥ずかし気もなく叫ぶが

シ〜〜〜ン

誰も反応しなかった。

『当然である』

「こいつはシヴィー!!!受験生のリスナー!

実技試験の概要を説明するぜ!!!

アーユーレディ!?」

その後プレゼントマイクによる入試の説明を聞き、

それぞれの受験会場へ向かった。

どうやら同じ学校同士で協力出来ないらしい。

別れ際にレイ子が離そうとしなかったが、

頑張れよ、と頭を撫でると頰を赤くしてスッと手を引いた。

チョロい

ちなみにこの時一部女子からは暖かな視線が、一部の男子からは嫉妬の視線が向けられたことに二人して気付かなかった。

 

・・・・

 

バスで試験会場まで向かうと百人を超える人が集まっていた。

流石は雄英、

と感慨に浸ってると

「ハイスタート!」

のアナウンスが聞こえてきたのですぐさま走り出した。

「どうしたあ!?実戦じゃカウントなんかねえよ!!

一人飛び出たぞ。そいつに続け!!

試験は、もう始まってるぞ!!」

二度目のアナウンスで完全にパニック状態に全員が一目散に走り出した。

俺は既に会場のど真ん中まできており、

走り続けていたら、1ptが飛び出してきたので、それを避けて、ディケイドライバーを腰に出現させカードを手にし、

「変身!」

<カメンライド、ディケイド!>

音声が響くと、二十近い影が現れ、直後俺に集まりライドプレートが俺の顔に突き刺さる。

これが俺の個性ディケイドだ。

わかると思うが俺は前世の特撮ヒーロー仮面ライダーの一人ディケイドに変身することができる。

ちなみにアタックライドは人間の状態でも使うことができる。

これにはモニターを見ていた教師陣も驚き

『変身した!』

『あれがあの子の個性なの!?』

とそれぞれ動揺を隠せない

飛び込んで来た1ptを殴り飛ばした後、後ろから来た2ptを回し蹴りで蹴り飛ばした。

そんなこんなでポイントを稼ぐ中で

手を大きくした女子が3ptに囲まれているのを発見し、

俺はすかさず<アタックライド、ブラスト!>

ライドブッカーの銃撃で3ptを殲滅した。

すぐにその場から立ち去った。

 

・・・・

 

大分ポイント稼いだかな?

と一息ついてると轟音が鳴り響き、0ptが現れた。

「デカ過ぎるだろ、おい」

だがあれを倒さなきゃ被害が増える。

そう思った俺は0pt

向かって走った。

途中、『無駄だ』とか『意味ねーだろ』とかが聞こえてきたが気にしない。

<ファイナルアタックライド、ディディディディケーイド!>

俺は0pt向かって跳び黄色のカードをくぐり抜け0ptを破壊した。

 

・・・・

 

試験が終わり会場の外で待ってるとレイ子が駆け寄ってきた。

「終わった?」

「終わったからここにいるんだろうが」

その後はレイ子と途中まで一緒に帰って

一週間が経つと雄英から封筒が、届けられた。

中を開いてみると

小さな機械があった。

スイッチを押すと

『私が投影された!』

「うわっ!!」

勢いよくオールマイトが映し出された。

『えっ何で私がいるかだってら?それはだね。何と!この春から私は雄英に勤めることになったからだよ!』

流石にこれには驚いた。あのNo. 1ヒーローが俺達の先生になるのだから。

『さて、空野少年、試験結果だが、君は筆記は問題ない!!

実技の方は敵ポイントは100pt!!これだけでも首席合格なのだが、我々が見ているのは敵ポイントだけではあしからず!!

敵ポイントと同時に我々が見ているのはレスキューポイント!君のレスキューポイントは40ポイント!堂々の首席合格だ!!

来いよ空野少年!ここが君のヒーローアカデミアだ!!』

「しゃあああ!!!」

高々とガッツポーズをしていたら

レイ子から電話が来た。

『真司、どうだった?』

電話越しでもわかるほど興奮していた。

おそらくレイ子も合格したのだろう。

「おう!首席合格だぜ!」

『わっ、凄い!!おめでと!ちなみに私は6位だよ。』

やっぱり合格してたんだな。

「それじゃ、おやすみ」

『うん♪おやすみ』

電話を、切ると

俺は外へ出て近くの公園に向かっていた。

未だ、興奮が冷めない。

転生して、個性を鍛え続けた甲斐があったってもんだ。

そう感慨に浸ってると

「ねえねえ〜君なにボ〜ッとしてるの。なに考えてたか教えて?教えて?」

後ろを振り向くと水色ロングヘアーのどこか幼さを感じるがとても美人な女子がいた。

「そういうあなたも何者ですか〜?」

ちょっとふざけて返してみる。

「ムッ、質問に質問で返さないでよ〜」

「私は波動ねじれ!雄英高校の二年生だよ。今度三年生になるの♪」

ちょっと不機嫌になりながらも波動さんは質問に答えてくれた

しかし驚いた、先輩だったのか。こんなに幼そうなのに。

「俺は空野真司。今度雄英に入学する一年生です。よろしくお願いします。波動先輩。」

「後輩だったの〜ねえ、私の家近いから一緒に登校しよ?」

そう言ってくる波動先輩。でも正直レイ子に誤解されそう…

「すみません。え〜っと」

「ねえねえ、駄目?」

そう言って上目遣いで俺に頼んでくる波動先輩。

その子供のような純粋な目辞めて!断れないから!

「分かりました…一緒に行きましょう。」

「やったー!真司くんありがとー!」

そう言って抱きついてくる波動先輩。ちょっ、辞めて!当たってる、当たってるから!

なんとか波動先輩を引き剥がそうとしてたら

「真司、これどういう状態?」

レイ子が立ってた。

マズイ、非常にマズイ。

微笑んでるけど目が笑ってないから余計に怖い!

「ねえ、説明して♪」

「ぎゃあああーーーー!!!」

 

 

 

 



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個性把握テスト

雄英入学初日俺とレイ子は波動先輩と一緒に登校していた。

登校するだけなのにレイ子は右腕、波動先輩は左腕に、抱きついている。

女子に抱きつかれてるだけでも恥ずかしいのに二人とも美少女といっても過言ではないので、尚更恥ずかしく周りの視線がキツイ。

あの後なんとかレイ子の誤解を解いたが、レイ子は未だに波動先輩を恨めしそうに見つめていた。

波動先輩はそんなことすら気にせず俺の腕に抱きついていた。

「じゃ、私三年の教室行くから〜二人とも元気でね〜」

隣でレイ子はブツブツ何か言っていた。

呪いでもかかるんじゃないかな…

「レイ子、怖い。」

ビクッ

レイ子は泣きそうになっていたので、

また頭を撫でてあげると、可愛らしく微笑んだ。

やっぱ、チョロい。

「えーっと、俺はA組だな!」

「私も、A組!良かった〜一緒だね!」

知ってる人と一緒なのは嬉しい。

A組の教室の前まで来ると、

「「ドアデカっ!!」」

恐らく異形型の生徒を考慮しての措置だろう。

俺がドアを、開けると、

「机なら足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないか!?」

「思わねーよてめーどこ中だよ端役が!」

ヤンキーとメガネが怒鳴りあってた。

正直、場違いの感じがするが、教室に入ろうとすると

「てめえが、空野か?」

ヤンキーが睨みつけてきた。

「そうだけどお前誰」

「気にくわねぇんだよ!!てめえが首席合格なのも余裕顔ぶっこいてんのもな!!」

いきなりなんなんだ。こいつ、本当にヒーロー志望か?

言動からはどう見てもそうは見えない。

ヤンキーが散々怒鳴りちらしていると

「ちょっと、何なの。私達そこ通りたいんだから怒鳴ってないでどいてよ。」

レイ子が少しムッとして言い返した。

「ハッ、カスはすっこんでろ!!」

こいつ今なんて言った?

「やめてよ……」

「ハッてめえなんて眼中にねぇんだ、ウグッ!?」

俺は突然ヤンキーをとっ捕まえていた。

「てめえ、調子に乗ってんじゃねえぞ!!オラァァ!!!」

「てめえ、何しやがる!?」

「うっせえ、今なんて言いやがった!?二度と言うんじゃねえ!!

レイ子を泣かせやがって!今ここでてめえを叩きのめしてやる!!」

「真司やめて!」

レイ子がそう叫ぶとハッと我に返った俺としたことが…

「真司が怒ってくれたのも嬉しいよ…でもやだよ…真司には笑ってほしいんもん…」

俺はレイ子の頭に手を置き撫でながら

「レイ子…ごめん…」

そう言ったら、レイ子も笑ってくれた。

いつの間に来ていたのか俺たちの後ろには緑髪の男がいたが入りづらそうだっだ。

ごめんな!

「喧嘩したいんなら他所へ行け」

声の方向へ視線を向けると、黄色のイモムシがいた。

「ハイ、静かになるまで10秒かかりました。

時間は有限君たちは合理性に欠くね。担任の相澤消太だ。宜しくね」

担任だったのこのひと?

俺がそう思ってるとその担任は寝袋の中から体操服を取り出すと

「早速だがこれ来てグラウンドに出ろ」

 

・・・・

 

グラウンドに連れ出された俺たちは

「個性把握テストォ!?」

何人かが叫んだ。

「入学式はガイダンスは!?」

「ヒーローになるならそんな無駄な行事でる暇ないよ」

いや結構重要だろ。

何人かが不満を言ってると

担任が俺に向かってボールを投げてきた。

「空野、中学の時ソフトボール投げの記録何mだった」

「76m」

「じゃあ個性を使って投げてみろ。円から出なきゃなにしてもいいから」

んじゃまあ

「変身!」

<カメンライド、ディケイド!>

俺はディケイドに変身した。

「変身した!」

「あれがあいつの個性なのか!?」

驚くのはまだ早い

<カメンライド、オーズ!>

オーズに変身し、

「更に変わった!」

<フォームライド、オーズ、サゴーゾ!>

オーズサゴーゾコンボに変身する。

「まだあんのかよ!」

相澤は

(これがこいつの個性ディケイドか?変身するがいったいどういう個性なんだ?)

俺はボールを片手に持ちサゴーゾコンボのコンボ能力重力操作でボールの重さを、コントロールし、振りかぶってなげる

「オラァァ!!」

ボールは空の彼方へ飛んでいった。

「…記録∞」

「「「「はぁー!!!?」」」」

大勢が叫んだ。

と同時に面白そうなどと口々にしていた。

すると相澤先生は気に入らなかったのか

「よし、トータル成績最下位の者は除籍処分としよう」

辺りが静まりかえった。

「"plus ultra"さ 全力で乗り越えて来い」

 

50m走

 

<カメンライド、ファイズ!>

<フォームライド、ファイズ!アクセル!>

「準備はいいか?」

「いつでもいけます」

start!

合図が聞こえた後俺は一気に駆け抜けた。

「…記録0.0029秒」

皆が静まりかえっていた。

「やりすぎだよ〜真司」

レイ子がそう言うがこれは全力で取り組むべきテストなのだ。

ちなみに眼鏡男子がものすごく落ち込んでいたのだが俺のせいなんだろうか?

 

握力

 

バキッ!

「先生ー壊れちゃいました」

相澤先生は唖然としていた

「…記録∞」

「凄すぎや〜」

 

立ち幅跳び

 

<カメンライド、ゴースト!>

ゴーストの能力浮遊で記録∞

 

反復横跳び

 

<アタックライド、クロックアップ!>

記録312回

 

ボール投げだが俺は既に投げたので今は無し

変身を、解除して休んでると

「お前すげえな!」

赤髪の男が突然呼びかけてきた。

「俺、切島鋭児郎!お前熱かったぜ!」

「おう、宜しくな!」

切島と友情?を交わしてると

「ちょっとよろしいですか?」

黒髪ポニーテールの女子が、目の前にいた。

「お話中に失礼しました。私は八百万百と申します。

空野真司さんでしたわね」

「そうですよ」

「素晴らしい記録でしたわ。一体どのような個性なんですの?」

そう聞かれると、

「俺の個性はカードの能力を、使うことなんだ。色んな能力が、あるんですよ。」

しまった。つい他人行儀で喋っちまった。

クラスの皆とたわいもない話をしてると

「46m」

相澤先生が緑谷だっけ?

なんか注意してたな。何だったんだろう?その後緑谷が投げると

記録は705mほどだった。

そういえばあいつヒーローらしい記録やっと出たな。

しかし、緑谷の指はボロボロになっていた。

「緑谷ちょっと指見せてみろ」

「えっ空野くん、何で?」

「いいからいいから」

<アタックライド、リカバー!>

「指が治ってる!?」

皆声に出して驚き相澤先生すら驚いていた。

その後相澤先生の個性も判明し、それが個性を見て消すというチートな能力だった。

まあだが俺の個性は死神が言ってたんだけどどうやら消されたり奪われないらしい。原作を、忘れてるから理由は分からないんだが。

その後各種目が、全て終わり色々な個性を見たが

八百万バイク出すって反則だろ。まあ俺が勝ったが、

その後一括で結果が表示されたが俺が一位だった。

で、レイ子が5位だった。頑張ったなと、レイ子を見ると、嬉しそうに、微笑んだ。もう立ち直れたみたいだな。

ヤンキー、もとい爆豪や轟が俺のことを、睨みつけていた。

爆豪はともかく轟はなんでだろ?

「ちなみに除籍は嘘な」

ハッ?

「君らの全力を、引き出すための合理的虚偽」

ハァー!?

なんやかんやで1日目か終わった。

 

・・・・

物陰で一人の巨漢が呟いていた。

「あの個性ならば私の傷も治せるのでは…」

 

 

 

 

 



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ファンクラブと恋バナ

翌日、午前は普通教科で、午後からヒーロー基礎学だそうだ。

授業は簡単だったが、プレゼントマイクのハイテンションな声が未だに耳に残ってる。

何であんなにハイテンションで恥ずかしくないのかな?そういヒーローなんだけどもさあ。

ランチラッシュ先生の飯を食いに行こうとしたら、

「はい、これ」

レイ子が大きな弁当を渡してきた。

開けてみると、色とりどりなおかずが、並べられてあり、

どれも美味しそうだった。

「これ俺の為に?」

「うん、真司の為に早起きして作ったの♪午後ヒーロー基礎学だから力つけとかなきゃ♪、」

なんとまあ。そこまでしなくてもいいのに。

まあ折角レイ子が作ってくれたんだ。

ありがたく頂こう。

レイ子から弁当を受けとり、まず卵焼きを頬張った。

フワフワして美味い。唐揚げもジューシーかつ無駄な調味料が一切使われてないのがわかる。レイ子料理上手いな!

「うん、美味しい」

「やった!」

本当に美味しい。俺の為にこんなに美味しい弁当作ってくれるなんて

レイ子はやっぱりいい嫁さんになるな。

あれ、レイ子が他の男と付き合うのを想像したらなんかモヤモヤするな。なんでだろう。

そんなことを考えながら弁当を食ってると、峰田と、上鳴だっけ。

なんで血涙なんか流してんだ?怖いんですけど…

 

・・・・

 

昼休みも終わり、午後の授業を待っていると

 

『わーたーしーが、普通にドアからやって来た!』

No. 1ヒーローオールマイトの登場に一同は騒ぎ出した。

無理もない。日本、いや世界からも知られて、ヒーローを志す者ならほとんどの者が目標にするヒーローだ。

かくいう俺もオールマイトは好きだ。

ユーモラスなところも勿論だが。

人々の希望になるような、正しく仮面ライダーのような人物だからだ。

「ヒーロー基礎学!!ヒーローの素地を作るための様々な訓練を行う科目だ!早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!!」

「戦闘!」「訓練!」

みんなのテンションがどんどん上がっていく。

俺も頑張るぞー!

「格好から入ることも大事だぜ!少年少女!自覚するのだ!!今日から君たちはヒーローなんだと!!!」

それぞれ自分のコスチュームに期待を膨らませる。

「さあ!始めようか!有精卵ども!!!」

更衣室でコスチュームに着替えてると

大勢から声を掛けられる。

「俺瀬呂範太!」

「俺砂糖!テストの時すごかったぜ!」

「常闇踏陰だ。お前はどんな個性なんだ?」

「てめえ!あの美少女とどんな関係なんだ!?」

「そうだ!そうだ!レイ子様の一体なんだってんだよ!」

皆していろんな質問をぶつけてくる。

うん?レイ子様?

「レイ子様って何のことだ?」

「てめえレイ子様を知らないのか!?実技試験での伝説を!!ステージを縦横無尽に飛び、仮装敵を優雅に倒し、会場にいた男達を、釘付けにしたレイ子様のことを!」

いや、俺その会場にいなかったし、レイ子からそんなことも聞いてません。

「今じゃレイ子様のファンクラブまで出来てるんぜ!ちなみに俺は会員番号245!」

おい、何勝手にそんなもん作ってんだ。初耳だぞ。

妙な気持ちになってると声を掛けられた。

「あっ眼鏡男子」

「眼鏡ではない!俺は飯田天哉だ。ちゃんと名前で呼んでくれたまえ!」

眼鏡じゃん。まあ確かに失礼かもな。

「悪りぃ飯田」

「気にしないでくれたまえ。これから宜しくな!」

皆でワイワイ騒ぎ更衣室は賑やかなものになっていた。

ちなみに爆豪と轟はすぐ着替えて出て行った。

急ぐのはいいがコミュ二ケーションは大事だと思うぞ?

すると、後ろから

「あっ、あの!」

「うん?」

「あっ、テストの時は指を直してくれてありがとう!」

緑谷だっけ?

「別に気にするなよ。ヒーローが困ってるやつを助けるのに理由なんかいるか?」

「素晴らしい考えじゃないか!空野くん!俺はクラスメイトとして誇りに思うぞ!」

別に思わなくてもいいんだが。

 

一方その頃女子達は

 

「レイ子ちゃんの個性って凄いね!」

「そっ、そんなことないよ」

「いやいやウチなんかより凄いよ!」

私達は絶賛お話中だ。互いの個性のこととか

どんなヒーローを目指しているのかとか。

でも嬉しい♪両親と真司以外に個性のことを褒めてくれた人はいなかったから。

「それを言うならお茶子さんの個性も私はいいと思うな。

テストだって∞出してたじゃん」

「いやいや真司くんに比べたら、私なんかまだまだや」

あと、ここにいるみんな下の名前で呼び合うようになってた。

「そういえばさあ!レイ子と空野って付き合ってるの!?」

芦戸が急にそんなことを言い出す。

しっ、真司と私が付き合ってる?

うっ、嬉しいけどっ!嬉しいけどっ!

自分でも顔が赤くなってるのがわかる。

でっ、でも私達まだ付き合ってるわけじゃ!

「いっ、いやっ//、私達まだそういう関係じゃ!!///」

「何言ってるの〜」

「とても仲良さそうだったわよレイ子ちゃん」

「つっ、梅雨ちゃん!!」

「好きでもない人に手作り弁当なんか渡さないよ〜」

「そっ、そういう意味じゃなくて!」

必死に弁解するが全く聞き入れてもらえない。

「皆さま。急がないと遅れてしまいますわよ」

百のお陰で助かった〜

しかし、恋か…真司は私なんかと付き合ってくれるかな…

 

 

 

 



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戦闘訓練前編

レイ子ちゃんがかなり強化されています。


「始めようか!有精卵ども!!戦闘訓練のお時間だ!!!」

グラウンドβに集合して

レイ子達と合流した。

レイ子のコスチュームは口元が隠れたマスクで

格好は召霊術師をイメージさせるようなものだった。

俺のコスチュームは門矢士の格好そのものだが、耐刃、耐熱との優れた機能がつけられてある機能重視のコスチュームだ。

「レイ子似合ってるよ」

ニコッ

「////」

(駄っ、駄目!真司のことをまともに見れない!)

恥ずかしがってるレイ子だがやっぱり似合ってる。

「先生!ここは入試の演習場ですかこれから行うのは市街地演習場なのでしょうか!?」

「いや!もう二歩先に踏み込む!屋内での対人戦闘訓練さ!!」

その後オールマイトから屋内での敵出現確率に対する戦闘の重要さ、

事細かなルールなどを新米教師なのかカンペを見ながらも説明してくれた。

戦闘訓練の内容は二人一組になり、ヒーロー側と、敵側に分かれ、核兵器のハリボテをヒーローが確保するか、敵を確保テープで捕まえるとヒーロー側の勝利。時間いっぱいまでやり切ると、敵側の勝利。

そのあとクジでコンビを決めた。その結果

レイ子&緑谷vs爆豪&飯田

俺&麗日vs轟&障子

(後は省略させていただきます!すみません!)

レイ子の相手はあの爆豪だ。

よりにもよって、何という組み合わせだろうか。

「レイ子…」

「もう大丈夫。だから心配しないで♪」

心配なんだが…

モニタールームに移動させられるとオールマイト先生から

よく観察するように促された。

言われなくてもそのつもりだ。

レイ子の為にも爆豪には注意しなければ。

 

・・・・

 

 

ああいったも緊張してる。

悪いんだけど、私の組んだ相手緑谷に対しては、心配しかない。

個性が自らをも破壊する超パワーだ。正直期待できない。

できるなら使わせず、あいつに勝ちたいんだけど…

どうやら緑谷はあいつの幼馴染らしく、幼い頃から虐められていたらしい。あいつ昔っからああなんだ。

それでも

「かっちゃんは凄いんだ…嫌な奴だけど。目標も実力も僕なんかより何倍も凄いんだ…それでもかっちゃんに自分の力で勝ちたい。勝って僕もできるんだってかっちゃんに証明したいんだ!」

こんなことを言われては、私も緑谷に何も言えない。

それでも

「緑谷」

「ん?」

「頑張ろう!」

両手を、ぐっと握って力を入れる。

「うん!」

建物に潜入すると

慎重に動いていく。

角に、差し掛かろうと、したその時

「ッ避けて!」

緑谷が突然私の手を引いた。

その直後爆豪が私目掛けて爆破を、放ってきたが

緑谷のお陰で回避できた。

「てめえ避けんじゃねえぞクソデク」

「なんでわかったの?」

「かっちゃんなら先に僕を攻撃すると思ってたけど…どうやら違ったみたいだね…」

 

モニタールームでは

「爆豪ズッケぇ奇襲なんて男らしくねえ!!」

切島何を言ってるんだ?

今の爆豪は何も悪くないと思うが

「奇襲も戦略!彼らは今実戦の最中なんだぜ!」

オールマイトの言う通りだ。

今のが敵の攻撃なら卑怯もクソも言ってられないだろうに。

「中断されねえ程度にぶっ飛ばしたらあ!!」

爆豪が右腕を大きく振るうと

それを予測していたかのように緑谷は腕を掴み爆豪を背負い投げた。

すげえな。

何を言ってるか聞こえないが緑谷が叫んでいた。

俺にはそれを聞いて顔を歪ませている爆豪がひどく虚しく見えた。

 

「調子乗ってんじゃねえぞ!!」

かっちゃんのラッシュをなんとか凌いでいるがこのままじゃジリ貧だ。

柳さんには先に行ってもらったが、個性を聞く限り飯田くんは柳さんの対策をしているだろう。僕がかっちゃんに勝って先に進まないと

多分勝てない。

「溜まった…」

かっちゃんがそう呟いた。

「てめえのストーキングならもう知ってるだろうがよ。

俺の爆破は掌の汗腺からニトロみてえなもん出して爆発させてる。「要望」通りの設計ならこいつは」

『爆豪少年ストップだ。殺す気か!』

「当たんなきゃ死なねえよ!」

かっちゃんが籠手のピンを引っ張ろうとした、

だがいつまでたっても、そのピンが引かれることはなかった。

よく見ると、かっちゃんの左手には糸のようなものが巻き付けられていた。

 

 

「動かねえ…どうなってんだ!!」

「とんでもないことしようとするわね。爆豪」

よくこいつを、ヒーロー科に入れたもんだ。

とんだ問題児じゃない。

「てめえ何を」

私は有無を言わせず確保証明のテープを個性で操り爆豪に巻きつける。

「なっ、何だと…」

『爆豪少年確保!!』

オールマイトのアナウンスが聞こえた。

「えっ柳さん…?」

「こいつに一人で立ち向かうなんて勇気は認めるけど無謀なんじゃ無い?」

「てっ、てめえふざけんじゃ」

確保されてるのに暴れだそうとする爆豪をさらに裾から出した糸で縛りつける。

「柳さんありがとう!」

「気にしないで」

『柳少女見事な判断だったぞ!あとすまんね…』

「気にしないでください先生」

その後二人で飯田が守っている核兵器に向かい部屋中に糸を張り巡らせ飯田のスピードを封じ核兵器を回収した。

 

・・・・

 

「今回のMVPは柳少女だ!何故だかわかる人!!」

「はい、オールマイト先生。

柳さんは爆豪さんの危険な行為に対する判断と行動に移る速さが評価されるべきでしょう。緑谷さんは爆豪さんの奇襲を防いだのと一人で爆豪さんを足止めしたのが良い点だったと言えるでしょう」

その後爆豪に関しては散々な言われようだが自業自得だ。

次は俺の番かレイ子に続かないとな。

 

 

 

 

 

 

 




レイ子ちゃんが使っていた糸は特殊繊維を、編んだ鋼鉄並みに硬い糸です。
ちなみに、糸は個性のポルターガイストで操っています。
説明不足でした。


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戦闘訓練後編

レイ子や俺を除く他の皆の訓練が終わり、

いよいよ俺の番になった。

俺がヴィラン側で轟たちがヒーロー側ということになっている。

俺が演習場に向かおうとすると

「待てよ」

突然轟が話しかけてきた。

「お前が一番強いと思う姿で来い。その上でお前に勝つ」

いきなりの宣戦布告

「まあ頑張れ。俺が勝つけど」

その発言に、轟が苛立ったように顔を歪ませた。

 

・・・・

 

「空野くん絶対勝とうね!」

そう言って麗日が意気込む。

まあやるからには負けるつもりはない

「変身!」

<カメンライド、ディケイド!>

あいつの個性からすると今回は

<カメンライド、W!>

んで

<フォームライド、W!ヒートメタル!>

俺は仮面ライダーダブルヒートメタルフォームに変身する。

 

モニタールームでは

「かっ、かっけええ!!」

「前と姿が違うぞ!」

「どんな能力だろうね☆」

(一体空野少年の個性はなんなんだろうか…緑谷少年が言うには鎧を纏う身体強化の個性なんだろうがそれだけではないはず…現に緑谷少年の傷をいとも簡単に治してしまった。治癒においてもリカバリーガールより上かもしれない…だが彼に私のことを話していいのだろうか…)

『屋内戦闘訓練スタート!』

 

アナウンスと同時に建物全体が凍った。

やっぱそうきたか

俺は慌てることなく氷をヒートの熱で溶かし

<アタックライド、スコープ!>

あいつらを探知した。

 

 

「おいどうなってるんだ。二人とも無事だぞ!」

障子からの連絡を受けた。だがその内容にあまり焦ってなかった。

向こうからアイツがやってきた。

見たことない姿だが間違いない。

あのベルトがアイツを示すなによりの証だ。

「やっぱ、この程度じゃ駄目か。早く本気出せよ。その上でお前に勝つ」

「お前が本気を出したら使ってやるよ」

その言葉に何故かひどく苛ついた。

 

轟が俺に向かって氷結を、放ってくる

がメタルシャフトを振るい氷結を砕く。

「なっ!?」

遅い!

俺は一気に詰め寄りメタルシャフトを喰らわせる。

「ぐっ!」

「どうした?俺はまだ本気を出してないぞ?」

「ぐっ、舐めるな!」

再び氷結を放ってくるがワンパターンだ

「同じことしかできないのか?」

今度はヒートの熱で溶かし再び手加減した一撃を加える。

「何故本気を出さない!」

轟は苛ついた様子でおれに問い詰めてきた。

「お前が真剣にやらないからだ」

「俺は真剣だ」

真剣ねえ…

「お前なんで左を使わない?」

轟はより一層険しい顔になる。

「お前テストの時左の炎で体温調整してたよな?でも本番では使ってない。何のつもりだ?本気でやろうとしないやつに本気を出すわけないだろ?皆真剣に自分の全てを出し切ってやってんだ。あの爆豪すらもだ。そんなやつに本気を出す意味なんてないだろ」

 

 

アイツの言葉にクソ親父の言葉が脳裏に蘇る。

クソ、俺は左を、使わないって決めたんだ!

アイツがどういようが母さんだけの力で俺は勝つんだ!

「お前親父と仲悪いんだろ?」

その言葉に俺はビクッと反応した

「やっぱりか。お前の父はエンデヴァー。お前が氷しか使わないのを見ると父と仲が悪いのが見えるよ。氷の方は母親の個性で

お前の父は個性婚で自分より強いヒーローを作ろうとしてたんだろ?

それがお前なんじゃないか?後のことはよく分からないが」

恐ろしい程当たってた。こいつはエスパーか?

「お前には関係ない……!」

「確かに関係ないさ。でもそれで個性を使わないのとは関係ないんじゃないか?」

「お前はお前だ。例え、クソ親父から生まれようと轟焦凍はお前なんだよ。」

そう言われて、俺は母の言葉を思い出す。

『血に囚われることなんてない。なりたい自分になっていいんだよ。』

その時俺の左は燃えていた。

 

轟が左を使った。

いや当てずっぽうで言ったことがまさか事実だったとは!

それでも本気で望んでくれる轟には俺も全力を出さねばならない。

「馬鹿にしてる…勝ちたいくせに敵に塩おくって…俺だって…ヒーローに……」

轟が周りを冷やし始める。

これは!

<フォームライド、W!エクストリーム!>

俺はWの最終形態エクストリームに変身した

そして

<ファイナルアタックライド、ダ、ダ、ダ、W!>

俺はプリズムビッカーを構え

轟は左の炎を一気に強め放つ

「ビッカーファイナリュージョン!」

二つの衝撃はぶつかり相殺した。

 

 

負けた。全力を出して負けた

だから不思議と悪い気持ちはしない。

むしろ清々しい気持ちだ。

心の中を全部さらけだしたからかな?

アイツは強い。いまのままじゃ敵わない。

アイツに追いつきたい。その為には清算しなきゃいけないことがあるな。

 

 

 

二つの衝撃の余波でビルの一部が消し飛んだ。

オールマイトは慌てて

『しっ、試験中止ー!』

私は慌てていた。

真司は大丈夫?お願いだから無事でいて!

 

 

あの後俺と轟はオールマイト先生とレイ子にこっぴどく怒られた。

戦闘訓練にしてもやり過ぎだと、あと守るべき牙城を崩してはならないと。

これじゃ爆豪のことを強く言えないな。

テストにしろ本番にしろ俺はまだまだだな。

 

 

 

・・・・

 

夜の繁華街中に佇むビルその中にあるとあるバー

 

「見たかコレ?教師だってさ…なァどうなると思う?平和の象徴が……ヴィランに殺されたら」

 

悪意が動き出そうとしている。

 

 



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柳レイ子origin前編

今回からレイ子ちゃんの過去編です!


私と真司は今、公園で波動先輩に特訓をしてもらっている。

正直私はこの人は苦手だ。

だっ、だって、隙あらば真司に抱きつくし、私よりむっ、胸もあるし……

真司ってもしかして波動先輩みたいな人が好きなのかな…

そんなことを考えてると

誰かが何か叫んでるのが聞こえてきた。

「お前の個性なんて敵みたいじゃねえか!」

「敵になる前にここで退治してやる!」

「やっ、やめてよ…」

どうやら個性関係の虐めらしい。

私は放っておけず、ちびっ子に向かって、

「こらーやめなさい!」

軽く怒った。

「わっ、高校生じゃん!」

「逃げろー!」

全くなんで虐めなんかするのか。

そういえばこんな感じだったなあ。

私と真司が出会ったのって。

 

 

・・・・

 

10年前

 

「ひぐっもう辞めてよ…」

私は小学生になると同時にこの町に引っ越してきた。

理由は前の幼稚園で虐められていたのを両親が見兼ねて

そうしてくれたからだ。

引っ越しして小学生になったら虐めてくる人はいなくなるんじゃないかと思ってたのだが現実は甘くなかった。

小学生になっても私の個性は不気味だとか陰気くさいとか言われた。

無視されるだけならよかったのだが、私に対して執拗な嫌がらせを繰り返してきて、私の心は折れかかっていた。

「私ずっと一人なのかな…」

学校も学校で私を庇ってくれなかった。

担任も私に対して嫌な視線を向けてくる

遂には家に引きこもったしまった。

両親が心配してくれるが、私には居場所がない。

家にしか私の居場所はない…

唯一の楽しみはネットサーフィン。ここでしか心が落ち着かなかった。

エミリーというニックネームでログインしていて

ネットで愚痴を呟いていたら

一件の返信がきた。

『どうしたの?』

ニックネームはツカサというらしい。

でもこういうのは建前だけのが大抵でほとんどはネタ探しにでも使うつもりなんだろう。

私も返信すると

『落ち込んだことがあったんです…』

『じゃあいいこと教えてあげる♪』

『笑う門には福きたる。誰もが知ってる言葉だけど本当に辛い時に誰も思い出せない。辛いときは笑ったら?』

その言葉を私はその時知らなかったが

『笑うと幸せになれるって意味♪世の中笑った者が一番幸せなんだよ♪』

私はその人に今の自分のことを語った。

個性のことや学校でのことなど、

それを聞いてもその人は

『すごい個性じゃないか!』

『なんなんだよ!そいつら!』

嘘かもしれない、でも私の心はその言葉で暖まってきた。

次の日からは学校にいった。

相変わらず学校の連中は虐めてくるが、その言葉が私の支えになった。

一週間が経った時、学校に転校生が来るらしい。

どんな人かは興味がなかった。私の心は既にズタボロだったからだ。

あれからツカサさんとも連絡は取れない。

支えにしてる言葉でも、もう自分は限界だった。

転校生が入ってきた。

その子は黒髪の整った顔をしている男の子だった。

女子が一斉に声をあげた。

「はじめまして!空野真司です!将来の夢はトップヒーローになることです!よろしくお願いします!」

とその紹介でさらに好印象を持たれた。

放課後私が校門を通って帰ろうとした時、いじめっ子達が

「おい、ちょっと待てよ」

私は無視することにした

「最近生意気なんだよ!てめえ!」

私につかみかかってきた。

私はもうどうでも、よかった。

その時、

「おい!何やってんだ!」

と辺り一面に広がる声。

「空野くん……?」

「なんなんだよてめえ!邪魔なんだよ!どっか消えろ!」

いじめっ子が怒鳴り散らして空野くんに掴みかかろうとしたら

その腕を逆に掴み背負い投げた。

いじめっ子の一人がやられると他のやつらも逃げていった。

「あっありがとう…」

「別に気にするな」

「待っ、待って!」

「どうした?」

「どうして助けてくれたの?」

「困ってるやつを助けるのはヒーローの役目だろ?」

その後空野くんと一緒に帰り家まで着くと

「今日はありがとう」

「どういたしまして」

「まっ、また!一緒に帰ってくれないかな…?」

「いいよ」

嬉しかった。私はそのまま家に入っていった。

 

 

「レイ子ちゃ〜ん。もう私は限界だよ〜君を手に入れたいなあ〜」

悪意が動き出そうとしていた。

 



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柳レイ子origin後編

あの日以来私と空野くんは一緒に帰るようになっていた。

私は嬉しかった。

今まで一緒に帰ってくれる相手などいなかったからだ。

そしていつものように帰る途中、その日は公園に寄っていった。

そして、たわいもない話をしてると

個性について聞かれた。

「柳さんの個性って何なの?」

怖かった。空野くんが私から離れるんじゃないかと。

それでも話してしまった。

だが、空野くんは

「すごいじゃん!その個性!」

予想外すぎることを言われた。あの人以外にそんなことを言われたことがなかったからだ。

「うぐっ…」

「どうした!?なんか悪いこと言っちゃった?」

「違うの、嬉しくて……」

空野くんの知り合いにも私と同じような個性を持ってる人がいるらしい。

ああこれが嬉しいってことなんだなあって思えた。

「そうだ!お互いに友達になったことだしなんか交換しねえか!」

そう言って空野くんは私にオールマイトのキーホルダーをくれた。

こうして1日が過ぎていく。

 

・・・・

 

次の日から私は学校で虐められなくなった。

その代わり誰も空野くんに近寄らなくなっていた。

多分私を、庇ったのが原因だろう。

いつものように公園で話してると

「ごめんね…」

突然そんなことを言ってしまった

「ちょっ、いきなり…」

「私のせいで…空野くんが…」

ああこんな自分がウラメシイ。もういなくなった方がいいのかな…

そんなことを思ってたら

「何言ってるんだ!お前のせいなんかじゃない!」

空野くんが私に対して文句を言った。

「違う…!私のせいで……」

「俺が学校で誰からも相手にされなくなったことか!?

あれはおまえのせいなんかじゃない!いや、むしろあんなやつらなんかと関わりたくもない!!」

空野くんは私のことを責めてない。

どうして!こんな私なんかを?

「俺がお前を助けたのも全部俺がやったことだ気にするな。

お前には笑顔でいて欲しいんだ。だから泣くな。笑顔でいないと幸せは逃げちゃうぞ」

そう言った空野くんの言葉はとっても暖かかった。

「うぐっ…ありがとう…ありがとう……」

気づけば私は空野くんを抱きしめていた。

恥ずかしいのだろうが、今は全然恥ずかしくない。

空野くん縋り付き泣きじゃくった。

 

「ごめんね…急に抱きしめちゃって」

この男平然ぶってるが

内心ではかなりドキドキしていた。

それもそのはず前世を含めると20歳の大人なのだ。

子供とはいえ女の子に、抱きしめられたことなどない男がした初体験はとても心地よかったものだったらしい。

そして二人は下の名前で呼び合うようになり、さらに仲を深めていった。だがこの時は知るよしもなかった。この後レイ子を待ち受ける悪夢があることを。

 

 

私は一人寂しく帰っていた。何でも真司に用事があるらしく先に帰ってしまっていたからだ。

そもそも昔は一人で帰っていたのだ。なにも寂しくなんかない!

そう思っても。何故か涙がこみ上げくる。

『大丈夫だよ〜〜レイ子ちゃ〜〜ん。私と一緒に遊びましょ〜〜』

不気味な声が後ろから聞こえた時、私は意識を失った。

 

一人の少年が通学路を走っていった。友達の女の子を迎えにいくためだった。だが肝心の子は見つからず帰ろうとした時、

ふと落ちてるものを目にした。

それはその子が身につけてるはずのキーホルダー自分の名前が書いてあったから間違いない。

しかも引き千切ったかのような痕跡だ。もしかして何かあったのでは?

「どこの誰だか知らねえが……レイ子に手をだしたらただじゃ済まさねえ……」

<アタックライド、スコープ!>

 

・・・・

 

意識が戻った私がまず気づいたのは自分が縛られているということだった。次に目にしたのは狭い小屋の中だった。薄気味悪く

ジメジメとした感じがした。

「ようやく目が覚めたね。レイ子ちゃん」

声の方へ振り向くとそこには私の担任が居た。

「嘘…なんで…」

「君が愛しすぎるからだよ。虐められていたその姿も可憐だが、最近は明るくなりすぎて君の愛しさが私の中で消えてきてしまっている!!それでは駄目だ!君には常に暗くいてもわねば!」

狂ってる。この人は本気で狂ってる。

何故こんなことを?

「こんなこと辞めてください!お願いです!」

「そんなこと言われて辞めるなら、こんなこと実行しないさ。

君を更なる絶望に落とせば私の中の君の愛しさはますます増ッ!」

怖い。私の心を占めているのはその感情だった。

「いいよ!その表情がイイッ!!それこそ私が求めてたものダッ!!」

助けて……真司…

そう思ってたら突然ドアが蹴破られた。

彼女の願いが叶えられた瞬間だった。

 

「おっ、!お前は何者なんだ!」

「通りすがりの仮面ライダーさ…」

そう言った仮面の戦士はベルトにカードを差し込み

<アタックライド、クロックアップ!>

私の拘束を一瞬で解き、私を助け出した。

「てっ、てめえ!ただじゃおかねえっ」

仮面の戦士は男に一瞬で近づき一撃で倒した。

「あっ、あの?貴方は?」

「いいか。落ち込んだ時は笑え。笑ってるやつが一番幸せなんだからな」

その言葉を私は聞いたことがある。

「ツッ、ツカサさん?」

私はそうかと確信した。

そして仮面の戦士がその姿を現わす。

ああ、そうか。だからあんなにも似ていてたんだった。

「大丈夫か?レイ子♪」

私は真司に思いっきり抱きついた。

そうあの日真司が私のヒーローになった日だ。

 

・・・・

 

これが私のオリジン。

 

「おーい、レイ子ー!特訓再開するぞー!」

「レイ子ちゃーん♪一緒に頑張ろー!」

波動先輩には未だに慣れない。

でも真司が信じている人だ。悪い人でもない。

苦手だからって嫌ってるのはあいつらと一緒だ。

私も早く波動先輩と仲良くしなきゃ。

そして早く強くならなきゃ。

真司の隣に立つ為に。

 

 

 

 

 

 

 



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学級委員長とマスコミ騒ぎ

オールマイトが雄英の教師に就任したというニュースは瞬く間に全国に広がり、連日マスコミが押し寄せる騒ぎになった。

 

「教師オールマイトについてお聞かせください!」

 

マスコミ勢がそう聞いてくるが俺たちにとってはいい迷惑だ。

「ねえねえ。何で、オールマイトのこと知りたいの?ニュースになってたから?でも、道を塞ぐのが迷惑になるって知ってた?」

波動先輩が注意するものの、全く聞こうとしないマスコミ。

レイ子も困惑しているし、何より、

このままでは遅刻してしまう。

「ッ!真司!?」

「真司くんッ!?」

俺は咄嗟に右手でレイ子、左手で波動先輩を引っ張り、校内へ逃げ込んだ。

「あそこまではしつこいなんて…」

「私マスコミ嫌〜い」

「校内まで入ってきそうな勢いだったな」

まあ校内には至る所にセキリティがあるし、入ってこれないだろう。

「んじゃ、私は教室に行くから二人も頑張ってね〜」

「ねじれ先輩こそインターン頑張ってくださいね」

あと最近レイ子と波動先輩はお互いが下の名前で呼ぶほど仲良くなってきている。

そのあと俺たちも教室に向かった。

 

 

・・・・

 

相澤先生が教室に入りHRという名の説教が始まる。

「爆豪、もうガキみてえな真似すんな。能力あるんだから」

その説教に爆豪は

「ああ…」

「それと空野に轟、戦闘訓練だからといってやり過ぎだ。

少しは加減しろ。」

「すいません」

「わかった…」

「あと緑谷、個性の制御…いつまでも『出来ないから仕方ない』じゃ通さねえぞ」

「ッ!ハイ!」

「いきなりで悪いんだが今日は君らに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学級委員長を決めてもらう!!」

 

『学校っぽいのキター!!!』

 

一同が騒ぎ出すが、相澤先生の眼力で静かになった。

 

「静粛に!!多をけん引する責任重大な仕事だぞ…!!

周囲からの信頼あってこそ務まる聖務…!

民主主義に則り投票で、決めるべき議案!!!」

言ってることは最もなんだが

「そびえ立ってんじゃねーか!!何故発案した!!!」

手を挙げているせいで説得力ゼロだった。

結局、飯田の提案が受け入れられ

投票した結果

 

俺3票

 

八百万2票

 

レイ子 麗日 轟0票

その他は全部1票という結果になった。

「は?3票!?」

「僕に1票!?」

「なんで変身野郎に3票も!」

「聖職…!だが、何故…!?入ってるんだ!」

「他に入れたのね…」

「何がしたかったんだ…飯田…」

結局俺が委員長になってしまい、八百万が副委員長になった。

その後昼休み。

今日は皆で食おうと約束していた為久しぶりに食堂で食べることになった。

メンバーは俺、レイ子、緑谷、飯田、麗日、八百万、だけのはずだったが、

「一緒にいいか?」

轟が加わった。

「ああ、皆もいいよな?」

皆頷いてくれた。

 

 

食堂の飯はランチラッシュが作るだけあってやっぱり美味いのかもしれない。

あっ、当然レイ子の弁当には劣ると思うがな。

俺は生姜焼き、レイ子はハンバーグ定食、緑谷はカツ丼、麗日はカレーライス、轟は蕎麦を食うつもりだったのだが八百万が、

「お嬢様七人分のステーキご用意させていただきました」

「ありがとうございます」

目の前に用意されたのは三ツ星レストランで見るような食ったこともないステーキ定食だった。

「あっ、あの百…?これって…」

レイ子が思ってたことをぶつけると

「皆さまの為に用意させていただきました!!どうぞお召し上がりください!!」

 

はっきりいって場違いにも程がある。

見ろ。緑谷なんかガクブルだし、麗日は目を見開いており、飯田も眼鏡が震えているぞ。

周りからの視線もすごい

思ってたんだけど八百万って世間知らずの箱入りお嬢様なんじゃないのか?

 

皆緊張して思うように話せない。俺が切り開かなければ!

「そっ、そういやさ、俺飯田に入れたんだけど、誰が入れてくれたんだ?」

緊張で思うように声が上がらない

「むっ!あれは君が入れてくれたのかな!僕は緑谷くんにいれたのが」

「俺は八百万に入れた」

「えっ!飯田君だったの!?僕は真司君に入れたんだけど…」

「とっ、轟さん!どうして、私に!?」

「訓練の時の講評でお前が適任だと思ったからだ」

「轟さん…」

一人は緑谷だと判明した

しかしあと二人は誰だろう

もしやと思いレイ子を見ると

パチン♪とウインクをし、微笑んだ。レイ子かよ…

それでもあと一人は誰だろう

「私は真司くんに入れたよ!」

麗日だった

そういや飯田のやつ僕って言ったよな?

「飯田くんって坊っちゃん!?」

皆が言いにくそうな中、麗日が遠慮せずに口にした。

「そう言われるのが嫌で一人称を変えたんだ…」

そして、飯田の家がヒーロー一家だとか、兄がプロヒーローのインゲニウムだというのを教えてもらった。

「規律を重んじ人を導く愛すべきヒーロー!!俺はそんな兄に憧れヒーローを志したんだ!!」

お兄さんが俺でいうところのオールマイトらしい。

そのあと轟が

「空野」

「うん?」

「訓練の時は悪かった」

「もう気にしてねえよ」

轟が家族のことについて話そうとすると

「嫌だったら、いいんだぜ?」

「いや、これは俺の為にも、お前らには話とかなきゃならねえ」

皆も轟の話に食いついた。

それは想像を絶するものだった。

5歳の頃からヒーローになるための厳しい訓練をさせられたこと

自分を庇ってくれた母は父のせいで精神が追い詰められ顔に煮え湯を浴びさせたことなど。

母は父親に似ている自分の左側が憎いなどと。

周りで耳にしていた連中も顔を青ざめていた。

それに対し、飯田たちは

「そんなの、ヒーローじゃない!」

「なんて人ですの!!」

皆エンデヴァーへの批判を口々にしていた。

当然だ。誰が見たってソイツはクソ親父だ。

レイ子もいい気分をしていなかった。あれは怒ってるときの目だ。

「だがお前の言葉で俺が忘れていた母さんの言葉を思い出した…自分が本当になりたかったものとは何か…このままじゃ駄目だとわかった。だから…この前の休日母に会ってきた」

その後お母さんとあった時の様子を教えてもらった。

お母さんは泣いて謝り、笑って自分を許してくれたこと。

自分が憎しみに囚われず進むのが何よりの救いになること。

それに皆は号泣し、周りの連中も涙を浮かべていた。

俺も感動していたその時

『ウウッーー!!』

サイレンが鳴り響いた。

突如として食堂がパニックになった。

それに対し俺は

「皆落ち着け!今動くのは危険だ!!今から原因を探る!!」

<アタックライド、スコープ!>

セキリティ3が突破されてる!ん?あれはマスコミか!!

<アタックライド、フロート!>

空中に飛び皆の視線を集める。

「皆落ち着け!ただのマスコミだ!先生が対応してるから俺たちは速やかに教室に戻るんだ!」

それを聞くと皆がそれぞれの教室へ帰っていく。

その後先生から騒動は収まったとの知らせを受けた。

そういえば職員室の近くで誰かいたが先生の誰かかな?

 

・・・・

 

「ただのマスコミがこんなことできる?」

「そそのかした者がいるね…」

「邪な者が入りこんだか。もしくは宣戦布告の腹づもりか…

それにしても食堂の騒ぎ止めたのは一体誰だい?」

 

「空野です」

相澤がいうと教師陣がその名前に反応した。

「空野くん…今年の入試で圧倒的1位になった未だ個性に謎が多い人物か…」

「ええ、確かにアイツは謎が深いです。ですが皆を思う気持ちはあのクラスでも一番に近いと思われます。俺はアイツがスパイとかの類とは思えません」

「相澤くんがそこまでいうか…」

「確かに個性に関しても未だに謎の多い人物だがあの騒ぎを止めようと奮闘した者だ。スパイの可能性は低いね…彼にならオールマイトのことを話してもいいんじゃないか?いや、まだ話すべきではないね…」

 

悪意はすぐそこまで近づいている。

 



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仮面の戦士と悪夢の始まり

マスコミの騒動が有ったにも関わらず次の日は普通に授業が有るらしい。

流石雄英と思ったが、同時に嫌な予感がする。

俺にはもう原作の知識はないが、ここまで流れがスムーズに進んでいると妙に警戒心を高めてしまう。漫画では、物語の流れとして普通にできるが、ここは現実、人が死ぬのに、何もないじゃ済まされない。

昼ご飯を食べ、午後のヒーロー基礎学の話を聞いていた。

今回はレスキュー訓練だそうだがB組とも組むことになったらしい。

なんでだろ?

そしてオールマイト、相澤先生、B組担任のブラドキング、ともう一人の四人体制での訓練を見るそうだ。

コスチュームの着用は各自の判断に任せるそうだ。

なんやかんや話しながらバスに乗ろうとしたら

「ねえねえねえ!!君かい今年の入試トップってのは!?」

誰だこの嫌味たらしそうなのは?

「お前誰だ?」

「随分な物言いだねええぇ!?僕は物間寧人、君と同じヒーロー科B組の生徒さああぁ!」

何だこいつ正直鬱陶しい。

と思ってたら、そいつの首筋に強めの一撃が当てられた。

「ごめんな!こいつ心があれなんだよ。私拳藤一佳B組の委員長だよ、よろしく!A組の委員長!」

「知ってるのか?」

そういえばこいつ何処かで見たような?

「あー食堂の時はありがとね。アンタのおかげでB組の皆も無事で済んだし」

「気にすんな。ヒーローは助け合いだろ?」

「そう言ってくれるなら助かるな。っとあとそうそう」

「ん?」

「仮面の戦士ってそっちのクラスにいない?」

「仮面の戦士?」

「黒もピンクの鎧を着た緑目の戦士で入試の時に助けてもらったんだ」

それ俺じゃん!そうそう!こいつ仮想敵に囲まれていた時に助けたやつだ!すぐに別の場所行ったからよく見てなかったけど

「でも見る限りいなさそうだね…あーあ」

いや、目の前にいますけど。

でも自分から言うのはカッコ悪いし。

「その人に何で会いたいんだ?」

「助けてくれたってのもあるけど…なんか胸がドキドキしてるんだ…」

おいおい、大丈夫かよ、俺!これこの子、完全に惚れてない!?

俺そんな大層なことしてないんだけどなあ。

と思ってたら後ろから視線を感じるとレイ子が俺に向かって恨めしそうにジト目を、向けていた。

違う俺は何もやっちゃいない!

レイ子が近づいてきて

「真司のバカ……」

と呆れたように呟いた。

 

気まずい気持ちになりながらバスに乗ると

皆個性の話で盛り上がっていた。

その時緑谷は個性がオールマイトに似てると言われ、

明らかに挙動不審になっていた。確かに似てると言われれば似てるって言えるのかな?

「でも派手で強えつったら爆豪と轟と、そして一番は空野だな!」

「けっ」

「そういえば空野さん、詳しく聞いていませんでしたがあなたの個性って一体何なのですか?」

そう言われると俺はライドブッカーから何枚かのカードを取り出す。

「俺の個性はカードに描かれている戦士に変身する個性なんだ。

これが基本形態のディケイド、その他のカードが状況に合わせて使い分けて変身するやつ。それぞれが特異能力を持ってるんだ。例えばカブトは肉眼で捉えきれないほどの速さで移動できるし、ウィザードは魔法の力をつかうことができる。」

その後各フォームについてある程度説明すると

「何つーかよ、それって万能すぎじゃね?」

切島の言葉に皆して頷く。

「でも真司は鍛えて強くなった…個性だけじゃない…」

レイ子が静かに反論してくれた。

俺も嬉しい。

「お前ら、いい加減にしとけよ…そろそろ着くぞ」

相澤先生が注意を促した。

 

着いた場所は遊園地を、思わせるような施設だった。

様々な災害が再現されたアトラクションのような場所だった。

「すっげーUSJかよ!!?」

「救助訓練に来たんだよな!?俺たち!?」

切島が興奮するが相澤先生に睨まれた。

「あらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場です。その名も……

USJ(ウソの災害や事故ルーム)!!」

(USJだった!!)

そう言ったのは災害救助で活躍するヒーロー13号だった。

その強力すぎる個性が故に実戦向きではないヒーローだ。

「オールマイトはどうした…」

「先輩それが…制限ギリギリまで活動してしまって…今仮眠室で休んでます」

「不合理の極みだな、おい」

(あの会話はどういう意味なんだろう?)

 

「えーと始める前にお小言を一つ…二つ…三つ…」

(増える…)

その後13号先生が個性の危険さや個性の正しい使い方についてを教えてくれた。

そして相澤先生が訓練を始めようとしたその時、

空気が凍りついた感じがした。

 

「一かたまりになって動くな!!!」

俺も咄嗟にディケイドライバーを出現させ、

レイ子も構えた。

「13号!!ブラド!!生徒を守れ!」

奇しくも命を救える訓練時間に俺たちの前に現れた。

「何だアリャ!?また入試のときみたいなもう始まってんぞパターン?」

そんな生易しいものなんかじゃない!!

「動くなあれは敵だ!!!!」

相澤先生の言う通りだ。

「13号に…イレイザーヘッド、ブラドキングですか…先日頂いた教師側のカリキュラムではオールマイトが、ここにいるはずなのですが…」

やはりあのマスコミ騒動は偶然なんかじゃなかった!

こいつらが意図的に引き起こしたものだったんだ!

プロがら何と向き合っているのか

それは途方もない悪意

 

 

 

 

 

 



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ガタキリバ無双

タイトルがネタバレになっちゃいました!
すみません。
でもこれ以外しっくりきたのがなくて…


ーー平和の…

 

ーー象徴を…

 

ーー殺せ。

 

突然現れた悪意に怯む生徒達。

「敵ン!?バカだろ!?ヒーローの学校に乗り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」

「先生侵入者用センサーは!」

「勿論ありますが…!」

おそらく個性で無効化してるのだろう?

だがそれよりも、これがここだけなのか、それとも学校全体なのか

敵が現れたのは中央広場だが各ゾーンに敵がいてもおかしくない。

隔離空間での少人数に対する奇襲。馬鹿だがアホじゃねえな。

これは何らかの目的があって用意周到に画策された襲撃だ。

轟も同じ考えらしい。

「13号、ブラド避難開始!学校に連絡試せ!センサーの対策も頭にある敵だ。電波系の"個性"が妨害してる可能性もある。上鳴おまえも"個性"で連絡試せ」

「っス!」

「先生は一人で戦うんですか!?イレイザーヘッドの戦闘スタイルら敵の個性を消してからの捕縛だ。正面戦闘は…」

「一芸だけじゃヒーローは務まらん」

「13号、ブラド!生徒は任せたぞ!」

そう言った後、敵に向かっていく相澤先生。

ゴーグルで視線を隠しながら敵の個性を消していき、次々と敵を倒していく相澤先生。

「緑谷!先生の為にも俺たちは学校に連絡を取りに行くんだ!」

「ッ!わかった!」

「させませんよ」

突然現れた黒い霧こいつワープ系の個性か?

「初めまして我々は敵連合。せんえつながら…この度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは

 

 

 

 

 

 

平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ったことでして」

 

は!?

オールマイトを殺す?こいつらがそんなことできるのか?

とそんなことを言ってられないマズイ状況でもあった。

「私の役目はこれ」

<アタックライド、スコープ!>

弱点を見つけた!よし!

こっそりと先生に弱点を伝えたその時、

切島と爆豪が霧に向かって突撃した。

「その前に俺たちにやられることは考えてなかったか!?」

あの馬鹿!!

先生の邪魔するな!

「危ない危ない……そう生徒といえど優秀な金の卵」

「ダメだどきなさい!二人とも!」

「さっさと引かぬかあ!!」

先生達が注意するも、虚しく

「散らして嬲り殺す」

霧は俺たちのを囲むように覆いつくす。

がレイ子の手を咄嗟に引っ張り難を逃れたが、

何人かが飲み込まれ、強制移動させられてしまった。

散らして殺す…やっぱ、各ゾーンにも敵がいるとみていいだろう。

<アタックライド、ブラスト!>

またワープさせられたらたまったもんじゃない。

「ぐわあああ!!」

黒い霧は吹っ飛び気絶した。

ブラドは「勝手なことをするな!」と言いたかったが事がことなので強く言えなかった。

出口に向かおうとしたら

「ぐわぁぁあ!!」

相澤先生の悲鳴が聞こえた。

よく見ると脳剥き出しの化け物が相澤先生の腕を折っている。

「イレイザー!」

マズイ!

<アタックライド、クロックアップ!>

俺は一瞬で相澤先生を助け、出口まで移動した。

敵が突然消えた相澤先生に驚いていたが、

その隙に俺は

「相澤先生をよろしく」

「待て、空野行くな!」

「でもここで行かないと…皆と先生が危ない…お願いします!」

「くっ、わかった無茶するな…」

「イレイザー!?」

俺は向かおうとすると

レイ子に手を握られ

「帰ってきてね…」

と心配された。俺の答えは一つだけだ。

「ああ、任しとけ!変身!」

<カメンライド、ディケイド!>

「仮面の戦士!?」

俺は中央広場に向かって跳躍した。

そこにいたのは先ほど化け物に指示を出していた、顔に手がいっぱいついている男に、さっきの化け物とチンピラと思えるやつらが何十人もいた。

出口を見てみたがどうやら皆脱出したようだ。

「おいおい、お前誰だ?イレイザーヘッドが急に消えたかと思ったら、急に現れやがって。黒霧はどうした?」

「ああ、あのモヤのやつか。あいつなら倒して、今応援を呼びに行ってもらってる」

「……はぁ!?はあぁぁぁぁあ!?」

「流石に何十人のプロには敵わない…ああゲームオーバーだ。今回はゲームオーバーだ。帰ろっか。」

ゲーム?こいつは何を言ってるんだ?

人の命をゲームみたいにみてるのか?

怒りが込み上げてきた。

だが今は、<フォームライド、オーズ!ガタキリバ!>

オーズ、ガタキリバコンボに変身し、コンボ能力、分身を発動し、50人に分身すると

「「「「はあぁぁぁぁあ!」」」」

「はっ?」

俺が増えたことに手だらけ男は驚き、チンピラは震えだす。

「「「「「行くぞ!」」」」」

バッタレッグで敵に迫り、カマキリブレードで敵を切り、

クワガタヘッドの電撃で敵を寄せ付けずに敵を殲滅した。

「はあぁぁぁぁあ!?」

残るは手だらけ男と化け物だけになった。

俺は分身体を各ゾーンの救助に向かわせた。

「あーあ。チンピラも全員やられちゃって…本当にカッコいいなあ。

最近の子供は…気に入らねえんだよ。やれ脳無」

化け物が一気に襲いかかったきた。

速い!!

防御したがそれでも吹っ飛ばされた。

「グワアァァア!!」

痛え!!

こいつがオールマイト対策のやつか!

「へえ、脳無の攻撃を受けて死なないなんて…本当にカッコいいなあ…でもまあいいや、死ね」

突然扉が破壊された。

「もう、大丈夫…!私が来た!」

悪夢が終わろうとしている

 



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悪夢再来

私は内心では落ち着けなかった。

ああ言っていても真司は他人の為にも無茶をする人だ。

きっとボロボロになって帰ってくるかもしれない…そんなの嫌だ。

先生の指示で校舎に向かって走っていたその時、

轟音が鳴り響いた。嘘!?真司お願い無事でいて!

私が戻ろうとしたその時

「もう…!大丈夫だ。少年少女たちよ」

希望が舞い降りた。

 

私は動揺を隠せなかった。仮面の戦士が空野だったなんて。

変身系の個性だったとすぐにわかったが、あの実技試験の時何も言わず助けてくれたのが、空野だったにも私は納得してしまう。

出会ってすぐの男にこんなことを思うのは変かも知れないが

食堂で轟の会話や緊急時の対応に、自分を省みず、人を助けようとするのが誰にでもわかってしまったからだ。

「空野を助けたい」私の心の中はその一つでいっぱいだった。

とその時轟音が鳴り響いた。

まさか空野が!

私は隣の柳さんと戻ろうとした時

「もう…!大丈夫だ。少年少女たちよ…私が来た…!」

 

 

 

ッ〜!

助かった〜

オールマイトが来てくれたのは非常にありがたいのだが

何で、あいつらがいるんだ!

レイ子に拳藤、何でお前ら戻ってきたんだ!

「あー…コンティニューだ…」

「もう大丈夫…!私が来た…!!」

オールマイトが脳無とか言われる化け物に向かって

「Carolina…スマッシュ!」

オールマイトがとてつもない一撃を放ったが全然効いてない。

どういうことだ?

「効かないのはショック吸収だからさ。ああ、あとこいつには超再生もある!脳無はお前の100%にも耐えられるように改造された超高性能サンドバッグ人間さ」

改造人間?そんなものが本当にあるのか?

それとも…

オールマイトは攻撃が効かないとわかるとバックドロップで脳無をコンクリに突き刺した

と思われたがいつの間にかワープゲートが戻ってきて、

脳無はワープゲートで難を逃れ、オールマイトの脇腹を抉っている。

これはマズいな…

と思ったその時、突如氷が脳無を襲い、

ワープゲートは爆豪に掴まれた。

轟に切島、爆豪だ。

あいつ弱点見抜いてたのかよ…

言動さえよければ優等生なのに勿体無いな…

「ぬぅっ…」

「っと動くな!!「怪しい動きをした」と俺が判断したらすぐ爆破する!!」

行動は最もなことなんだけどなあ…言動がヒーローとは思えない。

「脳無、爆発小僧をやっつけろ。出入り口の奪還だ」

と言った直後脳無の攻撃をオールマイトが庇い吹っ飛ばされた。

轟たちも応戦しようとするが、

「駄目だ!逃げなさい!」

「……さっきのは俺が助けに入らねばやばかったでしょう」

「それはそれだ!轟少年!!ありがとな!!しかし大丈夫!!プロの本気を見ていなさい!!」

オールマイトと脳無が飛び出す。

拳と拳がぶつかり合い

嵐のようなラッシュだった。

「無効ではなく吸収ならば!!限度があるんじゃないか!?」

デタラメに殴ってるんじゃない!

オールマイトは一撃一撃に100%以上の力を込めているのだろう。

「ヒーローとは常にピンチをぶち壊していくもの!敵よ!こんな言葉を知ってるか!!?plus ultra!!」

 

コミックかよ…ショック吸収をないことにしちまったぜ。

だが妙だな。あいつらはこれで切り札を失った筈…

今までの手だらけ男の性格からして冷静ではいられない状況なのに

なんであんなに落ち着いているんだ?

 

「あーあ…やられちまった。やっぱすごいなぁ。オールマイト」

「もう観念しろ!!本命はもう倒した!君らに勝機はない!」

「たしかにやられちまったなあ。でもな、オールマイト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰が脳無が一体だけだなんて言った?」

まさか!

ワープゲートからさっきのとは違う別の脳無が出てくる。

一同唖然としていた。

「なっ!?」

「驚いたよなぁ。オールマイト。こいつはさっきのやつほどじゃないが今のおまえを倒すには充分だ」

と次の瞬間、脳無がとびだし、

オールマイトは吹っ飛ばされた。

『オールマイトおぉぉお!!』

煙がはれたその時、

そこに居たのは痩せ細った骸骨だった。

は?

オール…マイト…?

轟も切島も爆豪すらも驚きを隠せなかった。

緑谷はマズいと言わんばかりの表情になっていた。

もしかして、知ってたのか!?

手だらけ男はやったと言わんばかりの笑みを浮かべていた。

「はっ、はっはっは!弱っていたってのは本当だったんだ!!

流石先生だ!!これならオールマイトをぶち殺せる!」

皆絶望感に満たされていた。

頼みの綱オールマイトは見るからに弱って戦闘不能だ。

ならここは…!

俺はオールマイトの前に守るように立つ。

「あ?どうした?おまえ。たすけてくださいって命乞いにでもきたか?そりゃそうだろうなあ!!オールマイトは戦闘不能だ!

助かるわけが」

「そんなわけないだろ」

その言葉にアイツは苛ついたように顔を顰め

緑谷たちも驚いた。

「おまえらをここで倒す。そして皆を守ってみせる」

「やれるもんならやってみな!!」

<フォームライド、エグゼイド!ムテキ!>

ドライバーからゲームパネルがとびだし、脳無を弾き飛ばし

俺の頭上に設置される。

<輝け!流星の如く!黄金の最強ゲーマー!!ハイパームテキ!エグゼイド!!>

「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!!」

 



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ムテキゲーマーと真実

「仮面ライダーエグゼイド……ムテキゲーマー!!」

「なっ、何なんだよ!お前は」

「俺は世界の破壊者。そしてお前を倒す者だ…!」

「何が倒すだ!やれ、脳無!!」

脳無が俺に向かって突撃した。

その振りかぶった拳を俺は避けなかった。

拳の風圧で砂煙が舞い上がった

「空野少年!!」

 

「死んだな。アイツ」

「避けるそぶりも見せなかったですからね。確実に死んだでしょう」

爆豪たちも立ち尽くしていた。

勝てるはずがないと。

だが、煙がはれると、そこには信じられない光景が広がっていた。

脳無の攻撃を受けてもなお、エグゼイドは微動だにしなかったからだ。

『なっ!!』

手だらけ男はおろか、爆豪たちですら絶句していた。

直後エグゼイドが放ったパンチは脳無を吹き飛ばした。

「なっ、なんだよ!?こいつの個性は『ハイブースト』だぞ!

パワーだけならさっきのやつより上なのに…!『鋼鉄化』も意味がないなんて…!アイツは一体何なんだよ!?クソっ!脳無!今度はちゃんとダメージを与えろ!」

再び脳無が迫ってくるが真正面から防御もなしに受け止めた。

それでも尚、ダメージがなかった。

その事実に死柄木は冷静さを失いそうだった。

すかさず、脳無の腹に一撃をくわえ、30m程吹き飛ばした。

だが、脳無は途中で立ち上がり、再び向かってき、パンチのラッシュを放ってくるが、

立っているだけのエグゼイドに全くダメージを与えることが出来なかった。

「ダメージが無い……!?」

黒霧が呟く。

「そうだ!このムテキゲーマーにはあらゆる攻撃が一切効かない!俺はお前たちを倒すためにこの力で勝つ!!」

「はっ?何だよ!?それ!ダメージが無いなんて反則だろ……!!?このチートが……!」

「そろそろフィニッシュだ!」

<ファイナルアタックライド、エ、エ、エ、エグゼイド!>

俺は脳無をアッパーで上空に飛ばし、黄金の粒子を纏い脳無に向かって跳び、高速移動で連続キックを放つ

「ハイパークリティカルスパーキング!!」

連続蹴りを食らった脳無は動かなくなった。

「死柄木弔!脳無が完全に機能停止しました!」

「何でだよ……!何でこうなる……!オールマイトも弱っていた……!!作戦も完璧だった。なのになのに何故!上手くいかないんだ!」

完全に我を失っていた

「さて…お前たちも終わりだ…」

「ぐうっ!」

捕らえようとしたその時

ワープゲートが俺を囲み、

俺はUSJの外へ強制転移させられた。

くそっ!!やられた!

ムテキでも強制転移は防げなかった!

油断した!!

その後先生方が駆けつけた時には敵は既に逃げていたそうだ。

 

 

 

 

俺とレイ子、轟、爆豪、切島、緑谷、拳藤の七人は会議室に呼ばれていた。

 

そこには校長をはじめとするプロヒーロー達が勢揃いしていた。

勿論そこにはオールマイトもいた。

……まあ今見えるのはいつものような筋骨隆々なオールマイトではなく痩せ細ったガリガリさんだったが…

その光景に爆豪は信じられないものを見るようなまで見ていた。

「まあ、楽にしたまえ!!これから君たちに話すのは極秘案件だと思ってもらえればいいのさ!」

そんな案件聞かされるのに楽にできるわけがない。

まあ、十中八九オールマイトのことだろうな…

「皆も見てしまったのだろうけど、この人こそがオールマイトなのさ!」

元気に言うがその表情はとても曇っていた。

「口外するなってことですか……」

轟がズバッと言ってくれた。

「そう言うことなのさ!この姿を見てわかるように今のオールマイトは弱ってしまっているのさ!そこで君たちにもこのことは内密にしてもらいたいのさ!」

「社会の混乱を避けるためと敵活性化の恐れで、秘密にしているってことですか…」

「そういうことなのさ!話がスムーズで助かるのさ!」

 

「あと空野くん。これは私個人の頼みなんだけど…」

オールマイトがそう言ってくる。何だ?

「私の傷を治してくれないか!」

えっ!?

皆も驚いたようで、俺を見る。

「えっ〜とそれは、今回の襲撃で傷を負ってしまったことですか?」

オールマイトが言いづらそうにしていた。

すると校長が

「もういいんじゃ無いかな…オールマイトくん。

彼は今回の襲撃で自ら戦闘に望んで皆を守った。君の秘密を話してもいいんじゃないか…?」

「はい、わかりました…」

そう言ってオールマイトはシャツをめくり脇腹を見せてくる。

その光景に皆息を呑んだ。

そこには想像を絶する痛々しい手術痕があったからだ。

「オールマイト先生……これは…?」

「これは五年前にある敵との戦いで負った傷でね…その戦いで呼吸器官半壊、胃袋全摘と度重なる手術と後遺症で憔悴してしまってね。

私のヒーローとしての活動限界は1時間ちょっとなのさ」

その事実に皆言葉を発せなくなった。

あの無敵のオールマイトが五年も前からそんなことになっていたということに

「緑谷?お前このこと知ってたんじゃないのか?」

俺の言葉に皆の視線が緑谷に集まった。

「きゅっ、急に何を言ってるの?真司くん!?ぼっ、僕はそんな!?」

「お前だけオールマイトの姿を見ても驚いた様子を見せなかった。

いや、むしろマズいと思うような表情だった。知らない人間がそんなこと思わないよなあ?」

俺のその言葉に緑谷への視線が強くなる。

「どうなんだよ!デクッ!」

爆豪が緑谷に掴みかかった。

「かっ、かっちゃん……」

「緑谷、俺は別に責めている訳じゃない。オールマイトの秘密を知ってたとしたら口止めされていただろう。だがお前がオールマイトとどういう関係なのか知りたいからだ。もしかしたら敵かもしれないしな。」

俺の発言に対し切島は

「オイッ!そりゃねえだろ!」

「ちょっと黙ってくれないかな。俺は可能性の一つを言っただけだ。

ただの一般人がオールマイトのそんな重大な秘密を知ってる訳がないだろ?だからこの際緑谷が敵かどうかはっきりさせといたほうがいいと思っただけだ」

俺の言ったことに切島は言い返せなかった。

「そっ、そりゃあそうだけどさ…」

「オールマイト…」

「空野少年…君の言ってることは確かにそうかもしれない。君が緑谷少年を疑ってしまうのも無理はない。だが彼は私の弟子なんだ…

緑谷少年に秘密を話したのも私だ…緑谷少年が秘密を知ってるのは私のせいなんだ…」

それを聞いて一同驚いたと同時に納得もした。

「緑谷…ごめん…」

「いやっ!いいよ!全然気にしてないし!」

そうは言うが敵かもしれないと言われていい気はならないだろう。

許してくれた緑谷には感謝しとかないとな

「さてと空野少年。君に私のこの傷を治してくれないかな?」

俺はその言葉を聞いた時にもう答えは決まっていた。

「分かりました。成功するかはわかりませんがやらせていただきます!」

<アタックライド、リカバー!>

と同時にオールマイトの傷が消えていった。

「これは!?」

「まさか治したって言うの!?」

その事実に職員室中が騒ぎ出した。

「空野少年!ありがとう!!君のお陰で私の傷は完全に治った!」

(それでもワンフォーオールを緑谷少年に渡してしまったから、いずれ戦えなくなるが……これなら奴との決着をつけられるかもしれん!)

「やったね!真司!!真司なら出来るって信じてた!」

レイ子が抱きついてきたがオイ、ここ職員室だぞ!

「空野!」

「どうした、拳藤?」

「あっ、入試の時はありがとね!助けてくれてさ!」

「気にするな!ヒーローが誰かを助けるのは当然だろ?」

ニコッ

「うっ!うん!」

そう言った拳藤の頰は赤くなっていた。

おいやめて!これ以上は俺の精神が持たない!

レイ子それ以上力を入れないで!

ギブッ!!ギブッ!ッ〜!

痛みなら耐えてると拳藤も抱きついてきた

教師陣からジト目が向けられるのに耐えて、

切島達に目で助けを求めると、

目を逸らされた。

(すまん!自分で乗り切ってくれ)

(巻き込まれるのはごめんだ)

(ハッ!いい気味だ!)

(真司くん、頑張ってね)

上から順に切島、轟、爆豪、緑谷は巻き込まれまいと無視を決め込むことにした

 

ちなみにミッドナイトは

「青いわ…」

と一人だけこの状況を楽しんでいた

 

 

 



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first date

今回はチョッピリイチャイチャ回です!


襲撃が起こった翌日は休校となり、学校ではセキリティの見直しがされていた。俺は午前中は家で考え事をしていた。

(あの死柄木って敵が、計画を立てたリーダーとは思えない)

自らの手の内を明かす浅はかさ。

物事がうまくいかないと露骨に切れる幼さ。

思い通りになってると思ってる単純な思考。

あんなやつが今回の襲撃を立てたとは思えない。

あの時死柄木はオールマイトが衰えていた事実を先生から聞いたと暴露していた。ということはおそらくソイツが死柄木のバックで、今回の襲撃を目論んだんだと思う。

だが何故ソイツはオールマイトが弱体化したと知っていたんだ?

もしかすると、オールマイトに傷を負わせた敵なのか。

それとも雄英にスパイでもいるのか?

謎だらけで唸っているとインターホンが鳴った。

 

扉を開けるとレイ子がいた。

だがいつもの普段着と違っていた。

いわゆるオシャレ着と言うやつだ。

白を基準とした、ワンピースでとっても似合っていた。

「どう?」

レイ子が質問してきたがパニくっててよく聞こえなかった。

だがわかったことは

「美しい………」

しばらくの間、沈黙が空気を支配した。

がレイ子が言葉の意味に気づくと、

ガチャン

レイ子がこっそりとだが慌ててドアを閉めた。

うおおい!何を言ってるんだ!俺は!

レイ子に対して!あれは恋人に言う言葉だろうが!!

恋人、か…

告白したらレイ子は俺と付き合ってくれるんだろうか…

しばらくするとドアが開いた。

お互いに気まずい気持ちでいっぱいだった。

「……あー、レイ子その服似合ってるよ…で、何の用…?」

「……今日時間ある…?」

「えっ?あるけど…」

「じゃあちょっと付き合って!」

そう言ってレイ子は俺の腕を引っ張る

「ちょっ、ちょっと!!」

レイ子に引っ張られ俺たちが向かった先は

ショッピングモールの家電量販店だった。

あれ、これってデートじゃないの?

「えっ〜と、なんでここに来たんだ?」

「…えっと、パソコン新しいのに変えたくて……」

なるほど。確かにレイ子はネットサーフィンが好きで最近じゃオンラインゲームもやってるって聞いてたな。

だが何故俺を連れてきた?

疑問に思ったことを聞くと

「……真司に……一緒に選んだもらいたかったから……」

モジモジしながらレイ子は頰を赤らめ口元を動かす姿はすごくいい。

ええ、すごくいいですとも!だが精神衛生上よろしくないとも思いました。

何この、可愛い生き物。街中じゃなかったら抱きしめてますよ!

「う〜んどう言ったのがいい?」

「ゲームやるからCPUは○○○がいいな。あとメモリの容量も大きい方がいい」

「じゃあこの□□□□なんかどう?」

「あっそれもいいね!」

といろいろ話しながら

レイ子はご希望のパソコンを買えた。

 

・・・・

 

あのあと俺たちはショッピングモール内をうろついていた。

このデート(?)はこれで終わっちゃうのか?

レイ子ともっとイチャイチャしたいのに!

そう思ってたおれは今になってようやく気づいた。

ああ……俺はレイ子が好きなんだな………

隣で笑う彼女を見ると愛しさが増してしょうがない。

彼女の怒った顔も笑顔も全部が愛しくてしょうがない。

だがレイ子はこんな俺と一緒にいてくれるのだろうか?

「どうしたの?」

レイ子に話し掛けられる。

今はいいか。こうして一緒にいるのが何よりもどんな時間よりも幸せなんだから。

 

 

 

 

 

 



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宣戦布告

休校日が終わって今日からまた学校生活が始まる。

いつものようにレイ子と波動先輩と一緒に学校に向かうが

「ねえねえ〜昨日デートしたって本当〜?ねえねえ、よかったらそのこと教えて〜?」

さっきからこれだ。できるならやめてほしい。

まあ頼んでもやめてくれないだろう。

だったら文句言わず聞いてろって思う奴。実際に想像してみろ。

部屋の中で聞きたくもない時計のアラームを何十分も聴くのを。

例えが悪かったか。

俺としてはただでさえ恥ずかしい黒歴史なのにこれ以上掘り返さないでほしい。

隣のレイ子も顔を赤くして俯いてしまっている。

俺が波動先輩の対応に困っていると

「……心配した」

突然暗くなる波動先輩。

いつもの天真爛漫な表情が消え、覗き込むように俺を見つめてくる。

「敵に襲われたって聞いて……居ても立っても居られなくて、真司くんたちが襲われたのに……何もできなくて……」

落ち込む波動先輩。でもそのままだとこっちも気まずいから

「えいっ」

頭をわしゃわしゃと撫でた。

「ひゃうん!!」

突然の俺の行動に波動先輩は変な声をだしてしまった。

しっ、しまったー!!何をやってるんだろうかああ!!俺は!!

年頃の女の子の頭を撫でて!

波動先輩は頰を膨らませ上目遣いで睨んでくる

「もう!いきなり何するの!」

不機嫌になる先輩に必死で謝った。

本当にすみません……

「んー許してあげる!」

あの後なんとか許してもらった俺。

その代わり今度買い物に付き合う約束をさせられた。

「ねえねえ?真司くん!真司くん!今度できた新しい法律って知ってる?」

ああ、あれか

 

"重婚制度"

この一夫一妻制の日本の少子高齢化を見据えて作られた新しい法律らしい……

 

「ねえねえ〜私大人になったら真司くんのお嫁さんになりたいな〜」

「「!?」」

「えっと?冗談ですよね?」

「どうだろうね〜(真司くんのバカ……)」

「/////」

レイ子が固まってる。マズいぞ早く現実に引き戻さないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後波動先輩と別れた俺たちは教室に向かった。

途中レイ子にずーっとジト目で見られたのが心に刺さる……

 

HRが始まって体育祭の話を聞かされると皆盛り上がっていた。

 

そして放課後

 

「何事だあ?」

 

ヒーロー科A組B組の前に多くの生徒が群がっていた。

「君たち!A組に何かようかな!?」

「出れねーじゃん!何しに来たんだよ!?」

「敵情視察だろ。雑魚。敵の襲撃を耐え抜いた奴らだもんな。

体育祭の前に見ておきたかったんだろ。そんなことしても意味ねえからどけ!!モブども!」

爆豪が相変わらずの無駄な敵作りに精を出してる中、

放っておこうと思って俺とレイ子が出てきたその時、

周りにいた生徒が俺たちに詰め寄ってきた。

「なあなあ!!お前だよなあ!?主犯格の敵を倒したのって!」

「オールマイトを助けたったのは本当なのか!?」

「レイ子様と付き合っているのは事実なのか!?答えてくれ!!」

質問の嵐にウンザリしてると、

「んで…!あの変身やろうに……!!」

爆豪がものすごい眼力で俺を睨めつけてきた。

「噂のヒーロー科。一人偉そうなやつがいるが、ヒーロー科に在籍するやつは皆こんななのかい?」

爆豪みたいなばかりのヒーロー科なんて世紀末の類だろう

「おい、俺たちをこの調子乗りと一括りにされちゃ困る」

「んだと!!この変身やろう!」

「空野真司……入試トップで主犯格をも撃退した一年期待の星……アンタも俺たちのこと見下してるのか?」

「そんなわけないだろ。むしろ警戒するべきだと思ってるよ」

「なんでだ?」

「個性を知らないってだけでクラスの奴らとも違うし、あの実技試験で落ちたからって油断できるわけでもないだろ。はっきり言ってロボ相手には苦手でも対人で強い個性なんて山程あるもんな」

「だから俺は、クラスの奴らもまとめて全力で叩き潰すつもりだ」

「へえ…言ってくれるじゃないの。あと、それとさっきは悪かった」

「こっちだって不快な思いさせてすまなかったな。爆豪も謝れ」

「謝るかよ!クソガ!!」

「アイツいつもああなのか?」

「ああ、正直俺たちも困ってる」

「俺は心操人使。体育祭では楽しみにしてるぜ」

「こちらこそ全力で倒すまでだ」

レイ子が出たその時、周りの連中がレイ子の元へ集まった。

『レイ子様!!』

「ふぇっ!?」

『あっ、あの自分たちレイ子ファンクラブはレイ子様を全力で応援しています!』

「ファ!?ファンクラブ!?なっ、何がどうなってるの!?」

そういやレイ子は知らなかったんだな……

 

 

 

 



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選手宣誓

体育祭当日。会場は観客やプロヒーローでいっぱいいっぱいになっていた

体育祭のルールについて確認したがどうやらコスチュームは使用不可らしい。

となるとレイ子の捕縛用の糸も使えないってことになるな。

控え室では皆がいまやいまやと待っている中で轟が緑谷に近づき、

「オマエには勝つぞ」

轟は緑谷がオールマイトの弟子だと知ってから、目にかけるようになっていた。

「僕も本気で獲りに行く…」

「ああ」

「……っ」

と各々が闘志を燃やしてら中で俺は

「……レイ子…」

「ん?」

「お前が相手でも全力で獲るぞ」

「わかってる」

 

 

 

 

 

「雄英体育祭!!ヒーローの卵たちが我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!!どうせてめーらアレだろこいつらだろ!?

敵の襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!一年ヒーロー科だろぉぉ!!!」

 

その後全クラスの入場が終わって

「選手宣誓!!」

18禁ヒーローミッドナイトの登場に会場にいた男たちのテンションは間違いなく上がったことだろう。

かく言う俺も直視できない。

前の方じゃなくてよかった〜

エロブドウが変なことを言ってるが気にしないでおこう。

「静かにしなさい!!選手代表!!

空野真司!!」

 

 

 

 

 

えっ……

えええええええ!!!?

 

逆らえる筈もなく俺は壇上へ向かうが

「堂々としてやがる…」「流石一位…」

などと言われてるが、やっべえ……

何も考えてねえええ!!

「せっ!宣誓!?」

 

やっべえ頭の中こんがらってるぞ。

落ち着けこう言うときは天道総司さんモードだ…

 

 

「……ある人が言ってました…。この社会は平等ではないと……

ですがそれは当然の真理……。ここにいる普通科の人々や他の人々もヒーロー科から落ちたものが多くいるでしょう……」

 

その言葉にブーイングが起こった。

だが、

「……ですが、もしその気が有るなら獲りにくればいい……」

『!?』

「この社会は弱肉強食!!ヒーロー科になれなかった奴もここにいる!!だったらどうする!?そう今ここで下克上を起こせばいいではないか!?ヒーローになりたいなら足掻け!!死にものぐるいで足掻きその手に掴め!俺たちを引きずり下ろししてでもその手に掴め!!

勿論、俺たちもただではこの座はやらないがな!!」

「!?」

「変身!」

<カメンライド、ディケイド!>

「かかって来いやぁぁ!!」

雄叫びとともに緑色の目が光る

「アイツ、男じゃねえか!」

「言うね……」

「へっ、上等だ!!」

「今度こそ勝つ…!」

「僕も負けないよ!」

「やっぱり真司は凄い!」

「やるじゃん、真司!」

 

『盛り上げやがったなぁぁ空野のやつ熱いぜぇぇえ!!』

 

「最っ高よ!空野くん!!それじゃあ熱が冷めないうちに早速やるわよ!今年の第一種目はこれよ!!」

 

「障害物競走!!コースを守れば何をしたって構わないわ!!」

 

「さあ!位置につきまくりなさい!!」

 

ディケイドの無双が始まろうとしている

 

 

 




宣誓の途中からキャラ崩壊してしまいました!
すみません!


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障害物競走

<カメンライド、フォーゼ!>

位置に着く前に俺はフォーゼに変身した。

そして前から少し離れた位置に着くと、後ろからレイ子が

「真司」

「どうした?レイ子」

「お互い頑張ろ♪」

そう言って微笑んだレイ子はとっても綺麗で

「あっ、ああっ、頑張ろうにゃ!!」

思わず噛んでしまった。それをレイ子は笑う。酷いよ…

「ごめんごめん。だから落ち込まないの。」

とレイ子が抱きしめてくれたので、俺の羞恥心は最大限になったいた。

ちなみにこの様子を見ていた一部の男子生徒は

(((((爆発しろ!!)))))

と満場一致で真司を恨めしそうに見ていた。

そしてスタートの合図が鳴ったと同時に

氷が俺たちの足元を襲ったが俺は凍らされる直前、

ロケットを出現させ上へ逃げる。

レイ子も個性で自身を浮かして上へ逃げた。

ロケットの加速を周りに被害が出ない程度に抑えて加速し、

一気にスタートダッシュを決めた。

だが抑えても溢れ出る風圧で皆動けないようだったので、轟の氷結を予測していた者たちもくらってしまったのだ。

「マジか!?」

「待てやあ!変身野郎!半分野郎!幽霊女!」

飛び出したのは轟、レイ子を含む俺たち三人だった。

「さあ!!ナンバーワン、空野に続いて飛び出したのはナンバーツー轟とゴーストガール柳だぜ!教え子の活躍にどう思う!!イレイザー!?」

「休ませろ…」

ノリノリのプレゼントマイクだが無理矢理連れてこられた相澤は乗り気じゃないようだ。

そして最初の障害物へ目を移すと、

「っておいおい!速えな!!もう最初の障害物かよ!!」

「お手並み拝見だな…」

そこに現れたのは1〜3pt仮装敵と10はいるだろう0pt敵だった。

俺は0ptに突っ込んでいき、

<ファイナルアタックライド、フォ、フォ、フォ、フォーゼ!>

「ライダーロケットドリルキーック!」

突っ込むと同時に0ptをぶっ壊した。

「もう倒したのかよ!?」

「クソがあぁぁあ!」

「私も頑張らなくちゃ」

レイ子は何体もの1〜3pt敵をポルターガイストで浮かせた。

「っておいおいおい!!こりゃ、夢でも見てんのか!?」

「これは…!」

それは仮装敵で空が埋め尽くされた光景だった。

その光景にスタジオにいる一同が唖然とした。

「何だよ……ありゃあ……?」

後方にいる選手たちも絶句し、

レイ子が手を振りかざすと

鉄の雨粒は0ptに向かって飛んでいき、0ptは呆気なく砕け散った

それだけで0ptは鉄の残骸と化した。

「おいおいおい!!?柳のやつ!!一人で0ptを殲滅しやがったぜ!?」

「これは予想外だな…」

全くだ。レイ子のやつ。あそこまでレベルアップしていたのかよ…

「悪いが先に行かせてもらうぞ。柳」

轟は地面を凍らせて、スノボーの体制になり、炎の推進力で進む。

そのスピードはレイ子より上だった。

俺の方が速いが油断はできない。

 

・・・・

 

ロボインフェルノを真司、轟、レイ子が突破した直後、

 

「クソが!直ぐに追いついてやる!」

爆豪は爆速ターボで加速するが、

「かっちゃん!先行かせてもらうよ!」

「デクッ!?」

実を言うと緑谷は、オールマイトの弟子だと判明してから、

真司や切島たちと特訓をしていた。

その際に真司からのアドバイスで

 

『緑谷、お前は個性を0か100かで使っている。考え方を変えろ。

俺の個性のように常時身に纏う感じで発動するんだ』

そのアドバイスのもと生み出されたのが

 

 

「これが修行の成果フルカウル!」

全身身体許容上限15%の新技は体から赤色のスパークが走り

全身を強化させている

「調子乗ってんじゃねえぞ!デクッ!」

 

 

・・・・

 

緑谷たちが後方を走ってる中真司たちは第二関門まで来ていた。

 

そこは一本しかない綱を渡る、綱渡りなのだが、一歩間違えれば

奈落まで落ちてしまう崖。

だが障害を気にせず、真司はロケット、レイ子は空中浮遊で飛んでいった。

轟はロープを凍らしてその上を滑り、炎の推進力で進んでいった。

「一位の空野、二位の柳とともに第一関門、第二関門とともに意味を成してない!!

これあいつらだけ競技違うんじゃねえか!!」

「意味はあるだろう」

 

「すげー一位と二位のやつら、ほとんど障害を無視してる」

「一位のやつは素の身体能力と判断力もずば抜けている」

「二位の女の子も個性の使い方とかがうまい」

とプロヒーローが興味津々で三人を見てる間に

第三関門に着いた。

 

 

最後の障害物は一面地雷原の【怒りのアフガン】!

目を酷使し、よく見れば地雷はわかるようになっている。

ちなみに地雷の威力は大したことない。音と見た目だけだ。

「厄介な障害だな。けど俺には関係ない!」

と思ったその時、突如ミサイルが俺目掛けて飛んできた。

「うわっ!!」

俺は咄嗟にロケットを解除した。

まだこんなんあるのかよ…!

「そう簡単には進ませないぜえ!!最終障害物には追尾するミサイルが待ち構えている!さあこの障害物を超えてみろ!」

レイ子も地面に降りてきた。

轟も追いついてきて、俺たちは

「ここは一旦休戦にしないか?」

俺の提案に二人は頷き、俺が作戦を伝えると、二人とも呆れた表情になっていた。

しょうがないじゃん。こんな障害作った先生たちのせいでしょ!!

俺の指示通りにレイ子は地面に埋まっている地雷を掘り出し、

轟が最大出力で凍らした。

俺が足にランチャーを出現させると、

「おいおい……!!あれって、まさか…!」

「あいつら…」

「ファイヤー!」

ランチャーを一斉射出し、凍らせた地雷を一つ残らず破壊した。

障害を作った方には申し訳ないが、これも競走なので全力で攻略させてもらう

俺の行動に会場が唖然としていた。これでは後方のやつらの障害にならないからだ。

俺は再びロケットを展開し、

レイ子は空中浮遊で飛んでいき、

轟は再びバーニングスノボー(俺が命名)で駆け抜けた。

ラストスパートを出す三人。トンネルを抜け先にスタジアムに帰ってきたのは…

「第一種目の障害物競走!!一番にたどり着いたのは空野真司だあぁぁあ!!!」

「よっしゃあああ!」

 

高々と握った両手を上に突き上げる。

 

大声で叫ぶが歓声の前に消されてしまう。

 

だが、一位という達成感はとても心地いいものだった。

真司に続いて轟が二位、レイ子が三位でゴールした。

 

「おめでとう♪真司」

「レイ子こそ」

その後にも他の選手達が続々とゴールした。

 

その結果が

 

一位空野真司

二位轟焦凍

三位柳レイ子

四位爆豪勝己

五位緑谷出久

六位拳藤一佳

七位鉄哲徹鐵

八位骨抜柔造

九位塩崎茨

十位飯田天哉

以下省略

 

・・・・

 

 

予選通過は上位42名らしい。

残念ながら落ちちゃった人もこの後のレクレーションで見せる場があるらしい。

 

そして次の第二種目は【騎馬戦】

 

ミッドナイトが以下のルールを説明した。

 

・2〜4チームを作る

 

・順位によってポイントがあり、騎手は騎馬を含めた者達の合計のポイントを首に巻く

 

・ルールは普通の騎馬戦と同じ

 

・ハチマキを奪われる。または騎馬を崩されても失格にはならない

 

・ルールを守れば何をしても構わない

・制限時間は15分

 

(つまり、最初から最後まで全てのチームが居続けるということか…)

 

「ポイントは下の者から5ポイントずつ上がっていくわ!だけど一位の空野くんには1000万よ!」

何…だと…!

 

「上位の者ほど狙われちゃう下克上のサバイバルよ!」

 

 

 

 

 

 

 

嘘だろ…俺確実に狙われるじゃんかよ…

 

 

 

 

 

 

 



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騎馬戦

ミッドナイトから突然の1000万宣告をされた俺は

チームになってくれる人を探している。

普通なら1000万という獲物を担いだ俺と組んでくれる物好きは居ないと思ってたが……

 

「真司組もう!」

まあレイ子は予想できた。

だが、

「「真司さん/真司!私と組んでもらえませんか?/組もう!」」

何故拳藤と…こいつ誰だ?

「塩崎茨です。本物と会うのは初めてですね。真司さん」

え〜っと本物?

「USJの時分身飛ばしてたろ?その時に助けてもらったらしいんだ」

なんとまあ、あの時助けたうちの一人だったのか

「塩崎さんですね。初めまして。空野真司です」

「はい、あの時助けてもらえなければ私は今頃どうなっていたでしょう……運命の出会いに感謝しなければなりません」

……運命の出会い?

何言ってるんだろうか。この子は?

よく見ると頰が赤らめてモジモジしてて俺に見られると恥ずかしそうに俯いた。はっ……まさかとは思うが…ウンウン考え過ぎだろ。

その様子をジト目を向けるレイ子たち。

周りにいた男子陣は

(((((爆発しろ!)))))

「ああ〜ッ、青いわ!」

 

 

とっ、とりあえずこの四人で騎馬をすることにした。

 

 

・・・・

 

一年B組物間寧人はこの状況が気に入らなかった。

理由はこの体育祭というビッグイベントで同じく敵の襲撃を耐え抜いたはずなのに観客の殆どがA組に注目しているからだ。その原因となる人物は同じクラスである拳藤と塩崎まで仲間にした。

そこまで目立ちたいのかと。

物間の心はA組への敵意で溢れていた

「障害物競走で僕らB組が下位に甘んじたのか。調子に乗ってるA組の連中にB組の力を思い知らせてやる」

 

 

 

『15分のチーム決めと作戦タイムを経て十二組の騎馬がフィールドに揃ったああ!!さあ行くぜ残虐バトルロイヤル』

『3』

「狙いは」

爆豪チーム 爆豪、芦戸、瀬呂、切島

『2』

「一つ」

轟チーム 轟、八百万、上鳴、飯田

『1』

「レイ子」

「うん」

右翼のレイ子

「拳藤」

「ああ!」

左翼の拳藤

「塩崎」

「ええ……」

先頭の塩崎

「行くぞ!!」

「「「うん!!/おう!!/はい!!」」」

『START!!』

第二種目のゴングが今鳴った

 

 

それと同時に一斉に襲いかかってくる騎馬

「実質1000万の争奪戦だ!!」

「鉄哲の騎馬…!」

<フォームライド、オーズ!ラトラーター!>

<ラタ・ラタ・ラトラァータァー♪!>

俺はオーズに変身すると

「全員目を瞑れ!」

皆が言われた通りに目を瞑ると

ライオンヘッドで光を放ち他の騎馬の動きを止める

「なんだ!眩しいっ!!」

「目があ!!目がああ!!」

「レイ子!塩崎!」

「はい!」

俺の指示でレイ子が相手チームのハチマキを奪い取り塩崎がそれを回収する。

「結構いいんじゃない!このチーム」

「とりあえずこの場から離れるぞ!」

<フォームライド、オーズ!シャウタ!>

<♪シャ・シャ・シャウタ!シャ・シャ・シャウタ!!>

敵の騎馬と距離をとろうと別の場所に移動しようとしたのだが

シャチヘッドが足元の物体に反応した。

「足元気をつけろ!!それ踏むと取れなくなるぞ!!」

足元に峰田のモギモギがあった投げられてる方向を見ると

そこには騎馬なのに一人で走っている障子がいた。その隙間から峰田がこちらを覗いてた。

成る程、体格差を利用してハチマキに手を出しにくくする戦法か。

上手いな…

「空野のやつ……!女と組みやがって…!しかも全員上玉じゃねーか!!この裏切り者!!呪ってやる!!」

障子の複製腕の隙間から出てきた峰田の目は血走って充血していて

真司を呪い殺せそうな勢いで睨めつけていた。

「酷いな……」

「最低……」

「近寄りがたいものですね…」

レイ子に拳藤、塩崎も引いていた。

当然だ。俺ですら気持ち悪いと思ったしまった。

と峰田のことを白い目で見てると

俺のハチマキ目掛けて舌がとんできた。

「流石ね…真司ちゃん……とりあえず峰田ちゃんは無視しておきましょう。」

再び舌がとんでくるがそれを躱しウナギアームで障子達を痺れさせ、

ハチマキを奪う。

再び距離をとろうとすると爆豪が

「調子乗ってんじゃねえぞ!変身野郎!」

俺はシャウタの能力液状化で爆豪を躱し、ハチマキを奪い取る。落ちそうになった爆豪は瀬呂のテープで回収された。

 

「荒れた心の持ち主ですのね……未熟な私では癒せないかもしれません」

いやいや、誰だって無理だと思うぞ。

とその時、氷が俺たちを襲ってきた。

「そろそろ、奪るぞ…1000万…!」

飯田が前進し始めると八百万は棒を作り始め上鳴は放電の準備をしていた。

「無差別放電!130万ボルト!!」

「塩崎!」

「はい!」

塩崎の茨をアーチ状の盾を組み立てて、上鳴の放電を防いだ。

そして轟が他のチームを凍らせたその隙に、

「今だ!レイ子!」

「わかった!」

レイ子が個性で轟のハチマキを奪い取る。

これで全部のハチマキを奪った!

<フォームライド、オーズ!タジャドル!>

<タ〜ジャ〜ドルゥ〜〜!!>

タジャドルコンボに変身して、

「皆!掴まれ!」

そう言うと皆が事前の打ち合わせ通りに俺の足に掴まり

クジャクアームの翼を広げ、空へ飛び立つ。

一気に大空まで飛び立ちその光景に皆心を奪われていた。

「……すごい…!」

「なんと美しいのでしょうか……!」

「本当に飛べるなんて…!」

 

空中にいては手を出せない。

誰もが諦めていたその時この三人だけは違った。

「常闇くん!僕をぶん投げて!」

「調子乗ってんじゃねえぞ!!」

「負けられねえ……!」

残り時間が少ない中この三人は賭けにでた。

緑谷は常闇のダークシャドウに上空まで投げてもらうというなんとも命知らずとも言える作戦を提案した。麗日のゼログラビティを駆使して上空までたどり着かせるようだ。

爆豪は自らの個性爆破で飛んでいき、

轟は左の炎をジェット噴射のようにして上昇していった。

それぞれが執念で1000万に近づいていくが

ブアアァァ!!!

「ぐっ…!」

「クソが!」

「近づけない…!」

タジャドルの炎に阻まれ近づけなかった。

そのままタイムアップまでやり切り

『終了〜!!』

プレゼントマイクの試合終了の合図。それを聞くと殆どが悔しさで涙を流している中、真司たちは騎馬を解除する。

 

 

真司たちはレイ子の方を見て、

「真司!やったね!」

「流石じゃん!真司!」

「真司さん…!私はあなたと組めたお陰で勝利を手にすることができました。」

と次の瞬間に四人はハイタッチをしていた。

「あっ、あと真司さん…もしよければ私のことを名前で呼んでいただけませんか……?」

「えっ、と茨?」

「ッ!ハイ!」

「じゃあ、じゃあ!私のことも一佳って呼んで!」

「一佳?」

「そうそう!」

と楽しそうに話す真司たちを見てレイ子は

「真司のバカ……」

と呟いたが誰にも聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 

 




すいません物間の小者っぷりを描写できませんでした
本当に申し訳ありません…
あと物間のハチマキは爆豪が奪い、
出久のハチマキは梅雨ちゃんが奪ったのを取ったことに変更しました。


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騎馬戦(裏)

物間視点

 

僕は正直焦っていた。

ああ意気込んだのはいいものの、全く相手にされてないからだ。

A組随一挑発に弱い爆豪を誘い出したはいいものの、

早々にハチマキを取られてしまって、すぐに取り返そうとしたら奪った本人は一位さんのところへ飛んで行ってしまったからだ。

全く相手にされない。

イライラするね…これだからA組ッ〜!

A組への敵意に気を取られたせいで上鳴の射程範囲にまで

入ってしまっていたことに気付かなかった。

挙句凍らされていいとこなしだ。

散々好き勝手やってくれるね!これだからA組は!!

 

 

 

緑谷視点

 

…空野真司くん

雄英高校で試験を勝ち抜き同じA組に入ってきたクラスメイトだ。

正直僕は空野くんが羨ましい。

僕は幼い頃から無個性だと馬鹿にされて何もできなかった。

かっちゃんにも馬鹿にされ、ヒーローになるのを諦めきれなかった。

オールマイトから個性を貰っても尚、僕は空野くんの足元にも及ばない。

聞けばあの0ptを僕の他にも余裕で倒したものがいたらしい。

それが彼だ。その後も個性把握テストでは堂々の一位になり、戦闘訓練では推薦入学者の轟くんを圧倒し、USJでもオールマイトを追い詰めた脳無に勝利し、今の僕よりもずっとずっと強い。

でも彼はかっちゃんみたいに粗暴な振る舞いも見せず、

轟くんのことにも真正面から向き合って、轟くんを救ってみせた。

そして、オールマイトの傷すらも治してしまった。

オールマイトが「空野少年は君にとって大きな壁になるだろう」

と言っていたのにも納得してしまう。

そして、かっちゃんにも臆さない精神。大胆不敵に宣戦布告を返した度胸。その姿はまるでトップヒーローのようだった。

そして、もう一人気になっている人がいる

 

…柳レイ子さん

戦闘訓練でペアになった人だ。

かっちゃんが泣かせた人だったけど、今思えばとても強い人だなあと思ってしまう。

僕の境遇を聞いても尚、僕を馬鹿にすることもせず、一緒に頑張ろうとまで行ったくれた。

彼女も個性の関係で幼い頃虐められていたらしいが、それでも、虐めに屈しなかった彼女をとても強いと思ってしまった。

戦闘訓練の際に僕をかっちゃんから助けてくれたその時、

僕の目には彼女は美しくヒーローの様に映った。

それから柳さんを見ると胸がドキドキし、話しかけるのもままならない。

柳さんが真司くんに抱きついているのを見るととっても嫌な気分になり、胸が苦しい。この気持ちはなんなんだろう…?

騎馬戦が始まると同時に動いたが騎馬の常闇くんたちが動かなかった。足元を見ると峰田くんのモギモギがあり、動揺したその時に、

梅雨ちゃんにハチマキを奪われてしまった。

僕たちが動けない中、真司くんたちは全てのハチマキを奪い上空へと逃げた。

僕は一か八かの提案を皆に話した。

皆は頷いてくれたがこれは賭けだ。

上手くいくかも分からない。

それでも真司くんに…柳さんに…追いつきたい!

常闇くんに投げてもらった僕は一気に突っ込んでいったが

真司くんの炎に阻まれてしまった。

結局ハチマキを奪えなかった。

ああ、やっぱりすごいなあ……

 

爆豪視点

 

 

俺は小さい頃からなんでも自分が一番だと思っていた。

その証拠に周りのやつらで俺より優れた奴はいなかった。

個性もヒーロー向けの強力な個性が発現した。

俺がトップヒーローになる男だと雄英に入るまで疑わなかった。

だがここだ…ここに入ってから俺の何かが壊れたんだ。

 

…空野真司

癪だが今の俺よりも強いと認めざるを得ない人物だ。

入学初日でいつものように他人を見下す感じで、俺に突っかかってきた幽霊女に怒鳴った時、あいつは俺に掴みかかってきた。

俺は驚き、認めたくはないが気圧されてしまった。

こいつは俺より上だと。

続く個性把握テストでもあいつは全ての競技で俺より遥か上の記録を叩き出していた。気にくわなかったが、それよりもデクに個性があったことがもっと気に食わなかった。

俺はデクに問い詰めようとした時、アイツはデクに向かっていった。

こいつには勝てないと悟っていた俺は飛びかかろうとしたのを我慢した。今思えば、正しい選択だったと思う。

その後の戦闘訓練ではアイツは推薦入学者の轟を圧倒し、その様子を観察していた俺はアイツの実力は個性だけではないと痛感させられた。と同時に自分が個性に酔いしれ努力を怠っていた愚か者だとも知ってしまった。

こうなると過去の自分を殺したくなる。何故自分の個性を伸ばさなかったのか。何故周りに褒めそやされ胡座をかいていたのか。

そしてUSJで脳無とかいう化け物の一撃を喰らい、ボロボロになったオールマイトを見て俺は唖然とした。

自分の憧れだったNo. 1ヒーローが敵に圧倒された瞬間に。

俺はこの時心の中は絶望感で満たされていた。"勝てるわけがない"

だがアイツはそれでも立ち向かい、黄金に変身した変身野郎は

オールマイトを圧倒していた化け物をまるで子供扱いするほどの実力

だった。

そしてアイツはオールマイトの傷すらも治してしまった。

そして、オールマイトの傷を知った時、自分が情けないとも思ってしまった。

オールマイトは命懸けで悪と戦い平和の象徴とまで言われるようになった。

対して自分はどうだ?

薄っぺらい夢でヒーローとは何なのかをまるっきりわかっちゃいなかった。

だがそれでは今までの自分を否定することになってしまう。

だから俺は誓った。

"俺はオールマイトを超え、最高のヒーローになってやる"と、

それは爆豪が新たに掲げた目標だった。

だが、障害物競走では変身野郎にしてやられ、下だと思っていた幽霊女に見せつけられたのは実力の差。

アイツは0ptを殲滅し、俺より上の三位になったことだ。

騎馬戦では一位になってやると意気込んで、

襲ったきたB組のモブを返り討ちし、変身野郎へ飛んで行ったが、あっさりと躱され、挙句の果てにハチマキまで奪われてしまった。しょうゆ顔のお陰で助かったが、このままじゃ俺たちは予選敗退だ。と変身野郎の方を向くとアイツが上空へ逃げるのが見えた。

他のモブどもは諦めているが俺はこんなとこで止まるわけには行かなねえんだよ!

この一週間特訓した爆破で飛んで行ったが炎で近づけずタイムアップになってしまった。

クソがあああ!!

 

 

 

轟視点

 

俺はずっと一人だった。

クソ親父は敵だし、味方だった母もクソ親父のせいで、居なくなってしまったからだ。

中学でも友達というもんを俺は知らなかった。

父がエンデヴァーということに周りは俺を避けていったからだ。

だが別にどうでもよかった。そんなことは慣れっこだ。

雄英に推薦入学で入った俺はクソ親父を見返す為に右だけでここで一番になってやろうと思った。アイツと出会うまでは……

 

…空野真司

実技試験トップで雄英に入学したやつだったが、あまり興味はなかった。

今思えばこの時の俺は周りが見えてなかったかもしれない。

入試トップだろうがそいつよりも上に立ち、俺がトップになると考えていたが、その考えは甘かった。

個性把握テストさえも俺はやつに一つも勝てなかった。

戦闘訓練では手加減された挙句の惨敗。

だがその時の奴の様子は今でも覚えている。

俺の過去を的確に見抜いたアイツに俺は一種の恐怖を覚えたが

アイツは俺に母の言葉を思い出させてくれた。

アイツに負けた後、俺はお母さんに会いに行くことにした。

あの事件以来、母は精神病院にいる。

受付で俺が来た時には驚かれた。

そりゃ何年も見舞いに来てなかった息子がいきなり来たんだ。

病室の前まで来ると手が震えてしまう。

『時折、酷く醜く思えてしまうの』

俺の存在が母さんを追い詰めてしまうから会わなかった。

でもお母さんは、今でも俺に…クソ親父に…囚われつづけている。

だから俺がこの手で、望まれていなくたっていい、助け出す。

それが俺のスタートラインだと、そう思ったからだ。

意外にも先に謝ってきたのは母の方だった。

母は泣いて、驚く程あっさりと笑って赦してくれた。

俺が何にも捉われずにつき進むことが幸せであり救いになると言ってくれた。

たった一言…!それだけで俺はアイツに救われた。

お母さんの為にも俺はアイツを超えるヒーローなる!

クソ親父は今でも赦したわけじゃない。

だがアイツを超える為にもこれを自分の力だと受け止めた。

障害物競走ではアイツにやられた。

柳にもギリギリで追いつかれそうだった。

アイツが認めるだけあると思い知らされた。

そして今、騎馬戦ではアイツに自分の作戦は防がれハチマキも取られてしまった。

そしてアイツは誰も届かないような上空へ逃げ、

誰もが諦めていたが、

こんなところで諦めたら俺は母さんに合わせる顔がない!

左の炎で俺は上へと飛んで行ったが、

アイツはそれを超える炎を身に纏い、俺たちの接近を許さなかった。

ああまた負けたか……だが不思議と嫌な気分にはならなかった。

そうか…お前になら負けてもいいと思えるようになったのか。

だが、空野。いつか俺はお前に追いついてやる。

 

エンデヴァー視点

 

 

俺は今、雄英高校のスタジアムにいる。

何事もないようにふるまっているが内心では驚いていた。

あの焦凍が迷いなく、左を使っていたからだ。

アイツは高校に入るまでも左を使おうとはしなかった。

それは俺が冷にした仕打ちが、原因といえるだろう。

あの時に俺がしたことは今でも後悔している。

オールマイトを超える為にアイツや、家族にしてきたことが今では間違っているとわかったからだ。

今更赦してもらおうとなど、おこがましいことを考えているわけではない。

ただ、今でも俺を憎んでいるであろうアイツが左を使う理由を知りたかった。

冬美に聞いた話だと、アイツには左を使ってでも超えたいヤツがいるらしい。

…空野真司

雄英高校入試を一位で通過した生徒だそうだ。

だからこの体育祭で焦凍がそこまでして超えたいヤツをこの場で見極めることにした。

障害物競走では圧倒的だった。三位の柳という少女の方が目立った動きをしているように見えるが、アイツは実力は並大抵のプロを超えていたのがわかる。最後の関門でもアイツは想定外のことが起きても慌てず、すぐに分析し、共闘してではあるがあっさりと障害を乗り切ってしまった。今行なっている騎馬戦でもそれが見ればわかった。

判断力、技術力、個性、素の身体能力もどれも今の焦凍を超えていた。

俺は過去に取り返しのつかないことをしてしまった。

だが、焦凍はそれに向き合おうとしている。

俺も過去から逃げてはいけないのだろうな…

 

 

 



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修羅場

お気に入りが増えていました!
これも応援してくれる皆様のおかげです!
これからもよろしくおねがいします!


『早速勝ち残ったチームを見てみようか!一位空野チーム!!二位…ってかそれ以外ポイント持ってねー!!どうする!?元々上位4チームが決勝トーナメントに進む予定だったのだが、空野チームが全部奪ってしまったせいで二位三位四位は実質存在しなくなってしまった!!』

「ふざけんな!」

「今からでもやり直せ!」

次々とおこるブーイング。

物間に至っては

「ああ!他のチームのことも考えないなんて…!これだからA組は!」

と俺を睨めつけていた。

「しょうがないわね……じゃあ今から再戦よ!!再び位置につきまくりなさい!あっ、空野チームは出ないでね!」

結果、俺たちを除いた11チームで再び騎馬戦をするようだ。

俺たちは食堂に行こうとすると、他の生徒たちが、

「凄かったな!!」

「かっこよかったよ!」

「レイ子様素敵でした!」

「どんな個性なんだ!?」

「二人って付き合ってるの!?」

様々な質問をぶつけられる。

が答えたくない質問もあるので正直恥ずかしい。

レイ子も顔を真っ赤にしてるぞ!可愛いけどさ…!

俺たちは逃げるように食堂へ駆け込み、昼食を食べてる中で

騎馬戦の結果が発表された。

 

一位轟チーム メンバー轟、八百万、飯田、上鳴

二位爆豪チーム メンバー爆豪、芦戸、切島、瀬呂

三位緑谷チーム メンバー緑谷、常闇、麗日、心操

その後、皆と合流して本戦を待っている中で、峰田と上鳴が

八百万たちに話しかけていた。どうせろくでもないこと考えてるだろうな。あれはそういう顔だ。まあ、放っておいた方が面白そうだし、八百万なら峰田たちの企みに気付くだろう。

 

 

 

・・・・

 

午後の部が始まる直前

 

 

『どーした!A組!?』

『……何やってんだアイツら?』

 

「レイ子なんでチアの格好してるんだ?」

「〜////!」

俺が質問するとレイ子は恥ずかしそうに顔を真っ赤にして俯いた。

やべえ。すげえ可愛い…!

「あっ、あの真司さん…?午後の部からはこうして応援合戦の参加という話では…?」

「何だそりゃ?少なくとも俺は知らないぞ」

反応からするに相澤先生も多分知らないだろう。

「峰田さん!!上鳴さん!!騙しましたわね!!」

「「イェーイ!!」」

やっぱアイツらか…

問い詰めたところ

相澤先生の伝言だとか、俺が怒られるかもしれないとかの、嘘で八百万たちを騙したそうだ。箱入りお嬢様も相まって八百万はピュアだからな……そこを突かれたのか。

『レイ子様ー!!!とっても似合ってます!!!』

あっちはあっちでレイ子のファンクラブが騒いでいる。

よく見ると全員の服にレイ子のプリント写真が貼ってあるし…どこでそんなもん手に入れたんだよ……峰田と上鳴も着ているし…

その様子に相澤先生を首を傾げているし、

レイ子は戸惑っているぞ。

しかし、レイ子には悪いことしちゃたなあ。

俺は観客席から飛び降り、レイ子に上着を渡すと

「ふっ、ふええぇ!?」

「恥ずかしいんだろ?これ着てろよ」

「うっ、うん………」

俺が渡した上着を羽織り競技場から出ようとすると、

「真司く〜ん!レイ子ちゃ〜ん!来ちゃった〜!」

と三年生ステージから何かがやってきた。

「はっ、波動先輩!?」

それはチアリーダーの格好をしている波動先輩だった。

正直目のやり場に困る…!スタイルのいい波動先輩のチアリーダー姿は目の毒だ…!

そして微笑ましそうな波動先輩と話す俺に鋭い視線が周りから生徒、プロヒーロー問わずにふりかかる。

と非常に困った状況にいた俺だったが

「波動先輩!波動先輩の好きな人は誰ですか!?」

新聞部がとんでもない質問をふっかけた。全国中継されてる中でしてはいけない質問の部類に入るだろう。

「えっ〜と、真司くん!!」

更に不味い状況になった。

上手く濁してくれればよかったのだがこの先輩にそんなことができるはずがなかった。俺を睨む視線は更に強さを増していった。

「そうなんですか!では」

「「ちょっと待って!/待っていただけるでしょうか?」」

更に不味い状況になった。

茨と一佳だ。

「何何〜?君たち?」

「あっ、あなたは真司さんとどっ、どのような関係なのでしょうか!?」

「そっ、そうだ!!せっ、先輩はしっ、真司といっ、一体、どのような関係だと言うんだ!」

二人ともレイ子と俺が幼馴染ということは知っている。

だが波動先輩のことは話してなかった。

「ん〜っと?将来を誓い合った仲?」

『はあぁぁぁぁあ!!?』

会場の思惑が一致した瞬間だった。まだ誓い合ってはいないでしょ!

重婚が許された社会でもやはり他人の目というものがあった。

不味い…!これは非常に不味い…!

「えっ、え〜っと、波動先輩?」

「あっ、真司く〜ん!!」

全国中継されている中、波動先輩はいきなり抱きついてきた。

俺の頭がパニックになってる中次に聞こえてきた言葉は

『空野おぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!』

俺への叫びだった。

と次の瞬間、レイ子、茨、一佳が抱きついてきたので、

会場の俺への鋭い視線は最大限にまで高められていた。

「えっ、え〜っと、空野くん!今の気持ちをお聞かせください!?」

新聞部が遠慮なく聞いてくる。

はぁ、こうなったらヤケだ!!

俺は四人を引き剥がすと

「レイ子」

「うん?」

レイ子の顎を持ち上げ、口を近づけると、

チュッ

お互いの唇を合わせた。

『はあぁぁぁぁあ!!!?』

「ふっ、ふえっ!?真司!?」

「レイ子。俺は君が好きです」

突然の告白に驚くレイ子

「初めて会った時から今までレイ子の色んな部分を見てきましたが、俺はレイ子の全てが愛おしいと思っています。結婚を前提で付き合ってください」

 

ー告白からプロポーズにレベルアップした!!

 

「っ!!ハイ!!」

頷くレイ子

よっしゃああああ!!

集中しすぎて全然聞こえなかったが、

会場は大盛り上がりになっていた。

「おめでとー!」

「お幸せにー!」

「レイ子様を幸せにしろよー!」

皆祝福してくれていた。

「あ〜あ、レイ子に先とられちゃったか」

「まだわかりませんよ?私たちにもチャンスはあるかと…」

「ん〜!幸せそうでいいね!私たちも早くあそこに行かないとね!」

俺たちは観客席に戻ると皆が声をかけてくれた。

ただ峰田だけは血涙を流してたが…

 



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覚醒

レクリエーションの前にトーナメント組み合わせがクジで決定されようとしていた。

『あー、その前に、空野にはひとつハンデをつけさせてもらうぞ』

相澤先生からの突然の発表に周りの連中の視線は俺に向けられた。

それに対し、爆豪は

「何で変身野郎にだけ!?」

ハンデをつけられるのが気に食わないのだろう。

プロヒーロー達も依怙贔屓だとか口走っていた。

『それはこれを見てもらえばわかる』

一同がモニターに注目すると

『このムテキゲーマーにはあらゆる攻撃が一切効かない!』

そこには一部省かれているが俺がムテキゲーマーに変身し、脳無を圧倒しているシーンが映っていた。

『これを見てわかるようにこの状態の空野にはあらゆる攻撃が通用しない。そんなんじゃ戦いもクソもねえだろ』

相澤先生の正論に誰も言い返せなかった。

『というわけだ。空野にはこの姿になることを禁止とさせてもらう』

まあしょうがないか。ムテキだと勝負にならないもん。

その後クジの結果

こうなった。

一試合目緑谷vs俺

 

二試合目 轟vs瀬呂

 

三試合目 心操vs上鳴

 

四試合目 柳vs拳藤

 

五試合目 常闇vs八百万

 

六試合目 芦戸vs塩崎

 

七試合目 飯田vs切島

 

八試合目 爆豪vs麗日

 

 

・・・・

その後レクリエーションが終わっていよいよ本戦

 

セメントス先生によって舞台は作られた

 

『サンキュー!セメントス!ヘイガイズ!アァユゥレディ!?色々やってきたが!!やっぱりこれだぜ!!ガチンコ勝負!!頼れるのは己のみ!ヒーローでなくともそんな場面ばっかりだ!わかるよな!!心・技・体に知恵知識!!総動員して駆け上がれ!!それでは早速行くぜ!一回戦!!

障害物競走、騎馬戦でも独壇場!ヒーロー科期待の新星!ヒーロー科!空野真司!バーサス!!ごめん!!まだ目立つ活躍無し!ヒーロー科!!緑谷出久!!』

 

「緑谷」

「真司くん…?」

「…全力で行くぞ」

「勿論!」

「ルールは簡単!!相手を場外に落とすか行動不能にする、あとは"参った"と言わせるかで勝つガチンコ勝負だ!!」

『それじゃあ!早速行くぞ!レディィィィィィーースターーート!』

<カメンライド、ディケイド!>

俺はディケイドに変身し、緑谷はフルカウルを纏い

「行くぞ!」

「おう!」

俺と緑谷は同時に飛び出した。

緑谷が放ってきた右ストレートを横に躱し腹に蹴りを入れる。

「ぐふっ!」

吹っ飛んだ緑谷に追撃をかけようとしたが、

「スマッシュ!!」

緑谷の一撃に吹っ飛ばされ、なんとか耐え抜き、

<カメンライド、クウガ!>

クウガに変身し、

<フォームライド、クウガ!タイタン!>

より一層鎧が分厚くなったクウガ。

「スマッシュ!」

緑谷が近づけさせないと指を弾くが、

タイタンの鎧はビクともしない。

「なあっ!」

驚く緑谷の隙に詰め寄り、

腹に右ストレートを打ち込む。

「グウゥゥゥ…!」

緑谷の様子に気づき、俺は

「お前、何か抱え込んでないか?」

質問した。

緑谷は何も言えず

「沈黙は肯定と見るぜ」

やっぱりそうか。

レイ子から聞いた話だが

こいつと爆豪は幼馴染で最近まで無個性で虐められてきたらしい。

レイ子を虐めていた連中に似てるな…まあそれは置いといて、

こいつ、自分に自信を持ててないんじゃないか?

「レイ子から聞いたぜ。お前最近まで無個性だったんだな。

個性の扱いが下手なのが納得したぜ。」

緑谷は目線を逸らした。

こいつも無個性で辛い思いをしたんだな…

「だからどうした」

「!?」

「個性がなかろうがソイツの価値が決まるわけじゃないだろ。

お前は爆豪が言うような出来損ないのデクじゃねえ。個性がなくてもヒーローになることを諦めず、足掻いて強くなった麗日がいう頑張るって感じのデクだろ!」

緑谷は立ち上がり、全身に力を入れた。

すると、全身から緑色のスパークが迸り緑谷が飛びかかってきた。

速い!

タイタンの鎧では避けきれず俺はまともに一撃を食らってしまった。

速い!そして重い!?

「これが!アメイジングフルカウルだ!!」

 

 

 




フルカウルの名前はクウガのアメイジングマイティにちなんでつけました。


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覚醒(裏)

 

緑谷視点

 

…雄英体育祭ここまでなんとか勝ち上がってきたが僕の一回戦の相手は真司くんだ。

真司くん相手だとフルカウルを使っても勝てるか怪しい。

僕が控え室から出て、舞台に向かおうと、

前からオールマイトがやってきた。

「…オールマイト」

「君のことだから勝てるかどうか悩んでいるのだろう。

…正直に言うと、彼相手には今の君では勝てないかもしれない。」

「…そうですか」

「だが!それがなんだ!!勝てずとも見せつけてやれ!

君が来たってことを!」

僕はプレゼントマイク先生の実況を気にせずに

舞台へ上がっていた。

「緑谷」

「真司くん?」

「…全力で行くぞ」

「勿論!」

『レディィースタート!』

 

・・・・

 

あれから何度も攻撃を仕掛けているが、大して効いてないようだ。

こちらが体力をなくしていくなか、あちらはまだ力を残しているようだ。

ははっ…やっぱり僕は勝てないのかな…?

「お前、何か抱え込んでないか?」

突然そんな質問をふっかけてくる真司くん

僕はその問いに答えられずにいた。

「沈黙は肯定と見るぜ」

否定できない。

「レイ子に聞いたぜお前最近まで無個性だったんだな。

個性の扱いが下手なのが納得したぜ」

ちょっ!柳さん!

教えちゃったの!?

時々思い出してしまう。弱かった時の自分を

『クソナードに何が出来る!』

『緑谷じゃ無理っしょ!』

ああ…また馬鹿にされるのか…

と思っていたら

「だからどうした」

「!?」

帰ってきた言葉は意外なものだった。

「個性がなかろうがソイツの価値が決まるわけじゃないだろ。

お前は爆豪が言うような出来損ないのデクじゃねえ。個性がなくてもヒーローになることを諦めず、足掻いて強くなった麗日が言う頑張るって感じのデクだろ!」

その言葉に僕は涙を流していた。

僕が憧れとしている人が僕のことを認めてくれたからだ。

『彼の言うとおりさ…』

と頭の中に突然女性の声が流れてくる。

隣を見ると綺麗な女の人がいた。

これは何なんだ。ワンフォーオールの面影なのか?

『俊典も逝かれた奴を選んだものだ…私からのアドバイスだ。』

『限界だって感じたら思い出せ。origin…原点ってやつを…』

僕のオリジン…

『緑谷くん!早く席につきたまえ!』

飯田くん…

『緑谷…蕎麦食わねえか?』

轟くん…

『皆様のためにご用意させていただきました。紅茶です!どうぞお召し上がりください!』

八百万さん…

『デクってこうなんか?頑張るって感じでいい!』

麗日さん…

『緑谷!体育祭きばろうぜ!』

切島くん…

『緑谷…頑張ろう!』

柳さん…

そうだ…僕には昔と違う!

今ではかけがえのない仲間も力もある!

もう僕は出来損ないのデクじゃない!

その時僕の中の何かが燃え上がるように体中を駆け巡った。

そして、力がどんどん湧いてくる!

僕は一瞬で真司くんに近づき一撃を当てる

「これが!アメイジングフルカウルだ!」

 



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アルティメット

「これが!アメイジングフルカウルだ!」

緑谷の全身には稲妻が迸り、放たれるプレッシャーは本物だった。

「くくっ…はっはっは!!」

「!?」

突然笑いました俺に驚く観客と緑谷

「いいぞ!緑谷!お前が強くなるというなら俺も更に強くなる!!」

<フォームライド、クウガ!アルティメット!>

俺の体から黒い気迫が溢れ、体中に行き渡り、俺は黒の戦士と化す。

「これが…!アルティメットクウガだ!」

「すごいよ!真司くん!まだこんなのがあるなんて!」

おれがアルティメットクウガに変身したことにより、会場のボルテージは最高潮になっていた。

「行くぞおぉぉぉお!緑谷あああああ!」

俺は会場の全てに聞こえるであろう声で吠える。

緑谷の接近に対して俺は突っ立っていた。

(何をたくらんでるんだ!)

突っ立っている俺に緑谷が拳を振るうと衝撃波が出るほどの一撃を俺は手で受け止めた。

『なっ!!!?』

これには緑谷も観客も相澤先生も驚愕した。

すぐさま俺は緑谷を引きつけて、腹に一撃を与えた。

その一撃で緑谷は吹っ飛び、血を吐いた。

「まだまだ…!」

今度は俺が緑谷に向かって早足で歩いていき、

緑谷はそれに対応出来ず、俺の接近を許してしまった。

咄嗟に緑谷は回し蹴りで俺の頭を蹴るがダメージはほとんど無く、

俺はジャブで緑谷を連続で殴った。

後ろに跳んで距離をとる緑谷に俺は腰を低くして、パンチを放つと、

一同が再び驚愕した。

俺の放った一撃は衝撃波を生み舞台の一撃を抉り、俺のいた場所にはクレーターができた。

(何てパワーだ…!)

その光景にレイ子を除く全員が唖然としていた。

「デク君…!」

「なんてパワーだよ!」

「あんなの…!オールマイトじゃねえか!」

「クソが…!」

B組も

「真司…!」

「凄いパワーですね…」

「は…ははははは……」

『とんでもないパワーだな!空野!黒くなってから緑谷を圧倒してるぞ!』

『あいつは間違いなく三年生も含めてヒーロー科でとびぬけているやつだ。』

プレゼントマイクが興奮し、相澤が素直に評価する。

俺は腰を低くして緑谷に迫る。

緑谷は突っ込んできた俺を躱して腕を掴んで、投げようとした。

誰もが俺が地面に叩きつけられる光景が目に見えた。

だが、俺は叩きつけられる前に空中で無理矢理体を力任せに起こして緑谷を地面に叩きつけた。

それはオールマイトのOklahoma smashのようだった。

『おいおいおい!?一体何がどうなってるんだ!空野が叩きつけられると思ったが逆に緑谷が叩きつけられたぞ!』

『これは…!』

その光景に殆どの観客が理解出来なかった。

「デク君…!」

「緑谷!」

「こんなのって…!」

一同が驚く中峰田が、

「オールマイトじゃねえかよおおおおお!!」

「…緑谷…?次で終わりにしようぜ…」

「っ!うん!」

<ファイナルアタックライド、ク、ク、ク、クウガ!>

俺の右手に力が溜まっていき、緑谷も構える。

俺が飛び出すと同時に緑谷も俺に急接近し、拳を振るう。

拳が同時に振るわれて、辺りに衝撃波が走った。

煙が晴れるとそこに立っていたのは俺で緑谷は場外で横たわっていた。

「緑谷くん場外!空野くん二回戦進出!」

俺と緑谷の決着がついた。



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謝罪

俺と緑谷の戦いが終わり、第2試合

開始早々に瀬呂が轟をテープで拘束し、場外へ放り投げようとするが、炎によってテープは燃やされ、最大出力の氷で行動不能になり、

轟の勝利。ドンマイコールが起こったのは言うまでもない。

 

第三試合では

「あっ、あっちでMt.レディがお前を見てるぞ」

「えっ、マジで!どこどこ?」

心操の話術に引っかかった上鳴が洗脳にかかって場外。

上鳴はクラスメイトと相澤先生からしばらくの間白い目で見られることとなった。

 

第四試合では

レイ子が一気に拳藤に詰め寄り、拳藤は咄嗟に手を大きくして反撃するが横に躱され、ポルターガイストで場外まで吹き飛ばされた。

第五試合では

常闇が八百万に考える暇を与えずに場外へ押し出した。

 

第六試合では

芦戸が酸を放出するもツルに防がれ、

そのまま拘束されて戦闘不能。

 

第七試合

飯田と切島は

「切島くん!例え君が相手だろうが全力で勝たせてもらうぞ!」

「上等だ!」

初めは飯田のスピードに押されていた切島だったが

(俺はもう負けねえ!真司を超える為に!!オールマイトのためにも!)

オールマイトの傷のことを知って、切島は責任感に襲われていた。

あの時自分が飛び出さなければ、クラスメイトを危険に晒すことはなかったと。元々情に厚い切島には充分すぎるほどに自分を責める要因になってしまった。

そしてもっと強くならねばと思ってしまった。

いつものように自分を追い込んでた時に真司が来て、

意外なことを言った。

『みんなはお前を責めちゃいねえよ。お前が自分を責める人間だってのはわかるが、皆のことを思うならこれから頑張れ。無理に強くなろうとするな。自分のことを理解しないと強くなんてなれないぞ』

その言葉を聞いて切島はハッとした。自分は何なのかを、何になりたいのかを、自分がなりたいヒーロー…それは絶対に倒れず皆を守るヒーロー

「レッドライオット!!安無嶺過瑠!!」

今の切島にできる最高硬度。維持できる時間は30秒!

切島は飯田の攻撃を受け止め足を掴んで外へ投げ飛ばそうとしたが、飯田はギリギリで踏み止まり、切島に向かって突進したが、切島は真正面から受け止めそのまま飯田を場外へ押し出した。

 

第八試合

爆豪と麗日の戦いは最初は爆豪を浮かせようと接近する麗日に対して爆豪は何度も爆破で寄せ付けずにいたが、その行動に一部のプロヒーローがブーイングをしたが相澤先生に

『シラフで言ってんのなら見る意味ねえから帰れ!帰って転職サイトでも見てろ!ここまで勝ち上がってきた奴のことを警戒してるから油断も手加減も出来ねえんだろうが!』

一喝され、黙り込む。

その直後、爆豪が爆破したフィールドの瓦礫が麗日の個性で浮かされており、それは流星群のように降り注いだが、爆豪の最大火力で吹き飛ばされ、許容量を超えた麗日が戦闘不能。

 

次は俺と轟の戦いだ。

 

 

・・・・

 

俺が控え室に向かって歩いていたら曲がり角から

炎を纏った大男が現れた。

誰であろう。エンデヴァーだ。

「おお、いたいた」

轟の話を聞く限りコイツは嫌いだ。

「……何の用ですか?」

「すまんね」

はあ?

「君のお陰で焦凍は…俺から…過去から立ち直ることが出来た」

コイツは…

「俺が家族にした仕打ちは今でも赦されることじゃない。だがせめて、焦凍には…家族には…過去から向き合ってほしかった。

俺のことを赦さなくてもいい。赦してもらおうなど思ってない。

だがアイツには前を向いて欲しかった。君のお陰でアイツは前を向き始めることができた。その礼を言いたかっただけだ」

ふ〜ん

「言いたかったことはそれだけだ。直前にすまんね」

根っからのクソ親父じゃなかったんだな……

 

 

『さあー!!続いていくぜ!!二回戦!!第1試合!!最早説明不要の強さ!!ヒーロー科!!空野真司!!バーサス!!推薦入学は伊達じゃない!!ヒーロー科!!轟焦凍』

「戦闘訓練の時のリベンジはさせてもらう…!」

「今度は左も使うつもりなのか…?」

「ああ…全力を出してお前に勝つ」

「……さっきエンデヴァーに会ったぜ」

「!?」

俺の発言に轟は顔を険しくなる。

「そう警戒するな。俺が伝えたいのは一つだけだ」

「……!?」

「……すまない、だってさ」

「!?」

俺もとことんのお人好しだな…

「だからさ、今のアイツにならお前も向き合えるんじゃないか?」

『さあー!!盛り上がって行くぜ!!第一試合!!』

「レディィィィィィースタート!』

 

 



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ショータイム

轟が氷結を放ってくる前に

 

<カメンライド、ウィザード!>

 

突如現れた魔方陣が氷結を防ぎ、俺はウィザードに変身する。

 

「さあ、ショータイムだ…」

 

轟は再び氷を放ってくるが

俺が手を振るうと炎が燃え上がり、氷を溶かした。

 

俺は轟に迫り、轟は氷の剣を生成し、俺に振るうが、エクストリームマーシャルアーツの要領で躱してキックを叩き込む。

 

俺のキックに轟は吹っ飛ばされて場外に落ちそうになったが、炎の推進力で場外を免れた。

 

俺は手を伸ばして轟を掴み、再び場外めがけてぶん投げたが、またも炎の推進力で耐えきった。

 

「この方法じゃ、有効打にならないか…」

 

轟は俺に迫って氷の剣を斬りおろすが俺もライドブッカーをソードモードに変形させ受け止める。

 

その後繰り広げられたのは斬撃戦。

 

いくつもの斬撃がぶつかり合い、時には突きやフェイントを混ぜた攻撃に会場は盛り上がった。

 

このままではキリがないと思った俺は後ろに跳びガンモードに変形させ、轟めがけて撃つ。轟は咄嗟に横に避け、炎の弓を作った。

 

「フレアトリガー!!」

 

炎の矢を放ったくるがウィザードに炎は効かない。

 

「だったら!」

 

轟は地面を凍らして、炎の推進力で滑るように俺に迫り、氷の剣を振るう。俺は回転しながら跳んで躱し、着地際にキックを放つ。

 

轟は炎を横に出して回避し、右手を俺に向け

 

「アインシクルショット!!」

 

氷の弾丸を放ってくるが再び炎を振るい、弾丸を全て溶かす。

 

俺は轟に詰め寄って蹴りを放って吹っ飛ばされた轟をバインドで拘束したが、轟は鎖を凍らせて脱出した。

 

俺はビックで大きくした手で轟を掴み場外へ再び放り投げたが、

轟は右手を後ろ向きに振るって氷の壁を作り、滑るように回避した。

 

このままじゃラチがあかない、と思った俺は

<アタックライド、ドラゴタイマー!>

 

禁じ手を使うことにした。

 

何も起きないのかと思った轟は俺に炎のパンチを振るってきたが突如現れた魔方陣に防がれそこからウィザード、ウォータードラゴンが現れた。

 

『ええっー!!!』

 

これには会場も驚いた。

 

そして二人掛かりで轟に攻撃を仕掛け、轟は防戦一方だった。

 

そして轟がウォータードラゴンウィザードに斬りかかると液状化で躱し生まれた隙を突き、蹴り込んだ。

 

轟が距離をとろうと後ろに跳んだが、魔方陣が現れ、ハリケーンドラゴンウィザードが現れた。

突如巻き起こった風に轟は吹き飛ばされ、炎で空中の体勢を整えて、氷結を放ってくるが、魔方陣が地面に現れ、ランドドラゴンウィザードが登場し、氷の前に土の壁を作り出した。

 

氷結は壁に防がれ、炎で溶かされた。

 

四人のウィザードに轟は苦悶の表情を浮かべる。

 

「「「「どうする、轟?降参してくれれば助かるんだが」」」」

 

俺が尋ねると、轟は

「負けるとしても俺は諦めない!お母さんの為にも!」

 

「「「「そうか……」」」」

 

<<<<ファイナルアタックライド、ウィ、ウィ、ウィ、ウィザード!>>>>

 

俺は空中へ浮かび、必殺技の体勢になり、

轟は右手に氷、左手に炎を出し、それを…

 

 

 

混ぜようした。

 

 

『炎と氷を合わせるつもりか!無茶だ!!!』

 

相澤先生の言うとおり相反するものを合わせるのは危険で愚策とも言えるだろう。

 

だが轟は虹色に輝くエネルギーを生み出した。

化学反応の常識すらも覆しのだ。

 

「「「「これで終わりだあー!!!」」」」

 

「オーロラブラスター!!」

俺のキックと轟が放った幾多もの弾丸はぶつかり合った。

 

その結果、

 

俺は元の一人に戻り、舞台に立っていたが、

轟は場外に倒れていた。

 

「轟くん!場外!空野くん三回戦進出!」

 

俺は轟に勝った。

そして轟を保健室に連れて行こうとすると、

「それは俺にさせてもらえないか?」

後ろを振り向くとエンデヴァーがいた。

「まあ、貴方の方がなにかといいですからね」

「感謝する」

 

エンデヴァーに轟を渡し、俺は会場を後にするが、

轟の事情を聞いていた者たちは目を丸くしていた。

 

・・・・

 

 

轟視点

 

「ここは…」

「目が覚めたか」

目が覚めてまだぼ〜っとしていたがその声には聞き覚えがあったのですぐさま声の方へ向くと、クソ親父がいた。

コイツが俺をここまで運んだのか?

「……何だよ?」

「今まで済まなかった」

「!?」

「今まで俺は、オールマイトを超える為だけに……お前たち家族のことをちゃんと見れてやれなかった。お前と空野くんのお陰で俺は見えてなかったものを見ることができた。……冷にしたことも赦されることではない。……だが焦凍、これだけは聞いてほしい。これからお前

が俺を憎んでいようが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はお前をずっと見ている。」

その言葉に俺は、

「何を今更……!!!」

「…すまない…!」

そう言ってクソ親父は拳を握りしめていた。

「…まずは母さんに謝れ」

「…ああ」

「…それと…!何でもう少し早く気づかなかったんだ……!?」

「!?」

「…今の俺は!お前を憎むことしか出来ない!お前を父としてみることも出来やしない!!お前を父として愛することも出来やしないんだ!!」

「…焦凍……!!!」

「何でもう少し…!俺がお前を憎む前に気づいてくれなかったんだよ……!?父さん……!」

そう言って俺はクソ親父、いや父さんに縋り付いた。

 




轟くんの親子関係は原作でも早く良くなるといいなあと思っています。


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淑女の覚悟

二回戦第二試合

心操対レイ子

心操のカラクリを見抜いたレイ子は挑発に乗ることなく心操を場外へ放り出した。心操は負けはしたものの普通科の仲間たちからエールを受け、プロヒーローからも高い評価をつけてもらっていた。

 

第三試合

塩崎対常闇

常闇を捕まえようとツルを伸ばすがダークシャドウに阻まれて思うようにいかない。ならばダークシャドウを捕まえようとするが、動きが素早くなかなか捕まらない。

三百六十度全方面に隙が無く、遠距離中距離にも対応できる個性はほぼ無敵だった。

それでも物量差というものに押されはじめる常闇

「ならば!」

常闇はダークシャドウを身に纏うことで自分の弱点を補う

常闇は真司の個性を見て、ダークシャドウを鎧のように考え生み出したのが

「名付けて…!深淵闇躰!」

「言いにくくないですか……?」

常闇は自身に迫るツルを切り裂き塩崎に一撃を加えようとするが、

「でしたら!」

塩崎は真司に助けられてから彼のことを目で追うようになっていた。

それは憧れからくるものであったが次第に、新たな感情が芽生え始めていた。そして自分はもっと強くなりたいとも思った。

あの時自分が強ければ真司たちを助けることも出来ただろう。

(私も強くなりたい!レイ子さんのように真司さんの隣に立てるようになるために!)

今のままのツルでは常闇に切り裂かれてしまう。

だったらどうすればいい?

簡単だ。切り裂かれないぐらいに硬くなればいい。

切り裂かれても切り裂ききれないほどツルを作り続ければいい。

そして生まれたのが

「ローズアグニッシュ!!」

ツルを何重にも纏めあげ作った女神。

その強度に常闇は

「ぐっ!」

切り裂くことができなかった。

いや、たとえ切れたとしてもすぐに再生するだろう。

女神の攻撃はダークシャドウを纏った常闇にダメージを与えるほどのものだった。

深淵闇躰を解除された常闇はツルに捕まり、そのまま場外に投げ飛ばされた。

「常闇くん場外!塩崎さん三回戦進出!」

 

第四試合

切島対爆豪

切島が硬化して爆豪に殴りかかるが爆豪は紙一重で避け切島にカウンターの一撃を放ったが、切島はよろめきもしなかった。

「効かねーっての!爆発さん太郎さんよお!」

切島のラッシュに手が出せない爆豪だったが、時間が経つにつれ切島の動きが鈍くなってきた。

それを爆豪は見逃さずに畳み掛けて、特大級の一撃を合言葉の「死ねえ!!」とともに放った。

ここで切島は倒れる…誰もがそう思っていたが

切島はギリギリで立ち上がって爆豪に迫り、安無嶺瑠になって爆豪に再びラッシュを仕掛けようとしたが、途中で倒れてしまった。

「切島くん戦闘不能!爆豪くん三回戦進出!」

俺の次の相手はレイ子か……頑張らないとな。



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予想外

『三回戦!!第1試合!!どーせあれだろ!!本命はコイツらだろ!!

障害物競走、騎馬戦、共に独壇場の二人!!空野真司バーサス柳レイ子!!』

 

その実況で会場の熱気は増すばかりだ。

 

「レイ子」

 

「うん?」

 

「悪いが俺が勝つぞ」

 

「真司ばっかりでもこれは譲れないよ♪」

 

微笑ましそうにしてる俺たちが一部の観客から嫉妬の視線が向けられていたことに気づかなかった。

 

『それじゃああー行くぜ!!三回戦!第三試合!レディィィィィィースタート!』

 

「変身!!」

 

「っさせない!」

 

俺がディケイドに変身しようとするとレイ子が突っ込んできて、

俺は咄嗟に構えるが、レイ子は俺の腕を掴んで取っ組み合いになり、

俺を投げようとすると、俺は腰を落として防ぎ、レイ子の拘束を解き、レイ子に一撃をくわえた。

 

レイ子は吹っ飛ばされるもその際に俺を個性で吹っ飛ばした。

 

俺はなんとか立ち上がって変身しようとするも、

レイ子がすぐそこまで迫ってきてなかなか変身できない。

 

レイ子は俺と鍛えた甲斐もあって身体能力が高い。

 

レイ子が徒手空拳で俺を場外に落とそうとしたが、俺はしゃがんで避け、アッパーを放ったがレイ子は反らして避けて後ろに跳んだ。

 

「やるな!レイ子!」

 

「真司こそ!」

 

強い…!これほどまでレイ子は強くなっていたのか…

 

レイ子の強さを測るとディケイドに変身しても渡り合える程にまで

レイ子は強くなっていた。

 

その激闘にクラスメイトは

 

「すごーいレイ子!」

 

「真司ちゃんと渡り合うなんてやるわね」

 

「どっちが勝つと思う?」

 

 

芦戸、梅雨ちゃんはレイ子を賞賛し、葉隠は皆に尋ねる。

 

「俺は才能マンの空野だな!」

 

「俺も空野!」

 

「オイラは柳!アイツ個性だけじゃなく、身体能力も高えぞ!」

 

「轟はどうだ?」

 

「……俺は空野かな」

 

「緑谷くんどうだ?」

 

「……柳さんは個性だけではなく身体能力も高いから迂闊に手は出せないし、個性のポルターガイストは強力で応用も効くし、真司くんにカードを使う隙は恐らくないんじゃないかな……でも真司くんもそれは分かっているから柳さんの隙を伺っているわけで、どっちに勝負が転ぶかはわからないし…やっぱ柳さんの個性は多対一でも戦える個性だな。機動力もあるし、救出活動にも使える万能個性だしな……真司くんには苦戦を強いられるんじゃないかな……」

 

上鳴と切島、轟は真司、峰田はレイ子が勝つと予想していた中で

緑谷はいつものようにブツブツと考察をしていた。

 

その様子は常闇ですら引くものだった。

 

『何言ってんだー!!レイ子様が勝つに決まってんだろー!!』

 

突然声をあげたレイ子ファンクラブ。

 

『特に上鳴!貴様ファンクラブの一員でありながら何故、空野が勝つと言った!?』

 

「ウェェッ!?いや、それとこれとは!」

 

「て言うーか、アンタらまだファンクラブ続けてたんだ?空野がレイ子に告ったてのに」

 

耳郎の発言にたじろぐファンクラブ

 

『例え、レイ子様が誰と付き合おうとも俺たちはレイ子様を応援し続ける!』

 

一同が騒いでる中レイ子と真司は激戦を繰り広げていた。

 

レイ子が一撃を出せばそれに反応し、真司が一撃を出せばレイ子がそれに反応して躱していて、ほぼ互角の勝負だった。

そんな中レイ子が回し蹴りを放ち真司が飛ばされる。

蹴り飛ばされ、転がる中で真司は

「変身!」

<カメンライド、ディケイド!>

ディケイドに変身した。

「やっと変身できたぜ。今度はこっちの番だ!」

「それはどうかな♪」

レイ子がそう返して微笑む。

レイ子は後ろに何かを隠し持っているようだ。

なんだと思った時にレイ子がそれを俺に見せると、

俺は驚愕した。

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!?」

 

観客も驚いて、目を見開く。

 

俺も驚いてるよ。なんでそれ持ってんだ!?

 

「ライドブッカー!!?」

 

そうレイ子が持っていたのは俺のライドブッカーだった。

 

俺は慌てて腰元を確認するとあるはずのライドブッカーが無くなっていた。

 

アイツ!いつの間に!!?

 

「へへへ♪どう?」

 

そう言って笑うレイ子

 

「いつ盗ったんだ?」

 

「真司が転がっている時」

 

「ずっと狙っていたっていうのかよ」

 

「うん♪」

 

悪い笑みだ。

 

しかしまさかライドブッカーを盗られるとはな。

 

不味いな。これじゃ変身はおろかアタックライドも使えない…

 

「どう?いい作戦でしょ。真司と戦うにはこうした方がいいって思ったの♪」

 

確かにいい手だ。俺はほとんどがカードで戦っている。隙ができやすいんじゃないかと思われるが鍛えた瞬発力と、自動引き出し能力がそれを補っていた。(ちなみにこれは死神がつけたオリジナル能力です。原作のディケイドにそんな能力はないと思います)

 

しかし変だな?ピンチの筈なのに笑みがこぼれる。面白いと思ってしまう。

 

ああそうか。楽しいんだ。レイ子と全力で戦うのが。

 

一杯食わされたよレイ子。しかし

 

「勝負はこれからだ!」

 

 



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目覚めた力

ライドブッカーを盗られた俺だが別段焦っているわけではない。

 

不味いと思ったが勝つだけなら造作もないと気づいた。

 

はっきりいっておくが仮面ライダーのスペックがそもそもが桁外れであり、ネオディケイドはパンチ力なら31.6tもある。

 

だが重傷を負わせずに勝つとなると厳しい。

 

相手はレイ子だ。手加減はできないが本気で戦うのも無理だ。

 

アタックライドを封じられた今、本気を出さずに勝つのは難しい。

 

レイ子はライドブッカーをソードモードに変形させて俺に襲いかかってきた。

 

ライドブッカーの攻撃をくらえばいくらディケイドでもタダではすまない。

 

右、左にひたすら避けるが徐々に追い詰められていき、ラインの手前まで下がってしまっていた。

 

レイ子は俺ほどではないが剣技も使える。

 

それは個性で相手から奪った時に使えたほうがいいと思ったからだ。

 

「マジかよ……!」

 

「あの空野が追い詰められてるぞ…!」

 

クラスメイトも戦いの流れがレイ子に向いているとわかり驚いている。

 

 

俺はさっきより焦っていた。

 

ライドブッカーを取られたのもそうだが、

人というのは相対して初めて相手の力が分かるのかもしれない。

 

ー強い

 

俺の頭によぎるのはその言葉だった。

 

「真司。降参してくれない?」

 

「悪いな。俺はどんな不利な状況でも諦めるというのとを知らねえんだよ。それが真のヒーローってやつだろ?」

 

「そうだね。真司ならそう言うって思ってた」

 

だが打つ手がないのも事実だ。

 

と思っていたらふと妙なことに気づいた。

 

本当に自分の個性はカードだけなのか。

 

確かにディケイドはカードで能力を発動するが本当にそれだけなのか?

 

例えばオーロラカーテンとか。

 

そう思って俺はレイ子が迫るその間に壁を作るようなイメージをすると、銀色のオーロラが現れた。

 

向かってきたレイ子は弾き飛ばされた。

 

突然現れたオーロラに観客は驚き、教師陣は警戒した。

 

オーロラの中にスマホみたいなのが浮かんでいるのが見えた。

 

俺はオーロラに手を突っ込み、それを手にすると

 

それに俺は驚いた。

 

だが俺が驚いたのはそれじゃなくて

 

一緒にあった二枚のカードの方。

 

一つは見たことあるがもう一つは見たことないからだ。

 

だがこれで逆転できる!

 

<ダブル、オーズ、フォーゼ、ウィザード、ガイム、ドライブ、ゴースト、エグゼイド、ビルド、ファイナルカメンライド、ディケイド!>

 

俺はベルトにケータッチを差し込みコンプリートフォームに変身する。

 

だがそこに映っていたのは平成一期ライダーではなく平成二期のライダー達であった。

 

「な?何?」

 

その異様な姿にレイ子も観客も驚いている。

 

「これが!コンプリートフォームだ!」

 

俺がそう叫ぶとレイ子は急に

 

「ふっふふふっ」

 

急に笑いだし、

 

「ねえ真司貴方はどこまで強くなるの?」

 

そんなことを聞いてきた。それは焦りではなく俺への期待だ。

レイ子は俺が強くなるのを喜んでくれている。自分が負けるかもしれないのに。全くレイ子には頭があがらないな。

 

「行くぞ!レイ子!」

「っ!」

 

<ガイム、カメンライド、キワミ>

 

音声と同時に飾られているカードが全てガイムに変わっていき、

俺の隣にガイム極アームズが現れる。

 

<ファイナルアタックライド、ガ、ガ、ガ、ガイム!>

 

 

 

「ダブルライダーキック!」

 

俺はレイ子に飛び蹴り、衝撃でレイ子は吹っ飛ばされた。

 

「きゃっ!」

 

その結果

 

「柳さん!場外!空野くん決勝戦進出!」

 

俺が勝った。

 

次に勝てば優勝だ。

 

「レイ子大丈夫か?」

 

「うん。何とか」

 

そう言うが大丈夫じゃなさそうなので。

 

俺はレイ子の膝裏と背中…お姫様抱っこで持ち上げると可愛い声をあげた。

 

「ひゃっ!真司!?」

 

「大丈夫じゃないんだろ。だったら大人しくしてろ」

 

そう言ってレイ子を保健室に連れて行こうとする俺にヒューヒューとか聞こえてきたが無視する。

 

「真司のバカ……」

 

そのまま俺たちは競技場を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 



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創造者とマキシマム

お気に入りが200を超えました!
これも皆さまのお陰です!


三回戦第二試合

 

塩崎は爆豪をツルで捕らえようとしたが爆豪は爆破の個性で右へ左へと躱すが塩崎に近寄れず

 

「ローズアグニッシュ!」

 

ツルの女神が爆豪を襲う。

 

避けきれなかった爆豪はまともに一撃をくらい捕まりそうになったが

手を下に向け爆発で上空へと逃れ塩崎に向かった回転しながら爆破を続けて

 

「ハウザーインパクト!」

 

最大火力の爆破を放った。

 

「ぐっ!」

 

爆破の炎と相性が悪かったのか、ツルは全部燃えてしまい塩崎は

 

「塩崎さん!場外!爆豪くん決勝戦進出!」

 

『これで決勝戦の組み合わせが決まったぜー!ベイベー!!しかし塩崎は惜しかったなー!』

 

『まあ相性が悪かったな』

 

勝ったのに爆豪はどこか浮かない顔をしていた。

 

 

・・・・

 

 

 

 

 

茨負けちゃったかー相澤先生の言うとおり相性が悪かったな

 

茨のとこいって励ましてやるか。

 

俺が控え室まで向かう途中で茨に会い、

 

「よっ」

 

「真司さん……」

 

「申し訳ありません…負けてしまいました」

 

「……」

 

「決勝で真司さんと戦うと意気込んでおりましたのに……私もまだまだですね……レイ子さんはあんなに奮闘したというのに」

 

俺は落ち込んでいる茨に

 

「えいっ」

 

「きゃっ!」

 

軽くデコピンを食らわした。

 

「いきなり何しますの!?」

 

「はっはは。それだよ。それ」

 

「?」

 

よくわからず首を傾げる茨

 

「いつまでも落ち込むな。確かに負けたがおまえは全力で頑張った。

負けるから学ぶこともあるんだよ。それに落ち込んでるといつもの自信満々なおまえじゃない。可愛い顔が台無しだぞ」

 

「////」

あれ…どうした茨!?

 

 

しっ、真司さんがわっ、私を褒めてくれた!!?

そっ、それに可愛いって!

私は恥ずかしさと嬉しさで頭がパニックになっていた。

「茨どうかした?」

 

「ふぇぇ!ふぁぁい!!」

 

よくわからない返事をしてしまった。

 

「はっははは!何だよそれ」

 

「何だよじゃありません!…全く貴方のせいで……!」

 

いつの間にか私は笑っていた。

 

そういえば私はこうやって笑ったことがない。初めてだけど不思議と嫌な感覚はしなかった。こうやって笑ってると何故か暖かい気持ちになる。幸せを共有してる気がする。いつも祈ってる時とは違ういい気持ちだ。

 

「んじゃ。俺、そろそろ行くな」

 

「はい。貴方の勝利に祈りを……」

 

そう言ってあの人は言ってしまった。

 

私は彼の勝利を祈ってる。でも彼は祈ってなくたとしても勝ってしまうのだろう。頑張ってくださいね。私の王子様♪

 

・・・・

 

 

爆豪勝己は落ち着けなかった。

 

トーナメントこそは余裕で勝ち上がってやろうと決めたのに丸顔には一杯食わされ、クソ髪には最後に意地を見せられ、ツル女に勝ったのだってギリギリだった。次の相手は空野。

多彩な攻撃方法を持つ空野に爆豪は内心では絶対に勝てると決め付けられずにいた。

それが焦る原因だった。

だが爆豪は開き直って"相手が誰であろうと関係ない。全力で潰す、と決意した。

そして暗い道から光へと歩いていく。

 

 

 

・・・・

 

 

 

『決勝戦!!会場は大盛り上がりだぜ!!さあ選手の解説行くぜ!!

ここまで無敵の独壇場!!ヒーロー科!空野真司!!バーサス!!

顔は敵!!心はヤンキー!!ヒーロー科!爆豪勝己!』

 

「てめーをぶっ殺す」

 

「やれるならやってみれば〜無理だと思うけど」

 

「ウガアアア!!」

 

ちょっと挑発するとこれだ。っつうか顔怖っ!!

 

『レディィースタート!!』

 

<カメンライド、ビルド!>

 

<鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!>

 

ビルドに変身すると、

 

「死ねえ!」

 

爆豪が爆破を放ってきたが全く効かない。

 

「なあっ!」

 

俺は飛んできた爆豪を右ストレートで吹っ飛ばした。

 

<フォームライド、ビルド!ゴリラモンド!>

 

<輝きのデストロイヤー!ゴリラモンド!イェイ…!>

 

ビルドアップして、爆豪に迫る。

 

爆豪は接近戦は不利だと判断し、後ろに跳ぶが、俺はダイヤの壁を作りゴリラの右腕でダイヤの壁を破壊し、砕けたダイヤは爆豪目掛けて飛んだ。

 

爆豪は咄嗟に避けたがその先には真司が待ち構えており、モロに一撃をくらってしまった。

 

爆豪は爆破で空に逃げるが慌てず、

 

<フォームライド、ビルド!ホークガトリング!>

 

<天空の暴れん坊!ホークガトリング!イェーイ!>

 

再びビルドアップして、タカの翼で空に飛び、ホークガトリンガーで爆豪を撃つ。爆豪はくらってしまい、地面に叩きつけられる。

 

撃たれた爆豪は痛みに負けず立ち上がり

 

「てめえ…全力でこいや…」

 

予想外すぎる言葉を吐いた。

 

「今のままでも押されてるのにか?」

 

「うるせえ!今の俺がおまえに勝てねえのもわかるんだよ!お前を下に見たくても見れねえのがわかっちまうんだ!俺がデクと同じ場所にいるのもわかっちまうんだよ!認めたくないのによぉ…!それでも舐めプで勝たれても嬉しくねえんだよ!」

 

そういう爆豪は涙を流していた。コイツもコイツで苦労してんだな…

自尊心が高すぎて周りを下でしか見ることができない。それでもヒーローになろうとしてるんだな…

 

「なら見せてやるよ。今の俺の全力をな」

 

<フォームライド、エグゼイド!マキシマムマイティ!>

 

<最大級のパワフルボディ!マキシマムパワー!エーーックス!>

 

音声が鳴るとドライバーからゲームパネルが現れて爆豪を弾き飛ばす。そしてゲームパネルから巨大な物体が現れる。

 

俺はその中に飛び込み、入ると、

 

その物体から巨大な足が出て次には巨大な腕が出た。

 

「これが!エグゼイド!マキシマムゲーマーだ!」

 

決着の時は近い

 

 



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決着と救済

『これが!マキシマムゲーマーだ!」

 

俺はマキシマムゲーマーに変身し、そう言い放つ。

 

「やっと本気出しやがったか!」

 

爆豪はもう疲労困憊のはず、それなのにそう言えるとは…

 

ある意味凄いな…やり方が正しいとは言えないがコイツは自分を常に追い込んで、自分を高めているんだ。俺にはとても真似できないな…

 

さてとおしゃべりはここまでだ。

 

「行くぞ!爆豪!」

 

俺は爆豪に向かって走りると、巨体から想像できないほどのスピードなのか爆豪と観客が驚いた。

 

俺は右腕の拳を振り下ろし、咄嗟に爆豪は股下を潜り抜け、難を逃れた。

 

爆豪は振り向きざまに爆破を放つがそのボディに一切のダメージがなかった。

 

今までの経験か、爆豪はすぐさま爆破で後ろに回避していた。

 

『爆豪!防戦イッポー!!空野相手に手が出せねー!!』

 

『下手な攻撃はピンチを作るからな。爆豪もそれがわかっているのだろう』

 

「巨体なのに素早いな」

 

「空野のやつ手加減してね?」

 

「流石の爆豪も敵わないか」

 

クラスメイト達は驚愕し、

 

「もうそこらのプロより強くね…?」

 

「あれで全力じゃないんでしょ?」

 

「爆豪も強いが…空野はその上をいってるな」

 

プロヒーロー達もその強さを評価し、

 

「確かに強い…判断力、技術力、純然たる戦闘力どれをとってもトップレベルなのは間違いない……しかし、その強さのせいで動きに少々粗さが見えるな」

 

エンデヴァーは冷静に分析していた。

 

俺はプロ達がそんなことをしてるのにも気づくことなく爆豪に攻撃を仕掛けるが守りに徹している爆豪に中々攻撃を当てることができない。勿論本気を出せば当たるがそれでは力を加減することができない。

 

攻勢に出ようと思った俺は足を伸ばして跳躍し、伸縮自在な伸ばした腕を叩きつけて、爆豪を捕まえた。

 

そのまま爆豪に乗り、連続でパンチを放った。

 

だが爆豪は最大火力級の爆破を放ち俺から逃れた。

 

「はあ…はあ…はあ…」

 

爆豪は息が上がっていた。あれほどの爆破を繰り返し動き回ったんだ。いくら動けば動くほど強くなる個性でも限界というものがある。

 

「なあ…変身野郎…」

 

「うん…?」

 

「そろそろ終わりにしねえか?」

 

「ああ…」

 

<クウガ、アギト、龍騎、ファイズ、ブレイド、響鬼、カブト、電王、キバ!ファイナルカメンライド、ディケーイド!>

 

俺はコンプリートフォームになり、

 

<ファイズ、カメンライド、ブラスター>

 

爆豪は茨の時同様上空へ飛び回り始め、

 

<ファイナルアタックライド、ファ、ファ、ファ、ファイズ!>

 

呼び出されたファイズはファイズブラスターを、俺はライドブッカーを構え、

 

爆豪は最大火力を放つ。

 

「ハウザーインパクト!!」

 

「フォトンバスター!!」

 

両者の攻撃が相殺され凄まじい爆発を生んだ。

 

爆発で煙が舞い上がり、近くにいたミッドナイトは飛ばされた。

 

煙が晴れるとそこには真司がいたが、爆豪は倒れていた。

 

ミッドナイトはなんとか立ち上がり

 

「爆豪くん戦闘不能!!よって優勝は、空野真司くん!!」

 

「よっしゃああああ!!」

 

俺は腕を上にあげ、ガッツポーズをした。

 

この達成感は気持ちのいいものだった。

 

ただ勝っただけではなく正々堂々戦ったものだからだろうか。

 

俺は変身を解除して、ジャンプして観客席まで戻り皆の手荒い歓迎を受ける。

 

「やったな!空野!」

 

「おまえなら出来るって信じてたぜ!」

 

「お前は漢だ!」

 

「さすが才能マン!」

 

「あれ…?飯田は?」

 

飯田がいないことに疑問を持ってると、

 

「飯田くんなら…お兄さんが敵にやられて…早退したよ…」

 

緑谷が応えてくれた。

 

「えっ!?」

 

お兄さんってインゲニウムだろ?嘘だろ?

 

「そうか…」

 

とりあえず俺に出来ることといえばお兄さんの無事を祈るぐらいしか……うん、ちょっと待てよ……?

 

もしかしたら出来るんじゃね!?

 

「緑谷、飯田のお兄さんの病院ってどこだ?」

 

「えっと、それを聞いてどうするの?」

 

「いいから早く!」

 

「えっと、うん!」

 

緑谷に病院を教えてもらうと、

 

俺は人気のないところでオーロラカーテンを出して

 

行こうとした時、

 

「飯田くんのところへ行くの?」

 

レイ子が聞いてきた。

 

「うん。もしかしたらお兄さんを助けられるかもしれない」

 

「……信じてる」

 

「じゃあ行ってくる」

 

俺はオーラを潜り病院へと転移する。

 

俺がオーラを潜ると、突然現れた俺に飯田はビックリしていた。

 

「そっ、空野くん!?どうして君がここに?」

 

「まあ、ちょっとな」

 

その後俺の考えたことを話すと、

 

「そっ、それは本当なのか!?」

 

飯田が迫って聞いてきた。

 

「まあ、成功するかどうかはやってみなきゃわからない。あと、個性使用の許可ももらわなきゃならないしな」

 

「お、お願いします!天晴を助けてください!」

 

お母さんが懇願してきた。その後病院に個性使用許可をもらい

 

<アタックライド、リカバー!>

 

すると飯田のお兄さんの傷がみるみるうちに治り、

 

「あれ…?天哉?母さん?」

 

どうやら成功したようだ。

 

「「兄さん!/天晴!」」

 

お母さんと飯田がお兄さんに縋り付いた。

 

よかったよかった。

 

しかし、カリスのリカバーはチートだな……1日に一回しか使えないのが難点だが、

 

家族の感動の場を邪魔する前にお邪魔虫は退散しますか。

 

俺はオーロラカーテンを出して、スタジアムに戻った。

 

 

 

 

 

 




これまで登場したライダー

クウガ、ファイズ、ダブル、オーズ、フォーゼ、ウィザード、ガイム、ゴースト、エグゼイド、ビルド


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暴露話

「それではこれより!!表彰式に移ります!」

ミッドナイトの言葉で表彰台が下から上がってきた。

スタジアムに生徒が集まり、後ろではマスコミがカメラを構えていた。

そして表彰台には四人の生徒がいたがそれを見た者たちは複雑な気持ちになった。

 

一人はまるで生気がないように立っていて、一人はいい夢でもみたかのような嬉しそうな表情で、一人はもう一方を悔しそうに見つめて、

最後の一人は顔を俯かせていて、顔を顰めている。

 

何があったのかというと、飯田くんのお兄さんの治療をして帰ってきた我らが真司くんは皆に事情を説明した後、レイ子に連れられご褒美だとかなんとかで初体験を迫られたからであった。

 

さすがに外とマスコミのいる中での初体験は不味いと思い、なんとかレイ子を宥めたのだがその現場に茨が来てしまい、言うまでもなく修羅場と化した。

 

茨の機嫌を直すのと、レイ子のアピールを躱したせいで戦うより疲れた想いをした真司の気力はピークに達していた。

 

 

「一体何があったんだ?」

 

と緑谷が首を傾げるが、何人かには理由がわかっていた。

 

現場近くにいた者たちはあまりの恐ろしさに一瞬で状況を把握し、その場から立ち去ったからだ。緑谷に言おうと考えたが、時々彼の視線がレイ子に向いていたことから緑谷の心情を察して、言わない方がいいと理解していた。

 

「それではメダル授与よ!今年メダルを贈呈するのはもちろんこの人!」

 

「ハーッハッハッハ!!」

 

どこかで聞いたような笑いがとんできた。

スタジアムの上に皆が知っているシルエットがあった。

それに観客は盛り上がった。

 

「私がメダルを持っ「我らがヒーロー!オールマイトォ!!」て来た…」

 

かぶってしまった。一瞬、場が静まるもすぐに持ち直そうとするオールマイトとミッドナイト。

 

「今年の一年はいいよなー」

 

「オールマイトに見てもらえるんだもんな」

 

観客が次々と呟く。

 

「柳少女!三位おめでとう!強いね君は!」

 

オールマイトがそう言ってレイ子の首にメダルを掛ける。

 

「いえ、私はまだまだです。真司に追いつくためにももっと…」

 

「謙遜するな!確かに負けはしたが、君はこの体育祭で間違いなくプロたちの目に止まっただろう!」

 

そう言ってオールマイトは次に茨にメダルを掛ける。

 

「おめでとう!塩崎少女!見事だったな!」

 

「……ありがとうございます。ですが私はまだまだ未熟です。

本当のヒーローになるためにももっともっと……」

 

「気にするな!人間誰でもどこかは未熟なんだ!それを助け合っていくんだ!ヒーローとはそういうものだぞ!」

 

次にオールマイトは爆豪の前に立った。

 

「爆豪少年…」

 

「オールマイト…」

 

「まあ残念だったな!それではこれを」

 

「要らねえ」

 

「え?」

 

「満足できる結果でもねえのに要らねえ。ましてや一位でもねえやつなんか要らねえ」

 

「爆豪少年。その志はとても大切なものでもあるし、君自身を高めるものでもあるよ!そして私が君にとっての超えるべきと壁と思ってもらいとても嬉しいよ!でもな!失敗や敗けも受け止めるから強くなれるんだ!『傷』としてこのメダルを受け取ってくれ!」

 

「要らねえっつってんだろうが!」

 

「まあまあ」

 

爆豪に無理矢理メダルを掛けるオールマイト。

 

爆豪はとてつもなく怖い顔になった。どうやったらあんなに顔を変形させられるんだ?

 

「さて、空野少年!優勝おめでとう!!」

 

「はい!」

 

生気が失っていた俺だったが皆のいつも通りの光景を見て元気を取り戻した。

なにより

優勝者は堂々としてるべきだしな!

 

「おっ!急に元気になったな!」

 

「吹っ切れたというのか?」

 

そしてオールマイトは俺の首にメダルを掛けてくれる。

 

「…君には特に言うことは無い。これからも精進してくれたまえ!あっ、あと緑谷少年へのアドバイスと特訓、ありがとね」

 

小声でそう言ってくるオールマイト。

 

「さて皆さん今日ここに立ったのは彼らだった!!しかし、皆さ

 

ん!!この場の誰もここに立つ可能性はあった!ご覧頂いた通りだ!

 

競い!高め合い!さらにその先へと登っていくその姿!次代のヒーロ

 

ーは確実にその芽を伸ばしている!!」

 

その言葉にレイ子たちは次こそはと意気込む

 

 

「てな感じで最後に一言!!皆さんご唱和下さい!!せーの!!」

 

「プルス……!?」

「プルスウル……!?」

「お疲れ様でした!!」

 

え?

 

「そこはプルスウルトラでしょ!オールマイト!」

 

ブーイングが起こる。最後まで締まらないねえ。No. 1ヒーローさん。

 

・・・・

 

 

相澤先生から、プロからの指名などの説明を受けて、俺たちは帰る。

 

明日、明後日は休校らしい。

 

俺はレイ子たちと帰ろうとした時、

 

「「真司ー!!」」

 

「あっ!母さーん!父さーん!」

 

父さんと母さんの元へ駆け寄った。

 

「優勝おめでとな!真司!」

 

「最初からいたの?」

 

「さっき来たばかりよ。車のテレビでアンタの活躍は見てたわ。

あっ、レイ子ちゃん!お久しぶり!」

 

「お久しぶりです。お義母様♪」

 

レイ子のやつ…!お義母様だなんて…!まだ結婚してないだろ!

 

「まあまあ〜お義母様だなんて〜真司アンタのプロポーズテレビで見てたけど、こんな可愛い子絶対に放しちゃだめよ!」

 

見てたのかよ!あ〜あ恥ずかしい!

 

母さんの言葉にレイ子は耳まで真っ赤にしていた。可愛い……!

 

するとレイ子の言葉に反応したのが

 

「あっ、真司くんのお母様ですか!初めまして!真司の友達の拳藤一佳です!」

 

「初めまして。お義母様。お義父様。真司さんの友達の塩崎茨と申します」

 

「初めまして〜真司くんのお母さんにお父さん!真司くんの先輩をさせてもらっている波動ねじれです!これからもよろしくお願いします!」

 

一佳たちが猛烈に自分の紹介をし始めた。茨のやつなんか、言い方が変じゃなかったか?

 

そんな一佳たちを見てると周りの男子からキツイ視線を向けられた。

 

俺は何かしたか?

 

「まあまあ〜初めまして。真司の母の空野静香です。うちの真司と付き合うのは大変でしょ?いつも突拍子もないことするし、自重しないし、何かと鈍いし」

 

母さんの言葉に一同が頷く。酷いよ…

 

「まあまあ母さん。そこまでにしてあげたら。初めまして。真司の父の空野達也です。うちの真司と仲良くしてくれてありがとね」

 

「そうだ!この後ウチに来ない?真司ったら学校の話全然してくれないから皆に話聞かせてもらっていい?真司の小ちゃい時の話も聞かせてあげるから!」

 

ちょっ!母さん!そんなこと聞かなくていいし、俺の黒歴史も話さな

 

くていいから!

 

「「「「勿論!!!」」」」

 

一斉に了承された。ウソ〜!

 

こうなったらインビシブルで逃げよう…

 

と思った時、俺はツルに拘束されていた。

 

あれ…?

 

「真司さん?どちらにいかれようとしてるのですか?」

 

茨に捕まった。

 

こうして俺はそのまま車に乗せられ、

 

家まで連行され、家で学校のことを聞こう会、もとい俺の黒歴史暴露会が始まった。

 

「やっと5歳でオネショが治ったのよ。それまでどれほど苦労したことか…」

 

「初めて女の子に告白したのが5歳の時だったのよね〜オネショの噂が流れて振られたけど」

 

「中学二年にもなるとチャラそうなものばっかり集めて…変なイメチェンまでしてたのよ」

 

俺の黒歴史を恥ずかしげもなく淡々と語る母さん。お菓子を食いながらそれを興味津々で聞くレイ子たち。

 

もうやめて!!オイラのHPはゼロだよ!

 

その日の俺は一晩中ベットで転がり続けた。

 

 

 

 

 

 

 



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白熱!ゲームバトルと恋心!

雄英体育祭が終わった次の日

俺は近くの広場で人を待っていた。

 

祝日だというのもあり、人通りがいつもより激しい。

 

人がごちゃごちゃしたとこはあまり好きではない。

 

それに周りからの視線も感じる。

 

だが待ち合わせの場所にここを指定されてしまった以上

 

俺に逃げ道などなかった。

 

適当にスマホをいじって待っていると

 

「おーい真司く〜ん!」

 

向こうからねじれ先輩、レイ子、一佳たちがやってきた。茨は

 

用事があるとかで来なかった。

 

「真司くん。待った?」

 

「さっき来たばかりですよ」

 

本当は30分以上待っていたのだが、

 

自分から言うのはカッコ悪いし、父さん曰く、

 

女の子を待たせちゃ駄目だと。

 

うちの父さんそういうところが厳しいんだよな…

 

まあもっともなことだけどさ。

 

「ウソでしょ〜結構待ってたんでしょ〜」

 

波動先輩がそんなことを言ってくる。馬鹿な!なぜバレた!

 

「そんなに汗をかいてたらわかるよ〜」

 

ハッと気づき顔の周りの汗を拭う。

 

今日は夏に近いこともあって特に暑い。

 

そりゃこんなとこで待ってたら汗もかくか…

 

「無理して着飾らなくてもいいんだよ〜似合わないから〜」

 

相変わらず失礼なことを言ってくるねじれ先輩。

 

「ねえねえ?私たちの格好どう?教えて?教えて?」

 

ねじれ先輩が服装について聞いてくるが、そうだな…

 

一佳はオレンジ色のTシャツにショートパンツで、

 

ねじれ先輩は白の柄物ワンピースに灰色のキャップ帽に

 

レイ子は白のTシャツに青色のチュールスカートコーデだった。

 

周りの人達もそんなレイ子たちの姿に目を奪われていた。

 

「しっ、真司……?どう……?」

 

「………」

 

「しっ、真司……?」

 

ハッ!

 

「ああ!ごめんごめん!皆の姿に見惚れていてつい」

 

咄嗟にごまかしたが、似合ってるのは本当だ。いつもの姿と違うが

 

皆らしさが出ていてとっても可愛い。

 

そんなことを思ってたら皆が顔を真っ赤にして俯いていた。

 

あれ、俺何か言ったっけ?そして一部の男たちからのキツい視線を感じた。

 

しかし、皆何かブツブツ言ってるな。何言ってるんだろ?

 

ーちなみに皆の心の中は

 

「かっ、可愛いって!!しっ、真司が!外でそんな大胆!大胆な!!

 

うっ、嬉しいけど!!」

 

「しっ、真司くん!きゅ、急にそんな!そんな!見惚れているだなん

 

て!」

 

「真司が可愛い可愛い可愛い……………!!!」

 

自分がそんなことをしたとは我らが真司くんは全く気づいてなかった。

 

「あー皆、大丈夫?」

 

真司が聞くと、

 

「ひゃい!だっ、大丈夫でしゅ!」

 

「な!なんでもないから!さあ行こう!」

 

「そっ!そうですね!先輩!」

 

皆が慌ててその場から離れだす。

 

しかし皆顔赤かったけど熱でもあるのかな?

 

こうして真司くんは全く気づくことなくその場から歩きだした。

 

そのまま広場からすぐそこの人通りの中を歩いていると、

 

「わっ!あの子!体育祭で優勝した子じゃない!?」

 

「隣の子も三位だったよね!?」

 

「そういえば付き合ってるんだった!」

 

「お似合いよね〜」

 

興味本位の声が聞こえてきたり、

 

「ちっ、強個性持ちが…」

 

「いいよな…恵まれたやつは…」

 

「リア充め…」

 

「いい気になって…」

 

嫉妬の声など様々な感情の声が俺に向かってくる。

 

まあいちいち気にしてたら仕方がないし、

 

俺たちはそのまま目的地まで向かう。

 

その目的地とは

 

「久しぶりだね〜ゲームセンターって!」

 

そうゲームセンターだ。

 

折角の休みなので普段できないことをしようかと思い、

 

まず思いついたのがオーロラカーテンで世界各地や

 

日本の有名所を周ろうかと考えたのだが、明らかに不法入国に

 

なりかねないし、個性の不正使用だとか言われそうなので却下した。

 

そして次に思いついたのか近場で遊ぶことだ。

 

近くに新しくできたゲームセンターがあるので普段インターンで忙しい

 

ねじれ先輩を案内しようかと思いレイ子や一佳たちを連れてきたのだ。

 

茨も連れてこようかと思ったのだが用事があるようだったので

 

また今度に買い物に付き合うことになった。

 

ゲームセンターの中は広く、結構賑わっていた。

 

「ねえねえ〜どれから遊ぶ?」

 

ねじれ先輩が聞いてきた。そんな中目に止まったのが

 

「あっ!あれ可愛い!あれやろ!」

 

そう言って走る姿は子供みたいだった。良くも悪くも無邪気なひとなんだなあ…

 

「ねえねえ!早くやろ!早くやろ!」

 

ねじれ先輩がそう言ってくるが

 

UFOキャッチャーとはその台を見極めなければ

 

損をしてしまうのだ。

 

UFOキャッチャーではあらかじめ難しさをチェックする方法がある。

 

その一つがアームの先だ。

 

アームの力は先の隙間が狭ければ狭いほど強く、

 

逆に広いほどその力は弱いのだ。

 

俺がそのUFOキャッチャーをチェックすると不味いことがわかった。

 

 

そのUFOキャッチャーの景品は動物のぬいぐるみで

 

ねじれ先輩はウサギが欲しいと言ってるが、

 

このUFOキャッチャーの難易度が高かった。

 

アームの爪を見極めるのも方法の一つであり、

 

爪の角度が直角だと引っ掛けやすかったり、持ち上げやすく、

 

取りやすいのだ。

 

だがこのUFOキャッチャーのアームは幅が広く、

 

爪が直角ではなく下を向いているので、別段取りにくくかった。

 

だがねじれ先輩のお願いに断れる筈もなく、結局やることになり、最初はねじれ先輩がしていたが、途中からお願いされ、俺がやることになった。やっとの思いで取れた時には俺の小遣いは四分の三にまで減っていた。俺の一万円…これなら普通に買った方が良かったんじゃ…

でも喜ぶねじれ先輩を見てるとそんな考えは吹っ飛んだし、何よりねじれ先輩にハグしてもらったから全然良いんですけどね!

 

次に俺たちはテニス場まで向かった。

 

そこでは攻撃的なものでなければ個性を使用することが出来る

 

テニス場だった。

 

組み合わせはグットッパーで決めて、

 

その結果俺とねじれ先輩。レイ子と一佳に決まった。

 

俺たちがコートに立つと、周りにギャラリーが集まってきた。

 

俺がサーブをすることになり、俺が打ち、そのボールをレイ子がレシーブで返した。やるな!

 

俺はレシーブで返された球をフォアで打ち返した。

 

そして暫くの間、ラリーが続き痺れを切らした俺は

 

<アタックライド、イリュージョン!>

 

六人に分身した。そしてボールの前に立ち、誰が打つかわからないようにしたところで打った。

 

レイ子たちはそれに反応できずに俺たちに一点が入った。

 

「真司〜ずるい〜!」

 

「ははは!勝てばいいのだ!」

 

と大人げなく笑ってしまった。

 

ねじれ先輩もジト目で見るし、やめて!

 

今度は一佳がサーブしたボールを俺がボレーで返して、

 

レイ子がスマッシュしたボールに俺が追いつくと

 

そのボールが急に曲がった。

 

間違いなくレイ子のポルターガイストだ。

 

「レイ子!ずるい!」

 

「ふふっ。お返し♪」

 

そう言ってレイ子は笑う。

 

その後もレイ子のポルターガイストに翻弄されつつも

 

遂にお互いにリーチとなった。

 

ねじれ先輩がサーブした球を一佳が返して俺が追いつくと、またボールが曲がった。だが!負けるわけにはいかねえんだよ!

 

<アタックライド、クロックアップ!>

 

クロックアップでボールに追いつき、

 

そのまま打ち返すとレイ子たちは反応できず俺が勝った。

 

「やったー!!俺たちが勝った!!」

 

とねじれ先輩とハイタッチをしようと後ろを振り向くと

 

ねじれ先輩は苦笑いだった。

 

よく見ると周りのギャラリーも俺を白い目で見てた。

 

まてまて、俺が何したっていうんだよ!

 

そんなことわかる筈もなく、

 

気まずい雰囲気のまま俺たちはその場を後にした。

 

その後なんとかレイ子たちの機嫌をスイーツで直し、

 

他のゲームを楽しみ、帰る時間が近づくと、

 

「ねじれ先輩。最後にプリクラしません?」

 

「プリクラ?」

 

レイ子たちがプリクラまでねじれ先輩を案内して

 

ねじれ先輩に軽く説明すると、

 

「わっ!目が大きくなった〜不思議!」

 

「すごいでしょ!先輩!」

 

その後皆で写真をとることになった。皆が撮る以上俺に逃げるという選択肢は残ってない。つまり皆に近づかなくてはならないわけで、つまりどういうことかというと……皆と密着してるのだ!皆年相応に胸が大っきいわけでドキドキしてしまう!

 

「ムッ、真司くん。いやらしいこと考えたでしょ〜」

 

ねじれ先輩は天然な割にこういうことには鋭い。

 

ドキドキしながらもなんとか撮り終わり、皆でデコってるのに対して俺は疲れて座っている。

 

色々あったが楽しかったな。と感慨に浸ってると

 

「真司くん!真司くん!デコり終わったよ〜」

 

とねじれ先輩がデコった写真を渡してくれた。

 

「今日は楽しかったね!ありがとう!」

 

そう言って笑うねじれ先輩は花のように美しかった。

 

俺はその笑顔を見ると胸がドキドキしてしまう。

 

ああ…そうか。そうなんだ。俺は…

 

その後ねじれ先輩と一佳と別れて

 

レイ子と二人で手を繋いで帰ってると

 

「レイ子」

 

「何?」

 

「もし俺がレイ子以外に好きな人が出来たって言ったら……レイ子はその子のことを受け入れてくれる?」

 

「……」

 

「あっ、ごめんごめん!変なこと言っちゃって」

 

「…いいよ」

 

「え?」

 

「真司が私を愛してくれてるなら…私は構わないよ…」

 

帰ってきた返答は意外なものだった。

 

「いいの?レイ子は?」

 

「うん…独占欲がないわけじゃないけど真司が皆を愛してくれるならそれもいいかなあって」

 

そうか…

 

その後俺がねじれ先輩を好きなことを伝えると

 

「…やっぱり」

 

「わかっていたのか?」

 

「気づかないわけないよ。真司のことを何年見てきたと思ってんの♪」

 

レイ子はねじれ先輩を受け入れてくれるようだ。

 

いや、そもそもねじれ先輩は俺の気持ちを受け取ってくれるのだろうか…

 

こうして1日は過ぎていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




UFOキャッチャーについては作者がネットでちょっと見た程度なのであまり参考にしない方がいいと思います。

あとテニスもネットでちょっと見た程度なので勘弁してください…



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お見舞い

 

エンデヴァー視点

 

今俺は冷のいる病院にいる。だが冷に会うつもりはない。先生に手紙と花を預けに来ただけだ。

 

今はまだ会わない方がいいだろう。

 

冷はまだ俺に…過去に囚われているからだ。

 

過ちは取り返しがつかないのかもしれない。だがこれから俺は家族に…焦凍に…冷に…償わなければならない。

 

そのためにはこれから真正面から父として…ヒーローとして…

轟炎司として…家族と向き合わなくては…

 

今からでも遅くはない。俺はアイツらと本当の家族になりたい…

 

そしてヒーローとして人々の…焦凍たち子供の未来を保証させなければ…だから焦凍、冷。どうか俺を見ていてくれ。

 

 

ー轟冷視点

 

夏が近いというのにまだ肌寒い。小鳥のさえずりが私を落ち着かせてくれるのも束の間、車の音がうるさく、とても落ち着かない。

 

でもなぜか今の私は落ち着いている。今日、また焦凍が見舞いに来てくれると言ってくれた。

 

焦凍が見舞いにきてくれた時には驚いた。今でも私はあの時のことを後悔してる。あの人が怖くて焦凍に取り返しのつかない傷を残してしまったからだ。

 

それでも焦凍は私と向き合ってくれた。それを理解した瞬間に私は涙を浮かべ焦凍は抱きついてくれた。

 

あの人に囚われず前に進むと言ってくれた時には笑顔が溢れた。

 

学校で友達ができたって言われたときに失礼だが本気で驚いてしまった。

 

「…アイツのお陰で俺は過去から…父さんから…向き合うことができた」

 

「すごいやつなんだ…戦闘訓練で俺に勝っちまうし」

 

「アイツに勝ちたいって思ったときに…俺は左を使っていたが…嫌な気分にはならなかった」

 

その子のことを聞いてるうちに私も会いたくなってきたなあって言うと焦凍は驚いていた。

 

でも焦凍が世話になってるですもの。一度ぐらいは挨拶しておきたい。

 

時間が遅くなったので焦凍は帰ろうとしたときに

 

「体育祭頑張ってね!私もテレビで見てるから!」

 

焦凍は「うん」と言ってくれて帰っていった。

 

その後雄英体育祭を見たが、焦凍が言うようにその子は確かに凄かった。素人目の私でもその強さがわかってしまった。

 

騎馬戦でもその子は焦凍に勝ち、トーナメントでも優勝してしまった。

 

焦凍が迷わず左を使った時には過去から立ち直れたんだと嬉しかった。

 

焦凍も負けはしたがその顔はとても晴れ晴れしているようだった。

 

雄英体育祭が終わって1日が経つとあの人が来てくれた。

 

その手紙の内容を見て私は驚いた。

 

あの人のことは今でも怖い。でもあの人も過去と向き合おうとしてくれている。今からでも遅くない。なれるはずだ。

 

ー本当の家族に

 

そう思っていたら病室のドアが開き、焦凍が来てくれた。その隣にはあの子が一緒にいた。

 

 

 

 

・・・・

 

ー少し前

 

俺は今一人で隣町のゲームセンターにいる。

 

昨日は予定がなかったねじれ先輩だったが、今日はインターンで無理らしくレイ子たちも家族の用事があるみたいなので、どうせなら一人でゲームを攻略しにいこうと思いこっそりオーロラカーテンを使ってゲームセンターの近くに来ていた。

 

そしてゲームセンターに入ろうとした時、

 

「あれ、空野じゃねえか?」

 

轟と隣に美人なお姉さんがいた。

 

「よう。轟その人誰だよ?知り合いか?」

 

「ああ俺の姉さんだ。」

 

姉さん?轟のお姉さんだったのか。

 

「初めまして。轟のクラスメイトの」

 

「空野くんよね!初めまして。焦凍の姉の轟冬美です。いつも焦凍がお世話になってます!」

 

なんで俺のこと知ってるんだ?ってさっき轟が言ってたか。

 

「焦凍が家でも貴方のことを話しててすごいんだっていつも言ってたの!」

 

「ちょっ…姉さん…」

 

轟は恥ずかしそうに姉さんに反論していた。

 

轟、お前俺のこと家で言ってんのか?

 

「ちょうどいい。空野このへんでお土産にいい店を知らねえか?」

 

「お土産?」

 

「ああ。母さんの見舞いに行くんだ。でも今日は急だったから…いつもの所じゃなくて…」

 

ふ〜ん。

 

「それならこの近くに和菓子屋があるけど。案内しよっか?」

 

「ああ頼む。」

 

轟をその店まで案内する途中で、俺は冬美さんから質問の嵐を受けていた。

 

「ねえねえ?焦凍、学校で皆とうまくやれてる?」

 

「まあ、少なくともそれなりには」

 

と色々な質問をされた。

 

「ありがとうね。焦凍と仲良くしてくれて。」

 

「礼を言われるほどのことじゃないですよ」

 

「私が言いたいだけだから気にしないで」

 

「貴方のお陰でお父さんも良くなってくれたし…」

 

「俺、エンデヴァーに対して何もしてませんよ?」

 

「ううん。貴方のお陰で前を見ることが出来たって言ってた」

 

俺何もしてないんだけどなあ…

 

しかし友達かあ…

 

「なあ轟」

 

「なんだ?」

 

「いい加減俺たち下の名前で呼びあわねえか?」

 

「…どうしてだ?」

 

「なんか他人行儀というか…他人なんだけどさ。俺、轟と友達になりたいからさ」

 

「……いいんじゃねえか」

 

よしやった!

 

「これからもよろしくな。焦凍」

 

「…こちらこそ。真司」

 

その様子を冬美さんが微笑ましく見ていた。

 

お土産も買って、焦凍たちが病院へ行こうとすると、

 

「そうだ!真司くんも来ない?」

 

冬美さんが突如そんなことを言い出した。

 

「えっ?いや、家族水入らずの場に俺が行くのはちょっと…」

 

「来てくれないか?母さんも会いたがってから」

 

え?何?お前母さんにも俺のこと話したの?

 

まあ折角の誘いは断るわけにはいかないか。

 

「お邪魔じゃなけりゃご一緒させてもらっていいかな?」

 

「勿論!」

 

こうして俺たちは病院へ向かった。

 

 

・・・・

 

 

ー現在

 

「初めまして。空野くん。焦凍の母の轟冷です」

 

「こちらこそ初めまして。空野真司です」

 

しかしこの人が轟の母さんか…

 

すごく美人なんだけど!焦凍も冬美さんもそうなんだけどさ…!

 

轟家は美形の勢揃いなのか!?

 

俺がそんなことを考えてるうちに焦凍はお土産をお母さんに渡して、

 

それを皿に盛って皆で頂いた。

 

勿論、轟のお母さんにも俺に焦凍の学校について聞いてきた。

 

焦凍は止めようとするが、

 

「コイツ蕎麦ばっかり食って…もう少し栄養分考えろって言っても全然聞かなくて…」

 

「まあ、初めて会った時は、俺を睨んでいまして…怖いと思っちゃいました」

 

焦凍の黒歴史を惜しげもなくバラした。

 

「ふふっ。焦凍貴方から聞いたこともないこともばっかり」

 

焦凍の顔が赤くなっていた。

 

「しかし真司くんもすごいわね。柳さん…だっけ。プロボーズしたんでしょ?」

 

見られてたのかよ!うわあああ……!恥ずかしい…!全国中継中にやるべきじゃなかった!

 

その言葉で赤くなっていく俺を見て、冷さんも冬美さんも焦凍でさえもニヤニヤしていた。

 

その後エンデヴァーからの手紙の内容を聞くと焦凍も冬美さんも驚いていた。

 

「今からでも遅くない。私たちは本当の家族になれるはずだよ」

 

と冷さんは静かに言った。

 

その後お菓子を皆で食って、雑談をして

 

夕日が沈む頃に俺たちは帰っていった。

 

焦凍と別れた後俺は思った。

 

なれるといいな…本当の家族に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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コードネーム

保須市のとある街中の路地裏

 

一人の男がヒーローを殺していた。

 

そのヒーローとは彼曰く偽物だから殺したそうだ。

 

その男は包帯状のマスクを身につけ、赤いマフラーとバンダナ、プロテクターを着用していた。

 

その男の正体は巷で有名なヒーロー殺しだ。

 

独自の倫理観、思想に基づいてこれまでに17人のヒーローを殺し、

23人のヒーローを再起不能にまで陥れた。

 

その思想とは「英雄回帰」"ヒーローとは見返りを求めてはならない。自己犠牲の果てに得うる称号であると"その思想の元にこれまで幾多のヒーローを殺してきた。

 

飯田の兄インゲニウムもその一人だった。

 

 

ヒーロー殺しはその場から立ち去ろうとすると、

 

「ねえ?君何やってるの?面白そうだなあ。僕も入れてよ」

 

「なんだ貴様は……ガキの遊びじゃない。殺すぞ…」

 

「へえ。僕を殺すって?やれるもんならやってみろよ」

 

ヒーロー殺しに話しかけた男は灰色の怪物へと姿を変えた。

 

 

・・・・

 

 

梅雨も近い中、俺はいつものようにねじれ先輩とレイ子と一緒に登校していた。

 

道中沢山の人に話しかけられたが適当に応対した。

 

「ねえねえ〜真司くん優勝したから、いっぱい話しかけられてるんだよね〜やっぱりすごいよね〜真司くんは!」

 

「そっ!そうですね!」

 

俺はあれ以来ねじれ先輩のことを上手く見れない。

 

レイ子もフォローしてくれるらしいが、俺は不安だ。

 

結局上手く話せないまま俺たちはねじれ先輩と別れた。

 

教室に向かう途中で

 

「何呑気に歩いてるんだ!」

 

後ろからTHE真面目マン飯田がやってきた。

 

「遅刻だぞ!おはよう空野くん!柳くん!」

 

カッパに長靴という格好で飯田が走ってきた。

 

「遅刻って…まだ五分前だよ?」

 

「雄英生たるもの10分前行動が基本だろう!!」

 

そう言って気張る飯田。いつも通りだなー

 

「飯田、お兄さんは?」

 

「ああ!君のお陰で助かった!暫くしたらヒーロー活動に復帰するみたいだ!君には感謝しても仕切れない!ありがとう!!」

 

そう言って走る飯田の背中はどこか嬉しそうだった。

 

 

教室に入ると皆盛り上がっていて、

 

「来る途中、すごい声かけられたよー」

 

「やっぱ雄英はすごいな…」

 

「俺なんか小学生にドンマイコールされたぜ…」

 

ハハハ…ドーンマイ…

 

そうしてるうちに相澤先生が入ってきて、HRが始まった。

 

「今日のヒーロー基礎学。ちょっと特別だぞ」

 

そう言われて皆喉をならす。

 

「『コードネーム』ヒーロー名の考案だ」

 

『胸ふくらむヤツ来たああ!!』

 

一斉に盛り上がったが相澤先生の眼力で静まり、その後色々な説明を受け、

 

「で、指名の集計結果がこれだ」

 

 

 

空野 7786

 

柳 5636

 

爆豪 3698

 

轟 2589

 

常闇 639

 

切島 523

 

緑谷458

 

飯田 326

 

 

上鳴 235

 

八百万 105

 

瀬呂 63

 

麗日 19

 

 

 

「例年はもっとバラけるんだが、四人に注目が偏った」

 

「だー白黒ついた!」

 

「二位と三位逆転してんじゃん」

 

「荒っぽいところがビビったんじゃねえの」

 

「ビビってんじゃねえよ!プロが!」

 

(僕にもあったー!)

 

(私がこんなに…!)

 

「これを踏まえ…指名の有無関係なく、いわゆる職場体験ったのに行ってもらう」

 

「お前らは一足先に経験してしまったが…プロの活動を実際に体験してより実りある訓練をしようってこった」

 

「それでヒーロー名か!」

 

「俄然楽しみになってきたァ!」

 

皆がウキウキになってると

 

「まあ仮ではあるが適当なもんは…」

 

「付けたら地獄を見ちゃうよ!!」

 

「この時の名が!世に認知されそのまま!プロ名になってる人多いからね!!」

 

「ミッドナイト!!」

 

「まァそういうことだ。その辺のセンスをミッドナイトさんに査定してもらう」

 

どうやらミッドナイト先生が担当になるようだ。

 

「将来自分がどうなるのか。名を付けることでイメージが固まりそこに近づいていく。それが「名は体を表す」ってことだ」

 

 

その後皆のコードネームが発表され

 

蛙吹梅雨 フロッピー

 

切島 烈怒頼雄斗

 

耳郎 イヤホンジャック

 

障子 テンタコル

 

瀬呂 セロファン

 

尾白 テイルマン

 

砂糖 シュガーマン

 

芦戸 ピンキー

 

上鳴 チャージズマ

 

八百万 クリエティ

 

轟 ショート

 

常闇 ツクヨミ

 

峰田 グレープジュース

 

麗日 ウラビティ

 

飯田 インゲニウム

 

爆豪は『爆殺王』とか書いてミッドナイトに却下された。

 

そして俺とレイ子の前に緑谷の番となり、

 

緑谷がボードを表にすると皆驚いていた。

 

「ええ?緑谷それでいいのか?」

 

尾白が聞くと

 

「うん。今まで好きじゃなかったけど、ある人に意味を変えられて僕にはけっこう衝撃で嬉しかったんだ。これが僕のヒーロー名『デク』です」

 

緑谷も決まり、

 

レイ子の番となった。

 

「私のヒーロー名は『エミリー』です」

 

「レイ子それって…」

 

「うん私の昔のニックネーム。今まで嫌だったけど。これが気に入ってるから」

 

レイ子も発表し、残るは俺と爆豪になった。

 

俺のヒーロー名はこれしかない。

 

「俺のヒーロー名は…『ディケイド』」

 

「それは真司くんの基本形態よね?いいんじゃない!」

 

ミッドナイトからも了承を得た。

 

その後爆豪が『爆殺卿』とか書いてミッドナイトに再び却下された。

 

・・・・

 

 

 

「ハア…ハア…俺はどうなったんだ…確かあの怪物に殺されたはずじゃあ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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悪意の対峙

先週の授業後

 

「職場体験は一週間。肝心の職場だが指名のあった者は個別にリストを渡すからその中から自分で選択しろ。んで、指名のなかった者は予めこちらからオファーした全国の受け入れ可の事務所40件から選んでもらう」

 

そう言って相澤先生は資料を渡してくれた。

 

 

「真司くん!見せてもらっていい?」

 

「ん?ああ、いいよ」

 

「っ!てうわあ!真司くんエンデヴァーから指名きてるよ!」

 

『!?』

 

「いや、それだけじゃない!エッジショットにクラストに

ミルコ、リューキュウにギャングオルカまで!」

 

『!!!?』

 

「すごいよ!ほとんどのトップヒーローから指名が!」

 

「すげえな!真司!そんなに指名が来てるなんて」

 

「別に…どうせ一つしか選べねえんだろ…レイ子の方はどうだ?」

 

「私はこれにする…」

 

「柳さん見せてもらっていい?」

 

「…んいいよ…」

 

「え!?柳さん!ベストジーニストから指名きてたの!?」

 

『!!?』

 

何度目かわからない驚愕

 

「いやベストジーニストだけじゃない!エンデヴァーを除けばさっきのトップヒーローが全員選んでる!」

 

『!!?』

 

「凄いよ!柳さん!」

 

「えへへ…」

 

そう言って笑うレイ子。ヤバイ。可愛い……!

 

「レイ子はベストジーニストにしたのか?」

 

「うん。私と同じ捕縛が得意なヒーローだから、色々と学びたくて」

 

うん。俺はここだな…

 

「真司はどこにするの?」

 

「エンデヴァーかリューキュウだな…」

 

エンデヴァーの名前が出たことに驚く一同。

 

「エンデヴァー…そこって…」

 

「ああ体育祭前なら行く気はなかったが、今はな。それにNo.2ヒーローの職場体験は参考になるだろうしな」

 

緑谷が心配そうに言うが本気だ。

 

さてどっちにしようかな…

 

・・・・

 

 

「なるほどなァ…お前らが雄英襲撃犯…」

 

ヒーロー殺しと死柄木弔は対峙していた。

 

「俺もその一団に加われと」

 

「ああ頼むよ悪党の大先輩」

 

そう言う死柄木をヒーロー殺しは見定めるように見る

 

「………目的はなんだ」

 

「とりあえずオールマイトはぶっ殺したい。気に入らないものは全部殺したいな。こういう糞餓鬼とかもさ…全部」

 

死柄木はそう言って真司の写真を見せる。

 

「興味を持った俺が浅はかだった…お前は……俺が最も嫌悪する人種だ…」

 

そう言ってヒーロー殺しの体がどんどん変わっていく。

 

「……これは…!」

 

黒霧が呟やく。

 

「子供の癇癪に付き合えと…?信念なき殺意に何の意味がある…!」

 

そう言って変わった姿はヒーロー殺し自身も驚いた。

 

それは自分を殺したヤツと同じようなヤツになったからだ。

 

「……なんだよ……?それは……!?」

 

死柄木も動揺を隠せない。

 

「先生!」

 

黒霧が叫ぶと

 

「これは……!?」

 

「どうなっているんだ……!!」

 

ヒーロー殺しすらも驚いていた。

 

だがその内から溢れる力に酔いしれていた。

 

「これほどの力……!これがあれば俺の信念を……!」

 

その姿は灰色の直立チーターの様だった。

 

 

 

 

 

 

 

 



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動き出す悪意

今回は短めです!区切りを良くするために…


ー職場体験当日

 

俺たちはそれぞれのコスチュームを持ち駅に集合していた。

 

「コスチューム持ったな。本来なら公共の場じゃ着用厳禁の身だ。落としたりするなよ」

 

「はーい!」

 

「伸ばすな。くれぐれも失礼のないようにな。じゃあ行け」

 

そう言われて散っていく皆。

 

「レイ子」

 

「なに?」

 

「お互い頑張ろうな」

 

そう言って俺は拳を突き出す。

 

「うん!」

 

レイ子も突き出した拳を合わせてくれる

 

レイ子と別れた後、俺も職場体験の場所へ向かう。

 

・・・・

 

「何を成し遂げるにも…信念、想いがいる。ない者、弱い者が淘汰される。当然だ…だからこうなる」

 

そう言って自身の爪で死柄木を押さえつけるヒーロー殺し。

 

「ハッハハハ…!いってええええ。強過ぎだろ。黒霧!こいつ返せ!早くしろ!」

 

「身体が動かない…!おそらくヒーロー殺しの個性……」

 

「この力も慣れればいいものだ……問題は気持ちが高ぶるところだが…しかし皮肉なもんだな…一度死んで蘇って得た力に酔いしれるとは…」

 

その言葉に驚く死柄木たち。

 

人間態に戻るヒーロー殺し。その後死柄木にナイフを突きつける。

 

「"英雄"が本来の意味を失い、偽物が蔓延るこの社会も徒らに力を振りまく犯罪者も…粛清対象だ……」

 

ヒーロー殺しのナイフが死柄木についてる手に当たった時、

 

「ちょっと待て待て……この掌は駄目だ……殺すぞ……」

 

その殺気に一瞬怯むヒーロー殺し。

 

「口数が多いなあ…信念?んなもんないね…強いて言えばそう…オールマイトだな…あんなゴミが祀りあげられてるこのしゃかいを滅茶苦茶にブッ潰したいなァとは思ってるよ」

 

死柄木が手を振りかざすとヒーロー殺しは後ろに跳んだ。

 

「せっかく前の傷が癒えてきたとこだったのにさ…こちとら回復キャラがいないんだよ…責任取ってくれんのかぁ?」

 

「それがおまえが…」

 

「は?」

 

「おまえと俺の目的は対極にあるようだ…だが『イマを壊す』この一点に於いて俺たちは共通している…」

 

「ざけんな。帰れ。死ね。"最も嫌悪する人種"なんだろ」

 

「真意を試した。死線を前にしてひとは本質を現す。異質だが…"想い"…歪な信念の芽がお前には宿っている……」

 

「お前がどう芽吹いていくのか…始末するのはそれを見届けてからでも遅くはないかもな……」

 

「始末すんのかよ…こんなイカれた奴がパーティーメンバーなんて嫌だね俺…」

 

「死柄木弔。彼が加われば大きな戦力になる。交渉は成立した!」

 

「用件は済んだ!さァ"保須"へ戻せ。あそこにはまだ成すべき事が残っている」

 

そう言って怪物になるヒーロー殺し。彼はもはや人間ではない…

 

 

 

 

 



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職場体験

職場体験当日

 

俺は職場体験場所に着いた。

 

「ここか……リューキュウ事務所。」

 

No.9ヒーローリューキュウの事務所を俺は選択した。

 

理由は一つ。若くしてNo.9に入った実力と経験を目にして、自身の糧にしたかったからだ。

 

エンデヴァーもあったが、やっぱりまだ苦手意識が抜けない。

 

俺はあまりに大きなビルの前でボーッとしていると

 

「ねえねえ〜君君?職場体験の子って?」

 

どこかで聞いたことがある声が聞こえてきた。

 

「そうですけどっ!」

 

「あっ!真司くんだ〜来てくれたんだ〜!」

 

ねじれ先輩だった。ここねじれ先輩のインターン先だったのかよ!知らなかったけどさ!

 

そのままねじれ先輩が抱きついてきた。

 

はっ!恥ずかしいけどっ!嬉しい!

 

そのままねじれ先輩と事務所の中に入っていった。

 

「待ってたわ。ドラグーンヒーローのリューキュウよ」

 

「雄英から来ました。空野真司です。一週間よろしくお願いします」

 

「礼儀正しいのね。いいわよ。そういう子」

 

事務所に入るとリューキュウが出迎えてくれた。

 

「リューキュウ〜!私も一緒!」

 

「あらねじれもいたのね。随分親しいようだけど…二人って知り合い?」

 

「えっ、え〜っとですね?なんというか」

 

「将来を誓い合った仲!」

 

ねじれ先輩がまたもや爆弾発言をした。

 

おいおい!嬉しいけどさ!時と場所を考えようよ!

 

「ぷっ。ふふふ!ハッハハハ!やっぱりテレビで見たとおりの光景ね!」

 

リューキュウがそう言って笑いだす。

 

知ってたのかよ!タチが悪いな…!

 

「ごめんなさいね。しかし貴方たちの関係を見てたらとっても仲が良いのがわかるわ。本当に付き合ってるみたい」

 

「「!!?」」

 

そう言われて俺とねじれ先輩の顔が赤くなる。

 

おいおい!俺はともかくなんでねじれ先輩も赤くなってるんだ!

 

まさか、ねじれ先輩って…ウンウン考えすぎだ。それは自意識過剰って奴だぞ。

 

「早速だけど、これからパトロールに行くからコスチュームに着替えてくれない。あっ、ねじれも」

 

そう言われて俺は更衣室に入る。

 

ってか広いな!

 

 

・・・・

 

ー一方その頃

 

「正直君のことは好きじゃない」

 

「は?」

 

そう言われて固まる爆豪

 

「ウチを選んだものどうせ、五本の指に入る超人気ヒーローだからだろ?」

 

「指名入れたのアンタだろうが…」

 

イラつき始める爆豪。

 

「そう!最近は「良い子」な志望者ばかりでねえ。久々にグッと来たよ。」

 

そう言って髪を正すベストジーニスト。

 

「君の体育祭での活動。見せてもらったよ。潜在能力の高い個性を自在に操り、さらには応用力まで身につけている。今すぐ事務所のサイドキックに選ばれてもおかしくないほどの逸材だ。…しかし君には致命的な欠陥がある。自分を一番強いと思い込み、なりふり構わずそらを実践しようとする、凶暴な人間性」

 

うんうん。この人の言ってることはどれも的確で間違いない。

 

すると気に食わなかったのか爆豪が

 

「わざわざ指名してお説教か」

 

ベストジーニストに迫ろうとした爆豪だったが突然動けなくなった。

 

あれは…服の繊維…!あれがベストジーニストの個性…!

 

やっぱり私に似ている!

 

「…そんな者たちを矯正するのが私のヒーロー活動。敵もヒーローも表裏一体、そのギラついた目に見せてやるよ…何が人をヒーローたらしめるのか」

 

「…何しようってんだ」

 

「決まっている。ヒーローの規範となるべき人間になるように教育するのさ。言葉遣い、身だしなみ、感情の抑制、モラルの徹底、やるべきことは無数にある…一週間という短い期間で君の身体にそれらを縫い付ける」

 

縛られている爆豪はベストジーニストを睨め付ける。

 

「ああ!それと君の活躍も見ていた。障害物競走での活躍に騎馬戦での応用力、素の身体能力の高さ、どれをとっても素晴らしい。その上君はそちらの彼と違ってモラルとかを叩き込む必要はなさそうだ」

 

「君の彼氏…空野くんだったかな…?彼も指名したかったのだが、指名は二人までしか入れられないのねでね。君たちしか指名できなかったのだよ」

 

真司のことを言われ、顔が赤くなっていく私。かっ、彼氏って嬉しいけど!

 

「あの〜?怒らないんですか?私に彼氏がいることに。失礼ですがそういうの気にしそうなんだと思ってました」

 

「いやいや。私が気にしているのはヒーローとしての規範だけだよ。

ヒーローがいかに市民の安全を保障できるか。それができていれば、他人の関係にごちゃごちゃ言うわけではない。ただ…君の彼氏には公衆の面前だというのを教えておいたほうがよさそうだ。まあそれを含めてもこの少年よりはマシだけどね」

 

そう言われて顔を顰める爆豪。もはや敵にしか見えないのだが。

 

「さてとこの子にモラルを叩き込む前にパトロールに出なくては。

二人ともコスチュームに着替えてくれたまえ」

 

そう言われて更衣室に向かう私たち

 

爆豪めちゃくちゃ怖いんだけど…

 

 

・・・・

 

コスチュームに着替えた俺はねじれ先輩とリューキュウと一緒にパトロールに出かけている。

 

パトロールの際にヒーローについての色々な説明を聞いていた。

 

「ヒーローは一応国からお給金貰ってるから公務員扱いなんだけどね成り立ち故に公務員とは何かも著しく異なるの」

 

「それでね!基本的な実務は敵の取り締まり!事件が発生すると警察から応援要請が来るんだよ?」

 

ねじれ先輩も詳しかった。流石先輩。しかしコスチューム凄いな…ねじれ先輩を直視できないんですけど!

 

「ムッ、いやらしいこと考えてたでしょ〜」

 

ねじれ先輩に睨まれる。マズイ…!

 

「ふふっ。貴方たちじゃれ合うのもいいけどパトロール中だってこと忘れないように」

 

「さてと!説明のほうに戻しましょうか!逮捕協力や人命救助等の貢献度を申告、そして専門機関の調査を経てお給料が振り込まれるの。

基本歩合ね。」

 

俺はそれらをメモにとっていく。

 

「そうね。私はやってないけど副業が許されてるわ。公務に定められた当時は一部で相当揉めたとも聞くけど、なんでかわかる?」

 

リューキュウは聞いてくる。

 

「なんででしょうか?活躍できないヒーローの為?」

 

「そうね。それもあるかもしれないけど、市民からの人気と需要に後押しされた名残って言われてるわ」

 

「あっ!リューキュウだ!」

 

「えっ!どこどこ!?」

 

「本当だ!」

 

「体育祭優勝の子もいるぞ!」

 

「俺応援してまーす!」

 

ファンの対応に追われるリューキュウ。

 

「こうやってパトロールすることで市民に安全を与えるのもまた一つの実務と言えるでしょうね」

 

「なんか…凄いですね。ヒーローって」

 

「リューキュウは本当に凄いよ〜強いだけじゃなくて、優しいの!」

 

「そうですね…リューキュウさん、俺のイメージ通りの人だったです」

 

「あら?君にとっての私ってどういうヒーロー?」

 

「優しく強くて…でも悪に対しては容赦ない正義のヒーローって感じです」

 

「ふふっ。ありがとう」

 

そうやってパトロールを続けていたら

 

「こちら。リューキュウ。…わかりました。すぐに向かいます」

 

急に口調と顔が変わった。

 

「貴方たち。事件よ。コンビニに立てこもり犯がいるわ。すぐに向かうわよ」

 

「「はい!」」

 

…さて行きますか!

 

 



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再会

事件の知らせを聞いて駆けつけた俺たち。

 

コンビニには二人の敵がいて、少女が一人敵に捕まっていた。

 

その子は聖愛だと思われる女子高生でモノクロと銀髪が印象に残る子だった。

 

「状況は?」

 

「犯人は店内に立て籠もってる模様。人質のことを考えると迂闊に手が出せない…!」

 

そう言って拳を握りしめる警官。

 

俺はなんとかできまいかと。

 

「俺にやらせてもらえませんか?」

 

「君は…?」

 

「空野真司です。ヒーロー名は『ディケイド』と呼んでください」

 

その後、作戦について伝えると個性使用の許可がでた。

 

「仕方ないわね…ねじれも万が一にはサポートしてね!」

 

「うん!任せて!」

 

そう言って敵逮捕へと動こうとするリューキュウ。

 

「さて!行きますか!」

 

<アタックライド、クロックアップ!>

 

<アタックライド、インビシブル!>

 

俺は透明化とクロックアップで少女に一瞬で近づき少女をクロックアップの世界に引き込んでから、戸惑う少女を抱きしめ、その場から逃げ出した。

 

少女が一瞬で消えたことに戸惑う敵。

 

「はあああ!!?どうなってんだ!!」

 

「今です!!」

 

リューキュウの合図とともに突入する警官隊。

 

だが、

 

「しゃらくせえ!」

 

敵に反撃される。

 

振り返るとライオンのようになった敵と体が機械のようになっている敵がいた。

 

「この程度で俺たちを捕まえられるかよ!」

 

「ディケイド!戦闘許可を出します!」

 

「いいんですか!?」

 

「構いません!許可します!」

 

「それじゃあ!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

「あれは!!」

 

俺が助けた女子高生が叫ぶ。

 

「なんだあ!?お前は!」

 

「あっ、兄貴知ってるぜコイツ雄英のヤツだ!」

 

「へえ。俺も有名になったじゃないの」

 

「余裕叩きやがって!後悔させてやる!」

 

<カメンライド、ブレイド!>

 

ドライバーからでた大きなカードのようなエネルギーに敵は吹き飛ばされた。

 

俺はブレイラウザーとライドブッカーを手にして敵に斬りかかる、

 

ライオン敵は後ろに跳んで避け、機械敵はエンジンで横に移動した。

 

お返しとばかりに機械敵は銃火器を構えた。

 

「危ない!!」

 

聖愛のお姉さまは叫ぶが

 

<アタックライド、ゲル!>

 

液状化で銃弾を全てすり抜け、

 

機械敵の銃火器を切り落とした。

 

「ぎゃあああ!!」

 

「相葉!てめえよくも!」

 

<アタックライド、バイオ!>

 

俺は腕を植物の触手に変化させライオン敵を拘束し、壁に叩きつけた。

 

ライオン敵は気絶し、機械敵はチェーンソーのようなもので斬りかかってくるが、

 

<アタックライド、メタル!>

 

鋼鉄化でチェーンソーを折って

 

<ファイナルアタックライド、ブ、ブ、ブ、ブレイド!>

 

「ライトニングソニック!」

 

飛び蹴りで気絶させた。

 

俺が鎮圧したことを伝えると

 

「敵2名!確保!」

 

警官隊が敵を拘束して、連れて行く。

 

終わった〜俺たちもその場から立ち去る。

 

「あの方はもしや………!」

 

聖愛の子が呟いていたことにも気付かずに

 

 

・・・・

 

 

事務所に戻って一息ついてると、

 

「はい、お疲れ様」

 

リューキュウが飲み物を渡してくれた。

 

「どうも。ありがとうございます」

 

「いえいえ。すごいわね。まだ一年生なのに敵に勝っちゃうなんて」

 

「いやいや、自分はまだまだですよ」

 

「謙遜しないの。たしかに慢心するのもよくないけど自信を持つことってのは大事よ」

 

「ははは……」

 

「そういえば貴方の個性って聞いてなかったわね。どんな個性なの?」

 

その後俺の個性について話すと、

 

「へえ…すごい個性ね」

 

「ええ…まあ…」

 

個性だけって言われるのも慣れたものだ。別に気にしてない

 

「でもまあ個性だけじゃなく、相当鍛えたんでしょ?動きでわかるわ」

 

「あら。変なことを言われたって顔してるわね。今までもよく言われていたのかしら。でも違うわ。貴方は努力してその力を手にしたのよ。決して個性に頼り切りってたわけじゃないわ」

 

嬉しいな。そんなことをレイ子以外に言ってもらえるとはな。

 

見てくれる人は見てくれるということなのだろうか…

 

俺はリューキュウと別れた後公園に行き、休んでると

 

「ちょっとよろしいですか?」

 

「はい」

 

「印照才子と申します。空野真司さんですよね?」

 

「そうですが…」

 

「やっと……!やっと会えましたわ!」

 

そう言って印照さんは急に抱きついてくる。

 

「ちょっ!ちょっと待って!一体何のこと!?」

 

「あら?貴方は覚えていないんですか?五年前のクリスマスのことを?」

 

五年前?クリスマス?

 

ー確かあの日は

 

外でランニングをしてたよな…それで女の子を暴漢からクロックアップで助けて……

 

「あっ!あの時の!?」

 

「ええ、そうですわ。貴方は覚えていなくても私は覚えてましてよ」

 

ちょっと待て、五年前ってよく俺の顔覚えてしたよな…

 

「一目ではわかりませんでしたが、貴方のそのベルトの音声で確信を持てましたの」

 

ディケイドライバーのせい!?

 

「そっ、それで!?何のようですか?」

 

「ふふふ。なんかこう運命的なものを感じましたわ。二度も助けられるなんて。もちろん不快な気はしませんでしたわ。用とはあの時言えなかったお礼を言いに来ましたの」

 

「じゃっ!なんで抱きつくんですか!?」

 

「あら。私にとっては貴方はやっと会えた恩人ですもの。嬉しくてつい…」

 

とりあえず印照さんを引き離す。

 

「体育祭で、貴方の活躍は見させていただきましたわ。素晴らしいですわね」

 

「この後お時間あります?」

 

「ええ、ちょっとだけなら…」

 

「それじゃあ少しお話しません?」

 

「えっ!そっ、それは…」

 

「……お願いします……」

 

上目遣いで頼んでくる印照さん。ちょっ!やめて!断れないから!

 

「はあ…ちょっとだけなら」

 

こうして印照さんの話に付き合うことになった。

 

「へえ。雄英に入ろうとして」

 

「ええ。落ちてしまいましたが、まだ諦めたわけではありません。編入試験でなんとしでも入ってみせます」

 

その後色々な話を聞いてる時に

 

「一つ頼みごとをしてもよろしいでしょうか?」

 

「へ?」

 

「不躾なお願いだと思うのですが…私に格闘技を教えてくださいません?」

 

「すみません。それは雄英に入るためですか?」

 

「ええ。今でも鍛えているのですが…正直編入試験までに間に合うかわかりません…ですので貴方から戦い方を学びたいのです」

 

どうしよっかな〜悪い人ではないんだけどな〜

 

「わかりました。いいですよ」

 

「いいんですか!」

 

「但し、やるからには手を抜くつもりも甘やかすつもりもありません。それでもいいなら」

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

その後お互いの連絡先を交換して、帰ろうとした時、

 

印照さんが再び抱きついてきた。

 

「ちょっ!?印照さん!」

 

「今日の事件でちょっと怖くて…しばらくこのままでいいですか…?」

 

そう言われたら断れる筈もなく、そのままにしておいた。

 

だが、

 

「ねえねえ?真司くん何やってるの♪」

 

振り向くとねじれ先輩がいた。

 

それに俺は恐怖を感じた。

 

笑ってるけど目に光が無い!

 

「ねえねえ♪何やってたか、お し え て ♪」

 

その後何者かの断末魔に近い叫びが夜空に響き渡った。

 

 

 



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保須の戦い1

この作品での印照さんは一年生ということにしておきます。
その方が都合がいいので。


職場体験に来て2日が経った。

 

あの後なんとかねじれ先輩の誤解を解いたが、不機嫌なままだった。

 

ていうか前にもこんなことあったような……

 

職場体験中も印照さんやレイ子たちと連絡を取り合っていた。あっちもあっちでうまくやれているようだ。

 

あと送られてきた髪が変にセットされている爆豪の画像には吹き出してしまったが。

 

「二人ともーそろそろパトロール行くわよ」

 

リューキュウからパトロールの時間になったと告げられる。

 

よし頑張るか!

 

・・・・

 

ー保須市のとあるビルの上

 

突如黒い霧が現れた。

 

「保須市って……思いの外栄えてるな」

 

「この街を正す。それにはまだ…犠牲が要る」

 

そう言ってヒーロー殺しは街を見下ろす。

 

「先程仰っていた"やるべき事"というやつですか?」

 

黒霧が問う。

 

「おまえは話がわかる奴だな」

 

「いちいち角立てるなオイ……」

 

「ヒーローとは偉業を成した者のみ許される称号!!多すぎるんだよ!!英雄気取りの拝金業者が!この世が自ら誤りに気付くまで俺は現れ続ける」

 

「あれだけ偉そうに語っといてやる事は草の根運動かよ。健気で泣けちゃうね」

 

「……そう馬鹿にもできませんよ」

 

黒霧が否定する。

 

「事実今までに彼が現れた街は軒並み犯罪率が低下しています。ある評論家が『ヒーロー達の意識向上に繋がっている』と分析しバッシングを受けたこともあります」

 

 

「それは素晴らしい!ヒーローが頑張って食いぶち減らすのか!ヒーロー殺しはヒーローブリーダーでもあるんだな!回りくどい!……やっぱ…合わないんだよ根本的に…ムカつくしな…黒霧脳無出せ」

 

黒い霧が広がっていく。

 

「俺に刃ァ突き立ててただで済むかって話だ。ぶっ壊したいならぶっ壊せばいいって話…ハハ」

 

「……」

 

「大暴れ競争だ。あんたの面子と矜持潰してやるぜ。大先輩」

 

いい気になってる死柄木。だが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……調子にのるなよ、若造。……やはり後で始末してやる」

 

 

もはや人間ではないヒーロー殺しには全て筒抜けだった。

 

 

 

 

・・・・

 

俺はリューキュウとねじれ先輩とパトロールをしていた。

 

俺にちょっかいをかけてくるのをリューキュウが軽く注意するもはやおなじみの光景だった。

 

ねじれ先輩の機嫌も元に戻ったみたいだ。よかった。よかった。

 

「ねえねえ〜一昨日一緒にいた子って誰?教えて?教えて?」

 

前言撤回。全然元に戻ってなかった。笑ってるが目に光がない!

 

リューキュウもいつもとちがうねじれに苦笑いしていた。

 

俺はリューキュウに目で助けを求めるが、躱されてしまった。

 

(……自分でなんとかしなさい)

 

サイドキックの方々にも視線を向けるが、ねじれの怖さにびびって俺と目を合わせてくれなかった。

 

だれか!助けて!

 

と思っていたら緊急連絡がリューキュウに入った。

 

「はい、こちらリューキュウ。え?何ですって!?」

 

どうしたんだろ?

 

「皆、保須で事件よ!雄英を襲ったとされる脳無が現れたわ!」

 

脳無だって!!

 

「早く現場に向かわないと!」

 

「でもここからじゃ…!」

 

そうこの場から保須までは1時間はかかるのだ。

 

「リューキュウ!個性の使用許可をください!俺なら一瞬でその場に皆を転移させることができます!」

 

「わかったわ!許可します!」

 

俺がオーロラカーテンを出すと、皆がその中に飛び込んだ。

 

「ここは!?保須!?」

 

「すごい!本当に一瞬で!」

 

「さすが!真司くん!」

 

「リューキュウ!俺は何をすれば!?」

 

「逃げ遅れた人たちの避難誘導をお願い!!最悪の場合戦闘を許可します!」

 

そう言われて、俺はすぐに人々の救助を行なった。

 

人々の大半を逃してるうちに、一体の脳無がカップルに襲いかかろうとしていた。

 

そこにヒーローと思われるご老人が止めようとしたが、

 

脳無に向かって炎が襲いかかった。

 

アイツは…!

 

「ヒーロー殺しを狙っていたんだが…タイミングの悪い奴だ。存じあげませんがそこのご老人。俺に任せておけ」

 

エンデヴァー…!

 

「エンデヴァー!」

 

「む?君は空野くんと…リューキュウ?どうしてここに?」

 

「空野くんにここまで連れてきてもらったの」

 

「そうか。君の体験先はリューキュウだったか」

 

「それよりエンデヴァー!状況を教えて!」

 

「見ての通りだ。雄英を襲ったとされる脳無が暴れている。数は三体だな」

 

「エンデヴァーさん!焦凍は!?」

 

「ああ!アイツなら友達がピンチとかなんとか言ってその場に向かってしまった。全くアイツは…!」

 

<アタックライド、スコープ!>

 

焦凍を感知すると

 

「エンデヴァー!焦凍の現在位置がわかりました!ヒーロー殺しと交戦中です!!」

 

 

「なんだと!」

 

「エンデヴァーここは私たちに任せて、貴方は焦凍くんのもとに向かってちょうだい!」

 

「わかった!任せるぞ!」

 

「ディケイド!戦闘許可を出します!一緒に戦って!」

 

「わかりました!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

俺は脳無に向かって飛びかかりライドブッカーで脳無の腕を斬る。

 

だが脳無の腕がみるみるうちに再生されていた。

 

「再生か!」

 

脳無は俺に向かって巨大な腕を振り下ろしたきたが右に避けて

脳無の腹に右ストレートのパンチを入れる。

 

「一気に決着をつけてやる!」

 

<クウガ、アギト、龍騎、ファイズ、ブレイド、響鬼、カブト、電王、キバ!ファイナルカメンライド、ディケーイド!>

 

俺はコンプリートフォームに変身し、

 

<カブト、カメンライド、ハイパー>

 

カブトハイパーフォーム呼び出し、

 

<ファイナルアタックライド、カ、カ、カ、カブト!>

 

俺は再生持ちの脳無に手加減したマキシマムハイパーサイクロンを食らわした。

 

それだけで脳無は動けなくなった。

 

「きゃっ!」

 

声のする方へ向くとねじれ先輩がエンデヴァーが倒してたと思われる脳無に襲われていた。

 

ねじれ先輩が襲われているのに対して俺は体が勝手に動いていた。

 

脳無の攻撃を俺はライドブッカーで受け止めて、

 

「てめえ!俺の大好きな人になにしとんじゃあああ!」

 

そのまま蹴り飛ばした。が我らが真司くんはこの時自分がした発言に気づいてなかった。

 

そして

 

<ブレイド、カメンライド、キング>

 

<ファイナルアタックライド、ブ、ブ、ブ、ブレイド!>

 

ブレイドはキングラウザー、俺はライドブッカーを構えて脳無に向かって斬撃を放つ。

 

飛行型脳無が襲ってきたが、

 

<アギト、カメンライド、シャイニング>

 

アギトシャイニングフォームを呼び出し、

 

<ファイナルアタックライド、ア、ア、ア、アギト!>

 

飛んでいるの腕無に向かって再び斬撃を放った。

 

「すごい!もう倒しちゃったの!?」

 

「俺たちが苦戦した相手を……!」

 

「なんて奴だ…!」

 

脳無を相手にしたと思われるヒーローたちが驚愕の声を上げていた。

 

「リューキュウ!俺はエンデヴァーの元へ向かいます!」

 

「わかったわ!くれぐれも無茶をしないで!」

 

俺はオーロラカーテンを出してエンデヴァー、いや、ヒーロー殺しの元へ向かう。

 

 

 

・・・・

 

 

少し前

 

「騒々しい……やはりアイツらか…後で始末してやる…今は俺が為すべき事をなす」

 

そう言ってヒーローに止どめをさそうとするヒーロー殺し。

 

 

だが、横から飛んできた何者かに邪魔される。

 

それは雄英生徒の緑谷出久だった。

 

「何者だ…貴様は…!」

 

「まさか…こんなところで出くわすとは……!」

 

「ヒーロー殺し!おまえにその人は殺させないぞ!」

 

「ハア……いい目だ…おまえは真のヒーローにふさわしい存在だ。コイツとは違う…」

 

ヒーロー殺しの言葉を無視して緑谷は詰め寄ろうとするが、ヒーロー殺しは刀を振りかざす。

 

その刀をしゃがんで避けてヒーロー殺しを抜いた。振り向きざまにヒーロー殺しは刀を振るうが、緑谷はジャンプして、避け右腕を振るう。

 

「フルカウル…!スマッシュ!」

 

その攻撃はヒーロー殺しの頭に直撃し、普通の人間なら動かなくなるはずだった。

 

そう……人間だったら

 

「ハア……」

 

「効いてない!?」

 

「悪くない…それだけで並、いや大抵の敵は倒されるだろう。俺であっても人間の時ならば倒されていただろう……だが今は違う」

 

その言葉に緑谷は驚愕する。

 

人間じゃない!?どういうことだ!?

 

答えでも見せるようにヒーロー殺しの体が変わっていく。

 

「ハア……」

 

「!?」

 

「さて続きを始めようか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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保須の戦い2

ヒーロー殺しは怪物へと変貌を遂げる。

 

「なっ!なんなんだ!それは!」

 

「…悪いが俺もよく知らない…だが信じられないほどのパワーが出てくる……おまえの反撃はここまでだ…」

 

そう言ったヒーロー殺しは一瞬で緑谷に近づきその爪で切り裂く。

 

「ぐわっ!!」

 

返り血を浴びたヒーロー殺しがその血を舐めると、

 

「ぐうっ!」

 

緑谷の体が動かなくなった。

 

「口先だけの人間はいくらでもいるが…おまえは…生かす価値がある…コイツとは違う」

 

ヒーロー殺しがヒーローに止どめをさそうとした時、

 

「!?」

 

突然炎がヒーロー殺しに襲いかかった。

 

「緑谷、こういうのはもっと詳しく書くべきだ。遅くなっちまっただろ」

 

緑谷が声の方を見ると轟がいた。

 

「次から次へと今日は邪魔がよく入る…」

 

「なんだコイツは…?異形型か?」

 

「轟くん!ソイツがヒーロー殺しだ!」

 

「!?」

 

緑谷の言葉に驚く轟。

 

「コイツが…?テレビで言ってたのと違うぞ…!」

 

「なんかわからないけど、ソイツには普通の攻撃が効かない!僕の攻撃も全然効かなかった!」

 

「なんだと…!?」

 

緑谷の個性は増強型のもの。その攻撃が効かないとなると、打撃はほぼ通じないと言ってるようなものだ。

 

「ならば!」

 

轟は氷結でヒーロー殺しを捕らえようとするが、ヒーロー殺しは信じられないほどのスピードで躱し、轟に近づくと爪を振るうが、轟も反射神経でギリギリ躱した。

 

だが、轟は思わず息を呑んだ。ありえないほどのスピード。個性とは思えないほどの力

 

ヒーロー殺しが人間なのかと疑ってしまった。

 

「おまえは…!?」

 

「ハア…おまえも良い……」

 

ヒーロー殺しは轟に向かって飛び、轟は反応できずに、モロに蹴りを食らってしまった。

 

轟はその一撃で骨が軋むほどのダメージを食らっていた。

 

「ハア……相手が悪かったな…俺じゃなけりゃおまえも勝てただろうに…」

 

ヒーロー殺しは轟を見下ろす。

 

轟がヒーローを守ろうとしても体が動かなく、緑谷もヒーロー殺しの個性で動けなくなっていた。

 

二人の想いも虚しくヒーロー殺しは自身の爪でヒーローを突き刺した。

 

それを受けたヒーローは灰のようになり崩れてしまった。

 

二人の目から光が消える。

 

「ああああああああ!!!」

 

「くっ!!」

 

ヒーローは殺されてしまった。その事実は二人を追い込むのに充分なものだった。

 

ヒーロー殺しは倒れている二人を無視して人間態に戻り路地裏から出るとそこにいたのは

 

「エンデヴァー…!」

 

「ヒーロー殺し!」

 

ヒーロー殺しとエンデヴァーが対峙する。

 

「貴様…焦凍たちはどうした?」

 

「…ああ、あの子供のことか。安心しろ。アイツらは殺しちゃいない」

 

エンデヴァーは安心すると同時にヒーロー殺しの言葉に疑問を抱く。

 

「おい。アイツらはと言ったな。まさか!」

 

「ハア…感がいいな。ヒーローは殺させてもらった」

 

「なんだと!」

 

ヒーローが殺された。それは焦凍たちが守れなかったということになる。

 

「バカな…!」

 

「ハア…エンデヴァー…おまえも偽物だ…!おまえも粛清対象だ!」

 

と同時に再び怪人態になる。

 

「なんだそれは!」

 

「ハア…驚かれてばっかだな…まあ俺もこの力には驚いているが…」

 

その言葉と同時にヒーロー殺しは飛び出した。

 

エンデヴァーは咄嗟に避けるがヒーロー殺しが振るった爪を避けることができなかった。

 

「ぐわっ!」

 

エンデヴァーの血をヒーロー殺しが舐めると、エンデヴァーも緑谷同様動けなくなった。

 

動けなくなったエンデヴァーに聞こえてきた声が

 

「父さん!」

 

・・・・

 

俺はなんとか動く体を這いずりながら路地裏から出ると、そこで見たのはエンデヴァーが倒れている姿だった。

 

「父さん!」

 

俺は今まで父が憎かった。

 

父はオールマイトを超えるためだけに俺や母さんを利用し、母さんに対しても暴力を振るっていた。

 

5歳の頃にしごかれていた俺も心が限界だった。

 

だがそれ以上に母さんも父によって追い詰められていた。

 

そして俺に煮え湯を浴びせた。

 

あの時の母さんの行動が当時の俺には信じられないようなものだった。

 

そして母さんの優しい言葉をアイツに会うまで忘れていた。

 

今でも父さんを許したかと言われれば許してるわけではない。

 

だが、父さんも過去を償おうとしている。俺や家族と向き合おうとしている。

 

体育祭の時に言われた言葉に対して俺は何も言い返せなかった。

 

そこには確かに、今までかけてもらえなかった父としての優しい想いがこもっていたからだ。

 

あの時の俺の感情はぐちゃぐちゃだった。父を憎もうにも憎めない。

親子としての愛を確かめようにも確かめれない。そんな感情だった。

 

昔の俺だったら今の光景もスルーできたと思うだろう。

 

でも今は…!父さんを失いたくない!

 

「やめろおおおお!!」

 

ヒーロー殺しが父さんに向かって爪を振り下ろそうとした時!

 

銀色のオーロラが現れた。

 

アイツが来た!と思ったがそこから現れた人物はアイツじゃなかった。

 

「ハア…何者だ…貴様…」

 

 

「俺か?俺は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

通りすがりの仮面ライダーだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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ディケイドvsディケイド

轟焦凍視点

 

「通りすがりの仮面ライダーだ」

 

そう言って現れた人物が持っていたものに俺は驚いた。

 

それはアイツがベルトにしているものと全く同じやつだったからだ。

 

その人物が腰にかざすとベルトとなった。

 

「変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

俺もヒーロー殺しもヤツが変身した姿にまたも驚いた。それはまさしくアイツが変身する姿そのものだったからだ。

 

「なんだと!おまえは一体!」

 

「へえ?俺のことを知ってるような口ぶりだな。いや違うか。ディケイドを知ってるような口ぶりだな。俺がディケイドということを知らずにディケイドを知ってるのはどういうことだ?」

 

どういうことだ?アイツの個性をなぜヤツが持っているんだ!?

 

いや、待てよ。ヤツは自分のことをディケイドだと言った。

 

俺やクラスのやつら以外にディケイドのコードネームは話してないのに何故ヤツが知っている?

 

まるでヤツが本物のディケイドだと言わんばかりだ。

 

「さて、行くか」

 

「グッ!」

 

ヒーロー殺しが怪人態になると

 

「オルフェノクか。だったらコイツが良さそうだ」

 

オルフェノクだと!?ヤツはヒーロー殺しのあの姿について知ってるのか?

 

<カメンライド、ファイズ!>

 

ヤツの姿が光に包まれると、ヤツの姿が変わっていた。

 

ヤツは怪人となったヒーロー殺しに向かって走り出した。

 

ヒーロー殺しの攻撃より先にヤツの蹴りが早く、ヒーロー殺しは吹っ飛んだいった。そしてヒーロー殺しの様子に俺は驚いた。

 

「ぐっ!ぐわあああ!」

 

あのヒーロー殺しが苦しみだしたからだ。

 

緑谷の攻撃をもろともしなかったヤツなのに

 

「何故だ……何故ダメージが……!貴様は…!」

 

「悪いが…これで終わりだ」

 

<ファイナルアタックライド、ファ、ファ、ファ、ファイズ!>

 

ヤツが足から放ったエネルギーはヒーロー殺しを拘束し、ヤツはそのエネルギーに飛びこんで、ヒーロー殺しを貫いた。

 

直後、なにかの紋章のようなものが浮かび、ヒーロー殺しは灰となった。

 

「この程度か…」

 

去ろうとするディケイドに俺は

 

「…待て」

 

「ん?」

 

「おまえは…何者なんだ。何故おまえがアイツの個性を」

 

「ほう。やはり俺以外にディケイドがいるのか?詳しく聞かせてくれ」

 

ディケイドが俺に近づこうとした時、

 

銀色のオーロラが再び現れ中からもう一人のディケイドが現れた。

 

「真司!」

 

「焦凍!?」

 

やっぱりこっちが真司だったか。

 

「ほう。おまえがもう一人のディケイドか」

 

 

・・・・

 

ディメンジョンオーラをくぐって転移した俺は驚いた。

 

何故ディケイドがいるんだ!?

 

この世界には俺しかディケイドはいないばずだ!

 

「ほう。おまえがもう一人のディケイドか」

 

もう一人のディケイドはそう言った。

 

「…アンタ…門矢士か?」

 

「「!?」」

 

「ほう。俺を知ってるのか。だが、何故おまえは俺を知ってるんだ?」

 

・・・・

 

「…アンタ…門矢士か?」

 

真司がそう言ったのに対して俺も父さんも驚きを隠せなかった。

 

真司はヤツのことを知ってるのか?

 

「ほう。俺を知ってるのか。だが、何故おまえは俺を知ってるんだ?」

 

全くもってその通りだ。俺もヤツの名前など知らない。

 

だが真司はヤツと同じ力を持っていて、その上ヤツのことを知っているようだ。

 

…真司おまえは一体何者なんだ!?

 

・・・・

 

俺はディケイドいや、門矢士に言われたことに動揺を隠せないでいた。

 

俺がコイツを知ってるのはテレビで見たからなんて言えねえ…!

 

「おまえ…?この世界の人間じゃないだろ」

 

「「!?」」

 

俺は門矢士に言われたことに何も言い返せないでいた。

 

「図星か…まあいい。じゃあ次だ。何故おまえがその力を持っている」

 

俺は黙り込む。

 

「まあいい。ちょっと遊ぼうぜ」

 

そう言った門矢士は俺に向かってくる。

 

アイツの蹴りを反らして避け、ライドブッカーで斬りかかるが、士はよけ、俺に蹴りをくらわせた。

 

「だったら!」

 

<カメンライド、龍騎!>

 

<カメンライド、龍騎!>

 

お互いに龍騎に変身して、殴り躱し、蹴り躱し、を続けあっていた。

 

<アタックライド、アドベント!>

 

<アタックライド、アドベント!>

 

今度はお互いにドラグレッダーを呼び出して、

 

戦わせた。

 

戦ってる中ディケイドは俺に聞いてきた。

 

「おまえは一体何者なんだ!?」

 

その問いに俺は

 

「アンタこそ一体何者なんだ!?」

 

お互いに互いのパンチを食らって吹っ飛んだ。

 

<フォームライド、ファイズ!アクセル!>

 

<カメンライド、アギト!>

 

俺はファイズ、士はアギトに変身した。

 

<スタートアップ>

 

俺は士に向かって攻撃したが、

 

士にギリギリで避けられてしまったのだ。

 

続けて攻撃を仕掛けるが見切られつづけ、

 

再び攻撃を仕掛けた際にカウンターを食らってしまった。

 

俺は吹っ飛ばされアクセルフォームは解除された。

 

「なかなかやるな。だが俺には及ばない」

 

<ファイナルアタックライド、ア、ア、ア、アギト!>

 

士のライダーキックで俺は吹っ飛ばされ、変身が解除されてしまった。

 

士が俺に近づいてきた時、

 

「おっと、そろそろ時間だ。また会おう。この世界のディケイド」

 

そう言って去っていくもう一人のディケイドに俺は悔しさを感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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説明

オリ主の正体が明らかになります。


職場体験が終わってすぐに俺は校長室に呼ばれていた。

 

そこには校長だけじゃなく、相澤先生、オールマイト、そして何故か焦凍とエンデヴァーもいた。

 

「やあ、ようこそ!空野くん!職場体験終わったばかりだってのにごめんね!君には聞きたいことがあってね」

 

俺は今ものすごい戸惑っていた。なんで呼び出されたんだ?

 

「単刀直入に聞こう。君は一体何者なんだ?」

 

「…質問の意味がわかりませんが…?」

 

「そうかい、ならこれを見てもらおう」

 

そう言って校長はリモコンを操作する。

 

テレビに映ったのは門矢士がディケイドに変身する場面と俺がディケイドと戦うのところだった。

 

セリフもしっかりと録音されていた。

 

『オルフェノクか…』

 

『…アンタ…門矢士か?』

 

『おまえ…?この世界の人間じゃないだろ』

 

「これは防犯カメラの映像の一部だ。見てもらったとおり無視できないものが録音されていた。現れたもう一人のディケイドや灰色の怪物、そして君の正体。さてもう一度聞こう。君は一体何者なんだ?」

 

そこには有無を言わさない迫力があった。

 

「…その前に、何故焦凍とエンデヴァーがこの場にいるんですか?」

 

「轟くんたちにはあの場にいた証言者として来てもらってるのだよ。

勿論ここで話したことも口外しないように言ってある」

 

「わかりました。信じてもらえないかもしれませんが俺の正体を話します。俺の力についても」

 

その後俺は自分のことを話した。

 

自分は転生者ということや、ディケイドの個性は死神に貰った特撮の力だとか、この世界は元いた世界では漫画とされていてその記憶は死神によって消されたのだとか。

 

「なるほど……君はこことは違う世界から来た転生者であり、君の個性は死神から貰った特撮の力で、この世界は君の元いた世界では漫画として扱われていて、君はその記憶について消されていると…にわかには信じがたいが確かに辻褄があうね…」

 

相澤先生やオールマイト、焦凍やエンデヴァーも驚いていた。

 

「それで仮面ライダーとはなんなんだい?」

 

「仮面ライダーとはこの世界で言うところのヒーローです。仮面を被ってバイクで登場するので仮面ライダーと呼ばれています」

 

「じゃあ門矢士ってのはどんな人物なんだい?」

 

俺は門矢士について知ってる限りのことを話した。

 

仮面ライダーディケイドは元々悪の秘密結社が作った力でライダーを倒すために作られた力で門矢士は世界を破壊する存在として忌み嫌われていたとか。ディケイドは他のライダーに変身できることや。

 

「なるほど…君が言う仮面ライダーについても分かった。確かに君の世界で漫画とされていた、この世界が実在するなら仮面ライダーの世界も実在してもおかしくはない…」

 

校長は一人で納得していた。

 

「じゃあオルフェノクってのはなんなんだ?」

 

今度は相澤先生が聞いてきた。

 

「オルフェノクはある条件を受けた人間がなる怪人です」

 

「その条件とは?」

 

今度はオールマイトが聞いてきた。

 

「死です」

 

「「「「「!!?」」」」」

 

「オルフェノクは死んだ人間が蘇ってなる怪人なんです」

 

「じゃあ、ヒーロー殺しも…?」

 

「ええ。オルフェノクに殺されたでしょう」

 

エンデヴァーの疑問に俺が答えた。

 

「オルフェノクってのは倒せるのか?」

 

相澤先生の疑問に俺は

 

「普通じゃほとんど無理ですね。オルフェノクを倒すにはファイズ系統のライダーになるしかないですね」

 

「ファイズってのは?」

 

「オルフェノクの王を守るために作られた三本のベルトのことです」

 

「ちょっと待て、空野。オルフェノクの王を守るためのベルトが何故オルフェノクを倒すものなるんだ?」

 

「ファイズは普通の人間には変身できません。オルフェノクにしか変身できないものなんです。オルフェノクは人間に紛れ人間を襲っていました。だが、ある一人のオルフェノクはそれで人間に害するオルフェノクたちを倒して行きました」

 

俺の説明に相澤先生たちは驚いていた。

 

「彼の名前は乾巧。人間の夢を守るために戦った一人のオルフェノクです」

 

「彼はオルフェノクでも人間と分かり合えると信じていました。そして人間を守るためにファイズのベルトで戦っていたんです」

 

「成る程、だからオルフェノクを倒すベルトになったのか。しかし、会ってみたいな、ソイツに」

 

「だが、不味いな。ヒーロー殺しがオルフェノクになったということはこの世界にオルフェノクも来ているってことだ。ライダーの力でしかほとんど対抗できないとなると…」

 

「まあ、そのことについては今度教師陣で話すさ!それよりも今日はありがとうね!」

 

「真司…」

 

「なんだ焦凍?」

 

「おまえが誰であろうがおまえは俺の友達であり、ライバルだ」

 

焦凍は笑ってそう言った。

 

「そうだな!」

 

 

俺は校長室から出て、右を見るとそこにはレイ子とねじれ先輩、茨と一佳がいた。

 

 

「…聞いちゃった?」

 

「…うん」

 

「えっ、え〜っとね、これはそのあれだな」

 

と誤魔化そうとしてたらレイ子たちがだきついてきた。

 

「気にしてないよ…真司が何者なんて…真司は真司だもん…なんであろうとも、私たちにとって大好きな人なんだから…」

 

そう言ってレイ子は泣いていた

 

そうか俺は一人じゃないんだ。これからは気をつけないとな…

 

「ごめん…レイ子…みんな…」

 

「うん…」

 

そうやって抱きしめ続ける。

 

うん?ちょっと待て、あの時レイ子なんて言った?

 

私じゃなくて、私たち?

 

まっ、まさか!?

 

「レイ子」

 

「ナニ?」

 

「さっきなんて言った?」

 

そう聞くと皆の顔が赤くなっていく。

 

そして皆照れたように頰を染める

 

それを見てると幸せを感じる。

 

ああ、そうか…俺はもう…

 

「ねじれ先輩」

 

「うん?」

 

「茨」

 

「はい?」

 

「一佳」

 

「なに?」

 

 

顔を赤くしながら皆は答えてくれる。

 

「俺も皆が好きです」

 

その言葉にねじれ先輩たちは涙を流していた。

 

「ちょっ!何か変なこと言いました!?」

 

「違うの…嬉しくて…真司くん私のことも好きなんだって…」

 

「はい…ようやく結ばれる時が来たのです…」

 

「うん…!私も、いや私たちも真司が好き!」

 

「ありがとう…」

 

俺たちは抱きしめて幸せを実感していた。

 

・・・・

 

 

その頃校長室では

 

「よかったんですか?校長」

 

「何をだね?」

 

「気づいてたんでしょう?アイツらがいるって」

 

「「「!!?」」」

 

相澤の言葉に驚くオールマイトたち。

 

「彼女らは信用できるからね」(それに彼はオールマイトみたいに一人で抱え込んじゃダメなんだ…)

 

「……ヤツが何者であろうと、俺はヤツを信じている」

 

エンデヴァーの発言に驚く一同

 

「まあ、彼がヒーローを目指しているなら私たちがやるべきことはそれを導いてあげることさ。例え彼が何者であろうともね」

 

校長の言葉に頷く一同

 

(真司がなんであろうが俺も父さんと同じように信じる。アイツは俺を助けてくれたんだ今度は俺が助けなきゃならない)

 

 

 

 

 

 




やっぱりオリ主は人間のほうがいいと思い再度変更しました。
グダグダですがこれからもよろしくお願いします…


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異世界の訪問者

俺はねじれ先輩たちに告白した後緑谷のもとへ向かった。

 

どうやらヒーロー殺しからヒーローを守れなかったらしい。

 

その事実がアイツを追い込んでいるんだろうな……

 

教室にいる緑谷の雰囲気はとても暗いものだった。

 

俺は緑谷に近づき

 

「おい、緑谷」

 

「…何?」

 

「おまえいつまで落ち込んでるんだ?そろそろ元気だせよ。落ち込んでるとおまえらしくないぞ。おまえはヒーローになるんだろ」

 

「…ハハ。僕が…?冗談言わないでよ。僕は一人も救えなかった…僕はヒーローなんかじゃない…」

 

そう言って自虐する緑谷

 

「ハア…緑谷ってこの程度なのか?」

 

「!?」

 

突然俺に摑みかかる緑谷

 

それに驚くクラスメイト

 

「なんて言ったんだ!」

 

「そのまんまさ。おまえはこの程度なんだなあって。だってそうだろう?確かにおまえは今回は救えなかった。落ち込むのもわかる。だからってずっと落ち込んでる場合か?ヒーローなら次に救う為にするべきことがあるだろうに」

 

「…っ!それはそうだけど…」

 

「おまえは何になりたかったんだ?おまえが本気で目指したものは何だ?」

 

ー僕は

 

「…なりたい」

 

「うん?」

 

「…僕はヒーローになりたいんだ!」

 

「…へえ」

 

「オールマイトをも超える最高のヒーローになりたいんだ!」

 

緑谷の声が教室中に響き渡る。

 

「そうだ。それだよ。緑谷。それこそ俺が知ってる緑谷出久じゃないか」

 

俺が教室から出ようとすると

 

「真司くん…ありがとう」

 

「気にするな」

 

俺は教室を後にする

 

・・・・

 

午後のヒーロー基礎学

 

「ハイ、私が来た」

 

スルッと入るオールマイト。ネタが尽きたのか?

 

そう思ってたら皆が思ってたことを口にする。

 

「…職場体験直後ってことで今回は遊びの要素を含めた。救助訓練レースだ!!」

 

「救助訓練ならUSJでやるべきなのではないでしょうか!?」

 

「あそこは災害時の訓練になるからな。私は何て言ったかな?そうレース!」

 

「ここは運動場γ!複雑に入り組んだ迷路のような細道が続く密集工業地帯!五人四組に分かれて一組ずつ訓練を行う!私がどこかで救難信号を出したら街外から一斉スタート!誰が一番に私を助けに来てくれるかの競争だ!!もちろん建物への被害は最小限にな!」

 

「指指すなよ」

 

そう言われて俺と轟、爆豪が指される。

 

「じゃあ始めの組は位置について!」

 

一組目

 

瀬呂

尾白

芦戸

緑谷

飯田

 

「トップ予想な!俺瀬呂が一位!」

 

「うーん。でも尾白もあるぜ」

 

「オイラは芦戸!アイツ運動神経めっちゃすげえぞ!」

 

「飯田くんもある気がするなあ」

 

「緑谷はどうだ?」

 

各々が自分の意見を述べているうちに試験は始まった。

 

スタートと同時に瀬呂がテープで上へ移動し、そのまま進もうとした時に

 

「おーっと、今回は俺にうってつけすぎ」

 

何かが横切った

 

「うってつけすぎる!修行に!」

 

緑谷がフルカウル状態で足場と足場を義経みたいに跳び、瀬呂より早く進んでいた。

 

そういやアイツの出力上がってないか?その様子に皆は驚き、爆豪はワナワナと震えていた。

 

緑谷が一位になると思われたが足場を踏み外してしまい瀬呂が一位となった。

 

次は俺の番だったが一瞬で終わってしまった。

 

俺?

 

クロックアップで1秒でたどり着いた。

 

戻ってきたらレイ子たちに白い目で見られた。

 

 

 

・・・・

 

訓練が終わり更衣室では

 

「空野!おまえ早すぎだろ!」

 

「そうか?あれでも普通なんだがな」

 

皆から詰め寄られていた。

 

「おいおい緑谷!やべえ事が発覚した!これ見てみろよ!」

 

峰田が指を指した先は隣が女子更衣室の壁にある穴。

 

「峰田くんやめたまえ!ノゾキは立派なハンザイ行為だ!」

 

「先輩方の努力の結晶!使わずしてどうする!」

 

飯田が注意するも全く聞く耳を傾けない。

 

コイツブレないな…

 

<アタックライド、ブラスト!>

 

性欲葡萄を気絶させる

 

「レイ子この穴塞いでおいて」

 

「わかった」

 

八百万の創造があれば簡単だろう

 

「ち、畜生…!空野の奴め…!」

 

・・・・

 

「夏休み林間合宿やるぞ」

 

「知ってたよーー!!やったーー!!」

 

教室が一気に盛り上がる。

 

「ただし、期末テストで合格点に満たなかった奴は…学校で補習地獄だ」

 

「皆頑張ろーぜ!!」

 

切島うるさい。

 

HRが終わり相澤先生が出て行くと、

 

「全く勉強してねーー!!」

 

上鳴の叫びが教室に響く。まあ無理もない。アイツ中間テストでクラス最下位だったもんな。

 

「体育祭やら職場体験やらで全く勉強してねーー!!」

 

「演習試験もあるのが辛えとこだよな」

 

峰田が余裕そうに言い放った。まあアイツ勉強はそこそこできるからな。中間テストでも9位だったし。

 

「おまえみたいな奴はバカで初めて愛嬌出るんだろが…!どこに需要あるんだよ…!」

 

「"世界"かな」

 

何言ってんだコイツ?

 

「芦戸さん上鳴くん!が…頑張ろうよ!やっぱ全員で林間合宿行きたいもん!ね!」

 

「うむ!」

 

「普通に授業うけてりゃ赤点は出ねえだろ」

 

フォローする秀才組。ちなみに緑谷は4位、飯田は2位、轟は6位だった。

 

俺?俺は5位の成績。レイ子は7位だったな。

 

「お二人とも。座学なら私お力添えできるかもしれません」

 

「ヤオモモーー!!!」

八百万の言葉に上鳴たちだけでなく耳郎、瀬呂、尾白も集まる。

 

「皆さん…!良いデストモ!!」

 

アイツらは八百万に教えてもらうようだ。

 

「真司」

 

「レイ子?」

 

「一佳たちと一緒に勉強する?」

 

「いいんじゃないか?」

 

「うん!」

 

俺は一佳と茨に連絡を入れると、

 

返答は"一緒に勉強しよう!"だった。

 

・・・・

 

 

珍しく俺は一人で帰っていた。レイ子は図書委員の仕事があるからだそうだ。

 

人通りの少ない路地を歩いていると後ろに気配を感じた。

 

「君がこの世界のディケイドか…」

 

声の方向へライドブッカーの銃口を向けた。

 

「鳴滝…何の用だ…?」

 

俺はコイツを知っている。

 

ディケイドを敵視する預言者紛いなヤツで、その正体は公式ですらも明かされなかった一番警戒するべき人物だ。

 

「ホウ…やはり私のことを知っていたか。君がこの世界の人間ではないからか」

 

「…何の用だ…ディケイドである俺を潰しにきたか…?」

 

「いや、そのつもりはない。君の力はディケイドであってディケイドではない。世界を破壊する存在ではない君に私は何もしない」

 

「…なら何の用だ…ハッキリと言え」

 

「わかった。君に門矢士を倒してほしい」

 

「…何だと…!」

 

その内容はある意味想定内だったが驚いたふりをしておこう。

 

「…なぜ、俺に頼んだ。おまえならダークライダーを呼べばディケイドを倒すこともできるんじゃ…」

 

「今のディケイドはダークライダー程度じゃ倒すことができない。ならば同じ力を持つ君に倒して欲しい」

 

「ハッキリ言っておこう。俺にメリットがない。やる意味がない」

 

「…そうかな?オルフェノクがこの世界に現れたのもディケイドのせいだとは考えないのかな?」

 

「……」

 

「ディケイドはやがてこの世界をも破壊する。そうなる前にディケイドを倒さなくてはならない」

 

「なら一つ聞かせろ」

 

「なにかな?」

 

「鳴滝…おまえはだれの味方なんだ?」

 

「…どういう意味だね?」

 

「ディケイドによって世界が滅びるのを止めようとしているだけなら、人類の味方と言えなくはないが、世界を幾度も救っているディケイドを倒そうとするならおまえが人類の敵なのか味方なのかわからない。挙句の果てにディケイドを倒す為に人類の敵であるショッカーとも手を組んだこともあるおまえを信用するのは難しい。」

 

「なるほど…確かに君の言う通りだ。私はディケイドを倒すためとはいえ、ショッカーに一度身を堕としてしまった。それは今でも後悔している。だが今、この世界はオルフェノクの脅威に晒されようとしている!君の協力が必要なんだ。勿論私も手を尽くそう」

 

そう言って鳴滝はアタッシュケースを渡してきた。

 

中を開くと

 

「これは…!?」

 

「オルフェノクに対抗するための力だ。君が信じた者に渡してもらいたい」

 

「わかったよ。オルフェノクにこの世界を好きにはさせないからな。アンタを信じてみるよ」

 

「感謝する」

 

去ろうとした鳴滝に俺は

 

「そういや俺の質問に答えてないよな。鳴滝おまえはだれの味方なんだ?」

 

「私は"世界"の味方さ」

 

峰田とは言葉の重みが違うな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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試験開始!フルスロットル!

筆記試験が終わって演習試験当日

A組の面々はバスのターミナルへ集合していた。

 

「それじゃあ演習試験を始めていく。この試験でも勿論赤点はある。林間合宿行きたきゃみっともねえヘマはするなよ」

 

しかし、ロボとの試験だとねじれ先輩から聞いていたのに先生多いな…?

 

「先生多いな…?」

 

耳郎が皆が思ってたことを口にした。

 

そう思ってると相澤先生の後ろから校長先生が現れ試験の説明をしてくれた。

 

敵活性化の恐れがある中でロボとの戦闘は実戦的ではないとのことで教室陣と二人一組のペアで戦う試験となったとか、対戦する教師とペアの組み合わせは先生の独断で組んだとか、体重の半分の重りを教師にハンデとしてつけるとか、ハンドカフスをかけるかゲートから出れば勝ちなど諸々の説明を受けた。

 

その後それぞれの組み合わせが発表されていき、

 

「柳と爆豪がチームで、相手はプレゼントマイクだ。」

 

レイ子と爆豪だと!個性はともかく性格が合う気がしない…!

 

それも見据えているってことか…大丈夫かな…

 

「最後に緑谷と空野だが相手は……」

 

呼ばれた俺の名前に皆は

 

「空野と緑谷か〜」

 

「空野に勝てる先生っているのか?」

 

「緑谷も身体能力高いからな〜」

 

「…確かに、空野っていろんな能力あるもんな…」

 

ここにいる教師は全員呼ばれたよね?じゃあ誰だ?

 

……まさかな……

 

とその時後ろから人影が見え、前に降りてきた。

 

…おいおい

 

「…相手は私がする」

 

『オールマイト!?』

 

皆が一斉に驚く。

 

俺だって驚いたよ。オールマイトが相手だと勝てるか難しい。

 

まあムテキを使えば…

 

「ああ、ちなみに空野。ムテキは禁止だ」

 

やっぱりー。まじかーまあムテキ無しでも勝てなくはないけど。

 

組み合わせが発表された後、最初の組以外はモニタールームへ向かい対戦の様子をみる。

 

最初は切島砂糖ペアだった。

最初はセメントスの攻撃を凌いでいたが消耗戦に極端に弱く、後半でゴリ押しされてしまい。負けてしまった。

 

続く蛙吹、常闇チームは、常闇の光以外の意外な弱点が発覚し、それを蛙吹がカバーする中でゲート前に向かったところをエクトプラズム先生に拘束されたが、蛙吹が胃袋に保管していたカフスをダークシャドウに持たせて条件を達成した。

 

試験を見ていく中でこの組み合わせと相手の選出がそれぞれの弱点と相性を突いたものだとわかった。先生たちが生徒の弱点を的確に突いてくるのは流石と言わざるをえない。

 

ちなみにレイ子と爆豪の試験はプレゼントマイクの声の方向へレイ子が森の木々を投げつけてあっけなく試験クリアとなった。

 

そしていよいよ俺たちの番になった。

 

・・・・

 

試験会場にスタンバイした俺たちは作戦の確認を行っていた。

 

「やっぱり僕は逃げるべきだと思うんだよ」

 

「俺も賛成だな。まあいざとなったら俺が足止めをする。個性が制御できないおまえとオールマイトじゃ勝負にならないからな」

 

「…うん」

 

…やっべ。もうちょっと言い方を考えるべきだったか?

 

『それじゃああ行くぜ!!演習試験!スタート!!!』

 

プレゼントマイクの放送と同時に隠れながらゲートを目指す。

 

隠れて移動する中でもオールマイトの位置を確認しようという考えは忘れずに辺りを見渡していると、突然、衝撃波か俺たちを襲った。

 

「街への被害などクソくらえだ。試験なんだと考えてると痛い目みるぞ。私はヴィランだ。ヒーローよ。真心込めてかかってこい」

 

モニタールームでは

 

「やべええって!!オールマイト!」

 

「いくら空野でもこれは……」

 

「真司…!」

 

オールマイトが一気に近づいてくると

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

ディケイドに変身して迎え撃つ。

 

お互いの拳がぶつかるとその余波で建物の一部が吹き飛んだ。

 

「うおおぉぉい!!!二人ともすげええぇって!!」

 

「だが、僅かだがオールマイトが押してますね」

 

<アタックライド、イリュージョン!>

 

俺は六人に分身して、オールマイトに迫る。

 

俺の連携攻撃に対してオールマイトは

 

「Texasスマッシュ!」

 

一発で吹き飛ばされた。

 

やっぱり最初の一撃は手加減してたのかよ…!

 

「だったら!」

 

<カメンライド、ドライブ!>

 

<ドライブ!タイプスピード!>

 

ドライブに変身してオールマイトにフェイントを仕掛け、回し蹴りを食らわせた。

 

「ぬうっ!」

 

ドライブはそのまま加速してオールマイトの背後に回り込み横っ腹に蹴りを入れた。

 

そのままオールマイトの行く先に加速して回り込んで、連打を繰り返したが、

 

「ぬおっ!」

 

クロスした腕を開いて爆風を起こして俺を吹っ飛ばした。

 

だがこれでいい。時間を稼げば緑谷がゲートに飛び込んでくれる…と思っていたが

 

「Detroitスマッシュ!」

 

オールマイトは逃げる緑谷に対して一撃を放った。

 

衝撃波で緑谷は飛ばされてしまい、俺も余波で緑谷のところまで飛んでいった。

 

緑谷を確認すると足が一本折れているようでとても自力で逃げられる状態じゃなかった。

 

俺はオールマイトに向かって走り、走った勢いをつけて飛び蹴りを放ったが両腕をクロスして防いだオールマイトはその両腕を再び開いて、その時の衝撃波を俺もクロスした腕で防ぎオールマイトの懐に潜り込んで、一撃を放った。

 

オールマイトが吹っ飛んだのを見て俺は

 

<フォームライド、ドライブ!タイプフォーミュラ!>

 

<ドライブ!タイプフォーミュラ!>

 

タイプフォーミュラに変身して、

 

緑谷を抱えて加速してゲートに向かって走る。

 

よし!このまま逃げ切る!

 

と思ってたら

 

「New Hampshireスマッシュ!」

 

加速したオールマイトに追いつかれて

 

回し蹴りを食らってしまい、抱えていた緑谷を放してしまい、俺はビルの壁に叩きつけられた。

 

俺は痛む体を奮い起こして立ち上がった。

 

緑谷はオールマイトの後ろまで吹き飛ばされている。

 

「…やっぱりオールマイト相手に逃げ切ると思ったのは甘かったな」

 

「ハハハハハ!いや、なかなかよかったよ!もう少しで逃してしまうところだったよ!!」

 

「だから…俺の全力をぶつける!」

 

「今までは本気じゃなかったというのかな?それでは私を舐めていることに聞こえるが…」

 

「違うな。この姿で逃げ切れると思っていたが、無理だった。だったらパワーに全てを賭ける!」

 

「ハハハハハ!なるほど!それはスピード特化というわけか!いやいや疑ってしまいすまない。ならば私も本気を出すぞ!」

 

オールマイトの言葉にモニタールームの教師陣は

 

「え?」

 

「大丈夫ですか…」

 

「これ試験だということを忘れてるんじゃ…」

 

心配の声が次々とあがっていく。

 

<フォームライド、ドライブ!タイプトライドロン!>

 

<ドライブ!タイプトライドロン!>

 

俺はタイプトライドロンに変身して

 

「行くぞ!オールマイト!!」

 

一気に詰め寄って連打のパンチを打ち込む。

 

それに対してオールマイトは防御で精一杯だった。

 

「マジかよ…!」

 

「オールマイトが押されているぞ!」

 

「空野やつすげえ…!」

 

「行けー!真司ー!」

 

モニタールームも盛り上がる。

 

ドライブが次の一撃を加えようと振りかぶった時に

 

「Detroitスマッシュ!」

 

オールマイトもドライブの攻撃に合わせてお互いのパンチがぶつかった。

 

衝撃波がとんだが二人ともビクともせずにパンチの連打を打ち続けた。

 

その余波で周りの建物は吹き飛び、辺りは更地と化した。

 

オールマイトと俺、両方の膠着状態が続く中で

 

ガチャン!

 

オールマイトの腕にカフスがかけられた。

 

「これは!」

 

「よくやったな…緑谷」

 

「いやいや、してやられたよ。空野少年、緑谷少年」

 

「アナタと戦って勝てるか怪しかったので試験のルールで勝たせてもらいました」

 

そう、オールマイトの気を引いてる間に緑谷は残ったもう一方の足でオールマイトに一気に接近して、カフスをかけた。

 

オールマイトは俺と戦ってたのもあり、緑谷の接近に気がつかなかった。

 

「でも、僕真司くんに任せっぱなしだった。僕がクリアでいいのかな…」

 

「何行ってるんだ。緑谷、おまえのおかげで無理することなく勝てたんだ。おまえは充分に自分の役割を果たした。ありがとうな」

 

「その通りだぞ!緑谷少年。これが実戦でも君は充分に活躍したことになるんだ!もっと自信を持ちたまえ!」

 

「オールマイト…!真司くん…!うん!」

 

モニタールームでも

 

「アイツらすげー!オールマイトに勝った!」

 

「見事…!」

 

「やっぱり真司は凄い!」

 

『空野、緑谷ペア!条件達成!』

 

こうして俺たちは試験を突破した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




レイ子の試験を短縮して申し訳ありません…

ちなみに原作と違うのは耳郎が障子と組んだことだけです。


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閑話 ねじれちゃんとのデート

日曜日の朝、それは今日何をするかと人々が悩む時間であるだろう。

 

勿論予定が既に決まっている人もいるだろう。

 

さて何故こんな話をしたかというと俺の今月の日曜日の予定はアイツらによって全て埋まってしまったからだ。悪い気はしないんだがなんだかアイツらに逆らえる気がしない。

 

そんなことを考えながらラノベを読んで待っていると

 

「あっ!真司くん〜!」

 

ねじれ先輩がやってきた。

 

今日はねじれ先輩とのデートなのだ。勿論俺もウキウキしている。

 

やってきたねじれ先輩の姿に俺は見惚れてしまった。

 

ねじれ先輩の格好はフリルブラウスに白スカートとという夏のコーデでいつものねじれた水色ロングの髪は爽やかさを感じさせるものだった。

 

「真司くん、どう?わ…私のカッコ…?」

 

ねじれ先輩の格好に周りの男たちは目を奪われていた。勿論俺もだ。

 

そりゃそうだ。誰が見てもねじれ先輩は絶世の美少女だ。

 

そしてその美少女といる俺にはキツイ視線が向けられる。

 

「ど……どう?」

 

そう言ってねじれ先輩はモジモジしながら頰を赤らめて上目遣いで俺を見る。

 

何この可愛い娘…!その指を絡めるような仕草がとてもいい!あとこちらをチラッチラッと見るのも恥ずかしそうでいい!

 

そう思った時俺はねじれ先輩に抱きついていた。

 

外の目があるのだろうがその時の俺はそんなことを気にすることが出来なかった。

 

「ひゃっ!しっ、真司くん!!?」

 

俺は小声で

 

「………………………………………可愛いです……」

 

と俺の呟きを聞いたねじれ先輩の顔はりんごよりも赤くなっていた。

 

プシューと湯気でも出るんじゃないかと思ってしまった。

 

ちなみにこの様子を見ていた周りの人たちは

 

(初々しくていいわね〜)

 

(あの子も彼女なんでしょ〜お似合いよね〜)

 

(彼氏の方もカッコいいうえに強いなんて…私も惚れちゃいそう…)

 

(なっ!なんなんだあの子は!この世に降りた女神か!)

 

(ちっ!チクショウ!なんでアイツばっかり!)

 

(やっぱり体育祭一位はモテるのか!?そうなのか!?)

 

と羨望、嫉妬など色んな感情が渦巻いていた。

 

「…じゃ!じゃあ行きましょうか!ねじれ先輩!」

 

「うっ、うん!そうだね!」

 

お互いにぎこちなくだが会話を始めるうちにねじれ先輩もいつも通りに戻ってきた。

 

「いい加減ねじれちゃんって呼んで〜」

 

「ええ…でもねじれ先輩は年上ですし…ちゃん付けするのはマズイかと…」

 

「ねえねえ。お願い」

 

「うっ!」

 

その目辞めて!その子供のような純粋な目!

 

「…わかりました。ねじれちゃん…」

 

「やったー!ありがとう!真司くん!」

 

そう言って抱きついてくるねじれちゃん。

 

あれ?この呼び方悪くないな…

 

しかしやめて!ねじれちゃん!その、当たってる!当たってるから!

 

「ふふん。やっぱり真司くんは落ち着くな〜」

 

笑って俺を見つめてくるねじれちゃん。可愛いすぎる…

 

その天真爛漫な表情はいつ見ても癒される。

 

そうこうしてるうちに今回のデートの目的地に着いた。

 

ここは世界的にも有名な遊園地だ。

 

ゲームセンターにしようかとも思ったができるなら色んな場所に連れて行ったほうがいいかと再考して、遊園地にした。

 

ここの遊園地はプールもあって水着も貸し出しできる。

 

遊園地もあるが実はプールメインでここに来たのだ。

 

ここのプールは広く人数制限が有るため混まないのが売りだそうだ。

 

プールの予約も済ませてあるので時間まで遊園地で遊ぼう。

 

「ねじれちゃん。どれに乗ります?」

 

「その口調でねじれちゃんは変〜」

 

とねじれちゃんは不服だそうだ。

 

「ねじれちゃん。どれに乗る?これでいい?」

 

「うん!」

 

こうしてプールまでの時間を潰した。

 

「じゃあ私着替えてくるから〜」

 

ねじれちゃんは更衣室の方へ走って行った。

 

俺も着替えてプールサイドで待っているとザワザワした声が聞こえてきたので振り向くと

 

俺は絶句した。

 

白のマイクロビキニのねじれちゃんがこっちに向かって走って来た。

 

こっちにきたねじれちゃんは

 

「ど、どうかな……?真司くん……」

 

俯いて顔を赤らめるその表情はいいと思ってしまった。だけれど目に毒だとも思ってしまった。

 

ただでさえスタイルのいいねじれちゃんのマイクロビキニは見る者を惹き付けるものがあった。それは男どころか女ですらも見惚れてしまうものだった。

 

俺はそんなねじれちゃんの頭に手を優しく撫でると満面の笑みで

 

「かわいいよ。ねじれ」

 

とあえてタメ口で言った。

 

ちなみにねじれちゃんは

 

(//////!!!!!ふぇええええ!!そっ、その笑顔は反則だよ!真司くん!)

 

ちなみに周りの女性陣はこの様子を撮影しており、

 

男性陣は

 

((((爆発しろ!!!))))

 

その後ねじれちゃんと流れるプールで泳いでいたのだが、変な視線を感じた。

 

飲み物を買いに行くと言ってその場から離れた。

 

戻ってきてみると

 

「ねえねえ〜俺たちと遊ぼうよ」

 

「そうそう。楽しいことしようぜ」

 

ねじれちゃんが不良に絡まれていた。

 

まあ実力でねじ伏せられるんだけどここは平和的に…

 

<アタックライド、シーフ!>

 

物陰からこっそり個性を使いアイツらののパンツを奪う。

 

当然アイツらは公衆の面前でノーパンになり、

 

「うわあああ!どっ、どうなってんだ!」

 

 

「おっ、おい!みっ、見るな!見せもんじゃねえ!」

 

って三下みたいに逃げて行った。

 

「ねじれちゃん。飲み物買って来たよ♪」

 

「ふふん。さっきはありがと♪」

 

「え?」

 

「真司くんでしょ?あれやったの」

 

ねじれちゃんにはバレてたみたいだ。マジかよ…かっこ悪…

 

「気にしないで♪真司くんのおかげで助かったから」

 

「ねえ!それよりさ、スライダー行こ!」

 

ねじれちゃんと一緒にスライダーに並んで俺たちの番になると、

 

俺が前、ねじれちゃんが後ろになった。

 

それはいいんだが、あの当たってるんですけど!

 

周りからはジト目で見られて正直気まずい…

 

そんな中でスライダーを楽しめるはずもなかったがねじれちゃんの笑顔を見てるとどうでもよくなったきた。

 

プールから出て最後は観覧車に乗ると

 

街の景色が一望できた。

 

「ねえねえ、真司くん。思い出ってのは大切な人と一緒だと、ずーっと忘れないもんなんだよ。知ってた?」

 

俺はそんなねじれちゃんの質問に答えられずにいた。

 

「だがらね。真司くんも今日のことは忘れないでね?」

 

「うん」

 

そして二人きりの空間の中でお互いに目を合わせられなくなり、

 

「真司くん」

 

「うん?」

 

ねじれちゃんが目を閉じて口を近づけてくるのに

 

俺はその顎を持ち上げて口を重ねた。

 

互いの口が離れた後、ねじれちゃんは俺に抱きついてきた。

 

この日は俺の忘れられない一日となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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閑話 仮面ライダーについて

平成一期しか出てきません。
本当に申し訳ないです…


ねじれちゃんとのデートから一週間が経った日曜日。

 

俺の家にレイ子達と焦凍が集まっていた。

 

なんでこんなことになったかというと

 

「ねえねえ?真司くん!仮面ライダーってどういうヒーローか、教えて教えて?」

 

レイ子たちが俺の知るヒーロー仮面ライダーについて興味を持ち始めたのだ。

 

それは焦凍も例外ではなくコイツも仮面ライダーとはなんなのかを知りたくなったらしい。

 

まあ教えることは不可能ではない。

 

最近習得したのだがオーロラカーテンに映像を映し出す技がある。

 

これでライダーについてを教えることができる。

 

俺も随分と人間離れしてきたな…

 

「ねえねえそれで?仮面ライダーって何人いるの?何のために戦っているの?どれくらい強いの?教えて教えて?」

 

ねじれちゃんが御構いなしに聞いてくる。

 

まあ、そういうとこが可愛いんだけどさ

 

「なんで皆仮面ライダーについて知りたいの?」

 

「だって真司くんの目標になった人達でしょ?それに真司くんの元いた世界で漫画とされていたこの世界が実在するなら仮面ライダーの世界も実在するかな〜って、だからすごく興味があるの?」

 

やっぱ、ねじれちゃんは鋭い。

 

「まず仮面ライダーってのは大きく二つに分かれてるんだ」

 

「その二つとは?」

 

茨が聞いてきた。

 

「まず『昭和』の時代に生まれた『昭和ライダー』、次に『平成』の年号の時に生まれた平成ライダー、ライダーは主にこの二つに分かれてるんだ」

 

そう言ってオーロラカーテンを出してその姿を見せる

 

「うわあああ!カッコいい!」

 

「轟みたいな半分のライダーもいるな」

 

「真司が変身するディケイドもいるね」

 

「蝙蝠みたいなのもいるな」

 

「姿も様々ですね」

 

「今回は平成ライダーについて話させてもらうよ(だって昭和ライダーのことあまり知らないんだもん……!)」

 

生まれが平成なこともあり、昭和ライダーについてあまり知らない真司であった。

 

「まず平成ライダー現在は二十人存在してるんだ。そのライダー一号がクウガさ。そして平成ライダー一人一人にそのライダーの宿敵ともいえる怪人が存在するんだ。」

 

「クウガって緑谷の時に変身したやつだよな?」

 

「ああ。そしてクウガと対峙していた怪人はグロンギというんだ。コイツらは人類の祖ともいえるリント族との争いをしていた何千年前に存在して、封印された戦闘種族なんだ。コイツらは自分達の神と呼べる存在"ン・ダグバ・ゼバを蘇らせるために人を殺すゲーム"ゲゲル"を実行していたんだ」

 

グロンギの凶悪さにその場にいた皆が恐怖した。

 

「そんなグロンギに対抗するためにリントが作り出したのがある鎧なんだ」

 

「おい真司。それが…」

 

「そう、クウガだ。封印されていたグロンギをある考古学者チームがその封印を解いてしまい、グロンギが世に放たれてしまった。そのことを危惧していたリントはクウガのベルト、"アークル"を平和のために戦う者のために残したんだ。その力を手にした者は五代雄介。彼は誰も傷つけたくないって心を持っていた青年なんだ。でもある人の死をきっかけに戦う覚悟を決めた」

 

オーロラカーテンに燃え盛る教会と二人の男性、一体のグロンギが写った。

 

『こんな奴らの為に!これ以上誰かの涙は見たくない!皆に笑顔でいて欲しいんです!だから見ていてください!俺の変身!』

 

そう言ってアークルを腰に出現させ、グロンギを殴った左腕が変わり、蹴りを入れた右足も変わり、全身が赤い鎧に包まれた。

 

「変身した!」

 

「すごいね〜!」

 

「雄介さんは本当は誰も傷つけたくなかったんだ。それでも人々の笑顔を守るために戦う覚悟を決めたんだ」

 

「カッコいいじゃん!」

 

「ええ…まさしくヒーローです…」

 

「それで真司。グロンギとクウガはその戦いの後どうなったんだ?」

 

「究極の闇と言われるン・ダグバ・ゼバが復活して人々を遊び半分で殺し始めた。雄介さんはン・ダグバ・ゼバと戦ったが全く歯が立たなかった。だから彼は究極の闇といわれるアルティメットクウガへの変身を覚悟を決めたんだ」

 

「なんで?その変身ってリスクでもあるの〜教えて教えて?」

 

「アルティメットクウガは本来は無差別に周りを破壊する存在だったんだ。だけど殺された人への悲しみが彼に仮面ライダーとしての戦う理由を思い出させたんだ。雄介さんはアルティメットの力を完全に制御してン・ダグバ・ゼバに勝利した」

 

その結果に皆が安堵した。

 

その後アギトについて聞かれたがだいぶぼかした。

 

だって知らないんだもん…

 

「次に龍騎だけど、この世界のライダーは13人存在するんだ。彼らは鏡の中の世界ミラーワールドで、ミラーモンスターと戦うライダーだけどライダー同士が戦う世界だったんだ」

 

「どうしてヒーローであるライダー同士が戦うんですか?」

 

「彼らはバトルで最後に残ったライダーにどんな願いでも叶えられると信じていたんだ。そしてライダーが一人になるまで戦い続けたんだ」

 

「私欲のために戦う…彼らはヒーローではありません…」

 

「確かにそうかもしれない。だけど彼らの中にも人々のためにミラーモンスターと戦うライダーがいたんだ」

 

俺の言葉に皆が注目する。

 

「彼は城戸真司。彼はジャーナリストだったんだけど人々の失踪に関わるようになってあるカードデッキを手にする。そしてミラーモンスターと契約して龍騎となってミラーモンスターと戦い、ライダー同士の戦いを終わらせようとしたんだ」

 

「ちょっと…!真司って」

 

「名前が一緒」

 

「あはは…言われると思った」

 

その後に龍騎の大体の話をした。

 

ファイズは前に話したので今回は話さなかった。

 

「次に出てくるブレイドは現代に蘇った不死身の生命体アンデッドがバトルファイトを再開して人々を襲ってたんだよ」

 

「真司、バトルファイトってなんのことだ?」

 

「バトルファイトは一万年に一度53体もの種族を代表するアンデッドが地球の覇権を争って戦ってたんだ。人々を襲うアンデッドに対して戦っていたのが、剣崎一真。仮面ライダーブレイドで彼は友のために自分を犠牲にして世界を救ったヒーローともいえる人さ」

 

「どういうこと?」

 

「アンデッドの中には人間との共存を望む者もいたんだ。その一人であるジョーカーがバトルファイトに残ってはいけなかったんだ」

 

「なんでだ?」

 

轟が疑問にする。

 

「どの種族にも属さないジョーカーが勝つとゲームオーバーとなり世界が滅びてしまう。だから剣崎さんはキングフォームを乱用することで世界を救ったんだ」

 

「ジョーカーが勝つとマズイことになるのは分かったけど、キングフォームってなんなんだ?真司」

 

「そもそもブレイドのライダーシステムは封印したアンデッドの力を使って変身するんだ。キングフォームはアンデッドの上位種を封印したカードで変身するんだけどアンデッドとの融合係数が高いほどマズイんだ」

 

「なんでですか?」

 

「乱用しつづけるとアンデッドになってしまうからだよ」

 

「「「「「!!!?」」」」」

 

「剣崎一真とジョーカーは親友だったんだ。ジョーカーを封印しないと世界は滅びてしまう。でも友達を封印することは一真にはできなかったんだ。だから彼は自らがアンデッドになることでバトルファイトを続行させ世界を破滅から救ったんだ。自分を犠牲にしてね」

 

その話に皆感動していた。

 

続く響鬼もぼかした。

 

「次のカブトは1999年に落ちた渋谷隕石が発端なんだ」

 

渋谷と聞いて皆驚いた。自分たちの世界の街がそんなことになっているとはと

 

「それがどうかしたの?」

 

一佳が聞いてきた。

 

「隕石と一緒に地球に落ちてきたのがワームと呼ばれる地球外生命体で奴らは人間に擬態してこっそりと人間を襲っているんだ。そのワームに対抗するために生み出されたのがゼクトと呼ばれる組織なんだ。

ワームはクロックアップを使用してるから始めのうちは対抗できなかったんだ」

 

「おい、クロックアップって…!」

 

「俺がよく使う技さ…ライダーシステムのクロックアップは元々ワームの能力だったんだ。ワームに対抗するために同じクロックアップシステムを開発したんだ」

 

「仮面ライダーカブトとなったのはゼクトの人間ではないんだ。彼の名前は天道総司、世界は自分中心に周っているといった男さ」

 

その後電王についてはひ弱な青年が未来から来たイマジンと一緒に戦うってことを話した。

 

キバについては父からのバイオリンによる思いで戦った人間とファンガイアのハーフのことを話した。

 

ディケイドについても話したのでとりあえずここで終わりにした。

 

「仮面ライダーについて大体分かったか?」

 

「うん」

 

「ああ」

 

「最後に一つ。ある人は言った。ヒーローとは正義のために戦うじゃないんだと、人間の自由と命を守るために戦うんだと。正義なんてものは人によって変わる。そんなことよりも人々の命を守る方が重要

なんだって皆には覚えておいて欲しい」

 

その言葉に皆頷いた。

 



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閑話 才様の日常

印照才子の朝は早い。彼から送られてきたトレーニングメニューをこなさなければならないからだ。

 

それが終わると自分の趣味に没頭する時間に入る。

 

それが……

 

 

テレビに映ってる録画映像には彼が映っている。それを見た才子は

 

「きゃーーーー!!!真司様ーーーー!!!」

 

と大声で彼の名前を呼ぶ。実を言うとあの事件以来、彼のことが気になってしまった才子はこうして毎日、彼の活躍してる映像を見るのが楽しみとなったのだ。ちなみにこの趣味は本人以外誰も知らない。

 

「ハアハア……!もう私真司様への愛が抑えられない…!あの方の凛々しさ、逞しさ、美しさ…!どれも愛おしすぎる…!ああ、あの方に私の思いを伝えたい…!」

 

彼女は真司に恋人がいることも分かってる上で付き合いたいと思ってるのだ。決してヤンデレではない。

 

「はあ……それにしても柳さんはうらやましいですわ。真司様にキスしてもらえるなんて……私もハグしてもらったり、キスしたり、頭撫で撫でしてもらいたいですわ。」

 

そう言った才子は真司のプリントされた抱き枕に体を沈める。

 

「いけない。もうこんな時間。はあ…時間と言うものは早いですわね」

 

そう言いながらも支度をする才子。

 

「行ってきます。お母様、お父様」

 

そう言って出て行く才子。

 

「「おはようございます!才様!」」

 

「おはようございます」

 

道中で自分を慕う者たちと合流して、学校へ向かう。

 

才子は一年生だがその才により人望がある。

 

「才様!今日もお美しいです!」

 

「ありがとう」

 

「そう言えば才様。最近明るくなりましたね」

 

「はい?」

 

「こうなんというか毎日がウキウキしてるような。なにかあったんですか」

 

その答えにすぐにたどり着いた。彼がいるから毎日が楽しいのだろうと。

 

「もしかして……恋人でもできたんですか〜〜!」

 

その言葉に顔が赤くなる才子。

 

「なっ!なに言ってるの!こっ、恋人だなんて!そっ!そんなのいるわけないじゃないの!」

 

明らかな挙動不振。それに対して

 

「え?マジでですか!?」

 

「才様に恋人って……誰ですか!?教えてくれませんか!」

 

取り巻きたちに詰め寄られる才子。そして白状させられ

 

「空野真司!!あの雄英体育祭で優勝したあの男ですか!」

 

「たしかにあの人はカッコいいし、強いし、二位と違って粗野じゃないし…才様にお似合いかもしれませんが……いや案外アリかも!!」

 

「しかしなんで好きなんですか?空野さんとなにかあったんですか?」

 

そう言われて才子は自分にあったことを話した。

 

「へ〜そうだったんですか」

 

「しかし、なにも言わずに去って、才様を惚れさせるだなんて……罪な男ですね」

 

「私はそれだけであの人に惚れたわけではありません。なんというかあの人といると心が安らぐというか何があっても大丈夫と思えるような笑顔に惚れたのです……」

 

「でも空野さんって恋人がいるんじゃないですか?たしかに今は重婚が許されていますが……大丈夫ですか?」

 

「ええ、問題ありません。それより今日は真司様から直々に特訓をつけてもらえるんです!!心が高鳴りますわ!!

 

「「!!!?」」

 

「真司様って……才様…」

 

「無理よあれはなにも聞こえてないわ」

 

「ああ……今すぐにでも会いたい……会って触れ合いたい…!我が愛しの真司様…」

 

才子のテンションは上がったまま学校に到着した。

 

こうして才様の日常は始まっていく。

 

 

 



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入団

死柄木弔は苛立っていた。

 

保須で放った脳無はあっけなく撃退され、世間ではヒーロー殺しの話題で自分たちは見られてなかったからだ。

 

そんな死柄木のもとに一人の男が尋ねた。

 

「こっちじゃ連日アンタらの話で持ちきりだぜ。何かでけえことが始まるんじゃねえかって」

 

「で、そいつらは?」

 

「うわぁ手の人ステ様の仲間だよねえ!?ねえ!?私も入れてよ!敵連合!」

 

「…黒霧コイツらを飛ばせ。俺の大嫌いなもんがセットで来やがった。…餓鬼と…礼儀知らず」

 

「まぁまぁせっかくご足労いただいたのですから話だけでも伺いましょう死柄木弔。それにあの大物ブローカーの紹介。戦力的に間違いはないはずです」

 

死柄木を宥める黒霧

 

「まずこちらの可愛い女子高生。名も顔もメディアがしっかり守ってくれちゃってるが、連続失血死事件の容疑者として追われている」

 

「トガです!トガヒミコ。生きにくいです!生きやすい世の中になって欲しいものです!ステ様になりたいです!ステ様を殺したい!だから入れてよ弔くん!」

 

「意味分からん。破綻者かよ」

 

死柄木がツッコむ。

 

「会話は一応成り立つきっと役に立つよ。次にこちらの彼。目立った罪は犯してないがヒーロー殺しの思想にえらく固執している」

 

「今は『荼毘』で通している」

 

「通すな。本名だ」

 

「出すべき時になったら出すさ。とにかくヒーロー殺しの意志は俺が全うする」

 

「聞いてないことは言わなくていいんだ…どいつもこいつもステインと…」

 

一触即発の中、

 

「ねえねえ?なにやってるの?僕も混ぜてくれないかな?」

 

どこか空気の読めない声が響いた。

 

全員がドアの方に注目するとその男は現れた。

 

「ねえ、楽しそうなことするんでしょ?僕も混ぜてよ」

 

「誰だお前。訳分からん奴を仲間にする気はない」

 

死柄木がそう言い放った。

 

「え〜じゃあこれでいい?」

 

男の姿がどんどん変わっていくのに対して一同は驚きを隠せなかった。

 

「おまえは一体……!?」

 

「これは……!」

 

「ステ様と一緒!!」

 

「ねえ僕も入っていいよね?」

 

「…その前にヒーロー殺しとおまえは仲間だったのか?」

 

「誰?」

 

「コイツだ」

 

死柄木は写真を見せる

 

「ああ!この人なら死んでもらったよ」

 

「「「「「!!?」」」」」

 

「ムカつくから僕が殺したんだ」

 

「…へえ…!やるじゃないか。いいよ、入っても」

 

「いいの!ヤッタア!」

 

奴らが三度動き出そうとしていた。

 

・・・・

 

 

 

「皆…土産話っひぐ楽しみに…してるっ…がら!」

 

「まっまだ分かんないよ。どんでん返しがあるかもしれない…!」

 

「柳、それ口にしたらなくなるパターンだ…」

 

「試験で赤点取ったら林間合宿行けずに補習地獄!そして俺らは実技クリアならず!これでまだ分からんのなら貴様らの偏差値は猿以下だ!キエエエエエエ!!!!!」

 

上鳴うるさいうえに怖い。

 

レイ子も引いてるぞ。

 

しかしねえ…強化合宿なのにわざわざ学校に残すかねえ…

 

「分かんねえのは俺もさ。峰田のおかげでクリアはしたけど寝てただけだ。とにかく採点基準が明かされてない以上は…」

 

「同情するならなんかもう色々くれ!!」

 

「予鈴が鳴ったら席につけ」

 

馬鹿騒ぎしてるうちに相澤先生が入ってきた。

 

「今回の期末テストだが…残念ながら赤点が出た。したがって…

 

 

 

 

 

 

林間合宿は全員行きます」

 

 

『どんでんがえしだあ!!!!』

 

「筆記の方はゼロ。実技で切島・上鳴・芦戸・砂糖、あと瀬呂が赤点だ」

 

「確かにクリアしたら合格とは言ってなかったもんな…クリア出来ずの人よりハズいぞコレ…」

 

「今回の試験。我々敵側は生徒に勝ち筋を残しつつどう課題と向き合うかを見るよう動いた。でなければ課題云々の前に詰むやつばかりだったろうからな。そもそも林間合宿は強化合宿だ。赤点とった奴こそここで力をつけてもらわなきゃならん」

 

やっぱりかーー

 

「合理的虚偽ってやつさ」

 

『ゴーリテキキョギィィー!!!!」

 

騒ぐ赤点組

 

「またやられた…さすが雄英だ…!しかし二度も虚偽を重ねられると信頼に揺らぎが生じるかと!!」

 

「わあ水差す。飯田くん」

 

飯田の最もなツッコミだがレイ子の言う通り今は言うべきじゃなかったな。

 

「確かにな省みるよ。ただ全部嘘ってわけじゃない。赤点は赤点だ。おまえらには別途に補修時間を設けている。ぶっちゃけ学校に残っての補習よりキツイからな」

 

無慈悲な宣告に沈む赤点組

 

「あと空野。オールマイトにも言ったが少し加減しろ。試験場がボロボロになってたぞ」

 

「…えっ、でもオールマイトが相手じゃ」

 

「加減しろ。試験場が使えなくなる」

 

相澤先生の眼力に黙る俺。

 

まあなにはともあれ全員合宿に行けることだし嬉しい限りだ。

 

「なあなあテスト終わって休みだし、A組皆で買い物に行かねえか?」

 

尾白が提案してきた。

 

皆も乗り気なようで次々と参加の意思を表示していた。

 

「…真司はどうだ?」

 

「焦凍も行くのか?」

 

「ああ」

 

「俺も行かせてもらいたいが一緒に連れて行きたい奴らも連れて行っていいか?」

 

「いいよ真司くん!」

 

皆も頷いていくれた。

 

「じゃあ来週の日曜日で!いいよな!」

 

上鳴の言葉で皆解散した。

 

 

 

 



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ショッピングモールの修羅場

「ってな感じでやって来ました!」

 

木椰区ショッピングモールに集まった一同。

 

今いるメンバーは爆豪を除くA組全員。

 

皆気分が上がっているようだ。

 

「真司くん。一緒に来る人って…」

 

「もうそろそろ来るハズなんだけど…あっ、お〜い!」

 

「あっ!真司〜!」

 

「真司さん。おはようございます」

 

「真司く〜ん!私も来ちゃった〜〜!」

 

一佳に茨、ねじれちゃんが向こうからやってきた。

 

「皆来たか。さて行こう…」

 

「「空野おおおお!!!!」」

 

振り向くと峰田と上鳴が血涙を流して迫ってきて、何人かの男子生徒が羨ましそうに見て、女子は興味津々の様子で見ていた。

 

「なあなあ!!その子たちとどういう関係なんだ!!詳しく教えてくれ!」

 

あれ体育祭で会ったことなかったっけ?

 

ああ、あの時はレイ子へのインパクトが強かったからか。

 

「紹介するね彼女たちは…」

 

「初めまして!真司くんの彼女で三年の波動ねじれです!皆には真司くんのことでお世話になってくれてありがとう!」

 

ねじれちゃん、アナタは保護者か?

 

「USJの時に紹介してたけど改めて、真司の彼女でB組の拳藤一佳だ。A組の皆宜しくな!」

 

一佳の紹介はしたことあったっけ?俺だけじゃなかった?

 

「初めまして、A組の皆さん。真司さんの彼女の塩崎茨です。不束者ですがよろしくお願いします…」

 

茨、大げさなんじゃないか?

 

紹介を聞いた皆はポカーンとしており、終わると同時にレイ子達が俺に抱きついてきた。

 

と同時に

 

「「「空野おおおお!!!!!」」」

 

と再び峰田たちに加えて瀬呂も迫ってきた。

 

「なんなんだよ!!!オマエ!一人じゃ飽き足らず三人も美少女を彼女にするってか!!!そういうのは二次元の中だけで充分なんだよ!!!」

 

「オイラだって!!!オイラだって彼女がいねえのになんでおめえはハーレム作ってんだよ!!ふざけんなよ!こんちきしょう!!!」

 

「おいおい、オマエどうやってその子たちと知り合ったんだ?俺にも教えてくれよ!」

 

峰田と上鳴の猛抗議にねじれちゃんたちは引いていた。

 

瀬呂は興味本位といったところだが…

 

周りの人達も俺にジト目やニヤニヤした目を向けてくる。

 

待て待て!!俺がなにしたっていうんだ!!

 

とっ、とりあえず、面倒ごとになる前に買い物に出かけ…

 

「あっ!真司様!!!」

 

後ろから急に抱きつかれた。この声は……

 

「印照さん!?」

 

「正解です!真司様♪」

 

印照さんに出くわした。

 

マズい予感がする……

 

「「「真司/真司/真司さん。誰なんだ/なの/ですか?その子」」」

 

レイ子、茨、一佳達が一斉に質問してきた。

 

俺は目に光のないレイ子たちに恐怖を感じた。

 

ちょっ!ねじれちゃん!説明して!

 

「この子は…」

 

「失礼しました。私は聖愛学院一年の印照才子と申します。真司さんには職場体験の時に助けていただいたことがありまして」

 

印照さんの落ち着いた対応のおかげで難を逃れた。

 

「真司さん。今日の午後、お手伝いをしてもらえませんか?」

 

レイ子たちが反応した。マズい気がする……

 

「真司?どういうこと?」

 

再びレイ子たちに質問される。

 

「え〜っと」

 

こういう時は落ち着いて嘘をつかずに話すんだ!!!

 

「え〜っとな。印照さんを雄英に入れるための特訓を手伝っているだけなんだ。だから心配するな!!俺はなにもしてない!」

 

必死に弁解する俺だが…

 

「同じ学校に入ってイチャイチャしようと……?」

 

違ーう!!!!そうじゃない!!

 

更にマズい展開に発展していく。

 

クラスメイトからも冷たい視線が向けられる。だから違うって!!!

 

どうしようかと悩んでると

 

「心配しないでください。柳さん。私と真司様はまだそのような関係ではありません。ですので真司様が責められることはないかと」

 

印照さんがさっきとはうって変わって真剣な目でレイ子を見つめていた。

 

そのおかげかレイ子達も分かってくれたのか

 

「…ごめん真司」

 

「気にするな」

 

ねじれちゃんたちも謝ってくる。ていうかこっちの方が罪悪感を感じる。

 

レイ子たちになにも言ってなかったんだもんな……

 

印照さんがレイ子に近づくと

 

「ですが……真司様のことは諦めませんよ♪」

 

小声でなんかいってるのに対してレイ子たちがパニクっていた。なんだろう?

 

レイ子たちが落ち着くと

 

「真司。悪いけど私たち印照さんと周ってもいい?」

 

えー!

 

「お願い。話したいことがあるの」

 

しょうがないか…

 

「ありがとう♪」

 

その後クラスの皆は各々でショッピングモールを周ることになり、俺はバッグを捜しに行った。

 

皆欲しいものを買い終わって集まると印照さんもいた。

 

「んじゃ、印照さんも頑張ろうね!」

 

「はい…」

 

結局なんの話をしてたんだろ?まあ踏み込んだら駄目か。

 

そして帰ろうとした時に

 

「真司様、私のこと名前で呼んでいただけませんか?」

 

「え〜っと、才子?」

 

「…はい!(真司様への想いは雄英に合格するまで抑えておきましょう…柳、いえレイ子さんたちも応援してくれるのですから…)」

 

こうして真司の想いを隠す才様なのであった。

 

 

 

 

 

 



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合宿開始!

Iアイランド編は省略させて頂く事にします。



夏休み林間合宿当日

 

俺たちはバスに乗ろうとしていたところに

 

「え?A組補習いるの?つまり赤点取った人がいるってこと!?ええ!?おかしくない!?おかしくない!?A組はB組よりずっと優秀なハズなのにぃ!?あれれれれえ!?」

 

いつも通りの物間の煽りにため息を吐くと、

 

「黙れ」

 

「ぐふっ」

 

一佳の手刀で物間が倒れる。

 

「ごめんな」

 

「ああいいって、そっちも大変そうだな…こっちには爆豪いるし…」

 

「ああんなんだと!!変身野郎!!」

 

「そういうとこだよ。もうちょっと大人しくなったらどうだ?」

 

「っ!誰が!!」

 

そんなやりとりをしてるうちに全員バスに乗った。

 

全員がバスに乗り出発するとやはりというかバスの中は騒がしくなる。

 

「一時間後に一回止まるその後はしばらく…」

 

相澤先生が喋ろうとしたがバスの賑やかな光景に呆れた。まあ騒がしくできるのは今だけだと相澤先生は放っておく。

 

一時間後に到着したのはパーキングとは思えない山中の空き地。

 

B組もいた。

 

「ここどこだ?」

 

「パーキングじゃねえの?」

 

皆が戸惑う中、現れたのは

 

「煌めく眼でロックオン!」

 

「キュートにキャットにスティンガー!」

 

「「ワイルドワイルドプッシーキャッツ!!」」

 

決めゼリフとともにポーズをとるのは四人組ヒーローの二人

 

「今回お世話になるヒーロー「プッシーキャッツ」の皆さんだ」

 

「連盟事務所を構える四名1チームのヒーロー集団!山岳救助を得意とするベテランチームだよ!キャリアは今年でもう12年にも「心は18!」へぶ」

 

「心は?」「じゅ!十八!」

 

緑谷に摑みかかるピクシーボブ。必死かよ……

 

そんな緑谷たちを余所にマンダレイは

 

「ここら一帯は私らの所有地なんだけどアンタらの宿泊施設はあの山の麓ね」

 

そう言って向こうの山を指すマンダレイ

 

『遠っ!!』

 

皆の心が一致した瞬間であった。

 

なるほど…そういうことか…

 

「え…じゃあなんでこんな半端な場所に……」

 

「いやいや…」

 

「バス戻ろうぜ…な?早く…」

 

「今は9時半…早ければぁ…12時前後かしら…」

 

「ダメだ…おい…」

 

「戻ろう!」

 

「バスに戻れ!早く!」

 

「無駄だよ。さっさと行こうぜ」

 

皆とは逆方向の崖に飛び込む俺。

 

俺に続いてレイ子と一佳、茨も崖に飛び込んだ。

 

レイ子のポルターガイストで着地の際に浮かしてもらったので何の問題もなく地面に下りることができた。

 

「流石雄英体育祭優勝者。肝が据わってるねえ」

 

「悪いね諸君。合宿はもう始まっている」

 

ピクシーボブの土流でバスに戻ろうとした皆は押し流されて結局崖の下に落とされた。

 

「私有地につき"個性"の使用は自由だよ!今から三時間自分の足で施設までおいでませ!この…"魔獣の森を抜けて!!」

 

なんだその名称。ドラクエかよ……

 

峰田がものすごい勢いで走っていく。アイツ何やってんだ?

 

そんな峰田の前に土の猛獣が現れた。

 

数は……十か。

 

人間じゃないなら遠慮はいらないか!

 

<フォームライド、ダブル!ファングジョーカー>

 

<ファング!ジョーカー!>

 

ダブルに変身して

 

<ショルダーファング>

 

肩に刃を出現させそれを投げると

 

土魔獣たちが次々と刃に切り裂かれた。

 

「嘘だろ!」

 

「あんなにあっさりと!」

 

「中々ですな」

 

「クソがああああ!!!!」

 

皆が驚く中で三つの影が俺を横切った。

 

「えいっ!」

 

「おらぁ!!」

 

「鎮まりなさい…」

 

レイ子、一佳、茨が残った土魔獣を攻撃した。

 

レイ子は土魔獣同士をぶつけて破壊し、一佳は大拳で土魔獣を壊し、茨はツルで土魔獣を拘束した。

 

レイ子たちが奮闘するのを見て真っ先に動いたのが

 

「死ねえ!!」

 

「アメイジングフルカウル…!」

 

「はっ!」

 

焦凍、緑谷、爆豪だった。レイ子に続き三人は一斉に土魔獣たちを破壊した。

 

「さっさと終わらせるか…」

 

<フォームライド、オーズ、ガタキリバ!>

 

<ガ〜タガタガタ・キリッバ・ガタキリッバ!>

 

<アタックライド、クロックアップ!>

 

五十人に分身してクロックアップで土魔獣たちを殲滅した。

 

「うおおおおおっ!!!イレイザー、アンタのクラスなんなの!?マジすごいじゃん!!」

 

「ええ……今年はとびっきりのやつがいますから…」

 

あまり感情を表に出さない相澤先生だがどこか誇らしそうだった。

 

「それじゃあ後頼みますよ。ピクシーボブ」

 

「くう〜〜任せて!!逆立ってきたあ!!」

 

ノリノリのピクシーボブに対して少年は

 

「下らん」

 

その目には嫌悪感が映っていた。

 

・・・・

 

 

午前10時真っ先にたどり着いたのが

 

「やっとかよ…オーロラカーテンを使えば一瞬だったんだけどな」

 

俺だった。次に来たのが

 

「やっと着いた〜」

 

「クタクタだよ…」

 

「ええ…もう動けません…」

 

レイ子たちだった。

 

「結構時間かかったなあ」

 

「いや…充分早いから…というか私らより早いから…君何者?」

 

仮面ライダーですが?

 

まあ最後の方は「ポーズ」でズルしたんだがなあ…相澤先生も気がついてないみたいだ。

 

俺たちが外で昼食を食ってると

 

焦凍、緑谷が13時ぐらいに着いた。

 

「もう着いてたの!?」

 

「ハァハァ…流石だな…」

 

「君たち将来が楽しみ!唾つけとこー!!」

 

ピクシーボブか唾をつけようとすると

 

「だっ、ダメ!」

 

「やらせない!」

 

「守ります!」

 

レイ子たちが俺の手を後ろに引いた。

 

「やっぱ彼女持ちだったんだー!チクショー!」

 

知ってたのかよ!タチが悪いな…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局他のメンバーは昼食に間に合わず、昼飯抜きとなり、晩飯を掻き込むように食っていた。空腹のせいか切島と鉄哲が変なテンションになっている

 

「うめえ!うめええええ!!」

 

「白米が染みる。染みますぞおおおお!!」

 

前言撤回。皆変な事になっている。

 

俺とレイ子たちは既に夕食を済ませて片付けを手伝っていた。

 

緑谷がマンダレイとなんか話しているが、やっぱりあの子だろうか?洸太君…だっけ、なんであんなにヒーローを嫌悪してるんだろう?

 

まあ理由がわからないのに突っ込むのはあまりいい事じゃないか。

 

そして風呂の時間になると

 

「ああ〜いいな風呂は疲れがとれる…」

 

温泉まであるとは…私有地の幅を超えてるだろ

 

「あーあ、混浴だったら良かったのに…」

 

「そうですね…一緒に入りたかったです…」

 

「だよな。あ〜あ」

 

壁の向こうからそんな声が聞こえる。

 

それに反応したのが二人。言うまでもないか。

 

「ちょっ!レイ子ちゃんたちなんで!?」

 

「「「真司(さん)と入りたいから」」」

 

アイツら…余計なこと言って!いや嬉しいんだけど…!面倒くさくなる!

 

「「空野おおおお!!!!」」

 

チャラ男と変態が突っかかってきた。ほらな。

 

「一緒に入って真司さんの疲れを癒してあげたいです…」

 

「ダメ…真司の疲れを癒すのは私…」

 

「真司の体を洗いたい…」

 

ちょっと!危ない発言ばっかしないでくれる!

 

見ろ。峰田たちの眼力が強まっていく…!

 

「壁とは…!」

 

うん?

 

「越えるためにある!plus ultra!」

 

アイツとうとう一線を超えやがった。

 

峰田がモギモギを使って壁を登っていき、壁を越えようとしたら

 

「ヒーロー以前に人のアレコレから学び直せ」

 

ど正論だ。

 

「クソガキィィィィィ!!」

 

哀れ峰田。

 

「ありがとー!!洸太くん!」

 

洸太くんが声に振り向くと当然女子風呂。あまりのことに洸太くんは鼻血を吹き出して落ちてしまった。緑谷が咄嗟に洸太くんを受け止めたので大丈夫だった。

 

さて…峰田には罰を与えないとな…

 

 

・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「ぎゃああああああ!!!!」

 

バインドで拘束し、フォーゼのマジックハンドのこちょこちょ攻撃の罰を与えた。

 

 

 

 

 

 



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カレー論争

お気に入りが300超えました!
いつもありがとうございます!


合宿2日目5時半に起こされて宿舎前に連れられた俺たちだったが時間が時間なのか皆とても眠そうだった。

 

「お早う諸君。本日から本格的に強化合宿を始める。今合宿の目的は全員の強化及び"仮免"の取得。具体的になりつつ敵意に立ち向かう為の準備だ。心して臨むように。というわけで爆豪。コイツを投げてみろ」

 

「これって体力テストの……」

 

「前回の……入試直後からどれだけ伸びてるかな」

 

「おお!成長具合か!」

 

「この三ヶ月色々濃かったからな!結構のびてんじゃねえの!」

 

「イッタれバクゴー!」

 

「んじゃまあ……クタバレ!!!」

 

クタバレ……?

 

思いっきり飛ばした爆豪のボールはそこまで伸びてなかった。

 

 

「あれ?」

 

「思ったより?」

 

「なんでだ?」

 

ほう……今からやるのはそういうことか……

 

「約3カ月間様々な経験を経て確かに君らは成長している。だがそれはあくまで精神面や技術面、あとは多少の体力的な成長がメインで個性そのものはそこまで伸びていない。というわけで今から諸君らの個性を伸ばす。死ぬほどキツいがくれぐれも………死なないように」

 

「死んだらどうするんですか?」

 

「………くれぐれも死なないように」

 

・・・・

 

B組がA組の様子を見にきた時には地獄絵図と化していた。

 

特にキツそうなのが許容上限のある発動型で例えば

 

爆豪は熱湯に手を入れて爆破を繰り返すことで汗腺の拡大を狙うことや上鳴は通電を続けることで大きな電力に耐えられるようにするなどどれも上限の底上げを意識したものばかりであった。

 

異形型・その他複合型は"個性"に由来する器官、部位の更なる鍛錬。

 

そんな光景を見たB組には苦笑いしか出なかった。

 

……いやこの二人だけは違った。

 

「上等!やってやろうじゃん!茨!」

 

「ええ……試練とは乗り越えるものです……」

 

この二人のやる気は一人の男への想いからくるものであろう。

 

そんな二人についていける者などB組にはいなかった。

 

そんな中、二人の想い人は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だああああっ!!!!うっとおしいっ!!」

 

百体もの土魔獣を相手にしていた。

 

勝てないわけではないがとにかく数が多い。

 

加えて相澤先生からカードを使うなと言われているから時間がかかってしょうがない

 

なんでもカードに頼らず自分の底上げをしろと。

 

殴って殴って土魔獣を退けるも数というものに押され始めるディケイド。

 

「ああああ!!」

 

二人の想い人は森の中で一人発狂していた。

 

 

ちなみにレイ子は重量制限の上限をあげる訓練をしていた。

 

・・・・

 

 

「サァ昨日言ったね「世話焼くのは今日だけ」だって!!」

 

「己で食う飯くらい己で作れ!!カレー!!」

 

「イエッサ………」

 

「イエッサー!!!」

 

「元気だな……空野……」

 

失礼だな。俺だって疲れてるんだぞ。ちょっとだけだけど……

 

「あはははは全員全員ブッチブチ!!だからって雑なねこまんまは作っちゃダメね!」

 

あっ、こういう時突っ込んでくるよね。アイツは……

 

「確かに……災害時など避難先での消耗した人々の腹と心をみたすのも……救助の一環……さすが雄英無駄がない!!皆!!世界一旨いカレーを作ろう!!」

 

元気を取り戻した飯田に相澤先生は

 

(飯田便利)

 

飯田の有用性を感じていた。

 

んじゃまあ……

 

「変身!」

 

<カメンライド、ウィザード!!>

 

 

山奥なのか調理場にガスはなく、火元は薪を使うということでウィザードに変身した。しかし…ご飯は飯盒で炊き、鍋はかまどで温めるというのは……本格的だな。キャンプに来てるみたいだ。

 

「空野ー!こっちに火ィちょーだい」

 

「ああ」

 

魔法で薪に火をつけて燃やす

 

「爆豪、爆破で火ィつけれね?」

 

「つけれるわ!クソ……」

 

爆豪が爆破で薪をコナゴナしようとしたので

 

<アタックライド、ポーズ!>

 

時間を止めて爆豪を移動させると

 

「が!あれ?」

 

爆豪が戸惑っているが無視しておこう。

 

「なあなあ!!隠し味にりんご入れね!?」

 

「えー!?ここはチョコだろ?」

 

「ハチミツも案外………」

 

皆がカレーに何を入れるかで盛り上がっている。

 

「おいおい!!ここはコーヒーだろう!!」

 

「おっ!!コーヒーか!いいな!」

 

「何言ってんだ!!ここはやっぱり砂糖だろ!!」

 

「いやいや!!醤油だろ絶対!」

 

「ソースもあるだろう!」

 

「絶対コーヒーだ!!」

 

激しい論争となってしまった。

 

これはこれは……面倒くさいことになりそうだ……俺は別になんでもいいんだけどなあ……じゃあこうしようか……

 

「じゃあ投票で決めよう。そのカレーのおいしさをチームごとに皆に発表して一番票数が多い隠し味を入れることにしよう」

 

「えー!?」

 

「いいな!それ!」

 

「いっそのこと全部は!?」

 

そんなん誰が食うんだよ……

 

「とりあえずチームに分かれて。なんでもいいやつはチームにならなくていいから」

 

その後チームに分かれた結果こうなった。

 

りんごチーム 常闇 蛙吹

 

砂糖チーム 砂糖(力道) 芦戸

 

醤油チーム 耳郎 障子

 

コーヒーチーム 瀬呂 尾白

 

 

「第一回隠し味カレー対決!!」

 

「……イェーイ」

 

おい!もう少しノリあげろよ!俺だって無理してるのに……!!

 

「さてとカレーの隠し味には何がいいか!?その論争はこの私空野真司が仕切らせていただきます!」

 

「それではまず!りんごチームから!」

 

「うむ。我らの番だな。まずりんごカレーはすりおろすのが一番だがない場合はりんごジュースでも構わん。りんごを入れるタイミングは

ルウを入れた後だな。カレーの味は好みの甘さになるまで入れればいい」

 

「りんごの甘さと爽やかな酸味が口いっぱいに広がるさっぱり食べやすくなり、りんごを入れたことで肉が柔らかくなりフルーティさが加わって奥深い味の美味しいカレーよ。ぜひ私たちに投票してちょうだいね」

 

「おおー!うまそうじゃん!」

 

 

「いいかも……!」

 

切島と上鳴にら好評だそうだ。

 

「つぎは俺たちだな!砂糖を入れるタイミングは二つあるんだ!まず一つ目はお肉や野菜を炒めて火を入れてるタイミングで入れるんだ。最後はルウを入れて煮詰めてから入れるんだぜ!」

 

「一口食べると口いっぱいに広がるやさしい甘さ!その後にやってくるほどよいスパイシーさとのコントラストが抜群だよ!まろやかなのが好きな人にオススメだよ!」

 

「いいんじゃない!」

 

「悪くないね☆」

 

緑谷と青山に受けたようだ。

 

「次はウチらね。醤油を入れるタイミングはルウの前に入れて醤油のアミラーゼを失くすために20分ぐらい煮詰めてね」

 

「醤油の風味が際立つ和風な味わいのカレーだ。マイルドな味が好みにはいいかもしれん」

 

「うーんいいな!」

 

「いいと思いますわ」

 

飯田と八百万が賛成のようだ。

 

「次は俺らだな!コーヒーの分量は小さじ2〜3程度だな!入れるタイミングはルウを入れた後だな!」

 

「カレー独特の脂っぽさがなくなり、カレーに深みとコクが生まれて、欧風カレーのような味わいになるんだよ。苦くてもいける人ならいいんじゃないかな」

 

「尾白が普通に解説してる!」

 

「でも美味そう!」

 

「酷くない……?」

 

涙目の尾白だが麗日と峰田の心を掴んだ。

 

「さて全員終わったところで集計しますか」

 

その結果

 

りんご5

 

砂糖5

 

醤油5

 

コーヒー5

 

『えええ!!!?』

 

見事に同数になってしまったのだ。

 

「これは……!?」

 

「どうしよう……!?」

 

「なら俺が決めてやる」

 

『相澤先生!!?』

 

「隠し味はトマトジュースな」

 

「ええ!?」

 

「そんな!?」

 

「なにか言ったか?」

 

『なんでもありません!』

 

相澤先生により強制的に隠し味は決定してしまった。

 

ちなみにそのカレーは結構美味かったそうだ。

 

 

 




集計結果

りんご (常闇、蛙吹、切島、上鳴、柳)

砂糖 (砂糖、芦戸、緑谷、青山、空野)

醤油 (耳郎、障子、飯田、八百万、轟)

コーヒー (瀬呂、尾白、麗日、峰田、爆豪)


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襲撃

「疼く…疼くぞ……早く行こうぜ……!」

 

「面白そうだよねー早く遊びたい……!」

 

「まだ尚早。それに派手なことはしなくていいって、言ってなかった?」

 

「ああ、急にボス面始めやがってな。今回はあくまで狼煙だ。」

 

「"虚に塗れた英雄たちが地に堕ちる"その輝かしい未来の為のな」

 

四人の敵たちが崖から見下ろす。

 

「ていうか、これ嫌、可愛くないです。」

 

「裏のデザイナー開発者が設計したんでしょ。見た目はともかく理には適ってるハズだよ」

 

「そんなこと聞いてないです。可愛くないって話です」

 

「どうでもいいから早くやらせろ……!ワクワクが止まんねえよ…!」

 

「黙ってろイカレ野郎共。まだだ……決行は……10人全員揃ったからだ」

 

「威勢ばかりのチンピラを集めたところでリスクが増えるだけだ。やるなら経験豊富な少数精鋭。まずは思い知らせろ……てめえらの平穏は俺たちの掌の上だということを」

 

「ねえねえ荼毘くん?いつやるの?ねえねえ?」

 

「おいうるせえ」

 

「あっ、僕に触らないほうがいいよ。灰になっちゃうから」

 

「っチッ!」

 

・・・・

 

合宿3日目

 

個性を伸ばす訓練を続けていたが補習組の動きが鈍い。そりゃ通常就寝が22時のところを26時まで起きてるのだからしんどいだろう。

俺は相澤先生に言われて他のやつらの個性伸ばしを手伝っている。

例えば尾白との場合。尾白の尻尾攻撃を俺が

 

<アタックライド、メタル!>

 

「があっ!」

 

鋼化で尾白の尻尾をひたすら鍛えるというシンプルな特訓方法で、

 

常闇の場合

 

「静まれ……!ダークシャドウ……!」

 

「ヒャッハー!暴れてやるぜ!」

 

「ハアッ!」

 

「「グワッ!!」」

 

オクトパスライトでダークシャドウを抑える手伝いをしたり、

 

上鳴の場合

 

フォーゼエレキステイツで

 

「アワワワワワ!!!」

 

上鳴に許容範囲以上の電気を流して上限をあげる特訓

 

レイ子の場合

 

「ぐううっ……!くうっ……!」

 

オーズサゴーゾコンボの重力操作で操作している物体の重さを増やし、それを操れるようにする特訓。

 

勿論自分の特訓も忘れずに、今日も土魔獣を相手にしている。

 

「ええい!!うっとおしい!!」

 

襲ってくる土魔獣を殴って躱して殴り続ける特訓。全く……これあと何回繰り返せばいいんだ?

 

皆が各々の特訓で疲れている中、ピクシーボブが

 

「ねこねこねこ……それより皆!今日の晩はねえ……クラス対抗肝試しを決行するよ!しっかり訓練した後はしっかり楽しいことがある!ザ!アメとムチ!」

 

「ああ……忘れてた!」

 

「怖いのやだな……」

 

「闇の饗宴……」

 

「イベントらしいこともやってくれるんだ」

 

「対抗ってとこが気に入った」

 

そう言う物間だったが疲れてそうだ。大丈夫か?アイツ?

 

「ウラメシ〜」

 

「あわっ!なんだレイ子か……」

 

「ふふっ……驚いた?今日の肝試し、私楽しみなの。真司も怖いの苦手?」

 

「俺は苦手じゃないかな。でもレイ子と一緒ならドキドキするな」

 

「もう……真司……」

 

パシッ!

 

「あいたっ!」

 

「そこの二人公然でイチャイチャするな」

 

「すみません……」

 

相澤先生に叩かれた。

 

そんなこんなで3日目の個性伸ばし訓練も終わり、夕食も食って肝試しの時間になった。

 

「腹もふくれた。皿も洗った!お次は……」

 

「肝を試す時間だー!!」

 

「その前に大変心苦しいが補習連中は……これから俺と補習授業だ」

 

『ウソだろ!!』

 

「すまんな。日中の訓練が疎かになっていたのでこっちを削る」

 

「うわあああ!堪忍してくれえ!試させてくれえ!!」

 

相澤先生に引っ張られる補習組

 

という訳で補習組を除いた15人でくじ引きをした結果、

 

「余った……」

 

緑谷が一人になってしまった。

 

「まっ、まあ……くじ引きだから……誰か必ずこうなるから……」

 

慰める尾白だが

 

「おい尻尾!変われ!」

 

相方の峰田は

 

「青山……オイラと変わってくれよ」

 

「俺ってなんなの……」

 

不憫な尾白くん。

 

ちなみに俺は

 

「レ〜イ子」

 

「し〜んじ!」

 

互いにハイタッチする。

 

相澤先生がいなくてよかったよ。

 

補習組に感謝だな。

 

そして肝試しが始まり、

 

『ぎゃあああ!!!』

 

耳郎の悲鳴が聞こえてきた。

 

そしていよいよ俺たちの番になった。

 

二人きりで手を繋ぎ、

 

「真司、ドキドキしてる?」

 

「あっ、おう!まあ……」

 

レイ子と一緒に歩いているが恋人になってもやっぱり落ち着かない。

 

そんな中ふと足元に漂っている煙に気づき

 

「ッ!レイ子吸うな!」

 

「!!?」

 

咄嗟に口を手で押さえてオーロラカーテンで転移した。

 

転移した先はマンダレイたちがいる広場で、ピクシーボブが血まみれで倒れていた。

 

「空野くん!?」

 

ピクシーボブの方を見るとオカマとステイン信者であろう敵がいた。

 

「あら……自分から来てくれるなんて」

 

「俺が目的か……」

 

「ええ……あなたは最重要捕獲対象……及び抹殺対象だから!」

 

オカマが叫ぶと俺は何かに引っ張られたが

 

<アタックライド、シャッフル!>

 

もう一人の敵と位置を交換してオカマの懐に潜り込んで一撃を与えた。

 

「がはっ!」

 

「マグ姉!」

 

油断したもう一人に斬りかかり、気絶させた。

 

「ピクシーボブ!大丈夫!!」

 

マンダレイがピクシーボブに駆け寄って安否を確認する。

 

気絶してるが大丈夫みたいだ。

 

<アタックライド、スコープ!>

 

レイ子を残して俺はオーロラカーテンで転移した。

 

・・・・

 

(行ったな……)

 

仮面の男Mr.コンプレスは真司を自身の個性で捕らえようと隙を伺っていたが返り討ちにあうと判断し、レイ子を捕らえる方に方針を変えたのだ。真司とレイ子が恋人同士だというのは知っていたため、レイ子を捕らえて、真司を捕まえることにしたのだ。

 

(君には空野真司を誘い出すお姫様になってもらうよ……)

 

Mr.コンプレスがレイ子を捕らえようと動いた時、

 

突如Mr.コンプレスが隠れていた木が動き出したのだ。

 

「なあっ!!」

 

驚いた隙にレイ子が手刀でMr.コンプレスを気絶させた。

 

そして捕縛糸でコンプレスを縛った。

 

「貴方のことは真司から聞いていた……だからあえて隙を作った…」

 

真司は離れる際にレイ子にMr.コンプレスのことを伝えておいたのだ。そしてあえて離れることで隙を作ったと思わせたのだ。

 

レイ子は宿舎へ戻り始めた。

 

・・・・

 

少し前、宿舎では

 

マンダレイからのテレパスを聞いた相澤は生徒たちを残して外の様子を見に行った。

 

「マズいな……!」

 

「心配が先立ったか。イレイザーヘッド」

 

「ブラドッ!」

 

荼毘が青い炎を放った。

 

「邪魔はよしてくれよ。プロヒーロー。用があるのはお前らじゃない」

 

 

荼毘は様子を伺うが、

 

「まあ……プロだもんな」

 

イレイザーヘッドは間一髪で荼毘の炎を避けていた。

 

荼毘が再び炎を出そうとするが

 

「出ねえよ」

 

イレイザーの捕縛布に捕らえられる。

 

「目的・人数・配置を言え!」

 

「なんで?」

 

「こうなるからだよ」

 

イレイザーは荼毘の左腕を折った。

 

「次は右だ。合理的にいこう。足まで掛かると護送が面倒だ」

 

「焦ってんのかよ?イレイザー」

 

その時轟音が鳴り響く。

 

「何だ?」

 

「先生!」

 

飯田たちが宿舎に戻ってきた。

 

イレイザーの気が飯田たちに向いた隙に荼毘は拘束から抜け出す。

 

(ダメージが……そろそろダメだな……)

 

「さすがに雄英の教師を勤めるだけはあるよ。なあヒーロー生徒が大事か?」

 

荼毘の体が突如溶け出す。

 

(さっきの発火が個性じゃないのか?)

 

「守りきれるといいな。また会おうぜ」

 

「先生、今のは……!!」

 

「中入っとけ……すぐに戻る」

 

「ねえねえ?僕と遊ぼうよ」

 

「!!?」

 

突如感じる殺気。

 

振り向くと一人の男がいた。

 

「はっはっは……ゲームの始まりだ……」

 

男の姿が灰色に変わる。

 

「オルフェノク……!」

 

相澤は驚愕し、

 

「なんだよ……!あれ!」

 

峰田たちは震え上がる。

 

「へえ……僕のこと知ってるんだ。まあいいや遊ぼうよ」

 

相澤は近くに置いてあったバイクの中からアタッシュケースを取り出す。

 

「相澤先生!!?」

 

その中にあるベルトを装着して、

 

「変身!」

 

<standing by>

 

<complete>

 

相澤の体が光に包まれると白き鎧を纏った戦士となった。

 

「へえ……!」

 

「仮面ライダー……デルタ!」

 

真司は鳴滝から貰ったデルタギアを万が一に備えて相澤に渡していたのだ。

 

その姿に飯田たちは驚愕し、

 

「あ……相澤先生……!?」

 

「へえ!おもしろいじゃん!僕と遊ぼう!」

 

「悪いがそんな暇はない!」

 

ドラゴンオルフェノクと仮面ライダーデルタの戦いが今始まる。

 



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怪盗ライダー

今回は三人称視点です。


仮面ライダーデルタとドラゴンオルフェノクは激戦を繰り広げていた。

 

デルタがパンチを繰り出せばドラゴンオルフェノクはそれを受けめ、その爪を振るう。爪が直撃するまえにデルタは後ろに跳んで躱し、銃撃でドラゴンオルフェノクを牽制する。

 

「へえ……やるね」

 

「そりゃ……どうも!」

 

銃撃を受けながらもドラゴンオルフェノクはもろともせず突き進み、デルタに一撃を食らわした。

 

「相澤先生!」

 

デルタはなんとか立ち上がったが既に体力は限界だった。

 

「ハァハァ……」

 

「ふ〜ん。しぶといね……まあいいや、そろそろ終わらせよう」

 

ドラゴンオルフェノクがデルタに突進してきた時、

 

突如銀色のオーロラが現れた。

 

「……なんだ?」

 

「……空野か?」

 

「ふ〜ん。ここが士の言ってた世界か……思ってたのと違うとこに来ちゃったけどさ」

 

「お前は……!?」

 

「新手の敵か!?」

 

「まあいいや。先に片付けよう」

 

<カメンライド、ディエーンド!>

 

謎の男は青の銃を片手に青の鎧を纏った戦士に変身した。

 

「お前は!?」

 

「仮面ライダーディエンド……怪盗さ」

 

「ディエンドだと!?」

 

「はっ!」

 

ディエンドが加速して迫るとドラゴンオルフェノクは反応できずにモロに一撃を食らってしまう。

 

一撃を加えた直後にディエンドはカウンターを避けて後ろに回り込み何発も殴る。

 

そしてデルタよりも強力な銃撃でドラゴンオルフェノクを吹っ飛ばす。

 

「こいつらならどうかな?」

 

<カメンライド、レンゲル!カメンライド、ゾルダ!>

 

ディエンドがトリガーを引くと二人の仮面ライダーが現れた。

 

レンゲルラウザーをドラゴンオルフェノクに振るうとドラゴンオルフェノクは辛うじて受け止めるが力に押されはじめゾルダの射撃がドラゴンオルフェノクを襲う。

 

ドラゴンオルフェノクは吹っ飛ばされて転がるが、

 

「くっ!うわあああああ!!!!」

 

龍人態となったドラゴンオルフェノクがレンゲルとゾルダを吹き飛ばしディエンドに迫るが

 

<アタックライド、インビシブル!>

 

透明化で姿を消して、攻撃を避ける。

 

そして

 

<カメンライド、コーカサス!>

 

コーカサスを呼び出して

 

<ハイパークロックアップ!>

 

高速化したコーカサスによってドラゴンオルフェノクは切り刻まれた。

 

「グワアァァア!」

 

魔人態に戻ったドラゴンオルフェノクは既に疲労困憊だった。

 

ドラゴンオルフェノクの様子を見たデルタは

 

「チェック!」

 

銃口に集中させたエネルギーを放ち、ドラゴンオルフェノクを拘束する。

 

そしてそのエネルギーの中には飛び込んでドラゴンオルフェノクを貫く。

 

「アアアアアッ!!」

 

ドラゴンオルフェノクの体に紋章が浮かび上がり、ドラゴンオルフェノクは灰となった。

 

「なんだこの程度か……さてせっかく来たんだ。君のお宝を貰おうかな」

 

デルタは一瞬たじろぐ。

 

「お前……何者だ?」

 

「士と同じ通りすがりの仮面ライダーさ」

 

「門矢士のことか?」

 

「そう。よく知ってるね。さてそのベルトを貰いたい。いいよね?」

 

その時銀色のオーロラが再び現れた。

 

「相澤先生!」

 

「空野か!?」

 

「へえ……君がもう一人のディケイド……」

 

「空野!コイツは?」

 

「海東大樹。お宝を狙うトレジャーハンターです!先生のデルタギアを奪うつもりです!」

 

「そのようだな……」

 

「参ったな……君と戦うのは面倒だ。ここは引き上げるとするか。」

 

そう言った海東大樹は後ろに現れたオーロラカーテン飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 



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終結

イレイザーヘッドと荼毘が接触する直前

 

「見晴らしの良いとこを探して来てみればどうも資料になかった顔だ。なあ、センスの良い帽子だな。子供。俺のダセェマスクと交換してくれよ。新参は納期がどうとかってこんなオモチャつけられてんの」

 

後ろに逃げる洸太。壁を蹴り回り込む大男。

 

「景気付けに一発やらせろよ」

 

男が振るおうとする腕がどんどん肥大化していく。

 

その男はかつて洸太の父と母を殺した敵、血狂いマスキュラーだった。

 

その恐怖に洸太は

 

「パパッ……!ママッ……!」

 

その時一つの影が横切った。

 

その後轟音が鳴り響いた。

 

「んんっ……おまえは……」

 

震える緑谷、

 

「もう大丈夫……僕が君を守る!」

 

マスキュラーがフードを脱ぎその腕を振るう

 

「じっくりいたぶってやっから血を見せろ!」

 

間一髪で避ける緑谷だが、

 

「遊ぼう!」

 

追撃の蹴りを入れるマスキュラー。

 

「アメイジングフルカウル……!」

 

許容上限40%のフルカウルを纏う緑谷。

 

緑谷がマスキュラーにパンチを振るうが怯んだだけで大して効いていなかった。

 

「おれの個性は筋肉増強!皮下に収まんねえ程の筋繊維で底上げされる力!スピード!何が言いてえかって!?自慢だよ!つまりおまえは俺の完全なる劣等型だ!」

緑谷はなんとか立ち上がったが既に満身創痍の状態だった。

 

石を投げつけられたマスキュラーが振り返ると

 

「ウォーターホースも……パパとママも……!そうやって……!おまえみたいなやつのせいで!いつもこうなるんだ!」

 

「……ガキはすぐに責任転嫁する。よくねえぜ?俺だって別にこの眼のこと恨んじゃねえぜ。悪いのは出来もしねえことやりたがってたテメエのパパとママさ!」

 

マスキュラーが洸太に向かってその腕を振るおうとした時に緑谷が割り込む。

 

「悪いの!お前だろ!」

 

緑谷がマスキュラーの筋繊維に腕を絡める。

 

「これで速さは関係ない」

 

「んで?なんだ?その力不足の腕で殴るのかよ?」

 

「できるできないじゃないんだっ……ヒーローは!!命を賭してキレイ事実践するお仕事だ!」

 

緑谷が許容上限を超える一撃でマスキュラーを吹っ飛ばした。

 

その余波で洸太も吹っ飛ばされたが緑谷がなんとか掴み取った。

 

その後施設に戻ろうとしたが

 

「……ウソだろ」

 

「テレフォンパンチだ。しかしやるなあ……緑谷」

 

マスキュラーはまだ倒れてなかった。

 

緑谷向かって歩くマスキュラー。

 

「覚えているか?さっきまでのは遊びだ!やめるよ!遊びは終いだ!おまえ強いもん!こっからは……本気だ」

 

「洸太くん掴まって!」

 

咄嗟に上に跳ぶ緑谷。

 

それを追うマスキュラー。

 

マスキュラーが疲労困憊の緑谷にとどめを刺そうとした時、

 

銀色のオーロラが現れて攻撃を防いだ。

 

「もう大丈夫だ。俺が来た」

 

 

 

 

相澤先生と別れて、緑谷を助けにきたが……危なかった……!

 

スコープで緑谷たちの場所はすぐにわかったが敵もいるなんてな……

 

他の敵もいるのにコイツに時間はかけられない!

 

「緑谷……コイツは俺に任せろ。おまえはその子を逃せ」

 

俺はオーロラカーテンを出現させて、緑谷はその中に飛び込んだ

 

「ああ……?おまえはリストにあった……そうか空野だ!おいじっくりいたぶってやっから血を見せろ!」

 

右ストレートを俺は横に避けて

 

「変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

ディケイドに変身するが追撃の拳を食らってしまった。

 

「はっはー!どうした!」

 

強い………!

 

だったら……!

 

<フォームライド、ビルド!ラビットラビット!>

 

ビルドラビットラビットフォームに変身して、マスキュラーの追撃を受け止める。

 

「なあっ!?」

 

そして直後腹にパンチを食らわせてマスキュラーを吹っ飛ばした。

 

筋繊維が鎧となるが関係ない。ラビットラビットフォームには装甲を貫通してダメージを与えることができるため鎧などは意味がないのだ。

 

ビルドのラッシュにマスキュラーは防御すらできなかった。

 

マスキュラーが腕を振るうがビルドは軽快な動きで横に避けて、回し蹴りを食らわせて、追撃のパンチを顔面に当てた。マスキュラーはよろけるもビルドめがけてその腕を振り下ろしすが、ビルドは上に跳んで、脳天にかかと落としを食らわせた。マスキュラーは倒れるも、腕の筋力だけで跳ね上がり、後ろに跳んだ。直後ビルドが振り抜いた脚がマスキュラーの眼前を通った。

 

「ハァハァ……強えな……」

 

「悪いが……これで終わりだ」

 

<ファイナルアタックライド、ビ、ビ、ビ、ビルド!>

 

「ライダーキック!」

 

右脚を伸ばして飛び上がり、そのまま元に戻る勢いでマスキュラーを蹴りつけた。

 

「グワアァァア!!」

 

その勢いでマスキュラーは壁まで吹っ飛んだ。

 

俺はオーロラカーテンを再び出して転移した。

 

・・・・

 

拳藤一佳たちがマスタードを倒して数分後、

 

「クソッ!近づかねえ……!最大火力でぶっ飛ばすしか……」

 

「ダメだ!爆発はこっちの視界も塞がれる!仕留めきれなかったらどうなる?手数も距離も向こうに分があるんだぞ!」

 

ムーンフィッシュの刃が爆豪たちに当たる寸前、銀色のオーロラがそれを防いだ。

 

「待たせたな。焦凍。」

 

 

・・・・

 

マスキュラーを拘束して相澤先生のところへ戻った俺は焦凍のところまでワープした。

 

「遅いぞ……真司」

 

「悪りい悪りい」

 

「肉……見せて!」

 

「変身!」

 

<カメンライド、電王!>

 

ムーンフィッシュの刃が真司を襲うがドライバーから出たアーマーがその刃を防ぐ。

 

「あああっ!!邪魔っ!!!」

 

伸びてきた刃をデンガッシャーで切り裂いた。

 

「俺は最初から最後までクライマックスだ!!!」

 

<ファイナルアタックライド、デ、デ、デ、電王!>

 

デンガッシャーの刃を上空に飛ばし、腕を振り下ろすと

 

飛ばした刃がムーンフィッシュを歯ごと切り裂き

 

腕を振り上げると下ろした刃が上空へ掬い上げられ、

 

そして再び腕を振り下ろすとその刃は再びムーンフィッシュを切り裂いた。

 

そして刃がデンガッシャーに戻ってきた。

 

「終わったか?」

 

「ああ」

 

「余計なことすんじゃねえよ!変身野郎!」

 

「おいおいんなこと言ってる場合か?」

 

「ああ……さっさと戻らねえと」

 

とその時二人の敵と遭遇した。

 

「コイツ知ってるぜ!誰だ!?」

 

「おいおい……何やられてんだ?」

 

「ッ!!」

 

「最悪だな……」

 

「おいおい……」

 

「さっさと殺しちまうぜ!生かそう!」

 

「さっさとすませちまおう」

 

「そりゃこっちのセリフだ」

 

<アタックライド、ポーズ!>

 

俺は時間を止め、二人の敵に一撃ずつ入れて、再び時間を動かす。

 

「ぐわっ!?」

 

「がっ!?」

 

当然モロに一撃をくらった敵は気絶した。

 

「おい……何やったんだ?」

 

「時間を止めただけだが?」

 

俺の言葉に固まる二人

 

「ハァ……後にしよう」

 

「何が?」

 

「わかんねえのかよ!!変身野郎!!」

 

とりあえずオーロラカーテンで施設に転移した俺たち

 

『空野!』

 

『真司!!』

 

「相澤先生!!皆!!」

 

「無事か!?」

 

「ええ……なんとか」

 

「空野。あと敵はどれぐらいいるんだ?」

 

スコープで見てみるが

 

「大丈夫です。敵はもういません。ここにいるやつだけです」

 

「そうか……とりあえず敵を拘束するぞ」

 

その後、麗日たちが捕えた女の敵も含めて9人の敵を拘束した。

 

「よし。後は警察が来るのを待つだけだな」

 

「それはどうですかね……」

 

突如ワープゲートが現れた。

 

警戒する相澤先生だがワープゲートは六人の敵を飲み込み消えてしまった。

 

こうして楽しみにしていた林間合宿は最悪の形で幕を下ろした。

 

 

 

 

 



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神野の戦い

だいぶ遅れました!すみません!


夏休み。雄英の会議室では

 

「敵との戦闘に備える為の合宿で襲来……恥を承知でのたまおう。敵活性化の"恐れ"という我々の認識が甘すぎた。奴らは既に戦争を始めていた。ヒーロー社会を壊す戦争をさ」

 

校長の言葉で会議室の空気が重くなる。

 

「認識出来ていたとしても防げたかどうか……"オールマイト"以降組織だった犯罪はほぼ淘汰されてましたからね…」

 

「要は知らず知らずのうちに平和ボケしてたんだ俺たち。"備える時間がある"っつー認識だった時点で」

 

「私はなんて不甲斐ないんだ……空野少年が必死で戦っている時に私は半身浴に興じていたっ……っ!」

 

オールマイトは後悔の念を抱かせ、

 

「襲撃の直後に体育祭を行う等今までの「屈せぬ姿勢」はもう取れません。"敵襲来"。雄英最大の失態だ。奴らは襲撃で我々の信頼を奪ったんだ」

 

スナイプ先生が冷静に論する。

 

「信頼云々ってことでこの際言わせてもらうけどよ……今回で決定的になったぜ……いるだろ。内通者。合宿先は教師陣とプッシーキャッツしか知らなかった!怪しいのはこれだけじゃねえ!ケータイの位置情報なり使えば生徒にだってーー……」

 

「マイクやめてよ」

 

ミッドナイトが宥めるが

 

「やめてたまるか!!洗おうぜ!!この際徹底的に!」

 

「おまえは自分が100%シロという証拠を出せるか?この場の者をシロだと断言できるか?お互い疑心暗鬼になり内側から崩壊していく。内通者探しは焦って行うべきじゃない」

 

スナイプが反論する

 

「少なくとも私は君たちを信頼している。その私がシロだとも証明しきれないわけだが。とりあえず学校として行わなければならないのは生徒の安全保障さ。内通者の件もふまえ……かねてより考えていた事があるんだ」

 

<でーんーわーがー来た!>

 

オールマイトの電話に着信が入った。

 

オールマイトは電話に出てその内容を聞くと、

 

「奴らに会ったらこう言ってやるさ………!私が反撃に来たってね……!」

 

 

 

・・・・

 

 

 

 

俺とレイ子はクラスメイトと一緒に緑谷のお見舞いに来ている。

 

皆無事だってのにどこか浮かない顔をしている。あの爆豪もだ

 

「なぁデク……」

 

沈黙が場を支配する中爆豪が口を開いた。

 

「俺何んにもできなかった……おまえがそんなになってまでなにかを守ったってのに俺はおまえのことをデク呼ばわりしていつまでもガキみてえにおまえをバカにしておいて俺はただ自分を守ることしかできなかった……俺はヒーロー失格だ……」

 

「かっちゃんそれは」

 

「爆豪」

 

見てられないので俺が口を開いた。

 

「おまえが言うように緑谷をバカにしていたのもいいことってわけじゃない。おまえがなにもできない悔しさもわからないってわけじゃない。でもな俺たちはまだヒーローの卵なんだよ。未熟な部分もこれから直していけばいいんだ。ダメなところも弱い自分もこれから強くなればいいんだ」

 

「空野……っておまえに言われても嫌味にしか聞こえねーな」

 

「そうか?」

 

『そうだよ』

 

「なにそれヒッドーイな」

 

「ふふっ……」

 

「ハハッ……」

 

いつのまにかその場に笑いが響き渡っていた。

 

「そうだな……おまえの言うように俺はこれから強くなっていく!それはもう曲げねえ!皆もだ!俺はもう皆を下に見ねえ!」

 

「かっちゃん……!」

 

「そうだな」

 

「ああ」

 

こうして俺たちのお見舞いは終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・

 

 

 

私は真司に先に行ってもらい一人で帰っていた。

 

今回真司が命を賭して戦っていたのに私は何もできなかった……私は真司と一緒に隣で戦おうと誓ったのに……私も強くなりたい!真司のように

 

「お困りのようかい?」

 

突然辺りに響く声

 

「誰?」

 

だが誰もいない

 

と足元に丸いボール見たいなものが落ちていた。

 

それを拾うと

 

「やあ。俺が見えるかな?」

 

「っ!お化け?」

 

「ハハッ、まあそんなとこかな。俺今死んでるし」

 

「何の用ですか?」

 

「さっき心の何処かで思ってなかった?力が欲しいって」

 

「それは……」

 

私は一瞬戸惑う。得体の知れないこの人に話してもいいのかなって、それでも私は自分の中をさらけ出したかった。

 

「はい……私は恋人が必死で戦っている中で何にもできなかった。私はヒーローを目指すのに……私も守れる力が欲しいと思いました」

 

「そうか。確かになにかを守るためには力がなくちゃいけない。でも君は既に立派なヒーローじゃないか?」

 

「え?」

 

「ヒーローになるのに必要なものが有るとするなら、誰かの為に戦う覚悟、そして悪に立ち向かう勇気さ」

 

 

「!!!」

 

「君はその二つがもうあるんだ。それだけでもう立派なヒーローだと俺は思うよ」

 

「……」

 

「まっ、こっからは提案なんだけど俺の力、継いでみないか?」

 

「え?」

 

これは後の話だが私はその提案のおかげで真司に並ぶことができた。

 

・・・・

 

敵連合が潜伏するバー

 

「クソッ!あのガキよくも!!」

 

死柄木は苛立っていたが誰も止めなかった。

 

皆襲撃をぶち壊した空野に怒りを覚えているからだ。

 

テレビでは雄英の謝罪会見が映っているが勝った気がしなかった。

 

周到に計画を練って実行したのがまさかのほぼ無傷という結果だからだ。

 

「どーもピ◯ーラ神野店です」

 

その時壁が破壊され轟音が鳴り響いた。

 

「っ!黒霧っ!」

 

「先制必縛ウルシ鎖牢!!」

 

「木ィ!?んなもん……」

 

「逸んなよ。大人しくしといた方が……身のためだぜ」

 

「もう逃げられんぞ敵連合……何故って!?我々が来た!」

 

「オールマイト……!!これがステインが求めていたヒーロー……!」

 

「ふざけるなこんな……こんなァ……」

 

「奴は今どこにいる。死柄木!!」

 

「おまえが!!嫌いだ!!」

 

突然なにもないところから脳無が現れた。

 

「先……生」

 

ー脳無格納庫では

 

「ラグドールよ!返事をするのだ!!」

 

「チームメイトか!息はあるのか。良かったな」

 

「しかし……様子が……何をさせたのだ…ラグドール!!」

 

ギャングオルカは虎がラグドールの様子を確認するのを見ていたが様子がおかしかった。

 

「すまない虎、前々から良い"個性"だと……ちょうど良いから……貰うことにしたんだ」

 

その時とてつもないプレッシャーを感じた。

 

「止まれ動くな」

 

ギャングオルカが叫ぶと同時にベストジーニストが繊維で捕縛する。

 

「ちょ ジーニストさん。もし民間人だったら……」

 

「状況を考えろその一瞬の迷いが現場。左右する。敵には…何もさせるな」

 

と次の瞬間周囲一帯が吹き飛んだ。

 

 

数分後

 

「また失敗したね弔。でも決してめげてはいけないよ。またやり直せばいい。こうして仲間も取り戻した。いくらでもやり直せばいい。その為に僕がいるんだよ。全ては君の為にある」

 

「やはり来てるな……」

 

「全て返してもらうぞオール・フォー・ワン!!」

 

「また僕を殺すか。オールマイト」

 



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終局

「全て返してもらうぞオール・フォー・ワン!」

 

「また僕を殺すか。オールマイト」

 

テレビ越しでも伝わるオールマイトと敵の余波。

 

オールマイトが向かっていくが敵の衝撃波はオールマイトを吹き飛ばした。

 

オール……!マイト!

 

 

・・・・

 

オールマイトside

 

私は敵掃討作戦に駆り出されベストジーニストたちのもとへ向かったが……やはり生きていたか……!オール・フォー・ワン!

 

「今度こそ貴様を刑務所にぶち込む!貴様の操る敵連合ごと!」

 

「それは……大変だな。やる事が多くて。お互いに」

 

私はオールフォーワンに向かっていくが衝撃波で吹き飛ばされた。

 

「この組み合わせは面白いな……増強型をもう少し増やそうか……」

 

「ここは逃げろ弔」

 

オールフォーワンがそう言うとワープゲートの個性が発動させ、敵たちがその中に飛び込んだ。

 

「逃がさん!」

 

私が踏み込んで飛び出すとオールフォーワンも拳を振りかざして受け止める。

「ダメだ……先生……その身体じゃダメだ。俺まだー」

 

「弔。君は戦いを続けろ」

 

私が再び拳を振りかざすが先生が転送させられ衝撃反転で私にダメージを与えた。

 

「すみませんっ!」

 

「高速化×3」

 

オールフォーワンが後ろに現れると同時に肥大化して腕で殴ってきた。

 

「ぐふわっ!」

 

私は吹っ飛ばされてなんとか立ち上がった。

 

「ぐほっ……」

 

「そろそろ終わらせようかな」

 

とその時銀色のカーテンが現れた。

 

これは……空野少年か!?

 

「……君は何者だ?」

 

オールフォーワンが尋ねる。

 

「俺か?俺は……通りすがりの仮面ライダーだ」

 

あれはまさかもう一人のディケイドなのか!?

 

「変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

「へえ……君は……」

 

「状況はだいたいわかった。アイツを叩く!」

 

「ディケイド!力を貸してくれ!」

 

「おまえは……オールマイトか。いいだろう」

 

「二人まとめてあの世に送ってあげるよ」

 

<カメンライド、キバ、エンペラー!>

 

「竜巻×9!」

 

「ディケイド避けろっ!」

 

私は咄嗟に避けたがディケイドは巻き込まれてしまった。

 

「死んだね。彼は僕と己の実力差がわからない愚か者だったようだ」

 

ぐっ!

 

<アタックライド、クロックアップ!>

 

音声と同時にオールフォーワンが吹っ飛ばされ

 

吹っ飛んだ先に高速化した何者かが先回りしてオールフォーワンを吹っ飛ばし、その繰り返しをしていた。

 

オールフォーワンは崩れたビルに叩きつけられ、高速化した何者かはようやく姿を現した。

 

姿は違うがあのベルトは間違いない。

 

「ディケイド!?」

 

「ぐっ!」

 

彼はあの竜巻の嵐を耐えたのだ。

 

オールフォーワンは翼を生やして上空に飛び立ちエネルギーを放とうとしていた。

 

「なるほど。だったらコイツだ」

 

<カメンライド、響鬼、アームド>

 

またもや彼の姿が変わり今度は鬼のような姿となった。

 

オールフォーワンがエネルギーを放ったが彼は剣を一閃しただけでエネルギー砲を切り裂いてしまった。

 

<ファイナルアタックライド、ヒ、ヒ、ヒ、響鬼!>

 

彼の剣先から炎が立ち上がり彼はそれを一振りした。

 

その一太刀は周辺の建物を両断し、大地を切り裂いた。

 

オールフォーワンは辛うじて避けたものの冷や汗をかいていた。

 

「これほどとは!」

 

<カメンライド、エグゼイド、ムテキ!>

 

<輝け!流星の如く!黄金の最強ゲーマー!ハイパームテキ!エグゼイド!>

 

彼は空野少年が変身していた姿となって、オールフォーワンに高速で向かっていった。

 

オールフォーワンはディケイドのパンチを受けて吹っ飛ぶも体勢を立て直して、ディケイドに拳を振るうがディケイドはもろともせず蹴りを放ち、オールフォーワンを吹っ飛ばす。ディケイドは高速化でオールフォーワンに拳を振るい吹っ飛んだ先に先回りして再びその拳を振るう。その連撃を繰り返してオールフォーワンにダメージを与え続けた。

 

「悪いが……これで終わりだ」

 

<ファイナルアタックライド、エ、エ、エ、エグゼイド!>

 

ディケイドは黄金の粒子を身に纏ってオールフォーワンを連続で蹴り続けた。

 

オールフォーワンは倒れて動かなくなった。

 

ディケイドは変身を解きその場を去ろうとする。

 

「ディケイド……いや!門矢士くん!君は一体何者なんだ!」

 

「俺か?言ったはずだ。俺は通りすがりの仮面ライダー。そして世界の破壊者だ」

 

そう言って士くんは銀色のオーロラに消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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お部屋披露と不思議な感情

原作との相違点

オールマイトの引退がない


神野の戦いで現れた仮面ライダーディケイドは謎のヴィジランテとして注目を集め、ディケイドと同じ力を持っている俺はマスコミに追われることとなった。その前に家庭訪問が有ったがウチは問題なく済んで雄英での新生活を送れることができた。

 

ーんで今雄英バリアーの前に群がっているマスコミから質問を受けるがとにかくウザいったらありゃしない

 

「貴方とあのヴィジランテの関係性を教えてください!」

 

「実は親子だったりして?」

 

「個性が全く同じに見られますがそこんとこは?」

 

まあ……気持ちはわからんでもないが……だって全く同じ力だもん……

 

適当に受け流してレイ子と一緒にこれから雄英で過ごす為の寮へ向かう。

 

皆も既に集まっていて、相澤先生から寮の説明を受ける。

 

一階は食堂や風呂場があり共同スペースらしい。途中峰田が勘違いして興奮していたが相澤によって鎮められた。

 

全く……アイツはブレねえな……

 

「一人一部屋、エアコン、トイレ、冷蔵庫にクローゼット付きの贅沢空間だ」

 

その後各々で部屋を作って夜になると一階の共同スペースに集まっていた。

 

「あー!疲れたー!」

 

「色々あったからねえ」

 

「共同生活……これも協調性や規律を育む為の訓練……!」

 

「キバるなあ委員長」

 

全くだ……でもいつも教室で見る光景だなあ……

 

「男子部屋出来たー?」

 

「おう今くつろぎ中ー」

 

女子がやってきた。

 

「あのね!今話しててね!提案なんだけど!お部屋披露大会しませんか!?」

 

お部屋?披露大会!?

 

「わああダメダメ!!ちょっと待ーーー!!!!」

 

「オールマイトだらけだ!オタク部屋だ!!」

 

「憧れなんで…………恥ずかしい……」

 

緑谷の部屋はどこもかしこもオールマイトグッズだらけで逆に凄いと思ってしまった。

 

「フン、下らん……」

 

次に常闇の部屋だが常闇は扉の前で突っ立っていた。

 

アイツ……そんなに部屋見られたくないのか?

 

テコでも動かなそうな常闇を芦戸と麗日が強制的にどかした。

 

中に入ってみると

 

「黒っ!!!怖っ!!!」

 

黒一色に染まった部屋だった。

 

「貴様ら……」

 

短剣や十字架ネックレス、水晶玉など厨二キャラが集めそうなものが並べられていた。

 

「出て行けェーッ!」

 

次に青山の部屋は

 

「眩しい!」

 

イメージ通りの部屋だった。

 

峰田の部屋は……うん、スルーだ。

 

尾白の部屋は……なんとも言えない……普通だ…

 

そんな皆の反応に耐えられなかったのか尾白は少し涙を浮かべていた。

 

見てられなくなったので

 

「だっ、大丈夫だ!尾白!周りの反応なんか気にするな!自分の作った部屋を信じろ!」

 

「空野……ありがとよ……」

 

尾白を慰めてるうちに飯田の部屋に到着した。

 

「難しそうな本がいっぱい!流石委員長!」

 

「おかしなものなどないぞ」

 

「メガネクソある!」

 

「なにが可笑しい!!激しい訓練での破損を想定して……」

 

ウン、言ってることは最もだが飯田らしさが滲み出た部屋だな

 

次の上鳴の部屋に差し掛かった時に事件は起きた。

 

上鳴が散々チャラいだとかなんだと言われていると、峰田が

 

「男子ばっかり言われっぱなしなのは可笑しいよなぁ?なら当然女子の部屋も見て決めるべきじゃねえのか?誰の部屋がクラス一のインテリアセンスか全員で決めるべきじゃねえのか!!?」

 

その峰田の言葉に一部の言われっぱなしだった男子が同意した。

 

レイ子をはじめとする一部の女子(耳郎)は渋っていたが……

 

アレ峰田……完全に他のやつらの心を利用したな……アレはなにか企んでる時の目だ。

 

でも…………レイ子の部屋はめっちゃ見たい!!峰田!今回ばかりはお前に感謝するぞ!

 

そんなこともあって女子の部屋もみることになった。

 

だがまだ男子全員の部屋が見終わってない。

 

次は切島、

 

「別に良いけどよ〜女子にはわかんねえと思うぜ。この漢らしさは!」

 

「…うん」

 

切島もイメージ通りの暑苦しい部屋だった。

 

椛に「大漁」やら「必勝」とかかけてあり、サンドバッグにダンベル見た目通りの暑苦しい部屋だった。

 

次の障子の部屋はテーブルと座布団、布団以外に何もなかった。

 

「ミニマリストだったのか」

 

「まあ幼い頃から物欲があまり無かったからな」

 

お!?大会の中で焦凍が初めて口を開いたぞ!意外なところで口を出すな……

 

「こういうのに限ってドスケベなんだぜ」

 

峰田……お前と一緒にするな……

 

次の瀬呂の部屋だったが瀬呂がウキウキしていた。さて中はどうかな……?

 

「おお!!」

 

中身はアジアンテイストだった。

 

「エイジアーン!」

 

「ステキー」

 

「ヘッヘッヘ、ギャップの男瀬呂くんだよ!」

 

これを狙ってたのか……しかしいいな……

 

次は焦凍か。中に入ってみると

 

「和室だ!!?」

 

「作りが違くね!!?」

 

焦凍の部屋はフローリングが大幅に改造され、和室そのものとなっていた。

 

床は畳となっていて、ベランダの方は障子になっていた。

 

「実家が日本家屋だからよ。フローリングは落ち着かねえ。」

 

「理由はいいわ!」

 

「当日即リフォームってどうやったんだよ!?」

 

「……頑張った」

 

なんだよコイツ……!レイ子も驚いてるぞ……!

 

「イケメンのやることは違えな」

 

全くだ。

 

次は砂糖の部屋か、

 

「ま、つまんねー部屋だよ」

 

「轟の後は誰だって同じだぜ」

 

「ん!?いい匂いするな。砂糖、なにか作ってんのか?」

 

「あ!いけね!シフォンケーキ焼いてたんだ!皆食うか?」

 

『食うー!』

 

女性陣から黄色い声があがった。レイ子もだ。

 

その後皆でシフォンケーキを食った。

 

美味えな……

 

「レイ子もケーキ作ってくれないかな〜」

 

「ふぇっ!な、なんで!?」

 

「いやレイ子料理美味いから絶対美味しいって」

 

「あ……う、うん…………」

 

レイ子の顔が赤くなっていく。

 

ふと振り返ると皆が暖かい視線を俺に向けていた。

 

やっべ!恥ずかしい……!

 

峰田と上鳴は血涙を流していたが……

 

ていうかこの二人を超えるのはムズイぞ……

 

「最後!空野の部屋ね!」

 

(クラス屈指の実力者……)

 

(クラス屈指のイケメンボーイ)

 

(真司の部屋……ドキドキしてきた……)

 

「まっ、あんま期待しないでくれ」

 

そう言って俺は部屋を開けた。

 

・・・・

 

柳レイ子side

 

真司の部屋を見れると聞いてドキドキしていた。

 

ていうか峰田が余計なこと言ったせいで私の部屋までみることになったじゃない!

 

全く……でも真司に……私の部屋も見てもらいたいな……

 

そう言って真司が開けると皆絶句した。

 

まるでラボのような機械だらけの部屋だったからだ。

 

バイクや楽器まであるし……

 

「しっ、真司……?これって……?」

 

「ああ、俺って機械いじりが好きだからさ。それに俺、仮面ライダーだろ?バイクはやっぱり欲しいなぁって、だから自分で作れるようにさ。焦凍とかに比べれば大したことないだろ?」

 

そんなわけない。轟や砂糖よりもギャップがある。

 

「……さ!次は女子だな!さっさと行こうぜ!」

 

上鳴の言葉で皆我に帰り、女子棟へ向かった。

 

ふと見てみると耳郎が目を丸くしていた。

 

・・・・

 

あんまり受け良くなかったかなー

 

まあ焦凍とかに比べればたいしたことないからか

 

まずは耳郎の部屋

 

「ハズいんだけど……」

 

耳郎の部屋は楽器で埋め尽くされていた。

 

「耳郎ちゃんはロッキンガールなんだねえ!」

 

「これ全部弾けるの!?」

 

「まっ、まァ一通りは……」

 

「すごいじゃん耳郎!」

 

「!!?」

 

「なあなあ!俺にギター教えてくれないか?」

 

「……え?……」

 

「いや〜最近ギター始めてさ。誰かに教えて貰いたいんだけど耳郎は上手いんだろ?何より知ってる人に教えてもらう方がいいからさ」

 

「え…………でもウチは一通りできるだけで……」

 

「じゃあ弾いてみてよ。絶対上手いと思うからさ」

 

そう言われて耳郎はギターを弾いてくれた。

 

やっぱり上手いな!!

 

「やっぱり上手いじゃん!」

 

「ええ〜〜?そうかなあ?」

 

「耳郎らしさが出ててとっても良かったぜ!」

 

「ええ〜〜?でもそこまで言われて断るのは……ロックじゃないね……」

 

「ありがとう耳郎!これからも宜しくな!」

 

俺は手を耳郎に差し出す。

 

耳郎も手を握ってくれた。

 

心なしか耳郎の顔が赤いんだけど熱でもあるのかな?

 

・・・・

 

ウチは空野に言われた言葉に心の底で動揺していた。

 

ウチは昔っから女の癖に趣味が男だとかウチの音楽を褒めてくれる人は親以外にいなかった。

 

自分に女らしさがないのは理解していた。サバサバしてる性格なのも分かってた。

 

だからこんな自分の音楽を褒めてくれる人はいないと思ってた。

 

ウチの空野への印象はただクラスの中ですごいやつだけだと思っていた。

 

でも今日で空野への印象が変わった。

 

アイツは人の心の中までズカズカと入っていくやつなんだと、それを本人は気づいていない。腹立たしいと思うかもしれない。でも不思議とそんなことは思ってなかった。むしろ清々しいと思ったぐらいだ。

 

それに空野のウチらしさが出ていいって言葉に少しドキッとした。今まで空野に言われてきた言葉でこんな風に感じたことなどなかったからだ。この感情はなんなんだろう?でも嬉しい。結局空野にギターを教えることとなった。なんか思い通りにされてるみたいだ。ああ、全く腹立たしい。でも空野に教えることとなったのがとっても嬉しい。

 

 

・・・・

 

 

その後女子の部屋を見て回ったが特に思うところはなかった。

 

ひとつだけあるとすれば八百万はやっぱりお嬢様なんだなぁってとこぐらいか。あとレイ子の部屋を見たけどレイ子ってホラー映画が好きなんだ。さ〜て耳郎にこれからギターを教えてもらうのは楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 



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仮免試験開始!

今回は短いです。すみません……


お部屋披露大会が終わった翌日、ヒーローの仮の免許、仮免をとるまでの期間、個性伸ばしと必殺技作りの圧縮訓練となり

ーあっという間に時間は過ぎてヒーロー仮免許取得試験当日!!

 

試験会場につきバスから降りる俺たち。

 

「緊張してきたあ……」

 

「ハー仮免取れっかなあ……」

 

「峰田。取れるかなじゃない、取ってこい」

 

「おっ、もっモチロンだぜ!」

 

「この試験に合格すればお前らは晴れてヒヨッ子……セミプロへと孵化できる。頑張ってこい」

 

道中で士傑高校や傑物学園と色々あったが会場に俺たちは入った。

 

会場の中は人で埋め尽くされていた。

 

多い……多いよ

 

その後なんか眠そうな人による説明を受けて、ルールを簡単にすると、

 

1 体の晒されている箇所にターゲットを三つ付ける。

 

2 三つのターゲットを当てられると失格となる。

 

3 三つ目のターゲットを当てた人が倒したこととなる。

 

4 二人倒すと通過となる。

 

まあこんなとこだな。

 

説明が終わり会場の屋根が展開され、トンデモナク大きなステージとなった。

 

会場内に散らばる受験生たち。

 

緑谷は固まろうと言っていたが爆豪と焦凍たちは離れていった。

 

俺も離れることにしようか。加減できないし。

 

だいぶ離れたところで俺はカードを手にして

 

「変身!」

 

<カメンライド、カブト!>

 

<チェンジ!ビートル!>

 

仮面ライダーカブトに変身すると

 

『演習試験スタート』

 

スタートの合図とともに他校の受験生たちが現れた。

 

多いな……百人はいるぞ……一校だけじゃないな……

 

「空野真司……アンタを潰すにはこれぐらいいた方がいいってことなんでな。何より……ここにいる連中はアンタが気に入らなんだよ!」

 

気に入らないって…………試験に私情を持ち込むなよ……それでもヒーローか?

 

まあ相手にするまでもないか。

 

カードを手にしようとすると

 

「っ!させるか!」

 

大勢が飛び出してきた。まあ

 

<クロックアップ>

 

カブトにカメンライドしていればアタックライドを使わなくてもクロックアップできる。

 

クロックアップで高速の世界に飛び込んで

 

<フォームライド、カブト!ハイパー!>

 

「ハイパークロックアップ」

 

<ハイパークロックアップ!>

 

ハイパークロックアップで周りにいた奴らを吹き飛ばして全員を行動不能にする。

 

端から見れば受験生たちがいきなり吹き飛んだように見えるだろう。

 

「ぐっ………!なにが……起こった……」

 

「悪いな。これも試験なんでな。失格になってもらうよ」

 

「ぐうううううっ!!!」

 

そう言って俺はターゲットにボールを当てていく。

 

 

 

 

 

 

 

 



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緑谷出久の気持ち

緑谷出久side

 

演習試験か始まろうとする中で真司くんは開始前に別れてしまった。正直真司くんがどっか行くとは思わなかった……轟くんも大所帯じゃ力を発揮できないからってどっか行ってしまった。

 

でもそんなことも言ってられない。僕はこの試験に合格するんだ!そう思ってるがやはり胸が痛い。

 

柳さん……彼女が見ているのは常に先、真司くんだ。僕を見てくれないってわけじゃない。でも彼女が最初に見るのが彼だ。彼女への気持ちが僕の中にまだ残ってる。彼女は真司くんという彼氏がいるのに……

 

そんなことを考えてると開始の合図が鳴った。

 

とその時傑物学園の受験生たちがそこらから飛び出してきた。

 

傑物学園の攻撃を防ごうとする僕たち。

 

と投げられたボールが軌道を変えて傑物学園に襲いかかる。

 

とそのボールが正確に傑物学園の受験生のターゲットに当てられる。

 

それだけで十名が脱落させられた。

 

柳さんだ……やっぱり凄い……他の皆も目を丸くしているし……

 

それだけで傑物学園の生徒はほぼ全滅してしまった。

 

とその時

 

『……同時通過二名そのうち一人はなんと100名を脱落させました!』

 

「やった!!真司も通過したんだ!」

 

そう言って喜ぶ柳さん……彼女の目には常に彼が映っている。僕じゃない……この想いは届かないのかな……

 

そんなこと考えてるうちに他の学校の受験生が集まってきた。

 

そんな中

 

「震伝動地!!」

 

傑物学園の一人が地震を起こして、皆が分断させられた。

 

そして僕の周りに大勢の受験生が集まってきた。

 

五分後

 

「ハァハァ……」

 

大分体力を消耗してしまった。

 

一人でこの状況を打破するのは厳しい。

 

と僕が立っている地面がクリームのようになった。

 

しまった!これじゃ身動きがとれない!

 

大量のボールが僕に向かって投げられたその時、

 

横から影が飛び出して僕を抱えて近くの岩場に着地した。

 

その正体は

 

「麗日さん!?」

 

「デクくん!大丈夫!?」

 

まぐれだが麗日さんと合流できた。

 

『通過者が半数を超えました。焦らず迅速に対応してください。』

 

ウッソだろ!もうそんなに!!?

 

「こうなったら一か八か出るしかない!」

 

「ダメだよ!?デクくん!」

 

「いやでもやるしかないんだ!ここで行かないと僕は……!僕は……!」

 

焦ってなにが最善なのかが分からない。

 

「いい加減にして!」

 

「麗日さん!?」

 

「デクくんが焦る気持ちもわかるよ!でも今はそんなん言っとる場合じゃないやん!周りをよう見て!」

 

「麗日さん……」

 

僕はバカだ。何にも見えちゃいなかった。

 

「うん!デクくんならわかってくれると思ってた!一緒に行こう!」

 

麗日さんの笑顔にちょっとドキッとしてしまう。柳さんの時と同じような気持ちだ。

 

そして麗日さんをみてると心臓がバクバクする。

 

この気持ちはなんなんだろう?

 

・・・・

 

 

俺とレイ子が突破した後、士傑高校だっけ?あの焦凍をちょっとばかし睨んでた奴もやってきた。

 

「おっ!アンタらも通過してたんすか!自分もっス!よろしく!あっ俺は夜嵐イナサっていうっす!」

 

「そうか……なあ夜嵐」

 

「なんスカ!?」

 

「お前焦凍……轟に恨みでもあったのか?」

 

「…………俺熱いのが好きっす。だから昔エンデヴァーのところへサインもらいにいったっす。でもアイツは冷たい目で「邪魔だ」と言い放ったっす。それで俺、エンデヴァーが嫌いになったっす……雄英の推薦受けた時に轟と会ったっす。でもアイツは俺を見てなかった。あのエンデヴァーと同じ冷たい目が嫌いだったっす。でも体育祭では轟の目はあの時とは違うなって気づいたっす……そしてエンデヴァーもあの時とは違うなって思ったっす。俺は轟とどう接したらいいか分からなくなったっす……」

 

そうか。そういうことか。

 

「なあ、夜嵐。会ったばかりの俺が言うのも変な話だけどよ、一つだけ言えるとことがあるぜ、アイツらは昔とは違う。今のアイツらを見てやってくれないか?」

 

「…………今のアイツらを…………か」

 

「俺が言えるのはそれだけだ。じゃあな」

 

その後クラス全員が演習試験を突破した。

 

 

 

 

 



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開眼!オレ?魂!

演習試験を突破した100人には次の試験が待っていた。

 

それはヒーローの醍醐味、救助演習だ。

 

説明によると

 

・要救助者のプロがフィールド全域にスタンバイ

 

・それらを救助していき、ポイントが基準値を超えていればクリア

 

説明と演習のシナリオが発表された後建物が展開されていき演習が始まった。

 

開始と同時に走り出して

 

<アタックライド、スコープ!>

 

スコープで要救助者を探知して

 

<フォームライド、オーズ!ガタキリバ!>

 

50人に分身して各要救助者を助けに行かせる。

 

「うああああん!!!!おじいちゃあああん!!」

 

「もう大丈夫だ。俺が来た」

 

(要救助者の探知に役割分担、要救助者に対する迅速な心のケア。中々やるじゃないの……)

 

と要救助者を助けてると轟音が鳴り響いた。

 

「対敵……全てを並行処理……できるかな……」

 

ギャングオルカが現れた。敵として

 

これは……ちょっと不味いかな…………

 

「焦凍!!時間を稼いでくれ!俺が要救助者を運ぶから!」

 

「分かった。」

 

そう言って焦凍はギャングオルカに向かっていった。

 

・・・・

 

焦凍side

 

真司に言われて俺は時間稼ぎのためにギャングオルカに対して氷結を放ったがギャングオルカは超音波で氷を防いだ。

 

と雑兵たちがセメントガンを放ってくるが俺は氷結で防ぎすぐさま溶かした。

 

とその時周りを豪風が吹き荒れた。

 

「敵出現とか!熱い展開にしてくれるじゃないっすか!!」

 

アイツだ。俺を睨んできた士傑のヤツだ。

 

今となって思い出したがアイツは推薦入試の時に会った奴だった。なにかが引っかかっていたがやっと思い出した。俺が憎んでた父さんと同じ目をアイツに向けてしまっていたことも。

 

「なあ……昔のことは悪かった。だけど今は協力してくれないか?」

 

「…………分かったっす!!」

 

「……作戦の時間は終わったか?」

 

ギャングオルカが向かってくる。即席で作った技!

 

アイツが風を出すと同時に俺は炎を出す。

 

そして炎の壁でギャングオルカを閉じ込める。

 

「炎と風の熱風牢獄か……良いアイデアだ。並の敵であれば……諦め許しを乞うだろう。だがそうでなかった場合は?」

 

その時超音波で炎がかき消される。

 

「で?次は?」

 

隙を与えてはならないとフレアトリガーを放ったが躱されてしまった。

 

とその時、

 

『全てのフックが救助されました。これにて演習試験終了です。』

 

「は?」

 

「え?」

 

「……見事だ。貴様らは要救助者を助ける為の時間稼ぎをやってのけた。即席のコンビでの見事な連携。それだけでも称賛に値する。貴様らは合格だろうな」

 

とその時銀色のオーロラが現れ、謎の怪物が現れた。

 

・・・・

 

『敵の襲来発生!繰り返す!敵が襲来してきた。プロヒーローの指示に従った行動をせよ!これは訓練ではない!繰り返す!これは訓練ではない!』

 

おいおい……!なんでワームが現れたんだ!

 

「真司!」

 

「焦凍、不味いぞ……これは……!」

 

「ワーム?だったか。やべえな」

 

「…………ディケイド、個性使用による戦闘を許可する」

 

「良いんですか?」

 

「構わん。今はこの状況を打破するのが先だ」

 

「んじゃまあ……変身!」

 

<フォームライド、ファイズ!アクセル!>

 

<アタックライド、クロックアップ!>

 

<スタートアップ>

 

クロックアップとアクセルフォームの併用でクロックアップを遥かに超えるスピードでワームたちを殲滅した。

 

とアクセルフォームが解けたその時

 

俺は攻撃を受けた。

 

「っ!眼魔!」

 

今度はゴーストの宿敵眼魔が現れた。

 

恐らく炎と風の眼魔だろう

 

さっきの一撃で動けなくなっている。クソッ!油断した!

 

炎眼魔はギャングオルカに襲いかかり、風眼魔は夜嵐たちを攻撃した。

 

その攻撃でギャングオルカたちも深いダメージを負ってしまった。夜嵐はなんとか回避したがその顔には余裕が見られない。

 

俺が動かない中

 

「真司!」

 

「……レイ子?」

 

振り向くとそこにはレイ子がいた。

 

「私も戦う!真司一人だけに戦わせない!私の力で皆を守る!」

 

そう言ったレイ子の腰元に現れたものに俺は驚いた。

 

ゴーストドライバー!?

 

レイ子がドライバーのふたを開け眼魂を入れると

 

<アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!>

 

「変身!」

 

<カイガン!オレ!レッツゴー!カクゴ!ゴ!ゴ!ゴ!ゴースト!>

 

レイ子の姿が変わるとパーカーゴーストがレイ子に近寄りレイ子はそれを纏った。

 

「仮面ライダーゴースト!命……燃やします!」

 

レイ子は眼魔たちに飛び出してパンチを食らわせると霊体化で加速して後ろに回り込む。

 

いつの間にか出したガンガンセイバーで炎眼魔を上段から斬り、裏蹴りを食らわせた。

 

風眼魔が襲いかかると、霊体化で避けてガンガンセイバーで斬りかかる。

 

<大開眼!オメガドライブ!>

 

レイ子は現れた大目玉を蹴りつけ眼魔たちに放った。その一撃で眼魔たちは完全に消滅した。

 

・・・・

 

 

 

『えーなんやら色々有りましたが皆さん無事だというのがなによりも喜ばしいことです。さて合否ですが一括で表示しますのでどうぞ』

 

結果を見てみると俺は合格していた。

 

クラスメイトも全員合格していたようだ。

 

夜嵐も合格したらしい。

 

俺の点数は96点だった。

 

その後の説明を聞くと減点方式の採点で最後まで見たのは不合格者にも救済措置があるらしかった。

 

まあ色々あったがこれで仮免を取れたってことだ。

 

その後レイ子に話を聞いてみることにした。

 

「レイ子」

 

「何?」

 

「あの力どこで手に入れたんだ?」

 

「あれはね、ある一人の幽霊が受け継がないかって言ってくれたの。」

 

「その人っ……て天空寺タケル?」

 

「えっ、なんでわかったの?」

 

その後ゴーストについて説明すると

 

「そうだったの……」

 

「タケルさんもヒーローなんだよ」

 

「そうなの?タケルさん」

 

え?

 

俺が間抜けな声を出すといきなり人が現れた。

 

「てっ、天空寺タケルさん!?」

 

「やあ俺……っても知ってるんだったね。俺のこと」

 

「一つ聞かせてもらってもよろしいでしょうか」

 

「何?」

 

「なんでレイ子に力を与えたんですか?」

 

「この子が誰よりもヒーローだったからだよ」

 

「そうですよね!ん?ていうかタケルさんアンタいつからレイ子の側にいたんだ?」

 

「力を渡したときからかな」

 

「レイ子にずっと付いてたっていうのか!?」

 

「違う違う!!そんなわけないだろ!」

 

その後レイ子とタケルさんと合格を喜んだ

 

 

 

 

 




最後の方は焦ってしまったので駄文になってしまいましたがすみません……


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第2章 異世界旅物語編
旅立ち


やりたいと思ったのでこの章を始めました……後悔はしてません……


仮免を取った翌日緑谷と爆豪は喧嘩して謹慎処分になったそうだ。

 

全く……何やってんだか。

 

俺は外出許可を貰ってレイ子と一佳と茨、予定が空いていたねじれちゃんと焦凍を一緒に買い出しに行くことにした。

 

「ねえねえ!一年生で喧嘩したって本当?教えて教えて?」

 

ねじれちゃんの質問に答えながら

 

「ていうかそっちの仮免試験で敵出たんでしょ?大丈夫だった?」

 

「大丈夫だったぜ。レイ子も変身してくれたし」

 

「「変身?」」

 

ああ……説明してなかったな。

 

「レイ子も仮面ライダーに変身できるんだ」

 

「ええ!?本当?レイ子ちゃん!」

 

「真司と同じ仮面ライダー!?」

 

「うん。タケルさんに鍛えてもらって変身できるようになったんだ」

 

照れ隠ししながらもレイ子は答える。

 

「「タケルさん?」」

 

「あっ、タケルさん。出てきてくれませんか?」

 

「ああわかった」

 

「「!!?」」

 

突然どこからか聞こえた声に驚く一佳たち。

 

と目の前にタケルさんが現れる。

 

「やあ、俺が天空寺タケルだ。今は幽霊さ」

 

「「ゆ!幽霊!?」」

 

一佳たちはさらに驚く。

 

その後タケルさんとの経緯や事情を話すと

 

「へえ〜そうだったの〜不思議〜」

 

「まあ俺も驚いたけどっ!」

 

突然のディメンジョンオーラに驚く俺たち

 

目の前に現れた銀色のオーロラから鳴滝が現れる。

 

「鳴滝!?何の用だ」

 

「空野真司くん。この世界は終わりを迎えようとしている。君に力を貸してもらいたい」

 

「「「「!!!?」」」」

 

「どういうことだ!?鳴滝!」

 

「言った通りだ。この世界は滅びようとしているのだ。見てみたまえ!」

 

鳴滝が指さす方を見てみると空にあるディメンジョンオーラにら魔化魍、オルフェノク、グロンギたち映し出されていた。

 

「あれ……何?」

 

ねじれちゃんが呟く。

 

「あれはまだこの世界に存在できないがいずれ現れる。そうなればこの世界は終焉を迎えてしまうだろう」

 

その言葉に俺たちは息を呑んだ。

 

「……鳴滝どうすればあれを止められるんだ。おまえはそれを伝えにきたんだろ?」

 

「流石だ。そこまでわかっているとは。君にはこれから世界を旅してもらいたい」

 

「世界を旅するだと?」

 

「そうだ。君が元いた世界。そこにある物語から様々な世界が生まれた。真司くん。君はそれらの世界で目的を果たしてほしい」

 

「待て。なぜそうなる?」

 

「今の君ではあれを止めることはできない。だからこそ各世界にある力を君たちが手にしてあれを止めねばならない」

 

「異世界を旅する……?どうやって異世界に行くんだ?」

 

「そこは私がなんとかしよう。君たちは出発準備を整えて空野くんの家に戻るんだ。そこで異世界へ旅立つ方法を私が提供しよう」

 

「真司……どうする?」

 

レイ子が聞いてくる。たしかに鳴滝は怪しいやつだがこいつの言葉には真実味がある。あのオーラから放たれる禍々しい気は間違いない。このままでは世界は滅びるかもしれない。なら……

 

「わかった。鳴滝。俺に協力してくれ」

 

「勿論だ。感謝する」

 

俺たちは急いで各々の家に戻り支度を始めた。

 

ニュースを見てみるとディメンジョンオーラのことで持ちきりだ。

 

俺は家にいた父さん、母さんに自分のことと鳴滝から聞いたことを話す。

 

父さんと母さんは真剣な目で聴いてくれた。

 

「そう…………だからどうしたの?」

 

母さんがそう言ってくれた

 

「真司がどんな存在だって私たちの子供には変わらないもの……何を気にすることがあるの?」

 

「そうだぞ。真司。俺たちがそんなこと気にするとでも思ったか?子供はんなこと気にせず、親を頼ればいいんだよ」

 

俺は父さんと母さんに抱きついた。

 

そしてレイ子たちがやってきた時銀色のオーロラが俺の家を包んだ

 

 

 




茨と焦凍を追加することにしました。すみません……


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チョロイン王女様

やっぱり原作通りの年齢に変えました。すみません……


オーロラが通り過ぎて窓の外を見てみると別世界だと実感させられた。

 

猫耳や犬耳のついた人間にゲームなどでみる多分だけど魔族なんかもいる。

 

ここはどこなんだ?

 

「ここはリーフリース王国の皇都ベルンだよ。真司くん」

 

「鳴滝。それじゃここはイセスマの世界なのか?」

 

「そうだ。君にはここで目的を果たしてほしいんだ」

 

「目的とは?」

 

「……それはわたしにもわからない。だがこの世界にはするべきことがある。君ならそれを成し遂げられるハズだ」

 

「はぁ〜手がかりなしかよ。わかった。とりあえず出てみるわ」

 

「……頼んだぞ。君の手で世界を救っ……て……くれ」

 

鳴滝はオーロラの中に消えていった。

 

「あの人……一体何者なんだ?」

 

一佳が不思議がる。

 

「ごめん……俺にもわからない」

 

「それよりイセスマってどんな話?教えて教えて?」

 

ねじれちゃんが詰め寄ってくる。

 

「ちょっ!待ってねじれちゃん!」

 

レイ子たちにジト目で見られる俺

 

気まずい……

 

ねじれちゃんに離れてもらった後イセスマについて教えることにした

 

その後イセスマ、異世界はスマートフォンについてある程度教えた。

 

「へ〜不思議!」

 

「それでこれからどうするの?街に出てみる?」

 

レイ子の言う通りまずは情報を集めなきゃ。どうせ門矢士みたいにトラブルから来てくれるだろう。

 

外に出てみると俺の家の外観が変わっていたことに驚いた。

 

ふと懐を探ってみるとギルドカードと手紙があった。

 

『真司くん。これはあらかじめ私が手配していたものだ。これがあれば身分を証明できるだろう。あと冒険者として有名になればこの世界ですべきことが見つかるハズだ。君の成功を祈ってるよ。ー鳴滝』

 

「それはなんなのですか?真司さん」

 

「これはギルドカード。冒険者の証だ」

 

「冒険者っていうと、ゲームとかでよく見るギルドの人のこと?依頼とかを受けて稼ぐ人?」

 

「そっ、これは偽造ができないから身分証明になるし、これで冒険者の依頼を受けることができるんだ」

 

「あれ?なんかポケットに」

 

焦凍がポケットを探ると焦凍のギルドカードが出てきた。

 

「あった……」

 

一佳たちもポケットを探ってみる。するとそれぞれのギルドカードが出てきた。

 

「これでみんなで依頼を受けられるね!」

 

ねじれちゃんのテンションがあがった。

 

「でも黒か〜これじゃあなぁ〜」

 

「色がどうかしたのか?」

 

「ギルドカードの色は冒険者のランクを表すんだ。金色が最高で、黒は一番下。まあ俺たち初心者だけどさ」

 

「まあとりあえず受けようよ!早く早く!」

 

ねじれちゃんに引っ張られる俺

 

焦凍たちも付いてくる。

 

「ところで皆武器とかってある?」

 

『あ……』

 

「…………俺は一応ディケイドがあるから大丈夫だけどさ。この世界の依頼って戦いもあるからさ。最悪殺しあうことだってある。皆大丈夫?」

 

「……問題ねえ。もとより覚悟はしていた」

 

「これも世界を救うためです。私も覚悟はできてます」

 

「うん。私たちは大丈夫」

 

「だから、気にするな!真司」

 

皆大丈夫なようだ。

 

その後ギルドに行って依頼を受けた。

 

途中俺と焦凍にキツイ視線が突き刺さった。そりゃそうか。レイ子たち美少女が4人も一緒にいるんだ。望月冬夜もこんな気持ちだったのかなあ……

 

依頼内容は一角狼討伐だ。

 

馬車を借りようかと思ったが誰も馬をならしたことなんかない。というか金がない。仕方ないので歩いて行くことにした。

 

森の中に着き気配を感じた。

 

と前と後ろに一角狼が10匹現れた。

 

「変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

「行くぞ!皆」

 

「ああ!」

 

「うん!」

 

「ええ……」

 

「オッケー!」

 

「わかった……」

 

二匹の一角狼が飛びかかってきたのでライドブッカーの銃撃で撃ち落とし、次に来た二匹を茨がツルで拘束したところを焦凍が炎で燃やした。

 

三匹の狼は逃げようとするがレイ子が糸で縛り、斬り殺した。

 

残る三匹がねじれちゃんに襲いかかったがねじれちゃんは避けて波動を直線にうった。

 

ねじれちゃんは波動がねじれてしまうのを俺との特訓でねじれずに打てるようになった。そのおかげでかなりのスピードが見込めるようになった。

 

「これで依頼クリアだな」

 

「ええ……」

 

「さてとディメンジョンオーラで帰る」

 

「キャアアアアアアア!!!!」

 

『!!?』

 

響き渡る悲鳴

 

「真司これは!?」

 

「行こう焦凍!」

 

俺たちは悲鳴の方へ走っていった。

 

するとそこには水晶のような怪物が馬車を襲っているのが見えた。

 

「あれは……フレイズ!」

 

「知ってるの?」

 

「ぐっ!」

 

焦凍が氷結をフレイズに放つがフレイズは凍った足を無理矢理引きちぎった

 

『な!?』

 

驚いてるのも束の間、フレイズは足を再生させ騎士と思われる人たちを襲い始めた。

 

「ええっ!!?」

 

「再生した……」

 

「変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

再び変身して、フレイズの伸びた腕を掴んでそのまま背負い投げの体勢からフレイズを投げる。

 

「誰だか知らないが感謝する!今のうちに倒れているものの手当てを!」

 

その間に倒れているものたちを馬車に運ぶ騎士たち

 

振り返ると一佳が巨大化した腕をフレイズに振るったが

 

「っ〜!硬っ!」

 

大したダメージは見込めなかった。

 

するとレイ子がドライバーにアイコンを入れて

 

<アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!>

 

「変身!」

 

そしてドライバーのレバーを引く

 

<開眼!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ!ゴ!ゴ!ゴースト!>

 

ゴーストに変身してガンガンセイバーでフレイズの足を切り落とすもすぐさま再生した。

 

「こうなったら!」

 

<フォームライド、オーズ!プトティラ!>

 

プトティラコンボに変身し、まずは氷結でフレイズを凍らせる。

 

続けてエターナルフィンを展開して、フレイズを掴んで上空に飛び立つ。もっと……もっと……もっと高く……!

 

一万メートルまで飛び立つと急降下して、フレイズを地面に叩きつける。

 

メダガブリューを取り出すと

 

<ファイナルアタックライド、オ、オ、オ、オーズ!>

 

バズーカーモードでフレイズにエネルギー砲を放つとフレイズは吹き飛び砕け散った。

 

「た……助かったのか……俺たち……?」

 

変身を解除して振り向くと騎士たちが身構えた。

 

そりゃそうかどこから見ても俺たちは怪しいもんな……それに高そうな馬車。どっかの貴族様に違いない。

 

俺たちが去ろうとすると

 

「待ってください!」

 

声の方向に振り向いた俺は驚いてしまった。

 

そこにいたのは左目が翠、右目が碧色の金髪の女の子、誰であろう。ユミナ・エルネア・ベルファストだ。

 

イセスマのヒロイン。

 

うっそ〜!なんでリーフリースにいるの?

 

「た……助けていただき……ありがとうございます……貴方たちは?」

 

「俺は空野真司、冒険者です。あっ、真司が名前です」

 

「名前が逆………イーシェンの人ですか?」

 

「あ〜まあそんなとこです。貴方たちは?」

 

「失礼しました。私はベルファスト王国第一王女、ユミナエルネアベルファストでございます」

 

ユミナの言葉に驚くレイ子たち。

 

お姫様がいきなり現れたんだ。そりゃそうか。

 

「えっ……とユミナ様はなぜかのようなところへ?」

 

「敬語はやめてください。公式の場ではないのですから」

 

「わかりました。ユミナ?これでいい?」

 

「っ!ハイ!」

 

嬉しそうに笑うユミナ。しかし顔がちょっと赤いぞ?悪いものでも食ったのか?

 

後ろから視線を感じた。直感だが振り向いたらダメな気がする。

 

「あっ、えっとさっきの質問でしたよね。それはリーフリースと我が国が同盟関係なのは知ってますか?」

 

「あっ、ハイ」

 

「それで交流のために来たのです。しかし私が湖が見たいと言ったばかりにこのようなことに……」

 

俯くユミナ。きっと責任を感じているのだろう。責任感が強い子だな。ここは慰めてやるか

 

「そんなことありませんよ。確かに貴方がここに来なければ襲われることはなかった。しかし貴方の仲間たちはこの国の人を守ったのです」

 

「え?どういうことですか?」

 

「この近くには村がある。確かに騎士の人たちは貴方が言わなければ傷つくことはなかった。しかし皆貴方を守るために命を張ったのです。そしてこの国の人たちをあの怪物から守りました。幸い死人も出なかったのです。だから落ち込むのではなく、貴方のすべきことは彼らを讃えてあげてください」

 

「そうですね……わかりました!」

 

ユミナが笑顔になる。そして騎士の人たちを讃えていた。

 

騎士たちはそれを勿体無く受けてくれた。

 

「さて俺たちは戻るか」

 

「待ってください!」

 

再び呼び止められる俺たち。

 

「どうしました?」

 

「あっ……あの……」

 

モジモジしながらユミナは口を開こうとする。

 

それを見た騎士の一人が

 

「すみません。貴方たちに護衛を依頼してもよろしいでしょうか?」

 

「は?」

 

「今回の怪物の件で騎士の大半が重傷を負ってしまいました。これでは満足に姫さまを守ることができません。ベルンに帰るまで護衛をしていただけないしょうか」

 

その依頼に俺はー

 

「皆はいい?俺は放っておかないな」

 

「俺はいい」

 

「……私もいいよ〜」

 

「……確かに放っておかないね」

 

「……うん。放っておかない……」

 

「……ええ……確かに……」

 

焦凍以外間があったような気がするが気のせいか?

 

「てことなので僭越ながら護衛を務めさせていただきます。よろしくユミナ」

 

「っ!ハイ!」

 

てなわけで三つの馬車で間を挟むように俺とユミナが真ん中の馬車に乗り込んだ。

 

ユミナと一緒に乗る時、レイ子たちがジト目を向けてきたのだがなんなんだ!?俺が何したっていうんだ!?

 

暇だったのでユミナに地球のお話をしてあげることにした。

 

「というわけで、騎士ゴクーはチキュー国を魔王ベジタブルから守ることができました」

 

「わあ!よかったですね!」

 

喜んでもらえてなによりだ。

 

「もっと他にお話はありませんか!?」

 

ユミナが詰め寄ってくる。ちょっ!近い!近い!

 

「そうですね……じゃあこれはどうでしょうか。ある麦わら帽子の海賊が大秘宝を求める物語ですが……」

 

その後、ユミナに地球のお話を何回もしてるうちにベルンに着いた。

 

皇都ベルンは地中海を思わせるような街並みだった。

 

「おかえりなさいませ!ユミナ様!」

 

リーフリースの城にいるメイドが迎えてくれた。

 

「おお!ユミナ!無事だったか!!」

 

「ですから、手紙にそう書いておいたはずです」

 

慌てふためく男がユミナに詰め寄ってきた。

 

この人が……

 

「ああすまないね……君たちが……」

 

「空野真司です。ベルファスト国王」

 

「真司くん。今回は我が娘ユミナを救ってくれたこと大いに感謝している」

 

「気にしないでください。今回私が助けたのは偶然の産物です」

 

「それでも……君たちには返しきれないほどの恩がある」

 

「ほうほう……この者たちが……」

 

と声の方を見るとスキンヘッドの男がこっちに近づいてきた。

 

「この者たちが怪物を仕留めたというのか?ベルファスト国王よ」

 

「そうだ。リーフリース皇王よ。彼らがユミナを救ってくれたのだ」

 

「今回のことは私からも感謝している。君たちのおかげで村の者たちが被害を被らずにすんだ。ありがとう」

 

リーフリース皇王が頭を下げる。

 

「そうだ!今日はパーティーがあるのだが君たちも参加しないかね?」

 

『パーティー?』

 

レイ子たちの声が被った。

 

どうする?俺としては別にいいが……

 

「すみません。リーフリース皇王、お父様、その前に真司さんとお父様、お母様そして私の四人で話したいことがあるのですが構いませんか?」

 

ユミナのいきなりの発言にリーフリース皇王は

 

「ああ……返事はまた後で構わないよ」

 

そう言って一つの部屋に集まる俺とユミナ

 

レイ子たちは別室でもてなされた。

 

「それで話とは何かね?ユミナ」

 

俺の隣にいるユミナが立ち上がって

 

「こっ、こちらの空野真司さんと……けっ、結婚させていただきたく思います!」

 

え!?

 

「すまんもう一度いってもらえるかな。ユミナよ」

 

「ですからこちらの空野真司様と結婚させてもらいたいのです。お父様」

 

「理由は何かな?」

 

ベルファスト国王が真剣な目でユミナに問う。

 

「私を助けてくれたのもそうですが……この人のお人柄もとても好ましく………私はこの人と共に人生を歩んでみたいと初めて思いました」

 

「……そうか……お前がそう言うのなら反対はしない。幸せにおなり」

 

「お父様!」

 

「……っちょっ……と待ってください。勝手に話を進めないでください?」

 

なぜそうなる!なぜいきなり結婚となるのだ!そういえばこの子こういう子だった!だいたい君の相手は冬夜くんでしょうが!

 

「おおすまない。空野殿、そういうわけで娘をよろしく頼む」

 

「王様……あなた、得体も知れない人に娘をいきなり預けますか?」

 

ガチでわけがわからん

 

「その辺は問題ない。ユミナが認めたのだから君は悪人ではない。そういう『質』がわかるのだよ。この子は」

 

あっ…そういうことか……

 

「ユミナはね、『魔眼』の持ち主なの。人の性質を見抜く力を持っているの。まあ、直感と似たようなものなんだけどユミナは外れたことはないわ」

 

ユエル王妃が説明してくれる。まあ大体知ってるんだけど……

 

「だいたいユミナ姫はいくつです?」

 

十二だということは知ってるが一応聞いてみる。

 

「今年で十二だな」

 

そうですよね……大丈夫かな……

 

「結婚には早すぎるんじゃ……」

 

「いや、王家の者はだいたい十五までには婚約してあるぞ」

 

おいおい……!どうするだよこの後

 

とその時コートの袖を掴まれた。

 

「真司様は私がお嫌いですか……?」

 

そんな泣きそうな顔をしないでほしい。

 

「いや……嫌いじゃないけど……」

 

「でしたら問題ありませんね!」

 

笑顔を浮かべるユミナ姫、可愛い……じゃなくて!

 

あーあ、これどうやってもことある断れないぞ!

 

いやまだある!

 

「あの〜僕には既に付き合っている人たちがいるのですが〜」

 

この世界が重婚だかどうだか知らないが少なくともこれを知ったならいい方向に持っていける気がするが……

 

「はい。知ってます」

 

は?

 

「真司様がレイ子さんたちと付き合っているのは見てわかります。その上で私は真司様とお付き合いさせていただきたいのです」

 

おいおい……マジか。こりゃダメだな。

 

「真司殿」

 

「……ハイ?」

 

「2年間ユミナのことを知ってみてその上で結婚を考えてからないのなら諦めよう。まずはそこからということでどうかな?」

 

そりゃもっと無理だ

 

「すみません……俺には時間がないんです……」

 

「どういうことだね?まさか不治の病なのか?」

 

「……はぁ……こうなったら俺の正体を話します」

 

その後俺の事情を話した。

 

異世界の旅人だとか、世界を救う旅をしているだとか、

 

「なるほど……だが俄かには信じられないな……異世界などというのは……」

 

「はぁ……それじゃあみてください」

 

そう言ってディメンジョンオーラを出す

 

いきなり現れたディメンジョンオーラに警戒する王様

 

俺がその中に飛び込むと王様たちも飛び込んだ。

 

そこに見えたのはヒロアカの世界空には相変わらずディメンジョンオーラが浮かんでいる。

 

できるだけ人のいないところをとんだから大丈夫だろう。

 

「これは……!?」

 

「……!?」

 

驚くユミナたち。

 

そして戻ってくると

 

「言った通り俺には時間がありません。それに元の世界に戻らなきゃいけない。それでもユミナは俺についてきてくれるか?」

 

俺の言葉にユミナは

 

「ええ!構いません!私は真司様の力になりたいのです。貴方となら異世界にだってついていきます!」

 

その言葉には迷いがなかった。

 

こりゃ負けたな

 

「わかった。ユミナついてきてくれるか?」

 

「っ!ハイ!」

 

「王様いいですか?」

 

「……ユミナが決めたことなら私は何も言わんよ」

 

こうしてユミナは俺たちの仲間になった。

 

・・・・

 

 

戻ってきて、事情を話したがレイ子たちは驚いていなかった。

 

「……やっぱり……」

 

「気づいていたのか?」

 

「気づかない方がおかしいよ〜」

 

「気づいてなかったのは真司だけ」

 

「……だそうだ」

 

「焦凍〜」

 

「それでユミナさん。真司様を好きなった理由とは?」

 

「そうですね……一言で言えば一目惚れですね。さっきも言った通り私は人を見極めることができます。私を助けてくれた時に真司さんはなんでもないことのように私を助けてくれました。それが当然であるかのように。失礼ながら何か裏があるのかもと思い魔眼を使わせてもらいましたが、そこには邪念を感じられませんでした。話は変わりますが現在ベルファストには男の継承者がいません。このままいけば私が女王となり王配として夫を迎え、生まれた子へと王位を繋いでいく……しかし、私は好きでない人と結婚などしたくありません。しかし真司様を見たとき、私の相手はこの人だとだと思いました。『打算』なのか『魔眼』によるものかはわかりません。ですが好きになってしまったのは事実です」

 

「にしても結婚って早すぎない?」

 

一佳が疑問に思う。

 

「そうでもしなければ私と真司様の縁は切れてしまいます。私たちは一国の王女と冒険者です。私が行動を起こさねば、それ以上の関係にはならないでしょう」

 

その言葉に納得するレイ子たち。

 

「いろいろ考えたうえでの押しかけだったの?」

 

「そうですね。ですが後悔はしておりません」

 

「やっぱり真司は女落とし……」

 

「ちょっ!何故そうなる!」

 

「女落としだよ〜」

 

「ええ……」

 

「うん」

 

「……間違いないな」

 

「ちょっ!焦凍まで!?」

 

その後一旦家に戻り父さんたちに事情を説明すると驚かれた。



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魔法説明と初戦闘

ユミナを仲間に迎えて翌日、俺たちは家でユミナのこれからについて話していた。

 

「ていうかユミナ?冒険者になるってことは戦うってことだけど戦あるの?」

 

レイ子が聞いてくる。

 

「私は風と闇と土の魔法と射撃術を学んでおります。そこそこ強いつもりですよ。私」

 

「魔法ってなんだ?そんなのがあるのか?」

 

焦凍が聞いてくる。

 

「はい。それじゃあ魔法について詳しく教えましょうか?」

 

「ああ、頼む」

 

「はい。まず魔法というものは基本的に六つの属性があります。火、水、風、土、闇、光、これらの適正がないと魔法は使えません。私は風の魔法は使えますが火の魔法は初級も使えません。皆さんのいう『個性』みたいに生まれた時点で適正は決まっております。ですので私はどれだけ練習しても火の魔法を使うことができないのです」

 

「その適正だっけか?どうやって調べるんだ?」

 

「魔石を使って呪文を唱えるのです。適正があれば魔石に何かしらの反応がありますが適正がない人にはなにも起きません」

 

そう言って机の上に魔石を並べるユミナ。思ったより小さいな……

 

「ちょっと待って。この白いのは何の魔石?」

 

「それは無属性の魔石です」

 

「無属性ってどんなんだ?」

 

「無属性の魔石はこれといった特徴がない属性なんです。個人魔法とも呼ばれ、他の属性と違い、魔力の集中と魔法名だけで発動できます」

 

「なあ、火とか水、風とかはわかるんだが光や闇ってなんなんだ?」

 

一佳がユミナに質問する。

 

「光は別名神聖魔法と呼ばれ光を媒介にした魔法ですね。回復魔法なんかもここら辺に含まれてきます。闇は主に召喚魔法……契約した魔獣や魔物などを使役することができます」

 

「へえ、色々あるんだな」

 

「しかし皆さんの『個性』……もすごいです!他にも色んな個性があるのですか!?」

 

「ああ、俺の個性は『半冷半燃』。右で凍らせることができる。左で燃やせる」

 

「私の個性は『ポルターガイスト』物を操る」

 

「まあまあそのぐらいにして、それよりユミナ、これを渡そう」

 

「これは?」

 

「君が射撃が得意なら必ず活かせる筈だと思った」

 

「っ!ハイ!ありがとうございます!真司様!」

 

さ〜てとなんの依頼受けよっかな

 

ああちなみに王様からの推薦もあって赤ランクに昇格したよ俺たち。なんでも一流冒険者らしい。まだ素人なんですけど……

 

ギルドは相変わらず賑わっている。………といっても一度しか来たことないが……

 

これにしよっかな。キングエイプ討伐

 

依頼を受けて、

 

俺たちは森に再びやってきた。

 

「すみません。召喚魔法を使ってよろしいですか?」

 

「ああ」

 

「闇よ来たれ。我が求むは誇り高き銀狼。シルバーウルフ!」

 

魔法陣の中に白い狼が現れた。

 

「それじゃお願いね」

 

ユミナが狼の顎を撫でると狼はすぐさまキングエイプを探索しに行った。

 

5分ぐらい経つと

 

「あの子たちが見つけたそうです……」

 

「んじゃ、準備はいい?」

 

「はい」

 

「変身……」

 

<standingby>

 

<complete>

 

ユミナはデルタに変身して、キングエイプを迎え撃つ準備をした

 

とその時キングエイプがこっちにやってきたのでそれをユミナが狙い撃った。

 

その一撃でキングエイプの脳天に風穴が開き、一発で絶命した。

 

とんでもないな……百メートルは離れているのに……これは思わぬ戦力だな……

 

っと!数は七匹、いやユミナが倒したから六匹だな。

 

ねじれちゃんが波動で二匹を吹っ飛ばし、焦凍が凍結で3匹を凍りつかせ、一佳が凍らせたキングエイプを殴り壊した。残った一匹を茨がツルを鞭のようにしならせズタズタに切り裂いた。

 

デルタが変身を解除してこっちに来る。

 

「あ、あのどうでしたか?」

 

「実力は問題ないだろ。いやむしろ想像以上だった」

 

「そ、そうですか!」

 

「さて帰るか」

 

その後俺たちはディメンジョンオーラで帰っていった。

 

・・・・

 

帰ってきたので適正を調べることにした。

 

その結果俺は全属性持ちだということが判明した。

 

めっちゃ驚かれていたが……俺マズイことやっちゃったかな?



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スライムキャッスル

やばいどうしよう……どうやって終わらせよう……


ユミナが仲間になってから一週間が経った。ふとあっちの世界のことを思い出してしまう。

 

皆大丈夫かなあ……まあ気にしてもしょうがないか。

 

そう思っていてもやっぱり気になる。

 

そんなことを考えてたらユミナが来て、

 

「大丈夫ですか?」

 

「……ああ、大丈夫だ」

 

「……嘘言わないでください。貴方は今とっても苦しんでいます。私には分かります」

 

心の中を言い当てられちょっとイラッとする。

 

「……別にいいだろ……放っておいてくれよ……」

 

するとユミナに頰を叩かれた。

 

おれが呆然としていると

 

「…………強がらないでください……一人で抱え込まないでください……貴方にとって私はレイ子さんたちと比べたらなんでもないような存在かもしれません……それでも……貴方の助けになりたいのです……貴方がどう思っていようと……私は貴方の力になりたいのです……だから……そんなこと言わないでください……!」

 

ユミナが泣いて抱きついてくる。

 

俺は最低だ……俺を思ってくれる人の気持ちを踏みにじった。こんなにも俺を思ってくれてるのに。こんなに暖かい気持ちなのに……

 

「ごめん……ユミナ……」

 

「…………はい……辛い時は私たちに話してください……」

 

そう言って笑うユミナの笑顔にドキッとする。

 

そうか……俺は……

 

「ユミナ……」

 

「何ですか?」

 

「俺はユミナが好きです」

 

「……ひぐっ!」

 

ユミナが突然泣き出した。

 

「ちょっ!大丈夫!なんかマズかった?」

 

「違います……嬉しくて……」

 

「一週間アナタを見てきてアナタの人柄や笑顔が好きになりました。こんな俺でよければどうかお願いします」

 

「……はい!よろしくお願いします!」

 

「これからよろしく。ユミナ」

 

「すみません……お願いを聞いてもらえませんか?」

 

「え?」

 

「キス……をしてもらえませんか?」

 

一瞬頭がフリーズする。

 

えええええええええええええ!!!!!!!!!!!?

 

 

きっ!キスって!いや、レイ子にはしたことあるけどさ!?

 

「嫌……ですか?」

 

そんな目で見ないで欲しい。

 

えーい男は度胸ー!

 

俺は唇を奪うようにユミナにキスをした。

 

ユミナも舌を絡ませて吸い付いてくる。

 

30秒ほどのだったがとてつもなく長く感じた。

 

「えへへ♪真司さんのキス頂いちゃいました♪」

 

そう言って口の前に指を置くユミナ。

 

やばい可愛すぎる……!

 

ていうか勢いに乗せられやっちゃったけど皆にバレたらマズイかもしれない…………

 

「それじゃあそろそろ行きましょうか」

 

「ああ」

 

今日も依頼を受ける日なのだ。

 

皆を起こしてギルドに向かう

 

 

・・・・

 

 

 

依頼された古城に向かう俺たち。

 

だが女性陣は憂鬱そうだった。

 

「おい……焦凍、レイ子たちどうしたんだ?」

 

「…………少しは察しろよ」

 

「そんなに嫌なのか?スライムが?」

 

「生理的に受け付けない……」

 

「服を溶かすなんて最悪!」

 

「穢れたものです……」

 

「私も嫌〜」

 

「できるなら断りたいです……」

 

「と言っても受けたんだからしょうがないだろ?」

 

「そう言われても……」

 

「まあなるようになるさ、あっ!着いたぞ!」

 

知らせを受けて嫌そうな顔をする女性陣。

 

なんでもこの城には変わり者のスライム研究家がいたそうだが、最近音信不通らしい。

 

それでこの城を調べてくれだそうだ。

 

早速中に入ってみるとボロボロで酷い有様だった。

 

「よし中は大丈夫っ!」

 

ふと上に気配を感じたので横に跳ぶと、直後金だらいのようなものが上から落ちてきた。

 

その金だらいのようなものは形を変えて逃げるように去っていった。

 

ビックリした〜あれもスライムなのか?

 

その後レイ子たちが入って中を調べていく。

 

書斎であったろう部屋の本、というかノートのようなものを手に取った。

 

「これは溶かされてませんね」

 

研究ノートと思われるものを見てみると古代魔法言語で書かれていたが俺には読めた。

 

何故かって?ディケイドはあらゆる言語を使うことができるからだ

 

ナニナニ……?『金だらいスライム。タライ状に硬化変形し、高所から人間に体当たりを食らわせる習性を持つ。失敗作』まんまかよ……

 

そしてその本を手にして部屋から出ると

 

向こうの廊下からグリーンスライムが出てきた。

 

たしかアイツが服を溶かすんだったよな?

 

「うわっ!グリーンスライム!最悪……」

 

一佳がぼやく。

 

焦凍が燃やそうとするが

 

「焦凍、この木造の城で炎はマズイ」

 

「……じゃあどうしろって言うんだ」

 

「二階だ。二階に避難しよう」

 

俺の指示で二階へと逃げ出すレイ子たち。

 

とグリーンスライムが階段の前で動きを止めた。

 

「どうやら縄張りみたいなものがあるのでしょうか?」

 

「なんにせよ助かった〜」

 

とねじれちゃんが上へ向かおうとしたら滑った。

 

上を見ると変なスライムがローションみたいなやつを流していた。

 

ノートを見てみると

 

『ローションスライム。危険を察知すると潤滑油のような体液を分泌さける。人体に害はない。失敗作』

 

なにがしたいんだ。ここの研究家は……

 

とねじれちゃんが転んだのをきっかけにレイ子たちも転んで階段を滑り落ちる。

 

とそのままスライムのプールに落ちてしまった。

 

俺はなんとか助かった。

 

焦凍もか。俺はディメンジョンオーラを出してレイ子たちを二階に転移させるとグリーンスライムは下へと降りていった。

 

ふと振り向くと

 

服のところどころが溶けていてあられもない姿になっているレイ子たちがいた。

 

次の瞬間一佳の巨大化した拳が俺の顔面に突き刺さった。

 

とそれからカーテンを引きちぎるような音が聞こえた。

 

目を覚ますとレイ子たちは引きちぎったカーテンをくるんでいた。

 

ディメンジョンオーラで家に戻れば着替えはあるがまた溶かされたらたまったものではないからな

 

「次グリーンスライムを見つけたら確実に潰すわよ」

 

一佳の言葉に頷くレイ子たち

 

その後二階を調べたが珍種スライムのオンパレードだった。

 

「どうもここの魔法使いって、なにか特殊なスライムを生み出そうとして失敗作を量産したような感じなんだよな」

 

「そうですね。どうも新種のスライムはその特性が生まれるまでわからないみたいですし……」

 

スライムは魔法生物だ。魔法によって生み出される人工的なクリーチャーといってもいい。

だからこそ危険なものが生まれないとも限らない。というかすでに魔法使いの手ではなく独自に進化してるスライムがいるかもしれない。この城は未知の生物を生み出す危険を孕んでいる。

 

「この城ごと燃やした方がいい気がする……」

 

「それには賛成ですが、勝手にそのようなことをしてよろしいのでしょうか?」

 

「既に放棄された砦ですからね。お父様も文句は言わないと思いますが……」

 

物騒な話をしてるなあ……

 

四階の広い廊下へ出ると左右に裸体の女性の石膏像が並べられていた。

 

どれも大きいが一つだけ爆乳とレベルのものがあった。

 

もしかして…………

 

ノートをペラペラとめくるとソイツはいた。

 

『バストスライム。女性の胸に取り付き擬態する。より小さい胸に取り付く習性を持つ。もう一歩だが……失敗作』

 

なんだこりゃ。俺がノートを読むとその内容に女性陣はおろか焦凍まで呆れた顔になった。

 

ここの魔法使いはなにがしたかったんだ。

 

とそのバストスライムが石膏像の胸からユミナへと飛び移ろうとした。

 

これって…………

 

「…………風よ切り裂け。千の風刃。サイクロンエッジ」

 

ユミナが呪文を唱えるとスライムはズタズタに切り裂かれた。

 

「成長期……」

 

「え?」

 

「成長期ですから……」

 

「ああ……そうだね……」

 

これ以上は何も言えまい。

 

それから四階の大きな扉を開くと薄暗い部屋だった。

 

中に入ると

 

長いソファの上に白骨化した遺体があった。

 

ここにいたスライム研究家だろう。

 

ていうかなんでズボンやパンツまで脱ぎ散らかしているんだろう?

 

気になるのはこれが自然死なのかスライムに襲わらたことによる死亡なのかだな。

 

ソファの横のテーブルの上に同じようなノートが置いてあった。

 

中身は古代魔法言語で書かれていたが最後の方だけ世界共通語で書かれていた。

 

「えっと……『完成だ。ついに私の、いや、男の夢が叶った。もう思い残すことはない。ああ、天国が見える……』……なんだこりゃ?」

 

「真司さん、あれ!」

 

ユミナが指し示す方向に肌色のスライムが五匹蠢いていた。かなり大きいな……人一人ぐらいはあるぞ!?

 

まさかあれが完成体のスライムなのか!?

 

「何かに形が変わります!」

 

さっきのバストスライムのように擬態化するスライムなのか?

 

まさか……人間に擬態化するスライム、か!?

 

しかし、人間に擬態なんてワームみたいなやつだ。

 

面倒だがここは討伐しとかないと……ん?んん!?

 

「ぶっ!?」

 

「は?」

 

「「「「「っきゃーーーーーーーーッ!!!」」」」」

 

女性陣の悲鳴がユニゾンで響き渡った。

 

このスライム……女性に擬態するんだろう……うん…もしかして魔法使いの夢って綺麗な裸の女性を侍らせてウハウハハーレムにしようってこと?しょーもな……。

 

とスライムをガン見していたらいつのまにか意識を失っていた。

 

よく見てみると一佳の拳が脳天を直撃していた。

 

 

 

 

 



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エンデヴァーの想い

今回は短めです。


エンデヴァーside

 

焦凍が居なくなって二週間が経った。

 

俺は今、冷と一緒に家に居る。本来ならまだ病院にいた方がいいのだが先生が特別に許可をくれたのだ。

 

ここに焦凍がいてくれたら……どんなに嬉しがることやら……

 

今もなおディメンジョンオーラのことで世間は騒いでいる。確かにあれらが解き放たれれば世界は終わるかもしれない。

 

焦凍からある程度の事情は聞いている。そのために世界を旅しているのもだ。俺の息子だ。心配するようなことはないはずだが心の何処かでアイツのことを思ってしまう。

 

そんなことを考えていたら

 

「大丈夫よ。炎司さん」

 

「……冷」

 

「焦凍のこと心配してるんでしょ?私も心配。でもあの子ならきっと無事で帰ってくるわ。だって私たちの子供だもの」

 

そう言って笑う冷に俺は……

 

ああそうか。本当に何も見えてなかったんだな。俺は……

 

「それに、真司くんも一緒よ。心配することなんかないわ」

 

空野真司……俺はアイツに救われた。

 

アイツが焦凍を救わなければ俺も救われなかっただろう。

 

今でもアイツには感謝している。そのせいなのかこんな事態なのにアイツらがなんとかしてくれると信じている自分がいる。

 

情けない……アイツらに頼る自分がいるなんて……だがアイツらか帰ってくる前までになにかあったら……

 

その時は俺が守る。家族も人々をも……それが俺に出来る償いのようなものなのだから……

 

・・・・

 

ユミナとの付き合いを伝えようと俺はディメンジョンオーラでベルファストまで向かった。

 

途中門番の騎士に警戒されたがユミナのお陰で事なきをえた。

 

「おお!ちょうどよかった!真司殿!」

 

「王様……どうかなされましたか?」

 

「いや、君に少し用事があってだね。ユミナにもだな、頼みたいことがある」

 

「なんでしょう?」

 

そのあと王様によると

 

隣の亜人たちの国ミスミドとの国交を結ぶためにユミナを使者として向かわせたいとのこと。知り合いに転移魔法の使いがいるのでそれで王様をミスミドまで向かわせるのにまず魔法使いがミスミドまで行く必要があるとのこと。らしい

 

「それで俺が護衛として?」

 

「そうだ。君にしか頼めない」

 

「わかりました。それと……」

 

その後ユミナとの付き合いについて話した。

 

「おお、そうか!ユミナがついに真司殿を落としたか!これはめでたい!」

 

「よくやりましたね、ユミナ。これからは真司さんの隣に立ち、共に支え合うのですよ?」

 

「はい!お母様!」

 

ユミナがユエル王妃の手を掴む。

 

まあそれはそうとして、ミスミドまで行くのか……ちょっと旅行みたいで楽しくなってきたぞ。

 

ーでそれで当日、

 

「望月冬夜です。よろしく」

 

「……空野真司です。……十日間よろしくお願いします」

 

まさかの原作主人公との出会い。

 

ウソ〜

 



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ドラゴン退治

「空野さんってもしかしてイーシェンの人ですか?」

 

冬夜くんがそんなことを聞いてくる。まあそういうことにしとこう。

 

「ああ、そうだよ。あと、俺のことは真司で構わない」

 

「わかった。じゃあよろしく真司」

 

冬夜くんがパーティメンバーを紹介してくれる。

 

「あたしはエルゼ・シルエスカ。よろしく真司」

 

「わっ、私はリンゼ・シルエスカ……です。よろしくお願い、します」

 

「拙者は九重八重でござる。よろしく頼むでござる。真司殿」

 

うん……まあ知ってるんだけど知らないふりをしておこう。

 

こっちのメンバーも紹介していく。

 

「私は柳レイ子。よろしく」

 

「拳藤一佳だ。よろしく」

 

「塩崎茨です。十日間共に親睦を深めていきましょう」

 

「私は波動ねじれ!これからよろしくね〜」

 

「轟焦凍だ」

 

「ユミナ・エルネア・ベルファストです。よろしくお願いいたします」

 

ユミナの紹介で固まるエルゼたち。

 

そりゃお姫様の登場じゃしょうがないか。

 

とその時

 

「久しぶりなのじゃユミナ姉様」

 

「久しぶりですね。スゥ」

 

ああ……この子か。

 

「ユミナ……?えっとこの子は?」

 

「スゥシィ・エルネア・オルトリンデだ!ユミナ姉様をよろしく頼むぞ真司とやら!」

 

「わかりました。微力ながらですが、守らせていただきます」

 

その言葉にユミナは

 

「し……真司さん……」

 

顔が赤くなっている。

 

レイ子たちもニヤニヤした目で俺を見てくる。

 

とっ、とにかくさっさとこの場から退散したいので馬車に乗り込む。

 

馬車での旅は暇だったので冬夜が作った将棋を貸してもらい、焦凍と将棋を打っていた。

 

「はい、飛車取った」

 

「ぐっ……」

 

焦凍の飛車と角を取ってあと一歩まで追い詰めた。ふはははは

 

「くっ……ん?」

 

焦凍が閃いたような顔になる

 

「王手」

 

「へ?」

 

焦凍の一手で俺の王は完全に逃げ道を失った。

 

はああああ!!!?

 

ウッソだろ!?

 

最悪だ〜

 

「参りました……」

 

「……よし」

 

勝ったのか焦凍はどこか嬉しそうだ。

 

・・・・

 

「というわけで長靴を履いた猫の獣人は幸せになりましたとさ。めでたし、めでたし」

 

「面白かったです!」

 

冬夜が色々なお話を聞かせてあげている中で一人の獣人の騎士が立ち上がった。

 

「なにかが近づいてきます……おそらく盗賊の類でしょう……」

 

盗賊か、物騒だな。

 

その後冬夜くんがスマホでロックした盗賊に『パラライズ』だったっけ?麻痺魔法をかけて動きを止めた。なにそれ、スマホが凶器と化してるよ

 

翌日船酔いで酔ったリンゼが冬夜に背負ってもらっている。

 

だが恥ずかしいのか途中で降りた。

 

「もっとおんぶしてもらってもいいのよ〜リンゼ」

 

「おっ、お姉ちゃんはなっ、なにを言ってるのかな////?」

 

顔を赤くして慌てふためくリンゼ。それをレイ子たちはなにやら暖かい目で見守っていた。

 

すると騎士の一人と冬夜がアクセサリーなんかで話し合っているのが聞こえたので俺もアクセサリーをレイ子たちに買うことにした。

 

馬車で買ったアクセサリーを渡すと皆喜んでくれた。

 

馬車の近くでキャンプを張っていると森の動物たちが騒いでいるのが聞こえた。

 

「なにが起こってるんだ!?」

 

騎士の一人が

 

「空だ!」

 

空を見上げるとドラゴンが上を通り過ぎていった。

 

「竜だ……なんでこんなところに……」

 

「どういうことです?普通はここまで来ないってことですか?」

 

冬夜がオリガさんに尋ねると

 

「龍……ドラゴンは普通、この国にある聖域で暮らしています。そこは竜のテリトリーとして誰も立ち入ることはなく、また竜たちも侵入者がいなければそこから出て暴れるようなことはないのです。そうやって我々は住み分けできたはずなのに……」

 

「誰かが聖域に踏み込んだとでもいうのか?」

 

焦凍が声をあげる。

 

「いえ、そうとも限りません。稀に若い竜が人里に降りて暴れることはあります。この場合、竜を討ち取っても報復されることはありません。この場合は向こうが侵入者なのですから……」

 

冬夜がスマホで竜の動向を探ると、

 

「おい……アイツエルドの村へ真っ直ぐ向かっているぞ!」

 

「何ですって!?」

 

「どうする?我々の任務は大使の護衛だ。大使になにかあれば……」

 

国際問題になるだろうなあ……

 

その後冬夜くんが転移の鏡でオリガさんをベルファストまで避難させ、ユミナも説明のために一緒にあっちに行った。

 

どうしよっかな〜いやまあ、この事態には介入するけど、竜を倒すのは冬夜くんに任せるか悩んでるだよな〜

 

まあ、竜との戦闘なんてそうそうできるもんじゃないし、ここは……

 

「冬夜は騎士と一緒に村の人達を逃す手伝いをしてくれ!俺は先に行く!」

 

「わかった!」

 

「変身」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

「姿が変わった!?」

 

「真司殿!?」

 

<アタックライド、アドベント>

 

ドラグレッダーを呼び出して

 

飛び乗って竜に迫る。

 

竜にむかって飛びかかり、ライドブッカーで竜の尾を切り裂いた。

 

それで竜は平衡感覚を失い、地上へ墜落した。

 

<カメンライド、オーズ!>

 

オーズに変身して

 

<ファイナルアタックライド、オ、オ、オ、オーズ!>

 

ライドブッカーを横に一閃して竜を空間ごと切り裂く。

 

首を切られた竜は動かなくなった。

 

 

 



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妖精少女

倒したドラゴンに近づこうとした時、上空からもう一体の赤いドラゴンが降りてきた。

 

とその時焦凍と冬夜たちがもやってきて身構えるが

 

『待て、こちらに戦闘の意思はない』

 

「話せるのか」

 

『我は聖域を総べる赤竜。暴走したものを連れ戻しに来たがどうやら遅かったようだ……』

 

『赤竜よ。蒼帝に伝えておけ。自らの家来の教育ぐらいちゃんとしたおけとな』

 

「この感じ……貴方は白帝様か!?成る程……どうりで黒竜ごときでは相手にも……』

 

『勘違いするな、今回黒竜を倒したのはそこの若造だ。そして我の主は望月冬夜様だ』

 

『なんと!白帝様に主!?人間が!?』

 

「あー今回のことは大目に見るからこれからは気をつけてね」

 

『わかりました……我が眷属の無礼をお許しくださいませ……』

 

とりあえず村の復興を手伝うことにした。

 

村の復興が終わったところで、騎士の人たちがドラゴンの死骸について話していた。

 

「あのドラゴンの死骸、どうします?」

 

「んー俺はいらないかな。村に差し上げます」

 

俺の言葉に騎士の人達は一瞬ポカンとして、次の瞬間、

 

「真司殿!?分かってます!?竜の死体は王金貨10枚はくだらないんですよ!?それを!?」

 

金額の高さに驚くが

 

「別にいいよ。それよりこのままだと村の人たちも生活が厳しいでしょ?」

 

死人が出なかったとはいえ、村の被害は甚大だ。復興費がかかるのは間違いない。だったらドラゴンの死体なんかあげちゃえばいい。

 

それに困ってる人を助けるのがヒーローってもんだろ

 

「村長のソルムです。この度は助けていただいた上にあの竜の死体をくださるとは……重ね重ね感謝の言葉しか出ません……」

 

その後後片付けや竜の解体を手伝って疲れたところを

 

「真司さん。毛布をどうぞ」

 

「ああ、ありがと」

 

ユミナが毛布を持ってきてくれたのでそれに寝転がる

 

だんだんと意識を失っていき、目が覚めると、

 

「お目覚めですか?真司さん」

 

目の前にユミナがいた。そして頭の下にある柔らかな感触。

 

これっ……てもしかしなくても膝枕!?、

 

ふと頭をあげると周りにの騎士や村の人々、焦凍たちがニヤニヤしていた。

 

う〜わっ!恥っず!

 

大衆の面前で膝枕って!

 

嬉しいけど恥ずかしい!

 

すると鋭い視線を感じたので見てみると

 

レイ子たちが不満そうな顔をしていた。

 

「あの〜何かあった?」

 

『別に〜』

 

何かあっただろ。絶対

 

そして俺たちは馬車に乗りミスミドの王都ベルジュを目指す。

 

着いたミスミドの王都はインド風の建物だった。

 

ミスミドの王、獣王の前までくると膝をついた体勢になった。

 

獣王って……ゲームで出てきそうな名前だな。

 

「オリガ・ストランド……ベルファスト王国より帰還してございます」

 

「うむ……大義であった。してそちらの御仁が竜を討ったというのは本当か」

 

「はい、その通りでございます。こちらの真司様が竜を退治いたしました」

 

「ソナタは?」

 

「申し遅れました。ベルファスト王国第一王女、ユミナ・エルネア・ベルファストでございます」

 

ユミナがカーテシーのポーズで紹介をする

 

ユミナが自己紹介をすると周りにいたユミナのことを知らない人たちは驚く。

 

「なんと!?ベルファストの姫君がなぜここに!?」

 

「ミスミドとの国交はそれほど重要なことなのでございます。これは父からの親書です。どうぞご確認ください」

 

「うむ」

 

ミスミド国王がそれを読むと

 

「成る程……あい、わかった。こちらとしても前向きな返事を検討したい。それまでこの城でゆっくりなされ」

 

「さてと……堅苦しいのはここまでして……そちらの真司殿が竜を討ちとったというのか?」

 

「あ、はい」

 

「ふふふ……竜を討ち取った若者……久しぶりに血が滾るわい。どうだ!真司殿!このワシと手合わせをせんか!」

 

「ハイ?」

 

獣王の言葉に家臣の人たちは頭を抱えていた。

 

訓練場まで移動すると

 

「申し訳ない。真司殿。獣王陛下は強い者をみると戦わずにはいられない気性でな。正直我らも困ってる」

 

「はぁ……」

 

「ここは一つガツンと痛い目に!全力でやってくだされ!」

 

イヤイヤ……貴方がたの王様でしょうが……いいのか?それで

 

「ルールは簡単!攻撃的な魔法でなければなにをしても構わんぞ!」

 

「はぁ……わかりました」

 

この人今なんでもって言ったな……なんでもか……

 

「それでは試合開始ー!」

 

<アタックライド、ポーズ!>

 

俺は時間を止めて獣王に一撃を加えて再び時間を動かす。

 

当然獣王は吹っ飛び、周りからは突然獣王が吹っ飛んだように見える。

 

「なにが起こったのだ!?」

 

周りの人たちも驚く。

 

ハイ、俺の勝ち。そう思っていて、レイ子たちの方はを見ると皆ため息を吐いていた。

 

待て待て、俺が何したっていうんだ!

 

「は!なにが起こったというのだ!?」

 

「俺の魔法ポーズです。時間を止めます。攻撃的な魔法でなければオーケーでしたのことで」

 

「ああ……ていうか待て待て!勝負とかそれ以前の問題だろ!もう一回だ!今度はその魔法はなしで!」

 

「はぁ……」

 

再び構える俺たち

 

「あの魔法は禁止だからな!」

 

「了解です……」

 

まあやってやるか!

 

「変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

獣王が向かってくる。

 

俺は木剣を手に持ち、獣王は横薙ぎに払ってくるのを距離をとって躱す。

 

獣王の動きが読める。躱すのも造作もない。

 

そう思っていたら

 

「アクセル!」

 

突然獣王が視界から消えた。

 

と後ろに気配を感じてしゃがんで避けると、上を横薙ぎにした木剣が通り過ぎた。

 

俺は再び距離をとる

 

「今のを避けるか!やるな、真司殿!」

 

「今のは……無属性魔法ですか?」

 

「そうだ、ワシの無属性魔法、アクセルだ」

 

「どういった魔法なんですか?」

 

冬夜くんのためにも聞いておく

 

「なにただスピードを上げるそれだけの魔法よ。発動の際に魔法障壁も張るから馬鹿みたいに魔力を食うんで常時発動はできないがな」

 

「成る程……」

 

冬夜くんが呟く。

 

「……んじゃ、試合再開といきますか」

 

「……ん?ああ、そうだな!」

 

<アタックライド、クロックアップ!>

 

クロックアップで高速の世界に飛び込んで一気に距離を詰める

 

そして木剣を首に当てると、

 

「チェックメイト……」

 

「……その言葉の意味はわからんがワシの負けのようだな」

 

その時観客席から歓声があがった。

 

「ふふふ……まさかワシ以外にもアクセルの使い手がいるとはな…!戒めなければならないようだ」

 

そしてパーティーに向けて服装を整える俺。

 

パーティーが始まって冬夜がなにやら色々な話をしていたが、俺は焦凍と一緒に料理に舌鼓を打っていた。

 

とその時、レイ子たちが獣王陛下と一緒に来ると会場がざわめいた。

 

振り向くとレイ子たちはサリーのような衣装を身に纏っていた。

 

レイ子は灰色、一佳は赤、茨は緑、ねじれちゃんは青、ユミナはピンクと皆それぞれが似合っていた。

 

「しっ、真司どう……?」

 

「……あっ、ああ皆似合っているよ。まるでどこかのお姫様のようだ」

 

俺の言葉にレイ子たちは

 

「そっ、そう……」

 

顔を赤くして俯いていた。

 

とパーティーの最中、冬夜がエルゼたちの写真を撮っていた。

 

俺はトイレに行こうとしたら動いている熊のぬいぐるみを見つけた。

 

俺は目を擦りもう一度見開くと確かに熊のぬいぐるみが動いていた。

 

「あっ、待て!」

 

俺は逃げる熊のぬいぐるみを追いかけた。

 

熊のぬいぐるみは一つの部屋に入った。

 

そこにはソファに腰掛けている白髪の少女がいた。

 

思いだした……彼女は……

 

「あら、珍しいお客さんを連れてきたわね。ポーラ」

 

「君は?」

 

「あらごめんなさいね。私は妖精族の長リーン。こっちの子はポーラ」

 

「ああよろしく俺は空野真司だ」

 

「驚かないのね……大抵の人は私が長かと疑うのだけれども……」

 

「見た目で判断するほど愚かなことはない。大事なのは中身と技量だ」

 

「……そっ、そう……ありがと、そんなこと言ってもらったのは初めてだわ……」

 

「ところでその熊は召喚魔法で呼び出した魔獣か?」

 

「いいえ。正真正銘の熊のぬいぐるみよ」

 

「どうやって動かしてるんだ?」

 

「私の無属性魔法、プログラムよ」

 

その後、一通りの動作をリーンがしたので俺も真似してみると、普通に驚かれた。

 

「貴方……なにやったの?」

 

「なに……ってプログラムだけど」

 

「貴方、魔法の適正はいくつあるの?」

 

「全属性使えるけど」

 

「もう驚かないわ」

 

リーンがソファから立ち上がると

 

「決めたわ。貴方、私の弟子になりなさい」

 

「は?ごめん無理だわ」

 

「なんでかしら……?」

 

俺を睨むリーン。ちょっ!怖いって!

 

「俺には時間がない」

 

「どういうこと?」

 

その後俺の事情を説明すると、

 

「俄かには信じがたいわね……異世界の人間なんて……」

 

「んじゃまあ」

 

ディメンジョンオーラを出すと、リーンは納得した。

 

「……興味深いわね……異世界の…『個性』だったかしら?貴方にもあるの?」

 

「ああ」

 

「ねえ……貴方の旅についていってもいいかしら?」

 

「は?」

 

その後しつこく言い寄られて結局リーンを連れて行くことにした。

 

レイ子たちには白い目で見られた。

 

俺何かしたかなぁ……

 

 

 

 

 

 

 



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はた迷惑な必殺技

リーンの旅の同行を許可した後は原作通りだった。

 

冬夜くんが銃を作って、ラピスさんの胸を揉んで、ベルファストまで帰った。

 

「それでこの世界の力を手に入れたいのね?」

 

「ああ」

 

「それらしき遺跡があるのだけれど行ってみる?」

 

「どうやって行くんだ?俺はその遺跡の場所なんか知らないぞ」

 

「イーシェンにあるわ。冬夜に『リコール』で八重の記憶を読んでゲートで連れていってもらうのよ」

 

まあ予想通りだな

 

「わかった」

 

んでゲートで開いてイーシェン

 

まず八重の実家に行き情報収集を行おうとしたのだが

 

「父上はこちらにおられません。殿…家泰様とともに合戦に行かれました」

 

「合戦ですと!」

 

八重が声を荒げる

 

「合戦とはどこと!?」

 

「武田です。先日カツヌマの砦を落として今はカワゴエの砦に向けて進軍中とのことで……お父様とお兄様はそれで戦場に向かわれました」

 

合戦とは穏やかじゃないな………

 

「冬夜殿!カワゴエの砦なら行ったことがあるでござる!拙者は……」

 

「わかった。八重行こう」

 

冬夜がゲートを開くとその中に飛び込む

 

冬夜がスマホでお兄さんの安否を確認すると

 

「大丈夫みたい」

 

「っ!すぐに向かわねば!」

 

「待ちなさい。貴方あの中に飛び込んで無事でいられると思う?」

 

リーンの言葉に黙る八重。

 

仕方ないか

 

<アタックライド、スコープ!>

 

砦を探知してディメンジョンオーラを出す。

 

「はい、この中に飛び込んで」

 

だが皆ボーゼンとしている

 

「え、なに?」

 

「いや……なんか真司ってなんでもありだなあって……」

 

ハハハハ……と、とにかく中に飛び込もう!

 

八重に先に行ってもらい事情を説明してもらう。

 

その後、俺たちも飛び込んで中の状況を確認した。

 

中には怪我人も多数いたので、冬夜が回復魔法をスマホのターゲットロックでかけて治癒した。

 

その様子にリーンも驚いていた。

 

鬼面兵の対処はどうするかの話になったので俺が

 

「俺やります」

 

立候補した。

 

レイ子たちからは

 

「やりすぎないでよ……」

 

と釘を刺された。

 

おいーそんなに信用ないのか?俺

 

とりあえずディメンジョンオーラで転移して

 

「変身!」

 

<フォームライド、カブト!ハイパー!>

 

ハイパーフォームに変身して、パーフェクトゼクターを構えて

 

<ファイナルアタックライド、カ、カ、カ、カブト!>

 

<マキシマムハイパーサイクロン>

 

竜巻状のエネルギーを放ち、周囲一帯ごと鬼面兵を吹き飛ばし、鬼面兵は塵と化した。

 

周りはボロボロとなり残ったのはディケイドだけだった。

 

城に戻ると唖然とした顔で見られ、レイ子たちは頭を抱えていた。

 

あれ?もしかしてやりすぎちゃった?

 

 



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神気覚醒

鬼面兵を全滅させた後家泰さんと重兵衛さんと面会していた。

 

「まさか八重がユミナ姫の護衛をしているとは……」

 

「修行の成果でござる!」

 

八重が誇らしげに言う。

 

一応俺たちはユミナの護衛ということにしてある。

 

「して……砦を救っていただいたそちらの御仁は……」

 

「この方は空野真司さんと申しまして……私の護衛というか……未来の旦那様です!」

 

だっ、旦那様ぁ!?

 

直球で言ったユミナの言葉にレイ子たちは不機嫌となり、家泰さんたちもほぉ〜といった声を漏らす。

 

「いや、なるほどベルファストの姫君の婚約者ともなればあれほどのことをやってのけると。見事ですな」

 

「ええ。私もこの方を誇りに思いますわ」

 

家泰の称賛を自分のことのように胸を張るユミナ。

 

「ところでひとつお聞きしたいのですが『ニルヤの遺跡』の場所はご存知ないでしょうか?俺たちはそこを目指してイーシェンにやってきたのですが……」

 

「ニルヤ……?」

 

考え込む家泰さん。そして

 

「ああ……ニライカナイの遺跡なら知ってますぞ。確か島津の領地にあったかと。しかしあそこは海の底ですぞ……たどり着くのも困難かと……」

 

「海の底!?」

 

冬夜が声をあげる。

 

俺も顔には出していないが驚いている。

 

海の底か……面倒くさいことになりそうだな……

 

さあ場所がわかったから行くぞ!ってわけにいかないんだよなあ……

 

「しかし、今回の奇襲といい武田の領主真玄殿のすることとは思えん……やはりあの噂は本当なのだろうか……」

 

「噂とは?」

 

「武田の領主、真玄殿は既に亡くなっているとのことだ。そしてその死体を操り、武田軍を動かしているのが闇の軍師山本完助だと」

 

「山元完助……」

 

「ありえないことじゃないわね。でもあの鬼面兵は魔力を帯びてなかった……魔力を使っていなかった……だとしたらどうやって操作してるのか……?」

 

リーンが考え込む。

 

まあとりあえずこの状況をなんとかするのが先か

 

「じゃあ俺が武田の本拠地にいって山元完助を捕まえてきましょうか?」

 

「ええ……?ここからツツジガサキまでどれほどあると……」

 

「大丈夫ですよ」

 

<アタックライド、スコープ!>

 

スコープでツツジガサキを探知する。

 

「これでいつでも飛べます」

 

唖然とする家泰さんたち

 

「それと……いい加減出てきたら?」

 

俺の言葉に天井が動く

 

「誰だ!」

 

重太郎さんが反応すると上から忍びが降りてきた。

 

顔を覆っている黒い布を外すと整った顔の美人なくノ一がそこにはいた。

 

「私は武田四天王が一人高坂様政信様配下、椿と申します。徳川家泰様宛の密書をお持ちいたしたました」

 

「なに!?」

 

椿さんが手紙を家泰さんに渡すとそれを読む

 

「殿………?」

 

「どうやら噂は本当だったようだ……武田軍は今や傀儡の軍と化している」

 

「なんですと……!?」

 

重兵衛さんが絶句する。

 

「真玄殿は既に亡くなり、武田四天王も高坂殿以外人が変わったようになり完助に完全に従っているらしい。なんとか完助を止めて武田を救ってくれとある」

 

「高坂様は完助に従うふりをして武田奪還を考えております」

 

成る程な真玄は既に亡くなり、それを完助が隠して、武田軍を意のままに操っていると……それをなぜだか知らないが他の四天王は従っていると……なにかあるな……

 

「ま、さっさと片付けていきますか。案内だけしてくれない?」

 

「えっ、はっ、はぁ……」

 

椿さんが戸惑いながらも付いてきてくれた

 

「ユミナたちはここで待っていて」

 

「わかりました」

 

ユミナは納得したがレイ子たちはなにやら不満げな様子だ。

 

ディメンジョンオーラでツツジガサキまで転移した。

 

「どうやって忍び込みます?」

 

「簡単さ」

 

<アタックライド、インビシブル!>

 

透明化で姿を消して塀を飛び越える

 

中曲輪の屋敷に気配を感じたので向かってみると

 

「ほうほうほう……これまた面白い侵入者だな」

 

姿を消していたがどこからか声がした。

 

おいおい……なんでわかったんだ!?

 

振り向くとそこには完助と思われし人物がいた。

 

「お前は面白そうだな。ワシの部下にしてやろう」

 

「そりゃお断りだ」

 

「断れんよ。お主は」

 

完助の目が光ると奥からなにか不思議な力を感じた

 

おいおい……ここで出てくるかな……!

 

「なっ!何故効かぬ!?」

 

もう一度完助の目が光るとやはり奥から力を感じた。

 

「何故だ!?お主は一体……!?」

 

「なるほど……そういうことかお前かその力で怪しく思っていた四天王を操っていたんだな。完助いや、正体見せろよ、従属神」

 

「貴様ぁー!何者だー!」

 

完助が空中に浮かび上がる。

 

俺はブラストで奥にある瓢箪を撃つと中から爺さんが出てきた。

 

コイツが従属神だろう。

 

コイツはイセスマで神界から逃げてきたはぐれの神で自らを神と認めてもらおうなどと我儘でイーシェンを引っ掻き回して、挙げ句の果てに邪神に成り下がったイセスマのラスボスともいえる存在だ。冬夜くん曰くニート神

 

俺に神気が効かなかったのは俺は一度死神によって生まれ変わった時に冬夜くんと同じように体の奥底に神気があるからだろう。多分だが……

 

俺は奥底にある神気を感じとり、ペットボトルの蓋を開けるように神気を取り出そうとする。

 

すると体から神々しい気が溢れてくる。コイツが神気か。

 

「きっ、貴様!神界の使いか!」

 

イセスマではコイツは逃しに逃しまくって厄介なことになったがそうはさせない

 

従属神が慌てふためく中で俺は神気を纏ったライドブッカーで従属神を切り裂き

 

<ファイナルアタックライド、ディ、ディ、ディ、ディケイド!>

 

神気を纏わせたディメンジョンキックで従属神を完全に消滅させる。

 

とその時近くにいた完助は

 

「あれ?私は何を……?」

 

どうやら元にもどったようだ

 

その直後何処かに転移させられた。

 

「ありがとうなのよ!あの従属神を倒してくれて!」

 

目の前に二人の美女が現れた。

 

一人は桃色の髪の美女でもう一人はスカイブルーのような髪の美女だ

 

「やあ、よくやったね。私たちは……と言っても君は私たちのことを知ってるんだったね。でも自己紹介ぐらいさせてくれないかな。私が剣神で」

 

「私は恋愛神なのよ!」

 

目の前に恋愛神と剣神が現れた

 

「今回のことは私たちからも感謝させてくれないかな。君のおかげで世界に混乱を与えずにすんだ。あの死神が転生させた人間だったよね?君」

 

「ああ……そうですが……」

 

「よくやってくれたね。君のことは前々から気になって時々覗いてたんだ」

 

「いやプライバシーもへったくれもねえ!」

 

ハハハと笑う剣神

 

「しかし、君は完全ではないが神に近いものになりつつある。だから従属神に勝てたんだ。あんなやつとはいえ曲がりなりにも神だからね」

 

「でさ……ここからさ提案なんだけどさ……」

 

「ナニ?」

 

「私たちを旅に加えてくれないか!」

 

「はぁー!!!?」

 

「いや地上に一回降りてみたくてさ……それで君の旅に加わるのが丁度いいかなーって……君の事情は知ってるし、力になるからさ〜」

 

「え〜……神が地上に干渉していいんですか?」

 

「人間としてなら構わないんだよ。頼むよ〜」

 

まあいい戦力が手に入ったと考えておくか……それにこんなに頼まれるとな〜

 

「……わかりました。一緒に行きましょう」

 

「やったー!ありがとうー!真司く〜ん!」

 

剣神が抱きついてくる。ウッソ〜

 

こうして恋愛神と剣神が仲間になってしまった

 

とその頃レイ子たちはなにやらライバルが増えたと本能的に感じとった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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救出、そして継承と再会

従属神を倒した後完助と四天王は元どおりになって、高坂さんに従属神のことは隠して諸事情を伝えた。高坂さんは納得してくれ従属神が隠れていた瓢箪を呪いのアーティファクトとして破壊した。

 

家泰さんにも完助は呪いのアーティファクトに操られていたと説明しておいた。

 

レイ子たちには本当のことを話したが、その時に剣神と恋愛神を紹介して、俺が神に近い存在だとかを話したら驚くより呆れられた。そしてジト目を向けてくる。何かしたかなぁ……

 

とその時ディメンジョンオーラが後ろに現れた。

 

「鳴滝……何の用だ?」

 

「……よくやった。君は更なる力を手に入れた。だが世界を救うためにはまだ旅は続けなければならない……ディケイドの戦いに君たちを巻き込んでしまい……本当に申し訳ない…」

 

コイツ普通に良いやつだな……

 

「気にするな。これは俺たちのための戦いだ。巻き込まれてなんかねえよ」

 

「そう言ってくれるとありがたい……頼むぞ……世界を……救って……くれ……」

 

鳴滝が消えた。

 

「さて俺たちも行きますか」

 

とその時ディメンジョンオーラが俺たちの周りを包んでレイ子たちと俺は分断されてしまった。

 

と目を開けると

 

「お師匠!!!」

 

あれは……オールマイト!!?

 

オールマイトと思われし人物と瀕死の状態の女性が見えた。その向こうには神野で聞いた声の人物がいた。

 

だがオールマイトは見るからに若そうだ。もしかして俺は過去の世界にきたのか……?

 

それよりあの女性が危ない!

 

<アタックライド、ポーズ!>

 

・・・・

 

(もう駄目かな……でも託せて良かった……ああ……一度ぐらい恋でもしたかったな〜)

 

と目を閉じて私は意識を失った

 

目を開けるととある建物の中だった。

 

(どういうことだ!?私は死んだのではなかったのか!?)

 

辺りを見渡すと

 

「あっ、やっと起きた」

 

目の前には高校生と思われる少年がいた。

 

(もしかして奴の仲間か!?)

 

「ああ、混乱してますよね。無理もないか。いきなり未来へ飛んだんだから」

 

(未来だと!?どういうことだ!?)

 

私はしばらく考えていたが

 

「ちょっとご飯作ってきますので待っててください」

 

彼はボロボロのキッチンに行き、調理を開始した

 

(奴の仲間とは思えないな……)

 

「はい」

 

彼が味噌汁とおにぎりを運んできてくれた。

 

とその時

 

クゥ〜〜

 

私のお腹がなった。恥ずかしい……

 

「ハハハ、お腹すいてるんでしょう?食べてください」

 

言われた通りに私はおにぎりを頬張った。

 

美味しい……!

 

「それで聞きたいことがあるんですよね?」

 

「……ああ、まず君が私を助けてくれたの?」

 

「はい。驚かないで聞いてください。今は貴方が生きていた時代から何十年も先の未来になります」

 

「えっ!?」

 

「まあ驚きますよね。次にさっき調べてみましたがこの世界でもオールマイトは平和の象徴として悪の抑止力となっています」

 

「え!!?」

 

(あの俊典が平和の象徴!?成長したなぁ……うん?)

 

「ちょっと待って……この世界って言ってなかった?」

 

「はい、信じられないかもしれませんが俺はこの世界に似たパラレルワールドからきた異世界人です」

 

「え!?」

 

何度目かの驚愕だ

 

「異世界人……!?俄かには信じられないな…」

 

「はぁ……じゃあちょっと見ててください」

 

そう言って彼はオーロラのようなものを出した。あれが彼の個性なのか!?

 

その中に飛び込むと異世界と思われる場所に転移した。

 

どうやら本当のようだ

 

「じゃあ次の質問。どうして私を助けてくれたの?」

 

「俺があの場にいたのは偶然です。異世界転移に巻き込まれた時に偶然あの場にいて貴方がいた。だから助けただけですよ。ヒーローが人を助けるのに理由なんていります?」

 

「そう……ありがとっ」

 

そう言って私は微笑む

 

「そういえばお互い名前を聞いていませんでしたね。俺は空野真司です」

 

「志村菜奈だ。よろしく、真司くん」

 

「いえいえ、今度は俺が質問していいですか?」

 

「ナニ?」

 

「貴方はオールマイトの師匠ですか?」

 

「うん。そうだよ」

 

「随分あっさり言いますね……もうちょっと怪しむかと思ったんですが……」

 

「君が嘘をついてないのはわかるよ。それに君が悪い人間でないこともね。これでも人を見る目はあるつもりさ」

 

「はぁ……ありがとうございます」

 

「そういえば、どうやって未来へ来たんだ?」

 

「俺の個性……で世界を飛び越えられるんですよ。それに似たオーロラが貴方を助けたあとに現れて……すみません。あまりわかりません」

 

「ん、いいよ。それよりも助けてくれてありがとう」

 

「それで……これからどうしますか?」

 

「うん?」

 

「行く宛……ありますか?」

 

「あっ…………」

 

「とりあえず俺の家に来ます……?」

 

「あっ、ああお願いするよ……」

 

「その前に服買いに行きましょうか」

 

「え?」

 

「ボロボロですよ……そんなんじゃダメでしょう」

 

「え……いや、いいよ。これで」

 

「ダメです。菜奈さんは綺麗なんだし、女の人なんですから身だしなみには気をつけてください。」

 

「え……?」

 

こうして私は彼の用意したジャージを着て服屋に行くことになった。

 

彼の言葉に胸がドキドキしているのに気づかなかった

 

・・・・

 

さて、パラレルワールドに飛ばされた時にはどうしようかと焦ったよ

 

レイ子たちとも逸れたし……持っていた金貨を売ってとりあえず金を作ったけどこれからどうしよう……とりあえず菜奈さんの服を調達しよう。

 

・・・・

 

私たちはとあるショッピングモールに来ていた。

 

私は別に服などいいと思っていたのだが、表に出るとやっぱり恥ずかしいなって思ってしまう。

 

そういえば男の子と買い物なんて行くのは初めてだな……

 

なんかちょっと胸がドキドキしてる……この気持ちはなんなんだろう……

 

「ねえ」

 

「何ですか?」

 

「真司くんってどこの学校に行ってるの?」

 

「雄英ですよ」

 

「雄英か〜俊典と一緒だな!」

 

「オールマイトっていえば……聞いてくださいよ。菜奈さん、オールマイトって俺たちの世界で先生をやってるんですよ」

 

「俊典が先生!?」

 

「それも新米で……まだまだって感じです」

 

「あの俊典が……」

 

「そんなに驚くことですか?」

 

「だってあの俊典がだぞ!あのバカが先生だなんて……ふふっ、ハハハハハっ!」

 

「ふはっ、ハハハッ!」

 

釣られて笑ってしまった。

 

「しかし……君の笑顔はいいな……」

 

「はい……?」

 

「いいこと教えてやろうか、世の中笑ってる奴が一番強いんだ。君の笑顔はいいと思うよ」

 

菜奈さんはそう言って笑う。

 

そうしてるうちに服屋について菜奈さんの服を見繕う。

 

白のワンピースに麦わら帽子を着た菜奈さんはとっても似合っていた。

 

この世界の季節は今は夏だ。これぐらいがいいだろう。

 

「似合ってますよ。菜奈さん」

 

「そ、そうかな……あっ……ありがとう……」

 

顔を赤くして俯く菜奈さん。熱でもあるのかな?

 

服を買って今借りている家まで帰ることにしたが、

 

帰ってる最中に

 

「……しっ、真司くん……」

 

「何ですか?」

 

「真司くんって、かっ……彼女とかっているの?」

 

「え?なんでですか?」

 

「いや……真司くんって……かっ、かっこいいし……」

 

「……いますよ5人」

 

「5人!?」

 

「俺の世界では重婚が可能なんですよ」

 

「ええ〜?なっ、なんで5人も彼女にしたの?一人じゃ足りないっていうの?」

 

「そういうわけじゃ……俺は俺を好きでいてくれる人の気持ちを一人だけ蔑ろにすることなんてできない。皆が好きでいてくれるならそれを全部受け止めたいなぁって」

 

「そっ、そうなんだ。ごめんね」

 

「いや、いいですよ」

 

「じゃあ!帰ろっか!」

 

「はい」

 

・・・・

 

私はヘドロの敵を捕まえて、警察に届けようとした。

 

その日は特に何もなかったはずだった。

 

だがどこか懐かしい感じがしたのでその方を見てみると

 

信じられない人がいた。

 

お師匠…………!

 

あのお師匠が歩いていたのだ。隣には少年がいたがそんなのは気にならなかった。

 

お師匠……!貴方は死んだはずでは……!?

 

私はいてもたってもいられなくなり、お師匠の方へ行こうとしたら

 

突如爆音が鳴り響いた。

 

・・・・

 

俺が菜奈さんと帰ってる途中に突如爆音が鳴り響いた。

 

俺と菜奈さんは急いで音の方へ向かうと

 

爆発の中心にはヘドロの男と男に捕まっている金髪の少年が……って爆豪!?

 

アイツ……ってそうか!ここはパラレルワールドだ。過去の世界なんだ。

 

ってことはここは過去に起こったことなのか!?

 

なんにしても放っておけない。

 

「菜奈さん……先に帰ってくれませんか……俺はアイツを倒します」

 

「えっ……!ちょっと!」

 

俺は飛び出すと

 

「変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

ディケイドに変身して走り出す

 

周りが騒ぎ出すが俺は無視して走り続ける

 

「今回はこいつだな」

 

<フォームライド、ビルド!オクトパスライト!>

 

ヘドロ敵が爆破しようとするが

 

躱してフラッシュでヘドロ敵を怯ませる

 

「グワアァァア!!目が!目が!」

 

その隙に爆豪の腕を引っ張りヘドロ敵から解放させる

 

<アタックライド、ブリザード!>

 

ヘドロ敵を凍らせてディケイドに戻ると

 

<ファイナルアタックライド、ディ、ディ、ディ、ディケイド!>

 

ディメンジョンキックで凍らせたヘドロ敵を破壊する

 

俺はインビシブルでその場から立ち去った

 

・・・・

 

菜奈さんに先に帰ってもらって一人で歩いていたのだが

 

「いい加減出てきたらどうだ?」

 

すると骸骨のような男が現れた。

 

「何の用ですか?」

 

「私はこういうものでね……」

 

「八木俊典……マイツプロ!?」

 

マイツプロはオールマイトの事務所だ。

 

あれ?俊典ってどっかで聞いたような……?

 

「あの敵はオールマイトが一度捕らえたのだが不覚にも逃げられてしまってね……君が変身を解除するのを見て気になることがあってね……」

 

男は話を続ける

 

「なぜ……敵と戦おうとしたんだ?その理由が知りたいんだ」

 

「……簡単な話です。助けるべき人がいたから動いた……俺が動いたのは敵を捕まえるためじゃない。人を助けるために動いたんです……」

 

俺の言葉に八木さんは真剣な目で俺の目を見る。

 

「そうか……君になら話しても大丈夫そうだ……」

 

そう言って八木の体が膨れ上がる。それは……

 

「なんだと……!?」

 

「ハハハ!驚いてるようだね!少年よ!」

 

俺は驚きを隠せなかった。八木の正体はオールマイトだった。

 

そういえば!菜奈さんがオールマイトのことを俊典って言ってたよ!どっか引っ掛かると思ってたら!

 

「まず説明しよう。これからの話は他言無用で頼むぜ」

 

そう言ってオールマイトは説明してくれた。

 

それは俺が前にオールマイトから聞いた内容と同じだった。

 

「さて私の個性の話をしよう。週刊誌ではブーストなど怪力などと言われているが私の個性は聖火のごとく受け継がれてきた個性。その名もワンフォーオール!」

 

受け継がれた個性……!?そうか、緑谷の個性は……そういうことか……

 

「君はヒーローになれる。私の個性を受け継いでくれないか!そして平和の象徴となってくれ!」

 

俺は

 

「すみません……」

 

「なっ!どうしてだね!?」

 

俺は自分のことを話す

 

「異世界……俄かには信じがたいが……たしかに辻褄が合う……」

 

「はい。俺には時間がありません。俺の世界を救わなくちゃならない。だから平和の象徴にはなれません」

 

「そうか……なら尚更受け継いでくれないか!君の世界を救うためにもワンフォーオールは必要だと思うよ!」

 

そうか……この世界に来たのはそういうことか……

 

「すみません……お願いします……!」

 

「そう言ってくれると思ったぜ!」

 

「あっ、あとオールマイト、貴方に会わせたい人がいるんですが……」

 

「うん?」

 

そう言って俺はオールマイトを家に案内する。

 

扉を開けると菜奈さんがエプロン姿で調理しているのを見たオールマイトは目を見開いていた。

 

「お……お師匠……!?」

 

「ん……あっ、俊典じゃないか!?」

 

「ほっ……本当にお師匠……なのですか……?」

 

「ああ、そうだけど、お前も老眼が始まったか?」

 

「お……お師匠!!!」

 

オールマイトは菜奈さんに抱きつき泣きじゃくった。

 

その後菜奈さんとの経緯を話すと

 

「……君には感謝してもしきれない……本当にありがとう……」

 

「それで、この子に受け継がせるのか?俊典」

 

「はい、この子なら平和の象徴になれるでしょう」

 

「でも君は元の世界に戻っちゃうんでしょ?」

 

「俺は確かに元の世界に戻らなくちゃいけません……でも気づきました」

 

「何を?」

 

「俺はこの世界も……俺の世界も……世界を旅して守ってみせる。全ての世界のヒーローとなってみせます!」

 

「そうか……とんでもない継承者を見つけたな、俊典」

 

「ええ……」

 

その後オールマイトからワンフォーオールを受け継ぐ時にオールマイトの傷を治して、再び旅に戻る準備をした。

 

「もう行くのか?」

 

「はい。俺には時間がありません」

 

「そうか……もう行ってしまうのか……」

 

とその時菜奈さんが

 

「お願い!私も旅に連れて行ってくれないか!」

 

「え!?」

 

「お師匠!?」

 

「君に助けられてまだ何も返していない……私も君の力になりたい!」

 

「はぁ……わかりました。一緒に行きましょう」

 

「ああ……!」

 

こうして菜奈さんが旅の仲間に加わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




志村さんは既婚者ですがこのパラレルワールドの志村さんは独身者ということになっています。というわけですのでパラレルワールドには死柄木弔はいません


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モノトーンの少年

菜奈さんが旅の仲間に加わった後俺はディメンジョンオーラで再びいせスマの世界に戻った。

 

冬夜が玄帝を仲間にしていて、これから遺跡を調べようとしていたところだった。

 

菜奈さんを見た時のレイ子たちはとっても不機嫌だったが俺が説明するとひとまず納得してくれた。

 

アニメでこの後の展開は知っているのでわざわざ地雷を踏みにいくことはない

 

冬夜が玄帝の能力で水中でも活動できるようになり遺跡を調べに行った。

 

俺は浜辺で待っていると

 

「真司さん」

 

ユミナに後ろから声をかけられる

 

振り向くと俺の前に水着美女が勢ぞろいしていた。

 

ユミナは腰の横に花が描かれている白地のワンピースで

 

レイ子は灰色のタンキニタイプで

 

一佳はオレンジのビキニで

 

茨は緑のワンピースで

 

ねじれちゃんは前に見せてくれた白のマイクロビキニだった。

 

菜奈さんとリーンは黒のビキニで

 

皆とっても似合っていた。

 

「しっ……真司どう…………?」

 

レイ子が恥ずかしながら聞いてくる。

 

やばい、すごい可愛い……

 

俺がまじまじと見ると

 

レイ子は俯いて

 

一佳は目を逸らして

 

茨は顔を手で押さえて

 

ねじれちゃんはアワアワとなり

 

ユミナは後ろに向いて

 

菜奈さんは大きな胸を押さえて

 

リーンは顔がりんごのように赤くなっていた。

 

「そっ……それでどう……?」

 

レイ子が聞いてくる。

 

そんなもん決まっている

 

俺は満面の笑みで

 

「似合ってる、皆超可愛い」

 

俺が褒めると皆の顔がさらに赤くなった。

 

とその時ゲートが近くに開いた。

 

ったく!空気読めよ!

 

冬夜がゲートの中から顔を出すとなんとも状況が飲み込めない顔をしていた。

 

ユミナたちは急いで服に着替えてゲートの中に飛び込む。

 

俺もゲートの中に飛び込むと声が出なかった。

 

そこは正しく空中庭園といえるような場所で壮大なスケールだった。

 

レイ子たちも目を丸くしていた。

 

「空中庭園……。古代パルテノの遺産ともいえるわね……まさかこんな壮大なものだとは……」

 

リーンがまじまじと庭園を見渡す。

 

古代文明パルテノ。様々な魔法技術を生み出し、アーティファクトを作り出した超文明。

 

原作によれば確かフレイズに滅ぼされたと聞くが……

 

とにかくこの空中庭園はその文明が作り出したアーティファクトであり、冬夜の横にいるシェスカもアーティファクトらしい。

 

この空中庭園には植物園のようなエリアもあれば噴水、飛び石、花壇や池などもあり、超豪華な庭園であることは間違いない。

 

池のほとり設置された東屋で俺たちは休憩していた。

 

「それでリーンの手に入れようとしたものは見つかったのか?」

 

「さあ。私たちは古代魔法をいくつか手に入れればよかったのだけれどそれ以上のものがみつかったしねえ……」

 

確かに……この庭園そのものが古代文明の技術の結晶ともいえるだろう。

 

原作によればバビロンは他のも合わせると9つのバビロンがあって「格納庫」、「工房」、「錬金棟」、「塔」、「城壁」、「図書館」、「研究所」、「蔵」とあり、それぞれにシェスカと同じ管理者がいるんだったよな。

 

「そんなものが空に浮かんでいたら騒ぎになりそうだけど」

 

エルゼがもっともなことを言うがバビロンには確かステルス機能が搭載されてるんだったよな?

 

「バビロンには外部からは視認できない魔法障壁が張られています。外から確認するのはほぼ不可能デス」

 

シェスカがエルゼの疑問に答える。

 

やっぱりバビロンにはステルス機能がついてあるらしい。

 

「私としてはその図書館に惹かれるわね……古代文明の様々な知識が詰まってそうじゃないの」

 

まあ俺も興味がないといっちゃあ嘘になるが。

 

「他の島とは連絡は取れないんです、か?」

 

リンゼがシェスカに尋ねる

 

「残念ながら現在他の島とのリンクが途切れています。魔法障壁のレベルが高く設定されています。マスターが許可しない限り通信は不可能デス」

 

「リンク……それにマスターってなんです?」

 

「リンクとは『通信』マスターとは『愛しのご主人様』デス」

 

「嘘つけ。主人とか頭領って意味だろ」

 

「……冬夜さん……?」

 

リンゼの機嫌が悪くなる。関係ない筈なのに俺まで怖い

 

「冬夜さまにパンツを見られ、身も心も捧げることになりました。故に私のご主人様、マスターデス」

 

シェスカが爆弾発言をする。

 

あーやっぱ行かなくてよかったわー

 

その後は原作通り。冬夜くんがシェスカに遺伝子採取のためにキスをされ、リンゼに告白された後にキスをされ、八重とエルゼと模擬戦をして二人に告白されてバビロン博士からのメッセージを受け取った。

 

その後冬夜くんに呼び出されて冬夜くんの家にいる。

 

「何の用?冬夜」

 

「ああ、ごめん。聞きたいことがあるんだ」

 

「何?」

 

「もしかして……真司たちって異世界人?」

 

「……なんでそう思ったんだ?」

 

「いや……僕のスマホを見てもなにも不思議がることはなかった。大抵の人はなんなのか聞いてくるのに……それに自転車も初めてとは思えないほど乗りこなしていた……だから教えてくれ。君は何者なんだ?」

 

冬夜は真剣な目で見てくる。

 

俺は一息吐いて

 

「そうか。じゃあ教えよっか。この世界のことを」

 

その後冬夜にこの世界、イセスマの世界について教えた。

 

冬夜はすごく驚いていた。

「じゃあ真司はこの後の展開とかも知ってるのか?」

 

「ああ、……って言いたいところだがわからない。予想外のことが起きないわけじゃない」

 

本来違うところで出るはずだった従属神がもう出てるんだ。

 

この後どうなるかなんてわかるわけがない

 

「それで真司は元の世界に戻るのか?」

 

「いや、まだ戻れない。この世界にある力を手に入れて、俺の世界を救ってみせる」

 

そこで話は終わって翌日、

 

俺はギルドまで金を下ろしにいこうとしていた。

 

するとなにやら揉めているのが見えた。

 

「あのな、兄ちゃんよ。それがどこの金かは知らないけどそれじゃあ支払えないの。わかる?」

 

「困ったなあ……僕これしか持ってないんだよね……」

 

店主に睨まれているのは、俺と同じ歳ぐらいの少年。だが何千年も生きているその人物。エンデだ。

 

フレイズの女王と共に生きるために世界を渡り歩き、幾多の世界をフレイズの戦いに巻き込んだ、フレイズとの戦いを引き起こした張本人ともいえる人物だ。

 

愛するもののために行動を起こしたのは傍迷惑だが悪いやつではないと思う。まあだからって見捨てるのはヒーローじゃねえな。

 

どうやらクレープを買ったが古代貨幣なので払えないという状況である。

 

「金がないなら無銭飲食だ。警備兵へ突き出してやる」

 

「ええっ、だからこれで払えないの?これもお金だよ!」

 

「だからこの国ではそんなお金使えないって……!」

 

「あのー」

 

「ん?なんだ?」

 

「通りすがりの者ですけど俺が代わりに払いますよ。それなら問題ないでしょ?」

 

「そりゃ金さえもらえりゃ文句はねえが……」

 

俺が銅貨一枚を払って店主は納得してクレープをさらに二枚渡してくれた。

 

「ありがとう。助かったよ」

 

「いや、いいよ。困った時はお互いさまだろ。エンデ」

 

俺の言葉に身構えるエンデ

 

「……なんで僕の名前を知ってるの?」

 

「そうだな……俺が全てを知ってるって言った方がいいかな……」

 

面倒だがコイツには真実を知らせた方がいい気がする。

 

冬夜と同じようにこの世界について教えると

 

「じゃ、じゃあ君は彼女がどこにいるか知ってるのか!?」

 

エンデが詰め寄ってくる。

 

「悪い……今はその人物は生まれてないんだ。だから知らない」

 

エンデが探しているフレイズの王の核はフレイズから隠れるために知的生物の心臓に身を隠している。宿主が死ぬと別の宿主に身を移す。だが俺が知っているのはまだ生まれていない赤子、ユミナの弟だ。今フレイズの王の核がどこにあるかなんて知らない。

 

「それでもいい……教えてくれ!」

 

エンデに土下座され戸惑う。

 

「はぁ……わかった。ただし荒っぽいことはしないでくれ。それが条件だ」

 

エンデに約束させ教えると、

 

「ありがとう……!」

 

「それでお前はこれからどうするんだ?」

 

「今まで通りフレイズを狩るよ。君こそどうするのさ?」

 

「俺もフレイズにこの世界を破壊させない……っていうかそれよりお前はどうするんだ?」

 

「え?」

 

「金……あるのか?」

 

「あっ……そっ、そういえば真司はどうやって金を稼いでるの?」

 

「俺か?俺は冒険者だ。ギルドの仕事をこなして金を貰ってる。魔獣を倒したり護衛を請け負ったり」

 

「そっか、それなら僕にもできそうだね!」

 

エンデの表情が明るくなる。

 

エンデをギルドまで案内して、俺はお金を下ろす。

 

「登録できた?」

 

「うん、おかげさまでね」

 

「それで……これからどうする?」

 

「うん?」

 

「俺と一緒に来ないか?」

 

「う〜ん。僕に仲間がいるのは知ってる?その子とも話をしないとな〜」

 

「大丈夫だ。フレイズでも俺は気にしないぞ」

 

「やっぱり知ってるんだ……まっ、まあ返事はまた今度ということでいいかな?」

 

「あっ、まあまた会えたらな。俺の家だけ教えとくよ」

 

「今日は本当にありがとう。君のおかげで助かったよ」

 

「気にするな。会えるといいな。メルに」

 

「っ!本当に君は何者なのか……」

 

そう言ってエンデはその場から立ち去る

 

 

 

 

 

 



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砂漠動乱

エンデと別れた後、俺たちはバビロンを探すことにした。

 

なにしろ時間がないのだ。早く帰らないと夏休みが終わってしまう……!

 

そう思っていたら

 

「その心配はないよ真司くん」

 

「おわっ!」

 

鳴滝が突然現れた。

 

「どういうことだ?っつうか人の心を読むな」

 

「君の世界とこの世界とでは時空の歪みで時間の進み方が違うのだよ。故にこちらの一年があっちの一ヶ月みたいなものだととってくれて構わん」

 

「そうなのか……じゃあそんなに焦らなくてもいいわけか……」

 

「確かにそうだが君には世界が滅びる前に力を手に入れてもらいたい……頼むぞ……世界を……」

 

鳴滝は再び消える。

 

俺は驚きながらも皆を起こしにいく。

 

その後皆で朝食をとっていると

 

「見つけたわよ!場所はサンドラ王国の南東、ラビ砂漠!」

 

リーンが食堂の扉を開いてやってきた。ちょっ!うるさいな!

 

「って……うん?このご飯はなにかしら?これも貴方の故郷のご飯?」

 

「ん?ああ」

 

リーンが卵焼きを興味津々で見る。

 

「ちょっと食べてもいいかしら?」

 

「っておい!」

 

リーンが答えを聞く前に俺の卵焼きを頬張る。

 

すると

 

「ん!?ナニコレ!?うますぎる……!」

 

リーンが目を輝かせて、卵焼きを飲み込む。

 

「……それで、話ってのは?」

 

俺は未だにショックを受ける中でリーンに尋ねる。

 

「……あっ、ああ昔砂漠の中にあった古代遺跡にニルヤの遺跡と同じ六つの魔石が埋め込まれた石柱があったそうよ。今は砂の下に埋もれてるらしいけど」

 

リーンの後ろでは冬夜くんが面倒くさそうな顔をしている。

 

まあまた面倒ごとになるのが嫌なのかな……

 

その後「庭園」に転移して、二つ目の遺跡に向かう。

 

その道中で

 

「どうした?」

 

「面倒なものを発見したのよ。多分遭難者ね。こんなところ誰も通らないのに」

 

モノリスを見ると画面にボロボロの日よけマントを身につけた10人くらいがヨタヨタと歩いていた。

 

「遭難者なら助けないとマズイんじゃないの?」

 

「それはちょっと面倒なことになるわね……この「バビロン」の存在を明かすことはできないし……もしあれが悪人やお尋ね者だったら?

こんなとこを進んでるのは普通じゃないわ。面倒なものってのはそういうことよ」

 

確かにリーンの言う通りかもしれない。でもやっぱり放っておかないな……それに悪人がどうかはユミナの魔眼で確かめればいいしな。

 

「急がないとマズイですよ」

 

「え?」

 

モノリスを再び見てみると遭難者の目の前に砂の中から怪物が現れた。

 

「サンドクローラーね、砂ごと獲物を飲み込む砂漠の魔獣よ」

 

リーンが画面を睨みながら怪物の名前を呟く。

 

「行ってくる!」

 

俺がディメンジョンオーラを開いて地上へ降りた。

 

サンドクローラーが俺に向かってくるがワンフォーオールを発動させ飛び上がって上に避ける。

 

上空で前回りに回転して、

 

「cyclone smash!」

 

回転した勢いをサンドクローラーに叩きつけた。

 

その一撃でサンドクローラーの首は吹き飛び死骸からは血が噴水のように噴き出てきた。

 

うわっ、グッロ……

 

切断面から緑や紫のような体液をグチョグチョ吹き散らした。

 

おれがサンドクローラーの死体を見て顔を顰めていると冒険者と思われる遭難者がこっちに来て、

 

「君は……?」

 

「空野真司です。たまたま貴方たちを見つけたので戦闘に介入させてもらいました」

 

「いや、感謝する。私はレベッカ。冒険者だ」

 

ふと後ろにいる人たちを見てみると、全員首に首輪をしていた。

 

「あれは……?」

 

「そうだ。彼女たちは奴隷だ。私たちが奴隷商人から奪ってきた」

 

あれえ……やっぱりまずかったかな……?

 

 



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解放と真実

その後話を聞くと、奴隷商人だと知らずに依頼を受けたレベッカさんは彼女らが無理矢理奴隷にされていると聞き、奴隷商人から解放しようと画策していた時に、奴隷商人が盗賊に襲われて逃げてきたらしい。

 

「それでここにいるわけですか?」

 

「まあそういうことだ」

 

しかし、奴隷ねえ……悪いことを考えるやつもいるもんだなあ……「隷属化の首輪」は逆らうと激痛が走り、最悪死ぬらしい。組合に登録された以上主人が外さない限り、解放されることはない。そしてその主人となる奴隷商人は死んでしまった。つまり、新しい主人を登録して、その主人が外さない限り、彼女たちは解放されることはない。

 

まあ俺ならなんとかできるんだが

 

「その首輪外せるかもしれない」

 

「何っ!」

 

「本当ですか!?」

 

一人の少年が近寄ってくる。

 

ウィルだったか?近い近い!

 

目を見開いて俺の方を見てくる。

 

「まっ、まあやってみないとわからないが……」

 

「おっ、お願いします!ウェンディを……ウェンディを救ってください!」

 

ウェンディ?

 

ウィルが手をとって一人の少女をこちらに連れてくる。

 

俺をみて怯えている。ショックだなあ……

 

まっ、まあさっさと終わらせよう!

 

<アタックライド、シーフ!>

 

シーフで首輪を手に転送させると

 

「取れてる……取れてるよ!ウェンディ!」

 

「え……え!?」

 

ボロボロと涙を流してウィルに抱きつくウェンディ。

 

あーあ、そういうことか。だからあんなに必死だったのね。青春してますなあ……

 

その後残りの六人の首輪も転送させて、ワンフォーオールで首輪を握りつぶすと

 

「君は……何者なんだ?」

 

ローガンさんだっけ?が聞いてくる。

 

「俺も冒険者ですよ。ほら」

 

「赤!?」

 

そう言ってギルドカードを見せる。

 

まじまじとギルドカードを見る中で

 

「首輪が外れても登録から消されたわけではない……やはり他国へ逃げるか……」

 

「ベルファストへ来ますか?いい国ですよ」

 

「ちょっと待ってくれ。ここからベルファストまでどれだけあるか……」

 

俺はディメンジョンオーラを開いて中からユミナを呼ぶ。

 

「だっ、誰だ!?」

 

「初めまして。ベルファスト王国第一王女、ユミナ・エルネア・ベルファストでございます」

 

「「「え!?」」」

 

ユミナの言葉に固まるレベッカさんたち。

 

無理もないか。ユミナはドレスなど纏っていなくても王女と思わされる気品やオーラがある。

 

いきなりの王女登場に土下座を始めるレベッカさんたち。

 

その後は原作通り冬夜の屋敷にレベッカさんたちを転移させた後

 

戻ってきてみると、

 

マンタのフレイズが身を翻していた。

 

「どうする?」

 

リーンが聞いてくる。

 

まあ、この後エンデも来るんだが……

 

「やろう。放っておくわけにはいかない」

 

それぞれが戦闘体勢に入ると

 

マンタフレイズは水晶の矢を飛ばしてきたが

 

「TITAN smash!」

 

ワンフォーオール100パーセントで衝撃波の壁を飛ばして水晶の矢を全て打ち返す。

 

そのまま飛び上がって空中でカメンライドして、

 

<ファイナルアタックライド、ディ、ディ、ディ、ディケイド!>

 

ワンフォーオールを纏ってディメンジョンキックをフレイズに放つと、フレイズは砕け散った。

 

その後フレイズを見下ろしていると

 

「やあ、真司」

 

「エンデ」

 

「僕が来るのがわかってたみたいだったけど……やっぱりこの後のことを知ってたの?」

 

「まあな」

 

「そうか……それよりこの前の返事だけど……」

 

「真司さーん!」

 

ユミナたちがやってくる。

 

ふとエンデの後ろからひょっこりと顔を出したフレイズ

 

フレイズの登場に警戒するユミナたち。

 

だが俺が敵じゃないと説明する。

 

そして庭園に戻ってユミナたちにこの世界のことやフレイズのことについて説明すると

 

「つまり、この世界のことを貴方が知っているのは原作を見たからというわけね?」

 

「まあ、そうなるな」

 

騙したみたいで罪悪感で心がいっぱいになる。

 

「ふ〜ん。まあ、だからどうしたの?」

 

「へ?」

 

「貴方が誰であろうと私にとっては貴方は大好きな人よ。勿論菜奈にとってもね」

 

「ちょっ!リーンさん!?」

 

「は?」

 

俺は頭がフリーズする。

 

ちょっ、ちょっと待て。リーンもそうだが菜奈さんも俺のこと好きだっていうのか?

 

レイ子たちに目を向けると

 

「気づいてなかったの?」

 

「鈍いんだから〜」

 

「なんと罪深きものでしょう………」

 

「見ればわかるじゃん」

 

「そうですよ」

 

「俺でも気づいてたぞ」

 

「焦凍も!?」

 

レイ子たちは気づいてたみたいだ。

 

ウッソ〜

 

「それで私たちは貴方のことを思ってるんだけどどうかしら?」

 

「///〜」

 

菜奈さんは顔を赤くしてリーンはからかうようにこっちを見る。

 

「……正直俺には二人が好きなのかはわからない……だからこれから仲を深めていきませんか?」

 

俺の言葉にリーンは

 

「ええ。勿論よ。絶対に貴方のことを振り向かせてみせるわ」

 

「わっ、私もだ!」

 

菜奈さんは気合を入れるように手に力を入れる。

 

そしてエンデの方は

 

「エンデミュオン……これ美味しい」

 

「そうだね。リセ」

 

俺が用意したクッキーを食っていた。

 

「それでそちらの方は……」

 

「ああ、紹介するよ。フレイズの支配種のリセだ」

 

「……よろしく」

 

フレイズの支配種リセは軽い挨拶をして、チビチビとクッキーを味わっている。

 

「支配種ってのは他とは違うの?」

 

「まあ、そうだね。支配種には下級種、中級種、上級種と違って意思がある。フレイズの隊長みたいなものさ」

 

「お前らは人間の敵なのか?」

 

焦凍が聞いてくるが、

 

「リセは敵じゃないな……どっちかというと傍観者って感じかな」

 

その後フレイズの戦いの経緯を話してもらい、

 

「それでエンデはどうするんだ?」

 

「君たちについていくことしたよ。君はこれからのことを知ってそうだしね。君についていったほうがこちらとしても助かるからさ」

 

エンデがそう言った。

 

「それで真司さん。王の核は誰の中にあるんですか?」

 

「……この先生まれるユミナの弟だよ」

 

『え!?』

 

俺とエンデ以外が驚く。

 

「私に弟!?」

 

「で取り出す方法は?」

 

「俺のシーフで取り出す。それでリセはこれからどうするんだ?」

 

「……私はエンデミュオンと共に行動する。エンデミュオンの言う通り貴様についていけば王に出会えそうだからな……」

 

リセは相変わらずチビチビとクッキーを食っていた。

 

ていうかそれ五箱目だぞ!

 

大食らいなのは知っていたが……

 

そうこうしてるうちに遺跡にたどり着いた。

 

冬夜が遺跡に入る。

 

俺たちはバビロンで待っていると

 

冬夜のゲートが開かれた。

 

中に入って話を聞くと、

 

「工房かあ〜」

 

「なんかイラッとするであります……」

 

リーンが残念そうな顔をしていた。

 

そこからロゼッタとシェスカで言い合いになったが、

 

冬夜が鎮めた。

 

その後庭園と工房をドッキングさせて、ベルファストまで帰った。

 

冬夜の屋敷まで帰るとレベッカさんたちに土下座された。

 

収集がつかないので辞めさせて、

 

ウェンディたちのこれからを話すと、冬夜が読書喫茶をやろうと言い出した。

 

ここまでは原作通り。

 

唯一違うのは俺の家にエンデとリセがいることだけか

 

父さんと母さんはエンデたちを受け入れてくれた。

 

エンデとリセはテーブルで肉じゃがを口にしている。

 

「エンデちゃん!リセちゃん!じゃんじゃん食ってくれていいわよ!」

 

「はふはふ……美味しい……」

 

「とっても美味しいです。おばさん」

 

エンデとリセにも受けたようだ。

 

まあこうやってみると人間と変わらないんだなあ……

 

その後一つ問題だったのはエンデとリセが食いすぎたせいで俺たちの分がなくなったということか……

 



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帝都動乱

読書喫茶を冬夜と作った後で冬夜がレグルス帝国に本を買いに行くと言っていた。

 

まあこの後の展開も知ってるんだが、俺が介入するべきじゃないな。

 

俺が冬夜の屋敷でエンデとチェスをしているとゲートが開いて老人と少女と女騎士が落ちてきた。

 

この子は……ルーだ。レグルス帝国第三皇女。

 

ルーは事の顛末を俺に教えてくれた。うん。まあ知ってたけどね。

 

その後で冬夜も帰ってきて、レグルス皇帝を回復させた。

 

ルーが冬夜と一緒に皇帝を見守っていた。

 

ラウル医師が来てくれて大丈夫なことを確認した後ルーがリンゼたちと一緒に違う部屋に移っていった。

 

これは……アレだな。

 

まあ、俺としては関係ないが、冬夜がラウル医師を王宮に返すのについていき、王様に経緯を冬夜が話した。

 

「帝国がそのようなことになっているとは……」

 

王様に事情を説明する冬夜

 

「しかし悪い知らせと良い知らせを同時に聞くとは……なんて日だ」

 

この後も原作通り。

 

ユミナに弟が出来て、

 

冬夜が国王にあやふやに事情を説明して冬夜は用意をするからと出かけていった。

 

冬夜が帰ってきたときに女騎士のキャロルさんが

 

「陛下がお目覚めになりました」

 

皇帝陛下の回復を教えてくれた。

 

「冬夜様!お父様がお目覚めに!」

 

「そなたが望月冬夜殿か?」

 

その後冬夜がレグルス皇帝と話して、国王陛下と対談をするというとこまで話が進んだ。

 

対談を見守っていると国王陛下が

 

「冬夜殿、真司殿、昼間の話だが……」

 

「「昼間?」」

 

「バズール将軍をなんとかするって言ったそうだが……本当になんとかなるのか?」

 

皇帝陛下が王様の言葉を引き継ぐように口を開くと

 

「別にどうにかなるよな?冬夜」

 

「ああ、言ったらなんですけど明日じゅうには帝都を制圧することも可能です」

 

「「「なっ……!」」」

 

王様と皇帝陛下とルーが驚く。

 

ユミナは胸を張る。

 

「それにこれぐらいできないとユミナの婚約者として恥ずかしいからな」

 

「真司さん……!」

 

ユミナが恥ずかしがって顔を手で押さえる。やばい可愛い……!

 

王様とレイ子たちがジト目を向けてくる。やめて!

 

その後事後処理などについて話し合って明日に向かうことにした。

 

寝ようとしていたらエンデが来た。

 

エンデとリセも戦いに参加してくれるようだ。

 

冬夜はその間に召喚獣の契約を急いでいた。

 

俺?俺はグッスリ眠った。

 

んで翌日

 

降伏勧告を冬夜のスマホから流して十数えると冬夜がスマホのターゲットロックで軍人をパラライズで無力化するが何人かは魔力抵抗や護符で耐えたらしい。

 

向こうが悪魔の軍団を出すのに対して

 

冬夜は召喚獣を出そうとしたが

 

<アタックライド、シュートベント!>

 

ドラグランザーを呼び出して

 

ライドブッカーを銃モードに変えて

 

炎の弾を打ち出す。

 

魔法無効化があるが魔法ではないので悪魔たちは

 

次々と炎の弾に当たって消滅していった。

 

唖然としてみる国王陛下たち

 

さあ殲滅Timeの始まりだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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クーデター鎮圧

シュートベントで悪魔たちを大方減らした後、冬夜が召喚獣を呼び出す。羨ましいなあ……俺もユミナに教えてもらおうかなあ……

 

「召喚獣は琥珀、珊瑚、黒曜、エルゼ、八重に従ってくれ。リンゼはケルベロスの共にここで待機しつつ、魔法や銃で援護射撃。僕はバズール将軍を片付ける」

 

「焦凍と茨、菜奈さんとリーンはここで待機して、遠距離攻撃や魔法で後方支援を頼む。ユミナとレイ子、一佳とねじれちゃんとエンデとリセは軍人や悪魔を頼む。できる限り殺さないでくれ。俺はデモンズロードを叩く」

 

俺とレイ子、ユミナはベルトを装着して

 

「「「変身!」」」

 

<カメンライド>

 

<アーイ、バッチリミナー、バッチリミナー、バッチリミナー、バッチリミナー、>

 

<standing by>

 

<ディケイド!>

 

<開眼!オレ!レッツゴー覚悟!ゴ!ゴ!ゴ!ゴースト!>

 

<complete>

 

俺はディケイド、

 

レイ子はゴースト

 

ユミナはデルタに変身して、それぞれ構える

 

「「行くぞ!!」」

 

『おう!』

 

俺たちは襲ってくる悪魔や軍人をそれぞれ返り討ちにする。

 

一佳は大きくした拳を悪魔たちを吹き飛ばし、ねじれちゃんは波動を使った素早い空中浮遊で翻弄し、ユミナへデルタフォンで悪魔たちを狙撃して援護し、レイ子はガンガンセイバーで悪魔たちを切り捨てた。エンデは人間とは思えない(人間ではないのだが)身体能力でただひたすらに殴っていく喧嘩殺法で次々と悪魔たちKOしていき、リセは価電子粒子砲モドキを打ったりしてとにかく強い。さすがフレイズの支配種。

 

「レイ子!ここは任せた!」

 

「わかった!」

 

俺はクロックアップでデモンズロードのところまで一気に向かう。

 

デモンズロードがこっちに気づくと両眼から熱戦のようなものを放ってきた。

 

危なっ!

 

デモンズロードが次の一手を打つ前に俺はワンフォーオールを発動し、空中を蹴って頭上まで飛び上空へ向けて拳を放ち衝撃による遠心力を利用してかかと落としを食らわせる

 

デモンズロードは悲鳴をあげ脳天はかち割れ、頭を押さえて転がりまわっていた。

 

うわっ、近所迷惑だなこれ。

 

とデモンズロードは立ち上がってその拳を振るってくるが空中を再び蹴って避け

 

<カメンライド、響鬼!>

 

響鬼に変身した。

 

<アタックライド、音撃棒烈火!>

 

音撃棒烈火で炎の嵐をデモンズロードに浴びせた。

 

そして

 

<アタックライド、ジェットスライガー!>

 

ジェットスライガーを呼び出しミサイルを食らわせた

 

ジェットスライガーから回転しながら飛び上がってデモンズロードの胸元に迫り

 

「GIGANT smash!」

 

回転の勢いをそのまま叩きつけた。

 

胸元に風穴が開きデモンズロードは消滅した。

 

冬夜のところへ駆けつけると事はすでに片付いていた。

 

こうして帝都で起こったクーデターは一日で収束した。

 

 



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真実と建国

「本当に片付けてしまうとは……」

 

「なんか臭うんですけど……」

 

「すみません。ヘドロスライムの死臭です。ほらあの中の。ちょっと外に漏れちゃって」

 

そう、冬夜くんは死ぬと悪臭を放つヘドロスライムの死骸をボックスの中にありったけ詰め込みゲートで将軍を放り込み、気絶させたという世にも恐ろしい拷問方法をとったのだ。

 

「帝都民よ。迷惑をかけた。既に反逆者は捉え、帝都は我らの手に戻った。安心してほしい」

 

冬夜のスマホで生中継に写っている皇帝陛下が頭を下げる。

 

その後はベルファストの騎士が捕らえられている帝国の騎士を解放して、倒れている帝国の軍人を捕縛して一件落着……とはいかなかった。

 

冬夜の屋敷に集められた俺たち。

 

そこには皇帝陛下に国王陛下、ユミナにルー護衛の騎士たちとリセとエンデ、俺と冬夜にそれぞれの恋人たちが集まっていた。

 

まあエンデとリセは俺が呼んだんだが

 

「この度は本当に世話になった。余の命の恩人というだけではなく帝国をも救ってくれて……感謝の言葉しか出ない……」

 

「気にしないでください。僕が帝国を助けたのもたまたまですし、今回のことは流れでそうなっただけですし」

 

「相変わらず冬夜殿は欲がないな。ベルファストでも爵位を授けようとしたのだが断られてしまいましたな。家と金だけをもらってもらったのですよ」

 

「ならルーシアをもらってくれんか?ベルファストとレグルスの姫を娶った者たちが王になればこれほど両国間の同盟の象徴ともいえる存在はない」

 

「「はい?」」

 

俺と冬夜が間抜けな声を漏らす

 

いや知ってたけどさ。冬夜はともかく俺もってのはどゆこと?

 

「ちょっ、ちょっと!真司はこのこと知ってたんだよね!?」

 

「知るか!お前が王になるのは想定済みだったけど俺まで巻き込まれるのは聞いてねえよ!」

 

小声で俺と冬夜は言い争う。

 

まっ、まあ、ここは一応聞いておく

 

「……なんでそんな流れになるんですか?」

 

「ぶっちゃけ言うと真司殿たちの力のせいですね」

 

リオンさんが答えてくれる。

 

「今回のこともそうですが真司殿たちの力は全てにおいて規格外です。そんな者たちが一つの国に肩入れしていては他国にとっては脅威でしかないでしょう」

 

そう言われては反論できない。

 

でも俺は……

 

「あの〜レグルス皇帝陛下、実は俺は」

 

「ああ、異世界人だろ?知ってるよ。ベルファスト国王から聞いている」

 

知ってたのかよ!

 

「んじゃあなんで……」

 

「それでも君の存在はこの世界にあってほしいものなのだよ。勿論ずっといてくれとは言わん。だが象徴的な存在にはなって欲しくてね。フレイズのこともあるからな……」

 

そう言ってリセを見る皇帝陛下

 

「真司殿……フレイズのことについて知っているのだろう?全部とは言わん。話してくれないか?」

 

「あー……それについてはエンデに話してもらった方がいいですよ」

 

「ちょっ!丸投げ!?」

 

「お前なら俺の知ってないことも知ってるだろ。お前の方が適任だ」

 

そう言われて渋々と引き受けるエンデ

 

エンデは語った。

 

フレイズの女王とともに生きるために世界を渡り歩き、フレイズから逃げていること。そのせいでフレイズの戦いに各世界を巻き込んだこと。フレイズは異世界の存在とのこと。フレイズは知的生命体を殺して王の核を探しているとのこと。

 

どれも話が壮大すぎて王たちには理解が追い付かった。

 

「つまり……5000年前の古代文明はフレイズによって滅ぼされたと?」

 

「まあそうだね。当時この世界の結界はボロボロだったからね」

 

エンデが語る

 

「君は人間の敵なのか?」

 

「私はどっちでもない。王の行く様を見届けるだけ」

 

ベルファスト国王がリセに尋ねる。

 

「それで……王の核は誰の中にあるんだ?」

 

レグルス皇帝がもっともなことを言う。

 

まだ言わないほうがいいだろう。

 

生まれてもない赤子にシーフを使うのは危険が過ぎる

 

「真司殿は知ってるのか?」

 

ベルファスト国王の言葉に挙動不審になる俺。

 

マズイ……!

 

「知ってるのか?」

 

ベルファスト国王とレグルス皇帝の目が真剣になる。

 

はぁ……言うしかないか

 

俺が話すとベルファスト国王は顔が青くなった。

 

「なんだ……と……!」

 

無理もない。自分の子供に世界の運命が背負わされているのだから

 

「私の息子に……!?」

 

呆然とするベルファスト国王

 

だがすぐに我に返り

 

「しっ、……真司殿……!なんとかなるのか!?」

 

必死になって聞いてくる

 

「ええ……俺のシーフで取り出せば可能でしょう。問題は……」

 

そう王の核を取り出せばフレイズに場所がバレてしまう。

 

まあ冬夜になんとかしてもらうんだけどさ

 

その後冬夜に無属性魔法プリズンを教えて、対処法を決定すると、ベルファスト国王は安堵をつく。

 

「それでベルファスト国王……話を戻すが……」

 

「ん……?ああ!そうだったな」

 

「それで冬夜殿。ルーシアをもらってくれんか?」

 

レグルス皇帝が冬夜に話しかけるとリンゼが

 

「私たちは構いません、よ」

 

「え?」

 

「あたしも賛成」

 

「拙者もでござる」

 

呆然とする冬夜をルーシア姫がちらちらと見る。

 

その後は原作通りルーシアを冬夜が受け入れて、

 

俺たちがベルファストとレグルスの間に双王制の国家を作るという話になった。

 

「王様か〜とうとうここまでなっちゃったか〜」

 

「なんかもう今更って感じがするな」

 

「なんと素晴らしきことでしょう……!」

 

「すごいね〜真司くん!」

 

「流石だな……」

 

焦凍たちが褒めそやかす。

 

こっちには荷が重いよ……

 

「国の名前……とかはどうするんです?」

 

リンゼが聞いてくる

 

冬夜がこっそりと

 

「いい名前とかないの?」

 

「急に言われても……」

 

ディケイド国?無いな……ヘルヘイム?なんかマズイ気がする……

 

「ブリュンヒルド……はどうですか?」

 

「それって冬夜さんの武器の名前……ですか?」

 

「ああ、うん」

 

もう原作通りでいいんじゃないかな……

 

「ブリュンヒルドか……いい名前だ。悪くない。ベルファスト王国はブリュンヒルド公国の建国を支持し、同盟国として承認する」

 

「レグルス帝国も同じく」

 

こうして俺たちは王様となってしまった。

 

常盤ソウゴくんじゃないんだからさ……王様になるなだんて思わなかったよ……

 

 

 

 

 

 

 

 



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誰じゃ!俺じゃ!シノビじゃ!

建国された領土で俺たちはひたすら魔獣を捌いていた。

 

元々ここら辺は魔獣が蔓延る土地だったので冬夜がターゲットロックで魔獣を殲滅したのはいいが死体の山ができてしまったのでこれらを捌いて素材にしているのだ。

 

途中からはガタキリバコンボになって五十人に分身した。

 

早く終わるのはそうだがとにかく疲れる。

 

そんなこんなで俺は王様になったのだが住む場所がなかった。

 

とそんなことを思っていたらディメンジョンオーラが俺の周りを包んだ。

 

目を開けると近未来風な建物が周りに広がっていた。

 

俺は近くを散策すると

 

「忍法!火遁の術!」

 

忍者と思われる人たちが忍術を競っているのが見えた。

 

これはアレだ……仮面ライダーシノビの世界だ

 

とその時俺の周りを敵と思われる忍者集団が囲んだ。

 

俺が戸惑っていると

 

バイク音が辺りに聞こえてきた。

 

振り向くと

 

「神楽蓮太郎。影において力無き者を守る。誤った力の使い方をする者からな!」

 

そう言って蓮太郎は瓢箪を取り出す。

 

瓢箪からでたエネルギーがベルトとなると

 

「変身!」

 

<誰じゃ!俺じゃ!忍者!シノビ!見参!>

 

「シノビと書いて……刃の心!仮面ライダーシノビ!」

 

蓮太郎いや……シノビは敵の集団に走った行き、敵を素早い動きで翻弄する。

 

敵の一人がシノビに斬りかかるとシノビは回転して避け、蹴りを叩き込む。

 

アクロバティックな動き動きで敵を次々と蹴りつけてKOにしていく

 

<ストロング忍法!>

 

毒液のようなものをクナイから放つ。

 

それを食らった敵は怯み

 

<メガトン忍法!>

 

シノビがクナイを払うと敵の大半が吹っ飛んでいった

 

シノビはクナイを投げ捨てて、構えて

 

<フィニッシュ!忍法!>

 

シノビが素早い動きでパンチを放っていき、敵は全てKOされた。

 

と全ての敵を倒したシノビは影の中に消えていった。

 

俺はポケットからカードを取り出す。

 

何も写ってないシルエット。それを凝視する。

 

「俺がこの世界ですべきことは……」

 

とりあえず俺は近くのコンビニに向かい新聞を買う。

 

「へ〜ナニナニ?仮面ライダーシノビ、またもや強盗!?」

 

シノビが強盗!?

 

あの神楽蓮太郎が!?

 

だけれど新聞に写っていたのは確かにシノビだった。

 

「おいおい……勘弁してくれよ……尚、この事件にはシノビを庇う声も出ており事件は迷走を極めているという……」

 

ふ〜んどうしよっかな〜

 

蓮太郎を助ける理由はないが助けたもらった義理があるからな〜

 

まあとりあえずその前に腹ごしらえだ。

 

俺は近くの食堂に向かい、生姜焼き定食を頼んだ。

 

・・・・

 

「ふ〜食った食った」

 

腹を満たしていると近くに声が聞こえていた

 

「我が今生カンパニーはシノビを許しません!人々を泣かせ、悪魔に魂を売ったシノビを!次の選挙には我が今生カンパニーを!どうか!我が今生カンパニーを!」

 

選挙活動か〜まあ俺には関係ないけどさ。あのシノビがそんなことするかね?

 

とその時手裏剣が演説者向けて飛んできたが護衛の忍者が防ぐ

 

おお〜やるぅ

 

とその時ガマの怪人がその場に降り立った。

 

騒ぐ人々

 

しょうがない。いっちょやりますか

 

「変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

俺はガマの怪人に向かって飛び蹴りを放つ。

 

ガマは吹っ飛び人々は驚く。

 

俺はガマの怪人に向かってパンチのラッシュを放つがガマの怪人のボディはヌルヌルしてパンチが思うように入らない。

 

「ぐっ!ならコイツだ!」

 

<カメンライド、龍騎!>

 

龍騎に変身して

 

<アタックライド、ストライクベント!>

 

右手にドラグクローを装備して、炎を放つ

 

ガマは黒焦げになり吹っ飛んだ。

 

とその時シノビがそこに降り立った。

 

皆不安な顔をする中で

 

「だ、騙されるな!ソイツは怪人を回収しにきただけだ!ソイツこそこの襲撃の真犯人だ!」

 

シノビに向かってブーイングが放たれる

 

シノビは影に消えていった。

 

俺もインビシブルでその場から姿を消した。

 

 

 

・・・・

 

「あの者は我らにとって使える駒か……敵か……従うなら褒美を……敵なら……シノビもろとも……」

 

悪意は既に動き出している。

 



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守るべきもの

シノビが去った後その場は混沌と化した。

 

シノビを庇う者。シノビを批判する者との二つに分かれ、言い争った。

 

それを近くで見ていた一人の少女は

 

「……シノビ様がこんなことするはずがない……」

 

ー夜になりその少女は家に帰る途中だった。

 

とその時、影から一人の忍者が少女の前に降り立った

 

「だ、誰!?」

 

「我々と来てもらおうか」

 

男がそう言うと周りに雑兵がワラワラと出現した。

 

少女が恐怖に染まる時彼が現れた。

 

「待て!」

 

一同が屋根の上に注目する。暗がりで顔はよく見えない

 

「変身!」

 

<誰じゃ!俺じゃ!忍者!シノビ!見参!>

 

男はシノビに変身した。

 

「シノビ様!?」

 

「シノビと書いて刃の心……!仮面ライダー……シノビ!」

 

シノビが敵に向かって走って行き、敵の一人がクナイを振るうが、前回りにジャンプして避け、着地の際に足払いをかけて肘打ちを打つ。

 

シノビは素早い動きで一人一人を倒していく。

 

「もうお前だけだ。降参しろ」

 

「誰がするか」

 

そう言って男は瓢箪を取り出す。

 

驚くシノビ

 

瓢箪から流れるエネルギーがベルトとなる。

 

手裏剣を手に取る男。

 

「変身!」

 

<闇夜に!月夜に!影来たり!影丸!見参!>

 

その姿に少女とシノビは驚いた。

 

色こそ違うが外見はシノビそのものだったからだ。

 

そしてシノビは察する。

 

「まさか……!一連の強盗事件はお前が……?」

 

「仮面ライダー影丸……参る!」

 

影丸がシノビに迫るがシノビはバックステップで避ける。

 

だが追撃の手を緩めない影丸。

 

影丸は変幻自在な動きでシノビを翻弄する。

 

シノビも忍法で応戦する

 

「忍法!火遁の術!」

 

シノビは炎を吐くが

 

「忍法!畳返しの術!」

 

影丸は地面を畳をひっくり返すように持ち上げて強固な壁を作る。

 

炎は壁に防がれ、影丸は壁を飛び越えてシノビにクナイを振るう。

 

影丸の攻撃に苦戦するシノビ。

 

とその時、

 

「成る程……そういうことか。大体わかった」

 

通りすがりの破壊者が現れた。

 

・・・・

 

いや〜蓮太郎をつけてみた結果まさかこういうことだったとはな……

 

あの影丸がシノビになりすまして一連の強盗事件を引き起こしてたんだな……アイツはおそらくシノビのダークライダーだ。

 

「んじゃまあ……変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

「おっ、お前は!?」

 

「通りすがりの仮面ライダーさ……」

 

「仮面ライダーだと!?」

 

俺は一気に距離を詰め、裏蹴りを放ち影丸は吹っ飛ぶ。

 

俺は追撃の右ストレートを放つ。影丸はしゃがんで避けて逆に俺の腹に掌底を打ち込んできた。

 

「やるな…だったらこいつだ」

 

<フォームライド、オーズ!サゴーゾ!>

 

俺はサゴーゾコンボに変身して、

 

「はっ!」

 

重力操作で影丸の重力を何十倍にもする。

 

影丸はその場に崩れ落ちた。

 

「これで……終わりだ」

 

<ファイナルアタックライド、オ、オ、オ、オーズ!>

 

サイヘッドとゴリラアームにエネルギーを集中させて、影丸に迫る。

 

サゴーゾインパクトを食らった影丸は変身を解除させられた。

 

俺が男に近づこうとすると男は煙玉を出して逃げた。

 

・・・・

 

翌日の新聞を見て俺は頭を抱えた。

 

『謎の仮面ライダー!?シノビとともに少女誘拐!?』

 

新聞には神蔵イロハと俺、シノビが写っていた。

 

これは……ハメラレタな……

 

恐らく虹蛇の奴らが手を回していたんだろう。

 

単純だが実に嫌らしい作戦だ。

 

とりあえず蓮太郎を探そう。

 

<アタックライド、スコープ!>

 

・・・・

 

神蔵イロハは今生カンパニーに捕まっていた。

 

「なんで……なんでいるのよ!?お兄ちゃん!これはどういうこと!?」

 

イロハが怒鳴った先には彼の兄蓮太郎がいた。

 

「シノビを誘い込む為さ。お前がいればシノビは……奴は必ず来る!」

 

そう言い放つ蓮太郎

 

その時固く閉じられたドアがこじ開けられようとダンッ!と強く凹んだ。

 

「来たぞ!」

 

そしてこじ開けられたドアからシノビが入ってきた。

 

とその時影から不意打ちを食らうシノビ。

 

影丸の一撃を食らったシノビは変身を解除させられてしまった。

 

「ぐわわっ!」

 

そしてその正体は……

 

「お兄ちゃん……?なんで……?どういうこと!?」

 

「ぐうっ……イロハ……!」

 

「ハハハ……!神蔵蓮太郎!お前もここまでだな!」

 

「お前は……!?」

 

もう一人の神蔵蓮太郎に驚く蓮太郎。

 

「我ら虹蛇の姫は頂いた!邪魔するお前もこのザマだ!これで世界は我らのものだー!」

 

高笑いする偽蓮太郎。

 

「……一つ聞こう。お前はなぜそこまでして人を助ける…お前は世間に蔑まられているというのに……まあ!お前はもう虫の息だがな!」

 

「じゃあ俺が答えてやるよ」

 

「誰だ!?」

 

・・・・

 

蓮太郎を追ってきたらまさかワームがいたとは……

 

「ソイツが戦うのは名声のためでも……金の為でもない……たった一人の……家族のために戦ってるんだ……たとえ世間になんと言われようが……守りたいもののために……その思いにかけて戦ってるんだ!

お前はこの男と同じ顔をしているが……足下に及ばない……虫ケラだ!」

 

「なんだと……!」

 

「くだらん!身を寄せ合うのは弱いもの同士だからだ!それにシノビはこのザマだ!この世界は俺のものだー!」

 

「どうかな……俺は全てを破壊する……」

 

「貴様……!何者だ!?」

 

「通りすがりの仮面ライダーだ!覚えておけ!」

 

俺がワンフォーオールを発動し周りの雑兵を片付けると偽蓮太郎はグリラスワームへと姿を変えた。

 

蓮太郎はその隙にイロハを助けた。

 

「どうして、私を助けてくれるの?私は……」

 

「お前は俺の妹だ。他に理由なんていらない。お前は俺が守る」

 

イロハを逃した蓮太郎。

 

「ディケイド!力を貸してくれ」

 

「ああ……いくぞ!」

 

「「変身!」」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

<誰じゃ!俺じゃ!忍者!シノビ!見参!>

 

と変身すると、ライドブッカーから3枚のカードが飛び出てシルエットに色が浮かび上がる。

 

俺はワンフォーオールを発動させ、グリラスワームに向かっていき、グリラスワームはその爪を振るうが、俺は当たる寸前で避けて、カウンターを放ちそのまま連撃を放っていく。

 

グリラスワームは連続で攻撃を放ってくるが俺は巧みなステップで避けまくり隙を狙ってカウンターを連続で放つ。

 

シノビは影丸のクナイをクナイで受け止め、回し蹴りを放ち、竜巻を起こして影丸を上空に放り投げて、

 

<フィニッシュ!忍法!>

 

空中で飛び蹴りを放つ。

 

影丸は変身を解除させられた。

 

「ええい!役立たずめ!お前も俺の力となれ!」

 

グリラスワームは影丸の変身者を吸収し、緑からドス黒くなった。

 

スピードは格段に上がり、俺はマトモに一撃を食らってしまった。

 

「どうだ!これが力だ!力あるものが世界を征する!この世界は俺のものだ!」

 

「どうかな」

 

<ファイナルフォームライド、シ、シ、シ、シノビ!>

 

「ちょっとくすぐったいぞ」

 

「え?」

 

俺はシノビの背中を触ってシノビの体を変形させて、シノビは大きな手裏剣となった。

 

「これは……?」

 

「これが……俺とお前の力だ!」

 

手裏剣は回転してグリラスワームに突進して、グリラスワームはそのまま上空にまで押し上げられて建物の外に飛ばされた。

 

俺も外まで行き、

 

<ファイナルアタックライド、シ、シ、シ、シノビ!>

 

手裏剣の回転が更に強まり、その手裏剣に俺が乗り回転の勢いを受けた俺はグリラスワームに飛び蹴りを放った。

 

「でやあああー!」

 

「ぐわっー!」

 

グリラスワームは消し飛び、辺りには静寂が戻った。

 

・・・・

 

 

「もう行くのか?」

 

「ああ、お前に守るべきものがあるように俺にも守るべき世界がある」

 

「お兄ちゃんがシノビだったなんて…………真司さん!」

 

「ん?」

 

「まあ遊びにでもきてね!」

 

「ああ」

 

俺はディメンジョンオーラに飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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告白とお風呂騒ぎ

シノビの世界から帰ってきたら幽霊城でバビロン博士の遺産と一悶着あったらしい。

 

なんやかんやで俺たちが住む城が出来上がった。

 

城門前で休んでいると

 

「目を離すとすぐいなくなるんだから……私たちがどれだけ心配したと思ってんの?」

 

静かに怒ってくるリーン

 

「そうだ!私たちがどれほど心を痛めたか……!」

 

菜奈さんも怒ってる。

 

まあ心配かけたのは悪かったな

 

「ごめん……本当に悪かったな。二人が心配してくれてるというのに……」

 

俺が謝ると

 

「まっ、まあ……わかってくれたのならいいわよ」

 

「そっ、そうだな……」

 

恥ずかしがる二人を見て俺は……

 

ああ……そうか……

 

思わず二人を抱きしめてしまった。

 

「真司!?」

 

「真司きゅん!?」

 

抱きしめた二人から離れて二人の目を見て

 

「俺はリーンと菜奈さんのことを今まで見てきて、二人のお人柄をよく知ったつもりです。その上で言います。俺は二人が大好きです」

 

俺の告白に

 

「ふふっ!いきなり告白だなんて……貴方って乙女をときめかせるようなことばかりするわね」

 

「そうか……ありがとう!私も真司が好きだ!」

 

リーンと菜奈さんを再度抱きしめて幸せを実感する。

 

とその時

 

「あの〜」

 

はっ!

 

横から聞こえてきた声はなんとも話しづらそうだった。

 

リーンも慌てて俺から離れた。

 

「僕たちのこと……忘れてません?」

 

ミスミドで会ったことのあるレインさんが気まずそうに話しかけてくる。

 

と後ろに鋭い視線を感じる。

 

直感だが振り向いちゃダメだ。

 

「ああ、ごめんなさいね。ここに来た目的の一つで個人的な相談なんだけど……この国に仕えたいって子がいるの。それが」

 

「リーンさん酷いですよ……僕たちのことイチャイチャして忘れるなんて……」

 

レインさんが愚痴をこぼす。リーンが気まずそうに目を逸らす。

 

冬夜がミスミドの兵士なんじゃないかと聞くが

 

「ミスミドの兵士は辞めてきました。どうかこの国に仕えさせてください」

 

「なんで?ガルンさんに気に入られていたんだろ?それにウチは出来たばっかのペーペーの新米国家だぞ?なんでまた……」

 

「真司様が黒竜を倒した時本当に凄い人だなあって思って……その人が建国した国ともなればいてもたってもいられず……リーン様の婚約者にもなる人ですし……」

 

婚約者って!まだそういうのじゃないから!

 

見ろ!リーンが赤くなってる。

 

いや!もっとマズイことがある気が……

 

後ろの視線の鋭さが増す。

 

「レインちゃん。辞めたげて。真司様が気まずそうよ」

 

「あっ……すみません……」

 

銀髪の髪をアップにまとめた狼の獣人がレインに注意する。

 

「ノルンと言います。兄がお世話になりました」

 

「兄?」

 

「ノルンはガルン隊長の妹なんです」

 

残り一人の狐耳の少年がビシッ!と敬礼をする

 

「ニコラ・ストランドです。よろしくお願いします。陛下」

 

真面目そうな子だなー軍人みたいなやつだな……

 

聞くところによるとオリガさんは父方の従兄弟らしい。

 

「この三人はそれなりに腕は立つし城の警備にピッタリなんじゃないかしら?」

 

リーンの推薦ともあれば問題はないと思うが……一応ユミナに確認をとると静かに頷いた。どうやら魔眼では問題ないとようだ。

 

「冬夜はいいよな?俺は助かると思うが…」

 

「僕もいいと思うよ。人手不足だし」

 

「じゃあしばらくは雑用とかも頼むけどそれでもよければお願いするよ」

 

「「「よろしくお願いします!」」」

 

とまあ建国して初めての家来が出来たわけだ。

 

「男二人に女一人だけじゃ、まだ騎士団って数じゃないけど。そのうちちゃんとしたのに……うん?」

 

冬夜が地雷を踏んだ。俺は原作で知ってるため下手な地雷を踏まないことにしてある。

 

「バカね。レインは女の子よ」

 

リーンのトドメの言葉に顔を引攣らせる冬夜くん

 

「女です……」

 

「すみませんでしたァッッ!」

 

王様が女を男と間違えて土下座するというなんとも締まらないとこからこの国は始まった。

 

冬夜くんがまだ落ち込んでいるのを放っておいて俺は風呂に行く。

 

レインさんたち三騎士は諸刃さんに鍛えてもらっている。

 

諸刃さんとは例の剣神だ。恋愛神と剣神は話し合いの結果、冬夜のお姉さんになることになった。

 

剣神というだけあってめちゃくちゃ強い。

 

俺でも一撃を入れるのに精一杯で、冬夜に至っては完全にボコボコにされてしまう。

 

俺たちの強さをあらわすならこうだ。

 

諸刃>俺>冬夜>レイ子=ねじれちゃん=焦凍>ユミナ=リーン=茨=一佳>八重>エルゼ=リンゼ>レインさんたち三騎士

 

あの人には鍛えられたら嫌でも強くなるだろう。がんばれ!レインさんたち

 

「それにしても広いなぁ〜一人で入るには勿体無いくらいだ」

 

『じゃあ私たちも入っていい?』

 

突如浴室に響き渡る声振り向くと

 

水着を着たレイ子たちが顔を赤くして胸を押さえていた。

 

「なっ!なんでレイ子たちがいるんだ!?」

 

「いたら……ダメ?」

 

そんな目をしないでほしい……

 

レイ子は白、茨は緑、ねじれちゃんは青、一佳はオレンジ、ユミナはピンク、リーンは黒、菜奈さんは紫の水着を着ていた。

 

その後レイ子たちが浴槽に入ってきて、俺の羞恥心は最大限にまで高まった。

 

「なんで入ってきたんだよ……」

 

「たまにはこういうのもいいかなぁ〜ってね!」

 

「真司さんはたまには彼女とスキンシップをするべきです」

 

「私たちとも触れ合ってほしいものね」

 

だからって、風呂まで入ってくるかよ……水着だけどさ……!

 

その後、誰が俺の背中を流すか揉めてじゃんけんの結果、リーンとなった。

 

「ふふ……流させてもらうわね♪ダーリン❤️」

 

「はぁ……」

 

「あら、なに?私じゃ不満かしら?」

 

リーンが寂しそうな声で言う。

 

辞めてください……

 

「いや……嬉しいけど……恥ずかしい……」

 

「そう……良かった♪」

 

リーンが背中にお湯をかけて背中を撫でると

 

(意外と背中逞しいわね……ふふ♪照れちゃって……)

 

リーンは楽しみながら時々からかっていた。

 

「はい。流し終わったわよ」

 

「そうか……じゃあ」

 

「ナニ?」

 

「俺もリーンの背中流すよ」

 

「ふぇっ!?」

 

「お返し♪」

 

散々からかわれたんだ。今度はこっちの逆襲だ。

 

「えっ、ええ……いいの……?」

 

真っ赤になって俯くリーンの姿には可愛いと感じた。

 

リーンの後ろに座ると

 

俺はリーンの背中を優しく撫でる。

 

「ひゃうん!」

 

まだまだ……こんなもんじゃないぞ……俺が味わった恥ずかしさは……!

 

(ナニ!?この子!絶妙な力加減で私の弱いところを的確に撫でてくる!気持ち良さでどうにかなっちゃいそう!)

 

リーンはクネクネと悶えながら必死に我慢する。

 

ワハハ!甘いわ!俺がリーンの背中を指で撫でると

 

「はッ〜ああああ〜〜!!はわっ!」

 

俺がリーンの顔を見るとこれまでないぐらいに顔が赤くなっていた。

 

ふとリーンの股下を見ると水着がヤバイ意味で濡れていた。

 

やべっ…………

 

俺は後ろの視線から逃げるように風呂を出た。

 

その時リーンは

 

(ナニアレ!?気持ち良すぎるんだけど……!また今度やってもらおうかしら……!)

 

あまりの気持ち良さに興奮していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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樹海の一騒動

「おうおうおう!君が噂の望月冬夜か!いやもう公王陛下かな?」

 

「はぁ……」

 

リーフリース皇王が冬夜に話しかける。冬夜とリーフリース王は初対面なので冬夜は戸惑ってるし、リーフリース王はなにやら冬夜を見極めようとしている目だ。

 

「活躍はベルファスト国王から色々聞いてるぞ!しかしまあ真司殿もそうだがお前さんもとんでもないな!」

 

「いや、まあ……すみません」

 

「成る程……ベルファスト国王が言う通りお前さんには変な野心はなさそうだ」

 

その後リーフリース王とベルファスト国王が王様だって遊びたいとのことで建国パーティを開くこととなった。

 

こちとら人手不足だっていうのに……

 

・・・・

 

???side

 

暗い森の中を私は走っている

 

「はぁはぁ……」

 

主人の命で買い出しに来たのに変なオーロラに巻き込まれて全く知らない場所へ来てしまった。

 

「ここはどこ……?一体……なにが……」

 

とその時、大きな音が耳に響いた。

 

「きゃっ!」

 

と上空を見てみるとなにかが打ち上げられていた。

 

よくわからないがあそこには人がいる。

 

私は全力で音のする方へ走った

 

・・・・

 

冬夜くんが作った遊びの数々はどれも王様たちに受けた。

 

とソファでくつろいでいると

 

「フレイズが現れたわ。場所は大樹海ほ中央あたり。そここ部族からミスミドへ救援要請が来たの」

 

フレイズと聞いたのでエンデとリセも呼んでおく。

 

バビロンの庭園でその場所まで向かうと見えてきたのは蜘蛛のようなフレイズが部族たちを蹂躙している光景だった。

 

俺はディメンジョンオーラで庭園から降りると

 

「変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

ディケイドに変身して、蜘蛛フレイズの正面に立つ。

 

蜘蛛フレイズはその鋭利な足を伸ばしてくるが避けて

 

<カメンライド、ゴースト!>

 

<レッツゴー!覚悟!ゴ、ゴ、ゴ、ゴースト!>

 

ゴーストに変身してフレイズに向かう。

 

フレイズはその足を伸ばして俺を貫こうとするが

 

俺は霊体化ですり抜け、ガンガンセイバーを取り出してフレイズの足をバラバラに切断する。

 

再生の間動けないフレイズは無防備となり、

 

<ファイナルアタックライド、ゴ、ゴ、ゴ、ゴースト!>

 

俺は空中に浮かんでそのままキックを放つとフレイズは粉々に砕け散った。

 

その後冬夜が怪我をした部族たちを治癒魔法で直してリーンがフレイズのかけらを調べると魔石よりも高純質な魔力伝導率であることがわかり、魔力を流すと硬化するらしく冬夜が武器かなんかを作ると言っていた。

 

と背中に気配を感じたの時、褐色少女が勢いよく飛びつこうとしたのでサッと横に避ける。

 

「流石ね」

 

「どういうこと?」

 

「ラウリ族は女性のみの戦闘民族なの。強い男を連れてきては強い子供を産ませるらしいわよ」

 

「だっ、ダメ!」

 

「やらせない!」

 

「守ります!」

 

「ダメだからね!」

 

レイ子たちが俺の周りを取り囲むようにラウリ族の前に立つ。

 

嬉しいけどなんか怖い……

 

俺はディメンジョンオーラでそのまま城へ帰っていった。

 

 

 

 

 



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メイドの正体

樹海のフレイズを倒して、武田の家臣だった椿さんが城に来ていて俺たちに仕えたいというらしいので

 

「冬夜どうする?」

 

「僕はいいと思うな。どうする?ベルファストとかミスミドみたいに大きな国じゃないけど……」

 

「はい真司様たちがよろしければ仕えたいと存じます」

 

よし。これで情報役が揃ったな。ここまでは原作通りだ。

 

その後武田四天王が武田が滅びたからとウチに来てくれるらしいとの情報が入ってディメンジョンオーラで迎えに行った。

 

そして冬夜たちがブラッディクラブを狩りに行くというので俺は森のあたりを散策することにした。

 

なにか美味しそうな獲物でもいないかな〜

 

となにかが目に入ったので気になって視線を変えると俺は走り出した。

 

そこにはメイド服を着た青髪の女の子が倒れていたからだ。

 

俺は慌てて

 

<アタックライド、リカバー!>

 

リカバーで少女を治療して抱き抱える。

 

「……とりあえず、城に運ぼう」

 

と少女を城まで連れて帰った。

 

・・・・

 

城まで連れて帰って青髪の少女はまだ意識を取り戻さない。

 

しかしこの子どっかで見たことあるんだよな〜?

 

俺は女の子をレイ子たちに任せてレインさんたちの訓練に付き合う。

 

勿論諸刃さんもいた。

 

「やあ、真司くん。やっと来てくれたんだ。君と戦いたくてウズウズしていたよ」

 

「それはどうも……」

 

俺は木剣を持ち構えると諸刃さんも構える。

 

「それでは……始め!」

 

レインさんの合図で試合が始まると、

 

諸刃さんは突っ込んできて俺は放たれた突きを横に躱すと諸刃はすぐさま木剣を横に振るった。

 

俺はしゃがんで木剣を避けると転がって距離をとった。

 

「どうした?攻めてこないのか!?」

 

諸刃さんは突っ込んできてその剣を下から上に振るうが俺も剣で受け止めてその胴に一撃を加えようとした。

 

が寸前で剣で止められてしまった。

 

「ッ!やるね!」

 

そのまま押し返されてしまい、俺は後ろに下がる

 

膠着状態が続く中で諸刃さんが先に仕掛けてきた。

 

俺は咄嗟に剣で攻撃を受け流そうとするが予想以上に重く、そのまま吹っ飛んでしまった。

 

俺は立ち上がった時には剣が首に突きあてられていた。

 

「……参った…降参だ。全然だな〜力の差を感じるよ」

 

「いやいや最後の一撃を止められるとは思ってなかったよ。君は『個性』を使わなくても充分に強いよ。ドラゴンなんて相手にならないんじゃないかな?」

 

そこまでか?

 

「いや〜いい戦いだったな。力を使わないで戦うってのもいいもんだね」

 

「力ってコレのこと?」

 

俺は神力を少し開放する。

 

「うん。冬夜くんももう少しで神の仲間入りなんじゃないかな」

 

まあ知ってるけど

 

とその時、レイ子が訓練場に飛び込んできて、

 

「あの子が目を覚ました!」

 

その知らせを受けて俺は寝室まで急ぐ。

 

扉を開けるとあの子がベッドに座っていた。

 

「……大丈夫?」

 

「ハイ、大丈夫です。貴方が私をここまで運んでくれたのですか?」

 

「ああ、そうだよ。倒れていたからね」

 

「ありがとうございます……なんとお礼を言っていいやら……」

 

「俺は空野真司。この国の王様をやっている」

 

「それは失礼を……私はレムと言います。助けてくれてありがとうございます……」

 

青髪の少女、いやレムの言葉に俺は驚きを隠せなかった。

 



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白ひげ海賊団

俺は目の前にいる少女がレムだということに驚きを隠せなかった。

 

なぜならこの子はこの世界の人間ではないからだ。

 

リゼロに出てくるはずのレムがどうしてイセスマの世界にいるのか。

 

その理由を突き止めた方がいいと俺は思った。

 

「なあレム……お前この世界の人間じゃないだろ?」

 

「!」

 

俺の言葉にレムは反応した。やっぱりか

 

「なぜ……それを?」

 

レムが聞いてくる。

 

「そうだねえ……俺が色々知ってるからというべきか……」

 

俺はレムに自分のことを話す。

 

「そうだったのですか……私がいた世界が作り話……」

 

「そゆこと、だから俺はお前がいた世界を知ってる。それよりお前はこなんでこの世界が自分の世界と違うと気づいたんだ?」

 

「私が街で色々聞きましたが、私の知らない国や地名が出てきたのでそれで……魔法でワープしたのだと思いましたが、まさか異世界だとは……」

 

「そっか……それでこれからどうする?」

 

「え?」

 

「行く宛あるのか?」

 

「あっ……あっ、貴方の転移で私を元の世界に返すことはできないんですか?」

 

「無理。俺が一度行ったことのあるやつや視認した場所じゃないと無理なんだ。おまえの世界なんて行ったことないから転移できない」

 

「そんな……」

 

俺はレムをそのままにして部屋から出る

 

と部屋を出るとレイ子が

 

「……いいの?」

 

「今は何を言っても無駄だ。放っておいて本人で解決するしかない」

 

と俺はその場を後にする

 

冬夜たちはというと北のエルフラウ王国に三つ目の魔法陣があるとの情報が商人を通じて入ってきたので行くことにした。

 

冬夜くんが余裕ぶっていたが俺は原作を知ってるのでリーンに温暖魔法をかけてもらうことにした。

 

ーで現在

 

「な、なんで君ら平気な顔してるわけ?さ、寒くないの?」

 

「温暖魔法を使ってるからね。貴方以外は普通に常温状態よ」

 

冬夜くんが許しを乞いてきて、リーンが温暖魔法を使う。

 

で洞窟の中を見渡すといくつもの氷が並べられていた。

 

そのまま奥へ進んでいくと遺跡とやらが凍った状態で発見された。

 

『どうします?主』

 

琥珀が冬夜に聞いてくる。

 

うーん……まあなんとかなるだろう

 

<ファイナルアタックライド、ディ、ディ、ディ、ディケイド!>

 

俺が突然ディメンジョンキックを放ったのを見て驚くレイ子たち。

 

そのままディメンジョンキックで氷を砕く。

 

よし

 

とレイ子たちの方へ振り返ると白い目で見られた。

 

ナニナニ!?俺が何やったってんだよ!

 

で冬夜に遺跡の調査を任せて待っていると冬夜がゲートから出てきた。

 

まあ目的の「図書館」じゃなかったわけで、リーンがわかりやすそうに残念がっていたが。

 

そしてエルゼとリンゼ、ルー、ユミナにレイ子は錬金棟の管理人、フローラの胸にある大きな二つの水蜜桃をジーッと見ていた。

 

そしてエルゼとリンゼは悔しがっていたとか。

 

ルーが涙目になりながら冬夜に胸の好みを聞いてきたときは失礼ながら笑いそうになった。

 

とその時、俺の服の裾をユミナが掴んで

 

「……真司さん……」

 

ユミナも涙目になりながら俺に胸の好みを聞いてくる。スマン、冬夜くん。君もこんな気持ちだったのか……

 

その後は原作通り。フローラが冬夜くんが(フローラに)無理矢理キスをされたとか暴露されてリンゼたちからの説教を受けるハメとなった。

 

国づくりも順調に進んでいる。「錬金棟」が手に入ったことで医療と農業が進んでいった。

 

俺がバルコニーにいると突然ディメンジョンオーラが出てきて俺の周りを包んだ。

 

目を開けると

 

「俺の財宝か!?欲しけりゃくれてやる!探せ!この世の全てをそこに置いてきた!」

 

その怒号が聞こえる方を見ると俺は目を疑った

 

そして咄嗟に使ったしまった。

 

<アタックライド、ポーズ!>

 

・・・・

 

???side

 

はぁ……これで俺も終わりか……まあ悪くない人生だったがアイツらともっと冒険したかったなあ……と思っていたら妙なことに気づく。

 

下ろされるはずの剣がいつまでたっても下ろされない。

 

ふと下の方を見てみると誰かが上がってきた

 

「やあ、ロジャーさん」

 

「おめえは誰だ!?これはおまえの仕業か!?」

 

「ええ、まあ……」

 

その男は飄々としてる雰囲気だったが俺の直感がコイツは面白え奴だと告げる。

 

「貴方が殺されそうなのを見てつい時間を止めてしまったので……せっかくだから話をしてもらおうと……」

 

「だっひゃっひゃっひゃっ!なんじゃそりゃ!面白えな!」

 

なんだコイツは。つい時間を止めた?簡単に言ってくれるな。やっぱり面白え

 

「おい小僧。だからってなんでここに来た。理由があるんだろ?」

 

「いやーただここに来た方が面白そうだなーって」

 

「はっはっはっは!やっぱりおめえ面白え!」

 

なんだそりゃ。そんなんで世間から恐れられている俺に会いに来たってのか?コイツとレイリーは絡ませてえな。

 

「せっかくだ。俺の話を聞いていけ」

 

「大冒険の話ですか?」

 

「ああ!面白いぞ!」

 

その後俺は語った。

 

俺がしてきた数々の冒険話をコイツは真剣な目で聞いてきた。

 

「おっとそろそろ時間かな」

 

「なら助けてくれるのか?」

 

「それは無理ですよ」

 

「なんだよ!冷たい奴だな!」

 

「じゃあ助けてもらいたいんですか?」

 

「そういうわけじゃねえが……まあ俺はここらが潮時だな」

 

「そうですか……」

 

「おいこれからの時代、おまえはどうする?」

 

俺は真剣な目でソイツに聞く

 

「……俺は世界を変えてみせる。この手で……俺の力でこの世界に革命を起こしてみせる。そして海賊王になる」

 

「海賊王だと!ここにその海賊王がいるってのにか!言うじゃねえか!」

 

「やってみろ!おまえがやりたいことを!海賊は自由がナンボってもんだ!」

 

「おい小僧。名前は」

 

「真司。空野真司」

 

「……真司か。おい海賊王になる気があるなら白ひげのとこ行ってこい。海賊としてのナニカをそこで掴んでこい!」

 

そしてアイツが降りると再び時は動き始めた

 

・・・・

 

「というわけですので来ました」

 

「……そりゃまた急だな。オイ」

 

ロジャーからの遺言で俺は今白ひげの船モビーディック号にいる。

 

どうやって見つけたかって?スコープ使えば簡単よ

 

「だいたい俺たちをどうやって探したんだヨイ」

 

マルコ隊長さんが聞いてくる。

 

「そんなの簡単ですよ。俺の能力使えば」

 

「能力者か」

 

今はそういうことにしておこう

 

「だいたいロジャーに会ったっていうのが嘘クセェな……ガキが処刑台でロジャーと話してたっていう情報は聞いてねえぞ」

 

「ハイ、それも俺の能力です。時間を止めました」

 

「ナンダと……?」

 

<アタックライド、ポーズ!>

 

時間を止めて俺と白ひげ、マルコ隊長以外動かなくなった

 

「これは……!」

 

「ほぅ………」

 

そして再び時間を動かす

 

「……それで信じてもらえますか?」

「…嘘みてえな話だがどうやら本当らしいな……ロジャーもとんでもない小僧を残していきやがって……おいおまえ名前は?」

 

「真司。空野真司」

 

「真司か……おい!ジョズ!この小僧と手合わせをしろ!」

 

「は!?」

 

「ああわかった、親父」

 

「ちょっ!なんで!?」

 

「おめえの実力を知るためだ。どうした?おじげついたのか?」

 

「まさか。いいですよ。やってやりますよ」

 

「グラララ!生意気な小僧だ」

 

こうして俺とジョズの戦いが始まろうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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真司vsジョズ

俺とジョズが戦うことになって周りにギャラリーが集まる

 

といっても全員が白ひげ海賊団の船員だが

 

「真司。ガキだからって手加減はしないぞ。全力でやるまでだ」

 

「そう来てもらわないと困るよ。俺も本気出せないし」

 

「小僧め……面白えな」

 

「んじゃまあやるか!」

 

俺はワンフォーオールを発動させジョズに稲妻のような速さで突っ込む。

 

俺は後ろに回り込み回し蹴りを放つがジョズは身体をダイヤモンドに変化させて攻撃を防いだ。

 

「ぐうっ!」

 

俺はその硬さに驚くもジョズを蹴り飛ばした。

 

「ほう……ジョズを蹴り飛ばすとは……面白え」

 

ジョズは吹っ飛ばされながらも体勢を立て直し俺に突っ込んできた。

 

俺は上に避けて回転して

 

「cyclone smash!」

 

回転の勢いをジョズに叩きつけた。

 

ジョズはよろけるも踏みとどまった

 

「っ!ちぃっ!」

 

「はぁ……今のは危なかった……」

 

ギャラリーは

 

「なんだ……アイツ!?」

 

「ジョズ隊長にヒケをとらない……いやむしろそれ以上……」

 

「しかも覇気を使ってないぞ……!」

 

「じゃあ腕力だけで!?」

 

「とんでもないな……」

 

白ひげは

 

「たしかに覇気を使ってねえ……それでジョズと渡り合うとは……面白え…ロジャーが気にいるわけだ」

 

俺はジョズに突っ込んで腹に右ストレートを放つが大したダメージを与えられない。このままじゃジリ貧だ。

 

「だったら!変身!」

 

<カメンライド、ビルド!>

 

ビルドに変身すると

 

「変わった!?」

 

「あれがアイツの能力なのか!?」

 

「ほぉ……まだ隠していたのか」

 

ジョズは

 

「ふふふ……面白え。行くぞ!」

 

ジョズがダイヤモンド化したパンチを放ってくるが俺がそれを受け止めるとギャラリーはおろか白ひげも驚いた。

 

『なっ!?』

 

「なんだと!?」

 

「はぁっ!」

 

そしてさっきよりも強いパンチをジョズに放ったがやはり決定打に欠ける。

 

なら!

 

<フォームライド、ビルド!ゴリラモンド!>

 

ゴリラモンドにビルドアップすると

 

「ダイヤ!?」

 

「ジョズ隊長と同じ……」

 

「ダイヤ同士で勝負か!面白え!」

 

ジョズと俺が接近すると硬化した右腕と右腕をぶつけた。

 

右腕同士は弾かれてジョズがすぐさま左腕を振るってくるが俺はダイヤの壁を生成して、ジョズの攻撃を防ぎ、ダイヤの壁を砕いて欠片をジョズに飛ばす。ジョズは慌てて避けた先には俺が待ち構えていてその一撃をジョズに振るった。

 

吹っ飛ばされたジョズにはダメージが入っているようだった。

 

よし!これならいける!

 

俺は右腕でひたすらジョズを殴る。ジョズも防御こそするが腕にダメージが蓄積していく。

 

そして俺の右ストレートがジョズを吹っ飛ばすと

 

<ファイナルアタックライド、ビ、ビ、ビ、ビルド!>

 

俺は生成したダイヤでジョズを拘束して

 

右腕に力を溜めてジョズを殴る。

 

だがジョズは右腕が当たる寸前に拘束を無理矢理解き、カウンターの一撃を俺に放ってきた。

 

俺たちは吹っ飛ばされ、お互い岩にぶつかった。

 

「こ、これは……!?」

 

「引き分け……だな」

 

白ひげが引き分けだと宣言する。

 

「ッ〜!痛てて……」

 

俺が立ち上がると

 

「おめえすげえな!」

 

「ジョズ隊長と引き分けるなんて!」

 

「やるなおまえ!」

 

「ウチに入らねえか!?」

 

と船員たちに囲まれる俺

 

「いやあ〜ジョズと引き分けるとはおめえすげえヨイ」

 

「グラララ!やるな!おめえ!おい俺の息子にならねえか!?」

 

白ひげがいきなり「息子になれ!」と言ってくる。

 

「……そのことについてはマルコ隊長と三人で話したいことが……」

 

「ん?ああわかった。おい!全員船に戻れ!」

 

白ひげの声で船に戻っていく船員

 

「……で、話ってなんだ?」

 

「俺はアンタの船員になることはできない」

 

「……なんでだ?」

 

そして俺は自分の事情を話した。

 

「……異世界……信じられない話だヨイ」

 

「興味深えが……何を根拠に信じろと?」

 

「じゃあこれを見てもらえます?」

 

俺はディメンジョンオーラを出すと白ひげは中を覗く。

 

すると言葉も出なかったらしい。

 

「これで信じてもらえます?」

 

「……充分すぎるぐらいだヨイ」

 

「ほぅ……なるほど……確かに俺にも大事なものがあるようにおめえにも大事なものがある……そりゃあ放っておけねえな」

 

「ああ……わかってもらえたらいいが」

 

「いや、充分だ。そりゃあ俺の息子にはなれねえな」

 

「そうか……だけど」

 

「なんだ?」

 

「アンタと兄弟の盃を交わしたい」

 

「グラララ!俺の勧誘を蹴った奴が何を言ってんだ!おめえ!」

 

「俺はアンタの息子になることはできない。だがアンタが困ってる時は俺が助ける。アンタの力になりたいんだ」

 

白ひげは「鼻っタレに心配されるほど落ちぶれてねえよ!」と言うつもりだったが真司の真剣な目にその言葉を放つことができなかった。

 

「そうだな……俺がヤバそうな時はおめえに力を借りるよ……」

 

俺はその言葉に静かに頷いた

 

 

 

 

 

 

 

 



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太陽の少年と月の少女

今回はオリヒロが登場します。どういう見た目かは皆様の想像力に任せます……できる限り善処しますが……どうかこんな作者でも勘弁してください……


白ひげと兄弟になった俺はしばらく白ひげの船に乗せてもらうことにした。

 

白ひげの船にいる人は皆、海賊なのかと疑うぐらい良い人ばかりだ。

 

あとこのワンピースの世界での一か月がイセスマの世界の一時間と同じぐらいというのがわかった。

 

多分時空の歪みのせいだろう。

 

んでこの世界に来たので覇気の修行をマルコさんにつけてもらうことにした。

 

「いいか。覇気ってのは疑わないことが全てなんだヨイ。相手が何者であろうとも相手がどれだけ強かろうとも自分のことを信じるんだヨイ。覇気ってのは長年の修行でつけられることが大体だが、稀に戦いの中で覚醒することもある。まあ俺は武装色と見聞色は使えるからな……覇王色は親父に聞けヨイ。まあ覇王色は選ばれた者にしか使えないって言われてるが……お前は覇気なしでジョズとやり合って引き分けまで持ち込んでるんだ。覇気を身につけるには充分すぎるほど強いヨイ」

 

そして俺がこの世界に来て2年、武装色と見聞色は大体使えるようになった。

 

年齢が変わるんじゃないかと言われたが俺は神気で一定の年齢に達すると歳をとらないらしい。

 

あ、ちなみにワンピースの世界にいることはレイ子たちにちゃんと伝えておいたよ。だって怖いし。

 

さて……この原作22年前には大きなイベントが二つある。

 

オハラのバスターコールとテゾーロとステラの奴隷化だ。

 

できれば助けてやりたい。

 

「というわけでちょっと行ってきます」

 

「オイ……またとんでもないことやらかす気かヨイ……」

 

今まで散々やらかしてきた俺に対してマルコ隊長からはどうにも疑われているようだ。

 

「グラララ!どこに行く気だ。おめえ」

 

「ちょーっとゴミ掃除に行くだけですよ。なあに世界を滅ぼそうと疑われている人たちへのゴミを片付けらだけですよ」

 

「やらかす気マンマンじゃないかヨイ!」

 

マルコ隊長につっこまれる。

 

というわけでディメンジョンオーラでオハラまで転移する

 

 

 

・・・・

 

 

 

これは……酷いな。辺り一面が火の海で砲撃の雨が鳴り止まない。

 

とりあえずオルビアたちを逃がしますか

 

「あらら……お前さんここで何やってんの」

 

後ろから声が聞こえると咄嗟に俺はそこから離れた。

 

するとさっきまで俺がいた所が凍りついた。

 

「……クザンさんが何の御用でしょうか」

 

「そりゃあこっちのセリフだよ。ここに何の用があるってんだよ」

 

「……アンタに聞きたいことがある」

 

「ナンダイ?」

 

「この世界は正しいか?」

 

「……ナニ?」

 

「市民を守るべき海兵が市民に牙を剥き、天竜人の悪行に手を貸している……そんなことが正義だというのか?」

 

「…………」

 

「……答えろよ」

 

「……俺だって天竜人は許せねえ……確かにお前の言う通りかもしれねえ……だけれどよ、この世の中にはそれでも目を瞑らなきゃいけないものだってあるんだよ!」

 

青キジが氷を放ってくるが俺は横に躱して、

 

「変身!」

 

<カメンライド、シノビ!>

 

<誰じゃ!俺じゃ!忍者!シノビ!見参!>

 

シノビに変身した時青キジが放ってきた"アイスブロックパルチザン"がシノビに当たった時、それは変わり身の木となった。

 

「……変わり身の術か……まいったな〜こりゃあ逃げられたな」

 

青キジはその場から立ち去る

 

 

・・・・

 

オルビアside

 

崩れゆく全知の樹。もうここは長くは持たないだろう。

 

ああ……短い人生だったけど…最後にロビンに会えてよかった。

 

強く生きてね……ロビン……

 

目を閉じて私は意識を失う。

 

だが目を開けてみるとそこはどこか違う島だった。

 

「ここは!?」

 

「オルビアさん!」

 

「オルビアさんが起きた!」

 

「皆……ここはどこ?」

 

「それがわからないんだ。急に変なオーロラが現れたと思ったら……」

 

「それは俺がここに呼んだからさ」

 

『誰(だ)!?』

 

「やあやあ大変でしたね。俺は空野真司。海賊さ」

 

「海賊!?」

 

「これは……貴方の仕業なの?」

 

「そう」

 

「一体海賊が何の用じゃ?儂等に古代兵器の在処でも聞きに来たか?」

 

クローバー博士がその少年に質問する

 

「そういうわけじゃないんだけどなあ……俺はあんな正義が許せなかったから貴方たちを助けたわけで……」

 

海賊だがどこか海賊らしさが見られない。それに古代兵器の在処を聞きに来たなら海賊だなんて疑われるようなことを口にしないはずだ。

 

「助けてくれたのには感謝するわ。それで私たちに何の用かしら?」

 

「オルビアさん?」

 

「ただ助けたいだけならここに居ないはずよ」

 

「ご明察。提案があるんだけどさ。俺の国に来ない?」

 

『は?』

 

え?ナニ?どういうこと?

 

「……どうゆうことかしら?」

 

「いやだから俺の国に来ないかって話。亡命ってこと」

 

「……貴方海賊なんでしょ?」

 

「いやぁ〜実は俺異世界で王様やってるんだけどさ。その国に来ない?」

 

異世界!?どうゆうこと?

 

「異世界だなんて……」

 

「はぁ……まあ信じてもらえないのが普通だよな」

 

彼が手を振るとオーロラみたいなものが現れた。

 

それに皆は身構える

 

「あれだ!俺たちをここに連れてきたやつは!」

 

あれが私たちをここまでワープさせたの!?

 

クローバー博士が意を決してその中に飛び込んだ。

 

私たちもその中に入ると言葉が出なかった。

 

そこには私たちがいた世界とは思えないほど道が整備されていて空まで届くぐらいの建物が並んでいたからだ。

 

「これは……!?」

 

オーロラから戻ってくると彼は

 

「これで信じてもらえますか?」

 

「……ええ……」

 

他の皆も驚きを隠せないようだ。

 

そりゃそうだ。あんなものを見せたかられたからだ。

 

「で……どうします?俺は違う世界に逃げれば海軍は追ってこないと思いますが……」

 

「……ありがたい話じゃが、儂等はこの世界の真実を解き明かすまではこの世界から逃げるわけにはいかん。ポーネグリフもないし……」

 

クローバー博士はこの世界に留まるようだ。まあ博士らしい

 

「ポーネグリフ?ああこれのことか」

 

『!!?』

 

彼がポケットから石のようなものをいくつも取り出すとそれは突然大きくなった。

 

「それは……!」

 

「なんで……政府に回収されたはずじゃあ……」

 

「俺がシーフでパクッときましたから。これであっちの世界でも研究が続けられるでしょ?」

 

言葉も出ない。あの世界政府からポーネグリフを盗むなんて

 

「なぜそこまでする……お主は何を考えておる……それに儂等が世界を滅ぼそうとか考えないのか?」

 

「言ったはずですよ。俺はあんな正義が許せなかったから貴方達を救った。それに……あっちの世界じゃ古代兵器の在処がわかっても復活できないでしょ?」

 

そう言われればそうだ。

 

確かに場所がわかっても違う世界にいるんじゃ復活なんてできない。

 

「で、どうします?」

 

「……ありがとう……儂等を助けてくれて……喜んで貴殿の民となろう……」

 

クローバー博士が頭を下げる

 

こうして私たちは彼の世界に連れてってもらうこととなった

 

・・・・

 

いやぁ〜なんとか救うことができたよ

 

あの後ユミナの魔眼による審査にも誰も引っかからなかった。本当に研究がしたいだけの人達だった。

 

さて次はこっちかな

 

・・・・

 

「やめろ!ステラを放せ!」

 

ヒューマンショップで一人の女性が天竜人に連れてかれようとしている。

 

それを止めようとする男、テゾーロは一人の黒服の男に取り押さえられている。

 

テゾーロが絶望に染まろうとする時に

 

「……やれやれ。本当にクズだなあ」

 

『!!?』

 

「ごひゃほっ!」

 

突然蹴られる天竜人

 

勿論やったのは俺だ。

 

すぐさま肩のショルダーファングで周りの護衛のやつらも切り刻んだ。

 

「あ、アンタは……」

 

「もう大丈夫だ。俺が来た」

 

その光景に天竜人は

 

「な、なんだえええ!?か、海軍大将を呼んでやるえええ!!」

 

俺がその場から立ち去ろうとすると

 

「わあああああ!!待ってくれ!」

 

「うん?」

 

「アンタ何をやったのかわかってるのか!?このままじゃ俺たち海軍大将に殺される!」

 

「……そのことで話があるんだが……」

 

「なんだ……?」

 

俺がテゾーロとステラをディメンジョンオーラで別の島に転移させると

 

「これは……!?」

 

「……!」

 

<アタックライド、シーフ!>

 

シーフでステラの首輪を外す

 

「……?ステラ!」

 

「え?」

 

「首輪が……首輪が取れてる!」

 

「え!?」

 

ステラは首に手を当てると涙をポロポロと流す

 

「……アンタがやってくれたのか?」

 

「ああ。でここからが提案なんだけどさ……」

 

その後俺はクローバー博士たちと同じ提案をテゾーロとステラに話した。

 

・・・・

 

テゾーロside

 

俺はテゾーロ。

 

ステラを救おうとこの3年間真面目に働いてステラを救おうとした。

 

が天竜人にステラを連れてかれそうになった時は自分の無力さを呪った。

 

がそこに現れた俺より年下の少年。

 

ソイツは天竜人から俺たちを守ってくれただけでなくステラを救ってくれた。

 

ソイツは別世界の王様で俺たちにその国民になれと言ってきている。

 

初めは信じられなかったがコイツに転移させられると信じざるを得なかった。

 

事の大きさに俺たちが呆然としていると

 

「それで……どうする?やっぱり別世界なんて行きたくないか?」

 

「いやいやいや!是非とも行かせてくれ!ステラと安心して暮らせるなら……俺は……!」

 

ついステラとも言っちまった。ヤベェ……恥ずかしい……

 

ステラも顔が赤くなっている

 

「そうか、じゃあようこそ。俺の国へ」

 

コイツがそう言うと俺たちは別世界へと旅立った

 

・・・・

 

テゾーロとステラを俺たちの世界に連れてきた後ユミナに魔眼の確認をとったが問題なかった

 

「じゃあテゾーロとステラにはしばらくは農作業をしてもらうけどいい?」

 

「勿論だ!任せてくれ!」

 

そう言うテゾーロに俺は金貨が入った袋を渡す。

 

「これは……?」

 

「この世界の金なんて持ってないだろ?しばらくはこれで暮らしてくれ」

 

「……恩にきる……!」

 

「それと……結婚は急いだほうがいいぞ……」

 

「けっ、結婚って!なっ、ナニを言ってるんだ!」

 

「あ、好きじゃないのか?じゃあ俺が貰っちゃおうかなー」

 

「いっ、いや好きだ!誰にも渡したくないぐらいに!」

 

「はっはっはっ!冗談だよ。だそうだよステラさん?」

 

「え?」

 

俺が振り向いた場所からステラが現れた。

 

その後放っておくと結婚までテゾーロがこぎつけたらしい。

 

レイ子たちが祝福してくれた時のテゾーロとステラはとても喜んでいた。

 

結婚式などなくともその場の雰囲気は最高だった。

 

「もう行くのか?」

 

「ああ……あっちの世界でもまだやるべきことがあるしな」

 

「そうか……なあ」

 

「なんだ?」

 

「ありがとう」

 

「ふっ」

 

そう言って俺はディメンジョンオーラであっちの世界へと飛び立った

 

俺は町をうろついていたら妙な気配を感じ取ったのでその場に行くことにした。

 

そこでは四人の男たちが二人の16ぐらいの少年と6歳ぐらいの少女を捕まえようとしていた。

 

話の内容を聞いてみるとアイツらは人攫いのようだ。放っておけないな。

 

俺は人攫いの前に出ると一瞬で近づき回し蹴りで四人ともKOさせた。

 

子供の方を見てみると一人は金髪の少年でもう一人は銀髪のストレートの少女だった。

 

「お、お前は……」

 

「大丈夫か?名前は?」

 

「……俺の名はバル……」

 

「私はルナ、です……」

 

これが俺の運命ともいえるバルとルナとの出会いだった。

 

 



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クイズの時間

真司たちがヒロアカの世界を旅立って二週間が過ぎた頃印照才子はその頭脳をフル回転させ、真司の行方を探そうとした。

 

が未だ手がかりは無しで頭を悩ませている。

 

「真司様……どこに行かれたのですか……!?」

 

真司を探して一週間まともに休んでいない才子には疲れが見えている。

 

「真司くんを探しているのか?」

 

するとそこに現れたのは

 

「エンデヴァー……」

 

エンデヴァーが近くののベンチに腰を下ろすと才子も座った。

 

「貴方は真司様が居なくなった理由を知っているのですか!?真司様が居なくなったのがあのオーロラと何か関係あるのですか!?」

 

「落ち着いてくれ。そうだな……まず何から話せばいいか……」

 

そうしてエンデヴァーは教えてくれた。

 

真司が世界を救うために異世界を旅しているのだということを

 

「そんな……」

 

「驚くのも無理はない。だがあんなことが起こってるからこそ信じざるを得ないのだ……」

 

才子はわかっていた。自分じゃ足手まといになるのだと。それでも真司に連れて行って欲しかったのだ。

 

「私は……」

 

「……真司くんも罪な男だな。一人だけでなく何人もの女の子を落とすなんて」

 

エンデヴァーの言葉に才子は

 

「なっ、ナニをいってらっしゃいますの!?わっ、私は、そっ、そんな!」

 

「違うのか?」

 

「……いっ、いえ……」

 

才子は顔が赤くなりながら認める。

 

しばしの沈黙がその場を支配する

 

「……そう落ち込むな。アイツらはきっと無事で帰ってくる。俺たちにできるのは信じることだけだ」

 

才子は静かに頷く。

 

とその時

 

「キャアアア!!!」

 

突如聞こえる悲鳴

 

エンデヴァーと才子は悲鳴の方へと走る

 

そこに居たのは牛のアンノウン。バッファロードだった

 

「あれは……!?」

 

よくわからない状況だったが牛の怪人に人が襲われているのだけはわかったエンデヴァーは即座に核灼熱拳ジェットバーンを放った。

 

怪人は黒焦げになるかとその場にいた誰もが思った。

 

だが

 

「……この程度か…」

 

「なっ!?」

 

エンデヴァーは驚いたせいで隙ができてしまい、怪人の一撃をまともに食らってしまった。

 

「エンデヴァー!?」

 

人々が驚きと恐怖に包まれそうな中ソイツは現れた。

 

「待て!」

 

「……ん?」

 

才子は声のした方へ振り向くとそこには一人の青年がいた。

 

その青年はネックレスを手に取ると

 

突如ベルトが現れた。

 

そして鳴り響く音声。

 

「変身!」

 

<ファッション!パッション!クエッション!クイズ!>

 

「救えよ世界…答えよ正解…問題!お前は俺に勝てる!⭕️か❌か?」

 

突然問題を出すクイズに才子は呆然とする。

 

 

「ナニを言っている……⭕️に決まっているだろう」

 

とその時左肩のパッドが開き、❌が表示される

 

「答えは……❌だ」

 

クイズがそう言うと突如雷がバッファロードを襲った

 

「ぐわわわわっっ!!?」

 

突然起こった雷に驚く一同

 

そしてクイズはバッファロードに向かって回し蹴りを放ちそのまま回転して連続でキックを放つ

 

「おりゃ!」

 

「グフッ!」

 

そして再び

 

「問題!おまえは俺のパンチを躱せない!⭕️か❌か?」

 

「ばっ、ばつぅ…」

 

「答えは……⭕️だ」

 

今度は右肩のパッドが開きパンチと同時に電撃がバッファロードを襲う。

 

そして才子は確信した。

 

あのライダーの問題は間違えるか無回答だと電撃を食らうのだと。

 

「そろそろ終わりだ。問題!おまえは俺のキックに耐えられない!⭕️か❌か?」

 

「ぐっ、ぐうううっ……」

 

「答えは…⭕️だ」

 

<ファイナルクイズフラッシュ!>

 

クイズの必殺キックがバッファロードに炸裂し、爆発四散した。

 

その場にいた誰もが驚いた。

 

No.2の攻撃をもろともしなかった奴を正体不明の男が倒したのだから

 

才子はその場から去る男をすぐに追いかけた。

 

そして追いつくと

 

「待ってください!」

 

「ん?」

 

「貴方は……何者なんですか?」

 

「んーそうだな。俺は堂安主水。またの名を仮面ライダークイズ」

 

「仮面ライダークイズ……」

 

「なあそれよりもさ。俺とクイズ勝負しない?」

 

「え?」

 

その後

 

「……問題!ショートケーキの日は必ず22日だと言うがそれはなぜでしょう!」

 

エンデヴァーが戸惑いながらもクイズの進行を続ける

 

と問題を言い終わった時にほぼ同時にボタンが押されるが先に押したのは主水のようだ。

 

「それはカレンダーで見たら22の上は必ず15、つまりイチゴの日になるからだ!」

 

「……正解!」

 

ここまで10問中6問が主水、残り4問が才子といったかんじて正解している。

 

そしてクイズが終わると

 

「まさか……この私が……」

 

と才子が不覚をとった感じに落ち込んでいる。

 

「気にするな!俺に4問も取れたんだ!おまえは充分すげえよ!」

 

慰める主水そして

 

「……でさ、ここからが提案なんだけどさ」

 

「……何ですか?」

 

・・・・

 

今度はディメンジョンオーラからスパイダーオルフェノクが出現し、

 

人々に再び恐怖が訪れた

 

そこには聖愛の女子生徒も何人かいた。

 

(助けて……誰か……!)

 

「待ちなさい!」

 

「才様!?」

 

才子がベルトを装着すると鳴り響く音声。

 

「変身!」

 

<ファッション!パッション!クエッション!クイズ!>

 

そう才子は主水からクイズの力を受け継いだのだ

 

「仮面ライダークイズ……参上ですわ!」

 

 



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奴隷解放

「バルとルナか……こんな危なそうなところにいるな。早くウチへ帰った方がいいぞ」

 

「俺たちにウチなんてねえよ……」

 

やべっ……こりゃ悪いこと聞いちまったかな……

 

「そうか……」

 

「同情なんてするなよ……アンタに俺たちのナニがわかるってんだよ!親に売られそうになった奴のことを!泥水をすすって生きてきた奴のことを!ナニがわかるってんだよ……!」

 

「……確かにおまえらの気持ちなんてわからない……だからこそ怖いんだ」

 

「…どういうことだよ?」

 

「おまえらの境遇は想像しただけでも恐ろしく怖いものだ……しかし、だからこそ実際に味わったおまえらの気持ちはそれ以上に苦しいものだっただろうし、俺にはそれが恐ろしく思えてしまう……」

 

「だからこそ……おまえらがどれほど苦しい思いだったのかさわからないが恐怖してしまうほどのものだとわかってしまう……だからこそおまえらの気持ちをわかってやりたいんだ……!」

 

俺の言葉にバルは

 

「なんだよそれ……!そんなの……そんなの……!」

 

「……お兄ちゃん」

 

「ルナ……?」

 

「この人は悪い人じゃないよ……多分…確かに私たちは沢山の人に騙された……でも人を信じないと何も出来ないよ?この人は大丈夫」

 

ルナの言葉にバルは

 

「……アンタは俺たちをどうしようってんだよ」

 

「……簡単さ。俺の部下になってくれないか?」

 

「「え?」」

 

バルとルナが揃えて声を上げる

 

「アンタ……海賊なのか?」

 

「うーん……一応海賊ってことにしてるけど国王なんだよね。俺」

 

「「どゆこと!?」」

 

「えーっと、結局どっちなんだ?」

 

「はぁ……しょうがない」

 

俺はバルとルナに俺の正体を話した。

 

初めは信じてもらえなかったが俺がディメンジョンオーラで転移させると信じてくれた

 

「異世界だなんて……」

 

「ああ……驚きだぜ」

 

バルは心底驚いている。

 

自分とそう歳の変わらない少年が異世界で国王をしているという事実に

 

「で、どうする?一緒に来るか?」

 

「……なんでアンタは俺たちにそこまでしてくれるんだ?」

 

「……俺は自分が全てを救えるなんて思っちゃいない……でも手に届く全ては救いたいんだ……救える力があるなら尚更だ……だから俺は手に届くおまえらを救いたいんだ」

 

「……ぷっ!なんだよそれ!はっはっはは!いいぜ……!俺はアンタ、いやボスの部下になってやるよ!」

 

ぼっ、ボス!?

 

「しっ、真司兄ちゃん……?」

 

しっ、真司兄ちゃん!?

 

こうしてバルとルナが仲間になった

 

・・・・

 

さて一旦イセスマの世界に帰ってきて三日後、ワンピースの世界に戻ったら7年が経っていたよ。

 

そう原作15年前だ。この年はフィッシャータイガーがマリージョアの奴隷を解放する年だ。

 

勿論俺も奴隷解放に参加するつもりだがここはフィッシャータイガーと共闘する方がよろしいだろう

 

では早速魚人島にしゅっぱーつ!

 

え、どうやって行くかって?

 

勿論ディメンジョンオーラで行くだろう。

 

あ、念のため焦凍も連れて行こう。

 

・・・・

 

 

俺は魚人島に来ている

 

勿論バルとルナ、焦凍も連れてだ。

 

焦凍たちも俺の計画に賛成してくれるようだ。

 

焦凍なんかは奴隷のことを聞いた時には怒りに狂ってたからな。

 

 

そんなわけで俺たちはフィッシャータイガーに会いに来ている

 

「やあ、アンタがフィッシャータイガーか?」

 

「誰だ……おまえ」

 

「ああ!人間如きが大アニキに何の用だ!」

 

アーロンの言葉に焦凍たちはちょっとムッときたらしい。

 

抑えろ

 

「いや……ナニ……アンタの過去のことについて話が……」

 

「!!?」

 

思ったとおりフィッシャータイガーは驚いた。

 

悪いがこれも話を聞いてもらうためだ。

 

「……なんのつもりだ?」

 

「ちょぉーとそこで話しましょうよ。大丈夫。アンタの悪いようにはしない」

 

俺がそう言うとフィッシャータイガーはついてきてくれた。

 

アーロンたちから離れて俺たちだけになると

 

「おまえ……何者だ?」

 

タイガーは俺を睨めつけてきた

 

「そうですね……俺はアンタのことを知ってるし、それについても俺は変えるべきことだと思ってる」

 

「……何が言いたい?」

 

「俺はマリージョアを襲撃する」

 

「!!?」

 

タイガーは目を見開く

 

「おまえ!どういうことか分かってんのか!?」

 

「アンタに言われたくはないな……アンタも俺と同じことをやるつもりだったんだろ?」

 

「なぜソレを!?」

 

「そうだな……俺が見聞色でアンタの心を読んだからかな」

 

これは本当だ。

 

俺は見聞色を鍛えまくって相手の心が読める、カタクリのように未来を予知できるレベルまで達することができた。

 

ここが原作と全く同じ世界だとは思ってないので念のためフィッシャータイガーの心を読んでタイガーが奴隷を解放する気があるのかどうかを前もって見ておいたのだ。

 

「っ!覇気使いか!」

 

「そゆこと。アンタの奴隷解放に俺も参加させてくれないかな?」

 

俺の言葉にタイガーは

 

「……なぜ参加しようとする……?おまえにメリットなんてないだろ?」

 

「そうだねえ……俺が奴隷制度や種族差別なんかが気に食わないからかなあ……それに天竜人も嫌いなんだよ。あんなやつはぶっ飛ばしてやりたいなんて思ってるしな……」

 

「そんな理由でか……?」

 

「アンタの過去もわかっている。アンタが奴隷で差別されていたのもだ。俺はそう思わない。人間も魚人も分かり合えると思っている。アンタの過去は消えないのもわかっている。だがアンタには未来、前を向いて欲しいんだ」

 

「……なぜ俺を助けようとするんだ?俺はおまえと違う魚人だぞ?」

 

「人を助けるのに理由なんているか?」

 

「!!?」

 

「いっても無駄だぜ。タイガーさんよ。ボスは目の前にいる人間が誰であろうと救おうとする奴なんだよ。たった二人の恋人ために天竜人を蹴り飛ばすやつなんだよ」?

 

「天竜人をか!?まさかあの事件は……!おまえが……!?」

 

「そうだな。だが後悔はしてないよ。目を背けたら後で悔やむし、悲しむ人がいるのも知ってるからさ」

 

「…………っふふふ……はっはっは!!!おまえみたいな人間は初めてだ!いいじゃねえか!おまえに乗ってやろうじゃねえか!」

 

タイガーと俺は固い握手を交わす

 

「それでどうする?ただ殴り込むのか?」

 

「そんなわけないだろ?できる限り被害は抑えたい」

 

「あんなやつらでもか?」

 

「あんなやつらでも人間だ。できる限り殺したくはない」

 

「ッ!」

 

(何故だ?あんなやつらにも同情してしまう自分がいる……)

 

「……わかった。だがどうする?どうやってやるつもりだ?」

 

「それは俺の能力を使う」

 

「能力者か」

 

「まあな。時間を止めてる間に奴隷全員を解放する」

 

「は?……っ〜ちょっと待て、どうやって時間を止めるんだ?」

 

「こうやって」

 

<アタックライド、ポーズ!>

 

そうして説明するとタイガーは納得してくれた。

 

「……とんでもないな……」

 

「まあ、これで全員を逃す時間を作る。だがもって十分だ。そうなったらアンタが暴れてくれ。その間に残った奴隷を逃す」

 

「わかった。だがどうやって逃す?マリージョアはレッドラインの上だぞ?」

 

「……俺がいなかったらどうするつもりだったんだよ……」

 

「え?いや、それは暴れて逃すみたいな?」

 

オイ、やっぱり俺が来て良かったよ……

 

「まっ、まあとりあえず俺のディメンジョンオーラで逃す」

 

「え?」

 

そういって俺がディメンジョンオーラを出す。

 

「これは……!?」

 

その後タイガーにディメンジョンオーラについて説明するとタイガーは驚いた。

 

「こりゃあすげえな……」

 

「まあこれでとりあえず海軍のいない俺の国に移す。その後故郷へ返すつもりだ」

 

あ、タイガーには俺が異世界人だって伝えたよ

 

「じゃあ来月に決行だな」

 

「ああ、無事成功させようじゃねえか!」

 

こうして俺とタイガーは誓いを立てた

 

 

・・・・

 

 

そして当日

 

「来たか……」

 

「ああ、じゃあやるぞ」

 

<アタックライド、ポーズ!>

 

俺たち以外の時間を止めて、俺たちは奴隷たちのいる部屋に向かう。

 

折角だからマリージョアの悪魔の実もついでに頂いちゃいましょうか。

 

<アタックライド、スコープ!>

 

・・・・

 

ー10分後

 

「襲撃だああああ!!!天竜人の方々を逃せええ!!」

 

案の定騒ぎになったのでタイガーに暴れてもらう

 

奴隷の大体は逃したし、悪魔の実も残らず頂いた。

 

あとはタイガーたちを逃すだけだが……

 

「離して!やっと自由になれたのに!」

 

「うるさい!奴隷風情が!」

 

俺がワンフォーオールを発動させる前に焦凍がソルで近づき氷の爪で

 

「餓狼氷牙」

 

男達を切り裂いた

 

あ、焦凍にはこの一ヶ月で六式全て教えておいたよ。勿論俺も使える。

 

勿論加減した一撃でだ。

 

「大丈夫か?」

 

「あ、貴方は……」

 

よく見てみるとあの子達モネとシュガーの姉妹じゃん

 

原作では明らかになってなかったけど元奴隷だったのか。(これはこの小説のみの設定です。原作ではどうかわかりません)

 

ていうかモネさっきから焦凍のことをジーッと見てるんですけど……それに顔が赤くない?

 

これはもしや……!

 

なんてことを思ってる場合じゃない。

 

俺がシュガー、焦凍がモネと手を繋ぎその場から逃げる。

 

こうしてマリージョアの奴隷解放は無事成功したのだった。

 

 



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お菓子作りと船員

あの後奴隷達をそれぞれの故郷へ送り返したが大半は俺の国に住みたいと言ってきた。人手不足だったので正直助かった。

 

俺は今ここにある九個の悪魔の実を睨んでいる

 

スコープで調べたところこれらの実は

 

・ヒトヒトの実"モデル"ビッグフット

 

・トリトリの実"モデル"鳳凰

 

・バットバットの実"モデル"ヴァンパイア

 

・ガチガチの実

 

・マナマナの実

 

・ジキジキの実

 

・ポケポケの実

 

・クグクグの実

 

・ユキユキの実

 

らしい

 

バットバットの実といえば確かワンピースのゲームで出てきた赤の伯爵レッドフィールドの能力だったよな?

 

ジキジキの実も公式では明らかになってないが原作だとキッドの能力だと言われてたような……

 

まあここは原作と同じ世界じゃないんだ。気にすることはない

 

さてこの盗んできた悪魔の実を誰に食わせるか……

 

まあ後で考えておくか

 

 

・・・・

 

さて再びワンピースの世界に戻ってきたら原作14年前だった。

 

この年はトムが濡れ衣を着せられるのとドフラミンゴにロシナンテが殺される日でもあるのだ。

 

しかも俺が顔こそ出てないが賞金首となっていた。3億ベリーで

 

マリージョア襲撃したのが聞いたかなぁ……まあ折角ワンピースの世界に来たんだし海賊になることにした。船も海軍から軍艦をかっぱらってきた。

 

さて……どうしたもんかね……

 

と思っていたら後ろから目を塞がれた。

 

「だーれだ!」

 

「……なにやってんだよ……シュガー」

 

「ふふふっ!せーいかーい!なんでわかったの?」

 

「……お前しかこんなことする奴がいないからだよ。何の用だ?」

 

「ねーねー。新しい漫画見せてよ」

 

シュガーたちには俺が元いた世界の漫画を何冊か渡しておいた。

 

「この前渡しただろうが……」

 

「もう読み終わったの。それか遊ぼ!」

 

「はぁ……あのな、お兄ちゃんはとっても大事なことを考えてるの。だから遊んであげられないの」

 

「……ううううっ……!お兄ちゃん……私のこと嫌いなの……?」

 

シュガーが涙目で聞いてくる。そんな顔をしないでもらいたい……罪悪感に苛まれるから……

 

「……そんな顔するな。俺はお前が嫌いなわけないだろ。お前は俺にとって大切な妹だ」

 

「……本当に?」

 

「本当だ」

 

「ならいっか!ごめんねお兄ちゃん」

 

「……いや俺こそごめん。じゃなにして遊ぶ?」

 

「えーっとねそれじゃ「だーれだ!」」

 

またもや視界を塞がれる。いたよ……もう一人

 

「……アンタまでなにしてんのねじれちゃん」

 

「せーいかーい!よくわかったね!」

 

「ねじれ姉ちゃん!一緒に遊ぼ!」

 

「いいよー!じゃお菓子でも作ろっ!」

 

「うん!作ろっ!」

 

こうして俺たちはお菓子作りをすることなった

 

シュガーも作者も甘いもの好きなのだ

 

ちなみに作者のお菓子の好みは和菓子より洋菓子派なんだ。

 

そんな事情も絡んで、俺たちはクレープを作ることとなった。

 

三人なら卵は二つあれば充分だ。

 

「私が割る!私が割る!」

 

シュガーが卵を割って俺が砂糖を準備する。この卵の量なら200gでいいだろう。そして溶かしたバターを入れて混ぜる。

 

こうしてクレープの生地ができあがった。

 

そして出来上がったクリームを溶かしたチョコと混ぜてチョコクリームにしてクレープこ生地を焼く。これでチョコクレープの完成だ。

 

そして皆を呼んで食べる

 

『美味しい!』

 

皆にも好評のようだ。シュガーも笑みがこぼれる

 

皆が楽しんで食う中で

 

「焦凍♪あーん」

 

「……いや、いいよ……」

 

モネが焦凍にクレープをあーんさせようとしているのだ。

 

見てわかるようにモネは焦凍に助けられてから焦凍大好きっ子になったのだ。

 

勿論焦凍も戸惑ってなんとも言えない表情をしている。

 

「焦凍は……嫌……?」

 

モネが涙目になっている。

 

シュガーもそうだけどさ?この姉妹って泣き顔上手じゃね?

 

モネが泣きそうになっているのに焦凍も観念してモネのあーんを食らった

 

「ふふ♪美味しい?」

 

「…ああ……」

 

焦凍は困りながらも悪いようではないようだ。

 

「ったく!見せつけてくれるぜ!全くよー」

 

バルが羨ましそうに愚痴をこぼす

 

「まあいいじゃねえか!見てて微笑ましいぞ!」

 

バルの愚痴に返したこの男はタイソン。元奴隷で海兵の息子らしく六式や生命帰還を使えるやつだ。

 

「このクレープ美味いよ。兄さん」

 

「そうだな弟よ」

 

今クレープの感想を言ったこの二人はルビーとサファイア。この双子も元奴隷で俺の海賊船に乗せて欲しいと言ってきた奴らだ。

 

こうして俺たちの日常は過ぎていく

 

 



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摘み取り

トムの濡れ衣をどうこうするのは簡単だった

 

ディメンジョンオーラでスパンダムたちが乗っているフランキーの船ごとインペルダウンに強制転移させた。今頃は地獄を見ているだろうが知ったこっちゃない。自業自得だ。

 

さてトムはめでたく無罪判決になりウォーターセブンに歓声が上がった。これでウォーターセブンはもっと栄えるだろう

 

さて次はこっちかな……

 

・・・・

 

「マリンコード・01746『海軍本部』ロシナンテ中佐……。ドンキホーテ海賊団船長ドフラミンゴ……。お前がこの先生み出す惨劇を止めるため…潜入していた…俺は海兵だ…。嘘ついて悪かったな……お前に嫌われたくないもんで……!」

 

ロシナンテは後ろの宝箱に隠れているローにこっそりと話しかける

 

「つまらねえ冗談言ってないで質問に答えろ!ローとオペオペの実をどこへやった!?」

 

「…オペオペの実ならローに食わせた。アイツはもう能力者。上手く鳥かごの外に出てるだろうよ。今頃は海軍本部の船に保護されている筈だ……もう手出しはできねえ」

 

「若様!確かにさっき"少年を保護"と海軍の通信を……」

 

「なぜそれを早く言わねぇ!」

 

「まさかローだとは……」

 

「確認を急ぐぞ!"鳥かご"を解除する!出航の準備だ!事実なら海軍の監視船を沈めてローを奪い返す!」

 

「よせ……ローを追ってどうする……」

 

「ローをどうするかって……?オペオペの実を食っちまったなら……俺のために死ねるように教育する必要があるな……!」

 

それを聞いてローはゾッとした。

 

「全く余計なことをしやがって。なぜ俺の邪魔をするコラソン!なぜ俺が実の家族を二度も殺さなきゃならねえんだ!」

 

ローは宝箱の中でコラソンの無事を祈る。

 

「お前に俺は撃てねえよ……父によく似てる……」

 

ローが宝箱の中で必死に声をあげるがコラソンの能力で全く音が出ない。

 

「……ローはお前に従わねえよ……3年後に死ぬって運命にアイツは勝った……自分を見失い狂気の海賊の元へ迷い込んだあの日のローじゃねえ……破壊の申し子であるお前から得る物などねえ……もう放っておいてやれ!アイツは自由だ!」

 

ドフラミンゴが引き金を引き、銃声が響いた。

 

コラソンも死を覚悟した。

 

だがその弾丸はコラソンを貫くことはなかった

 

ガキィン!

 

銃弾は壁のようなものに弾かれた

 

「あっぶね〜エアプリズン」

 

飄々とした雰囲気の少年が声をあげた時銀色こオーロラが突如現れた。

 

・・・・

 

「なんだテメェらは……」

 

「…通りすがりの海賊さ……」

 

危っぶね〜なんとかバルに防がせることができたけど……まあ白ひげの兄貴に比べたらドフラミンゴなんて楽勝だけどな!

 

「……おいこれは身内の問題だ……口出すんじゃねえよ!」

 

ドフラミンゴが怒鳴ったその時

 

『うわあああ!!!』

 

「!?」

 

突然吹雪が吹き荒れてドフラミンゴの部下たちは残らず凍ってしまった。

 

勿論やったのは焦凍だ。

 

焦凍のトリトリの実"鳳凰"はただの鳥ではなく風を操ることができる。極限まで冷やされた冷気を風で吹雪にしたというわけだ。

 

部下が凍ったのを見てドフラミンゴは

 

「テメェ……一体なんのつもりだ……!何が狙いだ!俺に何の用ってんだ!」

 

ドフラミンゴが俺に激昂する。

 

「何の用かって?ドレスローザを襲わせるわけにはいかねえだろ?」

 

「「!!?」」

 

俺の一言でドフラミンゴは冷静さを失い、コラソン……ロシナンテは何故知っているのかと驚いているようだ。

 

「…なんのことかな?」

 

「白々しいなぁ……覇気でモロバレなんだよ」

 

「……くっ!」

 

「…………」

 

ドフラミンゴが俺に急接近して糸で斬りつけようとするが

 

<アタックライド、インビシブル!>

 

透明化と転移でドフラミンゴの攻撃を避けて

 

<ファイナルアタックライド、ディ、ディ、ディ、ディケイド!>

 

ドフラミンゴにディメンジョンキックを食らわせる

 

ドフラミンゴが動かないのを見て俺は海楼石でドフラミンゴたちを拘束してると

 

「…おい」

 

「ん?」

 

「…お前は……はぁ……何者なんだ……」

 

コラソンがこっちを見て聞いてくる。

 

「…通りすがりの海賊さ」

 

「……そうか」

 

ドフラミンゴたちを拘束し終えると

 

「はい、これで一応終わったから引き取りよろしくね」

 

「……ああ、それと聞きたいことがあるんだ」

 

「なに?」

 

「何故ドフィの計画を知ってたんだ?」

 

「俺が見聞色でアイツの心を読んだからかな?」

 

「見聞色で人の心を読むって……とんでもねえな……」

 

「いい加減出てきたら?ロー」

 

「…あ……うん……」

 

ローが宝箱からひょっこりと出てくる

 

「ありがとうな!お前!コラさんを助けてくれて!」

 

「……助けてもらって言うのもなんだがお前なんで俺を助けた?俺は海兵でお前は海賊だ。敵同士なんだぞ?助ける理由が……」

 

「……助けたのはたまたまだ。お前は政府の人間にしちゃあマシな人間みたいだし……なにより見捨てるってのが性に合わないんだよ」

 

「そんな理由でか?」

 

「それに子供の笑顔はなによりも守るべきものだろ?」

 

「…………」

 

ロシナンテはこの時思った。お前も子供じゃないのかと……だが少年のナリをしているがどこか少年とは思えないような雰囲気を身に纏っていると同時に思った。

 

「ふっ……変な海賊もいるもんだな……」

 

「そりゃどうも」

 

「なぁ……お前名前はなんって言うんだ?」

 

「う〜ん……海兵に教えるべきじゃねえが……俺は真司、空野真司だ」

 

「真司か……」

 

「……そういえば海賊団の名前まだ決まってねえな……」

 

「そういや……」

 

「そうだな」

 

ロシナンテはおつるの軍艦が近くにいるのにこの上ない呑気な話をしていふこの三人にどこか偉大さを感じてしまった。

 

「じゃあ……オオゾラの海賊団は?」

 

「ん?オオゾラ?」

 

「お前の本名が空に関する名前だから……オオゾラの海賊団」

 

「……いいな」

 

「悪くねえ!」

 

「……俺も同感だ」

 

「じゃあ帰ったら名前を皆に教えようぜ!」

 

「……そうだな」

 

そう言って真司たちはディメンジョンオーラに入っていく

 

・・・・

 

「無事だったか!ロシナンテ!」

 

「ええ……おかげさまでまあ……」

 

ロシナンテは黒髪アフロヘアーの元帥センゴクに今回の出来事を事細かなに説明すると……

 

「銀色のオーロラ?それはまさか……!?」

 

「……ええ、恐らくですがマリージョアの襲撃犯でしょう」

 

センゴクはなんとも言えない顔をしている。

 

「……ですがセンゴクさん。アイツは俺を救ってくれました。決して悪いやつではないかと……」

 

ロシナンテの言葉にセンゴクも頭を悩ませる

 

一言で言えばマリージョアを襲撃した大罪人。片や一方では奴隷を解放した英雄でロシナンテとローをだけでなくドレスローザを救った救世主。

 

センゴク自身も奴隷制度を良いとは思ってない。だが権力というものには逆らえがたいのだ。

 

「……ロシナンテ。この話誰かにしたか?」

 

「いえ……していませんが……」

 

「よし。じゃあ今この場で言っていたことはここだけの話にしろ」

 

「!?」

 

センゴクの言葉の意味はアイツらを見逃す……といったことだ。

 

センゴクがそんなことをするのかとロシナンテは驚いた。

 

「……いいんですか?」

 

「構わん……もしもの場合は責任は私がとる」

 

・・・・

 

あの後ドフラミンゴはドレスローザ乗っ取りの未遂で重罪となりインパルダウンに投獄された。

 

原作と違うのはローが海軍に入隊したとのことだ。

 

ロシナンテの力になりたいらしく、最初はロシナンテも止めようとしたがローがどうしてもと言ったらしい。

 

さて……ここまで上手くいったが……これからもそういくとは限らない……気を引き締めなければ……

 

「だーれだ!」

 

真剣に考え事をしてるとこれだ。

 

「何やってんだ……シュガー……」

 

「またまたせーいかーい!」

 

すっかり気が抜けてしまった俺はシュガーと遊ぶことにした。

 

シュガーとオセロをしていると

 

「お兄ちゃん」

 

「ん?」

 

「なにかあったの?」

 

「なにもないよ」

 

「何言ってんの、気が入りっぱなしだったよ」

 

「…………」

 

「お兄ちゃんになにがあったかは知らないけどさ、そう気負う必要はないんじゃない?」

 

「え……?」

 

「お兄ちゃんは背負いすぎなの。確かに失敗したりナニかを失うと責任感なら襲われるよ?でもお兄ちゃんには一人で抱え込みすぎ。お兄ちゃんには頼れる仲間たちがいるんだからさ、一人で抱え込むんじゃなくて皆に頼ったらいいんじゃない?一人でできることなんてたかが知れてるよ。チームワークってのはどんなことでも大事なんじゃない?」

 

その言葉に俺はハッとした。

 

確かにそうだ。今回だって俺一人でやったんじゃない。皆が助けてくれた。ヒーローだって一人で敵を捕まえたり人を助けるんじゃない。皆の協力が必要なの時だってある。そうか……俺は抱え込みすぎてたんだな……

 

「シュガー……」

 

「ん?」

 

「ありがとう」

 

「ん!?おっ、お兄ちゃんのためだもん!お兄ちゃんにしか、こっ、こんなことは言わないんだからねっ!」

 

こうして俺の大切な日常は過ぎていく。

 

 

 



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VS黄猿

ヒロアカ最新刊買いました!レイ子ちゃんの私服姿とーっても可愛かったです!


ワンピースの世界で2年過ごした。そう原作12年前だ。

 

アーロンがグレるきっかけとなるタイガーの死が起こる年だ。

 

まあこのことについては俺が既にコアラのメンタルケアをして故郷まで送り届けたから万事解決……かと思いきやタイガーがコアラに会いに行くと言い出したのだ。いくら言っても聞かず行くと言ってしまった。まあ俺がなとかするしかないか……

 

あとはモリアがカイドウに敗北を喫した年でもある。

 

モリアは原作ではカマセキャラ扱いされているがその能力はチートといってもいい。第一あのカイドウと張り合ったぐらいなのだから全盛期はドフラミンゴより強いといったもいいだろう。それに彼は決して悪い奴ではないのだ。そして未来の七武海と手を組んでおくのも悪くない。

 

・・・・

 

モリアside

 

カイドウのバカに敗れて一ヶ月……俺はフロリアントライアングルで再起を図ろうとペローナとアブサロム、ドクトルホグバッグを仲間にした。

 

さっそくやってきた海賊どもをゾンビにしてやろうと迎え撃ったが……

 

「グウゥゥウ……!」

 

惨敗だ。カイドウと渡り合った俺様がこんな名も知らない海賊に敗れるなんて……悔しくて涙が止まらない。

 

「大丈夫か?」

 

その上心配までしてやがる。コイツぅ……!

 

「はぁ……はぁ……シャドウスラッシュ……」

 

俺は実体化させた影で切り裂こうとするが

 

「エアプリズン」

 

不可視の壁に阻まれて全く攻撃が通らない。

 

「……タイソン」

 

「OK!」

 

そして巨大化した猿のような奴に吹っ飛ばされる

 

とてつもないパワーだ。覇気を込められていたらと思うと恐ろしい。

 

「はぁ……はぁ……」

 

アブサロムも倒されたし、ペローナのネガティブホロウも突然消されちまった。

 

ホグバッグに至っては戦力にならねえ

 

「おーい、モリアさーん。大丈夫かー」

 

「はぁ……はぁ……殺せ……俺の……負けだ……」

 

こうなったら潔く殺してほしい。

 

「殺すわけないじゃん」

 

そんなことを言ってくる。コイツは俺を殺さないつもりらしい。ナメくさったにも程がある。

 

「なんの真似だ……!」

 

「いやね。提案なんだけどさ。俺と同盟組まない?元々そのためにやってきたわけだし」

 

同盟だと?この俺と?お前なんかにボロクソに負けている俺にか?コイツはおそらくカイドウと渡り合った俺を見ていっているのだろう。今の俺なんかあの頃よりずっと弱いというのに。

 

「俺なんかって思ってない?」

 

「!?」

 

心の中を言い当てられた。コイツ……!見聞色には稀に未来を見たり心の中を聞いたりする奴がいると聞いたがコイツは……!

 

「まあ、そう思うな。お前は強いよ」

 

強いだと……?俺が……?

 

「はっきり言ってお前は自信がなさすぎだ。負けたからってなんだ。次に勝てばいいじゃないか。自分を信じないと誰を信じるんだ?」

 

「……それは仲間やゾンビに……」

 

「…いい加減にしろ。最後に頼れるのは自分しかいないんだ。自分は決して裏切らない」

 

「……なぜそこまで俺に拘るんだ……カイドウに負けたんだぞ……それに俺はお前を殺そうと……」

 

「それはお前が仲間を守るために自分の全てをかけられる男だと俺は思ったからだ。確かにカイドウにやられた奴らは帰ってこない。だがお前はその仲間の意志は受け継ごうとしている。それに男が一度戦ったらもう戦友だろ」

 

「…………ふっ、貴様はとんだバカのようだな。キシシシシシ」

 

「そりゃどうも」

 

こうして俺とモリアはマブダチとなった

 

・・・・

 

「あっ!タイガーさんに皆!久しぶり!」

 

コアラと住民がタイガーたちを歓迎してくれた。

 

そしてタイガーが帰る途中、それは起こった

 

「私は海外本部少将ストロベリーである!貴様がマリージョア襲撃犯だな……」

 

響く銃声。が

 

ガキィン!

 

「!!?」

 

「やれやれ……エアプリズン。危なかったなタイガーさんよ」

 

「お前は……!」

 

・・・・

 

やれやれ……なーんとか間に合ったなバルとルビー、サファイアを行かせたし大丈夫だろ。俺は海軍の軍艦を殲滅しとくか。

 

と思っていたら黄猿が現れた。

 

・・・・

 

バルside

 

おいおいおい……なんでボルサリーノがいるんだよ……

 

コイツ確かピカピカの能力者だったよな?

 

光を使うのか……俺は相性がいいとはいえマズイな……

 

と思っていたらいきなり光を放ってきた。

 

「八尺瓊勾玉」

 

無数の光の雨が俺たちに降りかかってきた。

 

「……リフレクトプリズン」

 

俺は大気中にある空気を反射する結晶に変えて光を跳ね返す。跳ね返った光は周りにいた海兵を巻き込んだ。

 

俺はガチガチの実の"結晶人間"俺は俺自身を結晶に変えることが出来、覚醒によってあらゆるものを高純度な結晶に変えることができる。たとえそれが空気だろうと。

 

「ほぉ〜これは〜厄介だねぇ〜」

 

黄猿がとてつもないスピードで蹴り込んできて、俺は

 

「っ!プリズムアーマー!」

 

この技は俺の周りにある空気を結晶に変えてそれを身に纏い、武装色と組み合わせることで鉄壁の鎧とする技だ。

 

黄猿は俺に蹴り込むが吹っ飛ばすことができなかった。

 

「ぐうっ!」

 

「ほぉ〜」

 

すぐさま殴りかかるが躱されてしまった。

 

とルビーが武装色を混ぜた砂鉄で逃げた黄猿に攻撃を仕掛けた

 

「砂鉄時雨!」

 

これはボスが持ってきてくれた忍者漫画の技でルビーはそのキャラを心底気に入ったらしくこの技名にしたそうだ。

 

だが黄猿は光の速度でいとも簡単に躱す。

 

「天叢雲剣」

 

黄猿は光の剣を生成すると切り掛かってきた。ルビーは咄嗟に受け止めるが押されっぱなしだ。

 

マズいと思ったその時

 

銀色のオーロラが現れた

 

「もう大丈夫……俺がきた」

 

翌日海軍本部で海軍本部中将ボルサリーノがボコボコにされた状態で発見されたが犯人が誰かはわかってない。

 

ただタイガーの賞金が上がり、その場にいた謎の三人には新たに賞金がかけられた。

 

 

 

 

 

 



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魚人の未来

黄猿をボコボコにした後俺たちはタイガーとともに船で逃亡した。

 

タイヨウの船員たちはタイガーの無事を見て喜び真司に何度も感謝の言葉を送っていた。

 

あのアーロンも

 

「大アニキを救ってくれてありがとう……!!俺ぁ!俺ぁ!お前たち人間のことを侮辱してたってのに……!」

 

アーロンは何度も泣いて真司に謝ってきた。

 

「……気にするな。俺が助けたのは手を伸ばせる命を見捨てたくなかっただけだ」

 

「それでもワシらにゃお前さんに返しきれんほどの恩がある……本当にありがとう……」

 

こうしてタイガーは死なずに済んだ。

 

・・・・

 

あの後タイガーの元に政府の伝書バットが届き、王下七武海への誘いを受けた。

 

当然アーロンや一部の仲間たちは反対して

 

タイガーも初めは渋っていたが、

 

「お前が魚人島や仲間達のことを思うならこの話は受けるべきだと思う」

 

俺の言葉にアーロンたちも今回の七武海参加を認めるようだ。

 

あとハンコックやモリアのもとにも七武海への誘いが届いたそうだ。

 

二人ともこの話を受けるようだ。

 

ハンコックには奴隷解放以来よく女ヶ島に招いてもらっている。

 

で再びワンピースの世界に戻ってきたら原作10年前だった。

 

一番厄介な出来事、オトヒメ王妃の暗殺事件。

 

あれのせいで人間と魚人の関係に溝ができてしまうのだ。

 

タイガーにも相談して何とかするさ!

 

・・・・

 

一人の人間が震える手で銃を握りしめている。

 

狙う先は一人の魚人が持つ署名箱

 

その引き金を引こうとしたが

 

後ろから肩を叩かれた時に男は意識を失った

 

 

・・・・

 

クソッ!どうなっている!

 

なぜいつまで経っても署名箱が燃えねえ!?

 

こうなったら先にオトヒメ王妃を……!

 

俺はオトヒメ王妃を狙いその引き金を引いた。

 

バンッ!ガキィン!

 

な!?なぜ死なねえ!何度撃っても壁みたいなのものに弾丸が弾かれる。

 

「そこまでにしておけ。ホーディ」

 

「な!?フィッシャータイガー!?それにアーロンにジンベエも!?」

 

後ろを見るとタイヨウの海賊団とネプチューン軍が揃って俺を包囲していた。

 

「まさか……お主がこんなことをするとは……」

 

ネプチューン……!

 

「クソッ!なんの真似だ!」

 

「自分に聞いたらどうだ?暗殺容疑者のホーディくん」

 

人間の小僧が舐めた口調で煽ってきた。

 

「なんでだ!計画は知らないはずだ!」

 

「悪いな。俺の覇気の前に隠し事は無意味だ」

 

「っ!あ、アーロンさん!助けてくれ!」

 

「…………」

 

「な、なぜだ!?アンタも人間が憎いんだろ!?」

 

「……俺は確かに人間を下に見ていたかもしれねえ……でもコイツに教えてもらったんだ。人間は全てが悪いやつじゃねえって……おまえらに憎悪を煽った俺が言うのも変な話だが……もうやめろ」

 

「……………!!!?」

 

「年貢の納め時ってやつだ。それじゃあ後は頼みます」

 

「はっ!」

 

・・・・

 

あの後俺とバルは魚人島の島民のお祭りに誘われた。

 

オトヒメ王妃の念願が叶った祝いのお祭りらしい。

 

勿論参加するがお祭りには皆やアイツを呼んだほうがいいな

 

そしてお祭りの最中で

 

「オトヒメ様を助けてくれてありがとう!!」

 

「おまえはこの魚人島の恩人だ!」

 

「おまえみたいな人間もいるんだな!」

 

普通にいい人たちだった。なぜこんなにも優しい人達を差別するかがわからない。

 

ステージではテゾーロが

 

「〜〜〜!!!」

 

ノリノリで俺の教えた曲"ride the wind"を歌っている。ステラもノリノリでテゾーロを応援している。

 

焦凍は人魚に囲まれてるのでモネに睨まれて困った顔をこちらに向けてくる。

 

頑張れ!とサムズアップをすると殺せそうな顔で俺を睨んできた。

 

冗談だよ〜俺はモネの手を取り焦凍と手を繋がせると二人ともお互いを見つめ合い顔が赤くなっていた。

 

そしてダンスの曲が流れるとペアで踊り出した。ペアのいない悲しき者は涙を流していたが、

 

俺?俺は

 

「「「「「ジャンケンポイ!あいこでしょ!!」」」」」

 

レイ子たちがペアを決めるジャンケンをしている。

そのせいなのか俺はペアのいないバルや他の者たちから睨まれることとなった

 

とうんざりしてるとタイガーがきて

 

「はっはっは!真司!嫁さんが五人とは羨ましいな!」

 

「…まだ嫁さんじゃないですよ……」

 

タイガーが笑うがこちらはそんな気分じゃない。

 

勿論レイ子たちと踊るのは楽しみだが周りの視線が痛い。

 

アーロンに助けを求めるが笑い飛ばされ、ジンベエには視線を逸らされた。

 

味方はいない。

 

厳正なるジャンケンの結果決まったのは

 

「よ、よろしくお願いします……真司さん……」

 

茨に決まった。

 

恥ずかしがる茨の表情は周りの男たちを釘付けにし、その白のドレスからは気品さが溢れて、この場にいた者全てを魅了するものだった。

 

そして茨の手を取りテーブルのステップに沿って踊る。

 

どこかぎこちない感じがするが俺は幸せをその場で実感した。

 

この幸せを守りたい。どんな世界であろうとも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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正義とは

最近この章を初めて良かったのかな〜と思うようになってきました。……だって皆からの評価があるし……


正義とはなんなのだろうか?

 

私はずっと海軍の掲げる正義というものが正しいと思ってた。

 

なぜならゼファー先生の正義こそ私が憧れたものだったからだ。

 

あの人のような真っ直ぐな正義を貫きたい……そう思って私はひたすらに鍛錬を積んだ。どんなに苦しくてもそれが自分の目指すものに近づくと信じていたからだ。

 

そして海軍としての仕事に就いた時には喜んだ。

 

これで私も人々を守ったり人々に害する悪を倒すことができる。ゼファー先生のような海兵になれる……そう思っていた

 

だけど現実は違った。バスターコールに呼び出された時は初めはなんも疑わなかった。だけどそこで見たのは非情な光景だった。

 

市民を守るはずの海兵が政府に非加盟国だからって市民を何の迷いもなく殺している様には目を疑った。そして同時にこれが自分の目指していたものなのかと絶望した。

 

だが私の絶望はそこでは終わらなかった。

 

今度は世界貴族の護衛を任された。人々を守る仕事というので私は今度こそ自分の目指していたものになれるとこの仕事を引き受けた。

 

だけどまたしても私を待っていたのは非情な現実だった。世界貴族は人を人としてみないような所業をなんの悪意もなく実行していたからだ。

 

横を通っただけの子供を平気で撃ち殺し、人を人として扱わないようなその様には怒りが湧いた。

 

市民を守るべき私たちがなにもできないことに私は悔しくて涙を流していた。

 

そして再び海軍、世界政府に絶望した。なぜ犯罪者も同然の世界貴族を守らねばならないのか。なぜ奴隷というような人の道から外れた行為を認めるのか。私はゼファー先生に問い詰めた。

 

ゼファー先生は何も答えなかった。だがその拳から血を流していた。

 

ゼファー先生は偉くなったからこそ海軍の闇を知ってしまったのだろう。だからこそ何もできない自分を恨んでいるのだろう。

 

私は当初のように海軍に希望を持つことはできなかった。

 

ここは汚れている。もう私の知っている憧れた場所ではない。

 

だからといって海賊になる気は無かった。

 

それこそ人々を苦しめる存在になると思っていたからだ。

 

そうだと思っていた。

 

あの男と出会うまでは……

 

・・・・

 

俺たちが名をあげて数ヶ月。

 

今日も順調に航海を続けている。

 

航海中は皆各々やりたいことをしている。

 

この船はパトルシップなので余程こことがない限りやることがないからだ。

 

んで今俺はというと

 

「おにいちゃーん!」

 

シュガーに抱きつかれている

 

「ねーねー。新しい本見せてよー」

 

そう言ってくるシュガーに俺は本を渡す。

 

シュガーには本を渡すと静かになる。

 

しばらくすると

 

「ねーねー?お色気の術ってなーにー?」

 

ぶふふっ!

 

思わず吹き出してしまった。渡す本間違えたかな……

 

まあなんとかシュガーをだまくらかしていると

 

俺の見聞色がなにかを察知した。

 

咄嗟に感じた気配にいい感じを持たなかった俺はその場にディメンジョンオーラで向かった。

 

・・・・

 

ぐっ!

 

突然襲来してきた海賊。

 

私たちはたった一人の海賊に苦しめられていた。

 

ゼファー先生も立ち向かうが現役から離れているため相手のスピードに翻弄されていた。

 

生徒の大多数が行動不能にされていた。

 

このままじゃ……!

 

とその時銀色のオーロラが現れた

 

中から少年が現れると皆その子に注目していた。

 

「あれあれ?マズイんじゃね?これ」

 

こんな状況なのにどこか余裕があるその子に私はなぜか安心感を感じていた。

 

ゼファー先生は何やら目を細くしてその子を見極めらような目で見ていた。

 

海賊がその子に向かっていったが

 

「……ワンフォーオール」

 

と呟くと軽々と躱して体勢が崩れたところに回し蹴りを放ち海賊を吹っ飛ばした。

 

「ぐううっ……!なめるな!」

 

海賊は立ち上がると

 

「MORE MORE……!百倍速!」

 

あれだ!ゼファー先生も苦しめられたスピード

 

海賊がとんでもないスピードでその子に向かうが

 

<カメンライド、アギト!>

 

そんな音声が聞こえると彼の姿が変わり向かってくる海賊を紙一重で躱した。

 

海賊が何度も攻撃を仕掛けるが見切られ続け、目にも止まらないスピードの中で彼のカウンターが決まり、海賊は吹っ飛ばされた。

 

「なかなかやるな……だが俺には及ばない」

 

<ファイナルアタックライド、ア、ア、ア、アギト!>

 

そして彼の角が開き力が溜まっていくのが感じる。

 

そして彼の飛び蹴りか海賊に決まると海賊は海に落ちた。

 

「ふぅ〜、やれやれ」

 

彼がその場を去ろうとするとゼファー先生が

 

「はぁ……はぁ……おまえ何者だ……」

 

私たちも思っていたことを彼に聞く。

 

「俺は空野真司、海賊さ」

 

か!海賊!?

 

「……なんで海賊が私たちを助けたの?」

 

私は気になったことを聞いてみる。

 

「……目の前の命を放って置けなかっただけ」

 

そんな理由で!?海賊がそんな理由で渡したいを助けたの!?

 

他の皆も目を丸くしていた。

 

「それにアンタらの正義が凄いと思ったからさ。人々を守るために命を懸けられる正義ってのがカッコいいと」

 

やめて……私たちにそんなものなんてない……

 

「はぁ……おまえ……マリージョアの襲撃犯だろ……」

 

ゼファー先生の言葉に私たちは驚きを隠せなかった。

 

マリージョアの襲撃犯!?こんな少年が!?

 

「はぁ……そのオーロラがなによりの証拠だ……」

 

「…………」

 

「……本当なの?」

 

私の言葉に彼は

 

「…………ああ、そうさ」

 

「……どうして?どうして貴方はそんなことをしたの?殺されかもしれないのに……!」

 

まだ私たち年の変わらない少年がそんな重いものを背負っているのをみるに耐えなかった。

 

「……じゃあ聞くが、アンタらは天竜人を認めるのか?」

 

認めるわけなんてない……あんなやつら

 

「まあ、無理もない。俺からすれば海軍は正義の看板を汚している偽りの正義だ」

 

違う……違う……

 

「俺からすれば人々を天竜人から守れない無能集団だ」

 

やめて……!やめて……!

 

「……貴方に何がわかるの……」

 

ダメ……!それ以上は……!

 

「アンタみたいな海賊に!なにがわかるのよ!天竜人を守らなきゃいけない私たちの屈辱を!人々のために正義を背負っている私たちがなにもできない無力さを!なにがわかるってのよ!天竜人なんか敬うわけがない!あんなやつら」

 

「アインそれ以上は!」

 

「アイン!」

 

はっ!しまった……!

 

目の前の少年にやられた……!

 

少年は悟ったような顔をして私を見ていた。

 

くっ……!

 

「……そうだよ。それでいいんだよ」

 

え……?

 

「俺のような海賊が言える立場じゃないがそれでいいんだよ。天竜人なんか俺だって潰してやりたい……俺は自由になりたいから海賊になっただけで本当は人々を守れるような本当の海軍に入りたかった」

 

なっ……!?

 

「俺がマリージョアを襲撃したのは人間とは思えない扱いを受けた……そんな人たちを放って置けなかったからさ……」

 

…………

 

「……だから俺はアンタたちみたいな正義を信じている。いつかきっと正しい世界にしてくれ……」

 

…………

 

「ふふっ!変な海賊」

 

思わず笑いが溢れてしまった。

 

でも少年、いや真司からは嫌な気がしない。

 

私たちの様子にゼファー先生は

 

「…………いけ」

 

「え?」

 

「……今回は見逃してやる。さっさといけ」

 

あのゼファー先生が!?

 

そう言われた真司は再びオーロラの中に飛び込もうとした時

 

「「……真司」」

 

「ん?」

 

「「ありがとう」」

 

ついゼファー先生と被ってしまった

 

真司がそのオーロラに飛び込むとゼファー先生は

 

「……変な海賊もいたもんだ……だが悪いやつとは思えなかった……しかし……アイツの言う通りかもな……できれば俺もアイツが言うような正義を貫きたかった……」

 

ゼファー先生の顔はどこか晴れ晴れしているようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




完璧と呼ばれた男はやっぱり消させてもらうことにしました!本当にすみません!


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遭難者

そろそろワンピース編を終わらせようかと思っています……


今日も絶好の航海日和。天気も良く最高の気分だったのだが……

 

「わははははは!!」

 

陽気なおじさんが酔っ払って俺たちに絡んでくる。

 

どうしてこうなった?

 

時は少し遡りー

 

「ふんふんふ〜♪」

 

トレジャースナイパーを歌っていると

 

「ボス!変なものを発見しました!」

 

タイソンからの報告を受けると確かになんかの気配を感じ、向かうと、海の上にとてもグランドラインを超える気ではないボートが浮かんでいて、そこで寝ているおじさんを見つけた。

 

「どうします?」

 

「放って置けないな……万が一に備えて引き上げるぞ!」

 

寝ているおじさんを船の上に降ろすと

 

「んん?ふわぁ〜」

 

大きな欠伸をしておじさんが起きた。

 

「ありゃ?どこだここ?」

 

「大丈夫か?」

 

「あ?おまえが引き上げてくれたのか?」

 

「そうだけど……」

 

「ガッハッハ!ありがとうな!おめえ!」

 

豪快に笑うソイツ。どこかで見た顔だな……

 

「あなたは?」

 

モネが聞くと

 

「ああ!俺はスコッパーギャバン。元海賊さ」

 

ギャバン!?あのロジャー海賊団の!?

 

マジか……

 

「ギャバンさんって元ロジャー海賊団ですか?」

 

「……なんでわかったんだ?」

 

「ああ、俺の見聞色です」

 

「そうか!聞いたことはあるがそこまでのやつか!面白え!」

 

疑うことなく信じてくれた。

 

「……ていうかなんでグランドラインをボートなんかで進んでいたんですか?」

 

モネが至極真っ当なことを聞く。

 

「……ああ?そりゃあ船がないからよ!」

 

皆言葉も出なかった。だからってボートでグランドラインを渡るのは自殺に等しい行為に近いというのに……

 

「で?どこに行くつもりですか?送れるなら送って行きますけど……」

 

「そうか!ありがてえ!シャボンディ諸島まで行ってくれるか!」

 

シャボンディ諸島か……まあ気をつければ大丈夫だろう……

 

「エターナルポースはありますか?」

 

「ああ!あるぜ!」

 

こうしてギャバンを送ることになったのだが

 

「ギャハッハッハ!!」

 

見事に酔っ払ってしまったというわけだ。

 

そんなこんなでシャボンディ諸島には無事着いた。

 

 

レイリーに会いに行くらしいのだが酔っ払ったギャバンさん一人では危ないので俺とバル、焦凍にモネが送り届けることになった。

 

ぼったくりバーに着くと

 

「は……払います……」

 

ボロボロにされた海賊の姿が見えたので俺たちはゾクっとした。

 

「あら、いらっしゃい。ん?ギャバン!?」

 

「お〜う。ようシャッキー」

 

「……あとは頼みます」

 

「ん?誰だい君たちは?」

 

こうしてギャバンとの経緯を説明すると

 

「……それはすまんかったね……」

 

「いや、いいですよ」

 

レイリーさんが謝ってきたので俺は別にいいよと返す。

 

「……それにしても処刑場でロジャーと話したというのは……アイツはどうだった?」

 

「信じてくれるんですか?」

 

「私も覇気で人の心の大体はわかる。少なくとも君は嘘はついていない」

 

「そうですね……最後まで笑ってましたよ」

 

「……そうか」

 

「あれ?俺なら助けられたとか思わないんですか?」

 

「アイツは未練がましいことは嫌いなのだよ……だから君が気にすることなどないよ」

 

「そうですか……」

 

「しかし……異世界か……ロジャーのことといい君には驚かされっぱなしだな」

 

レイリーさんはそう言って酒を飲む。

 

「ロジャーが聞いたら冒険しようぜ!って言いそうだな」

 

「しかし君の覇気はとてつもないね……誰に習ったんだ?」

 

「マルコ隊長に」

 

「白ひげとも会ったのか!?」

 

そのあと俺の冒険話をレイリーさんは面白そうに聞いてきた。

 

「君はヒーローを目指しているのか?」

 

「ええ、まあ……」

 

「そうか……頂点まで行ってこい!」

 

「勿論ですよ」

 

こうしてレイリーさんと別れて俺たちは船に戻ろうとした時

 

ん!?

 

誰か親しい人の気配を人間屋(ヒューマンショップ)から感じた。

 

俺がそのことを告げると皆急いでその場所へ向かった。

 

勢いよくドアを開けステージを見ると

 

レム!?

 

レムが首輪をつけられて泣き顔でステージに立っていた

 

「私が買ったんだえ〜!」

 

天竜人が嬉しそうにレムに近づこうとしていた。

 

俺は咄嗟に

 

「ゴビャボッ!」

 

天竜人を思いっきり殴り飛ばした

 

その光景に皆目を見開いていた。

 

唯一そうしてないのはバルと焦凍とモネだけだった。

 

「悪りぃ……皆、コイツ殴ったら……大将出てくるんだったわ」

 

俺の言葉に皆は

 

「ま〜あ……ボスならやると思ったわ」

 

「……ちょうどここを潰そうぜ」

 

「ふふふっ!流石ね」

 

一同がざわめきだした

 

 

 

 

 

 

 



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暴走

ざわめく会場をよそに俺たちは暴れ回る。

 

俺は出てくる雑兵どもをワンフォーオールで吹っ飛ばし、焦凍は鳳凰になって吹雪で凍りつかせて、もう一人の天竜人を蹴り飛ばした。

 

バルは結晶に光を集めて放つ技、プリズムレインで周りを吹き飛ばして、モネはユキユキの能力で腕を翼に変えて焦凍と同じように吹雪を放つ。

 

そしてレムの首輪を

 

<アタックライド、シーフ!>

 

シーフで外しレムを確保する。

 

「レム!大丈夫か!どうしてこの世界に!?」

 

「…………ありがとうございます……!実は……」

 

どうやらレムはディメンジョンオーラに巻き込まれてワンピースの世界に飛ばされて人攫いの手にかかってしまったらしい。

 

ちっ!俺が目を光らせておくべきだったか……

 

レムの首と腰に手を回していわゆるお姫様抱っこの状態で人間屋(ヒューマンショップ)から出るとそこには

 

「……久しぶりだな」

 

「っ!ゼファー……!」

 

未だ健在の海軍大将ゼファーがいた。

 

俺は咄嗟にディメンジョンオーラにレムを放り込むと

 

「smash!」

 

海軍目掛けて先制の一撃を放つが

 

「ぬぅん!」

 

ゼファーはクロスさせた腕を開くことで衝撃を相殺させた。

 

だがそのおかげでレムは無事に逃げることができた。

 

「っ!そう簡単にはいかないか……!」

 

「…………」

 

俺は稲妻のような速さでゼファーに迫るとゼファーは武装硬化させた右腕を振るってくるが俺はゼファーの上を飛び越えて躱し、ゼファーの振り向きざまに股下を通ってもう一度ゼファーの後ろに回り込んで

 

「TITAN smash!」

 

ゼファーのモロに一撃を加えた

 

 

「がはっ!」

 

「ゼファー先生!」

 

ゼファーは吹っ飛ぶもすぐに立ち上がった。

 

「……なあ、アンタの正義ってのはこんなもんなのか?」

 

「…………」

 

「答えろよ」

 

「…………確かにおまえの言う通りかもしれねえ……でも!俺にも立場ってもんがあるんだよ!」

 

ゼファーは両腕を武装硬化して迫るとその右ストレートを放ってくるが俺は右に避けて回し蹴りを放つが、ゼファーはよろけるも耐えて俺に一撃を放った。

 

「ぐわっ!」

 

俺は吹っ飛ばされるも体勢を立て直してゼファーに迫る。ゼファーも高速で迫り、俺たちはお互いに右腕のパンチをぶつけた。

 

だが僅かの差で俺がふっとばされた

 

クソッ!こうなったら仕方ない……!

 

俺が変身しようとすると

 

突然俺の身体から黒いなにかが溢れ出た。

 

・・・・

 

焦凍side

 

俺は周りの海兵を片付けていると真司の身体から黒いものが溢れ出ているのが見えた。

 

アイツ……個性を制御できてないのか!?

 

俺は近づこうとするも黒いなにかは鞭のようにしなっているので近づけない。

 

とその黒い鞭がモネに当たりそうになったのを見て

 

「危ない!」

 

「え?」

 

俺はモネに高速近づき蹴り飛ばすことでモネを救ったが

 

「ぐわっ!」

 

「焦凍!」

 

俺はよかったがモネが傷つくのを想像した時、なぜかアイツに殺意が湧いた。

 

未だに黒いなにかは暴れ回り周りの雑兵を吹き飛ばしていたが

 

「ぬぅん!」

 

あの海軍大将はもろともしなかった。

 

そして海軍大将の一撃を食らってようやく収まった。

 

・・・・

 

 

ここは……どこだ?

 

辺りを見回してもなにもない黒い空間。

 

「違う!違う!違う!その力はもう!雑念マシマシで使っていいもんじゃなくなっている!」

 

コイツは……!?

 

「俺はワンフォーオール継承者の一人さ!」

 

俺が疑問に思っていたことを言ってくれた。

 

口がないから答えられない……!

 

「オォイ!お口がないのかドンマイさ!」

 

元気だがファンキーな感じ男は消えかかっている。

 

「ああ?時間は限られているみたいだな……よし坊主よ!おまえが今出したのは……俺の"個性"さ」

 

継承者の個性!?

 

「俺たちの因子は"力"の核に混ざってワンフォーオールの中にずうっと在った」

 

「小さな核さ。揺らめく炎。或いは波打つ水面の中にある小さな点。培われてきた力に覆われる力の原始。そいつが大きく……膨れ胎動を始めた……」

 

個性が成長してるということか!?

 

 

「今おまえが出した俺の個性が黒鞭!おまえ俺が最初で良かったさ。これは良いー個性さ」

 

「だけど!この個性もワンフォーオールの力に蓄積され!俺の頃より遥かに強くなっている!」

 

マジか……!

 

「……!消える……俺はよ……心だけの存在だからよ……いいか?怒りのままに力を払えば力は応える。大事なのは心を制することさ。頑張れ!坊主!俺たちが着いている!ワンフォーオールを完遂させるのはお前だ」

 

そして俺の意識は元に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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決意

はっ……ここは!?

 

意識が覚醒すると周りにいた雑兵はアインを除き全滅していた。

 

これは……俺がやったのか……!?

 

わかる……!フワッとした記憶だか俺が見境なく暴れていたのを……

 

「焦凍ごめん……」

 

「……全く……まあモネに当たらなかったからよしとしてやる」

 

よかった〜

 

「……さて仕切り直しといきますか」

 

「…………ふぅ」

 

俺とゼファーが対峙すると周りに緊張が走る。

 

「むぅん!」

 

ゼファーが右ストレートを放ってくるが俺は両腕をクロスして受け止めて後ろに飛んで衝撃を減らす。

 

このままじゃマズいな……とその時、俺の奥底に揺らめく力を感じた。

 

わかる……この力の使い方を……!

 

そしてそれを解き放つと俺の両腕から黒鞭が出てきた。

 

皆が身構えるも今度は暴走することはなかった。

 

よし!

 

「行くぞ!ゼファー!」

 

そして右腕に黒鞭を絡ませて

 

「ルナティックピストル!」

 

力を溜め込んだ黒鞭をゼファー目掛けて放つがそこは海軍大将。

 

咄嗟に防御して後ろに下がる。

 

今度は黒鞭をゼファーの両腕に巻きつけてゴムのような反動でゼファーに一気に迫ると

 

「ルナティックロケット!」

 

ゼファーに勢いをつけた蹴りを叩き込む

 

ゼファーは吹っ飛ぶも耐えて武装硬化した右腕を放つが

 

暗黒鎧(ダークローブ)……

 

黒鞭を全身に巻きつけてその上に武装硬化して鉄壁の鎧としてゼファーの攻撃を受けとめる。

 

そしてゼファーは

 

「……小僧……」

 

「なんだ?」

 

「なぜおまえは海賊になった……」

 

「俺は力に支配されたくねえんだよ……やりたいようにやれないきゃ漢に生まれた理由がねえ……だけど守りたいものはすべて守りたいんだ……」

 

「そうか……ならば俺もそうしよう!」

 

そう言ってゼファーは海軍のマントを捨てた。

 

その行為にアインは目を見開いていた。

 

「これからの勝負は……海軍大将と海賊の戦いではない!漢と漢の一騎打ちだ!」

 

「…………ああ!面白え!」

 

「かかってこい!」

 

「おう!」

 

そして勝負の結果、

 

「ぐはっ!」

 

「勝ったのは……俺だ!」

 

危なかった……ディケイドの力を使えば余裕だが漢と漢の戦いは拳で語り合うものだからな。無粋だ。

 

「はぁ……はぁ……なあ小僧」

 

「うん?」

 

「ありがとう」

 

「……ああ!」

 

そう言って俺たちは拳と拳をぶつける

 

・・・・

 

私は倒れたゼファー先生の元へ駆けつけた。

 

「ゼファー先生!」

 

「……アイン」

 

「先生……なにやら晴れ晴れとした顔ですね」

 

「……ああ」

 

ゼファー先生が笑うなんて久しぶりだ。

 

私も……

 

「…………先生」

 

「なんだ」

 

「……実はその……」

 

「…………」

 

「…………」

 

 

「……行け」

 

「え?」

 

「おまえのやりたいようにやればいい」

 

「……先生……!」

 

そう言って私はまだ見える影に向かう

 

・・・・

 

俺はあの時覇王色に目覚めたようだ。

 

その証拠に僅かに記憶に残っている。

 

まあそれはさておきさっさと撤収しようとした時に

 

「待って!」

 

「アイン!?」

 

「はぁ……はぁ……」

 

周りの皆が身構えるが

 

「はぁ……私を……仲間に入れて!」

 

『え!?』

 

皆驚く。

 

そりゃそうだ。

 

だけど……

 

「……いいよ」

 

「真司!?」

 

「ボス!?」

 

「コイツは嘘はついてない」

 

その言葉を機にアインは俺たちの仲間になった。

 

 

 



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それぞれの想い

アインside

 

私はあの男、空野真司に出会ってから海賊に対する意識が変わってしまった。

 

あの男は変な理由で私たちを助けるとごろか、天竜人を殴り飛ばすという常識では考えられないようなことをするやつだ。

 

世間から見れば頭のイカれた奴と見られるだろうが何故か私は彼の背中を追うようになってしまった。そして海軍を辞めてまで彼について行きたいと思った。

 

側から見れば私もおかしな人間なのだろう。そして彼を常に目で追うようになってしまった。初めは憧れだと思っていた。実際私が憧れていた正義に近いものをあの男から感じたからだ。だがあの男を目で追ううちに恋人がいると知った時は胸がチクリとした。そして気づいてしまった。

 

私は空野真司に恋をしたのだと。

 

本当に可笑しな話だ。元々敵だった男に憧れた先に待っていたのが恋心なのだとは……でもなぜか後悔はしなかった。あの男、いや真司に見られると胸のドキドキが止まらない。真司に声をかけられると嬉しくて仕方がない……そして海軍を抜けた時の私はなぜか晴れ晴れとしていた。

 

そうか……私は本当は自由になりたかったのだろう……

 

そして彼が異世界の人間だと聞いた時は同時に納得もした。だから私が目指していた正義を真司から感じ取ったのだと……そして真司のいうヒーローこそ私が求めていた正義なのだと……たとえ異世界だろうと私は真司についていく。迷いはない

 

・・・・

 

 

焦凍side

 

俺は自分に恋愛というものに関心、いや意識すらしてないと思っていた。実際、俺はそのような気持ちになったことがないからだ。

 

真司が恋愛というものに近いものがあったからそういうことは知ってはいた。だが恋愛というものに自分は興味がないと思っていた。

 

だけど………………

 

モネ……

 

初めに会った時は状況が状況だったのもあり特に気にはとめなかったがあの時から俺は意識されていたのかもしれないと最近感じた。

 

そしてモネが自分に好意を寄せているのも気づいてはいた。

 

だがそれは助けられたからというものだと思っていた。

 

だけど最近モネの顔を見ると胸の鼓動が早くなる。

 

そしてその笑顔が愛おしいと感じている。

 

アイツが真司の個性に巻き込まれそうになり、それを想像した時はとても悲しく、そして真司に殺意が湧いた。

 

今でこそ落ち着いたがモネのことを思うと今でも恐怖した。

 

そして俺は気づいた。この気持ちに……………………

 

そうか……俺は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイツのことが……モネが大好きなんだな……



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告白

モネside

 

船に戻ってからは特になにもなかった。

 

アインが仲間に入れてって言った時は驚いたけど、真司の覇気で見たのなら間違いないのだろう。それにしてもあの子も真司に恋心を抱いているなんて……真司ったら……どれだけの子を落とすのか……ある意味すごいわ。

 

恋心か……私も焦凍にこの気持ちが届けばいいのに……

 

そう思ってたら

 

「モネ」

 

「焦凍!?」

 

「話がある。後で甲板に来てくれないか」

 

「え?」

 

焦凍に呼び出された私はご飯の片付けをして、甲板に向かった。

 

折角だ……私のこの気持ちを伝えねば……!

 

呼び出された場所に来ると赤い顔をした焦凍がいた。

 

お互いがベンチに座るとなんともいえない雰囲気が続いた。

 

このままじゃ……!と思って勇気を振り絞って立ち上がると

 

「あ、あのさ……!焦凍、私は」

 

私がその言葉を吐き出そうとした時に焦凍が私の唇に指を当てて

 

「ふぉっ!ふぉうと!(しょっ!焦凍!?)」

 

「……その先は俺に言わせてくれないかな」

 

…………え?まさか…………!

 

ああ…………そうか…………そうなのか…………

 

私は嬉しくて涙を浮かべて微笑む。

 

「…………ずっと前からモネを見てきて、なんの気持ちかわかりませんでした。でもモネの笑顔や泣き顔……どれもが俺にとって愛おしいと感じています。今さらかもしれせんが言わせてください。

 

俺はーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モネが大好きです」

 

………………////!!!

 

嬉しい…………!嬉しい…………!

 

「こんな俺でよければ……どうか付き合ってください」

 

何言ってるの……!貴方なんかじゃない……!貴方だから……!私は……!

 

「…………はい!!!」

 

私が答えを出すと焦凍は

 

「ふぇ?」

 

抱きついてきた。

 

変な声が出てしまったがどうでもいい。嬉しすぎてそんなことを気にならない。

 

とその時雪が降ってきた。チラチラと私たちを包むように

 

焦凍が抱きついてくれると、とっても暖ったかい……心まであったまりそうだ……

 

こんな気持ちになったのは今はいないお母さんに抱きついた時以来だろう……

 

私たちはお互いをそのままギュッと抱きしめあった。何十秒でも、何時間でも、何年でも抱きしめあえそうだ……

 

「……焦凍」

 

「ん?」

 

「……大好き」

 

「////!!!」

 

焦凍の顔が赤くなっていく。

 

ふふっ…………

 

この時間がずーっと続けばいいのに……

 

そして何分か経つと私たちはベンチに隣同士で座った。

 

お互いの手と手が重なりあうだけなのにとっても幸せな気持ちになる。

 

「焦凍はさ、兄弟とかいるの?」

 

「ん?ああ、姉さんや兄さんが」

 

そのあと焦凍は自分のことを話してくれた。

 

父親のことを話す時はどこか言いにくそうだったけど話してくれた。

 

私もその父親は最低だと思った。

 

でも焦凍は

 

「それでも……今になっては俺の大事な家族なんだ……今はあの時のことを償おうとしている……俺たちは……本当の家族になりたい……」

 

焦凍は父親のやったことを受け入れた上で家族になりたいらしい。

 

でもそうか……家族はかけがえのないものなのだからね……

 

私も……

 

私が寂しそうに俯くと

 

焦凍が頭に手を置いてくれて

 

「ふぇ?」

 

「……そんな顔するな。俺がおまえの家族になる」

 

はわわわわっ!!!?

 

焦凍!いきなりは反則だよ!

 

私が慌てふためくと

 

「「ぷっ!」」

 

お互いが笑いあった。笑って……笑って……笑って……笑いあった。

 

「焦凍はヒーローになるんでしょ?」

 

「そうだが……」

 

「私も手伝う!焦凍を支えられるヒーローに私はなる!」

 

「…………ありがとう」

 

そのあとお互いの顔と顔の影が重なり合った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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手合わせ

ワンピースの世界からイセスマの世界に帰ってきた途端レムに抱きつかれた。

 

いやレムだけではない。レイ子たちからも抱きつかれた。

 

どうやら事情をレムから聞いて不安になったらしい。

 

とまあ心配させたのは事実なので皆に謝っておいた。

 

あとアインとレムが俺に好意を寄せていたと焦凍が暴露したせいでレイ子たちに説教される羽目になった。

 

俺だってついさっき知ったんだよ!

 

んで話し合いの結果、俺の気持ちが固まるまでこの件は保留ということになった。

 

だがそれ以上に焦凍がモネと付き合う宣言がレイ子たちを驚かせた。

 

まあ無理もない。あの恋愛とは程遠いと思われていた焦凍が自分から告白したのだ。船に乗っていなかったレイ子たちには想像もできないだろう。

 

さて俺たちがワンピースの世界にいた間に冬夜くんはラミッシュでの吸血鬼事件を解決したらしい。

 

まあ吸血鬼というより闇の精霊の仕業の事件なんだけれど。

 

んで再びワンピースの世界に戻ってきたら原作2年前、つまりルフィが旅立った年だった。

 

久しぶりにモリアに会うと以前よりも覇気の精度が上がっていた。

 

原作モリアは覇気を覚えていなかったが、俺が自信を取り戻させるとモリアは覇気を再び使えるようになりその覇気をグングン成長させた。

 

その覇気はドフラミンゴを遥かに超えていた。もしかしてルフィもう勝てないんじゃない?

 

「よう、久しぶりだな。モリア」

 

「キシシシシシ!!相変わらず派手にやっているようだな!真司!」

 

「まあね。あ、あとこれナルトの続き」

 

「おおっ!待ってたぜ!続きが知りたかったんだ!」

 

「ペローナにははいこれ」

 

「おおっ!可愛いじゃあねえか!ありがとな!真司!」

 

俺がピカチュウのぬいぐるみを渡すと喜んでくれた。

 

モリアたちとはこういった付き合いもして、そのせいかモリアは大の漫画好きとなり最近ハマっているのがナルトだそうだ。

 

ナルトをみているうちにモリアは益々仲間思いのいい船長になっていったらしい。

 

まあ海賊とかには容赦なく影を奪っているようだったが……

 

それでも俺が注意したせいか民間人からは影を奪わないだけマシと思った。

 

ペローナにも時々こういったぬいぐるみを渡している。

 

まあまだいいほうだ。一番の問題は……

 

「はぁ……はぁ……真司!真司!グラビア写真集ねえか!」

 

これである。

 

アブサロムには何冊か可愛いキャラの出る漫画を渡してあるのだがそれだけでは満足せずに漫画のキャラのグラビア写真集をくれと抜かすのだ。

 

正直ネットから引っ張ってこれそうだがコイツに渡すと強行に走りそうで怖い。

 

それに俺に彼女がいるのもあってアブサロムは俺に執拗にこういったものを求めてくるのだ。

 

バルたちもゴミクズを見るような目でアブサロムを見る。

 

「………モリア、どういう教育してるんだよ……」

 

「いやいやいや!俺のせいじゃねえからな!勝手に勘違いするんじゃねえ!」

 

アブサロムが迫ってくるのがある意味怖かったので一応持ってきておいたグラビア写真集を何冊か渡すと

 

「うひょうひょうひょ!」

 

ものすごい眼力でグラビア写真集を見るアブサロム。

 

その光景にあのモリアでさえも引いた目で見ていた。

 

ペローナに至っては頭を抱えていた。

 

「はぁ〜……そうだ!真司!久々に手合わせしねえか!」

 

「うん?いいよ」

 

そして俺たちは外に出ると

 

「真司。この勝負になんかかけねえか?」

 

「う〜ん」

 

「そう悩むな。無理な願いは言わねえよ」

 

「それなら……わかった!」

 

「約束だからな!キシシシシシ!」

 

お互いが構えると

 

「行くぞ!真司!」

 

「おう!変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

ディケイドに変身するとモリアにライドブッカーでの銃撃を放つが

 

影法師(ドッペルマン)……」

 

影法師(ドッペルマン)でライドブッカーの銃撃を防ぐと影を分裂させて刃のように変形させ俺に向かわせた。

 

俺はその刃をライドブッカーで全て弾き落とすが後ろにはモリアが回り込んでいた。

 

「おりゃあ!」

 

<アタックライド、インビシブル!>

 

モリアが武装硬化させたパンチを振るう前に転移で逃げた。

 

<ファイナルアタックライド、ディ、ディ、ディ、ディケイド!>

 

上空からディメンジョンキックをモリア目掛けて蹴り込むが

 

モリアは瞬時に影法師(ドッペルマン)と入れ替わり難を逃れた。

 

「……」

 

「ちぇ!やっぱりそう上手くはいかないか」

 

「いやいや。なかなか危なかったぜ。キシシシシシ!」

 

やっぱ強いなー原作とは比べ物にならないぐらい。

 

「じゃあコイツだ」

 

<カメンライド、響鬼!>

 

俺の周りを炎が包み俺が火を払うと俺は鬼の姿になった。

 

「行くぞ……!」

 

<アタックライド、鬼火!>

 

俺が口から紅蓮の火を放つがモリアは

 

暗黒霧隠(シャドウミスト)……」

 

モリアは黒い霧の中から平然としている

 

モリアは影を自在に実体化することができる。ならば虚無化も可能。そしてこの技はモリアという影を虚無化して攻撃を躱すという技だ。

 

武装色でも纏わないとこの技には太刀打ちできない。

 

「ああ!やっぱ厄介だな!その技!」

 

俺は鬼爪を生やしてモリアに斬りかかるがモリアは

 

魔界鎧(ナイトローブ)……」

 

モリアは影法師(ドッペルマン)を身に纏う技で俺の攻撃を防いだ。

 

モリアはそのまま鎧を身に纏った状態で俺に殴りかかってきたが、

 

<アタックライド、メタル!>

 

鋼鉄化でモリアの攻撃を防ぐと

 

「これで終わりだ!」

 

<ファイナルアタックライド、ヒ、ヒ、ヒ、響鬼!>

 

音撃打を決めようとした時に

 

「……終焉大陸(ハルマゲドン)……」

 

モリアの下から影が広がると俺は動かなくなった。

 

これは……!?

 

「キシシシシシ……!危なかった……まさか俺にこの技を使わせるとは……流石だ……」

 

なっ!

 

「この技は俺の影革命の応用で俺の影を覚醒でこの周囲に張り巡らせることで全ての影を俺の支配下におき、影革命で俺はその者の影を固定させることで動きを封じる……無論この技にも弱点は存在するがな……武装色を込めれば支配は解けるが……」

 

駄目だこりゃ。その動くための一瞬でモリアは俺を倒せる。

 

「ははは…………俺の負けだ」

 

「キシシシシシ!!やったぞ!真司に勝った!」

 

「モリア様すげー!」

 

「ボスが負けるなんて……」

 

「すごーい!モリアちゃーん!」

 

皆が駆け寄ってくる

 

モリアが影を解除させると俺は動けるようになった。

 

「……さて、何が望みだ?」

 

「簡単だ。お前の部下をしばらく預けてくれないか?」

 

「どういうことだ?」

 

モリアによるとゾンビの弱点を見抜いた人物がこのスリラーバーグに戻ってくる可能性があるとのことだ。

 

モリアは万が一にも備えて兵を揃えたいそうだ。

 

それってブルックじゃね?

 

「わかったよ。しばらくだけだからな」

 

「ありがとう……!キシシシシシ!!」

 

こうして俺は久しぶりに負けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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希望

ハンコックside

 

妾は今まで男というものに恐怖しか感じなかった。

 

奴隷にされる時に妾たちを見る男の目はまさに獣の目だったからだ。

 

そして忌々しい烙印を付けられた。

 

妾はこのまま一生屈辱を受けて生きるのかと覚悟した。

 

だけどその負の暮らしにピリオドを打ってくれた人物らがいた。

 

フィッシャータイガー……

 

魚人の彼は人間を憎んでいたが種族関係なく妾たちを解放してくれた。

 

今でも彼には計り知れない恩を感じている。

 

そしてもう一人。

 

空野真司……

彼もフィッシャータイガーと共に奴隷たちを助け、奴隷たちに希望を与えた。

 

勿論彼にも感謝している。

 

だけどタイガーには抱かなかったこの気持ち……なんなんだろう?

 

今でも天竜人は憎い。

 

だがやつらに食わされた悪魔の実。メロメロの実は一定の歳になると成長しないらしい。

 

妾が美しいのもあるが今の妾は二十の時から成長していない。

 

そしてこの事実を知った時妾はなぜか嬉しかった。

 

そしてこの気持ちがわかる日は近かった。

 

・・・・

 

俺はバルやタイソン、ルナたちをモリアのとこにしばらく居させることにした。

 

んで俺は今月歩(げっぽう)で空中を散歩している。

 

特にやることがなく暇だからだ。

 

ふあ〜あ〜

 

ん?

 

覇気でなにやら怪しげな気配を感じたので行ってみると

 

「うわわああ!」

 

「きゃあっ!」

 

あれは……?

 

そこにはサングラスをかけた男を筆頭に何十人もの男たちが二人の女性をいたぶっていた。

 

っていうかアイツマッドトレジャーだよな?ジャラジャラの実の。

 

確かアルケミ戦でルフィと戦って原作テゾーロの下に付いていたやつ。

 

女性の方は……カリーナはわかるがもう一人は誰だ?ど〜っかで見たことあるんだよな……

 

まあいい。助けるか

 

俺がその場に降りると周りが注目する。

 

「んだ?テメェは」

 

「誰……?」

 

マッドトレジャーが睨みつけてきた。

 

「何の用だ……!ガキなんかがきていい場所じゃねえんだよ!」

 

ガキって……俺一応高校生なんだけどな……

 

まあいっか。

 

「ダメ……逃げて……」

 

カリーナがそう言うがコイツに負ける気が全く見えない。

 

モリアの方が強い。

 

「変身!」

 

<カメンライド、キバ!>

 

音声が鳴り響くと俺はキバに変身した。がその時

 

「なんのつもりだあ!テメェ!」

 

マッドトレジャーが鎖を振るってくるが、

 

俺は

 

<フォームライド、キバ!バッシャー!>

 

バッシャーフォームに変身して、

 

海水の水鉄砲で鎖を錆びさせる。

 

「なっ!」

 

マッドトレジャーが驚いている隙に

 

<ファイナルアタックライド、キ、キ、キ、キバ!>

 

俺はアクアフィールドを展開してバッシャーマグナムを構えて海水砲を打ち出すと

 

マッドトレジャーは

 

「ぐわわああああ!!!」

 

『ボス!?』

 

マッドトレジャーは海の彼方に吹っ飛ばされた。

 

「ボスがやられた!?」

 

「にっ、逃げろぉ!」

 

手下たちは一目散に逃げ出した。

 

俺は変身を解除すると

 

「あ、あなた……」

 

「うん?」

 

振り向くとカリーナともう一人の女の人がこちらを見ていた。

 

「あなた……何者?ただの子供には見えないんだけど……」

 

「俺は空野真司。海賊さ」

 

「海賊……」

 

「…………」

 

「大丈夫?なんであんな奴らに捕まっていたの?」

 

「実は……」

 

どうやら二人とも生きるのに必死らしく宝を見つけたらそれはマッドトレジャーのものだったらしい。

 

「君たち名前は?」

 

「私はカリーナでこっちは」

 

「レイジュよ」

 

レ!レイジュ!?

 

あのサンジのお姉さんの!?

 

なんで!?

 

事情を見聞色で確かめるとどうやらサンジを逃すときに自分も逃げてきたらしい。

 

「それでこれからどうする?」

 

「「あっ……」」

 

「行くとこないならさ?俺の国に来ない?」

 

「「へ?」」

 

その後俺が異世界人やらなんやらを今までと同じように話すと信じてくれた。

 

「それでどうする?」

 

「私はついていくわ!どうせこの世界にいても今までと同じだし」

 

「わっ……私も……」

 

二人ともついてきてくれるようだ。

 

さて折角だからマッドトレジャーの宝も頂いちゃいますか。

 

そして一ヶ月後

 

そしてカリーナとレイジュを連れて俺たちは女ケ島に来ている。

 

「何の用じゃ真司」

 

「いや〜ちょっといい知らせがあってね」

 

「なんじゃ……妾は忙しい……要件なら早く」

 

「アンタたちの奴隷の烙印を消せるかもしれない」

 

「なんじゃと!?」

 

ハンコックたちの声がユニゾンで響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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モドモドの実と衝撃の事実

モドモドの実。マッドトレジャーから奪ってきた実だが……

 

映画ではアインが使っていた能力であらゆる物を12年前の状態に戻すことができる能力だったが、俺がスコープで調べてみると鍛えれば12年といわず好きな時間帯に戻すことが可能になるらしい。

 

またこの一ヶ月、俺は鍛えに鍛えまくって覚醒の段階まで行き着くことができた。これで世界そのものの時間をも戻せるようになった。

 

唯一懸念していたのは泳げなくなることだけだったがどうやら自分の体の時間を能力者になる前まで戻せばカナヅチじゃなくなるらしい。

 

チートだろ。一発で敵を仕留められるし自分のあらゆるダメージをリセットできるじゃねえか。

 

そして戻した時間を好きな時間帯に元に戻すことも可能らしい。

 

これで例え気絶したとしてもダメージが戻ることはない。

 

何故なら戻した時間に起こった事象までは戻されないからだ。

 

これでハンコックの奴隷の烙印の部分だけを戻してリセットすれば例え俺が気絶したとしてもハンコックの烙印は二度と現れない。

 

なぜなら自然に起こったものではなく人の手によって起こされた事象だからだ。

 

そのことをハンコックたちに伝えると

 

「な、なら妾たちの烙印は……!」

 

「ああ、取れる。どうする?やるか?」

 

「も、勿論じゃ……頼む……!」

 

「よし、やるぞ。時空掌握(クロノ・スクロール)

 

この技は触れた対象の時間をコントロールする技だ。これで烙印だけの時間を戻してリセットする。

 

俺が時間をコントロールすると烙印がみるみるうちに消えていった。

 

「「あ、姉様!!」」

 

「え……?」

 

ハンコックが鏡で自分の背中を見るとそこには天竜人の烙印はなく綺麗な背筋が広がっていた。

 

 

「あ……あ……あ……!」

 

ハンコックはボロボロと涙を流していた。

 

よかったよかった。とその時ハンコックに思いっきり抱きつかれた。

 

ちょっ!?ちょっと待って!?アンタ裸だよ!!裸のそれも絶世の美女といわれるハンコックに抱きつかれて俺の理性は吹き飛びそうだった。

 

っていうか!それよりもレイ子たちが怖い!

 

「ありがとう……!ありがとう……!」

 

ハンコックはただひたすらに感謝の言葉を送ってきてくれた。

 

ようやく呪縛が解けたんだなと俺はハンコックを抱きしめた。

 

レイ子たちに怒られるかもしれないが今はハンコックの支えになればいいと思っていた。

 

その後て俺はソニアとマリーの烙印も同じように時間を戻して取り除いた。

 

「…………あなたには感謝しても仕切れないわ……」

 

「ええ……本当にありがとう」

 

 

・・・・

 

レイジュside

 

私はずっと後悔してた。

 

お母さんの優しさを受け継いでくれたサンジを守ることも出来ずに生きる為にこの手で何人もの人たちを手にかけてきた。

 

ヴィンスモークの血であることもずっと忌み嫌っていた。だって……こんな自分を受け入れてくれる人などいない……そう思っていたからだ。

 

カリーナと偶然居合わせた場に彼は現れた。

 

空野真司……

 

子供とは思えないような強さでマッドトレジャーを撃破して、私たちを助けてくれた。

 

彼が異世界人だというのは正直驚いたが、それ以上にマリージョアを襲撃した犯人だというのに私は驚きを隠せなかった。

 

彼なら私のことも気にせず接してくれるんじゃないかと……ちょっぴりそう思えてならなかった。

 

・・・・

 

烙印を消した後に俺は帰ろうとした時、

 

「蛇姫様!?」

 

「はぁ……はぁ……苦しい……」

 

「「姉様!?」」

 

俺も慌てて駆け寄ろうとするがよくよく考えればこの国に男がいるのはマズイと思って部屋に戻ろうとした時に

 

「真司!」

 

「ソニア……」

 

「姉様が……真司に来てくれって……」

 

「といっても俺が見つかるとマズイんじゃね?」

 

「もうそんなこと言ってられないの!お願い!」

 

そう言われれば行かないわけにはいかない。

 

仕えの者たちを下げさせてから俺はハンコックのもとに駆けつけた。

 

「…………真司」

 

「大丈夫か!?ハンコック!」

 

「はぁ……はぁ……そう心配するでない」

 

とハンコックの容態が大分マシになったらしい。

 

と俺が部屋で寝ようとしたら

 

「…………真司」

 

「なんだ?」

 

「一緒に……寝てくれぬか?」

 

は!?

 

なになになに?どうゆうこと?

 

「え……いや俺は」

 

「ダメなのか?」

 

うぐっ!

 

ハンコックに上目遣いで見られて俺はたじろぐ。

 

そのお願いを断れる筈もなく

 

俺はハンコックと一緒に寝るハメになった。

 

お互いなにも話さずに気まずい空気が流れた。

 

そんな中

 

「なっ……なあ真司」

 

「……なに」

 

「真司には……伴侶はいるのか?」

 

「…………うん七人」

 

「七っ……!?」

 

ハンコックが絶句する。

 

マズかったかな……

 

「しっ、真司は妾のことを……どっ、どう思っておるのじゃ?」

 

どう思ってるって……そんなん一つしかないだろ

 

「大切な……人(友達)だと思ってるよ」

 

「大切(妻)な……!」

 

あれ?なんか地雷を踏んだ気がするのは気のせいじゃないのか?

 

「なっ、なあ……真司」

 

「なんだ?」

 

「妾も……………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………大好きです」

 

 

は?大好き!?ハンコックが!?俺を!?

 

いやいやいやこれは夢だ。だって彼女は未来の海賊王、ルフィの妻となる者だもん……

 

「本当……?」

 

一応聞いておく。

 

「はい………………!」

 

………………!!!!?

 

ハンコックは気づいてないが部屋の外でソニアとマリーが驚いて絶句している。

 

はははははははははははははは!!!!!?

 

マジかー!

 

いつのまに俺はハンコックを落としたんだ!?

 

正直に言えばハンコックは嫌いではない。原作と違い性格は悪くないし原作のハンコックも嫌いではなかったからだ。

 

「ハンコック……」

 

「はい、アナタ!きゃっ……!」

 

マジでどうしようん……レイ子たちになんて言おう……

 

こうしてハンコックも俺の恋人候補に加わってしまった

 

 

 

 

 

 



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目覚める焔

今も尚、ディメンジョンオーラから怪物たちが溢れている。

 

ヒーローが対処してるも日に日に怪人の数は増えていき、被害も甚大なものになってきている。

 

そして今ラビットオルフェノクが高校生に襲いかかろうとするが

 

「たっ、助けっ!」

 

「ぐわぉっ!」

 

横から蹴り飛ばした者がいた。イレイザーヘッドこと相澤消太だ。

 

「さっさと逃げろ」

 

「あっ、ありがとう!」

 

イレイザーヘッドは構えるも分が悪いと睨んだ。

 

なぜならイレイザーヘッドの個性は個性を消すだけであって、個性でもない怪人を相手にするのは相性が最悪だったからだ。

 

ラビットオルフェノクが襲いかかるがイレイザーヘッドは間一髪で横に避けるも追撃の一撃を喰らってしまった。

 

「があっ!」

 

こんな時にデルタギアがあれば……と思ってしまう相澤だった。

 

そこに

 

「待ちなさい!」

 

<ファッション!パッション!クエッション!クイズ!>

 

印照才子はクイズへと変身し、ラビットオルフェノクに向かって走る。

 

ラビットオルフェノクも迎え撃とうと、パンチを放つがクイズ回転して避けて、そのまま回し蹴りを叩き込んだ。

 

「問題!個性が初めて発現したのは日本です!⭕️か❌か?」

 

ラビットオルフェノクは答えることもなく走るが

 

「正解は……❌です!」

 

そして雷がラビットオルフェノクを襲う

 

その隙にクイズはパンチをワンツースリーで連続で叩き込む。

 

そしてハイキックで吹っ飛ばすと

 

「私のキックでおまえは倒れる!⭕️か❌か?」

 

<ファイナルクイズフラッシュ!>

 

「はあああーー!!せいやぁー!」

 

クイズのキックでラビットオルフェノクは完全に消え去った。

 

そしてその場から立ち去る才子

 

相澤はただ拳を握りしめていた。

 

そして今相澤は雄英高校の会議室にいた。

 

この場でこれまでに起こったことを話しているのだ。

 

相澤は空野たちが居ない理由やこの一連の出来事についてある程度は知っている。

 

エンデヴァーや空野本人から聞いたからだ。

 

そのことは雄英も把握している。

 

本来生徒たちを守るはずの自分たちが生徒を異世界に行かせるなど雄英の教師陣たちは情けないとも思った。

 

そして日に日に増えていく怪人

 

その脅威は本物でヒーローが数人がかりでやっと倒せるものだった。

 

雄英としてはわかる限りのことを世間に公表して、ヒーローとも協力をとっている。

 

会議が終わると相澤は偶然近くに居合わせたエンデヴァーと会った。

 

「「あっ……」」

 

ここじゃなんなのでと相澤たちは近くの喫茶店に入ることにした。

 

そこの喫茶店は個室なので秘密裏の会話もできるとこだった。

 

「空野と轟たちは……」

 

「まだ帰ってきていない。今も世界を救うために旅をしているのだ」

 

「全く……俺たちに心配かけやがって……帰ってきたらお説教だな」

 

「……そうだな」

 

「アイツら……大丈夫かな……」

 

「大丈夫だ。なんたって俺の息子だ。心配することなんかない」

 

「アイツらは今なにをしてるのかな……」

 

「世界を救うための力を手に入れているのだろう……帰ってきたら俺たちより強くなってそうだな」

 

「それはそれで……なんか情けないな」

 

この後も愚痴をこぼすだけこぼして二人は解散した。

 

そしてエンデヴァーが巡回に戻るとそこにはアンノウンのジャガーロード、パンテラス・ルテウスが猛威を振るっていた。人を見境なしに攻撃していた。

 

エンデヴァーはすぐさまジャガーロードに向かって核灼熱拳ジェットバーンで攻撃するもジャガーロードには大したダメージを与えられなかった。ジャガーロードは攻撃してきたエンデヴァー向かって走り込み両手で力任せに押し込もうとしたがエンデヴァーは逆噴射の炎でなんとか耐えた。

 

そして後ろに飛んだその時に炎の槍を放つがジャガーロードは苦しみながらもエンデヴァーに突進して豪快に振り抜いたパンチてエンデヴァーをビルに叩きつけた。

 

「エンデヴァー……」

 

崩れるビルを見て誰かが呟く

 

・・・・

 

ここは……どこだ?

 

確か俺はあの化け物に吹っ飛ばされだ筈……

 

「それは俺が呼んだからさ」

 

誰だ!?

 

「やあ初めまして。俺は津上翔一。エンデヴァー」

 

コイツは……

 

「アンタはどうしたい?」

 

どうしたい……?

 

「このままアイツに人々が襲われるのを黙って見てるの?」

 

そんなわけがない……!俺は……!家族に胸を張れるヒーローに……!

 

「だったらさ。覚悟があるなら力が欲しくないか?」

 

力だと……!?

 

「どうする?やるか?」

 

俺は……!

 

「ああ……頼む」

 

「よっし!そう言うと思ってたぜ!だったら俺の力を継いでくれ!」

 

そう言った目の前の男は姿が変わり俺の意識が覚醒する

 

・・・・

 

誰もが絶望に染まろうとするその時、

 

ビルからエンデヴァーが立ち上がった

 

「エンデヴァー……!」

 

そして左手を腰の後ろに、右手を突き出して腰の前にポーズを決めると

 

腰にオルタリングのベルトが現れた。

 

そして鳴り響く音声。

 

「変身!」

 

エンデヴァーが腰のベルトに手を当てると

 

光が辺りを包み込み姿が変わっていった。

 

そして胸にマグマのような鼓動を見せる戦士、アギトバーニングフォームへと変身した。

 

「エンデヴァー……!?」

 

人々が驚きに包まれると同時に希望が見出された。

 

「はっ!」

 

エンデヴァーがジャガーロード向かって一気に距離を詰め、炎を纏ったアッパーを放つとジャガーロードはビルまで飛んでいき、ビルに当たるもその勢いは止まらなかった。

 

そしてアギトが手を前に突き出すとシャイニングカリバーが出現した。

 

シングルモードに変形させると一気に加速してジャガーロードを切り裂き回し蹴りでジャガーロードを吹っ飛ばして、力を溜める。

 

「はあああああぁ……!」

 

そして必殺技バーニングボンバーでジャガーロードは完全撃破した。

 

エンデヴァーが変身を解除すると周りから歓声があがった。

 

『エンデヴァーぁ!エンデヴァーぁ!エンデヴァーぁ!』

 

エンデヴァーコールの中で彼は

 

(ありがとう……津上……これで焦凍たちが帰るまでの間……)

 

少しばかりの希望を持っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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心無き者の思い

ハンコックの告白を受けた翌朝、ソニアとマリーから問い詰められた。

 

ニョン婆に至っては頭を抱えていた。

 

まあ九蛇の蛇姫が男に惚れるのは一大事だからな……

 

ようやく解放されて外でくつろいでいると

 

「真司」

 

「うん?」

 

レイジュが来た。

 

「ねえ……真司はなんでマリージョアを襲撃したの?」

 

「…………簡単だ。俺は人を人と思わないような所業が許せなかったからだ」

 

「……そう」

 

しばしの沈黙が場を支配する。

 

「ねえ……真司」

 

「……なんだ」

 

「もし……人殺しの一族に生まれたからって……生まれただけでも罪になるのかな……?」

 

おそらくヴィンスモーク家のことに今でも囚われているのだろう……

 

でも俺に言えることは一つだけだ。

 

「……関係ねえよ」

 

「!?」

 

「例え親がなにをしたって……生まれた子供に罪はねえ……血筋だけでは罪にならないと俺は思うぜ……」

 

「…………!」

 

なにも話さなかったのでレイジュの方を見ようとした時

 

「…………!?」

 

レイジュに抱きつかれた。

 

「…………ありがとう」

 

………………そうか

 

俺はレイジュをそのままにしておく

 

・・・・

 

レイジュside

 

私はこの血筋を今までずっと忌み嫌っていた。

 

なぜならこの血には感情というものを感じないからだ。

 

今までどんなに人を殺しても"可愛そう……"などと思えなかった。

 

それがどんなに辛く、苦しいものだったか……

 

そして弟が羨ましかった。

 

弟には父の遺伝子操作の影響を受けずに感情というものを充分過ぎるほどに持っていたからだ。

 

私は感情というものは他の弟と違って少しはある。

 

だからこそだ……感情を感じないというのが辛く、苦しいものだったのだろう……

 

だから……弟を助けられなかったのがより一層重いものだったのかもしれない……

 

それでも今まで生きられたのは改造されたこの力があったからだろう……

 

尚忌々しく感じてしまう。

 

でもそんな私にも光が見えた。

 

空野真司……

 

彼に助けられた時にはなにも感じなかった。

 

感謝はしていた。だがそれだけだった。

 

でも彼が奴隷解放の英雄だと知った時は驚き、この人なら私のことも受け止めてくれる……なぜだがそう思ってしまった。

 

そして彼は全てを打ち明けた。

 

彼はただ抱きしめてくれた。

 

それがどんなに暖かいものだったか……

 

そして私の心はドキドキが止まらなかった。

 

この心に感情はない筈なのに……

 

彼といるだけで満たされた……

 

私には感情がない。

 

でも彼となら失った感情を取り戻せるかもしれない……

 

そしてこんな私を受け止めてくれた……

 

そして彼の笑顔を見るだけで胸が切ない……

 

ああそうか……まだ私にもこんな感情があったんだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は……彼が……真司が好きなのね……



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治療と追跡

久しぶりに俺は白ひげに会いに行くことにした。

 

スコープを使えばすぐに見つかる。

 

「久しぶりだな。ニューゲート」

 

「グラララララ!おめえも元気そうだな!真司」

 

船員たちも俺を出迎えてくれた。

 

「今じゃおめえも一端の船長とは……やるもんだな」

 

「いやいやいや。俺なんてまだまだだよ。アンタほどの船長じゃねえ」

 

「グラララララ!そりゃそうだ!鼻ったれ!」

 

こうしてお互いのことを話し合っていると

 

「おいニューゲート。どこか体調でも悪いのか?」

 

「……何言ってんだおめえ!下手な心配するんじゃねえ!」

 

違うな。白ひげは重い病気にかかっているらしい……

 

まあ俺なら直せるんだが……

 

「俺なら治すことができる。どうだ?」

 

「だからいいって言ってるじゃねえか!」

 

「親父!」

 

一触即発の中マルコ隊長から声がとんできた。

 

「真司……おめえの言う通り親父は病にかかってるんだヨイ……親父……アンタはいらん心配かけたくねえのか知らねえけど……俺たちは……皆心配してるんだヨイ……真司に治してもらうのが自分のプライドに反するのかもしれねえけど……コイツは親父のことを思って言ってくれてるんだヨイ!たまには……俺たちの言うことも聞いてくれヨイ!」

 

「マルコ……」

 

白ひげの船員たちが真剣な目で白ひげを見る。

 

「はぁ……俺の負けだ。わかった……真司頼む」

 

「初めっからそういってくれよさ。ニューゲート」

 

<アタックライド、リカバー!>

 

リカバーで白ひげの病を治すと

 

「ほぉ……!」

 

「親父……どうだ?」

 

「グラララララ!信じられねえ!苦しいのが一気に吹き飛んだ!これなら酒も何杯でも飲めそうだ!」

 

「じゃ、じゃあ……!」

 

「ああ!俺は完全に復活した!」

 

その言葉に白ひげの船に歓声が起こる。

 

「やったー!やったぞ!」

 

「真司!ありがとな!」

 

「オヤジが完全に復活した!」

 

「真司……ありがとヨイ」

 

皆喜んでいるようだ

 

「ヨーシ!野郎ども!今日は宴だ!真司!飲んで行け!」

 

え!?ちょっと待て!俺未成年だぞ!って……この人たちにいっても聞かねえか……

 

そのあと散々というほど酒を飲まされた。

 

んで酔っ払って

 

「レイ子〜寂しいよ〜!ギューって抱きつきてえ〜!」

 

真司は普段言わないような言動を何度も繰り返していた。

 

「ガッハッハ!俺と張り合った男がなに寂しがってんだ!」

 

ジョズか笑い飛ばすと

 

「な〜んだ〜と!?ジョズテメエ!童貞のくせに!」

 

「んお!テメエ言ってくれるじゃねえか!このハーレム野郎!」

 

んで取っ組み合いとなり周りの船員が止める羽目となった。

 

んで翌朝

 

「死にてえ……」

 

我らが真司くんは手を顔において俯いていた。

 

昨日の言動や行動が記憶に新しいらしい。

 

んで白ひげ海賊団は

 

レイ子たちに正座させられていた。

 

なにやら焦凍が暴露したせいで情報が筒抜けだったそうだ。

 

それでレイ子たちに正座させられ説教を受ける羽目となった。

 

説教がようやく終わると、

 

『真司!』

 

今度は俺の番のようだ。

 

なにやら酒を飲まされたのもそうだかその言動もダメだったらしい。

 

あとハンコックとレイジュが俺のことを好きだったことを黙っていたのもマズかったらしく、説教を受けることとなった。

 

ちょっと待て!ハンコックはともかくレイジュは知らなかったんだ!マジで!

 

言い訳するも聞き入れてもらえず結果白ひげ海賊団より長い時間説教を受けることとなった。

 

説教が終わってそこでのびていると

 

「グラララララ!大変だったな!真司」

 

うっせえ、っていうか大半はアンタたちのせいだからな!

 

「グラララララ……治してもらって悪いんだがおめえに頼みがあるんだ」

 

うん?

 

「ティーチを知ってるだろ?」

 

ああ……そういうことか……

 

俺が頷くと

 

「あのバカ……!俺の息子を殺しやがった……!」

 

白ひげが声を荒げると周りの者にも緊張が走る。

 

「それでウチの二番隊隊長のエースがやつを追っているんだが……アイツを止めて欲しいんだ」

 

「なんでだ?てっきり追わせたままにするかと思ったんだが……」

 

「アイツはまだ若い……ティーチのやつがどうでるかわからない以上、アイツに追わせるべきじゃないと思ったんだ」

 

ふ〜ん

 

「仮にエースを見つけたとしても俺の言うことを聞くか?」

 

「大丈夫だ。アイツはおめえのことを知っている!俺の命令だといえば聞くはずだ」

 

う〜ん、そういうことじゃなくてだな。

 

エースが会ったこともない俺の言うことを聞くかな……?

 

まあいっか。聞かなかったら無理に連れ帰るってのも手だ

 

「わかった。やってみるよ」

 

「グラララララ!頼むぜ!」

 

こうして俺はエースを探すこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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復活するハーモニー

エンデヴァーがアギトに覚醒した頃

 

相澤はミラーモンスター、ゼブラスカルを相手にしていた。

 

相澤はゼブラスカルに向けて捕縛布で拘束しようとするが、両腕の刃がそれを切り裂く。

 

相澤はゼブラスカルに向かって飛び蹴りを放つがゼブラスカルは体の各部位を繋ぐ筋肉がバネになっているため生半可な攻撃は有効打にならない。

 

ゼブラスカルは相澤目掛けて右腕の刃を振り下ろすが相澤は重心を下ろして避けてそのまま蹴りを放つと

 

「Mt.レディ!」

 

合図を受けたMt.レディはそのまま右腕を振り下ろすが

 

ゼブラスカルはそれをなんなく後ろ蹴りで跳ね返した。

 

蹴りを受けたMt.レディは後ろに倒れた。

 

シンリンカムイが樹木で縛るもゼブラスカルは切り刻んで拘束を解いた。

 

そしてその場にいる全員を睨みつける。

 

それだけで並のヒーローたちは威圧されたように動かなくなった。

 

相澤が舌打ちしたその時

 

動けなくなっていたヒーローたちが吹っ飛ばされた。

 

相澤が目を見開くと

 

そこにはカマキリのワーム、セクティオワームがいた。

 

セクティオワームは口から泡を吹くと、それを受けたヒーローたちは皆ショック死してしまった。

 

相澤が皆に指示を出す。

 

「皆!あの泡に触れるな!即死だ!」

 

皆に緊張が走る中でセクティオワームは突如やってきたグラントリノの攻撃を受けるもよろめくことすらなく反撃した。

 

がグラントリノは当たる寸前で個性のジェットで後ろに飛んだ。

 

そして相澤が

 

「皆!クロックアップされる前に倒すんだ!グラントリノさんは牽制してください!シンリンカムイはグラントリノさんが作った隙に拘束してくれ!Mt.レディはその時に一撃を!」

 

相澤が伝えた作戦はこの場では最善のものだったのかもしれない。

 

だが相手が悪すぎた。

 

グラントリノのスピードにクロックアップすることなく対応するセクティオワーム。

 

シンリンカムイの拘束を嘲笑うかのように余裕ぶって切り裂くゼブラスカル

 

そしてMt.レディの攻撃は二人の怪人に当たることもない。

 

相澤は力の差を感じていた。

 

こちらには決定打がない。いずれ倒される。

 

そんな時だった。

 

かつてハーモニーを奏でた男が帰ってきた。

 

 

・・・・

 

???side

 

俺は光を取り戻した。

 

皮肉にもそれは相棒……影山を失った後だったが……

 

もう一度俺は上を……日向の下で歩いていける……

 

もう闇の中を歩いていくことはない……

 

だが俺が光の道に戻ったとしてもコイツはついてきてくれるようだ。

 

俺の地獄からのもう一つの相棒。

 

そして今俺は光に導かれるままに未来へときた。

 

手にはあのブレスレットがあった。

 

そこで俺は運命に出会った。

 

ああ……そうか。だからおまえはついてきてくれたんだな。

 

俺はまだ戦いの運命の中にいるようだ。そこで今度こそ光を……パーフェクトハーモニーを奏でてみせる!

 

「……変身」

 

<HENSIN!>

 

・・・・

 

グラントリノがセクティオワームの注意を引いている間、相澤はゼブラスカルの攻撃に防戦一方になっていた。

 

ところどころでカウンターを仕掛けるもそのボディにダメージが通らない。

 

そしてその一撃を避けられないと悟った時相澤は死を覚悟した。

 

だが……

 

「はぁっ!」

 

横から緑色のライダーがゼブラスカルを蹴り飛ばした。

 

「お前は……」

 

「…………力が欲しいか?」

 

「!?」

 

「わかる……かつての俺を見ているようだ。俺は隊の調和を一番に求め、そして裏切られ……力を欲した。今のお前は自分の隊を守ろうと力を欲している……なら俺とは違うハーモニーを奏でられそうだな……」

 

「…………」

 

「お前に力が欲しいなら……自分の部下を守りたいなら……悪魔にならないと誓えるか?」

 

「俺は……決して悪魔になどならない!」

 

「そうか。決意のこもった確かな目だ。ならやろう。俺のように自分を見失うな」

 

そういってライダーはブレスレットを投げる相澤はそれを手にするとなにかを感じた。そして心の中でソイツの名を呼んだ。

 

(さあ来い!ザビーゼクター!)

 

相澤が手を天に突き出すと時空からソイツは現れた。

 

そして相澤を見極めるように彼の周囲を飛び回った。

 

やがてソイツは相棒の手に収まった。

 

相澤はソイツを手にすると

 

「…………変身!」

 

<HENSIN!>

 

そして相澤、イレイザーヘッドはザビーマスクドフォームへと姿を変えた。

 

そしてセクティオワームへと急接近すると右ストレートの一撃を与えた。

 

セクティオワームは吹っ飛ぶもすぐに立ち上がりザビーに襲いかかるが、

 

ザビーはブレスレットのハチを回転させると

 

「cast off!」

 

<cast off!>

 

ザビーの鎧が一瞬にして周りに飛び出してセクティオワームを吹っ飛ばした。

 

<change!wasp!>

 

そしてザビーはベルトの部分をスライドさせて

 

「クロックアップ!」

 

<クロックアップ!>

 

クロックアップの世界に飛び込ぶとセクラティオワームもクロックアップしてザビーに迫る。

 

ザビーはしゃがんで攻撃を避けると後ろに回り振り向きざまに左ストレートで怯ませ、パンチのラッシュを叩き込む。セクティオワームも反撃するがザビーは冷静にその攻撃を少し下がって避けて右アッパーを叩き込んだ。

 

そして

 

「ライダースティング!」

 

<ライダースティング!>

 

ハチのボタンを押すと左のハチの針が伸びて力が溜まり、セクティオワームはザビーに向かってくるが攻撃が当たる寸前で横に避けてカウンターの一撃を放った。

 

「ぐわぉっ!?」

 

そしてセクティオワームは爆発四散した。

 

残るはゼブラスカルだけとなり緑のライダー……キックホッパーはキックの連続でゼブラスカルを追い詰めていた。

 

相澤は最後まで油断せずに

 

「グラントリノさんはアイツが逃げるかもしれない鏡への注意を!シンリンカムイは万が一の場合には拘束を!Mt.レディは邪魔にならないように後ろに退避!」

 

相澤の指示にキックホッパーは喜ぶように笑みを漏らす。

 

「これで……終わりだ」

 

<ライダージャンプ!>

 

キックホッパーが飛び上がり

 

「ライダーキック!」

 

<ライダーキック!>

 

そしてそのままゼブラスカルにキックを叩きつけた。

 

そして変身をお互いに解除する。

 

その場から立ち去ろうとする男……矢車は相澤に

 

「おい」

 

「……なんだ」

 

「仲間の調和ってのは時には自分が合わせることも重要なもんだ。仲間のことを考えない傲慢なプレイをすると……いつか裏切られるぞ」

 

「……肝に命じておくよ」

 

「……そうか」

 

そして矢車は光へと向かっていった。

 

 

 

 



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麦わら帽子との出会い

白ひげの頼みでエースを探すことになったのだがスコープは使わないことにした。

 

だってあれ結構体力使うんだもん……

 

ポーズもそうだがアタックライドのカードには体力を奪われるのだ。今でこそ大分伸びたが最初の方は1分しか止められなかった。スコープもチートな能力だけあって結構体力を奪われる。

 

ていうわけで風の噂や情報を頼りに火拳のエースを探すことにした。

 

時期的にはまだルフィがローグタウンにいないことを考えるとまだドラムやアラバスタにはいないだろう。

 

イーストブルーにいないとも限らないし、探してみよう

 

<アタックライド、フロート!>

 

このアタックライドはブレイドのカリスのカードの能力で音速飛行を可能とする。

 

んで飛行していると

 

「あー!助けてぇー!」

 

声が聞こえた方へ行ってみるとワンピースの主人公ルフィーくんが鳥に連れ去られてるではありませんか……

 

とその時鳥が大砲に撃ち落とされようとしたのを見て俺は加速して

 

鳥とルフィを助けると近くに着地した。

 

「なんだおめぇ!すげえな!」

 

ルフィくんが驚いているが

 

どうやら俺たちはバギー一味のいる場所へ着地してしまったようだ。

 

まあ全然慌ててないが。

 

「ああ?なんだてめえら!この俺様がだれかわかってんの…………か!!!?ななな……!なんでてめえがここに…………!!!!」

 

おっ、俺のこと知ってるみたいだ。

 

「バギー船長!やっちまいましょうか!」

 

「バ、バカ!手を出すな!」

 

バギーかそういうが雑兵どもは止まらず俺に向かってくる。

 

<アタックライド、ブラスト!>

 

ライドブッカーの銃撃をビームのように放つとそれだけで雑兵たちはまとめて吹っ飛んだ。

 

とそこにゾロも遅れてやってきた。

 

「お!ルフィ!おまえ何やってんだ!」

 

どうやらご立腹らしい。まあ俺には関係ないが。

 

「なななな!!!?なんだ!なにが起こったんだ!?」

 

「すっげー!すっげー!!ビームじゃーん!!!」

 

「バギー船長!ヤツは一体……!」

 

「馬鹿野郎!ヤツに手を出すな!いいか……!ソイツはマリージョアを襲撃し、世界貴族を殴ったその張本人!空野真司!懸賞金は25億だ!」

 

バギーの言葉に一同が唖然として俺をみる。

 

ルフィはよくわかってなかったのだがゾロは懸賞金の高さに目を見開いていた。

 

「2!25億!!?」

 

「か、勝てるわけがねえ!」

 

「さてと……バギーくん。俺としては事を大きくするつもりはない」

 

「お!おお!なんだ!」

 

「……この町からさっさと退け」

 

殺意と同時に覇王色を弱めに放つとバギーに冷や汗が流れた。

 

「わ!わかった!おめえら!さっさと撤収するぞ!」

 

『お!おう!』

 

バギーたちは一目散にその場から逃げ出した。

 

「おめえーすげえなー!俺の仲間になれ!」

 

ルフィが勧誘してくるが

 

「いや……無理だ」

 

「えぇー!!なんでだ!」

 

「だって俺船長だもん」

 

「えぇー!!!?いいじゃんかよー」

 

「じゃあルフィ。おまえにとって仲間とはなんだ?」

 

「……命に代えても守るもの……」

 

「そうだろ。だから俺にとっても仲間とは切り捨てられないものだ。だからおまえの仲間になりアイツらを見捨てることはできない」

 

「そうか……」

 

ルフィがその場で立ち尽くしていると

 

「おい」

 

「ん?」

 

「おまえ鷹の目って知ってるか?」

 

ああそういうことね

 

「まあ噂でしか聞いたことがねえな」

 

実際俺も会ったことがない。

 

「そうか……」

 

「それよりこれからどうする?」

 

「「え?」」

 

「次の島までたどり着けるか?」

 

「「あっ……」」

 

はぁ……しょうがない

 

俺が手を振りディメンジョンオーラを出すと

 

ルフィたちがその中に飛び込んだ。

 

「ここは……!?」

 

「すっげー!!!」

 

ウソップの村シロップ村へと転移した。



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再会

今回は短めです……!すみません……


シロップ村に転移した後俺はこっそりとルフィたちから抜け出した。

 

んで現在俺はレイ子とねじれちゃん、ユミナに茨、レイジュと一緒に

 

「ここが海上レストラン……」

 

白のフリルブラウスを着たレイ子が呟く。

 

「へ〜すご〜い!」

 

白ワンピースのねじれちゃんが満面の笑みではしゃぐ。

 

「なんというデザインでしょう……」

 

緑のシャツにショートパンツの茨が手を組みながら感心している。

 

「じゃ、じゃあ入ろっか」

 

俺がドアを開けると中には様々な人がいた。

 

「あ、いらっしゃいま……」

 

あ……マズかったかな……

 

俺たちを出迎えてくれた金髪の男は頭を下げて俯き顔を上げると

 

「いらっしゃいませ〜お嬢様方〜♪」

 

これまただらしなく顔をニヤつかせて踊りながらこっちに来た。

 

気づいてるやつもいるが後の黒脚のサンジだ。

 

まだレイジュに気づいていないみたいだ。

 

いつもの冒険者の格好をしたユミナはサンジの対応に顔を引きつらせている。

 

「お席に案内しま……」

 

お?気づいたみたいだ。

 

「レ……レイジュ……か……?」

 

サンジの問いにデニムパンツコーデのレイジュは

 

「ええ。そうよ。久しぶりねサンジ」

 

「レ……レイジュ!」

 

サンジはレイジュに抱きつくと周りの者たちは驚いた。

 

サンジは涙をひたすらに流していた。

 

事情をユミナたちに話すとレイ子たちは感動して涙を流していた。

 

「じゃあ……レイジュも家を出たのか……」

 

「ええ……あの家に自由なんてないから……それと」

 

「ん?」

 

「ごめんなさい……小さい時から貴方を助けてあげられなくて……」

 

「…………」

 

レイジュが頭を下げるのを見たサンジは

 

「……いいよ」

 

「え?」

 

「アンタが俺を助けてくれたおかげで……俺は父親と呼べる人に出会うことができたんだ……」

 

サンジはこれまでの経緯をレイジュに伝えるとレイ子たちは号泣して顔がぐちゃぐちゃになっていた。

 

「レイ子これで涙拭けよ」

 

「う……うん……!」

 

そしてサンジがこちらを向くと

 

「ありがとう……レイジュを助けてくれて……」

 

「……気にするな。俺がレイジュを助けられたのはただの偶然だ」

 

「それでもアンタには……」

 

「ええーい!だーかーらー!俺が助けたのはただ俺の義心に従っただけだ!だからお前が気にするな!」

 

「そうか……」

 

そのあとサンジに注文を頼もうとした時に

 

「あー!?真司じゃねえか!」

 

馬鹿でかい声の方へ振り向くとルフィがコックの服を着ていた。

 

原作通り雑用させられてるな……

 

「あれ?真司じゃねえか」

 

ゾロとウソップもいた。

 

注文を受けた後にサンジはルフィを連れて厨房へ戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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閑話 雪菜(モネ)とのデート

これは異世界旅物語が終わった後のお話です。


ハイツアライアンスの中にある和室の部屋からコーチジャケットに黒スキニーの格好をし、オシャレ眼鏡をかけた轟焦凍が走っていった。

 

時同じくして街の中の一際目立つ場所にある日本家屋の家。

 

正面の扉から出た大男はサングラスをかけ黒のTシャツに長ズボンといったこれほどまでかと怪しいヤツ要素を詰め込んだ格好だった。

 

男がそのまま街に出ると周りの視線が集まった。視線の先は言わなくてもわかるだろう。怪しい大男である。

 

ただでさえ怪しい格好の上にそのガタイの良さがより怖さを引き出していた。ある意味でオシャレファッションなのかもしれない。周囲にいた子供は今にも泣きそうである。

 

そんな恐怖を抱かれているとも知らず男の目線は二人の男女を捉えていた。

 

・・・・

 

俺は指定された待ち合わせ場所まで来ていた。

 

俺は待ってくれている最愛の人物を探そうとしていると

 

「おーい!」

 

声が聞こえた方へ走り、ピンクのジャケットと他を黒でまとめた彼女を見た途端に俺は抱きついてしまった。

 

「きゃっ!?」

 

彼女は驚くが俺は更に強く抱きしめる。

 

「もう……焦凍……」

 

「ごめん……」

 

「ふふっ……でも嬉しい♪」

 

雪菜がギューっと抱きついてくれる。

 

ああ……最高だ……

 

俺がそのまま雪菜に抱きついていると雪菜が

 

「はーむっ……」

 

俺の耳をパクっと咥えた。

 

なっ!?

 

慌てて雪菜の方を振り向くと

 

「ふふっ……お返し♪」

 

雪菜が天使の微笑みでそう答える。

 

俺の顔がドンドン赤くなっていく。咥えられた耳の感触がすごく心地よかったのに俺は今でもドキドキしている。

 

そして離れると今度はお互いに腕を絡めてデートを開始しようとした時

 

バッ!

 

「どうしたの?焦凍」

 

「いや……なにか視線を感じたような……」

 

気のせいか?

 

「もー……焦凍はカッコいいから見られててもおかしくないの♪」

 

雪菜の不意打ちに俺は心臓が跳ね上がる。

 

「雪菜……」

 

「なに?」

 

「行こうか!」

 

「うん!」

 

そうして俺たちは歩き出した。

 

・・・・

 

一方その頃大男は

 

(危なかった!)

 

見られたかもしれないと内心ではヒヤヒヤしていた。

 

全く……アイツには油断も隙もない。まあそれでこそなんだがな……

 

さて尾行を再開しますか!といこうとしたときに

 

「ちょっといいですか?」

 

は!?

 

後ろから肩を叩かれた。

 

「警察です。職業はなにをされてらっしゃるのですか?」

 

職務質問ー!

 

こうして大男は自身のヒーロー免許を見せるのに時間がかかり、二人を見失った。

 

・・・・

 

雪菜と二人で商店街を歩いている。

 

さっき感じた視線は消えていた。どうやら俺の思い過ごしだったようだ。

 

今俺は雪菜と小物店にきていた。

 

雪菜が目を輝かせていた。まあ奴隷だった時にはできなかったことだもんな……

 

俺がふと目にしたものを手に取った。

 

それを買って雪菜のところまでいくと

 

「雪菜」

 

「ひゃあっ!!?焦凍か〜驚かさないでよ」

 

「ごめんごめん。それよりさ」

 

俺が買ったお揃いのブレスレットをそれぞれにつけると

 

「焦凍……これは?」

 

「俺からのお守り。これで俺たちはいつでも繋がってるって思えるだろ?」

 

「焦凍…………うん!私と焦凍はどこでだって一緒だよ!」

 

雪菜が赤くなって俺の手を握る。

 

握った雪菜の手はひんやりしてたが心はあったまった。

 

俺たちはそれから遊園地に向かった。

 

「すごーい!なにここ!」

 

雪菜が先ほど以上に目を輝かせていた。

 

「ねえねえ!焦凍!あれ乗ろ!」

 

雪菜が後ろ向きのジェットコースターを指差す。

 

そして順番を待っていると

 

「三段アイスだー!」

 

べちゃ!

 

焦凍はなにやらズボンのほうに冷たい感覚を感じた。

 

「あっ!すみません!うちの子が……!」

 

どうやらアイスがズボンに当たったらしい。

 

子供は泣きそうになっていた。

 

雪菜は焦凍を心配するが

 

焦凍は

 

「悪かったな。俺の服がアイス食っちまった。次は五段買いな」

 

焦凍がポケットから小銭を何円か渡すと

 

「あっ……ありがとうございます……!あっ……お金……!」

 

「いいですよ……そっちのアイスダメにしてしまったし……」

 

「そんな…………っ〜!すみません!」

 

子供は喜んで母親は申し訳なさそうにその場から立ち去る。

 

雪菜は鞄からウェットティッシュを取り出して応急処置をする

 

「焦凍流石♪」

 

「別に……あんなんで怒ってちゃダメだろ」

 

「ふふん♪やっぱり焦凍は優しいね」

 

そして順番が回ってきていよいよ乗る番となった。

 

・・・・

 

男は見失った二人をようやく見つけて

 

その現場を後ろから見ようとした時

 

べちゃ!

 

「あっ!」

 

下を見ると男の子が泣きそうな顔でこちらを見ていた。

 

母親は怯えるようにこちらを見ていた。

 

ふっ……昔の俺なら睨めつけていたかもしれんが今は違う

 

「大丈夫」

 

「うわあああああ〜!!!」

 

その凶悪な見た目もあって子供はついに泣き出してしまった

 

母親は泣き叫ぶ子供を抱えてその場から逃げるように立ち去った。

 

あまりの出来事に涙を流す男。

 

焦凍の知らぬ間に現場はカオスと化していた。

 

・・・・

 

俺は後ろ向きジェットコースターに乗った。隣は勿論雪菜である。

 

正直乗ったことのないジェットコースターに緊張してきた。

 

そう思ってたら

 

「大丈夫よ」

 

「雪菜……」

 

雪菜が俺の手の上に手を重ねてくれた。

 

全く……なにもかもお見通しってか……敵わないな。雪菜には

 

ちなみにこの光景を見ていた周りの男たちは

 

(((((爆発しろ!)))))

 

そしていよいよジェットコースターが動き出す。

 

後ろ向きにガッタンゴットンと上へ上へと昇っていく。

 

徐々に遠くなっていくジェットコースターのターミナルを見ると上へ昇るのを嫌でも感じさせられる。

 

雪菜の手の握る力が強くなっていく。

 

お互いの手を握りあった時に頂上に着いた。

 

そして後ろから一気に下へ落ちる

 

「キャアアアアア!!!!」

 

雪菜とが悲鳴をあげた時には下へと降りていて、ジェットコースターが傾いた。

 

その後も雪菜の悲鳴が響き渡り、2分が経ってようやく終了した。

 

ジェットコースターから降りた時雪菜がよろめいたのを俺がキャッチすると

 

『おおお〜』

 

周りから拍手が起こった。

 

そしてその場から立ち去ってレストランに入って注文を頼む。

 

・・・・

 

子供に怖がられるなんて……俺なにかしたか?

 

そんなことを思いながら男は二人の後を追う。

 

流石にレストランに入ると尾行に気づかれてしまう。

 

それに時間もそろそろいいからなので外でファーストフードを食うことにした。

 

相変わらず店員には怯えられていたが今度は無事に買い物を済ませることごできた。

 

コーラを飲みながらレストランの中を覗くと男は吹き出した。

 

もう一度見てみると

 

雪菜が焦凍にホットケーキを"あーん"しているのだ。

 

そして男はいつもならありえないような緩んだ焦凍の顔を見て言葉を失った。

 

とハンバーガーを口にしようとした時

 

後ろから爆発が起こった。

 

・・・・

 

俺と雪菜がレストランから出て現場に向かうとそこでは、魔化魍のバケガニが3体も暴れていた。

 

焦凍はすぐさま氷結を放つがバケガニは無理矢理拘束を解いた。

 

そして一体の攻撃は避けるももう一体の一撃で吹っ飛ばされた。

 

「ぐわっ!」

 

「焦凍!」

 

(強え……俺が勝てるのか?)

 

珍しく弱気になってしまった。

 

とその時

 

「どうしたあ!焦凍!」

 

「あ……?」

 

「お前はそんなものかあぁ!たった一撃喰らったがなんだ!ヒーローとは最後まで戦い抜くものだあぁ!」

 

「くっ……」

 

「おまえには聞こえんのかあぁ!この声援が!」

 

と耳を澄ましてみると

 

「お兄ちゃん頑張って!」

 

「そうだ!」

 

「頑張れー!」

 

「負けるなー!」

 

そうだ……俺は負けるわけにはいかない……!ヒーローに……なるために……!

 

「うおおおおおおおっ!!!」

 

立ち上がって俺は鳳凰になり天へと舞い上がり辺りの空気を最大限まで冷やしてバケガニに特攻を仕掛けバケガニの攻撃が当たる寸前に周りの空気を一気に暖っためて衝撃波を三体のバケガニに当てた。

 

攻撃を喰らったバケガニたちは二度と起き上がらなかった。

 

「ふぅ〜」

 

「あ、あの焦凍さんですよね!?」

 

「え?」

 

「あの英雄の轟焦凍ですよね!私大ファンなんです!サインください!」

 

「え!?本当なの!?」

 

「ショートくん!?」

 

「私も大ファンなの!」

 

「キャアアアアア!!!」

 

女の子たちが焦凍の周りに集まった。

 

「ちょっ、ちょっと待ってくれないか?」

 

焦凍は女性陣たちに待ってほしいと言ったあと怪しいい男に

 

「父さん。なんでここにいるのかな?」

 

・・・・

 

「父さん。なんでここにいるのかな?」

 

ギクッ!!!

 

焦凍が放った言葉に俺は内心では落ち着けなかった。

 

「父さんってエンデヴァー!?」

 

「嘘だろ!?」

 

「俺エンデヴァーのファンなんだ!」

 

「英雄親子がここにいるのか!?」

 

一同がざわめく中で俺は

 

「…………な!なんのことかな!轟焦凍くん!私はただの通りすがりの一般人だよ!」

 

エンデヴァーの下手すぎる芝居に一同は

 

(うわぁ…………)

 

「じゃあ、なんで俺の名前を知ってたんだ?」

 

エンデヴァーは

 

(これは……引っ掛けだな)

 

「き、君の体育祭での活躍を見てたからだよ」

 

焦凍は内心では

 

(ちっ!引っかからなかったか!)

 

そんな焦凍が次に発した言葉は

 

「母さんは元気か?」

 

「ああ!元気になっていってるぞ!もう少しで退院できるって先生が……」

 

エンデヴァーは墓穴を掘ったと今更になって気付く。

 

そして異常といえるほどの汗を流す

 

「や〜っぱり父さんだったんだ〜」

 

一同はエンデヴァーは意外にマヌケだと思った。

 

そして

 

「「父さん!/炎司さん!」」

 

そして大衆の前で正座させられ説教を受けた。

 

一同はエンデヴァーが「すみません。すみません……」と言ってる様に言葉を失っていた。

 

焦凍は未だに怒っていたが雪菜が「もういいんじゃない?」と言ってくれたおかげでようやくエンデヴァーは解放された。

 

雪菜のおかげでこの後もエンデヴァーは同行の許可ができた。

 

デートの最後にはスケートリンクとリンク上で待っていると

 

「お待たせ」

 

着替えてきたモネの姿に男性陣はおろか女性陣まで目を奪われていた。

 

白のスカートに青の服は顔を赤らめている雪菜に正にベストマッチしていた。

 

そして雪菜の手を取って焦凍は滑り出す。

 

スピンなどの派手な技はないが二人が滑る様はまさに幻想的だった。

 

そして焦凍は

 

雪菜の手……冷たいけど気持ちいい……この上ない幸せを実感していた。

 

余談だがエンデヴァーは冷や冬美にこっぴどく怒られることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 



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武将vs剣士 そして世界最強の称号

俺たちが食事を楽しんでいた時に周りにいた者たちがざわめくのを見て

 

「なにかあったのでしょうか?」

 

ユミナが首を傾げている姿に俺は

 

(可愛い…………!)

 

とこんな状況なのに思ってしまった。

 

まあいざとなったら俺がアイツらを潰すつもりだが。

 

そしてついに

 

「クリーク海賊団だああぁ!!!」

 

誰かが声をあげた。

 

その後は原作通り。

 

クリーク海賊団がバラティエに攻めた来た時にガレオン船がミホークに一刀両断されて現在ー

 

「終わりだ……」

 

クリーク海賊団の誰かが呟いた。

 

そしてー

 

「テメェ!なんで俺たちを襲うんだ!!」

 

クリークがミホークに問いかけると

 

「暇つぶし」

 

皆開いた口が塞がらなかった。

 

だが

 

「ふざけるなぁー!」

 

誰かがミホークに向かって発砲したが

 

(無駄だ)

 

ミホークは黒刀の切っ先で銃弾の軌道をそっと晒させた。

 

「え!?外れた」

 

「外したのさ。切っ先で銃弾の軌道をそっと変えたんだ」

 

ゾロが疑問に答える。

 

「柔なき剣に強さなどない」

 

「その剣でこの船を斬ったのか?」

 

「いかにも」

 

「成る程……最強だ。暇なんだろ?勝負しようぜ」

 

「コイツ!三刀流のロロノアゾロだ!」

 

「なに!?」

 

そしてゾロをミホークが見据えると

 

「ゾロさんは勝てるのでしょうか?」

 

ユミナが俺に聞いてきたので

 

「無理だな」

 

即答した。

 

「アイツはまだ覇気も覚えていない。力の差は歴然だ。ミホークの剣に刃こぼれすら与えられないだろう」

 

俺がそう答えると

 

「「何言ってんだ!アニキが負けるはずねえだろ!」」

 

ヨサクとジョニーが反論してきた。

 

そうしてるうちに戦いは始まりゾロが鬼斬りでミホークを斬ろうとするも、

 

ガキィン!

 

ミホークは手にした小刀でゾロの鬼斬りを正面から完璧に受け止めた。

 

「ゾロ……?」

 

「アニキの鬼斬りが止まったあぁ!!?」

 

「出せば100%敵が吹き飛ぶ大技なのに!!!」

 

その後もゾロが何度もがむしゃらに攻撃を仕掛けるもミホークは軽くいなす。

 

そして虎狩りを仕掛けようとしたゾロの腹をミホークが小刀で突き刺す。

 

そして原作通りゾロを認めたミホークは

 

「剣士たる礼儀をもって……世界最強のこの黒刀で沈めてやる」

 

ミホークがゾロに攻撃を仕掛ける。

 

それをゾロは

 

「三刀流奥義!三・千・世・界!」

 

ゾロは必殺の一撃を放つが虚しく剣は一本を除いて折られてしまった。

 

そしてゾロが残った一本の剣を鞘にしまうとミホークの方を向き

 

「なにを……」

 

「背中の傷は剣士の恥だ」

 

「見事!」

 

そしてゾロはミホークに斬られる。

 

「ゾロぉー!」

 

ルフィが飛び出してゾロに近寄るとゾロは剣を天に掲げて

 

「俺は!もう!二度と!誰にも負けねえ!」

 

その様子を見ていユミナは

 

「友情ですね……」

 

成長期の胸に手を置いて感動していた。

 

「真司さん。失礼なこと考えませんでしたか?」

 

ギクッ!!

 

俺は必死で誤魔化していると

 

「ほぅ……」

 

ミホークがこちらをじっと見ていた。

 

え!?なに!?

 

「まさか貴様がこんなところにいるとは……懸賞金25億の男、オオゾラの海賊団船長空野真司」

 

ミホークの言葉に周りの視線は俺に集まった。

 

「……へー……なぜ俺のこと知ってるのかなぁ〜?」

 

「…………知らんほうが可笑しかろう。貴様の噂は俺の耳にまで届いているからな」

 

マジか〜!

 

「オオゾラの海賊団って……あの!?」

 

「なんでこんなところにいるんだ!?」

 

「ウソだろ!?勝てるわけがねぇ!」

 

クリーク海賊団が慌てはためく中で俺は

 

「暇なんだろ?ミホーク。俺と勝負しようぜ」

 

「ほぅ……いいだろう。貴様も一端の剣士というのなら……」

 

俺とミホークが対峙するのをクリーク海賊団やバラティエのコック、ルフィたちは真剣な目で見ていた。

 

「全力で来い」

 

「勿論そのつもりだ」

 

<カメンライド、鎧武!>

 

俺の頭上に巨大なオレンジが現れ一瞬で俺に装着されるとミホークに緊張が走る。

 

そしてオレンジは鎧となって俺は鎧武に変身した。

 

<そいやあっ!オレンジアームズ、花道、オンステージ>

 

「……それがお前の能力か?」

 

「まあそんなところだ」

 

俺は無双セイバーを手にして構える。

 

ミホークも黒刀を手にすると周りの者たちが息を呑む。

 

俺はワンフォーオールを発動させて無双セイバーでミホークを上段から斬ろうとするがミホークは剣を横にして俺の初撃を受け止めた。

 

「ちぃっ!」

 

「ほぅ……」

 

そのまま押し込もうとするもミホークは

 

「ふんっ!」

 

俺の剣を弾き返そうとするががそれは

 

(予測済みだ!)

 

弾き返される前に後ろにしゃがんで下段から上に振り上げるように剣を振るうが

 

「なっ!?くっ!」

 

ミホークはとてつもない反応速度で横に振り抜いた剣を逆さ持ちに変えて俺の剣を防いだ。

 

そして俺は防がれたのを見て後ろに下がってミホークの追撃を躱す。

 

ミホークは面白そうな顔で俺を見てくる。

 

さあ!ここからは俺のステージだ!

 

・・・・

 

ユミナside

 

次々と繰り出される斬撃、そのどれもが凄すぎて私たちとは次元が違うと思い知らされた。

 

彼らの一撃は時に海を割り、時に風を切り裂く斬撃を放った。

 

しかし相手は流石世界最強の剣士というべきか中々攻撃が決まらない。

 

でも私は真司さんが必ず勝つと断言できる。

 

贔屓目なのかもしれない。だが私は彼の勝利を確信している。

 

今までだって常識外れのことをなんどもやってのけた彼だからこそ……

 

そしてこんな状況なのに真司さんは楽しんでいるように見えた。

 

きっと自分と張り合える相手が嬉しいのだろう。

 

だからこそ私も嬉しいのだろう……彼の喜びは私にとっての至上の喜びなのだから……

 

ああ……私は彼に心酔してしまっている。でも後悔など微塵の欠片もない。

 

だって……彼が大好きなのだから……

 

だから頑張ってくださいね!私の王子様♪

 

・・・・

 

俺の攻撃をミホークは的確に受け止めて反撃の際に急所を狙ってくる。

 

覇気はこちらの方が上だが剣の技術は完全にあちらが上だ。

 

そして俺の剣とミホークの剣が打ち合うと俺は

 

「なぁ……」

 

「なんだ」

 

「そろそろ終わりにしねえか?このままだとこの辺りがめちゃくちゃになっちまう」

 

「……成る程。いいだろう」

 

俺は大橙丸と無双セイバーを構えて

 

<ファイナルアタックライド、ガ、ガ、ガ、鎧武!>

 

大橙丸と無双セイバーを合体させ、構える。

 

「ナギナタ無双スライサー!」

 

ミホークの斬撃が飛んでくるがナギナタを回してその斬撃を弾くと

 

「なっ!?」

 

俺はクロスした斬撃を放つがミホークも斬撃を弾き俺に向かってくる。が俺はその隙を見て一気に距離を詰め斬りかかった。

 

しかしミホークは弾いた剣をとてつもないスピードで返して俺を迎え撃った。

 

そしてお互いの剣がぶつかり合った。

 

・・・・

 

ミホークside

 

ふっ……この俺とここまで渡り合うとは……

 

だが俺は負けん!

 

<ファイナルアタックライド、ガ、ガ、ガ、鎧武!>

 

奴のベルトから音声が聞こえると奴に力が溜まっていくのがわかる。

 

させん!最初の斬撃を囮に使ってお前を倒す!

 

俺は斬撃を放つが奴はなんなくナギナタを回転させて防いだ。

 

そして迫ってくる俺に二つの斬撃を放ってきたが……舐めるな!

 

俺も斬撃を弾いた時に奴はとてつもないスピードで俺に近づいた。

 

ぐっ!

 

俺はありったけの覇気を込めた斬撃を横に奴目掛けて振るった。

 

そしてそのまま横を通り過ぎた。

 

勝ったか!?

 

柄にもなく喜んでしまった。

 

そした剣先を見た途端俺は

 

なっ!!!?

 

俺の剣が途中から斬られていた。

 

まさか……

 

そしてそのまま俺はその場に崩れ落ちた。

 

・・・・

 

危っぶね〜!ギリギリ勝てた……!

 

俺の振るった斬撃はミホークの剣を折ってそのまま俺の横を通り過ぎた。

 

そしてミホークがその場に崩れ落ちると

 

「まさか……この俺が……」

 

周りの者たちは

 

「鷹の目が……負けた……!?」

 

「ありえねえ……!」

 

「ウソだろ……」

 

その声のあとに

 

『やったー!!真司(さん)が勝ったー!』

 

レイ子たちの歓声が辺りに響く。

 

俺がレイ子たちへピースサインをしていると鷹の目が

 

「まさか……この俺が負けるとは…はっはっは!こんな奴がいるとは!いいだろう!真司!今日からお前が世界最強の剣士だ!」

 

『はーーーーーー!!!!!?』

 

「いやいやいいよ!俺が勝てたのはギリギリだったんだし……」

 

「なにを言うんだ!勝ちは勝ちだ!存分に誇るが良い!」

 

こうして俺は鷹の目から世界最強剣士の称号を無理矢理授与されてしまった……

 

 

 



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ワンピース(ひとつなぎの大秘宝)

今回色々後付け設定が入ります……すみません……


鷹の目が自分の折れた剣を拾ったので俺は

 

「その剣元に戻そっか?俺ならできるけど」

 

「……有難い話だが断っておこう。この剣は俺の傷としてそのままにしておく」

 

「でも……」

 

「心配するな。城に帰れば剣はある。それに例え剣がなくとも俺は負けん。貴様でもなければな?」

 

少し笑いながらのミホークの言葉に俺は苦笑する。

 

「どうやら俺はまだ最強ではなかった……己を鍛えなおさねばならぬようだ。真司よ!今回は俺の完敗だ。だが次は!次こそは負けん!」

 

そう言った鷹の目は帰っていった。

 

そして鷹の目を見送った俺が振り向くと周りの者たちは俺を伺うような目で見ていた。

 

あ〜れ〜?

 

「真司さんがどうでるのか皆気になっているのですよ」

 

ユミナの言葉に俺はああなるほどと相槌を打った。

 

そうか。そういうことか……

 

自分たちを追い詰めた鷹の目をも破った俺の出方を見ているのか……

 

とクリークが俺に向かって

 

「てめえは!俺たちと戦うのか!?」

 

震えながらも怒鳴り散らすその心意気は賞賛ものだった。

 

う〜ん……?どうしよっ?

 

まあヒーローを目指す者としてはここは見逃せないな。

 

「ああそうだね。お前らに引くつもりがねえなら……」

 

「ね、ねえなら?」

 

クリーク海賊団の誰かが呟く。

 

「殲滅させてもらう」

 

覇気のこもった殺気を放つとクリークとギンを除いた全員が気絶した。

 

弱わっ……!?

 

その状況にクリークは目を疑っていた。

 

「な……!な…………!!?」

 

俺だってビックリだよ。

 

ここまで弱かったとは……これじゃあミホークじゃなくても殲滅させられていたな、可哀想だけど。

 

「あ…………!あ…………!!?」

 

「さて、最後にチャンスをやろう」

 

「あ…………!」

 

「二度とこの店に手を出すな」

 

俺がそう言うとクリークはその場に崩れ落ちた。

 

俺が戻ろうとしたら

 

「…………余計なことしやがって」

 

「そうでした?まあすみません。この店の問題なのに」

 

俺が謝ると納得しないもゼフさんは引き下がってくれた。

 

そのあとゾロとルフィたちのもとへ向かうと

 

「……大丈夫か?」

 

「ああ……なんとかな」

 

「おめえすげえな!ゾロに勝ったやつに勝つなんて!」

 

「ああ……確かに俺も驚いた……あの鷹の目に勝つとは……」

 

ゼフさんが口を挟んでくる。

 

「なあ……」

 

「なんだ?」

 

「覇気ってのは……なんなんだ?」

 

「あ?」

 

「お前言ってたよな……覇気も覚えていない俺はアイツに勝てないって……ってことは覇気を覚えれば俺も強くなれるのか?」

 

「そうだな……覇気を覚えるのは強くなる手段の一つだが強くなれるかは己次第だ」

 

「……そりゃそうだな」

 

「なあなあ!覇気ってのは俺にも覚えられるのか!教えてくれ!」

 

ルフィが俺に詰め寄ってくる

 

「ま、まあそれは自分次第だ!」

 

「おいルフィ……おまえがしつこいと真司も教えてくれないぞ」

 

「え!そうか!?すまん!」

 

「ま、まあいいけどよ」

 

そのあと俺は覇気についてある程度教えた。まあマルコ隊長の受け売りなんですが。

 

「そうか……武装色の覇気……それがあれば俺の剣も黒刀になりうるのか……」

 

「まあそうだな。能力者との戦いや覇気使い同士との戦いではこの武装色の覇気が一番重要だ」

 

「そっか〜……じいちゃんの拳骨が痛かったのはそうゆうことか……」

 

「疑わないこと……か」

 

「まあ習得については長い時間の中で鍛えていくのが一番だ」

 

俺だって2年かかったんだ。

 

「俺が教えられるのはここまでだな」

 

「そうか!ありがとう!真司!」

 

「じゃあ俺たちは帰るわ」

 

俺たちが帰ろうとしてたら

 

「レイジュ……」

 

「サンジ、貴方が進みたい道を進みなさい。後悔しない生き方を選ぶのよ」

 

レイジュの言葉にサンジは

 

「レイジュ……!」

 

レイジュの胸で泣いていた。

 

「貴方のことを……小さい時から助けてあげられなかった……貴方はこんなにも優しいのに……私は見てるだけしかできなかった……それでも……貴方は強く生きてくれた……それだけで私は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嬉しかった」

 

「ううう………………!!」

 

「だから泣かないで。例えどこにいようと……私たちは姉弟なんだから……」

 

「俺ぁ……!ずっと苦しかった……!父に愛されてもらえず……!愛というものを父からもらえなかった……!アンタだけだった!母さん以外で……!俺を……!こんな出来損ないを愛してくれたのは……!」

 

「貴方は出来損ないなんかじゃない。苦しくても生きてくれた。今じゃこんな立派なレストランでコックをしてるんだもの……私は兄弟たちには無理よ。それだけでとすごいことなのよ」

 

「サンジ……」

 

「ありがとうございます。弟を……サンジを救ってくれて」

 

「ふん……ただのクソガキを助けただけで気にするな」

 

「ふふっ……」

 

この様子を見ていたバラティエのコックたちにヨサクとジョニー、レイ子たちはこれほどまでかと言うぐらいに感動して泣いていた。茨に至っては天に祈りまで捧げているし。俺も感動していないわけじゃない。

 

そしてサンジは

 

「オーナーゼフ!!!長い間!クソお世話になりましたぁ!!」

 

あのワンピースの名言だった。

 

こうしてサンジはルフィたちの仲間になった。

 

そして俺たちは一旦元の世界へ帰ると

 

「お兄ちゃーん!」

 

「ぐほわっ!」

 

「お帰り!お兄ちゃん!」

 

「ただいま。ロビン(・・・)

 

「あらお帰りない。真司くん」

 

「ただいま。オルビアさん」

 

俺は久しぶり(といってもイセスマの世界じゃ一週間ぐらいだが)に考古学者たちのもとに来た。

 

彼らには時々畑の仕事も手伝ってもらっている。皆この国のために働きたいそうだ。

 

あ、ちなみにロビンはあの後助けといたよ。この小説では書いていないかっただけで。うん?なんの話をしてるかって?そういうのは言わないお約束さ

 

そして俺たちがくつろいでいると

 

「オルビアさん!あれ!?真司さんもいるのか。よかった」

 

研究員の一人が入ってきた。

 

「どうしたの?」

 

「遂にロードポーネグリフの解読が終わった!真司さんアンタに来て欲しいんだ!」

 

マジか……!

 

俺たちは急いで向かった。言ってなかったが俺はスコープとポーズなどを使って残りのロードポーネグリフを全部集めておいていたのだ。

 

その場にはラフテルへの行き方が示されていたのだ。

 

これで俺もラフテルに行ける……!と思っていたら

 

「なんで俺に伝えたんです?」

 

とふと思った疑問を聞いてみるとクローバー博士が

 

「お主への恩返しじゃ……それにお主は例えこれを知っても悪用しなさそうじゃしの……」

 

そうだったのか……

 

まあなんにせよこれでラフテルへの行き方がわかった。

 

一応モリアを誘ってみると

 

「本当か……!?」

 

「ああ本当だ。今からラフテルに行くつもりだがどうだ?」

 

「ああ…………!!!勿論行くぜ!連れて行ってくれ!」

 

こうして俺とモリアたちはラフテルに行きひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を手に入れて、この世界の歴史を知った。でもここでそれを語るわけにはいかない。ごめんね

 

 

 



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エースとの戦い(戦いというより蹂躙)

俺が鷹の目を破ったというニュースは全世界を駆け巡った。

 

当然騒ぎとなり俺の懸賞金が30億まで上がった。

 

多っ。

 

ミホークの七武海の称号が消されるかと危惧したが相手が俺だったのもあり、それはなかったそうだ。

 

そして風の噂だがミホークは山の中に篭ったそうだ。

 

なにをやっているのかとツッコミたくなった。

 

さてと再びワンピースの世界から戻ってくるとローグタウンでルフィたちが起こした騒動が新聞に載っていた。そこにはナミも写っていた。仲間にしたんだな。

 

となるとエースはそろそろドラムにいるはずだ。

 

スコープで探してみるとアラバスタにいた。

 

ちっ!一足遅かったか。

 

まあいい。俺はアラバスタへディメンジョンオーラを出して転移した。

 

とエースがいる飯屋に入るとなにやら騒ぎになっていた。

 

あーあれか。エースが飯屋で寝ているあのイベントか。

 

そしてエースが起きると案の定店員がエースにツッコミをいれていた。

 

俺はエースの近くに座ると

 

「よっ!」

 

「おまえは……!」

 

「俺が誰だか……わかってるよな?」

 

悪党が使うみたいなセリフになっちゃったな……まあいいけどさ

 

「何の用だ?」

 

エースが笑いながら俺に聞いてくる。

 

「ニューゲートからの伝言だ」

 

「親父から?」

 

「この件から手を引けとさ」

 

「…………」

 

「おまえの気持ちもわからなくもない。仲間を殺されても黙って見てろってのは嫌だろう。でもな親父はティーチの狙いがおまえだってのも読んでいるんだ。だからこの件は一旦手を引いてくれねえか?」

 

「嫌だといったら?」

 

「実力行使でも連れて帰らせろだと」

 

「マジか……」

 

とその時

 

「よく大衆の前で堂々と飯を食えるものだな」

 

あーそうだったー

 

「白ひげ二番隊隊長、ポートガス・D・エース。それに……オオゾラの海賊団船長、空野真司」

 

「し、白ひげの二番隊隊長!!?」

 

「そういやあの背中のマーク見たことあるぞ!」

 

「それに……オオゾラの海賊団って……」

 

「あの懸賞金30億の男!?」

 

「ウソだろ!!?なんでそんな大物がここに!!?」

 

海兵……スモーカーの言葉に周りの者たちは騒ぎだす。

 

「この国に何の用だ。海賊」

 

「弟をね……探したんだ」

 

「俺はコイツへの伝言」

 

「あいにく俺は別の海賊を探したんだ……おめえらの首なんか興味ねえが……」

 

「じゃあ見逃してくれ」

 

「以下同文」

 

「それはできねえ……おまえらが海賊で……俺が海兵である限りな……!」

 

なんだろう……読者側からみるとカッコよく見えるのだが……敵としてみると怖いな……

 

とその時なにかが飛んできた。俺は知っていたので横に避けるがスモーカーとエースは飛んできた物体、ルフィに吹き飛ばされた。

 

でそのあとは原作通りにルフィをスモーカーが追いかける鬼ごっことなった。

 

んーどうしよっかな〜助けるのもいいがスモーカーたちを倒すとこの後ルフィたちの援護ができなくなるし……それにアイツは悪いやつじゃないんだ。潰すのは……ゴメンだな

 

というわけでルフィを放置して俺はその場から立ち去る。

 

そしてスモーカーの攻撃がルフィに当たるとき

 

「陽炎!」

 

エースが現れた。

 

「エース……?」

 

「会えてよかったぜ。ルフィ」

 

そしてエースがルフィの船にいるときに俺は瞬間移動でエースの元へ向かうと

 

「おおっ!真司!」

 

「なんだルフィ、知ってんのか?」

 

「ああっ!コイツめちゃくちゃ強ええんだ!」

 

「さてとエース、さっきの話だが……」

 

「あ〜あ、親父がそう言ってんのか……けどよ、黙って帰るってのは気に食わねえな!」

 

「じゃあどうする?」

 

「俺と戦え!真司!おまえが勝ったら俺は大人しく帰る!」

 

「俺が負けたら?」

 

「俺は帰らねえ!」

 

「成る程……いいだろう」

 

俺とエースが相見えると周りに緊張が走る。

 

「変身!」

 

<カメンライド、ウィザード!>

 

<ヒー!ヒー!ヒー!ヒー!ヒー!ヒー!ヒー!>

 

「姿が変わった!?」

 

ナミが叫んだ。

 

「でもこの前と姿が違うな?」

 

ウソップも疑問に思う。

 

「行くぞ!火拳!」

 

エースの火拳を俺は真正面から避けずに受ける。

 

だがまあウィザードに炎は効かないんだよなあ。

 

火拳は俺の横を通り過ぎるが俺に吸収された。

 

それにエースは

 

「なっ!?」

 

エネル顔で驚いていた。

 

「なっ……なっ……ほ、蛍火!!」

 

エースが蛍火で応戦するが全く効かない。

 

「エース、俺に炎は無意味だ。俺を倒したきゃ殴り合いしかない」

 

その言葉でエースは接近して、俺に殴りかかってくるが俺は俺は足でパンチをいなしてそのまま蹴りを叩き込む。

 

「ぐわっ!」

 

当然エースは吹っ飛んだ。

 

なんども向かってくるがエースの攻撃を手や足でいなしてカウンターを連続で叩き込む。

 

そして

 

「はぁ……はぁ……」

 

決着をつける為、俺は海の水を操作してエースを襲わせるとエースは

 

「ぐわわっ!!」

 

エースは海水を受けて今にも倒れそうだった。

 

「どうする?降参するか?」

 

「はぁ……はぁ……ははは、参った降参だ」

 

そしてエースの体力を回復させるとエースは

 

「じゃあ俺は一旦親父の元へ帰るよ」

 

「ああそうしてくれ」

 

「真司」

 

「なんだ?」

 

「次は負けねえからな!」

 

「次も俺が勝つ」

 

俺たちは拳と拳を合わせた。

 

そしてエースがその場から離れるとルフィたちは

 

「おまえすげえな!エースに勝つなんて!」

 

「ああ……すげえ」

 

俺はルフィの船に乗って皆と話していると

 

「真司さん」

 

「うん?」

 

ビビがやってきて

 

「真司さん、お願いがあります。どうか私たちの戦いに力を貸してください!」

 

え〜そうきたか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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説得

今回も短めです……


「……何故俺に頼んだ?俺は海賊だぞ。この国を乗っ取ろうとしている奴と同じ」

 

俺は一応ビビに聞いてみた。

 

「なぜアナタがそれを!?」

 

「そうだねえ……俺も色々と情報通なんだよ……」

 

原作を知ってるとかは今は言わないでおこう。

 

その様子にナミたちも

 

「アナタ……何者なの……?」

 

「コイツは一体……」

 

「で?質問に答えてくれないかな。なんで俺に頼んだんだ?」

 

「…………ルフィさんもそうだけど……アナタは悪い人には思えない」

 

「ほう?なぜ俺を信じる?俺とお前はあったことがないんだぞ?」

 

「分かってます……でも……バロックワークスにいた時にもアナタの情報は入ってきましたが……アナタからは悪い噂は出なかった……それにアナタはこのグランドラインで最も強いと言われている海賊です。だから……力を貸して欲しいのです…勿論出来る限りの礼ならします!だから……」

 

「……ひとつだけ聞かせろ」

 

「なんでしょうか?」

 

「お前がこの戦いで得たいものはなんだ?」

 

「……どういうことでしょうか?」

 

「そのまんまの意味だ。この戦いでお前が欲しいものはなんだ。クロコダイルに奪われた金か?信頼か?雨か?地位なのか?」

 

「それは……国です!」

 

「国?」

 

「今のアラバスタはもうかつての国ではありません!クロコダイルからこの国を取り戻したい!」

 

「それに犠牲が伴ってもか?」

 

「それは……」

 

「どうなんだ?」

 

「……犠牲なんて出させない!皆救ってみせます!」

 

「どんなに無謀なことか分かってんのか?」

 

「…………」

 

「なによその言い方!そんなのないじゃない!」

 

「おいナミやめろ!」

 

「てめえビビちゃんに何言ってんだ!」

 

「……わかっています!」

 

「……」

 

「どんなに無謀なことかも……!どんな綺麗事かも……わかっています!でも私は!何一つ……見捨てたくありません!」

 

「……そうか」

 

「…………」

 

「なら力を貸そう!」

 

「へ?」

 

「試すような真似をしてすまなかったな。でもお前がなにかでも簡単に切り捨てられるような人間だったら俺は手伝うつもりはなかった」

 

「じゃあ……」

 

「協力してやるよ。国盗りなんかさせるもんか」

 

「っ!ありがとうございます!」

 

「ていうわけだ。しばらくよろしく頼むぜ。ルフィ」

 

「おう!ありがとな!ビビに協力してくれて!」

 

「そういうことだったのね〜ごめんなさいね」

 

「とんでもねえやつだな……」

 

「じゃあ行きましょうか……だがその前に俺の仲間を呼んでいいか?」

 

「おう!いいぞ!」

 

そして俺はディメンジョンオーラを出してその中に飛び込んだ。

 

 



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マヌケ

カリーナは急遽ヒロイン枠から外させてもらいました……すみません……


「私はシュガーです!よろしく!」

 

「轟焦凍だ」

 

「モネです。よろしく」

 

「波動ねじれだよ!ねじれちゃんって呼んで!」

 

俺は焦凍たちを連れてきた。まあ万が一に備えたほうがいいからな。

 

「おう!よろしくな!俺はルフィ!海賊王になる男だ!」

 

「海賊王だって〜!そっか〜!真司くんと同じだね!」

 

ねじれちゃんがとんでもない爆弾発言をしてしまった

 

『は?』

 

皆固まっている。

 

ねじれちゃんは天然なだけにこうなってしまうと誤魔化しようが効かない。

 

「え……と……真司が海賊王……?どうゆうこと?」

 

ナミが聞いてくる。はあ……しょうがないな。

 

「実は……」

 

俺は事の全てを話すと

 

「な〜にぃ〜!ラフテルに行っただって〜!?本当か〜!?」

 

「あ、うん」

 

「なんですって……!?」

 

「おいおい!マジかよ!」

 

「…………」

 

「じゃ、じゃあアンタはワンピースがどこにあるかも知ってんのか!?」

 

「そうだよ」

 

「お、教えて「ウソップ〜!」」

 

ルフィが突然叫ぶ

 

「宝がどこにあるかなんて聞きたくねえ!皆命懸けで海に出たんだよっ!ここで何か教えて貰うんなら俺は海賊やめる。つまらねえ冒険なら俺はしねえ!」

 

ルフィの真剣な言葉にウソップは怯む。

 

「わ!悪かった!口が滑ってよ!」

 

「やれるのか……?お前に……グランドラインはお前らの想像を遥かに凌ぐ。敵も強いぞ?この海を支配できるか?」

 

「支配なんてしねえ!この海で一番自由な奴が!海賊王だ!そして俺は!お前を超える海賊王になる!」

 

「……そうか。さてと!話を戻そうか。用があるのはユバの町だったよな?」

 

「ええ……そうだけど……」

 

<アタックライド、スコープ!>

 

ユバを捉えるとディメンジョンオーラを出す。

 

「これは……!?」

 

「この中に飛び込め。それでユバに着ける」

 

「マジで……!?」

 

「気にしない方がいいよ〜真司くんは色々と規格外だし〜」

 

「そうだな……」

 

「そうね。気にしたら負けよ」

 

「流石お兄ちゃん!」

 

「酷くないか……?」

 

皆(シュガーを除く)の言葉が心に刺さる。いやね、自分でもわかってるよ。色々と規格外だって。

 

そしてそのまま皆ユバのちょっと前に飛び込んでそこで見たのは

 

「なにあれ!?」

 

「ユバが……砂嵐に襲われている!?」

 

驚く中で俺たちはユバに足を踏み入れると

 

「旅の人かね…砂漠の旅は疲れたろう」

 

いやすみません。全然疲れちゃいません。ズルしてすみません。

 

「すまんな。この町は少々枯れている……だがゆっくり休んでいくといい…宿ならいくらでもある…それがこの町の自慢だからな……」

 

この人は……そうだ!トトおじさんだ!

 

でそのあとは原作通りトトおじさんにビビの正体がバレて反乱軍はもうこの町にいないと教えてもらった。

 

まあ知ってたんだけどね。色々と辻褄とか合わせないといけないからさ。

 

んでカトレアへ行こうとした時にルフィとビビが原作と違う場所で揉めてクロコダイルのいる町レインベースに行くこととなった。

 

いちいち省略するなって?大幅な原作コピーになるんだよ!

 

なんの話をしてるんだ?

 

んで再びディメンジョンオーラを出してレインベースに着いた。

 

数は……80、90、100だな。

 

グワッ!

 

「おい……どうしたんだ!」

 

「なにがあったんだ!」

 

「急に人が倒れたぞ!」

 

「真司さん……?」

 

「隠れていたバロックワークスの連中を気絶させといた。なあに死んじゃいないよ」

 

「それが……覇王色の覇気ってやつ……!?」

 

「すげぇ……!」

 

「これで邪魔されずにクロコダイルを倒せるだろ?」

 

「おう!ありがとな!」

 

とその時

 

「いたぞ!あそこだ!」

 

後ろから海軍が追ってきた。

 

「真司!あれも無力化できないの!?」

 

「できるけど……この国のことを考えるなら海軍は無力化しないほうがいいんじゃないか?」

 

「それは……!そうだけど……!」

 

「とりあえず逃げよう!ワニの家で会おう!」

 

咄嗟に逃げてしまったがこの後のことをすっかり忘れてしまっていた。

 

俺とシュガー、焦凍とモネで逃げることにした。

 

焦凍とモネは腕を翼に変えて空に逃げた。

 

俺はシュガーを右腕で抱えて全力で走った。

 

んでクロコダイルの本拠地に着くとルフィも着いたみたいでそのまま海軍から逃げる羽目となってしまった。その結果

 

 

 

 

「こうみょうなワナだ」

 

「ああ、しょうがなかった」

 

「そうだな」

 

「敵の思うツボじゃない!避けられた罠よ!バッカじゃないの!アンタたち!」

 

俺とシュガーまで捕まってしまった。

 

 

 

 



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策略

さて……捕まってはしまったが別に焦ってはない。むしろチャンスだ。

 

俺が捕まったとなるとクロコダイルも油断するし、いざとなれば時間を戻すか、ディメンジョンオーラで脱出できるしな。それに保険(・・)もかけてあるしな……

 

んで今スモーカーとゾロが揉めているが

 

「その通りさやめたまえ。共に死にゆく者同士、仲良くやればいいじゃねえか……!」

 

「クロコダイル……!」

 

「おーおー噂通りの野犬だな。スモーカー君」

 

クロコダイルとスモーカーが挑発しあっていると

 

「それに……まさかてめえも捕まるとはな……!空野真司!思ったよりマヌケみたいだったな……」

 

なんだろう……ムカつくな。忘れていたのは事実だし、それを差し引いてもこんな罠に引っかかった自分が恨めしい。

 

「まあな。マヌケだったのは認めるよ。いい教訓になった」

 

「ほぅ……随分と余裕じゃねえか?ここから抜けられるとでも?」

 

「俺は……仲間を信じている」

 

「ふはは……!信頼、この世で最も不要なものだ」

 

とその時

 

「クロコダイル!」

 

「ようこそ!アラバスタの王女ビビ、いや…ミス・ウェンデー。我が社の刺客たちをよくかいくぐったな」

 

横にはペルもついていた。原作じゃロビンにやられてたもんな……

 

「来るわよ!どこまでだって……貴方に死んで欲しいから……Mr.0!」

 

「死ぬのはこのくだらねえ王国さ……ミス・ウェンデー」

 

ビビがクロコダイルにクジャッキーストリングスラッシャーを放つが自然(ロギア)系の能力者であるクロコダイルには覇気のない攻撃は通用しない。

 

そしてクロコダイルに捕まってしまう。

 

マズイな……もうそろそろ(・・・・)だぞ。間に合うか?

 

・・・・

 

???side

 

「あの国王は偽者だったんだ……!大変だ!皆に知らせなきゃ!」

 

俺が無我夢中で走り出すとなにかにぶつかった。

 

見上げると大男と怖い黒の女かいた。

 

「いけない坊やね。なにを知ってしまったのかしら……」

 

「あのオカマ野郎……くだらねえミスしやがって……!」

 

「黙ってくれっつっても……無駄だろうな……」

 

とその大男が俺に刃になった手を振り下ろそうとした時

 

ガンッ!

 

「なっ!?」

 

「もう大丈夫だ。少年。俺が……来た」

 

・・・・

 

 

「とうとう……始まっちまったか……」

 

「なんてことを……!」

 

あーあ、アイツ(・・・)失敗したのかな……

 

「耳を澄ませらアラバスタの唸り声が聞こえてきそうだ……!そして心に皆こう思っているのさ。俺たちなアラバスタを守るんだ……!とな!泣かせるじゃねえか!国を守る気持ちが……国を滅ぼすんだからな!」

 

「外道って言葉は……コイツにゃピッタリだな」

 

とその時バロックワークスの社員が

 

「ご報告します!」

 

「なんだ……」

 

「アラバスタ各地で起こった反乱が……急速に鳴りを潜め……このレインベースに向かって来ています!」

 

「なんだと……!?」

 

「くくっ……はっはっは!」

 

「なにがおかしい!空野真司!」

 

「あ〜あ、まだ気づかないとな」

 

そういった俺は

 

ボィン!

 

「消えた……!?」

 

「なんだと……!!!」

 

「えー!真司が消えたー!!?」

 

そう、真司は捕まった時に時間停止 世界(クロノ・ストップ ザ・ワールド)で時間を止めている間にシノビにカメンライドして、分身を作ってディメンジョンオーラでそうそうに脱出してあったのだ。

 

「あの野郎……!舐めた真似しやがって……!」

 

そして脱出した真司は少年をバロックワークスから助けて反乱軍を説得して、クロコダイル討伐の軍を急遽作り上げたのだ。焦凍たちはMr.4や残りのバロックワークスたちを殲滅している。

 

原作であった爆弾もディメンジョンオーラで宇宙へポイっと捨てたので問題なしだ。

 

さあ反撃開始だ。

 

 

 



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進化

さてと……子供の証言とこっそり録音しておいたでんでん虫のクロコダイルの自白で反乱軍はすっかりお怒りのようだ。皆してクロコダイルを倒す気になってくれた。

 

「クロコダイルを倒せえぇ!」

 

「真の敵はアイツだあぁ!」

 

「敵はレインベースにあり!」

 

さてと……俺がクロコダイルを倒してもいいんだがこれ以上原作を狂わせるのもなんだかな……

 

ていうかルフィってこの後ロビンいない状況でどうなるのかな……?

 

まあいっか。まずはクロコダイル討伐だ!

 

ビリオンズたちが立ち塞がるがねじれちゃんを行かせているし大丈夫だろう

 

・・・・

 

ねじれside

 

私は真司くんの頼みでアルバーナに来ている。

 

クロコダイルの自白を国王軍に聞かせたので国王軍もレインベースに向かっているようだ。国王軍の中にはバロックワークスもいたらしいが真司くんの覇気で倒されている。

 

私はアルバーナに来ている反乱軍、いやクロコダイル討伐軍を先導するのが私の役目だ。

 

と思った時

 

「いたぞ!てめえら!よくも計画を台無しにしてくれたな……!」

 

「許さねえ……!」

 

「許さねいってなになに〜?……それはこっちのセリフなんだけど」

 

少々殺気を放ってしまった。真司くんにも言われたけどあまり覇王色(・・・)の覇気を使わない方がいいって。制御するのに難しいから。

 

覇気で何人かが倒れていく。

 

「さってと!私の役目は貴方たちをここで殲滅することなんだけど……大人しく捕まってくれない?」

 

「ふざけるな!女!」

 

「死ぬのはてめえだ!」

 

三下みたいなセリフを吐いてくるこの人たち。全く……自首した方が罪は軽くなるんだよ?この世界がどうかは知らないけど。

 

「撃てえぇ!」

 

バロックワークスの人たちが発砲してきたが私は

 

「サイクロンベール!」

 

マナマナの力で私の周りの風を操作して、私の周りに風のカーテンを作った。

 

放たれた銃弾は風のカーテンによって晒され、上空へと巻き上げられた。

 

そして

 

「エクスプロージョン!」

 

私は波動を爆破エネルギーに変換させてビリオンズを吹き飛ばした。

 

その攻撃を受けて立っている者はいなかった。

 

「馬鹿な……我々が……こんな簡単に……」

 

そしてクロコダイル討伐軍がやってくると愛しい彼も見えてきた。

 

真司くんー!私はここだよー!!!

 

・・・・

 

「クソが……!あの野郎め……!捕まったふりをしていたのか……!」

 

クロコダイルは焦っていた。反乱軍がこの場に向かっているということは誰かにMr.2の変装を見られたかさっきの会話を録音されたか、どちらにせよ自分の計画が国民に筒抜けだということだ。

 

「クソ!まずは反乱軍を殲滅するぞ!Mr.1!付いて来い!」

 

「OK」

 

クロコダイルは真司がこの国いることを知っていたので万が一に備えてMr.1を近くに待機させておいたのだ。

 

とクロコダイルが出ていくとディメンジョンオーラが檻の中に現れた。

 

「真司!」

 

「真司ぃ〜!助けにきてくれたのか〜!」

 

ルフィとウソップが歓喜の声をあげる。

 

「…………」

 

「さてとクロコダイルを潰すのは俺でもいいんだが……おまえがやりたいんだろ?」

 

「おう!俺がやる!」

 

「バカ!おまえ……ここはコイツに任せたほうが……」

 

「とりあえずここから脱出するぞ」

 

そして真司たちはレインベースの外に転移した

 

・・・・

 

おーおー修羅場だなぁ。

 

クロコダイルを倒そうと反乱軍と国王軍は躍起になってるよ。

 

でもクロコダイルもMr.1も普通の打撃斬撃じゃ効かないんだよなあ……

 

とそう思ってたら

 

「クロコダイル〜!!!」

 

ルフィがクロコダイルに殴りかかるとクロコダイルは吹っ飛んだ。

 

あれ?今水浴びてたっけ?ふとルフィの腕を見てみると黒くなっている。

 

まさか覇気をこの段階で覚えたっていうのか?

 

マジかー!俺は確かに覇気を教えたがすぐに覚えるとは思ってなかったぞ!

 

見聞色で心を覗いてみるとどうやらスモーカーとの戦いの際に覚醒したらしい。そしてどうやら俺のアドバイスのせいかギア2とギア3も既に習得済みらしい。

 

だけどうろ覚えなのかまだまだ原作とは程遠いぐらい弱いものだな……

 

ゾロの方もどうやら覚えたらしい。俺が2年かかってマスターしたのにすぐに覚えられるとか傷つくぞ。

 

Mr.1はゾロの獅子歌歌で早々にリタイアしてしまった。

 

砂嵐(サーブルス)!」

 

クロコダイルが砂嵐を起こすがルフィはそれを見聞色の覇気で見切って避けて

 

「ギア2!ゴムゴムの……ホークガトリング!」

 

武装硬化された腕でクロコダイルをなんども殴りつけるとクロコダイルは吹っ飛んだ。

 

あれ?思ったより楽に勝てちゃったな……?

 

 

 

 




戦闘が雑になってしまいました……すみません……


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影の蠢き

久しぶりになりました!

(白)ウォズのヒーローアカデミアを書いていたので……


あの後クロコダイルは海軍に連行されてアラバスタで起こった反乱も無事終息した。

 

ビビに会食に誘われたので参加してみたが

 

「ルフィおまえ肉食いやがったな!」

 

「そんなにガッツくなよ……」

 

とてもじゃないが静かに食べられない。

 

焦凍たちも目を見開いている。

 

シュガーもガッツくが

 

「ううむ!ぼべぶっ!」

 

喉を詰まらせたようで水をがぶ飲みしている。

 

そしてどんどん運ばれてくる食事に盛り上がる会場。まあほとんど味は分からなかったが楽しかった。

 

やっぱルフィってカリスマみたいなものを持ってるんだなー……

 

でも原作だとこの後風呂だったよな……?どうする!?

 

峰田に成り下がるのは御免だ!俺はパスしておこう。

 

であの後ルフィたちが風呂を覗こうとしたら案の定というべきか焦凍がキレて風呂場が凍りついたとか。

 

ふ〜……パスして正解だったな……

 

そしてルフィたちに空島のことを教えておくと目を輝かせて

 

「空に島なんてあるのか!?」

 

「ああ、ジャヤのモンブランクリケットって人に聞けばわかるぞ」

 

「わかった!ありがとな!」

 

この後ルフィたちをディメンジョンオーラで送り原作通りにビビとの別れが見られて本当に良かった。

 

さて戻りますか

 

俺はディメンジョンオーラを出してイセスマの世界に戻った。

 

そして再びワンピースの世界に来るとルフィがエニエスロビーを落としたそうだった。どうやらフランキーと一緒に連れ去られたウソップを放って置けずに助けたらしい。

 

となると次はモリアとの対決だよな?

 

でも今のモリアは信じられないほど強くなってるしルフィが勝つのは無理じゃね?

 

で案の定ルフィはフロリアントライアングルに乗り込んできた。

 

・・・・

 

「影は……ある海賊に奪われました……アイツに勝てる者など限られてくるでしょう……」

 

「何言ってんだ!水くせえ!俺が取り返してやるよ!」

 

「ルフィさん……ですが……」

 

とその時ルフィたちの前にもフワフワしたゴーストが現れてナミやウソップたちはビビる。

 

・・・・

 

バルside

 

「クックック……麦わらのルフィが乗り込んできたとペローナから報告があった」

 

「で?どうするの?」

 

ルナが目の前の巨漢、モリアに問うと

 

「キッシシシシ!前までの俺ならアイツの影を奪ってオーズに入れて満足していたただろうがアイツらは弱すぎる。ゾンビにするのが一番だ」

 

「はぁ〜……おまえは趣味が悪いな。ゾンビなんて人道的じゃねえぞ?」

 

「海賊だろう!好きにやればいいのさ!まあ関係もない民間人から奪うのは気がひけるってのは認めよう」

 

以前までのモリアなら好き構わず奪っていただろうがボスの影響か大分丸くなっている。

 

「どうする?俺が行こうか?」

 

「ああ!頼むぜ!倒すのは簡単だろ?」

 

「ふぅ〜……一応ルフィたちはボスの友達なんだよな〜やりたくねえな〜」

 

「なら俺が行こうか!久しぶりに暴れてえしな!」

 

「うるせえゴリラ。おまえは引っ込んでろ」

 

「ガッハッハ!相変わらず手厳しいな!」

 

相変わらずの大声で叫ぶタイソン。耳が痛えんだよ!

 

さてと……まあボスからはモリアの言うことは聞くように言われてるからな……行きますか

 

俺は暗い廊下をコツコツと歩いていく。

 

 



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格の違い

バルが廊下を歩いて行くとゾンビたちが

 

「あ!バル様!侵入者ですよ!」

 

「腐れやべー!!助けてくれ!」

 

「知ってるよ……あと近づくな気持ち悪い」

 

とそこに

 

「おいっ!お前モリアの仲間か!?骨の影を返せ!」

 

「知らねえよ……俺はただボスの命令でここにいるだけだし……モリアが誰の影を取ったかなんてわかるわけねえだろ」

 

「ボス……?それがモリアの協力者なの?」

 

「ああそうだよ。言っておくがお前らがよく知っている人だ」

 

「俺たちが知っている……?」

 

麦わらの一味の一人黒脚のサンジはバルの言葉に眉間に皺をよせる。

 

「まあお前らを殺せって言われてるが……大人しく引いてくれないかな?俺としても殺したくない」

 

「引かねえ!骨の影を返してもらう!ギア2!ゴムゴムの……!jet ピストル!」

 

ルフィがとてつもない速さでバルに殴りかかるが

 

「…………エアプリズム」

 

ガキィン!

 

不可視の壁かそれを阻んだ。

 

「なっ!?なんだこりゃあ!」

 

「やめとけ。お前らじゃあ俺には勝てない。ましてやモリアになんて……」

 

「ぐっ!七十二ポンド砲!」

 

ゾロが二刀流の刀を振りかざして斬撃を放つが

 

それもガキィンと甲高い音を鳴らして不発に終わった。

 

「ディアブルジャンブ……プルミエールアッシ!」

 

サンジが接近して飛び蹴りを放つがバルはひょいと避けて

 

「プリズムショット」

 

バルが指をサンジに向けてそう言うと

 

「グハァッ!!!」

 

「サンジ!?」

 

サンジの足を見るとまるでナニかに撃ち抜かれたような跡があった。

 

「火の鳥星……ファイアーバードスター!」

 

「クード……ヴァン!」

 

ウソップによる狙撃とフランキーの衝撃波がバルを襲うが

 

「リフレクトプリズム……」

 

バルが呟くと炎の鳥と衝撃波は跳ね返された。

 

「なっ!?」

 

「強え……」

 

「そろそろこっちも攻撃に移させてもらうよ……プリズムダスト」

 

バルが武装色の覇気を込めた壁を破壊してその破片がルフィたちを襲う。

 

「なっ!?グワアァァア!!!」

 

「ぐっ!」

 

ルフィは腕を武装硬化して、ゾロも武装硬化した刀で弾き、サンジも武装硬化した脚で防ぐがその他の者たちはまともに喰らってしまった。

 

「くっ……!俺はこんなとこで終わるわけがないんだ!ギア3!ゴムゴムの……ギガントピストル!」

 

ルフィが巨大化した腕を振るうがバルは片手で受け止めた。

 

「なっ!?」

 

「…………プリズムレイ」

 

そして光の光線がルフィの肩を貫いた。

 

「グワアァァア!!!」

 

「ルフィ!」

 

「一刀流……獅子歌歌!」

 

ゾロが居合斬りで切ろうとするも

 

「プリズムアーマー」

 

バルの体は切れずに不可視の鎧が斬撃を防いだ。

 

そしたゾロを殴り飛ばしてその手からレーザービームを放った。

 

「ゴハッ!」

 

「ゾロおおおお!!!おおおおおお!!ゴムゴムの……ホークガトリング!!!」

 

「無駄無駄」

 

ルフィの攻撃も不可視の壁に阻まれてバルに一発も当たらない。

 

「はぁ……はぁ……」

 

「………………」

 

ルフィたちが攻撃を何度仕掛けるもその攻撃が当たることはなかった。圧倒的な戦力差にルフィたちの中には絶望感で満たされる者もいた。

 

「そろそろ終わらせますか。プリズムレイン」

 

バルがルフィたちを結晶の壁で囲むとその天井から光が輝き始めると光の雨がルフィたちを襲った。

 

「なっ!?おわあああああ!!」

 

そして立っているのはルフィだけとなった。

 

「脆い……そんなんじゃモリアには勝てないぞ」

 

「はぁ……はぁ……」

 

「よー!まーだ終わってないのか?」

 

「二人目……」

 

ゾロが呟くと暗闇の奥から赤髪の少年が現れた。

 

「初めましてかな?麦わらの諸君。俺はルビーという者だ。さてさて……まだ終わってないのか?遊びすぎだ」

 

「るっせえなあ……俺としてはいつでも倒せんだよ」

 

「いたぶってるのかよ……おまえもモリアに負けず劣らずの趣味の悪さだな」

 

「違えよ!コイツらに核の違いを思い知らせて逃がそうってことだ!」

 

「本当かなあ〜?お前のことだもんな〜」

 

「ってめえ……!」

 

「やるのか?」

 

一触即発の空気が流れる中で

 

「ガッハッハ!!!なーに喧嘩してんだよ!!ソイツらを倒すんじゃなのか!?」

 

「全く……あの方に知られても知らないわよ?」

 

「おいおいおい……敵の前で喧嘩するか?普通」

 

「タイソン…ルナ…サファイア」

 

「麦わらの相手はどうするの?」

 

「お前らがやってくれ。俺はコイツをぶちのめす」

 

「俺もだ」

 

「は〜あ……な〜んでいつもこうなるのかしらね」

 

「まあこれがコイツらの平常運転だからな」

 

「ガッハッハッハッハ!!!まあじゃあ俺に任せとけ!」

 

「お願いするわね?」

 

「さてと……」

 

そしてタイソンの体がどんどん変化していく。

 

「なっ……なっ……!」

 

「ヒトヒトの実……モデルビッグフット……」

 

そして大猿になると

 

「え?」

 

「うりゃあ!!!」

 

バァン!!!

 

「ルフィ!!!」

 

ルフィはタイソンのラリアットを喰らって壁まで吹き飛ばされた。

 

「タイソン……やりすぎるとモリアに怒られるわよ」

 

「ガッハッハ!!すまんすまん!」

 

「三刀流!牛鬼!勇爪!!」

 

体毛鎧(モジャローブ)……」

 

ゾロが攻撃を仕掛けるもその体毛によって衝撃が吸収されて斬撃が無効化されて。

 

そして

 

「そりゃあ!!」

 

「グホハッ!!!」

 

タイソンのアッパーをモロに喰らったゾロは天井まで吹き飛ばされてそのまま地面に落ちた。

 

「ゾロ!!!」

 

「お前えええええ!!!ギア2!ゴムゴムの……暴風雨(ストーム)!!!」

 

「ふんっ!」

 

タイソンはクロスさせた腕を開くと衝撃波によってルフィのパンチを弾き飛ばした。

 

「はぁ……はぁ……」

 

ルフィは既に限界を超えていた。しかし体を無理に動かしているには最早限界だった。

 

とバルとルビーは

 

「エアプリズム!」

 

「砂鉄時雨!」

 

ルビーの砂鉄による攻撃をバルが不可視の壁で防ぎ

 

「プリズムレイ!」

 

「くっ!」

 

今度は光の光線がルビーを襲うが砂鉄を生かして避ける。

 

「砂鉄大蛇!」

 

大蛇となった砂鉄が不可視の壁を襲うと壁にヒビが入っていくと

 

「好都合!プリズムダスト!」

 

吹き飛ばされた砂鉄の破片がルビーに降りかかるが

 

咄嗟に触手のようにした砂鉄で結晶の破片を防ぐ。

 

「クソッ!しぶといな!」

 

「それはこっちのセリフだ!」

 

ナミたちは自分たちとは次元の違う戦いをまえにただ震えるだけだった。

 

とその時銀色のオーロラが現れた。

 

「これは……!」

 

「まさか!」

 

バルとルフィたち両方の陣から声があがる。

 

「やあやあ!久しぶりかな?ルフィくん」

 

「真司……」

 

かつてルフィたちと共に戦った戦友が目の前に現れた。

 



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交渉

「し、真司……どうしてお前がここに……?」

 

ルフィが驚きながら聞いてくる。

 

ああ言ってなかったっけ。折角だし言ってたおこっか。

 

「あのね、俺とモリア、同盟関係なんだ。だからここには顔馴染みで来ているわけ」

 

「真司!なんでモリアと一緒なんだ!アイツは……!」

 

「ルフィ、アイツはそんなに悪いやつじゃないよ。アイツのおかげで守られている人たちだっていっぱいいる。アイツの力は世界に必要なんだ」

 

「それが人の自由を奪ってもしなくちゃいけないことなのか!?」

 

「ふぅ……まあゾンビ兵は気に食わないのはわかる。でもなアイツは民間人に手を出さないんだ。文句は言えない」

 

「真司……」

 

ナミが未だ驚いているようで俺を見てくる。

 

「まあさっさと退きなよ。おまえらじゃあモリアには勝てない」

 

「退かねぇ!俺は諦めねえ!」

 

「ダメだなこりゃ……うん?」

 

俺は見聞色で感じた気配を探ると

 

下に影が伸びていた。来たな……

 

「キシシシシシ!ま〜だ終わってねえのか!?おう真司!久しぶりだな!」

 

「久しぶり、モリア」

 

「モリアって……コイツが……!」

 

「な、なんだよコイツぅ……!化け物だ……!」

 

ほう?ウソップのやつ見聞色の覇気を習得しているか。随分早いな。

 

「キシシシシシ!おめえが麦わらか!どんな奴かと見に来たが……この程度のやつがエニエスロビーを落としたとはな!世界政府も甘ちゃんだぜ!」

 

「何だとお!?ていうかおまえがモリアか!?骨の影を返せ!!!」

 

「キシシシシシ!あいにく海賊には容赦しねえって決めてるんでな。まあおめえらみてえなピースメインはほとんど見逃しているが……おめえらから仕掛けてきたんだ。悪く思うなよ?」

 

そう言ってモリアが覇気を放つとチョッパーやナミ、ウソップは膝をつきガクガクと震えていた。

 

でもな〜?ここで麦わらに全滅されるとあとあと困るんだよな〜まあ助けてやりますか。

 

「モリア、俺からの頼みだ。コイツら見逃してやってくれねえか?」

 

「真司?なんでだ?コイツらから仕掛けてきたんだぞ?おまえだってそこまで甘くねえはずだろ?」

 

「確かにルフィたちから仕掛けてきたがそれは仲間ともいえる大事な者の影を取り戻すためだ。おまえだって義理人情は大事だと思うだろ?」

 

「う〜ん……確かに……だがそのまま返すのはダメだな」

 

「じゃあこれならどうだ?ブルック?だったっけ?おまえが発端だろ?」

 

「は、ハイ……私がルフィさんたちに話したのが原因ですね……」

 

「じゃあこうしねえか?モリア、おまえの兵士一体とブルックを戦わせて勝ったら骨の影とこの森にいる者たちの影を返してルフィたちを見逃す」

 

「う〜ん……確かに筋が通るな……よし!それならいいだろう!ていうわけだ!受けるよな?」

 

「ハイ!わかりました!望むところです!」

 

「クックックッ……よしなら来い!剣豪リューマ!」

 

「ヨホホホホ!私をお呼びですか?」

 

「コイツと一騎打ちをしろ」

 

「いいでしょう……」

 

「おい一旦外に出るぞ。モリア」

 

「おうよ!」

 

こうして原作とは違う形でリューマとまみえることになった。



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ソウル覚醒

小説書いていると感想が欲しいなーって思うところが作者の本音です……


ブルックとリューマが相対すると周りの者にも緊張が走る。

 

「キシシシシシ!どっちが勝つと思う?」

 

「おや?意外だな。おまえの場合、自分の兵に絶対の自信があると思ってたんだが」

 

「キシシシシシ!勝負に絶対なんてねえよ!まあ俺の兵に分があるってのは認めよう。それで真司。あのニュースを知ってるか?」

 

「あのニュース?」

 

「なんだあ?知らねえのか?火拳のエースがインペルダウンに投獄されたっていう話だぞ」

 

エースが!?なんでだ……?俺はエースを確かに帰らせるように言ったはずだが……いや待てよ?確か黒ひげは元々ルフィを狙ってたんだったよな?だったらそれを知ったエースが放っておかないっていうのもあるな……どっちにしろ原作通りになってしまったわけか……

 

そんな話をしている中戦いは佳境を迎えていた。

 

ブルックの突きがリューマに向かって放たれるもリューマは秋水で受け止めて剣を上へ晒す。

 

そして

 

夜明曲(オーバード)クー・ドロア!」

 

ブルックに向けられて鋭い突きが放たれる。

 

ブルックはそれを間一髪で躱すも先ほどまでいた場所には穴が空いていた。

 

そしてブルックは後ろに下がるがそれを見たリューマは

 

革命舞曲(ガボット)ボンナバン!」

 

ブルックに向かって飛び込むがそれを見越していたのかしゃがんで避けて振り向きざまに剣を振るうも受け止められてそのまま弾き飛ばされた。

 

「ブルック……」

 

チョッパーが心配そうに呟く。

 

状況は素人が見てもわかるぐらい劣勢だ。

 

「なあ……ブルックが勝てる見込みはあるのか?」

 

ウソップが聞いてきたので

 

「まあ現状じゃ無理だな。勝つにはアイツの真の能力を解放させるしかない」

 

「真の能力?」

 

俺はブルックにわざと聞こえるように言う。

 

「アイツの能力は果たしてただ死人を蘇らせるだけなのか?だったらなぜ骨のアイツが生きていられるのか……それがわからないと勝てないな」

 

と俺が言えるのはここまでだ。

 

・・・・

 

ブルックside

 

私の真の能力……?

 

このヨミヨミの実はただ死人を蘇らせるだけじゃないのか……?確かに私は骨でも現世に存在することができる……だがそれは悪魔の力だと思ってた……いや!悪魔の力だからこそ!私は現世に存在出来ているのか!そしてこの力は……(ティマシィー)

 

この力なら……!私は……信じてくれたルフィさんのために……!ラブーンに再び会うために……!

 

私は奥底にある力を解放すると剣に伝せる。

 

そしてこの剣は

 

「ソウルソリッド!ソウルを纏う斬撃は黄泉の冷気をこの世に伝えます。凍える剣……コツとご覧あれ!」

 

・・・・

 

遂に覚醒したかー!

 

ブルックがソウルを剣に纏わせると形勢が逆転した。

 

リューマは一撃一撃を受け止めるもその斬撃には冷気が込められているので徐々に押されている。

 

とその様子を見ていたモリアは

 

「……真司、おまえこうなるってわかってたのか?」

 

「んん?ああ、まあね」

 

「キシシシシシ!相変わらず気まぐれな野郎だ。まあ別に構わねえけどよ」

 

そしてお互いの剣がぶつかり合って一歩引くと

 

ブルックとリューマはゆっくり歩いていき、お互いが近寄っていく。そして過ぎ去っていき、

 

「「鼻歌三丁…………矢筈斬り!」」

 

そして制したのは……

 

「ゴホッ!?」

 

ブルックだった。

 



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頂上戦争勃発!

ブルックがリューマを倒すとその口から影がブルックの足元に帰ってきた。

 

「ブルックが勝った……ってことは!」

 

「俺たちの勝ちだー!!!」

 

ブルックが勝ったという事実にウソップとチョッパーが喜びの声をあげる。

 

「キシシシシシ!!まあ約束は約束だ!おまえらの安全は保障しよう。それにゾロだっけ?あの刀……秋水はおまえにやろう」

 

「いいのか?」

 

「おまえが使えばもっと強くなりそうだからな!キシシシシシ!」

 

ほぅ……モリアもなかなか見る目があるな……

 

モリアが安全を保障したがルフィは未だ納得してない顔でモリアを見る。

 

「クックックッ……なんだ?仲間に助けられたという事実が気に食わねえのか?」

 

モリアが笑いながらルフィに問うと

 

「俺はおまえを認めねえ!今日は負けたが……次こそは勝つ!」

 

「クックックッ……面白えじゃねえか!再戦の日を楽しみにしているぞ……」

 

そしてローラたちの影が帰ってくると

 

「ありがとう!ナミぞうたち!結婚してあげるわ!」

 

ローラの求婚はものの見事に無視されるもナミたちはローラからビッグマムのビブルカードを貰った。

 

ここまでは原作通りだな……あとは……

 

「え!?これ本当に貰っていいの!?」

 

「ああ、迷惑かけた謝礼だ。貰ってくれ」

 

「真司ありがとな!」

 

スリラーバーグで手に入らなかった分の金銀財宝をルフィたちに渡した。

 

ここまでは原作通りだ……あとは……

 

そしてルフィたちがフロリアントライアングルから去っていく。

 

ルフィたちが去った後モリアは

 

「キシシシシシ!おめえは相変わらず甘えな!まあアイツらは俺も気に入った。どこまでも諦めないその精神……まるでナルトみてえだからな!」

 

「まあそれは同感。ところで七武海召集受けてるの?」

 

「ああ!俺は明日マリージョアに向かうつもりだ。ところでおまえはどうするつもりだ?」

 

「んん?なんのことだ?」

 

「惚けるな!おまえもこの戦争に介入するつもりなんだろ!まあおまえがどっちにつこうが俺はおまえ側につくつもりだぜ!」

 

モリア……まあ俺はこの戦争を利用するつもりだ。

 

そう決まれば善は急げってな

 

・・・・

???side

 

「はぁ……」

 

私は自分の邸宅で深くため息をはいた。

 

私は部下からの報告を聞いて頭を痛めていた。私と同じ天竜人がまたもや人々を苦しめていたからだ。

 

かつて私もその者たちと同じような考えを持っていた。だがある一人の人魚に諭され人間としてもらった。今では私はそのことを誇りに持っている。だが同じ天竜人が人々を苦しめているのに情けなさを感じていた。

 

私は彼らを……同じ天竜人たちを人間として……救ってやりたい……

 

そして……人間と魚人族を……本当の意味で手を取り合わせたい……

 

だが他の天竜人はそれを認めようとしないだろう……

 

そう思っていた時、銀色のオーロラが現れた。

 

私はそれに警戒を強めた。それはかつてここを襲撃した者の使っていたものだったからだ。

 

私は咄嗟に武器である銃を手に取った時、彼は現れた。

 

・・・・

 

時同じくしてマリンフォード

 

「おまえの父親は!海賊王ゴールドロジャーだ!」

 

海軍元帥センゴクの叫びでマリンフォードに緊張が走る。

 

全世界にその情報が伝わり激震が走る。

 

その様子を見ていたモリアとハンコックも

 

「キシシシシシ!海賊王に息子……こりゃあすげえな!ロジャーに関わるほとんどの人間が刑を受けたっていうのに……!」

 

「ルフィの……実の兄ではなかったというのか……」

 

そして沖合いから白ひげ海賊団の傘下の船たちが現れると海軍が警戒する。

 

そして海底からコーティング船のモビーディック号か現れると

 

「グララララ……何十年ぶりだ?センゴク。俺の愛する息子は……無事なんだろうなあ……?ちょっと待ってなエース」

 

「親父ぃ!」

 

白ひげは薙刀を船に突き刺すと腕を交差させて開くと大気に能力で衝撃を与える。すると大気にヒビが入り、両側の海で爆発が起こる。

 

とその時エースが

 

「俺は忠告を無視して……真司からも言われたのに……なんで見捨ててくれなかったんだよ!」

 

「いや……俺は行けと言ったはずだぜ、息子よ」

 

そしてマルコもそうだと答えると

 

「待ってろエースぅ!今助かるぞおお!」

 

白ひげ海賊団の士気が上がったちょうどその時に銀色のオーロラが現れた。

 

「なっ!?あれはまさか……!」

 

「おいおい……!」

 

海軍も白ひげ海賊団にも緊張が走りオーロラから現れたのは

 

「やあやあやあ、久しぶりだな白ひげ」

 

「真司ぃ……!」

 

もう一人の世界最強の男が現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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革命

「真司ぃ……!」

 

「よう白ひげ、久しぶりだな」

 

俺がニューゲートと対話する中で海軍は

 

「あれは……四皇と同等、いやそれ以上とも言われている海賊!オオゾラの海賊団船長!空野真司!」

 

「いや!それだけじゃない!アイツは鳳凰ショート!それに極昌のバル!」

 

「へぇ〜?焦凍、おまえも悪名が大分広がっているなあ?」

 

俺がニヤニヤしながら焦凍に言うと

 

「別に……おまえほどじゃないだろ」

 

ものの見事に躱されてしまった。

 

クッ!

 

まあ冗談はさておき

 

「ニューゲート、この戦い、俺たちも混ぜてもらうぞ」

 

「グララララ!鼻ったれは引っ込んでろ!」

 

「やだね、エースを連れもどせなかった俺にも責任がある。無理でもやらせてもらうぞ」

 

「ちっ!勝手にしろ!」

 

「そうか、なら……」

 

そしてニューゲートが仕掛けた津波を青キジは凍らせると"アイスブロックパルチザン"を放ってきたが白ひげの地震によって砕かれて湾内は凍りついた。

 

そして隊長達が降り立つと

 

「き、黄猿だああああー!!!」

 

「八尺瓊勾玉」

 

黄猿の光の雨が俺たちに襲いかかるが

 

「バル」

 

「ハイハイ、リフレクトプリズム」

 

バルが作り出した結晶の壁によって光の雨は返され、海兵が巻き添えを食う。

 

「アイツは……!オオゾラの海賊団!極昌のバル!」

 

「ほぉおおお〜……これは〜厄介だねぇ〜」

 

そしてジョズが大氷塊による攻撃を仕掛けたが

 

「大噴火!」

 

赤犬によって大氷塊は跡形もなく溶かされ火山弾が船に向かって落ちてきたので

 

「頼むよ焦凍」

 

「……わかった」

 

焦凍が鳳凰になって空に飛んで冷気の暴風を放つと火山弾は全て凍りついた。

 

「あれは!オオゾラの海賊団!鳳凰ショート!」

 

焦凍が鳳凰のまま突撃するのに対して海軍は

 

「撃てぇえええええ!」

 

砲撃してくる。しかし焦凍は暴風を拭き起こして砲弾を全て落とした。

 

「アイスブロックパルチザン!」

 

青キジが氷を放ってくるが

 

「ブラストヒート!」

 

今度は熱風で氷を全て溶かした。

 

「やはり……!噂通りの能力を!」

 

「あらゆる風を操る能力……!」

 

いや能力というより焦凍の個性なんだけどね。まあ言う必要はないか。

 

「じゃあ俺も行きますか!変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

ディケイドに変身して氷の上に降り立つ。

 

そしてソルで海兵たちを次々と峰打ちで倒す。

 

さて……そろそろ良いだろう……

 

俺はディメンジョンオーラを出してバルディゴにいる革命軍を強制的に俺の近くに呼び出した。

 

突然のことで驚くドラゴンと海軍たち。さて……

 

<アタックライド、シーフ!>

 

映像でんでん虫を全て奪い取って全世界に俺を写すと

 

「皆!聞いてほしい!この世界は正しいのか!」

 

それを見ていた人々は

 

「急になんだ?」

 

「コイツ何言ってるんだ?」

 

「天竜人に支配されたこの世界は本当に正しいと言えるのか!?いや俺はそう思わない!」

 

その真司の言葉に

 

「コイツ……!言っちまったぞ!」

 

「ヤベェ!」

 

そして俺は演説を続けようとするが

 

「そこまでだ!」

 

海兵が邪魔してきた。だが

 

「ふっ!」

 

焦凍が迎撃してくれた、

 

「真司ここは俺たちに任せろ」

 

「お前は世界を変えてこい!」

 

「天竜人の支配で!人は本当に幸せになれるのか!そして奴隷というものがまかり通って種族平和というものが生まれるのか!?バスターコールという非情なものがあっていいのか!?いや!違う!今の海軍は正義じゃない!まだ白ひげの方が平和というものを守っている!」

 

真司の言葉にサカズキは

 

「オンドレェ……!!!」

 

「俺はこの世界を変えてみせる!ここにいる真の平和を望む者たちよ!俺についてきてくれ!」

 

そう言って俺は海兵たちを次々と倒す。

 

真司の言葉に海兵の一部は

 

「俺たちのって……本当に正義なのか……?」

 

「ああ……」

 

「市民を危険に晒すものが……本当に正義といえるのか……?」

 

この戦いに迷いを生み出していた。

 

そして青キジは

 

「へぇー……いいじゃない。乗ってやるか……お前に」

 

そして青キジが前に出ると

 

「あ!大将!?」

 

「聞けぇ!俺は今から!空野真司に着く!俺はあのバスターコール以来!俺は本当の正義ってものを探してきた!だが!今わかった!この男の正義こそが!真の正義だ!」

 

青キジの言葉に海兵の多くは動揺を隠せず迷っていた海兵は

 

「そうだ……俺もだ!」

 

「俺も!」

 

「俺も!本当の正義を貫きたい!」

 

そして海兵の一部が真司側に走るのを見た人々は衝撃を受けると同時に

 

「確かに……」

 

「俺たちも!本当の正義ってやつを見たい!」

 

「ああ!俺もだ!」

 

天竜人に虐げられてきた者たちも真の心を解放させた。

 

そしてこの男も動き出す。

 

「いいゼェ……!俺も付き合ってやる!」

 

「ゼファー先生!?」

 

「聞けぇ!俺も青キジと同じく!空野真司に着く!本当の正義ってやつを見せてやる!」

 

更にゼファーが真司側についたことで迷っていたゼファーの教え子たちも真司側についた。

 

そしてこの様子を見てきた二人の七武海も

 

「キッシシシシ……!相変わらず面白えことしてくれる……いいだろう!影法師(ドッペルマン)!」

 

モリアは地面の影を自身の体に巻きつけると

 

悪魔鶴翼(デビルウィング)

 

そして実体化した影は巨大な翼となりモリアも真司に向かって飛び立った。

 

「真司……!それでこそ……妾の真司……!」

 

ハンコックまでも真司に向かって走っていった。

 

それに加えてこれを見ていたドラゴンも

 

「空野真司……」

 

「ドラゴン……アンタにも力を貸してほしい。頼む」

 

「いいだろう!革命軍に告ぐ!今から!空野真司を全力で援護しろ!」

 

こうして天竜人打倒の軍という第3の戦力が頂上戦争の場に生まれた。

 

そしてこの様子を見ていたセンゴクは

 

「あの男……!!!」

 

「ブワはっはっは!だがよぅセンゴク……アイツの言う通りじゃないのか……?今の儂らの正義は本当に正義といえるのか?」

 

「………………」

 

「儂もあっちにつかせてもらうぞ。アイツについていけば面白いしな!」

 

ガープが月歩で真司側に向かっていく。

 

その様子を見ていたセンゴクは

 

(私は……)

 

そしてサカズキとボルサリーノは

 

「クザンめ……!あの裏切り者ぉ……!!!」

 

「サカズキぃ〜……?どうするぅ〜?」

 

「決まっちょろう……全員皆殺しじゃ」

 

「おお〜……怖いね〜」

 

そして俺は

 

「でよ?どうすんの?」

 

「そうだな。具体的な作戦を聞きたい」

 

「既にマリージョアにいる革新派の天竜人に手を回してある。現在の海軍を降伏させてマリージョアに攻め込む。そして降伏勧告を出して天竜人の地位を最低限まで落とさせる。無視した奴は……牢獄行きだがな」

 

「成る程、大体わかった。で?まずはこの海軍たちを沈めるのが先か」

「ああ、そこは革命軍に任せる。そして白ひげのナワバリに守られている者がいる。俺は略奪主義の海賊でなければ出来る限り殺したくはない」

 

「そうだな……じゃあ白ひげを味方につけるの?」

 

「ああまずはエース救出だ。あとは……この戦争の引き金を引いた黒ひげを迎撃する整えも必要だ。とりあえず海軍を倒して世界政府を引きずり降ろすぞ!」

 

『おう!』

 

「エース……?」

 

あ?多分アイツだ。

 

「エース……思い出した!俺たちは昔!」

 

「サボ!?」

 

「ドラゴンさん!エース救出は俺にさせてくれ!」

 

「知っているのか!?」

 

「ああ!義兄弟なんだ!」

 

「わかった。真司いいか?」

 

「いいよ。元々誰かにやらすつもりだったし」

 

「ありがとう!」

 

そして海軍本部に向かおうとした時

 

「くっ!」

 

ガキィン!

 

突然俺の前に現れたソイツは……

 

「鷹の目ぇ……!」

 

「リベンジさせてもらうぞ!真司!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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世界が変わる時、そして……エース解放

「鷹の目ぇ……!」

 

「リベンジさせてもらうぞ!真司!」

 

そう言った鷹の目の剣を俺はライドブッカーで受け止める。

 

「流石だな!真司!」

 

「ちぃ……!この忙しい時に!」

 

マジで忙しいからさっさと退いてほしいんだが。

 

そんなことも御構い無しに鷹の目は斬撃を連続で放ってくる。

 

俺はそれを全て弾き飛ばすがその斬撃は前受けたのに比べると段違いに重かった。

 

「どうだ真司!これこそ俺の修練の証!山に3年、海に3年、鍛えに鍛えまくったこの俺の斬撃を!貴様に受け止められるか!」

 

口上はともかくコイツの強さは原作より強くなってやがる……!

 

「だったら!変身!」

 

<カメンライド、ブレイド!>

 

バックルから出たオリハルコンエレメントをくぐると俺はブレイドに変身した。

 

「ほぅ……前とはちがう姿か……なら!」

 

そして鷹の目が向かってきたので俺はブレイラウザーを手にして上段から振り下ろされた斬撃を受け止めるとそのまま受け流して横に薙ぎ払うが鷹の目はしゃがんで避け今度は下段から剣を振り上げた。

 

俺はそれを反らして避けて、そのまま宙返りで後ろに下がる。

 

「鷹の目ぇ……!あの時より強えな!」

 

「当然だ!貴様に敗れて以来!俺は自分の剣と向き合い、そして己の剣の極致を見つけた!そして何故だろうな……貴様と戦うとワクワクするのだ!」

 

「俺もこの戦いは楽しいがよ!今はそれどころじゃねえんだ!また次の機会ってことで!」

 

「むっ!逃がさん!」

 

鷹の目が斬りかかってくるが

 

<アタックライド!インビシブル!>

 

インビシブルで俺はその場から撤退して海軍本部を目指す。

 

がそう上手くいくはずもなく

 

「させん!貴様はここで倒す!」

 

えーとロンズ中将だっけ?が俺めがけて斧を振り下ろしてきたが

 

それを片手で受け止めると

 

「なっ!?」

 

そのまま斧ごと蹴り返すとロンズ中将は後ろ向きに倒れた。

 

だが再び立ち上がろうとしたので

 

<フォームライド、オーズ!サゴーゾ!>

 

変身すると

 

コンボ能力を発動して周りにいる海兵ごとロンズ中将に重力をかける。

 

「はあっ!」

 

そして右足を前に突き出して踏み込むとかけられた重力が反転してロンズ中将たちは上空に飛ばされた。

 

正面を切り開いたので向かおうとした時、上空からなにかが聞こえてきた。

 

『うわあああああああ!!!』

 

そして軍艦が海に落ちると現れたのは

 

「あ、アイツらは!」

 

「海賊麦わらのルフィ!」

 

「いやそれだけではない!フィッシャータイガーに、クロコダイル!革命軍のイワンコフ!後ろにいるのも過去に大罪を犯したインペルダウンの囚人たちだ!」

 

ルフィ……ようやく来たか……だがお前がここに立つにはまだ早いな

 

俺がルフィを見ていたら

 

「キシシシシシ!やっぱりアイツは面白えな!ところでよ?俺は誰の相手をすれば良い?」

 

「モリア……」

 

「キッシシシシ!これでも俺はテメェを買ってるんだぜ?テメェが世界を変える時を俺は見たい。それで?誰が敵だ?」

 

「……ルフィには悪いがインペルダウンの囚人たちは過去に悪意があって民間人を襲っている奴らだ。アイツらを捕まえる」

 

「キシシシシシ!良いぜ!わかった!」

 

とその時

 

「ちょっとそれに儂も加えてくれんか!?」

 

「おおっ!?英雄ガープ!?」

 

「そう警戒するな、儂もお前らの味方をしたい。儂も天竜人の横暴にはもう我慢ならん。それにエースも助けたい」

 

「ガープさん。じゃあインペルダウンの悪党どもを任せられませんか?」

 

「おう!わかった!アイツらに容赦などせん!片っ端から捕まえてやるわ!」

 

そしてガープはルフィたちの元へ向かう。

 

モリアも悪魔鶴翼(デビルウイング)でルフィたちの元へ向かう。

 

よーし!俺も行くか!

 

<フォームライド、オーズ!ガタキリバ!>

 

「はあああああああっ!」

 

そして一気に五十人に分身すると

 

<アタックライド、クロックアップ!>

 

クロックアップで周りにいた敵側の中将や海兵たちを峰打ちで気絶させる。

 

それをでんでん虫越しで見ていた民衆は

 

「すげぇ……」

 

と世界を変える男の力に見惚れていた。

 

ふぅ〜……

 

さてあとは……

 

そう思った時火山弾が飛んできたので俺は分身を解除して後ろにさがる。

 

「オンドレェ……!貴様はここでぶち殺す!」

 

うわぁ……赤犬さんが殺す気満々で俺を睨んでらっしゃる。

 

顔を顰めると後ろから氷結が赤犬に向かって放たれた。

 

「焦凍……!」

 

「真司ここは俺に任せろ。お前は先に行け」

 

「オドレ!逃がさん!」

 

「そりゃこっちのセリフだ」

 

赤犬が俺に迫ろうとするが焦凍が冷気を込めた螺旋状の風を赤犬にぶつけた。

 

それだけで赤犬は氷結に捉われて身動きが取れなくてなった。赤犬は氷を溶かそうとするも

 

「オンドレェ……!小賢しい真似を……!」

 

今の焦凍の氷は桁違いに出力も密度もゴリッゴリに高く武装色で固めてあるのでマグマですら溶かせないほどになっていた。

 

あの氷を溶かせるのは焦凍だけだ。

 

さてと!さっさと行きますか!

 

と思っていたら今度は黄猿がやってきた。

 

「アンタもそっちに着くんですか……?」

 

「別に〜?アッシは基本どっちつかずだからね〜この戦いに勝った方につくさ〜ただねぇ〜?海賊を捕らえるのがアッシの正義ってもんでね!」

 

「ははっ……そういうこと……」

 

黄猿が蹴りこんできたので

 

<アタックライド、ゲル!>

 

液状化で黄猿の攻撃を躱してそのまま覇気を込めたブレイラウザーで斬りつける。

 

「ぐほっ……!やるねぇ〜!」

 

ちっ!倒せないわけじゃないが面倒だな!

 

と思ってたら

 

「ふんっ!」

 

「ごほっ……!」

 

俺の後ろから飛んできたソイツは黄猿に蹴りを浴びせた。

 

「マルコ……」

 

「真司ぃ……!ここにいるのはお前だけじゃねえんだぜ!」

 

「そうだぜ!真司!」

 

と振り返ると

 

「タイガー!」

 

「ったくよう!天竜人を引きずりおろそうとするとはな!俺でも驚いたぜ!」

 

タイガーは笑いながら俺に近づく。

 

「真司よぅ!俺も頼れ!ここにはお前だけじゃねえ!皆がいる!天竜人どもをさっさと引きずりおろしちまおうぜ!」

 

「言われなくても……!」

 

と向かおうとした時

 

パシュン!

 

「ちっ!バーソロミュークマ!」

 

「アイツは……!革命軍じゃなかったのか!?」

 

「今は改造人間だ!アイツを救うぞ!」

 

俺のモドモドの力なら……!

 

・・・・

 

少し前

 

「キシシシシシ!久しぶりだな!麦わら!」

 

「ゲッ!モリア!」

 

ルフィたちは圧倒的な存在感を放つモリアを前に萎縮したがー

 

「モリア!そ奴らはワシに任せい!」

 

「ガープぅ?お前に従っているつもりはねえ……!俺は真司の味方だ」

 

「ルフィは真司の友達じゃ!ルフィのことは儂に任せてもらいたい!頼む!」

 

「…………わーったよ!俺は真司のとこへ向かう」

 

再び悪魔鶴翼(デビルウイング)で真司の元へ向かうモリア

 

「ルフィ!お前何をやっとるんじゃ!」

 

「ゲッ!じいちゃん!」

 

「ルフィ後ろの奴らはなんなんじゃ!」

 

「コイツらはよう!エースを助けてくれるって」

 

ゴツン!

 

「イッテェ〜!」

 

ガープの拳骨を喰らうルフィ

 

「ルフィそ奴らは略奪主義の悪党どもじゃぞ!何を考えてるんじゃ!」

 

「俺はエースを助けるんだ!」

 

ゴチン!

 

「バカモン!助けるなとは言わん!じゃが上手くやれい!」

 

そう言われて再び拳骨を喰らうルフィ

 

そしてルフィに近づきこっそりとナニカを渡すガープ

 

エースの枷の鍵じゃ上手くやれい

 

「じいちゃん……ああ!わかった!」

 

そして横を通り抜けるルフィ

 

「さて……ルフィは身内だから逃したがお前たち悪党は話が別じゃ……お前らは儂がインペルダウンにたたき返してやるわ!」

 

ガープの一言で囚人たちの顔に恐怖が浮かんだ。

 

・・・・

 

俺たちがバーソロミュークマと戦っているとモリアが俺の横に来た。

 

「キシシシシシ!変わってやろうか!?真司」

 

「ああ頼む。お前の力が必要だ」

 

「ああ!任せろ!終焉大陸(ハルマゲドン)……」

 

モリアの足元から影が広がるとクマの動きが止まった。

 

よし!今だ!

 

そしてクマのところまで行くと

 

時間掌握(クロノ・スクロール)

 

これで改造される前のクマに戻す。

 

すると

 

「ああ……?あれ?俺は……!?」

 

「クマ!」

 

「イワンコフ……!」

 

そしてイワンコフに詳しい状況を聞くと

 

「お前には感謝しきれない……ありがとう……」

 

「なあに気にすんな。さて力を貸してくれるか?」

 

「勿論だ。助けてもらった身だ。喜んで力を貸そう」

 

そしてバーソロミュークマも加わり海軍の残るはセンゴクだけだったが……センゴクはでんでん虫を手に取ると

 

「…………聞けぇ!我々海軍も!世界政府の天竜人支配をこれより否定する!」

 

『なっ!?』

 

あーあとうとうやっちゃったな。まあこれで事が進みやすい

 

そしてルフィがエースの元に向かうが一部の反発する海兵たちの砲撃を喰らうが

 

「お前は……昔からそうさ……!ルフィ」

 

「俺の言う事もろくに聞かないで……!無茶ばっかり!しやがって!」

 

『おおおおおおおお!!!』

 

「エース!」

 

そして今、エースが救出された。

 

 

 

 

 

 



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ワンピース世界での旅の終わり

エースが解放されて敵側の海軍もほぼ壊滅状態だ。

 

ここまでくれば勝利は目前だ。

 

あとは……

 

「ゼハハハハハ!ずいぶんと派手にやってくれたなぁ。計画が台無しじゃねえか」

 

コイツなんだよなあ……

 

戦争の引き金となった張本人、黒ひげ

 

でも白ひげは無事だし全盛期以上だしなにより俺がいる以上負ける気はしないし……

 

「ゼーハッハッハ!お前は絶対ぶち殺す!」

 

「あいにくと大事な人たちがいるんで負けるわけにはいかないんだよね」

 

<フォームライド、オーズ!プトティラ!>

 

<プ!ト!ティラノ!ザウルス!>

 

そしてコンボ能力で黒ひげたちを凍りつかせると

 

「おりゃあ!」

 

尻尾で凍りついた黒ひげたちを破壊する。

 

はい、これにて終了〜

 

そのあとは海軍と革命軍と一緒にマリージョアまで向かい途中のCP0達も倒してミョスガルド聖の手回しによって天竜人たちは降伏していた。

 

これを映像でんでん虫で見た民衆たちは喜びの声をあげたという。

 

そしてエースの身柄だが白ひげはナワバリを守っているという民衆のために貢献した建前の元白ひげ海賊団は新政府の一軍隊になるという話でエースの身柄を自由にするという話として、白ひげたちはこれを受け入れてくれた。

 

革命軍や七武海のモリアたちや元海軍の青キジたちも新政府軍の一員として加わるようだ。

 

更に負けた海軍もセンゴクとの話し合いの元新政府に加わったがこれにサカズキたち一部の海兵が反発して海軍を辞めた。

 

天竜人も新政府の象徴として政府の政策に協力してくれるとの話になった。これで今までのような横暴は出来ないはずだ。

 

後は五老星だったがいち早く降伏して新政府の力として尽力してくれるようだった。

 

そして海軍はバスターコールなどの一部の制度を改めて略奪主義ではない海賊の手配書を変えて生け捕りのみとした。

 

これにより賞金稼ぎは略奪主義の海賊のみを狙うようになったそうだ。

 

世界政府は天上金などの金を一部の貧しい国に返金した行動が天竜人の支配がなくなったと世間に印象付けた。

 

これからこの世界もいい方向に向かっていくだろう……

 

そして俺はというと

 

「レム……?」

 

「ハイ?」

 

「アイン?」

 

「なに……」

 

「レイジュ?」

 

「なにかしら?」

 

「ハンコック……?」

 

「ハイ♪なんでしょう?」

 

「いやね。君たちなんで抱きついているのかな〜って」

 

「妾たちは真司の婚約者ですので」

 

ディメンジョンオーラで旅立とうと皆が見送ってくれる中、ハンコックたちは俺に抱きついている。

 

「いや……ここでやらなくても」

 

「ダメ……ですか?」

 

レムの純真な目が俺に突き刺さる。

 

うっ!

 

そんな目で見ないで欲しい。

 

そして皆から見られると心臓がバクバクする。

 

あーあ!認めるしかないのか!

 

俺は皆を思いっきり抱きしめると

 

『ひゃあっ!』

 

「俺も皆が好きです……!俺でよければ……付き合っていただけないでしょうか?」

 

『真司(くん)……勿論!』

 

そう言われてもっと抱きつかれた俺。

 

くうううっ!可愛いな!

 

と見ていた者たちは

 

「キシシシシシ!流石俺の友だ!」

 

「姉様……異世界でもお元気で……」

 

「まああの人なら大丈夫でしょうね」

 

「はっはっは!真司は相変わらずだな!」

 

「羨ましいね〜女帝に抱きつかれるなんて」

 

そしてお互いに離れると俺たちはオーラに飛び込む。

 

そして最後に俺がオーラに飛び込もうとしたら

 

「真司……」

 

「ドラゴン……」

 

「お前のおかげで世界は変えられた……これで……この世界もいい方向に向かうだろう……間違いなくお前は……この世界の英雄だ……」

 

「そんなことありませんよ。俺はキッカケを与えただけです。それを実行したのはこの世界の人たちですよ」

 

「ふふ……お前らしいな。じゃあな!お前の世界も救ってこい!」

 

「ああ……」

 

こうして俺はワンピース世界を後にした。

 

 

 

 



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イセスマの日常

ピピピと鳴る電子音で俺の目は覚めるとその電子音を止めて俺は起き上がる。

 

「ふぁ〜あ〜……そういえば昨日帰ってきてたんだったな……」

 

昨日ハンコックやバルたちと一緒にイセスマの世界に帰ってくると城にある部屋を彼らに用意してすぐに寝た。

 

なんかこう……グッスリ寝たのは久しぶりだな……

 

ワンピース世界じゃああんまり眠れなかったからな……

 

まだ眠気が覚めない中俺は食堂へ向かう。

 

「あ、真司くんおはよう」

 

「おはようございます。菜奈さん」

 

食堂に居たのは菜奈さんだけだった。あれ?

 

「すみません。他の皆は?」

 

「ああ、レイ子とねじれちゃんなら農地開発の方へ向かったし、一佳と茨は諸刃さんに訓練をつけてもらってる。ユミナは冬夜くんと一緒に法の整備をしてるよ。あとレムはメイドとしての仕事にアインとレイジュはギルドの登録だよ真司くん」

 

早いなぁ……まあ悪くないんだけどさ。これじゃあ俺がグータラに見えるし……

 

「真司くんも朝ごはん食べる?」

 

「ええ、いただきます」

 

そう言って菜奈さんは厨房へ向かう。ここの料理係は基本母さんだがたまにレムやレイ子、菜奈さんも手伝ったりする。

 

そして待っていると

 

「はいお待たせ」

 

菜奈さんがおぼんとともに朝ごはんを運んできてくれた。

 

今日の朝ごはんは焼き魚に卵焼き、昨日の残りの筑前煮か。

 

「いただきます」

 

そして箸で魚を捌いて口に運ぶと

 

「うまっ!」

 

上手い……絶妙な塩加減に焼き加減も出来ている。

 

「し、真司くん……本当に美味しい……?」

 

「めちゃくちゃ上手いっすよ。本当に」

 

「そ、そう……!よかった……

 

なにやら菜奈さんが胸を撫で下ろしいたので見ていたら

 

「真司くん……なに?」

 

「いや可愛いと思って」

 

「ふぇ!?」

 

ああ、いかん。本音が出てしまった。

 

そして卵焼きも頬張るとダシの旨味が出ていてとっても美味しかった。

 

「真司くん……」

 

「なんですか?」

 

「ま……また食べてくれないかな……?」

 

「勿論ですよ!菜奈さんの料理上手いし。これからもよろしくお願いします」

 

「うん!よろしく!」

 

そして俺は食堂を後にすると農地へ向かった。

 

そこでテゾーロとステラ、レイ子とねじれちゃんが畑作業に勤しんでいた。

 

「あれ?真司じゃないか」

 

テゾーロがこっちに気づいたので俺は向かう。

 

「久しぶり、といってもこっちの世界じゃそんなに経ってないんだよなあ〜ってこの国はどう?」

 

「ああ、とっても住み心地が良いぜ!親切な人も多いし、やり甲斐もあるし」

 

「それならよかった」

 

邪魔しちゃ悪いし俺はさっさとどっか行きますか。

 

んで街の方へ向かってみるとなにやら四角いモノに閉じ込められて中で苦しんでいる男たちが見えた。

 

「冬夜くん……これは一体」

 

「ああ、真司。これはだな…」

 

理由を聞くと店の店員に因縁つけたらしくそれで拷問に処しているのだとか。

 

中では黒板を爪で引っ掻く音とか素焼きの皿をフォークで引っ掻く音とかを延々と聞かせているらしい。恐ろしや

 

横にいたユミナも引きつった笑みを浮かべていた。

 

そういえばこれで騎士団を作るきっかけになるんだったよな?

 

そして冬夜が騎士団を作ると言い出した。

 

 

 

 

 



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騎士団入団試験

「現在の国益から無理のない程度で考えますと100名ほどがよろしいかと……まず元・武田の者達が30名それと椿率いる忍びの隠密部隊が10名……それに……」

 

といった感じで騎士団を創設する会議は進んでいく。

 

ちなみにこの場には焦凍たちもいる。何故かって?焦凍たちは正式な騎士団ではないがこういう話し合いには力を貸してもらいたいからだ。

 

「では募集条件ですが……」

 

「そうですね……まず当然ながら犯罪者等は却下。男女問わず。種族も問わず。身分も年齢も問わない」

 

「そんな募集かけたらわんさか来るんじゃないか?」

 

「冬夜の意見に俺も賛成かな。どこに優秀な人材がいるかわからないし」

 

「団長はどうするんだ?」

 

焦凍の一言で話題が切り替わった。

 

確かにな……原作ではレインさんが団長を務めていたよな?

 

その後団長はレインさんに決まって一ヶ月後に選考会をすることにして話は収束した。

 

・・・・

 

で一ヶ月後

 

「え?」

 

「ですから定員60名のところに千人以上の希望者が集まっています」

 

「まあ俺たち色々やり過ぎたからな。色んな意味で話題になってるんじゃないか?」

 

未だ呆然とする冬夜に俺はそう言う。

 

そして受付が始まり希望者にバッジを渡していき、冬夜の使い魔たちに希望者全員を監視してもらい悪い印象を残したやつにはそのバッジの番号が書かれ、内容まで事細かに書かれる。

 

まあいわば相応しくない者を見つけるための隠れた第一審査である。

 

こうして最低ラインは落とせたと思う。

 

選考会当日。報告のあった者たちは選考会には参加できないことになっている。当然食い下がっている者もいた。がこの国でした事を事細かに教えてやるとスゴスゴと帰っていった。

 

で冬夜の説明が始まった。

 

ぶっちゃけて言うとウチの騎士団の給金はんな言うほど高くないことや雑用があることや種族による贔屓がないなどと説明するとまたもや帰っていくやつがいた。

 

まあ想定内だ。んで次の試験は冬夜がグラビティの魔法を全員にかけて重力を倍にして城の堀の周りを回らせるといった審査。これでみるのは体力ではない。根性だ。アッサリと諦めるような奴は騎士団としてはダメだからな。

 

んでそれも終わって450ほどまで減った受験者の前に俺はいる。

 

「次は実技試験となります。武器は好きなものを使って構わない。三十分間で皆さんの腕を見ますので基準値を超えていれば合格とします。俺はこの木刀で相手するので。皆でかかってきてください。では始め」

 

俺の言葉で皆が一斉に得物をもってかかってくるがワンフォーオールを発動させて避けまくる。

 

遅い遅いわ!

 

よほどの隙がなければこちらからは攻撃しない。

 

たまに鋭い一撃がくるが躱すのは造作もない。

 

そして試験終了の合図が聞こえた時には半数以上が倒れていた。

 

その言葉に立っていた皆が座り込む。

 

途中で知り合いがいたからちょっと驚いた。

 

レベッカさんにローガンさんだ。

 

俺がラビ砂漠で助けた冒険者。

 

原作だとこのまま騎士団に入るんだよな?

 

とりあえずそのことは後回しにして冬夜が倒れている奴らに回復魔法をかけて試験は終了した。

 

あとは面接だがユミナの魔眼とラミッシュの教皇の魔眼で嘘や人柄などを見極めて騎士団に相応しい人物であれば合格にした。

 

そして合格者は64名。基準より少しオーバーしているがまあ許容範囲だ。

 

女性の比率や亜人や魔族の人数も多かった。

 

まああんな募集にしたらそうなるか。

 

しかしこれから面白くなりそうだ。フレイズのことを考えると呑気なことは言ってられないがこの騎士団ならこの世界も救えるかもしれない。

 

俺はそう思う。

 

 

 

 

 

 

 

 



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暗躍する怪人

オリジナル展開を考えるって難しいですね……

平然とやっている人は凄い!


冬夜がそれぞれの婚約者の家族に挨拶に行っている間、俺とエンデはこれからのことについて話し合っていた。

 

「結界を元に戻す方法?」

 

「よく考えてみれば俺のモドモドの力なら結界を壊れる前に戻せるんだよな……でも時間稼ぎにしかならないし……やっぱりメルに頼んでもらうのが一番だと思うんだが……」

 

とフレイズ対策についてリセや焦凍、リーンも交えて話していた。

 

「とそれで?真司は僕に結界の場所まで連れて行って欲しいと?」

 

「ああ、時間稼ぎぐらいにはなるだろうしな」

 

「わかったよ。ただ僕のこの能力は力を溜める時間がいるんだよ……そうじゃないと結界の内側で出られなくなっちゃうし……」

 

「わかった。ありがとうな」

 

「気にしないでよ。これでも真司にはお世話になってるからね」

 

「ハグハグ……このチョコクレープ……フワフワして美味しい」

 

リセはクレープを食いながら話に参加している。

 

相変わらずよく食うな……

 

「本当に美味しいわね……このクレープ……一度でいいから貴方の世界に行ってみたいわ」

 

「そんなこと言わなくてもこの世界での使命を終えたら俺が連れてってやるよ」

 

「本当に……?」

 

リーンが妖しげな目でこちらを見てくる。

 

うっ!可愛い……!

 

「ふふ…冗談よ。でもいつか連れてってね」

 

「勿論」

 

そしてリーンは俺の手の上に手をスッと置く。

 

小さな手から温もりを感じて俺の心臓の鼓動が早まる。

 

「こんなとこでもイチャイチャしないでよ……」

 

エンデがジト目を向けてくるが気にならない。

 

リーンの温もりが俺に伝わってくる。ああ……幸せだ……

 

といつまでもイチャイチャしていると焦凍たちにも悪いので話を戻す。

 

「エンデ、それで冒険者稼業の方はどうだ?」

 

「ああ、順調だよ。赤ランクにもなったし。なんとか食っていけているよ」

 

そう言いながらエンデもクレープを口にする。

 

「そういえば……変な噂を聞いてるんだけど……聞く?」

 

「噂?」

 

「ベルファストで……美女が何人も行方不明になっているって噂。突然パッと消えるって言われてて……まるで幽霊のようだって」

 

「ふ〜ん……それで消えた女の人の行方は?」

 

「さあ……それがわからないらしいんだ……」

 

ふむ……なにか引っかかるな……まるでミラーモンスターに連れ去られるような……もしかして本当にそうなのか?

 

一応調べてみるか……

 

そしてベルファストの城下町の夜、菜奈さんを連れて俺は歩いている。

 

「すみませんね。突然こんなこと言っちゃって」

 

「構わないさ。私としても真司くんと一緒にいれるし……

 

さてと……本当に出てくるのか?

 

ミラーモンスターなら鏡に注意しないと……

 

うん!?

 

「菜奈さん危ない!」

 

「えっ?」

 

咄嗟に菜奈さんを引っ張ってその場から飛び退く。

 

そして覇王色の覇気で威圧するとソイツは現れた。

 

「オイオイ……ミラーモンスターじゃなくてオルフェノクかよ……」

 

カメレオンのような姿をした灰色の怪人、カメレオンオルフェノクとでもしておくか

 

「何者だ……?なぜこんなことをする」

 

『貴様こそ何者だ。なぜ選ばれた我の邪魔をする……』

 

コイツなんだ……?選ばれた……?まあとりあえずコイツは放っておけないな!

 

「変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

『なっ!なんだ貴様は……!』

 

「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」

 

そしてカメレオンオルフェノクに向かって走る。

 

『ぐっ!?』

 

カメレオンオルフェノクは伸ばした舌で攻撃してきたが俺はそれを躱して回し蹴り放ってカメレオンオルフェノクを蹴り飛ばす。

 

カメレオンオルフェノクはふらつきながらも体勢を立て直して俺にパンチを放ってくるが鋭さが全くない。コイツ戦闘経験がないオルフェノクだな?俺はそのパンチを受け止めてモロに右ストレートのパンチを放ちカメレオンオルフェノクを吹き飛ばす。

 

「ぐおっ!」

 

「さっさと終わらせるか」

 

<カメンライド、ファイズ!>

 

俺の身体に赤い光が走り俺はファイズに変身する。

 

<ファイナルアタックライド、ファ、ファ、ファ、ファイズ!>

 

俺の足から出たエネルギーがカメレオンオルフェノクを拘束して展開される。

 

「ぜあああああっ!!!」

 

そしてそのエネルギーの中に飛び込もうと飛び上がった時

 

「なっ!?ぐほわっ!」

 

どこからかの攻撃を受けて俺は吹き飛ばされた。

 

「真司くん!」

 

そして現れたソイツは悪魔のようなオルフェノクだった。

 

デビルオルフェノクってか?

 

ドラゴンオルフェノクみないな面倒そうなやつだな……

 

『危なかったな……我が同胞よ』

 

『すまない……助かった……』

 

「お前ら……一体何が目的だ?」

 

『オルフェノクが、人類を、支配するのさ……!』

 

そしてその場から消え去ったオルフェノクたち。

 

させるか!

 

俺はモドモドの実の力で世界の時間を戻してオルフェノクたちをさっきいた場所に戻す。

 

『なっ!?』

 

『これは……!?』

 

そしてオルフェノクに一気に接近するとデビルオルフェノクをアッパーで上に吹き飛ばしてカメレオンオルフェノクに左ストレートを打ち込む。

 

『グホッ!』

 

そしてワンフォーオールを発動して上に飛ばしたデビルオルフェノクのところまでジャンプして

 

「TITAN SMASH!」

 

フォトンエネルギーのこもったパンチを当てようとすると

 

『ちっ!』

 

突如目の前にカメレオンオルフェノクが現れた。

 

なっ!?

 

そしてそのままカメレオンオルフェノクは吹き飛ばされて消滅した。

 

「おまえ……」

 

『ふん、アイツは使い物にならぬからな。消してやったまでよ』

 

「へぇ〜……俺の嫌いな部類だな。おまえ」

 

とその時王都から轟音が鳴り響いた。

 

「なっ!?」

 

「はっはっは!我が同胞は既に王都に潜んでいたのよ!このまま王都を制圧して!オルフェノクの国にするのだ!」

 

クソッ!と言いたいところだが全く問題にならないな。

 

「なあ?よく見てみたらどうだ?」

 

『む?な、なんなんだ!なぜ我が同胞たちが!?』

 

俺は菜奈さんと城下町を歩いてる時に王都から人間とは思えない気配を見聞色で感じたので念のために焦凍やレイ子たちに連絡しておいたのだ。案の定オルフェノクたちが現れたからな。

 

「さておまえもここで終わりだ」

 

<アタックライド、ポーズ!>

 

時間を止めて

 

<ファイナルアタックライド、ファ、ファ、ファ、ファイズ!>

 

クリムゾンスマッシュを喰らったデビルオルフェノクは消滅した。

 

そして王都にディメンジョンオーラで向かうと既にオルフェノクたちは殲滅されていた。

 

「大丈夫だったか?」

 

「ああ……問題ねぇ」

 

「うん、こっちも終わったよ」

 

「真司さんの連絡のおかげです!」

 

焦凍にゴーストに変身したレイ子、デルタに変身したユミナによってオルフェノクたちは一人残らず消されていた。

 

こうしてオルフェノクたちによる王都制圧作戦はあっけなく失敗した。

 

ちなみに後でわかった話だがアイツらは拐った人たちをオルフェノクにしようとしていたらしい。そしてあのカメレオンオルフェノクの正体はベルファストの有力貴族らしく、オルフェノクにされてから自分の好みの美女を連れさらっていたらしい。

 

まあ無事に救出できたから良しかな。

 

「ということがあったんだけど」

 

「そりゃ大変だったな」

 

「まあね。でもオルフェノクも全員消したし、これで万事解決かな」

 

それにしてもオルフェノクか……この世界にも出始めたな……早くフレームギアを手に入れなければ……

 

そう思いながら俺は紅茶を飲む。

 

 



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炎帝、そしてサッカーと野球

「炎帝?」

 

「ああ、バビロンを探すのに鳥を従えた方がいいと思ってさ。琥珀、珊瑚と黒曜の仲間なんだろう?」

 

『まあ我らの仲間ではあるが……それをお前が?』

 

「ああ、俺にやらせてくれないか?」

 

『いいわよ〜ご主人様ほどではないけど貴方も気に入っているし』

 

黒曜がそう返してくれた。

 

原作では冬夜が従えていたがたまには俺もやってみたくてさ。

 

俺は闇魔法の魔法陣を展開して詠唱を始める。

 

「夏と炎、南方と湖畔を司る者よ。我が声に応えよ。我の求めに応じ、その姿をここに現せ」

 

召喚陣の中から紅蓮の火柱が立ち上がり炎の渦が止むとそこには巨大で真っ赤な一羽の鳥が佇んでいた。

 

これが炎帝……!大きさは馬ぐらいはある。

 

『やはり貴方たちでしたか。これは懐かしい』

 

『久しぶりだな。炎帝よ』

 

『お久さ〜』

 

『相変わらず派手だな炎帝』

 

炎帝の声は落ち着いた女性のような声に聞こえた。

 

『私を呼び出したのは貴方ですね?』

 

「うん。俺が琥珀たちに協力してもらい呼ばせてもらった」

 

『成る程……貴方からは凄まじい力が感じられる……だが邪心は感じられない。ひとつお聞きしてよろしいですか?』

 

「なに?」

 

『私を呼び出した理由をお聞きしたいのです』

 

俺は炎帝に自分が世界を救うためにバビロンを探したく鳥の眷属の力を欲していることや世界を救うために協力してほしいことを伝えた。

 

「とまあこんなとこかな。信じてもらえるかわからないけど……」

 

『いえ、貴方の言葉からは真っ直ぐな心が感じられました。わかりました。貴方に仕えることにしましょう』

 

「いいのか?」

 

『ええ……誰かのためになりたいという純粋な貴方の心に惹かれました。主従の証として名前を付けてもらえませんか』

 

次に名前か……どうしよっかな……原作通りってのは……ダメだよな。

 

「じゃあスカーレットでいい?」

 

『承りました。これからは私をスカーレットととお呼びください』

 

炎帝、いやスカーレットはその姿とサイズを変えて。俺の前に来た。

 

そして召喚陣から鳥たちを呼び出すと世界に放っていった。

 

よし、これで原作通りにいかないかな。

 

とそう思わずにはいられなかった。

 

そして数日が経ってもまだめぼしい情報は入ってこない。

 

俺は訓練場に足を運ぶと冬夜がモデリングを使ってグローブを作っていた。

 

そういえばこれでこの世界でも野球が流行るんだったよな?

 

「冬夜、野球でもやるつもりか?」

 

「やっぱり真司の世界にも野球ってあったの?」

 

「まあな。俺は野球も好きだがどっちかつーとサッカーの方が得意かな」

 

「へぇ〜……サッカーか……やりたいな」

 

「サッカーボールは俺が作るからお前は野球道具を頼むよ」

 

「わかった」

 

こうして野球道具とサッカーボールを作ると俺はリフティングを始めた。

 

「真司上手いね……」

 

「前世では、ヨッ、サッカー部、ヨッ、だったからな!」

 

リフティングを繰り返しているとローガンさんがやってきて

 

「おや?陛下達、それはなんですか?」

 

俺はリフティングを辞めてローガンさんにボールを渡す。

 

「これを落とさずに蹴り続けてみてくださいよ。意外と楽しいですよ?」

 

「これを……」

 

ローガンさんは初めこそ失敗しまくっていたがコツを覚えたのかだんだん連続でリフティングができるようになっていった。

 

「これは、ホッ、楽しい、ホッ、ですね!」

 

「でしょ?」

 

そしたリフティングを辞めたローガンさんに

 

「でも、これで本当にやるのはゲームの方なんですよ」

 

「ゲーム?」

 

皆集まってきたので簡単なルールとかを教えてやってみせた。

 

あっちでは冬夜が皆に野球を教えている。

 

んでゲームを始めたはいいがしばらくは酷かった。

 

ボールを取りこぼしたり、パスが全然違うとこにいったり、ゴールを大きく外したりと。

 

だがしばらくやっているうちに上達していった。

 

おいおい……マジかよ……what's?

 

なぜものの数時間であそこまでなるのか?

 

異世界人半端ねえって!

 

あっちの野球も皆上達していってる。

 

んである程度できるようになったから町の子供達も呼んで観戦することにした。ルールもある程度教えて観客席も冬夜が作ってくれた。

 

「行け行け!」

 

「走れーっ!」

 

「頑張ってー!」

 

夢中になって野球とサッカーを見る純粋な子供達。それに比べてウチの騎士達は……

 

「なにやってんだ!そこはパスだろ、馬鹿野郎!」

 

「あー!よく球を見ろってば!手ェ出すかね、今の!」

 

「俺と交代しろーっ!」

 

ほとんどヤジばかりだった。冬夜も呆れていた。

 

あとその日から騎士団員たちが野球やサッカーをするようになってきた。

 

『グリフォンズ』や『サラマンダーズ』とか魔獣の名前がついているのは地球と変わらないかなのかなあって思ってしまう。

 

面倒だったのはトラブルがあると俺や冬夜に聞きに来ることだ。その都度冬夜がスマホで調べて説明する。

 

野球やサッカーが流行りだしてから町の人たちも自分たちでやり始めてあとは原作通り。オルバさんが交渉してきて販売の権利などを話し合い、各国の王様たちが興味を持ち始めた。ただ違うといえばそれにサッカーが加わったことかな?

 

とまあサッカーまでこの世界で流行りだしてしまった。まあ悪いことじゃないだろう。

 

「と思ってたんだが……」

 

俺と冬夜が今ピッチの上に立っている。

 

それも子供達の期待の視線を受けてだ。

 

どうしてこうなった?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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ゼノアスの王女

今、俺たちはピッチの上に立っている。

 

それも子供達からの期待の視線を受けてだ。

 

どうしてこうなった?

 

話は少し前に遡る。

 

俺がリフティングをしながらサッカーを観戦していると

 

ダンッ!

 

「おい!大丈夫か!」

 

どうやらボールを奪い合うタックルの際に転んだらしい。

 

んで負傷した騎士たちをピッチの外に運んだ。

 

そこまではよかった。だが……

 

「代わりのメンバーは?」

 

「どうしよう……居ないぞ!」

 

と軽く混乱状態。まあスポーツにはありがちだ。

 

と思っていたら

 

「ピッタリの人がいるよ!」

 

子供の一人がそう言った。

 

誰のことだ?この場にいる騎士に代わりは居ないぞ?

 

とその子が指差したのはー

 

「へ?俺?」

 

俺だった。

 

「成る程……確かに!」

 

「あんだけリフティング上手かったしな!」

 

「陛下なら……!」

 

という流れで俺と冬夜の二人が抜けた二人の代わりをすることになった。

 

子供達の視線があるから逃げられない。

 

まあレイ子やユミナも見てるし……カッコ悪いすがたは見せられん!

 

冬夜も同じ気持ちなのかヤル気を出している。

 

試合再開の合図が出されると俺はパスを受けて走る。

 

「行かせん!」

 

それを相手が止めにかかるが……

 

「Zスラッシュ!」

 

誰ぞも知るイナズマイレブンの技Zスラッシュだ。

 

躱した俺はそのまま相手陣内へ攻め込むが冬夜が

 

「行かせるか!」

 

「くっ!」

 

冬夜とボールの奪い合いになるがエラシコで躱して

 

ゴール前まで駆け上がる。

 

そして

 

「うおおおおおお!!!」

 

大振りのように足を振り上げると相手も隙だらけになったボールを取ろうと向かってきたが

 

「ホイッ」

 

勢いよくシュートすると見せかけてがら空きになった相手の股下にボールを転がすとボールはゴールに入った。

 

「ゴォオオル!」

 

「へ?」

 

冬夜も呆然としているがサッカーにおいてフェイントとは基本戦術なのだよ!フハハハハ!!

 

とレイ子たちの方を見ると白い目で見られた。

 

待て待て待て!そりゃああの流れだと一対一の勝負だろうけど点を取るにはだな!

 

と子供たちも呆然としていた。

 

いたたまれなくなったのでサッサと退散する。

 

こうして俺と冬夜の試合はなんとも言えない形で終わった。

 

・・・・

 

数日後バビロンらしき遺跡が見つかったという知らせを受けて俺たちは出発の準備をした。場所は魔王国ゼノアスだ。

 

魔王国とどこかの某RPGのような世界を侵略しそうな感じのする国だが実際は魔族の王が治めている普通の国である。

 

今回は俺と冬夜が先に向かって後からユミナ、レイ子、一佳、茨、ねじれちゃん、リーンにハンコック、アインと焦凍、エンデとリセが来ることになった。

 

ハンコックたちもバビロンに興味があるようだ。

 

鳥からリコールで記憶をもらった俺がディメンジョンオーラを出して俺と冬夜がその中に飛び込む。

 

後は冬夜がバビロンを起動させてゲートで迎えが来るのを待つ。

 

そして俺は遺跡の外で待っていると見聞色がなにかを察知した。

 

待てよ……ここは魔王国ゼノアスだよな……?まさか!

 

俺は咄嗟にディメンジョンオーラを出してその場に駆けつけた。

 

・・・・

 

「はぁ……はぁ……」

 

逃げようとしたら足を斬られて再び振り下ろされようとした刀を防ぐために無意識に上げた右手の手首からが斬り落とされた。

 

死ぬ……殺される……嫌だ……誰か……助けて……そう思うも虚しく再び振り下ろされようとする刀。私は死を覚悟した。

 

だけど

 

ガキィン!

 

甲高い音が鳴り響き振り下ろされるはずの刀がいつまで経っても下ろされない。

 

そしてふと顔を見上げるとそこには私より少し年上に見える男の子がいた。

 

「もう大丈夫……俺が君を守る」

 

そう言われると痛みが和らぎ途轍もない安心感と胸の高まりとともに私の意識は闇に落ちた。

 

・・・・

 

「何者だ……貴様……」

 

「通りすがりの……って言う必要はないか」

 

俺はソルで一瞬でソイツに近づくとモロに一撃を加えて気絶させた。

 

ふぅ……さてと……

 

この子はファルネーゼ・フォルネウス、ゼノアスの魔王の庶子だ。

 

詳しい説明は今は後にして治療が先だ。

 

<アタックライド、リカバー!>

 

リカバーで千切れている足と腕を元に戻す。そしてファルーネゼの意識が戻るのを待つ。

 

これで治療はOK!

 

と思っていたら

 

「ファルネ様!」

 

後ろから声が聞こえた声の方向に振り向くとそこには

 

「貴様!何者だ!ファルネ様から離れろ!」

 

あれぇ……?これってまずいヤツ?

 

とその時俺の周りをゼノアスの兵たちが取り囲んだ。

 

嘘でしょ……と呆然としていると俺の腕と足が地面から生えた植物によって縛られた。これって……!

 

アルラウネの植物操作か!

 

と次の手が来る前に俺は時間を止めて拘束を無理矢理解いて脱出した。

 

そして死なない程度に一撃ずつ加えていって時間を動かすと

 

ゼノアス兵たちはほとんどが倒れた。

 

「くっ……!なにをした……!」

 

「あのですね。話を聞いてください。俺は」

 

「スピカ!」

 

「ファルネ様!?」

 

そしてファルーネゼに説明してもらうと

 

『本当に申し訳ありませんでした!』

 

俺の前に土下座したゼノアスの兵たちが並んでいた。

 

ちなみに俺は今ゼノアスの城にいる。

 

真実を知ったスピカさんたちが謝ってきたのだ。

 

「別にいいですよ。疑いが晴れたんだし」

 

「しかし……!私たちはファルネ様を助けてもらったにも関わらず……」

 

「もういいですよ。気にしてませんって」

 

「は、はぁ……」

 

とその時

 

「ファルネーゼ!」

 

バンッと扉が開いてこの国の王、ゼルガディ・フォン・ゼノアスがファルネーゼを見て喜びの声をあげた。

 

そのまま抱きつこうとしたらパッと避けられた。

 

「何故!?」

 

「怖い……」

 

ファルネーゼは冷たい目でゼノアス王を見る。

 

「ああ……とそれはともかく、話は聞かせてもらった。すまんな……ファルネーゼを助けてもらったにもかかわらず……本当に申し訳ない……」

 

「構いませんよ。それより」

 

「うん?」

 

「君が無事でよかった」

 

本当に無事でよかった。

 

とその時

 

ファルネーゼが俺に抱きついてきた。

 

え?

 

「ありがとう……貴方は私の英雄……」

 

あのですね?ファルネーゼさん、いきなり藪から棒になにを?

 

親バカのゼノアス王がこちらを睨んでくるのですが…

 

あれぇ……?どうしよ?

 

・・・・

 

あの人に助けられてから私はあの人のことしか考えられなくなった。

 

そしてスピカたちが勘違いしたと聞いたときは申し訳なさでいっぱいだった

 

でもあの人は気にせずそれどころか私の心配をしてくれた。

 

そして

 

「君が無事でよかった」

 

その暖かい言葉をかけられた時胸がドキッとして、心臓がドクンドクンと鼓動を鳴らすのがわかる。

 

ああ……そうなんだ……

 

そう思った時、私は名前も知らぬその人に抱きついた。

 

とっても暖かい……不思議と安心感が出てくる……

 

そしてこの気持ちに気付いた。私は……

 

ーこの人が好きなんだ

 

 

 

 

 



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戦闘支配種との邂逅

ファルネーゼに抱きつかれた俺は困惑していた。

 

そして同時に不味いとも思った。

 

怖い……

 

ゼノアスの魔王陛下がすごい睨んでくるんですけど!

 

ファルネーゼから離れようとすると

 

「嫌……?」

 

そんな泣きそうな顔で見ないでほしい。

 

罪悪感で胃がキリキリするから……

 

とひじょ〜うに不味い立場の中にいると

 

「魔王様!侵入者です!」

 

「なに!?」

 

「広場の方に!至急対応を!」

 

「わかった!行くぞシリウス!」

 

「はっ!」

 

「俺も行く!」

 

「貴様も!?」

 

「足手まといにはなりません!行かせてください!」

 

「うむむ……わかった!ついてこい!」

 

そして俺と魔王陛下、シリウスさんにスピカさん、ファルネーゼが向かうとそこには

 

「フレイズ……!?」

 

「貴様はあれを知っているのか!?」

 

「説明は後です!それより……アイツには魔法が効きません!」

 

それに……なんでお前が出てくる……!?

 

「ギラ……!」

 

ギラ。戦闘狂のフレイズの支配種で王の核を自らの力の為に欲しているヤベーイ奴だ。

 

ギラがこちらを睨み指を向けるとその指がとてつもないスピードで魔王を刺そうと伸びてきたので俺はワンフォーオールを発動させて咄嗟に魔王の前に横入りしてその指を上から叩き割る。

 

「なっ!?」

 

「…………」

 

ギラは静かだったが倒れたゼノアス兵を食いはじめた。

 

その様子に魔王たちは息を呑んだ。

 

「……あー、これでいいか?」

 

成る程……アイツは世界共通語を他種族を喰らうことで身につけるのか……

 

「やるじゃねえか、俺の攻撃を防いだのはお前が初めてだ。殺しがいがある奴だな、テメェ」

 

「お前の目的は王の核だろう?だからこの人たちを殺しているのか?」

 

「おうよ、王の核はこの俺様ギラが頂く。誰にも邪魔させねえ。だから……死ね」

 

そう言って俺に突撃してくるギラ。

 

速いが避けられないことはない。

 

俺は槍のように変形された上から振り下ろされた腕の攻撃を横に避けると

 

「TITAN SMASH!」

 

ギラのモロに武装硬化した一撃を入れてそのまま吹き飛ばす

 

そして吹き飛ばれたギラは飛ばされる中で立ち上がって再び俺に向かってくる。

 

俺は突き出された拳を反らして避けてその腕を掴み回転する。

 

「cyclone smash!」

 

そして回転の勢いをつけてそのままギラを地面に投げつける。

 

投げつけられたギラは身体中にヒビが入るがすぐに立ち上がり、そのヒビが元に戻っていった。

 

「テメェ……やるじゃねえか!まさか俺に傷を負わせるとはな。こりゃあ本気を出さねえといけねえな」

 

そう言ったギラはなにもない空間からフレイズを呼び出して自らと融合させる。

 

これは……!

 

「不味い!皆離れるんだ!」

 

そう言った俺の言葉に魔王たちは咄嗟にその場から離れたが

 

「あっ」

 

ファルネーゼが逃げ遅れた。

 

くっ!

 

俺は咄嗟にファルネーゼの前に行き、ディメンジョンオーラを出してギラが出した超価電子粒子砲モドキを受け止めるが

 

ディメンジョンオーラは吹き飛ばされて俺はモロに食らってしまった。

 

「テメェ……よくも邪魔してくれたな……まずは……コイツを殺す!」

 

そしてファルネーゼに向けられたギラの刃が振り下ろされようとした。

 

させるか!

 

<アタックライド、ポーズ!>

 

俺は時間を止めてファルーネゼを安全な場所まで運ぶと止まっているギラに今度は流桜で核に直接ダメージを与えて時を動かすと

 

「があっ!あれ?どうなったんだ!?あ……なにした……!テメェ……!」

 

そしてギラは俺を忌々しげに睨みながら粉々に砕け散った。

 

すると

 

「無事で……よかった……!」

 

ファルネーゼが抱きついてきた。

 

「ファルネーゼ……?一旦離れてくれる?」

 

「あ…!ごめん……」

 

そして離れたファルネーゼの横には魔王がいた。

 

「君には二度も我が娘を助けられたな……礼の言葉しか出ん……」

 

「大丈夫すよ。気にしないでください」

 

「ごめんなさい……」

 

「うん?」

 

「私のせいで……貴方を危険な目に合わせて……」

 

「いいよ、気にすんな。それよりもお前が無事でよかった」

 

「どうして……?」

 

「ん?」

 

「どうして!なんで貴方はそんなに平然でいられるの!自分が死んでいたかもしれないのに!」

 

「……確かに俺は自分が死ぬのは怖い……でも手の届く範囲で君を見捨てたら後悔する……君を目の前で失うのが怖かったんだ……だから俺は手を伸ばすんだ……だから……生きていてありがとう」

 

「……うっ……!うわあああああ!!!」

 

ファルネーゼが泣きながら抱きついてきた。そして

 

「ありがとう……!」

 

と何度も繰り返して俺に謝ってくれた。

 

「ねぇ?」

 

「うん?」

 

「そういえばお互いの名前言ってなかったね」

 

「あっ……」

 

「俺は空野真司。君は?」

 

「ファルネーゼ……ファルネーゼ・フォルネウス……ファルネって呼んで?」

 

「わかった、ファルネ。これでいい?」

 

「ん……」

 

そして再び抱きついてくるファルネーゼ。

 

俺もそれを抱きしめる。

 

魔王陛下の眼力があるがもう怖くない。

 

「真司……」

 

「うん?」

 

「大好き……」

 

へ?大好きって……俺を?

 

でもいいか……嫌いじゃないし……俺も好きだし……

 

「はい……俺も大好きです」

 

「ん……!!!」

 

そして抱きしめる力が強くなる。

 

「余の前で……何イチャイチャしとるのかー!」

 

とうとう魔王陛下がキレて俺たち、正確には俺に抗議してきた。

 

そしてその後ファルネの「ウザい」の一言で魔王陛下は撃沈してしまった。

 

「あらあら……魔王陛下……」

 

ん?この人は……

 

「娘を救ってくれてありがとうございます。真司さん」

 

「貴方は……?」

 

「申し遅れました。私はファルネの母のファアナと申します」

 

あーそういえばいたな……フィアナさん……

 

んでその後ファルネに俺が異世界人であることも伝えるとそれでも俺についていきたいと言い、フィアナさんもブリュンヒルドに来るそうだ。

 

魔王陛下は抗議したがフィアナさんの説得で事なきを得た。

 

こうしてファルネも俺の彼女となった。

 

レイ子たちになんて説明しよう……

 

 

 

 

 

 

 

 



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図書館、そして事件解決

ファルネが嫁候補になったのはいいが一つ問題があった。今回の襲撃の黒幕だ。犯人はユーロンの暗殺部隊でソイツらを捕まえたはいいが一切喋らないのだ。

 

と状況が好転しない中冬夜から連絡が入った。

 

実は俺のスマホも神気で神器と化してこの世界でも使えるようになってあるのだ。

 

バビロンを発見して適合者と認められたそうだ。

 

さて……この状況を好転するようなアーティファクトでも見つかりませんかね……

 

・・・・

 

「遂に来たァー!!!」

 

腕を振り上げて全身で喜びを表しているのは俺の彼女であるリーンだ。

 

どうやら今回のバビロンは『図書館』だった。リーンが求めていたものだからかそりゃ嬉しくなるか。

 

待てよ?『図書館』ってことは古代の闇魔法で自白させられるかも!

 

俺も期待を胸に募らせていると

 

「古代叡智の結晶!知られざる知識と歴史!その全てがこの手に!」

 

「盛り上がってるとこ悪いんだけどさ、一応『図書館』の本は閲覧制限かけるよ?」

 

「なんですと!?」

 

冬夜くんの一言に対して目を見開くリーン。

 

まあ他国の立場上簡単に情報を渡せるわけないか。と思っていたら

 

「そうね……じゃあこうしましょう。私をブリュンヒルドの宮廷魔術師として迎えてちょうだいな」

 

「は?」

 

おお!成る程、その手があったか。ていうか原作でもこの流れだったよね?

 

「ていうかさ?冬夜、俺とリーンは婚約者同士なんだし閲覧権限はあると思うんだけど……」

 

「し、真司っ!いっ、いきなり!な、何を!」

 

リーンの顔がリンゴのように赤くなる。

 

それにジト目を向けてくるレイ子たち。やめて!

 

「それに……真司さん。そちらの桃色髪の方は……?」

 

ユミナがジト目のまま俺に視線を向ける。

 

ああ、紹介し忘れてたな。

 

俺が一通りの経緯とファルネの正体を話すとレイ子たちのジト目の鋭さが増した。何故に!?

 

ってまーた女作ってきたんかってことだろうな……いい加減わかるようになってきたよ……

 

「全く真司さんったら……正座!」

 

「ハイ……」

 

「次から次へと彼女を作って……今回もですか!」

 

「いや、それは「黙らっしゃい!」ハイすみませんでした」

 

「全く……緊急時で助けたこともですが真司さんは女性を落としすぎです!もう少し自分が女たらしである自覚を持ってください!」

 

「俺……女たらし……?」

 

「女たらしだろ」

 

「女たらしだね」

 

焦凍とエンデの容赦ない攻撃が俺の胸に突き刺さる。ウッ!

 

「全く……でももうここまで来たら10人も11人関係ない気がします。それに私は甲斐性があればお嫁さんを何人作っても構わないと思いますし……」

 

「ユミナ……ファルネもごめんね……」

 

「ううん……私はいい。貴方に助けられて私は貴方を一方的に好きになった。それは変わらない事実」

 

「とまあ!堅苦しいのはここまでにして!ファルネさん、本気で真司さんと付き合いたいと思いますか?」

 

ユミナがそう聞くとファルネはコクッと頷いた。

 

「そうですか……ならば私たちはファルネさんを同士として迎えます!皆さんもいいですよね?」

 

ユミナがそう言うと皆もコクッと頷いた。

 

「真司さん。ファルネさんのことも本気で付き合ってあげてくださいね?」

 

「もちろん。そのつもりだよ」

 

こうしてファルネも皆に俺の嫁として認められた。

 

その後図書館に転移すると

 

『ふあああああぁぁぁ……!!!』

 

ハンコックやアインはバビロンに驚いていた。

 

まあ俺も初めて来た時は驚いたからな。

 

「一体これはどうなってるの……!?」

 

「妾はグランドラインで色々なものを見てきたが……このようなものは初めてじゃ……!」

 

「すみませんが図書館内ではお静かに願います」

 

「あ、ごめん…」

 

『図書館』の管理人イリスファムがハンコックたちに注意する。

 

「しかし、それにしてもすごい数の本ですね……目的の本を探すのも一苦労なのでは?」

 

「ああ、それなら大丈夫。例えば……『竜に関する本を検索』」

 

茨の疑問に俺がそう言うと床の絨毯に矢印が浮かび上がった。これを辿れば目的の本を探せる。ちなみに適当な場所に返しても自動で元の場所に戻るそうだ。

 

地球の本棚ほどではないが中々に便利な機能だ。

 

しかし問題なのが殆どの本が俺たちの知らない言語なので読めないということだ。五千年前だから仕方ないのかもしれないが。

 

俺はディケイドの翻訳機能があるので読めるが他の皆は困っているようなので冬夜に翻訳メガネを作ってもらっていた。

 

冬夜がフレイズの本を調べている中で俺は古代の闇魔法の本を読んでいた。原作で出ていたはずだが忘れてたのでな。

 

『ヒュプノシス』か。これで相手を催眠状態にできるらしい。

 

そしてこの後覚えた闇魔法でユーロンの暗殺者を催眠状態にすると黒幕が判明した。

 

このまま捕まえてもよかったのだったが確固たる証拠を手に入れるために俺はあの手を使うことした。

 

・・・・

 

魔王国ゼノアスの王都、ゼノスカルの商業地区の寂れた倉庫街を一人の男が歩いていた。そして目的の倉庫につくと重い扉をこじ開けて中に入った。中には仮面を被った謎の男と思われる人物がいた?

 

「どういうつもりだ。仕事が終わったら会わないつもりじゃなかったのか?」

 

「……もう一人邪魔な奴がいるんじゃないのか?」

 

仮面の男がそう言うと

 

「ほぅ……お前らが第一王子を消してくれるならありがたいが見返りはなんだ?前のように武器の横流しか?」

 

そう言った男の背後から第三者の声が飛ぶ。

 

「……なるほど。それが取引の内容か。お前がゼノアスの武器をユーロンに横流しし、その見返りに黒装束らに依頼した、というわけか」

 

倉庫内に響いた声に思わず振り返る男、そこにいた驚きの人物に目を見開く。

 

「ま、魔王陛下!?」

 

倉庫の入り口に立っていた男はまさしくこの国の魔王、ゼルガディ・フォン・ゼノアスだ。

 

さてと……俺も変化の術を解除して元に戻る。

 

「なっ!?き、貴様……っ!?」

 

「悪いけど引っ掛けさせてもらったよ。セブルス・アルノスさん」

 

そう原作通りコイツが今回の事件を裏で手引きした黒幕だ。

 

俺は原作で冬夜が使った手と同じ手を使った。

 

ただ今回はコイツだけに『仕事のことで話がある』との手紙と仮面を送って誘い出したという点が原作と違うかな。

 

あのまま捕まえたもよかったのだが確固たる証拠が欲しくてね。

 

コイツは第二王子の叔父にあたる男だ。

 

第二王子の実家は大商家でいずれそれを継ぐ男だ。

 

「貴様が犯人とはな。さぞかし父のアルノス商会長も残念に思っていることだろう。あの世にいるお前の姉もな」

 

「ち、違います、陛下!私は姫君を殺してなど!」

 

「ほう?余は『殺害した』などとは一言も言っておらんぞ?それにファルネーゼのことをなぜお前が知っている?」

 

説明し忘れていたがファルネは存在を隠された子だ。一部の人間しか知らないし、殺されたなどと情報も入ってくるはずがない。

 

倉庫内にシリウスさんの部隊が雪崩れ込んできた。

 

その後は原作通りセブルスは捕まり罪状を明らかにするためファルネの存在を明かして数日後、俺とファルネの婚約が大々的に発表された。

 

 

 

 



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格納庫、そして剣の世界

オリ要素を含みますがそこはご勘弁を……


朝、まどろみの中を目を開けると目の前に桃色髪と金髪の二人の綺麗な女の子たちがスヤスヤと気持ちよさそうに眠りについていた。

 

「なんだ……ユミナとファルネか……じゃなくて!」

 

俺の意識は一気に覚醒した。

 

なんでユミナとファルネがこんなとこにいるんだ!

 

「う…ん…?あ、真司さんおはようございます…」

 

「真司…おはよう……」

 

二人ともシルクの可愛いパジャマがよく似合っている。原作じゃ見ることもなかったから眼福だ。じゃなくて!

 

「なんでユミナがこんなとこに……って忍びにきたのか」

 

「理解が早いですね、流石真司さん♪夫婦が同じベットで寝るのはおかしいことじゃありませんよ?」

 

「ん……スキンシップ……」

 

「ということですのでもうちょっと一緒に寝ましょう!」

 

そう言ってユミナが前から、ファルネが後ろから抱きついてきた。

 

うわあああああ!!二人の胸が当たっているよぅ……!いい匂いがするぅ……!!

 

でもドキドキが抑えられないのは事実なので俺も二人を抱きしめる。

 

とその時

 

「真司、メルのことで話が」

 

エンデがノックもせずに入ってきた。そして俺たちを見ると

 

「……邪魔したね」

 

「っ!ちょっ!おい!」

 

朝からグダグダだな……大丈夫か……?

 

・・・・

 

「それで話ってのは?」

 

「……立ち直りが早いね……真司」

 

「言うな……」

 

俺は今、エンデとの二人で対談している。ちなみに冬夜たちはバビロンを探しにいっている。

 

「メルのことなんだけど……もうすぐなんでしょ?生まれるの?」

 

「ああ、もうすぐ生まれるそうだ」

 

「そっか……ねえ真司?メルに僕はなんて言えばいいかな?」

 

「ん?」

 

「僕たちだけのために多くの世界を巻き添えにしたのは……決して許されることじゃない……それをメルが聞いたら……どう思うのか……」

 

「……確かにお前らが数多の世界を巻き込んだのは事実だな。その人たちからすればお前らは許しがたい存在だ」

 

「……うん」

 

「でもな、どんなに小さな犠牲も大きな犠牲も出さないって。綺麗事かもしれないけどそれでもって言った人がいたんだ。お前らは出来る限りのことをしたんだろ?それならその人たちの分まで生きると思え」

 

「真司……」

 

「失ったものは戻らない。でもな、だから綺麗事だろうがこれから失わせないようにすればいいんだ」

 

「うん……わかった!ありがとう!」

 

そう言ったエンデの顔は晴れ晴れとしていた。

 

・・・・

 

見つかったバビロンは格納庫だった。

 

これでフレームギアを量産できる!と言いたいところだが

 

動かすにはエーテルリキッドがいるのを忘れていた。

 

エーテルリキッドとは魔石を原料にしたもので、フレームギアの神経部分となる重要な燃料みたいなものだ。

 

そこは原作通り冬夜がブリュンヒルドに埋まっている魔石を取り出した魔石でエーテルリキッドを作ってもらった。

 

これでフレイズに対抗できるのかな〜って思っていたら突如ディメンジョンオーラが現れて俺は巻き込まれた。

 

目を開けるとそこは豊かな草が広がる草原だった。

 

「なんだここは……?」

 

そして綺麗な空が広がり木は鬱蒼としていた。

 

俺はその木に近づいて触ると

 

「!?これは作り物か!?」

 

作り物にしては妙にリアルな木に俺は驚いてしまう。

 

ここは……なんの世界なんだ?

 

と俺の見聞色がなにかの気配を捉えたので俺はそこに向かってみることにした。

 

・・・・

 

???side

 

僕は今、非常にマズイ状況に置かれていた。

 

キングエイプを討伐したはよかったがそこから僕の知らないモンスターたちが出てきた。

 

しかも僕の剣が通用しない。

 

「任務遂行!敵は一人だ!やれ!」

 

そして敵の銃弾が僕に襲いかかる。ヤバい……この世界で死んだら……!

 

いや…いっか……僕はどうせいつかは死ぬ身……だったら……

 

<アタックライド、ブラスト!>

 

そんな音声が聞こえると当たるはずの銃弾が横から飛んできた弾幕によって全て弾かれ、周りにいた雑兵が全て消し飛んだ。

 

「何者だ!貴様……!」

 

そして僕の前に現れたのは

 

「通りすがりの仮面ライダーだ」

 

・・・・

 

オイオイ……なんでリボルがいるんだ……バグスターがいるってことはここはエグゼイドの世界か?

 

う〜ん……分からん!それにこの子どっかで見たことがあるんだよな〜?

 

まあいいや!とりあえず

 

「変身!」

 

<カメンライド、エグゼイド!>

 

<マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクション!エックス!>

 

「なっ!?貴様エグゼイドか!?」

 

「答える必要はない」

 

リボルが銃弾の雨を放つ前に俺は跳躍して取り出したガシャコンブレイカーでリボルを頭上から叩く。

 

そして左回りに回って下から振り上げたガシャコンブレイカーをリボルに当てる。

 

そして吹き飛ばされたリボルは立ち上がって銃弾を放つが

 

<鋼鉄化!>

 

後ろにいた女の子の前に立ち鋼鉄で銃弾を耐えると

 

<ファイナルアタックライド、エ、エ、エ、エグゼイド!>

 

そして俺は飛び蹴りをリボルに向かって放つとそこから連続で蹴りまくり最後の蹴りが炸裂するとリボルは爆発四散した。

 

そして変身を解除すると

 

「大丈夫か?」

 

「あ、うん……大丈夫……」

 

そこには紫の髪がかかった女の子がいた。耳が尖っているからエルフの類かな?と思った。

 

「助けてくれてありがとう……僕はユウキ!」

 

「ユウキ……?」

 

ユウキって……ちょっと待てよ……それって……

 

「なあ……ここってALOか?」

 

「ううん……違うよ?知ってるでしょ?今やってるのはデスゲームだよ……茅場晶彦による……」

 

ええええ……!!?

 

ってことはここは……ソードアートオンラインの世界か!?

 

俺は少しばかりの不安を胸にこれからどうしようかと思った。

 

 

 

 

 

 

 




ソードアートオンラインに関してはアニメでしか見たことがありませんのでところどころ変なとこがあるかもしれませんがそこはご勘弁を……


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ユウキの気持ち

俺の目の前にいる女の子は紺野木綿季。

 

原作ではHIVでなくなるマザーズロザリオにおけるヒロインだ。

 

確かSAO帰還者じゃなかった気がするが……

 

見聞色で心の中を覗くとどうやら偶然、抽選で当たったナーブギアをやってデスゲームに入り込んでしまったらしい。

 

「君は何者?あんなソードスキル……僕は知らないなあ……?」

 

うーん……どうやら疑われているみたいだ。

 

「じゃあ教えよっか。この世界のことを」

 

俺は自分が異世界人ということや自分が元いた世界ではこの世界が作り話であることなど。

 

「そうだったのか……君のそれは……『個性』、だったっけ?」

 

「ああ、俺の世界では殆どの人が持ってる特異能力な」

 

「すごいね!僕もその世界に行きたいな!あっ…でも無理か……」

 

どうやらこの世界でもユウキはHIVに感染しているみたいだ。

 

「ユウキ……いいのか?俺なら連れて行ってやれるけど……」

 

「僕は……無理だよ。この世界からも出られないし……出られたとしても……まともに動けないんだ……だから……僕はもういいんだ。この世界で死んだって」

 

「…………それはお前の本心なのか?」

 

「どういうこと……?これが僕の本心だよ……無理なことに願いをかけたって……」

 

「違う。それはお前の本心じゃない。お前が本当に心から思うけどことじゃないだろ。お前は病気に怯えてそれが言えてないだけだ」

 

「君に何がわかるのさ!僕の気持ちが!」

 

「なら曝け出せよ!病気とか関係なく!お前が本当にしたい事を!自分が!これから!どうしたいのか!」

 

「僕だって……!生きたい!生きて!色んな世界を見たい!自由に生きたい!生きたいんだよぉ……!でもぉ……!」

 

そう言って俺に縋り付いてくるユウキ。

 

「ごめんな……お前の気持ちも知らないで……」

 

「ううん……真司のおかげで……僕も本当に言いたいことを……言えた……」

 

「じゃあ本当の気持ちを言えたご褒美にお前の病気を治してやる!」

 

「え……?」

 

「なーにぼけっとしてんだ?お前の病気を治してやるってんだぞ!?」

 

「本当なの……?だって……?」

 

「俺の能力で治してやるさ!お前が本当に生きたいっていうのがわかった!それが俺にとって嬉しかった!」

 

「なんで……?」

 

「生きたいって思える人がいるからさ。死にたい人の気持ちは俺には分からない。その人にしかわからない気持ちがあるから……だから俺は少しでも生きたい人を助けたいんだ」

 

「真司……」

 

「お前の生きたい気持ちに応えてやる!俺がこのデスゲームを終わらせてお前の病気を治してやる!」

 

「本当に……いいの……?」

 

「ああ!任せとけ!なんたって俺は世界の破壊者だからな!」

 

「うっ…うっ……!」

 

ユウキが泣きながら抱きついてきたので俺はそれを静かに受け止めた。

 

ユウキはただひたすらに泣いた。

 

俺がユウキの希望になってやる!そう思った時

 

「真司さん?これはどういう状況ですか?」

 

見知った声が後ろから聞こえてきた。

 

そんなはずはないと後ろを向くとそこきは

 

「ちょっとお話を」

 

目に光がないユミナがいた。

 

・・・・

 

僕は今までの人生で希望というものを見出せなかった。

 

ただただ薬や機械を使って延命するだけの毎日。まともになにかをするということができなかった。

 

唯一楽しめそうだと思ったのが仮想世界でのゲームだ。

 

でもそれもデスゲームと化した。

 

神様はどこまでも僕に意地悪だと思った。

 

でもそれでもめいいっぱい楽しめるように努力して強くなった。

 

だが死が実際に目の前に来ても怖くなかった。いや……本当は心の中で怖いと思っていたのかもしれない……

 

そんな時に現れたのが彼だった。

 

その人は異世界人で僕のことも知っている人だった。

 

その異世界には興味が湧いた。同時にそんな世界に行きたいとも思った。

 

でも自分には無理だと悟った。そんな彼が僕の神経に障ることを言ってきたので久しぶりに頭にきた。

 

でも僕の本当の気持ちを曝け出すと心の底から生きたいと思った。

 

だから彼の言葉が嬉しかった。例えそれが僕に希望を与えるためのウソだとしても……彼に心から救われたからだ。

 

そして真司の笑顔を見るとドキッとする。

 

そんな時に現れたのは金髪の美少女だった。

 

その後真司はその子に叱られていた。どうやら何人もいる真司の彼女らしい。

 

それを知った時僕は嫉妬してしまった。そして自分の気持ちに気付いた。

 

そうか……僕は……真司が好きなんだ……

 

 

 

 

 



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茅場晶彦との対峙。そして……ユウキの決断

ユミナに叱られたのも応えたがそれより……!

 

「ユミナ……なんでこの世界にいるんだ……?」

 

「いたらマズイことでも……?」

 

ユミナの笑顔が怖い!違うから!

 

俺が必死に弁解するとなんとか機嫌を直してくれた。

 

「そうですね……私も真司さんが使うディメンジョンオーラに巻き込まれたのです……」

 

成る程……前にレムが巻き込まれたのと同じやつか……

 

さーてとそれより俺の分身が状況を探りに行っていたがそろそろかな……

 

「ユミナ、俺はこの世界を救いたい。力を貸してくれるか?」

 

「真司さん……はぁ……まあ真司さんですからね。放っておけない気持ちもわかります。ですが!私も付き添いますよ!」

 

「ハイ……」

 

俺はディメンジョンオーラでキリトと茅場晶彦の元へたどり着いた。

 

キリトによってヒースクリフ、茅場晶彦の化けの皮が剥がされた現場だ。

 

「む……!?君は……!」

 

「お前は……!?」

 

「俺は通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ。そして……このデスゲームを終わらせるものだ!」

 

「くっ……!ふふふ……はっはっは!やはり来たか!仮面ライダーよ!ショッカーの者たちからの伝言は本当だったというわけか!」

 

「なに!?ショッカーだと!?だからバグスターも……!」

 

「君はやはりバグスターの正体を知っていたわけだね。道理でものの見事に倒されたわけだ」

 

「さてと……このデスゲームは俺の嫌いな部類の極致だ。さっさと終わらせてやる」

 

「そんなことをさせるとでも?部外者には引っ込んでてもらおう」

 

そう言った茅場はカイデンバグスターにアセンブラバグスターを繰り出した。

 

「ユミナ!行くぞ!」

 

「ハイ!」

 

「「変身!」」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

<standing by>

 

<complete>

 

俺はアセンブラバグスターの魔法をワンフォーオールを発動させて避けまくり飛び蹴りを放つとアセンブラは一瞬で爆発四散した。

 

ユミナも正確な射撃でカイデンを一発必中で倒した。

 

「なっ!?ククク……そうでなくては面白くない!ならば来い!ゲムデウス!」

 

ゲムデウスだと!?

 

そして現れたソイツはまさしくゲムデウスだった。

 

マジかよ……

 

そしてアセンブラとは比べ物にならない魔法を放つとユミナが吹き飛ばされた。

 

「ユミナ!」

 

そしてモータスのバイクがユミナに襲いかかろうとした時、ディメンジョンオーラが突然現れた。

 

そこから姿を現したのは

 

「鳴滝……!」

 

「貴方は……?」

 

そして世界の時間が止まった。

 

・・・・

 

私はなにをやっているんだろう……真司さんの力になりたいのに……足を引っ張って……

 

「ユミナくんよ。君が落ち込むのはわかる。だが今はそんなことをしている場合ではないだろう?この世界の運命がかかっているのだぞ?」

 

「ですが……私には……」

 

「ならば力をやろう……これを君に……」

 

「これは……!?」

 

渡されたのは青い銃だった。

 

「君がこれをどう使うかは君次第だ。だが君は誰かのためになりたいのだろう?ならば今すべきことはなんだ?」

 

私が……すべきこと……

 

「私は……真司さんの……真司さんが世界を救う力になりたい!そして世界の全てを守って見せたい!」

 

「そうか……ならばもう大丈夫だな。頼むぞ……世界を……」

 

そして再び世界の時間が動いた時、私は立ち上がった。

 

もう迷わない!この力で、真司さんとともに戦う!

 

そして私は青い銃にカードを入れてスライドさせると

 

<カメンライド>

 

「変身!」

 

<ディ、エーンド!>

 

そして私は仮面ライダーディエンドとなった。

 

・・・・

 

ユミナがディエンドに!?

 

まあいっか!ユミナならデルタ以上にあの力を使いこなしそうだ!

 

そしてユミナはその正確な射撃と高速移動能力でゲムデウスを寄せ付けなかった。

 

「ここは!」

 

<カメンライド、マッハ!>

 

<カメンライド、ゲンム>

 

「お願いします!」

 

そしてトリガーを引くと仮面ライダーゲンムレベル0と仮面ライダーマッハが現れた。

 

「私こそが……神だああぁぁ!!」

 

「追跡!撲滅!いずれも〜!マッハ!仮面ライダー〜!マッハ!」

 

そしてゲンムはゲムデウスに触れるとそのレベルを奪っていき、マッハは素早い動きでゲムデウスを翻弄する。

 

だがゲンムはすぐにゲムデウスに吹き飛ばされた。

 

 

「ぶははははははは!!時間差コンティニューだ!!」

 

何度も蘇る不死身のゲンムに苦戦するゲムデウス。そのレベルがどんどん奪われていく。

 

そしてユミナは銃撃でゲムデウスを追い詰めていく。

 

「俺も負けてられないな!」

 

<フォームライド、エグゼイド!ムテキ!>

 

<輝け!流星の如く!黄金の最強ゲーマー!ハイパームテキ!エグゼイド!>

 

そしてムテキに変身すると

 

「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!」

 

そしてゲムデウスがカイデンの刃を放ってきたが俺はそれを受け止めて無限ジャンプでゲムデウスの頭上まで行きワンフォーオールを発動させ、回転すると

 

「cyclone smash!」

 

回転の勢いをゲムデウスに叩きつけた。

 

そして

 

「これでフィニッシュだ!」

 

<ファイナルアタックライド、エ、エ、エ、エグゼイド!>

 

<ファイナルアタックライド、ディ、ディ、ディ、ディエーンド!>

 

ユミナのディメンジョンシュートがゲムデウスに当たるとゲムデウスは半身が消し飛び

 

「ハイパークリティカルスパーキング!」

 

そして俺の連続蹴りでゲムデウスは粉々になった。

 

「バカな……私とショッカーの最高傑作が……」

 

「さて……この世界も終わりだ」

 

<アタックライド、ブラスト!>

 

俺はライドブッカーの銃撃をこの世界にいる全ての階層ボスに狙いを定めて撃った。

 

そしてこの世界がグラグラと揺れ出し崩壊していく。

 

「き、貴様ぁ……!」

 

「じゃあな。茅場晶彦さん」

 

現実において存在がない俺たちはさっさとディメンジョンオーラでこの世界から現実世界へ転移した。

 

そしてこの世界は完全に消え去った。

 

・・・・

 

ここは……うっ!

 

そうか……戻ってきたんだ……

 

まだボンヤリとした意識の中で僕は目を開ける。

 

と病室の扉が開くと

 

誰かが入ってきた。

 

そして僕の前に来た。

 

<アタックライド、リカバー!>

 

そんな音声が聞こえると僕の周りを暖かい光が包んだ。

 

そしてその人は病室から出て行った。

 

もしかして……真司かな……?

 

と思った時、先生が入ってくると

 

「ユウキくん。診察の時間だ」

 

「うん……」

 

そして診察を受けると

 

「こ、これは!?」

 

「どうしました?」

 

「な、治っている!奇跡だ!」

 

「え……!?嘘……!?」

 

まさか……本当に……僕も……皆と一緒に……!

 

「ユウキくん!退院しても大丈夫だ!君のHIVは完全に治っている!」

 

「嘘でしょ……!真司……!」

 

真司が治してくれたんだ……!

 

僕は病院を出るとすぐさまある場所に向かった。

 

・・・・

 

「良い眺めだな、ユミナ?」

 

「ええ……そうですね♪」

 

俺たちはあの後ニュースをスマホで見るとナーブギアをつけていた人の意識が急に戻るという知らせを聞いた。

 

よかった……と思った。

 

だってもし意識が戻らなかったらと思うと……

 

そしてユミナとお互いの手を置きながら俺たちはこの町の夜景を見渡す。

 

「綺麗ですね……」

 

「そうだね……」

 

「真司さんの世界もこんな風なのですか?」

 

「そうだよ。もっと凄い景色を見せてあげる」

 

「ふふふ……楽しみにしてますよ」

 

そしてユミナと二人の時間を楽しんでいると

 

「真司!」

 

後ろから聞こえた声に俺とユミナは驚く。

 

誰であろう。紺野木綿季だ。

 

「ユウキ!?どうしてここが!?」

 

「はあっ……はあっ……久しぶりに走ったから……疲れるね……なにって……ここは有名なスポットだから……多分……来るかなって……」

 

いやこの山結構な高さなんですが。それで疲れただけって……すごいなユウキの体力。

 

「真司でしょ?僕の病気治してくれたの。ありがとう!」

 

「……どういたしまして」

 

そしてユウキは俺の左隣に座る。

 

ユミナはちょっとムッとしたが今回はすぐに機嫌が戻った。

 

「ねぇ……真司……真司はあの世界をどう思った……デスゲームのためだけに作られたあの世界を……」

 

「そうだな……一言で言えば最低だ。だがあの世界はよく出来ていて美しいとも思った。茅場晶彦はやり方さえ間違わなければきっと人々から褒め称えられ、あの世界も素晴らしいものになってただろうな」

 

「そっか……でも……失った命は戻ってこないんだね……」

 

「どうかな?やってみよっか?」

 

「え……?まさか……?ハハハ……いくら真司だって……」

 

「本当はやっちゃいけないことなんだけどなぁ……まあいっか時間逆行(クロノ・リバース)

 

そして世界の時間を、正確にはナーブギアによって死んだ人の時間だけを死ぬ前に戻した。

 

「ユウキ、テレビのニュースを見てみたら?」

 

「え……うん」

 

そしてユウキがスマホのニュースを見てみると

 

『なんということでしょうか!ナーブギアで死んだはずの人たちの意識が戻りました!どういうことでしょうか!これは奇跡です!』

 

「嘘……!?本当に……!?真司……どうやって……!?」

 

「なあに世界の時間を巻き戻しただけだ。本当はやっちゃいけないことだけどな。死者を冒涜する行為だから。でも今回はこんな惨劇を無くしたいと思ったからな」

 

「真司さん……やっぱり真司さんは凄いです!」

 

「真司……」

 

「今の話は本当なのか!?」

 

後ろから聞こえた声。

 

振り向くとそこにはキリトがいた。

 

「お前は……」

 

「そうか……お前があの時の……ありがとうな!俺たちだけじゃくて皆も助けてくれて!」

 

「そりゃどうも」

 

そしてキリトがベンチに座った。

 

すると

 

「ねぇ……真司……」

 

「なんだ?ユウキ」

 

「あのね……僕は……「ユウキさんは真司さんが好きなんですよ」ちょっ!?」

 

は……!?

 

おいおいちょっと待て……またぁ!?

 

「ユウキさん。正直に言ってください。貴方は真司さんが好きなのですか?」

 

「僕は……好き!真司が好き!」

 

いや待て……そりゃあユウキは嫌いじゃないけどさ……

 

「私は真司さんが良ければユウキさんもお嫁さんにしても構わないですが……」

 

「いや、俺は……」

 

「真司は……僕のこと嫌い……?」

 

涙目で見ないでほしい。

 

あー!!!正直に言うしかないか!

 

「いや、嫌いじゃないです…俺もユウキが好きです!」

 

「なら問題ありませんね!」

 

こうしてユミナの決定によりユウキも俺の嫁候補に加わった。

 

まあユウキは嫌いじゃないし……いいのか?

 

そして旅立つ日

 

キリトやクラインたちが見送りに来てくれた。

 

「ありがとうな」

 

「ユウキを幸せにしろよ!」

 

「じゃあ……またな」

 

こうして俺はソードアートオンラインの世界を後にした。

 

 

 

 

 

 




プロフィールにユミナを追加しました!


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王の再誕、そして何千年の愛

ソードアートオンラインの世界から帰ってくると冬夜がリーニエでの騒動を解決した後だった。

 

まあ俺は特に関わらなかったので原作と同じだったとか。

 

一番の問題はユウキを連れてきてまたジト目を向けられたことだ。

 

エーテルリキッドの製造も順調らしい。

 

さーてと……そろそろかな……

 

と俺が思った矢先に電話が冬夜からかかってきた。

 

俺は着信ボタンを押すと

 

『真司!産まれるぞ!』

 

冬夜の大きな声が聞こえてきた。

 

いよいよか……

 

俺は分娩室の隣の隣の部屋で待っていた。

 

時々苦しそうな王妃様の声が聞こえてくるような気がするんだが……

 

んで俺はというとただーボケーっとしていた。

 

だってすることないんだもん……俺が出来るのはただ無事に産まれてくれるのを待つだけだ。

 

俺は時間は巻き戻せるが早送りはできない。

 

だからこうして待つしかないと思っていた時おぎゃあ、おぎゃあと元気な声がかすかに聞こえてきた。

 

国王陛下が慌てて飛び出したのに続いて俺も部屋から出た。

 

そして分娩室の前で待っているとレムが出てきて

 

「産まれました。元気な男の子ですよ、母子ともに健康です」

 

「そうか、そうか!男か!」

 

国王陛下が嬉しそうに声をあげる。

 

そして俺と公爵、冬夜の3人で外で待っていると

 

「見てくれ!我が国の跡取りだ!」

 

「おめでとうございます、兄上」

 

「おめでとうございます」

 

俺とユミナが結婚したらこの子は義理の弟になるわけだ。

 

親戚になるかもしれない男の子に俺は不思議な感情を抱いていた。

 

「それでな、真司殿。この子の名前を決めてくれないか?」

 

「あー……とその前に……エンデ入ってきて」

 

俺がそう言うとエンデが入ってきた。

 

「あのですね……喜んでるところ悪いんですが……王の核を取り出したいと……」

 

「あ……」

 

俺の言葉に国王陛下は思い出したかのように顔が一気に真っ青になる。

 

「真司殿……どうか……!」

 

「わかりました。あとは任せてください。冬夜、頼むよ」

 

「わかった。プリズン」

 

無属性魔法プリズンで王の核を摘出したらフレイズの響命音が外に漏れてしまうからな。これで遮断したわけだ。

 

そして王子の中にある王の核を見聞色の覇気と神眼で捉えると

 

<アタックライド、シーフ!>

 

王の核は俺の手の中に転移された。

 

王子を確かめてみたが特に問題はなかった。

 

「成功しましたよ」

 

「おお!そうか……よかった……!」

 

国王陛下とユエル王妃にユミナたちは目に涙を浮かべて喜んだ。

 

レムたちも喜んでいた。

 

さてと……この王の核だが……

 

パキィン!

 

やっぱりか。

 

俺はゆっくりと王の核を床に置いて結晶が広がるのを見届ける。

 

エンデも神妙な顔をしていた。

 

そしてそれはどんどん形を成していき、ソイツは姿を表した。

 

優雅なアイスブルーの目、美しい結晶体のドレス、そして気品に満ちた佇まい。

 

まさにフレイズの『王』であった

 

「メル……!」

 

そしてエンデに気づくと

 

「エンデミュオン……!」

 

二人はお互いを見るとすぐに抱きつきあった。

 

が冬夜たちはなにかわからないような顔をしていた。

 

ああそうか。フレイズの言葉がわからないのか。

 

「エンデちょっと離れてくれないか?メルに翻訳魔法をかけるからさ。このままじゃ話が進まないだろ?」

 

「そうだね……頼むよ。真司」

 

「アナタは私たちの言葉がわかるのですか!?」

 

「真司は色々と規格外だから気にしたら負けだよ」

 

エンデの発言にちょっとムッとなったが、俺はメルの頭上に手を翳し魔法を唱える

 

「トランスレーション」

 

これでメルも共通語を喋れるはずだ。

 

「あー……僕たちの言葉がわかる?」

 

「!はい、わかります」

 

そして王子をユエル王妃たちに預けて俺たちは別の部屋に移った。

 

「あー……口にあうかどうかはわからんが……飲んでくれ」

 

国王陛下と俺たちの目の前に置かれた紅茶を見てメルは不思議なものを見る目をしていた。

 

エンデは気にせずに飲んでいたが。

 

エンデが飲んでいたのを見てメルも飲むと

 

「っ!?美味しい……」

 

「気に入ってくれたか……それはよかった」

 

俺も飲んでみると前とは違う紅茶だった。しかし相変わらずの美味しさだったが。

 

エンデとメルはお互いの手を重ねあっていた。その姿を微笑ましいと思った。

 

とそんなことを考えていた時、冬夜のゲートが開いてミスミドの獣王とレグルスの皇帝陛下とラミッシュ教皇とリーニエの新国王がやってきた。

 

フレイズの侵略に関することは国を挙げてだからな。

 

と皆が席に着くと

 

ベルファスト国王陛下が口を開いた。

 

「まずは……初めましてだな。フレイズの王よ」

 

「はい……紹介が遅れましたね。私はメル。かつてフレアジアという世界を治めていた王にございます」

 

その気品溢れる佇まいはまさに圧巻。俺や冬夜とは雲泥の差である。

 

今までのフレイズとの経緯は既にメルに話してある。原作とちがって落ち込むということはなかった。

 

「さてと……話を始めようか。君たちはこれからどうしようと思っている?」

 

ベルファスト国王の質問に他の王たちも息を呑む。

 

「私は……フレイズと人間の争いを止めたいです……こんなこともうやめて欲しいって……ネイやユラたちとも話し合って……」

 

「ネイのとこにならリセを行かせたはずだよな?エンデ」

 

「ああ、そうだね。これでネイもこちらについてくれるといいんだけど……」

 

「最悪我らがフレイズを倒しても構わないのか?」

 

今度はミスミドの獣王が聞いてくる。聞きにくい質問だがはっきりさせないといけない

 

「ハイ……止むを得ないでしょう……元はと言えば攻めてきたのはこちらなのですから……」

 

メルも静かながらはっきりと答えてくれた。

 

出来ることならフレイズは来ないで欲しい。

 

この世界にこれ以上面倒ごとを持ち込ませたくないからだ。

 

「しかし……フレイズに対抗する手段はあるのか?」

 

「ああ、それならあります。冬夜」

 

「うん」

 

冬夜がスマホにあるフレームギアの映像を空中に投影すると各国の王たちは驚いた。

 

「これはフレームギアといって五千年前のフレイズの大侵攻の際に対抗手段として用いられようとしていたアーティファクトです。これを蘇らせてフレイズに対抗します。ちなみに既に30体は量産が終わっています」

 

「成る程、確かにフレイズが相手ではこれを使わざるを得ないわけだな」

 

「はい。一応これは巨獣討伐とかにも使えますがね」

 

「ふむ……」

 

皆が真剣な目でフレームギアの映像を見る。

 

「で?エンデ、おまえはどうするつもりだ?」

 

「僕も真司たちに着くことにするよ。こうなってしまった以上全てを片付けないと先に進めないからね」

 

「そうか。それならいいが……」

 

「なに……?またなにか面倒ごとがあるの?」

 

「オルフェノクがこの世界に来た以上……フレイズと手を組まないとも言えないしな……」

 

「確か別の世界の怪人でしたっけ?」

 

「そう。それにオルフェノクだけじゃない。バクスターにアンデッド、魔化魍とかまで来たら最悪だ」

 

果たして俺たちに世界が守れるのか……不安に思っていると

 

「大丈夫ですよ。真司さんなら」

 

「ユミナ?なんでここに?」

 

「お母さまから真司さんたちの元へ行きなさいと言われました。それで……真司さんが思い詰めてるんじゃないかと思いまして……でも大丈夫です。真司さんなら」

 

「ユミナ……」

 

「それに私たちだって手伝います。真司さんには支えてくれる仲間がいっぱいいるじゃないですか」

 

「そうだぜ!ボス!」

 

「バル……」

 

「話は聞かせてもらった!そんな奴ら俺たちで倒してやるぜ!」

 

「ワーハッハッハ!俺も腕が鳴るぜ!」

 

「俺たちもいるんだ。一人で抱え込むなよ」

 

「そうですよ。真司さんにはレムたちがいます!だから安心してください!」

 

そして俺はレムとユミナに抱きついてしまった

 

「ごめん……心配かけて、そうだね……俺には皆がいる。だから力を貸してくれないかな?」

 

「「はい……」」

 

そう言ってユミナたちも抱きついてくる。

 

俺が温もりを感じていると

 

「……ゴホン!そろそろいいかな……?」

 

ベルファスト国王の一言で我に帰った俺たちは羞恥心から顔が赤くなった。

 

「では我々としてもフレイズ対策を考えることでよろしいかな?」

 

「ええ、他の国々にもギルドを通じて協力を持ちかけます」

 

話し合いが終わるとメルとエンデは外に出ていった。

 

・・・・

 

出て行った二人は城のバルコニーでお互いの顔を見つめあって

 

「ごめん……何千年も待たせちゃって……」

 

「…………」

 

「僕が不甲斐ないせいで……君や他の世界を危険な目に晒して……「エンデミュオン」メル……?」

 

「これは私の見通しの甘さが招いたことです。決してアナタだけのせいではありません」

 

「しかし!」

 

「エンデミュオン……アナタは一人で背負いすぎです。確かにアナタは強い。ですが……ユミナさんも言っていたでしょう?頼れる仲間を頼れと。私では力不足ですか?」

 

「いや、そういうわけじゃ」

 

「アナタには私がいます。だから私も頼ってください……」

 

「メル…そうだね…僕にもメルだけじゃない。頼っていい友達もできた。だから力を貸してくれるかな?」

 

「ハイ……」

 

お互いの顔を見つめ合って赤くなる。

 

「エンデミュオン」

 

「なに?」

 

「五千年経っても……アナタの気持ちは変わりませんか?」

 

「!」

 

エンデは必死に首を縦に動かす。

 

「なら……私はアナタが欲しい……来てくれませんか?」

 

そう言ってメルは両手を広げる。

 

「うん……」

 

そしてメルの胸に飛び込むエンデ

 

(メルの胸……相変わらず冷たいけど……とってもあったかくなる……)

 

(エンデミュオン……やっと……こうして会えた……嬉しい……!)

 

そして二人は抱き合い五千年、いや何千年ぶりの愛を確かめ合った。

 

 

 



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閑話 轟焦凍とモネの日常

肌寒い空気の中、スゥスゥと寝息をたてている焦凍

 

ふふっ……可愛い……

 

焦凍の寝顔を見ていると

 

ああっ……もう我慢できない!

 

そして焦凍の上に馬乗りになると

 

「んっ……」

 

と可愛い声を漏らす。

 

カッコいい焦凍もいいけど可愛い焦凍も最っ高!

 

そして焦凍の目がパチっと開いた。

 

・・・・

 

俺は夢かと疑った。モネが俺の上に馬乗りになっていた。

 

もちろん嫌ではない。でも鍵がかかっていたはず……ああ、モネには無意味だったな……

 

「おはよう焦凍」

 

「……おはよう。いつから乗ってたんだ?」

 

「30分前ぐらいかな?」

 

「……いい加減どいてくれ」

 

「嫌なの……?」

 

涙目で見ないで欲しい

 

「俺だって男だぞ」

 

「……焦凍のエッチ」

 

顔を赤くしてポカポカと叩いてくるモネが可愛かった。

 

しかし朝からモネの笑顔が目の前にあると心臓に悪い。

 

「それはさておき……焦凍、今日は予定ない?」

 

「特にないな……修行に費やすぐらいかな」

 

「なら私は今日は焦凍に付き添うよ」

 

「いいのか?」

 

「うん、焦凍と一緒にいたいから♪」

 

モネは平然とこういうこと言ってくるからな……そういうところもまた彼女の魅力なのだが。

 

そして食堂まで行くとそこには

 

「あらぁ?焦凍くんにモネちゃん!おはようなのよ!」

 

望月花恋。冬夜の義理の姉としてこの世界に存在する神さまの恋愛神だ。

 

「相変わらず仲睦じいのよ〜見ているこっちもキラキラなのよ!」

 

「は、はぁ……」

 

そう言われてどんどん顔が赤くなるのがわかる。

 

この人は他人の恋愛にズブズブ入ってくる人だ。それがくっつくこともあれば別れることもある。どっちがいいとはいえないが間違いなくその人たちの利益になるような助言をする。だが同時に恋愛神による被害を受ける人も少なくない。主に受けているのは冬夜だが……

 

朝ごはんはフレンチトーストに生ハムとチーズだった。

 

正直和食がよかった……とも思いながら食ってみたが美味かった。

 

パリッとした食感から溢れる甘いハチミツ

 

モネもご満悦のようだ。全く真司の母さんには頭が上がらないな。

 

次に生ハムにフォークを突き刺して口に運ぶととろけるような美味さが口に広がる。

 

「美味しい……!」

 

モネのチーズを頬張っている顔がすごく可愛い……

 

「むー……!」

 

じーっと見てたら睨まれた。

 

恥ずかしいのかな?

 

ちなみにこの様子を見ていた花恋は

 

(ああっ!……!キラキラなのよ!二人のラブラブな雰囲気がこの空間に満たされてるのよ!)

 

そして食い終わると

 

「じゃあモネ、行こっか」

 

「あ、うん……」

 

俺たちはお互いぎこちない感じだがじーっと見つめ合っているうちに顔がリンゴのように赤くなり、恐る恐る手を差し出して握る。

 

(モネの手……冷たくて、柔らかい……)

 

(焦凍の手……硬くて逞しい……ああっ…抱きつかれたい……!)

 

モネの握る力が少し強くなり、身体をこちらに寄せてきた。

 

俺もモネの方に寄り添い、お互いの体温を確かめ合った。

 

そして城下町に出ると

 

「あっ!焦凍くんにモネちゃん!元気かい!」

 

「相変わらずお熱いねえ!」

 

「安くしとくよ!ミカンとかどう!?」

 

とかけられる声は様々だがこの国に悪い人は殆どいない。

 

ユミナの魔眼によって真司を利用しようとしてきた者たちは全て弾かれたからだ。

 

俺はモネと一緒にギルドに入ると

 

「あっ、焦凍じゃないか」

 

「エンデ、お前も依頼を受けにきたのか?」

 

「うん、僕はブラッディクラブの討伐。メルがカニを食いたいっていってたしね」

 

エンデ、フレイズの王と結ばれようと願い幾多の世界にフレイズを侵攻させるキッカケを作った人物である。

 

まあだからといってコイツを責めるのはない。コイツらも被害者だしな。

 

そしてメル。フレイズの王にしてエンデの彼女。そして八重をも超える大食らいだ。フレイズに食事は必要ないのだがあくまで味を楽しむもんだとしている。

 

「焦凍たちも依頼を受けにきたんだったらワイバーンなんかオススメかな」

 

「ワイバーン……?」

 

「すぐ近くのメリシア山脈に出たって書いてあるよ。よかったら受けてみたら?」

 

「エンデ……それってお前らが食べたいから俺たちからちょっと貰おうとか思ってないよな?」

 

「ギクッ!」

 

「はぁ……まあいいけどさ。俺たちも食いたいし」

 

「なら今日は僕の家に来てよ、メルも君たちと色々話したいって言ってたし」

 

「わかった。モネもいいか?」

 

「うん……いいよ。私もメルさんと色々話したいし」

 

「相変わらず君たちは仲がいいね……」

 

「お前だって人のこと言えないだろ」

 

「ハハハ……じゃ!そういうことだから!今日僕の家に来て!」

 

そう言って走っていくエンデ。

 

なんか……前に比べたら明るくなったな……

 

「焦凍、ワイバーンの依頼受けるの?」

 

「ああ、約束しちまったしな」

 

俺は依頼書を剥がして受付まで持っていく。

 

俺たちは腕を翼に変えて目的地まで一気に飛び立つ。

 

そして着いた場所で見聞色を発動させるとこちらに気づいた気配を察知した。

 

コイツが……

 

そこにいたのは赤いワイバーンだった。

 

ワイバーンは炎を吐いてきたが冷気を纏った風で相殺して一気に接近して下顎から蹴り上げた。

 

その隙にモネが尻尾をたびら雪で斬り落としてワイバーンを飛べなくする。

 

そして俺は一気に上空まで飛び上がってヨタヨタと歩くワイバーンめがけて一気に急降下してオーバーヘッドキックを背中に叩き込んだ。

 

背骨が折れたワイバーンは絶命した。

 

「焦凍、終わった?」

 

「ああ、これを持っていけばいいだけだ」

 

スマホに付けられたストレージアプリにワイバーンを収納する。

 

これは冬夜がエンチャントしてくれたアプリだ。

 

正直これがあればスマホ一つで自由に持ち運びができる。

 

ちょっと休んでから行こうということで俺たちは草原まで足を運んだ。

 

そこは山脈の頂上からベルファストを見渡せるぐらいの絶景だった。

 

「すごい……」

 

モネもその絶景に見惚れていた。

 

「ねえ、焦凍。焦凍の世界もこんな感じなの?」

 

「いや……俺の世界はもっと……」

 

色々話し合ってるうちに眠くなって欠伸をすると

 

「焦凍」

 

「モネ……?」

 

「はい、おいで」

 

そう言って正座しているモネは自分の膝をたたく。

 

俺はその誘いを断れるわけもなく頭をモネの膝に預けた。

 

モネの膝……とっても柔らかい……その感触に誘い込まれるように俺は眠りについた。

 

そして起きて目を開けると眠っているモネの姿が見えた。

 

モネ……眠かったのに俺の為に膝枕を……

 

そう思った俺はモネの頭を俺の膝に置いた。

 

今度は俺がモネの枕になる番だ。

 

それにしても……可愛いな……

 

スゥスゥ息をたてて眠るその姿はまさしく天使のようだった。

 

そして俺は我慢できずに唇にキスした時

 

「う……ん……フェェッ!?焦凍ォ!?」

 

モネが起きてしまった。

 

そしてモネに正座させられて

 

「全く……いくら彼女だからって寝ている時にキスするなんて!」

 

「ごめん……」

 

(キスしたかったら……言ってくれればしたのに……)

 

その後ギルドまでいって依頼の完了を告げると白金貨8枚が貰えた。

 

夜になるとエンデの家に行くとメルとエンデがいた。

 

「あら、いらっしゃい。焦凍さん」

 

「いらっしゃい。ちょっと待ってね。ご飯の用意するから」

 

中にはあまり家具といえるものがなかった。

 

ベッドは大きかったが……

 

そしてワイバーンの肉をエンデに渡して焼いてもらい

 

メルも捌いたブラッディクラブの調理を手伝っている。

 

味噌ベースがいいかな……

 

あと……

 

「蕎麦……」

 

ストレージに入れていた蕎麦粉と小麦粉などを出して蕎麦を作る。

 

「焦凍、それは?」

 

「蕎麦……美味しいぞ?」

 

「どんな料理なのですか!?」

 

「麺料理……」

 

そしてそば粉と小麦粉をふるいにかけて混ぜる。

 

そして水をこまめに入れながら麺の素を作っていく。

 

そして沸騰したお湯に麺を入れる。

 

エンデの方はワイバーンを塩胡椒で焼いていく。

 

そして茹でた麺を冷水で冷やして水を切る。

 

メルが作っていたカニのサラダも出来上がった。

 

ご飯が出来上がってテーブルにつくと

 

『いただきます!』

 

俺はすくった蕎麦をすする。

 

「美味い……」

 

誰が漏らした声かわからない。

 

だが皆が美味しいと感じたのは確かだ。

 

「メルさんはいつエンデと出会ったの?」

 

「そうでふね……あれは」

 

メルとモネはガールズトークに没頭していた。

 

「ねえ焦凍……僕たちはなに話す?」

 

「言うな……」

 

俺たちはいたたまれなくなってワイバーンの肉に手を伸ばす。

 

そしてエンデたちのご飯会が終わると

 

俺はモネと手を繋いで静かになった城下町を歩いていく。

 

「ねえ焦凍、今日は楽しかった?」

 

「ああ……」

 

「じゃあさ!今日のことは永遠に胸に刻んでおくよ!」

 

「モネ……」

 

「ふふっ……!」

 

こうして俺たちの日常は過ぎていく。

 



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フレームギア、そして姫騎士

「これがエーテルリキッドか」

 

フローラから渡されたエーテルリキッドを手に取る冬夜。

 

実際見てみたがメロンソーダみたいだった。

 

さてと……

 

「真司……やっぱりマズイかな?これを衆目に晒すのは」

 

「うん。マズイことになるな。この情報は出来る限り漏らさない方がいい」

 

実際ユーロンが関わってくるしな。調べてみたがこの世界のユーロンも原作とあまり変わらないから尚更情報は漏らせない。

 

じゃあどこで使う?

 

「俺が人の居なさそうな世界を探してくるわ」

 

「うん頼むよ」

 

世界にも様々あって人が全く人が居ない世界なんてものも珍しくない。

 

まあ発展途上の世界ってやつだな。

 

さてと……どうしよっかな……

 

「鳴滝に頼むか」

 

行き着いた答えがそれだ。俺はまだ自分の力じゃ行ったことのある世界しか転移できない。いや、言ってなかったが世界を渡るだけなら可能だ。だが記憶だけでは行ったことのない世界には行けないというよりどこに飛べばいいかわからないのだ。要するにその世界がどこにあるかの座標が必要なのだ。記憶だけではその座標はわからない。神気を使えば異空間転移や神眼による異世界の座標探索も出来るかもしれないがまだ俺はそれを習得していない。

 

待てよ……?じゃあ諸刃さんに頼む方が早くないか?

 

善は急げってね。というわけで諸刃さんのところに行くと

 

「成る程……君は確かに世界を渡る術を持っているが自由には使えないと……それで私に頼みに来たと……いいよ。今日は暇だったしね」

 

それで諸刃さんに頼んだのだがなにか要求させそうな気がする……

 

「その代わり今度私との戦いに付き合ってよ」

 

ほらー……やっぱり……

 

まあそれはさておき。

 

「そうだね……といっても君は既に神気を獲得しているからあまり教えることはないと思うよ?」

 

ふむ……んじゃあ、神気を目に集中させて……

 

おおっ!見えた見えた!

 

神眼を使って世界結界の外にある世界の座標を確認する。

 

そしてディメンジョンオーラをそこに繋げると

 

俺はその世界に転移した。

 

見聞色で確かめてみたが全く人の気配がなかった。

 

「へえ凄いじゃないか!一発で成功させるとは!」

 

うおっ!ビックリした……!

 

「まさか一発で成功させるとはね。正直驚いたよ。教えることなんてなかったんじゃないかな?」

 

それにしても……ここどこの世界だ?イセスマの小世界ってところか?

 

「まあそんなもんだね。ここはあの世界という存在の一部みたいなものさ。

 

へぇ……

 

んじゃまあ元の世界に戻ると致しますか。

 

そして元の世界に戻ってくると

 

「うわっ!?ビックリしたぜ……ボス」

 

「悪いなバル」

 

さて……冬夜くんに報告に行きますか。

 

・・・・

 

それからフレームギアを人のいない世界で起動実験するということでディメンジョンオーラでレインさんたち騎士たちと各国の王様と護衛の騎士たちを連れてくると

 

「ふわあああああ……!!陛下の魔法はやっぱり凄い!」

 

「本当に異世界に来たのですね……!」

 

「流石ですね……!」

 

そう褒められると照れるな……

 

とまあそんなことはさておき

 

「ほぅこれが……」

 

「確かにフレイズ相手には有能な手段かもしれぬな」

 

王様たちも見定めるような目で見ている。

 

「えーと、じゃあフレームユニットはやってたから大体の操縦はわかるはずだよね?レイ子頼むよ」

 

「うん、任せて♪」

 

パチンとウインクをしてフレームギアに乗り込むレイ子。

 

そして起動させて動かす。

 

バク転に宙返りまでできた。フレームギアってすごいな……

 

とりあえずこの日はフレームギアを各国の騎士たちや王様たちがお試しで動かしただけで終わった。

 

んで次の日

 

「初めてお目にかかります、ブリュンヒルド双王陛下。冒険者ギルド統括責任者ギルドマスターが一人、レリシャ・ミリアンと申します」

 

エルフだ。実際に相対するのは初めてだな。

 

冬夜くん、興味があるのはわかるがそうジーッと見るな。

 

「エルフを見るのは初めてでしょうか?」

 

「あ、いや、すみません……」

 

ほらぁ。

 

「我が冒険者ギルドの数少ない銀ランクの冒険者にして一国の国王になられた陛下たちを一同誇りにしております」

 

「いやたまたまそうなっただけのことで、たいしたことは……」

 

いや、たまたまじゃないだろ。思いっきり絡んだ結果がこれだからな。もうちっと自覚を持てやい。

 

その後はこの国にギルドの支部を建てる話を横で聞いていると

 

「ギルドから銀ランク冒険者である、空野真司様への依頼でございます。巨獣の討伐をお願いしたく」

 

「巨獣ですと!?」

 

巨獣ってアレだろ?屋敷ほどデッカいものにもなる魔獣。

 

「で?なんで冬夜じゃなくて俺に?」

 

「ドラゴンと悪魔を倒した実績があるのは申し訳ありませんが望月冬夜様より貴方にあるので……」

 

そういうことね。

 

「場所は大樹海です。このままですといずれ東のライル王国に向かうことでしょう。そうなれば町は壊滅してしまいます。どうかお願いいたします……」

 

まあ断る理由なんかないわな

 

「わかりました。それと報酬のほうですが……」

 

エーテルリキッドの追加のために魔石を掘り出す許可を求めるとあっさりと了承を得た。

 

んじゃあ行きますか。フレームギアの実験にも持ってこいだしな。

 

そしてディメンジョンオーラで大樹海まで転移して

 

<アタックライド、フロート!>

 

一気に目的地まで飛ぶとそこには巨大な蠍がいた。

 

んで一旦格納庫までディメンジョンオーラで戻ると

 

「調整終わってるか?」

 

「オッケーだぜ。いつでも動かせる」

 

「んじゃあ……」

 

ディメンジョンオーラでフレームギア、ナイトバロンをさっきの場所に転移させて乗り込む。

 

そして一気に迫ると蠍、スコルピナスは尾の先から毒液のようなものを出した。

 

あれって確か強酸だったよな!?マズい!

 

俺は咄嗟に横に避けてバトルハンマーを振るうがガキィン!と甲高い音をたてるもヒビが入っただけでダメージは見受けられない。

 

あー!もー!面倒くさい!

 

俺はフレームギアから降りると

 

「変身!」

 

<カメンライド、オーズ!>

 

オーズに変身して

 

<ファイナルアタックライド、オ、オ、オ、オーズ!>

 

空間ごとスコルピナスを横に斬り裂く。

 

そしてスコルピナスは動かなくなった。

 

・・・・

 

「これはまた……まさかこんなに早く倒すとは……凄いアーティファクトですね……」

 

いや、違うんですよ……俺フレームギアを使いこなせなかったっす……

 

その後は原作通りフレイズやフレームギアのことをレリシャさんに話してその日は終わった。

 

ああ、あとちなみに俺のギルドカードがゴールドになった。

 

・・・・

 

あれから一ヶ月が経った中でスカーレットの眷属からバビロンらしき遺跡の情報が得られたので行ってみることにする。

 

場所は騎士王国レスティアらしい。

 

俺はその遺跡の近くにディメンジョンオーラで転移して冬夜がバビロンを起動させて迎えが来るのを待つ。

 

待てよ……この後確か……

 

俺の見聞色が嫌な気配を察知したのと同時にレスティアでのイベントを思い出した。

 

ああ!ヤベェ!俺は咄嗟にワンフォーオールを発動させてその場所へ向かった。

 

・・・・

 

少女が金色の髪をなびかせてフレイズに攻撃するがその硬さで全く攻撃が通らない。

 

「くっ……!なんて硬さ……!」

 

そして細い足の部分を狙うも逆に剣は折れてしまった。

 

「しまっ……」

 

そしてその触腕が少女を襲おうとした時に

 

「SMASH!」

 

上から振り下ろされた拳が触腕を砕いた。

 

俺はそのまま腰にある水晶の剣でフレイズをバラバラに斬りきざんだ。

 

「あ、貴方は……」

 

「ここは俺に任せて。貴方は避難誘導を」

 

「は、ハイ!」

 

ちょうどいい。この剣の練習相手になってもらおうか。

 

「さてと相手になってもらいますか。ワンフォーオール、アクセル、ブースト」

 

ワンフォーオールで身体能力を無属性魔法アクセルでスピード、ブーストでパワーを上昇させると近くにいたフレイズを全て斬りきざんだ。

 

そして屋根に登って上から飛ぶ斬撃を下にいたフレイズに放つとフレイズは全て核ごと斬り刻まれた。

 

そして振り返ると先程の少女がこちらを見つめていた。

 

この子は……ヒルデガルド・ミナス・レスティア。この国の王女だ。

 

「被害はどれぐらい?」

 

「え?あ、ああ、何名かが亡くなりました。怪我人も多数…」

 

「そうか……まあなんとかしようか。」

 

「え?」

 

時間逆行(クロノ・リバース)

 

俺が街にいた重傷者や死人だけの時間を戻すとその人たちの意識が戻った。

 

「え!?こ、これは!?」

 

「死んだ人たちの時間を戻したんだ」

 

「え!?そ、そんなことが……あ、貴方は一体……」

 

「俺は空野真司。遠い国のブリュンヒルドってところで王様をやらせてもらっている」

 

「ブリュンヒルド……!話には聞いております!冒険者から身を起こした二人の少年王……!数々の国々の問題を解決する『調停者』だと……」

 

「そういえば君は?」

 

「あ、ああ!失礼しました。私はレスティア王国第一王女ヒルデガルド・ミナス・レスティアです。助けてくれてありがとうございます」

 

軽い挨拶を交わして俺のギルドカードを見せると信じてくれた。

 

「お祖父様と同じ金ランクのギルドカードですね。ご無礼を致しました。どうぞお許しを」

 

お祖父様というと……ああ、あのエロ大将か……苦労するよなぁ……

 

「それにしても……私たちが苦戦した魔物を一蹴するとは……」

 

「この魔物はフレイズ。硬い硬度と再生力に、魔法が効かない。倒すには身体にある核を砕かなければならない」

 

「フレイズ……」

 

俺がフレイズの欠片を回収していると

 

「ひょっとしてその剣……フレイズで作られているのですか?」

 

「ええ、まあ……もっとも俺の無属性魔法がないと作れませんがね」

 

「そうですか……一人の騎士としてそのような剣をいつか持ちたいものです」

 

ふ〜ん……

 

俺はディメンジョンオーラから剣を三つ取り出すとヒルデガルド姫に渡す。

 

「出会いの記念に差し上げます。姫と国王陛下、そして先王陛下に」

 

「えっ!?」

 

そのオタオタとした反応。オモロい。

 

「い、いいんですか!?これは御国の国家機密なのでは……っ!?」

 

「いや、俺と冬夜しか作れないし秘密もなにもないよ」

 

そして受け取ったヒルデガルド姫は家の瓦礫に軽く剣を当てた。まるで豆腐のようにレンガの壁が切られていく。

 

「凄いです……これなら次は……」

 

さてと……冬夜くんの気配を感じた俺はそのままディメンジョンオーラに飛び込もうとした時

 

「あっ、あの!」

 

「ん?」

 

「素敵な贈り物をありがとうございます。いずれ公国の方へ今回のお礼をお送り致します」

 

まあ気にすることはないんだが。

 

そして俺はそのままディメンジョンオーラに飛び込んだ。

 

その後は塔と城壁を今あるバビロンとドッキングさせた。

 

あれ?なんか今日余計なフラグを踏んだ気がするのだが気のせいだよな?

 

そう思いながらも俺は眠りについた。

 

その頃レスティアでは

 

「空野……真司様……」

 

一人の乙女がその想いに胸を高鳴らせていた。

 

 

 



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ブラクロの世界

9時ぐらいに起きるというのは遅いほうなのか、それとも早いのか。そんなことを考えながら特に予定もなくブラブラと歩いていたら

 

「真司……」

 

後ろから声をかけられたので振り返ると

 

「ファルネじゃないか。お母さんの方はいいのか?」

 

「うん…今日は真司と一緒にいる……」

 

そう言ってファルネは腕を絡ませてくる。

 

ううむ……嬉しいが少し照れくさいな……

 

言ってなかったがファルネのお母さん、フィアナさんは原作よりも早くこの国にある学校の先生をしてもらっている。

 

そのままファルネと国を散歩していると辺りをディメンジョンオーラが包み込んだ。これは!?

 

「ファルネ!」

 

「っ…!」

 

そしてそのまま俺たちはディメンジョンオーラに巻き込まれた。

 

・・・・

 

???side

 

「はぁ……はぁ……」

 

ヤベェな……サードアイっつう化け物三人組が出てきたがこいつらがマジで強え……

 

おまけにフィンラルたちを巻き込まねえようにしねえといけねえってのがキチイぜ……

 

「ヤミ団長ぉぉー!!!」

 

「そこ動くんじゃねー!!!まさか俺の心配してんのか……早えよ……そこで見てな。俺が今ここで……限界を超えるのを……」

 

「無駄だよ……彼等は一人一人が魔法騎士団長よりも強い……!」

 

そしてサードアイの三人が向かってくるのに迎撃しようとした時

 

ヴヴゥゥゥゥン!!!

 

突如、銀色のオーロラが現れた。

 

ありゃなんだあ?新手の敵か!?

 

いや違えな……向こうも驚いてやがる。

 

なにが起こるってんだ?

 

そしてその中から黒髪の男と桃色髪の女が出てきやがった。

 

「……何者だい?君たちは……」

 

白夜の親玉ヤローがそいつらに質問したが

 

「まーた違う世界か……だが大体わかった」

 

違う世界だと!?どういうことだ!?

 

「んじゃあさっさと終わらせますか」

 

終わらせるだと?コイツ敵なのか味方なのかわからねえ……!

 

「ああ、大丈夫ですよ。ヤミ団長。俺は味方です」

 

コイツ……!俺の心を読んだのか!?

 

「さーてと……ねえねえエルフの諸君、無駄な復讐はよさないか?」

 

「っ……!!?貴様ぁ!!!なぜそれを知っている!!?」

 

「俺はね。人の心を読めるんだよ。君たちの目的も俺の前では全て筒抜けさ」

 

「コイツ……!!!やれ!!!消せ!!!」

 

そしてその男に標的を変えたサードアイだったが

 

時間停止(クロノ・ストップ)

 

そして次の瞬間にはサードアイ全員が吹き飛ばされた。

 

・・・・

 

……ディメンジョンオーラに巻き込まれて来た世界…ここは…ブラクロ、ブラッククローバーの世界だな。

 

んでコイツらは白夜の魔眼。大昔に滅ぼされたエルフの転生した奴らが率いるテロリスト集団。

 

この世界ではエルフはある一人の人間が裏切って滅ぼされたと言われているが実際は悪魔の手によるものである。まあ人間によって滅んだ事実は変えられないがな……

 

さて……このまま帰ってもいいが……

 

「なあ、無意味な復讐なんてよさないか?」

 

「黙れ!!お前になにがわかる……!!!」

 

「リヒトはそんなこと望んでないよ」

 

「ふざけるな!!!お前にリヒトさんの気持ちがわかるものか!!」

 

「はぁ……ライアだっけ?お前はルミエルが裏切ってなんかないって気づいているだろ?」

 

「……」

 

「ライアさん……本当ですか……?」

 

「……なんで……ああ、心が読めるんだったよな……皆の復讐心を削ぐのが嫌だったから言わなかったが……そうだよ」

 

「……だとしても!人間のせいで……!リヒトさんも……!」

 

「真実が知りたいか?」

 

「どういうことだ……」

 

時間掌握(クロノ・スクロール)

 

世界の時間を戻して500年前に飛ぶ。

 

勿論干渉できないようにしてある。

 

映し出されるのは人間と悪魔の罠によってエルフが滅ぼされる瞬間

 

「これは……!!?」

 

「酷え……!!」

 

「こんなのを見せたいのか!!?お前は!!」

 

「まだだ……」

 

そしてルミエルがリヒトの元に駆けつけると

 

「リヒトさん!?」

 

『やはり……君ではなかったんだね……すまない……一瞬だけ疑ってしまったのを許してほしい……』

 

その後もルミエルとリヒトが生み出した魔神との戦い。悪魔がエルフを転生させた事実。

 

そして元の世界へ戻る。

 

「そんな……」

 

「わかっただろ?リヒトは復讐なんか望んでないよ。それに君たちを復活させたのは悪魔の野望の一部に過ぎないんだ」

 

俺の言葉にパトリは

 

「リヒトさん……」

 

「リヒトくん……ルミエル……」

 

「そんな……」

 

「リヒト……」

 

サードアイの連中も肩を落としている。

 

まあ無理もないか。自分たちの信じていたものが悪魔の野望の踏み台に過ぎないと気づいたのだから。

 

「だとしても!!!人間のせいで結局僕らは!!」

 

「そうじゃないだろ…アイツは裏切ってなんかいない……それを信じれないのか?」

 

「黙れ!僕らは全てを失った!こうするしか道は「全てをやり直せる……と言ったらお前は信じるか?」え……?」

 

「だから過去に行ってあの出来事を変えてやるってんだよ」

 

「そんなことができるのか……?」

 

「ああ……」

 

「皆も……救えるのか?」

 

「ああ」

 

「…………」

 

「「「パトリ……」」」

 

「……本当に……そうなら……頼む!!!皆を……救ってくれ!!!」

 

「ただし条件が一つ」

 

「なんだ!?」

 

「今後人間を恨むな。今を生きている人間はなんも関係ないんだ。ソイツらに対して理不尽な怒りを向けるな。約束できるか?」

 

「「「「……約束する」」」」

 

「んじゃあ……ファルネも付いてきてくれ」

 

「わかった」

 

ディメンジョンオーラを過去に繋いで俺はその中に飛び込む。

 

そして王宮へ飛んだ。

 

スコープでルミエルを探すとテレポートで転移した。

 

・・・・

 

ルミエルside

 

「ルミエルだよな?」

 

「……君は何者だい?」

 

突然目の前に現れたのは一人の男。

 

何者だ……コイツは……?

 

「そう警戒するな。俺はお前に大切なことを告げにきたんだ」

 

「……後にしてくれないかな?」

 

「……わかった」

 

僕はそのまま父上に言われた玉座に向かうと

 

「なっ!?」

 

黒い物体が僕を縛った。

 

大臣!?いや違う!コイツは……悪魔だ!

 

「あーあ、結局俺が助ける羽目になるのか……時間逆行(クロノ・リバース)

 

その声が聞こえたと同時に僕はさっきいた場所に戻った

 

なっ!?

 

そこにはさっきの男もいた。

 

・・・・

 

「さてと……大体わかってもらえたよな?」

 

「……あの悪魔のことか……君が言いたかったことは」

 

「そうだ。あの悪魔が君の家族を唆してエルフを滅ぼそうとしている」

 

「なんだって!!?」

 

「俺はそれを止めに未来からやってきた。チカラを貸してほしい」

 

「…………わかった!!!」

 

・・・・

 

???side

 

なぜだ!?どうなっているのです!?

 

なぜルミエルは言われた場所に来ない!?

 

それに王族が攻め入るのはまだか!?

 

クソっ!こうなったら私自らが……

 

「そんなことさせると思ってるのか?」

 

なっ!?

 

そしてなにやら不思議な威圧によって私の意識は刈り取られた

 

・・・・

 

ふ〜……どうにかなったな……エルフを滅ぼそうと目論んだ王族たちは捕らえて魔道具はぶっ壊したし、悪魔も覇王色の覇気で気絶させて神気でできた俺のプリズンに捕らえたしこれで一件落着だな。

 

そしてルミエルだが

 

「ごめん!!!」

 

エルフの皆に土下座していた。

 

「僕の家族が……愚かなことをしでかそうとしていて……僕は……それを知りもしなかった……本当にごめん!!!」

 

皆が微妙な顔色をする中でリヒトは

 

「……顔を上げてくれ。ルミエル」

 

「リヒト………」

 

「君は裏切ってなんかいない……それに……ありがとう。私たちを助けてくれて……」

 

「それに……真司くんだっけ?君にも礼を言わなきゃね。君のおかげで……私たちは救われた。本当にありがとう」

 

リヒトの言葉で皆は

 

「……まあルミエルは悪くねえな……」

 

「そうだな……ありがとう」

 

「ああ……」

 

ああ……良かった……エルフたちはルミエルを許したそうだった。

 

さて……

 

「それで……真司くん……あの悪魔はどうする?」

 

ルミエルが聞いてきた。

 

まあ……

 

「お前の時間を巻き戻して……消すのは簡単だが……それは勿体ない」

 

「な、なにをするつもりだ!?」

 

「お前の魔力……貰うぞ」

 

俺は神気で悪魔の内部にある魔力を抜き取って自分に吸収させた。

 

「ば、バカなぁ!!!わ、私の魔力がああああ!!!」

 

「さて……消えろ」

 

そして悪魔の時間を巻き戻して存在を消した。

 

これで……言霊魔法は俺のものだ……

 

エルフを滅ぼそうとした王族たちは地下牢へと入れられると

 

「真司くん」

 

「うん?」

 

「テティアの結婚式に…真司くんたちも出てくれないかな?」

 

「いいのか?」

 

「うん。君のおかげで……テティアも……リヒトも救われた。ありがとう」

 

「じゃあ一つお願いがあるんだけどさ」

 

「なに?」

 

「友達になってくれないか?」

 

「……いいよ!」

 

「じゃあ私とも友達だね」

 

「リヒト……ああ、友達になってくれるか?」

 

「勿論」

 

そして二日後、テティアの結婚式は盛大に行われた。

 

ああ、あとファルネがグリモワールを貰った。正直驚いたよ。まあ強くなれるからいいんだけどさ。

 

魔法名は歌唱魔法らしい。原作通り支援型になるそうだ。

 

ユミナやレイ子たちも呼ぶと歓迎された。

 

エルフも今回の一件で人間を敵視することはなかったそうだ。よかったよかった。

 

「じゃあこの子たちも君の婚約者なの!?や

 

「はい、10人以上」

 

「マジかよ〜羨ましいね〜こんな美人たちと」

 

「あっ、そうだ」

 

「なんだい?真司くん」

 

俺はディメンジョンオーラを開いて未来からパトリたちを連れてくると

 

「んじゃあお前は……未来のウチ?」

 

「んまあ……そういうことになるな」

 

「本当に……皆を助けたのか……真司!」

 

「なに?」

 

「……ありがとう!」

 

「気にするな」

 

そしてこの世界から去ろうとすると

 

「真司くん。また遊びに来てね」

 

「真司くん。世界を救う時は私たちを呼んでくれ。力になろう!」

 

「そうだね……ウチとしてもお前は気に入ったし」

 

「んじゃあな……平和に暮らせよ」

 

こうして俺はブラクロの世界を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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フレイズ大来襲

「ユーロンが戦争を始めた?」

 

「はい。隣国のハノック王国へ宣戦布告し、侵攻を開始しました」

 

あーとうとう始まっちゃったか。

 

確か原作ではこれがキッカケでフレイズとの戦いになるんだよなあ……

 

戦争の原因は元々ハノックの土地はユーロンのものだからそれを奪い返すといった嘘の理由をでっち上げ、真の狙いはハノックの鉱山資源を狙ったものだった。

 

このままだとハノックはユーロンに蹂躙されるだろう。

 

まあ戦争に介入するってのは初めてだがこのまま見過ごすのはなあ……

 

話し合いの結果介入することになった。

 

冬夜がハノック出身の騎士を呼びにいっている間に俺はエンデの元へ行く。

 

「フレイズは?」

 

「まだ現れてないね」

 

「そうか……」

 

まだ現れないとすると冬夜が要塞を使った後なのかな?

 

そして冬夜がユーロン軍をゲートで送り返した後、異世界版万里の長城を作ってユーロン軍を迎え撃つ準備を整える。

 

一応エンデも呼んでおいた。

 

「フレイズが現れたらすぐに教えてくれ」

 

「わかったよ。んでも……彼らを助けるの?」

 

「うん?」

 

「だって……彼等は君らの国にとって敵なんだろ?助ける価値があるのか……」

 

「価値なんていうもんじゃない。目の前にある命を救わなきゃ後できっと後悔する。だから手を伸ばすんだ」

 

「ま……君らしい理由だね」

 

そしてユーロン軍が再び攻めてくると

 

「な、なんだこれは!?」

 

ユーロン軍の中の一人が驚いて声をあげる。

 

ま、この壁はユーロンの国境全てに繋いである。実質この壁を乗り越えないとハノックへ侵略できない。

 

「ええい!あのような壁壊すなり乗り越えるなりしてしまえ!全軍突撃!」

 

ユーロン軍が壁に手をかけた途端、兵士たちが地面に吸い込まれるように消えていった。

 

魔法を使おうとする者もいたが冬夜くんの"王宮に返される"という忠告で杖を下ろした。

 

『さて、これ以上は我が国に対する侵略行為とみなすけどいいかな?』

 

冬夜くんの無属性魔法、スピーカーからの声で俺が降り立つ。

 

「なんだ?たった一人で相手になるのかあ!?」

 

兵士の一人がそう言うと周りが笑いに包まれる。

 

はぁ……俺って強そうにみえないのね。わかってたけどさ。

 

そして俺に向かって剣を振るおうと向かってきたが……

 

「……止まれ」

 

魔力を込めた言霊を放つと

 

「な……!?う、動けないっ……!」

 

ユーロン軍が動きがピタリと止まった。

 

この言霊魔法は相手の魔力経路に干渉して相手の動きと魔力を止める技だ。

 

そして

 

「刃の嵐」

 

俺がそう呟くと上空からありとあらゆる剣が降り注ぎ地面に突き刺さった。

 

勿論全部狙いを外してある。

 

「さて……これでも帰らないってんなら……次は当てる」

 

「……!!!」

 

そして拘束を解いてやると

 

「た、退却ーっ!!!」

 

蜘蛛の子を散らすように逃げ帰った。

 

砦にタッチすればそのまま帰れるのに。

 

陸路はこれで塞いだ。

 

海路も冬夜が召喚したクラーケンを並べているので問題ない。

 

さて……フレームギアの存在を知らないアイツらはどうでるか?

 

・・・・

 

あの後ユーロンからの正式な抗議文が送りつけられた。

 

まあ内容を簡単にすると「あの土地は元々我々のものだからただちにこちらに引き渡せ」と。フレームギアの存在を知らなかったのかそれ以上のことは書かれてなかった。

 

高坂さんもこの書状を見て呆れていた。冬夜もだ。

 

この長城は西のハノックにも存在してハノック領土、壁、ブリュンヒルド領土、壁、ユーロン領土となっている。

 

「それでどうしますか?」

 

「どうするもなにも。売られた喧嘩は買うつもりだけど」

 

「冬夜の意見には賛成だが無駄な犠牲は出したくないな……天帝だけをこっそりと暗殺するってのは?」

 

「本当にできそうなとこが笑えませんな……陛下たちは暴君でいらっしゃる」

 

言わないでくれ……自覚しているつもりだから……

 

「ていうかさ?ユーロン側のまともな人間と話し合ってみるってのは?」

 

「……まともな人間なんかいるのか?」

 

「まあそこらへんは後回しにして「真司!」うおっ!!ビックリした!!」

 

いきなりエンデが部屋に入ってきた。

 

「それどころじゃない!フレイズが……」

 

「とうとう出たってのかよ……!」

 

「ああ、この様子だと万単位で出てくるよ!」

 

「冬夜たちはの王様たちに話して各国の騎士団の人たちと一緒にフレームギアでこの近くのフレイズたちを狩ってくれ!俺はシェンハイのフレイズを狩る!」

 

「わかった!」

 

そしてシェンハイまでディメンジョンオーラで飛ぶと既にフレイズが暴れまわっていた。

 

「変身!」

 

<カメンライド、ファイズ!>

 

ファイズに変身すると

 

<アタックライド、オートバジン!>

 

オートバジンでフレイズに襲われている二人の男女を助けると

 

「隠れてろ!」

 

「あっ、ありがとう!」

 

そしてオートバジンに二人を守らせてファイズエッジを引き抜いて近くにいた二体のカブトムシフレイズを斬り捨ててマンタフレイズの上からの攻撃をバックステップで躱して一気に上まで飛んでそのまま核を貫く。

 

ええい!数が多い!

 

<フォームライド、ファイズ!アクセル!>

 

アクセルフォームに変身して

 

<アタックライド、クロックアップ!>

 

「アクセル、ワンフォーオール、ブースト」

 

<スタートアップ>

 

俺が出せる最高速度でシェンハイの街を駆け回り、蔓延っていたフレイズたちを次々と斬り捨てた。

 

<3…2…1…time out>

 

そしてシェンハイにいた5000のフレイズはその活動を停止した。

 

俺はフレイズの欠片をストレージに回収させていたら

 

「ちょっと待ってくれ!」

 

「うん?」

 

「助けてくれて感謝する。私はユーロン天帝国第二王子、テリー・シェイ・ユーロンだ。君は?」

 

「……ブリュンヒルド公国双王、空野真司」

 

「君が……あの……!……すまなかった!」

 

「?」

 

いきなりテリーが土下座をしてきた。

 

「父上が……我が国の軍が……君たちの国を脅かそうとしていたのに……私はなにも止めることができなかった……!なのに……助けてくれるなんて……感謝の言葉しか出ない……!」

 

コイツ……見聞色の覇気で覗いてみたがそれは紛れも無い本心だった。

 

「顔をあげてくれテリー」

 

「しかし……!」

 

「君の想いは伝わった。それだけで充分だ。それよりもこの国を俺は助けたい。力を貸してくれ」

 

「いいのか……?私たちは……」

 

「今はそんなことを言ってる場合じゃないんだ。大勢の命がかかっている……お願いだ」

 

「真司……!頼みがある!」

 

「……なんだ?」

 

「この国を変えるのに……調停者である君たちの力を貸して欲しい!」

 

「え……?」

 

「我が国は他の国を見下して……人の道から外れた盗賊紛いのことも……平然とやってきた……だが私は!この国を変えたい!国民も……ユーロン人とか関係なく平等に扱いたい!私は父上たちのやっていることが許せない!だから頼む!力を……貸してくれ……!」

 

コイツになら……

 

「わかった。力を貸そう。だが内乱でも起こすのか?」

 

「最悪それでも致し方ないが……国民の中にも真にこの国を変えたいと思っている人たちもいる。彼等と力を合わせれば……」

 

「っと!その話は後だ。今はフレイズたちを叩く。その前に……君はこの国を変えたいんだろ?だったら俺たちについてきてくれないか?」

 

「わかった!ああ、紹介か遅れたね。この人は」

 

「テリーの妻のマリー・シャイ・ユーロンです。助けてくれてありがとうございます」

 

自己紹介をしたのは俺とそう歳の変わらない金髪の女の子だった。

 

着ているドレスは派手ではないが気品さが感じられ、その蒼の目は濁った感情を感じない好印象の持てる人だった。

 

そしてディメンジョンオーラで王様たちが集まる会議室に転移して彼に事情を話してもらっているうちにユミナに魔眼での確認をしてもらった。まあ念の為にね。

 

ユミナは二人を見つめると静かに微笑んだ。どうやら問題ないようだ。

 

「ふむ……君は自国を変えて他国とも友好的な外交をしたいと……」

 

「はい……信じてもらえないかもしれませんが……私は……ユーロンを変えたい……そして……不躾な願いですが……ユーロンを助けてほしいのです!」

 

「……真司殿はどうする気だ?」

 

ミスミドの獣王が聞いてきた。ここは正直に答えておくか。

 

「俺はテリーに協力するつもりです。必要とあらば天帝を引き摺り下ろしてでも彼を次の天帝にしても構わないつもりです」

 

「成る程……わかった。まずはユーロンを助けよう」

 

「いいんですか……!?」

 

「構わんよ。ユミナも認めたんだ。君は悪い人間ではない。それに我らとしてもフレイズは野放しにできんしな」

 

「……ありがとうございます!」

 

「しかし……あっという間にフレイズを消してしまうとは……真司殿は底が知れないな……」

 

「まだこれからですよ。戦いは!」

 

俺の言葉に反応するかのようにモニタールームに映ったのは

 

傀儡(ジャック)!」

 

シュガーがフレイズたちに黒い針を撃ち込み同士討ちさせ、

 

「ボスのためにも頑張らないと!」

 

バルは結晶の破片を飛ばしてフレイズたちを核ごと斬りきざんで

 

「ワイルドラリアット!」

 

タイソンがフレイズたちを腕力で吹き飛ばして

 

「砂鉄時雨!」

 

ルビーの武装色を込めた砂鉄の雨でフレイズたちはボロボロになり、

 

「エクスプロージョン!」

 

ねじれちゃんの膨大なエネルギーの爆発を喰らったフレイズたちは粉々になり、

 

「スレイブアロー!」

 

ハンコックの放った矢がフレイズたちを石化させる。

 

あれぇ……フレームギア要らなくね?

 

とはいえ全く活躍してないわけじゃないがフレームギアなしでフレイズたちをボコボコにしているのだ。

 

そしてフレイズたちが辺りにいなくなったその時に

 

『真司!上級種が来る!』

 

エンデからの通信を受けて俺はすぐさまディメンジョンオーラで転移する。

 

そして空間が割れるとともにワニ型の上級種が現れた。

 

デカイな……だが倒せないことはない。

 

「皆下がってろ!」

 

俺の声に反応してフレームギアがザザッとワニ型フレイズの前を開ける。

 

<フォームライド、カブト、ハイパー!>

 

<チェンジ、ハイパービートル>

 

<ファイナルアタックライド、カ、カ、カ、カブト!>

 

<マキシマムハイパーサイクロン>

 

パーフェクトゼクターから竜巻状のエネルギーを放出するとワニ型フレイズは原形を留めることなく粉々に消し飛んだ。

 

射線上には村や町のなどはないのは確認済みだ。よって問題なし!

 

そしてディメンジョンオーラで会議室に戻ると皆からポカーンとした目で見られた。

 

おい、なにやったってんだよ。

 

これでとりあえずフレイズたちは全滅した。

 

晶材を集めてその場から撤退した。

 

さて……残る問題はユーロンだけだな。うーん……どうしよっかな〜……?

 

やっぱ直接乗り込むかな!

 

その話をすると皆に呆れられた。

 

もう慣れてくれ。

 

ユーロンの街シェンハイにブリュンヒルドからの使者として直接出向いている。

 

正体を知っているのはテリーだけだ。

 

テリーは案内役として一緒についてきてもらっている。

 

まあ大丈夫だろ!

 

ーそして現在

 

「貴様ぁ!我らユーロンを侮辱するか!」

 

交渉は決裂しそうである。

 

なにも民のことを思った政治をしろだとか外交をもっとマシにできないかとか言ったらこうなった。

 

とそれに反応したのが

 

「父上!ブリュンヒルドの使者の言う通り、この国の上層部の考え方は間違っています!民たちもユーロン人だとか関係なく平等にするべきです!」

 

テリーが叫ぶも

 

「貴様ぁ……!こやつらを斬り捨てよ!」

 

あーあ……ダメだこりゃ……

 

兵士たちが剣を振り下ろそうとした時に時間を止めて武器を全て取り上げる。

 

「なっ!?」

 

「ど、どういうことだ!」

 

「テリー……ダメだよこりゃ。さてと……他国の使者を斬り捨てようとしたんだ。これは宣戦布告とみていいんだよな?」

 

「それがどうした!我らユーロンに敵はなし!やれい!」

 

「はぁ……割れろ」

 

俺が呟くと床が割れて

 

「なっ!?」

 

「縛れ」

 

そして床から出た鉄の鎖が周りの兵士と天帝を拘束した。

 

「父上、貴方のやり方にもう私は我慢ならない。この国は……私が変える」

 

「貴様ぁ……!!!」

 

おおう。怖い怖い。

 

さてと……

 

「なっ……!?」

 

覇王色の覇気で全員を気絶させてテリーが呼んだ騎士たちに地下牢へ運んでもらう。

 

数日後ユーロンに新天帝が即位し、今までの規律などを一新させて国民の支持を得た。

 

反発した勢力もあったが全て鎮圧された。

 

そしてブリュンヒルドと正式な外交を結びたいとのことやハノックに対する謝罪などで諸国からユーロンのイメージがガラリと変わった。

 

そして西方同盟に参加して名前が東西同盟となった。

 

 



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ワンピース番外編 魔王vs百獣王

あれからユーロンとは良好な関係を築いていきテリーも新天帝として多忙な日々を送っているそうだ。

 

俺が事前に防いだせいかギルド支部も被害を受けずに済んだらしい。

 

冬夜たちはフラガラッハについて話し合っていた。

 

俺は高坂さんに言われた政務を終わらせて町をぶらぶらと歩いていた。

 

とその時懐に入れていたスマホから電話が鳴った。

 

ルビーとサファイアか……なんかあったか?

 

と電話に出ると

 

「あ!ボス!出てくれた!」

 

「一体なにがあったんだ?」

 

「あ!それがよ!俺たちディメンジョンオーラに巻き込まれちまって!悪いが迎えにきてくれない?」

 

皆がディメンジョンオーラに巻き込まれた時のためように俺は全員のスマホに神気を施しておいた。これで世界を飛び越えての通話ができる。

 

「わかった。で?場所はどこだ?」

 

「俺たちの世界!」

 

ワンピースの世界か……

 

「わかった。ちょっと待ってろ」

 

「リョーカイ!」

 

そしてディメンジョンオーラでワンピースの世界に転移する。

 

見聞色の覇気でバルたちの居場所を見つけて再び転移した。

 

「おーい!迎えに来たぞー」

 

「あっ!ボス!ちょっと不味いことになったんだ……」

 

不味いこと……?

 

で話を聞いてみると、どうやらバルたちが転移した島は卵が有名な島らしい。

 

待てよ……まさか……

 

「ビッグマムが幻の卵を奪いに来るらしいんだ!それで……」

 

「成る程、大体わかった」

 

「あ、貴方が空野真司様ですか!」

 

「貴方は……?」

 

「失礼しました。私はこの島を治める長老です。それで真司様に頼みが……」

 

「大体わかった。任せておけ。ビッグマムは俺が追い払う」

 

「ありがとうございます……!」

 

「やっぱボスはそう言うと思ってた」

 

「で?どうする?」

 

「バルたちも呼ぶぞ。他の島ま守るんだ」

 

んで……5時間後……

 

「ば、バカな……」

 

「いや……弱すぎだろ」

 

案の定、シャーロットアマンドが襲撃しにきたが一人だけだったのであっさり勝てた。

 

焦凍たちとも連絡をとったが他の島にもランドルフ、ディーゼルしか来ておらず、あっさり勝てたという。

 

んでもビッグマムがこれぐらいで諦めるとは思えないがな……どうしよっか?

 

とそう思ってた時

 

ん……?何かしらの気配を上空から感じたので皆に避難させると

 

ヒュゥゥゥゥゥン……ズドォン!

 

空から何者かが降ってきた。

 

「ああ!クソ!痛え……!死なねえもんだな……」

 

おいおい……ウソだろ……

 

「また生きちまった……!ん?おめえは……!」

 

コイツは……

 

「ウロロロロ……!世界最強の男!空野真司じゃねえか!」

 

百獣のカイドウ……

 

「なんで……こんなとこに……!」

 

「ああ?そりゃあ自殺の真っ最中だからよ!しっかし……オマエがここにいるのも何かの偶然みたいだが……おめえ強えんだろ?だったら俺を殺せるかもしれねえな……!おい!俺と勝負しろ!」

 

what's?マジで……?でも断るとな……

 

「……わかった。だがここでやると皆に迷惑だ。場所を移そう」

 

「ウロロロロ!いいぜ……!」

 

そしてディメンジョンオーラで誰もいない無人島に場所を移す。

 

そんな真司たちの転移にドサクサに紛れた男、いや……一羽の鳥は

 

「コイツは大スクープだ!」

 

んで俺とカイドウ、んで……なぜかついてきたモルガンズのやつは無人島に転移した。

 

だがカイドウは気づいてないようだ。

 

「変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

俺がディケイドに変身したのを見たカイドウは

 

「ウロロロロ……!じゃあ行くぜ!雷鳴八卦!」

 

「TITAN SMASH!」

 

カイドウの金棒による一撃と俺のパンチがぶつかると辺りに衝撃波が巻き起こった。

 

そして両者後ろに下がると

 

「ウロロロロ!!やるじゃねえか!」

 

「チイッ!伊達に最強生物と呼ばれてねえか!だったら!」

 

俺は一気に距離を詰めてカイドウの左腕を掴みそのまんま空中で回転すると

 

「cyclone smash!」

 

そしてカイドウを地面にぶつける。

 

ーが

 

「ウロロロロ……!痛え……!中々やるな……!」

 

マジで聞いていない。

 

「……こればっかりは使わないと思ったんだがな……変身!」

 

<カメンライド、オーマジオウ!>

 

<祝福の時!最高!最善!最大!最強王!オーマジオウ!>

 

「ウロロロロ!まだ隠してやがったか!」

 

「悪いが……手加減は出来んぞ」

 

「上等じゃねえか!」

 

・・・・

 

モルガンズside

 

私は目の前の光景にただ息を飲んだ。

 

あの最強生物カイドウと互角に渡り合える空野真司という男にまだ上があるのだと。

 

空野真司。……この世界を変えた男。

 

革命軍をも味方につけて世界政府を変えた男だ。

 

当然私もスクープにしたし、彼に取材もした。異世界人というのには少々驚いたが彼の言動からはウソが感じられなかった。

 

これでも私は長年の経験からウソの判別ぐらいはわかる。

 

そして彼の姿が変わるとまさに王としての威厳が感じられた。

 

「ヌゥン!」

 

カイドウが金棒を振るったのに対して彼は何も動かなかった。

 

そして砂煙が舞い上がり、私は彼の死を悟った。

 

当然だろう。今でんでん虫で中継しているがあの攻撃で死なないはずがないと誰もが思うだろう。

 

彼であったとしてもだ……

 

だが砂煙が晴れて目に映ったのはカイドウの金棒を片手で受け止めている彼の姿だった。

 

「な………………!」

 

私は絶句した。攻撃を仕掛けたカイドウすらも驚いている。

 

「はあっ!」

 

そして彼は金棒を持った腕を蹴り返すとカイドウはその反動でしりもちをついた。

 

あのカイドウの攻撃を受け止めたばかりか蹴り返すだと……!

 

面白い……!これだから彼は面白いのだ!

 

そしてカイドウが立ち上がると同時に彼の姿が消えて

 

<クロックアップ!>

 

とカイドウがなにかに吹き飛ばされてその後も何者かによる攻撃を喰らっていた。

 

<クウガの刻!>

 

そんな音声が聞こえるとともにカイドウの胸に何かのマークが付いていた。

 

「グゥゥゥゥゥゥゥ……!!!」

 

カイドウはそれから無理に脱出したが疲労困憊だった。

 

そして彼はようやく姿を現した。

 

「これで……終わりだ」

 

<ファイナルアタックライド、オ、オ、オ、オーマジオウ!>

 

彼からとてつもないエネルギーを感じたのも一瞬、次に目にしたのは蹴り飛ばされたカイドウの姿だった。

 

そしてカイドウは倒れて二度と動かなかった。

 

 

 

 

 

 



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ワンピース番外編 和の国大争乱

諸事情により3DSから投稿させてもらってます!


俺がカイドウを倒したことはデンデン虫を通じて全世界に広まり、カイドウのナワバリである和の国では大波乱が起きていた。

 

後ろ楯を失ったオロチに対する謀反に加え、スーロンとなったミンク族による光月家奪還のための侵攻。これにより和の国は混戦状態となった。

 

で、俺たちはというと

 

「よくもカイドウさんを…!」

 

「男はぶち殺して女は…」

 

「死んだほうがマシと思うほどの苦痛を与えてやる…!」

 

百獣海賊団の大看板であるジャックにクイーン、キングと俺たちは相対していた。

 

まあ和の国に攻めているわけだ。カイドウを失った百獣海賊団など烏合の集。さっさと片付けようか。

 

とそう思った矢先

 

「ハーハハハ!マ~マママ!」

 

なんとビックマムまで現れやがった。

 

後ろにいるのは……カタクリにクラッカー、ダイフクにぺロスぺロー……か

 

「なんでビックマムがここにいるんだよお!」

 

クイーンが叫ぶと

 

「ハーハハハ!マ~マママ!そりゃああれだよ!俺はそこの小僧に幻の食材の確保を邪魔されたからだよ!まあ…カイドウにも用があったが…ソイツが消しちまったみたいだしね…まあともかくだ!俺はそこの小僧と話をしなきゃならねえ!わかったら引っ込んでな!」

 

「……皆、他は任せたぞ」

 

「うんわかったよ!」

 

「任せておけ真司……」

 

「了解……」

 

「ふふ…任せてちょうだいね…」

 

と戦闘が始まろうとした時俺は

 

「ユウキ!レイジュ!アイン!これを!」

 

そしてストレージから出したものを三人に渡す。

 

「真司これは…?」

 

「ソイツはさっき光月のお姫様から貰った大業物の刀『閻魔』と『天羽々斬』だ!ユウキ…お前の覇気ならそれを使いこなせるはずだ!」

 

「真司…ありがとう!」

 

「真司これは…?」

 

「それは鳴滝にユウキの世界のバグスターから作らせた人間でも変身できるライダーシステムだ!アインそっちは任せた!」

 

「……ありがとう」

 

と話している間にもビックマムの攻撃は止まることを知らない。

 

「私のは…」

 

「それはジェルマからパクってきたやつだ!」

 

「……ふふっ!ありがとう♪」

 

<爆走バイク!ギリギリチャンバラ!>

 

そしてアインはガシャットを起動すると

 

「変身!」

 

<ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!爆走バイク!アガッチャ!ギリ!ギリ!バリ!バリ!チャンバラ~!>

 

「今から私は…仮面ライダーレーザー!」

 

そしてユウキとの二人でキングに挑む。

 

「やっと話は終わったかい!?」

 

「ああ。んじゃ始めようか」

 

これが後世に名の残る和の国での戦いだった。



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ワンピース番外編 本当の平和とは

ディメンジョンオーラの正式名称ってオーロラカーテンだったんですね!すみません……


「ヘブンリーファイアー!」

 

ビッグマムがプロメテウスを手に持ち攻撃を仕掛けてくるのに対して俺は

 

「変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

ディケイドに変身して

 

「氷の槍!」

 

言霊魔法で生み出した氷の槍をプロメテウスに放つと

 

「痛え!冷てえ!」

 

プロメテウスは苦しみ出して、動きが止まったのを見た俺は

 

<アタックライド、ハイドロ!>

 

水のエネルギーを作り出してそれをそのままぶつけた。

 

「ギャアアアアアア……!!」

 

「プロメテウス!流石にやるね……!」

 

「さ〜てとあっちはどうかな?」

 

「ハーハハハ!マ〜マママ!他を心配する余裕があるのかい!雷霆!」

 

ビッグマムがゼウスによる攻撃を仕掛けてきたが

 

<アタックライド、リフレクト!>

 

その攻撃をそのまま返すと

 

「グワアアア……!やるねぇ……!」

 

「これで……終わりだ」

 

<ファイナルアタックライド、ディ、ディ、ディ、ディケイド!>

 

ワンフォーオールを発動させた状態でディメンジョンキックを放つ。

 

「ディメンジョンスマッシュ!」

 

「グゥゥゥ……」

 

「ママ!」

 

「余所見してんじゃねえ!ブラストストーム!」

 

「「グハッ……」」

 

カタクリにダイフクと戦っていた焦凍だったがあっさりと決着がついた。

 

・・・・

 

ー五分前

 

「カイドウさんをやりやがって……おかげでウチはメチャクチャだ……!」

 

百獣海賊団の大看板であるキングとレーザーターボに変身したアインとユウキが相見えていた。

 

「お前らは……一人残らず苦痛を与えて殺す!」

 

「……無理だね。真司に勝てないよ。それに……僕たちにも勝てない!」

 

「戯言を!」

 

そしてプテラノドンに変身して空中に飛ぶキングを見たレーザーは剃で一気に加速してキングの死角に回り込むと月歩で空中を飛んだ。

 

だがそこは百獣海賊団の大看板。視界から外れたレーザーを見逃さずに後ろに追撃をかけた。

 

しかし、その攻撃が当たる寸前にレーザーはさらにその上へと飛んで体勢を下向きに変えると再び月歩で空中を蹴った。

 

そして

 

<ガシャコンスパロー!>

 

ガシャコンスパローを手に持つとキングの二つの翼を斬り落とした。

 

「なっ……!?グワアアア!!!」

 

そして地上に落ちるキング。

 

それを見たユウキは一気に駆け抜けていく。

 

キングも刀を手に持ち迎撃の横薙ぎを払う。

 

だがユウキは当たる寸前にしゃがんで避けてキングの真正面まで行くと天羽々斬をキングの肩に突き刺してそのまま上に飛び上がって、肩の剣を抜く。後ろに回る時に横に回転しながら剣を振るうと鮮血が溢れた。

 

そう。キングは背中から斬り刻まれたのだ。

 

「ああああああ……!!!オノレェ……!!!」

 

そしてキングは倒れた。

 

「やったね!アイン!」

 

「うん……」

 

場面は変わってジャックとタイソン

 

「ワイルドラリアットお!!!」

 

「グハアアアア……!」

 

こちらもあっさりと決着がついた。

 

クラッカーとバルの戦いは

 

「ロールプレッツェル!」

 

「エアプリズム」

 

クラッカーが攻撃を仕掛けるがバルが作り出した不可視の壁に阻まれる。

 

「オノレ……!」

 

「……」

 

だが連続で攻撃を仕掛けていくと壁に徐々にヒビが入っていくが……

 

「プリズムダスト」

 

バルがそう呟くと壁は結晶の破片となってクラッカー、正確にはクラッカーの鎧を襲った。

 

鎧はボロボロになり、クラッカーがその姿を現した。

 

「よくも……俺の鎧を……!波動プレッツェル!」

 

クラッカーが再び攻撃を仕掛けるがバルは全身を結晶に変えて更に武装色で二重に纏うと

 

「プリズムボンバ!」

 

そしてその拳に光が集まっていきクラッカーの剣めがけて振るうと当たった瞬間爆発が起こった。

 

砂煙が晴れるとクラッカーの剣が壊されておりクラッカー本人も意識不明の状態だった。

 

こうしてクラッカー対バルの勝負もついた。

 

ペロスペロー対ルビーの勝負

 

「マグネバースト!」

 

「グフッ……」

 

キャンディで固めようとしたが範囲内に入っていたのを忘れて磁力を付与されてしまいそのまま吹き飛ばされた。

 

そしてクイーン対ユミナ、ハンコック、レイジュの戦いは

 

「ハハハハハハ!俺に勝てるわけねえだろ!今なら俺の女として許してやってもいいが……」

 

「お断りです!貴方のような下衆に着くつもりはありません!」

 

「妾もじゃ。ソナタのような輩に……」

 

「私も嫌ね」

 

「んじゃあ死ねよ!」

 

ブラキオサウルスになるクイーン。それを見たユミナは

 

「変身!」

 

<カメンライド、ディ、エーンド!>

 

ディエンドに変身すると武装色を纏った銃撃を放つが

 

「そんなんじゃ俺には効かねえぜ!」

 

クイーンも武装色を纏って攻撃を防ぐ。

 

「スレイブアロー!」

 

ハンコックは石化の矢を放つと

 

「おおっとお!これは流石にヤベエ!」

 

クイーンはその巨体さからは想像できないような身のこなしで避ける。

 

だがその先にレイジュが先回りしており

 

「はあっ!」

 

「グウッ……毒う!?」

 

毒による攻撃を喰らう。

 

「ここは!」

 

<カメンライド、アーク!カメンライド、リュウガ!>

 

「お願いします!」

 

そしてトリガーを引くとブラキオサウルスにも劣らない巨人と黒き龍の戦士が現れた。

 

「面白え!」

 

クイーンはそう吠えて突進を仕掛ける。しかしアークはそれを受け止めると頭を掴んでそのまま背負い投げた。

 

「グハッ……!だがまだまだあ!」

 

<アドベント>

 

そんな音声が聞こえると黒き龍が現れてブラキオサウルスに体当たりしてきた。

 

「痛え……!クソォォォ……!」

 

<ファイナルアタックライド、ディ、ディ、ディ、ディエーンド!>

 

そしてユミナが放った銃撃がブラキオサウルスに直撃した。

 

すると元の人間態に戻って動かなくなった。

 

「あっちも終わったようですね」

 

「ああ……流石は妾の旦那様……!」

 

「皆の、ですよ?ハンコックさん」

 

ハンコックはユミナの言葉に素直に頷く。

 

瞬間的だがユミナから凄い圧を受けたからだ。

 

・・・・

 

あの後和の国の謀反は成功してオロチと百獣海賊団による支配は終わった。

 

新たにモモの助が当主となり和の国は開国された。

 

百獣海賊団は残らず捕まえたが問題はビッグマムである。

 

まだ目が死んでない。

 

戦おうとしている。

 

どうしよっかな〜?

 

と思っていたら

 

「おい……」

 

「うん?」

 

「俺の負けだよ。殺せ。だが息子たちは殺さないでやってくれ。アイツらは無理に俺に従っていただけだ」

 

へぇ……

 

「なあビッグマム」

 

「……なんだい?」

 

「アンタは平和の国を作ろうとしてたんだろ?アンタの言う平和ってなんだ?」

 

「全ての者が……同じ視線で暮らせる国……」

 

「なら何故お前は他国に攻めるんだ?平和とは真逆だぞ?」

 

「俺の……言う事を聞かないやつは……悪だから……」

 

「それが間違いなんだよ。ビッグマム、いやリンリン。お前は昔、友達といる時そんなこと思ってたか?お前のいう平和ってのは皆と友達のように接することなんじゃないのか?皆、時に喧嘩はするけど後で仲直りする……平和ってのはそういうんじゃないか?」

 

「………………」

 

「海賊だから妥協するのが嫌っていうなら友達から嫌われるぞ?それでもいいのか?」

 

「言うじゃねえか……この俺に……だけど……お前の言う通りかもな……俺はこの地位に就いてから皆俺を恐れて誰も意見しなくなった……好き勝手はできたが寂しかった……友達と呼べる奴は俺を恐れていなかった……俺は……「なら俺が友達になってやるよ」え……?」

 

「俺がお前の友達になってやる。お前に文句を言える奴になってやる」

 

「いいのかい……こんな俺に……」

 

「いいよ。だが約束しろ。今後お前の我儘で国を滅ぼさないこと」

 

「……いいよ。ハーハハハ……マ〜マママ……ありがとうな。俺の友達になってくれて……」

 

「いいよ」

 

「ママ……」

 

「カタクリ……」

 

「……ありがとうな」

 

「え?」

 

「ママを……止めてくれて……ママと……友達になってくれて……」

 

「……気にするな」

 

「フッ……お前というやつは……」

 

こうしてビッグマム海賊団はビジネスによるナワバリの支配はこれまで通りにしていたが、だからといって滅ぼすという真似はしなくなり世界政府の七武海にも加盟した。

 

ビッグマムも完全なピースメインとなり略奪などはしないこととなった。

 

そして俺たちはこの世界を去った。

 

だがまた来るだろう。友達がいるからな……

 

 

 

 

 

 



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轟雪菜として

モネside

 

真司たちが私が元いた世界から帰ってきてから一週間、何事もないように思えたのだが私には一つだけ気がかりなことがあった。

 

最近焦凍が私に構ってくれないのだ。焦凍だって色々仕事があるのはわかっている。

 

だが最近なぜか避けられているような気がするのだ。私が焦凍に近づこうとする度に焦凍がどっかに行ってしまうのだ。

 

もしかして……浮気……!

 

焦凍に限ってそんなことはないと信じてはいるが避けられる度にそんな不安が胸をよぎる。

 

私……焦凍になにかしたかな……?そして今日こそは焦凍に声をかけようと気合を入れる。

 

そして城の廊下を歩いていると走っていく焦凍が見えたので

 

「焦!凍……」

 

だけど叫ぼうとした途端に怖くなって声が出せなかった。もし本当に焦凍が私を見てなかったら……と思うと声が出なかった。

 

「あれ……?なんで涙が出るんだろ……?」

 

私の頬には涙が垂れていた。

 

なんでだろう……?なんで……!?私に勇気がないだけなのに……!

 

私は怖くなってその場から逃げるように走った。走って……走って……走って……ただひたすらに走った……

 

とただひらすらに走っていたら私はオーロラカーテンに巻き込まれてその場から消えた。

 

そして私の周りを取り囲んでオーロラカーテンは回っていく。

 

とモヤが晴れるようにオーロラカーテンに映像が映っていく。

 

そこに写っていたのは……

 

「私……?」

 

オーロラカーテンにいた私は邪悪な笑みを浮かべていた。更に映し出されたのはマスターとやらが作った怪しげなキャンディを与えて、子供たちが苦しむ様を笑っていた。

 

それを見せられた私は……

 

「もう……止めて……」

 

強烈な吐き気を催して口を押えた。

 

それでもオーロラカーテンの映像は回っていく。

 

そして次に映ったのはサングラスをかけた男が指を動かして泣いている人たちを操っている光景だった。

 

私はこの男を知っている。

 

ドンキホーテ・ドフラミンゴ。かつて真司たちが倒した敵だった。

 

どういうわけかさっき映った私が王宮への海賊の手引きを手伝っていた。

 

もしかしてこれは……真司が言っていたパラレルワールドなの……?

 

じゃあこれは……ありえたかもしれない私……!?

 

そう思うとゾッとする。

 

そしてオーロラカーテンに包まれた私は王宮に転移させられると

 

「なんだ……モネが……二人……?」

 

「モネが……二人だと……!?」

 

周りにいた人たちは驚きを隠せなった。

 

とその時オーロラカーテンが後ろからその場にいた者たちを包むと頭の中に情報が入ってきた。

 

やっぱりここは……パラレルワールドだ……!

 

と海賊たちも私を見て

 

「なるほど……おまえは別の世界から来たモネだということか……」

 

メットを被った男グラディウスがそう言う。

 

おそらくさっきのオーロラカーテンで情報が入ってきたのは私だけではないのだろう。

 

「ねえ……」

 

「なんだ……?」

 

「なんで……こんなひどいことをするの……?」

 

「なんだと……!?」

 

「ドフラミンゴがやっていることは人間としてやっていいことじゃない!!なんでそれに加担するの!?」

 

「……なるほど。貴様は若のやっていることに背くというわけか……なら……殺す!」

 

「賛成だイ~ン!」

 

マッハ・バイスが声をあげると海賊たちが向かってきた。

 

なら……!

 

私は腕を翼にすると上に飛び、吹雪を起こすとドンキホーテファミリーの幹部たちは一瞬で凍り付いた。

 

勿論ヴィオラ王女には当たらないようにした。

 

そして王宮内にいた兵士たちが私の方へ来ると

 

「おまえは我らの敵なのか……?」

 

「……敵じゃありません。といっても信じてもらえないでしょうが……」

 

「大丈夫です!この人からは悪意が感じられません!」

 

ヴィオラ王女がそう言うと兵士たちは武器を降ろしてくれた。

 

「それよりもリク王の元へ向かわないと!」

 

そして建物の間を通り抜けていき、ドフラミンゴの元へ向かうと

 

「ふっふっふ……!お前が別の世界から来たというモネか……!俺の部下が世話になったそうだが……どうだ?俺の部下にならねえか?今なら最高幹部として迎えてやってもいいが……」

 

「貴方のようなやつに仕えるなんて御免だわ!」

 

「そうか……じゃあ死ねよ!」

 

ドフラミンゴが糸を振るってくるがそれを躱してドフラミンゴに蹴りを入れて吹き飛ばす。

 

そして追撃の手を放とうとするが

 

「動くな!動けばリク王たちを殺す!」

 

「卑怯者……!」

 

そしてドフラミンゴの蹴りを受けて私は地面に倒れる。

 

「手こずらせやがって……」

 

ああ……死ぬのか……ごめんね……焦凍……最後に……貴方と……話したかった……

 

そしてドフラミンゴが私を踏み殺そうと足を下そうとした時、

 

ブアアアア!!

 

横から飛んできた炎がドフラミンゴを吹き飛ばした。

 

私はこの炎を知っている。私の最愛の人の炎だ。

 

「テメエ……モネに……何しようとしてたんだ……!」

 

焦凍……

 

「モネ……」

 

「焦凍……どうしてここがわかったの……?」

 

「モネが居なくなったのぐらいわかるさ。俺の覇気と愛を舐めるなよ?」

 

「……バカ」

 

「ふっふっふ……そうかテメエが……!」

 

「さて……おまえは倒させてもらうぞドフラミンゴ」

 

「おまえに俺が倒せるとでも……?」

 

「なめんなよ?」

 

焦凍がそう言った時にドフラミンゴがは蹴り飛ばされた。

 

焦凍がドフラミンゴを蹴り飛ばしたのだ。

 

「ドフィ!テメエ…」

 

と次の瞬間ディアマンテたちは氷漬けにされた。

 

焦凍……!

 

そして安心した私は意識を失った。

 

次に目覚めるとそこは城の中だった。

 

「……気づいたか?」

 

「真司……」

 

話を聞くと私は丸一日眠っていたそうだった。

 

ドレスローザでの出来事は真司がリク王の無実を晴らして一件落着になったそうだった。

 

よかった……と思っていたら

 

「……焦凍が大事な話があるってさ」

 

え……もしかして別れ話……!?

 

私は怖くなりながらも焦凍のいる部屋までついていくことにした。

 

そこは城の食堂だった。

 

「……開けるぞ」

 

真司がそう言って開ける時に私は逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。でも向き合うしかないと覚悟を決めた。

 

そして扉が開くと

 

『お誕生日おめでとうー!』

 

え……!!?

 

中を見たらレイ子や一佳、シュガーたちがクラッカーを鳴らしてくれていた。

 

「モネ。17歳の誕生日おめでとう」

 

「焦凍……?」

 

「なんかさ……ごめんな。最近おまえに構ってあげられなくて。でもお前の誕生日にサプライズしたくてさ……でも俺だと絶対にバレルから最近おまえと会わないようにしてさ……」

 

焦凍……

 

「あ、あとそれとさ」

 

顔が赤くなった焦凍がポケットから箱を取り出した。

 

そして私に中身を見せるように向けて箱を開ける。

 

これって……!

 

私は思わず涙が零れた。でもあの時のような悲しみの涙じゃない。嬉しさの涙だ。

 

「モネ……こんな俺でよければ……どうか結婚してください!絶対に幸せにして見せます!」

 

「焦凍……!う……うわあああああああん!」

 

「ちょっ!モネ!?」

 

「寂しがっだんだよ……!焦凍が構ってくれないから……!」

 

「本当にごめん……」

 

「もう……許す……けっ、結婚してくれるなら……」

 

「じゃあ……!」

 

「はい。不束者ですが……どうかよろしくお願いします」

 

「モネ……!」

 

とその時周りから拍手が起こった。

 

「おめでとう!」

 

「幸せに!」

 

真司たちは盛大にクラッカーを鳴らして祝ってくれた。

 

「モネ……」

 

「焦凍……」

 

そして触れ合うだけの軽いキスをする。

 

そのあとはいつもより豪華な夜ご飯を皆で食べた。

 

そして焦凍の部屋に入ると

 

ベッドに座ってお互いの顔を見た。

 

「ねえ……焦凍」

 

「……なんだ?」

 

「私の名前変えてくれないかな……?」

 

「……なんでだ?」

 

「もし……あの時焦凍が助けてくれなかったら……私は違った未来になってたかもしれない……だから……」

 

「過去との決別……か」

 

「……うん」

 

「じゃあ……雪菜ってのはどうだ?」

 

「雪菜……うん……」

 

「いいのか……?」

 

「うん!今日から私は轟雪菜!」

 

こうして私は轟焦凍の婚約者となった。

 

 

 

 



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剣神とのデート

焦凍がモネ、いや雪菜に告白して一週間が経ったが、特に変わったこともなく日々が過ぎていた。

 

ユーロンも階級制度がなくなったと聞き、フェルゼンやノキアとも上手く付き合いができていると聞いている。

 

その日は予定がなかったので騎士団の訓練を覗くことにした。

 

「やあっ!」

 

「はああっ!」

 

おーおーやってるなー

 

訓練場では木剣などをそれぞれ手に持ち諸刃さんに稽古をつけてられていた。

 

「あっ!陛下!」

 

騎士団員たちが俺に気づくと礼をしようとしたが慌てて止める。

 

「来てくれたんだね真司君。やっと相手になってくれるのかな?」

 

はあ……正直諸刃さんと戦うと疲れるんだよな……でも前の約束があるしな……しゃーない。

 

俺が木剣を手に取ると諸刃さんが笑みを浮かべて眼前に立つ。

 

「んじゃあお互いに魔法や個性の使用は禁止ってことで」

 

「はいはい。んじゃあ行きますよ!」

 

俺は木剣を握ると一気に距離を詰めると諸刃さんが鋭い突きを放ってきたので素早く一歩横に移動すると木剣が横を通り過ぎてさっきいた場所にものすごい風圧が飛んだ。

 

そのまま諸刃さんが返す刃で横薙ぎにする前に足払いをかけたが寸前でジャンプして躱された。

 

そしてジャンプした諸刃さんは刃を下に向けてそのまま叩き込もうとしたので横回りに転がって避け、下から救い上げるように諸刃さんめがけて剣を振るう。

 

が諸刃さんは先ほど叩き込んだ剣を素早く引っ込めて眼前に構えて俺の下段からの攻撃を防ぐ。

 

「ちいっ!」

 

「さすがだね!真司君!」

 

そして防いだ剣でそのまま押し込まれて俺は倒されて剣を首筋に当てられた。

 

「……まいった」

 

「いや、かなり危なかったよ。やっぱりすごいね」

 

「……アンタと戦っていると実感が湧かないんだけどな……」

 

そして俺が立ち上がると

 

「すげえー!」

 

「流石諸刃様!」

 

「でも陛下もすげえよな!」

 

騎士団員たちが褒めてくれるのを聞いた俺は多少自身がついた。

 

そして訓練が終わり騎士たちが持ち場につくと

 

「……ねえ真司君」

 

「なに……?」

 

「こ、このあと時間ある……?」

 

「ありますけど……」

 

「じゃ、じゃあ今日一日付き合ってくれる?」

 

「どっかいくんですか?」

 

「あ、ああ……ちょっと服を見たくてさ……いいかな……?」

 

「いいですよ」

 

「ホントに!ありがとう!」

 

そして諸刃さんと出かけることとなった。

 

・・・・

 

望月諸刃side

 

真司くんと出かけることができた私はなぜかウキウキしていた。

 

剣を振るう以外でこんな気持ちになったことは初めてだ。なんでだろう……と疑問を持ったが折角真司君に付き合ってもらってるのに考え事は失礼だと思ってその考えをすぐに引っ込めた。

 

そして今はベルファストの王都アレフィスにある呉服店にいる。

 

「どんな服が欲しいんですか?」

 

「そうだね……あんまり露出が高いのは好まないかな」

 

「んじゃあこのスカートはどうですか?」

 

「んん……これもいいかな……」

 

そして何点かの服を選んで試着室に入った。

 

正直こんなに悩んだことはなかった。でも真司君に見てもらうと思った以上悩まずにはいられなかった。

 

むむむむむむ……!

 

そして悩んだ挙句私は赤ドレスを選んで着た。

 

私が試着室のカーテンを開けると真司君がおおお~と声を漏らした。

 

変なのか!?変なのか!?と不安が胸をよぎったが

 

「すごい似合ってますよ諸刃さん!」

 

え……?

 

「ほ、ホントかい!?」

 

「ええ!」

 

「よ、よかった……」

 

私はその答えに安堵して胸をなでおろした。

 

そしてそのままその服を精算しようとしたら

 

「……真司君?」

 

「俺からプレゼントします。すごい似合っているし」

 

「え!?い、いいの……?」

 

「はい。諸刃さんがよければ」

 

「う、うん……ありがとう……」

 

私は顔が赤くなるのが止められなかった。なぜなら真司君にプレゼントされたという事実が私にとって嬉しかった。

 

やっぱり変だな……最近真司君のことばかり考えるようになるし……何かの病気じゃないだろうな……?でも私は神だから病気になんてならないはずだが……うう~ん……謎だな。

 

「やっぱり似合っています。諸刃さん。綺麗です」

 

真司君に褒められてその考えはどうでもよくなったが、同時に胸の鼓動がなぜか早くなった。

 

そして赤ドレスを着て店を出て、歩いていると

 

「諸刃さんって甘いものとか好きですか?」

 

「え?ああ、まあそれなりにね」

 

「んじゃあおいしいクレープ屋知ってるんで行きましょうか?」

 

「いいね!行こう!」

 

「ちょっと!引っ張らないでください!クレープ屋は逃げませんから!」

 

私は思わず真司君の手を引っ張ってしまった。

 

そしてとても嬉しいと感じ、この時間が永遠に続いてほしいと世界神様に祈らずにはいられなかった。

 

真司君は嫌がらずに私の我儘に付き合ってくれた。

 

やっぱり優しいな……真司君……こんなに気に入った人間はいなかったな……冬夜くんとはまた違った魅力があるこの子は……優しさもそうだが純粋な喜びの気持ちが……私は惹かれたのかな……

 

そしてクレープ屋に着くと、オススメのクレープを選んで口に頬張ると

 

「美味い……!」

 

クレープのフワッとした食感にクリームの甘みがベストマッチして美味しさを引き出していた。

 

「美味いでしょ!そうですよね!」

 

「うん……!」

 

そしてクレープを食べ終わると私はこの時間の終わりになぜか寂しさを感じた。

 

「そういえば諸刃さんって好きな人とかいるんですか?」

 

「え!?な、なんでかな……!?」

 

「いやあ~諸刃さんって美人だし優しいから」

 

「ええええええええええええ……!?」

 

不意を突かれた私は動揺を隠せなかった。真司君の顔を直視できなかった。

 

そして真司君に綺麗と言われたことが嬉しく私の気持ちを気づかせるのに充分だった。そうか……私は……

 

「し、真司君……」

 

「はい?」

 

「わっ、私は!「諸刃ちゃんは真司君のことが好きなのよ!」えっ……ちょっ花恋姉さん!?」

 

なぜ花恋姉さんがここにいるんだ!?ていうかユミナやレイ子、ユウキまで!?

 

「真司君がラブラブデートをしていると情報が入ったのよ。そんで皆でつけたら諸刃ちゃんが楽しそうだったのよ」

 

「そ、そんな……」

 

「諸刃さん……」

 

「諸刃さんは真司さんのことが好きなんですよね?」

 

「え……?う、うん……!」

 

「なら真司さんのお嫁さんになりませんか?」

 

「え……いいの!?」

 

「はい。真司さんもよろしいですよね?」

 

「うん……ユミナたちがいいなら……」

 

「いいの……やったー!ありがとうー!真司君ー!」

 

「ちょっ!急に……!」

 

こうして私、剣神望月諸刃は空野真司の恋人となった。

 

 

 



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レスティアの姫騎士

諸刃さんに告白されたのが俺の嫁ーズに広がったが皆すぐに受け入れてくれた。

 

と最近は騎士団の訓練に積極的に参加している。諸刃さんに守られてばかりじゃ嫌だからな。せめて彼氏として相応しいぐらい強くならないと。

 

と俺の見聞色がなにか大勢の人数がこの城にやってくるのを察知した。

 

「あれ陛下?」

 

騎士の一人が訓練場から出ていく俺を不思議に思ったのか首を傾げるが俺と同じく諸刃さんもその気配を察知したのかついてきてくれた。

 

「真司君も気づいたんだね」

 

「はい。何人かがこの城に向かってきています。まあ気配の主からの感情は悪いものじゃないんで暗殺者とかの類じゃないと思いますが……」

 

訓練場から出ると飛んできたスカーレットが俺の腕に止まった。

 

『主、レスティアの使いの者たちが面会を求めております』

 

「わかった。面会室で待つように伝えておいて」

 

『はっ』

 

そして訓練服からいつもの格好に着替えるとメイドたちを面会室から遠ざける。

 

あの先王陛下から女性は遠ざけたほうがいいからな。

 

冬夜にも来るように伝えたがバビロンを探していているとのことだとか。じゃあ仕方ないかな。と俺一人で先王陛下たちと対談することとなった。

 

そして面会室に入ると

 

「へ、陛下!お久しぶりです!」

 

ヒルデガルド姫が嬉しそうに声をあげる。

 

「お久しぶりですね。ヒルデガルド姫。今日はどういった御用で?」

 

「あ、あのあの時のお礼というのもありますが今日はただの付き添いで……」

 

「そちらの先王陛下の付き添いで?」

 

「流石じゃな。わかっておったか。ソナタには人の気配を読む不思議な力があるとか。ワシらの気配も読んでおったのじゃろ?」

 

「はい。レスティア先王陛下、その通りです。初めまして。ブリュンヒルド公国双王陛下空野真司です。よろしくお願いします」

 

「ほっほっほっ。双王陛下なら知っておると思うがワシはギャレン。レスティアの先王で双王陛下と同じく金ランクの冒険者じゃよ」

 

一応ギルドカードを見せてもらうが本物だった。

 

年老いた今でも実力は相当なものであろう。

 

部屋から護衛の騎士たちを退室させると

 

「それでご用件とは?」

 

「実は先日のユーロンでの件で……」

 

なるほどね。

 

あのあとユーロンに謎の魔物が襲撃したことは東方の国々では話題を呼んでいた。無理もない。いつ自分の国でも同じようなことが起きないとも限らないしな。しかも西方の国々のほうが事情を知っているというのは皮肉なもんだが。そして何者かによってシェンハイにいた謎の魔物が一瞬で葬られたというのもこれまた話題を呼んだ。まあ俺だ。ユーロン人を守るためとはいえ、一瞬で5000ものフレイズを掃討した俺に他国は危険性を感じているのだ。

 

がそれと同時に何者かの手引きによって新しくユーロンの天帝が改革を起こしたというのも騒がれた。まあこれも俺だ。新天帝の行動に一部の他国、フェルゼンなどはユーロンが西方の国々と手を結び当方の国を滅ぼそうとしているとのそんな根も葉もない噂を若干ながら信じてしまっている。といっても先帝たちまでの行動が他国にユーロンへの悪い印象を与えてしまったのだからしょうがないといえばしょうがないのだが。テリーもそこは自覚しているようだ。でもそれで諦めようとしないのは流石だが。

 

俺は事細かに事情を話すと

 

「やはりユーロンでフレイズの大来襲があったのですね……そしてシェンハイのフレイズの大軍を屠ったという謎の戦士は……」

 

ヒルデガルド姫と先王陛下が俺を見る。その目は真実を求めている目だ。

 

まあ誤魔化してもしゃーないし話すか。

 

「はい俺です。といっても信じてもらえないでしょうが……」

 

「いや、ヒルダから話を聞く限りソナタがフレイズを倒したというのは間違いないじゃろ。じゃがワシが気になっておるのはブリュンヒルド双王陛下、それほどの力を持ってソナタは何を為したいつもりじゃ?」

 

う~ん……やっぱり危険性を感じさせられるのか……なら話すか

 

「まず第一段階はこの世界にいるフレイズを倒すことですね……その次は俺の世界を救うつもりですが……」

 

「どういうことじゃ?まるで異世界の人間だといわんばかりじゃが……」

 

「はいその通りです。俺はこことは違う世界から来ました」

 

「なんじゃと……!」

 

そしてオーロラカーテンを展開するとヒルデガルド姫たちを俺の世界に転移させると二人とも絶句していた。

 

そして元の世界に戻る。

 

「これで信じてもらえたでしょうか?」

 

「スケールがデカすぎるわい……なるほど、大体の事情はわかった。それで双王陛下が持っておるという巨人兵というのは?」

 

まあ知っているよな。護衛の騎士の人たちとオーロラカーテンで平野に転移させるとフレームギアを格納庫から呼び出して、モニカに操縦させると皆、開いた口が塞がらなかった。

 

「まあこのフレームギアもフレイズとの戦いが終わったらどうするべきか悩んでいるところですがね」

 

「そうじゃの……フレイズ戦ではこれらを使われたと?」

 

「はい」

 

「仮にだが我らレスティアにも貴国との同盟を結べばこいつをかしてもらえたりはするのかの?」

 

「それが戦争や非合法の用途でなければ」

 

「今回ここにやってきた目的はブリュンヒルドと友好関係を結びたいと思ってのことじゃ。同盟に加入するかは倅に聞かんといかんが、まあ反対はすまい」

 

「こちらとしても一応他の国との協議が必要ですね。他に聞きたいこととかは?」

 

「そうじゃの……ユーロンでの新天帝の改革とは本当かの?」

 

「ええ、テリーはユーロンを変えたいと思ってますよ。他国とも友好的な関係を結びたいと」

 

「成程……一応倅にもユーロンとの国交について相談してみようとは思うが……はっきり言わせてもらうと我らは今までのユーロンに対していい感情を持ててない。国民の気持ちもそうじゃ」

 

「まあ無理にとは言いませんができるなら友好的な関係を結んでほしいですね」

 

レスティアが入ったら原作通り東西同盟……いや、もうすでにユーロンがはいってるからそうか。

 

・・・・

 

「はあああああっ!」

 

「でやああああっ!」

 

ヒルデガルド姫とユウキが木剣を交わあう。その結果は……

 

「それまで!ユウキの勝ち!」

 

審判を務めた俺の声が訓練場に響く。ユウキの剣は横薙ぎに払われたヒルデガルド姫の剣を下から救い上げるように打ち上げて、返す刃を首筋ギリギリに置いた。

 

しっかしすごいな……ユウキの実力は諸刃さんほどとはいかないが単純な剣術だけなら俺より上なのに……そのユウキに勝てなかったとはいえ、あそこまで食らいつくとは……

 

互いに剣を下して、一息吐く。

 

「いい試合でした。陛下は素晴らしい騎士をお持ちなのですね」

 

「いや?僕は騎士団の者じゃないよ?」

 

「え?」

 

ヒルデガルド姫が首を傾げる。

 

「僕は真司の婚約者だよ」

 

とヒルデガルド姫の動きがピクリと止ま。そしてこちらにギ、ギ、ギ、とぎこちなく首が回り、視線を向ける。その目には光がなかった。

 

あれえ……まさか……

 

「婚約、者、がおられた、のです、ね?」

 

「ええまあはい……13人ほど……」

 

「13人っ!?」

 

むう……流石に引かれたか?

 

そしてヒルデガルド姫がなにやらブツブツ呟きだした。

 

あーあーこれは鈍いと定評のある俺でもわかってしまう。

 

となにやら嫌な予感を感じて逃げようとしたが

 

「そこで私の登場なのよ!」

 

「うおっ!」

 

突如背後から気配を感じたのも一瞬、神出鬼没で有名な恋愛神、花恋さんが現れた。

 

「そこのあなた!ズバリ、あなたの片思いの相手は真司君なのね!」

 

「ふぉあっ!?にゃっ、にゃにおっ言って、言ってるんでしゅかっ!?そんな、そんなつもりは!つもりは!」

 

あー……遅かったか……

 

となにやら背後から悪寒を感じたので振り向くと

 

「ねえ……真司……どういうことかな……?」

 

そこには先程までのヒルデガルド姫と同じく目に光のないユウキがいた。

 

「ま、待て。違うんだユウキ。ヒルデガルド姫はなフレイズに襲われていたとこをだな。助けたわけで。決して狙ってやったわけじゃなくてだな」

 

「そんなこと言ってるんじゃないんだよ……真司……」

 

怖え……!笑っているのにちっとも和まない……!

 

「全く……!ユミナがいつも真司に言う理由がよくわかったよ!真司は無自覚で女を落としすぎ!もうちょっと相手のことを考えてあげてよ!惚れた相手が真司に僕たちがいることを知って安心できると思う!?真司は惚れさせるだけ惚れさせて放ったらかすロクデナシなんだから!自覚がなさすぎる!」

 

「俺……そんなんなの……?」

 

「そんなんだよ!もうちょっと僕たちや相手のことを考えて行動してよね!」

 

酷え……でもユウキたちのことを考えないといけないのはそうだな。もうちょっと自覚しよう

 

と俺を叱って満足したのかユウキがヒルデガルド姫のもとに向かう。

 

「ヒルデガルド姫は真司のことを好きなんだよね?」

 

「ひえっ!?いえ……あの……すみません……ユウキさんという婚約者がいるのに……迷惑ですよね……」

 

「気にしないでいいよ。当の本人が自覚ナシでこんなんだからさ。だから困ったもんだよ。僕も初め真司を好きになったけどユミナたちがいた。僕を惚れさせておいて本人は自覚ナシ。ちょっと……いや、かなり怒りが湧いたよ。でも……それでも僕にとって……真司は最高に愛おしくて大好きなんだ。そしてユミナたちは僕を受け入れてくれたんだ。だから先輩として聞くよ?本当に真司が好きなの?」

 

「それは……ハイ!好きです!初めて会った時から好きでした!」

 

「そっか……じゃあヒルデガルド姫も僕たちの仲間入りだね!」

 

「え……いいんですか!ならなります!私、陛下のお嫁さんになります!」

 

「じゃあ後で他の皆にも紹介するよ。心強い仲間ができて僕嬉しいよ」

 

「ありがとう、ユウキさん!」

 

当事者である俺を無視してなにやら色々なことが着々と決定されていく

 

「あの~すみません……?俺に発言権は?」

 

「え?あるとおもってんの?」

 

酷い……

 

「ウソウソ。流石に冗談だよ。でも真司はヒルデガルド姫が嫌い?」

 

「そんなわけないだろ」

 

「じゃあいいじゃないか」

 

そうだけどさ……こうもなるとはな……

 

「話は聞かせてもらったッ!だがその結婚、すんなり許すわけにはいかぬ!」

 

「お祖父様!?」

 

あー……これはああだな……

 

そのあとは原作通り。先王陛下がヒルデガルド姫に勝負を申し込んだ。

 

・・・・

 

「では真司さんとレスティア騎士王国の第一王女、ヒルデガルド姫との婚約に反対の者は挙手を」

 

ユミナの発言に手を挙げる者はいなかった。

 

「では満場一致でヒルデガルド姫を私たちの同志と認めます。共に夫を支え、良き妻、良き母とならんことを願います」

 

「ありがとうございます!粉骨砕身頑張ります!」

 

涙を流しながら頭を下げるヒルデガルド姫に皆から拍手が送られた。

 

皆からはこの流れを見れば分かる通り特に反対などなかった。

 

ユミナの魔眼で引っかからなかったことやユウキからの推薦もあったからだ。ちなみに皆、婚約者が増えることは今更だと吹っ切れたようだった。

 

俺としてもヒルデガルド姫との婚約に特に問題はなかった。

 

「それでヒルデガルド姫、先王陛下との勝負だけど」

 

「どうかヒルダ、と。これより私はあなたの婚約者であり第一の騎士なのですから」

 

「わかった。で、ヒルダ。先王陛下と戦って勝てそう?」

 

「正直難しいと思います。勝てる確率は一割くらいかと……」

 

ま、やっぱりそれぐらい強いだろうな。

 

さっきヒルダがユウキに食らいつけたのはユウキは覇気を使ってなかったからだ。正直な話、ユウキが覇気を使えばヒルダは相手にもなからなかっただろう。いや、剣術だけでもユウキと渡り合えるというのはすごいのだが、先王陛下はそれよりも上だと考えると剣術だけで勝負するとユウキと互角だろう。

 

「真司なんとかならない?」

 

「うーん、じゃあこうしよっか」

 

そして俺は世界の時間を止めるとヒルダは驚いていたがすぐに落ち着いた。

 

「じゃあヒルダ今から特訓な。ユウキに勝ったら開放だからな」

 

「はい!頑張ります!」

 

こうして時が止まった中で一か月特訓した結果……

 

「はあっ!」

 

「ぐふっ……」

 

六式を身に着けたヒルダは剃で先王陛下に一瞬で近づき、見事、先王陛下を下した。

 

流石に一か月じゃ覇気を覚えるのは無理だったが、それでも覇気ナシとはいえユウキに勝ったのはスゴイと言わざるを得ない。

 

勝ったヒルダの元へ行くと

 

「真司様!勝ちました!これで私も真司様と添い遂げることができます!」

 

「よくぞワシを倒した……。しかし第二、第三のワシがお前たち二人の前に立ち塞がり更なる試練を……」

 

「どこの魔王ですか」

 

先王陛下の時間を巻き戻して回復させると

 

「己の未熟さを痛感したの。お前の覚悟、とくと見定めた。結婚を許そう。倅にも文句は言わせぬ。今よりお前はレスティアではなく、ブリュンヒルドの騎士となれ」

 

「お祖父様……」

 

「真司殿、剣しか震えぬ孫娘ですが、末長くよろしくお願い致します」

 

「わかりました。安心してください」

 

とその時

 

「もしもし真司、そっちは終わった?」

 

「ああ、冬夜。終わったぞ。これからレスティアに行くがお前も来るか?」

 

「わかった。行くよ」

 

こうしてまず冬夜の元へ行くと見つけたバビロンは蔵だったらしい。

 

ああ……あのドジっ子か……

 

んで国での話し合いということで冬夜も連れてきて、オーロラカーテンでレスティアに向かった。

 

特に反対されることもなく俺とヒルダの婚約も認めてくれた。

 

その後は原作通り、冬夜が聖剣レスティアを直してヒルダの兄、ラインハルトが王位を継ぐとともに俺とヒルダの婚約が発表された。

 

 

 




最後の方は大分雑だったかもしれませんがすみません……


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樹海の部族との再会

「だんだん寒くなってきたなあ……」

 

ヒルダが来て三か月、ブリュンヒルドでは冬に入ろうとしている。

 

冬夜は高坂さんに言われて書類仕事をこなしている。

 

こういった仕事は交代交代でやることにしてある。

 

なので今日は冬夜の番なのだ。

 

俺は特に予定もなかったので冒険者ギルドの方を見ることにしたがその前に訓練場にいる皆を呼びに行くことにした。

 

訓練場にはヒルダにユウキ、アイン、一佳に茨もいた。

 

皆、諸刃さんにしごかれいた。

 

と俺の方を見ると皆、手をこちらに振ってきてくれた。『リフレッシュ』で皆の疲労を回復させると

 

「諸刃さんどうですか?」

 

「皆いいね。鍛え甲斐があるよ。ヒルダと茨も覇気を身に着けたし、ユウキやアインも上達している。一佳も武装色の覇気が上がってきたしね」

 

「そりゃよかった」

 

「真司も訓練どう?」

 

「あー……俺今からギルドの方へ向かうからさ。皆を誘いに来たんだ」

 

「いいね!行こう!」

 

「というわけで諸刃さん。ユウキたち借ります」

 

「いいよ。訓練が終わったら私も行こうかな」

 

「んじゃ行こっか」

 

『うん!』

 

 

皆が着替え終わるとじゃんけんを始めた。

 

『あいこでしょ!あいこでしょ!』

 

そして勝ったのは

 

「勝った!」

 

「良し……」

 

一佳とアインが勝つと俺の横に回って、一佳は左腕に、アインは右腕に自らの腕を絡ませる。

 

すこし照れくさいが俺には振りほどくことなどできない。むしろ心地良い感触があったので文句ナシだ!

 

そして城下の方へ向かうと子供たちが寒さを関係なしに駆け抜けてきた。

 

「「「へーかこんにちわ!」」」

 

「こんにちわ。あんまり遠くに行くなよ」

 

「「「はーい!」」」

 

遠くに走っていく子供たちを見ているとなんか和むな……

 

「楽しそうですね。良い事です」

 

「祝福のあらんことを……」

 

茨は相変わらず祈りをささげいるが、そこが彼女のいいところなのだ

 

んでギルドの扉を開けるとものすごい何人かが俺に視線を向けてきた。

 

まあ目立つわな

 

だが俺だとわかるとすぐに視線がなくなった。

 

受付の方に向かうと猫耳のお姉さんは慌てて

 

「な、なんの御用でしょうかっ!」

 

明らかに慌てている対応をしている。

 

「支部長室はいるかな?」

 

「しょっ!少々お待ちください!」

 

猫耳お姉さんの同僚たちもマジマジと俺たちを見ていた。

 

んで戻ってくると

 

「支部長室に案内しますっ。双王陛下!」

 

確か聞いた話だとレリシャさんが支部長だったよな?

 

と奥の部屋に向かうとそこにはエルフのギルドマスターレリシャさんがいた。

 

「双王陛下におかれましてはそちらのレスティアの姫との婚約が成されたとか。おめでとうございます」

 

「ありがとうございます」

 

「あっ、ありがとうございます!」

 

ヒルダ声がデカい。

 

「しかしあの時ユーロンのギルド支部は陛下たちのおかげで壊滅せずに済みました。ギルドマスターの一人として感謝の言葉しかでません。本当にありがとうございます……」

 

「あー……気にしないでください。それに俺だけの手柄じゃないですから……皆が助けてくれたので出来たわけですし……」

 

「あれからフレイズの出現情報はありませんか?」

 

「エンデによるとしばらくは大多数の出現はないようですよ。ただ少数の出現はありえますからね……」

 

ギルドには既にエンデのことは伝えてあるし、エンデも協力してくれるらしい。

 

「ユーロンでは新天帝が改革を為されて大きな支持を得ているとか。ただ反発して国外に逃げた者たちが他国で盗賊になっていることが……」

 

「あー……テリーも頭を抱えてましたよ……」

 

「もしかするとブリュンヒルドのになにやら嫌がらせをしてくるかもしれませんよ?」

 

「まあその時は拳で返しますよ。俺だって聖人君子じゃないんで。そういえばギルドの運営はどうです?」

 

「ボチボチ……といったとこですね。問題は上級者向けの討伐依頼がないことですかね」

 

まあ確かにこの辺りの魔獣等は建国の際に冬夜が狩りつくしたからな。と下の方でなにやら騒ぎがあったので見てみると俺は顔色が悪くなるのを感じていた。

 

「真司さん……?」

 

茨が心配して声をかけてくれるが落ち着けなかった。

 

アイツ……原作通り来やがった……!

 

問題は目的が俺か冬夜かどっちかだということだが……見聞色の覇気で覗いてみると

 

俺だったー!ヤバえ……!逃げよう!と思った矢先に窓越しに目があってしまいギルドの中に入っていくのを見た。

 

よし……逃げよう!俺は決心するとオーロラカーテンを開いて城へ戻ろうとするが

 

「ちょっ!そっちは!」

 

時すでに遅し。支部長室のドアが開くと

 

「見つけた……!」

 

襲い掛かってくるパムを躱したもののユウキとアインはジト目を俺に向けてきたが事情を知っている一佳と茨が説明すると納得してくれた。

 

そこからは狭い支部長室の中で捕まらないように逃げる俺を追いかけるパム。

 

と茨がパムをツルで拘束してくれた。

 

助かった~……

 

この子はパム大樹海の部族、ラウリ族の戦士の一人だ。

 

細かい説明は後にして城に向かおう。

 

・・・・

 

「それは認められません」

 

「なぜだ?シンジとパムの間に出来た子が女なら我らの部族で育てる。男ならお前たちで育てればよい」

 

あの後、見ての通り話は拮抗状態だ。パム曰く俺は子供を作るためだけが目的で女の子でなければ俺とともに放置する気らしい。

 

その話を聞いたユミナは話にならない、とばかりに深いため息をついた。

 

いや、ユミナだけではない。ここにいる殆どが反対派だ。

 

リーンと諸刃さんは一応ラウリ族を知っているからかそう驚きはしなかった。

 

ハンコックも元々九蛇の一員だったため、そういう種族がいることを知っていはいた。しかしユミナたちと同じく反対派だった。

 

「残念ですが貴方に真司さんのお嫁さんになる資格はありません。お引き取りを」

 

「嫁になる気はない。真司と子供さえ作れればよいのだ」

 

さっきから話は平行線だ。ようするに強い戦士が欲しいために俺との子供がほしいとのことだ。俺だって好きでもない人との夫婦の営みなんてしたくはない。いや?結婚すらしてないから夫婦ではないのか?

 

「オマエたちが何を反対しておるのかがわからん」

 

「あなたが子供を産むのは勝手です。しかしそれが真司さんの子供になると話は別です。あなたは真司さんとの幸せより部族の繁栄を選ぶ。そんな人に真司さんとの子供を産んでほしくはありません」

 

ユミナに気圧されたのかパムが怯む。

 

「少なくとも……強い子供が欲しいのなら真司くんとの子供じゃなくてもいいじゃないですか……」

レムが静かにパムに問いかける。彼女も反対派だ。

 

「そうはいかん。真司とは……誓いの牙を躱されたんだったな。だが真司はパムのものだ」

 

「勝手なことを……!真司はそんなもん認めてなどおらぬ!貴様ここで石にしてやろうか!」

 

「ハンコック落ち着け」

 

ハンコックはさっきからイラだっている。彼女にしては珍しく怒っているらしい。

 

「ねえねえ~?そもそもなんで強い女の子が欲しいの~?そこに理由があると思うんだけどな~」

 

ねじれちゃんが的を得た質問をパムにする。

 

そこからは原作通りパムが剪定の儀の説明を始めた。まあ要は部族同志で戦いあって優勝したものが自分たちに有利な命令を他部族に下せるわけだ。

 

男上位主義のバルム族とは拮抗した力を持ってたらしいがフレイズの襲撃で主だった村の戦士が死んでしまったらしい。

 

ひと月後に剪定の儀があるらしいが今回は諦めたらしい。

 

うん……原作を知ってるからなんとなく予想できるんだよ……間違いなく嫌な予感がする!

 

「結局はそのバルム族を追い払うためにあなたは真司さんとの子供が欲しいと。そういうことですよね?」

 

「まあそれだけではないが概ね間違ってはいない」

 

「わかりました。では取引しましょう。我々がラウリ族を剪定の儀で勝たせて『樹王の部族』へ導きましょう。そのかわり、貴女には真司さんのことを諦めてもらいます」

 

ほら~!原作通りになっちゃった……!

 

レイ子たちもその提案に賛成したらしい。いやまあね?俺も心配はしてないんだよ?でもね?俺もついてなきゃならないわけで……その……女装すんのが嫌なんだよ!

 

パムもユミナの提案を受け入れたらしい。しかし誰が参加するのかと話し合いになった。

 

はあ……どうしよう……

 




アンケートを行うことにします!質問内容は剪定の儀に出るメンバーです!皆さんの意見お待ちしております!


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剪定の儀 前編

アンケートを終了させていただきます!意見を出してれた皆さんありがとうございます!


「ということになったから三日間は、国の政務はよろしく」

 

「真司って毎回面倒ごとに巻き込まれるよね……」

 

「あのな?本当ならおまえが巻き込まれるところだったんだぞ?感謝しろとはいわないがもうちょっと気遣ってくれよ」

 

「ははは……」

 

「んじゃあ、そういうわけだから。よろしくね」

 

電話を切って俺はため息を吐いて

 

そして『ミラージュ』で幻影を纏って女性に変化する。

 

シノビにカメンライドしてもよかったのだが……あれ身体も変化するから嫌なんだよ……

 

そして変化した俺をみたレイ子たちの反応は

 

『わ~!!!』

 

と興味津々といった感じで見てくる。

 

「じゃ、じゃあいこっか」

 

さっさとオーロラカーテンを開いて

 

大樹海に向かう。

 

・・・・

 

「ふああああ……デッかいなあ……」

 

大樹海には来たことはあるが大神樹とやらを見るのは初めてだ。

 

直径で何十メートルあることやら。高さはちっさいビルより高いんじゃないだろうか。それでも幹の太さに比べると大分低いらしい。その大きさや幹のガッシリとした様からまさに母なる木といわれてもおかしくない。

 

根元に様々な切り株のステージがあり、そこで予選が行われるそうだ。

 

皆も一時的とはいえラウリ族ということになっているので、部族の衣装をしている。

 

胸覆いと下帯姿だ。露出が高くて正直直視できない。でも眼副だったということは言っておこう。

 

ステージでは命を奪うような攻撃は軽減され、魔法も使えないらしい。魔法ではないのだが仮面ライダーの変身は鎧となるので禁止らしい。

 

覇気は使えるらしいから不安要素が全くない。

 

出場メンバーはこうだ。

 

レイ子、諸刃さん、ハンコック、アイン、ユウキ、ということになっている。

 

部族代表としてパムが出たがっていたが、勝負してみたところあっさりと負けたので仕方なく認めたらしい。

 

まあラウリ族の人たちも反対したがパムの一言で引きさがった。

 

そして審判の部族の人に声をかけられると皆ステージに向かった。

 

「皆頑張ってね。応援してるから」

 

「任せて真司!」

 

「全力を尽くすよ」

 

「はい、あなた!」

 

「勝つ……」

 

「頑張るよ!僕!」

 

上からレイ子、諸刃さん、ハンコック、アイン、ユウキの順番で返してくれた。

 

そして皆が行くのを見届けると俺たちも観客席に戻った。

 

おやつのドーナツを取り出して皆に手渡す。

 

遂に全部族が揃うと、精霊の導きとでもいうのだろうか。大神樹の葉っぱが動いて頭上から降り注ぐ光を調節して、対戦相手を決める。

 

こうして試合が始まっていき、いよいよラウリ族の番となった。

 

順番はこうだ。

 

1ユウキ

2ハンコック

3諸刃さん

4レイ子

5アイン

 

だ。

 

この五人の強さを表すなら

 

諸刃さん>>>レイ子(ゴースト)>ハンコック=ユウキ=アイン(レーザー)>レイ子(生身)=アイン(生身)

 

諸刃さんがずば抜けて強いので、できるなら隠しておきたいが、それで出ずに負けたら元も子もないからな。

 

でもこの五人が負けることなんて考えられない。

 

一番手のユウキがステージに立つ。相手は槍の使い手だった。

 

「始め!」

 

審判の合図とともにユウキが神速の速さで突っ込み、相手に攻撃の隙すら与えずにモロに峰打ちを当てると

 

「そこまで!」

 

審判の男の声と同時にラウリ族から歓声が巻き起こった。

 

その後もハンコックと諸刃さんによるストレート勝ちで一日目は終了した。

 

 

 

 



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剪定の儀 中編

あの後バルム族が原作通り絡んできたがハンコックたちによってあっさりと追い返された。

 

そして俺は『ミラージュ』を解除して見聞色と神気が感じた気配の主の方へ向かう。

 

その場所に着くと

 

「俺の声が聞こえるか?」

 

俺の声に応えるかのように月光が辺りを照らし出す。

 

「貴方は誰ですか?」

 

声とともに緑色の光が現れて少女の形となった。

 

「精霊か……」

 

「はい。私は大樹海を統べる大樹の精霊でございます。

 

やっぱりか。原作でも大神樹には精霊が見守っていた。

 

「それよりも貴方は誰ですか?失礼ですがただの人間には見えません……」

 

「じゃあ教えよっか」

 

俺は神気を少しだけ解放させると大樹の精霊はその場で跪いた。

 

精霊にとって神の力とは絶対の存在だからな。

 

「俺はまだ一応人間だけど死神の眷属かな」

 

「あの死神様のですか!?信じられません……死神様が認めた人間がいるなど……」

 

大樹の精霊は口に手を当てて驚く。

 

「しかしそんな方が何故……」

 

「身内の応援にね。それよりも……」

 

俺は原作で知っている限りのことを話す。

 

「そういうわけだから気を付けてね。万が一があったら俺たちも手を貸すから」

 

「わかりました」

 

こうして精霊との会談を済ませた俺はさっさと帰っていく。

 

・・・・

 

二日目も特に問題はなかった。

 

初戦は先鋒のアイン、次鋒のレイ子、中堅のハンコックのストレート勝ちで終わりその後もその三人の独壇場だった。

 

少し警戒すべき相手はやはりソニアさんや連月さんのルルシュ族かな。その証拠に勝ち上がってきてるし。

 

んで三日目、

 

連月さんと戦うのは先鋒のアインで、ソニアさんと戦うのは次鋒のハンコックらしい。

 

「始め!」

 

開始と同時に剃でアインが一瞬で懐に潜り込むと手にした双剣を振るうが連月さんは後ろに跳んで躱すも、右手の双剣による二撃目を食らってしまい、吹き飛ばされるがギリギリで踏みとどまる。

 

そして追撃しようとしたアインに対して発勁を放つが武装色で防ぐと同時に駆け出して飛び蹴りを放ち連月さんを場外に吹き飛ばした。

 

「勝者アイン!」

 

勝ったアインは満更でもない笑顔を浮かべる。

 

続いてハンコックとソニアさんの試合だ。

 

「始め!」

 

今度は開始と同時にソニアさんが攻撃を仕掛けてくるがハンコックは当たる寸前で横に移動して躱した。

 

その後もソニアさんは次々と攻撃を仕掛けるがハンコックはまるで華麗なる舞踏を演じるかのように攻撃をかわし続ける。

 

その美しい舞いに他の部族やラウリ族ですら見とれていた。

 

攻撃を仕掛け続けたソニアさんは疲労困憊だったがハンコックは呼吸が乱れていなかった。

 

そしてソニアさんの動きが鈍ったのを見逃さずに一瞬で間合いを詰めて、下からの蹴り上げでソニアさんはダウンした。

 

次の試合だったがユウキが開始五秒で電光石火の如く勝負を決めた。

 

これで……残す懸念はあとひとつだけだな……

 

 

 



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剪定の儀 後編

大分短いですがご勘弁を……


決勝戦の相手は毒を扱うリベット族だ。

 

原作ではこいつらは神樹を自らが作ったウッドゴーレムに取り込もうと画策していたやつらで見聞色の覇気で覗いてみると見事に的中していた。

 

ただなにもしてない奴等を捕らえるのは流石の俺でも無理なので最小限で防ぐことにする。

 

っと!その前に決勝戦だ。

 

フィールドにバラまかれてある毒を防ぐためにマスクを被ったレイ子が舞台に立つ。

 

「始め!」

 

開始と同時に駆け出すレイ子めがけて毒の吹き矢を飛ばしてきたがそれを見聞色の覇気で予測して避けて、回し蹴りを放つとあっさりと吹き飛ばされた。

 

「なにっ!?」

 

「勝者柳レイ子!」

 

次は諸刃さんだったが開始同時に吹き矢を吹くより早く飛ぶ斬撃を放って相手を倒した。

 

最後はハンコックだったがソニアさんのと戦った時と同じく静かなる舞で吹き矢を躱し続けて冷静さを失った相手を見事倒した。

 

「勝者ハンコック!よって今回の『樹王の部族』はラウリ族に決定した!」

 

あんまりにもあっさりすぎたというか。なんか……拍子抜けだったな……

 

とそのとき轟音が鳴り響くとともにウッドゴーレムが現れた。

 

リベット族の一人が勝ち誇ったような顔をしていたがそれはどうかな?

 

とりあえず怪我人をなんとかしないとな

 

「清らかなる雨」

 

俺は言霊魔法で全体に癒しの雨をかけるとみるみるうちに怪我人やウッドゴーレムに養分を吸収され枯れた木たちが元通りになっていった。

 

「バカな……なんだアイツは……!」

 

と光の雨でもくらわそうかなと思ってた時ユミナが

 

「真司さんあれは私たちに任せてもらえませんか?」

 

「え?いいけど……」

 

「じゃあ皆さん行きましょう!」

 

『うん!』

 

<アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!>

 

<カメンライド>

 

<爆走バイク!ギリギリチャンバラ!>

 

「「「変身!」」」

 

<開眼!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ、ゴ、ゴ、ゴースト!>

 

<ディ、エーンド!>

 

<ガッチャーン!レベルアップ!爆走バイク!アガッチャ!ギリ・ギリ・バリ・バリ・チャンバラ~!>

 

そして勝負は……一瞬でカタがついた……

 

レイ子のオメガブレイク、ユミナのディメンジョンシュート、ハンコックのスレイブアロー、一佳の武装色を込めた双大拳、茨のローズアグニッシュ、ねじれちゃんのエクスプロージョン等々……オーバーキルといってもいいというほどの攻撃を受けたウッドゴーレムたちは一瞬でチリとかした。

 

この様子を見ていたリベット族たちはガチガチと歯を鳴らして震えていた。

 

こうしてリベット族は捕らえられて俺の不安要素もなくなったわけだ。

 

こうして俺はパムの魔の手から逃れることに成功した。

 

なんか変な表現だな……

 



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予想外の異世界転移

「ううっ、寒っ」

 

大樹海から帰ってくると、ブリュンヒルドは既に冬に突入していた。

 

朝食を取り終わった俺は久しぶりの政務をこなそうと思ったがこの三日間で冬夜が主な案件をすべて終わらせてくれたらしい。感謝はしているのだが暇である。

 

と城下に出ようと思ってたら、

 

「真司どっか行くの?」

 

「ああ、アイン。今暇だから城下の見回り。そうだ。一緒に来ないか?」

 

「真司がいいなら……一緒に……」

 

「よっしゃ!」

 

「そんなに嬉しい……?」

 

アインが可愛らしく首を傾げた。

 

「あ?好きな人と一緒に入れるんだ。嬉しいに決まってるだろ」

 

「そ、そう……」

 

アインが顔を赤くしてモジモジし始める。

 

ヤべぇ……すげえ可愛い!

 

着いた城下の方を見てみると小さいながらも活気があったのを見た俺は一安心した。

 

やっぱり自分の国だもん。活気があった方が嬉しいよ。

 

「食い逃げだあー!」

 

と感慨に浸っていたのに空気を読まない奴が現れやがった。

 

向こうから走ってくる男に対して俺は

 

「止まれ」

 

「ぐっ!?なんだこりゃあ……動けねえ……!」

 

言霊魔法を放ち、その場に拘束された男は駆け付けた騎士たちによって捕まった。

 

「あっ!陛下!」

 

その場で跪こうとしたのを慌てて止めて、犯人を連行するように伝えた。

 

騎士たちには冬夜と俺で作った手錠を渡してある。この世界では主に縄で縛るのが普通なのでね。楽になればかと

 

騎士たちを見送ると俺はそのまま見回り……もとい、デートを再開しようとした時

 

「!アインっ!」

 

「っ!」

 

咄嗟にアインを抱き寄せたが、突如現れたオーロラカーテンに俺たちは包まれた。

 

そして目を開けるとそこはどこかの公園と思われし場所の森だった。

 

「アイン大丈夫か?」

 

「うん」

 

さて……帰ろうかと思った時

 

ドガァン!!

 

と爆音が鳴り響いたのを聞いた俺たちは急いで現場に向かう。

 

と火が荒れ狂う中で人々を襲っていたのは

 

「スマッシュ……!」

 

ビルドに出てくる敵、スマッシュだった。

 

個体は……ニードルスマッシュにバーンスマッシュか……

 

とその時後ろからなにかが飛んでくるのを感じて見てみると

 

「あれは……!」

 

そこにいたのは体の所々を鎧で纏ってスマッシュに突撃していく女たちであった。

 

だがバーンスマッシュの炎に阻まれ、ニードルスマッシュの腕部による刃攻撃を前に歯が立たなかった。

 

「アイン行くぞ」

 

「……うん!」

 

<爆走バイク!ギリギリチャンバラ!>

 

「「変身!」」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

<ガッシャット!ガッチャーン!レベルアップ!爆走バイク!アガッチャ!ギリ・ギリ・バリ・バリ・チャンバラ~!>

 

そして飛び出した俺たちを見た女戦士たちはなにが起こってるんだと目を見開いていた。

 

俺はバーンスマッシュ向かって走っていくと奴は炎を俺に向かって吹いてきたが俺は横に跳んで躱す。

 

「おまえならこいつがいいかな」

 

<フォームライド、フォーゼ!ファイアーステイツ!>

 

フォーゼファイアーステイツに変身するとバーンスマッシュが吐き出した炎に対するように俺は消火剤を噴射すると荒れ狂ってた炎は鎮火した。

 

それが気に食わなかったのかバーンスマッシュは炎を纏って突進してきたが俺は受け止めてヒーハックガンによる炎の銃撃を食らわせるとバーンスマッシュは10メートルは吹き飛んだ。

 

アインの方も軽やかな立ち回りでニードルスマッシュの刃を次々と斬り落としていた。

 

そして回し蹴りでニードルスマッシュを蹴り飛ばすと弓モードに変えてニードルスマッシュを狙撃し続けた。

 

俺も負けてられないな!

 

<ファイナルアタックライド、フォ、フォ、フォ、フォーゼ!>

 

「ライダー爆熱シュート!」

 

ヒーハックガンからチャージした炎を放出するとバーンスマッシュは消し飛ばされた。

 

<ガッシャット!キメワザ!ギリギリ!クリティカル!フィニッシュ!>

 

アインは駆け抜けるようにガシャコンスパローを降り抜いてニードルスマッシュを一刀両断した。

 

俺とアインは変身は解除せずにそのまま、残骸を見てみるとそれはなにかのロボットのようなものだった。

 

とその時

 

「貴様ら!何者だ!」

 

後ろの女戦士たちがこちらを警戒の目つきで睨んでいた。

 

見聞色の覇気で覗いてみると

 

ふむふむ……成程、ここはあの世界か。

 

まあ長居する理由もないしさっさと帰るか。と思った矢先に不味いことに気づいた。

 

「……一旦退くぞ」

 

「あ、うん……」

 

俺は後ろにオーロラカーテンを出現させてさっきの公園に繋げると同時に飛び込んですぐに消した。

 

そしてすぐに変身を解除するとオーロラカーテンを今度はイセスマの世界に繋げようとするがなにかに邪魔されてできなかった。

 

「どういうことだ……!?」

 

とその時

 

「時間が止まってる……?」

 

「???……」

 

俺はまだ時間を止めてはいない。

 

誰の仕業だ……?

 

と思っていたら後ろに懐かしい気配を感じて振り向くと

 

「久しぶりだな」

 

「あっ!おまえは!」

 

俺を転生させた死神がいた。

 

 



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会談

死神がいたのには驚いたが、それよりも

 

「あっ!まさかこの転移が邪魔されてるのって……!」

 

「そうだ。俺の仕業だ」

 

やっぱりかよ……!

 

と思ってたらアインが裾を掴んで

 

「真司……この人誰……?」

 

と可愛らしい目つきで質問してきたのを無視するわけにもいかず

 

「この人は死神。俺を転生させた張本人」

 

「この人が!?」

 

アインが驚きの眼差しで死神の顔を見る。

 

といっても死神はフードを被った姿なので素顔はわからないが

 

「しっかし……なんの用なんですか?わざわざ俺の転移能力を阻害してまで……この世界になにかあるんですか?」

 

「まあ……そうだな。っとその前にだ」

 

死神は指を鳴らすとテーブルと豪華な椅子が現れた。

 

「座れ。立ったままじゃ疲れるだろ?」

 

「ありがとう……」

 

アインが礼を言って座る。

 

俺が座るのを見た死神も座る。

 

「おまえも気づいていると思うがこの世界は「インフィニットストラトスの世界でしょ?」ああ、そうだ」

 

やっぱりか。最初の時点で気づくべきだったと言われそうだが俺ってインフィニットストラトスをあんまり見てないんだよね……ISと名前は知っていたが。

 

「それでだ。おまえに頼みがあるんだが」

 

「なんでだ?」

 

「おまえにこの世界を救ってほしいんだ」

 

「……理由を聞いてもいいか?」

 

「まあそうだよな。知っての通り世界は無数にある。おまえが元居た世界の知的生命体が物語を作ったからだ。そして物語が完結しようが途中で打ち切られようが続く。ただしどうなるかは想定できないがな。そして本来なら違う世界の住人が干渉するのは原則禁止されてるんだ」

 

「あれっ?ちょっと待ってくれ。じゃあ俺もルール違反をしてるってことか?」

 

「原則っていっただろ?悪意あるものや世界崩壊の危険がない干渉なら普通は問題なくスルーされるんだ。その点についてはおまえは問題ない」

 

「そっか……」

 

「だがちと厄介なことになってな……ライダーの世界でショッカーがライダー世界を渡る技術を進化させやがったんだ……要は他世界への干渉ができるようになっちまったわけだ」

 

「おいっ!じゃあヒロアカやイセスマの世界にオルフェノクが現れたのって……!」

 

「ああ、ショッカーが暗躍していたんだ」

 

ソードアートオンラインの世界でショッカーの存在があったからなにかはあるとは思っていたが……神ですら見逃せない問題になっているのか……!?

 

「そしてこの世界では3年前からスマッシュが出現し始めてる。ここまで話せばわかるよな?」

 

「俺にショッカーを退治しろってこと?」

 

「ピンポーン!ピンポーン!そうだ。頼む」

 

「あの……アンタはなにかできないのか?例えば消滅させるとかさ?」

 

「神は基本地上への干渉ができないんだよ。特に俺の座にもなるとな」

 

「地上の誰かに力を与えるってのは?」

 

「その方法もあるんだが……この世界は魔法という概念が存在しないから自然に強大な力を渡せないんだ。ISってのも考えたがそれは技術の混乱を招くって思ってな。それに適正者もいなしな」

 

「適正者?」

 

アインが首を傾げる。

 

「力を渡すってのは要は人に神に匹敵させるってことだ。どこのかしこに渡して問題ないと思うか?」

 

「あー……思わないです」

 

「その点ではこの世界に適正者がいないんだよ。優しいだけでもダメなんだ。要は力の正しい使い方を知ってないな。不味いと思った矢先にお前が異世界に転移に巻き込まれたのを見てな。それで」

 

「俺に頼もうと」

 

「そう!その通りだ!」

 

「あの……一つ聞いてもいいか?」

 

「うん?」

 

「じゃあなんであの時俺にディケイドの力を渡してくれたんだよ。あれだって神に匹敵する力だろ?」

 

「何を今更……それはお前が適正者だからだよ」

 

「は……!?」

 

「あの時おまえを調べてみたが見事に適正者だった。はっきりいって部下のミスだがおまえが死んだのは……気に障るかもしれない言い方だが嬉しい誤算だったんだよ」

 

「そっか」

 

「……怒らないのか?」

 

「何を今更。怒ったってしょうがないだろ?」

 

「ふっ……ありがとよ。それでだ。協力してくれるか?無理強いはしないが……」

 

「いいけどさ。転移能力の阻害は解除してくれよ?レイ子たちに報告しないと」

 

「ああ。わかった。あくまでもおまえを引き留めるための手段だったからな」

 

「で?どうすればいい?」

 

「IS学園に通ってくれ」

 

「なぜだ?」

 

「あそこなら代表候補生など強力な奴らの協力を結べるだろ?」

 

「代表候補生?なんだそれは」

 

「あー……それはだな」

 

その後この世界の一般常識的なことを死神は教えてくれた。

 

「成程ね……大体はわかった。でもどうやって接触する?」

 

「とりあえずおまえにもIS適性を持たせる」

 

「わかった」

 

「じゃあな。頼んだぞ」

 

そして再び時間が動き出した。

 

「……真司どうする?」

 

「……とりあえずレイ子やユミナたちに連絡する。一旦戻るぞ」

 

そして俺たちはイセスマの世界に戻り、レイ子たちに事情を説明すると

 

「成程……わかりました。行ってください。真司さん」

 

「ユミナ……ありがとう」

 

「ただし!アインさんに私も同行させてください!聞けばIS学園は一人を除いて女性しかいないそうじゃないですか。そんなとこに真司さん一人で行かせるわけにはいきません!」

 

「わかった。死神に相談してみるよ」

 

そして三日後、二人目の男性操縦者が見つかったことで世間は大盛り上がりとなった。



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ブリュンヒルデとの会合

ISの世界に戻って街で行われていた適正検査を受けると

 

「出た!二人目の男性操縦者だ!」

 

作業員に連れて枯れそうになる前に

 

「そこの二人も連れてってくれないか?」

 

と待ったをかける。アインとユミナを連れてってほしいといったら

 

俺がISを武装していた状態のせいなのかあっさりと了承してくれた。

 

そして車の後ろに乗せられて2時間。俺たちは何処かの建物に到着した。

 

よし……まずここまでは想定内だ。研究所に送られる可能性も考えていたから安心した。

 

途中で名前や住所などを聞かれたが名前はともかく住所は誤魔化した。だってこの世界の戸籍とかないんだもん。

 

そして応接室で10分ぐらい待たされるとようやく二人の人物が現れた。

 

俺はインフィニットストラトスは知ってる方じゃない。だがこの二人は知っている。

 

一人は山田摩耶先生。IS学園の先生だ。牛乳瓶眼鏡が特徴的だったから覚えている。

 

そしてもう一人はこの世界でも有名な人物、第一回モンドグロッソの覇者織斑千冬だ。

 

ブリュンヒルデの異名を持ち、生身でもISに匹敵する戦闘力を持つ。

 

まあこれも予想通りだった。

 

と相手の方は山田先生はともかく織斑先生は俺を警戒の目つきで見ている。

 

「待たせて済みませんね。私は山田摩耶です。そしてこちらの人が織斑千冬先生です」

 

「いえいえ。構いませんよ。それに二人を連れてきたいって無理を聞いてもらって感謝します」

 

そして織斑先生も一礼をして座る

 

「……まずですね。これから君にはIS学園に入学してもらうことになります。理由は「様々な国家、企業、組織から狙われる俺を守るため……いや監視するためですよね?」はっ、はい。そうです……」

 

山田先生が次の言葉を言おうとしたのだがなにやら言いづらそうだったのを見たのか

 

「山田先生、私が代わりに聞きましょうか?」

 

「あっ、はいお願いします」

 

「さて……単刀直入に聞こう。空野真司、お前は何者だ?」

 

まあ聞いてくるよな。普通。それでも

 

「……どういう意味ですかね?」

 

普通の対応をさせてもらう。

 

「とぼけるな。お前の名前と住所を聞いたがそんな人物は存在しなかった。さらにおまえの顔写真を元に戸籍も調べたがデータ上には該当しなかった。裏の人間でスパイの可能性……とも考えたがそんな人物を他の組織からの注目になるようなことはしないだろう。さて改めて聞こう。おまえは何者だ?」

 

「ま、そうですよね」

 

そのまえに監視されているので世界の時間を止める。

 

山田先生たちは突然止まった時計に違和感を覚えると窓の外の止まった世界をみて絶句していた。

 

「時間を止めました。これでここの会話は聞かれません」

 

「時間を止めただと……!おまえ……本当に何者だ……!?」

 

「改めまして。確かに俺の本名は空野真司ですが俺はこの世界の人間ではありません。異世界人です」

 

「異世界人だと……!?」

 

「そしてこっちにいるのが俺の婚約者であるユミナにアイン」

 

「自己紹介が遅れました。ユミナ・エルネア・ベルファストです」

 

「アインです……」

 

「「婚約者あ!?」」

 

狐につままれたように驚く二人。だが織斑先生はすぐに落ち着きを取り戻すと

 

「俄かには信じられんが……なにか証明できるものがあるのか?」

 

「ああ、それなら」

 

俺はオーロラカーテンを展開して異世界の景色を見せた後、いくつもの世界を座ったまま旅をする。

 

「これで信じてもらえましたか?」

 

「あ?ああ…………」

 

とりあえずは納得してくれたみたいだった。

 

「ならなぜこの世界に来た?それにISのことについても知っていた?」

 

「それはですね……」

 

俺は死神のことは伏せて異世界の組織、ショッカーが暗躍してると知って、この世界まで追ってきたことやオーロラカーテンによってこの世界の情報を手に入れたなどと半分虚偽を含めて説明したが信じてもらえた。

 

「それでこの世界に来たと……」

 

「まあそういうわけだからIS学園に転入しようと思ったんだ。幸い自分に適正があるかどうかはオーロラカーテンからの情報で知れたからな」

 

「ふむ……確かにおまえの言うようにこの世界には3年ほど前から怪人が現れている……先日では謎の戦士が怪人を倒したというが……まさかな」

 

「はい……まさかですよね……」

 

「まさかじゃない。俺がその戦士だ」

 

ディケイドのカードを見せると

 

……ため息を吐かれた。ええー……

 

「じゃあおまえはあの怪人とやらについても詳しいのか?」

 

「そうですね。それなりには」

 

「ふむ……」

 

「それで?俺をどうするつもりですか?俺としては一応協力はしたいですが……」

 

「……君にその気があるなら……IS学園で協力してもらいたいと私は思ってる」

 

「いいですけど……ふたつ条件があります」

 

「なんだ?言ってみろ」

 

「一つ目は俺が異世界人だということを世間に公表しないこと」

 

「成程、わかった。それでもう一つは?」

 

「ユミナとアインを一緒にIS学園にいれること」

 

「この二人をか?」

 

織斑先生が二人を見ると

 

「この二人も仮面ライダーですよ?」

 

「なんだと……!?」

 

二人が仮面ライダーとは想像できなかったのか驚きを隠さない。

 

「それで受け入れてもらえますか?」

 

「ん?ああ、それならなんとかなるだろう」

 

そして世界の時間を再び動かして応接室から出ると監視している人たちを織斑先生が説得してくれて誰もいなくなったので

 

「じゃあ俺たちは一旦帰らせてもらいますよ?」

 

「わかった。だがまた来てくれよな?」

 

「勿論」

 

そして俺たちはこの世界を後にした。

 



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ミステリアスレディ

楯無ファンの方はすみません……一方的にやられるでしょう……でも真司の強さを弱めるわけにはいかないので!


あの後俺がいなくなったことは少々の混乱を招いたが織斑千冬が説明してくれたので、事なきを得た。

 

IS学園について簡単に説明すると操縦者、及び開発者、整備士などIS関係の仕事に就く者の育成を目的とした学園だ。

 

新たな制服を身に着けて、入学式に行こうとしたら

 

「空野、ちょっとついてきてくれるか?」

 

織斑千冬、いや織斑先生に呼び出された。なんだ?

 

ユミナたちもついてきていいか?と聞くとあっさりと了承された。

 

案内されるがままに俺は廊下を歩く。

 

しっかし広いなあ……廊下の奥が見えない。長すぎるだろ。

 

例えが悪いとおもうが8両電車3台分は長さがあるのだ。

 

そして途中で曲がって着いた先はこの学園のアリーナだった。だが俺が目に付いたのはアリーナの大きさではないそこにいた人物だ。

 

水色髪と綺麗な赤い目が特徴的なスタイル抜群な美少女がこちらを見ていた。

 

「やっと来てくれたわね。でも……お姉さんを待たせるなんて……メッ!」

 

そして扇を広げるとそこには『遅刻厳禁』と書かれていた。なにその狙いすましたように書かれているのは。超能力者かアンタは。ユミナたちも目を丸くしていた。

 

「えっと……この人誰ですか?」

 

「彼女は更識楯無。この学園の生徒会長で強さは学園一だ」

 

「そんな人がどうして俺の相手に?」

 

「先日のおまえの戦いを監視カメラで見ていたが正直、普通の試験官じゃ一方的にヤラれるのがオチだ。なので」

 

「私が相手というわけよ?仮面ライダーくん?」

 

悪戯っ子のように微笑む彼女を見て

 

「……彼女に話したんですか?」

 

「そう言うな。彼女の実家はこの国でも相当な権力者で彼女自身も相当強い。我々としても世界がかかっているとなると協力を要請したくてな」

 

「はあ……分かりました。ていうか俺にそんなこと話しても大丈夫ですか?」

 

「政府に話したところおまえに対しては特別措置がとられていることになった。お前が情報を流そうとしなければ問題ない」

 

「そうですか。それで?俺のISは?」

 

「いや。今回はおまえの全力を見るためにもISはない」

 

「えっ?……まあいいけど」

 

「あら?随分余裕ね?」

 

「負けるのは嫌だし……しゃーない!やるか」

 

「ふふっ!元気な後輩は嫌いじゃないわよ?」

 

「……言っとくけど俺19歳だからな……?」

 

「えっ!?嘘っ!?マジで!?」

 

はあ……やっぱり神気のせいか成長が止まってるのかな……

 

そしてお互いに距離をとると

 

「行くわよ!ミステリアスレディ!」

 

更識さんはISを展開させた。

 

メインカラーが水色のISで彼女と色がベストマッチしてると思った。

 

「じゃあ……変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

20もの影が重なって俺は変身した。

 

「へえ……それが仮面ライダー……」

 

「そう。仮面ライダーディケイドだ。じゃあ……行くぞ!」

 

俺はワンフォーオールを発動させて剃で一気に距離をつめて蹴り飛ばそうとしたが咄嗟に反応した更識さんは横に避けた。

 

「ふ~ん……これを避けるんだ……流石に最強を名乗るだけはあるな」

 

一方楯無は

 

(何今の!?あと一瞬でも反応が遅れてたらヤラレてた……!それに当たってもないのにシールドエネルギーが4割も減っているなんて……!)

 

と俺が体勢を変える隙に更識さんは距離をとると

 

水を螺旋状に纏った槍についているガトリング砲を撃ってきたが見聞色で全て予知して躱す。

 

そして次の狙いも分かっていたので俺は地面目掛けて足を振り下ろす。

 

「PEGASUS SMASH!」

 

「きゃあああ……!」

 

そう。俺は辺りに浮かんでいたナノマシンの水を全て吹き飛ばしたのだ。

 

そして衝撃波で更識さんに隙ができたのを見ると

 

<ファイナルアタックライド、ディ、ディ、ディ、ディケイド!>

 

ディメンジョンキックで蹴り飛ばした。勿論加減したが。

 

そして壁まで吹き飛ばされた更識さんのISが強制解除された。

 

「あ~……痛タタ……私が負けちゃうなんて……空野君、君すごいね!」

 

う~ん……加減したなんて言わないでおこう……面倒なことになりそうだ。

 

「それに君手加減してたでしょ?」

 

「気づいてたんですか……」

 

「私を誰だと思ってるの?謎の美少女楯無さんだぞ?」

 

得意げに微笑む彼女に俺は苦笑いするしかなかった。

 

とそこに

 

「試験は終了だ。文句なしの合格だ。おめでとう」

 

「……ていうかなぜ入学式に試験なんですか?」

 

「予定が重なっててな。その点についてはすまなかった」

 

と俺も変身を解除するとユミナとアインがこっちにきた。それをみた楯無さんが

 

「さってと!空野君!困ったことがあったら私に言ってね?お姉さん協力しちゃうぞ?」

 

そういって俺に近づいてくる更識さん。と後ろからユミナとアインが腕を絡ませて楯無さんをジト目でみていた。

 

怖いな……

 

ともあれ俺たちはIS学園に入学した。

 



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IS学園初日

入学式に参加できなかった俺たちだがそのまま教室に向かった。

 

楯無さんとは途中で別れた。……なにやら隙を伺うような目だったがユミナとアインがピタリと俺に張り付いていたので手は出してはこなかったが。

 

そして教室に入ると視線が一斉に俺に集中した。

 

まあ二人目の男性操縦者なんだ。注目されるのも無理はないと開き直って俺は席についた。

 

隣は……ユミナとアインか!よかった~……

 

二人も嬉しいらしく上機嫌だった。

 

そして山田先生が入ってきてチャイムが鳴ると皆席に着いた。

 

「このクラスの副担任の山田真耶です。皆さん、一年間よろしくお願いしますね」

 

「「「よろしくお願いします」」」

 

反応したのは俺とユミナ、アインだけだった。

 

それでも挨拶してくれる生徒がいたと安心したのか胸を撫でおろしていた。

 

「それでは自己紹介をしてもらおうと思います。席順ですね。布音さんから」

 

「はあ~い!」

 

そして自己紹介が始まった。

 

「はい。ありがとうございました。では次織斑くん」

 

おっ、いよいよ原作主人公の番か。

 

「あっ、はいっ!」

 

かなりテンパっているな……大丈夫……じゃないな

 

「え~……と織斑一夏です。……以上です!」

 

「え?」

 

と予想外すぎる自己紹介に思わず声を漏らしてしまった。

 

ユミナたちも固まっている。だよね!

 

と次の瞬間織斑は頭を出席簿で思いっきり叩かれた。

 

「自己紹介も満足にできんのか。おまえは」

 

「ちっ、千冬姉!」

 

「織斑先生だ。馬鹿者」

 

そして教壇にたつと

 

「諸君!私が担任の織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物にするのが私の仕事「キャアアアアアアアア!!!!」

 

ちょぉっ!?

 

突然のクラス中からの絶叫に思わず耳を塞いでしまう。

 

ユミナたちも耳を塞いでいた。

 

クラス中から織斑先生に対する熱~い声が響いてくる。

 

流石の織斑先生も話が進まないと思ったのか、眼力で黙らせた。

 

やっぱりこの人相当有名で人気があるんだな~と思ってしまった。

 

その後も自己紹介が続いて

 

「次は……空野君!お願いします!」

 

「はい」

 

そして教壇に立つと

 

「初めまして。俺は空野真司です。ISを動かしてしまいこの学園に入ることになりました。男性操縦者ということで珍しく見られますが、ISに関しては初心者なので皆さんと一緒に学んでいければいいと思っています。これからよろしくお願いします。あと趣味はギターです」

 

そして一礼をして、拍手の中俺は席に戻った。

 

「これが自己紹介というものだ」

 

「面目ない……」

 

そして次に

 

「空野アインです。私もISに関しては初心者ですのでクラスメイトである皆さんと共にに学んでいければいいと思いっています。あと趣味は……戦闘訓練です」

 

『はあ!?』

 

と思っただろうな皆。アイン……流石にそれは驚かれるよ……あとアインたちは俺の双子の妹ということにしておいた。その方が都合がいいしね。

 

最後にユミナの番となり

 

「空野ユミナです。お気づきかもしれませんが私とアインさんは空野真司さんの双子の妹です。私はこれから皆さんと一緒に切磋琢磨して楽しい学園生活を過ごしたいと思っていますので、よければ気軽に声をかけてください」

 

そして一礼して元の席に戻る。

 

・・・・

 

一時間目が終わった。

 

休み時間になると他クラスからも女子生徒が俺と織斑を見物しに集まってきた。

 

「すごい人気でしたね。織斑先生」

 

「まあ伊達にブリュンヒルデって言われてないからだろ」

 

無数の視線をないもののようにしながらユミナたちと話していると

 

「大変だったな。空野だったっけ?俺は織斑一夏。よろしくな!」

 

「ああ、よろしく。それと俺のことは真司で構わない。あとこっちの二人が」

 

「空野ユミナです。よろしくお願いします。あと私のこともユミナで構いませんよ?」

 

「空野アインだ。私も下の名前で構わない」

 

「そっか。じゃあ俺も一夏って呼んでくれ!」

 

「わかった。ところでおまえは「ちょっといいか?」うん?」

 

一夏の後ろにはポニーテールの女の子がいた。

 

「ああ、急に済まない。一夏を借りていいか?」

 

「いいけど……」

 

「一夏行くぞ!」

 

「ちょ!箒!?」

 

連れて一夏に対して俺は『頑張れ!』としか言えなかった。

 

・・・・

 

昼食を食べ終わった後、午後からの授業が始まった。

 

ISについては今でも操縦すらしてないが、知識だけは参考書を見たから大体はわかっている。

 

「はい!どこかわからないところはありますか!?」

 

「はい」

 

「空野君どこですか?」

 

「えー……ここですね」

 

「あっ、ここはややこしいんですよね。ここはこうで……」

 

流石に先生をやっているだけはあって教え方も上手い。山田先生も熱心に教えてくれえるからやり甲斐もある。

 

「はい!他にはいませんか?」

 

「……はい」

 

「織斑君、どこですか?」

 

「えー……殆ど全部わかりません!」

 

は?

 

思わず目を見開いてしまった。

 

クラスの女子たちもほとんどが目を見開いていた。

 

と直後出席簿が織斑の頭に直撃した。

 

「織斑、渡してあった参考書はどうした?必読と書いてあったはずだが」

 

「間違えて捨ててしまいました」

 

バァンと再び甲高い音が鳴る。

 

捨てた!?ウソだろ!?

 

ウソかもしれないと思い見聞色で心を覗いてみたが、どうやら本当に間違えて捨ててしまったらしい。

 

こいつ原作でもこんなんだったのか……マヌケすぎるだろ……なんとか気づかせないとな

 

「すぐ発行させる。一週間以内に覚えろ」

 

「いや一週間であれは」

 

「やれ……」

 

織斑先生の眼力を前に頷くしかない一夏。

 

やれやれ……先が思いやられるな………

 



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更識姉妹

三人称side

 

午後からの二時間目の授業も終わり、織斑一夏は机にダラーっと突っ伏せていると

 

「ちょっとよろしくて?」

 

横から縦ロールが印象に残るであろう金髪女子が織斑一夏に声をかけたが当の本人は

 

「ああ?」

 

疲れているのか間の抜けた返事をしてしまった。それが気に食わなかったのか金髪女子は

 

「まあ!なんなんですの!その返事は!この私に話しかけられるだけでも光栄だというのにに……!その態度は……!」

 

「っても俺君のこと知らないし」

 

「私を知らない!?この私を!?」

 

よほど腹に据えかねたのであろうワナワナと震え、次の言葉をだそうとするが

 

「いいですか!?私は!「セシリア・オルコット。イギリスの代表候補生」ちょおっ!?」

 

横から飛んできた声に邪魔されてしまった。金髪女子……セシリアは腹を立てたがその正体がわかるとすぐに冷静さを取り戻した。

 

「あら?もう一人の方は知っているようですね。でも当然でしょう。なんせ私は「一夏、キツく言うようだが常識的なことは知っておいたほうがいいぞ。こういうときに恥をかくことになるからな」ちょおっ!?また私の話を邪魔するのですか!?」

 

「あー……それはすまなかったが、アンタもコミュニケーションというものを学んでおいた方がいいぞ。明らかに上から目線だ」

 

「当然でしょう!なんせ私は貴族なのですから!」

 

誇り気に語るが一夏に声をかけた男……空野真司の横にいたオッドアイの少女、ユミナは

 

「……貴族なら貴族らしい、分け隔てなく接するべきじゃないですか?」

 

セシリアに向かって少々圧をかけて言った。

 

実はこの世界では一部の者しかしらないがユミナはとある世界のお姫様なのだ。

 

そして彼女はセシリアのような下の者を見下す貴族たちを見てきた。

 

だから彼女はセシリアの態度に少々不機嫌だった。

 

セシリアも怯んだがすぐに持ち直した。しかし辺りにはしばしの沈黙が続いた。

 

だが5秒ほど経った時

 

「なあ真司。代表候補生ってなんだ?」

 

その発言に今度は違う沈黙が走った。

 

真司も驚きを隠せなかったがその質問には答えることにしたのか

 

「あー……言葉通りの意味だよ。各国の代表IS操縦者に選ばれるかもしれない一人のことさ」

 

「あー!そういうことか!ありがとな!」

 

「……そちらの方はそれなりに聡明ですのね」

 

「当然です!真司さんですから!」

 

「当たり前……」

 

ユミナとアインはさも当然のように真司を称賛する。

 

「まあ!私は優秀ですから!貴方のような人間にも優しくしてあげってよ?」

 

その態度からはそうは見えないと思う一夏であった。真司の方は自分で優秀などというのはどうかと思ったらしい。

 

「なんせ私は入試で教官を倒したエリート中のエリートですから!」

 

「あれ?俺も倒したぞ教官」

 

「俺は教官じゃなくて生徒会長だけどな」

 

何気に呟いた二人の爆弾発言に驚くセシリア。

 

「貴方!貴方も教官を倒しましたの!?それに貴方の方は生徒会長を!?」

 

「倒したー……つうか、いきなり突っ込んできたのを躱したら壁にぶつかって動かなくなったんだけどな」

 

「まあ三回目の攻撃で倒せたからさすがは生徒会長って思ったけどな」

 

すごいことを自然に言ってのける真司に対してセシリアは絶句していた。

 

少しの間で我に返ったセシリアが言葉を発そうとした時にチャイムが鳴った。

 

納得しないもののセシリアは自分の席に戻った。

 

・・・・

 

「やーっと終わったー……」

 

「まあ疲れたわな」

 

「そういう割にはケロッとしているじゃねえか……」

 

一夏が疲れた目で愚痴を吐いてくる。

 

あのセシリアってやつそうとう高飛車なお嬢様だな。

 

女尊男卑に染まっているっていうか……なんか男の弱い部分を見ていたからそうなったというか……まあ今気にしてもしゃーない!

 

とホテルに戻ろうとした時

 

「織斑くん、空野君、二人の部屋割りが決まりました」

 

山田先生が部屋割りの紙を渡してくれたが

 

「ちょっと待ってください。俺たち自宅からの通学じゃ?」

 

織斑が俺も思ってたことを聞いてくれた。

 

「そうなんですが事情が事情なので……とにかく寮にいれての安全確保だと……無理矢理決めたせいか二人は別々になってしまい……その……ユミナさんたちとも離れ離れに……」

 

「「「ええっ!?」」」

 

ユミナたちと別だと!?ユミナも驚いて山田先生に必死に問い詰めている。

 

「ユミナさんとアインさんが同室ですね」

 

まあ~……しゃーないか。

 

「でも荷物は……?」

 

「それなら私が手配した。空野はホテルにあるやつを持ってきただけだがな」

 

織斑先生がバッグを俺たち二人に渡してくれた。

 

その後は部屋についての簡単な説明を聞いて俺たちは部屋に向かった。

 

織斑とは途中で別れたがユミナたちの部屋は隣だった。

 

「真司さん。お互い離れ離れですが頑張りましょう」

 

「ああ、頑張れよ」

 

「ですが……やっぱり真司さんと一緒がよかったです……」

 

そう言って抱きついてくるユミナとアイン

 

普段あまり我儘を言わないユミナだからレアに見えて可愛い。

 

「そう言うな。帰ったら一緒に寝てやるからさ?」

 

「……本当ですか……?」

 

「ああ、約束だ」

 

「わかりました!」

 

そして更に抱きついてくるユミナとアインを精一杯抱きしめる。

 

んでユミナと別れて部屋に入るとそこには更識さんによく似た眼鏡をかけたどこか幼げな女子がパソコンを打っていた。

 

「今日から一緒になる空野真司だ。よろしく」

 

「ん……よろしく。私は更識簪」

 

あまり喋らないのかな?ファルネに似ているな。この子。うん?更識ってもしかして……

 

「ねえ君って生徒会長の「お姉ちゃんは関係ない!」……ごめん」

 

「ううん……私こそごめん……」

 

なにか地雷を踏んだのだろうか。咄嗟に謝ったのが功を奏したのか向こうも謝ってくれた。

 

気になって見聞色の覇気で覗こうとしたが女の子の心を覗くのは褒められた行為じゃないとすぐに止めた

 

「確かに貴方の考えている通り私は生徒会長である更識楯無の妹だよ……」

 

やっぱりか

 

「ねえ?更識さんって今何やってるの?」

 

「簪でいい……」

 

「そう?じゃあそう呼ばせてもらうよ。で?」

 

「ISの開発のプログラム……」

 

少し見せてもらうと俺では到底理解できない範疇の代物であった。

 

「すごいな……」

 

「ううん……まだまだ……お姉ちゃんに比べたら……」

 

ふ~ん……どうやら姉に対してコンプレックスみたいなものを持ってるのかな?

 

でもここまでできるんだからそう気にすることないんじゃないかな?

 

「なあ簪さん。そんなに比べなくてもいいんじゃないかな?」

 

「え……?」

 

「お姉ちゃんを超えたいってのはわかるけどさ。だからってあんまり思いつめないほうがいいいと思うけどな?だってお姉ちゃんの方が先に生まれてきたんでしょ?そりゃあお姉ちゃんのほうが経験が上なのは当然じゃないのかな?それに簪さんは簪さんだよ?ここまでできるんだからそう落ち込む必要はないと思うけどな~。これから地道に追い抜くようにすればいつかは越えられるよ。君は楯無さんじゃない。更識簪っていう別の人間なんだ」

 

「私は私……」

 

「それにさ?この世に全く同じ人間なんて一人もいないんだ。だから俺は思うんだ。誰かを真似るのより自分を生み出せ……ってさ?」

 

「誰かを真似るより……自分を……」

 

「ああ!ごめんね!なんか偉そうなこと言っちゃって」

 

「いい……」

 

「え?」

 

そう言って顔を上げた簪さんは

 

「そうか……!私は私なんだ!お姉ちゃんじゃないんだ!貴方のお陰でわかったよ!ありがとう!」

 

これ以上ない満面の笑みを見せた。

 

よかったな。ルームメイトが明るいとこっちも明るくなるな。

 

「ねえ……?」

 

「うん?」

 

「空野くんのこと……真司って呼んでもいい?」

 

「あ?いいよ」

 

「代わりに……私も呼び捨てで呼んで!」

 

「あー……簪?」

 

「そうそう!」

 

ん?

 

何かの気配を察したので立ち上がると

 

「真司?」

 

そしてドアを思いっきり開けた。

 

「ふひゃあっ!?」

 

「……なにしてるんですか楯無さん」

 

「お姉ちゃん……?」

 

「あっ!?真司君!?これはね」

 

「ちゃんと話した方がいいですよ……?」

 

「うぅ……」

 

楯無さん曰く簪の様子を知りたくて部屋に盗聴器を仕掛けていたそうだった。

 

でもなんで来たんだろ?簪から聞いた話だと嫌われていたって話だよな?

 

「簪ちゃん……」

 

「お姉ちゃん……」

 

二人の間に沈黙が流れていたが

 

「簪ちゃん!ごめんね!貴方のことなにもわかってなかった……!お姉ちゃんなのに……貴方を遠ざけて……」

 

「……もういいよ」

 

しばらくは気まずい空気が流れていた。

 

でもさっきの様子を見る限り楯無さんは相当に簪のことを心配してるよな?だったらなぜあえて遠ざけるような真似をしたんだ?

 

はあ……やむを得ない。

 

俺は見聞色の覇気で楯無さんの心を覗いた。

 

仕方ない。なんとかしますか。

 

「楯無さん。話してもいいですか?」

 

「……いいの?」

 

「簪。これから言うことを誰にも話さないって誓えるか?」

 

「うん……」

 

「まず楯無さんは君のことを嫌っちゃいないよ。大事に思ってたさ」

 

「じゃあなんで……!」

 

「実家が暗部だってのを知ってるよね?」

 

「え……?なんであなたが知ってるの……?」

 

「そこはまた今度話すけどさ。それでね。ここからは俺の予想だけど……」

 

勿論予想なんかじゃない。楯無さんの心を覗いて確信をえたものだ。

 

「楯無さんは君を実家から遠ざけたかったんだと思う。暗部の仕事には一線を越えたものもある。そんな中に大事な妹を巻き込みたくなかったんだろう。当主を継いだのもそうだろう」

 

「……」

 

「勿論それだけじゃない。君が実家のためにやろうとしたのもわかってたはずだ。でも実家は楯無さんより暗部の経験が低い君を性的な駒として使おうと思ってたんだおもう。そんなことを許さなかった楯無さんは実家に条件をつきつけんたんだと思う。自分が身代わりになるっていう条件をさ」

 

「そんな……」

 

「……」

 

「ですよね?楯無さん」

 

「……」

 

楯無さんの様子を見て察したのか

 

「本当なの……!お姉ちゃんは……私のこと思ってくれていたのに……!私は……!」

 

「ううん……私が悪かったの……!きちんと伝えられなくて……!」

 

そして二人はお互いに抱き合い泣いた……ただひたすらに泣いた……

 

俺は二人っきりにさせて部屋から出ると

 

「流石ですね?真司さん♪」

 

「……気づいていたのか」

 

「そりゃあ真司さんの奥さまですから」

 

そして部屋に戻ると

 

「ありがとうね……」

 

「いえいえ。二人の仲が直ってよかったです。じゃあ俺風呂に入りますから」

 

そして荷物整理をして俺は寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んん……?

 

なんか布団の中が妙に暑い……

 

と目を開けると

 

「うええっ!?」

 

目の前に簪がいた。しかも後ろに別の気配を感じた。

 

振り向くとそこには楯無さんがいた。

 

はあっ!?

 

どうなってんだあ!?こりゃあ!?

 

とベッドから脱出しようとするが

 

「「真司(くん)~♪」」

 

二人が逃がさないとばかりに抱きついてきた。

 

うあああああああ……!当たってるよう……!

 

と混乱していると

 

「「大好き……」」

 

へ……?これって……夢で簪たちが別の人を好きって言ってるんだよな?そうだよな!?

 

となりふり構わず見聞色の覇気を使って見えたのは

 

それぞれの夢の中で俺に抱きつかれて喜んでいる二人の姿だった。

 

うそ~……!でも二人は悪い奴じゃないし……でもなにがどうなってこうなったんだ!

 

……ユミナたちになんて言おう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談

 

「あれ?今何か嫌な気配を感じたのですが……気のせいですか?」

 

 

 

 

 




何故簪と同じ部屋?と思う方もいるかもしれませんが無理矢理感が半端なくてすみませんん!


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閑話 轟雪菜の日常と革命少女の告白 そしてそれぞれのクリスマス

大分遅くなって申し訳ない!


これは真司たちがインフィニットストラトスの世界に旅立つ少し前ー

 

・・・・

 

雪菜side

 

朝6時半、私は少し早起きしてしまったしてしまったと思ったが眠たい目をこすって洗面台で顔を洗う。

 

私は布団をクローゼットに戻して、面倒だと思いながらも身支度を整える。

 

いつもの服装に着替えて髪の毛を整えると何をして暇を潰すかと考える。

 

そこで彼女の元を訪れることにした。

 

広大な広さを誇るブリュンヒルドの城。東館の3階に向かうことにした私。

 

ドアの前まで来て二回ノックをする。

 

コンコンっと音が鳴り響いた10秒後ガチャとドアが開いた。

 

「あ……おはようございます……雪菜さん……」

 

「おはようリンゼ。今作業中?」

 

「ふぇ……?ええ、まあはい……」

 

「じゃあ私も参加させてもらえない?」

 

「いいですよ……ちょっと待ってくださいね……」

 

この子はリンゼ・シルエスカ。真司と同じ地位にたつ望月冬夜の婚約者の一人だ。

 

そして私と共通してる趣味というのが

 

「はい……散らかっているかもしれませんが……」

 

中に案内されて部屋を見る。

 

中はぬいぐるみやリンゼが編んだ衣服類が散らかっていた。

 

「ふふっ……夢中になるのはいいけどちゃんと睡眠とらないと冬夜に心配されるわよ?」

 

「ううう……」

 

リンゼは夢中になったことにはとにかく取り組むよく言えば努力家だ。

 

しかしそのせいで身体を壊したら婚約者からすれば心配だろう。

 

「それでなんだけどもうすぐ冬なんだしマフラー編まない?プレゼントしたいの。焦凍に♪あなたも冬夜にプレゼントしたら?冬だからクリスマスみたいだし。喜ばれるわよ?」

 

「わ、私が……冬夜さんにプレゼント……!」

 

あらら……真っ赤にしちゃって……でも私も人のこと言えないや♪

 

そして赤い糸を二本取りしてマフラーを編む。

 

ふふふ……焦凍喜んでくれるかな……

 

通常のマフラーよりより長く編んだ。

 

このマフラーで二人一緒に……!

 

そして焦凍が……!

 

『俺と一つになろうよ』

 

って……!キャー!

 

でもこうして糸を編んでいるとなぜか落ち着くわ……まるで彼との糸を紡ぐように……ふふふ……

 

そして赤のマフラーを編み終わると同時にリンゼも白のマフラーを編み終わった。

 

「すごいじゃないリンゼ!これで……」

 

「はい!冬夜さんにプレゼントできます!」

 

二人でハイタッチをして明日のために気合を入れる。

 

・・・・

 

俺は今ねじれちゃんと諸刃さんと一緒にワンピース世界に来ている。

 

久しぶりに顔を合わせるのと偶にはこっちの世界で歓迎してくれるという心遣いのものだった。新海軍本部まで来ていると

 

「キーシシシシシ!久しぶりだな真司!」

 

「おう久しぶりだなモリア。スリラバーグは順調か?」

 

「おう!住民も段々増えていってるぜ!」

 

モリアのスリラバーグは島一体といいいほどの面積を持つ船なので七武海が守る安全な島として移籍する住民が後を絶たない。

 

「ハーハハハ!マ~マママッ!久しぶりだねえ真司!彼女とは上手くやっているかい!」

 

「ああ、あと新しく増えた諸刃さん」

 

「ハーハハハ!相変わらずだねえ!」

 

「アンタには言われたくありませんよ……旦那さんとは上手くいってますか?」

 

「ああ!今となっちゃあいつらに迷惑をかけたと思ってるよ……」

 

ビッグマムはあの後元夫とも交流を取り戻してやり直していくことを決めたようだ。

 

「カタクリさんは元気ですか?」

 

「オマエんとこの焦凍に負けたのが相当応えていてね……兄弟姉妹巻き込んで修行に明け暮れてるよ……修行ついでにお前が相手してくれないか?」

 

「ここにいる諸刃さんのほうが現段階では俺より強いですよ?」

 

「何ぃ?ホントかい!」

 

でトットランド

 

「「「はぁ……はぁ……」」」

 

あの後諸刃さんとビッグマム海賊団の腕利きの何十名かが勝負をしたのだが残ったのはスイート三将星の三人だけであった。オーブンやダイフク、ペロスペロー、アマンドなども既にKOされている。

 

だが、残った三人も既に息が乱れているのに対して諸刃さんは汗すらもかいていなかった。

 

「ぐっ……これ程強いとは……!」

 

「ああ……正直勝てる気がしねえ……」

 

弱気なクラッカーとスムージーだったがカタクリが

 

「……確かに勝てる可能性は万に一つにないかもしれねえ……だが諦めるな!俺たちの誇りをみせてやるんだ!」

 

カタクリの鼓舞で再びやる気を取り戻す。

 

「はっ!」

 

先に飛び出したのはスムージーだった巨大化して斬撃を放つが大きさを気にすることなどないように諸刃さんは武装硬化した剣で受け止めると弾き返した。

 

がその時

 

「ロールプレッツエルっ!」

 

回り込んだクラッカーが高速回転された突きを放ったが

 

「はあっ!」

 

素早く返した諸刃さんの横薙ぎに押し返されて懐までの接近を許した結果、

 

「ぐほっ……」

 

鎧を簡単に突き破る突きを食らってクラッカーは戦闘不能になったが

 

「流れモチ!」

 

勝利の油断した瞬間を狙って拘束しようと考えたのかカタクリが能力の覚醒を使ったが捕まるより前に諸刃さんは空に飛んで武装色を込めたとぶ飛ぶ斬撃を放った。

 

カタクリは能力の使用を止めて土竜で斬撃を受け止めたがその隙に

 

スムージーへ接近した諸刃さんが峰打ちを打ちスムージーも戦闘不能。残りはカタクリだけとなった。

 

カタクリも得意の未来予知で攻撃を読んでいるのだがそれを上回るほどのスピードと手数の多さに内心勝ち目がないと思ってしまった。

 

「アンタ……強いな……」

 

「君も強いよ?それにまだ伸びしろもある。だけど君は無駄な動きがない分覇気を使わなくても読まれやすい。無駄がない分スピードも相当なものになるが……弱点を押し付ける方がいいと思うよ?」

 

「……」

 

そしてカタクリも倒されてしまったが最後の最後でリーチを活かした戦い方で抵抗したのが大分凄かった。

 

「ハーハハハ!凄いじゃないか!お前の嫁は!お前も負けないようにしねえとな!」

 

「ハハハ……そうだな……」

 

とビッグマムからトットランドを回ったらどうかいと言われて遠慮なくそうさせてもらうことにした。

 

とその時

 

「真司さん!」

 

「あっ、コアラ」

 

元革命軍で今や新政府の幹部であるコアラと再会した。

 

ビッグマムは七武海であるのでコアラがここにいてもおかしくはない。

 

「あっ!真司さんたちもお買い物ですか!?だったら……」

 

「うん?」

 

「わ……私とも一緒に回って……くれませんか……?」

 

「ああいいよ」

 

「えっ!?いいんですか!?」

 

「ああ」

 

コアラが突然後ろを向いた。

 

そのコアラは顔を赤らめて真司との買い物に心を躍らせていた

 

・・・・

 

コアラside

 

突然だが私は真司さんが好きだ。

 

あの人に助けられた……からともいうのもあるが、頂上戦争の際、ドラゴンさんをも巻き込むほどの大騒動を起こし、世界を変えてみせた。そんな彼の姿に惹かれた。でもこの時は気づいてなかった。

 

そして真司さんが元の世界に戻る際、多数の彼女がいるのを見て嫉妬する自分に気づいてわかってしまった。

 

ー私は真司さんが好きなんだと

 

でも私はそんな気持ちを伝えることもなく真司さんを見送ってしまった。

 

そしてこの気持ちが実ることはないのだと思うと涙が出てきた。

 

だけどまたこの世界に来るって彼は言ってくれた。

 

その言葉通り彼はやってきた。

 

なら今回こそ……彼に伝えなきゃ……!

 

・・・・

 

俺とコアラたちでメインストリートを回っている。

 

服屋に化粧品店などといろいろ回った。

 

町にある壁チョコなどを食べて待っている。

 

とその時なにか争う音が聞こえてきたので向かってみると

 

「魚人が生意気なんだよ!」

 

「ここでぶっ殺してやる!」

 

どうやら海賊たちが魚人が気に入らないらしくイチャモンをつけているようだった。

 

「やれやれ……しょうがないな……「待って真司さん」コアラ?」

 

「あの人たちは……私に任せてくれませんか……?」

 

「え……俺としては心配なんだけど……」

 

「え……?」

 

「当たり前だろ。コアラのことが心配だ」

 

「し、真司さん……はっ!でもやらせてください!」

 

うーん……まあ危なくなったら割り込むか……

 

それに心なしかコアラの顔が赤いからホントに心配だ。

 

「……わかった」

 

「ッ!ハイ!」

 

そして海賊たちの前に立つコアラ

 

「やめなさい!」

 

「はっ!人間なのに魚人の味方すんのか!?」

 

「ぶっ殺してやる!」

 

海賊たちは得物を持って向かってくるがコアラは反射神経で躱して鳩尾に一発ずつ入れていった。

 

「ねえねえ?真司君」

 

「なに?ねじれちゃん」

 

「真司君は……コアラちゃんのことが好き?」

 

「好きか嫌いか?」

 

そう言っているうちに最後の一人を回し蹴りで蹴り飛ばして倒した

 

と同時に周りから歓声が沸きおこる。

 

「う~ん……コアラのこと……好きっちゃ好きだな」

 

と俺が呟いたのを聞いていたのかコアラが

 

「し、真司さん!?なっ、いきなりなにを!?」

 

ものすっごい盛大に顔を赤くしてワタワタする。

 

あれぇ……これってもしかして……

 

俺が何かを言おうとする前に

 

「コアラちゃんは真司君のことが好きなんだよ!」

 

ちょおっ!?ねじれちゃん!?

 

「流石に真司君も気づいてたでしょ?」

 

「う、うん……」

 

「それで?真司君はコアラちゃんのことが好き?」

 

「え……それは……」

 

「女として!好きかってこと!」

 

「え……それは……」

 

「真司さん……?」

 

泣きそうな顔で見ないでほしい。

 

でもそんな顔にドキッとしてしまった。こりゃ認めるしかないか

 

「俺は……好きだ!コアラ!君のことが好きなんだ!女として!」

 

「真司さん……!ハイ!私も好きです!」

 

俺とコアラが抱き着くとともに盛大な拍手が起こった。こうしてコアラも俺の婚約者の一人となった。

 

・・・・

 

イセスマの世界に戻ってきてコアラのことを説明したら、皆に受け入れてもらえた。

 

そして子の世界じゃもうすぐ冬の真ん中になるだろう。

 

ちょうどコアラのために買ったプレゼントもあるしな。

 

俺とコアラは二人でデートしていた。

 

「寒いか?コアラ」

 

「ううん……真司くんが暖めてくれるんだもの……全然……」

 

俺は青のジャンバーを着てコアラはいつもの格好の上に赤のジャンバーを着ている。

 

そして目的の場所に行くために

 

「キャあっ!ちょっ真司!?」

 

コアラをお姫様抱っこしたが

 

「嫌か?」

 

「いえ……でも急にしないでよ!」

 

「ハハハ……ごめん」

 

<アタックライド、フロート!>

 

魔法障壁を張って空中飛行で目的の洞窟までたどり着く。

 

そこはブリュンヒルドで有名なデートスポットとして後に知られる場所であった。

 

中は暗闇でスマホの光だけで進んでいたが

 

「どこまで行くの?」

 

「もう少し……あっ!」

 

光のする方に行ってみるとそこは

 

「うわああああ……!すごい……!」

 

そこは洞窟の様々な入口から氷に乱反射されて光が屈折して鮮やかな幻想郷を生み出していた。

 

「来てよかっただろ?」

 

「うん!ありがと!」

 

そういってコアラが抱き着いてくる」

 

そして二人で座っていると

 

「真司くん……」

 

コアラが目を瞑って口を出してきた。俺はそれにこたえるように口を重ね合わせた。

 

そして10秒ほどの行為は終わってコアラが抱き着いてきた。

 

「あ、あとさ……プレゼントがあるんだけど……」

 

「え!?なにですか!?」

 

そして二つの雪の結晶のイヤリングを出すと

 

「なんか……ごめんね。こんなもんで……」

 

「ううん……そんなことない……とっても嬉しい……」

 

そしてイヤリングをつけたコアラが

 

「ありがとう真司君……」

 

雪の結晶の間で笑う彼女はまさしく雪の妖精のようだった。

 

この後ユミナやレイ子たちにもプレゼントを渡すと同時に彼女たちからのプレゼントの山が部屋を埋め尽くした。

 

・・・・

 

一方その頃、雪菜は

 

「焦凍」

 

「雪菜か」

 

焦凍の部屋に雪菜がやってくると

 

「雪……ふってるね……」

 

「ああ……」

 

お互いにぎこちない会話だったが

 

「外……出ない?」

 

「ああ……」

 

そして二人とも腕を翼に変えて気晴らしにベルファストの海岸まで飛んで行った。

 

「なんでここに来たかったんだろ?」

 

「それは……どこまでも見渡せるからじゃない?」

 

「…………」

 

「今は……まだちょっと先しか見えないけど……これからこの海が広いように……いろんなことが私たちを待っているわ。でも私たちならきっと乗り越えられると思う……」

 

「そうだな……」

 

そして二人が目を合わせると雪菜の方が早く

 

「焦凍!クリスマスプレゼントだよ!」

 

そこにあったのは今朝雪菜が編んだマフラーだった。

 

「もう離れないように……ずーっと一緒にいれるように……」

 

そして二人でマフラーを巻いていると

 

「……俺からもプレゼント……」

 

そして二つの箱から取り出したのは

 

「え……シルフの羽の枕にウンディーネの雫で作った化粧水?なんで二つも……」

 

「……」

 

「えっ?どっちが喜ばれるかわからなかったから両方?もう!どっちでも……嬉しかったよ?でもありがたくもらっておくね♪あっ……すごい……ベルファストじゃ雪がふるのなんて珍しいのに……きっと私たちを祝福してくれているんだね♪」

 

「……」

 

そして二人はお互いに手を重ねあい家に帰ると

 

「えっ?焦凍……一つになろうって……!いや、嫌じゃないけど……!うん……初めてだから……痛く……しないでね?」

 

こうして二人を祝福する雪をバックに二人は一つとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 




アンケートを行います!理由はこの作品のRー18版を書こうかなーって思ったからです!



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嫁候補決定と一悶着

「う……ん……。あ……」

 

俺は目が覚めると同時に昨日の出来事が夢じゃないと理解した。

 

前には楯無さん、後ろには簪がスゥスゥ……と寝息を立てて気持ちよさそうに寝ている。

 

どうしよ……となにかを考えようとしていた時

 

「やっと起きましたか?」

 

ハッ!?

 

横から聞こえてきた声に反応するとそこには

 

「真司さん。随分気持ちよさそうに寝ていましたね?」

 

「そうだね……」

 

ユミナとアインがこっちをジーっと見ていた。笑っているが目に光がない!怖え!とその時

 

「ふぁぁ……あ、真司くんおは……よう……」

 

「真司おは……よう……」

 

二人も起きると同時にこの修羅場に気づいた。

 

「あー……えーっとこれはだな、その」

 

俺が言い逃れをしようとした時、ユミナが笑うのを止めてハァ……とため息を吐くと

 

「わかっております。昨日の出来事でこの方々が真司さんのことを好きになったのも。そして真司さんが二人を受け入れようとしていることも」

 

ユミナの言葉に楯無さんたちは赤くなり、当の本人は静かに楯無さんの方に向くと

 

「そのうえで聞きます。楯無さん、簪さん、あなたは本気で真司さんについていきたいと思っていますか?」

 

「私は……うん!本気だよ!真司くんと一緒に添い遂げたいと思っている!」

 

「私も!お姉ちゃんと一緒に!」

 

ユミナは静かに楯無さんたちを10秒ほど見てアインとアイコンタクトをとると

 

「そうですか!なら私たちは真司さんの婚約者の同志として迎えたたいと思っております!お互いに助け合って夫を支えていきましょう!」

 

「ええ……ありがとう……」

 

楯無さんは笑っていたが

 

「えっ!?ユミナさんって真司さんの妹じゃないの!?」

 

そうか……簪は知らなかったのか……

 

俺の事情を簪にも説明すると

 

「そうだったの……」

 

「まあそういうわけでこの世界に来たんだ。騙しててごめんな」

 

「ううん……教えてくれてありがとう……」

 

こうして簪に楯無(後で教えてくれたのだが楯無は実家の当主の名前で本名は刀奈というらしいので婚約者だけの前では刀奈と呼ぶことにした)さんも俺の婚約者となった。

 

・・・・

 

「これから各機体の特性と装備についての授業を始める……と言いたいところだがその前に来週のクラス代表戦に出場するクラス代表を決定する。クラス代表とは、対抗戦の代表だけでなく生徒会の会議、委員会への出席もある。まあ、いわばクラス長のようなものだ。そして対抗戦は現時点でのクラスの実力を測るものだ。こういった行事はクラスの向上心を高めるのにも繋がる。自薦他薦は問わん」

 

「はい!織斑くんを推薦します!」

 

「私も!」

 

「あっ!じゃあ私は空野くん!」

 

「私も!」

 

「えっ!?ちょっ俺っ!?」

 

一夏がマジっすか!?みたいな顔をしている。まあしょうがないだろ……

 

「他にはいないのか?この二人で競うということで「納得いきませんわ!」

 

突如セシリアが声を荒げて机をバンっと叩き立ち上がった。

 

「そのような選出が認められていいはずがありません!本来であればクラス代表になるはずの私がただ珍しいというだけで無知な男にその座を取られるなどいい恥さらしですわ!このセシリア・オルコットにそのような屈辱を味わえと!?大体文化も後進的な極東の猿に……etc」

 

言うねえ……だけどその発言は日本に喧嘩売っているようなものだぞ。織斑先生を始めクラスの大半がセシリアを睨んでいる。はっきり言わせてもらうと愚かだな。どちらにしろ止めるべきかと思った時

 

「イギリスだって大したことないだろ?不味い料理しかないくせに」

 

「なっ!?貴方私の祖国を侮辱しますの!?」

 

「先にバカにしてきたのはそっちだろ!」

 

あの野郎!話をややこしくしやがって!

 

さすがに織斑先生も止めようとした時に

 

『バンッ!』

 

突然教室内に響く音。俺が声を発生させたほうを見るとそこには表情こそいつものままだったが目には怒りが籠っていたユミナだった。

 

・・・・

 

ユミナside

 

私は今多分、自分でも抑えられないぐらい怒っている。

 

真司さんへ侮辱とセシリアさんの発言に怒りを覚えたのもそうだが一夏さんとの言い争いで私の堪忍袋の緒が切れた。

 

恐らくだが私が机を叩いてなければ真司さんが止めていただろうがここははっきり言った方がいいでしょう。

 

「な、なんですのいきなり!」

 

どうやら彼女は自分の発言の重みをわかっていないようだ。織斑さんも目を丸くしていた。

 

「いい加減にしてください。これ以上国の確執を広める行為をしないでくれませんか?」

 

「ど、どういうことですの!?」

 

「わ、わかるようにいってくれないかな?」

 

「セシリアさん。アナタの立場は代表候補生。いわばあなたの言葉は国の言葉と取られるんですよ!それなのに貴方のさっきからの発言は何なのですか!日本に戦争でも仕掛けたいのですか!?それで本当に戦争になって国の人たちが犠牲になってもいいのですか!?」

 

「あ、あああ……」

 

どうやらやっと自分の立場の重みをわかったみたいだった。

 

「織斑さん。アナタもです。売り言葉に買い言葉……確かに仕掛けたのはセシリアさんですがそれに反応しては同レベルもいいとこです。もうすこし考えて発言してください」

 

「ううう……」

 

「私が言いたいことは以上です。織斑先生、急に発言して申し訳ありません」

 

「いや……本来なら私が止めるべきであることをおまえにやってもらってすまなかったな。礼を言う」

 

ふぅ……すこし荒げてしまいましたね……

 

とここでセシリアさんが

 

「私の発言で皆さんに不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした!」

 

「謝ってくれたからいいよ!」

 

「今度から気を付けてね!」

 

「気にしないで!」

 

「あー……俺も悪かった。すまない」

 

クラスの皆さんも許してくれるようだった。

 

「じゃあオルコットと空野、織斑の三人で来週の月曜日に代表決定を行うことにする」

 

織斑先生の一言で話が締めくくられた。

 

・・・・

 

あー……ユミナが声をあらげたのは珍しいな……まあそうでもしなきゃあれは止まらなかったからな……

 

「真司さん、先ほどは申し訳ありませんでした」

 

「いや、いいよ。ユミナの言うことも最もだったからな」

 

そして授業に入ると

 

「織斑、お前の機体だが専用機が送られることとなった」

 

「専用機!?ホントですか!?」

 

俺が勉強を教えた甲斐あって簡単な単語ならわかるようになった一夏。

 

「あれ?真司の専用機は?」

 

「空野は既に専用機を持っている」

 

『『『ええーっ!?』』』

 

まあディケイドの力だ。

 

そして授業も終わって昼休み

 

「真司いる?」

 

「お、簪」

 

簪が教室までやってきた。

 

「え?真司くんってかんちゃんと知り合いなの?」

 

「ルームメイトだよ。っていうか布仏さんも簪と知り合いなの?」

 

「私はかんちゃん専属の使用人だからねー」

 

そうだったのか。しっかしポワポワした子だなー……なんか和む。

 

「じゃあ皆で昼ご飯食べない?」

 

「いいのー!ありがとー!あと私たちの知り合いだけどお嬢様も誘わない?」

 

「お嬢様?」

 

「この学園の生徒会長だよー」

 

「もしかして楯無さん?」

 

「知ってるのー?」

 

「うん。部屋に忍び込まれたからね……」

 

「ははは……お嬢様ならやりそー」

 

「真司さん。レイ子さんの作ってくれた弁当がありますので皆で食べるには充分かと」

 

「なら生徒会室で一緒に食べない?」

 

「いいのか?」

 

「うん……お姉ちゃんも喜ぶと思う……」

 

「でも生徒会室ってどこだろ?」

 

「私が案内するよー」

 

布仏さんが先頭を歩いていき俺たちもついていく。

 

「ここだよー」

 

そして簪がノックすると

 

「は~い」

 

「お姉ちゃん。私。真司たち連れてきたよ」

 

「いらっしゃい。真司くん。ユミナちゃんたちも」

 

「貴方が真司君ですか。初めまして。本音の姉の虚です」

 

楯無さんと布仏さんの姉である布仏虚(うつほ)さんがいた。

 

「さ?立ち話もなんだから座って?虚がお茶淹れてくれるから」

 

虚さんの淹れてくれた茶を一口飲んだ俺は

 

「お……美味い……」

 

「ふふっ……それはよかったです」

 

「さ~て皆揃ったし昼ご飯にしますか」

 

『いただきます!』

 

レイ子の作ってくれた弁当は相変わらずの美味しさだ。

 

と楯無さんが

 

「ねえねえ真司君?これってユミナちゃんが作ったの?」

 

「いやこれはですね……」

 

レイ子たちのことも話すと

 

「へ~そうなの。しっかしそのレイ子ちゃんって子にも会ってみたいわね」

 

「私も!真司の嫁仲間として!」

 

「えっ!?なになにどういうこと!?」

 

「あっ、そうか……本音は知らなかったのね……」

 

虚さんは知ってたのか……

 

「えっ!?じゃあかんちゃんは真司君のお嫁さんなの!?」

 

「えへへ……うん……」

 

「それにしても驚きだなー……真司君が異世界の人だなんて~」

 

そう言っておにぎりを頬張る本音さん。口元にご飯がついてますよ……

 

「真司さん。代表戦は勝てそうですか?」

 

「勿論勝つつもりだが、負けを想定しない気はないな」

 

「真司くん。もしよかったら私が特訓してあげるわよ?」

 

「いいんですか?」

 

「もっちろん!旦那さんの頼みを聞くのも奥さんの役目だからね!」

 

大きな胸を張って扇子を広げる楯無さん。扇子には……『妻の務め!』と書かれていた。やっぱりすごいな……そのスーパー扇子

 

こうして一週間の間、楯無さんと訓練をすることになり、そして代表決定戦当日。

 

 

 

 



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強さとは

クラス代表決定戦当日、

 

この一週間俺は楯無さんにISの基本的な射撃や広範囲攻撃について再現してもらい対処の仕方をある程度学んだ。まあ大丈夫だとは思うがそれで天狗になったら勝てるものも勝てない。さてと……一夏はどうやって対処法を身に着けたのかな?

 

俺がピットで待っていると

 

「空野くん空野くん」

 

「なんですか?山田先生」

 

「織斑君のISがまだ届いていないので先にオルコットさんと試合をすることになりました」

 

「そうですか……わかりました」

 

俺が先にやることになるとはな……まあいいけどさ

 

俺がピットから飛び出ると

 

「あら?逃げずに来たことは褒めてさしあげますわ。ですがISも装備せずに来るなんて……舐めているんですの?」

 

まあ間違ってないわな。確かに普通なら今の俺は無防備に戦場に乗り込んだ愚者に見えるだろう。

 

「いや、俺はまだISを纏ってないだけだ。……変身!」

 

<カメンライド、ディケイド!>

 

二十もの影が重なって俺がディケイドに変身すると

 

「な、なんですの!?そのISは!?ふ、フルスキン!?」

 

「さあ……そろそろ始めようか」

 

そして試合開始のブザーが鳴った瞬間、俺が掌底を繰り出すとオルコットは吹っ飛んだ。

 

『試合終了。勝者空野真司』

 

あれ?思ったよりもあっけなかったな?

 

っと!それよりも

 

俺は倒れたオルコットの元へ駆けよると

 

「大丈夫か?」

 

・・・・

 

セシリアside

 

な、なんなんですの……!?私は試合開始と同時にライフルで彼を狙撃しようとしました。

 

だが引き金を引こうとした瞬間、私は壁に叩きつけられていました。

 

叩きつけられてから我に返ってふと放送席の方を見てみると織斑先生も驚愕の表情を浮かべていました……

 

当然でしょう。私もなにが起こったのか視認すらできなかった。

 

ここには私と彼以外はいないことから私は彼に負けたのだとようやく気付きました。

 

それと同時に自分がいかに弱い存在かを教えられたような気もしました。

 

代表候補生だからと得意になってた自分がいかに世界を知らない天狗だったのかも。

 

彼がISを解除して近づいてきたときには私はバカにされる……そう思いました。

 

私は彼のことを知らないのに知った風に彼をバカにしていたのだから

 

「大丈夫?」

 

え……?

 

「大丈夫か?」

 

「え、ええ……」

 

「それならよかった」

 

「な、なぜですの……?」

 

「うん?なにが?」

 

私は驚きを隠せませんでした。てっきり私をバカにしにきたのだと……そう思っていましたわ。

 

と俯いてると彼は

 

「あーそういうことね。別におまえが言ったことはもう気にしてないよ」

 

なっ!?どうしてわかったんですの!?

 

「貴方は……なんで私を心配してくれるんですか……?」

 

それが不思議で仕方ない。

 

「誰かを気遣うのに理由なんているか?」

 

「…………」

 

なぜですの……?私は貴方の敵だったのですのよ?それなのに……

 

彼に言葉を投げかけられるととても暖かい。これが……私になかった心の強さというやつなのでしょうか……

 

・・・・

 

ふぅ……牽制のつもりと殺さないように手加減して放った一撃だったがまさかこうも決まるとはな。刀奈に躱されていたから当たらないとでも思っていたがあいつも初見では当たっていたもんな。

 

それのせいかオルコットの奴すごい静かだったが、ま!いい薬になったっしょ!

 

とピットに戻ると

 

「空野……おまえいったい何をした?」

 

織斑先生と山田先生がこっちをじっと見てそんな質問を投げかけてきた。

 

「なにって……風圧を拳で飛ばしただけですが?」

 

俺が至極当然のように言ったが理解できていないようだった。あれ?

 

「真司さん、織斑先生たちが理解できないような表情をするのも当然です。風圧を拳で飛ばすなんて発想をする人物なんてそんな規格外真司さん以外そうそういないでしょう」

 

あっ、そうか。ユミナがそう言ってくれたおかげでわかった。

 

「つまり……おまえは拳から出る力そのもので風圧を作り出したということか?」

 

「あ、はいそうです」

 

「……これ以上は後にしよう。先ほどようやく織斑の機体が届いたので次は織斑とオルコットの試合だ。幸いなことに一撃で終わったせいかオルコットの機体はシールドエネルギー以外損傷はない」

 

ふ~ん……じゃあ気長に待ちますか……

 

 



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財団Xの戦い

遅くなって申し訳ない……!!


俺はアリーナの観客席で一夏とオルコットの試合を待っていた

 

ていうか視線がさっきからすごいんですが……まあ代表候補生を倒したのだから注目されるのは仕方ないんだけどな……

 

「真司さん、どっちが勝つと思いますか?」

 

俺の右にユミナ、左にアインが座っている。

 

「う~ん……普通ならやはり経験値が高いオルコットだが……一夏がバリア無効化攻撃を上手く決められれば……分からない……」

 

「でもオルコットさんは私と同じく遠距離特化ですよ?距離を詰められるか……」

 

「まあ、一夏が機体を最大限に活用できれば勝機はあるな」

 

そしてオルコットがアリーナに出てくると、一夏も専用機白式を纏って出てきた。

 

そして試合開始のブザーが鳴った時

 

「なっ!?」

 

アリーナにどよめきが起こる。何故かって?

 

「あれは……!」

 

突如オーロラカーテンが出現したからだ

 

その中から現れたのはクズヤミーにマスカレイドドーパント、ダスタードたちなどの怪人が現れた。

 

俺はすぐに織斑先生に連絡を取って

 

『織斑先生!直ちに生徒を避難させてください!』

 

『わかった!生徒たちに告ぐ!直ちに避難開始!これは試合ではない!』

 

織斑先生が告げると生徒たちが我先にと降車に逃げる

 

『空野!戦闘許可を出す!』

 

「はい!ユミナ、アイン行くよ!」

 

「はい!」

 

「わかった!」

 

俺がアリーナまでジャンプして降りる。そしてワンフォーオールを発動させて次々と初級怪人を倒していく。

 

「くっ!なんですの!?」

 

セシリアもライフルで応戦するがクズヤミーは耐久力だけなら他の初級怪人よりも上だ

 

「おい!そいつらに物理的な攻撃は意味がない!ブルーティアーズを使え!」

 

「えっ!?はっ、はいっ!」

 

セシリアはブルーティアーズのレーザーやミサイルで迎撃続けなんとか凌いでいた。

 

「やりますね。流石は幾つもの世界を渡った男……」

 

「誰だ!」

 

俺が振り向いた先にいたのは

 

「これは失礼……我々は財団X……この度は代表候補生のISを奪いに来ました……」

 

「財団X!?まさかおまえらも……」

 

「察しがいいようですね……そう。我らも世界を渡る術を身につけました。さてと……貴方相手ではそいつらでは少々分が悪いようですね……なら!」

 

後ろにいた財団Xの構成員が持っていたのは

 

「アストロスイッチ!」

 

それぞれがボタンを押すと怪人と化す。フォーゼの怪人ゾディアーツへと。

 

出てきたのは……スコーピオンゾディアーツにヴァルゴゾディアーツ、レオゾディアーツ……

 

「そうか……なら」

 

パチン!

 

モドモドの実の力で時間を止める

 

さてと……

 

「そう簡単には終わらせませんよ?」

 

なっ!?

 

時間停止の中で動いたスコーピオンゾディアーツが蹴りこんでくるが間一髪で躱す

 

どういうことだ!?時間停止が効いてないだと!?

 

「貴方が時間を止められることは百も承知……それなのに対策もせずに乗り込んでくるはずがないでしう?我々はオーズのスーパータトバコンボのメダルの力を利用して時間停止の影響を受けない装置を開発したのです……といってもこの装置がある限り我々も時間を止められませんがね……」

 

マジかよ……対策済みってやつか!

 

「なら……変身!」

 

<カメンライド、フォーゼ!>

 

「迸る……!宇宙の力が迸る……!」

 

スコーピオンゾディアーツが向かってくるが

 

<アタックライド、ホッピング!>

 

俺はホッピングアストロスイッチを起動して後ろに跳んで躱すと同時に

 

<アタックライド、マジックハンド!>

 

右腕のマジックハンドを使ってスコーピオンゾディアーツを掴んでヴァルゴゾディアーツに投げつけるとホッピングを解除して

 

<アタックライド、ロケット!>

 

右腕のロケットモジュールを起動させてレオゾディアーツに殴りつける。

 

だが大して効いてないようでカウンターを放ってくるが

 

<アタックライド、シールド!>

 

シールドでガードして衝撃を殺すために後ろへ跳ぶとスコーピオンゾディアーツが接近していたので俺は身体を反らして毒針の突きを躱して下から上へ蹴り上げると

 

<アタックライド、ジュピター!>

 

右腕にメテオギャラクシーを装着して重撃のジュピターを呼び出す

 

そして落ちてきたスコーピオンゾディアーツをアッパーを食らわせるとスコーピオンゾディアーツは爆発四散した。

 

<アタックライド、サターン!>

 

斬撃を放たれたヴァルゴゾディアーツはその場に崩れ落ちて爆発する。

 

とその時

 

「おい真司!あいつらはなんだんだ!?」

 

「なにやってるんだ!一夏さっさと逃げろ!」

 

「友達おいて逃げられるかよ!?」

 

「バカ野郎!これは試合じゃないんだ!マジの殺し合いだ!おまえがでていい戦いじゃない!」

 

「でも……!あっ!」

 

なんだ!?

 

一夏が声を上げた方を見てみるとオルコットがクズヤミーに飲まれそうだった

 

「くっ!」

 

オルコットを助けに行こうとしたら突然何かに吹き飛ばされた。

 

「チッ!クロックアップか!」

 

「流石ですね……!洞察力も素晴らしい……!」

 

<クロックオーバー!>

 

音声と共に現れたのは仮面ライダーダークカブトだった。

 

「…………」

 

とオルコットだったが一夏がクズヤミーを零落白夜で斬り捨てていた。

 

なんかオルコットの顔が赤いようだけど……もしかして!って言ってる場合じゃない!

 

ダークカブトか……面倒な相手だな!

 

と思ってた時

 

「真司さん!」

 

「ユミナか!」

 

ダスタードたちを撃破したユミナがレオゾディアーツをが銃撃で牽制してくれた

 

「あっちは大丈夫か!?」

 

「はい!アインさんが戦っております!」

 

「ユミナはレオゾディアーツを頼む!俺はダークカブトを!変身!」

 

<カメンライド、カブト!>

 

<チェンジ、ビートル!>

 

「「クロックアップ!」」

 

<<クロックアップ!>>

 

俺たちは一瞬でクロックアップして高速の世界に飛び込む

 

・・・・

 

ユミナはレオゾディアーツと財団Xの構成員と対峙していた

 

「ほぅ……もう一人のディエンドですか……君は確か異世界の王女だそうですね……幼くして見事な射撃能力だ……素晴らしいっ!その君を葬ればディケイドを絶望させることができそうだ!やりなさい!レオゾディアーツ!」

 

財団Xの構成員が命令するとレオゾディアーツが距離を詰めてきた。ユミナは銃撃で迎撃するが怯まずに向かってきて、右の大振りの攻撃を振るってくる。

 

それをユミナはしゃがんで躱して後ろに回り込んで回し蹴りを放つ。

 

レオゾディアーツは二、三歩後ろに下がるがすぐに向かってきたがユミナは後ろに跳んでハイキックを躱す。

 

「獣相手なら……獣です!」

 

<カメンライド、ガオウ!>

 

<カメンライド、ビースト!>

 

「お願いします!」

 

トリガーを引くとワニの仮面のライダーガオウと、ライオンの魔法使いのビーストが召喚された。

 

「さあ!ランチタイムだ!」

 

「お前……食われなきゃ分からないらしいな」

 

ガオウとビーストが飛び出してそれぞれの攻撃を振るうがレオゾディアーツはその攻撃を右に左に躱して口から咆哮を放って吹き飛ばす。

 

そしてビーストに接近してジャブを放っていくがディエンドの銃撃に怯んでビーストの攻撃をモロに食らう

 

「まだまだです!」

 

ビーストは指輪を入れ替えてビーストドライバーに翳す。

 

<GO!バッ、バッ、バッ、バ、バ、バ、バッファ!>

 

ビーストはバッファマントにスタイルチェンジした。

 

レオゾディアーツはそれでも尚向かってくるがマントを活かして闘牛士のように舞うビーストに中々攻撃が決められなかった。そして大振りの攻撃の際に体勢が崩れたのをビーストは見逃さずに地面にパンチを放って衝撃波をレオゾディアーツに与えた。

 

「これでフィニッシュです!」

 

<アタックライド、クロスアタック!>

 

<フルチャージ……!>

 

<セイバーストライク!>

 

<ファイナルアタックライド、ディ、ディ、ディ、ディエンド!>

 

「はあっ!」

 

ビーストの召還した牛がレオゾディアーツを怯ませるとガオウのタイラントクラッシュがレオゾディアーツを吹き飛ばす。

 

その先に狙いを定めていたユミナのディメンジョンシュートがレオゾディアーツを消し飛ばした

 

「やれやれ……まさかレオゾディアーツがやられるとは……あちらもやられてみたいですし……ここは引かせてもらうか……」

 

出現させたオーロラカーテンに飛び込む財団Xの構成員。

 

ユミナは変身を解除して真司の元に向かった

 

・・・・

 

ーユミナがレオゾディアーツを倒す少し前

 

俺はクロックアップの世界に飛び込んでダークカブトと肉弾戦を行っていた

 

流石というか天道総司を擬態としたライダーだけあって強い。

 

ダークカブトの右ストレートを左腕で横に弾いてカウンターを叩くも首を少し動かしただけで躱される。

 

そして右回りの回し蹴りを放たれるがしゃがんで躱す。

 

こうしたラッシュの打ち合いが続いていたが

 

(クロックオーバーすると同時にライダーキックすると見せかけ、その瞬間にクナイガンを連射、その隙にもう一度クロックオアップしてライダーキックを叩き込む!これで僕の勝利だ!)

 

(と……奴が考えているのはわかってる……だから敢えて術中にはまったとみせかけ……)

 

<1、2、3……>

 

<ファイナルアタックライド、>

 

<ライダー、キック!>

 

<カ、カ、カ、カブト!>

 

「ぜやあっ!」

 

「今だ!」

 

空中でクナイガンを撃たれて吹き飛ばされた俺、

 

「クロックアップ!」

 

<クロックアップ!>

 

そして後ろに回り込まれ

 

<1、2、3……>

 

「ライダーキック!」

 

<ライダー、キック!>

 

そして回し蹴りを放とうとするダークカブトだったが

 

<アタックライド、シャッフル!>

 

奴と俺の位置を入れ替えると当然奴が空中に放り出される。

 

「なにっ!?」

 

「ハイパークロックアップ!」

 

<ハイパークロックアップ!>

 

<オール、ゼクター、コンプリート>

 

「甘いな……」

 

<マキシマム!ハイパー!タイフーン!>

 

「ぜやあっ!」

 

「うわああっ……!!」

 

そしてダークカブトは塵と化した。

 

「ユミナそっちはどうだ?って倒せたか……」

 

「当然です!真司さん婚約者ですから!」

 

と変身を解除すると

 

「空野」

 

「織斑先生」

 

「学園長が話したいといっている。すぐに来てくれ」

 

「わかりました」

 

こうして俺たちは危機を脱した



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