八剣って、それはないでしょう! (ばうえもん)
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八剣って、それはないでしょう!

最初は原作知識途中までの憑依転生者のグダグダを書いていたが新刊を読んで急遽変更
タイトルはその名残


シガ八剣、それはシガ王国最強の聖騎士達の筆頭となる八人の剣士に送られる称号!

 

「八剣と言いつつ鎌とか銃混じってるぞ」とか、「盾は防具じゃない?」とか、「そもそも筆頭からして槍じゃねーか」とか言ってはいけない。

こういうのは様式美だからね、剣率低いとか思ってても突っ込んではいけないぜ、いけないったらいけないんだ!!

 

さて、シガ王国の武人の頂点たるシガ八剣、普通に考えれば勝ち組なのだが…、

読者視点となると途端に怪しくなる。なにしろ最初に登場したのがシャロリック・シガ、彼の華麗なる踏み台ムーブに「シガ王国最強(笑)」「これでシガ八剣って、それはないでしょう!」となるは必然。

自分聖騎士なんで随伴した事もあるが、あの無駄に自尊心が高いボンボンが剣飛ばしてドヤ顔してんじゃねぇよ!戦闘中に得物を手放すとか意味分からんわ!!

もう一つがゼフ・ジュレバーグのリザに対する上から目線、特に魔刃砲のくだりが滑稽過ぎるよ。

つーか他の人たちも武器はしょうがないけどせめて聖騎士らしい格好をしようよ。腹筋仕舞えよ!トゲとか必要なの?

 

シガ王国最強(笑)これなら俺でも勤まるわと胸の内で悪態つきつつ早数年。

魔王の季節も近いしそろそろ原作スタートかと内心焦りながら未だに聖騎士やってます。どうしてこうなった?

『剛剣』ゴウエンって誰だよ?えっ、昔は斧使ってたけどシガ八剣になってから大剣に変えた?

くっ、シガ八剣と言いつつ剣枠が少ないから書籍版でテコ入れ入ったのか!!読んでねーぞ!!!

いやまて、俺もカタナだから剣枠のハズ、リストラされる理由にそれは無い。『風刃』がどんな物かわからないので色々と足掻くうちに気が付いたら『絶刀』の二つ名持ちになってたのが悪かったのか?転生者がドヤると碌な事にならんということか?

それとも読者視点だとシャロリックが酷過ぎた上にヘイム位しか好感持てないからか?

なるほど、ヘルミーナに続いてテコ入れが入るのも頷けるというものだ。自分がリストラされる側じゃなければな。

 

シガ八剣、それはシガ王国最強の聖騎士達の筆頭となる八人の剣士に送られる称号!

俺の名はバウエン、原作知識を持つ非正規ルートの転生者で、シガ八剣の第六位で『風刃』という二つ名を持つ男になるはず(・・)だったしがないカタナ使いなのだが…

 

『絶刀』バウエン

 

銘が『鉋』なやたら頑丈な大刀を手に入れたので、大刀とくれば蜻蛉の構えとばかりにジィ・ゲイン流に手を出す転生者ムーブの末に、たまたま遭遇した下級魔族を一太刀で切り伏せた事から付いた二つ名だ。

どう取り繕っても『剛剣』ゴウエンの下位互換でした。筋肉で負けてるし是非も無いね。

 




続き考えて無いのでたいした意味はありませんがバウエン(笑)の仕様はユニークスキル無しメニュー無しの現地民仕様です。ただし手に入れた刀に転生者関与の疑惑有り。
この世界は正規の転生者の場合は神様(魔神?)のカケラの影響か体毛が紫色になるようですが、神様(魔神?)に会ってない非正規ルートの転生者(憑依)ですので外見普通な現地民です。


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デスマ世界はモブに厳しい世界です

バウエン(笑)の知識は14巻までです。
中の人は漫画脳、さらに太刀と大刀、示現流と自顕流の区別がついてません、半端な知識でごっちゃにしています。


尊敬する剣客は石動雷十太

リスペクトする剣客はガンリュウ・佐々木小次郎

推しサーヴァントはアサシン・佐々木小次郎

 

ロロノア・ゾロ?

自分常識人ポジでいくつもりなんで口で咥えるとか色物はちょっと(暴言)

 

 

尊敬とリスペクト同じ意味やんとかツッコミは要りません。つまりあれだ、なんか海波斬的な技が『風刃』じゃないかとにらんでるからこの二人は外せないのよ。アサシンは剣技だな、タイマンは強いけど逆に多対一とか乱戦苦手なのよ。それでゾロはあれだ、三刀流とか普通に無理だから。

ちなみにweb版のバウエンは技名がそのまま二つ名になっている存在だ。なるほど、『風刃』じゃない俺には価値が無いということか!!(錯乱)

 

理想はジィ・ゲイン流との相性が良さそうな斬り下ろしから放つ飛飯綱なのだが、web版の聖騎士団相手の模擬戦で使用していることから範囲攻撃の可能性が考えられる。とすると大雑把に二択、ガンリュウの空牙の様な水平に飛ばす斬撃か逆十字闘技(ハングド・クロス・アーツ)のソニックトルネードの様な切り裂く竜巻系統か?刃の字が入るから単純に暴風や衝撃波ではない切り裂く技だとは思うが。流石にベアマーダー流介の斬鬼剣は無いよな…いや、バキのガイアのトンでも肺活量からの音攻撃を考えると案外いけるか?(未だ錯乱中)

まて早まるな、思考がおかしな方向に向かいかけた。もう少し普通にいこう、ここは基本に返り侍らしい方向性で。

侍の強キャラだと石垣ウィザードリィが有ったな、鳳龍の剣技とかロストしそうで怖いんですけど、こっちの仕様で実際やるなら気ではなくマナになるから最悪気絶程度済みそうだな。可能かどうか検討の余地は有るか?

 

 

 

さて、現実逃避は此処までにしよう。これから短期間で急激なパワーアップとかモブには無理だ。

ヘルミーナ様の存在から書籍版だと当たりを付けていたが、彼女の第五位はweb版は迷宮都市編で空席になるものの、その時期なら既に自分もシガ八剣に就任しているだろうと考えから外していた。

しかし現状を鑑みるにシガ八剣関連は書籍で大幅にテコ入れ案件の線が濃厚、つまり自分の人生設計は最初から破棄していたんだよ!!!

 

ヤベーイ!

いや、本来聖騎士なんて貴族の家に生まれても家を継ぐことが出来ない長男の予備以下の立場からすればこれ以上は無い就職先ですよ、おかげで結婚できたしな!まさにカチグミ!ゴウランガ!ただしこの時期でなければな!!

勇者ハヤト・マサキ曰く難易度調整失敗したクソゲーが王都に襲い掛かる!そんな王都で聖騎士とか普通に死にそうなんですけどぉ!!

この先魔王が復活してもネームドキャラでサトゥーと友好的なキャラは安泰なんだが、逆にサトゥーの目の届かない場所のモブだと簡単に死んでそうだから怖い。

web版のバウエンは一連の騒動後も登場していたが、果たして聖騎士バウエン(モブ騎士)の場合は?

 

 

 

 

随伴ですか?なんでレイラス様が直接あっ…(察し)公都行きですか?

真面目な話自分とは噛み合わないでしょう、他の守備寄りの方々がいいんじゃないですか。攻め一辺倒の自分の剣技じゃご機嫌取りの接待は無理なんで他を当たって下さい。

ぶっちゃけ俺は初太刀で決めないと反撃食らうから基本一撃で仕留めるけど、あの人自分が主役で活躍出来ないと絶対文句言うでしょ。

もっとぶっちゃけるとクラウソラスって明らかに雑魚狩りか牽制向きですよね、絶対王祖様って魔法使い型ですよ。分身したクラウソラスで牽制して大魔法叩き込むタイプの。だから俺が攻めであの人が援護になら噛み合うんですが、あの人の気質的に絶対無理ですよね!!

つーわけで

 

なにやさぐれているのかですか?ちょっとその攻め一辺倒の剣技に行き詰まりを覚えていまして。今の方向性のままではシガ八剣への道は開けないなとか、いっそ聖騎士辞めて地方にでも引っ込むかとか、ムーノ領なら騎士待遇で雇ってくれないかなとか

 

ムーノ領ですか?人手不足であろう今だからこそですよ。この先ポストが埋まる前に騎士になって隊の一つも率いる立場になれれば将来的には名誉士爵も期待できますから。

 

早まるな、考え直せ?いや、決断するなら早い方がって、まあ、確かに疲れてますが。あっ、はい、休暇でも取ります。

 

 

……諦めてくれたか、シガ八剣入り出来なかった段階で個人的にサトゥーと接触ってのも考えてはいたが、

公都でアレ(第三王子)を窘めつつサトゥーに好印象を与えるとか無理ゲーだろ。シガ八剣の名を落とさないようにフォローするだけでも難易度高いのに。

レイラス様の苦労もわからんでもないが木っ端聖騎士を毎度毎度巻き込まないで欲しい。

寧ろ第一位、部下の手綱握るのは手前の仕事だろ!!何が「シガ八剣とは国を守る盾であり矛だ」だ、だったらアレ(第三王子)を野放しにすんなよ!!だから俺はお前を尊敬出来ないんだよ。

 

 

……落ち着こう、もう事態は動き出したからアレ(第三王子)は退場するだろう。

この先の騒動を考えるとマジで今のうちに休暇取るか?




バウエン(笑)は常識人ぶってますが上司(レイラス様)に結構暴言はいてます。
第三王子のお守りとか押し付けられたら是非もないネ
レイラス様は中間管理職(捏造)

続き考えてないと書いたばかりですが、原作の不満をぶつけると意外と書けるものなんですね。
不愉快な内容になるのが問題ですが。
ガウエン関係でもう少し書くかも、いい人なんでバウエンとは仲良い設定です。


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よくわからないけれどシガ八剣(候補)に転生していたようです

バウエン(笑)
大斬りこそ必殺技!!

ガウエン様
浮いたら最後、生きて地上に戻れるとは思わないことだ

二人の間には大体これ位差があります。


首置いてけ!!(挨拶)

 

 

旋風斬・烈風斬・渦旋斬

鳳龍の剣技で風を使うのはこれだけあるが、結局は斬り方の差で本質は同じと思われる。問題はそもそもどうやって風起こしてるんだ?性質変化か?

寧ろ風魔法習得して禁じ手の複合剣技を追及した方がまだ可能性があるかもしれん…

取り合えずは基本か、初歩の技だと爆裂波かな?魔刃砲の要領でいいんか?使えんがな!!!

 

いかん、同僚が可哀そうな人を見るでこちらを

 

「波!撃!弾!斬!陣!」(ヤケクソ)

 

 

今となっては随分と昔の事に思えるが、前世の記憶に目覚めた当時はそもそもどんな経緯で転生したのか分からず、取り合えずなんらかのチートを持ち合わせていないかと色々と試したモノだ。

そう、当時も家族や使用人からこんな視線を感じたものだ。(震え声)

 

 

 

あっ、ガウエン様お疲れ様です。

ええ、明日は非番ですが、飲みにですか?もちろんお供します。今日こそどちらの嫁が可愛いか白黒つけましょう!!

おいコラ手前ら逃げんな!!せっかくガウエン様のお誘いだぞ!!家庭を持つのがいかに素晴らしいかを教えてやろうというのに!!!

 

すみません、若い奴らはまだまだ遊び足りないなどとほざいていまして。実に嘆かわしい!!

えっ?今日はサシで?あー、レイラス様ですか。

 

すみません、ご心配をおかけします。

いや、まあ、なんていうか色々と行き詰まってしまって。どうにも失敗した感が有るんですが、ここまで来て今更どうしたものかと。

剣と刀の差はありますが大剣使いとして一撃必殺と言えば聞こえはいいですが、ガウエン様の超絶コンボを見ますと…あー、連続技というか隙のない連続攻撃の組み立てですね。

魔物の相手なら攻撃力の高いジィ・ゲイン流は悪くないですが、仕留めきれず反撃を食らいそうになることが無いわけではありませんし。ましてや同格以上の人間相手だと当然躱されますから。対人を意識するなら小回りの利くスィン・カァーゲ流かテンネンリー・スィン流に師事すべきだったかなと……

 

えっ?ジィ・ゲイン流の使い手に会った事あるんですか?そういえば以前はサガ帝国で冒険者をしていた時期もあったんでしたか。

自分のと違う?ちゃんと初太刀以降の流れが有った?嘘だッ!!!ああ、すみません。余りのショックで言わなきゃいけないと神様から啓示(電波)

ホントすみません、だからその可哀そうな人を見るでこちらを見るのは……

 

 

 

今帰ったぞ~!!客室の準備してくれ!!

 

さっ、ガウエン様、狭い家ですがどうぞ。

……すみません、それ娘じゃなくて嫁です。後の二人も嫁です。(目逸らし)

三人とはどうりで嫁の人物像がブレブレで掴めなかった?脳内嫁かと思っていた!?

人を可哀そうな人みたいに言わんでください!!……騎士団もそう思っている奴が多い!?

あっ、すんませんごめんなさい騒がないから許してください。飯抜きは勘弁して下さい。

 

 

 

酷い目にあった……いや、現在進行形で同僚に酷い誤解を受けてる!!

こーなったら人間関係リセットするためムーノ領行くしか!!

 

しかしジィ・ゲイン流に初太刀以降の太刀筋が有ったとは……、前世の記憶で示現流は初太刀のみと思い込んだ結果か。(震え声)

困った、宮勤めではそうそう長期休暇とか取れないから本場のサガ帝国で修行をというわけにはいかないか。

だが何も手が打てないわけじゃない。この先確実にジィ・ゲイン流の使い手に接触出来る機会が二回有る。公都と迷宮都市でサトゥーにカジロが雇われるからだ。

こうなると非常に嫌だがアレ(第三王子)に随伴して公都行きも視野に入れるか?上手く行けば闘技場で雑魚狩りして経験値も稼げるか?

まぁ、今は寝てアルコールを抜こう……




中の人は漫画脳、示現流と自顕流の区別がついてません。

元々書こうとしたヤレヤレ系「八剣って、それはないでしょう!」の名残、お嫁ちゃんズ
運搬人→メイド→斥候探索者→メイド→お嫁ちゃん
幼(合法ロリ)、小(合法ロリ)、成人(最近成人した)
バウエン(笑)は常識人ぶってますがロリ嫁を娶る転生者ムーブをしていた模様


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休暇中だけど駐屯地にいったら公都につれてかれた

聖騎士のバウエン(笑)は、駐屯地に行って面倒そうな求人を見つける。【剣と魔法の武術大会で随伴任務。長期間、泊り込みのできる方。月給25万+歩合給】――すぐに踵を返し、直後拉致られる。だがその随伴任務は強制だったのだ。契約により強制的に公都送りにされ、生き抜くためのチートを持たないバウエンだったが、衝撃の事実を告げられる。「この公都で魔王が復活します」――ただの聖騎士に世界の破滅は回避できるのか!?


ちぇりおぉぉぉぉっっっぉぉお!!!(言葉に出来ないなんやかんやを込めて)

 

 

テニオン神殿に着いたので神殿の方に挨拶をしてきますと第二位(第三王子)一行からしれっと分かれる。

今頃第二位(第三王子)がサトゥーに絡んでる頃かなぁと思いつつ神殿の責任者の方にご迷惑おかけしますなどと話をしていたら広場にて騒ぎが。

王子の身に何か!!などと白々しいセリフを吐きながら飛び出し、目に付いた魔族っぽい物体に八つ当たりを自覚しながら飛び込む←今ここ

 

硬っ!!

障壁か?刀が少し横滑りした!?久々に仕留めそびれたぞ、あっ、コレ鳥の巣ちゃう?

やっちまった、まぁ、羽虫が減って若干巻き進行になるくらいか

等と考えて動きが止まったのが運の尽き、もう一体の触手魔族に捕まり男の触手攻めなんて誰得!!などとボケる暇もなく宙を平行にぶっ飛ぶはめになった。防御呪文無きゃ死んでたぞ。

 

死んだふりしつつ第三王子を観察。やっぱ第二位は伊達じゃないか、少なくとも俺よりは強い!

が、アレ確か下級魔族なんだよねぇ、アレに苦戦してるようでは勇者を名乗るには全然足りんな。

本人なんか口上始めたから中級か上級と勘違いしてんのか?下級相手に「さすまぞ」とか笑うわ

さて、治療途中だが体動くようになったから少し手伝うか。問題はこのまま寝てても援護しても文句言われそうな事だなと、

限定奥義「報復絶刀(笑)」報復だけに自分をぶっ飛ばした触手魔族に全力の瞬動で平突きをぶち込み壁に縫い付け離脱。リーングランデ様後は頼んますとダウン。王子?知らんがな、鳥の巣は障壁硬いからな。(目逸らし)

 

 

 

有難くも第三王子から嫌味を頂きつつ、呪文で自己治療の続きを行う

第三王子が出ていった後ペンドラゴン卿に詫びを入れる。なんで未だ居るのって感じで笑顔だけど目笑って無いんですが。リーングランデ様に至っては不機嫌な顔隠しもしないしな。アリサ嬢の顔も険しい。あれか?一瞬ルル嬢に目を奪われたのを誤解されたか?いや、ピンチこそチャンス!!

 

そちらの美しい黒髪のお嬢さん、お名前を伺っても。

 

ってサトゥーカバーに入るの早っ!だがセーラ様が所在なさげに手を上げていたのが目に入ったので思わず素で彼女はいいんですか?と返してしまった。

 

彼女ではありませんって、君、鈍感系の振りして誤魔化してるのかい?セーラ様はあきらかに君を頼りにしてるよ。

 

と、敢えて場を混乱させるためリーングランデ様を煽るセリフを吐いて介入させてサトゥーを牽制、その隙にルル嬢の髪を誉めつつ口説き掛かるが

アリサ嬢がカバーに入り何か喋るが良く聞き取れず呪文かと思わず全力で間合いを取り防御態勢。

きょとんとした顔が目に入り勘違いに気付き素直に呪文かと思って身構えたと白状すると、向こうからも詫びられた。

 

これで全員の気がそがれたのか空気が緩んだので、再度詫びを入れついでとばかりチームペンドラゴン全員の髪を手入れが行き届いていると誉め、伊達男を気取りルル嬢の髪にキスしようとしたところサトゥーが抜剣したので退散。こえーよ

 

 

後ろからルルを口説いていたから転生者かと思って鎌かけに日本語で話しかけたと呟きを拾えたのは警戒用の風魔法のお陰か、生まれてこの方使ってないので急に話しかけられても日本語だと理解出来なかっただけなんだがな。まぁ、悪く無い引きだと思うよ。

 

 

 

さて、当初の予定どうり武術大会の会場を張ってなんとかカジロ殿に接触出来た、ただし公都行き自体は予定外だけどな!!

流石に今回は休暇中に拉致同然に連れて来られたから少しばかり自由時間を貰ってもいいですよね!!レイラス様!!!

と休暇をもぎ取った、これであわよくばチームペンドラゴンに混じってカジロ殿に教えを乞うのだ!!

 

 

自分の習ったのは厳密にはヤ・クスィ・ジィ・ゲイン流ですか?

なるほど、分派があったんですねー、ほんと、カジロ殿に会えて良かったです。

などと獣娘達に混じり鍛錬の日々、仲良くなったぜ。ルル嬢には近寄らせてくれないがな!!




ヤ・クスィ・ジィ・ゲイン流は捏造です。
バウエン(笑)は黒髪スキーです。


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デスマーチの破滅フラグしかない聖騎士に転生してしまった…

前話に続き書籍6巻の出来事です。
今更ですが最低でも書籍読んでる事前提なので状況の描写や登場人物のセリフすら省いています。
面白いからweb版と書籍の両方とも読もうね。


戦って、死ね。(挨拶)

 

 

自分現在監禁の中です。ちなみに入口でこちらを申し訳なさそうに見ているのはレイラス様。

減刑の為に色々と骨を折って下さってるのは分かりますが、そもそも休暇中の自分を拉致って公都無理やり連れて行き巻き込んで下さった方でもある。

必然視線がジトリと湿ったモノになるのは理解していらっしゃる模様。ぶっちゃけレイラス様がシガ八剣でなければ隣室の住人になっていたのではなかろうか。

別に犯罪犯したわけじゃないからな!!

 

 

公都行きに乗り気じゃなかったのは、この現状を逃れる方法が重症を負うかエナジードレイン食らうかと自分も第三王子同様に引退レベルの被害に遭うぐらいしかないことだ。

王子の随伴なんて当然有事の際の護衛も兼ねてるからねぇ、王子は引退なのに同じ現場に居て復帰可能な怪我で済んだとかそりゃ突き上げ食らうわ。現場に居ないなら今度は何故居なかったと言われるがな!!ホント王子の随伴は地獄だぜ!フゥハハハーハァー

 

 

自分で言うのもなんだが結構頑張ったよ。真っ先に動いたし。知ってたからだけどな。因みに最初に退場したのも自分だ!!

武術大会決勝戦当日の闘技場、王子とリーングランデ様のエキジビションに魔族が乱入!!

魔族に魔物を召喚されて観客がパニック起こしたので、手近な一刀両断出来そうなサイズのヤツを態と大きな音を立てつつ叩き切り、拡声の風魔法で聖剣を持った王子が居るから大丈夫だとカケラも信じて無い嘘をツキ。大会参加者達に新たな伝説を作る為共に戦えと煽り、護衛は勤めを果たせと喝を入れた。

王子も自分が新たな勇者になると微塵も疑って無いので、この状況に酔いしれて自分が魔族を倒すから雑魚を近づかせるなと乗ってきた!!計画通り(超悪人面)

 

 

でも、まぁ、言われるわけだ。戦って、死ね。(震え声)

 

 

空気読みすぎな大会参加者達が碌にダメージ与えられない王子を見て、ここは任せて王子の援護をと気を利かせてくれた。煽った手前否とは言えずと魔族に突撃しましたとも。

取り合えず気配消しつつ瞬動刻んで踏み込み、三歩目で床へこませそのパワーを乗せた平突きをぶち込むも障壁で防がれた。だが高位の魔族はこちらの無力感で恐怖を煽るため遭えて攻撃を受け、反撃も甘い傾向があるのは原作から分かっていたので、回避はせずにそのままさらに瞬動を使い踏み込み障壁をぶち抜く!!

障壁で落ちた勢いをさらなる瞬動で補い腹に突き入れた。本来は此処から抜かずに刃の方に振り切るのだが、そこは会場の空気読んで……

 

今です!王子!!

 

って、口上いいからはよ攻撃しろ!!と真っ青な顔してたと思うよ。黄色魔族が俺のことを実にいい顔で笑って見てたから。そこで記憶が途切れた……

 

 

 

気が付いたら治療…されてない!?あー、瞬動を強引に止めて踏み込み替わりにしたから足が酷いことなってる。復帰にどれ位かかるかしら。

治療は、えっ、このままですか?死にそうに痛いというか後遺症とか怖いんですが。重症の方が後々問題になり難い?なるほど、王子が無事じゃ無いんですね。(すっとぼけ)

 

で、冒頭に至る。流石に最低レベルの治療はされました。動けんけどな!!

 

 

こまったことに国を守る最高戦力たるシガ八剣第二位(第三王子)が碌に活躍できずに敗北同然。実質王祖様が魔族を倒したようなものだが、止めを刺したのがサガ帝国の勇者というのが不味い。

一応、魔族に(俺が)手傷を負わせるも力及ばず敗れた第三王子は蘇った王祖様に聖剣を返却し後を託したとも言い張れない事も無いが……

 

まぁ、なんにせよ誰かが責任をおわにゃならんという話だ。

シガ八剣第二位が欠けた状態で更に守りに要のレイラス様まで失う訳にはいかないので、必然レイラス様の進退に影響が出る程の責は問えない。

となると、現場に居た二名の聖騎士がやり玉に挙げられる訳だ

 

 

バウエン(笑)は犠牲になったのだ……古くから続くシガ八剣の伝統……その犠牲にな……




勇者ナナシの口添えでバウエン(笑)は謹慎程度で済んでいます。
会場の混乱を収めて掌握した手際を見られた所と、訓練で仲良くなった獣娘や口説いてくるのは困るが仲間以外で自分に好意的な人なので嬉しいルルの為です。
バウエン(笑)は原作知識からリーングランデ様から手柄を奪う転生者ムーブをしていた模様


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刀好きの下剋上 ~シガ八剣になるためには手段を選んでいられません~

何時にもましてタイトル詐欺ですが、傍から見るとそう見えなくもないです。
幸いバウエン(笑)をよく知る人が「ないわー」「ヤツにそんな計画性も知性も無い」とフォローしてくれます。


神に祈りをY

神に感謝をorz

 

 

ベッドの中で魔法で自己治療中

同行していた神官は王子に付きっきりなのだそうだ。

流石にレイラス様は優先して治療されたが自分は後回し。まあ骨折とか無いので大丈夫とか思ってたら黄色魔族にぶっ飛ばされた時は結構ヤバそうだったから運び出された後ポーションで治療されたそうだ。レイラス様が回収してくれた『鉋』を渡しながら事の顛末を話してくれたが、だいたい原作どうりだったようだ。違いはレイラス様の代わりに自分が退場した事だ。(震え声)

 

 

翌日王都から来た偉いさんから聞き取りを受ける。第三王子を推す派閥からの八つ当たり気味のなんやかんやを覚悟していたが、始終穏やかな調子なので逆に不安が増した。

表情に出ていたようで、かなり上の方から程々にとあったそうで、レイラス様と同じく謹慎で済ませる予定と教えてくれた。

可能性としては勇者ナナシが口添えしてくれたか?サトゥーに嫌われてはいないようで一安心だ。

 

 

その後、入れ替わり入ってきたお年を召した公都の神殿の神官様が治療をしてくれた。ふむ、流石に本職の治療は違うな。

ベッドから降りて体の調子を確かめがてらY orzの祈りコンボを決める。完璧だ。

レイラス様に何をしているんだとうさん臭げに見られたので、体を動かして足の調子を見てましたとすっとぼけたら

神官様に良い感謝の祈りですねと声を掛けられたので、元日本人らしくあいまいな笑顔で誤魔化した。誤魔化せたよな!?そもそもあんた何処の神殿の神官だ!?

 

 

若干混乱しながらもサトゥー及びチームペンドラゴン宛てとカジロ師匠宛てに別れの挨拶の手紙を認める。こうなっては王都に帰らないといけないからだ。

ついでに適当な商人を紹介して貰いサトゥー宛てにそこそこ良い肉とシガ酒を送っておく。サトゥーならカジロ師匠も交えて宴会で食べるだろう。

 

 

急な別れとなったが、これで彼らとは暫くは会うことは無いだろう。迷宮都市編はいまいち絡み辛いからな。

ヘルミーナ様に随伴するのは防御主体の騎士(肉壁)で自分はお呼びで無い。仮に無理に付いて行っても到着の翌日に調査に出発と強行軍な為にカジロ師匠に教えを乞う暇が無い。

個人的に長期滞在出来れば一番良いが今は大人しくしておくべきだろう。

 

 

 

それから結構な月日がたった。

当初は『風刃』の探究をしていたはずが、魔族の強固な障壁を抜く為の突きを忘れん内にと反復練習、何時の間にか突きを主体としたスタンスにシフトしていた。

元々『鉋』は突く為の刀だから妙にしっくりきて、更にのめり込む事になったんだが……魔族を射抜いた『牙突』バウエンってなんだよ!!そもそも実戦で使ったのは公都のなんちゃって『無明三段突き』 だけだよ!!

なのに槍使い差し置いて『牙突』とか如何にもな二つ名とか勘弁して下さい。槍使い組みの妬みの視線で死にそうです。

 

色々と鬱陶しいが特にジャゴウの奴がうぜぇ、思わず手前の槍なんざリザ殿に及びもせんわ!!と煽ってしまった。

そういやweb版だとミスリル証を手に入れた後にケルンと戦ってたよな。大丈夫だよな、いきなり迷宮都市に行くんじゃないぞ、さすがに序盤だと勝敗は微妙かもしれん。

 

 

などとグダグダな日々の中ミスリル探索者達を乗せた飛空艇が墜落したとの報告が入った。

なんだ?何が起きてる?そういえば赤縄模様の魔物の噂を聞かんぞ。俺は何を見落としてる?俺は何を忘れてる?俺は何を知らない?




バウエン(笑)はweb版原作知識が役に立たなくなってきたので焦っていますが、それ以上に深刻なのが……
バウエン(笑)は『牙突』は名前負けしてるので『射抜き』くらいで勘弁して欲しいと思ってます。


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八剣って、それはないでしょう! みそっかす

「悪夢(ゆめ)」は 「現実」に。
これは、僕が最低なシガ八剣になるまでの物語だ。


立場上無闇に動くわけにもいかずジリジリと焦りを募らせていたところ、駐屯地に訪問者が現れた。獣娘達による道場破りですね。わかります。

原作知識云々じゃなく公都で一緒に修行した時と比較して、こちらも修行は続けていたつもりだがずいぶんと先を行かれていると思い知らされる。

魔刃一つ見てもヤバさが際立つわ、派手だと一見強そうだけど転生者的には制御された力の方が強いってのが相場だから。(漫画脳)

俺?最近漸く安定してきたよ。『鉋』じゃないと未だ安定せんで無駄にバリバリ発光するけどな。

 

ジャゴウとリザ殿の勝負が付いた所で挨拶に行く。ヘルミーナ様がサトゥーをインターセプトしてくれたのでルル嬢の隣にさりげなく腰掛けようとしたが。ポチタマに纏わり付かれて敢え無く失敗。第一位とリザ殿の試合を見ながら公都以降の話を聞くが……試合の激しさにルル嬢の可憐な声色も耳に残らない。つい、もう勝てないなと漏らしてしまった。

チームペンドラゴン(-1)の視線を集めてしまい恥ずかしくなり適当な事を言って退散。それはともかく、なんでヘルミーナ様がドヤ顔するんですかねぇ。

 

 

まぁ、その後は特に語る事もなく個人的には順当と思われる結果で模擬戦は終了した。

このまま何も起きないわけには行かないだろうなと憂鬱に空を見上げたが、それでも彼らの強さから自分は楽観していたのだろう。

世界には強くてもどうにもならない事もあるというのに。未だ創作物の世界だと思いが消えていないからか、どんな連中が来てもサトゥー達が何とかしてくれると。

 

 

その後に起こった事件には全く関わる事が出来なかった。知らないうちに始まり、終わり、話を聞いたのも全ての沙汰が済んだ後だった。

 

なんだよ、それ、俺がシガ八剣の地位じゃないにはこの為か!!

ガウエン様はこんな事になる為にシガ八剣の地位付いたのか!!

ジャゴウだって嫌な奴だが、それが死ぬ程悪い事なのか!!

 

サトゥーが悪いわけじゃないけど、全てはサトゥーに敵が必要だから起きた事なのかという思いが消えない。

 

これで俺がシガ八剣に推挙されれば最悪だ。

そして、それがサトゥー達上位の候補が受けないからという消極的な理由で実現しそうだ。

 

ガウエン様、やめて下さいよ後は頼むとか。

自分じゃ無理ですよ。

無理でもヤレですか。

 

わかりました。

世界は誰だって、何時だって、こんなはずじゃなかったばかりだ。

こんな形でシガ八剣って、それはないでしょ。恨むぜ、神様(作者さん)




急な鬱展開で終了
書籍読んだ人なら避けられない結末と予想は付いたと思う。憑依転生者程度では話に関わることすら出来ませんでした。


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来訪者(ディザスター)
噛ませ犬な聖騎士は今日も頑張って生きてます。


ヒロアカ連載の方の下書きを上書きしてしまったので初投稿です。




 

「えっ!?」

「ん?」

 

夕闇迫る時刻、王都の市場を行き交う人々の間からその様な声が聞こえた。

 

道端で立ち止まる二人の男を迷惑そうな表情で眺めた通行人達だったが、二人が発する謎の圧力に当てられ動きを止める。

 

普段は人々が奏でる喧騒で満ちる王都の路地、同じ顔した少年達の間に満ちる緊縛感を感じて野次馬達は想像逞しく二人関係を推察する。兄弟だろうか?

剣呑な空気から二人の関係は決して良いものではないのだろう。

 

そんななか騒ぎに気付いたのか警邏中の騎士の一団が駆け付けて来た。

そして異様な雰囲気の二人を窘めるべく声を掛けた騎士はかたまった。

 

「おい、今のピリピリした王都で揉め事なんか起こしたら要らぬ嫌疑を掛けられるぞって、お前ストライプか? 何時迷宮都市から来たんだよ…お前双子だったのか?」

 

「あー、悪いけどそのストライプっての多分あっちだから」

 

「…失敬」

 

固唾をのんで成り行きを見守っていた周囲になんとも言えない気不味い空気が蔓延する。気勢をそがれたのか剣呑な気配を収めた斥候職らしき男に今度こそ久しぶりだなと聖騎士バウエンは声を掛けるのであった。

 

 


 

噛ませ犬な聖騎士は今日も頑張って生きてます。

 


 

久しぶりに迷宮都市時代の知り合いに会ったら二人に増えていたでゴザル

よく見たら同じ顔でも表情とかに違いが結構出ているから区別は付くんだけど。

 

その知り合いのそっくりさんは『ヨウォーコ・スィマァー』と名乗っている。この世界で稀に聞く日本語崩した響きは召喚勇者の子孫だろうか?

そういえばストライプも地球で縞模様って意味だっけか、この二人案外同じ血筋かもしれんな。

 

さて、近くの警備隊の詰め所を借りて話しをした所、ストライプの方が一方的に相手を警戒した結果相対したヨウォーコ・スィマァーも当てられて臨戦態勢になったそうだ。

ストライプは迷宮都市でも割と警戒マックスって感じだったし誰かに追われてたりするのかね?

 

誤解?も解けたのか二人は情報交換をしているんだが…

ホウホウ、ムーノ領から来たのか。今のムーノ領ってどんな感じかね? ペンドラゴン士爵に会った事があるんだ、だとすると俺が公都で会う前かな。

一言で言うとヤバイ? あー、うん、チームペンドラゴンってその頃から強かったんだね。でもそれが分かる君もそこそこ出来るよね。

入れ違いでセーリュー伯爵領へ行ってたからムーノ領の現状はわからないか、その後はレッセウ伯爵領方面から王都、この後は迷宮都市目指してね

 

でっ、ストライプは何時から王都に居るんだよ? 数カ月前にヤバイ奴に目を付けられたから逃げて来た?お前何したんだよ?

はあ、人違いらしいって…「お前かー!!」

 

ダラダラと汗をかくヨウォーコ・スィマァーにふと目を向け、俺と同じ結論に至ったのか彼の襟首を掴み叫ぶストライプ、お前気付いて警戒してたんじゃないんかい!!

 

 

とりまこんな場所で騒ぎを起こされるのも迷惑なので二人を引きはがしてストライプを落ち着かせる

んで、なんでそのヤバイ奴とやらに目を付けられる事になったんだ?

 

「いや、ちょっと俺がムーノ領に居た時にねぐらにしていた廃棄された砦跡を譲ってくれって頼まれたんだがな、ぶっちゃけ俺の物でもない場所を自分より強い奴に譲れって言われちゃ抵抗出来んだろ。相手の意思はともかく実力差を理解出来る俺にしてみれば脅迫と変わらんわ」

「んでちょっとムカついたんで嫌がらせに拾って面倒見ていた奴隷込みで渡した」

 

「ああ、そういや俺に最初に声を掛けてきたのも身綺麗にしていたけど奴隷だったな。つまりその奴隷がお前に会いたかったんじゃないのか?」

 

「ん~、あの姉妹にゃ特に悪さとかしてないし恨まれる筋合いはないと思うんだが」

 

「それじゃ奴隷を押し付けられた主人の方かね、その奴隷に何か問題があったんだろ」

 

「ああ、俺は別に気にならないんだが姉の方が器量が悪くてな、あと妹は忌色だったな」

 

「それって要するに意趣返しに質の悪い奴隷をお押し付けたって事だろ、やっぱり要らんから返そうってはらか?」

 

「住むところがあったから面倒みれたけど、今は旅するのに邪魔だから要らんな」

 

「お前にしてみればそうなるか。俺も自分の面倒みるので精いっぱいだからわからんでもないな」

 

オイコラ!どっかで聞いた話じゃないか!!

これ確実にペンドラゴン士爵とルルさん姉妹の事だろ、しかし俺の記憶と違うって事は書籍ともwebとも違う第三のルートか?

そういやエイプリルフールif短編とかあったし、ループ説もあったよな。そう考えるとこの世界も派生の一つか?

 

「今は王都に居るそうだな。下手に出会ったら面倒事になるしさっさと迷宮都市へ向かうか」

 

「そうだな、理由も分かったし俺も戻るか。一緒に来るか? 案内するぞ」

 

「なんか巻き込んで悪いな。お貴族様が今更奴隷の一人や二人面倒見きれないなんて言ってきてもそういう取引だったから突っぱねるけどな」

 

そう言いながら俺を置いて二人は出ていった。

……はっ!? 逃げられた!!

 




地味に別連載とリンクしています。
ダーク横島の対神呪法やメニューシステムはこのルートで得ています。


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クズ人間の俺がシガ八剣と呼ばれている

停電でセーブしていなかった書きかけの序盤が消えてしまったので初投稿です。




 

横島、数多の世界線の横島忠夫が統合する事によって生まれた、複数の魂を縒り合わせた末に創世神の領域まで到達した存在。

何らかの理由によって虚数空間を漂う横島忠夫のうち、帰る場所が無い者、帰る気が無い者、既に死んだ者、生きる意味を無くした者、数多の平行世界で生まれた敗者と負け犬の魂が一つになったのだ。そこは時間が存在しない場所故に生まれた時点で終わっていて、完成しているのに未だ成長し続ける存在がそいつだ。

 

その存在は自分のような被害者をこれ以上生み出さない様に数多の世界の横島忠夫へ向けてメッセージを送った。

この先試練の時を迎える横島忠夫はどうか俺達の元へ来なくて済む様にと。

 

だが究極で、到達点で、主神級を超える領域にあってもどうしようもなく負け犬で敗者なソレは下らない敗北を重ねてしまった。

ようするに横島忠夫はまた失敗したのだ。

 

 


ねんがんの てんせいしゃのちからを てにいれたぞ


 

「俺の居た世界は霊的エントロピーが極端に低い為かそもそも神魔という存在が無くてな、ソイツが危惧したような事態は起きる事は無いんだ。

なのに世界が受け入れられない量の霊力をぶち込まれれば世界が崩壊しかねない。だから世界は自分を守る為に霊力を得てしまった人間を(/承)の文珠が現れた時に開いた穴から弾きだしたんだ」

「つーわけでソイツが余計なマネをしくさったお陰で、俺はこんな目にあっている」

 

かなり端折ったが説明終了、実にバカげた理由で俺はここに来てしまったのだ。

 

「戻れないのか? 霊基構造が邪魔なら俺が貰ってやろうか?」

 

「戻ろうにもあんたら流に言えば宇宙意思に拒まれた結果だからな。それに霊基構造を捨てても俺の魂は既に成長してしまったから元の世界のキャパを超えた計算だ、無理に戻れば宇宙崩壊の危機だろうな」

 

「そりゃどうしようもないか、不幸な」

 

「おまけに今この世界は魔王の季節とかいう非常事態なんだろ、ムカつく事に正直この先ここで生きて行くには霊力が無いと困る」

 

霊力が無かったらこっちに来た時点で詰んでいたんだが、そもそも霊力が無ければ異世界転移する羽目にはならなかったんでやはりムカつく

 

「…酷いマッチポンプを見せられた」

 

げんなりとした顔のストライプはそう溢した

 

 

 

騎士バウエンには迷宮都市に向かうと言って別れた俺達だが未だ王都に滞在している。一人では無理だと思い諦めていた事があったのだが、俺以上の文珠の使い手であるストライプと組めば可能性が見えてきたからだ。

 

俺はこの世界へ流れ着いた当初、地球に居た頃に読んだ異世界物のラノベを参考に色々と試していた。一時期面倒を見ていた主無しの奴隷姉妹の片割れが転生者だった為に異世界物の定番であるレベルアップによるスキル習得を可能とする自己確認(セルフ・ステータス)を文珠を駆使して習得出来た事と、この世界の特異点(主人公)と思われる310というふざけたレベルの男の霊基データを手に入れたのが大きかった。

現状はその男のユニークスキルの複製は出来ていないが、ある程度の仕様は分かったので近い機能を持つ王城に保管されているオリジナルの「ヤマト石」を調べて劣化版だが情報習得システムを作れた。

 

そして俺とストライプは外部からの干渉を遮断してその男のユニークスキルによる探査から身を隠している。タネが割れて入ればある程度の対抗策を準備出来るのが文珠の便利なところで、相手はスペックこそバケモノだが現状は人間なので思考や精神の隙を突けば隠れて観察する位は可能だという事だ。寧ろこの場合は一緒にいる猫耳の方が感が良くて厄介だな。

 

「俺でももうちょっと近づかないと(摸)(倣)出来ないな」

 

「アンタでも無理か、なんとか一人のタイミングで接近するしかないな」

 

「いや、近づくよりも相手方が近づいて来たタイミングで機械的に対応した方が発覚しにくいだろう」

「そういや以前はいったいどうやって霊基データを採取したんだ?」

 

「ああ、その時は砦を明け渡す代わりに俺に危害を加えない様に呪術契約を結ぶ交渉をしたんだがな、肝心の呪術契約があっさりレジストされたんだよ」

「だからヤツの髪と血を触媒にしてなんとか契約を結んだ。その時にだ。しかし一月と持たなかったな」

 

「おいおい、正面からかよ。契約破棄されたのは痛いが霊基データを採取出来たのなら悪くはないか?」

 

それにしても解析して分かったがあの男は一見して人間に見えるが、中身は魔横島と同様に複数の魂を縒り合わせて高位霊体に至った存在のようだ。本人無自覚のようだし龍神と縁が有るようだから多分本人の意思とは関係ない所で行われたんだろう。

 

「急に黙って何を考えてるんだ?」

 

「ヤツがああなった理由についてかな…」

 

「やっぱりアコンなんちゃらって龍神の仕業なんだろうな。まったく、これだから神族ってやつは」

 

 

 


 

クズ人間の俺がシガ八剣と呼ばれている

 


 

……。その気があれば、いつでもシガ八剣になれるとでも言いたいのか?」

 

今日は王城にチームペンドラゴンが報奨を受け取りに来る日だ。せっかくだから着飾ったルルさんを見て目の保養をしようと思っていると、嫉妬に駆られた貴公子様がペンペンに絡んでいる場に出くわしてしまった。

 

「なれるだろうさ」

 

「っ、バウエン殿か」

 

「ペンドラゴン子爵はなんとも言えないが、リザ殿はその気が有ればなれるんだよ。なにしろ俺達選考組と違ってジュレバーグ様が直々に推挙したんだからな。お前だって模擬戦の一件については聞き及んでるだろう?」

 

なので助け舟を出したつもりなんだが余計に煽っている気もせんでもない。なんにしろ同僚になる予定のコイツに変にコンプレックスを持たれるのも困るな

ペンドラゴン卿に罪は……いや有るな。謙遜も行き過ぎれば嫌味だ、今のジェリル殿には毒を盛るに等しかろう

 

「焦る気持ちはわからんでもないさ、俺も魔禍払いの儀式の場で警護でいたからな。傷無しの異名に違わぬ活躍は見ている」

「それ以外にも王都で次々と実績を重ねるペンドラゴン卿と比較されるのは辛かろうが…、卿に当たるのは筋違いだぞ」

 

「私だって……護衛がなければ…」

 

「ああ、ムーノ伯爵は英断だったな。自身の護衛よりも魔獣共を倒す方が結果的に全体の安全度を上げるからな」

「だがビスタール公爵の判断も間違ってはいないぞ。仮に貴公が参戦してあの場を切り抜けてもだ、騒動に乗じて暗殺者に襲撃でもされてしまったら問題だ。ビスタール公爵の身にもしもがあれば今以上に北が荒れる。だから公爵が用心するのは王国に取っても正しい選択なんだよ」

 

また(・・)手練れに襲撃を受けたら困るんだよ。当時者ならわかるだろう?」と肩に手を置き言い聞かせる。

 

いかんな、思わず肩を掴む手に力が入り過ぎたのかジェリルの野郎が若干引きつった顔で頷く。おいおい、ペンペンまで笑顔を取り繕うのを忘れているぞ?

どうやらお家騒動に巻き込まれて死んだ聖騎士達の件で俺がビスタール公爵家に良い感情を持っていないのを察したようだ。いやホント親子共々死ねばいいのに

 

 

なんてやり取りをしたのはそう昔の事ではないハズなんだが、ビスタール公爵領から帰って来た俺達は王都の駐屯地でチームペンドラゴンが勇者と供に魔王討伐を成し遂げたという報告を聞いている。あー、ジェリルの野郎こりゃまた荒れるな

 

まぁヘルミーナ様とかケルンとか好意的な面々以外も流石にこのような偉業を成されればシガ王国の誉と騒ぎ立てる。

だが平常運転、いやどちらかというと荒れそうな同期の件でうんざりしている俺に気が付いたのかヘルミーナ様が声を掛けてくる

 

「バウエンはペンドラゴン卿とは仲がよかったと思っていたのだけど落ち着いているのね」

 

「いやまぁ流石に魔王は驚きましたけど、恐らく勇者のフォローに回っていたのでしょうからまぁ有りえるかなと」

 

「どういう意味かしら?」

 

「ペンドラゴン卿はどういうわけか魔族との戦闘経験が豊富ですからね。全てに勝ったわけではありませんが「傷無し」の異名に違わずきっちりと生き延びています」

 

「ああ、私との出会いもそうだったわね」

 

「それと、なんというか、持っている人間って奴なんでしょうね。騒動の渦中に居合わせる才能でもあるのか結構いいタイミングで良いポジションに居るんですよ。だから外交の旅なんぞに出向けばそのうちやらかすだろうなとは思っていました」

 

「やらかすって、なにそれ」

 

くすくす笑うヘルミーナ様と対照的に俺の隣で不機嫌な貴公子どのがウザイ。

とはいえコイツの気持ちもわからんでもない。シガ八剣を辞退した人間が魔王討伐の武功を上げたのだからだ。

シガ八剣の地位に興味なかったのはそれ以上の偉業を成し遂げる自信があったからかと勘ぐってしまうのだろう。冷静に考えればそんな事は不確定要素だらけでありえないのだが

 

「宰相殿は笑いが止まらんでしょうね。それとも遣り過ぎだと慌てているかな?」

 

「どういう意味かしら?」

 

「いやぁ、ペンドラゴン卿がシガ八剣を辞退したのは最初から宰相に言い含められていたからなのかと」

 

俺とヘルミーナ様の会話に気が付いた周囲も俺の陰謀論に注目している

 

「続けて、」

 

「シガ八剣は国防の要ですからね、意外と腰が重いといいますかあまり自由には動けないんですよ。ましてや国外に出るのは」

 

「そうね、だから国外で動ける人員としてシガ八剣以外の戦力を欲したと?」

 

「そうなりますね。ペンドラゴン卿は観光相のナンバー2、現場で自由に権限を振るえる立場ですので動きも早い。そして少数精鋭だからこそ機動力もあり、旅慣れていますのでバックアップも最低限で済む」

 

「私だって、機会さえあれば……」

 

あー、こいつまだ張り合えると思ってやがんよ。決定的な差が有るのに気が付いてねーな。

 

「無理だよ」

 

「何故だ!! 私が彼に劣るとでも!!」

 

ぶっちゃけ相手はレベル3桁の化け物、勝てるわけがない

 

「総合的に見れば劣るんだよ、何しろペンドラゴン卿には優秀な部下が居る。本人を含めてシガ八剣級が4人、もちろん他の4人も優秀だぞ。ヘイム様、耳族の二人は俺達に勝てますかね?」

 

「……簡単には勝負はつかないだろうな」

 

言葉を選んだヘイム様、俺達が負ける可能性が高いと考えたかね?

 

「何を……確かに年を考えれば優秀だが」

 

「魔法使い二人も普通に一線級だからな、たぶんシガ三十三杖でもやっていけるだろうよ」

「あと普通に文官としても優秀だからな、普段は外交官を務めるのだからそっちの才能も必要だな。お前個人で全て対応出来るのか?」

 

「何を言うかと思えば、雑事は他に任せればいいし部下だって声を掛ければ…」

 

「お前にシガ八剣級の戦力を集められるのか? 文官を別に連れては大所帯になるぞ、確実に足が遅くなる。

 その点ペンドラゴン卿は最初から全部持っている。全員戦闘をこなせるから護衛も必要が無いので最少人数で動ける。つまりペンドラゴン卿一人口説けばそれで済むんだよ」

 

「実際他国にしてみれば悪夢だろうよ、外交官が実は有事の際にはシガ八剣級の戦闘集団になるんだからな」

「おまけにペンドラゴン卿の立場はあくまでも文官だ、だから負けても逃げても恥ではない。むしろ情報を持ち帰るのが仕事だ。探求者上がりのペンドラゴン卿ならば退き際は間違えないだろうから適任だな。実に良く考えられている」

 

「くっ、シガ八剣こそシガ王国最強!! なのに何故陛下は我々に魔王討伐を命じてくれないのだ…」

 

「そりゃ俺達は国防の要だからだろ。この魔王の季節に下手に動かせるわけあるかよ」

 

「貴公は悔しくないのか!!」

 

「お前こそシガ八剣を名のるって意味をちゃんと考えているのか? シガの名を冠するのは王国最強だからじゃなくて王国の守護者だからなんだぞ」

 

俺の言葉に頷くのはジュレバーグ様やレイラス様、若い騎士団員は若干不満そうだな。武人が武功を求めるのは仕方が無くもあるが。

 

「さっきから聞いていればペンドラゴン卿を褒め称えるだけで後は覇気の無い言い訳ばかり、貴様にはシガ八剣の誇りはないのか!!」

 

うっわぁ、標的俺に変わっちゃったよ。そりゃ未だ引き摺っていて覇気に欠けるのは自覚してるけどさ。だいたいテメーのところの主家の騒動のせいでどんだけ迷惑被ったって思ってんだよ。

 

「表へ行こうか、黒槍殿には未だ及ばんが、おさまりつかないんなら相手してやんよ」

 

 

 

そうして闘技場で向かい合う俺とジェリル、奴が6席で俺は7席なんだがまぁその辺は政治力学の影響もある。ぶっちゃけ差は無いと思う。

 

「牙突」の二つ名が広まったので最近は開き直って牙突を練習している。「鉋」は長すぎるんで若干オリジナルと構えが異なるのはご愛敬だな

ジェリルの野郎も剣に魔刃を発生させたので俺も刀身に薄く纏わせる。ジェリルに比べて弱い輝きに周囲は6席と7席の差だなんて好き勝手批評しているが……流石に一度目にしているジュレバーグ様はこの意味を分かるのか驚いている。いや驚くってあんたひょっとして魔刃の出力調整出来ないんか!?

まぁ、今回は俺もちょっと八つ当たりしたい気分なんでこの程度済ませる気は無いんだがな。

 

審判の始まりの合図と供に俺の牙突を警戒しつつじわじわと動くジェリル、相手してやるとさっきは言ったけど実は相手する気は無いのでさっさと終わらせる。なんせこれはビスタール公爵関係者である奴に対する八つ当たりなんだからな。

 

「魔刃が強く!?」

 

正面の奴には俺の魔刃の輝きが増した様に見えるだろうが審判のジュレバーグ様や横から見ていた人間には別の物が見えているだろう、俺は敢えてゆっくりと刀身全体に纏わせた魔刃を先端に向けて移動していく、結果先端に収束して輝きを増した魔刃を更に細く収束して点にする

周囲の騒めきに何か不味いと感じたのかジェリルは間合いを詰めるが…遅い

 

「牙突・穿(うがち)

 

俺の宣言と同時に腿を撃ち抜かれて足をもつれさせ転倒するジェリル、一瞬何をされたのかわからなかったようだ。殺傷能力を落す為の針のような魔刃砲。急所に当たらなけば小さな穴が開く程度だ。死にやしないさ

今回は敢えてゆっくりと発動させたのだが、撃った後は弾速までは調整出来ないので何人見えたかね、細くて視認しずらいから難しいだろう。

 

リザが使う3連魔刃砲を目標として鍛錬していたのだが魔刃砲を連射する程の高速の魔力操作は未だ習得出来ていない、だからせめてもの足掻きで彼女の魔刃砲を撃ち抜ける威力と速度を求めた結果がこれだ。恐らくこれならば彼女が2発目を打つ前に撃ち抜ける。といいな……

 

そのまま倒れ伏すジェリルから若干外して切り下し、本来は刃が届かない間合いを刀の刀身の様に薄く伸ばした魔刃砲を放ってすぐ横の床を切り裂く。

 

「ガンリウ・空牙」

 

風刃を諦めた俺が代わりに取り掛かったのが切り裂く魔刃砲、距離が離れると収束が緩むので使いどころが難しいのだが、奴の度肝は抜けただろう。

 

「嫉妬する暇があるなら鍛錬でもしてろ。6席から落ちたくはないだろう?」

 

呆然とするジェリルに背を向けて去ろうと…えっ、はっ? ジュレバーグ様っ!? いやちょっと、まだ実践レベルになってないんで模擬戦は、あっ、あ~~~~!!

 




落ちは無い


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マイバイブルは『狩人×狩人』


チート文珠でステータスの差を埋めました。


………待ってた……ずっと…

サガ帝国で魔族と勇者が戦っているのを見学していたんだが、いつの間にか現れた魔法の神を自称するロリコンと戦闘になった。

奴の何かが琴線に触れたのかストライプが()る気になっている。俺としては正直気は進まんが知った顔が巻き込まれていたからしょうがない。

 

単純にレベルだけを見ればあっという間に敗北した黄金騎士団のメンバーの方が俺達よりも高いのだが、俺達には先日の王都で佐藤(仮)からコピー出来た高速移動スキルを始めとする幾つかのスキルが有りそのお陰で上手く立ち回り今の所は戦えている。またストライプが対神魔族戦の経験が豊富なのも大きい。

 

それでも奴は強い。人間が相手なので手を抜いている節があるのだが、魔法でも近接でもまるで勝ち筋が見えないのだ。

だが存在するだけで世界を書き換えるアノ(・・)世界の魔王よりはマシだろう。

 

それに何も馬鹿正直に戦う必要はない、勝てないのならば勝てるようにルールを変えればいい

幸い神魔族と戦闘経験が無い俺もセリビーラの迷宮の最下層の住人達から習った対神呪文を習得しているし、年末のシガ王国の王都で佐藤(仮)による神殺しを視る事が出来たので文珠使用時のイメージも十分だ。

奴が本気になる前に切り札を切る、俺の文珠眼の視界に入った時点で『詰みだ!!(重)(加)(速)(グローバルフリーズ)!!』

 

自身に対する文珠の干渉をレジストできても、自分以外に対する干渉をレジストするには相応の手順は必要だろう。だから、

 

「場を支配するのは"視る"だけの俺の方が速いっ!!」

 

超加速の時間制御に対神呪文の術式を組み込んだ隣接空間ごとほぼ時間停止まで減速する空間拘束式。この静止した世界を抜けるには時間そのものを無視するしかないのだが、こいつまだ動けるのか!?

 

「魔眼程度・て…゛…ば・鹿…な………俺…の・………(魔力の動きは無い、魔法の神である俺が見落とすハズが無い。ならば神共がユニークスキルを与えたのか!?)貴・様…何・をし・た・っ・?」

 

完全に停止してしまえば文珠の消耗が激しくなるので、僅かではあるが時間を経過させる事で拘束時間を引き延ばしているのだが…それでも文珠の限界の方が速い

 

「ストライプ!! もうすぐ文珠眼が視力を失う!! 俺が動きを封じているうちにさっさと切り札をぶち込め!!」

 

「お前"目"を文珠にしたのかよ!! 無茶しやがって。

 栄光の手(ハンズ・オブ・グローリー)よ!! (神)(話)(終)(焉)(神魔を滅ぼす呪詛)を喰らい刃と変えよ!!」

 

(こいつも魔法では無いっ…だがあれは劣化品(イレギュラー)の神剣と同種の力…この二人は人の身で神の領域へ手を掛けるというのかっ!!)

 

『その凍った世界諸共滅べ!! 神滅斬(ラグナ・ブレードッツ)!!』

 

ストライプが対神魔用呪詛を組み込んだ対神呪文の霊波刀で空間ごと奴を切り裂く、霊核を破壊されればいかに高位霊体といえども無事では済むまい。

 

「俺が滅びるだと…馬鹿なっ!! 地上活動用の分け御霊とはいえ神力は使徒の比ではないのだぞ!!

 これはっ!? 切り離さなければ本体へ影響が出かねん!!」

 

ふん、分霊で出てきて高みの見物を気取っていたのだろうが、俺達にしてみれば霊的に繋がった端末なんぞ呪ってくれと弱点晒しているようなもんだ

 

「魔法の神だか知らんが全ての呪法を知ってるわけじゃなさそうだな。陰陽師舐めんな」

 

「人の身で神である俺を討つとは、貴様のせいでこの分け御霊の神力の回収も絶望的だ!! 人の解放が遠のく、貴様はそれ程の力を持ちながら神の家畜に甘んじていたいのか!!」

 

「うるせーー!! だいたいテメェも神を名乗っている寄生虫の同類だろうが!! 神は俺の敵だぁ!!」

『魔を打ち破るは斬魔の印、(魔)(破)(斬)(打)(印)(マハザンッダァインンンン)!!』

『………適合者……』

なんだありゃ…文珠を五芒星の相克配置で循環させて増幅してるのか? しかし、五芒星?なんだよな、何か違和感が…古神道…大陸、いや他の五大文明にも…エ[検閲][警告:現在該当する記憶領域へのアクセスは禁止されています] 閲覧不能な知識だと? 魔の野郎め、見せられないような知識ならばなんで寄越しやがったんだよ。それともストライプが使っているって事は何れ必要になるのか? [ 凝覗行動<深考>/SIGNAL-TH ]

『………視える………全部……』

「なっ ンだソレhaショウ気か貴さ…せ…滅Bosウ気ぃ…ぁ」

『…………わかる……?』

おいおい、殆んど死にかけとはいえ神様の分霊を空間諸共すり潰すのか? 佐藤(仮)が使っていた滅びの力並みにヤバくねーか?

おっと、その佐藤(仮)がゴブリンの魔王と決着をつけたのか戻ってきたな。退散するかね

『…………考えて……深く…』

『………開いて…心を…』

 

「お前、さっき使った"目"はどうなるんだ」

 

「時間は掛かるが霊力のチャージが終われば視力は回復する。それよりも最後のアレ何なの? あんなん有るなら対神呪文習わなくても良かったんじゃねーの」

 

「元の世界で地母神の知識を掘り起こして組んだ禁呪でかなりピーキーなんだよ。

 神族連中から危険視された曰くつきでな、特に猿爺が自分達七天大聖とは根本的に違う最も古い大聖の力だとか言って妙に敵視していたな」

 

よりによって地雷案件かよ。

しかし猿って魔の記憶にも居る奴だよな、ひょっとして師匠に裏切られたんか?

 

「…なんかすまん」

 

 


 

マイバイブルは『狩人×狩人』

 


 

俺がシガ王国でもジュレバーグ様ぐらいしか使い手が居ない(チームペンドラゴン除く)魔刃砲を使えるようになったのは訳がある。

年末に藁にも縋る思いで教えを請うた相手(の相棒)が体系立てた修行方法を知っていたからだ。

 

 

「…ストライプか?」

 

厳戒態勢の王都を巡回中に先日逃げられたストライプを見つけたのが転機だった

 

「「げっ!?」」

 

「迷宮都市へ行くんじゃなかったのか?

 まぁちょうど良かった。頼みが有ったんだが聞いてくれるよな?」

 

「悪いが今それどころじゃ…」

 

「そうか、牢屋へ招待が希望か。なんせこの魔物騒動で不穏な王都で騒ぎを起こしたんだからな、おまけに取り調べ中に逃げ出したのだから言い訳は出来んよな」

 

「やだなぁバウエンの旦那、俺と旦那の仲じゃないですか。何でも言ってくだせぇ」

 

「今度は逃げんなよ」

 

「…俺はどうなるんでせうか?」

 

「昔一度だけ見たけどストライプは魔刃使えたよな。ちょっと指導してくれないか」

 

「"まじん"ってなんだ?」

 

「ヨウォーコは知らんのか?

 街中じゃ実践するには場所が悪いな。ちょっと駐屯地まで移動するか」

 

「駐屯地って……やっぱり牢屋にぶち込む気か…」

 

「いや単に危険だからだよ。安心しろ、宿泊は牢屋じゃなくて俺の家に泊めてやるから」

 

 

 

俺の誠意有る脅迫のお陰か、ストライプも快く指導を引き受けてくれた。

そんな感じで師匠をゲットしたんだが、なんと魔刃を知らないヨウォーコが地元で似たような修行をした経験が有りそれが思いのほか有用だったのだ

 

……ああ、それが"まじん"なのか。それなら俺も知っているぞ」

 

「ほう、どこかで使い手に会った事があるのか?」

 

「いいや、魔力循環の修行法が有るんだが、その中に武器や鎧に魔力を纏う技術が有るんだ。てっきり武器の保護かと思っていたけど攻撃の技だったんだな」

 

「どう考えても攻撃の技だろうが…」

 

「それが長期戦になった時の武器の保護の為に使っていたらしいんだよ。戦争なんかで戦い続ける時に剣が血油で切れ味が落ちないようにな」

 

「延々と戦い続けるなんてどんな泥沼な戦争なんだよ。…そういえばリザ殿も敢えて弱い魔刃を……もしや武器の保護目的だったのか?」

 

(お前何処で覚えたんだ?)

 

(レッセウス伯爵領で勇者の称号持ちの女から(摸)で読み取った)

 

(お前何してんの!?)

 

(亜竜が居たんで文珠で隠れて逃げようとしたんだが後からやって来たそいつらが戦闘を始めて巻き込まれかけたんだよ)

 

 

「そうそう、常に体全体を魔力で満たしてそれを循環させて」

 

「…つま先が不十分、もっと末端まで意識して!!」

 

「休息? 循環だから魔力切れの心配はないでしょ。メシ食う時も維持したままね」

 

「武器や装備についてはイメージは人それぞれかな、俺なんかは武器術と同様に手の延長でイケたけど…無理? んじゃ装備も体の一部と認識出来るまで続けてくれ」

 

「鉄製の鎧じゃ魔力が分散するか、取り敢えず綿の服とかで練習だな。探究者時代の魔物素材の鎧が有る? ちょっと見せて貰えるかな」

 

「はい体を魔力で纏う、これが続けていれば何れ『魔力鎧』って奴になるらしい。俺は『堅』って呼んでるけど」

 

「ヘイムさんは形になっていますね、流石です。ほらバウエンは出来るまで続けろ」

 

「ヨウォーコ、お前最近遠慮なくなったよな!!」

 

「俺が師匠、お前は弟子。これは俺の地元で有名な指導者の言葉なんで良く聞け、『弟子に人権は無い』」

 

「お前の故郷は修羅の国かよ!!」

 

 

一言で言えば(オーガ)が居た。

厳しかったが、お陰で強くなる道筋はつけて貰えて今の俺が有る。

 

だがヘイム様に見つかってしまい、ヘイム様も修行に参加して、そしてあっさりと抜かれた。

 

これだから才能マンは!!

世界は平等じゃないって辛い現実また見せられたわ!!

それでもゴウエン様に託された俺は一歩づつ進み続けるしかない。

 

それにしてもジュレバーグ様が俺に驚いている様子じゃ近いうちに席次が変わりそう、いや無いか。

以前サトゥー達にシガ八剣を貴族達が派閥争いの道具にしているとか偉そうな事を言っていたけど、ヘイム様が筆頭になれない時点でこの人も身分に守られているんだよな。なんだかんだで第三王子も野放しだったので口で言う程実力主義を実践出来ていないんだよな。

 




一応書きたかったところを無理やり書いた。
いい加減捕捉の短編ばかりでなくヒロアカ本編を書かねば


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