僕は 『生きたガイアメモリ製造機』 (しゃしゃしゃ)
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1日目・上「Gの戦慄/あなたの全てが欲しい」

『それでいいんです。
 本から教訓を得ようとか学ぼうとか人生に活かそうとか、そういう風に構えることはないんです。
 面白いことを考える人がいるなーって 本を閉じれば。
 物語ですから。』
   by.掟上今日子
 


1日目

 

 くそ寒い。

 夏真っ盛り、蝉時雨が轟く8月の昼間だったはずなのに、目の前には夜の暗闇、吐く息までまっしろしろ。

 落ち着け、僕。

 こういう時は素数を――じゃなくて、ボケに走るな現実を見ろ。現実、現在、今に至るまでの道を思い出せ。大丈夫、僕は正常。おかしくない、酔ってない。そもそも酔ったことない。

 

 

 5W1Hだ。

 まずは「だれ(who)? 」

――僕は(ごう) 秋敏(あきとし)。大学二年生、彼女無し、友達0人、一人暮らしのクソ童貞。オタ歴14年の冴えない男。

 

 次、「いつ(when)? 」

――感覚からいってここは冬。震えるほど冬。

 

 「どこ(where)? 」

――わかんない。公園。でも見知らぬ公園。暗いからよくわかんないけど空気が違う。

 

 「なにを(what)? 」

 「なぜ(why)? 」

 「どのように(how)? 」

――わかんない…。

 

 

 最後の記憶は………あーっと、夏休みに入ったから、新幹線に乗ってー? 実家に戻る途中でー…それで…それで…? うとうと、し…て…

 

 

 

 さっむ。

 やばい。半袖やばい。

 風強い寒い、冷たい耳痛い。いった!

 なんかない――荷物がない!

 財布! スマホない! PCも! ない!

 

 小屋っぽいあれ!

 入る。

 風が弱くなってマシになった。

 

 ふう。

 

 

 

 さて、寒いのは変わらないが冷静になろう。

 冷静に、現実的に考えれば、僕は拉致されて寒冷地にほっぽり出されたとか、そんなのが思い浮かぶけど…ないな。ない。

 

 これはあれだ、あれ。

 転生とか転移とか、そういうあれだ。

 

――俺のサイドエフェクト(二次元思考)がそう言ってる。

 なんちゃって…自分でも何言ってるんだろう。サムッ…!

 

 でもそれが一番考えられるというか、そうであってほしいというか。

 ……だって拉致されてとかだったら、デスゲーム的なサムシングしか思いつかないよ?

 転生とかだったら特典とかあって勝ち組なれるかもだけど、デスゲーム的に連れられてきたモブだったら間違いなく僕ザコ死担当だよ。画面端で死んでる役割だよ。

 

 神様的なナニカには会った記憶ないけど、消去されてるとか、会ってないとか、そんな感じなんだろう。

 寒い。

 

 ………寒さがやばい。

 この世界が異世界だと決めつけるのはまだ早いかもしれないけど、とにかく動かないと…。

 

 

 お腹もすいてきた。

 朝食の鯖味噌から何も食ってない。

 うぅぅ…風、隙間風入ってくるじゃん。うずくまってても凍えちゃう…。

 衣・食・住、全て足りない。

 

 財布はカバンに入れてて、そのかばんは手元から消えていて、(イコール) 自分は今、一文無し………。

 

 この世界が異世界なら文字も言葉も通じない可能性アリ。……まぁ、ここから見える夜景色は現代日本…ビルとか見えるから杞憂だと思うけど。

 

 

 いやいやいや。現代日本だとしてもヤバい。

 金がないから飯も服も買えない。異世界なら当然僕は存在していない者であり、したがって戸籍もない。…働いたことのない僕でもわかる。戸籍無しとかどうしようもないのでは? 『はたらく魔王さま!』でやってたような戸籍づくりなんてできないぞ…? 住む場所確保するにも戸籍とか保証人とかいるんじゃないの…? 僕には誰もいない。なにもない。

 

 異世界とか馬鹿なの? 死ぬの? 死ぬわ! 僕がね!

 日本だとしても死ねるわ。このままじゃホームレスルートしかない。生活保護受給とかもできないし、保険証ないから病院行っても診てもらえないんじゃないの…? だめだ不安になってきた。

 

 

 やばいやばい、何かないのか? 何か。

 これが転生モノなら、自分にはなにか能力とか備わってるはず。このままじゃ凍死か餓死か…。

 そんなんじゃ読者が失笑だぜ? 僕がモブキャラ・引き立てキャラならそれで正解だけどさ!

 

 

 

 パワー!

 能力!

 アイテム!

 武器!

 なんか、なんかすごい力~!

 

 転生特典ー!

 

 うんうん念じていたらバラバラ ゴトンゴトン と音が。

 なに?

 つむっていた目を開けると、銃のような何か・四角くて分厚い何か・多種多様なUSBメモリのようなものが小屋の中に散らばっていた。

 

 

 

 

…………………。

…………………どうやら、

 僕の転生特典(仮)はガイアメモリらしい。

 

 

 地面に散らばったガイアメモリは念じると体の中に潜るように消えていった。気持ち悪いが僕は僕の“中”にガイアメモリを収納することができるようだ。

 

 手の内に出現するように集中してみると、フッ と一本出てきた。

 感触は…機械的? 冷たくて、ざらざらしているような、つるつるしているような…少し重い、プラスチックではなさそうだ。

 

 出てきたのは『MAGMA(マグマ)』だった。…寒さを何とかしたいと、無意識から出したんだろうけど溶岩は暑すぎる。

 

 

 ともかく、ガイアメモリを僕が出したり消したりできる以上、非現実的な…転生とか転移とか、僕がよく読んでいた小説のようなことが僕の身に起こっていると、そう考えるべきだろう。

 なぜ僕が? とか

 ここはどこよ、 とか

 何をすればいいのさ、 とか

 疑問は尽きないが『力』が手に入った。ひとまずは安心して良いだろう。いざとなれば…だ。

 

 さっそくこの力でもって、「くそ寒い&お腹すいた」この現実をいい方向に変えていきたいが、どうするか。

 “変身”すれば、寒さはどうにかなるかも。でも少し、…かなり怖いな。

 だってガイアメモリだし。

 ガイアメモリってあれだぜ? ほぼほぼ麻薬だぜ? 僕の精神が化け物になってしまいました、暴走しました。じゃあアウトだろ。

 

 

 

 うーん………。

 

 

 あ、

 さっきばらまいた中に四角い、ドライバーっぽいのあったな。もしかして、それか?

 

 ばらまかないように注意(集中)して自分の中にあるものを全て外に出してみる。

 

 …………………。

 

 

 数えてみると、ガイアメモリは全部で69種類。

 仮面ライダーWに出てきたおよそ全てのメモリがあった。

 ネット版の京都とか歌舞伎とか、レジェンドライダーのメモリ、Wとアクセル、スカルのメモリはないけど。T2ガイアメモリもない。

 怪人…ドーパントのメモリだけだ。

 テラーやユートピア、ゼロもあるのにジョーカーやサイクロン、エターナルなんかはなかった。メモリガジェットもギジメモリも。

 

 

 Living_Connector_Setting_Operation_Gun(生体コネクタ設置手術銃)と書かれているものもあった。これがあれだろ、本編にもたびたび出てきたコネクター手術のためのあれだろ。

 

 そんで、ガイアドライバーだと思ってた四角いのだけど…変な感じ。

 確かにベルトのバックル…というか仮面ライダーのベルトの腰にくっつけると「ジャー」って巻き付くあれだけど、変。ガイアドライバーじゃない。

 かといって風都探偵に出てきたガイアドライバーrexでもない。

 穴が違う。メモリを入れるための穴が。

 

 前にも横にもメモリを入れるための穴がない。

 そこじゃなくて、ベルトの上に穴がある。4つ。4つのスロットがある。

 あれ、あれ。デスクトップパソコンのメモリの入れる奴。あんな感じに4つ並んでる。穴が。

 

 

 よくわかんないけど、オリジナルということだろうか。

 じゃあ、名前は「ネオガイアドライバー」で。

 

 最後に、Vシネに出てきた「ガイアメモリ強化アダプター」もあった。

 

 

 

 

 変身しよう。

 暴走とか毒とか言ってらんない。

 自分がこんなに我慢できない性格だとは知らなかった。寒い。

 

 寒い。寒さがここまで人間を追い詰めるとは知らなかった。

 震えが止まらないし指先感覚ぶるぶるだし、息子は小指以下に縮んじゃってるし。もうやるしかない。

 

 まずは『GENE(ジーン)』で服を冬服にする。あと食べ物を作る。

 それだけでもやろう。寒い。公園で火なんか出したら目立つし、服だけでも冬用にして…毛布とかも作るといいかもな。

 

 

 「ネオガイアドライバー」を腰にくっつける。

 

 おおう…! 腰に巻き付いた。すげぇ。

 状況忘れてちょっと感動する。ぐっとくる。僕の中の少年魂が暴れちゃう、くっはー!

 

 ジーンメモリ、構える。

 

 わくわくする。ドーパントでも、変身だ。変身できるんだ、僕。

 

 

 押す。「GENE」とガイアウィスパーが鳴る。

 どきどきだ。どっきどき、心臓うるさい…。

 

ん。

 

 いつの間にか僕はジーン・ドーパントになっていた。なにが起こった?

 

 ……押して、音が鳴って。

 僕が挿入してないのにドライバーのスロットにメモリが、吸い込まれていった…? 見えなかったぞ? 目にもとまらぬスピード…あれか、宇宙刑事か。『0.5秒の変身プロセス』というやつか。

 

 …変身できずに、というのを防ぐための仕様だろうか。親切設計で怖い。なにやらせるつもりだよ僕に。

 

 

 で、ジーン・ドーパントになったわけだけれど、うん。最弱と言われようがさすがドーパント。さっきまでの寒さが嘘みたいだ。風が当たる感触はあっても冷たさは感じない。早速毒素にやられてるのか、なんだか気分もよくなってきた。ふわふわする感じ、なんだか浮ついた、風呂の中でウイスキーがぶ飲みした時と同じような変な気分だ。

 

 

 ぐるぐるのストローみたいな右手を小屋の外に出て拾ってきた葉っぱとかゴミとかの山にあてる。

 

 

  ぐーるぐる ぐーるぐる

 

 

 完成。もふもふあったかコート。

 自分でやって思うけど、ジーンのこれ遺伝子組み換えとかそんなレベルじゃないよな。

 

 そしてもうひとーつ。遺伝子操作ぐるぐる~。

 

 完成、みかん。果物は果糖でカロリー高いって聞いたことある。

 ………なんで枯葉やゴミがみずみずしい果実に変わるんだろう。

 

 『地球の記憶』すげぇなー…。

 

 

ん?

 

 

 

あ、

 

 

 

 

あ。

 

 

 

 

 

 

 

 やっちゃった。もとい…いやいやいや。言葉遊びはやめろ、不謹慎。

 やっちまった僕、ああ。

 人を殺してしまった。

 いくら姿みられて驚かれたとはいえ…。ミキサーでグサッとしてしまった。なんで?

 

 なんで?

 

 僕は悪くない、はずだ。ガイアメモリのせいだ。

 ガイアメモリの毒のせいで。

 そうだ、僕は被害者だ。僕は悪くない。メモリのせいだ。メモリが僕をおかしくしたんだ。僕は悪くない。僕は人畜無害な男、僕ぐらい人畜無害な紳士はいない。

 …5つぐらいの頃、ふざけて女の子(の股間)を追いかけたりしてたな………。子どもの頃の話だ、本能が僕をそうさせたんだ。

 今もそうだ、そのはずだ。僕は人殺しなんかじゃない。

 僕は怪物なんかじゃない。

 

 そうだ、僕は人なんて殺してない。これは物だ。物を壊しただけだ。僕はうっかり壊しちゃっただけなんだ。

僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない

僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない

 

 右手を見る。

 血まみれだ。

 僕の手だ。人の胸を貫いた手だ。

 

 違う、人じゃない。

 

 違う、人だ。

 

 違う、違う違う違う。

 僕は違う、そんなわけがない、違う。違うんだ。僕が殺した。僕は壊しただけだ。違う僕は殺したんだ。

 僕が殺したんだ。

 

 僕が、

 自分で、

 僕の意思で、

 僕の手で、

 

 殺した。

 メモリのせいなんかじゃない。僕は、僕だ。

 僕は正気だ。言い訳するな。この人殺しが。

 

 前を見ろ、目をそらすな。

 

 ごめんなさい。僕が、僕が、僕が、

 

 

 ごめんなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 遺体をどうするか。放置はできない。埋葬なんかできない。右手を見る。

 分解しよう。

 

 ジーンならできる。

 

 よし。

 

 待て、待った。

 

 …………。悪魔的だ。最悪だ。でも、何にもならないのは、ダメだろ。

 僕が殺したんだ。ならせめて利益にしなきゃ。食わないのに殺しちゃったんだ。せめて有効活用しなきゃいけないだろ。

 

 「なりすまそう」。殺したこの人になり替わる。この人の顔も住処も金も、全部もらおう。川尻浩作になりかわった吉良吉影みたいに………。

 僕は何もないから。殺したこの人の物を貰おう。最悪かな、最悪だな。人生強盗とでもいってしまおうか。最悪だな。ネーミングのセンスも、行為も。

 僕、結構な鬼畜外道の悪党になっちゃうな。どうしてこうなったんだろう。体感で数時間前は、「実家に帰ったら録り溜めたアニメをどうやって消化するか」とかクソ平和なこと考えてたのに。

 

 『オラのとーちゃんはとーちゃんじゃないゾ』するなんて……。

 ジーンの力ならそれができる。僕の顔や体指紋までそっくりそのままに変えることが。ダミー・ドーパントでも可だけど。長期間変身してる必要があるからジーンで生身から弄った方がいい。

 この世界で生きるためには、僕は僕じゃだめだ。いつまでも公園にたむろしているわけにはいかない。立場が必要だ。

 

 …………………………………………………………。

 ごめんなさい。

 名も知らぬあなた。

 あなたの全てをいただきます。

 

 

 

 

 

 




 前書きの通り、『面白いことを考える人がいるなー』って感じにお楽しみいただければと思っています。

 タイトル元ネタはW本編9・10話「Sな戦慄/メイド探偵は見た!・名探偵の娘」より。


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1日目・下「丼のG/キラー・アフターホーム」

 

 服を剥ぎ、遺伝情報を転写し、姿を変える。

 自分と死体の彼の顔や体格が同じになったのを彼のスマホを鏡代わりにして確かめて、指紋も声帯も同じものに変える。

 

 下着姿の彼を葉っぱに変える。風と共に、彼であった葉っぱは散らばって飛んでいく。

 

 

 財布を開き、免許証を確かめる。

 ここがどこかは分からないけど、免許証の住所を見ればGoogle Map使って家にたどり着けるはず…。指紋認証対応しててよかった。旧機種だったらパスワード要求されてたところだ。

 

 えーっと?

 …………んー?

 

 ……………なるほど。

 ここはやっぱり僕が生きていた世界じゃない。日本だけど、異世界だ。

 免許証に書かれている住所には“駒王町”とある。

 

 うん。

 ここは人外魔境『ハイスクールD×D』の舞台となるあの町だったらしい。

 ふう…。

 

 疲れた。アイス食べたい。

 喜ぶべきか、悲しむべきか。

 

 

 喜ぶべき…は、まぁ、知識があることだろう。原作知識――ハイスクールD×Dは僕が前世(仮)で愛用していた小説サイト「ハーメルン」で作品数一位になるほどで、僕も読みまくっていたし、原作も読んでいた。原作の流れもヒロインやライバルの過去や動機も全部知ってる。原作ルートであれ、アニメルートであれ、名前も知らない作品に放り込まれるよりはよっぽどマシなはずだ。

 

 それにその…美人が多いのも良い。

 前世でも、『いつも息子がお世話に(ry』だったし。

 個人的にはゼノヴィアだな。好き。

 じゃなくて、命の危険の多い世界でもあるけど何とかなりそうな気がする。

 メモリ目当てに、怪物に狙われそうではあるけど…。

 

 

 嘆くべき、なのはそこだ。ガイアメモリは地球の記憶。僕の中のガイアメモリが神器と同じ扱いであったなら、人外が“気配”なんて曖昧な隠しようもないものを探って狙ってくるかもしれない。

 いくらなんでも、ドーパントにならなければ僕は非力な人間でしかないんだから、厳しい。狙われたらまず助からない。死ぬ。

 

 ドライバーを取り上げられる可能性もあるし…生体コネクタ手術をしておくべきかもしれないな。ドライバー24時間腰に巻き付けっぱなしというのも現実的ではないし。メモリも胸ポケットとかに入れておこう。

 

 あ、と…例えば『バイラス・ドーパント』のウイルスは人外にも通じるのか。『テラー』や『オールド』の攻撃は効果を発揮するのか、確かめておかないといざという時「通用しませんでした♪」では笑い話にもならない。

 

 確か、この世界では“格”による特殊能力無効かという仕様があった気がする。ギャスパーの時間停止を一誠が天龍の格で防御したり。

 存在の格でメモリの能力防御とか最悪だ。格上には手も足も出なくなるじゃないか。ただでさえドーパントは能力特化で馬力弱いのに。

 

 山を吹っ飛ばす火力の連中とドーパントの火力では、さながらミサイルと拳銃だ。膂力からして相手にならない。テラードラゴンだって上級悪魔? ぐらいの脅威でしかないだろう。たぶんだけど。

 能力が効果なかったら逃げよう。田舎に潜ろう。

 原作に関わるなんて無理だ。

 

 

 

 

 さて、アプリダウンロードして…検索して…

 

 

 

 

 

 

 鍵を開けてアパートに入る。

 ………散らかってるなぁ。

 ………ちょっと耐えられない。掃除しよう。

 

 

 清掃終了~。ゴミの山が凄い。ゴミ袋ぱんぱんだ。変な所に仕舞っておかれてたから新しいの探すの手間だったけど。

 ふふふ、その捜索中に発見した彼の元カノとの思い出の品もゴミ袋に突っ込んでやったぜ げっへっへ。

 

 ゴミは後で収集所に持っていくとして、お腹すいた。空きすぎた。初めから空腹だった。腹が減った。

 

 冷蔵庫を開ける。

 ……………ビールしかねぇ。

 炊飯器に飯半分。戸棚にも米が少しあるな。

 冷凍食品もないし…アイスキャンディーしか入ってないやん。食べるけども。今冬だろ? 馬鹿じゃね?

 

 

 しゃーなしだな。今日は米を遺伝子組み換えで食品に変えてそれを調理しておかずにしよう。

 

 

 

 

 

 完成。米100% 焼き鳥丼。

 いただきます。

 

 

 ごちそうさまでした。

 自画自賛ながらなかなか美味でした。

 歯を磨く。使用済みとか使いたくないから歯ブラシを新品に交換。虫歯とか危ないしな。口内ケアは大事だよ、うん。

 

 鏡を見る。ジーンで変えた顔のまま。田中耕一28歳、サラリーマン。外見では40歳ぐらいにも見えるくたびれたおっさんや。なにがあったんだろうなぁ。

 

 

 さてさて、シャワーを浴びるとしよう。

 さっき風呂掃除で噴きつけたカビキラーもそろそろ浸透しただろうし、落としてシャワー浴びよう。

 

 

 

 さっぱり☆

 ほっかほかだ。風呂場から出たときは寒かったけど。

 なんだかねむくなってきた…。

 …メモリの研究は明日にしよう。

 

 

 おやすみなさい。

 

 

 

 

 

 

 




 はい。
 どうでしたでしょうか。
 今回のタイトル元ネタは(ハイパー)バトルDVD「丼のα/さらば愛しのレシピよ」です。

 小ネタですが主人公の名前は「5周年」を音読みできるように変換した名前です。
 なんで5周年なのかは…忘れました。

 これから5周年くんは力をつけて勢力を広げていきますが、見守ってあげてください。
 それではまた明日―。


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2日目「青年…A/この世界で生きる覚悟」

2日目

 

 

 夢じゃなかったか…。

 転生(?)してから初めて迎える朝ってことになるのかな?

 12月29日、午前8時。

 僕、昨日までは二度寝三度寝当たり前の寝坊助だったけど、今日は意識がはっきりしていて、爽快感があるというか………ますます麻薬じみてる。

 

 

 ん…? なんだこれ。こんなノートなかったよな。知らないぞ、枕元にこんな。

 『1日目』 え? なんだこれ?! これは、これは僕の? 考え? 行動? 昨日の出来事が文字になって記録されている………?

 

 

 

………今日の、今この瞬間の思考も記録されている!? 現在進行形で! これを読んでいる僕の思考まで!?

 

 

 

 

 落ち着け…落ち着け…。これは多分、そういうことなんだろう。僕は“そういうキャラクター”なんだ。安心院さんじゃないけど、僕が考えるにこの世界は作りものだ。この世界は二次創作の世界で、僕は二次創作のキャラクターだ。

 二次創作じゃなくて、一次の可能性もあるか。なろうで“乙女ゲー世界に転生”とかでよくあるように、作中作なのかもしれないしな『ハイスクールD×D』という作品自体が。

 

 僕は、作者の作ったキャラクターでしかないのかもな、多分。だとしたら、僕の役割はなんだろう。それがわからないと、怖くて動けない。

 僕は主人公なのか? 悪者・踏み台なのか?

 …僕の特典(仮)はガイアメモリ。…ドーパント/怪人になるための道具だ。

 もしかしたら、僕の他にもオリ主がいて、彼ないし彼女は仮面ライダーなのかもしれない。僕は、僕の役割は敵として現れて主人公に敗れることなのかもしれない。

 

 怖い。怖い、怖い。怖い!

 僕は、ヒーローに倒されるだけの悪役なのか?

 

 

 

 

 

 

 落ち着いた。

 ノートをぱらぱらとめくる。

 …なるほど。全てが書かれているわけではないのか…。確かにな。昨日のことと一口に言っても、アパートに着くまでの間に迷子になったこととか、トイレのタンクが黒々としていたから必死で掃除したこととか、書かれていない。

 

 

 

 

 さて、ノートについてはもう放置する以外にできることはないな。僕以外には見もできず触れもできないというならどうもしないでいいだろう。

 

 お腹空いた。朝食にしよう。

 昨日の米の残りをジーンで食材に。ささっと調理。

 

 完成。THE☆日本の朝食。

 

 

 味噌汁美味かった。100%米なのに、油揚げも豆腐も本物そのものだった。美味美味。

 

 ごちそうさまでした。

 

 

 

 

 満腹になって、覚悟が決まった。自分の心に従う覚悟ができた。僕は僕の思うとおりにやる。

 主人公がどうかなんて関係ない。結局おびえても作品の中にいる僕には実際どうかなんてわからないし、どうなるのかもわからないし。『神ならざる我らには…』というやつかな。

 この世界に今も生きてるであろう原作キャラ。ヴァーリや曹操、彼らは自分が主人公のライバルキャラだなんて思ってもいないだろう。きっと自分が世界の中心だと思ってる。自分がこの世界の主人公だと思っている。

 きっと。

 そしてそれを知ることはこれから先もあり得ない。

 僕も同じだ。仮にライダーなオリ主が現れても、僕が主人公でない理由にはならない。僕が認めない。

 僕は僕の思うとおりにやる。自分が主人公でなくたって、勝者の星のもと産まれた者でなかったとしても。

 

 園咲家のような高潔な使命感も理想もなく、井坂先生のような狂気もなく、一般人で小物な僕だけど。

 「力」以外何もなく、英雄派のガキみたいな感じだけどそれでも、そのまま突き進む。僕の中の非日常を求める少年魂に従う。

 今まで通り、大学生として生きてきたように今このなりかわった『田中耕一』としての身分と立場で暮らしていけばいいのに。それじゃもったいない、って欲が出る。別に憧れなんてなかったし、不満なんてなかった。飯食って、漫画読んで、アニメ見て、ネットの向こうの連中と繋がって、楽しかった。楽しい毎日だった。

 

 

 でも僕は人を殺した。もう人殺しになってしまった。こんな僕が主人公? 笑える。みっともなく死ぬその日まで、自分の心に正直に、自由にこの世界を生きよう、と決めた。

 ………よし。書かれてる。主人公っぽかったかな…へへ。

 

 

 

 んあ。メール来てる。会社か。………辞めよ。退職願いだっけ? 退職届だっけ?

 

 

 

 辞めてきた。突然どうしたと上司に聞かれたけどごり押しで辞めてきた。ボロが出るかもしれないからな。中身が違うわけだし。

 辞めちゃったなー…ごめん田中耕一さん。奪った仕事捨てちゃって。でも仕方ないんだ。僕働きようがないし。

 

 

 

 帰り道。銀行に寄って暗証番号を変更。通帳と預金使用可能! いやー、ネット万歳。

 僕社会人じゃないもんで、どうすればいいもんかわからなかったけどネットで調べればすーぐ出てきたし。

 実印・通帳・免許証・“顔”。用意するのなんて楽勝すぎる。

 それなりに時間がかかって夕方になっちゃった。金を下ろしてスーパーで買い物。食品色々買わないと。パスタいいな。パスタは忙しい一人暮らしの味方。ミートソースとパスタと塩で、数分でできるミートソーススパゲティは美味しいし腹に溜まるし、片付けも簡単だしでいいことづくめ。

 

 パスタはともかく。貯金残高122万円。多いのか少ないのか…。年齢からすると多いのか? 働いた経験がないからわからないな。たぶん多い。節約したんだろうな…。夢とかあったのかも。金を貯めていい相手が見つかったときの結婚資金とか、家の購入資金とか…。ほんとまじでごめんなさい。

 

 まぁ、数か月は余裕で暮らしていけるはずだ。家賃とか、ケータイの金とか自動引き落としだろうし。金がなくなったら別の人殺して成り代わればいいよな。

 

 

 んー、んー。ツマミも買っておこう。サラミとかチーズとか…かな? 冷蔵庫いっぱいのビールを消費しないと食品入れておけないし。

 

 

 ただいまー。で、速攻シャワー。外の穢れを家の中に持ち込まないのは当然の常識。

 玄関で服を脱いでそのままシャワー。

 ミートソース一袋二人分を、豪快に使ってミートソーススパゲティ完成!

 

 いただきます。

 麺チョイ固め。うまうま♪

 

 ごちそうさまでした。

 

 ちゃぶ台にビールとチーズを置く。

 ○○○「アサヒィスゥパァドゥルァァァァイ」

 

 ……いざ!

 

 

 

 無理でした。まっずい…。

 僕、炭酸無理だったわ。ビール苦手なんだよ。チーズ食べながらだとマシだけど、うぅ…。

 ウイスキーの方がうまい。ワインの方がうまい。下が痺れて涙が出る。飲み方が悪いのかな? おいしく飲めない…。牛乳とかジュースの方がおいしい。無理、無理。

 頑張って6本イッキしたけど、限界。残りの、圧迫してる数十本は捨てよう。もったいないけどしょうがない。ヒダル神にならないよな…? いまだに恐怖消えないんだけど。

 

 

 ふぅ…ちゃんと酔っぱらってみたかったんだけどなー。6本程度じゃほろ酔いにもならねぇや。歯磨いて寝よ。

 

 おやすみなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 





 今回のタイトル元ネタは本編5・6話「少女…A/パパは仮面ライダー・嘘の代償」。

 こんな調子でこんな感じで続きます。
 明日か明後日、また読んでくれると嬉しいです。


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3日目「Rが止まらない/駒王学園潜入」

 主人公、段々警戒心が薄くなって行動が大胆(というか雑)になっていきます。




3日目

 

 

 日記を読む。大分端折られてる。まぁいいけど。

 朝の暇つぶしになるな。すこし面白い。

 

 ごはんレンチンで、朝麻婆~。

 

 辛ぇ! うぅ…中辛にしておけばよかった。

 牛乳を飲む。

 まいるど~。

 G3マイルド。映像で見たことはないG3マイルド。

 胃がもたれるような違和感よ。年取ったらこんな朝食できなくなるのかね。やだなー。年は取りたくないって、最近思う。それがすでに年を取った証拠なのかね…。

 

 ごちそうさまでした。

 

 

 

 さて、と。

 今日は何をしようか。

…………年末だな。…………よし。駒王学園に忍び込もう。覚えている限りだが、結界的なものは年中張っているわけではなかったはず。年末で、人が校内にいない今がチャンスだ。

 ついでに…兵藤家にも散歩がてら寄ってみるか。主人公が何歳かで今がどの時代かわかるし。

 もし小学生以下だったら原作前、ベリアル家の王の駒の事件。そもそも家が豪邸だったら原作開始からずいぶん経ってることになる。

 多分原作開始前…4か月前だと思うけど、一応ね。

 

 

 

 やってきました駒王学園。予想してたよりずっとデカい。

 あとちゃんと警備員いる。これは………どうすっかな。

 

 

 よし透明になって忍び込もう。

 

 

 ドライバーを巻く。

 

 インビジブルメモリを起動。

【変身】

 

 

 お、おお…これがインビジブル・ドーパントか…。身体中に包帯がまかれていて…小学校の頃読んだ「透明人間」の透明人間みたいな感じ?

 本編のリリィ白銀みたく、指パッチンをすると透明になれた。たぶん。

 うん…ガラスに写ってないし、消えてる消えてる。

 

 ドーパントとして、相応に強化された身体能力で校内に侵入する。

 失礼しまーす。

 

 抜き足差し足忍び足。校内探索ー。懐かしいなぁ…高校生だった頃が遥かな過去に感じる。僕なぁ…阿良々木さんと同じで中学までは優等生で、高校入ってから落ちぶれた人だから、なぁ~…。

 …うっかり合格して、ついていけなくなって………。まぁ阿良々木先輩は落ちぶれた理由とかいろいろあって僕とは落ちぶれたワケがまるで違うけど。

 進学校だけあって生徒皆いい人で…授業中も静かでさー…。大学まさかあんなに騒がしいなんてさー…。

 誰も先生の授業聞いてないし、寝てるし、スマホ弄てるし。話し声デカくて先生の声聞こえないし。資料音読するときも全然読めなくて進まないし…。

 失敗したよなー。もう行くことはないからいいけど。まぁ貴重な体験だったと思うことにしよ。うん。

 

 

 

 職員室の前に来た。

 あかない。鍵かかってる。

 

 ………この際だし試してみよう。

 ガイアメモリ二本挿し。

 

 ネオガイアドライバーに付いてる四つのスロット。これは多分“4本使えるよ☆”っていうことなんだろう。で、挿せばミックスされるのでは? 能力。

 

 他には考えられない。やろう。

 

 ゾーンメモリを起動する。

 瞬く間にメモリがスロットに吸い込まれ、変身が完了。

 

 

 

 力が溢れてくる。

 単に、ドーパント態になったときに感じる以上の高揚感。

 僕の体に、新しい力が宿ったのが分かる。本能が示すまま、力を広げる………感覚器が増えたように、自分の肉体を通じて認識が広がるのが分かる。目で光を感じるように、今の僕は全身で空間を感じている。

 

 見える。見える。力の及ぶ範囲、全てが見える。

 

 

 転移。

 入った。室内に転移成功。

 浮遊感などはなく、そこにあることが当然というように何の違和感もなく自分の座標が変更された。

 

 監視カメラ的なものは…見える限りない…?

 ゾーン・ドーパントの力で空間走査。少し辛い。

 

 結果、カメラ無し。不用心じゃね?

 ともあれ家探し開始。といっても、学級日誌とか探すだけだから空き巣みたいに室内ぐちゃぐちゃにはしないけどね。

 

 

 発見。

 一年と二年に原作キャラの名前確認。ここはやっぱり、原作開始から4か月前の時系列か。 だと思った。

 

 

 

 

 ………………どうするかな? これ以上ここでやることもないか…。じゃあもう今日は帰るとしよ、目的は達成したし。

 

 

 学園の外に出られたので変身を解除する。

 特に疲れた感じはしない。

 

 街並み・地理の把握のため散策。意外と楽しい。

 小学生の頃『ガウストダイバー』…? だっけ。あれで町中歩き回ったの思い出す。

 

 …今にして思うとあれ、外出する意味あったのかな。DS耳にあてて歩き回ってたけど…。Rボタン押し続けて、「スキャン対象はありません」って音聞き続けて…。チャイドランとか懐かしいな…。コロコロの漫画版当時はエロいと思ってた。ねーちゃん小学生の自分にとってはめっちゃわがままボディだったし。「超ウソ~」ってやつ。

 

 

 

 

 廃教会に、ファストフードショップ。ファミレスにゲームセンター、公園。

 

 そこら辺から絞り込んで散策から4時間。兵藤家発見。早速、インビジブル&ゾーンで侵入。

 

 

 

 当たり前だけど普通だった。普通の家だった。今はまだ。

 兵藤一誠にも会った。透明だから彼はこちらに気づいていなかったけど。普通の少年だった。

 

 転生者がいるとしたら兵藤家だと思ったけど、そんなこともなかった。

 “兄弟転生”はナシっぽい。

 僕の気配を察知したり、原作の兵藤一誠の言動と矛盾したり、そんなこともなかったから“憑依転生”系も除外、っと。

 

 

 帰る!(ロケット団3人的アクセント)

 

 

 

 ただいま。

 速攻シャワー。外の穢れを以下略。

 コンビニでさっき買ったコロッケをおかずにご飯もぐもぐ。

 牛乳ぐびぐび。

 

 

 ごちそうさまでした。

 やっぱ中濃ソースどばどばびちゃびちゃは至高…。ここん()ソース違ったからなー。しっくりこないよ。そういうの気になるんだよ、僕は。醤油とかいつもと違うと気になるの!

 

 

 食後のデザート。人生初! ハーゲンダッツ…。

 いざ、実食!

 ………。ふむ、うーん……? これはあれだな『まっ、なかなかウマインじゃあねーの~っ』『ウマイよ。かなりウマイ。でもなんかよくわかんねーけどよ………』って感じだ。

 うまいはうまいんだけどさ~…でもよー、あの値段に釣り合うかって言うとよー。これ一つより他のアイス箱買いしたほうが満足感は上だよ。

 やっぱり普通が一番だな。普通に普通のアイスが一番美味しいさね。

 

 

 腹も膨れたし、歯も磨いた。兵藤一誠の部屋からパクってきたエロ本でヌいてすっきりしましょう!

 この家人妻モノしかなかったし…田中耕一ヒトヅマニアだったのかもしれない。捨てたけど。趣味じゃないものはとことん趣味じゃないからな、こういうのは。

 

 では、

 

 

※※※※※

 

 

 ふう、

 夜も深まってまいりました。メモリ運用実験といきましょう!

 

 といっても、こんなアパートの一室でメモリを使った実験なんて (ヾノ・∀・`)ムリムリ。マグマとか、ただ立ってるだけでも家屋全焼させそうだし。

 

 かといって、外も危険。悪魔に見とがめられたら死ぬる。情報が不足してる中でそれは自殺行為…というか猛獣の檻の中に肉の塊もって入っていくようなものだ。

 

 ではどうするか。

 答えは一つ。異空間でやろう。

 

『ROAD』メモリ。

 これを使う。

 ロード・ドーパントの空間補正能力で。メモリを実験するための空間を作る。風都探偵の“裏風都”にならって………“裏駒王”とでも名付けようか。

 

 ロード・ドーパントは道を作るために自身の血肉を材料とし、足りなくなると飢餓感と共に人を襲う危険なドーパント。

 でも、大丈夫なはず。

 ドライバーがあれば、このドライバーがあれば平気なはず。だってメタ的に考えて人食とかナンセンスでしょ? 人気でないぜ~?

 

 そんじゃま、

 ドライバーオン。

 構える(セット)

 ロード。

 

【変身】

 

 

 ふう……う…。うん。平気だ。正気、大丈夫。

 ベロ邪魔。

 

 超高速と超高熱で異世界への『道』を作る!

 空間を生み出し、つなぎとめる!

 口からアスファルト的な赤黒い血肉を吐き出し、道を異空間の中に実物として存在させていく…。

 

 

 お?

 

 

 お?

 あたまがくらくらして

 

 

 

 

 

************************

 

 

→郷 秋敏、意識消失。

 ロード・ドーパント、隣室に異空間越し侵入。部屋の中にいた男性と女性を捕食。クローゼットの中に隠れていた少年と赤ん坊をおつまみ感覚で平らげ、満足したように元の部屋に帰って変身解除。眠りに就いた。

 

 

 




 やっちまったァ~♬(ペッシ並表現)
 人殺しはともかく人食いは初めてですので。

 タイトル元ネタは本編19・20話「Iが止まらない/奴の名はアクセル・仮面ライダーの流儀」です。止まれたアクセルや、アイスエイジ親子と違い、本当に止まらない/止まれなかった主人公。

 1日目の殺人とは違い、暴走した挙句の人食い。一線を越えてしまった感がある主人公ですが、咎めるものは今はまだいないのです。

 暴走の原因は空腹、つまりメモリ自体の仕様です。ロードメモリの副作用=凶暴化や理性の蒸発はドライバーが遮断しますが、肉体の損耗(道づくり)は外から補給しないと死ぬので遮断していません。
 結果、こういうことになりました。

 人喰いの化け物になってしまった主人公。4日目に目ざめた彼は何を思うのか、待て次回!



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4日目・上「還ってきたM/凍る火柱」

エレベーターの中で見知らぬおっさんに後ろから抱きしめられるという悪夢を見た。
 恐怖だった。
 これが痴漢に遭う被害者の気持ちか…と夢の出来事ながら恐ろしく思った。


4日目

 

 最悪だ。最悪の目覚めだ。

 おはようございます………。口の中に人肉の感触と味が、残っている気がする。うぉえっ…。

 

 夢を見ていたようではあるけど、ノートを見ればわかる。僕、我を忘れちゃったのか。暴走しちゃったのか。しちゃったのね…。

 

 いや、人殺しはもう特に何でもないけど、もしも見つかっていたら大変だったぞ、大騒ぎだ。まだ人外にこっちの攻撃が通じるか増え命な内に討伐対象にされるわけにはいかんぜ。

 

 考えないとな…。暴走しない方法、あるいは暴走しても問題ない方法。

 メモリの汚染は感じないし、僕は僕だと自覚できている。凶暴性も短慮さも、出てきた様子はない。ドライバーがフィルターとして働かなかったわけじゃないよな。単にメモリの仕様ということか…?

 

 

 

 とりあえず何か口に入れよう。味が気持ち悪い。

 …レンチンのハンバーグか。これでいいとしよう。いただきます。

 ごちそうさまでした。

 おいしかった。自分で作るよりもはるかに。

 

 

 

 

 歯を磨き、朝シャンしてさて、うーん…どうするか…。“道”を作らないわけにはいかないしー…んー…。人喰いはリスクが高すぎるよな。人が消えれば失踪届とかが出る。警察が捜査を始めて、おかしな事件だと判明すれば、それはきっと人外どもに回される。はぐれ悪魔の件みたいに。

 どこぞに出張して人喰いをしたり拉致したり…駄目だな。残留思念からここを探知とか、あるかもしれない。外国に行っても、その地域の神々が出てくる可能性も? うぼぁー………。

 

 

 

 

 ………………。

 ひらめいた! あ、いや、唐突にひらめいた。

 ジーンで動物を人間にすればいいんじゃないか!

と。無理? かもしれない。でもアイデアとしては、意外といけんじゃね? と思うのよ。可能か不可能かで言えば多分可能。

 

 善は急げ、悪も急げ。今日の予定決まったな。

 早速ネットで近郊の保健所を検索して…と。あ、どうせなら夜の方がいいか。なら、実験の方を先にやろう。

 

 

 

 

 

 大丈夫、大丈夫。僕は大丈夫。『絶対大丈夫だよ』

 ありがとうありがとう。本当にありがとう。勇気が湧いてきた。きっと大丈夫。

 

 …。

 

 ドライバーを巻く。

 ロードメモリを起動する。

 

【変身】

 

 

 道を作るんじゃない。昨日作った道に、繋げる。自然に、メモリが教えてくれるやり方をなぞって、開く。“裏駒王”への道を。

 

 

 やってきました、異空間。“裏駒王”まだまだ小さいけど、これから拡張していって僕だけの街にすればいい。今は、昨日作った分を使って実験を行うとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 では、スタート。

 まずは『マグマ』。

 

 

【変身】

 

 

 マグマ・ドーパント。

 

 力がみなぎる…! 魂が燃える…! 俺のマグマが、ほとばしる!

 

 マジで、これは! すげぇ!

 拳を握ると溢れたマグマが噴き出し地面を溶かす。思いついて、手のひらを前に、突き出した手に力を込めて、放つ!

 

 

 マグマ出た!!

 溶岩的な!? ヤベぇ! テンション上がるッ!

 

 溶岩に触れてみても、熱さを感じない。道は煙をあげてドロドロになっているというのに、僕の体は熱を微塵も感じていない。

 すごいな、ドーパント。

 

 

 そしてここでもう一本。氷河期の記憶を内包する『アイスエイジ』を挿すことで、どれほどのパワーを手にできるのか…。

 気になるねぇ、気になるねぇ。

 高熱と低温、プラスとマイナス。対極の属性の相乗効果、どうなるかな! わくわくするよ。

 さながら「半冷半熱」轟焦凍。

 あるいは進化怪獣ラゴラスエヴォ!

 

 いや? マグマとアイスエイジ(氷河期)というと赤犬と青雉かな? ボイス的にも。

 

 ともかく、冷凍攻撃とマグマ攻撃ができるロマンの塊みたいなドーパントになれるはず!

 さあ、実験を始めようか!

 

 

………。

………え?

 いや、え…? は?

 メモリ…は? メモリが、溶けた………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 意識飛んでた。破壊の痕が凄いな。また僕暴走したのか。これも制御できるようにならなくっちゃあな…。

 じゃなくて、……はあ。

 

 

 

 変身を解いて探してみると、それっぽい機械部品の残骸があった。ほぼ融解していてこれはダメだと一目で分かる。

 うっかりしてた。

 これが、特典的なものなら、神様パワーで守られていて、壊れることなんてないだろうって、過信していた。

 ………ジョーカーやサイクロン、アクセルといったライダーサイドのメモリが壊れないから、僕もそうだと勝手に思ってた。ドーパントメモリとか大抵砕けてるじゃん。脆くはないけど普通のUSBメモリ程度には脆いよ! 当たり前じゃん! 溶岩に耐えられるわけないじゃん! 馬鹿かっ!

 

 

 

 …こんなうっかりで、メモリを一本失うことになるなんて。

 

 

 ああ、ちくしょう。

 アイスエイジメモリ…ウェザーで代用できないこともないけど…あああああ! 僕の馬鹿野郎!

 

 んん?

 

 

 これ、え? アイスエイジメモリ…?

 …………………。

 ……………………。え? え?…え?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっぱり。

 念じたら2本目3本目のアイスエイジメモリが出てきた。残そうと思えば残り、戻そうと思えば僕の体にズブズブ戻っていった。

 出せるだけ出そうとしたら数えきれないくらい出てきた。これは…。

 

 

 

 僕はこれが、僕に起こった諸々が神様転生とかなら、ガイアメモリが特典として与えられた超常のアイテムだと思っていた。

 でも違った。たぶん。

 多分だけど、僕は、物語の終盤に地球の巫女となった若菜姫みたく『生きたガイアメモリ製造機』になっている。………たぶん。

 

 

 

 僕の力は「ガイアメモリをその身の内から生み出すこと」。

 Living_Connector_Setting_Operation_Gunとガイアメモリ強化アダプターはいくつでも生み出せたけどドライバーは一個しか生み出せなかった。これは「使えるのはお前だけだからな」ということなのかも。

 

 危険だ。もしもこの力…というか体質? が誰かに知られたら…。怖い、何とかしなくては。利用されないための力を、早く身につけないと…!

 

 

 

 

 

 それはともかく、ドライバーオーン。

 

 左手にマグマメモリ。右手にアイスエイジメモリ。

 

 

 ………。

【変身】

 

 

 

※※ 脳内音声 ※※

 

ボトルバーン!

     ボトルキーン!

 

クローズマグマ!

     グリスブリザード!

 

《Are you ready? 》

 

変身!

 

極熱筋肉! クローズマグマ!

激凍心火!グリスブリザード!

 

アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!!

ガキガキガキガキガッキーン!

 

※※ 脳内音声 ※※

 

 

 …っ………っ!

 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛。

 これは、すごい。光と闇が合わさり最強に見える。もとい、マグマと氷河が交わり最強に感じる。

 

 力が溢れてたまらないのに、頭はスッと冷えて熱が広がっていかない。…これはすごい。

 めだ箱のくじ姉の作った過負荷『凍る火柱(アイスファイア)』を連想する。あれ体温操るのだから微妙に違うけど。でもそんな感じ。どっちつかずのいいとこどりな。

 

 

 

 

 

 

 とりあえず、我を忘れたように暴れてみた。

 すごいことになった。昨日の頑張りと尊い犠牲が水の泡だ。でも後悔はない。気持ち良かったから。楽しかったから。この、「力を振るってみたい欲求」に僕は勝てるだろうか…。

 無理だ。

 僕は、早く人に向けてこの力を振るいたいと思っている。思ってしまっている。

 

 焼いて、溶かして、凍らせて、砕いてしまいたいと…そう思っている。

 

 力の誘惑ってのは抗いがたい。でも、我慢だ。

 被害を出せば、騒ぎを起こせば………駄目だ。落ち着け、落ち着け、郷秋敏。クールに、クールになれ。

 

 

 

 そういえば今何時だ?

 

 

 夜10時?! お昼食べてないよ! 

 部屋に戻る。リンゴを切って、食べる。電車…駄目だな。車…持ってない。

 変身していくしかないか。

 

 

 

 ドライバーを巻く。

 インビジブル。と、

 もう一本。

 

 『SPIDER(スパイダー)

 

 

【変身】

 

 

変身完了、インビジブル=スパイダードーパント。

 GPSで、調べておいた保健所の方角を確かめる。

 あっちか。

 

 指パッチンで透明に。

 行ってきます。

 

 鍵をかけ、糸を出す。

 電柱に巻き付け…反動をつけて………っ!

 




タイトル元ネタは本編21・22話「還ってきたT/女には向かないメロディ・死なない男」です。


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4日目・下「超人S/情け無用の男」

上下に分けたのは主人公のテンションが変わるため。約1600字、短いです。



スパイダーバース面白かった。マイルスとピーターの息の合ったスイング、見ていて自然と笑みがこぼれた。






 

 

 

 

 

 ィイッヤッホーッッッ!!

 

 

 たーのしーーー!!

 

 とんでるよー! 僕とんでるよーっ!!

 

 糸!

 

 だすっ!

 

 握りしめてっ、ぶら下がってっ、身体を持ち上げ捻り上げっ!

 

 とぶっ!

 

 

 出すっ!

 

 

 反動ぉ! からの大ジャンプッ!

 

 

 

 楽しい…!

 楽しい…!

 なんだこれ! なんだこれ!

 なんて楽しいんだ…!

 ただ移動しているだけで、風を切って進むだけでこんなに楽しいだなんて…っ!

 

 

 

 もっと高く!

 

 もっと速く!

 

 もっと、もっと、もっと、もっともっと!

 

 

 

 ぐるんっ! と標識に糸を絡ませ一回転スイング。勢いを殺しつつ上に着地する。

 

 少しミシッ、と音がしたもののなんとかドーパントとなった僕の体重を支えてくれた。

 

 ………このバランス感覚よ…。すごいとしか言い表せない。こんな細く安定しない足場に難なく着地しバランスを保つことなんて、変身する前の僕には到底できないことだ。

 なのに今の僕は出来ている。ガイアメモリの力で僕の感覚器までもが強化されているからだろう。感動する。嬉しい。涙が出てくる。

 

 優れた五感は僕に感動を与えてくれる。街の中、こんな標識の上であっても。言葉では語れないほどの色彩が、音楽が、風の感触が、僕の魂を揺さぶる。

 心が震えて、魂が震えて、今ここで大声をあげて恥も外聞も気にせずに大泣きに泣いてみたいと、心の底からそう思う。

 

 我慢する。泣くのは帰ってから。

 

 

 それでは再開、適当な電柱に糸をとばし、くっつかせる。

 ぐっ、と確かめて、ジャンプっ!

 

 

 

 ィィィィイイイイイッヤァッ、フゥゥウッッ!

 

 今の僕は!

 文字通りの蜘蛛男(スパイダー・マン)!!

 たーのーしーいー!!

 

 

 

 街灯発見!

 

 道路を挟んで左右それぞれ、糸をとばす!

 引っ張って、どーーん!!

 

 とんだ先で、案内標識!

 体を反らして、背中を向けて、逆立ち着地!

 からのピョーン!

 

 

 あははははっははは!

 やべぇくそ楽しい!

 

 

 

 

 

 む。

 

 路地裏で強盗…オヤジ狩り? とは…関東は怖いなぁ(偏見)。助けるのがおっさんというのは、モチベーション上がらないけど、今の僕はスパイディー!(スパイダー・ドーパント)

 

 

 助けよう!

 

 スレッド、どん!どん!どん!

 三連射、べったべた吸着糸…ッ! 口・腕・足を絡めとって転がす。

 

 もう一人の悪漢は、ケージ貯め必殺…!

『ウェブキャノン(クモの巣壁縛り)!! 』

 

 そして~? ラスト一人! ふふふ、混乱しているな? 当然だにゃ。混乱が覚める前に落とす!

 糸を早業で巻き付け糸巻き状態! 糸を両手で握り、ハンマー投げの要領で、ぐるんぐるーん!

 

 はいどーん!

 

 まだまだァ! 壁にドーン! 反動、壁ドーン!

 

 ジャンプ! 空中バク転っ、かーらーのー…

 

 地面ガリガリ削らせて一回転ドーン!

 力を振り絞れーッ! 限界を超えたその先に、大車輪ドーンッ!

 

 

 殺ったぜ!

 

 ふーっと一息ついて見てみたらおっさんは逃げてた。

 なんだよー。助けてやったっていうのに逃げるなよー。気分悪いなー…。

 

 まぁ、僕は今「インビジブルメモリ」の力で透明人間で、姿が見えてない。だからおっさんには悪漢どもが突然壁に貼りついたり身動きとれなくなったり、もみじおろしでギャギャギャギャ…グチャッ。ってなったように見えていた訳で…そりゃあ逃げるわな。

 

 

 

 HP1未満の哀れな死に体どもを、本物のクモのように糸でくるくる巻いて、肩に下げビルの上に。

 身じろぎする力も残っていないようだ。アーカワイソ。

 

 

 

 

 

 

 

JEWEL(ジュエル)」、起動。

 

 

【変身】

 

 蜘蛛と透明の記憶に加え、宝石の記憶を我が身にロードする。

 ガイアメモリ3本同時使用、

 

 インビジブル=スパイダー=ジュエル・ドーパント

(ながっ)

 

 

 頭部に赤黒い巨大な蜘蛛が張り付き、身体の各所から薄汚れた包帯が垂れ、包帯と蜘蛛の隙間隙間に輝く大きな宝石が散りばめられている。キメラめいた異形。

 力がとめどなくあふれてくる。

 

 哀れな死に体どもに左手を向ける。

 はい煙どーん。どろどろどろ~。

 

 糸がゆるみほどける。“中身”が亡くなったのだから当然だ。

 皆、宝石になった。

 

 良質(?)なダイヤモンド、3個。

 げとー!

 

 

 

 




 タイトル元ネタは風都探偵38~46話「超人r/以下略」より。主人公のスパイダーはリア充爆発しろ子蜘蛛爆弾は出せませんのであしからず。

 これを打ち込んでいる最中、どっから入ってきたのかオニグモが一匹、ウェットティッシュの袋の上を這っていました。運命…感じちゃいますね。
 飼えないので外に逃がしましたが。

 ではまた次回~。


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5日目「Sは悪魔だ/見出した興奮と湧き出る衝動」

 失礼、遅れました。



5日目

 

 ジュエル・ドーパントの能力。

 人間をダイヤに変える煙で()()にするタンパク質の塊を楽に、大量に一人で運ぶことが可能。

 

 僕ってあったまいーい♪

 あ~んど、邪悪~♪

 

 

 

 

 むむっ! あのおっさん…サツ 連れてきやがった。あのやろー………!

 

 

LIAR(ライアー)」起動。

 

 

【変身】

 四本同時起動、インビジブル(透明)スパイダー(蜘蛛)ジュエル(宝石)ライアー(嘘つき)ドーパント(超人)

 

 

 スパイディーの糸でおっさんを上に引っ張り上げ、それと同時にサツどもに『何もおかしなことはない』というウソの針を撃ち込む。

 

 

 よォ…おっさんよォ…。せっかく助けてやッたッてのニよォ…。

 ああん?

 

 

 化け物だの、助けてくれ! だの言うのでスマホを持たせて写真を撮らせる。

 

 

 いえーい☆

 

 

 いーとー巻き巻き いーとー巻き巻き

 あっはっは、びくんびくんおもしれー!

 呼吸できない? 苦しい?

 かわいそうに…早く助けなきゃ!(使命感)

 

 ジュエル煙ぶっしゃー! 宝石化。

 

 

 まったく…恩を仇で返しやがって。お前食う時死なないようにしながらじっくり食ってやるからな。

 さて、スマホスマホ。

 

 

 おー、良い感じ。やっぱりドーパントの特徴が勝り合ったような外見だ。

 

 スパイダーの生物的な姿にジュエルの無機質な煌めき、それをインビジブルの包帯が隠すように巻き付き、頭部が針千本のライアーヘッド。

 うーむ、怪奇的。これは怖いわ。

 

 ごめんねおっさん。許さへんけどな。

 

 

 

 ん? …あーあー! このホーム画面の二人そっか! 家族か! そっかそっか、おっさん家族いたのか! なかなか美人の奥さんと可愛い娘さんじゃないの。

 ………そうだよな。誰だって、家族がいて、帰りを待っている人がいるんだよな…。さっき僕が宝石にした3人も……親がいたりするんだよな。きっと悲しむんだろうな………。僕はその家族から、大切な人を奪ってしまったのか…。

 

 

 ああ…なんて………。

 なんて…。

 

 

 なんて愉快なんだろうか!!

 

 

 楽しい! いや、愉しい。だ!

 これが、愉悦というものか?! 多分違うけど、きっとそう!

 

 これが力! これが力か! 理不尽を与えられる力!

 他人の幸せを! 誰かの日常を踏みにじれる力!

 

 

 

 彼らの家族の悲しみを想像すると笑えてくる! ニヤけちゃって、笑みが止まらない…っ!

 口角が…っ、戻らない…っ! 心の底から愉快で愉快で…。楽しくて楽しくて、もう我慢できない………!

 

 

 かわいそうに、かわいそうになぁ…。

 

 

 

 あっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ!

 

 

 あれだ、あれあれ。

――『強いってのはおもしろいねえ。落語と同じくらいおもしろい』

 

 そうか、これが超越者の、化け物の持つ驕りか。優越者の視点か! 圧倒的な力を持つ者の見える景色か!

 

 悪魔の、堕天使の、天使の、神性生物の!

 「格が違う」と自惚れる連中の感覚か!

 そりゃあ、驕るよ。軽んじもする。嘲りもする。弄びもする。

 こんなに楽しいんだから…!

 

 誰かの大切な者を奪って、絶望の海に沈めるのは、こんなにも! こんなにも痛快なのだから!

 

 

 

 おっとっと。『まるで悪役のようですよ、秋敏さん』、だ。危ねぇ、危ねぇ。テンプレートな雑魚ヴィランなるところだった。

 でも彼らの気持ちが分かった気がする。この、甘美な悪の味は中毒性があってクセになる。

 

 

 

 時間もない。さっさと行こう。いつの間にやら日付も変わっちゃってるし!

 

 

指パッチン(透明化)

“中指と薬指を畳んで 手首を前に突き出す”ポーズ。

 

 

 ひゃっほー!!

 

 

 

 

 

 

 

 到着。スマホのアプリと現在地情報から、あの建物が保健所の犬猫の入っている所っぽいな。

 

 飛んできただけなのに疲れた。どうやら4本挿しは体力の消耗もそれなり以上にあるらしい。

 あるいは単純に重かったか。途中でインビジブルとスパイダーだけに戻ればよかった。

 人間体に戻る。

 よろける。めまいとかはないけど、単純に疲れてる。一日某千葉の遊園地を遊びまわって歩き回って並びまわって、ホテルに着いたときって感じの疲労感だ。

 

 まあ、限界も見えたし良しとしよう。

 もうひと頑張りといこうか!

 

 「インビジブル」

 「ジュエル」

 そして、

 

ZONE(ゾーン)

 

 

【変身】

 

 

 うおっ、………と。不思議。

 体がおかしいのにおかしくない。

 昨日…じゃなかった、一昨日ゾーンメモリを使って変身した時は、疑問にも思わなかったのに。今は不思議なことを不思議なこととして感じられる。

 

 こんな、ピラミッドみたいな体になったことも、浮かんだこともないのに、どうすればいいのかが考えなくてもわかる。

 不思議と、それがおかしいと思えない。すごいとも思えない。なんだろう、とっても不思議。

 自分が前々からそういう生き物だったような…。

 

 

 ともかく、ゾーン・ドーパントとしての座標移動、テレポートの能力を使って建物の中に、転移っ。

 

 

 ………うるせぇ!

 

 煙・大・放・出!!

 

 オラオラぁ! 通風孔とか伝わせてここの生き物全部宝石に変えてやるぜ オラぁ!

 

 

 

 

 ふー…疲れた。宝石の回収、考えてなかったせいで大変だったぜ。途中まで、わざわざ一つ一つ回収してさ…。「ゾーンで手元に転送すればよくね? 克己ちゃんみたいに」と思いつくのがもう少し早ければなー。もっと早く上がれただろうにさ。やれやれ…。

 

 

 それでも結局夜が明けてしまったがね。

 初日の出~♪ 新年あけましておめでとうございます!

 

 よーしっし。手も合わせたし、新年の祈りオーケー。どうするかな、これから。

 リュックは宝石でぱんぱん。こんなんで空中機動は危ないし、電車で帰るか。

 でも、まだ微妙に時間が…。ここで待つわけにはいかないし、かといってぶらぶらしてるのは体力的に…。うーん…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………ということでやってきました、漫画喫茶! 身分証や財布を入れておいてよかった~。会員カードを作ってー。

 

 ほー、ほー、ほー。………パクリみたいな漫画がたくさんー…ってかそれしかねぇ。あ、「ドラグ・ソボール」じゃん。本家本元と比べてやろうではないかー!

 

 

 

 

 読了。

 なんだかんだ面白かったな。

 ちょいちょい「パクリーッ! 」って冷める処もあったけど、全体的には読破した今となっては面白かったな。うん、やるじゃん。

 他も読んでみるかぁ。万札もあるし、まだまだ居れるし。次は「魔法少女ミルキー」(コミックス)読んでみよう。vivid的な外伝もあるしそれも合わせて読んでみよっと。

 

 

 お腹が鳴った。気が付いたら17時。お前…お前…僕だけど、お前…。夢中になったら時間を忘れるのは僕の悪い癖♪

 ………。予定はアレしたけど大丈夫。

 まぁでも後悔はない。帰ろう。その前に…。

 

 

 

 

 ただまー。

 アクシズ教徒じゃないけどアクア様ちやほやしてあげたい。その上で取っ払って落ちぶれるさまを笑顔で見たい。アクア様には泣き顔が似合う。あ、僕はゆんゆんが好きです。

 

 炊いてラップ巻いておいたご飯をチンして、コンビニのコロッケをおかずに夕食。コロッケは美味しいなぁ…。

 

 

 いただきます。

 やっぱりソースは中濃ソースに限る。ひったひたにしたコロッケはご飯に合う合う。たまりませんなぁ~。

 

 

 ごちそうさまでした。

 

 

 

 

 

 

 

 『さあ、実験を始めようか! 』

 ……申し訳ねーなー。ヒーローに申し訳ない。すまんこ。

 

 

 ドライバーオン。

 「ロード」

 

【変身】

 

 よしよし。腹は満たされている。道を作るわけじゃない。開くだけだ。だから大丈夫、大丈夫。

 

 ロードで“裏駒王”に入り、宝石を詰めた袋を置く。

 危ないから変身解除。

 

 

 今度は、

 

「ジュエル」

「ジーン」

 

【変身】

 ジュエル=ジーン・ドーパント

 

 宝石を生き物に戻し、ジーンで順次人間に変えていく。

 もどしもどし。

 動くな動くな。ぐーるぐるぐる。

 

 ………んにゃ。うまくいかない。体型が違うからかな。生きてるからかな。うまくいかんぞ? んー………よし。

 

 2本挿ししよう。同じ種類のメモリをドライバーに挿せば、能力が上昇するはず………!

 ………多分!

 

「ジーン」

 

 

 

 はいできた! 変換らっくらくや! 一匹当たりの作業時間もめちゃくちゃ短縮できるぞ、これ!

 

――『痛みは一瞬だ』

――『ちょっとくすぐったいぞ』

 

 

 持ってきた分人間に変換完了っと。

 メモリ増やせばよかった。

 朝の後悔が活かされてないぜ。あ、強化アダプター付ければさらに能率上がったのか。しまった。うっかりうっかり。

 

 

 メモリーコウカーン! (ベルトさん風)

 

SWEETS(スイーツ)

 

【変身】

 スイーツ・ドーパント

 ゲロ(にしか見えないクリーム状硬化粘液)…オエーッ!!

 かっちかちやぞ。これで気を失っているこいつらが目を覚まして逃げることはない っと。

 

 いよいよ…。

 

 

 

 ごめんなさい。ここにいる自分以外の命たち。

 あなたたちは僕のために、僕のためだけに、燃料になってもらうよ。

 みんなみんな、僕のためにありがとうな。

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

「ロード・アップグレード」

 

 〔DOWNLOAD complete〕

 「ロード・アップグレード」

 

 

 うぐぐ…。大丈夫。

 なれた。大丈夫。道を作る。わかってる、わかってる。僕は。道を。

 

 

 

 うっ………。

 裏駒王を拡張する。大丈夫、わかってる。

 

 作る、作る、作る作る作る。

 

 

 

 

 肉体が足りない、血が足りない。肉が足りない。腹が減った。

 

 戻る。どれでもいい。

 こいつにしよう。

 これ…邪魔、とれた。いただきます。

 

 

 まずい、固い。脂が足りない。でも食べる。命は大事に、食べる。

 お残しはだめ。ごちそうさま。

 道、道を。建物、生える。写して、写して。なんだっけ。作る。作る。道を作る。僕は、

 

 

 僕は道を

 

 

 




 なかなか時間が取れません。
 明日もこれぐらいになるかも。

 タイトル元ネタは風都探偵28~37話「pは悪魔だ/以下略」より。

 次回もお楽しみに!


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6~8日目「Gが求めたもの/ノットイグジスト・ホーム」

 主人公は
 血を流している人がいたら死体蹴りに行って、飢えた相手の前で無関心に食事したり、美人に思いつきで膝蹴りするような人です。
 「助けてくれ! 」と手を伸ばされても
 「んー、考えとくー」って通りすがる男です。

 D×DでマジLOVEなキャラは「ゼノヴィア」と「レヴィアたん」
ゼノヴィア←「クールなアホっ子って萌えるよね。あと戦闘服姿エロい」
レヴィアたん「腹パンしたい。ISの束さん的な。泣き顔を見たい。欲求を抱かせるよね。あとエロい体してるし」





6日目

 

 むしゃむしゃむしゃむしゃ、うるさい。

 

 てりゃ。

 

 ぺろぺろぺろぺろ。血、血、もったいない。血肉。

 骨、砕く、飲む。まずい。

 

道を作る道を作る道を作る道を作る道を作る道を作る

 

 だいじょうぶ。

 分かってる。

 分かってる。

 分かってる。

 分かってる?

 

 

 

 

7日目

 

 ぺっぺっ!

 くっさ、くっさ。

 うっ………。足りない。足りない。これじゃ足りない。まずくても食べなきゃ。作らなきゃ。街も道も建物も、ぼくが、僕が作らなきゃ。

 うるさい。

 分かってる。

 うるさい! 僕の中で騒がないで!!

 ちゃんと作るから!

 

 

 ウッ! ヴォエ! オェッ!

 ヴッ!

 ………。血だ、ぼくの、ぼくの血………。

 

 

 

 

 

 

8日目

 

 「お れ は し ょ う き に も ど っ た ! 」

 

 気づくと、食糧(エサ)はいなくなり、道の上に僕は倒れていた。スマホを見ると1月4日。

 寝正月ならぬ食い倒れ正月、働きづめの三が日になってしまった。

 まぁでもそのおかげで“裏駒王”は驚くほど拡張された。それに何だか建物も生えてきた。

 僕、GOOD JOB!

 

 ……尊い犠牲となった人々、ワンちゃんネコちゃんには感謝の気持ちしかない。ありがとうございました。

 

 

 アパートに戻り、他の部屋に耳を澄ませる。うむ、今回は食糧用意していたおかげで暴走したりはなかったようだ。よし。

 

 

 お腹空いた。んー、疲れてるし、調理するのダリィな。

 今日の朝食~。

・バニラアイス

・いちごヨーグルト

・白菜の漬物

・コーヒー

 

 

 いただきます。

 

 

 

 ごちそうさまでした。

 

 

 

 今日はどうすっかなー………。

 ……………………………………………決めた。

 お参り行こう。この世界リアルに神様がいるわけだし現世利益見込めるだろ。

 

 

 神社あったっけ~? ウチ無宗教だったから、よくわからないけど神社だっけ? お寺だっけ?

 今日も保健所行ってエサ取りに行きたいし、道すがら行くか。

 あ、この町の神社、悪魔崇拝じゃん。じゃ、駄目だな。

 遠出しよう。

 

 

 

 

 調べよーし。用意よーし。

 出発進行―! 今日は新幹線で東北まで行くぞコラァ!

 前世(仮)の住所に行ってみるぞコラァ!

 

 

 

 

 

 ……到着。〒○○○‐○○○○ ××県□□市△△町 ○○○○‐〇〇。

 

 ………ないな。見事にないな、僕の家。

 怪しまれるの覚悟で、隣家の住人に聞いてみたけど、数十年前からここには家なんかないって…。

 そうか、ここは本当に別世界なんだな。

 そうか………。

 

 

 

 そうか。

 

 

 

 

 神社はあった。子どもの頃から新年は毎年来てた神社。どの神様を祀ってるのかも知らないけど、なんか嬉しい。ここは僕の世界ではないけど、つながりがないわけじゃないっていうか、「ネガの世界」でのナツミカンみたいな。

 

 

 太っ腹に一万円を賽銭箱に入れてみる。

 

 

 ………、来ないな。『撫子だよ! 』こないな。この世界ならあるいは、と思ったけど来なかったな。残念…。

 

 期待を裏切りやがって! と昨日の食べ残しのおっさん財布からくすねた金、3万円を賽銭箱に投入。ハッハッー! いわくつきの金だぜーッ!

 いやー、金を無駄遣いするのは気持ちいいなぁ! おい!

 

 

 

 

 ふぅ。

 駅に戻り、バスで保健所の近くまで。

 うっぷ…少し酔った。ぎぼちわるい…。

 

 

 

 落ち着いた、こそこそ動く。

 ニュースになってなかったからな、警戒しなければ………。

 保健所から動物が一斉に消えた! とか一面ニュースになりそうなものなのに、なってない。人も消えたのに、報道が全くないのはおかしい。絶対におかしい。

 

 つまりそれはもみ消されたということ。

 誰に?

 超常的・異能的な秩序サイドに、だ。色々つながりのある組織が指示してもみ消させたんだろう。

 

 

 幸い尾けられているということはなさそうだ。まだ少し距離はあるけど、ここから変身していこう。

 

 

 

 ドライバーオン。

 ………念のために、

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「インビジブル・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ゾーン・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ジュエル・アップグレード」

 

 待ち構えられてたり、即死級の罠が仕掛けてあったり、“もしも”があるかもしれないし…念には念を

CLAY DOLL(クレイ ドール)

 

 

【変身】

 

 

 四本挿し、クレイドールの再生能力があればなんとかなるかもしれない…強化しないのは危険かもしれないが、クレイドールは強化する方が危険な気がするから、アダプター無し。

 エクストリームは危険。破裂するかもしれない。そもそも強化アダプターごときでエクストリームはないとは思うけどさ! でも怖いし!

 

 

 

 空間把握……ッ!

 つらい。頭いった~! 特に? 誰もいないようだ。空間にゆらぎやおかしな場所もなし。罠は見当たらないけど………。不安だけど、飛ぶ。

 

 だいじょうぶだって。

 東北だし、関東じゃないし。手配されてなかったりするのかもしれない。警戒は関東圏だけとか…だったらいいなぁ…。きっとそう。

 

 

 じゃ、瞬間移動(テレポート)、煙ドーンッ!

 宝石ちゃらちゃら~♪

 

 

 

 この建物の中の生き物全部宝石化完了っと。宝石取り寄せ転移(アポート)、うおっ。

 

 リュック重っ♪

 大量大量、さて帰りますか~。

 

 

 

 

 ただいまー。おかえりー。

 こだまでしょうか、いいえ自演です。

 自演乙。

 

 「自らを演出する乙女の会」じゃないよ? あのアニメおもしろかったなー。OP・ED好き。最終回近くのスイカ割りは最高だった。ジョジョネタ当時は(?_?)マークだったなー。わっはっは、なつ。

 

 

 

 腹減ったー。ラ・メーンでも食べよう。

 チャーシューマシマシ、もやしマシマシ。家ラーメン!

 完成! ぱちぱちぱちー。

 

 いただきます。

 

 

 

 ごちそうさまでした。

 スープまで飲み干して完食。塩コショウ入れすぎた気がするけど若いから大丈夫だろう。

 

 

 

 

 ロード、裏駒王、ジュエル、宝石化解除。

 強化ジーン遺伝子組み換え。人間化、スイーツ、クリーム束縛。

 

 このまま食って材料にしたところで、街一つ作るにはまるで足りない。かといって、昨日と今日の事件で警戒範囲は全国まで広げられるかもしれない。

 そうしたらいずれ………。どげんかせんといかん! 食糧不足で街を広げられないのは困る。

 ………………。閃いた。

 ………。キラっとひらめいた!

 

 

 むむむむむむむむ…君に決めた!

 ぎゃんぎゃん言う元ワンちゃんorネコちゃん、現 人間のDNAを採取。

 

 ぐーるぐるぐる。

 変換。

 

せいしょくさいぼう~。

 

 卵細胞と精細胞を! レッツ・ラ・まぜまぜ!

(ぷいきゅあ、ごめん)

 

 受精卵! できあがり!

 

 

 受精卵を人に成長させる。十月十日も待ってられるわけないだろ! いい加減にしろっ!

 

 

 

 「OLD(オールド)

 

【変身】

 強化ジーン=オールド・ドーパント

 

 

 「老化」とは、成長をネガティブに言った言葉でしかない。

 10歳を20歳に老けさせるなら、それは老化であっても、成長だ! そもそも「オールド」って成長するって意味でもあるしな!

 

 精神干渉波 ドーンッ! 赤ん坊未満の卵どもを20年老けさせ(せいちょう)

 

 

 

 

 

 

 じゃん!!

 でっきあがり~。

 自我は希薄…てかまるで意識がない。生体反応はあるけど、意識は皆無だ。たぶん、仮面ライダーWで老けさせられた女の子…みゆちゃんと久美ちゃんだっけ? も小学生の精神のままだったし、老けさせるといっても肉体面だけなんだろう。だからまっさらな受精卵をそのまま老けさせたこいつは空っぽなんだろう。

 食糧だし、抵抗も何もないのは楽でいいか。

 

 ともかく、これで食糧無限に増やせるぞ~! やったネ!

 

 

 うん。質量保存とかなんとか、物理法則ぶっちぎってる気がするけど、そういうものなんだろう。

 この世界の神滅具『魔獣創造(アナイアレイション・メイカー)』も似たようなものだし。

 気にしない、気にしない。

 

 これで保健所襲撃せずに済む。危なくなることもない。危険を冒さず街を広げていくとこができる!

 うっしゃー!

 

 さてさてさてさて?

 「変換()えて」、「増やして」、「食べて」、「広げ」よう!

 “裏駒王”を表の町と同じくらいまで広げてやるぜ~!

 

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ジーン・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「オールド・アップグレード」

 

 

 …っ。

 ………………。

 男は度胸!

〔DOWNLOAD complete〕

 「ロード・アップグレード」

 

 

 

 よっしゃ!

 馬鹿野郎お前俺はやるぞお前。

 

 

 

 

 




 ロードメモリに強化アダプター付けた『強化ロード・ドーパント』は空間補正した時に建物も生えてくる――というのは妄想設定です。土地だけってのもあれですし、原作の『風都探偵』で“裏風都”の建物(風車含む)がどうやってできたのか語られていないので、もしかしたら通常のロード・ドーパントの能力でできるのかもしれませんが。それがはっきりするまではこういう感じでいきます。

 …“裏風都”いつからあったんでしょうかね。………旧組織(ミュージアム)があったころから存在していたのか。それとも壊滅してから作られたのか。壊滅してから作られたなら2~4年で街一つ分建築したということになりますけどそんなこと可能なんでしょうか?
 最初期(スパイダーの事件が10年前)からならまぁまぁ可能なんでしょうが…。園咲家が町の裏に街をつくることを許してくれるかなぁ…。

 タイトル元ネタはその園咲家崩壊の本編45・46話「Kが求めたもの/悪魔のしっぽ・最後の晩餐」より。
次回もお楽しみに!






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9日目「Sを継ぐ者/生まれる人形」

 UA5000越えました! わーい!
 皆さまありがとうございます! 運営さまにも感謝を!



9日目

 

 おはようございます。だいぶ慣れてきた。主に気絶するように眠って目覚めることに慣れてきた。

 

 でも、街づくりの最中に暴走というか、意識を完全に失うことはなくなってきたな。飢えの心配がなくなってきたからか、ペース配分が分かってきたからか。体が順応してきたのかな? 井坂先生にドライバー弄られてしばらくした若菜姫みたいに。

 昨日はクローン元の個体を残して喰いつくし消費して終了。いいペースだ。

 

 

 朝ご飯は何にしようかなー、ってもう昼ご飯か。腹減った~。夜通しゲロ(血肉)吐き続けたからお腹ペコペコだよ~。

 

 

 今日の朝食兼昼食は………じゃん!

 冷凍ギョーザとレンチンごはん! 上手に焼けました~!

 

 あ、餃子のたれがない。うーむ………。醤油とみりん、酒と塩、ごま油をちょっぴり…自家製だれの出来上がりっ!

 

 いっただっきまーす!

 

 

 

 ごちそうさまでした。

 うまかった。ほふう、焼き目ぱりぱり超おいしい。ごはんがちょっと妙な味したけどレンチンごはんはそんなもんだよね。

 

 今日は…どうしよっかな。

 ………今の作業のペースだと街が完成するまで時間がかかるんだよなー。他に色々したいこともあるし、うむむむ…。

 そもそも自分一人で何とかしようとするのが問題の原因かにゃー。いくら強化していたところで、ロード・ドーパント一体がの力じゃ街一つ作るには手が足りないよ。“裏風都”みたいにロードいっぱいいないと。………でもなー、ロードをそこらのチンピラにやって手伝わせるとかは暴走して足がつく可能性高すぎるし…。『風都探偵』で“裏風都”の存在が知られたのもロードメモリを与えられた末端「サブ」の暴走のせいだし………。監禁して作業させるにしても、ロードメモリ与える以上意味ないし、テラー使って恐怖で縛る…? 加減できそうにないなぁ…。

 

 

 うーん…。

 

 

 

 

 ひらめいた。ヒラメいた。

 困ったときは原点に返ればいいとはその通りだったか。原点、仮面ライダーの原点に変えればいいんだよ。

 

 Q.今日強力な部下を作って働かせたいのですが、裏切られるかもしれません。どうしたらいいですか?

 

 A.脳改造しましょう。

 

 ってわけよ!

 僕の命令に絶対服従になるように、ショッカー怪人的に脳改造を施せば、問題解決っさね!

 幸い僕の持つガイアメモリの中にはコレがあった。僕自身は脳みそをどう弄れば命令に従うようになるのか1ミリも分からんけど、このお方なら知っているはず…。その知識がメモリの中に入っているはず!

 改造人間の研究、開発の第一人者であり、人体改造技術と知識においては右に出るもののいない「怪人作りの名人」!

 

 死神博士メモリなら!!

 

 

 とりあえずイカ買いに行こう。ビールは冷蔵庫に…・……飲まないから捨てたんだった。ビールも買おう。ビンのやつ。

 

 

 “裏駒王”にて、

 ………………。

 だいじょうぶ、ドライバーがあるから大丈夫。僕は死神博士に負けたりしない。

 スーパー死神博士だっけ…スーパーか………大丈夫かな…。

 

 

SHINIGAMIHAKASE(死神博士)

 

【イカで! ビール!】

 

 

 イカデビル!

 

 

 我こそは、スーーーパーーー死神博士なりぃ!!

 

 ……………………。うん、大丈夫だ。今の自分はスーパー死神博士だけど、大丈夫。

 ()()だ。

 いやー、意思のあるメモリとかだったらどうしようかと思ったよ。ディチェーンされてるのかもな。ありがとう神様(仮)。

 

 死神博士の持つ知識や技術を、今の私は普通に扱えるようだ。頭の中に、どこをどうすれば人を思うままに動く人形にできるか、その方法が容易く浮かび上がってくる。

 

 が、手術を私一人で実行するのは効率が悪い。手が必要だな。………よし。

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ジーン・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「オールド・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「COMMANDER(コマンダー)・アップグレード」

 

 

【変身】

 強化ジーン=オールド=コマンダー・ドーパント

 

 ………サコミズ隊長。

 ………黙祷。

 

 

 コマンダー・ドーパントの仮面兵士を生み出す能力が役に立つ。彼らを助手に、改造手術を始めるとしよう。

 

 昨日までに作った町の区画の中に病院があったはず。そこに残しておいた食糧増産元の個体を運べ。

 

 

 ジーン遺伝子組み換え

 オールド老化成長波

 では、脳改造手術を開始する。

 

 

 

 

 

 変身を解除して一息つく。

 

 いやー、疲れた。脳改造しても動かなかないどころか反応もしなかったのは焦った。でも考えてみれば当然のことだった。記憶がないから。

 そりゃそうだ。『妹達(シスターズ)』を例に挙げればわかりやすいと思うが、肉体を成長させただけなので精神年齢は新生児以下、言葉も理解できないし、自分で立って歩くこともできない。もともとエサ用に作ってたのをドーパントとして使えるようにしないといけないわけだから、『妹達(シスターズ)』の製造育成を真似るなら、『学習装置(テスタメント)*1が必要になってくるわけだが、当然そんなものはない。じゃあどうするか、諦める? そんな選択はありえない。

 

 データ、記憶、知識。

 記憶、(イコール)メモリー。

 

 「メモリーメモリ」。

 記憶の記憶、ってややこしいけど。あってよかった。一旦“裏駒王”から出て、そこら辺の一般人を「インビジブル」でバレないように、「メモリー」の能力で記憶複製保存。

 “裏駒王”に戻って、脳改造したやつにコピーした記憶データを入力する。コピペコピペ~。

 

 で、動くようになった部下第一号に強化アダプターをつけたロードメモリを挿す。

 

 「街を広げろ」

 「道を切り開け」

 と命令して、エサの場所を教える。

 それで完璧。

 

 

 

 40体の脳改造強化ロード・ドーパントができた。

 コマンダーの仮面兵士もよく働いてくれたし、この調子でロード・ドーパントを増やせば、数日で街が完成するようになるはずだ。

 

 「死ぬまで働け」

 とも命令したし、文字通り休みなく命を燃やして街をつくるための礎となってくれるはず。

 ありがとう…。

 

 

 

 っと、エサの用意も大量にしておかないと。

 僕が昨日エサにした量×40体分だからな。相当な量が必要だ。

 死神博士の知識のおかげで、人よりも食いでのある肉塊上の奇形児を狙って作るための方法も思いつけた。

 

 「怪人作りの名人の記憶(シニガミハカセメモリ)」と「遺伝子の記憶(ジーンメモリ)」の組み合わせは悪魔的なベストマッチ! だ。

 

 

 

 

 

 

 

 山のように………、成層火山ではなく、楯状火山的な感じに食糧積み上げ完了。

 

 お、来た来た。食べる? 食べる?

 わくわく。食べてくれるかな?

 

 ヒーット! 食べた食べた!

 

 がつがつと、もぐもぐと、むしゃむしゃと。

 がつがつと、もぐもぐと、むしゃむしゃと。

 がつがつと、もぐもぐと、むしゃむしゃと。

 

 うむうむ、良い食べっぷり。

 うむうむ。

 うむ…? え? 食べすぎじゃない? 僕そんなに食べなかったよ?

 

 補給を終えたロード・ドーパントが帰っていく。肉山の一角が一人の、一回の補給で削れた。

 ………………食べすぎだよっ!

 

 

 やっぱりドライバーの有る無しは大きいんだなぁ、と。

 仕方ない。もっと作ってもっと置いておこう。

 作っても作っても足りないぞ。気合入れろ僕。僕ならできる、、できるできる。

 諦めるなっ!

 

 

 

 

 

 

 よ、よーし。

 これだけ作れば安心………だといいな。

 ガチで疲れだ。あ゛ー…。もう11時じゃん。なにやってんねん。いや、重要なことだけどさ。

 

 

 帰る、もとい戻る。

 ただいま。

 

 本当に疲れたからりんご切って食べるだけ。

 

 おやすみなさい。

 

 

 

*1
『とある魔術の禁書目録』の学園都市に存在する、技術や知識を電気信号として、脳に直接インストールする装置。視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の五感全てに対して電気的に情報を入力することで情報をインプットする。御坂美琴のクローン『妹達』の、実験体としての確保に要する人格(ソフト)の成長速度を加速するため使用された。人格形成・知識、技術の習得もこれによって行われており、言語・運動・倫理などの情報を『妹達』は強制入力されることで『妹達』は短期間で一般常識を身につけることができている。銃を撃てていた様子を見ると、入力された技術は経験レベルで獲得できるようでもある。




 タイトル元ネタは「小説 仮面ライダーW~Zを継ぐ者~」から。

 死神博士メモリ…何事もなければいいですよね。作中で披露されない設定として、ドライバーなしで死神博士メモリ挿すと、完全に死神博士になります。自立します。

 ロード達にインストールする『記憶・知識・倫理』はいい感じに調整されています。
 また、脳改造の際、感情抑制の手術も同時に行っているので、彼らは人並みの感情を持ち合わせていません。ただ命令されるまま動くだけです。

『一切の不平不満を言わず、超筋力・超体力・脂肪体をフル稼働し、尽きればただ死ぬ。
 死んだ仲間は食べて何事もなく作業再開。
 変わりはいくらでも生まれてくる』(「テラフォーマーズ」より)




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10日目「Oの連鎖/全てを振り切れ」

 今日は少し葛藤回。見る人によっては退屈かも。
 +途中だれかと喋っているような描写がありますが、自分会議です。多重人格とかではないです。脳内悪魔と脳内天使が言い争っているような、そういうやつです。




10日後

 

 朝起きて、お腹が「ぐ~ぎゅるるる」と鳴った。

 お腹空いた。喉もカラカラだ。

 寝起きだし顔を洗うついでにシャワーでも浴びるとするか。

 

 顔と頭の泡を洗い流して、タオルで拭いて目を開けて自分の裸を見る。

 正確には自分の物ではなく、1日目に人生を奪った「田中耕一」氏の体なわけだが。

 毎日何気なく見ていたから気づかなかったが明らかに変わっている。20代後半とは思えないほど、ひょろひょろがりがりだったのが、今はしっかり筋肉がついているような健康体に戻っている。

 鏡がないからわからないけど、顔のしわも少なくなってるし、薄くなっていた頭髪も蘇っているような…。

 

 食事は栄養バランスなんてくそくらえと言わんばかりの茶色主体の若者飯だったし、食事によって健康を取り戻したというわけではないはず。

 メモリかな…? ドーパントに変身したことで、文字通りドーピングを受けているのかもしれないな。

 副作用が怖いんですけど?!

 

 井坂先生はああいってたけど、純正化していないメモリを使い続けたらああなるんだよ?!

 僕はドライバー使ってるから大丈夫と思ってたけど、メモリの影響と思しき者がこうして現れた以上、楽観していられない。そういえば、今日までの日々の行動を振り返って見れば、僕は………おかしくないか?

 

 

 

 シャワーの温度を下げ、冷水を頭から浴びる。

 なんで人喰いを当たり前のように受け入れてるんだ? なんで罪もない一般人を面白半分で殺しているんだ? なんで生命を弄ぶような真似をして、良心が欠片も傷んでいないんだ?

 僕のモラルはどこに行ったんだ。ここに来るまでに持っていたはずの良識を僕はどこに置いて来てしまったんだ?

 

 僕は…善性の人間だったはずだ。

 嘘をつくことは稀にあったけど、思い当たる罪といったらそれくらいで、悪い事なんてしたことなくて、普通に、道を踏み外すことなく生きてきたはずだ。

 

 メモリのせいでおかしくなったというのは事実だろうけど、そんな言い訳じゃ耐えられない。殺人犯が何を悲劇のヒロインぶっているのだろうか、このゲス野郎。今だって自分に酔ってるだけなんだろう? 自分の罪を後悔する僕かっこいいとか思ってるんだろう? このくそ野郎が、死んでしまえ。クソが。

 じゃあどうしろって言うんだよ。

 うっせーばーか! 後悔とかするんじゃねーよ! お前もうどう取り繕ってもクズ野郎なんだからクズはクズらしく悪を成して、その果てにヒーローに倒されろや! そんでもってみじめったらしく命乞いして無様な最期を遂げろ! それが最悪の最良だボケ!

 ……………。

 ……………。

 何をすればいい。

 いや、何を目的に据えればいい。

 

 

 力を振るいたいというのは目的じゃない、欲望だ。誰かに見てもらいたいし恐れられたい、「すごい! 」といってもらいたし、怪人に変わってびっくりさせてみたい。みんなに僕のことを知ってもらって、恐れられ、興味を持たれ、憧れられる、そんな存在になってみたい。

 仲間が欲しい。一緒に暴れる相棒が欲しい。僕の力のことを暴露して、受け入れてくれる誰かが欲しい。

 ここまで全部欲望でしかないけどね。

 

 目的に据えるのはまず、生きることだ。

 生きること。

 この世界には命の危険が転がっている。人外連中に捕まったら命はない。そう考えるのが賢明だ。何度も何度も頭に刻み込んでいるはずなのに、僕はそれを忘れて無謀な行動をとってしまう。

 保健所に襲撃をかけたことがそうだ。あの時、スパイダー・ドーパントになって移動することは無謀な行動でしかなかった。

 もし、移動中に気配を察知されて、攻撃されて捕まっていたらアウトだった。僕が今ここにいられるのは、運がよかっただけだ。

 

 

 生きるためには?

 “力”について知らなければならない。僕の力、というか体質……『生きたガイアメモリ製造機』である僕の体は、力は感知されるものなのか。

 それを知る必要がある。

 感知されるものであったなら、引きこもる必要がある。誰にも、人外にも見つからない場所に。

 兵藤一誠のように、勝手に危険因子とみなされ、殺される可能性がある。

 

 

 

 ………………………。

 もういいだろう。

 いい加減寒くなってきた。震えてきた。

 こんなのは茶番だろう?

 結局自分の行動を正当化するための善いわけだろう? みっともない。それでも主人公かよ。

 

 

 

 違う僕は主人公じゃない。

 そうかよ、でもそう思っていた方が頭のいいタイプに思えるから、慎重に悩んでいるふりをしているだけだろう?

 

 違う。

 違わない。兵藤一誠の家に行って、転生者がいなかった時点で僕は自分を主人公だと自惚れたんだ。そして、自分は主人公だから何でもやれると調子に乗った。どんなことをしてもどんな悪を為しても世界が自分を許してくれると考えたんだ。

 違う。そんなことは考えてない。

 違わない。僕は僕が主人公だと思ってる。浮かれてる。馬鹿にしてる。この世界に生きる人間は全員自分の玩具だと考えてる。軽んじている、だからそんな平気な風でいられる。

 ……………。

 

 自分が願うことはなんでも叶うと思ってる。自分は死なないし負けない。主人公である自分は間違わないし捕まらないし、苦しまないと思ってる。

 うん。

 

 でも違うだろ? 僕が主人公であるはずないだろ?

 なんで、

 人殺しで、人喰いで、そんなタブーを犯した人間が主人公で、人気が出るわけないだろう。

 そういう主人公もたくさんいるだろ。

 

 たくさんいる。たくさんいるな。でもその主人公たちほどの魅力が僕にあると思うか?

 ない。

 ないだろ。あるはずがない。主人公だっていうなら、主人公力の前に人間力で劣ってるよ、僕は。

 

 僕は主人公がもっているであろう強さも、男気も、情熱も、愛も、爽やかさも、冷静さも、勇気も、機転も、優しさも、頼りがいも、賢明さも、才能もない。

 努力家でも、仲間思いでも、ひょうきんでも、型破りでも、熱血でも、ダンディでもない。

 うん。僕には身の丈に合わない力と馬鹿みたいな欲望しかない。

 そうだ。メタ的に考えて、こんな主人公らしくなく、裏主人公らしくもないこんな奴を物語の主軸に据えるはずがない。

 人気が出ないから。主人公のはずがない。じゃあ僕は結局何?

 考えたくない。主人公以外の何かだろ。でも、それが何なのかは考えたくない。

 僕はどうすればいい。

 僕が望むまま、自由にやれ。主人公だとかそうじゃないとか、そんな考えは忘れてしまえ。ここに来る前はそんなこと考えてなかっただろ?

 

 じゃあ今まで考えてたのは何だったんだよ。

 茶番以外のなんでもないだろ。時間つぶし暇つぶしだよ。シャワー浴びるときは無駄なこと考えるだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 体を拭いて、シャツパン姿でアイスをかじる。

 ぐだぐだ考えても無駄だということが分かった。目的だのなんだの、主人公だのなんだの、馬鹿なのに考えるからいけないんだ。

 考えたところで、明日隕石が降ってきて死ぬかもしれないし、唐突に正体と力がばれて殺されるかもしれないし、もうどうでもいい。関係ない。

 

 したいことをすればいい。

 今自分がしたいことに全力で取り組んで、「今日は良い日だった。明日も楽しい一日でありますように」と眠ることができたらそれでいい。

 

――「今が楽しけりゃ、それでいいじゃん!」

 だ。

 今までそうやって生きてきたんだから、世界が変わろうと、力を得ようと、生き方はそう簡単に変えられるもんじゃないよな。

 当面の目標は“裏駒王”を作ること。ガイアメモリの実験に使うとか、いざという時の避難場所とか、後付けの理由はたくさんあるけど、作りたいから作る。完成させたいから作る、ってのが一番の理由なんだよな。ちいせぇなー。

 

 ビースト・ドーパント登場回で、尾藤さんが言ってたな。

 

――『薄っぺらい男の人生は痛ぇ。今にデカいもん失うぞ』

 

 だったか。翔太郎は薄っぺらい所もハーフボイルドな所もかっこいい男だったけど、僕はだめだな………。

 

 薄っぺらくて、空っぽで、誇れるものも何もない。失うものも………今はガイアメモリ(この力)があったか…。でも、惜しいとは思うけど、失いたくないとは正直思えないんだよな。与えられた物で、勝ち取った物ではないから、とか。そういう感じで。

 まっ! 頭空っぽの方が夢詰め込めるっていうし! 薄っぺらでもこれから分厚くなっていけばいい! 空っぽでも、穴をこれから埋めていけばいい!

 誰かに誇れる自分になるために、誇れることを成し遂げていけばいい!

 

 すべてはこれからだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロード」

 

【変身】

 

 

 “裏駒王”へ。

 ロード達のエサ場に向かう。

 

 

 

 うむ。肉山がほぼほぼ消えておる。早いな。

 これでは生産が追い付かぬ。四六時中“裏駒王”に張り付くわけにもいかないしな。

 

 

 これだけ喰って、どれだけ街を広げたのか、成果を確認してくるとするか。

 

 

BIRD(バード)

 

【変身】

 バード・ドーパント。

 

 飛ぶ。

 街を空から見降ろす。

 

 すげぇ。たった一日でここまで…。強化アダプターと休憩なし全力労働おそるべし。

 ともあれ、このままではエサが足りなくなる。実際、燃料不足で死んでるロード・ドーパントも1人2人…。

 

 

 

 …………………………。

 よし、自動化しよう!

 脳改造で絶対服従の部下を生産できるようになった以上、僕がやらなきゃいけない理由はないし。「仲間を頼れ」とは多くの作品で主人公が仲間から言われていることだ。僕は主人公じゃないけど、それに従うとしよう。

 

 

 

 

 街の中央に塔を建て、最上階からオートメーションでエサや作業員*1を生産できるように。

 

 

 まず、最上階。生産プラント。

 ジーン・ドーパント(脳改造済み)とオールド・ドーパント(脳改造済み)を配置する。ジーンで遺伝子組み換え受精卵づくりをして、オールドでそれを成人まで大きくする。

 

 一般作業員がそれを次の工程に運ぶ。

 調整した脳改造に関する知識と経験、技術を持たせた作業員が運ばれてきた者に脳改造を施し、メモリー・ドーパント(脳改造済み作業員)が記憶転写をする。それで作業員一体完成。

 

 がちゃこん がちゃこん と機械的には生産できないが、とりあえずまぁうまく動いて生まれてくれている。そして作業員を生み出すのとは別に、エサになる肉塊を生むレーンも作成。

 下に運んで、生産塔の横に肉山として積み上げればよかろう。

 

 

 

 

 生み出した作業員は、どうするかなー…とりあえず作ってみたものの仕事が……………。

 

 よし! 花壇の世話でもしてもらおう! この街には色がなくてならん。彩が足りないのだ。僕の街が、そんな殺風景じゃ寂しくて、情けない。花があればそれもまぎれるだろう。

 

 他に仕事……。ロードの元まで、エサをもっていく役割とか…? 食糧生産係(ジーン・オールド・メモリー)の予備とか、街のゴミ処理係とか。

 あとは命令思いつくまで「待機」で。

 

 

 にぎやかになってくるな、この街も。

 僕だけの街、僕だけのための街。僕のためだけに働く人形たち。たのしいなぁたのしいなぁ。わくわくするなぁ。いつか誰かを招いたとき、「馬鹿な…! 駒王町の裏にこんな巨大な街を…?! 」とか驚いてくれるかなぁ。そういうこと想像するとわくわくしてたまらないなぁ。

 

 

 

 

 今日もたくさん働いたね!

 僕、お疲れ様!

 

 自転車に乗って、しゃーっ!

 たこ焼き買って、牛乳買って帰る!

 

 

 帰宅!

 即シャワー。(外の穢れを家の中に持ち込むのはNG)

 

 

 いただきます!

 

 

 ………味が薄いな。マヨネーズとたこやきソース追加、追いマヨ&ソースビーム!

 どびゅっ、びゅるるる。

 ぶっかけ。

 …………変な妄想しちゃった。うっかりうっかり。

 

 改めていただきます! …ん~♪ マーベラス! ヤミー!

 

 

 ごちそうさまでした。

 

 歯を磨いて、テレビ見て、おやすみ~。………。

 

「今日は良い日だった。明日も楽しい一日でありますように」

 

 おやすみなさい。

 

 

 

 

 

*1
「ジーン」と「オールド」で生み出し成長させた人間に脳改造を施し、「メモリー」で記憶等を入力した、絶対服従の部下。これからは彼らのことを『作業員』と呼ぶ





タイトル元ネタは本編43・44話「Oの連鎖/老人探偵・シュラウドの告白」。
 子ども(老婆)そっちのけで喧嘩する母親が印象深かった。


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11日目「Zが呼ぶ危機/小休止 自分が倒れたら?」

 日常回です。バトルだったりはもう少し先になります。



11日目

 

 おはざーす。

 今日も一日頑張る………おやすみなさーい。

 

 

 

 

 …おはようございます。

 寒いよ。一月上旬さむさむだよ。冬だから、布団くんのあったかさには僕も負けざるをえないよ。

 布団くんが僕を放してくれないの…。まとめると、二度寝は最高に気持ちいということでございます。

 

 そんで、二度寝した結果、お昼でございます。お天道様は真上に行ってしまわれました。

 

 お腹空いた。最近食生活が不安定でいかん。もっと野菜とか食べて、毎日三食バランスよく栄養を取らにゃあ。あれだ、あれ。小学校で見せられたりしたコマみたいなあれ。

 

 明日からな!

 

 

 今日は不健康最終日として、カップうどんを二つ食べるのだぜ! 起き抜けに、カップ麺ずるずる…、血糖値上がるぜ~? 体に悪いぜ~?

 

 お湯と割りばし用意オッケー!

 

 じょぼじょぼじょぼ、5分待つ。

 

 

 

 いっただっきまーす!

 あっつ、あっつ! でもうっま!

 名前が微妙に変わってもうまさは変わんないな! うっま! 揚げとうどん、く~っ! うまし!

 

 汁も、食べ終わっていい感じに冷めたので飲んじゃう。ごくごくごく、あ~体に悪そ~、でもそこがいい。実際どうかはともかく、最高に濃くてうまい!

 

 

 

 ごちそうさまでした!

 

 

 食後のジャイロのそれ並みにどろどろのコーヒーを飲みつつ、スマホをいじくる。

 もう学生たちは年始休み終了かー。駒王学園もきっとそうなんでしょうなー。学園に潜入して「僕の気配を悪魔は果たして探り当てることができるのか」実験は、やるならば、もうちょっとしてからだなー。

 

 

 よっこいしょっと。

 万年床から体を起こして外出の支度をする。

 野菜と種を買ってこないとだからな。

 

 行ってきます。

 

 

 

 

 ただいま。

 

 シャワーを浴びる前に、

「ロード」

 

【変身】

 

 裏駒王に入る。

 

 生産塔へ。肉山がいい感じに積み重なってきた。これ、下潰れてない? だいじょうぶ? つぶれてるなこれは。下 腐葉土にするべきだったかもしれないな…。

 

 

 待機状態の作業員に命令を与える。

 動かなくなった連中の代わりを務めてもらうとしましょう。さすがに24時間休みなしで働けばぶっ倒れる奴もいるわな。待遇改善? いらないいらない。畑で取れる以上に簡単にスピーディーに生産できるんだから、人的資源はこの街で最も惜しくない資源だよ。休み休み使えばまだまだ動くのかもしれないけど、そんな休憩をさせるだけの価値が作業員には存在しない。なにより文句も言わないしね。良心が全く痛まない。

 

 

 ロードも多分死んでるし、もっと増やそう。

 

 作業員とりあえず100人くらい、来い。

 

 腕を広げて体から「ぼとぼと」と生体コネクタ手術用の銃と「ロードメモリ」と強化アダプターをそれぞれ100セット生み出す。

 

 はいこれ一人一台取りに来てー。

 

 はい、銃にメモリをセットして、腕でいいかな? 腕に押し付けて引き金引いてー。

 

 コネクタ手術できたー?

 できたらメモリに強化アダプター付けて変身してくださーい。

 変身しましたね。では強化ロード・ドーパント作業員の皆さん、各方面に散らばって、道を作り、この街を広げてくださーい。

 道を作るのに、肉体を消費したら、ここに戻ってくるか、一般作業員が肉塊を補給させに来てくれるのでそれを食べてください。

 

 命令は以上でーす。

 では、転送しまーす。動くなよー。

 

 

 

 ネオガイアドライバーを腰に押し付ける。

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ゾーン・アップグレード」

 

【変身】

 

 空間走査。

 ……………………、ロード・ドーパント転送座標。停止状態のロード・ドーパントと入れ替わりで、目の前の彼らを転送。+街の端に、余った分のロード・ドーパントを転送。

 

 

 確定。

 転送開始。

 

 

 

 ふぅ、疲れた。頭が痛い。情報の洪水が意外とつらいな、これ(ゾーン)

 それだけ街が広くなったということでもあるけどね。

 

 

 そして………くっさ! まじくっさ!

 死体引き寄せるんじゃなかった! くっさ!

 おえー、血肉やらなにやらの汁でぐっちゃぐっちゃだ。これは清掃部隊を増量せにゃならんな。街が死臭でおおわれるのはいかん!

 

 このくっさい死体は………ジーンで分解して肥料にしよう。

 園芸部隊ー! 集合ー!

 強化ゾーン、瞬間移動(アポート)

 

 はい、これ。肥料ね。そんでこれが、さっき買ってきた花の種。

 がんばってね!

 

 

 

 

 

 今日の仕事終了ー。

 頭がんがんしたし、鼻が曲がるくらいくっさい匂い嗅いだけど、メモリの影響か、テンションアゲアゲ~♪

 

 なにかしたいな~。でも、夕方だし。んー………。

 よし、漫画喫茶に行こう! 漫画喫茶のラーメンとか食べたいし。

 

 

 

 

 

 

 

 ただいま。

 

 とりあえずシャワー浴びる。

 外の穢れを、以下略。

 

 ………いやー、漫画は勉強になるなぁ。…なったなぁ。

 改めて、客観的に自分の陣営というものを考え直すことができましたよ、うん。

 自分の陣営が、いかに脆く、弱いものかということをね。

 僕以外が全員操り人形、指示待ち人間(ガチ)だから、「臨機応変に対応する」とかができない。僕が捕まればそれで終わり。

 いや、それはいいんだけど? そうなったとき、僕を助けに来てくれたりとかしないのよね。今の状態だと。せっかく勢力を作って、部下を作っても、いざという時頼りにならないんじゃなぁ…。

 

 準司令官、幹部格が必要だ。

 自己判断して、僕が考えつかないようなことも考えつくことができて、僕をサポートしてくれるそんな存在が。SITAPPA達を使役できるような幹部…。育成だな、幹部育成だ!

 やるなら最初からだ。裏切られてはかなわんからな。十分な実力と忠誠心を植え付けねば。

 

『すべては難波重工のために‼ 』

 みたいに、

 

『すべては裏駒王のために‼ 』

 と考え動くように教育しないと…。

 

 

 あとあと、僕自身の戦闘経験も積まなきゃ。今からじゃ遅いかもしれないけど、襲われたときとかに慌てず変身したり、とりあえず動けるように訓練しないと。

 

 あとは…準拠点の設置だ!

 

 

 “裏駒王”は見つかると考えておいた方がいい。

 原作4巻で、悪魔・天使・堕天使の和平協定することになって、以来重要な土地になる街だぜ? ありとあらゆる手段で危険がないか調べるに決まっているだろうが…!

 

 当然、異能的・魔法的な空間探査だって行うはずだ。

 勢力内の、専門の、ちゃんとした調査員がな! ………バレない未来が見えない。絶対バレる。

 人外の観測がどこまで及ぶのかわからん以上、「バレないバレない」と楽観しているわけにはいかない。

 

 それでも、あるいはバレないかもしれない、バレずに済むかもしれないから、その可能性を上げるため、ここからは街の拡張に変わって空間補正作業を徹底させる。二重三重に行わせ、“裏駒王”の存在を異物ではなくしていく

 裏と表の境界を限りなく薄く、限りなく一つのものとして補正し、いつか来る調査員・観測機械に同一の世界/空間だと思わせるようにしなければ………!

 

 そして、そこまでしても“裏駒王”の存在が露見してしまった時用に、第二の裏街をつくる。

 

 裏の裏だ。

 

 空間深度を上げて、深く深く、裏駒王をカモフラージュに、潜れるだけ潜って異空間を作るのだ。

 

 原作開始まであと4ヶ月と少し………やってやる!

 

 

 

 

 明日からな!

 




 幹部が誕生するのは、ここから3ヶ月後になります。
 ………ちゃうねん。サボるわけやないねん。ただいい感じの、幹部にふさわしいだけのやつが生まれるまでそれだけの時間がかかってしまっただけやねん。
 第二の裏駒王については明日。

タイトル元ネタはネット版第6話「Eが呼ぶ危機/永遠を盗んだ男」から。…そろそろ厳しくなってきた。

 では~。


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12日目「Rの迷宮/街よりも遠い場所」

ノゲノラの榎宮先生が花粉症にカルピスが効くって呟いていたのを思い出して、カルピス買って飲んだら、あれほど苦しかった花粉症の症状が全くなくなった。
 ありがとうカルピス。
 ありがとう榎宮先生。


12日目

 

 おはよう僕。9時起き、おそよう。

 

 朝飯は10秒チャージ! のあれ。一週間ぐらいこれだけ食べてると、うん〇出なくなるのかな。汚い? ごめんなさい。

 

 

 

 昨日寝る前に考えた通り、これから原作開始までの4か月は陣営の強化に努めることにする。

 

☆やることリスト☆

1.拠点隠蔽

2.第二拠点設置

3.戦闘訓練

4.人材育成

 

 

 まずは1だ。裏駒王にGo!

 

 

 

 昨日同様に、エサやら作業員やらの雑用をして、強化ロード・ドーパント作業員に新たな命令を下す。

 

『空間補正を全力で行え。道を不自然でなくしろ。この街を、この空間を、不自然なものではなく、自然なものとしろ。表の町と、境界がはっきりとしなくなるほどに』

 

 

 

 

 

 

 次に、2を。

 第二の“裏駒王”設置。

 

 僕自身がロード・ドーパントとなって、第二裏駒王設置を実行する。

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ロード・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ロード・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ロード・アップグレード」

 

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ゾーン・アップグレード」

 

 

【変身】

 

 強化ロード=ゾーン・ドーパント。

 

 

 ゾーンの能力とロードの能力を同機・共鳴させ、異空間の深奥まで、空間走査をかける。

 

 

 空間潜行開始。現存在空間と周辺異空間の歪みを修正、再設定。

 潜行………。

 

 

 

 

 …………………。

 

 

 

 

 

 

 到達可能限界空間深度…。

 ジャミングとして利用可能な空間捻れを発見。その直下に、アンカー固定。

 テレポート。

 

 彼方に道を切り拓け。

 

 

 ……………………………できた。

 が、苦しい。

 

 うぷっ、酔った。圧迫感が………。圧迫感ある。ロードで空間安定させて生存可能な空間にしたはずなのに。

 

 …いや、現実に空間が狭まってきている。ロードで切り拓いた空間が、外の空間圧で押されて小さくなってしまっている。

 

 

 ………あれだ。『ビットランド』だ。懐かしい。

 最後、どんどん世界が小さくなっていって、アイデアが書かれたハガキも縮んで読めなくなって、もうだめかーってところでの「イカを食ってもイーカー? 栄養があるからえーよー」…だっけ?

 なぜか記憶に深く刻み込まれている。なぜだ。

 

 じゃなくて、ん…………大体30秒で1センチってところか。

 ここを保持・拡張するには僕だけじゃ足りないな。第一の“裏駒王”からエサとロード連れてこなきゃ。

 

 

 

 

 ここまで深く離れた空間なら、人外どもも見つけられない…といいんだけどなぁ。希望的観測かなぁ…。

 

 

 

 一旦戻って、エサと強化ロードを十数体送る。

 転送は、数が多い事と、発見しにくいように空間捻れの直下につくったことで、難航。

 あれ、結構大変だぞ。

 さっき、作る前に、アンカー固定して今もそれはハズしていないのに、合わせられない。ブレる。

 

 

 仕方ない。脳みそ沸騰してしまいそうだが、何とかなるはず。

 

 

〔DOWNLOAD complete〕〔DOWNLOAD complete〕〔DOWNLOAD complete〕〔DOWNLOAD complete〕

 「ゾーン・アップグレード」×4

 

【変身】

 

 ガイアメモリ強化アダプターフルセットゾーンメモリ4本挿し。

 力を振り絞る。

 

 転送……っ!

 

 変身を解除する。

 

 

 

 

 

 鼻血が出た。

 倒れた。

 手がしびれて足がしびれて立てない。

 しっかりしろ。

 今はまだやることがあるだろ。

 

 

 ふるえる

 ふるえる

 震える手をそのままに、腕を振り上げて振り下ろす。

 

 

SALAMANDER(サラマンダー)

 

 へんしん…。

 

 

 

 

 

 

 

 治った。

 小説版仮面ライダーWに登場した、オオサンショウウオの記憶を内包する「サラマンダーメモリ」。その特性は強い再生能力。

 

 僕の肉体が負荷によって壊れてしまっていたとしても、再生してしまえば問題ない。

 

 

 

 …いや、問題はあった。

 

 腹が鳴る。「ぐ~ぎゅるるる」と腹が鳴る。

 空腹。再生でカロリーを消費したのか、尋常じゃなく腹が減っている。

 おなかすいた。

 

 

 

 家に帰る。

 

 

 冷蔵庫の中の食糧を片っ端から口に運ぶ。

 牛乳をパック飲みして、食パンを丸めて固めて飲み込む。食って食って食う。

 もぐもぐもぐもぐ。

 

 

 気づいたら、千と千尋の最序盤並みに食べ散らかしてた。フタ空きっぱなしだ。電気代やばい。冷蔵庫ぱったん。

 お外暗いから電気つけよ。

 

 

 とりあえずシャワー。

 

 さっぱり。

 風呂上りは牛乳だが、残っていないのなら仕方がない。唯一残っていた野菜ジュースを飲む。

 

 掃除しよ…。

 

 

 終わった。今何時? 17時? 何やってんだろ…まっしょうがないか。

 戦闘訓練はもう取りやめて、食い物無くなったからスーパーまで買いに行こう。

 

 

 あ、白菜安い。

 卵今日安い日じゃないよね? あー…はいはい、買おう。別に傷んでるわけじゃないし。

 あと、ポテチとポップコーン。コンソメとしょうゆバター味。

 それにー♪ ドーナツとー♪ ケーキー♪

 

 牛乳4本、ぶどうジュース2本。ワインも買ってみよう。最後に、肉。

 国産の、高いの。前世では金がもったいなくて、一度も買ったことのないような、高いやつ。

 買っちゃう。

 他人の金で。

 

 会計おねしゃっす。

 

 …重っ。

 飲み物買いすぎた 重っ。

 

 シャワー。外の穢れを以下略。

 

 風呂上り、牛乳ごくごく。

 っつあー! うまい!

 

 白菜と~卵ともやしと肉と、ハイ完成。

 ひとり鍋~!

 

 では、いただきます。

 おいしー♪

 

 

 ごちそうさまでした。

 食った食った。あー、おいしかった。お腹いっぱい食べて気力十分、活力充填100%!

 勝負に行くとしますかね…。

 

 

 

 真夜中、駒王学園。徒歩で来た。

 

 今回のミッションを再確認。

 「リアス・グレモリーを追跡。住居を探る」

 ………ストーキングじゃないヨ? 必要なことなんだよ、うん。

 

 ただまあ、この世界で、メモリ≒神器として、こちらの“気配”とやらが察知される可能性もあるにはあるから、超気をつけてストーキング実行しなきゃ。

 

 

 ここで待ち伏せをして、リアス・グレモリーが出てきたら、インビジブルとアイズを使って追跡を始める。

 

 

 

 

 

 ………まだかなー。

 

 

 




タイトル元ネタは本編41・42話「Jの迷宮/猟奇的な悪女・ダイヤモンドは傷ついて」です。
 日付が変わるまでにリアス姫 出てきませんでした。
 明日はこの続きからスタートです。



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13日目「Eが見ていた/かべのなかにいる」

多少強引です。無理筋なストーリーではないと信じたい。


13日目

 

 出てきた。

 ようやくだ。日付変わったぞ おい。もしかして転送魔方陣とかで帰ってしまったのでは、と考えて出直すかどうか悩んでいただけに、助かった。

 

 悪魔として、上級悪魔のリアス・グレモリーがどれだけの身体機能・感覚機能を持っているかわからない。

 

 ので、距離を置いて追跡を行う必要がある。

 さすがに、ピクシー並みの感覚*1ということはないだろうけど、一応用心しておくにこしたことはない。

 

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「インビジブル・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「EYES(アイズ)・アップグレード」

 

 

【変身】

 

 強化インビジブル=アイズ・ドーパント。

 

 

 音が出ないように注意した指パッチンで姿を消し、超強化されたアイズの視力で見失わないように遠方から追跡をスタートする。

 

 …気づく様子はない。普通に歩いている。

 

 足音、なるべく立てないように気を使っているが、今のところはそれも気づかれた様子はない。

 

 着いた。高級マンションっぽい。ブルジョワめ!

 オートロックで、入るわけにはいかないので目玉をとばす。

 

 アイズ・ドーパントの能力、眼球子機。見かけはなんだか、劇場版ドラえもんでよく出る、タイムパトロールの白いアレみたいな感じ。

 飛ばす。

 

 この眼球子機もインビジブルの能力を受けて透明であるから、怪しまれることはない。

 ………初めから、コレだけ送っておけばよかったんじゃないかな? …今さらだな。

 

 

 各階を監視させ、降りた階担当の眼球子機でリアス・グレモリーを追う。部屋番号入手。

 

 危ねっ!

 

 振り向かれた。目が合った。

 

 ………ジッと見ている。手が伸びる。

 

 

 ふぅ…。

 危なかった。

 僕自身が行っていたら触れられていた。

 目玉だけの浮遊移動可能な眼球子機だから回避できた…。

 リアス・グレモリーは部屋に入った。

 視線…かな。「なんとなく見られているような気配」とかで、バレたのかな。

 

 なんだかなー。わかるようなわからないような。

 

 さて、これからが長い。これから、リアス・グレモリーが登校するまで張り込みだ。

 6・7時間か…? この寒空の下………。ロマンだね!

 

 一度やってみたかったんだ、こういうの!

 さぁ、頑張るぞ!

 

 

 

 

 

 

 無理でした。

 寒いって。寒さには勝てないって。

 コンビニを渡り歩いて時間つぶし。

 

 ただ、張り込み先を注視しながらあんパンと牛乳をかッ食らう! は成し遂げた。

 夢とロマン的に、それはやらないわけにはいかない。

 

 

 

 

 

 朝。いい加減ねむい。

 学生たちの登校時刻。待っていたらリアス・グレモリーが出てきた。昨日は緊張していてそれどころではなかったけど、今は分かる。

 美人だ。

 比喩にならないが、「人間とは思えない美しさ」。

 この世界で初めて見る人外なわけだ。………うん、悪魔的な美だ。正直惚れてしまいそうなほどに。

 

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「インビジブル・アップグレード」

 

「バード」

 

「アイズ」

 

 

【変身】

 

 

 正直、強化する理由が見当たらないのでインビジブルのみ強化アダプター付けて変身。

 リアス・グレモリーが本当に学園に通うか。

 家を空けたと見せかけて…とか、そういうのでないかを確かめるため、朝追跡開始。

 

 昨日と違い、二次元的な監視では、他の生徒に紛れかねないので上空から監視できるように「バード」の力を使う。

 これならもし見つかっても逃げられる…はず。

 

 

 飛ぶ。

 …やっぱり空を飛ぶって最高。

 バード編の少年少女が夢中になっていたのも分かるというものだ。

 

 

 

 

 よし、登校した。校舎に入って、予鈴も…なった。

 よし。

 

 

 

 とんぼがえり、マンション前。これより、侵入を開始する。

 目的は、純血悪魔リアス・グレモリーの血液、体毛、皮膚片その他、遺伝子情報を利用可能なものの採取。

 Go! Go! Go!

 

 

 午前の屋外なので、気を付けて…。

 

「ゾーン」

 

「インビジブル」

 

 

【変身】

 

 透明化したうえで、浮遊し、部屋の隅まで近づく。

 

 空間走査………異物発見。なんだ? なにか…歪みを感じる。歪みというより…エネルギー…?

 普通の空間とは感じが違う…手を加えられたような………部屋の中の()()()がおかしい。おかしな点をスタート地点にして異物までをたどる。

 

 

 

 ………発見、完了。不可思議な“力”が線状に伸びている。これはセンサーだ。防犯装置的なものではない。不可思議なエネルギーライン。魔術的な何かなのだろう。効果は……わかんないな。魔術・魔法はさっぱりだ。

 

 でも、推測は出来る。転移阻害か侵入警報だろう。リアス・グレモリーはグレモリー家の次期当主であり、魔王サーゼクス・ルシファーの実の妹。悪魔の政治体系的に、王族とかそういうのではないけれど、ほとんどファーストファミリーに相当するVIP中のVIP。その彼女の住む住居にそれらの対策がなされているのは当然…のはずだ………たぶん。

 

 原作の三勢力のアホさ…もとい杜撰さを知っていると、想像しづらいけど、多分、そのはずだ。

 

 

 で

 

 

 前者、転移阻害なら侵入するのはやめておいた方がいい。帰れなくなるかもしれないわけだし。

 後者、侵入警報なら…これも入らない方がいい、だな。

 

 

 うーん。

 うーん。

 

 

 『力場』は部屋全体に及んでいる。スパイ映画みたいに、赤外線の隙間をぬって…とかは出来なさそうだな。

 

 

 

 ………ん?

 …………んんん?

 

 ………見つけた? かも、潜入方法。

 

 部屋全体の歪みに紛れて気づかなかったけど、壁にかかっている魔法陣の空間にもう一つ歪みがある。空間自体がねじ曲がって、どこかに繋がっている。あれだ、あれが多分ポイントだ。別の空間…冥界に異変を伝達する発信機。それがあの歪みなのだろう。

 

 であれば、あれを機能停止させてしまえば、異常が起きてもそれは伝わらない!………はず。

 

 どうする? やる? やらない? 別に危険を冒す必要はない。ここで悪魔の遺伝子を手に入れられなくても、後でまたチャンスはあるかもしれない。どうする…?

 やる。やってやる。

 

 

 隣の部屋に着地し、変身を解除する。

 

 

 だいじょうぶ。誰にも見られていない。

 

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「インビジブル・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「スイーツ・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ZERO(ゼロ)・アップグレード」

 

 

【変身】

 

 強化インビジブル=スイーツ=ゼロ・ドーパント。

 

 

 右手を握る。不思議な感覚。ゼロ・ドーパントの力は少し違和感を感じる。いつもなら体の奥から力が湧き出してくるような感覚を感じるのに、それが弱い。体の一部分が欠けたような、体に穴が開いたような感覚がある。ないのに、ある、というのも変な話だけど。

 

 

 

 ともかく、スイーツ・ドーパントの力で壁に自身を練り込み魔法陣の裏側の壁に潜りこむ。

 ゼロ・ドーパントの能力を右手に集中し、集中し、魔法陣に触れ、ゼロにする。

 

 

 できた? できたな? わからん。ゾーンメモリも挿してくればよかった。………それだと腕がなくなるから触れてゼロにできなくなるな。

 

 

 一旦「かべのなかにいる! 」な状態から逃れて、メモリ追加。

 

 

「ゾーン」

 

【変身】

 

 ………消えてる、な。けどこれ、やばいかも。力の流れが不自然に途切れて、冥界の方に異常が伝わってるかもしれない!

 

 しまった…! く~っ! ぶっつけ本番で適当に出力MAXじゃダメだったか…ッ!

 

 急げ! 瞬間移動! 潜入成功!

 

 警報鳴らず! 魔力的防犯装置は…反応なし!

 反応はしたけど、送信できていない! 何かないか? 何かないか?

 

 

 だーっ! ない!

 

 毛髪ぐらいならあるけど、それぐらいしかない!

 一番期待していた血液………トイレの屑籠の中のソレがない!

 

 

 どうする。

 どうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうする!

 

 

 あ、

 

 やばい、

 

 

 「くる」

 

 

 

 スイーツの力で壁に潜り込んで息をひそめ見つからないよう祈る。

 

 だめだ。見えなくても見つかるかもしれない。

 

 強化したゼロ・ドーパントの力で自分自身をゼロにする。気配…というものがあるのならそれを。匂いも、呼吸も、生命力も、全てをゼロに…………………………………………………………………………………こわい。怖い、怖い、怖い。

 自分が消えていく。僕が消えていく。音が遠くなる。感じていた恐ろしい存在の力も、感じられなくなっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 “誰か”は去って行ったようだ。

 まだ恐ろしい。捕まるのも、見つかるもの怖くて怖くて仕方がなかった。化け物に見つかるんじゃないかと恐ろしくて仕方がなかった。あんな、あれなのか。人外はやっぱり人外だな。悪魔はやっぱり悪魔だよ。人間が敵う相手じゃないよ。甘く見てたわ。スペックが違うね。実際に見て、感じてというのは本当に大事なのだなと分かった。

 

 メモリの能力が効くか云々はともかく、こちらは一発貰えばダウンしそうなのに、相手はそんなことないってのが酷いと思う。

 

 

 ともかく、去って行った。ゾーンの力で探ると、魔法陣は新品に張り替えられていた。

 ………この部屋にいる間は、このままで大丈夫だけど、転移したら警報が鳴るな、多分。ゲーム的に言えば、マップ切り替えが起こったときに作動するようなものだと思うし。

 出られん…。帰れない………。

 

*1
1㎞先で落ちた針の音を聞くことができる




 無理筋ポイント
・発見されないこと。

 タイトル元ネタは27・28話「Dが見ていた/透明マジカルレディ・決死のツインマキシマム」。えちえち。27話のヒート&トリガー一人ツインマキシマムも、28話のアクセル&ファングライダーツインマキシマムもどっちも好き。

明日、夜這い。


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14日目・上「悪夢なH/惑わす双丘(オパーイ)

 ドラマ版 掟上今日子の備忘録
 今懐かしんで見返しているのですが、超面白いです。
 これは止まらないやつだ。明日TSUTAYA行ったとき残り借りてきます。



14日目

 

 カチャン、と音が聞こえた。

 

 リアス・グレモリーが帰ってきたようだ。こんなに長い間ドーパントでい続けたのは、それこそロード・ドーパントになって暴走した時以来だ。疲れがひどい。体力がもたない。今すぐにでも変身を解除したい気分だ。半日以上何も口に入れてないからひどく腹が減った。

 お腹が鳴ってバレるかもと思って、ゼロ・ドーパントの力で空腹感を消そうとしたが、やはり初めから存在しないものを消すことはできないようで、失敗した。なんだか大嘘憑きみたいだなと思って少しおかしかった。

 

 

 

 

 リアス・グレモリーが眠った。多分。ここ寝室じゃないからわからないけど、電気消していったし多分そうだろう。

 

 そっと、壁の中を泳いで寝室まで移動する。

 寝室といっても尋常じゃなく広い。ブルジョワめ! お貴族様か、そうだった。

 

 ………眠っているらしい。不用心にもほどがある。立場や強さゆえの驕りということだろうか。「まさか自分を襲いに来る者がいるはずがない」「寝込みを襲われるなんてありえない」「私に手を出せば、グレモリー公爵家が、魔王(お兄様)が黙っていないのだから」

 

 ってか?

 まぁそうだろうよ。僕もそれは怖い。だから、『ちょっとだけ…ちょっとだけだから…』だ。

 

 

 ひっそりと、身をひそめ、変身を解除する。

 メモリを服で押さえて、ガイアウィスパーが響くのを何とか最小限にしつつ、メモリを4本ネオガイアドライバーに挿しこませる。

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「NIGHTMARE・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「NIGHTMARE・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「NIGHTMARE・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「NIGHTMARE・アップグレード」

 

 

 

 僕のネオガイアドライバー、ダブルドライバーと違って、『ガキィンッ! ドゥルルン! ガキィン! ドゥルルン!』とか鳴らないから、そこは本当に助かる。神に感謝。

 

 

【変身】

 

 強化アダプター装着、メモリ4本、最大出力単一ドーパント。

 

 力が溢れてくる。

 

 最大最強の悪夢(ナイトメア)でリアス・グレモリーを悪夢に閉じ込める………!

 

 

 

 

 

 …………………………………。

 …………………………。

 ………………………。

 ……………………。

 …………………。

 

 ここが夢の世界か…。…! ディケイド並感。うわ、素で出た。素で、ここが夢の世界か(キリッ! って言っちゃった! なんだか恥ずかしぃ…!

 

 ともかく、リアス・グレモリーの夢世界に侵入できたわけだが…? 本人はどこだ~?

 

 

 発見。秒で発見できた。表彰的なものされてる…レーディングゲームか? そういえばこの人夢はゲームでチャンピオン? トップランカー? になることだっけ。幸せな夢を見ているようだ。

 

 邪魔な観客をどけて近づく。

 

 夢の中では、ナイトメア・ドーパントは全能であり無敵。フィリップのように精神体で入ってくる特別な存在でなければ、抵抗すらできない。

 

 彼女は表彰され、魔王から王冠を与えられようとしていた。

 

 彼女が礼をして、頭を下げている間に魔王サーゼクス・ルシファーに化けて、入れ替わる。

 そして、王冠をかぶせるように、「ドリームキャッチャー」を被せる。

 

 う、とリアス・グレモリーは一瞬顔をゆがめて、頭を上げようとしたが、その前に倒れ夢の中で悪夢に囚われた。僕が解かなければ二度と醒めない夢の中へ。

 

 

 

 

 現実世界に意識を戻す。

 変身を解除して、抜き足差し足忍び足

 で近づく。

 

 ………うなされている。

 しっかり悪夢に囚われているようだ。

 ちなみに彼女の額には“H”の文字も“G”の文字も浮かんでいない。イニシャル浮かばせる必要特にないからな。むしろそこに残っていたエネルギーから…とかありえるし。なので額含めて綺麗なお顔です。………まじで綺麗だな。苦悶の表情もどこかエロくて、エロイな。

 

 ………………なにしても起きないんだよな。

 

 

 ごくり…。

 

 

 

 

 

 

 ! だめだだめだ! したいけども! 寝込みを襲ってみたいけれども! その豊満な胸を遠慮容赦なく揉みしだいて、乳肌の感触を味わいながら自分勝手に腰を振って顔や胸や中に精根尽き果てるまで………とは思うけど、我慢。

 

 我慢…。

 

 我慢………。

 

 がまんっ………!

 

 

 我慢といえばアホ牛こと、ランボを思い出すんだけど、今の子は分かるのかな。リボーンもよくよく考えればだいぶ前の作品だしなぁ………。

 よし、思考逸れた。悪魔に対して、いつまで効果を発揮するかわからないからな。こんなちんたらしている暇はないよ。

 

 

 

ARMS(アームズ)

 

【変身】

 

 アームズ・ドーパント。

 アバレッドもとい倉田剣児の、

――「メモリを捨てるぐらいだったらな…人間を捨てるね………!」

 が印象的だったドーパント。

 まさに『覚醒剤やめますか? それとも人間やめますか? 』で人間をやめる方を選んでしまった彼。

 

 ま、気持ちは分かる。

 

 僕は今メモリの“悪い”影響がなく、メモリを利用できている。力を手に入れられている。でも、毒素で心と体がボロボロになったとしても、この力を手放すという選択は取れないだろうな、と思うんだよね。必要だからというだけではなくてさ、メモリを使って得られる幸福感というか、解放感というか、「今の自分は何でもできる、なんにでもなれる! 」という全能感は、一度味わうと、離れがたい。

 メモリに限らず、力ってのは怖いな、って改めて思うよ。

 

 

 さて、やることさっさと済ませようか。

 

 銃にも剣にも変形可能な左腕を、注射器に変える。

 採血。

 

 Oh………そういえば、寝るときは全裸とか言ってたな。冬だよ? 一月の真冬だよ? 裸で寝るなよ………。うっかりおっぱい見て劣情が燃え上がりそうになったじゃねぇか…。変身前だったらヤバかった。セーフ。

 

 

 

 …………よし、こんなもんかな。ざっと400ml。傷は蚊に刺された程度だし、バレないバレない。

 

 ………念には念を、だ。

 

「ジーン」

 

【変身】

 

 アームズ=ジーン・ドーパント。

 

 ジーンの能力で、多少強引に傷を元に戻す。痒いかもしれないけど、夢の中だし大丈夫だろ。血管含めて傷一つなく…できた。

 

 任務完了。

 …………。少しぐらい………だめだって。

 だめよーだめだめ。

 我慢だ。我慢 我慢だ…!

 

 遺伝子レベルで同一なリアス・グレモリーとなって、何食わぬ顔でドアから出て帰る。

 

 できた。できた。

 

 あ、悪夢(ナイトメア)。解除しなきゃ。

 

「ナイトメア」

【変身】

 

 かーいじょっ!

 

 

 ただいま。

 シャワーを浴びて、りんごを食べて、飯の準備をする。

 

 冷凍食品のメンチカツがあった。レンチン。

 

 いただきます!

 

 

 ごちそうさまでした。

 腹が減ってたからたくさんおかわりできた。

 腹いっぱい。あー食った食った。

 

 寝る。

 疲れたー。おやすみなさーい。

 

 

 

 

 

 

 




タイトル元ネタは29・30話「悪夢なH/眠り姫のユウウツ・王子様は誰だ?」から。


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14日目・下「Hにさよなら/貴女を誰より愛してた」

 おはようございまーす。

 目が覚めて、スマホを見ると17時。…おそようございまーす。寝すぎじゃい…!

 ………やっぱりメモリ4本使うと疲れるんだな。

 

 

 “裏駒王”に飛んでみる。

 第二裏駒王が消えていた。圧空されてしまったみたいだ。エサがなくなったロード5体はそのまま死んで空間の圧迫と共に消滅してしまったようだ。南無…。

 

 

 

 第二裏駒王設置完了。もう一度同じことをするというのは精神的にも結構疲れた…。

 

 エサを置くだけで、第一の“裏駒王”同様に、自主生産できるように、生産塔を設置しておかなかったのが、消滅の原因だな。反省…。

 

 街の基盤作って、ロードやら送り込んで疲れたし腹が減ったので肉山をちょっとつまむ。

 

 

 やっぱり生ものは腐りかけが一番食べやすくてうまいな。………………………………?

 

 

 ………ッ!!

 何やっとんじゃワレェ。普通に人肉食してた。疑問にも思わなかった。ちょっと作業の合間にお菓子食べるぐらいの気安さで、とても自然に人肉喰らってた。こわっ………。

 

 

 

 …………………ともかく、血液サンプルが手に入った。これで何をするのか…。ま、わかりきってるよね。悪魔の人口生産を行います。

 

「ジーン」&「オールド」の作業員製造ラインに、新たに人造悪魔兵士製造ラインが出来上がるわけだ。

 

 めでたい!

 

 

 純血の、

 上級悪魔の、

 序列一位のバアル家の、

 血統に由来する「消滅の魔力」を高確率で有した子どもを鍛え上げて、上級悪魔の軍団を作る。そしてその上に、幹部格と僕。そういう組織にする。

 わくわくする。

 

 いいじゃないか、いいじゃないか!

 

 

 

 

 

 では、数日ぶりに、

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ジーン・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「オールド・アップグレード」

 

「死神博士」

 

「メモリー」

 

 

【変身】

 

 

 

 

 

 

 

 血液を元にDNA抽出・解析。

 変換。

 精細胞&卵細胞

 人工授精…完了。悪魔の生殖能力は………という話だったが、ジーンと死神博士の力があれば、やってやれないことはない。

 超科学を舐めるなよ! 『地球なめんなファンタジー』…だっけ? 今どきはなぁ! 科学神話なんだからな! 現代において人間は、聖書の神やら悪魔やら何やらよりもよっぽど「科学」を信仰しているんだよ!

 

 

 

 

 

 

 今どき、神様の存在は信じていなくても、宇宙人の存在を信じている人の方が多数を占めるんじゃあねえの? そういうことだよ!

 神様やら妖怪やら、そんな目に見えない不確かな迷信は信じないという人でも、宇宙のどこかに、遠く何万光年も離れたどこかに超文明を築いて星々をまたにかける宇宙人が存在しているというのは、なんとなく信じちゃうんじゃねぇの? そういうことだよ!

 例えば、この地球に命が芽生えたことも、空のかなたの宇宙人が手を加えて、人間を生み出し文明進化の手助けをしていたと、そんな妄想を心のどこかで「もしかしたら」と信じる人はいるんじゃねぇの? つまりインキュベーターだけど! そういうことだよ。

 古代の魔法や魔術は信じられなくても、ドラえもんが出す未来のひみつ道具なら信じられるという人はけっこうたくさんいるんじゃねぇの? そういうことだよ!

 ウルトラマンは神ではないとはいうけれど、見る側にとっては完全無欠のまるで神様のような存在に見えることもあるだろうよ。「科学神話」………人間はどこまでいっても多かれ少なかれ、信仰からは逃れられないのかね…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ねるねるねるね。

 ねるねるねるね。

 

 受精卵、オールド精神干渉波照射。

 成長(ろうか)開始。………20歳前後、成長停止。

 

 脳改造手術、開始。感情阻害と命令遵守・反抗不能の施術終了。

 

 

 メモリー・メモリ、『学習装置(メモリー)』インストール。対象へ、言語・倫理・運動等の知識経験入力完了を確認。

 

 

 製作過程全工程終了。完成。

 

 

 ふうー………綺麗だ。紅い髪、白い肌、女性的発達をした局部。目を閉じ目覚めない状態であっても神秘的な美しさと、誘惑するような淫猥さに満ちた雰囲気。

 素晴らしい…。

 

 

 では、

 目覚めよ! 人造悪魔第一号!

 

 ……………!

 …………。

 ………?

 

 

 

 失敗だ。

 動きはした。動いて、言葉を発して、問いかけにもこたえた。

 

 知識は間違いなく入力されているし、体の動かし方も経験として身についていた。人格形成も問題なし。

 だけど、まさか“魔力”を使うことができないとは…なぁ………。

 

 

 一号くんによれば、

「自分の中にエネルギーがあるのは分かるが、それをどうやって外に出したり、動かしたりすればいいのかさっぱりわからない」

 

 とのことだった。意訳だが。

 ………こういうのは本能的に使い方が分かったりするのではないのか? 鳥が生まれつき、誰に習うでもなく求愛のダンスを踊ることができるように。

 

 

 

 

 ……………人間の「記憶」を入力したのがいけなかったのか? 本能を、後から入力された知識と経験が封じてしまっている…のか?

 ありえそうだな。ありえるか…? じゃあ転生悪魔はどうなんだよ。あれも人間ベースで、悪魔になったとたん魔力使ってるぞ。

 

 …う、む………。純血と転生の違いとか…? 悪魔の駒には魔力の使い方だインストールされてるのかもしれん。

 

 今は仮定でもいいから実験してみるべきだ。とすると…必要なのは「悪魔」の記憶………。いやだ、もう一度侵入はイヤだ。それに無理だろ。

 監視カメラ写ってるよな? データ消してないもん。リアス・グレモリーが部屋の中にいるのに、外出するという異常事態がカメラにばっちり写っちゃってるもん。警戒レベルMAX案件だろ。ことによっちゃあリアス・グレモリー冥界に呼び戻されるかもしれないほどの。

 

 あとは…学園に侵入して~とかだけどなぁ。

 僕正直、リアス嬢の性格好みじゃないんだよなー。いや、ああいう性格もいいかもしれないけどさ、僕構ってあげたい派なんだよね。わかってるよ? 好きな相手には割と甘えん坊な感じになるってこともさ。でもさぁ…タイプじゃないんだよねぇ………。

 

 

 

 

 んー………。記憶…メモリー…思い出…奪えない…奪えない? 奪えないなら…作る………、作る。思い出作り…アルバム? 家族?

 …………………家族? 育成、養育。光源氏計画!

 

 

 そうだ! 子育てだ! 僕がパパになるんだよ!

 ………いやいや時間がないだろ。原作開始までおよそ4ヶ月、とてもじゃないが子育てには時間が足りない。最悪自我形成までもっていって、戦闘訓練させないと戦力にならん。

 うーん。

 うーん。

 

 

 ………時間がない……時間が…時………時? 時…時…「精神と時の部屋」?………!!

 せや! ()()と時! 精神を時間の流れが異なる空間にもっていってそこで20年ぐらい過ごさせる! その時間で僕は兵士となる赤ん坊を養育する!

 

 これだ!

 

 時間の異なる空間といえば、今日体験したアレ、夢世界だ! ナイトメアの能力を使えば、寝ている間に夢の世界で何年も時を過ごすというそういう一種の悪夢的体験が可能のはず!!

 

 あれだ、『ゆらぎ荘の幽奈さん』で千紗希ちゃんが陥らされた「あまりにもエグすぎる仕打ち」だ。あるいは世にも奇妙の懲役30日。

 

 

 よし、それならそのための準備をしよう。

 

 

 夜中、駒王学園到着。「メモリーメモリ」にこの学園の記憶を吸い上げさせ、記録する。劇場版でプテラノドンヤミーがやったやつ。………USBメモリって記録媒体だよな。初めてそれらしい使い方をした気がする。

 その土地に染み付いた、その土地・建物が記憶している「記憶(メモリー)」を吸い上げ記録する。

 

 

 ………ジョジョ6部で最後に登場したディオの息子*1のスタンド能力*2思い出す。名前なんだったかな…。とんでもなく不幸だったことと、最期プッチに利用されたことは覚えてるんだけど………。

 

 

 よし記録終了、帰る!

 あ、もう一つ寄っていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 では、これより第二次人造悪魔製造実験を開始する。

 …オールドによる成長までは完了。脳改造は…精神の成長に悪影響かもしれないからまだやらない。

 中身空っぽの『体は大人、頭脳は子供』な二号くんの夢世界にダイブする!

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ナイトメア・アップグレード」

 

【変身】

 

 強化ナイトメア=メモリー=死神博士・ドーパント。

 

 行ってきまーす!

 

 

 

 子育てって大変だな。寝る・食う・出す、どれなのかわからんし、ぐずるし。夢の中だから全能の僕は眠くならず、疲れることもなく構っていられる。でも、現実ならうんざりするだろうな…。

 

――「どんなに愛おしくても、ふとした瞬間壁に叩きつけたくなる」

 

 ってどこかで見たことがあるけど、今なら理解できる。

 名前を呼んで、笑いかける。そうすると笑い返してくれる。可愛い。

 はいはいミルクミルク。彼女の方も、空腹や疲労を感じないように設定すれば楽なのかもしれないけど、それでは変に成長してしまうかもしれないからな。できるだけ現実に沿って育てないと。

 夢の中なのに現実のようにとは、これいかに。

 

 なにはともあれ、学園の後、幼稚園寄って記録しておいて助かった。子育てやらなにやらの記憶がどっさりで慌てることなく育てられた。ミルクとかね、僕作ったことなかったし、この幼稚園の記憶がなかったら夢世界で生み出すことできなかったかもしれないし。

 助かった。

 

 子育て一年目、訳の分からない行動をとっていたから、注意しようと思ったけど、観察していたら図と笑顔なことに気づいた。体を動かすことが楽しくて仕方ないみたいだ。今も延々とふすまの開け閉めをしているが、楽しいんだろう。多分。

 

 子育て二年目、これがイヤイヤ期というものかと思ったが、彼女なりに自分の中で決まったルールがあることに気づいた。幼いなりに、基準を定めて選択をしている。観察は大事だ。

 

 ハッピーバースデーリリス。5歳の誕生日おめでとう!

 

 

 

 

 ハッピーバースデーリリス。もうお前も18歳か…立派な悪魔になってくれて、お父さん嬉しい!

 早いなぁ…。ここに来たのがつい昨日のような………そういえば現実世界では一日だって経過してないんだっけ………。

 現実に戻るのか………、もうずっと夢の世界で暮らせばいいのでは? もうさぁ…現実なんかいいじゃん。ずっと夢の中で暮らそうよ。現実なんか苦しいだけじゃん?

 

 

 ハッピーバースデーリリス。20歳誕生日おめでとう。教養を備えた、自立した精神性を持った淑女に育ってくれて、本当にありがとう。

 20年間楽しかったよ。きみを育てられたことは僕の一生の自慢だ。

 でも幸せな夢はお終いだ。夢はいつか覚めなくちゃいけない。

 一足先に目を覚まさせてもらうよ。

 現実で会おう。ばいばいリリス。愛しい子。

 

 

 

 

********************

 

リリスが僕をパパと呼んでくれるようになってからいろんな事があって、

 

大変だったことも、ケンカしたこともあるけど

 

だけどやっぱり楽しくて 嬉しくて

 

幸せだったことばっかりを思い出す。

 

僕の子供になってくれてありがとう

 

大好きだよ リリス

 

 

 

 

*1
ドナテロ・ヴァルサス

*2
アンダー・ワールド…地面が記録している過去の出来事を掘り起こして再現できる能力




 この後、目覚めた主人公は20年間大切に育てた娘を脳改造して自分に絶対服従の無感情戦闘兵士に変えます。



Q.なんで?
A.だって…魔力使えるはずだし…反抗されたら怖いし。

Q.愛してないの?
A.愛してるよ! でもそれ以上に、やっぱり怖い。

Q.娘を信じられないの?
A.………信じられない。僕はリリスを愛していたけど、リリスが僕をどう思っていたか本心は分からないし。

Q.なんで名前「リリス」?
A.女性の悪魔といったら「リリス」じゃない? ほら、『エロ魔物娘図鑑』でもさ。
Q2.………あれは「リリム」ですよ?
A2.………まじか。……………まじかー。



タイトル元ネタは本編最終話「Eにさよなら/この街に正義の花束を」より。


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15日目・上「さらばLよ/永遠の愛娘」



3/29)追記しました。→食糧事情。「完全栄養食」


15日目

 

 現実世界に帰還。

 …………………………………………。

 

 え? それは奇妙だ。 落ちる。 私は立ち上がらない、声を動かすことはできない。

 はい? 私の考えは明確ではありません。

 有形です。 それは振り向くカルーセルです、おはよう。

 こんにちは、リリスが待っています。 転がします。 大丈夫ですか ?! 転がし、傷 それは素晴らしいことです。 リリスは強い子です。

 

 

 ………………………………………………。

 

 あなたが変換を回さないならば。 悪夢に来てください。

 サンショウウオが遊ばない場合 脳は変です。 痛みがなければ最高級に危険です。

 私は死にます 頭は圧縮されたメモリの二十五年で沸騰しています。 脳の回路は期限切れになります。

 

 

 

「サラマンダー」

 

【変換】

 

 

 うぐッ!!

 

 あ、あああああああ!

 

 

 あぁ、ぐぎゃっがぐががあががあがが!!!

 

 

 

 あ、

 

 

 

 

 

 

 目が覚める。

 裏駒王の手術室。人造悪魔第二号――改め、リリス。彼女の横たわる手術台の斜め下、床の上で目が覚めた。

 

 床を見ると赤黒いバキバキに固まった血が床を覆っている。

 というか、僕の血だ。眠っている間に、死にかけた間に、サラマンダー・ドーパントの再生能力で何とか峠は越えたようだが、これは致死量のような気がする。良く生きてたな、僕。

 

 あの思考が纏まらない状態で、メモリを起動できたのは奇跡だ。僕は奇跡によって生かされている。

 

 ともかく…体がとてもだるい。再生したといっても傷ついて壊れた箇所を修復しただけで、体の外に出行った血は戻ってないんだから、な。

 よく生きてるな、というかなんで生きてるんだ? 体の不思議については詳しくないけど、確か人間って三分の一以上血液失うとやばいんじゃなかったっけ………どうみてもそんなもんじゃないけど……。

 

 

 

 怖いからこれ以上考えるのはやめておこう。

 

 立ち上がって、リリスを見る。よく眠っている。僕が現実に帰っても、彼女はいまだナイトメアの術中の中にいる。

 僕が能力を解除しない限り、目を覚ますことはない。

 リリス…、愛してる。この世の誰よりも。

 

 ごめんね。お前は優しい子だから…戦うなんてそんな勇ましい子じゃないのに、僕はお前を兵士にしないといけない。最初からそのつもりだったんだ。ごめんね、ごめんね。

 最低の父親でごめんね。

 

 

 

 一旦帰って、シャワー浴びて汚れを落とし、飯を食って歯を磨いた。

 泣いた。

 20年間の記憶、リリスとの思い出。つらかったことも大変だったことも、楽しかったことも嬉しかったことも、何もかも覚えている。頭の中に刻まれて、ふとした瞬間に思い出がフラッシュバックする。

 なんとなく泣いてしまう。感情が抑えられない。罪悪感と後悔と、自分のエゴへの怒りが絶え間なく心を揺らす。

 布団にくるまって、枕を握りしめて絶叫した。ただひたすら咆えた。そうしてないと暴れだしてしまいそうだったから。なにがなんだかわからなくなってしまいそうだったから。

 

 そうしていると、涙が涸れて、喉が涸れて、心が凪のように穏やかになった。

 どんなに苦しく荒い感情も、時間がたてば人は慣れる。そんなことを頭の片隅でぼんやりと考えた。

 

――『どうでもいいと思うことだ。何もかも、どうでもいいと思えばいいい。生きても、死んでも、人類がどうなっても――どうでもいい。そう思えばつらさも減る』

 

 

 掃除をして、顔を洗って、顔を上げる。

 ………酷い顔。

 口の端を持ち上げる。

 笑顔。

 

 リリス。

 

 

 だめだ。だめだって。甘い方に流されちゃだめだ。絶対に、しないといけないことなんだ。僕は分かってる。

 このまま、リリスはこのままで、僕の側にいて欲しいだなんて、そんなのは甘い考えだ。

 僕は悪いやつなんだ。

 リリスは立派に育ってくれた。綺麗で頭がよくて優しくて頼もしい子に育ってくれた。

 だから、僕がしていることを許さないだろう。

 僕は許されない。

 きっとリリスは怒るし、泣くし、僕を嫌いになるだろう。軽蔑されて殴られる。やだなぁ、やだなぁ。

 嫌われたくない。リリスに嫌われたくない。辛い。苦しい。こんなことになるなんて、こんな思いをすることになるなら、始めから作らなければよかった?

 

 記憶を消せばこの苦しみも消えるのかな。

 ……………………消したくない。楽しかったし愛おしかった。僕とリリスが過ごした20年は、夢であったとしても本物で、かけがえのないものだから。

 消したくない失くしたくない。苦しみも罪悪感も怒りも、後悔も、全部抱えて僕は前に進まなきゃいけない。

 

 

 笑う。笑え、笑え。これくらいなんてことない。全部笑って流せって。

 楽しく行こうじゃないか。

 結局自分の勝手だろ? リリスだって………。

 

 あんなのはただの兵士だろ。そのためにつくった、そのために育てた。そうだろう? あれは人造悪魔二号だそれ以上でもそれ以下でもない。そうだろう?

 

 

 気楽にいこう、楽しくいこう。

 娘を脳改造して兵士に仕立て上げるなんて最高にサイコじゃないか。燃えるシチュエーションだろ? 最っ高にクールだろ?! 最高にロマンだろ! テンション上がるだろ!!

 

 なあ!

 笑えよ!

 馬鹿みたいに笑って、狂ったように笑えよ! テンション高くキャハキャハ笑ってよだれを垂らして喜べよ!

 

 なあ! おい!

 

 

 つまらない。弱くて、薄っぺらいままだ。僕は力に流されるだけの弱者だ。

 嫌なのに、したくないのに、「改造しない」という選択ができない。

 愛してるのに、今もずっと愛してるのに。

 

 

 ごめんなさい。

 僕は僕の心を抑えられない。ごめんねリリス。

 

 

 

 

 

 

 “裏駒王”。

 リリス、さようなら。

 

 

 

「ジーン」

 

「メモリー」

 

「死神博士」

 

 

【変身】

 

 

 僕一人でやる。

 リリスの記憶をコピーしてバックアップを作る。

 

 これより、人造悪魔第二号「リリス」の脳改造手術を始める。

 

 

 

 

 

 

 手術成功。

 問題なく、絶対服従と感情制御の術式が終了した。

 

 …………………………。

 

 

「ナイトメア」

 

【変身】

 

 

 解除。

 リリス、起きろ。

 

 

 ……………。

 ……………。

 …………。

 

 う、あ、ああ。うぅぅぅぅぅぅあああああ。

 くっ………ああっ………………………ッ!

 うぁああああ……………っ!

 

 

 

 

 結論からいって、実験は成功した。

 脳改造を終え、起動したリリスは魔力を操ることができ、兵士として申し分のない性能を持っていた。

 彼女の記憶を作業員の製造工程と同様の手順で生み出した人造悪魔に転写すると、その人造体も魔力を使用可能になることが分かった。

 

 これで、消滅の魔力を有した上級悪魔の軍隊を作り出すことは可能となった。兵士はいついつでも増産可能であり、リアス・グレモリーの子とも言うべき彼らには恵まれた才能が眠っていると考えられる。

 これから原作開始までの4ヶ月間、全てを訓練と鍛錬、魔力や体術の習熟に努めさせれば、最上級悪魔、魔王クラスの戦力になる可能性がある。

 そうすれば僕の勢力はおよそ敵なしになる。少なくともインフレ前は。

 

 作業員ドーパントを新たに作り、連れてきて、

「悪魔兵士生産工場」を建てた。

 

 今この時も生産されている。

 リアス・グレモリーの血液サンプルを培養し、それも元に

「ジーン作業員」が受精卵を作り、

「オールド作業員が」20歳前後まで成長させ、

「手術用記憶入力作業員」達が脳改造を行い、

「メモリー作業員」がリリスの記憶を入力する。

 

 そうして人造悪魔兵士がぽかじゃか生まれてくる。

 

 

 とりあえず、その生産工場を5つ作った。

 一つの工場から、一日で500人は作れるはずだから………300万人…? まぁいけるな。

 

 食糧と土地はどうとでもできるし。

 

 生まれた兵士たちに命令を与える。

 工場に隣接して建てた高層マンションに住んで生活しろ。家事は自分で、健康に生きろ。

 訓練しろ、鍛錬しろ。滅びの魔力を強く巧く扱えるようにパワーアップしろ。体術もほどほどに特訓しろ。

 

 

 人造悪魔兵士たちが生活するための生活必需品や食料を用意する作業員ドーパントも近くに配置する。

 

 

 

 ん、んー…。

 食い物わざわざ用意するのって非効率かな。

 「死神博士メモリ」の中の知識を探る…………………………………。

 

 

 

 見つけた。完全栄養食*1 *2。作り方も………まぁまぁ複雑だけど問題ないな。この知識を共有し、工場を稼働させ大量生産する。

 味がしないのがけど、人造悪魔兵士は味がしなくても文句は言わない。楽でいいな、本当に。

 

 食糧生産ラインと運搬ラインを構築。できた分から兵士寮に箱で届けるぞ!

 

 

 

 

 よし、システム構築完了。作業員についても命令完了。

 

 

 

 

 

*1
映画ドラえもん のび太の恐竜2006にも登場したひみつ道具『コンクフード』のようなもの。

*2
見た目的にはカロリーメイトのようなゼリーパック




 割と真剣に命の危機。
      &心の危機。

 スタートの奇妙な文章は「再翻訳」です。
 【変身】は割とどの言語でも、【変換】になってへー、と思いました。


 タイトル元ネタは本編17・18話「さらばNよ/メモリキッズ・友は風と共に」から。


IF.『もしも脳改造を施さず目覚めさせていたら』
→今までの自分の人生が全て作り物だったと知ったリリス、自害。娘が自殺したことで心を病む。
→“父親”の所業に絶望と恐怖を抱いたリリスが主人公を殺害。

 脳改造していないと主人公は殺されるか狂うかします。BAD ENDルートに行かないためには脳改造するしかありませんでしたとさ。




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15日目・下「唇にLを/代替物の代替物(オルタナティブ・オルタナティブ)

 投稿開始から2週間。UA10000突破、お気に入り90。総合評価90pt! 評価投稿4人(9・9・5・1)! 感想17件!
 わーい(*^▽^*)わーい
 感想、評価、UA全部励みになります。ありがとうございます。

(あとで消す↓)
 わたてん最終回………まじで『私に天使が舞い降りた!』………一緒に見てたおばあちゃん(4月から入院)も「あらすごいわねぇ…」って言ってた。
 

 ではどうぞ!


 

 

 

 あ、第二裏駒王の様子を見に行かないと。

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ゾーン・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ゾーン・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ゾーン・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ロード・アップグレード」

 

 

【変身】

 

 

 アンカー発見。

 ………………………………………転移。

 

 ふぅ…汗かく。負担は前に来た時よりも少ないな。慣れてきたか。

 

 うんうん。生産塔機能してるな。いい感じ。

 拡張は順調。第二裏駒王ももう少しで第一と遜色ない街になるだろう。そうしたら………迷路のように伸ばしたり飛び地にしたりして、初めて入ったやつは迷うような空間に改造しよう。

 

 戻る。

 空間深度の深い空間から浅い空間に行くと、寄ったような感覚を覚えるな。くらくらする。

 

 

 

 強化ゾーン、3本分の空間走査………。

 表と裏の駒王町………“擦り合わせ”完成度………・…………「低」…まだまだだな。

 限りなく表裏一体に近づかないと安心できない。早くそうならないものか。

 

 

 

 

 人造悪魔兵士生産工場に戻る。

 「リリス」がたくさんいた。

 でも「リリス」はどこにもいない。もういない。たんぽぽのような可愛い笑顔を、僕に向けてくれた彼女はもういない、もういないのだ。

 

 彼女はもう笑わないし、悲しまないし、怒らないし、驚かない。

 

 リリス、と呼ぶとその場の誰もが反応した。

 第二号、とは呼ばなかった。それは彼女の名前じゃないから。探しても、もう遅い、もう意味はない。彼女は兵士になった。僕が兵士にした。頭の中をいじくり回してリリスから「リリス」を奪った。

 リリスだった誰かは、もう兵士の一人でしかなくなったのだから。僕はもう二度と彼女には会わない。

 さよなら。

 

 

 

 

 

 沈んだ気持ちのまま、工場の周りを歩いているとぼんやり立ち尽くす兵士に会った。

 

 なんでこんなところにいるんだというと、「?」というような動作を行う。

 人造悪魔兵士ならマンションに行けというと、自分は違うと言う。

 

 は?

 ………そいつは第一号だった。

 リリスの前、人間の『学習装置(メモリー)』を入力したために魔力を扱うことができなくなり、放置していた第一号。

 命令していなかったため、てくてく歩いてここまで来たのだという。

 ………そういえば放置してたわ。命令も…出してなかったな。

 

 

 ………こいつにも「リリス」の記憶を入力するか。廃棄するのも、潰してエサにするのも、もったいないし…。

 

 

「メモリー」

 

 ………。

 

【変身】

 

 

 

 記憶(メモリー)強制入力(インストール)

 

 

 

 

 ………どうだ?

 

 は? 使えない? え、まじで?

 ……………………………………なんでだ?

 

 魔力使えないのか。

 一度体が人間の記憶で動いたからもうだめなのか?

 肉体は悪魔であるはずなんだ。ジーンと死神博士で確認した。肉体はちゃんと悪魔の物。

 ってことは、精神か?

 

 肉体・精神・魂…とか、そういう定番3つの中の精神が『学習装置(メモリー)』のせいで人間の物に適応してしまっているから………とか。

 

 わからん。

 でもこいつが魔力を使えないのは原因不明であれ、事実としてそうだ。つまり無力というわけだ。

 

 

 

 表の駒王町に帰還。

 何でもない、手狭なひとり暮らしにもってこいのアパート。

 ………………アパートに不似合いな紅髪の美女が一人。

 第一号だ。連れてきてしまった。理由はない。しいて言えば放っておけなかったから。

 僕の勝手で作ったやつだけど、失敗作だから潰すというのも忍びなくて…それにセンチメンタルな気分になってたから………誰かと一緒にいたかっていうか…20年間リリスと一緒だったから、急に一人ぼっちになって寂しくなったっていうか。

 

 

 ともあれ、第一号連れてきてしまった。

 一応、第一号今全裸ではない。そりゃ作った後は全裸だが、ちゃんと服を与えている。こいつだけでなく、人造悪魔兵士は全員な。目の保養とかそういうのはない。兵士だから。“裏駒王”は冬でも寒くはないけど全裸で過ごさせるわけにはいかないからな。

 

 

 一号を置いて、外出する。

 家に誰かを置いて出かけるのって、ちょっと緊張する。

 

 現金がなくなったので、コンビニで引き出す。

 …手数料取られた。くそがッ!

 

 スーパー到着。今日は…鶏肉が安いな。

 ……………唐揚げかな。フルーチェと、高い牛乳と、ヨーグルト。

 会計。

 手持ちが万札だけなので、一万円で払う。

 これ気分いいな…「一万円しかないのでこれでお願いします」って言うの、絶妙に気持ちいいな。

 

 帰宅。ただいま。

 ………………。お帰りって言われるとは思わなかった。ちょっぴり涙が出そう。

 

 シャワーを浴びる。外の穢れを以下略。

 コンロ点火。

 調理開始。

 

 

 終了。完成。

 つい、二人分作ってしまった。

 一緒に食べよう。

 

 手を合わせてください、合わせました。

 『いただきます』!

 

 

 

 ごちそうさまでした。

 

 どう、おいしかった?

 

 嬉しいなー。

 

 

 歯を磨いて、替えに買ったのあるから、それ使って。

 

 ………くぁ。

 ねむくなってきた。

 心も体も何だかんだ働きっぱなしだったから、お腹いっぱいになったらなんだか………。

 

 

 

 ………。

 一号がしゃこしゃこ歯を磨いきながら部屋の中を歩いている。

 リリスもそうだった。入力したリリスの記憶によるものか。

 

 で、だ。ゆっくりとだが、歩くと、それによって第一号の豊かな胸が小さく重く弾むわけだ。

 僕は横になってるから、ローアングルから彼女を見ているわけだが、その…目に毒というか…いや、目の保養というか………。

 

 ………僕の一部が元気になってしまうというか。

 じっと見つめても、こちらには目もくれない。無反応だ。正直もうガン見レベルだが…。気づいていないわけないのだが、普通の女性なら不審者呼ばわりされてもおかしくないレベルだが…。

 

 口をゆすぎに行った。

 

 …………………。

 戻ってきた。

 座った。

 

 ………………布団一枚しかないや。どうしよっか…あはは…。

 

 

 あ、うん。じゃあその、一緒に寝ようか。

 

 

 ………………。眠れると思う?

 今までの人生で一番の美人と一緒の布団で寝てるんだよ? 寝れねぇ…。というか恥ずかしい…。

 

 あ、いや! その! わざとじゃなくて!

 寝返り打とうとしたら、その!

 

 え? う、うん。そうなの?

 

 ………………じゃ、じゃあ………もう少し触っても…いい?

 

 

 …………………………………

 ……………………………

 …………………………

 ………………………

 ……………………

 

 

 

 二人でお風呂に入って、片付けをして、ギュッってして眠った。

 

***********************

 

 夢を見た。夢の中で僕はリリスと一号と一緒に笑っていた。

 とても幸せな夢だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




タイトル元ネタは本編23・24話「唇にLを/シンガーソングライダー・嘘つきはおまえだ」。

 何があったのかはご想像にお任せします。
 作者からいえることは、
『ゆうべはおたのしみでしたね』 です。

一号はリリスの記憶がありつつ、前の記憶も残っているので、「娘の記憶()持った別人」というくくりです。近親相姦ではないのでご安心(?)ください。

 一号ちゃんの名前…何にしようかな…。一号のままでいいかな。クリリンも「18号」呼びだし。

また次回~。



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16日目「デレデレでS/一号矯正エロ手術」

初めて10評価を貰うことができました。とても嬉しい。とても嬉しい。
 評価してくれる人も感想をくれる人もちょっとずつ増えていって、嬉しくてうれしくてたまらない。感謝します、本当にありがとうです。


 では、どうぞ。



16日目

 

 朝方、目が覚める。

 瞼を開けばそこには くぅくぅお休みの一号がいた。

 

 原作一巻の兵藤一誠さんもこんな感じだったのでしょうかなー………図らずもハーレム主人公と似た体験をしてしまった。

 「起き抜けに、全裸の美女と同衾していた展開に驚く」の図。

 

 

 まぁ、あっちは未遂でこっちは…ではあるのだけど。

 なんというか、昨日は楽しかった。

 快楽のまま、動物的に何も考えず溺れられた。「リリス」のことを忘れられた。

 

 ………リリス。

 

 

 

 思い出したら泣けてきた。女々しいなーと自分でも思う。引きずるのは気持ちのいい事じゃないから、乗り越えようとは思っているんだけど………そう簡単に最愛の娘のこと忘れられたら、笛木さんサバト開いてないよな、って。

 物理的に…というか、能力的に、忘れることはできる。記憶を抜き取って消去して、ダンブルドア先生がしていたように、抜いた後保存することも…出来るは…出来る。でも、したくない。かけがえのない記憶だから。僕が平凡に生きて成長した20年とは比べる必要さえないほどに、輝いていた20年だった。その思い出を、捨ててしまうことなんてできない。

 

 

 

 

 泣いたらすっきりした、そう言うとなんだかエシディシのようけど、あんなに激しくはない。シクシクえぐえぐと泣いただけ。特に声を上げることもなく、悲しくて悲しくて。

 

 

 嫌な気持ちになったから、吐き出してしまいたかった。うじうじ悩んで、自分を慰めたかった。不快にさせたらごめんなさい、とまた自分を責めてしまいそうだ。

 思っている以上にネガティブ思考になっている。

 

 

 ここは素直に甘えよう。

 一人で悩むから そんなネガティブになるんだ。別のことに注意を反らしてしまえば、悲しみを忘れていられる。

 

 ごそごそ。

 目の前のピンク色の突起を口に含む。

 

 ちゅーちゅー吸って、ぺろぺろ舌で(ねぶ)って、くにっ と甘噛みする。

 

 あー…癒される。

 もうなんかなにもかもどうでもいいやー…。

 

 

 あ、起きた。一号おはよう。甘えたいから、頭撫でて。ゆっくり、愛を込めてね。………あ~、そうそう。いい感じ。

 

 

 ………。

 

 

 

 態勢を変え、一号の顔を正面から見つめる。

 全くの無反応・無感情だ。そうしたのは僕だけど、でもそれが実に心地よい。

 正直今一号は、欠片も気持ちよくないと思うんだよ。むしろ気持ち悪いと思ってしかるべきだと思うんだよ。僕昨日まで童貞で、女体に触ったことなんて一度も…一度も……一度もなかったわけだし。当然テクニシャンなアレコレは知らないし出来ないわけだ。

 昨日の初体験も、今日のおっぱいチューチューペロペロはむはむも、顔を顰められ「痛っ………! 」「もっと優しくしてよ! 」「強く揉みすぎ! 痛いって! 」とか言われてたんだろうなぁ、って思うわけ。それでもって僕は強く出れないから、気をもんで全然気持ちよくなれないで終わっちゃうんじゃないかなって。

 

 

 

 一号は無反応で無感情だから、不満を表さない。だから僕はとても気が楽でいられる。恥も気遣いもなく思いっきり甘えることができる。衝動をぶつけてもまるで心が痛まない。一号が正負問わず感情を抱くことはないと理解しているから“同情”しないでいられる。「きっとこう思っているんだろう…」とか「こんな気持ちにさせてしまっているんじゃあ…」と不安になることがない。

 身もふたもない表現をすると、オ●ホなわけだね。生きてはいるけど、心を動かさない以上、()と変わらない。愛着を持つし、大事にはするだろうけど…物が自分をどう思っているかを考えるほど、僕はアニミズムな考えは持っていないよ。

 日本人だから付喪神的な概念もちゃんとわかってるけどそれはそれとして、ね。

 

 

 

 両手を彼女の肩に置き、滑らせるように首、頬へと移す。

 柔らかいし、つるつる。生後2日程度なわけだから、そこらの赤ん坊以上にたまご肌なのかもしれない。とりあえず、17年前後生きて体を紫外線やら何やらに晒しているリアス・グレモリーと比べてはるかに良い状態の肌だとは思う。

 

 むにゅ、と唇を親指で弄んで楽しむ。

 あったかくて、柔らかくて、ぷるぷるで、ほとんど無表情な一号がなすがまま変顔をしているようで面白い。

 

 

 自然と笑顔になってくる。

 自然と笑えたら、テンションも戻ってきた。

 ふはははー! 我こそは“裏駒王”の主にして、上級悪魔相当の兵士たちを操る超人(ドーパント)、郷敏秋なるぞー!

 

 テンション上がって、元気になったら、僕の愚息も「俺の出番か」と言わんばかりに元気溌剌になってきた。今まで意識してなかったからおとなしかっただけのようだ。俗に言う朝勃ちというやつですな。

 

 

 ……………………………。

 

 心臓の鼓動が早まる。僕は………。

 

 

 

 

***R-18 見せられないよ! ***

 

 

 

 

 

 行為を終え、朝シャンする。

 んっん~♪

 実にすがすがしい、いい気分だ。やっぱり出すものは「出したい! 」と感じたときに出すのが一番やね。小便もうんちとおんなじでさ。

 ………あ、もちろん僕にはその手の変態趣味はありませんよ? 誰に言うまでもなくね。…あーいうのちょっと僕には理解できないわ………。ドン引きですよ………。

 

 

 

 シャワーを浴びて、バスタオルで体を拭き、服を着る。

 朝食の準備でもしますかね…。

 

 

 

 と思ったけど、掃除が先だなこれは。

 なんというか、『行為』独特の匂いがする。起きたときはそれに慣れちゃってて気にならなかったけど、風呂から上がってみれば一嗅ぎで分かる。これはちょっと…だ。

 

 それに、寝具のもね。

 残念なことに? 僕は絶倫じゃないから、出した量も微々たる…微々………平均的な量だったけど、初めてのことだったりで色々あって汚してしまった。これをどうにかしないと明日の寝床が、うん。

 

 

 

 

 掃除その他完了ー。

 朝食の準備でございます。

 まぁそうはいっても疲れたし、今日は電子レンジで作る、ミートスパゲティ!

 そういえば、二人分だ…。まさかミートソースの袋をちゃんと「二人分」で使える日が来るなんて………。

 

 

 完成ー。

 一号座ってー、一緒に食べましょー。

 

 手を合わせてください。合わせました。

 いただきます。

 っつあー! うまし!

 

 

 パスタは飲み物。

 至言だな…、なんちゃって。

 なかなかどうしてうまかった。手間とか全然かかってないのに、やっぱり現代日本の料理文化は偉大だなぁ………中世ファンタジーの世界とかに飛ばされなくてよかった。これを食べられないだけでも「異世界転生しない」理由になるよ。ほんとに、それだけの理由でもさ。

 あー、うまかった。ちょっとぐらい芯の残ってる方がおいしいよね。家の親は芯残してくれないからさー、あんまり美味しくなくて………はぁ。

 考えるな。

 ちょっと寂しいなんて思ってどうする。落ち着け。

 

 

 一号に後ろから抱き着いて、たわわな胸を揉みつつ長髪ゆえにまだしっとりとしている髪に顔をうずめる。

 

 ……………………………。落ち着いた。

 

 

 おっぱいって不思議だ。

 なんか兵藤一誠のようなことを考えてしまっているな…。

 でも実際、おっぱ…もとい胸に触れていると心が安らぐ。耳を当てて、心臓の音を聞いていると、安心する。とくんとくん、と規則正しく鼓動するのが心を安らかにしてくれる。

 

 

 

 

 

 落ち着いたところで、さて。何をすべきであろうか。やることはあるんだけど、アイデアが浮かばない。

 

 例えば幹部育成だが、「どういう人物を」「どういう経緯で」幹部として定めて育てるのか、まだまだ決まらないのよね。頭の中で、さっぱり。

 だから保留するしかないし…。

 

 あとは…戦闘訓練とかなんだけど…、気分じゃないっていうか~。

 

 

 

 

 んー………。

 今の僕の心情は「試験勉強をしようとするがなんとなく気が乗らず…、他に何か仕事とかあったっけ? 」ともやもやする学生の如しだ。

 

 

 

 

 

 

 一号、ちょっと立ってみて。

 ……………………………。

 まじまじと爪先から頭の先まで見てみると、改めて彼女は絶世の美女だと理解させられる。

 

 長身で、美の極致と言っても過言ではないだろう肢体の持ち主。

 一点のシミも傷もない人並外れた乳白色の肌。顔は小さく首は細く、華奢でありながら女性的な柔らかな曲線を描く肩。

 手足は彼女自身の身長に調和するかの如く細く、長く、滑らかで、それでいて肉付きもいい。

 胸と尻は美しく大きく、腰はくびれている抜群のプロポーション。

 彼女を見て一番に注目するであろう、燃えるような紅色の髪。肩口どころか膝裏まで伸びる、長い長い髪。人間ではそこまで伸びることはない…彼女の人外性を表している。古来、女性の髪には魔力が宿るといわれていたようだが、それを想わずにはいられない妖しく美しい髪。

 当然、顔のパーツはどれか一つとっても形容ができないほど整い美しく造形されている。そしてそれらが最高の位置に誂えられているわけだから、まさに絶世の美貌と言って遜色ない。

 彼女たちを解剖したわけではないが、外からみても分かる。一号は、悪魔は、骨格からして優れている。美しいといってもいい。骨は肉体の基礎。骨組みが悪ければその上に重なる肉は美しく有れない。そして、基礎が美しいということは、そこを土台にして成り立つものも影響を受け美しくなるということだ。一号は、姿勢も美しい。矯正するまでもなく、自然に美しい姿勢をとることができている。他にも彼女は声が美しかった。似た声質の人を挙げろと言われると困ってしまうが、「低すぎず・高すぎず・耳触りがよく・よく通る声」だ。

 

 

 

 長々分析して、わかった。

 エロが足りない。

 美しいだけなんだ、一号は。

 なんつーか、求めるのとは違うんだ。エロさが足りない。昨日の初体験と今日の朝チュン、ぶっちゃけて言うと僕は「こんなもんか………」とちょっとがっかりしてたんだ。『めだかボックス』十三組の十三人(サーティン・パーティ)表の六人(フロントシックス)・献体名枯れた樹海(ラストカーペット)、宗像形が初めて人を殺したときの

 

――そして生まれて初めて人を殺した

――けれど意外とつまらないぞ 殺人(これ)

 

 に通ずる感はあった。

 

 僕の拙さも原因ではあったと思うけど、僕も一号も性感の開発とか全く何もしていないし。

 でもさー、なんつーかさー、いまいち乗り切れないのはあったのよ。それが今観察して分かった。

 つまりはさぁ! いくら美人だなんだといっても、ヌけるかヌけないかは別問題ということよ! いや?! 十分以上に好みだけどね? 好みの外見だけどね? けどさぁ…びっっっみょーーーにストライクから外れているというかさー………。

 

 

 

 ラブコメのヒロインっぽいんだよな。端的に言ってしまうと。

 性欲のはけ口にするなら、もとい抱いて溺れるなら、18禁系のヒロインでいいんだよ。そっちがいいんだよ。

 

 

 

 

 よし、改造しよう。

 正確には美容整形ということになるのかな?

 ヤルゾー!

 

 

 

 “裏風都”、いつもの手術室。

 一号を手術台の上に横たわらせ、生えてきた病院にあった機器で麻酔をかける。

 

 

「死神博士」

 

「ジーン」

 

【変身】

 

 

 

 

 

 

 手術終了。

 手術痕はジーンの能力で元通りにしたし、手術による不具合は考えられる限りゼロであるはずだ。

 肉体的には手術を受けたことにすら気づいていないのではないか、とは「死神博士」の知識からの推論。

 

 何をしたかと言うと、まぁ簡単な話なのだけど、一号の女性器をミミズ千匹? 数の子天井? 蛸壺? ………ともかく僕からすると超絶気持ちよく感じるように改造した。その上で、彼女が自分の女性器を、自分の手足のように繊細かつ器用に動かせるように、筋肉と神経を移植して繋げた。

 性感帯は開発するとリンクするという話だったから、膣と陰核を基点に、全身が性感帯になるように、神経と頭の中身を改造(いじくりまわ)した。

 対魔忍は感度3000倍だっけ? ま、そこまでいかなくても、『乳首に風が当たっただけで気持ちよくて絶頂する』。そんな感じまで盛り上がりによっては至れるように、調整した。

 常時そうであったら日常生活に支障が出るしね。ON/OFF切り替えはスイッチが入ったら。

 あとやったことと言えば、首から下全身永久脱毛…という名の毛母細胞遺伝子組み換え。

 メスを入れない、超自然的なバストアップ・ヒップアップ。

 ぐらい。不格好にならないように、不自然にならないように、細心の注意を払い成し遂げたゼ。一号は元々ナイスバディの爆乳ボインだったけど、せっかくだから溢れるぐらい欲しかったのよ。僕が。クーパーさんは強化したし垂れたりはしないはず。美しい双球のままだ。僕はこれを美しいと思う。大きいことはいいことだ、だからね。

 

 ただ、一号にとってはに普通に生活の邪魔であろうとは考えるけどね。

 女性からすると、大きすぎても良いことない、なんてのはよく聞く話ですし。

 まぁ一号は僕の所有物だから彼女の不便なんて『知ったこっちゃねー』なんですけどね。

 

 

 

 

 それはともかく、彼女の目覚めを待つ時間がもったいないので、手術休憩中に思いついたことをしに行く。

 

 

 

 

 人造悪魔兵士生産塔へ移動。

 よっすよっす。

 命令「行程追加・人造悪魔兵士として完成させた後、「ジーン」で顔を醜く変えろ」

 

 

 了解と答える。

 これでいい。

 さっきまで気づかなかったが、僕が兵士として運用しようとしている人造悪魔兵士は皆美しい。

 正直遺伝子がよすぎるというか………。誕生するのが男であれ女であれ、成人まで成長させると、どいつもこいつも図ったように美男美女に育ちやがる。

 

 “それ”で狙われることになったらたまったもんじゃないってのよ。

 つまり、美貌を持つ者が転生悪魔に誘われるように、兵士たちもこのまま、美しいままでいられると、いざ戦場に出さざるを得なくなったときに、『欲しい』と思われてしまうかもしれないということだ。

 それは勘弁だ。

 

 

 原作主人公たる兵藤一誠と、後にどう関係することになるかはまだわからないけど、彼の馬鹿みたいな女性特攻の技の数々を封じるためにも、こうしておいた方がいいんだ。

 彼の技は性欲を元に展開されるという。なら性欲を抱かせないぐらいに醜くゆがんだ相手なら、発動しないんじゃね? と思うのよ。

 

 だからだね。

 そもそも、一兵士が煌めくような美貌を持っていても仕方がないんだから。

 人造悪魔兵士は基本的に、遠距離から消滅の魔力を叩きこんでいくのが基本戦術となるわけで、いざ囲まれたときは、体術で敵を固め、自爆する。そういう運用を考えている。

 

 だからま、そんな感じだ。

 

 

 

 一仕事を終え、一号のもとに行く。

 

 パーフェクト…!

 

 

 現実世界に戻ってしっぽり行こうやないですか…げっへっへ。

 

 

 

 




 主人公と一号ちゃんの“行為”は
 山羊野メェ吉先生の『無防備・無抵抗 巨乳美少女すみれちゃん』シリーズの感じを作者的には頭の中でイメージしています。
 あ、一号ちゃんのほうが「すみれちゃん」よりもおっぱい大きいです。


 今回のタイトルの元ネタはネット版の17話「デレデレでQ/狙われたクイーン」から。


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17・18日目「Mの遊戯/戦闘訓練…」

 園咲家、零崎一賊の“崎”じゃなくて、ハヤテのごとくの愛沢咲夜お嬢様の“咲”の方の咲だということに、今日初めて気づきました。…誤解していました。とりあえず、誤字ってたの修正しましたが、もし修正していないところありましたら報告していただけると助かります。




17日目

 

 *********************

 

 前日から夢中になって一号ちゃんと『お互いの粘液でドロドロになりながら熱く濃厚な肉弾戦(意味深)』を繰り広げる。

 

 改造した一号ちゃんの肉体と、感じている反応が信じられないくらいエロくて楽しくって楽しくって『やめられないとまらない』状態。

 

 当然絶倫でない郷秋敏は、「もう出ない、もう出ないからぁ! 」って感じになるものの、気持ちよさにあら理性が吹っ飛んで、ひたすら腰を振りまくり、一号ちゃんに行為続行の命令(コマンド)を出し続けた。

 

 

 ********************

 そうして、一日以上運動休みなく行って、脱水症状と疲労と意識朦朧でぶっ倒れた。

 

 

 

 

18日目

 

 ………み、みず。

 

 

 反省。

 いやー、まさかあんなことになるなんてなー…。自制心の問題だったけど、まさか自分があんなに快楽に弱かったとはね~…。

 でもさー、気持ちいいことは我慢できなくない? 僕ちょっと前まで童貞で、女を知らないってやつで、それでステップ踏まずにエロスLv.100 みたいな一号(改造体)とヤッちゃったんだぜ? そりゃ理性も失うさ。

 

 にしても、ほんとに気持ちえがったなー。一号も僕を気持ちよくさせろって命令に従って、どんどん上手になっていったし。

 さすが悪魔。

 さすが上級悪魔の遺伝子から生み出された物、と思ったね。むしろサキュバスかと、淫魔かと、そうどっかで思いながらだったよ。

 『情愛の』グレモリー、というか『情欲』のグレモリーなんじゃないの? ………そんな罵倒もしたような気がする。

 あー、意識フワフワさせてたからなーいまいち憶えてねぇや。

 

 

 でも今横でぐったりしてる一号も、相当乱れてたよな。最高に面白かった。

 ちょっと突いただけでもガクガクして、おっぱいぐわしっ! としたらガクガクガクガクって下に上に大洪水って感じで。

 思い出したらムラムラしてきた。

 自制心を総動員して、冷蔵庫に向かう。

 

 牛乳ごくごく。

 ぷっはー! 五臓六腑に染み渡るぜ!

 冷たいのばかりだと冷えるから、お湯を沸かして緑茶を用意する。

 

 深呼吸………。

 ………匂いが。まぁいいだろ、慣れたわ。

 飲めるくらいの温度になったので、カップにインスタント緑茶のやつを入れて、こぽこぽこぽ~。

 

 ごくごくり。

 ほおー………。幸せだ………。

 

 

 もうゴールして良いよね………。

 

 もういいんじゃないかな。原作とか知らねぇよ。

 ここで「きもちいい」に浸って溺れて日々を怠惰に淫らに過ごせばそれでいいんじゃないかなぁ~。

 お茶は美味しいし、一号はエロいし。

 

 あー、お茶がうみゃい………。

 

 

 

 

 

 シャワー浴びよう。

 

 

 あがった。

 頭が冷えた。桃色な脳みそを洗い流して、冷静になれた。比喩だけどね?

 

 いけないいけない。

 やはり一号も、魔力を持っていないとはいえ悪魔だったか。

 邪淫…七つの大罪的に言えば? 悪魔的にはアスモデウスが司る…だったか。

 

 そこまで変態的な交わりではなかったけどね? 普通に穴に突っ込んだだけだし。快楽に溺れかかっただけで、外道行為には及んでいませんし。

 

 

 

 

 閑話休題。

 エロは置いておいて、実のある真面目な仕事に取り掛かるとしましょうや。

 

 

 

 

 一号、起きて起きて。

 

 飯にすんぞ~。

 

 

 

 さらっと準備。この前買い物に行ったときに買っておいたサバの味噌煮(パック)と冷凍ご飯、インスタント味噌汁。

 

 なんだか一号ふらふらしてる。どったの?

 ほほーう? 意訳すると『体が疼いて仕方ないの…』ってこと? 違う? ああそう。

 やっぱり、感度高く改造しすぎたかなー。日常生活もままならないくらいにしたら面白いと思ったんだけど。

 念のためスイッチ機能付けておいてよかったな。OFFになってるはずの今でも、ONの時の後遺症が出てるんだから、四六時中ONだったら一号の精神ぶっ壊れてたかも わからんね。

 セーフセーフ。

 

 そんじゃまあ、いただきます。

 

 

 

 ごちそうさまでした。

 

 うまかったー。今回のサバの味噌煮は柔らかくて骨もなくて、超うまかった。腹減ってるってのがあっても美味かった。

 

 歯を磨きながら、考える。今日どうしよっかな~。

 

 ………気持ちいことしたんだから、バランスをとらなければ。

 バランス。

 バランスといえば忍野メメ。それはさておき、バランスだ。

 誰だって考えたことあると思う。良いことがあったら相対的に悪いことがある、とか。『不幸な目に遭ったけど、きっとこの後には幸せな何かが待っているはず! 』とか。

 つまりそういうことよ。

 

 今幸せだったじゃん? だから僕の中で拭こうと降伏のバランスが崩れてる感があるわけ。

 

 

 

 そんなわけで、なんだかんだ理由をつけて後回しにしていた戦闘訓練を行いたいと思います。

 

 

 

「ロード」

 

【変身】

 

 

 

 “裏駒王”。

 なんとなく一号を伴って、各施設・生産ラインチェックを行う。

 ロードやジーン、オールドなんかのメモリ補充もしないとね。

 

 “第二裏駒王”、視察。

 ………もうほとんど体調が悪くなることなくなった。慣れってすごい。

 よし、広さ、空間強度、こんなもんでいいだろ。空間の維持要員はそのまま、“第二裏駒王”の迷宮化作業を開始しろ。本命は北だ。

 北…。

 北……。

 

 ………こっち! こっちに本命の避難所を建設するぞ! じゃあ、死ぬ気で働けロードども!

 

 

 

 

 

 戻って、

 作業員の生産塔へ行く。

 とりあえず10人くらいかな。

 オールドで成長させた奴ら、脳改造なしで記憶だけ入れておいて。戦闘に使うから。

 

 用意できた? 早いね~。

 

「ゾーン」

 

【変身】

 

 

 目覚めていない、脳改造をせず記憶だけ入力したなんちゃって一般人を“裏駒王”の公園にまとめて瞬間移動させる。

 

 

 

 一号、危ないから下がっててね。

 ………………………………………目が覚めたか。んー、隣の奴を起こしてる。都合がいいね~。

 彼らからしてみれば、記憶があいまいだけど知らぬ間に拉致されて転がされていた…ってことになるかな?

 

 

 

 

 じゃじゃじゃじゃ~ん。

 はいはい、質問ウザイ。お前らはただの経験値なのだよ。黙って僕の相手をすればいいの。

 

「マグマ」

 

 第一回戦闘訓練:敵 非武装・一般人×10人

 

【変身】

 

 

 

 マグマ・ドーパント。

 ウゥウウウウオオオオオオーーーー!

 咆える、咆える、咆える。

 湧き上がる力に従い咆哮を轟かせ、マグマを迸らせる。

 

 訳も分からない一般人たちは目の前で怪物に【変身】した僕に恐れおののき、腰を抜かして動けなくなったり、背を向けて一目散に逃げ出したりと、期待通り・予想通りの反応をしてくれた。

 

 あ、あアァ。…いい気分だ。キャーキャー言われるのは気分がいい。悲鳴の意味が違う? 同じことよ。僕に注目して、僕に反応してくれてるってことだからさ。

 

 状況が呑み込めてない?

 ひっひっひ…燃えちまいなッ!

 

 フゥーッ! 火炎弾命中! 消し炭ィ!

 も一つ、そぉれっ! 大当たりぃ!

 

 おー、逃げろ逃げろ! 向かってくる? ないよなぁ!

 ほらほらどうした。逃げなきゃ捕まえちゃうぜぇ~? がんばれーがんばれー。

 おう、そうだぞー。僕はゆっくりとしか歩けないぞー。だから焦らず、ほら立って 立って。

立てた! えらいね~。

 

 じゃあ走る~、ハイ捕まえた。走れないと思った? 残念、余裕で走れました~♪

 

 

 ………んっん~♪ イイ悲鳴ー♪

 腕痛い~? 焼ける? 焼けちゃう? 痛い痛いね~。かわいそうに、腕がマグマの熱に耐えられるわけないよね。

 焼き鏝押し付けられ続ける感じ? それ以上か~♪

 くっふっふー。絶叫が耳に心地いい………っ。

 

 もっと大きく、もっと強く、喉が張り裂けんばかりの絶叫を聞かせてッ!

 ここか、ここが痛いか?

 もっと! もっと!

 

 ッッッ!

 

 

 楽しかった~。ありがとうね、ぽいっと。

 あ、なんも言わなくなったからって忘れてた。ちゃんと殺さないと。

 左手を焼けただれた頭部に、

 右手を骨まで丸焦げの方肩に、

 

ぼぎんっ

 

 

 

 さ~て? 二匹目の哀れな子羊ちゃんはど~こ~ど~よ~。

 

 逃げて行った方向から見当をつけて、ジャンプ。そのままビルの壁面を溶かし、一歩二歩三歩。

 屋上到達。

 

 ん~…んー?

 ………見ーつけたっ♪ マグマ砲!

 ストラーイクッ!

 ひっひっひー。ほれほれ、道連れ達は溶けちゃったぞー? どうするのー?

 目が合った。

 

 んんー♪ いいですなー、その恐怖と絶望に染まった顔! ゾクゾクするよ。

 へいへい、逃げろ逃げろ。足もつれてるぜー? それじゃ当たっちゃうぜー?

 

 マグマ砲、ガトリングモード。

 ばらばらばら~♪♪

 

 おっ、おっ、おっ、よし。いけるか。よし、ナイス反射神経、いいぞ、あっ!

 …あ~あ。足やられちゃったね~。もう死ぬしかないねー。

 きひひっ。

 

 ばいにゃら!

    どーん☆

 

 あっちのビルに飛び移れるかな?

 よっと、ほいっ!

 アーアアー! あああ!

 あ、あ、あ!

 セーフ…。拳の高熱カットするの忘れていたのだぜ。指の先だけ届いたのに、「じゅわっ! 」ってしてしまって落ちそうだったのだぜ。右手リカバリーがなかったら落ちてた。

 

 

 さーってっと?

 

 見つけた!

 マグマブースト! ブラスタータックル!

   ちゅどーん☆ っと。

 

 痛くない! あははははは!

 痛くないよ! すっげ、地面がスポンジみたい! あ、溶かしてたわ、あはははは! ひーっひっひ!

 

 げっほげっほ…むせた。

 

 ん。

 あーらら、傷つくなぁ。そんな殺人鬼に出くわしたーみたいな反応されちゃうとさー。

 

 まぁ正解だけどね♪

 ねぇねぇお姉さん、僕イケメンに見える~?

 

 おら、答えろよ。

 

 ………あっはっは。そうだろそうだろ。僕てイケメンだよねー。このワイルドな容貌がカッコいいって有名で――って馬鹿。

 嘘つくんじゃねぇよ。

 嘘つきにはお仕置きが必要ですね…。

 

 逃がすかバーカ!

 じゅーじゅー、じゅーじゅー。………『ジュージューバーガー♪』

 んー、耳と髪の毛が焼ける何とも言えないかぐわしい匂い………。

 

 あー、うるさいうるさい。なにさ、ちょっとマグマの塊にも等しい超高熱の物体を前後から押し付けられたぐらいで。

 

 そんなうるさい口は、塞いじゃいましょうねー。

 エンジェルキッス★! ぶっちゅー!

 

 ! 抵抗すごい。火事場の馬鹿力ってやつか。おとなしくしろよ、おとなしくしろよ。

 

 超高熱の唾液をプレゼント。

 あっひゃっひゃ☆ 白目剝いてる、おもしろーい♪

 

 うっわーなにこれ、黒っぽい元ヒトの塊………気持ち悪ーい! うっひゃー、誰がこんなひどいことしたんだろうね、許せないね!

 なんてこった…! 喉が…こんな…ヒドいっ!! なんて惨いことを…これをやったやつは悪魔だ! 人を人とも思っていない人でなしだ!

 

 

 なんちゃって~♪

 どうも悪魔です。どうも人でなしでございまする~。

 

 

 ええっと? 今まで…ひいふうみいよお………。

 

 

 あと3人!

 

 どこだー? どこだー?

 

 

 

 見つかんねぇぞ! おい!

 チッ! クソが! できればマグマメモリの力だけでぶっ殺したいんだけどなァ!

 

 この地区において、もっとも高い建物の屋上で、目を光らせる。

 

 ………………………………出てこない。

 

 飽きた! もういい!

 

 一旦変身解除!

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ゾーン・アップグレード」

 

「マグマ」

 

 

【変身】

 

 

 空間走査。

 感覚域の空間の中で動くもの、生き物の反応を求め、走査する。

 

 ……………………………。

 

 見つけた! 瞬間移動(テレポート)、それっ!

 

 

 ―――どこへ行こうというのかね?

 なんちゃって。

 いやはや、大したものだ。目覚めた公園から微クリするぐらい離れているじゃないか。僕が、他の相手にかまけていたとはいえ、こんな所まで逃げることができていたなんて、驚いたよ。すごいね。

 

 殺すけど。

 そんな絶望しなくてもいいじゃない。笑えよ。

 

 いい笑顔だね――マグマブレード。一刀()断。

 

 素晴らしい…。切断面が焼き固められているから血が出ない。いいな、これ。

 

 おおっと、逃げるなよ? お前らもこうなりたいか?

 

 はい、動いたー。逃げるつもりだったろ、そうなんだろ。え? 後ずさりしただけ? 逃げるつもりだったんだろ! 僕は分かってるんだぞ、コラァ!

 

 バーニング貫手! ハートキャッチ★!

 

 いやーん、心臓が焼ける音~。

 

 さて、最後に残った君、どうしてしまおうか。

 

 ああ、命乞いは結構。意味ないよ、それ。どうせ殺すからね。

 んっんー………。見つけるまで手間かけさせられたからなー。一息に殺すのももったいないよなー………。

 

 

 決ーめた。

 足ズバーン☆

 痛い? 痛い? ごめんね。でもまぁ死なないよね?

 大量出血もないし、両足がなくなっただけだもんね?

 

 マグマメス用意ー♪

 レーザーメスならぬマグマメス(指)による、人体解剖を始めまーす。

 

 イエーイ! ほらお前もノリノリでイエーイ!

 

 泣きわめいてないで ほら 早くしーろーよー。

 

 いい声。

 じゃあ始めまーす。痛かったら我慢してくださいねー。死んだら痛みも感じなくなりますからねー。

 

 

 解剖完了!

 意外と意識あったねー。やっぱり出血が抑えられたからかな。皮を剥ぐ時も声は出なくても意識あったみたいだしね。うまく剥げなくて、痛い思いさせちゃったからなー。悪いことした。

 頭の皮剥ぐ時 うっかり頭蓋骨砕いちゃったのはいけなかったよなー。ごめんね!

 

 改めて解剖したのを見てみる。

 うっひゃー、グロテスクー。

 ラットの解剖でそうしように、敬意を払わないとね。

 南無ー。

 

 

 

 戦闘訓練終了!

 

 疲れたー。楽しかった!

 

 

 やっぱり力をフルに使って暴れるのは気持ちいいね!

 でも訓練にならなかったな。………うん。

 やっぱりドーパントに、非武装の一般人じゃあ相手にならないや。

 第二回では、相手側にもメモリを渡して、対ドーパントでやってみよう。きっとスリリングな殺し合いになるはず。

 

 

 後片付け、作業員に任せて、一号と一緒に表の駒王町に帰る。

 

 買い物。

 行きつけのスーパーで、牛乳とアルコール40%のなんかよくわかんない酒。ヨーグルトに、イチゴジャム。アイスにシュークリーム。肉と野菜と茸と、食材たくさん購入。

 

 ただいまー。

 シャワーを浴びる。外からの穢れを以下略。

 

 一号 今日は具沢山焼きそばだぞ~!

 うまそうなソースの匂いだろ?

 

 はい、手を合わせて、いただきます!

 

 

 ごちそうさまでした………。

 おっかしーなー。いまいちだった。べちょべちょだった。ごめんな一号。

 

 口直しにヨーグルト食べよう。

 帰ってきて気づいたけど、前買ってきた分残ってたから、それ消費しないとだかんね。食いなー。

 

 

 あー、食べた食べた。

 歯を磨きましょう。

 

 

 あ、そうだ。僕あれやってもらいたいと思ってたんだ。

 あれ、ワンルームでさ、男女がさ、並んでテレビ見てて、次のコマで女の方が男の股間に…のやつ。

 

 やって。

 

 やっってもらった。

 これはいい。夢がかなった。ありがとう。

 

 

 じゃあ寝るとしますか。

 ………しないよ?

 

 ただ抱き着いて寝るだけだよ。

 残念だったな。

 おっぱい。

 ふかふか~。ぽふぽふ~。

 あー、安心する。おやすみなさぃ………。

 

 

 

 

 





はい。
 悪魔かな?
 悪魔です。やってることが鬼のようですね。

 マグマ・ドーパント大暴れ、の巻。
 暴力性を前面に出してみました。
 書いていて 楽しかったです。多分私と主人公同じニヤケ面していたと思います。あと、よだれ。よだれズビッだったと思います。
 みーとぅー(よだれだらだら)。


タイトルの元ネタは25・26話「Pの遊戯/人形は手癖が悪い・亜樹子オン・ザ・ラン」から。


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19日目「Nの蛮行/戦闘訓練第二」

一号ちゃん、名前のアンケート
回答
(36) 今のまま(一号)
(27) ○○(カタカナ)
(17) ○○(和名)

 よって、一号ちゃんの名前は「一号」に決定しました。
 「グリーン・インフェルノ」見ました。
 感想:人食いってあんな感じか。やっぱりふくよかなやつは食いでがあるのかな。




19日目

 

 ………おはようございます。

 

 後悔。

 

 昨日の僕どうかしてたなあ。またやっちゃったよ。

 僕の悪癖だね「テンション上がると見境なくなる」こと。

 うわぁ、だよ。

 

 うわぁぁ…だよ。

 あんなのただの殺戮じゃん、蹂躙じゃん。何の訓練にもなってないよ。

 

 

 抵抗できない奴らをただ追いかけて倒しても経験値得られるわけないじゃん。

 ポケモン的に言えばLv.1をボコってる感じ? どうにもならんよ。うん、そうしよう。

 一般人にガイアメモリ直挿しして、理性飛ばして敵エネミーにして、戦闘訓練。

 それに慣れたら、悪魔兵士との戦闘訓練だな。………いや、やっぱそれはなし。消滅の魔力向けられたら死ぬ、死んじゃう。

 

 

 ………とりま、シャワー浴びるか。でも布団の外寒いし。

 ……………………………。

 

 

 一号ちゃん、一号ちゃん。起きて起きて。

 

 

 

 

 一号ちゃんに抱きしめてもらって一緒にお風呂まで運んでもらった。

 さすが肉体は悪魔。特に筋肉はいじってないのに怪力スゲェ…。

 『チチチチ』の光さんみたいに、おっぱいに挟んでもらってずりずりされつつ、アへ顔さらして運んでもらいました。気持ち良かった………。

 二・三発は基本。出して敏感になってても止めてくれない(やめてって命令しない)からねー。

 くふふ。

 

 

 

 朝食。

 しょう油海苔ごはん。と、味噌汁と菜っ葉のお浸し。

 いただきます。

 

 

 ごちそうさまでした。

 

 なんだかどんどん食卓が貧しくなってるような? まぁいいか、おいしいし。

 

 

「ロード」

 

【変身】

 

 

 

 はい“裏駒王”。

 ちゃちゃっと施設見回りして、

 

 

 え? 人造悪魔兵士生産塔、問題発生?

 

 

 

 ………、魔力を持たない個体が生まれた?

 

 サイラオーグ・バアルみたいな感じか。

 何匹? ……まぁそれぐらいなら問題ないだろ。処分しとけ。

 

 

 

 

 

 さって、昨日の公園に同じように一般人を瞬間移動させる、っと。

 

 

 敵役として連れてきた連中、計10人に生体コネクタ手術を施して目覚めるのを待つ。

 

 

 目覚めた。

 

 はいどうもー。こんにちは!

 

 

NASCA(ナスカ)

 

 

 ………、井坂先生…。

 なんちゃって。

【変身】

 

 

 レベル3 ナスカ・ドーパント。

 自分でも驚いている。ドライバーのおかげかな?

 

 

 ともかく。

 はいはい、喚くなー。全員手に握らせたメモリを起動して、コネクターにインしろ。

 命令だぞ、逆らうやつはぶっ殺す。

 

 

「「「「「「「「「「TRICERATOPS(トライセラトップス)」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 第二回戦闘訓練:敵 トライセラトップス・ドーパント×10

 

 咆哮轟く。

 やはり暴走したか。トライセラトップスメモリは強力なメモリだがそれ故にメモリの毒も強めだ。一般人並の精神力しか持たない彼らが耐えきれるわけもない。

 

 ナスカブレードを手にして、構える。

 

 こっち向いた。「シャランッ」ってディケイドとかもよくやるアレしたから、その音に反応したのか、あるいはさっき脅したのを覚えているのか。

 

 10体のドーパントが狂ったように暴れ、蠢き僕に向けて攻撃を仕掛けてくる。

 

 突進!

 回避! 回避! 回転避け…ッ! がはっ!

 

 うしろ?! いつの間にっ! っ! 側面からタックル!

 敵の攻撃に逆らわず、足を敵の肩に合わせて、ジャンプ! からの、ハチドリの地上絵の翼を展開。上空静止。

 

 息を整える間もなく浮かぶ僕めがけ、エネルギー弾が。

 エネルギー弾! そうだ、僕も出せる!

 はっ!

 

 相殺! あ、打ち勝った! 当たった!

 クッソ倒れやがらねぇ…固いなこの! 一発じゃ無理。ナスカの力でも一発では倒れない、さすが恐竜系は強いな。

 

 っと! またまた飛んできたエネルギー弾を危なげなく回避。

 冷静に冷静に…。

 敵に飛行能力はない。制空権はこちらにある。

 

 一発でだめなら十発、十発でだめなら百発。

 どうせ敵は暴走していて避けるそぶりを見せない。狙って打てば当たる。

 

 

 光弾六連撃! 命中! サヨナラ!!

 

 敵の攻撃を避け、カウンターパンチをたたき込む。

 『超加速! 』

 

 ………残像だ。

 言葉と共に、剣を敵の体に添え、そのまま斬り捨て駆け抜ける。

 

 爆散。

 

 かっこいい…。自己陶酔はあとあ、つぎつぎ。

 

 

 

 刃を撫でて、次の標的に迫る。超加速の反動も感じない。精神の高揚感はそのままに認識が広がっていく。

 よく観える。

 

 一点だけでなく、全体が。五感が相互リンクされて、全てが人間以上に高まっている。

 

 後ろから二体、一体はエネルギー弾を、もう一体は棍棒を投げようと振りかぶっている。

 視界の端に移る情報、遠くのガラス越しに移る敵の姿。そんな普通なら気づかず見逃す情報を瞬時により分け、最適な判断と行動を行う。

 

 光弾が発射され、ワンテンポ遅れ棍棒が投げつけられた。

 後ろからそれらの凶器が迫るがひとまず無視し、超加速によって接近した正面のトライセラトップスをナスカブレードで斬る。

 

 一撃では斬り捨てられなかった。咄嗟に致命傷を避けやがった。が、問題ない。

 スピードを維持したまま、ループ。敵の側面を回って、その勢いのまま迫る光弾と棍棒に向けて、蹴り飛ばす。

 

 爆散。

 

 

 切り返し。

 来た道を戻り、爆風の中に突っ込み、投げつけられ転がる棍棒を拾い、直線で『超加速! 』

 敵を視認できた瞬間に、武器を失っていない方のドーパントに棍棒を投擲。

 

 

 ヒット! 頭を吹き飛ばし、そのまま棍棒は飛んでいく。

 

 一瞬の出来事に身動きができないでいる無手ドーパント。隙を見逃す手はない!

 

 『超加速! 』

 ! ガードか!

 しゃらくせェ! 光弾のエネルギーを性質そのままナスカブレードに纏わせる。

 

 

 

 爆裂剣! エネルギーブレード!

 

 

 

 ガードを断ち斬り、そのまま首をはねる。

 

 残心。

 

 二重の爆散。

 

 

 残りは三体。近くに一体。残りは少し遠くに。

 

 

 駆け出そうとすると、示し合わせたかのように、残りのドーパントが一斉に巨大化。

 

 ビック・トライセラトップス………ッ!

 

 前足がなく、肥大した頭部と後ろ脚二足歩行の暴走・怪獣形態。

 

 オオオオオォォォォ!

 と、もはや人の声でない奇声を発し、体当たり攻撃を繰り出してくる。

 

 驚き、足を止めてしまっていた。避けられない。

 視界の端、二体のビック・トライセラトップスが震えながら破壊エネルギーを収束させ、頭部から発射しようとしている。

 あれは、さすがに………直撃したらシャレにならない…ッ!

 

 考えている間に、体当たり。

 ………っ!

 

 正面から受け止める………ッッ!! グリップが、こっの…! 止まれェ!

 

 ナスカブレードを傾けて、両手で押さえ、体当たりの圧を緩和するため、翼を展開。全力で対抗する。

 

 

 発射された。距離があるはずなのに、確かな熱を感じる。それだけの威力、それだけの破壊力を持ったものが僕に向かってきている。

 

 しかし僕に恐れはない。焦りはない。

 

 今はただ踏ん張る………!

 

 ギリギリまで引き付け、

 

 

 光弾展開! 真下から真上に! 僕の体めがけて発射!

 

 

 ぐっふぅッ!

 

 

 ドオォォォン!

 空へ打ち上げた自分。引きつけておいた特大の破壊エネルギー弾二発を喰らい、爆発するビック・トライセラトップス。

 

 自爆回避の痛みを歯をくいしばって耐え、空中で翼を操作し、姿勢制御。

 

 

 

 残り二体のビック・トライセラトップスはこちらを見失っている。

 

 光弾を最大展開。

 

 気づかれた…! 左の奴めがけ、発射!

 

 

 ()()が着弾するよりも早く、

 

 『超加速! 』

 

 右の敵に突貫!

 足元にもぐりこみ、首筋に狙いをつける。

 

 翼・エネルギー弾、その力を全てナスカブレードに注ぐ。

 切れ味を高め、破壊力を増すために。意識をメモリに集中し、力を限界まで引き出す!

 

 瞬間 世界が極彩色に染まり、歓喜の瞬間が訪れる。

 

 斬撃が飛び、死んだことを気づかせないままにビック・トライセラトップスの首を撥ね飛ばした。

 

 

 残ったただ一体のトライセラトップス・ドーパント。

 ノーガードで受けた最大威力のナスカ光弾に全身を滅多打ちにされ、怪獣形態を保っていられなくなっていた。

 

 膝をつき、首を垂れる敵の姿。

 最後はあっさりしたものだな、と ナスカブレードの刃を撫でながら、近づく。

 

 何もしてこない。頭の回路が焼き切れたのかもしれないな。

 

 傍に立ち、振りかぶり、振り下ろす。

 それでおしまい。

 

 第二回戦闘訓練、終了。

 

 

 

 

 

 

 

 はぁ~~~~~~~~……………………。

 

 しんどかった。ナスカ、もといゴールドメモリの力があればこそ、だけど、楽しめたね。

 いや、楽しかった。

 適度に強く、適度に硬い相手。でも決して勝てないわけじゃない相手との闘い。

 ほどよくスリリングで、ほどよく新発見もあって。

 楽しかった!

 

 これは結構、戦闘経験も積めたんじゃないの~って思う。

 

 戦闘で予想外なことが起こっても、パニックにならずに冷静に対応できるようになったのは大きな進歩だな。やっぱり恐竜系は強い。そう思った。

 

 ………でも原作キャラはこれ以上に強いんだよな…。原作二巻の時点で、兵藤一誠倍加した魔力弾で山吹っ飛ばしてるもんなぁ………。

 

 化物だなぁ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 牛丼チェーンで昼食を済ませ、食事中に思い出した実験を行う。

 

 それはズバリ、悪魔の性能実験!

 

 この世界に来て初日に浮かんだ疑問、

『人外にメモリ効くの? 』

『メモリ≒神器? なにか悪魔の第六感的なもので感知される? 』

 を解消しよう。…ま、前者はリアス嬢にナイトメアかけたときにほぼ解消された疑問ではあるがね。

 

 

 

 

 実験終了。結果、

 ① 悪魔に対して、メモリの特殊効果は通じた。オールドメモリは、悪魔の寿命が長すぎるせいで効きが悪かったが、強化四本挿ししたら、風化させられた。

 

 

 ② メモリ≠神器。見分ける方法がよく分からず、混乱したけど、適当に悪魔兵士をガシャンガシャンしてたら、作業員の中に神器所有者がいることがわかった。そいつと並んで感じてもらったところ、「何も特別な力を感じない」ということだった。

 ガイアメモリ自体も、魔力のような、生命力のようなエネルギーは感じない、ただの機械としか感じられない、とのことだった。

 

 

 ③ 悪魔もメモリを使用可能だった。

 ………人間にしか使えないなら利用価値低くなって、人外に捕まるリスク低くなるのかもしれなかったのに。

 

 

 

 かんわきゅうだい(ひらがな発音)。

 

 表の駒王町に戻って、風呂沸かす。

 

 入る。

 あ゛~~気持ちいい。

 

 当然一号も一緒ですが何か?

 通販でお急ぎの当日宅配で買った、ローションとマット持ち込んでますが何か?

 

 

 

 ………………………。

 あ~、しあわせ~。

 

 

 

 

 




 はい。
 戦闘描写 頑張りました。

 今回のタイトル元ネタはネット版6話「Fの蛮行/強風なんだ!」から。

 なんだか最近、書いてるものに自信がなくなってきて、書きたい気持ちは強くなってきているのに、なんとなく書くのが怖くなってきて………。「こここうしたほうがいいな」って、手直しする時間が増えて、ちょっとしんどいです。
 原作速く始まらないかなーって考えてる読者様もいらっしゃるかもしれませんが、どうか暖かい目で、長い目で見守っていてください。

 長々と失礼しました。



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20日目「最悪のB/培養槽設置―×××製造計画―」

 第一話に前書き追加したので できれば見てみてください。そんな感じです。

戦闘訓練入れようとしたけどカットしました。一対一の二十人組手、ビースト・ドーパント同士での殴り合いです。(カットしたけど描写されないだけで第三回戦闘訓練やったということで)

 では、どうぞ。


20日目

 

 唐突に閃いた!

 後回しにしていた幹部育成の件、イケるんじゃない?

 倫理的にどうかと思う案だけど、いまさらそんなこと気にしなーい♪

 どうどもいいですよーっお! ぐるぐるぐるぐるどっかーん!

 

 

 

 さて、テンション戻った。

 テンション戻ったら性欲も戻った。

 くうくう 眠る全裸の一号に突っ込む。

 賢者モード。

 

 

 本日の朝食、コンビニに行って買ってきたオムライス。

 

 いただきます。

 

 ………。

 一号、あーん。

 スプーン一号の口に差し込む。

 

 おいしい?

 ………。あ゛~~、気持ちいい~。

 こういうのだよ! こういうのがしたかったんだよ! 今僕すごい幸せだよ! ありがとうございます!

 

 なんか感謝しちゃった! まあええわ!

 感謝………ッ! 圧倒的感謝………ッ!

 

 次っ! 次ぼくね! あーん。

 もっきゅもっきゅ。

 

 うぅぅ、ううう………! おいしいよぉ! おいしいよぉ! 幸せの味がするよぉ…!

 圧倒的リア充感ッ!!

 美人に「あ~ん」してもらうという夢のような体験…!

 あー、しみる。

 心にしみる。こういうのがいいんだよ、こういうのが。こういう役得ポイントが欲しかったんだよ。

 

 幸せすぎて怖い…!

 

 

 

 ……………………………。

 なんでこんな世界で、こんな幸せを手に入れてしまったんだろう。こんな、化け物が跳梁跋扈する地獄変で。

 ………。これあれだな、

 

――『魑魅魍魎跋扈する、この地獄変、名護啓介はここにいる。イクサ爆現! 』

 

 

 

 

 ……………………………。

 この幸せを誰にも奪わせはしない。絶対に。

 

 

 

 

 ごちそうさまでした。

 

 

 

「ロード」

 

【変身】

 

 

 “裏駒王”にジャンプ。

 

 ………、空間の穴を通るときの、浮遊感というか、隔絶感というか…そういうのが薄くなってきたな。表と裏の駒王町の「擦り合わせ」が効果を現してきたのかな…?

 

 

 いつもの見回り、

 各生産塔を回って、悪魔兵士たちの鍛錬を見学する。

 ………こうして見ると、みんな違うなー。だいたいみんな紅髪だけど、亜麻色の髪の個体もいるし。

 リアス嬢(オリジナル)以上に胸の大きな奴もいれば、めっさ貧乳のもいる。違うもんだなー。

 

 

 …………はー。

 すっげー。これ、抑えてるんだよね?

 空間破壊されたら困るから、出力調整は厳命してるから、今のこれパーセンテージで言うところの10%とかそこらなんだよね?

 ………悪魔って化物だわ。

 

 自分魔力の高まりとかさっぱり感じられないけど、びりびり来るのは肌で分かる。

 オーラが凄いもん。あと、風がビュウビュウいってる。

 生まれて数日でこれか…。悪魔ヤバッ………。

 人間並みの貪欲さと学習意欲が悪魔にもし備わっていたら、この星は悪魔のものになっていたんだろうなぁ………。

 

 

 

 

 

 

 場所は…、まぁここでいいだろ。

 この街でひときわ高いビル、当然ながら誰も使用していないがらんとしたその中で、

 さあ、実験を始めようか。

 

 ………あ、まだだった。失敗失敗。準備しないとね。まずは「容器」の方を準備ーっと。

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「コマンダー・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「コマンダー・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「コマンダー・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「死神博士・アップグレード! 」

 

 

【変身】

 

 

 ふっ…うぅ………。ふう………。

 

 出でよ、仮面兵士たち。

 死神博士メモリと併用することによって、コマンダー・ドーパントの、いわば分身ともいえる仮面兵士たちにも「死神博士の持つ生物化学その他の諸々知識」が共有される。

 仮面兵士たちを人足兼技術者として、「培養槽」を作らせる。

 

 強化アダプター付きメモリ三本分のデータ量によって、生み出される仮面兵士の武装もグレードアップされている。武器でありながら万能の工具としても使用末うことができるようなものに。

 

 

 

 

 脳内シミュレーションを行っていると、完成したとの知らせ。さすが早い。

 

 

 ………壮観だな。

 ワンフロアに整然と整列する、カプセルのような培養槽。

 実に、実に! 悪の組織、秘密結社の実験場っぽい! クールな仕上がり! ロマンに満ちている…。パーフェクトだ。

 

 

 

 さてさて再確認といきましょう。

 目的、幹部造り。

 

 手順、

 

 悪魔遺伝子を使って、純血悪魔を生み出す。

 悪魔の胎児にガイアメモリを埋めこむ。

 そしてその状態のまま成長させる。当然メモリは入ったまま。

 疑似的に、ドーパントのまま成長した悪魔が誕生する。

 ガイアメモリに完全適合して、限界以上にメモリの力を引き出すことができ、かつ ガイアメモリを体内に宿し続け成長した、『ガイアメモリの申し子』ともいえるような奇跡の存在を作り出す。

 

 

 こんな感じだな。

 当然そんな無茶をして、まともに成長するはずがない。

 「ドーパントでいることはとても体力を使うことであり、いつまでも変身していられない」とは、風都探偵で明言されたことだが、悪魔でもそれは変わらない。

 ましてや赤ん坊だ。

 赤ん坊の体力と体で、ドーパントの力、もといガイアメモリのデータに耐えられるわけがない。

 いかに、上級悪魔グレモリー一族の血族の胎児だとしても、常時ドーパント体のまま疑似成長したらメモリの汚染にだって耐えられないだろう。

 

 99.999%…なんて、そんな確率を出すまでもなく死ぬ。確実に死ぬ。おびただしい数のこれから生まれてくる命が失われることだろう。

 

 でも、しかし、あるいは、

 トライ&エラーを繰り返し、何度も何度も繰り返せば奇跡が起きるかもしれない。突然変異的にデータ以上の未知の力を発揮するようになる者が現れるかもしれない。スペック以上の力を引きだせるように、ガイアメモリにありえないほど適合・進化した悪魔が。

 何千何万と、赤子の骸を積み上げて、奇跡に軌跡を重ねたうえで、ひとかけらの可能性が見えてくる…というレベルの試みだが、きっとできる。

 そんな気がする。

 

 

 

 

 

 13時間後。準備完了。

 

 培養槽*1に、ジーン・ドーパントとオールド・ドーパントを接続。

 

 メモリセット。

 全基システムオールグリーン。

 胎児生成開始。

 

 成長確認。

 遠隔コネクタ手術開始。

 コネクター順応。

 

 メモリ挿入。読み込み開始。

 15基、生命反応ロスト。死亡したものは、分解機能作動。洗浄開始。

 

 オールド・ドーパント、能力限定発動。精神干渉波による成長コマンドを実行。

 

 全基ロスト。過剰成長により怪物化・肉塊となった個体多数。全基分解洗浄開始。

 

 洗浄が終わり次第、今の工程を繰り返す。

 成功するまで、何度も何度も。

 

 では、作業員くん、後は任せた。

 成功したら知らせに来るように。

 

 

 

 あとは完成のお知らせを待つだけだな~♪

 

 

 っと、いけないいけない。チョーシに乗るな。僕は主人公じゃない。調子に乗ってはいけない。でも………。

 

 …今までずっとうまくいった。

 …できると思ったことは全部できた。

 ………………僕は、主人公なんじゃ…ない、のか?

 

 

 

 

*1
強化死神博士のアップグレードされた頭脳によって構想一時間で設計開発された胎児育成保護装置。本人も理解していない謎テクノロジーによって、接続したドーパントの能力を装置内に限り無制限に使用することができる。セットされたガイアメモリのコネクター手術とメモリ挿入も自動化




 はい、驕り。(ででーん、郷 秋敏 アウト! )
 次回くっそメタメタのボコボコにやられて心が折れます。
 なんかこいつ定期的に心折られてるな。


 今回のタイトル元ネタは風都探偵9~15話「最悪のm/以下略」より。


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~30日目「Sは不可能/ロスト・パートナー」

 今週の風都探偵、冴子姉さん すげえ美人だった(原作キャラの印象を崩さず、再現が本当にうまい。若菜姫も楽しみ)
 ロストドライバーの「ロスト」が「設計図ごと消失(ロスト)」という意味だったとは…知らなかった………。
   (後で消す↑)

 考えあって、主人公の思考カットしました。三人称的です。
―――喪失が始まる………。


21日目

 ゾーンで一号ちゃん共々他県に転移し、デート。

 服とかアクセサリーとかプレゼント(胸がでかすぎて色々特注することになった)。

 

 帰宅後、第四回戦闘訓練。

 「APE(エイプ)」・「ELEPHANT(エレファント)」・「HOPPER(ホッパー)」の三本挿し

      V.S.

 「SMILODON(スミロドン)

 

 ガチバトル。

 

 跳んで殴って蹴って噛みついて、

  どったん ばったん 大乱闘!

 

 なんとか勝利! ――悲劇が起きる。

 

 戦闘の余波で倒壊した鉄塔。そのワイヤーが時間差で千切れ、鞭のように加速し、死闘で疲れ切り変身を解除した秋敏を襲った。

 

 一閃。

 

 秋敏がそれを感じたときにはもう遅く。

 ゆっくりと上半身がずれていく。悲鳴を上げる暇さえなく、斜めに脱落していく。

 

「サラマンダー」

 

 咄嗟の、無意識下でのメモリ使用。完全に上半身は落ちて、意識が消えるまで、ドライバーをつけたまま膝をつく自分を見つめていた。

 

 

 2時間後、再生完了。狂乱。

『わたしがわたしを見つめてました』

 したことで、自分が自分であるのか、混乱状態に陥った。ドライバーを外し、叫びながら叩き壊した。

 

 

 

 

 暗転。

 

 

 

 

 

 

 

22日目

 “裏駒王”の空き家の中で毛布にくるまってぶるぶる。

 

 

 

 

 

23日目

 “裏駒王”の空き家の中で毛布にくるまってぶるぶる。

 

 

 何もせず飲まず食わずなため、精神がどんどん病んでくる。

 

 立ち上がることができなくなる。

 

 

 意識がもうろうとして眠気に襲われる。

 

 

 

 

 

24日目

 “裏駒王”の空き家の中で毛布にくるまってぶるぶる。

 

 空腹感が消える。しかし渇きはそのまま。

 

 

 

 幻覚を見始める。

 動くことができないまま幻覚と幻聴に苛まれ、正気を失っていく。

 

 

 

 

 

 

25日目

 “裏駒王”の空き家の中で毛布にくるまってぶるぶる。

 

 

 動けなくなる。

 飢餓感、ドライバーを壊してしまったため何もできない。

 

 

 メモリを食べる。

 

 吐き出す。嘔吐。

 

 

 

 吐瀉物を啜って、飢えをごまかす。

 

 

 

 

 

 

 

 

26日目

 “裏駒王”の空き家の中で毛布にくるまってぶるぶる。

 

 

 意識が途切れ途切れになる。

 

 

 筋肉が痙攣し、本当に指一本動かせなくなる。

 

 

 

 腹痛。 死ぬほど痛いのに声も出ない。

 

 

 

 

 死人のように顔が真っ青になって、失神と覚醒を繰り返す。

 

 

 

 

 

 体が燃えるように熱いはずなのに、汗は一滴も出ず、除夜の鐘のごとくがんがん叩かれているような頭痛か止むことなく襲い掛かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 『自分』を保っていられた最期の瞬間、

 

 

 

 意味のあることは何も考えられず、「過去の記憶が瞼の裏を」………なんて、

 

 

 

 気の利いたものを見ることもできず、

 

 

 

 

 電源が切れたように意識を失った。

 

 

 走馬灯なんてなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

27日目

 

 

 

 

 

 

 

28日目

 

 

 

 

 

 

29日目

 

 

 

 

 

30日目

 

 目を覚ます。

 そばにはジーンがいた。「いったい何があった」と聞くと、「衰弱していたので、壊れた組織を修復しつつ、作業員用の栄養食*1を注入し回復させた」とのことだった。

 

 ぼんやりと、助かったのか。助かってしまったのか。と考える秋敏。

 とにかく帰ろう、と台の上から降りる。

 

 

 

 ざり………。       床に違和感。

 

 見てみると、手術台の周りにはどこからか流れ落ちた血が固まっていた。

 

 たどっていくと、そこには死体があった。

 近づく。

 

 近づいて、誰だかわかった瞬間、秋敏は叫んだ。

 

 死んでいるのは、一号だった。

 

 

 首に大きな傷、止血もされず、そのまま失血死してしまった様子。

 

 「何故、どうして」叫ぶ。そうするとジーン・ドーパントはそれを命令ととらえ、説明をする。

 

 

――一号が、秋敏を連れてきた。そしてジーンに助けを求めた。

――衰弱した彼を抱え、自分の血を秋敏に飲ませながら*2

 

 

 一号の傷は、何かで切り裂いたような傷だった。衰弱していた秋敏にはできない。悪魔である彼女なら、素のスペックで力任せに首を切ることは容易いことだ。事実彼女の爪には自身の血痕と肉片が付着していた。

 

 

 「なんで、一号を治療しなかった! 」泣きながら、震える声で怒鳴る。

 

 一拍置いて、ジーンは答える。

「その命令はされておりませんでしたので」

 

 

 ふらり、倒れ込み、頭を掻きむしり絶叫する。

 亡骸に縋りつき、滂沱の涙を流す。

 

 触れてみると、一号は痩せていた。というか、やつれていた。秋敏は、一号に対して、栄養摂取の命令を入力してはいなかった。………「生きろ」とも命令していなかった。

 だから、一号は自分の命を守るということをせず、そのまま死んでいってしまった。

 

 

 全てが自分の過ちだと理解した秋敏は………。

 

 

 

 

 

 

 

 ネオガイアドライバーの残骸を滅多打ちにして完全に破壊する。

 すると、火花を噴いた残骸は消え失せ、新たに秋敏の手の中に出現した。

 半壊状態であったために、生み出すことができなくなっていただけだったのだ。

 

 

 

 

 

 死んでから時間が経った一号の死体は、腐敗が始まり、脳の記憶も大きく失われていた。

 「メモリー」で記憶を吸い取って、代わりの肉体に入れて疑似的な蘇生を行う………そんなことはできなかった。

 

 

 

 

 

 

 一号の遺体を、幹部育成用の培養増を改造して作った保存装置に収め、ぼう…と見上げる。

 

 ………。どうして

  秋敏は声を出さず、ただ見つめる。

 

 

 ………。近いはずのお前が、遠い

  秋敏は声を出さず、ただ見つめる。

 

 

 ………。これは死体だ、ただの物だ。壊れただけだ。また作ればいい。

  秋敏は声を出さず、ただ見つめる。

 

 ………。違う、それは違う。それは、一号ではない。断じて、彼女ではない。彼女であってなるものか!

  秋敏は声を出さず、ただ見つめる。

 

 

 ………。生き返らせる

  秋敏は声を出さず、ただ見つめる。

 

 

 ………。生き返らせて、もう一度、必ず

  秋敏は声を出さず、ただ見つめる。

 

 

 ………。僕の気持ちを伝えよう  

 

 

 

 踵を返し、秋敏は出ていく。

 あとには悲しいほどの静寂があるだけだった。

 

 

 

 

 

*1
映画ドラえもん のび太の恐竜2006にも登場したひみつ道具『コンクフード』のようなもの。15日目・上で作ったもの

*2
なんで? というのはあえてぼかします。ちなみに、血を多量に飲むと体内で凝固して大変とのことですが、それも全てジーンが修復してくれました




 はい。

 そんなわけで、調子に乗った主人公の身も心もズタボロにして、唯一の心の支えも壊してみました。

 わー、大変だー(他人事)
 ふ、驕り高ぶるからそうなるのだ(神様ムーブ)


 今回のタイトル元ネタはネット版7話「Gは不可能/バッドピクチャーパラダイス」。

 次回からシリアスモード主人公の、一号ちゃんを蘇らせる大作戦が始まります。
 そんなに長く続く予定はありませんのでご安心ください。
 ちなみに、現状 彼の持つメモリをどう使おうが一号ちゃんを蘇らせるのは不可能です。彼の手札ではどうしようもなく。(「デスメモリ」なんて持っていません。「ダミーメモリ」ならありますが)


 ではまた次回、ご期待ください。




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―閑話―「人造悪魔第一号インタビュー」

 遅れて申し訳ないっす。


 

 

 PCあるいは携帯端末の画面の前の読者様、

 神様インタビューのコーナーへようこそ。

 

 私は郷さんを『ハイスクールD×D』の世界に転移させた、神様的………、存在Xです。えっちゃんでも可。

 え? 謎のヒロインXオルタと被る? 逆に考えるんだ、『被ってもいいですさ』と考えるんだ。神様の容姿や声を、えっちゃんのものとして考えてしまえばいいんですよ。

 

 

 第一回目のインタビュー ゲストは、前回唐突に命を落とし、主人公をシリアスモードに覚醒させた魔性の女。

 文字通りの意味でも、一般的な使い方の意味でも「LOVE DOLL」。人造悪魔第一号こと、一号さん。

 地獄に落ちる寸前の魂を回収してお呼びしました。

 

 それでは拍手でお迎えください(拍手サンプルボイスのボタンを押す)。

 どうぞ~。

 

 \パチパチパチパチパチパチパチパチパチ/

 

 

 

 

「………」

 

――こんにちは、一号さん。よろしくお願いします。

「はい」

 

 

 

――改めて確認させていただきます。これからあなたにいくつか質問しますので、それに正直に本心で応えてください。

「はい」

 

 

 

――これはロスタイムのようなもの。インタビューが終わればあなたは地獄に落ちることになりますが、特に救済したりはしませんので気負うことなく、取り繕うことなくお願いします。

 

「はい」

 

 

 

――自己紹介をお願いします。

 

「私は、リアス・グレモリー? という方の血液を用いて生み出された人造悪魔第一号です」

 

――リアス・グレモリーさんが親ということでしょうか。

「遺伝情報的にはそうなのでしょうけど…すみません。感情というものに戸惑ってしまって、うまく答えられません」

 

 

――いえいえ、大丈夫ですよ。では質問を変えまして、生前はお時間ある時どんなことをされていたんですか?

 

「時間があるとき………いつも秋敏さんと一緒にいたので、そうですね………なにも命令されていない時はぼうっとしていました」

 

 

――では一緒にいるときは?

 

「………その、えっと、秋敏さんに愛してもらってました」

 

――具体的に(真剣な表情)

 

「あうう…。

 ………その、一緒にご飯を食べたり、膝枕をしたり、手を繋いでテレビを見たり、一緒にお風呂に入って………(ごにょごにょ)…したり」

 

 

――聞こえませんね、もっと大きな声でお願いします。

 

「ううう…。あの、恥ずかしいんですけど。前の私に戻してください。それなら言えるはずですから…! 今はちょっと、その…感情が」

 

 

――もっと大きな声で、どうぞ。

 

「………………。

 秋敏さんに抱いてもらってました」

 

 

――ありがとうございました。

 

「………これセクハラってやつじゃないですか? あんまりされると泣きますよ? 今の私は簡単に泣けそうですからね? 今ももう涙ウルっと来てますから」

 

 

――神様なので他意はないです。

  そういえば、その知識ですがずいぶん物を知っていますね。

 

「え、あ、はい。私にも他の作業員や人造悪魔兵士同様に、一般常識や知識や倫理を纏めた『学習装置』で記憶を入力されていますから、大抵のことは」

 

 

――そういえば、一号さんは入力について色々あって魔力を持っていながらその出力方が分からず、兵士としては失敗作になってしまったのでしたね。そのことについてどう思っているのですか?

 

「…失敗作と言われると傷つきます。不思議ですね、目覚めてすぐ秋敏さんにそう言われたとき、あの時は悲しくなかったのに、今はすごく悲しいです。あの時そう思われていたことが、とっても」

 

 

――いったん休憩を入れましょうか?

 

「………大丈夫です。

 それで、えっと『失敗作として目覚めたことについて』でしたっけ。そうですね………ん、

 今考えると、というか、なんですけど、良かったと思っています。

 兵士として産まれたのなら、秋敏さんのために戦うのが生まれた存在意義で、失格で失敗作なのかもしれないけど、私はすごく幸せだったから。

 

 もしも私が兵士として成功していたらきっと秋敏さんは、私を…その……側において、『ぎゅっ』てして、『好きだ』って言って、愛してくれなかったと思うから。

 だから私は失敗作になったことは良かったことだと思います」

 

 

――………………。(虚空からブラックコーヒー)

「?」

 

 

――……んぐっ、んぐっ、んぐっ。………っぷはー。あー甘い甘い。

 失礼しました。では、次の質問です。聞くまでもないですけど………生みの親である郷 秋敏さんのとこを、一号さんはどう思っていますか?

《/b》

「………ひどい人だと思います」

 

 

――え? ………それはまたどうして。

 

「だって、秋敏さん人を殺しているんですよ? 」

 

 

――………そうですね。

 

「たくさん、たくさん。街をつくるさ材料になる人たちもそうですし、死ぬまで働かされる作業員の皆さんも、彼の戦闘訓練という名の遊びに付き合わされて殺される人たちも………あんなの、ひどいです」

 

 

――あー、それは確かに…まぁ…。

 

「確かに前の私はそれをひどいこととは考えていませんでした。でも今の私からすればすごくひどいことです。とってもとっても悲しいです。それに」

 

 

――それに?

 

「秋敏さん、私にもひどいんです。………(ごにょ)の最中に私のを上げて、やめてって思ってるのに全然やめてくれないし。もうとっくに頭真っ白になってるのにおっぱいいじめるのひどくなるばっかりだし」

 

 

――(無言のブラックコーヒー召喚)

 

「それにそれに、デートした時も電車の中で触ってきて『声出すな』って命令してくるから、必死に声我慢して………今ならわかるけど本当にひどいんですよ! 」

 

 

――あー、はいはい。ひどいねひどいね。

 

「あ、で、でも。別に嫌な人って訳じゃないんです! 一緒にいて楽しいし、優しいし、激しいけど繊細で………私を抱いている時も偶に悲しそうな、追い詰められたような顔を見せて。あと、夜にうなされて抱き着いてくる可愛い所もありますし………こんな私を愛してくれますし………」

 

 

――そうですねーいい人ですねー。

 

「はい! ………あっ! 違います! えっと、えっと、私、こんな体にされたこと怒ってるんです! 」

 

 

――というと? 体といっても魂ですから、まぁあれですけど、確かあなたの体は改造されたんでしたっけ?

 

「はい。顔以外色々されて、秋敏さんの意思で、(ごんよごにょ)…したり、(ごんよごにょ)…しちゃう! え…えっちな体にされちゃったんです! 」

 

 

――ふんむ……ちょっと触ってみてもいいですか?

 

「駄目です! これは秋敏さんのですから!

 さっきも言ったけどセクハラですよ。触られたら私死にますからね、近づかないでください、死にますよ」

 

 

――もう死んでますけどね。 冗談ですよ。

  それで、話を戻しますが、何か不都合でも?

「不都合だらけです! 可愛い服は着れないし! あちこち重たいし! 足元見えなくて怖いし! スイッチが入ったらちょっとの刺激でふわふわしちゃうし…っ! 今だからこう思えるんですけど………」

 

 

――まぁ、でも、その体になったおかげで、より強く愛されるようになったと考えれば?

 

「………(ぽっ)」

 

 

――(はい、ごちそうさまですー…ベタ惚れやないの。えー、意味わかんねー。これもグレモリーの血の影響なのかねー………)

――そういえば、「普段はぼうっとしていた」とのことですが、家事などはなされなかったのですか?

 

「そうですね…偶に言われてしたこともありますけど、大抵のことは秋敏さんが自分でやられていましたから。………そういえば、料理は一度もしませんでした」

 

 

――できるんですか?

 

「む、失礼ですね。できますとも。『学習装置』にちゃんと入っています。ハンバーグだってカレーライスだって、お味噌汁だって普通に作れますよ! ………作ったことはないですけど」

 

 

――その料理というのは、味はどうでしたか?

 

「えーっと………秋敏さんの用意する食事って、惣菜だったり、お手軽なものが多かったんですけど、でも美味しかったです。………あーん、ってしてくれて、恥ずかしいけどちょっぴり嬉しくて、今思うとまるで恋人みたいで」

 

 

――(まるで…? )そうですか

  質問はガラッと変わりますが、一号さんって、生れてから何日でしたっけ?

 

「え? えー………、12日? 」

 

 

――改めて考えるとめっちゃ短い人生ですね………。いや、それで、何か心残りとかありますか?

 

「心残り………。秋敏さんが注文してくれた服、受け取りに行って、着て見せたかったです。それで…それで…もっと、ずっと、ずっと一緒にいたかったです」

 

 

――(休憩入れます)

 

 

 

 

――大丈夫ですか?

 

「はい、ごめんなさい。急に涙が溢れてしまって」

「………。私、死んじゃって………秋敏さんが今どうしているのか想像したら辛くて…」

 

 

――?

 

「秋敏さんが私じゃない、別の人と一緒にいるのを想像したら、私、堪えきれなくて……っ」

 

 

――(そっち? )えっと、なぜそのように思うのですか?

 

「だって、秋敏さんとってもえっちで、女の人が大好きですから…ゼノヴィア? とかレヴィアタン? とかいう人のこと好きとかLOVEとかいっぱい言ってましたし………! きっと、私のことなんて忘れて別の人を抱いてるに決まってるんですから………っ! 」

「ぐすん………」

 

 

――ああ、泣かないで泣かないで。そんなことはないと思いますよ? 郷くんも同じ気持ちですよ。悲しかったり寂しかったり思っていますよ。

 

「……………………。だって」

 

 

――?

 

「だって秋敏さん、私に名前つけてくれなかったんですよ?! 」

 

 

――………。

 

「私のことを少しでも思ってくれているなら、名前ぐらい…ちゃんとつけて………」

 

 

――(これは、教えない方が面白そうだ。ま、これから彼女は地獄に落ちるわけだが)

 

 

 

 

――では、質問は以上になります。

  最後に、なにか一言お願いします。

 

「今回のことがなければ、私は、私の心を感じることができませんでした。嬉しさも懐かしさも、喜びも………悲しさも、辛さも。

 私の一生、秋敏さんと一緒に過ごした日々の思い出を大切な物だと思うことができました。

 ありがとうございました」

 

 

 

――………はい。こちらこそ。第一回目のゲストは一号さんでした。それではさようなら。行ってらっしゃいませ。

 

「(会釈をして扉の外、地獄へと落ちていく)」

 

 

 

 





 はい。そんな感じで、いかがだったでしょうか?
 一号ちゃん可愛かったかな? 感想プリーズ(キラキラ☆)。


 PS.アンケートご協力ありがとうございました。
 結果↓

①原作開始以後の主人公の立ち位置
(5) 禍の団
(1) 駒王side
(39) 中立=傍観者

②オリジナルガイアメモリ(幻想種等)出していい?
(4) だめ
(24) いい
(10) どちらでもない


 結果は見ての通りなので、そんな感じで進めていきたいと思いまーす。
 待て次回!

 ちゃおちゃお~♪


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31日目「Kの選択/恐怖 ●●●● (New Model)」

 最近自分の書いたのと大先生の書かれたのを比較して「ふええ…」ってなることが増えました。『比較』ってやっぱ悪性ですね(アホ面 訳知り顔)。
 まぁ、勢いで書いている趣味の産物だし、心を穏やかに。

どうぞ。



31日目

 

 どうやって一号を生き返らせるか。

 昨日、スーパー死神博士の知識と技術をもって、超科学的蘇生手術を行ったが、失敗した。

 

 蘇生ということで、真っ先に『NEVER』をイメージして、試作した疑似細胞活性酵素も試してみたが効果なしだった。

 彼らが施された物よりはるかに高度な化学技術・クローニング技術を用いて行ったというのに、だ。

 

 目覚めなかった。

 肉体的には蘇生は成功した。

 だが『生き返らなかった』。

 

 ………仮定だが、きっと魂的な何かが足りないのだろう。生きるためのエネルギー、存在の核になるようなものが消えてしまっている。だから生き返らない。

 一号の肉体は「悪魔」だ。そして…魂も「悪魔」の物だったんだろう。この世界は、僕のいた世界とも、死神博士のいた世界とも違う。

 

 悪魔も神も魔物も普通に存在する世界だ。当然、魔力も生命力も魂も、作中で言及されている。田足井を取り戻さない限り、彼女は帰ってこない。

 あるいは、不完全な蘇生で別の人格や魂を持って蘇ってしまう可能性がある。『仮面ライダーウィザード』の“コヨミ”のように。あれだって、笛木は自分の娘である暦を蘇らせたかったはずなのにコヨミとなってしまったわけであるし。

 

 

 

 

 ………魂を取り戻すといってもなぁ…。オルフェウスのように冥界まで直談判に行くわけにはいかないし。自分のことは自分がよくわかっている。どんなことをしてでも一号を生き返らせるつもりではあるが、僕の価値(ガイアメモリ)をアピールしつつ、危険回避を行う、なんて器用な真似、出来るわけがない。

 どうすれば………。

 

 っ! 唇噛んだ、口内炎出来るかも。痛い。

 

 

 

 

 ごちそうさまでした。

 っとと。………つい、寄りかかろうとしてしまった。

 ずっと「ある」と思っていたものが「なくなる」喪失感というか、悲しさは、慣れないな。

 面白い二次小説が消されていたり、R-18のが非公開設定にされていたり、サイトやブログが前起きなく消滅していたり。

 小説サイト ハーメルンで一気読みした翌日に消えてた『ハイループD×D』とか。一回しか読めなっかったからうろ覚えだが、悲しかった。あれ以来、家族や自分がいつ死んでもおかしくないということに気づいた。………気づいたはずだったのに。

 

 

 泣いてる場合じゃない。

 一刻も早く、生き返らせなければ。

 

 

 

 

 

 平成仮面ライダーで、完全に死んだ状態からの蘇生と言うと、

・アマダムの五代さん。

・真魚ちゃんの葦原さん。

・20回目の誕生日の優衣ちゃんさん。

・オルフェノクや流星塾生。

・反魂の術の斬鬼さん。

・ファンガイア化の嶋さん。

・パーフェクターの夏ミカン。

・ネクロオーバーのNEVER。

・ホムンクルスの織田信長。

・コズミック臨死体験の弦ちゃん。

・賢者の石の笛木コヨミ

・禁断の果実の紘汰さん。あるいは呪術パワーで復活しかけた王妃。

・トライドロン泊巡査。意識をコピーしたベルトさんと蛮野。

・グレートアイのタケル殿。

・コンテニュー神。

 

 …………………。

 それだ!

 神だ! 神が答えだったのか! 要するにデータだ。魂なんて、ファンタジーな考え方をしていたからいけなかったんだ。良く知りもしないで分かるはずがない。

 

 神は言った――『データまで削除したわけじゃないんだから、いいだろう』――

 

 魂ではなく、データと考えるべきだったんだ。データ、つまり記録………記憶。

 

 地の底まで魂を取りに行く必要はない。行ったところで、多分イザナミ状態だ。ヨモツヘグリだ。ハデスの嫁(名前忘れた)みたいに帰ってこれないかもだ。

 ならば、直接一号のデータを引っ張ってきて蘇生させた肉体に入力すればいい。

 

 

 やはり神は偉大だった。ありがとう神。ありがとう檀黎斗。あなたこそ神だ。

 

 

 

 

 

 

 そうと決まれば「●●●●との●●●●●●●●」たる「●●●●●●●」を探すということになるか。

 ………きっとある。あるはず。世界が違っても、地球という星の日本という国に僕は今いるのだから。大丈夫。

 もし仮に、なかったとしたら、強引に作ればいいだけのこと。

 

 探すには………火山に飛び込んでみるか。火山活動、ひいてはマグマのエネルギーを肌で感じることで、わかることもきっとあるはず。世界中の活火山にドリルして飛び込む必要があるな。

 

 ………パスポートはないが、ドーパントなら貨物室で十分。海外に無賃乗車させてもらえばいい。

 

 

 

 やるべきことは決まった。

 ならそれに備えて、僕自身の準備をしなければならないな。

 

 海外には危険がつきものだ。普通に歩いてるだけでも撃たれるかもしれないし、手首を切り取られるかもしれない。

 変身しようとメモリを手にしたら、それだけで殺される可能性すらある。

 

 ウイルスや伝染病、食事や水も気を付ける必要がある。

 逃げるにせよ戦うにせよ、今の自分の体力では話にならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

********************

 

 

 

 全身麻酔がかかる。スっと意識が薄れていく。

 ………うまくやってくれるはずだ。

 

 

 

 目が覚める。

 

 くらくらする。感覚が暴走している。鋭敏になりすぎだ。調節調節。

 用意しておいた神経鈍化薬*1

 

 視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚。五感すべてが、手術前の僕とは比較すらできないほど性能向上している。

 

 ………そして、今の自分を客観視してみる限り、脳改造によるストレス耐性アップもうまく機能しているようだ。前の僕なら発狂していたであろう感覚暴走も冷静に受け止められている。

 

 

 あ………。注射器砕いちゃった。

 素の力も増している…、と。

 

 改造手術により、手術前…普通の人間だった頃と比べて、今の状態でも10倍くらい? パワーアップしているわけだからな…。早く慣れないと。

 

 

 慎重に立つ。

 拳を握り、開く。

 ガイアメモリでドーパントになったときとは違う。ドーパントになったときは、その体で何ができるか、どう動くのが最適か全部感覚的に分かったけど、今はまるでわからない。

 これが、改造人間か………。

 

 

 

 

 

 

 

「 変…身… 」

 

 頭の中で、「変身する」スイッチを入れる。

 瞬く間に僕の体が怪人に変わっていく。

 

 

 『恐怖! コブラ男! 』

 といったところか。改造手術は成功していたらしい。ちゃんと、怪人になれた。そして、

 

 動けない。

 ………………………。動こうとすれば、動けるが、動いた瞬間に転ぶということが勘で分かる。

 変身した瞬間に感じる感覚器官・運動機関の圧倒的な機能向上。

 気分的には10万馬力とか抜かしたいぐらいだ。そこまでではもちろんないが、とてもコントロールできなさそうな感じはびんびんに感じる。

 自転車に初めて乗ったときのごとく、転びまくる予感がする。

 

 

 痛覚遮断の機能も付ける必要があるな。あれだ、『トリコ』の闇料理人ライブベアラーが歯に痛覚遮断スイッチをつけていたように。

 

 

 おい、姿見を持ってきてくれ。

 

 

 

 

 

 

 ………ふーん。

 なかなかかっこいいんじゃないか?

 結構イケメンな怪人に見える。生命力を重視し、かつ相性の良い生物としてコブラを選んでコブラ男になってみたが、なかなかいい感じじゃないか。

 全身艶やかな鱗で………ディノサウロイドってよりは、ディエゴ・ブランド―のスケアリー・モンスターズ発動の半恐竜モードというか?

 

 とにかく、怪人っぽさはありつつも、けっこうヒーローっぽさもあるかっこいい外見だ。嬉しい。原作のコブラ男どんななのか知らないけど、僕の方が100倍かっこいい。断言できる。

 

 

 

 

 改造手術で強くなったおかげで、銃やナイフくらいでは傷一つつかず、かすり傷程度なら一瞬で完治し、バイ菌やウイルスにもある程度の耐性と、汚れた食い物も水も関係ない悪食差も身につけることができた。

 これで一安心だ。

 これであとは、感覚の調整の再改造手術と訓練を行えば、すぐにでも調査に向かうことができる。

 

 

 待っていてくれ、一号。

 もう少しでお前を生き返らせられる。

 

 

 

――その後。脳手術と訓練に徹夜で取り組むのだった。

 

 

 

*1
ショッカー印の神経阻害薬のスーパー死神博士謹製、改良版。常人に投与すれば『BLEACH』の鈴虫終式・閻魔蟋蟀みたいな感覚になる。




 はい。
 おかしいなぁ…シリアスにしたはずなのに、読み返したらあんまりシリアス感ないぞ?
 本文中の●●●←は伏せ字です。ネタバレになってしまいますので。………まぁ、勘のいい人は気づいてるかもしれませんが。


 それでは次回。ちゃおちゃお~。




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32日目「悪夢なのC/なぜ人外は表に出たがらないのか」

 主人公リハビリ回です。ぐだぐだ言っているだけであまり話は進みません。

 まさかウルトラの父がウルトラの祖父になる日が来ようとは…『ウルトラの父降臨祭』が『ウルトラの祖父降臨祭』になりますね。………ウルトラのお爺ちゃん降臨祭のほうがいいかな?(サンタ的な意味で)




 32日目

 

 

 ぶっ! いっ…たくは、ないけど…厳しい…!

 

 ………。『レンジで卵が割れないイメージ』、だったっけ?

 合わないなぁ…やっぱり。そりゃ他人のイメージだしな。僕だけの力の押さえ方を考えないと。

 

 

 

 

 日付が変わってから思い出し、「ナイトメア」の夢世界でリハビリを再開して、一週間。

 今回は頭爆発しないように時間加速も穏やかにしているけど、なるべく早くリハビリを終えるに越したことはない。

 

 なんとか“気を付けていれば”転倒しないようになったものの、走ったりするとうっかり転ぶことがままある状態だ。

 やっぱり僕不器用だよ。こういうところ本当にふがいないなぁと思う。

 

 言い訳をさせてもらえば、張り切りすぎたというのもある。単純に改造手術するんじゃなくて、モリモリに強化改造したからな。

 特に感覚器官、神経系を弄ったのがここまで手間取ってる原因だと思う。

 感覚が人間時代のままだったら、パワーがどんだけ上がってもきっと慣れるの簡単だったと思うんだよな。

 

 この改造手術は、変身していない時でも危機回避ができるように、奇襲されても対応できるように施したもの。だから、危機に気づけなきゃ意味がない。

 そんなわけで、だが。

 

 結果はご覧の通り、ひどいひどい。

 夢空間では神経鈍化薬の効果がないから、感覚がささくれ立っている。

 脳弄ってストレス耐性やっておかなかったら本当に発狂していたよ。

 

 感覚の調節ができてないから、無味無臭なはずのこの空間ですら、嘔吐しそうなほど敏感に味覚と嗅覚が働くし、

 

 視界は遠くなったり近くなったり、望遠鏡をのぞいているのか顕微鏡をのぞいているのかって感じで酔うし、

 

 心音が絶え間なく、スピーカーに耳くっつけてるぐらい爆音で鳴り響いて鼓膜を破りたくなるし、

 

 

 

 ………要するに常時緑のクウガこと「クウガ ペガサスフォーム」状態。その上意思関係なく感度が乱高下する=めっちゃ酔う。

 感覚の調整ができないと多分僕生活できない。

 

 

 ………しんどい、寂しい。ストレスとして処理されない負の感情が溜まってくる。一号がいれば、肌を重ねることで不安を紛らわせることもできたのに………。夢の中だから、出すこともできる…、でもそれは偽物だから。僕の中の彼女の思い出が薄れてしまいそうな気がするから、出さない。

 

 

 ま、感覚調整できなけりゃキスすらできないだろうけどね。向井理さん主演のドラマ(題名忘れた)みたいな理由でさ。

 …いや、本気で食事すら危ういぞ。麻婆豆腐食べたら死ぬんじゃないか?

 

 

 この世界なら死ぬことはないし、さっさと慣れないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 壁。

 たん、たん、たーんっ、と。

 

 

 登頂! 手をついて、回転ジャンプ。

 

 着地!

 

 じゃん♪

 

 

 10! 10! 10! なんちゃって。

 感覚の制御/無視ができるようになってから3日。まさかこんなに簡単に体を動かせるようになるなんてなー。

 やっぱり感覚が原因だったんだよ、感覚が。

 

 ドーパントに初めてなったときと同じぐらい、テンションが上がってしまうよ。

 成し遂げた、ってのがいい。努力して、成果を出して、こんな真似ができるようになったってのが嬉しい。メモリの、外付けの力じゃなくて、自分でつかんだ力だってこともめちゃくちゃ嬉しい。

 達成感。自身の源になる。成功体験は最高だね!

 

 

 

 「ナイトメア・ドーパント」の能力で出したソファーに座って、チキンマックナゲットを食べる。ソースは当然バーベキュー。

 うまい。

 これもなー、ちょっと前までは刺激物扱いで食えなかったからなー。マジで嬉しいよ、うん。

 ともあれ、感覚の調整もできた。強化された肉体のボディ・イメージも完璧につかめた(『人類の到達点』と称されるジョセフさんほどではないけど)。

 

 

 コブラってことで付けたブラッドスターク的猛毒注入伸縮針も、

 ………この通り、手足のように扱えるようにまでなったし。感覚異常の時でも訓練してた甲斐があった………!

 崩壊毒とか意味わかんないから、分泌できるのは神経毒しかないけど。対人なら十分だし、そもそも戦うならドーパントになるわけだし問題ない。

 毒はあれだ、捕まえられた時に分泌して接触している相手を麻痺させたりする用だから、うん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ごちそうさまでした。

 ………針しゅるしゅるさせてて思ったんだけど、なんでこの世界の人外連中は表舞台に出てこないのかね。

 僕の今の力でも子供だましに見えるくらい化け物な連中がさ、なんで人間どもを裏から支配ー、とかするのかね。

 普通に出てくればいいじゃん。なんで存在を知られるのはまずい、みたいな不文律があるの? と。

 神レベルなんて、『仮面ライダー鎧武』のロシュオ筆頭のオーバーロードと同じじゃん。姿現してその圧倒的力見せつけてやればいいじゃん? 核ミサイル撃ち返せばいいじゃん? そう思った。

 

 容姿が優れてるんだから、アイドルとかモデルとか、芸能人になってカリスマ性発揮したりとかさー。ニュースになるくらいの大事件起こせよ! とか思った。

 ま、悪魔は見つかったら天使や教会に滅ぼされかねないから、表舞台に立てないのは理解できるよ。

 でも、じゃあ、天使出てこいよと。

 テレビ出演して「悪魔とか堕天使とか危険な存在がいますよー」って言えよ! と、そう思う。

 神の信仰集めるためにも、ユーチューバーにでもなれよ、ネットに存在晒せよ、と思う。神秘もくそもあったもんじゃねーけどさー、型月みたいに『神秘は神秘であるからこそ…』みたいな感じじゃないんでしょ? 別に知られちゃっても、信仰がどうこうなっても問題ないんでしょ? なら晒しちゃえよ、と。

 

 

 他の神話勢力と戦うにしても、この「人間社会」を取り込むなり支配するなりした方が動きやすいだろうにさ。

 

 

 今から一年ちょっと後に起きる『邪龍戦役』。

 邪龍を人間に見られた云々で狼狽え…………………人間世界が混乱したら神話世界も混乱する的なことを言っていたような……?

 どっちにしろ気合が足りねぇな、オイ。

 

 そう思った。

 

 

 

 ………『仮面ライダーアマゾンズ 蛍火』で、似たようなのがあったな。

 アマゾンはなぜ人を襲ってはいけないのか、もとい「食人本能が目覚めるまで、なぜ違う生き物であるはずの人間を襲わないのか」  って。

 あれは結局、“距離の問題”…言葉が通じて共感できて、同じ姿をしているから。ってことだったけど…………………まぁ、そうなのかなぁ。

 

 なんていうか、こう。

 僕も()()なってから時折感じた

 

 強くてスゴイ『優越感』とか

 

 外れていることの『疎外感』とか

 

 逆に劣っているのではという『劣等感』とか

 

 普通の人間に対する『憧れ』とか

 

 

 そういうものがあるから、人間()()にはともかく、人間()()には手を出さない、ってことになっているのかね。神話上層部は自分の神話世界を守るためだろうけど、末端は多分そんな理由で大々的に動いたりしないんだろうと思う。

 協会所属の人間も、陰陽師的な人間も、神話世界がぶっ壊れたら食い扶持失くすからな。だから表立って動かないのか。

 クソせこいな。人外もその協力組織も。

 

 

 

 

 別に変えようとは思わないけどね。

 『神の不在』とやらを大々的に発表して、信仰急落、天界堕としッ(物理)! するのもおもしろそうっちゃー、おもしろそうだけど、今はそんなことに構ってる暇はないからな。

 

 

 

 

 

 そろそろ現実に帰るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現実に戻ってきたら、13時。

 ………ふむ。

 平気、だな。脳はそこそこ痛いけど、リリスと20年過ごしたときほどじゃない。

 

 感覚の調整も…夢の中の要領でできてる。

 肉体の方も………できてるできてる。作業員一人を潰すことなく持ち上げることができた。力加減を間違えず、怪力を制御することが完璧にできている。

 

 

 

「ロード」

 

【変身】

 

 とっても久しぶりって気がするよ。今の僕、そういう顔してるだろ? ………マジレスすんなよ。ジョークの通じない作業員にネタを振った僕も悪いけどさ。

 

 

 表の駒王町に帰還。

 

 さてさて、行くか。えーっと? 駒王町から新宿まで1時間だっけ?

 

 

 アプリで検索してみたところ、今から富士山に行って、用事を済ませて今日中に帰るのは余裕っぽい。

 早速行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 はい。富士山到着。そして

 

 

 ドライバーセット。

 

「インビジブル」

 

「スミロドン」

 

 

【変身】

 

 制限一部解除。コブラ関係なく強化改造された視力と、スミロドン・ドーパントの高速移動でもって、真っ暗な道を疾走していく。

 

 

 

 ま、ここいらでいいかな?

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ゾーン・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ゾーン・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「マグマ・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「マグマ・アップグレード」

 

【変身】

 

 

強化ゾーン=マグマ・ドーパント

 

 今更だけどすっげぇ不安。

 瞬間移動マグマダイブ………耐えられるかな。

 ええい! 男は度胸!

 

 

 

 瞬間移動………ッ!

 

 

 

 

 ………………………。

 意外と何ともないな。緊張して損した。ここがマグマだまりってやつか。中学や高校で習ったけど………。こんな感じか………。

 ふ~む………。星の息吹を感じる…気がする…。

 よし、ガイアメモリ大量放出ー!!

 湯水のように、突き出した手の平からガイアメモリを放出する。

 放出されたメモリはマグマの熱により一瞬で融解していく。これでいい。

 ガイアメモリに記録された地球の記憶が外装を溶かされたことで露出し、溶けだす。

 溶けだした『地球の記憶』はマグマの中を沈んでいき、やがて星へと届く。その刺激がきっと………。

 

 

 とりあえず、ここはこんなところでいいだろう。

 

 瞬間移動。

 

 マグマ………。うっとうしい!

 

 

 

 変身解除。さて、戻るか。

 

 

 

 

 

 ただいま。

 日付が変わるまでに帰ってこれた。

 

 疲れたので寝る。お休み。

 

 

 

 




 はい。
 タイトル元ネタはネット版8話「悪夢なのH/絵心王子は誰だ?」より。マジのマジで苦しくなってきた。
 次の日から海外編(なお、作者が海外旅行経験2回だけなのでふわっふわでさらりと終わる予定)。


 (書けたなら)月曜日にお会いしましょう。ちゃおちゃお。



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33~79日目「さけべGよ!/世界一周マグマダイブの旅」

月曜日にできなくて申し訳ありませんでした(精神的に土下座)。

 (祝え! )翔一くんこと、賀集さん! おめでとうございます!


33日目

 

・「しまった 服がない」

  →変身しても破れないようなだぼっとした服を買いに、デパートへ。

 

・「一号………」

  →デートで注文した(受け取りに行ってなかった)服を受け取り、涙。

 

 

・「しっかり身代わりを頼んだぞ」

  →作業員ドーパントに『田中耕一』役を任せ、出発。

 

・「よく考えたら不法入国とか、やばいよな」

  →インビジブルで飛行機に乗り込み、トイレで待ち伏せ、ジーンとメモリーで容姿/記憶をコピーし、オリジナルを分解。パスポートなどを手に入れて悠々と席に座る。

 

 

********************

 

 

 世界を巡った彼の物語。

 たくさんの出会いと別れ、たくさんの驚きや痛み、悔しさ、愛、喜び、恐れ、決断があった*1

 

 

 

*********************2

 

 

 

 

「いや、実にいい取引だった。何かあれば連絡させて頂くよ金づる(パトロン)君。………ありえないことだが、もしも私を裏切るようなことがあれば、その時は………君たちに、真の『恐怖』を与えることになるだろう。くれぐれも注意してくれたまえ」

 

 

「海外旅行ではスリに気をつけろ、というけれど。本当にそうなんだなー。

 そんなにきょろきょろしても仲間は来ないぜ。匂いで分かったから神経毒を致死量で盛った。あとは実行犯のお前だけだ」

 

 

「ふーん。それが神器ってやつか。ちゃんと使ってるやつは初めて見た。

 ん? 俺? 俺は通りすがりの超人だ。助太刀するぜ」

 

 

「………俺は虫けらみたいに人を殺す人外どもが許せない。俺を改造したのも、人を人とも思わない組織*3だった。でも、俺が奴らをどうすることもできなかった*4。だから逃げてきたんだ………カッコ悪いだろ? 」

 

 

「旅は道連れ、ってか? お前も、俺も、義理は果たしただろ。本当についてくるのか? 俺の側にいてもいいことなんてないぜ? ………まいったな。『寂しそう』だなんて、年甲斐もなくうるっとしちゃうじゃないか」

 

 

「――楽しかったぜ、お前との仲間ごっこ」

 

 

「そうだ、もっと、もっとだ! もっと感情を高めろ! 神器の力を解放しろ! 」

 

 

「この味は…悪魔か? 」

 

 

「お前が戦わないのは勝手だ。けど、そうなった場合、誰が代わりに戦うと思う? シスターだ。シスターは今回の件でお前に負い目を感じてるはずだ。だからお前が出ていかなければ、自分から戦いに行くだろう。けど、シスターじゃ悪魔たちには勝てない。そうなれば教会の連中は寄ってたかってシスターを責める」

「お前が戦うしかないんだよ」

「お前にもわかってるはずだ。だから何かを期待してここに来たんだろ!? 」

 

「お前が悪魔に勝てばいい。………安心しろ、勝つ方法はある」

 

「貸してやるよ。この『テラーメモリ』はお前の神器と波長が合っている。使いこなせれば悪魔であろうと一蹴できるまでにドーピングができる」

 

「何をためらってる! お前には守りたい人がいるんじゃなかったのか!? 自分が愛した恩人の笑顔のために戦うんじゃないのか!? それとも全部ウソだったのか!? 」

 

「ずいぶんと辛そうだな。コネクタ手術もせず、ゴールドクラスのメモリを直挿しして、ここまでよく保ったといえるか。さすがはドラゴン系神器の持ち主。未熟ながらも眠っていた才能は大きかったということか…。ま、才能も未来もお前にはもうありはしないけどな」

 

「ご苦労だった、お前のおかげで最高のメモリができた。恐怖を呼ぶ竜の神器とその宿主の力と命を吸い尽くした『恐怖の記憶(テラーメモリ)』。ハッ…挿してみるのが楽しみだ」

 

「ん? シスター? ああ、安心しろよ。――ほら、あそこにいるだろ?

 お前のことが心配だって泣いて頼むもんだから、俺もつい、感化されてここを教えちまったんだ。

 ウッカリしてたよなァ~………まさかあんなに広がるなんてな。助ける暇がなかったぜ」

 

「ほら、よく見てみろよ。お前が守りたかった人なんだろう? 悲しいが、彼女は恐怖の世界に飲み込まれている。そしてその恐怖の根源はお前だ。奇跡的にお前が回復しても、彼女の恐怖が変わることはない。お前は一生お女の恐怖であり続けるんだ」

 

「ほー、これが“禁手化”ってやつか。初めて見たが、なかなかの圧だ。俺では到底敵わないだろうな。

 そうわめくな。相手をしてやるよ、ただその前に言うことがある。

 ――シスターが自傷まで始めたが、止めないでいいのか? 」

 

「――油断したな。お前は何か勘違いをしている。お前は確かに“禁手”に至り、強大な力を得た。俺を簡単に殺せる力を。だが、別に体力が回復したわけでもないし、強化されたわけでもない。テラー・ドーパントとしての姿も見せかけだけで、中身はとっくに壊れ、死臭まで香ってきている。決死の一撃を放たなかった時点でお前の負けは決まっていたのさ」

 

 

 

「随分と…秘境に…あるんだな…。メモリデータを吸収させた時反応が返ってくるようになったのは、大きな前進だけど…さ」

 

 

「化け物? 冗談はよしてくれ。俺は人間だ。

 筋肉 骨組 神経に、循環器系・呼吸器系・消化器系と肉体の中から外まで人の手の入っていない場所がないとしても。

 普通の人間(ヒト)には見えないモノが見えて、

 普通の人間(ヒト)には聞こえない(モノ)が聞こえて、

 普通の人間(ヒト)が気に留めない匂いや味が解って、

 だとしても俺は人間だ。人外(お前ら)と一緒にするな…! この化け物がッ! 僕は人間だ! 」

 

 

 

「これは…! この光は…! 遂に、遂に来た…! 僕は! 僕がッ! 地球に選ばれた!

 この時を待っていた! エックストリィィイーーム!! 」

 

 

「もしもし? 私だ。前に発注していた装置は完成しているな? よろしい。それを所定の位置に運べ。なに? 無理? いい度胸だ…」

 

「私がなぜお前の場所を知れたか不思議か? お前たちには『アイズ』の眼球を移植してある。それがある以上、お前たちが何をしているか、どこにいるのか、私にわからないことはない」

 

 

「あ、もしもし。はい、注文をしていた郷ですけど~。部品の方は完成しましたでしょうか?

 あー! ありがとうございます、ありがとうございます。はい、はい。明日には取りに伺いますので…はい、はい。わかりました、ではそのように。はい、よろしくどうぞー………」

 

 

「もう少しだ、一号」

 

*1
しかしそれは作者の力量(海外経験)では描ききれないので決断的に省略。

*2
 以下、33日目から準備完了の79日目(3月16日)までの主人公の放った言葉から、なんとなくイメージして補完してみて欲しい。

*3
自分ちのことです

*4
自分ちだからな




 はい。

元ネタはネット版14話「さけべNよ!/災難は加頭と共に」より。タイトル要素がラストしか合ってないけどまぁいいかなって。

 こんなんでいいのかな…と思いつつ、Twitterで流れてきたやつに「書きたいものをかけ、書かなければならないものは、意欲がわかなければ書かなくてもいい」みたいなことが書いてあったので、スキップしました。

小さな疑問。
 石踏先生、Twitterで、原作一巻の出来事は四月だって言ってるんですけど、どんぐらいからなんですかね。四月中旬ぐらいかな? と思ってスケジュール組んでいるんですが。


 次回、いよいよ一号ちゃんが復活………。(次回が一週間後になるかもしれないケド。10連休前ごたついちゃって、何から始めて何から終わらせればいいのかアワアワするほど忙しくって………おの連休…! )


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80日目「iの肖像/今、輝きの中で」

 2万UA行きましたー! わーい(歓喜の舞い)! また評価「1」されましたー! わーい(ギャン泣き)!

 アベンジャーズ、初日に見に行ける人羨ましいなー。


********************

 

 前回の3つの出来事!

 1つ! 世界中のマグマにダイブし、ガイアメモリのデータを地球に送る。

 2つ! ヱボルトムーブで、“禁手”神器の遺志と命のこもったメモリを作る。

 そして3つ! ついに、地球が反応を示した!

 

********************

 

 

80日目

 

 準備完了、っと。

 夜のうちに帰国し、ゾーン・ドーパントの空間転移で作業員共々、この「約束の地」へと転送して早4時間。

 いよいよガイアゲートを開く準備が整った。

 

 ………長かった。本当に長かった。

 

 ………。

 

 

 よし、作業員は配置に着け。

 「地球意思とのアクセスポイント」、通称「泉」、「ガイアゲート」の発生・制御作戦、『オペレーション・ガイア』を実行する。

 

 

 

 ガイアゲート発生準備。装置起動。

 1番から68番の作業員は持っているガイアメモリをメモリスロットへ装填してください。

 

 

 

 

「マグマ」

 

「ティーレックス」

 

「マネー」

 

「アノマロカリス」

 

「コックローチ」

 

「スイーツ」

 

「バイラス」

 

「バイオレンス」

 

「アームズ」

 

「バード」

 

「アイスエイジ」

 

「トライセラトップス」

 

「ライアー」

 

「パペティアー」

 

「インビジブル」

 

「ホッパー」

 

「ナイトメア」

 

「ビースト」

 

「ゾーン」

 

「イエスタディ」

 

「ジーン」

 

「ジュエル」

 

「オールド」

 

「エナジー」

 

「ダミー」

 

「死神博士」

 

「エッジ」

 

「オーシャン」

 

「バット」

 

「スパイダー」

 

「メモリー」

 

「コマンダー」

 

「アイズ」

 

「ユニコーン」

 

「クインビー」

 

「フラワー」

 

「ビー」

 

「エイプ」

 

「ドルフィン」

 

「エレフェント」

 

「サラマンダー」

 

「フィッシュ」

 

「アンモナイト」

 

「トロリバイト」

 

「マンモス」

 

「ゼブラ」

 

「ズー」

 

「ゼロ」

 

「マスカレイド」

 

「ロード」

 

「トードストール」

 

「オーロラ」

 

「ブラキオサウルス」

 

「メガネウラ」

 

「スクリーム」

 

「カラカル」

 

「パズル」

 

「アントライオン」

 

「リアクター」

 

「アルコール」

 

「ウェザー」

 

「ケツァルコアトルス」

 

「テラー」

 

「タブー」

 

「クレイドール」

 

「スミロドン」

 

「ナスカ」

 

「ユートピア」

 

 

 

 装填完了。作業員は下がれ。

 

 ガイアメモリ、メモリデータ抽出開始。

 

 抽出データ増幅、加速。

 

 増幅…増幅…。

 よし、今! 装置下部解放! データを地球のコアへと送れ!

 

 どうだ? 計器類は正常に機能してる? してる、よし!

 

 そのまま、そのまま。

 

 

 ピリッとした感覚。僕の超感覚が怯えている。人が津波や嵐を恐れるように、圧倒的な自然の力が迫っていることを肌で感じる。

 

 

 コア到達。到達したガイアメモリデータは地球の意思を“ここ”へと誘導する。

 昨日目覚め、僕と対話した地球の意思は、表出したがってはいなかった。しかし『ガイアメモリ』には興味を抱いているようだった。親が生き別れの子どもを見て、本能的に自分の子どもだと認識できるように、自分とは違う地球の記憶を感じて…何かを思ったのかもしれない。

 

 放出したメモリデータの(みち)を遡り、膨大な『地球の意思そのもの』と言えるほどの圧を持った物が来る。

 

 来た…!

 言うべきだろうな! 言ってやるさ! 昨日はお父様ver.だったから今日は若菜姫ver.だ!

 

 エクストリィィィィィィム!!

 

 

 

 

 ふう………、よし。エネルギーの制御開始。放出を絞って止めないように注意しろ。

 悪魔兵士、“力”を感じるか? 悪魔的な、あるいは神器のような人外特有の第六感に働きかける力を感じられるか?

 

 感じられない…か………、よし。

 計算通り。もしもこっちの地球に魔術的な記号が存在していたら、この力に人外が寄ってくる可能性があったからな。

 

 

 

 じゃあ、行くか。

 

 

 

 

――僕は、地球の記憶から一号の記録(データ)を引き出そうと考えた。だが、それには問題が一つあった。

――ガイアゲートを開いたとして、そこから特定のデータを引き出す装置をどうやって作ればいいのか、それが解らなかったのだ。

――強化アダプターを噛ませた死神博士メモリ4本挿し、『ハイパー死神博士』となった僕の頭脳でも全く分からなかった。そのデータやエネルギーを調整したり運用したりするのは辛うじて解析して分かったものの………。………メモリを元にそれの製法を知るというのはつまり、完成した料理からそれを作る製法と材料、使った調理器具までもを推理するということだ。いくら能力が強化され、知力思考力共に向上している『ハイパー死神博士』状態でも、僕の人格のままでは気づきが足りず、そのような装置を設計することはできなかった。

 

 

 

――できなかったから、僕は今ここにいる。ガイアゲートと化した、制御装置のすぐ側に。

 

 

 

 えいっ

 

 

 …………………。

 

 ………………………………………………………………………………………。

 

 ………………………、ああ、そうか、そうだったのか……ガイアメモリとは……地球意思とは……ああ分かる、分かる。地球の全てが分かる。この星に生きるすべて、遥かな太古から今の今までの記録が全て閲覧できる。

 素晴らしい…! 素晴らしい…! もっと、もっと見せてくれ! この星の全てを! 地球(わたし)の全てを!

 

 

 

 ********

 *******

 ******

 *****

 ****

 ***

 **

 *

 

 

 

 

 戻ってきた。

 僕という人間のデータが再構築されたというべきか………。

 

 地球の意思と繋がったガイアゲートに身を投げて…、僕は地球と一体化した。そこで、全てを見て…全てを知って…戻ってきた。

 ………と思う。

 なんだか記憶があいまいだ。ともあれ、僕は地球という無限のデータベースと同化し、地球そのものとなって帰ってきた。道自体は繋がっていたのだから、気をしっかり保って、覚悟を決めていれば戻ってこれると信じていた。

 

 さて、目的は達成したわけだが、コレどうしようか。

 ガイアゲート、今もまだ繋がっているが………うーん………メモリを生産するために利用できそうなんだよなー…でもなー…。ここ見つかったら………うーん………。まぁ、山の中にゾーンとマグマで作った空気穴以外に入り口も出口も存在しない大空洞だし、問題ないか!

 

 

 

 

 そんじゃ帰るぞー、っと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帰って駒王町、“裏駒王”。

 一号の遺体の前。

 

 検索を始める。

 調べたい項目は『人造悪魔第一号』

 

 いきなり絞れた。…彼女に関するデータをメモリの形にしていつもの要領で手の平から生み出す。

 

 っ! これは…っ……きっつい…なッ!

 メモリを生み出した代償か、身体が揺れる。24時間ドーパント体になっていても余裕で動ける改造人間としての膨大な体力がほぼ尽きかけている。この世界の地球の記憶を手に入れて、新しいメモリを作れるようになったけど、新しいメモリは生み出すだけで疲労が半端ないみたいだな。僕の持つメモリを生み出す能力が混乱しているようだ。

 無理矢理海賊版のデータをインストールされているというか…、規格の違うソフトを無理やり動かしているような、そんなエラーが頻発しているような感覚がある。自分でも何を言っているのかわからない、とにかく言語化しにくい不快感だ。

 

 

 うぅ…ぐぅ…。

 

 メモリを起動する

ICHIGO(一号)

 

 遺体にメモリを挿す。コネクタ無し、直挿し。普通であればガイアメモリの毒素が体を蝕んでしまうが、問題ない。むしろそれがいい。

 毒素となって体を巡るメモリのデータは遺体の隅々に浸透していく。

 そうして、彼女の欠けた一部、魂あるいは命と呼ばれるものの代わりとなって、再起動する…はず…。

 やばい、意識が、途切れ―――………

 

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚めると、

 そこには天使がいた。

 

 違った、一号だった。間違いない、天使だ。違った悪魔だ。どっちだ、どっちでもいいわ。

 

 生き返ったのか…良かった…本当に良かった。

 

 わっぷ!

 顔に柔らか幸福クッション! どうしたの!?

 

 ………泣いてる? 一号が? なんで…?

 

 

 感情が、え?

 ………………………………え?

 

 

 

 ………………とりあえず一号、エッチしよっ。

 

 

 

 

 




 10連休は超絶忙しくなる予定(白目)。
 なので更新はできないと思います。

今回のタイトル元ネタは風都探偵「sの肖像/以下略」、結末(おやっさん!)は知っているけど知らなかった色々がバンバン出てきて超面白過去編から、でしたー。

はい。

 一号ちゃん復活と、主人公データ人間化(『園咲来人(地球の子)』化)でした。
 以前行ったアンケートで、「オリジナルメモリを出してOK! 」ということだったので。予想された読者様もいらっしゃったかと思いますが、こんな感じになりました。

 あんまりオリジナルを出すのもどうかと思うので、一本作ったら半日以上ぶっ倒れるというデメリットをつけました。これまで通り、主に今回紹介した69種類のメモリを使い、ここぞという場面でオリジナルの便利なメモリを使う感じにしていきます(偶にふざけた使い方をするかも)。
 ※『風都探偵』で新しいメモリが出たら今話を編集して追加します。

 ただ、それももうしばらく先までです。主人公がメモリを生むからぶっ倒れるわけで…そうでなかったら…。これからの展開にご期待ください。
 (↑ヒント:『悪の秘密結社』『V』)


 次回は久々の甘々らぶらぶチュッチュッかなー。





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81~85日目「Iに手を出すな/忘れられたモノ」

 そろそろ原作前が終わります。あらすじは次話更新と共に。

一月ぶりの風都探偵 第53話 最高でしたね。ラストとか脳内再生余裕。いろんな酔おうその補完にもなっていてマジ最高。『男の仕事の八割は決断』………残されたUの翔太郎といい、似たもの師弟だなぁ、って。





81日目

 昨日に引き続き、一日中、朝から晩まで「ずっこんばっこん」しました。

 一号がなんか言っていましたが、身体中撫でまわして口はキスで塞ぎました。

 

 

 

82日目

 昨日に引き続き、一日中、朝から晩まで「ぐっちょんぐっちょん」しました。

 改造人間らしく体力はまるで底を見せず、ずっと動いていることができました。

 一号は何故か元気で、意識をとばしつつも僕の迸りを受け止めてくれて、ビクンビクンしています。超かわいい&超えっちい。

 変身して、鋭敏化した超越感覚で感じる痛みも全て快感に変換しながらひたすら一号の体を貪りました。彼女はもとよりエロ改造をしているのでびっくんびっくん、こちらがイけばあちらもイキました。

 僕も彼女も意識が途切れ途切れになって、それでも交わることを止めず、お互いを求め合いました。

 

 

 

83日目

 改造人間同士の相乗効果、快感の膨満・暴走によって一時死亡。危なげなく再起動。

 九分九厘死亡状態で脳みそ「え? 死んだよね? 死んでない? ギリギリ? 脳内麻薬ドバドバさせて意識覚醒させつづけにゃ!! 」、多幸感と全能感に酔いしれながら溶け合うように あんアンドロどろ~♥

 

 

 

84日目

 疲れ切っているのに、体だけギンギンで眠れないので、抱きしめ合い、撫で合い、啄み合い、愛し合いました。ぎゅー!ってして、ちゅっちゅしました。超甘えさせた&超甘えた。

 気持ちよかった、幸せだった。人生の絶頂だった。愛することも愛されることもとてもとても気持ち良かった。

 求め合って溺れ合って舐め合うのは、脳が蕩けるほど甘くて、心が溢れるほど幸せだった。

 

 

 

85日目

 正気に戻った。

 改造手術やっておいてよかった。また脱水症状で死ぬところだった。

 一号はまだ眠る…気絶?………まぁ大した違いはないよな。眠っているからそーっと起きて、朝食の準備をする。

 ガイアゲートから帰ってくる時に、買っておいた食糧。賞味期限はまだ大丈夫だし、それを使って調理開始。

 

 油揚げに豆腐、もやしに卵、鍋でごはんと一緒に混ぜ混ぜして、ハイ完成。卵雑炊~!

 子どもの頃よく食べたもんだよ。こんな感じこんな感じ、おこげが美味いんだよなぁ。

 あーとはっ! 味噌汁と菜っ葉のお浸し。

 

 あ、目が覚めたー? 朝飯できたから食べよー。

 

「(。-`ω´-)」*1

 まーまー、なんか言いたいことあるかもだけど、まずは食べよう。ずっとヤりっぱなしでお腹空いたでしょ? ごめんねー。

 

「(*∩ω∩)」

 ごめんて、じゃあはい! 手を合わせましょう、合わせました。いただきます。

 

「σ(´~`*)」

 

 

 

 

 ごちそうさまでした。

「(*_ _)」

 おそまつさまでした。………さて、それじゃあ、

「₍₍ ( * ॑ ॑* ) ⁾⁾」

 お風呂入ろうか!

 

「(;´゚д゚`)」

 いや、だってさー。見てみぃよ、自分の体。べったべたのどろっどろやで? 話したいことがあるんだろうし、僕も聞きたいことはあるけど、こんな状態で真面目な話とか、締まらないじゃん?

「Σ(; ゚Д゚)」

 ね? というわけでお風呂に入ります。風呂沸かしている間に僕はここを掃除するので、一号は朝食の後片付けをしておいて。

「(`・ω・´)」

 

 

 

 

 

 ジーンの能力で、体液の染み付いちゃった汚れやら何やらを分解してきれいにし終わったちょうどそんなタイミングで、お風呂が沸いたとラブコール。

 

 で、

「(・_・)」

 なんで一緒に入ってるの?って、別々に入ったら時間かかるでしょー、一緒に入るのは初めてじゃないし、いいじゃない。

 

「(。・_・。)」

 おっと、照れましたね…、新鮮だ。新鮮な反応、ぞくぞくする。エッチしてる時も恥ずかしがったりするようになってけど、いやエロいね。やっぱり恥じらいは最高のスパイスだよ! 何はともあれ、ナニはともあれ…お背中流しますねー。

 

「Σ(゚д`*;)」

 くっふっふ、エロスイッチをオンにさせてもらったぜ。ここかー?ここがええのんかー? んー? だめだめ、やめないよー&肝心な場所は触らないよー。焦らさせてもらうぜー。

 

 

 

 

 ふぅ…。暴発してしまうところだった。悶える様も喘ぐ声もエロすぎだっつーの。

 じゃあ一号、僕のこと洗って―――

「(*゚ρ゚*)」

 ―――おっと、獣の目ですね。

 

 

 

********************

 

 ぐっちょんぐっちょん、

 ざばざば ばちィんばちィん

 じゅぼぼじゅぼぼ、ちゅぱちゅぱ

 

********************

 

 

「(*ノдノ)」*2

 顔を隠しても、まっかっかだぞ。え? のぼせただけ? へー? いっぱい()()したせいでお風呂のお湯かなり減ったっていうのに? あー、もう可愛いなー!

 

 めっちゃ乱れるし、めっちゃ求めてくるし、めっちゃ照れるし、何この子可愛すぎない?

 

「((((((*ノдノ))) 」

 こりゃだめだな。落ち着くまではなしは出来そうにない。おとなしくおっぱい揉んで、落ち着くのを待とう。

 

 

 

 

「(,,꒪꒫꒪,,)」

 落ち着いた? んじゃ、落ち着いたところで、そろそろ上がろうと思うんだけど―――え? 治まらない? おっぱいもみもみされたせいでまた(*´Д`)してきた?

 おいおいおい好きものだねぇ。なんだい超ピンクじゃん。前も表情や言葉に出していなかっただけで本当はこんなに発情娘だったのかな? いったい誰がこんなに淫乱っ娘にしちゃったんだろうね?

 

「(´・ω・`)」

 あはは、いいっていいって。そんな一号のこと僕大々々々好きだから!

 

「(*u_u) 」

 それではお嬢様、上のお口と下のお口、どちらにキスして欲しいですか?

 

「(o-_-o) 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はい。そんな感じで楽しい楽しい一緒にお風呂イベントが終わって、ちょっと話をして、一号の体を調べるため“裏駒王”にやってきました。

 いちいち、ロード・ドーパントに変身するのもだるいと思ってたし、そろそろ『風都探偵』の組織でいうところのビゼル的な道具を作るべきかもなー…前の僕は知識不足で製造不可能(作れはするけどデカすぎて携帯に向かない)だったけど、今の“地球一頭の良くなった”僕なら余裕だし。

 

「(´・_・`)」

 あ、ごめんごめん。さー、こっちだよー。

 街も結構変わったんだ。拡張は終わって空間隠蔽作業も終わったから、設備を充実させることにしてね。外国行っている間も街の方に指示出ししたり設計図とか送ったりしていろいろしてたんだ。………まぁ、充実させすぎてエネルギー問題が発生しちゃったんだけど…、どこからともなく送電されてくる電力だけじゃ足りなくてさ、リアクター・ドーパントを発電機に埋め込んでエネルギーもとにしようとしたら、あっという間にメルトダウンで使い物にならなくなるし。やっぱ、あのグラサンサスペンダー特別だったんだな、って思ったよ。

 結局設備維持できなくて、稼働しているのはごく一部。人造悪魔兵士の住居もあるしね、実は割とピンチだったりするんだ。なんか解決法とか思いつかない?

「(´゚A゚`)」

 ああ、うん。ノリで聞いただけでだからそんなに焦って考えなくてもいいよ。

 

 

 

 

 で、一号を検査機に放り込んで、別室待機。

 

 検査開始-。

 

 

 

 検査終了ー。

 

「( -.-) =з」

 お疲れー。そんじゃまぁ、検査結果を報告させてもらいます。

「(。-_-。 )」

 分かったことは2つ。

 1つは蘇生は間違いなく成功しているということ。蘇生前に足りていなかった魂のパーツをガイアメモリが代替することで生命を維持することができている。『武装錬金』で核鉄(かくがね)を心臓の代わりにして蘇生したカズキ君とおんなじ感じだね。

「( ;´・_・`)」

 ごめんごめんこっちの話。それでまぁ、それは特に問題はない。本人自身の記憶だからか、適合率はありえない100%完全に適合していて毒素もゼロ。むしろメモリの余剰エネルギーを活力に変換している。エッチしていた時の無尽蔵のスタミナはこれだね。

「(*¨*)」

 もちろん限界はあるだろうけど、一個人が使う分には十分以上のエネルギーだよ。補給の必要もなし…というか、検査結果が正しいなら、一号の体内にあるガイアメモリはもうメモリの形をしていないっていうか? んー、完全に融合して動いていて、機械ではなく人体の一部となっているから故障とかそういうのは怒るとは考えられないな。

 

 ………メモリが抜けなくなったリリィ白銀や、クレイドールメモリと完全に融合した若菜姫の症例と一致する感じだな。彼女たちと違うのは取り込んだのが当人自身の記憶を宿したガイアメモリであったために、拒絶反応も起こることなく自然に適合し、融合し、メモリが()()()()()こともなく使用者にメリットしか与えていない点かな? 正直こうなるとは思っていなかったけど、問題はない。むしろ非常にいい。

 

 

 2つ目は、蘇生に伴っての体の状態変化。端的に言って、脳を弄ったのがリセットされてる。これは自覚あるよね?

「(;`・_・`)」

 感情抑制と絶対服従の脳改造の痕跡が完璧に消えている。だから、今の一号は感情を起こしてそれを表に出すことができるし、自立して話したり行動したりできる。………僕に逆らうこともできる。

 ……………………あー、正直どう、思ってる? その、さ…記憶は、あるでしょ? 僕一号にも、他の人にも…ひどいことしたし、ひどいことしたし…ひどいことしたし、あれ? 僕ひどいことしかしてなくね?

 今まで僕はひどいことばっかりしていて、これからもひどいことばっかりすると思うけど、僕のこと嫌いじゃない? 一緒にいてくれる?

 

「(。・`Д・´)」   (´・ω・`)

 

「(`・^・´)」 (´゚_゚`)

 

「(*´ー)ノ」  (/_\)

 

 

「.̯∙̆ (๑•ૅ﹏•๑)੭⁾⁾」 ((゚゚дд゚゚ ))

 

「o((;>口<;))o 」 (゚д゚ )

 

「o(; △;)o」 (゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)

 

 あ゛ー、年甲斐もなく泣いてしまった。ありがと、一号 慰めてくれて。

 『すごく好きな人のすごく好きな人になれてしまったそんな奇跡』 嬉しいな、嬉しいな。うふふ、うふふ。

 

 

 デートに行こう! ってしたいけど、その前にボディーガードを作らないとね。

 

「δ(・ω・ `)」

ん。一号の、ついでに僕のも作るかな。

 ボディーガードといってもヒトじゃない。ガイアメモリ、ライブモードで主人の危機を察知して護衛と危機回避を行ってくれるやつだ。要するにフィリップに対してのファングメモリ。

 幸い、僕はファング同様に機獣(きじゅう)形態をとれるメモリを生み出せる。「ZOOメモリ」、動物園の記憶を持つメモリの胴体に装着されたライブフレームの手足を分解・解析して仕組みを理解し、応用して一号に適合する護衛機獣メモリを作る。

 

 

 それじゃあ、『検索を始めよう』。

 

 

 

 調べたい項目は「一号に適合するメモリ」

 キーワードとして、検査によって判明した今の彼女の身体データや波長を入力。

 

 該当する適合率の高いメモリは13本。どれにしようかな………。

 

 ガイアメモリとして生んだ場合の力で、最も彼女に会うのは………。

 

 

 これにしよう。―――『HEAVEN』―――

 彼女との予想適合率は98.8% 能力も申し分ない。一号に攻撃力は必要ないしな。いざって時、ぎりぎりで変身せざるを得なくなったときに使うものだし、そんな状況で、メモリの攻撃力じゃどうしようもないだろうし。これくらい特殊能力に寄っているメモリの方がいいと思うのよね。

 

 

 はい、帰ってきて…、メモリは決まった。あとは外装の仕組みだ。

 ズーメモリを出す。………やっぱり元々持っているメモリを出現させても失神することないな。人間がメモリを生むってのがそもそも間違ってるんだけどね。やっぱりガイアメモリの生産工場も欲しい所だよな。

 でもなー、生産工場を作っても運営できる気がしないし、そもそも伝手も資本もないから作れないし。

 ガイアメモリの生産施設には必要な要素がいくつかある。

  ・広大な底面積

  ・深さ

  ・密閉性

 要素を満たすため、施設は巨大にならざるを得ない。“裏駒王”につくれればいいんだが、ここは異空間で、地球と繋がっていないからデータの汲み取りができず新しいメモリを作るには不適格。巨大な施設を作るためには国やら県やらいろいろ面倒な許可を取らなければならないだろうし、ソッチに影響力皆無な僕には無理な話なのよね。

 

 

 考えている間に、分解構造把握完了。応用して、別のメモリに取り付ける外装としての設計図も製作開始。AIの方はこのままでいいかな? だめだな。ズーメモリのAIじゃ不安だ。そっちの強化もしておこう。

 

「(゚_゚;))((;゚_゚) 」

 あー、ごめん。んー…手伝ってもらうってのも……よし。一号、ギュッ手後ろから僕のこと抱きしめてて、落ち着くから。

 

「(; ̄Д ̄)」

 うんうん、そうそう。あー、落ち着く。作業はかどるワー。

 

 

 

 

 設計図完成。作業員に設計図を含めた作業の順序内容記憶転写完了。

 ヘブンメモリ生んだら僕ぶっ倒れるからね。あとは任せた。

 一号、受け止めてね。

「 (`・ω・´)ゞ;」

 

 それじゃ、、、、、、

 

 

 「(^^(⌒▽⌒*)η」

 

 

*1
一号の表情・言葉です。簡易表現ということで顔文字で

*2
“愛してる”問答の折に「一号」というのがちゃんと付けられた個人名で、ちゃんと見てくれていた愛してくれていたというのを自覚しちゃって、その上プロポーズされちゃって恥ずかしさと嬉しさとで真っ赤になった顔を隠して震えるしかなくなった一号ちゃんの図




はい。
 タイトル元ネタは本編3・4話「Mに手を出すな/天国への行き方・ジョーカーで勝負」です。マネーメモリとか、使い道が限定されすぎていて多分これから先この作品に登場することはないと思います。


●オリジナルガイアメモリ、『HEAVEN』。
 “逆さまに落ちる天使”のロゴデザインで「ヘルメモリ」というのがあるんですが、この「ヘブンメモリ」のロゴデザインはそれを逆にして“天に昇る天使”のロゴデザインです。貫禄のゴールドメモリ、能力もそれに見合った強力なものです。秘密ですけど。

 
 私事で申し訳ないのですが、6月上旬、鬼のように忙しい予定が入っていて、それに伴ってその前後、5月下旬(今)と6月中旬以降が準備と後始末で書いている暇がない感じになりそうです。下手したら次の更新は6月下旬以降になってしまうかも………。
 更新待っていてくれると嬉しいです。頑張ります!

 予定ではあと2話で原作開始! どっちも頑張るぞー!


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86~89日目「博士がよろこぶD/紅髪の…」

竹達さん梶さんご結婚おめでとうございます! イッセーと小猫ちゃんが結婚でテンション上がったので投稿してしまいました………ッ! (一日遅れ)
 本当は書き溜めしてから投稿するはずだったのに。


86日目

 一号とデート。帰宅後、受け取っておいた特注のドレスを着せた一号とダンスダンスダンス。

 “裏駒王”のダンスホールにたった二人だけじゃ寂しいから、作業員をサクラとして配置。盛り上がってきて、疑似衆人環視プレイ。大いに盛り上がった。

 

 

 

87日目

 シンプルプラン*1(悪魔用)製作開始。

 「バイラスメモリ」と「ジーンメモリ」と“地球の本棚”で閲覧した情報によって恐ろしい生物兵器を次々製造。被献体の人造悪魔に投与しつつ、用意した研究室でレッツ・ラ・まぜまぜ!

 

 「トードストールメモリ」で「カラダカラキノコガハエルダケ」作ってみた。

→できた! (………できちゃったよ、おい)

 

 

 

88日目

********************

 

 “裏駒王”北部方面『消滅』(群馬栃木茨城ぐらい)。人造悪魔兵士数万人も消滅。開発がほとんどされていない居住区格がほとんどだったために被害は小さくすんだ。

 

********************

 

 ロード・ドーパント! 全員死ぬ気で空間補正急げ!

 “表”には気配も何も一欠けらたりとも漏らすな!

 一号、気配は? 感じる、だよな。いったん表に戻るぞ。

 

「ロード」

 

【変身】

 

 ………どうだ、こっちでも感じる? 感じないか。よし、ならまだ気づいていないはず。

 

―――。あまり猶予はないが。今この瞬間も()()は空間を飲みこみ、“裏駒王”を消滅させていっている。

 

 

 

 

 

 

 メモリー作業員、もう一度聞かせてくれ。何があった。

 

『はい。幹部製造用の培養槽で、お父様の命令通り耐性付け交配抵抗進化実験を行っていました。開始から4時間目、1638世代目の実験でメモリ挿入の瞬間に、実験体の一つが肉体をエネルギー体に変化させ、暴走。周りの実験体や作業員、機材やガイアメモリを飲み込んで消し去り始めました』

 

 

 ………話を聞くに、サーゼクス・ルシファーっぽいのだが。消滅の魔力そのもの…超越者生み出しちゃたかー。

 変化がメモリ挿入の瞬間ということは、記憶の入力はまだということだな?

 

『はい。記憶の入力は最終段階、過剰適合者として形を保って成長できた場合に行われる予定でした』

 

 ………ではなぜ動いている。

 

『不明です』

 

 

 ………記憶が入力されていなければ自律的な行動はとれないはずだ。動けるはずが……いや? 動いているのか? 動いていないんじゃないのか? 確か、原作において消滅の魔力そのものとなったサーゼクスはただそこにいるだけであらゆるものを消滅させるという。ガイアメモリの力で単純に規模がでかくなっただけで、あれはただそこに存在しているだけなんじゃないか?

 ただそこに存在するだけで、裏駒王の半分を消滅させた…ということか。

 

 災害だな。

 災害…だが、まぁ、それならなんとかできるか? リリスにしたように、「ナイトメア」で潜り込んで育てて、自我を持たせる。そうすれば、最低でも暴走は止められるはず。ちゅーか、それ以外にこの状況をどうにかする方法がないよね。残った人造悪魔兵士たちを突っ込ませて勝てるかわからんし、よしんば勝てたとしてもその戦闘の余波でこの空間が崩壊する未来も考えられるわけだし。

 よし、やろう。

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ゾーン・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ナイトメア・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ナイトメア・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ナイトメア・アップグレード」

 

【変身】

 

 空間探査。無事な空間座標をつなぎ、ルート構築。

 ………対象の実在部位を探索、発見。

 ジャンプと同時にナイトメアの能力発動すると……腕消されるか、まぁ能力波動が届けば問題ない。ナイトメア・ド-パントとなった僕にはわかる。あれは寝てる、眠っているならナイトメアで夢に干渉できる。

 

 さぁ、やろうか。

 

 

 

 

*************************

 

「うわ、なんだこれ………よ、よし! お父さんだよー? 」

 

 

 

 

 

 

「ふはははははは! 夢の中ではMU☆TE☆KI ! それがナイトメア! それが悪夢の力! 消されるものか! ふはははははは! ほーら、抱き上げちゃうぞー! 」

 

*************************

 

 ~~~ッ! 頭が痛い………。

 

 

 落ち着いた。

 どうなった? 悪魔兵士、見てこい。ナイトメアの刻印つけておいたから僕の許しなく目覚めることはできないはずだ。行け。

 

 

 

 

 

 

 

 ………………なんでこうなるの?

 

 

 

 

 

 赤ん坊なのは、わかる。メモリ挿入前に胎児並みには成長させておくからな。それはわかる。

 でも、でも…なんで増えてるんだ? 変化したのは一体だけだったはずでは? 分裂したのかな? スライム的な感じなのか?

 

 ………とりあえず回収だ。検体が増えたのは喜ばしい。オールドで成長させて壊れても、替えがいるなら安心だ。

 

 

 一号~。怖かったよー。ほら見て、腕も取れちゃったのー。痛みは消したけど、バランスが取れないのー(嘘)。

 うわっ…ととっとぉ! はふぅ………どスケベクッション。おっぱいってすごいよな、包まれてると何もかもどーでもよくなるもん。さっすが僕、こんなどエロボディ作っちゃうなんて。

 あ、ごめんごめん。まぁ、そんな怒んないでよ。ほらほら、腕もこの通り生やしたからさ。

 僕これからさっきのあれを成長させたりなんなりするんだけど、一緒に来る?

 ん、分かった。今日はロールキャベツがいいな。ベーコンもよろしく。そんじゃ、行ってきます。

 

 

 

 

 ロードとエサとを大量生産させて、消滅した北部方面を元に戻すように命令した後、実験室に6体の赤ん坊とともに実験室へ。

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「オールド・アップグレード」

 

【変身】

 

 一体目、落ち着いて、落ち着いて。少しずつ成長させる。

 

 ………くっ! ………。んん? ん? 肉体がほどけて…大きくなってる?

 

 …………。…………。あ! そうか! エネルギー体! そうか、そういう適合か!

 悪魔であってもガイアメモリの膨大なデータは体に毒。受け入れる肉体が変化に耐え切れず変形してしまう! それなら! そうか、肉体の輪郭があやふやなエネルギー体なら、変異も問題なく適応できる! ある意味、データ人間であるフィリップと同じ! ガイアメモリのデータインストールに最適化している!

 これは、成功だ!

 

 

 

 6人とも成長完了………。

 あとは脳改造…なんだが、無理っぽいな、これ。ガイアメモリの肉体に及ぼす影響をエネルギー体になって回避したのなら、これ多分僕が脳みそいじくってもリセットされるわ。………うん、成長させておいてなんだけどやばいな。安全装置なし、本当の意味で家族にならないとだめ…? できるかな、できるかな。下手したら殺されかねないが…よっぽどのことをしない限り親を殺す子供はいない、と信じたいなぁ…。情愛のグレモリーの血が働いてくれたらいいんだけど………。

 

 ま、まぁ、夢世界では超懐いてくれたし? 大丈夫…だよね? …………。

 

 

 

 目覚めよ、我が子たちよ…。

 

 

 よーしよしよしよしよしよしよしよし。こらこら、睨み合わないの。『誰? 』って、わからないの? もとは一つだったでしょ? うんうん、その気持ちはわかる。僕も「は? なんでそうなったの? 」ってなったからさ。

 でも、本当にそうなったんだ。元は一人だったけど、今は6人になった。

 ともあれ、僕がわかる? そうだよ、お父さんだよ。

 

 ………おっかしーなー、夢の中で育てた「■■■」と性格もなにもかも違うぞ? ってか皆ばらばらだ。

 

 

 あー、ちょっとそれぞれ聞きたいこととかあるから、場所を移してもいい? よし、じゃあ移動しよう。

 

 

 一人ずつ面接というか、能力調査のため移動。

 

 

 

 

 

 終了。ふーむ…。

 6人が共通する特徴として、消滅の魔力=エネルギー体に“変身”できることがあった。そして、そのエネルギー体は安定していて、人型を保っていることが分かった。

 制御できてるっぽかったから触れて確認してもらったが、フレームが存在していた。骨格のような何か。

 あと、体内に起動状態のガイアメモリがそれぞれ一本ずつ入っているらしい。言われてスキャンしてみたけど、ほとんど肉体の一部になっていた。

 エネルギーを分析してみると骨格のような何かは、ガイアメモリと同質のエネルギーを発していた。僕が新しいメモリを取り出すと反応し、押し付けるとメモリの中身が吸収された。本人曰く魔力に変換されたらしい。

 

 踏査結果から考えるに、6人は全員が体内にガイアメモリを宿した過剰適合者・ハイドープ以上の未知の超越者であるのだろう。生身でもメモリの力を使用できて、その力も桁外れ。

 僕のドライバー以上にメモリの力を引き出している、というか引き出したうえで強化している。僕のドライバーがメモリから力を100%引き出すのなら、生身で200%引き出すようなものだ。

 メモリの能力に消滅の魔力を乗せる、ガイアメモリを魔力ポーション的に使用可能なんてわけのわからない真似もできる化け物だ、と。

 

 

 

 

********************

 

 

 

 幹部六人衆! いかれたメンバーを紹介するぜ!

 

 一人目、竜子。あだ名はりゅーちゃん!

 内臓ガイアメモリは『T-LEX』、得意技は衝撃波。 一発でビルも粉々だ! 消滅の魔力を乗せれば粉々どころではないぞ! コワイ!

 ドーパント体になると、なんと常時ビッグザウルス! 高さ10~30mの恐竜だ! 口から消滅波を放ってメモ前の一切合切を滅ぼしちゃうぞ! もうこれ怪獣だコレ!

 

 ただただデカくて速くて硬くてタフ。一切の小細工なしにシンプルに強いぞ!

 

 

 

 

 二人目、炉心(ろここ)。あだ名はろっこちゃん!

 内臓ガイアメモリは『REACTOR』、得意技は熱放射! 半径100mが灼熱地獄と化すぞ!

 ドーパント体は他の姉妹ほど外れてはいない。普通に炉心(ろしん)・リアクターとしての熱とパワーでごり押しだ!

 メルトダウンして放射能を鬼のようにばらまくこともできるぞ。汚染祭りだ! 本人は消滅の魔力で悪影響なし! 変身に伴って変身者を襲うはずの熱溜まりも消滅の魔力で消し去って健康でいられるぞ! ずるい! サングラサスペンダーさん涙目である。

 

 

 

 

 三人目、冠。あだ名はかむりちゃん!

 内蔵メモリは『COCKROACH』、得意技は風読み(エアディレクション)。地味ッ! 他には体からぼとぼと“G”を生み出せるぞ! キモッ! メガネウラのチートゲーマーみたいに“G”を大小夥しい数生み出して操れる。虫嫌いにとっては悪夢以外のなにでもない!

 “G”たちは消滅の魔力を付与して、誘導弾・地雷としても使用可能。えげつねぇ!? どこぞの恐怖公みたいに

「かかれー」むしゃむしゃむしゃ。

 もできる。ひえー。

 

 

 

 

 四人目、初風(ういかぜ)。あだ名はういうい!

 内臓ガイアメモリは『VIRUS』、得意技はウイルスぶしゃー!

 ざっくり テラフォの(ホン)ちゃんや、Fate/の静謐ちゃんみたいな感じ。

 触れたら感染Death‼

 

 消滅の魔力を循環させて自然発生する殺人ウイルスを消しているから安全だけど、それでも危険なことに変わりはない。

 ドーパント体になると冴子姉さんの言っていたように広範囲に効能を選択培養した殺人ウイルスをばらまけるようになるぞ! 精神体ではないので感染力も絶大だ! 20世紀少年でのあれみたいな惨状が出来上がってしまう………ッ! 国が亡びかねない。

 

 

 

 

 五人目、ナイアルラトホテップ。あだ名はナイちゃん。

 内臓ガイアメモリは『NIGHTMARE』、開拓した能力は夢渡り。脳の波長を記憶し、その人の夢の中に自由に出入りをすることができる。地味なようでいて、一度会った人間なら誰でも『永遠の眠り』に落とすことができるということでもある。

 ドーパントとしての姿は通常の個体と色と顔の数が違っている。真っ黒で100以上の嘲笑をたたえた顔が体中に張り付いている不気味な外見。

 

 ………………。

 

 

 

 

 六人目、恐姫。あだ名はきょーちゃん!

 内臓ガイアメモリは『TERROR』、得意技は恐怖のオーラ! 目を合わせただけで他人に恐れや苦手意識を与えられるよ! って、これただのお父様じゃねえか。

 最大では恐慌状態、SAN値直葬からの自殺にまで追い込むよ! 死にたくなってヤバかった………。

 

 ドーパント体はフォルムが女性的になっているよ! あとテラードラゴンがでかくなってるよ! 怖いね!

 

 

 

 

 

*******************

 

 

 

 ふぃー……まとめてみると性能的にイカれたメンバーでびっくり。

 

 とりあえずよろしく! あらためて、これからも同じように家族として仲良くやっていこう。

 

 うんうん。………おなかすいたし家に帰って飯に―――あ、一号に8人分って言ってないや。ロールキャベツ足りないよなー………。

 

 

 ん? ああ、一号って誰かって? 一号は、その、僕の………うなー、照れるなー、ははは。

 

 

 どうしたの、そんなに静かになって。あ、さては皆もおなかすいたんだね? 大丈夫大丈夫! いざとなったらジーンメモリで食材作るから!

 

 

 

 

 幹部もできたし、なんかそれっぽい名前ほしいなぁー。何がいいかな。何がいいかな。あー、一号と僕でお父さんお母さん、この子達で娘たちだから………園咲家みたいに『郷家』とか? ………うーん、ダサい! んー、確か加頭 順の登場回に出てきた研究者のおっさんが「園咲の一族」とか言ってたな。それを文字って…、郷一族…ダサい!

 

 郷ってのがダサい! なんていうか、漢字一文字音二つだから合わない!

 

 んむむむむ………もう本名はいいや、田中…は何つーか地味だし、街の名前からとって駒王でいいか、駒王一族。

 うん、いい感じじゃない? どうせ名乗る機会なんてないだろうし。僕の中で何となく呼称するだけのつもりだし。

 あ、そうだ、駒王一族、じゃなくて『駒王一賊』にしよう。尊敬と憧憬を込めて、「血のつながりではなく、流血によってつながる家族」のような固い結束と確かな家族愛を得られるように。

 

 

*1
ドラマ『SPEC』に登場するスペックホルダー(超能力者)を根絶やしにするためのウイルス兵器。未知のインフルエンザウイルスであり、一般人には大した影響がなく、遺伝子配列が異なるスペックホルダーだけを狙って確実に死滅させる。致死性と拡散性を兼ね備えた悪魔の発明。




 アロマキャンドルたきながら入浴7時間したら足の皮がぼろぼろ取れてきてめっちゃ怖くなった(昨日の夜の恐怖体験)。

はい。
 タイトル元ネタはネットムービー2話「博士がよろこぶB/今、モグモグの中で」です。

 幹部がようやくできましたね。まぁオリキャラです。詳しいキャラ設定はまた別で載せるとして、次回から原作キャラがポンポン出てくるようになります。あと1話で時間スキップ、原作一巻にようやく入れます。長かった………。

 念の為書いておくと、今回生まれた幹部6人と主人公が恋愛関係になることはありません。具体的に言うとセックスしません。理由は主人公がチキンだからです(親子だからとかそういうのではなく)。“消滅の魔力そのもの”である彼女たちを抱く、というのが怖いのです。腕力でもかないませんしね。主人公は弱そうな相手には強気でいけるけど、勝てない相手には及び腰になるのです。


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キャラクター紹介のコーナー

唐突なオリ設定の山。
これも次話(用語集)も、結構苦労して書いたので読んでくれると嬉しいです。




 

 

郷:::残酷で無邪気でクソザコな 力持たせちゃいけない系の馬鹿者主人公詳細

一号::チョロエロっ子ヒロイン詳細

竜子::パパとか呼んじゃう系長子詳細

炉心(ロココ)::ゆるゆるフワフワ系だるだるビッグ娘詳細

冠:::ネガティブ系肉食諜報女子(ちっちゃくはないけど相対的にちっちゃい)詳細

初風::触れたら即死系オトナロリっ子詳細

ナイ::異端的ダイナマイツッ! 「学者」ガール詳細

恐姫::恐怖の女王、スレンダー(断じて貧乳ではない、Cはあるから。上位カーストがすごいだけだから)乙女。詳細

 

 

 

 

 

 

 

 

name:郷 秋敏

 

動機:興味本位、イタズラ心

欲望:キャラ愛・性欲・生存欲

終着点:愛する人との平穏な生活

テーマ:知は力なり

 

対立関係、及びその理由:構って欲しくて、各勢力に敵対する

心理的欠陥:全能感に浸りがち

道徳的欠陥:モブ、と呼ぶ(自己暗示する)相手に対して躊躇がない。

バックストーリー(幼少期):何不自由なく育ち、優秀だった。転校生にいじめられる。友達0人になる。

バックストーリー(思春期):落ちぶれた。

 

【由来】五周年⇒郷秋年(しゅうねん)⇒郷秋敏

【性別】男

【年齢】 20才

【誕生月】11月

 

《技能・能力・武装》

・ガイアメモリ関連生成能力

・ネオガイアドライバー

 

・地球の本棚(後天的)

・強化改造人間、コブラ男

・超感覚・怪力・膨大なスタミナ・超免疫機能・再生能力(弱)

 

 

 

《精神的特徴》

【性格】 ちゃらんぽらんでガキっぽい。妙なプライドがあり、頑固で間違いを決して認めない。寂しがりやで、孤独だと独り言喋りまくる。

自分は善良で他人の力になれる余裕があって物の道理を知っていると思っている。自己弁護と自己肯定が上手いので、失敗をしても反省することがあまりない。友達がいなかったため、人との付き合い方がよく分からない。見知らぬ他人と身内で絶対的に扱いが違う。

総括して、残酷で未熟なこども。

 

【⦅実は倫理観がピンチ。メモリの副作用ではなく、単純に自分の悪行に心が悲鳴をあげ、自己批判と自己肯定の中、悪に飲まれていっている⦆】

 

【癖】 考え事をする時、指先を合わせて拝むようなポーズをとる。

 

 

【性癖】 可愛い子が好き。エロい子が好き。可愛ければ老若男女人種問わず好き。

胸派か尻派かというと、胸派だが『好きな人なら全部好き』。

助けがなければ生きていけない、手を払いのけられたら死んでしまう。そういうものから求められることに喜びを感じる性癖の持ち主。

 

【主人公性】

精神的未熟さ。いわゆる未覚醒主人公。力だけがあって理想がない。夢がない。目先の欲にとらわれ行ったり来たり。彼の行く末には後悔と懺悔が待っている。彼が自身を正しく認識できた時、目覚められるかは彼次第。郷秋敏の主人公力が試される。

 

【短所】 金遣いが荒い。責任感がない。

【座右の銘】あとは野となれ山となれ

 

《肉体的特徴》

【容姿】 一定しない。田中耕一である時は冴えないおっさん。塚土筬である時は、85点ぐらいイケメン。

【身長】175cm(可変)

【服装】基本ジャージ。人前に出る時は黒い4Lぐらいのぶかぶかパーカーを着る。

 

 

《備考》

主人公ということにしているが、敵方のモブ小悪党Dのような人物。初めの頃、人外連中に怯えることがなければ、メモリを使って悪行三昧・チンピラ連中にメモリほいほい渡して地獄絵図を生むことになっていたかも…(その場合間違いなく殺されるか囚われるかで物語が終わっていましたけど)。

 

《一言》

「セラフォルーお姉ちゃん可愛いよね。ぼくのゆめは!レヴィアたんと こすぷれっくすすることです‼(圧倒的無垢な瞳)」

 

 

 

 

 

 

name:一号

 

【名前】人造悪魔第一号

【性別】女

【年齢】 0才

【誕生月】1月

 

《技能・能力・武装》

・魅力(改造手術)、美しい容貌と骨格 魅惑の肢体と美声

・学習装置記憶

・蘇生(メモリ=魂、動く死体人形)

⇒魂インストール。成仏、有頂天。生死を超越した不可思議存在。

 

《精神的特徴》

【性格】従順・真摯。ツンデレのようでいて圧倒的チョロイン。

【口調】ですます口調

【短所】魔力0

 

 

《肉体的特徴》

【容姿】綺麗よりもエロい。可愛いよりもエロい。という感想を持たれる体をしている。爆乳美人。若々しさと大人っぽさの中間ぐらいの雰囲気を醸し出している。

…はちきれんばかりの乳房、透けて見えるかと思うほどの若々しい肌に、重力に逆らうはりのありそうな桃尻。愛でるのではなく嬲りたくなるような儚げで弱々しいのに芯の通った眼差し。

 外も“中”も男を悦ばせるためだけに設計された肉感エロエロボディ…。

 

【身長】178cm

【BWH】どごーん!・きゅっ!・むちぶるんっ!

【服装】《家》ピンク色のパーカー(一枚)

《外》深紅と黒を基調とした、肩と胸元が開いたゴシックドレス。

【髪型】リアス・グレモリーに似た『ストロベリーブロンドよりも更に』紅のロングストレート

【所持品】Heavenメモリ (ライブモード)

 

《一言》

(はぁあぁぁぁ‼ ひぃあぁああぁぁ‼ しゅごいいよおぉぉ)

(ぎもぢいいい ぎもぢいいい しあわせぇええ)

(――――――――っ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

name:地球の記憶研究組織“GAIA”幹部六姉妹

動機:愛しのお父様のために行動する

欲望:愛して欲しい。必要として欲しい。褒めて欲しい。

終着点:(複数の意味で)一つになること

 

 

対立関係、及びその理由:

●一号

………すごく好きな人のすごく好きな人。だから嫌い。

●ゼノヴィア&セラフォルー

………すごく好きな人のすごく好きな人。だから嫌い。

心理的欠陥:優秀だという驕り

道徳的欠陥:慢心

 

外見は皆 紅髪美人であるが、化けの皮を剥げば消滅の魔力そのもの。悪魔であるかすら定かではない。

 

 

 

 

 

name:竜子

 

 

【由来】竜の子

【性別】女

【役職】兵舎管理部長

【誕生月】3月

 

《技能・能力・武装》

・消滅の魔力そのもの(超越者)

・T-LEXドーパント(ハイドープ)

⇒超身体能力、巨大化、デカくて早くてタフで硬い。

通常でも全身揃ったビッグ・ティーレックス。人間大の全高1.5m~54mまで巨大化できる。

・天才

 

《精神的特徴》

【性格】周りを見れるしっかりした性格

【口癖】なし

【短所】特になし

 

《肉体的特徴》

【容姿】野趣溢れる美。鍛えているぶん起伏にメリハリがある。腹筋が割れている。美貌を崩さぬ程度に程よく筋肉質で美しい肉体をしている。胸がデカイ、ちょっと固めというか張りのいい乳。手がゴツゴツしていて、本人的にそこコンプレックス。

【身長】180cm

【BWH】105:63:98(J)*1

【服装】対魔術用特殊縫製によって作られた一点もののスポーツウェア。短パン&スパッツの黄金比。“スパッツ”なので当然(?)『はいてない』。

【髪型】肩口までのショート天然パーマ。ふわふわ?ゴワゴワ?

【所持品】補給用のティーレックスメモリ

 

《一言》

 パパ、大丈夫? 無理してない?

 

 

 

 

name:炉心(ろここ)

 

 

【由来】炉心(ろしん)

【性別】女

【役職】エネルギー生産制御部長

【誕生月】3月

 

《技能・能力・武装》

・消滅の魔力そのもの(超越者)

・リアクタードーパント(ハイドープ)

⇒歩く原子炉。熱だけでなく放射線物質までビーム状に放射することができる。シルバーメモリの能力の規模をはるかに超えている。

・天才

 

《精神的特徴》

【性格】のんびりほんわか。穏やかな性格。ただし『優しい』わけではない。

【口調】そうなんだぁ、大変だねぇ。

【短所】体が大きく、胸も大きいから足元が見えず、走ったりするのが苦手で、運動も苦手。

 

 

《肉体的特徴》

【容姿】糸目がちで垂れ目。ふんわり柔和な雰囲気。姉妹一鍛えていないので、女性的にふんわりしている。悪魔なので太ってはいないけど、男好きのするいい体をしている。爆乳というレベルではなくおっぱいドーン!なおっぱい星人垂涎の肉体。身長が高いだけで、体のパーツ毎のバランスは悪魔らしく最高。誰か見ても美しい魅惑の体つき。

【身長】203cm

【BWH】134:65:96(N)

【服装】特注の白ワンピースを好んで着る。

【髪型】長い一本の三つ編み

【所持品】補給用のリアクターメモリ

 

《一言》

恐姫ちゃん、スレンダーで羨ましぃー…。(ココ)、体おっきいから服着てると太って見えるんだもん。

 

 

 

 

 

 

name:(かむり)

 

【名前】御器(ごき)被り⇒被⇒冠

【性別】女

【役職】情報部長

【誕生月】3月

 

《技能・能力・武装》

・消滅の魔力そのもの(超越者)

・コックローチドーパント(ハイドープ)

⇒おびただしい数のゴキブリと魔力の合いの子のような不形態存在を生み出し操ることができる。Gの奔流、嫌いな人はショック死不可避。放ったゴキブリと遠隔で感覚共有をして諜報や暗殺をこなす事も可能。

 

・天才

 

 

《精神的特徴》

【性格】引っ込み思案、暗い、ネガティブ。→体からゴキブリがわらわら出てくるんだから、そりゃネガティブにもなる。そんな自分がどう思われるか想像しただけで怖くなる。臆病でオドオドとしているが、はわはわ言いながら躊躇なく襲い喰らい尽くす()ガチ肉食系。

【(口)癖・口調】吃音

【短所】臆病さ(長所として働くことが少ないため)

 

 

《肉体的特徴》

【容姿】病的な白さの肌を持つ少女。『年の割に若く見える』の図。見た目JC並みかそれ以下。おっぱいが小さいのがコンプレックス。

【身長】153cm

【BWH】75:50:76(C)

【服装】裸マント→ゴキブリ盛り盛り生むため。

【髪型】さらっさらの姫カットショートボブ。

【所持品】補給用のコックローチメモリ

 

《一言》

え、えええと、うごか、ないで、くだ、さい。纏まって、く、くれないと、めんどう、だから。

 

 

 

 

name:初風(ういかぜ)

 

【名前】ウイルス、風邪

【性別】女

【役職】兵器開発部長

【誕生月】3月

 

《技能・能力・武装》

・消滅の魔力そのもの(超越者)

・バイラスドーパント(ハイドープ)

⇒『毒の娘』ならぬ『殺人ウイルスの娘』。

 

・天才

 

 

《精神的特徴》

【性格】外見にそぐわない大人びた性格。ウイルスを撒き散らさないため、四六時中、眠っていても消滅の魔力をコントロールして気を張り続けている。そんなストレスもあってキレやすい。

【(口)癖・口調】攻撃的な口調

【短所】キレっぽい

 

 

《肉体的特徴》

【容姿】つるポンぺちん なロリロリ体型。ロリキャラというよりは幼児キャラ。姉妹随一の小柄で本人的にかなりコンプレックス。能力を発動すると肌が緑色に変化し、そうでない時は病的なまでに白い肌をしている。ウイルス抑制のため消滅の魔力を制御・運用している。体温は低め。

ひんやりふにふにぼでー。

【身長】138cm

【BWH】可哀想な数字が並びます(×)

【服装】ニットワンピとニット帽。ハイヒール。

【髪型】短めのポニーテール

【所持品】補給用のバイラスメモリ

 

《一言》

何か用。用がないなら話しかけないで。私に触れると死んじゃうよ?

 

 

 

 

 

name:ナイヤルラトホテップ

 

 

【由来】ナイトメア→悪夢→…→いあ!いあ!

【性別】女

【役職】技術開発部長

【誕生月】3月

 

《技能・能力・武装》

・消滅の魔力そのもの(超越者)

・ナイトメアドーパント(ハイドープ)

⇒強制睡眠導入(催眠術):少しうとうとする程度。睡眠ガスなどを併用して効果を高める。

 

天才

⇒超学習能力

 

『天才学者ナイちゃんのスーパーガジェット』

⇒No.001~No.027(日の目を見る日が来るかは作者すら分からない、発明品の数々)

 

 

《精神的特徴》

【性格】よくわかんない ":;(∩´﹏`∩);:

【(口調】特徴的ではないはずなのに妙に耳に残るネットリとした甘い口調

【短所】愛が重い

 

 

《肉体的特徴》

【容姿】腕も足も胴も細くて、体の小ささと反比例して胸が大きなトランジスタグラマー。なぜか顔も幼いので余計にアンバランスな色気と魅力が際立つ容姿。魔性むくむく。

【身長】148cm

【BWH】87:53:79(E)

【服装】ロリータファッション、JS制服、スク水、裸白衣、コスプレじみた格好を好んで着こなす。おパンツの色は白。

【髪型】ミディアムヘア。フワッフワストレート

【所持品】補給用のナイトメアメモリ。その他ガジェット

 

《一言》

お父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さん

 

 

 

 

 

 

 

name:恐姫(きょうき)

 

【由来】恐怖の姫君

【性別】女

【誕生月】3月

 

《技能・能力・武装》

・消滅の魔力そのもの(超越者)

・テラードーパント(ハイドープ)

⇒視線だけで恐怖による金縛りを与える(特異体質と乱神モード的な、『話を聞かない相手』には効かない)

 

・天才

 

 

《精神的特徴》

【性格】健気な子。

【(口)癖・口調】なし

【短所】なし

 

《肉体的特徴》

【容姿】スラリと伸びる細い足がセクシーな凍えるような冷たい雰囲気の美女。胸、ないわけじゃないのに、上位陣が牛並みなので相対的に小さく見える。嫉妬。

【身長】170cm

【BWH】82:56:82(C)

【服装】黒い喪服のようなドレス

【髪型】膝までの超ロング二次元でしかお目にかかれないレベルのロングストレートヘア。

【所持品】補給用のテラーメモリ

 

《一言》

私が、恐怖の女王…荷が重すぎる………でもでも! お父様から与えられた大切なお役目! 必ず完璧に演じ切って見せるんだからっ!

 

 

 

 

 

 

*1
ここの数値はイメージに沿う漫画やらのキャラから身長&スリーサイズを引用しています。具体的に誰なのかは秘密



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用語集

『地球に選ばれた家族(ry』から飛んできた読者様、約30話分読むのめんどくさかったらこちらをどうぞ。

*************************

あ、皆様にお知らせです。

「突然ですが、この小説(ばんぐみ)は今日で終わりです」(byフライドチキン男『有言実行少女シュシュトリアン』)
続き⇩
https://syosetu.org/novel/196352/




登場順1~10::~20::~29

 

あいうえお順

あ行::か行::さ行::た行::な行::は行::ま行::や行::ら行::わ行

 

 

 

 

郷秋敏(1)*1…主人公。詳細

 

神様的ナニカ(1)…神様(仮)とも呼ばれる。主人公をハイスクールD×Dの世界に送り込んだ存在。登場することはない。

 

ガイアメモリ(1)…地球に記憶された現象・事象を再現するデータが封入された怪人化デバイス。ガイアメモリを挿してメモリに内包された「地球の記憶」を肉体に注入することで、人を越えた「超人」ドーパントへと変身することができる。

 

マグマメモリ(1)…「マグマの記憶」を内包したメモリ。挿したものをマグマ・ドーパントへと変身させる。高熱と溶岩弾が武器。

 

Living_Connector_Setting_Operation_Gun(生体コネクタ設置手術銃)(1)…メモリ使用で肉体が毒素に汚染されることを防ぐための生体コネクタを刻印する、コネクタ手術用器具。

 

ネオガイアドライバー(1)…命名:郷。本作オリジナルドライバー。メモリスロットが4つあり、最大で4本分のメモリを同時使用したドーパントに変身することができる。

 主人公以外には使用不可。使用したメモリの毒素を限りなく無毒化し、適合率を高める機能を持つ。

 4本同時使用変身は体力を大きく削ることになっていたが、主人公は肉体改造手術によってそのデメリットを克服した。

 

ガイアドライバー(1)…『仮面ライダーW』において、ミュージアムの幹部達がドーパントに変身するのに使っていた専用のベルト。

 

ガイアドライバーrex(1)…『風都探偵』において、裏風都を拠点とする謎の集団「街」の幹部メンバーが使用する新型・後継機のガイアドライバー。

 

ガイアメモリ強化アダプター(1)…『Vシネマ 仮面ライダーアクセル』に登場した、ガイアメモリの能力を三倍に増幅する ガイアメモリ流通組織『ミュージアム』の遺産。

 

ジーンメモリ(1)…「遺伝子の記憶」を内包したメモリ。超絶便利。葉っぱにミキサーぐるぐるしたら、お米ができる! 自分にぐりぐりしたら別人になれる!

 

田中耕一(1)…酔っぱらって公園に入ったら、変身した主人公と遭遇し、不幸にも殺されてしまった現地人。享年28歳。微ブラック企業勤めで体ボロボロ、アパート暮らしの天涯孤独。外見は40歳くらいにも見える疲れたおっさん。主人公は長らくこの姿のままで活動。

 

人生強盗(1)…田中氏殺害後、彼の戸籍や住居や貯金や立場など全て頂くことを思いついた主人公が自身の行いを皮肉ったもの。

 

駒王町(2)…ハイスクールD×Dの舞台となる地方都市。リアス・グレモリーが街を支配しているという話。新宿まで電車で一時間の範囲に存在している。

 

ハイスクールD×D(2)…学園ラブコメバトルファンタジー。主人公はハーメルン様でよく読んでいた。

 

“格”(2)…存在の格。ドラゴンとか神格存在は高い。格が違うと時間停止などのからめ手が通じないことがある。ガイアメモリは地球の端末のようなものなので出力はともかく効果がないということはない。

 

園咲家(2)…園崎家にあらず。自称「地球に選ばれた家族」。ガイアメモリ流通組織「ミュージアム」を運営し、風都の街を実験場にガイアメモリを開発していた悪の権化。良くも悪くもメモリに運命を狂わされた家族。

 

井坂先生(2)…本名 井坂深紅郎。開業医として働く一方、ドーパント専門の医師としても活動していた紳士。柔らかな物腰とは裏腹に、心の内には力への渇望と狂気を抱えている。

 

ビール(2)…「まずい」というのが主人公の感想。

 

G3マイルド(3)…正式名称を「第三世代型対未確認生命体戦闘用強化外筋及び外骨格簡易生産化試験版」。誰にでも扱えるスーツとして設計されたが、アンノウンには歯が立たなかった(サポート用だから仕方のない面もある)。

 

駒王学園(3)…原作の舞台となる学園。初等部や中等部がいつの間にか生えてきていた。原作1巻の時点では影も形もなかった。生徒の男女比率は3:7。

 

ゾーンメモリ(3)…「地帯の記憶」を内包したメモリ。『速さじゃないわ。いわば瞬間移動! 』

 

ガウストダイバー(3)…懐かしのゲーム。チャイドランがビキニのお姉さんの紐を外すのあったね。【スキャ【スキャ【スキャ【スキャン対象がありません】

 

インビジブルメモリ(3)「不可視の記憶」を内包したメモリ。原作にならって指パッチンで消える。リリィ白銀は…色っぽかったね。

 

兵藤家(3)…父・母・息子の三人家族。ローンとかあるかもだが、一軒家で息子を私立の高校に入れているあたり結構富裕層。どこぞの二次創作みたく、兄や弟がいるなんてことはなかった。

 

ハーゲンダッツ(3)…説明不要なお高いアイス。期待していたほどのおいしさはなかった。

 

ロードメモリ(3)…「道の記憶」を内包したメモリ。超高速と超高熱で空間を切り拓き、異空間を生成することができる。道を作る原料はドーパントになった者の血肉であり、効率の良い補給方法は人間を喰らうことである。※アダプターを装着することで能力が拡張され、異空間開拓に伴って建物などが生えてくる。

 

“裏駒王”(3)…郷秋敏が駒王町の異空間に作った悪魔の街。兵器開発場や生物実験場、兵舎などが並び、上級悪魔以上の戦闘力を備えた人造悪魔兵士が数百万数千万と貯蔵されている。強化ロード・ドーパント達の空間補正により、外部からの侵入・発見はまず不可能。『GAIA』の主要拠点であるが、いつでも放棄する準備は出来ている。

 

『絶対大丈夫だよ』(4)…無敵の呪文。

 

アイスエイジメモリ(4)…「氷河期の記憶」を内包したメモリ。マグマメモリと併用することで、さながら轟焦凍。あるいはラゴラス・エヴォ。場所でいいならパンクハザード。

 

若菜姫(4)…園咲家次女 園咲若菜がパーソナリティを勤める風都のラジオ局"WIND WAVE"「園咲若菜のヒーリングプリンセス」での通称。

 

『生きたガイアメモリ製造機』(4)…主人公のこと。『仮面ライダーW』においてはフィリップと、町中から集めたメモリデータを吸収してエクストリームした園咲若菜=クレイドール・エクストリーム。

 

凍る火柱(アイスファイア)(4)…くじ姉こと名瀬夭歌が自らを改造(いじくりまわ)して作り上げた過負荷(マイナス)。 魔王と呼んでみんなで尊敬しよう‼

 

スパイダーメモリ(4)…「蜘蛛の記憶」を内包したメモリ。スパイダーマッ! 子蜘蛛爆弾(リア充爆発しろ)は郷秋敏使えない。

 

“主人公”(4)…郷秋敏の考えでは『兵藤一誠』。この世界に愛された者。世界の主役。最後に笑う者、絶対に負けない英雄、勝利の星のもとに産れた者。

 

ジュエルメモリ(5)…「宝石の記憶」を内包したメモリ。右腕から噴霧されるダイアモンドミストによって人間を構成する炭素を瞬時に増殖変質させ、ダイアモンドに変えることができる。

 

ライアーメモリ(5)…「嘘つきの記憶」を内包したメモリ。嘘を針状に固めたライニードルを発射し、撃ちこまれた人間に嘘の事を真実と思わせる催眠暗示状態に陥れることができる。素昆布メモリ。

 

スイーツメモリ(6)…「お菓子の記憶」を内包したメモリ。メトロン星人ではない。生クリームで拘束したり、スターミーのように壁に溶け込んですり抜けることもできる。

 

“神社”(7)…主人公の元の世界にもあった神社。家は消えていたが神社は残っていた。一万円を賽銭箱に入れてもハイテンションな神様は飛び出てこない。

 

クレイドールメモリ(7)…「土人形の記憶」を内包したメモリ。ゴールドメモリ。重力を操ったりできるが、特色として、粉々に砕かれても破片が自動的に再結合して負傷を無かったことにする高い再生能力を持つ。ガイアプログレッサー無いので「エクス…トリィィーム! 」はできない。

 

オールドメモリ(7)…「古き記憶」を内包したメモリ。精神干渉波・オールドクリークを発生させ、その攻撃を受けた相手を老化させる能力を持つ。大活躍!

 

ミュージアム(7)…風都に根を張るガイアメモリ流通組織。園咲家が中心となって、ガイアメモリを開発して風都に流通させている秘密結社。10年以上前から活動が続いていて、警察組織でもその全てを調べる事は出来ない。 壊滅後もその後釜を狙ったりする組織は多い。

 

サブ(8)…風都探偵における第一号ドーパントの正体。メモリの力に呑まれ暴走した。

 

脳改造(8)…悪の組織の典型的な常套手段。今作においては感情消去と絶対服従の施術等を指す。

 

スーパー死神博士(8)…イカでビール。別名『怪人作りの名人』。死神博士メモリを使用して変身したスーーーーパーーーー死神博士‼‼ のこと。死神博士の持つ知識と技術を得ることができる。

 

 

イカでビール(8)…イカデビル。イカでビールも乙なものですな。

 

コマンダーメモリ(8)…「指揮官の記憶」を内包したメモリ。サコミズ・・サコミズ・・。他のメモリと組み合わせることで、そのメモリの特徴を仮面兵士に乗せることができる。

 

サコミズ隊長(8)…「GUYS Sally Go!! 」『地球は我々人類自らの手で守りぬかなければならないby桐山隊長@サコミズ隊長』

 

メモリーメモリ(8)…「記憶の記憶」を内包したメモリ。記憶の抽出、複製、転写などの能力を持つ。

 

“エサ”(9)…肉山。ロード・ドーパントが街を広げるための資材。具体的にはジーンで遺伝子いじくり回した『食糧人類』的な肉の塊。

 

バードメモリ(10)…「鳥の記憶」を内包したメモリ。空を飛ぶ―――それは人類の永遠の夢。

 

生産プラント(10)…ロード・ドーパントのエサと街の管理その他を担う作業員を生み出す生産所。オートメーションでガシャコン作る。

 

『作業員』(10)…脳改造をされた郷秋敏に絶対服従のお人形。ドーパントとして生産プラントの一角を担ったり、ロードメモリを挿されて命尽きるまで道を作り続けたり、花を植えたり肉片の掃除などをしている。ポケスペのSHITAPPA達を連想すればだいたいあってる。

 

 

 

第二裏駒王(12)…第一の裏駒王が発見された場合、それを放棄して再起を図るためのバックアップルーム。裏駒王からみても極限に深い空間に作ったもの。深さと強度ゆえに存在があやふやで『絶霧』を十全に使っても発見は難しい(…と思われる)。欠点は移動が困難だということ。あまり行き来すると空間に道ができてしまうので生産プラントを整備して以来主人公は第二裏駒王を訪れていない。

 

『ビットランド』(12)…オムライス食べながら見てた。ビットワールドになってから見なくなった。正しくは、なんか原始人みたいな雪男みたいなあれが出てきた辺りから。ケメコいついなくなったんだっけ?

 

サラマンダーメモリ(12)…「サラマンダーの記憶」を内包したメモリ。再生能力を持つ。主人公の命を何度も救っている有能メモリ。

 

アイズメモリ(13)…「眼の記憶」を内包したメモリ。超視力と洗脳持ちという凶悪なメモリ。副作用でドライアイになることもあるが、主人公はネオドラのおかげでセーフ。

 

ゼロメモリ(13)…小説版に登場したミュージアムの刺客が使った「ゼロの記憶」を内包したメモリ。手で触れたもののエネルギーをゼロにする力を持つ。要するにソーロルムの術式。

 

ナイトメアメモリ(14)…「悪夢の記憶」を内包したメモリ。ハマれば最強。眠った相手の夢世界に入り込み、永遠の悪夢に閉じ込めてしまうこともできる。要するにデス13(サーティーン)

 

「ドリームキャッチャー」(14)…夢空間拘束器具。被せると相手を永遠の悪夢に閉じ込めることができる。

 

アホ牛(14)…ぐぴゃ! ランボさん。

 

アームズメモリ(14)…「兵器の記憶」を内包したメモリ。左腕を様々な武器に変化させることができる。

Q.メモリ止めますか? それとも人間やめますか?

A.「ハハッ…メモリを捨てるぐらいだったらな、人間を捨てるね! 」

 

人造悪魔第一号(15)…失敗作。リアス・グレモリーの血液を使った人造悪魔兵士計画の第一号。人間の記憶を入力してしまったが為に精神が人間の物となり、悪魔の魔力を使うことができなくなった。リリス製造後、悪魔用学習装置(テスタメントメモリー)『リリス』を改めて入力したが結局魔力を使うことはできず、リリスとの別れでナイーブになっていた郷秋敏に連れていかれ『一号』となった。彼女については詳細はコチラ

 

“リリス”(15)…人造悪魔第二号。第一号の失敗を元に、記憶が鍵だと考えた主人公がナイトメアの夢世界で20年弱共に過ごし、悪魔として教育した娘。秋敏は彼女を我が子として愛していたし、リリスも秋敏を父親として愛していたが、夢は醒め、感情消去と絶対服従の施術を郷秋敏は実行した。

 魔力を扱える成功体。後に製造される人造悪魔兵士たちは“リリス”の記憶を埋めこまれて稼働している。

 

悪魔兵士生産工場(16)…“裏駒王”に建造した 悪魔兵士を製造するための工場。配置されたドーパント作業員たちが培養したリアス・グレモリーの遺伝子を基に上級悪魔を製造し、“リリス”の記憶を埋め込み脳改造して完成。

 

人造悪魔兵士(17)…リアス・グレモリーの遺伝子とリリスの記憶からなる兵士。立場的にはこの組織の戦闘員ポジションだがボスよりも余裕で強い。

 消滅の魔力を備え、格闘技術を含めたあらゆる戦闘技能をマスターし、戦闘では支給されたガイアメモリも使う。数は数万数十万数百万数千万…テラフォーマー並みに数果てしなく存在する。

 ちなみに、兵士たちは生まれる過程で顔を潰されている。言うまでもなく兵藤一誠対策。男も女も兵士として差しさわりのない範囲で肉体を醜くされている。

 

完全栄養食(17)…ドラえもんのコンクフードをもとに、死神博士の頭脳を用いて作り出したもの。味は豪華47種類! 起きている人造悪魔兵士たちに配達されている。

 

愚息(17)…おティンティン。

 

美容整形(17)…一号に施した肉体改造のこと。より美しく、よりエロくするため、足のつま先から髪の毛の先まで、骨格も神経も脳も全てを改造した。ちなみに表面は全くいじっていない。顔は元々美人だったし、皮膚は生まれたばかりなこともありツルツル卵肌。

 胸は盛りに盛った。ばいんばいんのぼいんぼいん。超乳ではないにせよ奇乳といわれるかもしれないレベルで盛った。

 

改造(いじくりまわす)(17)…名瀬ちゃん。

 

人造悪魔生産塔(17)…悪魔兵士生産工場の表記ゆれ

 

エロスLv.100(18)…一号のこと。

 

戦闘訓練(18)…とは名ばかりの虐殺。ドーパントと一般人がガチで戦えばそりゃ虐殺にしかならないよなぁ…という。

 

なんちゃって一般人(18)…脳改造なしで製造された人間。マグマを流し込まれたり、生きたまま焼かれたり解剖されたりひどすぎる死に方をした。

 

ラットの解剖(18)…麻酔で眠らせ、四肢を拘束し腹を裂く。血管を傷つけないよう気を付けて内臓を観察する。うまくいけば心臓の鼓動を生で見れる。

 

『チチチチ』の光さんみたいに(19)…クール教信者先生作の凸凹同居ラブコメディーの主人公。だいたいパイズリされてる。

 

サイラオーグ・バアル(20)…滅びの魔力を持たずに生まれてきた大王家の長男。恵まれた体格という才能を活かしパワーファイターとなる。

 

ナスカメモリ(20)…「ナスカ文明の記憶」を内包したメモリ。超加速や光弾発射の能力を持つゴールドメモリ。

 

トライセラトップスメモリ(20)…「トリケラトプスの記憶」を内包したメモリ。自らの体細胞を変化させ生成したダイナソアクラブによる肉弾戦や、メモリのエネルギーを収束して発射する破壊光弾による中遠距離攻撃など、単純に強いメモリ。

 

ビッグ・トライセラトップス(20)…トライセラトップス・ドーパントの暴走状態。巨大化し力を増して暴れまわる。

 

はい、あーん(21)…夢。ロマン。イチャラブといったらこれ。リアルではタイミングや量やら以心伝心しないと悲惨なことになる行為。

 

培養槽(21)…死神博士の頭脳を超過駆動させて作ったオーバーテクノロジーの産物。幹部となるべき生粋のハイドープを製造するために水槽。詳細は本編に注釈が付いているのでそっちに。

 

仮面兵士(21)…コマンダー・ドーパントの力で生まれた分身体のようなもの。近いのは、ホロスコープスにとってのダスタードたち。

 

『ガイアメモリの申し子』(21)…「培養槽」で生まれるはずのガイアメモリ適合率100%、ハイドープ以上にメモリの力を引き出せる超越存在。

 

エレファントメモリ(22)…小説版に登場した「象の記憶」を内包したメモリ。とりあえず像。ぱおーん。

 

エイプメモリ(22)…小説版に登場した「猿の記憶」を内包したメモリ。とりあえずジャンプ力があるらしい。

 

ホッパーメモリ(22)…「バッタの記憶」を内包したメモリ。湊さんの前世。

 

スミロドンメモリ(22)…「スミロドンの記憶」を内包したメモリ。ミック様。単純に速くて強い。

 

『NEVER』(24)…正式名称「NECRO-OVER(ネクロオーバー)」。化学薬品・クローニング技術を駆使した死亡確定個体復環術によって、死者が蘇生した存在。強化された身体能力と通常兵器を一切受け付けない高い耐久力と驚異的な再生能力、死者であるがゆえに恐怖心を喪失した不死身の最強兵士。財団Xからの支援をかけてミュージムと争ったが、能力の多様性という観点から投資先として不採用となった。

 

疑似細胞活性酵素(24)…作ってみた。死神博士の執念の死者蘇生理論をもとに作り上げたが効果はなかった。物理的には蘇生に成功したが、魂的なものがどうしても…。

 

“コヨミ”(24)…笛木奏の娘。あるいは殻。

 

ハイループD×D(24)…一気読みした翌日に消えてた。唖然とした。

 

(24)…\テッテレテッテッテー/

 

神経鈍化薬(24)…自作。こうなることを予想して用意しておいた五感を鈍らせる麻酔のようなもの。

 

コブラ男(24)…自己改造手術を施した郷秋敏が変身した姿。蛇をモチーフに身体能力の強化と、なにより感覚器官の超絶強化を行った。その結果強化された感覚への刺激で発狂しかけた。夢の中で何年も訓練して、身体能力と感覚能力のコントロールができるようになった。

 

テラーメモリ(26)…「恐怖の記憶」を内包したメモリ。およそ最強のメモリ。精神干渉空間テラーフィールドによって敵を発狂死させたり、空間移動させたりできる。郷秋敏がいざという時のための生体コネクタ手術に選んだメモリでもある。

 (手術に使ったのは、主人公が()()()神器所有者の怨念と禁手のエネルギーが蓄えられた特別な一本)

 

ガイアゲート(27)…元は園咲邸地下深くにある神殿のような場所に開かれた緑色に輝く泉で、組織の中枢部である。作中での通称は“泉”。この泉は「地球の意思」の接続ポイントで、ミュージアムはここで「地球の記憶」を取得、メモリを生産していた。

 この世界では、地球自体に意思は存在せず、ガイアゲートも存在していなかったが、主人公が世界中を巡ってメモリデータを地球に送信し続けたことで、地球の意思が目覚め、交信するための「ガイアゲート」を開いた。郷秋敏は人外連中に気取られぬようガイアゲートを確保し、広げ、身を投げ「地球の意思」と一つになった。

 

『ハイパー死神博士』(27)…強化アダプター付き死神博士メモリ×4本使って変身したもの。関係ないけど、スーパーの上がハイパーだって出るのはポケモンの影響だと思う。

 

地球という無限のデータベース(27)…地球の本棚。自我を持った星という一個の超生命体。

 

一号メモリ(27)…一号の誕生から死亡までの全ての情報が詰まった記憶。主人公がガイアゲート突入後生み出すことに成功したこの世界のガイアメモリ。現在、魂が抜け出た一号の肉体を動かす疑似魂魄となっている。

 

ヘブンメモリ(28)…一号用、「天国の記憶」を内包したメモリ。一応ランクはゴールドクラス。ライブモード可の機獣メモリ(後付けで外装をくっつけた)。ファングとかズーとかと一緒。基本的に持ち主をボディーガードしてくれるようにプログラミング。能力の詳細は秘密。

 

シンプルプラン(29)…ドラマ『SPEC』に登場するスペックホルダー(超能力者)を根絶やしにするためのウイルス兵器。未知のインフルエンザウイルスであり、一般人には大した影響がなく、遺伝子配列が異なるスペックホルダーだけを狙って確実に死滅させる。致死性と拡散性を兼ね備えた悪魔の発明。

 

バイラスメモリ(29)…「細菌の記憶」を内包したメモリ。有機物、無機物すべてに感染し、意のままに操り、瞬時に死に至らしめる。肉体で変身した場合、強大な感染力で街一つ程度あっという間に崩壊させてしまう。………なぜ一般人に売ったし。

 

トードストールメモリ(29)…「毒キノコの記憶」を内包したメモリ。

 

カラダカラキノコガハエルダケ(29)…文字通り食べると体中からきのこが生えてきてきのこに養分を吸われて死に至るという恐ろしい毒きのこ。

 

サーゼクス・ルシファー(29)…最強の魔王さま。カリスマがあって優秀で強くて、クーデター政権でありながら国民から厚い支持を受けるスーパー魔王さま。本性は消滅の魔力そのものであり、その姿になると前魔王の10倍の魔力になるとか。すごいね。

 

ナニカ(29)…突如発生した消滅の魔力そのもの。主人公がナイトメアで接触し、育てて現実世界に戻ってみたら6つに分かれていた。『BLEACH』の第一十刃コヨーテ・スタークとリリネット・ジンジャーバックみたいな感じ。

 

幹部六人衆(29)…幹部六姉妹と呼ばれたり、表記揺れ揺れ。およそ最強な幹部たち。脳改造はしていないのでいつでも反逆されうる。郷秋敏 戦々恐々。それぞれの詳細はコチラ

 

ティーレックスメモリ(29)…「ティーレックスの記憶」を内包したメモリ。巨大な頭部による噛みつきや方向の衝撃波で敵を粉砕する。

 

リアクターメモリ(29)…「炉の記憶」を内包したメモリ。超高温と自在に操れる蒸気を武器とする。普通の人間は変身を解除しても余熱が体に残り、焼け死んでしまう。

 

コックローチメモリ(29)…「ゴキブリの記憶」を内包したメモリ。高性能なうえに量産しやすく、まさにゴキブリ。ミュージアム崩壊後も街に多く残るメモリの一つ。

 

駒王一賊(29)…元ネタ:『零崎一賊』。外で口に出すことはない、自分たちのつながり。家族の呼び名。固い結束と確かな家族愛を得られるように。

 

 

 

 

『GAIA』…外向きの組織名。ウルトラマンではない。

 

才古銃(サイコガン)…ナイアルラトホテップ作、ガイアメモリ簡易発動用ツール。変身することなく、メモリの力を弾丸として撃ちだすことができる。

 見た目は完全にトランスチームガン。フルボトルスロットがメモリスロットになっている。

 命名は主人公。由来はコ~ブラ~♪男が使う銃だから、ってことから。

 一丁作るのにおっそろしい金額がかかるので、主人公専用。まだまだ試作段階。アップデートを重ねていくことでより便利になっていく。

 

 

 

 

 

 

 

ア行

 

アイスエイジメモリ(4)…「氷河期の記憶」を内包したメモリ。マグマメモリと併用することで、さながら轟焦凍。あるいはラゴラス・エヴォ。場所でいいならパンクハザード。

 

アイズメモリ(13)…「眼の記憶」を内包したメモリ。超視力と洗脳持ちという凶悪なメモリ。副作用でドライアイになることもあるが、主人公はネオドラのおかげでセーフ。

 

凍る火柱(アイスファイア)(4)…くじ姉こと名瀬夭歌が自らを改造(いじくりまわ)して作り上げた過負荷(マイナス)。 魔王と呼んでみんなで尊敬しよう‼

 

悪魔兵士生産工場(16)…“裏駒王”に建造した 悪魔兵士を製造するための工場。配置されたドーパント作業員たちが培養したリアス・グレモリーの遺伝子を基に上級悪魔を製造し、“リリス”の記憶を埋め込み脳改造して完成。

 

アームズメモリ(14)…「兵器の記憶」を内包したメモリ。左腕を様々な武器に変化させることができる。

Q.メモリ止めますか? それとも人間やめますか?

A.「ハハッ…メモリを捨てるぐらいだったらな、人間を捨てるね! 」

 

アホ牛(14)…ぐぴゃ! ランボさん。

 

イカでビール(8)…イカデビル。イカでビールも乙なものですな。

 

『生きたガイアメモリ製造機』(4)…主人公のこと。『仮面ライダーW』においてはフィリップと、町中から集めたメモリデータを吸収してエクストリームした園咲若菜=クレイドール・エクストリーム。

 

井坂先生(2)…本名 井坂深紅郎。開業医として働く一方、ドーパント専門の医師としても活動していた紳士。柔らかな物腰とは裏腹に、心の内には力への渇望と狂気を抱えている。

 

改造(いじくりまわす)(17)…名瀬ちゃん。

 

一号メモリ(27)…一号の誕生から死亡までの全ての情報が詰まった記憶。主人公がガイアゲート突入後生み出すことに成功したこの世界のガイアメモリ。現在、魂が抜け出た一号の肉体を動かす疑似魂魄となっている。

 

インビジブルメモリ(3)「不可視の記憶」を内包したメモリ。原作にならって指パッチンで消える。リリィ白銀は…色っぽかったね。

 

“裏駒王”(3)…郷秋敏が駒王町の異空間に作った悪魔の街。兵器開発場や生物実験場、兵舎などが並び、上級悪魔以上の戦闘力を備えた人造悪魔兵士が数百万数千万と貯蔵されている。強化ロード・ドーパント達の空間補正により、外部からの侵入・発見はまず不可能。『GAIA』の主要拠点であるが、いつでも放棄する準備は出来ている。

 

エイプメモリ(22)…小説版に登場した「猿の記憶」を内包したメモリ。とりあえずジャンプ力があるらしい。

 

 

 

“エサ”(9)…肉山。ロード・ドーパントが街を広げるための資材。具体的にはジーンで遺伝子いじくり回した『食糧人類』的肉の塊。

 

エレファントメモリ(22)…小説版に登場した「象の記憶」を内包したメモリ。とりあえず像。ぱおーん。

 

エロスLv.100(18)…一号のこと。

 

オールドメモリ(7)…「古き記憶」を内包したメモリ。精神干渉波・オールドクリークを発生させ、その攻撃を受けた相手を老化させる能力を持つ。大活躍!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カ行

 

 

『GAIA』…外向きの組織名。ウルトラマンではない。ありていに言って駒王町に潜む悪の秘密組織。

 

ガイアゲート(27)…元は園咲邸地下深くにある神殿のような場所に開かれた緑色に輝く泉で、組織の中枢部である。作中での通称は“泉”。この泉は「地球の意思」の接続ポイントで、ミュージアムはここで「地球の記憶」を取得、メモリを生産していた。

 この世界では、地球自体に意思は存在せず、ガイアゲートも存在していなかったが、主人公が世界中を巡ってメモリデータを地球に送信し続けたことで、地球の意思が目覚め、交信するための「ガイアゲート」を開いた。郷秋敏は人外連中に気取られぬようガイアゲートを確保し、広げ、身を投げ「地球の意思」と一つになった。

 

ガイアドライバー(1)…『仮面ライダーW』において、ミュージアムの幹部達がドーパントに変身するのに使っていた専用のベルト。

 

ガイアドライバーrex(1)…『風都探偵』において、裏風都を拠点とする謎の集団「街」の幹部メンバーが使用する新型・後継機のガイアドライバー。

 

ガイアメモリ(1)…地球に記憶された現象・事象を再現するデータが封入された怪人化デバイス。ガイアメモリを挿してメモリに内包された「地球の記憶」を肉体に注入することで、人を越えた「超人」ドーパントへと変身することができる。

 

ガイアメモリ強化アダプター(1)…『Vシネマ 仮面ライダーアクセル』に登場した、ガイアメモリの能力を三倍に増幅する ガイアメモリ流通組織『ミュージアム』の遺産。

 

『ガイアメモリの申し子』(21)…「培養槽」で生まれるはずのガイアメモリ適合率100%、ハイドープ以上にメモリの力を引き出せる超越存在。

 

ガウストダイバー(3)…懐かしのゲーム。チャイドランがビキニのお姉さんの紐を外すのあったね。【スキャ【スキャ【スキャ【スキャン対象がありません】

 

 

“格”(2)…存在の格。ドラゴンとか神格存在は高い。格が違うと時間停止などのからめ手が通じないことがある。ガイアメモリは地球の端末のようなものなので出力はともかく効果がないということはない。

 

 

(24)…\テッテレテッテッテー/

 

神様的ナニカ(1)…神様(仮)とも呼ばれる。主人公をハイスクールD×Dの世界に送り込んだ存在。登場することはない。

 

仮面兵士(21)…コマンダー・ドーパントの力で生まれた分身体のようなもの。近いのは、ホロスコープスにとってのダスタードたち。

 

カラダカラキノコガハエルダケ(29)…文字通り食べると体中からきのこが生えてきてきのこに養分を吸われて死に至るという恐ろしい毒きのこ。

 

完全栄養食(17)…ドラえもんのコンクフードをもとに、死神博士の頭脳を用いて作り出したもの。味は豪華47種類! 起きている人造悪魔兵士たちに配達されている。

 

幹部六人衆(29)…幹部六姉妹と呼ばれたり、表記揺れ揺れ。およそ最強な幹部たち。脳改造はしていないのでいつでも反逆されうる。郷秋敏 戦々恐々。それぞれの詳細はコチラ

 

疑似細胞活性酵素(24)…作ってみた。死神博士の執念の死者蘇生理論をもとに作り上げたが効果はなかった。物理的には蘇生に成功したが、魂的なものがどうしても…。

 

駒王一賊(29)…元ネタ:『零崎一賊』。外で口に出すことはない、自分たちのつながり。家族の呼び名。固い結束と確かな家族愛を得られるように。

 

駒王学園(3)…原作の舞台となる学園。初等部や中等部がいつの間にか生えてきていた。原作1巻の時点では影も形もなかった。生徒の男女比率は3:7。

 

駒王町(2)…ハイスクールD×Dの舞台となる地方都市。リアス・グレモリーが街を支配しているという話。新宿まで電車で一時間の範囲に存在している。

 

愚息(17)…おティンティン。

 

クレイドールメモリ(7)…「土人形の記憶」を内包したメモリ。ゴールドメモリ。重力を操ったりできるが、特色として、粉々に砕かれても破片が自動的に再結合して負傷を無かったことにする高い再生能力を持つ。ガイアプログレッサー無いので「エクス…トリィィーム! 」はできない。

 

郷秋敏(1)*2…主人公。詳細

 

コックローチメモリ(29)…「ゴキブリの記憶」を内包したメモリ。高性能なうえに量産しやすく、まさにゴキブリ。ミュージアム崩壊後も街に多く残るメモリの一つ。

 

コブラ男(24)…自己改造手術を施した郷秋敏が変身した姿。蛇をモチーフに身体能力の強化と、なにより感覚器官の超絶強化を行った。その結果強化された感覚への刺激で発狂しかけた。夢の中で何年も訓練して、身体能力と感覚能力のコントロールができるようになった。

 

コマンダーメモリ(8)…「指揮官の記憶」を内包したメモリ。サコミズ・・サコミズ・・。他のメモリと組み合わせることで、そのメモリの特徴を仮面兵士に乗せることができる。

 

“コヨミ”(24)…笛木奏の娘。あるいは殻。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サ行

 

才古銃(サイコガン)…ナイアルラトホテップ作、ガイアメモリ簡易発動用ツール。変身することなく、メモリの力を弾丸として撃ちだすことができる。

 見た目は完全にトランスチームガン。フルボトルスロットがメモリスロットになっている。

 命名は主人公。由来はコ~ブラ~♪男が使う銃だから、ってことから。

 一丁作るのにおっそろしい金額がかかるので、主人公専用。まだまだ試作段階。アップデートを重ねていくことでより便利になっていく。

 

サイラオーグ・バアル(20)…滅びの魔力を持たずに生まれてきた大王家の長男。恵まれた体格という才能を活かしパワーファイターとなる。

 

『作業員』(10)…脳改造をされた郷秋敏に絶対服従のお人形。ドーパントとして生産プラントの一角を担ったり、ロードメモリを挿されて命尽きるまで道を作り続けたり、花を植えたり肉片の掃除などをしている。ポケスペのSHITAPPA達を連想すればだいたいあってる。

 

サーゼクス・ルシファー(29)…最強の魔王さま。カリスマがあって優秀で強くて、クーデター政権でありながら国民から厚い支持を受けるスーパー魔王さま。本性は消滅の魔力そのものであり、その姿になると前魔王の10倍の魔力になるとか。すごいね。

 

サブ(8)…風都探偵における第一号ドーパントの正体。メモリの力に呑まれ暴走した。

 

サコミズ隊長(8)…「GUYS Sally Go!! 」『地球は我々人類自らの手で守りぬかなければならないby桐山隊長@サコミズ隊長』

 

サラマンダーメモリ(12)…「サラマンダーの記憶」を内包したメモリ。再生能力を持つ。主人公の命を何度も救っている有能メモリ。

 

G3マイルド(3)…正式名称を「第三世代型対未確認生命体戦闘用強化外筋及び外骨格簡易生産化試験版」。誰にでも扱えるスーツとして設計されたが、アンノウンには歯が立たなかった(サポート用だから仕方のない面もある)。

 

ジュエルメモリ(5)…「宝石の記憶」を内包したメモリ。右腕から噴霧されるダイアモンドミストによって人間を構成する炭素を瞬時に増殖変質させ、ダイアモンドに変えることができる。

 

“主人公”(4)…郷秋敏の考えでは『兵藤一誠』。この世界に愛された者。世界の主役。最後に笑う者、絶対に負けない英雄、勝利の星のもとに産れた者。

 

ジーンメモリ(1)…「遺伝子の記憶」を内包したメモリ。超絶便利。葉っぱにミキサーぐるぐるしたら、お米ができる! 自分にぐりぐりしたら別人になれる!

 

神経鈍化薬(24)…自作。こうなることを予想して用意しておいた五感を鈍らせる麻酔のようなもの。

 

“神社”(7)…主人公の元の世界にもあった神社。家は消えていたが神社は残っていた。一万円を賽銭箱に入れてもハイテンションな神様は飛び出てこない。

 

人生強盗(1)…田中氏殺害後、彼の戸籍や住居や貯金や立場など全て頂くことを思いついた主人公が自身の行いを皮肉ったもの。

 

人造悪魔生産塔(17)…悪魔兵士生産工場の表記ゆれ

 

人造悪魔第一号(15)…失敗作。リアス・グレモリーの血液を使った人造悪魔兵士計画の第一号。人間の記憶を入力してしまったが為に精神が人間の物となり、悪魔の魔力を使うことができなくなった。リリス製造後、悪魔用学習装置(テスタメントメモリー)『リリス』を改めて入力したが結局魔力を使うことはできず、リリスとの別れでナイーブになっていた郷秋敏に連れていかれ『一号』となった。彼女については詳細はコチラ

 

人造悪魔兵士(17)…リアス・グレモリーの遺伝子とリリスの記憶からなる兵士。立場的にはこの組織の戦闘員ポジションだがボスよりも余裕で強い。

 消滅の魔力を備え、格闘技術を含めたあらゆる戦闘技能をマスターし、戦闘では支給されたガイアメモリも使う。数は数万数十万数百万数千万…テラフォーマー並みに数果てしなく存在する。

 ちなみに、兵士たちは生まれる過程で顔を潰されている。言うまでもなく兵藤一誠対策。男も女も兵士として差しさわりのない範囲で肉体を醜くされている。

 

シンプルプラン(29)…ドラマ『SPEC』に登場するスペックホルダー(超能力者)を根絶やしにするためのウイルス兵器。未知のインフルエンザウイルスであり、一般人には大した影響がなく、遺伝子配列が異なるスペックホルダーだけを狙って確実に死滅させる。致死性と拡散性を兼ね備えた悪魔の発明。

 

スイーツメモリ(6)…「お菓子の記憶」を内包したメモリ。メトロン星人ではない。生クリームで拘束したり、スターミーのように壁に溶け込んですり抜けることもできる。

 

スーパー死神博士(8)…イカでビール。別名『怪人作りの名人』。死神博士メモリを使用して変身したスーーーーパーーーー死神博士‼‼ のこと。死神博士の持つ知識と技術を得ることができる。

 

スパイダーメモリ(4)…「蜘蛛の記憶」を内包したメモリ。スパイダーマッ! 子蜘蛛爆弾(リア充爆発しろ)は郷秋敏使えない。

 

スミロドンメモリ(22)…「スミロドンの記憶」を内包したメモリ。ミック様。単純に速くて強い。

 

生産プラント(10)…ロード・ドーパントのエサと街の管理その他を担う作業員を生み出す生産所。オートメーションでガシャコン作る。

 

Living_Connector_Setting_Operation_Gun(生体コネクタ設置手術銃)(1)…メモリ使用で肉体が毒素に汚染されることを防ぐための生体コネクタを刻印する、コネクタ手術用器具。

 

 

 

『絶対大丈夫だよ』(4)…無敵の呪文。

 

 

 

ゼロメモリ(13)…小説版に登場したミュージアムの刺客が使った「ゼロの記憶」を内包したメモリ。手で触れたもののエネルギーをゼロにする力を持つ。要するにソーロルムの術式。

 

戦闘訓練(18)…とは名ばかりの虐殺。ドーパントと一般人がガチで戦えばそりゃ虐殺にしかならないよなぁ…という。

 

ゾーンメモリ(3)…「地帯の記憶」を内包したメモリ。『速さじゃないわ。いわば瞬間移動! 』

 

 

園咲家(2)…園崎家にあらず。自称「地球に選ばれた家族」。ガイアメモリ流通組織「ミュージアム」を運営し、風都の街を実験場にガイアメモリを開発していた悪の権化。良くも悪くもメモリに運命を狂わされた家族。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タ行

 

第二裏駒王(12)…第一の裏駒王が発見された場合、それを放棄して再起を図るためのバックアップルーム。裏駒王からみても極限に深い空間に作ったもの。深さと強度ゆえに存在があやふやで『絶霧』を十全に使っても発見は難しい(…と思われる)。欠点は移動が困難だということ。あまり行き来すると空間に道ができてしまうので生産プラントを整備して以来主人公は第二裏駒王を訪れていない。

 

田中耕一(1)…酔っぱらって公園に入ったら、変身した主人公と遭遇し、不幸にも殺されてしまった現地人。享年28歳。微ブラック企業勤めで体ボロボロ、アパート暮らしの天涯孤独。外見は40歳くらいにも見える疲れたおっさん。主人公は長らくこの姿のままで活動。

 

地球という無限のデータベース(27)…地球の本棚。自我を持った星という一個の超生命体。

 

『チチチチ』の光さんみたいに(19)…クール教信者先生作の凸凹同居ラブコメディーの主人公。だいたいパイズリされてる。

 

ティーレックスメモリ(29)…「ティーレックスの記憶」を内包したメモリ。巨大な頭部による噛みつきや方向の衝撃波で敵を粉砕する。

 

テラーメモリ(26)…「恐怖の記憶」を内包したメモリ。およそ最強のメモリ。精神干渉空間テラーフィールドによって敵を発狂死させたり、空間移動させたりできる。郷秋敏がいざという時のための生体コネクタ手術に選んだメモリでもある。

 (手術に使ったのは、主人公が()()()神器所有者の怨念と禁手のエネルギーが蓄えられた特別な一本)

 

 

トードストールメモリ(29)…「毒キノコの記憶」を内包したメモリ。

 

トライセラトップスメモリ(20)…「トリケラトプスの記憶」を内包したメモリ。自らの体細胞を変化させ生成したダイナソアクラブによる肉弾戦や、メモリのエネルギーを収束して発射する破壊光弾による中遠距離攻撃など、単純に強いメモリ。

 

「ドリームキャッチャー」(14)…夢空間拘束器具。被せると相手を永遠の悪夢に閉じ込めることができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナ行

 

ナイトメアメモリ(14)…「悪夢の記憶」を内包したメモリ。ハマれば最強。眠った相手の夢世界に入り込み、永遠の悪夢に閉じ込めてしまうこともできる。要するにデス13(サーティーン)

 

ナスカメモリ(20)…「ナスカ文明の記憶」を内包したメモリ。超加速や光弾発射の能力を持つゴールドメモリ。

 

ナニカ(29)…突如発生した消滅の魔力そのもの。主人公がナイトメアで接触し、育てて現実世界に戻ってみたら6つに分かれていた。『BLEACH』の第一十刃コヨーテ・スタークとリリネット・ジンジャーバックみたいな感じ。

 

なんちゃって一般人(18)…脳改造なしで製造された人間。マグマを流し込まれたり、生きたまま焼かれたり解剖されたりひどすぎる死に方をした。

 

ネオガイアドライバー(1)…命名:郷。本作オリジナルドライバー。メモリスロットが4つあり、最大で4本分のメモリを同時使用したドーパントに変身することができる。

 主人公以外には使用不可。使用したメモリの毒素を限りなく無毒化し、適合率を高める機能を持つ。

 4本同時使用変身は体力を大きく削ることになっていたが、主人公は肉体改造手術によってそのデメリットを克服した。

 

『NEVER』(24)…正式名称「NECRO-OVER(ネクロオーバー)」。化学薬品・クローニング技術を駆使した死亡確定個体復環術によって、死者が蘇生した存在。強化された身体能力と通常兵器を一切受け付けない高い耐久力と驚異的な再生能力、死者であるがゆえに恐怖心を喪失した不死身の最強兵士。財団Xからの支援をかけてミュージムと争ったが、能力の多様性という観点から投資先として不採用となった。

 

脳改造(8)…悪の組織の典型的な常套手段。今作においては感情消去と絶対服従の施術等を指す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハ行

 

ハーゲンダッツ(3)…説明不要なお高いアイス。期待していたほどのおいしさはなかった。

 

はい、あーん(21)…夢。ロマン。イチャラブといったらこれ。リアルではタイミングや量やら以心伝心しないと悲惨なことになる行為。

 

ハイスクールD×D(2)…学園ラブコメバトルファンタジー。主人公はハーメルン様でよく読んでいた。

 

『ハイパー死神博士』(27)…強化アダプター付き死神博士メモリ×4本使って変身したもの。関係ないけど、スーパーの上がハイパーだって出るのはポケモンの影響だと思う。

 

バイラスメモリ(29)…「細菌の記憶」を内包したメモリ。有機物、無機物すべてに感染し、意のままに操り、瞬時に死に至らしめる。肉体で変身した場合、強大な感染力で街一つ程度あっという間に崩壊させてしまう。………なぜ売ったし。

 

ハイループD×D(24)…一気読みした翌日に消えてた。唖然とした。

 

培養槽(21)…死神博士の頭脳を超過駆動させて作ったオーバーテクノロジーの産物。幹部となるべき生粋のハイドープを製造するために水槽。詳細は本編に注釈が付いているのでそっちに。

 

バードメモリ(10)…「鳥の記憶」を内包したメモリ。空を飛ぶ―――それは人類の永遠の夢。

 

ビール(2)…「まずい」というのが主人公の感想。

 

ビッグ・トライセラトップス(20)…トライセラトップス・ドーパントの暴走状態。巨大化し力を増して暴れまわる。

 

『ビットランド』(12)…オムライス食べながら見てた。ビットワールドになってから見なくなった。正しくは、なんか原始人みたいな雪男みたいなあれが出てきた辺りから。ケメコいついなくなったんだっけ?

 

美容整形(17)…一号に施した肉体改造のこと。より美しく、よりエロくするため、足のつま先から髪の毛の先まで、骨格も神経も脳も全てを改造した。ちなみに表面は全くいじっていない。顔は元々美人だったし、皮膚は生まれたばかりなこともありツルツル卵肌。

 胸は盛りに盛った。ばいんばいんのぼいんぼいん。超乳ではないにせよ奇乳といわれるかもしれないレベルで盛った。

 

兵藤家(3)…父・母・息子の三人家族。ローンとかあるかもだが、一軒家で息子を私立の高校に入れているあたり結構富裕層。どこぞの二次創作みたく、兄や弟がいるなんてことはなかった。

 

ヘブンメモリ(28)…一号用、「天国の記憶」を内包したメモリ。一応ランクはゴールドクラス。ライブモード可の機獣メモリ(後付けで外装をくっつけた)。ファングとかズーとかと一緒。基本的に持ち主をボディーガードしてくれるようにプログラミング。能力の詳細は秘密。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マ行

 

マグマメモリ(1)…「マグマの記憶」を内包したメモリ。挿したものをマグマ・ドーパントへと変身させる。高熱と溶岩弾が武器。

 

ミュージアム(7)…風都に根を張るガイアメモリ流通組織。園咲家が中心となって、ガイアメモリを開発して風都に流通させている秘密結社。10年以上前から活動が続いていて、警察組織でもその全てを調べる事は出来ない。 壊滅後もその後釜を狙ったりする組織は多い。

 

メモリーメモリ(8)…「記憶の記憶」を内包したメモリ。記憶の抽出、複製、転写などの能力を持つ。

 

 

ホッパーメモリ(22)…「バッタの記憶」を内包したメモリ。湊さんの前世。

 

 

 

ヤ行

 

 

   ×

 

 

 

 

 

ラ行

 

ライアーメモリ(5)…「嘘つきの記憶」を内包したメモリ。嘘を針状に固めたライニードルを発射し、撃ちこまれた人間に嘘の事を真実と思わせる催眠暗示状態に陥れることができる。素昆布メモリ。

 

ラットの解剖(18)…麻酔で眠らせ、四肢を拘束し腹を裂く。血管を傷つけないよう気を付けて内臓を観察する。うまくいけば心臓の鼓動を生で見れる。

 

リアクターメモリ(29)…「炉の記憶」を内包したメモリ。超高温と自在に操れる蒸気を武器とする。普通の人間は変身を解除しても余熱が体に残り、焼け死んでしまう。

 

“リリス”(15)…人造悪魔第二号。第一号の失敗を元に、記憶が鍵だと考えた主人公がナイトメアの夢世界で20年弱共に過ごし、悪魔として教育した娘。秋敏は彼女を我が子として愛していたし、リリスも秋敏を父親として愛していたが、夢は醒め、感情消去と絶対服従の施術を郷秋敏は実行した。

 魔力を扱える成功体。後に製造される人造悪魔兵士たちは“リリス”の記憶を埋めこまれて稼働している。

 

ロードメモリ(3)…「道の記憶」を内包したメモリ。超高速と超高熱で空間を切り拓き、異空間を生成することができる。道を作る原料はドーパントになった者の血肉であり、効率の良い補給方法は人間を喰らうことである。※アダプターを装着することで能力が拡張され、異空間開拓に伴って建物などが生えてくる。

 

 

 

 

 

 

 

ワ行

 

若菜姫(4)…園咲家次女 園咲若菜がパーソナリティを勤める風都のラジオ局"WIND WAVE"「園咲若菜のヒーリングプリンセス」での通称。

 

 

 

 

 

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 リンク機能初めて使ったけど面白いですね。

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