ガルーダDxD(仮) (挫梛道)
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駄肉姫(笑)

 
【警告!】
この作品は、かなり原作主人公側アンチ(作者基準)と、なっております。
故に、原作至上絶対主義…原作主人公マンセー原作ヒロインマンセーな諸氏皆様は、閲覧せず、即座にブラウザバックをお勧めします。
 
※今作品は、偶に本来ならば「~は」な文章を「~わ」と表現している事が有りますが、あれ等は全てワザと、意図的ですので、それで理解と納得、お願いします。

 


 

「な…何なのよーっ!!これっ!!?」

 

都内某市に在る駒王町。

その町の やや真ん中に位置する、マンモス学校、駒王学園。

そして その、本校舎とは やや離れた場所にある、旧校舎と呼ばれる学舎の一室にて、1人の少女の激怒な声が響き渡った。

 

「「「…………………………。」」」

その様子を、何とも言えない表情で見ているのは、3人の若い男女。

憤怒な少女…リアス・グレモリーを部長とした、オカルト研究部の部員である。

 

「巫山戯ている…

巫山戯ているにも程があるわ!

この私を散々と虚仮にしてくれた発言の数々…万死に値するわ!!」

ノートパソコンを開き、リアスが目にしているのは、とあるサイトの掲示板に書き込まれた、とある地域の管理者に対する評価や意見の数々。

 

※※※

 

■上からの指示が無いと、管理者としての仕事、しないの?

先に はぐれの存在を感知して、事前に対応処理しとけっての。

全く…俺が先に動いてなけりゃ、あの町の死人、倍とは言わないが、3割増だぜ?

常日頃から、パトロール等に勤めてない証拠だよな。

 

■てっゆーか、死人出してる時点で管理者としてアウトーっ!!だよね。

しかも、その後の処理も、手抜きってか杜撰其の物。

身内を含む、被害者を知っている者に対して、その者に関する記憶を全て消し、あたかも『最初から存在していなかった』みたいな感じで済ませているし。

多分、当人は、『家族を悲しませたくない』とかほざく心算だろうが、被害者当人に対してのケアは、ナッシング。

死人に対しては、何も無しで良いとでも思ってんの?

バカなの?…ってか、バカだろ?

これさ、俺が、あの人達に報告して処理してなけりゃ、あの町って弔われない死者の魂が跋扈して、まさにゴーストタウンになってる所だぜ。

そーゆーの、全然、理解出来てないだろ?

 

■下っ端も同様。

それ等に気付いてないから、自分の主に突っ込まないんだろな。

無能の下っ端は、やっぱり無能?(爆)

 

■もしかして、脳味噌に届けるべき養分が全て、その御立派な お乳に行ってるんですかー?www

とある御方は、こう仰っています。

「胸ばかり太った無駄な肉、略して駄肉」

ん、上手い事、言う。

よし皆、今後は このサイトにて、彼女の事は、"駄肉姫"と呼ぶ事にしようぜ!

 

※※※

 

…等々、等々。

 

…一応、解説しておく。

とある地域…日本某所・駒王町

管理者…リアス・グレモリー

…の事である。

そして彼女は実は、人間では無く、"悪魔"と呼ばれる人に非ざる種。

他次元…とでも表現すべきか、悪魔、そして堕ちた天使達が住まう"冥界"と呼ばれる世界。

リアスは その世界で、それなりの名家であるグレモリー家の者である。

2年前、グレモリー家の時期当主としての修行の一環として人間界へ。

悪魔達が所謂"土着の者達"に対して何の断りも無く、勝手に自分達の縄張りを主張し管理者を名乗っている地域…駒王町へと、新たな管理者として、自身の下僕達と足を踏み入れていたのだが、どうやら管理者としての彼女を知る者からの評価は、芳しくない様だった。

 

「誰よ!?このサイトの主は?

見つけ出して、文句言ってやるわ!

ギャスパー!貴方なら、このページを作ったのが何処の誰なのか、特定出来るわよね?!」

「そ…それが…」

この管理者としての資質を問う様な書き込みの数々に、リアスの怒りは天元突破。

リアスの呼び掛けに、白金色のボブカットの少女…もとい、少年…ギャスパー・ヴラディが、自信無さげに答える。

曰わく、この一連の自分の主を、ボロクソに言われた投稿を偶々に見つけた少年は、既に発信元を調べてみたのだが、それ等は決して統一されておらず、北海道の一般企業から、沖縄県警本部、福岡県のネットカフェ…更には国内だけでは無く、スペインの一般人の自宅にアメリカ国防総省の統括室、果てには北○○の将軍様の私室…と、時と共に、本当に世界中の様々な場所のパソコンや携帯端末を発信源として、投稿されていたのだ。

 

「何なのよ!!

この【ガルーダ】って人物は?!

一体、何者なの!?」

「…とりあえず、只者では無いでしょう。

仮に これ等が全部 同一人物だとして、世界中の アチコチから書き込みなんて、少なくとも、転位術式に秀でているのだけは判りますわ。」

「…人間界から このサイトにアクセス出来る。

この時点で、相当な能力の持ち主だと思います。

尤も、この人物が"人間"だとは、限りませんが…」

「冥界のサイトですからね。

現在の冥界に不満を持つ者、若しくは反勢力の者と見るべきでしょうか。」

「…或いは本当に駒王町の住人で、部長が町の管理者と知っている者。

その上で、管理者として認めていない人物…?」

ガルーダと名乗るサイト主に憤慨なリアスに、リアス以上にグラマラスな黒髪の少女と、端正な顔立ちの金髪の少年が、件の人物に対しての印象を述べる。

 

「そうですわね…。

部長の容姿を駄肉www…と形容するから察するに、私達の事を それなりに知っている人物。

それに、あくまでも悪魔云々でなく、"町の管理者"に対しての発言…

駒王の生徒…でないにしても、駒王町に在住している者という事だけは、間違いないと思いますわ。」

「え?そうなの?…って朱乃!

貴女 今、"駄肉"で笑ったわね?!」

そして、黒髪をポニーテールに結った、やはり豊かな胸な少女…姫島朱乃が、自己分析を語り出した。

 

「この人物は、私達とは別に、この町の不法侵入者に対する、パトロールを行っている。

そして はぐれによる犠牲者達を、何処かの…恐らくは個人ではなく、組織に頼み、弔って貰う事で、その魂が町を徘徊しないように努めている。」

「…つまり この人物は、僕達が頼り無くて信用出来ないから、且つ自分が この町で平和に暮らしたいから仕方無く、行っているって言いたいのですか?」

「…そう思って、良いでしょう。

しかも、この書き込みに対する、肯定的と言いますか、好意的なコメントの数…」

「だ、黙りなさい!

ギャスパー!このコメントした者達も、特定しなさい!

こっちは冥界の住人でしょう?

一体どういう心算なのか、きっちりとOHANASHIしてあげるわ!!」

「ぶ、部長、それは止めた方が…」

「書き込みの内容は事実なのですから、そんな事したら、横暴貴族とか言われて、余計に評判を貶めてしまいますよぉ!」

「じ、事実って何よ?!」

朱乃の分析に、更なる怒りを爆発させるリアス。

その暴走に、ギャスパーと金髪の少年、木場祐斗が慌てて宥めに入った。

 

「…だったら!」

 

カタカタカタカタカタカタカタカタカタ…

 

キーボードを叩き、件のサイト掲示板に、自らが物申そうとしたが、

 

※※※

 

◇ちょっと!黙っていれば好き放題言ってくれて!いい加減になさい!!

 

◇え?もしかして駄肉姫本人?

 

◇だったら、どーなのよ?それと、駄肉言うな!

 

◇本人、キターーー \(゚∀゚)/ ーーー!?

 

◇スレ主さーん!見てるかーい?駄肉姫本人様、登場だよー!

 

◇いや、無い無い。

一応は純血の上級な貴族様なんだから、こんなサイト如きで、いちいち目くじら立てて文句言ってきたりしない。 

 

◇こんなサイト如きって…ガルーダ氏に失礼だろ?

今すぐ謝罪しなさい。

 

◇すいませんした m(_ _)m

 

◇てゆーか、誰だよオマエ?貴族様を名乗るのは、流石にシャレにならないと思うぜ?なりすましや荒らしは、余所のアイドルとかの掲示板でやってくれ。

 

◇余所でもダメだろwww

 

◇荒らし、駄目。絶対!

 

◇その貴族様をディスるのは、無問題すか?(笑)

 

◇ディスるとは違うしょ?

喰王町の管理者としてダメダメらしいから、それについて意見や指摘してるんだし。

 

◇ ↑

"駒"王な。何を喰うつもりだ?

美味しいの?www

 

◇え?ごめん、マジ勘違い(笑)

 

◇真面目な話、一応は、あの町の管理者なんだろ?マジ本物さんが、自分の管理者(笑)っぷりを棚に上げて、わざわざ こんなサイトに文句言ってきたりはしない。仮にガチ者なら、リアルに無能だぜ。

 

※※※

 

「くっ…」

即座にサイト掲示板は、それに対する返信コメントで盛り上がるが、ネット住人達には、当人と信じて貰えず、なりすまし・荒らし扱いで、全然 相手にさせず終い。

 

「あ…?」

そんな中、パソコン画面を見て、木場祐斗が一言。

 

「部長…ガルーダが、新しいコメントを投稿しています。」

「はぁ!?こ、今度は何よ?!」

 

※※※

 

■当サイトに、ウェルカム駄肉姫当人?様。

駒王の管理者を名乗るなら、こんな駄サイト如き(orz)にコメントしてる暇があるなら、きちんと仕事、して下さい。

たった今、また町の人間を襲おうとしていた はぐれ悪魔、またまた私が始末しましたが、どうせ貴女、この侵入者に気付いてないんでしょ?

これじゃあ、本当に『自称:管理者(笑)』になってしまいますよ?

あ、今回、襲われた被害者の人は無事ですから、御安心を。

 

追伸。

はぐれの屍は、"何時もの場所"に棄てて置きましたので、後の処理は宜しくお願いします。

 

※※※

                  

「なぁっ!!?」

                  

どたどたどたどたどたどた…

 

その書き込みを見て、慌てて外に走り出る、リアス達オカ研一同。

 

「…………………………。」

「あ~らあらあらあら?」

「あははは…」

「ま…また、ですかぁ?」

旧校舎の正面玄関前、彼女達の視界に入ったのは、異形の者の屍が1つ。

部員達のリアクションからして、それは初めての事では無さそうだ。

 

「…って、前々からの これって、ガルーダの仕業だったんですね?」

「くっ…

毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回!!

巫山戯ているのっ?!

悪魔(ひと)を馬鹿にするのも、いい加減にしなさい!!!!」

 

ボンッ!!

 

怒声と共に、リアスの掌から特大の黒い魔弾が屍に向けて放たれ、それが着弾した屍は、その周囲、真円に抉られた地面と共に、跡形も無く消滅した。

 

「ハァ…ハァ…

ガルーダ…何処の何者かは知らないけど、絶対に所在を突き止めてやるわ!

そして…只では済まさない!!」

既に抗う事無い屍相手にも拘わらず、怒りの儘に、かなり本気の魔力の弾を撃ったリアスが、肩で息をしながら呟く。

 

 

その頃、部室の机に置かれたパソコンの画面、件のサイトに、新たなコメントが投稿されていた。 

 

 

 

※※※

 

■そう言えば、俺が存在を感じたのは3日前なんだけど、駒王町に堕天使の一派が忍び込んでいる様ですが、駄肉姫と愉快な仲間達の皆さんは、それに気付いて、対策とか練っているんですかね?

自称:町の管理者(笑)として。

 

※※※

 

 

 




 
主役は次回から登場します。
 
 


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神代聡琉

 
主役登場!
 



「おはようございます。」

「あ、東條さん、おはよー。」

「おはー。」

 

この日の朝、限りなく白に近い、銀色の髪の…高校生としたら、かなり小柄な少女は教室に入り、クラスメート数人と朝の挨拶を交わし、席に着いた。

 

「ΖΖΖΖΖΖΖΖz…」

「………………………………………。」

そして普段なら、自分の右隣に座っており、自身が教室に入るやいなや、真っ先に元気好く『おはよー』と言ってくる、…もしかしたら自分に気が有るのでわ?…と思わせる少女…否、駒王女子の制服を完璧に着こなしている、"少年"に目を向ける。

 

「…珍しいですね。

ギャー君が朝から熟睡なんて。」

「…だよね。

ギャスパー君、席に着いた途端、『先生が来たら、起こして下さいぃ~…ムニャムニャ…』…って感じでね~?」

「夜遅く迄、ゲームしてたとか?」

机の上の鞄を枕替わりにして、熟睡する少年を見ながら、話す少女達。

 

「…で、こっちには、何も言わない訳?」

「…この人の これは、平常運転ですから。」

「ΖΖZΖΖΖΖΖΖΖΖΖzz…」

クラスメートの振りに、この東條なる少女は、今度は自分の左隣、()()()()()()()()()爆睡している、少し蒼味掛かった黒髪の少年を見て、呆れながら言い放つ。

 

「しっかし本当に、よく寝るわよね?あんたの旦那。」

「はあぁ?!な、何なのですか、それわ?!

何時、サt…神代君が、私の旦那様に なったのですか?」

「一緒に住んでんでしょ?」

「な…?同じマンションなだけで、別に同じ部屋な訳じゃありません!

かかか、階だって違うし!」

クラスメートの『旦那』と云う冗談混じりな言葉に、少女は顔を赤くして、必死に否定。

 

「…ムニャ…しろねぇ~すきだぁ~~~~!!」

「「「「「「「!!!!?」」」」」」」

そんな中、寝言で とんでもない爆弾を落とす、爆睡少年。

 

「…ププッ…だ、そうですけど?

し・ろ・ね・ちゃん?www」

「「「しろねぇ~すきだぁ~!www」」」

「し、知りません!てゆーか、寝言を真に受けて、どうするんですか?!」

銀髪の少女…東條白音の、その顔を更に赤くしての叫び声が、教室内に響き渡るのだった。

 

※※※

「…………………………………。」

「お前、まだ怒ってるのか?」

「…別に。」

その日の昼休みの屋上、コンクリート床にレジャーシートを引いて弁当を食べているのは白音。

そして朝方に、爆弾な発言を投下したクラスメート男子の…

「いや、寝言なんだからさ、許せよ。

…て、マジに記憶、無いんだけどな~?」

「あれから皆に、散々弄られたんですけど…『しろねー、すきだぁーwww』って…」

「だから、悪かったって~…

大体それについては、俺も後からクラスの連中(ヤロー)に、散々言われたし。

やれやれだったぜ。」

「…で、その全員に、"傲慢な火花"、散らしたんですよね。」

「俺は悪くない。」

神代(かみしろ)聡琉(さとる)である。

 

「…に、しても、ギャー子が いきなり寝てたのには驚いたぜ。」

「多分、"あの書き込み"の後、あの(ひと)に命令されて、徹夜で町中、堕天使の探索でも、したんじゃないですか?

それで家に戻らず、直接に教室に入ったのでしょう。」

「だろーなー。

…で、成果は あったのかな?」

「さぁ?…って?!…サト君?」

「あぁ。お前も気付いたか。

…で、どうする?

今回はグレモリー先輩達に任せるか?

余りに俺達が出張り過ぎるのも、あの人達的に、面白くは無いだろう。」

話している中、不意に"何か"を感じたのか、和やかな表情を一変、慎重な面持ちとなる2人。

 

「何を言っているんですか?

あの人達が、アレに気付いてると思いますか?

あの駄肉姫ですよ?

今頃呑気に、お昼してるに決まってます。

それに気付いてしまったからには、一応は、そういう"契約"なのですから、被害者が出る前に、私達が動かないと駄目でしょう!」

「…ですよねー…って、お前も然り気に、あの人ディスってんな?

全く、本当に大した"管理者様(笑)"だぜ。」

「…チッ、授業中なら兎も角、よりによって 休憩時間…サト君と一緒に お弁当(はぁと)…な、至福な時に のこのこと やってくるなんて…有罪(ギルティ)!万死!」

「おいおい、落っ着けって。」

「…終わった後で良いですから、ちゅーして下さい。

そしたら、落ち着きm…んんんむ~??!

むぅう~~~~~~~~~~~?

む~~~~~~ん!…ぷ、ぷはぁっ…!!」

「フゥ…落ち着いたか?」

「…は、はぃ…さ、サト君、大好ゅきいぃ…」

…こんな遣り取りの後、2人は揃いの弁当箱やシートをとりあえず屋上の隅、目立たない場所に片付けると、音も発てず、その場から文字通りに姿を消した。

 

 

>>>

「だ、だから何なのよーっ!!これわー!?」

そして その日の放課後、紅髪の少女が部活として その部室の在る旧校舎に足を運んだ際、その玄関に放棄された、異形の者の屍を…そして その屍に貼られていた、『がるぅだ・さんじょぅ!!』と書かれてある札を見て、またヒステリックな金切り声を上げたと云う。

 

「ま、また、ガルーダさんのサイト、更新されてますぅ…!」

「ギャスパー!こんなのに『さん』なんて、付けなくて良いから!!」

 

 

※※※

■だーかーら!呑気に昼飯食ってないで、動けっての!

今回の はぐれ、あれだけダダ分かりな気配 撒き散らしといて それでも気付いてなかったのかよ?!この駄肉!

鈍か?マジに無能なのか?

…ってゆーか、冥界の魔王だか大王だか、または あの駄肉の身内とか、アレが管理者として、まるでダメダメな事、知らないのかよ?

少しは「もう少し管理者として自覚を持って云々~」とか、注意や指導とかしろよ!

 

 

 

◇スレ主、落ち着けwww

 

◇駄肉姫様は、町の安全よりも、ランチタイムのが大事なんです。

 

◇自称:管理者(笑)だから仕方無い

 

◇ ( -_-)つ[胃薬]

 

◇ ( -_-)つ[小魚]

 

◇ ( -_-)つ【牛乳】

 

※※※

 

 

 

カチャ…

 

「ただいま~…って、誰も居ないけd…?」

この日、授業が終わった後、クラスメートの男子生徒数人と少し遊び歩き、帰宅した神代。

玄関(ドア)を開けると、1人暮らしな筈が、部屋の奥から何者かの気配。

                  

トントントントン…

 

「あ、サト君お帰りなさい。

キッチン、借りてますよ。」

「……………………。」

そこにはエプロンを纏い、何やら調理している白音の姿が。

 

「今日のメニューは、牡蠣のスープとレバニラ炒め、山芋とオクラのご飯ですよ♪」

 

 




 
①神代聡琉の容姿は宗像形(めだかボックス)を、表情を少し和らげたイメージで。
 
②誤字じゃないです。
『塔城』でなく、『東條』で合ってます。
 
③誤字じゃないです。
『~わ』という表現は、ワザとです。
作者、ツッコミやテンパりには、この表現を多用しています。
 


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姉妹

 
少し?エロ入ります。
 



「今日のメニューは、牡蠣のスープとレバニラ炒め、山芋とオクラのご飯ですよ♪」

神代が帰宅してみると、台所で夕飯を作っていた白音。

 

「…………………………………………。」

とりあえず、施錠されている部屋に、どうやって入ったかは突っ込まない。

トントントントン…と、まな板の上の食材を切る等して作っている、今晩の献立にも、敢えて突っ込んだりはしない。

 

がしっ!

 

「きゃんっ!?」

しかし そんな調理をしている少女の姿を見て、何かのスイッチが入ったのか、高校生女子としたら かなり小柄な…と云うか、下手したら小学生と間違われそうな程な身長の白音の背後に立つと、女子高生(1年)としては、平均以上に発達した双房を、エプロンの上から いきなり鷲掴み→揉み解す神代。

 

「ちょ…さ、サト君?

料理してる女の子を いきなり後ろから襲うって、何処の新婚サンぷれいですぁ?

えっちぃですよ?」

その不意打ちに、溜まらず驚きの声を上げる白音だが、それでも抵抗する素振りは見せず、オール電化キッチンにて食材を鍋で煮込んだり、フライパンで炒めたりの手は止めたりはしない。

 

「んぁ…もぉ~、え、えっちぃ動画、見過ぎですよぉ…?

…って、お尻!何だか硬いのが、当たっているんですけど!?」

「…当ててるんだが?」

「違う!それ、普通は女の子が、胸とか押し当てた時に言う台詞!

…って、きゃん!?

()()、"直"に押し当てるのは、流石にアウトですから!…んあぁっ!?」

「いや…だから、そんなカッコで言っても、説得力無いと思う。」

「え~?何がですか?

可愛いじゃないですか?このエプロン?」

「…だ・か・ら!何故にエプロンしか身に付けていない?!」

施錠された筈の部屋への侵入も、()()()()()()に備えてスタンバイ!…な、精が憑きそうな夕飯のメニューにも、敢えて突っ込まなかった神代。

だが、多少のアクションを含め、その身に()()()()()()()()()()()()、その姿については、突っ込みを入れた。

 

「だっ…だってサト君…この前、一緒に"そっち系"の動画見てた時に、興味ありありっぽかったから……ひにゃあぁっ!

ちょ…サト君、違…そこ、アソコでなくて、おしr…

アッーーーーーーーーーーーーーー!!?」

そして更に口頭だけでなく、"物理的"な突っ込みも入ったのだった。

 

 

≫≫≫

「…どすけべ。変態。鬼畜。えっち。」

リビングのテーブルに置かれた料理を食べながら、目の前に座っている男に、ぶつぶつと零す白音。

 

「…最後辺りは『気持ちいい~♪』連呼してたのが、よく言うぜ。」

「そそそ、それでも!サト君が えっちぃのには、変わりないです!」

「俺が1回 射精()す間に、5回もイった癖に…」

「はぁあ゙?!だ、誰が5回もイキましたか?

さ、3回しかイってないもん!!」

「上等だろ…」

少なくとも それは、食事中にする会話では無く。

 

「全く吃驚したにゃ…

久し振りに"仕事"から家に戻ってみたら誰も居なくて、多分こっちかにゃ?…と思ってきてみたら、2人して盛ってたからにゃ~!

しかも、"後ろ側"で。」

そして そんな2人の遣り取りに口を挟むのは、神代の隣に座って牡蠣を頬張る、黒髪の少女。

      

「さては、私が居ない間、毎日朝晩、ヤってたにゃ?」

「いや、それは無いぞ、黒歌姉。」

「はい。姉様が出掛けた後は、一応、ナニ事も無かったですから。

(昼間、ベロちゅーしましたけど)

さっきのが本当、久し振りです。

…ついでに言えば、お、ぉs…は、初めて…でした。」

「へぇ~~~~~~~~~~~~~?」

白音の姉の、東條黒歌である。

 

「ま、それは どうでも良いにゃ♪」

「良いんかい?」

「良いのですか?」

「兎に角、サトル?

白音とは、今日は もう しちゃったみたいだし、今夜は3Pでなく、久し振りに2人っきりで、えっちするにゃ。

今夜は、眠らせないにゃ~♪!」

「だだだ、駄目ですよ姉様!

何の為、今日は こんな元気になるメニュー大盤振る舞いしたと思ってるんですか?!

敢えて独占はしません…から、2人一緒で、です!…で、良いですよね?サト君?」

「仕方無いにゃ~、それで手を打ってやるにゃ。」

「……………。

俺の意見は無視かい…」

…どうやら この3人は、かなり………な、関係な様だ。

 

「…処で姉様、此方に戻ってきたという事は…?」

「にゃ。あの堕天使達、何を企んで この町にやってきたか、分かったにゃ。」

「「…!!」」

白音の振りに、今迄の のほほんとした顔付きだった黒歌が鋭い面持ちで話し出し、それに連鎖する様に、白音とサトルの顔も、緊張感有る それとなった。

 

≫≫≫

「…尤も、まだ日本(このまち)には来てにゃいみたいだけど…」

「…成る程。

近日中に やってくるとして、恐らく決行は、来週末の夜、か…」

「来週末…満月ですね。」

「…それと、もう1つ。

"上"からの伝達が有るにゃ。」

「あ?」

「まだ、人物特定は出来てないけど、この町に、※※※が、居るらしいにゃ~。」

「…!!ま、マジかよ?!」

「一瞬だけど、アレの独特の生命波動を、感じ取ったらしいにゃ。

…でも、それは余りにも貧弱過ぎて、居場所迄探れなかったとか。」

「まぁ、そこそこな存在感出してたら、俺達が とっくに気付いてるからな。」

「…そんな訳で、次の任務として正式に、堕天使達の監視が告げられたにゃ。

場合によっては、生死問わずで戦闘もOKにゃ。

…で、件の※※の存在を確認した時点で、それの保護。

ついでに余裕が有れば、※※※の捜索、特定、監視だにゃ。」

「「了解だ。」

    です。」

 

≫≫≫

その後、

 

ガラッ…

 

「サトル~、背中、流してやるにゃ~♪」

「…私は髪を洗ってあげます。」

「お前等、少しは恥じらえ!

せめて最初は、タオル巻いて来い!!

…てか、一緒に入りたいなら、最初から そう言え!

別に拒否らないから!」

「え~?だ、だってぇ…」

「後から乱入するのが、良いんだにゃ!♪」

浴室にて この様な遣り取りが有ったり…

 

 

「いや、マジもう勘弁…限界なんですけど。」

「サト君 何言ってるんですか。

まだ、6Rしか してないですよ?」

「同じくだにゃ~!」

「だ・か・ら!

俺はトータルで、もう12Rヤッてんだよ!!」

更に その後、寝室にて この様な遣り取りが有ったり。

                  

「仕方無いですね。

だったら房中術で、体力回復させてあげましょう。はむ…」

「搾り穫った"氣"を、私達の体内で倍増して、還えしてやるにゃ~♪」

「止めろーーーーーー!

これ以上絞られたら、マジに死ねるから!

大体、房中術の使い方、間違ってる!」

「大丈夫です。ギリギリ死なない程度に、体の生気は残しておきますから♪」

「朝までエンドレスだにゃ!!」

「あっーーーーーーーーーーーーーー!?」 

 

…次の日、サトルは体調不良で学校を休んだ。

 

 




 
次回、原作主人公登場?
 


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その男、性犯罪者

 
此方も久し振り!
チラ裏から一般に移設だぜぃ!
 



▼▼▼

 

ガラ…

 

「スイマセン…ヒョウドウイッセイは、居ますか?…っつか、ドイツ?」

「ぇ? 兵藤なら 彼処…

窓際で あのハゲとメガネと一緒に、パン食べながらエロ本読んでるヤツだけど…」

「…どうも。」

 

スタスタスタ…

 

…あれから数日後の昼休み。

サトルは2年生の教室に、足を運んでいた。

 

「ヒョウドウイッセイ…だな?」

「へ? そうだけど、誰だよ?おm」

 

ドスッ…バキィッ!!!!

 

「ぶへらっ?!」

「「い、イッセー!??」」

そして『ヒョウドウイッセイ』なる男子生徒の前に立つと、いきなり鳩尾、そして顔面に、凶悪な右左の拳の連打を炸裂させた。

 

「「「「きゃぁあぁぁ~っ!!?」」」」

「「「な…何だ?!」」」

突然なヴァイオレンスな場面に、騒然となる教室。

 

「お、お前?」

「いきなり、何をするんだよ?」

倒れているヒョウドウイッセイ…兵藤一誠と一緒に居た、坊主頭と眼鏡を掻けた男子生徒が詰め寄るが、

「テメー等もだよ! このクズが!!」

 

ドガッ! ボゴォッ!

 

「「ぐぎゃぁ?!」」

「「「「きゃあぁぁ~っ!!?」」」」

サトルは この2人にも其々、痛烈な膝蹴りと裏拳を浴びせ、倒してしまう。

そして教室内は更なる暴力的展開に、女生徒達が悲鳴を上げ、

 

ざわざわざわざわざわざわざわざわ…

 

「な、何何?何なの?」

「これは、何の騒ぎなんだい?」

その騒ぎは、近隣クラスからの野次馬を呼び寄せた。

 

「ぅオッラァッ!!」

 

ドスドスドスドスドスドス…

 

そんな ざわめく周辺は余所に、サトルは立ち上がるのを赦さんとばかり、倒れている3人に、強烈なストンピングを連打。

 

「…テッメェ! いい加減にしろ!!」

しかし、その踏み突けが自身から離れた、一瞬の隙を利用して兵藤は立ち上がり、

「おらっ!!」

「…!?」

その瞳に怒りの光を宿らせ、反撃の左拳を振り翳す。

 

がばぁっ…どんっ!

 

「??!」

「な…」

しかし、その攻撃は、サトルには届く事は無く。

 

「き…木場ぁっ! 何の心算だ!?」

「それは こっちの台詞だよ、兵藤君!

君は彼に、()()()()()()()()()()()?!」

その前…兵藤が拳を振り上げたと同時に、その場に1人の男子生徒が割って入り、兵藤に胴タックルの形で その場に押し倒したからだ。

 

「…ちっ!」

見え見えな大振りなパンチに、カウンターの一閃を仕掛ける心算だったサトルが舌打ち。

 

「おぃ…お前、1年だよな?

お前も落ち着けよ?」

ここで漸く、周囲の男子生徒達が両者を離す様に間に立ち入り、この教室の1人の男子がサトルに声を掛ける。

 

「…っす、先輩。」

それに対して、素直に応じるサトル。

 

「ね…ねぇ、君?

どうして あんな暴力(こと)をしたの?」

続けて、クラスの女子の1人が恐る恐る、この凶行の理由を問い質す。

それに対するサトルの返事は…

 

「コイツ等、先程の体育の授業の時、 白音の ウチのクラスの女子の着替え、覗いたんすよ。」

 

▼▼▼

「イッセー…貴方ねぇ…」

「す、すみません…」

その日の放課後、旧校舎オカルト研究部の部室にて、その部屋の長であるリアス・グレモリーが、床に正座している兵藤一誠に対して、説教をしていた。

理由は勿論、昼休みに この男の教室で起きた、暴力沙汰である。

 

「理由も理由だけど、それ以前に魔力を込めた拳で、一般の人間を殴ろうとするなんて、一体 何を考えてるのよ?!

祐斗が あの間に入ったから良かったけど…

下手に怪我でも負わせていたら、どうする心算だったの?」

「ぃゃ…でも、アレはアイツが先に…」

「魔力を使って良い理由には、なってないわよ!!

そもそも事の発端は、貴方が女の子の着替えを、覗いたりしたからでしょう!

そりゃ、好きな女の子だか彼女だかの裸を見られたとなったら、男の子ならキレて当然…その辺りは貴方だって、理解出来るんじゃないの?!」

「す…すみません~!」

只の喧嘩なら「男子たる者」…として、リアスも其処迄厳しく言う心算は無かった。

しかし、この兵藤一誠なるリアスの下僕である()()()()が、一般の?生徒に対して悪魔の能力(ちから)を使っての暴力行為に出た事は、看過出来なかった。

しかも その大元の原因が此方(この おとこ)に有るのだから、尚更である。

仮に、あの場で兵藤一誠の拳がサトルにヒットし、負傷させていたら…『悪魔が一般人に暴威を振るった』として、()()は人間との繋がりを重んじる悪魔界上層部が、何らかの措置を兵藤本人及び、主であるリアス・グレモリーに執るのは必至。

リアスについては『下僕の躾が出来ていない』として、最近の評価の下落に更に拍車を掛ける事になる。

仮に この兵藤一誠が、()()()()()()()()()()()()()()()()だとしても、それは理由にも言い訳にも成らないのだ。

そして、悪魔と敵対する勢力に対しても、『人に害悪な種』として、駆逐の口実を与えかねない。

 

「…で、この1-E、神代聡琉君…か。

ギャスパー、E組って事は、彼って貴方のクラスメートよね?」

「は…はぃぃ! す、スイマセン、部長ぉ!

ぼ、僕も、最初は止めたんですけど、あの時の神代君、顔が凄く怖くて…」

「ギャスパー?別に この件で、貴方を叱る気は無いわよ。

ただ、この神代君には、オカルト研究部の部長として…イッセーの主として、謝罪する必要が有る…そう思っただけよ。」

「ぶ、部長おっ?! あんなヤツに、頭なんて…」

「お黙りなさい!

今回 貴方を庇うのに、私や お兄さm…魔王様が、どれだけ手を回したか…」

「す…スイマセン…」

オカ研部員のギャスパー・ヴラディと、サトルがクラスメートなのを確認、部員(げぼく)の無法の謝罪を考えたリアスに、当事者である兵藤が反省の欠片も見受けられない発言をしようとするが、彼女は それを一喝。

…今回の騒ぎは、瞬く間に学内に知れ渡っていた。

教諭達が校内暴力を振るったサトルに対して、停学等の措置を検討していた時、サトルのクラス、そして兵藤一誠のクラスを中心とした学園高等部殆どの女子生徒が、それを話し合いしていた会議室に溢れんばかりに雪崩れ込む。

そして、

「神代君にペナルティーを課すなら、先に覗きを働いた、あの性犯罪者3人を即刻退学にすべきよ!」

「彼に何かしらの罰を与えた時は、私達は あの性犯罪者3人に辱しめを受けたとして、警察に被害届を出しますからね!」

「…って言うか、今の今迄、あの変態共の所業をスルーしてる時点で、学校も有罪よ!」

…等の抗議、訴えを起こす。

逆にあの【変態3人衆】と呼ばれる3人の、フォローや恩赦を求めたりな声は皆無である。

序でに云えば、あの乱闘騒ぎの際、サトルの『コイツ等が女子(しろね)の着替えを覗いた』の発言後は、その場の全員が「あ~…」と云う何かを察し、そして何やら納得した反応。

その後はサトルを責める声は無く、逆に被害者?である兵藤達3人に対し、その場に居た女子生徒が中心になっての『お前達が全部悪い』『死ね』『性犯罪者』『変態』『ゴミ』『害虫』『クズ』『汚物』…等々の、罵詈雑言の大合唱だった。

そして学園側としては…特に報告を受けた()()()()()が、学園内部から刑事事件沙汰の犯罪者を出したくない等を理由として、今回は件の3人に厳重注意を言い渡した上で、サトルには お咎め無しとするしか無かった。

尚、兵藤一誠が魔力を使っての凶行を止めるべく、やはりリアス眷属である木場裕斗が この男をタックルで押し倒した件で、一部の女生徒達の間で【木場(攻)x兵藤(受)】の図式が成立し、広まったのは別の話である。

 

▼▼▼

「…今回は何も無しだったが神代、お前も全く悪くないって訳じゃ無いからな…」

「…確かに暴力振るったって事で、その自覚は多少は有りますが、あの性犯罪者達を野放しにしてる学校には、余り言われたくないですね。」

「~っ!!」

同じ頃、本校舎の生徒指導室では、サトルが担任教諭から呼び出しを受け、それなりな注意をされているが、本人は悪びれる様子は無く。

 

「そもそも学校側が、事前に あの変態(バカ)共を処していれば、今回みたいな大騒ぎには ならなかったんですよ?

今迄、アイツ等に対する女子からの苦情、全く無かった訳じゃ無いでしょう?」

「……………………………………。」

「もしかして先生?

この学園って、アイツ等に何か、弱味でも握られてるんですか?」

「いや、そんな事は…」

既に学園最大権力者(りじちょう )から『咎無し』の墨を得ている筈にも拘わらず、事を掘り返す様な担任の態度に、逆に学園生徒全員(一部除く)の抱いていた感情や疑問をぶつけ、黙らせてしまう。

 

「話は終わりですね?

それじゃ、失礼しますよ。」

そして、担任の了承を得る前に、退室するが如くサトルは席を立つ。

 

ガラ…

 

「最後に1つだけ…」

扉を開け、部屋を出る前、サトルは振り返る事無く、一言を口走る。

 

「"全く悪くない"って事は則ち、確かに"少しだけは悪い"って事では在るが、結局それは…

 

 

 

『俺は悪くない。』

 

 

 

…そーゆー事ですよ。」

 

▼▼▼

「ん?白音?それに…」

「サト君、お疲れ様。」

「あ、あの…神代君…」

「大丈夫だった?」

校舎の正面玄関でサトルを待っていたのは白音と、部活動に向かった以外の…所謂"帰宅部"なクラスメートの女子達だった。

 

「その…ゴメンね?」

「私達が『変態に覗かれた』って、大袈裟に騒いだりしたから…」

…どうやらサトルの呼び出しが、自分達に原因が在るとして責任感、或いは罪悪感から、一言 謝ろうと待っていた様だ。

 

「いや、気にする事は無いさ。

結局は俺自身の暴走が招いた話だし。

それに、皆の お陰で、処分無しになったみたいなモンだからな。

謝罪や礼を言うのは、俺の方だよ。

…ありがとな。」

それに対して、気遣い無用とサトルは言う。

 

「ふむ。分かっているじゃあないですか。

でしたら とりあえず御褒美として、これから毎日 学食でデザーt(むにょーん)ふに゙ゃぁ?!」

「お馬鹿な事を言おうとしてるのは、この口かこの口かこの口か?」

「もょ…もょにぇんまりゃぃい~?!」

「オラオラ! ★GO★HO★U★BI★…じゃ~♪」

そして ()()()()()…と、白音が何かを言おうとした瞬間、その両頬を左右に、更には上下に大きく引っ張るサトル。

 

「「「「……………………。」」」」

その慣れた様な平和な?遣り取りを見た、クラスメート女子達は思った。

 

 

 

やっぱし この2人、【夫婦】だ…!!

 

…と。

 

 

 

≫≫≫

尚 この夜、白音はサトルから、更なる★GO★HO★U★BI★…なる物を、貰ったとか貰わなかったとか。

 

 




 
次回、性犯罪者(げんさくしゅじんこう)の逆襲?
 
◎良い子の諸君!☆
感想に『無能』とか『駄肉』とか『性犯罪者』とか書くと、何故だか高い確率で運対されるから、気を付けようぜ!!




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狂神父

 
お気に入り100突破!
ありがとうございます!!
 


▼▼▼

「あ…あの…神代…君?」

「あ゙ぁっ?!」

「ヒッ!?」

 

翌日の朝の、1ーEの教室。

室内に入り着席したサトルに、1つ席を挟んで隣に座っている…実は転生悪魔の…クラスメート、ギャスパー・ヴラディが話し掛けてきた。

…しかし、そのサトルの不機嫌そうな反応と迫力に、ボブカットの女装少年は、思わず立ち竦んでしまう。

 

すぱーんっ!

 

「ぁ痛あっ?!」

そんなサトルの背後、脳天に丸めたノートでの一撃が炸裂。

 

「な、何すんだよ、雪村!」

頭を押さえながらサトルは、その犯人に文句を言うが、

「「「ギャスパー君をいぢめちゃ駄目でしょ!」」」

凶器(ノート)を持った小柄な少女だけでなく、その他クラスメート女子数名から、逆に注意を受けてしまう。

 

「別に、いじめていた訳j…わ、分かった、悪かったよ。

…で、ギャー子、何の用だ?」

言い訳しようとするが、女子達の"圧"に屈し、結局は一言謝った後、ギャスパーに何用かを尋ねた。

 

「き…昨日のイッセー先輩とのケンカの件で、リアス部長が神代君に謝りたいって…

それで放課後、部室に一緒に来てくれないかっt

「巫山戯るなよ?!」

「ヒィイッ!!?」

しかし、このギャスパーの言葉に、再び…いや、先程以上の不機嫌顔になるサトル。

 

「ちょっと、神代?」

「神代君!」

「悪ぃ雪村、これは先に話させてくれ。

良いか、ギャー子?」

またもや泣き出しそうになるギャスパーを見て、女子達が窘めようとするがサトルは それを制止、ギャスパーに話し出す。

 

「放課後 部室に来いって、アレか?

『自分達が悪かった事にして謝ってやるから ちょっと お前、お前が 旧校舎(こっち)迄、足を運べや』…って、そう言う事か?

…ってか、何で あの駄肉姫 グレモリー先輩が、俺に謝るって展開になる訳?」

(い…いや それも、)(イッセー先輩とのケンカで、)(神代君に迷惑…)

「聞こえねぇよ!

大体 違うだろ?!

あの変態が迷惑掛けたから謝るってなら、俺でなくクラス…いや、学園全体の女子に、グレモリー先輩でなく あの糞本人が、残りの変態2号3号引き連れて、土下座行脚でも何でも、するべきだろうが?!」

「ぅう…ご、ごめんなさい~!!」

サトルの問い質しに怯え、掠れる様な小声で応えるギャスパーに、この男の不機嫌度(イライラ)は更に上昇。

輩の様な顔で重ねる様に放つマシンガン・トークで、半泣き顔となった男の娘を圧倒する。

 

「だ・か・ら、お前が謝ったって、意味が無いd(ガン!!)(いって)ぇーっ?!」

そのサトルの脳天に、再び衝撃が。

 

「サト君、ギャー君いぢめちゃ、駄目。」

「"広辞苑"は止めろ!!」

 

▼▼▼

その日の夜…

 

「サっトル~! 今は白音も居ないし、久し振りに 2人えっち、す~るにゃ~!♪」

「えぇい!服を脱ぎながら迫るな!…てゆーか、邪魔すんな!!」

この夜 白音は、"任務"で外出しており、夕飯の後、台所で食器を洗っているサトルに、普段から わざととしか思えない着崩した和服を更に ぽろりと肌け、まるで発情した猫の様に、サトルに責め寄るのは黒歌である。

 

 

ЯЯЯЯЯЯЯЯЯ…

 

「「……?!」」

このタイミングで、様式美な如く鳴るのはサトルのスマホ。

画面に映し出された発信者の名は…

「もしも~し、白音~?

一体、何の用にゃ~?」

『いえ、何となく、電話しなければならない気がして…って、何で姉様が、サト君のケータイに出てるんですか!?』

「…………。(チィ! 勘の鋭い妹だにゃ!!)」

…白音である。

 

『…それと ついでに、堕天使側に動きが有りましたので、その報告です。』

「そっちが ついでかよ!?」

黒歌からスマホを取り戻したサトルが、盛大に突っ込んだ。

 

『※※と思われる人物が、教会から出て行ったのですが、彼女と一緒に居るのが…

あの、※※※※・※※※※…です。』

「何…?!分かった、俺達も向かう!

黒歌!お前も直ぐ用意しろ!!」

 

pi…

 

スマホを切ると、外行きの服に着替えだすサトル。

 

「チィッ…!

これからサトルと、『ぴー』な一時を過ごせる筈が…有罪(ギルティ)!万死!!…だにゃ!」

「お前等、本当に姉妹だな!?」

そう言いながら着替えを終えた2人は、転移術式で、白音と合流するのだった。

 

▼▼▼

 

ガキィッ!

 

「な…何なんですかぁ!

こっの、奇妙奇天烈な お面ヤローわぁ!?

このライ〇セイバーちゃんを素手で受け止めるって、有り得ないっしょ~~??!」

「…残念だが()()俺は、あらゆる『魔力』や『光力』等、その類いの全てを拒む事が出来る。」

「ふ~ん?…って、俺ちんの邪魔、してんじゃねーよ!」

とあるアパートの1室、その場で白い法衣を纏った白髪の少年と、ジーンズにパーカー、そして派手な色彩装飾の鳥の仮面を被った人物…サトルの戦闘が始まった。

 

「あゎわわ…」

「大丈夫ですよ。」

「心配いらないにゃ。」

そのバトルに、腰を抜かして見ているのは、この部屋の住人。

その人物を護る様に介抱しているのは、某・美人怪盗姉妹なレオタードに、鼻口は無く、目の穴だけが開いているだけの無表情な白い仮面を付けた、2人の少女…白音と黒歌である。

 

「な…何なんだよ…?」

この大学生の青年は、未だ、現状の分析が出来ずにいた。

…当然である。

呼び鈴無しで いきなり、神父服の男が玄関から土足で上がってきたと思えば、某・有名SF映画に出てきそうな光の剣を構え、「ひゃっはー!」と、某・世紀末コミックの悪役(ザコ)の様な叫びと共に襲い掛かってきたのだ。

しかし その攻撃は、更に突然、目の前の床に浮かび出た魔法陣から現れた、仮面を被った3人の人物…その内の1人が()()で受け止める。

そして その儘、この2人は戦闘を開始したのだった。

 

「と…とりあえず、助けてくれて?ありがとう。

アンタ達が…悪m

「違います。」「違うにゃ。」

「へ?」

…そんな遣り取りの中、

 

バクィッ!

 

「ぺちょーっ!?」

サトルの豪快な前蹴りが、神父の鳩尾に炸裂。

 

「あ痛たたた…

あ゙っーー、何なんですか、キミタチわ!?

くっそ悪魔…じゃ、無いみたいだしー?」

「ふん、只の現地人だよ!

フリード・セルゼン!」

「ぉょょ?俺ちんを知ってる?

はっはーん?分かったぞ!

さては お前さん、俺ちんのファンだな?」

「違ぇーよ!!」

腹を押さえながらも、まだ余裕の有る惚けた口調で話す神父…フリード・セルゼンの台詞に、本気で否定するサトル。

 

フリード・セルゼン。

嘗ては その才能を天界に見出され、幼くして天才と呼ばれたエクソシストだったが、その余りにも狂気を孕んだ殺戮衝動故に、天界を追放されていた狂人である。

 

「まさか、堕天使に拾われていたとはな!

だが、その狂った殺人癖は、相変わらずな様だな!!」

「まじかっすかー!

俺ちん、もしかして有名人~?…っとぉ!」

 

バキィッ!

 

「んばぼっ?!」

人を小馬鹿にした様な巫山戯た口調から、光の剣を振り下ろすフリード。

しかしサトルは それを躱し、踏み込みから更に間合いを詰めて…殆ど0距離からの右の掌打を、フリードの鳩尾にヒットさせた。

 

「ぅが…痛ってーなぁ、ゴラァ!!

だっから、何なんだよ、オメーわぁ!?

分かってんのかぁ?

ソイツはなぁ、糞悪魔なんかと契約してる、糞人間なんだずぉお?!

殺してぇ、殺されて当然だろぅがぁ!」

「ひっ…?!」

再度 腹を押さえ、自分が殺そうとした大学生に目と光剣の切っ先を向けながら、怒りの形相で話すフリード。

 

「残念だが、俺は そうは、思わn

「あ、あの~、フリード神父?

結界、張り終わりましたぁ…って、え…!?」

「「「「!!!?」」」」

このタイミングで、奥の部屋から ひょっこりと顔を見せたのは、シスター服姿の金髪の少女だった。

 

♪ピンポーン♪

 

「「「「「????」」」」」

更に それは様式美なのか、次の瞬間、玄関から呼び鈴が鳴り、

「え~と、今晩は~。

あの…呼び出された、悪魔…ですけど~?」

「…はぁあっ??!」

サトルとしては聞き覚えの有る、何とも間抜けな声が、届いてきた。

 

「隙有りゃーっ!」

 

斬!

 

「…っ!!」

「きゃ…ぁぁぁぁあっ?!」

その声に反応し、一瞬 動きの止まったサトル目掛け、フリードが凶刃を放ち、それは少女の悲鳴と同時にサトルの脇腹に喰らい突くが、

「な…何ですとぉ?」

「最初に、言ったはずだ!」

 

ドガァッ!

 

「のわっち!?」

「きゃあぁっ?!」

光の刃は その身に刺さる事は無く、狂神父は即座に反撃の右拳を顔面に浴び、壁に据え付けられている本棚に激突。

 

「…俺には、『光』や『魔力』は、通用しないってな。」

暴力的場面に慣れていないのか、金髪少女が再び悲鳴を上げる中、言葉を続けるサトル。

 

ダダダッ…

 

「な…何だよ? 今の、女の子の悲鳴は?!」

そして其処に駆け付けてきたのは、駒王の制服、それを前面のシャツのボタンを全開、赤のアンダーシャツをトレードマークの如く開かした、茶髪の少年。

 

「な…んだぁ? 今度は、糞悪魔かぁ?」

「ヒョウドウ…イッセイ…」

 




 
続く!
 


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ガルーダと灯と螢

 
【前回の あらすじ】
性犯罪者が戦闘の場面に現れた!
 


「な…何だ? お前等?」

後から現れた男…兵藤一誠は、現場の状況に理解が追い付かずにいた。

自分を喚び出した人間の元に馳せ参じてみれば、

其処にはインドネシアを基とする、東南アジア諸国の神祭等で よく見られる、派手な色彩装飾が為された鳥の仮面を被った人物が1人。

ライ〇・セイバーの様な物を携えた、聖職者の格好をした男が1人。

 

「こ…今度は…何? 誰なんだよ?」

服装は ごく普通な、床に腰を落として震えている男が1人。

 

「うはっ! 金髪美少女!

それと、顔は分からないけど、2人共に なかなかな…♪」

「…?」「「!!?」」

そして、シスター服の少女が1人。

仮面で顔を隠したレオタード姿の女が2人。

そのシスター服の少女の顔立ち、そして仮面で素顔は確認出来ないが、レオタードから確認出来る黒歌と白音の体型(スタイル)を見て、兵藤は鼻の下を伸ばし、だらしない顔を浮かべる。

明から様に現状が、尋常な雰囲気では無いにも拘わらず…だ。

 

ずぶぼぉ…

 

「え゙…?!」

「隙有り…だ。」

そして この兵藤の登場で、一瞬だが、当人以外の時間が停まった僅かな隙を、サトルは見逃さなかった。

先程の台詞に対する皮肉か意趣返しかを添えて、フリードの胸に素手の手刀を突き刺し、その儘 背中を貫いたのだ。

 

「きゃぁぁぁぁぁああっ??!」

飛び散る鮮血を、僅かだが顔に浴びて、金髪の少女が またも悲鳴を上げる。

 

「な…何じゃぁ…こりゃぁああっ…!!?」

そしてフリードは、己が胸元から滴り流れる夥しい血を拭った掌を見て一言叫ぶと、

 

ガクッ…

 

「…………………………………………」

両膝を床に着け、その後は呼吸をしなくなった。

 

(う…うぅ~ん…)

 

ガクッ…

 

「ぉおっと。」

その様を見て、シスターの少女が気を失い、その場で崩れ落ちそうになるのを、仮面を被った()()()()()()()()が その体を支える。

 

「ハッ…! お、お前、何やってんだよ?!」

そして やはり、生まれて初めて遭遇したのだろう、殺人…人死にの場面を目の当たりにして、思考が停止していた兵藤が再起動、鳥仮面の男…即ちサトルに問い質した。

 

「…(あかり)。"彼女"を、安全な場所へ。」

「ちょ…無視かよ?!」

しかしサトルは その兵藤の問い掛けを無視、仲間の1人に指示を出す。

 

ヴォ…

 

「了解です。ガルーダ。」

サトルから灯と呼ばれた…サトルを"ガルーダ"と呼んだ小柄な仮面の少女…術式で()()()()()()()()()()()は、それに応えて転移魔方陣を展開。

 

「…では、ガルーダ、(ほたる)姉様、お先に。」

未だ意識を失っている金髪少女を抱き抱え、何処かに消えていった。

 

「なぁ? おぃ、お前?!

今の女の子、何処に連れて行ったんだ?」

「…さて、あんた。」

「ひぇっ?!」

2人の少女が消えるのを見て、驚きを隠せない兵藤。

サトルに説明を求めるが、サトルは またもや この男を無視、この部屋の主である大学生に話し掛けてる。

 

「…色々と突っ込みたい気持ちは解るが、とりあえず 死体(アレ)や床の血の痕の処理なんかは、そこの悪魔(アレ)か、その主にでも頼んでくれ。」

「ぁ…ぁあ…」

未だに腰を抜かした儘の男の前で片膝を着き ほぼ同じ目線の高さ、フリードの死体や後方に立っている兵藤を、背中越しに親指で指差しながら話すサトルの台詞に、大学生は頷きながら応えた。

 

「…って、お前!

さっきからシカトしてんなよ!!」

 

ガシィッ…

 

「聞いてんのかよ?

おら、こっち向けよ!!」

そして その時、先程からの態度が余程 気に入らなかったのか、怒鳴り気味な声で兵藤が背後からサトルの肩を掴み、自分の側に振り向かせようとするが、

 

バキッ! ベコォッ!!

 

「はごぉっ?!」

「何、ガルーダに触ってるにゃ?」

直後、去り際の(しろね)から"螢"と呼ばれた少女…黒歌の放つ、胸板への肘鉄から顔面への裏拳の連打を貰ってダウン。

 

「あが…が…が…」

「弱…いにゃ…

ホントにコレ、()()な、訳?」

かなり手加減した心算の攻撃にも拘わらず、しゃがみこんで血が流れ出ている鼻を押さえている兵藤を見て、(くろか)が呆れた口調で話す。

 

「仕方無いさ。

所詮は、()()駄肉姫の下僕悪魔…まぁ、この程度だろ?」

それをサトルは、諭す様な口調で返すが、

「ちょっと待てよ…?

『駄肉』って一体、誰の事だよ?!」

「ん?」「にゃ?」

この『駄肉』と云う単語(ワード)に、兵藤が怒りの表情で喰い付き、立ち上がった。

 

「…部長か? もしかしなくても、リアス部長の事を言ってるよな? お前!?」

「「………………………………。」」

「何、黙ってんだよ?!

不っ山戯んなよ!! 部長の おっぱいはなぁ、駄肉なんかで無く、とても素晴らしい御宝(もの)なんだぞぉ!!」

 

ガシャッ…

 

「ほぅ?」「にゃ?」

そう言いながら、兵藤は魔力を込めると、左腕に鋭角的パーツを幾重にも組み合わせた様な造形の、赤い手甲を具現化。

 

「でぇぇいやぁっ!」

そして その儘、左拳に魔力を集中させて、サトルに殴り掛かるが、

 

バガァッ!!

 

「ぐっふぁぁあっ?!」

如何に破壊力が有ろうが大振りな、しかもサトルからすれば、余りにも動きがスロー過ぎる その攻撃は簡単に見切られ、反撃の右ストレート…クロス・カウンターをまともに顎先に受けてしまい、またもダウン。

 

「ふっ…駄肉が気に入らないなら、無能姫の呼び名の方が好いか?

主をディスられて憤慨する、その気構えだけは認めてやる!

何だか、怒りのベクトルがズレている…そんな気もするがな…

しかし、今の貴様は、この俺と相対するには、余りにも貧弱! そして無力過ぎる!」

「てっ…メェえ…!?」

直接に受けた顎へのダメージも然る事ながら、その攻撃によって()()()()()()、立ち上がれる事が出来ない下級の転生悪魔は、目の前の鳥仮面の男を睨み付ける事しか出来ない。

 

「…茶番は終わりだ。螢、帰るぞ。」

「はぃにゃ!♪」

 

ヴォ…

 

サトルの言葉に、黒歌が転移の魔方陣を展開する。

 

「ま…待てよ! お前、何者だ?

先に お前の仲間と一緒に消えた、あの女の子は、何処に連れて行ったんだよ?!」

「……………………………。」

「…答えろよっ!!」

 

スゥゥ…

 

「く…クッソ! 最後迄 黙りかよ?!

嘗めやがって!!」

そして2人は、兵藤の問い掛けには何も応える事も無く、その場から姿を消すのだった。

 

▼▼▼

「とりあえず…依頼人の命を救ってくれた事()()は、感謝をしないと いけないわね…」

「……………………………。

それは、そうですけど…」

…あの後、兵藤一誠は直ぐ、主であるリアス・グレモリーに連絡。

報せを受け、残りの眷属総出で現場に赴いたリアス達は、鳥仮面の男に殺された神父の屍や、その戦闘の際の血痕の処理をしながら、兵藤と、そして依頼人だった大学生から事情を聴いていた。

神父と鳥仮面、そして仲間と思われる仮面の少女達との会話等から判明したのは…

 

・殺された神父は、()()、フリード・セルゼン

・それを殺ったのは、()()、『ガルーダ』らしき人物

・はぐれ悪魔祓いのフリードは、悪魔契約者である この大学生を殺害しようとした処、その場に現れたガルーダに阻止され、逆に斃された

 

…等である。

リアス達オカルト研究部の面々は現場であるアパートから戻った後、旧校舎に在る部室で、今回起きた事件について話していた。

 

≫≫≫

「クソッ! アイツ…いくら敵だからって…殺す必要有ったのかよ?!」

改めてガルーダ…サトルの行動に、憤りを見せる兵藤だが、

「いや、それは違うよ、兵藤君。」

「そうよ、イッセー…

あのフリード・セルゼンは"裏"では それなりに有名でね、過去に悪魔や天使は勿論、数え切れない程の人間も殺してきたの。

悪魔や天界と関わりを持った…って理由だけでね。」

「"裏"に関係する事ですから、捕まえて警察に付き出して終り…には行きませんわ。

ましてや改心を期待して見逃す…なんて、以ての他です。」

「…っ!!」

その考え方は、リアス達に否定される。

 

「で、でも…!

それにアイツ等、あの神父を殺した以外にも、シスターの女の子を、何処かに連れ去っt

「イッセー!」

「??!」

そして続ける兵藤の言葉も、リアスの やや怒気を孕んだ口調によって遮れた。

 

「解ってるの?私達は悪魔なのよ?

シスターが…教会に所属している者が どうなろうと、それは関係無い事だわ。」

「ぅ…」

「女の子だから心配…とでも、言う訳?

それでも駄目。

貴方も もう、悪魔なの。

"人間"だった時の価値観や常識は、もう棄てなさい。」

「…は…はい。」

リアスの言葉は、"悪魔"としては、当然な事。

それに納得出来なくとも、残念ながら理解は出来てしまった兵藤は、それに頷く事しか出来ず。

この後も兵藤は、リアス・グレモリーから色々と"悪魔"として、そしてグレモリー眷属としての心得を、深夜遅く迄 教え込れる事になった。

 

 

▼▼▼

「はい、Enter!…と。」

 

pon…

 

…その頃、駒王学園高等部の本校舎、生徒会執行部室に不法浸入したサトルが、その室内に有ったパソコンから()()()()()()()()()()()、新しい書き込みを終了させていた。

 




 
①フリード、物語離脱(リタイア)
 
②誰の所業なのか、身長の割に、以外と胸が………な、白音たん。

③白音たんと黒歌さんの任務時の呼び名(コードネーム)は、それぞれ(あかり)(ほたる)
 
④ラストのサトルの行為は、本来は普通に違法です(笑)
 
⑤サトルの仮面イメージ
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【悲報】駄肉姫の新しい眷属が性犯罪者だった件

 
本文の殆どが、パソコン画面的描写…
ネタに走り過ぎた自覚は有る。
  


▼▼▼

「巫山戯ないでよ!!」

サトル(ガルーダ)と兵藤一誠が初遭遇した翌日の昼休み、オカルト研究部の部室にて、リアス・グレモリーの怒声が鳴り響いた。

事の起こりは深夜、長いOHANASHIを乗り切った兵藤が帰宅後に偶然に見つけた、(ガルーダ)のサイトの書き込み更新である。

学園にて、兵藤から報告を受けたリアスは、部室のノートパソコンを開き、件のサイトにアクセスしていた。

 

 

※※※

 

【悲報】駄肉姫の新しい眷属が性犯罪者だった件

 

一昨日の午後、駒王学園高等部2年の教室に、同校1年の男子生徒が押し掛け、その室内に居た男子生徒を殴り付けるという事件が起きた。

被害者は兵藤一性(17)、他2名。

加害者とされる1年のA君(15)の供述によると、件の生徒3人が、クラスメート女子の着替えを覗いた事により、『つい、カッとなった』故の凶行との事。

但し、これだけならば、この様なページにアップする事では無い。

問題なのは、この兵藤一性なる男子生徒が、あの駄肉姫こと、グレモリー家令嬢リアス姫の下僕である、転生悪魔だった事だ。

この名家の眷属たる者が、婦女子の着替えの覗きを…それも日常的、頻繁に行っていたらしい。

更には この兵藤一性(他2名)、覗きだけでなく、普段から教室内、大勢の女子生徒が周囲に居るにも拘わらず、エロ本の観賞や卑猥な会話等、所謂セクハラ的行為を平然としていたとか。

この様な者を、グレモリー眷属として迎えている…

それだけでも、グレモリー家の品位を問わずにいられない事だが、問題は それだけで終わらない。

この乱闘の際、結果から言えば未遂に終わったのだが、人間であるA君の暴行に対し、転生悪魔である兵藤一性が、魔力を行使した反撃に出ようとしたのだ。

如何なる理由が在れど…今回の場合は兵藤一性に完全に非が有る訳だが…只のケンカで、悪魔が人間に魔力を使った攻撃を行う…

これは看過出来る問題では無く。

またも、駄肉姫の主としての資質や、下僕への躾の在り方を問うべき事となるだろう。

今後、直接の主のリアス嬢だけでなく、グレモリー家当主が どの様な指示指導、そして今回の件で、当事者の兵藤一性及びに駄肉姫に対し、如何なる処罰を課すのかに…興味アリアリだぜ!!

 

 φ(..) 続く!

 

 

 

 

◇何なの…?このニュース記事みたいな真面目な文章…って思っていたら、最後の最後で安心したwww

 

◇まじアウトっしょ?

 

◇最初、別のスレかと思ったぜ!

 

◇未成年の本名晒して大丈夫?って思ってたら、転生悪魔でしたか。

だったら問題無しですね。

 

◇…てか、名前がヒデェwww

 

◇ ↑

 兵藤一性犯罪者www

 

◇ん。名前に相応しい行動を示した訳ね。

 

◇共犯者2名は普通の人間の未成年だから、名前は出ないのか

 

◇おい、3つ上のコメントのヤツ、噴いたビール返せ(褒めてる)

 

◇尚、今後は彼を鎮める為、駄肉姫様が毎日ストリップを披露するとの事(ただし、おっぱいまで)

 

◇な、何だってーっ!!?

 

■マジかーっ?! Σ( ̄□ ̄;)

 

◇ちょ…サイト主…w

 

◇なんて羨まけしからん性犯罪者だ!

 

◇サイト主www

 

◇スレ主(笑)

 

◇よし、俺オカ研入るわ

 

◇俺も

 

◇( -_-)つ【入部届】

 

◇何か、覗きの常習犯ってなってるけど、コイツラ停学や退学にはならなかったん?

 

◇上手く逃げてたとか?

 

◇一応は現行犯逮捕でないと、学校が対処出来ないとか

 

◇A君は性犯罪者に彼女の裸を見られたからキレたで、おけ?

  

◇或いは好きな娘。 

 

◇駒王は美少女率高いらしいから…

 

◇好きな女を辱しめられ、何の行動も起こせぬ様なヤツは、もはや漢とは認めん!

 

◇A君は処罰受けたん?

  

◇暴力沙汰だから普通に考えて、停学以上?

 

◇ちょっと待て。そんなヤツでも下僕にするなんて、その兵藤一性犯罪者って、もしかして強いヤツなのか?

 

◇…多分?

 

◇そりゃあ、性犯罪者でザコだったら、転生させる意味無いぜ

 

◇いや、分からないぞ。

何と言っても、あ・の・無能の駄肉姫様の下僕だぜ?

 

◇私の戦闘力は、53万パワーです。

 

◇↑『パワー』を付けるな!何かショボく感じるわ!(笑)

 

◇ちなみに俺は駄肉より、そのクィーンのお姉さん派

 

◇あ、分かる。美人だよな。

 

◇悪魔なのに神職の格好のミスマッチが聖職者に対してナイス冒涜!

 

◇罵って下さい!

 

◇このブタ野郎!(笑)

 

◇もう1人の小さい子も可愛くね?

 

◇可愛いー(はぁと)

 

◇お持ち帰りしたいわー

 

◇このロリコン共め!

 

◇なにおー?ロリを馬鹿にすんなよテメー!

 

◇ヴァカめ!ちっぱいこそ正義なのだ!

 

◇おまわりさん、コイツ等です

 

◇なお、もう1人のヤローはどうでもいい模様

 

◇イケメンタヒね!(笑)

 

◇いや、あの女王は止めとけ。あれの父親、滅茶苦茶強いぞ。

 

 

※※※

 

■ φ(..)続き!

 

さて、兵藤一性だが、実は今日の…いや、既に昨日の夜か…に、会っていんだよね、俺。

強い弱いかだが、俺基準で言えば、ハッキリ言って雑魚だった。

それでも一応は神器(セイクリッド・ギア)を持っていたから、リアス嬢の下僕になれたのだと思う。

…に、しても、驚いたのは あの兵藤一性、先日に あんな騒ぎを…普通の人間(笑)に魔力を使って殴ろうとしたのに、謹慎等、何の処分も受けずに悪魔稼業ってヤツ?をしていた事だ。

ありゃ絶対、駄肉は実家へ報告してないぜ。

それからヤツと会ったのは、経緯は省かせてもらうが、とあるアパートの一室。

恐らくは兵藤一性の契約者の部屋と思うのだが、あの兵藤、どういう訳か、転移で直接、室内に現れるでなく、普通に玄関から入ってきたんだよね…これが未だに解せん。

 

 

それと、もう1つ。

駒王町の はずれの廃教会に屯してる堕天使の群れ、何時になったら駆除して貰えるのでしょうか?

あ、もしかして、まだ存在に気付いてない?

 

それから、A君は変態に天誅を下した勇者として、学校の殆どの女子が免罪を求めた結果、何のペナルティーも無しだとか。 

 

 

 

 

◇『もう1つ』が『2つ』になってますよ~?

 

◇A君モテモテか?

 

◇兵藤一性犯罪者は神器持ちだったのか

 

◇駄肉姫は実家へ報告してないか。

報連相は大切だぜ。

 

◇尚、このサイトでバレた模様

 

◇グレモリー当主様、これ見てるの?

 

◇兵藤性犯罪者、サイト主からザコ認定って、ガルーダ氏強いのか?

 

◇少なくとも、はぐれ悪魔を倒せるレベル

 

◇1億パワー(笑)

 

◇【悲報】リアス姫、神器持ちを眷属に出来たと思ったら雑魚だった件www

 

◇間違った神器持ちを眷属にしてしまったwww

 

◇お前等、性犯罪者とかザコとか、いい加減にしろ!俺の名は一性でなくて兵藤一誠だ!

 

◇えーと、誰?

 

◇まさかの性犯罪者御本人?登場?

 

◇なりすましだろ?

いつかの駄肉姫みたいに。

 

◇またかよ。

 

◇なりすましじゃねーよ!だから性犯罪者とか呼ぶんじゃねー!それと、リアス部長の事も、駄肉とか言うな!部長のおっぱいは凄いんだからな!

 

◇見た事あるのかよ?!( ̄□ ̄;)

 

◇羨まけしからん!!(血涙)

 

◇ストリップって、ネタでなくてガチですか?

 

◇貴族様、痴女じゃねーか!?

 

◇でも、性犯罪者なんだろ?

 

◇覗きは犯罪ですよ~?

 

◇うるせーよ!可愛い女の子が着替えてたら、普通覗くだろうが!ってか、覗かないと失礼だろ?それに、毎日部長のおっぱい、見せてもらってる訳じゃねーし!1度、予想外なイベントがあっただけだし!

 

◇あかん、コイツ、マジであかんヤツだ。

 

◇とりあえず性犯罪者は確定じゃん

 

◇もしもし、ポリスメン?(ガチ)

 

◇ラキスケかよ?

 

◇って、マジに見てるんかい?!

 

◇貴族様の裸を見て、よく生きてるな?切られるだけで勘弁してもらったのか?

 

◇てゆーかコイツ、マジに危ねぇ。考え方がストーカーとかと一緒だぜ。

 

◇【悲報】駄肉姫の新しい眷属がストーカーだった件www

 

◇【朗報】性犯罪者の〇〇〇、切られる

 

◇ストーカーはしてねぇし、切られてもねぇ!

 

◇面白ぇーwwwなりすましサン、十分笑えたから、もう帰ってよいぜ。

 

◇次はクィーンのお姉さんのなりすまし希望。

 

◇じゃ、俺は小さな女の子で

 

◇だから、なりすましじゃねーよ!それから小さい女の子って、ギャスパーは女装野郎だよ、バーカ!

 

◇何ー!?

 

◇何…だと…?

 

◇マジ?

 

◇そりゃ詐欺だ

 

◇嗚呼…諸行は…無常だ…orz

 

◇【悲報】駄肉姫の眷属が美少女だと思っていたら、実は男の娘だった件orz

 

◇俺は構わん!寧ろウェルカムだ!

 

◇強者、キターー!(笑)

 

◇成る程、駒王の町はずれの廃教会か。

情報、感謝するぜ。

 

※※※

 

 

▼▼▼

 

ゴォオオオオオンッ!!

 

「ハァ…ハァ…」

「あゎゎわ…」

「ぱ…パソコンが…」

…この日、オカ研部室のパソコンが1台、滅びの魔力によって消失した。

 




 
次回、遂にリアスとサトル、そして"あの男"が邂逅?
 


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堕天使

 
シリアスとギャグ、バトルとエロが有ってこその、DxDだと思っています。
…つまり、何が言いたいかと謂うと…
ミッテルトちゃんファンの皆さんは、 ブラウザバック 刮読せよ!…って事ですよ!(笑)
  


▼▼▼

…それは、リアス・グレモリーがオカ研部室で、パソコンを破壊していた頃の話。

とある場所の薄暗い一室で、4人の男女が それぞれに時を過ごしていた。

 

「ぷぷっ!ウケるっス~!」

1人はカーペットの敷かれた床に寝そべり、ノートパソコンの画面を見て笑ってる、金髪をツインテールに結い、黒のゴスロリを着込んだ少女。

名を、ミッテルトと云った。

 

「あんた…また そのサイト見てんの?

よく飽きないわね?」

「更新されてたんスよ~♪」

1人はグラマラスな身体を、大きく胸元が開かれた、ボディコンのワンピーススーツで包んでいる、長い蒼髪の若い女。

名をカラワーナ。

自然(ナチュラル)な古めかしさが良い味わいを醸し出す椅子に座り、書物を読みながら、少し呆れた様な顔でミッテルトに話し掛けると、ゴスロリ少女はスナック菓子を口に運びながら応える。

 

「ふん…」

1人はビニールレザーの表面が少し破れ、スポンジが剥き出しになったソファに座り、グラスに注がれたウィスキーを啜りながら、カラワーナとミッテルト、2人の遣り取りを眺めている。

屋内であるにも拘わらずコートを着用し、シルクハットを被った、この 真っ昼間から酒を飲んでいる不良中年の男の名はドーナシーク。

 

「全く! 何やってんのよ! あの2人はっ!?」

そして最後の1人は、何やら落ち着かない仕草で、室内を右往左往して声を荒げている。

かなり露出の高い、黒革(ブラック・レザー)のボンテージ・ビキニを着た、長い黒髪の 痴女 少女。

彼女の名はレイナーレ。

一応は この室内の4人の、リーダー格である。

…此処は駒王町の はずれに在る、廃たれた教会の地下室。

彼女達は所謂、『堕ちた天使』と呼ばれる存在だった。

 

「夜に2人で この教会出ていったのは知ってたけど、まさかの朝帰りを通り越して、昼過ぎても…ねぇ?」

「フリードは兎も角、アーシアも なかなか、やるっスよね~?♪ (チッ、先越されたっス…)

「…ぢゃ、ないでしょっ?!」

どうやら彼女がイラついているのは、配下の男女…神父とシスターが、夜に出掛けた儘、陽が1日で最も高い位置に在るにも拘わらず、未だに帰ってきていないのが理由な様だ。

尤も彼女は、保護者や姑を気取る心算は無い。

別に、この2人の仲をどうこう思う事も無いし、寧ろ"合体"なりなんなり、好きにしろなスタンスだ。

レイナーレ達が駒王町に来ているのは、2つの目的が在る。

その内の1つは、自分達が所属している【組織】の指令で、"とある人物"を殺害する事であり、其方は既に、()()()終わらせていた。

そして問題なのは もう1つの目的…

これはレイナーレ個人の野心から為る物なのだが、それには その目的の鍵で有り駒で有り要で有る…その為だけに自分が拾い、この町に呼び寄せた…シスターの少女、アーシア・アルジェントが必要不可欠なのだ。

彼女の苛立ちは、そのアーシアが現在、所在不明となっているのが理由だった。

尚、彼女を連れ出したとされる、神父フリード・セルゼンについては、本当に どーでも良いと思っている。

…せいぜい帰った後に、軽く、O☆SHI☆O☆KI☆する程度にしか。

しかし、彼女達は知らない。

フリードは既に、この世から居ない事を。

そしてアーシア・アルジェントも既に、"安全な場所?"に連れて行かれている事を。

 

「え゙、えぇーーーーーっ?!」

「な?」「む?」「ひぇっ!?」

パソコンの画面を見ていたミッテルトが、素っ頓狂な大声を上げたのは、そんな時だった。

 

▼▼▼

「こ…此処は…?」

同じ頃、フリードが事切れた場面を直視して気を失っていた、アーシア・アルジェントが再び眼を開いた時。

彼女の碧色の瞳に写ったのは、知らない天井。

自身が寝ていた布団から脱け出し、周りを確認してみれば、其処は歴史を感じさせる和風の部屋。

 

「…?」

そして自分の体を見れば、着用しているのはシスター服でなく、和風な寝間着だった。

 

「ひゃぁあっ?!」

しかも、己の身の違和感から、()()()と思いつつも ()()を確認すべく、着物の上から自身の体中を手で摩り、更には着物の内側、胸元を覗いてみたら、何と今の自分はノーブラ(()は履いていた)。

これに気付いた少女は、驚きの声を出してしまう。

 

ガラ…

 

「??!」

「ぉお! 目が覚めたみたいじゃな!」

「眠り姫様の、お目覚めだにゃ!」

その時 部屋の襖が開き、中に入ってきたのは、白袖緋袴の巫女服を着た金髪の少女…と、黒歌だった。

 

「少し待っていてくれ。

直ぐ、食事を用意させるのじゃ!」

 

▼▼▼

「え゙、えぇーーーーーっ?!」

「な?」「む?」「ひぇっ!?」

視点(カメラ)は再び、駒王の廃教会へ。

ミッテルトの大声に、驚くレイナーレ達。

 

「ど、どうしたのよ?

いきなり お馬鹿みたいな声を出して?」

レイナーレがミッテルトに尋ねてみると、

「こ、廃教会(ここ)の事や、堕天使(ウチたち)の事、バレてるみたいっス。」

「「「何?」」」

金髪ゴスロリ少女は、パソコンの画面を見せながら そう応えた。

 

 

※※※

 

それと、もう1つ。

駒王町の はずれの廃教会に屯してる堕天使の群れ、何時になったら駆除して貰えるのでしょうか?

あ、もしかして、まだ存在に気付いてない?

 

※※※

 

 

「「「………………………。」」」

パソコンの画面には正しく、堕天使(じぶんたち)廃教会(このばしょ)に潜んでいるのを示している書き込みが。

…そうなのである。

ミッテルトが笑いながら閲覧していたサイトは他でもない、ガルーダ(サトル)が立ち上げた、【駄肉(リアス)姫を讃え(ディス)るスレ】だったのだ。

 

「ど…どうしよう、レイナーレ姉様…?」

「…閲覧者の書き込みの中には、あの無能(リアス・グレモリー)の下僕の性犯罪者かららしき物も。

そして他にも、関係者らしい者がコメントを入れている。

少なくとグレモリーには、この場所は既にバレている。

いずれ この地の管理者を自称する、あの悪魔共が乗り込んで来るのは、間違い無いと見て良いだろう。」

あたふたとするミッテルトの隣で、ドーナシークが冷静に、書き込みから得られた情報を元に自己分析した考えを話す。

 

「レイナーレ…様?」

「…………………………………。」

そしてカラワーナが、自分達のリーダーに指示を仰ぐと、

「…仮に今、リアス・グレモリーが攻めてきても返り討ちにする自信は あるわ。

でも、私達が この町に留まっている限り、次々と強力な新手が やってくるでしょうね。」

「…次は間違い無く、魔王直属の精鋭が…下手すれば魔王本人が、直々に やってくるだろう。

何しろ、あの小娘は…」

「えぇ、その通りよ。

魔王の軍勢に攻め込まれりしたら、流石に私達では手に負えないわ。

至高の堕天使となるチャンスを棄てるのは確かに不本意だけど、今この場で奴等と事を構えるのは、()()()()()も好まないでしょうからね。

…仕方無いわ、撤収の準備を。

ミッテルト、上に居る神父達にも、この事を伝えて頂戴!」

「了解っス!」

レイナーレの出した答えは、この廃教会からの撤退だった。

 

「ふん…なかなか、賢明な判断だ。

但し、少しだけ、遅かったがな…。」

「「「「!!!?」」」」

しかし この時、物音も発てずに部屋に入ってきた人物が1人。

それは長い黒髪を露にし、額と顳顬部分から生やした3本の角が特徴的な…まるでプロレスラーの様な赤い覆面で顔を隠した、長身の男だった。

 

「ふん…!

早速 現れたか! 鼠がぁっ!!」

 

ヴォ…

 

この侵入者を、自分達を討ちに来た刺客(あくま)と判断したドーナシークが、光の槍を生成し、先手必勝とばかり、覆面男に それを投げつけるが、

「ほぅ? この俺を鼠呼ばわりするか?

なかなかの度胸だな。

誉めてやるぜ?…いや、純粋(マジ)にな。」

「な…!?」

男は余裕有る台詞と共に それを躱すと瞬時にドーナシークの背後(バック)を獲り、

「覇ぁあっ!!!」

 

ずどんっ!

 

「か…ぁっ…は…?!」

「「「ど…ドーナシークぅっ??!」」」

両腕で腹回りをがっしりとロックすると、その儘 後方に豪快なジャーマン・スープレックスで投げ付けた。

如何に堕天使と云えど、生体的構造それ自体は翼の有無以外には、人間と大した変わりは無い。

受け身を取れず、後頭部をまともに痛打したドーナシークは完全にK.O(ノックアウト)

その場で動かなくなってしまう。

 

ごん…!

 

「っ~~~~~~~~~~~??!」

「カラワーナ!?」

そして男は次の瞬間、素早くカラワーナの正面に立つと、彼女の頭を両手で捕まえ これまた見るからに痛そうな、強烈な頭突き(ベッド・バット)を浴びせた。

 

「ぅっう~っん…」

これによりカラワーナは頭を抱え、しゃがみ込んでのダウン。

 

「…こっの!」

 

ヴォォ…バサァッ…!

 

この仲間が連続で倒される、一連の様を見たレイナーレが光の短槍を作り出すと、それを投擲する事無く片手で持った儘、背中から黒い翼を広げての、低空の高速飛行。

一気に間合いを詰めると同時、その覆面越しに、眉間を槍で突き刺そうとするが、

 

ズバァ…

 

「な…?」「ぇぇぇえ゙ぇ~っ?!」

その攻撃は容易く避けられ、その覆面を切り裂いただけに終わってしまう。

しかし、それにより露となった素顔を見て、レイナーレ、そしてミッテルトが驚愕。

 

「「こっ…コッコっこッ…!!」」

  

がんっ!

 

「い、痛ぁいぃぃっ!?」

その動揺している黒い髪の少女の脳天に、強力な拳骨が落ち、レイナーレも轟沈。

 

「ひぇえ?」

その様子を…そして男の素顔を見たミッテルトは恐怖心からの逃走を計るが、この病的な迄に白い肌をした凶悪人面の男は、それを赦さない。

 

ぐぃ…

 

「ひゃ?!」

「知らなかったのか?

()()使()()()からは、逃げられないのだぞ?」

堕天使幹部を名乗る男は そう言って、逃げるミッテルトに難無く追い付くと、背後から首根っこを掴んで捕まえ その儘 肩に、所謂お姫様ならぬ、"お米様抱っこ"で抱え上げる。

 

ぴら…

 

「はぁああっ?!」

そして やや短めのゴスロリスカートを捲り上げ、

 

ずり…

 

「ふに゙ゃあぁぁぁっ!!!?」

更には それにより晒された、薄い緑とピンクの縞模様の薄手の布地迄も ずり降ろし、

「オラッ! 悪ガキには、O★SHI★O★KI★…の、時間だ!」

「い…いやぁぁぁあ~~っ!??

は、ハラッサぁ~~~~~~あぁっ!!!!」

 

 

 

 

 

 

≫≫≫

「ぅぅう…お、乙女の お尻を、何だと思ってるスか…?」

「ふん! 誰が乙女だ?

胸も無ければ"毛"も生えていない小娘が。

昔からガキの仕置きには、()()が定番だろう?」

「は、生えてらい!!

それに おっぱいだって、少しは膨らんでるっスよ!」

「お前等、悪魔共が押し掛ける前に、撤収するぞ。」

「「「…はっ! コカビエル様!!」」」

「す、スルーぅ?」

顔を真っ赤にし、涙目でのミッテルトの抗議は無視、堕天使幹部のコカビエルは、レイナーレ達に撤収を指示。

すると揃って床に正座していたレイナーレ達は瞬時に立ち上がり、即さと配下の神父達と一緒に、身の回りを整理し始めた。

 

「やれやれだな…」

この男は堕天使組織【神の子を見張る者(クリゴリ)】の幹部が1人、コカビエル。

彼はグリゴリの総督(トップ)であるアザゼルからの指令を受け、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()鹿()()()()()()() ()()()()()()()()()

 

「お前等、戻ったらアザゼルとシェムハザが、OHANASHIだってよ。」

「「えぇーっ?!」

「何とぉっ!?」

「さ、さっきの()()で、チャラになったんじゃないんっスかぁ~?」

 

▼▼▼

「ちょ…ちょっと待ってくれ、アザゼル!」

「いや…流石に()()は、な…」

…時は少しだけ過ぎ、場所は悪魔…そして堕天使が住まう冥界。

その堕天使領内に在る、グリゴリ本部の一室にて、堕天使総督のアザゼルと、組織幹部のコカビエルが話していた。

話の内容は要約すると、()()()から戻ってきたレイナーレ達を、きっちりとOHANASHIしたのは良いが、その際にミッテルトが、『現地でのコカビエル様の仕打ちは やり過ぎっス! あれは どー考えてもセクハラっス!!』と、己の怠慢は認めたが、それとは別として、あの廃教会でのコカビエルの自称・お仕置きはセクハラとして訴え、その内容を聞いたアザゼルと組織副総督のシェムハザも、その訴えを認めたのだった。

コカビエルの名誉の為に説明するが、彼自身は あの時、下心等は微塵も持ち合わせていなかった。

純粋に(上の者に付き合わされたとは云え)職務放棄、加えて その場から逃げようとした小娘に対する、O★SHI★O★KI★…なだけの心算だったのだ。

 

「…いや、お前、それでも小娘のパンツ剥くのはアウトだろ?」

「ぐぐぐ…」

とりあえずコカビエルは後日にて、このセクハラの是非を問う裁判に、被告として出廷する事が決まった。

 

「な…何とかならないのか? アザゼル!」

「まあ、どれだけの者が、お前が主張する【無罪】を支持するか…だな。」

 




悲報】ミッテルトさん(14)、コカビエルさん(年齢不詳)にSPANKING(おしりペンペン)される。
 


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駄肉姫の無能クオリティ

 
今回 遂に、サトル達の所属が、明らかに!(察せる人は、第1話で、或いは前話で察していたwww)
 


▼▼▼

≪≪≪

時は巻き戻る。

それは、リアス・グレモリーの下僕の転生悪魔である兵藤一誠と一悶着起こしていたサトルと黒歌が、彼の前から姿を消した後の話。

 

 

「ただいま~。」

「戻ってきたにゃ~♪」

「お兄ぃ! 黒姉!」

 

タタタ…がばっ!

 

2人が転移した先は、やや広い、純和風な部屋。

最初から部屋に居た巫女服を着た金髪少女が、その姿を見て、少しだけ早足で歩み寄り、

「黒姉ぇ~♪」

「きゃは♪ よしよし、九重。

ただいまだにゃ!」

黒歌に飛び付き、抱きついた。

黒歌は そんな、自分の腰に抱き付いて頬擦りする、獣耳&もふもふ尻尾の少女…九重の頭を撫でる。

 

「サト君、黒歌姉様、お疲れ様です。」

「応。」

「白音も、ただいまだにゃ。」

そこに一足先、アーシア・アルジェントと共に この場へ転移していた白音も、声を掛けてきた。

 

「…で、例の()()さんは?」

「「隣の部屋で、寝ています。」

          おるぞ!」

 

 

▼▼▼

 

ずず…

 

「わぁ♪ 日本の お味噌汁、初めて食べるけど、凄く美味しいです!」

「そうじゃろう!

そう言って貰えると、使用人達も喜ぶわ!」

 

…時は少しだけ経ち。

サトルと白音が学園にいる頃、或いは駒王町の廃教会にて、金髪の少女が凶悪犯面の男から何やら仕置きを受けていた頃、生まれて初めての和食を食べているのは、白音が悪魔契約者のアパートから、転移魔法で連れてきたアーシア・アルジェント。

イタリア人の彼女は生まれて間も無く、地元の教会の前に捨てられ、その教会で拾われ育ってきた。

そして物心付いた頃、彼女は癒しの神器(セイクリッド・ギア)、【聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)】を覚醒。

その後は正式に『天界』所属のシスターとして、教会を訪れる傷付いた人々の治療をする生活を送っていた。

 

「…そりゃあ、悪魔も治療したりしたら、教会を追い出されるにゃ~?」

「はぅうっ?!」

しかし そんな ある日、()() ()()()()()()()()()()()()()()()()()()若い悪魔の男を、彼女は その正体を知らず、『怪我人だから』という理由だけで癒してしまう。

そして その現場を、その教会所属の聖騎士が目撃。

この騎士は、男の正体を即座に見抜き、その場で戦闘開始。

結果、騎士は命を落とす事は無かったが、深い傷を負う事に。

それが原因でアーシアは、"癒しの聖女"から一転、"悪魔ですら癒す汚れた魔女"の烙印を押され、教会(てんかい)を追い出されてしまう。

その後、路頭に迷いイタリアの地を彷徨っていた時、彼女に接触したのが、あの堕天使レイナーレ配下の はぐれ神父の1人。

所属組織とは別ルートで『聖女追放』の情報を得たレイナーレは、アーシアの癒しの神器(セイクリッド・ギア)を己が能力(チカラ)として欲し、丁度 組織(グリゴリ)から指令を受けていた、『駒王町に住む神器遣い(セイクリッド・ギア・ホルダー)の捜索、及び()()』の実行の ついでとばかりに、駒王町(にほん)に呼び寄せていたのだった。

参考迄に、人の身に宿る神器(セイクリッド・ギア)は、その本人の()()()()しており、それを術式等で体外に抜かれる。

それはイコール、()()()()()と同意語だった。

 

「次の満月の夜には、神器(セイクリッド・ギア)抜き出しの儀式が行われていた筈にゃ。」

「間に合って良かったのじゃ!」

「……………。」

だが、この『聖女追放』の情報を得たのは、レイナーレだけに非ず。

『日本神話』が秘密裏に世界各地に忍ばせていた、通称【NIN=JA】と呼ばれる特殊部隊も、その情報を入手。

そして この報せを受けた日本神話の主神・天照大神は、『駒王町在中悪魔(リアス・グレモリー)の観察』の指令を与え、既に駒王町に滞在中だったサトル達に『聖女の保護』、そして もう1つ、『駒王町に潜むとされる、※※※の特定』を、追加の任務として下していたのだった。

 

「とりあえずは、任務完了だにゃ♪」

今更だが…説明が遅れたが、黒歌と白音は、猫又の上位妖怪、猫魈(ねこしょう)と呼ばれる種族である。

そして彼女達は日本神話派閥の1つ、『妖怪』に所属していた。

尚、サトルは純粋な人間だが、縁有って"仮"構成員…言ってしまえばパート、或いはアルバイト的な扱いで日本神話に籍を置き、現在は『妖怪』のメンバーとして、京都に拠点を置く、『妖怪』御大将…九重の母親でもある、九尾狐の八坂の下で、白音や黒歌達と共に、活動していた。閑話休題。

 

▼▼▼

「失礼致します。

お客様の お召し物を、持って参りました。」

「うむ、ご苦労様じゃ!」

その後 暫く経ち、アーシア、黒歌、九重が色々と話していた時に、部屋に入ってきたのは、着物を着た妙齢の女。

 

「あ…それ、私の…?」

彼女が持ってきたのは、アーシアが最初に身に付けていた、シスター服と下着類。

 

「お姉さんが寝ている間に、洗濯を頼んでいたのじゃ!

しかし ぱんつだけは勝手に脱がすのは まずいと思って、その儘にしていたがの!」

「あ…ありがとうございますぅ…」

「心配しなくても、着替えの時には、サトル(おとこ)は部屋から叩き出したにゃ!」

「は…はぁ…ど、どぅも…」

 

ハラリ…

 

そう言いながらアーシアは、室内には女子しか居ないからか、普通に躊躇いも無く、今 着ている和服の帯を解き、衣を脱いで、それを丁寧に畳んで床に置く。

そして白綿布(ショーツ)1枚の姿で籠の中に畳まれている、自分の下着に手を伸ばした時に、

 

ヴィン…

 

「ただいま、戻りまs…

「聖女さんの様子は、どうデ・ス、(KA)…」

「「「…………………。」」」

そのタイミングで畳の床に転移魔方陣が出現、其処から学校帰りの2人が姿を見せたのは、様式美(おやくそく)と表現する以外には無く。

 

≫≫≫

「やはり、お兄は すけべぇじゃの!」

「どぉっっ…変態だにゃ!!」

「はゎゎ…み、見られてしまいました…」

「大丈夫です。

おじ様と おば様には、チクりますから。」

「それだけはマジ、堪忍して下さい…」

顔面フルボッコ状態で、正座しているのはサトル。

九重や黒歌から散々と言われ、白音からは先程の、"想定外幸運的助平展開(ハプニング)"を、両親に報告すると言う発言に、心底 身体と声を震わせながらの取り止めを嘆願。

 

「お兄、お兄ぃ♪」

そんなサトルに九重が話し掛ける。

その手には、近日に京都市内に新しく店を開くらしい、甘味屋の広告が持たれていた。

 

「おぉっ! これは…!」

「にゃ? デラックス白玉フルーツ餡蜜杏仁豆腐グレート…¥2.399-(税抜)?」

「凄く、美味しそうですね!」

「………………………………。」

 

 

 

▼▼▼

 

ドッガァッ!

 

「出てきなさい堕天使共!

この町の管理者、リアス・グレモリーが滅してあげるわ!」

「そ、そうだ! 覚悟しやがれ!!」

それから数時間後(げんざい)…日付の変わった深夜0:00ジャスト、駒王の廃教会に、リアス・グレモリーとその眷属達が、建物の正面扉を破壊、足を踏み入れた。

 

「この町で一体、何を企んでいたかは知らないけど、私に断りも無く…ぃぇ、仮に一言 声を掛けていたかとしても、堕天使が この町に根を下ろすって事だけで、万死に値するわ!」

「夕麻ちゃ…いや、天野夕麻、出てこい!

お前だけは この俺が、ぶん殴ってやる!」

深夜にも拘わらず、リアスと その下僕…左腕に赤い籠手を装着した兵藤一誠を先頭に、廃屋の中で大声で吠えながら、建物内部へと突き進む。

 

「ちょ…リアス? もう夜、遅いんだからさ、余り、大きな声や音は…

えぇーっと…君、木場君…だったね?

建物に人払いと認識阻害の結界を…」

「は…はい!」

 

≫≫≫

「な…何よ、これ…堕天使処か、誰も居ないじゃないのよ!?」

「くそっ! まさか あのサイト、大嘘出鱈目書いてやがったか?!」

「いや、確かに少し前迄は、此処に堕天使は居たさ…」

しかし、リアス達一行が建物の奥迄突き進むも、そして、前日の夕方にオカ研部室を訪ね、堕天使排除の協力を名乗り出た(そして最終的に勝手に付いてきた)、リアスと同年代に見える、悪魔の少年が見つけた地下室にも当然ながら、既に誰も居らず。

 

「…だから、言ったじゃないか!?

僕が訪ねて来た時に、直ぐにでも行動していたら!

呑気に紅茶 飲みながら、レポートの纏めとか、夜遅く迄、契約者の依頼を受けたりとかしてるから!!」

「う…煩いわね?!

まさか、今からって このタイミングで、狙った様に居なくなってるなんて、思わないじゃないのよ!」

「昨日の深夜の時点で、サイトには情報が有ったんだろ?

それなら堕天使(やつら)だって、此処がバレてるのを知った可能性だって有ったさ!

君達も、少なくとも朝には、此処の事を知っていたんだろ?

だったら呑気に授業なんか受けてないで、学園を抜け出してでも…それこそ僕が訪ねる前に、迅速に行動に移るべきだったんだよ!

そんなだから皆から(あちこちで)、駄肉とか無能とか言われるんだよ!!」

「な…何ですってぇっ?!!」

部屋に残された、飲み掛けの酒や、床に散らばっているスナック菓子の滓、そして やはり床に残された、数枚の黒い羽根を指差しながらの…深緑色の髪の、まるで瞑っているかの様な細目の…この少年の指摘に、リアスは逆キレ気味に応える事しか出来ず、2人の言い争いは、この場で夜明け前迄 続くのだった。

 

 

 

 

 

 

「くっそ~…町の管理者だからって、変に無能の顔を立てようとしたのが失敗だったよ…

最初から、僕1人が勝手に行動していれば、今頃は聖女(アーシア)を…」

 




 
次回予告…(予定)

※※※
■お手柄!リアス姫、町の管理者として、堕天使の排除に成功した件!

※※※

お気に入り300突破!
ありがとうございます!m(__)m
感想、評価も、よろしくです。
 


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サイトが賑わえば、家電屋が儲かる

 
またも、本文殆んどがパソコン画面的描写。
ストーリー自体は全然進んでないから、読まなくても大丈夫です。
 m(_ _)m 
 


▼▼▼

 

※※※

 

 

■先日の『駒王の町外れの教会に堕天使云々~…』て書き込みから数日。

件の廃教会、堕天使が居なくなっていたぜ!

まぁ、このスレの書き込みの効果も多少なり有ったでしょうが…

やれば出来るじゃん!リアス姫!

ぱちぱちぱちぱちぱちぱち☆

 

 

 

◇(*^▽^)/★*☆♪ おお~♪!

 

◇やったじゃん!

 

◇おめでとうございます

 

◇ひゃっほぅ!!

 

◇おめでとうございます。

 

◇スレの趣旨からは遠くなってるけどな(笑)

 

◇ ↑ いや、褒めるべき時くらいは褒めてやれよwww

 

◇ m(_ _)m すいませんした

 

◇よし、乾杯だ!

  

◇でもぶっちゃけ、管理者(真)なら、当たり前な事なんですよね…

 

◇いいんだよ、細けぇことはっ!!

 

◇少しだけ上方修正だ

 

◇盛り上がってる処、悪いが、あれは別にリアス・グレモリーがどうこうでなくで、堕天使の方から、出ていっただけなんだがな…

 

◇はひ?

 

◇何ですと?

 

◇てか、事情通気取ってるぽいけど、アンタ誰?

 

◇自称、堕天使関係者。

 

◇駄肉姫、下僕性犯罪者の次は、堕天使のなりすましか

 

◇あー、もーいーです、そーゆーの!

 

◇悪魔メイン?のスレに堕天使が登場か?

 

◇ふん、煽るじゃねぇか。まぁ、そういうのが、こうした場の味の1つでもあるがな。いいぜ、名乗ってやるぜ。俺はアザゼル。堕天使組織『神の子を見張る者(グリゴリ) 』の総督をやってるモンだ。

 

◇わっつ?

 

◇いや、あんた、それは無いわ

 

◇流石にその名前はヤバくね?

 

◇堕天使の大ボスが、こんなサイト(スレ主ごめん)見てる訳無いし

 

◇グリゴリのトップ、どんだけ暇なんだよ?www

 

◇ちょっと待て、万が一本物だったら、煽った奴等、発信源から特定されて消されるぜ?(笑)

 

◇安心しろ。そんなに小さくねーよ

 

■Blazer shining aura darkness Blade総督

 

◇スレ主、テメーぶっ殺すぞ!ってかテメー、誰からそれ聞いた?

 

■…どうやらリアルに、御当人様の様です。

 

◇まぢ?

 

◇…って、スレ主(笑)

 

◇そのBlazer shining aura darkness Blade総督てのに、どういう意味が有るかは分からんが、とにかくスレ主は知っていて、その反応から本物と判断したのだけは分かった

 

◇とりあえず、Blazer shining aura darkness Blade総督ってのがタブーなのは、理解出来た。

 

◇Blazer shining aura darkness Blade総督は禁句

 

◇Blazer shining aura darkness Blade総督は言っちゃアカン奴www

 

◇お前等、わざと言ってるだろ?消すぞ!?

 

◇小っちぇえwww

 

◇堕天使のボスも見てるのかよ?

すげーな、このサイトwww

 

◇もしかして、魔王様とかも見てるんじゃね?

 

◇いや、それなら流石に、駄肉姫様に注意するでしょ?

 

◇いや、その前に、こっちのサイトに何らかの圧力とか仕掛けてる筈だぜ。何しろサーゼクスの野郎はリアス・グレモリーの実兄で、重度のシスコンらしいからな。

 

◇シスコンて…そうなんですか?詳しいですね、総督?

 

◇サーゼクスについて色々と語ってやっても良いが、それよりお前達が今知りたいのは、駒王の堕天使の話だろ?簡単に話すとだな、ウチのバカ共が数名、仕事さぼって何処かに隠れてたんだよ。で、このサイトでその潜伏先があの町の教会と知ったからな。俺が部下に連れて帰る様に命令、撤収したって訳だ。

 

◇マジですか?

 

◇駄肉姫、関係ないじゃん?

 

◇やっぱ無能かよ!?

 

◇すいません、僕にも発言させて下さい。

その、さぼり堕天使が去った件ですが、恐らくは昼過ぎから夕方頃の話なのでしょう。

僕もこのサイトで堕天使潜伏を知り、リアス・グレモリーにその事を伝え、堕天使排除する様に言ったのですが、あの女、その事自体は朝から知っていたにも拘わらず、日中は学校だ、夕方は部活だ、その後は契約者との仕事だとか言って、結局あの教会に攻め入ったのは、日付が変わった深夜ですよ!

もう、オチは分かったでしょう。

えぇ、そうですよ!教会は藻抜けの殻だったよ!

 

◇マジか?

 

◇何~っ?!

 

◇やっぱり駄肉姫ぢゃねーか!

 

◇さっきの賞賛、返せ

 

◇管理してねーし

 

◇無能

 

◇同じ紅髪の駄肉でも、あっちの某・紅髪の駄肉な魔王様とはエライ違いだ。

 

■大馬鹿者!あの駄肉とあっちの駄肉様を一緒にするな!

あっちの駄肉はなぁ、讃えてるんだよ!

純粋な誉め言葉なんだよ!!

 

◇スレ主ぃー?www

 

◇喰い付いた!www

 

◇スレ主、ファンかよ(笑)

 

◇いいじゃん、可愛いじゃん。

 

◇気持ちは分かるぞ

 

◇ガルーダ氏、落っ着けwww

 

◇しかし確かに、一緒にするのは失礼

 

◇メイド妹、(;゚Д゚)=3 ハァハァ

 

◇お巡りさーん!

 

◇てか、さっきの人、詳しいね。

もしかして、内部関係者?

 

◇名前なんかは明かせませんが、今のリアスと同等の地位に立ち、本人に堂々とダメ出しや文句を言える立場の者…とだけ言っておきます。

尤も、リアスはそういうの、逆ギレだけで全然聞き入れませんがね。ハァ…

あ、因みに僕は、女騎士が好きです。

 

◇あ、絶対に苦労人だ、この人。

 

◇( -_-)つ《頭痛薬》

 

◇( ´-`)つ【胃薬】

 

◇駄肉と同等って、貴族様ですか?

 

◇喋り過ぎましたね。確かに僕は貴族家系の者です…が、これ以上の詮索は、御勘弁を。(笑)

それから、僕が苦労人なんて、とんでもない!

そういうのは、リアスの下僕の皆さんにこそ、相応しい表現ですよ。

 

◇なんか、良い人だぜ?

 

◇良い人

 

◇善い人だ。

 

◇駄肉姫の下僕は苦労人なのか。

 

◇あー…察し…

 

◇駄肉の眷属だから無能だと思ってたぜ。

 

◇違ーよ!上が無能だから、下はしっかりしているんだよ!!

 

◇姫島さーん!好きだー!

 

◇↑↑その通りだよ。ただし!あの新入りの、上級の者に対する口の聞き方も知らない、性犯罪者兵士は除く!

 

◇何があった?!

 

◇何となくだが、あの兵藤一性犯罪者とやらが貴族様にタメ口叩く画が浮かんだよ。

 

◇鮮明にな。

 

◇駄肉は礼儀作法なんか躾ていないのか?

 

◇それ以前に自分の主と同等な方なら普通、とりあえずは敬語話すっしょ?

 

◇それな。

 

◇それをしないのが、性犯罪者クオリティ

 

◇転生前から、親にろくな教育されてないんだろ?

 

◇覗きの常習犯らしいからな。

 

◇マイロード以外は全部クソか

 

◇偉いさんに仕えて、んで、自分EREEEEEEEE!!って勘違いしてるバカの典型だね

 

◇どこの三下だwww

 

◇駄肉に興味無し

 

◇↑ふーん、よかったねー

 

◇「興味無い」て言いつつ、こーゆーサイトにわざわざアクセスして、御丁寧にコメントするヤツwww

 

◇本当に興味無いなら、こんなサイトにアクセスしません。

 

◇いや、こーゆーの、偶にいるぜ?

某ボクサーとか某女優とか某アイドルとか某球団とかのニュース記事のコメ欄なんかにも、「興味持ってないアンチな俺様かっけー」アピールするヤツ

 

◇実は大ファンwww

 

◇興味無い人は普通、このようなサイトに目を通したりしません

 

◇止めたげて!彼(彼女?)のメンタルは、もう0よ!www

 

◇アンチの賛同得ようとしてたんだよな?(笑)

 

◇今頃、ほっぺたと耳たぶが熱くなってるぜ(笑)

 

◇ねぇ、今どんな気持ち?

 

◇興味無いなら出てって良いぜ。

 

◇実は駄肉姫様のガチ信者www

 

◇…で、魔王様とかに「このサイトで、こんなん言うてます」って通報(ちく)るってか?

 

◇世の中、居るからね~?

わざわざ そういう報告とかの為だけに、重箱の角の如く、こういったサイトとかに目を光らせてるヤツ ((((;゜Д゜)))

 

◇何それ怖い。((゚□゚;))

 

◇このサイト、運対される?

 

◇ディスられるのが不快なら、堂々と文句言えっての!

 

■一度、コメント締め切ります。

 

 

***

 

▼▼▼

 

どっかぁぁぁん…!

 

「本当…いい加減にしなさいよ…!!」

「あわわ…僕のパソコン…」

…この日、オカ研部室内のパソコンが、また1台破壊された。

 




 
【注意】この小説はフィクションを原作とした、更なるフィクションです。
実在の出来事とは、一切、全く、欠片も関係は御座いません。
 
感想、評価よろしくです。
 


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【悲報】駄肉姫、婚約者にフラれた件

 
コカビエル「勝訴ォッ!!」
 


4月末の某県。

 

「…………………。」

深夜、とある寺の本堂内で、サトルはズタボロな姿で床に伏せていた。

 

「ふっ…やれやれだ。

これでは また可愛い姪っ子に、『お兄をいぢめるな』と、説教されてしまう。」

その様を見て そう言って苦笑しているのは、白装束の銀髪の美丈夫。

 

「カカカカ…

ならば、手加減してやれば、良いではないか?」

それに対し、青い肌の、三面六臂の大男が笑いながら言うが、

「いや、それでは修行に ならないだろ?

サトルの事は姉上、そしてサトルの御両親からも、『ガンガン殺れ』と、言われているからね。

それに手加減云々についても、キミにだけは言われたくは無いよ? アシュラ。」

「カーカカカカ! 御尤もだ!!」

獣耳を生やした銀髪の男は、涼やかに切り返す。

 

パタパタ…

 

「「「「???」」」」

そんな遣り取りの中、堂内に1羽の烏が入り込んできた。

人払いの結界の中、いや、それ以前に出入口を完全に閉じていた堂内に入ってくる時点で、それは、只の烏では無く。

 

「ん? これは…」

その烏が足に持っていた紙束を手に取れば、それは新聞。

但し その書かれている文字は、日本語では無く、冥界の悪魔文字。

 

「……………………………。

ふむ。成る程…ね。」

それに記載されている記事に、一通り目を通した銀髪男は、

「…読む?」

…と、三面六臂の男…阿修羅に新聞を渡そうとするが、

「カカカ…いや、俺は冥界の出来事には、興味無いのでな。」

…と、それをやんわりと断り、

「後で、小僧に見せてやると良いだろう。

それじゃ、俺は そろそろ帰るぜ。」

そう言うと、堂内奥の壇に立つと、

 

カッ…

 

身体から一瞬 眩い光を放ち、その姿を物言わぬ、三面六臂の少年の仏像に変えた。

 

「ふぅ…インドの闘神サマは、【聖書】に興味無し…ですか。」

それを見て、銀髪男は一言呟く。

 

「興味無いとしても、情報は仕入れるべき…君達も、そうは思わないかい?」

「「………………………。」」

そして今度は堂内の角で正座、サトルの修行風景を無言で見学していた2人の少女に目を向け声を掛けると、

「それじゃあ、俺も帰るから。

結界とかの後始末、宜しく頼むよ。

それから新聞(コレ)、アシュラも言ってたけど、後でサトルにも読ませると良いよ。

彼好みな記事(ニュース)が、載ってるよ?」

 

スゥ…

 

更に その後 言葉を続け、その場から姿を消した。

 

「サトル!」「サト君!!」

 

カタッ…

 

直後、正座から立ち上がり、未だ ぐったりと倒れているサトルに駆け寄ろうとするのは、黒歌と白音の猫姉妹。

 

バタン…!

 

「ふに゙ゃっ!?

ちょ…長時間の正座で、足が…痺r…」

途中、黒歌が足をもつらせ、スッ転んだのは余談である。

 

≫≫≫

「…サト君、大丈夫ですか?」

「あっのDV師匠コンビ、本当に情けや容赦の欠片も無いにゃ!」

「とりあえず阿修羅様は兎も角、蔵馬さんの方は、修行内容を九重ちゃんにチクってあげましょう。」

「にゃ!また『お兄をいぢめるな! おぢぢ、嫌い!!』って言わせてやるにゃ!」

「はい。それで またorzって、最低2週間は引き籠りとなってしまうでしょう。」

「ざ・ま・ぁ・♪…だにゃwww」

そんな会話をしながら猫姉妹は、サトルの介抱を始め、

「………………………………。」

「返事が無いにゃ。」

「まるで、只の屍の様ですね。

よろしい!

ならば人工呼吸です!(…じゅるり!)」

「おーっ!♪」

そう言って、改めてサトルの体を横に寝かせ着けた。

 

「…って、白音(し~ろね)

何故、人工呼吸で帯を解いて、胴着(した)を脱がせてるにゃ?」

「ん? mouth to お〇ん〇ん(ピーッ!)ですが、何か、問題でも?」

「失礼!全く問題無しだったにゃ!

これならサトルも、間違いなく()()になるにゃ!!」

「大有りだよ!!?」

…サトル、満身創痍ながら、渾身の突っ込み、炸裂させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「御馳走様でした♪」」

「…………………………。」

尚、結局は その抵抗(ツッコミ)も虚しく、搾り獲られた模様。

但し黒歌の言った通り、確かに()()には、なりましたとさ。

  

▼▼▼

数日後…

 

 

※※※

 

■【悲報】駄肉姫、婚約者にフラれた件

 

…さて、今回のテーマは、上記のタイトル通りな訳ですが、駒王町在中の俺よりも、このサイトの閲覧者の大多数である?冥界に住む皆さんの方が詳しいでしょうから、コメントってか、情報よろ(笑)

参考迄に、現在の俺の情報源は、4/28発刊の『冥スポ』だけです。

 

 

◇スレ主、よりによって冥スポかよwww

 

◇まぁ、あの件に関しては、あながち間違った事は書いてないですよ?

まあ、今迄のダメダメっぷりに加えて、先日の堕天使取り逃がしが、決定打になったってトコロです

 

◇大半が、このスレの暴露だよなwww

 

◇このサイトも、破談要因の1つなのは、間違い無い(笑)

 

◇てか、元凶だろ?

 

◇この連休前に、ライザー氏がリアスの通っている学園に直接出向き、婚約取消の要請をしたそうです。

…で、リアスは二つ返事でOKしたとか。

 

◇流石のライザー氏も、遂に「駄肉姫、まじヤベー」と思ったのでしょう。ルシファード・タイムスの記事によれば、フェニックス家はグレモリー家に違約金を払おうとしたけど、グレモリー当主様は、それを拒んだそうです。

 

■すいません、『流石』って?

 

◇リアス姫の婚約者だったライザー・フェニックス氏は、かなり女好きで有名なんですよ

 

◇駄肉姫も、一応は美人でスタイル良いしな。そういう意味じゃ、ライザー氏好みだったんでね?ただ、中身が残念過ぎた(笑)

 

◇眷属全部、女性で固めてるんだぜ!

 

◇上は美熟女から下は美幼女まで!

 

◇ハーレム王に、俺は、なる!!…的な

 

■マジかー?!Σ( ̄□ ̄;)

 

◇スレ主ー?!www

 

◇イルネルたそ、(;´Д`)ハァハァ…

 

◇俺は、美南風ちゃん派だ!

 

◇ ↑↑お巡りさーん!

 

◇あ?!何か文句あんのか?

 

◇タイーホ!できるなら、やってみろや! 

 

◇出たな、ロリコン共め!(大歓迎)

 

◇ふっ、甘いな。猫耳こそ正義!つまり!ニィ&リィが正義なのだよ。

 

■ ↑握手。

 

◇スレ主?www

 

◇スレ主、猫耳派かよ(笑)

 

◇…? 美南風って、誰?

 

◇十二単の女の子だよ!僧侶の!!

 

◇…そんな子、いたっけ?

 

◇さあ?

 

◇記憶にございません

 

◇んだと、ゴラァ?!美南風ちゃん空気扱いとわ、良い度胸だ。よろしい、ならば戦争だ!

 

◇落ち着きなさいwww

 

◇リアス姫は、ライザー氏のそういう女好きってのが嫌で、この婚約にもぶっちゃけ反対だったとか?

 

◇それってもしかして、この婚約を消そうとして、今迄無能を演じていたとか? 

 

◇だとしたら、実は切れ者じゃん?

 

◇いや、それは無いよ。

リアスがライザー氏との婚約をどうにかしようとしていたのは事実らしいけど、彼女の…アレっぷりは「素」だから。

 

◇素www

 

◇素www

 

◇『素』でコーヒー噴いたwww

 

◇ ↑↑↑↑アナタ、この前の貴族様ですね?

 

◇大体、貴族様の婚約って、簡単に取り消せるん?

 

◇ ↑

普通は家同士で決まったら、余程な事が起きない限りは有り得ない。

リアスは恋愛結婚を望んでいるらしいけど、それは貴族としては我が儘以外の何物でも無いよ。

貴族の婚姻は、余所の家との繋がりを作るのが目当てな政略結婚が基本。

更には こんな表現は平民の感覚からすれば…と思うけど、貴族の…純血の悪魔からすれば、子孫繁栄、女は子供を産むだけの道具、男はその為の種…だからね。(笑)

 

◇種…www

 

◇今回は その、『余程な事』だった…と(笑)

 

◇その考え方もアレだけど、恋愛結婚なんたらは、貴族からすれば我が儘なんだろうな。

 

◇駄肉で無能で我が儘かよ。

 

◇最悪でね?

 

◇ついでに愚痴るよ?

皆、貴族にどんな幻想抱いてるかは知らないけど、貴族ってのは何事にも常に、権利よりも貴族たる義務が、先に重くのし掛かるんだ。

それをきちんと遂行しての、『貴族様EREEEEEE!』なんだよ。

先にそんな横暴な態度に出るのは、3流以下の屑貴族。

でも、最近はそういう〇〇が多くて、皆が同じに見られてるんだよねぇ…ハァ…(笑)

それと念の為…地元の皆さんは承知と思うけど、グレモリー侯は、良き領主様ですよ。

 

◇良い人だ

 

◇まじ、良い人じゃん

 

◇( -_-)つ《胃薬》

 

◇ガチに名乗ってください。貴方の領地に引っ越すから。

 

◇駄肉は正に、まともに貴族様としての義務を果たせてないのに我が儘言う、〇〇ってタイプか

 

◇駄肉が家を継いだら、余所に引っ越す人、続出でね?

 

◇そして、誰もいなくなったwww

  

◇ライザー氏、婚約蹴って正解だったね(確か、グレモリー家に婿入りだった筈)

  

◇駄肉フォローって訳じゃないが、ライザー氏の女好き云々は、やっぱし、いくら貴族子女としても、嫌なんじゃね?

 

◇でも、一応は一夫多妻が認められてる社会だからねー?

 

◇いやいや、それでも婚約前に、既に側室15人いましたー、は…(笑)

 

◇おーぅ…地味に駄肉姫の応援、したくなったわー(笑)

 

◇1人、俺に寄越せし

 

◇ミラちゃーん!

 

◇じゃ、俺は名前は知らないけど、あのコ。

金髪ドリルの、見た目ツンデレっぽいコ(はぁと)

 

◇燃やすぞ?テメー等!

 

◇確かに微妙だな。でも、人口問題考えた点じゃ、寧ろ推奨だろ?

 

◇いや、違うよ。その15人の内、1人はライザー氏の実の妹さんだよ。

だから、正しくは側室14人。

 

◇いや、それでも十分です(笑)

 

◇とりあえずは、駄肉姫は嫌いなヤツとの婚約が流れて、ラッキーでした…で、おけ?

 

◇駄肉の方がフラれた形だけどな(笑)

 

◇1つ、質問して良ろしくて?

最初の方のコメントの、上は美熟女…って、誰の事を言ってるのかしら?

 

◇そりゃ、ユーベルーナさんに決まってるでしょ!

 

◇眷属の中で唯一、四捨五入したら30だからねー。

 

◇やwwwめwwwろwww

 

◇参考迄に、その次がイザベラ姉様(22)

 

◇最年少のイルたんネルたんと、14離れてるんだよね

 

◇だから、やwwwめwwwろwwwってwww

 

◇いや、ユーベルーナさん、めっちゃ美人さんですよ!巨乳ですし!

 

◇おっぱい爆弾王妃!

 

◇挟んでください!

 

◇爆乳爆弾王妃!

 

◇ ↑【ボムボムクィーン】と読みます

 

◇ユーベルーナ様は断じて駄肉に非ず!

 

◇ ↑大事な事な。よく言った!

 

◇てゆーか、熟女の何が悪いんだ!?

 

◇よく言った!

 

◇熟女マニアも参戦かよ(大歓迎:笑)

 

◇イルネルたん、ハァハァ(;゚∀゚)=3 

 

 

※※※

 

 

▼▼▼

 

どっかぁーーーーーーーーーん!!

 

「な、な、な…」

「ハァ…ハァ…」

「ゆ、ユーベルーナ??!」

この日…冥界のフェニックス領はフェニックス邸にて、原因不明の大規模な爆発事故が起きた。

 




 
※※※
■コカビー師匠のセクハラ疑惑は、【無罪】となりました件
 
アンケートは締め切ります。
協力、ありがとうございました。
 
※※※
 
 
今回 登場の、サトルの師匠は…
 
阿修羅…アシュラマン(キン肉マン)
蔵馬…蔵馬:妖狐ver(幽遊白書)
 
…のイメージで。
 
 
 m(_ _)m ユーベルーナさんファンの皆さん、ごめんなさい。
いや、彼女は間違い無く、美女ですよ!
 
今回でフェニックス編は終了。
次回からは、エクスカリバー編だ?
 

同時執筆の『PhoeniX』も、よろしくです。
 


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遂に御対面!

 
【すごいぞ!ぼくらの にじそうさく】
 
あなたが にじそうさくだと おもうものが にじそうさくです
ただし たにんの どういをえられるとは かぎりません。
 
 



 

「これは これは、お早い お着きで。(笑)(カッコワライ)。」

「「「「「……!!」」」」」

5月の連休も終わり、また通常な日常が始まった ある日の夜、リアス・グレモリーと その眷属達は、学園近くの公園で、仮面を被った3人の男女と対峙していた。

 

「て、テメェ…!」

リアス眷属の1人、兵藤一誠が、この3人の内の1人、派手な装飾が施された鳥を象った仮面の男…ガルーダこと、サトルを睨み付ける。

 

「…貴方が…ガルーダね。

こうして貴方と直に会うのは初めてね。

貴方には、色々と言いたい事も有るけど それは後にして…

これは一体、どういう心算かしら?」

「部長?」

リアスは そんな、いきり立つ兵藤を制しながら、やはり不快な表情を隠す事無く、サトルに話し掛けた。

 

「『これは?』…とは?」

「巫山戯ないでよ!!」

惚けるサトルに、リアスが大声で怒鳴る。

…彼の足下に転がる、()()()()()()を指差しながら。

今は夜の8時過ぎ。

公園内に人払いや音声遮断の結界が張ってなければ、とんだ大迷惑である。

 

「見ての通り、"はぐれ"の死体だけど?」

更に惚けた口調で応えるサトル。

 

「まさか、『私の仕事を…』とでも、言う心算か?

今の、このタイミングで のこのこ やってきて、偉そうに言うのは止めて欲しいな。」

「な、何ですって?!」

リアスの台詞を先読みした上で、サトルは更に、言葉を続ける。

 

「今頃やってきて、偉そうにしてるなって話だよ! 自称・町の管理者様?

はっきり言うぜ?

おれが この はぐれ悪魔を始末してなかったら、今頃は2人、犠牲者が出てたの・だ・が?」

「「「「!??」」」」

そう言って、サトルが振り向かずに、後方に親指を差す。

 

「「「「「?!」」」」」

その先には、遊歩道に置かれたベンチに腰掛け、静かに寝息を発てている、2人の少女が。

駒王学園の制服を着た少女2人は、布で包まれた細長い荷物を、しっかりと抱き抱えている。

 

「村山…片瀬…?」

どうやら2人は、兵藤の知り合いの様だった。

 

「…礼を言われるなら まだしも、文句を言われる筋合いは無いんだがな…

それとも何かい?

悪魔(あんたら)の町の管理ってのは、単に町に逃げ込んだ はぐれの処理だけで、町の住人に被害が出ようが、それは知った事じゃないとでも言う心算か?」

「………………!」

そして畳み掛ける様なサトルの攻め口に、リアスは何も言い返せない。

 

「お前! そんな言い方は無いだろ?!

部長だって、一生懸命やってるんだぞ!!」

しかし其処に、リアスの代わりとばかりに兵藤が口を出すが、

「一生懸命?

学校の部活ごっこを優先し、其方ばかりに精を出し、上からの指示が有ったか、偶に思い付いた様にしかパトロールをしない姿勢(スタイル)の、何処が一生懸命だ?

その最たる結果が、先月の堕天使取り逃がしだろうが!」

「ぐ…それは、だな…」

それをサトルは、事実実例を述べて一蹴する。

実際、今回の この公園での遭遇も、リアス達が冥界の大王家からの指示での、駒王に逃げ込んだ はぐれ悪魔の討伐指令が発端だった。

そして その指令より いち早く、はぐれ悪魔の気配を感じ取ったサトル達が公園にて、駒王女生徒2人を襲おうとしていた それを斃した後のタイミングで、リアス達が登場したのである。

 

「…それに、貴様等の役目である"町の管理"は、『一生懸命やってました』だけで済む、温い物じゃ無いだろう?リアス・グレモリー。

経緯で無くて、結果が全てじゃないのか?。

1つ聞くが、仮に もしも、この場に俺達が居合わせず、彼方の2人が命を落としていたら…まぁ、はぐれ悪魔の始末自体は済ませたとして、その後 貴様は、被害者が出た事に対して、どの様に責任を取る心算だったのだ?」

「そ、それは…」

「ふん…大方、あの死体となった彼女等も一緒に闇に葬り、家族を基とした彼女等を知る者全ての記憶を、()()()() ()()()()()()()()()()()()()()()とでも書き換え、それで終わらせようとしていたんだろ?」 

「………………………………。」

「此処での沈黙は、『はい、全く その通りです。』と言ってるのと同じだぞ?」

サトルは口を休めない。

 

「それで犠牲となった魂には、弔いも何も無し。

全く…俺は兎も角、()()()()の仕事、増やしてんじゃねぇよ…

んな程度だから、周囲から無能だ駄肉だと言われ、その見た目だけで釣られた、女好きな婚約者とやらにも、"地雷物件"扱いでの婚約解消されるんだ!」

「「!!?」」

 

…ぶちっ

 

「て、テメェっ!」

「あ、アナタ!!」

 

ダッ…

 

そして更に続く一言に対して、()()が引き千切れる様な音がしたと共に、リアスが掌に暗紫の魔力を溜め始め、兵藤はサトルに向けて、左腕に赤い籠手を具現化させてダッシュ。

 

ササッ…

 

「!!?」

しかし、そんな兵藤の前に、今まで無言でサトルの背後に控えていた、仮面を被った2人の少女…白音と黒歌が前に出る。

 

ザシッ!

 

「なぁあ?!」

そして先ずは黒歌が、走り近寄る兵藤の正面やや横に立つと、身を低くして、相手の脚を自らの脚で絡める様にして、その動きを止める。

所謂"蟹鋏み"である。

 

「おゎあっ?!」

それにより兵藤は前方に躓き倒れ込むが、その前に

 

ベキィッ!!

 

「か…!?」

白音の強烈な膝蹴りが、カウンター気味に顔面、鼻っ柱に決まる。

結果それは、倒れそうになった兵藤の体を支える形になったのだが、

 

バキッ!ゴガッ!バシッ!ドゴッ!ガン!ボガッ…

 

「う・ぐぺぺぺ…」

それで白音の脚が、止まった訳では無かった。

鼻血を垂れ流しながら、何が起きたのか理解出来ていない顔をして、立ち尽くしている兵藤の身体全身に、ロウ・ミドル・ハイの蹴りを、無言の連打で打ち放つ。

 

「ガルーダには、手出しさせないにゃ。

…って、弱! 本当、(よっわ)!!

この前も思ったけど、本当にコイツが、()()な訳?」

その光景を見ている黒歌が、仮面の裏で呆れた顔をしながら呟いた。

 

「…ぺぺ…?」

 

パタ…

 

「「イッセー君!」

      先輩?」

「兵藤君!?」

そして白音の脚が止まると同時、改めて前のめりに地面に倒れる兵藤。

 

「き、キミ! いくらなんでも、やり過ぎだよ?!」

それを見た、リアス眷属の1人、金髪の少年が問い詰めるが、

この前 着替えを覗いたのと、 さっきから私と姉様を、視姦していた分も入っていますが、何か?」

「し、しk…」

それに対して、小柄な()()の少女は、仮面の下でジト目を浮かべて応えた。

事実、兵藤は この場に到着した時から ずっと、鳥仮面(サトル)を睨み付けながらも、レオタード姿の黒歌と白音に対しては、その体型(ライン)を見ては鼻の下を延ばした だらしない表情を浮かべていたのだった。

 

ヴォォン…!

 

「こっの! よくも、イッセーを!!」

「いや…先に向かってきたのは あのヒョウドウイッセイハンザイシャだし、正当防衛でしょ?」

「どう見ても過剰防衛よ!

それから、私の可愛い下僕を、そんな風に呼ぶな!!」

そしてリアスは怒りの表情を露にし、両手を頭上に掲げ、特大の黒い魔力弾を作り出す。

 

「…で、その魔力弾(たま)は一体 何?

そんな物騒な物、投げつけてられた日には、それこそ間違い無く正当防衛成立。

逆に殺されても、文句は言えないぜ?

"紅髪の駄肉姫(トラッシュ・プリンセス)"様?」

仮面の内側、サトルは余裕の笑みを浮かべて話すが、

「お黙りなさい!

私の下僕を傷付け、何よりも私を貶めた罪は、それだけで充分、万死に値するわよ!

滅びなさい!!」

 

ドッ…!!

 

度重なる挑発、そして"禁句"によって、完全に頭に血が上ったリアスの手から、遂に"滅びの魔弾"が撃ち出された。

 




 
次回:『神鳥の仮面』(仮)
 


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崩壊の火種(仮)

 
【前回の あらすじ!】
駄肉姫(リアス)必殺の、滅びの魔弾が、サトルに向けて、放たれた!
 
 
 
≫≫≫
感想、評価、有り難う御座います。
  


 

ドンッ…!!

 

リアスの両掌からサトルに向けられ一直線に放たれた、特大サイズの【滅びの魔弾】。

 

シュゥゥ…

 

「…何…ですって…?!」

しかし それは、サトルに届く事は無く。

滅びの魔弾はサトルに直撃する寸前、霧散して消えてしまったのだ。

 

「…残念だが俺には、魔力や光術の類いは、一切通用しないんだ。」

「な…!?」

その後のサトルの台詞に、そして その言葉通りとなっている事実に、驚きを隠せないリアス。

 

「……………!!

そ…分かったわ!

その仮面、神器(セイクリッド・ギア)だったのね!

そうね? そうなのね!?」

そして自分の攻撃が通じない理由を、サトルに問うが、

「…応える義務も、義理も、無い!」

 

ダッ…!…ビタッ…!!

 

「!!?」

次の瞬間にはリアスの眼前に、ダッシュしたサトルの突き出された人差し指が、僅か数㍉の距離で止まっていた。

 

「ぁ…ぁああ…??!」

サトルが僅かでも距離感を誤り、或いはリアスが僅かでも動いていたら、その指が その瞳を刺し貫いていたであろう。

少し前に、はぐれのエクソシストの胸を貫いた、その徒手が…である。

リアスからすれば、眼の前に いきなり、潰さんとばかりな指先が現れた様な物で、動揺と そして恐怖からか、立ち竦んで動く事が出来ず。

 

「リアス?!」「「部長!?」」

それを見たリアス眷属の少年少女3人が、慌てて その間に入ろうとするが、

 

ザザッ…

 

「…ガルーダの邪魔は、させません。」

「…にゃっ!」

「「「!!?」」」

その前に白音と黒歌…この場では灯と螢と呼ぶべきか…仮面を被った少女が、それを止めるべく、前に立ちはだかった。

…因みに兵藤一誠は、先程の白音の蹴りのラッシュでダウン、気を失っている。

そして…

「正当防衛の名の下、今直ぐ此処で貴様を始末するのは簡単だ、リアス・グレモリー。

…だが、俺も好き好んで、悪魔の公爵家と事を構える心算は無い。

今のは特別大サービスで、無かった事にしてやる。

但し次! 貴様達が俺達に敵対的行動を取った場合、それは"個"の喧嘩でなく、悪魔と云う"種"として、俺達に弓引いた…と、そう解釈させて貰う!!」

「「「「…!!!」」」

抑える気等、欠片も無い、殺気を全開放したサトルの最後通告(セリフ)に、リアス達は呑まれ、完全に動けない。

 

「…その黙りは、了解と受け取りましょう。

よし、螢、灯。撤収だ。」

「「はい…。」

    にゃ。」

そんなリアス達を尻目に、サトルは殺気を解くと、(くろか)(しろね)に撤退を呼び掛ける。

2人も それに頷き、

 

ヴォ…

 

「…よっと。」「…にゃ。」

サトルが転移魔法陣を開き、黒歌と白音が、未だ気を失った状態で、ベンチに腰掛けている駒王の女生徒2人を抱き抱えた。

 

「ま、待ちなさい!

その2人を、どうする気なの?」

それを見たリアスが、3人を呼び止め問い掛けるが、

「どうする…って、この2人は"はぐれ"を目撃、そして無事だったとは云え、襲われたんだ。

記憶の処理は、普通に必要だろ?」

サトルから…いや、"裏"に関わる者からすれば、極々普通な応えで返す。

 

「…だったら、それは私達が!」

「いや、少なくとも今回は、俺達が事を終わらせたんだ。

最後まで…被害者のケアも、俺達が為す義務が有るし、事が終わった後に のこのこと やってきた あんた等に、それを兎や角言う権利は無い。

それ以前に、あんた等の記憶処理は、信用出来ない。」

「な、何ですって!?」

「どうせ、"()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()"だけで、終わらせるんじゃないのか?」

「……………!!」

「…だから、黙りは肯定と同じと言ってるだろ?

其処は、ハッタリでも『違う』って言えよ。

てゆーか、マジに それだけだったんかい…ハァ~…」

続くリアスの申し出も、サトルは正論と真っ当な理由で拒否。

更に後の遣り取りでの この悪魔貴族令嬢の反応に、仮面の裏で呆れ顔を隠せない。

 

「兎に角、俺達は これで失礼するよ。

土着先民に何の断りも無く、勝手に管理者を名乗る、自称・管理者の無能駄肉姫様?」

「な…? ま、待ちなさい、ガルーダ!」

 

スゥ…

 

そしてリアスの呼び止めも無視して、サトル達は公園から姿を消した。

 

「赦せない…

あの男、何処まで…何処まで悪魔(ひと)を虚仮にしたら、気が済むのよ…?!

絶対に赦さないっ!!」

 

ドッゴォォォオッ!!

 

「「「部長??!」」」

「ハァ…ハァ…!」

その後、怒りの形相のリアスの掌から、先程のサトルに放った以上の、超特大の滅びの魔弾が放たれ、遊歩道奥の林に、巨大なクレーターを作り上げるのだった。

 

▼▼▼

翌日。

 

「…既に知っている人も居ると思うけど、この学園の傍の公園に、野犬の群れが住み着いています。

怪我とかは無くて無事に済んだけど、ウチの生徒も昨夜、襲われそうになったわ。

今は公園は立入禁止になっているけど、犬が公園の外に出ないとも限りません。

極力、公園には近付かない様に。」

それは朝のホームルーム時の、担任教諭からの注意の促し。

 

「………………………。」

1-Eの教室にて、白音の隣の席、プラチナブロンドのボブカット女装男子は、何とも言えない微妙な顔で、それを聞いていた。

 

 

≫≫≫

その日の放課後の、旧校舎、オカルト研究部部室。

 

「更新されて、いませんね…?」

「あ、あの(わたし)を馬鹿にするのが趣味みたいな、あのガルーダが、昨日の出来事を書き込んでない、なんて…?」

リアス達はパソコンを起動させ、(ガルーダ)のサイトを開いていた。

またサトル(ガルーダ)が己のサイトに、良からぬ書き込みをしてないか気になり、その確認の為である。

しかし、書き込みの更新は されておらず。

閲覧者達のコメントでの遣り取りだけが、続いているだけだった。

 

 

 

※※※

 

 

◇そうなんだよ、あのサーゼクスは『ド』とか『超』が付く程のシスコンでなwww

序でに嫁の尻に敷かれてるらしいぜwww

 

◇ま、まじですか、総督(自称)。

 

◇だから、自称じゃねーよ。(笑)

そのシスコンや実家が、我が儘お姫様を甘やかすだけで、何の注意やダメ出しをしないからこその、ダメ管理なんだろう。

グレモリーは慈愛が売りらしいが、俺から言わせれば、そりゃ只の過保護だぜ。

尤も、その過保護が原因の無能っぷりのお陰で、この前は要らぬ争い無しで、事が終わった訳だがな。

ぶっちゃけ、あの時、ウチのサボリ部下共とリアス・グレモリーに その下僕達が衝突していたら、互いに無傷では済まないだろうが、最終的には無能姫が大ダメージを負って退散…が、俺の見立てだ。

 

◇ある意味有能(笑)

 

◇何という危機回避能力!(笑)

 

◇入○君かよwww

 

◇魔入りました!www

 

◇全くだ。

ウチは不法侵入の末端の者だったが、アッチは一応、貴族様(笑)だからな。

それに重傷を負わせたとなると、悪魔側は何らかの動きをグリゴリに起こすだろうからな。

少なくとも、あのシスコン魔王が私事で動いただろう。

下手すりゃ戦争再開だぜ。

 

◇よろしい、ならば戦争だ!

 

◇クリーク!クリーク!クリーク!

 

◇だから止めろってwww

 

◇末端の堕天使に、返り討ちに遭う駄肉姫(笑)

 

◇それって雑魚じゃないですか?

 

◇上級悪魔の貴族様(笑)

 

◇悪魔と堕天使が争って共倒れになってくれたら、我々としては凄く有り難いのですがね。

 

 

※※※

 

 

≫≫≫

「…!?」

 

ヴォッ…!

 

「ちょ…落ち着いて下さい、部長!」

「ストップよ、リアス!」

「ぁわゎわわわ…」

…しかし、サトル(ガルーダ)の更新は無くも、閲覧者達のコメントに、またもリアスの表情が激変、魔力を帯びた掌をパソコンに向けた瞬間、オカ研部員達が慌てて止めに入った。

 

「もう次に壊しても経費申請は認めないって、生徒会(ソーナさま)からも言われたじゃないですか!」

「…っ!」

本年度、まだ5月に入ったばかりだと云うのに、既に3台も新しくパソコンを部費で購入していたオカルト研究部。

その理由が余りにも馬鹿らしく、各部活の予算管理をしている生徒会執行部からも、備品の扱いについての厳重な注意を受けていたのも、当然な話である。

 

「くっ…誰も彼も、(ひと)を馬鹿にして!」

何とかパソコン破壊だけは踏み止めたリアスが、声を溢す。

 

「大体! あのガルーダ…達って、本当に何者なの?!

本当に駒王の…この町の住人なのかしら?」

「あの部長、その事…なんですけど…」

「…イッセー?」

リアスにとって、不快な書き込みが記されていたパソコンをシャットダウンし、ガルーダの素性について考え話し始めた時、何か心当たりが有るかの様に、兵藤が口を開く。

…その間にも、件の掲示板での遣り取りは続いていた。

 

 

※※※

 

 

◇あ?誰だ?オメー?

 

◇分かったぞ!今度は天使のなりすましだな?

 

◇駄肉姫、性犯罪者、堕天使総督の次は、天使のなりすましか?(笑)

 

◇まぁ、否定しても、仕方ありませんね。推察の通り、私はミカエルですよ、堕天使総督(自称)殿?

 

◇まじ?遂に天使のトップもきやがったwww

 

◇マジに凄えな、このサイト!www

 

◇ふん、俺が言うのもアレだが、お前、本当にミカエルか?

天界vipのなりすましは、洒落にならないぞ?

奴等、テメー等のち〇〇同様に器が小さいからな、下手すりゃマジに消されるぞ?

悪い事は言わねえから、コメント、削除しとけ。

 

◇ち〇〇…www

 

◇ち○○(笑)

 

◇小さいんですか?BSADB総督?

 

◇おい、何だ?そのアルファベットは?

消すぞ、テメー?

まあ、良い。俺が堕天する頃…ヤツも普通に体は成人だったがな…少なくとも通常で一般成人男子の半分以下のサイズだったからな。

 

◇はんぶんいか…www

 

◇応。確認した訳じゃないが、ありゃ絶対にMAXでも、成人男子の通常モード(平均)以下だぜwww

 

◇酷え…www

 

◇ちょ…www

 

◇言って良いんすか?それ?

 

◇言ってくれますね、アザぜル。…で、つまり、私がミカエルならば、その証拠たる物でも示せ…と?

 

◇応よ。モノホンと判る物なら、何でも良いぜ。

 

【挿絵表示】

これで良いですか? 

 

◇(笑)

 

◇え?これって、もしかして?

 

◇…何…だと…?www

 

◇ちょ…?www

 

◇ぶっ殺すぞテメー!

止めろ!消せ!今直ぐにその画像、削除しやがれ!

 

◇凄い反応だ(笑)

 

◇これが、噂の…www

 

◇分かった!俺が悪かった!お前が本物のミカエルだって認めるから!

 

◇ドラゴンもしゅんさつwww

 

◇ラーメンを思いっきり噴いてしまったじゃないか。

どうしてくれる!www

 

◇ ↑ 上の奴に、顔面にラーメン、思いっきり ぶっかけられちまったぜぃ!どうしてくれるんでい!!www

 

◇これは、酷ぇ…!(訳:グッジョブ!)

 

◇巨大ロボにへんけいwww

  

◇光とヤミのビーム…www

 

◇これは非道過ぎるwww(注:褒めてる)

 

◇あんまりだぁあ!!(笑)

 

◇少なくとも総督様がマジに御本人なのは、今回で確認出来たwww

 

◇ m(_ _)m

今までの非礼無礼をお詫びします。

 

◇すいませんした m(_ _)m

 

◇しかし、天使のやる事とは思えねえ(笑)

 

◇正しく悪魔の所業だぜ。

 

◇スレ主!見てるんだろ?

どう見てもコレ、運対案件だろ?

消せ!頼むから、今直ぐ消してくれ!

 

◇いやいや、とてもお上手ですよ?(笑)

 

◇ウメーウメーwww

 

◇もう止めたげて!総督のHPは、もうマイナスよ!

 

◇やかましいわ!!

 

◇堕天使と天使の、戦争勃発か?

 

◇クリーク!クリーク!クリーク!

 

 

 

※※※

 

 

≫≫≫

その頃、サトルは…

 

ドシュ…!

 

「えぇい! 昨日の今日で、いい加減にしろ!」

昨夜と同じく、学園近くの公園で、またも現れた はぐれ悪魔を屠っていた。

 

「本当に、町の管理者って自覚有るのか?

あ・の・駄肉はっ?!」

 




 
感想と評価、よろしく お願いいたします。
   
あ、それからアンケート協力、此方も よろしく。
アザぜル総督の名誉とメンタルや、如何に?
それは、貴方次第!!(笑)
 
次回:『滅びの言霊祭り』(仮)
 


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滅びの言霊祭り(笑)

 
さぁ、祭りの始まりだ!
ネタに暴走(はし)るぜ!!
 
※今回は 2019/08/30 23:18に更新した話です。
それを踏まえて読んでいって下さい。
 


 

「本当に、町の管理者って自覚有るのか?

あ・の・駄肉わっ?!」

サトル(ガルーダ)? 落ち着くにゃ?」

 

≫≫≫

…サトルはキレていた。

本来ならば、町の管理者を自称するリアス・グレモリーと その眷属達が行使する筈の、駒王町に出没する はぐれ悪魔の討伐。

しかしリアス達は、少なくともサトルからすれば、それを真面目に実行してる様には どう見ても思えなかった。

昨日の夜の話。

はぐれ悪魔の気配を感じ、ギリギリのタイミングでは有ったが、何とか犠牲者を出す前に、駒王に出没した その者を屠ったサトル達。

そして その後に、のこのこと現場に やってくると云う不様を晒したリアス達。

それについてのサトルの問い詰めに、逆ギレ込みな一悶着後の別れ際、かなり()の籠った発言では 有ったが、"無能"だの"紅髪の駄肉姫(トラッシュ・プリンセス)"だのな、本人からすれば かなり不名誉な二つ名を冠せられた自称・町の管理者に、その自覚を促した心算では有った。

しかし…

「マジ! マジに何やってんだよ?!

俺達が出しゃばれば、『自分達の役割』だって文句言う癖によ!」

その翌日の夜…即ち現在(いま)も、こうして町を徘徊している冥界からの出奔者を、被害者が出る前に闇に葬ったのは、その気配を逸早く察知したサトルと黒歌だったのだ。

しかも今回は、駄肉姫(リアス)達が遅れて現れる様子も無く。

サトルの憤慨は、リミットと云う器の中で上昇、その器を突き破る寸前に達していた。

 

「ほ~ら、これで落ち着くにゃ!」

 

むにゅぅ…

 

そこに黒歌が、その荒ぶる感情を鎮めるべく、サトルの右手を掴むと、その儘その掌をレオタード越し、自分の左胸に ぐいぃっと押し当てる。

 

「く、くr?! …………………。」

「ん…んぁん…!

ど~ぅ?少しは落ち着いたにゃ? 」

「ぉ…応…サンキュ、な…黒歌姉…」

そして これで本当に落ち着いてしまえる辺り、サトル(このおとこ)も大概である。

 

「…しっかし今更だけど、この町って日本国内でも本当、はぐれ悪魔が出る率、少し高くね?」

「え?サト…ルん、知らにゃかった?…ぁん!

それは…ね…」

…黒歌が言うには、はぐれ悪魔等、冥界からの出奔者は独自の転移術式を持つ者以外は、冥界と地上を結ぶ幾つかの(ゲート)を通る事になるのだが、その(ゲート)の1つが、この駒王町に存在しているから…らしい。

悪魔が駒王町を(勝手に)縄張りの1つとしているのも、それが理由だった。

 

「ん~、それでも…だな…

いや、それなら尚更、まるで選んでる様に、この町を…」

とりあえずの理解は出来たが、それでも この町に出没する はぐれ悪魔の多さに、今一 釈然としないサトル。

 

「多分、はぐれとなった奴等も、サトルの あのサイト見ていて、無能姫(リアス・グレモリー)が治める駒王町(このまち)が、一番安全に逃げられるとでも、思ってるんじゃ…ん!…にゃいか…しらんん?」

「へ?俺のせいかよ?

いや、いやいやいやいや!?」

黒歌の言葉に僅かながら、不覚にも納得してしまったサトル。

 

「と、兎に角だ、この死体、旧校舎(いつものところ)に棄てに行こうぜ!」

そして それを誤魔化すかの、その仮説から話を反らす、或いは逃避するかの如く、サトルは この場から立ち去る様に持ち掛ける。

 

「ん…ん! それは別に構わないけど、サっトル?

ぁ…あんた、…んあ! 何時まで(ひと)の おっぱい、揉み揉みしてるにゃ?

しかも、両手(ダブル)で。…あっあぁん!

ち、乳首、押すにゃ…ぃゃあん!? 」

…周囲に人払いや認識阻害の結界を張っているとは云え、この男も、本当に大概である。

 

▼▼▼

「(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)…」

「さ…サトルちゃま? 落~ち着~くにゃ?

後で白音と一緒にWぱふぱふ、してあげる・から?」

「……………………。」

そして、転移で学園旧校舎に到着。

サトルは再び、リミットブレイク寸前に。

最初は斃した はぐれ悪魔の亡骸を、建物の正面入口に放棄して、直ぐに帰宅する予定だったのだが、建物の…丁度、部室となっている部屋に、明かりが点いている。

何事かと思って使い魔を放ち、部室の様子を探らせてみれば、オカ研メンバー一同が、何やら話している風景だった。

 

「チィッ…駄肉が! 黒歌姉、帰るぞ。」

「…何を話してるかは、聞かないにゃ?」

「どうせ、依頼人との仕事の話とか その反省会とかだろ!

そんなのに、興味は無い!!」

 

ヴァ…

 

吐き捨てる様に言うと、サトルは転移魔方陣を展開した。

 

▽▽▽

 

「イッセー? あのガルーダについて、何か心当たりが有るの?」

「いえ…ガルーダ…じゃ、ないのですがね…」

その頃、オカ研部室では、ガルーダの素性について話しており、その事で兵藤一誠が何か心当たりが有るのか、口を開いていた。

 

「あのヤローと一緒に居た女の子…

背が小っちゃい方の子ですけどね…

もしかして あの子、学園(ウチ)の1年の、東條白音ちゃんじゃ、ないか…と。」

「えぇっ?白音ちゃん??!」

兵藤の口から出てきた、その容姿から学園マスコットと呼ばれているクラスメートの名前に、ギャスパー・ヴラディが、驚きの顔を見せる。

 

「…因みに、その根拠は?兵藤君?」

「あの子のレオタード越しの体型(ライン)、あれは白音ちゃんの其れと、寸分の狂いも無かった!

間違い無い!!」

リアスの下僕の1人…木場祐斗の質問に、鼻息を荒げながら、自信満々な どや顔で応える兵藤。

 

「あ、貴方…ねぇ…」

「あら…あらあら…」

それにはリアスと彼女の女王(クィーン)、姫島朱乃も完全な引き顔となり、

「大体 貴方、その東條白音さん?とやらのボディライン、一体 何時、何処で…

…あぁ、分かった…。

分かったから、もう、言わなくても良いわ…。

はぁ~~~~~~~~~~~~…」

その発言の突っ込み処を突っ込もうとした瞬間、その答えを聞く前に察する事が出来たリアスは、頭を痛そうに抱えて、更なる どん引き顔になる。

どうやら兵藤は、先日の覗き事件の際に、白音の艶姿、ボディラインを脳内保存していた様だ。

…仮にサトルが先程に、駄肉姫の今の怠慢にキレて帰宅する事無く、その儘 部室内の会話を窺っていたならば…今頃この部屋は血の海、如何に被害が軽くとも、少なくとも兵藤の両目は確実に潰され、脳漿が ぶち蒔けられていただろう。

 

「で、でも、あの女の子は髪が黒かったですし、声も全然、白音ちゃんとは違ってましたよ?」

そして此処でヴラディが、兵藤の推測に否定的意見を言うが、

「いーや!あれは、絶対に白音ちゃんだ!

髪の毛は染てるんだろうし、声が違うのは あの仮面に何か仕込みが有ったか、術式で変えてるに決まってる!

あの小さな身体に、あんな立派な おっぱいをした女の子なんて、他に居るもんか!

部長! 彼女は監視するべきです!

そして その役目は、言い出しっぺの この俺がぁ!!♪」

だがしかし、更に兵藤が、力説での反論。

 

「小柄で胸の大きな子なんて、探せば幾らでも居ますわ!」

「貴方、何だかんだ理由を付けて、その東條さん?の着替えとかを、また覗き見したいだけじゃないの?!」

「うぐっ?!」

「ば、バレたりしたら、今度は間違い無く、神代君に殺されちゃいますよぉ…」

「兵藤君…もう少し真面目に考えようよ…」

だが更に しかし、この下心から成る申し出は、その考えと共にリアス達により、完全に否定棄却されるのであった。

 

「うぅ…結構本気で、言ったのに…」

 

▼▼▼

「これは…」

「ま、まさかの…www」

「にゃ~…♪」

…それから少し時は経ち、時刻はPM11:20過ぎ。

視点(カメラ)は黒歌達の部屋(マンション)へ。

一体()()が有ったのか、揃って素裸(すっぱ)で艶やかな顔をしている3人が、何時ものサイト掲示板を見て、苦笑していた。

 

   

 

※※※

 

◇バルス!!

 

◇バルス!一番乗り!!

 

◇「「バルス!!」」

 

◇ヴァルス!

 

◇バルス!www

 

◇…って、2番?俺と同じ発想な奴、こんなに居るのかよ?!

 

◇まじか…www バルス!

 

◇ ↑↑ 残念www バルス!!

 

◇BALSS!

 

◇まさかのココでも…(笑) バルス!

 

◇balse!

 

◇Valus!

 

◇ヴァカめ!!

 

◇バルス!

 

◇BALUS!

 

◇ ↑↑↑ バルス!…ですわ。

 

◇ばるす

 

◇BARUSU!!

 

 

(中略)

 

 

◇『『BALUS!!』』

 

◇目が、目があっ?!

 

◇Balse!!

 

◇バルス!

 

◇バルスだぜぃ!!

 

◇僕は海賊には、ならないよ。

 

◇海賊王に、俺は、なる!

 

◇クリ〇ンの事かーーーーっ!!!!

 

◇目ぇ~がぁ~!!

 

 

■【悲報】勝手に当サイトが"祭り"の会場に なってる件(笑)

 

てゆーか お前等、2〇ゃんで やれ!(笑)

バルス!!

 

◇スレ主…www バルス!

 

◇見ろ、駄肉姫が まるで、ゴミの様だ。

 

◇バルス!www

 

◇バルスです

 

◇バルスだにゃ!

 

(…中略)

 

 

◇BARUSU!!

 

◇バルスっス! 

 

 

■【『祭り』打ちきり(強制)の報告w】

 

あー阿呆らし。(注:称えてるwww)

余りの しょーもなさに、さっきまで脳内に溜まってたアドレナリンが一気に消し飛んでしまったぜ。

まじに皆さんに感謝(笑)。

そんな訳で駄肉姫様。

何が話題かは存じませんが、部室で揃って お話ししている暇が有れば、管理者(自称)らしく、町のパトロール等に勤しんで下さいませ。

とりあえず、昨日に引き続き、また はぐれ悪魔を仕留めたので、そちらの建物の前に届けておきました。

死体の後始末、ヨロシク。( ゚∀゚)ノ

 

追伸:堕天使総督(自称?)様。

あの画像、面白いので とりあえず、その儘にしておきます。www

 

  

◇これ、密かにマジギレしてね?

 

◇あー…察し…

 

◇何だか昨日の今日みたいだしな。確かにバルス言ってる場合じゃなくなったぜ。

 

◇ちぃ、せっかくの祭りwが、興醒めだぜ。

 

◇駄肉仕事しろ

 

◇また、無能の取りこぼしを、スレ主が代わりに拾ったのか。

 

◇訳:駄肉テメー、部室で何くっちゃべってたかは知らねーが、んな暇が有るなら町の管理、しっかりしてろ、ボケ!

昨日の今日だろうが、だあほ!

とりあえず、お前等がサボってる間、代わりにイワシタはぐれ悪魔、きちんと処理しとけやタコ!無能!駄肉!

追伸:Blazer shining aura darkness Blade総督様。

次は巨大ロボ『The End of Dragoon』の画像、ヨロシク。

 

…で、おけ?

 

◇ ↑ www…。おけ。

 

◇駄肉は『まさか、2日連続で、はぐれが出るとは思わなかった』とかって言い訳しそうだな。

 

◇巫山戯んな、テメー!!消すぞ!?

てかスレ主! マジに頼むからアレ、消してくれ!!

 

◇(笑)

 

◇The End of Dragoon総督様、其処は『バルスするぞ、コラ!』ですよ?www

 

◇テメー等、本当にいい加減にしろ!

 

◇そうだ駄肉姫、本当にいい加減にしろ!

 

◇ぶっちゃけ、ガルーダ氏が居るから大丈夫とか思ってるんじゃないの?

 

◇ ↑ 他力本願管理者じゃん

 

◇駒王町に居る意味無いじゃん

 

◇本当、下僕の皆には同情するよ…(不敬性犯罪者を除く)

 

◇駄肉仕事しろ

 

◇駄肉仕事しろ

 

◇駄肉マジ仕事しろ

 

◇マンガ家かよ?(笑)

 

◇T樫の事かー!!!!?

 

◇H原の事だーっ!!!!

 

◇M浦先生は仕事してるぞーーっ!!

 

◇キャスカー!好きだーっ!!

  

 

※※※

 

 

≫≫≫

 

ヴォォオオオッ!!!!

 

「ハァ…ハァ…本当に、いい加減に、なさい…!!」

「「「「…………。」」」」

 

某日の金曜日、日付が変わる少し前…

オカルト研究部の部室に設置されてあるパソコンが、また1台 滅ぼされた。

 




 
①原作と本作の相違点(笑)
 
原作:塔城小猫
身長:138㌢/3size:B67.W57.H73
本作:東條白音
身長:139㌢/3size:B81.W57.H78
 
原作:黒歌
身長:161㌢/3size:B97.W57.H86
本作:東條黒歌
身長:164㌢/3size:B100.W58.H90
 
…2人の相違の原因は、主にサトルの所業www
 
②Wぱふぱふ…猫姉妹がサトルの顔を、左右から同時に おっぱいで挟み込む、何とも羨まけしからんプレイ
 
③前回upした画像は、アンケート結果に従い、現状維持の方向で。
尚、巨大ロボについては、また機会が在れば(笑)
 
アザゼル「テメー等、覚えてろよ!!」
 
④今更ですが、偶に「~は」な文章を「~わ」と表現している事が有りますが、あれ等は全てワザと、意図的ですので、それで理解と納得、お願いします。
 
⑤前回の画像効果か(笑)、お気に入り急増加!
ありがとうございます!
評価の方も、何卒よろしく お願いします。
 
⑥バルス!www
 


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神代家の人々

 
波乱の前の、まったり。
新キャラの顔見せ回です。
 


「あ゙~、もぅ駄目にゃ~!

サトルぅ、おんぶ~!♪」

「あ゙ぁ?!」

「姉様、体力無さ過ぎです。」

【"滅びの言葉"祭り(笑)】の翌日の、某県某市。

サトル、白音、黒歌は その市の中心部から少し離れた地に在る、立派な門をくぐり抜け、長い長い坂を登っていた。

 

≫≫≫

「ふにゃぁっ?!

ぃ、今、どさまぎで お尻触ったにゃ!?

この、どすけべサトル!」

「さ、触ってねーし?!

だいたい触るってのわなぁ…!」

 

もぎゅぅ…

 

「ふに゙ゃあぁぁあっ!??♪」

「こーゆーのを言ーんだよ!」

「…さとくんー、わたしも もう、あしが がっくがくなんですけどー?

そんなわけで さとくん、わたしにも おんぶー。

さあ、はりーあっぷー。」

「はいはい…分かったから後でな…ハァ…」

「よし! 言質取りましたからね!!」

…こんな お馬鹿な遣り取りの中、山の様な坂を登りきった先は、またも立派な造りの門。

そして その奥には、それに相応な立派な屋敷。

 

ぶぅん、ぶん…

 

その向こう側、綺麗に白砂利が敷かれた庭で、細身ながらも鍛え絞られている体付きの若い男が、無言で木刀での素振りをしていた。

 

「ん…? や…やぁ、聡琉君。

それに黒歌さんと白音さんも…よく来たね。」

「どうも、充義兄さん。」

「「お久し振りです。」

       だにゃ!」

サトル達に気づいて拶する、気が弱そうというか人が良さそうな顔付きな、この青年の名は田中充(22)。

サトルの姉の旦那、つまりはサトルの義兄である。

 

「「サト兄~♪ お帰り~♪」」

「黒歌さん、白音ちゃんも、いらっしゃい。」

そして更に3人の少女が、屋敷から出てきてサトル達を出迎える。

神代瑞希(18)と神代静瑠(11)、そして神代涼華(11)。

サトルの姉と妹だ。

参考迄に、静瑠と涼華は双子である。

 

「ずっき~、お久だにゃ~♪」

「しずちゃんと すずちゃんも、久し振りですね。」

「「白音お姉ちゃ~ん♪」」

その姉妹達と猫姉妹が挨拶を交わし、その儘きゃっきゃ うふふと女子ならではの、他愛の無い会話に突入。

 

「…や、やっぱり、これだけ女の子が揃うと、賑やか、だね~?」

「義兄さん…無理せず、煩いで良いよ。」

 

≫≫≫

「「可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い(中略)可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い…」」

「2人とも、静かにしてろよ~?」

(すやすや……)

そして屋敷に入ったサトル達。

リビングにて猫姉妹は、静かに寝息を吐く赤ん坊を囲い、サトルが それを窘める。

 

「いやし姉ちゃん、悪ぃ…」

「まぁ、可愛がってくれてる、から。」

そして その赤ん坊の母親…サトルの上の姉でもある、田中癒思(24)に、バツが悪そうに謝りの言葉。

サトル達は少し前に出産を無事に終えた姉夫婦の祝い、そしてサトルにとっては姪となる赤ん坊を一目にと、実家に帰ってきたのだった。

…因みに充は所謂、"マスオさん"である。

 

「帰ったか、サトル…」

「お帰り~。」

「よっ♪ 親父、お袋。」

そこに現れたのは、眼鏡を掻けたサラリーマン風…と表現するには、余りにも屈強過ぎる体躯の中年男と、その男と同年代に見える女性。

神代雄惇(まさとし)(46)と神代志麻(4?:謎の修正力が加わりましたw)。

サトル達の両親だ。

 

「お邪魔していますにゃ。サトルパパ、ママ。」

「お邪魔しています。おじ様、おば様。」

「………………………。」

サトルの両親の登場に、笑顔で挨拶する猫姉妹。

しかし、

 

ずず~ん…orz

 

「お、親父ぃいっ??!」

その挨拶に対して、この世の終わりかの様な哀しい表情で両膝両掌を床に着き、項垂れる…つまりはorzる雄惇。

仮にギャグマンガならば、暗闇のステージにて当人にスポットライトが当てられる様な、そんなイメージだ。

 

「「た、だだいま…お、()()()()?」」

「…!!」

そして、それを見て慌てて言い直した黒歌と白音の この言葉に、

「おぉ~!お帰りなさい、黒歌さん白音さん!」

絶望の淵から一転、即座に立ち直り、満面の笑顔で応えるのだった。

 

「やれやれ…だな。」

「ふふ…まぁ、父さんからすれば、既に2人共、娘も同然だから。

勿論、私も、ね。」

その光景に呆れるのはサトル、同じく呆れながらも、微笑ましく見ているのは志麻である。

 

≫≫≫

「しかし、本当に一家勢揃いは久し振りだな。」

「まあ…ね。」

日も暮れ、皆で卓を囲んでの夕食。

やや大きめの湯呑みに入った ほうじ茶を啜りながら、雄惇が しみじみと言う。

【日本神話】が情報収集の為、世界各地に送り込んでいる特殊諜報部隊、通称『NIN=JA』。

実は神代家は代々、その『NIN=JA』に連なる家系であり、雄惇、志麻、癒思、そして充は その一員である。(但し、志麻と癒思は既に寿引退)

雄惇と充は つい最近まで 其々が海外での任務に就いており、その終了、帰国と癒思の出産のタイミングが丁度 重なり、それに合わせて、サトル達も一時帰宅したのだ。

 

因みにサトルだが…

サトルも元々は、雄惇が(本人の了承無しに)中学生に上がる前位から、『NIN=JA』としての指導を行う予定だった。

しかし、7歳の時にサトルが神器(セイクリッド・ギア)に目覚め、発動。

…が、雄惇も志麻も、『NIN=JA』としての指導は出来ても、神器(セイクリッド・ギア)についての知識は皆無だった為、当時の自分の上司に相談した結果、【日本神話】派閥の1つである『妖怪』…その御大将の"九尾狐の八坂"の弟である、銀髪の妖狐・蔵馬の元に預ける事に。

その蔵馬自身も神器(セイクリッド・ギア)については詳しくは知らなかったのだが、その神器(セイクリッド・ギア)が"インドの神鳥"を宿す物と云う事で、所属勢力関係無く、プライベートで友人である、【インド神話】に属している闘神から神鳥の特性についてのアドバイスを受けながら、サトルを師事する事に。

当時、既に蔵馬から仙術の指導を受けていた、黒歌と白音とは、この時に初めて出会う。

つまり白音と黒歌は、サトルの姉弟子になるのだ。

参考迄に、雄惇、志麻、癒思、瑞希、充は、白音と黒歌が人間でないのは承知であり、姉妹2人揃って、()()()()でもある。

…尚、サトルと猫姉妹が()()()()()()になった経緯は、また、別の機会にて。閑話休題。

 

 

「…いや、聡琉君が帰ってきてくれて、本当に嬉しいと云うか、心強いよ。

てゆうか、もう いっその事、ずっと居なよ!

学校は転移で通えば良いよ!」

「うむ。黒歌さんと白音さんも、一緒に住めば良い。」

「いや、私用の転移は禁じられてるでしょ?

それに白音と黒歌姉が一緒になると、男女比、ますます開きますけど?」

「いや、それでもだよ!

聡琉君! 君に解るかい?

僕と お義父さんが この家で、どんなに肩身が狭いか?!」

「そうだぞ!私と充君は、我が家での発言権なんて、殆ど皆無なのだぞ!

それに、あの2人なら、お前の味方に、それ則ち我々の味方になってくれるだろう!」

「ぃゃ…知らないし…」

食後、志麻と癒思は その食器等の片付け、娘&義娘達は赤ん坊の面倒を見ながら色々と話す中、雄惇、充、サトルの男衆は男衆だけで、色々と…と云うか、義親子がサトルに散々と愚痴っていた。

どうやら男女の比率の関係で、この義理の親子は家庭内では細々と暮らしているらしい。

それ故か、長男(サトル)の帰宅は、同志(笑)を得る様な意味で、大歓迎だった様だ。

 

「義兄さん…そりゃ亜弥ちゃん生まれるってタイミングで、新しい車やらクラブやらは、却下されて当然だよ…

親父も ん千円の水墨画(らくがき)を、ん十万も出した前科が有るから…

あれ偶々、鑑〇団(テレビ)見てたけど、俺も白音達も、腹抱えて笑ったからなぁ。

後々の修羅場な場面が浮かんで…w」

「そ、それは言うなぁっ!

あの時、あれから母さんを宥めるの、凄く大変だったんだずぉっ!!?」

「ぃゃ…だから、知らねえし…」

 

▼▼▼

「「じぇみに・だぃびんぐ・ぼでぃ・ぷれす~!」」

 

どどんっ!

 

「ぐぇっ?!」

翌日。

日曜日と云えど、神代家の朝は普通に?早い。

朝の7時前、久々の実家の自室にて1人で寝ているサトルの体の上に、静瑠と涼華が2人掛かりで、ジャンプからの体を落としてきた。

 

「な…何なんだよ!いきなり!!?」

普段の休日の朝は、大体10時頃迄 熟睡しているサトルは、この双子の強襲に、思わず目を覚ましてしまう。

 

「サト兄、朝だよ!」

「朝御飯だよ!」

「お、お前等なぁ…もう少し静かに、起こせないのかよ…?」

「え~?」

「だってぇ…」

朝食の為に起こしに来た2人。

しかし その起こし方に、不満を洩らすサトルだが、

「黒歌お姉ちゃんと白音お姉ちゃんが、休日のサト兄は、"この位しなきゃ、絶対に起きない"って…」

「「ねーっ?♪」」

「………………………………。」

残念ながら本当の事で切り返され、それ以上は何も言い返せず。

 

≫≫≫

「ぉはよっす…」

「サト君、遅いです。」

「お寝坊さんだにゃ!」

洗面所で顔を洗ったサトルが、ダイニングへ足を運んでみると、其処には瑞希以外が既に全員集合。

 

「あら?瑞希(あねき)は?」

「ずっきーは もう、部活に行ったにゃ。」

「あー、頑張ってるなー、キャプテン。」

どうやら陸上部の主将である瑞希は、既に その練習の為、学校に行っているらしい。

 

「…てゆーか、俺が言うのもアレだけど、黒歌姉が きちんと起きてるのが、驚きなのですが…」

「私が叩き起こしました。」

「暴力妹だにゃ…」

…そんな会話の中、

「「「「「「「「「いただきます。」」」」」」」」」

神代家の朝食が始まる。

 

「そう言えば、朝から ご飯と お味噌汁って、久し振りですね。」

「いつも朝はトーストとハムかベーコンエッグ、それにサラダが定番だからな~?

あ、涼華、醤油取って。」

「は~い。」

 

シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ…

 

ご飯の上に生卵を落として醤油をかけて、更に その上に納豆と各種薬味を乗せ、それを一気に かき混ぜ…

「ん、美味い!」

「「「「……………。」」」」

数人が突っ込みを入れたそうな顔をしてる中で、それを満足そうに、サトルが口に かっ込む。

 

『…只今 入りましたニュースです。』

そうしてる中、テレビの中でニュースキャスターが、画面の外からスタッフに手渡された記事を読み始めた。

食事中にテレビ…行儀とかマナーとかな話となるが、神代家では報道番組に限って、"アリ"となっていた。

 

 

『つい先程、ほぼ同時刻にバチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂、そしてトルコ、イスタンブールの聖ゲオルギオス大聖堂が何者かの襲撃を受け、現在も火災が続いているとの事です。

この件に関して…

 




 
今回 登場の、神代家の皆さんは…
 
神代雄惇…宮沢静虎(TOUGH)
神代志麻…シーマ・ガラハウ(ガンダム0083)
神代瑞希…主将ミズキ(ワンパンマン)
神代静瑠&涼華…草薙静花(カンピオーネ!)
田中充…八重樫ミツル(ツマヌダ格闘街)
田中癒思…官越いやし(マンガで分かる心療内科)
 
…のイメージで。
「家族 皆、顔がバラバラやないかーい!?」…な指摘(ツッコミ)は、堪忍して下さい。
 
 
お気に入り、1000突発!
皆さん、ありがとうございます!!
評価の方も、感想と共に、宜しくです。
 


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天照大神!

 
日本神話のトップのモデルは、()()()()に決まりました。(笑)
 


「宗教テロでしょうか?」

「物騒な世の中ですね。」

臨時ニュースで報じられた、バチカンとトルコの…カトリックと正教会の拠点と呼ぶべき場所が、同時に襲撃を受けたという報せ。

更に追加ニュースで、関連は不明だが、ドイツのバイエルン郊外に在る、小さな教会も、同タイミングで何者からかの襲撃を受けて、全壊したらしい。

ニュースでは『〇〇〇〇教系過激派の犯行か?』…等と推測されているが、今の処、そちら方面からの犯行声明等は出ておらず。

 

「これは、荒れるかも知れませんね…」

 

ずず…

 

味噌汁を啜りながら、神代家の大黒柱、雄惇(まさとし)は静かに呟いた。

 

 

 

 

≫≫≫

 

PPPPi…x2

 

「「??!」」

雄惇と神代家マスオさんの田中充のスマホに緊急の呼び出しが、

『…もしもし、サトルか?』

「はぃ?蔵馬さん?」

そしてサトルのスマホにも着信が。

それぞれが上司、または師を通じて、【日本神話】からの召集指令が出たのは、その約1時間後だった。

 

▼▼▼

「やぁサトル君、久し振りだねぇ。

6年と197日振りかな?

お姉さんの事、覚えているかい?」

「………………………。」

某県の実家から、某々県の某所に転移したサトル達。

その地に在る、霊峰の表現が相応しい険しい山の頂、結界が張られ隠された神殿。

其処で彼等を迎えたのは、艶やかな長い黒髪には太陽を連想させる造形の髪飾り、赤と金色を基調とした、立派な着物を纏った少女?だった。

見た目はサトルと同年代か、やや年上に見える この少女…否、この女性こそが、

「…お久し振りに御座います、アマテラス様。」

【日本神話】の代表とされている、天照大神だった。

 

「いや、そんなに畏まらなくとも良いよ。

僕の事は親しみを込めて、"天照さん"と呼んでくれたら嬉しいな。

何だったら、"あまちゃん"とか"アマお姉ちゃん"でも構わないぜ。」

「…無理です。」

「あ、ミツル君とマサトシ君、君達も娘&初孫、おめでと~♪

いやしちゃん、よく頑張った!」

「ど…どうも、アリガトウゴザイマス…」

「あ、そうそう、マサトシ君、しーまちゃんに言っといてよ。

『や~ぃ♪ これで君も、リアルにバ・〇・ア・だぜ!…ざまぁwww』…ってね♪」

「…天照様、貴女は私に『死ね』と仰有りますか?」

跪くサトル、そして充と雄惇にも、気軽に話し掛ける天照大神。

…この、日の国を代表する女神様は どうやら、少なくとも普段は かなり、軽い性格な様だ。

サトルや雄惇達は自分の組織のトップの、この何とも言えぬ、この軽い()()は、苦手としている感じだった。

 

≫≫≫

「…さて、今回 君達に、急に集まって貰った理由だけど…」

神殿内の大部屋の1つ。

その会議室の如くテーブルが並べられた部屋に、『NIN=JA』や『妖怪』、そして『地獄』に『高天原』等の、【日本神話】に関係する、その各派閥の上位に就く者達、合計で約100名程が集う。

 

「…俺、どう考えても場違いだよな?」

そんな中…まだ正式に【日本神話】に所属している訳では無いサトルが、周りの他の顔触れに戸惑う中で、先程の軽さを感じさせない…いや、やや軽さを残しつつも、慎重な面持ちでアマテラスが話を切り出した。

 

「…既に知っている()も多いと思うけど、今朝…現地時間では深夜だね、バチカン、イスタンブール、ドイツの【聖書】に属する教会が、何者かの襲撃を受けた。」

その御題は、サトル達も朝のニュース番組で知った、同時宗教テロの件だ。

 

「表向きは、〇〇〇〇系の過激派の仕業とか報じられてるけど、実は、そんな単純な話じゃないんだ。…酸漿君?」

「はい。」

 

カタカタカタ…

 

天照に酸漿と呼ばれた男がパソコンを操作すると、設置されていた巨大モニターに、バチカンの大聖堂が襲撃されている場面が写し出される。

 

「「「「「「…………!??」」」」」」

それを見た者達は、その映し出された襲撃者の映像に驚き、声を出せずにいた。

 

「これは偶々、現地に滞在していた、NIN=JAの一員が撮影していた物です。

トルコとドイツ在中のNIN=JAにも調査を頼んだ結果、やはり同一な外見の襲撃者が現れていたそうです。」

「…だ、そうだけど、サっトル君?

君なら()()について、何か心当たりが有るんじゃないかな?」

「俺みたいな若僧(したっぱ)を喚んだ理由は、それですか…」

酸漿の説明からの、天照の悪戯っぽい笑みでの振りに、サトルは苦笑しながら応える。

そのモニターに映し出されている襲撃者…黒と金色の装甲の、まるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?の映像を見ながら。

 

≫≫≫

「こ、これゎ…www」

「ひ…酷過ぎる…www」

サトルの説明と同時、モニターには『ガルーダ』のサイトの、先日にアップされた画面、そして()()()()(笑)が映し出され、それを見た者達は、大笑いを堪えるのに必死だった。

 

「…終末の竜騎兵(ジ・エンド・オブ・ドラグーン)

何だか"終末の竜騎兵(ドラグーン・オブ・ジ・エンド)"の方が正しい気もしますが、とりあえずは考案者の銘付を汲みましょう。

此方の画像の方は まだ貼られておらず、外観(デザイン)がハッキリしている訳で無いので断言は出来ませんが、本当に今回の襲撃が堕天使の仕業なら、コレが ()()である可能性は高いですね。」

「ん。サトル君、説明ありがとう。

実際に聖堂…建物の外側の破壊は、この巨大ロボ(笑)だけど、内側には"黒い翼"の集団が現れたっていう事実を抑えている。

表側には当然、巨大ロボの事を含めて、知らされていないだろうけどね。」

サトルの解説に、天照が補足。

 

「…で、ここからが本題だ。」

そして真面目度が更にアップした、天照が語りだした。

 

「今回の襲撃、単純にミカエル君に黒歴史(笑)を晒されたアザゼル君の腹いせ、リベンジなのか、それとも前々から計画されていた事なのかが、先ずは判らない。

それと、バチカンとイスタンブールの大聖堂は兎も角、ドイツの地元民しか知らない様な、小さな教会も一緒に襲撃のターゲットにされた事。

それに、何かしらの意味が在るのかも不明瞭。

だが、一番問題なのは、やはり この巨大ロボだ。

これが本当にアザゼル君の、『ぼくが かんがえた さいきょおせいくりっど★ぎあ(笑)』の禁手(バランス・ブレイカー)だとしたら、それは…

はい、烏丸君?」

「それは、堕天使総督殿…いや、【神の子を見張る者(グリゴリ)】が、人工の神器(セイクリッド・ギア)とでも云うべきか…の開発、そして量産に成功していると云う事に、なります。」

「その通り。」

天照の演説の途中の不意な問い掛けに、『NIN=JA』側の席に座っていた、黒いスーツを着た、鋭い顔付きの男…烏丸が即答すると、それは満足の往く答えだったのか、それに笑顔を浮かべて応える。

 

「【聖書】の内輪揉めは知った事では無いが、これで彼等の云う『三竦み』とやらのバランスが崩れる可能性は、非常に高くなった。

神器(セイクリッド・ギア)も1つ1つは大した事は無いけど、数が多くなると、それなりに厄介だし、中には本当に面倒な代物も存在する。

現在【日本神話(ぼくたち)】の処には、サトル君しか神器(セイクリッド・ギア)の使い手は居ない。

それも、単に『あらゆる魔力や光術の干渉を無効化(キャンセル)する能力と、ロンズデーライトの3倍硬い程な物理防御力、それと高等転移術と超高速での飛行能力…その他色々』が備わっている程度な物だ。

それでも…魔力や光術を至高と考える【聖書(かれら)】からすれば、天敵だよね。

だからこそ、あのリアスちゃん…だったっけ?…が(勝手に)管理している町に、引っ越して貰った訳だけど。

…おっと、話が逸れた。

それで、僕が少しだけ心配してるのが、サトル君の神器(セイクリッド・ギア)が彼等の天敵になるのと同様に、僕達の天敵に成り得る様な、似たような能力の玩具(オモチャ)を、アザゼル君が作ったりしないか…って事なんだよね。

まぁ、魔力光術万歳(ばんざーい)な彼等が、その発想に至るとは考えにくいけど。」

長く永い台詞。

心配と言いつつ、全然 心配していない顔付きで、天照が締めた。

 

「…つまり姉者は、法力や仙術、神通力に鬼道をも無力化するアイテムを、堕天使共が作ると?

ふっ!それは正に杞憂!

仮に、萬に一つに斯様な せいくりっどぎぁを、作れたとしても、それならば純粋な破壊力(チカラ)で粉砕すれば、良い話ではないか!

如何に硬い造りでも、"完全物理防御"の体現不可は、世の理!

いざとなれば、我が直接、この剣で

「ん、脳筋(スサノオ)君は、少しだけ黙ろうか?

それから、最後に もう1つ。

今回の襲撃事件、具体的に何かは読めないけど、更に何かの厄介事に繋がり続く、そんな予感がするんだ。

『NIN=JA』の皆は、厳戒態勢強化と、更なる情報収集に努めてくれ。

先に言っとくぜ?

僕の悪い予感は、よく当たる。

…てゆーか、今迄一度も外した事が無い。」

 




 
①偉い人の台詞が長くなるのは、作者の悪い癖(笑)
 
②『NIN=JA』は基本、黒のスーツ。
メンバーは雄惇や充を含み、"幻影鬼師団"(作者の他作品キャラ)の没キャラで、構成する予定。
今回 登場の烏丸も、その1人。
 
③酸漿…読めた人は、その容姿が直ぐに察せた筈(笑)。
読めない人は、『文字コピー』機能を用いて、レッツ検索!
 
④ロンズデーライト…凄く硬い物質。
 
⑤感想、評価、よろしくです。
 


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生徒会、激震!

 
【前回の未収録会話】
 
「しかし、天照様も俺のサイト、見ていたとは…ねぇ…」
「ふふん♪ 金曜日のバ〇ス祭り(笑)、一番は実は僕だぜ♪」
「………………………。」
「大丈夫だよ。
僕が書き込みしたの、アレだけだから。」
「頼みますから、変な事、書かないで下さいよ~?」
「変な事?
…って言ーと、例えばキミが まだ小さな頃、偶に一緒に お風呂に入ってた時、僕の おっぱいや お尻やアソコ、チラチラ見ていた…とか?」
「止めて下さい。」
「…それで、やっぱり一緒に入ってた、白音ちゃんと黒歌ちゃんが『うがーっ!』って なっちゃった事とか…かい?」
「…すいません、マジ、勘弁して下さい。」
 



「あの~、会長ぉ?

またオカルト研究部から、パソコン購入の経費申請書が届いてますけd

「シュレッダーに掻けなさい。」

それは教会同時襲撃事件翌日の(或いはバ〇ス祭り翌週の)、月曜日の放課後の、生徒会執行部役員室での会話。

 

「ハァ…」

会計担当の少女からの報告を最後まで聞く事無く、その申請を棄却した生徒会長の少女は、机に置かれたノートパソコンに届いた報告(メール)の内容を見て、溜め息を溢していた。

 

「か、会長ぉっ!」

「こ、今度は何事ですか?」

「例のサイトに、日曜日(きのう)の事が…」

「な、何ですって!?」

 

カタカタカタカタカタカタ…

 

「はぁあ~~~~~~~~~っ…て、な、何なのですか!これわっ?!」

「「「「か、会長ぉ!?」」」」

そして続いては、生徒会黒一点、スマホを手にした書記の少年の一言で、インターネットを開き、()()()()()にアクセス、その内容に先程以上の深い溜め息。

…の直後、激しい怒りを露にした。

 

 

※※※

 

■こんにちは。私、当サイトの主、ガルーダの妻の、灯(あかり)と申します。

"あかりたん"とでも呼んで下さい。

今回は現在 所属している組織に呼び出された主人に代わり、つい先程、また駒王町で起きたと言いますか逃げ込んできた、はぐれ悪魔の話をさせて頂きます。

結果から言えば、今回は私と姉(ガルーダ妻2号です)の出番も無く、現地在中の悪魔の皆さんの活躍で恙無く解決しました。

はい。グレモリー令嬢のリアス姫率いる、駒王学園オカルト研究部…では無く、同学園の生徒会執行部…ソーナ・シトリーさんと その眷属の皆さんの お仕事です!(*^ー゚)b

一応 言っておきますが、私達姉妹は先日のグレモリーみたく、全て終わった後に のこのこと やってきた…な訳では無く、最初から物陰に隠れて様子を窺っていました。

これは建前上は、はぐれ悪魔を始末するのは悪魔の役割。

それ故に勝手に飛び出し いきなり顔を合わせて、余計な衝突を避ける為です。

えぇ、もしも彼女達がピンチな時は、その時に颯爽と現れ、助けるつもり満々でした。

とにかく、シトリーさん、お疲れ様でした。

…ところで駄肉さんは、一体 何をしていたんでしょうかね?

結局 今回も、顔を見せず終いでしたが?

 

 

◇嫁、キター!www

 

◇ガルーダ氏、妻帯者だったんか?w

 

◇いや、ちょっと待て。姉が嫁2号って、何なんだ?

 

◇もしかして、毎晩姉妹丼か?!

 

◇赦…さん!

 

◇リア充死ね!!

 

◇いや、そんなに怒らなくても。

 

◇ ↑ 怒るわ!

 

◇ ↑↑ リア充か!?

 

◇ふっ…甘いな。俺なんて毎晩、15Pだぜ。

 

◇↑僕も大体同じ感じかな。って、皆、落ち着こうよ。今回はガルーダ氏が姉妹を娶っていた事でなく、ソーナ君と眷属の皆の活躍を称えるのが主題じゃないのかい?

 

◇その通りだ!

ついでにリアスに「働け」ってな。

 

◇うぐぐ…おのれ、リア充貴族…!

 

◇ソーナ・シトリー様、よくできました。

で、貴族さん?女の子、1人で良いので譲って下さい。

 

◇焼くぞ、テメー?

 

◇君、消すよ?

 

◇落ち着きましょう。

 

◇駄肉働け

 

◇マジに、駄肉姫は何やってたんだ?

 

◇管理者自称してんなら仕事しろよ

 

◇働け駄肉!

 

◇働きたくないでござる!( @Д@メ)

 絶対に働きたくないでござる!!

 

◇www

 

◇止・め・ろ!www

 

◇労働は管理者の義務なんだよwww

 

◇義務であろうと働きたくないでござる!!

 

◇ソーナ嬢は働いてるんだね。

 

 

■少し誤解があるので、はっきりさせておきます。

何だか毎晩、ガルーダと姉と3人でシテイル風に思われていますが、2人きりでスル時もありますし、きちんと休憩日もありますよ?

確かに3人一緒の割合が、一番多いですが。

 

 

◇いちいち言わんで良い!Σ( ̄□ ̄;)

 

◇ちっくしょー!

 

◇誤解の訂正って、そっちかよ!

 

◇惚気か?!

 

◇ガルーダ、敵認定じゃー!!

 

◇敵!テキ!敵!敵!テキ!皆、敵!!

 

◇お前等、落っ着けwww

 

◇君達、少し冷静になりなよ。

もう一度言うけど、今回はソーナ君達を労うべきだよ。

 

◇真面目かっ!?

 

◇モテモテの余裕か?!

 

 

■その通りです。落ち着いて下さい。

手の内の公開は不適切なので、vsはぐれ悪魔の戦闘の詳細はカットしますが、ソーナさんの的確な指示の下、眷属の皆さんが それぞれ自分の役割をこなし、周囲に被害を齎さない、見事なチームプレーの勝利でした。

リアス嬢が無駄に肉を付けた駄肉姫ならば、ソーナさんは無駄の無い、正に対極な存在、"無肉姫"と称するに相応しいです。

 

 

◇む…www

 

◇あかりたん、何気に酷ぇ…(笑)

 

◇それじゃ、まるで全然、無いみたいだぜ?

 

◇全くだよ。ソーナ君の名誉の為、言っとくけど、確かに彼女は比較的慎ましい感じだけど、決して無肉じゃあないよ。

  

◇慎ましいのかよ…

 

◇フォローぢゃねぇ…www

 

◇大丈夫だ!レアだ!ステータスだ!ジャスティスだ!!

 

◇現れたなっ?!www

 

◇強者だ!

 

◇勇者出た!(笑)

 

◇いや、確かに大きけりゃ良いって訳じゃないが

 

◇そうっスよ!あんなの、ただの脂肪の塊で邪魔なだけっスよ!!

 

◇ ↑魂(こころ)の叫びだwww

 

◇そうだよ!胸の大きさなんて、気にする事なんて無いのさ!あぁ、姉さんも見栄なんて張らずに、PADなんか詰めなくても良いのに…嗚呼…姉さん…でも、そんな見栄を張る姉さんも、凄く可愛くて素敵だよ…姉さん、姉さん…

 

◇ソーナ嬢はアレだ、駄肉と逆に、胸に届けるべき栄養も脳みそに届けてしまったんだよ。

 

◇朱乃さん、好きだー!

 

◇ユーベルーナ様ーっ!!

 

◇ ↑&↑↑ 出たな、巨乳好き共が!しかし今回の場合は、真羅さんの名を出すべきだろ!

 

◇な…何か、危ないヤツが来てないか?!

 

 

■ち、違います、そんな意味で言った訳じゃ…

ごめんなさい、信じて下さい、ソーナさん!

無肉って、決して おっぱいが全く無いとか、そういうつもりで言った訳じゃないんです!

一度、コメント打ち切ります!

 

 

※※※ 

 

「…………………………………。」

「か…会長…?」

 

ごごごごごごごごごごごごごご…

 

「…何か?」 

「「「「「ヒッ!?」」」」」

「どうしました、椿姫、翼沙?

まさか私が、あの程度の書き込みで、キレるとでも?」

「「「「い、ぃぇ、とんでもないです!」」」」

「大丈夫です、私は平常心、平常心…」

…この後、この日の生徒会室は ずっと、重苦しい空気に支配されたと云う。

 

「か、帰りてぇ…」

 

▼▼▼

それから2日後の放課後…

 

「…何故、リアスでなく、私の方に?」

「何故?…って言われても、ねぇ?」

「知らんよ。単に我々は、上から そのリアス・グレモリーとやらでなく、ソーナ・シトリーを訪ねる様に言われたから、此方に出向いた迄の事だ。」

生徒会室には学園の外から2人の少女が、"客人"として訪れていた。

 




 
念の為…
作者は どっちかてと、ひんぬー会長、好きですよ。
 
感想、評価、よろしくです。
 


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招かれざる者

 
【注意(重要)!】
ソーナさんは決して、無肉なんかじゃないです!
周りに駄肉や朱乃さんや椿姫ちゃんなんかが居るから、目の錯覚で、そう見えるだけなんです!!
少しは有ります。
少し慎ましく、少しだけ貧しいだけなんです!!
 


「「「「「「………。」」」」」」

生徒会役員室では、表現し難き緊張感が漂っていた。

数日前、生徒会長、支取蒼那…ソーナ・シトリーの執務用のパソコンに届いたメール。

 

 

※※※

 

DaT 5/## 17:23

From セラフォルー・レヴィアタン様

Sub ソーたんへ☆

 

やっほー、ソーたん。

元気してる?お姉ちゃんだよー☆

今週の水曜日、天界からの お使いさんが やって来るから、お話を聞いてあげてね!★

 

※※※

 

 

…その内容通り、生徒会役員室には今、フード付きの白い法衣、首にはロザリオを掻けた、見るからに聖職者な少女が2人、訪ねて来ていた。

蒼髪のショートカットのゼノヴィア・クァルタと茶髪のツインテールの紫藤イリナ。

ソーナから見れば、彼女達は正しく敵対勢力に属する者。

…が、しかし、敵地(アウェイ)に於いても堂々とした その佇まいに、生徒会メンバーが余計な緊張をするのは、当然かも知れない。

その2人を生徒会役員室の応接間に招き、自身の女王(クィーン)である真羅椿姫を隣のアームチェアに、そして もう1人、兵士(ポーン)の少年を後ろに控えさせて、口を開いた。 

 

「…何故、リアスでなく、私の方に?」

確かに自分は悪魔政府にて、外交を担う魔王の妹だ。

しかし天界に属する者が、この悪魔が管理している この地…駒王町を訪れ、この町の管理者であるリアスでは無く、自分を訪ねて来るのか…?

ソーナは些か疑問を感じていた。

 

「何故?…って言われても、ねぇ?」

「知らんよ。単に我々は、上から そのリアス・グレモリーとやらでなく、ソーナ・シトリーを訪ねる様に言われたから、此方に出向いた迄の事だ。」

しかし この質問には、単に上役からの指名としか答えない女2人。

 

「確かに『良いか?絶対に、ソーナ・シトリーだぞ!間違ってもリアス・グレモリーの所に行ったりするなよ!!』って、『もしかして それ、振り?』って位な、必死な名指しだったけどね。」

「ハァ…」

「…匙?」

「ぁ、スイマセン…」

その下りを補足するかの様な、紫藤イリナの台詞に、何かを察したかの様に、兵士(ポーン)の少年、匙元士郎が小さく溜め息を溢す。

しかし、今の彼は基本、主であるソーナの護衛として この場に居る身。

相槌すらの発言が許される立場では無く、それを戒めるかのソーナの呼び掛けに、小さく謝罪。

 

「…先日の、聖堂同時襲撃の話は、知っているな?」

そして、ゼノヴィア・クァルタが話し始めた。

 

「はい、一般的に報道されている限り…は。」

「うむ。あれは〇〇〇〇教系の過激派の犯行としているのが世間一般の目だが、実は そんなに単純な物じゃないんだ。

あれは実は堕天使組織…【神の子を見張る者(グリゴリ)】の仕業だったんだよ。」

「「「な…何ですって!?」」

      だってー!!」

「…匙!」

(ス…スンマセン…)

 

≫≫≫

「…そして堕天使は、この3ヶ所から それぞれ、()()()を奪って逃走したの。」

「ある物…とは?」

「それは お前達悪魔に教える必要も、お前達が知る必要も無い。」

「「「…(怒)。」」」

イリナとゼノヴィアが言うには、堕天使は各地で()()()()()を使って聖堂(教会)の外壁を破壊して侵入、其処で保管していた ()()()を強奪して、その儘 去って行ったらしい。

ドイツの町外れに在る、ごく普通の小さな教会は兎も角、日頃から それなりに強固な警備が為されているバチカンとイスタンブールの大聖堂でさえも、()()()()の前には為す術も無かったらしい。

そして その ()()()について、ソーナが問うと、それに対するゼノヴィアの返事は、極めて不失礼な物言い。

秘密とするにしても、言葉を選んでも良い物だが、その言い種に、一瞬だが不快な表情を浮かべるソーナ。

匙も同様に怒りを顔に隠す事は無いが、自分の主が何も言わない限りは、自身も何も言えないとしたか、黙りを貫く。

これは、ソーナの隣に座っている、真羅椿姫も同様である。

 

「…堕天使が、今回の事件の犯人だというのは、分かりました。

それで、貴女方が私達を訪ねて来た事と、どう関係が有るのかしら?」

「その賊共が去り際に、次は この町で、何かを仕出かす…と、洩らしたらしいのだ。」

「私達は賊を捕らえ、()()を取り戻す為に この町に やって来ました。

悪魔(あなた)達には それについて、あらゆる干渉をしない、不介入を約束して欲しいの。」

「…成る程。よく、分かりました。」

「ふん…上が言うには、シトリーの次期当主は聡明らしいが、それは本当の話な様だな。」

「ん、話が早くて助かったわ。

それじゃ、そーゆー事で、よろしくね。」

 

カタッ…

 

交渉成立…余計な諍いも起きず、話が終わったと、席を立ち、早々に帰ろうとする天界からの使い。

…だが、

「勘違いしていませんか?

それは、現状では全く呑めない案件ですよ?」

「「な、何ですって?!」

     だとっ!?」

話し合いは、終わった訳では無かった。

 

「お前、どういう意味だ?」

ソファーに座っているソーナの前に、ゼノヴィアが詰め寄るが、

「おぉっと、暴力沙汰は良くないぜ?

とりあえず、座ったらどうだい?」

「くっ…!」

その間に、ソーナの護衛として立ち合っていた匙が割って入り、着席を促す。

 

「…ちぃっ!」

ゼノヴィアとイリナとしても、実は上から、相手側から仕掛けない限りは、一切の攻撃を禁じられているらしく、とりあえずは それに従うしか無く。

 

「…勘違いされてますが、私は()()()()()()()()()()と、言ったのですよ?」

「だから、どーゆー意味よ?」

ソーナの台詞に、最初は穏やかな言葉使いだったイリナも、やや棘を帯びた言い方に変わり、問い質す。

 

「貴女達は、情報を隠し過ぎています。

例えば堕天使が奪ったという()()とやらですが、賊が この地に来ているという事は、ソレも持ち込んでいると云う事ですよね?

どんなに大事な物かは知りませんが、恐らくは強力な力を秘めた、()()()なのでしょう?

それと、襲撃してきた堕天使…

ニュースにあった、ドイツの小さな教会は兎も角、カトリックと正教会の本拠地に攻める程の者です。

最低でも上級…いえ、幹部クラスの堕天使が、この駒王町に潜入してきたと見るのが普通です。

実は貴女達も、それを承知なのでしょう?

ならば天界側(そちら)も、熾天使(セラフ)とは言わずとも、最低でも上級天使クラスの者が出向くべき。

しかし それだけの事態にも拘わらず、赴いてきたのは、一介(ヒラ)のエクソシストが たったの2人。

…そちらの要求を()()()()呑めない理由、理解して貰えましたか?」

「「ぐ…ぐくぅ…」」

 

バタン…

 

「し、失礼します、会長っ!」

「「「??!」」」

それはマシンガントークで、教会の2人をソーナが黙らせた直後の事。

 

「何事ですか、桃?

話が済む迄、此方には入るなと…」

「も、申し訳有りません会長!

しかし、これを!」

「……!?」

生徒会役員の1人…シトリー眷属の1人である花戒桃が、スマホを手にして入ってきたのだった。

 

 

 

※※※

■総督さんに質問です!

【挿絵表示】

 

【挿絵表示】

これ、何ですか?

 

 

◇うぉっ?!

 

◇何じゃ、こりゃー?

 

◇かっけーっ!!

 

◇まさか、これが…www

 

◇ふん…分かってて聞いてるんじゃねーよ。

ソイツは察しの通り、俺の考案した神器の禁手…じゃなくて、単に俺達グリゴリが開発した巨大ロボ、『THE End of DRAGOON(終末の龍機兵)』だ。

まさか、撮られていたなんてな…

 

■そりゃ、ウチの組織の諜報さんの仕事はぁあ、世ぇ界一ィィィ~っ!!!!ですから(笑)

 

◇組織…ねぇ。

まぁ、前々から お前さん、後ろの存在を暗示させる書き込みしてたし、この前も嫁(笑)が、ハッキリと『組織』って書いてたからな。

その諜報とやらの仕事っぷり、何となくだが、お前の所属先が判った気がしたぜ。

尤も、自分で名乗るならアレだが、他所が正体探ったりバラすのは、こういう場所ではマナー違反だから、黙っててやるけどな。

 

■そりゃ、どうも。

 

◇…で、『アレ』を撮って、それが俺達堕天使の物だって分かってるんだ。

ハッキリ言えよ、オメー、いや、オメー等、何処迄分かってるんだ?

 

■…その前に。閲覧の皆さん、アザゼル氏とサシで話したいので、暫くはコメントは遠慮願います。

それでは…

今回がグリゴリ全体の総意での行動かは不明。

でも俺は、前にミカエル(自称)に、アレwをバラされた腹いせかと思っていますが(笑)。

それからサン・ピエトロ襲撃の主犯格は、グリゴリ幹部の1人、コカビエル。

カトリック、正教会の拠点、そしてプロテスタントの祖である、ルターの子孫が営む教会から、それぞれが隠し持ち保管していた、合計6本の聖剣エクスカリバーを奪い、駒王町に逃げ込んだ。(現在、潜伏先を調査中)

…この程度ですか?

 

◇すげぇな、殆ど分かってるじゃねえか。

ただ1つだけ訂正させて貰うが、襲撃は俺の命令じゃないぜ。

コカビエルをはじめとした、ウチの武闘派連中が、勝手に完成したばかりのメカを持ち出し、事を起こしやがったんだ。

ま、ミカエルのヤローへの嫌がらせになるし、新型メカのテストもしたかったから、敢えて止めなかったんだけどな。

…ってかアイツ等 今、駒王町に潜んでいるのかよ?

これは俺も知らなかったが…

アイツ等一体、どういう…何をやらかす心算だ?

天使の次は、悪魔への嫌がらせか?

 

■総督には申し訳無いが、町に有害と判断したなら、潰させて貰いますから。

それに、ここ迄書き込んだならば、これを見てるであろう、流石の自称・町の管理者の駄肉姫様や、ソーナ・シトリー嬢も動き出すでしょうし。

 

◇まぁ、しゃーないわな。

そん時ゃ、好きにしろ。

出来れば生け捕りの方向で、お願いしたいがな。

 

■一応、了解しましたよ。

一般の皆さん、コメント解禁します。

それと、ソーナ・シトリー様、見てますか?

先日はウチの嫁1号が、無肉姫等と、大変御無礼な発言をして、申し訳有りませんでした。

説教しときましたので、勘弁してやって下さい。

 

◇何だよ、アレ…Blazer shining aura darkness Bladeの禁手じゃなかったのか…

 

◇少しだけガッカリだぜ…

 

◇いや、巨大ロボを完成させてるだけでもグッジョブだ!!

 

◇おーっ!!

 

◇竜騎兵でなく、「龍機兵」でしたか。

 

◇いいんだよ、細かい事は!

 

◇巨大ロボ…それは、男のロマンだぜ!

 

◇おぉーーーーーーーっ!!!!!

 

◇それにしても、ミカエルさん(自称)、やっちまったな(笑)

 

◇ある意味、自業自得(笑)

 

◇でもアレ、元は自分の「サイズ(泣)」を晒されたから、その仕返しだったんだよな

 

◇MAXが常人の通常半分以下だったけか?

 

◇倍々返し所じゃねぇwww

 

◇てか、使えるのか、それ?

 

◇いやいや、天使って、「使ったら」堕ちるんだろ?

 

◇総督みたいにか?www

 

◇DT歴、ん万年かよ?

並の魔法使い(笑)なんて、レベルじゃないぜ!

 

◇なお、「賢者(笑)」になったら、それだけで堕ちるとの事

 

◇↑ www コーヒー返せwww

 

◇止wwwめwwwれwww

 

◇オカズはガブリエルか?

 

◇ガブリエルでジブリー○みたいな妄想するのか?

 

◇www…でもこれでこの前のアレ(笑)、マジに自称ミカエルの仕業なら、本物ミカエル、たまったもんじゃないよなwww

 

◇確かにwww

 

◇完全にとばっちりだよな(笑)

 

◇てか、襲撃したのって、コカビエルかよ

 

◇超大物じゃねえか?!

 

◇さあ駄肉姫、汚名挽回のチャンスだぜ!

 

◇↑『返上』だろ

 

◇いいんだよ、ジェ〇ド中尉も言ってたぜ!

 

◇働け駄肉姫

 

◇働け駄肉姫

 

◇駄肉、仕事しろ

 

◇働きたくないでござる!( @Δ@メ)

 絶対に働きたくないでござる!!

 

◇働きたくない!!

 

◇↑もしかして、ロビン風か?

 

◇ごめん、シンプル過ぎて、分かり辛い

 

◇そ、そうか、スマン…○| ̄|_

 

◇いや、謝る事は無いよ。

 

◇どんまい

 

◇ありがとう(TД⊂)

 

◇因みにコレ、1番の元ネタは、三成さん(SAKON)の「戦が大嫌いでござる」だぜ!豆知識!…だった筈。

 

※※※

 

 

「「「!!!!」」」

「「…………………。」」

花戒から渡されたスマホの画面を見て、その内容に驚きを隠せない生徒会メンバーと、極秘としていた事柄がバレて、気不味そうな顔をするゼノヴィアとイリナ。

 

「成る程…。

エクスカリバーに、コカビエル…ですか。

残念ですが尚の事、これは無干渉は無理ですね。

危険人物(コカビエル)危険物(エクスカリバー)をこの町に持ち込み、それを追ってきたのが雑魚(ヒラ)エクソシスト。

もう、お話になりません。

直ぐに冥界の魔王様に報告して、指示を仰がせて頂きます。

それに、ガルーダも動くとなれば、尚更、貴女達だけで片付く問題では有りませんからね。」

だが直ぐに平静を取り戻し、改めて天界派遣者の不介入要請を、ソーナが一蹴。

 

「ちょっと、待ってよ?」

「てゆうか、このガルーダって、何者だ?!

それと お前 今、『雑魚』と書いて『ヒラ』と読んだな!??」

「…この町の、住人ですよ。

悪魔(わたしたち)の事を知っていて、それを良く思っていない…ね。

正直、貴女達は我々の前に、このサイトを通じてなりで、彼との接触を先にすべきだったのかも知れません。」

 

バタン!

 

「た、大変よソーナ!

堕天使幹部がエクスカリバーを持ち出して、この町に潜んでいるらしいゎ…

…って、貴女達、何者?

その格好からして、教会の関係者ね?

町の管理者である この私に挨拶も無しに、どうして こんな所に居る訳?」

「「「「「「………………。」」」」」」

会話の途中、勢い良く開いた扉から現れた人物に、その場の全員が、一瞬フリーズ。

初対面となるゼノヴィアとイリナは、まだ何者か判らない故に、対応に戸惑い固まっている形。

しかし、知っている者達からすれば、別の意味で戸惑い、その思考を1つにしていた。

 

 

『(い、1番、面倒臭いのが、やってきたぁあっ!!?)』

 

 

 

 

 




 
今回の画像は、パラス・アテネの背中のパーツと2連ビームライフル、盾を外し、ギャンのサーベルを腕に装着させて撮影、加工してみました。
 
感想、評価、よろしくです。
 


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【悲報】久し振りに会った幼なじみが悪魔に、ついでに変態になっていた件

 
【前回の あらすじ】
 
『い、1番、面倒臭いのが、やってきたぁあっ!!?』
 



ソーナ・シトリーと天界の使い2人との会談の場に現れたのは、リアス・グレモリー。

 

「うほ?!見慣れぬ美少女が2人!」

「「「「「「………。」」」」」」

それと、その兵士(ポーン)の兵藤一誠。

何時ものサイトにて、駒王町に堕天使幹部が潜伏している事を知り、町の管理者(自称)として、同じ悪魔であるソーナにも知らせようとしたのだが、駆け付けた生徒会役員室では、やはり堕天使を追って町に やって来た天界の使者と、その一歩先の話し合いをしている最中だった。

 

≫≫≫

「…成る程、事情は分かったわ。

でも!それなら そうと、何で私に教えてくれなかったのよ?」

魔王様(おねえさま)からの直接のメールでしたので、既にリアスも承知かと思っていました。」

「聞いてないわよ!!

…それに、貴女達も!

町の管理者は、私なのよ!

どうして私でなく、ソーナを訪ねてるのよ?!」

「どうしてって…言われても、ねぇ?」

「上から、「ソーナ・シトリーを訪ねろ」と命令されたからだ。」

「ぐぐぐ…」

そして先ずは、天界派遣のエクソシストが学園に入っている事に立腹。

そして その件について、自分が報されてない事に立腹。

そして更に、その天界が話し相手として自分では無く、ソーナを指名されていた事を知り、更に顔を髪の毛の如くに赤くし、怒り顔となるリアス。

何となく察したのか、イリナとゼノヴィアが説明に、上から言われていた『間違ってもリアス・グレモリーを…』の件を付け加えなかったのは、ファインプレーである。

 

「と、兎に角、ソーナ、後は私達に任せて頂戴。

この町の管理を任されたグレモリーの名に賭けて、何処かに隠れているっていうコカビエルを探しだし、追い払ってやr

「待ちなさい、リアス。相手は堕天使の幹部よ。

私達だけで、どうこう出来る、レベルの問題では無いわ。

それに、今回は魔王様から直接に、私に天界(この ふたり)の相手をする様に言われたのよ。

既に交渉は決裂も同然だけど、私の判断で、勝手に貴女に事を引き継がせる訳には、往かないわ。」

「親友の頼みが、聞けないの?!」

それでも、自分には全く話が伝わっていなかった事を面白く思っていないリアスは、町の管理者として、この後の遣り取りは自分が行うと主張するが、ソーナは責任感からか、それを拒否。

 

「とりあえずは私が最後まで事を修め、魔王様に報告する義務が有ります。

()()として お願いします。

リアス、少なくとも今日だけは、退いて貰えませんか?」

「し、『親友』って言えば、何でも通用するとでも、思っている訳??!」

「「「「「「……………。」」」」」」

 

≫≫≫

  

 

※※※

 

◇【悲報】久し振りに会った幼なじみが、悪魔に、ついでに変態になっていた件

 

◇な、いきなり、何だ?

 

◇さっき、ここのサイト主さんと、堕天使総督殿が話していたでしょ?コカビエルが駒王町に入り込んだって話。その関係で、私はパートナーと一緒に駒王入りして、上からの指示もあって、管理者らしい悪魔に顔見せと話し合いに行ったの。

 

◇あー。

 

◇何となく、オチは読めた。

 

◇とりあえず、どんまい(笑)

 

◇でも、その悪魔って、管理者とは別人?別悪魔?で、話し合いの途中、本当の管理者らしい、リアス・グレモリーって悪魔が乱入してきたの。

 

◇乱入www

 

◇駄肉姫が現れた!www

 

◇質問するけど、君が最初に訪ねたのって、もしかして、ソーナ・シトリー君かい?

 

◇ええ、そうよ。私達はてっきりその、ソーナ・シトリーが管理者だと思っていたの。

 

◇待て。『上からの指示』って言ったな。

 

◇上から指示。

 

◇上からの指示www

 

◇その「上」とやらも、このスレのファンか?(笑)

 

◇間違い無いよ。でないと、ソーナ君を指名する筈が無い。

 

◇予備知識無きゃ、普通に管理者の駄肉姫に会いに逝け(誤字にあらず)ってなるわな。

 

◇英断

 

◇解るー。

 

◇上の人、グッジョブ!(*^ー゚)b

 

◇もしかして、「良いか、駄肉ん所には行くなよ!絶対に行くなよ!」とか言われてね?

 

◇えぇ、言われたわよ!実際に彼女が押し入ってからの流れで、その理由も理解出来たわよ!!ついでにこのサイト見て、更に納得よ!

 

◇落っ着け←無理www

 

◇本当に言われたのかよwww

 

◇上司、このスレのファン確定だ。

 

◇察するに、あんた、天界関係者だな?

堕天使側じゃないだろ?ボスのBSODB総督の事を堕天使総督と呼んだり、幹部のコカビエルを呼び捨てにしていたからな。

 

◇堕天使側なら、アザぜル様とかコカビエル様だもんな。

 

◇て事は、上司ってミカエルさんか?

 

◇使いもんにならない位、小さいって評判の、あの?www

 

◇止めろって!黒歴史、貼られるぞ!

 

◇Blazer shining aura darkness Blade総督の様に

 

◇Blazer shining aura darkness Blade総督の様に!!

 

◇天使は基本、使わないから大丈夫なんだよ!

 

◇使えば堕ちるZE!

 

◇ん~、総督さんは、マジにコカビエルの件で忙しいみたいだな。

 

◇だな。あれだけ、あのワード連発させても、「消すぞ、テメー」って食い付いてこない。

 

◇ちょっと!ミカエル様の事、悪く言わないでよ!滅ぼすわよ!!…話を戻すわよ。実は私、小学校に上がる前までは、駒王町に住んでたんだけど、その頃に仲の良かった男の子が、悪魔の、リアス・グレモリーの下僕になっていたのよお!ついでに変態に!

 

◇キタwww

 

◇最初の時点で誰かは読めてたが、こりゃ確定だ

 

◇やはり、ヤツかよ

 

◇しかも、私は直ぐに彼を見てイッセー君だって分かったのに、向こうは全然気付かなくて、「美少女!」とか言ってスケベ面で鼻の下を伸ばして、パートナー共々に胸とかガン見してるし!一応、敵対勢力なのよ、私!

 

◇やはり、兵藤一性犯罪者だったかw

 

◇ん。知ってたwww

 

◇敵対者でも女だったら鼻下を伸ばしてスケベ面。

それは兵藤一性犯罪者だから、仕方無い。

 

◇ゆで先生の理論以上に仕方無い。

 

◇待て。何気に自分の事を、美少女&巨乳アピールしてるぞ、コイツ

 

◇てゆうか、女の子だったんだ。

 

◇うっさい!それ、イッセー君にも言われたわよ!ショックだったんだんだから!

 

◇当事…

 

・スカートを履いた事が無い

・髪の毛が短い

・一人称が「僕」か「俺」

・しゃべり方も基本、少年

・遊びと言えば、野球、サッカー、ヒーローごっこだった

 

…スカートは絶対条件として、他に3つ以上当て嵌まっていたら、仕方無い。

 

◇全部該当してるわよ!しかも、帰り際にシトリー眷属の女の子に聞いてみたら、学園最低の変態だって、口を揃えて言うし!

 

■しかし、事実だ。

 

◇スレ主、キタwww

 

◇サイト主www

 

■盛り上がってるじゃないですか?

 

◇ガルーダ氏降臨!…って事は、堕天使側で何か分かったとか、動きがあったとか?

 

■いや、流石に堕天使幹部が相手だと、自分に出来る事も限界があるから、さしあたっては組織に任せています。

それと、天界からのエクソシストさん?

過去の…4月中頃のスレを観たなら分かると思いますが、兵藤一性犯罪者は、女子の着替えは覗くは教室内で平然とエロ本読んだり猥談したりなガチ変態ですから。

 

◇えぇ、見たわよ!あんなにも酷いなんて思わなかったわよ!もう、100年の恋も一気に冷めたわよ!本当、酷過ぎるよ!嗚呼、この世には神様も仏様もいないんだわ!

 

◇天界の信徒が神の存在を否定するなよw

 

◇まぁ、どんまい!wwwwwwwww

 

◇( -_-)つ{飴}

 

■あ、今回のINの本命目的。

 

【朗報】運対により閲覧不可になっていた、()()()小説が閲覧可能になっていた件

 

◇何、それ?

 

■詳細は敢えて語らず。

解る人なら多分、これで察せると思いますから。

 

 

※※※

 




 
9月初め頃の話らしいですが、武士サン復活おめ。
 
感想、評価、よろしくです。
 


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インターミッション(休憩回)

 
【前回の あらすじ!】
作者(オレ)Good Job(よくできました)
 
※今回はサブタイの通り、休憩回。
短いです。
殆ど、話は進みません。m(_ _)m
 


※※※

 

◇処で、ソーナ嬢の所に駄肉姫がやって来た件、「乱入」って表現だったけど、何が有った?

 

◇あー、駄肉乱入だけで草生えて、床、転げまくってたけど、そう言えば何がどうなったんだ?

 

◇『乱入』って時点でカオスな展開なのは、察したぜ。

 

◇大方、コカビエルの件で、天界の使いが管理者(自称)の自分ん所を訪ねて来なかったんで、それでキレたんでね?

 

◇止めろwwwマジにそう思えたわwww

 

◇現場の、巨乳美少女(自称w)さ~ん?

 

◇誰が自称よ?!まぁ、既に現場じゃないけど、3つ上のコメントで大体合ってるわよ。

 

◇まwwwじwwwかwwwwww

 

◇ボケてみたんですけど、マジでしたか…(汗)

 

◇詳細ぷりーず

 

◇要約すれば、あの後、誰がコカビエルの件を解決していくかで揉めてね。私達天界側は『悪魔は手を出すな』、ソーナ・シトリーは『話が大き過ぎるから、魔王に報せるべき』、そしてリアス・グレモリーは『この町の管理者は私よ!自分がコカビエルを追い払う!』…って、考えがバラバラになっちゃって…

 

◇wwwwwwwww

 

◇いや、相手は最上級の堕天使幹部だろ?

しかも、メジャー級の。

 

◇ソーナ君が正しい。

 

◇只の人間のエクソシストや駄肉如きが、どーのこーの出来るレベルじゃねーべ?

 

◇ガルーダ氏も、所属組織に任せているみたいだし。

 

◇天界の使いっぱも駄肉も、どれだけ自信過剰なんだよ?www

 

◇…で、続きは?

 

◇3組でいがみ合ってる時、部屋に胸の大きな女と小柄な女の子が入ってきたと思えば、リアス・グレモリーとイッセー君の動きが止まったってゆーか、体がフリーズしちゃった感じになったの。その後、申し訳無さそうに『ごめんなさい』連呼しながら、止まった2人を抱えて出ていったの。…って、誰が使いっぱよ?!

 

◇あー、違う違う。その小柄な女の子とやらは、恐らくは男の娘だ。

 

◇うっそぉっ?!

 

◇朱乃さーん!

 

◇姫島さんだー!

 

◇挟んで下さい!

 

◇↑&↑↑&↑↑↑

消えてろ、巨乳好き共!www

 

◇ならば、イルたそー!

 

◇そして、ネルたそー!

 

◇お前等もだよ!この、ロリコン共め!!

 

◇↑↑&↑↑↑

焼くぞ?ゴラ゙ァ?(# ゚Д゚)

 

◇…続けるわよ?それでまた、私達とシトリーとの睨み合いになったのだけど、まぁ、最終的には、数の暴力に屈したのよ!こっちは2人なのに、向こうは最後には、7人で圧力を掛けてきたのよ!

 

◇いや…2人で堕天使幹部をどうにかしようとしてる奴等が、ソーナ嬢眷属のプレッシャー程度に屈するなよ…

 

◇うるさいうるさいうるさい!

 

◇釘〇さん?

 

◇違う!

 

◇ル〇ズたん、ハァハァ…

 

◇タバ〇たんも、ハァハァ…(;゚∀゚)=3

 

◇だから、無肉フェチは引っ込んでろ!

 

◇テメー、誰が無肉だ、ゴラァ?!

 

■いや…あの2人は、ガチに無肉だろ?

 

◇スレ主…!www

 

◇何だとー!?

 

◇絶妙なタイミングで割って入るな…www

 

◇とりあえず、通報だ。

 

◇…で、結局はエクソシストさんは、シトリーさんの眷属にビビって、帰った訳ね。

 

◇うっさいわね!そうとも言うけど…

 

◇乙www

 

◇ソーナ・シトリーも、リアスの御守りだけでなく、天界の使いの対処で大変だな。胃、大丈夫か?

( ´▽`)つ【フェニックスの涙】

 

◇…と、なると、ソーナ君は既に魔王様…恐らくはレヴィアタン様に報告してるだろうから、駒王町に魔王様直属の精鋭…いや、もしかしたら魔王様御自らが、やってくるかも…

 

◇ハッ!違いねぇな!セラフォルーもサーゼクスに負けず劣らずなシスコンだ!

妹のピンチにゃ、仕事を放りかねん。

 

◇魔王様を呼び捨て&シスコン呼ばわり、あなた、アザぜル殿ですね?

 

■総督、何か判りましたか?

 

◇ガルーダか。いや、コカビエル達とも、ちっとも連絡が取れねーからな。

もしかしてコッチで何か分かったかと思ったのたが…

どうやら さっぱりみたいだな。

ちっ、アイツ等本当に一体、何考えてやがるんだ?

 

■小まめに、報連相しましょう。 

 

◇だな。

 

 

 

※※※

 

 

 

▼▼▼

 

ピンポーン…

 

「ん?」

「お客さんですか?」

「珍しいにゃ?」

それは夕食時。

サトルの部屋に猫姉妹も集まり、食事をしていた最中に鳴ったインターホン。

誰だ?…と思いつつ、サトルはリビングの警備モニターを見てみると、マンションの入り口に、サングラスに黒いスーツ姿の長身の男が、カメラ目線で立っている画像が映っていた。

 

『やぁ、サトル君。

中に、入れて貰えないかねぇ?』

「蜷局さん…」

 

 

 




次回『【検証】リアス・グレモリーとその眷属の実態について語るスレ』
 
感想、評価、よろしくです。
 


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FAN

 
【注意&警告!】
この小説は、ラノベ(フィクション)を原作とした、更なる二次小説(フィクション)です。
実在の個人、団体、出来事とは一切関係ありません。
あたかも現実(リアル)の存在への誹謗中傷をしたが如く、マジになったりは しないで下さい。
特に今回は、普段よりアンチ度が高いから、()()()()()()は、直ぐに撤退を。
 


「お邪魔、しますよぉ…」

「久し振りですね、蜷局さん。」

食事時にサトルを訪ねてきた、グラサン黒スーツの男。

それは【日本神話】が擁する諜報部隊『NIN=JA』の構成員の1人、蜷局(とぐろ)(まさる)(26)。

 

「蜷局さんが こっち来たって事は、何か分かったんにゃ?」

「まぁ、ねぇ。」

「駒王町には、1人で来たんですか?」

「いや、榊も一緒だったけど、『此処には未成年(おこさま)しか居ないから、酒は無いだろ?』…って、町中に繰り出してるよ。」

「あ、あの人は…」

「クス…相変わらず…です。」

 

クィ…

 

白音から出された、オレンジジュースを飲みながら話す蜷局。

その内容に、サトルは やや呆れ顔、白音は思わず苦笑。

 

「この町の堕天使と、会ってきたよ。」

「「「!!!」」」

そして空になったグラスをテーブルに置いての言葉に、サトル達の表情が、真剣な それに変わった。

 

≫≫≫

 

 

※※※

◇とにかくだ、初対面で人の顔を見た瞬間に、「美少女!」とか言ってスケベ面全開された時は、全身に鳥肌が起ったよ。

私が美少女なのかは知らんが、ボディラインの方は、それなりに自信があってな、それを卑猥な眼でジロジロと見られ、正しく『これが視姦というヤツなのか…』と、身の危険を感じたよ。

  

◇す、すぃせんでしたぁあああ~っ!!orz

 

◇聖職者相手にアレだけど、悪魔としてゴメンナサイ。m(_ _)m

 

◇あれが悪魔のデフォと、思わんといて(必死)。

 

◇相方さんにも、謝っといて下さい。

 

◇まじ、すいませんした。m(_ _)m

 

◇ぉおぅ、そこまで言われると、こっちも悪魔相手に罪悪感を感じるぞ?

それとだ…あのヒョウドオセイハンザイシャ、あの服装の乱れも、どうにかならないのかと思うのだが?

 

◇そうなの?

 

◇あ、それは僕も以前、そう思った。

 

◇実は俺もだ。

だが、あんまり余所の下僕に、その主の前で色々と注意するのはアレだと思い、敢えて流していたけどな。

 

◇そんなに酷いんすか?

 

◇僕の時は、制服のブレザーとワイシャツのボタンを全開にして、赤のアンダーシャツを、まるでトレードマークみたいに自慢気に曝してる感じだったよ。

当然、ワイシャツはズボンの外。

 

◇ああ、私が見たのも、正しくそれだ。

 

◇同じくだな。

 

◇………………………………。

 

◇いや、それって学校が注意しないのか?

 

◇何だか凄く酷い画が浮かんだのは俺だけか?

 

◇心配すんな、俺もだ

 

◇本人は、かっけーつもりなんだよぉ…

 

◇誰か、注意してやれ…ってか教えてやれよ!

 

◇ダサーい

 

◇キモーい

 

◇駄肉姫は、注意とかしてないん?

 

◇自分の下僕が、だらしなく恥ずかしい格好してるのに、何も感じないのかよ?

 

◇主としての、資質を問われる問題だよね

 

◇何も感じないから、何も言わないんだろ

 

◇まさに無能

 

◇服装の乱れは、ナントヤラ

 

◇だから性犯罪者なんだよな

 

◇駄肉姫「赤いなら問題無いわ」

 

◇ブフォワッ!!(; ̄□ ̄)<

 

◇止めれwww

 

◇マジに言ってそうで、怖いわ!

 

◇お茶返せ

 

◇兵藤性犯罪者も駄肉姫と一緒に、これは見ている筈だから、今後は改めてくれるだろ

 

◇だったら良いなぁ…

 

◇ついでにだが、リアス・グレモリーの下僕の、小柄な女?…は、本当に男なのか?

 

◇なんだか、マジにそうらしい。

 

◇嗚呼…諸行は…無常だ…orz

 

◇大丈夫だ!見た目、美少女だから何の問題も無い!(ビシィッ!)

 

◇おーっ!

 

◇おおーぅっ!!

 

◇また、出やがったwww

 

◇バカヤロー、その見た目美少女だから、大問題なんだよ!

 

◇よく考えてみろ!あんな見た目可愛い女の子の股に、俺達と同じ『アレ』が、くっ付いてぶら下がってるんだぞ!

 

◇ О∪О

 

◇ぐはあっ!! Σ( ̄□ ̄;)

 

◇ゲフォアッ!

 

◇ガハッ?!

 

◇や…めr…(ガクッ…)

 

◇グフッ!?

 

◇ザクとは違うのだよ!ザクとは!!

 

◇ ↑ お前が違うw

 

◇死屍累々www

 

◇嗚呼…諸行は…無常だぁ…(2回目)

 

◇『人』の『夢』と書いて『儚』いw

 

◇それで、あの見た目で俺達よりも御立派様だった日にゃ、再起不能だぜ。

 

◇いや、流石に それゎ…

 

◇続けて良いか?それで、本当にアイツが男なら、女子の制服を着ているのは、そっちは、校則違反になったりしないのか?

 

◇あ…

 

◇い…

 

◇う…

 

◇え…

 

◇お…

 

◇遊ぶなw

 

◇言われてみれば…

 

◇確かに…

 

◇女子で生徒登録してるとか

 

◇トイレとか、体育の時の着替えとかも、男女どっちかとか気になってきたぜ

 

◇よし!スレ主組織の諜報部隊?に調べてもらおうぜ!

 

◇お前は天才か?

 

◇ガチ意見だが、マジにアウトだろ?

そういう趣味や性癖としてだ、それなら駄肉も主として、プライベートの女装は兎も角、せめて学内の制服やらは、きちんと指導すべきだよね

 

◇だな。

 

◇学校もだよな…

 

◇またも無能が浮き彫りに…

 

■ギャスパー・ヴラディ(♂)だが、トイレや着替え、共に、女子側だ。

 

◇スレ主ぃ?!

 

◇情報速っ!

 

■偶々に別件で知っていただけだよ。

クラスメートの女子曰く、「男子から襲われないように」だ、そうだ。

 

◇応…納得…した…ぜ…

 

◇したのかよ(笑)

 

◇何だかそのギャスパー某が、クラスメート(腐)女子に襲われてる気がするぜ(笑)

 

◇スレ主、その辺りは?

 

■うん、それは宿題にしよう(笑)。

そんな訳で、

【速報】ウチの諜報部が、堕天使幹部と接触した件

 

諜報部が駒王町内にて、堕天使幹部3名をはじめとした、一派と接触。

その目的を聞き出し、組織本体には、それを報せたとの事。

因みに俺には、「一般の住民には危害が及ぶ事は無い」としか、教えられてない。

…以上、報告終了!

 

◇【悲報】肝心な事が、何も分かっていない件w

 

◇スレ主、使えねー

 

■仕方無いだろ!俺って、かなり下っ端なんだよぉ!

 

◇マジか?

 

■ぶっちゃけ今は、バイトかパートなポジションだよ。

このサイトも、個人的な立ち上げだし。

一応は駒王在中だから、そこまで教えてもらえた様なもんだ。

普通なら、何も教えてもらえないよ。

 

◇マジかwww

 

◇リアス・グレモリーに興味無し

 

◇は?

 

◇ひ?

 

◇ふ?

 

◇だから、止めろって。(笑)

 

◇いきなり、何だ?

 

◇また、沸きやがった。

 

◇定期的に沸くよな。

 

◇本当に興味無いヤツは、こーゆーサイトにわざわざアクセスしたりしません。

 

◇分かった分かった。お前が興味持ってないのは分かったから、もう、帰って良いぜ。

 

◇さよ~なら~(⌒0⌒)/~~

 

◇実はファン。

 

◇ほら、本当は大好きなんです…って、言ってごらん?

 

◇この、ツンデレさん?www

 

◇言ってやるな!前も書かれてたけど、「アンチな俺様かっけー!(どやぁっ!)」な人なんだから。

 

◇某ボクサー、某アイドルユニット、某女優のニュース記事のコメント然りな。

 

◇このサイトがアンチって承知なんだろ?

最初からスルーしとけよ。

知っててテメーから勝手に見ておいて、「不快」とか言われても、溜まったもんじゃないぜ。

なぁ、ガルーダ氏?

 

■俺に振るなよ(笑)。

ただ、嫌なら見るなって考えは、確かに持っている。

或いは正論で、きちんと反論して欲しい。

 

◇【悲報】正論がコッチだから、何を言っても逆ギレにしかならない件www

 

◇確かに他所を含め、ガチ信者の正論の反論て、見た事が一度も無いwww

 

◇見れば不快と分かって見て、んでアンチだヘイトだ不快だって勝手にキレてブーたれる。

 

◇人、其をクレーマーと云ふ!!

 

◇しかも、かなり熟読していて、普通に読んでる人よりも内容に凄く詳しいwww

 

◇wwwwwwwwwwwwwww

 

◇何それ怖い

 

◇人、其をストーカーと云ふ!!

 

◇分かって見てんだから、せめて文句言うなよ。

 

◇違いますぅ!実は、ガチの信者なんですぅ!

 

◇大体、リアルでなく、二次のキャラをディスって、ガチギレてんじゃないっての。

 

◇しかも、常識的に、事実に則った事柄で。

 

◇それなwww

 

◇当たり屋の如し

 

◇ ↑ ウメーウメーwww

 

◇止めろ!通報されるぞ!!(笑)

 

◇運対されるっスよ!

 

◇あーゆー輩は、

趣味:粘着盗り憑き、通報

…なんだぞ!

 

◇その為だけに、嫌いな筈なのに、どうゆう訳かマイページに登録する様な不思議連中だぞ!!

 

◇こわーい

 

◇きしょーい

 

◇ガチの信者恐い、ガチの信者怖い…

 

◇((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

 

◇あー、その位にしといてやれ。

ガルーダ、俺だ。

情報、感謝するぜ。

とりあえずは駒王に、本当にウチの連中が潜んでるのが分かっただけで、上出来だぜ。

 

■どーも。それと、今回情報教えてくれた、諜報さん曰く、「ついでに はぐれ悪魔1匹、片付けといたよ」だそうです。

何でも堕天使との話の後、それを教えにウチに来る途中で襲われたとか。

よりによってアノ人襲うって、バカだろ、そのはぐれ…(汗)

ただ、今回は狙われたのがアノ人だったから無事に済んだけど、これが一般人なら犠牲者が出てたぜ…

駄肉姫様、まじ頼むから、余所の話し合いに乱入したりする前に、先ずは自分の本来の仕事、きっちりこなして下さい。

いや、本当にマジ…

これは駒王町民としての言葉です。

 

◇駄肉仕事しろ

 

◇駄肉仕事しろ

 

◇駄肉仕事しろ!

スレ主の胃の耐久は、もう0よ!

 

◇( -_-)つ『胃薬』

 

◇( -_-)つ【フェニックスの涙】

 

◇働きたくないでござる!( @Д@メ)

 絶対に働きたくないでござる!!

 

 

※※※

 

≫≫≫

「本当に、巫山戯ないでよっ!!」

 

グシャァッ!

 

「「「「「あ゙…」」」」」

 

…この日の夜、オカルト研究部部室にてリアス・グレモリーの掌の中、スマホが粉々に握り潰された。

 




 
蜷局嶢…戸愚呂弟(幽遊白書)
…のイメージで。
 

感想、評価、よろしくです。
 
【注意&警告!】(2回目w)
この小説は、ラノベ(フィクション)を原作とした、更なる二次小説(フィクション)です。
実在の個人、団体、出来事とは一切関係ありません。
あたかも現実(リアル)の存在への誹謗中傷をしたが如く、マジになったりは しないで下さい。
特に今回は、普段よりアンチ度が高いから、()()()()()()は、直ぐに撤退を。
…って、言ったよね?
俺、前書きでも言ったよね?? 
 


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共闘成立!

 
いきなり、パソコン掲示板から。
 


 

 

※※※

 

■この前、天界所属のエクソシストが2人、時間差で このサイトに顔を出したよね?

 

◇何かあったん、スレ主?

 

◇どした?

 

■それっぽい2人が今、町に居る。

 

◇そりゃ、エクスカリバー奪還の任務請け負ったから、普通でしょ?

 

◇ちょっと待った。その2人の容姿は?美少女か?巨乳か?

 

◇をい…

 

◇いや、重要な事だぞ!

 

◇然り!

 

■…(笑)

顔は、美少女のカテに入れて大丈夫だと思う。

胸は、着ているローブでハッキリ体の線が確認出来た訳じゃないが、それなりに大きい部類かな。

 

◇おぉ!

 

◇巨乳美少女x2人!

 

◇マジか!

 

■まぁ、ウチの嫁2人のが可愛いけど

 

◇死ね!

 

◇この姉妹丼スレ主、死ね!

 

◇地獄に落ちろ!

 

◇羨ま死ね!

 

■ふっ…諸君、諸君等は『Wぱふぱふ』なるプレイを知ってるかな?www

 

◇ちっくしょーーーーーーっ!!!

 

◇初めて聞く言葉だが、どんなのかは一瞬で理解は出来たぞ!

 

◇許さーーーーーん!

 

◇いや、君達、少し冷静になりなよ。

 

◇全くだ。モテナイ男の嫉妬は見苦しいぞ。

それから、Wぱふぱふ最高だよな♪www

 

◇ですよねー♪

 

■ねーっ?♪

 

◇出たな?!リア充貴族様!

 

◇ちっくしょーーーーーっ!!!!

 

◇ぐぬぬぬぬ…

 

◇お、おのれ! おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充(…以下エンドレス)

 

◇スレ主諸共タヒね!

 

■話を戻すぞ。なんだか、その2人の動向なんだが…

 

◇町でエクスカリバーや堕天使の情報を集めてるとか?

 

◇いや、そんなの一般人に聞ける訳がないし

 

■ありのまま、今 起こっている事を話すと、

 

蒼髪「(ーωー)えー、まよえる こひつじに おめぐみをー(棒)」

茶髪「(〒Д〒)どうか天に変わって、哀れな私達に御慈悲をぉぉおっ!!(迫真)」

 

…って感じで、商店街の ど真ん中で、お布施集めってか、物乞いしてる。

 

◇ガタガタガタガタガタガタガタガタ!

 

◇ずこーっ!

 

◇すってーっん!!

 

◇ドンガラガッシャン!!

 

■お~♪ありがとうwww

 

◇いや…何をやってんだよ?彼女達は?!

 

■物乞い。

目の錯覚とか幻覚とかなチャチなモンじゃない。

紛れも無く、リアルなんだ。

 

◇そうじゃなくて…任務は、どうしたんだよ?

 

◇天界は、使者にまともに路銀とか渡してないのか?

 

◇天界も、なかなかにブラックだな?!

 

◇スレ主、とりあえず恵んでやれよ

 

■嫌だよ。あーゆー宗教系は、少し優しく係わると、直ぐに調子乗って取り憑くから。

 

◇ニホンジン、ツメタイデース

 

◇いや、分かる(笑)

 

■あっ、駄肉の下僕が現れ、例の2人に歩み寄った。

 

◇因みに、誰?

 

■性犯罪者と男の娘と金髪イケメン野郎の3人。

 

◇何を話してるんだい?

 

■遠いから会話は分からない。

 

◇使えねー

 

■何か少し話した後、全員で直ぐ近くのファミレスに入っていったよ。

 

◇よし、スレ主、追跡だ。

 

◇近くの席に着いて、何を話しているか聞き出すのです。

 

■無理。俺、今1人だぜ?

残念だが俺は、ぼっちでファミレス入る勇気、持ってない。

1人は○o○o壱が限界だ。

 

◇使えねぇな

 

◇使えねー!

 

 

※※※

 

 

▼▼▼

「…で、我々に接触した目的は、何なのだい?」

リアス眷属男子3人とエクソシストの少女2人。

入り込んだファミレスにて、一通りの食事を終えた後、ゼノヴィアが紙ナプキンで口元を拭きながら、兵藤達に問い掛ける。

 

「単刀直入に言うぜ。

俺達もアンタ達のエクスカリバー奪還…いや、破壊に、協力しようと思っている。」

「「はぁあ?!」」

その応え…兵藤の申し出に、鳩が豆鉄砲を喰らったかの様な顔を見せる少女が2人。

 

「…もう知っていると思うが、俺達グレモリー眷属は悪魔(みうち)からの評判が、余り良くない。

それを払拭させる為にも、何か大きな…手柄や実績が必須なんだ。」

「「………………………。」」

いや、とりあえず、お前の生活態度を改めろ…ってか、評判落としてるのは、お前と駄肉だけだろ?

…と、突っ込みたい気持ちを抑え、兵藤の話を聞くゼノヴィアとイリナ。

 

「部長は今回の事件、俺達グレモリー眷属だけで解決しようとしてるが、話を聞くと、敵の主犯格のコカビエルって奴は、かなりな大物らしいじゃないか。

正直な話、俺達だけじゃ無理だと思っている。

…でも それは、アンタ達も同じじゃないのか?」

「フッ…成る程ね。

…で、キミは『協力してやる』、『協力させてくれ』、どっちを言っているんだい?」

兵藤の主張に、呆れながらも僅かに笑みを溢し、ゼノヴィアが改めて質問。

 

「両方だよ。」

 

≫≫≫

「…仕方無い。

だが悪魔でなく、"先輩"の頼み…あくまでも"先輩"と、そのオトモダチの皆さんとの連携ならば、主も目を瞑って下さるだろう。」

「う…屁理屈、屁理屈だわ!

いくら()()だからって、今は悪魔だし、そのオトモダチも、ドラゴンとヴァンパイアよ?!

そして やっぱり悪魔!」

兵藤達の共闘の提案を、ゼノヴィアは"悪魔と"では無く、リアスの騎士(ナイト)・木場の素性を聞いた上で、それ等を都合良く解釈、受け入れる考えを見せるが、イリナは納得をせず。

 

「分かった分かった…

ならば、"幼馴染み"も加えてやるk

「こんな変態、もう幼馴染みじゃない!」

「ひ、酷くない?!」

それならば…と、もう1つの要素を付け加えるゼノヴィアだが、それでもイリナは尚の事、否の考えを崩す事は無く。

やはり第一印象は、重要である。

 

≫≫≫

「ぐぐ…やっぱりイッセー君は、悪魔に成り下がったのね…」

「悪いな。手段を選べる程、俺達は余裕が無いんだ。」

しかし結局は、兵藤達の「共闘無しなら、この飯も割り勘だ」「誰も御馳走するとは、一言も言ってないよね?」の言葉に、ゼノヴィアは兎も角、諸事情で手持ちの路銀が尽きていたイリナは屈してしまう。

この後 兵藤達は互いの連絡先を教え合い、更には現状では一番の情報源となるであろう、()()()()()を細めにチェックする事で、()()()が来たら、あたかも偶然を装い、合流する事となった。

しかしイリナ達は兎も角、兵藤達グレモリー眷属からすれば毛嫌いすべき、【駄肉姫(笑)をディスるスレ byガルーダ】に頼るのは、如何かと思えるのだが…

 

▼▼▼

その日の夜。

 

「よ、邪魔するぜ。」

「邪魔するなら帰って下さい。」

「ヒデーな、おい?!」

蜷局と一緒に、サトルの部屋(マンション)を訪れた、黒スーツの大柄な男。

最初の挨拶で、白音に痛烈な返しを受けた この男の名は、榊獅於。

蜷局と同じく、『NIN=JA』の一員である。

 

「蜷局さんと榊さんが来たって事は、何か新展が有ったのかにゃ?」

「まあな。」

  

ガサ…

 

黒歌の問いに、手にしていたコンビニ袋から缶ビールを取り出しながら、応える榊。

 

ヒョイ…

 

「すいません、この部屋は禁酒禁煙です。」

「あーっ?!」

しかし、そのプルタブを開ける前に、そのビールは白音が没収。

 

「は~い、オレンジジュースだにゃ♪」

「ありがとう。」

「…チッ!」

そして黒歌が差し出したジュースに、片や笑顔、片や舌打ちしながら受け取る『NIN=JA』の2人。

 

「…で、今日は、()()()()教えて貰えるんですか?」

「ふん…!」

サトルの言葉に、オレンジジュース片手、やはり持参していたチー鱈を摘まみながら、その組み合わせに不満気な顔の榊が口を開く。

 

「今夜0時、駒王学園で、奪ったエクスカリバーの統合の儀式をやるそうだ。」

 




 
①榊獅於…逆鬼至緒(ケンイチ)のイメージで
 
②アーシアと絡んでないからか、今作品の教会コンビは、悲惨な目から回避出来そうな気がするぜ(笑)
 
③前回、内容が内容だったからか、評価やや落ち!(笑)
そんな訳で、感想共々、評価もよろしくです。
 
次回:『NIN=JA』vs堕天使!(予定)
乞う御期待!


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それぞれの始動(仮)

【注意&警告!】
この小説は、ラノベ(フィクション)を原作とした、更なる二次小説(フィクション)です。
実在の個人、団体、出来事とは一切関係ありません。
あたかも現実(リアル)の存在への誹謗中傷をしたが如く、マジになったりは しないで下さい。
この作風が好みでない方は、即座にブラウザバックを勧めます。
…って、言ってるよね?
俺、何度も言ってるよね??(泣) 
 


「今夜0時、駒王学園で、奪ったエクスカリバーの統合の儀式をやるそうだ。」

「「「へー。」」」

 

パリ…

 

榊の説明に、この男が酒の摘まみとして持参してきた煎餅を食べながら聞くサトル達。

 

「…それで、その合体エクスカリバーとでも言うかねぇ…が完成する余波で、駒王町(このまち)程度は軽く消し飛ぶそうだ。」

「「「ぶーーーーーっ?!」」」

「ぬゎっ!?」

しかし、それに続く蜷局の補足説明に、飲んでいたジュースを思わず噴き出してしまう。

 

「ぅゎ…汚ぃねぇ…」

「…じゃないですよ!」

「ジュースぶーって、美少女に、何てリアクション取らせるにゃ!」

「自分で美少女言うなし。

…って、前と話が違うじゃないですか?

町には危害が加わらないって?!」

「とりあえずテメー等!俺に『ごめんなさい』は無ぇのか!?」 

「それはねぇ…」

「無視かい?!」

そして顔がジュースで ずぶ濡れとなった榊の訴えをスルーして、更に蜷局が話を続けた。

曰く、今回の堕天使達の目的は、天使と悪魔への嫌がらせ、挑発であり、其処から3大勢力の戦争に繋ぐ事らしい。

しかし、それに無関係の者を巻き込むのは、向こうも好みで無いらしく、学園全域に強固な結界を張り、学園崩壊…その敷地に巨大なクレーターが出来る程度に抑えるとか。

 

「人払いは勿論、学校内の池の鯉や亀、その他 檻や水槽なんか中の飼育動物みたいな、鳥や虫みたいに自力で逃げられない動物も、既に避難させているそうだぜ。

流石に植物や微生物なんか迄は、手が回らなかった様だが。」

「意外と仕事が細かいにゃ…」

「天照様の見解は、『悪魔の根城が壊滅するだけなら、静観で大丈夫だろ。【聖書】の内輪揉めも、勝手にするが好いさ。但し、僕達の迷惑の外でな。』…だ、そうだ。

尤も、サトル君達が『俺達の学舎は、俺達が守るんだ!(ビシィッ!!)』…って言うのなら、あくまでも()()()()()()()()()として、個人レベルで好き勝手に動いて良いよ…ってさ。」

「いや…ビシィッ!…って、何?」

 

≫≫≫

 

  

※※※

 

■あー、Blazer shining aura darkness Blade総督、今、サイト見てますか?

 

◇だーかーら、その呼び方は止めれっつってんだろうが、テメー!!!!

 

◇素早い食い付きだwww

 

◇流石はBSODB総督様。

 

◇いい加減にしろ!…ってかスレ主、わざわざ呼び掛けたって事ぁ、新しい情報が入ったって事だよな?

 

■いぐざくとりーに御座います!

 

◇奇遇だな。実は俺の所にも ついさっき、コカビエルから連絡が有った。

今夜0時に…ってか?

それ以上は、情報規制するのが良いと思い、敢えて俺は、口には出さんぞ。

 

■そうですね。多分、同じ内容でしょう。

これは下手に詳しく公開したら、その場に余計な部外者が乱入して、収集が付かなくなりますから。

既に動くべき者は、それなりな準備をしているでしょうしね。

そーゆー訳で、駄肉姫!どーせ今、見てるんだろ?

アンタ達が動いた所で、どうせ堕天使幹部には太刀打ち出来ないんだから、変に介入せずに、真面目に町のパトロールでもしてろ!

ついでに天界の物乞いwエクソシスト!

お前等も同様だよ!

因に俺も、今回はノータッチだ!以上!

 

◇www…スレ主、それ、振りにしかならない気がするぜ。

 

◇駄肉姫(&エクソシスト)の乱入フラグが立ちました!

 

◇リアス・グレモリー!

きさま!見ているなッ!

 

 

※※※

 

 

▼▼▼

「使えないサイトね!

時刻だけでなく、何処で、何をしようとしてるのかを、きちんと書きなさいよ!」

「あらあらあらあら…」

旧校舎に下僕を集めていたリアスが、声を荒げ、その顔を彼女の女王(クィーン)が、少し困った様に、微笑ましく見ていた。

 

「いや、少し冷静になりなよ。

スレ主さんも言ってるだろ?

相手は過去の大戦を生き延びた幹部だよ?

リアス、君達や人間のエクソシストが どうにか出来る相手じゃないy

「お黙りなさい!

大体ディオドラ!何で貴方が来ている訳?」

「僕は、別件の野暮用だよ。

だから()()、この地の管理者な君に、挨拶に来ただけさ。」

憤慨するリアスに、鎮めるように話している少年は、ディオドラ・アスタロト。

リアス同様に冥界の貴族、名門・アスタロト家の次期当主である。

因に、(サトル)のサイトの、常連でもあった。

 

「それじゃ、僕は もう行くから。

今回の件、特に魔王様や大王様から、何かの指示を受けた訳じゃないだろ?

だったら君達は大人しく、本来の仕事である、町のパトロールでもしてなよ。

今の段階で何も命令が下されてないって事は、足手纏い認定なのだかr

「何だと お前!

俺達が役立たずだっt(どごんっ!)ぐわっ?!

「い、イッセー!?」

ディオドラが去り際、改めてリアス達に、堕天使の件の介入を自粛させる発言の途中、口を挟んできた兵藤の胸元に、魔力込みの掌打が炸裂した。

 

「げほっ、げほ…」

「ディオドラ!貴方、何を…!」

「黙れ。リアス・グレモリー。

この男、下級の転生悪魔の分際で、何の断りも無く、誰に、しかもタメ口で話し掛けようとしているのだ?

この場で不敬者として断じても、文句は言えないのだぞ?

さっきから僕の女王に対しても、イヤらしい目で見てるし 、 リアス…君は もう少し、下僕をきちんと躾けるべきだと思う。」

「くっ…!」

その後のリアスの問い詰めに、至極当然とばかり、ディオドラは その理由を説明。

 

「…聞けば先日、ライザー・フェニックス殿が此処に訪れた時も この男、上等な態度をとっていたそうじゃないか。

君は、それについて咎めたりしたのか?

今の()()を見る限り、そんな様子は見受けられないな。

ついでに言ってやるよ。

先日、サイトで この男の服装の指摘が有ったけど 実は あれ、僕の書き込みだけどね 、 未だに正されていないが、まさか、本当に それ、格好良い心算なのかい?」

「……………………!」

「君達もだよ!」

「「「!!?」」」

ディオドラの口は止まらない。

リアスを黙らせた次は、彼女の眷属にも、その口が向けられた。

 

「そっちの1年の彼は兎も角、そっちの君と君、君等は同級生、上級生だろ?

特に女王(クィーン)の君!

下僕の恥は、その儘 主の恥に繋がるのを、理解出来てない訳じゃ在るまい?

(キング)が黙りなら、それに変わって然り気無くでも、『それは無い…』って、注意すべきだと思うよ?」

「も…申し訳、有りません…」

それに対して姫島は、頭を下げる事しか出来ず。

 

「兎に角だ、君が しっかりしてくれないと、同世代である僕やソーナ達も、同様に見られかねないんだ。

それじゃ、今度こそ帰るから。

ジャンヌ、行くよ?」

「はい、ディオドラ様。」

 

ヴォ…

 

そう言うとディオドラは、自分の女王(クィーン)の金髪の少女に、転移魔方陣を展開させる。

 

「(ボソ…)胃薬、要る?」

「(ボソ…)ありがとうございます。しかし私も、常に持ち歩いてますから…」

「(ボソ…)ですよねー(笑)」

そして、木場との少しの小声での会話の後、

 

ペコリ…

 

金髪少女の無言の御辞儀と共に、ディオドラは この場から姿を消した。

 

「くっ…!見てなさい…ディオドラ・アスタロト!!」

 

▼▼▼

「会長~、良いのですか?」

「また、 駄肉 リアス様から、『これは私の仕事よ!余計な真似はしないで!』って、文句言われるんじゃ… 」

「黙りなさい。

あのリアスが今頃、素直に町の警備をしていると思いますか?

絶対に堕天使を探し回っているに、決まっています。

ならば、私達が…!」

「「「「ですよねー(泣)」」」」

同時刻、ソーナ率いる生徒会は、リアス達に代わり、町内のパトロールをしていた。

 

「…堕天使については、お姉様に報告していますから、既に何らかの手を打ってくださってる筈。

ならば私達は、私達が出来る事を、やるだけです!」

「「「「「「はい!」」」」」」

 

▼▼▼

そして同じく同じ頃…

 

ヴォヴォヴォォオオ…

 

駒王学園の校庭では、超巨大な魔方陣が描かれ、その奇跡が天に向けて、光の柱を作り出し、それを護るかの様に、3体の機械の巨人が立ち聳えていた。

そして その足下には1つの、上空には3つの人影が。

 

「ぐふふ…もう直ぐ!もう直ぐだ!

永年の我が野望が、叶う時が来た!」

地上から その柱の中に浮かぶ、6本の聖剣、エクスカリバーを見ながら、満足そうに嗤うのは、如何にも高位聖職者が着る様な、派手な装飾の法衣を纏った老人。

 

「くくく…最初に我々に計画を持ち掛けてきた時は、眉唾物だったが、此処まで来れば、本物みたいですねぇ!」

上空で黒い翼を広げて呟くのは、背が低く、白衣姿で瓶底眼鏡を掻けた、ボサボサの髪の毛の男。

 

「…………………。」

同じく上空、鋭い二本角が特徴的な仮面(ヘッドパーツ)の、漆黒に煌めく全身鎧を着込んだ堕天使の男は、無言で様子を伺い、そして もう1人…

「ふっ!此処での儀式(おあそび)は、茶番に過ぎぬ!

あくまでも本番は、この後だ!

見ていろ、ミカエル!サーゼクス!

そしてアザゼル!!」

病的な白い肌にウェーブの掛かった長い黒髪。

10枚の黒い翼を広げ、黒いローブを着用している男が、声高らかに夜空に向けて、吼えていた。

 




 
今作品では、ジャンヌさんがディオドラの女王(クィーン)となりました。
 
感想、評価、よろしくです。
 


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エクスカリバー攻防戦

 
【前回の説明補足(メタ)】
動物に優しいコカビーさん…他のDXD作品にて、ライザー戦前の修業の際、兵藤が山を吹き飛ばした時に、その山の動植物や精霊の問題云々な描写をしている作者さんが結構 居ましたので、その辺りを考え、あの様な形を取らせて戴きました。
因に作者の原作知識は、コミック、アニメ、ウキがメインで、小説は読んでいないので、原作でも そういう問題な遣り取りが有ったかどうかは知りません。
作内設定としてはコカビー師匠、動物凄く大好きなんです。(でも、笑顔を向けると凄く怖がられるwww)
 
【補足②】
木場きゅん…原作に於ける、兵藤家での『幼いイッセー幼いイッセー…』のイベントは起きていません。
故に、木場君も"聖剣"の写った写真は見ておらず、今のところ、思い出したかの様な復讐心には憑かれていません。
イリナ&ゼノヴィアに会った時点で、少しだけ()()()しまいましたが…
 
【補足③】
オカ研メンバー…レイナーレ一派やライザー・フェニックスとの戦闘が流れたので、同時期の原作主人公勢と比べると、()()では1名を除いて、戦闘力は かなり低いです。
ついでに白音(こねこ)だけでなくアーシアまでもグレモリー入りしていないせいか、ヒロイン達による熾烈な原作主人公争奪戦も起きず、それに伴い何のフラグも立っていません。
  



※※※

◇駒王学園校庭に、巨大魔方陣が出現、光の柱が聳え立った件

 

◇マジか?

 

◇マジ。それと、巨大ロボが3機。

 

◇出たwww

 

◇…って、何でキミ、そんな所にいる訳?

 

◇地上に用事が有って、それで管理者様に挨拶に学園に行ってみたら、偶々此処が、堕天使の企み事の現場だったみたい。

参考までに、僕は現在、学園校舎の屋上で、気配を消して様子を見ている。

 

◇巨人ロボ3台の画像ぷりーず

 

◇画像は無理だよ。

撮影って、結構存在感だすんだよ?

隠れてるのがバレてしまうよ。

 

◇巨大ロボ3機の画像、見たかった…orz

 

◇…にしても、無能のホームでって、絶対に嫌がらせだよなwww

 

◇あ、リアス達が校庭に飛び出してきた。

 

◇来た!www

 

◇出たーっ!www

 

◇いや、駄肉、仕事しろ

 

◇いやいや、この場合、学園に異変が起きたんだから、正しい行動では有るしょ?

 

◇てゆーか、無能姫は何で、学園に居た訳?

 

◇ん。問題は、そっちな。

 

◇仕事しろ

 

◇堕天使が何処で何を企ててるかの話し合いを、部室でしていました…(汗)

 

◇駄目だろ、それ!

 

◇マジに自分達だけで、堕天使幹部をどうにかするつもりだったのかよ?!

 

◇無能まじ無能

 

◇何?その根拠の不明な自信

 

◇素直に町のパトロールしてろよ!

 

◇駄肉仕事しろ。

 

◇スレ主も言ってただろうが!

 

◇マジにスレ主のアレ、『振り』になった件…

 

 

※※※

 

 

▼▼▼

≪≪≪

「な…何なの? あの光…?!」

時は、少しだけ巻戻る。

ディオドラ・アスタロトが去った後、彼の忠告を無視して未だ堕天使対策の話し合いをしていた、リアス率いるオカルト研究部の面々。

そんな時、不意に強烈な魔力の波動を感じ、彼女達が窓から目にしたのは、校庭方向の光の柱だった。

 

「と、兎に角、表に出るわよ!」

「「「「はい、部長!」」」」

 

≫≫≫

「な…何なのよ…あれは…?!」

「うぉっ!巨大ロボ!かっけー!…って、そんな場合じゃないですよね…(すいません…。)

「…堕天使!!」

「ぁゎゎゎゎ…」

そして、現在。

リアス達が見たのは、巨大魔方陣が放つ光の柱と、その傍に構える、3体の機械の巨人。

 

「ほう…あの紅い髪…」

「恐らく…いえ、間違い無く、サーゼクスの妹です、ねぇ…」

「…………………。」

そして上空にて翼を広げている、3人の堕天使。

 

「あれは…エクスカリバー…なのかい?!」

「ほぅ…分かるか?悪魔の小僧?」

そして光の中に浮かぶ6本の聖剣と、高位聖職者の衣を纏った老人だった。

 

「その通りよ!

此れ等こそ先の大戦で粉々に砕かれた、聖剣エクスカリバーを再生し、新たに創り出された7本のエクスカリバーの内の6本!

とりあえずは その6本を融合させ、嘗てのエクスカリバーの、真の姿に近付けるのだよ!」

木場の呟きに、老人は誇らし気に、そして以前から欲しかった玩具を差し出された子供の如く、感極まって語り出した。

 

「エクスカリバーの融合…?!

まさか、そんな真似が…」

「ふん!確かに、今までの技術ならば不可能だった!

だが この私の長年の聖剣の研究の結果、ついに実現可能な術式を完成させたのだよ!

ふん!天使や その信徒達も愚かよな!

()()()()()()()で儂を異端として追放しなければ、この技術も天界の物と、なっておったのにな!!」

「…あの時、だと?!」

老人の言葉に、木場の表情が修羅の如く歪む。

それは日頃から、学園にて女生徒達に"王子"と持て囃される涼やかな それとは対極な物だった。

 

「…まさか、貴様っ!」

「ふん!その、まさかよ!

儂こそは嘗て天界付きの組織にて、"聖剣計画"を提案した、バルパー・ガリレィ!」

「皆殺しの…大司教!!」

「くくく…如何にも。

今は その通り名の方が知る者からすれば、有名みたいだがな。

察するに悪魔の小僧よ、貴様さては、あの計画の生き残りだな?

はっはっは!これは傑作だ!

まさか、あの時の被験者(モルモット)に生き残りが居り、それが悪魔となっていたとはな!」

憎悪剥き出しな木場に、普通な感覚の持ち主からすれば不名誉以外に無い異名すら、勲章とばかりに嗤いながら名乗る、バルパー・ガリレィ。

 

「ふん…儂が憎いか?小僧?

あの時の、他の仲間(モルモット)共の仇を獲りたいのか?」

更にバルパーは、木場に対して挑発的な言葉を向ける。

 

「当然さ、僕は、お前が憎いよ…

少なくとも、この手で殺したいくらいにね!

しかし勘違いするなよ、バルパー・ガリレィ!

同志(みんな)が あの時、僕を逃がしてくれたのは、決して僕に、貴様への復讐を託したからじゃない!

そして僕も、貴様を討つ理由に、それが同志(みんな)の意志の如く持ち出す様な…彼、彼女達を悪霊にする心算も無い!

これは、あくまでも僕の…僕個人の、感情の刃だ!」

 

ヴァァ…

 

「バルパー・ガリレィイイイッ!!」

それに対し、木場は手の中に黒い刀身の長剣を造り出し、バルパーに突撃。

 

ガコォッ!

 

「な…?!」

しかし その攻撃は、傍に立っていた機械の巨人が一歩、足を出す事によって阻まれた。

 

「ふん…魔剣創造(ソード・バース)か。

大した能力だが、所詮は聖剣とは無縁な能力(チカラ)

失敗作として処分されても、当然な事よ。」

「貴様…!」

「あっあー…、取り込み中にスマンが、バルパーよ。

聖剣は、あと何れくらいで完成するのだ?」

「?!」

下卑た嗤い顔を止めないバルパーに木場が睨む中、上空から1人の堕天使が声を掛けてきた。

医者か科学者かの様な白衣を纏い、ボサボサな髪をポリポリと掻き分ける、背の低い堕天使だ。

 

「10分も掛からぬよ、サハリエル殿。」

それに対して、バルパーは堕天使幹部の1人、サハリエルに返答。

 

「既に術式は、儂の手を離れた。

放っていても、10分後には、融合エクスカリバーが完成する。

そして、それに費やした魔方陣の魔力の余波が暴走して、更に30分後には爆発、この町は、消し飛ぶだろう。」

「「「「「な…!?」」」」」

更に続くバルパーの説明に、木場だけでなく、リアス達も驚愕の表情を浮かべた。

 

「ば…馬鹿な真似を…!

そんな事、絶対にさせない!

皆、あの魔方陣、何としてでも破壊するわよ!」

「「「「はい、部長!」」」」

しかし それでも、辛うじて冷静さを取り戻したリアスが下僕達に指示、魔方陣に対しての突撃を促すが、

 

ずっしぃん…

 

「うゎっ!?」「ひぇえっ?!」

 

ズガァッ!

 

「くっ!」「きゃっ!」「ちぃっ!!」

しかし、それを防ぐかの様に、機械の巨人達が、巨大な脚を高く上げてからの踏みつけや、右腕に装着された光の刃の振り降ろしで、リアス達を攻撃。

巨体に似合わぬスピードから繰り出される連続攻撃に、リアス達は回避するだけで精一杯となってしまう。

そして、

「そうか、バルパー。

既に術式は、お前の手から離れたか…」

 

ぬぅぅ…

 

「な…?」

サハリエルの呟きと同時、先程、木場の突撃からバルパーを守った巨人が、彼の傍で右足を大きく上に上げ、

「な…何の心算d…」

 

ぷち…

 

その儘、この老人を、虫の如く踏み潰した。

 

「な…これは、一体…?」

いきなりな想定外の展開。

自身が討ちたいと思っていた仇の 呆気無い最期に、木場は茫然として立ち尽くしてしまう。

 

「バルパーよ…

確かに お前は、世間では比較的に有能な部類だったかも知れん。

しかし、聖剣計画だったか?

あの程度の実験で、あれ程の死人を出してしまう時点で、グリゴリの研究者からしたら、無能(ふよう)な人材だ。

ましてや、マッド・サイエンティストとしても、3流以下の屑だ。

今回のエクスカリバー融合も然り。

周辺を捲き込む様な大爆発を起こす時点で、ダメダメだ。

本当のマッド研究者とは、一切の犠牲が無く上で、クレイジーな結果を残す者を云うのだよ。

そんな、お前風に言えば、失敗作か?

そんな人材、グリゴリ(ウチ)には要らん。…って、もう、聞いてないか?」

 

 

※※※

 

◇リアスのナイト君が、魔方陣の傍の人間に攻撃を仕掛けたけど、機械巨人に阻止された。

 

◇"ナイト君"は、止めてやれwww

 

◇なんだかDQNネームみたいだwww

 

◇失礼。m(_ _)m

そしてそれが切っ掛けで、リアス達と巨人とのバトルが始まったよ。

ん。リアス達、防戦一方。

 

◇やばくね?

 

◇結構、ヤバイかm…って、あ、誤爆かな?

巨人の踏み着けが、堕天使側の人間に直撃したよ。

 

◇ちなみに、その人間、どうなった?

 

◇ぺっちゃんこ。血溜まりに臓物ぶち蒔けてる。

 

◇うげ…

 

◇あ!急展開!

 

◇どうなった?

 

◇何が、起きた!

 

◇まさか、無能の会心の一撃が炸裂して、巨人を倒したとか?

 

◇そんな訳ないだろ?!

新たにグランドに魔方陣が浮かんだんだよ!

あの紋章は、レヴィアタン様??

 

◇魔王様が援軍?

 

◇まじ?

 

◇いや、沢山の人数が転移して現れたけど、魔王様の姿は確認出来ない。

しかし、リーダーっぽい人物が羽織っているマントの紋章からして、セラフォルー様の直属部隊なのは、間違い無いっぽい。

 

◇続く!

 

 

※※※

 




 
今回は、木場きゅんのターンでした。
 
感想、評価、よろしくです。
 


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魔王の眷属

 
主役、出番無し!(笑)
 


「あ、あの魔方陣は?!」

戦場と化した校庭に、突然現れたのは、聖剣融合の魔方陣に匹敵する、巨大な魔方陣。

 

「あの紋章は…れ、レヴィアタン様?」

「ままま、魔王様の軍勢が、やってきたのですかぁ?」

リアス達が3体の機械巨人の攻撃を躱しつつ、驚きながら その様子を見ていると、其処から姿を見せたのは、揃いの深紫の戦闘衣を着た集団。

 

「リアス・グレモリー様!

私は魔王セラフォルー・レヴィアタン様の戦車(ルーク)、バイオレート。

我々は魔王様の命により、この堕天使共の排除に参りました!

後は我等に任せて、お退き下さい!!」

「うぉっ!美女!!」

「な、何ですって?!」

そして其等を束ねているのは、同じ色、そして先の魔方陣と同じ紋章が刻まれたマントを羽織り黒い鎧を着た、黒髪の(見た目は)若い女だった。

 

「あ、後から現れて、偉そうに指示しないでよ!

この町は、私が管理する町よ!

幾ら貴女が魔王様の直属だからって、これは譲れないわ!」

バイオレートの顔立ちに、鼻の下を延ばす兵藤の横で、彼女の言葉にリアスが憤慨。

 

「…御言葉を返す様ですが、敵は堕天使の幹部。

リアス様で対処出来る相手では、御座いません。」

「何よ!? 貴女なら、それが出来るとでも言いたい訳?

巫山戯ないで!」

 

ビュンッ!

 

「あぁっ?!」

そして宥め諭す様なバイオレートの言葉にも聞く耳を持たず、背中に悪魔の羽を広げ、再び龍機兵に向かって行くのだった。

 

「ちぃいっ!噂には聞いていたが、()()()()()とは…

仕方無い、1、2班はリアス様達の援護を!

3、4、5班は、連携で もう1体のデカブツを叩け!

残る1体は、私が倒す!」

「「「「「「はっ!」」」」」」

それを見たバイオレートは呆れ顔で舌打ち。

しかし直ぐに思考を切り換え、己の部下達に指示。

そして自らも、敵目掛けて飛び込んで行った。

 

≫≫≫

「ほぅ?魔王自らが現れないとは、舐められた物だな?」

「…言うな。

そうは言え、"あの女"の直属だ。

あのオモチャ程度は、容易く滅すだろう。

さすれば、俺達の出番も来る。

後の戦の、準備運動くらいには、なる。」

「い、イクラエル!貴様!

我輩達が造り出した『終末の龍機兵』を、オモチャ扱いする気か?!」

リアスとバイオレートの遣り取りを、上空から見ていた堕天使幹部達。

リーダー格のコカビエルが、やや不満を漏らせば、もう1人の鎧姿の堕天使…イクラエルが それを宥め、その際の言葉に やや問題が有ったのか、サハリエルが それを問い質す。

 

「先に言っておくぞ。

温厚な我輩だから、大事には至らぬが、同じ台詞をアザゼルやマユリエル、タバネルの前で言えば、確実に その身体、改造されるぞ。」

 

≫≫≫

「ギャスパー!あの巨人の動きを、停めるのよ!」

リアスがギャスパーに指示。

ギャスパーは悪魔に転生する前は吸血鬼(ヴァンパイア)…しかし、母親が人間であるハーフだった為、その血筋から神器(セイクリッド・ギア)を宿していた。

その特性は、視界に映ったモノを、生物、物体問わずに、その"時間(うごき)"を停めてしまう事。

 

「だ、駄目ですぅ!

さっきから してるんですけど、本当にほんの一瞬しか、停められませんん~!」

しかし、その対象と己の力量差で、停められる時間は大きく変わり、対象がギャスパーより上位の者には、全く通用しなくなる。

そしてギャスパーの台詞通り、この龍機兵に対しての その効力はほんの一瞬であり、リアス眷属は、その一瞬の隙を突ける程の戦闘レベルには、誰1人として至っていなかった。

 

ドッゴォッ…

 

「え?」「へ?」「はぃ?」

そう、リアス眷属達は。

しかし、バイオレートの指示でリアスの援護に就いた魔王レヴィアタンの直属部隊が、その一瞬を突いての全方位攻撃で、龍機兵に膝を着かせる事に成功。

 

「ナイスアシストだ、お嬢ちゃん!」

「時間停止の神器(セイクリッド・ギア)によるサポート系の戦闘スタイル、将来が楽しみである!」

「え?…ぃぇ…僕は…」

必殺には ならなかったが、魔王の部隊にはダメージを与える隙としては充分だった様で、深紫の戦闘衣の悪魔達が、目の前の少女(しょうねん)を称える。

…尤も当人は、その言葉に少し困惑気味だが。

 

「勝手な真似を!朱乃!」

「はぁい、部長!♪」

そして その状況を、面白く思わないのはリアスである。

目の前の獲物を横取りされたかの思いで、その感情の儘に魔力を集中。

 

「滅びなさい!」「雷よォっ!!」

 

ゴッゴォォッ…!!

 

同じ魔力を高めていた、姫島が放つ雷撃と同時に、母方の血統から成る、"滅びの魔弾"を、片膝を地面に着き、動きを止めていた龍機兵に撃ち放った。

 

≫≫≫

 

ドッドッドッドッ…

 

「怯むな!反撃の間を与えず、一気に畳み掛けるぞ!」

その一方で、バイオレートの指示で別の龍機兵を攻撃していた部隊は、圧し気味に戦局を進め、

 

「ふん…これが、堕天使の技術か、確かに油断は出来ぬな。

…だが!!」

単騎で残る1体と戦闘を繰り広げていたバイオレートも、優位の儘に今が勝負処と判断すると、

 

ドンッ!!

 

「おほぁっ?!

何とも美しく、見事なロケット!

脳内保存、脳内保存…て、え゙ぇっ?!」

身に付けていた黒の鎧を、その下のアンダーウェアと共に弾き飛ばし、その身を己の真の姿…

犀と猪をミックスしたかの様な、眼前の敵に勝るとも劣らぬ巨大な獣に変化、

「ぐぉおおおおぉっ!!!!」

 

バキィッ!

 

四つん這いとなった身体の上体を起こし、その前脚から繰り出される強烈な爪の一撃で、龍機兵の上半身と下半身を両断させた。

 

 

※※※

 

◇現場の"DA(仮名)"です。

魔方陣から現れたのは、やはり魔王レヴィアタン様の直属部隊の皆さんでした。

 

◇おぉ!

 

◇無能だけで心配だったが、勝率がグンと上がった!

 

◇いゃっほ~い!

 

◇いえ…それが…

 

◇ん?どした?

 

◇まさか、無能が「余計な真似」とか「私の仕事」とか「帰れ」とか言ってる…とか?

 

◇www

いやいや、まさか、いくら何でも、それは無いだろ?

 

◇そうだろ?頼むから、そうだと言ってくれ!(切実)

 

◇……………………………………。

 

◇まじか…

 

◇www

 

◇www…やっべー、笑うべきでないのに、笑いしか出ねえ

 

◇…ってか、魔王様直属部隊に「帰れ」って、魔王様に言ってるのとイコールじゃねえかよ…

 

◇駄肉まじ無能

 

◇僕も、そう思う。

それで結局、リアスが逆ギレ気味に、下僕と一緒に巨人ロボの1機に突撃していき、部隊の半分弱がリアスのサポートというか御守りに、残りが別の1機の巨大ロボに、リーダーっぽい人(凄い美人!)が、1人で残る1機相手に戦闘を開始したよ。

 

◇美人!

 

◇その言い方だと、大人な女性か!

 

◇画像!画像!

 

◇凄く食い付くな…

さっきも言ったろ?撮影したら、こっちの存在がバレちゃうよ!

 

◇使えねー

 

◇リア充貴族様の分際で

 

◇多少のリスクを冒してでも、下々にもう少しだけ、優しさを見せてくださっても良いと思います。

 

◇無能姫レベルに使えねー。

 

◇ ↑ きみ!それは少し、失礼過ぎやしないかい?!僕、泣くぞ!?

 

◇m(_ _)mすいません、確かに言い過ぎでした。

 

◇ん。わかってくれたら、もう良いよ。

ちなみに…凄い大人な雰囲気のお姉さんです。

 

◇何度かテレビ、レヴィアタン様の隣で護衛みたいな感じで映っていた、「凜!」系の黒髪ロングなお姉さんですか?

 

◇多分、その人。

 

◇おぉ~!

 

◇あ。

 

◇どうかした?

 

◇リアスと共闘していた部隊が、巨大ロボに有効打を与え、ダウンさせた。

…で、間髪入れず、リアスと彼女のクィーンが、攻撃を浴びせてる。

 

◇おお!

 

◇別の部隊も戦いを有利に進めて…おおぉっ!!!!

 

◇何だ?

 

◇どうした?

 

◇リーダーっぽいお姉さんが、いきなり巨大な獣に変身して、鋭い爪の一撃で、巨大ロボを真っ二つに斬り裂いた。

 

◇おお!

 

◇まずは、1体倒した!

 

◇ひゃっはーぃ!

 

◇…尚、変身の際、お姉さんが一瞬、まっぱになったのを報告しておきます。

 

◇なぁにぃい~!?

 

◇だから、画像は!?

 

◇実況の書き込みと同時に、撮影とか出来る訳ないじゃん。

 

◇使えねー、まじ、使えねー!

 

◇ついでに…お姉さんのおヌード、滅っ茶苦茶美しくダイナミックなダイナマイツだったのを、補足説明しておきますwww

 

◇ちっくしょー!

 

◇羨まタヒね!

 

◇全く…どいつもこいつも、女の裸くらいでオーバーに騒ぐなよ。

 

◇あぁ、全くだぜ。

どんだけ女の乳が見たいんだ?

 

◇ですよねー。

 

◇出たな?!リア充貴族2号!

 

◇…と、さては、Blazer shining aura darkness Blade総督だな!?

 

◇いい加減に、その呼び方止めやがれ!

 

◇まじ、総督だったし。

 

◇…ってゆーか、総督は呑気にこんなサイトにコメントしてて、大丈夫なんですか?

今、大変なんじゃ?

 

◇あぁ、既に手は打ってあるよ。

 

◇話を戻しますが、我々一般大衆には、女性の肌は、神秘その物なんですよ!

 

◇そのとーり!

毎日毎晩、女性眷属相手にひゃっはーしている、貴方達には解らんでしょうけどね?

 

◇ハーレム、羨ましいんですよ!

 

◇俺だってWぱふぱふ、してみたいんじゃぃ!

 

◇そーだそーだ!

 

◇何だ?ハーレムが望みか?

だったら悪魔領を抜けて、グリゴリに来い。

幾らでも綺麗処を見繕ってやるぞ?

それこそ、ロリから熟女までな。

 

◇…何…だと…?!

 

◇ロリ!

 

◇ロリ!

 

◇熟女!!

 

◇ロリ!!!!!

 

◇…………………………………。

 

◇…………………………

 

◇……………………………!?

 

◇………………………!!

 

◇お~い、君達ぃ~?

 

◇( ゚д゚)ハッ!…巫っ山戯るなよ堕天使!

 

◇そそ、そうだ!そんな甘い言葉で騙されてたまるかよ!?

 

◇いや、お前等…

今の『…(てんてんてん)』は何なんだよ?

『…(てんてんてん)』は?(汗)

 

◇堕天使総督殿も、この様なサイトでの、引き抜き行為は控えて下さい。

これは完全に、マナー違反ですよ?

 

◇おぅ、すまんすまん(笑)

 

◇…ったく、しょうがねーな…

流石に裸は色んな意味で載せるの無理だが、眷属の少しだけ『ピー!』な画像で良ければ、載せてやらん事は無い。

 

◇貴方は神かっ?!

 

◇サイトとは言え、散々、無礼な言葉使い、申し訳有りませんでした。

 

◇一瞬でも、堕天使に与しようとした俺が恥ずかしいです。

 

◇(笑)

分かった分かった。少しだけ待ってろ。

…双子のスク水で良いか?

 

◇一生貴方に付いていきます!

 

◇兄貴と呼ばせて下さい!

 

◇素晴らしい!何も言わずとも、俺達の望んでいるその一番の期待に応えてくれる!

そこに痺れるぅ!憧れるぅ!

 

◇…はぁ。

相も変わらず、下銭な会話で賑わってますね、このサイト。

 

◇あ?

 

◇誰だ?また、無能信者か?

 

◇悪魔に用は無いですよ。見ているんでしょ?アザゼル。先日のアレ、一体どういう心算なのですか?グリゴリは本気で、我々天界と、戦争を始めようとしてるのですか?

 

◇誰かと思えば、この前の自称?ミカエルか。

 

◇お久しぶりっス。

 

◇質問に応えて下さい。アザゼル、アレは、何の真似なんですか?

 

◇知るかよ。ありゃコカビエル達が勝手に動いた事だ。

俺は別にお前達と、戦争するなんて考えてねぇよ。

俺の監督責任に問われるかとなりゃ、問われるだろうけどな。

尤も、あの時は止める心算も無かったし(笑)、この後の手は、既に打っている。

ま、『アレ』を曝してくれた、意趣返しと思ってくれて良いわ。

 

◇アレ…www

 

◇アレってと、アレか?(笑)

 

◇しか、ないですよね。

 

◇黒歴史かwww

 

◇あんなの曝されたら、普通はキレるよな

 

◇黙りなさい!アレは元々、アザゼルが私の『アレ』の事を、散々と言ってくれたからでしょうが!

 

◇いや、どうせテメー等、天使は ち〇〇なんざ、一生使う事ぁ無いんだから、サイズ(短細)とか硬度(柔)とか持続力(速)とか回復力(遅)とか総合スタミナ(無)とか晒した処で、別に関係無いだろ?

 

◇そういう問題じゃないでしょうが!

 

◇♪大ぉ~きなイ〇モツぅをください~!♪

 

◇止wめwれwww

 

◇それは卑怯過ぎるwww

 

◇♪銭湯で誰もが二度見する程の♪

 

◇♪肩に担げる程の♪

 

◇♪大ぉ~きなイチ〇ツぅをください~!♪

 

◇だから、止めろってwww

 

◇何なのですか、それは??!

 

◇盛り上がってる所、すいません。

現場の"DA(仮名)"です。

魔王様の部隊とリアス達が、たった今、巨大ロボ全ての撃破に成功しました。

 

◇続く!

 

※※※

  




 
バイオレート…バイオレート(聖闘士星矢LC)、但し、肌に傷は無いイメージで。
 
感想、評価、よろしくです。
(特に今回噴いた人は、高いヤツをw)
 


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斬鉄の堕天使

 
今更ですが、サトルのサイトは一応、貴族平民関係無くな無礼講サイトな設定としています。
当然、()()()貴族さんや総督殿も、それを承知での、遣り取りを楽しんでいます。
はい、()()の…
  
【前回のあらすじ!】
 
◇…ったく、しょうがねーな…
流石に裸は色んな意味で載せるの無理だが、眷属の少しだけ『ピー!』な画像で良ければ、載せてやらん事は無い。

………
 
◇(笑)
分かった分かった。少しだけ待ってろ。
…双子のスク水で良いか?
 


▼▼▼

 

どっしぃぃん…

 

魔王セラフォルー・レヴィアタン直属兵3名が魔力を融合させて造り、撃ち放った巨大な魔戟が龍機兵の胸元に大きな風穴を空け、更に別の3名が放った次弾が頭部を撃ち抜く。

この連続攻撃により、機械の巨人は仰向けに崩れ落ち、機能停止したのか完全に動きが止まった。

これにより、この場の巨人が全て斃された事となった。

 

「ふん…。大した『グリゴリの技術力はぁ、世界一ぃぃ!!』…だな。」

「ぐぬぬぬ…」

それを上空から見ていた堕天使幹部の1人、イクラエルが、皮肉混じりに呟くと、同じく幹部のサハリエルが、悔しそうに呻きながら、黒い鎧の男を睨み付けた。

 

「ふっ…それよりも、下…

アレを見てみろ。」

「む?」「おぉお!!」

その仕種を受け流し、イクラエルがサハリエル、そしてコカビエルに、指先を地上の魔方陣に向けながら、指差した。

 

「ふむ…ならば此れは、俺の出番か?」

 

スゥ…

 

その台詞と同時、黒の全身鎧姿の堕天使が、地上に降り立つ。

 

 

※※※

 

◇BSADB★総督(笑)◇

馬鹿な?全滅だと?!

【終末の龍機兵】が全滅したと言うのか?

実況からして、10分程度しか経ってないだろう!?

 

◇名無しの悪魔◇

流石は魔王様の直属部隊だぜ

 

◇名無しの悪魔◇

しかし、巨大ロボな割には、少し情けない気もしますわ。

もっと、こう…リアス如きは蹂躙しても良かったかと

 

◇名無しの悪魔◇

蹂躙…アンタ、どっちの味方だよ?(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

確かに、呆気なくは、あるね。

 

◇BSADB★総督(笑)◇

…て、ちょっと待て!

いつの間にか、スレに名前みたいなのが付いてるぞ?

何だ?!このふざけたハンネは?!

 

◇名無しの悪魔◇

あ、本当だ

 

◇名無しの悪魔◇

BSADB★総督(笑)www

 

◇名無しの悪魔◇

BSADB★総督(笑)w

 

◇名無しの悪魔◇

BSADB★総督(笑)www

 

◇BSADB★総督(笑)◇

いい加減にしろ!

それと『(笑)』に『www』付けるな!!

スレ主!貴様の仕業だろ!

 

◆スレ主◆

ども、スレ主こと、ガルーダです。

サイトの仕様を少しだけ変えて、投稿した皆さんの名前表示機能を、追加してみました。

デフォは、『名無しの悪魔』となっていますので、自分だけの固定ハンネを名乗りたい人や、悪魔でない人は お手数ですが、投稿時に名前入力も一緒に宜しくお願いします。

尚、一部の常連さんは、スレ主権限で、強制的にハンネ固定させて頂きました。

例えば…そう、Blazer shining aura darkness Blade総督の様に!!www

 

◇BSADB★総督(笑)◇

巫山戯んなーーーーーーーーっ!!

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

いや、分りやすくて良いと思うっスよ。

 

◇DA(仮)◇

うん、僕も、そう思いますよ、総督殿。

 

◇名無しの悪魔◇

以下同文に御座います、BSADB★総督w 

 

◇BSADB★総督(笑)◇

良くねーよ!!

 

◇DA(仮)◇

…って、僕のハンネも、強制固定なんですね…(汗)

 

◆スレ主◆

さっきから、自分で そう名乗っていたじゃない。

 

◇DA(仮)◇

まあ、僕は別に、良いですが(笑)。

 

◇名無しの悪魔改め、麗しの悪魔令嬢◇

良いから貴方は、実況を続けなさい。

この、聖女大好き男。

巨大ロボの援軍とかは、来たりしないのですか?

援軍の巨大ロボとかは?!

 

◇DA(仮)◇

な…?誰だよ、君は?

聖女好きって、僕の好みなんかを知ってるって、まさか…

まぁ、良いよ。

君とは後で改めて、別の場所で話そう。

 

…では改めて、現場のDA(仮)です。(笑)

魔方陣に異変。

一瞬、一際大きく輝いたと思ったら、あぁ、今、気付いたけど魔方陣の中には数本の剣が浮かんでて…あれは もしかして聖剣かな?

それ等が合体して、1本の剣に変化したよ。

巨大ロボの増援は無いけど、空で待機していた堕天使の1人が降りていった。

2本角マスクの、黒い全身鎧の堕天使だ。

 

◇BSADB★総督(笑)◇

そりゃ、ウチの幹部の1人の、イクラエルだな。

 

◇名無しの悪魔◇

イクラエル?

 

◇名無しの悪魔◇

よし、愛称・イクラちゃんだ

 

◇名無しの悪魔◇

何それ、可愛い(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

イクラちゃん♪

 

◇BSADB★総督(笑)◇

をゐをゐ、それ、マジに止めとけ。

それを本人の前で言って、斬られたヤローはリアルに沢山居るぞ。

ヤツの二つ名は『斬鉄』。

何でも真っ二つにしてしまう、怒らせると怖い男だ。

 

◇名無しの悪魔◇

何それ、怖い。((( ;゚Д゚)))

 

◇名無しの悪魔◇

((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

 

◇明星のカイザー・ドラゴン(白)◇

何?! あの『斬鉄のイクラエル』が今、駒王学園に来ているだと!?

こりゃ、ラーメン食べてる場合じゃないぜ!

  

 

※※※

 

▼▼▼

「ぁゎわ…エクスカリバーが…」

「合体した…?」

異変は、3機の龍機兵が倒されたと ほぼ同時に起きた。

魔方陣が一際輝きを増すと、その中に有った6本のエクスカリバーが重なり合うかの様に融合、1振りの剣に統合されたのだ。

その様子を見て、茫然とするリアス達。

 

「そうだ。それこそが、真のエクスカリバー。

おっと、"真"の…と呼ぶには、まだ1本不足だったか?」

「「「「「!??」」」」」

そして、上空から1人の堕天使が静かに舞い降りた。

 

「その鎧…そうか、貴様が、イクラエルだな?」

「ほぅ?この俺を知っているか、ベヒーモス?

アザゼルやコカビエル、そしてバラキエル達と違い、俺という堕天使(そんざい)を伝えている記しは、殆ど存在してないと思っていたが…」

「我が主、セラフォルー様から、『斬鉄』の事は聞かされた事が有る。」

この堕天使…イクラエルに、真の姿である巨獣(ベヒーモス)から また、人型となったバイオレートが話し掛ける。

尚、今の彼女は換装により、再び鎧を纏っている。

 

「其処までだ、堕天使!そして、悪魔共よ!」

「エクスカリバーを、返しなさい!…って?!」

「「「「??!」」」」

そして、この場に新たな"客"が。

天界からエクスカリバー奪還を命じられたエクソシスト、ゼノヴィアとイリナだ。

 

「も、もしかして、アレが…」

「エクスカリバー…なのか?」

2人は、魔方陣に浮かぶ、十字架を象った黄金の柄に、半月型の純白に光る刀身の剣を見て、それが奪われたエクスカリバーが統合された物だと、瞬時に認識。

 

「ふははははは!その通りよ!

小娘共、貴様等も天界就きのエクソシストならば、知っていよう!

今の世に在る、"エクスカリバー"と呼ばれる聖剣は、先の大戦の際、粉々に砕けた"聖剣エクスカリバー"を、7本の剣として精製した物!

それを我々は、再び1振りの聖剣…則ち、真のエクスカリバーとして、再生する技術を得たのだ!」

「な、何だと!?」

「そ…それで、各地の聖剣を、奪ったのね?!」

「如何にも!欲を言えば、行方知れずとなっている、7本目も欲しかった処だがな!」

そこに上空から、サハリエルが解り易く解説。

 

「丁度、良いさ…

6本破壊する予定だったのが、一度で片付くんだ。

手間が省けたよ。」

「「「裕斗?

     君?」

     先輩?」

それを聞いた木場が、警戒するでなく、寧ろ嬉しそうに微笑み、神器(セイクリッド・ギア)で創り出した魔剣を構える。

 

ザッ…

 

「ふん…手伝ってやろうか?先輩殿?」

「報酬は、DXチョコパフェよ!」

そして その両脇をエクソシストの少女2人が、大量生産された、所謂"数打ち刃"とは云え、やはり聖水と聖火で鍛え上げられた聖剣を構え、 

「クス…お代わりは、認めないよ?」

木場は その台詞に苦笑しつつも、拒む事無く その『手伝い』の申し出を受け入れた。

 

「ちょっと裕斗? 貴方、天界の者と手を組む心算なの!?」

しかしリアスは やはりと言うべきが、悪魔の天敵とも云える、エクソシストとの共闘に異を唱えるが、

「部長…僕は悪魔として、只 手段を選んでないだけですよ。」

「…だ、そうだ、リアス・グレモリー。

因みに我々は、悪魔でなく、先輩殿に協力しているだけだ。」

「偶々、私達の目的とも、一致してるしね!」

「何なのよ!その屁理屈!!」

これに対し、木場達も持論を主張。

リアスの訴えを跳ね除けた。

 

「ふっ…、エクスカリバーを破壊…か…」

 

スゥ…

 

「「「「「「「「!!!?」」」」」」」」

こうした中、イクラエルが遂に、魔方陣が放つ光の柱に手を入れ、その中の統合されたエクスカリバーを握り締め、正眼の構えを取る。

悪魔にとって、聖剣は弱点の1つ。

これにはリアス達だけでなく、バイオレートと その部下達も戦慄。

ゼノヴィアとイリナも、その隙の無い構えに、一瞬 身を震わせた。

 

「…ところで、先輩殿?

さっきから気になっていたのだが、イリナの幼馴染みの、あのドラゴンの神器使いは、何処に行ってるのだ?」

「あ、そー言えばイッセー君、姿が見当たらないんだけど?」

「ぁぁ、兵藤君なら、あそこ…」

この緊張感走る場面で、ゼノヴィアとイリナが、自分達が到着した時から、ずっと顔を見ていない兵藤について問うと、木場はバツの悪そうな顔で彼方を指差す。

その先では、

「………………………………」

()()って、放っとく訳には いかないんですか?」

「バイオレート様の指示だ。

如何に役立たずな雑魚と云え、 無能 リアス様の眷属を、放置する事は出来まい。」

バイオレートの部下の悪魔2人が、先程の戦闘中、龍機兵の飛ぶ拳撃(ロケット・パンチ)の直撃を受けて意識を失い、早くも戦線離脱していた兵藤の護衛(おもり)をしていた。

  

「ふむ…これが、エクスカリバーか…」

「「「「「「「「……??!」」」」」」」」

そしてイクラエルは、悪魔達が警戒する中、エクスカリバーを品定めするかの様に吟味し、

「…使えんっ!!!!」

 

バァッキィイッ!!!!

 

「「「「「「「「!!?」」」」」」」」

その純白の刀身を勢い良く地面目掛けて振り下ろし叩き付け、粉々に叩き割る。

 

「な…?!」

その行動に その場の者達が驚愕する中、最も信じられない物を見ている様な顔をしているのは、木場である。

 

「な…?貴様、何をするか、イクラエル!?」

「黙れ、サハリエル!

何が、エクスカリバーだ!?

とんだ(ナマクラ)ではないか?!

1本不足な不完全体だからか?

違うな…先の大戦で砕けた時、既に この聖剣は"死"んでいたのだろう。

…ならば!」

「「「「「「!?」」」」」」

いきなりの奇行。

それを問い詰めるサハリエルに対して、イクラエルは不機嫌な表情を隠す事無く逆に文句を吐ると その手に残る柄を投げ棄て、眼前の敵達に、空手とボクシングの構えを混ぜたかの様な、独特の戦闘姿勢を取る。

 

「ま、不味いぞ?!」

「何か、ヤバイ!」

「躱()…いや、防御だ!!」

「リアス様!後方へ お下がり下さい!」

「ぇ…えぇ…!」

危険を察知した、リアス達や魔王の精鋭達が防御体勢を取るが、

 

斬っ!!

 

「「「「「「「「ぅ、わぁぁああぁ~っ!!?」」」」」」」」

その右腕から繰り出された強烈な手刀の一振りが、直接に触れず届かなくも、それから生まれる真空の刃により、その直撃を受けた者達は その身を斬り刻まれ、吹き飛ばされた。

 

聖剣(エクスカリバー)を名乗るならば、少なくとも我が(つるぎ)以上の斬れ味を、持ち合わせて欲しい物だな!」

 

 

※※※

 

◇DA(仮)◇

エクソシストの2人が現れたよ。

 

◇名無しの悪魔◇

キタ?

 

◇名無しの悪魔◇

…容姿は?美少女?巨乳?

 

◇DA(仮)◇

それっていちいち、報せないといけない事?

 

◇名無しの悪魔◇

俺達平民にとっては、凄く大事な事なんですよぉお!

 

◇その通りで御座います!◇

イグザクトリィーーーっ!!

 

◇DA(仮)◇

ハァ…分かりましたよ。

先ずは顔だけど、前にスレ主さんが言ってた通り、美少女で問題無いよ。

それからスタイルだけど、ん、2人とも、凄く発達してるね。

 

◇名無しの悪魔◇

まじすかー?!

 

◇名無しの悪魔◇

ひゃっほーい!

 

◇名無しの悪魔◇

いょっしゃあぁーっ!!

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

何なんスか?!あんなの、脂肪の固まりっすよ!

 

◇名無しの悪魔◇

落っ着け(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

大丈夫だ!レアでジャスティスでステータスだ!

 

◇DA(仮)◇

(笑)。

スレ主さんの時は、ローブで判りにくかったみたいだけど、今の彼女達…ほら、格闘ゲームなんかの軍属系女性キャラが着ているでしょ?

特殊素材のレオタードっぽい戦闘服。

あーゆーの着ているから、凄く分かりやすい。

それと大丈夫。

僕も、巨乳から貧乳まで、何でもアリだ!

大体、胸で女性を差別するヤツは、カスだ!クズだ!

確かに巨乳な女の子のぱふぱふとかも最高だけど、慎ましい子には慎ましい子で、その子にしかない良さが有るんだぞ!

 

◇名無しの悪魔◇

熱いなぁ(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

いや、しかし男だぜ。

 

◇名無しの悪魔◇

いやいや、リア充タヒね

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

ううぅ…ありがとうッス。(T-T)

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

良いから、実況を続けなさい、この聖女好き。

 

◇セイジョ☆スキー◇

分かったよ…

何だか分からないけど、イクラエルが合体した聖剣を、地面に叩き付けて、へし折った。

…で、右手で衝撃波みたいなの放って、何人かが吹っ飛ばされて、車〇落ちしたよ。

 

◇名無しの悪魔◇

www。

本当に、訳分かんね

 

◇セイジョ☆スキー◇

…て、何だよ、このハンネ?

いきなり変わってるんですけど?!

スレ主氏?

 

◆スレ主◆

聖女好きな様ですから(笑)

 

◇セイジョ☆スキー◇

いや、敢えて否定はしませんよ?

でも、このハンネは無しでしょ??

 

◇BSADB★総督(笑)◇

ざまあwww

どうだ、俺の気持ち、解ったかwww

 

◇名無しの悪魔◇

アリです。

 

◆スレ主◆

何なら『DA(仮)』と『セイジョ・スキー』、どっちにするか、アンケートしてみる?

 

◇セイジョ☆スキー◇

いえ…このサイトの住民に、そんな良心なんて期待してませんから…(泣)

 

◇コヤス=サン◇

うむ、そんなアンケート、無駄無駄無駄だな。

…っと、何だか、盛り上がってるな?

こりゃ、ウチの眷属の画像(双子のスク水)、アップする空気じゃあないか?

 

◇名無しの悪魔◇

何、言っているんですか?

 

◇名無しの悪魔◇

それはソレ、これはコレっすよ!

 

◇名無しの悪魔◇

皆、待ってるんですよ!

 

◇名無しの悪魔◇

スク水!スク水!スク水!

 

◇名無しの悪魔◇

↑ とりあえず通報だ。

 

◇コヤス=サン◇

分かった分かった…しょーがねーな…(笑)

…って、俺もハンネ、強制かよ?

まぁ、別に良いけどよ?

…ほらよ。

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

www

 

◆スレ主◆

巫山っ戯んなーーーーーっ!

俺のワクワク、返せーっ!!

 

◇名無しの悪魔◇

スレ主ーっ??!www

 

◇名無しの悪魔◇

スレ主www

 

◇名無しの悪魔◇

いや、でもマジにふざけんなし(怒)

 

◇名無しの悪魔◇

ぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶー!

(# ̄З ̄)

 

◇名無しの悪魔◇

これは、無いわぁ…

 

◇名無しの悪魔◇

ウゼェ…

 

◇名無しの悪魔◇

前回から、一体どれだけの皆さんが、期待していたか…

 

◇名無しの悪魔◇

そーだそーだ

 

◇名無しの悪魔◇

いや、でもスレ主?あんた、妻帯者じゃん?

 

◇名無しの悪魔◇

おぉ、しかも、姉妹丼のな!

 

◇名無しの悪魔◇

羨ま死ね!

 

◆スレ主◆

それはソレ、これはコレなんだよ!!

 

◇名無しの悪魔◇

地味にサイテーだな、この男も

 

◇コヤス=サン◇

バカヤロー、可愛い可愛い下僕の水着姿、簡単に晒す訳無いだろ。

大体、スレ主殿?

ならば聞くが、もしもアンタが、自分の嫁の『ぴー』な画像アップしろって言われたら、どうする?

 

◆スレ主◆

潰す。そして、もぐ。

…すいませんした。m(_ _)m

 

◇セイジョ☆スキー◇

続く!

 

※※※

 

 




 

イクラエル…以蔵(聖闘士星矢NEXT DIMENSION冥王神話)を、黄金聖衣でなく、冥衣を着せたイメージで。
 
②画像、描き直した。
 
感想、評価、よろしくです。
(特に今回 噴いた人、及びにスレ主同様にキレた人は、是非とも高いヤツを♪www)


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木場裕斗は復讐(リベンジ)したかった

 
今回は、かなりマジメです。(当社比w)
 


「か…はっ…?!」

全身をズタズタに斬り刻まれながら、木場が魔剣を杖代わりにして立ち上がる。

彼が その身に宿すのは、己が意識と魔力の続く限り、魔剣を無限に創り出す神器(セイクリッド・ギア)魔剣創造(ソード・バース)

これにより、地面から無数に生やした刃を盾の如くにして、イクラエルの攻撃を耐え凌いだ。…心算だったが、『斬鉄』の二つ名を持つ堕天使は、其すら難無く紙の如く斬り棄て、周りの悪魔達と一緒に、彼に決して少なくないダメージを与えていた。

 

「ぐ…」

「これ程…とはな…」

「これが…斬鉄…!」

「防御に集中してなくば、正に身体が両断されていたぞ…」

そして木場同様、魔王レヴィアタンの直属部隊も、ダメージを負った体をよろめかせながら、立ち上がる。

 

「…リアス様、御無事で?」

「え…えぇ…」

「ぁ、貴女の、お陰ですわ…」

「ゎ、ゎゎゎ…」

そして、バイオレート。

 

「フッ…セラフォルー様から授かった鎧が無ければ、死んでいたやも知れぬな…」

 

シュゥウ…

 

リアス…そして そのついでとばかり、朱乃、ギャスパーを護るべく、肉壁となっていた彼女も また、ボロボロとなった黒の鎧を再生させて、前に出た。

 

「お前…どうして…?」

「私達、エクソシストなのよ?!」

リアス達同様に、大したダメージを受けてないのは、ゼノヴィアとイリナだ。

量産型の聖剣を構え、木場の両脇に立っていた2人は、このリアス・グレモリーの騎士(ナイト)の「ごめん!」の一言と同時、首根っこを捕まれ、彼の背後に放られていたのだった。

 

「ごめん…女の子に対して、少し乱暴だった…ね…」

「そういう意味じゃない!」

それは結果として、イクラエルの攻撃を回避した事に、木場自身が彼女達の盾となり、エクソシストの少女2人のダメージも、肩代わりした事に繋がっていた。

その行動に対してゼノヴィア達が問うが、返ってきたのは彼女達からすれば、的外れな応えだった。

 

「…僕達は今、悪魔とかエクソシストとかで無く、"先輩後輩"として、この場に立っていた筈だ。

だったら後輩(きみたち)を守るのは、先輩(ぼく)の役割だ。」

「フッ…言ってくれる!」

「悪魔なのに、"男の子"してるじゃないの!

…ったく、何処かの役立たずな変態とは、えらい違いだわ。」

「…だが、私達も戦士だ。

先輩面は構わんが、保護者面は勘弁して戴きたいな。」

「これは、失礼。」

そう言って、ゼノヴィア達は続く言葉に、不敵な笑みを浮かべ、理解しつつも やや納得は往かずな表情で、保護者面な先輩と共に、再び剣を構える。

しかし一方、平静を装っていながら、木場の心中は、決して穏やかでは無かった。

 

 

 

 

…切り替えるんだ!

バルパーは死に、エクスカリバーも砕けた。

ならば後は、目の前の敵を倒す事に集中しろ!!

 

 

 

嘗てカトリックに所属していたバルパー・ガリレィが、天界が所持している聖剣(エクスカリバー)の使い手を人工的に造り出そうとした、通称『聖剣計画』。

その非人道的な実験や訓練を強いられる被験者の中には、()()()()()()()木場も居た。

だが、その計画は、結果から言えば失敗に終わる。

その後に不適合、"失敗作"として、施設地下の密室に閉じ込めた被験者達。

彼等に待っていたのは、毒ガスでの処分だった。

同じ被験者だった仲間達の犠牲と協力により、辛うじて施設を逃げ出した木場。

しかし、やはり毒ガスに体を蝕まれ息絶える寸前に、彼の前に現れたのが、リアス・グレモリーである。

神の信徒に捨てられ、悪魔に拾われた木場は、彼女に忠誠を誓い、彼女の眷属として生きるも、己の人生を狂わせた者達への復讐を忘れた事は無かった。

復讐の大義名義に決して、同士の名を利用、持ち出す事は無く、あくまでも個人の復讐として。

しかし今、その復讐の最たる対象である人物は、目の前で用無しとして堕天使に殺され、最たる破壊対象だったエクスカリバーもまた、己の眼前でガラクタと見なされ、堕天使に破壊された。

結論から言えば、木場の復讐の対象は、この世から失せた事になる。

しかし それが自身の手で為し遂げられなかった事での心の整理が直ぐに出来るには、彼は まだ、若過ぎた。

 

「くそ…!僕…は、一体…!?」

 

▼▼▼

「ふむ…龍機兵は全滅、エクスカリバーも壊れたか。

おい、コカビエル。

我が輩的には、既に この場には用が無いので、もう帰らせて貰うぞ。

エクスカリバーは兎も角、龍機兵の戦闘データの解析をせねばならぬのでな。」

その頃、上空では一連の流れを観ていたサハリエルが、コカビエルに自らの帰還を宣言。

 

「ふん、好きにしろ。」

コカビエルの この言葉の後、白衣を着た堕天使は、この場から姿を消した。

 

「さて、俺も、好きにするか。」

そして、1人 空に残った堕天使が そう呟くと、ゆっくりと地上に降り立つ。

 

≫≫≫

「コカビエル…!!」

「「「「「「!!?」」」」」」

「ふ・ん…貴様等とて、1人1人相手するより、一度に纏めた方が、早いだろう?

文句は無いよな?イクラエル?」

「ふん…勝手にしろ。」

イクラエルと改めて対峙しているバイオレート達の前に、更に もう1人、堕天使が参入してきた。

堕天使幹部が2人となり、戦慄するバイオレート達。

 

「…最初に、あの(にんげん)が言った通り、あの魔方陣の内部は今、エクスカリバー合体で生じた魔力の余りが燻っている。

あと30分足らずで それは暴走、光の柱の障壁を突き破り爆発。

この町を消し飛ばす事になる。

本当は、この学園が崩壊するだけだがな。 (笑)

さて、貴様等は どうする?」

「な…?!

そ、そんな事は、させないわ!

滅べ!!」

「り…リアス様?!」

 

ボォゥワッ!

 

そしてバルパーの亡骸を指差しながらの説明(ハッタリ)

それを聞き、真に受けたリアスが、魔方陣に向けて自らの唯一にして最大必殺である、滅びの魔弾を撃ち放つが、標的に変化は見られない。

 

「な…どうして?

魔力を吸収してるとでも言うの!?」

「ふははははははっ!

そんな訳が有るか!サーゼクスの妹!

確かに お前達の()()()()()()()()は、脅威と言って良かろう。

しかし お前の それは、明らかに火力不足だ!

例えるなら、氷山に一滴の湯を注いだに過ぎん!

サーゼクスならば、余裕で どうにか出来ただろうがな!」

「な…何ですってぇ?!!」

それについて、コカビエルが解り易く?解説するが、その内容はリアスからすれば、お気に召さなかった様で、

「な、舐めるなぁっ!!」

感情の高ぶりと共に、魔力が ()()上昇し、

 

ボボォォゥッ!!

 

先程より、僅かながら威力の増した…渾身の魔弾を、今度はコカビエルに向けて放つ。

 

ズバンッ!

 

「な…馬鹿な…!」

しかし、堕天使幹部の肩書きは伊達で無く、コカビエルは それを涼しい顔で片手で受け止めると その儘、上方へ弾き飛ばした。

 

「リアス様、御下がり下さい!

この場は我々が!!」

「ちょ…勝手に仕切らないで!

私達だって、戦えるわ!!

行くわよ、朱乃!!」

 

ダッ…!

 

「り、リアス様ぁっ!??」

それを見たバイオレートが、やはりリアスは この場では戦力外と判断、後方へ下がる様に促すが、プライドの高い彼女からすれば、それは とても受け入れられる物でなく、自分の女王(クィーン)と共に、更に前へ飛び出して行く。

 

「なぁあ?!か、仮に参戦するにしても、貴女達は寧ろ、後衛でしょうに!

ぃい、1班! お前達はリアス様達の御守り(えんご)を!

2班は私とコカビエルに、3、4、5班はイクラエルに仕掛けろ!!」

「「「「「「「「はっ!!」」」」」」」」

 

▼▼▼

「ディオドラ様。この町が滅ぶ、そうですが…逃げないのですか?」

「ん~、それだけどね…」

校庭で始まった堕天使幹部2人と魔王直属部隊+αの戦闘を、校舎屋上から眺めているのは、"野暮用"とやらで地上入りしていたディオドラ・アスタロトと、彼の女王(クィーン)の少女である。

 

「この学園全体に、強力な結界が張られているのは、気付いているかい?」

「え、えぇ…」

「それなら、話は早い。

それについては、堕天使共が何故?…って疑問が残るけど、大丈夫。

多分、この町が壊滅する事は、無いと思うよ。

尤も、この学園は…だけどね。」

「はぁああ??!

で、でしたら尚の事、この場から…!」

穏やかな表情で、とても大丈夫とは思えない発言をするディオドラに、金髪の少女は呆れ顔、且つ若干慌てた口調で、この場所からの撤退を勧めるが、当人は自身のスマホを見せつけ、

「駄目駄目。

今の僕は、この場の実況をしなければならないと云ふ、原因不明意味不明正体不明な使命感に狩られているんだ。

退くなんて、有り得ないよ。」

…と、どや顔で力説。

 

「仮に此処で、『危険が危ないから逃げます』とかアップして実況中断した日には、『ヘタレ』とか『根性無し』とか『使えねー』とか『駄肉レベルな無能』とか、散々と言われるのは目に見えているからね。

そうなると、僕は泣くよ?」

「勝手に好きなだけ泣いて下さい!

その時は、後で私達が幾らでも、慰めて差し上げますから!

えぇ!セーラー服でもブルマでもスク水でも(…中略…)ナースでもCAでもケモ耳メイドなプレイでも!!

どんな 鬼畜ど変態な リクエストでも、応じてみせますよ!」

「ん~、それも確かに魅力的だけど…

でも、既にキミも気付いているだろ?

僕が今、キミに何を期待(リクエスト)しているか…は?♪」

「ハァ…やれやれです。」

「胃薬、いる?」

「…戴きます。」

 

▼▼▼

「ふ…ん、動きに迷いが見える。

そんな心構えで この俺と刃を交わそうとは、笑止千万!」

 

バキッ!

 

「うわぁっ!?」

バイオレートの指示により、悪魔勢+αはコカビエルとイクラエルの分断には成功、2組みの"1vs多"の局面を作り出していた。

その片面…イクラエルとの戦闘に入っていた木場が、魔剣で斬り付けるが、イクラエルは逆に手刀で その剣を両断、

「てぇいやっ!」

「この堕天使!神に伏しなさい!

アァーーーッメン!!」

そして直後にゼノヴィアとイリナが、同時に斬り掛かるが、

「小娘が、甘いわ!」

 

バキィッ!!

 

「きゃあぁっ?!」「ぅがっ!!」

木場の魔剣同様、2人の聖剣も手刀で断ち斬り、そこから発生する真空の刃で、3人纏めて吹き飛ばした。

 

「我が拳、手刀は如何なる物をも断つ剣!

そんなオモチャ等、紙にも等しいわ!」

「「「く…っ!!!」」」

大見栄を切っての台詞に、少年少女は何も言い返せない。

 

「リアス様の眷属殿、ついでに人間の小娘!

この場は我々に任せて頂きたい!」

 

ザザ…バサッ…!

 

そして、やはりイクラエルと戦闘を行っていた魔王の兵達が木場達を制し、漆黒の鎧姿の堕天使を取囲むと、翼を広げて飛翔、

 

ダッダッダダダダ…

 

上空から魔弾による全方位攻撃を仕掛ける。

 

「ふっ…空中戦を挑むか!?面白い!」

 

バサァ…ッ…

 

それに対してイクラエルも、背中の5対10枚の黒い翼を広げて応え、上空へと飛び立った。

 

≫≫≫

「くっ…流石に空の上では、私達には打つ手が無いな。」

「いや…君達の任務は、エクスカリバーの奪還、若しくは破壊だろ?

あの堕天使が代わりに行ったとは云え、既に お役目御免なんじゃ?

必要以上に悪魔(ぼくたち)と関わらない方が良い。

あの聖剣の残骸を回収して、立ち去るのを勧めるよ?」

空中での堕天使と悪魔との戦闘を見ながら呟くゼノヴィアに、木場が撤収を勧めるが、

「馬鹿にするな。

この町が滅ぶと聞かされ、それで『後は頑張って』とばかりに退散する程、私達は薄情じゃない心算だ。」

「例え、悪魔が管理している土地だからって、それを知っているのは ほんの一部の人達だし、この町に住んでいる人達に罪は無いわ!

この町を見捨てて帰還したりしたら、それこそ破門よ!」

ゼノヴィアとイリナは、それを拒否。

 

「とりあえずは…堕天使と悪魔が戦り合っている間に、魔方陣(アレ)を、何とかしてみよう。」

 




 
また、主役登場せず(笑)
次話こそは…?
 
感想、評価、よろしくです。
 
※偶に本来ならば「~は」な文章を「~わ」と表現している事が有りますが、あれ等は全てワザと、意図的ですので、それで理解と納得、お願いします。
 


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Ko-kabie-る

 
今回の犠牲者(笑)は、『彼』と『彼女』です…www
 


「イリナ。今の お前は、得物を失い、役立たずだから下がっていろ。」

「も、もっと、ソフトな言い方って出来ないの?!」

「…ぺトロ バシレイオス ディオニュシゥス…そして、聖母マリアよ!」

「む、無視ぃ!?」

魔方陣の前、無遠慮な言葉でイリナを後方へ下げたゼノヴィアが、言霊を唱え始めた。

 

「…彼の刃に宿りし聖者(セイント)の御名に於き、我は封印を解かん!!」

 

ずずず…

 

その詠唱に反応し、彼女の傍の空間に、黒い"穴"が空く。

そして その"穴"から、黄金の柄の、蒼い片刃の大剣が姿を見せた。

 

「吼えろ!デュランダル!!」

ゼノヴィアの手に握られたのは、エクスカリバーと同様、伝説、伝承に吟われる聖剣デュランダル。

 

「破ぁああぁっ!!」

その蒼い聖剣を携えると、ゼノヴィアは魔方陣に向けて突進、

 

ガキィッ!!

 

「ちぃぃっ!デュランダルの一撃でも、壊せないのか…!」

一刀両断の振りで、光の柱に斬撃を浴びせるが、それでも破壊は叶わず。

僅かに、柱に罅が入っただけだった。

 

「まだだ!全く通じない訳じゃない!」

 

どんっ!

 

「「先輩殿?」

    君?」

そこに、今度は重厚な刃の、巨大な魔剣を持った木場が追撃。

 

「本来ならスピード特化な僕が、持つ様な剣じゃないけどね…

でも、動かない、反撃しない標的なら、何の問題も、無い!!」

 

ドガァッ!!

 

その一撃が、先程の罅を大きくし、更に新たな罅割れを作り出す。

 

「ほほぅ…ネズミが、うろついているか?」

「「「??!」」」

しかし、その一連の行動は、些か目立ち過ぎた。

 

バシィっ!

 

「「「「ぬわ~っ!?」」」」

「ぐゎっ?!」

悪魔の兵 数人、そしてバイオレートを蹴散らし、コカビエルが木場達の前に立った。

 

ずしん…!

 

「「「「が…が…」」」」

そして空からは、やはり数人の悪魔が墜落したと思えば、

「面白い得物を、持っているな。」

ゼノヴィアの持つ聖剣に興味を持ったのか、空中戦を展開していた、イクラエルも魔方陣の側に降り立った。

 

▼▼▼

「すいません、少し、よろしいですか?」

「む?」

同刻、学園の北側の住宅地で、町内を見回っていた支取蒼奈と匙元士郎は、民家の壁に背を預け、何をするでなく佇んでいた1人の男に声を掛けていた。

黒いスーツを着込んだ、長身長髪の男だ。

 

「失礼ですが、こんな夜中に こんな所で、何をなさっているのですか?」

「悪いがアンタ、怪し過ぎるぜ?」

「………………………。」

時間帯も然る事ながら、明らかに素人が出せる気配でない、()()()()()()人間の醸す雰囲気に故に、2人は声を掛けたのだが、

「いや…悪いが、こんな真夜中に、2人きりで外を歩いている高校生男女の方が、余程 怪しいと思うのだが?

君達こそ、こんな時間に こんな所で、何をしているんだ?

ハッキリ言って、感心出来ないぞ?

少年少女?」

「な?!」「うがっ!?」

男は至極真っ当なカウンターでの返答。

そう、現時刻は深夜0:17である。

 

「な・な・な・な…??!」

「いいうや、俺と会長わ別に、そんなんで無くて…だな…」

男の切り返しに、それが何を言いたいかを察したソーナは、顔を赤くしたり青くしたりしながら絶句。

匙も顔を赤くして、男が考えているであろう事柄を、声を上擦りテンパりながらも、必死に否定。

 

「ふっ…軽い冗談だ、悪魔諸君。

俺は、敵じゃない。」

「「はぁあっ??」」

「分かるか?今、あの駒王学園を包んでいる強力な結界を。

あれは、堕天使達による物なのだが…

俺は上の命令で、アレが()()()を起こした時の為、この場で待機しているのだ。」

そんな2人をからかう様に、ソーナ達を"悪魔"と呼んだ この男は、学園方向上空を指差す。

そして自分達の正体を見抜かれ、驚く2人に言葉を続けた。

 

「万が一…だと?

おい、アンタ?!それは、一体…?」

「悪いが、部外者の君達に、詳しく教える事は出来ない。」

「何だと、コr

「待ちなさい、匙!

上…そうですか。

貴方は この町に住むと云う、ガルーダと呼ばれる人物が所属しているという組織の、諜報と呼ばれる人ですね?」

「御名答だ。」

これだけの遣り取りで、目の前の男が【日本神話】の『NIN=JA』と迄は分からずも、例のサイトで確認出来ていた、『組織の諜報』と呼ばれる存在だと、ソーナが見抜く。

 

「兎に角だ、俺達は この町に被害が及ばない様に、この場に居る。

町が滅んでも構わないなら話は別だが、そうでないなら、余計な干渉は止めて欲しい。」

「そうですか…了解しました。」

「か、会長お?」

そして、男の申し出に、ソーナが頷いた。

 

「この人が あのガルーダと同じ所属ならば、この町の為に動いてくれているのは、本当なのでしょう。

それに…匙、貴方も気付いているでしょう?

仮に この場で、この人を敵として、2人掛かりで挑んでも勝てない事を…」

「くっ…」

あっさりと承諾した事に驚く匙を、ソーナが説得。

 

qiqiqiqi…

 

「「「?!」」」

男のスーツの中のスマホが鳴ったのは、そんな時だった。

 

「鈴木か?どうした?」

『あ、螺部さん?

すいません、何だか悪魔っぽい女の子2人に絡まれてるんですけど、どうしましょ?』

「そうか…なら、その彼女達に代わってくれ。

俺も丁度 今、その仲間だろう、現地の悪魔達と一緒に居る。

彼女に説明して貰おう。」

 

ス…

 

「…すまない。俺の部下が、君達の仲間に絡まれているらしい。

君の方から、説明して貰えるか?」

「あ…は、はい…」

そう言って男…今回、駒王町に やってきた『NIN=JA』の責任者である螺部蔵夫徒は、ソーナに自分のスマホを手渡すのだった。

 

▼▼▼

 

  

※※※

 

◇セイジョ☆スキー◇

どうも。ウチの女王(美少女!)に、ケモ耳メイドプレイでの御奉仕を約束して貰った、セイジョ☆スキーです♪

 

◇名無しの悪魔◇

死ね!

 

◇名無しの悪魔◇

聞いてねーし!

 

◇名無しのしっとマスク◇

地獄に堕ちろ!

 

◇名無しのしっとマスク2号◇

羨ま死ね!

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

いちいち報告する事か?

自慢か?リア充か?!

良いから実況してろよ!

 

◇コヤス=サン◇

因みに俺は今夜、戦車2人と裸エプロンプレイだったぜwww

 

◇名無しのしっとマスク◇

枯れろ!

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

もげてしまえ!

 

◇名無しの悪魔◇

だから、そんな情報、要らねー!(T0T)

 

◇セイジョ☆スキー◇

www

現在、悪魔とエクソシストが、魔方陣の破壊を狙い、堕天使幹部2人がそれを阻止するような展開だけど、数で圧倒的に不利な堕天使の方が、やや有利に戦況を進めている。

 

◇名無しの悪魔◇

幹部の肩書きは、伊達じゃないと?

 

◇名無しの悪魔◇

パねー!

 

◇名無しの悪魔◇

堕天使側って、2人だけ?

 

◇セイジョ☆スキー◇

ん。ただ、悪魔(こっち)側、攻撃している中に、リアス達も混ざっていて、魔王様の部隊の一部は、彼女達の援護というか護衛というか、御守りをしている感じで…

 

◇名無しの悪魔◇

おい、それって、まさか…

 

◇名無しの悪魔◇

つまり…そっちに人手を割り振られ、まともな攻撃が出来ていない…と?

 

◇セイジョ☆スキー◇

イグザクトリーに御座います…

 

◇名無しの悪魔◇

また無能かよ?!

 

◇名無しの悪魔◇

また駄肉かよ!?

 

◇名無しの悪魔◇

マジに使えねーなー!

 

◇名無しの悪魔◇

役立たずは隅っこで大人しくじっとしてろよ!

 

◇名無しの悪魔◇

何?何なの?!

「私様、TSUEEEEEE!」とでも、思っている訳?

 

◇名無しの悪魔◇

何なんだよ!?その根拠の無い自信わ??!

 

◇名無しの悪魔◇

戦場で一番厄介なのは、強力な敵でなく、無能な駄肉とは、正しくこの事だな…(汗)

 

◇セイジョ☆スキー◇

魔王様の部隊は、泣いて良いと思う。

因みに僕が表に出ないのも、リアスみたいに足手まといにならない為だ。

 

◇名無しの悪魔◇

それは英断です。

 

◇コヤス=サン◇

ガチ分析だが、恐らくはリアスの実兄の魔王様、サーゼクス・ルシファー様と同系列の攻撃手段を持っているから、それで、「自分でどうにかなる」とか勘違いしているのだと思う。

 

◇名無しの悪魔◇

『滅び』ですか。

 

◇名無しの悪魔◇

確かにアレは、強力だと聞きますが…

 

◇コヤス=サン◇

しかし、リアスのそれは、系列が同じだけで、ハッキリ言ってパワー不足だ。

幹部級には、でこぴん程のダメージですら、与えられないだろう。

 

◇名無しの悪魔◇

すまねぇ!

滅びって聞いた瞬間、「もしかしてイケんじゃね?」って思ってしまった!orz

 

◇名無しの悪魔◇

無能の根拠無き?自信と、同レベルな勘違いか

 

◇名無しの悪魔◇

かはぁっ!?Σ(゜Д゜)

すまねぇ!無能と同じなんて、もう生きていけねぇ!

 

◇コヤス=サン◇

おいおい、早まるな?!

 

◇名無しの悪魔◇

待て、ごめん!俺が言い過ぎた!

どんまい!気にするな!

 

◇BSADB★総督(笑)◇

ほう?コカビエルも戦闘に参加か。

よっぽど魔王の兵の中に、面白いヤツが居たみたいだな。

 

◇名無しの悪魔◇

総督!

 

◇BSADB★総督(笑)◇

おう。そろそろ、タイムリミットが近付いたので、ネタばらししても良いかなって思ってな。

どーよ、スレ主?

どうせ見てんだろ?

 

◆スレ主◆

いや、まだ早いですね。

全部、終わってからのが、面白いでしょ?

 

◇BSADB★総督(笑)◇

お前も大概だなwww

 

◇名無しの悪魔◇

…って、コカビエルって、あのコカビエルも、今回の騒動に絡んでいたのか?

 

◇BSADB★総督(笑)◇

『あのコカビエル』ってのが、どのコカビエルを指してるかは知らんが、多分そのコカビエルだ。

 

◇名無しの悪魔◇

ちょ…超メジャー大物じゃねえか!

 

◇名無しの悪魔◇

駄肉の終了のお知らせ?

 

◇名無しの悪魔◇

マジになりかねん

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

ん、あのセクハラ幹部、確かに戦闘力は、パねーっスからねぇ。

 

◇名無しの悪魔◇

セクハラ?

 

◇名無しの悪魔◇

セクハラ?

 

◇名無しの悪魔◇

セクハラだと?

 

◇BSADB★総督(笑)◇

凄い食い付きだなwww

…ってか、その辺り知ってて、しかもそのハンネからして、さてはオメー、「あれ」の当事者だな?

オメー、アレは正当な罰って事で、無罪になったじゃねーか?

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

納得いかないっスよ!

確かにサボリしてたのは悪いと認めるっスけど、いたいけな乙女をお米様だっこしてスカートめくってパンツずり下ろしてお尻ぺんぺんのアレがセクハラじゃないって、どう考えてもおかしいっスよ!!

 

◇名無しの悪魔◇

Σ(゚◇゚;)まじか?!

 

◇名無しの悪魔◇

パンツずり下ろしただと?

 

◇名無しの悪魔◇

ロリっ娘のパンツをずり下ろしただと?

 

◇名無しの悪魔◇

んで、生お尻スパンキングだと?!

 

◇名無しの悪魔◇

…赦…さん…!!

 

◇名無しの悪魔◇

おのれコカビエルおのれおのれコカビエルコカビエルおのれコカビエルおのれコカビエルおのれコカビエルおのれコカビエルおのれコカビエルおのれコカビエルおのれコカビエル(…エンドレス)

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

ちょっと待て!

『ロリっ娘』で区切るなっス!

ウチはゴスロリ着てるから、このハンネなんスよ!

 

◇名無しの悪魔◇

てゆーか、堕天使だったんだ

 

◇BSADB★総督(笑)◇

いや、オメー、ぺったんこつんつるりんなロリなのは、間違い無いじゃねーか。

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

生えてらい!

おっぱいだって、少しはあるっスよ!

見た事無いクセに、テキトー言ってるんじゃないっスよ!!

 

◇BSADB★総督(笑)◇

分かった分かった(笑)

それでも、オメーがロリ枠なのは、変わらないぞ。

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

なにをーっ?!

 

◇目指せ!至高の堕天使◇

横から失礼させてもらうわ。

彼女の名誉の為に言うけど、確かにこの娘の胸は、慎ましいが僅かに膨らんでいるし、下も、きちんと生えているわ。

尤も、短いし範囲も狭いし、産毛なのか金髪なのか、よ~く見ないと、判らないレベルだけどね。

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

うがー!余計な事は、言わなくて良っスよ!

 

◇名無しの悪魔◇

いや、凄く貴重な情報だぞ

 

◇名無しの悪魔◇

あざっす!

 

◇名無しの悪魔◇

アナタは天使か?

 

◇名無しの悪魔◇

ハンネからして堕天使だぞ?www

 

◇名無しの悪魔◇

てか、ロリが多くねーか?このサイト?

 

◇名無しの悪魔◇

もしもし、ポリスメン?

 

◇名無しの悪魔◇

おまわりさん、こいつらです

 

◇名無しの悪魔◇

まじ通報しねーと、ヤバくね?

 

◇名無しの悪魔◇

とりあえず、堕天使幹部のコカビエルが、ロリのスカートめくってパンツ脱がせてお尻ペンペンするクソヤローだってのは判った

 

◇名無しの悪魔◇

コカビエルは変態ヤロー

 

◇名無しの悪魔◇

しかもそれを裁判?で無罪に持ち込むクソヤロー

 

◇名無しの悪魔◇

堕天使、最悪だな。

 

◇名無しの悪魔◇

おう、そしてそれを無罪推しした連中も、とんでもねー奴等だぜwww

 

◇名無しのしっとマスク2号◇

赦…さん…!!

 

◇名無しの悪魔◇

おのれ!おのれコカビエルおのれコカビエルおのれコカビエルおのれコカビエルおのれコカビエルおのれコカビエルおのれコカビエルおのれコカビエル(…以下略)

 

◇名無しの悪魔◇

だから、それはもういいってw

 

◇BSADB★総督(笑)◇

いや…一応、ヤツの名誉の為に言っとくけどな、アイツ自身はペド趣味とか、そんなのは持ち合わせてないぞ?

さっきから話題になってる、ロリのパンツ脱がせてお尻ペンペンも、アイツ自身は純粋な罰のつもりだったんだ。

 

◇名無しのしっとマスク2号◇

いや、ギルテイ。

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

お前、単にロリっ娘のお尻ペンペンが羨ま死ねなだけだろ?www

 

◇名無しのしっとマスク2号◇

何だと?貴様、同士じゃないのか?

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

悪ぃ。

俺、リア充が赦せんだけで、ロリとか幼女体型は圏外なんだ。

寧ろ、巨乳派だ。

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

だからロリって言うなっス!

 

◇コヤス=サン◇

俺は、両方アリだけどな。

俺の眷属の中にも、ロリ娘は居るし。

 

◇セイジョ☆スキー◇

ですよねー♪

巨乳普乳貧乳の、ミックスプレイが最高なんだよね♪

もう1回言うけど、女性を胸で差別するヤツは、カスでクズでゲスだよ。

…って、そろそろ実況を再開するよ?

堕天使が戦況は未だ、優勢な儘。

死者こそ出てないけど、悪魔側にはリタイアした者が多数出てる。

…って、何処からか、何だか『どっどっどっどっ』…って、大型重機のエンジン音みたいなのが、周りに響き出したんですけど?

場の悪魔堕天使、ついでにエクソシストの女の子2人も、その音を聞いて動きが止まったよ!

 

◇BSADB★総督(笑)◇

漸く到着しやがったか!

そいつぁ、その場を収める為に俺が遣わせた…云わば、切り札よ!

 

◇コヤス=サン◇

続く!

 

 




 
螺部(らぶ)蔵夫徒(くらふと)…クラフト(レベルE)のイメージで。
 
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衝撃の真実!!

 
ん、前回は悟られない様に、敢えて平仮名表記だったんですけどね…(汗)
 



 

ドッドッドッドッドッドッ…

 

「「「「「「「「??!」」」」」」」」

魔方陣爆発迄、残り約10分と迫った時、突如 学園結界内に、まるで大型作業重機が駆動する様な重低音が鳴り響く。

その音に、学園敷地内に居る者全てが驚愕、その音源の方向に目を向けた。

 

 

≪≪≪

…刻は少し巻き戻る。

 

「ふはははははは!

愉しいぞ!魔王・セラフォルーの眷属よ!」

「話には聞いていたが、本当に戦闘…いや、戦争狂な様だな!」 

 

ガシッ!

 

コカビエルと交戦しているのは、バイトレートと その指揮下の兵達(+α)。

魔王兵達が距離を空けて魔力弾を撃ち、その間を縫っての近接距離、バイトレートが鎧の部位(オプション)である黒爪を、コカビエルの手にした光の剣と交差させる。

 

「ふん!」「ちぃっ!」

直後、両者は共にバックステップで間合いを取り、

「ふ…」「??」

次の瞬間、コカビエルが左手を上方に掲げると、夜空に無数の小型魔方陣が、煌めく様に浮かび上がった。

 

「ま、不味い…!全員、防御だ!!」

バイトレートの言葉と同時、悪魔の兵は魔法障壁(シールド)を張るが、

 

ドス…ドスドスドスドスッ…!!

 

「「「「がはっ?!」」」」

「「「ぐぇっ!?」」」

「「「「「うご…」」」」」

その魔方陣から雨の如くに撃ち出された無数の光の矢は、その防御力を上回り障壁(シールド)を突き破り被弾。

これにより数名の兵がリタイアするが、コカビエルの本命は、実は別に有った。

 

「ぁ…ぁあ…?」

「これ…は…!?」

「ぁゎゎ…」

バイオレートの部下数名が護衛(おもり)していたリアス、朱乃、ギャスパーに、黒い羽根が突き刺さっていたのだ。

無論、これはコカビエルが、その場の者達が、空から降り注ぐ光の矢に注意が向けられた隙に、背中の翼から飛ばした物である。

羽根に麻痺性の毒が仕込まれていたのか、これによりリアス達は、何が起きたか理解出来ない表情で、倒れる事無く、その場で硬直したかの様に立ち尽くしていた。

 

「り…リアス様っ??!

…貴様ァッ!!!」

それを見たバイオレートが、憤怒の表情でコカビエルを睨むが、

「心配するな、()()殺しては、おらぬよ。」

「何?!」

この堕天使幹部は、不敵に嗤いながら、それを受け流す。

 

「さっきから雑魚の分際で、ちょこまかと鬱陶しかったので、少しだけ痺れて、この戦の場から退場して貰っただけだ。

…まぁ、あっさりと殺っても良かったのだが、どうやら貴様は激昂すると、力も上がるだろうが、それ以上に冷静さを喪うタイプみたいだからな。

折角の、久々に遇えた上等な獲物だ。

そんな、己を見失った者と戦っても、面白くないのでな。」

「この…戦闘狂が…!」

「挑発の心算か?

残念だが俺にとっては、誉め言葉だ!

さぁ、邪魔者(あしでまとい)の心配は、互いに無くなった!

心逝く迄 殺り合おうぞ!!」

 

≫≫≫

 

斬!!

 

「「「「ぉゎあ~っ!?」」」」

その一方、魔王直属兵の約半分、そして木場、ゼノヴィアは、もう1人の堕天使の幹部、イクラエルと戦闘を繰り広げていた。

…唯一の武器である聖剣を破壊され、攻撃の術を失ったイリナは、既に後方待機である。

そして この"斬鉄"の二つ名を持つ堕天使が繰り出す手刀…直に受ければ身体だろうが得物だろうが両断され、躱したとしても其から生じる衝撃波…否、衝撃"刃"が襲い掛かる。

コカビエルと交戦している悪魔同様に、此方も戦闘離脱者が出ていた。

魔力暴走して町が滅ぶ程の爆発を起こすという、巨大な魔方陣をそうなる前に消すには、先ずは堕天使幹部2人を打倒しなければならないと云う、高難度な条件が設定された中、時間だけが過ぎていく。

 

≫≫≫

「ふはははははは!

どうした、デュランダルの使い手よ!

まだまだ剣に、真の持ち主と認められてない様だな!」

「だ、黙れぇ!」

 

ぶぅん!

 

イクラエルの挑発染みた台詞に覚えが有るのか、ゼノヴィアが顔を赤くして、聖剣のフルスィングを放つが、その大振りは簡単に高く跳躍して躱されてしまう。

 

「甘い!先代の使い手は、本当に"人の子"かと、疑う程の強さだったぞ!」

「!?」

 

ずさぁっ…どん!

 

「ぐぉ…?」

そして返しとばかり、彼女の背後に着地したイクラエルは その場で再びジャンプ、自らの両足をゼノヴィアの両脇の下に引っ掛かると、その儘バク転の要領で、蒼刃の聖剣使いを"脚"で投げ飛ばした。

 

「ぐぐ…ぐ…」

咄嗟に受け身を取り、頭からの落下を免れたゼノヴィアだが、そのダメージは決して小さくなく。

 

「「「堕天使がぁっ!!」」」

そこに数人の悪魔が、三ツ又の矛を、巨大な戦斧を、特大の鋼棍を構え、同時の突撃を試みるが、

「むん!」

 

斬!

 

「ぁ…が…」「ぬゎs…」「…っ?」

その攻撃は一度に其々の得物を断たれ、更には身に纏っていた鎧をも斬られ、逆に その場で倒れてしまう。

バイオレートの鎧よりは やや強度に劣るが、それでも魔王レヴィアタンが支給していた鎧が無ければ、命を落としていたのは間違い無かったであろう。

 

「まだまだァッ!」

「ほぅ!」

次に飛び込んできたのは、細剣型の魔剣を持った木場である。

その構えは、一直線に突進から、間合いに入ってからの刺突の姿勢。

…に、しては、体の重心が僅かながら、左に傾いている。

 

 

…つまり!その突きの体勢はフェイク!

本命は右に回り込んでの斬撃か!!

甘いわ!

 

 

敵の狙いをそう読み、気付いている事を気付かせず、正面からの迎撃の()()をするイクラエル。

 

「クス…」

そしてイクラエルが()()()を着けていた間合い(ポイント)で、微かな笑みを溢した木場は、この"斬鉄"の読み通り、急ステップからサイドに回り込み…ではなく、その場で身を地に伏せるかの様に、低く屈める。

 

ダッ…!

 

「堕天使、覚悟! アーーッメン!!」

「何ぃ?!」

そして その真後ろから姿を見せ、横凪ぎの斬撃を放ったのは、()()を握ったイリナだった。

 

斬!

 

「あ、浅かった!」

「いや、今のは なかなか、見事な連携だったぞ!」

しかし、その一瞬の虚を突いた筈の攻撃も、イクラエルの頬を掠めたに過ぎなかった。

だが当のイクラエルは、頬から流れる血を拭いながら、その攻撃を純粋に誉め称える。

 

「全く、貴様らは よく戦っている!

特にエクソシスト!

貴様等の健闘は、称賛に値する!

拠り所とする"主"を失っているにも拘わらずにな!!」

「な…何ですって?」

「どういう意味だ!?」

そしてイクラエルの この台詞に、イリナとゼノヴィアが過敏に反応。

 

「イクラエル!」

そして、バイオレート達との戦闘をしているコカビエルも、その発言は芳しくないと思ったか、それを制する様に促すが、

「…そう言うな、コカビエル。

真実を語るには、良い機会だろう?」

イクラエルは それを受け流し、言葉を続けた。

 

「神は、死んだ。

先の大戦、三つ巴の戦で死んだのは四大魔王だけに有らず!

その時に神も また、死んでいたのさ。」

 

▼▼▼

「ん…、(なーん)となくだけど、実は前々から、そんな気は していたんだよね~?」

「ディオドラ様?!」

校舎屋上から、イクラエルの…勢力に関係無く【聖書】に属する者からすれば、絶句物必至なカミングアウトを聞いたディオドラだが、冷静に…文字通りに それを冷めて静かに聞き入れていた。

 

「ぃいや…そんな、馬鹿な?」

逆に、やや動揺しているのは、彼の女王(クィーン)のジャンヌである。

 

「…良いかい、ジャンヌ?」

「?」

そんなジャンヌに、ディオドラは持論を話す。

それは要約すれば、この3大勢力三つ巴の争いに、何時まで経っても『神』が、全く顔を出そうとしないのが、その証拠だと言う。

 

「少なくとも15()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()には既に、この世から居なかったのさ。」

「………!!?」

「君が ()()()()()()()()()()()のも、神が不在だったから…なら、説明も着くだろう?」

「あ…ぁああ…?」

このディオドラの仮説に対して、ジャンヌは更に驚き、更に動揺しながらも、"神の死"に納得してしまう。

 

「…そ、それで、ディオドラ様は、その事をサイトには…?」

「いや、これは流石に事が大き過ぎる。

僕なんかがネットを通じたりで、気安く公言して良い事柄じゃないよ。」

「…先程に堕天使が言っていた、魔方陣爆発による、この町の崩壊の件は?」

「その事もスレ主氏や、BSADB★総督(笑)も知ってる情報だろうし、彼等が何も言わない限り、僕が実況する事じゃない。」

 

≫≫≫

「な…出鱈目を!!?」

「馬鹿、言わないでよ!!」

『神は死んだ』…このイクラエルの発言に、ゼノヴィアとイリナが紅潮しながら反論。

 

「やれやれ…アイツ、マジに言っちまいやがったぜ…」

その宣言は、エクソシストの少女2人だけでなく、バイオレートを筆頭とする魔王直属兵達の動きさえも止め、コカビエルも頭痛を訴えるかの様に、頭を抑える。

…が、その口元は、「よくぞ言った!」…とでも言わんばかり、ニヤリと つり上がっていた。

 

「コカビエル!…今のは…?」

「あぁ。ヤツが今 言った事は、真実(マジ)だ。」

攻撃を一時中断し、バイオレートがコカビエルに問うと、この堕天使幹部は肯で それに応え、

「前回の大戦で、3大勢力は人間の信仰心や対価に依存せねばならない程に、疲弊したからな。」

「…人間に それを知られるのは、どの勢力からしても、非常に都合が悪い。

故に この真相は、各勢力トップの…その中でも極々一部の者だけの極秘情報としたのだよ。」

そしてイクラエルの隣に移動すると、続けて その詳細を2人で語りだす。

 

「嘘!嘘よ!主は健在よ!

()()()()が、何よりも その証だわ!」

イリナが聖剣の切っ先を堕天使2人に向けて反論。

今回の任務に際して、教会から支給された量産型の聖剣をイクラエルに砕かれ、後方待機していたイリナだが、そんな彼女の眼前に、不意に一振りの剣が浮かび出るかの様に現れた。

その剣から発する聖氣は、紛れもなく聖剣。

それを迷わず、神からの思し召しと解釈した彼女は、それを握り締め、戦列に復帰していたのだった。

 

「…それは何処かの物好きの、気紛れ…或いは小さな親切…じゃないのか?」

「な…?!」

しかしイクラエルは、自身の背後に建つ、校舎の屋上に一瞬 目を向けると、再びイリナの顔を見て、それを否定。

イクラエルは…コカビエルも そうだが、それが何者か迄は分からずとも、既に校舎屋上のディオドラ達の存在には気付いていた。

殺気も何も感じなかったから、手出ししなかったに過ぎずが、まさか其処で、サイトへ戦闘の実況をしていたのは、流石に想定外であろう。

そして事実、イリナの聖剣は、イクラエルの言葉通り、ディオドラの女王(クィーン)であるジャンヌが、自身の神器(セイクリッド・ギア)で創り出した物だった。

 

「そんな…」

「嘘…だ…」

 

ガクッ…

 

そして緊張の糸が切れたかの様に、ガックリと両膝を地面に落とすイリナとゼノヴィア。

 

「主が…死んでいる?」

「…だったら、私達に与えられる愛…は…?」

更には共に顔を青くして、放心状態で神の存在について、譫言の様に呟く2人。

それは、人生の大半を神に捧げてきた彼女達からすれば、無理は無く、

「神が、居ないだって…

そ、それじゃあ、僕達は何を信じて、()()()()で過ごしてきたんだよ…?」

今は悪魔に身を転じているとは云え、木場も同様に、彼女達程では無いにしろ狼狽え、動揺を隠せなかった。

 

≫≫≫

  

 

ドッドッドッドッドッドッ…

 

「「「「「「「「「「!??」」」」」」」」」」

そして刻は、現在に至る。

学園に いきなり響き渡る大型作業重機のエンジン音の様な轟音に何事かと、その場の誰もが音のする方向を見ると、学園正門前に、1人の背の高い人物が、肩に何かを担いで立っていた。

 

「………………………………。」

そして その男が、無言で一同に歩を進め始めると、 

「まさか、()()が出張るとはな…

チィ、アザゼルのヤロー…!」

「いや、ある意味、必然だ。」

その男を知っている様な口振りをする堕天使幹部2人が顔を顰め、

 

どさっ…

 

一同の目の前まで やってきた人物は、肩に担いでいた()を、地面に落とす。

 

「……………………………。」

それは、白の全身鎧を着た、銀髪の少年だった。

顔の左半分が大きく腫れ上がっている この少年は、白眼を剥いて気を失っている。

 

「何だ?コイツ…?」

「ぃゃ…彼…は…」

唖然とした表情のイクラエルの問いに、長い金髪をオールバックに固め、左目側に猛獣の爪で抉られた様な、縦3本の深い疵を刻んだ眼光鋭い男は、少し自信無さ気、申し訳無さ気に、呟くかの如く応える。

 

「つい先程、学園に入ったと同時に其処で出会したのだが、俺の顔を見た瞬間に、『俺と勝負しろ!』って襲い掛かってきたから…つぃ、その…」

「「……………………………。」」

 

 

 

ドッドッドッドッドッドッ…

 

 




 
 
※※※
 
【悲報】作者、感想にて次回(こんかい)のネタを予想された件w
 
感想、評価、よろしくです。
 
※※※
 


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グリゴリからの遣い!

 
サトル「出番…」
 


「…で、君達は、何時まで此処に居る訳?」

駒王学園東側の住宅街で、黒のスーツを着た若い男が、2人の少女に問い掛ける。

この男の名は鈴木稔(24)。

蜷局、榊に続いて螺部と共に、駒王町入りしていた『NIN=JA』の一員である。

 

「全てが、終わる迄です。」

「会長から、一応の監視を命じられました。

これについては、貴方の上司からの承諾も、得ています。」

「あ~、さいですか。ハァ…」

この鈴木の問いに、ソーナ眷属…僧侶(ビショップ)の草下憐耶と戦車(ルーク)の由良翼沙は、事務的に応えるのだった。

 

▼▼▼

 

ドッドッドッドッドッドッ…

 

「ハッ…?!俺は…!?」

「む?気が付いたか、リアス様の兵士(ポーン)よ。」

その頃の駒王学園では、周囲に響く重低音の お陰か、龍機兵の攻撃を受けて気を失っていた兵藤が、漸く目を覚ました。

 

「チィ、古杜新都…。

まさか、貴様が やってくるとはな。」

「…アザゼル氏に頼まれた。

コカビエル氏、イクラエル氏、引き上げるぞ。」

そんな中、突如 現れた男に、コカビエルが嫌そうな顔をして話し掛ける。

古杜新都(29)。

堕天使組織【神の子を見張る者(グリゴリ)】に籍を置く、"人間"の1人である。

その大柄な体躯に見合う以上の、人外の域に到達している身体能力、肉体の強度を、神器(セイクリッド・ギア)強者の鼓動(キング・エンジン)』を発動させる事で更に強化させる事により得られる この男の戦闘力は、堕天使幹部にも匹敵していた。

 

ドッドッドッドッドッドッ…

 

…先程から周囲に鳴り響いている、この大型重機が駆動しているかの様な重低音は実は、彼の神器(セイクリッド・ギア)の発動音だったのだ。

 

「古杜よ、如何に お前でも、幹部2人を相手は、不可能では無いのか?」

「…俺は別に、戦いに来た訳じゃない。

アザゼル氏に、お前達2人の連れて帰る様に頼まれた…

只、それだけだ。」

「「…………………………。」」

イクラエルの問い掛けにも、古杜は静かに呟く様に応え、悪魔達との戦闘を中断させた堕天使は この男と対峙、一触即発な空気が周りを包み込む。

 

「バイオレート様…?」

「止めておけ。今は まだ、動くな。」

悪魔達も また、その空気を読んだのか、それを静観している。

 

 

 

「やれやれ、此処までか。

分かったよ、古杜。

…イクラエル?」

「うむ。お前が来たと云う事は、アザゼルも本気らしいからな。

不本意だが、潮時か。」

そして永い沈黙の末、コカビエルが観念したかの様に、そして苦笑しながら古杜の訴えを受託し、イクラエルも同意。

堕天使幹部2人も、魔王直属の悪魔が傍に居る中、この場で この古杜と事を構えるのは、得策で無しと判断した様だ。

 

「まぁ、そんな訳だ。

決着を着けられないのは納得が行かんが、俺達は これで失礼させて貰うぜ。」

「この魔方陣…

破壊して爆発を止めるなり、手を出さず、町が滅ぶのを見届けるなり、好きにするが良い。」

「……………………………。」

 

ヴォン…

 

「「「「「「「…………。」」」」」」」

一方的な台詞、展開に、バイオレート率いる魔王直属兵が黙っている中、転移魔方陣を開き、この場を去ろうとするグリゴリの面々。

 

「バイオレート…様?」

「…構わん。好きにさせろ。」

そしてバイオレートは、それを止めようとは しない。

この儘グリゴリの者と戦闘を続けるよりも、魔方陣破壊を優先させた様だ。

元々 彼女達は、魔王レヴィアタンから()()使()()()()()()()を命じられて、駒王町に やって来たのだ。

別に最初から、堕天使と戦闘目的だった訳では無い。

寧ろ邪魔する者が居なくなるなら、それは大歓迎な運びだった。

 

「おい、(ベヒーモス)

次に逢った時は、必ず決着を着けてやる!

改めて名乗ろう!

俺はグリゴリ幹部が1人、コカビエル!

貴様も名乗れぃ!!」

「…四大魔王が1人、セラフォルー・レヴィアタン様の戦車(ルーク)、バイオレートだ。」

それ故に、普通なら無視する様な語り掛けも、その場をこれ以上拗らせない様に、素直に対応する。

 

「ふっ…!

覚えたぞ、バイオレートよ!

次は 何方かが果てる迄、()り合おうぞ!」

「………………………。」

この応えにコカビエルも上機嫌、()()で表するなら まだ良いが、単に聞くだけでは、男が女性に対して言うには、少し不適切な言葉を残し、この場を去ろうとする。

残すは魔方陣破壊のみ…

事は穏便に、終わろうとしていた。

 

「ちょっと待てよ お前等!

散々と引っ掻き回すだけ引っ掻き回しておいて、勝手に退散かよ!!?」

「「「???」」」

 

…事は穏便に、()()()()()()()()()(過去形)。 

 

 

≫≫≫

 

 

※※※

 

◇セイジョ☆スキー◇

あの、『ドッドッド』…な音は、堕天使側の人間?が出している様だね。

 

◇名無しの悪魔◇

いや、いきなり堕天使側の人間とか言われても、ワケワカメ

 

◇セイジョ☆スキー◇

あ、ごめん。

あの音と同時に、もう1人、正確にはもう2人、新たに登場したんだ。

もっとも、そのもう1人は、最初から顔面がボコのリタイア状態だったけど。

 

◇名無しの悪魔◇

何だよ、それ(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇名無しの悪魔◇

出オチか?!w

 

◇名無しの悪魔◇

で、どうなった?

 

◇セイジョ☆スキー◇

総督さんが事態回収の為に送り込んだっていうドドド男(仮名)だけど、堕天使2人と何か少し話して、結局は撤収するみたい。

 

◇名無しの悪魔◇

堕天使が人間の言う事を、素直に聞くのか?

 

◇名無しの悪魔◇

イクラエルってのは、あんまりキャラとか知らないが、あ・の・コカビエルもか?

 

◇名無しの悪魔◇

だな。

 

◇セイジョ☆スキー◇

何だか相当な実力者みたいで、グリゴリ内でも一目置かれてる様子だよ。

結構長い睨み合いの末、結局は堕天使が折れて首をタテに振ったって感じだね。

 

◇BSADB★総督(笑)◇

そうか、何とか纏める事が出来たか。

コカビエルとイクラエル、そしてサハリエルのヤローは、戻ったら副総督のシェムハザと一緒にOHANASHIだ。

とりあえずは来月のボーナス、覚悟しときやがれ。

 

◇名無しの悪魔◇

酷ぇwww

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇名無しの悪魔◇

惨過ぎる(笑)

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

ブラック組織、グリゴリっス!!

 

◇BSADB★総督(笑)◇

ブラック言うな!

正当な処罰だろうが!

 

◇セイジョ☆スキー◇

って、あ…(滝汗)

 

◇名無しの悪魔◇

どうした?

 

◇名無しの悪魔◇

まさか、無能が何かしたのか?(汗)

 

◇名無しの悪魔◇

もしかして、帰ろうとした堕天使に、『逃げるのか?』とか、因縁つけたとか?

 

◇名無しの悪魔◇

やだー、いくらむのうでも、そんなことするわけ、ないじゃないですかー

 

◇名無しの悪魔◇

で、す、よ、ねー?(切実)

 

◇名無しの悪魔◇

事後とは言え、フラグな発言は止せ!!

 

◇名無しの悪魔◇

おい、実況?どうなんだよ??!(必死)

 

◇セイジョ☆スキー◇

い、いぐざくとりーで御座います…

但し、因縁つけたのはリアスでなくて、下僕のヒョウドウイッセイハンザイシャです…

 

◇名無しの悪魔◇

あいつかよっ!!?

 

◇名無しの悪魔◇

何やってんだよ!…ってか、居たのか?

 

◇セイジョ☆スキー◇

最初の巨大ロボとの戦闘の時に、ロケットパンチを受けて気絶、リタイアしてたんだけど、あのドッドッドの音で、目を覚ましたみたい…

 

◇名無しの悪魔◇

…で、目を覚ました途端に、それかい!?

 

◇名無しの悪魔◇

何やってんだよ!(2回目)

 

◇名無しの悪魔◇

セイハンザイシャって、雑魚なんだろ?

言うだけ言って、魔王様の兵士サンに、『先生、後はヨロシク!』とでも言うつもりかよ?

 

◇名無しの悪魔◇

だな。自分でどうにかするって考えは無いだろう。

 

◇名無しの悪魔◇

雑魚い三下感丸出しだな…

 

◇名無しの悪魔◇

いや、分からんぞ?

出来る出来ないは兎も角、無能眷属だからな。

根拠不明な『俺TSUEEEEEEE!』が発動したんじゃね?

 

◇名無しの悪魔◇

或いは、無能眷属って事で勘違いしての『俺様EREEEEE!!』

 

◇名無しの悪魔◇

あー。

 

◇コヤス=サン◇

他の下僕君達は兎も角、あのセイハンザイシャとリアスは、相手の強さを測るって事を知らないっぽいからなぁ…

貧弱、貧弱ぅ!な分際で…

 

◇名無しの悪魔◇

敵とのレベル差を察知するとか…

 

◇コヤス=サン◇

それが出来るレベルに、至ってない!!

 

◇名無しの悪魔◇

敵の強さが分かるのも、また強さとはいうけどねぇ…

 

◇名無しの悪魔◇

つまり、雑魚い、と。

 

◇コヤス=サン◇

いぐざくとりーで御座います!

 

◇名無しの悪魔◇

てか、流行ってんのか?それw

 

◇セイジョ☆スキー◇

(笑)

…じゃないよ!

本当、何を考えてんだよ!

何様だよ!?

結構不利だった中、折角あちらから帰ろうとしてるのに、余計な口出し、してんなよ!

事が終わるってのが分からないのかよ?

テメーが更に引っ掻き回してるのが解らないのかよ!?

本当、主共々に無能を自覚して、引っ込んでろ!

空気読めよ!

バカなの?死ぬの…てかバカだろ!?このバカ!!死ね!マジに死ね!

 

◇名無しの悪魔◇

ちょ…?

 

◇名無しの悪魔◇

落ち着け?

 

◇名無しの悪魔◇

何だか、マジにキレてないか?

 

◇コヤス=サン◇

こりゃ、スレ主氏による無能っぷり暴露でなく、リアルにそれを目の当たりにして、改めて憤り倍増してるな。

 

◇名無しの悪魔◇

冷静か?!

 

◇名無しの悪魔◇

いや、それでもキレ過ぎでね?

 

◇名無しの悪魔◇

とりあえずセイジョ好き=サン、落ち着け

 

◇名無しの悪魔◇

怒り過ぎだな?いや、気持ちは分かるけど

 

◇名無しの悪魔◇

( -_-)つ《牛乳》

 

◇BSADB★総督(笑)◇

("-_-)つ(小魚)

 

◇コヤス=サン◇

(*`∇´)つ『フェニックスの涙』

 

◇名無しの悪魔◇

(`・ω・)つ【カルシウムプロテイン】

 

◇セイジョ☆スキー◇

すまない…それと、ありがとう。

とりあえず、僕がキレてる間の動き…

ありのまま 今 起こった事を話すよ!

 

 ▽

堕天使達、一瞬セイハンザイシャを何だか可哀想な子を見る様な顔をするも、直後に無視して帰ろうとする。

 ↓

セイハンザイシャ『無視かよ!舐めてんじゃねーよ!』

左腕に手甲みたいな神器?を出して、堕天使達に突撃

 ↓

ドドド男(仮名)が迎撃。

手からドラゴン波みたいなの、出たぁ!!?

 ↓

ドラゴン波?、セイハンザイシャに直撃。

セイハンザイシャ、ぶっ飛ばされてグランドを何回かバウンドしてダウン。

動かない。死んだ?

 ↓

ドドド男(仮名)『いや、正当防衛だから…

大丈夫。きちんと手加減したから、死んでいない。』

どうやら気絶しているだけみたいだ。

ちぃ!何やってんだよ、ドドド男(仮名)!

手加減なんかしなくて、殺して善かったのに!

 ↓

堕天使とドドド男(仮名)、改めて魔方陣での転移で、学園から立ち去る。

 

◇コヤス=サン◇

おいおい…www

 

◇セイジョ☆スキー◇

それで現在、残った巨大魔方陣を、残りの動ける者達で、破壊しようと頑張ってる。

堕天使が言うには、あの魔方陣に溜まっている魔力が暴走して、あと数分で、駒王町が壊滅する程な大爆発が起きるらしい。

 

◇名無しの悪魔◇

何と?!

 

◇名無しの悪魔◇

駄肉の管理地、終了のお知らせ?

 

◇セイジョ☆スキー◇

そんな訳で、僕は一時、退散。

実況を打ち切らせてもらうよ!

続く!

 

 

※※※

 




 
鈴木稔…鈴木(幽遊白書)
古杜(こもり)新都(にいと)…キング(村田版ワンパンマン)
…のイメージで。
 
次回、エクスカリバー編、締めます。
感想、評価、ヨロシクです。


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崩壊?駒王学園!!

 
エクスカリバー編、終了!
長かった…
 


 

「でぇいやっ!」

 

ガィンッ…

 

木場が魔方陣の光の柱目掛け、巨大な魔剣での斬撃を放つが、柱は びくともしない。

 

「そんな…罅すら、入らなくなっている?」

先程は確かに、僅かだが綻びを与えた一撃が、今度は全くの効果が確認出来ない。

 

「クソ!どうなっているのだ?!」

バイオレートの部下達も矛や剣等の、手にした武器や魔力弾での攻撃を繰り出し、その初撃は、確かに僅かに手応えを感じさせたが、それ以降は木場と同様、柱に傷1つ点ける事が出来ない。

しかも この柱、ダメージを受けた箇所を、自己修復しているのだ。

 

「この柱…いや、魔方陣か?

我々の攻撃を、学習しているとでも言うのか!?」

悪魔の1人が、そう呟く。

しかし その言葉通り、初手は通じるも二手が通じない この状況は、そう分析、理解納得する他に無く。

 

「…と、いう事は、部長の滅びの魔力も既に通用しないし、デュランダルでの攻撃も、弾き返すって事なのか?!

…だとすれば!」

木場が そう結論付け、ならば まだ魔方陣に攻撃を加えていない、イリナの方を向いてみると、

「そんな…嘘…嘘よ…」

「信じない…私は、信じないぞ…!」

ゼノヴィア共々、先のイクラエル達の発言、"神の死"を受け入れられず、心此処に在らずの放心状態。

とてもじゃないが、攻撃を呼び掛ける事が出来る心理状態では無かった。

 

「くっ…!」

「ぅぅ…」

「ひ…」

そして同様に、まだ魔方陣に攻撃していない朱乃は、リアス、ギャスパーと共に、コカビエルの放った麻酔羽根が未だ効いており、体を動かす事が出来ず。

 

「皆、下がっていろ!!」

 

ドン!

 

そこに前に出たのは、バイオレートだ。

部下達を後退させ、再び本来の姿である巨大魔獣(ベヒーモス)に姿を変える。

その際に また、纏っている鎧や その下の闘衣(アンダー)は弾け飛び、一瞬 人型での全裸となる。

…が、彼女は元々が野生の獣なので、裸に対する羞恥心は持ち合わせておらず、その辺りは本人は気にしていない様だ。

但し部下達からすれば、やはり(少なくとも見た目は)若い美女の裸体は一瞬とは云え、 眼福 目の やり場に困るらしいが…

因みに こういう場面で大喜びしそうな兵藤は現在、先程 去り際の古杜新都の気功波を浴び、気絶中である。閑話休題。

 

『ぶるぉぉぁおおおあおおぅっ!!』

 

そして猛々しい咆哮と共に、前足での強力な振り降ろし。

龍機兵の1体を、一撃で大破させた一振りだ。

 

ガギィィイッ!!

 

同じ攻撃での()()が通じないならば、初撃でキメる必要が有る。

それを踏まえての、現状での最大級の攻撃が為された。

 

『ちぃい…!』

「「「「駄…駄目か…?」」」」

しかし、その一撃でも、結局は破壊は叶わず。

今迄の攻撃で、最も大きな亀裂を作る事は出来たが、それでも破壊には至れず。

そして それは、魔力陣破壊の手段が現状では無くなったに等しかった。

 

『仕方無い!ならば少しでも被害を…

学園敷地内に防護結界を張れ!」

「「「「「「「ハッ!」」」」」」」

指示を出しながら、またも鎧を纏う人型の姿を取ったバイオレートが、部下達と共に、結界の術式を構築させて行く。

残された時間も僅かとなり、即座に被害を最小限…爆発阻止から、爆発を学園内に留める構えに切り替えだ。

 

「リアス様の眷属殿! 貴方はリアス様達と共に、学園の外に退避を!」

「は、はい!」

そして木場には、動けないリアス達を、学園外に避難させる様に指示。

それは暗に『邪魔』と言っているのと同意だが、木場は それを理解していながら突っ掛かる事無く、素直に応じる。

  

「全く…仕方無いわね!」

「気にするな。困っている先輩殿を手伝うのも、後輩の勤めだ。」

「あ…ありがとぅ…」

そこに、漸く現実逃避から還ったイリナとゼノヴィアが、木場のフォローに入り、リアスや兵藤達を、学園の外に運び出す。

…尚、古杜が この場に姿を見せた時に、一緒に()()()()()白鎧の少年は、何時の間にか姿を消していた。

 

▼▼▼

「ハァ…出番ですか?

天照様の嫌な予感、大当たりかよ!」

 

「いよいよ、だねぇ…」

 

「ケッ!始まりやがったか?」

 

「思っていた以上に、魔力の波動が強い。

やはり、堕天使が張った結界だけでは、持ち堪えそうにないぞ!」

その頃、学園の東西南北で それぞれ待機している鈴木、蜷局、榊、螺部達、『NIN=JA』の面々も、同時に指で()を構え、特有の法術を唱える。

 

「「「「東に青龍、西に白虎、南に朱雀、北に玄武!

此に行使するは四神道・守の法 其乃壱、『玄武結界乃陣』也!!」」」」

 

ブォォオ…

 

それにより、常人では不可視の、無数の六角形で構成された翠色の結界が、最初に堕天使達が施した結界を包む様に、ドーム状に展開された。

 

≫≫≫

「な…これは…?!」

「結界…ですと…?」

その様子を、内側で防御結界を組み上げている途中の、バイオレート達が驚きの顔を浮かべるが、事は、それだけで終わらなかった。

 

パラァ…

 

「「「「「「!!???」」」」」」

今度は上空に突如、幾千幾万の銀に輝く長い刃が出現。

 

「あれは…聖剣…なのか?」

バイオレートが呟く中、その聖なる刃は、次々と堕天使の結界の内側に貼り付き、コーティングされていく。

結果、駒王学園は銀色のドームで覆われた形となった。

 

「何者かは分からぬが…」

「邪魔立てする心算では、無い様ですな!」

そう言って口を動かしながら、悪魔達も結界を完成させる。

 

「よし!我々も、この場を離れるぞ!

動けない者を回収して、一時退避する!!」

「「「「「「ハッ!」」」」」」

 

 

 

 

…この約1分後、学園は大轟音と共に消し飛び、其処に残されたのは、広さは学園敷地全体に及び、深さも計り知れない程に深い、巨大クレーターだった。

学園を囲っていた四重の結界も、一番外側、『NIN=JA』の面々が造った亀甲の如くな結界が、大小無数の罅割れを刻みながらも、辛うじて その存在を保っていると言った具合だった。

尚、周囲には予め、認識疎外等の結界を張り巡らせており、一般の者で この異変に気付いた者は、皆無である。

 

▼▼▼

「…って、言ってたのに…」

「見事に、復元されていますね。」

翌朝、学園の前に立ったサトルと白音は、ポツリと呟く。

深夜、螺部から学園崩壊(町の壊滅阻止)の報せを聞いたサトルと白音は、「こりゃ学校は休みか?」と思いながらも通学、学園に到着してみると、其処には普段と変わらぬ光景だった。

 

「駄肉や会長さん達が、直ぐに修復に入ったってのは、聞いていたけど…」

「仕事が早過ぎですね。」

螺部達から、学園崩壊の後、その場に駆け付けたソーナ達や麻痺から快復したリアス達、そしてバイオレート達が直ぐに、修復作業に着手したのは聞いていた。

仮に そうだとしても…が、2人の感想である。

 

≫≫≫

「いや…マジに丁寧過ぎだろ…」

「いーしごと、してますねー。」

教室に入ったサトル達は、改めて その一晩での修復…復元っ振りに感嘆。 

黒板の拭き残しの汚れや、机や床の小さな傷、更にはサトルが自身の机の中に仕舞っていた、ノートや教科書の書き込み迄、きちんと再現されているのである。

美術の教科書の中〇画伯の肖像画、その額に書かれた『肉』の文字の落書きも、筆跡その儘に…だ。

 

「〇ェバンニも びっくりだぜ…」

尤もサトル達は、学園に漂う、微かな認識疎外の術式の気配も感じ取っている。

これは恐らく、この再現度でも本当に完璧な再現には至らず、その僅かな違和感を、一般の生徒や職員達に感じさせない為の措置なのだろう。

結果、事情を知っている者以外は、駒王学園は今日も、平常運転である。

 

▼▼▼

「えー、迷える子羊に、お恵みを~っ!」

「どうか天に代わり、哀れな私達に、御慈悲をおおぉっ!!」

その頃、町の商店街で、必死に御布施を集めているのは、ゼノヴィアとイリナだ。

エクスカリバーは学園崩壊と共に完全に消滅し、教会…天界から受けた聖剣奪還の任務は、失敗と終わった。

その後 彼女達は、その任務失敗の報告と共に、堕天使幹部から聞かされた、『神の死』について問い質す。

…結果、彼女達は異端認定され、教会…天界から、除名追放の処分を受けてしまう。

宿泊していたホテルをチェックアウトした彼女達には、()()()()は全く残っておらず。

先日に同じ場所で行っていた御布施集め…その原因となった、支給された路銀の殆どを用いて購入した、『聖人が描かれた?絵画』を質に入れるも、それで得られた額は、購入した時とは文字通りに桁違いな二束三文だった。

 

「腹減った…」

「うぅ…私達、これから どうなるの?

嗚呼、パンの1つさえ買えない私達!」

衣食住、そして お金も無く、正しく明日も見えずに路頭に迷う2人だが、流石に自らの身体を商品にして稼ぐという発想には至れず。

 

「よし、寺を襲って、賽銭箱を奪うぞ。」

「だ、駄目よ!住所不定無職がするのと私達が それを行うとでは、大違いよ!

エクソシストが寺を襲撃となれば、【日本神話】が天界にクレームをしてくるのは間違い無いし!」

「私達は既に元・エクソシスト…云うならば"はぐれ"だ。

今更 天界に迷惑が被ろうと、知った事では無い。

寧ろ、それは『ざまぁwww』だ。」

「貴女、もしかして天才?

てっきり唯の脳筋かと思っていたわ!」

「喧しいわっ!!?」

…その代わり、かなり物騒な話に至ろうとした時、

「やぁ、君達。

少し、話しても良いかな?」

「んぁ?」「ほぇ?」

この2人に、1人の少年が声を掛ける。

金髪の少女を後ろ側に控えさせた、深緑の髪の、目が細い少年だ。

 

「貴様、悪魔…だな?」

「わ、私達に何の用なの?」

これに先程まで、空腹で少し間の抜けた顔をした2人が、少年の正体を見抜き、"戦士"の顔となる。

 

「ははは…僕の素性が判ってるなら、話は早いよ。」

しかし それに対して少年は笑いながら、両掌を前に向け、戦意が無いことをアピール。

そして その上で、更に微笑みながら、元・エクソシストの少女2人に語り掛けた。

 

「いや…『神の死』を知って異端認定、行き場を無くした君達に、所謂"悪魔の囁き"ってヤツをしに来たんだけど…

どうだい?

今だけ、少しだけで良いから、耳を傾けてみる心算は無いかい?」

 

 




 
感想、評価、よろしくです、
 
次回:『白音たんの昔語り』(予定)
 


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METAllic & FAN,Jibe talk

  
【注意&警告!】
この小説は、ラノベ(フィクション)を原作とした、更なるアンチ系の二次小説(フィクション)です。
実在の個人、団体、出来事とは一切関係ありません。
あたかも現実(リアル)の存在への誹謗中傷をしたが如く、マジになったりは しないで下さい。
特に今回は、普段よりアンチ度が高いですので、()()()()()()は、今直ぐに撤退を。
読んだ後で「不快だ」とか言われても、責任は持てません。
…って、俺、アンチ・ヘイトのタグきちんと付けてるよね?
あらすじにも注意書きしてるし、このページ見てる時点で これ、アンチ作品って承知してるよね?
 
※今回は殆ど、ネット掲示板描写です。
※小説オリジナル設定、入れました。
 


 

※※※

 

◇名無しのxanadu◇

【悲報】戴いたコメントが悉く、運対される件

 

◇名無しの悪魔◇

何だ?いきなり?

 

◇名無しの悪魔◇

誰?

 

◇名無しのxanadu◇

某サイトで、とあるスレを立ち上げている者ですが…

 

◇名無しの悪魔◇

あ、

 

◇名無しの悪魔◇

あー(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

某サイトのスレ主かwww

 

◇名無しの悪魔◇

察し

 

◇名無しの悪魔◇

アンタだったかw

 

◇名無しの悪魔◇

名前で察するべきだった(笑)

 

◇名無しのxanadu◇

イグザクトリーでございます。

ここのスレ、自分ん所以上に個人の事をボロクソなのに全然、規制されてないよね…

 

◆スレ主◆

そりゃ、ここは俺がサイトから立ち上げているからな。

俺が運営(おや)だ!

俺がルールだ!

 

◇セイジョ☆スキー◇

確かに。勝手に他人のハンネ、固定する横暴っ振りだからねー(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

いや、アナタのそれは、事実でしょうが。

情報は入ってるわよ?

この前、新たに教会関係者の女の子を眷属に迎えたそうじゃない。

 

◇名無しの悪魔◇

なにーっ!?

 

◇名無しの悪魔◇

な、何だってーーーーーーっ!!!!

 

◇名無しの悪魔◇

ちょっと待て。

教会関係の女の子って、タイミング的にこの前の美少女(きょぬー)らしいエクソシストじゃないだろうな?

 

◇名無しの悪魔◇

まさか、2人まとめてか?

 

◇名無しの悪魔◇

まさか、元・教会関係者相手に背信プレイとか、してるとか?

 

◇セイジョ☆スキー◇

ふっ、"幸せのセイジョ☆スキー"と呼んでくれたまえ。

Wぱふぱふ、最高だよ!

 

◇名無しのしっとマスク◇

死ね!

 

◇名無しの悪魔◇

羨ま死ね!

 

◇名無しの悪魔◇

お前はコー〇サワーか?(笑)

 

◇名無しのxanadu◇

そうか、自分でゼロから立ち上げてたのかー

全然、規制が掛かってないのも納得だよ

 

◇名無しの悪魔◇

実は俺、あっちの常連でもあるけど、あっちはマジ、直ぐに運対されるからな。

 

◇名無しの悪魔◇

俺もだ。運対の多さにワロテルwww

 

◇名無しの運対常連◇

アッチは駄肉、無能、性犯罪者て単語を入れただけで、ソッコー通報→運対だぜ

 

◇名無しの悪魔◇

((( ;゚Д゚)))ガチの信者怖いガチの信者怖いガチの信者怖いガチの信者怖いガチの信者怖いガチの信者怖いガチの信者怖いガチの信者(…中略…)怖いガチの信者の怖いガチの信者怖いガチの信者怖いガチの信者怖いガチの信者怖いガチの信者怖いガチの信者怖い…

 

◇名無しのxanadu◇

コメント内容確認からの返信前に、既に運対されてるのも、しばしば。

いや、ホント申し訳ない。m(_ _)m

 

◇名無しの四次元殺法◇

 ◎ ☆

良い子の諸君!

感想に『無能』『駄肉』『性犯罪者』等のワードを入れると、ほぼ100パー運対されるから気を付けろ!

 

◆スレ主◆

ぶっちゃけるか?

実はコッチにも、かなりな数の通報は有るんだ。

尤も俺が・ルール!…だから、全部無視してるけどwww

 

◇名無しの悪魔◇

ぶふぁっ?!www

 

◇コヤス=サン◇

つまり、いくら通報しても、無ぅ駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁっ!…と。

 

◇名無しの悪魔◇

横暴としか言えねーwww(褒めてる)

 

◇名無しの悪魔◇

通報してる奴等、ごくろーさんとしか言えねwww

 

◆スレ主◆

www

そゆ事。

因みにさっき、かなりな数の通報って言ったけど、通報してくるヤツって、殆ど同じヤツ等。

数人程度、スレにコメントはしないけど、通報の常連てヤツがいる。(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

まじすか?(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

ガチな無能駄肉信者かよ

 

◇名無しの悪魔◇

居るんだwww

 

◇名無しの悪魔◇

だから、リアルと二次の区別くらい、きちんとしなさいっての…

 

◇名無しのxanadu◇

以前、ガチにその辺を言われた事がある。

 

◇名無しの悪魔◇

何それ恐い

 

◇名無しの運対常連◇

【悲報】リアルと二次の区別の付かないヤツに、絡まれた件www

 

◇名無しのxanadu◇

いや、その時は恐いの前に、『これはネタだ!』って思ったけど(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇セイジョ☆スキー◇

ポジティブだね(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

偶にこっちにも沸く、『キョーミーナイネー』とかも、その類いでしょ?

 

◇名無しの運対常連◇

アンチ系嫌いなら、見たりせずに無視してれば良いのにねぇ?

 

◇名無しの名無し◇

しかも、アンチタグ付けてるのに、それを承知でアクセスするから、ワケワカメ

 

◇名無しの悪魔◇

それな

 

◇名無しの悪魔◇

わざわざ文句つける為だけに閲覧するって、怖いわ

((( ;゚Д゚)))

 

◇名無しの運対常連◇

いや、マジにいるんだよ!

読む価値無しな低評価付けてる癖に、ずっとそれだけな為に憑いてるヤツって。

このxanadu氏以外の所でも何人か確認できてる。

 

◇名無しの悪魔◇

小せぇw

 

◇名無しの運対常連◇

しかも、文句憑ける為だけに、一番最初から終わりまで、全ての文章に目を通してる様なヤツ

 

◇名無しの悪魔◇

怖っ?!

 

◇名無しの運対常連◇

結果、普通に見てる人よか、遥かに内容に詳しく、熱く語れる。

 

◇名無しの悪魔◇

…それ、実はファンだろ?

 

◇名無しの名無し◇

俺も別サイトで見た事あるよ。『アンチがどーだ』『ヘイトがこーだ』って、熟読してるヤツにしか書き込めない様な内容だったwww

 

◇名無しの悪魔◇

wwwー!!

 

◇名無しの運対常連◇

某所でさぁ、『アンチを書く為だけに原作を買ってるとしか思えない』って書き込みを見たけど、アンチだろが王道だろうが、二次を書く為に原作を買うってのは、別に普通と思うのだが

 

◇名無しのxanadu◇

別に原作嫌いでなくても、アンチ系が頭に浮かんだから書いてるって人も、いると思う。

 

◇名無しの悪魔◇

文句を言う為だけに、そのアンチ・ヘイトを完読する様な奴等には、言われたくないよな(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

金払ってるなら兎も角、タダで見てる分際で文句をねぇ…

嫌なら最初から見るなよって話だよな

 

◇名無しの名無し◇

その辺り、『通報が趣味』とかでなくて、目から鱗な理由が聞きたい

 

◇ガチ・シンジャ(マジ)◇

クレームが趣味

それと、『アンチは赦ちまてぇん!』な、謎の使命感www

 

◇名無しの悪魔◇

止めなさいってwww

しかしマジ、アンチが不快なら、見なけりゃ良いのに、何故に見る?…的な

 

◇名無しの悪魔◇

病んでるよなぁ…

 

◇名無しのジェミニ◇

きもーい

 

◇名無しのジェミニ(次女)◇

きしょーい

 

◇名無しの悪魔◇

マジに通院を薦めるぜ

 

◇名無しの悪魔◇

メンタルへ!

 

◇名無しの名無し◇

それと、ハンネ変えてアンチ(…のアンチ)コメ連投してるヤツな。

別人多人数を装っても、ID同じだからバレバレだってのwww

 

◇名無しの悪魔◇

(笑)

 

◇名無しのxanadu◇

好意的な感想を小出ししてくれる分には、嬉しいんですけどね

 

◆スレ主◆

てゆーか、つい先程、また熟読者と思われるアンチからのクレームが届いたのですが…(汗)

『こーゆースレ』だから好みでない人は即座にバックしろって、一番最初に記してるのに、何故に態々アクセスするんですかね?(困惑)

  

 

※※※

 

 

≫≫≫

 

 

※※※

 

 

(中略)…以上が、私が先輩殿から聞いた、教会…延いては天界が行っていた、『聖剣計画』の全貌だ。

 

◇名無しの悪魔◇

まじすか…

 

◇名無しの聖剣使い(天然)◇

ああ。私も噂に聞いていた程度…で、身内(当時)ながら不快な話だったが、実際にその被験者だった先輩殿から詳細まで聞かされた日には、改めて『無いわぁ…(汗)』と思ったね。

 

◇名無しの悪魔◇

つまり、天界って、その計画の責任者だけを悪人扱いで追放して、計画その物は『使える』みたいな感じで継続していた…と?

 

◇名無しの聖剣使い(天然)◇

いぐざくとりぃ…

 

◇名無しの悪魔◇

天界て、マジくそだな

 

◇セイジョ☆スキー◇

僕も彼女からその話を聞かされ、どん引いた。

 

◇名無しの悪魔◇

普通は外道の策として、完全に凍結するぜ?

 

◇名無しの悪魔◇

正しくリアル悪魔の所業だぜ

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

グリゴリ以上にブラック組織っスね

 

◇名無しの悪魔◇

俺はこれ、初めて知ったのだけど、有名な話なん?

 

◇名無しの悪魔◇

な訳ないし。

天界の連中が隠蔽してたに決まってる

 

◇名無しの悪魔◇

よし、拡散だ、拡散!

 

◇名無しの悪魔◇

おー!

 

◇名無しの悪魔◇

らじゃ!

 

◇名無しの悪魔◇

しかし、あんな糞連中が、地上で『私達が正しいです』みたいな感じに人間に刷り込みしてるのはマジにムカつくな

 

◇名無しの悪魔◇

ま、俺達が正義の味方って訳じゃないけど、あんな糞みたいな連中に悪役扱いされるのは、確かに納得いかねーな

 

◇名無しの悪魔◇

おら、天界関係者、見てるんだろ?

何か反論してみろよ?www

 

◇名無しの聖女(元)◇

天界や教会なんて、所詮は自分の面子や利権しか考えずに上部だけ繕い、表にだけ善い顔をする、クズな連中なのよ

都合悪くなったら黙り決めるに決まってるわ

 

◇名無しの悪魔◇

つまり、偽善者

 

◇名無しのエクソシスト(元)◇

うぅ…元・関係者としてごめんなさい…

 

◇名無しの聖剣使い(天然)◇

同じくだ。謝罪で済む事じゃないのは理解しているが…

 

◇名無しの聖騎士(元)◇

ちょっと待て!

彼女達は もう、その辺りは悔い改めて、我等が主の下僕となったのだ。

謂わば、私の後輩!

そして後輩の業は、先輩である私の業も同じ!

彼女達に罵声を浴びせる心算なら、この私を詰れ!

この身と心は、我等が主の物故に、えちぃ要求には応じられぬが、罵詈雑言ならば彼女達に代わり、私が受けよう!

さぁ、気が済むまで、暴言を吐くが良い!

 

◇名無しの悪魔◇

いや…そこまで考えてなかったし…

 

◇名無しの悪魔◇

ってか、そんな後輩思いの優しい先輩とやらに…ねぇ?

 

◇名無しの悪魔◇

すっげー罪悪感しか残らないんですけど…

 

◇名無しの悪魔◇

ですよねー

 

◇名無しの悪魔◇

以前は敵対勢力だとしても、今は同胞なら…

 

◇名無しの悪魔◇

反省してるなら、ねぇ?

 

◇名無しの悪魔◇

しかも女性相手やし…

 

◇名無しの悪魔◇

お前等、本当に悪魔かよ?www

良い人すぎないか?

まぁ、俺も同意だが(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

如何に悪魔として、人の道(地上基準)を外せども、漢の道まで外す心算は微塵も無い!

 

◇名無しの悪魔◇

かっけーっ!!

 

◇名無しの悪魔◇

アニキと呼ばせてください!

 

◇名無しの聖騎士(元)◇

な、何だと?!

いや、ちょっと待て!?

遠慮する事は、無いのだぞ?

普段から溜まっている牡の肉欲を暴言に変え、惜しみ無くぶちまけるが良い!

私はどんな罵り…言葉の蹂躙にも、屈しはしないぞ!

さぁ、はりーあっぷ!!

 

◇名無しの悪魔◇

ちょ…?

 

◇名無しの悪魔◇

あー、察し…

 

◇名無しの悪魔◇

察し…そーゆーキャラか…

 

◇名無しの悪魔◇

察し。

誰か、次の話題、振ってくれ(切実)

 

◇名無しのブラックドラゴン◇

(〒Д〒)うぉぉおぉっ!■■(本名出したので修正しました Byスレ主)、辛かっただろ!

チキショ!世の中、神も仏もいないぜ!

お前も苦労してたんだな!

正直、俺はお前の事を、無意味にキラキラなエフェクトをばら蒔いて、女子にモテまくるイケメンクソヤローって思っていたけど、今までそんな感情を持っていた自分が恥ずかしいぜ!

すまなかった!

 

◇名無しの眼鏡(注:メロンの方よ)◇

■■きゅん、大丈夫だからね!

みんな、キミの味方だから!

私達に出来る事なら何でも協力するからね!

 

◇セイジョ☆スキー◇

胃薬、いるかい?

 

◇名無しの悪魔◇

ん?この聖剣計画被験者の先輩イケメンとやら、セイジョ☆スキー氏と知り合いか?

 

◇セイジョ☆スキー◇

彼とは、胃薬友達さ。

彼は本当に普段から苦労人だから、そろそろ報われるべきだよ。

彼と云い、僕の眷属と云い、自ら逸材を手放す真似をするんだから、天界は本当に愚かだよ。

 

◇名無しの悪魔◇

胃薬友達…www

 

◇名無しの悪魔◇

何となく、このイケメン君とやらの所属が、分かった気がしたぜ

(.-_-)つ[胃薬]

 

◇名無しの悪魔◇

あー、イケメンて、アイツの事か

(:-.-)つ「胃薬」

 

◇名無しの悪魔◇

( ・ω・)つ(胃薬)

 

◇コヤス=サン◇

( `▽´)つ【フェニックスの涙】

 

◇セイジョ☆スキー◇

m(_ _)m

それと、ウチの戦車が何だかスイマセン…

  

 

※※※

 

 

≫≫≫

 

 

※※※

 

◆スレ主◆

【凶報】バチカンが先日の襲撃を〇〇〇〇教過激派の仕業として、公に発表した件

 

◇名無しの悪魔◇

まじ?

 

◆スレ主◆

まじ。朝のニュースでやってた。

 

◇名無しの悪魔◇

いや、教会とかも、グリゴリの仕業って分かってるよね?

 

◇名無しの悪魔◇

〇〇〇〇教、『冤罪だー!』とかブチキレるんでね?

 

◇名無しの悪魔◇

次、マジにテロ食らうぞ?

 

◇名無しの悪魔◇

まぁ、世間一般に、『堕天使が巨大ロボで攻めてきた』なんて発表、出来る訳がないけど…

 

◇名無しの悪魔◇

確かに何時までも犯人が分からないって訳も行かないだろうがな…

 

◇BSADB★総督(笑)◇

それについてはミカエルが法王と一緒に直接、先に■■■■■(ヤヴァイ名前なので修正しました Byスレ主)の所に行って、話したらしい。

冤罪ふっかける賠償として、かなりの金が動いたらしいぜ。

 

◇名無しの悪魔◇

総督だ!

 

◇名無しの悪魔◇

いや、金て…

 

◇名無しの悪魔◇

それでまた、世界中で破壊活動されたら、無関係な人間も堪らないな

 

◇BSADB★総督(笑)◇

その資金で何かやらかしたら、今度はそれを大義名分にして、一気に潰す心算なんだろうよ

 

◇名無しの悪魔◇

それ、何てゆうマッチポンプ?!

 

◇名無しの悪魔◇

天界、まじ最悪だな

 

◇BSADB★総督(笑)◇

まぁ、奴等、自分達に都合悪い事は、何でも力技か異端に設定する事で排除する連中だからな。

そもそも、『汝、姦淫するなかれ』も、元々は神(オヤジ)でなくて、ミカエルが言い出した事だからな。

 

◇名無しの悪魔◇

マジ?

 

◇BSADB★総督(笑)◇

応。ぶっちゃけオヤジはそんな是非、どっちでも良いって感じだったが、ほれ、アイツ、御粗末さんだから…

 

◇名無しの悪魔◇

(,☆З☆)<ブーッ?!

 

◇名無しの悪魔◇

そう言えば、前にそれで凄い盛り上がったよなwww

 

◇名無しの悪魔◇

察し(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

コーヒー返せしw

 

◇名無しの濁酒◇

♪大~きなイチ〇ツぅをくぅださい~♪

 

◇名無しの悪魔◇

だから止めろってwww

 

◇名無しの悪魔◇

まさかそれで、当時の彼女?に「ぷーくすくすwww」とか言われて、それで腹いせで、そっち系、全面禁止したってオチ?

 

◇BSADB★総督(笑)◇

EXACTLYEで御座います!!

 

◇名無しの悪魔◇

マジかwww

 

◇名無しの悪魔◇

マジか…

俺、今、少しボケてみただけなんですけど…

 

◇名無しの悪魔◇

信者、とんだとばっちりだなwww

 

◇名無しの悪魔◇

確か、MAXが一般成人男性の通常モードよりも御粗末さんだったっけ?

 

◇BSADB★総督(笑)◇

あくまでも推測だけどな(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

てか、天使って、ヤれば堕ちるんですよね、総督?

 

◇BSADB★総督(笑)◇

応。乳を揉むだけでアウトだぜ。

それも全部、あのヤローの設定だよ!

前に誰か言ってたが、賢者(笑)になってもアウトだwww

 

◇名無しの悪魔◇

賢者…www

 

◇み・かえる=サン(仮名)◇

『くっそー…何が、『せめて、MAXで普通の人の通常モードを越えてからね♪ぷーくすくすwww』だよ…

そうだ、こんな不純、破廉恥極まりないな行為は、背信の他にありません!

神の名の下に、禁忌とします!』

 

◇名無しの悪魔◇

wwwwwwwwwwwwwww

 

◇名無しの悪魔◇

…って、総督やその他、堕天使の皆さんが堕ちたのって、もしかして…

 

◇BSADB★総督(笑)◇

応よ、全部、あの短小ヤローの施した設定のせいだよ!

因みに、設定以前に『卒業』してた連中も、その時に男女問わず、強制的に一緒に堕ちやがった!

 

◇名無しの悪魔◇

それは非道ぇ…

 

◇名無しの悪魔◇

わ、笑えねぇwww

 

◇名無しの悪魔◇

いや、笑ってるしw

 

◇名無しの悪魔◇

ミカエル、最低だな

 

◇名無しの聖剣使い(天然)◇

小さいな。

…いや、■■■(女の子が口にするのは不適切なので、伏せました Byスレ主)のサイズでなくて、人物の器がな…

参考までに、我が主の■■■は先輩眷属曰く、『可もなく不可もなく』な、標準やや増しなサイズだそうだ。

 

◇名無しのエクソシスト(元)◇

確かに事の予習として(先輩達に勧められて)観た、むしゅーせーどーがに出てきた男の人の■■■■(女の子が…以下略 Byスレ主)と比べても、それと同じか、少しだけ劣る程度だったし

 

◇名無しの悪魔◇

いや、聞いてないし(笑)

 

◇名無しの聖剣使い(天然)◇

いや、言わせてくれ!

えっちは…凄く気持ち良かったぞ!(はぁと♪)

自分がまともに楽しめないからと言って、下の者達にもそれを巻き込む様に禁止するとは、ミカエルは本当に器も■■■も、高が知れている!

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

くっそー!おのれ!セイジョ☆スキー!

 

◇名無しの悪魔◇

しかし、そんなにおそ松さんなら、仮に至ったとしても、早いのでしょうね~(笑)

 

◇BSADB★総督(笑)◇

挿・速・射!!

 

◇名無しの悪魔◇

ぶふぁあっ!?

 

◇名無しの悪魔◇

止wwwめwwwれwww

 

◇名無しの悪魔◇

草ーっ!www

 

◇名無しの悪魔◇

しかしこの総督、マジにミカエルに容赦無いなw

 

◇名無しの悪魔◇

アレ(笑)をこのスレで晒したの、まだ根に持っているんだなw

 

◇BSADB★総督(笑)◇

喧しいわ!

 

◇名無しの悪魔◇

てか、そろそろミカエルが、文句言ってきそうな気がするんですけど?

 

◆スレ主◆

いや、暫くはミカエルに限らず、天界の連中は顔を出さない、いや、出せないさ。

今インしたら逆に、〇〇〇〇教の事や、聖剣計画について問い詰められると思っているだろうからね。

 

◇BSADB★総督(笑)◇

…だな。(笑)

 

 

※※※

  

 

≫≫≫

 

 

 

 

 

 

どっかぁ~~~~~ん…!!

 

「ハァ…ハァ…

本当に…いい加減にしなさい!

何なのですか? 私が御粗末さんで、誰かに迷惑掛けましたか?」

 

 

この日、天界の最上層で、謎の大爆発事故が起きたと云う…

 

 




 
①然り気に初登場?
セイジョ☆スキーさんの戦車(ルーク)の、何とかティーナさん(笑)
 
②今回の文章構成にて、メッセージボックスを通じてネタ提供してくれた■■■■氏と■■氏、スペサンです。m(_ _)m
また、よろしくwww
 
③前話後書きの次回予告と内容が一致しないのは、何時もの事。
『(予定)』は あくまでも予定であり、『決定』では無いですから(笑)。
 
感想、評価、よろしくです。


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お母たま(仮)

 
前回アップの、前の話として投稿します。
サブタイは、浮かんだら変更します。
 
殆どが台詞www
 


 

※※※

 

◆スレ主◆

少し前に、宿題扱いしていた、無能眷属のギャスパー・ヴラディの件だけど。

 

◇名無しの悪魔◇

え?何かあったけ?

 

◇名無しの悪魔◇

ほれ、あの男の娘が体育の時、女子と一緒に着替えてる時に、クラスメートの腐女子に襲われないかってヤツでしょ?

 

◇名無しの悪魔◇

あー、(ポンッ!)

 

◇名無しの悪魔◇

そう言えば、そんなのあったね

 

◆スレ主◆

この度、ギャスパー・ヴラディのクラスメートの女子とアクセスに成功。

それとなく、疑問点を聞いてみたら、こんな答えが返ってきました。

 

『確かにウチのクラスの女子半分は、ギャー君の貞操を狙う、トンデモ腐女子ですが、残り半分の健全女子が、必死に防衛しています。

え?男子と着替え?

駄目ですよ、そんなの。

それこそ確実に、ギャー君がお婿に行けない体になるじゃないですか。』

 

…らしいです。

 

◇名無しの悪魔◇

トンデモ腐女子…www

 

◇名無しの悪魔◇

その様子だと、一緒に着替え…下着姿を見られたりするのには、抵抗は無いっぽいな

 

◇名無しの悪魔◇

クラスメート男子も恐ろしいな…

 

◇名無しの悪魔◇

いや、気持ちは分かるぞ!

 

◇名無しの悪魔◇

いや、分かるなよ…

 

◇名無しの男の娘◇

アッーーーーーーーーー!!

 

◇名無しの悪魔◇

止めろwww

 

◇名無しの悪魔◇

どちらにしても、なんて、羨まけしからんのだ!

 

◇名無しの悪魔◇

男の娘枠だからですかね?

 

◆スレ主◆

よし、もごう。

 

◇名無しの悪魔◇

スレ主も十分に、羨まけしからんのだよ!

この、姉妹丼スレ主!

 

◇名無しの悪魔◇

羨ま死ね

 

◇名無しのしっとマスク◇

先に、もぐべし!

 

◆スレ主◆

ところで、このギャスパー・ヴラディだけでなく、無能眷属全員、学園を休んでいるらしいが、冥界に帰ったとかの情報、誰か知らね?

 

◇名無しの悪魔◇

あ、話、逸らしやがった

 

※※※

 

 

≫≫≫

「どーゆー事よ?!

何の出迎えも無いなんて!!?」

駒王学園での戦闘から5日後、リアス・グレモリーは下僕達を連れ、冥界のグレモリー邸に帰ってきていた。

しかし、家の長女、延いては次期当主の帰省にも拘わらず、邸就きの楽団(オーケストラ)等の出迎えは無し。

初老の執事長と、若い銀髪のメイド長…2人だけの迎えに、リアスは憤慨。

 

「リアス様、これは、奥様の指示にて御座います。」

「はぁ?!お母様は何を考えておられるのよ!

いきなり『下僕を連れて直ぐに帰れ』だし、勝手過ぎるわ!

学校だって有るのに!」

この執事長の説明に、リアスは ますます、頭に血を昇らせてしまう。

 

≫≫≫

「…此方です。」

「「「「……………」」」」

胸が膨よかに見えるメイド長の案内で、邸の応接間の前まで足を運んだ、『私、不満ですオーラ』を撒き散らすリアスと その眷属達。

 

カチャ…

 

「帰ってきましたか、リアス。」

「お母様…!」

扉を開けた先の部屋で待っていたのは、亜麻色の髪の、リアスに瓜二つな顔立ちの女性だった。

 

「うはっ!部長そっくりな美j…っ?!」

その姿を見た兵藤一誠が、早速に鼻息荒げに鼻の下を伸ばし、だらしない顔をしようとするが、この女性は透かさず氷の如くな厳しい視線を浴びせ、この不敬者を黙らせる。

 

「…リアス、話には伺ってましたが、本当に下僕の躾が為っていないみたいね。」

少なくとも自分の主の母親…況してや初対面の、年上の人物への対応でない其れは、初見での印象が最悪であると言われても、誰も文句は言える事で無く。

 

「大体 貴方、何なのですか?

その、だらしの無い服装は?!」

「はひ?」

更に このリアスの母親…ヴェネラナ・グレモリーは、兵藤に厳しく問い詰める。

過去、サトル(ガルーダ)でのサイトでもネタにされ、リアスと同年代であるディオドラ・アスタロトからは直接に注意を受けた、制服の乱れた着こなしを、また この場でも咎められてしまう。

つまり兵藤は未だ、制服の乱れた着用を正そうとせず、着崩した儘の格好でいたのだ。

 

「まさかリアス、本当に『赤いなら問題無い』と、放置しているのではないでしょうね?!」

「な…?!」

更には懐からスマホを取り出しながら、リアスに詰め寄るヴェネラナ。

スマホを出しての『赤いなら…』の発言。

それは彼女も、件のサイトに目を通している事に、他ならず。

 

「お、お母様!貴女はイッセーに服装の注意をする為に、私達を冥界まで呼んだ訳じゃないでしょう?!

一体、何の為に

「まだ解っていないのですか!?」

訳の解らぬ儘に、説教を始める自分の母親に対して、リアスが反論しようとするが、これをヴェネラナは更なる厳しい視線と口調で黙らせる。

 

「この4月からのサイト、拝見しましたが、リアス!貴女は一体、何をやっているのですか?!

書き込みを見る限り、大王や大公家からの指示が出ない限りは、はぐれ悪魔や その他、招かれざる来訪者の対応も疎か、犠牲者の後の処理も杜撰、そんな事で町の管理者として、務まるとでも思っている心算なのですか?

特に不法侵入していた堕天使の件!

このサイトに潜伏先を教えて貰っていながら、直ぐに動く事無く、暢気に授業や部活に勤しんでいたとか?

挙げ句、彼方の身内が介入してでの、取り逃がしですか?

恥ずかしくないのですか?!

このサイトが多少、面白可笑しく誇張していたとしても、書かれている事それ自体は、事実なのでしょう?

更には このサイトでも触れてましたが、サーゼクスを通してセラフォルーちゃん…レヴィアタン様に確認しましたが、先日の堕天使との戦闘で、見事な迄に、足手纏いな御荷物を演じてくれたそうですね!?

報告によれば、暴走した貴女達の御守りに仕方無しに人手を割いて、戦闘にて十全な連携が取れなかったそうですよ?

結果、想定外に負傷者が出たとか?

貴女は何時から、過去の大戦を生き延びた、最上級の堕天使の幹部達と渡り合える程に強くなったのですか?

本当に自分達だけで、どうにかする、どうにか出来る心算だったのですか?

幸いにもソーナちゃんが、レヴィアタン様に報告していてくれたから、あの御方の直属兵が動き、結果的には最小限の被害で済みましたが、問題は その後!

あれ程の大事が起きていながら、貴女は事前も そうですが、事後報告の1つも寄越さないのは、どういう事ですか?

ソーナちゃんは きちんと、些細な事も報告していますが…

リアス!貴女は本当に、町の管理者としての自覚が有るのですか?

報・連・相という言葉を、知らないのですか?

そもそも貴女は昔から…」

ヴェネラナの口は、止まらない。

それこそ、リアスに反論(くちごたえ)の隙を与える事も無く、止まる事を知らない。

 

「…解っているのですか?

貴女の"恥"は、貴女だけの恥では無いのですよ?

延いては下僕達も同様に見られ、更には"グレモリー家"その物の恥に繋がるのです!

次期当主ならば、その辺りも重々に理解、自覚して欲しい物でs

「ちょっと待って下さいよ!

幾ら何でも、そんな言い方は無いんじゃないですか?

部長だっt

「お黙りなさい! 私は今、リアスと話しているのです!

誰が何時、貴方に発言の許可を与えましたか?」

「…!!?」

何時 止むか分からない、その言い様に見かねてか、兵藤が口を挟もうとするが、ヴェネラナは『貴様に発言権は無い』とばかりに厳しく一喝。

その迫力に、制服の上下のボタンをしかと締め、ワイシャツをズボンの内に仕舞っていた、リアスの兵士(ポーン)は黙り込んでしまう。

 

「ハァ…

リアス…貴女は本当に自分の下僕に、貴族に対する接し方…眷属悪魔として今後、貴族社会に生きる心得すらも、教えていないのですか?」

そして溜め息混じり、改めてリアスに眷属への教育の有り様を問い質すヴェネラナ。

 

「ついでに言いましょうか…

ヒョウドウイッセイ…でしたね?」

そして、その厳しく冷たい視線は、兵藤に向けられた。

 

「サイトによれば、貴方は普段から、学舎にて女生徒の着替えは覗く等の卑猥な行動を、そして その方法その物は、決して褒められないかも知れませんが、それを咎めた一般の人間に、魔力を以て、傷付けようとしたそうですね?

この一件、『グレモリーは性犯罪者を下僕にした』『グレモリーの下僕は逆ギレで人間に魔力を使って傷付ける乱暴者』と拡げられても、不思議では無かったのですよ?

更には また礼儀の話になりますが、ライザー・フェニックス殿への不敬な態度、例え その場で消し炭にされても、文句は言えませんでしたのよ?

寧ろ、私達が先方に下僕の非礼、不躾を謝罪すべき事です。

幸いにも彼が、貴方を()()()()()()()()()()()()()()()していた お陰で、大事にならずに済んだのです。

もしかしたら公爵令嬢の下僕になったから、自分も偉くなった…とでも、思っているのですか?

…だとしたら、言っておきましょう。

それは、大きな間違い、勘違いです。

そして先日の堕天使との戦闘の件。

聞けば引き上げようとした堕天使達を態々呼び止め、要らぬ発破を仕掛けたとか?

何様ですか、貴方は?

サイトによれば、結果、只の人間の手加減された攻撃で、無様に倒されたとか?

あの時、堕天使達も同様、貴方を相手にする価値無しと判断したか、その儘 帰ったそうですが、貴方の余計な一言が原因で、戦闘が再開していた場合、どうする心算だったのですか?

高がドラゴンを宿す神器(セイクリッド・ギア)を持っているだけで、自分が後始末をする、出来る心算だったとでも言うのですか?」

(す、すいません…)

リアスに続き、機関銃速射の様な口調のヴェネラナに、兵藤は掠れる様な小声で謝る事しか出来ず。

 

「…この分ですと、サイト(これ)で曝されてないだけで まだ、私達に報告すべき事も、まだまだ沢山 残っている様ですね…

…姫島さん!」

「…は、はい!」

そしてヴェネラナは、次にリアスの女王(クィーン)である、姫島朱乃に声を掛ける。

 

「貴女が知っている限りで構いません、話すべき事を、全て話しなさい!」

そして この、自白強要。

 

「……………………!!」

「…………………。」

リアスが朱乃に『余計な事は言うな』と、目で訴えているが、朱乃は それよりも、ヴェネラナの『全てを吐け』と語る視線に屈してしまう。

そして彼女の口からは、主にサイトに記されていない、恐らくはガルーダが始末したと思われる、はぐれ悪魔の取り逃がしや、ガルーダ本人との邂逅について話された。

兵藤がガルーダや その御付きの少女に軽く遇われた事や、管理者としての怠慢の指摘にリアスが逆ギレし、ガルーダに滅びの魔力を行使、それが全く効かなかった事…

それに その後のガルーダの台詞、『次に敵意を以ての攻撃を仕掛けた時は、それはリアス・グレモリー個人でなく、悪魔という"種"を敵として見る事になる』等の遣り取り。

 

「リ・ア・ス…?」

「…!??」

それを聞き、元から厳しかったヴェネラナの顔が、更に夜叉の如くに豹変する。

 

「貴方は どうして、そんな大事な事も、黙っていられるのですか?

既に貴女個人の問題では無い事も、それの判断すら出来ないのですか?

少なくとも、姫島さんの話を聞く限りでも、貴女達よりも上位の実力者なのは、判ります。

貴女は そんな人物に弓引いておきながら、何の報告もしないとは、何を考えているのですか?

サイト内、堕天使総督と思われる人物の書き込みからして、このガルーダなる人物が、かなりの勢力に属しているのも、分かります。

もしかしたら、北欧か須弥山、あるいはオリンポスか…

貴女は、自分が既に他所の勢力との戦争の引き金になっている事が…そんな事も解っていないのですか?」

「…………!!?」

ヴェネラナの必死な剣幕で、漸く事の大きさを理解したかの様な顔を見せるリアス。

 

「…今回、貴女達を邸に呼び寄せたのは、少しだけ お説教する心算でしたが、予定変更です。

眷属の皆さん共々に、暫くは この地で心身を鍛え直して貰いましょう。

グレィフィア、頼めますか?」

「承知致しました、奥様。」

ヴェネラナの言葉に、リアス達をこの部屋に案内した銀髪のメイド、グレィフィアが頷き返事。

此により、リアス・グレモリー以下の眷属達…主にリアスと兵藤の再教育が決定した。

…尚、彼女達の駒王町への帰還は、現時点で未定である。

 

≫≫≫

 

 

※※※

 

◆スレ主◆

何だか、学園の無能やその眷属達が全員、影武者っぽくなってるらしいけど、誰か、情報知らね?

 

◇名無しの悪魔◇

前回の堕天使との戦闘で、魔王様を通じて無能のダメダメっぷりが実家にバレて、冥界で説教されてるとか?

 

◇名無しの悪魔◇

(笑)

 

◇名無しの締める悪魔◇

続く!

 

 




 
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苛烈なる罰則(ペナルティ)

 
前回、内容が内容だったのか、普段の3倍近くな感想の数に草。
ありがとうございました。
 
サブタイ、変更しました。


「ちょっと待て!

アザゼル!シェムハザ!?」

「……………………。」

「もう一度、考え直すのです!」

 

冥界は堕天使領。

その地に在るグリゴリ本部、総督執務室にて、組織の総督と副総督に向け、3人の堕天使幹部が言い寄っていた。

…正確には、言い寄っているのは2人だが。

 

「お黙りなさい!

散々と やらかしてくれて、本来ならば永久凍獄も仕方無しな処、この程度で済ませると言う、アザゼルに感謝しなさい!!」

「「ぐぎぎぎ…」」

堕天使幹部…コカビエルとサハリエルに、優男風の堕天使…グリゴリ副総督のシェムハザが一喝。

コカビエルとサハリエル、そしてイクラエルの3人の堕天使幹部は、各地の教会襲撃及びエクスカリバー強奪、そして駒王学園での、エクスカリバー統合儀式、更には現地の、そして魔王直属の悪魔との勝手な戦闘の とりあえずの処罰として、あの騒動の翌日から、1週間の謹慎を言い渡されていた。

 

「し、しかし、こうやって、龍機兵の戦闘データを、だな…」

「バカヤロー、それは それ、これは これだ。」

そして その謹慎が解けた日、改めて沙汰を下すべく、件の3人を喚び寄せた総督と副総督。

シェムハザの長い永いO★HA★NA★SHI★の末に、アザゼルが言い渡した処罰は、来月(6月)に支給されるボーナス30%カット、並びに先6ヶ月間の、給料20%カットだった。

それを不服としたか、コカビエルとサハリエルは、必死に組織のトップ達に全力で撤回を申し立てる。

 

「…………………。」

そんな中、イクラエルだけは、このペナルティを妥当としたか、或いは言うだけ無駄と判断したか、ずっと黙りの姿勢だ。

 

「ハァ…全く お前等、マジに やりやがって…

これで もう、三竦みの関係は完全に修復不能だぞ?」

前が金、後は黒の、"プリンカラー"の比喩が似合う髪の、整った悪人面…所謂"ワルメン"な中年男、堕天使総督アザゼルが、溜め息混じりに ぼやいた時、

「…アザゼルよ…貴様は今更、何を言っているのだ?」

口を出したのは、それまで、完全に沈黙を貫いていたイクラエルだった。

 

「我々は既に永き時に渡り、互いに殺し、殺され続けてきた。

仮に今、各勢力のトップが『和平だ、終戦だ』と言った処で、下の者は誰1人納得しないぞ?

無理矢理に戦を終わらせたとしても、それは更なる不満分子…新たな戦の火種を生み出すに過ぎん。」

「ふん、それに もう、少なくとも 短小被男 ミカエルとは、例のサイトが原因で、絶対に和解は有り得ぬであろう?

Blazer shining Aura Darkness Blade総督よ?」

「…コカビエル、ボーナス60%カット、更に6ヶ月、給料40%カット。」

「ちょ…おま…?!

くっ…、こうなれば仕方有るまい。

これだけは使いたくなかったが…

昔、Japanの武道家に習った、最終手段だ!」

「ケッ、上等だ!

どんな技かは知らねぇが、掛かってきやがれ!!」

 

≫≫≫

  

バタン!

 

「失礼します!アザゼル総督!

…って、えぇ?

あいぃぇえええぇぇっ??!」

猛き虎が崖から転落して地に伏せるが如くの姿勢で、アザゼルに対して追加処罰撤回をコカビエルが求めていた時、総督室の扉が勢い良く開かれた。

入ってきたのは、軍服を着た若い堕天使の女だ。

慌てぶりからして、かなりな大事を報せに着た様だが、扉を開いた瞬間に目に映った その光景に驚きの声を上げ、思わずフリーズしてしまう。

 

「気持ちは解りますが、とりあえず落ち着いて下さい。

一体 何事なのですか?」

「も、申し訳有りません…」

そんな彼女に、シェムハザが優しく宥める様に声を掛ける。

 

「実は、〇〇〇〇教過激派の頭目が、アザゼル総督に面会、対談を求めています…」

「「「「「はぁ?!」」」」」

そして彼女の口から出た言葉に、今度は室内の男達が揃って、間の抜けた声を上げてしまった。

 

≫≫≫

 

 

※※ ※

 

◆スレ主◆

【速報!】〇〇〇〇教過激派組織、壊滅した件

 

◇名無しの運対常連◇

マジ?

 

◇名無しの悪魔◇

何だ?この前のアレで、さっそく何かやらかして、キリスト教ってか天界の連中に滅ぼされた?

 

◆スレ主◆

いや、報道では、ヴァチカンや正教会等のキリスト教、そしてアメリカのチャランポラン大統領なんかも、関与を否定している。

ニュースによれば、トルコやシリア、イラク等の各地のアジトを、ピンポイントでの襲撃らしい。

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

それ、ウチ達がやったんっスよ

 

◇名無しの悪魔◇

何ー?!

 

◇名無しの悪魔◇

さらっと言うなぁ…

 

◇名無しの悪魔◇

ロリっ娘がやったんか?

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

うがー!だから、『ロリっ娘』で区切るなっス!

その通り、今回の〇〇〇〇教過激派の殲滅は、アザゼル様の命令の下、グリゴリの襲撃による物っス。

 

◇名無しの悪魔◇

BSADB★総督(笑)の命令か

 

◇名無しの悪魔◇

BSADB★総督(笑)の指令か

 

◇名無しの悪魔◇

BSADB★総督(笑)の指示か

 

◇名無しの悪魔◇

BSADB★総督(笑)の以下略

 

◇名無しの運対常連◇

BSADB★総督(笑)の以下同文

 

◇BSADB★総督(笑)◇

(怒)テメー等、いい加減にしろ!

 

◇名無しの悪魔◇

出たー!www

 

◇名無しの悪魔◇

キターー(゚∀゚)ーー!!

 

◇名無しの悪魔◇

待ってました、総督!

 

◇名無しの悪魔◇

絶対に今、見ていると、あんな風に書き込めば、絶対に顔を出すと信じていました!(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

さあ、ロリっ娘ちゃまに代わり、詳細に解説するのです。

 

◇BSADB★総督(笑)◇

喧しいわ!(笑)

…まぁ、簡単に言えば、件の過激派が集団で武装して、トルコに在る俺達堕天使配下の教会に押し掛け占拠してな、堕天使総督である俺に話が有るって言ってきやがったんだ。

過激派の頭目自らがな。

 

◆スレ主◆

新情報。

そんなニュースは聞いてないぞ?

堕天使サイドが規制を掛けた?

 

◇BSADB★総督(笑)◇

応よ。

…で、何事かと思い、幹部3人に代わりに向かわせてみたら、連中『お前達堕天使が起こした騒動での悪名を、我々が肩代わりしてやったんだ。謝罪と賠償を請求する』とか言いだしやがってな。

 

◇名無しの悪魔◇

アンタ、行ってないんかい?

 

◇BSADB★総督(笑)◇

どうせ奴等、俺の顔なんか知らないだろから、誰が行っても問題無いだろ?

例の騒動起こしたウチのバカ幹部共に、『俺になりすまして向こう行ったら、ペナルティの減給、考えてやる』って言ったら二つ返事、喜んで現地入りしやがったぜwww

 

◇名無しの悪魔◇

それで、何の話と思えば、金寄越せ…だったんですか

 

◇BSADB★総督(笑)◇

そーゆーこった。

知るかよっての。

別に俺達が『代わりに泥被ってくれ』って頼んだ訳じゃねーし、ありゃミカエルやバチカンが、テメー等の了解を得て発表したんだろが。

それにその件で奴等、金なら既にキリスト教から、たんまり貰っている筈だし。

 

◇名無しの悪魔◇

つまり二重獲りしようとしたのか

 

◇名無しの悪魔◇

セコいなぁ…

 

◇名無しの悪魔◇

って、あれだけの大騒ぎして、お宅の幹部、減給処分で済ませていたのかよ…(笑)

 

◇BSADB★総督(笑)◇

(笑)。

…でだ、何にせよ人間の分際で俺達堕天使様にタカるたぁ良い度胸だって事で、先日の龍機兵と同時開発していた新兵器のテストを兼ねて、奴等の殲滅に着手したって訳よ。

 

◇名無しの悪魔◇

テスト…

 

◇名無しの悪魔◇

新兵器…って、そーゆー存在、ばらして大丈夫なんすか?

 

◇名無しの悪魔◇

一応、悪魔メインのスレですよ、ここ…

 

◇BSADB★総督(笑)◇

ふん、どーせウチの技術を真似たりパクったりなんて、悪魔や天使は愚か、北欧や須弥山の奴等にだって、出来やしねぇよ。

敢えて存在を明ら様にする事で、逆に牽制してんだ。

尤も、連中がこのスレ、見てるかは不明だがな。

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

グリゴリの技術力は、世界一ぃいぃっ!っス!!

 

◇名無しの悪魔◇

過激派のボスを殺るだけでなく、皆殺しか…

 

◇BSADB★総督(笑)◇

正確には皆殺しじゃねぇけどな…

あーゆー輩は、頭を失った後、その儘沈静化するか、逆に暴走するかが読めない。

下手に暴走されて、それで俺達…天界や悪魔連中にもそうだが、どんな影響が出るか分からないんで、とりあえず処してやった。

さっき言った通り、新兵器のテストを兼ねた上でな。

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

ウチも今回の戦闘、参加したっスよ!

 

◇名無しの悪魔◇

マジ?

 

◇名無しの悪魔◇

ロリっ娘ちゃま、もしかして有能?

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

えっへん!

…って、ロリで区切るなっス!!

 

◇目指せ!至高の堕天使◇

その「新兵器」っていうのが、どういう訳か、女の堕天使にしか起動出来なかったから…てのも、この子の戦闘参加の理由の1つだけどね。

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

むきーっ!■■■■■姉(本名みたいなので伏せたっス byスレ主)、余計な事、言わなくても良っスよ!!

 

◇BSADB★総督(笑)◇

"あいえす"…だったか?

あの機動強化装甲みたいなの。

その辺り、開発者である、自称天才も原因不明らしく、『???』って、首をひねっていたよな。

まぁ、戦闘力とか性能面には問題無かった様だから、俺は構わないけどな。

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

あれは天才でなくて"天災"っスよ…

 

◇目指せ!至高の堕天使◇

はげしく同意だわ…

 

◇BSADB★総督(笑)◇

続く!

 

 

※※※

 




 
次回の舞台は冥界、グレモリー城だ!
…の予定だ!(笑)
 
感想、評価、よろしくです。
 


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魔王、降臨!!

 
グ、グレモリー仕えの教育係は、有能なんだ、ぜぇ…!
 


時は、7月に突入。

  

「駒王学園よ、私は帰って来たぁ!!」

この月の第1月曜日、6月半ばから(強制的に)始まった、冥界の実家での"再教育"を終えたリアス・グレモリー率いるオカルト研究部の面々は、久し振りに学び舎である駒王学園に足を運んでいた。

 

「…って、よりによって、今日からかよぉ…」

「あははは…」

しかし、兵藤の足取りは、決して軽くは無く。

 

「復学初日が期末テストかよぉ…ハァ…」

「いや、代わりに学園に通っていてくれた影武者さんから、試験範囲とかは聞いていたろ?」

「それでも勉強は、出来てないんだよ!」

そう、この日は学生とっては夏休み前の最大試練とも云うべき、期末試験であった。

ヴェネラナの調教の甲斐有ってか、制服をきちんと着用し、げんなりとした顔をした兵藤の隣を歩く木場は、苦笑しながら応える。

 

「大体、お前は良いよイケメン!

やってたのは、少しばかりハードな戦闘訓練だけだったんだからな!

俺なんか、グレィフィア様や執事長(ジュンイチロー)さんにフルボッコにされるだけでなく、その後は部長の お母s…奥様や教育係(メイコ)さんに『貴族とは何ぞや?』…な お勉強で、試験勉強なんてする暇も無かったんだぞ!

しかも、下手な対応だと、直ぐに競馬鞭(ムチ)でビィシバァーッシ!…なんだぜ? あの 巨乳の 眼鏡の お姉さん… 」

「でも それって、兵藤君的には ご褒美じゃないのかい?」

「俺は"(そっち)"ぢゃねぇ!!」

…この様な遣り取りな中、この日から3日間、全10科目に及ぶ1学期期末試験は、兵藤もギリギリで赤点を免れる等、特筆する様な()()も無く、滞り無く終了する。

 

 

 

そして、その週の金曜日。

 

「リーアたん、頑張れ!」

「リーアたん!」

「ぅ…、これは邸以上の地獄だわ…」

授業中、教室後ろ側からの呼び掛けに、己の髪の毛以上に顔を赤くして、机の天板に頭を沈めるリアス。

そう、この日は生徒の父兄を招いての、公開授業であった。

 

 

≫≫≫

「白音~、サっトル~♪

折角だから、何か食べて帰るにゃ!」

この日の授業は2時限で終了。

帰宅部のサトルと白音…そして公開授業の見学に来ていた黒歌は その後、学園内での ()()()()()()()()()()?を遠目に見た後に一緒に下校。

黒歌の提案で、昼食は外で済ませる事に。

因みに現在の黒歌の格好は、普段の黒基調の着物を着崩す事無く、きちんと着用しており、猫耳も隠している。

授業の合間、この和服美少女…白音の姉という事で、クラスの男子生徒(及び生徒の父親数名)が群がるが、それ等は悉く、サトルが放つ"傲慢な火花"によって蹴散らされていた。

  

≫≫≫

 

 

※※※

 

◆スレ主◆

今日の駒王学園は、授業参観日だったのだが…

 

◇名無しの悪魔◇

何かあった?

 

◆スレ主◆

魔王らしき人物が来ていた…

 

◇名無しの悪魔◇

ふぁっ?!

 

◇名無しの悪魔◇

まじですか?

 

◆スレ主◆

しかも、2人…

 

◇名無しの悪魔◇

あー、無能姫とソーナさんの授業を見に来られたんだろう。

 

◇名無しの名無し◇

あ、ルシファー様とレヴィアタン様か

 

◇名無しの悪魔◇

御二方、シスコンらしいですからね

 

◇名無しの悪魔◇

因みにソースはBSADB★総督(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

…って、スレ主、何で知ってる?生徒じゃないよな?妻帯者だし…もしかして駒王の教師でしたってオチとか?

 

◆スレ主◆

今日は一般開放されてたから、父兄みたく関係者を装って、学園内に入ってみたんだよ。

嫁2人と。

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

死ね!

 

◇名無しの悪魔◇

いや…嫁って言葉出しただけで、死ねとか言うなしwww

 

◆スレ主◆

で、授業が終わった後、学内をうろうろしてたら、大階段の処で男子生徒中心に凄い人集りがあってな…

 

◇名無しの悪魔◇

ほうほう?

 

◇名無しの悪魔◇

それで?

 

◆スレ主◆

魔法少女が、撮影会してたとです…

 

◇名無しの悪魔◇

魔法少女?

 

◇名無しの悪魔◇

魔法少女?

 

◇名無しの悪魔◇

魔法少女!

 

◇魔法少女☆ミルたん◇

魔法少女にょ?

 

◇名無しの悪魔◇

魔法少女に凄い食いつきだな?www

 

◇名無しの運対常連◇

…って、なんかでたあっ?!

 

◆スレ主◆

とにかくだ、アニメみたいな格好な臍出しミニスカ女の決めポーズに、男子(及び女子も数名)がスマホでカシャカシャしていて…

 

◇名無しの悪魔◇

ん、まぁ、察したゎ…(汗)

 

◆スレ主◆

そこに、駄肉姫や性犯罪者、それと苦労人騎士君も現れてな。

あ、6月に「影武者?」な事を書いてたけど、今回は本物御当人だった。

 

◇名無しの悪魔◇

スレ主の中じゃ、あのイケメン騎士君は苦労人の常識人枠かwww

 

◇名無しの悪魔◇

苦労人騎士(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

苦労人騎士www

 

◇名無しの悪魔◇

(;・ω・)つ(胃薬)

 

◆スレ主◆

…で、一番驚いたのが、兵藤一性犯罪者。

制服のボタンをぴしっと止めて、普通な身形だったって事だな。

 

◇名無しの悪魔◇

何ー?!

 

◇名無しの悪魔◇

まじすかー?!

 

◇名無しの悪魔◇

まさか本当に今までのダメっぷりがバレて、冥界の実家に呼び戻されて、色々とOHANASHIや調教されてたとか?

 

◇名無しの悪魔◇

あの性犯罪者を調教だと?

そんなのが理論的に可能なのか?

 

◇魔法少女☆ミルたん◇

性犯罪者とか言っちゃダメだにょ!

悪魔さんは、良い悪魔さんだにょ!!

 

◇名無しの悪魔◇

またでたぁ?

 

◇名無しの悪魔◇

…って、「にょ」って何?「にょ」って?

 

◇名無しの悪魔◇

てゆーか、誰?

 

◇魔法少女☆ミルたん◇

ミルたんは、ミルたんだにょ!

 

◆スレ主◆

…多分、彼女?は、駒王町では、一部で有名な人物と思われます…

どうやら悪魔…兵藤と知り合いみたいですね…

契約者か何かかな?

拗れたり言い合いは面倒いから、とりあえず皆、今回ヤツは『兵藤』呼びでよろ。

 

◇名無しの悪魔◇

構わんが、敢えて先に、言わせて貰おう!

貴様が兵藤と知り合いであり、その知り合いが性犯罪者呼ばわりされるのを好んでないのは分かった!

しかし、ヤツが性犯罪者なのも紛れも無く事実!

ヤツがそう呼ばれるのを嫌うならば、先ずは貴様が、ヤツをそう呼ばれない様に、正し努めてみるべきではないのか?

 

◇魔法少女☆ミルたん◇

う…努力してみるにょ…

 

◇名無しの悪魔◇

かっけー!

 

◇名無しの悪魔◇

やっぱアニキだ!

 

◇名無しの悪魔◇

漢だぜ!!

 

◆スレ主◆

話、続けるよ?

それでその撮影会の途中、ソーナ嬢率いる生徒会が、その騒ぎを収めにきて、撮影会は終了。

その後に下僕悪魔君がこの魔法少女に何やら注意してる途中、この魔法少女がいきなりソーナ嬢にダイビンググハグしてな…ソーナ嬢赤面。

オチから言えば、この魔法少女が、ソーナ嬢の実姉である、魔王レヴィアタンだった訳だが。

 

◇名無しの悪魔◇

ん。知ってた。

 

◇名無しの悪魔◇

何となく察してた。

 

◇名無しの悪魔◇

だと思ってた

 

◇名無しの悪魔◇

ですよねー

 

◆スレ主◆

え?まじ?そうなの?

 

◇名無しの悪魔◇

え?スレ主、知らないの?

『魔王少女レヴィアたん』。

冥界じゃ、かなりメジャーな筈だけど…

 

◆スレ主◆

俺は駒王在中の、少しばかり情報通な人間だ!

 

◇名無しの運対常連◇

レヴィアタン様は普段から、その魔法少女なキャラクターで政務活動されており、自らが主役、ヒロインの特撮番組もプロデュースされております。

 

◇名無しの悪魔◇

それが、『魔王少女☆レヴィアたん』である!

 

◆スレ主◆

あ、うん、そうなんだ…へー…

 

◇名無しの悪魔◇

スレ主ぃー?!

 

◇名無しの悪魔◇

スレ主が現実逃避始めたぞ?

 

◇名無しの運対常連◇

続く!

 




 
①サトルは自分が駒王学園の生徒であるのを隠す為、今回の様な書き込みをしています。
スレ内で勝手に妻帯者認定(しかも姉妹丼)されているのも、好都合だと思っています。
まぁ、半分は事実ですが(笑)。
 
②再登場は考えていませんが、名前が出たので一応…
 
執事長(ジュンイチロー)…小泉ジュンイチロー(無駄ヅモ)
教育係(メイコ)…白木芽衣子(監獄学園)
…のイメージで
 
③何気にスレのレギュラーキャラ?になっている、"名無しの運対常連"君と、"しっとマスク"の皆さん(笑)
 
感想、評価、よろしくです。
 


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続・魔王、降臨!!

 
【前回の あらすじ!】
魔王少女により、スレ主の意識が半分 飛びました(笑)
 


 

※※※

 

◇名無しの悪魔◇

スレ主ー?!

 

◇名無しの悪魔◇

気をしっかりと持て!

 

◇名無しの運対常連◇

大丈夫だ!ダメージは浅いぞ!

 

◇炎の兄貴!◇

と、とりあえず!

(;゜Д゜)つ【プロテイン】

 

◇名無しの悪魔◇

何故にプロテイン??

 

◇炎の兄貴◇

知らないのか?

プロテインは万能薬だ!

 

◇魔法少女☆ミルたん◇

だにょ!!

 

◇炎の兄貴!◇

…って、何だか俺のハンネが変わっているのだが?

 

◆スレ主◆

アナタは以前から、漢気溢れる発言が目立っておりましたので、スレ主権限で改正させて頂きました(笑)。

 

◇名無しの悪魔◇

おお、スレ主!

 

◇名無しの悪魔◇

(*^ー゚)b グッジョブ!!

 

◇炎の兄貴!◇

まぁ、俺は別に構わんが…

 

◇名無しの悪魔◇

いょっ!兄貴!!

 

◆スレ主◆

因みに俺の意識が此方に還ったの要因は、プロテインでなく嫁さんズのWぱふぱふだぜ!

 

◇名無しのしっとマスク◇

死ね!

 

◇名無しのしっとマスク2号◇

地獄へ堕ちろ!!

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

巫山戯んな!!!!!

 

◇名無しの悪魔◇

羨ま死ね!

 

◇名無しの運対常連◇

俺達の心配、返せし!

 

◇名無しの悪魔◇

…てゆーか、まだ昼の2時過ぎだぞ?

何やってんだよ、アンタ??!

 

◆スレ主◆

…ナニ(はぁとw)

 

◇しっとマスク(血涙)◇

ちいっくしょおおおぉぉおうっ!!

 

◆スレ主◆

話を続けるぞ。

とにかくだ、何処かの嵐を喚ぶ幼稚園児みたいなニヤケ面で、女魔王がソーナ嬢に抱き憑いてな、ソーナ嬢赤面困惑。

その場の悪魔達も、その百合百合っぷりに駄肉姫はじめ、全員呆気に囚われた顔だよ。

 

◇名無しのしっとマスク◇

普通に流しやがった!?

 

◆スレ主◆

で、駄肉姫が、兵藤とか面識無い連中に、この魔王少女を紹介してる途中に、駄肉の女王さんが、赤い髪のオッサンと兄ちゃんを連れてきてな…

どうやらあれが、駄肉父親と駄肉兄…つまりはグレモリー公爵と魔王ルシファーだった様で、今度は駄肉姫様が、テンパり困惑www

 

◇名無しの悪魔◇

貴族公爵様や魔王様をオッサンとか兄ちゃんて…

 

◆スレ主◆

俺、悪魔じゃないしー。

それに、その貴族の令嬢を今まで散々とディスっておいて、説得力無いぞ?

…それで、その場の連中が何か会話している途中、ソーナ嬢がいきなり泣き出してその場から逃げる様に走り出してな、それを魔王少女が『そぉ~たぁ~ん!』とか言いながら、追いかけて行って…

その後はグレモリーとシトリーで、それぞれ解散。

これが、俺が見た全てだ。

 

◇名無しの悪魔◇

どんな会話がされてたか、気になるな

 

◇名無しの悪魔◇

この後の姉妹のやり取りもな。

それと、ソーナ様はレヴィアタン様からは、「ソーたん」て呼ばれてるんだ。

 

◇名無しの悪魔◇

可愛いねぇ(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

グレモリー眷属かシトリー眷属がこのスレ見ていて、説明してくれたらありがたいが。

 

◇名無しの悪魔◇

ほら~、こっちおいでよ~

 

 

※※※

 

 

≫≫≫

 

 

※※※

 

◇名無しの悪魔◇

結局は、グレモリー眷属シトリー眷属、共にレポートは無しか~…

(´Д`)

 

◇名無しの悪魔◇

まぁ、立場上ねぇ…仕方無いさ

 

◇名無しの悪魔◇

ソーナ様が走り去ったのは、レヴィアタン様の魔法少女な立ち振舞いに、身内として恥ずかしくなり、その場に居られなくなったからと分析出来るが

 

◆スレ主◆

ちょっと良い?

 

◇名無しの悪魔◇

何すか?

 

◆スレ主◆

ずっと、自分でも書き込んでて、何か違和感あったんだけど、魔王レヴィアタンてもう、ん100才なんだよな?

 

◇名無しの悪魔◇

ば…それ、あかんヤツ!

 

◆スレ主◆

魔王だか魔法だか、どっちでも良いけど、少女でなくて、既に『熟』女じゃね?

 

◇名無しの悪魔◇

わー!言っちゃったよこの人!

 

◇名無しの悪魔◇

それ、言っちゃあかんヤツ!

 

◆スレ主◆

そうなの?

いや、でも人間な俺からしたら、文字通りに桁違いな歳の女性だろ?

そんなのが魔法少女なアニメの格好って、ぶっちゃけ痛くない?

有り得ないっしょ?www

 

◇炎の兄貴!◇

それ以上はマジ止めとけアンタ!

あの御方を怒らせたら…

 

◇名無しの悪魔◇

OHANASHIされるぞ!

 

◇名無しの悪魔◇

『…少し…頭冷やそうか…?』

 

◇名無しの悪魔◇

『えたーなるふぉーすぶりざーど~♪』

 

◇名無しの悪魔◇

ぴっきぃーっん!

 

◇名無しの悪魔◇

相手は死ぬ!

 

◇炎の兄貴!◇

…と、なるのだぞ?

 

◆スレ主◆

いや、息ぴったりだなアンタ等?www

 

◇名無しの悪魔◇

とにかくだ、レヴィアタン様がこれ、見ていたら…

 

◆スレ主◆

いや、魔王だろ?

悪魔サイドのトップの1人だろ?

流石にそんな暇じゃないだろ?

 

◇名無しの悪魔◇

BSADB★総督(笑)を忘れてるぞ!

 

◆スレ主◆

あ…

で、でも、魔王様…でしょ?

仮に見ていたとしても、こんなスレの戯れ言でキレるほど、小さくないでしょ?

美少女だし、胸も大きいし…

 

◇名無しの悪魔◇

何か急に持ち上げだしたな?www

 

◇名無しの悪魔◇

とりあえず、この話題は止め!止め!

 

◆スレ主◆

お…応…

まぁ、少なくとも冥界側からは絶対に、このスレから身元とか、特定される事は、無いんだけどね…

 

 

※※※

 

≫≫≫

 

ぴっきぃーん…!!

 

「せ、せ、せ…セラフォルー様??」

「クスン…私、まだ熟女なんかじゃないもん…

まだ若いもん…

魔法少女・レヴィアたんだもん…」

 

…この日、冥界の主要都市の1つ、リヴァイアスに在るレヴィアタン城が、一瞬にして厚い氷に閉ざされたと云う…(死傷者は0)

 

 




 
①別作品のネタの使い回しについてのツッコミは、堪忍して下さい。
 
②読んでる途中で今回の様式美(オチ)を読めた人は、上級読者www
 
③改めて命名された"炎の兄貴!"。
実は この漢、結構前からコメントしてました。
因みに…7話、30話、32話…に登場。
さぁ、どんな書き込みだったか、確認してみよう!www
 
感想、評価、よろしくです。
 


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セイジョ☆スキーのターン!

 
原作では、三大勢力の会談やテロリスト襲来なイベントが有りましたが…
 


『ぐぉおぉ…』

駒王町の外れに在る廃工場で、両脚と左腕を斬り落とされ、血塗れとなった異形な者が、床に這い、呻き声を上げながら、その原因となった2人の人物を睨み付ける。

 

「ふん…」

「…………。」

 

斬!…ボォウッ!

 

それに対し、その2人の内の1人が、細剣を振り降ろして首を断ち、即座に もう1人が、掌から飛ばした火炎球で、これを焼き尽くした。

結果 其処には、肉が焼けた様な臭いと、床が黒く焦げた跡しか残らず。

 

「…任務、完遂。」

「屍の処理も完璧!撤収するぞ。」

 

ヴォ…

 

その後、この燕尾服を着た2人の男は、転移魔方陣を開き、その場から姿を消した。

 

『『 ΦωΦ…………(にゃん♪)』』

そして この戦闘…と云うには やや一方的な蹂躙劇が行われていたフロアの隅、身を忍ばせ その様子を窺っていた、白と黒の2匹の…よく見れば、黒い方は背中に蝙蝠の様な、小さな羽がはえている…仔猫も、灯りも何も無い空間の闇に溶けるが如く、その場から消え去るのだった。

 

≫≫≫

「「終わったみたいです。」

         だにゃ。」

駒王に在る とある雑居ビルの屋上で、白音と黒歌が、使い魔と視覚を共用して得た情報を、サトルに話し掛ける。

 

「今日はグレモリー家の者が代理で来てたみたいだけど…一層の事、彼等が正式に、町の管理者やってくれたら…ねぇ?」

それにサトルも、苦笑混じりに応えた。

 

「…あんた達も、そう思わないかい?」

「「「ぐ…ががが…」」」

そして、この場に傷だらけ、ボロボロな姿で地面這い着く張る、数人の男達に同意を求め、 

「大将に伝えとけ。

俺は、お前達と連む心算は無い…とな。」

「「「……………。」」」

ダメージが大きく、動けない男達に そう告げるとサトル達も、この月明かりが照らすビル屋上から、立ち去って行く。

世間一般的に、夏休みと呼ばれる時期に入り、既に1週間が経過していた。。

リアス、ソーナは夏休み2日前に冥界に帰省。

当然、それぞれの眷属も部活、或いは生徒会の合宿の名目で冥界に入っており、現在 の駒王町の管理は、グレモリーとシトリーの各家が交代で代理の者を送り込む形で、取り仕切っていた。

 

≫≫≫

 

 

※※※

 

◆スレ主◆

そーゆー訳で、駄肉に何かあった時の情報は、冥界在中の皆さんにお任せします。

 

◇名無しの悪魔◇

任された。(・ω・)ゞ

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

早速だけど明日、ルシファードで若手悪魔と魔王様達との、会合があるわ。

 

 

※※※

 

 

≫≫≫

 

 

※※※

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

【速報】ヤンキーにセクハラされた件

 

◇名無しの悪魔◇

ふぁっつ?

 

◇セイジョ☆スキー◇

災難だったよね~?

 

◇炎の兄貴!◇

いや…あの場を一番荒らしたのは、貴様だからな?

 

◇セイジョ☆スキー◇

いや~♪(*≧∀≦*)ゝ

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

誰も褒めてないわよ…

 

◇名無しの悪魔◇

一体、何が起こったのか??!

 

◇名無しの新人悪魔(元・媛巫女)◇

【悲報】先輩眷属達に、苗字をファースト・ネームと勘違いされてる件。orz

 

◇名無しの悪魔◇

何だ?

 

◇名無しの悪魔◇

誰?

 

 

※※※

 

 

≫≫≫

 

…時は、約半日前に遡る。

冥界悪魔領の旧王都ルシファード。

その中心地に聳え立つ巨城、ルシファー城。

この日は城にて、リアス達の世代の若い悪魔達が、公式に魔王、そして元老院と呼ばれる、政の中核を為す者達との会合が行われる事になっていた。

 

「はぁ、やっぱりアレ、キミだったのかぁ…

お陰で僕はコテハン、セイジョ☆スキーだよぉ…」

「間違いじゃないでしょ?

それに、密かに気に入っているじゃないの?」

「まぁ…ね。開き直れば、そんなに悪くないさ~?♪」

その会合が始まる前の、若手達の控え室。

ディオドラと会話しているのは、大公・アガレス家の長女で、同家時期当主のシーグヴァイラ・アガレス。

長いストレートな金髪の、眼鏡を掻けた少女だ。

その内容から察するに、どうやら彼女が、何時ものサイトにて、ディオドラのハンドルネームがスレ主(サトル)権限(おうぼう)で固定された きっかけの書き込みをした、御当人様らしい。

 

≫≫≫

「…けけけ、何か盛り上がっているな~?」

「「げっ…?!」」

「何だ?そのリアクションわっ!!?」

そこに会話に加わってきたのは、髪を逆毛にし、両頬に稲妻ラインの刺青(タトゥー)を施した、所謂ヤンキーな風貌の男。

首筋にも同系のラインが確認出来る事から、恐らくは身体前身に、稲妻ラインの墨が彫られているのだろう。

 

「や、やぁ、ゼファードル…

久し振りだn

「お前に用は無ーよ…

おい、シーグヴァイラ!」

「…?」

苦手としている人物なのか、口元を若干引き攣らせながら、ディオドラが この男に挨拶するが、ゼファードルと呼ばれた男は それを跳ね除け、シーグヴァイラに声を掛ける。

 

「…グラシャラボラスの狂児が、何の用かしら?」

「あぁ?!その呼び方は止めろや!クソ眼鏡ぇ!!」

ゼファードル・グラシャラボラス。

冥界の名門の1つ、グラシャラボラス家の時期当主であるが、その日頃の素行から、冥界では "狂児"の二つ名で知れ渡っていた。

尤も、本人は その呼び名は不満らしく、そう呼んだ眼鏡の少女に、声を荒げる。

 

「ハァ…で、一体 何の用なのよ?」

溜め息交じり…シーグヴァイラからしても、余り関わりを持ちたくない人物なのか、その狂児に改めて何用かと問い質すと、

「ケケケ…まだ始まるには、もう少し時間が有るみたいだからな?

どーよ?少しフケこんで、XXXしてみねーか?」

「「「「「「はぁあっ??!」」」」」」

それは、とても貴族の…ましてや将来的に その家を継ぐ者の台詞とは思えず、シーグヴァイラ、 その隣に居合わせていたディオドラが、

「ヒョウドウイッセイと、同レベルだな…」

「下手すりゃ以下かも…」

更には その傍らに控えていた各々の眷属達も、驚きと呆れの交じったかの様な声を上げてしまう。

 

ドッッ!!!

 

「「「ぬゎしぃっ?!!」」」

そして次の瞬間には、強大な魔力爆発が起き、ゼファードルの背後で下卑た薄笑いを浮かべていた彼の眷属数名が大扉毎、部屋の外に吹き飛ばされてしまった。

 

「ゼファードル…アンタ、死にたいの?…てゆーか死ぬ?…ってか死ね!

大丈夫よね?こんな お馬鹿1匹滅した処で、(うえ)も咎めたりは しないわよね?」

「ちょ…シーグヴァイラ、少し落ち着いて!

此処は穏便に…ね?」

「カッ!相変わらず、血の気が多い眼鏡だな!

そんなこっだから男が寄って来ずに、何時まで経っても処女ってんだろ!

だから この優しい俺様が開通式やってやるっ()ってんだろが!

有り難く受け入れやがれ、このクソアマ!」

「あ゙っぁあ?!」

「ゼファードルも!

何で火にガソリンぶっかけてんだよ、キミわっ?!」

この後に展開されたのは、シーグヴァイラとゼファードルが火花を散らしながら一触即発な雰囲気で言葉を交え、それをディオドラが必死に宥め透かす図。

背後では互いの眷属達も、睨み合いで牽制し合っている。

 

「ケホ…もぅ、何なのよ!今の爆発は?!」

「シーグヴァイラにディオドラと…

…どうやら また、グラシャラボラスの狂児が何やら騒ぎを起こしたみたいですね。」

「やれやれだな…」

其処に煙を掻き分けながら やってきたのはリアス・グレモリーとソーナ・シトリーに その眷属達。

そして逞しい体躯の、黒髪紫瞳の若い漢だった。

 

「ディオドラ、説明頼めますか?」

「斯々然々!」

「ま゙…?!」

(あっき)れた…」

「ハァ…本当に やれやれだ。」

そしてソーナからの要請でのディオドラの説明に、改めて呆れ顔を見せるリアス達。

 

「サイテーだわ。」

「兵藤より酷いわね。」

「いえ、甲乙着け難い?」

「いや…そーゆー時に、比較物として俺を出すの、止めて貰えます?」

…と、その眷属達。

 

「(ボソ…)ヤンキー君と眼鏡ちゃん…」

「「「「「「ぷぷーっ!??www」」」」」」

そして それを聞いての1人の呟きに数名、その元ネタを知っている者達が噴き出した。

 

「そ、その不意打ちは、卑怯過ぎます…」

「きゃはははははは!」

(くっくく)…」

当人であるシーグヴァイラ(めがねちゃん)さえも壺に嵌まったのか必死に笑いを堪え、イリナに至っては大爆笑。

夏休み前、新たにディオドラの僧侶(ビショップ)となったばかりの巫女服の少女も、笑い声を押し殺し、身を屈めて腹を抑えている。

 

「ちょ…イリナ、マリヤ、笑い過ぎ…だ…www」

「だ…だってぇ…w」

「ゼノヴィアさんも…www」

それに、ディオドラの戦車(ルーク)の少女が同僚と後輩な下僕を窘めるが、笑いながらでは説得力が無いのか、効果は無く。

 

「何が可笑しいぃっ!!!!?」

結果、殺伐とした場が和むが、それを面白く思ってないのはゼファードルである。

 

「女ぁ! テメーも何時までも笑ってんじゃねぇぞ、オラァ!」

「「「「!!?」」」」

 

ガシィッ…!

 

「テッメェ…?!」

感情の儘に、笑っている少女の1人に拳を振り下ろそうとするが、即座にディオドラが前に出ると、その彼女を庇う様に抱き締め、それと同時、先程リアス達と共に現れた男が空かさず前に出て、掌で その暴の拳を受け止めた。

 

「理由は どうであれ…いや、少なくとも あの程度で、女に手を掛けるのは、感心出来んな。」

「んだと、ゴラァっ!?」

そして この男…リアスの母方の従兄であり、大王家時期当主でもあるサイラオーグ・バアルの言葉にも、ゼファードルは聞き入れる様子は無い。

今更ながら、その貴族としての資質を疑問視してしまう様は、正にヤンキー以外の形容は無く。

 

「…ケッ!クソがっ!!」

しかし、周りを…自分が完全にアウェイ状態になっている空気を漸く読んだのか、舌打ちしながら、眷属達と その場を去ろうとする。

 

「なぁ?!ぁ、主ぃ!?は…はわわわ…」

尚、ディオドラに抱き締められたゼノヴィアが この時、顔を真っ赤にし、頭から湯気を出しての放心状態になったのは、別の話である。

 

「…何とか、無事に終わったみたいだね?」

「何ともガラの悪い兄ちゃんだったなぁ…」

「全くだぜ…」

その様子を見ながら、話す木場と兵藤。

確かに、魔王達との会合の前に、騒ぎを起こすのは良いとは言えない。

その場に居合わせていた以上、下僕(じぶん)達は兎も角、主に何らかの お咎めを受ける可能性は高かった為、ソーナの眷属達と共に、安堵の息を溢していた。

 

「ちぃ…あの、腹筋女が…!!」

「あ゙ぁ??!」

しかし、その"安心"は、去り際の"狂児"の一言、そして それに過敏に反応した1人の少年により、粉々に崩れさるのだった。

 

≫≫≫

 

 

※※※

 

…(中略)…な、事があったのよ。

 

◇炎の兄貴!◇

お陰であの場にいた若手は皆、騒ぎを止められなかったから同罪として、魔王様達にOHANASHIされてしまったぜ。

 

◇セイジョ☆スキー◇

後悔も反省もしていない!

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

いや、しなさいよ!

ゼファードルやその下僕達、悉く大理石の床に、犬神家にして!

 

◇セイジョ☆スキー◇

ゼファードルは因果応報の自業自得。

下僕達は、あっちが向かってきたんだから、正当防衛でしょ?

 

◇名無しの悪魔◇

犬神家って表現で察せるが、絶対に過剰防衛だと思うwww

 

◇セイジョ☆スキー◇

黙れ!アイツは僕の眷属を貶めたんだ!

それで黙ってる程、僕は腑抜けている心算は無い!

 

◇炎の兄貴!◇

よく言った!

そうだ、お前は正しい!

 

◇名無しの悪魔◇

いよっ!兄貴!www

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

アンタまで何、同意してんのよ!?

まぁ、確かにあのバカが、女の子に言っちゃいけない様な事を言ったのは間違いないけど…

 

◇セイジョ☆スキー◇

前に胸で女性を差別するヤツはクズだと言ったけど、腹筋とかで差別するヤツも、クズだ!カスだ!

だいたい腹が割れてて、何が悪い!

ララティーナもゼノヴィアも、腹の筋を指でスゥッとなぞったりすると、「ひゃぁあんっ?!♪」とか言って、凄く可愛い反応を見せてくれるんだからな!!

 

◇名無しの運対常連◇

いや、聞いてないから

 

◇名無しの聖剣使い(天然)◇

あ、主ぃ~っ!?

余計な事は、言わなくて良い!

てゆーか、本名出すな!

 

◇名無しの聖騎士(元)◇

や…止めろ主殿!

そのタイプの恥辱は、私の求めているそれとは違うぞ!

 

◇名無しの悪魔◇

当人、デター!…って、コメントが何か変?

 

◇名無しの悪魔◇

…って、然り気にノロケてんなよ!

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

おのれセイジョ☆スキーおのれセイジョ☆スキーおのれセイジョ☆スキーおのれセイジョ☆スキーおのれセイジョ☆スキーおのれセイジョ☆スキーおのれセイジョ☆スキーおのれセイジョ☆スキーおのれセイジョ☆スキーおのれセイジョ☆スキーおのれセイジョ☆スキーおのれセイジョ☆スキー…!

 

◇名無しの聖剣使い(天然)◇

…ちょっと誤解されているみたいだから言うが、私は言われる程、腹筋は割れていないぞ?

ほんの少しだけ、鍛えた成果がある程度だからな?

ララティーナはガチ割れだが…

 

◇名無しの聖騎士(元)◇

嘘を吐くな~!?

私も少しだけ割れてるだけで、決してガチなんかじゃないからな!!

本当だぞ!

 

◇炎の兄貴!◇

いや、腹筋が割れている女性、俺はアリだぞ?

 

◇コヤス=サン◇

うむ。

確かに腹の筋をつつーって、なぞった時の反応は、凄く可愛いよな♪

本人の戦士として誇らし気な反面、女としての「それ」を気にしてる心理的ギャップが、凄く可愛いんだ。

敢えて言おう!

ぶっちゃけ、気にする必要は全然無いんだぞ!

寧ろ、それは魅力だ!

 

◇セイジョ☆スキー◇

おーっ!

 

◇炎の兄貴!◇

おおーぅっ!!

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

な、何かまた沸いて出たぁ??!

 

◆スレ主◆

ん。とりあえず女性に対して、腹筋ネタで弄るのは、止めておこうぜ。(昔、姉ちゃんにマジにシバかれた…orz)

そんな訳で、続く!

 

 

※※※

 




 
【吉報】何だかセイジョ☆スキーが、主役みたいになってる?件www
 
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恐るべきスキル!(仮)

 
今回の予習。
①正確には、Erectile Dysfunctionの略称(笑)。
 
②天照大神…安心院さん(めだかボックス)
…のイメージで
 


 

※※※

 

◇炎の兄貴!◇

【悲報】この3日間ほど、下僕の女子2人が、口を聞いてくれない件 orz

 

◇名無しの悪魔◇

兄貴?

 

◇名無しの悪魔◇

どうしたんすか?

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

どーせ、またセクハラかましたんでしょ?

 

◇名無しの悪魔◇

それなら、仕方ないwww

 

◇名無しの悪魔◇

兄貴、これは土下座っすねwww

 

◇炎の兄貴!◇

違ーーーーーーーーーーーう!!!!

俺はただ、2人の鍛錬メニューに腹筋強化と、それと食事にプロテインを推奨しただけだ!

それと■■■■■■■(もろ本名だったので、修正いれました byスレ主)!「また」とは何だ、「また」とは?

 

◇名無しの悪魔◇

(笑)草www

 

◇名無しの悪魔◇

そのコメントで、腹筋が鍛えられたわwww

 

◇名無しの運対常連◇

さては兄貴、前回のセイジョや子安さんのコメント見て、自分も下僕相手に腹筋つつーっプレイ、やりたくなったな?www

 

◇名無しの悪魔◇

なるほど。

 

◇名無しの悪魔◇

そーだったんか

 

◇名無しの悪魔◇

そりゃ、シカトされるわ

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

やっぱりセクハラじゃない

 

◇炎の兄貴!◇

違うぞ!そんな事は、断じて無い!

 

◇通りすがりの嘘発見器(呼鈴)◇

ちりーん

 

◇名無しの悪魔◇

wwwwwwwww

 

◇名無しの悪魔◇

兄貴…素直に土下座して謝りましょうよ…

そしたらその2人も、許してくれますよ

 

◇炎の兄貴!◇

うぐぐぐ…!?

本当に違うのに…

 

 

※※※

 

 

≫≫≫

「この前振りだなぁ。」

「私は実は此所、初めてです。」

「だにゃ。」

…サトル、白音、黒歌は某県の霊峰、【日本神話】か擁する、隠し神殿に足を運んでいた。

数日前、サトルが自分が受けた()()について、組織に報告した結果の呼び出しである。

 

「サト君。まだ少し、時間もあるみたいだし、神殿の中を案内して下さい。」

「だにゃ!」

「いや、俺も全部知ってる訳じゃないし、下っ端が歩き回れる範囲(エリア)って限られてるぜ?」

初めて訪れる神殿。

その豪華絢爛さに、一応は任務の一環として訪れている筈が、完全に観光モードとなった猫姉妹に、サトルは半ば呆れる様に、神殿内をエスコート。

 

カチャ…

 

「「「「「あ…」」」」」

その途中、個室となっている茶室の扉を開けてみると、そこに居たのは、2人の美少女。

その内の1人、サトルと同年代やや上に見える、艶やかな長い黒髪の少女は丁度 着替えの最中だったらしく、今は上下の下着のみな姿だった。

 

「………………………………。」

「ど、ども~…

きょ、今日は、イチゴさん…ですか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※現在、サトル君が剣術系スキル100連発でシバかれています。

暫く お待ち下さい。m(_ _)m

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※現在、サトル君が銃撃系スキル100連発でシバかれています。

暫く お待ち下さい。m(_ _)m

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※現在、サトル君が魔法系スキル100連発でシバかれています。

暫く お待ち下さい。m(_ _)m

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※現在、サトル君がラスボス系スキル100連発でシバかれています。

暫く お待ち下さい。m(_ _)m

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※現在、サトル君がMuscle技100連発でシバかれています。

暫く お待ち下さい。m(_ _)m

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぅぅう…」

「全く…確かに施錠もせず、あんな部屋で着替えていた僕も悪いかも?だけど、せめて扉を開ける前にはノックくらい、するべきだと思うぜ?」

襤褸雑巾となり、畳に這い着く張っているサトルを戒めている黒髪の少女。

実は彼女こそ、【日本神話】の主神の天照大神である。

 

「次、こんな事があったら、それが狙い済ました意図的でも、ラッキーなハプニングでも関係無く、病魔系スキルを発動させて、サトル君の〇〇〇(あ・れ・♪)を、【End of Danseiki】にしてやるからな。

その結果、黒歌ちゃんと白音ちゃんに、『E?Damenano?www』と言われる事になる。」

「すいません。まじ、すいませんした。」

和服系ドレスを着た天照大神の かなりマジな脅しに、必死に土下座して謝るサトル。

 

「な…なんて恐ろしいスキルなのでしょう…

サト君のサトきゅんが、役起たずになるなんて…」

「ERO is Dangerous.だにゃ!!」

…多分、この姉妹の頭の中が、一番デンジャラスである。

 

「ぅう…」

「…って、天照様?どうするんですか?()()?」

「これじゃ会議、報告も説明も出来ないにゃ?」

「しょうがないなぁ…

アーシアちゃん、()()修理(なお)しといて。」

「は、はい!」

「じ…字が…違…ぅ…」

…この後、サトルは少し前に天照の侍女兼弟子となった、巫女服を着た金髪美少女が宿す、癒しの神器(セイクリッド・ギア)によって回復した。

 

≫≫≫

「…変に拉致って、例えば神殿(ここ)の所在がバレるよりか…と思い、伝達役を兼ねて貰う意味で、放置しておきましたが。」

「成る程…ね。

まぁ、間違ってない…って、言っておくよ。」

 

…それから少し時間は経ち、神殿の広間で、今回 呼び寄せられた面々の前で、サトルが この度の あらましを説明。

数日前の夜、サトルと白音、黒歌は外出(デート)先で、怪しげな男達に声を掛けられていた。

色々な意味で只者でない事に気付いたサトル達は とりあえず荒事を避け、人目を避けた場所で話を聞いてみる事に。

すると男達曰く、『組織に入り、仲間になれ』だとか。

サトルとしては、それに対して丁重に お断りした心算だったのだが、その時の言葉使い…単語の選び方が間違っていたのか、相手を激怒させてしまい、少なくとも戦闘は避けられない事態に。

丁度その時、離れた場所で魔力の衝突を感じ、サトルは白音達にアイコンタクトで、その場の詮索を依頼。

恐らくは…里帰りしているリアスかソーナの代理の者が、はぐれ悪魔か或いは別の不法侵入者との戦闘を始めた…と、アタリを付け、ならば自分は極力 目立たぬ様にと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、純粋な体術、格闘術だけで瞬時に一蹴。

殺しこそしてないが、的確に関節や人体の"急所"に深く重いダメージを与え、相手を動けなくさせる事に成功させた。

直接の師である妖狐の指導だけでなく、その師の伝手による、世界各地の名だたる闘神と呼ばれる存在から師事を受けた、戦闘技術は伊達では無かった。

 

≫≫≫

「ふぅん…カオス・ブリゲード…ねぇ?

そいつ等、サトル君の今の所属…日本神話(ぼくたち)の事を知っていて、スカウトしに来たのかな?」

「いえ、多分 違うと思いますよ?

少なくともサイト等の予備知識は無いのか、俺が ()()()()()()だという事は知らない様子でしたし、白音達に対しても、2人が人間でない事に気付いてない感じでしたから。

恐らくは偶々、あっちの組織の、何かしらの能力(チカラ)を持つ存在を捜す役割な者に、見付かっだけでしょう。

…楽観し過ぎですかね?」

「う~む…」「ほほぅ…」「ふむ…」

サトルの報告、そして その中で出た組織の名前に、今回 天照に召集された者達…"神"格の者や妖怪、人間の諜報員達が、様々な顔を見せる。

 

「カオス・ブリゲード…か。」

「知っているのかい? 雷電 建御雷神(タケミカヅチ)君?」

「…うむ。」

そして1柱の神が、その組織名に何か心当たりが有るかの反応を見せ、天照が説明を求めた。

この神…建御雷神(タケミカヅチ)が言うには、それがサトルに接触した者達との関連は判らないとした上で、自分が知っている、【禍の団(カオス・ブリゲード)】なる集団の事を話し始める。

要約すれば、それは遥か過去、堕天使組織【神の子を見張る者(グリゴリ)】を出奔した堕天使が立ち上げた、テロリスト集団だとか。

堕天使の他にも現状を好しと思わない、悪魔や人間達、所謂 世の はみ出し者達が、籍を連ねている…らしい。

 

「大昔の話、そして日本神話(われら)には、全くと言って良いほど関わりが無かったので忘れていたが、その名を聞いて、思い出した。」

「ふぅん…成る程ね…」

「堕天使…ですか…」

 

≫≫≫

そして その後も話し合いは続き…

 

「今回の相手が その名前を勝手に語っているだけなのか、それとも本当にテロ集団メンバーかは知らないが、そういう輩が国内に現れたのなら、流石に傍観は出来ないね。

テロ集団てのは、基本的に自己中な奴等ばかりだから、またサトル君に…次は それこそ、周りの被害なんか考えずに ちょっかい掛けてくる可能性大だ。

今度は取り抑えて、何を企んでるか、話して貰おう。

…そんな訳で、悪いけどサトル君達は、暫くの間 ()になって貰うよ♪

大丈夫、きちんと護衛を就けてあげるからさ。」

「まぁ…良いですけど…

それと俺も、別方面に心当たりが有るので、そっちから探ってみますよ。」

 

…今後の対応策が決まった処で、この日は解散となった。

 

≫≫≫

そして翌日。

 

「…そんな訳で、今日から暫く、神代君のガードに就く事になった、烏丸だ。

まぁ…今更言うのもアレだが…

サトル君。改めて、宜しく頼むよ。」

「同じく、東條さん姉妹の護衛を務める事になりました、松本です。」

「才橋です。宜しく。」

「「「は…はぁ…」」」

早速、サトル達の元に、黒のスーツを着た男女が訪れたり。

 

≫≫≫

 

 

※※※

 

◆スレ主◆

突然だけどBSADB★総督(笑)、カオス・ブリゲードって知ってる?

 

◇BSADB★総督(笑)◇

いきなり、何を言ってるんだ、お前わっ?!

それ、誰から聞いた?

 

◆スレ主◆

それは、次回以降にて!

続く!

 

 




 
烏丸惟臣…烏間惟臣(暗殺教室)
松本蘭…松本乱菊(BLEACH)
才橋雀…砕蜂(BLEACH)
…のイメージで
 
 
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ロリっ娘のターンっス!

 
サブタイで『ひゃっはー!』と乱舞した諸氏、とりあえず落ち着いて座ろうか。
  


 

カツーン、カツーン…

 

「な・ん・で・エレベーター動かないし…」

7月末日の ある日、駒王町の片隅に建つ、廃ビルの非常階段を上る男。

ネイビーのカッターシャツにノーネクタイ、ダークブルーのズボンな服装、そしてシャープなデザインのサングラス…と云った出で立ちの この男が、5階建てビル最上階の、今は誰も使っていない一室の扉を開けた。

 

ピコ…ピコ…♪

 

「あ、計った様に、時間ぴったりっスね。」

其処に居たのは、古びたソファに座り、携帯ゲーム機で遊んでいた、小柄な金髪の少女。

 

パサァッ…

 

「ちーっす♪ ウチ、アザゼル様の代理で来た、ミッテルトっスよ~♪

アンタが ()()、ガルーダっスか?

へ~、思ったより若いっスね~?

妻帯者とは思えないっスよ?」

ゲームを止め、背中から黒い翼を出したゴスロリ衣裳の少女・ミッテルトが、軽い口調で男…サトルに挨拶する。

 

「…ガルーダ、だ。

成る程…キミが、"美少女ロリっ娘"か。」

「うがーっ!だから、ロリって()ーなっス!!」

それに対し、サトルも目の前の少女が例のサイトの常連と察し、そのスレ主として挨拶するが、この幼女体型の美少女は、この男の呼び方が お気に召さなかったらしく、顔を赤くして憤慨するのだった。

 

≫≫≫

『初めまして…だな。

俺がグリゴリ総督の、アザゼルだ。

先ずは直接出向く予定だったのが、この様な形になってしまった事を詫びよう。』

ミッテルトが持つノートパソコンの画面越し、金と黒、プリンカラー頭の男がサトルに話し掛ける。

グリゴリ総督、アザゼル。

先日、サトルがスレ内で この男に、かつてグリゴリを離反した堕天使が作り上げたテロリスト集団、【禍の団(カオス・ブリゲード)】について尋ねようとするが、この堕天使総督は、それはパソコン画面で出来る遣り取りでは無いと、その場での返答を拒否。

その上で、"先のエクスカリバー騒動の際、事を起こした堕天使幹部とサトルの所属先の諜報が接触した場所"を、話し合う場所として指定。

サトルも それを了承し、【日本神話】諜報部隊『NIN=JA』のメンバー、蜷局から その場所を聞いた上で、約束した この日この時刻この場所に、足を運んだ訳だが…

 

『…いや、俺も本当は本部(ここ)を抜けて、地上(そっち)へ向かおうと思ったのだがな…』

要約すれば、最初は堕天使総督も、(仕事そっち除けで)自ら その場に足を運ぶ予定だったが、組織の副総督に『そうは させませんよ!』と捕まり、現在は執務室で監禁されての、書類仕事に追われているとか。

 

「それじゃ早速、この前の続きですが…」

『いや お前…「御愁傷様です」位、言えよ?』

サトルは先日、カオス・ブリゲードと名乗る男達に、組織勧誘を受けた事を説明。

同じ名称である、件の組織との関連性を問い質すが、

「成る程ねぇ…。それは、だな…」

それについてのアザゼルの答えは…

 

①サトルに接触した者達は、()()禍の団(カオス・ブリゲード)】とは無関係

②何故なら その組織は大昔に既に、グリゴリが潰しているから

()()のカオス・ブリゲードは約5年前、新たに【聖書】関係者だけでなく、様々な勢力の不穏分子が寄り集まり、立ち上げた組織の可能性が高い

 

『まぁ、俺が お前に教えられるのは、こんな物だな。

兎に角 奴等、今の世が気に入らねえって、世界を引っくり返して混乱させた上で、支配しようとしてるんだ。

その為、少しでも戦力をと…って感じで、お前さんにも声を掛けてきたんだろうよ。』

…らしい。

 

≫≫≫

 

※※※

 

◆スレ主◆

【吉報】駄肉姫が町から去って、平和な件

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇名無しの悪魔◇

何だよ、それ?www

 

◇名無しの悪魔◇

一応、何があったのか、聞こうじゃないか

 

◆スレ主◆

夏休みに入って、駄肉姫と、ついでにソーナ嬢が冥界に帰ってるよね?

…で、その代わりに管理人代行として駒王町入りしている、多分、グレモリー家とシトリー家の人が、凄く有能なんだわ。

はぐれ悪魔とかの不法侵入者を、迅速に処理してくれています。

平和だ!

あざっす!

御苦労様で御座います!

 

◇名無しの悪魔◇

wwwwww

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇名無しの悪魔◇

無能不要説浮上www

 

◇名無しの悪魔◇

でも夏休みが終わると、また無能が管理として戻ってくるんだよな

 

◆スレ主◆

チェンジ!

 

◇名無しの悪魔◇

(笑)

 

◆スレ主◆

それから、もう1つネタが。

今日の昼間、BSADB★総督(笑)とパソコン画面越しにだが直接、少し話したのだが。

 

◇名無しの悪魔◇

あ、もしかしてカオス何とかについて?

この前、すぐに書き込み削除したヤツ。

 

◇名無しの悪魔◇

そんなのがあったのか

 

◇名無しのハーフ◇

俺、見てないわー

 

◇名無しの悪魔◇

俺もだ。直ぐに消したって事は、相当にヤバイ内容だったのか?

 

◆スレ主◆

少なくとも今は、語れないレベルにね。

…で、これからが本題。

今回、その仲介に入ってくれたのが、このスレのアイドル?(笑)、の美少女ロリっ娘ちゃまでしたー。

 

◇名無しの悪魔◇

何だと?!

 

◇名無しの悪魔◇

ロリっ娘!

 

◇名無しの悪魔◇

ロリっ娘!

 

◇名無しの悪魔◇

ロリっ娘!

 

◇名無しの悪魔◇

スレ主、ロリっ娘に会ったのか?

 

◇名無しの運対常連◇

落ち着け、このロリコン共め!!

 

◇名無しの悪魔◇

何だとーっ!?

何か、文句あるんか、ゴラァッ!?

 

◇名無しの悪魔◇

もしもし、ポリスメン?

 

◇名無しの悪魔◇

おまわりさん、俺です。

 

◇名無しの運対常連◇

自首しやがった!www

 

◇名無しのの悪魔◇

でだ、スレ主!

このロリっ娘の容姿は?

どうだ?本当に美少女だったのか?

 

◇名無しの悪魔◇

違ってたらグリゴリに『詐欺だ!』って訴えてやる!

 

◆スレ主◆

お前等、マジに落ち着けwww

金髪ツインテの吊り目系で、確かに美少女のカテに入れて問題の無い、幼女体型なゴスロリ美少女だったぞ。

ちなみに年は、14才だそうだ。

 

◇名無しの悪魔◇

ロリっ娘、キター(゚∀゚ 三 ゚∀゚)ー!

 

◇名無しの悪魔◇

幼女体型、ひゃっはーっ!!

 

◇名無しの悪魔◇

14才!(*゚∀゚)=3ハァハァ

 

◇名無しの悪魔◇

YES!

 

◇名無しの悪魔◇

美少女!美少女!美少女!美少女!

 

◇名無しの悪魔◇

待て、まだ喜ぶのは速い。

今はスレ主の証言だけだ。

もしかして、スレ主の美少女診断の基準が、世間一般的に、大きくずれている可能性もある。

 

◇セイジョ☆スキー◇

いや、前回のエクソシストの例からして、このスレ主の、美少女か否かの判断基準は信頼出来るよ。

それは僕が、貴族として保証する。

 

◇名無しの悪魔◇

そのエクソシスト、アンタがお持ち帰りしたんだよな!

 

◇セイジョ☆スキー◇

その後、たいへん美味しく戴きました(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

ちっくしょぉーっ!

 

◇名無しの悪魔◇

落ち着け。

とりあえず、ロリっ娘が美少女と判った。

それだけで、朗報だ。

 

◇名無しの悪魔◇

いゃっほぉ~ぅい!!

 

◇名無しの悪魔◇

ロリっ娘!ロリっ娘!ロリっ娘!ロリっ娘!

 

◇名無しの悪魔◇

ロリっ娘美少女ひゃっはー!

 

◇名無しの運対常連◇

マジにロリコンばっかだな?!

 

◇名無しの悪魔◇

大丈夫か?このスレ?

 

◇名無しの悪魔◇

マジに通報するか?

 

◇名無しの心療医師◇

待ちなさい。さっき、スレ主も言っていたではないですか。

件の美少女は14才だと。

ロリコン…精神医学では正式には『ペドフィリア(小児性愛)』と呼ばれているが、これは対象年齢が13才以下の場合に限ると、きちんと規定されているのですよ!

 

◇名無しのの悪魔◇

…つまり?

 

◇名無しの心療医師◇

そう! 14才美少女は、医学的にはロリではない…則ちセーフなのです!

 

◇名無しの悪魔◇

な、何だってーーーーーっ!!!!!

 

◇名無しの悪魔◇

そうだったのか!

 

◇名無しの悪魔◇

安心した!

 

◇名無しの悪魔◇

いよっしゃーっ!

 

◇名無しの悪魔◇

俺はロリコンじゃないぞー!

 

◇名無しの悪魔◇

おーっ!

 

◇名無しの運対常連◇

社会倫理的にアウトだよ!

医学的より、倫理を重視しろよ!

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

うがーっ!!

さっきから乙女に対してロリロリって、いい加減にしろっス!

 

◇名無しの悪魔◇

純粋な誉め言葉です!

 

◇セイジョ☆スキー◇

【緊急速報!】魔王様主催のパーティー会場に、旧魔王の一派が攻めてきた件

 

◇名無しの悪魔◇

まじ?

 

◇セイジョ☆スキー◇

まじ。現場は混乱だよ。

 

◇名無しの悪魔◇

よし、セイジョ☆スキー!

実況は任せた!

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

何か、話題かっ浚われた気がするけど…とりあえず続くっス!

 

※※※

 




 
この小説では、ミッテルトちゃんの年齢は、14才と設定します。
 
次回『 熟女 大人の女性のターン(仮)』
乞う御期待!
 
感想、評価、よろしくです。
 


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襲来!【禍の団(カオス・ブリゲード)】!!

 
原作と違い、今作品では、セラフォルーの眷属をガンガン出す予定です。

※ m(_ _)m
誤字報告、何時も感謝です。
  


…それは、魔王セラフォルー・レヴィアタンが催したパーティーでの出来事。

サトルがアザゼルに、カオス・ブリゲードついて話をきいていた この日の夜、セラフォルー・レヴィアタンは、現在の彼女の拠点であるレヴィアタン城にて、多数の貴族を招いてのパーティーを開いていた。

其処には、リアスやソーナ達若手悪魔も、其々の眷属を伴って参加しており。

 

≫≫≫

「ぐぬぬぬ…

ライザー…様だけでなく、あのディオドラ…様…も…かよぉ!?」

「…兵藤君、落ち着こ?」

ディオドラが自分の眷属達や他家の子女と談笑している様を見て、不機嫌顔になっているのは兵藤である。

兵藤はディオドラ・アスタロトを苦手とし、そして嫌っていた。

今までの、自分やリアスに対する接し方も(その原因が どちらに在れ)好く思ってなかったが、先日の若手悪魔の集いの際の、ゼファードル相手の大乱闘で、その強さ、戦闘力を目の当たりにして畏縮。

その発端が、眷属(じょせい)を貶めた事な点だけは、一瞬だが好感を覚えもしたが、

「…っるっせーよ、イケメン!

ちぃっくしょおぉお?!

美女美少女沢山(ハーレム)かよぉお!?

羨ましいんだよぉおおっ!!」

そのディオドラの眷属(パーティー)構成…それが己の野望(ゆめ)と合致していた事により、その感情、共感を魂の中で吹き荒ぶ嫉妬の炎が凌駕、一瞬にして吹き飛んでいた。

因みに この後、兵藤と話していたイケメンとやらが、眼鏡を掻けた長い黒髪の少女達に拉致された事により更に荒れ、その光景を見ていた見知らぬ大柄な悪魔(おとこ)から『同志(とも)よ!』の言葉と共に、目の部分の周りに炎の飾りが施された白い覆面を手渡されたのは、全く別の話である。

 

ドドッゴォオーーーーーーーン!!

 

「「「「「「「「「「??!」」」」」」」」」」

そんな中、事件は起きた。

派手な爆発音と共に、会場が大きく揺れ動く。

 

「な、何事なの?」

「セラフォルー様、後ろに!」

 

ジジャッ!

 

 

「衛兵!」

「「「「「「「はっ!」」」」」」」

急な展開に、少し冷静さを欠いたセラフォルーを、その隣に居た女性が落ち着かせ、後ろに退がる様に促すと、自身は紫のパーティードレスを漆黒に煌めく全身鎧に瞬時に換装、フロアに控えていた警備兵に、他のVIPの安全確保や事態確認を命じた。

 

≫≫≫

 

ヴォ…

 

「「「「「「「「「「!!?」」」」」」」」」」

広いパーティー会場の片隅に来場者達が集まり固まった時、その部屋の真ん中に魔方陣が浮かび上がり、1人の女が姿を見せた。

 

「うっは!凄い美j…す、(スイマセン…)

全く場を考えてない発言が出たが、確かに魔方陣から現れたのは、その言葉に違わずな、眼鏡を掻けた、褐色肌の金髪の妙齢な美女だった。

 

「ふふふ…御機嫌よう、セラフォルー・()()()()。」

「か…カテレア…ちゃん…?」

 

≫≫≫

 

※※※

 

◇セイジョ☆スキー◇

現状はレヴィアタン様に、カテレア・レヴィアタンが…

ややこしいし面倒だからから、セラフォルー様とカテレアって表記するよ。

…で、カテレアからすれば、セラフォルー様が「レヴィアタン」を名乗るのが、気に入らないらしく、因縁をつけてる。

 

◇名無しの悪魔◇

そりゃ、旧魔王からすればね~?

 

◇名無しの悪魔◇

攻めてきてるのは、カテレアだけ?

 

◇セイジョ☆スキー◇

この会場内にはね。

外には、最初に城に攻撃を仕掛けたっぽい集団がいるけど…って、もしかして、あれ、人間の魔法使い?

 

◇名無しの悪魔◇

わっつ?

 

◇名無しの悪魔◇

え?人間?

 

◇名無しの悪魔◇

どうやって、人間が冥界に入ってるんだよ?

 

◆スレ主◆

『座標』さえ分かっていれば、高等転移術式の使い手なら、人間でも冥界入りは可能だ。

もっとも今回は そのカテレアとやらか、その配下の者が手引きしたのだろうけど。

 

◇名無しの悪魔◇

スレ主!

 

◇セイジョ☆スキー◇

兎に角、庭にはカテレアの部下なのだろう、大勢の悪魔と人間が、待機している。

それから、素早く実況する為に、この先はスマホが拾った声を直接文字変換しての自動投降モードに切り替えるから。

 

◇名無しの悪魔◇

ナイス。(*^ー゚)b

 

◇名無しの悪魔◇

実況の鑑だぜ!

 

◇名無しの悪魔◇

でも、滑舌とか大丈夫?

 

◇名無しの悪魔◇

ワケワカメな文字列が並んだりしないだろうな?

 

◇セイジョ☆スキー◇

僕は天○源○郎さんや○州力さんじゃない!(一部、伏せました。byスレ主)

あ、庭に沢山の衛兵が出てきて、戦闘が始まった。

 

◇名無しの悪魔◇

始まった!

 

◇セイジョ☆スキー◇

どうやらカテレアは…というか、旧魔王の一派は、「かおすぶりげーど」なる集団に所属したとか言ってる。

 

◆スレ主◆

カオス・ブリゲードだと?!

 

◇名無しの悪魔◇

知っているのか、スレ主!

 

◆スレ主◆

うむ!

…だけど、俺が話して良い事か…

総~ぉ督ぅ~?

どうせ今、見てるんでしょ~?

解説ぷりーず?

 

◇BSADB★総督(笑)◇

応よ(笑)。

しっかし何だか、今日の今日で、凄いタイミングだな。

スレ主とは昼間、奴等の事で少し話をしたばかりなのだが…

ま、簡単に言えば、

 

カオス・ブリゲードとは、今の世の中が気に入らないって事で、世界征服を目論む、悪の秘密結社である!

 

…と、こんな感じだ。

しかし、旧魔王の連中も、奴等に加入していたとはね。

 

◇名無しの悪魔◇

つまり、テロリスト…と。

 

◇BSADB★総督(笑)◇

そーゆーこった。

 

◇セイジョ☆スキー◇

続けるよ?パーティー会場は現在、セラフォルー様とカテレアが、城の衛兵や魔王直属兵、そしてバイオレート様を挟んで言い合いしている。…けど、これが何時、外みたいにバトル突入しても、おかしくない空気だよ。あっ…

 

◇名無しの悪魔◇

どうした?

 

◇名無しの悪魔◇

「あっ」って何?「あっ」って?

 

◇名無しの悪魔◇

バトル突入か?

 

◇名無しの悪魔◇

まさか、また無能や性犯罪者が、余計な一言二言と一緒に飛び出したとか?

((( ;゚Д゚)))

 

◇名無しの悪魔◇

やだー、まさか、それはないでしょー(震)

 

◇名無しの悪魔◇

頼むから違うと言え!(命令形)

 

◇セイジョ☆スキー◇

いや…外の方だけど、テロ軍団と城兵が戦ってる中に、白い鎧を着た乱入者だ!あの鎧、この前の駒王学園での堕天使絡みの戦闘の時に、ドドド男と一緒に出オチしてた人物だよ!それと仲間に、長棍を振り回す漢鎧の男と、眼鏡の剣士だ!テロ側に加勢する感じで、次々と城兵を薙ぎ倒している!

 

◇名無しの悪魔◇

出オチ…www

 

◇名無しの悪魔◇

登場時には既に、ボコられて気絶していたってゆうアイツかwww

 

◇セイジョ☆スキー◇

イグザクトリーで御座います!

 

◇名無しの運対常連◇

よかった…無能が暴走した訳でなくて、本当によかった…

 

◇名無しの悪魔◇

だな。

 

◇名無しの悪魔◇

…じゃ、ねーだろ!つまり、敵なんだろ?!

 

◇セイジョ☆スキー◇

外側は、城兵が更に援軍が…って、室内、バイオレート様とカテレアも、ついに戦闘に入ったよ!カテレアが魔力弾を周囲無差別に撃ち出した!

 

◇名無しの悪魔◇

いや、アンタ、平気なのか?

 

◇セイジョ☆スキー◇

僕達来賓の前には、既に魔法障壁が張られている。さっきからの言い合いの中、その能力を持った魔王兵さんが、密かに術式を組み上げていたんだろう。カテレアも驚いてるよ。あ、バイオレート様が突進!強力な体当たりを浴びせてその儘、室内の壁を破壊!屋外戦に誘い出した!…って、ちょっとぉ?!

 

◇名無しの悪魔◇

何だ?

 

◇名無しの悪魔◇

今度は、何があった?

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

うむ!今起きている事をありのままに話すと、バアルの若僧とグレモリーの小娘とその眷属の茶髪な小僧、ついでにアスタロトの坊主の眷属の金髪ポニテの嬢ちゃんも、外に飛び出そうとして…今、周りの若い連中がそれを必死に止めているぞ。

 

◇名無しの悪魔◇

ここでかよっ!

 

◇名無しの悪魔◇

ここで無能かよ!?

 

◇名無しの悪魔◇

んな御約束、要らねーから!

 

◇名無しの悪魔◇

さっきの安心感、返せし!

 

◇名無しの悪魔◇

…って、兄貴!(…だよね?)アンタも何やっちゃってんの?

 

◇名無しの運対常連◇

てゆーか、しっとマスク=サン、アンタもパーティーに参加してたのかよ?www

 

◇名無しの悪魔◇

実は、かなりな上の人?

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

正体探りはマナー違反だぞ?

それよりも、どうやらセイジョ☆スキーが実況処では無くなったので、とりあえず俺が実況しよう。

 

◇名無しの悪魔◇

おなしゃす!

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

バイオレート殿とカテレア・レヴィアタンは、空中で接近戦と魔弾戦を繰り返している。

どうやらカテレアは、距離を開けたいみたいだが、バイオレート殿がそれを許さない様だな。

…むむ?

 

◇名無しの悪魔◇

どした?

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

此方側に、援軍だ。

あの鎧は、魔王様の直属兵だな。

それを率いているのは黒装束に白い羽織姿の…トゲトゲというかギザギザというかな頭髪に、片眼に眼帯を嵌めている、見るからに凶悪な顔(失礼!)の大男だ。

あの男、強い!

身体から少し『殺気』を開放しただけで、旧魔王派の者を何人か倒し、ついでにこの場の来賓も何人か、倒れてしまったぞ。

それで現在、白鎧と漢鎧と眼鏡の3人と、対峙している。

 

◇セイジョ☆スキー◇

はぁ~、やっと、リアス達を抑える事が出来たよ…続く!

 




 
次回、白鎧、漢鎧、眼鏡の運命は?www
 
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最凶の野獣!

 
まだ途中経過ですが、アンケートの結果…
ですよねー(笑)
 


 

※※※

 

◇セイジョ☆スキー◇

はぁ…とりあえず、しっとマスク(血涙)サン、中継ぎありがとうございました。現在だけど、あのギザギザ頭の男の人が…え?何だい、シーグヴァイラ?

 

◇セイジョ☆スキー◇

あ…ん。分かった、ありがとう。あの援軍を率いていた男の人は、セラフォルー様のもう1人の戦車であるザラキ・ケンパチ様だそうだが、そのケンパチ様がカテレアと空中で戦闘中だよ。

 

◇名無しの悪魔◇

ちょっと待て。

白鎧と漢鎧と眼鏡は、どうした?

 

◇名無しの悪魔◇

前回はケンパチさん、その3人と対峙しているんじゃなかったか?

 

◇セイジョ☆スキー◇

その3人なら、犬神家になってるけど?

 

◇名無しの悪魔◇

早っ?!

 

◇名無しの悪魔◇

また出オチかよ?

 

◇名無しの悪魔◇

戦闘シーン無しかよ?

 

◇名無しの悪魔◇

せめて瞬殺でも良いから、少しは戦闘描写してやれ!

 

◇名無しの運対常連◇

白鎧のポジションが確定してしまうぞ?

 

◇名無しの悪魔◇

手遅れwww

 

◇名無しの悪魔◇

待て。

ケンパチさんがカテレアと戦ってるって、バイオレート様、どうなった?

まさか、やられたとか?

 

◇セイジョ☆スキー◇

いや…ケンパチさんが、あの2人の戦闘に割って入ったと思ったら、バイオレート様が退いた感じで…今は他の衛兵や魔王直属兵の皆さんと、戦いを見守ってる感じだよ。因みにその他のカオス・ブリゲードの面々は、既に死屍累々。

 

◇名無しの悪魔◇

え?タイマン?テロリスト相手だぜ?共闘とかフクロとかしないの?

 

◇名無しの悪魔◇

もしかして、「ソイツは俺の獲物だ、寄越せ!邪魔するな!」…的な遣り取りがあったとか?

 

◇名無しの悪魔◇

何処のバトルマニアだ?

 

◇セイジョ☆スキー◇

いや、会話を聞き取った訳じゃないけど、多分、それで合ってる気がするよ…

 

◇炎の兄貴!◇

いや!1人を…ましてや敵と云えど女を集団で嬲ろうとする等、そんな卑劣な真似は赦される事では無い!

 

◇セイジョ☆スキー◇

キミは黙ってて!

 

※※※

 

≫≫≫

バイオレートと並ぶ、魔王セラフォルー・レヴィアタンの もう1人の戦車(ルーク)、ザラキ・ケンパチ…更木剣八は、所謂 戦闘狂(バトル・ジャンキー)である。

最初に対峙した、白鎧の若者達を一瞬にして捩じ伏せると、動けなくなった者には興味を失せたのか、トドメを刺す事無く、上空へと飛翔。

バイオレートと空中戦を展開していたカテレアを次の"獲物"と定め、2人の傍へ駆け寄る。

その後は、件のスレで予想された通り、更木が この2人の戦闘に介入、無理矢理にバイオレートから戦いの権利を横から奪い獲った形である。

あくまでも共闘で無く、1vs1…でだ。

更木の性格を知っているからか、バイオレートは不満気な顔をしつつ、「ならば先に、貴様とだ!」…な不毛な展開を避けるが如くに、その場から退いたのだった。

 

「くくく…極上の獲物よ!」

「下品な男だ…」

刃毀れだらけの太刀の切っ先を旧魔王の血族に向け、野獣の如くな男が、嬉しそうな笑みを浮かべた。

 

≫≫≫

 

※※※

 

◇セイジョ☆スキー◇

ケンパチさんの斬撃を躱しながら、カテレアが魔力弾を、あっ…

 

◇名無しの悪魔◇

お願いですから、その「あっ…」ってゆーの、止めてもらえます?

 

◇名無しの悪魔◇

心臓に悪いんですけど?

 

◇名無しの運対常連◇

まさかまた、無能姫が、何かやろうとした?

 

◇名無しの悪魔◇

お願いだから、縄でふん縛ってて!

 

◇セイジョ☆スキー◇

いや、カテレアの魔力が、いきなりアップしたんだ!?今までは直撃していても、全然無傷、余裕な態度だったケンパチさんの左肩を抉る様に吹き飛ばした!…って、それでもケンパチさん、「へぇ…?少しだけ驚きました(゚∀゚)」な顔してるだけなんですけどぉ?!

 

◇BSADB★総督(笑)◇

成る程、蛇のチカラ…か。

…にしても、肩を飛ばされてその反応か。

流石は最凶戦車…相変わらずな野獣っ振りだぜ。

 

◇名無しの悪魔◇

総督?

 

◇名無しの悪魔◇

何か知ってるの?

 

◇BSADB★総督(笑)◇

ん?蛇についてか?

それとも更木剣八についてか?

 

◇名無しの悪魔◇

両方ですよ!

 

◇BSADB★総督(笑)◇

更木は先の大戦…の後の小競り合いで、ウチの武闘派連中と、何度か戦り合うも決着着かずな間柄だ。

だから、ヤツの強さはよく知ってるつもりなだけだ。

それから『蛇』だが…今は詳しくは話せねぇが、簡単に言えば、かなり過激なドーピングアイテムだ。

それで納得しとけ。

 

◆スレ主◆

ちぃ、このBlazer shining aura darkness Blade、まだ何か隠してやがったな

 

◇BSADB★総督(笑)◇

その呼び名は止めれー!

 

◇名無しの悪魔◇

久しぶりに正式名、出たなwww

 

◇名無しの悪魔◇

Blazer shining aura darkness Blade総督www

 

◇名無しの悪魔◇

Blazer shining aura darkness Blade★総督(笑)

 

◇BSADB★総督(笑)◇

喧しいわ!あまりにもヤバ過ぎるから、黙っているだけだ!察しろ!

 

◇セイジョ☆スキー◇

落ち着いて下さい、『閃光と闇の龍絶剣』と書いて、【Blazer shining aura darkness Blade】と読む総督!兎に角、その「蛇」とやらでパワーアップしたカテレアが、今度は髪の毛をそれこそ無数の蛇に変化させて、ケンパチさんに攻撃を…あ、でもケンパチも流石にノーガードは不味いと思ったのか、その蛇を全て斬り落としながら距離を詰めての一閃!…しかしカテレアも、それをギリギリで躱して、衣装の胸元を裂かれるだけで凌いだ!

 

◇BSADB★総督(笑)◇

何…だと…?!

…って、オメーもいい加減にしろ!!

 

◇名無しの悪魔◇

www

…って、とゆー事はカテレアは今、もしかして?

 

◇セイジョ☆スキー◇

イグザクトリーで御座います!御察しの通り、胸が全開、露に…って、ちょ、ヨシコ、ユリ?目を塞がないで!?

 

◇名無しの悪魔◇

使えねー!

 

◇名無しの悪魔◇

即座にその画像を送らないからだ!

 

◇名無しの運対常連◇

ざまぁwww

 

◇名無しの悪魔◇

いや、大前提を忘れているぞ。

お前達は、そのカテレア・レヴィアタンの容姿等を知っていて、実況にひゃっはーしてり悔しがったりしているのか?

 

◇名無しの悪魔◇

そー言えば…?

実況~?その辺り、どーよ?

 

◇名無しの聖剣使い(天然)◇

マスター・セイジョ☆スキーは今、ウチの先輩殿と後輩にOHANASHIされているので、代わりに私が解説しよう。

あのカテレア・レヴィアタンは、同じ女である私から見ても、かなりな美人な部類に入ると思うぞ。

しかも、所謂『褐色肌』『金髪』『巨乳』『眼鏡』の属性持ちだ。

 

◇名無しの悪魔◇

褐色!

 

◇名無しの悪魔◇

眼鏡!!

 

◇名無しの悪魔◇

眼鏡!

 

◇名無しの悪魔◇

巨乳!

 

◇名無しの悪魔◇

眼鏡!

 

◇名無しの悪魔◇

褐色肌!!

 

◇名無しの悪魔◇

眼鏡!

 

◇私も巨乳で眼鏡ですが◇

な…何なのですか、貴方達は?

忘れてないですか?

あのカテレア・レヴィアタンは、先の内乱の生き残り…即ちセラフォルー様と同年代なのですよ?

つまり…

 

◇名無しの悪魔◇

…つまり、『熟女』属性も持ち合わせているという事だな!

 

◇名無しの悪魔◇

いやっほーぃ!熟女!

 

◇私も巨乳で眼鏡ですが◇

ちょ…?

 

◇名無しの悪魔◇

熟女!

 

◇名無しの悪魔◇

熟女!

 

◇名無しの悪魔◇

熟女!

 

◇名無しの悪魔◇

熟女ひゃっはー!!

 

◇名無しの悪魔◇

これで『人妻』属性が備わっていたら、正しく完璧だったのだが…

 

◇名無しの悪魔◇

『メイド』も棄て難い

 

◇名無しの悪魔◇

ああ、誠に残念だ

 

◇私も巨乳で眼鏡ですが◇

な、何なのよ、このスレ?

 

◇名無しの運対常連◇

ロリコンだけでなく、ジュクジョ★スキー共の巣窟でもあったのか…

 

◆スレ主◆

応…何か、泣きたくなってきたぜ…

 

◇名無しの悪魔◇

フハハハハハハハハハハハハ!

自分の眼鏡のポジションをカテレア・レヴィアタンに奪われまいかと不安になり、年齢を持ち出して切り崩しに掛かるも、却ってそちら方面で支持者を増やしてしまい、落胆している小娘よ、貴様には まだ『眼鏡』だけでなく、そのハンネとは相反する、『貧乳』の属性が残っているではないか!

それを前面に出していくが吉。

 

◇私も巨乳で眼鏡ですが◇

な…

は…はぁあああぁっ????!

 

◇名無しの悪魔◇

よく言った!その通りだ!

 

◇名無しの悪魔◇

レアだ!

 

◇名無しの悪魔◇

ステータスだ!

 

◇名無しの悪魔◇

ジャスティスだ!

 

◇私も巨乳で眼鏡ですが◇

ちょ…違ぅ…

 

◇名無しの悪魔◇

【悲報】巨乳を名乗っていた者が、実は『虚』乳だった件

 

◇私も巨乳で眼鏡ですが◇

違う!違うのよ!

 

◇名無しの悪魔◇

大丈夫だ!世の中、そっちの需要もそこそこ有るんだ!

深刻になる必要は無い!

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

うがーっ!あんなの、脂肪の塊っスよ!

 

◇名無しの悪魔◇

出たwww

 

◇名無しの悪魔◇

ロリっ娘!出てくると思ってた(笑)

 

◇名無しの聖剣使い(天然)◇

いや、本当に胸があり過ぎるのも考えモノだぞ?

男や無い者には解らぬだろうが、兎に角重くて、肩が凝るからな。

 

◆スレ主◆

だが、それが良い♪

 

◇名無しの悪魔◇

いや、あんたも其処で、ガソリン投入すな(笑)

 

◇私も『虚』乳で眼鏡ですが◇

むきーっ!

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

うがーっ!!

 

◇名無しの悪魔◇

(;・ω・)つ(牛乳)

 

◇名無しの悪魔◇

…って、バトル、どうなった?

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

今、決着したわ。カテレアは胸を晒された事で動揺して動けなくもなければ、更木殿も別にその姿を見て悦ぶ事も無く。

互いに近距離で武器を振るい合い、最後は更木殿が太刀を両手に持っての一刀両断、カテレアの身体を真っ二つよ。

 

◇名無しの悪魔◇

うわぁ…

 

◇名無しの悪魔◇

テロリスト…女相手だからって、容赦無いな…

 

◇BSADB★総督(笑)◇

そりゃ、更木剣八だからな…

 

◆スレ主◆

続く!

 

※※※

 




 
①更木剣八の容姿イメージは、『BLEACH』の同名キャラで。
 
②然り気に名前だけ登場、セイジョ☆スキーの眷属の、ヨシコさんとユリさん。
 
③何度か語ってますが、作者はソーたん、好きですよ(笑)
 
 
感想、評価、よろしくです。
 


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色々な、色々。

 
今回は、事後報告的な…と閑話。
そして次回以降の伏線…ですかね?
 


…その後、レヴィアタン城は騒然としていた。

当然ながら、旧魔王一派の急襲により、執り行われていたパーティーは中止。

パーティーに参加していなかった、セラフォルー以外の魔王達や その他、悪魔社会の政に携わる者達も報せを受けて この場に駆け付け、緊急の対策会議が行われた。

城は厳重に警備していたにも拘わらず、それを掻い潜っての、大勢の侵入を許した…これは、人間の魔法使い達の転移術式が それだけ優れていたからだが、悪魔としては まだ若いと云える魔王達は兎も角、人間を軽視していた古い悪魔達は この事実に驚愕。 

そして今回の襲撃の主犯である、カテレア・レヴィアタンが語った、【禍の団(カオス・ブリゲード)】なるテロリスト組織の頭目の名前。

それは余りにもビッグ・ネーム過ぎたのか、その場に居合わせていた"何時ものサイトの常連達"さえも、まだスレに書き込むべきでないと判断した その名前に、魔王を基とした悪魔の重鎮達は、戦慄したのだった。

 

▼▼▼

数日後の某県某市。

現在時刻はAM11:30。

その街中に在る、とあるファミレス店内は異様な光景だった。

普通の飲食店としては、そろそろ客で賑わい始める時間帯。

事実、店の中は既に、沢山の客入りで席が埋め尽くされていたのだが、その客の殆どが異質。

 

「僕も ()()()()なのだけど、こう見てみると、本当に凄い画ですね、蜷局さん?

あ、冷やしうどんセット、お願いします。」

「鯵フライ御膳。

それと、オレンジジュースください。

…田中君。それ、言っちゃ駄目なヤツと思うよ?」

夏真っ盛りだと云うのに、クールビズなる言葉を真っ向から否定するが如くな、上下をびっしりと黒のスーツに黒のネクタイを固めた男達である。

 

「知っているぜ?

オーディン君や帝釈天君にも同じ様に声を掛けて、そしてフラれてるんだよな?」

「…………………。」

そんな中、艶やかな長い黒髪の、セーラー服(夏服)を着た少女が、テーブル席正面に座る白のワイシャツにノーネクタイ、ダークブラウンのズボンな中年男に対して、不敵に微笑みながら話していた。

 

「…この国(コッチ)は大丈夫だよ。

奴等と云う存在を確認した時点で、それなりに対策は、しているからさ。」

そして周囲の黒服の男達に注視されている中、平然とタピオカプリンを口に運びながら、少女は言葉を続ける。

 

「ぶっちゃけ、他所(そと)との同盟より先に、自分ん処の内輪揉めを、和平なり制圧なり殲滅なり…完全に処理するべきだと思うぜ?アザゼル君?」

「………………!!」

この言葉に、堕天使総督と、その隣に座っている、上下ダークグレーのスーツを着た、武人然な大柄な男は何も返せず。

 

「ぅぅ…皆さん、注目し過ぎです…」

尚、黒髪少女の隣、揃いのセーラー服を着ていた金髪の少女が、周りの黒服達(ごえい)の視線に畏縮してか、注文したフルーツ杏仁豆腐をなかなか食せなかったのは、別の話である。

 

▼▼▼

更に、数日後の話。

 

「ほれ、ニート!あっちの お店、空いてるっスよ!早く早く!」

「…出来れば大勢の前で、その呼び方…は、止めて欲しいのだが。」

とあるテーマパークで、黒のゴスロリ衣裳(夏仕様)の少女に腕を引っ張られ、パーク内の飲食店に連れ込まれているのは、グリゴリに籍を置いている人間、古杜(こもり)新都(にいと)である。

 

≫≫≫

「ウチは~、たこ焼きお好み焼き焼きそばセット!それからメロンソーダっス!」

「カルボナーラとアイスミルクティーを。」

「シーフードグラタン。それとカシオレ。」

「俺は、カツ丼と うどんのセット、お願いします。…って言うか、今更だが どうして俺は、君達に遊園地に連れ出され、食事をご馳走しているんだい?」

左目尻の疵を、サングラスで隠している大男が、弱気、自信無さ気に同行している女性陣に尋ねると、

「それは長期の休みでも、ずっと自室に引き込もって恋愛SLGか格闘ゲームしかしていない不健全者に、外の空気を吸わせる為でしょ?」

「良いじゃないか、()()()()()()で、臨時ボーナス、たっぷり貰ってるんだろ?」

「こ~んな美少女達とデート出来てるんだから、嬉しく思うっスよ!」

…の応え。

つまり この少女達…正確に言えば、最初はゴスロリ少女の堕天使ミッテルトが、自分が外で遊びたいからと、古杜を()()として無理矢理に誘った時に、同じく堕天使のレイナーレとカラワーナも、便乗した形である。

…念の為に言っておくが、彼彼女等の間には、所謂 男女的なフラグは、一切立っていない。

 

「それに、ミッテルト1人連れてるだけだったらアンタ、今頃 通報されて、職質受けてるわよ?ほら?」

今一 納得出来ていない表情を浮かべる古杜に、カラワーナが悪戯っぽく微笑みながら、スマホを差し出す。

「いや…だから、そーゆー問題じゃない」と思いながらも、古杜は その画面に目を通した。

 

≫≫≫

 

≡≡≡

 

◎名無しの通りすがり◎

今、●●●●●ランドに来ているんだけど、金髪の大男が、美女美少女美幼女を侍らせてやがる!

 

◎名無しの通りすがり◎

え?ロリきょぬー美少女ときょぬー美少女を連れてる長身ヤローでなくて?

 

◎名無しの通りすがり◎

いや、美幼女はきょぬーじゃないから、それとは違う。って、あれの他にも、まだそんなけしからんヤツがいるのかよ!

尚、残る美女と美少女は、かなりなきょぬーだ

 

◎名無しの通りすがり◎

何…だと…?

 

◎名無しの通りすがり◎

赦…さん…!

 

◎名無しの通りすがり◎

おのれ、リア充め!

 

◎名無しの通りすがり◎

いや、ちょっと待て。アンタも今、●●●●●ランドに居るんだよな?

それってまさか、男ばっかとかなメンツじゃないだろ?

 

◎名無しの通りすがり◎

もしくは、ぼっち

 

◎名無しの通りすがり◎

【哀報】●●●●●ランドに、ぼっちで来てる男が居た件www

 

◎名無しの通りすがり◎

止めろwww

 

◎名無しの通りすがり◎

哀し過ぎるwww

 

◎名無しの通りすがり◎

(TДT)泣けるwww

 

◎名無しの通りすがり◎

どんまい!

 

◎名無しの通りすがり◎

あほか!ぼっちでこんな場所に来るかよ!

嫁と子供とだよ!

 

◎名無しの通りすがり◎

家族サービスかよ

 

◎名無しの通りすがり◎

何でぃ、リア充かよ

 

◎名無しの通りすがり◎

嫁さんいるなら、他所の男が何人女の子連れていようが、怒るなよ。(笑)

尚、俺は怒る。

リア充、爆裂しろ!!

 

◎名無しの通りすがり◎

いや、それはそれ、これはこれなんだよ!

 

◎名無しの通りすがり◎

わがままだな~(笑&汗)

 

◎名無しの通りすがり◎

俺も今、彼女とデート中だが…揃いな黒のスーツを着た兄ちゃんと、胸が大きな姉ちゃんと、胸が無い姉ちゃんのグループなら見たぞ。

 

◎名無しの通りすがり◎ 

いや、この夏に揃いの黒のスーツって、そりゃ遊びでなくて、仕事か何かだろ?

それと、リア充羨ま死ね!

 

◎名無しの通りすがり◎

確認したいのだが、ロリきょぬーときょぬーを連れてる長身て、黒いTシャツにグレーのハーフパンツの男か?

 

◎名無しの通りすがり◎

ん、多分そいつで間違い無いよ

 

◎名無しの通りすがり◎

あぁ、そりゃ俺だわ

 

◎名無しの通りすがり◎

貴様かーっ!?

 

◎名無しの通りすがり◎

お前かい?!

 

◎名無しの通りすがり◎

羨ま死ね!

 

◎名無しの通りすがり◎

赦さん!

 

◎名無しの通りすがり◎

リア充、爆死ね!

 

◎名無しのリア充(笑)◎

落ち着け、このしっと団ズ。

そして、一言だけ言わせてくれ

 

◎名無しの通りすがり◎

あ゙!?

 

◎名無しの通りすがり◎

何だよゴラ?

 

◎名無しの通りすがり◎

誰が、しっと団だ?!

 

◎名無しのリア充(笑)◎

Wぱふぱふ、サイコーだぜ!www

 

◎名無しの通りすがり◎

ちくしょーっ!

 

◎名無しの通りすがり◎

死ね!

 

◎名無しの通りすがり◎

地獄へ堕ちろ!

 

◎名無しの通りすがり◎

おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充(エンドレス)

 

≡≡≡

 

≫≫≫

「ははは…」

そのスレを見て、少なくとも前半は、自分達の事を書かれていると、古杜は苦笑。

 

「確かに、連れているのがミッテルト氏だけだったら、『もしもし、ポリスメン?』されてたかもねぇ…」

「うがーっ!どーゆー意味っスか?!」

 

≫≫≫

「…………………。」

【日本神話】の諜報部『NIN=JA』の一員である烏丸惟臣は、複雑な表情を浮かべていた。

彼の現在の任務は、テロリスト組織【禍の団(カオス・ブリゲード)】から組織加入の勧誘を受けていた、サトル達の護衛である。

テロ組織に狙われている(かもしれない)身としては、自宅に籠っていて欲しいのだが、そこは まだまだ高校生。

夏休みに入って、数日間は大人しくしていてくれたのだが、『宿題、全部終わったぜ!』『いえーい!』のシャウトと共に、外出三昧。

駒王町の、自称管理者の代理が有能な事も有り、安心して実家への一時帰省等、日を開けて町を離る等の遠出もしていた。

任務を言い渡される際、『彼等の日常を縛り付ける事は、しないように』と天照大神から言われている故に、その行動に物申す訳にも往かず。

現在 彼等は、駒王町から離れた、とあるテーマパークに来ていたのだった。

「あの…烏丸…さん?」

「ん?」

そして今、サトル、白音、黒歌が乗っている観覧車を、やはり護衛の任に就いている、『NIN=JA』の一員である松本、才橋と共に地上から見上げていたのだが…

 

「サトル君達が乗っている観覧車(ゴンドラ)だけ、他と比べて何だか不自然に、揺れていませんか…?」

「…才橋、考えるな。

考えたら、負けだ。」

「若いわねぇ~…♪」

「????????」

 

▼▼▼

時は更に過ぎ、8月27日。

 

「「「「「「「………………。」」」」」」」

冥界、ルシファー城の一室で、リアス・グレモリーと その眷属達は、固い表情を浮かべていた。

夏休みの序盤に行われた、若手悪魔と魔王達との会合。

その話の中、魔王が1人、サーゼクス・ルシファーの一言で、若手達によるレーティング・ゲームをエキシビションの形式で、行われる事が決っていたのだ。

一昨日の開幕戦では、ソーナ・シトリーとシークヴァイラ・アガレスが地下迷宮の様な舞台(フィールド)で激突。

娯楽の少ない悪魔社会が注目する中、互いにオープニングマッチ、そしてデビュー戦と云う事も有り、序盤戦は ぎこちない展開となるが、それでも最後はソーナの兵士(ポーン)の少年が、相手の女王(クィーン)と刺し違え、全ての下僕を失ったシークヴァイラに対し、残り人数で勝るソーナが ごり押し。

目の肥えたファンからすれば、そして当人達からしても、決して誉められる、誇れる内容では無いが、何とかソーナが勝利をもぎ取った。

更に昨日の第2戦では、サイラオーグ・バアルとゼファードル・グラシャラボラスが対戦。

東西に互いの本陣を構え、中央は約1㌔四方の遮蔽物も何も無い開けた空間。

勝利条件は(キング)の撃破のみと云う、シンプルなルール。

そして その舞台(フィールド)からして、戦略も戦術も不要な試合形式は、頭を使うのを不得手としている双方の(キング)からすれば、解り易く有り難い展開だった。

試合開始の合図と共に、片や女王(クィーン)が、片や やはり女王(クィーン)と1人の兵士(ポーン)(キング)と共に本陣に控え、残りの眷属全員が、一度に戦場へ赴く展開。

人数的には、ゼファードル側が有利だったにも拘わらず、戦況はサイラオーグ側の一方的な蹂躙だった。

騎士(ナイト)の青年と僧侶(ビショップ)の少年が それぞれ、神器(セイクリッド・ギア)から為る重力場と呪詛で相手の動きを止め、其処を僧侶(ビショップ)の女性が魔法で、戦車(ルーク)の巨漢が岩の如くな剛拳で、そして青冷めた馬(ペイル・ホース)を駆る騎士(ナイト)が手にした騎槍で、次々と敵を撃破。

その劣勢に堪らず、ゼファードルが女王(クィーン)と共に戦場へと駆け出すが、その女王(クィーン)も、巨大なドラゴンに変化した戦車(ルーク)の炎の吐息(ブレス)に敢え無く轟沈。

残るは己1人のみとなったゼファードルが、サイラオーグに一騎打ちを要請、それにサイラオーグ本人は応じようとするが、周りの眷属達が必死に制止。

結果、孤立した(キング)は、数の暴力と云う渦に呑み込まれたのだった。

そして、今日。

若手悪魔によるレーティング・ゲーム第3戦、リアス・グレモリーvsディオドラ・アスタロトの一戦の刻が、近付いていた。

 




 
次回、遂にリアスとセイジョ☆スキーが激突!
兵藤一誠の必殺技は炸裂するのか?
乞う御期待!!
 
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リアスの新眷属

 
普段より、かなり長いです…
 
サトル「……………………。」
 


兵士(ポーン)

兵藤一誠。

…尚、兵藤選手は転生の際に、兵士(ポーン)の駒を、8ヶ消費しています。

続きまして、ディオドラ・アスタロト様のチーム・メンバーを紹介します。』

既にリアス、ディオドラ両チーム共に、転移でゲームの舞台(フィールド)に飛ばされていた。

 

『【(キング)

ディオドラ・アスタロト

女王(クィーン)

ジャンヌ・ダルク

戦車(ルーク)

ゼノヴィア・クァルタ

ララティーナ・アダマンタイト

騎士(ナイト)

エミ・モデスト

シャルロット・クリフ

僧侶(ビショップ)

万里谷祐理

ヨシコ・サマー

兵士(ポーン)

アイズ・ヴァレンシュタイン

イヴ・ダークネス・ゴールド

エルザ・スカーレット

カイ・ハンセム

紫藤イリナ

セリス・シェール

ルイズ・クギュゥ

レイチェル・スタンレイ

 

…以上が、ディオドラ・アスタロト様のチーム・メンバーです。

次に、今回のゲームの…』

そしてリアス達は、コンクリートの壁に囲まれた一室で、閲覧者向けのアナウンスを聞きながら待機。

 

「……………………。」

そんなリアス眷属の中、一際 緊張しているのは兵藤一誠である。

グレモリー領での特訓で、確かに それなりにレベルアップした自信は有るが、それでも不安は隠せなかった。

数度に渡るサトル(ガルーダ)とのストリート・ファイト紛いは兎も角、聖剣騒動に至っては、何の役にも立っていない、寧ろ足手纏いだった現実を、半ば無理矢理に自覚させられた故の、不安である

  

「ダイジョブデスヨ、ヒョードー・サン。」

「そうだよ、兵藤君。リラックスしていこう。」

そんな兵藤に声を掛けたのは、夏休みが始まる前に、新たにリアスの戦車(ルーク)騎士(ナイト)となった2人。

 

「デビュー戦で緊張してるのは、皆 同じさ。

僕達も…対戦相手も…ね。

大丈夫だよ。僕達も、グレイフィア様やジュンイチローさんのシゴキを受けてきたんだ。

僕達は…強い!」

「そ…、そうですよね!

俺だって、あの地獄の特訓に耐え抜いたんだ!

やってやる!やってやるよ!

絶対にディオドラ様…いーや! あっのハーレム男の顔面に、きっつい一撃、御見舞いしてやる!」

「…それ、単にディオドラ様が、羨ましいだけだよね?」

「うっせー! リア充に、この俺の気持ちが分かってたまるかよぉおっ!!?」

西洋風の、白銀の全身甲冑を装着した年上の後輩のエールに応える様に、無理矢理に兵藤はテンションを奮い上がらせる。

 

「あらあらあらあら♪」

その様子を、リアスの女王(クィーン)は微笑ましく見つめていた。

 

▼▼▼

…今回のゲームフィールドは、約1㌔㍍四方、荒廃した街並みをイメージした創りとなっています。

東西南北、そして中央とエリア分けしており、現在リアス様は北エリア、ディオドラ様は南エリアに陣を敷いている形、各々現在控えている部屋を"拠点"とします。

各陣営共に、ゲーム開始時の(キング)を含む眷属の配置は、自陣エリア内ならば、フリーとします。

勝利条件は、敵(キング)の撃破、或いは敵拠点の制圧。

…今から両陣営に、舞台のマップを転送、その後30分程、作戦タイムとします。

自陣エリア内の詮索やトラップの配置、スタート位置への移動は自由ですが、それより外に足を踏み入れるのは、禁止です。

ゲーム開始は30分後。

…それでは両チーム、御健闘を。』

「成る程…ね。」

自陣の拠点となる部屋で、ゲームの説明を聞いていたディオドラは、早速 転送されてきた地図を見ながら、呟く。

 

「これはリアスには悪いけど、僕達にとって、かなり有利なルールだね。」

「えぇ。リアス様のチームは"駒"で云えば、戦車(ルーク)僧侶(ビショップ)が1ヶずつ欠けていますが、それ以上に単純な人数差が有り過ぎます。」

「それにしても、イッセー君に"駒"を8つも使用していたのには、驚いたわ。」

「それだけ、あのセイハンザイシャは潜在能力()()()、高いのでしょう。」

「…でも はっきり言って、今は雑魚。」

そして、眷属達と今回のゲームの作戦を話し始める。

 

「そうだね。しかし、だからこそ、油断大敵だよ、皆。

戦闘最中に、何かの切っ掛けで化けられたりしたら、それこそ堪った物では無いからね。

…ヨシコ?」

「む?」

「今回のルール、君がリアスなら、どんな策で出る?」

「ふむ…ユリも言っていたが、この人数差。

普通ならば序盤は守りに徹し、攻め入った者を確実に撃破。

ある程度の人数差を跳ね除けた後に、拠点に自身(キング)女王(クィーン)を残し、攻めに転じるのが定石かと。

勿論、自陣には、予め様々な(トラップ)を…」

「ん。普通ならね。」

「…ディオドラ殿は、リアス様が普通じゃないと、そう仰るか?」

「ん~…何だか守りを棄てて、当人(キング)含む眷属全員突撃の、電撃戦(ブリッツ)狙い…そんな予感が…」

「「「あ…有り得るわ…」」」

ディオドラの台詞に、聖剣騒動の際のリアスの猪突猛進振りを知っている3人が、肯の意を示した。

 

「それでも、人数的に優位なのは変わらないんだ。

だから僕は、両方のパターンを想定して…

 

▼▼▼

 

ヴォォォォォ…ンン…

 

『これより、リアス・グレモリー様vsディオドラ・アスタロト様…

ゲームを開始します!』

ゲーム開始を告げる、サイレンとアナウンスがフィールドに響き渡る。

 

『さあ、私の可愛い下僕達、準備は良い?

このゲーム、只のデビュー戦じゃない。

過去の汚名悪評を一掃する、またと無いチャンス!

ディオドラには悪いけど、その踏み台になってもらうわ!

さぁ、自分を信じて、特訓…修行の成果を見せ付け、蹴散らしてあげなさい!』

『『『『『『はい!』』』』』』

通信術式を通し、各自スタンバイしていたリアス眷属が、己が(キング)の檄に応え、動き出す。

 

 

『さて皆、手筈通り行こう。』

『『『『『『『『『『『『『『『はい!』』』』』』』』』』』』』』』

そして それは、ディオドラ側も同様に。

 

▼▼▼

 

ザッ…

 

「…見つけた。」

「「………!!」」

そしてゲーム開始から約10分後、東エリアで遂に両チームが初遭遇した。

リアス側は、新たに眷属となっていた、西洋鎧を着込んだ騎士(ナイト)と、戦国武者を思わせる甲冑姿の戦車(ルーク)の2人。

対するディオドラ側は、兵士(ポーン)が3人。

リアスの騎士(ナイト)戦車(ルーク)が南へ進んでいた時に、崩れたビルの陰から、ディオドラの兵士(ポーン)3人が姿を見せたのだ。

 

「クス…仲良いのね? 戦場デートかしら?

お手々繋いじゃって…さ?♪」

「構えろ…。私達3人が、相手をする!」

ピンクブロンドの小柄な少女と、剣を携えた金髪と黒髪の少女が各々に構える。

 

「「……………………。」」

それを見た、和と洋の鎧の2人は、ピンクブロンドの少女が指摘した握り合った手を離す事無く、目の前に現れた敵を見据える。

 

「あ…アンタ達、戦う気が無いの?

どうして構えないのよ?!」

「フン…舐められたものだな。

…ならば その儘、仲良く散れ!

行くぞアイズ!」

「…了解。ルイズ…とりあえず貴女は、下がっていて。」

 

ダッ…x2

 

その態度に、愚弄されたと解釈した2人の剣士…カイ・ハンセムとアイズ・ヴァレンシュタインが剣を抜いて疾走、間合いを詰めに入る。

 

「さぁ、行くよ?スーザン。」

「はい、堀井君!」

それに対し、西洋鎧の騎士(ナイト)、堀井大和と戦国甲冑の戦車(ルーク)、スーザン・バックマイヤーは その握った手を その儘 前に突き出し、

 

タッ…!

 

まるで踊るかの様に…否、高速のワルツを踊りながら、前に出た。

 

どんっ!

 

「うわっ!?」「きゃっ?!」

そして その勢いの儘、突撃してきたカイとアイズの攻撃を、舞う様に躱すと同時、逆に強烈な裏拳と回転蹴りを浴びせ、吹き飛ばしたのだった。

 

「「「な・な・な…??!」」」

それは、正しく円舞でなく円()

その息の合った攻撃、まさかの攻めに、直接 攻撃を受けた2人だけでなく、後衛の位置に居たルイズ・クギュゥも目を皿の様にして、驚きの顔を浮かべる。

 

スーザン・バックマイヤーと堀井大和。

元々は、女子大生だったスーザンが、悪魔としての兵藤、そしてリアスに、同じ大学に通っている、堀井との仲を取り持つ様に依頼したのが始まりだった。

詳細は割愛するが、端から見れば突っ込み処満載な過程の末、見事2人はバカップル成立。

その後この2人は、『2人で より永い刻を共に過ごしたい』と、リアスに悪魔への転生を求め訴え、リアスも それを承諾したのだった。閑話休題。

 

「痛ぅ…」

「何なのだ?その、巫山戯た攻撃は?!」

想わぬ攻撃を受け、よろめきながら立ち上がる2人の剣士。

 

「…別に、巫山戯ちゃいないさ。」

「これが私と堀井君の戦闘スタイル!」

「「「はぁあ!!?」」」

その問い掛けに、未だ手を離さずな決めポーズの2人に、ディオドラの兵士(ポーン)の3人は、驚きを越えての呆れ顔。

 

「やっぱり巫山戯てるじゃないか!?」

「…斬る。」

 

ダダダッ…!x2

 

そして戦闘の仕切り直し。

カイとアイズが再び、剣を構えて突進。

炎属性の魔力を刀身に付加(チャージ)した燃える斬撃と、風属性の魔法、速度上昇(スピードアップ)から繰り出される神速剣が、リアス眷属の2人に襲い掛かる。 

 

タタッ…

 

それに対して、スーザンと堀井も再び、超高速の独楽の如くな"円武(ワルツ)"を披露。

この連繋攻撃を紙一重で躱し、

 

バシッ!

 

「「くっ!」」

双薙刀を連想させる連続回転蹴りのコンビネーションで、敵が持っていた剣を弾き飛ばす。

しかし、これだけで2人のターンは終らない。

 

パッ…

 

今まで握っていた手を離すと、スーザンはカイ、堀井はアイズへ、得物を手放した相手へと駆け出し間合いを詰め、

 

斬っ!x2

 

「ぐあっ?!」「きゃぁっ!?」

それは一瞬。

それぞれが腰に携えていた太刀と細剣の射程に入った瞬間、同じタイミングでの居合い斬りが炸裂した。

 

パシッ…

 

そして直ぐ様、2人は互いに駆け寄り、再び手を取り合い、

「「てぇいやっ!!」」

 

ドガッ!…バシッ!

 

「嘘…?」「バカ…な…?!」

またも繰り出す高速の円武、遠心力により更なる破壊力が附いた、回し蹴りと旋回掌打を続け様に放ち、敵からダウンを奪う。

 

『ディオドラ・アスタロト様の兵士(ポーン)2名、戦線離脱(リタイア)。』

この一打は揃って会心の一撃(クリティカル・ヒット)だったのか、カイとアイズは立ち上がる事が出来ず、戦線離脱(リタイア)を告げるアナウンスと共に、音も無く その場から姿を消した。

 

どっごぉおぉん!!

 

「「?!!」」

しかし この直後、2人を大爆発が襲う。

 

「よくも、カイとアイズを…!」

それは、後衛に下がっていたルイズ・クギュゥの魔法攻撃。

当初の予定では、カイとアイズが接近戦を仕掛け、それを敵が嫌がり距離を開けた時に、ルイズが魔力弾を撃ち放ち、援護する作戦だった。

しかし、結果は相手から近接戦闘を仕掛ける展開に。

彼女が戦闘介入する隙も無く、2人の仲間は退場してしまう。

だが、今の状況は逆に考えれば、誤爆(フレンドリー・ファイア)を考える必要が無い展開。

1つの決着が着き、安堵した敵の隙を突いての奇襲だった。

 

「カイ、アイズ! 仇は討ったわよ!」

魔力を放出した左掌を前に掲げた儘、未だ晴れず立ち込める爆煙を、勝利を確信した少女が見据える。

 

「………?」

しかし、未だ敵の戦線離脱(リタイア)を告げるアナウンスがされないのに、ルイズは脳内に疑問符を浮かべる。

確かに、攻撃をヒットさせた手応えは有った。

ならば、考えられる事は1つ、あの2人は己の爆発魔法を耐え抜いたと云う事になる。

 

「くっ…とんでもない耐久力ね…」

そして煙が晴れた時、彼女の目に映ったのは、予想通り、爆発を凌いだ2人の姿だった。

 

「スーザン、大丈夫かい?」

「ケホ…ビックリ、しました…」

「………………………………。」

しかし、その2人の様子…決して無傷では無いが、予想以上にダメージを負っていない2人に、ルイズは苛立ちを隠せない。

 

「何よ、バカにしてるの?

その鎧、防御力 有り過ぎ!!」

 

バサァッ…どん!どん!どどん!!

 

「「わ、わ、わっ??!」」

悪魔の羽を展開したルイズは飛翔。

上空から、左右の掌に魔力を込め、魔力弾を連続で撃ち放ってきた。

 

「スーザン!」「きゃん!?」

これを堀井は、スーザンの手を引きながら回避。

 

「困りました。私達の飛行は、まだ空中戦が出来る程のレベルには、至ってイマセン…」

「お散歩レベルだからね~。」

「この前の お空のデート、凄く楽しかったデス。」

そしてスーザンは、恋人に手を引かれながら、自分達の攻撃範囲外からの攻撃に困惑の顔を見せる。

…ついでに、数日前の一時を思い出し、武者兜の内側の顔を赤らめた。

しかし その、それでも未だ、手を離す事無く会話する2人の姿勢に、ルイズの苛立ちは天元を突破し、

「うるさい うるさい うるさい!!

余裕で お喋りしてんじゃないわよ!…ってか、何時まで手を握ってンのよ?!

こ~の、バカップル!!」

「「いや~♪(≧▽≦)ゝ」」

「いや、誉めてないからねっ!!」

上空で両手を頭上に掲げて、魔力を集中。

 

バチィッ…!

 

「「!!?」」

そのルイズの頭上、両掌の上でスパークする巨大な魔力の弾は、今までの彼女が連発していた左右の片手撃ちの魔法とは、明らかに破壊力が違うのが理解出来た。

 

「バカップル、爆発しなさい!

"虚無大爆発(ゼロ・エクスプロージョン)"!!」

そして遂に放たれた、極大の魔力弾。

 

弩っ豪轟々々々々々々々々々ん!!!!

 

それが地面、スーザンと堀井が立っていた地点に着弾し、周囲に爆炎と爆煙、爆風が飛び交い、周辺の崩れかけた建物をも吹き飛ばす程の大爆発が巻き起こる。

 

スタッ…

 

「はぁ、ハァ…」

全てとは言わないが、持てる魔力の殆どを使ったルイズも地上へ降り立ち、曲げた両膝に手を当てて肩で息をし、モクモクと立ち込める煙を刮目。

 

「…嘘…でしょ??!」

やがて煙が晴れ、其処に立っている和と洋の鎧姿の2人に、先程同様、戦線離脱(リタイア)のアナウンスが流れないから そんな予感が していたとは云え、驚きを隠せない。

 

「スーザン…」

「私は大丈夫よ、堀井君。」

正確には、堀井を後ろに下げ、その爆発魔法を受け止めて尚、倒れていないスーザンに、驚愕していた。

 

アメリカからの留学生のスーザンは、親日家である。

日本好きを拗らせ、少しだけ日本を勘違いして戦国マニアとなった彼女の甲冑は、実は只の武者鎧では無い。

購入ルートは秘密だそうだが、"源氏(GENJI)"シリーズと銘打たれる、ゲーム風に云うならばラスト・ダンジョンでも大丈夫な、かなりな防御力を誇る、伝説級の逸品らしい。

因みに堀井の鎧は彼がイギリス旅行の際に購入した、極々普通の鋼鉄製全身鎧(フルプレート・アーマー)である。閑話休題②

 

この鎧に加え、戦車(ルーク)の特性で高まった防御力を得た彼女だからこそ、この攻撃に耐える事が出来た。

適材適所だったとは云え、女性を…ましてや自分の恋人を盾の様にしてしまった事に、鉄仮面の奥、複雑な表情を堀井は浮かべるが、スーザンは気に止める事無く、そんな心優しい恋人を優しく労う。

 

バサァッ!

 

そんな中、ルイズは残る魔力を振り絞り、再び上空へ。

遠距離(ロング・レンジ)からの魔法攻撃を専門とする彼女は、接近戦、ましてや格闘戦は専門外である。

故に また、あの()()()()()()の直撃を受けでもしたら、それこそ一堪りも無いからだ。

 

「こっのぉ!」

 

どん…どん…

 

そして また、魔力弾の連打。

しかし、先程に放った極大の爆発魔法で殆どの魔力を費やした為、現在の その威力は、既にスーザン、堀井にとって脅威では無く。

 

「さぁ、決めよう、スーザン。」

「はい、堀井君!」

 

スチャ…

 

魔力弾の雨の中、冷静に今が勝負所と判断した堀井とスーザン。

先ずはスーザンが、背中に仕込んでいた和弓を取り出し、

 

クィ…ブッシュヮゥウウゥッ…!

 

堀井が、()()()()()()()()()()()()()()()()()()を抜き取り、それをスーザンに手渡す。

矢を抜いた跡から、噴水の様に勢い良く血が噴き出すが、2人共に それを気にしてはいない。

 

「何なのよ、あれ…平気なの?」

但し、上空から その様子を見ていた少女は、どん引きである。

 

グィ…

 

それを御構い無し、スーザンが渡された矢を弦に当て、その弦を右手で大きく引き絞る。

弓本体を持つ左手の人指し指は、ルイズに向けられ、更には堀井がスーザンの背後から、彼女の両肩を手で確と抑え、その身を支える。

 

「「2人の未来を魔王が祝う!

『爆裂しろ』と、轟き猛る!!」」

そして、勝利を呼び込み掴むが如くの、2人揃っての前口上。

 

「まぁっずぅ!?」

それを見たルイズは、直感的に それが危険だと察知、遠方へと回避しようとするが、

「「滅殺デーモンズ・アロー…

覇穹・鮮血乃(ブラッディ・)"愛々(ラヴラヴ)"恋文(・レター)!!」」

 

ズュッギュオォォォォオオオッ!!

 

「きゃあぁああああああぁ~っ!!?」

それよりも早く、矢はスーザンの手から解き放たれ、紅色の魔力…処刑鎌を持つ統治者を象った魔氣(オーラ)に包まれた その矢は、ピンクブロンドの小柄な少女を逃さず捕らえたのだった。

 

『ディオドラ・アスタロト様の兵士(ポーン)1名、戦線離脱(リタイア)。』

 

「「ふぅ~…」」

目の前に現れた敵を全て退け、安堵の息を溢すスーザンと堀井。

 

「さぁ、行こうか。」

「はい、堀井君。」

しかし、ゲームは始まったばかり。

2人は直ぐに気を引き締め、ディオドラの拠点である南エリアを目指し、歩を進めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手を、繋いで。

 




 
①セイジョ☆スキーさんの眷属は…
 
ジャンヌ・ダルク…原作キャラ
ゼノヴィア・クァルタ…原作キャラ
ララティーナ・アダマンタイト…ダスティネス・フォード・ララティーナ(このすば!)
エミ・モデスト…遊佐恵美(はたらく魔王様!)
シャルロット・クリフ…女騎士(まおゆう/画:石田あきら)
万里谷祐理…万里谷祐理(カンピオーネ!)
ヨシコ・サマー…ハマーン様(機動戦士Zガンダム)
アイズ・ヴァレンシュタイン…アイズたん(ダンまち)
イヴ・ダークネス・ゴールド…イヴたそ(Black Cat)またはヤミたそ(To LOVEる)
エルザ・スカーレッド…エルザ・スカーレッド(FAIRY TALL)
カイ・ハンセム…カイ・ハーン(BASTARD!!)
紫藤イリナ…原作キャラ
セリス・シェール…セリス・シェール(FINAL FANTASY VI)
ルイズ・クギゥ…ルイズたん(ゼロ魔)
レイチェル・スタンレー…レイチェル・スタンレー(ケンイチ)
 
…のイメージで。
 
 
②次回マッチメイク(予定)
 
兵藤一誠
ギャスパー・ヴラデイ
  vs
エミ・モデスト
ヨシコ・サマー
イヴ・ダークネス・ゴールド
 
乞う御期待!!
 
③次回への予習
【modest】…和訳しておきましょう。
モデルの予想が付くぞ?(笑)
ついでに【cliff】も。
 
④感想、評価よろしくです。
 


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赤き龍帝の覚醒(めざめ)

 
※※※
 
◆スレ主◆
【悲報】主役なのに、全く出番が無い件
しかも主人公を差し置いて、結構ガチな?バトルやってる件 orz
 
◇名無しの悪魔◇
え?
 
◇BSADB★総督(笑)◇
スレ主、お前主役だったのか?www
 
◆スレ主◆
主役なんだよ!
 
◇名無しの悪魔◇
てっきり主役、セイジョ☆スキーかと思ってたぜ
 
◇美少女ゴスロリっ娘◇
ウチもっス。
 
◇名無しの運対常連◇
…てか、もう主役、セイジョ☆スキーで良くね?
 
◇名無しのxanadu◇
次回より、
『セイジョ☆スキーDxD(正式決定)』
始まります!
 
◆スレ主◆
止めろ…((( ゜Д゚)))
 
※※※
 
…嘘です。
それでは本文。
今回も、結構 長いです…。
 


≫≫≫

 

『ディオドラ・アスタロト様の兵士(ポーン)1名、戦線離脱(リタイア)。』

「へぇ~?」

南エリア、己の拠点の部屋で、ディオドラは自分の眷属の退場のアナウンスを淡々と聞いていた。

 

「「ディオドラ様?」」

「マスター?」

その報せに怒るでも狼狽えるでもなく、平静を崩さない(キング)に、拠点に残っているジャンヌ、ゼノヴィア、イリナが様子を窺う様に声を掛けると、

「いや、僕だって完封で勝てるとは、思っていないさ。

いきなり此方が墜とされたのは、予想外だったけど…ね…。」

「ディオドラ…様…?!」

ディオドラは自然体な、この返事。

しかし、付き合いが長いジャンヌだけは、その僅かな口調の違和に、心情は穏やかでないのを察す。

 

「この前のパーティーの時、木場君からグレイフィア様やジュンイチロー殿に師事を受けているって話を聞いていたけど、まさか…これ程とはね…

最強女王(クィーン)、そして既に現役は退いてるとは言え、"国士無双十三面(ライジング・サン)"の指導は、伊達じゃなかったか…」

「「「…………………。」」」

続く言葉、感情を表情(おもて)に出す事無く、冷静に分析する その様子に、ゼノヴィアとイリナも、自分の主の心中が穏やかで無いのを理解。

慎重な顔で、改めて気を引き締めた。

 

「ん。とりあえず、真っ先に脱落した、カイ、アイズ、ルイズの3人は、罰ゲームだね♪」

そしてディオドラは一転、重い雰囲気(くうき)を払う様に、冗談混じりに笑顔で呟く。

 

「罰ゲーム…ですか?」

…が、この『罰ゲーム』と云う言葉に若干、顔を青くするジャンヌ達。

 

「ままま、まさかマスター、あの3人も、剃る心算なのか?!」

「ももも…『()』って、ゼノヴィア?

もしかして、アナタっ?!」

更にはゼノヴィアも、『罰ゲーム』とやらに何か心当たりが有るかの反応を示し、それを見たイリナが、そちらに驚愕。

 

「いやいや、 カイは この前 剃ったばかりだし、ルイズは漸く生え揃ったばかりで流石に可哀想だし、アイズは天然で……だし、そんな事は しないよ。

ちょっと()()()()()()()で、天道虫式恥ずかし固め(マリキータ・デッドリー・ライド)の刑に処るだけさ♡ 」

「「「それは非道過ぎる!!」」」

そして良い笑顔でのディオドラの台詞に、3人掛かりでの突っ込み。

 

「え?そうかな?

でも この前、ララティーナに仕掛けた時は、『くっ殺ぉーっ!♪』って、凄く嬉しそうに叫んでたけど?」

「「「あの弩M(へんたい)と同列扱いは止めて!」

       を基準にするな!」

       と一緒にしないで!」

 

▼▼▼

『ディオドラ・アスタロト様の兵士(ポーン)1名、戦線離脱(リタイア)。』

 

…同じ頃、西エリアから南エリア、ディオドラの拠点を目指し進んでいたのは、兵藤一誠とギャスパー・ヴラディである。

 

「木場か、それとも堀井君達か…

どちらにしても、先を越されたな~?」

「大丈夫ですぅ!

まだまだ、これからですよ、イッセー先輩!」

敵の退場のアナウンスに、喜ぶと同時、『自分も早く活躍したい』と、少しだけ悔しそうな表情を見せる兵藤に、ギャスパーがフォローを入れる。

 

「そうだよな!

焦る必要って無いよな!

良~し! 敵さんの気配も無いっぽいし、此処は一気に駆け抜けるぜ、ギャスパー!」

「はい!」

その言葉に チョロくも 気を持ち直し、ついでに何かのスイッチが入ったのか兵藤は、今までは敵との遭遇に備えて慎重に、ゆっくりと進めていた歩を速め、敵拠点を目指すのを提案。

ギャスパーも それに、元気良く応えた。

 

「きゃあああああああぁっ!!!!」

「「!!!!?」」

自分達が進むべき前方の奥先から、女の叫び声が聞こえたのは、そんな時である。

 

「せ、先輩!今の叫び声…」

「ぶ、部長?!」

それは どう聞いても聞き慣れている、自分達の主であるリアス・グレモリーの声。

 

「ど…どうして部長が、この先に…?」

「考えるのは後だ!

兎に角 走るぞ、ギャスパー!」

 

ダダダッ…!

 

「せ、先輩ぃ~っ!?」

主の危機と判断し、声の方向へ全力疾走する兵藤。

それを見たギャスパーも慌てて、兵藤の後を走り出した。

 

≫≫≫

「部長ぉっ?!」

西エリアの ほぼ中心、叫び声が木霊したと思われる地点に、辿り着いた兵藤とギャスパー。

核の炎に被われた跡の如くな崩れたビル街、その路地で、2人は人1人、倒れている姿を発見する。

体は薄汚れた白の布で包まれているが、覗かせている長い髪の毛は紛れも無く、よく知っている赤色だった。

 

「部長!」「部長ぉ~!」

 

ダダダッ…

 

それを確認した兵藤とギャスパーは、その倒れている人物が自分達の主と確信。

その場に駆け寄るが、

 

パサッ…閃!

 

「おわぁっ?!」「ひぇっ!?」

突如、倒れていた人物は、纏っていた布を宙に放ると同時に立ち上がり、隠し携えていた剣の一閃。

 

「ちぃ、外したか…」

しかし この一振りを、兵藤とギャスパーは寸での間合いで回避。

そして この2人に対して、リアスと同じ赤い髪、そして ()()()()()()()()() ()()()の、軽装鎧を着た少女は、悔しそうに舌打ち混じりに呟く。

 

「お…お前は…?」

「部長じゃ…ないぃ?」

「罠だったのかよ!?」

「…まさか、本当に引っ掛かるなんて、こっちが驚きよ!」

此処で漸く、自分達が嵌められた事に気付く兵藤達。

それは、ディオドラから『君って、リアスと声が似てるよね?』と言われた騎士(ナイト)の少女に対して、『だったら…(笑)』と、眷属全員で半分以上は洒落、ノリで考えた釣り餌の作戦だったのだが…奇襲は失敗したとしても、グレモリー眷属の誘き寄せその物は成功と云う まさかの結果に、驚きの顔は隠せない。

 

ザッ…

 

「ふん…エミ、詰めが甘いぞ。」

「…がっかりです。」

「「??!」」

そして、更に2人の新手が現れる。

1人は黒いローブを纏った、20代前半に見える、ピンク色の髪の女。

もう1人は、やはり黒いワンピースのミニスカート姿の、小柄な金髪の少女。

 

「うっは!またも美女&美少女!」

「「「「…………………。」」」」

それは肯否は兎も角、少なくとも戦場で敵に向ける顔と言葉では無く。

この兵藤の台詞と だらしなく弛んだ顔に、ディオドラ眷属3人だけでなく、ギャスパーも一緒に どん引いてしまう。

 

「ヒョウドウセイハンザイシャ…噂通りな人物ね…。」

「だ、誰が性犯罪者だ!?」

「貴様に決まっているだろう。」

「何だとーっ?!」

「えっちぃのは嫌いです。」

赤髪の騎士(ナイト)エミ・モデスト、ピンク髪の僧侶(ビショップ)ヨシコ・サマー、金髪の兵士(ポーン)イヴ・ダークネス・ゴールド。

改めて、このディオドラの眷属3人と対峙する兵藤とギャスパー。

 

「ギャスパー、お前は下がってろ。」

「…はぃ!」

龍の手(ドラゴン・アーム)!!」

『Boost!!』 

二言三言の会話の後、兵藤がギャスパーを後方へ下げた後、左腕に赤い籠手型の神器(セイクリッド・ギア)を発現させる。

 

ジャキ…

 

「セイハンザイシャ…あんたと会ったら、確実に仕留めろと、ディオドラ様から言われてるわ。」

「覚悟。」

「ふ…とりあえずは、任せたぞ?」

「だから その性犯罪者って呼び方、止めてくれませんか?!」

「でも、事実でしょ?」

「覗き、公衆猥談、痴漢行為、下着ドロ、ストーカー…」

「フン…、これだけ やっておいて『止めろ』とは、よく言えた物だ。…俗物が。」

「後ろ3つは やってねぇっ!!」

それに対してはエミが剣を、イヴが徒手の構えを取り、ヨシコは後方で腕組みをして待機。

 

ダダダッ…!

 

「行くぜ!」

「はぁあっ!!」

「…行きます。」

そして兵藤が突進、それにあわせてエミとイヴも飛び出す。

 

ガィンッ!

 

(はっや)っ?!」

「へぇ?今のを受け止める?…しかし!」

「…。」

 

ボカッ!

 

「ぐはぉっ!?」

「ぃ、イッセー先輩ぃ?!」

イヴより先、数歩前に出ていたエミの斬撃を、兵藤は籠手で受け止めるが、直後に時間差で懐に入り込んだイヴの、強烈なボディブローの被弾を許してしまう。

…今の兵藤の服装は、特殊硬糸で仕立てられた、グレモリー家仕様の特別スーツである。

最初は堀井達に合わせ、神器(セイクリッド・ギア)に覆われる左腕以外を全身鎧装着でゲームに挑む予定だったが、兵藤の基礎体力の問題で、所謂『装備出来ない』常態。

鎧を着込む事は出来ても その重さから、満足処か全く体を動かす事が出来ず…だったのだ。

それで仕方無く、グレモリー邸就きの仕立て屋が作った貴族御用達デザインのスーツで、ゲームに参戦していたのだ。

…が、この普通の服よりも遥かに防御力が高いスーツでも、身を屈める程のダメージを受けてしまった。

 

「あははは!やっぱり集団戦は、まだ不慣れみたいね!」

「だ、黙れ!リアス部長の類似品(バッタもん)の癖に!」

「な…何ですってぇ!?」

しかし その体勢でも、挑発的な言葉を投げ掛けるエミに、逆に挑発染みた台詞を放つ兵藤。

 

「くそっ!こんなニセモノと部長を間違うなんて、自分が情けないぜ!

確かに髪の毛や声は似てるけど、おっぱいの大きさは、全然 似ても似つかないんだからなぁ!!」

「はあぁあっ?!う…煩いわね!

小さい方が腕だって回しやすいし身軽に動けるし肩凝らないし鎧の素材費だって安く付くし!

それにディオドラ様だって、『綺麗だよ。可愛いよ。』って言ってくれるもん!」

「かはぁっ?!」

「先輩~ぃ?」

そして更なる挑発の言葉を浴びせようとするが、それは強烈なカウンターで返され、何を想像したのか、逆に決して小さくない精神的ダメージを受けてしまう。

 

バキィッ!ボゴォッ!!

 

「ぐはっ?!」

「…だから、えっちぃのは、嫌いです。(…ディオドラ様以外。)

そして そこに、イヴの物理的追い打ち。

魔力で金色の長い後ろ髪を操作、二つ結いにしたかと思えば、それは2本の太い腕の様に変型。

その(うで)が繰り出す、連続の速く重い拳打で、兵藤を吹き飛ばすのだった。

 

≫≫≫

「はっはっは! エミ、イヴ?

そろそろ加勢が必要か?」

「うっさい。」

「黙って見てなさい!」

 

ブン…ブン!

 

「ひぇっ!」

「イッセー先輩~?!」

その後、兵藤は防戦一方に。

エミの剣術と、イヴの"髪の毛"の拳打のラッシュから、回避するしか術が無く。

その様子を、現在 戦闘に参加していないヨシコは笑いながら参戦するかを尋ねるが、攻撃を当てる事が出来ない少女2人は意地になっているか、これを拒否。

そして同じく、現在 戦闘に参加していないギャスパーの方は、兵藤(なかま)のピンチに、その名前を呼ぶ事しか出来ず。

ギャスパーの持つ、視界に映る物体の時間を停める神器(セイクリッド・ギア)を使えば、敵を停める事が出来る。

しかし、今 行われている接近戦では、兵藤も一緒に停めてしまうだろう。

そうなると、残っている僧侶(ビショップ)の女が、自分に攻撃を仕掛けて来る。

それを承知な故に、ギャスパーは何も出来ずにいた。

 

「クッソが!」

しかし、それは兵藤も理解している。

だからこそ この男は、見ているだけの後輩に文句も言わず、ひたすらに避け続ける。

…そう、狙っている地点(ポイント)に、攻撃してくる2人を誘導しながら。

兵藤は、只単にエミとイヴの攻撃を避けている訳では無かった。

然り気無く、気付かれない様に、現状を見物しているヨシコに近付き、

「む?此方に?」

「へ?」「え?」

「ギャスパー、今だ!」

  

バサァッ!

 

この3人が 1ヶ所に集まり、ギャスパーの視界に入った瞬間を見極めると、悪魔の羽を広げて真上に素早く飛翔、

「えぇぃやぁっ!」

 

ぴたっ…

 

それと同時、兵藤のスーツと同素材で作られた、ワンピースのスカートを着た女装男子が敵3人を刮目。

時間停止能力を持つ神器(セイクリッド・ギア)停止世界の邪眼(フォービドゥン・バロール・ビュー)』を発動、その動きを停めるのに成功させた。

 

スタッ…

 

「ナイスだぜ、ギャスパー!」

「はい!」

そして兵藤が上空から降り立ち、停まっている3人に向けてダッシュからの、

 

ぽん…

 

籠手を装着している左掌に魔力を込め、軽く肩ぽん。

 

ボッ…

 

すると その箇所に、掌サイズの小さな魔方陣が浮かび上がった。

 

「行くぜ、初披露!

俺だけのオリジナル・必殺技!!」

ここで兵藤が非常に卑らしい笑みを浮かべ、

「爆ぜろ!俺の煩悩!

洋服(ドレス)ゥ~・崩壊(ブレイク)!!」

 

パチィンッ!

 

この台詞と同時に左手の指を弾くと、魔方陣は薄いガラスの如く、粉々に割れて その儘 消滅。

 

「え?何で?どうして?」

しかし この結果に、兵藤は頭上に大量の疑問符を浮かべ、間抜け顔を晒す。

 

洋服崩壊(ドレス・ブレイク)

この兵藤のオリジナル必殺?技は、本来なら魔力を込めた掌で敵に触れた後、其処を起点に衣類・鎧・装飾品等関係無く、その敵が身に付けている物を全て破壊する…即ち全裸にしてしまうと云う、ある意味 非常に恐ろしい技だった。

しかし今回、結果から言えば この技は不発に終わる。

…原因は、ギャスパーの神器(セイクリッド・ギア)

彼の『停止世界の邪眼(フォービドゥン・バロール・ビュー)』による時間停止は、所謂 麻痺や金縛りとは、実は全く別な物。

時間を停められた物体…即ち経過する時間がゼロとなった対象は生物・非生物関係無く、外部からの あらゆる干渉・影響を受け付けない硬化状態となるのだ。

それは云うなれば、完全無敵状態。

…但し、自身も何の行動も出来ず。

つまりギャスパーの神器(セイクリッド・ギア)の戦闘に於ける有効な活用法は、無抵抗なサンドバッグを作る事に非ず。

敵を一瞬でも停める事で、その攻撃や防御のタイミングをずらしたり、或いは味方を停める事で、敵の強烈な攻撃の直撃を無効化させる事により、その真価を発揮するのだった。

事実、先の堕天使との戦闘…龍機兵に対しても、その方法で結果を出していた。

今回は本人や煩悩しか頭に無い兵藤は勿論、リアスすらも その特性を理解出来てなかった失策である。

 

≫≫≫

「…じゃ、ないのか、と…」

「ぐぬぬ…!」

この後、ギャスパーの、実は それが正解である推論を聞き、真剣に悔しがる兵藤。

 

「何てゆう事だ…俺の洋服崩壊(ドレス・ブレイク)に、そんな弱点が有ったなんて…

…ならば!」

しかし直ぐに気持ちを切り換え、女性陣に目を向ける。

 

スタスタ…

 

そして歩を進めるのは、ディオドラの僧侶(ビショップ)、ヨシコ・サマーの前。

 

洋服崩壊(ドレス・ブレイク)が通じないなら、せめて!」

この普通に考えて大顰蹙必至な技が決まらないならと、彼女の豊かな胸を…な行動に出ようとした。

時間停止中は知覚も停められていて、当人は その間、自分に何が起きたかの記憶は無い。

…それを踏まえた上での、先程に兵藤本人が否定していた、痴漢行為だ。

本人曰く、『バレなきゃ犯罪じゃあないんだよ!』…だとか。

尚、ヨシコをターゲットに選んだのは、イブの胸は余りにも慎まし過ぎ、エミも同様な理由に加え、金属製の鎧が胸部を守っているから…である。

 

「先輩…それは…」

ギャスパーがジト目で見る中、兵藤はヨシコの胸の前に組まれた腕を外そうとするが、

「え?」

その腕はビクリとも動かない。

そう、現在ヨシコの時間は停められている。

あらゆる影響を受けない硬化状態の その身は、腕を動かす事は勿論、髪の毛を掻き分けたり衣服の皺を伸ばす事すら出来なくなっていたのだ。

 

「何なんだよ それ…?

それじゃ全然、意味無いじゃんかよぉおっ!!」

そう言いながら、無理矢理に腕組みを解こうとする兵藤。

 

「畜生…もっと、もっと(パワー)が…」

強引にヨシコの腕を振り解こうとする兵藤だが、硬化している身体は一向に動こうとしない。

 

「おい、俺の神器(セイクリッド・ギア)

1回と言わず、2回3回と、パワーを倍加する事って、出来ないのかよぉ?!

…頼むから、俺に力を貸しやがれ!」

そして己の、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を持つ神器(ひだりうで)にも、必死になって呼び掛ける。

 

『…Boost!!』

 

カッ…

 

「「え゙?」」

そして この時、兵藤の声が届いたのか、彼の神器(セイクリッド・ギア)が発動時の(こえ)を上げると同時、手甲に埋め込まれている翠の核晶を輝かせ、

『Dragon Booster!

Second Liberation!!!』

 

ギュィィィン…!

 

「変わった…!?」

その造型を、より鋭角的に洗練させた物に変化させた。

神器(セイクリッド・ギア)は使用者の想いに応え、進化すると云われている。

今回の これは、動機は兎も角、それに準じた現象か、それとも…

 

「とりあえず今は、何でも良い!

…てゆーか、何だか今なら、イケそうな気がする!!」

進化した、龍を宿す赤い籠手で、改めてヨシコの硬化している腕を掴み、

「邪魔なんだよ、動け…動けぇぇ…!!」

半ば意地に、諦めたら其処で試合終了ですよと言わんばかりに、腕組みを外そうとし、

 

パッ…

 

「おおっ!♪」

その努力が神に…いや、魔王にでも届いたのか、唐突に その腕が解かれた。

そして直後、その腕に隠されていた、豊かな胸に手を伸ばす。

既に触った処で、マネキンの様な触感なのは、この男も理解出来ていた。

しかし、此処まで来たら、硬かろうが鷲掴みにしないと気が収まらないとばかり、その胸に手を当て、

 

もにゅぅ…

 

「へ?」

いざ実際に掴んでみれば、程好い弾力の有る柔らかさ。

 

「…………………。」

確認の為、ヨシコの顔を見る兵藤。

その表情は時間停止した儘に固まって見えるが、感情が高ぶったかの様に真っ赤に染まり、顳顬には極太な血管が浮かび上がり、ぴくぴくと脈打っている。

どうやらギャスパーの、時間停止は解除されたみたいだった。

そして、

「この…俗物がァッ!!!!

 

ドゴォッ!

 

あが…あがが…?

怒れる乙女の咆哮と共に、リョーコの突き上げる様な爪先蹴りが、兵藤の股間に痛恨の一撃(クリティカル・ヒット)

アニメやバラエティ番組ならば、甲高い金属音が効果音として活用されそうな鋭い蹴りを受け、兵藤は声にならない声を呻きながら、その場で悶絶。

 

「やっぱり、性犯罪者じゃない…」

「サイテーです。」

やはり動けるようになったエミとイヴが、この性犯罪者に絶対零度の様な冷たい視線を向ける中、ヨシコの怒りは収まらない。

 

ヒュィィン…

 

それは彼女の神器(セイクリッド・ギア)なのか、大きさはテニスボール程度、円錐の底面に半球を合わせた形の、炎を纏った桃紫色の結晶を12体 喚び寄せると、

「殺れっ!!」

 

ヒュン ヒュン ヒュゥゥン…!

 

それ等は まるで其々が意思を持つかの様に、周囲を縦横無尽に飛び回り、

 

ピッ!ピッ!ピィイッ!

 

「ぎゃあぁああっ!!?」

「うわゎぁぁ~っ?!!」

その尖った先端から撃ち放たれる幾本もの魔力の熱線(ビーム)が兵藤、そしてギャスパーを貫き、その身を焼き焦がすのだった。

 

『リアス・クレモリー様の、兵士(ポーン)及び僧侶(ビショップ)戦線離脱(リタイア)です。』

 




 
①覚醒するけど活躍するとは、誰も言っていない。
 
②今回登場のセイジョ☆スキー眷属
 
ヨシコ・サマー…ハマーン様(機動戦士Zガンダム)
エミ・モデスト…遊佐恵美(はたらく魔王様!)
イヴ・ダークネス・ゴールド…イヴたそ(Black Cat)またはヤミたそ(To LOVEる)
…のイメージで。
  
③マリキータ・デッドリー・ライド…知らない人は、Let's画像検索!
 
龍の手(ドラゴン・アーム)…誤字じゃないです。
単純に兵藤一誠が、ドラゴンの魂が宿る神器(セイクリッド・ギア)と認識した上で、龍の手(トワィス・クリティカル)の名称でなく、分かり易く呼んでいるだけです。
当然、この神器(セイクリッド・ギア)が、実は神滅具(ロンギヌス)だとは、本人は勿論、クレモリーの皆さんも気付いている筈も無く…
 
⑤次回マッチメイク
木場裕斗
 vs
ララティーナ・アダマンタイト
シャルロット・クリフ
乞う御期待!!
 
感想、評価、よろしくです。
 


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その頃のガルーダ・スレ

 
前回、前々回の復習と云うか、ダイジェスト(解説付き)です。
 
サトル「出番…。orz」
 




 

『リアス・グレモリー様の、兵士(ポーン)及び僧侶(ビショップ)戦線離脱(リタイア)です。』

 

「「「「「…………………。」」」」」

ルシファー城の一室では、サイラオーグ、ソーナ、シーグヴァイラと その眷属達が集まり、リアスとディオドラのゲームを部屋に設置されている巨大モニターで観戦していた。

 

「これは…酷過ぎるぜ…」

「ああ、全くだ…」

「「「「「兵藤、サイテー。」」」」」

「本当、セイハンザイシャね…」

「ざまあwww」

そして今、リアスの下僕である兵藤がリタイアした様子を見て、その内容に一同は最初は唖然。

そして一呼吸経ち、各々が その想いを述べていた。

 

「…これは、一般放送の前に、編集したりするのかしら?」

「さぁ、どうだろうな…?」

このゲーム、悪魔領の一般家庭には、ゲーム終了後に、番組時間枠内に編集して流すのだが、現在ルシファー城では、関係者や一部のVIPが招かれ、一足先に各々の部屋にてLIVE中継で観戦してた。

その一室、ゲーム参加者である若手悪魔と その眷属達が集まった部屋で、()()()()をその儘に流すのだろうかと、何やらスマホを弄りながら話している、若手男女が数名。

 

≫≫≫

 

※※※

 

◇麗しの悪魔令嬢◇

さあ、そんな訳で、セイジョ…コホン、ディオドラ・アスタロトvsリアス・クレモリーのゲームを地上波公開前の先取り実況していくわよ。

ネタバレ注意!

テレビ観る前に結果を知るのが嫌なヒトは、スルーしてね。

 

◇名無しの悪魔◇

いや、もうセイジョ☆スキーさん正体バレバレですから、無理しなくて良いです…

 

◇名無しの悪魔◇

貴女や兄貴!含めて(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

流石にセイジョ☆スキー氏はゲームしながら実況は無理か

 

◇名無しの悪魔◇

眼鏡さんズや兄貴!のゲームは、セイジョ☆スキー氏やその眷属の皆さんが実況や解説してくれてたからね

 

◇名無しの悪魔◇

今回はどうなる?…って思っていたけど、ありがたい。

 

◇名無しのひんぬー会長◇

ちょっと、『眼鏡さんズ』って何ですか?

 

◇名無しの悪魔◇

そりゃ、シーグヴァイラ様とソーナ様と椿姫ちゃんに決まってますよ

 

◇名無しのひんぬー会長◇

勝手に一纏めにってしないで下さい…って、何なのですか、この固定ハンネは?!スレ主さん??

 

◇名無しの悪魔◇

あー、あなた、もしかしてこの前の『虚乳』さんですか?(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

だとしたら、事実なんでしょ?

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇名無しのひんぬー会長◇

ほっといて下さい!

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇名無しの悪魔◇

大丈夫です!

稀少で個性で正義ですから!

 

◇名無しの悪魔◇

個性…【貧乳】

 

◇名無しの悪魔◇

どこのヒーローだ?www

 

◇名無しのブラックドラゴン◇

大丈夫です!俺は貧乳でも虚乳でも、全然構いませんから!セイジョ☆スキーさんも、前に言ってたじゃないですか!女性を胸で差別するヤツは、グズだって!!

 

◇名無しの悪魔◇

勇者が現れた!(笑)

 

◇名無しのひんぬー会長◇

むきーっ!

だから違う!私は決して、小さくない!

周りの子達が、やたらと大きいから、小さく見えるだけなの!

 

◇名無しの悪魔令嬢◇

それじゃ、早速、実況始めるわよ。

フィールドの南北に置かれた各拠点から、両陣営、数名がスタート。

ファーストエンカウントは、10分後って所かしら。

 

◇名無しの悪魔◇

てか、ひんぬー会長って、もしかして…

 

◇名無しの悪魔◇

確か『彼女』は、無能と同じ学校で、そこの生徒会長やってるらしいから、もしかして…

 

◇名無しの悪魔◇

あー、察し…(笑)

 

※※※

 

≫≫≫

 

※※※

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

遂に両眷属が初遭遇よ。

リアス側は、7月に眷属入りしたばかりの、西洋鎧の騎士と、サムライ・アーマーの戦車。

どうやらサムライ・アーマーは女性みたい。

対するディオドラ側は兵士が3人。

アイズ・ヴァレンシュタインとルイズ・クギュゥ、それとカイ・ハンセムね。

 

◇名無しの悪魔◇

アイズたん、キター(゚∀゚)ー!

 

◇名無しの悪魔◇

カイさーん!

 

◇名無しの悪魔◇

くぎゅ~っ!

 

◇名無しの悪魔◇

ルイズたん、ハァハァ…(;゚∀゚)=3

 

◇名無しの悪魔◇

通報しました。

 

◇名無しの悪魔◇

ヤミたそは?ねぇ、ヤミたそは?

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

この場には居ないわよ!

落ち着きなさい、この□リコン共!

兎に角、戦闘開始したわ。

カイとアイズが先に仕掛けたけど、鎧の2人はそれを躱して…ダブ〇・アーツで反撃してきたわ…

 

◇名無しの悪魔◇

何?ダブル・〇ーツだと!?

 

◇名無しの悪魔◇

あの伝説の闘法の使い手が、無能の眷属に居るのか?

 

◇名無しの悪魔◇

何で打ち切ったし

 

◇名無しの悪魔◇

せやな。

 

◇名無しの悪魔◇

集〇社の編集も、また無能。

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

貴方達は、ジャ〇プ・スレに行きなさい!

鎧カップルが、ダ〇ル・アーツでカイとアイズをまとめて撃破。

今は後衛に居たルイズが、魔法攻撃をガンガン放ってるわ。

 

◇名無しの悪魔◇

ルイズたん、キター\(゚∀゚)/ー!

 

◇名無しの悪魔◇

しかし、一番首は、無能サイドか

 

◇名無しの悪魔◇

その新眷属とやら、意外にやるな

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

ええ、これは正直、驚きよ。

それで、現在進行形でのルイズの攻撃だけど、全然、通じてないみたい…って、ああぁっ?!!

 

◇名無しの悪魔◇

どした?

 

◇名無しの悪魔◇

何があった?

 

◇名無しの悪魔◇

まさか、無能が出張ってきたとか?

 

◇名無しの悪魔◇

キングなのにか?

 

◇名無しの悪魔◇

キングがいきなり前線に出たらアカンやろ?!

 

◇名無しの悪魔◇

まさかー、いくらなんでも、そんなこと、あるわけがないじゃないですかー

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

違うのよ!

鎧カップルが弓を構えて矢を射ったんだけど、その台詞が、あの機動騎士Gダンガムの最終回、ダモンとリインが最後の技を決める時の台詞と似たような感じなの!!

脳内再生BGMは勿論、『明鏡止水』よ!!

で、正しく"ロード・de・ハート"みたいなオーラに包まれた矢が、ルイズに直撃して決着!!

 

◇名無しの悪魔◇

………………………………。

 

◇名無しの悪魔◇

…………。

 

◇名無しの悪魔◇

いや、知らねーし…

 

◇名無しの悪魔◇

あ~…くぎゅ~っ、リタイアか…orz

 

◇名無しの悪魔◇

しかし無能眷属、マジにやるんでね?

 

◇名無しの悪魔◇

もしかしたら、もしかするかもな?

 

◇名無しの悪魔◇

てか、Gダンガムって何?

 

◇炎の兄貴!◇

止めろ!この女にそういう話を振ると、エンドレスで熱く語り出すぞ!

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

ちぃっ!

 

※※※

 

▼▼▼

 

※※※

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

ゲームに動きが。

リアス側のヒョウドウセイハンザイシャとギャスパー・ヴラディ、それとディオドラ側からエミ・モデスト、ヨシコ・サマー、イヴ・ダークネス・ゴールドが対峙したわ。

セイハンザイシャとエミが互いに挑発しあって、セイハンザイシャが精神的にダメージ受けたみたい。

挑発内容は、オンエアで確認してね。

 

◇名無しの悪魔◇

ヤミたそ、キター\(゚∀゚)/ー!!

 

◇名無しの運対常連◇

ヨシコ様ー!

 

◇名無しの悪魔◇

ヤミたそー!

 

◇名無しのしっとマスク2号◇

イヴたそー!!

 

◇名無しの悪魔◇

ヤミたそー!

 

◇名無しの悪魔◇

ヨシコ様ー!

 

◇名無しの悪魔◇

ヤミたそ、凄い人気だな…ヤミたそー!

 

◇名無しの悪魔◇

ついでにセイハンザイシャも、遂に御出座しか

ヤミたそー!

 

◇名無しの悪魔◇

知らないヒトの為に。

イヴたそは、ファンの間では『ヤミたそ』の愛称で親しまれているのだ!ヤミたそー!

 

◇名無しの悪魔◇

くそっ!こっちも負けてたまるか!

ギャーくーん!

 

◇名無しの悪魔◇

ギャーくーん!

 

◇名無しの悪魔◇

ギャーっきゅーん!

 

◇名無しの悪魔◇

男の娘も人気だな(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

まあ、見た目は金髪美少女だし?

 

◇名無しの悪魔◇

ん~、まさかセイハンザイシャ、女性相手にセクハラな攻撃、したりしないだろうな?

 

◇名無しの悪魔◇

流石にそれは…(汗)

ゲーム的には反則とかじゃないだろうが…

 

◇炎の兄貴!◇

いや、無い無い。

7月の終り頃から、グレモリー家にて叔母上やグレイフィア様達から、散々と教育されたらしいぞ?

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

グレモリー家の叔母上って…

貴方も正体隠す気、もう更々ね…

 

◇名無しの悪魔◇

てか、誰かエミさんにも声、振ってやれよ…

ヨシコさーん!好きだー!

 

◇名無しの悪魔◇

…(笑)

いや、あの子、確かに可愛いけど、性格キツそうだし…

 

◇名無しの悪魔◇

それならヨシコさんの方がキツくね?

 

◇名無しの運対常連◇

ベクトルが違う!

ヨシコ様のは、あの鋭い視線で、寧ろ罵って下さい!…みたいな。

 

◇名無しの悪魔◇

踏んで下さい!

 

◇名無しの悪魔◇

あの御方にゴミを見る様な目で『俗物!』とか言われた日にゃ、それだけでもう10回はイケるぜ!

 

◇名無しの悪魔◇

何がだよ?www

 

◇名無しの悪魔◇

駄目だコイツ等…

早く何とかしないと…www

 

◇名無しの悪魔◇

【悲報】エミさん(18)、男の娘(15)に人気で負けてる件(笑)

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

戦闘始まってるわよ?

今はエミとイヴの攻撃を、セイハンザイシャが巧みに躱してる感じね。

ヨシコとギャスパー・ヴラディは、待機状態…って、え?

 

◇名無しの悪魔◇

どうしたんすか?

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

多分、ギャスパー・ヴラディが何かしたんだろうけど、ディオドラ側3人の動きが止まったの。

パラライズ系か、それともバインド系かしら?

それで、その隙にセイハンザイシャが3人に向けて何か仕掛けたんだろうけど、どうやらそれは不発に終わったみたい…

『ドレス~ブレイク!』とか言ってたけど、これってもしかして…

 

◇名無しの悪魔◇

その名前から考えるに、相手の衣服や装備を破壊する技の可能性が高いですね。

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

やっぱりそうなの?!

 

◇名無しの眼鏡(メロンの方よ)◇

やっぱり、性犯罪者です…

 

◇名無しのジェミニ◇

きもーい

 

◇名無しのジェミニ(次女)◇

きしょーい

 

◇名無しの悪魔◇

最悪だな!

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

それで今は、腕組みしているヨシコの手を解こうとしてるみたいだけど…え?

 

◇名無しの悪魔◇

今度は何ですか?

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

セイハンザイシャの左腕の籠手型の神器が、変化…進化、した?

 

◇炎の兄貴!◇

まさか、あれは…

いや、しかし…信じられん…

 

◇名無しの悪魔◇

兄貴、何か知っているんですか?

 

◇炎の兄貴!◇

勘違いだと思っていたが、『そちら側』に詳しい俺の下僕も「そうだ。」と言っている。

あの籠手は、伝説の二天龍の一角、赤き龍を宿すロンギヌスの1つ…

赤龍帝の籠手、ブーステッド・ギア!

 

◇名無しの悪魔◇

な、何だってーっ!!!!

 

◇名無しの悪魔◇

マジっすか?!

 

◇名無しの悪魔◇

…ってー事は、あのセイハンザイシャが今代の赤龍帝な訳?

 

◇コヤス=サン◇

馬鹿な?以前ヤツと会った時は、そんな力強さ等、微塵も感じなかったぞ?!

 

◇明星のカイザー・ドラゴン(白)◇

馬鹿な…!?

あの様な雑魚が、赤龍帝だと…?!

何かの間違いだ!認めん!認めんぞ、俺は!

 

◇炎の兄貴!◇

いや、しかしリアスは以前、あのヒョウドウイッセイを悪魔に転生させるのに、兵士の駒8ヶ全部使ってたらしいが…ヤツが赤龍帝だったとならば、それも納得は行くぞ?

 

◇名無しの悪魔◇

一応、下地だけは、あった訳だ…って、駒8ヶ?マジすか?

 

◇名無しの悪魔◇

【悲報(爆)】今代の赤龍帝が、性犯罪で無能の下僕で、しかも雑魚だった件www

 

◇名無しの悪魔◇

…って、また何か沸いてね?

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

あ…

 

◇炎の兄貴!◇

あ…

 

◇名無しの悪魔◇

何?今度は、何があった?

 

◇名無しの悪魔◇

どーしたんすか?実況!…&兄貴!

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

セイハンザイシャがヨシコの胸を…思いっきり鷲掴み、揉んでいます…

 

◇炎の兄貴!◇

がっつりと。

 

◇名無しの悪魔◇

何ーーーーーーーーっ!?

 

◇名無しの悪魔◇

何だとーーーーーっ!!?

 

◇名無しの運対常連◇

俺のヨシコ様の、あの豊かなお胸様をか?!

 

◇名無しの悪魔◇

いや、別にお前のんじゃないからなwww

 

◇名無しの悪魔◇

セイジョ☆スキーにシバかれるぞ(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

赦…さん…!

 

◇名無しの運対常連◇

おのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャ(エンドレス)

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

で、ヨシコも思いっきりキレたみたいで(当ったり前よねwww)、セイハンザイシャの〇〇〇に思いっきり蹴りを入れたわ。

 

◇炎の兄貴!◇

凄く苦しそうに屈み込んでるが…まぁ、あれは自業自得だな…

 

◇名無しの悪魔◇

ちーん…

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇名無しの運対常連◇

ざまあwww

 

◇名無しの悪魔◇

天罰

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

…で、怒りのヨシコが更に駄目押し!

魔法か神器かで…嘘?凄いわ!あれって、どー見てもファン〇ルよね?フ〇ンネル!

ヨシコが作り出したファ〇ネルが、セイハンザイシャとギャスパー・ヴラディにビーム大乱射攻撃!

2人揃ってリタイアよ!

 

◇名無しの悪魔◇

いや…だからファンネルって、何?ファンネルって?

 

◇名無しの悪魔◇

令嬢、さっきからマニアック(笑)

 

◇炎の兄貴!◇

分かり易く?言えば、野球ボール程度の大きさの、遠隔操作型機動砲台が沢山とでも表現すべきか…

伝承に在る、クトゥルゥー勢力の邪神の1柱、クトゥグアが使役する火精に似てる、か…?

 

◇名無しの悪魔◇

ん~、何となくだが、イメージ出来た?

 

◇名無しの悪魔◇

…て、男の娘とばっちりだなwww

 

◇名無しの悪魔◇

いや、ゲームだから、セイハンザイシャが退場したら、どうせ次に殺られるだろ

 

◇名無しの悪魔◇

とりあえず、セイハンザイシャは『ざまあ!』だなwww

 

◇名無しの運対常連◇

地獄へ堕ちろ

 

◇名無しのブラックドラゴン◇

兵藤、ざまあwww

 

◇炎の兄貴!◇

それにしても、あの男が赤龍帝だったとはな…

…面白い!

 

◇名無しの悪魔◇

え~と、兄貴?

セイハンザイシャのセクハラってか性犯罪行為…

『グレモリー家で叔母上が教育云々で有り得ない』だったのでは?

 

◇炎の兄貴!◇

ノーコメントだ!

 

※※※

 

▼▼▼

 

「はぁ~ぃ、木場君♪

この前のパーティー以来ね。」

「うん、そうだね…」

 

ガルーダのスレが賑わっていた頃、中央エリアにて、リアスの騎士(ナイト)である木場祐斗が、ディオドラの騎士(ナイト)シャルロット・クリフ、そして同じく戦車(ルーク)のララティーナ・アダマンタイトと遭遇。

剣と剣の ぶつかり合いが、始まろうとしていた。

 

「さぁ!リアス・グレモリーの騎士(ナイト)よ!

いざ尋常に剣を交えようぞ!」

 

ジャキ…

 

「そうだね。僕も尋常じゃない斬り合いは、望む処だよ。」

「よく言った!

シャル!手出しは無用だぞ…」

「はいはい…」

大剣の切っ先を向けるララティーナに対して、木場も魔剣を構え、応戦の姿勢。

 

「ハンデだ!初手は くれてやろう!

さぁ、遠慮せずに渾身の一撃を、私に放ってくるが良い!」

「はぃ?」

「どうした? さぁ来いカモン!ハリ~ぃアッブ!!

ハァ…ハァハァ…(*゚∀゚)=3」

「え…?…ええぇえっ?!」

 




 
①別に作者、恵美さん嫌いじゃないですよ?
ちーちゃんのが好きですが(笑)
 
②セイジョ☆スキー眷属の候補に、カンピオーネ!のヒロインの1人(中の人:日笠さん)を考えていたのですが、今の時期、時事的にボツにしていて良かった?
 
③運対常連さんは、 はにゃーん様 ヨシコ様のファンみたいです。
 
④次回、木場きゅんの運命は?www
 
 
感想、評価、よろしくです。
 


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激突!騎士(ナイト)vs聖騎士(クルセイダー)(元)!!

 
ララティーナ可愛いよララティーナ
 


▼▼▼

「第3幕…とでも、言った処ですか?」

「「「「「「「木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん♪」」」」」」」

「リアスの騎士(ナイト)は、凄い人気だなぁ…」

「ケッ!イケメンヤローが!!」

ソーナ達が集っている部屋の大型モニターには、金髪の少年と、同じく金髪の少女が、互いに剣を構えての状態で、一歩も動かずに向かい合う姿が映されていた。

 

カチャ…

 

「お邪魔させて貰うぜ。」

「失礼します。」

「「こんにちわ~♪」」

「「「「「「??!」」」」」」

そんな時、部屋の扉が開かれ、入ってきたのは4人の男女。

 

「ら、ライザー?

どうして貴方が、此処に…?」

「俺も魔王様から招待を受けて、さっきまでは別室でゲームを観ていたんだがな…

どうせなら同じ年代の、お前達の感想や解説を聞きながらの方が、より面白く観戦出来ると思った訳さ。」

この、ワインレッドのスーツを着た金髪の男の名は、ライザー・フェニックス。

レーティング・ゲーム公式戦で、幾多の白星を量産している、プロのプレイヤーである。

 

「まさか、アナタが、この若手達の部屋に来るとはな…」

「ふっ…今日の このカードだから…さ。

昨日一昨日、流石にリアスが居る時に顔を見せる程、無神経じゃない。」

そして、リアスの元・婚約者でもある。

 

「あ…」「ん?」「ぉや?」

ゲームに更なる動きが起きたのは、そのライザーと、彼に同行してきた女王(クィーン)である妙齢の女と双子の兵士(ポーン)の少女達が、空いている席に着いた時だった。

モニター画面が突如3分割され、右半分は、未だ、互いの出方を窺っている、木場とディオドラの戦車(ルーク)、ララティーナ・アダマンタイトの映像。

そして左半分上側は、廃墟をイメージした舞台(ステージ)を進んでいる、リアス眷属のスーザンと堀井。

残る左半分下側には、やはり舞台(ステージ)を進む、ディオドラ眷属の2人の少女が映し出されている。

つまり これは、もう直ぐ この両雄がエンカウントする事を、暗示していた。

 

▼▼▼

 

パシィッ…

 

「む?」

「新手みたいですネ。」

東エリア。

ディオドラの兵士(ポーン)3人を退け、未だ手を繋いで儘で、更に前進していたスーザンと堀井の前に突如、薄緑色の光の壁が、2人の歩みを遮るが如く出現する。

 

「この先へは、進ませません!」

「此の場から退くか、それとも此処で斃れるか?

さぁ、好きな方を選ぶが良い!」

「「!??」」

その魔法障壁の向こう側から姿を見せたのは、白袖緑袴の巫女装束を着た、長い亜麻色の髪の少女と、特殊素材製のレオタード型戦闘衣に全碗籠手(ヴァンブレィス)重具足(メタル・レガース)を嵌めて帯剣と云う出で立ちの、金色の長い髪の毛の少女だった。

どうやら この障壁は、巫女服の少女が作り出した術式の様だ。

 

「それじゃぁ、第3の選択肢デス。」

「君達を倒して、前に進ませて貰うよ!」

しかし、そんな2人にリアスの戦車(ルーク)騎士(ナイト)は、当然ながら、『否』の応え。

 

「せぇィ!」

 

バシュイィッ!

 

「ぎゃあっ?!」

「ほ、堀井君?」

堀井が細剣で、魔法障壁を破壊からの突破を試みるが、逆に その剣は体毎に弾かれてしまい、逆にダメージを受けてしまう。

 

「この光の壁は、破魔、破邪の力を備えています!

つい先月、悪魔として転生したばかりの身と云えど、上級悪魔なら いざ知らず、下級の転生悪魔が簡単に通り抜けられる程、脆い造りを施した心算は有りません!」

そして それを見た巫女服の僧侶(ビショップ)、万里谷祐理は当然の結果とばかり、凛とした表情で話す。

祐理は元々、【日本神話】とは別の派生の、関東一帯を霊的に守護する一団の、『媛』と呼ばれる高位の巫女である。

…そんな彼女が どういう経緯で悪魔に転生したかは、本人と(ディオドラ)のみぞ知ると云った処か。

兎に角、その"媛巫女"としての破魔の能力は、悪魔に転生した今も健在。

その能力(チカラ)に自身がダメージを負う事も無く、その能力を悪魔相手に振るう事が出来ていた。

破魔の能力を宿す悪魔。

それは、悪魔vs悪魔が基本なレーティング・ゲームに限るならば、聖剣を扱う悪魔同様、身内としては頼もしいが、敵にすれば、厄介極まりない存在だった。

 

「…ならば!」

 

ガシッ…ビュン!

 

祐理の魔法障壁の説明に対して、今度はスーザンが、弓を構え、そして()()()()では無く、魔力で精製した魔法の矢(マジック・ミサイル)を射ち放つ。

 

バシュぅ…

 

「あぁっ?!」

…が、それも光の壁に当たると、敢え無く霧散。

 

「無駄だと言っています!」

「しかし、これではアナタ達も、此方に攻撃出来ないのではナイデスカ?」

「足止め出来たら、それで充分さ。

それが、私達がディオドラ様に与えられた任務だ。」

スーザンの問いに応えたのは、もう1人のディオドラ眷属、セリス・シェール。

 

「もう一度聞くぞ?

素直に退散するか、それとも壁に玉砕するか?」

「…君は何も、しないのかい?」

「ふん…挑発の心算か?

私は万が一にでも壁を越えられた時の、ユリの護衛役さ。

それと、質問を質問で返すな。」

続く堀井の問い掛けにも、セリスは平然と応える。

 

「…………。成る、程…。」

そんな中、スーザンは上方を見上げ、

「堀井君、この壁、かなり高い位置まで、聳えてイマス。」

「飛んで越えるのは、無理か…」

堀井と何やら相談し、

 

シュン!

 

そして今度は、魔法の矢(マジック・ミサイル)を、自分の足元の地面に複数本 射ち込んだ。

 

ドギャァッ!

 

すると その矢は、破魔の壁の向こう側の地面から鏃を覗かせ、祐理とセリス目掛け、飛び掛かるが、

「残・念♪」

 

シュゥウウウン…

 

「な?」「え?」

その魔法の矢(マジック・ミサイル)は全て、セリスが構えていた剣…その透明な水晶の様な刀身に、引き寄せられ、吸収されてしまう。

 

上空(そら)が駄目なら、地面(した)から…

確かに それも正解かも知れないけど、少し考えが、単純過ぎないかしら?

我が剣、"魔封剣(ソーサル・シール)"の前には、そんなチャちぃ攻撃、無意味よ。」

「「……!!」」

 

▼▼▼

…その頃の中央エリアでは、木場とララティーナの剣を構えての睨み合いが、継続していた。

 

「その剣…凄まじい力を感じる…

分かる、分かるぞ…

貴様…その剣で、私の鎧を剥ぎ取る心算だな?」

「え゙?!」

「しかも一気に全裸に剥くのでは無く、少しずつ、中途半端に肝心な部位を残す様に鎧を削り、私を視聴者(かんしゅう)の面前で、裸より扇情的な姿にして恥ずかしめる…そう考えているのだろう?」

「ちょ…待っ…」

「そして、淫らな責め苦を受ける様を皆の前に晒す心算だろうが、やれるものならやってみろ。

いや、寧ろ やって見せろ!」

「ぃゃ…その…僕は…」

…その最たる理由は、ララティーナの『初手は譲る』と云う宣言に続く、彼女の性格…否、性癖から為る挑発?に、木場が動揺(どんびき)して攻め倦ねていたからだ。

そう、先程からの言葉で察せる通り?、彼女は かなりな…所謂『(へんたい)』属性の持ち主だったのだ。

 

「…(中略)…しかし、仮に この私の体は好きに出来たとしても、心まで自由に出来るとは思うなよ!

そして覚悟するが良い!

私の身体を弄んだ その罪、必ずや我が偉大なる主、ディオドラ・アスタロト様が貴様に、残酷な制裁を下す事をな!!」

「いや、あの…」

「…う~む。装備(いふく)を剥ぎ取られる事で動きを封じられ、敵に理不尽に蹂躙される聖騎士(クルセイダー)(元)か…。

ど、どうしようシャル、これは予想外に萌えるシチュエーションだぞ…

くっ…不本意だが、仕方が無い。

ギリギリまで抵抗してみせるから、邪魔は しないでくれ。

では、行ってくりゅ!!

…で、無くて、さぁ、掛かって来ょい、リアス・グレモリーの騎士(ナイト)よ!!」

「だ、だから、その…」

「いい加減にしろ、この弩変態クルセイダーが!

この騎士君、困っているだろうが!!」

そして この度重なる暴走(もうそう)を見かねたか、身内であるディオドラの騎士(ナイト)、シャルロット・クリフの方から、突っ込みが入った。

 

「へ…変態…(///▽///)…ハァハァ…」

「「…………………。」」

…しかし彼女には、それも意味が無かった様だ。

 

▼▼▼

「(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)…」

「ヴェ…ヴェネラナ?」

ルシファー城の一室。

若手悪魔とは別室で、亜麻色の髪の貴婦人が、瞳から光を消し、顳顬に 図太い血管を浮かべながら、この様子を観戦していた。

 

「彼は、まともな性格と思っていたのですが…

これは もしかして、あの兵藤…さん…の影響なのでしょうか?

何れにせよ、ゲーム終了後、木場さんにも少し、お話する必要が有るみたい、ですね…。」

「いや…あれは、あっちの お嬢さんが、勝手に妄想してるだけな気がするのだが…」

「A・NA・TA…?」

「いえ…何でもないです…(スイマセン…)

少し勘違いしている様に思われる、この婦人の隣に座っていた紅髪の紳士が、木場に対してのフォローを入れようとするが、それは彼女の怒氣を纏う迫力の前に、早々に引っ込める。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

「………………………………。」

この紅髪の男…リアスの父親である、ジオテクス・グレモリーは自分の妻の背後に、『ゴゴゴ』な効果音的文字を幻視していた。

 

▼▼▼

…同じ頃の、若手悪魔が集まっている部屋では、

「な…何なのですか、あの男は?

顔が良ければ、何をやっても良いと許されていると、勘違いしているのですか?」

「さいてー。」「さいあくー。」

「いや、お前等…ヤツと同じ男として言わせて貰うが、それは違うと思うぞ?」

「そ、そんな…木場きゅんが…木場きゅんが、そんな事をしようとするなんて…」

「あれじゃあ兵藤と、同じだよぉ!」

「ちょ…貴女達? あれは彼女が、勝手に言っているだけですよ?」

「イケメン、ざまぁwww」

「しかし あれは ある意味、凄まじい才能だぞ?

現場だけでなく、画面越しの此の場までも、カオスに導くとは…」

ララティーナの発言により、室内の女性の半数以上が、やはり木場に対して何やら勘違いを起こしていた。

どうやら彼女の台詞には、100㌫では無いにしろ、それを聞いた者を勘違いさせる程の、説得力とは別な()()を持っている様だった。

 

「木場きゅん…

ゲームに 託つけて あんな女でなくても…

一言 私に言ってくれたら、何でも…

ん、子作りまでなら、OKしてあげるのに!」

「いや、副会長…それって最後迄(ぜんぶ)OKって事っすよね?! 」

 

▼▼▼

「で…でぇぃやぁっ!」

「おぉっ!?♪」

 

バキィッ!

 

そして、膠着状態だった木場とララティーナだったが、遂に木場が動く。

本人的には全く謂れの無い、まるで当人がセクハラ的行為を犯すかの如くな冤罪染みた発言に、居た堪れなくなったからか…

 

兎に角もう、彼女には黙って貰おう!

 

…そう思いながら、『初手は譲る』の発言通りに、正眼の構えのララティーナの肩口に、渾身の一打を浴びせるが、

「な?!」

「ふはははははは!何だ、その程度か!?」

木場の魔剣は逆に、彼女の戦車(ルーク)ならではの防御力(かたさ)の前に、脆くも折られてしまう。

 

「約束通り、初手は譲った!

今度は私から行くぞ!」

 

ぶぅん…

 

「くっ…!」

そして そう言いながらの、両手持ちの大剣の大振りを、難無く躱した木場は、自身の神器(セイクリッド・ギア)で新たに魔剣を創り出すと同時、隙だらけに見える左脇への斬撃を試みるが、

 

ガキッ…

 

「良い、打ち込みだ。

しかし、まだ甘い!」

 

ぶぉぉん…!

 

「ぅゎあっ?!」

その一撃も大剣で捌かれ、ララティーナは御返しとばかりな強烈なフルスィング。

…が、木場も また、これを躱し、その儘に繰り出す一撃は、白銀の鎧に止められてしまう。

 

「フッ…ララティーナは確かに攻撃はザルだが、防御面では その硬さも然る事ながら、武器による攻撃を受け止め往なす事でも、我等ディオドラ眷属の中では随一!

相手は何時も、太刀捌きの防御と硬過ぎる鎧により、決定的ダメージを負わせる前に攻め疲れで動けなくなり、最後は そのザルでも当たる、馬鹿力の直撃を喰らって、ジ・エンドなのさ!」

1vs1の戦いに手を出すのは不粋としているのか、或いは手を出す必要が無いと考えているのか、シャルロットが現状を解説するかの様に、口を出す。

 

「…それならば!」

 

ドンッ

 

木場は両手持ちの、巨大かつ重厚な魔剣を創造。

 

「おぉ!♪ 中々に、破壊力の有りそうな剣だな!

さぁ、打って来い!さぁ、速く!」

「…それじゃ、遠慮無く!」

その剣を見たララティーナが嬉しそうに、挑発するかの様な無防備な構えを見せ、木場は それに逆上する事無く、冷静に踏み込み、

 

ドッゴッ!

 

その縦一文字の一撃は、金髪ポニーテールの少女の脳天を捕らえたかに見えたが、

 

「あっ…ふぅ…ん…良い、良いぞ!凄く重い、良い一撃だ!」

だがそれも、寸前のタイミングで、横に構えた大剣のガードに阻まれる。

 

「もう少しスピードが有れば、違う結果になっていたかも知れないな。

惜しむのは、その剣を十全に扱うには少し、筋力が不足していないか?

…てゆーか それは、スピード特化な騎士(きみ)が、扱う様な得物じゃあないだろ?」

斬撃を受け止め、腕に伝わる衝撃に、一瞬、快感を得たかの様に悦艷な表情を見せたララティーナが、木場に武器の選択について駄目出し。

 

「…それでも!」

 

ベキッ!

 

続けて放つ、胸元狙いの横薙ぎは、強固な鎧に弾き返された。

 

「あっ…ぅぅん!

ふっ…ふはははは!どうしたどうした!

そんな軟弱な太刀筋では、この鎧、そして我が肉体には、傷1つ付ける事は出来ないぞ!

さぁ、もっと打ってきてみせろ!

それとも、もう終わりなのか?

…ハァハァ(*゚∀゚)=3」

「……………………………。」

 

≫≫≫

 

『リアス・グレモリー様の戦車(ルーク)戦線離脱(リタイア)です。』

「…!!?」

その後も、幾度と続く木場とララティーナの攻防の最中、アナウンスが流れる。

 

戦車(ルーク)…!

そんな…スーザンさんが、やられたのか?」

「はっはっは!他所を気にしている、そんな余裕が有るのか?」

「?!」

それを聞き、驚きと動揺を隠せない木場に、先程からの重剣を受け止める衝撃による、悦楽の表情を隠さなくなった弩M女(ララティーナ)の、当たれば必殺(かならず ころせる)であろう、一刀両断の一振りが襲い掛かる。

 

ドッゴァッ!

 

しかし これを木場は冷静に、そして余裕で躱し、地面を叩き付けた剣は その場に、巨大なクレーターを作り上げた。

 

「おのれぇい!ちょこまかと!!」

これに対し、冷静でないのはララティーナ。

如何に自分の攻撃が、的確さに欠けているのに自覚が有ると云え、余りにも躱され続けられ、徐々に苛立ち始めていた。

 

「隙有り!」

「!???」

 

ぶぅん…ドガッ!

 

そして その、心情の乱れを、木場は見逃さない。

巨大な魔剣を先程のララティーナの様な、縦の大振りを繰り出すと、金髪の少女も、大剣を盾代わりにしての防御(ブロック)

この戦闘、幾度と変わり無く、繰り返された攻防だ。

 

「ぅ…??!」

 

ドサッ…

 

しかし、ここで変化が。

木場の巨大魔剣を受け止めたララティーナが、突如、自分の大剣を地面に落とす。

 

「…な?」

そして わなわなと、自分の小刻みに震える両手を見据える。

 

「ふぅ…。漸く…かい?」

「何だと?!貴様…何を…?」

それを見て、少しだけ呆れ顔で、安堵の笑みを溢す木場。

 

「簡単な話さ。

如何に、貴女が頑丈、且つ耐久に優れていても、何度も あれだけの"重い"攻撃を剣で受け続けていれば その衝撃で、腕だって痺れるよ。」

「何だと?」

「腕だけじゃない。

鎧と その下の筋肉(からだ)も同様さ。

結局は外の、表面的なダメージは与えられなかったけと、身体の内側、"芯"には きっちりと、伝わっていたみたいだね。」

「何…だと…?!」

「彼方の…彼女の お陰さ。」

「な…私!?」

木場の説明に、驚きの顔を見せるララティーナ。

…と、不意に顔を向けられ話を振られた、シャルロットも、同様な表情を見せる。

 

「あの時の貴女の台詞から、そちらのララティーナさん…の、今までの相手は恐らく、彼女に()()のダメージを与えるのに拘って、最後にはスタミナ切れな処に強烈な攻撃を受けて、敗れていったのだろう…そう思ったんだ。

その事を聞いた僕は、最初から身体の()()から切り崩す事にしたのさ。

だからこそ、僕の本来のスタイルとは違う、()()()()()()()()()()()()()()()の…あの巨大な魔剣で勝負に出た訳さ。」

「私の あの言葉で…思い付いたとでも言うのか?」

「イグザクトリーで御座います!」

続く木場の解説に、シャルロットが質問すると、それを肯で答える木場。

 

「…さ・て。」

「む?」

そして木場は、再び顔をララティーナに向ける。

 

「武器を持てない状態で悪いけど、これもゲームだ。

決着を、着けさせて貰うよ?」

 

タタタッ…

 

「ふん…上等だ!」

普段から多用している、長剣タイプの魔剣に持ち替えた木場が、ララティーナにダッシュ。

対するララティーナも、未だ直らぬ手や腕の痺れから、剣は持てないと判断したか、足元の大剣を拾う事無く、ボクサー型の姿勢で応戦の構え。

 

「せぇい!」「てやっ!」

 

バキィッ!

 

「う…が…?!」

この競り合いは、ララティーナの右ストレートをサイドステップで躱した木場が、その儘 懐に入り込んでの、鎧で覆われていない脇腹への一撃が炸裂。

 

魔剣創造(ソード・バース)!!」

 

ドスドスドスドスドス…!!

 

「うわぁぁああぁぁ~ふふ…!」

更には透かさず、地面に無数の刃を剣山の如く生やす様に創っての追い撃ちが、この屈強な聖騎士(クルセイダー)(元)の身体を貫いた。

 

「く…っ…」

それでも、防御力と体力の高さからか、もう動けなくなったにも拘わらず、ララティーナは戦場(フィールド)から離脱(リタイア)は しない。

どうやら致命的ダメージは負っていないからか、リタイア扱いには ならない様だ。

 

「くっ…これも貴様の計算通りと言うのか?

こうやって わざとリタイアさせず、尚且つ動けない無抵抗な私に、薄い本みたいな事をしようとしていのだな?!

巫山戯るな!私の身体は、貴様如きが易々と触れて良い物では無い!

さぁ、くっ殺ぉおォっ!!

「いや、しないからね!」

体は動かせないにしろ、口を動かす事から為る彼女の発言を全力で否定した木場は、もう1人の敵、シャルロット・クリフと対峙した。

 

「安心しろ。

私は、あんな変態とは違う。

改めて騎士(ナイト)同士、尋常で無い斬り合いを演じようじゃないか!」

 

 

 

≫≫≫

『ディオドラ・アスタロト様の騎士(ナイト)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

 

「はぁ…はぁ…」

数分後、片膝を地に着き、魔剣を杖代わりにして、大きく乱れた呼吸を木場がしている中、フィールドに離脱者(リタイア)を告げるアナウンスが響いた。

 

『リアス・グレモリー様の騎士(ナイト)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

「……??!」

そして直後、更に離脱者(リタイア)を報せるアナウンスが。

 

「そんな…堀井さん、も…?」

これを聞いた木場が、顔を強張らせる。

既にリアス陣営は兵藤、ギャスパー、スーザンが戦線離脱(リタイア)していた。

ここで更に、堀井もリタイア。

これで北エリアの拠点で待機しているリアスと女王(クィーン)の姫島朱乃を除けば、生き残っているのは、自分1人となる。

そして東と西のエリアから攻め入っていた味方が全滅したと云う事は、その2方から敵が攻めて来るのは、間違い無い。

この儘 単身、敵拠点を目指すか、一度、拠点防衛の意味で、引き返すか…

 

「……………………。」

数秒の思案の後、このリアス・グレモリーの騎士(ナイト)は、攻めよりも守りを選択した。

 

「ま…待て…

この私に、トドメを刺さずに行く心算か…?」

「……………………………………。」

 

タタタタタッ…

 

「お、おぃっ?!」

そして、金髪ポニーテールの美少女の呼び掛けを無視して、木場は己が主を守るべく、この場を走り去る。

 

「くっ…ハぁぁあっ…

ほ、放置プレイとは、何処までも、何とも鬼畜な男なの…だ…ハァハァ…(*゚∀゚)=3」

 

 




 
①今回登場のキャラ
 
ララティーナ・アダマンタイト…ダスティネス・フォード・ララティーナ(このすば!)
シャルロット・クリフ…女騎士(まおゆう/画:石田あきら)
万里谷祐理…万里谷祐理(カンピオーネ!)
セリス・シェール…セリス・シェール(FINAL FANTASY VI)
 
…のイメージで
 
②頑張れ木場きゅん!負けるな木場きゅん!(笑)
 
③ララティーナ可愛いよララティーナ
 
 
過去、最大の文字数になった?
感想、評価、よろしくです。
 


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拠点、突入!

 
連続投稿第1弾!
 


「「「ただいま戻りました。」」」

「やぁ、お疲れ様。」

 

南エリアに最奥に建つ、廃ビル。

其処が、今回のレーティング・ゲームに於ける、ディオドラの拠点である。

ビル最上階の一室に入ってきた、万里谷祐理、セリス・シェール、そしてゼノヴィア・クァルタを、ディオドラは笑顔で迎え、労った。

 

「それにしても、いきなり反対側からゼノヴィアさんが登場したのには、驚きました。」

「あぁ。私も、マスターから出動の指示をされた時は、吃驚したよ。」

「私は 何となくだが、誰かが やってくる、そんな予感は していたわ。

本当に単なる足止めで終わるとは、思っていなかったからね。

フッ…ディオドラ様も、悪魔(ひと)が悪い…」

リアス眷属のスーザンと堀井の、足止めをしていた祐理とセリス。

その祐理の光の防御障壁に、手間取っていたスーザンと堀井に、奇襲を仕掛けたのはゼノヴィアだった。

障壁を大きく迂回しての、背後からの不意討ちに、先ずはスーザンがリタイア。

その後の堀井との一騎打ちにも、やはり悪魔で在りながら、"聖剣"を扱えると云う優位性、更には長年、カトリックの戦士として過ごしてきた経験は大きく、結果、堀井も最後は聖剣デュランダルの一閃で仕留めたのだった。

 

「ははは…ごめんごめん。

でも、昔から言うじゃないか。

『敵を騙すには…』ってね。

とりあえず僕達は、この場で待機だ。

西エリアはヨシコ達が進んでいる。

中央はシャルとララティーナが、木場君に敗れてリタイアみたいだけど、エルザとレイチェルが別ルート、敵と遭わずに進んでいる筈。

向こうの拠点攻めは、とりあえず、彼女達で大丈夫だよ。」

不敵に微笑むディオドラ。

 

「そして向こう側…(リアス)女王(クィーン)を除けば、残り1人となった木場君が この後、どう動くか…

さて、リアス? 君は、どう出る?」

 

▼▼▼

「あらあらあらあら?」

「ゆ、祐斗?」

「部長?朱乃さん??」

 

…その頃の木場は、丁度、中央エリアと北エリアの境付近で、リアス・グレモリーと姫島朱乃と出会っていた。

 

「ど、どうして…」

「イッセーとスーザンのチームが撃破されて、残るは貴方だけになったなら、もう、拠点で大人しくしているよりかは、一気に攻めに転じた方がベストと思ったのよ。」

「祐斗君は守りの心算で、戻ってきてくれたのでしょうけど、お陰様で合流の手間は、省けましたわ。」

戸惑う木場に、リアスと朱乃が説明。

 

「し、しかし…拠点をがら空きにしてしまっては…」

「大丈夫よ!

拠点に着く迄の道には、様々な(トラップ)を仕掛けているし、拠点の建物は朱乃の()()()で被われているわ!」

「無理に通り抜けよう物なら、黒焦げになって、リタイア…ですわ♪」

「……………………………。」

「さぁ、ディオドラの拠点を目指すわよ!」

 

▼▼▼

「ちぃっ!」

「っ!」

「……………。」

 

同刻。

西エリアを抜けて、リアスの拠点が在る北エリアに侵入した、ヨシコ、エミ、イヴは、リアス眷属が仕掛けた、トラップの歓迎を受けていた。

巨大な落石群を避けたと思えば、無数の竹槍が取り付けられた岩が、ワイヤーに吊られ振り子式に勢い良く迫り、それを回避した先の足下には、深い落とし穴が。

 

「舐めた真似を…」

「大した事、無いわね。」

 

ひゅ~~~~~~~ん…

 

「…ぇぃ!」

 

バキッ!

 

そして その落とし穴を跳躍で躱した先、頭上に落下してきた金盥を、イヴが金髪を変化(トランス)させた拳で迎撃。

 

「「ぉお~~~~~~~♪」」

 

パチパチパチパチパチパチパチパチ…

 

「「「??!」」」

この一連のトラップ・コンボを凌いだ時、喝采と共に、2人の少女が現れた。

エミと同じく、長い赤髪の軽装鎧の少女と、長い金髪を露にするデザインの覆面を被った、格闘衣姿の少女だ。

 

「エルザと、レイチェルか…。」

それは、敵と遭遇する事無く、北エリアに辿り着いたディオドラの兵士(ポーン)、エルザ・スカーレットとレイチェル・スタンレーだった。

 

「この先、合流させて貰うぞ。」

「さぁ、行きまショウ!」

 

▼▼▼

 

ダダダダダダダダダダダダッ…!!

 

 

ちゅっどおぉ~~ん!

 

 

ドッカァーーーーーーーーーン!!!!

 

「うわゎっ?!」

「きゃぁっ!?」

「ひぇえぇ~~~~~~~っ??!」

 

…その後、リアス達も、ディオドラが待つ南エリアに到達。

ディオドラ眷属がエリア各所に仕込んだ、網の目の様に張った赤外線レーザーに触れる事で発動する、機関銃やロケットランチャー、更には それ等を避けた先に埋め込まれている地雷等の、数々の(トラップ)の前に大苦戦していた。

 

「もぉ~、何なのよっ、これは!?

重火器とか爆弾とかって、反則じゃないの?」

 

≫≫≫

「「「ハァ、ハァ…」」」

そして罠地帯(トラップ・ゾーン)を抜け、漸くディオドラの拠点のビルに辿り着いたリアス達。

 

「このビルの中も、どんな罠が仕掛けられているか、分かりません。

十分に警戒して行きましょう。」

そう言う木場を先頭にして、3人の少年少女は、崩れかけたビルの中に足を踏み入れて行った。

 

「あ…」「え?」「あら?」

入って早々、リアス達が目にしたのは、

 

【この先、危険!】

【進めば死ねるぜ!】

【だんがー】

【引き返せ!】

【特に性犯罪者は来るな】

【性犯罪者は死ね】

【俗物禁止】

【えっちいのは嫌いです】

【胃薬、要る?】

 

…等と書き込まれた立て看板の数々。

そして大きさ、約60㌢角程の木箱。

蓋はアーチ形、縁枠が金属製な、よくRPGのダンジョン等で見られる、所謂『宝箱』である。

 

「あら、宝箱よ♪ 中には何が、入っているのかしら?」

「ぶ、部長お?!」

それを見て、何の疑いも無く、無防備に箱に近づこうとする紅髪の少女が約1名。

 

「ちょっと、リアス?」

「何やってるんですか、部長?」

そしてそれを必死で止める、女王(クィーン)騎士(ナイト)

 

「貴女、お馬鹿なの? どー見てもコレ、罠にしか見えないでしょ?」

「ぅ…でも、もしかして、ゲーム運営側が用意した、伝説の武器が入ってる可能性だっt

「「有りません!」」

兎に角 必死で止める、女王(クィーン)騎士(ナイト)

 

≫≫≫

「…とりあえず、魔力、そして生体反応は感じられませんわ。」

…それでも前に進むには、結局は箱の傍を通る為、その際に朱乃が箱を魔力を通して調べてみた。

 

「蓋を開けたら、『宝箱は、ミ〇ックだった!』とかの類じゃ、無いみたいですね。

…だとすれば、蓋を開けると爆発する…とか?」 

「その程度なら大丈夫でしょ?

外なら兎も角、屋内で さっきみたいな大爆発レベルの爆弾なんて、仕掛ける筈が無いわ。」

「「………………………。」」

 

カチャ…

 

そして それ程の脅威は無いと判断…いや、用心より好奇心が勝ったリアスの押しにより、一応は箱全体に防護結界を施し、その蓋を開けてみると、

「これは…」

その中身は、ゴーグルの様な機械。

 

『ふふふ…リアス、聞こえてるかい?』

「「「!!!?」」」

それと同時、廃ビルの中に、ディオドラの(アナウンス)が響き渡る。

 

「ディオドラ!?」

『…対戦相手に向ける台詞じゃないかも知れないけど、リアス、君は もう少し、慎重に行動すべきだと思う。』

「何ですって?!」

『まさか、あんなに躊躇無く、箱を開けるなんて思わなかったよ。

少しは疑おうよ…いや、マジに…』

 

コクコクコク…

 

リアスの後ろ、それを聞いた木場と朱乃は、小さく頷く。

 

「大きな お世話よ!…って、貴方、見えてるの?」

『このビルの中は、罠だけでなく、至る所に監視カメラも設置している。

そして この先 君達は、此方が仕掛けた罠に四苦八苦する様を僕達が笑いながら観る中、進む事になる。』

「趣味悪いわよ!」

「バラエティ番組の心算ですの?」

『だからこそ…の、その赤外線スコープさ。

とりあえず、装着してみなよ。』

「…………………………。

一度装備したら外せない呪いのアイテムとか、着けた瞬間、内側にフラッシュが焚かれて、ムス〇大佐みたいに『目が、目があ!』…なーんて事になったりしないでしょうね?」

『あー、うん…。

それ、今 思い付いたよ。』

「…………………………………。」

 

カチ…

 

まだ少し信用出来ない迄も、このスコープには仕込みは無いと判断したリアスが それを装着、本体側面の電源スイッチを入れると、

「こ、これは…?!」

目の前の通路に張り巡らされている、赤外線レーザーがスコープ越しに視認出来た。

 

『ふふふ…気に入って貰えたかい?

しかし、それは只のハンディだよ。

僕達が用意した罠は、赤外線に触れるだけでなく、壁や床に仕込まれたスイッチでも作動する。

さあ、リアス!

僕に勝ちたいならば、数々のトラップを切り抜け、最上階まで来てみるが良いさ!

あーっはっはっはっはっは!!』

「何処の悪役よ?!」

 

≫≫≫

 

ズバッ!

 

 

 

ドシュッ!

 

 

 

ガシャァアアアアァッ!

 

 

 

どっどごこごごごごごごご…

 

「うわゎあっ!?」

「きゃっ?!」

「もう、いやぁあああ~~~~っ!!」

その後、リアス達はディオドラ・プレゼンツのスコープを利用して、赤外線が張られた通路は避けて進んで行った。

…が、その別ルートでも悉く、仕掛けられた罠を作動させてしまうのだが…

壁から突き出る槍に虎鋏、落ちてくる天井(棘付き)、果ては階段を転がり降りる巨大鉄球等を辛くも退け、

「「「ゼィゼィ…ハァハァ…」」」

漸くディオドラが待つ最上階に辿り着いた。

 

ザザッ…

 

「「「!!?」」」

「はぁい♪」

「久し振りだな、先輩殿。」

階段を上がり終えた通路、そこで待ち構えてのは、栗髪ツインテールの少女と蒼のショートカットの少女。

元・天界所属の聖剣の戦士、紫藤イリナとゼノヴィアだった。

 

ザッ…

 

「部長、副部長…此処は、僕が…」

「祐斗?」

それを見て、木場が一歩、前に出る。

 

「さぁ、君達の相手は、僕がしよう。」

「…ふっ」「クス…」

魔剣を構える木場に応える様に、ゼノヴィアとイリナも不敵な笑みを溢しながら、聖剣を構える。

 

タタタッ…ガシィッ!

 

「流石は騎士(ナイト)、速い!」

そして、瞬時に間合いを詰め、ゼノヴィアと刃を交える。

 

「私も居るのよ? 先輩君!」

 

ギィン!

 

「やっるぅ♪」

瞬間、イリナが横から斬り掛かるが、木場は もう1本 魔剣を創り出し、それを受け止めた。

 

「祐斗!」「祐斗君!!」

「この2人は僕が抑えます!早く、先へ!!」

「…と、先輩殿は言っているが?」

「心配しなくても、私達は先輩君にしか興味は無いわ、リ・ア・ス…様?

ディオドラ様は、この先の通路、最奥の部屋で貴女を待っておられます。

早く向かわれたら、どうですか?」

「な…!?」

刃を交えながら、それでも余裕が見られる、挑発とも受け止められる発言に、リアスは一瞬、顔を強張らせ、掌に魔力を集中させようとするが、

「部長ぉ!」

「…!!」

木場の一声で、クールダウン。

 

「祐斗、先に行ってるわよ!…朱乃!」

「はい、部長!」

 

タタタタタッ…

 

この場を木場に任せ、朱乃と共に奥へと走って行った。

 

「…………………。

ここは、お礼を言うべきかい?」

「気にする必要は無い。」

「元より私達に与えられた指示は、先輩君の足止めだけだから、ね!」

この場を走り去るリアス達に、何の手も出さない少女2人に、魔剣を振りながら、木場が話し掛ける。

 

カィィン…!

 

「…!? その、聖剣は…?!」

「ふふふ♪ 気付いた?」

そして改めて刃を交えた時に、木場がイリナの持つ聖剣の特異性に気付く。

イリナが今 持っている聖剣は、彼女が悪魔に転生後、冥界に向かう前、イギリスの実家のリビングに飾られてあった其を勝手に拝借した物である。

一見それは銘も無い、量産型の数打ちの1つに過ぎない筈。

だが、それを見たディオドラの女王(クィーン)ジャンヌが言うには、『大量生産品には違いないが、その中でも偶々、純度の高い聖銀。最も絶妙な火加減の聖火。高濃度の聖水。…これ等が用いられ、更には恐らく鍛冶師が最も作業に集中している時に鍛えられた…等、様々な偶然の末に完成した、正しく1000本に1本の逸品』だとか。

 

「名付けて"1/1000(ワン・オブ・サウザンド)"!!

ジャンヌさん命名よ!」

 

シャキィーン!

 

自宅のインテリアだった聖剣が、まさかの業物でしたと云うオチを、どや顔&決めポーズで解説するイリナ。

 

「ははは…こりゃ、参ったね。」

そして その事実(オチ)とアクションに、木場は顔をやや引き攣らせて苦笑。

 

「さあ、お喋りは お仕舞いよ!

滅してあげるわ、先輩君!」

 

ダッ…

 

そして戦闘再開。

イリナが間合いを詰める。

 

「お逝きなさい!アァーメン!」

「!!!!」

走り込んでの鋭い横凪ぎを、木場に向けて放とうとするが、

 

ぴた…ガクッ…

 

「~~~~~~~~~~~…!?」

その途中、急に その剣を止め、その場に しゃがみ込み、苦しそうに両手で頭を押さえ始めた。

 

「え…?」

「ど、どうしたんだ?イリナ?!

何が有った?」

それを見てゼノヴィアは勿論、敵である木場も心配気な顔を見せ、 

「うぅ…何時もの癖で、(居もしない)神なんかに祈ったりしたから…あ、頭痛(あたま)が…」

 

すってーん!x2

 

そして この台詞を聞き、その場で盛大にコケるのだった。

 




 
①今回登場のセイジョ☆スキー眷属
 
エルザ・スカーレット…エルザ・スカーレット(FAIRY TAIL)
レイチェル・スタンレー…レイチェル・スタンレー(ケンイチ)
 
…のイメージで。
 
②連続投稿第2弾は1分後!
つまり、今回(これ)を読み終えている頃には、更新されている?
 


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決着!リアスvsディオドラ!

 
連続投稿第2弾!
弾1弾は、もう読んだ?
 


▼▼▼

 

バタン!

 

「ディオドラァ!」

「やぁ。よく来たね、リアス。」

元・エクソシストコンビと木場が戦闘を繰り広げている頃、リアスと朱乃は(トラップ)が発動する引き金で有ろう、赤外線レーザーを避けながら、ディオドラが陣を取る部屋に到達した。

勢い良く扉を開けると、其処に待っていたのはディオドラ・アスタロトと彼の下僕が3名。

輩が殴り込む様な迫力のリアスに対して、ディオドラは それに臆する事無く、笑顔で応じる。

 

「この部屋には、赤外線は張ってないみたいね…」

スコープ越しに周囲を見渡し、少なくとも この部屋には赤外線トラップが無い事を確認したリアス。

 

ガッシャン!

 

「確かにスコープ(これ)には感謝してあげるけど、この余裕が、貴方の敗因と言っておくわ!」

そう言いながらリアスは、頭からスコープを取り外すと、それを勢い良く床に叩き捨てる。

 

「り、りあす? ぷぷぷっ!?」

「「「クックックック…」」」

「あっはははははははは!!」

「????」

この直後、リアスの顔を見た朱乃は いきなり吹き出してしまい、ディオドラも大笑い。

彼の眷属達も、笑うの堪えきれない様子だ。

 

「な、何なのよ?」

 

ス…

 

何が起きたか理解出来ないリアスに、朱乃が肩を震わせながら、無言で小さな手鏡を渡す。

それで自分の顔を覗いたリアスは、

「なな…何なのよー!これわっ!?」

思わず大絶叫。

…リアスの両目周りはパンダの様に黒く、ペイントされていたのだ。

 

「くっくくく…

もう一度言うけどリアス、君は無用心過ぎる。」

「あ、貴方の仕業なのね?」

どうやらディオドラが用意していた赤外線スコープには、外せない呪いや、内部フラッシュ等は仕掛けられていないが、目元周りの装着面に、油性インク(無臭)が仕込まれていた様だった。

 

「ひ…ヒトをおちょくるのも、いい加減にしなさい!…朱乃!」

「はぁい、部長!♪」

 

ボォウヮッ! バシィッ!

 

怒りのリアスが、顔も拭かぬ儘 滅びの魔弾を、追随する様に朱乃が雷撃を放つが、

 

シュゥゥウ…

 

「な…?」「嘘…」

それ等はディオドラの脇に控えていた、セリスの持っている剣、その水晶の刀身に吸い寄せられる。

 

パシィッ

 

「「!!?」」

そして直後、祐理が光の防護障壁を展開。

 

「さて、リアス…君の敗因を、1つ1つ教えてあげるよ。」

「何ですって?」

目の前に現れた壁が、悪魔にとって毒に等しい光の特性を持っているのを理解出来たのか、リアスは下手に手を出さず、顔に着いたパンダメイクをハンカチで拭き落としながら、ディオドラの説明を聞く事に。

 

「先ずは、1つ目。さっきから言ってるけど、君は本当に無用心過ぎる。

敵の用意したアイテムを、何の疑いも無く使用したりは、しない。

だから、パンダになったりするんだ。」

「う、うるさいわね!」

「…それ以前に、普通は敵地に置いてある宝箱なんかを、考え無く開けたりしないよ。

全く…レーティング・ゲームはテレビゲームじゃないんだからさ。」

「「…………………。」」

 

カッカッカッ…

 

推理小説やサスペンスドラマ等の終盤場面、主人公が犯人を含む関係者を集めて謎解き説明をする様に、ディオドラは人指し指を立てて したり顔、室内を歩きながら話し出す。

 

「2つ目。これは単純に、相性の差。

…ジャンヌ?」

「はい、ディオドラ様。」

 

パサァ…

 

「「!!?」」

ディオドラの一声で、ジャンヌは神器(セイクリッド・ギア)を発動させ、室内に無数の聖剣を出現させると、それ等はリアスと朱乃を取り囲んだ。

 

「こ、これは、聖剣騒動の時の?!」

「そう…。あの時に君の学舎を覆った聖剣の結界は、ジャンヌの神器(セイクリッド・ギア)で創られた物だったんだよ。」

聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)

貴女の騎士(ナイト)である木場さんが持つ魔剣創造(ソード・バース)の、()となる神器(セイクリッド・ギア)と思って頂いて結構です。」

「何ですっt…って、ゆーか貴方達、あの時、学園に居たの?」

数多の黄金と白銀の刃が自分に向けられている中、約2ヶ月前の騒ぎの中の、隠されていた真実に、リアスは驚きを隠せない。

 

「まあ、その話は良いとして、解るかい?

僕の眷属は今、このジャンヌを含めて、聖剣の使い手が()()も居るんだ。

更には、この祐理の光の結界術式。

これだけで普通に考えて、悪魔からしたら、相性は かなり悪いと言って良いよね?

そして、セリスの魔封剣。

相当な実力者なら兎も角、君達程度の魔術攻撃なら、彼女の前には無意味さ。

君の下僕の中では木場君なら、これ等を突破出来る可能性が有ったから、このフロア到着早々、あの場に踏み留まって貰ったんだ。

そして、3つm

『ディオドラ・アスタロト様の戦車(ルーク)1名、並びに兵士(ポーン)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

「「「「「!!!」」」」」

このディオドラの説明の途中、ゲーム参加者退場を告げるアナウンスが流れる。

 

「うふふ…どうやら、その足止めとやらは、失敗したみたいね。

あの2人が倒されたと言う事は、祐斗も もう直ぐ、此方にやってくr

『リアス・グレモリー様の騎士(ナイト)戦線離脱(リタイア)です。』

「な…?祐斗?!」

このゼノヴィアとイリナの退場を知り、リアスが得意気に話そうとした時、今度はアナウンスにより木場の退場が報せられた。

 

「ん。どうやら あの2人は、木場君と刺し違える事で、仕事を見事 完遂したみたいだね。

それで話を戻すけど、3つ目に…」

それを聞き、唖然とするリアスに対して、満足気な顔を浮かべるディオドラが、再び話し始める。

 

「…これが、君の最大の敗因だけど…

リアス、君が今、此の場に居る事だ。」

「な…何ですって?!」

「今回の勝利条件の1つに、『敵拠点制圧』ってのが有ったろ?

…にも拘わらず、拠点丸投げで(キング)が外に出るなんて、愚の骨頂だよ。

しかも僕達の間では、駒価値を差し引いても、圧倒的な人数差が有ったんだ。

解るかい、リアス?

君は序盤は下僕を攻めに出さず、全員での迎撃態勢で、此方の人数を確実に減らすべき…

その後、攻めに転じるべきだったんだよ。」

「っ…!」

理詰めなディオドラの台詞に、リアスは何も返せない。

 

「仮に(きみ)が どうしても前に出るとするなら、それなら何故、そちらの女王(クィーン)、姫島君に留守番をさせなかったんだい?

誰も居ない…裳抜けの殻の拠点なんて、『どうぞ制圧してください』と言ってるのも同じだよ?」

「きょ…拠点の建物なら、朱乃が作った雷の障壁で、誰も入れない様にしているわよ!

其処まで考え無しじゃないわ!」

「はぁあ~~~~~~~~~~~~…」

「ど、どうしたのよ?!」

続くディオドラの言葉にリアスが反論するも、それを聞いた深緑の髪の少年は、深い溜め息を溢す。

 

「いや、其処まで此方の予想通りに動いているとは…ね。

甘いよ、リアス。」

「はぁあっ?!」

「今、君の拠点に向かっている1人、兵士(ポーン)のレイチェルは、僕の眷属の中では戦車(ルーク)のララティーナに次ぐ、防御力と体力の持ち主だ。

そんな彼女が昇格(プロモーション)戦車(ルーク)の特性を得れば、セリスの魔封剣に吸収される程度の雷撃なら、少しのダメージで、力技で突破出来る。」

「…!!」

「そして もう1人、同じく兵士(ポーン)のエルザが得意としているのは"換装"。

彼女は その時の状況に応じて、様々な属性の鎧と武器を、その場で装備し直す事が出来るんだ。

鎧だけでなく、セーラー服から体操着、ナースにメイド、バニーまで…多種に渡ってね。

その中には当然、雷撃属性を完全に無効化させる鎧も有る。

彼女なら雷の壁如き、簡単に素通りさ。

…そして この2人の攻撃力機動力なら、拠点制圧なんて簡単な作業だよ!

悪いけど これは、予想の範疇だった。」

「う…」

そして拠点を空ける保険として施していた、雷撃の障壁も無意味だと言われ、リアスは益々黙り込んでしまう。

 

「さて、それで もう詰み(チェックメイト)同然なんだけど、どうする心算かな?

 

①聖剣の雨に その身を貫かれてリタイア

②自分の拠点が制圧される迄、大人しく待つ

投了(リザイン)する

 

…さあリアス? 君は、どれを選ぶ?」

「そうね…だったら④の、『貴方を倒して終わらせr

『たった今、リアス・グレモリー様の拠点が制圧されました。

よって この度のゲーム、ディオドラ・アスタロト様の勝利と致します。』

「はぁぁあっ??!」

 

▼▼▼

…この日の夜、リアス達はグレモリー城にてリアスの母親であるヴェネラナから…特にリアス、兵藤、そして木場は延々とOHANASHIされたと云う。

 

 

▼▼▼

2日後…

 

≫≫≫

 

※※※

 

◇名無しの悪魔◇

【悲報】無能vsセイジョ☆スキーのゲームが酷過ぎた件

 

◇名無しの悪魔◇

観た。このスレでのネタバラシでも書かれてたけど、マジに無いわ

 

◇名無しの悪魔◇

あのタイミングで、キングが出張るなんてねえ…

 

◇名無しの悪魔◇

まさに無能クオリティ

 

◇名無しの悪魔◇

結果、誰もいないときに拠点に入られ、そのまま制圧されて負けなんて、マヌケ過ぎるwww

 

◇名無しの悪魔◇

まさに無能クオリティwww

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

いや、テレビは編集されてたけど、ノーカット版は、もっと酷かったわ…

 

◇名無しのひんぬー会長◇

兵藤君の戦闘なんて、殆どカットされてたし

 

◇名無しの悪魔◇

あー、セイハンザイシャがヨシコさんのバストを、揉み揉みしたってヤツね。

 

◇名無しの運対常連◇

おのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャ(エンドレス)…

 

◇名無しの悪魔◇

落っ着けwww

 

◇名無しの悪魔◇

セイハンザイシャ、ヨシコさんの火炎球?で殺られる場面だけでしたね

 

◇炎の兄貴!◇

リアスの騎士とディオドラの戦車のバトルに至っては、全部カットだったからな

 

◇名無しの悪魔◇

え?騎士と戦車って、放送されてたっしょ?

 

◇名無しの悪魔◇

2vs1で引き分けたヤツ

 

◇炎の兄貴!◇

いや、ディオドラ拠点内でなく、その前に彼は、もう1人の戦車とバトルしていてな…

その内容がな…

 

◇セイジョ☆スキー◇

あの日、邸に帰って、編集前の映像を観たけど、あれは本当に酷かった…

木場君、まぢゴメン。

あと、ヒョウドウは今度会ったら、絶対に死なす。

 

◇コヤス=サン◇

落ち着けwww

 

◇名無しの悪魔◇

何が有った?

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

うむ。要約すれば、

 

ララティーナ可愛いよララティーナ

 

…だな。

 

◇名無しの悪魔◇

何があった?www

 

◇名無しの悪魔◇

ますますワケワカメ(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

…って、アナタ、招待されてたんすか?

 

◇名無しの悪魔◇

マジに、上級の貴族さん?

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

その件に関しては、ノーコメント。

 

◇名無しの悪魔◇

まあ、素性探りはルール違反ですからね。

 

◇名無しの悪魔◇

尚 一部、正体バレバレな模様(笑)

それと、駄肉パンダはウケたwww

 

◇名無しの悪魔◇

だなwww

 

◇名無しの悪魔◇

コーヒー返せしwww

 

◇名無しの悪魔◇

(*^ー゚)b

セイジョ☆スキー氏、グッジョブ!

 

◇名無しの悪魔◇

止めろwww

思い出して噴いたわwww

 

◇名無しの悪魔◇

それと、鎧カップルが、意外と凄かった

 

◇名無しの悪魔◇

ダブルアーツ!

 

◇名無しの悪魔◇

ダブルアーツ!

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

今回の若手の3ゲーム、私的には あの2人がMVPよ!

 

※※※

 

 

▼▼▼

そして、8月31日のグレモリー城。

 

「さぁ、皆、帰るわよ…って?」

「ゃ…やぁ…」

新学期を目前に、地上に戻ろうとしていたリアス達の前に姿を見せたのは、ディオドラ・アスタロト。

 

がばっ…

 

「すいませんでしたぁあ~っ!!」

「で、ディオドラ様?!

いや、僕は、全然 気にしていませんから!」

「いーや、謝らせてくれ木場君!

すいません!ウチの戦車(へんたい)が、本っ当~に すいません!」

現れると同時、彼は木場に向けて全身全霊誠心誠意、綺麗な土下座を披露するのだった。

 




 
①最後のセイジョ☆スキーさんの謝罪は、『このすば!』にて、アルカンティアに向かう途中、走り鷹鳶やアンデッドの群を退けた時の、カズマさんのイメージで。
 
②頑張れ木場きゅん!負けるな木場きゅん!www
 
③次回より新展開!
久し振りに、主役君の登場です!
 
 
感想、評価、よろしくです。
 


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新学期!新顔!新展開です!

 
久し振りの…
 


9月。

近年の一部の学校では、8月後半には新学期がスタートする学校も有るが、駒王学園では9月1日が、2学期のスタートである。

 

「ん~、今日から新学期が始まるに伴い…と言う訳でもないが、新しい仲間を紹介しようと思う。

とりあえず女子!期待して良いぞ!」

 

ざわざわざわざわざわざわざわざわ…

 

1年E組の教室では、その最初のホームルームにて、担任教諭が、新しく このクラスに加わる編入生を紹介しようとしていた。

それを聞き、ざわめく教室。

教室前側の扉の磨りガラスに目を向けれ見れば、確かに廊下で待機している人影が映っている。

担任の言葉からして、男子生徒の様だが、

「よし、アカバネ君、入って来なさい。」

 

ガラ…

 

「「「「「「「「おおおぉ~~っ!♪」」」」」」」」

担任に呼ばれ、扉を開けて入ってきたのは、整った顔立ちの赤髪の少年。

 

「へ?」「え?」

その彼を見て、クラスの殆んどの女子生徒が歓声を上げる中、間の抜けた顔で間の抜けた声を出した生徒が、約2名。

 

カッカッカ…

 

そんな中、この編入生は黒板に自分の名前を書き込み、

「この度、父親の仕事の関係で〇〇市から此方に引っ越してきた、赤屍(あかばね)かるま、でーす。

皆さん、気軽に『カルマ』って、呼んで下さーい。

よろしくお願いしまーす。♪」

…と、明るく自己紹介。

 

「あー、それから そこのサトル君と東條ちゃん?

人の顔を見て、間抜けな顔をしない。」

「「………………………。」」

そして、この一言。

どうやら このカルマという少年、サトルと白音とは、知り合いの様だった。

 

≫≫≫

「…で、どーゆー事だ?」

「いや、最初の挨拶で言ったじゃん?

親父の『表向き』の仕事の都合で、引っ越してきたって。

駒王町に来たのは、本当に それだってば。」

「でも、この学校はカルマ君が決めて、編入試験受けたんですよね?」

「まぁね~。やっぱり、知ってる人が居る方が良いじゃん?」

「…任務とかじゃ、ないのですか?」

「いやいや、今回は本当に、そーゆーのは無いから。」

「「……………………。」」

新学期初日は、始業式の後、掃除をして終了。

サトル、白音、そしてカルマは、一緒に下校していた。

 

赤屍かるま。

彼の父親は、表向きは大手商社勤務のサラリーマンだが、その正体は【日本神話】の特殊諜報部『NIN=JA』の一員である。

サトルの家族も、『NIN=JA』に所属している関係から、この3人…黒歌を含めた4人は、幼い頃からの親しい仲だった。

今回のカルマの編入は、本当に『NIN=JA』とは関係無く、純粋に父親の"表"の職場での転勤が理由らしい。

 

「俺は てっきり、烏丸さん達と交代で、俺等のガードに就いたかと思ってたぜ。」

「ん、全く関係無いね。」

因みにカルマも一応…まだ新人だが、『NIN=JA』の一員である。

尚、サトル達の護衛の任務に就いていた烏丸達は、夏休みの間、禍の団(カオス・ブリゲード)からの接触が無かった事から、とりあえずは安全と見て、その任務を数日前に終えていた。

 

「…でも、引っ越しとか編入とかは、前から分かってたんだろ?」

「連絡くらい、してくれても良かったんじゃないですか?」

「ん~、サプライズ?」

「「……………………………。」」

2人の問い質しにも、惚けた笑みを浮かべて応えるカルマ。

どうやら この男、中々に悪戯等が好きそうである。

 

「まさかとは思うが…

お前の登場って、何かの厄介事(イベント)のフラグじゃないだろうな?」

「ははは…俺は別に、"知り合ったら それが死亡フラグな、蝶ネクタイで眼鏡の小学生"なんかじゃないよ?」

 

 

▼▼▼

そして時は過ぎ、今は10月半ば。

駒王学園では中間試験も終わり、2年生は京都方面へ修学旅行に向かっている この週末の夜、サトルは白音、黒歌と共に、某県某市の、観光名所にもなっている、とある仏閣寺に足を運んでいた。

 

≫≫≫

「どうしたどうした?

逃げてばかりじゃ、修行にならないぞ?」

「しゃあらぁっぷ!」

 

ひゅん…

 

「ちぃいっ!」

その本堂内は今、結界と転移の複合術式により、外観よりも遥かに広い、別世界と繋がっている。

謂わば、レーティング・ゲームの舞台の様な、"創られた世界"である。

其処でサトルは、白装束を着た、銀髪獣耳の男が繰り出す、棘の鞭の攻撃を躱し続けていた。

 

ひゅぃん…

 

「ちゃーっんす!」

 

ダッ…!

 

その鞭が射程最大にまで伸びたと同時、それが戻るより速い踏み込みで、間合いを詰めるサトル。

 

「てぇいやぁっ!」

「お?♪」

 

ダンッ!

 

其処から、半捻りバク転での跳びから、この銀髪の美丈夫の脳天目掛け、踵落としを狙うが、

「"振り"が大き過ぎる!」

 

どん!

 

「ぅげ?!」

この大技は、駄目出しと同時に簡単に躱されてしまい、鞭を手離してのカウンター、仙氣が込められた掌打を逆に脇腹に貰い、その場に片膝を着いてしまう。

そして、この銀髪男…妖狐・蔵馬の攻撃は、それだけで終わらない。

サトルが立てている片膝を、踏み台の様に駆け上がると、

「哈っ!」

 

バキッ!

 

「あじゃしぃ!?」

その勢いの儘に顔面目掛け、強烈な飛び膝蹴りを炸裂させた。

 

「ふ…ん!」

「!!!!!!?」

そして大の字になっているサトルの首筋に、今度は長く赤い髪の男が膝を落としてくる。

 

ずどんっ…

 

「あ…(あっぶ)ねーっ?!」

「流石…だ。…しかし!」

これを寝転がる事でギリギリ回避、起き上がって体勢を立て直したサトルに、この鍛え抜かれた筋肉の持ち主は何処から取り出したのか、迸る紫電を纏う、戦槌を構えて猛追。

 

「頼むから…死ぬなよ!」

「殺る気満々で、言う台詞ぢゃねーよ!」

 

どん!

 

「…がっ?!」

その巨体にさえ不釣り合いな、より巨大な槌による一撃。

この叩き付けた床を完全に破壊、巨大なクレーターを作り上げる程の強力な直撃は辛うじて避ける事が出来たが、槌を覆う雷に体を掠めてしまい、サトルは一瞬、動きを止めてしまう。

 

「はぁあッ!!」

 

ビュンッ…

 

「おわぁっ!?」

其処に今度は入れ替わる様に、白のワンピースドレスの上に金色の鎧兜を着込んだ紫銀の髪の毛の少女が、黄金の杖で追撃。

 

「まぁだまだぁ!…ですよぉ!」

「次は、アンタかよ?!」

その鋭い刺突も寸での処で避けた先、間髪入れずに攻撃を仕掛けてきたのは、駒王とは別の学校の制服を着ている少女。

 

ぶぅんぶん…!

 

「…っと!」

サトルは触角の様な1本の長いアホ毛が特徴的な銀髪の少女が持つ、バールの様な形状の得物の二刀流フルスィングを躱し、バックステップで距離を大きく開けるが、

「甘いです!」

 

スチャ…

 

この少女は懐から手榴弾を取り出すと、そのピンを銜えて引き抜き、

「大リーグ・ボ~ル…1号お~ぅ!」

 

ぽぉ~い…

 

大きく振りかぶっての投球モーションで、サトル目掛けて投げ付けた。

 

どっかぁーーーーーーーっん!

 

「ぬわ~~~~~~~~~??!」

これもサトルは直撃は避けるが、爆風により上空へ大きく吹き飛ばされ、

「カーカカカカカカカ!」

「……!」

 

ガシ…

 

その儘 空中で、青い肌の三面六臂の男に捕まり、体を上下逆さの形で頭を肩口に乗せられ、更には6本の腕で両腕 両腿、そして両足首を極められた状態で、地面目掛けて急降下。

 

「甘いよ!アシュラ師匠!」

しかしサトルは慌てる事無く、

「何度も同じ技、喰らうかっての!

実は この技って、首のロックが甘いんだよね!」

そう言って、首の固定を外し、其処から この技の脱出を図るが、

「カカカカーッ!

甘いのは貴様だ、サトル!

お前が そう動く…それも既に、想定済みだ!」

 

ガチッ!

 

「な…?!」

サトルから『師匠』と呼ばれた このインド神話所属の魔神・阿修羅は、その外された頭を、自らの両脚で改めて がっしりとロック、

「阿修羅式・究極漆所蹂躙絡みー!!」

 

どどどんっ!

 

「キャビホーーーーーー!!」

完全に身動きが取れなくなったサトルを捕らえた儘、自身は尻餅を撞く体勢で落下(ちゃくち)

 

「あ…が…がが……」

身体全体、極められた箇所が、この着地の際の衝撃で更にダメージがプラスされ、完全に体を動かせなくなったサトルが、異空間の真っ白な天を仰いだ。

 

≫≫≫

「アシュラさんアっシュラさん~、サトルさん、死んでないですか~?」

 

つんつくつん…

 

これを銀髪少女が小枝の様な棒で、死に体のサトルをつんつんと突つきながら尋ね、 

「大丈夫だ、ナイアよ。

きちんと手加減は、しているぞ。」

それに対し、阿修羅は涼しい顔で、何の問題も無いかの様に応える。

 

「「………………………………。」」

その様子を猫姉妹は、色々と突っ込みたい気持ちを押さえて見学していた。

 

「それにしても…インド…阿修羅様だけでなく、北欧の雷神にオリュンポスの戦女神。

ついでに、クトゥルーの邪神…

こっちの3柱は初めて会ったけど、お師匠様の交友関係は、本当に幅広いにゃ…

そして やっぱりのDV師匠ズ…」

「…てゆーか、今日は、近接戦闘の特訓だった筈…

それで あの手榴弾は、どうなのでしょうか?」

 

ЯЯЯЯЯЯЯЯЯЯi…

 

「ん?」「にゃ?」

そんな中、姉妹が座っている脇に置かれている、スマホが鳴り出した。

 

「お師匠様、電話だにゃ~。」

「ああ、ありがとう。」

そう言って、蔵馬はスマホを受け取り、

「もしもし………………はい、………………そうですか、分かりました。…………はい、直ぐに其方に向かいます。」

電話の向こう側の相手と話し出す。

そして、

「皆すまない。

急用が入ったので、今日の拷m…修行は終わりだ。」

「ぃ…今、何て言おうとしたぁ?!」

サトルに修行を漬けるべく、各勢力から集まった面々に、今日の修行の中止を告げると、サトル、そしてサトルを介抱している白音、黒歌に向けて口を開いた。

 

「今から直ぐ、京都に向かうぞ。

八坂(あねうえ)が、禍の団(カオス・ブリゲード)に襲われたそうだ。」

 

 

 




 
赤屍かるま…赤羽業(暗殺教室)のイメージで
 
≫≫≫
 
※※※
◆スレ主◆
【悲報】久し振りの登場と思ったら いきなりフクロでズタボロ、しかも新キャラ多数登場で結構な空気となっている件 orz
 
◇セイジョ☆スキー◇
どんまい!(笑) 胃薬、いる?
(;・ω・)つ(胃薬)
 
※※※
 
感想、評価、よろしくです。
 


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酸漿の冷徹!

 
新年、明けまして おめでとうございます。
 


▼▼▼

"裏"京都。

文化が数世紀程度 巻き戻った感のある街並み。

車も電柱(でんき)も無い空気は清んでおり、この地の妖怪達(ひとびと)は、それが当たり前とばかりに、所謂"和"の衣を普段着として纏い、のんびりと暮らしていた。

 

「……………。

テロに襲われたと云う割には、平常ですね。」

「だにゃ?」

サトル、白音、黒歌。そして彼等の師である妖狐・蔵馬は転移にて、その裏京都を訪れていた。

この裏京都を治める、【日本神話】派閥の1つ、『妖怪』の長であり、蔵馬の姉でもある九尾狐の八坂が禍の団(カオス・ブリゲード)に襲われたと聞き、この地に足を運んだ訳だが、少なくとも街の雰囲気からは、それによる緊張感等は見受けられなかった。  

 

≫≫≫

「ゼィゼィ…

な…何で、転移が出来なゃいにゃ?」

「ハァハァ…

テロリストが襲ってきた為、結界が強化されているみたいです?」

裏京都を見下ろすかの様な、高い山の頂に建つ屋敷。

『妖怪』の長である、八坂の屋敷だ。

普段は屋敷には、直接 転移で中に お邪魔していたサトル達だが、今は厳戒体制が敷かれている様で、徒歩での移動…サトルの実家以上の、気が長くなる程の石階段を上っていた。

そして漸く山頂へ到達。

屋敷の玄関をサトル達が潜ると、

「伯父上!お()ぃ!黒姉白姉(くろあねしろあね)!」

 

タタタタタ…

 

八坂の娘である九重が、駆け足で出迎えてきた。

 

「やあ~九重ぉ~、久し振りだね~。」

それを見た蔵馬(おじうえ)は笑顔で両手を大きく広げ、九重を受け止める姿勢に。

 

がばっ…

 

「黒姉~♪」

「よしよし九重、久し振りだにゃ~♪」

「…………………………。」

しかし九重は蔵馬をスルー、その隣やや後ろに立っていた黒歌に、ジャンピング・ハグ。

頭から胸元に飛び込み、黒歌も それを、優しく受け止めた。

 

「……………………………。」

「それで九重、八坂様は…大丈夫なのですか?」

姪っ子loveな蔵馬がorz状態になっているのを見て見ぬ振りをする白音が九重に、この裏京都に出向いた理由、八坂の安否について尋ねると、

「ほぇ? 母上? 母上が どーか、したのかじゃ???」

この金髪獣耳美幼女(9)は何の事か分からないのか、きょとんとした顔で右の人差し指を顎に当てると こてんと首を傾げ、周囲に大小様々色採々な、多数の疑問符を浮かび上がらせる。

 

「へ?」「はい?」「にゃ?」

これにはトル達も、頭上に疑問符を掲げるが、

「ふっ…、確かに俺は姉上が、『テロに襲われた』とは言ったが、『負傷した』とか『拐われた』とかとは、一言も言ってないが?」

此処で、orz状態から復活した蔵馬が、どや顔で この一言。

 

「「「き、き、き、狐がぁーっ!」」」

サトル&猫姉妹による、この日最大の突っ込みが響き渡った。

 

▼▼▼

「ふむ…よく来てくれた。

そして、心配を掛けたの。」

屋敷の奥の部屋で、髑髏柄の着物の…比べるならば黒歌でさえ、慎ましくみえる程の胸元部分を大きく開ける様に着崩した、金髪獣耳美女がサトル達を労う。

九尾狐の八坂。

『妖怪』の長である彼女曰く、事は屋敷に訪ねてきた客人をもてなしていた時に突如、屋内であるにも拘わらず、紫色の濃い霧が発生。

同時に10名程度の人間が姿を現したのが、始まりだと云う。

 

 

≪≪≪

「これは…いけませんね!」

しかし そんな中、訪ねてきたという客人が、この霧が何らかのチカラで作られた転移系結界術式の類い…しかも かなり厄介な代物であると即座に見抜き、

「他者に何かを要請するならば、先ずは きちんと顔を見せ、名乗りを上げる位、したらどうですか?」

 

ぶぅぉんっ!

 

手にした得物…無数の鋲が附いた、赤黒く光る巨大鋼棍のフルスイング。

 

「「「「「…!!?」」」」」

これで起きた突風で霧は文字通りに霧散、その効力を失ってしまう。

そして侵入者達の姿が露となった。

 

「……………………。

八坂殿…我々と同行、願おうか?」

「む?」

此処で顔が はっきりと確認出来る様になった、賊の中央(センター)に立つリーダーらしい青年が、八坂に呼び掛ける。

 

「…しかも この畳の間に、いきなり土足で現れるとは何事ですか?!

玄関で靴を脱いでから、出直してきなさい!」

「な?!」

しかし()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()客人は、この男の呼び掛けを無視、自分から一番近い位置に立っていた、逞しい体躯をした2㍍近い長身の男に詰め寄ると その脳天目掛け、

 

ガァンッ!

 

「…っ!?」

鋼棍の容赦無い一撃を振り降ろし、この巨漢は頭部を叩き潰され、血溜まりの中に沈む。

 

「な…何事?」

「「八坂殿?」」

「「「如何なされた!?」」」

 

どたどたどたどた…

 

…その後、部屋の外で待機していた護衛の妖怪達も漸く この異変に気付き、その場に押し寄せての乱戦に。

現状を不利と見たのか この招かれざる来訪者…後方で戦況を見守っていたリーダーと思われる漢服を羽織った男、そして その傍らに立っていた眼鏡を掻けた男は自分達他数名の身を先程と同じ物なのであろう、紫の霧で包んだと思えば、この場から姿を消したのだった。

 

…らしい。

 

≫≫≫

「申し訳有りません。

リーダー格の男を、捕り逃してしまいました。」

「いえ、姉上が無事だっただけで…」

「その通りじゃ。

今日の そなたは妾の客。

寧ろ事に捲き込んでしまった事を詫び、事無きを得たのに礼を言うのは此方ぞ。」

客人の男が、賊を逃がした事について頭を下げるが、これに対して八坂と蔵馬は逆に頭を下げていた。

 

「ん。街が全っ然、騒がしくなかった理由が、良~く分かったにゃ~。」

「結果、被害は、その客間が乱闘で荒らされただけですからね。

テロの襲撃が有ったなんて、その場に居合わせた者しか、知る筈も有りません。」

「…てゆーか、()()()()が来てる時にテロ仕掛けてくるなんて、もしかして【禍の団(カオス・ブリゲード)】って、バカの集まりか?」

 

コクコクコク…

 

「……。」

サトルの台詞に、その場の一同が頷く中、その当人…【日本神話】派閥の1つ、『日本地獄』にて"第伍地獄"裁判長補佐官を務めている酸漿(ほおずき)は、それには対したリアクションを見せず、静かに茶を啜る。

 

…尚、この押し掛けてきた賊だが、結果的に約半数は逃がしてしまったが、最初に酸漿が一撃を与えた男は その場で死亡。

残りの者 数名は酸漿と護衛の者達により捕えらえ、その後の尋問から、この襲撃者はテロリスト集団・禍の団(カオス・ブリゲード)の者だと判明したのだった。

 

▼▼▼

「やあ。今日、皆に集まって貰ったのは他でもない。

7月の終り頃にも話題に上ったテロ集団、禍の団(カオス・ブリゲード)についてだ。」

その翌日の昼過ぎ。

前日の夜、八坂から襲撃の報告を受けた【日本神話】のトップである天照大神は早速、各派閥の代表者や実力者、約50名を八坂の屋敷の大広間に集め、今後の対応について話し合う事に。

 

≫≫≫

「…以前、サトル君に接触した奴等は、この子が【日本神話(ウチ)】の所属と知らなかったみたいだし、結果、その場で返り討ちにのフルボッコにされたと言うから、とりあえずは それで勘弁してやった。

…しかし今回、初めから八坂ちゃんをターゲットにして ちょっかいを出したとなれば、これは もう話は変わってくる。

どういう理由、目的かは知らないが、連中、正式に【日本神話(ぼくたち)】に喧嘩を売ってきたと、そう解釈しても良いだろう。

昨日の襲撃の後に逃げた連中とやらは既に、『NIN-JA』に頼んで追跡させている。」

明るく軽い口調だが、その内容は至って真面目。

 

「よろしいですか?」

「はい、酸漿君!」

此処で酸漿が、何やら発言をしようと挙手。

天照が それを許可すると、彼は今回の事について書き込まれたレポート用紙を取り出し、語り出した。

 

「今回の八坂さんに対する襲撃ですが、捕らえた者達の中に1人、敵集団の幹部クラスの者が居りまして、その者を中心に徹底的に問い詰めた結果、連中の今回の目的が判りました。

…その内容は、

 

①とりあえず、『妖怪』の長である、八坂さんを拉致る

 ↓

②八坂さんを洗脳した後、"裏"京都の伏見稲荷神社にて妖力を暴走させる事により、次元の歪みを生じさせ、その歪みからグレートレッドを呼び寄せる

 ↓

③その後に自分達、禍の団(カオス・ブリゲード)の頭目であるオーフィスも呼びつけ、両者を戦わせる

 ↓

④その結果、どちらが勝つかは分からないが、間違い無く負けた方は死亡、勝った方も かなり疲弊している筈

 ↓

⑤其処を彼等"英雄派"が、その勝った方に集団でフクロ

 ↓

⑥そして最後に、

『俺達、TSUEEEEEEEE!!』

『人間、SUGEEEEEEEE!!』

…と、自己満足。

 

…だ、そうです。」

「「「「「「ざけんな!!」」」」」」

酸漿の説明に、この場に集められた一同…神、妖怪、人間関係無く、皆の声が1つになった。

 

「色々と突っ込み処、満載なのですが?」

「あの真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)を喚ぶって、正気か?」

「…ってか今、然気に奴等のボス、無限の龍神(ウロボノス・ドラゴン)って言ってたよな?!」

「大体あの、"世捨て"ドラゴンがテロ集団のボスなんて、どーゆー事なのよ?」

そして誰もが、今回の"英雄派"と名乗る集団に対して、様々な突っ込みや疑問をぶちまける。

 

パンパン…パン!

 

「あー、あー、皆。

気持ちは解るけど、少し黙ろうか?

はい、こっち注目!」

「「「「「「……!!」」」」」」

それを鎮めたのは天照。

甲高く柏手する事で、自分に注意を向けると、声高らかに宣言した。

 

「もうね…難しい話は抜きだ。

一言で言えば、『よろしい、ならば戦争だ!』ってヤツだよ。

"英雄派"だか"魔王派"だかは、知ったこっちゃない。

【日本神話】の主神として宣言、皆に言い渡すぜ?

我等に無礼を働いたテロリスト組織、【禍の団(カオス・ブリゲード)】を殲滅掃討せよ!

これは、勅命だ!!」

「「「「「「「「うおおぉ~~~~~~~っ!!」」」」」」」」

天照の声に、日本神話の者達は、勇ましい雄叫びを以て、肯で応える。

 

「うん。皆、良い返事だよ。

地上に点在する各派閥のアジトと、"旧魔王派"とやらが潜む、冥界の辺境に攻め込んでくれ。

素戔嗚尊(スサノオ)君は冥界、建御雷神(タケミカヅチ)君は地上の攻め、その指揮を頼むよ。」

「姉者、任されよ!」

「承知!」

それを聴いた天照は満足気に頷き、2柱の神に、進軍の指揮を依頼。

 

「ん、ん。良い返事だよ♪

それじゃあ早速、準備に取り掛かってくれ。

一応、悪魔の連中には、僕の方から冥界入りを書状で報せておくよ。

報連相は大事だからね。

尤も報せるだけで、一々奴等の了承を得る心算は、無いけど・ね。

あ、そうそう。昨日、捕らえたっていう奴等は とりあえず組織のアジトの位置等その他諸々、情報を得られるだけ得た上で、全員 処しとこう。」

 

バタン…!

 

「話し合いの最中、失礼致します!」

天照が話している途中、部屋の扉が勢い良く開かれ、入ってきたのは山伏の衣を着た、鴉頭の妖怪。

 

「昨日、捕らえた賊共が、地下牢から逃げ出しました!

今は外へ出ぬ様、その場で抑えておりますが、奴等は全員、神器所有者(セイクリッド・ギア・ホルダー)

特に1人は中々の手練れ!

失礼は承知で有りますが、連中の鎮圧、この場の皆様の御手を貸して頂きたい!」

「「「「「「「…………。」」」」」」」

この言葉に、一同は最初は沈黙。

 

「まぁ、別に、構わんが…」

「良いよ~♪」

「"処す"手間、省けましたか?」

「殺ってやるぜ!」

「…てゆーか、このメンバーが揃ってる時に脱走企てるなんて、もしかしなくても【禍の団(カオス・ブリゲード)】って、マジにバカの集まりか?」

「いやいや、奴等としても、流石に この集まりは想定外じゃね?」

「ふっ! 貴奴等を滅す大仕事前の、良い肩慣らしだ!」

「ま、待たれよ、スサノオ殿?!

そなたが此の場で出張っりしたら、屋敷が倒壊してしまうぞぇ!?

く、蔵馬!それとサトル!何とかせぃ!」

「は~い、八坂ちゃんの御指名だよ?

蔵馬君サトル君、行ってら~♪」

しかし再捕縛…いや、その場で処す事については皆、協力的な姿勢だった。

 

▼▼▼

「連中の中には、転移の使い手は、居ないみたいだね?」

「使えるなら、とっくに この屋敷から逃げてますよ、蔵馬師匠。」

八坂の屋敷内で、地下牢に繋がる階段は1つだけである。

つまり、其処に閉じ込められた者が逃げ出すならば、その長い階段を上るしかない。

 

「どうします?

この場で待ち受けますか? それとも…」

脱走した【禍の団(カオス・ブリゲード)】の面々を、再び取り抑える為に、その唯一の出口に足を運んだのは、屋敷の主、八坂に指名された蔵馬とサトル。

 

「とりあえずは私と蔵馬さんサトルさんの3人で、下に向かいましょう。

他の皆さんは、此の場で待機。

万が一の…取り零しが やってきた時の、対処をお願いします。」

「「「「はっ!」」」」

そして、酸漿と数名の『妖怪』所属の(モブ)だった。

 

≫≫≫

 

タンタンタン…

 

「この狭い階段なら、顔を会わせても上からヤ〇ザキックかましたら、一発ですね。」

「そういう場面にならないのは、下で確実に足止めしてくれているのでしょう。」

「兎に角、急ごう。」

そんな会話を交わしながら、一本道の階段を下るサトル達。

 

 

「待たせたな!」

「おお!蔵馬さん!酸漿殿!」

そして地下牢のフロアまで下りてみれば、八坂の部下の妖怪達が、脱走したテロリスト達と抗戦している最中だった。

強力過ぎる協力者の登場に、妖怪達の士気が上昇する。

 

「げ?! アイツわ?」

「ヘラクレス様を瞬殺で撲殺した…?」

逆に蔵馬とサトルは兎も角、酸漿の登場に、テロ集団は戦慄、士気が低下。。

尤も それは、自分達を圧倒的実力で捕らえ、尚且つ自分達の上司を文字通りに瞬殺した(おとこ)が現れたのだから、無理も無い話では あるが。

 

「き、貴様ぁっ!!」

 

スバァッ!

 

「ぐはっ?!」

しかし そんな中、この酸漿を見て、逆に戦意と殺気を高めた者が1名。

それは神器(セイクリッド・ギア)なのか、背中から4本の腕を生やし、合計6本の腕 其々に剣を持った白髪の青年が、対峙していた兵を斬り払うと酸漿を睨み付け、

「よくも、ヘラクレスを!」

 

ダダダッ!

 

仲間の仇とばかり、突進してきたのだ。

 

ス…

 

「サトルさん?」「サトル?」

「酸漿さん、師匠…ここは、俺が行きますよ。」

此処で それを迎え討つべく、一歩 前に出たのはサトル。

 

「それは構わないが…

サトル…? 顔、恐いよ?どうかしたのかい?」

「あの6本腕 見てたら、何だか凄くムカついてきた!」

「あー…(笑)」

「………………。」

サトルの台詞に何か心当たりが有るのか、蔵馬は苦笑。

酸漿も何かは分からないが、とりあえず何かが有るのだけは察したのか、蔵馬と共に一歩退き、サトルに任せる姿勢を見せる。

 

「余り、殺り過ぎないで下さいね?

あの男には、オーフィスの事や【禍の団(カオス・ブリゲード)】について、色々と問い質す必要が有りますから。

まぁ、殺ったら殺ったで、その時は地獄で聴取するだけですがね。」

 




 
①酸漿…鬼灯(鬼灯の冷徹)のイメージで
 
②江口先生、お疲れさまでした。
 
③ヘラクレス、死亡(笑)
 
④次回、戦闘(バトル)回です。
  
感想、評価、よろしくです。
…並びに、今年もヨロシク!
 
ついでに同時執筆中の『PhoeniX』『黒翼』も よろしくです。
 


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生徒会vs英雄派!

 
バトル回!
  


▼▼▼

 

八坂が【禍の団(カオス・ブリゲード)】に襲われ、偶々その場に居合わせていた酸漿が それを退けたのが、金曜日の夜の出来事。

その報告を受けた天照大神が、緊急の打ち合わせとして、【日本神話】の関係者を"裏"京都に呼び寄せたのが翌日、土曜日の昼過ぎの話。

時は少しだけ巻き戻り、その日の昼前の京都…

 

≪≪≪

「さ・て・と…昼飯って、どーするよ?」

駒王学園の2年生達は、昨日の金曜日から、修学旅行で京都を訪れている。

旅行2日目の この日は自由行動。

ソーナ・シトリー眷属の2年生達は、クラス関係無く、『生徒会』として1つのグループとなり、京都の街をぶらりと歩き回っていた。

その男女比1:4。

端から見れば どう見ても(ヤロー)1人のハーレム状態の中、時間的に、そろそろ昼食を…何処かの店に入ろうか等と話していた時、異変が起きた。

 

「「「「「???!」」」」」

土曜日の産寧坂。

周囲は溢れる観光客、人混みで溢れていた筈が、突然に沸いた紫の霧によって視界を奪われ、それが晴れたと思えば、周囲は自分達だけ。

観光客だけでなく、道の両脇に並ぶ、土産屋の店員までもが、その姿を消しているのだ。

 

「げんしろー?」

「元ちゃん?」

「…気は、抜くなよ?」

「「うん…!」」

5人の中の唯一の男子、匙元士郎が、突然の出来事に やや戸惑い気味な女子を落ち着かせ、周辺に注意を向ける様に言うと同時、自身も気を引き締める。

 

「どうやら結界か異空間に、閉じ込められたみたいね…」

「…! 皆、向こう側!」

坂の頂、数人の人影に1人の少女が気付き、指差したのは、その直後だった。

 

≫≫≫

「…もしかしなくても これって、テメー等の仕業だよな? 何者だ?」

互いに歩み寄り、産寧坂の真ん中辺りで対峙、匙が他の女子達より一歩前に出て、謎の一団に話し掛ける。

 

「ふっ…」

それに対して、この集団の中央(センター)に位置していた、学生服の上に漢服を羽織っている、黒髪の青年が不敵な笑みを溢した。

 

「初めまして、ソーナ・シトリー眷属の皆さん。

我々は【禍の団(カオス・ブリゲード)】内の派閥の1つ、"英雄派"。

そして俺は、そのリーダーを務めている…今は、曹操と名乗っている。」

「そうそう?」

「その通り。古代中国・三國の時代に、魏の覇王と呼ばれた あの、曹操孟徳を遠い祖先に持つ…只の弱っちぃ人間さ。」

「「「「「そーゆー設定か?」」

           ですか?」」」

「違う!…ってゆうか、何なのだ? その目わっ?!」

そして自らを【禍の団(カオス・ブリゲード)】、更には自身を遠い先祖?と同じ名前を名乗る自称 曹操だが、匙達は それを信じようとせす、何だか可哀想な人、或いは電波な人を見る目を向けると、当然ながら この男は憤慨。

 

「分かった分かった。…で、そのジショウ・ソーソー・カッコバク様が、一体 俺達に、何の用だ?」

「だ、誰が、『(爆)(カッコバク)』だ!?」

これに対して、未だ信じていないのか、一応は信じてやった上で、わざと 逆撫でしているかは判らないが、 匙が、惚けた口調で対応する。

 

「…我等が悪魔(きさまら)に用が有るとすれば、1つしか有るまい!

尤も今は組織とは関係無く、英雄派(オレたち)だけの私情で動いているのだがな。」

 

ガザザッ…!

 

「ケッ! まぁ、んな()ったろうと、思ってたぜ!」

「…だとしても、よりによって、折角の修学旅行中に仕掛けなくても良いじゃない!」

「TPOって言葉、知らないの?」

「はっはっは! 俺達テロリストに、それを求めるのは間違っているぞ!」

「「いや、その理屈は おかしい!」」

そして この匙の煽りに、一瞬 釣られるが、直ぐに落ち着きを取り戻した曹操の言葉に更に二言三言交わした後、両者が臨戦体勢に入った。

 

ヒュヒュン!

 

「「「「「!!」」」」」

先制したのは、【禍の団(カオス・ブリゲード)】の1人。

ボウガン型の神器(セイクリッド・ギア)を右腕に装着した金髪の男が、それから魔力の矢(マジック・ミサイル)を連射し、シトリー眷属は それを散開して回避。

 

ダッ!

 

同時に、一般的に高校生女子としては やや背の高い蒼い髪の少女…ソーナの戦車(ルーク)、由良翼沙が、この男に突進。

 

「ちぃっ!」

飛び道具を封じられる程に、間合いを詰められた男は咄嗟に拳を振るうが、由良は それを振り払い、素早く背後に回り込むと がっちりと羽交い締めからの、

「はぁ~ぁあっ!!」

 

どどんっ!

 

「げはぁっ?!」

豪快なドラゴン・スープレックスを決めた。

これによって男は、地面に敷かれた石煉瓦に脳天を痛打し、のたうち回る。

しかし少女のターンは、これだけでは終わらない。

ダウンしている男の頭を持鷲掴み、無理矢理に引き起こすと次は手首を捕る。

その状態で再び背後に回り込んで腕を極めると、即座に その腕を独楽に巻いた紐の様に引っ張り、そうする事で男の体は反転。

両者は必然的に向かい合う形となり、

「でぇいやっ!」

 

バキィッ!

 

「どぴぇっ?!」

其処に間髪入れず、ショートレンジのラリアットを炸裂させた。

如何に少女と云えど、転生悪魔の…戦車(ルーク)攻撃力(パワー)は尋常で無く、この男は、敢え無く その場で一回転。

うつ伏せで地面に叩き付けられ、石煉瓦にキスをする。

如何に神器(セイクリッド・ギア)を宿しているとは云え、肉体その物は普通の人間でしかない男は、死には至らぬも、そのダメージから その場から動けなくなってしまった。

 

「良ぉっし!」

その結果に、由良は大きくガッツポーズ。

 

≫≫≫

 

ビシィッ!

 

「「「きゃあっ!?」」」

一方で、残る3人の少女は苦戦中。

彼女達に攻撃を加えているのは、身の丈 約5㍍、首から上は無く、胸元に大きな単眼を開いている、全身を黒い装甲で覆われた巨人。

その白い目から発せられる光弾は、悪魔にとっては毒同然な"聖光"。

遠距離から撃ち放たれる攻撃に防戦一方、僧侶(ビショップ)である花戒桃と草下憐耶の2人が魔力で作る、防護壁で辛うじて凌いでいた。

騎士(ナイト)の巡巴柄も、少し前に土産屋で買った、柄に『金閣寺』『銀閣寺』の銘が彫られている2本の木刀を構えているが、何も出来ないのと同じである。

 

「ははははは!どうだ!!

このレオナルドは確かに幼く未熟だが、訓練によって、"対悪魔"の魔獣を作る能力に特化しているのだ!」

「……………………。」

曹操が誇らし気に言い放つ隣で、巨人…魔獣を己の神器(セイクリッド・ギア)で"創り出した"、歳が2桁に満たぬ風に見える少年(レオナルド)が、無言無表情で相手を見据える。

 

「草下!巡!花戒!」

それを見た匙が、3人の元に援護に向かおうとするが、

「させるかよ!」

「…ちぃ!」

黒い戦闘衣にサングラスの出で立ちの…先程から匙と戦っていた男が、それを赦そうとは しない。

 

「だったら先に、テメーを倒す迄だ!」

 

ヒュルル…パシィッ!

 

「…?!」

そう言って匙は、右手に装着している黒い手甲型の神器(セイクリッド・ギア)から、ロープの様なパーツを伸ばし、男の右手首に巻き付け捕らえた。

 

プォン…

 

「なっ?」

そのロープが白く妖しく光ると、男の身体は突如、原因不明の脱力感に襲われてしまう。

 

グィ…

 

そして匙は それを引っ張り、男を引き寄せると、

 

「っらぁっ!!」

 

ガンッ!

 

「が…?」

顔面向けて、強烈な頭突き。

サングラスが砕け散り、鼻を押さえながら睨む男に対して、尚も匙が追撃。

 

どん!

 

「ぅ…っ!?」

男の鳩尾に籠手を嵌めた拳を突き刺すと、殴られたヵ所を両手で押さえ、この男は両膝を地に着ける。

 

「ほぅ…下級の転生悪魔にしては、なかなかやるな?」

「当ったり前だ!

シトリー家の副執事長はなぁ、戦闘指南の腕前は超一流なんだよ!…性格は最悪だけどな!」

「最悪だよな。」

「最悪ですよね。」

「最悪。」

「最悪です。」

これを後方で見ていた曹操が皮肉で無く、素直に称賛の言葉を贈ると、このシトリーの兵士(ポーン)の少年は、『鍛え方が違う』とばかりに言い返し、そして その最後の一言に、他の少女達が同調する様に言葉を続けた。

…どうやら彼等を指導したと云う、シトリー家副執事長とやらは、かなり最悪な性格らしい。

 

「面白い…

ならば俺も、前に出よう。」

そして英雄派のリーダーが、遂に前に出る。

 

ぶんっ!

 

手には何も持っていなかった筈が、何処から取り出したのか、凝った装飾が施された長い槍を何時の間にか曹操は構え、

「行くぞ!」

 

ダッ!

 

「!?」

そして匙 目掛けて突進。

その速く鋭い動きに、匙は反応が遅れてしまい、

 

ズバァッ!

 

「…っ!」

穂先に腹を貫かれるのだけは辛うじて免れたが、それでも刃を脇腹に掠めてしまい、思わず表情を歪めてしまう。

 

「ふっ、よくぞ躱した!…しかし!」

 

ぶぅん!

 

「!!」

しかし間を置かず、曹操は苦痛で無防備となった匙の頭部を狙っての一閃。

 

「げんしろー!」

「「「元ちゃん?」」」

黒い魔獣が放つ聖光を阻む防護壁の内側、何時の間にか その中に入っていた由良を含む少女4人が、この回避不可のタイミングで繰り出された一撃に、思わず声を上げる。

 

ガシィッ!

 

「へ?」

「なっ…?!」

「…大丈夫か?小僧?」

しかし この一撃は、突如 両者の間に割って入った、黒いスーツ姿の男によって止められた。

 

「…貴様、何者だ?

どうやって、この空間に外から入ってきた?」

この槍の柄を握り締める男に曹操は、面白く無いと云う表情を隠す事無く、問い質す。

 

ヒュン!ヒュヒュン!…グザァッ!

 

「「「「「「!???」」」」」」

そして この時、これとは別方向から、無数の苦無(くない)が投げ放たれ、魔獣の身体全身に突き刺さった。

 

ずどぉん…!

 

口が無い故の喋れない仕様なのか、この攻撃により、魔獣は断末魔を上げる事無く、無言で前のめりに倒れ、その儘 消滅。

 

「や♪ 久し振りだな、お嬢ちゃん。」

「お、お前?」「あ、アナタ?!」

そして由良と草下が、いきなり登場した…苦無を投げた、やはり黒いスーツ姿の若い男に驚きの表情を浮かべる。

目の前に現れ、声を掛けてきたのは、6月の聖剣騒動時、この2人が夜の駒王町を警備中、不審者認定した上で、職質する如く絡んでいた『NIN=JA』の1人…鈴木稔だった。

 

「ど、どうして、此処に…?」

「実は俺達も、ウチのトップから この京都に現れたテロリストの追跡を命じられてな。

…で、丁度 悪魔(きみ)達が、京都にて旅行中とゆう情報を得たから、『連中、次は悪魔に ちょっかい出すんじゃね?』と思い、悪いけど こっそりと張らせて貰ってたら、ビンゴ!だった訳さ。

尤も、君達、いきなり異空間の中に取り込まれたからな。

俺達も その中に干渉、入り込むには少しばかり苦労したぜ。

ねぇ? 和尚さん?」

軽く笑いながら、鈴木は少女達にに説明。

 

「ふん…八坂殿の襲撃に失敗したならば、大人しくアジトとやらに戻れば良かった物を…

この悪魔(こぞう)達に手を出したのは、もしかして その腹いせ…八つ当たりか?」

「だ、黙れぇい!!?」

そして曹操の槍を受け止めた…鈴木から『和尚』とよばれた…スキンヘッドに白の手拭い(バンダナ)を巻き、目の下に隈の様なメイクを施した、逞しい体躯の大男が逆に曹操に問うと、それは図星だったのか、英雄派のリーダーは顔を赤くして この男の手を振り解き、

「妖怪、悪魔…

世の人外を討つのは、昔から人間と云うのが、世の常!

俺達は、その理に従っているだけだ!」

「「「「「「「いーや、その理屈は おかしい!!」」」」」」」

自分達の主義主張を力説するが、それは即座に、この場の生徒会の皆さん、そして『NIN=JA』の2人から否定、突っ込みを受けてしまう。

そして今、英雄派が匙達に攻撃を仕掛けている理由だが、実は この『NIN=JA』の男、庵丈安慈の言った事が、半分近く正解だった。

『妖怪』の長である八坂を捕らえるべく、裏京都に在る彼女の屋敷に攻め行ったは良いが、()()()()()()()()()()()()()、【日本神話】内にて「実は閻魔大王よりも強くて偉い」と評判な(おとこ)に一蹴され、派閥内の幹部1人をいきなり返り討ちで殺されてしまう。

更には その後の乱戦、劣勢による撤退時に もう1人、幹部を捕らえられてしまっていた。

本来なら八坂を拉致した後、京都に来ていた悪魔達に自分達の目的を伝え、儀式の場に誘き寄せた後、グレートレッド、そしてオーフィス共々に始末する予定だった。

…が、その計画は既に大きく破綻。

しかし この儘 何の結果も無く、素直に逃げ帰るのは曹操のプライドが許さなかったのか、せめて京都に訪れている悪魔達だけでも…と云うのが、シトリー眷属を異空間に呼び込んだ真相であった。

 

「…いずれにしても!」

そして それを誤魔化す様に、「敵対するならば…」と、曹操は庵丈に向けて槍での一撃を放つが、

「破ァッ!!」

  

バキィッ!

 

「な…!!?」

それは右の拳の迎撃によって、簡単に防がれるだけでなく、槍の穂先も粉々に破壊されてしまう。

 

「ば…馬鹿な?!

俺の この聖槍(ロンギヌス)を…神滅具(ロンギヌス)を、素手で砕いた…だと…?」

「はっはっは! 見たか!!

和尚さんの拳は『マスター・ダブル・インパクト』と呼ばれていて、神器(セイクリッド・ギア)だろうが何だろうが、それが()()で作られている限り、何でも破壊してしまうんだよ!」

柄だけとなった槍を、信じられない物を見るように わなわなと震える曹操に、鈴木が どや顔で説明。

 

ヒュヒュン!…ビシャッ!

 

「…!」「あっら?」

…同時に、参謀格の様な眼鏡の男に、苦無を投げ付けるが、これは魔術から成る防護壁に阻まれる。

 

「ならば!」「ちぃいっ!」

 

ダッ…ジュバァッ…!

 

この男を獲物と定めた鈴木は、投擲が駄目なら…とばかり、男が放つ魔力弾を躱しながら間合いを詰め、逆手持ちで構えた二刀流での短刀で攻めるが、眼鏡男は それを紙一重、バックステップで躱していく。

 

「仕方無い!」

「協力してあげるわ!」

これに、天敵であった聖光を操る魔獣が居なくなり、防護壁から出てきた由良と草下が追い撃ち。

 

ぶぅん!

 

「くっ…!」

草下からのスピードとパワーの支援魔法を受けた由良が、見た目に派手なハイキックを連続で繰り出すが、これも魔術師風のローブを纏う眼鏡の男は回避していく。

この時、丈が やや短いスカートが捲れ上がり、その内側が露となるが、

「詐欺だーっ!」

由良は日頃から、スカート内にスパッツを着用しており、それを見た鈴木が、魂からの突っ込み(クレーム)を叫んだのは、別の話である。

 

≫≫≫

 

バスゥッ!…どどんっ!

 

「くぁっ…?!」

一方では、匙と庵丈が、一時的に共闘。

匙が己の神器(セイクリッド・ギア)、『黒い龍脈(アブソープション・ライン)』から、"ライン"と呼ばれるロープ状のパーツを数本 伸ばし、曹操の手足を拘束。

そこに庵丈が、剛拳の一打を顔面に向けて放つ。

鈴木曰く、『マスター・ダブル・インパクト』と呼ばれる この破壊の一撃を、曹操は身体を縛られた状態でも、直撃だけは避けようと身体を捻り、辛うじて その()()を、顔の半分に浴びるだけに留めた。

しかし そのタイミングで、匙がラインでの拘束を解除。

結果、身体が自由になった事で、逆に その拳圧だけで、派手に吹き飛ばされてしまう形となった。

 

「お…おのれぇ…!」

二転三転し、漢服を埃まみれにして、起き上がる曹操は、顔の左半分を押さえ、対峙している男2人を睨み付ける。

 

「げ…」「………。」

その様に、庵丈は特に反応を見せないが、匙は思わず どん引いてしまう。

押さえている手は既に真っ赤に染まっており、恐らく その手の裏の左眼は、完全に破壊されているであろう。

 

「ちぃ…ここまでか…!

…ゲオルグ!退くぞ!!」

そして鈴木、由良と応戦していた、眼鏡の男…ゲオルグに撤退の指示。

 

コク…

 

これにゲオルグは、鈴木と由良の攻撃を避けながら小さく頷くと、

 

どっどぉん!

 

周囲に爆発系の魔弾を撃ち蒔らす。

 

「「ケホッ…?」」

「何なのよぉっ?!」

しかし どうやら これは、殺傷能力は然程無く、目眩まし、煙幕の意味合いが主だった様で、立ち込める煙で少女達が咳き込む中、最初に由良と匙に倒されていた2人の男も決してダメージが少なくない身体を無理に起こし、神器(セイクリッド・ギア)による転移術式を発動させているゲオルグに走り寄る。

 

タタタタ…バタン!

 

「わぁあっ?!」

そして先程まで、神器(セイクリッド・ギア)の能力で創った魔獣を使役していた少年、レオナルドも、ゲオルグの下に走ろうとするが、多少慌てていたのか その途中、足を絡め、躓いて転んでしまう。

 

「レオナルド?! 早くしろ!」

「ま、待ってぇ!?」

曹操が倒れているレオナルドに、自分達の下に走る様に急かすが、

「随分と余裕だな?」「…逃がさん!」

「ちぃい!」

鈴木と庵丈がレオナルドよりも早く、曹操達に迫り、

「曹操!この儘では…!」

「くそっ! やむを得ん…ゲオルグ!」

()()を強いるゲオルグに曹操も それに応じ、

 

シュ…

 

眼鏡の男は神器(セイクリッド・ギア)を起動させ、レオナルド以外…その場に集まった英雄派は、その身を やはり突然に沸き出た紫の霧に包まれたと思えば その姿を消した。

 

「和尚さん!」「承知!」

 

シュゥッ…

 

それを追う様に、『NIN=JA』の2人も、その場から姿を消す。

 

「ぁ…あぁぁ…??」

そして その流れを目の当たりにして、レオナルドは茫然自失。

 

 

▼▼▼

「…マジに最悪だな!

いくらテメーが助かる為とは云え、仲間を…しかも、こんなガキんちょを、見捨てて逃げるか?!」

…曹操達が異空間から撤退した後、その場に残されたレオナルド、そして匙達シトリー眷属は、術者が居なくなる事で その空間が解除されたからか、元の、人混みで賑わう京都の観光地に戻っていた。

 

「…………………。」

「元ちゃん…この子、どうする?」

逃走を防ぐ様に5人で囲み…尤も当人は今、そんな発想に至る精神状態で無く、その場に、産寧坂の ど真ん中に しゃがみ込んでいるレオナルドの処遇を、その場で相談する生徒会メンバー。

 

「どうするって、放っておけないだろ?

…色んな意味で。」

確かに今 放置したとして…直ぐに彼の仲間であるテロリストと合流するとしたら、それは まだマシな展開なのだが、仮に一般の第三者に保護され、その者に【禍の団(カオス・ブリゲード)】や悪魔(じぶん)達の事を話されでもしたら、正しく目も当てられない事態に陥ってしまうだろう。

 

「…とりあえず、会長に報告だ。」

 

▼▼▼

そして"刻"は、現在(いま)に追い付く。

…その頃の"裏"京都、八坂の屋敷の地下牢の間では、

 

ガィンッ!

 

「ば、馬鹿な?! おれの魔剣を?」

牢から脱していた白髪の青年と、黄金に輝く全身鎧を纏った人物…サトルが戦闘していた。

生身と神器(セイクリッド・ギア)、合計6本の腕 其々に携えた剣から繰り出す白髪男の斬撃を、サトルが悉く弾く。

 

「伝説クラスのメジャー魔剣でも、俺の神器(よろい)には文字通り、刃が断たないみたいだな!」

「…くっ!」

既に この男以外の脱走者は、サトルと共に この場に来ていた蔵馬と酸漿、そして八坂の兵達によって再度 捕縛。

残るは この、6本腕の剣士だけとなっていた。

しかし この剣士の攻撃も、その6本の腕を見た時に何か思う事、感ずる事が有ったのか…異様な殺る気を滾らせたサトルには、通じる様子は まるで無く。

 

「以前 天照様が言われていた、"ロンズデーライトの数倍の硬度"とやらは、どうやら伊達じゃない様ですね。」

酸漿が呟く中、

「おらぁっ!」

 

ベキッ!

 

サトルは相手の左膝に、低空のドロップキックを放つ。

 

「ぐ…っ」

これにより剣士は片膝を床に着け、サトルは その反対側、立てた方の膝を階段の如く駆け上がり、

( )

閃光喧嘩蹴(シャイニング・ヤク〇゙キーック)!!」

  

ドゴォッ!!

 

「ぐっはぅわぁっ?!」

強烈な正面蹴りを、顔面目掛けて撃ち放つのだった。

 

 




 
①今更ですが?作者、プロレス大好きです。
 
②性格最悪らしい、シトリー家の副執事長。
実は既に1回、登場?しています。
勘の鋭い人は察したかも知れませんが…そう、()()()です。(笑)
 
庵丈(あんじょう)安慈(あんじ)…悠久山安慈(るろ剣)のイメージで。
 
④今回のサトルの鎧は、『天雄星ガルーダの冥衣(サープリフ)(聖闘士星矢)』を、黄金聖衣(ゴールドクロス)っぽくしたイメージで。
【挿絵表示】

 
 
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禍の団(カオス・ブリゲード)】壊滅!

 
『NIN=JA』のターン!
 


▼▼▼

「ん~、よくもまぁ、こんなにも魔剣が揃ったもんだね~。」

地下牢から脱走した、【禍の団(カオス・ブリゲード)】の面々を改めて捕らえたサトル達。

その際に押収した、北欧神話由来の5本の魔剣を見て、天照は感心したのか呆れたのかな、複雑な表情を見せていた。

 

「何が凄いって、コレ等を1人で持っていて、一度に使ってたって事だよね。

全く、ロ〇ノア・ゾ〇も真っ青だぜ。」

彼女の言う通り、この魔剣の所持者は、神器(セイクリッド・ギア)で創り出した4本の腕を活用した、6本腕での六刀流(1本はエクソシスト専用の光剣)の戦闘スタイルを確立していた。

…尤も、その六刀流剣士も、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()サトルに倒された訳だが。

 

「え~と、蔵馬君。とおる君だっだっけ?

君の、北欧の お友達。

君と彼の遣り取りで魔剣(これ)北欧(あっち)へ送り届けてくれない?」

「分かりました。連絡しましょう。」

「…さ・て、それじゃ改めて、【禍の団(カオス・ブリゲード)】について、話そうか。

 

 

(…中略…)

 

あ、1つだけ。

神兵君達や『NIN=JA』の皆は、万が一、組織の大ボスのオーフィスと会った時は、無理しないで撤退して良いから。

そーゆーのは、スサノオ君やタケミカヅチ君に丸投げすれば良いよ。」

 

…この日、捕らえたテロ構成員達から、搾れるだけ情報を搾り出した【日本神話】は、主神・天照大神の命の下、【禍の団(カオス・ブリゲード)】の掃討に乗り出した。

 

「ふん、日の本の…僕の(こども)に手を出した報い、きっちりと受けて貰うぜ。

…言いかい皆。さっきも言ったけど、これは もう単なる喧嘩じゃない。

これは戦争…英語で言うと"war"、ドイツ語で言えば、"Krieg"だよ。

日本神話(ぼくたち)】に上等な態度を取ったら どうなるか、禍の団(やつら)だけでなく、他の勢力…例えば そう、【聖書】とか【聖書】とか【聖書】とか【聖書】とかにも、しっかりと教え込む心算で、徹底的に戦るんだ。

皆、解ったね?」

「「「「「「「「「「クリーク!クリーク!クリーク!クリーク!クリーク!クリーク!!」」」」」」」」」」

「…絶対にコレ、俺達が地下で戦闘(バト)ってる間に練習してただろ?!」

 

 

▼▼▼

 

どっどぉ~ん!!

 

「な…何なんだぁ?!」

「て、テロか?」

「ひぇっ!?」

数日後の冥界の悪魔領。

その最端に在る、旧魔王と呼ばれる者、それに従う者達が住む辺境の集落が、いきなりの爆炎に包まれた。

 

「行くぞ!テロリスト狩りの時間だ!!」

「「「「「「「おっおおぉ~っ!!」」」」」」」

それは素戔嗚尊(スサノオノミコト)と、彼が率いる高天原の神兵達による強襲。

彼等による、テロリスト討伐の進攻が今、始まった。

 

▼▼▼

「せ、セラフォルー様!」

「え?何なの、バイオレートちゃん?!

今 私、凄く忙しいんですけど!?」

「それが…辺境の旧魔王の集落が…」

「え゙?…え゙ぇえ~っ?!

ちょ…ついさっき、手紙が届いたばかりだよ~っ!?」

悪魔領主要都市の1つ、リヴァイアスの中心に建つ巨城、レヴィアタン城にて、その主にして四大魔王が1人、セラフォルー・レヴィアタンは、自分の執務室に、いきなりノック無しで入ってきた眷属の報告に絶叫した。

…約1時間前、彼女がデスクワークをしていた執務室内に、何処から入り込んだのか、3本脚の鴉が現れたと思えば、脚に持っていた封書を机に置くと、また何処かへと飛び去って行った。

そして、その封書の中身は、【日本神話】のトップである、天照大神による直筆の手紙。

それは外交向けな かなり堅苦しい文面であり、要約すれば、

『此の度【禍の団(カオス・ブリゲード)】を名乗るテロリスト組織が【日本神話(じぶんたち)】に戦争を仕掛けてきたので、此方も 其に応じる事にした。

それに伴い、冥界に住むテロリストを滅す故、我が家族が悪魔領に立ち入る事を報告する。

尚、此を拒む者、テロ討伐を邪魔する者は、其の者、そして それを束ねる者 与する者も【禍の団(カオス・ブリゲード)】の者と判断して、共に処す事とする。』

…と云った内容だった。

 

「こ、これって、手紙を届けたと同時、あっちに攻撃していたって思って良いよね?

行動が早過ぎだよぉ?!

バイオレートちゃん、とりあえず、サーゼクスちゃん達に連絡を!緊急会議だよ!」

「は…はい!」

「何なんだよ…?

マイナー神話の癖に、勝手に冥界に入り込んだり、偉そうにしちゃってさ…」

手紙を受け取っていたセラフォルーからしたら、まさか その日の内…いや、報告と同時に行動するとは思ってもみなかった訳であり、後日、他の魔王達と対応を話し合う予定だった。

『所詮は【日本神話】』『極東の小さな島国のマイナー神話に何が出来る?』…等と軽く考えていた面も有った…が、想定外の急展開。

他の3人魔王を一同に呼び寄せ、緊急の対策の話し合いが行われた。

その途中、現場に確認に向かわせたセラフォルーの眷属から、『集落は壊滅状態。並びに旧魔王の血族の亡骸を確認』と云う報せを受け、4人の魔王は初めて、【日本神話】と云う勢力に戦慄するのだった。

 

▼▼▼

同刻。

地上はスペインの とある森の奥深く、今は誰も住んでいない筈の古城にて、

「Kill! Kill Kill Kill!」

「デストローイ!」

「な…何故、コイツ等、こんな一度に?!」

「知るかよ?と、兎に角、追い払ぇ

「クオレ・ディ・レオーネ!!」

 

ドッゴォ~~~~~~~~~ン!!!!

 

「「「「「ぎゃぽーっ!!?」」」」」

…複数の集団が入り乱れての、魔力飛び交う大乱闘が繰り広げられていた。

 

「まさか、"赤銅黒十字"に"青銅黒十字"、そして"灰色の魔術師"までも来てるなんて…な…」

 

グシァッ!

 

そう言いながら、刺突に特化した円錐型の刃の短剣で、暗紫のローブを着た人物に攻撃を仕掛けているのは、【日本神話】が擁す特殊部隊、『NIN=JA』のメンバーの1人、才橋雀である。

彼女の言う通り、城内は今、『NIN=JA』、ヨーロッパの魔術師ギルドの【赤銅黒十字(ブルチャーレ・ネロ・クローチェ)】と【青銅黒十字(ギャチャーレ・ネロ・クローチェ)】、そして【薔薇十字団(ローゼンクロイツ)】と【灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)】から遣わされた一団が、共闘と云う事では無いが、共に【禍の団(カオス・ブリゲード)】の一派閥、『魔法使い』を討っていた。

揃いも揃って同じタイミングで、『魔法使い』の拠点である この古城に、5つの集団が攻め入っていたのだった。

  

「かっ…ハァアッ…!!」

そして その才橋に攻撃を受けた女が直後、多量の血を吐いて倒れ、ピクリとも動かなくなった。

()()()()()()()()()のか、決して致命傷にならない刺傷にも拘わらず、だ。

 

「ふん…はぁっ!」

 

ズガッ!

 

「ごぇほっ…!?」

それに動じず、才橋は更に、テロリストの魔術師が放つ魔炎弾を避けながら、単純作業の如く無表情で、円錐の刃を敵に向けて振るい、屍を量産して往く。

 

≫≫≫

「…にっしても、偶然過ぎよね?

確かに この『魔法使い』のメンバーって元々、ヨーロッパの魔術師ギルドからの溢れ者が中心らしいから、彼等も連中をマークしていたのは分かるけど!」

「ふん…()()()()()()()()が襲撃のタイミングが被る様に、『魔法使い』の住処(ヤサ)の情報を流したんじゃないか~?」

 

斬!…斬!

 

そんな会話をしながら、『魔法使い』の構成員を斬っているのは、『NIN=JA』の松本蘭と、日焼けした肌に、髪を金に染めている見た目30代半ばの男。

当然その出で立ちは、黒のスーツだ。

 

「ふはははははは!

戦闘の恐ろしさを、教えてやる!」

「ちょ、マジちょっと待って!

魔術師ギルドの奴等は兎も角、何故、ジャポンの『NIN=JA』が?!」

「…先に我等に仇為したのは、貴様等【禍の団(カオス・ブリゲード)】だろう!?」

「いや、違…それ、私達じゃな…

そそそ、それ、どうせ自称英雄(笑)か戦闘バカ達でしょ?

私達じゃないわよ!!

…だ、だから…!」

「貴様等が奴等と同じ、【禍の団(カオス・ブリゲード)】なのには、変わりないだろ~がぁ!

死~ぃね~ぇい!!」

 

ズザッ!

 

「ぎゃああ~ぁっ!!?」

この男…野巉慶舞の戟が、弱った獲物に止めを刺す野獣の如く、「自分達は違う」と敵意が無いのをアピール、降参するかの構えを見せた魔法使いの体を躊躇無く貫いた。

女相手にも、一切の容赦無しである。

尤も、この場が戦場であり、相手がテロリストである故に、その様な"甘さ"は逆に己の命を落とす原因に為りかねないのだが。

 

≫≫≫

 

斬!!

 

「ぎょぇ…?!」

…こうした中、【青銅黒十字(ギャチャーレ・ネロ・クローチェ)】に所属している、銀髪をポニーテールに結った少女の細剣の一閃が、『魔法使い』最後の1人、この派閥の頭目の首を跳ね、この場の争いに終止符を打った。

 

「何よ!? 美味しい処、ちゃっかり持っていってんじゃないわよ!」

「はぁあ?! 関係無いでしょ?

つまんない事に、拘ってんじゃないわよ!」

「はぁあ゙!?」

「あ゙っぁぁん?!」

…その後、この少女と【赤銅黒十字(ブルチャーレ・ネロ・クローチェ)】所属の金髪の少女が何やら言い争っていたが、それは別の話。

 

「よぉーっし、撤収だぁ!!」

そんな光景を余所に、『NIN=JA』の面々は「もう此の場に用は無し」と、この古城から姿を消した。

 

▼▼▼

「ぎゃああぁっ!?」

「ぬわーーーーーーーーっ!!」

 

場所は移り、ベトナムの廃墟街。

この町は【禍の団(カオス・ブリゲード)】の派閥の1つ、『英雄派』の拠点なのだが、其処に住む…いや、潜むと云う表現が正しいか、兎に角その住人達が、やはり『NIN=JA』の一団の襲撃を受けていた。

 

「ふん!」

 

べきっ!

 

「ぅゎらばっ?!」

『NIN=JA』が1人、蜷局嶢の豪快な拳がテロリストメンバーに炸裂し、

「貴様等…何者d…ぐはぁっ?!」

別の男が、襲撃者に何者かを問おうとしたが、その台詞を言い終わる前に、この男の体全身に、無数の鋭い刃…一般的に外科手術で使用される、"メス"が突き刺さる。

 

「クス…私達ですか?

貴方達、【禍の団(カオス・ブリゲード)】に喧嘩を売られた者ですよ…英雄派さん?」

そして刻み跡が有る広い鐔の帽子を目深に被った男が、物言わぬ体となった質問せし者に、冷たい笑みを溢しながら応えた。

 

≫≫≫

「そら!」「はぁっ!」「てぃやっ!」

「ごっ?」「のぇっ?」「ぎょぴ?!」

そして彼だけでなく、廃墟街全域で、戦闘は繰り広げられていた。

 

「おぅらっ!!」

 

バキィッ!

 

「…っ??!」

蜷局が放った剛拳を鼻に絆創膏を貼り、サングラスを掻けた男が顔面に まともに受け、サングラスの破片を脳漿や肉片、頭蓋の欠片と共に散らしながら、吹き飛ばされる。

 

「ひぃえぇえっ?!」

「やってられるかよ!?」

その圧倒的な戦闘力の差を持つ者達の急襲に、逃げ出す構成員も少なくはなかったが、

「な…何だ、この壁は?」

「結界かよっ?!」

 

…ザクザクザクッ!

 

「「「…って、ぎゃあぁ?!!」」」

『NIN=JA』の面々は、其処まで甘くは無く、逃亡者達の背中に、無数のメスや苦無が突き刺さった。

 

バチィッ…!

 

「巫っ山戯ろよ!!」

そんな中、1人の男が、自身に飛び迫るメスに対し、長棍型の神器(セイクリッド・ギア)から放たれる雷で壁を形成。

更には同時に神器(セイクリッド・ギア)にも雷を纏わせて迎撃の構えを取るが、

 

ザクッザクザクザクッ…

 

「何…だt…」

無数のメスは その壁を物とせず すり抜け、この男の体に直撃。

信じられぬと言いた気な顔で、男は地に崩れ落ちた。

 

「クス…残念でしたね…。

過去に一度、貴方と同じ…いえ、貴方より遥かに格上の方でしたが、雷撃の使い手に不覚を取った事が有りましてね…

それ以来、私は電気の類いを通さない、特殊セラミック製のメスを使っているのですよ♪」

「~~~~~~~?!!」

そしてメスを投げた『NIN=JA』の説明に、男は地に伏せた儘 無念と怨念の表情を浮かべ、力尽きる。

 

「相変わらず えげつない殺り方だねぇ、赤屍先生?」

「フフ…君が言いますか?蜷局君。

まぁ、誉め言葉として受け止めておきますよ。」

自分の事は棚に上げた蜷局の皮肉に、『先生』と呼ばれた男…赤屍玄人は苦笑しながら、次の標的へと狙いを定め、歩を進めて行った。

 

≫≫≫

「結局、鈴木君達が話していた曹操とやらは、見付からなかった様だね?」

「俺達が出張る前から既に、逃げてたみたいだね?」

…数時間後、既に生きた人間は居なくなったかに見える廃墟の町並みを眺めながら、会話しているのは鈴木稔とサトルの義兄・田中充。

一応は、この廃墟に潜む『英雄派』の一掃は完了したが、鈴木が京都で顔を会わせていた、リーダー格の2人の(すがた)は確認出来ずにいた。

 

「それは、この2人の事かい?」

「「??!」」

その時、鈴木と充に、後ろから何者かが話し掛けてきた。

2人が振り返ると、

「「建御雷神(タケミカヅチ)様?」」

其処には、今回の『英雄派』の攻めの指揮を執っていた【日本神話】の1柱、建御雷神(タケミカヅチ)が居た。

 

ぼと…

 

「「!!!!?」」

そのタケミカヅチが、2人の前に手に持っていた、2つの()を落とす。

 

「これは…?!」

それは確かに鈴木からすれば、見覚えの有る顔。

それは恐怖に怯えたかの様な表情で無く、極々平常な面構え。

どうやら斬られた事に気付いてないかの様だった。

  

「この廃墟に着いたと同時、次元の歪みの様な違和を感じたからな。

現場指揮を赤屍に任せ、その違和の元を辿ってみたら、此奴等が隠れていた。

それで、容姿が鈴木や庵丈から聞いていた それと同じだったからな。」

「とりあえず、斬った…ですか…」

これにより、冥界の『旧魔王』、スペインの『魔法使い』、ベトナムの『英雄派』だけでなく、世界各地に散らばる、【禍の団(カオス・ブリゲード)】の各派閥の拠点が、【日本神話】の面々によって潰された。

残るは所在を明らかにしていない、極々僅かな者達。

そしてテロ組織のトップとされる、無限の龍神(ウロボノス・ドラゴン)オーフィスだけとなった。

 

▼▼▼

「いや、本当にヤツは帰ってきとらんでの…

ついでに、何処に居るかとかは聞いとらんし…」

数日後、中国の とある山岳地帯に在る隠れ里では、黒のスーツを着た来訪者の問い掛けに、里の長である、サングラスを掻けた老いた猿妖は、煙管を吹かしながら応えていた。

 

「儂も、一族を抱えてる身じゃからの。

放蕩の馬鹿孫1人の為に、天照と敵対する様な愚かな真似は せんよ…」

「そうですか。

それでは、今日は失礼させて頂きます。

今回は急な訪問、申し訳有りませんでした。」

黒スーツの男は長に一礼すると、懐から名刺を差し出す。

 

「お孫さんが戻ってきた…または連絡等が有った時は、此方に連絡をお願い致します。」

「ふむ。これは…読み方は『かみしろ おと

雄惇(まさとし)です。」

言い終える前の訂正。

…どうやら彼は、 よく間違われる様だった。

 




 
①ぶっちゃけ英雄派は自業自得として、それ以外は完全に とばっちり(笑)
 
② 
建御雷神(タケミカヅチ)…タケミカヅチ(ダンまち)
野巉慶舞(やざんけいぶ)…ヤザン・ゲーブル(Zガンダム)
赤屍玄人…赤屍蔵人(Get Backers-奪還屋-)
 
…のイメージで。
 
③雄惇さん、どんまいです!
 
④今回 出番が無かった、その他の【禍の団(カオス・ブリゲード)】の末路は次回以降にて
 
 
感想、評価よろしくです。
 


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神々の語らい

 
今回の予習…
 
ミン(エジプト神)
プリアポス(ギリシャ神)
マーラ(インド神…てか、メガテン)
 
…の3柱を、画像検索してみよう!
 


禍の団(カオス・ブリゲード)】が【日本神話】によって滅ぼされたと云うニュースは瞬く間、所謂"裏"の世界、各勢力に知れ渡っていた。

 

 

※※※

 

◎名無しの神様◎

それで結局、連中って何をした訳?

 

◎名無しの神様◎

あの日本神話が動くって、並大抵な事じゃねーべ?

 

◎名無しの悪神◎

スサノオ怖いスサノオ怖いスサノオ怖いスサノオ怖いスサノオ怖いスサノオ怖いスサノオ怖いスサノオ怖いスサノオ怖いスサノオ怖い…

 

◎名無しの神様◎

どうした?トラウマでも甦ったか?www

 

◎名無しの神様◎

北の悪神ですらビビらせる日本神、まぢパねーwww

 

◎名無しの神様◎

で、話を戻しますが、何が理由だったのでしょうか?

 

◎名無しの雷神◎

彼方の友の話によれば、貴奴等、日本神話の1派閥のトップにカチ込みを仕掛けたらしいぞ。

…って、ロキよ、貴様、スサノオ相手にも悪さしてたのか?

よく生きてたな…

 

◎名無しの戦女神◎

雷神さん、本名呼びはダメですよ(笑)。

詳しく言えば、あの組織の英雄派なる者達が、日本神話の妖怪のトップである八坂さんを拉致しようとした事が、アマテラスさんの怒りに触れたらしいです。

 

◎名無しの神様◎

ぷぁっ!?

 

◎名無しの神様◎

マジデツカ?

 

◎名無しの混沌(這)◎

ぶっちゃけ、英雄派さんのやらかしで組織壊滅したんですよ~♪

 

◎名無しの神様◎

組織全体から見れば、とんだとばっちりじゃねーか!www

 

◎名無しの神様◎

英雄派(笑)、やっちまったなぁ!

 

◎名無しの主神様◎

赦せん…あの八坂を拉致って、エロい事をしようとしたのか?

 

◎名無しの戦女神◎

父よ、アナタ基準で物事を考えないで下さい

 

◎名無しの神様◎

…って、あの おっぱいお狐様を拉致って、英雄派、何考えてるの?バカなの?死ぬの?あ、死んでるか(笑)

 

◎名無しのアスラ神◎

さあな。テロリストの発想は我等の想像の上を逝くからな。理解出来んよ。

 

◎名無しの神様◎

多分、『妖怪』と日本神話の繋がりを知らなかったんじゃね?

 

◎名無しの神様◎

或は、日本神話をナメてたとか

 

◎名無しの神様◎

あの怖さ、知らない連中って居るよね

 

◎名無しの神様◎

聖書とか聖書とか聖書とか聖書とかwww

 

◎名無しの雷神◎

ロキとかwww

 

◎名無しの戦女神◎

ゼウスとかwww

 

◎名無しの神様◎

ロキが何時もの癖で、スサノオにちょっかい掛けて凹られたのは何となく想像が付くが、オリンポスの下半神は、一体何をしたんだ?

 

◎名無しの神様◎

下半神、どうせコイツも何時もの病気だろ?

 

◎名無しの主神様◎

誰が下半神じゃ!それと病気ってなんじゃ?

 

◎名無しの神様◎

病名 :【美女を見ると相手の合意無しに、無理矢理 子作りしたくなる病】

尚、死んでも治りません。

 

◎名無しの神様◎

www

 

◎名無しの神様◎

www

 

◎名無しの神様◎

確かにありゃ病気だぜw

 

◎名無しの神様◎

…つーと、相手はウヅメたんかサクヤちゃん辺りか?

 

◎名無しの神様◎

…で、迎撃されたと。

 

◎名無しの神様◎

…で、奥方にバレて、また説教されたと。

 

◎名無しの神様◎

普段のヘラなら其処で、浮気相手にもキレて攻撃する所だが、流石に日本神話相手には、それはしなかったか(笑)

 

◎名無しの戦女神◎

ワイン返して下さいwww

まあ、病気は正解ですね。

あの下半神エロ親父、大昔、オリンポスを訪れたアマテラスさんにその病気を発動させて、某フランス怪盗3代目の様に迫ったは良いのですが、『拷問系スキル』100連発で返り討ちに遭った挙げ句、トドメに『病気系スキル』で"End of Dankon"にされたのです。

 

◎名無しの神様◎

ぶっはー!

 

◎名無しの神様◎

アンタがワイン返せしwww

 

◎名無しの神様◎

まさかの主神さん相手かい…

 

◎名無しの神様◎

正に神をも恐れぬ所業だぜ

 

◎名無しの神様◎

ヘタすりゃ戦争だったぜ

 

◎名無しの神様◎

つか、End of Dankonて…(」゚O゚L)

 

◎名無しのC・H(エジプト)◎

日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い…

 

◎名無しのC・H(ギリシャ)◎

日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い…

 

◎名無しのC・H(インド)◎

日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い日本神話怖い…

 

◎名無しの神様◎

おっつけwww

 

◎名無しの武神◎

まぢKA?!あの下半神の下半身、つまり今は役起たずだってのKA?www

 

◎名無しの神様◎

ざまあwww

 

◎名無しの神様◎

こうして世界中の美女は、下半神の脅威から救われたのであった

 

◎名無しの主神様◎

誰が役起たずじゃ?!あの後、渾身のDOGEZAで治して貰ったわい!

 

◎名無しの冥王◎

300年掛けてなwww

 

◎名無しの火星神◎

あん時ゃ大変だったぜ。

結局最後は、雷霆、トライデント、身隠しの兜、その他諸々なオリンポス宝具の複製品または本物を、アマテラスに差し出したりな。

んで、お袋の口添えで『次に浮気したら その場で完治不可レベルのEnd of Dankon再発』の呪いを身体に刻まれて、漸く赦してもらったんだ。

 

◎名無しの主神様◎

ハーデス!アレス!それとアテナ!

要らん事を言わんでも良いわ!

 

◎名無しの火星神◎

本名言うなし

 

◎世界樹三姉妹・長女◎

あー、それでこの前にヴァルハラに来た時、私等姉妹やバルキリー達に、全っ然 色目を向けなかったのね。

納得だわー。

 

◎名無しの神様◎

こうして世界中の美女は、下半神の脅威から救われたのであったwww

 

◎名無しの雷神◎

…って、今、さらっと凄い事、言わなかったか?

雷霆とかトライデント渡したとかって…

 

◎名無しの戦女神◎

ペガサスの手綱やヘルメスの羽靴、メドゥサの首のコピーも、献上しましたね。

 

◎名無しの武神◎

最悪だNA!

 

◎名無しの神様◎

只でさえチートな連中に、何 反則級アイテム渡してるんだよ?! この下半神が!!

 

◎名無しの神様◎

下半神、一生枯れてりゃ良かったのに

 

◎名無しの主神様◎

だからその呼び方止めれい!

 

◎名無しの神様◎

日本神話やべー話から、いつの間にか下半神の不能な話になってると思っていたら、また日本神話やべー話に戻っている件www

 

◎名無しの主神様(北欧)◎

身隠しの兜、儂も欲ちいのぅ

 

◎名無しの戦乙女(彼氏募集中)◎

何に使う心算なんですか?

 

※※※

 

 

▼▼▼

「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!

本当に曹操きゅん、やってくれちゃったよね~(笑)。

ん、ん。ナイスだよ、ナーイーッス!」

日本の某県某所、山中に ひっそりと建つ一軒家で、パソコン画面の遣り取りを観ながら爆笑しているのは、銀髪の中年男。

 

「しかし、リゼヴィム様…我々は大丈夫なのでしょうか?」

「ん~、ユークリッド君は心配性だね~?

普段から僕ちゃん達、報・連・相の1つもしていないのは伊達じゃないよ?

組織内で僕ちゃん達の存在を知ってる奴等でさえ極僅かなのに…ましてや この家って、オーフィスちゃんにも教えてないんだよ?

見つかる訳が無いさ~?♪」

中年男の部下なのか、銀髪の青年…ユークリッドが不安そうに漏らすが、中年男…リゼヴィムはワイングラスを片手に余裕な受け応え。

その会話内容からして、彼等も【禍の団(カオス・ブリゲード)】の一員なのが窺える。

 

「それにアマテラスが僕ちゃん達を捜しているとしても、まさかの日本国内に潜んでるなんて、思いもしないしょ?

えーっと、こういう時、日本では『灯台もと暗し』…って言うんだったかな?

ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」

「どうしよう…

私は良いとしても、姉さんがテロリストの身内として捕らえられたり、そして情報を吐かせる為に拷問とかされたら…

嗚呼…姉さん…姉さん…

…そうだ!こんな場所で引き籠ってる場合なんかじゃない!

姉さんを早く助けに行かないと!」

 

ガタッ!

 

「ちょ…ユークリッド君?!

何処に行こうとしてるの?キミは!?

解ってるの?

今 下手に動いたりしたら、それこそアウトだよ?」

「放して下さいリゼヴィム様!

姉さん姉さん姉さあーん!!」

何を妄想したのか、いきなり立ち上がり、思い詰めた表情で外へ飛び出そうとするユークリッドを、リゼヴィムが必死に呼び止める。

 

♪ピンポーン♪

 

「「……………………。」」

そんな中、来客を告げるインターホンが鳴り、

「はぁ…また、テレビ局の取材依頼かな?

ユークリッド君、やんわりと断ってきてちょ。」

「…了解です。」

しかし これが、2人を冷静にさせる切っ掛けとなり、ユークリッドは その対応へと、玄関先へ向かった。

 

≫≫≫

 

カチャ…

 

「すいません、ウチは新聞もテレビ局も、お断りで…す?」

「「…………………。」」

「あ、アンタ等、もしかしt…」

ユークリッドが扉を開け、勧誘も取材も断る旨を伝えようとしたが、其処に立っていたのは、片や黒髪、片や銀髪の、2人の男。

それは どう見ても、新聞屋でもテレビ局の関係者にも見えず、察した上で確認しようとした時、

 

ズバアッ!!

 

「ウギャーーーーーーーーっ?!!」

銀髪男の棘付きの鞭が、ユークリッドの体に幾重に巻き付き捕らえ、その儘 身体全体を輪斬りに引き裂いた。

 

ドタドタドタドタ…

 

「どうしたんだいユークリッド君?

まさかテレビ局が、汚い実力行使にでも出たのk…!?」

その断末魔(さけびごえ)を聞いたリゼヴィムも、奥のリビングから玄関に走り出るが、其処に居た2人の男を、そしてバラバラになっている死体(ユークリッド)を見て驚愕。

 

「【禍の団(カオス・ブリゲード)】のメンバー、リゼヴィム・リヴァン・ルシファーさんですね?」

「我等が主、天照大神の命により、その命、貰い受けに来た。」

「ちょ…おま…?!」

2人の男…酸漿と蔵馬の言葉に、リゼヴィム・リヴァン・ルシファーは動揺を隠せない。

 

「待て待て待て待て!?

な、何で此処が、分かった訳?

組織の連中、誰も知らない筈なのに?」

「捕らえたテロリスト幹部から、お前達の事、その性格なども聞いていた。

それで以前、俺の弟子が立ち上げてるサイトの書き込みを思い出し、もしや…と思って、その発信元を辿ってみたら、此処だった訳さ。」

「ゆゆゆ…ユークリッド君ん~っ!!?

キミ、何をやってくれてんの?! 」

蔵馬の説明に、屍となったユークリッドに渾身の突っ込みを放つリゼヴィム。

そう言いながら、実は先程から転移での脱走を試みていたが、事前に山中全域に結界が張り巡らされていたのか、それも出来ず。

 

「ちょ…話し合おう!

僕ちゃん達、君等に何かした訳じゃないし?

あれ、全部 曹操きゅん達が、組織関係無く独断でやった事だよ?

僕ちゃん達、何も悪くないよ?」

 

ジャリ…

 

必死に言い訳するリゼヴィムに、棘付きの鋼棍を携えた酸漿が、無表情で一歩前に出た。

 

「文句なら、地獄で曹操さん達に言って下さい。

それでは とりあえず…

逝ってらっしゃい!!

 




 
①ユークリッドの書き込み…17話参照
②次回、ヴァーリ・チームのターン?
 
感想、評価よろしくです。
 


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"無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)"オーフィス

 
禍の団(カオス・ブリゲード)】編、締めに入ります。
 
 
※オリジナル設定、少し入ります。
 



「こ、これは…」

「ひ、酷過ぎるよぉ…」

悪魔領、最果ての地に在る、見放された集落…の跡地に足を運んだ4人の魔王達は、その光景に絶句していた。

僅かに生き残った者達から話を聞けば、いきなり大多数の軍勢が攻め寄せ、その圧倒的火力で瞬く間、(旧)魔王達を虐殺、場を徹底的に破壊した後に去って行ったと云う。

 

「これは…何て報告すれば、良いのだ…?」

「ん~、『日本神話が攻めてきて、テロに加担していた旧魔王達を滅ぼしました、まる』…じゃ、済まないよね?」

「あの老害(ろうじん)達が、そんな発表を許したりしないだろう…」

「…ですよね~?」

 

≫≫≫

最終的に、この襲撃での生き残りは既に、現政府に反逆する力も気構えも無しとして、難民として受け入れる…は難しいとして、この地の復興援助をする方針へ。

そして冥界全土には、『夏に起きたレヴィアタン城へのテロ行為に対する制裁措置として、魔王自らが軍を率い、旧魔王一族(テロリスト)を討ち滅ぼした』と発表。

これは事前に、天照大神から襲撃予告を記した書状の中の、『後々の発表は好きにして構わないよ。何ならテロ討伐を、自分達の手柄にしても良いぜ♪』という内容を、都合良く解釈したからだが、それ以前に、この4人の魔王よりも古い悪魔(ろうじん)達の、『【日本神話】"如き"が冥界に攻め入り、好き勝手した』と云う事実を公にしたくないと云う、薄っぺらな面子の方が強かった。

 

 

※※※

 

◇名無しの悪魔◇

最近、このスレ過疎ってね?

 

◇名無しの悪魔◇

駄肉姫が大人しい?からか?

 

◇名無しの悪魔◇

駒王のはぐれ悪魔を、一応は確実に始末してるんだろ?

でなきゃ、スレ主がキレてるwww

 

◆スレ主◆

おひさしぶりでございます。

…てゆーか、最近は駒王町に はぐれが侵入したってニュース、聞かないからね

 

◇名無しの悪魔◇

え?少し前に、『駒王の管理者は無能姫だから、地上に逃げる時は駒王から』って噂が広まったって聞いてたぞ?

今も逃亡者、続出で荒れてんじゃねの?

 

◆スレ主◆

いや、全く。

駄肉姫やソーナ嬢が動いたって話も聞いてない

 

◇名無しの悪魔◇

…って、そんな噂、あったのか?

 

◇名無しの悪魔◇

知らないのか?駒王にはぐれが大量に出現してたのは、それが原因らしいぜ

 

◇名無しの悪魔◇

割かし有名な話だが、元凶は間違いなく、このサイトだろwww

 

◇名無しの悪魔◇

せやな。

 

◇名無しの悪魔◇

ごめん、知らなかった。

しかし、納得だwww

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇名無しの悪魔◇

スレ主が駄肉の無能っぷり、広めるから(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

原因はスレ主

 

◇名無しの悪魔◇

元凶はスレ主

 

◇名無しの悪魔◇

元凶はスレ主www

 

◆スレ主◆

(∩゚д゚)アー、キコエナイキコエナーイ

 

◇名無しの悪魔◇

あ、実は自覚あるぞ、この男www

 

◇セイジョ☆スキー◇

それも事実だけど(笑)、最近は更に『駒王町には その駄肉…リアスよりもヤヴァい現地民が住んでいる』って噂が広まってて、地上への入り口としては逆に避けられているらしいよ

 

◇名無しの悪魔◇

マジか?

 

◇名無しの悪魔◇

それもぶっちゃけ、スレ主の事じゃね?

 

◇セイジョ☆スキー◇

多分ね(笑)

 

◇炎の兄貴!◇

【速報!】魔王様達の手により、冥界辺境に潜んでいた旧魔王(カオス・ブリゲード)の一派、討伐される!

 

◇名無しの悪魔◇

マジか?!

 

◇名無しの悪魔◇

いきなりだな?おい?

 

◇名無しの悪魔◇

しかしマジ?

 

◇名無しの悪魔◇

本当っすか?

 

◇炎の兄貴!◇

ああ、つい先程、臨時ニュースが流されたぞ

 

◇名無しの悪魔◇

これは目出度い!

 

◇名無しの悪魔◇

前回7月のリヴァイアス襲撃から、何のアクションも無かったからな。

 

◇名無しの悪魔◇

俺、王都住まいだから、今度はコッチか?…って、内心ビビってたからな。安心したぜ。

 

◆スレ主◆

オメデトー

 

◇名無しの悪魔◇

心が篭ってない!

 

◆スレ主◆

ぶっちゃけ『対岸』だからねー

 

◇名無しの悪魔◇

地味に最悪だな(笑)

 

◇BSADB★総督(笑)◇

へー?魔王…が、ねぇ?

 

◇名無しの悪魔◇

総督?

 

◇BSADB★総督(笑)◇

いやいや、漸くサーゼクス達が重い腰を上げたか…って思っただけだ。

…余り深く考えるな。

 

◆スレ主◆

ですねー。

 

◇名無しの悪魔◇

とにかく ひゃっはー!だ!!

 

※※※

 

 

▼▼▼

「はぁ…」

冥界、アスタロト領の自室にて、ディオドラ・アスタロトは、パソコン画面を見ながら小さく溜め息を溢した。

"ガルーダ・スレ"を閉じた後、その儘 冥界の報道サイトにアクセスすると、確かに先程、何時ものスレにて書き込みされていた通り、四大魔王が軍を率いてテロリスト…即ち旧魔王の一派をほぼ殲滅掃討に成功したと云う記事が載っていた。

 

「………………………………。」

しかしディオドラは、この報道に違和を感じる。

堕天使総督?の、何やら含みを匂わせる書き込みの影響も多少は有るが、彼は

「これは少し、突然過ぎないか?」

…そう感じていた。

7月のレヴィアタン城の襲撃の後、その時に何かしらの制裁・報復的行動は愚か、旧魔王側に対して何の抗議声明を行っていないのに、今頃になって?…と。

 

「…何か、裏が有るかも?」

…等と考えたりもしたが、彼は それ以上、考えるのを止めた。

下手に疑い、真実を得ようとして動けば、その真実を握る者に逆に消される…しかも それは自分だけでなく、家族や眷属達にも その手が及ぶ可能性が有る…そういう結論に至ったのだ。

尤も、これが まさか【日本神話】の仕業…しかも旧魔王一派の件は、殆どが同じテロ組織内の別派閥の巻き添えによる物だとは、思いもしないだろうが。

 

 

▼▼▼

「………………………。

いや、とりあえず突っ込んで良いかい?

キミ、その格好、何なの?」

場所(ところ)は変わり、高天原。

前触れも無く現れた来客、その何とも言い難い格好に、天照大神は微妙な顔で質問(ツッコミ)していた。

 

「…リゼヴィムが言った。

人を多く集めるなら、老人より若い雌の格好の方が良いと。」

「いや、それも間違っては無いと思うよ…

間違っては…でもね…」

そして それに対する、目の前の少女の応えに、口元を少し引く攣かせながら、

 

「だからと言って、その格好は色々とアウトだよっ!?」

 

更に盛大なツッコミを放つアマテラス。

 

「…あう…と?」

それに対して、ゴスロリ衣装前側のボタンを全開にしてドロワーズ(ぱんつ)丸出し、胸元は その平面の 肝心な部位 ぽつんと立つ突起にХ(ばってん)の形で黒のテーピングが施されている…そんな格好の黒髪美少女、否、美幼女は不思議そうな顔をして、頭上に疑問符を浮かべている。

 

「はぁ~、で、僕に何の用なんだい? ()()()()()。」

「我の"蛇"あげるから、グレートレッドを倒すの、手伝っt

「断る。」

気を取り直して、この少女…実は彼女こそ、テロリスト組織【禍の団(カオス・ブリゲード)】の首魁であり、天照大神達が その行方を追っていた無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)オーフィスなのだが、その彼女にアマテラスは何用かを聞き、その申し出を刹那で斥けた。

 

「はぁあ~~~~~~~~~~~…

もう、何て、言うかさ…」

そして【日本神話】の主神様は その場に護衛として就いている鬼神や武神、神兵が見守る中、脱力感を隠す事無く、ガクッと項垂れるのだった。

 

≫≫≫

そして始まる、Q&A。

 

Q:どうして【禍の団(カオス・ブリゲード)】なんて立ち上げたの?

A:組織名は知らない。

我、グレートレッドを共に倒す仲間が欲しかっただけ。

 

Q:どうやって仲間を集めたの?

A:いんたーねっとけーじばんで、仲間募集の貼り紙した。

そしたら一番最初、リゼヴィムという悪魔が来て、『ウヒャヒャヒャ!仲間集めたいなら、そんな お爺ちゃんの格好でなくて、もっと若い女の子の格好しなきゃ! 服装も、もっと こう…』って、言われた通りの格好して写真を一緒に貼ったら、それから沢山やってきた。

 

「【禍の団(カオス・ブリゲード)】はロリコンか変態かの集まりかい?!…って、インターネット、扱えたんだ…。」

 

Q:どうしてテロ行為なんかしたの?

A:我は知らない。"蛇"を与えた奴等が勝手にやった事。

 

Q:いや…キミの部下が やった事だよね?

責任ってヤツが…

A:責任?…て、何?

 

「………………………………………。」

 

≫≫≫

オーフィスに対して、一通りの聴取が終わった後、

「はぁ…」

アマテラスは どっと疲れた様な顔で、溜め息を溢す。

 

「…どうぞ、天照様。」

「あぁ、ありがとう、少名毘古那神(すくなひこなのかみ)君。」

そんなアマテラスに、医療神が そっと胃薬を差し出した。

 

≫≫≫

オーフィスの供述は要約すれば、

 

・我は故郷の"次元の狭間"にて、静寂な刻を過ごしたいのだが、同郷の隣人グレートレッドが常に騒がしく、それは叶わない

・だからグレートレッドを倒す事に決めた

・ぱわーあっぷあいてむの"蛇"を引き替えに、仲間募集

・でも、やってきた仲間は"蛇"を与えても、『グレートレッドは後で』と言って好き勝手、全然 言う事を聞いてくれない

・(o´・ω・`o)しょぼーん

 

≫≫≫

「…まぁ早い話、連中ってオーフィス…ちゃんの無垢ってか無知に突け込んで、その"無限"って後ろ楯を利用して、好き勝手してたんだよね。」

「はぁ…」

「…で、姉者?」

「うん。確かに大元の原因はオーフィスちゃんだけど、何か、あの子に責任追及して処しても、仕方無い気がしてきたからさ…」

素戔嗚尊(スサノオノミコト)建御雷神(タケミカヅチ)大国主命(オオクニヌシノミコト)と云った、今回の【禍の団(カオス・ブリゲード)】殲滅に携わった神を基とする、数多の日本神達と話すアマテラス。

 

「…でも、処さないからって もう放置する訳にも往かないし、ハァ…皆、どうしよう?」

「「「「「「…………。」」」」」」

 

 

この話し合いの末、オーフィスは さしあたって、"客人"の名目で、【日本神話】が保護する事に決まった。

 

「でも これも黙って、僕達だけで勝手に…って訳には往かないよね?

とりあえずキクりん、この事は主だった神話に伝えといて。

あ、『聖書』には伝えなくて良いから。」

「承知しました。」

そして菊理媛神(キクリヒメノカミ)に伝令を託けると、残りの…所謂テロリスト残党について話し合い出した。

 

「スカアハちゃんから連絡が有ったんだけど、イギリスの名門・ペンドラゴン家の長男長女も、実は【禍の団(カオス・ブリゲード)】の一員だったらしくてさ…」

「それって、大スキャンダルじゃないですか?」

「ん。その2人ってのが、今代の"白龍皇"と行動を共にしていたらしい。」

「「「「白龍皇!」」」」

「それでスカアハちゃん曰く、今は その2人、実家で謹慎させてるそうで、2人、それと"ブリテンの巨人"の処置は自分達(ケルト)に任せて欲しいって要望が有ってさ。

白龍皇のチームは別に、僕達に何かした訳じゃあないし、僕は もう、それで良いと思っている。」

「アマテラス殿が言われるなら…って、ブリテンの巨人ん?!」

「まぁ、襲撃の際、偶々その場に不在なんかで難を逃れた、『英雄派』や『魔法使い』のメンバーなんかも、今は もう大した行動は出来ないだろう。

一応、白龍皇と闘戦勝仏君の孫とやらは、保険の意味で捜索を続けるとして、【禍の団(カオス・ブリゲード)】粛正の件は、一先ず終わらせようと思う。」 

 

▼▼▼

 

 

※※※

 

◎名無しの主神様(JAPAN)◎

やあ皆、報せは届いたと思うけど

 

◎名無しの愛と豊穣女神(メソポタニア)◎

お疲れ様でしたと言うべきか、御愁傷様と言うべきか…

(*^艸^*)プークスクス

 

◎名無しの主神様(JAPAN)◎

キミ、全然 そう思ってないだろ?

 

◎名無しの武神◎

大変だったNA!まあ、頑張RE!

 

◎名無しの神様◎

実際に今のオーフィスって、どうなん?

 

◎名無しの主神様(JAPAN)◎

1日1ヶ、ハー〇ンダッツあげてれば、大人しくしてるよ

 

◎名無しの神様◎

ハーゲン〇ッツ…www

 

◎名無しの主神様(北欧)◎

しかし真面目な話、何時までもアマテラスに預ける訳にも往かんのぅ

 

◎名無しの主神様(JAPAN)◎

ん。だから先に言っておくぜ?

あの子の事は、今度の神会で、正式に議題に持ち出すから

 

◎名無しの神様◎

あの子?

 

◎名無しの主神様(JAPAN)◎

あ、言ってなかったか。

今はオーフィスちゃん、ゴスなロリの容姿なんだぜ。

ほれ。

【挿絵表示】

 

◎名無しの神様◎

ロリっ娘!

 

◎名無しの神様◎

美幼女!

 

◎名無しの神様◎

ロリっ娘美幼女!

 

◎名無しの海王◎

よし、儂がオーフィスを引き取ろう!

 

◎名無しの太陽神◎

いやいや、私が身請けを!

 

◎名無しの月女神◎

いーえ、叔父上や兄上には任せられません!

私が彼女を預かりましょう

 

◎名無しの炉女神◎

引っ込んでなさい!このレズ〇〇ン&ロリコン共!! 

 

◎名無しの悪神◎

なんか、オリンポス3大下半神の内の2柱と真性の男嫌い(笑)、その他多数が湧いてきて草www

 

◎名無しの戦女神◎

ぶっちゃけ貞操的にはアルt…月女神が一番、任せられないんですけど…

 

◎名無しの主神様(JAPAN)◎

ん~(汗)、何だかウチで保護してるのが、ベストな気がしてきたぜ…

 

※※※

 

 




 
①アーサー君とルフェイたん、及びゴッ君、生存確定?
 
②こうして見ると、本当にギリシャ神話って…(笑&汗)
 
③画像は…まんま載せたら、色々と面倒だしマジにアウトでしょ?(笑)
御了承ください。
 
 

 
感想、評価よろしくです。
 


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排球ー!!

 
完全な閑話。
飛ばしても殆ど影響無いです(笑)。
 


 

突然な話だが、駒王学園は行事(イベント)が多い。

10月終盤の この日は、3学年全クラス対抗の、球技大会(秋)が行われていた。

種目はバレーボールである。

 

「…で、来月アタマには、学園祭だもんね。」

「しかも その前に私達は また、冥界でゲームが有るし…」

「ハァ…忙し過ぎだぜ…」

…そう呟いているのは、生徒会役員達だ。 

 

☆☆☆

全校クラス対抗バレーボール基本ルール

 

・6人制ゲーム、1セット11点の3セットマッチで、2セット先制したチームの勝利

・試合は3学年全クラスによるトーナメント方式で進めていく

・各チーム、女子を最低3人は常にコートに出場させる事

・選手交代はフリーだが、前述の通り、常に女子は3人以上出場

そして1度退がった選手は、その試合の復帰は不可

・バレーボール部員は男女共に出場禁止

・…等々

  

☆☆☆

 

 

「頼むぞ、華路。

基本、ラストは全部、お前にボール回す感じだからな。」

「だっはっはっはっは!

大丈夫!この天才に任せ、大船に乗った心算でいたまえ!」

サトルから「華路」と呼ばれた、身長190越えの坊主頭の少年が、お調子者全開な どや顔の大笑いで応える。

 

「さ~て、サクッと行きますか♪」

「「「おーっ!」」」

そして、サトルと同じく、クラス代表となった、カルマや白音、その他女子2名…雪村楓と矢田桃花も元気に掛け声を出し、テンションを高める。

 

「絶対に優勝しますよ!」

「当然!」

「プリン!プリン!プリン!プリン!」

特に白音達女子は、気合い十分。

優勝したクラスには全員、試合出場関係無く、学食のデザート券1枚が配布されると云う特典に、やる気を迸らせていた。

 

「因みにサト君とギャー君のデザート券は、私が貰う事になっています。」

「えぇっ? し、白音ちゃん?!」

「勝手に決めんなよ…

まぁ、俺は別に良いけど?」

 

≫≫≫

 

わーわーわーわーキャーキャーキャー

ぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶー…!

 

「な、何なのよ…この、凄まじいアウェイ感…?」

そしてサトル達、1年E組の出番となった時、体育館内は、異様な歓声とブーイングに包まれた。

これに対戦相手…サトル達と反対側のコートに立つ、眼鏡を掻けた おさげ髪の少女がボヤく。

 

「「「これも全部、アンタ等の せいだからね!」」」

「「何でだよ?!」」

そして この彼女を含めた女子3名が、同じチームの男子2名に批難を浴びせた。

これに対して、その男子2名が言い返すが、実は致し方無し。

実際に今、館内に木霊するブーイングは この2人…松田仙造、そして兵藤一誠に向けられているのは明らかだった。

この2年C組の兵藤と松田、そして もう1人、運動神経の無さから今回のクラス代表には選ばれなかった元浜幹親を加えた3人は、普段から"変態3人衆"と呼ばれ、全校女子より蛇蝎の如く忌み嫌われている。

それに対してサトルは4月、その変態3人に制裁を加えた"勇者"として、学年女子から認識されているのだ。

即ち これは、完全に『勇者vs変態』の図式。

更に云えば、1-Eには学園 ろりきょぬー マスコットの愛称で人気者の、白音も居る。

それ等を踏まえれば、他4名は完全に巻き添えだが この観衆の対応は当然であり。

 

「「くそっ! これも全部、あの神代(ヤロー)のせいだ!」」

 

兎に角、そんな異様な雰囲気の中、

 

ピーッ!

 

2-Cvs1-Eのゲームが開始された。

 

≫≫≫

「はい、櫻樹君!」

 

ポーーーーーーーーン…

 

「応よ!!」

2-Cの女子が放ったサーブを矢田が受け止め、それを雪村が天高くトスを上げた。

そして この、普通に考えれば無駄に高過ぎるトスを、身長191㌢のバスケ部員・櫻樹華路が合わせる様に大きくジャンプ、

 

「ふんぬーっ!!」

 

バシィッ!!

 

「「「「「「!???」」」」」」

反対コートの兵藤達のブロックが意味を為さない程の、高い打点からのスパイクが炸裂。

敵陣コートに見事 突き刺さった。

その鋭い打球に相手の2年生は、誰1人反応出来ず。

 

「うぉーっ!天・才!!」

「「いっえーい!」」

 

パチィーン!

 

雄叫びと共にガッツポーズを決める櫻樹に、サトルとカルマが駆け寄り、ハイタッチを交わす。

 

「くそ…()()()()()()()、あんな球…!」

これに、悔しそうな顔を浮かべるのは兵藤。

当然な話だが、学年内の転生悪魔の生徒達は全員、各々の主から「ゲームに出るのは構わないが、悪魔としての能力(チカラ)を使うのは厳禁」と、言われていた。

 

≫≫≫

「ふん!」

 

バシッ!

 

「「「!!?」」」

櫻樹の活躍はオフェンスだけでない。

相手の2年生チームが放ったスパイクをハイジャンプからのブロック…と云うより、逆にスパイクで打ち返すの表現が正しい一打を、相手コートに叩き付ける。

 

「天才ですから!」

「「いえーぃ…て、ちょ…櫻樹君?」」

ノリに乗る櫻樹に、今度は白音と雪村がハイタッチしようとするが、その身長差にクラス内は愚か、学園全体でも背の低さで1・2を誇る2人はジャンプしても、櫻樹が高く上げた手には届かない。

 

「「も~、しゃがみなさいよ!」」

「はっはっは!」

 

パチィン!

 

2人の抗議に櫻樹は「軽いジョークだ」と笑いながら腰を屈め、改めてハイタッチ。

 

≫≫≫

「おらっ!」

 

バシィ!

 

「はいよ…っと!」

 

バシィ!

 

試合は櫻樹だけでなく、サトルやカルマも、確実にスパイクを決めていく。

クラス内の長身男子3人と、運動神経抜群女子3人の1年生チームの連携は見事に噛み合い、着実に2年生相手に得点を積み重ねていく。

 

≫≫≫

「くそ…悪魔としての身体能力が使えたら…

死ね!神代ォッ!!」

 

バシィ!

 

怨敵に対する如く、兵藤の殺意が籠ったサーブがサトルに迫るが、 

「ほい!」「はいっ!」「ふん!」

それは難無くサトルがレシーブ、そして白音から櫻樹に繋がり、またも得点。

 

「ぐぬぬ…!」

結果、この試合は第1セット11-3で、続く第2セットも、11-5の危な気無いストレート勝ちで、サトル達1-Eの勝利となった。

 

「く…くそっ…! おのれ、神代…!」

 

▼▼▼

きゃーきゃーきゃーきゃーきゃーきゃー

わーわーわーわーわーわーわーわー…

 

そして2回戦。

サトル達が再びコート入りした時、館内の声援は最高潮に達していた。

サトル達1-Eの次の相手は1回戦はシードだった、 

「ん~、やっぱりと言うか、出てきたね~♪」

「ああ、 駄肉姫 グレモリー先輩か。 」

リアス・グレモリー率いる、3年A組である。

リアスと彼女の女王(クィーン)の姫島朱乃。

この"学園2大お姉様"の登場に、男女問わず、観衆は大熱狂。

先程の完全ホームな雰囲気は一掃され、今度は6-4の割合で、リアス側の応援の声が やや多く感じられた。

 

「神代君…だったわね。

こうして会うのは、初めてね。

貴方には…色々と有って、何時かは お話ししたいと思っていたけど…」

初めてね…じゃねーよ、この駄肉が。

そりゃ、どーも… 」

ネット越しに、リアスとサトルが()()()()()()()()()、初めてのコンタクトで一言二言の会話。

しかし当然ながら、リアスは目の前の男が、自身の天敵?である、あの"鳥仮面の男"と気付く訳も無く。

 

「げ…出たな、アゴリ!」

「誰がアゴリじゃあっ!!?」

そして櫻樹も、ネットの向こう側、身長2㍍の大男に声を掛ける。

その1年生が上級生に対する呼び名とは思えぬ暴言に、バスケ部主将の男は、声を大にして突っ込んだ。

 

≫≫≫

 

どん!

 

「ぬぉわぁっ?!」

「きゃあっ!?」

試合は、ほぼ互角な展開で進み、第1セットを3-A、第2セットを1-Eが取った第3セット、7-7の場面でサトルが打ったサーブを3-Aの男子(モブ)が受け、姫島がトスを上げた時の事。

そのトスにリアスと、バスケ部主将のアゴリこと、岡村建一が合わせてジャンプし、両者は空中で衝突。

体格差故にリアスは弾き飛ばされ、尻餅を撞いて落下。

岡村の方もバランスを崩し、スパイクに失敗。

撫でた様なボールを相手コートに運んでしまう。

これは当然、簡単に受けられ、最後は まだ起き上がれていないリアスの足元を狙われ、ボールを落とされた。

 

「ちょっと、何やってんのよ?岡村君!」

「それは儂の台詞じゃ、グレモリー!」

そして この事で、2人は試合そっちのけで言い争い。

 

「朱乃は今、私に向けて、トスを上げたのよ!」

「何を言うか?!

今のはポジション的に、儂へのパスじゃろうが!…のぅ、姫島?」

「朱乃? 当然、私よね?!」

最後にはトスを上げた姫島に、どちらが悪いか正しいかを聞く始末。

 

「ん~~~~~~~…」

この問い詰めに困った顔をする姫島。

彼女的には今のトスは、岡村に対しての物だったのだが、

「今のは、リアスへのパスでしたわ♪」

「何とお~~~~~っ?!!」

主への義理立てか、或いは何時もの悪癖(ドS)が疼いたのか、リアスの名前を出してしまう。

 

「引っ込んでいなさいよ!このアゴリラ!」

「リアスお姉様の邪魔、してんじゃないわよ!!」

 

ブーブーブーブーブーブーブー…!!

 

「うおおおおぉおおおおぉうっ!!

な、何でじゃあああっ!?(〒Д〒)」

更に館内の女生徒を中心とした観衆から、罵詈雑言のブーイングを浴びた岡村は、思わず絶叫。

 

「アゴリ…まぁ、どんまい…!」

「うおおぉ~!櫻樹い~ぃっ!!」

それはネット越し、普段は生意気この上無い後輩も、思わずフォローの言葉を投げ掛けてしまう程の悲惨さだったと云う。

 

≫≫≫

…この一件で、ゲームの流れは1-Eの側に大きく傾いた。

 

「華路っィ!!」

 

ぽーーーーーーーーーーーーん…

 

そして、マッチポイントを迎えた1-E。

雪村のレシーブから、この日一番の高いトスをサトルが打ち上げ、

「応よっ!」

 

ダダダッ…

 

コート後方から助走を着けた櫻樹が それに合わせ、この日一番のハイジャンプ。

 

「ふんぬーーーーっ!!」

 

バシィッ!

 

「「「「「「!!?」」」」」」

そこから放たれた高角度のスパイクが、3-A側コートに隕石の如く墜ちていき、

「甘いわ、櫻樹!

ぬぉわぁおぇぃっ!!」

 

バシィィン…

 

これを唯一、反応出来た岡村がレシーブするが、その威力を完全に削る事は出来ず、

 

ぽーーーーーーーーーーん…テンテン…

 

「「「「「「……………。」」」」」」

結果、このボールは特大ホームランとなり、1-E側コートの後方の床に落地。

試合は、サトル達、1-Eの勝利に終わった。

…尚、このプレイが最終的に決着に結び付いたとして、岡村が3-A女子を基、リアスのファン達から批難を浴びたのは、別の話。

 

「何でじゃああぁっ??!(〒Д〒)」

 

▼▼▼

「いやー、惜しかったね~♪」

「嗚呼、プリン…プリンが…」

…但し、サトル達の快進撃も此処まで。

続く3回戦にて、2年生のクラスに惜敗してしまう。

1-E、デザート券、ゲットならず。

そして そのクラスは今回の大会、見事 優勝するのだが、それも また、別の話である。

 

「よし、レーティング・ゲームの前に、良いモチベーションを作り出せたぜ!」

 




 
①今回 登場キャラ
 
櫻樹(さくらぎ)華路(はなみち)…桜木花道(スラムダンク)
雪村楓…茅野カエデ(暗殺教室)
矢田桃花…矢田桃花(暗殺教室)
岡村建一…岡村建一(黒子のバスケ)
 
…のイメージで。
"華路"を一番最初からルビ無しでキチンと読めていたなら、貴方は上級読者。
因みに雪村さんは、過去に一度 登場しています。
 
②実は作者、『ハ〇キュー!!』は一度も読んだ事が無いです。(笑)
 
③全く関係無い話だけど、最近ハーメルン(その他)に貼ってある『異世界魔王と召喚少女の〇隷魔術』のゲーム広告を見て、「え?ソーたん?」…って思ったのは自分だけですか?
 
感想、評価よろしくです。
 


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若手レーティング・ゲーム~2ndステージ~

 
…云うならば、伏線回
 


 

「くそ…だらがぁ…!」

 

リアス、並びにソーナ・シトリーと その眷属達は、明後日から行われるレーティング・ゲームの為、前日から冥界入りしていた。

シトリー領、そのシトリー城の中庭では匙元士朗が、強力な熱線か何かを浴びたかの様に、身体全身を焦がした煤塗れの姿で倒れていた。

 

「ふん。なかなか良い動きだったぞ、小僧。」

「…こんな状態で言われても、嬉しくないんス、けど・ね…!」

そんな匙に、ゲームの前の最終調整として特訓、彼をこの様な姿にした、タキシード姿の長身の男が声を掛ける。

 

「む?この前 新た眷属となった子供が ほぼ毎日、お嬢と一緒に風呂に入ってると知った途端、羨まけしからんと内心 怒り狂うであろう小僧よ、この吾が輩が褒めてやってるのだ。

素直に喜んだらどうだ?」

「悪いがアンタに言われたからこそ、素直になれないんスよ!

…って、会長とレオナルドが?!

何なんスか それ!??

俺 そんな話、聞いてないすよ?

今、初めて知りましたよ?!

…って、マジに何なんスかぁっ!!?

れ、レオナルドぉ~~~~~っ!!」

「ふははははははははは!

だから今、教えてやったではないか!

そして言った通り、その情報を得たと同時、その当人に その怒りをぶつける様な大人気ない真似をする訳にも往かず、脳内で色々と その光景を妄想(イメージ)、それで尚更 不毛に怒りを倍増させている…

その嫉妬の悪感情、美味である美味である美味であーる!!」

「喧しいわ!!…ですよ!」

…この男の名は、バ=ニル。

本人曰く、この世界とは別次元の別世界から流れてきた"悪魔"らしく、本来は人間の"負の感情"…私的には特に羞恥と嫉妬の感情を好んで糧とする、この冥界の悪魔とは全く別の"種"だとか。

しかし この世界に限っては、人間だけでなく悪魔(…や他の種族)の悪感情も「アリ」だとかで、様々な経緯を経て、今は魔王セラフォルー・レヴィアタンの僧侶(ビショップ)兼、シトリー家副執事長という位置に落ち着いていた。

 

「ふははは…

そう言うな、小僧よ。

詫びと言っては何だが、1つ、アドバイスをしてやろう。

今回のレーティング・ゲーム、貴様は その神器(セイクリッド・ギア)だったか?…の使用は、控えた方が吉。」

「はいぃ?!」

それだけ言うと、この白と黒のハーフ&ハーフなデザインの仮面を着けた男は この場を去って行った。

 

「先輩!」「兄ちゃん!」

それと入れ替わりで やって来たのはソーナの兵士(ポーン)で駒王学園1年の仁村留流子。

そして同じく兵士(ポーン)の…先日の修学旅行、【禍の団(カオス・ブリゲード)】の襲撃の際に最終的に保護、その儘ソーナの眷属に転生した元・『英雄派』の少年、レオナルド・ミリオンだ。

 

「先輩、大丈夫ですか~?

…レオ君? 先輩、回復させてあげて!」

「うん!」

ボロボロとなった匙に対しての仁村の言葉に、レオナルドは元気良く返事、自身の神器(セイクリッド・ギア)神滅具(ロンギヌス)の1つである魔獸創造(アナイアレーション・メーカー)を発動させて、1体の赤い海月の様な小型の魔獣を創り出した。

 

▼▼▼

場所は変わり、グレモリー領。

 

「う~ん、折角 禁手(バランス・ブレイカー)に至っていたのは良いが、それは危険過ぎる。

…敵で無く、祐斗…お前自身にな。」

領内中央から少し離れた場所に在る森。

その中に建つ、所謂 和風武家屋敷風の建物の庭で、浅葱色の羽織を着た男が、目の前で大の字で倒れ込んでいる木場に駄目出しをしていた。

 

「力や技の出し惜しみは…しかも、身に付けたばかりの技術なら尚更、本来は するべきでは無く、寧ろ より確実に自分の物とする為、ガンガン使うべき、なのだけどな…

()()だけは、お勧め出来ない。

禁手で無く()()()として、封印すべきだな…」

「………………………。」

木場の剣術の師である この男は、久し振りに顔を見る弟子の新たに習得していた…その破壊力以上のリスクを伴う技に、複雑な顔を浮かべてしまう。

 

▼▼▼

「宜しく お願いしますよ、ケィーチさん。」

「フッ…、宜しくな、若君。」

 

更に場所は変わり、アスタロト領のアスタロト城。

城内鍛練場に足を運んだディオドラと、その眷属数名を待っていたのは、彼の父親、即ち現アスタロト家当主の戦車(ルーク)であり、同家武術指南役を勤めている男。

ケィーチ・サンダー。

赤の闘衣の上に白い鎧を纏った、額と顳顬から計3本の鋭い角を生やしたライオン(ベース)の獣人の転生悪魔だ。

 

「…参ります!」

「さあ、どんと来い!」

 

ダッ…!

 

動きやすさを優先させた、格闘衣を着たディオドラが、獣人ケィーチに徒手での攻撃を仕掛ける。

基本、魔術至上主義の純血悪魔の中では珍しく、ディオドラは魔術だけでなく、近接の素手、或いは武器を使う格闘武術も、戦いに置いて不可欠との考えを持っていた。

それは偶々、自分の下僕に魔封(マジック・キャンセル)の術を持つ者が居り、魔力攻撃を無効化された時の、その必要性を理解しているからだ。

そして何より、現在 同世代で最強と呼ばれる男が、()()()()()()()()() その地位を築いているからに、他ならない。

 

≫≫≫

 

ずどん…っ!

 

「よし、今日は此れ迄だ。」

「…………………………………。」

暫くした後、ケィーチは本日の訓練の終了を告げると、ディオドラの返事を聞く事無く、その場を立ち去った。

 

「「「ディオドラ様っ?!」」」

「マスター!?」

その後、共に訓練をしていたジャンヌやゼノヴィア達が、()()()()()()()()()()()()()()()、身動きが取れないディオドラを、必死に掘り起こすのだった。

 

▼▼▼

翌日。

 

「「「これが、ラ〇ュタ…」」」

「ん、違うからね。」

「うむ。人間の転生悪魔"あるある"だな。」

「そーゆー貴女も、初めての時は同じ事を言っていましたね。」

「黙れ。」

ディオドラは眷属を引き連れ、大公アガレス領に来ていた。

夏休みに続く、若手悪魔レーティング・ゲーム2ndステージとでも言うべきか…の第2戦は、このアガレス領の上空に浮かぶ、浮遊島都市アグレナス…レーティング・ゲームの"聖地"と呼ばれる その地で、明日から3日連続で行われるのだ。

この年の6~7月に悪魔に転生したばかりのゼノヴィア、イリナ、祐理の3人は、初めて見る この浮遊島を見上げると、示し合わせた訳で無いのに揃って同じ台詞を口にして、それをジャンヌが軽く突っ込み。

ヨシコ、そしてイヴによれば、その反応は、人間の(特に日本人の)転生悪魔の様式美(おやくそく)らしい。

 

夏休みに行われた第1戦は、地上波で流すには問題が有る場面も有り、一部カットされていたにも拘わらず、高視聴率、高評判を得ていた。

大会運営管理者は当初、「所詮はプロデビュー前の若手のゲーム。大王家や大公家、魔王様の出身家系でなければ、こんな大々的にプロモートなんかしない。」…等と思っていたが、この結果に簡単に掌返し、「よし、次は聖地だ!」と、更なる利益を期待。

テレビ放送だけで無く、大量に観客を収容出来る、この聖地のスタジアムでの開催を決めたのだった。

 

≫≫≫

「お待ちしておりました、ディオドラ様。」

ゴンドラを利用して空中都市に到着したディオドラ達を、一足先に現地で待機していた大会運営のスタッフが出迎える。

このスタッフが運転するリムジンバスで、ディオドラ達はスタジアムすぐ側のホテルに向かう。

 

≫≫≫

…それから約30分後。

 

「「「こ…これが、ラピュ〇…」」」

「〇ピュタは本当に あったのデスネ、堀井君!」

 

▼▼▼

その後も若き(キング)達は次々と現地入り。

役者が全員揃った時点で、ホテルでの合同記者会見が始まった。

 

≫≫≫

「あ゙? 戦んのか?このクソガキ?」

「上等だ、このヤンキー野郎!

明日のゲーム、王様不在の不戦敗にしてやるよ!」

「んだとテメー!

むっ殺すぞ ゴラ゙ァッ!!?」

「ちょ…2人共、止めなって!」

「…静かにしろ。

この場は戦う場では無い。

それ以上 騒ぎ立てるなら、俺が無理矢理に黙らせるぞ。」

「「…………!!?」」

…明日からのゲームに対する意気込み等を答える中、一部の者による乱闘寸前、一触即発な空気にも一時なりはしたが、それでも何とか それは収められ、会見は一度は無事に終了した。

 

≫≫≫

会見終了後は各自、ゲーム運営側が用意した部屋に宿泊。

基本、(キング)は個室で、残る眷属達は数人ずつの部屋分けなのだが、

「「「「「「「「「「ディオドラ様~~♪」」」」」」」」」」

「「「「「マスター!」」」」」

「…主よ。」

「ちょ…ちょっと待って!

流石に皆 一度は無理だって!

僕は6人が限k…あっーーーー?!!」

ディオドラ眷属全員が、主の部屋に押し掛けたのは言うまでも無く。

 

▼▼▼

「…何だか顔色が悪いが、大丈夫か?

良かったらプロテイン、飲むか?

カレーとナポリタン、それとコンポタ、どれが良い?」

「あ、ありがとう…それじゃ、ナポリタン…」

「何なのですか…その、マニアックな味は?」 

 

翌日。

スタジアム内のVIPルーム、若手が集まった部屋にて、搾られたかの様に窶れたディオドラを、サイラオーグが心配そうに声を掛ける中、この日のゲーム、シークヴァイラ・アガレスvsゼファードル・グラシャラボラスの対戦が始まった。

今回は単に(キング)を撃破すれば良しの通常ルールでなく、『オブジェクト・ブレイク』と呼ばれる変則的ルール。

この、戦闘力よりも どちらかと言えば戦略が重視されるルールを、シークヴァイラが勝利を治め、2ndステージの初日は終了した。

 

▼▼▼

 

カチャ…

 

「「お邪魔しま~す♪」」

「よ。今日も失礼させて貰うぜ。」

更に次の日。

若手の部屋に眷属数名を連れ訪ねてきたのは、ライザー・フェニックス。

彼も昨日から招待されており、若手達とは別の部屋でゲーム観戦していたが、今日は元・婚約者が居ないからか、また若手悪魔の部屋に遠慮無く顔を出してきた。

 

「別に構いませんが、プロとしての解説、お願いしますよ?」

「フッ、任せておけ。」

 

 

▼▼▼

 

※※※

 

◇コヤス・サン◇

さあ、そんな訳でリアスvsサイラオーグのゲーム、地上波放送前の実況速報だ!

 

◇セイジョ☆スキー◇

ネタバレ注意!

テレビを観る前に結果を知りたくないヒトは、スルーしてね!

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

続く!

 

 




 
①レオナルド君はソーナ眷属に。
アマテラス様の粛清は免れました。
 
②バ=ニルの容姿はバニル(このすば!)のイメージで
 
③ケィーチ・サンダーの名前の元ネタは、プロレスラーの山田恵一氏。
 
次回、ついにリアスとサイラオーグが激突!
感想、評価よろしくです。
 


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リアスvsサイラオーグ①

 
サトル「……………………。orz」
 


 

わーわーわーわーわーわーわー…

 

空中浮遊都市アグレナスに在る巨大スタジアムのアリーナは、熱狂の渦が巻き乱れていた。

観衆の目当ての殆どは、若手悪魔実力No.1の呼び声高い、サイラオーグ・バアルの勇姿である。

夏のゼファードル・グラシャラボラスとのゲームでは、彼が戦闘をこなす前に、あっさりと終わっていた為、『今度こそ その場面を…』の期待が高かった。

 

『…来場の皆様、御待たせ致しました。』

そんな中、闘技台の真ん中に、派手な色彩のスーツを着た1人の男が姿を見せ、客席に向けて、マイク越しに語り出した。

 

うぉおーーーーーーーーーーーーーっ!

 

それに呼応した大歓声の中、男は今回のゲームの実況担当となった自身や、その横で解説や審判を務める、レーティング・ゲームの世界にて『皇帝』、そして『魔術師』の二つ名を持つランキング・プレイヤーの紹介。

続けてサイラオーグとリアスのチームメンバーの紹介がされ、最後に今日のゲームのルール説明が始まった。

 

『…昨日のシークヴァイラ・アガレス選手とゼファードル・グラシャラボラス選手は、【オブジェクト・ブレイク】のルールで争って頂きましたが、今回のサイラオーグ・バアル選手対リアス・グレモリー選手の対戦は…』

アナウンスの男は途中、勿体振るかの様に一度 間を開け、

『…【ダイス・フィギュア】で競って貰います!』

 

うっおぉおおぉーーーーーーーーっ!!

 

試合形式を告げると同時、客席からは更なる歓声が巻き起こった。

 

 

☆☆☆

 

【ダイス・フィギュア】

各チームが闘技場に設置された両端の陣営に別れ、その場に用意された賽子(ダイス)を振り、その賽の目の合計に相当する"駒価値(※)"の眷属を中央闘技場に送り出し、戦わせる。

当然、その戦闘で敗れた者は失格(リタイア)

これを繰り返し、最終的に(キング)を撃破したチームの勝ちとする。

駒価値内の数値であれば、複数の選手を出すのも可能。

但し、同じ選手を連続で出場させる事は不可。

そして複数の駒を用いて転生した選手の駒価値は、その駒の数に比例する。

 

※駒価値

兵士(ポーン)…1

僧侶(ビショップ)…3

騎士(ナイト)…3

戦車(ルーク)…5

女王(クィーン)…9

(キング)…大会運営が設定

 

☆☆☆

 

『…つまり、例えばリアス選手の兵士(ポーン)、兵藤一誠選手の場合、転生に駒8ヶを消費していますので、駒価値"8"の扱いとなります。

そして今回、大会運営側が設定した、(キング)、サイラオーグ選手とリアス選手の駒価値ですが…

 

▼▼▼

「…成る程な、サイラオーグが"12"で、リアスが"10"か。

まあ、妥当と言えば妥当だが…」

若手悪魔が集うVIPルームで、試合のルール説明を聞いていたライザーが、微妙な顔をする。

 

「納得…往かないと?」

「ん~、あくまでも私観だが、2人の差が たった2しか開いてないってのがな…」

「成る程。サイラオーグの駒価値を最大数である12にするのは当然として、リアスを10にすると云うのは…」

「ああ。俺からすれば、高く見積り過ぎだ。

しかし、女王(クィーン)を最初に9と設定してるから、その主である(キング)をそれ以下に設定するのは体裁が…って処だな。」

「「「「「「「あ~~~~~…」」」」」」」

ライザーの説明に、納得する一同。

 

「どちらにしても、この高評価(笑)が、ゲームに どう影響するか…だな。」

 

▼▼▼

 

※※※

 

◇コヤス・サン◇

さて、いよいよ両者がサイコロを振り、出た目はサイラオーグが③、リアスが⑤の合計⑧だ!

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

両陣営が作戦タイム。

誰が出るかの予想を読唇術で防止する為、画面に映る人物の口は、【DxD】の謎のロゴ?で隠されているわ。

 

◇名無しの悪魔◇

普通にモザイクじゃないのか

 

◇名無しの悪魔◇

いや、口元をモザイクって、ガチにヤバイだろ(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

くわえてる感じに見えるから?

 

◇名無しの悪魔◇

止・め・ろwww

 

◇名無しのゴ○ーちゃん◇

♪大~きなイチモツを下さい~!♪

 

◇名無しの悪魔◇

ぶっふぉわあっ?!

 

◇名無しの悪魔◇

だから止めろってwww

 

◇名無しの悪魔◇

ででーん!全員、アウトー!

 

◇名無しの悪魔◇

あれは卑怯過ぎたwww

 

◇コヤス・サン◇

お前等全員、タイキックだwww

作戦タイムが終わり、中央の闘技台が魔力ドームに包まれて内部の造りが一変。

崩れた建物の中みたいに変わったぞ。

そして、両陣営から送り出されたのは、サイラオーグ側が軽装鎧の優男と ひょろ長い図体の大男。

ありゃ確か、騎士と戦車だったな。

そしてリアス側は、出たぞ!

あの鎧カッブルだ!

当然、仲好く手を繋いでの登場だ!

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

あの2人の登場に、場内は大歓声よ

 

◇セイジョ☆スキー◇

ん~、あの2人、デビューのインパクトが強かったからね(苦笑)。

 

◇名無しの剣姫◇

………。

 

◇名無しの悪魔◇

いやいや、アイズたん、『…。』なら、それをわざわざ打ち込まなくても良いですよ

 

◇名無しの悪魔◇

いや、気持ちは分かる(笑)。

アイズたん前回、あの2人のダブルアーツで負けたからね。

 

◇名無しの悪魔◇

ダブルアーツ!

 

◇名無しの悪魔◇

ダブルアーツ!

 

◇名無しの悪魔◇

って、アイズたんなのバレバレなのに草www

 

◇名無しの狼牙◇

うるせーぞ!正体ばらすのは違反だろーが!

 

※※※

 

 

≫≫≫

『サイラオーグ・バアル選手の戦車(ルーク)戦線離脱(リタイア)です。』

「ふぅ~…」

「ヘビーな戦いでシタ。」

リアスとサイラオーグの初戦(ファースト・バトル)は、互いに騎士(ナイト)&戦車(ルーク)の組合せのバトルとなり、結果から言えば このカードは、リアス眷属の堀井大和&スーザン・バックマイヤーのペアに凱歌が上がった。

サイラオーグの騎士(ナイト)神器(セイクリッド・ギア)で操る重力場に翻弄されながら、スーザンと堀井が2人のコンビネーション技"双円武(ダブル・アーツ)"で この騎士(ナイト)を撃破。

残る戦車(ルーク)も、その長身の体を更に巨大なドラゴンに変化しての、踏み付けや尻尾による叩き付け、炎の吐息(ブレス)に苦戦を強いられるも、最後は やはり2人の射弓技で、辛くも倒す事が出来たのだった。

そして この巨漢が姿を消した後、堀井が石床に落ちている鏑矢を拾い上げて自らの(あたま)に突き刺し、

『…これにより、このバトル、リアス・グレモリー選手側の勝利となります!』

審判から この鎧カッブルの勝利を告げるコールと同時、2人も戦場(フィールド)から姿を消した。

 

≫≫≫

「スーザン、ヤマト、2人共お疲れ様。」

「どうも。」

「アリガトウ、ゴザイマスタ。」

自陣に戻ってきたスーザンと堀井に、リアスが労いの言葉を掛ける。

 

「ナイスファイトでした。」

「本当に2人共、凄かったぜ!」

「はぃ~!」

「お見事でしたわ。」

リアスだけでなく、残る眷属達も、勝利した2人に称賛の言葉を送る。

 

『さあ、それでは次のバトルに移りたいと思います!

(キング)の2人は、賽子(ダイス)をお願いします!』

「…………………。」

そして初戦の勝利の余韻に浸る中、実況担当から次のバトルの選出を決める要請が。

これを不躾と思いながらリアスが、そして反対陣営でサイラオーグが賽子(ダイス)を振り、

『おぉっとぉ?! 出た目は両者、共に⑥!

合計で駒価値⑫の選手を戦場(フィールド)に送り込む事が出来ます!』

 

わぁあああぁ~~~~~~っ!!

 

このアナウンスに、スタジアムの観客は大熱狂。

 

「まぁ、こんな空気だったら、余程 外さない限りは、何を言っても沸くよな?」

兵藤が そう呟いている時、反対陣営のサイラオーグがマイクを取り、場内に向けて話し出した。

 

『先に言っておく!

折角の最大数が出たんだ。

次は、この俺が出る!』

「「「「「!!?」」」」」

 

おおぉーーーーーーーーーーーっ!!

 

『おおっとぉ?! サイラオーグ・バアル選手、まさかの自らの出場宣言!

場内の歓声はリミット・ブレイクか?!』

『序盤で(キング)が前に出るのは、通常は有り得ませんが、ダイス・フィギュアのルールなら、少し変わってきます。

彼の言った通り、ダイスが最大にならないと彼自身は戦場(フィールド)に出られない…(キング)が出る機会が無い事も有りますが、これは初戦を落としていますので、最大戦力を投入する事で、流れを変える狙いも窺えますね。』

『成る程~!しかし これで彼が敗れたら、それで終わりですが?』

『それは『絶対に無い』と云う、サイラオーグ選手の、自信の表れでしょう。』

『さぁて、これに対して、リアス・グレモリー選手、どう出るか?』

サイラオーグのマイク・アピールに、リアス達は驚愕、スタジアム内は更なる大歓声で沸き上がり、放送実況席が それを更に煽り立てる。

 

「…サイラオーグの性格上、ああ言った後、実は他の下僕を出しました…なんて事は、絶対に無いわ。」

「でも、それで こっちも王様(ぶちょう)が出ないといけない…って事は、無いですよね?」

そしてリアス達は、それに対して誰が出るかを話し合う。

 

「ええ。それで此方は…単純に③+⑨…僧侶(ギャスパー)女王(あけの)って組合せも有るけど、残念だけどサイラオーグには、ギャスパーの時間停止は通用しないわ。」

「実質、アケノサンだけでスネ。」

「う、あぅ~…」

戦力外扱いされ、思わず凹んでしまうギャスパー。

 

「…祐斗、イッセー、お願い出来るかしら?」

「「はい!」」

 

 

≫≫≫

 

※※※

 

◇コヤス・サン◇

また舞台が変わったぞ。

宇宙空間に巨大なチェス盤が浮かんでいる様な、そんなステージだ。

そして1人、選手が現れた…

サイラオーグが宣言通りに登場だ!

…て、相変わらず凄い筋肉ってか、夏より更にビルドアップされてるぞ。

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

胸、腕、脚…特に首なんかは、夏の時とは完全に別人ですね

 

◇名無しのジェミニ(長女)◇

すごーい!

 

◇名無しのジェミニ(次女)◇

かっこいー!

 

◇名無しの悪魔◇

兄貴!

 

◇名無しの悪魔◇

兄貴、キター\(゚∀゚)/ー!!

 

◇セイジョ☆スキー◇

尤も あれだけ宣言しておいて、騎士と僧侶の組み合せとか出した日には、ブーイング必至だけどね。

対するリアス側は、木場君とセイハンザイシャだ!…って、ぅゎぁ…

 

◇名無しの悪魔◇

どうしました?

 

◇セイジョ☆スキー◇

木場君への声援と、セイハンザイシャへのブーイングが入り交じって、凄い事になってる。

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

それでセイハンザイシャが客席に噛み付き、尚更ヒートアップよ

 

◇名無しの悪魔◇

なんか、悪役レスラーみたいだな(笑)

 

◇名無しのブラックドラゴン◇

おう、しかも「ガッデム!」の人みたいでなくて、ガチに嫌われてる風な感じだぜ。

兵藤、ざまあwww

 

◇コヤス・サン◇

あのセイハンザイシャは前回のゲームで、実は赤龍帝ってのが発覚したと同時、一部で『えろ龍帝セクハラ・ドラゴン』の二つ名が定着しつつあるからなぁ…

 

◇名無しの運対常連◇

一部って、このスレでしょ?www

 

◇名無しの悪魔◇

他に無いしwww

  

名無しの悪魔◇

テレビじゃ『あの場面』、全カットされてたのにねぇ…(笑)

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

おのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャ…

 

◇名無しの薔薇騎士◇

おのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャおのれセイハンザイシャ…

 

◇名無しの悪魔◇

なんか、増えてるし…(笑)

 

◇コヤス・サン◇

ゲーム開始だ。

リアスの下僕2人が神器を発動、二手に別れ、サイラオーグを中心に旋回しながら徐々に距離を縮めているぞ。

 

◇セイジョ☆スキー◇

セイハンザイシャ、左腕の籠手から、ドラゴン波みたいなの出した!

…けど、サイラオーグ、それを気合みたいな一喝で、かき消しちゃった。

あれは結構、強烈な攻撃だと思ったけど…

 

◇コヤス・サン◇

そしてサイラオーグがセイハンザイシャに突進、左のハラパンからヘッドバット、そこから完全に体勢を崩したセイハンザイシャの頭を捕まえ、DDTだ!

 

◇セイジョ☆スキー◇

う~ん…

あーゆー石盤とかの上でプロレス技…特に頭から落とす技って、良くないと思うのですが…

 

◇名無しの悪魔◇

何か、凄く身に覚えのある様な言い方だなあ(笑)

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

続く!

 




 
マジに兄貴!の3期と4期のMuscleは別人だと思う。
え?キャラの顔作りが全体的に?
まあ、そういう声も有りますねえ(笑)。
 
感想、評価よろしくです。
 


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リアスvsサイラオーグ②

 
兵藤&木場vsサイラオーグ!
 


『始めっ!』

チェス盤の様な模様の闘技台中央、銀髪の悪魔(おとこ)が右手を上げ、戦闘開始の合図。

 

「行くよ、兵藤君!」

「応よ!!」

それと同時、グレモリーを象徴するかの様な、紅の上着の燕尾服を着た兵藤と木場は二手に別れ、

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)!」

『BOOST!!』

魔剣創造(ソード・バース)!」

其々が神器(セイクリッド・ギア)を発動させて、サイラオーグと対峙する。

 

「フッ…」

それに対してサイラオーグは不敵な笑みを溢し、2人の狙いを察したのか、()()()闘技台中央へ歩を進め、審判の男は それに合わせ、闘技台角に移動。

 

「ちぃっ、完全に誘ってやがる!」

「くっ、舐められたもんだね!」

2人の攻撃に興味津々な態度を隠そうとしない、"待ち"の姿勢の敵の(キング)を中心に、闘技台の角、対角線に位置取ったリアスの兵士(ポーン)騎士(ナイト)は舌打ちしながら、始めは ゆっくり、しかし徐々に速度を早めながら時計回りに動き、不動の構えを取るサイラオーグとの間合いを詰めていく。

 

≫≫≫

『BOOST!…EXPLOSION!!』

「よし、溜まった!」

殆ど正方形な形の闘技台の内側を円の動きで動く兵藤と木場。

試合開始から約1分、兵藤の神器(セイクリッド・ギア)赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)から通算 幾度目かの電子音の様な声が発せられ、それに満足した表情を浮かべた兵藤が足を止め、赤い籠手を纏った左拳をサイラオーグに突き出す構えを見せる。

 

「喰らえ! ド・ラ・ゴ・ン…波ァッ!」

 

ドッゴォォォッ!

 

そして、その左腕…赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)から、強力な赤い魔力の光弾が撃ち放たれた。

 

⇒⇒⇒

 

…『ドラグ・ソボール』なる漫画(コミック)が在る。

週刊少年誌の連載は30年近く前に終わっているにも拘わらず、未だ何度もアニメがリメイクして放映され、多くの作家が原作者監修の続編やスピンオフ作品を世に出す人気作品だ。

兵藤は所謂リメイク世代であるが、この作品の熱狂的ファンだった。

そして今、この男が放った『ドラゴン波』なる魔弾は、本来は件の作品の主人公の少年、空孫悟が使う、所謂"氣"と呼ばれる体内に宿るエネルギーを武器として撃ち放つ、作品内でも代名詞とされる必殺技である。

兵藤は それを自己流に模倣・アレンジした上で、悪魔としての魔力を己の神器(セイクリッド・ギア)を介して増幅、破壊エネルギーとして放つ、自分の技として身に付けていた。

…尚、空孫(そらまご)(さとる)神代(カミシロ)聡琉(サトル)、下の名の読み方は同じだが、関連性は何一つ無い。閑話休題。

 

≫≫≫

 

ドッゴォォォッ!

 

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)から撃ち放たれた、赤い魔力の光弾が、サイラオーグに迫る。

しかし、この遠距離砲は、

覇阿(ハァ)ッ!!」

 

シュゥン…

 

「げ?!」「まさか!?」

動じる事の無いサイラオーグの一声…気合いの籠った雄叫び一喝で消滅した。

これには兵藤は勿論、その威力を知っている木場も驚きの余り、足の動きを止めてしまう。

 

ダッ…!

 

「……!!」「…しまっ…?!」

そして この攻撃が引き金となり、今まで不動だったサイラオーグが動き出す。

見るからにパワー重視な、全身筋肉の塊の表現が似合う体とは思えない様な鋭く素早い踏み込みで、一気に兵藤との間合いを詰めた若手最強と呼ばれる漢は、

 

ドス…ガンッ…!

 

「うぉ…!?」

左拳を相手の鳩尾に埋め、直後に頭突き。

更には その一撃で意識が半分飛んだ兵藤の頭を脇で挟む様にガッシリと捕まえると、その儘 大きくジャンプ。

 

ずどぉっ!

 

「が…」

サイラオーグが背中受け身を取る要領で着地すると同時、兵藤は脳天を石盤に突き刺すかの様に痛打してしまう。

 

「ひょ…兵藤君!?」

 

ダッ…

 

それを見た木場が、慌てて今までの円の動きから一転、魔剣を構え、サイラオーグに一直線に特攻するが、

 

ぶん!

 

「!?」

サイラオーグは それを迎撃するかの様な、回し蹴りの一閃を放つ。

しかし木場も これに反応、バックステップで回避。

その隙に兵藤も頭を押さえながら起き上がり、サイラオーグから距離を開けた。

 

「どうした、もう 終わりか?」

「「………!!」」

余裕…否、自信の表れのサイラオーグの台詞に、リアス眷属の2人は顔を歪める。

 

「くそ…、あれでも まだ足りないのか…」

兵藤の神器(セイクリッド・ギア)である赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)は、発動後、所持者の能力(チカラ)を10秒毎に倍加させる能力を持つ。

そして今の兵藤では6回の倍加、即ち64倍に迄 引き上げるのが限界であり、それによる全力の一撃が気合いだけで消されたショックで、肉体以上に精神にもダメージを負っていた。

 

「…戦闘中に考え事か、赤龍帝!?」

「…!しまっ…?!」

そんな兵藤に再び、サイラオーグが猛追。

 

ドガァッ!

 

「わぁぁあ~!!?」

兵藤の腹に、今度は右の拳をアッパー気味に突き上げる。

それにより上空、遥か宇宙(そら)の彼方まで吹き飛ばされる兵藤。

 

「…よくも!」

 

ダッ…!

 

斬!斬!斬!

 

これに、仲間の仇とばかり、木場が魔剣でのラッシュを仕掛けるが、

「なかなか素早く、その1つ1つが丁寧な、良い攻撃だ。…しかし!」

それをサイラオーグは悉く躱し続け、

「でぇいやぁ!」

 

斬!!

 

「な…??!」

気合いの雄叫びと共に放った渾身の一撃ですら、何の防具を着けていない、生身の左腕でのガードで受け止められてしまう。

当然、サイラオーグの腕には傷1つ付いていない。

 

「…しかし、余りにも、軽過ぎる!」

 

どん!

 

そして放たれる右の正拳突き。

 

「うわぁあっ!?」

これを正面から まともに胸元に受けた木場も、チェス盤の中心から盤面角まで飛ばされた。

 

スタスタ…

 

そしてサイラオーグは、無言で数歩、右へ移動すると、その場で右腕を真横に振り抜く。

 

バキィッ!!

 

「がぇっ…?!」

すると其処には丁度、この男が先程 真上に打ち上げ、錐揉みで墜ちてきた兵藤の顔面が在り、その拳が直撃。

今度は真横に飛ばされて石盤(じめん)に叩き付けられ、数度バウンドした。

 

『リアス・グレモリー選手の兵士(ポーン)戦闘不能(リタイア)です。』

 

 

≫≫≫

 

◇コヤス・サン◇

えろ龍帝退場で、観客席大盛り上がりwww

 

◇セイジョ☆スキー◇

ついでに この室内観戦の場でも、女性陣が凄い喜びようだよ(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

でしょーねーwww

 

◇名無しのNT◇

ふん!良い気味だ、俗物が!!

 

◇名無しのブラックドラゴン◇

ざまぁwww

 

◇セイジョ☆スキー◇

さて、ゲームだけど、また木場君が距離を置いて、剣を構えて魔力を集中。

何か大技?を狙っている感じだけど、サイラオーグは それを妨害とかする事無く、受けて立つ姿勢だ。

 

◇名無しの眼鏡(メロンの方よ)◇

木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん(はぁと)

 

◇名無しの聖騎士(元)◇

う~む…。私から言わせれば、サイラオーグ殿の あの余裕な真似は、戴けないな。あのキバユート、何やら すんごい事をしでかす気がするぞ。あの鬼畜男の恐ろしさは、私が一番よく知っている心算だ。

 

◇セイジョ☆スキー◇

ん。キミは少しだけ、黙っていようか。

 

◇名無しの悪魔◇

ララティーナ可愛いよ、ララティーナ!

 

※※※

 

≫≫≫

「……………………………。」

木場祐斗は内心、焦っていた。

サイラオーグを前にして、兵藤が退場(リタイア)

その前に自分が繰り出した、渾身の斬劇を、事も在ろうに生身の腕で、受け止められてしまったのだ。

 

「全く…どんな鍛え方したら、そんな筋肉に なるんですか?」

そんな彼にとって、サイラオーグに有効打を与えられるであろう、そんな手段は最早1つしか残されていないに等しい。

 

 

 

う~ん、折角 禁手(バランス・ブレイカー)に至っていたのは良いが、それは危険過ぎる。

敵で無く、祐斗…お前自身にだ。

 

 

 

力や技の出し惜しみは…しかも、身に付けたばかりの技術なら尚更、本来は するべきでは無く、寧ろ より確実に自分の物とする為、ガンガン使うべき、なのだけどな…

()()だけは、お勧め出来ない。

禁手で無く()()()として、封印すべきだな…

 

 

「…………………………。」

数日前の、剣術の師の言葉を思い出す木場。

 

「沖田師匠(センセイ)

残念ですが この悪魔(ヒト)は、技の出し惜しみなんかして勝てる程、緩い(ヒト)じゃあ、無いんですよ!」

そして意を決し、改めて目の前の最強の若手悪魔(おとこ)を見据え、改めて魔剣を構え、魔力を集中させる。

 

「ほう? 手詰まりと思っていたが、どうやら まだ、奥の手が残っているみたいだな?…面白い!」

それを見たサイラオーグは、それを邪魔する事無く、受けて立つ構えを見せた。

そして、

「…禁手化(バランス・ブレイク)!」

 

カッ!

 

木場の魔剣が眩しい光を放ち、禍々しく変化。

 

「【死を齎す魂喰い(ソウル イーター・デス ブリンガー)】!!

全ての者に死を撒き散らす最凶最悪の暗黒の剣の力、その身で受けて貰います!」

漆黒の両刃には、血管を連想させる赤いラインが脈打ち、やはり漆黒を基調とした柄には、動物の骨の様な、汚れた白の装飾が施されている。

 

「…っ!?」

そして、この禁手(バランス・ブレイク)の魔剣を構えた木場は、強烈な眩暈と脱力感に襲われる。

 

「クッ…長くは…持たない…!」

死を齎す魂喰い(ソウル イーター・デス ブリンガー)…この魔剣の最大の特性は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()処に有った。

だからこそ、木場の師も封印を勧めていたのだ。

 

「うおぉぉ…」

それでも尚、木場は魔剣に、自分の命を吸わせ続ける。

 

「…………………………。」

そしてサイラオーグは、それを黙って見ている。

彼も既に、木場が自らの生命を魔剣にチャージしている事には気付いていた。

それで繰り出される攻撃は、半端な威力で無い事は、容易に想像出来る。

今 此処で攻撃を仕掛ければ、技の発動は中止、木場は無駄に生命力を消費したに過ぎなくなる。

…が、この漢は そんな選択肢は持ち合わせていない。

生命(いのち)を賭けて放つ技。

自分に それ程の価値を示してくれた戦士に、ならば その全てを受け止め、その上で斃す。

それが目の前の男の覚悟に対する敬意として、選んだ答えである。

戦う者としては甘い発想かも知れないが、しかし この思考が、今の この漢を作り上げた要因でもあった。

そして、

 

黒い断頭台(ギロチン・スラッガー)!!!!」

 

ブゴォォォォォォオッ!!!!

 

木場の一刀両断の振りから放たれた、巨大な黒い衝撃波が、サイラオーグ目掛けて襲い掛かった。

 




 
♪さあ今こそ命を賭けて進み出す時
思いが強い程 強くなる♪
(ガイドライン使用)
 
次回、リアスvsサイラオーグ、決着!
 
感想、評価よろしくです。
 
…って、お気に入り増え増えなのに、評価が下がるって…orz
そんな訳で、
感想、評価よろしくです。(2回目)
 


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リアスvsサイラオーグ③

 
今回の伏線…16話と40話。
 


 

ブゴォォォォォォオッ!!!!

 

木場の放った黒い衝撃波が、サイラオーグに迫る。

 

「ふっ!」

これを見たサイラオーグは不敵に笑うと、腕を十字に重ねるクロスガードの構え。

躱すという選択肢は無い。

必ず この技を凌ぎきると云う、完全防御の姿勢だ。

 

覇阿(ハァ)ァッ!!」

 

ヴォッ!

 

更には精神を集中させた気合いの掛け声と共に、体内の闘氣を解放。

サイラオーグの全身が、金色の光に包まれる。

 

「まるで、(ハイパー)ヤセイ人みたいだぜ…」

「はっはは! だとしたら、彼の強さも納得だよ!…因みに この会話、0.01秒!」

「「「「「嘘ぉっ?!」」」」」

若手悪魔が集まる部屋で、匙とディオドラが、そしてソーナ、シークヴァイラ達が、この姿を漫画(コミック)ドラグ・ソボールの登場人物に例えながら話す。

 

ドッガァアアアアアアアアンンッ!!

 

そして遂に、黒い衝撃波がサイラオーグに直撃。

 

「………………。

残念、だったな…。」

「………………!??」

結果、サイラオーグは その攻撃に耐えた。

倒れる事無く、クロスガードの構えで、確と立っていた。

但し、闘氣のバリアでガードしていたにも拘わらず、身に着けていた闘衣はズタズタとなり、体全体も血塗れの状態である。

それは一応は、この男の肉体の防御を撃ち破り、攻撃が届いた証明では有った。

 

「…くっ!」

それを見て、木場は顔を顰める。

生命力(いのち)を削り、必殺の心算で繰り出した一撃で、仕留められなかったのだ。

既に禁手(バランス・ブレイカー)は解除され、通常の魔剣を杖代わり、肩で息をしながら立つ彼には、次に放てる技も、それを実行する事が出来る体力も、残っていなかった。

 

「…先に、謝罪しておかなければならない。」

「…???」

そんな木場に、ガードを解いたサイラオーグが話し掛ける。

 

「俺にとっては このバトル、本命は赤龍帝だった。

夏のディオドラとのゲームで覚醒した赤龍帝。

今回の、ヤツを擁するリアスとの対戦が決まった時、そして実際に俺の前にヤツが現れた時、俺は あの悪名高き二天龍の一角と闘えるのだと歓喜した。

あの夏のゲームから2ヶ月。

如何に転生して数ヵ月とは云え、伝説のドラゴンに目醒めたからには、2ヶ月も有れば、想像を絶する強者となっており、俺の前に立ってくれるだろう…と。」

「……………………。」

そしてサイラオーグの言葉を、木場は黙って聞いている。

 

「しかし結果は…自分が勝手に期待していた事も有るが、ヤツは想像以上に想像以下。

だが、リアスの騎士(ナイト)よ!

貴様は そんな俺の喪失感を払拭し、俺の期待以上の技で応えてくれた!

赤龍帝にだけ注視し、オマケ程度に視界の端に留めていたに過ぎなかった、非礼を詫びよう。

そして礼を言うぞ!

よくぞ俺を、此処まで昂らせてくれた!

今の一撃、見事だったぞ!!」

「ふふ…誉め過ぎですよ?」

「名を、聞いておこう。

リアスの騎士(ナイト)よ。」

「木場…リアス・グレモリー様の騎士(ナイト)、木場祐斗です。」

「ならば木場祐斗よ!

察するに貴様は もう、これ以上 戦える力は残っていまい!

だが俺は、手を抜かん!

それが貴様という男に対する礼儀だ!」

「それは…どうも…

確かに僕は もう、品切れのガス欠寸前ですけどね…。

それでも…不様でも醜くとも、せいぜい抗わせて頂きますよ!」

「ふっ…、よく言った!」

 

ザザッ!

 

会話の後、2人は再び拳と剣を構える。

 

ブォオォッ!

 

サイラオーグが闘氣を全開。

そして体中から放つ金色の光を、己の右拳へと集中させていく。

 

「これが…これが今の俺の、最強最大の必殺拳だ。」

 

ダッ…!

 

黄金に輝く拳を見せつけたサイラオーグが、木場に向けてダッシュ。

カウンターの迎撃を狙う木場…実は そんな体力すらも残ってない木場に対して、右拳を振り抜くと同時、木場は その場から姿を消した。

 

『リアス・グレモリー選手の騎士(ナイト)戦線離脱(リタイア)です。』

 

≫≫≫

「……………………………。

おいディオドラ、気付いたか?…って、ディオドラ??」

「う…うおぁ~っ!木場君ん~!!」

「木ぃ~場ぁ~あっ!」

「「「「「木場きゅ~~ん!木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅう~~ん!!!!」」」」」

「「ぅぅう…先輩君~!」

        殿お~っ!!」「……………………………………。」

ライザーがディオドラに話し掛けようとした時、そのディオドラは号泣。

ディオドラだけでなく、彼やソーナ、シークヴァイラの眷属達も、大号泣していた。

 

「やれやれだぜ…。」

そんな光景に、ライザーは苦笑。

今の決着…

()()()()()()()()()()()()()()()()()()() ()()()()()()()()()事について検証しようと思っていたが、それ処では無い様だ。

 

「…とりあえず、速報だな。」

そう言ってスマホを手にするライザー。

 

「な…何だと…

所持者の生命力、体力を喰らう魔剣…だと?!

そんな剣を手にしたら…

そして今の、サイラオーグ殿の一撃…

あの様な攻撃を喰らえば…?!

はぁぅう! そ、想像しただけで…

ハァハァ…(;゚∀゚)=3 」

…そんな中、()()だけは、平常運転だった。

 

▼▼▼

「バカな子…

後で、説教よ…!!」

…この結果に、リアスは憤慨していた。

敗北に…では無い。

無論、それも悔しくは有るが、彼女の怒りの原因は、他に有った。

 

「バカよ、貴方は…

誰が何時、命を削る様な…そんな危険な技を使えって、言ったのよ…」

勝つ為…相手が生半可な攻撃が通じないとは云え、己の生命力を消費する、その木場が執った戦闘スタイルに、だ。

最後はサイラオーグの一撃が直撃する直前、(キング)の権限で強制退場(リタイア)させ、大事になるのは回避出来たが、その自らの命を軽視する姿勢に、リアスは悲しみと怒りを隠す事が出来なかった。

 

「…勝つわよ、皆!!」

「「「「はい!!」」」」

しかし その木場の覚悟は、残ったグレモリー眷属の戦る気に、更なる火を点す結果となる。

 

≫≫≫

『さあ、出た目は⑤と④!

駒価値 合計、9の選手を送り込む事が出来ます!』

そして、次に両(キング)が振った賽子(ダイス)の合計は9。

此処で、腕や頭に応急の手当てを施されたサイラオーグが、またもやマイクを取る。

 

『次は、駒価値"7"の兵士(ポーン)、レグルスを出す!』

『………………………。』

サイラオーグの宣言に、隣に立っていた、獅子を象ったかの様な金色の仮面を被った男が1歩、前に出て一礼。

 

『…しかしレグルスは理由(わけ)有って、単独での長時間戦闘は出来ない。

故に、戦闘開始から、3分経ったと同時、強制退場(リタイア)させる!

その時は、リアス側の勝ちだ!!』

 

ざわざわざわざわざわざわざわざわ…

 

そして続く この発言に、観客席は ざわめき立つ。

 

『このサイラオーグ選手の発言に、場内は騒然ですが…?』

『逆に言えば、このレグルス選手に対し、如何なる相手で在ろうと、3分以内に終わらせると云う自信、信頼が有るのでしょう。

…が、これはリアス選手からしたら、面白くないでしょう。』

 

≫≫≫

「何よ…馬鹿にするにも、程が有るわよ…!」

実際に解説者の言う通り、サイラオーグの宣言により、リアスの感情は天元を突破。

 

「朱乃、頼んだわよ!」

「はぁい部長♪」

 

 

≫≫≫

 

※※※

 

◇コヤス・サン◇

次のカードはサイラオーグの兵士レグルスと、リアスの女王、姫島朱乃だ。

夜の砂漠っぽいステージだな。

 

◇名無しの悪魔◇

朱乃さん、キター(゚∀゚ 三 ゚∀゚)ー!

 

◇名無しの悪魔◇

挟んで下さい!

 

◇名無しの悪魔◇

罵って下さい!

 

◇名無しの悪魔◇

失せろ、変態共が!

…踏んで下さい。

 

◇名無しの悪魔◇

お前も変態だよwww

 

◇コヤス・サン◇

レグルスがバトル開始直後、巨大な黄金のライオンに変化した。

それを見た姫島が雷撃を放つが、レグルスには効いた様子は無い。

そして その直後、レグルスが飛び掛かり、ライオンの爪で姫島を斬り裂いて、決着だ。

 

◇名無しの悪魔◇

速っ?!

 

◇名無しの悪魔◇

瞬殺っすか?

 

◇名無しの悪魔◇

嗚呼…朱乃さんが…

 

◇名無しの悪魔◇

巫女様が…orz

 

◇名無しの雷光◇

ぬぉお~~!朱乃!朱乃ぉっ!

 

◇名無しの悪魔◇

雷の巫女さん、凄い人気だなあ。

 

◇名無しの悪魔◇

まぁ あのヒトって、美人だし、おっぱいメロンだし~?

ファンて沢山いるでしょ?

 

◇名無しの悪魔◇

巫女服ハァハァ(;゚∀゚)=3

 

◇名無しの悪魔◇

通報しますた。

 

◇名無しの悪魔◇

いやいや、『美人』で『巨乳』ってだけなら、駄肉姫にも一応はファンが沢山いる事になるが?

 

◇名無しの悪魔◇

一応は、いるよ。

正体知らない連中とか、ガチ信者とか。

 

◇名無しの???◇

ガチ恐いガチ恐いガチ恐いガチ恐いガチ恐いガチ恐いガチ恐いガチ恐いガチ恐いガチ恐い…

 

◇名無しの悪魔◇

どうした?

 

◇名無しの悪魔◇

何があった?!

 

◇名無しの???◇

ガチ信者に捕り憑かれた…

 

◇名無しの悪魔◇

www…ごめん、笑えないのに嗤ってしまふ…

 

◇名無しの悪魔◇

お祓いして貰えば?

 

◇名無しの???◇

悪魔的に、そのお祓いでダメージ受けるから無理っす…

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇コヤス・サン◇

…速報の続き、いくぞ?

次のサイコロは、また両者『6』の、合計12。

ただっ広いお花畑みたいなフィールドに登場したのは、リアス側は また あの鎧カップルと、ハーフヴァンパイアの僧侶。

サイラオーグ側は、女王と、僧侶の女だ。

 

◇名無しの悪魔◇

ギャー君~!

 

◇名無しの悪魔◇

ギャー君~!

 

◇名無しの悪魔◇

ギャー君だ~!

 

◇名無しの悪魔◇

男の娘大人気に草(笑)

 

◇名無しのブラックドラゴン◇

スタジアムもヴラディに、凄い声援だぜ。

サイラオーグ様側の女性陣、男の娘に人気で敗けてるって感じだな。

…ってか、あの容姿は絶対に詐欺だよな?

 

◇名無しの悪魔◇

だが、それが良い。

 

◇名無しの悪魔◇

其れが定めよ(笑)

 

◇名無しのブラックドラゴン◇

何なんだよ…?(汗)

 

◇コヤス・サン◇

バトルスタート。

サイラオーグの女王と僧侶が連携して魔力全開。

広範囲の魔力の壁みたいなのを作り、それをリアス側の3人にぶつけてきた。

これをハーフヴァンパイアが、鎧カップルの時間を停めて、この2人は難を逃れたが、ハーフヴァンパイアは直撃を受けてリタイアだ。

 

◇名無しの悪魔◇

ギャー君が…

 

◇名無しの悪魔◇

ギャー君~~~~~~~~~~!!!!

 

◇名無しの悪魔◇

魂(こころ)の叫びwww

 

◇コヤス・サン◇

…で、鎧カップルが反撃。

ダブルアーツで僧侶の女を蹴散らすが、直後、女王の魔弾を喰らった西洋鎧の騎士もリタイア。

残されたサムライアーマーがキレて、騎士がリタイアする直前に渡された矢を射つが、女王がそれを、『穴(ホール)』で射ち還して、決着だ。

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

これでリアス側は、リアス1人に。

此処でサイラオーグが王同士の一騎打ちを提案。

リアスがそれに乗ったわ。

 

※※※

 

▼▼▼

翌日。

若手同士のレーティング・ゲーム2ndステージも、今日が3日目、最終日。

ソーナ・シトリーとディオドラ・アスタロトが競う この日もアガレス領では、昨日の熱戦が冷め遣らぬ儘、ファン達の賑わいで溢れていた。

そんな中、その会場、ゲームが行われる浮遊島都市を地上から見上げる若い男女が3人。

 

「「「これが…ラピ〇タ…」」」

 




 
次回、ディオドラvsソーナ、スタート!
 
感想、評価よろしくです。
 


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冥界入り!

 
?「待たせたな!」
 


 

わーわーわーわーわーわーわー…

 

アグレアス・スタジアム。

まだゲームが始まる2時間前にも拘わらず、客席は既に埋め尽くされ、熱気に満ち溢れていた。

 

「凄い歓声ですね…」

「アレだにゃ~、悪魔って、娯楽が少ないから。」

「昨日のゲームも、かなり盛り上がったみたいだしな。」

その客席の中で会話を交わす、若い男女3人。

 

「あ、すいませーん、ポップコーンと、コーラ…で、良いよな?コーラ3つくださーい。」

「はいは~い。」

そのサングラスを掛けた若い男が、客席通路を歩いていた売り子に声を掛け、呼び止めた。

 

≫≫≫

「ほい、白音、サトル。」

売り子からポップコーンとコーラを受け取った少女が、隣の席の少年、その隣に座る少女に渡す。

 

「ふぅ…セイジョさんと会長さんのゲーム、ですか…」

そして そのポップコーンをパクつき、大会パンフレットに目を通しながら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が呟いた。

 

▼▼▼

≪≪≪

数日前。

 

「冥界…ですか?」

「ん。正式就任早々だけど、早速 任務だよ、サトル君。」

サトルの部屋(マンション)を訪ねて来たのは、セーラー服姿の天照大神。

少し前に、正式に『NIN=JA』の一員になったサトルに、【日本神話】の主神様が直々に、任務(しごと)の指示である。

 

「今は詳しく話せないけど、悪魔が やってくれちゃったらしくてさ~。

…しかも今回は、この前の八坂ちゃんの時みたいな大っぴらな証拠も無いから、堂々と乗り込む訳にも往かなくてね。」

尚、天照(トップ)直々の指令の為、既に新入り(ぺーぺー)のサトルには拒否権は無い。

 

「ブラック神話勢力だにゃ。」

「うっさい、自覚してるよ。

それで、現地入りした後、また指示を出すからさ。

それまでは悪魔社会の街並みとか調査…

どんな感じなのか、簡単にレポートに纏めるレベルで良いから、見学してたら良いさ。

…はい♪」

「これは…チケット?」

「黒歌ちゃんと白音ちゃんの分も、きちんと有るぜ?」

黒歌の台詞に苦笑しながら、アマテラスは話を進め、サトルに3枚の…若手悪魔のレーティング・ゲームのチケットを渡すのだった。

 

「成る程…私達も同行ですか。」

「そーゆー事。

まぁ最初はゲーム観戦とかして、冥界を堪能すれば良いよ。」

「しかし天照様、とりあえず問題が2点程、有りますが?」

「何だい、白音ちゃん?」

「姉様は兎も角、私とサト君は、学生なのですが?」

しかし此処で、白音がアマテラスに質問。

 

「ふっふっふ…それなら心配は要らないよ。」

 

ゴソゴソ…

 

「じゃ・あ~ん♪」

それに対しアマテラスは、持っていた鞄の中から、約15㌢程の、人形(ヒトガタ)の白い紙を2枚 取り出した。

 

「サトル君 白音ちゃん、この『☆』マークを指で押してみな?」

「「……………………。」」

サトルと白音はアマテラスに言われる儘、人形の額部分に描かれてある、『☆』のマークに指を押し当てると、

 

む゙ぅぅぅぅぅ…

 

「え゙?!」「は?」「にゃ?」

その人形は みるみる大きくなり、今のサトルと白音の姿、寸分変わらずに変化した。

 

「よっ♪」「どうも。」

「「「…………………。」」」

そして普段のサトル・白音と変わらぬ態度で、()()()達に挨拶。

 

「はっはっは!驚いたかい?

これぞ平賀君が作った、"影武者君DX"だ!

『☆』マークを押した者と、姿は勿論の事、知能知識に身体能力から記憶まで、完璧にコピーして、その当人の代理を務めてくれる優れ物だ!

しかも互いの額を重ねる事で、影武者してる間の記憶をダウンロード!

どうだ、参ったか!」

「参ったか!」「どやぁ!」

茫然としてるサトル達に、どや顔説明のアマテラスとサトルと白音のコピー。

 

「それってパー〇ンの、コピーロボ〇t

「しかも、指紋認証機能搭載で、"本物"が再び『(スイッチ)』を押すまで、何かの衝撃で勝手に人形に戻るって事も無い!

これでサトル君と白音ちゃんの、学園の方はクリアーさ。

…で、白音ちゃん、もう1つの問題って?」

「「「…………………。」」」

サトルの突っ込み的台詞を遮り、アマテラスは更に話を進めていく。

 

「わ…私と姉様は大丈夫ですが、サト君は冥界の空気って、アウトじゃないのでしょうか?」

「ふむ!良い質問だよ、白音ちゃん。」

この白音の疑問に、優しく笑顔で応じるアマテラス。

 

「確かに白音ちゃんの言う通り、冥界の空気は所謂"瘴気"が大量に含まれている。

普通に人間が冥界入りしたら、1分も持たないだろう。

残念だけどサトル君の神器(セイクリッド・ギア)も、瘴気には対応出来ていないみたいだし?」

そう。冥界には普通の人間にとっては有毒な、瘴気と呼ばれる成分が多量に漂っている。

旧魔王一派掃討の際に、()()()()には只の人間である『NIN=JA』でなく、素戔嗚尊(スサノオノミコト)や高天原在住の神兵達を起用したのも、その為だった。

因みにだが、7月に魔王レヴィアタンの城を襲撃した人間の魔法使い達は、何らかの処置が為されていたのだろう。

 

「心配しなくて良いよ。

何の備えも無し、舐めた服装で山登りに挑んで遭難、挙げ句ネットで『少しは考えろ、バカ!』とか『救助隊の皆さん大迷惑』とか『その儘タヒネバ良かったのに』とかの罵詈雑言大炎上させる様な真似は させないさ。

流石に其処まで、ブラックじゃない。」

そして きちんと、その対策は用意していると言うアマテラス。

 

「そ・ん・な・訳で、ちゅ~~~~っ♡♪」

「んんんっ?!…

#◇£@§‡∇(◎Д◎)∂∬♭☆¶Θ~!?」

「「「あ゙っあぁーーーっ??!」」」

そして どんな訳かは判らないが、いきなりサトルを抱き締めると、その唇を己の唇で鬱いでしまう。

それも、()()()()…しかも、かーなーり、ハードなヤツで、だ。

これにはサトルが目を白黒させて驚くのは勿論、白音と黒歌、更にはアマテラスと侍女として同行していたアーシアも、目を大きく見開き大絶叫だ。

 

「きゅぅう~…ん…」

 

バタッ…

  

「さ、サト君ん~っ!!?」

約30秒後。

その間 口の中で れろれろと、秒間推定50HITされ続けたサトルは、顔を赤く目を回してダウン。

 

「にゃにゃ…」

「はわわゎ…」

「なななな…何をしてるんですか、アマテラス様?!」

当然、いきなりの この行為に、白音が問い詰めるが、

「何って…僕の1京2858兆0519億6763万3875個のスキルの1つ、『如何地適応(ドコデモ・モーマンタイ)』を施す事で、冥界の瘴気にも耐えられる様にしただけさ。

有効期間は約300年。

因みに僕のスキルの譲渡は、『口写し(リップ・サービス)』でしか出来ないからね。

だから白音ちゃん黒歌ちゃん?

ついでにアーシアちゃんも その、『キスする意味、有ったんですか~?』…って顔、したりしない。」

「「……………………………。」」

この【日本神話】の主神様は平然と、悪戯っぽく微笑みながら応える。

 

「それにしても男の子とキスするのって、6年と357日振りだなあ。

…って、その時も相手はサトル君だったけど♪」

「「ぶに゙ゃーっ!!」」

更に唇に指を当て、火にガソリンを注ぐかの発言に猫姉妹が大炎上。

 

「…って、まるで女とは、何時も してるみたいな言い方だにゃ?」 

これに黒歌が、皮肉っぽく質問すると、 

「ん? まぁ~あね。

アーシアちゃんとは毎日、寝る時起きた時に ちゅっちゅちゅっちゅしてるぜ♪

ね、アーシアちゃん?」

「「「え゙…えぇーーーーっ?!」」」

「はぁぅっ?!」

…まさかの この応え。

猫姉妹は このタイミングで復活したサトルと一緒に、またもや絶叫。

アーシアは顔を赤くして、はわわ状態だ。

 

「ついでに言えば、僕の身体で、アーシアちゃんの指先と唇が触れてない箇所なんて、もう何処にも無いぜ…ぽっ♡」

「「「な、何だってーっ??!」」」

「あぁぁ、アマテラス様ぁ? それって今、言う事ですかぁ~っ??!」

何かを思い出すかの様に、顔を赤くして両手を頬に当て、嬉しそうに…それでいて少しだけ恥ずかしそうに語るアマテラス。…に、アーシアが やはり更に顔を真っ赤にして、慌てて止めに入った。

 

「驚きです…。

まさかのアーシアさんが、"攻め"の方でしたか…」

「いや、驚くの、其処じゃない!」

 

≫≫≫

▼▼▼

「はぁ…」

サトルが何かを思い出したかの様に、疲れた顔をしていると、

『皆様…本日は御来場、ありがとうございます!』

スタジアム中央の闘技台に、派手な色彩のスーツを着た悪魔(おとこ)が現れ、観客席に向けて話し出した。

 

うぉぉお~~~~~~~~~~っ!!

 

これに観客達も、大声援で応える。

 

「皆ホント、ノリノリだにゃ…」

 

▼▼▼

 

パタン…

 

「お嬢、失礼するぞ。」

丁度その頃、シトリー側の控え室に、白黒の仮面を着けた、タキシードの男が入ってきた。

 

「げ…?バ=ニル…さん…」

それを見て、匙元士郎を基、シトリー眷属の殆どが、隠す事無く、嫌そうな顔を浮かべる。

 

「どうして、此処へ?

関係者以外は立入禁止な筈ですが?」

「フハハハハハハ!

そんなに嫌な顔をしなくても良いわ!

今日は純粋に、吾輩が鍛えてやった小娘小僧達の、激励に来てやっただけだ。

尚、警備員には『シトリーの者だ』と身分証明を見せたら、すんなり通してくれたぞ。」

ソーナ・シトリーの質問にも、バ=ニルは嗤いながら応える。

 

「聞けば、今日の対戦相手のアスタロトの後継ぎとやらは、かなりマニアックな性癖を持っている以外は、かなりデキる男だと聞く。

勝負は時の運。

故に絶対に勝てとは敢えて思わぬが、貴様等は この吾輩が師事したのだ。

無様な真似だけは、勘弁願いたいと思ってな。

とりあえずは昨日、グレモリー令嬢が予想以上の健闘を見せて僅かながら評価が上方修正、これで自分がスカした時に件のサイトで何を書き込まれるかと、内心テンパっている お嬢は先日も言った通り…」

そして1人1人、アドバイスを言い始めた。

 

≫≫≫

「…次に昨日の金髪の小僧の戦闘を見て感動、そして それ以上に悶々とし、一晩中ベッドの中でナニに励んd

「「「わーーーーーーーーーーーっ!?きゃああ~~~~~~~っ?!!」」」

バ=ニルが次の者に助言しようとした時、その前台詞に何故か、女王(クィーン)の真羅椿姫と筆頭にした少女数名が、何かの心当たりが有ったのか、顔を真っ赤にして その発言を止めに入った。

 

「どーして貴方は!

何時も何時も何時も何時も何時も何時も何時も何時も!!

そうやって余計な一言を言おうとするんですかっ?!」

「フハハハハハハハハハ!

貴様等の悪感情を頂く為に、決まっているだろう!

その羞恥の悪感情、美味である美味である美味であーる!」

「「「うぐぐぐ…」」」

そして真羅が代表して、バ=ニルに その発言について涙目で問い詰めるが、この仮面の悪魔は嗤いながら、己のが欲心(しょくじ)の為だと言い放ち、その弩ストレートな回答に、彼女達は それ以上は何も返せない。

 

「ねぇ、げんしろ兄ちゃん?

"励む"って、何を励むの?」

「…お前は まだ、知らなくて良い。」

「???」

 

≫≫≫

「…さて、最後に夏のゲームでは、その暴走と云っても過言でない戦闘スタイルで、その後お嬢にマジ泣きされながら説教されて、最高に凹んだ小僧よ。

貴様にも、先日に言ったが…

「だ・か・ら、その余計な一言 止めろ!…下さい。

絶対にアンタ、此処に来たの、摘まみ食いの為だろ!?」

バ=ニルがシトリー眷属メンバー其々にアドバイスを施し、残る1人、匙にも要らぬ一言を添えた助言をしようとした時、この兵士(ポーン)の少年から、怒声気味な突っ込みが入った。

 

「…解ってるよ。神器(セイクリッド・ギア)のバカな使用は控えろ…だろ?

…解っているさ。」

「ふむ?」

そしてバ=ニルに顔を背き俯き、慎重な顔で話す。

夏のシークヴァイラ・アガレスとのゲームでは、彼は自分の神器(セイクリッド・ギア)に、自分の生命力を吸わせる事でパワーアップ。

其処からの無双の快進撃。

最後は相手の女王(クィーン)と相討ちになる事で、チームの勝利に大きく貢献した。

実際、夏に行われた3ゲーム、運営が決める総合MVPには、匙が選ばれた程だ。

しかし その日の夜、主であるソーナからは痛烈な張り手と共に、涙ながらの説教を聞かされてしまう。

高が小さな勝利の為だけに、自分の命を軽視した その行動が、彼女には看過出来なかったらしい。

堪えた。

単なる説教でなく、本当に下僕(じぶん)の身を思っての 涙混じりの言葉が、匙には大きく堪えた。

そして その時その場で、2度と馬鹿な真似は しないと、自分の主に誓っていたのだった。

 

「…昨日の木場を見て、確かに最初は凄ぇと思った。

だが、冷静に思い直したら、ありゃ確かにバカな真似だと痛感したよ…。

大丈夫…もう、あんなバカは、絶対に やらねぇ。

会長の夢の為にも。

そして、俺自身の野望(ゆめ)の為にもな!」

「「匙…」」

「げんしろー…」

「「「元ちゃん…」」」

「匙先輩…」

「兄ちゃん…」

昨日のリアスvsサイラオーグのゲームの中で、木場祐斗が己の生命力を削って繰り出した技を自身と重ね、自分の命を顧みない行為は しないと、改めて力強く宣言する匙。

 

「…ふむ。」

それを見て感動、感激する仲間達の中、バ=ニルだけは微妙な反応をする。

彼からすれば、そう云う意味で神器(セイクリッド・ギア)の使用を控える様に言った訳では無いのだが、その場の空気からか、敢えて それを口には出さなかった。

 

▼▼▼

 

『…それでは御待たせしました!

東ゲートよりディオドラ・アスタロ、西ゲートより、ソーナ・シトリー、両チームの入場です!』

 

うおぉーーーーーーーーーーーっ!!!

 

それから少し経ち、視点(カメラ)はスタジアム内。

アナウンスと同時に起こる大歓声、派手なレーザー光線やスモークの演出、大音量且つ重厚なクラシカルな音楽と共に、ディオドラとソーナが其々、下僕を引き連れて入場してきた。

 




 
①前回の前書きにも書いたけど、サトル達が冥界入り出来た理由は…
 
②某チート人外さんより10個だけ、スキルを多く所持している天照大神様。
 
次回、ディオドラとソーナ、激突!
 
感想、評価よろしくです。
 
…活動報告、書きました。
此方も よろしくです。


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スクランブル・フラッグ

 
ひんぬー会長vsセイジョ☆スキー…
ゲーム、スタート!
 


『さぁ、両チームが出揃いました処で、本日のルールを発表します!

ソーナ・シトリー選手とディオドラ・アスタロト選手の一戦は…

昨日のダイス・フィギュア、一昨日のオブジェクト・ブレイクで、既に予想されている皆様も多いと思われますが…』

観客の声援で沸くスタジアム。

アナウンスの男が昨日同様、この日の対戦ルールを勿体付ける様に、一呼吸置いて発表した。

 

☆☆☆

 

【スクランブル・フラッグ】

・広大なフィールド内に立つ、幾本もの(フラッグ)を奪い合うルール。

・制限時間内(今回は7時間)に それ等を全て奪取するか、タイムアップ時に相手よりも多く、旗をキープしていた方が勝利。

当然、敵(キング)を撃破しても、それで勝利となる。

・尚、今回の兵士(ポーン)昇格(プロモーション)は、敵エリアに侵入するか、残り時間60分を割った時に可能とする。 

 

☆☆☆

 

≫≫≫

「今回は"オブジェ"と違って、対象を破壊したら即ポイントgetじゃない。

タイムアップまで、取った旗を守らないと意味が無い。」

「旗をゲットした後、それを持ち歩くか隠すか…

それとも この"拠点"で保管するか、それが別れ目ですね。」

「そもそも、トータルの旗の数も、発表されていませんし。」

「半分以上獲った時点で、守りに入るという手が使えません。」

「いやいや、いっその事、ソーナ・シトリー様を討てば、それで良いのでは ないか?」

「…拠点に1ヶ所に集めるのは、逆に其処を攻められるのを考えたら、危険ですね?」

「集めるのは、拠点に拘る必要は無いと思うわ。」

「そうね、今回は『拠点陥落で負け』…ってルールじゃないし。」

獲り役(オフェンス)護り役(ディフェンス)を完全に分けますか?」

「無視ぃっ?!」

アナウンスがルール説明や両チームの出場選手の紹介の後、転移で今回のゲームのステージである、疑似空間に飛ばされたディオドラ達。

その自分達の拠点となる建物内で、作戦を話し合っていた。

 

「う~ん…こうやって見ると皆、こういう頭使うルールって、苦手だよ、ねぇ…?」

「「「「ですよねー。」」」」

ディオドラが苦笑、自虐気味に話す。

改めて見ると確かに、ディオドラの眷属の殆どは、剣術や格闘…接近戦を得意とする、所謂"脳筋気質"の者が多い。

魔法攻撃を得意とするルイズも、『ガンガンいこうぜ』とばかりに魔弾を放つ、物理と魔法な違いだけの、どちらかと言えば同様な"猪"タイプ。

『旗をどうするか』の話し合いの中、『大将首を獲れば それで良い』な考えの、元カトリックの聖剣使いは論外である。

ジャンヌは"戦闘"に関しては、冷静且つ知的に動けるが、レーティング・ゲームの様な集団戦闘での、全体的な策略を練る件については、まだ不得意としていた。

夏の1stシーズンでは、余りにも相手が"分かり易い"タイプだったから そうは見えなかったが、実はディオドラも、このタイプに近い。

その辺りは(キング)として日々、修練中である。

知的に動くと云う点では、僧侶(ビショップ)の祐理が そのタイプに近いが、彼女も謀略を駆使するには、些か正直者過ぎた。

 

「守りはジャンヌさんの聖剣の結界で、良いんじゃないですか?」

「「「「「「「「それだあっ!!」」」」」」」」

 

≫≫≫

「…そんな訳で、今回は僕も、キミの指示に従うよ。」

「ふん…仕方、有るまい…。

そういう風に言うのであらば、頼まれてやろう。」

ディオドラの指名に、(キング)を含めて このメンバーの中で唯一、(はかりごと)に長けていると云っても良い、僧侶(ビショップ)のヨシコ・サマーが ツン全開で 頷く。

 

「本当、こういうのって、ソーナやシーグヴァイラが得意としてるんだよね。

散々ぶーたれていたゼファードルの気持ちが、よ~く解ったよ。

ソーナが どういう風な策で来るのか…

ん、読めないね、全く!(笑)」

…ゲーム開始まで、あと10分。

 

▼▼▼

「制限時間、7時間かよ?!」

「少し、長過ぎ。」

「…ですね。」

…その頃の観客席。

アナウンサーの説明を聞いていた、サトル達が呟く。

 

「いやいや、このルールでは、寧ろ短い方だと思うが?」

「「「??!」」」

そんなサトル達に、隣に座っていた男が話し掛けてきた。

高級感溢れるスーツを馴れた感じで着こなし、その上に これまた豪華なマントを羽織った、壮年の悪魔だ。

 

「…本来ならば、声を掛ける事それが無礼なのですが、話し掛けられたならば それを無視するのは更なる非礼。

故に言葉を交わす無礼を、先に詫びさせて頂きます。

…敢えて聞きましょう。

貴方の様な方が、こんな場所で観戦ですか?」

何者かは分からないが、その容姿や感じる魔力からして、この男が上級の悪魔貴族と察したサトルは平民悪魔を装い、サングラスを外して この男に話し掛ける。

 

「ん? キミは私を、誰かと勘違いしてないかな?

()()私は、只のレーティング・ゲームのファンな、キミ達みたいな初心者?に蘊蓄を語るのが大好きな おっさんだよ?」

「「「ハァ…」」」

それに対して、男は気さくな笑みを浮かべて話し、男の隣に座っている、サトルと似たような黒服を着た3人の若い男…恐らくは護衛なのだろう…は、それを見て、何やら呆れるやら諦めるやらな、深い溜め息を溢す。

どうやら彼等からすれば、これは何時もの如くな様だった。

 

「今回のルールだけどね…」

そして御機嫌な顔付きで、色々と語り出す、悪魔貴族の男。

どうやら、サトル達の正体には気付いて無い様だ。

そう、サトル達は冥界入りする前、サトルの瘴気対策だけで無く、人間や猫魈の気配をアマテラスのスキルにより、悪魔の気配で上書きして消していたのだ。

ベロちゅう 口写し(リップサービス)』で。

これにより、サトルだけでなく、白音と黒歌も顔を艶めかせ、惚けた顔でダウン。

姉妹揃って、()()()()()()()を開こうとした処を、サトルが「駄目だ!それは絶対に踏み込んではイケない領域だ!」…と、渾身の突っ込みで止めたのだった。閑話休題。

 

≫≫≫

「…レーティング・ゲームは娯楽。

だけど お偉い連中(みなさま)の中じゃ、おいそれと声を出して応援とかも出来ないからねぇ。」

「それは何となく、解りますよ…って、え~と?」

初心者?のサトル達にレーティング・ゲーム全体的な説明を簡単に話した男は、最後に やはり、貴族を思わせるボヤキきを見せ、サトルも それを理解。

 

「ああ、そう言えば まだ名乗ってなかったね。

私は…そうだな、ティアブラッド。

ティアブラッド(仮名)(カッコカメイ)とでも、名乗らせて貰うかな?」

「…()()()です。」

(あかり)です。」

(ほたる)だよ。

よろしくね、ティア様♪」

此処で改めて、偽名では在るが、互いに名を名乗るサトル達。

猫姉妹は任務時のコードネームを、聡琉(サトル)は自分の名を、読み方を変えて名乗った。

黒歌(ほたる)は既に、仮名を更に愛称で呼ぶ程のフレンドリーさだ。

尚、普段の猫語?とでも云うべきか…な喋り方は自重している。

 

「はっはっは!ティア様!

良いね、良い響きだ!気に入ったよ!」

この余りにも無礼講な態度に、護衛達は「ぐぬぬ…!」と顔を歪めるが、当の本人が その呼び名を本当に気に入った様で、この今にも飛び掛からんとする この3人を制する。

 

ぶむぅぅぅん…

 

そうした中、闘技台は魔力のドームで覆われ…闘技台だけでなく、スタジアム全体も、魔力の膜が屋根の様に、上空を包み隠していく。

そして、闘技台はゲームの舞台なのだろう、フィールド全体が映し出され、屋根の魔力画面(スクリーン)も幾分割かされ、ソーナとディオドラの各陣営の様子が映された。

 

「さあ、始まるよ。」

 

ゴォォォン! 

 

そしてティアブラッド(仮名)の言葉通り、銅鑼(ゴング)の音と共にゲームスタート。

両陣営が動き出した。

 

▼▼▼

ゲームの舞台は広大な草原を基本(ベース)に、東西の端に各陣営の砦を配置、森や無人の街、岩山や洞窟等、様々な地形で形成されていた。

ゲーム開始から約60分が経過し、両チーム、未だ相手チームと遭遇する事無く、隠された(フラッグ)を数本ずつ入手していた。

因みにだが、観客席からは その一部始終が映され分かっているが、旗の入手等はフィールドにアナウンスされず、プレイヤー達は互いに敵チームの入手状況を知る術は無い。

 

「…怪しい。」

「怪しいですね。」

「怪し過ぎるわ。」

そして今、ディオドラの兵士(ポーン)のアイズ・ヴァレンシュタイン、イヴ・ダークネス・ゴールド、エルザ・スカーレットの3人は、広い湖の前に立っている。

如何にも『旗を隠しています』な雰囲気の、そんな湖だ。

 

≫≫≫

『…そうか。なら、アイズは その場で待機。

イヴとエルザで、その湖の底を探索してくれ。』

「「「了解。」」」

魔法術式の通信を使った司令塔ヨシコの指示に、3人が応える。

 

パァァ…

 

先ずはエルザが体全身から眩い光を放ち、纏っていた鎧を、自らの髪の様な紅のビキニに換装で着替えた。

 

うおおおおぉ~っ!!

 

この情景、スタイル抜群な姿が魔法スクリーンに映し出され、スタジアムは大歓声だ。

 

バサァッ!

 

続けてイヴが、着ていた黒のワンピースを脱ぎ捨てると、濃紺のスクール水着の姿に。

胸元には『いゔ』と書かれた白布が縫い付けられている。

どうやら事前に、下着の代わりに水着を着込んでいた様だ。

 

うおぉぉぉぉぉお~~~~~っ!!!!

 

「何なのですか…?」

「おまわりさん、こいつ等です。」

「どうでも良いが お前等、さっきから左右からの目隠しは止めれ!」

サトルが猫姉妹に突っ込む中、スタジアムは イヴのマニア受けしそうな姿に、更なる大歓声に包まれる。

 

 

「…えっちぃのは嫌いです。」

「ん?どうかしたのか?」

「分かりません。でも、こう言わないと いけない気がしました。」

 

ざっぱぁーん…!

 

…こんな遣り取りの後、2人の少女は湖に飛び込んで行った。

 

≫≫≫

「ふふ♪ どうやら その湖に、旗が隠されているみたいね?」

「…!!?」

数分後。

仲間の戻るのを待っていたアイズに話し掛けたのは、ソーナの騎士(ナイト)、巡巴柄だった。

 

「…成る程、貴女は その間、()()()()()()、留守番役な訳ね?」

「……………。」

巡は湖の畔に綺麗に畳まれて置いてある、イヴの衣服と、2本の旗に目を向ける。

 

「それを見た以上、素通りは出来ないわね!

貴女を倒して その旗…

そして湖から お仲間さんが取ってくるであろう旗も、私が貰ってあげるわ!」

 

ジャキ!

 

そう言って、太刀と小太刀を構える巡。

京都で英雄派と対峙した時の木刀でなく、業物の鋼の刃だ。

 

「…旗は、渡さない。

そして、イヴもエルザも、やらせない!」

そしてアイズも、細剣を構える。

このゲーム、初の戦闘が始まった。

 

「破ぁあッ!!」

 

ダダッ!

 

巡が騎士(ナイト)の速さを活かしての突撃で、斬撃を放つが、アイズは それを、ギリギリのタイミングで、最小限の動きで躱す。

 

「ちぃっ!なかなかの動きね!」

「…目覚めよ(テンペスト)!」

 

ボゥワッ!

 

それを巡は舌打ち混じりながら讃えるが、アイズは それに構わず、風属性の魔法を発動。

薄緑の風が彼女の身体を覆い、

 

ダダダッ…!!

 

「なっ?!」

それと同時、先程の巡と同様な…いや、それ以上の速さで突進。

 

斬々々々々々々々々!!

 

「きゃあっ!?」

そして すれ違い様の一瞬、唐竹・袈裟斬り・右薙・右切上・逆風・左切上・左薙・逆袈裟・刺突の9ツの斬撃を一度に浴びせた。

 

斬々々々々々々々々!!

 

「きゃぁうっ!??」

しかし、アイズの攻撃は、それで終わった訳では無かった。

すり抜けて数歩、踵を返すと再度 突進して、また同じく9の斬撃を放つ。

 

斬々々々々々々々々!!

 

「きゃ…ぁぁぁぁあああっ!!?」

…それを、更に もう1回。

速度上昇(スピードアップ)の魔法により、騎士(ナイト)と同等、或いは それ以上の神速を得たアイズの合計27連斬が、巡に叩き込まれた。

 

『ソーナ・シトリー選手の騎士(ナイト)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

そして今回のゲーム、最初のリタイアを告げるアナウンスが流れる中、

 

バサァッ!

 

「「ふぅ~~~~~!」」

水面からエルザとイヴが、勢い良く顔を出した。

 

「旗、あったわよ!」

「そっちは何か、有りましたか?」

得意気にエルザが旗を掲げ、イヴはタオルで身体を拭きながら様子を伺う。

 

「特に…何も、無かった…。」

それに対し、アイズは普段と変わらぬ無表情で応え、

「そうか…なら、行くぞ!」

「…ん。」

水着から通常の戦装束に着替えた2人と、合計3本の旗を持ち、先へと進むのだった。

 




 
①実は既に、何度か登場している、ティアブラッド(仮名)さん。
 
②何か、セイジョ☆スキーさん勝ち確定な台詞が出ましたが…どうなる事やら。
 

 
◇名無しの悪神◇
アイズたーーーーーーーん!
 
 
④次回は匙君のターンだ?
 
 
感想、評価よろしくです。
 


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その頃のガルーダ・スレ②

 
今回は やや短め。
そして久し振りの掲示板描写。
 


 

※※※

 

◇名無しの悪魔◇

テレビ放送前!

セイジョ☆スキーvsひんぬー会長のレーティングゲームの途中経過速報を、スタジアムよりダイジェストでお届けするぜ!

ネタバレ注意!

テレビ観るまで結果を知りたくないヒトは、スルー推しだぜ!

 

◇名無しの悪魔◇

アンタ、観戦してるんか

 

◇名無しの悪魔◇

うらやま

 

◇名無しの悪魔◇

…って、このスレの常連さんの名前、普通に出してる(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

まあ、既に正体バレバレだけどねwww

 

◇名無しの悪魔◇

兄貴然り、令嬢さん然り(笑)

 

◇名無しの令嬢悪魔◇

え?!そうなの?

 

◇名無しの悪魔◇

気づいてなかったのですか?シ〇〇〇ァ〇ラ様。

 

◇名無しの悪魔◇

言っちゃダメ!

 

◇名無しの悪魔◇

あーぁ、ばれてるのばれちゃったよwww

 

◇名無しの悪魔◇

前から何度か言われてるが、正体暴きはマナー違反だぞ?

そこは、スルーしてやらないと。

それと、俺も観客席にて観戦しているから、ネタバラシには協力しよう。

 

◇名無しの悪魔(仮面)◇

うむ。吾輩も、VIPルームで観戦しているので、実況してやろう。

 

◇名無しの悪魔◇

VIPルーム?

 

◇名無しの悪魔◇

このスレに新顔(ですよね?)の貴族様が参戦しました。

 

◇名無しの悪魔(仮面)◇

いや、過去にも数度、書き込みをしているぞ。

それから吾輩は、貴族ではない。

敢えて名は伏せるが、吾輩、とある超大物の眷属をやっていてな。

今日は その関係で、VIPルームに同行してるに過ぎぬ。

 

◇名無しの実況悪魔◇

尚、今回のルールはスクランブル・フラッグだから、何か大きな動きが出た時に、書き込む方向で

 

※※※

 

 

 

≫≫≫

 

※※※

 

◇名無しの実況悪魔◇

湖の前に、アイズたんとイヴたそとエルザさんがやってきた。

 

◇名無しの悪魔◇

イヴたそー

 

◇名無しの悪魔◇

エルザー!

 

◇名無しの悪魔◇

ヤミたそー♡

 

◇名無しの悪魔◇

アイズたーん!

 

◇名無しの実況悪魔◇

エルザさんとイヴたそが、水着に着替えて湖に飛び込んだ!

エルザさんは赤のビキニ。

イヴたそはスク水だ!

スタジアムも大歓声だぜ!

 

◇名無しの悪魔◇

おぁおおおおぉーっ!

 

◇名無しの悪魔◇

COOOOOOOOOOOOL!!

 

◇名無しの悪魔◇

分かる

 

◇名無しの悪魔◇

イヴたそのスク水ハァハァ…(;゚∀゚)=3

 

◇名無しの悪魔◇

通報しました。

 

◇名無しの悪魔◇

え?アイズたんは着替えない?

 

◇名無しの実況悪魔◇

残念ながら。

彼女は どうやら残って、今までゲットした旗の見張り役みたいだね。

 

◇名無しの狼牙◇

ケッ!

 

◇名無しの悪魔◇

で、カメラ、撮ってないんすか?

 

◇名無しの実況悪魔◇

残念ながら。

あっという間だったから。

 

◇名無しの悪魔◇

使えねー

 

◇名無しの悪魔◇

つかえねー。

 

◇名無しの悪魔◇

そこは、画像だろ?

 

◇名無しの悪魔◇

ヤミたそのスク水!

 

◇名無しの実況悪魔◇

いや、マジに間が無かったよ。てゆーか、そもそもカメラ、持ってきてないし。

 

◇名無しの悪魔◇

つかえん!

 

◇名無しの悪魔(仮面)◇

む?小柄な金髪な方のスク水なら、先程 吾輩がカメラに収めたぞ?

 

◇名無しの悪魔◇

有能

 

◇名無しの実況悪魔◇

貼ってくれさい。

 

◇名無しの悪魔(仮面)◇

ふむ。別に構わんが?

 

◇名無しの悪魔◇

貴方は神…いや、サタン様か?

 

◇名無しの悪魔◇

ヤミたそのスク水ハァハァ…(;゚∀゚)=3

 

◇名無しの悪魔◇

おまわりさん、こいつです。

 

◇名無しの悪魔(仮面)◇

…その代わり、対価は貰うぞ?

それでも良いか?

 

◇名無しの悪魔◇

代価?

 

◇名無しの悪魔◇

構わん!貼って善し!

 

◇名無しの悪魔◇

いや、ちょっと待て!

何を要求する気すか?

 

◇名無しの悪魔(仮面)◇

ふん。心配せずとも、汝達からすれば大した代物を求めたりはせん。

とりあえず その辺の話は、画像を見た、その後だ。

ほれ。

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇名無しの悪魔◇

ざけんな。

 

◇名無しの悪魔◇

ちっくしょー!

 

◇名無しの悪魔◇

詐欺だー!

 

◇名無しの実況悪魔◇

いや、確かにヤミたそのスク水画像だけど!

ふざけんな!

 

◇コヤス=サン◇

焼くぞ、テメーっ!?

 

◇名無しの悪魔◇

俺達のワクワク、返せーっ!!!!

 

◇名無しの悪魔(仮面)◇

ふははははははは!

汝等の その騙された感、期待を裏切られた感な悪感情、美味である美味である美味であーる!!

スマホ画面の文字からでも、存分に味わえるぞ?

 

◇名無しの悪魔◇

…最悪だな、コイツ!(怒)

 

◇名無しの運対常連◇

『代価』って、もしかして それかよ!?

 

◇名無しの悪魔◇

騙された!

 

◇名無しの悪魔◇

お前は悪魔か?…って、悪魔かよ…orz

 

◇名無しの実況悪魔◇

あ、湖で待機しているアイズさんの所に、シトリー眷属が1人やってきたぞ。

確か あれは…誰?

 

◇名無しの悪魔◇

知らないんかい?(笑)

 

◇名無しの実況悪魔◇

すまん。しかし ぶっちゃけ、ソーナ様眷属って、おっぱい眼鏡クィーンさんと、この前、シークヴァイラ様のクィーンと引き分けた男(ヤロー)、それと後輩キャラなツインテの女の子。

その他は区別が付かない(笑)。

 

◇名無しの悪魔◇

草下さん巡さん花戒さん由良さんを、その他大勢みたいな扱いは止めてやれ!www

 

◇名無しの実況悪魔◇

すまん。(笑)

とりあえずは剣を持ってるから、ナイトかな?

兎に角その子とアイズとで、今回のゲーム、初めてのバトルスタートだ。…って?

 

◇名無しの悪魔◇

どうした?

 

◇名無しの実況悪魔◇

文字打ちしてる間に、決着が着いた。

 

◇名無しの悪魔◇

早っ?!

 

◇名無しの実況悪魔◇

アイズが瞬速の踏み込みから、神速9連斬を立て続け3連発。

正に、に…二十七頭龍閃や…

 

◇名無しの悪魔◇

アイズたん、強ぇー!

 

◇名無しの狼牙◇

ケッ!アイズなら その程度、当たり前だぜ!

 

◇名無しの悪魔(仮面)◇

ふむ。しかし、確かにスピードは見事だが、相手が硬いルークなら兎も角、ナイトの小娘に27連斬して漸く仕留める事が出来たとは、最近、小豆味の馬鈴薯加工菓子を食べ過ぎて、腹回りを少しだけ気にしている様な顔をしている あの娘の斬撃は、余程軽いと見えるな。

 

※※※

 

▼▼▼

それから約90分後。

数本の旗を持ったソーナ眷属2名が、如何にも『旗を隠しています』な雰囲気の、洞窟の中へと入って行った。

 

「見ぃ~付けた♪」

そして その様子を、少し離れた場所から、栗毛のツインテールの少女が見ていた。

その眼は正しく、獲物を見付けた狩人(ハンター)の如しだった…。

 




 
①イヴ・ダークネス・ゴールド。
愛称はイヴたそ。または、ヤミたそ。
 
②作者、由良さん(ゼノヴィアもどき)は区別出来ますよ?
残りは現在、判別出来ませんが。(笑)
 
 
次回予告?
『戦慄のテラ〇ォーマーズ!(仮)』
乞う御期待!
 


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プロレス大決戦!

 
今更ですが、作者はプロレスが大好きです。
 


 

「…ヨシコさん、聞こえてる?

此方イリナ。如何にも…って感じの、怪しい洞窟を発見。

ソーナ・シトリー様の眷属が2人、その中に入っていくのを確認したわ。」

『その眷属とやらの、詳しい情報は?』

「私と同じくらいの女の子と、小さな男の子。

3本位…かな? 旗を持っていたわ。

どうする? 戦れって言うなら、戦るけど?

てゆーか これ、絶対にチャンスよ!

戦っちゃって良いよね?

こっちが人数多いし!」

ディオドラvsソーナのゲームが中盤戦となった頃、ディオドラの兵士(ポーン)のイリナとセリス、騎士(ナイト)のエミリアの3人は、複数本の旗を所持したソーナ眷属2人が、フィールドに造られた洞窟に入っていくのを発見していた。

 

『いや…その洞窟、何かの仕込みが有るやも知れぬし、既に敵の旗の保管場所…謂わば仮の拠点となっている可能性も有る。

その眷属達が次に洞窟から出るのを待ち伏せして奇襲を仕掛け、何らかの情報を得た上で旗を奪うのがベストだろう。』

そして通信術式で、今回のディオドラ陣営の"軍師"、ヨシコ・サマーに報告。

それを聞いたヨシコは、とりあえず様子見の指示を出すが、

「大丈夫よ! こっちは聖剣の使い手が2人も居るし!

魔法攻撃なんかも、セリスさんが封じてくれるから、問題無いわ!」

『ちょ…お、ぉい、イリナ!?

エミリア!セレス!そのバカ女を止めろぉっ!!』

「大丈夫よヨシコ。」

「あの少年は知らんが、女は確か、僧侶(ビショップ)だった筈。

前回のゲームでも、其れ程の脅威は、感じなかった。」

『お前等、ヒトの言う事を聞けぇっ!?』

しかしイリナと他2名も、「それは考え過ぎ」とばかりに、イリナの戦る気を支持してリョーコの指示を無視。

勇んで洞窟内に入っていった。

 

≫≫≫

「きゃああァッ!??」

「ひぇえっ?!」

「いやぁあああぁあっ!!」

…その数分後、洞窟内にて、恐怖に憑かれた少女達の悲鳴が木霊する。

 

「「「ギブギブギブ! 戦線離脱(リタイア)します~!!」」」

『ディオドラ・アスタロト選手の兵士(ポーン)2名、並びに騎士(ナイト)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

そして その場から姿を消すイリナ達。

 

「やったね!お姉ちゃん!」

「ん…、偉いよ、レオナルド君?

だから ()()、早く消してくれたら、嬉しいかな?」

その結果に、素直に喜ぶソーナ眷属のレオナルドと、若干、笑い顔を引き攣らせている草下。

…実はこの2人は、洞窟に入る時から、イリナ達の存在に気付いていた。

イリナがヨシコと通信していた頃、此方も(キング)であるソーナと、連絡での遣り取り。

洞窟内に誘い込み、確実にリタイアさせる様に指示を受けていたのだった。

そしてレオナルドはイリナ達と対峙した時、ソーナの指示通り、自身の神器(セイクリッド・ギア)魔獸創造(アナイアレーション・メーカー)】で、身の丈 約2.5㍍…真夜中の台所をカサカサと高速で動き回る、所謂"G"と呼ばれる、あの黒光りする昆虫をモデルにしたかの様な魔獣を数体 創り出し、彼女達に仕向けた。

一般女性にとって、恐怖の対象の1つである ()()の化身が暗闇の中、突然に巨大な姿で間近で迫ってきたのを見たイリナ達は、正しく暗がりで不意に"G"と遭遇した時の様な、乙女の悲鳴を上げてしまう。

彼女達も、普段から戦闘に於ける耐恐怖の訓練は していただろうが、()()()()の それには耐性が無かったのか、()()を見た瞬間に恐怖で竦み、降参(リタイア)を宣言したのだった。

 

『『『じょうじ…』』』

因みに その"G"型魔獣の迫力は、仲間である草下すら、どん引く程だったとか。 

そして この後、このソーナ眷属の2人は、洞窟の最奥で、旗を入手した。

 

▼▼▼

「あれは…ある意味、卑怯だな…www」

「あんなの、絶滅したら善いんです。」

「だにゃ!」

その一連の攻防?を観客席で観ていたサトルは、何かツボに嵌まったのか、必死に笑いを堪えており、逆に白音と黒歌は、不快な表情を見せていた。

やはり彼女達にとっても、"G"は忌むべき天敵なのだろう。

 

「はっはっは!しかし、確かに あれは女性相手には、有効な手段だよ。

あれはセイj…コホン、ディオドラ氏の眷属が全員、女性で構成されてるのを見越した上で、ソーナ・シトリー嬢が予め あの少年に、あの様な場面に なった時、そうする様に指示を出していたのだろう。

それにしても、魔獸創造(アナイアレーション・メーカー)…か。

ソーナ嬢も、かなりな人材を下僕に したみたいだね。

…って、む? また、ゲームに動きが有るみたいだよ?」

サトルの隣に座っていた、上級悪魔貴族?のティアブラッド(仮名)が、スタジアム上方を屋根の様に覆う魔力スクリーンを指差す。

フィールド内を動く出場選手に合わせ、幾つかに分割されていた画面の1つが拡大で表示され、其処には各々が大剣を携えた、黒髪と蒼髪の2人の少女が写し出されていた。

 

▼▼▼

カイ・ハンセムとゼノヴィア・クァルタ。

ディオドラの兵士(ポーン)戦車(ルーク)の2人は、市街地を模した地域(エリア)を探索していた。

 

「おぉ!カイ、あれを見ろ!」

「…当たりだね。」

そして2人は、街の中心部に位置する、コンクリート肌剥き出しの高いビルの屋上に立つ、1本の旗を発見。

 

「よし、行くぞ。」

「ぃゃ…行くは良いが、大丈夫なのか?

あのビルから、『オスオス』って、変な大声や太鼓の音が?」

「う~む。一応、()()殿()に聞いてみるか。」

 

≫≫≫

 

タンタンタンタン…

 

「罠の類いは、無いみたいだね。」

「しかし、あの大声、近付くからか、益々大きくなってるぞ?…こりゃ、100人近いな。」

…その後、ゼノヴィアとカイの2人は、ヨシコの『シトリー眷属でなく、運営サイドが建物内部に(トラップ)を仕掛けている可能性も有るから、慎重に進め』の指示に従い、ビル内部の階段を掛け上がっていた。

外からでも聞こえていた、あの『オスオス』と連呼される、多人数による大音量に不審を覚えながら、2人は屋上へと辿り着く。

そして、其処で2人が目にしたのは、

 

「押忍!押忍!押忍押忍!!」

ドーン!ドドーン!…

 

「「………………。」」

総勢約100名、日本式の黒の学ランを着込んだ強面の オッサン 青年が規則正しく整列し、正しく応援団の如く大音唱(エール)を叫び、大太鼓を叩いている光景。

そして、外から見えていた旗は、身長160弱のリーゼントの少年が1人、必死の形相で掲げている、推定 縦7㍍横10㍍、ポールの長さは20㍍を越える、超巨大応援団旗だった。

 

「カイ、これを!」

そして、この旗の傍には

【此ノ旗1本デ通常ノ旗10本分ノ価値有リ】

…と記された立て看板が。

 

「成る程。これは所謂、特別旗(スペシャル・フラッグ)と云うヤツか。」

「しかし これ、どーやって持ち運ぶのだ?」

「フッ…、戦車(オマエ)の馬鹿力なら、大丈夫だろ?」

「うむ、私に任せろ…って、出来るかっ?!」

 

≫≫≫

『…成る程。』

結局2人は、ヨシコに連絡して、指示を仰ぐ事に。

 

『ふむ…。流石に脳筋(オマエタチ)でも、そのサイズの持ち運びは無理か。』

「ちょっと待て!?

今、話し方に違和感が有ったぞ?」

『… チィ、無駄に鋭いわね?! 気の せいだ。

よし、ならば そのビルの屋上を、保管場所として…

そうだな…ゼノヴィア、貴様は其の場で待機。

旗を見張っていろ。』

「…??? どーゆー事だ?」

『その旗は其の儘、その応援団とやらに持っていて貰う。

それをソーナ眷属が見付け、屋上に来た処を…』

「成る程。この旗を餌に するわけか。

それで やってきた連中を私が討ち、あわよくば連中が持っていた旗もゲットする…と。」

「そういう事だ。…が、1人で大丈夫か?」

「ふん!誰に物を言っている?」

結果、ゼノヴィアが この場で旗の番人となる事が決まり、

「「「「「「「「「…!!?」」」」」」」」」」

それを聞いた…プレイヤーが到着、旗を入手と同時に御役目御免となる筈だった…応援団の面々、特に旗を持ち上げている小柄な少年が、この世の終わりの様な、青い顔をする。

 

「心配するな。タイムアップ寸前には、フラグGETをアピールして解放やるさ。

さぁ、それまでは気合いと根性で頑張れ~!!」

 

▼▼▼

「「………………………。」」

 

一方その頃。

草原エリアで、ソーナの兵士(ポーン)、匙と仁村も、旗を発見。

 

「先輩ぃ~、これって…?」

「応、怪しさ120㌫だな。」

その旗は見通しの良い草原の地面に、ただ ぽつんと刺さっているだけなのだが、2人は その旗の入手を躊躇していた。

 

 

【俺、この戦が終わったら、故郷に帰って恋人と結婚するんだ】

 

 

…その旗に刻まれている その文章に、2人は何となく嫌な予感が。

それこそ、入手をカウントされたと同時に、何か…死亡(リタイア)必至なトラップが発動しそうな予感が、頭から離れないのである。

 

「絶対にフラグですよね?」

「…ですよねー。」

結局2人は、この旗を手にする事無く、此の場から離れて行った。

 

▼▼▼

「さァ、始めましょうカ。」

「…仕方、無いわね。」

そして同じ頃、更に別のエリアでは、ディオドラの兵士(ポーン)・レイチェル・スタンレーと、ソーナの戦車(ルーク)・由良翼沙が、互いに数本の旗を持っていた状況で遭遇。

必然的に、勝者総獲り(ウィナー ティク イット オール)の戦闘が開始されようとしてた。

 

「バトル開始の前に、1つ、聞いておきマス。」

「む?何だ?」

「アナタ、プロレス好きデスか?」

「はぁ?」

「…ハぁっ!」

 

びゅん!

 

「!!?」

この少しの会話の後、口火を切ったのはレイチェルのニールキック。

いきなりの大技だが、モーションの大きな それを由良は あっさりと躱し、

「てぃや!」

 

ビシッ!

 

「フッ!」「…!」

着地前の覆面少女に魔力強化された右拳を放つが、空中での不安定な体勢にも拘わらず、彼女は不敵に笑いながら、それをブロック。

 

ババッ!

 

互いにバックステップで距離を空けて、ファイティングポーズを構えて仕切り直しだ。

 

「シッ!」

 

シュン…ドシッ!

 

そして今度は、由良が仕掛ける。

高速の片足タックルでダウンを奪いマウントポジションを取った。

 

「…プロレスに限らず、格闘技は基本、大好きだ!」

そこから先程のレイチェルの質問に応えながら、袈裟固めに移行…しようとするが、レイチェルは体を反転させて、これを脱出。

 

「ハッ!」

 

ひゅん…どん!

 

「うわっ!」

そして立ち上がると同時、その場で跳躍。

空中で体を大きく回転、弧を描いてのボディアタック…ラ・ケブラーダを炸裂させた。

これも最初のニールキック同様に、動きの大きな派手な技なのだが、由良は一瞬だが、レイチェルの その華麗な動きに魅せられて反応が遅れてしまい、躱しきれなかったのだ。

 

「ハァッ!」

「ぐ?!」

 

ぐぃぐぃ…

 

更にレイチェルは由良の体を起こすと、そこからコブラツイスト→卍固めで絞め上げる。

 

「さぁ!素直にギブアップするのデス!」

「誰が…するかぁっ!!」

 

ぶん!

 

これを由良は、腰投げで切り返した。

 

「「ちぃっ!」」

そして互いに舌打ちした2人は、今度はロックアップからの力比べに。

これは、単純なパワーで勝る、戦車(ルーク)の由良の方に分が有り、

 

「ハァアッ!」

 

レイチェルの身体を軽々と担ぎ上げると、

 

どすんっ!

 

「きゃぁあっ?!」

ハイアングルのボディスラムで、地面に叩き付ける。

だが、由良の攻撃は、これだけで止まらない。

ヨロヨロと立ち上がったレイチェルに対して、腹部へ膝を打ち込むと、身を屈めた彼女の頭部を股で挟み、その状態で体を持ち上げ、

「これで、終わりだ!」

フィニッシュとばかりに、豪快なパワーボムを繰り出した。

 

「…ふっ!」

 

ガシッ!

 

「っ!?」

しかし この技は決まらない。

落下中で、レイチェルは自らの脚で由良の頭を挟み捕まえると、

 

ぶぅん!…どどん!

 

「ぐゎあっ!?」

そのパワーボムの勢いを逆に利用しての投げ技…フランケンシュタイナーで、逆に由良の脳天を、地面に突き刺したのだった。

 

「く…手強い…!」

「その硬さ…流石は戦車(ルーク)デスね…」

この攻防も決着には至らない。

苦悶の表情を浮かべ、頭頂を押さえながら立ち上がる由良に、レイチェルも そのタフさには覆面の下で、呆れた表情を浮かばせた。

 

「しかし! ダメージは小さくない筈!

これで終わらせマス!」

「??!」

 

ダッ…

 

そしてレイチェルが勝負に出る。

ダッシュで間合いを詰めると、由良の正面で一度 身を屈ませ、そこから突き上げる様な…しかもドリルの様な回転を附けたドロップキックを、由良の顎先にヒットさせた。

更には立ち上がるも、足下が覚束無い由良の背後に回り込みジャンプ、両脚で頭部をキャッチすると、体をバク転させての脚での投げ…先程の それとは前後が逆の、リバース・フランケンシュタイナーを繰り出す。

 

「がぁぁあっ!!」

「な?!」

 

だん!

 

だが、これを由良は、投げられながらも空中で強引に体を捻らせ、自ら身体側面から地に落ちる様にして、頭部の痛打だけは避ける。

 

「ば、馬鹿ナ…」

これに、仕留める気満々だった自身の最大必殺技で十全に決める事が出来ず、レイチェルが動揺。

 

「隙有り!」

「…しまっt?!」

その一瞬の動きの停止を、由良は見逃さない。

今度は彼女がレイチェルの背後(バック)を捕ると、

「でぇぇいや!!」

 

ずどん!

 

「きゃん!?」

見るからに迫力十分な、ジャーマン・スープレックスをお見舞い。

 

「まだまだぁ!」

 

ガシッ!

 

更には無理矢理にレイチェルの体を起こすと、

「やっ!」

裏投げで後方へと ぶん投げる。

 

「ハッ!」

そして続く由良のターン。

再びダウンしている覆面少女の両足を掴み、

 

ぶんぶんぶんぶん…ぶんっ!

 

今度はジャイアント・スィングで大回転…からの投げ棄て。

 

「ぐぅう…」

これでも まだ、由良の攻撃は止まらない。

三半規管にダメージを受けて、フラフラと立ち上がるレイチェルに対して次は、

 

「おっらぁ!」

 

ずどん!

 

「カハァッ!」

強烈過ぎる、DDT。

レイチェルの脳天が、地面に突き刺さった。

 

ガシィッ!

 

そして由良が、締めに入る。

うつ伏せとなったレイチェルの足を、片逆エビ固めに捕らえ、同時に更には顔面締め…

「ぎゃあぁあ~っ!!」

STFをがっちりと極めたのだった。

 

「さぁ、素直にギブ・アップしなさい!」

「だ…誰がぁっ?!」

先程とは話し手が逆転した、同じ会話。

 

ぐぃぐぃ…

 

由良がレイチェルの足と顔面を締め付ける。

技は完全に極っており、既に自力では脱出不可な状態だ。

 

「チッ!」

しかし、意地でも降参(ギブ・アップ)しようとしないレイチェルに、由良が先に折れて技を解除。

ぐったりとしたレイチェルの頭を掴むと、またも無理矢理に立たせ、改めて()()に入ろうと、背後(バック)を捕った。

 

「…甘いデス!」

「???!」

しかし此処で、これを狙っていたのかレイチェルが瞳に光を灯らせると、体を回り込ませ、逆に由良の背後(バック)を捕る。

 

「どっちがぁ!?」

「ちぃっ!」

「このっ!」

「しつこいデスね!?」

だが、由良も再び、レイチェルの背後に。

そして この後、幾度かの背後(バック)の捕り合いが展開され、

「ぅおっりゃあぁっ!!」

 

バキィッ!

 

「…っ!!?」

最後に これを制したのは由良。

背後からレイチェルの腕を掴むと それを独楽回しの紐の様に引っ張る事で体を反転させ、両者が正面で向かい合った処に、相手の顔面目掛け、強力なショートレンジ・ラリアットを叩き込んだのだ。

戦車(ルーク)の腕力から為される この技に、レイチェルは その場で一回転しながら うつ伏せの向きで、地面に叩き付けられてダウン。

 

『ディオドラ・アスタロト選手の兵士(ポーン)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

退場を告げるアナウンスと共に、その場から姿を消した。

 

「あ、危なかった…

もし、私と同じ戦車(ルーク)にでも昇格(プロモーション)されていたかと思うと、ゾッとするぞ…」

そしてレイチェルの退場を確認した由良は、彼女が所持していたのを含む、合計8本の旗を手に持つと、

「流石に これだけの数を持って動き続けるのは、得策じゃないわね…

…会長。此方、由良。ディオドラ眷属との戦闘を経て、現在、8本の旗を入手。

これより一時、アジトに帰還します。」

通信術式で(キング)であるソーナに現状を報告するのだった。

 

▼▼▼

「ふん…

今回は戦闘よりも旗取りがメインなのだが、それでも敵と遭ったならば、戦わず見過ごす等の選択肢は無いな。」

「「…………!!」」

そして、また別の場所でも、ディオドラとソーナの眷属が遭遇。

戦闘が始まろうとしていた。

 




 
ディオドラ眷属については、43話~47話の後書き参照で。
 
次回『Sの悲劇!(涙)』
乞う御期待!
 


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Sの悲劇(笑)

 
"S"って誰だ?
ソーたんなのか?
それとも、セイジョ☆スキーか?
 
【今回の予習】
37話と56話を読んでください。
 




 

♪~♪♪♪♪~♪♪

 

「??」

ゲーム観戦中に、サトルのスマホにメールの着信音が鳴った。

サトルのスマホは、極普通の日本のショップで買った、極々普通な物。

故に、普通なら現在居る冥界にて、着信するなど有り得ない。

 

「…………………………………。

灯、螢、仕事だ。」

「「………!!」」

しかし その内容を見たサトルはサングラスを掻け直し、白音(あかり)黒歌(ほたる)と共に、席を立つ。

 

「どうか、したのかい?」

「申し訳無い。急の仕事が入りました。」

そしてサトル達の隣でゲームの解説をしていた上級悪魔貴族?ティアブラッド(仮名)に一言告げると、3人はゲームの観戦途中で、スタジアムを後にした。

…その間でも、ゲームは続いている。

 

▼▼▼

「きゃあぁあっ?!」

『ディオドラ・アスタロト選手の兵士(ポーン)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

塔の様な建築物の中で、戦闘を繰り広げていたのは、ソーナの兵士(ポーン)、匙元士郎と仁村瑠々子。

そして今、その2人の連携で退場した、ディオドラの兵士(ポーン)のルイズ・クギゥ。

そして、もう1人…

 

「き、貴様ァッ!」

 

ぶぅん!

 

「おわっ?!」「きゃあ!?」

同じくディオドラの戦車(ルーク)、仲間を討たれ、鬼神の如き気迫で大剣を振り回す、ララティーナ・アダマンタイトである。

匙と仁村は、先ずは遠距離からの魔法攻撃を使用するルイズを厄介視し、標的(ターゲット)と定めた。

匙の神器(セイクリッド・ギア)黒い龍脈(アブソープション・ライン)】から伸びる、"ライン"と呼ばれる数本のロープ状のパーツで捕縛。

これにより、魔力(チカラ)と体力を奪われ脱力化、完全に動きを封じられたルイズに対し、仁村が徒手の連打で戦闘不能(リタイア)に追い込んだのである。

 

ひゅいん…!

 

「……!!?」

そして、ララティーナに対しても、剣の大振りの隙を突き、ラインで完全拘束。

 

「き、貴様…!

何で卑猥且つ破廉恥な攻撃だ…!」

「「え゙?!」」

そしてルイズ同様に、敵の動きを封じ、止めに入ろうとした匙と仁村だが、ララティーナの台詞に動きが止まってしまう。

 

「この触手で私を雁字搦めにし、無抵抗となった処を、辱しめる心算だな??!」

「「は…はいぃ?」」

無論、2人は そんな心算は無いのだが、ララティーナの斜め上の発想に、このソーナの兵士(ポーン)2人は目を点に。

 

「巫山戯るなよ! この私の心は無論、身体もディオドラ様だけの物だ!

貴様如きが好きにして良い代物では無いぞ!」

「んな事しねーよ!…って、仁村!お前も然気に距離 空けてんな!」

続くララティーナの妄言に、匙は思わず反論。

ついでに それを真に受けたのか、サササ…と、自分から無言で離れていく仁村にも、突っ込みを入れた。

 

「…しかし貴様は そんなの御構い無く、鎧とアンダーを引き剥がすと、この触手を使って、あんな事や こんな事や そんな事をすr

「どんな事だ!??」

「せ…先輩って、触手プレイが好みだったんすか?

それって かなり、変態入ってまっすよ?」

「違ぇよ!…ってゆーか、触手って言うな!!」

「くっ殺ぉおっ!!」

「いい加減にしろ!!」

 

▼▼▼

「「「「「………………。」」」」」

スタジアム内の、若手悪魔が集っている閲覧室。

此処では この匙達とララティーナの遣り取りを見て、各々が様々な感想を抱いていた。

 

「何とも情けない…

私は あの様な低俗な男と、全力を以て引き分けたと云うのか…?!

私は あの時の戦いを、誇りに思っていたのだぞ…!」

執事服を着た、白髪混じりの初老の男が無念そうに呟き、

「ははは…匙君、どんまい…!」

金髪の少年は苦笑しながら、全てを解っているかの様な同情の眼差しで、モニターに声を向ける。

 

「…しかし、戦術的には、有効な手段だ。

確かに個人の好き嫌いは出るだろうが、決して貶められる戦法では無いぞ。」

黒髪紫瞳の青年は、感心したかの様に、支持する発言をし、

「ぎゃははははははははは!

は、腹が痛ぇっ!」

茶髪の少年は腹を抱え、絨毯張りの床の上を、笑いながら転げ回っていた。

 

▼▼▼

「これは…」

「な、何とも…」

「確かに反則では、ないが…」

「しかし、ですな…」

「いやいや。ある意味、"捨て身"と云う点では、評価出来なくともないですぞ?」

「ん。捨て身過ぎるよね(笑)。」

「きもーい。」

「きしょーい。」

「いや、お前等…

あれは あっちの女が、勝手に言ってるだけだからな?」

「ん~、元士朗ちゃん、相手が悪過ぎたね★」

そして別室。

上級の貴族達が閲覧しているVIPルームでも、この遣り取りに是非が問われていた。

 

「フハハハハハハハ!

だから吾輩は言ったではないか、このゲームでもMVPを狙い、お嬢に お褒めの言葉と同時に その儘あわよくば御褒美として、新入り少年みたいに自分も…等と考えていた小僧よ!

貴様の その神器(セイクリッド・ギア)、今回の使用は控えた方が吉…と。

今の貴様の誤解から生じる羞恥の悪感情、美味である美味である美味であーる!」

「バ=ニルちゃん、笑い過ぎだよ~?」

そんな中、まるでアニメの世界から現れたかの様な衣裳に身を包んだ黒髪ツインテールの女性の横に控えている、白黒ハーフ&ハーフの仮面を着けたタキシード姿の長身の男は、嬉しそうに声を大にして嗤っていた。

 

≫≫≫

 

『ディオドラ・アスタロト選手の兵士(ポーン)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

 

 

 

 

『ソーナ・シトリー選手の僧侶(ビショップ)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

 

 

 

 

『ディオドラ・アスタロト選手の兵士(ポーン)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

 

 

 

 

『ディオドラ・アスタロト選手の兵士(ポーン)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

 

 

 

 

『ソーナ・シトリー選手の戦車(ルーク)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

 

 

 

 

『ディオドラ・アスタロト選手の兵士(ポーン)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

 

 

 

 

『ソーナ・シトリー選手の兵士(ポーン)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

 

 

 

 

『ディオドラ・アスタロト選手の騎士(ナイト)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

 

 

…その後もゲームは進み、両チーム、互いに脱落者を出しつつも、確実に旗を入手。

そして残り時間が60分を切った頃、

「…やあ。」

「…どーも。」

闘技場(コロッセオ)風の建造物の中心で、匙元士朗とディオドラ・アスタロトが対峙していた。

 

「一応 聞くけど、あの旗を諦め、素直に退くなら、見逃してあげるよ?」

「けっ!その台詞、そっくり その儘、返してやるぜ!…ですよ!

行くぜ!昇格(プロモーション)女王(・クィーン)!」

今回は勝利、或いは敗北条件に"拠点制圧"が無い為、中盤以降から軍師・リョーコの許可を得て、積極的に旗取りに参加していたディオドラ。

そんな彼に、"制限時間60分割り"の昇格(プロモーション)の条件を満たした匙が、女王(クィーン)に昇格して、ディオドラに攻撃を仕掛ける。

 

びゅん!

 

「………!!?」

その鋭い回し蹴りが、ディオドラの頬を掠めた。

彼の右頬に横線が入り、そこから うっすらと血が滲み出る。

 

「参ったね…完全に躱した心算だったのに…

昇格(プロモーション)は、伊達じゃないか。」

「感心してる場合かよ!」

 

どどどど…

 

余裕を見せるディオドラに、匙は明らかに不快な表情を見せ、今度は左右の拳の連打を放つが、これをディオドラは、スウェーバックにヘッドスリップ、バックステップで悉く、巧みに躱していく。

 

「…強いね。

僕の下僕達を次々と退場に追い込んだのは、キミだね?」

「さあ!どーだかね!?」

 

びゅん…!

 

「ははは、危ない危ない♪」

「テメッ…!」

更には神器(セイクリッド・ギア)から伸びるラインでの攻撃も躱すディオドラ。

その余裕な態度に匙は、益々 顔を歪めていく。

因みにディオドラの言う通り、()()()()()、ディオドラ眷属を連続でリタイアさせてきたのは全て、匙と仁村のコンビだった。

その途中、仁村も騎士(ナイト)シャルロット・クリフとの戦闘で戦線離脱。

そのシャルロットを倒した後の、ディオドラとの遭遇(エンカウント)だった。

 

 

因みにララティーナは…

 

「くっ…身体の自由を奪った後の、敢えて止めを刺さずの放置プレイとは…

この前のリアス様の騎士(ナイト)と同じ位、鬼畜な男だ…

しかし、この拘束も、悪くは…ない…

ハァハァ…(;゚∀゚)=3」

 

…未だ あの場で、匙の 触手 ラインで縛られた儘だったりした。

 

≫≫≫

「ハァ…ハァ…」

「大丈夫かい?息が上がってる様だけど、少し休む?」

「ざけんな!」

戦闘開始から、約5分が経過した。

その5分の間、休む事無く拳や蹴りを繰り出していた匙。

そして それを、躱し続けていたディオドラ。

次第に匙が攻め疲れしたのか、呼吸が荒くなってきた。

匙程で無いにしろ、ずっと その攻撃を躱していたディオドラも、その動きは決して少なくない運動量。

防御の為の集中力を踏まえれば、下手をしたら匙以上に消耗しているかも知れないが、そんな様子が窺えないのは容量の違いか、それとも(キング)としての意地が、そうさせているのか。

 

「…ってかアンタ、さっきから避けてばっかで、全っ然 攻撃して来ないな?」

「ん~、ごめん。

それは、僕の悪い癖だ。」

「はぁ??!」

自身の問い掛けに対する応えに、戸惑いの顔を見せる匙。

そんな匙に対して、ディオドラは更に言葉を続ける。

 

「仮にキミが、魔力弾等の攻撃を放ってきたなら、即座に同等な技で反撃して終わらせていたさ。

しかし…これは僕達に魔術でなく、格闘の指南をしている師匠(センセイ)の影響だけどね。

体術系で攻撃してきた者に対しては、その動きを"観察"する()が、身体に染み着いているんだ。」

「………………………。」

「特に…えーと、キミ…」

「匙…匙元士朗だ。」

「ん、ありがとう。匙君、キミは掠めただけとは云え、僕の顔に蹴りを当てたんだ。

俄然、興味が湧いてしまってね。

いや、決して舐めプって訳じゃ、無いんだよ。

しかし、それも終わりだね。

キミの望み通り そろそろ僕も、攻めに転じさせて貰う!」

 

ダッ…!

 

「?!!」

そして会話が終わると同時、ディオドラは自らに速度強化の魔法を施すと一気に匙との距離を詰め、

 

ずんっ!

 

「かっはっ…!」

魔力を込めた掌打を、鳩尾に突き刺した。

 

ぐぃ…

 

「…?!!」

そして両膝を着いている匙の頭部を掴むと、強引に起こし、その頭を肩に乗せ、縦一直線の体勢に担ぎ上げた。

 

「し、しまっ…?!」

そして この時、匙は思い出す。

夏の若手悪魔の初顔会わせの際の、ディオドラの大立ち回りを。

 

▼▼▼

「あ、あの技はっ!?」

「出たっ!」

「これは、決まったな…」

 

同刻。

若手悪魔が集う部屋でも、このディオドラの姿勢を見て、どよめき立った。

 

「ケッ!」

そんな中、それを見て明ら様に面白くないと言いた気な表情を浮かべているのは、ゼファードル・グラシャラボラスである。

 

「あらゼファードル、どうかしたのかしら?

何かトラウマでも、思い出しt

「るっせーよ!!」

その場の殆ど全員が察した中、シーグヴァイラ・アガレスが代表するかの様に、やや冷やかし混じりに聞いてみると、キレ気味に応える。

 

「クソが…!」

それは、この夏の話。

事の起こりは省略するが、ゼファードルに自分の下僕を貶められたディオドラがガチギレ。

その場で前衛的オブジェを大量生産した技こそが…

 

垂直落下式ブレーンバスター(イヌガミケ・ドライバー)ーッ!!」

 

ずどんっ!!

 

『ソーナ・シトリー選手の兵士(ポーン)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

 

 

 

 

 




 
【次回予告】
 
※※※
 
◆スレ主◆
【吉報】『セイジョ☆スキーDxD』終了の御知らせ!
次からは ずっと、俺のターンだぜ!
 
◇セイジョ☆スキー◇
m(_ _)m
匙君、ウチの変態が、すいませんでした~っ!
 
※※※
 
感想、よろしくです。
 


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任務開始!(仮)

 
サトル「やっと…長かった…(T_T)」
 


神鳥の羽ばたき(ガルーダ・フラップ)】。

発現時、サトルの右手首に装着される、この金色の腕輪(リストバンド)型の神器(セイクリッド・ギア)の能力の1つに、高等転移機能が在る。

その場所の"座標"さえ判れば、其がサトル本人が知らない、訪れた事の無い場所でも、その場に移動出来る、かなり便利(チート)な機能である。

そして それは正しく、インド神話に伝わる、インド最高神が1柱、ビシュヌの足…否、"翼"として、如何なる場所でも飛来した神鳥ガルーダに準えた能力と云えるだろう。

参考迄に、この神器(セイクリッド・ギア)に封じられている魂は、件のビシュヌに仕えている神鳥当人(神)で無く、実は其と同属な存在である。

"神鳥(ガルーダ)"の銘は、あくまでも その神器(セイクリッド・ギア)を造り出した、()が付けたに過ぎない。

ついでに…

サトルが駒王町で"ガルーダ"として活動する時に被っている、派手な鳥の仮面は実は、別に神器(セイクリッド・ギア)等では無い。

単にサトルの正体を隠すと同時に、ガルーダと云う()()を分かり易く知らしめる為の、魔力も何も通っていない、アジア諸国の神祭等で見られる、只の仮面である。

リアス・グレモリー達はサトルと対峙した時、この仮面こそがサトル(ガルーダ)神器(セイクリッド・ギア)と思い込んでいたが、それは勝手な勘違いである。

 

▼▼▼

「此処…か…」

サトルと白音、黒歌は、冥界の とある地域、とある悪魔貴族の城の前に立っていた。

ソーナ・シトリーとディオドラ・アスタロトのゲームの途中、スタジアムを去り、天照大神から提示された"座標"へと"転移"して…だ。

 

「何だ、お前等。」

「ウチに、何か用でも有るのか?」

「「「………………。」」」

そんなサトル達に、城の正面門前で見張りをしていた者達が、話し掛けてくる。

私服の少女が2人、そして黒スーツのグラサン男が1人、ずっと城の様子を窺う様に見ていたのだ、番兵からすれば、それは当然の行為である。

 

バキッ!ドガっ!

 

「ぐえっ!?」

「き、貴様っ?!」

 

どんっ!

 

「が…?!」

その見張り番にサトルは いきなり、鳩尾への右拳から顎先を狙った上段爪先蹴り。

更に別の門番には、背後に回り込んでの裏投げを炸裂させた。

 

「いえ、あれは…」

「寧ろ、ジャーマンだにゃ…」

 

「ま…待t…」

そして この急襲によって地面に伏せ、動けなくなった門番を後目に、サトル達は城内に侵入するのだった。

 

≫≫≫

「…良かったんにゃ?」

「アマテラス様は、『多少、派手に やって良いぜ♪』って言ってたぜ。」

「いーえ、あれは派手過ぎです。」

…数分後。

城内の廊下に蹲る悪魔達を後に、奥へと進むサトルに、先程迄の私服姿から、()()時のレオタードと仮面と云う出で立ちへと換装した2人の少女が話し掛ける。

 

「寧ろアレは、『ド派手に殺れ』と解釈すべきだと、俺は思う。

…って、オラッ!」

 

バガッ!

 

「へぶらっ?!」

「「……………………………。」」

それに対して、サトルは目の前に現れた、今の自分と同じ様な、黒スーツの悪魔の男に前蹴りを放ちながら応えた。

 

「今回のアマテラス様の意図。

それは、この騒ぎをガルーダとして…で無く、『NIN=JA』として起こす事なんだよ。

冥界…悪魔政府に()()()()()()()()で無く、『NIN=JA』の仕業…を明確に知らしめる為にな。」

「全然、忍んでにゃいにゃ…」

「…此方です。

この先に、独特なチカラの波動を感じます。」

「よし、行くにゃ…っと!」

 

どむ!

 

「ぐふっ!」

そんな会話をしながら、今度は黒歌が、武装した悪魔に仙氣弾を撃ち、K.O。

その先の螺旋階段を駆け上がって行った。

 

▼▼▼

「やっぱ"囚われの お姫様"は、塔の最上階ってのが、デフォなのか?」

「別に、違うと思います。」

「だ、誰…なの…?」

…その後も、侵入者を排除すべく、迫る城内の悪魔を蹴散らしながら登った階段の先、外観からすれば塔の形な建物の、最上のフロアに着いたサトル達。

その多重の結界に被われた部屋の中、小学校高学年に見える1人の少女が脅えながら、サトル達に話し掛けた。

 

「彪部蜜柑ちゃん…ですね?」

「蜜柑のパパとママに頼まれ、助けに来たにゃ。」

「え…?父さんと母さん、に…?」

この少女の名は、彪部蜜柑(11)。

彼女の家系は昔から、【日本神話】と縁が有った。

彪部家当主から【日本神話】に、『長女が神器(セイクリッド・ギア)を覚醒させた』との報せが有ったのが、約1ヶ月前の話。

その長女…則ち蜜柑が消息不明となったのが、4日前の話。

天照の指揮下、『NIN=JA』が内偵を進め、それが悪魔によって冥界に拐われたと判明したのが、そして その救出・奪還役にサトルが抜擢されたのが、つい先日の話。

更に悪魔が住む冥界にて、蜜柑が囚われている より正確な場所を特定出来たのが、先程…ソーナ・シトリーとディオドラ・アスタロトのゲームの途中の話だったのだ。

 

「瘴気に体が蝕まれていないのは、この結界の お陰ですね。」

「それと、この子の神器(セイクリッド・ギア)も、内側から護っていたみたい。

兎に角 無事で、良かったにゃ。」

本来なら普通の人間は、冥界の空気中に含まれる瘴気に触れると、直ぐに命の危険に晒されるのだが、蜜柑を拐った悪魔は、どうやら彼女を死なせる心算は無い様で、寧ろ大事に保護するかの様に結界内に閉じ込めていたらしく、更には彼女に宿る神器(セイクリッド・ギア)が、本人とは無意識に発動し、宿主を護っていたとか。

 

「よし、帰るz

「お待ちなさい!!」

「「「「!!???」」」」

そして保護対象を確保、もう此の場に用は無いと、サトルが転移を行おうとした時、それを呼び止める声が。

声がした方向に目を向けると、其処には約20人の武装した悪魔兵が。

その後方に、白基調のドレスを着た紫の髪の少女と、その両脇にメイドが2名居た。

近付く気配や足音等が全く しなかった事から、どうやら転移魔法を使い、この部屋に来た様だ。

  

「…その娘を、どうする心算なのかしら?侵入者?」

白ドレスの少女が高圧的な口調で、サトル達に問い掛ける。

 

「どうするも こうするも、アンタ等 悪魔に拉致られた この お嬢ちゃんを、親元に送り届けるだけだが?」

見た目、自分と同年代か少し下に見える、この恐らくは貴族令嬢悪魔の質問に、サトルは動じる事無く、普段の口調で応えた。

 

「巫山戯ないで!その娘は私の下僕にする為に、お爺様が連れて来てくださったのよ!

勝手な真似は許さないわ!!」

「勝手にって…それこそ勝手に無理矢理 拉致った側の、言う台詞じゃないな。」

「な、何ですって!?」

本来なら相手を無視して、直ぐに転移で この場から姿を消すのも可能だが、敢えて それをせず、一先ずは悪魔側の言葉に耳を貸す構えなサトル。

 

「あ、貴方は誰に向かって、喋っているですか!?」

「この御方が誰だか、解っているのですか?!」

「知るかよ。…って、誰だよ?」

「「きっ、きっきっきっ…!?」」

「「「猿かよ?」

    ですか?」

    かにゃ?」

「「喧しいわっ…ですよ!」」

そんなサトルに対して、今度は2人のメイドが、やや怒り気味に、サトルに捲し立てる。

それでもサトルは、自身の態度(スタイル)を崩さず。

それは火に油な如く、この取り巻き(メイド)2人を、よりヒステリックにしてしまう。

 

「貴っ様ぁ!! こ、この御方はぁ!

ナベリウス家当主、ツヲネ・ナベリウス様の御長男にして次期ナベリウス家当主候補、ヌァダィ・ナベリウス様の御息女、ホリェッター・ナベリウス様で在らせられるぞ!」

「お前如き下賤な輩が、易々と口を開いて良い御方では、決して無いのですよ!」

「えっへん!」

この侍女の紹介に、少女…ホリェッターは勝ち誇った様なポーズと共に、どや顔を浮かべるが、

「「「へー、それは それは、すごいですねー」」」

「な、何よ、その反応は、少しは驚きなさいよ!!」

「「「「な、なんだってー」」」」

「ムッキーーーーーーーーーーッ!!」

サトルと猫姉妹だけでなく、蜜柑までもが それに棒読み対応で返す。

この小馬鹿にした様な反応には、ナベリウス家当主の孫娘らしいホリェッターも、顔を真っ赤にしての大激怒。

 

「こ、この無礼者共を始末して、ミカンを連れ戻しなさい!」

「「「「「「「はっ!」」」」」」」

 

どどどど…

 

そして怒れる貴族令嬢の この一言で、彼女を護るべくに前衛を勤めていた悪魔兵達が一気に、サトル、そして白音と黒歌に襲い掛かる。

 

「灯、螢、この嬢ちゃんを頼むぞ。」

「「了解です。」

    にゃ。」

しかし それに対して、サトルは白音(あかり)黒歌(ほたる)に蜜柑のガードを任せると、1歩前に歩み出た。

 

「1人で我等を相手にする心算か?」

「舐めるなよ、脆弱な人間が!!」

「嬲り殺しにしてやる!」

 

ゾシュッ!ゾシュ ゾシュッ!

 

それに対して悪魔の兵達は、舐められていると怒りを露、サトルに向けて無数の魔力弾を撃ちだすが、 

 

シュゥゥ…

 

「何ぃ?!」

「馬鹿な!?」

「俺達の攻撃を?」

それ等は全て、一見 無防備に見えるサトルに被弾する直前で、かき消えてしまう。

サトルの神器(セイクリッド・ギア)の特性の1つ、『絶対魔法防御』。

それは、それが"魔力"を源とする攻撃ならば、如何に強大な破壊力だろうが、完全に無効化させると云う物。

以前、リアス・グレモリーがサトルに向けて放った滅びの魔術も、この能力によりダメージを与える事が出来なかった。

同様に天使や堕天使の"光"の攻撃も、直撃前に消去してしまう。

アマテラスが言うには、この神器(セイクリッド・ギア)を扱う者にダメージを与えるには、純粋な物理攻撃か、仙術や覇氣に気功、或いは鬼道等の、()() ()()以外の源流のチカラを行使しなければならないとか。

 

「今度は此方の番だな。…禁手化(バランス・ブレイク)!」

 

カァッ…!

 

「な…何だ、それは?」

神器(セイクリッド・ギア)…なのか?」

そして自分のターンを宣言するサトル。

右手首に装着した金色の腕輪…それに埋められている真紅の珠を眩く光らせると、次の瞬間には兜の角と背に附いた翼の様なパーツが特徴的な、黄金基調の全身鎧で身を包んでいた。

 

「…ついでだから、()()()も、使ってみるか。

……………………っ!!」

更には何かを念じると、サトルの真横の空間が()()()、黒い【穴】が開く。

 

ず…ずず…

 

そしてサトルは その【穴】に手を入れ、その中から1本の大剣を取り出すのだった。

 

 

≫≫≫

…約30秒後。

 

「あ…」

「あわわ…」

「ひぃっ!?」

死屍累々。

黄金の鎧を纏い、蒼刃の大剣を持つサトルの前に転がる、無数の悪魔の屍。

その図は正しく、その表現が お似合いな惨状となっていた。

 

「ん~、実戦で使ったのは初めてだが、()()は予想以上に、俺と相性が良いっぽいぞ?」

サトルが手にしている、この大剣の銘は、魔剣グラム。

以前、裏京都に襲撃してきたテロリスト集団【禍の団(カオス・ブリゲード)】のメンバーの1人が所持していた、北欧神話に由来する魔剣である。

ホリェッターの指図の下、サトルに攻撃を仕掛けてきた悪魔の兵達は皆、この蒼い魔剣によって斃され、残っているのはホリェッターと その取り巻きの侍女(メイド)2人だけとなっていた。

 

「み、見えません~?」

「はい~、蜜柑ちゃん。もう少しだけ、この儘で いましょうね?」

…因みに この光景は お子様に見せるのは好ましくないとして、蜜柑は白音に、目隠しされた状態である。

 

「さて、どうする?

大人しく帰してくれたら、非常に有り難いし、それで終わるのだが?」

「「ひっ?!」」

魔剣の切っ先を向けながら、禁手(バランス・ブレイカー)の鎧を解除したサトルが、ホリェッターに問い質す。

取り巻きの2人は、目の前の男に恐怖したのか、己の主をまるで盾にするかの様に、貴族令嬢の背後に隠れ、身を震わせている。

 

「す、すすす…」

…しかし、

「す、凄いわ、貴方!

貴方も私の下僕にしてあげるわ!」

「「「はぁ?!」」」

ホリェッター当人は、脅える処か、眼を輝かせながら、サトルに対して まさかの勧誘である。

 

「来週の誕生日、私も お爺様から悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を貰えるの!

貴方の強さなら、きっと女王(クィーン)にもなれるわ!

それと、そっちの2人も、それなりに強いのでしょ?

貴女達も ついでに、下僕として迎えてあげる!」

「「「………………………。」」」

今の自分の状況が理解出来ていないのか、そして他人の言う事を聞いていない…聞かない体質なのか、一方的に話し出し、サトルも普段なら突っ込みを入れる場面なのだが、呆れ返って何も言えない程に固まってしまう。

これには ()()()にと誘われた、猫姉妹も然りである。

 

「どう?悪くない話でしょ?

私の下僕になれば、凄い贅沢な暮らしだって、出来るわよ?」

「嫌なこった。」

「同じく。」

「以下同文だにゃ。」

「わ、私も、下僕なんて、絶対に嫌です!」

「へ?」

そんな空気の中、それでも話続ける貴族令嬢に対するサトル達の返事は、当然『NO』。

蜜柑も それに便乗して、はっきりと下僕になる事に拒否の意を示した。

これを聞いたホリェッターは、今迄 所謂"イエスマン"としか会話した事が無かったのか、『NO』と云う返事を想定していなった模様。

一応 容姿に関してだけは美少女にカテゴライズしても良い顔立ちを、一瞬だがギャグマンガの様な間抜け顔に崩してしまう。

 

「な、な、な…何故…?」

「この嬢ちゃんもだが、俺達 皆、今の生活に満足してるんでね…だよね?

…てゆーか悪魔に転生?

(ヾノ・∀・`)無い無い。絶対に無いわー。」

「はい!悪魔になるなんて、嫌です!」

「な…??!」

そして本っ当~に嫌そうな顔で、悪魔への転生を拒否するサトル達の態度に、顔を強張らせる。

 

「な、何を言ってるのですか、貴方達は?!

この私が、下僕にしてやると言っているのですよ!」

「そ、そーよ!

人間如きの分際で、お嬢様に…いえ、悪魔(われわれ)に逆らう心算なの!?

有り得ないわ!」

「その通ーり!

人間なんて、私達悪魔の言う事には、素直に聞いていれば、それで良いのでs」

 

斬!…ボトッx2

 

それから復活した?取り巻きAと共に続く、我儘お嬢様の自己中発言だが、止む気配が無いと思われた それは、この2人の首が床に転がり落ちた事で、終わりを告げた。

 

「うぜぇ…!」

「な…何だかサトルが、()()()()()()()()()()()()()()をしてるにゃ…」 

「何なのですか…

その、分かり易いのか訳解らないのかな例えは?」

「え?何?何が起きたの?!」

その余りの言い様に、サトルが思わずリミットブレイク。

手にしていた、魔剣の一閃が煌めいたのだ。

尚、未だ蜜柑は白音に目隠しされている儘で、この惨劇を直視していない。

 

「き…きゃあああぁあぁ~っ??!」

そして取り巻きB。

その場面を見て…そんな場面だからかそか、首を斬られたホリェッターと取り巻きAの首の付け根から噴き出る血をシャワーの様に全身に浴び、一時的に処理落ち(フリーズ)

数秒後、意識を取り戻すも直後、床に落ちても尚、斬られた事に気付いてないのか、憤慨した表情の儘で固定されている主と同僚と眼が合ってしまい、恐怖に顔を歪めての悲鳴を上げてしまう。

 

スゥ…

 

「ひっ…!?」

そんな取り巻きBに向けられる、魔剣の切っ先。

此処に来て、漸く この侍女は、目の前の人間が『貴族様EREEEEE!』が通用しない類いの者と理解する。

その顔は、表面上は血を浴びて真っ赤に染まっているが、その下の素肌は蒼白となっているだろう。

膝だけはカクカクと震えているが、身体全体は硬直。

動けば自分も殺される…そう思っているのか、本当は直ぐにでも その場にへたれ込みたい処を、それを必死に我慢しての直立の姿勢を保っている。

  

「…帰っていい?」

「あ…ぁあ…」

そんな彼女に、サトルは質問。

人間基準で見れば、10代後半から20代前半に見える悪魔の女は、涙目で震えながら、コクコクと何度も首を縦に振るのだった。

 

「いや、分かって貰えて嬉しい。

ついでに1つ、頼まれてくれないかな?

何、そんな難しい事じゃない。

俺達が この場に来てからの…会話を含む全てを造らず隠さず有りの儘、この城のトップなり悪魔のトップなりに伝えて欲しい…

ただ、それだけの話さ。」

 

シュォォン…

 

それだけ言うとサトルは自らの神器(セイクリッド・ギア)の転移機能を発動。

白音、黒歌、そして蜜柑と共に、その場から姿を消すのだった。

 




 

彪部蜜柑…結城美柑(To LOVEる)
ホリェッター…アンリエッタ(ゼロ魔)
 
…のイメージで。
 
②この小説では、猫姉妹とナベリウス家は、何の接点も無いです。
 
③敵ならば、女相手でも容赦無いサトル君。
 
 
次回、悪魔政府と【日本神話】、遂に衝突?
乞う御期待!
 
感想、よろしくです。
 


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お母様、来たる!

 
サトル君が大暴れしていた頃…
 


 

※※※

 

◇名無しの実況悪魔◇

セイジョ氏vsひんぬーさん、決着!

 

◇名無しの悪魔◇

どうなった?

 

◇名無しの実況悪魔◇

結果から言えば、セイジョ氏勝利だよ。

 

◇名無しの悪魔◇

セイジョ☆スキー、おめ!

 

◇名無しの悪魔◇

流石は主役だな(笑)

 

◇名無しのxanadu◇

違うからねwww

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

純粋な旗の獲得数は、ソーナ嬢の方が多かったが、1本で複数本分の価値を持つ旗の獲得数の差で、ディオドラ坊が辛くも追い抜いたって処だ。

 

◇名無しの実況悪魔◇

『残り時間30秒!』のアナウンスと同時、応援団の旗をゲットしたのが決まりだった。

 

◇名無しの観戦悪魔◇

それと、守りでもセイジョさんの方が鉄壁だったな。

光の障壁と聖剣の結界は、ある意味反則だぜ。

 

◇名無しの悪魔◇

応援団?

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

詳しくは、テレビ放送で!…って所ね

 

◇名無しの悪魔◇

楽しみだ。他に見処ってーと?

 

◇名無しの運対常連◇

見処?そんなの

 

ララティーナ可愛いよララティーナ!

 

…これに尽きる!

 

◇名無しの騎士(金髪)◇

匙君、どんまい!(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

察し…www

楽しみだwww

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

あの場面、テレビじゃまたカットされるのじゃないかしら?

 

◇名無しの悪魔◇

それにしても、

 

2連勝の兄貴とセイジョ☆

2連敗の駄肉とヤンキー

1ー1の眼鏡さんズ

 

…徐々にだが、若手の位置付けがハッキリしてきたな

 

◇名無しの悪魔◇

盛り上がっている所、すまんが大変だ!

 

◇名無しの悪魔◇

どうした?

 

◇名無しの悪魔◇

ナベリウス家が、襲撃されたらしいぞ!

 

◇名無しの悪魔◇

はい?

 

◇炎の兄貴!◇

何だと?!

 

◇名無しの悪魔◇

詳しくは報道サイトとかテレビとかで臨時ニュースやってるから、そっち観てくれよ。

尤も現状、犯人の正体とか目的とか、全く判ってないみたいだけどね。

 

※※※

 

 

≫≫≫

 

 

※※※

 

◇名無しの悪魔◇

色々と、不明点が多いね

 

◇名無しの悪魔◇

襲撃目的も不明

襲撃者の身元も不明

 

◇名無しの悪魔◇

分かってるのは黒いスーツのグラサン男1人と、仮面にレオタードな女が2人。

金目の物を盗った訳で無し、単に城の警備兵と、当主の孫を殺して逃げただけって…

 

◇名無しの悪魔◇

当主の孫…

あー、ホリェッター姫か。

 

◇名無しの悪魔◇

あ、ホリェッター姫ね。

 

◇名無しの悪魔◇

wwwwwwwww

 

◇名無しの運対常連◇

案外、あのアホを殺るってのが、目的だったりしてな

 

◇名無しの悪魔◇

オブラートオブラート!

 

◇名無しの運対常連◇

るっせー!

俺は、ナベリウス領在住なんだよ!

ぶっちゃけ俺等、あのア・ホリェッターやその他あの家族の我儘無茶振りに、何度泣かされてきたか…

テメー等からすりゃ対岸だろうが、此方は皆、表にゃ出さないが、「ひゃっはー!」してるぜ!

 

◇名無しのしっとマスク(血涙)◇

ナベリウス家の姫君の我儘は、噂で聞いた事が有るが、それ程なのか?

 

◇私もナベリウス領民です。◇

あの家、アホ姫様だけでなく、家族揃ってバカばっかです

 

◇名無しの運対常連◇

税金ぶん上げする癖に、領地経営や土地改善は全く。

その癖、「貴族様EREEEEE!」だからな。

思い付いたみたいに無駄に祭りとか興しやがって、その度、その予算の為だけに税率上げやがる。

直接被害受けてる訳から、ぶっちゃけ駄肉姫よりも、こっちを何とかして欲しい。

 

◇名無しの悪魔◇

あと、取り巻き1号&2号もウゼェ。

 

◇セイジョ☆スキー◇

貴族ってのは、きちんとその義務責務を果たしたからこそ、「俺EREEEEEE!」が出来るのに…

下々の皆さん、ナベリウスが〇〇〇〇〇〇〇〇(過激な表現だったので検閲しました。byスレ主)なだけで、貴族が皆あんな風とは思わないで下さい。

m(_ _)m

 

◇名無しの悪魔◇

あ、セイジョ☆さんだ!

勝利おめっす!

 

◇BSADB★総督(笑)◇

アホ姫様(笑)の話で盛ってる所に悪い、その犯人の話だけどな…

 

◇名無しの悪魔◇

総督?

 

◇名無しの悪魔◇

総督だ!

 

◇BSADB★総督(笑)◇

俺も今、そのニュース観てみたが、報じられていた「黒いスーツの男」ってのに、心当たりが有るちゃ有る。

尤も、黒スーツってだけで「奴等」と決めつけるのも早計だし、奴等が何の理由や目的も無しに、冥界にカチ込みする筈が無え。

仮に、その黒スーツとやらが本当に「奴等」だとしたら、悪魔政府、もしくはナベリウス家か?…が、まだ何か隠してるぜ。

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

「奴等」って表現。総督殿は件の賊が、何かしらの集団に属している者と考えているのかしら?

 

◇名無しのひんぬー会長◇

黒いスーツの男…ですか…

 

◇コヤス=サン◇

黒スーツの集団…

もしかしてフ〇゙キ組か?

 

◇名無しの悪魔◇

あら、ひんぬーやコヤスさんも、何か心当たりが?

 

◇名無しのひんぬー会長◇

ひんぬーゆーな!

私は決して貧乳なんかじゃない!

周りが無駄に大き過ぎるから、そう見えてるだけです!

てゆーかスレ主さん!

このハンネ、マジに何とかして下さい!

 

◇セイジョ☆スキー◇

( ・∀・)つ[牛乳]

 

◇炎の兄貴!◇

(;・ω・)つ{大豆プロテイン}

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

(:´△`)つ(PAD)

 

◇名無しのひんぬー会長◇

うがーーーーーーーーーっ!!!! 

 

※※※

 

▼▼▼

「くっくっくっく…www」

堕天使総督アザゼルは自身の執務室にて、何時ものサイトに()()()()()()()書き込みを残した後、その後の遣り取りを見て苦笑していた。

 

 

 

…いやいや、黒スーツの賊ってのに、つい反応してコメントしちまったが まさか本当に、()()()()()()()()()の仕業とは思えんな。

例えば、悪魔が『【日本神話】の関係者が神器(セイクリッド・ギア)を覚醒させたから下僕悪魔にしようとして拉致った』とかな理由でも無い限り、冥界(コッチ)に乗り込んだりは、しねえだろ?…って、悪魔(アイツラ)なら やりかねんか?

 

 

 

そんな風に、考えながら。

 

「…何を、物思いに耽っているのですか?」

「…??!」

 

ビックゥッ!

 

そんなアザゼルに、背後から掛ける声が1つ。

いきなりの それに、堕天使総督は思わず、思いきり肩を飛び上がらせてしまう。

 

「しぇ、シェムハザ!?

テメー、何時の間に?」

「そんな事は どうでも良いでしょう。

アザゼル、貴方は今の この時間に、何をしているのですか?」

「………………………………。」

その声の主は、グリゴリ副総督のシェムハザだった。

どうやら彼は、業務時間帯でも仕事をサボり、パソコンで遊んでいる自分の上司に対して、とても お怒りな御様子だ。

 

どん!

 

「こ、これは…?」

「見ての通り、書類の山です。」

そんなシェムハザは、アザゼルの無駄に良い味わいを醸し出している、アンティーク調の両袖机の上に、大量の書類を積み上げる。

 

「私が見張っていてあげます。

さぁ、今日は これ等を終わらせる迄は、帰らせませんからね!」

「見張りって、ちょ…オマ…

お前は仕事は、しなくて良いのかよ?!」

「御心配無く! 既に この為に全て、終わらせていますから!」

「じゃ、じゃあ、少し手伝うとか…」

「しゃあらっぷ!

さっさと お始めなさい!この、サボり魔総督!」

「働きたくないでござる!( @Д@メ)

絶対に働きたくないでござる!!」

 

▼▼▼

「ちょ…兵藤君、いくら何でも、それは安直過ぎだと思うよ?」

「いや、しかしだなぁ!?」

同じ頃のグレモリー城。

リアス・グレモリー達にも、ナベリウス家襲撃の報は耳に届いていた。

 

「間違い無いって!

この犯人は、ガルーダの野郎に決まってるって!

仮面にレオタードの女の子2人なんて組み合わせ、他に居ないだろ?」

「いや、探せば結構 居ると思うよ?」

その報道による襲撃犯の出で立ち…黒スーツは兎も角、レオタードの女2人という特徴から、兵藤は この2人を以前に出会った、白音と黒歌と推測。

必然的に、黒スーツをサトル(ガルーダ)と断定したのだが、

「イッセー…

貴方が あの男を嫌いなのは解るけど…そりゃ私だって、大嫌いよ!あんな奴!!

…でも、アイツは人間よ?

簡単に冥界に出入り出来る筈が無いわ。

仮に あの男だとしたら、何の為に襲撃を仕掛けたって言うの?」

「うん。何でも彼のせいにするのは、違うと思うよ?」

「ニュースでも、あの地の民が、我儘お姫様に対する怒りが爆発したのでは?…と言っていますわ。」

「流石に視野が、狭過ぎるわ。」

しかし、リアス他、他の眷属達は、その短絡過ぎる根拠に…実は兵藤のファインプレーな発言だったのだが…それを否定するのだった。

尤も、これで彼女をまた何時もの如く、『無能』と評するのは、酷と云う物。

 

「うぐぐ…自信、有ったのに…!」

 

▼▼▼

また同じ頃の、高天原の神殿。

 

「とりあえずは、お疲れさん。

そして正式に『NIN=JA』としての初任務の無事 成功、おめでとう。

…蜜柑ちゃん、だったっけ?

親御さん達も、泣きながら君達に感謝していたぜ。」

「サトルさん、おめでとうございます!」

「どうも…」

悪魔(ナベリウス)に拉致された少女、彪部蜜柑を無事に救出したサトルの報告を聞き、それに労いの言葉を掛けているのは【日本神話】主神の天照大神と その侍女兼 恋人 弟子の、アーシア・アルジェント。

 

「…それにしても、本当に良かったんにゃ?」

「ん?何がだい、黒歌ちゃん?」

「少し、殺り過ぎた気が…」

「先に言っておきますが、殺ったのは全部、サト君です。」

「おい?!」

それに対して、任務成功は良いが、その詳細を、少し気にしているのは猫姉妹。

特に、あの場で止める気は確かに皆無だったが、純血の貴族悪魔の殺害は、今後の勢力関係を考えると、思う処が有る様だ。

 

「あー、それなら全然、気にする事は無いよ。

寧ろ、善く殺った!(*^ー゚)b …って感じだぜ。」

しかしアマテラスは、それを杞憂だと笑いながら応える。

 

「確かに悪魔連中も、何時かはサトル君の黒服から、『NIN=JA』…則ち【日本神話】に辿り着くだろう。

サトル君なら、気付いてるだろ?

今回は わざと、その答えに導こうとしてた事を。」

「まぁ、何となく…もしかして…のレベルでしたけど。」

「でも、それに何か問題が有るかい?

連中が『純血悪魔を殺害した』と、ウチにクレームを憑けてくる?

はっはっは! 先に"日の本(ぼく)"の(こども)を拉致ったのは、何処の何奴だい?…って話だよ。

寧ろ、正しく どんな面 下げて来るか、興味が湧いて来ないかい?

戦争に発展?

それは それで、面白いじゃないか。

あんな下らない内輪揉めすら終わらせる事の出来ない、弱小勢力の更に一派閥だぜ?

事が起きた時は、それこそ【聖書】毎、滅ぼしてやるさ。

自分達が誰に喧嘩を売ったのか、その魂に直接、教え込んでやるよ。」

そして更に笑いながらも、アマテラスは重々しく言葉を続けるのだった。

 

≫≫≫

神器(セイクリッド・ギア)に目覚めたって事は 、あの子も将来は『NIN=JA』に入るんですか?』

「ん~、どうだろうね。

あの子の神器(セイクリッド・ギア)は、どうやらアーシアちゃんと同じ、『治癒系』みたいだし?

それに元々 彪部家は、戦闘や諜報の家系じゃないからね。

とりあえずは神器(セイクリッド・ギア)の扱いの方は、アーシアちゃんに任せる予定だよ。」

「「「………………………。」」」

「………!?」

そして話は、サトル達が助け出した少女の事に。

サトルの質問に、アマテラスは彪部蜜柑をアーシアの下に置くと答える。

それは当面は、蜜柑も侍女見習いとして、アマテラスに仕えさせると云う事だ。

 

「心配しなくても、確かに僕は少しばかりレ〇゙っ気は有るけど、決してロリ〇ンじゃあないから。

だからサトル君白音ちゃん黒歌ちゃん?

そのスマホは仕舞おうぜ?

ほら、アーシアちゃんも。

『うぅ…この、浮気者~!』…な感じに、涙目で睨んだりしない。」

 

▼▼▼

…数日後。

 

「いや、安く買えて良かったぜ。」

「本当ですね。」

学園からの帰り道、スーパーで大量の食材を買って帰宅しているのは、サトルと白音。

 

「…で、今日の夕飯は、何にするにゃ?」

「親子丼。」

「サト君の親子丼、美味しいから楽しみです。」

それに黒歌も加わり、今晩の献立等、色々と話ながら自宅(マンション)に着いた時、その入り口には見た目20代前半に見える、女が1人立っていた。

長い髪の毛を金と赤のハーフ&ハーフで染め、やや露出が多い、派手な服装の女だ。

 

「う~む…

驚かせようと、いきなりアポ無しで来たのは失敗だったわね…」

どうやら彼女は このマンションの住人で無く、そして訪ね先の者も不在らしく、セキュリティドアの前で立ち倦ねている様だった。

 

「「「あ…」」」

「ん?」

そんな彼女を見たサトル達が、一瞬 立ち止まる。

そして女の方も、サトル達に気付き、

 

タタタタッ…もぎゅぅっ!

 

「ん~~、サっトル君、久し振り~♪♡」

「ふごふゎぁっあ?!」

「「あ゙ーーーーーーっ?!!」」

ダッシュで駆け寄るとサトルに飛び付き、大きく胸元が開けた衣裳…その剥き出しな谷間に顔面を埋めるが如くな、過激な抱擁を交わすのだった。

 

「もが…ふ、藤舞さん、死ぬ!マジに死ぬるから!…んむむ~?!」

「サ…サトルに何してるにゃ!このエロ猫ババア!」

「お母様、窒息死させる気ですか?

早くサト君から離れて下さい!!」

 




 

フハハハハハハ!
サブタイでヴェネラナさんの出番だと思ったか?
残念!藤舞さんでした!
 
②藤舞さんの容姿イメージは、キャラ・スーン(ガンダムZZ)で。
 
③アマテラス様の年齢からすれば、アーシアたんも十分にロリになるんじゃね?…って突っ込みは厳禁でs
 
 
 
 
 
 
 
 
…只今、作者がアマテラス様に肉体言語(サブミッション)100連発で〆られています。
暫く お待ち下さい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
次回予告『Sa TOる(仮)』
乞う、御期待!
 
感想よろしくです。


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Sa TOる

 
今回の被害者は…サブタイで察して下さい(笑)
 
 


「あー…死ぬかと思った…」

いきなり現れた白音と黒歌の母親、藤舞による顔面圧迫な抱擁から解放され、息絶え絶えに呟くサトル。

 

「ふふ♪…でもサトル君、実は気~持ち良ぃ~♪とか、思っていたでしょ?♡」

「う…」

そんなサトルに藤舞は、悪戯っぽく笑いながら話す。

どう見ても20歳前半な その容姿は、年頃の娘がいるとは思えない。

白音、黒歌と合わせて猫"3"姉妹と呼んでも欠片程の違和の無い、その"長女"の艶の有る仕種に、思わずサトルはドキッとしてしまう。

 

「…(す、少しだけ…。)

「「さ、サト君~!?」

      ル~?!」

そして、顔を少しだけ赤くしての この応え。

どうやら藤舞の顔面圧迫(ぱふぱふ)は、確かに呼吸が困難になる半面、その感触は、実は かなり気持ち良かった様だ。

 

「この!この浮気者サトル~っ!!」

「ぐぇっ?! 黒歌姉、マジ! マジ苦しい!死ぬ!?」

「ハァ…

それで、お母様? 今日は一体、何事ですか?」

若干 涙を浮かべ、サトルに結構ガチなチョーク・スリーパーを極めるジ黒歌を見ながら、白音がジト目で藤舞に問い掛ける。

 

「うふ…♡

とりあえず、アンタ達の部屋に入れてくれないかしら?

…話は、その後よ。」

 

▼▼▼

鮭の切身に塩を適量に振り、コンロに入れて、皮がパリパリになるまで焼く。

同時に もう1種類、別の切身をバター、香草と一緒にアルミホイルに包み、フライパンで焼く。

丼の中の飯に甘酢と黒酢を少量 落とし、その真ん中に予め山葵醤油に浸けていた、イクラをご飯の中央に乗せる。

そして焼け上がった塩焼きは その儘、ホイル焼きは身をほぐしてイクラを囲む様に、更に鮭の刺身も飯の上に乗せる。

醤油、味醂、その他 数種の薬味を混ぜ合わせて作った特製ダレを丼全体に掛け、仕上げに刻み海苔を散らして生姜(ガリ)を添えて…

 

「へい!"鮭"の親子丼、お待ち!」

「「「お、おぉ~っ!」」」

 

パチパチパチパチパチパチパチパチ…

 

サトルが作った料理に、瞳を輝かせる猫姉妹…否、猫親子。

 

「ん!本当に美味しい!

アンタ達、もしかして何時も、サトル君の料理、食べてるの?」

「いえ、基本的に料理は交替で…ですね。

因みに黒歌姉様は、食べるだけです。」

「余計な事、言ーにゃ!」

特に藤舞は、自分の義理の息子になるであろう少年の その腕前に、驚いていた。

 

「よーし、サトル君! 私()()結婚しよう!」

「はひ?!」

「そしたら毎晩、さっきみたいに ぱふぱふ、してやるぞ?

勿論、それだけじゃ済まされない!

どんな変態プレイでも、受け入れるわよ。」

「「おいっ!?」」

そして、未亡人歴15年な美女の、本気なのか冗談なのか判らない この発言。

これには思わず、姉妹から突っ込みが入る。

 

「えー?」

「…ぢゃ、ありません。

サト君の ちん〇゚(バキューン!)は、私と黒歌姉様だけの物です。

お母様は、駄目です。」

「だにゃ!」

「ケチねぇ? 知らないの? 母娘(おやこ)丼って、男の子の野望(ゆめ)なのよ?

そーだよねぇ?サ・ト・ル・君?♡

黒歌達と一緒の()()()()ぱふぱふだって、夢じゃないわよ?

それにアンタ達だって、新しい父親や、弟や妹、欲しいでしょ?」

「と…トリp…?」

「黙るにゃ! この、エロ猫ババア!

…って、サトルも何、揺らいでるにゃ!?

サトルは姉妹丼だけで、十分に満足してるにゃ!

それにサトルは、猫耳どじっ子メイド姉妹の裸エプロン御奉仕&ご主人様のお仕置きプレイが大好きなんだにゃ!

それと、着物を着せての悪大官プレイ。」

「違いますー。サト君が一番好きなのは、いきなり ぱんつだけ強引に脱がして 前戯無しの無理矢理 即★挿入・レ〇プ風鬼畜プレイですー。

それを学園内で、制服or体操着(夏はスク水)プレイと併せてヤるのが大好きなんですー。

大体こんな年増より、私達 若い女の子のが良いですよね?」

「ま゙?! アンタ達、何時も そんなプレイしてんの?

若いって良いわねぇ…って、誰が年増でババアよ!?」

「…って、サトルと白音、学園でもシテるんにゃ?

何だかズルいにゃ!?」

「飯 食ってる最中の会話じゃねぇ…」

…それ以前に、親子でする会話では、断じて無い。

 

≫≫≫

「それにしても…

何事かと思ったら、本当に顔を見に来ただけだったなんて…」

「てっきり天照様から、何か言伝てでも頼まれたかと思ってましたよ。」

「今回は違うわよ~♪」

部屋(ウチ)に入る前の、あの含みの有りそうな言い方は、一体 何だったんにゃ…」

母娘丼(猫) 親子丼(鮭)を食した後、藤舞が お土産として持ってきた、抹茶羊羮をデザートとしながら話す、サトルと猫親子。

どうやら藤舞は、今回は本当に、只単に娘や義理の息子と会って話したくての来訪だったらしい。

 

「一言、連絡してくれたら良かったのに…」

「ん~、サプライズ?」

「悪戯好きは、相変わらずだにゃ。」

「ん。流石は黒歌姉の母さんだよ。」

「どーゆー意味にゃ?!」

「とりあえず、今晩は泊まっていくから、よろしくね♪

あ、お布団は、皆と一緒で良いから♡」

「「いい加減に して下さい!」

        するにゃ!」

「母娘漫才、面白っ!」

 

▼▼▼

 

シャカシャカシャカ…

 

「全く…お母様にも、困った物です。」

「でも、久し振りに会ったんだ。

やっぱし嬉しいんだろ?」

「…否定は、しませんよ。」

キッチンで洗い物をしながら話すのは、サトルと白音。

自由奔放な言動で場を掻き乱す母親だが、其処は やはり親子。

幼い頃から それを見ていた白音からすれば、それ等を含めての藤舞(ははおや)で有り、決して嫌いな訳では無い。

 

「「きゃははははははは!」」

そして それは、リビングでバラエティ番組を共に見て一緒に笑っている、黒歌も同様。

白音が生まれた頃と同時期に、夫…つまり姉妹の父親が病死した以降、女手1つ、不器用ながらも、時には本当に姉妹の様な視点で愛情を注いでくれている母親を、嫌いになれる筈が無かった。

 

「…でも、サト君は借しません。」

「えっー?」

「それと これは、別問題にゃ!」

 

▼▼▼

 

ガラ…

 

「あ…」

そして約30分後に、事件?は起きる。

浴室の扉を開けたサトルの視界に飛び込んだのは、「先に入ってきなさい」と言った筈の藤舞が、湯舟に浸かっている光景だった。

 

ガバッ…

 

「いやーん♪

サトル君の えっちぃ~♡」

普通は こういう場面の場合、女性は湯舟に身を沈め、姿を隠すのが常だが、藤舞は逆に態々 立ち上がり、一応は胸や秘所を手で隠すが、全然 嫌がってる様には見えず、寧ろ、嬉しそうに笑みを浮かべる。

 

「いや、何で そーなるんですか?

藤舞さん、先に入ってって…ちょ?!

うぉおおっ!?」

「あは♪…若くて元気ね~?♪♡」

大衆浴場や温泉で無く、自宅同然な猫姉妹宅の浴室故に、入浴時、タオルを巻く事の無いサトル。

余りの想定の外な出来事(トラブル)に驚き、局部を隠すのを忘れフリーズしていたサトルは、藤舞に ()()をガン見されていた。

 

「♪アスファルト タイヤを切り付けながら♪暗闇 走り抜ける♪」

「止めて下さい!」

そして無駄に美声で歌い出す藤舞に、今更ながら慌てて"御立派様"を両手で隠しながら、様々な意味合いを込めて、突っ込むサトル。

 

「いえね、将来の義理の息子との、スキンシップを…ってね。

最初から『一緒に入ろう』って言っても、サトル君は断るだろうし、あの2人が絶対に邪魔してくるだろうから~?

それにしても、そのサトル君のサトルきゅん♡見て、自信、付いたわ~♪

ん!お姉さん、まだまだ若い男の子相手でも、十分にイケる!」

「マジ、止めろ下さい。

…ってか、隠して下さいよ!

恥ずかしくないんスか??!」

そして、何時の間にか胸元や秘部を隠す事無く、堂々としている藤舞に、顔を横に背けて再度 突っ込むサトル。

 

「あ~ら? 息子に見られて、恥ずかしい訳無いじゃない♪

何なら少し、触ってみる?それとも吸う?…あ、ぱふぱふしてみる?」

しかし そんなサトルの反応に、藤舞は余計に面白がり、

「私、黒歌よりも おっぱい大きいわよ~?」

「…!!?」

その豊かな胸をアピールして、サトルに迫り寄る。

 

…ガラッ!

 

「何をしてやがるんですか、お母様!?」

「サトル、大丈夫にゃ?!」

しかし、此処で助け舟?

白音と黒歌が、その場に乱入してきた。

…2人共に、全裸で。

当然、タオル等は身に着けていない。

 

「お母様の姿が見えないから、もしかしたら…と思ってましたが…全く、油断も隙も有りません!」

「チィッ!」

「舌打ちするにゃ!」

 

≫≫≫

 

ちゃぽーん…

 

「ふぅ~…

こうやって、一緒に お風呂するのも、久し振りね~♪」

「…こんなに感慨深くない親子での入浴も、珍しいと思います。」

…結局は その儘、その場の全員で入浴する事に。

当然ながら()()()()()、R-18な展開には、発展しないが。

 

「それにしても、大きな浴槽よね?

4人で入っても、全然 大丈夫だなんて。」

そして改めて、藤舞は まるで何時も 3人で入浴する為に設計された様な、浴室の広さに感心する。

…実は このマンションは、【日本神話】と関わりの深い不動産会社所有の物で、サトルと猫姉妹の部屋に限り、()()()()()()の為にリフォームされていたりした。

 

▼▼▼

そして、就寝の時間。

サトルは今夜は猫家族に気を利かせたのか、或いは身の危険を感じたのか、1フロア上の、自分の部屋に戻っていった。

そして…

「さあ お母様、一緒に寝ましょう。」

 

ガシッ!

 

「今夜は離さないにゃ!」

「ちょ…お母さん、百合百合な趣味は、持ってないんですけど~?」

「「黙れ。」」

ベッドの上、藤舞を中心に所謂『川』の形で床に着く白音達。

サトルへの夜這いを防ぐ為、姉妹が左右から、母親の両の腕をガッシリと捕縛(ロック)するのも、忘れる事は無かった。

 

▼▼▼

翌日の駒王学園。

 

「し、白音ちゃん、どうしたの?その顔?」

「…諸事情で、眠れなかったんです。」

目の下に隈を作って教室に入ってきた白音に、クラスメートが心配そうに話し掛ける。

どうやら腕での拘束だけでなく、念には念をと、一晩中、自分の母親を監視していた様だ。

 

「…そんな訳で、先生が来たら、起こして下さい…zzz…」

 




 
①トリプルぱふぱふ…2人掛かりの左右からだけでなく、3人目による、正面からも おっぱい責めされる、何とも羨まけしからんプレイ
 
②藤舞さんの おヌードを見て、しっかりと♪GET WILD & TOUGH!♪…していたサトル君。(楽曲ガイドライン使用済)
 
次回予告(予定)!
『魔王少女と天照大神!』
乞う御期待!
 


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悪手

 
今回から、話が一気に動き出します?
 



▼▼▼

藤舞の来襲(笑)から3日目の夜。

彼女は"任務"で、明日の朝には地元である某県へと戻る為、この日は普段より少しだけ、豪華なメニューが東條家の食卓に並んでいたのだが、

 

ババババババババババ…

 

そのマンション上層階の白音達の部屋の様子を、1機のドローンが窺っていた。

 

「神代の野郎…

何で、白音ちゃんの部屋で飯なんて食ってんだよ?

てゆーか、あの お姉さん達は、誰なんだよ?」

「あ、あの黒髪の女の人は、白音ちゃんの お姉さんですぅ。

もう1人の派手な髪の人も多分、家族か親戚の人じゃないかと…?」

マンションの すぐに傍に在る公園で、機体に搭載したカメラ越しに、白音の部屋を視ているのは、兵藤一誠とギャスパー・ヴラディ。

 

「イッセー先輩ぃ~、もう、帰りましょうよ~?

こんなの神代君にバレたら、殺されちゃいますよぉ~?」

「バカヤロー! 何の為に高い金 出して、ドローン(コイツ)を買ったと思ってんだ!

何としても、何らかの証拠を、だな…!」

数日前の、冥界のナベリウス家襲撃事件。

兵藤は これを、ガルーダ=サトルの仕業と断定していた。

結論から云えば、それは正解。

しかし、その正解へと至らせる過程が、余りにも短絡的、且つ私情が混じり過ぎていた。

主犯である"黒服"と同行していた、レオタードの仮面の女。

その情報だけで、以前ガルーダと邂逅した時に一緒に居た、灯と螢と呼ばれていた2人だと、信じて疑わず。

それイコール、黒服の男はガルーダと断定。

…そして以前から、その女の内の1人を白音だと主張していた兵藤は、其処から彼女の恋人?のサトルを、ガルーダと結論付けていた。

だが周りは根拠が根拠だけに、その考えを支持する者は居らず。

故に兵藤は、自分の推測が正しいのを証明すべく、部活の後輩を無理矢理に巻き込んでの独断行動に出ていたのだった。

 

「それに、神代君を疑っているなら、どうして白音ちゃんの部屋を覗いて…」

「仕方無いだろ!? アイツが白音ちゃんの部屋に居るんだからよ!

それに白音ちゃんだって、怪しいんだ。

監視する必要は、あるんだよ。

…クソっ! どうして皆、信じてくれないんだよ…!」

…しかし やっている事は、どう見ても犯罪である。

 

「それに、あの黒髪の女、絶対に もう1人のレオタード女に間違い無いって!

これは もう、確定だろ?

…ついでに言えば、ヤローが白音ちゃんや あの お姉様達に、いかがわしい真似をしようとした時は…あ…」

「ひっ?!」

そして そんな遣り取りの途中、顔を硬直させる2人。

ドローンに取り付けられた撮影カメラと繋がっているディスプレイに、そのカメラのレンズに向けて、M16(エアガン)の銃口を構えているサトルの姿が映し出されたからに、他ならない。

 

pit…

 

「「あ…」」

そして次の瞬間、その画面に蜘蛛の巣の様な罅割れ模様が走ったと思えば真っ黒になり、何も映らなくなってしまう。

 

「あ、ば、バレた?!」

「ひぃいっ!?」

驚き戸惑う兵藤と、怯え狼狽えるギャスパー。

 

「ま、不味いぞ!早く、撤退を…」

慌てて兵藤がドローンを引き返えさせようとするが、今度は その操縦機の画面に、『machine trouble / inoperable』の表示が。

 

「こ、これって もしかして、撃ち落とされたんじゃないですかぁ?」

「く…! か、回収に行くぞ!」

「だ、ダメですよぉ!

今頃 神代君、絶対にマンションの屋上で、狙撃準備(スタンバ)ってますからぁ!

本当に蜂の巣に されちゃいますって!」

「ぐぬぬぬ…!

た、高かったのに…」

 

 

≫≫≫

 

ピシャ…

 

「久し振りの、覗き野郎だったな。」

「全くだにゃ~。」

ベランダのガラス戸を閉めたサトルが、銃の構えを解き、一言 呟く。

その口振りからして、どうやら過去に兵藤以外にも、似たような行動を取った者が居た様だ。

 

「ふぅん? 都会は覗きで、ラジコンヘリなんて使ってるの?

物騒ねぇ?…って、黒歌と白音、どっちが目当てだったかは知らないけど、モテモテねぇ?♪」

「ストーカーは御断りです。

…で、どうします?

今回はケーサツ、呼びますか?」

「ん~、任せるよ。

とりあえず、屋上 行ってくる。」

「スナイパー・サトルだにゃ!」

…そしてギャスパー、正解。

 

▼▼▼

この後、白音は しっかりと匿名で通報。

ドローンは証拠品として、警察に押収される事になる。

因みに この機体、日本製だったのだが、兵藤は これを冥界のルートで購入していた為、人間界(ちじょう)の警察機関の調べでは、持ち主の兵藤まで辿り着けず。

"未登録の所持者不明機による覗き事件"として、翌日に全国ニュースにて報じられた。

 

≫≫≫

「イッセー…貴方ねぇ…!」

「す、すいません…」

「解ってるの?!

それとも忘れたの?

仮に その神代君が、本当に()()()だとしたら、今回の行動は、悪魔全体(わたしたち)がアイツへ敵対行動を取ったと受け取られても…敵認定されても、仕方無いのよ!

そして、本当にナベリウス襲撃の犯人とも同一だとしたら、アイツは簡単に冥界に出入り出来て、テロ行為も容易く実践出来てしまう程の実力の持ち主と云う事…

それすら、思い付かなかったの?!

彼を疑っているなら、きちんと其処まで考えてから、行動しなさいっ!!

てゆーか女の子の部屋を覗くなんて、普通に犯罪じゃないの!」

「す、すいません~!」

…しかし、主であるリアスには、ギャスパーからの報告で しっかりとバレてしまい、散々と説教されるのだった。

 

▼▼▼

…数日後の、土曜日の正午前。

某県某市、全国にチェーン店が点在する このファミレス店の席は、揃いの黒のスーツを着た者達で埋められていた。

 

「こうやって見ると、本当に圧巻だね~?♪

あ、お姉さん、カルボナーラとサラダバーとドリンクバーを。」

その中で やはり黒服を着た赤髪の少年が、その光景に苦笑しながらメニューを開き、店員に注文。

…そして、店内中央のテーブル席では、

「さ・て、そちらの御要望通り、お話しの場を作ってあげた訳だけど…

()()()()()()は この僕に、一体どんな話をする心算なのかな?」

「「……………………………。」」

紺色を基調に、紅と金銀の糸で曲線模様が縫われた和服を着た、【日本神話】の主神・天照大御神、その隣には、やはり黒のスーツを着た少年が。

そして向かいの席には、ダークブルーの女性用スーツを着た若い女が2人、座っていた。

黒スーツの少年はサトル。

そして、その向かいに座っているのは悪魔政府にて、外交を担当している魔王セラフォルー・レヴィアタンと、彼女の戦車(ルーク)である、バイオレートである。

悪魔政府が、【日本神話(アマテラス)】に会談を求めてきたのが、5日前。

それに対して、アマテラスが その会談の席に指定したのが、今の時間の この場所だった。

因みにだが、このファミレスの店長も、一応は【日本神話】と縁の有る人物で有る。

 

≫≫≫

「…約1週間前、冥界の ある貴族の城に賊が侵入し、その時に城内に居た悪魔が、多数 殺害されました。

その中には純血の悪魔も1人、含まれています。」

周囲の黒スーツ達が視線を集中させる中、魔王は重たい口調で話し始めた。

 

「へ~? …で、それで?

それが僕と、何の関係が有るんだい?」

それに対してアマテラスは、如何にも それは初耳だと云う態度(はんのう)を見せ、質問を投げ掛ける。

 

「その賊と云うのが…黒のスーツを着た男だと、云う事…なのです!」

「ふぅん?…つまり、その犯人は、僕の処の『NIN=JA』だと、そう言いたいのかい?

今、この店に居る中の、誰か…だと?」

「………………。」

「いやいや、黙るなよ?

それって『Exactly(そのとおりでございます)!』って言ってるのと同じだぜ?

てゆーかさぁ、黒スーツを着てたってだけで『NIN=JA』…それ即ち【日本神話(ぼく)】の仕業って、少し発想が安直過ぎないかい?

大体 黒いスーツ着てる人間って、世界中に彼方此方に居るぜ?

もっと確固たる、証拠か何かを示さないと。」

そして続く魔王の言葉を、アマテラスは完全否定。

更には疑いの目を掛けられ、無礼失礼だと畳み掛ける。

尤も、実は その犯人は今、彼女の隣でチャイを飲んでいる人物なのだが。

 

「ならば逆に聞くけど、何の目的、理由が有って、『NIN=JA』…いや、【日本神話】は、態々 冥界に…悪魔の城を襲撃したって言うんだい?」

「そ…それは…」

「何だい? 話せない事なのかい?」

そして続くアマテラスの逆の問い掛けにも、セラフォルーは言い淀んでしまう。

 

「成る程。とりあえず、襲撃を受ける様な…受けて当然な心当たりは、有る訳だ。

…で、それって、何?

さあ、話してみなよ?」

「……!」

その反応に、全てを知っていながら、敢えて それを表には出さず、アマテラスは意地悪な笑みを見せ、更に問い質し続ける。

それに対して魔王は、ますますバツの悪い顔をして、口を閉ざす。

 

「アマテラス様、もう良いでしょう。

趣味が悪過ぎますよ?」

しかし此処で、それをサトルが窘めた。

 

「えー?」

「…ぢゃ、無いです。

茶番は止めて、ストレートに行きましょう。」

『もっと楽しみたかったのに』…と言いた気な顔の己の主を戒め、早く本題に入る様に、促すサトル。

 

「はいはい、分かったよ。

全く、()()()()()は、こーゆーのには真面目だなぁ。」

「が、ガルーダって!?」

「……!!」

そしてアマテラスの、『ガルーダ』の呼び名に、セラフォルーとバイオレートは驚きの顔を見せた。

 

「ああ、そうだよ。

この子はガルーダ。

君達 冥界の悪魔の、その一部の間では有名人な、あ・の、ガルーダさ。」

「あのガルーダが、日本神話所属ですって…?」

「そして、件の襲撃事件の、実行犯でもある。」

「なっ…?!」

「何だと!?」

そしてアマテラスのカミングアウトに、魔王と その眷属は、更に驚き。

 

「やれやれだよ。

もう少し、引っ張ってみたかったのに。」

「ふ、巫山戯ないで!

      るな!」

アマテラスの呟きに、セラフォルーとバイオレートが怒りの感情の儘に怒鳴り散らす。

 

「貴っ様!」

 

ぶぅん!…ガシッ!

 

「ぃ(いって)ぇ~~~~っ?!」

そして立ち上がったバイオレートが、サトルに向けて拳を振り翳すが、サトルはそれを、座った儘、掌で受け止める。

大事には至らなかったが、その一撃は、かなり重かった様だ。

 

ガタガタッ…!

 

そして次の瞬間、周囲の『NIN=JA』達が立ち上がるとアマテラス達が座っている席を囲み、臨戦態勢を取った。

 

「ひぃっ!?」

「大丈夫、大丈夫だから、落ち着きなさい。」

「て、店長ぉ~?」

それを見た、"裏"の事情を知らない、極々一般人な若いウェイトレスが、いきなりのバイオレンス的展開に驚いて上擦った声を上げるが、ファミレス店長は これを心配無用と諭す。

 

「…大丈夫。皆、戻って。」

「「「「「「「………。」」」」」」」

「キミもだよ、付き人君。

とりあえず、()()()()()。」

「……!?」

そしてアマテラスも、それを問題無しとして、殺気溢れる黒服の集団、そしてバイオレートを元の場に退がらせた。

 

「…それで、『巫山戯るな』って、何をだい?

事が起きたのを知っていて、それが僕達の仕業と知っていて、惚けていた事かい?

それとも、ナベリウス家を襲撃した事についてかい?」

「全部だよ!!」

「きゃ~ん♪ ガルーダ君、この性格のキツそうな お姉さん、怖~い~♪」

とりあえず一触即発は回避されるも、物怖じする事無く、飄々とした態度を崩さないアマテラスに、バイオレートが更に怒声を吐くが、アマテラスは動じない。

 

「どうして…

どうして、そんな事をしたの??!

どうして、ホリェッターちゃんを、殺したりしたの!!?」

「「はぃ?」」

しかし、続くセラフォルーの言葉に、サトル共々、目を点にして、一瞬フリーズしてしまう。

 

「ちょっと魔王ちゃん、それって本気で言っているのかい?

それとも、ナベリウス家とやらから、本当に何も知らされてないのかい?」

そして本当に、呆れ返った顔で、質問を質問で返すアマテラス。

 

「一応、伝言役は、残していた筈だけど?

スレの内容からして、理由、動機云々は一般には伏せていたとして、"上"の方には きちんと伝わっていたと思ったんですがね?」

「はぁ~~~~~~~~~~~~…

もう良いよ、ガルーダ君。

てゆーか、『どうして』…って、それ、悪魔(キミタチ)が先に言うかい?

そんなの、悪魔(オマエラ)が先に、"日の本(ぼく)(こども)"を拉致ったからに、決まってるだろ?

「「………!!?」」

心底 疲れ、諦めた様な溜め息を溢したかと思えば、今までの穏やかな雰囲気を一変、冷たい表情と口調で、目の前の悪魔達に、【日本神話】の主神は、その襲撃理由を言い放つ。

その変わり様、その迫力に、セラフォルーとバイオレートは、一瞬だが たじろいでしまう。

 

「ねぇ、それについては、どういう事なんだい?

いや、本当に、どうして襲撃を受けたか、理解出来てなかった訳?」

そして、アマテラスの口撃は止まらない。

 

()()()、悪魔の人口の事情は、一応は聞いては、いるよ。

でも だからって、本人の合意があったなら まだしも、他所から何の断りも無く、無理矢理に浚ったりして、良い訳が無いだろ?」

「そ、それは…」

「全く…自分達が先に した事 棚で、文句言ってきてんなよ。

しかも今回は、人口云々で無く、浚わった子が神器(セイクリッド・ギア)の持ち主だったから…戦力増強目当てに連れ去ったんだよな?

だから僕は このガルーダ君に、蜜柑ちゃん救出と、それを邪魔立てする者の、殺害許可を言い付けたんだ。

さあ、何か、言い訳が有るなら、言ってごらん?

ブーメランが飛ぶだけだぜ?」

「くっ…」

既にセラフォルーは、何も言い返せず。

それでもアマテラスの口撃は、止まらない。

 

 

 

 

こんな筈では…

 

 

サトルによるナベリウス家襲撃。

それを、【日本神話】の仕業と思った悪魔政府上層部は、外交役の魔王に、その件でコンタクトを取る様に命じた。

先ず、純血の貴族を殺害されたのは、赦される事では無い。

しかも、相手はマイナーの弱小神話。

だが…だからこそ、それを『ネタ』に少し此方が脅しを掛ければ、向こうは恐れ ふためき、謝罪は勿論、賠償として様々な金品を搾り獲れる…

そして上手く往けば、神話勢力毎に自分達の傘下に入れられる…と、そう考えていた。

それは、【日本神話】に対して同じ印象しか持っていなかった、セラフォルーも同じく。

だからこそ、その()()()()()()()()()から発せられる"圧"に、御付きのバイオレート共々、戸惑いを隠せないでいた。

そして、心に思っていた。

 

 

『こんな筈では…』…と。

 

 

≫≫≫

「何なの? お仲間さんが殺された事を突き付けて、謝罪や賠償を求める心算だった訳?

その原因が、自分の側に在ったにも拘わらず?

それは少し、厚かまし過ぎないかい?

寧ろ、謝罪や賠償を要求して良いのは、此方側だと思うんだけど、どうかな?

まさか、『こっちは殺そうとした訳じゃない』…とでも、言う心算かい?

馬鹿を言ってるなよ。

悪魔に転生させた時点で、それは()()()()()()()()と同じだろ?

お前等は どう思ってるかは知らないが、僕や、他所の神話連中は、そうは思っていないぜ。

そして それは、決して赦される事では無い。」

「そ、それは…」

 

ずず…

 

サトルが静かに2杯目のチャイを啜る隣、アマテラスの口撃は止まる事が無く、セラフォルーは、何も言い返せない。

 

「それに、【日本神話(ウチ)】だけの話じゃ無い。

知ってるかい?

他からも民は拉致るは神具や宝具は盗むはで、実は君達『聖書』って、他所の神話から凄く、評判悪いんだz

う、五月蝿いわね!

さっきから黙っていれば、何を偉そうに言ってるのよ?!

アナタ達は悪魔(わたしたち)の言う事やる事には文句を言わず、黙って従っていれば良いのよ!

弱小のマイナー神話の癖に!

…あ゙?

オマエ今、何て言った?!

 




 
次回予告。
 
※※※
 
◆スレ主◆
【?報】魔王熟女、ウチのトップ様の発言に逆ギレ。
…で、戦争勃発?
『聖書』終了の報せ?
 
※※※
 
感想よろしくです。
 


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神々の語らい②

 
久し振りの、掲示板。
但し、神々板。
 
 
前回の感想の多さに草www(当社比)
皆、どんだけ原作主人公勢力、嫌いなんだよ?www


 

※※※

 

◎名無しの主神様(Japan)◎

♪Che vuole questa musica stasera…♪

 

アマテラスです…

『聖書』の悪魔に、弱小マイナー神話と言われたとです…

 

アマテラスです…

アマテラスです…

アマテラスです…

 

◎名無しの神様◎

懐かしいネタだな、おい?www

 

◎名無しの主神様(Japan)◎

きちんと楽曲コードは、使用してるぜ♪

 

◎名無しの神様◎

本名出してるし(笑)

 

◎名無しの戦女神◎

…で、何が有ったのですか?

 

◎名無しの主神様(Japan)◎

簡単に言えば、僕の部下が純血の貴族悪魔を殺した事で魔王レヴィアタンが文句言ってきたから、その原因である、『先に悪魔が僕の民(こども)を浚った件』で問い詰めたら、『弱小マイナー神話の分際で、何を言ってるんだ!(怒)』って逆ギレされたんだよ。

 

◎名無しの神様◎

逆ギレ…

 

◎名無しの神様◎

自分達の行動、棚かよ

流石は悪魔…いや、『聖書』だな

 

◎名無しの闘神◎

…って、おいおい、奴等、よりによって、アマテラスん処のガキ、拉致ったのかYO?

聖書の神(故神:笑)はテメーのガキ共に、『日本神話マジヤヴェエから、あそこのガキには手を出すな』とか、言ってなかったのKA?

 

◎名無しの神様◎

日本神話は他の所と違って、信仰とか信徒とか関係無く、日本人は皆、天照の子供ってスタンスですからね。

そりゃ、キレますよ。

 

◎名無しの神様◎

母性愛パネェ

 

◎名無しの混沌(這)◎

いよっ!ママテラス!

 

◎名無しの主神様(Japan)◎

(≧∀≦)ゞ いや~、それほどでも。

 

◎名無しの神様◎

てゆーか、何故に日本神話をマイナー弱小扱い?

 

◎名無しの神様◎

ですよねー。

 

◎名無しの神様◎

無知とは罪である。

 

◎名無しの神様◎

ほら、聖書って『俺EREEEEEE!』…な思想が、特に強いから。

 

◎名無しの神様◎

ついでに言えば、日本神話て このスレ以外じゃ、結構忍んでいるからね?

今回は、『遂に動いたか』…って感じだよな。

 

◎名無しの神様◎

大体、神でもない、高々 悪魔如きが『神』に向かって言う台詞じゃないだろ。

 

◎名無しの神様◎

それな。

 

◎名無しのシスコン(Japan)◎

どうする姉ちゃん、処す?処す?

一言 言ってくれたら、この俺が直ぐにでも冥界に!

 

◎名無しの悪神◎

あ、あんたが出るのは、まだ早い!

((( ;゚Д゚)))

オーバーキルにも程があるわ!

 

◎名無しの雷神◎

落っ着けwww

…で、コウモリが逆ギレして、どうなったんだ?

 

◎名無しの主神様(Japan)◎

もうさ、本当にヒステリックにムキーってなってね、仕方無いから僕が少しだけ、"圧"を掛けて黙らせようと思ったんだけど…

 

◎名無しの神様◎

しかし、効果無かったんですね。

 

◎名無しの主神様(Japan)◎

いぐざくとりーで御座います!

もうね、完全に頭に血が上った感じでさ。

しかも、その話し合いの席、僕の隣に座っていた子が別スレで、この魔王に対して禁句的な発言してたのを思い出して、更にキレちゃって…

 

◎名無しの神様◎

禁句?

 

◎名無しの悪神◎

因みに、どんな言葉?

 

◎名無しの主神様(Japan)◎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔王熟女

 

◎名無しの破壊神(India)◎

ぶはぁぁーーーーーーーーっ!www

 

◎名無しの創造神(India)◎?

ぶっふぉっぷ!

 

◎名無しの爐女神◎

な、何なんだい、それぇ?www

 

◎名無しの戦乙女(幼女)◎

ジュース返して下さいっス!

 

◎名無しの戦女神◎

…って、「隣の子」って、サトルさんだったんですか(笑)

 

◎名無しの神様◎

え?戦女神たん、誰だか知ってるん?

 

◎名無しの戦女神◎

一応、弟子です。

某スレ主の、ガルーダ…と言えば、分かりますか?

 

◎名無しの魔神◎

因みに私の弟子でもある!

 

◎名無しの雷神◎

同じく

 

◎名無しの混沌(這)◎

以下同文!

 

◎名無しの闘神◎

あー、ガルーダの話は聞いた事が有るが…って、何なんだYO!?

その1人多国籍軍は?!

 

◎名無しのCH(エジプト)◎

最強の弟子だなwww

 

◎名無しの神様◎

ナイアも師匠かよwww

 

◎名無しの主神様(Japan)◎

話、続けるぜ?

とにかく、その後は話し合いにならなくてさ…

一方的に『もう、戦争よ!』とか言っちゃって、席を立って出て行っちゃったんだ。

 

◎名無しの神様◎

マジ?

 

◎名無しの主神様(北欧)◎

こりゃ驚いた。

お前さん達に、正面から布告する者が居たとはのぅ…

 

◎名無しの神様◎

まあ、弱小(笑)と思ってるんだから、どうにでもなると思ったんだろ

 

◎名無しの悪神◎

何と愚かな…

知らないとは恐ろしいな…

 

◎名無しの雷神◎

おまゆうwww

 

◎名無しの神様◎

おまゆう

 

◎名無しの神様◎

お前が言うなwww

 

◎名無しの混沌(這)◎

本日 最高の、ブーメランですね~?

 

◎名無しの水女神◎

ブークスクス!スサノオの怖さを知らずに ちょっかい出して、ボッコボコにされたのは誰だったかしら? プークスクス!プークスクス!

(´艸`)

 

◎名無しの悪神◎

dだだd黙れ!

 

◎名無しのシスコン(Japan)◎

まともに文字打ち出来てないぞ?www

 

◎名無しの悪神◎

m(_ _)m すいません、マジ、黙れください

てゆーか宴会駄女神!

貴様は黙っていろ!

貴様に言われると、無性に腹が立つ!

 

◎名無しの水女神◎

何でよー?

…って、ちょっとロキ!誰が駄女神よ?

謝って!今すぐ私に謝って!

 

◎名無しの爐女神◎

いや、君は駄女神だと思うよ?

 

◎名無しの闘神◎

そこは、間違ってないだRO?

それと、本名言うなし。

 

◎名無しの戦女神◎

駄女神じゃないか

 

◎名無しの世界樹3姉妹・長女◎

駄女神じゃない

 

◎名無しの火星神◎

駄女神だろ

 

◎名無しの戦乙女(幼女)◎

駄女神っス

 

◎名無しの雷神◎

同意だな

 

◎名無しの水女神◎

な、何でよーーーーーーーーーーっ?!

 

◎名無しの神様◎

話を戻しましょう。

それで、マジに戦争勃発?

 

◎名無しの主神様(Japan)◎

ん。正面から言われたからね。

売られた喧嘩は買うよ。

勿論、今さら吐いた唾を飲むのは認めない。

『聖書』は潰すぜ?

 

◎名無しの闘神◎

コウモリだけで無く、鴉と鳩も、敵認定かYO?www

 

◎名無しの神様◎

ぶっちゃけ とばっちりwww

 

◎名無しの主神様(ギリシャ)◎

一応、聞いてみるが、手を貸す必要は…

 

◎名無しのシスコン(Japan)◎

ふん!要らぬに決まっておるわ!

モニターの前、ソファで寝転がってポテチ食いながら、傍観してるが良いわ!

 

◎名無しの主神様(Japan)◎

ん。弟クンは、少し黙ろうか。

でも、その通りだよ、下半神。

もしかしてキミ、オリュンポス総動員、大活躍させて貸しを作り、体内に埋めてる【E?Damenano?】の、呪いを、解いて貰おうとか考えていないかい?

それは、却下だよ。

 

◎名無しの主神様(ギリシャ)◎

下半神ゆーな!

 

◎名無しの主神様(Japan)◎

一応、他の皆にも言っとくぜ。

奴等は僕達だけで片付けるから。

とりあえずは余計な真似しないで、黙って観ていなよ。

 

 

※※※

 

 




 
【今回の復習】
正確には、『Erectile Dysfunction』の略。
次回は、ガルーダ板だ!
 
感想よろしくです。
 


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カミング・アウト

 
今回は、ガルーダ・スレから。
 
※前話、少し加筆しました。(ストーリーに変化は御座いません)
 


 

※※※

 

◆スレ主◆

改めて名乗らせて貰う。

【日本神話】は『NIN=JA』所属の、通称"ガルーダ"だ。

 

◇名無しの悪魔◇

はい?

 

◇名無しの悪魔◇

スレ主?

 

◇名無しの悪魔◇

どうしたん、いきなり?

 

◇名無しの悪魔◇

てゆーかスレ主、日本神話所属だったんだ。

 

◆スレ主◆

…成る程。

俺が【日本神話】を名乗っても、その反応。

どうやら悪魔政府は まだ、公の発表をしてないみたいだな。

 

◇セイジョ☆スキー◇

え?何か有ったのかい?

 

◆スレ主◆

この度【日本神話】は、冥界の魔王から宣戦布告を告げられ、それを受諾しました。

分かり易く言えば、『よろしい!ならば戦争だ!クリーク!クリーク!クリーク!』ってヤツだよ。

 

◇コヤス=サン◇

何だと?!

 

◇炎の兄貴!◇

それは、本当なのか?

 

◇名無しのひんぬー会長◇

そんなの、何の発表も されてないわよ!

 

◆スレ主◆

因みに、直接にウチの大ボスに ぶちまけたのは、魔王熟女です。

 

◇名無しのひんぬー会長◇

お姉様が?嘘!?

 

◇セイジョ☆スキー◇

一体、どうして そんな事になったんだよ?!

まさか、『ドッキリ』とかじゃないよね?

 

◆スレ主◆

話は、前のナベリウス襲撃にまで遡るが、とりあえず、ありゃ俺の仕業だ。

 

◇名無しの悪魔◇

わっつ??

 

◇名無しの悪魔◇

いや、マジにワケワカメ。

 

◆スレ主◆

アホリエッタ姫を殺ったのは、俺だといっている。

 

◇名無しのひんぬー会長◇

ちょ…

どーゆー事ですか?

 

◆スレ主◆

先ずは、日本神話関係者の娘(11)をナベリウスが拉致ったのが、そもそもの始まりだ。

それで天照大神から、その救出を命じらたのが この俺。

冥界入り後、ナベリウス城で大立ち回りの後、保護対象の嬢ちゃんを確保した時に、アホ姫が現れて、色々とアホ発言かましてくれたので、イラッとして殺したってのが、真相だよ。

前回のスレ内容からして、ナベリウスが隠していたのか、悪魔政府が黙っていたのかは知らんが、伝言役は きちんと生かしておいたんだ。

少なくとも動機云々…テメーが拉致った人間を連れ戻しに来た…その辺りは、はっきりしていた筈だ。

俺が【日本神話】の『NIN=JA』だと分かるかとかは、別としてね。

 

◇あかりたん◇

どうも、ガルーダ嫁①です。

因みに報じられていた、仮面のレオタード女2人とは、私と姉(嫁②)の事です。 

 

◇名無しの悪魔◇

嫁の登場かよ(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

姉妹丼、羨ま死ね

 

◇セイジョ☆スキー◇

待った!

そんな事より、ナベリウスは11歳の女の子を拐ったって言うのかい?

 

◇名無しの悪魔◇

あ…(汗)

 

◇名無しの悪魔◇

ナベリウスはヨウジョ★スキーだったのか。

 

◇名無しの悪魔◇

www…て、笑えねぇ

 

◆スレ主◆

ヨウジョ★スキーかどうかは知らんが、今回の誘拐の切っ掛けは、件の嬢ちゃんが、神器に目覚めたから。

それでナベリウス当主が、孫のアホ姫の下僕にしようとしたらしい。

…で、悪魔政府は その、先にテメーがした事を棚上げで純血の貴族を殺したとか文句言ってきて、天照大神が其の辺りを突っ込んだら、魔王熟女が「弱小神話が何 上等こいてんだ、固羅ぁ?!」って逆ギレしての宣戦布告だよ。

 

◇名無しのひんぬー会長◇

なんですて

 

◇BSADB★総督(笑)◇

くっくく…、セラフォルーのヤツ、やっちまったなぁ…ってか、前のニュース聞いた時の俺の予想、大当たりじゃねぇかwww

 

◆スレ主◆

尚、アマテラス様は この件で『聖書』全体を敵と見なし、滅ぼすと言っています。

 

◇BSADB★総督(笑)◇

はぁ?!ちょっと待て!俺、関係無いだろ!?

何で そーなるんだよ?!

 

◆スレ主◆

すいません総督、悪魔だろうが天使堕天使だろうが、それを一纏めしての『聖書』として、布告されたと解釈した様なので。

 

◇BSADB★総督(笑)◇

ちょ…セラフォルー、てか悪魔共、マジに何やってくれてやがんだ?

くそ!こんなスレ見てる場合じゃなくなったぜ!

 

◇名無しの悪魔◇

総督ーっ?

 

◆スレ主◆

兎に角、戦争についてはドッキリとかで無くてマジだから。

今後、悪魔政府側が内や外に対して、どんな風に発表するかは知らないけど、此れから先、このスレを観ているで有ろう、悪魔諸氏は戦敵って事になりますね。

 

◇名無しの悪魔◇

はぁ?

ちょっとスレ主、何を言ってるんだよ?

 

◇コヤス=サン◇

待てアンタ! マジに言ってるのか?

どうにかならないのかよ?

 

◆スレ主◆

悪いな。俺は下っ端だから、上の決定には逆らえないさ。

俺自身が、どんな風に戦争に関わるかは まだ分からんけどね。

 

 

※※※

 

 

≫≫≫

▼▼▼

『ちょっと お姉様!

日本神話と戦争って、一体どういう事ですか?!』

「そ、そそ、ソーナちゃん?少し落ち着いて!」

冥界主要都市の1つ、リヴァイアスの中央に聳える巨城にて、魔王が1人、セラフォルー・レヴィアタンは慌てていた。

携帯に着信。

その発信者の表示に、自分が溺愛する妹の名が記されていた為、浮かれ気分で対応した処の、やや怒り気味、大声での問い掛けだった。

 

「ど、どうして、それを?」

『ガルーダが自分の掲示板で、大々的に発表してましたよ!

しかも、お姉様がアマテラスに直接、宣戦布告したって!』

「……!?」

そして その内容が、自分が原因となった、他神話勢力との戦争勃発について…まだ一般には伏せていた事柄だから、慌てない訳が無い。

 

「だ、大丈夫よ。あんな弱小マイナー神話、瞬殺だから発表する迄も無いと思っただけd

『そういう問題じゃ、有りません!

大体 何なのですか? その、()()()()()()()()って?

本気で そう思っているのですか?』

「ソーナちゃん??!」

【日本神話】の事を、本気で弱小神話と信じて疑っていないセラフォルーに、ソーナは更に、厳しく追求する。

その後もソーナは、馬鹿な考えは止めろと訴えるが、セラフォルーは既に政府として、開戦の準備を進めている為、それは無理だと…『相手は弱いから大丈夫』と言って、自分の妹を説得しようとするが、結局は話は交わらない儘に、終わっていた。

 

「何なの、ソーナちゃん?

高が日本神話なんかに、ビビり過ぎだよ…」

 

≪≪≪

あの天照大神との会談の後、セラフォルーは流石に少し軽率過ぎたかも…と、他の魔王を基とする、政府上層部に成り行きを報告していた。

しかし、それに対する上層部の反応は、

『ふむ。ならば、即座に準備せねば、なるまいな。』

『弱小勢力に、()()を教えてやろう。』

『…はい?』

最初からセラフォルーのアクションを想定していたのか、或いは"媚びぬなら誅す"のスタンスだったのか、彼女を責める声は上がらず。

寧ろ自分達が望んでいた展開な様で有り、それは明ら様では無いが、暗に『よく出来ました』と、称えるかの様な対応。

特に、お咎め無しな結果に、密かに安堵の息を溢していたのだった。

 

 

相手は弱小マイナー神話勢力だから、簡単に潰せる…

 

 

…それは、上層部が抱いている そんな思考の元、彼女自身も参戦の計画を立てていた時。

そんな時の、ソーナとの会話だった。

 

▼▼▼

「はぁ~…

総督殿じゃないけど、セラフォルー様、マジに何をやっているんだよぉ…」

 

場所は変わって、アスタロト城。

同領次期当主のディオドラ・アスタロトは、何気無く父親…則ち現・アスタロト当主に、【日本神話】との戦争について聞いてみると、その父親は『お前も情報が早いな』と少し驚き、苦笑しながらも、それは本当の話と告げる。

但し、魔王や政府上層部は、『若い者達を戦に駆り出す迄も無い』との考えだとか。

1人 自室に戻ったディオドラは、机に着いた早々に脱力感全開で突伏した。

父親曰く、『日本神話は雑魚』らしいが、彼は そうは思っていない。

彼の下僕には日本人が2人居るが、その内の1人が【日本神話】には それなりに詳しく、前々から その強さを教えられていたのだ。

彼女が言うには、『兎に角、鬼チート集団。"弱小"とか、どんな歪曲で そんな認識されているのかが解らない』…とか。

 

「スレ主によれば、あの()()()()()も、実は日本神話の仕業らしいし…?」

…旧魔王一派だけで無く、その母体のテロリスト集団【禍の団(カオス・ブリゲード)】の壊滅が、【日本神話】の仕業である。

自身は直接に関わらない?…としても、そんな勢力との戦争が始まると考えると、憂鬱に為らざる得なかった。

 

コンコン…

 

「…? どうぞ…。」

 

カチャ…

 

「失礼しますよ、坊っちゃん。」

「"坊っちゃん"は止めて下さい、トラックスさん。」

そんな時、ノックと共に部屋に入って来たのは、背が低く、小太りの中年の男。

トラックス=ロビン・シーホース。

ディオドラの父親の、騎士(ナイト)である。

 

「はっはっは! 私こそ、トラックス…で、構いませんよ。」

「ん~、多少の例外は在れ、誰であっても基本、年上の人を呼び捨てるのは、少し抵抗が…」

互いに笑いながら話す2人だが、この後 直ぐに、トラックスが真剣な面持ちで口を開いた。

 

「旦那様が、アスタロトとして此度の戦に参加する事が決まりました。

当然、私達も、同行する事になりますな。」

「…!!」

その言葉に、ディオドラは驚きを隠せない。

しかし、真に驚くのは、その後の台詞だった。

 

「悪魔は…いえ、『聖書』は、敗れるでしょうな。」

「…………!!」

「約、400年前の話ですが…」

トラックスは【日本神話】では無いが、日本人の強さを目の当たりにした事が有ると云う。

 

「…坊っちゃんの女王(クィーン)…ジャンヌさんと同じく、"聖剣創造( ブレード・ブラックスミス)"を持った剣士を、そのサムライは只人としての、()の剣術だけで打ち破った。

日本人とは、それが出来るのです。

あの時の彼が、日本神話と関係が有ったかは知りませんが、そんな者達の上に立つ集団。

傲っている悪魔は、勝つ事が出来ないでしょうな。

恐らく同じ考えな、天使や堕天使も同様でしょう。」

「…だったら その事を、父上や魔王様達に!」

「言っても無駄なのは、坊っちゃんも理解されているのでは?

…私もアスタロトの眷属として この老体、最期まで旦那様の盾となる心算ですが、我等が散った後 、日本神話が残った者達に対し、如何なる行動に出るかは分かりません。

隷属を強いるなら まだ良し、根絶やしに動かれたならば…」

「…貴方は僕に、どうしろと言うのですか?」

「それは勿論…」

悪魔…いや『聖書』が絶対的不利と説かれる中、真剣な表情でアスタロト次期当主は、現当主の眷属に、問い掛けた。

 

≫≫≫

「…まあ、私から話すのは、これ迄ですな。

後は坊っちゃんが、1人、或いは眷属の皆さんと一緒に悩み、動くだけですぞ。」

「有り難う。一応 参考には、させて貰うよ。」

一通り、トラックスの話を聞いたディオドラは、微かに笑みを浮かべて、目の前の中年男に礼を言う。

 

「はっはっは!

それでは難しい話は、御仕舞いですな!

それでは今日のメインの用事、ハーレムの先輩として、不肖・私めが とっておきのカクテルの作り方を坊っちゃんに伝授しましょう!

これを眷属さん達に披露すれば、更にモテモテは必至ですぞ!」

「え゙?ハーレムの先輩?

(゜Д゜≡゜Д゜)何処何処?

誰ですか、それ?www」

「ムッキー!私以外に誰が居ますか?!

こう見えて私、昔は痩せ形で 結構なイケメンでモテモテだったんですから!

必殺カクテルで、数多くの女性を落としてきたんですよ!」

「へー、そーなんだー、すごいすごーいー」

「あ、信じてないですね!

絶対に信じてないですよね?」

その後は、根は陽気なキャラなのか、メインと称して、別の話を切り出すトラックス。

それにディオドラも笑いながら、惚けた顔で応じるのだった。

 

「とりあえず、そのカクテルの作り方とやらは、KWSK。」

「仕方無いですねぇ…。

先ずは、ウォッカとオレンジジュースを、3:1の割合で…

 

 

▼▼▼

 

※※※

 

◇セイジョ☆スキー◇

スレ主、いや、ガルーダ氏、見ているか?

名乗らせて貰うよ。

僕はアスタロト家次期当主、ディオドラ・アスタロトだ。

アナタとサシで話をしたい。

日時は そちらに一任するから、連絡をくれないか?

 

 




 
今回 登場のトラックスは、トラックス(太ロビン / ロマサガ3)のイメージで。
 
次回、サトルとディオドラが対峙?
 
感想よろしくです。
 


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接触(コンタクト)

 
この空気の様に影の薄い少女に出番を!
 
 
※小説独自設定・解釈、入りまーす。
 


「まさか…其れ程な者達…なのか…?」

「……………………。」

 

…コクリ

 

表現するならば、それは"炎の城"。

紅い城壁や門柱には炎が灯り、庭の所々からも間欠泉の様に炎の柱が噴き出す…そんな、巨城の一室。

ワインレッドのスーツを着た金髪の青年が、慎重な顔で問い掛けると、十二単を纏った黒髪の少女は、それに無言・無表情で頷いた。

 

▼▼▼

「これは…

ディオドラ、一体、何を…」

 

場所は変わり、駒王学園の生徒会役員室。

既に この日の業務は終わり、ソーナ・シトリーと その眷属の面々は、何時もの掲示板に投稿されていた、セイジョ☆スキーことディオドラ・アスタロトのコメントを見て、難しい顔をしていた。

 

「十中八九、ディオドラ様はガルーダを介して、【日本神話】に亡命を持ち掛けようとしていますね。」

そう言っているのは、ソーナの女王(クィーン)である、真羅椿姫。

 

「あの方の僧侶(ビショップ)の万里谷さんは元々、"正史編纂委員会"に所属していたそうですから。

あの組織も、【日本神話】とは直接の繋がりこそ無いですが、日本の有力組織です。

ディオドラ様は、彼女から【日本神話】の事を…その強大さを聞かされ、それを真実と受け入れたのでしょう。」

「私達が貴女から、聞かされた様に…ですか。」

 

▼▼▼

「な…何よ、これはっ?!」

 

更に場所は変わり、今度は同じく駒王学園…の旧校舎に在る、オカルト研究部の部室。

ソーナ同様に、件の掲示板画面を見ていたリアス・グレモリー達はソーナ同様に、ディオドラの書き込みを見て困惑。

 

「このタイミングで、"敵"に本名を明かして接触しようなんて…

ディオドラは一体、何を考えているのよ?」

冥界も、悪魔と【日本神話】の戦争についてはガルーダ・スレからの拡散で、既に一般の者達の間にも広く知れ渡っていた。

それに対して、悪魔政府側は『"弱小神話勢力"怖るるに値せず』『黙っていたのは、下手に民に不安を与える前に、事を済ませる自信が有った為』と、強気な発言、姿勢を崩さず。

そして その開戦理由は、ナベリウス襲撃の報復・制裁措置として。

当然、ガルーダ・スレが原因の発表だから、先にナベリウス家の者が【日本神話】の関係者を拉致していた事も広まっているのだが、悪魔政府は その件については捏造だと完全に否定。

一方的なテロ行為への粛清だと、そのスタンスを強めていた。

兄である魔王側の発表。

それを信じて疑っていないリアスと その眷属達は、ディオドラの このアクションに、不信感を募らせていた。

 

▼▼▼

「おいセラフォルー!

テメー、巫山戯てんじゃねーぞ!

堕天使(オレたち)まで巻き込みやがって!」

『大丈夫だよ、アザゼルちゃん?

私達だけで、あっと言う間に終わらせるから~☆』

「だから、お前等は何を根拠に、そんな余裕ぶっこいているんだよ?!」

『心配性だな~?

高々 日本神話だよ?★

一応 私達も、敵対してんだよ?☆

こっちも忙しいし、余り長話で、変な誤解されたら嫌だから、もう切るね!★』

「ちょっと待てコラ!

話は終わって…(pi…ツーツーツー…)…

………………………………………。

大バカヤローが!!

…同じ頃、グリゴリ本部では総督アザゼルが、非常時の回線を使い、魔王セラフォルー・レヴィアタンと会話。

【日本神話】との戦争について問い質していたが、通話相手のセラフォルーは、未だ余裕の態度を崩さず、一方的に会話を終わらせてしまう。

 

バタン…

 

「アザゼル…!」

「ぉ…おう、シェムハザか。

そっちは、どうだった?」

そんな時に、ノックもせずに総督執務室に入ってきたのはベレー帽を被った優男。

グリゴリ副総督のシェムハザである。

 

「…それが、ミカエルも『此方から討って出たりは しないが、襲撃者に対しては、其れなりの対処をする迄』と、全く取り合ってくれませんでした。…申し訳無い。」

「いや、御苦労さん。

お前さんは、よくやってくれてるよ。」

天界側との連携を指示していたシェムハザの報告に、アザゼルは「やっぱりね…」と、半ば それは予想していたとばかり、凹み顔な副総督に、労いの言葉を掛ける。

 

「クソが…

アマテラスとも連絡が繋がらねー…

こうなったら俺も、あのスレからガルーダに接触を試みるしか無いのか?」

 

▼▼▼

翌日の高天原。

神殿の広間に主要な日本神達を召集した天照大神は、これから起こり得る虐殺劇(せんそう)についての、己の方針を語っていた。

 

「…と、まぁ、そんな感じ?

あぁ、まさか本当に、皆殺しするとでも思っていたかい?

全く…そんなのして、アーシアちゃんに嫌われたら どうするんだよ?

尤も【日本神話(ボクたち)】を舐めている、魔王や老人…は、マジに潰すけどね。

それに、()()共からすれば、『純血の貴族以外は悪魔に非ず』なんだろ?

とりあえずは、悪魔が決めた その基準に、従って殺ろうぜ。

()()()()()()()()()()まで、無差別に殺る必要は無い。

…が、その貴族様が居なくなった後、残った者達が どうなるか…

貴族無しで持ち直すか、それとも その儘 滅び逝くか…それは、残った者達が決める事さ。

そこ迄は面倒も見きれないし、責任も…ね?」

どうやらアマテラスは悪魔に関しては、とりあえずは魔王を筆頭とした貴族のみに、照準を絞っている様だ。

 

「姉者、その貴族とやらが、何人か亡命を申し出ている点は?」

此処でアマテラスの弟神である素戔嗚尊(スサノオ)が、主にサトルのスレを通して(恐らくは)亡命を名乗り出ている、何人かの悪魔貴族について話を振る。

 

「ふふん♪

僕は、心が広いからね。

その者の心根次第では、受け入れてやるよ。

勿論、スパイ目的で近付いたとか、今まで此方に上等な態度をしていた様な奴なら、即 殺すけど。

()()()()()()()()()()()()

そうだろ? 閻魔君?」

「はい。真g

「真偽の見定めは、我等 地獄の者にお任せを。

"浄玻璃の鏡"の前には、如何なる嘘も、無意味ですから。」

「ちょ…酸漿君? それ、僕の台詞…」

「それと、残る天使堕天使だけど…」

地獄の1部署を纏める者と、その補佐官の漫才宛らな遣り取りを微笑ましく見ながら、アマテラスは話を続ける。

 

「残る2勢力に対しても、他の神話に『黙って見てろ』と言った手前、中途半端な真似は しないよ。

しかも連中は、悪魔みたいに貴族や平民の区別は無く、勢力全体が軍部みたいな物だからね。

壊滅フルコースさ。

アザゼル君は、僕達の事は昔から それなりに知っているから、今頃どうにかして事を避けようと奔走中…やっぱりサトル君のスレに、『会いたい』ってコメントしてたみたいだけど…

まぁ、彼等は、身内に恵まれなかったって事で。(笑)

そして天界。

奴等に関しては、説明不用だろ?

アイツ等は悪魔同様に…その保護者だった『神』共々、ヤリ過ぎている。」

 

≫≫≫

「やぁ、久し振り。

珍しいな、君が此処を訪ねて来るなんて。」

「…………………。」

日本神達のミーティングが終わり、アマテラスが自室に戻ると、其処には客人が。

質素な えんじ色の袈裟(ローブ)を着た、ストレートの長い金髪、瞑目した美丈夫だ。

 

「それで一体、僕に何の用だい?

釈迦如来?」

それは仏教勢力、天竺(ガンダーラ)のトップである、釈迦如来だった。

 

▼▼▼

 

 

※※※

 

◆スレ主◆

えーと、戦争の件についての速報です。

【日本神話】のトップのアマテラス様は、悪魔に関しては、殺るのは貴族や軍属だけで、一般の皆さんには、向こうから攻撃を仕掛けない限りは、手を下さないとの考えを明らかにしました。

 

◇名無しの悪魔◇

おお!

 

◇名無しの悪魔◇

神対応!

 

◇名無しの運対常連◇

マジ、ありがたい。

俺、あれから日本神話の事、少し調べてみたんだけど…

((( ;゚Д゚)))

ぶっちゃけ、パねぇ…

 

 

※※※

 

 

▼▼▼

更に、翌日。

 

「デオドラやライザーだけで無く、ソーナ、貴女まで?!

一体、どういう心算なの?」

「私達全員で、話し合った結果です。」

「答えに なっていないわよ!」

放課後の駒王学園、生徒会役員室に押し入ったリアスは、物凄い剣幕で、ソーナに詰め掛けていた。

 

カチャ…

 

「失礼しま~す♪…って、お取り込み中?」

そんな中この部屋に、1人の少年が訪れる。

 

「アナタは確か、9月に編入してきた、1年の…」

「は~い♪

1-E、赤屍かるま…っでーす。♪」

赤屍かるま、である。

 

「えーっと、アカバネ君?

見ての通り、今はソーナは私と話してるの。

どんな用事かは知らないけど、アナタは出て行ってくれn

「リアス! 何を貴女が勝手に仕切っているのですか!?

その話は、いずれハッキリするでしょう。

生徒会長として言います。

今日は、退室して下さい。」

「な、何ですって!?」

「リアス…今日の処は、退きましょう。」

「朱乃! 貴女まで?!」

そんなカルマに対して、リアスが一方的に退室を促すが、ソーナが それを制止。

更には、場の雰囲気を読んだか、リアスと同行していた女王(クィーン)、姫島朱乃も それに賛同。

 

「くっ…後で しっかりと、話して貰うわよ!」 

 

バタン!

 

「ぉおっかね~!www」

結果、苦虫を噛み締めた様な顔を浮かべ、リアス、そして姫島は、生徒会室を後にした。

 

「…それで赤屍君?

一体、生徒会に何の用事なのですか?」

そして改めて、ソーナはカルマに、生徒会への来訪の理由を聞く。

 

「…今日は駒王の生徒としてで無く、【日本神話】所属、()()()()()()()として、此の場に来ました。

支取先輩…いや、ソーナ・シトリーさん?」

「「「「「「「!!?」」」」」」」

それに対してのカルマの応えに、生徒会室の空気に緊張が走った。

 

▼▼▼

同刻。

冥界の炎の城…否、フェニックス城。

 

「【日本神話】所属の…"(あかり)"です。

…先ずは、ガルーダ当人が来なかった事を、謝罪します。」

「いや…こうやって、此方の呼び掛けに応じてくれただけで、有り難いさ。」

その奥の一室では、白音(あかり)と、ライザー・フェニックスの対談が、始まろうとしていた。

 

▼▼▼

更に同刻。

冥界の とある地域にて…

 

「はっはっは!

まさか、あの時の可愛らしい娘さんが、【日本神話】所属だったとはね!」

「私も まさか、此処の領主様がアナタとは思わなかったにゃ~♪…ティア様♪」

(ほたる)こと黒歌も、とある貴族悪魔の男と接触していた。

上品なスーツの上に、豪華なマントを羽織った悪魔貴族、マアリ・デカラビア。

それは偶然にも、先日サトル達が冥界入り、レーティング・ゲームの観戦をしていた時に、隣の客席に座っており、"ティアブラッド(仮名)(カッコカメイ)"を名乗っていた男だった。

 

▼▼▼

そして、更に同刻の冥界、アスタロト城の一室。

 

「…こうやって改めて話すのは、奇妙な感覚だよ、ガルーダ。」

「ふっ…確かに、そうかも知れないな、セイジョ☆スキー氏。」

この日の鍛練を終え、眷属の少女達と自室に戻ったディオドラ・アスタロトは、その施錠された筈の部屋で寛いでいた、黒いスーツを着た不法侵入の少年…サトルと、互いに名乗らずも、互いに前からの知り合いの様な行儀で、会話を交わし始めた。

 

「…どうでも良いが、あんた…」

「ん?何だい?」

「目、凄く細いな?」

「放っておいてくれないか!?」

 

 




 
マアリ・デカラビア…黒神舵樹(めだかボックス)のイメージで。
 
 
次回『ディオドラの目を開かせては いけない!(嘘:笑)』
 
感想よろしくです。
  


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そして開戦へ…!!

 
【注意!】
この小説のアマテラス様のモデルは、あくまでも安〇院さんです。
従って、MHは出ませんよ、()()は…
 
今回は、やや短め。
 
 


 

▼▼▼

冥界、バアル領。

その広大な領地の中央に位置する、巨大な城の地下。

 

「…………………………………!

…シーグヴァイラか。」

「……………………。」

壁、床、天井…何の装いもされてない、コンクリート剥き出しの一室で寡黙に筋トレをしていたバアル次期当主、サイラオーグ・バアルの前に現れたのは、大公アガレス家の姫君だった。

 

「……………………………………。

ソーナとディオドラが、眷属を連れて【日本神話】に降ったわ。」

「…知ってるよ。」

片親指立て伏せの体勢の儘、サイラオーグは そのシーグヴァイラ・アガレスの言葉に、既に承知の事だと話す。

 

「ライザー・フェニックス殿も同様。

他にも未発表だが、やはり亡命している者が居るらしいな。

そしてデカラビア伯に至っては、自領の民、全てを引き連れての亡命だ。」

「ニュースでは、"日本神話襲撃"とか報じられてるけどね…

それを受け入れた…って言うか、一晩で それを可能にした【日本神話】…」

「それから、亡命した者達には皆1つ、共通点が有る。」

「…???」

そして、サイラオーグは言葉を付け足す。

 

「下僕に、()()()()()()…と、云う事だ。」

…その元・日本人の下僕が主に、【日本神話】の恐強さを語り説いたのが、今回のディオドラ達が亡命を決意したと、そう推測するのだった。

 

「…サイラオーグ、貴方は【日本神話】について、どう思っているの?」

そして まだ多くとは言えないが、戦争を発表と同時、亡命した者が続出している現実に、シークヴァイラはサイラオーグに己の考えを問う。

 

「魔王様や元老院(ろうじん)は、【日本神話】を弱小と侮っているが、それは違う。

俺達(アクマ)が勝てないとは言わぬが、決して弱い訳では無い。

少なからず、多方面、互いに大きな傷跡が残るだろう…それが、俺の考えだ。」

それに対してサイラオーグは、自身が持つ、【日本神話】についての印象を話し出す。

  

「…それ故にソーナ達の行動を、俺は否定は敢えて しない。

ついでに言えば、今回の戦争の発端だが…」

そう言って、更に話を続けるサイラオーグ。

 

「魔王様や老人達が言うは、【日本神話】が一方的にテロ行為を仕掛けてきた故の戦争…らしいが、真相は あの掲示板に書き込まれた事の方が全て、だろう。

殆どの者は、悪魔(こちら)側の発表を、信じ込んでいるみたいだがな。」

「貴方は、魔王様達を疑っていると?」

「いや…

この場合、魔王様の あの発表は、間違ってないさ。

種を統べる者として…な。」

「…其処まで分かっていながら、貴方は出ていかないのね?」

「ふっ、愚問だな。

それなら そう言う お前は、どうなんだ?

俺は大王家、バアルの次期当主だ。

そんな俺が、身の可愛さに民を措いて、冥界を去ろう事が出来ると思うか?

魔王様達は俺達若い世代を戦場に立たせない考えらしいが、俺は有事には、討って出る!」

「…ふふ♪ 貴方らしいわね。」

 

▼▼▼

高天原。

【日本神話】に属する八百萬(やおよろず)の神々と、それに連なる神兵等の従者が暮らす、地上とは また別の次元に在る、広大な世界だ。

 

「まさか…これ程迄の能力(チカラ)とは…」

その高天原の、何も無かった平原に突如、それなりの広さを持った都市が1つ、出現した。

()()()()()()()()()()()()()を治めていたマアリ・デカラビアは、そのスケールの大き過ぎる()()()()に、感嘆する他に無かった。

 

「何が どうなっているんですか?」

「伯爵様、説明を!」

「「「「「「KWSK!」」」」」」

それは、彼の領民も同じく。

しかも、彼等からすれば、何の事前説明無し、訳の解らぬ儘、気付けば強制的に引っ越ししていたも同じなので、それは当然だが。

…因みに、冥界の ()()()()は現在、更地になっており、大騒ぎに なっているのだが、それは また、別の話である。

 

「都市丸ごとの引っ越し?

ふふん♪ そんなの僕のスキルを使えば楽勝さ。

彼は自分の身内だけでなく、領民全員での亡命を求めてきたからね。

その心根だけで、手を差し伸べる価値が有ると思ったのさ。

それが無ければ、彼は捨ててたよ。」

…とは、アマテラスの弁である。

 

≫≫≫

「お…おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリ(中略)ア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充おのれリア充!」

「「「り、領主様?!」」」

そして今、マアリ・デカラビアは血の涙を流していた。

 

「ど、どうしたんだい? デカラビア伯は?」

「さ…さあ?」

「大丈夫かしら?」

理由は、やはり【日本神話】に亡命してきた、3つのグループを見たのが原因なのだが。

 

ソーナ・シトリー。

ディオドラ・アスタロト。

ライザー・フェニックス。

この3名も、其々が悪魔政府に見切りを付け、下僕を引き連れて【日本神話】に亡命、高天原に居た。

この3グループの()()()()なメンバーを見て、未だ独身の伯爵は その羨ましさに嫉妬の炎を燃やし、血涙した様だ。

 

「いや…ディオドラ様やライザー様は兎も角、俺は違うからね?」

…兎に角、此処で彼等の、新しい生活が始まろうとしていた。

 

「ぉぉぉ…お~のれ渡〇おのれ渡〇おのれ渡〇おのれ渡〇おのれ渡〇おのれ渡〇おのれ渡〇おのれ渡〇おのれ渡〇おのれ渡〇(中略)おのれ〇部おのれ〇部おのれ〇部おのれ〇部おのれ〇部おのれ〇部おのれ〇部おのれ〇部おのれ〇部おのれ〇部え~ぇっ!!」

「「「「矛先が変わってるぅ??!」」」」

 

▼▼ ▼

『良いか!正義は我々に有る!

この幾度に渡る、【日本神話】のテロを、絶対に赦す事無く、そして、これ以上の暴挙を、絶対に赦しては、いけない!』

「「「「「「「「うぉおーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」」」」

 

場面(カメラ)は再び、冥界に。

冥界主要都市の1つ、旧王都ルシファードに在る巨大軍事基地では、魔王が1人、サーゼクス・ルシファーが、各地から集結した悪魔兵の前で、演説を行っていた。

 

「士気、上々だね~♪☆」

「まあ、サーゼクスも怒り心頭だし~?」

「ふん…

【日本神話】、挑発にしては、()()は少し、やり過ぎたな。」

「それだけじゃないよ…

ソーナちゃん達も行方知れずだし…

絶対にアイツ等が、日本に居たソーナちゃんを浚ったに違いないよ…

絶対に赦せない…!!」

それを旁で見ていた残る3人の魔王達も、その兵達の昂りに、満足気な顔を浮かべている。

…参考迄に、緑髪の魔王が言った()()と云うのは、デカラビア領が『引っ越し』によって更地となった事だが、それが実は亡命だと云う事情を知らない魔王達からすれば、それはテロ的攻撃…破壊活動と受け止めても、仕方無い事だが。

ソーナについても、同様である。

 

『…立て!

愛する家族を!恋人を!友人を!

守るべき存在を護る為、その身を奮い立たs…?!』

「「「「「「「「??!」」」」」」」」

そんな中、演説中のサーゼクスの口が不意に止まる。

 

「な、何なの?…あれ…?」

サーゼクスだけでなく、他の魔王を含む、その場の全ての悪魔達が、突如 空に起きた その()()に、驚き・動揺を隠せないでいた。

 

「チィッ! まさか、このタイミングで…!?」

「敵襲だよ! 迎撃の構えを!」

突然 空に現れた、巨大な遮光器土偶を象った集団。

 

「ふっふふふ…これは良い!

魔王とやらが、勢揃いか…」

そして それを統率するのは、黒基調で処々に白を施した、人の形…鎧武者をイメージしたかの様な、巨大な絡繰兵器。

 

「奴等を殺れば、姉ちゃんに誉めて貰える!…行くぜ!!」

その内部操縦席で、黒い仮面を着けた、金髪の男神…素戔嗚尊(スサノオ)が吼えた!

 




 
因みに匙君は、弟妹も連れての亡命です。
 
次回
『ガン〇ムってさ、最終回近くなると主要キャラが次々と死んでいくよね?』
乞う御期待!(嘘)
 
感想よろしくです。
  


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素戔嗚尊(スサノオ)

 
スサノオ様の外見は、ブシドーさん(ガンダム00)のイメージで。
 


 

「これは…一体…?!」

それは悪魔側からすれば、突然だった。

4人の魔王が兵を集め、此れから始まる戦争に向けて士気を高める演説中、そのルシファードの基地上空に何の前触れも無し、突如として姿を見せた、土偶を型どった機動兵器の集団。

自分達の存在を認識させる為か、数秒の間を開けた後、其等は一斉に、地上から見上げる悪魔兵達に向け、神氣から成るエネルギー弾の雨を浴びせたのだ。

この第1の攻撃により、この場の悪魔の約半数が斃れた。

そして、此の場は戦場と化す。

先の一撃に反応出来て躱せた者、或いは辛くも耐え抜く事が出来た者達と、【日本神話】が擁する高天原の神兵達との"戦"が今、始まった。

 

≫≫≫

「何と他愛の無い…

鎧袖一触とは、正しく この事か!」

機動兵器を駆り、数人の悪魔兵人を一度に葬った神兵の1人が、その呆気無さに吐き捨てる様に呟く。

 

『ぐわわぁーーーーーーーっ!!!!』

 

ずどっ…

 

そして彼等を指揮している、黒い鎧武者型の巨大機動兵器を操る素戔嗚尊(スサノオノミコト)は、其と ほぼ同じ体躯の、炎の剣を持った黒い肌の巨人と戦闘中…だった。

()()()なのは、鎧武者の太刀が、巨人の身体を横真っ二つに両断し、その戦闘は終わったからである。

 

「ふん…所詮は劣化版の紛い物か。

()()の存在に、北の主神殿や当神殿が、憤るのも無理は無い。…む?!」

その魔王ルシファーの眷属を討ち、やはり それに低評価を下すスサノオの前に、新手が現れる。

 

「これは、ベヒーモスか!

…面白い!」

その登場に、思わず口元を緩ませるスサノオ。

それは やはり、絡繰の鎧武者と同等の巨体を誇る魔獣ベヒーモス。

 

『またロボットか…

しかし、何時かの堕天使のオモチャとは、レベルが違うみたいだな!!

しかし これ以上の好き勝手は許さんぞ、日本神話!』

魔王セラフォルー・レヴィアタンの戦車(ルーク)、バイオレートの真の姿だった。

 

▼▼▼

「うぅう…

ご、ごめんなさいぃ、ぼ、僕の せいでぇ~!」

「いや…ギャスパー君、大丈夫だから…」

「そうだ、ギャスパーは悪くないぞ!

くそ、あのヤロー、見るからに弱そうなギャスパーを執拗に狙いやがって…!」

 

【日本神話】が冥界に攻撃を仕掛けたと同時、地上でも世界各地で、アマテラスによる『聖書』勢力への粛清は始まっていた。

具体的には『裏』の事情(そんざい)を知る、司教や悪魔祓い達は、現地在中、或いは現地派遣された『NIN=JA』達により、次々と斃されていた。

そして悪魔関係。

例えばグレモリーやシトリーの眷属との契約者の様な、些細な使役をする程度の者は、今回は滅殺対象に含まれなかった様だが、本格的な悪魔崇拝者(サタニスト)は、当然それに含まれる。

…勿論、現時点で地上で暮らしている悪魔が、その対象から外される事は無かった。

 

「クソ…ッ!

あのアカバネ…だったか?

アイツも【日本神話】のヤツだったのかよ!?

…だとしたら、ソーナさん達を拐ったのも、アイツの仕業だろ?!」

自身もダメージを負い、そして それ以上、決して浅くない負傷により動けない木場を見ながら、兵藤一誠が怒鳴り散らす。

 

「イッセー、落ち着きなさい!」

「しかし、部長!」

「うぅ…カルマ君、どうして…?」

リアス・グレモリーと その眷属の前に刺客として現れたのは、彼女達と同じく駒王学園に通う、赤屍かるまだった。

彼が最初に狙ったのは、クラスメートが刺客として現れたのに戸惑いを隠せないギャスパー・ヴラディ。

 

「それに あの野郎…

俺や木場、ヤマトさんだけなら未だしも、女の子である朱乃さんやスーザンまで…ッ!」

カルマがギャスパーを狙って投擲する無数のナイフは、兵藤や木場、堀井やスーザンが盾となって受け止める。

更には女王(クィーン)の姫島朱乃が、雷撃を放っての迎撃を試みるが、このナイフは絶縁素材製だったらしく、其を無視した1本が、彼女の肩口に突き刺さった。

リアスも滅びの魔弾で反撃しようも、その()()の長さとモーションの大きさで弾道を見切られ、カルマには命中する事は無く。

 

「と、兎に角、此処まで来れば、とりあえずは安全だわ…」

…そしてリアス達は今、冷たい薄ら笑いを浮かべて迫る暗殺者から辛くも?逃れ、駒王駅地下に在る、悪魔しか知る事の無い、悪魔しか入る事が出来ない悪魔専用の施設にて、安堵の息を溢していた。

 

「それにしても…

実家や お兄様とも連絡が繋がらないし…

冥界でも何かが起きているのは、間違い無いわよね。

…よし、どうせ何時までも此処に居ても仕方が無いわ!

列車を呼んで、私達も冥界に帰るわよ!」

 

≫≫≫

「あ~ぁ、逃げられちゃっ…た♪」

その頃、駒王駅の一般改札口の前では、カルマが嗤いながら呟いていた。

その口調は、任務失敗したかには見えず。

寧ろ、この駅に()()()()()事自体が、彼に課せられた任務の様にも窺えた。

 

「まあ、グレモリー先輩?

アンタ達をどーこーするのは、俺の仕事じゃないし、ね…♪」

 

▼▼▼

 

ドッドォーーーーッン!!

 

そして場面(カメラ)は、再び冥界に。

【日本神話】が進攻してきたのは、ルシファードだけで無く。

首都リリスや、アガレス、アバドンと云った主要な領土も、土偶型機動兵器や、其を指揮する()()()の機動兵器が猛威を奮っていた。

何れも一般平民の下級悪魔が暮らす地には手を着けず、その地を治める貴族の邸や、軍属の施設のみを狙った攻撃だ。

 

≫≫≫

「ひゃっはー!

超時空的・大サーカスの始まりだぜ!」

そしてバアル領。

バアル城にて、その上空を完全に制圧した、建御雷神(タケミカヅチ)が駆る、巨大な鬼の頭に鉈状の腕が生えたかの様な異形の機動兵器。

その大きく開けた口から、無数のエネルギー弾が撃ち放たれた。

神兵達の量産機と同時に放つ其れ等は、正に躍り乱れる弾幕の雨。

一応 城は、魔法障壁(バリアー)で守られておるが、それも何時までも持つ様には見えず。

大王家直属の兵が迎え出るが、其れも悉く返り討ちに遭っていた。

 

「クソッ!

これでも まだ若手は戦闘に出さない等、魔王様や父上は悠長な事を言う心算なのか!?」

「若様! 今暫くの御辛抱を!」

「何卒 御退がりを!」

「は、離せぇえっ!!」

その城内では、サイラオーグ・バアルが防戦一方な現状に堪らず、自身も眷属を引き連れ迎撃に出ようとする処を、城内の兵士に押し留められていた。

 

「サイラオーグ様! これを!」

そんな中、彼の女王(クィーン)の少女が、慌てた表情でスマホの画面を猛るサイラオーグに差し出す。

 

「……………………!!? これは…

クィーシャ! 今直ぐ俺の部屋に、全員を集めろ!」

「はい!」

その()()()()()()()()()()()を見て、サイラオーグは一時的、その場での昂りを収めるのだった。

 

▼▼▼

 

斬!!…ぼとッ!

 

『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁーっ?!』

 

再びのルシファード。

この時は、スサノオが操る鎧武者の太刀が、魔獣ベヒーモス…バイオレートの両腕を斬り落としていた。

 

ずどどど…

 

「ひぇっ?!」

「危なっ!?」

「ちょ…待…ぅぎょゎぉ…」

大ダメージを受け、セラフォルーの戦車(ルーク)は本来の野生の本能剥き出しで、その巨体の儘その場を苦し気に のたうち転げ回り、数名の悪魔兵が それに巻き込まれて潰される。

 

ズザッ…

 

『が…』

そして その回転(うごき)は、彼女が うつ伏せとなった時、背中越し、心臓諸共に地面に突き付けられた大太刀によって止められた。

 

「バ、バイオレートちゃん!!」

その凄惨な光景に、思わず大声で叫んでしまうセラフォルー。

 

「…………………。」

「え?」

その声に反応したのか、鎧武者(スサノオ)は その方向に顔を向けると、左足を高く上げ、それを一気に地面…その場に居た4人の魔王目掛け、素早く落とす。

 

「きゃああぁっ!?」

標的にされ、その迫力に圧倒され、セラフォルーは思わず悲鳴を上げてしまう。

 

「ふん!」

 

バシィッ!

 

「……………………!!」

しかし その強烈な踏み付けは、突如に展開された、防御結界に阻まれた。

 

「ふぅ~、危なかったぁ…」

「ぁ…ありがと、ファルビー…」

半透明な薄黄色の六角形のプレートを組み合わせて創られた、ドーム型の魔法障壁(シールド)

それは、魔王の1人、ファルビゥム・アスモデウスが造り出した物だ。

これにより、4人の魔王(…と周囲の者達)は、この結界に護られる形となった。

 

「ふん!小賢しい!」

それを見たスサノオは、今度は手にした太刀と小太刀での破壊を試みるが、

 

ガイィンッ…!

 

「…………………?!」

その連斬でも、障壁には傷の1つも付かなかい。

 

「はっはっは!そりゃ、そうさ!

この僕の、本気の結界だよ?

そんなに壊したいなら、核ミサイルでも持ってくれば~?

…それでも無理だろうけど!www」

防御に関しては冥界随一を誇る、スキンヘッドの魔王が声高らか、誇らし気に笑う。

 

「…ならば!」

それを聞いたスサノオは、機動兵器の胸部扉(ハッチ)を開けると

 

ひゅん…スタッ…

 

そこから飛び出し、結界(ドーム)の天辺に飛び移る。

そして

「覇ッアァァァア…ッ!!!!!」

 

バァッキィィイッ!!!!

 

其処で垂直に、生身の拳を撃ち降ろすスサノオ。

 

ピシィッ…パリィィン…!!

 

その一撃は、意図も容易く結界全体に無数の罅を走らせ、次の瞬間には分厚いガラスの破片の如くに砕き、消失させていった。

 

「ば、馬鹿なっ?!」

「ファルビゥムの結界が?!」

「そんな…ぼ、僕の結界が、あんなパンチ1発で…??!」

その様に驚きを隠せないファルビゥム達だが、

「呆けている余裕が、有るのか?」

 

スタッ…

 

「「「「!!?」」」」

彼等の目の前に、その結界を破壊した当人…否、当神、スサノオが上空から降り立つ。

 

「…以前、姉ちゃんが言ってた。

こんな時は、『ねぇ、今、どんな気持ち? 散々と弱小だマイナーだとディスってた存在に蹂躙されて嬲り殺されるのって、どんな気持ち?www』…と、言うのだったよな?」

「「「「な…ななな?」」」」

そして仮面の下、無表情で少し前に(アマテラス)から()()()()()()()を淡々と話すスサノオは、偶々 彼の正面に立っていたファルビゥムの眼前に静かに右掌を差し出すと、

 

ボォオッ!!…ぶっしゃぁぁあ!

 

そこから神氣弾を一気に放出。

この至近距離からの直撃を受けた魔王は、頭部を跡形も無く消し飛ばされ、その首の付け根から夥しい程の血を、火山が噴火するかの様に勢い良く噴き出した。

 

「「「!???」」」

その様に、残る魔王3人は声を失い、固まってしまう。

 

「貴様!」

「よくも、ファルビゥム様を!」

「サーゼクス様、セラフォルー様、アジュカ様!此処は御退き下さい!」

「さぁ、此方に!」

「う、うん…!」

そして殺されたファルビゥムの眷属を基とした、魔王の眷属と悪魔兵達、約3/4がスサノオの前に立ち、残りは魔王を逃がす為の護衛となる。

彼等はファルビゥムを簡単に殺した この仮面の荒神を見て、漸く【日本神話】の強さの認識を、改め始めた様だった。

残る魔王達も それは同じ様で、この下僕達の一時的撤退の指示に従い、撤退を始める。

…が、

「て、転位が出来ない?」

既に此の場は、スサノオか或いは、神兵が施した結界に包まれており、転位移動が封じられた状況に。

魔王達は とりあえず、走って この場を去るしか選択肢が無かった。

 

「ククク…雑魚認識してる心算は無かったが、まさか、これ程までの強さだったとはなぁ…!」

そんな中、スサノオを前に、先頭に立ったのは、セラフォルーの戦車(ルーク)である更木剣八。

元は日本人である彼だが、日本神話について詳しい訳では無かった。

『古事記』や『日本書紀』等の書物での…それも熟読した訳でも無い、僅かな知識しか持っておらず、悪魔に転生した後に初めて、その【日本神話】も神話勢力の1つとして実在すると知った程度だ。

しかし彼は他の悪魔と違い、その【日本神話】を決して侮っては いなかった。

そして生粋の戦闘狂は、その強さを直に目の当たりにして、益々 戦闘意欲を高揚させる。

不気味に微笑む事で、只でさえの凶悪顔を、更に人相を悪くして、刃零れだらけの太刀をスサノオに向けて構えた。

 

「さあ、楽しもうじゃないか!

殺し合いをな…」

 

斬々々々々!

 

「ん…だと…?!

………………………………」

 

バタッ…

 

しかし、それでも まだ、彼に誤算は有った。

スサノオの戦闘力を、余りにも低く、見積もり過ぎていた事だ。

刃を向けた瞬間、逆にスサノオが放った、所謂 人体の急所への神速5連斬を受け、前のめりに倒れてしまう。

そして彼は その後、2度と起き上がる事は無かった。

最恐・最凶・最狂。

冥界にて、様々な意味の『サイキョウ』の銘を冠していた更木さえも、アマテラスを除けば【日本神話】最強の戦闘力を誇るスサノオの前では、既に周辺で屍として転がっている、有象無象と変わらなかった。

 

≫≫≫

 

斬ッ!

 

「ぬわーーーーーーーーっ!!!!?」

そして、スサノオ率いる神兵も、その進撃を休める事は無い。

中には仕上げとばかりに機動兵器から降り、白兵戦に移行する者も幾人か現れる。

浅葱色の羽織を着た剣士風の悪魔が1人の神兵に斬り棄てられ、その場の悪魔全てを屠られたのを確認したスサノオが、既に距離が開いているが、撤退中の魔王達を改めて刮目。

 

「吼えよ! 草薙ぃっ!!」

 

ぶぅん!

 

そして、手にした太刀に神氣を注入(チャージ)して、その一団目掛け、投げ付けた。

 

ずぶっ…

 

「か…っ…はっ…?!」

その一刀は その軌道に居た悪魔を次々と貫き、最後は本命の獲物(ターゲット)、魔王の1人の背面、心臓に深々と突き刺さる。

 

どさぁっ…!

 

「「………っ!!」」

倒れる魔王。

そして、其処に猛追してくる、黒い仮面の荒神。

残った者達は その亡骸を拾う事すら叶わず、此の場を早急に走り去るしか、生き延びる術は残されていなかった。

 




【次回予告】
???「さあ、次回はアマテラス様の次に強く!アマテラス様の次に聡明で!しかもアマテラス様の次に美しい!
この私のターンですよぉおお!」
 
次回『【日本神話DxD】(仮)』
乞う御期待?
 


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進撃の神々!

 
一言。
感想にて、次話以降のネタ予想(しかも正解)するのは止めろ下さい。
m(_ _)m
 


 

※※※

 

◇名無しのアマテラス◇

やあ。何時だったかのバルス祭り以来、久し振りにコメントさせてもらうぜ。(因みにアレ、一番最初は、実は僕さ♪)

ハンネで察してるヒトも居ると思うけど、僕は【日本神話】の主神、天照大神だ。

このスレの常連の皆は、親しみを込めて、気軽に「アマテラスさん」と呼んで構わないぜ。

さて、本題に入ろう。

皆も知っての通り、我が【日本神話】と『聖書』は、戦争状態になってしまった。

現在進行形で、悪魔領の主要な都市は、我が精鋭達が、攻撃を仕掛けている真っ最中。

てゆーか、これも周知かな?

そのせいか、このスレも今は、閲覧は可能だけど、コメントは不可になっているよね。

此処のスレ主のガルーダ君も、今は今回の発端となった?ナベリウスの攻撃へ出張ってる。

まあ、心配しなくとも、僕が敵認定したのは、前にもスレ主が語っていた通り、魔王を基とした貴族達と、軍属の関係者だけだから。

一般民の方々には、其方から仕掛けない限りは手を出さない事を、この天照大神の名に賭けて宣言するから、その辺りは安心して良いぜ。

あ、本当だって。

何処かの悪魔貴族みたいに、普段は『悪魔は約束や契約事は絶対だ』とか言っていながら、いざとなれば『下賎の輩との約束を守る必要が、何処に有る?』…みたいな事は、絶対に言わないから。

何処かの悪魔貴族みたいに。

 

※※※

 

▼▼▼

 

「あ、私の せいだぁ~~~~~っ!!

私の、私のぉぉおっ!!!!」

「落ち着け、セラフォルー!」

魔王であるサーゼクス・ルシファーとセラフォルー・レヴィアタンは、スサノオの猛追から辛くも逃れ、今は同じく生き延びた者達と共に、軍事施設の地下の部屋に隠れていた。

 

「私のせいで、ファルビーやアジュカちゃんがぁっ?!」

「セラフォルー様、どうか、気を確かに!」

その 地下室で、大きく取り乱しているのは、セラフォルー。

いきなりの【日本神話】の襲撃により、目の前で同胞であり友人である、魔王2人を殺されるのを見た彼女の精神状態は、平常とは言えない。

 

「私が あの時、アマテラスに正面から布告をしたから…

う、うわぁぁぁぁ~~~~ん!!!!」

それは、自分が【日本神話】の天照大神に対して、半ば逆ギレ気味に宣戦布告した為に、結果、友人2人を死なせてしまった…

そう思い込んでいる為である。

 

「く…、しかし、此処も、何時まで持つかは分からない。

結界の類いだろうけど、転移が封じられているのがキツいね。

アジュカが居たら、この結界も直ぐに解析して、対抗策を実行しただろうけど…」

サーゼクスが消沈気味に話す。

 

「くそ、他の場所(ところ)も、連絡が着かないか、やはり【日本神話】の攻撃を受けているか、か…」

そして下僕達に、各地への応援要請の連絡をさせるが、それも応対しないか、既に何者かに…間違い無く【日本神話】だろうか、急襲されており、それ処では無いという返答だった。

 

「サーゼクス様、旦那様とも連絡が…」

「………………………。」

銀髪のメイドの『実家とも連絡が繋がらない』の言葉に、サーゼクスは益々 顔を厳しくして無言となる。

そして、自問自答。

 

 

 

今更、セラフォルーを責めても仕方が無い。

いや、悪魔(ぼく)達に、それをする資格は無いさ。

何故なら僕達も、【日本神話】を弱小神話と侮っていたからね。

あの時、誰も彼女を咎める者は居なく、それ処か皆が皆ノリ気で、『これで完全に日本を掌握出来る』と息巻いていたのだから。

…そもそも何故、僕達は【日本神話】を弱小のマイナー神話と、そう思っていた?

勝手に日本でシェアを広げていたのに、何も文句を言ってこなかったから、向こうが此方を怖れていると、勘違いしていた?

 

 

 

「フッ…、それも、今更…か。」

自虐気味に笑い、呟く赤い髪の魔王。

既に、今 冥界に攻めている敵が、弱小勢力という認識は捨てている。

まともに戦おうとも、全く及ばない相手だと、漸く理解したのだ。

既に悪魔…いや、『聖書』は詰んだ…と。

 

「いや、まだだ。

まだ、遅くない。…グレイフィア。」

「はい。」

そして、自身の女王(クィーン)であり、妻である銀髪メイド…グレイフィア・ルキフグスに、何かの覚悟を思わせる顔立ちで、声を掛けた。

 

「魔王として命ずる。

この僕と、セラフォルーの首を、今直ぐ斬り落とせ。」

 

▼▼ ▼

大公アガレスの城でも、戦闘は繰り広げられていた。

…グリゴリや【日本神話】だけでなく、アガレス家も悪魔の中では唯一…完全に現当主の趣味なのだが…搭乗式の人型兵器の開発、量産に着手していた。

しかし それは、先に挙げた2勢力の それと比べると余りにも御粗末な、2~3世代は遅れている出来栄え。

土木重機を無駄にヒトの型に造り、武装させたレベルの物だ。

対する【日本神話】。

アガレスを攻めている機動兵器は土偶型で無く、右肩に平盾を装備、左の肩当てには鋭い(スパイク)を施した、浅と深の緑の装甲の、単眼の巨人の集団。

 

「ふっ、面白い。

見せて貰うぞ! 悪魔の機動兵器の性能とやらを!」

そして それを率いているのは、型は同じく…但し朱と桃に塗られた装甲の機体に乗った、大国主神(オオクニヌシノカミ)だ。

その兵力差は 歴然としており、機動兵器同士の激突は、あっさりと【日本神話】側に軍配が上がった。

 

≫≫≫

「これは これは、当主様は、この場を決着の地として、待ち構えていましたかな?

それとも、偶々 逃げ隠れていた場所に、私が訪れたか?」

「…ほざけっ! 若造が!!」

「…多分だが私の方が、貴方より遥かに年長と思うが?」

そして今の場所は、アガレス城の地下。

城外戦闘の後、専用機体から降りた大国主は、姿の見えないアガレス当主を探す為、城内を詮索。

一瞬、脳内で何か閃いたかの様な感覚に従い、見付けた隠し階段を降りた先にて、アガレス家当主と その家族を見付けたのだった。

その際、余裕と皮肉を込めた第一声に、アガレス大公が顔を真っ赤にして憤怒。

その『若造』という返しに、大国主は苦笑して更に言葉を返す。

 

「さて、これ以上の会話も不要だろう。

さっさと終わらせよう。」

「…甘いわ!!」

 

ドッ!

 

そして剣を構える大国主。

…に、アガレス大公は、両掌から特大の魔力の弾丸を放つが、

「な…何い?!」

「当たらなければ、どうと云う事も無い!」

それを大国主は最低限の動きで回避。

 

「もう、良いだろう。」

 

ザシャ…

 

「きゃあぁぁあああっ!!!?」

そして改めて手にした剣を高く掲げた後、その切っ先をアガレス大公に向ける大国主を見て、大公の娘…次期大公家当主である少女が悲鳴を上げる。

 

「ちょっと待って貰えるか?」

「「「「「!!!?」」」」」

その時、この地下室に新たな客が、現れた。

 

「ど、どうして貴方が、此処に…?」

「お…おお、皇帝…!」

その者の登場に、アガレス家の面々は、驚き、

「ふ…ふはははは!

何故かは知らんが、丁度良い処に来た!

さあ、この痴れ者を共に討とうぞ!」

そして安堵、または増長の声を露にする。

 

「………………………………。」

「ど、どうしたのだ? ディハウザー・べリアルよ?」

 

▼▼▼

 

ドガッ!

 

「ぐぇっ!」

「止めておきなさい。

慈悲深い私は、手出ししないなら、その儘 通り過ぎますよ?」

同時刻のグレモリー城。

この城も、【日本神話】からの攻撃を受けていた。

 

「ひ、怯むなぁ!」

「賊は たったの1人だ!」

「囲め!囲め!」

…他の地と違うのは、此処は1柱の神が単身、機動兵器で無く生身での襲来だと云う事だ。

これに対してグレモリーの兵は数に物を言わせ、この神を集団で囲み、迎撃を試みるが、

「大回転!海老投げ分身ハイジャンプ反復横飛び破魔殲滅閃光波(ゴッド・ビィィイーッムゥウ)っ!!」

 

どっごごぉ~~~~んっ!!

 

「「「「うぎゃあわらーっ!?」」」」

この顔全体に奇抜な化粧(ペイント)をした、長身筋肉丈夫の神…月読尊(ツクヨミノミコト)は、その身体からは想像の点かない、無駄に洗練された身動き(アクション)からの、両目から放たれる光線で一蹴。

悪魔にとって、弱点となる その属性の攻撃は、その場の兵を全滅させるには、充分過ぎる物だった。

 

≫≫≫

 

カチャ…

 

「お邪魔しますぅ…」

「「「「………………。」」」」

そして月読は、立ち塞がる悪魔の兵を、悉く退け、城の最上階の部屋に押し入る。

其処には赤い髪の紳士、亜麻色の髪の淑女、白髪の老紳士。

厳しい顔で、この招かれざる来訪者を睨む。

そして もう1人、赤い髪の少年が。

この少年は、恐怖に怯えた表情で、身体を震わせていた。

 

「ちぃ、此処まで来るか!

旦那様! この場は私に任せて、奥様とミリキャs…

国士無双十三面(ライジング・サン)!」

 

斬!

 

「ぎゃあああっ?!」

執事服を着た老紳士が、月読の前に立つが、この神は それを御構い無し、両手から放つ衝撃波で、この執事の()()()()を、斬り裂いた。

 

「ふふふ。久し振りです。

まさか、貴方も悪魔に転生していましたとは、ねぇ?」

「な…何?

日本の神よ、貴様は私を知っているのか?

私は、貴様と会った覚えは無いぞ?!」

この月読の言葉に、執事は戸惑いの表情を隠せない。

 

「いやいや、貴方が知らない…覚えてないのも無理は有りませんよ。

あの時、私は お忍びで、人間に化けての下界入りでしたからね。

その時に私は貴方と一局だけですが、()っているんですよ。

尤も その時は、貴方の その無作法な親指に、してやられたのですがね。

とりあえず親指だけを狙って斬ったのは、その時の意趣返しだと思って下さい。」

「…………………………。」

何やら ()()()を懐かしそうに語る月読に、グレモリー家執事長・小泉ジュンイチローは、苦虫を噛み締めた様な表情を浮かべ、

「…さ~て、それでは、死・ん・で・下さい♪」

「???!」

 

ザッ…

 

その儘、何かのチカラが働いたのか、この執事は急速に身体全身が干からび、そして死んで逝った。

 

「い、いゃあああ~っ!?」

この光景に、赤髪の少年が悲鳴を上げる。

他者が死ぬ…しかも殺される場面を、生まれて初めて直視した故の、恐怖からの叫びだ。

 

「さぁって~、御待たせしましたね~♪

グレモリーの当主様と、その御家族の、皆・さん?」

「「「?!」」」

それを気に止める事無く、月読は改めて、現グレモリー当主…ジオテクス・グレモリーに顔を向ける。

  

「これ程とは、な…」

それに対し、ジオテクスは観念したかの顔で、

「日本の神よ…

儂の首は、くれてやろう。

それで妻と孫、そしてグレモリーの民は、助けて貰えないか?」

「ほう?」

このジオテクスの台詞に、月読は一瞬、興味を持ったかの様な、そんな素振りを見せるが、 

「ふふふ…

1つ勘違いされてる様ですが、我々は今回、其方から攻撃をしてこない限りは、貴族や戦闘に携わる者以外は、殺める事は有りませんよ。

故に、一般ピーポーには、手を出したりは しません。」

「そ、それなら…」

「但ーし! 貴族は基本、皆殺し(Kill Them All)!…でっすがね~♪

従って その申し出は、却下却下です。」

「「!!!!」」

それは あくまでも一瞬の話だった。

 

「…尤も、貴方達が『聖書』を捨て、我々【日本神話】に心底 忠誠を誓うと言うなら、私が天照大神に口添えしてあげても、構いませんよ~?」

「ほ、本当か?」

しかし此処で、月読は また態度を一変、「命の代わりに…」と、提案を持ち掛ける。

 

「は~い。私は悪魔(あなたがた)と違い、契約事で嘘は吐きませんよ~?

さあ、どうします?

私を信じて、契約してみますか?」

「……………………………。

…分かった…頼む。」

「あ、あなた?」「お祖父様?」

月読の言い様に、色々と反論したいジオテクスだったが、敢えて その言葉を呑み込み、この神の提案を受け入れた。

 

「よろしい。

ならば とりあえず、貴方の()()の羽を出してみなさい。」

「????」

 

パサッ…

 

ジオテクスは月読に言われる儘、背中から悪魔の羽を出し広げる。

 

ビリィッ!

 

「ぎゃああああぁっ??!」

「あ、あなたぁ!?」「お祖父様?!」

そして次の瞬間、月読は その羽を、根元から引き千切った。

 

「ぐ…き、貴様…何を…?」

「何を…って、契約でっすよ~?

今から行う契約の儀は、蝙蝠の羽を触媒に するのですが、生憎 今は、手持ちが無かったから、貴方の羽で、代用するだけですよ。」

苦痛に顔を歪ませるジオテクスに、月読は淡々と説明。

 

ピリ…

 

…剞・佩・鵐・蘇・誣・螺・岔・髏…

そして、手にした羽の一部を更に小さく千切ると、それに"言霊"を吹き込んでいく。

 

ボッ…

 

これにより、羽は青い炎となり、月読の右人差し指に纒わり憑く。

 

「さあ、貴方も指を出しなさい。

この青い炎を受け入れたら、契約は完了です。」

「…………………。」

不信に思いながらも、ジオテクスは言われるが儘、指を差し出す。

 

ちょん…

 

互いの指が触れ合った後、青い炎は月読からジオテクスの指先へ。

そして炎は消え、ジオテクスの右の人差し指の爪が、青に塗られた。

 

「…がっ?!」

しかし、それも一瞬。

ジオテクスが何やら苦しみだすと同時、青い爪は瞬く間、青から紫を経て、真紅に染まる。

 

ぼんっ!

 

そして爆散するジオテクスの肉体。

 

「geko…gero…?」

其処には、1匹の(ヒキガエル)が居た。

 

「あああ…アナタ~~~っ??!」

「お祖父様ーーーーーーーっ!!?」

ジオテクスの妻のヴェネラナ、そして孫のミリキャスも、このカエルがジオテクスである事を、瞬時に理解。

 

「う、嘘つき!

言う事を聞けば、助けてくれるって、言ったじゃないですか!」

泣きながら、目の前の神の恐怖に抗い、声を出すミリキャス。

 

「ん~? ぅ嘘つき~?

ぎゃーっはっはっはっは!

何を言ってるのですか、この お坊っちゃまは?」

その涙ながらの訴えを、月読は爆笑しながら跳ね返す。

 

「嘘つき?

それは、このカエルですよ、悪魔の お坊っちゃま。

この私が今、この男に施したのは、"青き爪による呪詛の儀"!

この契約を交わした者は、その術者との約束を違えようとすれば、その証である青い爪は次第に赤に染まり、完全な紅になった時、その肉体は爆散(ぼーん)

そして、ヒキガエルに再構成されると云ふ、わんだほーな呪術なのです!

今回の場合は、日本神話(わたしたち)に対して、怨みや敵意を抱いた時に発動する仕様だったのですが…

まさか、即座にカエルとは、この私も想定外で御座んした!www」

「「!!!!?」」

「全く…一体 何なのですか、これわ?

私達に忠誠を誓うと言っておきながら、いきなり裏切る気満々だったじゃないですか?

この、大嘘吐き~~~~っ!!www」

泣きながら嗤いながらの説明に、ヴェネラナとミリキャスは、顔を青くして、完全に言葉を喪ってしまう。

 

「…で?

アナタ達は、どうしますか?

素直に殺されます?

それとも、本当に忠誠を誓います?

それとも…

カエルに なります?

 




 
大国主神…赤井秀一(コナン)
小泉ジュンイチロー…小泉ジュンイチロー(無駄ツモ)
月読尊…ダイ・アモン(BASTARD!!)
 
…のイメージで。
 


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魔王、現実を知る?

 
先ずは、神スレから。
そして、()()()が久々に登場。
 
 
 
殆ど、台詞に なってしまった…
orz
 
 


 

※※※

 

◎名無しの混沌(這)◎

いよいよ、アマテラスさん達が『聖書』に対して、攻撃を始めたみたいですね~?

 

◎名無しの水の女神◎

悪魔殺すべし!魔王しばくべし!

 

◎名無しの舞神(脱)◎

現在、冥界の悪魔領各地で、高天原の神や兵、その他【日本神話】所属の皆さんが、侵攻してるわよ。

そしてそれを、前身・AV機器の付喪神さんが、各地の戦闘を撮影中。

エグ過ぎたりグロ過ぎたりエロ過ぎたりする場面を編集した後、このスレで画像を流すわ。

乞う御期待よ!

 

◎名無しの神様◎

エロ過ぎたり…(汗&笑)

 

◎名無しの神様◎

てか、AV機材も付喪神になれたんだ?

 

◎名無しの主神様(ギリシャ)◎

何?AVぢゃと?!!!

 

◎名無しの舞神(脱)◎

そっちのAVじゃねーよ!

テメーの頭ん中、それしか無いんか?この下半神がぁ!

捥ぐぞ、ゴラァッ?!

 

◎名無しの主神様(ギリシャ)◎

ひえっ!((( ;゚Д゚)))

 

◎名無しの戦女神◎

落ち着いて下さい。

なお、捥ぐのは止めません♡

 

◎名無しの神様◎

ウズメたん、怖えーwww

 

◎名無しの雷神◎

そしてサーシャも、然り気にキツいwww

 

◎名無しのきくりん◎

AV機材は、「昭和」の時代の機器ですね。

頭部はハンディカメラ、胸部はスピーカー、腹部はブラウン管テレビ、腰部はVHSデッキ…に手足が付いた感じな集合体です。(右腕は集音マイク)

『彼』が親機となり、冥界中に子機…分かり易く言えば、分身ですか?…を飛ばして撮影しているのです。

現在、お子様からお年寄りまで安全に視聴できる、心臓に優しいCEROった編集をしてますので、もう暫くお待ち下さい。

因みにエグい場面てゆーのは、スサノオ様の戦闘シーンが大半でーす♪

 

◎名無しのくっしー◎

ウチの旦那様が、すいません

m(_ _)m

 

◎名無しの悪神◎

スサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐いスサノオ恐い…

 

◎名無しの主神様(ギリシャ)◎

"C"の付かん、Rが18な画像を見たいのう…

 

◎名無しの神様◎

止めとけwww

また不能にされっぞ?下半神?www

 

 

※※※

 

 

▼▼▼

 

「な…何を言ってるのですか?サーゼクス様??!」

 

…場面は、スサノオの攻撃を受けている真っ最中の、ルシファード軍事施設内、地下室に戻る。

魔王ルシファーの言葉に、彼の女王(クィーン)は戸惑いを隠せなかった。

 

 

『魔王として命ずる。

この僕と、セラフォルーの首を、今直ぐ斬り落とせ。』

 

 

突然、自身と残る もう1人の魔王を「斬れ」と言われたのだから、それは当然…と云うべきか。

 

「ん…でも確かに、もう それしか無い…かも…」

「せ、セラフォルー…様?」

しかし此処で、その もう1人の魔王も、それに同調する事で、その戸惑いに拍車を掛ける。

 

「………………………………しかし…」

いや、実はグレイフィアも、理解は していた。

弱小だ雑魚だと侮り、戦争(ケンカ)を仕掛けた勢力が、実は『聖書』(じぶんたち)よりも、遥かに高みな存在だった事を。

そして今、その圧倒的な"武"の前に、自分達が詰んでいる事を。

 

「僕と、セラフォルーの首を彼に差し出した上で…

後は、彼等の慈悲の心に賭けよう。」

「「「「「「「………………………。」」」」」」」

サーゼクスの言葉に、残る魔王眷属や悪魔兵も無言である。

彼等も また、口にこそ、頷きこそしないが、最早"それ"しか、今 此の場を切り抜ける術が無いと、そう思っていたからだ。

 

「ふん、それは無意味な行動という物だ。

スマホ片手に妹にもメイド服着用を勧めた際、まるで汚物を見る様な目で見られ、それから暫く口を聞いて貰えず、そのショックで普段にも増して ろくに仕事に手を着けず。

結果、女王(よめ)から制裁を喰らっていた魔王よ。」

「は、はぁあっ!? ななな、何で それを?!」

…只、1人を除いては。

 

「き、貴様!何を言っているのだ!?

…てゆーか、魔王様に対して、何という口の聞き方だ?!」

これに、既に死亡した魔王…アジュカ・ベルゼバブの兵士(ポーン)が、顔を赤くして憤怒。

その発言の主である、セラフォルーの僧侶(ビショップ)バ=ニルに問い質す。

 

「黙れ。まだ冒険者(にんげん)だった頃、仲間(パーティー)の魔法使いの娘に告ったは良いが、実は その娘、やはり仲間の僧侶(べつの むすめ)共々、パーティーのリーダー格の男と既に かーなーり深い仲となっており、『ごめんなさい』されて自棄(ヤケ)になって悪魔に転生した筋肉達磨

「な…それは今、関係無いだろーが!!?

何故 一々、要らぬ一言二言を付け足そうとするのだ?!…ってゆーかテメー、何で それを知っている??!」

「フハハハハハ! その羞恥の悪感情、美味であーる!!

…兎に角だ。

今更、魔王()()の首を出した程度で、あの連中が退く事は有り得ん…と、吾が輩は そう言っているのだ。」

「ななな…き、き、き…!?」

この白黒ハーフ&ハーフの仮面の男の台詞に、赤を基調とした鎧の戦士風の男は、更に顔を赤くする。

 

「ふん。心配せずとも、【日本神話】の狙いは、貴族と その配下のみ。

平民に手を下す事は無い。

故に、()()()()()()()()()()()()。」

そしてバ=ニルは、他人事の様に、言葉を続ける。

 

「…………………………。

バ=ニルちゃんは、既に未来が見えているの?」

「む?」

その途中、セラフォルーが それを遮る様に、問い掛けた。

 

「バ=ニルちゃんは…もう、魔王(わたしたち)や他の貴族が、【日本神話】に滅ぼされる結末が、視えているの?」

「…………………………………。」

それに対して、この仮面の悪魔は数秒の沈黙の後、口を開く。

 

「確かに未来は視えているが、吾が輩、その内容をストレートに口に出す事は無いぞ。

この度の戦争、全て自身の責任と勘違いしている、自称・魔法少女の魔王よ。」

「な…じ、自称じゃないもん!

それに、本当に私のせいで、この戦争が始まって…

もう沢山のヒトが、死んじゃってるもん…」

その言葉に、セラフォルーは突っ込み混じりに自信無さ気、申し訳無さ気で小声で返すも、

「それは偶々、汝が連中との会談の席に着いたからなだけ。

仮に あの時 汝で無く、他の誰が あの場に居たとしても、結局は逆ギレからの宣戦布告な展開に成っておったわ。

…そして、現状に至る…と。」

「う…ご、ごめんなさい…」

「ふん…。生憎だが吾が輩、後悔や罪悪感、絶望の悪感情は、好みでは無いぞ?」

バ=ニルは無感情で、改めてセラフォルーのフォロー?を続ける。

 

「ちょっと待ってくれないか?」

其処に、新たに会話に参加する者が。

 

「セラフォルーの僧侶(ビショップ)

2、3、尋ねたいが?」

サーゼクス・ルシファーだ。

 

「君は、【日本神話】の強さを、知っていたのかい?」

「ぬ? 仮に知っていたとしたら、『どうして その事を、前から早く伝えなかったのだ?』…とでも言う心算なのか?

自分の嫁にシバカれるのを、実は密かに御褒美と思っていr

「質問に応えろ!!」

バ=ニルに対し、その巫山戯ているかの応えに憤ったか、或いは また余計な一言二言を言い出しそうになったかで、それを遮るかの怒声が、室内に響いた。

 

「ならば、応えてやろう。

吾が輩、貴奴等の強さは、存分に知っていた。

そして何故、その事について…貴奴等についての警告や助言をしなかったのは、どうせ言った処で汝等は それを信じたか?

貴様達 魔王や元老院(ろうじん)共が、『そんな訳が有るかwww』と一笑するだけ、まともに取り合わない未来が視えていたのでな。

故に吾が輩、無駄な行動は しなかっただけの事だ。

事実、此方の魔王は己の妹や その下僕から、【日本神話】の強さを幾度と聞かされたにも拘わらず、それを真剣に聞き入れなかったでは ないか。」

「「くっ…!」」

「ふははは!その屈辱の悪感情、美味である。」

そして言われた通り、質問に応えるバ=ニル。

 

「それに…例え今回、【日本神話】との衝突を避けたとしても、近い将来、今度は他の神話勢力が それこそ連合を組んで、冥界、否、『聖書』に攻めていたであろう。

それだけ汝等は、他の神話から不評を買っている。」

「そんな?!

私達が、一体 何を!?」

「…それを自覚しなかったのが、そもそもの間違いだったな。

本人の合意なら兎も角、余所の者を、無理矢理に浚い、或いは脅して悪魔に転生させたりして、恨みを買わないとでも思っていたのか?」

「しかし、それをしないと、悪魔は…」

「他所からすれば、それこそ知った話では無かろう。

"悪魔の絶滅回避に、我々を巻き込むな"…と。

しかも、それを文字通りに使い捨ての駒の様に扱っておれば、尚更な話である。」

「し、しかし、それは極一部の者が…」

「汝等の様に、主従の際の契りを律儀に守っている者の方が、その極々一部では、ないのか?

所謂"はぐれ悪魔"と呼ばれる者達も、その離反の原因の大半以上は、一般に云われるチカラに溺れた暴走で無く、そう云った杜撰な扱いや契約反故が、実際の理由で有ろう?

…表向きには、上手く隠している様だがな。」

「「…………………………。」」

その反論不可、違う事無き内容に、サーゼクスとセラフォルーは、何も言い返せない。

 

ドッゴォォッ!

 

「「「「「「「??!」」」」」」」

この時、出入口の扉が外側から破壊された。

 

「…こーゆー時は、笑顔で『見ぃ~つけた、はぁと』、だったよな?」

「「「「「「……!!?」」」」」」

そして、其処から顔を覗かせたのは、スサノオ。

配下の神兵達を引き連れての、登場である。

場に似合わない満面な笑みと緊張感の無い台詞が、却って その場の悪魔達を戦慄させる。

 

「ふん、仕方無い。

おい、文字通りに桁違いな年齢の人間の小僧に年増女扱いされ、それに正しく、年甲斐も無く憤慨している魔王熟j

「だから、その呼び方は止めて!」

そんな中、仮面の悪魔が一歩前に出て、仮面の荒神の前に立った。

 

「此の場は吾が輩が、引き受けよう。

問題の先伸ばしになるだけだが、今、汝等が安全圏に迄 逃げ出せる程度の足止めは、してやろう。

心配するな。

"冥界"の悪魔と違い、我等"魔界"の悪魔は、何者との契約でも、絶対厳守だ。

主従の関係を結んだ以上、己の命を落とす事になろうと、主の身の安全は護ろう。」

 

どどん!

 

そして後方、部屋の壁を魔力弾で破壊すると、

「さあ、さっさと逃げるが良い。

尚、さしあたっての逃亡先は人間界。

魔王の妹達が拠点にしている町が吉。」

自分の主である魔王達に、それによって出来た穴から、撤退を促す。

 

「い、行くよ、セラフォルー!」

「で、でも…」

「良ーから早く!」

「ゎ…わわっ!?」

  

タタタタッ…

 

そして言われる儘に、其処から此の場を走り去る魔王達。

 

≫≫≫

「…以外と空気が読めるのだな。

それが、日本のワビサビとかいうヤツか?」

「フッ、只の余裕だ。」

その後、セラフォルー達が逃げ出すのを邪魔する事無く、その遣り取りを静観していたスサノオに、バ=ニルが話し掛ける。

 

「さて、始めるか。

良いか、お前達は、手を出すなよ?

これは、タイマンだ。」

「「「「「「「はっ!」」」」」」」

「ふ…む…」

そして、スサノオが配下の神兵に一言。

戦闘姿勢を取ると、バ=ニルも それに応える様に、構えてみせた。

 

「それでは始めるぞ?

実は魔王よりも強い このバ=ニルさんの実力、思い知るが良いわ!

この度の戦果で、姉神に褒美として膝枕&頭撫で撫で、あわよくば頬チューを要求しようとしている、シスコンの神よ!」

「喧しいわ!!」

 

▼▼▼

 

「俺が、この城の担当か。

アマテラス様も本っ当に、趣味が()い事で…」

 

場所は移り、更に時が少しだけ巻き戻る。

今回の戦争の発端の地と言っても差し支え無い、ナベリウス城。

その上空で構えているのは高天原の神…で無く、神器(セイクリッド・ギア)の鎧を装着、その部位(パーツ)である黄金の大翼を広げているサトルである。

 

「………………………。

おっと♪ 俺に気付いたか?」

そんなサトルに対して、城内から武装した悪魔の兵達が、蝙蝠の様な羽を広げての登場、空中のサトルに攻撃を仕掛けてきた。

 

「あの鎧!

ホリェッター様を殺した男だな!」

「殺せ!殺せ!」

 

ズバババババババっ…!

 

そして悪魔達は、サトルが以前の襲撃者…この城の姫君の殺害犯と気付いたのか、殺意を増し、尚の事 集団で魔弾を撃ち放つ。

 

「…上等ォッ!死にたいヤツから、掛かってきやがれ!」

 

 

 

▼▼▼

 

 

※※※

 

◇名無しのアマテラス◇

あ、そうそう。

このコメント不可となった、このスレの代わりに、僕が新しいスレ、作っておいたぜ。

 

http://kch……

 

親サイトは このスレ同様、高天原だから、冥界からは投稿者の特定は不可能。

器の小さい貴族様(笑)に遠慮することなく、ガンガンと書き込めるぜ♪

冥界での戦闘状況の詳細も、逐一速報するから、宜しくね。

 

 

 




 
【次回予告!】
 
サトル「漸くだ…!
漸く小説タイトルから、『(仮)(カッコカリ)』の文字が、外される!
主役はセイジョ☆スキーでも兄貴!でも無い!
これからは ずっと、俺のターンだ!」
作者「それ、甘いと思うよ?」
 
 
次回『ガルーダ無双!(嘘&笑)』
乞う御期待!
 


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進撃の神々!②(仮)

 
〇で先生、やっぱり複数ヶ所での戦闘を同時に表現するのは難いっスよ…
 



▼▼▼

アスタロト城も他所同様、【日本神話】からの攻撃を受けていた。

攻めてきた神は1柱。

熊…いや、『クマさん』の表現が相応しい型状の機動兵器で城を半壊させ、現在は其から降り、城内の兵達を、蹴散らしていた。

 

「…邪魔、しないで。」

 

ゼバァッ!

 

「「「ぎゃんっ!?」」」

身の丈よりも長い薙刀を右手で振るい、一度に複数の敵を屠る、一見は幼い少女。

古事記にも登場している、木花咲弥姫命(このはさくやひめのみこと)だ。

 

「待て! それ以上は進ませんぞ!」

「さあ、掛かって来い悪者!」

「…誰?」

そんな彼女の前に、新手が。

現アスタロト当主の戦車(ルーク)ケィーチ・サンダーと、騎士(ナイト)のトラックス=ロビン・シーホースだ。

 

「…転生悪魔は、『敵対しないなら、別に殺らなくても良いぜ♪』と言われている。

命が惜しいなら、引っ込んでいて。」

「「巫山戯るな!」」

     

ダダダダッ…!

 

一目で2人を転生悪魔と見抜いた咲弥姫が、彼女なりの優しさを見せるが、この人獅子と黒覆面の男には、それが通じなかったらしく、戦闘に突入した。

 

≫≫≫

 

どずんっ…!

 

「かっ…はっ…?!」

「け、ケィーチ君!?」

そして先ずは、ケィーチ・サンダーが、腹部を薙刀で貫かれて脱落。

如何に悪魔と云えど、それが致命傷なのは明らかだった。

 

「ぐぬぬぬ…! 己れ悪者!

喰らえ、スクリュー・ドライバー!」

それにより、怒りを高めたトラックスが、携えていた細剣での攻撃。

刺突の際に手首を捻り、()()の要素を加えた一撃だ。

 

ズバァァッ!

 

「ほんげーーーーーーーーーっ!?」

しかし、この一撃も、咲弥姫には届かない。

切っ先は、彼女が盾の様に差し出した…左手に持っていた()()()()()()()()に突き刺さるだけだった。

 

「ぃ痛ってーーーーーーーっ?!

ななな、何してくれやがるんだ、クソアマァッ!?」

そして そのヌイグルミが、サクヤヒメに対して猛クレーム。

 

「ありがとう ぶっちー。

サクの事、護ってくれたんだよね?」

「…ぢゃ、ねーよ!(゚Д゚#)

こんな非道ぇ事、悪魔でも やんねーぞ!コラ゙ァッ!?」

どうやら『ぶっちー』と呼ばれる彼?は、彼女御付きの式神な様だ。

その会話口調から、単なる主従では無い事が、伺えた。

 

「私はジャパニーズ・マンザイに、興味を持っていない!」

そんな2人?に、トラックスが追撃。

距離を詰めて放つのは、刃に紫電を纏わせての、光速の剣。

 

「唸れ!ライトニング・ピアス!」 

「ぶっちーシールド!」

 

ズバッ!

 

「アババババババババパ??!」

しかし この一閃も、サクヤヒメはヌイグルミ(ぶっちー)を前に出しての防御。

 

「……………………………………。」

「…ぶっちー?」

そして この攻撃で、ぶっちーは死に…は していないが、気を失った様だ。

 

ごごごごごごご…

 

「よくも…よくも、ぶっちーを…

絶対に、赦さない…っ!!」

そして静かに、且つ、明ら様に怒気を昂らせるサクヤヒメ。

 

「ちょ、ちょーっと待ちませんか、小さな お嬢さん?!

今のは私が悪いんじゃ、ないでしょう??!」

それを察したトラックスが、慌てて弁明しようとするが、

「五月蝿い。

大切な親友を傷つけられて黙っていられる程、私はスィーツな性格じゃない。」

それは、怒りの化身と化した彼女には、聞き入れられない。

 

スッ…

 

「…大丈夫だよ、ぶっちー。

仇は、サクが絶対に取るからね…。」

そして動かなくなったぶっちー(ヌイグルミ)を床に優しく丁寧に置くと、薙刀を両手持ちに構え直すのだった。

 

「お前は もう、消えろ。

私は早く、この城の主を殺らないと いけないの。」

 

▼▼▼

悪魔領の南端に在る、バルバトス領。

 

「ハァハァ…ゼィゼィ…」

この地も例外無く、【日本神話】に襲撃されていた。

この領主の城も、土偶を象った量産型機動兵器の大群により、今は更地と化している。

そして、1人残った城の当主…褐色肌に長い水色の髪の偉丈夫…ナァゴ・バルバトスも、日本神の1柱…建葉槌命(タケハヅチノミコト)の前に、既に虫の息だった。

 

シュン…!

 

神速の踏み込みと同時、その姿を消す建葉槌命。

所謂『目にも止まらぬ』な超スピードは最初の一歩だけで、その後は文字通りに その身を消したのだ。

 

ズブァッ!

 

「…っかぁっ?!」

そして、突如として現れた三ツ又の矛の一撃により、脇腹を穿かれてしまうバルバトス。

この、神速移動と透明化からのトリッキーな戦法で、バルバトスは一方的に攻撃を受けていたのだ。

 

「…ふむ。

模造品(レプリカ)とは云え、なかなかの…」

「き、貴様ァッ…!」

手にした得物の出来栄えに、満足気な表情を見せる建葉槌命を、バルバトスが憎々気に睨み付ける。

実は、この神が持つ矛は、只の矛に有らず。

いや、矛だけで無い。

 

・ポセイドンの矛

・ヘルメスの羽靴(サンダル)

・ハーデスの隠れ兜

・???

 

経緯は割愛するが、大昔、オリュンポスから受け取った宝具(コピー)の一部を、建葉槌はアマテラスから渡されていたのだ。

 

 

 

…そんな訳で、建葉槌ちゃん。

前に下半神(ゼウス)から貰った、これ等のアイテムの性能、試してみてくれないかな?

返事は、『はい』か『yes!』か『うぃ まどもわぜーる』だぜ?

 

 

 

「…全てがチート級ですよ、アマテラス様。」

アイテムを渡された際の、主神の台詞を思い出し、苦笑しながら その感想を呟く建葉槌。

 

「ぶるぅああああああああああっ…!」

「お、驚いた?! まだ、生きている?

タッフね~?♪(笑)」

そんな日本神に対して、ナァゴ・バルバトスは満身創痍ながら、巨大戦斧を振りかざして突撃を仕掛けてきた。

先程の矛の一突きで終わったと思っていた建葉槌は、これには別の意味での苦笑。

 

「…ならば!」

そして建葉槌は、腰の袋に入れていた、4つ目のギリシャ製アイテムを取り出す。

 

「アイテムなど、使ってんj…」

 

ピシィッ…

 

そして ()()を、怒声と共に斧を振り落とすバルバトスに向けると、この大柄な悪魔は、瞬時に石化。

 

「アマテラス様…

中でも()()は、卑怯過ぎます。www」

そう言いながら、この悪魔を石と変えた、"メデューサの首(コピー)"を再び腰袋の中に直すと、

 

ドガァッ!

 

建葉槌は その雄々しく戦斧を構える石像となったナァゴ・バルバトスに向けて三ツ又の矛を突き刺し、粉々に破壊するのだった。

 

▼▼▼

悪魔領の東北側に広がる、山と森に囲まれた地域(エリア)

この地に【日本神話】から足を踏み入れたのは、神でも神兵でも無かった。

 

「我々の標的は、貴族だけです。

傍観を貫くなら、貴方を含む、この地の者には手を出しません。」

【日本神話】の派閥が1つ、『妖怪』。

その長である九尾狐 八坂の弟、銀髪の妖狐 蔵馬だ。

 

「………………………………。」

この蔵馬の言葉に、この地域を治めている巨大なドラゴン…からの転生悪魔である魔龍聖(ブレィズ・ミーティア・ドラゴン)タンニーンは、数秒間、無言の瞑目の後に、目を、そして口を開く。

 

「俺は…」

 

▼▼▼

 

「と、どうしたのだ?

ディハウザー・べリアル!!」

場面(カメラ)はアガレス城に。

大国主神(オオクニヌシノカミ)が率いる軍勢に攻め入られ、城の地下に追い詰められた、大公アガレスと、その家族達。

…其処に現れたのは、悪魔界 唯一 随一の娯楽と言って良い、レーティング・ゲームにて、トップの位置に座する、ディハウザー・べリアルだった。

  

「………………………。」

しかし、アガレス公からすれば、この場には己の救援に駆け付けた物だとばかり思っていたが、当人は大国主と対峙する素振りは、感じさせない。

 

「アガレス公、私が此の場に参ったのは、さしあたっては戦う為に有らず。

貴方に2~3、問い質したい事が有って、伺いました。」

「な…何を言っているのだ? こんな時に!?」

「…こんな時…だからですよ。」

「えぇい! あの男を片付けたら、20でも30でも、何でも答えてくれるわ!

さっさと殺ってしまえぃ!!」

「質問が、先です。

…大国主殿。もう少し、時間をくれないか?」

「…御自由に♪」

「ぐ…ぐぐぐ…!」

それ処か、戦いに…アガレス家の救援に来た事を否定。

その会話を黙って聞いていた大国主も、一先ずは剣を鞘に納めた。

 

≫≫≫

「ふ…ん!

それで、ディハウザー・べリアルよ。

一体 私に、何を聞こうと云うのだ?」

ディハウザーの態度に、多少の不満 苛立ちは残るが、とりあえず大国主の攻めが止んだ事は良しとして、アガレス公はディハウザーに、何用だと尋ねる。

 

「率直に…レーティング・ゲームのプレイヤーとして、お聞きます。

"王の駒"…は、実在するのですか?」

「…!??」

その問いに、アガレス公は一瞬、身体を硬直させ、顔色を変えた。

 

「貴様…どうして、その事を…?」

「その動揺振りは、肯定と解釈しますよ?」

そして、アガレスの態度(リアクション)から、其は実在すると、確信。

 

「ふぅっふふ…笑えるな…

私は今まで、そんな物に頼っていた卑怯者達と、真剣に競い合っていたと云うのか…

ふ…ふっふふふ…」

一般的に、チェスの駒をモチーフとされている悪魔の駒(イーヴィル・ピース)

しかし それは、(キング)たる主が下僕に授ける、女王(クィーン)から兵士(ポーン)までの5種15個が1セットで、"(キング)"の駒は存在しない筈だった。

…が、実は、そうでは無かった。

女王(クィーン)の駒の性能を更に強化した、魔力やスピード、攻防のパワーを最大で100倍以上にまでに跳ね上げる、"王の駒"は確かに存在していたのだ。

以前から薄々は分かっていた、その真実を改めて知り、ディハウザーは落胆した顔で、乾いた笑いを止める事が出来なかった。

 

「"駒"その物を、否定したりは しない!

在るなら有るで、何故、その事を公にしなかったのですか!」

そして一変、今度は激昂した表情口調で、恐らくは冥界上層部が結託した上で、その秘匿にしていた事柄について問う。

 

「ふ、ふん! 貴様等若僧には、それは関係の無い話だ!」

その迫力に一瞬 気圧されながらも、アガレスは強気な態度を立て直し、ディハウザーの追究を跳ね除ける。

 

「大方はゲーム運営に携わる者の、利権絡みが理由でしょうか…

しかし貴方達が それを秘密にしていなかったら、クレーリアは命を落とす事は、無かった…!」

「な…今更 何を言っているのだ?

あの小娘は、自業自得だろう?

我々に不信を抱き、探りを入れていたのだからな。」

「ほぅ? クレーリアが誅殺されたのは、天界に属する人間と繋がっていたからと…そう、聞いておりましたが?」

「…!?」

 

シャキ…ッ!

 

「な…?!」

此処まで話すと…知りたかった事を全て知り得たディハウザーは腰に差していた剣を抜き、青い魔力が通った刃を、大公に向ける。

 

「ななな、何をやっているのだ、貴様は!?

目の前には、敵が居るのだぞ?!

剣を向ける相手が、間違っている!」

予想の外な展開に、狼狽えるアガレス公だが、ディハウザーは そんな大公に、冷たく言い放つ。

 

「そもそも、私が此の場に現れたのに、何の違和も感じなかったのですか?

本来ならば、我がべリアルの地も【日本神話】からの攻撃を受け、他領へ赴く余裕等、無い筈。」

「………!!

ま、まさか…っ?!

ディハウザー殿…貴方、もしかして…?」

「御名答です、アガレスの姫君。」

此処で何か察したのか、シークヴァイラが会話に加わると、ディハウザーは彼女に優しく微笑み、話すのだった。

 

「既にべリアル家…いえ、べリアルの民は、【日本神話】に降っているのですよ。」

「な、何です…って!?」

「き、貴様…!」

「…それでは、アガレス公。

従妹(クレーリア)の無念、その身に受けて貰います。」

 

▼▼▼

「くそ…この俺の炎が、通じない…だと?!」

 

場面(カメラ)は切り替わり、此処はフェニックス領…フェニックス城。

この城も 今、たった1柱の神による攻撃を受け、現フェニックス当主は既に死亡。

その家族…城に居た者も悉く斃され、生き残っているは同家長男である、次期当主のみと なっていた。

そして その長男…ルヴァル・フェニックスも、この"神"の前に、為す術を断たれていた。

 

「ふん…それがフェニックスの炎か?

まるで、種火だな。」

 




 

木花咲弥姫命…もも先輩(食戟のソーマ)
建葉槌命…真宮寺さくら(サクラ大戦)
…のイメージで。
 
②【日本神話】がオリュンポスの宝具(アイテム)を譲り受けた経緯は、53話参照
 
 
【次回予告!】
サトル「……………………orz」
作者「だ、大丈夫だから!
次回は見せ場、有るから!…多分。」
 
次回『サトルの近接戦闘術!』
乞う御期待!
感想、評価よろしくです。
  


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対面…そして、衝突!!

 
【前回の復習&今回の予習】 
ナァゴ・バルバトス…バルバトス・ゲーティア(ティルズ2)
豊玉姫…りんどー先輩(食戟のソーマ)
松本蘭…松本乱菊(BLEACH)
才橋雀…砕蜂(BLEACH)
…のイメージで。
 
※前回登場のバルバトス当主ですが、名前をナァゴ・バルバトスと正式決定しました。
…既に死亡しており、以後の出番は多分、無いでしょうがね。(笑)
 


「くそ…この俺の炎が、通じない…だと?!」

「ふん…それがフェニックスの炎か?

まるで、種火だ。」

 

フェニックス城。

"炎の城"の表現が相応しい燃える城は今、更なる業火により、炎上、崩壊していた。

【日本神話】に亡命した三男と長女を除けば、既に残るフェニックスの者は、次期当主である長男1人のみ。

その長男が放つ、正しく"不死鳥(フェニックス)"を象った巨大火焔弾も…この顔中と言わず、身体全身に包帯を巻いた、和装の(おとこ)迦具土神(カグヅチノカミ)には、僅かなダメージすら与えられなかった。

 

「もう、満足か?…ならば、真実(まこと)の炎を拝みながら、死ね!」

 

ジャキッ…

 

そして、抜刀するカグヅチ。

 

ブゥボォオオオオオゥウッ…

 

その刀身は、瞬く間に獄炎…巨大な焔の渦を纏い、

 

断ッ!!

 

「ぐぁあぬゎあらばぁっ?!」

ルヴァル・フェニックスに振り下ろされた。

 

「ば、馬鹿なっ?

俺は、炎と風を司るフェニックスだぞ!?

そ、その俺を、炎で、炎d…」

その燃える斬撃で その身を両断。

ルヴァル・フェニックスは一族特有の回復も儘ならず、その身は灰すらも残らず燃やされ、()滅した。

 

▼▼▼

…場所は、人間界(ちじょう)へ移る。

イギリスはロンドンの郊外に建つ、小さな美術館。

其処には、一般の者は立ち入る事が…魔法偽装(マジック・カムフラージュ)により見つける事の出来ない、隠された広い地下フロアが存在していた。

 

「やぁ。アポ無しで いきなり やってきた事に関してだけは、謝罪するぜー。

すまなかったなー。」

「……………………………。」

その中の一室、『理事長室』と書かれたプレートの室内には、1人の男と3人の女が。

女は『NIN=JA』の才橋雀と松本蘭。

そして【日本神話】の1柱、豊玉姫(トヨタマヒメ)である。

 

「…私の首を、獲りにきたのかい?

冥界と君達との いざこざは、私の耳にも入ってきてるよ。

…好きにするが良いさ。

私も少しばかり、長く生き過ぎたからね。

ただ、現状(いま)の引き継ぎをしたいので、出来る事なら、3日くらい、待ってほs

「いやいやいやいや、早まるな!

アンタの場合、そんな簡単な話じゃねーんだよ。」

そして残る男…

赤と青の髪と赤と青の瞳の この男こそ、最古の悪魔の1人と云われる、メフィスト・フェレスである。

 

「天照大神様は今回の戦争、可能な限りは人間界に影響を及ぼさない方針としております。」

「そーゆーこった。

今、アンタが死んだら、単に『美術館の館長が死亡しました、まる』だけじゃ済まないだろ?

"灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)"の理事長さんよ?」

そして悪魔の身で有りながら、ヨーロッパ…いや、世界有数の魔術師ギルドの1つ、『灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)』理事長であり、この小さな美術館は実は、その組織の拠点の仮の姿であった。

 

「仮に引き継ぎが為されたとしても、"赤銅"(あか)"青銅"(あお)"薔薇"(バラジュー)、ついでに その他 雑魚ギルドやフリーや"はぐれ"なんかが、アンタの縄張り(シェア)乗っ取りに、裏表問わず、派手に動き出すのは目に見えてるからな?

そしたら この世は…少なくとも、ヨーロッパは大混乱必至だ。

解るだろ?

日本に限らず、人間界での そーゆーのは、極力 避けたいんだよ。」

「ふ~む…確かに。」

豊玉姫の言葉に、メフィストは深く頷く。

 

「此処まで話せば、アタシ等が此処に来た理由、察しは付くだろ?

アマテラスのアンタに対する要求は、『無干渉』だ。

既にアンタの女王(クィーン)にも、同じ様に遣いを出している。」

そして、メフィストの元を訪ねた目的を、簡潔に話す豊玉姫。

 

「そして悪魔相手に頼み事をするんだ、当然、対価は払う。

何なら とりあえず、この きょぬーと ひんぬーを、プレゼントしても良いぜ?」

「「と、豊玉姫様?!」」

そして続く言葉に、松本と才橋が大声。

 

「な…いきなり何を、言っておられるのですか?

…てっゆーか、だ、だだだだ…誰が、貧乳ですか? 誰が?!」

「そりゃ、アンタしかいないじゃん。」

「むきーーーーーーーーーっ!!!?」

「私達を連れてきた理由って、コレだったのですね…

まぁ、私は別に、構いませんが?♪」

「ま、松本ぉ~~~~~~~っ??!」

 

▼▼▼

…その頃の冥界、ナベリウス城上空。

 

「く、くそっ!

撃て!撃てぇぃっ!!」

 

ドッドドドドドド…

 

其処では、ナベリウス城に仕える武装兵が総出で、たった1人の侵入者…神鳥の鎧(ガルーダ・フェザー・アーマー)を着たサトルに向けて、全方位から大量の魔力弾を浴びせていた。

 

「…だから、効かねっての!…でいゃ!」

 

ドォン…!

 

「ぎゃぷらん?!」

それに対してサトルは、闘氣弾や仙氣弾を撃って応戦。

確実に、悪魔兵を仕留めていた。

 

「くそっ!何故だ?

何故、我等の攻撃が、通じない?!」

この場の隊長格の悪魔が、吐き棄てる様に呟く。

事実、悪魔達が放つ魔力弾は、サトルに命中する寸前で、尽く霧散。

これはサトルの神器(セイクリッド・ギア)神鳥の羽ばたき(ガルーダ・フラップ)の特性の1つ、『絶対魔法防御』による物。

その特性により、今のサトルには所謂 魔力や光力を源とする攻撃は、一切 通じない。

今のサトルにダメージを与える事が出来るのは、闘氣や仙術、或いは龍氣等による、魔力 光力以外での攻撃。

そして、()()()()()()()だけである。

一応、悪魔兵達は剣や槍を持っているが、それは殆んど、形だけの物。

武器を使った、或いは徒手の戦闘は発想の外の悪魔達には、サトルに対抗出来る術は持っていなかった。

 

ヒュンッ!

 

「!!?」

そのサトルが、1人の悪魔に狙いを定め、高速飛行で間合いを詰める。

それは偶然か、隊長悪魔だった。

 

ドゴッ!

 

「くぇっぱ?!」

そして鳩尾に、鎧を砕きながらの拳の一撃。

 

ガシッ…

 

「何…っ?」

空中で"くの字"の体勢となる その悪魔を捕まえると、体を上下反転させ、両手で両足首を掴み、両足は上腕を踏む形で両腕をロック、その形勢の儘、地面 目掛けての急降下。

 

「くっ…!」

相手も羽を広げ、必死に落下を免れようとするが、技の勢いの方が悪魔の飛翔力より勝り、体勢は変わらない。

 

「疾風迅雷落としーーーッ!!!!」

 

ドガアッッ!

 

「ぎゃゎら!?」

そして地面に激突。

 

「が…ががが…ぁ…」

両腕と両足を抑えられ、受け身が取れない状態で、脳天を痛打した悪魔。

一応は羽をばたつかせての抵抗が、僅かながらブレーキの役割を果たし、落下の衝撃を多少なり和らげていた様で、辛うじて絶命は免れは したが、それでも戦線離脱(リタイア)には変わりなかった。

 

「く、テッメェッ!!」

「よくも、隊長を!」

「撃て!撃てぇ!」 

「殺ってやるよ!!」

そして、その光景を見た悪魔兵達は、戦意喪失する処か、逆に奮起。

 

ドドドドド…

 

空から地上のサトル目掛けて、またも魔力弾の集中砲火。

しかし、神器(セイクリッド・ギア)の能力故に、サトルには通じない。

 

「いや、効かないって言っても、ウザいのはウザいんですけど?

仕方無い…()()だけは使いたくなかっのだが…

あ~ぁ、ヤダヤダwww」

 

スゥ…

 

そう言って、心底 嫌そう…でもない顔なサトルが右手を横に伸ばすと、その先の空間に、黒い"穴"が現れた。

 

ずずずず…

 

「「「「「「!???」」」」」」

その穴から取り出したのは、大きな黒い鉄の塊。

そして『それ』を見た悪魔達は驚愕。

  

「行くぜ! ナイア師匠直伝…クトゥルー流近接戦闘術!」

「いやいやいやいや!?」

「ちょ…ちょっと待て、お前!」

「う…撃て撃て撃て撃て撃て撃て撃て~っ!!」

()()は、サトルの師の1人、クトゥルー神話に属する邪神が1柱、"這い寄る混沌"(ナイアルラトホテップ)より授かりし物。

 

ジャキィ…

 

サトルは その先端を、魔弾の雨が降り注ぐ上空…悪魔達へと向けると、

「喰らえ!

侮辱放題(ディスりまくり)回転式機関砲(ガトリング ガン)!!

 

ダダダダダダダダダダ…!!

 

引き金(トリガー)であるハンドルを回し、多量の銃弾を乱れ撃つのだった。

 

「「「「「「「ぁたひ!」」」」」」」

「「「「「「「べゎで!」」」」」」」

「「「「「「「しばぶ!」」」」」」」

しかも その弾も、只の弾に非ず。

やはりサトルの師である、オリュンポスの戦女神アテナの祝福が施された、聖銀製の弾丸だ。

この凶弾を浴び、空の悪魔達は次々と地面に墜落。

結果、彼等が全滅するのに、60秒も掛からなかった。

 

ガァァンッ!…ガシャァン…

 

「へ?」

しかし その時、何処からか飛んできた魔弾が、機関砲に直撃。

バラバラとなり崩れ落ちた。

 

「ふ…ふん!お遊びは、終いだ!」

「…孫の仇は、取らせて貰うぞ。」

サトルが その方向に目をやると、今までの悪魔兵の様な揃いの鎧でなく、其々が様々な形状の鎧やローブを着た集団。

そして その後方には、豪華な装飾のローブを纏った男が2人。

 

「漸く当主様(ボスキャラ)の登場かよ…」

それは、ナベリウスの現当主と次期当主、そして その下僕の転生悪魔の集団だった。

 

「…ってゆーか!

どーしてくれんだよ、機関砲(これ)!!

てか、本当に どーする?

(」゚o゚L)

やっべー まじ やっべー!!

絶対に これ、ナイア師匠にシバかれる!?」

しかしサトルにとっては、師から貰い受けた機関砲(えもの)を壊された方が気になり、それ処では無い様子。

挙げ句、そちらの方向で、涙目で文句を言い出す始末だ。

 

「き、貴様! 舐めているのか?!

や、殺れ! あの者を殺ってしm…

いや、待て。止めは刺すな。

貴奴は儂の この手で、消してくれるわ!

半殺しにして、儂の前に連れて来い!」

そして その態度が気に召さなかったのか、現当主の初老の男は、激怒しながら下僕達に指示。

 

シャキィ…

 

「「「「………………。」」」」

その言葉に従う様に、数人の悪魔が、剣や槍を構える。

 

「ちぃ…っ!」

 

スゥ…

 

その殺気に対して、今までの悪魔兵とは違うと判断したか、サトルも攻撃の姿勢を…再び空間に穴を空け、其処から魔剣グラムを取り出した。

 

斬々!…ボトッ…x2

 

「…へ??!」

そして振り下ろされる刃。

それにより、2つの首が、地面に転がり落ちた。

  

「え?え?…えぇえっ??!」

その状況に、思考が着いて行けないサトル。

ナベリウスの転生悪魔が その剣で斬ったのは、己の主達の首だったのだ。

 

ザッ…

 

そして後方…そのナベリウス当主の隣に立っていた、恐らくは女王(クィーン)と思われる男が、主だった人物2人の首を拾い、サトルの前に歩み出る。

 

「【日本神話】の者よ!

我等 ()ナベリウス眷属一同、この嘗ての主の首を手土産に、【日本神話】に投降する!」

「はひ?」

 

ザザザザ…

 

そして その言葉と同時、その場の者 全員が武器を納め、サトルの前で片膝を着き、頭を垂れるのだった。

 

「え? えぇ~っ!?」

 

≫≫≫

「な、成る程…でっすよね~?」

「……………………。」

改めてナベリウス当主の女王(クィーン)だった男からの説明を聞き、納得するサトル。

聞けば、このナベリウスの転生悪魔達は全員が、浚われるか家族や恋人等を人質に囚われるかで、無理矢理に転生を強いられた者達だとか。

そして転生後も、かなり不当な扱いを受けていたとか。

仮に反旗を翻したとしても、悪魔政府は転生悪魔の言い分は聞かず、一方的に"はぐれ悪魔"として断じる為に、逆らう事も出来なかったとか。

…即ち、今回の様に、他勢力…それも強力な勢力が侵攻してくる日を、待ちわびていたと言うのだ。

 

「O~K。皆さんの投降を、認めますよ。」

サトル的には、余所の貴族悪魔は知らないが、少なくともナベリウスは、下僕を得る為には誘拐等の行為は当たり前に行う家と云う認識…そもそも其が、今回の戦争の発端の1つ…だったので、この()()()だった女王(クィーン)の話は疑う事は無く。

事前にアマテラスからは、『貴族は基本 皆殺しとして、その他…例えば、転生悪魔なんかの生殺与奪は、個人の裁量に任せるぜ♪』…等と言われていた事も有り、最終的にサトルは、彼等の投降を認めるのだった。

 

「さて、それじゃあ皆さんで、城に籠っているだろう、残りの貴族様(笑)の殲滅掃討にっ…て…?」

 

ヴォォォ…

 

異変が起きたのは、この直後だった。

空に比較的大きめな魔法陣が展開されと思えば、其処から10名弱な人影が現れる。

  

ビュンッ!

 

「これ以上の勝手は させんぞ、ガルーダ!!」

そして、その中央の位置に立っていた…胸元に獅子の面を象った、黄金の全身鎧を纏った漢が、サトルに突撃を仕掛けるのだった。

 




 

迦具土神…志々雄真実(るろ剣)
…のイメージで。
 
②砕蜂ファンの皆様。
頭は下げますから、その銃、降ろして下さい。
m(_ _)m
 
 


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激突! サトル vs サイラオーグ!!

 
バトル回!
さあ、手元の お茶は、飲み干しているかな?
 


≫≫≫

ナベリウスの転生悪魔達がサトルに投降。

残るは城内の貴族を殲滅掃討させるのみのタイミングで、援軍の如く現れた8人の集団。

…その内の1人が、サトル目掛けて突撃を仕掛けてきた。

  

「あ、あれは?!」

「知ってるんですか? 転生悪魔(モブ)Aさん?」

「だ、誰がモブAですか?!

…って、あれはバアル次期当主の、サイラオーグ・バアル様!」

「な、何故、あの方が、此処に…?」

サイラオーグ・バアル。

サトルが興しているスレにて、その漢気溢れるコメントから、何時しか『炎の兄貴!』のハンネで、そのスレ住民から慕われている、常連投稿者の1人。

スレ内でも、その戦闘力は讃えられており、この戦争に際して、いち早く【日本神話】に降っていた『セイジョ☆スキー』ことディオドラ・アスタロトや、『ひんぬー会長』ことソーナ・シトリー達からも、下手な大人の貴族よりも、余程 脅威に為り得ると伝えられた漢である。

 

「…………!!

そうか…あの男が、『兄貴!』か…!」

向かってきている人物が ()()()と知り、サトルも戦闘の構えを取る。

 

「どうやら一騎打ち(タイマン)が御希望らしい。

皆は、下がっていて!」

「「「「「「承知!」」」」」」

自らの眷属を上空で待機させた儘、単騎で向かってくるサイラオーグに対して、()()を察したサトルは それに応じる様に、元・ナベリウスの悪魔達を退かせて広い空間(スペース)を作り、迎え撃つ構えだ。

 

『気を付けなさい、サトル。

あのライオンのボーヤ、今までの敵とは、次元が違うわよ。』

「あぁ、解ってるよ、()()()()()()。」

この時、サトルの鎧の右手首部分の蒼の珠が光り、そこから女の声が発せられた。

メァリュータ。

()()こそ、遥か昔に『聖書』の神により、神器(セイクリッド・ギア)に その魂を封じられた、神鳥である。

彼女の言葉に、サトルも改めて気を引き締める。

  

「うぅおおおおおおおおおおぉっ!!」

「てぇりゃあぁああああああぁっ!!」

 

バキゥッ!!

 

「「!!」」

そして、空からの打ち下ろしの右拳と、地上から突き上げる左脚が激突。

 

「ふっ! やるな!…スレ主殿!」

「そりゃ どーも!…兄貴!」

その後、互いにバックステップで間合いを空け、互いに苦笑しながらの一言二言。

これが2人の、初接触(ファースト・コンタクト)だった。

 

「一応 聞くが、どうして此処に?

バアルは確か、建御雷神(タケミカヅチ)様からの攻撃を受け、それ処じゃ無い筈だが?」

「…父上は頑なに、俺達若手を外に出そうと しなくてな。

そんな時、例のスレで、ガルーダ!

例のスレにて、貴様がナベリウスに攻撃を仕掛けると云う書き込みが有ったので、眷属総出で此方に参戦したのだ!」

「はぁあ?! 待て待て待て待てい!?

俺のスレ、開戦と同時、コメント不可設定に しといた筈だぞ?」

「…………?

日本神話の主神殿が、普通に投稿していたが?」

「あああ…ア~マテラス様ぁ~?!」

…どうやらアマテラスのコメントは、彼女が持つ、何らかの『スキル』を使っての、ごり押しな書き込みだった様だ。

 

 

▼▼▼ 

 

※※※

 

◎『アマテラスさん』と呼びなさい◎

そんな訳で、投稿不可になったガルーダ君スレの代わりに、スレを立ち上げてみた。

デフォルトハンネは、【名無しの悪魔】だから、悪魔以外の子や前からオリハン使ってた子は、自分で設定よろしく。

さて、改めて、このスレについて…だけど、今の戦争の状況を、速報で伝え、それについて語り合うのが、メインな主旨だ。

尚、このスレは親サイトが高天原。

だから冥界からは…魔王や貴族による、投稿者の身元特定は出来ない。

だから、遠慮する事無く、コメントしてくれ。

それから…荒らし、ダメ!絶対!

…もしも、僕が荒らしと判断した場合、

目の前に現れて、Muscle技100連発の後、END of Danseikiだからね♡

  

◇名無しの悪魔◇

お疲れ様です。

 

◇名無しの悪魔◇

待ってました。

 

◇名無しの運対常連◇

了解です(ロ_ロ)ゞ

 

◇名無しの悪魔◇

…って、怖いっすよ ((( ;゚Д゚)))

 

◇名無しの悪魔◇

あの~?

この戦争って、回避は出来ないのでしょうか?

 

◇『アマテラスさん』と呼びなさい◇

それは無理だね。

冥界で どんな捏造報道されてるかは知らないが、原因作ったのは貴族だし、最後、直接僕に宣戦布告したのは魔王だ。

心配しなくても、貴族やそれに従事している軍属以外は、被害が及ばない風にしてるから、その辺りは安心してくれ。

 

◇名無しの悪魔◇

…ぶっちゃけて良い?

 

◇名無しの悪魔◇

おう。何となく何を言おうとしてるかは分かるが、言え言え

 

◇名無しの悪魔◇

…敢えて今、何処に住んでるかは言わないけど、ウチの領主は〇ねば良いと思う

 

◇名無しの悪魔◇

出たwww

 

◇名無しの悪魔◇

本命:ナベリウス

対抗:フォルネウス

ダークホース:グラシャラボラス

穴馬:バアル

大穴:アバドン

 

…さぁ、どれだ?

 

◇名無しの悪魔◇

具体的には言わないけど、その中に正解があるとだけは、言っておくよ。

 

◇ディオドラ・アスタロト◇

それでアマテラス様!

冥界は今、どのような状況なのですか?

 

◎『アマテラスさん』と呼びなさい◎

こらこら、このハンネにもある様に、僕の事は親しみを込めて、『アマテラスさん』と呼びなさい。

現在、冥界各地で侵攻してるけど、とりあえず主だった所で、シトリー、アバドン、グラシャラボラス、フォルネウス、ベルフェゴール…この辺りは、完全に潰したみたいだぜ。

 

◇マァリ・デカラビア◇

何と?フォルネウスがか?!

そうか…ついに此方には来なかったか、フォルネウス…

 

◇名無しの悪魔◇

そ、そうですか…

 

◇名無しの悪魔◇

アバドンやベルフェゴールの名も入ってる…

 

◇名無しの悪魔◇

レーティングゲームの上位ランカーを擁する家も、陥落かよ。

 

◇名無しの悪魔◇

べリアルの名前が上がってないのは、あそこは皇帝が、頑張ってるからかな?

 

◇セイジョ☆スキー◇

いや、べリアル家は既に、日本神話に投降してるから。領民ごと。

 

◇名無しの悪魔◇

わ、わぁっとーーーーーー!!!!

 

◇名無しの悪魔◇

マジですか?

 

◇名無しの悪魔◇

て、詳しいすね?

 

◇セイジョ☆スキー◇

僕は既に下僕の皆を連れて、日本神話に亡命してる身だからね。

これは、ソーナやライザー殿も同様。

デカラビア伯爵に至っては、領地丸ごとの引越しさ。

それで、べリアル家だけど、以前僕がガルーダへの呼び掛けの書き込みをした後、それを見たディハウザー氏が、『自分も日本神話の者と話したい』って、僕の所に直接やってきてさ…って、僕のハンネ??

アマテラスさん???

 

◎『アマテラスさん』と呼びなさい◎

いやいや、君のハンネは本名よりもコッチにしないと、皆も納得しないだろ?

だからスレ主権限で、替えさせてもらったぜ。

不満なら、アンケートで決めてみるかい?

 

◇セイジョ☆スキー◇

いえ…結構です…

 

◇名無しの悪魔◇

いやいやいやいや、既に亡命してるってのに驚いたんですけど?!

 

◇名無しの悪魔◇

しかも、ひんぬー様や子安さんもかい…

 

◇名無しの"セイジョ☆スキーに1票"◇

www

てゆーか皇帝も、あのスレ見てたんだ…

 

◎『アマテラスさん』と呼びなさい◎

新情報だ。

バアルが陥落。

アガレスも完全に制圧されたみたいだ。

ついでにルシファードも壊滅。

その場に居た、魔王2人が死亡。

何人か逃がしてしまったみたいだけど?…さてはスサノオ君、よっぽど舐めプしてたな?

帰ってきたら、OHANASHIだ。

それから、ナベリウスに攻撃をしているガルーダ君の所に、何故かサイラオーグ・バアル君がやってきて、戦闘を始めたらしいぜ。

 

◇セイジョ☆スキーに1票◇

な、何だってーーーーーー!!!!

 

◇セイジョ☆スキー1択でしょ?◇

魔王様が…

 

◇名無しの聖剣使い(女王)◇

大王家と大公家も落ちましたか…

あ、私も もう、セイジョ☆スキーで良いと思いまーす♪(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

まじか…

それから、セイジョ☆スキーに1票www

 

◇セイジョ☆スキー◇

君達、いい加減にしてくれ!!(怒)

 

◇名無しの悪魔◇

…で、兄貴とスレ主が…

あ、ここじゃスレ主じゃないか…(笑)

 

◇コヤス=サン◇

ある意味、オフ会だなwww

 

◇名無しの運対常連◇

なんちゅー物騒なオフ会だwww

 

◇ひんぬー会長◇

言ってる場合じゃないでしょ!

 

◇名無しの悪魔◇

ちょっと待った。兄貴とバトるって、ガルーダ氏って強いのか?

 

◇名無しの悪魔◇

とりあえず、性犯罪者を雑魚呼ばわりする程度には…

 

◇名無しの悪魔◇

駄肉が始末そこねた はぐれ悪魔を片付けてるんだよね

 

◇名無しの悪魔◇

前のナベリウス襲撃の時も、好き勝手暴れてたんだよね?

 

◇名無しの悪魔◇

セイジョ☆スキーさん達 亡命組は、ガルーダ氏と手合わせとか模擬戦とか、してないんすか?

 

◇ひんぬー会長◇

…したわよ。

とりあえず、私の兵士とセイジョ☆スキーが瞬殺されたわ。

ライザーとも、結局は勝負が着かなかったけど、彼の方が、終始優勢に渡り合ってていたわ。…って、私もハンネが?!

 

◇名無しの悪魔◇

セイジョさんが瞬殺…子安さんも、結構上位なランキングでしたよね?

 

◇セイジョ☆スキー◇

ネタで言ってたか本当かは知らないが、曰く、彼の御師殿が、パ無いメンバーだよ…

どんなメンバーかは、少なくとも当人の断り無しには言えないけど。

 

◇コヤス=サン◇

ふっ!俺はセイジョ☆スキーがハンネ強制変更されてるのを見て、最初からこの名にしてたぜ!

…てか、あの男の場合、師匠以前に、ヤツの神器が、悪魔からすりゃ相性が悪過ぎる。

それこそ、今の冥界側…悪魔でガルーダを倒せるとすれば、サイラオーグくらいだろう。

俺は以前、サイラオーグとも手合わせした事が有るが…正直、あの2人がぶつかるとなると、どちらが勝つかは分からん。

ガルーダは、人間でありながら強い。

それこそ『悪魔THUEEEEE!』の価値観を、吹き飛ばす程にな!

 

◇しっとマスク(血涙)◇

尤も彼も、私の僧侶には けちょんけちょんにされていたけどな!

 

※※※

 

▼▼▼

 

バキッ!ドガッ!ガボッ…!

 

サトルとサイラオーグの間で、幾多の拳と脚が交差する。

互いの攻撃を、躱し、捌き、弾き、時には被弾…

ゲーム風に例えるなら、かなりのターンが経過した中でも、未だ この肉弾戦が終わる様子は無かった。

 

『気を付けなさい、サトル。

このライオン君、神器(わたし)の特性を、見抜いているわよ。』

「…みたいだな!」

メァリュータが、戦闘開始から、全くの魔法攻撃を仕掛けない悪魔(サイラオーグ)に対して、神鳥の羽ばたき(ガルーダ・フラップ)の『絶対魔法防御』を見抜いていると分析、サトルに助言。

サトルも何となくだが、それは察していた様で、

 

バサッ…ヒュゥゥン…

 

鎧の翼を大きく広げ、後方へと高速低空飛行(ホバー)で距離を開けると、

 

チョイチョイ…

 

挑発するかの様に、人指し指で招きのポーズ。

 

「でぇえぇいやっ!」

 

ボォッ!

 

これに対してサイラオーグは、右拳を振り抜く形で放つのは魔力…で無く、闘氣の弾。

これを、サトルは難無く躱す。

しかし、この攻撃は牽制。 

 

ダッ…ダダダダッ…!

 

本命は猪突猛進(ダッシュ)で瞬時に距離を詰めてからの、

「うぅおぉぉおおっ!」

その勢いを利しての左の拳。

 

「…こりゃ、決定だな!」

遠距離から魔法弾で無く闘氣弾、そして あくまでも接近戦に拘る様に見えるサイラオーグに、サトルは改めて『絶対魔法防御』を見抜かれていると確信。

カウンター狙いの右拳を撃ち放つ。

 

バギィッ!

 

「「………っ!!」」

互いの左右の腕が交わり、互いが放った拳は互いの頬に突き刺さる。

 

ババッ…!

 

「「……………………。」」

そして、互いに体勢を崩しながらも、バックステップで、再び距離を開ける2人。

 

「この兄貴、滅茶苦茶 強いんですけど?!」

…実はサトル(…とメァリュータ)は、大きな勘違いをしていた。

近接の肉弾戦に拘るサイラオーグ…

彼は別に、『絶対魔法防御』を見抜いている訳で無く。

彼は、悪魔でありながら、()()()()使()()()()()()()()()()のだ。

生来より、欠片程度しか魔力を持たなかったサイラオーグ。

バアル家の代名詞とも云える、"滅びの魔力"も継いでいなかった彼は、自身の地位を確立させる為、一般的な悪魔の価値観を完全否定するが如くな()()()()()()の末に、現在の屈強な肉体を身に着け、若手最強の称号を得ていたのだった。

 

≫≫≫

「兄貴~?

今からでも遅くないから、投降しね?

貴族って言っても、現当主とかでないなら、まだギリギリ、融通効かせて貰えるぜ?

俺もアマテラス様に口添えするし、ディオドラや生徒会長さんも、一緒に頼んでくれるって!」

「黙れ!

この度の戦争、どちらに非が有るかは、理解している心算だ!

しかし、バアルの者として、おめおめと敵に降る事が、出来ると思うか!?」

「ぅっわ…兄貴、マジ兄貴…!」

言葉と同時、幾度も拳が交わり、鎧の方は、砕けても即座、修復されているが、両者の顔面はボコボコに腫れ上がっている。

 

ぶぃん!…タタタッ…

 

サイラオーグが、大振りなサイドキックを放ち、サトルが それをスゥエーで躱す。

それと同時、最強若手悪魔は再び、バックステップで距離を大きく空け、

 

ダダダダダッ…!

 

そこからの特攻。

この戦闘、何度となく繰り返された展開だ。

サトルも当然、迎撃の構えを取る。

  

「…レグルス!」

『…はっ!』

しかし此処で、サイラオーグは今までとは違う攻撃パターンに出る。

 

シュゥゥ…

 

纏っていた黄金の鎧を光の粒子な如くに消したかと思えば、同時に現れた黄金に輝く巨大戦斧を両手で構え、

「でぇぇいりゃっ!!」

 

ボガァアッ!!

 

「がっ…??!」

その戦斧の間合いに入った瞬間、それをフルスィング。

この鎧の変化に、反応が遅れたサトルの脇腹に直撃。

その部分を起点に鎧全体に大小の罅が走り、

 

バラァッ

 

それは真実なのか誇張なのか、天照大神曰く、『超々硬質物質(ロンズデーライト)の数倍な強度だぜ♪』…の鎧が、粉々に砕け散った。

 

「終わりだ、ガルーダァアッ!!」

そして、それでもサイラオーグのターンは終わらず。

斧を再び鎧に換え、それを纏いながら更に間合いを詰めると、

 

ドガァッ…!

 

「ぐふぉあぁっ…!!」

サトルの鎧が再生されるより早く、ほぼ0距離での突き上げるようなアッパーブローが炸裂。

サトルを天高く吹き飛ばすのだった。

 




 
次回、サトルvs兄貴!、決着?
 
感想、よろしくです。
 


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サトル vs サイラオーグ②

 
改めて、サトルの神器(セイクリッド・ギア)神鳥の羽ばたき(ガルーダ・フラップ)】の能力説明
 
☆通常(腕輪状態)時☆
・あらゆる魔力や光術の干渉を無効化(キャンセル)する『絶対魔法防御』
()()さえ分かれば、それが知らない場所、行った事の無い場所でも移動可能な『高等転移術』
 
禁手(バランス・ブレイカー)(神鳥の鎧(ガルーダ・フェザー・アーマー))時☆
…通常時能力に加え
超々硬質物質(ロンズデーライト)の3倍硬い程な(アマテラス:談)物理防御力
・超高速飛行能力
・…その他色々
 
※前回の あらすじ※
兄貴!のアッパーブローが、サトルに見開きページ(笑)で炸裂しました。
 


グシャァッ!!

 

  

サイラオーグに天高く吹き飛ばされ、最高点到達した その後は、万有引力の法則に従い錐揉みで落下。

脳天から垂直に、地面に激突したサトル。

 

「うぅ…」

落下中、鎧の再生には辛うじて間に合い、ダメージの軽減は出来たが、それでも大きなダメージを受けたのには変わりなかった。

 

ダダッ!

 

フラフラと立ち上がるサトルに、サイラオーグが追撃。

 

「ふん!」

これで決めると言わんばかりな、渾身の右拳を繰り出すが、

 

ガシッ…

 

「ふっ…やはり そう簡単には、往かぬか!」

「そ、そりゃ、そうでしょ…」

サトルは咄嗟に両手を出し、それを受け止める。

 

≫≫≫

 

バシッ!…ドンッ!…ガゴッ!

 

その後も続く、蹴り合い殴り合い。

拳や蹴りを織り混ぜてのコンビネーションを放つサトルに対して、ほぼ拳による攻撃 一辺倒なサイラオーグ。

 

「オラオラオラオラ!」

 

シュ…シュシュシュ…!

 

そんなサイラオーグに、サトルは上中下の、弾幕の様な蹴りの連打を放つが、サイラオーグは それ等を全て躱し、ガードし、払い除ける。

 

「ちぃ!」

そして、それに触発されたのか、右の前蹴りを繰り出すサイラオーグだが、

 

ガシィッ!

 

「!??」

実は それは、サトルが蒔いた(たね)だった。

何気無くだが、相手は脚での攻撃が不得手だと感じたサトルは、捌かれるのを承知で、挑発、或いは誘うかの様な蹴り技を連発。

これに脳筋気質なサイラオーグは、対抗意識からか、それに()()()しまった。

不慣れな蹴り技…その脚は、簡単にサトルに捕獲(キャッチ)されてしまう。

 

ヒュン…ダダン!

 

「ぅぐっ!?」

そこから、その脚を捻る形の投げ技…ドラゴンスクリューに移行。

普段から肉弾格闘を攻撃手段としているサイラオーグ。

自らも それを受ける事は、発想には入れていた。

…が、それも あくまでも、打撃や投げ技の話。

どちらかと言えば、投げよりも実は関節技の要素の方が強い この系統の技は、想定の外だった。

初めて見る、喰らう技にサイラオーグは対処が遅れ、受け身を失敗。

 

「が…ッ…?」

膝関節を大きく負傷してしまう。

そして これを、サトルが見逃す訳が無かった。

その儘、膝十字固めを狙うが、

 

バンッ!

 

「ちっ!」

これはフリーとなっている もう片方の足を突き出されて失敗。

しかし、サトルは焦る事無く、1度 数歩下がって距離を開けると、立ち上がろうとしているサイラオーグ目掛けてダッシュ。

相手の立てた片膝を踏み台の如く駆け上がると、

 

ベキィイッ!!

 

「ぐわぁっ!?」

その勢いの儘、顔面に強烈過ぎる飛び膝蹴りを撃ち込んだ。

 

「…今までの敵には、こんな戦い方をするヤツは、居なかったか?」

「が、ガルーダァアッ!!」

どや顔で話し掛けるサトルと、それを睨み付けるサイラオーグ。

この2人の差が、徐々に出始めた。

プロレス技の有無…では無い。

…細かく言えば、確かに ()()も差の要素の1つだが、誰にも師事せず、完全に我流で己を鍛えてきたサイラオーグと、妖狐・蔵馬を筆頭に、その彼の交友の広さから、複数の神話に属する神々からの修業を受けてきたサトル。

その闘法の幅の広さ、引き出しの数の差だ。

 

「さ、サイラオーグ様!」

「待て!」

サイラオーグ劣勢の色が出てきて、今まで静観していた彼の眷属の1人が、思わず加勢に飛び出そうとした処を、別の眷属が制し止めた。

 

「…どの様な結末になろうが、最後まで手出し無用だと言われているのを忘れたのか?」

「っ…!」

白銀の鎧の青年の言葉に、魔術師風な格好の少年は、悔しさを顔に隠す事無く、それでも引き下がる。

この青年も…いや、その場の眷属全員が、少年と心情は同じだと、口調や表情で察する事が出来た。

 

ガァン!

 

「ぐふぇっ!?」

そして その劣勢の中、それでも愚直に、フェイント等は混ぜない、サイラオーグの左の拳が、サトルの胸板にクリーンヒット。

鎧の破片をばら蒔きながら、サトルが またも、吹き飛ばされる。

スピードやテクニックはサトルに分が有るが、サイラオーグには それを覆せる程のパワーが有った。

この一撃だけで、また戦況は五分に引き戻される。

 

「こ・な・く・そ!」

しかしサトルも、直ぐに起き上がるとサイラオーグに特攻。

 

ガシッ!

 

両足タックルの要領で相手の足を捕まえると、股下に頭を潜り込ませ、

 

びゅぃん…!

 

その状態の儘、神鳥の鎧の翼を広げ、天高く飛翔。

そして、空中でサイラオーグの身体を上下反転させると、両手は両足を掴んだ儘、両足で相手の上腕を踏み付ける様に固定(ロック)

 

「む…これは…動けん!?」

そして、急降下。

それは先程、ナベリウスの兵隊長を倒した時の大技…

「疾風…迅雷落としーーーっ!!!!」

 

ドッッガァアッッ!

 

これが、完璧な形で炸裂した。

 

「成る程…中々に恐ろしい技だな…」

「え゙っ??!」

しかし、サイラオーグは殆んどダメージを受けてないかの素振りで立ち上がる。

これにはサトルの方が驚きだ。

 

「ふっ…

同世代に、似た系統の技を使う男を知っていてな…

今となっては、もう それは無い話だろうが、ヤツと戦う日に備え、脳天や首回りは、常日頃から鍛えていた。」

 

ぽんぽん…

 

誇らし気に、常人離れな太さの首を軽く叩きながら、話すサイラオーグ。

 

「あ…あのクッソ糸目男(セイジョ☆スキー)がぁああっ!!」

その「似た系統の技を使う男」とやらに心当たりが有ったのか、サトルの魂の雄叫びが、周囲に響き渡った。

 

▼▼▼

「あ…あれは…」

 

…その頃の、高天原。

冥界から亡命したソーナ・シトリー、ディオドラ・アスタロト、ライザー・フェニックスと その下僕達も、サトルとサイラオーグの戦闘を観ていた。

 

「神代君の あの技も大概だけど、サイラオーグの あのタフさは、チート過ぎるよ…」

モニター画面右上隅に、『LIVE』と表示されている映像を観ながら呟くのはディオドラ。

 

「サイラオーグはディオドラの ()()()を見て、それに対抗すべく、鍛えてきたのでしょう。」

「ディオドラ様は やはり あの時、手の内を見せ過ぎました。」

「あれは…洒落にならない位に死ねました…」

「ん。そうかも知れないね。

それでも僕は、後悔も反省も、していない!」

夏の若手悪魔の会合の時は、同じく同世代の悪魔であるゼファードル・グラシャラボラスと その下僕達を。

そして少し前のレーティング・ゲームでは、ソーナの兵士(ポーン)の匙元士郎を。

その細身な体では想像が付かない程な、豪快な投げ技を繰り出す事で、悉く上半身を床、或いは地中に埋めるな前衛アートを大量生産してきたディオドラ。

その場面を知っている者からすれば、サイラオーグの あの鍛え方は、完全にディオドラ対策だと、信じて疑わず。

 

「やあ。盛り上がってるね。」

「「「「「「「「「「??!」」」」」」」」」」

そんな彼等に、後方から話し掛けてくる女の声が。

 

「あ、アマテラスさm…さん?」

それは【日本神話】の主神、天照大神だった。

 

「…サトル君も、僕から たった1度 食らっただけで、ほぼ完璧に あの技をマスターしてるのに吃驚だけど、アレをまともに受けて、全然 平気なサイラオーグ君にも吃驚だぜ。」

「あのパイルドライバーみたいな技って、アマテラスさんの技なんスか?」

「アマテラスさんも、あの神代聡琉の師匠の1人だと?」

「いやいや、僕は違うよ。

アレは以前、サトル君を〆る時に使ったのを、あの子が勝手に覚えただけさ。

それより皆、画面に注目だ。

決着は、近いぜ?」

淡々とサトルが使った技について、そして、この戦闘の行く末を話すアマテラス。

 

「あの…処でアマテラスさm…さん?」

「ん?どうかしたのかい?ディオドラ君?」

…尚、この時にディオドラが、アマテラスと同行していた金髪少女を見て、その彼女に対して全身全霊誠心誠意なDOGEZAを披露したのは、また別の話である。

 

▼▼▼

「チィ…ッ!」

(サトル)には聞こえない程に、小さく舌打ちするサイラオーグ。

実は、サトルのドラゴンスクリューによって負傷した膝は、限界に近付いていた。

 

「はぁぁあ…」

またも距離を空け、闘氣を集中させるサイラオーグ。

サトルも、この男が最後の勝負に出たと判断したか、その()を攻撃する事無く、反撃の…カウンターの構えを取って待ち受ける。

一騎打ちの形だが、この戦闘は決して、試合に非ず。

あくまでも これは、『戦争』である。

別に敵が、自身を高めている最中に それを妨害すべくな攻撃をした処で、それは反則でも卑怯でも無く。 

…不粋か どうかとなれば、是非は別れるだろうが。

そして、サトルが選んだのは『待ち』である。

これは決して、余裕等で無く。

サイラオーグという1人の漢に対しての、敬意であった。

 

「行くぞガルーダ!

これが俺の、最大の拳だ!!」

 

ダダダッ!

 

そして練った闘氣の全てを、右拳に集中させ、サイラオーグはサトルに突撃。

 

「うぉおおおおお~~~~っ!!!!」

間合いに入ると同時、全力の拳を振りかざす。

 

「…ッ!!」

「!!!」

しかし その瞬間、一瞬だが その拳の速度が落ちた。

踏み込みの際、痛めた膝から走る、激痛の為だった。

 

ガシィッ!

 

サトルは その拳を…その腕を確と両腕で捕らえ、

 

タンッ…ガチィッ!

 

そしてジャンプ、捕らえた腕に、自身の両足を絡ませ、その儘その腕を極める。

 

「ぐぉおおおっ?!」

スタンド式の、飛び付き腕ひしぎ逆十字固めだ。

 

「サイラオーグ・バアル!

ギブアップと骨折と、好きな方を選べ!」

「巫山戯る…な!!」

 

ぐぃ…

 

「…へ?」

サトルの最期通告とも云える問い掛けに、サイラオーグは その両方に"否"の応え。

そして その極められた腕1本だけで、サトルを頭上高く持ち上げると、

 

ズガァァン!

 

「がっ…?!」

「ぐあぁっ!!?」

ワンハンド・パワーボムで地面に叩き付けた。

その破壊力に、後頭部を押さえ、地面を転がり のたうつサトル。

しかし、その技の衝撃は、極められている腕にも伝わり、サイラオーグにも…いや、サイラオーグの腕の方が、逆に大ダメージを受ける事となった。

 

「く…!」

だらりと下がり、上がらなくなった右腕を押さえるサイラオーグ。

右膝もガクガクと震えており、既に戦える状態で無いのは明らかだ。

一方のサトルも、強烈な殴打で身体全身ボロボロだが、腕や足を故障した訳で無い。

…勝負は決したと言って良かった。

 

「これで、決める!」

そして それを見たサトルが、勝利宣言。

 

「コォォォオ…ッ!」

体内に流れる闘氣 心氣 霊氣 仙氣、そして神器(セイクリッド・ギア)に備わる魔力。

精神を集中させる事で、己が宿す、全てのエネルギーを高めるサトル。

 

「……………………………………。」

それをサイラオーグは只、不動で黙って見ているだけ。

それは、先程 自分が闘氣を高める最中、邪魔立てしなかった者に対する礼儀か、戦いの勝利者に対して、不様に抗う姿は曝さないと云う信念か。

 

ブォォオオッ!

 

そしてサトルの掌から放たれる、数種のパワーがブレンドされたエネルギー波。

  

「ぬぉおおぅっ!」

 

どん!

 

「きゃっ!?」「おゎっ?!」

その直撃をノーガード、無抵抗で受けたサイラオーグは吹き飛ばされ、後方に控えていた自分の眷属達と衝突してしまう。

 

ザザッ…

 

「………………………………。」

そんなサイラオーグに、サトルが無言無表情で歩み寄る。

 

「…ガルーダよ、俺の、敗けだ。

この首、落とすなり何なり、好きにしろ。

しかし、下僕達(コイツラ)の命は、助けて貰えないか?」

「「「「「「「「さ、サイラオーグ様?!」」」」」」」」

そして、自身の命を対価に、下僕の無事を求めるサイラオーグ。

 

「ま、待って、ガルーダ!

私達の命をあげるわ。

その代わり、サイラオーグ様だけは!」

「頼む!」

「この通りだ…」

これに、下僕全員が…先程まで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()も揃って、己の命を差し出す事での、己の主の助命を嘆願。

 

「ふっ…」

それに対してサトルは、一息 笑うと、

 

ヴォン…

 

「な…?!」

「これは…?」

「う、動けない!?」

「ガルーダ!一体、何を…?」

彼等の足元に、巨大な魔方陣を展開。

サイラオーグ眷属の反応からして、どうやら それは、捕縛系の魔方陣な様だ。

 

「何を好き勝手に言ってるんだ?

この場に のこのこ やってきた時点で…

兄貴が俺とバトり始めた時点で、お前等全員、地獄逝きが決定していたんだよ!!」

「「「な…?!」」」

そして、この一言。

 

キラッ…

 

同時に上空、一瞬 星が煌めいたかと思えば、

 

ゴォォォォオオッ…!

 

地上魔方陣目掛け、1羽の鳥が、急降下で迫ってきた。

白、赤、青、そして金色の羽根。

上半身胸元だけが、女性(ヒト)の形な、巨大な鳥だ。

 

「ガルーダ!…き、貴様ぁっ!」

サトルの台詞にサイラオーグが怒声を浴びせるが それが唯一出来る抵抗で、魔方陣のチカラにより、彼等は指1本まともに動かせない。

 

バサァ…

 

『さぁ…逝ってらっしゃい…』

そして降り立った巨鳥…精神体となったメァリュータが優しい(つめたい)(セリフ)と共に、翼を広げ、サイラオーグ達を優しく抱きしめる様に包み込む。

 

カッ…!

 

次の瞬間、眩い光が周囲一体を包んだと思えば、その光が消えたと同時、メァリュータも そしてサイラオーグ達も、その場から姿を消していた。

 




 
メァリュータの外見はヴァルファーレ(FF-X)、中の人は、早見沙織さん(声優)のイメージで。
 
感想、評価よろしくです。
 


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日本神話無双(仮)

 
作戦:ガンガン殺ろうぜ
 



「クトゥルー流近接戦闘術!

神をも屠る、(サガ)なる回転鎖鋸(チェーンソー)!!

 

ドッドッドッドッドッドッ…

 

斬!斬!斬!斬!斬!

 

「「「「「うぎゃあ~!!?」」」」」

 

サイラオーグを退けた後、サトルは改めて、ナベリウス城に籠っていた悪魔達の殲滅に入っていた。

 

「ちょ…待て、お前等! 私達を裏切る気か?」

「黙れ!我等、貴様等に心底から仕えていた心算等、微塵も無い!」

「いや、わ、私達が悪かった!

これからは お前達の言い分も聞くから、あの男を

「黙れ。」

「ぐぎゃぃわゃああぁぁぁっ?!」

それには、元・ナベリウス就きの転生悪魔達…悪魔社会からすれば、"はぐれ"となった者達も参加し、ナベリウス城の悪魔は、全て滅せられた。

 

▼▼▼

 

ドッドドーン!

 

場所は移り、悪魔領の辺境に在る、樹海地帯。

その最奥に、隠れる様に建てられた屋敷に、砲撃が浴びせられていた。

当然、周囲には転移等での逃亡を防ぐ為の、結界が張られている。

 

≫≫≫

「まさか、此処を…この俺を見付けるとはな…!」

「浄玻璃鏡の前には、如何なる隠し事も通用しません。」

「…ふん。隠れんぼは終わりだ。」

爆撃、或いは殴打による屍が転がる廊下の奥の部屋、この屋敷の主ザオロマ・ネビロスの前に現れたのは、日本地獄の閻魔王丁補佐官、酸漿。

そして もう1人、バズーカ砲を抱え、深緑の迷彩服、磨いたかの様に光る髪の無い頭に、サングラスを掛けた大男…綿津見神(ワタツミノカミ)だ。

 

「くそ…我が研究(じんせい)も、此処までか…

全く あの小娘(ばかおんな)、馬鹿な真似をしてくれた…

但し、日本神話よ!

俺も、只では死なんぞ!」

 

ヴォン…

 

「「!!」」

この2人を見て、ネビロスは自身の敗北を悟るが、最後の抵抗とばかり、12体の武装兵(あくま)を象った石像を召喚。

 

「ぎゃはは! 死ね!皆死んでしまえ!

ぎゃは!ぎゃははははは

「とりあえず、貴方が死になさい!!」

 

バガッ!

 

自棄と狂気が混ざった嗤い声の中、酸漿の金棒のフルスィングにより、ネビロスの頭は脳漿や骸片、肉片を撒き散らしながら爆砕。

 

ダダダダ…!

 

「…ふん!」

「やれやれ…ですね。」

それと同時、石像の集団が、酸漿と綿津見に襲い掛かってきた。

それに対して酸漿は無数の鋲の生えた金棒を、綿津見はバズーカを構え直すのだった。

 

▼▼▼

その頃の人間界(ちじょう)

敷地全土に人払いの結界が敷かれたヴァチカン宮殿。

 

「げわぁっ!」

「のわ~!」

「ぎぇで!」

「教会の戦士の実力とは、この程度か!」

「…俺達の相手は、雑魚ばかりな様だな。

まぁ、楽な仕事なのだが…」

此処でも【日本神話】が擁す『NIN-JA』達による、"裏"側の…天界に直接 関係する者達への、殲滅掃討劇が繰り広げられていた。

烏丸惟臣と螺部蔵夫徒が侵入者排除として迫る悪魔祓い達を、事務的に討ち倒していく。

 

≫≫≫

  

ザク…ザクザクザクザクザク…

 

「ぁ…ぁぁあ…??」

 

ドサッッ…

 

「クス…

噂は色々と聞いていましたので、それなりに用心したのですが…

所詮は、まだまだ子供でしたか?」

戦士としては若過ぎる…小学生高学年にしか見えない、高位司祭服を着た少年の全身に、無数の()()が針鼠の如く突き刺さった。

何が起きたのか解らない、尚且つ絶望な表情を浮かべ、少年は己の作った血溜まりの中に沈み斃れ、それを見た赤屍玄人は、冷たく嗤う。

 

≫≫≫

 

ガンっ!

 

「「うゎあっ?!」」

しかし、教会の側にも、手練れは居る。

2人の黒スーツの青年が、巨大な聖剣の一振りで吹き飛ばされた。

 

「こ、この爺さん、凄く強ぇ…!」

「あ痛たたた…」

この2人の相手をしているのは、どう見ても90歳近い老人。

しかし、それは顔だけの話で、その身はサイラオーグ以上に鍛え上げられた筋肉を誇る巨漢だった。

 

「ふん、やはり お前等では、その男は荷が重かったか。」

「「た、隊長お?!」」

その時その場に現れたのは、黒スーツでなく、黒の紋付き袴姿の老人。

 

「アヤツの相手は、この儂が、してやろう。」

「「せ、世界最強ジジイ決定戦!?」」

但し、隊長と呼ばれた この男も、和装の下は、筋肉という鎧を纏った丈夫。

 

「儂が『NIN-JA』総隊長、

大江戸島平捌郎である!!」

 

▼▼▼

同刻。

 

「な、何て事を…」

「嗚呼、神よ…!」

ドイツの田舎町に在る小さな教会…その脇の孤児院にも、『NIN-JA』の攻撃の手は、伸びていた。

 

「ふはははははは!

どうした? 攻撃して来ないのか?」

「すまないねぇ。

卑怯なのは自覚してるけど、こうでもしないと、神滅具(ロンギヌス)の使い手は、殺れないからねぇ。」

「くっ…!」

「「「あゎわ…に、兄ちゃん…」」」

法衣を着た青年と対峙しているのは、野巉慶舞と蜷局嶢。

そして その他、数人の『NIN-JA』。

教会と孤児院自体は"裏"とは何の関係も無いが、この青年は、"裏"側の人間である。

戦争が決まった時点で、『NIN-JA』が事前に調べていた、地上での主戦力となる人物。

この神滅具(ロンギヌス)と呼ばれる上位の神器(セイクリッド・ギア)を宿す青年も その1人で、彼が定期的に各地の孤児院を訪ねている事を、そして この日は、この場所を訪れる事を知り得た上での襲撃だった。

 

「まぁ、アンタに恨みが有る訳じゃ…アンタが悪い訳じゃないんだけどねぇ。」

「ふん! 恨むなら、今回の元凶の魔王とやらを、そして、お前等の()…いや、天使か?…を、怨むんだな!!」

「……っ!」

青年の神器(セイクリッド・ギア)は、強力である。

少なくとも、普通なら『NIN-JA』相手に後れを取る事は有り得ない。

しかし、多数の孤児達、そして事情を知らない一般の神父やシスターを人質として、更には建物周囲を『NIN-JA』達が抑えている為、手が出せずにいたのだった。

…尤も、彼の神滅具(ロンギヌス)は広域殲滅型で、今それを使用すると、野巉と蜷局だけでなく、子供達も巻き込んでしまう為。

心優しい…悪く言えば甘い性格な彼からすれば、そちらの理由でも使えないのだが。

螺局が言う"卑怯"とは、『反抗するなら人質を…』で無く、寧ろ此方の事を言っていた。

 

「おい、ヤザン、ドクロ!

殺るなら さっさと殺れ!」

そんな中、その怯え泣く子供達に銃口を向けている1人…長い銀髪、左目に眼帯を当てた…日本人には見えない少女が不機嫌な表情で、即時の任務遂行を促す。

瞬殺出来る状況ながら、その圧倒的優位な立場を楽しんでる様に見える2人に、不快を感じた様だった。

 

「お~ぉ、怖い怖い♪」

「あの~…?

俺の名前は、蜷局(と・ぐ・ろ)、ですから…」

 

ぶぉぉっ…

 

その少女の台詞に苦笑しながら、2人は殺気と闘氣を全開するのだった。

 

▼▼▼

 

「…俺は、忙しい。

出来れば早く、帰りたいのだが…」

場所は変わり、日本。

サブカルチャーの聖地と呼ばれる街の路地裏の一本道で1人の長身の男が、黒いスーツを着た集団に、挟み込まれる様な形で囲まれていた。

 

「いや、オメー…

そんな恋愛SLGやら格ゲーやら、アニメのブルーレイやら美少女フィギュアやらが詰まった紙袋 両手に持って言っても、説得力無ぇからな?」

男の台詞に、榊獅於が呆れながらの突っ込み。

 

コクコク…

 

首を縦に振り、それを無言で肯定しているのは、鈴木稔とサトルの義兄の田中充。

 

「「…………………………。」」

そして、その遣り取りを只 無言で見ているのは、庵丈安慈とサトルの実父、神代雄惇。

 

ドッドッドッドッドッドッ…

 

「…何か用事が有るなら、手早く済ませてくれないか?」

「応。それじゃ少し俺達と、()()()()…しようぜ?」

この5人に囲まれている中、堕天使組織『神の子を見張る者(グリゴリ)』所属の人間、古杜新都は、神器(セイクリッド・ギア)"強者の鼓動(キング・エンジン)"を発動させるのだった。

  

▼▼▼

「…さて、撤収しますか。

アンタ達も、着いて来て貰うぜ。

ウチの大ボス(おねーさん)に、報告しないといけないからね。」

 

ブォン…

 

視点(カメラ)は再び、ナベリウス城に。

城内の殲滅を終了させたサトルが、この場で投降した元ナベリウス眷属も一緒に連れて帰る為、やや大きめな転移魔方陣を展開。

 

「あの…ガルーダ殿…?」

「はい?」

「あ、()()は、あの儘で良いのか?」

その時、元ナベリウスの1人が、サトルに何やら質問してきた。

 

「あー、大丈夫大丈夫。

今回の俺の任務は、()()()()()()()()()()だけだから。

他は、知らねっス。」

「「「「「「「「…………………。」」」」」」」」

それに対してサトルは そう応えると、高天原へと帰還。

 

「…………………………………。」

…其処に残ったのは、サトルの任務遂行途中に突如、転移で現れて奇襲してきた者。

今は上半身が床下に垂直に埋もれている、白い鎧の人物1人だけだった。

 




 
①サブタイトルが、浮かばない…
 

綿津見神…伊集院隼人(CITY HUNTER)
大江戸島平捌郎…江田島平八(男塾)
 
…のイメージで。
 
次回『天界異変(予定)』
乞う御期待!
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あい・えす~Invincible Striver~

 
?:「今回はウチ達、堕天使のターンっスよ!」
 



天使達が住まう、そして嘗ては『聖書』の神が住んでいた天界。

…と言っても、地上より遥か空高い位置に在る訳では無く。

その場は冥界等と同様、人間界とは別次元に位置する世界である。

…その縦7層から成る天界に今、この場で暮らす者達からすれば、招かれざる客が訪れていた。

 

≫≫≫

「い…一体、どういう事なのだ!?」

…この客により、天界下層の第1天第2天は、既に崩壊。

そして現在、天界で最も広いエリアである、第3天にて、その()()()()()()()()の破壊・虐殺行為が行われていた。

その報を聞き、その場に駆け付けた熾天使(セラフ)メタトロンは、実際に その光景を見て、とりあえずは驚きを隠せなかった。

『聖書』と【日本神話】が戦争状態になっていたのは、知っていた。

【日本神話】が"悪魔"だけでなく『聖書』として、()()も攻め入るのも、想定出来ていた。

…が、『所詮はマイナー弱小神話www(プー クスクス)』と、所詮は悪魔と変わらぬ認識だった、現在の天界のトップ達は、天界入口となる第1天の警備を、一応の意味で普段より僅かに強化していただけ。

堕天使の大軍での襲撃は、完全に想定外だったのだ。

 

≫≫≫

『おんぎゃぇえええぇっ!!』

「あが…?」

「げぼぇぅ…」

「ぐふっ!?」

赤ん坊の頭と蛾の羽を持つ、巨大な異形の芋虫が第3天の空を徘徊し、咆哮(なきごえ)と共に、猛毒の息を吐く。

これにより、次々と下級の天使達が、口とは言わず、体全体から血を噴いて倒れていく。

 

「くっくっく…

まぁ、成功作と、言っても良いかね?」

それは病的な迄に純白の肌、顔全体に奇抜な黒の化粧(メイク)を施した堕天使幹部…マユリエルが造った人工の魔獣であった。

  

≫≫≫

「おら!ちんたらしてんじゃねーぞ!」

 

ジュゴゴゴゴゴゴ…ッ!

 

「「「「「ぎゃぎゃあぁぁぁあっ!!」」」」」

天に幾多の魔方陣を創り出し、それから数多の光の槍を雨の如くに撃ち降らせてのは、堕天使総督のアザゼルである。

彼は、必死だった。

【日本神話】との衝突を防ぐ為、アマテラスと連絡を取ろうとしていたが、高天原への直通は繋がらず。

何時ものスレにアクセスしても、既に其処はコメント不可の状態。

ならば、その代わりにアマテラスがアップしたというスレにアクセスしようとしても、スレの仕様なのか、アザゼルが所持している端末では、アクセス拒否の表示が。

グリゴリ内部で もう1人のガルーダ・スレの常連だった、堕天使の少女の端末も同様で、完全に連絡の術は断たれていた。

そんな彼が選んだ行動が、天界襲撃。

短絡的なのは、自覚していた。

しかし、話し合いが出来ない状況下、堕天使(じぶんたち)が【日本神話】と敵対する心算が無いのを示すには…後々で『余計な真似を』『勝手な真似を』…と言われる可能性も承知で、『聖書』の一角の勢力を落とす。

それを証拠とする他に無いと云う、そういう判断だった。

自身が前線に出ているのも、それを示す為。

もう一度言うが、彼は必死で、焦っていたのだ。

 

≫≫≫

「うぉおおおぉっ!」

 

ビガァァッ!!

 

そして此処に、ある意味アザゼル以上に焦り、必死になっている堕天使(おとこ)が1人。

掌から雷光を放ち、次々と天使を墜としていく、武人然の男…グリゴリ幹部の1人、バラキエルだ。

勝手な真似、余計な真似、そして既に()()()かもしれないが、彼は【日本神話】に対する手土産を…()()()()()の為の"実績"を得るのに、躍起になっていた。

 

 

「や~れやれ…大丈夫かよ、アイツ…?

ま、死にゃしねーだろから良ーか。…なぁ!」

 

ズキャッ!

 

「「「ぶへろ?!」」」

それを離れた場所で天使と戦闘していた、同じく堕天使幹部コカビエルも、その同僚の意気込み具合に苦笑しながら、特大の光の槍を投擲し、一度に複数の敵を屠る。

 

≫≫≫

 

ゴッゴォ~~~~ン!

 

更には『聖剣騒動』の時に導入された、自律式人型機動兵器である"龍機兵"を改良した、"龍機兵MkⅡ"が、大暴れ。

【日本神話】の機動兵器と比べると火力は劣るが、グリゴリ独自の技術で造り上げた無人機の集団は、天使程度なら、十分に蹂躙出来るだけの性能は備えていた。

 

「あーっはっはっはっは!

どうだ! コカビエル!イクラエル!

もう、オモチャとは言わせんぞ!」

グリゴリ幹部であり、龍機兵の開発部顧問でもあるサハリエルが高らかに笑う中、この新型龍機兵は、火の海を作り上げていた。

 

≫≫≫

「さ~て…皆、ガンガン殺っちゃうよ~♪」

「「「「「「「了解!」」」」」」っス!」

そして また別の場所では、

 

ひゅ~ん…!

ダダダダダダ…!

シュゥィィンッ!

斬々々!

 

「「「「うぎゃぁっ?!」」」」

ウサ耳カチューシャを着けた女堕天使を筆頭に、機械の装甲を纏った堕天使の少女達が、ビーム弾や実弾、光剣や実剣等の装備を駆使して、確実に天使達を滅す。

グリゴリ()()()()()の一角…タバネルが造った、女性専用機動装甲Invincible Striver、通称あい・えす。

現状では この あい・えすの集団が、一番 天使達を斃していた。

 

「ふっふっふ…

じゃ、そ・ろ・そ・ろ、()()()とイキマスか♪」

後衛位置に下がっていたタバネルが、影の入った悪い笑みを浮かべる。

女堕天使の精鋭と、下級中級な天使が入り乱れているのを確認すると、

「イッくよ~!♪ 装甲解除(ドレス~…・リムーブ)!♪」

 

パチィン…

 

タバネルが指を弾いた その時、

 

バッサァァッ…

 

「「「きゃあぁああぁっ??!」」」

「「「「ひぇぇっ!!?」」」っス!」

「「「あ~れぇ~!」」」

「「いやん♡♪」」

タバネル本人を除く、女性堕天使達の あい・えすが、アンダーとして着ていたスクール水着 レオタード諸共 光の粒子と化し、一糸纏わぬ産まれた儘の姿に。

これで、堕天使の女性陣は大パニック。

 

「な、何なんスか、これわっ?!」

「タバネル! 謀ったわね~!?」

「か、換装!…って、出来ない?! 嘘ぉっ!?」

一部を除き、真っ赤な顔で胸や秘部を隠し、翼を広げて しゃがみ込み、空中静止。

…尤も、一部は恥じらう事無く、色々とセクシーなポーズを決めたりの、余裕なリアクション。

 

「「「「「ななな…何とォ~~?!」」」」」

そして それを見た、男の天使達は、彼女達以上に大パニック。

神の手により創られて幾千年にして、初めて見る異性の裸体。

しかも美女美少女揃いの それは、禁欲を強いられてきたDT天使達には、あらゆる意味で刺激が強過ぎた。

 

「あ~ら? 女の子の裸、見るのは初めてだったのかしらん?♡」

「はぁい♪ そんな君達に、大サービスぅ~!♡」

「そぉ~れ♡」 

 

くぱぁ…

 

「「「………!!!!」」」

此処で、余裕有る者達はタバネルの意を察したのか、R18指定必至な扇情的なポーズを天使達にノリノリで向ける。

 

「「「「ぷはァッ!!」」」」

 

ぷっしゃぁーーーーーーーっ!!!

 

結果、彼等は何処からとは言わぬが、凄まじい勢いで血を噴き出し、

 

ずず…

 

その純白の翼を漆黒へと変色。

 

「はぃは~い♪ 皆さ~ん、()()()()へ、ようこそ~!♪」

堕天(おち)たのだった。

 

「ふっふ~ん♪ タバネルさんの、計画通り~!♪

あー、皆、堕ちた子達は同胞に なるんだから、攻撃しちゃ駄目だよ~!♪」

「こ、このバカ兎っ!

言いたい事は、それだけっスか!?」

「あ、後で覚えてなさいよ?!」

「「「「は…裸見られた裸見られた裸見られた裸見られた裸見られた裸見られた裸見られた裸見られた…」」」」

 

▼▼▼

 

斬ッ!

 

「ギャァァァアッ!!?」

「鈍っているな。

大戦以来、碌な鍛練をしていなかった様だな?」

そして この惨状…戦場に割って入ったメタトロンを、堕天使幹部イクラエルの、刃の如きな鋭い手刀が斬り裂いた。

 

「よーし、此処は終いだな。

次、行くぞ!!」

「「「「「「「「「「うおぉお~~~~~~~~っ!!」」」」」」」」」」

これを見て、第3天の制圧を確認したアザゼルが、次の階層(エリア)である第4天への進攻を宣言した時、

 

ぼぉぉおん…

 

「「「「「!???」」」」」

第3天の空に、異変が起きた。

現れたのは、規則正しく並ぶ、無数の魔方陣。

しかし それは、天使堕天使、そして悪魔が使う 其れで無く。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

「…!! あ…あれは…?」

そして、其処から姿を見せた物に、アザゼルは驚愕。

それは、上半身は人型だが、下半身は巨大な釣り鐘。

珠を連ねた様な腕に錫杖を携えた、機動兵器だった。

 




 

マユリエル…マユリ様(BLEACH)
タバネル…天災兎(IS)
 
…のイメージで。
 
②今回に伴い、34話のサブタイ、変更しました。
m(_ _)m
 
③因に作者、某作品ヒロインの中で、一番好きなのは たっちゃん。
次点でラウラたんです。
 
 
回『天界滅壊(仮)』
乞う御期待!
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その名は『天竺(ガンダーラ)』!!

 
活動報告もアップしてるけど、マジに皆さん、食い付き良過ぎっしょ?(笑)
…で、俺? 本当に作者(おれ)が悪い訳?
…そうか、分かった。
それならば それは認め、受け止めよう。
しっかーし!
ならば今回ネタに暴走するのは、俺の せいじゃないからね!!(どどん!)
 
とりあえず…何時でも『明鏡止水』のテーマを脳内再生出来る様に、準備しておきましょう!www
 


「…カラスが こんな処で、何をしているのかな?」

「お、お前…は…?」

空に並んだ魔方陣…否、曼陀羅。

其処から現れたのは、畳にして半畳の広さの宙浮く蓮華の上に立つ、橙の袈裟を着た無数の武装した僧兵達。

更には下半身が銅鐘型の、やや変則な人型機動兵器の集団、その数13。

そして それ等を束ねるのは、蓮華に座する、えんじ色の袈裟を纏った長い金髪の瞑目の美丈夫。

 

「お前こそ…何をしに来たってんだ?…釈迦如来!!」

それは、『須弥山』『インド神話』と同じく、インドに拠点を敷く仏教系勢力…『天竺(ガンダーラ)』のトップ、釈迦如来と その配下の精鋭達だった。

 

「質問に質問で返すのは、止めて貰おうか、大カラスよ。」

「ぐ…」

圧倒的な"圧"を込めながらの釈迦如来の言葉に、アザゼルは何も返せない。

 

「「「「「「………っ!」」」」」」

それは この場に居る、他の堕天使達も同様。

()()コカビエルですら、カラス呼ばわりされた事にキレる無く、黙り込んでしまう。

其れ程迄の…正しく大宇宙を感じさせる程の、強大な圧力(プレッシャー)だった。

 

「ふっ、まぁ良い。

我々は、天界を潰しに来たのだよ。

天照大神と話し合いした上で、天界の殲滅は我々が受け持つ事になったのだ。」

「はあっ?!」

…そうなのだ。

先日の神々スレにて、アマテラスが『聖書』との開戦を宣言した後、釈迦如来は単身で高天原を訪ね、アマテラスから『聖書』の内の"天界"の掃討を名乗り出たのだった。

 

 

 

ん~、天竺(ガンダーラ)ってか、釈迦如来も宗教的に『聖書』…特に天界には布教(シェア)関係その他諸々で、色々と思う処が有ったろうからね。

何処かの下半身(ゼ〇ス)みたいに、只ネットの画面上で手助けを名乗るで無く…しかもアイツの場合、自分に憑けられた不起(のろい)を解いて貰うとかな私情も有ったろうし…何よりも直接に僕の所に赴き、「蝙蝠やカラスは兎も角、鳩の始末は自分達に譲って欲しい」と申し出た部分にも、僕的に感じさせる部分が有ったからね。

これで断ったりして天竺(ガンダーラ)と事を構える…は大袈裟として、溝を作るのは得策じゃないし、此方としても手間が省けるから、彼の要求に応じたって訳さ。

 

 

 

…とは、アマテラスの弁である。

 

≫≫≫

「敢えて勝手な真似 余計な真似とは言わぬ。

寧ろ、『前座御苦労!』…と、言ってやろう。

事実、第1第2を飛び越え、いきなり第3天に転移出来たのは お前達の お陰だからな。」

「………………………。」

「しかし! この先は、余計な真似は しないで貰おうか。

当然、共闘の申し出は受け入れない。

一応、アマテラスに譲って貰ったは鳩の駆除だけだが、この先()()()()()をするならば、それを理由に此の場で、カラスの廃除を行っても良いのだぞ?」

「…ちぃっ!」

天竺(ガンダーラ)』の介入は、アザゼルにとって想定外。

しかし【日本神話】同様、『天竺(ガンダーラ)』の強さを理解している堕天使総督は、釈迦如来の言葉に対し、いきり立つ武闘派の幹部達を制しながら、首を縦に振る他に無かった。

 

▼▼▼

第4天。

 

「な、何なのだ? 此奴等は?」

「だ、堕天使共が攻めてきたと聞いたが、話が違うではないか!」

「奴等は一体、何者だ?

【日本神話】の者か?!」

「いや…奴等は…」

草原と森と湖…嘗てアダムとイヴが暮らしていたとされる、美しい自然が織り成す光景は、正に楽園(エデン)と呼ぶに相応しかった。

しかし『天竺(ガンダーラ)』の軍勢と、それに対する上級天使、そしてミカエルとガブリエルを除く熾天使(セラフ)とで繰り為す戦場となった此の場は既に、その面影を失っていた。

 

ズガッ

 

「ぶぇべらっ!」

僧兵達が手にした錫杖で座天使(ソロネ)の胸をを貫き、

 

斬!

 

「ざくれろっ?!」

機動兵器に対抗すべくに巨大化・武装した智天使(ケルビム)を、機械の巨人は錫杖に仕込まれていた光刃での居合い斬りで両断。

彼等の働きで、此の場の天界勢は ほぼ全滅となった。

 

「き、貴様等は何者なのだ?

何が目的だ!?」

「我々が貴様に、何をしたと言うのだ?」

完全な劣勢に、2人の熾天使(セラフ)が最後方に控える釈迦如来に大声で責め立てる。

 

「…ふむ。

愚かな…未だ、自分達の過ちに気付かない…気付こうとしないとは、な…」

「わ、訳の解らぬ事を!!」

その釈迦如来の返しに、熾天使(セラフ)サンダルフォンが激昂。

 

バシュッ!

 

最大級の光の槍を投げ付けるが、

 

カカァンッ!…ドサッ…

 

その槍が釈迦如来に直撃する寸前、彼を守護するかの様な光の結界(ドーム)が現れ、槍を反射。

その槍はサンダルフォンの頭部を一瞬で…断末魔を上げる暇も与えずに消し飛ばし、絶命させる。

 

「「「な…何…だと…?」」」

それを真横で見ていた他の熾天使(セラフ)達は驚くしか無く。

 

「ふっ!

"天に唾吐く"とは、こう云う事を言うのだよ!」

蓮華の上で座禅した釈迦如来が吼える。

 

「さあ、(YHVH)が生み出した餓鬼達よ!

この私が引導を渡してやろう!」

 

ス…

 

懐から数珠を取り出し上空に掲げると、内に秘めたる神氣を高め、それを攻撃のエネルギーとして一気に解放させた。

 

「天 魔 降 伏!!」

 

カァァッ…

 

「「「「「「「ぎゃぁあああーーーーーーーっ!!!!?」」」」」」」

 

ドシャァッ!

 

この一撃で、その場に居合わせた天使全てが吹き飛ばされ、その殆んどが死亡。

 

「ぐ…」「が…が…」

「ほう? 私の技を喰らって生きていたか?

流石は最上位の天使…と、言った処か?」

しかし、辛うじて生き残った2人の熾天使(セラフ)も、決して少なくないダメージを負っていた。

 

「こ、こうなっては仕方が無い…

()()の、封印を解く!」

「何?! ウリエル、正気か!?」

「あの者共を屠るには最早、他に有るまい!

大丈夫だラファエル。

後にミカエルとガブリエルを加えた4人掛かりなら、また再度の封印は容易い!」

 

ヒュイン…!

 

身体全身から血を流しながら立ち上がった2人の熾天使(セラフ)は そんな会話の後、最後の力を振り絞るかの様に その場から飛び去る。

 

「…釈迦如来様?良いので?」

その様子を黙って見ていた釈迦如来に、13の 曼陀羅頑駄武 機動兵器の内の1機…その搭乗者が声を掛けた。

どうやら彼は、この機動兵器隊の纏め役の様だ。 

 

「煌瑠よ、お前の謂わんとしている事は分かる。

しかし、所詮は()()使()()()()()()()()()()()()()だ。

…尤も それでも人の世に放たれたら、多少は事なのも確か。

その存在を知ってしまった以上、如何に封印状態とは云え、放置する訳には往かぬ。

故に とりあえず封印とやらを解いて貰い、その上で滅す!」

 

▼▼▼

「逃げたり…しないですかな?」

「逃げる? 愚問だな煌瑠よ。

例え海王星、そして その外の宇宙に迄 逃げたとしとも、所詮は仏陀(わたし)の掌だ。」

「…失礼、そうでしたな。」

恐らくは天界の切り札であろう何かの封印を解こうと、戦の場を逃げる様に飛び去った2人の熾天使(セラフ)

それを離さず追い付かず、そして それが演技と悟られぬ絶妙な間合いで後を追う釈迦如来と13機の機動兵器隊。

因みに その他の僧兵達は、第5天へ繋がる(ゲート)の前で待機中である。

 

≫≫≫

「む?」

「ほう…!」

そして彼等が目にしたのは巨大な岩山と、その頂で翼を広げ、待ち構えている2人の天使。

 

「ふはははは! 少し遅かったな、仏教勢力!」

「これで貴様達も終わりです!」

 

ぶん!x2

 

釈迦如来に対して天界4大熾天使(セラフ)と呼ばれる内の2人、ウリエルとラファエルが勝ち誇った様な笑いと共に、その岩山に光の槍を投げ放ち突き刺した。

  

ピシィッ…!

 

そして岩山の1面に、巨大な罅割れが走る。

巨大な破片の岩肌が飛び散り、大穴が空き、其処から巨大な()()が姿を見せる。

 

『グゥォオオオォッ!!』

上半身は皮膚が無く、筋肉繊維が剥き出し。

下半身は赤い鱗の大蛇。

そして背には2対4枚の黒い翼…

それは正に、異形と云う表現が相応しい存在だった。

 

「ふっはっはっはっは!!

どうだ見たか!仏教勢力!!」

「さぁ、殺ってしまうのです!サマエr

『グゥルォオオオゥォ~ッ!!』

 

VWOooooh~Bha!!

 

「「え゙??!」」

封印を解き、其処から現れた巨人の登場に、勝ち誇った顔を見せる熾天使(セラフ)達。

そして それを釈迦如来達に けしかけようとするが、この巨人は それが聞こえてないのか聞く気が無いのか、ウリエルとラファエルに顔を向け、猛毒の吐息(ブレス)を放射。

 

「ぎゃぁぁぁ…あ…」

「ひぃぇ…っ…」

不意の攻撃をまともに浴びた2人は その身を全て…骨までも溶かされドロドロの流動体となり、地表目指して落下。

 

「何と愚かな!

御す事も叶わぬのに、()()の封を解こうとしていたのか?」

死んだ天使には目もくれず、巨人を刮目する釈迦如来。

 

「"サマエル"…。

聖書曰く、原初の人間であるアダムとイヴが天界から追放される原因を作ったとされる蛇…異形の堕天使であり邪龍。

まだ天界に封じられていたとはな。

今は冥府で飼われていたとばかり思っていたが…煌瑠!」

「はっ!」

そして機動兵器隊の長である、煌瑠に声を掛ける。

 

「あの程度の駄蛇、この私が手を下す必要も有るまい。

お前達に任せるぞ。」

「…承知!!」

この返事と同時、13機の機動兵器がサマエルに向けて飛び立った。

 

≫≫≫

『るぶぁああぁぉぉぅっ!!』

 

VWOooooh~Bha!!

 

自身に向かってくる煌瑠達を見たサマエルは、彼等を敵と認定。

咆哮しながら猛毒の吐息(ブレス)を吹き掛けるが、煌瑠達は素早い移動で それを回避。

 

「全員、構えい!

煌瑠殺法! 曼陀羅円陣~!!

そして煌瑠が号令を掛ける。

それに応じる様に、12の機体は煌瑠の機体を囲む様に陣形を取り、 

「色即是空 色即是空…今こそ我等、明鏡止水の境地に至れり!!」

 

ぼぉぉっゎわっっ!!

 

次の瞬間、13の機体は黄金の光を放ち、それに包まれた。

 

ぶぅんぶん…

  

煌瑠の機体が錫杖を振り回すと その軌跡が炎の輪となり、彼の周りの機体に その火が燃え移る。

 

「極楽往生~っ!」

 

ひゅぅぅ…どっどおっ!

 

そして巨大な黄金の炎の球となった12の機体が、サマエルに向かって特攻。

 

ズバッ…ドシュッ…ハギィッ…! 

 

『ぐぅおぉぉ~っ?!!』

それ等はサマエルの身体全体を貫き切り裂き焼き払う。

これにサマエルは抗う事が出来ず、最後は完全に塵も残す事も無く滅されたのだった。

 

「南無阿弥陀仏!!」

 




①だから、俺は悪くないぞ!
皆さんの期待に応えてあげただけなんだからね!(笑)
 

釈迦如来…シャカ(聖闘士星矢)
煌瑠(キラル)…キラル・メキレル(Gガン)
 
…のイメージで。
いきなり本文、ルビ無しで読めたアナタは上級読者(笑)
 
③次で天界編、締めます。…締めれたら良いな…
 


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神々の語らい③

 
久し振りの掲示板から。
天界編、締めまーす。
 


 

※※※

 

◇名無しの神様◇

ん。とりあえずスサノオ、相変わらずな つおさだな。

 

◇名無しの悪神(北欧)◇

スサノオ恐いスサノオ怖いスサノオ恐いスサノオ怖いスサノオ恐いスサノオ怖いスサノオ恐いスサノオ怖いスサノオ恐いスサノオ怖いスサノオ恐いスサノオ怖いスサノオ恐いスサノオ怖いスサノオ恐いスサノオ怖いスサノオ恐いスサノオ怖いスサノオ恐いスサノオ怖い…

 

◇名無しの神様◇

しかし、最後にヤツとタイマン張った、仮面の悪魔も なかなか…

 

◇名無しのインドラ◇

…だNA!

終始スサノオが圧倒していたが、『もしかして大逆転あるKA?』って何度も思わせるバトルだった。

 

◇名無しの雷神◇

最後は敗れて消滅した様だが、結果、『魔王が逃げる時間を作る』という目的は果たせたのだから、ある意味あの悪魔の勝ちと言って良いかも知れぬぞ?

 

◇名無しの神様◇

ですよねー。

それから俺的には、ギリシャ神話のアイテムのコピー、使ってた神が居たろ?

 

◇名無しの織神◇

言いたい事は、分かるわ。

しかし先に言わせて貰うけど、あのレベルの悪魔程度、普通に勝てていたわ。

アレはアマテラス様が『こんな時にしか使う機会が無いだろ?』って、半ば無理矢理に私に持たせたの。

 

◇名無しの神様◇

本神登場www

 

◇名無しの織神◇

確かに超・強いだけな槍やスピードUPのサンダルは兎も角、姿を消す兜やメドゥサの首は、反則級だったと思うけど…

 

◇名無しの戦女神◇

自覚は有るのですね

 

◇名無しの神様◇

他に取り上げるなら、誰よ?

 

◇名無しの神様◇

サクヤたん、ハァハァ(;゚∀゚)=3

 

◇名無しの神様◇

通報しました

…で、通報案件て言えば、大国主だなwww

 

◇名無しの神様◇

アガレスだったけ?

色々と人間ドラマならぬ悪魔ドラマみたいのが有った様だが、なんやかんやで最後は彼処の お姫様、お持ち帰りしたからなwww

 

◇名無しの神様◇

流石は日本神話随一の下半神だなwww

 

◇名無しの神様◇

俺は、トールやアテナ達が鍛えてるらしい、あのガルーダって小僧とライオン鎧の小僧のケンカだな。

確かに まだ未熟者同士だったかも知れないが、それなりに面白かったぞ。

 

◇名無しの神様◇

あー、あのバトルな。

あのガルーダ…ってゆーか、ナイア!どーせ今、見てるだろ?

1つ2つ突っ込みたい事が有る!

 

◇名無しの混沌(這)◇

はいは~い♪

何時も何処でも貴方の傍に♡

這い寄る混沌、ナイアルラトホテップでーす!

『ナイア』…と呼んでね♡

…で、突っ込みたいって、一体何事ですか?

 

◇名無しの神様◇

あのガルーダが使っていた、『クトゥルー式近接戦闘術』だったか?

あのチェーンソーも色々と言いたいが、何なんだ?あのガトリングガンわ??!

どう見ても近接戦闘ぢゃねーだろ?

 

◇名無しの戦女神◇

このナイア、他にもサトルさんに近接戦闘とか言って手榴弾とかも仕込んでいます…

 

◇名無しの神様◇

既に『近接』じゃ無え…(笑)

 

◇名無しの混沌(這)◇

……………………………………。

 

 

あなたがクトゥルー式近接戦闘術と おもっているのが、クトゥルー式近接戦闘術です。

ただし、たにんの どういをえられるとは かぎりません。

 

バンブー書房発行

【すごいぞ!ぼくらのクトゥルー式近接戦闘術!!】

序文より抜粋

 

◇名無しの神様◇

いや、無いです

 

◇名無しの神様◇

無いです

 

◇名無しの戦女神◇

ダメです。

 

◇名無しの混沌(這)◇

ちょ…サーシャちゃん、貴女もですか?!

 

 

※※※

 

 

≫≫≫

 

 

※※※

 

◇名無しの神様◇

堕天使が天界で暴れていた件(笑)

 

◇名無しの神様◇

『僕は敵じゃないです』アピール乙(笑)

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

言ってやるなよ。

アザゼル君も必死なんだよ。

 

◇名無しの神様◇

おまゆうwww

 

◇名無しの主神様(北欧)◇

しかし真剣な話、アザゼル坊は助けてやれんかのう?

 

◇名無しの主神様(ギリシャ)◇

うむ。貴奴等は別に、神話勢力に敵対行動を取った訳ぢゃ無いからのう。

無下に滅ぼす必要も無かろう。

神器持ちを危険視しての抹殺も、一応は理解の範疇だろう、アマテラスよ?

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

随分と肩を持つな?

まぁ、勢力は別として、個神じゃ仲が良いのは知ってるけどね。

そんなにアザゼル君に連れていって貰った おっパブが気に入ったのかな?www

 

◇名無しの主神様(北欧)◇

な、何で知ってるんじゃ、お主?!

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

だって その店、ウチのウズメちゃんがオーナーの お店だもん。

あの子も堕天使総督がギリシャと北欧の主神様を連れての来店には びっくりしてたらしいよ。(笑)

 

◇名無しの戦女神◇

父様…(;¬_¬)

 

◇名無しの戦乙女(長女)◇

オーディン様…(#¬_¬)

 

◇名無しの戦乙女(末っ子幼女)◇

オーディン様、最悪っす…( ¬Д¬)

 

◇名無しの神様◇

(笑)www

 

◇名無しの主神様(ギリシャ)◇

待てい!あの類いの店が、客の情報とか話して良いのか?プライバシーの侵害だ!

 

◇名無しの主神様(北欧)◇

うむ!訴えてやる!

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

人間相手だったら確かに裁判沙汰だろうけど、神様相手には適用されませーん(笑)

 

◇名無しの神様◇

もうエロ爺ズの話は良いだろ?

シャカの天界責めの話、しようぜ?

 

◇名無しの神様◇

そーだ!あの機動兵器は噴いたぞ!

ワイン返せし。

 

◇名無しのCH(エジプト)◇

マンダラ〇ンダムwww

 

◇名無しのアスラ◇

マンダラガン〇ムwww

 

◇名無しの破壊神(インド)◇

あんなネタ全開な外見なのに、めちゃくちゃ強い曼陀羅ガ〇ダムwww

 

◇名無しのインドラ◇

足なんて飾りDEATH!

偉い人には分からんのDEATH!!

 

◇名無しの神様◇

南無阿弥陀仏!!

 

 

※※※

 

 

 

▼▼▼

第6天。

第4天にて異形の堕天使サマエルを斃した釈迦如来率いる天竺(ガンダーラ)の一団は今、第6天まで来ていた。

 

「成る程…戦力を全部、此の場に集めたか。」

「最期の抗いですかな?」 

「第5天、でしたか…?

何の抵抗も無く、あっさり突破出来たと思えば、そういう事でしたか。」

対する天界側は、残った全ての天使をこの第6天に集結させている。

しかし、その軍勢を見ても釈迦如来は無論、天竺(ガンダーラ)の一般僧兵さえも、慌てる臆するな素振りは見せなかった。

 

「く…何故だ?

何故、仏教勢力が天界に…?!」

「もう、それを考えるのは後にしましょう。

先ずは彼等を滅するか、帰って貰うか…です。」

一方、天使側は その最後位置で、2人の男女が険しい顔で話す。

そして事実上、今現在の天界No.1と2と されている熾天使(セラフ)は未だ何故に己が攻められているか、その理由を理解、自覚出来ない儘に、

「掛かれ!

天界を乱す、あの不埒下践な異教徒共を討ち滅ぼすのです!!」

配下の天使達に号令を掛け、最後の総力戦が始まった。

 

≫≫≫

「馬鹿な…」

「そ、そんな事が…」

約10分後。

無数の天使の屍を前にして、2人の熾天使(セラフ)…ミカエルとガブリエルは茫然としてしまう。

10分程度の戦闘で、自分達を除く天使達が全滅してしまったのだ。

しかも、天竺(ガンダーラ)の僧兵は僅かに手傷を負った者が居るだけで、死者処か重傷者さえ出ていない。

13の機動兵器は、言うに及ばずである。

 

「ふっ! 最後は この私が、引導を渡してやろう!」

そして天竺(ガンダーラ)勢の最後位、浮游する蓮華の上で座禅していた釈迦如来が立ち上がる。

 

"神"(YHVH)の罪を、そして その死をを伏せ"神"(YHVH)の名を騙り行ってきた罪…

その裁き、今こそ受けるが良い!」

「「!!?」」

この釈迦如来の言葉に戦慄する熾天使(セラフ)達。

『聖書』内に置いて"神"の死は敵対関係である堕天使や悪魔でさえも…仮に その事実を知っていたとしても、決して触れず世に明かさずな共通の禁忌な認識だった。

その事実を外の神話の者が知っていたのに、驚きは隠せなかった。

 

「哈亜ァ…」

そんな天使達に構い無し、釈迦如来は合掌して己の神氣を最大限に高める。

 

「天空破邪魑魅魍魎!!」

 

そして この場に仏教に於ける六道の概念…その内から地獄、畜生、修羅、餓鬼の4つの道に繋がる()を空け、其処に住む亡者、幽鬼達を多量に召喚。

 

『『『あ゙ぉあ゙ぁ~…』』』 

その亡者共は不気味な呻き声を上げながら重なり融合し、巨大な1つの塊に。

  

ブゴォオッ!!

 

「ぎゎゃぁあ゙あっあぁぁ…っ!!」

「gy…」

瘴氣の弾と化した亡鬼の集合体は天使に襲い掛かり、ガブリエルの右腕と右の翼6枚内4枚、そして隣に立っていたミカエルの()()()()()()()()()()と、第6天の雲無き空に吸い寄せられるかの様に上昇し、消滅していった。

 

「きゃAAAAAAAH~??!」

そして声とも思えぬ声で、ガブリエルが悲鳴を上げる。

それは腕と翼を喪った痛みからか、それとも下半身だけとなった同胞を見ての恐怖か。

涙と鼻水を垂れ流し、怯える様に牽き攣り歪んだ その表情には天界No.1美女と呼ばれ囃される面影は皆無だ。

 

ザザザッ…

 

「ひぇっ!?」

そんなガブリエルに釈迦如来が歩を進める。

見掛けは痩せ細った瞑目の美丈夫に恐怖した美女は、腰を抜かして動けない。

 

「ふっ、生きたいか?」

「…?!」

「安心したまえ。アマテラスとの約束だ。

最低1人は、熾天使を生かしておくと云う…な。

今 お前を殺せば、その約束を反故する事になるのでな、殺しは しない。」

 

 

▼▼▼

 

※※※

 

◇名無しの神様◇

えーと?シャカの天界攻略は終わり?

 

◇名無しの主神様(ギリシャ)◇

何とゆう事じゃ…

折角、ガブリエルがジブ〇ールみたいな展開になると思って期待して、モニター前で正座して待っとったのに…

儂のwkwkdkdk、返せ!

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

いやいや、あ・の・釈迦如来が、そんな事する訳無いだろ?下半神?

それに万が一、そんな場面になったりしたら、きちんと編集して動画をアップするに決まってるだろ?下半神?

残念だったな、下半神www

  

◇名無しの主神様(ギリシャ)◇

下半神言うな!てゆーか連発するな!!

 

◇名無しの火星神◇

ウチの親父がスマン。○| ̄|_

それと親父。分かったから早く、パンツだけでも履け。 

 

◇名無しの悪神(北欧)◇

下半神、全裸待機かよwww

 

◇名無しの混沌(這)◇

うわー…

 

◇名無しの愛と豊穣の女神(メソポタニア)◇

無いわー…

 

◇名無しの竈女神◇

通報しました

 

◇名無しの主神様(ギリシャ)◇

喧しいわっ!

 

◇名無しの冥皇◇

それでアマテラスよ?

ガブリエルだけは生かした理由を説明出来るか?

まさか、「女だから」って訳では有るまい?

 

◇名無しの神様◇

そうだな。

キルゼムオールしなかった理由は、聞きたいな。

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

ああ、皆も聖書…YHVHや その子供には、悪魔同様に色々と有るだろうからね。

とりあえずは、セラフだったら別にガブリエルに拘る必要は無かった。

そしてセラフを生かした理由は、『システム』だよ。

アレは既に、人間界に影響を与え過ぎている。

破壊したら、世に放たれるデメリットも決して少なくないって事。

例えば神器。

システムを破壊すれば、恐らくは その影響で神器も消滅するだろう。

ただ消滅するだけなら良いが、神器ってのは その所有者と魂が直結してるからね。

神器が消えると同時、所有者も死ぬ可能性も有る。

日本(ぼく)以外にも、神器所有者を配下に置いている神話は居る筈だし、その者が死んだりするのは避けたいだろ?

だからこそ、システムを管理出来る者を最低1人は残したかっただけさ。

結果、天界の住人は彼女1人だけになっちゃったけどね。未来永劫に。(笑)

さて、これで納得して貰えたかな?

てゆーか、「しろ」。…な?

 

◇名無しの神様◇

お…おぅ…

 

◇名無しの神様◇

掲示板画面なのに、"圧"が凄ぇ…

((( ;゚Д゚)))

 

  

※※※

 

▼▼▼

「全く…それでアーシアちゃんが死んじゃったりしたら、どうしてくるんだよ?」

『神』スレにコメント投稿しながら、アマテラスが呟く。

 

「…よし。それじゃ、僕も そろそろ、動くかな。」

そしてパソコンをシャットダウンすると彼女は、自室から何処かへ転移するのだった。

 




 
①シーグヴァイラさんは大国主の愛人ポジションとなり生き延びました。
 
②ミカエル物語退場(リタイア)
 
 
次回は堕天使の皆さんの話。
そして お待たせ! 原作主人公達(メインディッシュ)だ!
乞う御期待!!
  


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続・滅びの言霊祭り(笑)

 
サブタイでネタバレしたかな?(笑)
 


▼▼▼

「やぁ、アザゼル君。夏以来だね♪」

「……!!!

ァマ…テラ…ス…!!?」

アザゼルは驚きを隠せなかった。

天界へ侵攻途中、釈迦如来に その場を追い払われ、様々な不安を抱えた儘に冥界のグリゴリ本部へと転移で帰還。

自身の執務室に入ってみれば、其処には今 最も遭いたくなく、そして会いたかった人物がソファーに寛ぎ、恐らくは自分で持ってきたチーズケーキを食べていたのだ。

 

「相も変わらずな、神出鬼没だな。」

「そりゃあ"神"様だからね。」

「けっ!違いねぇ!」

疲れ、そして呆れ果てた様な顔で、対面のシングルソファーに勢い良く、腰を落とす様に座るアザゼル。

 

「…で、何用だ?

日本神話主神、天照大神様自らが、俺の首でも獲りに来たのか?」

「あっはっは! まぁ~さかぁ?

僕が その心算なら、この本部(たてもの)は勿論、堕天使領が既に地獄絵図となってるぜ?」

「けっ…違いねぇ…」

笑えない話を笑いながら話す見た目は少女な神に、堕天使総督は複雑な表情を浮かべる。

 

「心配しなくてもアザゼル君…いや、堕天使達にとっては かーなーり、都合の良い話さ。」

「何?」

 

≫≫≫

「………………………………。

ほ、本当に、それだけ…なのですか?」

話し合いの席に呼び出された堕天使副総督は、困惑を隠せなかった。

アマテラスが…【日本神話】が堕天使に対しての攻撃を止める条件が、悪魔や…実行したのは天竺(ガンダーラ)だが…天使達への処置に比べると、それこそ別に何か裏が有るかと疑う程な、緩る過ぎる物だったのだ。

 

・【日本神話】を基とする、各神話勢力への敵対行動の禁止

・現在グリゴリが行っている、あらゆる研究・開発・実験の永久凍結

・龍機兵や あい・えす等、グリゴリ式機動兵器や生物兵器等の全てをデータ毎に没収

神器(セイクリッド・ギア)を基とする、異能の力を持つ人間への干渉の禁止

・てゆーか人間界への直接間接問わずの勢力的干渉の禁止

・現在グリゴリが保護している神器(セイクリッド・ギア)や その他 異能者を基とする、グリゴリ施設に関わる人間の引き渡し

・その他諸々

 

「まあ、感謝や礼は、オリュンポスとアースガルズのエロ爺達に言うんだね。

それから、その彼等から伝言。

『また おっパブよろしく♡♪』…だ、そうだ。

大丈夫、単なる"観光"は、『干渉の外』にしてやるぜ♪」

「「………………………………。」」

アザゼルと副総督のシェムハザは、日本神話(アマテラス)の出した要求に、多少の疑問を感じる。

もう1度言うが、その内容が余りにも緩いのだ。

組織的活動に細かい制約は有るが、大纏めに言えば『冥界という"鎖国"の中で地味に暮らせ。他勢力や人間界に迷惑を掛けなかったら好きにしろ。』…なのだ。

『【日本神話】の下に降れ』の類な要求は全く無い。

彼等からすれば寧ろ、それを匂わせる条件が有った方が、逆に信用納得安心を得られる程な怪しさだった。

確かに神器所有者(セイクリッド・ギア ホルダー)様な人材を手離すのは痛い。

また()()()とすれば、総督(せきにんしゃ)のアザゼルは兎も角としてサハリエル マユリエル タバネル辺りの狂人変人が大ブーイング必至な案件も有る。

しかし それ等を踏まえても、【日本神話】が()()()()()()()()()()()()()()条件としては、破格だった。

 

「仮に…断れば…?」

「そりゃ当然…

堕天使領に腐敗と自由と暴力の真っ只中な、巫山戯た時代が訪れる事になるだろうね?」

「チッ…分かった。

そっちの条件、全て飲もう。

…オメー等も、それで良いな?」

 

…コクリ

 

アザゼルの台詞にシェムハザの他、同席していた組織数人幹部全員が、無言で小さく頷いた。

 

「良~し♪ これで日本神話(ぼくたち)堕天使(きみたち)の問題は解決だ。

後は残りの悪魔を片付けたら、それで全て終わりだね♪」

「あ…天照大神殿、1つ、発言しても良いか?」

「ん?」

此処で肩の荷を降ろした様な純粋な笑顔を浮かべるアマテラスに、1人の堕天使幹部が話し掛けてきた。

逞しい髭を蓄えた、武人然な雰囲気を出している男だ。

 

「ん~? それは構わないが、先に言っとくけど、特定の悪魔(こじん)の助命なら受け付けないぜ。

貴族悪魔は基本、MI・NA・GO・RO・SHI…皆殺し、だぜ。

其に従う下僕とかも、敵対するなら同様。

…で、君は何を話そうとしてるんだい?…バラキエル君?」

「………っ!!」

アマテラスの応えに、この堕天使幹部…バラキエルは それ以上、何も言えなかった。

 

▼▼▼

 

 

※※※

 

◇名無しの悪魔◇

アガレス領民だけど、現在アグレアス付近の住民は日本神話の兵隊さん達によって、強制避難させられています

 

◇名無しのアガレス領民B◇

私もです。

ぴんぽーん♪って兵士さんが訪ねてきたと思えば、「この地域は危ない」って、家族揃って無理矢理に連れ出されました。

 

◇名無しの悪魔◇

何事だ?

日本神話は貴族以外の一般悪魔には、手を出さないって言っていたよね?

 

◇名無しの悪魔◇

ニュース観てるけど、浮遊島を巨大ロボットの集団が包囲してるよな

 

◇名無しの悪魔◇

マジ?テレビ付けるわ

 

◇名無しの悪魔◇

かっけー!

 

名無しの3倍速(赤)

初めましてだな。

私はアガレス攻めの軍勢を率いている者だ。

テレビを見ている者なら、機動兵器の集団に1体だけ、緑で無く赤の機体が在るのが確認出来るだろう?

私は今、其に乗っている。

 

◎『アマテラスさん』と呼びなさい◎

よーし大国主君。

君はコックピットの中でスマホ弄ってないで、仕事しようか。

 

名無しの3倍速(赤)

ひえっ!?直ちに!

 

◎『アマテラスさん』と呼びなさい◎

まったく…

さて、何が始まるかを説明すると、簡単に言えば、あの浮遊都市アグレアスを今から墜とすから。

だから あの都市の住民や落下地点に住む皆さんには、安全な場所まで退去して貰ったって訳だよ。

 

◎『アマテラスさん』と呼びなさい◎

尚 次のヒトのコメントは、『何故?一体どうして?!』…だ

 

◇名無しのアガレス領民A◇

何故?一体どうして?!

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇名無しの悪魔◇

合ってるしwww

 

◇名無しの悪魔◇

アマテラスさん、パねえwww

 

◇名無しのアガレス領民A◇

はっ?!

 

◎『アマテラスさん』と呼びなさい◎

(笑)

それは あの浮遊島に、今回の戦争の原因、元凶の1つ、"悪魔の駒"を作り出す材料の魔石や駒の精製施設が在るからさ。

尤も、その駒を作れる唯一の存在…魔王は既に殺してるけど、念には念ってヤツだよ。

これで今後、悪魔を他の種族から転生させる駒は完全に作れなくなる。

尚、退去する事になった皆さんの今後の生活保障の経費は僕達が潰した悪魔貴族の財を当てる。

そして それでも不足するなら残りは日本神話が全て負担する事を、この天照大神の名に賭けて約束する。

 

 

※※※

 

 

≫≫≫

…これから数時間後。

レーティングゲームの聖地とされた浮遊都市アグレアスは、大国主が率いる機動兵器の集団の一斉攻撃により、崩壊しながらアガレスの地に墜ちた。

 

 

 

 

※※※

 

◇名無しのアスラ◇

バルス!!

 

◇名無しの悪神(北欧)◇

バルス!www

 

◇名無しの水の女神◇

バルス!

 

◇名無しの神様◇

VARUSU!!

 

◇名無しの戦乙女(末っ子幼女)◇

バルスっス!!

 

◇名無しの神様◇

バルス!

 

 

(…中略)

 

 

◇名無しの太陽神(エジプト)◇

バルス!!

 

◇名無しの火星神◇

バルス!

 

◇名無しの雷神◇

皆、やっぱ言うよなwww

バルス!www

 

◇名無しの神様◇

そりゃ、ラ〇ュタ(違w)が落ちる場面見たら、誰でもコメントするわ(笑)

バルス!

 

◇名無しの戦女神◇

カメラマンのVTR付喪神さん、グッジョブです。

バルス!!

 

◇名無しの神様◇

特に真下からの画は迫力だったな

 

◇名無しの混沌(這)◇

空が…空が落ちてくる…!!

 

◇名無しの水の女神◇

…って、もぉ~!

私がバルス、一番乗りだと思っていたのに!

ちょっと阿修羅とロキ!何 余計な真似してんのよ?!

謝って!今すぐ私に謝って!

 

◇名無しのアスラ◇

カーカカカカ!ヤなこった!

 

◇名無しの悪神(北欧)◇

ワガママなヤツだなぁ…(汗)

てゆーか本名言うなし

 

 

 

※※※

 

▼▼▼

「そ…そんな…アジュカ様とファルビゥム様が…?」

場所は変わり、駒王町。

駒王駅の悪魔しか知り得ない地下のプラットホームで、リアス・グレモリーは この場に現れた魔王である兄の言葉に絶句。

 

「クソッ!日本神話だか神様だか知らないが、悪魔(オレたち)が一体 何をしたって言うんだよっ!?」

「色々…色々と やり過ぎたんだよ、悪魔(ぼくたち)は…ね…」

「サーゼクス…様?!」

兵藤が自分達だけでなく、冥界で起きた事を知って怒りを露にするが、魔王サーゼクス・ルシファーは それに対して力無く、諦めた様に呟く。

素戔嗚尊(スサノオ)から逃げる途中、護衛だった悪魔兵も殆ど全てを日本神兵に討たれ、セラフォルー・レヴィアタン、グレイフィア・ルキフグスとの3人だけで駒王町に逃げ延びは したが、日本屈指の荒神によって恐怖を植え付けられ、完全に心が折られていた。

  

「ごめん、私のせいだよ…私の…」

「セラフォルー様…」

「私の…私が…私に…」

「せ、セラフォルー様?! 落ち着いて下さい!」

それはセラフォルーも同じく。

この戦争の原因は全ての責任が自分に有ると思い込んでいる彼女は、虚ろな眼で呪詛の様に同じ言葉を繰り返し呟いていた。

 

「お兄様、これから私達は…?」

「ん…、大王や大公は勿論、父上達とも連絡は取れない。

恐らくは冥界全体に、連絡や転移等を阻害する結界を敷かれたのは間違い無い。

転移の移動が出来なかったから、イチかバチかで基地内の列車に乗ってみて、何とか此処まで…なんだけどね…」

「酷い…ボロボロですぅ…」

サーゼクスが指差した先は、後方車輌が完全に破壊された、地上と冥界を往き来する列車が。

 

「此処に到着する直前、次元の狭間で運悪くオーフィスと遭遇してね…。

いや、運が良かったと言うべきだろうね。

恐らくは自分の進行に邪魔だった、後ろ側の車輌を破壊されただけで済んだのだから。」

「どちらにしても、この列車も もう使えませんわ…」

既に この時、【日本神話】からの刺客である赤屍かるまからの急襲を受けてからを数えると、2日が経過していた。

 

「「「「「「「………。」」」」」」」

2人の魔王は兎も角、駒王在中だった若い悪魔達の負傷や空腹からの疲労は限界に達しつつ有り、

「何時までも此処に居ても仕方無い。

危険かも知れないが、外に出よう。」

深夜0:00、サーゼクスの一声で一同は駅の秘密の地下フロアから外に出る。

目指すのはリアス達の拠点(ホーム)である、駒王学園…

 




今回 書いてて ふと思ったのですが、悪魔が"レーティングゲームの()()"とかな表現って どうなんですかね?(笑)
 
感想よろしくです。
 


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FAN!FAN!… & FAN!!

 
【お詫び】
前回ですが、グレイフィアさんの存在を完全にド忘れしておりました。
その辺りを追記修正しています。
 
【注意①】
この小説はラノベ(フィクション)を原作とした、更なる二次小説(フィクション)です。
実在(リアル)の個、または団とは一切の関連は有りません。
 
【注意②】
今回、普段以上に台詞が多く、しかも永く、そして攻めています。
タグにも記してますが、アンチを好まない人はページを戻って下さい。
 


▼▼▼

 

※※※

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

まあ、堕天使に対しては、こんな感じで終わらせたよ。

 

◇名無しの神様◇

 

◇名無しの神様◇

まあアザ坊は、あちこちに根回ししてたからな(笑)

 

◇名無しの神様◇

もう許したげてよー!www

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

(笑)

…で、グリゴリ印の発明品、色々と研究データベース毎押収したんだけど、一部を除いて使えそうなのは無かったね。

超・万能包丁は気に入ったけど。

 

◇名無しの主神様(ギリシャ)◇

ほほう? 『非生命体透過眼鏡』とか有ったら欲しいのう?

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

ん。それは無かったかな?

でも代わりに"性転換銃"は有ったから、ヘラちゃんに送っておいた。

 

◇名無しの主神様(ギリシャ)◇

止めれーっ!!?

 

◇名無しの戦女神◇

アマテラス様、グッジョブです!

( ̄▽ ̄)b

 

◇名無しの竈女神◇

ゼウ子、爆誕!!www

 

◇名無しの火星神◇

世界中の美男&美少年、今すぐ逃げて!超逃げて!!

 

◇名無しの神様◇

ぷはぁっ?!

ビール返せwwwwww

 

◇名無しの主神様(ギリシャ)◇

お主等いい加減にせい!

 

◇名無しの鍛治神◇

ところで、堕天使が作った龍機兵とかのスペックは、一体どうなんだ?

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

流石に興味アリアリかい?

日本(ウチ)やガンダーラの機動兵器と比べると、火力推力共に全然劣っていて、パワー関係は はっきり言って見る価値無しらしいね。

但し無人機ってのだけは此方には無い優れた技術だそうで、その辺りをウチの技術スタッフが研究するそうだよ。

それから女性専用機動装甲はカスタマイズして、NIN=JAの女の子に…と考えてるみたいだけど?

  

◇名無しのインドラ◇

カラスの技術、独占総取りかYO?

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

いやいや、そんな心算は無いぜ?

何なら今度の神会の時に、レポート纏めて発表してやろうか?

それから ついでに言っておこう。

次の神会で正式に話し合う心算だが、今回グリゴリから身請けした人間達を、彼等の国籍に合わせて各神話で受け入れて欲しいのだが?

 

◇名無しの主神様(北欧)◇

ほう?儂は構わんぞ?

 

◇名無しの太陽神(エジプト)◇

私も同じくです

 

◇名無しの破壊神(インド)◇

まあ、良いんじゃね?

 

◇名無しの戦乙女(9女)◇

アマテラス様?

その中に15~30歳位の勇者は居ますか?

金銭面と女性関係に誠実で、出来ればイケメンな方が良いです。

 

◇名無しの神様◇

このスレを出会い目的で使用するのは厳禁ですよ~?

 

◇名無しの戦乙女(9女)◇

う、すいません…

 

※※※

 

 

▼▼▼

「ふぅ…何とか無事に着いたわね…」

深夜の駒王町、途中コンビニで食料等を購入して、駒王学園旧校舎まで辿り着いたリアス達。

冥界全土に結界でも張られているのか、魔術通信による連絡が一切取れず、今 冥界に戻るのを危険と考えたサーゼクス達が さしあたっての潜伏先としたのが、オカルト研究部部室だった。

この場に着くまで【日本神話】の追手に遭遇する事も無く、全員が とりあえず安堵の表情を浮かべていた。

 

パチ…

 

そしてオカルト研究部部室の照明を点けた時、

「漸くですか? グレモリーの皆さん?」

「「「な…?!」」」

「て、テメェ…!!?」

彼女達の顔は再び、緊張で固まってしまう。

其処には黒のスーツを着た少年が、応接ソファーに座って待っていたのだ。

 

「…もしかしなくても君は、【日本神話】の関係者だね?」

「イグザクトリー。」

そんな中、少なくとも表面上は冷静さを保っている魔王サーゼクスの問い掛けに、少年…サトルが応える。

 

「ソーナちゃんは…ソーナちゃんは、どうなってるのよ!?」

「か…神代君…?」

「よっ♪ ギャー子、久し振りだな?♪

え~と、それから生徒会長さんなら…」

そんなサトルに、セラフォルーは取り乱しながら自分の妹の事を問い質し、赤屍に続いて またもクラスメートが【日本神話】に属すると知り、ギャスパー・ヴラディは戸惑いを隠せない。

そんなギャスパーに対してサトルは自然体、普段の軽い態度で挨拶を交わす。

 

「テメェ! やっぱり日本神話の回し者だったのかよ!?」

そして理由は殆ど…いや全てが私事だが、サトルに良い感情を抱いていなかった兵藤は敵意剥き出し。

 

「へ?やっぱり?…そんな正体バレる手掛かりとか、残した覚えは無いんだが?

いや、マジに。」

「うるせえよっ!…赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)!!」

『Boost!!』

 

ダッ…!

 

ギャスパーとは違い、明らかに小馬鹿にした態度なサトルに対し、兵藤は神器(セイクリッド・ギア)を発動させ拳を振り上げ飛び掛かるが、

 

ガシッ!

 

「止すんだ、兵藤君!」

「駄目デス!ヒョードーサン!」

「は、離せよ!」

それは洋と和の甲冑を着た男女に抑えられ止められてしまう。

 

「賢明な判断だ、鎧カップル。

アンタ等が割って入らなかったら、カウンターで その性犯罪者の首、飛んでいたぜ。」

「何だとコラっ! 誰が性犯罪者だ?!」

「ハァ…この様な場でも感情な儘 考え無しに、あんな行動に出るなんてな…

本当にバカ以外の何物でも無いな。

リアス・グレモリー。

アンタは真剣に、下僕の矯正をするべきだ。

今だって()()が引き金となって、この場が血の海になっていたかも知れないのだぞ?」

「………………………っ!!」

そして それを見たサトルは、今度はリアスに対して"主"としての駄目出し。

リアスは それに、何も言い返せない。

 

「お前! またシカトかよ?!」

そして()()()と同じ様に、全く無視された兵藤は更に声を荒げるが、

「…赤龍帝君。君は少し、黙ってようか?」

「……………!」

それも魔王の一声で簡単に収まった。

 

「さて、神代君…で、良いのかな?

君と少し、話がしたいのだが?」

「…あんた誰?」

「ははは…そう云えば まだ、名乗ってなかったね。

僕は…」

 

≫≫≫

「ば…馬鹿な…そんな事が…?」

「「「「………………!?」」」」

自分達が駒王駅に隠れていた間に起きた…サトルが知っている主だった事柄を聞かされ、サーゼクス、そしてリアス達は動揺を隠せなかった。

天界は1人の熾天使(セラフ)を残して全滅。

堕天使は【日本神話】に完全降伏。

そして悪魔も、事前に亡命していた者を除く純血貴族の殆どを殺され、僅かに生き残った者も【日本神話】の圧倒的武力の前に降った。

そして残る処置の対象となる悪魔は、スサノオが取り逃がした2人の魔王とリアス・グレモリー、並びに その眷属達。

既に反撃の出来る戦力では無い。

此度の戦争は【日本神話】側の完全勝利な形で、終わろうとしていたのだ。

 

「…それで君は、リアスの命を狩りに来た刺客って訳だ。」

「そう解釈して貰って構わない。

尤も殺る殺らないは、彼女達次第だけどな。

カルマから逃げて、最終的にオカ研部室(このへや)に戻ってくる迄は読んでいた。

それで学園(ここ)に張ってた結界に侵入の反応(しらせ)が有ったから出張ってみた訳だが…まさか魔王が一緒に着いてきたのは、計算外だったけどな。」

「テッメェェェッ!!?」

そしてサーゼクスの言葉に対するサトルの応えに、またも兵藤が激昂。

怒りの儘、サトルを籠手を装備した左の拳で再び殴り掛かろうとするが、

「止めなさい、イッセー!」

「…っ!!」

今度はリアスが、それを制止。

 

「全く…人の話を聞いてなかったのかね?

この性犯罪者は?」

「な、何だと、コラ!?」

そしてサトルは兵藤に対し、完全無視を解く代わりに蔑む如くな冷たい視線を浴びせ、

「おい、性犯罪者…お前はマジに馬鹿なのか?

俺は『殺る殺らないは彼女達次第』と言ったよな?

それなのに、先程の飛び出しに続いて また其れか?

どうして自分から『どうぞ殺って下さい』とばかりな、一番の悪手に出る?

頼むから少しは、脳味噌使ってから行動して欲しいね。

まさかとは思うが、お前程度の雑魚が、俺を力でどうにか出来ると思っているんじゃないだろうな?

どうなんだ?性犯罪者?」

正しく自ら死亡フラグを立てる様な行動に、本気で疑問に思っての問い質した。

 

「う、うるせぇっ!

誰が性犯罪者だ?!…ってゆーかテメー、1年だろうが!

何だ、その口の聞き方は?

俺は2年、先輩だぞ!」

「はひ?」

しかし兵藤はサトルの質問自体には まともな応えが浮かばないのか、全く別方向な答えを…いや、逆ギレ気味に問い質しだ。

これにはサトルも一瞬 呆けてしまう。

 

「ハァ~~~~~~~~~~~~~…

高が1年程度 早く生まれたからって、偉そうに言ってんなよ…セ・ン・パ・イ(笑)。

そんなに先輩らしく接して欲しいなら、先ずは性犯罪者の様な行動を慎み、本当に先輩らしい行動を示してからにしようぜ?

…な? 性犯罪者先輩。

そもそも既に戦敵…しかも そっちの魔王みたいな大物なら兎も角、貴族でも何でもない、低級の雑魚な転生悪魔に対して、礼も何も無いだろ?」

そして溜め息混じりに正論?で返し、

「あ、もしかしたら"性犯罪者"って呼び名が気に入らなかったか?

だが それも仕方無いだろ?

事実 性犯罪者なんだから。

性犯罪者に性犯罪者と言って、一体 何が問題なんだ?

大体お前、性犯罪者の分際で その他クズ2名と一緒に色々やってた事を棚にしてんじゃねーよ。

そもそも矢田や雪村その他は どうでも良いが、白音の着替えを覗いた罪はハー〇様より重ぇんだよ。

その辺り解ってんのか? この性犯罪者が。」

更には白音以外のクラスメート女子に対しても かなり失礼な発言を混ぜ、煽る様に その単語を意図的に多用して扱き下ろした。

 

「テメェ、いい加減にしろ!」

「何だ?この性犯罪者、逆ギレか?www」

「止めなさい兵藤さん。

それから神代さん。貴方も少し、口が過ぎると思います。」

此処でサーゼクスの女王(クィーン)グレイフィアが、口を挟む。

その一連の会話を、流石に芳しくないと感じた様だ。

 

「…っ!」

その(プレッシャー)に兵藤は怯えの表情と共に黙り込むが、

「りょーかいですよ~。

おーぉ、こわいこわいwww」

サトルは それに動じる事は無く。

魔王の女王(クィーン)に対しても余裕の態度を崩さず、小馬鹿にした様な棒読み口調で応対。

 

「♪5割増~し♪胸の小細工♪www」

「「な…なぁああっ!!!?」」

そして いきなり、何やら歌うサトル。

その意味を理解した…してしまった銀髪のメイドさんと その旦那さんが、大声を出して驚いた。

 

「どどどどど…ぅしてそれを?!」

真っ赤な顔で動揺するグレイフィア。

しかし、それは仕方無く。

夫と息子、並びに実弟以外ではセラフォルー、そして今は此の場に居ないセラフォルーの僧侶(ビショップ)しか知らない筈の真実を、初対面の少年が知っていたのだ。

 

「いや、見て判るでしょ?

普通にバレバレじゃん。」

「はあぁっ?!」

それに対して、平然と応えるサトル。

どうやら この男は()()()()()で無く、"胸元が不自然な"メイド服を一目見て、()()()()の方が正しい様である。

 

「ちょ…?

お前!それ、マジか!マジなのか?」

そして その発言に兵藤が喰い付いた。

 

「いや、普通に見たら直ぐに判るだろ?」

「分かるかっ!?」

「やれやれ…単に性犯罪者ってだけで、スケベは3流かよ…」

「何をお?!…って、3流って、スケベに1流とか、そんなの有るのかよ?!」

「ふっ!」

「何どや顔してやがる!?

じゃあテメーは何か? 『自分は1流のスケベです』とでも言いたいのか?!」

「フッッ!!」

「あ゙~! ムカつく!

その見下した様な顔は止めろ!!」

「フッッッ!!!…所詮はDTか。」

「ちぃっくしょ~~~っ!!って、ほっとけ!!」

そして この遣り取り。

 

「あらあらあら…」

「グレイフィア…そ、そうだったんだ…」

「「「………………。」」」

「あゎゎ…も、もしかして神代君、白音ちゃんと…?」

「ふっ!!」

他の面々は、リアクションに困った表情を浮かべてしまう。 

 

「き、君! 今のは流石に失礼過ぎないかい?!」

「そ、そーだよ!

あんまりだよ! グレイフィアちゃんだって、好きでパッd…モギョムギョ…」

「セラフォルー! 君も余計な事を言おうとしない!」

「黙れ、このシスコン共が。」

続く魔王2人の言葉も、サトルは意に介さず。

 

「…ついでに この魔王熟女。」

「なああぁぁあつ??!」

そして、更なる一言。

これにセラフォルーはグレイフィアと同じ位に赤面し、

「ちっちちち、違うもん! 私、まだ熟女なんかじゃないもんんん~!」

完全にテンパってしまい、

「熟女じゃないもん…

私、まだ女の子だもん…魔法少女レヴィアたんだもん…ブツブツブツブツ…」

「「「れ、レヴィアタン様?!」」」

瞳から光を消して部屋の角で体育座り、何やら譫言を口ずさみながら自分の殻に引き込もってしまう。

 

「あ、貴方は全方位に挑発なんて、何を考えてるのよ!?」

「黙れ、駄肉。」

「はぁぁあっ!!?」

そして その口撃を咎めようとした紅髪の少女にも、カウンターの一言を。

 

「丁度 魔王(ほごしゃ)も居るし、改めて言ってやるよ。

悪魔(アンタ)等が この日の本の各地で、勝手に管理者を自称するのは、まだ看過出来た。

しかし他所の地は兎も角、この町に至っては2年前、そこの無能が管理者となってからは はぐれ悪魔による被害が増大だ。

それだけで無く、その後の後処理も杜撰・御粗末の一語。

身内を含む被害者を知る者に対して、その関する記憶と記録を全て消し、()()()()()()()()()()()事にしてくれたからな。

解っているのか?

只でさえ不条理な死に遭った魂が、弔われる事も無くなったんだ。

その結果、どうなると思う?

その魂は迎えられる事は無く、宛ても無く彷徨い続けるんだ。

お陰で、日本神話(こっち)の日本人の魂を管理するヒト達も それに気付くのが遅れ、大迷惑だぜ?

特に御迎え担当の皆さん。

分かるか? 俺達が この春に駒王町に来た理由も、アンタ等の尻拭いがメインなんだよ。

全く…上から はぐれの情報を貰う前に、常日頃から悠長に学園生活満喫してないで注意してろっての。

んな事だから、無能だ駄肉だって話になるんだよ。

ん? その顔は何か反論が?

屁理屈や逆ギレで無いなら、聞き入れるぜ?

是非とも『そんな深い理由が有ったのか』と、目から鱗な言葉を聞かせて貰いたいね。

ほら、何か言ってみろよ?

紅髪の駄肉姫(トラッシュ・プリンセス)様?」

 

ぷちっ…!

 

「テッメェエッ! いい加減にしろ!!」

 

ボォオッ!

 

この相槌すら許さないサトルの口撃に、リアスで無く、兵藤がキレた。

神器(セイクリッド・ギア)を纏った左拳から魔力弾を放つが、

 

シュゥゥ…

 

「な…?」

「だから、知ってる筈だろ?

()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()!」

それはサトルに直撃する寸前に霧散してしまう。

サトルの神器(セイクリッド・ギア)の能力の1つ、『絶対魔法防御』による物だ。

 

ずず…

 

「正当防衛成立だよな?」

「「「「「!!!?」」」」」

そしてサトルは空間に"穴"を開け、其処から取り出すは魔剣グラム。

 

斬!

 

「ぎゃぁあああぁぁあぁっ!!!?」

「い、イッセーっ?!!」

…それから繰り出された一閃で、赤い籠手を纏った左腕が、鮮血と共に宙を舞った。

 




 
次回『神鳥vs魔王!(予定)』
乞う御期待!
感想よろしくです。
 

orz
『お気に入り』は着々増えてるのに評価は下がるって、一体どういう事だってばよ?
そんな訳でモチベ維持の意味で、評価(高いヤツね)も宜しく お願いします。
  


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サトル vs グレモリー眷属(仮)

 
バトル回です。
サブタイは後日 変更します。 


「ぎゃぁあああぁぁあぁっ!!!?」

「い、イッセーっ?!!」

 

≫≫≫

サトルが放つ魔剣グラムの一閃が、兵藤の左腕を斬り落とした。

 

「四神道・封の法 其乃伍、『玄武縛威晶』!」

そして透かさず その腕に向けて、日本式の結界術式を唱える。

これにより赤い籠手を填めた左腕…いや、()()()()()()()()()()()()()()は、幾多の緑の六角形から構成された、小型の光の結界の内側に捕らえられた。

聖剣騒動の時、駒王を訪れた4人の『NIN=JA』が学園を包んだ防御結界の、下位互換の術だ。

これの最大の狙いは、『赤龍帝(セイクリッド・ギア)の封印』。

とりあえずは兵藤の体からは赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を切り離したが、魂のレベルで分離させた訳では無い。

仮に斬り落とした神器(セイクリッド・ギア)を一時解除して、今度は右腕に新たに籠手として具現化する可能性を想定しての事だった。

以前から兵藤の事を雑魚呼ばわりしていたが、決して悪名高きニ天龍を見くびっている訳では無かった。

 

「ふん…只でさえ雑魚なのが神器(セイクリッド・ギア)を喪い、更に弩雑魚になったか。」

「ぐぅいあぁぁぁぁあ…!??」

夥しく流血する左の肩口を押さえ、激痛に悶える兵藤に対してサトルは冷たく話す。

 

「苦しそうだな?

まぁ、無理も無い。

この魔剣(グラム)は、"龍討剣(ドラゴンスレイヤー)"の一面も持ち合わせている。

如何に悪名高き赤い龍とは云え…いや、違うか。

()()()()()()()()()、尚更のダメージか?」

「ま…魔剣グラムだって? どうして それを?!」

このサトルの台詞に、必要以上に反応したのは、リアスの騎士(ナイト)の木場。

 

「少し前、どういう経緯かは知らないが、グラムや その他、北欧神話由来の聖剣魔剣を沢山持っていた人物と戦ってね。

その時に押収した剣をアースガルズに返還した時、褒美として その内の1本…このグラムを主神オーディンから正式に【日本神話】に譲渡されたのさ。

…で、それを俺がアマテラス様から頂戴した訳。

決して何処かの神話勢力(笑)(カッコワライ)みたいに、余所から盗んだり奪ったりした訳では断じて()ゎい!!」

「「「………!!」」」

自分が魔剣を手にした経緯を、またしても『聖書』の行いを皮肉るかの様な、余計な一言を添えて、サトルは説明。

 

「…がぁっ!」

 

ボンッ…シュン…

 

そんな中 兵藤は床に伏せ悶えながらもサトルに向けて、右拳から魔力の込められた弾を放つが、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を喪い、強化されてない その攻撃は尚の事、サトルの絶対魔法防御の前には届かない。

 

「本当に魔力100(パー)かよ…

雑魚でも一応は赤龍帝(ドラゴン)なんだから()()…それが駄目なら闘氣でも撃ってみろ。

そしたら俺にも、少しはダメージが通るかも知れないのによ。

所詮は魔力至高思想の悪魔か。

周囲に そーゆーのを教えるヤツが、居なかったって話だ。

…って、神器(セイクリッド・ギア)に宿るドラゴンと、そういう話をした事が無いのか?」

 

ドガッ!

 

「ぐああっ!?」

そう言いながらサトルは、今度は倒れている兵藤を蹴り飛ばす。

 

どっどごぉんっ!!

 

「「「「な…っ!?」」」」

「「「「きゃぁあっ?!」」」」

更には神器(セイクリッド・ギア)がら生み出される魔力、そして闘氣に仙氣等、自身に宿る あらゆる(エネルギー)を一気に放出。

 

「こ…校舎が…!?」

「これで殺り易くなったぜ。」

これにより、オカルト研究部の拠点である旧校舎が全壊した。

先に攻撃を仕掛けられた事も有り、どうやらサトルは完全に"殺る気スイッチ"が入り、そして狭い部室内よりも屋外戦を選択した様だ。

 

「ぐぐぐ…せ…神器(セイクリッド・ギア)に宿るドラゴンと話…?

何なんだよ、それは?!」

「(…コイツ、マジか? 自分の中のドラゴンに、マジに気付いてないのか?…まぁ良いか。)

知らないなら知らない儘、死ね。」

校舎倒壊に困惑しながらもサトルの台詞に、疑問を投げ掛ける兵藤の言葉。

4月に神器(セイクリッド・ギア)に覚醒したとして、既に約半年が経っているにも拘わらず、未だ その内に宿るであろう存在に気付かず意志疎通が出来ていない事実に、同じ魂封印系の神器(セイクリッド・ギア)を持つ者として呆れながら、サトルは最後の仕上げに入る。

 

ぐぃ…ガシッ!

 

今代の赤龍帝の頭を掴みんで無理矢理に起こすと、プロレスで言う処のダブルアーム・スープレックスの体勢に取り、

「行くぜ!アマテラス様直伝! カm

「止めてーーーーーーーーーっ!!」

「あ?!」

トドメの一撃を繰り出そうとした時に、それを止める声が掛かった。

 

「お願い、イッセーには強く言い聞かせておくから!」

リアス・グレモリーである。

 

「それは無理だな、無能姫。

噂に聞くアンタの慈愛(あまさ)は信用しても良いが、それで この性犯罪者が素直に言う事を聞くかとなると、それは信用出来ない。」

「…っ!?」

しかしサトルは その訴えを拒否、改めて締めに入った。

その威圧(プレッシャー)の前にリアスは何も…自分の事を無能と呼ばれた事も含め、それ以上は何も言い返せない。

 

ぶぅん!

 

逆羽交い締めの状態で体を回転させ、その勢いを利用して兵藤を投げ飛ばすとサトルは自らも跳躍。

 

ズガァアッ!!

 

ぐ…ぇ…?

兵藤が仰向けに地面に叩き付けられると同時、右足、更に その上 右膝に右肘を乗せる事で破壊力(おもさ)が増した左膝を、まるで断頭台に見立てたが如く、兵藤の首筋に落としたのだった。

 

…因みに先程、サトルは天照大神直伝と言い掛けたが、これは別に彼がアマテラスから直接 手解きを受けた訳では無く。

以前、サトルがアマテラスに対して起こした幸運的想定外助兵衛事故により、その制裁として怒れる乙女から それを喰らった際に、身体で覚えた技だった。閑話休題。

 

ぁ…が…

「ちぃ、確実に殺った心算だったのだが…流石は悪魔、耐久性が違うか?

…いや、単に俺の詰めが甘かっただけか。」

しかし それでも、兵藤の『生』を終わらせるには至らず。

その後遺症(ダメージ)で、この先 寝たきり生活が確定している…としてもだ。

 

「まあ、良いか。」

 

ぐぃ…

 

仕止め切れなかった事は気にせず、兵藤の頭を掴み、再び無理矢理に立たせると、 

「やっぱりドラゴンにはドラゴン・スレイヤーの方が効果的だよな?」

再び魔剣グラムを手に取るサトル。

改めて今度こそ、確実にトドメを刺す心算だ。

 

「止めろ! もう良いだろ?!」

「そ、そうだよ、神代君! やり過ぎだよ!」

此処で今度は余りにも見かねたのか、木場とギャスパーが それを止めに入った。

 

「やり過ぎ?

おい、ギャー子…そっちの金髪先輩もだが、(なーん)か勘違いしてないか?」

だがサトルは、その申し出を拒否。

 

「戦争で…しかも先に仕掛けてきた敵に対して、殺り過ぎも何も無いだろ?

それに金髪先輩?

()()()はアンタが中に割って入ったが、俺は まだ この性犯罪者が白音の着替えを覗いた件の制裁を、()()()()()()()で終わらせた覚えは無いんだよ。」

「…………………!」

あの時…4月中頃、兵藤が悪友2名と一緒に、白音達のクラス女子の着替えを覗いた時の、乱闘騒ぎの事である。

 

「それに さっきも言ったろ?

白音の着替えを覗いた罪は、キン〇・ザ・1〇〇tより重いんだよ。

乃ち万死!

あの時の続き、今この場で終わらせてやるよ。」

「いやいや、さっきは君、〇ート様って言ってたよね?!」

「キャラが変わって、一気に重さが増えてますぅ!」

殺伐とした空気の中、やや緩んだ会話だが、それでもサトルの ややベクトル違いな殺気(やるき)は緩まない。

 

「とりあえず死ねや! 性犯罪者が!!」

 

ぶぅん…ガキィッ!

 

「…………。」

「………………何の、心算だ?」

そして倒れた兵藤の左胸目掛け、魔剣を垂直に突き刺そうとしたが、それは漆黒の刃に阻まれる。

 

「目の前で仲間を殺らせる訳には いかない!」

木場の神器(セイクリッド・ギア)魔剣創造(ソード・バース)禁手(バランス・ブレイカー)である暗黒の剣"死を齎す魂喰い(ソウル イーター・デス ブリンガー)"。

木場が騎士(ナイト)の特性である超スピードを活かし、その暗黒の剣でサトルの魔剣を止めたのだ。

 

黒い断頭台(ギロチン・スラッガー)!!!!」

 

ブゴォォォォォォオッ!!!!

 

そして一度、バックステップして距離を空けての攻撃。

もう平和的な遣り取りは不可…この場を無事に切り抜けるには、目の前の人物を倒す以外に無い…そう判断した木場が、己の最大必殺の技を、サトルに向けて放った。

暗黒の黒き魔力を帯びた衝撃()だ。

 

シュゥィィィン!

 

これをサトルは、魔剣グラムで受け止める。

ただし、

「だ・か・ら・いい加減に学習しろよ?

俺に()()()()()()()っての。」

「…それでも、()()()()()()()()()()…なんだね?」

「だから どうした?

もしかして それだけで優位に着いた心算か?金髪先輩?」

確かに暗黒剣の黒い魔力は、サトルの神鳥の羽ばたき(ガルーダ・フラップ)の絶対魔法防御の前に掻き消された。

サトルが受け止めたのは、速く鋭い剣の振りから生じた、只の剣氣による衝撃波だ。

 

ダダダッ!

 

「成る程、物理攻撃は有効な訳だ!」

「ナラバ、私達ノ出番デス!」

それを見た堀井とスーザンが動いた。

そんな2人が繰り出すのは、互いに手を取り合っての舞う様な攻撃。

 

「成る程…それが前にスレで盛り上がっていた、"双円武(ダブル アーツ)"か!」

 

ガンッ!

 

「しかし少しばかり、技が大振り過ぎないか?

破壊力は兎も角、技の軌道が見え見えだ。」

「ぐはぁ…っ?!」

「ほ、堀井君!?」

だが それも、サトルには通じない。

少し前に自スレで話題になった伝説的コンビネーション闘法に興味を示したが、双薙刀をイメージさせるかの連続蹴りを冷静に躱すと、堀井の脇腹に掌打の一撃を撃ち込んだ。

その衝撃は甲冑を透り抜け、直接 肉体の()に伝わり、鉄仮面の内側の顔が苦痛に歪む。

  

「でいや!」

 

ガキィン…!

 

「くっ…、これでも駄目かい…!?」

「いーや、金髪先輩…

今のは かなり、ヤバかった…!」

そこに木場が飛び込んでの一閃を放つが、この暗黒剣はサトルの魔剣に辛うじて阻まれた。

 

「おらっ!」

「甘いよっ!」

 

キィンッ!

 

「ちぃいっ!」

そして次はサトルが自分のターンとばかり魔剣を振るうが、これは木場の剣で余裕で捌かれる。

剣を使った戦闘では、木場の方が1枚も2枚も上手な様だ。

 

「おっらぁあっ!!」

 

どごっ…ごんっ!

 

「ぐゎっぁ?!」

…しかし それは あくまでも、()()だけの話。

木場に剣を受け止められた直後にサトルは相手の鳩尾に膝を突き刺し、そして顔面…鼻っ柱目掛け、強烈な頭突きをぶちかまし、吹き飛ばした。

正道邪道の混ぜ合わせだが、剣術だけの木場と、剣も攻撃手段の1つに過ぎないサトルとの違いが、明確に現れた。

 

「肉弾戦で挑んだのは、ある意味正解だ。

しかし、それでも悪魔で俺に勝てる可能性が有るのは、サイラオーグ・バアルだけだ。」

 




 
①サトルとアマテラスさんの技の伝授云々な話は、38話参照(笑)
②すいません、前回 後書きで『サトルvs魔王』みたいな予告してましたが、其処まで書けませんでした。
③そんな訳で今度こそ…
 
次回『サトルvsルシファー(仮)』
乞う御期待!感想よろしくです。
 
 

 
 
④前回 感想欄にて、久し振りの運対連発!
そんな訳で、感想にて『性犯罪者』『無能』『駄肉』な文字の書き込み(伏せ字併用込み)は、高確率で運対されるから、皆も気を付けようぜ!www
 


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消滅

 
【前回の あらすじ!】
感想欄での運対該当用語に、『駄龍』が新たに加わりました。(笑)
 



「肉弾戦で挑んだのは、ある意味正解だ。

しかし、それでも悪魔で俺に勝てる可能性が有るのは、サイラオーグ・バアルだけだ。」

「「な…??!」」

リアスの下僕を圧倒するサトル。

喧嘩殺法で木場を吹き飛ばした後に発した この台詞に、リアス、そして魔王サーゼクスが やや過敏に反応した。

 

「ま、まるで、サイラオーグと戦った様な言い草ね…?」

その言葉…

仮に本当に そうだとすれば、その自分の従兄と戦った男が目の前にいる…イコール、最悪の報せに繋がる可能性を理解しつつ、リアスはサトルに恐る恐る質問。

 

「まあな。兄貴(サイラオーグ)とは先日、冥界で戦り合った。

そして結果は…下僕共々、()()()()()()()()()()()。」

「「…………っ!!?」」

そしてサトルから返ってきた応えに、リアスとサーゼクスは絶句。

自分達が考えていた、『最悪』と解釈した様だった。

 

 

▼▼▼

 

※※※

 

◇名無しの神様◇

ほう?あのガルーダの小僧、流石はアマテラスの秘蔵っ子だな。

神器持ちな点を差し引いても、人間としては相当な強さだぞ?

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

どやぁ!♪

まぁ、別に僕の秘蔵っ子って訳じゃないけどね。

 

◇名無しの雷神(北欧)◇

俺の弟子だ

 

◇名無しの三面六臂◇

私の弟子でもある

 

◇名無しの戦女神◇

私の以下略。

 

◇名無しの混沌(這)◇

私の以下同文!

 

◇名無しの神様◇

改めて、マジにパねぇメンバーだなwww

 

◇名無しの戦乙女(9女)◇

実力者で、しかも長身イケメン…

ん、良いかも…

 

◇名無しの混沌(這)◇

あ、ヴァルキリーさん?

サトルさん、既に彼女さん居ますよ~?

 

◇名無しの戦乙女(9女)◇

え?!

 

◇名無しの三面六臂◇

しかも、2人なwww

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

しかも姉妹だぜwww

 

◇名無しの戦乙女(9女)◇

えぇえ゙ーーーーーーー??!

 

◇名無しの主神様(北欧)◇

【悲報】某処女ヴァルキリー、彼氏居ない暦イコール年齢の更新確定した件

 

◇名無しの戦乙女(末っ子ろりっ娘)◇

ロス姉様、どんまいっス!

 

◇名無しの戦乙女(9女)◇

放っといて下さい!!(T-T)

 

◇名無しの水の女神◇

あら、大丈夫よ。

2マタ3マタなんて、本人達が納得してれば、別に問題無いと思うの。

 

◇名無しの神様◇

良いんかい(笑)

 

◇名無しの水の女神◇

そりゃ、泥々に修羅場ってるなら駄目だけど、この子達は そうじゃないんでしょ?

 

◇名無しのキクりん◇

日頃から姉妹と仲良くバカップルしています

 

◇名無しの水の女神◇

でしょ~?

それが純愛ならば、同性だろうが どれだけ年が離れすぎていようが異種族だろうて いくら掛け持ちだろうと問題無いわ。

ただし、悪魔とアンデッドは除く!

 

◇名無しの神様◇

いやいや、2マタ3マタの時点で純愛じゃねぇだろwww

 

◇名無しの戦乙女(9女)◇

イエ…出来れば私だけを見てくれる殿方が良いのです…

 

◇名無しの水の女神◇

ふ~ん?まぁ、それは個人の価値観だから、それも否定は しないわ。

…に、しても このサトルって子、本当に中々の逸材ね。

面白いじゃない。

よし! これからは私も この子の修業、手伝ってあげるわ!感謝しなさい!

 

◇名無しの三面六臂◇

いや、要らね

 

◇名無しの雷神(北欧)◇

遠慮しときます

 

◇名無しの戦女神◇

止めろくれませんか?

 

◇名無しの混沌(這)◇

私達の自慢の弟子に、悪い影響与えたくないんですよね~?

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

ん。とりあえずキミは今後、サトル君の半径100㌔圏内には近付かないでくれないかな?

 

◇名無しの水の女神◇

何でよーーーーーーーーっ!!?

 

※※※

 

▼▼▼

「そんな…嘘…」

サトルの『地獄へ送り届けた』の言葉に、リアスは茫然。

 

「知っていて言ってるのかい?

彼…サイラオーグは、僕達の従兄弟なんだが…」

そしてサーゼクスも冷静を装っているが、内心穏やかでないのは誰が見ても明らかな…そんな口調で、サトルに問い掛けた。

 

「え?そうだったの?」

しかしサトルからすれば、まさか あの"兄貴"と無能姫(並びに魔王)が親戚関係だったのが新情報なだけで、少しだけ驚いた反応を見せただけ。

 

「赦さない…絶対に赦さない…!」

 

ボォゥッ!

 

そんな悪びれないサトルにリアスは怒りの形相で掌を翳し、特大の黒い魔力の弾を作り出す。

 

「いや…何度目だ?

マジに学習、理解しろよ、駄肉無能姫様?

この俺に()()()()()()()()っての。」

「だ、黙りなさい!…滅びろぉおっ!!!」

 

ボゥッ…シュンッ…

 

「だから言ってるだろ?」

「そ…そんな…」

それに対して本当に呆れ顔なサトルに紅髪の少女が滅びの弾を放つが、今まで同様に それが魔力で有る故に、それは標的(サトル)に着弾する寸前に霧散。

過去に1度、同じ事が有ったのを忘れているのか、目の前で起きた事を信じられない様な表情をリアスが浮かべる。

 

「…改めて言うぜ。

どんなにパワーが有ろうが、俺には…俺の神器(セイクリッド・ギア)には魔力は通じない。

だからこそサイラオーグ・バアルは、魔力を使う事無く肉弾戦で俺に挑み、大きなダメージを与える事が出来たんだ。」

正確にはサイラオーグは魔力を使わなかったで無く使()()()()()()のだが、それでもサトルに対しての攻撃手段として それは正解。

闘氣と仙氣を練り溜めながら、それを淡々と語るサトル。

 

ダダッ!

 

そして己を氣の弾と化し、リアスに特攻、

「真・男女平等ドロップキィーック!」

 

バキィッ!

 

「きゃぁあっ!??」

大きく跳んでからの華麗且つ痛烈な両足蹴りを、リアスの顔面に突き刺した。

 

「き、キミは女の子の顔に、何をしてんのよ?!」

「ふん…

"滅ぼそう"とした相手に、女も何も無いだろ?

それに此れは喧嘩じゃない、戦争だ。

殺してないだけ有り難いと思えよ、魔王熟女。」

「だ~か~ら! その呼び方は、止めてよぉーーーーーーーぉっ!!!!」

それを見た…先程のサトルの口撃から復活した…セラフォルーがサトルに物申すが、当人は戦場だからこその正論+αで切り返すと、

 

ピシィイッ!

 

その『+α』の方に この女性魔王は反応したみたいで、半泣き顔で強大な魔力を解放。

校舎や体育館等、学園敷地内の建物、そして地面も完全に氷漬けに。 

それだけで無く、予め、逃走防止の意味でサトルが学園全体に施していた結界も、内側からコーティングするかの様に氷で覆われた。

外から見れば、巨大な氷のドームだ。

 

「何考えてんだ、この魔王熟女!

認識疎外の仕込みは してないんだぞ!

どーすんだ、(これ)

外から見れば大騒ぎだぞ?!」

しかしセラフォルーからすれば、肝心の攻撃対象であるサトルには絶対魔法防御の効果か、彼の周り約1㍍は その影響を受けず。

現時刻は確かに深夜だが、それでも目撃者が絶対に居ないとは限らず、そちら側の心配で この後先の考え無く、さながら氷の世界を作ったセラフォルーに大文句。

 

「全く、流石は火種女…

無能に負けず劣らずな残念仕様な脳味噌だよな!」

「う、五月蝿い!

キミは本当に もう少し、言葉を選ぶべきだよ!」

「あ゙?! 事実で言い返せないからって、話題摩り替えようとしてんじゃねぇよ、この魔王熟j

「雷よぉっ!」

 

バチィッ!

 

そんな遣り取りの中、別の人物が新たに割って入って来た。

リアスの女王(クィーン)の姫島朱乃である。

自分の主…いや、親友を足蹴にされた怒りから、右掌から横一直線な雷撃を放った。

 

「げ?!」

その攻撃…雷属性の攻撃に何かトラウマでも有るのか、一瞬だけ怯むサトルだが、

 

シュゥ…

 

「あー、魔力攻撃は効かなかったんだよな…」

「…くっ!」

これも先程から何度も繰り返させる、魔力の攻撃を神器(セイクリッド・ギア)による無効化の展開で、内心 安堵。

 

 

 

さ~て、それにしても どうするかね…

アマテラス様の指示で、逃げた魔王を釣る餌として駄肉姫様を捕まえに来た心算だったのに、その魔王も一緒に来ていた件…(笑)

彼方さんの魔力(こうげき)は効かないとしても、此方の攻撃も魔王クラスに簡単に通るとは思えないし…

こりゃ、泥試合確定かな?

 

 

 

そして、この後の展開を思考思案。

 

「一応 聞いてみるが、互いに此の場を退く事は出来ないのかい?」

「ん?…って…?

……………………………。(ぅわぁ~…)

そんなサトルに、魔王…サーゼクス・ルシファーが話し掛ける。

にこやかな笑みを浮かべての、穏やかな口調だが、その笑顔…

左右の顳顬には図太い血管が浮かび上がり、ピクピクと脈打っていた。

堕天使総督曰くな超シスコンらしい この魔王、最愛の妹に飛び蹴りを喰らわせた男に対する殺意を必死に抑えているのは一目瞭然であった。

 

「それは無理だね。

俺が学園に出向いたのは、駄肉の確保だ。

ガキの使いで終わらせる訳には行かないんでね。

アンタ達魔王は別に帰っても良いが、それを好しとは しないんだろ? どうせ後から駄肉姫を質にして呼び出すけどね

「…出来れば その、『駄肉』という呼び方も、何とかして欲しいのだが?」

「それなら『無能』にするか?

解ってるのか?

コレの自称・管理者の無能っ振りには地元民、大迷惑なんだよ。

其処で倒れている性犯罪も同じだったが、『駄肉』『無能』に対して そう呼んで、何が問題なんだ?」

 

ゴゴゴゴゴ…

 

「…君は、そんなに僕を怒らせたいのかい?」

「だーかーら!

怒ってるのはコッチだっての!

そんなに駄肉・無能呼ばわりが嫌なら、テメー等が この管理者様に対して その仕事に駄目出しなり指示指導なり、してりゃ良かっただろうが!

ぶっちゃけ これは、保護者の責任でも有るんだぜ?

そっちの駄肉姫様が、他人様の言葉を素直に聞き入れるかどうかは別問題だとしてもな!」

「な、何ですって?!」

そして更なるサトルの挑発・皮肉混じりな返答に、今度は殺気も隠す事無く、低い声で魔王としての()を掛けるが、サトルは それも平然と切り返す。

 

「…禁手化(バランス・ブレイク)!」

『Brance Breaker…【Garuda Feather Armer】!!』 

「「「「!!?」」」」

「あー、もう面倒い。

掛かって来いよ、魔王。…と、その他大勢。」

 

チョイチョイ…

 

そして もう お喋りは終わりとばかりに、神鳥の鎧を纏い、人指し指で招くポーズで その場の悪魔達を挑発。

 

「舐めるな!小僧!!」

これに最初に反応したのは、メイド服を着た銀髪の女。

サーゼクスの女王(クィーン)のグレイフィアだ。

 

シュタタタタタタ…!

 

先程の"胸の小細工"発言も まだ多少なり根に持っているのか、鬼気迫る表情で何処に隠し持っていたのか、無数の…いや、その表現すら生温い、夥しい程のナイフを弾幕の如くサトルに投げ付けた。

 

カキィィンッ!

 

「…終わりか? PADメイド?」

「くっ…!

…って、だから、PADじゃないです!生乳ですぅっ!!」

しかし それも、殆どは魔剣グラムに叩き落とされ、僅かに当たったナイフも、神鳥の鎧の防御力(かたさ)の前に弾かれてしまう。

 

ズズズ…

 

「教えてやる。

弾幕ってな、こうやるんだよ!」

そして また空間に穴を開け、サトルが取り出したのは鈍い光を放つ黒い鉄の塊。

 

「クトゥルー式近接戦闘術!

侮辱放題(ディスりまくり)回転式機関砲(ガトリングガン)・改!!

 

ダッダッダダダダ…!!

 

「「「「「「「ぎゃぁぁあっ?!」」」」」」」

銃口を縦横に振りながらの乱射。

標的となった悪魔達からすれば、目の前に無数の銃弾で作られた巨大な壁が迫るかの様だった。

 

「う…」「ぅぅう…」

「か、神代君…どうして…」

しかも撃ち出され弾丸は聖銀製。

この回避不可の攻撃に、その場の全員が命を落とす事は無かったが、尋常で無いダメージを受け、未だ凍り付いている地面に這い着く張った。

 

「君は、本当に死にたいみたいだ、ね…?」

…只、1人を除いて。

 

フゥッ…ボォォォオッ!!!!

 

それは魔王サーゼクス・ルシファー。

憤怒の表情でサトルに一言告げると、翼を開く事無く約2㍍程浮遊。

そして体全身から、燃える様な赤黒い魔力を噴出。

自らの身体を自身の代名詞である、滅びの魔力に身を包み込み…で無く、自らの身を滅びの魔力へと変化させた。

その姿は言うならば、()()()()()()()()である。

 

「君が初めてだよ…

僕に このチカラを使わせたのは…」

 

ボォオッ!

 

「!!?」

この【真・サーゼクス】とでも呼ぶべきか、滅びの化身と化した魔王が、サトルに突撃。

その本気のスピードに、サトルは反応する事が出来ず、動く事が出来ない。

 

「消えたまえ!!」

そして触れた物 全てを滅ぼし消すであろう その両手が、遂にサトルに…サトルの頭を掴む。

 

シュゥゥ…

 

しかし その瞬間、消えたのはサトルでは無く。

 

「お…お兄様?」

「「「サーゼクス様?」」

        ちゃん!?」

消えたのはサーゼクス。

魔力の集合体だった身体は霧散、その場から欠片も残さず完全に消滅したのだった。

 




今まで何度も執拗に【魔力攻撃→無効化】の表現を繰り返していたのは、今回のラストの為。
 
感想、評価よろしくです。
 




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終末①(仮)

 
今回の為に、ウキやらYouTubeやら調べまくりの視まくりだぜ!(笑)
 
説明、復習、伏線回収回です。
 


「な…どうなったって、言うのですか…?」

滅びの魔力そのものとなった魔王サーゼクス・ルシファーが、サトルを捕らえたと同時に消えた。

その光景に、銀製の銃弾を浴び、地面に這い這いの状態で銀髪の女が、

「こ、答えなさい! お兄様を…お兄様を、何処に やったのよ?!」

同じく地に伏した紅髪の少女が、サトルに問い掛ける。

 

「…………………………。

今の、巨大な魔力の塊が魔王ルシファーだと言うのなら、彼は この世から消え失せたよ。」

「「「「「!!?」」」」」

それに対して、神鳥の鎧(バランス・ブレイカー)を解除したサトルの言葉は、彼女達からすれば無情の一言だった。

 

「…何度目だ?

俺の神器(セイクリッド・ギア)、"神鳥の羽ばたき(ガルーダ・フラップ)"の最たる特性は、『絶対魔法防御』。

それが魔力で有る限り、パワーや属性に関係無く、無効化(キャンセル)されてしまうんだ。

何度も見てるだろ?

少なくとも、『聖書』に属する者の魔力では俺は殺せない。」

「そんな…そ、それじゃ、サーゼクスちゃんは…?」

「死ん…だ…!?」

「嘘…だよね…?」

続くサトルの…それこそ何度目となるかな絶対魔法防御の説明に、悪魔達は絶望の表情。

同時にサトルを睨み付けるが、先に負った機関砲のダメージで体を満足に動かす事は出来ない。

それは魔王レヴィアタンも同じだった。

 

「正確に言えば、『死んだ』は少し違う。

例えば氷に熱湯や高温を浴びせて溶かしたとして、それを『氷が死んだ』と表現するか?

もう一度言う。魔王サーゼクス・ルシファーと云う存在は、この世から消え失せた。

その魂は天に召される事も地獄に堕ちる事も無く、輪廻転生の輪に組み込まれる事も無ければ、逝く場所を求めて彷徨う事も無い。

完全な消失…『無』だ。」

「「「「「「???!」」」」」」

サトルの台詞にリアス達は信じられない顔をするが、サトルの心境も実は似た感じだ。

何度も魔力攻撃を掻き消し、それを『絶対魔法防御』と言ってきた。

…にも拘わらず、自身を魔力に換えての特攻(カミカゼ)からの自滅…消滅だ。

恐らくサーゼクスは、自分の魔力量(こうげきりょく)ならサトルの魔法防御を突破してダメージを与えられる、そして自分の属性は"滅び"。

攻撃が通れば、その対象は消滅…消し飛んでしまう。

故に絶対勝利を脳内に描いていたのだろう。

しかし、サトルの それは『()()魔法防御』。

それが魔力、或いは光力である限り完全に無効化(キャンセル)、その魔力を霧散させてしまう。

その結果が、魔王サーゼクス・ルシファーという存在の消滅である。

この結末は、サトルからしても御都合展開的に想定外だった。

 

「まあ、理解や納得出来ないなら、それで良いさ。

どうせ後は魔王レヴィアタンの首を落とせば、それで終わりだ。」

「「「「「!!?」」」」」

そして再び魔剣グラムを取り出し、魔王に その切っ先を向けるサトル。

 

パン、パン、パン…

 

「は~いはい、サっトル君、少~しだけ待とうか?」

「……………………………。

相変わらず神出鬼没(いきなり)っスね?」

其処に柏手の音と共に突如 現れたのは【日本神話】の主神、天照大神だった。

 

▼▼▼

翌朝。

 

「ジェ〇ンニが一晩で やってくれました。…と。」

普通に その場に建つ木造校舎を見て、サトルが一言呟く。

サトルが破壊した旧校舎やセラフォルーによる氷結は、アマテラスが連れてきた御供達が一晩で元通りに修復(なお)していた。

 

≫≫≫

「どうしたんだろ…ギャスパー君、今日も休みかしら?」

「「「………………………。」」」

1-Eの教室では、何時もは1番2番で教室に入ってくるギャスパー・ヴラディが、予鈴直前にも拘わらず、未だ姿を見せず。

この日で3日連続の無断欠席。

当然、これはギャスパーだけで無く、リアス・グレモリー率いるオカルト研究部一同が…であるが。

 

「もしかして、木暮先生も今日も休みかしら?」

そして無断で学園に来ていないのは、リアス達だけで無い。

学園教職員も何人かが この数日 無断欠勤しており、連絡が着かない状態なのだ。

サトル達のクラス担任教諭も その1人で、その共通点は1つ、その正体が悪魔…或いは悪魔社会と何らかの係わりを持っている者だと云う事。

事情を知っているサトル、白音、カルマは心配そうにしているクラスメートを黙って見ているだけだ。

学園にて蛇蝎の如く嫌われている兵藤を除けば、人気者揃いのオカルト研究部。

昼休み時には、彼女達が またも登校していないと云う報せに、生徒達の間で『何かの事件事故に巻き込まれた?』…等な、大なり小なりの混乱が起きている。

オカ研部員で唯一、家族と一緒に暮らしている兵藤に至っては既に、『息子が数日、連絡無しに帰ってこない』と両親が警察に捜索願いを出していた。

因みに、ソーナ・シトリー率いる生徒会は、亡命前に きちんと全員が退学届を出している。

生徒会役員全員が同時に学園を去ったのも それなりに騒ぎになったが、オカ研一同、並びに複数の教諭の失踪に、話題を持って行かれる形になっていた。

 

キーンコーンカーンコーン…

 

ガラッ…

 

そしてチャイムと共に教室の扉が開き、入ってきたのはE組担任教諭で無く、担任クラスを持っていない別の教諭だった。

これが、10月最後の金曜日の話である。

 

▼▼▼

その日の夜。

 

「「「「「「「「「「ぎゃーっはっはっはっはっはっは~ぃ!!」」」」」」」」」」

とある有名チェーン焼肉店は、大きく賑わっていた。

『聖書』との戦に勝利した、【日本神話】の祝勝会である。

当然、全ての関係者が参加してる訳では無いが、それでも店内の全ての席を予約貸切状態の中、黒スーツでは無く私服姿の『NIN=JA』達や一部の高天原の"神々"(人型に擬装)が、

「何、遠慮してるにゃ?

ニートもトビオも もっと食べるにゃ!」

「そうですよ、今回はアナタ達の歓迎会も兼ねているんですよ?

ガンガン注文しましょう。」

「ぉ、応…それじゃ、タン塩と骨付きカルビを…」

「出来れば、その発音で名前を呼ぶのは止めて欲しいのだが…豚トロと海鮮盛りを。」

そして、堕天使組織から引き抜かれた日本人達による宴が繰り広げられていた。

4人用ブロック席に着いている猫姉妹と同席しているのは、そのグリゴリから移籍してきた新入り『NIN=JA』の2人。

因みに この時サトルは…

「とりあえずホルモンのタレと塩と味噌。

それからミノ、レバーにゼンマイ…で、良いですか?

あと、海鮮盛りに…それと、ウーロン茶。」

「すいません、オレンジジュースお願いします。それから野菜盛り。」

「生!ピッチャーでな!!」

「ジンロックよろしく~♪」

白音達とは肉の好みが異なるのか、蜷局、榊、松本と同じ席に着いていた。

 

▼▼▼

『♪モブキャラから主人公♪きらめく世界へ♪まいりましょう♪』

何処かのアイドルの様に振り付き、ノリノリで歌っているのは黒歌。

あれから約2時間半、焼肉屋で騒いでいた【日本神話】御一考は、その後は飲み直しと別の店へと繰り出す者や、家族 が恐いのか を待たせているのか、真っ直ぐに帰宅する者等、幾つかのグループに別れて散っていった。

そしてサトルも同年代者+αな数名で、カラオケBOXへと足を運んでいた。

 

『♪スウィティーっす♪スウィティーっす♪スウィティーっす♪ハーぁっト☆♪』

そして黒歌に代わって白音が歌っている中、

「…で、サっトル君?」

「はい?」

選曲をしているサトルに話し掛けてきたのは天照大神。

 

「今回でリアス・グレモリーの件も片付き、一応 任務は一通り終わりなんだけど?」

「まあ、そうなりますよね?」

アマテラスの問いに、サトルはジュースを啜りながら応じる。

サトル達が駒王町に来たのは、管理者を自称するリアス・グレモリーが、余りにも()()過ぎた為の…勝手な、或いは一方的な…フォローである。

サトルが冥界向けに挑発的なスレを立ち上げたのも、リアスに奮起・自覚を促すのが元々の目的だった。

…結局は効果は無かったが。

ついでに同時期、『天界から追放された、癒しの聖女の保護』や『赤龍帝の特定・確保』等、この地での追加任務(イベント)も有ったり。

尤も赤龍帝の件は、その存在感(オーラ)が脆弱過ぎた為に人物特定が難しく、結果的に堕天使、そして悪魔に先を越されて任務失敗になっていたが。

 

「…で、だ。この場で言うのもアレだけど、追加任務だ。

今後は正式に【日本神話】として引き続き、駒王町の警護を言い渡すよ。

千葉君を主任(リーダー)として、キミ、白音ちゃん黒歌ちゃん、かるま君…

その他にも何人か、この町に入って貰うから。」

「どーせ拒否権は無いんでしょ?w」

「はっはっは♪

詳しくは週明け、月曜日に話すから。」

アマテラスの言葉に、苦笑しながら答えるサトル。

自称・管理者(笑)の悪魔(リアス・グレモリー)が去り、はぐれ悪魔を基とする『招かれざる客』を追い払う役目が本当に不在の状況となり、それを本当の管理者である【日本神話】が担う事になっただけ。

任務の名目が、『駄肉姫の尻拭い』から『駒王町警備』に変わるだけで、その内容は殆んど変わらない。

一応 駒王学園入学は、普通に入試を受けての…それこそ その為に白音共々に猛勉強の末の合格な…事だったので、今更 余所の地へ移動は寧ろ勘弁して欲しいと云うのが本音だった。

 

『♪打ち上げ花火♪夜空バギー玉BOOM♪ぎゃーぎゃー わめいて盛り上がれ♪お宝さがし いただくぜ、チャリーン!♪』

「了~っ解ですよ。」

「はい。」

「了解だにゃ。」

「学校は普通に通うんですよね~?」

顔全体に化粧(ペイント)を施した大柄筋肉質な神が熱唱する中、サトルも正式に、一緒に話を聞いていた白音に黒歌、カルマと共に、その新しい任務を受諾するのだった。

 

「よし、アーシアちゃん、次は僕達も歌うぜ♪」

「え?ぇぇえっ??!」

 

▼▼▼

そして翌週、月曜日の朝。

 

ざわざわざわざわ…

 

この日、駒王学園にて緊急の全校集会が執り行われた。

 

「…皆さん、初めまして。

私は先日、諸事情で急遽この学園を去った漆原才治氏に代わり、本日より学園理事長を務める事になりました…

 

 




①「セラフォルーやリアス、どうなった?」…は、次話にて。
 
②前書きでも書いたけど作者、今回の為にアイ〇スを調べまくりです(予備知識皆無:笑)
高橋さんと竹達さん両名が演じていただけ奇跡。
最初は この2人のデュオにしたかったけど、曲が見付からなかった…
 
③最初は『整備員の詩』にしようと思ってたけど、(作者的に)もっと面白いのを見付けてしまった…www
 
④ラスト登場の理事長が誰か分かった(読めた)人は、上級読者。
因みに今回 名前だけ出た、千葉さんじゃないです。
 
⑤この世界では、新型コロナの蔓延等は在りません。
 
 
  
感想よろしくです。
  


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駒王の新体制

 
新登場人物紹介回です。
それと、久し振りにアンケート。
 


「…皆さん、初めまして。

私は先日、諸事情で急遽この学園を去った漆原才治氏に代わり、本日より学園理事長を務める事になりました、浅野學峯と申します。」

壇上で新しい学園理事長を名乗る30半ばの男に、生徒達は どよめき立つ。

この浅野の横で整列している10数名が、先週から姿を消した教諭の代行なのは察する事が出来たが、まさか学園のトップまでが、その様になっていたのは初耳だった。

 

「(ボソ…)カルマ、あの人 知ってる?」

「(ボソ…)い~や、()()は知らない人。」

そんな浅野を見て、サトルとカルマが小声で話す。

学園内の悪魔関係者を【日本神話】が次々と始末した後、表から裏から手を回し、その補充要員を宛がうのは聞いていた。

この漆原才治(サーゼクス・ルシファー)に代わり理事長になる男は、多少は『裏』の事情を知っている…【日本神話】と何らかの関わりは有るが、一応は一般人の様だった。

 

≫≫≫

「…そして此方の方々は、もう皆さんも気付いていると思いますが、やはり諸事情で学園を去る事になりました先生方に代わり、本日より皆さんの教鞭を取る…」

そして浅野新理事長は一通り、今後の学園に対する自身の方針等を語ると、次は自分の傍らに立っている、新しい教諭達を紹介していく。

 

「先ずは、木暮先生に代わり、1年E組の担任となる…

 

▼▼▼

全校集会が終わり、1-Eの教室では、白髪白髭の男に生徒達が注目していた。

一見 見た目は定年間近な老人だが、背広の上からでもハッキリと分かるガッシリした身体、そして猛禽類を思わせる鋭い目差しの長身の男だ。

 

「え~、皆さん、改めて初めまして。

先程も理事長先生に紹介されましたが、今日より皆さんのクラスの担任をさせて戴く、千葉滋です。

よろしく お願いします。」

「「「………………。」」」

低い声、丁寧な口調で話す千葉に、サトル、白音、カルマは何とも言えない表情を浮かべる。

浅野理事長と違い、此方の新しい担任教諭は知っている人物だった。

千葉滋。

現役『NIN=JA』の中では古参の部類に入る男である。

  

「千葉さんが纏め役として駒王町(こっち)に来るのは この前に聞かされてたけど、先生って…しかも俺達の担任ってのは聞いてなかったぞ?」

「…アマテラス様、絶対に知ってて わざと黙ってました。」

「てゆーか、担任てのが絶対、あのヒトの仕込みだよね~?♪」

 

≫≫≫

 

キーン コーン…

 

「よーし、弁当(メシ)の時間だ。

白音、行こーか。」

「待てぃっ!」

 

グィッ!

 

「くびぃっ?!」

そして この日、4時限目が終わり、何時もの如く白音と共に昼食にと、 そして食後の大運動会へと 校舎屋上に繰り出そうとした時、そのサトルの襟首を後ろから引っ張り止める男が。

 

「な…何しやがる麝彦!」

「いや、朝に言ったろ?

昼休みに先輩が お前等を訪ねてくるから、今日は教室に居ろって。」

「「あ…」」

「忘れてたのかよ…」

林麝彦。

サトルのクラスメートであり、風紀委員である。

 

 

「ふっ、ふふふ…風紀委員が一体、何の用なのでしょうか?

も、もしかして、毎日 屋上で えっちしてたのがバレたとかかか??!」

「だ、大丈夫だ!

何時も結界は張っていたし、もし本当に そうだとしたら風紀委が出張るで無く、直接 生徒指導室に呼び出し食らって、散々とOHANASHIされた挙げ句、退学(クビ)になる筈だからなななな!」

 

 

≫≫≫

「ねーねー神代ぉ、風紀委員が直々に来るって、アンタ何やったの?」

「ななな…何も してねーしぃ??!」

「…何故に挙動(きょど)る?」

動揺しまくりなサトルがクラスメート数人と食事しながら話していた時、

 

ガラ…

 

「失礼しますよ…」

「「「「「「「「き…きゃぁあぁぁああ~っ!!(/▽\)♪」」」」」」」」

「「「「「「「「うぉおおぉぉぉぉ~っ!!」」」」」」」」

教室の扉が開く。

そして入ってきた4人の男女を見て、クラス内からは男女問わずの大歓声が。

3年の風紀委員会委員長、伊河昂司。

同じく3年、副委員長の水鏡飃。

2年の鶴嘴秀之に鈴鹿晶。

オカルト研究部には一歩退くが、それでも学園にて高い支持率(にんき)を持つ生徒達の登場に、教室内は大騒ぎとなった。

 

「はい!それで話ってのは何なのでしょうか、鈴鹿先輩!

…って、おら雪村、さっさと退きやがれ!

さささ、先輩、どうぞ此方の席に♡」

「神代ぉ~っ!?」

これはサトルも例外で無く、先程までの挙動不審は何処へやら、ミーハー全開で隣の席の女子を押し退け、訪ねてきた風紀委員で紅一点の美少女に着席を促す。

 

「テッメー神代!巫山戯てんなよ!」

「鈴鹿先輩から離れろ!」

「お前には東篠がいるだろーが!」

 

ブーブーブーブーブーブー!!

 

「るせー! それと これとは別問題だ!」

これにクラス男子の殆どと1部女子が、サトルに向けて大ブーイング。

しかしサトルには効果が無かった。

 

「そろそろ…話 始めて、良いかい?」

そんなカオスになりつつある空間を鎮めるべく、口を開いたのは風紀委員長の伊河だった。

 

「…林から聞いて知っていると思うが、支取達が いきなり学園を辞めた後、生徒会の仕事は今は風紀委員(オレたち)が務めている。」

「はい。」

「ジャッ君も『忙し過ぎる!(怒&涙)』って、ブーたれてましたから。」

「でも、もう直ぐ それも終わりですよね?

今は新しく会長に立候補した人達が、選挙活動してるじゃないですか?」

そうなのだ。

支取蒼奈ことソーナ・シトリーと その下僕達が【日本神話】に亡命する形で学園を去った事で、生徒会執行部は完全に不在に。

現在は学園からの要請で、風紀委員会が その業務を代行している形なのだ。

この週末に新しい生徒会長を決める選挙が行われるのは決まっており、今は それに立候補した生徒達による選挙活動(アピール)が繰り広げられていた。

 

「…でもな、今の立候補した奴等、誰が当選しても 余計に俺達の仕事が増えそうな気がしてな。」

「そうですか?

…確かに ()()()()()()ですが、他の2人は特に問題無いんじゃ?」

しかし風紀委員会からしたら、その立候補者達は全てが曲者らしく、余り歓迎していない様だった。

 

「…で、先輩?

結局それと俺達と、何の関係が?」

「率直に言おう。

俺達 風紀委員会が推薦するので神代君と東條さん。

君達も生徒会選挙に、立候補してみないk

「ごめんなさい。」

「丁重に お断りします。m(_ _)m 」

「早っ!?」

この伊灘の申し出をサトル達は即答。

 

「唐突過ぎますよ…ってか、何で俺達なんですか?」

屋上での不純異性行為がバレた訳では無いと知り、落ち着きを取り戻りしたサトルが、風紀委員長に質問する。

 

土曜日(おとつい)の夜、支取と連絡が繋がってな。

その時に生徒会の話をしたら、アイツが神代君と東條さんを推薦してきたんだ。」

「はぁあっ???!」

「にゃぁあっ??!」

 

≫≫≫

「麝ぁっ彦お~っ!

テっメー!この話、知ってて黙っていたな!?」

「そうですよジャッ君。最初から知っていたら、私達は逃げてました。

生徒会とか、そーゆー面倒なのは勘弁して欲しいです。」

結局サトルと白音は、風紀委員からの話を断る事に。

そして伊河達が教室を去った後、クラスメートの風紀委員に詰め寄るサトルと白音。

 

「だから黙ってたんだよ。

てゆーか、俺は お前等が支取先輩から推薦受ける程、付き合いが有るってのに驚いたよ。」

「ま、まぁ、それは…」

「色々と、有るんです…」

「???」

【日本神話】所属者と悪魔としては兎も角、駒王の生徒としては4月の兵藤への暴行事件で、少しだけ接点が有るだけ。

真実を言う訳には往かない2人は、明後日の方向に視線を反らし、言葉を濁すのだった。

 

≫≫≫

「全く…これはアレですよ。

サト君が例のスレでソーナさんを失礼極まり無いハンネで固定したから、その仕返しの意味の嫌がらせですね。」

「…だったら お前はアレか。

そのスレで生徒会長さん…今は もう違うか。

あの人を『無乳』呼ばわりしたからだな。

流石にアレは、酷いと思うぞ?」

「あ、アレは別に、そーゆー意味じゃないんです!本当です!」

その後、残り時間僅かとなった昼休み、()()()()()()は諦め、購買部で買ったジュースを飲みながら廊下を歩くバカップル。

そんな2人に掲示板に張られている、生徒会立候補者3人のポスターが目に止まった。

 

「「…………………。」」

1人はサトル達と同じ1年生で、その1年とは思えない文武両道な能力と行動力、そして生来よりのカリスマで、1年生でありながら、全学年の生徒から、高い支持を得ていた。

1人は2年生で、前年度、つまりソーナの前の代の生徒会長の妹。

その姉は当時 男女共学となったばかりの学園にて男子生徒に余り良い感情を持っておらず、学園内での男子の完全監視体制を謳っていた。

この妹も その考えを引き継いでおり、それを全面にアピールしている形だ。

当然、これは男子からの支持は皆無で、女子からの評判も芳しいとは言えず。

1人は同じく2年で、やはり文武両道にして優れた行動力の持ち主。

そして天性の陽性なキャラクターとカリスマで、やはり男女を問わず高い支持を得ている。

 

【『学園生活は退屈か?ならば この私が劇的に してやろう!』:黒神めだか】

 

【『さあ、一緒に(サル)共を監視しましょう』:栗原千代】

 

【『わたしにします? わたしにします? それとも、わ・た・し?♡』:更識楯無】

 

「「…………………………。」」

その それぞれの謳い文句が記された顔写真付きポスターを見て、微妙な顔を浮かべる2人。

 

「実は俺、黒神と更識先輩から、当選した後の生徒会に誘われてたんだよな~。

…両方共、断ったけど。」

「…奇遇ですね。

実は私も、更識先輩から誘われていました。」

やはり その行為の是非は別として、女の敵である兵藤(へんたい)を血祭りに上げた英雄や学園マスコットの存在は、それなりに()になる様だった。

 

▼▼▼

その日の夜。

学園旧校舎の1室に灯りが点る。

 

「この旧校舎は、私が浅野理事長から管理・責任の全てを任されました。

常時 人払いの結界を張っておりますから、一般人は立ち入る事は有りません。

今までは悪魔が拠点としていましたが、今後は学園内での【日本神話(われわれ)】の拠点となります。」

「…てゆーか、サトル君が破壊した後に建て直したんだから、()校舎と呼ぶのは どうなのかな~?♪」

「まぁ、古っぽさも再現してるし?

()校舎とは言えないだろ。」

「…だとしても()()()()も、此処まで忠実に再現する必要は無かったと思います。」

其処で会話しているのはサトル、白音、カルマ、そして千葉。

 

ヴォ…

 

そんな中、この教室に複数の転移魔方陣が浮かび上がる。

 

「な…何なのだ?

この、何とも悪趣味と言うか、マニアックな部屋は?」

そして一番最初に現れた少女が開口一番、どん引きな顔で、この一室の感想を述べた。

 

「やっぱりラウラも、そう思うよね~?♪」

この眼帯で左眼を隠している、長い銀髪の少女にカルマが同意と話し掛ける。

 

「うわぁ~…」

「にゃ~…」

「……………………………。」

その後も転移で姿を見せた面々も、その部屋に対してはリアクションに困っている様子だ。

 

「やぁ、皆 揃ってr…って、何だか凄いなぁ、この部屋!?」

そして最後に、アマテラスも登場。

【日本神話】の主神も、この()()()()()()()()()()は特異に見えた様だった。

 

「これは浅野君に頼んで、普通な教室にリフォームして貰おう。」

 

≫≫≫

「…それじゃ、僕からの説明は、こんな感じかな?」

「「「「「「「「………。」」」」」」」」

アマテラスの言葉に、彼女が選抜した、リアス・グレモリーに代わり、【日本神話】として駒王町の警護の任務に就いた者達が無言で頷く。

千葉をリーダーとして、サトル、白音、黒歌、カルマ。

才橋雀も その中に居る。

 

「ラウラちゃんは、学園の生徒には ならなかったのですね。」

「私は既に、博士号を修得しているからな。

今更 学生をする必要は無い。」

そしてドイツ人ながら『NIN=JA』の一員である少女、ラウラ・ボーデヴィッヒ。

年齢はサトル達と同じだが、彼女は もう学歴は必要無いからと、学園入りは していなかった。

 

「……………………。」

「無口ですね?」

「…多祥なりコミュ症の自覚は、有る。」

更には堕天使組織"神の子を見張る者(グリゴリ)"から【日本神話】に移籍した古杜新都。

さしあたり この8人が今後、駒王町の管理を執り仕切っていくメンバーだ。

 

≫≫≫

「…でも、千葉さ…千葉先生が、教師として学園に入る必要って、有ったのですか?」

「いえ、色々と入り用が有るのですよ。

これなら『NIN=JA』とは別口で、学園からも給与が支払われますから。」

白音の素朴な?疑問に、千葉は やや俗な応え。

 

「まぁ、千葉君は仕方無いよね?

本当に入り用だから。」

これにフォローを入れるのはアマテラス。

 

「千葉君、今度 結婚するからね~。

色々とお金は必要なんだよ。

因みに お嫁さんは何と20歳前!

親娘処か お祖父ちゃんと孫娘な程の歳の差だぜ!

しかも金髪の外国人美少女!

そんな娘に毎晩、何処かの魔王みたいにメイドさんプレイを強要してるんだぜ♪」

…それはフォローと言えるかは、少し疑問だった。

 

「「「「「「「……………。」」」」」」」

 

ガサゴソ…

 

「すいません皆さん…

そのスマホを、仕舞っては くれませんか?」

 

 




 

浅野學峯…浅野學峯(暗殺教室)
千葉滋…セバス・チャン(オーバーロード)
ラウラ・ボーデヴィッヒ…ラウラちゃん(IS)
黒神めだか…めだかちゃん(めだかボックス)
栗原千代…千代ちゃん(監獄学園)
更識楯無…楯無ちゃん(IS)
 
…のイメージで。
因みにラウラたん、初登場は80話だったりします。
  
②すいません…
『魔王熟女達どうなった?』…は、次話以降で。
 
③もしもし、ポリスメン?www
 
  
感想、それと前書きでも触れましたが、アンケートよろしくです。
 


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終末②

 
伏線回収話。
そして久し振りの?掲示板ネタ
 


▼▼▼

「(ば、馬鹿な…こんな事が…?!)」

「(ははは…君も驚いたみたいだね?)」

「(俺、かなりパワーアップしたばかりなんですけどっ!?)」

「(ぐぎぎ…)」

「(ご…5人掛かりでも これか…)」

 

高天原。

広大な平原で、5人の若者が念話で会話していた。

 

「ふん、まだまだ修行が足りぬな。」

「「「「「(………………。)」」」」」

そんな彼等に、旧日本軍将校の軍服を着た男が したり顔で話し掛ける。

この男の名は加藤九策。

マアリ・デカラビアの僧侶(ビショップ)であり、彼に【日本神話】の恐ろしさを伝え、亡命を決意させた転生悪魔だ。

この加藤が操る超能力(サイキック)…魔力や闘氣とは また違うパワーに、若者…サトル達は圧倒されていた。

 

「(…クッソ!今日は兄貴も居るし、イケると思ったのに!!)」

「(加藤さん、マジ パないよね…)」

因みにサトル達が()()で話しているのは、この5人、今は仲良く()()()()()()()()()()()()()、普通の会話が出来ない状態なのだ。

 

「う…何とも素晴らs…いや、恐ろしい光景なのだ?!

私も あの攻撃を受けたと思うと…

ハァハァ…(*゚∀゚)=3」

そして この()()()()が並ぶ画を見て、一体 何をイメージしたのか、顔を赤らめ息を荒げる金髪ポニーテールの少女が約1名。

 

≫≫≫

「くっ、俺も本当に まだまだ修行が足りん…」

下僕達に地中から引っ張り出してもらった後も、地面に両手両膝を着き項垂れているのはサイラオーグ・バアル。

 

 

『何を好き勝手に言ってるんだ?

この場に のこのこ やってきた時点で…

兄貴が俺とバトり始めた時点で、お前等全員、地獄逝きが決定していたんだよ!!』

 

 

…彼は冥界でのサトルとの戦闘で、その台詞通りに眷属達と一緒に『日本地獄』へ()()()()させられ、現地で…サトルが「こんな事も有ろうかと!」と、事前に地獄関係者に根回しており…獄卒達に捕らわれ軟禁状態に。

その時、獄卒達に痛めつけられる亡者の群れの中に、2人の魔王を含む多数の悪魔貴族の姿を見て、この度の戦の結末を改めて確信。

そして この地獄逝きを知ったソーナ、ディオドラ、ライザーの説得により、【日本神話】に降る事を決意。

アマテラス自身が例のスレでの兄貴(サイラオーグ)漢気(キャラクター)を気に入っていたのも幸いして、今はソーナ達同様な亡命扱いで高天原に腰を据えていた。

 

「それにしても これ程の者が…これ程の者を従える者が、野心や功名心を持たず、力を隠していたというのか?!」

「それは俺も、思ってたよ。」

そして加藤、更には その主であるデカラビア伯爵が、冥界にて殆ど その力を示さなかった事に、驚きを隠せなかった。

この僧侶(ビショップ)の戦闘力から推測するに、(キング)も魔王クラスの実力を有しているのは想像に難しくない。

昔、旧魔王の血族を冥界の辺境へ追いやった内乱時に その力を振るっていれば、四大魔王の内の1人になっていても不思議は無いと考える。

しかし その戦の時も、そして後のレーティング・ゲーム等の公の場でも、その力を披露する事が無かったのだった。

 

「我が主が言うには、『領地の統治で一杯一杯。ぶっちゃけ政、面倒い。目立つの嫌い。それからリア充〇ね!』…だそうだ。」

…兎に角この日の、サトル、ディオドラ、ライザー、匙、サイラオーグの鍛練の〆の模擬戦は、全員轟沈の形で終了。

駒王学園…いや、駒王町での新体制がスタートした、最初の土曜日の事だった。

 

▼▼▼

「な・な・な・な…?!」

場所は移り、高天原の大神殿。

 

「ん~?? スサノオ君は、何をそんなに驚いているのかな?」

天照大神を訪ねた素戔嗚尊(スサノオ)は、その傍に居る人物に色々な意味で驚いていた。

侍女兼弟子 兼恋人 の、金髪美少女の事では無い。

 

「ん? 何をそんなに驚いているのだ?

先の戦、魔王相手に舐めプの末、主神である姉から御褒美処か散々とOHANASHIされ、『姉ちゃんに怒られた』と最高にorzって1週間、天岩戸(あまのいわと)に引き籠っていた荒神よ?」

「喧しいわっ!

大体それは、貴様が無駄に粘ったからだろうが!!」

「フハハハハハハハハハ!

羞恥と憤慨の悪感情、美味であーる!」

其処には自分が斃した筈の男…タキシードに白黒ハーフ&ハーフの仮面を着けた悪魔が、アマテラス並びにアーシアと午後のティータイムをしていたのだ。

 

「そもそも、何故 貴様が此処に居る?

ってゆーか、何故 生きている?!!」

この白黒仮面の悪魔…魔王セラフォルー・レヴィアタンの下僕だった筈のバ=ニルを、黒仮面の神が問い質す。

 

「ふむ。確かに吾が輩、貴様との戦闘で命を落とした。

しかし吾が輩、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)で転生する前から、冥界では無く()()の悪魔!

魔界の悪魔にとって『死』とは、()()が1つ減る事に過ぎぬのだよ。

そして魔界の悪魔は、残機が全て無くなる迄、本当に滅びたりは しないのだ。」

「シューティングゲームか!?」

「1度 死んだ事により、魔王との主従関係も無効化となり、今は転生悪魔では無く、既に冥界との繋がりは無い。…これを見よ!」

「な?!」

バ=ニルは それについて説明し、己の仮面の額部分を指差す。

其処には小さく、『Ⅱ』の文字が記されていた。

 

「つまり吾が輩、貴様が戦った悪魔とは、ある意味 別人でも有るのだよ。」

「それでバ=ニル君が此の場に居る理由だけど、単純に その辺りの説明の為に?お客さんとして訪ねてきたので、もてなしてるだけだよ。」

 

▼▼▼

 

 

※※※

 

◆スレ主◆

ガルーダ・スレ復活!

コメント解禁します!!

 

◇名無しの悪魔◇

おお!

 

◇名無しの悪魔◇

待ってました!

 

◇名無しの悪魔◇

おかえり!

 

◇名無しの悪魔◇

で、早速だけど何がどうなってるか、説明ぷりーず

 

◇名無しの悪魔◇

冥界は報道機関各局の発表がバラバラで、どれがホントの事だかワケワカメ

 

◇名無しの悪魔◇

さあ、私達に真実を語るのです。

 

◆スレ主◆

はいよ。

 

・ここの常連のセイジョ、子安さん、ひんぬーさん、兄貴は眷属の皆さんと一緒に日本神話に亡命。

マアリ・デカラビア伯爵に至っては、領地領民毎、高天原に引っ越しだ。

・べリアル家も日本神話に投降。

・フェレス家と その関係者は各地で存命。

ローゼンクロイツと その関係者は、ある意味 実家になるのかな?

イギリスの某魔術師ギルドに身を寄せているそうだ。

…この辺りは上で何か話し合いしたらしく、詳しくは知らん。

・その他 貴族は全滅?

一部は攻めてきた神様に降伏して、助かったのも居るみたいだけど。

・魔王もセラフォルー・レヴィアタン以外は全員死亡。

その魔法熟女も現在、駄肉姫や その眷属達と一緒に〇〇〇〇〇〇(具体的には言えない場所)に幽閉中。

 

…とりあえずは、こんな感じ?

 

◇名無しの悪魔◇

圧倒的じゃないか…

 

◇名無しの悪魔◇

魔王様3人が既に死亡してるのか…

 

◆スレ主◆

ん。後はセラフォルー・レヴィアタンを処刑すれば一段落なんだけど、それについて此方で少し揉めてるんだ。

 

◇名無しの悪魔◇

え?まさか「死刑は やり過ぎ」とか言ってる人…ぃゃ、神か。…が居るとか?

 

◇名無しのアマテラスさん◇

いやいや違うよ。

リリス、ルシファード、リヴァイアス、シトリー…どの都市で公開処刑を行うかで、意見が割れてるんだよ。

何処でするかが、一番 皮肉が効くかってね。

 

◆スレ主◆

くだらねーよな(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

処刑そのものは、決定なのですね…

 

◇名無しのアマテラスさん◇

ま・あ・ね♪

それより問題は その後だよ。

僕達は別に、冥界を侵略支配する心算は無いんだ。

貴族さえ潰せば、今後は僕達や他の神話勢力にケンカ売るバカは居なくなるだろうからね。

今まで悪魔社会を支配していた老害は全て殺した。

はっきり言って、生き残った僅かな貴族だけじゃ とてもじゃないが、政治を全て進めていくのは無理だろう。

故に これからは平民が、冥界を動かしていく事になる。

無責任と思われようが、僕達は それに、口も手も出さない。

今後、発展していくか衰退して滅ぶかは、君達次第って事だ。

ただし、情報が混乱してる様だから、とりあえずはメディア関係だけは、掌握しておいた方が良いみたいだね。

 

◇名無しの悪魔◇

本当に無責任だ…

 

◇名無しのアマテラスさん◇

これが領土目的の侵略戦争だったら、後処理も確としてたさ。

でも ぶっちゃけ、魔王のブーメラン発言と逆ギレが発端てか原因だからねー。

魔王1人位を残して、責任者として後始末を全て押し付けても良かったけど、その残った1人が今回の元凶だから。

あの自称魔法少女(笑)だけは確実、そして残酷残虐に殺さないと身内にも示しが付かないし、他の勢力も納得しない。

君達平民悪魔は知らない事だろうけど、『聖書』は それだけ、他の神話から嫌われてるんだ。

これも全部、悪魔貴族と天界連中が悪い。

 

◇名無しの悪魔◇

堕天使は?

 

◇名無しのアマテラスさん◇

堕天使はアザゼル君が…此処では「BSADB★総督(笑)」だったか(笑)。

…が、前から余所に和平路線を提案していたんだ。

だから堕天使だけは、悪魔や天界と比べて、それほど評判も悪くない。

 

◇名無しの悪魔◇

BSADB★総督(笑)ーっ!

 

 

※※※

 

▼▼▼

 

※※※

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

そんな訳で、後は残った魔王を始末したら、終わりだよ。

 

◇名無しの天上天下唯我独尊◇

ふむ。結局カラス共は、自領に引き籠らせて終わりか?

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

まあね。

何処かの下半神達が、『赦してやってくれ』って言ってきたんだよね。

 

◇名無しの主神様(ギリシャ)◇

誰が下半神じゃ?!

 

◇名無しの主神様(北欧)◇

ゼウ子は兎も角、儂まで下半神呼ばわりは心外じゃぞ!?

 

◇名無しの冥王◇

いや、ゼウ子にオーディンよ…

其処は黙ってる処だろ

 

◇名無しの主神様(ギリシャ)◇

誰がゼウ子じゃ?!

 

◇名無しの冥王◇

ヘラ姉に性転換銃を撃たれたって聞いたぞ?

 

◇名無しの神様◇

www

 

◇名無しの神様◇

ゼウ子www

 

◇名無しの神様◇

【吉報】下半神(ギリシャ)、嫁に浮気がバレて制裁喰らった件www

 

◇名無しの戦女神◇

父様…さいてー(¬_¬)

 

◇名無しの主神様(ギリシャ)◇

待て、誤解じゃ!

 

◇世界樹3姉妹・長女◇

いや、ゼウ子あなた この前の神会の時、私の胸元 視姦していたじゃない。

だから私がヘラにチクったのよ。

 

◇名無しのウヅメたん◇

私もガン見されたわ

 

◇名無しの愛と豊饒女神(メソポタニア)◇

あら、貴女達も?

だからヘラに「アンタの旦那、どうにかしろ」って文句言ってやった

 

◇名無しの神様◇

ぎるてぃ(笑)

 

◇名無しの神様◇

こりゃ仕方無いwww

 

◇名無しの主神様(ギリシャ)◇

お主達が原因かいーーーーーーーっ!!?

 

◇名無しの三面六臂◇

いや、どう考えても原因はアンタだろwww

 

◇名無しのインドラ◇

まあ お前等3柱共、あの時は揃って胸元ぱっくり開いたドレス着てたのも問題あるちゃあるGA…

まあ、それでも明ら様な凝視は頂けんがNA!

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

アザゼル君から没収→プレゼントしたアイテムが、早速 役に立ってるみたいだね。(笑)

 

◇名無しの天上天下唯我独尊◇

全く…色に走るのを完全に否定したりはしませんが、もう少し節度を弁えるべきですよ。

オーディン、貴方もですよ。

 

◇名無しの主神様(北欧)◇

ほっとけ!

 

◇名無しの破壊神(インド)◇

ところで、仏陀よ?

オメー、目が見えないのに、どうやって掲示板見たり書き込みしてる訳?

お前が目を開けたら、周りが大爆裂じゃなかったか?

 

◇名無しの神様◇

そう言えば…?

 

◇名無しの天上天下唯我独尊◇

それなら心配無用ですよ。

眼を開ける前に耳栓をして、聴覚を封じていますから。

 

◇名無しのインドラ◇

それ、アリなのかYO?!www

 

◇名無しの天上天下唯我独尊◇

五感…正確には、八感全開していなければ、大丈夫なのです。

 

◇名無しの主神様(北欧)◇

うーむ、それにしても、悪魔の貴族社会も いよいよ終わりか…

 

◇名無しの神様◇

何だ?何か想う所が有るのか?北欧下半神?

 

◇名無しの主神様(北欧)◇

その呼び名は止めれい!

儂は実は、悪魔共のレーティング・ゲームが好きだったのでのう。

しかし それも もう、観る事が出来ぬとなると…とか、考えていたんじゃよ。

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

それなら今後は自分の処の英雄とかにチームを組ませて戦わせるとか、北欧でプロデュースすれば良いじゃん?

…て、レーティング・ゲーム?

 

◇名無しの神様◇

どした?

 

◇名無しの主神様(JAPAN)◇

いや、魔王の処刑だけど、凄く悪趣味な演出(おもしろいイベント)を思い付いただけさ♡

 




 
加藤九策…加藤憲保(帝都対戦)のイメージで
 
次回『堕天使の今後』(予定)
乞う御期待!
 
感想よろしくです。


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堕天使の皆さん、日本全土に繰り出す

 
今回は完全な閑話回です。
 


堕天使は【日本神話】から かなり厳しい誓約を強いられていた。

先ずは鎖国の強要。

そして神器(セイクリッド・ギア)を基とする神具・魔道具や その他、科学並びに化学兵器等の研究・開発の全てを禁止させられ、今までの研究データや開発した兵器・アイテム等の全てを没収。

これにグリゴリの技術開発班…特にMADで定評のある者達は大反発必至だったが、これは総督アザゼルの「俺なんか組織関係無く個人的に作ってた合体変型巨大ロボのデータも全部、作りかけの機体と一緒に持っていかれたんだからな!(泣)」…という涙混じりな必死の説得?で収束した。

尚、この時に その合体変型巨大ロボとやらの開発予算の出所を、鬼がかった形相の堕天使副総督に問い詰められたのは、また別の話である。

しかし反面、誓約には緩い部分も在った。

例えば…

 

「よっ、爺ぃ共!久し振りだな!」

「おう、お主も色々と大変じゃったのぅ。」

「アァーザーゼール~ゥウっっ!!

貴様、あ~んな性転換銃(とんでもないもの)なんぞ作りおって!

お陰で儂は、儂はなあっ!!」

「落ち着かんか、ゼウ子www」

「その呼び方は止めれぃ!

もう元に戻っとるわい!」

「ギャハハハ!

そりゃ大変だったな。

まさか俺も、あんな洒落(ギャグ)で作った物まで没収されるとは思わなかったからな!

まあ、お詫びに今日は また、良い店 連れてってやるからよ!」

例えば…鎖国の強要と言ったが、それが個だろうが組織だろうが、軍事や商用的で無く純粋な観光・遊覧等が目的ならば、日本(ちじょう)の出入りは事前報告を条件に、特に制限をしていなかった。

そう、組織の慰安旅行(2泊3日)を名目に、一度に何人の堕天使が日の本の地を踏み入れようが、一応は何の問題も無かった。

サトルが高天原でサイラオーグ達と一緒に、手合わせ…模擬戦で仲良く犬神家になっていた日の朝、アザゼル率いる堕天使一行は多数のグループに別れ、全国各地の旅館にチェックイン。

各々が日本の観光を満喫していた。

 

「アザ坊よ…この前の おっパブ、【日本神話】がバックだったみたいじゃぞ…」

「マジ?!」

「神スレで思いっきり曝されたわ!」

「おいおい、客の…しかも その()の店での情報バラすって、そりゃ訴えても良かったんじゃねーのか?」

「「普通に棄却されたわい…」」

因みに堕天使総督殿は、とある神話勢力の主神2柱と待ち合わせ。

()()()へと繰り出す予定を立てていた。

 

「そんな訳で今回は儂等が、既に店をチョイスしておいたわ!」

「とりあえずは午前中(このじかん)から既にオープンしておる、ナイスな店じゃ!」

「へっ!やるじゃねーか!

よーし!今日は俺の奢りだ!

それで【日本神話】や余所の神話にフォローしてくれた分は、チャラだからな!」

「れっつごーっ!」

「今日は1日ひゃっはーじゃ!」

…尚、この3名が揚々と入った お店も実は、裏側で【日本神話】の芸と舞の神 天宇受売神(アマノウヅメノカミ)が経営している店であったりした。

更には そうとは知らずに その店で調子に乗って「ひゃっはー!」し過ぎて怖い お兄さん達に店の事務所に連れられOHANASHIされたり。

その後その一部始終をまたしても神スレで盛大に曝されたり。

そして オリュンポス 某神話の主神が、正妻神(ヘラ)から制裁を喰らったりするのは、また別の話である。

 

▼▼▼

「予定以上に買っちゃったわね~♪」

「そうっスね。やっぱり…」

場所は変わり、とある街を歩いているのは、紫の髪にウサ耳カチューシャ、眼鏡を掻けエプロンドレスを身に着けた妙齢の女と金髪ゴスロリの少女。

堕天使のタバネルとミッテルトだ。

日本随一のサブカルチャーの聖地と云われる この街で、2人はコミックや 薄い本 アニメBR、ゲーム等を大量購入。

両手の紙袋に、中身一杯詰めて大満足していた。

 

「日本のォォォオッ!

サブカルチャーはァァァアっ!

世界一ィィィィイッ!!~っス!」

 

パチパチパチパチパチパチパチパチ…

 

「「「「よく言った!お嬢ちゃん!」」」」

「いぇい!…っス!」

普通なら街中でのシャウトは それなりに恥ずかしいものだが、生憎 此処は ヲタク サブカルチャーの街。

その台詞も()()として受け入れられ…更には日本文化大好きな外国人と思われたか(ある意味 間違っていない)、この金髪ゴスロリ美少女は周囲から喝采と賞賛を浴びるのだった。

 

≫≫≫

「…で、お昼どうする?

タバネルさん、お小遣い殆んど使い果たから、安い所が良いんだけど?」

「それはウチもっスよ~…

ん~、お昼ご飯、どうする…って?」

その後も街中を歩いていたタバネルとミッテルト。

もう直ぐ昼食時だが、この2人は その為の金も、先程までの買い物に考え無しに注ぎ込んだらしく、なるべく安く済ませよう等と話していた時、

()()、見つけたっス!」

ミッテルトが街中で、何かを発見。

 

「おーい、ニーぃトぉ~っ♪」

「!!?」

声を掛けた人物は長い金髪、長身の男。

約1週間前まではグリゴリに所属しており、現在は【日本神話】の特殊部隊『NIN=JA』に籍を置いている古杜新都だった。

今は任務外らしく、黒のスーツで無く私服である。

 

「げげっ?!

み、ミッテルト氏と、タバネル氏?

何故、日本に?」

「うわ…凄く嫌そうな顔…」

街中で いきなり声を掛けられ、動揺を隠さない古杜にタバネルが言うが、これは ある意味当たり前である。

グリゴリを抜けたばかりの彼からすれば堕天使は、今は最も会いたくない者達だろう。

しかも古杜の場合、アマテラスが堕天使を降した後で無く、その前に引き抜き(スカウト)に応じた形…給与や休日等の待遇を提示された上の鞍替えは、裏切りと言われても仕方無かったからだ。

 

「単なる観光っスよ。

だから何処か、美味しい(ところ)に連れて行くっスよ。

…で、その後に何処か面白い場所(ところ)に連れて行くっス。」

「俺は…忙しいのだが…」

「へ~? 今から帰ってゲームに勤しむのが、忙しいと言うのかしら?

説得力無いんだけど?」

「う…」

ミッテルトの要求に古杜は顔を渋めるが、タバネルの言う通り、古杜は両手に堕天使女子同様に、アニメBRやゲーム、美少女フィギュアが詰め込められた紙袋を握っていた。

事実、はっきり言って彼は今現在は暇だった。

 

「ニート~、やけに冷たくないっスか?

久し振りに会ったってのに!」

「そ、そんな心算は無いのだが…」

「じゃ、何なんスか!?

この前は相手してくれたじゃないっスか!

気分で扱い変えるっスか?!

遊びたい時だけ遊ぶ、都合の良い女扱いっスか??!

ウチよりも美少女フィギュア(そっちのおんな)のが大切っスか!??」

 

ざわざわざわざわざわ…( ¬_¬)

 

「ひ、人聞きの悪い言い方は止めてくれないかい!!?」

太陽が1日の中で最も高い位置に在る時間帯、往来激しい街中でのミッテルトの発言は、目立ってしまうには充分過ぎた。

周囲の者達からまるで…特に女性から汚物を見るかの様な目で注目される中、必死に弁明する古杜。

 

「仕方無い…とりあえず其処ら辺の店で何か食べた後、俺の家でゲームでm

「はぁあ?! ウチ達 今回、日本には旅行で来たんスよ!

それを知り合いの家でゲームって、アホっスか!?

…って、まさかニート、ウチ達を連れ込んだ後、無理矢理に…ぁゎゎ…」

「いや、それは無いからね!」

…結局 彼は夕暮れ時まで、この堕天使女子2人に連れ回され振り回されるのだった。

()()として。

 

「まあまあ、こんな美少女2人とデート出来たんだから、幸運と思わないと♪」

 

▼▼▼

「♪あぁ~ みずいろの雨ぇ~♪

♪私の肩を抱いて♪包んで降り続くの~ぉ~ぉ~ぉ~♪」

 

今回の堕天使の来日は、一応は慰安旅行の名目。

夜になると、堕天使達は各々が割り当てられた全国各地の宿泊施設に戻っていた。

そして此処、某市の旅館でも、宴会が始まっていた。

 

「お前、日中 何処行ってたよ?」

「…転移を多用して全国の温泉地を巡っていた。」

「オッサンだな…(笑)」

「温泉は…良い…

そう言う貴様は、どうなのだ?」

「フッ!日本各地の酒蔵巡りだ!

あ、お姉さん、芋ロックもう一杯。」

「貴様の方が、余程オッサンではないか!」

黒髪の堕天使少女がカラオケ熱唱している中、酒を飲みながら話しているのは幹部のコカビエルとイクラエル。

どうやら1日中 酒を飲み歩いていたらしいコカビエル。

更には この宴の場でも何杯もの酒を煽った堕天使は完全に()()()()()()おり、普段の青白い顔が、その瞳同様に赤く。

凶悪殺人者顔が割増になっていた。

 

「………………。」

「む? どうしたのだバラキエル?

料理も酒も全然、手を付けてないじゃないか?」

そんな賑やかな雰囲気の中、場違いな重苦しい空気をその身から放出しているは、堕天使幹部の1人バラキエル。

慎重な面持ちで何やら思い詰めている様であり、普段の堅物顔が割増になっていた。

 

「すまない。しかし俺は暢気に旅行等、そんな気分には とても なれないのだ。

そもそもアザゼルは、一体 何を考えているのだ?!

この時期に、日本に旅行だと!?」

「この時期…だからじゃないかい?

日本全国各地に堕天使が大量に跋扈…

しかし きちんと()()()()()()()()報告、正規の手順は踏んでいるのだ。」

「……………………。」

「連中は文句言えないし、今頃 我々が何かをやらかすか心配で、監視とか無駄な労力を費やしてるんじゃないのか?

今回はマジに、普通の観光だってのによ!」

「アマテラスは気にしないだろうが、他の奴等の"胃袋"には、良い嫌がらせになっているだろう。」

「……………………………。」

「まぁ、お前の気持ちは解らんでもないが、今は普通に楽しんでいれば良いのさ。

…尤もアザゼルの野郎は、本当に朝から何か、やっちまったみたいだがな!(笑)

おら、とりあえず お前も飲め飲め!

あ、お姉さん。芋ロックおかわり、お願いしま~す♡」

興に乗ることが出来ないバラキエルに、純粋な好意で酒を勧める幹部達。

この堕天使の宴は やがて"狂騒"なる表現が相応しくなってゆき、深夜→東の空が明るくなるまで続くのだった。

 

『♪ゆり ゆらららら♪ゆるゆり♪

♪ゆり ゆらららら♪ゆるゆり♪

♪ゆり ゆらららら♪ゆるゆり♪大事件♪

 

♪よっしゃいくぞー!♪

♪わん・つー・さん・しっ!♪

 

 




 
①すいません、普通に話を進めたら、ストックしてたネタが御蔵入りになると思ったんです…
②ミッテちゃんは遊びたい(笑)
③イクラエルさんは温泉が大好きな様です。
④コカビーさんは、芋焼酎が気に入ったみたいです。
⑤今回の参考YouTube
【ハイスクールDXDメンバーでカラオケ行ってみた】(2件ヒットしますが、20:02の方)
歌ネタの元ネタを知らない人は、是非とも視聴を!(笑)
 
 
次回『終末③』
乞う御期待!
感想よろしくっス。
  


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終末③

 
新しい生徒会長が決まりました!
アンケートありがとうございました。
   




堕天使御一行が日本に訪れた2日目の昼過ぎ。

この日も高天原では、若者達が鍛練に精を出していた。

 

「「………………………。」」

今 対峙しているのは、サトルとソーナ。

 

「ソーナ先輩、気を付けて下さい。

サト君は普通にセクハラしてきますよ。」

「ドスケベサトルだにゃ!

壁際まで追い詰めると どんっ!…してきて、その後は"自主規制"だにゃ!」

「ひぇっ?!」

「喧しいわっ!…って、いやいや支取先輩、しませんから!」

身の危険を感じ、己の身体を守るが如く抱き締めるソーナと、サトルとの模擬戦が、多数のギャラリーの中で始まろうとしていた。

 

「せ…セクハラだと…

まさか、模擬戦に託つけて、あんな事や こんな事を…(*゚∀゚)=3」

「あんた、興奮していない?」

「…していない。」

「か、神代ぉっ! テメー、会長に変な真似したら ぶっ殺すからな!」

「きもーい。」「きしょーい。」

「いや、だから やらないって!」

 

シャァッ!

 

先手を仕掛けたのはソーナ。

駒王のジャージを着た少女の指先から、超圧縮された水流が、レーザービームの様に放たれた。

 

シュゥ…

 

しかし それは、稽古着姿のサトルには通じない。

サトルの体に直撃する寸前、何物をも穿つであろう水閃は、"神鳥の羽ばたき(ガルーダ・フラップ)"の前に霧散してしまう。

 

「やはり、魔法で()()()水は、効果無しですか…ならば!」

ソーナも既にサトルの神器(セイクリッド・ギア)の絶対魔法防御は承知している。

…が、それでもソーナは魔力を集中させる。

 

「ん~、魔法が効かないからって、それでもソーナが神代君に格闘戦で勝てる訳が無いからね~?」

「ソーナは何かを狙っているのか?」

「カミシロサトルは、待ちの体勢か。

余裕か…それとも何が来るのかに、興味が沸いたか?」

「…! ガルーダ君の上空(うえ)!!」

「「「「「「「!!?」」」」」」」

ディオドラ達が戦況を見守る中、栗毛のツインテールの少女がサトルの遥か頭上を指差した。

其処には巨大な水の塊が、真球を型どって浮かんでいる。

 

ゴォオッ!

 

そして其れが、形を崩しながら勢い良く落下。

 

「……!?」

サトルは其れを、直前で()()()

 

バッシャァアっ!!

 

まともに受けていれば圧死は必至だった質量の水塊は、地面に落ちると全方位に津波の様に溢れ流れ、

「哈っ!」「せぃっ!」「やっ!」

それは観戦していた者達をも呑み込もうと襲い掛かるが、防御術に心得が有る者達が焦る事無く防護壁を張り、大事には至らず。

そして…

「今のは…ヤバかった…!」

サトルも それを防御姿勢、確と足を地面に踏み込み、押し流されない様に必死に堪えていた。

この水は、絶対魔法防御で消える事が無かったのだ。

 

「思った通りです。

(ゼロ)から いきなり()()()なら兎も角、()()()水なら、有効な様ですね。

…そして其れは、水に限らない!」

ソーナの最初の一撃は、単純に魔法で水を創り上げ、それを撃ち放った物だった。

だが其れは、サトルには通じない。

しかし次の一手。

上空からサトルに落とした水は、単なる魔力の水では無かった。

サトルの頭上、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、巨大な"H2O"を作り出したのだ。

上空に留まっていたのは、魔力で安定させていたのだが、それを解除すれば、この水の塊は万有引力の法則に従い、真下に落ちる。

確かに切っ掛けは魔力による物だが、この水その物は魔力・魔法とは関係が無い。

創造で無く作成。

これが、ソーナの考えたサトルに対する魔力を使った戦闘での攻略法だった。

 

「す、凄いです、ソーナ先輩!

胸に送る筈だった栄養も、全て脳味噌(あたま)に送っていたのは伊達じゃ有りません!」

「あ゙っぁあ?!!」

「余計な事を言うな~っ!」

 

≫≫≫

 

ゴッゴゴォォッ!

 

「ぬわーっ?!」

この後、 怒れる貧乳様の八つ当たり ソーナの猛攻が続いた。

水だけでなく、気温等を魔力でコントロールして作り出した竜巻や鎌鼬が、絶対魔法防御で無効化される事無くサトルを襲う。

 

「流石は駄肉姫とは対極を為す()肉姫です!」

「…だから その呼び名は、止めて貰えますか!?

破ぁぁっ!」

 

ボォッ!

 

「っ熱っ!? 白音ー!テッメー、絶対わざと言ってるだろーっ?!」

更には風で粉塵を巻き上げ、それに魔力で着火させた事で起こる爆炎も、消える事無くサトルに迫る。

人間界の学舎で「化学」を学んでいたソーナだからこそ、思い付き実践出来た戦法だろう。

  

「成る程、さっきの水もだけど、あの爆発そのものは、魔法じゃないからな!」

「全く魔力が役に立たない訳じゃ、ないのね。」

「直接に魔法で創った炎や水で無いなら、有効だったのですね。」

「それに気付くとは、流石はソーナ・シトリーと言う処か。」

この自分達では発想の外だった攻撃に、若い悪魔達は驚き、ソーナを称賛。

 

ガキィィッ!

 

「きゃぁあっ?!」

「「「「か、会長ぉーー!??」」」」

…それでも結局は、それ等の攻撃を全て躱して近距離戦に持ち込んだ、サトルの勝ちだったのだが。

 

「か、ががが、ガルーダぁっ!

き、貴様、女相手に何て技を仕掛けるんだ!?

良いだろう、次は私が相手をしてやろう!

(;゚∀゚)=3 さあ、今の技、この私にも掛けてみりょ!!」

「え? えぇっ??!」

「ゴメン、神代君! ウチの変態がマジにゴメン!」

 

 

 〇サトル vs ソーナ●

(8:15 / シャットダウン クラッチ)

  

 

▼▼▼

翌日の月曜日。

 

『世界は平凡か?未来は退屈か?現実は適当か?』

駒王学園では先週に続いて、臨時の全校集会が開かれていた。

 

『安心しろ。それでも人生は劇的だ!』

それはソーナに代わり、新しく生徒会長に選ばれた生徒、そして新生生徒会の御披露目だった。

 

『…そんな訳で、本日から来年度、この学園の生徒会長を勤める事になった黒神だ。』

黒神めだか。

1年生でありながら、全体の6割越えの得票で生徒会長の座に就いた少女である。

 

「…で、サトル君は黒神ちゃんに、役員誘われてたんだよね?

結局 蹴っちゃったの?」

「当たり前だろ? 面倒いじゃんよ。」

カルマとサトルが小声で話す中、新しい生徒会長の演説は続く。

 

『…先代会長の支取蒼奈さんは、立派な生徒会長だった。

だが、私は あの人の真似事は出来ないし、していく心算も無い。

私は私の やり方で、生徒会を執行する!

その一環が この" めだ〇ボッ〇ス 目安箱"だ。

学業・恋愛・家庭・労働・私生活・etc(そのた)に至るまで、悩む事が有れば、迷わず目安箱に投書するが良い。

24時間365日、私は誰からの相談でも受け付ける!』

 

≫≫ ≫

その日の放課後。

 

「めだかちゃーん、あの箱、早速だけど何枚か投書されてるよ~?」

「ふむ? どれどれ…」

生徒会役員室にて、()()()()()()の更識楯無が、黒神に話し掛ける。

黒神と更識。

生徒会に立候補していた この2人は、裏で盟約を交わしていた。

 

【もしも、2人の どちらかが生徒会長に選ばれたなら、もう1人は副会長となり、新しい生徒会長をサポートする】

 

…この約束に従い、更識は2年生ながら、1年生の新生徒会長率いる生徒会に所属していた。

因みに もう1人の会長候補だった女生徒は、その立候補時に掲げていた公約から、『この娘やべー』と、係わらない様にしていたとか。

 

「………………………………。

う~む…?」

「…どしたの?」

 

サッ…

 

自身が公約に掲げた、"目安箱"に就任初日から複数の投書が有った事に、嬉々として その内容を確認する黒神だったが、一通り目を通した途端、複雑な表情を浮かべてしまう。

そして心配そうに様子を伺う更識に、その投書を「読めば解る」とばかり、無言で渡すのだった。

 

「何々…?

『2年C組の兵藤と松本と元浜の覗き行為に困っています。何とかして下さい』

『2年の変態3人衆の変態行為をどうにかしてください。よろしくお願いします。』

『兵藤元浜松本をコロしてください』

『性犯罪者殺すべし!変態シバくべし!』

『1-Eのバカップルを、せめて学内だけでも自重させて下さい。私はカプチーノが大好きなんです。ブラックは もう飲みたくないんです。』

…って、あ~…(  ̄- ̄)」

更識が それ等を見ると その殆どが、 ()()()()()()()()()()()()()()()だったのだ。

遠い目をして、理解納得してしまう更識。

 

「でも これって どっちかと言えば、風紀委の仕事なんじゃないのかな?

女子の気持ちは、解るけどさ。」

「ん~、鶴ちゃんも晶ちゃんも『アイツ等マジに〇ね』って感じで手を焼いてるみたいなんだよね?」

「1年の間では、神代が大暴れした後からは、覗きとか特に何も聞いてないのですが、まだ そんなに酷いんですか?」

「あれから兵藤だけはグレモリー先輩に散々と躾られたらしく大人しくしてるんだけど、残りの2人が相変わらずね。

…ってか、その兵藤が学校に来なくなって、もう1週間以上経ってるのよね…」

「あのオカルト研究部の全員が、そうみたいでんなぁ?」

「うん。ギャスパー君も、学校に来てないし…」

そして その投書を見た他の生徒会メンバーも、色々と話し出す。

 

「今はオカ研の話じゃないだろう。

…そして確かに これは、本来なら風紀委員の仕事かも知れぬが、目安箱に これ程迄に同じ内容の投書が有る以上は無視は出来ない。

まさか就任初日から、公約破棄する訳にも行くまいしな。

従って これより、生徒会を執行する!」

「「「「「「「「はいっ!」」」」」」」」

最後は黒神めだか生徒会長の号令の下、動き出す生徒会執行部。

変態3人衆の内、既に兵藤一誠だけは解決していると言って良く、残るは その悪友2人。

この2人が生徒会によって更正されるか…

生徒会が この2人を見事 更正させる事が出来るか…

それは別の…()()()()()()()()()である。

 

「…で、黒神はん?

こっちの『バカップル何とかして』は、どないするんでっか?」

「ふっ、萬田会計よ…

ブラックコーヒーも、なかなか美味いものだぞ?」

「そうですよ、萬田先輩。

あの2人は もう手遅れです。」

「あ~、さいですか…」

会計の2年の男子生徒…萬田の言葉に、遠い目をする黒神と もう1人の1年生である書記の女子生徒。

このリアクションに、萬田は何かを察したのか それ以上は何も言わず。

 

「あの2人の事は、諦めましょう。」

 

パサッ…

 

そして更識が手にしていた扇子を開くと、そこには【試合終了】の文字が書かれていた。

 

▼▼▼

同刻の冥界。

悪魔領の辺境、嘗て"旧魔王派"と呼ばれていた者達が住んでいた地に在る、1軒の屋敷。

出入り不可の結界に覆われた この屋敷の中に、魔王レヴィアタンやリアス・グレモリー達は捕らえられていた。

 

「「「………………………。」」」

サトルとの戦闘、最後に止めを刺される前にアマテラスの介入により現在に至っている。

…が、その雰囲気は当然だが明るくは無い。

特に親友、夫、兄の死…否、消滅を目の前で見た3人は完全に心が折れ、自分の殻に閉じ籠もり、部屋の角に座り込んで動かず、何もしようとしない。

 

「私のせいだ…私の…私…の…」

中でもセラフォルー・レヴィアタンは、確かに彼女が元凶の一因なのだが、虚ろな表情で、何やらブツブツと譫言を唱えるだけの日々を消化していた。

 

「「「「「……………。」」」」」

残るグレモリー眷属も それに連られる様に、何をする事無くな、無気力な日々。

何物も喉に通す事の無い日常を過ごしていた。

…尤も数週間程度、何も口にしない程で、飢えが原因で死ぬ程、悪魔は肉体的に貧弱では無いのだが、それでも苦しいのは変わりないにも拘わらず…だ。

 

「ん~、暗い、暗過ぎるねぇ。

何なんだい? このブラックホールな空間は?」

「「「「「「!!?」」」」」」

其処に現れたのは【日本神話】の主神、天照大神。

 

「いよいよ僕達に、止めを刺しに来た…のですか?」

いきなりの登場。

この神出鬼没な神に、金髪の少年が問えば、

「いや、()()()違うよ。

安心して良いよ。

君達にとって、凄く都合の良い話を持ってきたんだ?」

「…何故、疑問形なんですか?」

 

スゥ…

 

「「「「「???!」」」」」

「それは、もしかして安心処か、尚更な絶望な話かも知れないからさ。」

そう言って、水晶で封印(コーティング)された、赤い籠手(ひだりうで)を取り出すのだった。

 

「それは…兵藤君の…?」

「日は来月、12月25日。

場所はルシファード・コロシアム。

受けてみるかい?

君達の生き残りを賭けた、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)を?」

 




 
①シャットダウン クラッチ…どんな技か知らない人は、画像検索を
②生徒会メンバーは副会長の他にも一応、会計2人、書記2人は決まっています。(庶務は未定)
今後の出番は未定ですので、今回は紹介はしませんが、とりあえず原作キャラや既に登場してるキャラも混じったりしています。
1人は名前が出て、判る人は分かったと思いますが。(笑)

  
感想よろしくです。
 


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戦争遊戯(ウォー・ゲーム)

 
言うならば説明回
 


戦争遊戯(ウォー・ゲーム)

な、何なのよ…それ?」

アマテラスの言葉に、最初に反応したのはリアスだった。

 

「ふふん♪ 凄い食い付きだね、リアスちゃん?」

それに悪戯な笑みを溢す神。

 

「そう…君がイメージしているヤツで、ほぼ正解だよ。

君達悪魔が大好きな、レーティング・ゲームの真似事さ。」

アマテラスは知っていた。

リアスが観戦者としてで無く、プレイヤーとして、レーティング・ゲームに対する深い思い入れが有る事に。

 

「…それに勝てば、私達を解放してくれるとでも言うの?」

「ああ。その通りさ。

心配しなくても僕は君達悪魔と違って、約束は絶対に守る。

…尚、次の君の台詞は、『どういう意味y

「どういう意味よっ!…って、な?!」

「…だ。ほ~ら、当たった♪

いや、だって有名な話じゃん。

悪魔は契約絶対とか言っていながら、都合悪くなると『高貴な我々が、下等な者との約束事を守る必要が何処に有る?』って簡単に反故にするって。

…って、何だい?

その『それは一部の者達だ』って言いた気な顔は?

違うだろ? 君達()"律儀に約束厳守する派"なだけだろ?…極々少数の。」

「………!」

「…で、話を戻すぜ。

どうするんだい? 受ける?それとも明日にでも魔王の公開処刑を始める?」

「や、やってやるわよ!」

…だからこそ、この様なゲームを生死を決める舞台にする話には、絶対に喰らい付いてくる確信が有った。

 

「リアス!何を勝手に…!?」

「仕方無いでしょ!

セラフォルー様もグレイフィアも、話せる状態じゃないんだから!

それに『NO』って言えば、それこそ直ぐに処刑よ!

…なら、受けるしかないでしょ!」

「ぅ…」

そして1人で話を進めようとするリアスに、彼女の女王(クィーン)の姫島朱乃が それを諫めようとするが、今は話が話が出来るのは自分だけだと、それを跳ね除ける。

 

「よーし、なら次はゲームの説明…の前に、赤龍帝君の所に案内して貰えるかな?」

「イッセーの所?」

「何の為、ゲームの話の前に左腕(これ)を出したと思ってるんだい?」

 

▼▼▼

「ぁ…がが…」

「イッセー…」

「やれやれ、可哀想に。

サトル君の技が中途半端だった為、死ねる事無く死ぬまで苦しむ事になっている。」

リアスに案内されて、兵藤が眠る部屋に やってきたアマテラス。

アマテラス曰く、サトルが兵藤に放った技は、本来ならば文字通りのれる

しかし その技の精度が不完全だった為に死には至らず、身体全身の神経を破壊するに留まってしまう。

結果的に手足を動かす事も喋る事も儘ならぬ、死ぬ迄の寝たきり生活が約束された状態になっていた。

 

「か…がが…ぐが…」

そして今、この隻腕の少年は、悪夢に取り憑かれたが如く、魘される様に眠っている。

 

「…………………………。

元に戻して欲しいかい、左腕(これ)?」

「……………!」

水晶に閉じ込められた左腕を見せながら、アマテラスはリアスに問う。

 

「何が、目的なのかしら?」

「ふふ…簡単な話さ。

この赤龍帝君にも、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)に出場してもらう…それだけさ。

ゲームは()が多い程、面白いからね。」

それが只の善意での発言で無い事を理解しているリアスがアマテラスに問うと、返ってきた答えは、正に"神の趣味(かって)"から来る物だった。

 

「悪趣味ね…!」

「自覚は有るさ♪

僕は別に、どちらでも構わないぜ?

但し、ゲームによって君達が全滅した場合、結局この子を世話する者が誰も居なくなり…だけどね。」

「…………………………………………………………………………………。

分かったわ、お願い。」

しかし、それに続く神の台詞に、少しの間の沈黙の末、リアスは兵藤の治療を頼むのだった。

 

「ふふん♪賢い判断だ。」

 

ス…

 

その返事に満足したアマテラスは、先ずは左腕の封印を解除。

 

すぽ…シュゥ…

 

「えぇっ?!」

そして その()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、その籠手を再び水晶で封印。

これを見た紅髪の少女が驚きの声を出すが、それは無理が無いだろう。

 

「じゃあ左腕(これ)、繋げるよ。」

そんなリアスをアマテラスはスルー、

 

ジュゥ…

 

斬り落とされた左腕を体に取り付け、傷痕も残さずに治療。

 

「…が…が…スゥ…スゥ…」

「これで終わりだ。

当たり前な話だが、ゲームに出場してもらうから、神経系の故障も治しておいたぜ。」

そして それが終わると、今まで魘されていた少年は、穏やかな顔となり、静かな寝息を吐き始めた。

 

「もう暫くすれば、目も覚ますさ。」

「あ…ありがとう…じゃなくて!

何なのよ?その籠手は?!」

「ん? 知ってる筈だろ?

この子が宿していた神器(セイクリッド・ギア)赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)だよ。」

「そうじゃなくて!」

兵藤の腕から外した籠手について、問い質そうとするリアス。

 

「あー、そーゆー事か。

如何にして外したかは、教えてやる義務の義理も無いから教えてやらない。

その代わり、何故 外したかは教えてやるよ。

悪名高きニ天龍。

彼等とは昔々の大昔から、【日本神話(ぼくたち)】も色々と因縁が有ったんだよ。

そして他の神話勢力同様、このドラゴンを危険視しているのは僕達も変わらない。

だから この赤き龍(ウルシュ・ドラゴン)のドライグ君だけは、封印させて貰っただけさ。

つまり、この子は もう赤龍帝じゃあない。

そして今後、この世に赤龍帝が生まれる事も無い。」

「何です…って…?!」

堕天使から没収した研究データの中には、人間の体内から神器(セイクリッド・ギア)を分離させる技法も記されていた。

しかし それは、同時に その所持者を死なせてしまう未完成な物。

アマテラスは そのデータを高天原に住む技術者達に渡すと、彼等は たった数日で安全に取り除ける、完全な技法を完成させていた。

 

「それじゃ、さっきの部屋に戻ろうか。

皆の前で、改めて戦争遊戯(ウォー・ゲーム)の詳しい説明をしてやるよ。」

「ちょっと! 話は まだ…!」

…その辺りは話す必要が無いとしたアマテラスは、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の再封印の理由だけを述べると其処で一方的に話を切り上げ、リアスと共に最初の部屋に戻るのだった。

 

▼▼▼

 

~~~~

 

戦争遊戯(ウォー・ゲーム)

・このゲームは『聖書』と【日本神話】の代表者が1vs1の何でも有り(バーリ・トゥード)で戦う。

戦闘中の降参(リザイン)は認められず、戦闘の勝敗は どちらか片方、或いは双方が戦闘不能となった時に決着とする。

・このゲームはレーティング・ゲームの負傷者自動退場術式(リタイア システム)を導入しており、基本的にゲーム内で命を落とす事は無い。

・このゲームの参加人数は、1チーム上限12人とし、『聖書』側は それに所属する者ならば、種族を問わず参戦可能。

そして『聖書』に属さない者が、『個』として『聖書』チームに加わる事も可とする。

これに対して、【日本神話】が その当人や所属勢力に対してのペナルティ等を求める事は無い。

但し、【日本神話】側も、死傷者等の責任追求等には一切 応じない。

・『聖書』側が勝ち越せれば、ゲームは『聖書』の勝利として、現在 軟禁状態の魔王セラフォルー・レヴィアタン、並びにグレモリーの悪魔達は解放。

そうでなかった場合、魔王セラフォルー・レヴィアタンの処刑を執行する。

・ どちらの結果となろうが、このゲームを以て【日本神話】と『聖書』の戦争を一応の終結とする。

・その他、色々の諸々…

 

 

~~~~

 

▼▼▼

「まあ、こんな感じかな?

先に言っとくけど、この屋敷に居る悪魔は、レヴィアタン以外は強制出場の全員参加だ。

そして魔王レヴィアタンの出場は認められないからね。

…何か質問ある?」

戦争遊戯(ウォー・ゲーム)と銘付けられた、(アマテラス)の気紛れの説明が終わった。

 

「全員参加って、ギャスパーは支援タイプで前に出るタイプじゃないのよ!

イッセーだって神器(セイクリッド・ギア)を失って、戦闘力がダウンしている!

それを承知の筈なのに、それで勝ち越しを勝利条件にするなんて!」

「随分な言い方だな?

此方は いきなり此の場に刺客(ヒットマン)を送り終わらせる事だって出来たんだ。

ゲームを設定した事自体が、甘過ぎる程の救済措置なんだぜ?」

「…っ!」

それに対してリアスが質問、或いはクレームを投げ掛けるが、アマテラスは それを涼しい顔で受け流す。

 

「心配しなくても、転生悪魔に"神"をマッチメイクする様な、大人気ない真似は しないさ。

まあ、対戦カードは当日の お楽しみって事で♪」

「…………………………。

この、私達以外の、『聖書』に属する者や外からの参加を認める様な記述は何なかしら?」

「それもハンデの一環だよ。

戦争遊戯(ウォー・ゲーム)の事は冥界のみならず(裏の)世界中、全ての神話勢力に発表する。

そうすれば、もしかして君達の助っ人を名乗る様な、物好きが現れるかも知れないだろ?」

「今の悪魔(わたしたち)に、そんな協力者が居るなんて考えられないけどね…」

 

▼▼▼

翌日。

アマテラスは悪魔…いや『聖書』との最終戦闘と云う戯れの、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)を全世界に向けて発表した。

これには北欧神話の主神であるオーディンが直ぐ、その観戦について問い合わせてきたり。

 

「…そんな訳で、君達も参加して貰うから。」

「えぇよ~♪」

「承知致した。」

「御意!」

そしてアマテラスは【日本神話】側の代表者を選抜していた。

それは死後、様々な理由で地獄極楽に逝く事無く、高天原の住民となった者達。

 

「まあ、俺は色々と、関わり過ぎてますからねぇ…

最後に顔を出さずに観戦って訳には往かないでしょう。」

「それが仕事と言うなら…」

「私をこの様な場の代表に選んでくれた事に、感謝する。」

そしてサトルを基とする、『NIN=JA』が数名。

更には…

 

▼▼▼

…その頃の冥界ルシファード。

 

「いや、【日本神話】の連中に頼まれたけど、本当に来たりするの?」

「文句言うなよ、仕事だ。

来なけりゃ来ない、それで良いんだから。」

戦争遊戯(ウォー・ゲーム)の会場となったルシファード・コロシアムで何やら ぼやいているのは、2人の一般悪魔。

彼等は今、アルバイトとして戦争遊戯(ウォー・ゲーム)の外部参加の受付をしていた。

しかし、やはり半ば出来レースな無理ゲーに参加しようとする者は…

「…すまないが戦争遊戯(ウォー・ゲーム)の参加の受付は、此処で良いのかな?」

「え?」「あ…はい。」

…僅かながら、居るには居た。

 

 

戦争遊戯(ウォー・ゲーム)に参加したいのだが…」

「「2人目、キター?!」」

 

≫≫≫

▼▼▼

そんな中も、日常は日常で続いており。

 

「だから白音ちゃんも神代も、せめて学校内だけで良いから、手を繋いで歩くのは止めてくれないかな?」

「「だが、断る。」」

「本っ当に息ぴったりね!このバカップル!」

「いや、手ぇ繋ぐだけでクレームって、どんだけ しっと団だよ?

別に校内で不純異性行為してる訳じゃないぜ?

結界張って、してるけどな!www

「私は『常にサト君と触れてないと死んじゃう病』なんです。

あかりちゃんは、私に死ねと?」

「いやいやいや、そんな病気なんて無いからね!

ブラックコーヒーの需要カチ上げして どうするのよ?」

「この前 売店のオバちゃんに、『売り上げ協力ありがとう』って言われたが?」

「お礼にってプリン貰いました。」

「俺、青汁オレ貰った。」

「何それ、羨ましい?!」

「飲む?美味いぞ?」

「違う!そっちじゃない!」

サトル達は新しく生徒会役員となったクラスメートと平和な?遣り取りを交わしていたり。

 

≫≫≫

「「 m(_ _)m お願いします支取先輩真羅先輩!

この お馬鹿者共に どうか御慈悲を!」」

「ハァ…やれやれですね。」

「構いませんが…私は厳しいですよ?」

更には期末試験前、元・生徒会の皆さんに必死に教えを仰ぎ求めていたり。

 

 

 

 

▼▼▼

そして12月25日。

【日本神話】と『聖書』の最終局面が始まろうとしていた。

 

 

戦争遊戯(ウォー・ゲーム)出場選手~

  

『聖書』代表

グレイフィア・ルキフグス

リアス・グレモリー

姫島朱乃

木場祐斗

ギャスパー・ヴラディ

兵藤一誠

堀井大和

スーザン・バックマイヤー

バラキエル

ヴァーリ・ルシファー

 

 

【日本神話】代表

大国主命

酸漿

蔵馬

藤舞

卑弥呼

源頼光

河上彦斎

神代聡琉

古杜新都

ラウラ・ボーデヴィッヒ

 




 
オーバーキル?
自覚は有る!(笑)
因みに誰と誰が戦うかは、既に決めています。
 
次回『戦争遊戯(ウォー・ゲーム)②』
感想よろしくです。
 


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第1戦開始(オープニングバトル・スタート)

《注意》
【日本神話】代表の卑弥呼ですが、モデルはFGOでも恋姫でも ありません。(笑)
 
今回は短め。
そして最後にアンケートが。
 



 

わーわーわーわーわーわー…

ざわざわざわざわざわざわざわ…

 

ルシファード・コロシアム。

悪魔領の旧首都、ルシファードに建つ、ローマのコロッセオを彷彿させる闘技場だ。

既に崩壊しているが、アガレスの空中都市に有ったスタジアムに次ぐ、レーティング・ゲームの大会場で有る此処の客席は、数多の観衆で埋め尽くされていた。

その殆んどは一般の悪魔。

前日に行われた抽選会で、入場権を獲た者達だ。

 

フゥッ…

 

「「「「「「「???!」」」」」」」

その、ざわめく歓声に包まれていた会場の陽が、不意に消える。

まだ昼過ぎな時間帯の筈が、会場の空は一瞬にして星煌めく夜空となったのだ。

これに観衆は驚き、静寂に包まれた。

 

パッ…

 

そして次に、観衆の視点は武舞台に向けられる。

舞台外周に円の配置に置かれた篝火に炎が灯り、その中央、火に照らされる形で、1つの人影が浮かび上がった。

見た目は長い紫銀の髪、褐色肌の妙齢な美女だ。

 

♪~♪♪~♪~♪♪♪♪~♪♪~♪…

 

その美女が、両手に持っている大扇子を広げ、何処からか奏で流れる音楽に合わせて踊り始める。

それは神に捧げる奉納の舞の様であり、神々の宴の際の余興の踊りの様であり。

半透明(シースルー)舞衣(ローブ)を纏った美女の、神秘的且つ妖艶な舞に観衆は魅入られ、声を発する事を忘れて無言で注視していた。

 

パサ…

 

そして その舞は、扇子を開いた状態で両手を交差させて膝間着き、首部を垂れる姿勢で締められる。

 

カァッ…

 

それと同時、空は東から日蝕の終わりの様に、太陽が再び顔を覗かせ明るくなっていく。

…種を明かせば、コロシアム上空にドーム型の結界を張り、それをスクリーンに仕立て映し出した演出だったのだが、

 

うぉおおぉお~~~~~~~っ!!!!

 

完全に空を覆う影が消えたと同時、コロシアムは盛大な拍手と大歓声が支配した。

 

『…皆、よく来たね!

私は今日の戦争遊戯(ウォー・ゲーム)の司会進行を任された【日本神話】が1柱、天鈿女命(アマノウズメ)よ!ヨロシクね♡♪』

 

うぉおおぉお~~~~~~~っ!!!!

 

そしてマイクマピールする美女…やや軽いノリな女神に、更なる声援が。

 

『今日 此の場に来てるって事は、もう知ってる筈だと思うけど、一応、今から始める戦争遊戯(ウォー・ゲーム)の簡単な説明をしとくわよ~♪

このゲームは悪魔と…正確に言えば、『聖書』と我々【日本神話】との戦争の、最終決着を着ける為に催されたイベントで…

 

 

≫≫≫

 

 

…そして、対戦カードは既に全て決定済み!

とりあえずは こんな感じ?

尚、今回のゲームは冥界全土のみならず、世界中の神話勢力に向けてLIVE中継されています!

それに際して現地の神様にも何柱か、レポーターをお願いしています!

例えば…オリュンポスのヘス~?』

 

パッ…

 

『はいは~い、今日はオリュンポス側のレポーターを務めさせて頂く、ヘスティアだよ!

よろしくね!』

アマノウズメの一通りの説明の後、上空に四角い画面(スクリーン)が現れた。

其処には黒髪ツインテールの少女…ギリシャ神話の女神ヘスティアが映し出され、笑顔で挨拶。

そして紹介はヘスティアに終わらず、エジプトのハトホル、北欧のブリュンヒルデ、インドのパールヴァディ…次々とリレーされていく。

 

『それじゃ早速、第1戦(ファースト マッチ)、行っくわよ~!♪』

 

うぉおおぉお~~~~~~~っ!!!!

 

現地レポーターの紹介も終わり、アマノウズメが改めてゲーム開始を宣言。

 

『さあ、【日本神話】のトップバッターはコイツだ!

今回の戦争の張本人が1人!

某掲示板スレの立ち上げ人にして、その身にインドの神鳥ガルーダを宿す男!

【日本神話】の特殊部隊『NIN=JA』所属、神代ぉ~、聡ぉ琉ぅう~っ!!』

 

ガッシャァン…!

 

「ウズメ様…ノリノリ過ぎでしょ…」

東側の(ゲート)が開き、完全に場を楽しんでいる女神のコールに苦笑しながら、既に禁手(バランス・ブレイク)状態の金色の鎧を着込んだサトルが姿を現す。

 

うっおぉおおぉお~~~~~っ!!!!

 

悪魔の地の会場。

【日本神話】に属す者からすれば、其処は敵地(アウェイ)な筈なのだが、その登場に観客は大歓声。

既にサトルがナベリウス城で大暴れして、同家当主を討ち取り、そして それより前、この戦争の発端となった騒動の1つの時にナベリウスの姫君を殺害したのは周知の筈なのに…だ。

 

「ぅわぁ~…」

これにはサトルも、少しだけ面食らってしまう。

 

▼▼▼

「クソォっ! アイツは俺達悪魔の敵なんだぞ?!

何で皆、あんなに声援を送ってんだよ!?」

『聖書』側の控え室。

設置されたモニターには、指差しアピールしながら入場するサトルに大歓声を送る観衆が映っていた。

それを兵藤が、面白くなさそうに吐き捨てる。

 

「それだけ、今回【日本神話】が行った貴族への粛清は、民からすれば歓迎すべき事柄だったのだろう。」

「な、何だと?!」

そんな兵藤に、自分なりの論を語るのは、銀髪の少年。

ヴァーリ・ルシファー。

今回の戦争遊戯(ウォー・ゲーム)に、『聖書』側の代表として参加を名乗りを上げた少年だ。

 

「どういう意味だ?テメェ!?」

「…それだけの事を、今まで貴族が平民に対して やってきたって事さ。

そんな事も察せないのかい? 元・ライバル君?」

「んだと、コラ!?」

「止めなさい、イッセー!

貴方も! いたずらに煽ったりするのは止めて頂戴!」

「う…」

「俺は別に、そんな心算は無いんだけどな…」

そんなヴァーリに兵藤が喰い掛かるが、リアスが それを制止。

 

『さぁて、それに対する『聖書』の代表は、このゲームに助っ人として参戦した変わり者!

しかーし! その血筋がマジ パねぇ!

旧魔王…初代ルシファーの血を継ぐハーフ悪魔!

しかも そのハーフ…人間の血に神器(セイクリッド・ギア)をその身に…しかも神滅具(ロンギヌス)である白きドラゴンを宿した、奇跡を通り越して最早ギャグみたいな存在!

今代 白龍皇…ヴァーリぃぃぃ・ルシぃファ~~っ!!』

そんな中、サトルの対戦相手としてコールされたのは、この白龍皇…ヴァーリ・ルシファーだった。

 

 

……………!!!!??

ざわざわざわざわざわざわざわざわ…

どよどよどよどよどよどよどよどよ…

 

この"初代ルシファーの血筋"、そして"白龍皇"というダブルの爆弾発言(ビッグネーム)に、観客は ざわめきどよめき沸き立つ。

 

「さて、早速 出番か。

それじゃ、行ってくるぜ。」

「ま、待てよ、話は…!」

そして それを聞いたヴァーリは、兵藤との話を切り上げ、控え室を出て闘いの場へと足を進めた。

 

▼▼▼

「ふっ、ガルーダ。

まさか また、お前と戦れるとは思わなかったぞ。

しかし今回は、この前みたいには行かぬぞ!」

サトル同様、禁手(バランス・ブレイカー)の白い全身鎧を纏ったヴァーリが、サトルと対峙。

サトルがナベリウス城を侵攻していた時、前触れ無く乱入してきたヴァーリ。

その時はサトルが圧勝していたのだが…

 

「この前は不覚を取ったが、今日は負けん!」

「上等だ白龍皇。

また前と同じ様に、犬神家にしてやるよ!」

兜の眉庇が ぶつかる寸前の間合いで互いに睨み合い、舌戦を交わす両雄。

 

『おぉっと? 両者 既に、戦る気…いやいや、殺る気は最初からクライマックスだ?

それじゃ、イっちゃうぜ!

戦闘(バトル)開始(スタート)ぉっ!』

 

ゴォォオオオン…

 

そんな中、アマノウズメの掛け声の下、戦闘開始を告げる銅鑼(ゴング)の音が鳴り響いた。

 




天鈿女命(アマノウズメノミコト)…マーニャ(ドラクエⅣ)
ヘスティア…ヘスティア(ダンまち)
…のイメージで。
 
次回『サトル vs 白龍皇』(予定)
感想、アンケートよろしくです。


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サトル vs 白龍皇!

 
最初は「グレモリー領、どうなった?」から。


▼▼▼

グレモリー領。

その領主が住むグレモリー城には既に、誰も居ない状態だった。

月読命の来襲の後、グレモリー夫人が衛兵を含む使用人全てに、暇を与えたからだ。

そして その城から少しだけ離れた場所に在る、小さな屋敷。

小さな…と言っても、平均的な日本人からすれば、十分に立派過ぎる豪邸なのだが…

 

「ミリキャスさんは、あのゲームは御覧に ならないのですか?」

「うん…」

その屋敷の()()主である10歳の少年に、車椅子に乗った女性が話し掛ける。

人間感覚で言えば、10代後半の美少女だ。

リリティファ・ウェパル。

車椅子に乗ってるのは足を怪我している訳で無く、彼女は下半身が魚…即ち人魚、陸上の移動では それが不可欠だからだ。

そして過去の悪魔の内乱の時期に没落した貴族悪魔の末裔でも有り、現在はグレモリー領の湖で ひっそりと暮らしていた。

それ故に【日本神話】からはノーマークとされ、難を逃れていたのだった。

 

「僕が あのゲームを観て、姉様を応援したり、【日本神話】負けろとか思ったら、それが反逆行為って思われるかも知れないから…」

それに対して少年…ミリキャス・グレモリーは自分の右の人指し指の爪を見た後、俯きながら応えた。

 

「…だからリリティファさん、僕は、ゲームは見ない。

結果も、知りたくない。」

「そう、ですか…」

そしてミリキャスは、部屋の壁際に置かれている水槽の前に足を運ぶ。

単に水をいれているで無く、浄水機や ろ過砂利に水草等、色々と凝った内装である。

 

「GEKO…」

その中に居るのは(ヒキガエル)

 

「さあ、今日の ご飯だよ…」

そう言って少年は、市販の専用餌を適量、水槽の中に。

 

「………………………。

ミリキャスさん…」

そんなミリキャスに、リリティファは掛ける言葉が見付からない。

只、その様子を哀し気に見守る事しか出来なかった。

 

「GEKO…」「GEKOGEKO…」

そして水槽の中では()()の蟇が、その餌に飛び付き、食べ始めるのだった。

 

▼▼ ▼

「喰らえっ!」

 

ダダダダダッ…

 

ルシファード・スタジアムでは、サトルと白龍皇ヴァーリ・ルシファーの戦闘が始まっていた。

距離を開け、無数の魔弾を撃つヴァーリだが、絶対魔法防御の特性の前に、それ等はサトルに着弾する寸前に霧散してしまう。

 

「だから、効かないって…?!」

 

バシッ!

 

しかし そんな中、その1つの弾をサトルは両腕でクロスガード。

 

「…考えたな。」

「チィッ…

成る程…魔力以外は、通じるみたいだな。」

小さく舌打ちしながらも、納得顔のヴァーリ。

ヴァーリは今の攻撃、無数の魔弾の中に1つだけ、魔力で無く()()で作った弾を放っていた。

結果はサトルに それも見破られ防御されてしまうが、彼からすれば通用する手段を確認出来ただけで、収穫だった。

ヴァーリの神器(セイクリッド・ギア)白龍皇の光翼(デバイン・デバイディング)の最たる特性は『半減』。

触れた敵の戦闘能力を、文字通りに半減してしまう能力だ。

しかし これは、神器(セイクリッド・ギア)に宿る白きドラゴン本来の能力では無く、『聖書』の神が神器(セイクリッド・ギア)を創る際に設定した力。

つまり これも魔力を源とした能力故に、先日のナベリウス領での急襲では、それが通じずに返り討ちに遇っていたのだった。

 

ダダダダダダダダダダッ…

 

そしてヴァーリは空中で間合いを開けながら、龍氣弾を弾幕さながらに撃ちだす。

 

「ちぃっ!」

サトルが魔剣グラムで これを捌きながら飛翔、距離を詰めようとするが、無数の龍氣弾が それを簡単には許さない。

そしてヴァーリは自分の理想の距離を保ったと同時に龍氣と闘氣を瞬時に高める。

両手首を重ね合わせ、両手をドラゴンの顎を象どる様に前に出し、それから放つのは、龍氣と闘氣を融合させた破壊のエネルギー波。

 

「喰らえ! ドラゴニック・キャノン!!」

 

ドッゴォオオオォッ!!!!

 

「!??」

このドラゴンの吐息(ブレス)さながらな、特大の龍氣砲がサトルに直撃。

グラムを盾代わりに構えたが、それでも そのパワーを完全に躱す事は出来ず、

「うごぁっ!」

 

どんっ!

 

闘技場の地面に墜落してしまう。

 

「ぐく…」

「ちっ、仕止め切れなかったか…」

それでも立ち上がるサトルに、ヴァーリは顔をしかめる。

彼としては、今の一撃で終わらせる心算だったのだろう。

このドラゴニック・キャノンという技は、本来は龍氣と魔力を融合させて撃ち放つ技である。

しかし、サトルには魔力は効かない事を理解したヴァーリは今回、その代わりに闘氣を使用。

…が、ヴァーリは普段から魔力戦闘を主体としていた。

闘氣を使った戦法は不慣れで、威力として上手く乗せられなかったのが、サトルが これを耐え凌ぐ事が出来た要因の1つだろう。

 

「なかなか近づかせてくれないか…」

空中より、雨の様に多量の魔弾を放つヴァーリに、サトルが呟く。

遠距離(ロングレンジ)から攻撃を仕掛けるヴァーリに対して、サトルが好むのは地上での近接戦闘。

ヴァーリも恐らく神器(セイクリッド・ギア)の特性から、近距離での戦闘が全く出来ない訳では無いだろうが、それは"半減"が効く相手の話。

サトルの神鳥の羽ばたき(ガルーダ・フラップ)には それが効かず、サトルは接近戦を得意としているのを知っているからこその、距離を開けての"飛び道具"を使った戦法だ。

 

「…ならば!

とりあえず撃ち墜とす!!」

そう言うと空間に穴を開け、取り出すのは…

 

「クトゥルー式近接戦闘術!

侮辱放題(ディスりまくり)回転式機関砲(ガトリングガン)・改!!」

 

ダダダダダダダダダダ…!!

 

「飛び道具には飛び道具」と言わんばかりな、回転式機関砲(ガトリングガン)である。

尚、今回の戦争遊戯(ウォー・ゲーム)のルールは何でも有り(バーリ・トゥード)

重火器の使用も、特に禁じては いない。

 

「くっ…ぬぎぉわらっ?!」

先程の龍氣弾に対する意趣返しも込められているのか、ヴァーリが繰り出す以上の弾幕を展開。

その全て躱す事は出来ず、

 

グシャァッ!

 

「ぐ…」

聖銀の弾丸を被弾したヴァーリが墜落。

 

「おらっ!」

「??!」

これにサトルがダッシュで駆け寄り、グラムの一閃を振るうが、これはヴァーリに躱されてしまう。

龍殺し(ドラゴン スレイヤー)の属性も併せ持つ魔剣を易々と受ける程、白龍皇も甘くなかった。

 

≫≫≫

「おおっ!」

「良いぞ!もっと殺れ!」

この攻防にコロシアムのVIP席、【日本神話】から招待された神達も興奮。

 

「凄いのう!やはり、生の迫力は違うのう!

互いに まだまだ青さが見られるが、それでも若者同士の ぶつかり合いは面白いのう!」

「オーディン様、他の神話の方々も来られているのです!

もう少し静かに観戦して下さい!」

特にレーティング・ゲームのファンを自称する北欧の主神は、満足気に叫び、御付きの戦乙女(ヴァルキリー)に嗜められてしまう。

 

ガィンッ!

 

「ぐゎっ?!」

その頃 闘技台の2人は頭突きの応酬。

鎧の硬度はサトルの方が上なのか、ヴァーリの兜が砕け散り、素顔が露に。

 

きゃあ~~~~~~~~~っ!!(♡∀♡)

 

その銀髪の整った顔がモニターにアップで映され、客席の女性達による、悲鳴にも似た黄色い声援が飛び交う。

 

「きゃーきゃーきゃー!

オーディン様、イケメンです、超イケメン!

しかも私と お揃いな銀髪です!

きゃー、きゃーっ♡!」

「こ、これ、ロスヴァイセ落ち着かんか!」

これはオーディンの御付きの戦処女(ヴァルキリー)も例外で無く、やや引きした主が それを嗜めた。

 

≫≫≫

「白龍皇も強いが…」

「…やはり凄いな、カミシロサトル。」 

「只の鬼畜ドSセクハラ男じゃ、なかったのね!」

「イリナ…流石に その表現は酷いと思うぞ?

確かにソーナ様やララティーナに ()()()()()()()()()()()()()から、解らなくは無いが…」

「ハァ、ハァ…(*゚∀゚)=3」

「あいつ、あれで学園では"英雄"扱いだったからな…」

「でも神代君って白音ちゃんと白音ちゃんの お姉さん限定で、本当にド変態らしいわよ?

ソースは白音ちゃん。」

高天原で この中継を観ていた亡命悪魔組も、この戦闘に各々が各々の感想を述べていた。

 

バゴォッ!

 

「………………っ!」

そしてサトルが放ったグラムの一撃が、遂にヴァーリを捕らえた。

この龍討剣(ドラゴン・スレイヤー)の一撃で、ヴァーリの鎧が粉々に砕け散る。

 

ぐぃ…

 

ダメージが快復出来てないヴァーリの頭を自分の肩に乗せ、その儘 縦方向に持ち上げるサトル。

 

「あ、あの技は、僕の?!」

その技…自分の必殺技の姿勢に、ディオドラが叫ぶ。

 

「ぐぉあっ!」

「え、ぇえ?!」

しかし、ヴァーリも これに必死に抵抗。

体全体を振るわせ、両者の体勢を反転させると、

「でぃやっ!」

 

ばんっ!

 

「ぐへらっ!」

逆に後方に倒れ込み、サトルの背中と後頭部を床に痛打させた。

 

「ん、あれは駄目だね。

きちんと真っ直ぐに落とさないと。

あれじゃ普通のブレーンバスターだよ。」

「あれは あれで、普通に効くと思うが?」

「と、トラウマが…」

 

≫≫≫

ブレーンバスターを返した後、ヴァーリが鎧を復元させて飛翔。

起き上がろうとしているサトルに、両手を向ける。

 

「これで終わらせてやる!

ドラゴニック・キャノン!!」

 

ドッゴォオオオォッ!!!!

 

そして再びの大技、龍闘氣弾。

 

「…………っ!」

 

ビュンッ!

 

しかし この攻撃はサトルも嫌がったか、飛翔して回避と同時にヴァーリに突撃。

 

ガンっ!

 

頭部目掛けての回転蹴りを放つが、これはヴァーリが防御。

しかしサトルは それも想定していたかの様に敵の背後に回り込むと、

 

ぐぃ…

 

「な…何を…?」

相手の股下に己の頭を潜らせ、肩車で持ち上げた。

 

くる…

 

そして空中で体勢を上下を逆転させると、その儘 急降下。

 

 

ガシィッ!!

 

「…ガハァッ!!?」

しかし、ヴァーリの脳天が、武舞台に突き刺さる事は無く。

地面激突の直前、ヴァーリはフリーとなっていた両手を下に付き出し、倒立の形で着地。

そして同時、自らの両足をサトルの首筋に首4の字固めに極めたのだった。

 




リリティファ・ウェパル…メローヌ・ローレライ(モンスター娘のいる日常)
…のイメージで。
 
次回、サトルvsヴァーリ決着!
感想よろしくです。
 


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サトル vs 白龍皇②(仮)

 
【今作品に於けるヴァーリの戦歴】
vs 古杜新都(29話)
vs 更木剣八(41話)
vs サトル(80話)
 
…さて、今回は?
 
 
サブタイ考えるのは難しい…
 


「ぐふぁっ!?」

"急降下倒立式首4の字固め"とでも命名すべきか。

サトルの落下技に対してヴァーリが繰り出した返し技は、その降下の勢いや着地の衝撃が加味され、サトルに思いの外のダメージを与えていた。

 

「ぐぞ…がぁ…」

それでも意地と根性で起き上がるサトル。

 

ヒュィィン…ガキッ

 

そんなサトルにヴァーリは鎧の腰に着いている龍尾型のパーツを外すと、それを鞭剣にしての追撃に入るが、サトルは魔剣で受け止める。

 

ぐぃっ…!

 

「しまっ…!?」

そしてグラムの刀身に巻き付いた鞭剣を掴み、ヴァーリを自分の側に引き寄せると、

 

ガンッ!

 

鳩尾に、闘氣と仙氣を込めた拳を突き刺し、

 

バキィッ!

 

更には それにより片膝を着いたヴァーリに、その膝を踏み台に見立てた様に掛け上っての、強烈な飛び膝蹴りを顔面に浴びせた。

サイラオーグとの戦闘でも見せた、サトルの得意技の1つだ。

またも兜を砕かれ、吹っ飛ばされるヴァーリ。

 

「くっ…

まさか、これ程とはな…

仕方無い…

これは本来、対赤龍帝(ライバルくん)の為の とっておきだったのだが、もう その当人が()()じゃ、既に拘る必要も無いか。」

そう言って、フラフラながら立ち上がるとヴァーリは、再び空中に回避。

 

「我 目覚めるは―

覇の理に―」

そして何やら詠唱を始めたが、

 

ドゴォッ!

 

「む()…っ?!」

それはサトルが、翔び蹴りを脇腹に炸裂させて妨害。

 

「アホか貴様は?

どんな技かは知らんが、1vs1(タイマン)で詠唱系の技を使うヤツが何処に居る?

そーゆーのは普通、集団戦…

予め前衛を敷いた上で、後衛(うしろ)から唱えるモンだろうが!?」 

 

≫≫≫

「あっちゃ~…

サトルちゃん、今のは無いわぁ~…」

「神代氏は様式美を理解していないな。」

「神代殿は浪漫なる物が、解ってないでござる。」

「駄目駄目ですね。」

「無粋。完塩。」

「ん。俺の弟子が、ごめんね。」

「だが、それが好い♪」

「いやいや、ちょっと待て!?」

「隙だらけな敵に攻撃するのは、定石じゃないのか?」

 

…その頃、【日本神話】側の控え室では、今のサトルの攻撃に賛否両論。

見る者によっては、まるで特撮ヒーローに対して変身のアクションの最中に攻撃を仕掛ける、悪の軍団の様に見えたのだろう。

 

≫≫≫

「ぉぐぅ…」

サトルの蹴りをほぼ無防備で受けたヴァーリが、顔を歪ませる。

 

ドドドドッ…

 

やはり接近戦は不利だと、牽制の意味の、質より量な龍氣弾を放って距離を開けるが、それに対してサトルは魔剣を携えてはいるが、追い掛ける様子は無い。

 

「………?」

それをヴァーリは怪しむが、相手が何を狙っているのか、正解には至らない。

ヴァーリはハーフ悪魔として魔力だけで無く、神器(セイクリッド・ギア)に宿る白きドラゴンを通じて、"龍氣"を操る事が出来る。

そして、サトルの神器(セイクリッド・ギア)に宿っているのは神鳥ガルーダ。

つまりサトルも、大きく見れば神鳥の化身であり、その能力(チカラ)を使う事が出来るのだ。

 

「…頼むぞ、メァリュータ。」

『頼まれたわ。』

そして神鳥(ガルーダ)という()でなく、この神器(セイクリッド・ギア)に封じられたメァリュータという()が有する能力は『雷』。

流石に"神氣"は人間であるサトルには使えないとしても、雷の力は鍛練により神器(セイクリッド・ギア)を通して、ある程度は扱える事が出来ていた。

 

カッ…ドッゴォォン!

 

メァリュータの能力によりコロシアム遥か上空に暗雲が立ち込め、閃光が煌めき轟音が響く。

同時、魔剣を天に掲げていたサトルに落雷。

 

雷電刃(ライデイン・カッター)!」

 

ゴオッ!

 

そして剣を片手逆持ちで横薙ぎに振るい、刀身に纏った雷を翔ぶ斬撃としてヴァーリに放つ。

 

「しまっ…?!」

これが、ヴァーリの失念。

先程の機関砲はカウントしないとして、サトルには()()()()は無いと思っていた事。

 

ゴガァッ!

 

「ぐぁ…っ」

これをヴァーリは龍氣に闘氣、そして魔力を全開にした障壁(シールド)で防御。

決してダメージは小さくないが、それでも耐え凌いでみせた。

 

「…………!??」

しかし、次にヴァーリの視界正面に映ったのは、未だ体全身に多量の雷を帯びた状態の儘、グラムを両手持ちの構えで特攻してくるサトルの姿。

先に放った雷の刃が上手い具合に目隠し(カーテン)となり追撃に気付けず、防御が遅れてしまう。

 

雷神爆轟断(ギガ・ブレイク)!!

 

ドガァッ!!

 

そして繰り出されたのは、極大の雷を纏った魔剣グラムによる一刀両断。

 

「ぐわわわわわ―っ!!?」

技の破壊力だけで無く、ドラゴンと龍討剣(ドラゴン・スレイヤー)との悪相性も有り、直撃を受けたヴァーリは鎧を砕かれ、地上目掛けて頭から落下。

 

≫≫≫

「見たか!俺だ!俺が教えた技だぞ!」

「分かったから静かにしろ。」

北欧ヴァルハラ宮で戦争遊戯(ウォー・ゲーム)を観ていた長い赤髪の偉丈夫な神が どや顔、やや興奮気味に周りの神達に師匠アピール。

 

「…でも、まだ終わってないぞ?」

「ぬ?」

しかし、それでもヴァーリは戦線離脱(リタイア)しない。

レーティング・ゲームのシステムを流用している この戦争遊戯(ウォー・ゲーム)は、戦闘不能となると、強制的に退場する仕組みとなっている。

つまりは まだ、ヴァーリは戦えるという事になる。

尤も あと1撃、でこぴん1発のダメージで…それこそ地面激突のダメージで終わりそうなのだが。

 

≫≫≫

「フィニッシュ!」

しかし、サトルは それを好しとせず。

落下するヴァーリを追い掛け追い付くと、鎧の膝部から鉤爪の様なパーツを出し、

 

ガシッ…

 

その鉤爪で既にボロボロとなっているヴァーリの両足を確と捕獲。

足の裏に両膝を乗せる体勢だ。

そして その儘、2人分の重量で速度が増しての 急降下。

 

「阿修羅稲綱落とし―――っ!!」

 

ドゴォッッ!!!!

 

これにより、ヴァーリは脳天から垂直に武舞台に激突、

 

シュゥ…

 

体を光の粒子に変えて散らす様に、この場から姿を消した。

 

『勝負有り!

この1stバトル…ウィナー、神代サっトルぅっ!』

 

うぉお――――――っ!!

 

アマノウズメの決着を告げるコールに、観客達が大歓声で応える。

 

『うずうず~、聞こえてる~?』

そして この時 突如、会場のモニターに若い女が映った。

インド神話3大神の1柱、シヴァの妃の女神であり、今回のゲームでインド側のリポーター役のパールバディだ。 

 

『ん~? パイ、どーかしたの?』

天鈿女命(うずうず)が訊ねると、

『こっちの(ひと)が、今のバトルで何か言いたいんだってさ~。』

『カーカカカカカカカカ!』

パールバディの隣に高笑いと共に現れたのは、三面六臂の青い肌の神。

サトルの師匠の1人、インドの魔神・阿修羅である。

 

『ナイスなファイトだったぞサトル!

そして、どうだ!蔵馬!トール!ナイア!アテナ!

私達の弟子が決め技に選んだのは、私が授けた技だぞ!』

『喧しいわっ!

闘る気か、テメェーっ!?』

『ちょ…?トール様?』

どや顔な阿修羅の一言と同時、画面は2分割に切り替わり、北欧の雷神が突っ込む様に絡み、それを北欧側リポーターの戦乙女(ヴァルキリー)ブリュンヒルデが あたふたしながら止めに入る。

そして互いに弟子(サトル)の鍛え方について…特に技について、ケチを付け始めた。

 

「師匠、落ち着きましょうよ…」

「GYAHAHAHAHA!

いいZO、もっと殺RE!!」

それはサトルは呆れ、VIP席で観戦していた須弥山の帝釈天は大ウケな、さながら漫才な如くなのだが、

 

パチッ…

 

『え~、余りにも しょーもないんで(笑)、画面切りまーす。』

しかし それは、アマノウズメの判断で中断される。

 

『…さて、それでは2ndバトル…の前に、今の戦闘で武舞台の真ん中に大穴が空いてしまったので、先に その修繕作業に入らせて頂きまーす。

暫く お待ち下さーい。』

 




 
アンケートは作者的には意外な結果。
てっきり垂直落下とエメラルドの一騎打ちと思っていた(笑)。
 
 
次回、『聖書』の反撃は始まる!…のか?
乞う御期待!
 
感想よろしくです。


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あい・えす~Invincible Striver~リターンズ

 
《お詫びと報告》
セイジョ☆スキーさんの僧侶(ビショップ)のリョーコ・サマー。
彼女の名前の元ネタは、声優の榊原"はにゃーん様"良子さんだったのですが、あれは『良子(よしこ)』さんと読むのですね…
すいませんした。
そんな訳で彼女の名前、修正しました。
ついでにヨシコ様、この お馬鹿な作者も修正して下さい。orz
 



「ん。とりあえずは1勝、順当だね。」

コロシアムのVIP観客席…で無く、主催者専用室。

モニター内、オリュンポスの竈の女神ヘスティアが、戦女神アテナに何やらインタビューしている場面を観ながら、天照大神が満足そうに呟く。

 

「ふ…姉者も(ひと)が悪い。」

「最初から全勝な心算なのは、見え見えですよ~?」

そんなアマテラスに、2柱の弟神が からかう様に声を掛ける。

 

「ふふ…どうだかね?

…さて、次のバトルが始まる前に、少し出ようか。

アーシアちゃん、連いてきてよ。」

「はい?」

「姉者、何処に…行くのですかな?」

「医務室さ。

折角だから、あのヴァーリ・ルシファー君の神器(セイクリッド・ギア)…白龍皇も取り出して封印しとくよ。

これで二天龍は、この世界から永久に退場(リタイア)さ。」

 

 

▼▼▼

「クソッ! 何なんだよ、あのヤロー!

散々と偉そうな事 言っときながら、結局は負けかよ?!」

「イッセー!?」

…その頃の『聖書』側控え室では、ヴァーリの敗退に、兵藤が声を荒げていた。

 

「このウォー・ゲーム、勝ち越しが勝利条件な俺達は1戦も無駄に出来ないんですよ?

それなのにアイツは…

大体アイツは、最初から気に入らなかったんだ!

俺達の側での参加も、『強い奴等と戦える』って巫山戯た理由だったし!

そっちのバラキエル…さんは、まだ納得出来る理由だよ!

このヒトは朱乃先輩の おt

「イッセー君!

それ以上は喋らないで!」

「朱乃…先輩…?」

「………………………………。」

不満発言をぶちまけ続ける兵藤だが、それが自分にとって触れられたくない事柄だったのか、姫島朱乃がストップを掛ける。

それに対して武人然とした大柄な堕天使は、何も言えないかの如く沈黙していた。

 

「「「「「………………。」」」」」

そして兵藤も他の面々も、それ以上は何も言えず。

この『聖書』メンバーでは最強格だが、所属も含めて複雑な事情を持つ男の存在が、控え室に重苦しい空気を漂わせ始めた。

 

≫≫≫

『お待たせしました!

漸く武舞台の修理も完了!

只今から2ndバトルを開始します!』

「「「「「「「!!?」」」」」」」

気不味い雰囲気となっていた『聖書』控え室。

そんな中、【日本神話】の芸と舞を司る女神からの、次の戦闘開始を告げるアナウンスがモニターに映し出された。

 

『先ずは初戦を落とした『聖書』サイド!

見た目は美少女 中身は男!

邪眼の神器(セイクリッド・ギア)で刻を支配する男の娘!

人呼んで"停止教室の吸血鬼(ヴァンパイア)"、ギャスパァ~・ヴラァディイ~~っ!!』

「えぇっ!? ぼぼぼ、僕ですかぁ?!

ぁゎ…あわわわわゎ…」

「ギャスパー、落ち着け!」

「ギャスパー君!」

自分がコールされ、戸惑うギャスパー・ヴラディが、不意の指名にガチガチに緊張してしまう。

【日本神話】側も そうだが、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)の対戦カードは双方に報されていない。

司会進行役のアマノウズメのコールで、初めて知る仕組みだ。

 

≫≫≫

 

ギャァーアくぅーーーん!!

 

「あわわ…」

その容姿から、女性や一部の男性から高い支持を得ているギャスパー。

コロシアム内、武舞台に姿を見せた彼への声援が鳴り響くが、未だ緊張が解けていない彼の耳には、それは届かない様子だ。

しかし それ構わずと、今度は【日本神話】側の代表がコールされる。

 

『対する【日本神話】からは、怪異討伐のエキスパート!

土蜘蛛に酒天童子、斃した異形は数知れず!

そして その男が今日は、吸血鬼狩り人(ヴァンパイア・ハンター)となる!

平安に生まれ、そして今は高天原に生きる武人!

源ぉ…頼ぃ光ぅ~~っ!!』

…高天原に住むのは八百萬の神々だけでは無い。

生前の実績功績…その善し悪しに限らず、神からの呼び掛けで地獄極楽に逝かず、神兵等の職に就くとして、高天原の民となる者も居た。

平安時代の貴族武将・源頼光も、そんな1人である。

老いて死した後、自身の全盛期な容姿と能力を得て、高天原の神兵となった源頼光。

現在は その後の鍛練の果てに更なる実力を備え、先の冥界侵攻ではグラシャラボラス制圧に参戦していた猛者が、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)の舞台に立った。

 

『それじゃ、バトル…スタートぉっ!』

 

ゴォォオオオン…

 

「えぇいやぁ!」

戦闘開始の銅鑼の音と共に、ギャスパーは己の神器(セイクリッド・ギア)、"停止世界の邪眼(フォービドゥン・バロール・ビュー)"を発動させる。

ギャスパーの取った策。

それは兎に角 敵の時間(うごき)を停め、懐に入って時間停止が解けたと同時、予め木場から渡されていた短剣…猛毒属性の魔剣で一気に勝負を決めるという作戦だった。

しかし、

「………………。

今、もしかして何か したのかい?」

「ひぃぇっ?!」

ギャスパーの時間停止の効果は、その対象との能力の差に依存する。

そして今回の場合、その差は神器(セイクリッド・ギア)の力が全く及ばない程に離れ過ぎていた。

 

「すまないねぇ。

何だか知らないけど、僕には効かなかったみたいだよ? ()()。」

 

斬々!

 

「うぅっわぁぁあっ??!」

 

シュゥゥ…

 

『勝負有り! 勝者…源頼光!!』

結果、ギャスパーは何も出来ない儘、源頼光の太刀と小太刀が繰り出す剣閃の前に敗退してしまった。

 

▼▼▼

 

ドッドッドッドッドッドッ…

 

続く第3戦。

武舞台に重機の起動音の様な重低音が鳴り響く。

『聖書』代表、リアス・グレモリーの騎士(ナイト)の堀井大和と対戦しているのは、堕天使組織グリゴリから【日本神話】に移籍した古杜新都。

『NIN=JA』の制服である黒スーツを着た男が、白銀の全身鎧を着た騎士が繰り出す、高速の細剣の連撃を巧みに躱していた。

 

「…舐めプは敗けるフラグだから、本気を出させて貰う。」

そして古杜のターン。

 

ドッドッドッドッドッドッ…

 

只でさえ人外の領域に達する身体能力を、その身に宿す神器(セイクリッド・ギア)"強者の鼓動(キング・エンジン) "を発動させ、更に強化させる古杜。

そして そこから繰り出すのは、

キング流格闘術最大奥義!

煉獄無双爆熱波動砲!!

 

ドゴッゴォオオオォッ!!

 

「ぎゃああっ?!」

前面に差し出した両掌から放出される、精神エネルギー。

直撃を受けた堀井は光の粒子となって、戦いの場から消えていった。

 

≫≫≫

「やぁっっぱし本気出したニートは強いっスね~。」

「あの技は初めて見たけど、凄いパワーだわ…」

戦争遊戯(ウォー・ゲーム)の映像は、堕天使領にも流されていた。

古杜の戦いを観ていた、堕天使達が話す。

 

「やっぱし移籍させたのは失敗っスよ。

もっと給料アップしとけば、グリゴリに留まっていたっス。」

「そうよね~。」

「ブラック組織だから、仕方無いわ。」

「ちょっと待て お前等!

どっちにしろ神器(セイクリッド・ギア)所有者は奴等に引き渡す事になったんだから、同じだぞ!

それと、ブラック言うな!」

 

▼▼▼

第4戦。

 

戦国武者を思わせる、濃藍の甲冑。

その兜の後ろからは、カールした金髪が覗かせている。

 

「堀井君の分まで、頑張りマス!」

リアスの戦車(ルーク)、スーザン・バックマイヤーだ。

それに対するは、黒のスーツを着て、左目に眼帯を当てた長い銀髪の少女。

 

「ふっ、馬鹿な上役の愚行に捲き込まれた件にだけは同情してやるが、戦いには容赦せぬぞ。」

ドイツ人で有りながら【日本神話】の『NIN=JA』に所属している、ラウラ・ボーデヴィッヒ。

 

『…バトル、スタート!』

アマノウズメの掛け声で、この2人の戦いが始まった。

 

「きぇぇいっ!」

 

ぶん!

 

鋭い踏み込みから気合いを込めた雄叫び、縦一文字の斬撃を放つスーザン。

スーザンの太刀はギャスパー、そして堀井同様に、事前に木場が創り、渡していた魔剣。

特にスーザンの其れは、攻撃力特化の魔剣だ。

それを普通の生身の人間が受けたら、退場仕様(リタイア システム)も意味を成さず、即死は必至だろう。

しかし それは、ラウラが後方へ素早く回避。

それもバックステップ等の足捌きによる回避で無く、地上10㌢程だが()()()()()()()()()()()である。

 

「そ、その動きは?」

「ふん、この新兵器?の お陰さ。」

「し、新兵器デスって?!」

余りに不自然過ぎる動きにスーザンが問うと、ラウラが得意気に応える。

 

ポン…

 

そして自分の右脚に着けた、金属製の赤いレックバンドを軽く撫でると、

「さて、次は私の…そして ずっと私のターンだな。

Rot Regen!!

 

カッ…

 

その叫びに呼応したのか、そのレックバンドが赤く光り、そして それは光の粒となって彼女の身体全体に纏わり付き、

「ソ、ソレはっ?!」

黒スーツはレオタードの様な闘衣に換装され、肩、腰、背中、手足を覆うような、赤の装甲に瞬く間に変形した。

 

≫≫≫

「あぁあ、あーっ! あれは もしかして このタバネルさんの??!」

「いや、もしかしなくても…」

「あれは、アレっスね…。」

グリゴリ本部で この戦闘を観ていた堕天使幹部タバネルが、大声を出して驚愕。

隣で一緒に観ている少女達は、大して驚いてはいない様だが、彼女からすれば大事件だった。

女性堕天使専用汎用機動装甲あい・えす(正式名称:Invinsible・Striver)。

ラウラが纏っている武装は どう見ても、タバネルが開発した…【日本神話】に生産した機体から開発・研究データ全てを没収された、その あい・えすに他ならなかったからだ。

堕天使から没収した あい・えすのデータは神器(セイクリッド・ギア)抜き出しの技術同様に、高天原の技術者チームに渡され研究され、より洗練された武装として完成。

その試作1号機をラウラに渡されていたのだった。 

 

「貴様には、コイツのテストプレイに付き合って貰うぞ。」

 

≫≫≫

 

ドッドッドッドッ…ドッカァーン!!

 

「くぅっ!?」

ラウラが あい・えすの両肩のアーマーに配された無数のミサイルを、そして右肩に装備された巨大砲から光弾を撃ち放ち、スーザンを襲う。

元々が堕天使が開発した兵器であり、それから撃たれる光弾は当然、悪魔にとっては毒同然な聖光の属性。

 

バスゥッ!

 

「「「きゃあっ?!」」」

「「「「おわっ!?」」」」

「「「ひぇっ!?」」」

『客席の皆さ~ん、客席前に張られている障壁(バリアー)は、スサノオさんの攻撃基準で強度設定してますから、安心して下さ~い♪』

これが武舞台と客席の境に張られた防護障壁に激突する。

目の前で見えない壁に当たり、光弾や実弾が霧散する光景に、客席の悪魔達が悲鳴を上げる。

この障壁が無ければ光弾やミサイルは客席に被弾し、大惨事である。

 

≫≫≫

「ナナナ、何でもアリって言っても、限度ってのガ無いデスか?」

「ふん、アマテラス様の考える事だ。

元々はコイツの試運転を想定したルールじゃないのか?」

「最悪デスネ!」

「…悪魔よりかは幾分マシだ。」

空中に回避したスーザンに、ラウラも機動装甲の能力で飛翔して追撃。

それなりに空中戦も こなせる程度に飛行能力をレベルアップさせているスーザンだが、所詮は ()()()()

最初から空中戦を想定して開発されている、あい・えすの機動力に逃げられる事は不可能。

 

「でぇぅやっ!」

 

ガキンッ!

 

「なっ…?!」

「…ふっ!」

ならばと自ら間合いに入っての魔剣の一撃も、手甲で防御され、その刀身を折られてしまう。

 

「そろそろ、終わりにするぞ。」

 

ヴィン…

 

そしてラウラの右の手甲から、赤い光の刃が出現。

色こそ赤いが、これも聖光の剣なのだろう。

 

「ヒィッ?!」

 

バサッ…

 

「逃がさん!」

恐らくは武者兜の下の素顔は恐怖に歪んでいるであろう、スーザンは その赤い光剣を前にして逃げようとするが、元よりスピードはラウラの方が上、簡単に正面に回り込まれてしまう。

 

Rot Regen von Berlin!!

 

斬!!

 

「きゃあぁぁあっ! ほ、堀井君ん~~!!」

そして放たれる赤い斬撃。

 

シュゥゥ…

 

スーザンは先に散った恋人の名を叫びながら、その身を光に変えるのだった。

 

▼▼▼

「「「「…………………。」」」」

『聖書』側控え室は静寂に包まれていた。

4敗目。

戦争遊戯(ウォー・ゲーム)で『聖書』に課せられた勝利条件は10戦しての勝ち越し。

つまり次のバトルを落とせば、仮に残る戦闘を全勝したとしても5勝5敗の引き分け。

それは『聖書』の敗北…即ち魔王レヴィアタンの処刑が決定してしまうのだ。

元々から無理ゲーだったのだが、改めて そんな絶対不利な状況に、誰もが顔を下に向け、口を開く事が出来なかった。

 

「大丈夫ですよ! 勝てば良いんですから!」

「イッセー?」

「兵藤君?」

そんな沈黙の空間を破ったのは兵藤。

 

「日本神話だか何だか知らないけど、神様だからって何をやっても良い訳じゃないんだ!

残りの皆で勝って、セラフォルー様を助けた上で、ガツンと言ってやる!」

自らを奮い昂らせる様に、若い兵士(ポーン)が吼える。

 

『はいは~い♪

武舞台の修理、再び終了!

ゲームを再開するわよ~!♪』

「!!」

モニターにアマノウズメのマイクアピールが映ったのは その時だった。

ラウラvsスーザンの戦闘により、サトルvsヴァーリの時以上に破壊された武舞台の修復が終わり、戦闘再開が告げられた。

 

『さぁて、『聖書』からは"ドラゴン"を喪った元・赤龍帝!

もう後が無い崖っぷち、船〇さん状態を打破する事が出来るのか?

リアス・グレモリーの兵士(ポーン)、兵藤一誠…見参!』

「…………!!」

そして、選手入場の指名を受けたのは兵藤。

 

「俺かよ!?

…面白い。やってやる…殺って殺るよ!」

「兵藤君、これを!」

 

パシッ…

 

「サンキューな、イケメン!」

改めて気合いを入れ、ギャスパーやスーザン同様に、同僚の騎士(ナイト)が創った魔剣を受け取り、兵藤は控え室を出た。

 

≫≫≫

 

カツーン…カツーン…

 

床、天井、壁…石煉瓦で囲まれた、細く長く暗い通路を歩き、光が差す出口を抜ける。

闘技場に姿を見せた兵藤に贈られたのは、

 

ブーブーブーブーブーブーッ!!

 

「何でだよ!?」

盛大なブーイングの嵐だった。

これは某スレから伝えられる不評や、レーティング・ゲームで この男が見せた醜態が原因なのだろう。

何時かのレーティング・ゲームの様に、客席に向かって悪態を吐く様は完全に悪役(ヒール)だった。

  

『ププ…ッ!www』

これには司会のアマノウズメも笑いを堪えられず、僅だが その嗤い声をマイクに拾われてしまう。

 

『…さ…さて、これに対する【日本神話】からは、こ~の男だ!

日の本の安寧を侵す者 赦すまじ!

尊皇攘夷の志士、河上彦斎…推して参る!』

  




 

源頼光…京楽春水(BLEACH)のイメージで。
作者、FGOの知識は有りません。(笑)
 
②ラウラたんの あい・えすは、シュヴァルツェア・レーゲンの基本色を赤にして、黒のラインを入れたイメージ。
 
③知ってる人は説明不要ですが(笑)、河上彦斎は実在の人物。
知らない人は予習を兼ねて、ウキ等で調べておきましょう!
 
次回、『兵藤vs河上(仮)』
感想ヨロシクです。
 


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1/2の(よこしま)な感情

 
①各キャラの入場の時の前口上だけど、全員分考えるのって やっぱり無理が有るよね!
 
古杜・ラウラ「「解せぬ。」」
堀井・スーザン「「ざけんな。」」
 
 
②今回の執筆に際し、73話をほんの一部ですが修正しています。
理解と許容、よろしくお願いします。
m(_ _)m

 
 
…さて、手元の お茶やコーヒーは飲み干しているかい?
 


「あ、あの男はっ?!」

『聖書』側控え室。

兵藤の対戦相手として登場した人物がモニターに映った時、その顔を見て声を出して驚いたのはグレイフィアだった。

 

「知ってるの?グレイフィア?」

「あの男は…沖田を斬った男です…」

「「!!?」」  

グレイフィアは言うには、スサノオがルシファードを攻めてきた時、その配下の神兵として多くの悪魔を屠り、そしてサーゼクスの騎士(ナイト)を単身で討った人物らしい。

それを聞き、リアスと木場が険しい表情となり、 

「あの男が、師匠を…!」

更に木場に至っては憎悪を露にした表情でモニターを見つめる。

  

「…頼んだぞ、兵藤君!」

そして この"沖田"なる悪魔に師事していた少年は、己の師の仇を託すかの様に、画面に映る兵藤に話し掛けるのだった。

 

▼▼▼

「何なんだよ…アイツ…?」

一方その頃、東ゲートが開き、そこから姿を見せた河上彦斎を見て、兵藤は戸惑っていた。

 

「ち…小さい…?」

自分の対戦相手として現れたのは、身長150㌢程の小柄な男だったのだ。

 

 

何だアイツ…中学生か?

そ、そうか! 既に悪魔(こっち)は4連敗して後が無い状態だから、勝負を盛り上げようって事で わざと此方に勝たせる為、あんなチビを出してきたんだな!

こいつはラッキーだぜ!

そういう事なら、遠慮無く勝たせて貰うぜ!

今までの汚名を返上してやる!

そして分かっているのか、日本神話?

そういう傲りや慢心が、負けフラグになるんだぜ?

これから俺達の大逆転が始まるぜ!

 

 

 

…そう考えながら、武舞台に上がってくる男を兵藤が見据えていた。

 

▼▼▼

「……………………………………。」

同じ頃、【日本神話】側の控え室ではサトルが武舞台の様子が映されたモニターを観ながら、どん引きな顔をしていた。

 

「ん?神代氏?」

「 カミシロサトル、どうかしたのか?」

それを見た古杜とラウラが何事かと尋ねると、

「ん~、まさか、あの性犯罪者に河上さんをぶつける、なんてね…

流石に これは、アマテラスさm…んに血の色を聞きたくなっただけさ。」

更なる引き顔となっての返事。

 

「そもそも本人も自覚していたけど、このゲーム自体が茶番なんだよな。

無能姫御一行は兎も角、魔王熟女だけは あの時、問答無用で殺っとけば それで終わりだったんだ。

それにゲームやるにしても何なの?

このオーバーキル・メンバー?」

「私はアカバネやドクロ、ヤザンを出さないだけ有情だと思うが?」

蜷局(と・ぐ・ろ)、さんね。

…確かに貴族に対する一般悪魔の溜飲を下げさせ、【日本神話(オレたち)】への不平を散らすのも目的の1つだろうけど、ぶっちゃけ全員、俺達『NIN=JA』みたいな普通の人間だけのメンバー…

神様や妖怪、神兵の皆さんで無くても勝ち越しだけなら充分に…って、あっ…」

「どうした?」

「神代氏?」

「ラウラ…と、古杜サン、冥界(ここ)に居るって事は…」

此処でサトルは、ラウラと古杜が普通に冥界に来ているという違和に気付く。

冥界の大気中には、人間にとって猛毒に等しい瘴気という成分が多量に含まれている。

以前サトルが冥界入りする際には、アマテラスの外地順応のスキル『如何地適応(ドコデモ・モーマンタイ)』により、瘴気の耐性(効果300年)を得ていた。

つまり、サトルは身体的には兎も角、生物学的には常人と変わらない この2人も、アマテラスからスキルの施しを受けたのを理解。

 

「…アマテラスさんから瘴気対策のスキル、仕込まれてるよな?

…ベロちゅーで。」

因みに その耐性スキルに限らず、アマテラスからのスキルの受け渡しは基本、スキル授受のスキル『口写し(リップ・サービス)』…見た目は接吻で行使されている。 

 

「はぁ?! の、のののの、ノーコメントだ!」

「神代氏。俺は舌は、入れられなかったぞ?」

このサトルの不意の問い掛けに、古杜は表情を変えずに一部を否定。

ラウラは顔を真っ赤にして明ら様に動揺。

 

「そのテンパリは肯定と同じだぜ?www」

「う、うるさい!

あれは女子同士だから無しだ!ノーカンだ!」

「………………………………………。

ラウラたんの初ちっすの相手はアマテラスさん(おんなのひと)、しかも いきなり深いヤツでした、まる」

「ゆ、言うな~っ!?」

そのラウラの反応を見て、更に弄りに入るサトル。

 

「まぁ、確かに気にする事は無いさ。

アマテラスさんて、実は かなりなキス魔だったりするから。

しかも無差別で無く、きちんと ある程度の選り好みは きっちりするから始末に措けない。

大体 俺も7歳の時に、あのヒトに初めてを奪われたクチだし。

もう完璧にショタだぜ、ショタ。

ついでに言えば あの お姉さん、ショタだけで無くレ〇゙属性も持ってるからな。

今年の4月からはアーシアさんと毎夜、()()()()()()()してるらしいからね~?」

「「…………………………………。」」

「え? 2人共どうかしたの?

何? 後ろ? 後ろが どうかしt

 

▼▼▼

兵藤一誠はリアス・グレモリーに対し眷属として、紛うことなき忠誠を持っている。

神器所有者(セイクリッド・ギア・ホルダー)として堕天使から危険視され、命を奪われた後に、悪魔に転生とは云え、その命を拾い救ってくれたのだ。

その恩は、ちょっとやそっとの行動では返しきれないと思っている。

だからこそ、何人を相手にした時も彼女を至上、最優先とする言動も有った。

だが その一方で、決して表には出さぬが、主や その下僕の女性と、深く好くな…俗に言う『むふふ♡』な関係になりたい等と云う、下心全開な想いが半分占めていたのも事実である。

 

「部長の為にも、絶対に負ける訳には行かねぇ!

悪いが お前は、消えて貰うぜ!」

しかし それでも、リアスに忠誠を誓っているのも、それもまた事実。

あくまでもセラフォルーを救うで無くリアスの為と、武舞台に上った男に、挑発するかの様に魔剣の切っ先を向けた。

それに対して兵藤の対戦相手の河上彦斎は、納刀の儘 身構える。

 

「…………………………。」

河上彦斎は幕末から明治維新の時代、開国を芳しとせずな、攘夷思考の持ち主だった。

そして後の世…現代に於いて"幕末四大人斬り"の一角に呼ばれるに相応しく、数多くの開国派の要人や志士を斬ったとして、死後は地獄逝きが確定。

しかし それを、スサノオやカグヅチ等、その実力を認めていた武闘派な神達を介して…所謂 司法取引な形で高天原の神兵となっていた。

 

『…それでは、戦闘開始(はじめ)!』

そしてアメノウズメの掛け声の下、死合が始まった。

 

「うぉおっ!」

 

バシュッ!

 

先制は互いの剣が届かぬ離れた間合いからの、兵藤の魔力弾。

しかし赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を喪った素の悪魔としての魔力…サイラオーグと比べたら それなりだが、悪魔として貧弱過ぎる魔力しか持たない兵藤の それは、威力は勿論の事 速度も河上からすれば遅過ぎ、あっさりと見切られ躱されてしまう。

 

「…拙者、遊ぶ心算は御座らんがアマテラス殿より1つだけ、課題を言い渡されている故、とりあえずは それをくりあーさせて頂くで御座る。」

「あぁっ?!」

 

斬っ!!…ぼとっ…

 

「え?」

それは瞬く間の出来事だった。

一言発した後、正に神速の表現が相応しい鋭い踏み込みで瞬時に間合いを詰めた河上が居合いの一閃。

限界まで身を低くした姿勢から、逆袈裟の斬り上げにより、兵藤の左腕が重い音と共に武舞台の床に落ちたのだった。

 

ぶっしゅうっ…!!

 

「ぎゃっあぁぁぁあっ?!

う、腕!? 俺の腕ぇええっ??!」

時間にして約1秒。

腕が地面に落ちた後、それが視界に映り、それが自身の物と認識。

斬り口から夥しい血が噴き出したのは、その後。

それで漸く斬られた事に気付いた兵藤が、遅れてきた激痛と左腕を再び喪ったショックに苦悶の叫びを上げる。

木場から貰った魔剣を投げ捨て、肩口を押さえて のたうち回る兵藤。

痛みを感じさせず、斬られた事を気付かせない…河上の剣閃は、それほど迄に洗練された物だった。

 

「神代殿から雑魚だとは伺っていたが、まさか此程迄でだったとは…

せいくりっど・ぎあとやらを失ったと云えど、弱過ぎるで御座る。」

「な…何だと、この ど・チビがぁ…!

チビの癖に、何で、こんな…?!」

「おろ? もしかして お主、拙者を小兵だと侮っていたで御座るか?

戦場にて、自分と相手の れべる差を見極められないのは致命的で御座るよ。

…と、それは拙者も同じで御座ったか。…れべるの低さを見誤っていたで御座る。」

この戦闘をサービスバトルと勝手に勘違いしていた兵藤が、片膝を着き、河上を睨み付ける。

『チビ』呼ばわりに、気にしてないのか表に出してないだけのか、河上は そんな兵藤に対し、

「遊びは終わりにするで御座る。

「……!!」

無表情で切っ先を向けての決着宣言。

 

「死ね。

 

タタタッ…!

 

そして神速の踏み込み再び。

 

「???!」

しかし兵藤には、その動きがハッキリと見て捉える事が出来た。

確と自分との距離を詰めながら抜刀された刃が、先程と同じく下方から、今度は自分の喉元に迫る。

それが まるでスロー再生の様にハッキリと視認出来た。

 

「う…ぅわあゎゎあ~~っ!?」

しかし それは()()()()()()()

極限までの危機に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()で、それを避けるのが可能な程の運動能力まで得た訳では無かった。

 

 

 

 

や、殺られるのか?

こんなチビに??!

じょ、冗談じゃないぞ!

話が違うだろ!?

この戦闘は、こっちの勝ちゲーじゃなかったのかよ?!

俺は このチビに勝って、その勢いで逆転勝利!

そして その切っ掛けを作ったとして、部長と朱乃さん、ついでにレヴィアタン様からも御褒美として…

それを、このチビが!チビの分際で!

チビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビ…

そ、そうだ! それからアイツだ!

あの、神代のヤローが全て…

チクショゥ…

俺の、ハーレム計画が…! 

 

 

 

ゆっくりと近付く刃を目にしながら、現実を理解出来ないながらも、「どうして こうなった」と思考を巡らせる兵藤。

 

斬!

 

「っ~~~~~~~~っっ!!?」

しかし真実(こたえ)に到達出来ない儘、河上の放った一撃が兵藤の喉元に到着。

身を屈めて飛翔、左手で切っ先の峰側を持ち、刃を下から両手を使って押し当てる様な斬撃だ。

鮮血舞う中、声無き断末魔が、コロシアムに響く。

 

シュゥ…

 

そして兵藤は光の粒子となり、闘場から姿を消した。

 

『勝利有り!

Winner…河上ぃ彦んっ斎ぃっ!!

そして このバトルの結果により、『聖書』の勝ち越しは不可能となった為、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)は【日本神話】の勝利!

それに伴い、魔王セラフォルー・レヴィアタンの処刑が決定しました!!』

 




 
河上彦斎…緋村剣心(るろ剣)の抜刀斎モード・十字傷無しのイメージで。
 
次回対戦カード…木場vs蔵馬(予定)
乞う御期待!
  


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消化試合スタート

 
今回はアマテラス様のターンですかね?
 


▼▼▼

 

 

「………? 此処…は…?」

サトルの目の前に広がった光景は、何処かの学校の教室の様だった。

駒王学園の教室では無い。

アンティーク机の様な凝った造りの机で無く、極々普通の木製天板にスチール製の脚。

椅子も同様だ。

自分以外は、誰も居ない教室。

 

 

怪しい。明らかに妖し過ぎる。

俺は、【日本神話】側の控え室に居た筈。

その場で、仲間と駄弁っていて…

 

 

…と、最大限の警戒をするサトル。

 

「おぉサトル君。死んでしまうとは何事だ。」

「???!」

そんな時、何処からかサトルに話し掛ける声が。

 

「……………………………………。

何、してるんスか?」

「…座ってる?」

サトルが声が聞こえた先…天井に目を向けると、其処には万有引力に喧嘩を売るが如く上下反転、体育座りをしている様に天井に張り付いているセーラー服姿の美少女が。

 

「…てゆーか、俺を殺したのはアナタでしょう、アマテラス様?

…で、何ですか此処は?」

それは天照大神だった。

控え室で何が起きたのか思い出したサトルは、現状の元凶であろう人物に問い質す。

 

「こらこらサトル君。

僕の事は親しみを込めてアマテラス()()と呼べと、何時も言っているだろ?

ついでに言えば、正確には僕は君を殺しては いないし、サトル君も死んだ訳じゃない。

確かに僕は君を肉体言語(サブミッション)100連発でシバきはしたけど、同時に僕の1京2858兆0519億6763万3875個のスキルの1つ、『絶対に相手を殺さないスキル』不殺ノ誓ヒ(ニート・サムライ)を使っていたからね。

半死半生になった処を無理矢理に幽体離脱させて、その魂をこの僕の…適当に創った空間に拉致っただけさ♪」

「(¬_¬)それ、『殺った』って言いません?!」

アマテラスの説明に、サトルはジト目で突っ込みを入れる。

 

「ふふん♪ 君は今の状況を理解出来ていないみたいだね?」

そんなサトルに、余裕な表情で返すアマテラス。

 

「何故、こうなったかは流石に解っていると思うが、それに対して僕は、君をこの空間に置き去りにする様な無慈悲な事をする心算は無い。

ただ、僕の病的スキルで作ったウイルスを仕込んで、ien ni amessuになって貰うだけs」

 

ガバッ!

 

「申し訳有りませんでしたーっ!!

今後は不適切な発言は致しませんので、何卒、何卒 御容赦を!」

男の存在意義を完封無きに破壊するかのアマテラスの言葉に、サトルは その様 正しく、"猛き虎 崖より落ち、地に伏せる如し"の姿勢。

師の1柱、クトゥルフの邪神から伝授された、全力のDOGEZAだ。

  

「ふん。あの場で公開土下座させようとしない、僕の優しさに感謝するんだね。

分かれば良いさ。

それじゃ、元の世界に帰るよ。」

 

 

≫≫≫

▼▼▼

『やあ。会場の、そしてテレビの前の皆…殆んどのヒトは初めましてだね。

僕は【日本神話】の主神、天照大神。

親しみを込めて気軽に、アマテラスさん…って呼んで構わないぜ。』

 

第5戦終了後。

『聖書』側の勝ち越しが不可能、アメノウヅメが魔王レヴィアタンの処刑決定を宣言した直後、コロシアム会場にアマテラスが登場した。

太陽を思わせる黄金色の冠に、白を基調として、赤と金の刺繍が入った和装という出で立ち。

その脇には黒い鎧のスサノオと、闇紫のローブを着たツクヨミが固めている。

そんな彼女が、客席と中継カメラに向け、自前のマイク片手に観衆に挨拶をしてきたのだ。

 

『アマテラス様?

一応聞きますが、何事ですか?』

進行役のアメノウヅメからすれば、このタイミングでの主神の登場は台本(よてい)に無かった。

それでもゲームの流れから、『この主神様(おんな)なら出張りかねない!』…とでも想定していたのか、平常で対応。

 

『ふふん♪

今のバトルで『聖書』と言うか、グレモリーの皆さんの敗北は決定した。

だから残りのバトルは はっきり言って、意味の無い消化試合。

いっその事 端折って、さっさと魔王レヴィアタンの処刑を始めても良いんだけど、それじゃ何か物足りないよね?

…少なくとも、僕は、そう思う。』

 

ざわざわざわざわざわざわざわざわ…

 

アマテラスの口上に、ざわつく観客席。

はっきりと"魔王処刑"と言っているのだが、それには、反対をする声は出ないか出せないのか。

 

 

一体 何を言う心算なのか?

 

 

観衆はアマテラスの次の言葉を、注視して待つ。

 

▼▼▼

「一体 何を考えてんのよ! あの女はっ?!」

『聖書』側控え室で、モニターに映るアマテラスのマイクパフォーマンスに不快を露にするのは、リアス・グレモリー。

既に敗けが決定した中、軽い口調で登場し、話し出されるのだから、それは無理も無いのだが。

 

「「「…………。」」」

顔に声は出さないが、それは他の者達も同様。

 

≫≫≫

…モチベーション無しの儘に、投げ槍グダグタなバトルなんて、僕はプロモーターとして赦さない。

客の立場だったら、『カネ返せ!』って、暴動起こしてるぜ。

…そこで!』

 

 

……………………………………………。

 

 

明ら様に、何やら悪い事を企んでいる顔を見せるアマテラスに、観衆は注目。

 

『リアスちゃん達が、最高に殺る気を出してくれる為の()を、ばら蒔く事にしました~!♪』

 

ざわざわざわざわざわざわざわ…?!

 

アーティストのライヴ会場や格闘技のイベント会場の様に、大歓声は沸かない。

ただ、『餌?…何をする心算だ?』と、周囲の者と ひそひそと話す客席の者達。

 

『…簡単に言えば、勝利者ボーナスだよ。

これからの戦闘、『聖書』側の選手が勝利した場合は、セラフォルー・レヴィアタンの処刑中止以外なら、此方の能力的に叶えられる限りで その都度1つだけ、何でも願いを叶えてあげるよ。

財を求めるも良し。

自分自身、または特定個人の自由を求めるも、或いはチカラを求めるも良し。

もしも【日本神話】に仕えたいってなら、それぞれ実力に応じた位置(ポジション)を利いてやるぜ。

…そして、死んだ者の魂を地獄から喚び戻し、復活させるも良し。

なかなかに魅力的だろ?

…どうだいリアスちゃん?グレイフィアちゃん?』

「「「「「…………!!」」」」」

モニター越の問い掛け。

これを聞き、リアス達は目の色を変える。

 

「何でも、願いを…ですって?」

「何…でも…」

「そう、何でも。

例えばグレイフィアちゃんの虚乳を、真なる巨乳にしてやる事だって可能だぜ♪」

「「「「「!!?」」」」」

そして いきなりの応えに、リアス達は驚き戸惑う。

無理も無い。

振り向いた先に居た人物…その声の主は、今、モニターに映っている天照大神だったからだ。

 

「な、な、な…?!」

目の前のアマテラスとモニター画面に映るアマテラスを、指差しながら交互に見つめ、更に驚きの顔を見せるリアス達。

 

「ああ、あれかい?

あの画面に映っている僕は、僕のスキルで創った影武者(ドッペルゲンガー)さ。」

そして その顔が意味する疑問の種明かしをするアマテラス。

 

「そ、それで、此処には一体、何の用ですか?」

次に質問してきたのは、顳顬に やや太めの血管を浮かべ、ひくひくと脈打たせているメイド服を着た銀髪の女。

 

「それと、虚乳って何ですか!?

虚乳って??!」

一応、この『聖書』チームのリーダーを務めているグレイフィア・ルキフグスだ。

 

「【虚乳】…虚構の乳の意。

即ち事実では無いのに、例えばPADとか仕込んで事実らしく作り上げた、偽物の おっぱいの事だよ。」

それに対して、アマテラスは律儀に問いに応えるが、

「そっちじゃありません!!

何しに此処に来たのかを、聞いているんです!

てゆーか胸の事は、放っといて下さい!!」

それを聞いた銀髪メイドは、顔を真っ赤にして怒鳴り散らす。

 

「あー、そっちか。

そんなの決まってるだろ。

残りの消化試合、勝利者ボーナス付きで続けるかどうか、聞きに来たんだよ。

いや、正直な話、僕も5タテは予想外だったんだ。

だから、仕方無いだろ?

場を盛り上げるには、これ位は やらないと。

全く、ソフト〇ンク vs 巨〇じゃないっての。」

「「「「「……………。」」」」」

そしてアマテラスは改めて、勝利者ボーナスを附けようとした理由を説明。

 

「…で、どうする?

続ける? それとも もう、終わりにする?」

 

▼▼▼

 

『さぁーて!結論から言えば、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)は続行!

まだまだ終らない!

そんな訳で、早速 次の戦士の紹介だ!』

 

わーわーわーわーわー…

 

アメノウヅメのノリノリなアナウンスに乗る様に、観客席から声援が飛び交う。

 

『顔の広さは【日本神話】随一!

北欧の雷神からクトゥルーの這い寄る混沌まで、幅広い交遊関係は正しく【日本神話】の友情〇ン!

ついでに言えば、第1バトルに登場したガルーダこと神代聡琉の第1師匠だ!

【日本神話】『妖怪』派閥統括補佐役…銀髪の妖狐・蔵馬、東ゲートより入場!』

 

≫≫≫

「さて、行ってくるか。」

アメノウヅメに呼び出し(コール)され、白装束を着た銀髪の美丈夫が武舞台に姿を見せた。

 

きゃあ~~~~(♡∀♡)~~~~~っ!!

 

その姿を見て、会場の女性陣から大声援が。

 

『それに対する『聖書』、イケメンにはイケメンだろう!

西から現れるのはリアス・グレモリーの騎士(ナイト)

金髪の貴公子(プリンス)魔剣使い(イビル ソード・マスター)木場祐斗…華麗!颯爽!優雅に出陣!』

 




 
①因みに作者…巨人ファンです、コンチキショーッ!!(泣&怒)
 
②作者のDXD作品では、グレイフィアさんの扱いは どれも こんな感じです?(笑)

 
感想よろしくです。
 
ついでに…
先日チラ裏の方に、短編(アンチ系っす)を書いてみました。
よろしければ、此方も。
 


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父親として…

 
千葉滋…セバスさん( ぷれぷれプレアデス OVER LOAD)のイメージで(笑) 
 





 

ドゴォッ!!

 

12月25日。

冥界で【日本神話】が催した『聖書』への最終制裁である、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)が行われている頃の駒王町。

冥界では まだ昼が少し過ぎた時刻だが、日本では既に夜の8時を廻っていた。

 

「すいません…私の方が少しだけ、強かったみたいです。」

身の丈2㍍越えの男の脳天に踵落としを放ち、その頭部を爆散。

指2本で『ほんの ちょっと』をアピールしながら物言わなくなった人獣ベースの はぐれ悪魔の屍に語り掛けているのは、駒王町在中『NIN=JA』の千葉滋。

 

「白音~…千葉さん、凄く恐いんですけど…」

「まぁ、今日は仕方無いです。」

それを見ているのは、今夜 千葉とチームを組んでいた白音と黒歌。

その千葉の迫力に、黒歌は白音を盾にする様に、自分の妹の背後に身を隠していた。

 

「全く…よりによって今日この日この夜に この町に逃げ込むなんて、何かの嫌がらせですか?

それでなくても今日は神代君古杜君ボーデヴィッヒさんが町から出ており、人手不足なんですよ?

それなのに…貴方達は それを狙ったかの様に彼方此方で…!」

兎に角 何か言わないと気が済まないとばかり、亡骸に向かって延々と怨み節で愚痴る千葉。

 

「あ、あの~、千葉…先生?」

「あ、後の始末や報告は私達で やっておくから、千葉さんは もう先に帰っても良いにゃ?」

「カルマ君と雀さんには、私達が報せておきますから。」

そんな千葉には 猫姉妹が「後は自分達に任せて」と帰宅を促すと、

「そ、そぉ~うですかぁっ?!

そぉれでは御~言葉ぬぃ甘えさせて頂きゃ~ぁっす!」

「「テンション変わったぁっ?!」」

「…失礼っ!!」

 

シュタタタタっ…!

 

黒スーツの老紳士は普段の低く渋い声と口調が信じられない程な、ハイテンションな挨拶1つと共に遠慮無く、その場を疾風の如くスキップ混じりで走り去って行った。

 

「「………………………。」」

その崩壊と云う表現が相応しいキャラの変わり様に、唖然とする白音と黒歌。

 

「ま…ま~、仕方無いにゃ~?」

「新婚さんの、初めてのクリスマスですからね?」

「今頃 お嫁さん、間違い無く(おこ)だにゃ?♪」

「…さて、それで冥界の方は、どうなっているんですかね?」

「まさか敗ける事は無ゃいと思うけど、まだ終らにゃいにゃ?」

「…でも、今日中に帰らなかったら、

私達も激怒(げきおこ)になりますよ?…サト君?」 

 

▼▼▼

禁手化(バランス・ブレイク)!"死を齎す魂喰い(ソウル イーター・デス ブリンガー)"!!」

 

…その頃の冥界、ルシファーズ・コロシアム。

戦闘開始と直後、己の神器(セイクリッド・ギア)禁手(バランス・ブレイカー)形態である、漆黒の暗黒剣を創り出した木場。

 

「へぇ…?」

それを対戦相手の蔵馬は、興味深そうに眺める。

 

ヒュン…斬々々々!

 

そして挨拶代わりと棘の鞭で攻撃を仕掛けるが、これは漆黒の刃に寸断されてしまう。

 

きゃあ~~~(♡∀♡)~~~ぁっ!!

 

この攻防で、また観客席から黄色い歓声が飛び交い、

「…成る程。」

「……………………!!」

武舞台では攻撃を防がれた蔵馬が余裕の表情を見せ、木場は それに、悔しそうな顔を見せた。

 

「戦う相手に言う台詞じゃないが、その剣を使うのは お勧め出来ないな。

残念だけど君の技量では、俺に その刃は届かない。

無駄に命を削られ、最後は無駄死にするだけだ。」

「…気付いていましたか。…それでも!」

 

ダッ…!

 

使い手の生命力を餌にする事で真価を発揮する暗黒剣の特性を見抜かれ、更には その事で敵に己の身を按じられた木場が、騎士(ナイト)の超スピードで蔵馬に近付き、

 

「破ぁっ!!」

 

ガキィンッ…

 

「………!?」

暗黒剣での一撃を放つが、これは蔵馬の懐から取り出された1本の針葉樹の葉を媒体にして作られた細剣に止められてしまう。

 

「アマテラス様の言葉に釣られ、何を望もうとしてるは知らないけど、弟子(サトル)に手も足も出なかった君が、師匠(オレ)に勝てると思っているのかい?」

「……………っ!!」

 

≫≫≫

「叔父上、行っけーっ!!」

コロシアムのVIP席から、巫女服の少女が声援を飛ばす。

【日本神話】派閥の1つ、『妖怪』の長である八坂の娘、九重だ。

そして蔵馬は八坂の実弟。

それ故に この獣耳美少女は当然、蔵馬(おじ)の応援をしているのだが、

 

ビクン…!

 

その声を拾った銀毛の耳が、小さく揺れた。

 

「勝利フラグ確定! テヤァッ!!」

 

ガンッ!

 

「ぅわっ!?」

そして それから放たれるパワー増しの細剣の一撃は木場の魔剣で防御されたが、その儘パワー圧し。

蔵馬は木場を吹き飛ばす。

 

「良いぞ、叔父上ーっ!」

「やれやれじゃのぅ…」

それを見た九重は更に興奮して声援を。

そして その様子に、隣に座っている髑髏柄の着物の美女…八坂は呆れた様に苦笑。

それは はしゃぎまくる娘に対してか、それとも姪っ子(むすめ)の応援で、現金なパワーアップをした弟に対してか。

 

≫≫≫

 

カィン…カィンカィンカィン…!

 

その後も木場の暗黒の魔剣のラッシュに対して、慌てる事無く針葉の細剣で受け流す蔵馬。

 

「無理無理、金髪先輩。

この俺の、鬼畜DV師匠だぜ?」

【日本神話】控え室で、サトルは その様子を眺めながら呟く。

 

「しかし、大丈夫なのかい?

あの蔵馬氏、舐めプしている様にしか見えないが?」

「しかも あの金髪の若者、()()()()()で御座るよ。」

「うむ。画面からでも魔力を高めているのが、丸分かりだぞ?」

「いやいや、それも計算の内でしょ?」

「蔵馬君じゃからな!」

「そーね。蔵馬君…あれは誘ってるわよ~?♪」

そして他の面々も、各々の感想を言う中、連斬に終始していた木場がバックステップで大きく距離を開ける。

 

黒い断頭台(ギロチン・スラッガー)!!』

 

ゴォオッ!

 

そして繰り出したのは魔力を最大限まで練り、更には自らの生命力を餌にしての、暗黒の衝撃刃。

今の木場の、最大最強の必殺技だ。

 

バッシュゥゥッ!!

 

『…なっ?!』

しかし それは、突如 武舞台から生え現れた、赤い葉 青い幹の巨木の群れに止められた。

蔵馬が召喚した、魔樹型の使い魔が壁となったのだ。

確かに硬質の樹皮を持つ魔樹は斬り断たれ消滅したが、その刃は遂に蔵馬に届く事は無かった。

 

『そ…そん…な…?』

「でっすよね~?(笑)」

画面に映る、茫然とした木場を見ながら、サトルは当然の如く言う。

 

「金髪先輩、蔵馬師匠は常日頃から言ってたよ。

『切り札は先に見せるな。見せるなら更に奥の手を持て。』…ってね。」

 

≫≫≫

「終わりだ、少年!」

 

ゴォッ!

 

「………!?」

大技を放った事で魔剣に生命力を大きく奪われた木場を見て、勝負所と踏んだ蔵馬は今度はハエトリグサに似た巨大植物を召喚。

茎が延び、2枚の葉が獣の口の如く大きく開き、木場を襲おうとするが、

 

ぴた…

 

ハエトリグサは木場を捕食する寸前で、その動きを止める。

 

 

……………………?????

 

 

何が起きたのか分からない観衆は沈黙。

 

「…もう、終わっていたんだね。」

 

シュゥ…

 

そして蔵馬の呟きと同時、木場は光の粒となって闘技場から姿を消した。

 

『勝負有り!

木場祐斗選手、戦闘不能(リタイア)

6thバトルの勝者、蔵馬!!』

 

 

うぉお~~~~~っ!!

 

「叔父上ー!叔父上叔父上叔父上ーっ!!」

「まあ、当然じゃな。」

 

ニコッ…

 

大歓声の中、VIP席の親娘にサムズアップと笑顔を向けた後、蔵馬は武舞台を後にする。

 

▼▼▼

『さぁ~あ、続く7thバトル!

参戦理由は個人的事情により省略だ!

堕天使組織"神の子を見張る者(グリゴリ)"からの助っ人…堕天使幹部"雷光"バラキエル、入場!』

 

「出番、か…」

『聖書』側の控え室、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)が始まってから一言も喋らなかった男が、その口を開いた。

堕天使組織グリゴリの幹部であるバラキエルだ。

 

 

「…………………。」

「…。」

控え室に残る1人に目を向けるも、その当人は それを拒む様に顔を背ける。

 

「………………………………………。」

そして また、無言で武舞台に向かおうと控え室を去ろうとした時、

「待って下さい。」

「…?」

この武人を呼び止める声が。

 

「一応 今は、同じチームの一員ですからね……御武運を。」

「………………!?」

「…ありがとう。」

それは一応の『聖書』チームのリーダーである、グレイフィアだった。

 

パタン…

 

「ぐ、グレイフィア様っ! どうして?!」

バラキエルが去った後、控え室に残る2人の内の1人が その行動について信じられない様な顔でグレイフィアに詰め寄るが、

「彼にも言いましたが、今は同じチームの一員ですから…その彼にエールを贈る事が、そんなに不思議ですか?」

「………!!」

この返しに、それ以上は何も言い返せなかった。

 

▼▼▼

『続いて【日本神話】からは、この男!

ゼウス、ポセイドン、アポロン…

オーディンにインドラにミン…そして御立派様!!

世界の各神話に下半神が居るならば、【日本神話(にほん)】の下半神は この(おとこ)だ!

本人曰く、「私は ゼウス(ぴー!) みたいに犯り捨てたりしないで きちんと責任取ってる!(必死!)」…【日本神話】が1柱 大国主神、冥界降臨!』

 

どっ…!www

 

このアメノウズメのコールに、観客席から歓声と同じ位な爆笑が起こる。

 

「巫山戯んな、このエロ女神!」

「訴えてやる!」

「てゆーかギリシャ率、多くないですか?!」

「GYAHAHAHAHAHAHA!

爺さん達、少し落ち着けYA!www」

「んぢゃと帝釈天(インドラ)!?」

「貴方も言われているんですよ?!」

「しかし、事実だZE!」

「ふむ。認めるべきは、認めるモノぢゃぞ。」

そしてVIP席では、一部の来賓の神がクレームやら大ウケ。

 

『こらー!誰が下半神だーっ?!冤罪だー!!』

『ミン!落ち着け!』

 

『ちょっと待て! 我をゼウスと同列にするのは遺憾だぞ!』

『ま、マーラさん、落ち着いて下さい!』

そして会場の巨大モニターには、厚手の腰布の上からでも、GET WILD & TOUGHしているのが はっきり丸分かりな男神を制止しているハトホルが映ったり、何やらモザイクが掛かった巨大な緑色の何かを必死に抑えようとしているパールヴァディが映ったり。

 

「母上母上、"かはんしん"て、何じゃ?」

「お前は まだ知らなくても良い!」

 

≫≫≫

「…認めたくないものだな!!」

そして【日本神話】控え室では、このアナウンスに苦笑した、桃色の闘衣の上に朱の鎧を纏った神が、闘技場に向かった。

 

▼▼▼

「天照大神殿!

戦闘開始前に1つ、聞いておきたい!」

 

武舞台で大国主と対峙したバラキエルが、その場には居ないアマテラスに向けて、大声で問い質す。

 

pa…

 

『…何だい、バラキエル君?』

すると会場巨大モニターに、アマテラスの姿が映し出された。

 

「勝利ボーナスだが、戦闘終了直後に その権利を主張、行使しても構わないか?」

「別に良いけど。」

そしてアマテラスはバラキエルの申し出を承諾。

 

「ならば、私は勝利ボーナスとして、次に戦闘に出るであろう姫島朱乃の不戦勝の権利を求める!」

 

▼▼▼

「あっの大バカ野郎が!

グリゴリを抜けた理由は、やっぱりコレかよ!?」

「アザゼル、落ち着いて下さい!」

 

冥界の堕天使領。

グリゴリ本部では、堕天使総督アザゼルが画面に映る部下を見て、声を荒げていた。

 

「ククク…

まあ、アイツの性格を考えたら、当然な行動だ。

少しは察してやれ。」

「笑い事じゃ無ぇだろ!

テメーも何 冷静に言ってやがる!」

「コカビエル、貴方も煽らないで!」

そんな総督を、副総督が宥めようとしたり、同僚の幹部が煽ったり。

約1ヶ月前、【日本神話】から戦争遊戯(ウォー・ゲーム)が発表された後、一方的な出奔届を出し、グリゴリから姿を消していたバラキエル。

その理由や行き先に見当は付いていた。

今は悪魔側…グレモリー眷属となっている、自分の娘の為に動いているのは…戦争遊戯(ウォー・ゲーム)に参戦の表明をしたのは疑う事も無し。

しかし【日本神話】との誓約により、その事を悪魔側に連絡しての確認を取る事が出来ず。

【日本神話】に問い質しても、「参加選手等に関しては、当日まで明かす事は出来ない。心配しなくても、仮にグリゴリの関係者が悪魔の助っ人として参戦していても、その件でグリゴリに責任や賠償を求める事は無い。」との返答しか貰えず。

 

「バカ野郎が…

アイツ、戻ってきたら説教だ。

…覚悟してやがれ!」

そしてアザゼルは、半ば確信していた目の前の現実に苦虫を噛み潰した様な表情を隠そうとせず。

只、画面に映る友を見て ぼやくのだった。

 

「説教? 甘いですよ!

4~500発は、顔面ぶん殴ってあげなさい!」

「クックク…

殴るだけで赦すのかよ…

お前も結局は甘々じゃねえか。」

 

▼▼▼

「あの男…!

何を勝手な事を!?」

一方、『聖書』控え室ではバラキエルの発言、名前を出された姫島朱乃が、憤りを隠そうとしない。

 

OK(おっけぇ~い)

もしも君が大国主君に勝てたら、君の娘の朱乃ちゃんは、バトル無しで勝ち扱いにしてやるよ。

当然、勝利ボーナスの権利も与える。』

「なっ…?」

しかも その訴えをアマテラスが了承。

 

「だからヒトの断り無しに、何を勝手に話を進めているのよ!?

私は そんな事なんて望んでいない!」

それを聞いた朱乃は更に顔を赤くして、周囲に怒鳴り散らす。

 

「朱乃、落ち着きなさい!」

「リアス! こんな事を落ち着くなんて出来て?」

これをリアスがクールダウンを促すが、朱乃の耳には届かない。

 

「あのヒトも、朱乃の事を思って…」

「それが、余計な真似だと言っているのよ!」

(キング)の何の言葉も、今の女王(クィーン)には火に油だった。

 

▼▼▼

戦闘(バトル)開始(スタート)ぉっ!』

 

ゴォォオオオン…

 

スチャ…

バチ…バチバチ…

 

死合の始まりを告げる銅鑼が鳴り、大国主とバラキエルが両刃の剣と雷を纏う光の槍、それぞれ武器を構える。

 

「おい、堕天使?

そんなに自分の娘の身が心配か?」

「何?」

そして互いの武器が交わる前に、互いの言葉が交じった。

 

「ならば心配するな。

あの姫島家の娘、なかなかに良い乳をしておる。

私の妾の1人として、大事に可愛がってやろう。」

「な…?!

ふ、巫山戯るな、貴様ぁあっ!!」

 

ブゴォォォォオッ!!

 

それは、只の挑発なのか はたまた本気か…

大国主の発言にバラキエルが大激怒。

体全身から膨大な魔力を迸らせ、手にしていた雷光の槍を巨大化、目の前の敵に投擲した。

 




 
ミン…冴羽獠(CITY HUNTER)のイメージで。
※ミン(エジプト神)について詳しく知らない人は、ウキで調べたり画像検索してみようぜ!
 
マーラ…マーラ様(真メガテンシリーズ。但し、真Ⅲは除く)のイメージで。
 
大国主…赤井秀一(コナン)のイメージで。
※すいません…大国主初登場の時、本文で別キャラの容姿表現をしていました。
実は作者、コナンの知識、殆んど無いんです…。
今は修正しています。
 
 
感想よろしくです。
 


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交わらぬ感情(おもい)

 
独自設定、解釈入ります。
 


▼▼▼

 

バキゥッ!

 

「がはぁっ!」

「…どうした? もう、お仕舞いか?」

…それは、一方的だった。

バラキエルが最初に放った極大の雷光の槍は、あっさりと大国主に捌かれ、その後は赤い光…神氣に包まれた刃がバラキエルの体を斬り刻む。

 

「でぇい!」

 

カァッ…!

 

それでも力を振り絞り、バラキエルは至近距離から雷光撃を放つが、

「当たらなければ どうという事は無い!」

「……??!」

 

バキィッ!

 

「ぐぁわっ!」

それも簡単に躱され、逆にカウンターの一撃を食らってしまう。

 

「ぐぬ…」

「ほう…今の一撃を耐えるとはな…」

しかし それでも、バラキエルは立ち上がる。

 

≪≪≪

グリゴリと…特にバラキエルと【日本神話】とは、浅からぬ因縁が有った。

事の起こりは【日本神話】に属する五大宗家の1つ、姫島家の娘がバラキエルと恋に落ち、駆け落ちした事に始まる。

その事について天照大神は、「小さい小さい。そりゃ無理矢理に拉致ったりしたのだったら大問題だけど そういう訳じゃないし。当人が…朱璃ちゃんが幸せなら、もう それで構わないだろ? 自由恋愛万歳!」…と、自分の(むすめ)が幸せなら それで良しと、寛大な姿勢を見せていた。

しかし、それでも堕天使との駆け落ちを"恥"として収まらなかったのが姫島家。

10年近い捜索の末、漸く この2人の住処を突き止めた姫島家は、バラキエル不在の時を狙って襲撃。

結果的に その2人の間に出来た娘には逃げられ行方不明となってしまうが、駆け落ちしていた娘…姫島朱璃を亡き者としたのだった。

…しかし それは、新たな火種となる。

堕天使側からすれば、幹部の妻を殺害されたのだ。

そして【日本神話】からしても、如何に相手が()()()()()()()()とは云えど、その1派閥の幹部の家族に、身内の者が手を掛けた点は傍観で済ます事は出来ず。

更にはアマテラスからすれば、自身が容認していたにも拘わらずの この襲撃は、己の考えを否定されたに等しく。

しかも当時、自らがグリゴリに向けて、「此方からは特に何も言う事は無い。でも朱璃ちゃん泣かしたら、その時は滅ぼすからね。」と宣言していた話。

自身の顔に泥を塗られたも同じな、この何の報告も連絡も相談も無しの勝手な行動を、看過する訳には往かなかった。

結果的に姫島家は、その襲撃を計画指示実行…関わった全ての者を、当時の姫島当主を除いて残酷に処刑され、賠償と共に その首をグリゴリに差し出された。

そして姫島家は五大宗家の中で…いや、【日本神話】の中でも最下に格され、発言力を失ってしまう。

そして その数年後には、次期当主だった者に正式に姫島を継がせた後、先代当主だった者を改めて処す事で、終わらせていたのだ。

…そしてバラキエルと姫島朱璃との間に生まれ、襲撃時に逃げた娘と云うのが、今はリアス・グレモリーの女王(クィーン)となっている、姫島朱乃だった。

 

≫≫≫

「き、貴様に朱乃は渡さん…!」

決して小さくないダメージを受けても、立ち上がるバラキエル。

只の挑発か本気だったか、戦闘開始時の大国主の『姫島朱乃を妾にする』の言葉を、少なくともバラキエルは本気と受け止めていた。

それは大国主の、伝承を含めた耳に入る数々の逸話故に仕方の無い事なのだが。

だからこそ、娘の為にと"雷光"の通り名で聖書に名を記す堕天使幹部は、父親として立ち上がる。

 

「面白い!ならば見せて貰おうか!

娘を思う父親の底力とやらを!」

 

▼▼▼

「流石は大国主様だぜ。」

「…でも、あの堕天使のオヂサマも、かーにゃーり、強いにゃ?」

「サト君が相手だったら、瞬殺されてます。」

「…まぁ、それは否定は しないさ。」

【日本神話】控え室で、この戦いを見て呟くサトルに、後ろから話し掛ける声。

 

「………………?」

とりあえずは受け応えしたが、その会話相手に、違和を感じたサトル。

 

「…………………………。

何故お前達が、冥界(ここ)に居る?」

振り向いた先に居たのは、駒王町に居る筈の、白音と黒歌だった。

 

「決まってるにゃ。

サトルが何時迄も帰ってこないから、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)どうにゃっているかってネタバレスレ見てみたら、」

「まだ、漸く終盤戦に入ったばかりと言うじゃないですか。」

「だから1度 高天原に行って、其処から冥界に転移出来る人に、タクシーを頼んだんだにゃ。」

「タクシー?」

改めて猫姉妹の後ろをよく見てみるると、

「「…………………………。」」

「…どうも。」

其処には逞しい体躯の黒髪の男と金髪をポニーテールに結った少女、そして金色の仮面を被った少年が。

サイラオーグ・バアルと その女王(クィーン)のクイーシャ・アバドン、兵士(ポーン)のレグルスである。

 

「兄貴、ごめん。」

「転移魔法を使ったのはクイーシャだ。」

ぺこり…とりあえずサトルが頭を下げる。

 

「全く…折角のクリスマスの夜に、帰らないなんて、任務(しごと)と私達と、どちらが大事なんですか?

何ですか? サト君もバトルマニアですか?

こーんな美少女と〇〇〇するよりも、(ヤロー)とバトってる方が楽しいとでも言うのですk

「はい、猫缶。」

「にゃー♪♡…って、私は み〇くちゃんじゃありませんよ!?」

「知らねっての…って、昨夜(イヴ)に散々と自主規制だったろうが!

そもそもクリスマスって、俺達 日本神話所属(にほんじん)がキリストの祭式に乗っかるのは、どうかと思うぞ?」

「大丈夫だにゃ!

1年に1日だけキリスト教徒に、」

「それと4年周期で急に目醒めた様に、サッカーファンやラグビーファンになるのが日本人です。」

「日本中の似非や にわかを敵に回す発言は止めろ。

それと、純粋(ガチ)なファンの皆さんに謝れ。」

そしてクリスマスに帰ってこないサトルに ぷんすかな猫姉妹に対して、【日本神話】的に それは間違っていると諭すサトル。

 

がばっ…!

 

「きゃっ?!」「ふにゃっ!?」

その時、そんな猫姉妹をいきなり背後から纏めて抱き寄せる人物が。

 

「黒歌ー、白音ー!

私の応援に来てくれたのね、お母さん、嬉しー!」

「ちょ…離すにゃ!」

「お、お母様?」

髪の毛を金と赤のハーフ&ハーフに染め、藤色の猫耳を生やした美女。

白音と黒歌の母親の藤舞だった。

 

≫≫≫

あ…(けの)」  

 

シュゥ…

 

『勝負有り!

バラキエル選手、戦闘不能(リタイア)です!』

…その後の戦闘も、バラキエルが奮起するが それでも大国主の優勢は変わらず。

大した波瀾も無しに、最後はバラキエルが武舞台から…最後迄 自分の娘の身を案じながら姿を消して逝った。

 

 

「大馬鹿野郎が…

堕天使如きが"神"に敵う訳が無いだろうが…」

「…それでもバラキエルからすりゃ、未だ終わってなかったんだよ。

察してやれ、アザゼル。」

「んな事ぁ解ってるんだよ!

しかし それでも、あのバカが大馬鹿野郎には変わらねぇ!!」

その様子を堕天使領から観ていたアザゼルが、悔し気に呟いた。

 

▼▼▼

「まさか…これ程とは…」

ロンドンに在る小さな美術館。

その地下室で、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)を観ている大柄な男が戦慄していた。

 

「何故 悪魔は、これ程までの者達を弱小と認識していたのでしょうか…」

それに もう1人、長い銀髪の男が同調する。

 

「いや、寧ろ何故 悪魔(じぶんたち)が世界で一番至高なんて考えに至っていたのか…そっちが疑問だよ。」

そう言っているのは、赤と青が入り乱れた頭髪に、赤と青のオッドアイの中年男性。

メフィスト・フェレス。

最古参の悪魔の1人で、人間界(ちじょう)の魔術師ギルド"灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)"の長である彼は、自身の女王(クィーン)の龍王タンニーン(人間形態)、そして もう1人の悪魔とゲームを観戦していた。

…以前、【日本神話】からの遣いとして赴いた豊玉姫の、【日本神話】による冥界侵攻への不干渉要請の対価として、メフィストは とある転生悪魔と その家族・眷属の安全を申し出ていた。

その悪魔というのが、今 一緒にゲームを観戦しているリュディガー・ローゼンクロイツだ。

メフィストは灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)と同じく、ヨーロッパ有力魔術師ギルド"薔薇十字団"(ローゼン・クロイツァー)の創始者一族出身のリュディガーを保護する事で、ライバルギルドにギルド運営者として"貸し"を作る事に成功。

この辺りは悪魔と云うより、人間の組織を治める人間らしかった。

 

「古い悪魔は、もう お仕舞いだよ。

そして残った者達が貴族無しで どう立ち直るか…

それで本当に、冥界の…悪魔の未来が決まる。」

「メフィスト様は、手を添えないのですか?」

「年寄りは もう、出るべきでは無い…出ては駄目なのさ。」

…姫島朱乃と藤舞が戦っている場面を観ながら、彼等は冥界の未来を思い案じるのだった。

 

≫≫ ≫

「雷よォッ!!」

 

バチィッ!

 

巫女服姿の姫島朱乃が放つ雷撃を、名前と同じく藤色の着物を桃色の帯で締めた藤舞が、難無く躱す。

 

「何だいアンタ、私を舐めているのかい?

私を仕留めたいなら、そんなチャチい雷で無く"雷光"で来な、バラキエルの娘!」

「だ、黙れ! その名前を出すな!」

 

バチィイッ!

 

その呼び方は朱乃にとっては禁句だったのか、鬼気な表情で より強力な雷を放つが、やはり藤舞には当たらない。

 

「そんなに自分の父親が憎いのかい?」

「当たり前よ!あの男のせいで、母様は!」

「いや、それって悪いのは、寧ろ【日本神話(こっち)】…姫島だろ?

少なくとも父親を怨むのは、筋違いじゃないのかい?

アンタの母親も、それは望んじゃいないよ?」

「…! 黙れぇっ!!

貴女に私の…母様の何が、分かっていると言うのですか!?」

 

ドッゴォッ!

 

藤舞の問い掛けに、朱乃は益々ヒートアップ。

今度は掌から放つで無く、暗雲を喚んでの超強力な落雷で攻撃を仕掛けるが、これも藤舞は その軌道を読み、楽々と避けていく。

 

 

 

ん~…、「何が分かる」って、朱璃とは同じ衆合地獄(しょくば)獄卒仲間(ともだち)で、アンタ達の事も度々聞かされてるからね~。

あのコが今のアンタと父親に、どんな想いをしているか、アンタの方こそ()()()()()でしょ?

 

 

 

藤舞は そう思いながら、妖氣と仙氣を練り始める。

 

ボゥッ…

 

そして大きさバスケットボール程の、7つ7色の氣弾を作り出すと、己の周りに旋回させた。

 

「??!」

それを見て警戒した朱乃に、藤舞が更に話し掛ける。

 

「アンタは1度、父親(あの おとこ)と面を向けて話すべきだと思う。

大国主様との戦闘前、アンタの無事を願いにした、あの男の(アンタ)の事を心底想う心情を、理解出来ない様な お子様じゃないだろ?」

「う、煩い! 私が あんな見え見えな御機嫌取りで簡単に靡く、子供だと思っているの?!

仮に あの男が勝ち、不戦勝となったとしても、私は その権利を跳ね退けていた!」

「……………………………………。」

この朱乃の言葉に、今まで笑みを溢していた藤舞の表情が変わった。

瞳は冷たい光を宿し、冷めた表情。

 

「そうかい、分かった。

子供子供だとは思っていたけど、此処まで餓鬼だとは思ってなかったよ。

もう一生、そうやって現実逃避してりゃ良いさ。

朱璃…悪いけどアンタの娘、潰すよ。」

「え? 貴女、もしかして母様を知っているの?」

 

ヒュゥウン…ッ!

 

その朱乃の質問に藤舞は応えない。

そして その応え代わりとばかり、7つの氣弾を朱乃に向けて飛ばすのだった。

 




 
人型タンニーン…バジウッド・ペシュメル(OVER LOAD)のイメージで。
 
 
次回
???「ウチの出番や!」
 
感想よろしくです。


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邪馬台国の女王、卑弥呼!

 
以前 感想で書かれたけど、『恋姫』では断じて無いからね!
 


▼▼▼

 

「サっトル君~♪

勝っったよ~~~~!♡」

 

がばっ…

 

「んゎっ?! ぬぃわいゎん、いむ!いむるああっ!?」

「こっのエロ猫ババァーーーーっ!

サトルに何やってるにゃ!!?」

「サト君から離れなさい!」

 

【日本神話】控え室。

戦いを終えた藤舞が、その労いを求めるかの様にサトルを()()()()に捕らえる。

それを白音と黒歌が怒りながら、引き剥がしに掛かった。

 

「えー? けちー。」

「「…じゃ、ないです!」

        にゃ!」

悪戯(じょうだん)っぽく笑う藤舞に、娘達が真剣に突っ込みを入れる。

 

「ん、ん。仲の良い親娘だねぇ~。」

「…で、御座るな。」

「いや、あれは仲が良い…のか?」

そんな光景を控え室の面々が、優しい目で眺めていた。

 

「いーじゃーん。

私、旦那様(おとーさん)が死んでから、〇〇〇って全く してないんだけど?

だから偶にはアンタ達の中に、私を交ぜてくれたって、良い思うの。

サトル君だって、トリプルぱふぱふとか やってみたいよね?」

「…………………………。」

「何で そうなるんですか!?

駄目に決まっています!…ってサト君も、何を黙ってるんです?!」

「このドスケべ浮気者サトル!

何を想像しているにゃ!?」

「ぐぇっ?! 黒歌姉、チョーク、チョ~ク…」

そして始まるカルテット漫才。

 

「はっはっはっは! 平和だね~♪」

「…で、御座るな~。」

「いやいやいやいや! 神代聡琉、白目を剥いて落ちかけてるぞ?!」

そんな平和な?遣り取りを笑いながら見守る面々。

 

「………………………。」

 

ガサ…

 

そんな中、ズボンのポケットからスマホを取り出す人物が、約1名。

 

≫≫≫

 

※※※

 

◇炎の兄貴!◇

【新事実】先程のバトルで姫島朱乃を倒した藤舞さんだが、実はスレ主の嫁姉妹の母親だった件

 

◇名無しの悪魔◇

まじ?

 

◇炎の兄貴!◇

因みに、未亡人だそうだ。

 

◇名無しの悪魔◇

マジかっ!?

 

◇名無しの悪魔◇

若い!…って、つまりはスレ主の嫁もネコマタか?

 

◇名無しの悪魔◇

美人だよなー

つまり、スレ主嫁姉妹も、あのDNAを継いだ美少女って事か。赦さん!

 

◇コヤス=サン◇

ああ。スレ主嫁姉妹は かなりな美少女なのは、この俺が保証しよう。

分類的には姉はスレ主限定の びっちきょぬー、妹もスレ主限定びっちで ろりきょぬーだ。

 

◇名無しの悪魔◇

赦…さん…!

 

◇名無しの ひんぬー会長◇

ついでに言えば、常時3人でバカップル全開です。

 

◇名無しの悪魔◇

ちっくしょおーーーーーっ!

 

◇炎の兄貴!◇

…で、今夜は勝利祝いで親娘&姉妹丼らしい。

 

◇名無しの悪魔◇

なん…だと…?

 

◇名無しの悪魔◇

赦さねぇ!!

 

◇名無しの悪魔◇

折れろ!

 

◇名無しの悪魔◇

枯れろ!

 

◇名無しの嫉妬マスク(血涙)◇

もげてしまえ!!

 

◇名無しの嫉妬マスク◇

ちくしょー!

今夜は八つ当たりで道行くカップルを襲撃してやる!

 

◇名無しの悪魔◇

手伝おう!

 

◇名無しの運対常連◇

俺もだ!

だからマスク貸してくれ!

 

◇セイジョ☆スキー◇

よーし、君達、少し落ち着こうか。

 

 

※※※

 

≫≫≫

『さぁ、次に【日本神話】からは登場するは、嘗て幾多の豪族により争われていた倭ノ国を初めて、邪馬台の地から統べた最古の女王!

その名は…卑弥呼!』

 

「ウチの出番や!」

アメノウズメの呼出(コール)で、【日本神話】控え室から出ようとするのは、白音と背丈が そう変わらない少女。

 

「ぶっちゃけ駄肉姫は糞雑魚ですが、一応 油断は禁物ですよ~?」

「卑弥呼さん、頑張って下さい。」

「おおきにな、サトルちゃん白音ちゃん。」

卑弥呼。

伝承では西暦200年代にて当時の日本を鬼道を以てして治めていたと云われる、邪馬台国の女王とされる人物。

彼女もまた、死後は生前の実績や異能(チカラ)から、天照大神直々の勧誘(スカウト)を受け、高天原にて一般神兵よりも上位の住人となっていた。

尚、少女の姿をしているのは この年代が最も能力(チカラ)が高まっていた時期だったかららしい。

 

「ほな、行くでー。」

…因みに精神年齢も、その外見に依存していた。

 

▼▼▼

「こ、子供?!」

武舞台にて、卑弥呼より一足先に入場していたリアスは、自分の対戦相手を見て驚いた。

身長140㌢弱。

自分が通っていた学園でも同じ位の背の、「学園マスコット」の愛称で人気が有った1年生女子が居たが、彼女は その低い背丈とは不釣り合いの抜群なスタイルの持ち主だった。

しかし、目の前に現れた少女は、身長相応な体つき。

 

「こんな子供と、戦えって言うの?」

どう見ても小学生にしか見えなかった。

 

「む…何や! この駄肉(おっぱい)女!

ウチに何か言いたい事でも有るんかい?!」

「何ですって!?」

そんな不安か不満かを顔に丸出しなリアスに、何かを察した卑弥呼が噛み付く。

 

「ウチ、こう見えて強いで~!」

 

▼▼▼

 

ボォゥッ…バシュッ!

 

「きゃははは♪ 怖い怖い!♪」

「くっ…!」

リアスが放つ滅びの魔弾を、大きさ約50㌢、卑弥呼の左右に付き従う様に浮かぶ、2機の白色の土偶が撃ち出す熱線(ビーム)が相殺する。

冥界侵攻の時、神兵が搭乗していた土偶型機動兵器を小型化した様な造型。

それは卑弥呼の専用武装の、"日神(ヒノカミ)"と名付けられた精神感応遠隔操作式鬼道砲台だった。

 

「サトルちゃん…これ、糞雑魚やない。

超糞ド雑魚やわ~♪(笑)」

戦闘開始から、卑弥呼はリアスの攻撃を嗤いながら捌く。

そんな舐めた様な動きに、リアスは頭に血が上り、益々パワー重視の大味な攻めとなり、それは更に容易く卑弥呼に避けられてしまう。

 

「あのな、そんな大っきいの1つボーン!って飛ばすで無くな、それを無数に散らして全方位攻撃とかしたんが、まだ当たる確率上がると思うで?」

「だ、黙れ!」

卑弥呼の この言葉は舐めてるとか余裕とかで無く、純粋に親切な助言だったのだが、完全に冷静さを失ったリアスは そうと受け取れず。

 

ボォゥッ!

 

今の自身が作り出せる、最大サイズの魔弾を飛ばすが、 

「せやからアカーン!…て、言ってるやろ!!」

 

バシュゥッ!

 

卑弥呼も これを向かえ撃つ様に、2機の日神(ヒノカミ)から其々 赤と白の熱線を螺旋の軌道で放った。

2本の熱線は絡まる様に交わり、巨大な1本のビームとなり、

 

ボシュッ…どん!

 

「きゃぁああっ!?」

超特大の滅びの魔弾を貫くと消滅させ、更には威力その儘にリアスに直撃。

 

「ぅ…うぅう…」

辛うじて退場(リタイア)は避けられたが、大きなダメージを負ったリアスが ふらふらながら立ち上がり、卑弥呼を睨み付ける。

 

「くそ…滅び、ろぉっ………??!」

そしてリアスは また滅びの魔弾を撃とうとするが、その魔弾を作り出せない。

 

「どうやら魔力切れみたいやな?」

「…………!!」

「今の大っきいヤツに全部の魔力 使って もう、すっからかんなんやろ?

自分で気ぃ付かんかったん?」

「だ、黙りなさい!」

自分でも気付けなかった魔力切れを指摘され、顔を髪の毛の様に紅くしたリアス。

 

ザッ…

 

ならばと、空手の様な構え(ファイティング ポーズ)を取るが、それは どう見ても不慣れな素人の其れだった。

 

「なんや? 次は どつき合いか?

ええで~。ウチも それ、実は結構 得意やねん♪」

 

バッ…

 

そして卑弥呼も それに応じる様に身構える。

両足を少しだけ左右に開くと左足を半歩 前に出し、左手は天を掴むかの如く上空を差す。

そして右手は地を抑えるかの様に下方に向けた、独特な構えだ。

 

「さあ、掛かって()いや。」

何時の間にか合計8体に分裂?増殖?した日神(ヒノカミ)が、両手に日の丸扇子を持って踊って主を応援する様な動き(アクション)をする中、卑弥呼がリアスを誘う。

 

「…………………!」

これにはリアスも失策を自覚。

体格差故に、接近の肉弾戦では自分に分が有ると思っていたが、卑弥呼の隙無き構えを見て、それは誤りだった事に気付いた。

 

「てぇやっ!」

だが それでも魔力が尽きた自分には、他に手段が無いとばかりに間合いを詰めての右の刺突を繰り出すが、

「ほぃっと!…はいな!」

 

ガシッ…バキッ!

 

「きゃっ!」

それは簡単に右手で受け止められ、直後にカウンターの左の手刀を首筋に貰ってしまう。

 

「まだまだやっ!」

 

バシバシッ!

 

「くぁっ?!」

しかし それでも倒れないリアスに待っていたのは、跳躍から左右の前蹴りの連打。

これを顎先に貰い、リアスはダウンしてしまう。

 

「そっれぇい!」

 

ヒュゥン!

 

「…!??」

しかし、卑弥呼の攻撃は終わらない。

両掌を胸元で重ねて氣を集中させると、白い鴉を象った鬼道の弾をリアスに飛ばした。

 

どんっ!

 

「~~~~~~~~!!?」

これをリアスは完全に躱し切れず、右腿を貫かれてしまう。

魔力を失い、更には まともに動けなくなり、既に勝負は決したも同じだが、この戦争遊戯(ウォー・ゲーム)降参(ギブアップ)は認められず、もう後はトドメを刺されるのを待つだけとなった。

 

「…アマテラスさんとサトルちゃんが言うてた。」

「…??」

そんなリアスに、卑弥呼は ゆっくりと歩を進めながら話し掛ける。

 

「この うおーげえむは えんたーていめんと?やから、単に敵を斃すで無く、観客に魅せるのも大事やと。

…だ・か・ら最後は、派手に行っくで~!」

「な…!!!!??」

 

ヒュゥン…!

 

8機の日神(ヒノカミ)が機体を黄金に輝かせ、円陣を組んで回転しながら飛翔、リアスの頭上を捕らえる。

 

カァッ…!

 

「きゃぁああ~~~~~っ!!?」

そして上空から撃ち放つのは、無数の光閃から成るの光シャワー。

それは悪魔の弱点である聖光では無かったが、その熱量から成る破壊力は、リアスを退場(リタイア)させるには充分過ぎる威力だった。

 

『リアス・グレモリー、戦闘不能(リタイア)

9th戦闘(バトル)勝者(ウィナー)…卑弥呼!!』

駄肉(おっぱい)女、いてこましたった!

どやぁっ!」

 

▼▼▼

「お嬢様も、駄目でした…か。」

 

『聖書』控え室では、リアスvs卑弥呼を見守っていたグレイフィア・ルキフグスが、その結果を見て呟いていた。

 

「ふっ…

いよいよ残るは、私1人ですか…」

そんな自虐気味に喋る中、

『さあ、いよいよ次がラスト・バトル!

最後に意地を見せるか、一矢報いる事が出来るか『聖書』!

魔王サーゼクス・ルシファーの女王(クィーン)にして妻…

最強の女性悪魔…"銀髪の殲滅女王(クィーン・オブ・ディバウア)"グレイフィア・ルキフグス、西ゲートより入場!』

アメノウズメからの呼出(コール)を受け、

「アナタ…護って下さいね…」

 

パタン…

 

控え室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…そして誰も居なくなった『聖書』側控え室。

 

ガサッ…!

 

部屋の隅に置かれてあった誰かの鞄が怪しく動き、

 

バサバサァッ…

 

その蓋が開かれ、中から無数の紙切れが室内に舞い広がる。

 

 

[あなたの望み叶えます]

 

この文章とグレモリー家の魔方陣が書き込まれた用紙。

それはリアス眷属が人間界で顧客契約を得る為のチラシだった。

 

カァッ…!

 

そして その舞い散るチラシの内の1枚が、怪しく輝いた…

 




 
卑弥呼…卑弥呼(無双OROCHI)のイメージで。
 
次回、皆大好き あのヒトが遂に登場!
感想よろしくです。


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叶わぬ願い

 
【前回の あらすじ】
 
※※※

◇名無しの悪魔◇
卑弥呼たんハァハァ(;゚∀゚)=3
 
◇名無しの悪魔◇
卑弥呼たんハァハァ(;゚∀゚)=3
 
◇名無しの悪魔◇
卑弥呼たんハァハァ(;゚∀゚)=3
 
◇セイジョ☆スキー◇
卑弥呼たんハァハァ(;゚∀゚)=3
 
◆スレ主◆
もしもし、ポリスメン?
 


『さぁ、【日本神話】最後の代表は、実は閻魔様よりも強くて偉い!

誰が呼んだか人呼んで、地獄最恐の鬼ぃさん!

…12月25日。今宵、冥界に日本地獄からのクリスマスプレゼント。

閻魔大王補佐官…酸漿、見参!!』

 

バタァン…

 

呼出(コール)の後、開かれた東ゲートから現れたのは酸漿。

無数の鋲が生えた巨大な鉄棒を担ぎ、無言無表情でグレイフィアが待つ武舞台へと向かっていた。

 

「ケッ!コイツかよ!」

その映像を見て不機嫌面全開、面白く無さそうに吐き捨てる男が1人。

 

「オメー、あの男を嫌い過ぎてるだろ?」

「あの目付きが気に入らねー!」

「いえ、貴方も充分に目付きは凶悪ですよ、コカビエル?」

グリゴリ幹部コカビエルである。

悪魔や天界と違い、堕天使達は【日本神話】とは「姫島騒動」以前にも幾度か拘わりが有り、それなりに知っていた。

 

「アイツは性格も最悪だしな!」

「それは激しく同意だが…お前も充分に最悪だぞ?」

そして酸漿とコカビエルは その際、個人的に色々と有ったらしく、互いに嫌っている間柄だった。

 

「大体 何よりも、あのが気に入らねーんだよ!」

「同()嫌悪っスか?」

 

▼▼▼

「いや…ウヅメさん、儂の方が偉いからね…」

 

場所(ところ)変わって、日本の冥界…日本地獄に在る閻魔殿の一室。

『閻魔様より強くて偉い』のアナウンスに、複雑な表情を浮かべてテレビを観ているのは、日本地獄のトップ、閻魔大王その人だ。

 

「『強い』の方は、否定しないんだね!」

「ん~、まぁ、そっちは…ねぇ?」

それを一緒に観ていた白い犬が、無邪気な笑顔を浮かべて話し掛けていた。

 

「閻魔様~。」

「此方の書類、確認お願いしま~す。」

其処に やって来たのは、大量の巻物(しょるい)を持った2人の少年。

…いや、彼等は『小鬼』という種族であり、白音や卑弥呼と変わらぬ背丈だが、既に成人…青年である。

 

「あ、酸漿様テレビ出てる!良いな~。」

「羨ましい。」

「目立ってる。」

その小鬼の1人がテレビに映った酸漿を見て、羨ましそうに呟き、一緒にテレビを観ていた双子?の少女も それに同調する。

 

「…って、閻魔様、今は まだ仕事時間ですよ?

テレビなんか観てて良いのですか?」

そして も1人の小鬼は、業務時間内にも拘わらず、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)を観戦している閻魔に問い掛け。

 

「大丈夫大丈夫、今は休憩時間って事にしとくからさ。

それに ほら、昔から よく言うじゃない?

酸漿君(オニ)の居ぬ間の洗濯…って、ぇえええっ!??」

それに対し、閻魔大王は今は天敵が居ないからか、涼しい顔で切り返したが、その表情は瞬時に一変する。

テレビ画面には、それは正しく鬼神の形相でのカメラ目線。。

恰も此方を睨む様にして、鉄棒を向けている酸漿が映ったのだ。

 

「ん~、あれって絶対に、『帰ったらシバく』って言ってる顔だよね~。」

「バレバレ。」

「全て お見通し。」

「い、ぃぃいや、偶然だよ!

さ、さぁ、休憩終わり! し、しししし仕事しようか!」

「俺は非番だから、この儘テレビ観てるね!」

「休みの日に、閻魔殿(ここ)に遊びに来てるのかよ…?」

 

▼▼▼

『そぉれではぁ~、最終戦闘(ファイナル バトル)ぅ、開始(スタート)おっ!♪』

 

シュタタタタタタ…!

 

戦闘開始の掛け声と同時、先手を放ったのはグレイフィア・ルキフグス。

以前のサトルとの戦闘同様に、無数のナイフを酸漿目掛けて投げ放つが、

 

バキィッ!

 

やはり それはサトルの時と同じく、手にした鉄棒のスイングで全て叩き落とされてしまう。

 

「狙いが正確無比だからこそ、軌道も丸分かり。

そして何よりも軽過ぎ、遅過ぎですね。」

「……………………。」

顔色変えずに話す酸漿に、グレイフィアも表向きは冷静さを装うが、内心は かなり動揺していた。

 

 

 

…ナイフの軌道を読まれた理由は、納得出来ました。

でも、軽くて遅いですって!?

 

 

 

グレイフィアのナイフは当然、只のナイフでは無い。

地上には存在しない、冥界の特殊鉱石から造られた業物だ。

それに、魔力を通わせて投擲しているのだ。

速さも威力も、それなりに自信は有った。

 

「くっ…先日のガルーダが特別な訳で無く、日本神話は皆が こうなのですか?」

サトルと戦った時と ほぼ同じ展開だが、攻撃が通用しない理由を改めて今 戦っている相手に解説されると、流石に少しだけ凹んでしまう。

 

「それでも、私は…!」

 

バサッ…

 

しかしグレイフィアは直ぐに思考を切り替え、武舞台上空に飛翔して、魔力を集中させる。

…アマテラスから提示された消化試合の勝利ボーナス。

それを残された5人の内、バラキエルを除く4人は、同じ望みを訴える事が決まっていた。

アマテラスが言った、「死者を蘇生する事も可能」の言葉。

それを聞き、グレイフィアとリアスは、サトルとの戦闘で消滅した夫、兄の復活を望む事に。

当然、リアスの下僕2人も、主の願いに同調していた。

 

「夫を…サーゼクスを…!!」

 

バゴォッ!

 

そして撃ち放つのは、銀に光る巨大な魔力弾。

"滅び"の魔弾では無いが、相当な破壊力を持った一撃だ。

 

(かーっつ)っ!」

 

シュ…

 

「な…何ですって?!」

しかし それも、避ける素振りを見せない酸漿に当たる寸前、この鬼神の一喝だけで掻き消されてしまった。

 

「……………………………。

成る程、貴女の望みは魔王サーゼクス・ルシファーを蘇らせる事でしたか。」

そしてグレイフィアの台詞で大方を察した酸漿。

少しだけ申し訳無さそうな顔を見せ、

「しかし、その願いは叶えられませんね。」

「な…?!」

無感情に事務的に、冷たく言い放つのだった。

 

≫≫≫

「あっちゃ~。酸漿君、言っちゃったよ。www」

その様子を、【日本神話】控え室で見ていたアマテラスが苦笑。

 

「まぁ、万が一にも あのPADちゃんが酸漿君に勝っちゃった後に、『誠に残念ですが その願いは叶えられません。♪でけでけでけでけでんでん♪』…な感じよりはマシだろうけど?」

「ですよねー。」

その台詞に相槌を打つのは、サーゼクスをこの世から()き者としたサトルである。

 

「ちょっと待って下さい、サーゼクス様…を蘇らせる事が出来ないとは、一体どういう意味ですか?」

「…てゆーか今PADって、さらっと爆弾落としましたよね?!」

 

≫≫≫

「…つまり、死者の復活には当然、その者の魂が必要な訳です。

しかし魔王ルシファーの魂は、サトルさんとの戦闘で完全に消滅している。

それは聞かされた筈でしょう?」

 

 

 

魔王サーゼクス・ルシファーと云う存在は、この世から消え失せた。

その魂は天に召される事も地獄に堕ちる事も無く、輪廻転生の輪に組み込まれる事も無ければ、逝く場所を求めて彷徨う事も無い。

完全な消失…『無』だ。

 

 

 

「…………!!」

確かに…

酸漿の説明に その時のサトルの言葉を思い出し、グレイフィアは絶句。

 

「確かにアマテラス様ならば、魔王ルシファーと同じ容姿に同じ能力、同じ性格と遺伝子、そして同じ記憶の複製(コピー)を造り出す事も可能でしょうが、それを貴女達は魔王本人が甦った…還ってきたと、当人だと受け入れられますか?」

「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

 

ピシィッ…ガラガラ…

 

酸漿の言葉の後、グレイフィアの内側で何かが壊れ崩れる様な音がした。

夫であり主であるサーゼクスの復活が叶わぬと知り、彼女の精神は限界を超える。

仮に その願いが無理だとしても、他の…例えば残された家族の無事や共に暮らす事を懇願する選択肢も有ったかも知れない。

…が、サーゼクスの復活が叶わないというショックに、今のグレイフィアは其処まで思考する事が出来ずにいた。

 

シュゥゥ…

 

そして絶望の表情で立ち尽くした儘、魔王の女王(クィーン)は其の場から姿を消す。

結果、酸漿は最初に対峙した位置から1歩も動く事無く、勝負は決してしまった。

 

「…成る程。肉体ダメージだけで無く、精神的に限界を超えた場合でも、退場(リタイア)が適用される仕様でしたか。」

『えぇ~っと…勝負有り!

勝者(ウィナー)、酸漿!!

よって此の度の戦争遊戯(ウォー・ゲーム)、【日本神話】の完全勝利!!

魔王レヴィアタンの処刑が決定しました~!

それでは今から1時間後、この場で公開処刑を執り行います!

この儘 残って見学するも、もう帰宅するも自由です。

とりあえずは本日は来場、ありがとうございました~♡♪』

 

わーわーわーわー…

ざわざわざわざわざわざわ…

 

アメノウズメのアナウンスに、歓声は僅かにしか起きない。

同時に僅かな どよめきが起きる。

流石にセラフォルー・レヴィアタンの処刑まで観ようとする者は多くは無く、観衆は席を立とうとした。…その時、

 

「ちょっと待つにょ~っ!!」

 

バタァン!

 

つんざく様な大声と共に、西ゲートが勢い良く開かれた。

其処から姿を見せたのは、あの魔王セラフォルー・レヴィアタンが自称する、"魔法少女"の色違いながら同じデザインのコスプレ衣装を超・筋肉質な巨体に包んだ人物だ。

 

ぶぅんぶんぶんっ!

 

そして その者は先端に翼が生えたハートの飾りが付いた杖棍を頭上で豪快に振り回し、ポーズを決めるのだった。

 

「悪魔さん達を、助けに来たにょ!!」

 




 
次回『最強の助っ人!』
感想よろしくです。
 


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最強の助っ人!

 
急展開!…?
 


「あ、あれは!」

「し、知っているのか神代殿!?」

「うむ!」

 

酸漿とグレイフィアのバトルも終わり、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)は【日本神話】の完全勝利。

いよいよ今回の戦争で残すイベントは、最後の魔王、セラフォルー・レヴィアタンの処刑だけとなった その時、闘技場に突如 乱入して「待った」を掛けてきた人物。

それを控え室のモニターから見たサトルが…

 

「「「「………………!」」」」

いや、サトルだけではない。

白音と黒歌、古杜とラウラも、その人物を見て驚いていた。

彼等に共通するのは、全員が現在、駒王町に在住している事である。

 

「あれは…」

 

▼▼▼

『あ、あの~、アナタ、ドナタ?』

 

ざわざわざわざわざわざわざわざわ…

 

騒然とする観客席。

流石にセラフォルーの処刑は観る気には なれないと、会場を去ろうとした者達も足を止め、その様子を伺っている。

そして台本(シナリオ)に載っていない展開に、司会進行役のアメノウズメも戸惑いながら、この謎の来訪者に何者かを尋ねると、

 

「ミルたんはミルたんだにょ!」

『あ、はい…って、いやいやいやいや、そうじゃなくって!?』

その者…ミルたんは、野太い声で答えるのだった。

 

▼▼▼

「ミルたん…で、御座るか?」

「な、何やねん?!」

「いや、そう言われても…」

「他に答えようが無いのだが…」

「…だにゃ。」

場面は再び控え室。

サトルの「あれは…ミルたんだ。」の言葉に、このミルたんを知らない者達は、更に頭上に疑問符を浮かべる。

 

ミルたん…

それは駒王町では それなりに有名な、アニメの魔法少女のコスプレで町を徘徊すると云う、謎の人物である。

とある物語…世紀末の世にて覇王を名乗る男の様な強面の巨体が魔法少女の衣装を纏った その風貌は、遭遇する町の者達を正しく『ユは、ショッーク!』とばかりに硬直させていた。

 

「色々と突っ込みたい気持ちは解りますが、私達も それ以上の説明は出来ないのです。」

「うむ。私も初見の時は不覚にも、固まってしまったからな。」

「ん~、それにしても、そのミルたん?…が、どうして此処に?」

「どうやら悪魔と知り合い…恐らくは顧客契約をしていたみたいで御座るが?」

 

▼▼▼

『あー、つまりキミは『聖書』側の、飛び入りの助っ人として参上した訳だ?』

『あ、アマテラス様?』

ミルたんの登場により、騒然とする闘技場の巨大モニターに、アマテラスの顔がアップで映し出された。

因みに、アマテラスが現在居る場所は、【日本神話】控え室である。

 

「そうだにょ!

アナタが敵のボスだにょ?」

『ボス…か…。

まぁ、間違っては いないかな。』

ボス扱いに苦笑…否、満更でも無い顔を浮かべるアマテラス。

 

『しかし、今から戦っても所詮は消化試合。

キミ個人の願いを1つ、叶えるに過ぎないぜ?』

「だからミルたんが勝てば、悪魔さんチームの勝ちにして貰うにょ!」

『………………………………。

あー、キミ、ちょっと待とうか?』

しかし、次のミルたんの言葉に、素で呆れた顔を見せ、

 

ヴォ…

 

モニター画面を消し、会場から姿を消した。

 

▼▼▼

「あんな風に来るのは、想定外だったよ。」

控え室。

少しだけ困った様な表情…だが反面、楽しそうな顔もしているアマテラス。

 

「確かにセラフォルーの助命な願いは受け付けないと先に言っていたけど、まさか自分チームの勝利その物を勝利ボーナスとして申し出るのは、僕も発想には無かったよ。」

「そりゃあ、普通は…」

「それで、アマテラスさm…ん?」

「あの、ミルたんの飛び入り参加を認めるのですか?」

嬉しそうに話すアマテラスに、サトル達が追加試合の是非を問うと、

「ん。認めるよ…って言ーか、認めるしかないだろ?

見てみなよ、今の会場の雰囲気。」

アマテラスは、この応え。

 

わーわーわーわーわーわー…!

 

そして【日本神話】の主神様が指差したモニターに映っている観客席からは、既に追加バトルは決まった様な…酸漿とグレイフィアの戦闘後に席を去ろうとした者も再び着席、正式に主催者(アマテラス)からの発表を待つかの様な賑わいが映されていた。

 

「まぁ、一番最初に『1チームの上限は12人』と発表していたから、そういう意味では問題無い。」

「成る程~。せなら後は、誰が あのミルたん?…と、戦うかやな。

見た感じ、大国主様と戦った熊の おっさんや、酸漿さん相手やった めいどは別として、今迄の その他の悪魔と比べても、相当に強いで?」

「そうだね。

ついでに言えば、此方から既に登場した人物を出しても、それはイベントととして面白味に欠ける。

かと言って、人間相手に『神』を出すのは論外として、今から『NIN=JA』や高天原の誰かを呼びに行く時間も無い。

…だから、」

「わ、私は無理ですよ!

あのミルたんに勝てる自信有りません!」

「同じくだにゃ!

アレは とりあえず、鎧無しのサトルよりも強いにゃ!」

「…だ、そうだけど?」

「お、俺…ですか?」

 

▼▼▼

「「「「………………。」」」」

場所は変わり、コロシアム内の医務室。

其処では負傷退場したリアス眷属達が、闘技場での遣り取りをベッドの上で見ていた。

リアス達も、ミルたんの事は知っている。

兵藤一誠の悪魔家業の、初めての顧客の魔法乙漢。

彼女?の願いは『ミルたんを魔法少女にして欲しいにょ』だったのだが、当然 兵藤には そんな願いを叶えられる能力(チカラ)は持っておらず。

その時は代わりに、別の願いを聞く事で…正確には『一緒に魔法少女アニメを鑑賞』する事で、契約完了としていた。

そして兵藤の報告により、その後も駒王町に住む者として偶に町中で出逢う事も有り、それなりの親交が出来、その時に思い知らされたミルたんの特異性。

だからこそ、この人で在りながら人間の常識から外れた理不尽枠な人物が、自分達の助っ人として現れてくれた事に、ある意味の期待が高まった。

 

「…でも、ミルたんは どうやって、冥界まで来たのかしら?」

「それは、ミルたんだからですわ♪」

「ミルたんですから。」

「ミルたんさんだからですぅ!」

「そ、そうよね! ミルたんだもんね…

…でも、そんなミルたんだから、きっと何とかしてくれるわ!」

「は、はい!」

「そうですね!」

 

▼▼▼

「…な~んて風に、今頃リアスちゃん達は考えていると思うんだ。

だからこそ、そんな甘い期待を消し飛ばす…彼女達が『絶対に勝てないと思わせる人物』をぶつける。

…おいおい、サっトル君?

そんな『うゎ…悪趣味~?(汗)』…な顔をしないでおくれよ?

自覚は してるからさ。

…ねぇ? サイラオーグ君?」

再び場所は【日本神話】控え室。

アマテラスはミルたんとの対戦相手として指名抜擢した…白音と黒歌が冥界入りの際に同行していた…サイラオーグ・バアルに、その理由を説明していた。

 

「そして、此れに応じてくれたら、勝敗関係無く、対価を支払おうと思う。

ミルたん戦の直ぐ後、このコロシアムでサトル君との再戦を望むも善し、他にも例えば…」

「うっわぁ…

神様が兄貴(あくま)に悪魔の囁きしてる…」

アマテラスの言う対価の例えに、思わず声を零すサトル。

 

「……………!!」

 

コクン…

 

しかしサイラオーグは その言葉に喰い付く様に大きく眼を見開き、そして首を縦に振るのだった。

 

▼▼▼

「…………………………………にょ。」

「…………………。」

その頃、ミルたんは武舞台中央で仁王立ちし、自分の対戦相手の登場を、今かと待っていた。

それに司会進行役の舞と芸の女神は、既に この脚本(シナリオ)の外の展開に、どう対処すれば良いか判らず、只 武舞台隅で立っているだけだった。

 

≫≫≫

「まだ、ミルたんの相手は来ないにょ?」

ミルたんにとって、悪魔…正確に言えば兵藤一誠は、単なる契約悪魔では無い。

確かに最初は悪魔は『魔法少女になる』と云う願いを叶える為だけの最終手段(どうぐ)と云う認識に過ぎなかった。

しかし、悪魔ですら その願いは叶わぬ…その代わりに兵藤、そして彼を介してリアス眷属は彼女?にとって、自分の魔法少女としての理解者と云う大切な存在となる。

しかし、同時にガルーダ・スレなるネット掲示板で、リアス眷属が…特にリアスと兵藤の評判が、非常に芳しくない事に、心を痛めていた。

1度だけ、その掲示板に擁護する様なコメント投稿するも、それは正論で一蹴される。

その後は炎上を恐れてか、投稿する事は無く。

だからと云って、兵藤に変態的行動を謹む意味の言葉を投げ掛けるのも、それが発端で現状(いま)の関係が崩れるのを怖れ、その類いの会話は避けていた。

そして始まった戦争遊戯(ウォー・ゲーム)

サトルの掲示板にアップされる速報(ネタバレ)、その『聖書』…悪魔達の劣勢情報に、何時の間にか その手に握っていたのはリアス眷属特製の、悪魔召喚のチラシ。

 

 

ミルたんも、悪魔さん達の力に なりたいにょ!

 

 

戦争の原因…その非は悪魔…聖書に有るのは理解していた。

…が、その魂からの純粋な呟きに、【あなたの望み叶えます】と記された魔方陣(チラシ)が呼応する様に光を放ち、ミルたんは駒王の自室(アパート)から姿を消す。

そして、タイミング的にはグレイフィア・ルキフグスが戦闘に赴き、誰も居なくなった『聖書』側控え室に…その室内に有ったグレモリーのチラシを介して転移したのだった。

 

「まだ、ミルたんの相手は決まらないにょ…?」

…そして、現在(いま)に至る。

 

≫≫≫

 

ヴォ…

 

『やあ、待たせたね。』

コロシアム会場の巨大モニターに、再び映像が映し出される。

映っているのは当然、アマテラスだ。

 

『結論から言うと、ミルたんの参戦は認められた。

そして その対戦相手、我等が【日本神話】からの代表は、この漢だ!』

 

バタァン!

 

アマテラスの言葉と同時、東ゲートが開かれる。

そして其処から姿を見せ入場してきたのは、鍛え抜かれた逞しい筋肉(ライン)が はっきりと分かる黒の闘衣を着た、黒髪紫眼の青年。

 

うぉおおおぉーーーっ!!!

どんどんどんどんどん!!!

 

その姿を確認した観客席からは、この日 最高の歓声と地響きが起きたと錯覚させる程の、激しい足踏みが沸き立つ。

冥界に住む悪魔からすれば、【日本神話】の侵攻時、サトル(ガルーダ)との戦闘途中で行方不明とされていた、サイラオーグだったからだ。

 

『…まぁ、そんな訳だよ。

詳しくは言わないが、サイラオーグ君も今はデカラビア伯爵や他の一部貴族と同じく、既に【日本神話(こちらがわ)】の一員さ。』

 

うぉっおおおぉーーーっ!!

 

アマテラスの説明に、更に歓声が高まる観客席。

【日本神話】所属は この際どうでも良い。

一部の者…ガルーダ・スレ常連には既に知られていた事実だが、サイラオーグの生存自体が彼らにとっては良い報せだった。

 

▼▼▼

『…で、では改めて、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)最終死合(ラスト マッチ)!』

サイラオーグが武舞台に上がった後、何時の間にか極秘に資料(カンペ)を渡されていたアメノウズメがアナウンス。

 

『先ずは『聖書』からは、駒王町7不思議の1つ、魔法少女・ミルたんーーーーっ!』

 

ぶぅんぶんっ!

 

「にょーーーーーーっ!!」

最初に会場に姿を見せた時と同じアクション、杖棍を頭上で豪快に振り回し、魔法乙漢が雄叫びを上げる。

 

………………………。

 

それに対して観客席からは、歓声もブーイングも起きない。

未だ、その存在に対して どのような反応をしたら良いかの判断が出来ない様だった。

 

『そして【日本神話】からは、会場の皆さんには説明不要?

元・バァル次期当主にして、若手悪魔最強!

とあるサイトでの通り名は炎の兄貴!

サイラオーグぅ・バァアルぅ~っ!!』

 

うぉっおおおぉーーーっ!!

 

一方のサイラオーグのコールには、大声援が送られる。

 

「ふっ…冥界を棄てた俺に、この声援か…」

その状況に若き悪魔が苦笑する中、

戦闘(バトル)開始(スタート)ぉっ!』

 

ゴォォオオオン…

 

戦いの始まりを告げる銅鑼(ゴング)が鳴り響く。

 

▼▼▼

「ミルたん・エア・ハンマー!にょー!」

 

ドゴォっ!

 

初手を打ったのはミルたん。

 

「えあ・はんまー…

名称から察するに、あれは空気の塊を弾にして飛ばす魔法で御座るか?」

「…いえ、只の拳圧(ぶつり)です。」

サトルの解説が正しいのだが、撃ち抜かれた拳から生じた空圧弾をクロスガードで受け止めたサイラオーグだが、そのパワーを完全に消す事は出来ず、

 

ずずず…

 

「…まぁ、普通に強烈過ぎる攻撃には、変わらないですけどね。」

その儘 約80㌢程、後退りしてしまう。

 

ざわざわざわざわざわざわ…!

 

その予想外のパワーに、場内も騒然。

この一撃は、魔法少女を名乗る人物が単なる色物で無い事を認識させるには充分だった。

 

「いやいやいやいや、おかしいでしょう?!

あの兄貴さんがパワー負けですか?

レグ君、今からでも遅くないです。

早く()になってきなさい!」

「無茶を言わないでくれないか…」

そして その攻防に、白音が驚愕。

サイラオーグの兵士(ポーン)の少年に、何やら助太刀?の要請をし始める。

 

「今更レグルス君が出張った処で、乱入扱いで兄貴の反則負けになるっての…」

 

≫≫≫

「フッ、面白い!」

【日本神話】控え室で そんな遣り取りが交わされている中、当のサイラオーグは腕が少し痺れているの実感して、笑みを溢す。

 

ダダダッ…!

 

そして鋭い踏み込みで瞬時に殆どゼロ距離に迄 間合いを詰めると、

 

ドスッ…!

 

「に…ょ…?!」

闘氣を纏った拳でのボディブローの一撃。

これにより、顔色を変えたミルたんの体が ()の字に折れ曲がる。

そして直後、身体全身に闘氣を鎧の如く纏ったサイラオーグは素早く相手の背後に回り込むと、両腕で腹部(ボディ)をがっしりと捕獲(ロック)

「ぬぉおーーーーーーーーっ!!」

 

ドゴォッ!!

 

後方に弧を描くような投げ…プロレスで云うジャーマン・スープレックスを炸裂させた。

 




 
本文でも触れましたが、実はミルたん、1度だけ掲示板の方で登場しています。
 
 
【次回予告!】
さてさて、どうなるどうなる、兄貴vs魔法乙漢!
 
次回『目覚める新たなるチカラ!』
乞う御期待!!
感想よろしくです。
 


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目覚める新たなるチカラ!

 
Go!Go!兄貴!!
 


▼▼▼

「決まったぞ!」

「あれで起きるってなら、彼女?は、人間じゃないよ!」

「いや…それが起きるんスよね…」

「「「「「「へ?」」」」」」

 

高天原の とある屋敷の大広間にて、冥界から亡命してきた殆んどの悪魔が、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)を観戦していた。

サイラオーグの強烈なジャーマン・スープレックスを見て、ライザー・フェニックスやディオドラ・アスタロトは彼の勝利を確信。

しかし、そのサイラオーグの相手…ミルたんを知っている少年が、それを否定した。

 

『に…ょ……ょ…』

「「「「「「「???!」」」」」」」

「ほーらね?」

そして少年…ソーナの兵士(ポーン)・匙元士郎の言葉の通り、自称・魔法少女は立ち上がる。

 

「マジか?!」

「ミルたんですからね。」

「あれ喰らって立つ訳?」

「ミルたんですから。」

「サイラオーグ様の必殺技だぞ!?」

「ミルたんだから。」

「すごーい。」「つよーい。」

「ミルたんっスからね~。」

「な、何者なんだ、アレは…?」

「だから、ミルたんです。」

ライザーやディオドラ、そしてサイラオーグやデカラビアの眷属が驚く中、やはりミルたんを知っている…少し前まで駒王在住だったソーナ・シトリーと その眷属達は、然も当然な事の様な対応だ。

 

「いーえ、だから その、何でもかんでも『ミルたんだから』の一言で済ますの、止めて貰えません事?」

「「「「ミルたんだから、仕方無いです。」」」」

「「何処の ゆでた〇ご先生だよ!?」」

 

≫≫≫

「ふっ、終わらせる心算だったのだがな…」

今更だが、武舞台の床盤は、冥界特有の鉱石の…地上で云えば、大理石に近い…造りである。

そんな床で脳天を痛打しても尚、起き上がるミルたんを見て…しかも『少しだけ効いたにょ?』…なリアクションに、サイラオーグは()()()()()苦笑する。

 

「面白い! 本当に面白い!!」

 

ダダダッ…!

 

その笑みは決して、油断慢心で無く。

自分の防御(ガード)を上回る攻撃(パワー)、自分の(パワー)に耐え得る耐久(タフネス)の持ち主と闘える、昂揚から来る物だ。

ダッシュで間合いを詰め、間合いに入る直前に背を向ける様に反転、その勢いでの飛び後ろ回し蹴り(フライング・ニール キック)を繰り出すサイラオーグだが、

魔導姫杖棍(マジカル・プリンセス・ロッド)!百花繚乱っ!にょーっ!!」

 

ズババババババッ!

 

「ぐっは…ぁっ…!?」

それはミルたんが手にした杖棍による、弾幕の様な高速連続突きで迎撃されてしまう。

それでも体勢を直しながら、追撃を避ける様に距離を開ける。

 

「ミルたん・ウインド・カッター!にょーっ!!」

そこにミルたんが連撃。

右の手刀を振る仕草から生じる真空の刃を走らせた。

 

ドゴゴォッ…!

 

硬石の床を削りながら疾走する、縦一文字の巨大な刃。

 

「……………。

…ッ……………ッ?!!」

最初は それを先程同様、両腕防御(クロス ガード)の構えを見せたサイラオーグだったが、その真空刃を受ける直前、何かを感じたか横方向に倒れる様にして、それを躱す。

 

ズバァッ!

 

そして標的を失った真空刃は、客席手前に張られていた防護結界に衝突。

直ぐに自動修復されたが、その激突の一瞬、結界が斬り裂かれてしまった。

 

▼▼▼

「あれは…ナイスな判断だったな。」

「そうだね…。あの儘 腕で防御していたら、その腕が斬り落とされてたよ。」

「それにしても、凄まじい威力の魔法ですね…!」

「いえ…あれは単に手刀の()()で出来た、鎌鼬(ぶつり)です。」

「そ…それは それで、凄くない??!」

ミルたんの真空刃(物理)を受け止めるで無く、躱す事で捌いたサイラオーグを見て、ライザーとディオドラが それを称賛。

そして その疾風の刃に感嘆する黒髪の十二単の少女に対して、匙が説明(ツッコミ)をしていた。

それに尚更 驚くのは、栗毛のツインテール少女である。

 

≫≫≫

 

バキィ!x2

 

「「………っ?!!」」

…戦闘は接近戦へと もつれ込む。

これは、遠距離戦では分が悪いと判断したサイラオーグが仕掛けた展開だ。

互いが互いの拳打を躱し、受け止め、喰らい、両者の顔面と言わず身体全身に、傷痕が刻まれていった。

そして今、サイラオーグの右腕とミルたんの左腕が交差して、互いの拳が互いの頬に食い込んだ。

体をぐらつかせる両者。

 

「…ょ!」

そして先に動いたのはミルたん。

サイラオーグを捕まえると、

「ミルたん・無欠雁字搦め!にょーっ!!」

 

ベキィッ!!

 

「がっ…ごふっ…!?」

変形の卍固めに極めたのだった。

 

▼▼▼

「な、何…あれ…?」

「何て、えげつない卍固めだにゃ…」

「…ってか、最早 魔法少女要素、何処にも無ぇーっ!」

【日本神話】控え室。

ミルたんの技を見て、モニターに突っ込みを入れているのはサトル達。

 

「いや、それは違うぞ。」

しかし それに、何やら異を唱える様に会話に参加する男が1人。

 

「古杜さん?」

「ニート?」

「ニートさん?」

「ぃゃ…だから その発音で名前を呼ぶのは、止めてくれないか?」

古杜新都である。

 

「…聞いた事がある。

肉体言語は魔法少女の嗜みだ。」

「「「いやいや、それは無い!」

             です!」

             にゃ!」

『魔法少女』系のアニメやゲームにも通じている古杜の説明に、サトル達は またも突っ込む。

 

『ぐ…ぉ…!』

「兄貴!」

「兄貴さん?」

そして画面には、その肉体言語に大ダメージを負いながら、立ち上がるサイラオーグが映し出された。

 

『でぇ…ぃやっ!!』

 

ゴォッ!

 

そして撃ち放つ闘氣弾。

 

『ミルたん・ハウリング!にょっにょにょーーーーーーっ!!』

それに対して魔法乙漢は音波系魔法…で無く、大声(ぶつり)で対抗、

 

ビシィッ!

 

『…手強い!』

サイラオーグが放った弾を、相殺してしまう。

 

『ミルたん・エア・ハンマー!にょー!』

『せぃっ!』

 

バシュッ!

 

そして今度はミルたんが拳圧弾を撃ち放つが、その透明の弾をサイラオーグは見切り、闘氣でコーティングされた拳で粉砕。

 

うぉおおおーーーーーっ!!!

 

この互角の攻防に、観客席も大熱狂だ。

 

≫≫≫

「でぇいやっぁ!!」

 

どんっ!

 

「ぅおにょ?!」

その後も互いの攻撃を防御や被弾の展開の末、サイラオーグ渾身の闘氣拳がミルたんの左頬を突き刺し、吹き飛ばした。

 

「にょ…にょ…」

今度こそ、誰もが「勝負有り」と思った一撃。

それを受けても尚、駒王の魔法乙漢は両膝を震わせながらも立ち上がる。

 

「負けられないにょ…

悪魔さんを…悪魔さんを助ける為にも、絶対に負けられないにょ!!」

 

ボワァッ!

 

そして、決死の形相で立ち上がったミルたんに異変が。

それは友を思う気持ちと勝利への執念が更なるパワーとなり具現化したのか、その巨体から、金色の光を発したのだ。

そして鋭い視線で、サイラオーグを見据える。

 

「……………………。」

しかし その明らかなパワーアップを見ても、若手悪魔最強は動じる事は無い。

 

「その信念、覚悟は見事だ。

しかし俺も、負ける訳には行かん!

既に天照大神様は、この闘いに出る対価として動いて下さっている!

だからこそ俺は、今の この俺の強さを証明・報告する為にも、絶対に負けられんのだ!」

 

ブォオッ!

 

そしてサイラオーグも それに呼応したかの様に、身体全身から金色の光を放つ。

一見、ミルたんの それと同じにも見えるが、全く異質の輝きだ。

 

▼▼▼

「これは…驚いた…!」

【日本神話】控え室にてモニターを刮目、驚きの顔を見せているのはアマテラス。

 

「ミックス・アップ…

戦闘の中、その両者が成長(レベル アップ)するってヤツだけど、僕も実際に見たのは初めてだぜ。

いや、マジに凄いよ、2人共。」

そして戦っている2人を称賛する。

 

「これは何時かのサトル君とのバトルでも、出来なかった。

やはり絶対にとは言わないけど、()()()()()ってのが条件の1つなのかも知れないね。」

「…と、言うと?」

「サトル君も どちらかと言えば、一見パワー寄りだけど、実はテクニック型だ。

しかし、あの2人は見ての通りな完全なパワー型。

そして、片や魔法を憧れ求めて今の力を、片や魔法を諦めて今の力を…って云うのも、経緯は置いといて、最終的には同質なチカラを得ているだろ?」

「つまり、互いに刺激し合うて、パワーアップしたって訳やな?」

「その通りだよ。

しかし、その両者のパワーアップの質は、似ている様で、まるっきり違う。

そして、それによって、この勝敗は決まったも同じさ。」

「「「「「「「????」」」」」」」

アマテラスの説明に、それを聞いている者が皆、頭の上に(はてな)を浮かべると、

「まぁ、見れば分かるよ。」

そう言って、アマテラスは画面を指差た。

 

『ミルたん・超・トルネード!にょーっ!!』

 

ぶんぶんぶんぶん…ゴォオッ…!

 

両腕を大きく広げ、その場での高速回転。

その腕に当たれば その箇所は破壊され吹っ飛ばされるであろう、大回転Wラリアット。

しかし、本来は それだけな筈の技が、その大幅にパワーアップされた回転の勢いで本当に小型の竜巻を作り、それがサイラオーグに迫る。

 

バキィッ!

 

『にょ…??!』

しかし それは、サイラオーグの拳1つで粉砕されてしまった。

これにはミルたんも驚きを隠せない。

 

「簡単に言えば、ミルたんのパワーアップは…ゲーム風に言うなら単なる功・防・速等の数値、ステータスを一時的に急上昇させたに過ぎない。

…もしかして、体力も回復してるのかな?

それを多少の制約・条件付きだけど、任意に発動させる術を得ただけさ。」

「それは それで、十分に凄い事だと思いますよ?」

「…で、兄貴さんは?」

「ん。先ずは根本的に誰も彼も皆…サイラオーグ君本人も含めて、大きな勘違いをしているんだ。」

「はい?」

「今までサイラオーグ君が使っていたのは、実は闘氣なんかじゃ無い。

そして彼は、魔力が無い…魔法が使えないで無く、使う必要が無かっただけなんだ。」

「「「「「「????」」」」」」

アマテラスの言葉に再び、大量の疑問符を頭上に浮かべるサトル達。

 

「魔力、光力、ルーン、闘氣、仙氣、龍氣、神氣、邪氣、妖氣、呪術、法力、鬼道、チャクラ、その他色々…

この世には、様々なチカラが存在しているけど、それ等は根元を辿れば その源流とも云える、1つのチカラに落ち着く。

それは本来なら種族関係無く、誰もが その身体に宿しているチカラ。

…かと言って、誰でも使えるって代物でも無い。

僕が知ってる限りじゃ、僕、釈迦如来、シヴァ、サーシャちゃん、ヘラクレス君、バルトル君、アヌビス君、ナイア…こんなもんかな?

…もしかしたらヘスティアちゃんやヘルメス君、イシュタルちゃん辺りが、隠し持ってるかも知れないけど。

兎に角 ()ですら、簡単に扱えるチカラじゃないんだ。

サイラオーグ君は それを、生まれながらに目覚めさせていたんだ。

そして鍛練の末に、今の力を手に入れた。

魔力最高(ばんざーい)!…な悪魔達は それに気付かず、彼をずっと無能扱いしてたって訳。

そう、魔王ですらね。

そして そのチカラは、ミルたんのパワーアップが発破になって、また少しだけ その容量が純粋に増えたって感じかな?

そして更に、一時的な能力アップも可。」

「つまり、結果的にはサイラオーグ・バアルのパワー・アップの方が、格が上なのだな?」

「そう。そして僕達は、そのチカラの事を、こう呼んでいる…

 

▼▼▼

サイラオーグも当然、その身に宿るチカラの真実は兎も角、自身のパワーアップは自覚していた。

 

「でぇいや!」

 

バシュゥッ!

 

威力が増した闘氣弾(厳密には違う)を連続で飛ばして、ミルたんの動きを封じる。

 

「こにょ…!」

ミルたんも確かにパワーアップしているが、その()が違い過ぎた。

序盤は互角…寧ろミルたんが圧してる面も有ったが、今は完全にサイラオーグが圧倒している。

 

「終わらせる!」

そしてサイラオーグが、勝負に出る。

 

「ハァァア…ッ!!」

内に宿す そのチカラを燃焼させるが如く、(オーラ)として放出。

(オーラ)の鎧を纏ったサイラオーグが近距離に詰め、其処から放つのは高速の…否、光速に至る無数の拳の連打。

その一瞬の内に繰り出された1つ1つの拳の軌跡が、煌めく光の線となる。

 

カァッ!

 

「にょにょーーーーーーっ!??」

ミルたんからすれば、それは殴られたと云うより、光閃に撃ち抜かれた様な感覚。

その光閃の連撃を浴び、闘技場の上空高く打ち飛ばされた。

 




 
①すいません。
作者の他小説のネタの使い回しです。
 
②無欠雁字搦め…知らない人は、Let's 画像検索!
 
次回、セラフォルーの公開処刑執行?
 
感想よろしくです。
 


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終末④

 
今迄で、一番 重いッス…(当社比)
重いの苦手な人は、次の前書きで簡単に説明するから、今回はブラウザバックを。
  


 

「そう。そして僕達は、そのチカラの事を、こう呼んでいる…

小宇宙(コスモ)…と。」

 

▼▼▼

 

グシャアッ!!

 

…アマテラスが呟いていたと同刻、サイラオーグが放った光閃の拳により、闘技場の上空高く吹き飛ばされたミルたんは最高位に迄 達すると、今度は真っ直ぐ急降下、その儘 頭から武舞台に激突。

 

「あ…悪魔さ…ん、ごめんな、さい…にょ…」

 

シュゥゥ…

 

そして謝罪・無念の言葉と共に身体を光の粒子に変えて、魔法乙漢は その場から姿を消した。

 

『勝負有り!特別試合(リアル・ファイナル)の勝者、サイラオーグ・バアル!!』

 

≫≫≫

「ははは…

こりゃ、勝てないね。」

この戦いをテレビ観戦していたディオドラは、乾いた笑いを溢す。

12月25日。

本来なら冥界では この日、若手悪魔レーティング・ゲーム第3戦として、ディオドラとサイラオーグの試合が予定されていた。

10月に行われた第2戦の段階で、2勝無敗同士の激突は、関係者やファンだけで無く、当人も楽しみにしていたのだ。

…が、このサイラオーグの戦いに…その途中で大いに成長(レベル アップ)した仲間(ライバル)を見て、現時点での負けを潔く認める。

 

「加藤さん…今から手合わせ、お願い出来ますか?」

「ふむ、良いだろう。」

「仕方無い…

俺も、付き合ってやるさ。」

しかし彼からすれば、それは あくまでも()()()での話。

意外に?負けず嫌いな少年は、その場に居合わせていた男相手に修行を申し出で、それに便乗した金髪の青年と共に、外に出て行くのだった。

 

▼▼▼

「お疲れ様です、サイラオーグ様!」

「見事な勝利でした!」

「あぁ、ありがとう…」

控え室に戻ったサイラオーグを、彼の女王(クィーン)兵士(ポーン)が出迎えた。

 

「兄貴、ナイスファイト!」

「ふっ…」

 

パシィンッ!

 

そしてサトルもハイタッチを交わす。

 

「…って、神代サトル、何なのだ?

その にやけた顔は?」

しかし その後、サトルの…どう見ても戦いを労うで無く、かと言って勝利を祝福するでも無い…まるで何やら嗤いを堪えている様な顔に、違和を感じるサイラオーグ。

 

「む…?」

しかも よく見ればサトルだけで無く、他にも控え室に居る者の何人かが、似たような表情をしている。

 

パチパチパチパチ…

 

「サイラオーグ君、見事な戦いだったよ。」

其処に後ろから、柏手と共に話し掛けてきたのはアマテラス。

 

「はい、ありがとうございます、アマテラスさ…m…ッ!????」

振り向き その言葉に応えようとして その途中、サイラオーグは言葉を失う。

正確にはアマテラスの後ろに立つ、見た目 妙齢の女性を見て…だ。

 

「あ…あぁぁ…?」

「強くなりましたね、サイラオーグ…」

優しく微笑む女性に対して、驚きを隠せないサイラオーグ。

 

ガクッ…

 

「う…うぉぉぉおぉぉっ!!」

そして崩れる様に両膝を着き、両手で顔を覆っての雄叫びと共に号泣。

…周りの人目を一切 気にせず…のだ。

 

「うふふ…泣き虫なのは、変わらないみたいですね?」

「う…ぅぅう…(うん、うん…)

そして そんな彼に、女性も涙を流しながら、優しく抱擁するのだった。

 

▼▼▼

 

ざわざわざわざわ…

 

スタジアムの観客席。

招待された他神話神や【日本神話】関係者のVIP席を除けば、その7割近くが空席となっていた。

その中、武舞台の上では魔王セラフォルー・レヴィアタンの処刑執行の準備が着実に行われている。

 

ずどっ…

 

巨人タイプの日本妖怪が、巨大な十字架を武舞台中心に打ち付け設置。

更に その根元には、多数の薪が敷かれた。

 

≫≫≫

 

ギギィイ…

 

全ての準備が整い、北側の鉄格子の大扉が開き、姿を見せたのは身の丈約3㍍程、暗青色の毛皮の猪顔の鬼。

そして この鬼が持つ鎖で引かれる様に登場したのは、『魔封の首輪』を付けられたセラフォルー・レヴィアタンだ。

ツインテールは解かれ、少しだけボサついたストレートの髪。

日本の死者が纏う白装束の装い。

疲れ果てた様に痩せ痩けて血色を失った肌。

思考を放棄したかの様な、光無き虚ろな瞳。

嘗ての魔王、魔法少女を自称した人物と同一とは、彼女を知る者 誰もが そう思えなかった。

そして その後ろからは、長槍に戦斧に松明、そして瓶を持つ神兵や巫女達が続いていく。

 

ガチィッ…

 

「あ、あぁぁあっ?!」

猪鬼や有翼の妖怪によって、十字架に…約5㍍の高さの位置に鎖で縛られるセラフォルー。

興味深々で眺める神々や、仮に彼女に直接の怨みは無くも、貴族に対する負の感情から目を向ける冥界の(あくま)が視界に入るが、身体を襲う痛みに それ処ではなかった。

 

『はい、此処で解説します。

先ずは魔王レヴィアタンが架けられた十字架は、天界の大神殿から拝借した、聖銀製の逸品!

下に敷かれた薪も、楽園(エデン)の聖木を伐採して作った物。

神兵の皆さんが携えている槍や斧も、当然聖銀製。

巫女さん達が持ってる瓶の中身は、勿論 聖水。

そして手足と首を縛り付けている鎖は、北欧神話から提供された、魔狼縛鎖(グレイプニル)

更には松明の炎は、オリュンポスから贈られた聖火!…です!

この度、北欧神話とオリュンポスからの貴重なアイテムの提供、改めて この場で【日本神話】が主神・天照大神に代わり、この天鈿女命(アメノウズメ)が御礼申し上げます。

ありがとうございました♡

…あ、ついでにアクシズ教も聖水、ありがとねー。』

 

≫≫≫

「HAHAHAHAHA!

爺っ様達、随分と太っ腹だNA!」

「ふん、『魔王をシバクから』と言われたら、応じぬ訳には往かぬぢゃろうて。」

「全くぢゃ。…てゆーか、ウズメ!

本当に感謝しとる言うなら、この場でリアルに一肌二肌脱いで見せい!」

「全く以て、その通りぢゃわい!」

「…ま~た(ヘラ)にシバかれるぞ? 下半神殿?www」

「だから下半神 言うな!…って、ロキ!

貴様、何処に…誰に電話しようとしている?!

そのスマホ、仕舞えぇぇえっ!!」

「…って、ちょっと待ってよ!

何だか、私に対しての感謝が、ゼウスやオーディンと比べて凄く ぞんざいなんですけど?!

敬って!もっと私を敬って!」

「そりゃ、オメーさんの聖水は、確かに効果は絶大だが、貴重品じゃ無いからな?」

「コップの水に数秒 指入れてるだけで、出っ来上っがり~♪」

「随分と安い、上質聖水だNA!www」

「何でよーーーーーーーーーっ?!!」

…そんな会話をVIP席の神々がしている中、遂にセラフォルーの公開処刑が始まった。

 

ぼぅゎ…

  

「きゃぁぁ…ケホッ、ケホッ…!」

聖なる十字架が肌を焼き、本来は"神喰いの獸"を捕らえる為に作られた魔法の鎖が、体を裂くように締め付ける。

其処に聖火に焼べられた聖木から立ち込める煙も、悪魔には有害な聖なる属性を持ち合わせていたか、魔王から呼吸を奪い、苦しめる。

 

 

 

どうして、こうなったの…?

 

 

…此処で、セラフォルーの瞳に僅かながら光が灯り、思考する意志が宿った。

 

 

 

どうして こうなった?

【日本神話】に喧嘩を売ったから?

マイナー弱小と、馬鹿にしたから?

日本の民を、転生悪魔にしようと、拐ったから?

日本の神具や宝具を、強奪してきたから?

日本の地を、勝手に縄張り主張したから?

どうして…どうして他の神話勢力は誰も助けてくれないの?

何故 皆、面白そうに見ているの?

日本同様に、拉致や略奪を繰り返してきたから?

そんな()()()()()だけで?

どうして? どうして…?

 

 

 

しかし その正に悪魔らしい思考…自問自答も、真実(こたえ)には届かない。

 

≫≫≫

 

ボォォォゥワッ!

 

「ぎゃぁあああっ?!」

そして薪の火は何時しか炎となり、煙だけでなく直接に その聖火が、セラフォルーの足元に届き始め、その身を焼き焦がす。

それは正に、中世時代に聖書の徒が行使していた、魔法少女ならぬ魔女を裁く場面を連想させる。

 

ザシュッ!

 

そして聖火がセラフォルーの腹部迄に達した時、長槍を構えていた2人の神兵が、その槍を脇腹から上に向けて突き刺した。

右脇腹から刺さった穂先は左肩から、左脇腹から刺さった穂先は右肩から…2本の聖なる槍は、魔王の体内で交差する形で突き出でる。

 

「コ…フッ…!?」

この突きで、夥しい程の吐血をするセラフォルーだが、これで終わった訳では無い。

 

バシャァアッ!

 

「ぅきゃぁぁぁあああっ!?!」

身を焼く聖火が首元に届いた時、巫女から渡された瓶の中の聖水を、神兵達が浴びせ掛ける。

それにより、確かに炎は消えたが、水を司る女神自らの手で作り出された聖水により、身を焼かれるにも等しい…或いは それ以上の苦痛が、彼女の心身を襲う。

 

≫≫≫

 

ドサッ…

 

「ぎゃ…っ?」

聖火を()()され、十字架の拘束を解かれたセラフォルーが乱暴に武舞台の床盤に()()()()()

両足、腰、両肩、両腕、そして首筋を神兵や妖怪に うつ伏せに押さえ付けられ、

 

ぐい…

 

そして無理矢理に頭を上げられ、

「ヒッ…?!」

その両目に映ったのは、巨大な銀の斧を両手で持つ、血塗られた様な真朱の鎧武者。

 

『…………………………。』

憤怒を表現するかの造型の仮面から覗ける眼には、まるで この世の全てを憎み否定するかの様な、呪われた光が。

体全体から()を撒き散らす その姿は、どう見ても生者では無く。

その甲冑を着た亡鬼が、巨大戦斧を高々と ゆっくりと上方へ掲げる。

そして その斧が勢い良く…首筋目掛けて振り降ろされた。

 

 

 

 

 

「………………!!」

この次の瞬間、セラフォルーの眼に映る世界が変わった。

見えたのは、自宅庭園で草花と無邪気に戯れる、幼い頃の自分自身。

次に見えたのは、冥界の紫の空の上、自分と魔力戦を展開させている、銀髪の女。

…その女と共に、幸せ真っ盛りと言わんばかりな雰囲気(オーラ)をばら蒔いている、紅髪の青年。

 

「これ、は…?」

次々と高速で、自分の過去?を第3者視点で観ていくセラフォルー。

しかし其処に、恐怖も戸惑いも無い。

単に流れる様に移り変わる映像を、既に現実逃避したか懐かしそうに眺めるだけだ。

 

「あはは☆ こんな事も、有ったよね☆」

セラフォルーの過去の映像は止まらない。

映し出されるのは、難しい顔をして、携帯端末を操作、何かを創ろうとしている緑髪の青年。

怠惰全開で壇机に突伏する、スキンヘッドの男。

地上のテレビアニメを観て感銘、何かに目醒める自分。

…そして その自分の降るまいに、苦笑し呆れ叱咤し、微笑む少女。

 

「ソーナ…ちゃん…」

その幻影(ビジョン)と呟きを最後に、魔王セラフォルー・レヴィアタンの視界(せかい)は、完全なる"黒"に覆われた。

…晴れる事の無い、永遠の"黒"に。

  




 
次回で【日本神話】vs『聖書』は締めます。
 
感想よろしくです。
 


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新しい夜明け

 
【前回の あらすじ(未収録場面アリ)】
 
・ミルたん車田落ち、兄貴が勝ちました。
・それを観ていたセイジョ☆スキーが「やべー、マジやべー!」と、昭和の魔人様相手に鍛練を始めました。(子安さんも同行)
・兄貴の『願い』が叶いました。(涙)
・兄貴号泣の画をサトル君が撮って拡散しようとしたら、猫母娘と兄貴眷属(女王&兵士)に取り抑えられ、阻止されました。
・"神スレ"での普段の遣り取りが、リアルで行われました。
・アテナ様が兄貴も弟子にしようかと考え始めた様です。
…ついでに釈迦如来様も。
・アクシズ教の水の女神様…駄女神(ア〇ア)(このすば!)のイメージでwww
・魔王熟女の処刑が執行されました。
・セイジョ☆スキー&子安さんが、犬神家になりました。
・【些細(ささい)】…取り上げる値打ちが無い程の小さな様子の意
 
 
今回は かなり短いです。
 


 

『GODDAMN!!』

「ぎゃーっはっはっは!」

「にゃははははは!」

 

戦争遊戯(ウォー・ゲーム)から数日経過した、12月31日の夜。

猫姉妹と共に、某県某市の実家に帰っていたサトルは、黒歌とテレビを観ながら爆笑していた。

 

≫≫≫

同刻。

 

「なな…何とも羨まs…コホン、えげつない張り手なのだ…

先程の蹴りもエグかったが、此方も なかなかに…」

「…あんた、興奮していない?」

「していない。」

高天原の とある屋敷で、サトル達と同じ番組を観ていた金髪ポニーテールの少女が、何やら興奮していた。

 

「(*゚∀゚)=3

だから、興奮なんぞしていないと、言っているだろ!」

 

≫≫≫

 

ずずず…

 

「これが日本の、"オソバ"という食べ物ですか。」

「はい。この国では、年最後の日に これを食するのが慣わしだそうです。」

同じく高天原の ある屋敷では、サイラオーグ・バアルと1人の女性が、蕎麦を啜っていた。

ミスラ・バアル。

サイラオーグの実母である。

彼女は数年前から悪魔特有の、"眠り病"なる病に掛かり、その病名通り、覚める事無き眠りに陥っていた。

サイラオーグは戦争遊戯(ウォー・ゲーム)参加の対価として、アマテラスに この母親の保護と治療を要望。

それに対してアマテラスは彼が戦っている内に、その願いを叶えていたのだった。

この親子、そして彼の眷属達は今後、日本地獄で獄卒として働く事が決まっている。

 

▼▼▼

【日本神話】と『聖書』の戦争は、最後の魔王、セラフォルー・レヴィアタンが処刑される事により、悪魔社会の政事中枢に係わる有力貴族が全員死亡した事で、一応の収束を見た。

戦争遊戯(ウォー・ゲーム)に『聖書』側として関わった者だが、堕天使幹部バラキエルは、【日本神話】からの罰則(ペナルティ)は特に無く。

グリゴリ内部で何らかの制裁措置が下されると思われるが、それは別の話である。

ヴァーリ・ルシファーは堕天使総督アザゼルが、彼の身請けを【日本神話】に申し出でた。

体内に宿す神器(セイクリッド・ギア)白龍皇の光翼(デバィン・デバィディング)を抜き取られ、更に あらゆる魔力の使用を封じる『封魔の腕輪』(呪い憑き)を嵌めた上で、アマテラスは それを承認する。

ミルたんも特に罰等は無く、戦闘による負傷を治療された後、普通に日本へと強制帰還となった。

…その際、アマテラスが彼女?に1枚のメモ用紙を渡している。

そして最後に、リアス・グレモリー達は…

 

 

 

 

「「「「……………………。」」」」

リアス達は今、冥界の僻地…様々な理由で中央で居場所を失った者が集まり何時の間にか自然に出来た、所謂"吹き溜まり"の集落に身を寄せていた。

"グレモリー"の者が この地に来た…とならば当然、現地の者達からすれば混乱は必至で有り、故に秘かに、この貧民窟(スラム)でも更に外れに在る、誰も使ってない廃屋に潜伏している状態だ。

しかも単に、この地に流れた訳では無い。

ヴァーリ同様に全員が『封魔の腕輪』を付けられ、木場祐斗とギャスパー・ヴラディはヴァーリや兵藤同様に、神器(セイクリッド・ギア)を体内から抜き取られている。

魔力を使えないので、悪魔の羽を広げての飛行も出来ず。

人間と変わらない…体格相応の体力と身体能力しか持たぬ身となっていた。

 

「……………………………。」

そして この廃屋に身を置いて以来、リアス達は互いが殆んど、最低限の言葉以外を発していない。

食事も全くとは云わないが、殆んど何も口にしていない状態だ。

特にリアスとグレイフィアの精神方向の衰弱は著しく。

()()()()勝者権限(ボーナス)で、サトルとの戦闘で消えた兄、又は夫であるサーゼクスの復活を試みるが、それは敗退による失敗に終わる。

更に その際、サーゼクス・ルシファーという存在は この世界から完全に消滅しており、何れにしても復活は叶わないと云う現実(じじつ)を改めて教えられた。

更には残された家族との面会も許されずの中の、追放処分。

これは ある意味…特にリアスにとっては幸いだったかも知れないが、それでも彼女達の心を壊すには、充分過ぎた。

 

「ぁ…ぅ…………………………」

そして、この2人以上に精神を病んでいる者が1名。

 

「イッセー、大丈夫だから…」

「ひ、ぃいぃいいぃっ!?」

兵藤一誠だ。

河上彦斎との戦闘決着間際で、この幕末の人斬りの殺気を正面から浴びせられた…しかも、その恐怖故の極限状態で感覚が研ぎ澄まされた中、常人ならば本来 秒に満たぬ それを、必要以上に長く感じてしまう。

殺気と共に、己の首筋に迫る刃もスローに視えてしまい、…かと言って それは()()()()()で回避は不可。

しかも、その刃が首筋に届いた後の、斬撃の痛みを感じる時間も また、永きに感じていた。

 

「イッセー…」

「イッセー君…」

それが原因で、戦闘処か"人"その物への恐怖症となっていた兵藤。

主、先輩として慕っていた…或いは下心の対象として見ていたリアスや姫島朱乃に対しても、その反応は変わらず、声を掛けても脅えるだけ。

 

「来るな………………来ないで…」

「「…………………………。」」

仲間の全てと距離を置き、部屋の隅で しゃがみ込み、完全に自分の殻に閉じ籠ってしまっていた。

 

≫≫≫

「ただいまデス。」

「食べ物を持って帰りました。」

スーザンと堀井は今、2人共にトレードマークと言って良い鎧を身につけては いない。

この吹き溜まりにて、リアス眷属として まだ余り知られていない2人は何かの事情で流れてきた若夫婦を演じ、食料調達や情報収集の役を担っていた。

互いに『2人で一緒ならば』の思考で、リアス眷属の中では比較的ポジティブに過ごしている。

 

戦争遊戯(ウォー・ゲーム)が有った事は、この町のヒト達は まだ知らないみたいデス。」

テレビ等は無く、中央からの情報が殆んど届かない この地では まだ、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)の事は知られていなかった。

しかし、それも何時かは この地に暮らす者達も知る事となるだろう。

そして、グレモリーの者が この地に身を潜めている事も。

その時、貧民窟(スラム)に住む者達はリアス達に対して、どのような感情を宿すだろうか?

没落した貴族様(はいぼくしゃ)…今は自分達と同じとして、迎い入れてくれるだろうか?

それとも怒りの対象として…今の自分達の現状の元凶の1つとして、負の感情を爆発させ、行動に移るか?

もしも暴威に晒された時、人間と変わらぬ能力な今のリアス達は、何の抗いも出来ないだろう。

他に行く当ても無いリアス達は今後、その恐怖に震えながら、この地で暮らす事を強いられるのだった。

 

≫≫≫

…そして、新しい年が明けた。

 




 
長かった?【日本神話】vs『聖書』編も、漸く締まりました。
次回より新展開!
 
感想よろしくです。
並びに、今年もヨロシクです。
 


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神々の狂宴・①

  
殆ど顔見せ回。
そして伏線回ですね。
 


「「「眠い…」」」

 

元旦。

普段から神代家の朝は早いが、この日は毎年の事だが特に早かった。

早朝、まだ日が上らぬ暗い内から、家長である雄惇を筆頭に総勢11名が車2台を走らせ、地元の海岸に出向く。

 

がやがや…

 

其処には神代家の皆さんだけでなく、同じ目的な人達も少なからず集まっている。

 

「「「zzz…」」」

「立った儘 寝てんじゃないよ!」

深夜、日付が変わった早々に"姫始め"を済ませたサトル、白音、黒歌は睡眠不足。

母親の志麻から注意され、目を擦りながらも水平線の向こう側から現れる初日の出に合掌。

そして帰宅後、皆で卓を囲んで御節を食す。

これが神代家の、元旦の行事である。

 

「「お兄様、ありがとうございます。」」

「無理して言わなくても良いからな?」

学生であると同時、【日本神話】所属の社会人でもあるサトルは双子の妹に 御年玉を渡す。

その普段は絶対にしない言葉使いに、サトルは苦笑。

 

「ねぇサトル、私には無いの?」

「姉貴…弟に集る姉って、どうかと思うよ?」

「サトルサトル、可愛い姪っ子には、御年玉無いのかしら?」

「間違い無く親の財布に入るから、暫くは無しです。」

 

▼▼▼

「ん!似合わないね!」

「いや…そんにゃ事は無ゃいにゃ…www」

(ぷぷぷ)…黒歌姉様、笑ってますよ…www」

「お前等2人共、タイキックだ!」

 

そして翌日の、1月2日。

この日は【日本神話】に所属する者達の、新年初顔合わせの集会(えんかい)が開かれる。

『NIN=JA』制服の黒スーツで無く、己の紋付き袴姿に苦笑するサトルと、それを見て笑うのは晴れ着姿の猫姉妹。

 

「じゃれている所に悪いけど、用意は出来ているかい?」

そこに声を掛けてきたのは、サトルと同じ格好をした青年。

サトルの姉婿…つまりはサトルの義兄、神代家のマスオさんの田中充だ。

 

「お義父さんは用事が有るからって、もう先に行ってるよ。

僕達も、そろそろ向かおう。」

 

ヴォ…

 

そう言うと充は、転移魔方陣を展開させる。

 

「しっかり楽しんできな。」

「行ってらっしゃい。」

「お土産よろしく~♪」

「「行ってら~♪」」

志麻、そしてサトルの姉の癒思と瑞樹、双子の妹の鈴華と静瑠に、

「ぁー」

充と癒思の娘の未來。

神代家にて、絶対権力(笑)を持つ女性陣に見送られ、サトル達は宴会会場へと転移していった。

 

≫≫≫

「やぁ、サトル君白音ちゃん黒歌さん。

明けまして おめでとう。」

「おぅ、おめでとさん。」

「おめでとうございます。」

「明けおめにゃー。」

日本某所の霊峰の表現が相応しい険しい山の頂、結界が張られ隠された神殿。

本日の集会が開かれる その場は、どう見ても外観以上の広さ…広過ぎる空間だった。

間違い無く、天照大神が何らかの空間操作系のスキルを行使したと思われる会場で、新年の挨拶を交わすサトル達。

 

「お前はスーツかよ、カルマ。」

「ん~、鏡見て、『これは違う』って思ったから。」

「俺も やっぱりスーツにすべきだったかな~?」

「ぶっちゃけ七五三。」

「喧しいわ! 俺も そんな感じは していたよ!!」

『NIN=JA』の黒スーツで来場していたカルマと、やはり似合わぬ紋付きよりも、着慣れたスーツを着てくるべきだったと話している時、

「明けまして おめでとう、だな。神代サトル。」

新年の挨拶で会話に参加してくる人物が。

 

「あ、兄貴。おめでとう。」

「兄貴さん、おめでとうございます。」

「明けおめにゃ~♪」

「あ、この前ミルたんに勝ったヒトだ!

初めましてですね~♪」

サイラオーグ・バアルだ。

彼等 亡命組の悪魔達も、今回の集会には招待されていた。

 

≫≫≫

「…っに、しても、」

「似合ってますね。」

「似合っているにゃ。」

「似合ってますよ。」

「そ、そうか? オショウガツだからと、初めて着てみたのだが…」

従えている女王(クィーン)兵士(ポーン)は各々、パーティードレスとタキシード着用だが、サイラオーグの出で立ちはサトルと同じく紋付き袴。

 

「やっぱり こーゆー服装って、ある程度は横幅も必要だよね~?♪

いや、おデブとかで無く、筋肉的な意味で。」

「サトルは少し、細過ぎるにゃ。」

「絞り鍛えていると言ってくれ。」

がっしりとした体躯と相成った完全な着こなしを絶賛するサトル達に、少し照れる顔を見せるサイラオーグ。

 

「やあ、皆。明けまして おめでとう。」

「「「「「「!!?」」」」」」

其処に、更に会話に加わる者が。

 

「「「「「「あ、アマテラスさm…ん?

お、おめでとうございます。」」」」」」

【日本神話】の主神・天照大神だ。

当然 侍女兼 恋人 弟子の、アーシアも付き従えている。

 

「おめでとうですね、サトル。」

そして その傍らにはアーシアだけでなく、紫銀の髪の少女と、サイラオーグ以上なMuscleな男が。

少女はサトルの師の1柱でもある、オリュンポスの戦女神アテナ。

この日の集会には他神話の神も幾柱か、ゲストとして招待されていた。

 

「おめでとうございます、アテナ師匠。…と?」

「うむ。初めましてだな。

俺は、オリュンポスのヘラクレス。

これからは時々、高天原に顔を出す事になると思うので、宜しく頼む。」

「「「「はい?」」」」

そして もう1人はヘラクレス。

ギリシア神話に於ける最強の英雄と吟われる1人であり、今はオリュンポスに神として席を置く1柱だ。

そんなビッグネームな神が、今後は高天原(にほん)を訪れると聞き、サトル達は戸惑いを隠せない。

  

「ああ、此方は本物のヘラクレス君だから。

何時だったかの京都に攻めてきたテロ集団に紛れてた、自称・ヘラクレス転生者(笑)じゃないから。

そもそも人間・ヘラクレスは その死後に魂を下半神(ゼウス)に拾われて神となり、今に至っているのだから人間の転生者なんか居る訳が無いのにね。」

そんなサトル達を見て笑いながら、アマテラスが説明を始めた。

 

 

「…で、ヘラクレス君は今後、サイラオーグ君の戦闘指南をしてもらう事になったんだ。

この前のバトルを見て、最初はサーシャちゃんやシャカ…

サイラオーグ君と同質のチカラを持つ神が、興味を持ってね。」

「でも、私には弟子は既にサトルが居るから。

だから やはり其方の彼と同じチカラを持ち、戦闘スタイルが似ているヘラクレスに お願いしてみたのです。

…これだけの才能を放置なんて、とんでもありません!」

サイラオーグをヘラクレスに弟子入りさせる。

これにアテナ…愛称サーシャ…が熱の入った補足説明。

 

「…尤も これも全部、サイラオーグ君がヘラクレス君の弟子入りを希望した場合の話だけど?…どうする?」

「是非とも お願いします!」

そして それに即答するサイラオーグ。

彼は既に、眷属達と一緒に日本地獄で獄卒として働く事が決まっているが、その休日も修行漬けとなる事が決まった。

 

「神に弟子入りする悪魔って…」

「サトル君…それ、言っちゃいけないヤツな。」

 

 

▼▼▼

…と、まあ、堅っ苦しい口上は この位に しておくぜ。

それじゃ皆、新しい年を祝い、今日を楽しもうぜ!

Happy New Year!今年もヨロシク!」

 

おぉ~~~~~~~~~っ!!!!

 

…その後 集会定刻となり、その空間に集まった【日本神話】所縁の者達がアマテラスの新年挨拶を聞き終えると同時、無礼講の饗宴が始まった。

 

≫≫≫

パーティーが始まり、サトルは面識の有る神々や妖怪、『NIN=JA』の面々に一通りの挨拶を済ませた後、亡命悪魔の…それも若手男性陣が集まったグループの中に居た。

 

「…だから それじゃダメダメっスよ、匙先輩。」

「そうだな。そんなだから貴様は、何時まで経ってもDTなのだ。」

「You! 告っちゃえYo、You!!www」

「放っとけ!…といて下さい…。」

そんな彼等の今の標的(ネタ)は、ソーナ眷属の匙元士郎。

端から見れば、ソーナに好意が有るのは丸分かり…但し、ソーナ当人を除く…なのに、あと一歩を踏み出せない(ヘタレ)を面白可笑しく弄っていた。

 

「もう既に、悪魔様の純血とか上級とか貴族とかって関係無いですし。

生徒会長さんだって土下座の1つでもして頼み込めば、『ハァ…もう仕方無いですね…』って、OKしてくれますよ。…種の保存的に。」

「出来るかっ!?…って、いきなり ()()()に話を持っていけるか?!

もっと手順ってのが有るだろ!

…てか、無駄に似せてんな!!」

未成年故にソフトドリンクを飲みながら、ソーナの喋り方を真似て話すサトルに、匙は顔を真っ赤にして怒り出す。

 

「大丈夫っスよ先輩。

ライザーさんだってユーベルーナさんに、兄貴もクイーシャさんに、一番最初は土下座して お願いしたらしいから。

…となると、ディオドラ君も絶対に同じパターンしょ?

相手は、ジャンヌさんかヨシコさん?」

 

ブブブーーーーッ!!x3

 

「うっわ…汚ね…」

そして続くサトルの台詞に、今度は名前を出された3人が口にしていたドリンクを一斉に噴き出した。

 

「チョ…チョットマテ、カミシロサトル?!」

「オマエ、ダレカラソレキイタ?!」

「カミシロクン、イッタイソレワ、ナンノハナシダイ?」

そして明らかに動揺な、片言な話し方…且つ必死な形相でサトルに問い詰める。

 

「…兄貴は白音と黒歌姉から、ライザーさんのはイルネルちゃんから教えてもらった。…って、ディオドラ君もマジに そのパターンだったんだ…」

「あ…アイツ等…!」

「クイーシャ…そういうのは、他人にペラペラと喋る事じゃ無いだろ…orz」

「クイーシャさんは一応、『これは内緒ですよ♡』って言ってたらしいけど?

まあ、あの姉妹(2人)に話すのが間違ってた感は否めない。」

「…って、それじゃ神代君!

聞くけど君は、どうなんだよ?!」

「……………………………………。

…少なくとも土下座は、しておりません。」

「…貴様、その()は何だ?」

「何が有った?」

「さあ、話して貰おうか?」

「…黙秘権を使わさせて頂きまs

「「「「却下だ。」」」」

 




 
アテナ…サーシャ(聖闘士星矢LC)
ヘラクレス…ヘラクレス(終末のワルキューレ)
…のイメージで。
 
 
次回は猫姉妹&ライザー、ディオドラ、ソーナ眷属のトーク回だ!(予定)
乞う御期待!!
 
感想ヨロシクです。
 
 
 
()()()()が、久し振りに更新されていたぜ!
ひゃっほう!
 


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禍の談(笑)

 
女性陣のターン!
 


≫≫≫

「う~む、てっきり猫姉妹ならぬ、発情した猫科の猛獣姉妹に襲われたとばかり思っていたら…」

「予想の斜め上だったね…」

「…放っといて下さい。」

「これからは、"師匠"と呼んでやるよwww」

「殴って良いか?殴って良いよな?!」

 

▼▼▼

「大体 白音ちゃんて背はチビッ子なのに、どうして そんなに胸が大きいのよ!?」

…サトルがライザー達から尋問(笑)されていた頃。

白音と黒歌は亡命悪魔女子達との会話に興じていた。

それは何時の間にか話題が胸の大きさの話となり、元・駒王学園1年の…慎ましい胸をした…少女が白音に ややキレ気味で、不条理とばかりに尋ねる。

彼女…仁村留流子からすれば、背丈は自分の方が高いのに、明らかにバストサイズでは自分より勝っている同級生に、納得が行ってない様子だった。

 

「黙れ処女っ子。

それは勿論、この胸にはサト君への愛が詰まっているからです。

いーえ、正確には、サト君から愛を一杯(いーっぱい)に詰められているからです。」

「「「「「ま゙?!」」」」」

「ふっ!」

すると白音は、それに対して勝ち誇ったような どや顔で応えていた。

それには質問した当人だけでなく、他のソーナ眷属も その意味を理解すると同時、顔を真っ赤にして固まってしまう。

 

「サトルは昔っから、ドスケベだったにゃ。

10才の頃から私や白音の おっぱい、揉み揉みしていたにゃ~♪」

「「「「「「「「「「え゙ぇえーーーーーーーーーぇっ??!」」」」」」」」」」

そして続く黒歌の言葉に、今度は その場の女子殆どが声を上げて驚いた。

 

「じゅ、10才って…」

「小学4か5よね?!」

「大丈夫です。その頃は まだ、直で無くて服の上からでしたから。」

「「「そりゃそーでしょーよ!」」」

「…あ、でも一緒に お風呂入った時は、直揉みの後に ちゅーちゅーされてたにゃー。」

「ドスケベサト君です。

私や姉様のアソコをチラ見しながら、アソコを元気にしてました。」

「「「「ぅおをお゙ぉいっ!?」」」」

「大体 白音さんも黒歌さんも、そそ、そーゆーのって、平気だったのですの?」

「別に? 『仕方無いなぁ…』ってのも有りましたが、それでも大好きな男の子にされて、少しだけ恥ずかしいけど…普通は寧ろ嬉しいと思うのですが?」

「サトルだからにゃ~♪」

「それと、勘違いしないで下さいよ?

当時は まだ、()()迄してた訳じゃないですから。」

「「「「「「「当たり前よ!」」」

           でしょ!」」

           だ!」

           ですわ!」

何気に色々と曝されているサトル。

…と言うか、お題(テーマ)がサトルと猫姉妹の過去に移行していた。

因みに白音に突っ込みを入れているのは、未だ()()()なソーナ眷属の皆さん、そして金髪ドリルの少女。

 

「ガルーダさん、なかなか やるわね!」

「男の子ですからね。」

「えっちぃです。」

「ライザー様も そんな感じでしたね。」

「確かに少し早い気もしますが。」

「「「「少し処じゃないから!」」」」

一方、既に()()()()なライザーやディオドラの眷属達は、笑いながら聞き入っている。

 

「てゆーか神代君、実は兵藤並みに むっつり?」

「おい貧乳処女(るるきち)、サト君をあの性犯罪者と同じみたいに言うのは止めて貰おうか?」

「だにゃ!

確かにサトルはドっ変態だけど、それは私達に対してだけだにゃ!」

「ごめんなぃ…って、い、今、()()()()()()()()()()()()()ぁ?!」

「ふっ!」

その後の仁村の発言に、白音は少しだけ本気で怒り、その返しに対しての赤面しての彼女の突っ込みに、白音は またまた勝ち誇った どや顔で切り返す。

 

「因みに、最初に最後迄()()のは、小学6年の時ですね。」

「「「「「「「「「「え゙っえぇえぇえ゙ーーーーーーーーーぇっ??!」」」」」」」」」」

そして更なる爆弾を投下する白音。

これには その場の者が再び大絶叫。

 

「しょ、しょしょ…小6って、12才よね?」

「はい。でもサト君は誕生日が まだでしたから、11才ですね。」

「流石に それは、早いだろ?!」

「…因みにイルネルって、初めては何時頃だったっけ?」

「14の時だよー。」

「悔しー。先越されてたー。」

「【凶報】我が主より、強者が存在していた件www」

「て、てゆーか、どうやったら その年で そーゆー展開になるんですか?」

「ふっ、恐らくは初めて発情期となり、どう抑止したら良いか分からない時に、ガルーダ殿を襲った…と云った処だろ。」

「ち、違いますよ!そんな時は前々から、きちんと1人で鎮めてましたよ!…って、ななな、何を言わせるのですか?!」

「ほほぅ?…それなら どういう経緯で そうなったか、話して貰おうか?」

「どうせ黒歌さんも、その時 一緒だったんでしょ?」

「「に゙ゃっ?!」」

「本当に そうだったんだ…」

「さあ、洗いざらい、全てを話すのよ!」

「「も、黙秘権は…」」

「「「「「「「無い。」」」」」」」

 

 

◆◆◆

以下、白音の証言。

 

 

それは ある晴れた日の学校の帰り道、公園の茂みの中で大学生か社会人かが、合体してるのをサト君と2人で目撃してしまって…

だけど流石に()()は、お子様ながらに見ちゃいけないモノだと思い、逃げる様に走り去って帰宅した訳ですが…

あ、因みに その頃は、修行の関係でサト君は私の実家(京都)に住んでいました。

そして その後、『アレって本当に気持ち良いのかな?』…って話となり、互いに悶々としてしまい…

 

 

 

≫≫≫

「あの時はビックリしたにゃ。

家に帰って部屋に入ると、いきなり白音とサトルが裸になってて、互いのアソコを舐めたり銜えたりしてたからにゃ~!」

「"檜佐木〇兵"ってゆーヤツだな!」

「…で、それを止めるで無く叱るで無く、自分も素裸(すっぱ)になって乱入しました、まる…と。」

「そりゃ勿論だにゃ。」

「で、でも、神代君と東絛さんは同い年だから、まだ良い…ぃぇ、良くないですが、黒歌さんは当時15だったのですよね?」

「15女が11の男の子に手を出すのは、流石にアウトじゃないかしら…」

「びっちぃです。」

「そ、その時は、妹に先を越されたら大変だと、焦ってたんだにゃ!」

「それでも結局、サト君と最初に()()のは、私でしたが。

…ふっっ!!サト君のDT、大変 美味しく頂きました♡」

「う、煩いにゃ!…参考迄に、サトルは当時、身長も170に届くかどうかって位で、〇んぽも既に、大人ち〇ぽだったにゃ~♡」

「「「「「ま゙…(〃▽〃)」」」」」

「ついでに言えば、白音の おっぱいも、その時 既に今のソーナやエミリアよりも大きくなってたにゃ!」

「サト君に10才の頃から、揉み揉みされてた成果です。」

「「か、関係無いでしょ?!」」

「ふっ!」

 

 

…そして、御題はサトルから他の者に変わって行く。

 

 

 

「私は元々、ライザー様の世話役だったのですが、あの御方は幼い頃から、私のスカートを捲ったり お尻や胸を触ったり、一緒に お風呂に入ろうとするなセクハラ男…コホン、かなり ませた男の子でしたが…」

「う…お兄様が、スイマセン…」

「そのセクハラは、ライザー様が12才になった頃に鳴りを潜めたのですが…

それはライザー様も、黒歌さんが言う処の大人ちん〇゚になったので、恥ずかしかったのでしょう…

そして あの方が15才の時に悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を授かり、私を女王(クィーン)とした時に、土下座されて『お願いします!』って嘆願されて…

まぁ私としては、今までに散々とセクハラしておいて、何を今更…だったのですけどね。」

 

≫≫≫

「私も同じ感じですか。

あの方が16の誕生日の夜…既に私は女王(クィーン)だったのですが、いきなり必死に土下座ですよ?

(キング)なのだから、強要すれば それで良い筈ですのに、あの方は真面目と云いましょうか…

でも、其処が良いのですがね♡

…あ、私はセクハラは されてないですよ!

そして先日、その事を知ったミスラ様がサイラオーグ様に『きちんと責任取りなさいよ!』と大説教。

あの方は元々に その心算だったのでしょうけど、晴れて御家公認?に、なりましたわ。」

 

≫≫≫

「…次は、私の番か。

私の場合、特に土下座は されなかったが、主が脱・DTに必死だったのは、同じだな。

今は仲間が多過ぎて、流石に2人っきりでと云うのは無理だが、当時は…な。」

「そーね。で、ディオドラ様…当時14才のDTを私とヨシコの どちらが頂きますするかで、揉めてたわよね。

結局はヨシコだったけど。…チィッ!」

「ふっ…、あの時のディオドラ様は、今では想像出来ない位に初々しかったぞ。

『触っても良い?舐めても良い?』って、不安そうな顔で その度に聞いてきてな。

私も初めてで緊張していたのだが、それを見たら もう、年上の余裕を見せるしかなくてな。

…良い思い出だよ。」

「うそ?」

「信じられないわ!」

「チィッ!やはり あの時、グーを出したのは失敗だった…!」

「そうか…マスターにも その様な時期が有ったのか。

私とイリナの初めての時は、普通にリードしてくれたのだが…」

「だ、ダメ…思い出しただけで鼻血が…」

「ついでに…ディオドラ様、一番最初、初めて口でシタ時は、3秒位で…」

 

…その後、少女達は主の筆下ろしから、最近のプレイの話…当人(おとこ)達が その場に居たら、必死で止めに入る様な内容の話で盛り上がる。

 

「「「「「「…………。」」」」」」

そして その内容に付いて行けない少女達も居るが、

「…それで、ソーナは何時、げんしろーと えっちするにゃ?」

「ぷぶっふぁああっ!?」

そんな少女の1人に話を振り、会話に参加させようとする者が、約1名。

 

「な、な、な、な…??!」

「ななな…じゃないです、ソーナ先輩。

ジュース噴いてないで、さっさと答えましょう。」

…撤回。2名。

 

「…じゃ、なくって!

どーして私と匙なんですかっ?!」

話を振られたソーナは今まで以上、顔を赤くして猫姉妹に問い質す。

 

「そんなの決まってるじゃないですか。

匙先輩がソーナ先輩の事 好きなのにヘタレて何のアクションも起こせないから、此方を焚き付けてるんですよ。」

「はぁあ?!…って、匙が私の事をぉ?!

え?…えぇぇえぇっ??!」

「…もしかして、気付いてなかったんですか?」

「嘘にゃ!?」

「マジ?」

「あー、これは…」

「無い、無いわー。」

「「にぶーい!」」

「…ソーナ・オリムラ。」

「ある意味 酷い主だな。」

「これはヴリトラ君に、同情するわ。」

「「「「会長…」」」」

白音の投下した爆弾第2弾に、驚き動揺するソーナ。

そして そんな彼女に対して、他の女性陣の方が、驚き呆れていた。

 

「え?皆さん…皆さんは匙が私の事を…って、知っていたのですか?」

慌ててソーナは自身の下僕に その真偽を尋ねると、

 

コクコクコクコク…

 

生徒会メンバー(元)は揃って、無言で何度も首を縦に振り頷く。

 

「そ、そんな…で、でも、匙は私からすれば、弟みたいなものだし、てっきり桃か留流子と…

え…えぇ?!」

しかし どうやら、彼女は本気で その想いに気付いていなかった様だ。

 

「「しかし、種は蒔かれました。」

           たにゃ。」

「良ーい、皆?

あの2人には変な ちょっかい出したりせず、遠くから生暖かく見つめるだけにするのよ?」

「これは下手に外からテコ入れしたら、逆に くっつかなくなるパターンだからな!」

「「「「「「「了解(ラジャ)!」」」」」」」

「これはサトルや兄貴達にも、伝えておかにゃいと!」

…しかし、それも既に過去形。

今後の 面白楽しい 進展に期待して、少女達(ソーナ眷属含む)は それを戦いに活かせたら何者にも敗けぬであろうな、そんな固い結束を見せるのだった。

 

「…それでは次は!

地雷を踏むのを恐れたか、途中から全く会話に参加しなくなっていた…

先日めでたく卒業した、シーグヴァイラさん!…と、バフィールさん!

初めての感想は?

「「え…?えぇえっ?!」」

「今更 自分達だけ黙りなんて、有り得ないにゃ!」

尚、次の少女達の標的(ターゲット)は、【日本神話】の冥界侵攻時、自領を攻めてきた大国主神の愛人となる事で生き延びる事が出来たシーグヴァイラ・アガレスと、彼女の騎士(ナイト)な模様。

 

「はわわゎ…」

この不意の名指しに、元・大公家の姫君である眼鏡の少女は、最高にテンパってしまうのだった。

 

 

 

 

 

「そ、その…大国主様は…す、凄く、(やさ)しくして下さいました、です…ポッ。」

 




 
①女って、怖いですね…((( ;゚Д゚)))
今回、1番の被害者は誰になるのでしょうか?(笑)
 
②セイジョ☆スキーの眷属は、43話の後書き参照。
 
 
感想よろしくです。


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神の一撃!女神の怒り!

 
少女達によるR-17.9トーク、まだまだ続きます!(笑)
 



▼▼▼

「おろおろおろおろ~~…」

「だ、大丈夫ですか先輩?!

だから言ったじゃないですか、飲み過ぎだって!」

「うゔぅ~…」

【日本神話】が興した新年会。

厠にて、青髪の少女がキラキラな画像処理を施された()()()を吐き出し、それを銀髪の少女が介抱していた頃…

 

 

≫≫

「ほれ、レオナルドとオーフィス!

こっちの菓子も美味いぞ!

食べてみい!

ほれ、お主達も!」

「う、うん…」

「ん…美味しい…」

「うん!」

「美味しいね!」

そして金髪獣耳美幼女が、同年代な?少年少女達を連れて、スィーツ巡りをしていた頃…

 

 

≫≫

「おぉ~ぅ、こうしてオメーと、直接に顔を会わせるのは久し振りだな!

まぁ、飲め飲め。」

「は…はぁ…」

「あっあ゙ぁん?!

テッメー、何だぁ? その顔は!!

まさか俺の酒は飲めねぇってか!?」

「ひぇっ?! い、いえ、決して その様な事は!すいませんすいませんすいません!!」

そしてそして、北欧の悪神が、すっかり出来上がってしまった日本の荒神に捕まり、絡まれていた頃…

 

 

 

「…でも、大国主様は、凄くズルいんです。

最初、私のアソコを舐めて、その…イッ…てしまった後、あ、()()…を顔の前に出して、『気持ち良かったろ?ならば お前も、俺を気持ち良くさせろ。』なんて言うんですよ!

有り得なくないですか?!

確かに1人でするより、よっぽど気持ち良かったですけど!

確かにイッちゃいましたけど!

…でも、そんな風に言われたら、拒める訳が無いじゃないですか!?

卑怯くないですか?!」

…少女達の会話は、未だに盛っていた。

 

「「「「いや、それは普通だから。」」」」

「ハァ…、これだから処女(元)は…

率先して男性に御奉仕出来ない様じゃ、まだまだダメダメです。」

「ライザー様なんて問答無用で、いきなり口の中に入れてきますよ。」

「ぅぅ…

そ、それに()()って、何だか苦くないですか?」

「「「「「「「はぁ~~~~~~~~~~~~~…」」」」」」」

「な、何ですか?! 何故に皆して、『駄目だコイツ、何とかしないと…』みたいな溜め息?」

「そりゃ、アレ♡の美味しさが解らない様じゃ、まだまだ お子様(笑)って話ですよ。」

「然り。サシミやスシの、ワサビの味を知らない子供と一緒です。」

「え゙ぇっ?!…そそそ、そういう物なのです、か…?」

「「「「「DEATH!!」」」」」

 

≫≫

「…ふ・ん! 変態プレイなら、我が主も負けていないぞ。

我等ディオドラ眷属、ルイズとアイズ以外は皆、1度は()られているからな。」

「そ、その…私、この前 初めて剃られた…」

「「「「おぉ~♪」」」」

「そうか!以前『ルイズは漸く生え揃ったばかりだから、流石に まだ早い』と言っておられたが、そうか…ルイズも…良かったな。」

「うるさい煩い五月蝿い! 余計な事 言うな、馬鹿ぁっ!」

「…て、ディオドラさんって、そっち専なのですか?」

「いやいや、ディオドラ様の名誉の為にも言っておくが、そーゆー趣味も多少有るだけで、専門て訳じゃないと思うわよ。」

「フォローじゃないわよ?w」

「アイズだけが まだって、何か理由が有るにゃ?」

「必要無いんデース。

アイズは()()で、つるっつるんなのデース。」

「「「ぉ、ぉお~…」」」

「………………。

余計な事、言わない…」

 

 

≫≫

「サイラオーグ様は時々、寝ている私の…実は起きてますけど…胸を触ったり吸ったり、口の中に…アレを押し込んだりとか、その儘 最後迄されてしまう事も有りますね。」

「「「「寝込みプレイwww」」」」

「途中で起きたりしないのですか?」

「いーえ、多分、気不味いでしょ?

ずっと寝た振りしていますよ。

尤も、口の中…は飲み込みますが、………の中は()()()儘ですから、朝にはバレバレになるんですけどね。」

「「「「でしょーねー。」」」」

「いえ、其処は きちんと最中に、目を開いて起きたのをアピールすべきだと思いますよ?」

「確かにサイラオーグ様は『やっべー!?』って、テンパるかもしれませんが、其処はクイーシャさんが優しく微笑んで、首に手を回すように抱き締めて、全てを受け入れるんですよ。」

「な、成る程…」

「私も寝てる時にされる事が有りますよ。

気付いて普通に起きて、『『あ…』』ってなりますけど、その儘 続けますけどね。

因みに黒歌姉様は、サト君の寝込みを襲う方です。」

「サトルニウム、摂取だにゃ!」

 

 

≫≫

「イルとネルは双子だから、お互いが感じてるのを感じちゃうんだよー。」

「アソコ、ちん〇んを入れられているのと舐められるの、同時に感じる事が出来るんだよー。」

「「「「「「何それ?!羨ましい!」」」」」」

「…で、イルがイッちゃうのを、ネルも感じて、1度に2倍イッちゃうのー。」

「イルもー。」

「「「「「「「「何それ?!凄く羨ましい!!」」」」」」」」

 

 

≫≫

「ふっ…皆さん、まだまだ素人の変態さんですね。

サト君なんて、私と姉様に、百合百合させようとするんですよ。」

「「「「「う、ぅわ~…」」」」」

「しかも あの変態サト君、私を攻め役(オトコ)に設定して、『白音が俺に してほしい事を、黒歌にしてやれ。後で俺が、同じ事を白音にしてやるよ。』…なーんて言うんですよ!」

「…それで、私は白音にベッドに押し倒されて べろちゅーされて、いきなりアソコを白音のアソコと擦り合わされたり、尻尾をアソコと お尻に同時、以下自主規制!」

「前戯無しで、いきなり ()()()!?」

「しかも尻尾、2本同時使用?!」

「…って、もしかしてガルーダ君、ち○ぽ2本持ってるの?!」

「「「何それ?羨ましい!」」」

「「…な、訳無いでしょう!」

        にゃ!」

「で、でも白音さん、いきなりって…」

「か、勘違いしないで下さい!

アレは、私でなくてサト君が そーゆープレイが大好きだから、気を利かせているんです!」

「「「「「へ~?(¬_¬)」」」」」

「ほ、本当ですよ!? 信じて下さいよ!」

 

≫≫≫

「ふん、甘いです。ディオドラ様のが えっちぃです。」

 

 

「…その程度、ライザー様の鬼畜っ振りには遠く及ばぬ!」

 

 

「さ、サトルだって…!」

…その後も、自分の主や旦那の変態っぷりを競うかの様に曝す少女達。

結論、男も女も、全員が変態である。

 

「…処で、ソーナ様達の姿が見受けられませんが?」

「そう言えばレイヴェル様も、何時の間にか居られないぞ?」

「会長やレイヴェル様は限界…下着が大変な事になりそうだったのでしょう。

先程 皆さん、顔を赤くしながら御手洗いに走って行かれましたが?」

「あ・ら~…」

「ふ~む。やはり未経験者(おこさま)には此れ等の会話は、刺激が強過ぎたか?」

「…って、真羅先輩は平気なのですか?」

「ふふ…私は普段から、薄い本で鍛えていますから、そのレベルな話では!」

「誇って言う話じゃないぞ…

でも その薄い本とやら、今度 貸して!」

 

▼▼▼

「「おーい、サトル~。」」

それから…サトルは若手悪魔男衆のグループを離れ、やはり女子グループを抜けてきた白音、黒歌と合流。

会場内をぶらついていた時に、2柱の神に声を掛けられた。

 

「ども、阿修羅師匠。」

1柱は阿修羅。

 

「…と、布袋師匠。」

「元気そうだな。」

そして もう1柱は七福神の一角である布袋。

サトルは以前、この髪を逆立てた神からも師事を受けていた。

…尤も彼から習っていたのは戦闘では無く、ギターなのだが。

 

≫≫≫

「この前のバトルは、見事だったぞ。」

「カーカカカカカカ!

特に私が伝授した技での決着は、素晴らしかったぞ。」

「…あの後、トール師匠に その事で散々と、電話でOHANASHIされたんですけど。」

「カカカ…器の小さい神だな。」

「いや、あれは あの時、貴方が煽ったから!」

「おーい、阿修羅~、布袋♪」

「「げっ?!」」

久し振りの師弟の談笑が行われている中、其処に新たに加わろうとした神が居た。

彼女を見て、阿修羅と布袋は嫌そうな顔を隠さない。

 

「ちょっと、何なのよ その顔は?失礼じゃない!?」

「「い、いや…」」

その反応に、青髪の少女神は面白くない様に文句を言い出す。

 

「謝って!今直ぐ私に謝って!」

「「……………………。」」

半泣きで2柱に詰め寄る、女神アクア。

イタリアに拠点を置く、アクシズ教なる宗教の唯一神で、水を司る女神。

布教範囲や信徒の数は、決して大きな規模で無く。

しかし決して、マイナーでも弱小でも無く。

特に信徒は知る者からすれば、色々な…様々な意味でヤヴぇえと認識されていた。

その頂点に立つ この女神も、同じ扱い。

そして実際に彼女を知る神々からすれば、尚更な事である。

神々曰く、

「スペックは超高いが、それを上回る超ポンコツ。」

「お調子者の かまってちゃん。」

「敵に回すと厄介だが、味方にしても凄く厄介。」

「我が儘。」

「駄女神。」

「1番の対処は、味方ポジで()()()()()()事。」

「頭悪いってゆーか知力低いってゆーか普段から何も考えてないってゆーかバカってゆーか…」

「見た目 美少女なのに、下半神(ゼウス)下半神(ポセイドン)下半神(アポロン)下半神(オーディン)ですら手を出そうとしない、残念女神。」

「宴会芸の神様。」

「今、『下半神』て書いて『ゼウス』って言ったヤツ、誰ぢゃーっ?!」

「僕だけど?」

…らしい。

 

≫≫≫

「…処で、そっちの人間は もしかして、この前 白龍皇と戦ったガルーダ?」

「はい、始めまして、女神アクア様。

ガルーダこと、【日本神話】『NIN=JA』所属、神代聡琉です。」

そしてアクアは、サトルにも話し掛ける。

()()女神アクア…と判りながらも、サトルは師匠達と違い、平静を装いながら挨拶。

 

「この前のバトル、素人的には派手な展開で受けは良かったでしょうけど、私から言わせて貰えば、相手も一緒で まだまだね。

無駄な動きが多過ぎたわ。

そもそも…」

「「「「「………………。」」」」」

そんなサトルに対して、先の戦争遊戯(ウォー・ゲーム)についての感想を述べ始めたアクア。

曰く、対戦相手だったヴァーリ・ルシファー共々に、未熟らしく。

専門家を気取るかの様に、色々と駄目出しや指摘、批評を言い始めた。

これには、阿修羅や白音達も呆然。

 

「まぁ、半人前なのは自覚してますがね…」

サトルは その指摘にも苦笑しながら受け入れると、

「そんな訳で!この私も貴方の修行を見てあげるわ!

有り難く思いなさい!」

…どんな訳なのかは解らないが、この女神はサトルを師事すると言い出してきた。

 

「「「「駄目だ。」」

      です。」

      だにゃ!」

「はぁ?!」

すると これに透かさず、既にサトルの師である2柱と、一緒に居た猫姉妹の方が、拒否の姿勢を見せる。

 

「…サトルよ。お前も例え神が相手だろうと、嫌な物は嫌だと はっきりと言うべきだぞ。」

「何でよーーーーーーーっ!?」

更に布袋は、サトルに諭す様に話す。

 

「すいません…

嫌とかの前に、そういうのは とりあえずメインの師で有る、蔵馬師匠に話を通さないと。

俺が勝手にって訳には…」

そしてサトルは、この返答。

 

「そして蔵馬だけで無く、私、布袋、トール、アテナ、ナイアラルトホテップ…

サトルを鍛えている神の、全ての承諾が必要だな。」

そして それに、阿修羅が付け加える。

 

「…因みに阿修羅様と布袋様は?」

「カカカカ!当然、却ーッカだ!」

「同じく。」

「いきなりアウトだにゃ!」

「ななな、何でよーーーーっ?!」

そして阿修羅と布袋は、拒否の回答。

 

「そもそも お前、以前に神スレでサトルに近寄るなって、ウチの主神様に言われてたじゃないか?」

「ついでにナイアも、『イロモノ師匠で被るから駄目』って言ってたしな。」

「あの神様(ひと)、イロモノの自覚、有ったのですね…」

「まあ、諦めろ。アマテラスは自分の(こども)には、かなり過保護な様だからな。

お前みたいな駄女神と関わらせたくは無いだろう。」

「うぅ~…って!駄女神って言った!また駄女神って言ったぁ!?

しかも その前には、イロモノなんて言ったぁ!

うゎわわぁあ~~~~~~~ん!!」

更には弟子には過保護な師匠達の追撃により、泣き出してしまうアクア。

 

「師匠…少し言い過ぎなんじゃ…」

「ふん!サトルは噂でしか この(おんな)を知らぬから、その様な事が言えるのだ。」

「此奴は此処で甘やかせば、すぐに調子に乗って増長するからな。

『アクシズの神には厳しく当たれ』…は、神々の常識なのだ。」

これにサトルがフォローに入ろうとするが、師匠達は それも跳ね退ける。

 

「ちょっと、いい加減にしなさいよ、アナタ達!

敬って!もっと私を敬ってよぉ!

うわあ~~~~~~~~~~~ん!!」

そして遂には その場で膝を着き、泣き崩れてしまうアクア。

 

「流石に言い過ぎですよ…

アクア様も、立てます?」

そう言って、困った顔なサトルが、アクアに起きてもらおうと、手を差し出す。

 

「うん、ありがと…

キミ、この外道神の弟子とは思えない位に優しいのね…」

アクアも そう言いながら その手を取り、起き上がろうとするが、

 

すってーーーっん!

 

「きゃっ?!」

「おわっ!?」

この時、アクアがバランスを崩し、サトルを引き倒す様にして転倒。

 

「サト君…」

「結城サトルだにゃ!」

「カーッカカカカ!」

「ギャハハハハハハハ!」

それを、生緩い目で見る猫姉妹、そしてバカ受けする阿修羅と布袋。

倒れたサトルの顔面の上にアクアが尻餅を搗いて乗る形に…サトルがアクアのスカートの中に頭を突っ込む体勢となってしまっていたのだ。

 

い、ぃいやぁあああぁ~~~~~~っ??!

これには直ぐ様、顔を染めた様に真っ赤にしたアクアが飛ぶようにして起き上がり、

「ぁ痛たた…」

続いてサトルも後頭部を押さえながら、ゆっくりと立ち上がる。

 

「……………………………。」

そして怨めしそうに、サトルを睨み付けるアクア。

 

「いや…何てゆうか、その…すいません?」

それに対してサトルは、とりあえずは気不味そうな顔を浮かべての謝罪。

どちらかと言えば、サトルの手を引くアクアの力が強かったのか原因な気もするが…である。

 

「その…か、髪の毛と、同じ色でした、ね?」

「!!!!?」

そして それは想定の外の出来事だったのか、ついついポロっと その感想を口にしてしまったサトル。

…が、この一言が ある意味当然と云うべきか、女神の怒りを天元突破させてしまった。

 

「こ…ごごごご…」

「ご…?」

握り締めた拳をぷるぷると震わせ、それを見つめながら何やら ぶつぶつと呟くアクア。

気になったサトルが、その様子を伺おうと近付いた時、

「ゴォ~ッド・ブロォーーーーーーーーーッ!!!!」

 

バキィイッ!!

 

「このすばぁっ?!」

女神の怒りと悲しみを乗せた必殺の拳…神氣を纏わせた渾身の右ストレートが、サトルの顔面に直撃した。

 

「ゴッド・レクイエム!ゴッド・レクイエム!ゴッド・レクイエム~っ!!」

 

ガンガンガンガン…!

 

「痛い痛い!すいません!マジごめんなさい~!?」

更には手にした杖で、サトルの頭部を殴打するアクア。

それを両手で防御しながら、サトルは平謝り。

 

「お、おいアクア、ちょっと殺り過ぎだぞ!?」

「ちょっと人間(ガキンチョ)に ぱんつ見られた位で、怒り過ぎだっての!」

「…離して!放してよぉ!」

これを阿修羅と布袋が中に入り、2人を引き離す。

 

「うぅ~~…」

それでも まだ収まりが着かないのか、アクアは目に涙を貯めて頬を膨らませ、サトルを再度 睨み付けると、

「バカあっ! アンタみたいなエロガキ、もう弟子じゃない! 破門よ、破門!!」

 

タタタタタタタ…

 

一言 声を荒げると、何処かへと走り去って行くのだった。

 

「いや…破門の前に、そもそも弟子入りなんざしてねーだろ?」

「…だな。」

「…っす。」

「…ですよね。」

「…にゃ。」

そして それを、どういう反応をすれば良いか分からない様な顔を浮かべ、見据える一同。

 

≫≫≫

「…でもサト君、『髪の毛と同じ色』は、無いと思いますよ。

あれは殴られて当然ですよ。」

「いや、つい…」

「本当、ドスケベサトルだにゃ~…」

「…すいません。」

その後、猫姉妹から先程の一言について、注意を受けるサトル。

 

「でも確かに、ぱんつ見られただけで、あの怒り方は尋常じゃ無かったにゃ?」

「そうですよね。ぱんつ見られた位で、あんなに怒る事は無いですよね?

余計な一言が有ったとしても。」

そして次は、あの時のアクアの異常な程の怒り方について、話し始めた。

 

「…いや、普通は怒るだろ?

確かにアレは、怒り過ぎだったけどな?」

「しかも、相手は人間(ガキ)だぞ?」

「………………………………。」

そして最終的に、()()()()()()()()だけで、あんなに怒る事は無い。…白音達は そう結論付ける。

それについて、サトルは一言 言いたかったのだが、それを言えば、また ややこしい話となるのは容易に想像出来たので、黙りを決め込むのだった。

 




 
布袋…一条誠(BØY)のイメージで
 
宴会編、次で締めます?
 
感想よろしくです。
 


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神々の狂騒②

【前回の あらすじ!】
サトル「何で穿いてないし…(汗)」
 
 
【今回の予習】
月読命…ダイ・アモン(BASTARD!!)
千葉滋…セバス・チャン(OVER LOAD)
…のイメージで
 
 
頭に浮かんでいた単発ネタ、消費回!
今回は(今回も:笑)読み飛ばしても大丈夫なレベルに、(ストーリー)は全然 進みません!
更に今回、凄く短いです!m(_ _)m 
 


 

『『♪だ~け~どぅおー!日本一ぃーの整備員~ん!俺が やらなきゃ誰がやるーぅっ!♪』』 

 

 

「凄えZE!完全にハモってるNA!」

中の人が 声質が同じですからねぇ。」

月読と千葉が互いの肩を組んでの熱唱に、【日本神話】の新年会場内は沸きに沸いている。

"神"と『NIN=JA』とは云え人間との共演。

これもアマテラスの名の下の、完全無礼講な会場…しかも月読自身が、その()()を非常に好む性格だからこその、そして普段は真面目堅物な千葉も、酒の影響か それとも実は()が そうなのか…だからこその実現だろう。

 

「ふぉふぉふぉ…

次は儂も、歌ってみようかのぅ…」

「マジか、冥王!」

「珍しいねぇ、あのヒトが こういうのに興じるとは。」

「完全に お酒のせいですね。」

そんな中、そう言って立ち上がったのは、白と金の祭司服を着た骸骨…オリュンポスの冥府の神、ハーデスだった。

これには一緒に盃を交わしていた、閻魔大王やアヌビス等、各神話にて死後の世界を統治する者達も、少しだけ驚いている。

 

≫≫≫

『♪M・U・S・C・L・E MUSCLE!

M・U・S・C・L・E MUSCLE!

3,2,1,FIRE~~!!♪』

そして、ハーデス熱唱。

 

()()を歌ってんなし…www」

「ねぇねぇ、酸漿君は歌わないの?」

「俺も酸漿様の歌、聞きたい!」

「別に構いませんが…私、この様な場で披露出来る様な歌、余り持ち合わせていませんよ?」

これを見ながらの閻魔大王や やや肥満気味な白犬の振りに、地獄の補佐官が苦笑してグラスの焼酎を飲み干す中、次にステージに上がったのは…

 

『行くぜ!RoCK & RoLL!!』

ギターを携えた布袋。

 

『私の歌を聴けぇ~~~~っ!!!!』

並びに布袋と同じく七福神の1柱、ツインネックを持った弁財天。

そして、

「何で、俺も…」

布袋に無理矢理に、ステージに連れられてきたサトル。

当然、ギターを構えている

 

「…てか、布袋師匠。何で師匠が俺のギター、用意してるんですか?

不法侵入ですか?…って、不法侵入ですよね?!」

「ふ…、『こんな事も あろうかと!』…ってヤツだ。」

「いーや!最初っから巻き込む気満々だったっしょ? 別に、良いっすけどね…」

 

わーわーわーわーわー!!

 

布袋とサトルの師弟が奏でるギター共演。

そのセンターで弁財天が響かせる(ヴーカル)

それは暫定で この日一番の盛り上がりを見せた。

 

「ちぃ! この私を差し置いて こんなに沸かすなんて、これは私に対しての挑戦状と見て良いわね、そーなのね!?

宜しい!ならば私が、本当の"ウケる"ってヤツを魅せてあげるわ!!」

「ウズメちゃ~ん? 会場には小さい子供も居るから、脱いだりしちゃ駄目だぜ~?

下半神達も居るし、また猿君(ダンナさん)が拗ねちゃうよ~?」

「うぐぐ…わ、解っています!」

 

≫≫≫

…それからも、【日本神話】の舞と芸の女神が専属楽士隊(バックバンド)を従えての、見事な舞踊(脱いでません)を魅せたり、来賓として招かれた宴会の女神?による華麗な水芸で、そして他の神々や人間が織り成す芸で、会場を歓喜に包み、大いに盛り上げた。

そして、この盛大な宴の締めとして、最後にステージに立ったのは、

 

♪ゆり ゆらららら♪ゆるゆり♪

♪ゆり ゆらららら♪ゆるゆり♪

♪ゆり ゆらららら♪ゆるゆり♪大事件♪

♪よっしゃいくぞー!♪

♪わん・つー・さん・しっ!!♪

 

()()()の熱唱だった。

尚、これが最終的に、この日一番の大ウケとなった。

 

≫≫≫

そして、その翌日…

  




 
①弁財天…シェリル・ノーム(マクロスF)のイメージで。
②ハーデス様は『Clattanoia』と どちらを歌わせようか、迷いましたが、今回はアチラで。
③安元大事件www
鬼ぃさん、今度コカビーさんとコラボして下さい。(笑)
 
次回より新展開?
感想ヨロシクです。
 


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爆誕!戦〇〇!(仮)

 
伏線回収、及びストックネタ消費回です。
 


1月3日。

【日本神話】が興した、新年を祝う宴の翌日。

招待された他神話の神々は、宴が終わると その日の内に、自陣へ戻る者も居れば、高天原に泊まる者も居た。

 

「やあ、オーディン。昨日は よく眠れたかい?」

「ふん。布団については文句は無いわ。

これで誰ぞ、伽の相手を附けてくれれば、完璧だったがの。

何なら そっちの嬢ちゃんが相手でも、良かったんじゃz

殺すぞ?!

それともテメーも、"Eien ni Damessu"になりたいのか!?

「ぅうっ!?」

不用意な一言。

本人(本神)は軽いジョークな心算だったのだが、その発言を真に受け、身を竦めるアーシアを護るかの様に前に立ったアマテラスからの強烈な本気の殺気を浴び、たじろぐ北欧の主神…オーディンも、そんな1柱だった。

 

「…で、儂をわざわざ呼び()めた理由、一体 何じゃ? あー、怖かった!この娘と百合な噂は、本当じゃったか?!

「ああ、それだけど、もう少しだけ待ってくれないか?

あと、30秒…。」

「ぬ??」

但しオーディンに至っては、宴の翌日…即ち今日に、何やら用件が有ったらしく、アマテラスが引き留めていたのだ。

…尤も、オーディンも酒を少し呑み過ぎ、まともな転移が出来る状態で無かったから、どちらにしても泊まる心算だった様だが。

そして陽も高く位置した現在、アマテラスに呼ばれ、彼女の私室を訪れたオーディンが尋ねる。

現時刻、AM11:59。

そして これが、PM12:00ジャストとなった時、

 

ピカァッ…

 

「む?」

「ん。時間ピッタリだね。」

室内中央に転移魔方陣が現れ、それから姿を見せたのは、

「ミルたん、きたにょ!」

魔法少女の衣装(コスプレ)を身に纏った、大柄な乙漢だった。

 

≪≪≪

戦争遊戯(ウォー・ゲーム)が終わった後。

『聖書』側で飛び入り参加したミルたんには、特にペナルティは課せられなかった。

そして駒王町に送り帰される際、アマテラスから あるメモ用紙を渡されていた。

 

 

【魔法少女に興味があるなら、来年1月3日の正午、この紙の魔方陣に祈ってみな♪】

 

 

ミルたんは この用紙の内容に従い、この日の この時刻、拝む様に祈りを捧げた事で、魔方陣に封じられていたチカラが発動、アマテラスの待つ部屋へと転移してきたのだった。

 

≫≫≫

「ふむ、先のゲームで悪魔の若者と戦った人間…じゃな。」

長い顎髭を擦りながら、ミルたんを眺めるオーディン。

 

「成る程…儂を高天原に留ませたのは、此奴に会わせる為か。」

そして北欧の主神は、一応は納得する表情を見せる。

 

「その通りさ。流石はオーディン。

このミルたんの、()()()宿()()()()に気付いていた様だね。」

「まぁの…」

「資質…にょ?」

「そう、簡単に言えば…」

続く会話の流れに乗れないミルたんに、アマテラスが説明を始めた。

 

「残念だけどミルたん…キミには、『聖書』流の魔力の才能は全くの無しなんだ。」

「そ、そんな?!

でもミルたんは、ミルたんはっ!」

「おっと、話は最後まで聞けよ。

僕は『()()()()()()って言ったんだぜ?」

「つまり…?」

「ミルたん…と、言ったかの?

お主は北欧流…ルーン魔術の資質を宿しとるんじゃよ。」

「!!?」

このオーディンの言葉に、ミルたんの目の色が豹変。

 

「どうするミルたん?

ルーン魔術、覚えてみたくないかい?

…キミが思っている魔法少女とは少しだけ、ニュアンスが違ってくるけど。」

「是非とも宜しくお願いしますにょ!」

「ん…、ちょっとだけ、近いかな?」

そして続くアマテラスの囁きに、ミルたんは顔面どアップで喰い憑く。

魔法を修得する為ならば、宿敵?である悪魔さえも その手段として使おうとしていたミルたん。

魔法が使えるなら、その辺りの拘りは持っていない様だった。

 

「つまり、アマテラスよ。

お主は此奴をアースガルズに連れて帰り、戦乙女(ヴァルキリー)…いや、戦乙漢(ヴァルキリー)として鍛えろと言っているのじゃな?」

「惜しい!ミルたんの修行を見てくれる人材を、日本(こっち)に派遣して欲しいんだ。

勿論、対価は払うぜ。…ってゆーか、既に用意してある。」

「ほう?何かの?」

「この僕が頭を下げて お願いして撮らせて貰った、藤舞ちゃんの花魁衣装、サクヤちゃんのスク水、ウズメちゃんのバニーに豊玉姫ちゃんの女戦士鎧(ビキニアーマー)、更にはライザー君並びにディオドラ君眷属の皆さんによる、手ブラジーンズor全開パーカーの写真セットだ!」

「よーし、任せい!

指示指導には うってつけな、飛びっきりな人材を寄越しちゃるわい!」

アマテラスの示した対価に、簡単に釣れる北欧主神。

 

「しかし、良いのか?

このミルたんとやら、確かにルーンの資質も有るが、それよりも あの戦闘で見せた、()()()()()の方を伸ばしたのが良いのではないか?」

「確かに あの直後、サイラオーグ君が小宇宙(コスモ)を発動させてしまったので、完全に霞れちゃったたけどね…」

「あれは紛れも無く、K.K.Dじゃったぞ?

小宇宙(コスモ)程では無いが、アレも中々に使い手の少ない、レアなチカラじゃ。」

「神で持ってるのは阿修羅君とアヌビス君。それから綿津見神(ワタツミノカミ)君位かな~?

…でもミルたんは、魔法のが良いんだろ?」

「にょ!」

アマテラスの問いに、力強く肯で応えるミルたん。

ミルたんとしては如何に それが強大なチカラであろうと、魔法の方が至上な様だ。

 

「まあ、過去に魔法を求めて異世界転移した事が有るって位だからね~。」

「転移魔法は、使えるんじゃな…」

 

≫≫≫

数日後。

 

「こ、この度、オーディン様の命を受け、ミルたんさんにルーン魔術の手解きをする事になりました!

ふふっふ、不束者では在りますが、よろしくお願いします!」

「よろしくお願いしますにょ、先生!」

…駒王町に、ダークグレーのスーツを纏った銀髪の美少女な戦乙女(ヴァルキリー)が訪れた。

 

▼▼▼

…その後日の高天原。

 

「でぇぃやっ!」

 

シュィンッ!

 

「おわっと?!」

亡命若手悪魔達にとっては恒例?となりつつある集団訓練。

現在 手合わせをしているのは、サトルとライザー・フェニックス。

ライザーが放つ、炎を纏わせた鋭い手刀を、サトルが寸での間合いで躱していた。

 

「……………………………。」

その様子を、無言で見ている男が1人。

背中に十字刃の槍を携え、赤い甲冑を着込んだ若い男だ。

 

「まさか ()()()も、高天原の住人になっていたとはね…」

「まだまだビックネームが居そう…」

「蘭丸様とか、居ないかしら?」

その彼を見て小声で話しているのは、生徒会(元)の面々である。

 

ドゴッ!

 

「…ッ!?」

そんな遣り取りの中、サトルの左リバブローがライザーの脇腹に突き刺さった。

苦悶の表情を浮かばせるライザー。

これにサトルは間を置かず、直ぐに次の攻撃に移行。

 

ガシッ…ぶぅん!

 

逆羽交い締めで捕らえると、勢い良く後方に ぶん投げる。

ダブルアーム・スープレックスだ。

 

ぐぃ…

 

そしてサトルのターンは まだ終わらない。

ライザーの頭を掴んで引き起こすと、今度は またもプロレス技…

 

「ぐぉっ?!」

コブラツイストの体勢から倒れ込み、自身の頭を支点にして高速回転。

主に脚関節と三半規管にダメージを与える技、ローリング・クレイドル。

自分の知らない、初めて貰う技…しかも三半規管を攻める、攻められると云うのが自身の発想の外だったライザーは、技の対処が遅れて完全に捕らえられてしまう。

 

「うらっ!」

 

どんっ!

 

「ぐえっ!?」

そして この回転地獄を抜け出し、ふらふらと立ち上がったライザーに対して、今度はパイルドライバー。

 

「しかも、み〇る式かよ!?」

「あれはエグいな…」

「ついでに言えば神代君の神器(セイクリッド・ギア)の間合いだから、ライザーの"不死"は封じられているからね。

当然、体を炎にしての回避(うけみ)も、その後のダメージ回復も不可能。

…って、ライザー、死んでないよね?」

これにプロレスには詳しい匙と由良、そしてディオドラが口元を引き攣らせながら、周りの者達に解説。

そんな中、仰向けでダウンしているライザーに、サトルが締めに入った。

膝裏を踏む形で両足を絡め、

 

ぐる…

 

更には両腕も捕らえての1回転。

これもプロレス技の

「ふん!何かと思えば、『実は大して痛くない技』で有名な、ロメロ・スペシャルではないか!

こんな技、普通に凌いでみせるわ!」

吊り天井固め(ロメロ・スペシャル)

偶にバラエティ番組等で、プロレスラーが お笑いタレント等に仕掛ける場面が見られる技。

この対・素人?の技に、余裕を取り戻すライザーだが、

「「「甘ぇーよ。」」」

 

ぐぃ…

 

あ痛゙だだだだだだっ?!

匙達の呟きと同時、サトルが少しだけ腕を捻り、脚を開くと またも…先程以上な苦痛な声と顔を浮かべ…

 

「がはっ!?」

ライザーは その儘 倒れてしまった。

 

「まぁ、そうなるよね。」

「テレビの あれは、素人向けの"痛くないversion"だから。」

「プロレス技は、痛いんだよ!」

 

パチパチパチ…

 

「素晴らしい!

まさか口伝だけで、御館様の必殺技を完全に再現してしまうとは!」

そして この模擬戦を見守っていた、甲冑の男が拍手と共にサトルを賞賛。

 

「いえ、幸村さん…1つ1つは元からの持ち技だったり、知っていた技でしたから。」

それにサトルは照れ笑い。

この男は真田幸村。

戦国の世、あの関ヶ原の合戦にも参戦していた この男も死後、源頼光や河上彦斎と同様に【日本神話】のスカウトに応じ、高天原の民となっていた。

そして今回 彼がサトルに教えたのは、曾ての彼の主である、武田信玄が得意としていた必殺の技。

確かに1つ1つは現在の普通のプロレス技だが、それ等を繋いで繰り出す事で威力が通常の足し算以上の効果(ダメージ)を及ぼす事が出来る、強力連撃技(コンボ)だった。

 

「この前の戦いを見て、神代殿なら扱えると思っていましたよ。」

技を十全に体現したサトルに曾ての武田信玄の姿を重ねたのか、真田幸村も満足気な顔を見せる。

 

「か、カミシロサトルゥッ!絶対に耐え抜いてやるから、次は私にも、今の技を仕掛けてみりょ!

何なら最後の関節技だけでも構わないぞ?!

さぁ、はりーあっぷ!」

「え?えぇっ?!」

そして強力な技が披露された後、その技の使い手に金髪ポニーテール少女が顔を赤らめ目を血走らせ、己にも同じ技を要請するが迫るのも また、若者達の鍛練の恒例な光景となっていた。

 

「ごめん神代君、マジに ごめん!

ウチの変態が本っ当~に、すいません!」

 

▼▼▼

同刻の都内某所。

とあるカラオケ店に、黒のスーツで身を固めた、1人の男が来店してきた。

 

「…3時間。」

「か…かしこまりました。

で、では、此方の個室になります…」

カウンターで「1人(ぼっち)ですか?www」と言いたいのを我慢しているかな顔の店員から、個室の鍵を受け取ると、店内最奥の部屋に入り施錠、同時に人払いや認識阻害の結界を展開させる黒スーツの男。

 

「はぁ…」

そして溜め息を1つ。

 

ヴィン…

 

「やあ、烏丸君。何を『1人でカラオケに来させるなよ…』みたいな顔をしているんだい?」

そんな時 突如、室内の巨大モニターな画面が切り替わり、黒髪の少女の顔がアップで映し出された。

 

「実際に そうだからですよ、天照さm…さん。」

この少女…では無く、アマテラスの問い掛けに男…『NIN=JA』の一員である烏丸雅臣は、脱力全開な表情で応える。

実は このカラオケ店も【日本神話】直営で、時折『NIN=JA』に指令が下される等な時に利用されていた。

 

「それで、何が有ったのです?

私1人を()()()に喚んだからには、只事では無いでしょう?」

それを理解している烏丸は、早速アマテラスに本題を求める。

 

「ん。実は昨日、〇〇県で1人の男の子が産まれたんだけどね、その子が神器(セイクリッド・ギア)を持っているのが判ったんだ。」

「成る程。それで私に、その子の保護…いえ、確保を命じると…」

…『聖書』との戦争の後、【日本神話】は国内での神器(セイクリッド・ギア)の管理に本格的に取り掛かっていた。

 

「いぐざくとりーで御座います。

ただ、この子は勿論だけど、家族も()とは何の接点も無い家柄だから、隠密に…そして穏便にね。

決行の人選や手段等は、君に全て任せるよ。」

「了解しました。」

その管理方法は、日本在中の日本人で未覚醒の神器所有者(セイクリッド・ギア・ホルダー)を確認すると、その者に『NIN=JA』が接触、一時的に高天原に連れ出し、神器(セイクリッド・ギア)を体内から摘出した後に、その間の記憶を操作した上で元の場所に帰すと云う手順。

堕天使が編み出した、神器(セイクリッド・ギア)摘出の技術を元に【日本神話】の研究者達が改良を重ねた、安全安心な技術である。

今回は その指令が、烏丸に下された形である。

 

「日本国内の話で、まだ他所の神話連中も知らない事だろうけど、なるべく早く頼むぜ。

何しろ今回の神器(セイクリッド・ギア)神滅具(ロンギヌス)黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)だからね?」

「は…はい?!」

そして まさかの超レア神器(セイクリッド・ギア)の銘に、烏丸が狼狽えたのは、別の話。

 

▼▼▼

更に同刻の冥界、グレモリー領。

 

「り、リリティファさん!?」

「ふん…私としても手荒な真似は、したくないのだよ。」

曾ての領主が住んでいた城から少し離れた場所に在る館で、事は起きていた。

…現在の悪魔社会は貴族の殆どが【日本神話】に殺された事で、その貴族による統治が ほぼ不能となっていた。

そして人間社会に習い、血筋で無く能力有る者による政治運営を試みているのが現状。

しかし、それを好ましく思わない者も、当然 居る。

運良く?日本の神からの侵攻は受けるも その神の裁量故に殺されなかった貴族達だ。

彼等は各々が自分達の権威を取り戻さんと「平民に政治の何が解る」と主張するが、「今迄の貴族の行いが、今の社会だ」と、新しい社会を模索していた その平民に跳ね返される。

…すると彼等は、以前は派閥絡みで反発し合っていた者同士でも手を取り合い、動き出した。

自分達の意見を主張するには有力な『家』の助力 発言が必要と、最初はベリアル家に話を持ち掛けたが、戦争開始時には既に【日本神話】に降っていたベリアル家が、それに応じる事も無く。

そして次に目を着けたのが、グレモリーだった。

確かに次期当主は無能で、現在は行方知れずとされているが、生存確認されているグレモリーで、魔王の息子であるミリキャス・グレモリーは才児として名が知られていた。

このミリキャスを旗頭…傀儡…として、貴族制の復権の話を持ち掛けるが、ミリキャスの応えは否。

幼い自分を体の良い看板として利用しようとしているだけなのは明らかな上に、権威だけを欲する貴族が、まともな統治をするとは思っていない…現状よりも更に冥界が乱れるのはわかったからだ。

何よりも今の自分には、【日本神話】従属の呪が施されている。

彼等への協力を、【日本神話】が どの様に解釈するかを恐れたからだった。

そんな事情を知らない悪魔貴族は、ミリキャスの対応に納得する筈も無く。

そして自分の言う事を聞こうとしない、生意気な子供に対して、この貴族は強行手段に出た。

ミリキャスの保護者代わり…世話役となっていた少女、リリティファ・ウェパルを捕らえると、その首筋に刃物を当てたのだ。

 

「さあ、もう一度、質問しますよ、ミリキャス・グレモリー。

我々と共に立ち上がり、貴族の、貴族による、貴族の為の社会を再建させましょう!」

「……………!」

最初の挨拶の時はミリキャスに対して『様』を付けていた悪魔貴族が、今はフルネーム呼び捨てで再び赤髪の少年に脅す様に問い質す。

 

 

 

にゃ~ぁ?(ΦωΦ)

 

 

…その様子を部屋の角で、何時の頃からか館に住み着いていた黒猫が窺っていた。

 




 
真田幸村…戦国無双シリーズのキャライメージで。
 
 
感想、よろしくです。
 


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その後のグレモリー

 
回収回収♪
 


「リリティファさんを…放せ…!」

 

ヴォ…

 

「…!?」

自分の意にミリキャス・グレモリーを頷かせようと、彼の側に控えていた少女を質に捕り、暴に訴えようとした貴族悪魔。

しかし少年は それに臆する事無く、その外見からは想像出来ない様な低い声、そして光が消えた瞳を向け、で逆に()()

両の手に、漆黒に光る魔力球を作り出した。

父親である魔王の代名詞だった、滅びの魔力で作られた球だ。

貴族は此処で、初めて過ちに気付く。

目の前に居る子供は、只の子供では無い。

魔王ルシファーの息子である事を。

自分如きが、チカラを振り翳す程度で どうにか出来る相手で無かった事を。

 

カラン…

 

「ま、待て…下さい、み、ミリキャス…様!」

その少年とは思えない()に気圧され、貴族は手にしていたナイフを落とし、屈伏の姿勢を見せる。

 

「リリティファさんから、離れろ…!」

「ひぃっ?!」

それでも尚、仕舞おうとしない重圧に、言われる儘、車椅子の人魚から距離を置き、その隙にミリキャスは彼女を守る様に その前に立つ。

 

「リリティファさん、大丈夫でしたか?

ごめんなさい…僕が この展開を読めなかったから…」

「いえ…」

そしてリリティファを気遣うミリキャス。

そんなミリキャスに頬を少しだけ、朱に染めて応えるリリティファ。

 

「み、ミリキャス様!今一度、考えては下さらぬか?

貴方様のネームと その御力なら、冥界を再び統べるのも決して夢では無い!」

「「…………………………。」」

そんな()()()()の中、悪魔貴族は それを読めないのか、再び、低姿勢ながら自分達への協力を仰ぎ始めた。

 

 

「…そして何時の日かには、今の現状の元凶である、あの憎き【日本神話】にも裁きの鉄槌を降しまs

「はい、有罪(ギルティ)。」

「「「…??!」」」

そして その自分の理想と野望を織り混ぜた話の途中、第3者の声が。

 

ヒョコ…

 

「にゃ~ぉ…」

「ん?ネコ?」

「「…しゅばるつ?」

        さん?」

ミリキャスと悪魔貴族の間に割って入るかの様に現れたのは、黒い猫。

ミリキャスが この館での生活を始めたと同時期、何処からか迷う様に入り込んできた野良猫?で、何時の頃からか『しゅばるつ』と名前を付けて、ペットとしていたのだ。

 

ぼんっ! 

 

「「「???」」」

その黒猫(しゅばるつ)が その身から濃い白煙を撒き散らす。

一瞬 周囲が その煙に包まれ何も見えない状況となり、その煙が晴れた時、

「だ、誰…?」

「くくく…もう、察しているじゃろう?

ミリキャス坊?」

其処には しゅばるつの姿は無く、その代わりに黒髪褐色肌の、妙齢の女が立っていた。

 

「「「………………。」」」

その女を見て、ミリキャス、悪魔貴族、リリティファは硬直してしまう。

とりあえずは この女が黒猫に化けていたのは理解出来た…にも拘わらずだ。

 

「…ふむ? 何をそんなに驚いた顔をしておる?

猫が人型に変わるのが、そんなに珍しいか?

悪魔(キサマラ)にも似たような真似が出来る者は、沢山 居るじゃろう?」

「「「………………。」」」

いきなりの乱入者の登場、その姿に悪魔達は声を出せない。

 

「まあ良いわ。

とりあえず名乗らせて貰うぞ。

儂は…」

「「「服着ろーーーっ!」

    着て下さい!!」」

「ん?」

それでも漸く…漸く その姿に突っ込めた悪魔達。

そう、この女は今、一糸纏わぬ姿だったのだ。

…因みにミリキャスは今、背後に回り込んだリリティファから、両手で目隠しをされている。

 

≫≫≫

「つ、つまり、夜一さん?は、【日本神話】の…」

「そうじゃ。『妖怪』に席を置く者じゃよ。

ほれ?」

 

ひょこ…

 

「「!!?」」

「…見ての通り、猫又じゃよ。」

…何処から取り出したのか、黒のアンダーに橙の上着な戦闘衣を着込んだ女は"四楓院夜一"と名乗り、頭から黒い猫耳を出す。

 

「【日本神話】からの監視…だったのですか?」

「うむ、少しだけ違うかの?」

若い見た目とは不似合いな、年配者の様な口調で話す夜一。

 

「正確に言えば、ミリキャス坊が【日本神話(わしら)】に楯突くで無く、そういう考えを持つ輩が坊に近付くのを見張っておったのじゃよ。

()()の様にな。」

「「…………………………………。」」

そしてミリキャスの質問に、数分前迄はミリキャスに言い寄っていた()()()()()()()()()()を指差し、 

「坊を旗頭に悪魔の領地で貴族の復権を唱えるのは、勝手じゃな話じゃ。

しかし、【日本神話】に矛を向けようとする者は、見過ごせぬでの。

それで野良猫に化けて、この屋敷に居着いていたのじゃよ。」

自分の正体を、何故この場に こうやって居るかを明かすのだった。

 

「これで こんな阿呆が出てくるのが終わりとは思えんので、これからも宜しくな。

あ、もう正体が張れた後だが、今後も普段は猫の姿で生活させて貰うぞ?」

「……………………………。」

 

▼▼▼

数日後。

 

「危ない処でしたな…」

「「「「……………………。」」」」

悪魔領の僻地に位置する貧民街…その、更に外れに在る廃屋敷。

このリアス・グレモリー達が隠れ潜んでいる屋敷内に、無数の悪魔達の屍が転がっていた。

 

「よ、余計な真似を…!?」

それを実行した者達に対して声を荒げているのはリアス…で無く、彼女の女王(クィーン)である姫島朱乃である。

 

「…いや、この場合は素直に『ありがとう』と言うべきだと思いますよ~? 姫島先輩?」

それを窘めるのはサトル。

 

「ねぇ? アナタ達も そう思うでしょ?」

「「「…………………。」」」

そして実行者である、武装した()()の集団にも同意を求めた。

彼等は堕天使。

グリゴリ幹部の1人、バラキエル直属の部下達である。

彼等はバラキエルの命により、彼の娘である姫島朱乃の護衛の任に、彼女達に悟られぬ様に就いていたのだ。

そして今回、何処から情報を得たのか この廃屋敷にグレモリーが潜んでいるのを知った、貴族に対して怨みを持つ者達の襲撃の際、初めて その存在を曝した上で その者達を蹴散らしたのだった。

 

「大体 貴方達、此処は悪魔領よ?!

堕天使が勝手に入ってきて…」

「いや、既に悪魔は そんなの言える立場じゃないでしょ?

それに、ウチの大ボスの お姉さんが堕天使達に言ったのは、『勝手に()()から出るな』。

同じ冥界内の悪魔領の往き来は禁じてないから、問題無いと思うけど?

【日本神話】的に。」

「そう云う問題じゃ無いわよ!」

それでも堕天使が この場に居るのが納得出来ないかの姫島に、サトルがフォロー的な説明。

しかし それでも、彼女は感情的に納得が往かない様子だ。

 

「それに悪魔と堕天使。

それこそ今の堕天使が悪魔領に一斉に攻め込んでも不思議じゃない状勢にも それが無いってのは、姫島先輩(アンタ)への配慮だろ?

それ位、察しようぜ。

それとも何か? アンタも駄肉姫様同様に、脳味噌への養分を全~部その胸に

「わ、私は今は関係無いでしょうっ!?」

更に続く言葉に、今度はリアス・グレモリーが会話に割って入ってきた。

 

「大体 貴方が どうして、この場所に居るのよ?!

…ってゆーか、駄肉って言わないでよ!」

そしてサトルに、自分達に何用かを尋ねるリアス。

 

「俺が此処に来たのは、新学期も始まり、それと同時に決まったアンタ達の学園での処遇を報告に来たんだよ。」

「「「「!!?」」」」

そしてサトルの言葉に、駒王学園に籍を置く者達の顔が変わった。

 

「先に言っとくけど、俺が この貧民街の連中の襲撃と、それに対する堕天使の皆さんの迎撃…このタイミングで来たのは、はっきり言って偶然ですよ。

俺はアンタ達の同族内輪揉めには…それで結果、アンタ等が どうなろうかも、興味も関係も無いからね。」

「か、神代君…」

その冷たいと云うかドライな言い回しに、クラスメートだった少年が悲しそうに彼の名前を溢す。

 

「先ずはギャー子と金髪先輩、それから駄肉先輩1号2号だけど…」

「だから、駄肉って言うなと言ってるでしょう!?」

「に…2号って、誰の事ですか?!」

サトルが説明を始めたと同時、約2名から突っ込みが入るが、サトルは それを無視。

 

「各々が其々の事情で、急遽 実家に帰らなければならなくなり、学園を退学する事になった…皆が同じ時期に そうなったのは偶々。

そういう()()だよ。」

「そ、そんな、勝手な!?」

「仕方無いでしょ? 何時迄も行方不明、…って訳には往かないし。

それとも何か? 無断欠席が続いての、強制退学処置の方が良かった訳?

駒王学園は既に、悪魔の手からは離れているんだ。

何しろ()()()()()()()()()()()()()

今は【日本神話】と ()()()()に関係が有るらしい一般の人が、新しく理事長になってるよ。

その他、悪魔だったり悪魔と関係してた教職員も、一般人だったり【日本神話(ウチ)】の関係者と全て入れ替わっている。

まさか これも、『勝手な事』かい?

ウチの お姉様は きっと、アフターサービス万全と言って欲しいと思ってるよ?」

「「………………………。」」

最初は一方的、勝手な処分に憤りを露にするが、言われてみれば確かに手際良いと言って良い対処に、リアス達は何も言い返せなくなる。

 

「…まあ、お陰で学園内、生徒間ではショック&大パニックだけどね。…ウチのクラス含めて。

良かったなギャー子。

クラスの連中 皆お前の事、心配してたぜ?」

「………………………。」

そして続く優しい笑顔込みのサトルの言葉に、ギャスパー・ヴラディは更に複雑な顔を見せる。

 

「それから其処の部屋の角、体育座りしながら(ひと)の顔見てガクブルしてる性犯罪者だけど…」

「ひぃっ?!」

「…アレは両親の願いも有り、今は休学扱いだとさ。

ついでに そっちの鎧…って、今は着てないか…カップルも、各々の家族が既に警察に捜索届を出しているそうだ。」

「「…………………………。」」

説明を続けるサトル。

兵藤一誠、スーザン・バックマイヤー、堀井大和の3人は、普通に人間の家族が居り、その各々が行方不明知れずとなっている身内の捜索願いを警察に届けている。

其れを聞いたスーザンと堀井も、家族に対する申し訳無さからか、複雑な表情を浮かべてしまう。

 

「因みに性犯罪者が消えた事で、そっちは女子中心、学園内 大ひゃっはー!!♪…してるぜ。」

 

≫≫≫

「…それから これは、余計な一言かも知れないけど…」

一通り、伝えるべきを伝え終えたサトルが、此の場を立ち去ろうと転移魔法陣を敷いた時。

 

「これから どうする心算だ?

既にグレモリーが この地に居るのは、このスラムの連中からすればバレバレみたいだけど?

また これから先も、さっきの奴等みたいなのが押し寄せてくるのは判りきっているぜ?」

「………………………………。」

 

そうなると、今の人間と何ら変わらない自分達に、悪魔と対抗する術は無い。

また堕天使を頼りにしながら、この地に居座るのか?

 

…全てを言葉には出さないが、その様に質問するサトルに、リアスは何も答えられない。

 

「まあ、此処は素直に、こっちの堕天使の皆さんに口添えして貰って、グリゴリに保護を求める方が良くね?

幹部の娘と その お仲間さんなら、それなりに あっさり通るだろ。

事実 今も、こうやって護衛を付けてる位だから。」

「だ、誰が堕天使なんかに!?」

「…黙ってろよ駄肉2号。

俺は今、グレモリー先輩と話してるんだ。」

「…っ!」

そして自分が考えている、唯一の選択肢をリアスに告げる。

 

「まあ、そっちの頑固な駄肉先輩2号を説得した上で、堕天使とコンタクトしてみるんだね。」

「……………………………………。

…待ちなさい。」

「はい?」

その後 改めて、この場から立ち去ろうとした時、リアスがサトルを呼び止めた。

 

「どういう心算かしら?

貴方は さっき、『私達が どうなろうか興味が無い』と言っていたわよね?

どうして そんな、助言みたいな事をいうのかしら?」

何かの企みが有ると考えたのか、厳しい目を向けて、リアスがサトルに尋ねる。

 

「あー、それね…。」

それに対して、サトルは苦笑。

 

「いや、大した理由じゃないよ。

確かにアンタ達が どうなろうと知らないけど、そっちのギャー子は…ね。」

「え?ぼ、僕??」

いきなり名前を出されて、ギャスパーが戸惑うが、サトルは それを見て、面白そうに話を続ける。

 

「何だかんだで、同じクラスで それなりに仲良かったからな。

多少なり気になる…ってのは有る。

只、それだけさ。」

「…………!!!

か、神代君ん~~っ!!」

「ふっ…」

 

ヴォン…

 

そのサトルの台詞に感窮まった様に泣き出す女装少年を見て軽く笑みを溢しながら、サトルは その場から姿を消した。

 

▼▼▼

…そして その数日後、この廃屋敷には誰も居なくなった。

 




 
四楓院夜一…四楓院夜一(BLEACH)のイメージで。
 
次回『平和で平常な日常』(予定)
感想よろしくです。
 


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【最終話】平和で平常な日常

 
結構な長さになってしまいました。
今回は視点(カメラ)が、どんどん切り替わっていきます。
…さあ、手元の飲み物は、飲み干してるかい?

そして今回、後書きも長いです。
 


 

「あのさ、『獅子は兎を狩るのにも全力を出す』って言葉が有るよね?」

…サイラオーグ・バアルと その眷属達は、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)が幕を閉じた後、正式に『日本地獄』の獄卒の職に就いていた。

 

「ん? いきなり何を言っている?」

これは、その中で今日は非番の、獅子の仮面を被った少年と魔術師風の衣装を着た少年の会話である。

 

「あれは間違いだよ。

『獅子は全力を出しても兎に勝てない』が正しい。」

「な、何が有った?!」

最高にorzって語る獅子仮面の少年…サイラオーグの兵士(ポーン)レグルスに、同じく僧侶(ビショップ)のミスティータ・サブノックが かなり心配そうに話を聞いていた。

 

≫≫≫

「…でさ、普段は物腰低くて柔らかな先輩さんなんだけど、()()()()を聞くと、豹変するんだ。

目も完全に逝っちゃってて、オールで亡者をフルホッコしてるのを見て思ったよ、『ぅゎ~…、こりゃ勝てね』って…ね。」

「キミも、中々大変な部署に就いたな…。」

「う~、何なんだよ、この日本地獄…

あの デブ犬 白犬先輩もバカっぽいてゆーかバカだけど滅っ茶強いし、自信無くすよ…

僕も一応、伝説の猛獣の一族だよ?

神器(セイクリッド・ギア)で転生悪魔だけど! 」

「ん、ん。分かる、分かるよ。

規格外過ぎるよね、地獄(ここ)の人達…

でも、君の それは単純な実力的問題だろう?

私なんて…」

新しい職場に まだ馴染めないかの様に、愚痴を溢し合う2人。

 

 

「…それでミスラ様やコリアナはノリノリだけど、其処に何故か私迄 女装させられて変な お面被らされて、黒歌さん白音さんの お母さん、それに恐い おばさん お姉さんと一緒にユニット組まされたんだぞ?!

何なんだよ、OSHIOKI戦隊弩助平猛女団(どスケベレディース)って、訳解んないんですけど!? 」

「え? あれ、画像観たけど、もしかして あの狐の お面の人って…」

「私だよ!」

「ぅわ~…に、似合ってたよ…www」

「ウルサイ!自覚してるよ!

それで酸漿様からも、『レギュラー決定ですね』って言われたよ!!」

 

▼▼▼

「…無事に終わりそうですね、榊サン。」

「フラグな発言は止めておけ。」

…場所は移り、日本。

とある地方都市のホテル。

戦争遊戯(ウォー・ゲーム)の後、ライザー・フェニックスは『NIN=JA』の外人部隊として活動していた。

そして この日は榊獅於とコンビを組み、国際会合の要人警護の任に、秘密裏に就いていた。

当然 今の出で立ちはワインレッドで無く、『NIN=JA』仕様の黒スーツである。

 

「…に、してもライザー、いきなり7人かよ?」

「ははは…ヒットするときは、するもんですよ。

まあ、フェニックスは元々、悪魔の中では子供が出来やすい家系ですからね。」

「美女美少女15人も侍らして、羨まけしからんのだよ、このヤロー!

1人で良いから、俺にも分けやがれ!」

「…燃やしますよ?

それと、1人は実の妹ですから、数えないで下さい…って、榊サン?」

物陰に隠れて与太話をしてる中、ライザーが会場を不自然に動き回る、1人のホテル従業員を指差す。

 

「ほら見ろ! お前が あんな事言ったから、マジにフラグが立っただろうが!」

「お、俺ですか?!」

そんな会話を交わしながら、その不審者を取り押さえようと裏から表に出る2人。

 

がばぁっ!

 

「ぬゎっ!?」

「「「「「「「…へ??」」」」」」」

結果、この爆発物を持った人物は会場中央で押さえ付けられ確保されたが、それは この2人だけの手柄で無く。

総勢約30名。

この国際会合の場、日本だけで無く参加している各国が用意していた、"裏"側の護衛者が身を潜めていたのだ。

 

「…身内だけで無く、()の報連相も必要だよな。」

それは各国が極秘で配しており、当人達も互いの潜伏技術が高過ぎて、互いに その存在に気付けなかった様だ。

 

▼▼▼

ライザー同様、『NIN=JA』の外人部隊に所属しているディオドラ・アスタロトと その眷属達。

 

「ぐ…こ、この、裏切り者がぁ…」

「…敢えて否定は、しませんけどね。」

今は某県某市某町に腰を据え、その地の管理アシストの任に就いている彼は この日の深夜、下僕数人と共に この町に逃げ込んでいた悪魔…の元・貴族の男を地に伏せさせていた。

 

「一応、今も冥界の とある方々と連絡を取り合っていますが、彼等の治める地は暴動なんて起きてないそうですよ?

普段から貴族としての義務を放棄して、『貴族様EREEEEEEE!』って権利だけを求めたツケが、今の貴方なのでしょう。」

「だ、黙れ、この若僧が…!」

ディオドラ眷属の少女達に押さえ付けられながら、憎々しい顔をディオドラに向ける元・貴族の中年男。

 

「いや、冥界に居場所が無くなって、人間界(ちじょう)に逃げるのは勝手ですよ。

でも どうして、よりによって日本(ここ)なんですか?

今の悪魔からすれば、真っ先に選択肢から外す国じゃないですか?

いえ、単に逃げ込むだけなら まだ問題無いですよ。

でも、それでホームセンターで万引きした包丁を持って夜中の牛丼屋に押し掛けられたら、僕達も今の立場上、動かざるを得ないじゃないですか?」

そんな貴族悪魔(元)に、呆れ…且つ真顔で突っ込むディオドラ。

 

「まあ、今回は初犯みたいですし怪我人とか出してないから、はぐれ悪魔みたいに悪即斬するで無く、地獄で鬼ぃさん達に少しだけOHANASHIして貰った後に冥界に強制送還で済む様に、取り計らってあげますけど?」

「の、NO~~~~~~~~~!!?」

「とりあえず祐理、和尚さんに報せよう。」

「はい、ディオドラ様。」

 

≫≫≫

「「「「「「「「「お帰りなさいませ、ディオドラ様♡」」」」」」」」」

この日の仕事を終え、自宅となっているマンションに帰ったディオドラ。

 

「……………………………………。

ん、ただいま…。」

このマンション、ディオドラは最上階に一応の1人住まい。

他の少女達は同階に3人ずつでの部屋割り分担で暮らしているのだが、夜は彼専用に大改造された大寝室でのローテーション就寝が日常となっていた。

そして今、仕事から帰ってきたディオドラを、この日は自宅待機だった少女達が深夜にも拘わらず玄関にて総出、エプロン姿で迎えていた。

 

「ちょっと待て お前等!?

何だ その格好は?! 卑怯くないか?」

「それ考えたの、イリナさんでしょ!?」

「…えっちぃです。」

それに対して、ディオドラ自身はリアクリョンに困っている感じだが、彼と同行していた少女達が烈火な大クレーム。

 

「大丈夫よ。貴女達のエプロンも、きちんと用意してるわ、ほら♪」

「「「「「「!!!!」」」」」」

しかし、それも想定内だったか、1人の少女が残る人数分のエプロンを見せると、

 

ばさぁっ…!

 

目の色が変わり、直ぐ様 着ている衣装を下着含めて全て脱ぎ捨てると、()()()()() ()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「「「「「どうですか?♡」」」」」

そして感想を求める少女達。

 

「うん、凄く可愛らしいし、とても似合ってるよ…って、君達、まさか…?!」

「はい、今夜は16Pです!♡」

ディオドラの疑問に答えたのは、女王(クィーン)のジャンヌ。

 

「ライザー様は この度 見事、7人孕ませたそうです。」

「私達も、敗けられません!」

そして他の少女達も、謎の対抗心?を抱き、自分の主である少年に詰め寄り迫り始めた。

 

「え…ちょ…待…

無理! 前にも話したけど、僕は一度に5人が限度…って、玄関! 此処、玄関だから!?」

「「「「「「「「「「良いではないか♡ 好いではないか♡」」」」」」」」」」

「あっーーーーーーーーーーー!!?」

…翌日、ディオドラは体調不良で『NIN=JA』の任務を休む事となる。

 

▼▼▼

高天原の平原。

広範囲に防護結界が張られた中、1人は所謂 魔法少女、1人は暗銀の軽鎧な格好の人物が対峙していた。

 

ごごごごごごご…

 

そして その魔法少女?の巨駆の背後に、規則的に並んだ無数の魔法陣が展開させる。

 

「??!」

軽鎧の人物…銀髪の女は それを見て、信じられない様な驚きの顔を見せる中、その魔法陣は魔力を増幅させるかの様に光り、

「ミルたん・フルバースト!にょーっ!!」

 

ドッゴォォオッ!!

 

その1つ1つが砲門の如く、極太の魔力ビームを撃ち放った。

 

「…くっ!」

 

ヴォン…ドゴォォッ

 

それに対して銀髪の女…北欧神話に所属する戦乙女(ヴァルキリー)のロスヴァイセも同様に無数の魔法陣を己の背後に瞬時に作り、魔力砲を撃ち放つ。

…結果、この2人の魔力は衝突。

両者の合間の中央で相殺される。

 

「やっぱり先生は凄いにょ!

後出しなのに、ミルたんの魔法を完全に撃ち消したにょ!」

「そ、それ程でも、あります…。」

 

 

いやいやいやいや、修行を始めて1週間程度の貴女?が既に このレベルのが、余っ程 凄いんですけど!?

 

 

ロスヴァイセに対して、尊敬の眼差しを輝かせるミルたん。

それに対し、ミルたんに北欧式ルーン魔術を教える為にアースガルズから派遣された戦乙女(ヴァルキリー)は、目の前の末恐ろしい才能に内心 驚愕しながら それを表に出さずに応えていた。

 

「ミルたんも、早く あの領域に至りたいにょ。」

「あれは…完全に別次元ですから、スルーするのが良いと思いますよ?」

「にょ?」

 

ドッガァアァアアアアアッ!!!!

 

そして少し離れた場所で響く爆砕音の方向に顔を向け、更に意気込むミルたんに、ロスヴァイセはソフトに突っ込みを入れる。

その2人の視線の先では…

 

「でぇええいやっ!」

「まだだ! まだまだ拳に、小宇宙(コスモ)を込められる筈だぞ?

そ~ら、そらそらそらそら!!」

「は、はい、師匠!…せぃやぁっ!!」

 

ドッゴォオォォォオッ!!!!

 

2人の(Muscle)が、地面に巨大なクレーターを作りながら、凄絶な殴り合いをしていた。

 

▼▼▼

「はぁ~~~~~~~~…」

冥界は堕天使領。

グリゴリ本部の総督室にて、堕天使総督のアザゼルは机の上に置かれた大量の書類と、時折 卓上に突っ伏しながらも格闘していた。

 

コンコン…

 

「失礼しますよ、アザゼル。」

其処にノックと共に入ってきたのは、副総督のシェムハザ。

 

「…………………………………。

貴方が こうして真面目に仕事してるのを見ると、明日は冥界に隕石でも降るんじゃないかと心配になりますよ。」

「喧しいわ!

仕方無いだろ! 天照(あのオンナ)に研究とか開発とか止められてるんだ!

他にする事が無いんだよ!」

「いや、研究や開発の前に、普通に仕事しましょうよ…」

それは、堕天使総督と副総督の会話。

 

≫≫≫

「ほう? あのコカビエルが…ですか?」

「応よ。天界での戦闘…

堕天使(オレたち)は結局、天竺(ガンダーラ)…シャカにビビって撤退したんだ。

それで その後、『コイツ等になら勝てる!』って今更 悪魔領に攻め込むのは流石に恥だと思っているらしい。

天界も今はガブリエル唯1人。

これ以上の内輪揉めは、『聖書』って勢力がマジに滅びる。

アイツも それは不味いって、理解してんだよ。」

「成る程…

それでも ()()コカビエルが悪魔に対しての復興支援の話を持ち掛けるとは…」

「アイツにとって戦争とは、殺して壊して奪って…それで終わりじゃない。

その後も きちんと考えているんだよ。

そういう意味じゃ、【日本神話(アイツら)】とんでもねー連中だ。

…で、ついでに言っとくか。

悪魔領に潜らせといた諜報部からの情報だが、アッチは本格的に、脱・貴族…優良な平民による政治の方針を固めたそうだ。

五月蝿い老害は皆 死に失せてるから、()()()()()()、良い方向に動く…らしいぜ。」

「ほう?」

「尤も、奴等も政治は素人だ。

その辺りは経験や知識持ちな良識的な貴族様?が、色々と助言や相談役を請け負うらしいがな。」

「良識的な貴族…ですか?

さしあたり、以前から平民寄りだったベリアル、日本から領土毎 冥界に帰還したというデカラビア…と言った処ですかね?」

「御名答。最初は連中を新しい王に据えるって話も有ったそうだが、当人達が『冥界を裏切り【日本神話】に降った自分達に、その資格は無い』と、その要請を跳ね退けたそうだぜ。

…っと、そろそろ お喋りは終いだ。

残った仕事、やっつけるか。

おいシェムハザ、お前も少し、手伝ってくれても良いんだz

「お断りします。」

 

▼▼▼

 

ガラッ…

 

「「????!」」

「…………………………………。」

場所は、深夜の高天原の神殿。

その少女は睡眠中、尿意を感じて目を覚ました。

そして用を済ませて自室に戻る途中、このフロアの廊下の最奧の部屋から、奇妙な声と僅かな気の乱れを感じ取る。

そして誘われる様に その部屋、魔法施錠(マジックロック)されている筈の扉を簡単に開けてみると、

「は、はわわわわわ…?」

「や…やあ、オーフィスちゃん。寝惚けて部屋を間違った…のかな?」

「………………………………………。」

其処で少女…オーフィスが見たのは、布団の上にて全裸になっているアマテラスが、やはり全裸の…妖艶な笑みを浮かべているアーシア・アルジェントに組み伏せられ、耳元から首筋に舌を這わされて喘いでいる場面だった。

 

「お、オーフィスちゃん?!ち、違うの!これは、これは、ね?!!」

「………………………………。

雌同士でも子作り、出来るの?

いきなりの招かれざる来訪者に表情が一変、完全にテンパっているアーシアに対して、オーフィスは見た儘の疑問を投げ掛ける。

 

「よ、よぉーっし、オーフィスちゃん!

ちょーっと今から僕達と、大事な秘密の お話をしようか! アイスでも食べながら!

ほ、ほらアーシアちゃん、ハー〇ンダッツ3つ、早く持ってきて!」

「は、はい~!」

「我、グリーンティーを希望。」

 

 

▼▼▼

…少し日は流れた、とある土曜日。

 

そわそわそわそわ…

 

駒王町から少し離れた町の駅で、不審者の様にベンチに腰掛けたり立ち上がったりを繰り返す、1人の少年が居た。

 

「匙…少し落ち着いたらどうですか?」

「挙動り過ぎっスよね、匙先輩。」

ソーナ・シトリーの兵士(ポーン)の匙元士郎だ。

そして その様子を物陰から見ているのが、

「てゆーか、待ち合わせは11時って言ってなかった?」

「今、9時30分。」

「匙…貴方、早く来過ぎですよ。」

「昭和の初めてのデートあるある(笑)。

…って、そんな時間から張ってる俺達も、大概だけどね!」

ソーナの女王(クィーン)の真羅椿姫、同じく兵士(ポーン)の仁村留流子。

…と、サトルと白音、黒歌の5人だ。

()()()()()以来、サトルやライザー達男性陣から、ソーナとの進展について囃され煽られ続けていた匙は ある日、ついに意を決する。

因みに その最大の決め手は

「そー言えば大国主様も、生徒会長さん狙ってるとか?(嘘www)」

「あ、それ、僕も聞いた。(嘘)」

「確か、シーグヴァイラと眼鏡丼…とか言っていたなー。(嘘&棒)」

「そうか…俺の眷属、何かが足りないと思っていたが、眼鏡属性が無かったな!」

「ユーベルーナさんに お願いしたら、女教師、または家庭教師属性も一緒に附くんじゃね?」

「神代、お前は天才か?」

「ざっけんな!(怒)」

…の会話である。

 

「あの時の匙先輩には、ポッ〇がマ〇ムに告った時みたいな勇気を感じました。」

「或いはドモ〇とレ〇ンだにゃ!」

…とは、その時の様子を使い魔を介して見ていた、白音と黒歌の弁。

…因みに、下手に介入せず、自然に2人が くっつく過程を楽しもうとしていた、シトリー並びにディオドラやライザー眷属の女性陣から、男性陣に向けて大クレームが寄せられたのは、別の話。

 

兎に角、勇気を振り絞っての匙の告白に、彼の主であるソーナも最初は戸惑いながらも最後は笑顔で受け入れ、目出たくカップリング成立。

今日は そんな2人の、初めてのデートだったのだが、

「…しかし先輩、この俺にプランの相談をしたのは、失敗だったな!」

どうやら匙は前日に、その行き先等のアドバイスを、一番アカン奴に求めていた様だった。

 

「会長…貴女もですか?」

「…9時59分。」

「初めてのデートあるあるリターンズwww」

そしてソーナが待ち合わせ場所に現れたのは、本来の約束の、1時間前。

サトル達は そんなソーナ達の初デートが心配で…では無く、完全な興味本意、好奇心で張り憑いていたのだった。

 

≫≫≫

「「「「……………。」」」」

約1時間前倒しで始まった2人のデートを、背後から気配を消して 覗き込む 見守る4人の男女。

駒王の制服で無く、オーソドックスなセーラー服に おさげ髪、そして瓶底眼鏡な椿姫。

ツインテールを解き、帽子にサングラス、マスクで顔を隠している仁村は私服姿。

誰かから借りたのか、ワインレッドのスーツにサングラスのサトル。

そして…

「アンタの それって…」

「これで、正体はバレません♪」

やはり私服に、黒猫をイメージしたかの覆面(マスク)を被った白音。

 

「にゃん♪(ΦωΦ)」

更には黒猫に変化した黒歌。

各々が変装して、静かに匙とソーナの後を追けているが、

「(えぇい!あのヘタレ先輩が!!

今時 小学生でも、もっと積極的だぞ!?)」

「(神代君、落ち着いて!)」

「(分かるから!気持ちは解るから!)」

只 並んで歩くだけ、一向に手を繋ごうとしない2人に、5人(特にサトル)のイライラは天元突破寸前だった。

 

「まぁ、サト君の言いたい事も解ります。

そんな訳で…おい、るる吉。」

「え? 白音ちゃん?」

 

もみゅう…もみもみ…

 

「…………………………………。」

「…ふん、やはり小さいですね。貧弱、貧弱ぅ!」

「い、いやぁああああっ!???」

そして何を思ったか、白音が仁村の背後に回ると、いきなり彼女の胸を鷲掴みからの揉み解し。

最初は何が起きたのた解らなかった仁村だが、その数秒後、それを理解すると まるで痴漢に遭った乙女の様な悲鳴を上げると、

「「!!?」」

当然 匙達も その方向に顔を向けて、

「椿姫…と留流子?!」

「か、神代ぉ!?…と、アレは、もしかして東條か?!」

結果、5人の尾行に気付いてしまう。

 

「バレた?!」

「当ったり前だ!」

「しし、白音ちゃん、いきなり何するのよ?

私、()()()の趣味は無いからね!」

「黙れ貧乳処女。まあ、見てなさい。」

そして気付かれた方も、白音を除いて少しだけ取り乱す中、

「会長、こっち! 早く!」

 

ぎゅぅ…

 

「え?さ、匙…??!」

「とりあえず神代、今度 会ったらシバく!」

 

タタタタタタ…ッ!

 

匙は確りとソーナの手を取り、その場から逃げる様に走り去って行った。

 

「ふっ!計算通り!私、ぐっじょぶ!!」

「…ぢゃ、ないわよ!!」

「確かに手は繋いだな…」

「でも、どうします?

完全に見失いましたよ?」

「ん~、尾行がバレたなら、俺が勧めたコースは絶対に避けるでしょうし、とりあえず今日は解散だな?

大丈夫。切っ掛けは掴めたから、後は普通に手くらい繋ぎますよ。」

「だったらサト君、私達は この儘デートしましょう♡」

「だにゃ♪」

「「死ね!リア充!!」」 

…尚、翌日の昼過ぎ、椿姫と仁村はソーナから散々とOHANASHIされた。

 

 

 

「因みに何故 ()()かと言いますと、会長と先輩は何故か その日、マンションに()()()()()()()()からです、まる」

 

 

▼▼▼

「まったく、新学期早々に…

見付けたのが私だったから良かった物の、普通なら一発退学ですよ?」

「「「す…すいません…」」」

 

時は流れて4月。

学園新年度がスタートした2日目、旧校舎の元・オカルト研究部部室…今は普通の教室に改装されている…にて、千葉滋から正座しての説教を受けているのはサトル、白音、そして黒歌。

この日の昼休み時間、学園に張られた結界をすり抜けての侵入者を感知した千葉が、その気配を辿った先は旧校舎。

そして眼光鋭く臨戦態勢を整えながら、誰も居ない筈の教室の扉を開くと、其処では3人の若い男女が盛っていた真っ最中。

千葉からすれば、この侵入者が外敵で無く身内だったのは、それは それで一安心だったが、駒王教諭とは見過ごせない事柄なので、黒歌共々(逃げようとしたのをサトルが捕まえた)に説教を始めたのだった。

 

「これは、黒歌姉様の せいです。

2人っきりなら、絶対バレませんでした。」

「だっ…だって、何時も学校でもシテるなんて、2人共ズルいにゃ!

私も出来るなら、お昼からヤリたいにゃ!」

「…少し、黙ってくれませんか?」

「「((( ゚Д゚)))ば、はひ…!?」」

黒歌(しんにゅうしゃ)に文句を言う白音。

黒歌も それに言い訳をするが、その遣り取りを千葉が猛禽類の如くな眼差しで一喝。

その迫力にガクブルする猫姉妹。

 

「兎に角、『NIN=JA』の主任(チーフ)で無く、駒王の教師として言わせて貰いますが、少なくとも今後、学内で その様な行為は控える様に…良いですね?」

「「「は…はい…」」」

 

 

…管理者を自称する悪魔が去り、本来の?守護者達が取り仕切る様になった駒王町は、今日も平和である。

 

 

▼▼▼

 

※※※

 

◆スレ主◆

このスレを立ち上げて、1年が経過しましたが…

 

◇名無しの悪魔◇

スレ主、どうした?

 

◆スレ主◆

近い内に、このスレを閉じようと思っています。

 

◇名無しの悪魔◇

なにーっ!?

 

◇名無しの悪魔◇

何とーーーーーーーーっ?!

 

◇名無しの悪魔◇

いきなり、どうした?

 

◆スレ主◆

このスレを立てた理由は、1年前当時の、自称・駒王町管理者(笑)を、町の住民として何とかしたいって事だったからね。

その辺りは前にも書いたけど、此方も多少、毒づいたり挑発的な書き込みで、管理者として自覚を持ってマトモに働いて貰う様に発破を掛けたりしたけど、結果は逆キレだけで終わった感じだったし。

…で、そのグレモリー(…と、シトリー)の皆さんが町から居なくなったので、スレの意味が無くなった。…そういう考えに達したから。

 

◇名無しの悪魔◇

あー、そー言えば最初はそうだったな

 

◆スレ主◆

しかも、今は当人達が行方不明…だろ?

 

◇名無しの悪魔◇

スレ主も知らないの?

 

◆スレ主◆

1月初めの時点で冥界の とある場所に隠れていたのは知っていたが、その後…現在は判らない。

一応、当ては有るけど、それは此の場では言えない。

 

◇名無しの悪魔◇

そうか…

 

◇名無しの悪魔◇

駄肉姫様~、生きてます~?

 

◇名無しの悪魔◇

これ、見てます~?

 

◇名無しの悪魔◇

コメントぷりーず

 

◇名無しの悪魔◇

いや、身を隠しているなら、発信先から身元特定される様な真似はしないだろ…

 

◇名無しの悪魔◇

流石に駄肉でも、その辺りは解るか。

 

◆スレ主◆

参考迄に…以前、このスレ投稿から、テロリストの潜伏先が判明した事があります。

 

◇名無しの悪魔◇

何それ面白い(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

テロリストがコメントしてたんかwww

 

◇名無しの悪魔◇

それで、今の駒王町は どうなってるん?

 

◆スレ主◆

完全に【日本神話】の管轄だよ。

これは駒王町に限らず、今まで国内で悪魔がナワバリ主張していた地域全てね。

引き継ぎは完璧だよ。

因みに、駒王以外の悪魔の土地管理は、かなりマトモだったらしい。

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇名無しの悪魔◇

やっぱし無能の駄肉姫だった件www

 

◆スレ主◆

あの駄肉姫様も、マトモにやってくれてたら、俺も こんなスレを立てる事無かったんだよね。

そもそも、駒王に足を運ぶ事も無かった。

マジに駒王町民は怒って良いと思う。

 

◇名無しの悪魔◇

戦争も起きなかった?

 

◆スレ主◆

いや、それは別問題。

アレの直接の引き金は、ナベリウスの日本人拉致と、魔王熟女の逆ギレ。

俺も絡んでるけどね。

駄肉姫は関係無いです?

 

…話を戻そう。

兎に角この、【駄肉姫をディスるスレ】も、近い内に閉鎖と言うか凍結させるから。

一応 閲覧は出来るけど書き込みは不可の方向でね。

 

それでは、この書き込みを以て、俺は撤退。

縁有らば、また別のスレや冥界で会おう!

 

◇名無しの悪魔◇

スレ主ーっ!?

 

◇名無しの悪魔◇

マジか…

 

◇名無しの悪魔◇

まあ、確かにスレ主的には、継続する必要は無いか?

 

◇名無しの悪魔◇

削除しないだけ有情

 

◇名無しの悪魔◇

よし、とりあえず俺達は俺達で、ギリギリまで語るか!

 

◇名無しの悪魔◇

せやな

 

◇名無しの悪魔◇

早速だが駄肉姫と言えば…

 

 

 

 

 

 

≫≫≫

 

 

 

 

 

 

◆スレ主◆

盛り上がってる処、すまない。

最後、1つ言い忘れていた事があった。

 

◇名無しの悪魔◇

スレ主?

 

◇名無しの悪魔◇

何事だ?

 

◆スレ主◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Wぱふぱふ、最高だぜ!!www

 

 

◇名無しの悪魔◇

死ね!

 

◇名無しの運対常連◇

ざけんな!!

 

◇名無しの悪魔◇

姉妹丼スレ主氏ね!

 

◇名無しのしっとマスク◇

おのれリア充おのれリア充おのれリア充以下エンドレス!

 

◇名無しの悪魔◇

何かと思えば、最後に それかい!?www 

 

 

※※※

 

≫≫≫

この後、スレの常連達により、掲示板は駄肉姫(リアス)話題(ネタ)で大いに盛り上がるのだった。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちゅっどぉぉぉん…!!

 

「ハァハァ…本当…本当に いい加減にしなさいよ…!」

「「「「「………………。」」」」」

…そして この日、とある場所で、1台のパソコンが破壊された。

 

 

 

【完!!】

 




はい、そういう訳で、『ガルーダDxD(仮)』は とりあえず完結とさせて頂きます。
いきなりで驚きました?
一応は、活動報告で予告は していたんですけどね…
この小説の最大テーマ?であった「駒王の管理者(リアス・グレモリー)をどうにかしろ!」も一応は片付きましたし、週間少年誌系バトル漫画の様に、新しい敵を出して引き延ばすのも違うと思いますので…
 
 
ただ、サブ・エピソード的な話を追加するかも知れません。
戦乙漢(ヴァルキリー)ミルたんの活躍とか、新生・駒王生徒会の話とか、2年生になったサトル達の修学旅行の話とか…
それと実質のラストバトルが、兄貴とミルたんだったので、サトルに もう1回、最後に派手にバトらせたいですし…
てゆーか、サトル、兄貴、セイジョ☆スキー、ライザー、匙が互いに背を預けあっての集団戦の場面とか、書いてみたいし。
ネタが纏まったら、アップします。
 
作者、他にも色々と小説アップしていますので、そちらも宜しくお願いします。
 
そして最後に…この駄文に最後まで付き合ってくれた皆様、ありがとうございました。


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