ジョジョの奇妙な冒険 4.5部 (ミディオン)
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第一話 浄雅崎 情華

ジョジョの6部の展開がいいが結末がすっきりしないので
パラレルワールド
を模索して造られたものです
ハーメルンでも掲載します
ジョジョっぽさが足りず、既存敵が多数で
味方にkeyキャラデザイン流用して別名キャラを
出現させています。主人公は女
舞台は東方仗助が吉良吉影を倒して学校卒業するとき
空承条太郎とスピードワゴンが現れる。



 スピードワゴン財団

 それはスピードワゴンが吸血鬼対策と世界医療

 貢献の為に創られた。

 スピードワゴンは死ぬ前にお着きのメイドと

 最期の契りを交わし一晩だけ共に寝た。

 その後スピードワゴンは何も知らないまま死去

 メイドはスピードワゴンの血統を胎内に残し

 息子を出産、英才教育を施し、リサリサが再婚して

 産んだ娘と結婚させ、スピードワゴンの隠し孫

 だということを後にジョセフジョースターが把握し

 後にその夫婦の息子をスピードワゴン財団の

 最高責任者として育成し....DIOとの戦い

 吉良吉影との戦いが終結し、ジョルノがパッショーネの

 ボスとなり、ステージは新たな段階へと進む

 

 それは空承条太郎が東方仗助に出会う3年前

 白い長髪の中学一年生少女の話だった

 「あっ....!!」

 「おとなしくしてな嬢ちゃん、これからすっげえ

 いいことするんだからよお」

 「い....嫌....」

 老眼鏡をした読書好きと思われる少女は

 腕を押さえられて暴漢数人に襲われていた。

 この歳で不運に見舞われ心にも体にも深い傷を

 負うかと思われた

 その時

 「オラァ!!」

 「ベブァ!!」

 暴漢数人が青い顔の男....?によって一瞬にして

 ボコボコに倒された

 「あ....ありがとう....。」

 少女には見えた。

 その青い筋肉隆々の男は空承条太郎という男の近くで

 消えていく姿を。

 「あ、ありがとうございます....。」

 少女は空承条太郎に駆け寄って礼を言った。

 「お前....もしかして見えているのか?」

 助けたのはあくまでもスタープラチナであって

 普通は空条承太郎が助けたというように一般人には

 見えない。

 むしろ一般人にはなにも見えないわからない。

 だがこの少女は見えていた。

 はっきりと。

 「はい....青い人をよこして....助けて....

 くれたんですよね?あの....お名前聞いていいですか?」

 「そんなことより、お前もそういうのを

 持っているなら....自分の身ぐらい自分で守れ。」

 「え?」

 「俺は悲劇のヒロイン面してなんにもしないやつは

 嫌いだ。」

 そう言い残すと承太郎は去っていった

 これが後に彼女の運命を変えることになろうとは

 誰も思いもしなかった

 

 帰宅

 「ただいまー。」

 その少女の家は和式の大きな名家ともとれる家

 そこに待っていたのは....。

 二人のいかつい男だった。

 レギエンド・EO・スピードワゴン

 「先生の言っていた教育を受けさせたい

 娘というのは?」

 少女の父「はい、次女は家の中では頭は飛び抜けて

 いいんですが、なにしろ式神の力が弱くて....

 多少の護衛術を教えたり留学でさらに

 レベルアップさせて世界に通用する人材にして

 欲しいんですよ、学力なら高校3年生クラスを

 ぶっちぎるぐらいですよ?」

 そこに少女が帰ってくる

 少女「只今帰りました。」

 承太郎「さっきのガキか?」

 スピードワゴン「おい、承太郎さん。

 未来を創ろうかという人材にその物言いは

 失礼じゃねえかな?」

 少女「いえいえ!!た、助けていただいて....

 ありがとうございます....お名前は承太郎さん

 っていうんですね?」

 承太郎「ああ、空条承太郎。

 スピードワゴン財団経営の

 株式会社スターダストウォール専務をしている。

 妻子持ち。海洋学者兼用でこの職務に就いている。」

 少女(妻子持ち....しゅん....。)

 空気を読んだのかスピードワゴンは言う。

 「安心してくれお嬢ちゃん、承太郎さん以上に

 やっさしくていい男なら世の中ごまんと

 いる。それより、この先スタンド....日本古来の

 呼び方じゃ式神だっけな?それを取り締まる

 のにパッショーネじゃねえけど組織と人材がいる

 DIOの時みてえに今後組織が派遣する

 スタンド使いの援軍がいぬっころ一匹とかいう

 悲劇を回避するためにも人員も質も数

 もいる。そうだな....まずは高校大学の勉強を

 こなしながら、(顔面をまじまじみながら)

 秘書技術と....波紋の才能を育成するとしよう。」

 承太郎「こいつは波紋の才能もあるのか?」

 スピードワゴン「護衛補助技術さ。

 あってて損はない、じゃあ三数ヵ月後に

 迎えに来るからよろしくなお嬢ちゃん。

 名前は?」

 「浄雅崎 情華です、あだ名は....ジョジョです!」

 

 その三ヶ月後、彼女は親友を連れアメリカに留学

 連続飛び級でケンブリッジ大学を卒業し数々の

 ノウハウを得て....

 

 東方仗助 高校3年 自宅

 仗助「うぉぉぉおおおおお!!

 大学も!!企業も!!取って

 くれねえええええええええ!!」

 そこには就職活動に大失敗を

 しまくった仗助の姿が。

 頭の事を面接官に質問され

 成す統べなく全滅したのだ。

 母「その頭が原因でしょ?いい加減

 ビシッとしなさい!!康一君に何度も

 教えて貰って学力足りてるのに

 頭剃ってやり直しなさい!!」

 仗助「もう面接大半終わって

 後のカーニバル(;ω;`*)。

 もう....承太郎さんに頼むしか....。」

 母「そんなカリカリしなくてもお父さんの

 遺産がたんまりあるんだから。」

 仗助「びた一文使わせてくれねえだろ!?」

 母「うるさいわね!!あなたが使いすぎて

 老後生きていけなくなったらどーすんのよ!!」

 トントントン

 ノックの音がした。

 母「はーい、東方でーす。

 あー承太郎君じゃない~♪

 元気にしてた?」

 承太郎「丈助はいるか?」

 

 スターダストウォールの面接会場へ

 電車へ移動。

 承太郎「そうか、面接は全滅か。」

 丈助「はい....。」

 承太郎「好都合だ、あっちに行くから

 お断りですって言われたら招待しようが

 無いからな....もっとも....お前の性格は

 多少矯正する必要はあるがな。」 

 仗助「矯正....給料はいいですか?」

 承太郎「研修期間が長いが一応給料は入る

 だが仗助、大人の世界ってやつは本当に厳しい

 仮にここで就職しなかったとしても

 同じような問題に見舞われる事なんて

 日常茶飯事だ。俺より優秀な社長だ

 故に俺より厳しい事は覚悟しとけ。」

 仗助「一体....どうなるんですか?俺?(ゴクリ....)」

 

 スターダストウォール面接会場

 廃校の体育館

 仗助「あの....どーしてここなんですか?」

 承太郎「面接する新人が極端に少ないからだ。

 それにたいしていい会場借りる理由もない。」

 

 スピードワゴン「広瀬康一、スタンド調査員及び

 司書担当とし、育成決定。」

 康一「はい!!」

 スピードワゴン「虹村奥泰、一流コック兼

 護衛任務担当とし、育成決定。」

 奥泰「いやぁ~トニーさん所でバイトしてたら

 筋がいいって育ててもらったかいがあったもんだ。」

 康一「奥泰くん意外!!料理こんなに上達してたんだね。」

 奥泰「いや~物こそ好きの上手なれって言うだろう?」

 康一「好きこそ物の上手なれでしょう?」

 仗助「へーわりとみんな早く

 終わっちまってんだな~」

 スピードワゴン「最後、東方丈助。」

 仗助「はい!!」

 スピードワゴン「......................」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...........

 仗助(ーー;)

 スピードワゴン「いろいろ性格に問題あるが....

 正規採用はずっと先になるな。

 いい人材だが育成に時間がかかる。」

 承太郎「ほう?どう育てるんだ?

 Mr.President?」

 スピードワゴン「波紋医療の医師として

 育成しようと思う。」

 仗助「え!?決め方雑じゃないっすか?質問は?

 俺あんまり医療とかそういうの興味が......?」

 スピードワゴン「で?お前のやりたい事って

 なんなんだ?」

 仗助「えっと...........。」

 スピードワゴン「そりゃ本来ならどこも

 取ってくれねえわけだ。

 こんな希薄な動機じゃなあ。

 だが動機がねえなら作ってでもやらなきゃな

 だから、お前を英国で育成して立派な

 世界の何処でも通用する社会人として完成させる

 お前の将来の代案プランがなきゃ俺の案が通る!!これが

 社会常識だぜぇ!?」

 仗助「えっと......悪いスタンド使いを

 懲らしめるとかの方が俺としちゃ

 やり易いんですよ。ただ医療は生理的に

 ちょっと...........。」

 スピードワゴン「................................

 わかった、賭けをしよう。

 我が社現役のスタンド討伐人材相手にに1分以上

 持ちこたえられたら晴れて

 スタンド討伐部署に配備される

 ただし一分以上持ちこたえられなかったら

 お前はイギリスで英才教育を受けてもらう。」

 仗助「マジっすか!?そっちの方が気楽で

 助かります!!....でも現役の討伐人材って

 まさか承太郎さんと戦うとかじゃないですよね?

 一分持ちこたえるって時点ですげえ嫌な予感が

 するんすけど?」

 スピードワゴン「いいや、討伐実績の高い別の人材に

 やってもらう、情華!!この三人に

 デモンストレーションも含めて披露してやれ。」

 承太郎「!?」

 そこに来た少女は読書の好きな内気な少女

 ではなく、赤い胴体と青の長袖の

 戦闘ボディースーツ。

 ズボンは赤青のラインチェックの

 戦闘仕様のジャージズボン。

 老眼鏡を捨てたクールビューティーな

 バトルマシーンへと変貌を遂げた

 浄雅崎 情華の姿だった。

 承太郎(元の姿が跡形もねえ...........。)

 康一「うわぁ!!」

 奥泰「すっげえクールビューティー!!

 まるで氷の不死鳥の像がお披露目

 されたかのような雰囲気を纏ってやがる!!」

 康一「調査のバイトやってて聞いたことはあるけど

 大丈夫かなあ仗助君?」

 情華「この人が討伐部署勤務希望の

 東方仗助ですか?」

 仗助「は、はい。(年齢俺と変わらねえぐらいか...) 」

 情華「どーして討伐部署入りたがっているのに頭に

 不要なウェイトつけてるんですか?」

 仗助「カチン!!」

 条太郎「お、おい。」

 仗助「だ、大丈夫っすよ承太郎さん.....

 俺はこれでも前よりかなり丸くなってるから

 そんな程度ではプッツンいくわけ....。」

 康一(プルプルしながら必死に怒りを堪えてるっ!!)

 情華「頭を守るためとは言え先がそんな出ている

 必要はあるんですか?回りに気づかれないように

 敵を調査するに当たってその頭は目印になるため

 非常に邪魔で不要だと思います。」

 仗助「プルプルプルプルプルプル。」

 康一(おもいっきり地雷を踏み砕いてる!!)

 情華「悪いことは言いません、周りに迷惑を

 かけない為にもその魑魅魍魎な頭は

 削ぎ落とすべきです。」

 仗助「おい、お前.......俺の頭の事をなんつった?」

 情華「ハンバーグステーキの出来損ない、たわし、

 カラス専用クッション、どす黒い大型ちんすこう

 ナマコ頭、絶対にいらないショコラケーキ

 魑魅魍魎の化身、ヘアスタイルオブ芋虫

 世界三大無用の長物、露出した真っ黒い脳味噌......」

 承太郎「お、おい!!」

 仗助「...........ぐおおおおおおおおおおおおお!!!

 誰であろうと女であろうと...........

 この頭の侮辱は絶対に許さねえ!!

 今すぐミンチになっても.....文句はねえよな!!」

 康一「今まで見たことの無いぐらい怒ってるぅ!!」

 承太郎(やっぱりこうなるか...........。)

 情華「いいですよ....ただし.....。」

 情華はストップウォッチを取り出し

 情華「一分でカタをつけます。」

 上空へストップウォッチを投げる。

 情華な真っ正面から仗助へ突っ込む。

 パァァーーーン!!

 クレイジーダイヤモンド「ドララァァ!!」

 拳の全力ラッシュで迎撃に走った

 クレイジーダイヤモンドを出迎えたもの。

 水でできたようなブルーのペプシマンガール

 を思わせる人型のスタンド。

 承太郎「これが情華のスタンド!!」

 そのスタンドはラッシュを全部回避して

 間接部をピンポイントで攻撃し怯ませる。

 ズパァン!!ズパァン!!ズパァン!!

 仗助「何!?」

 ズパァァン!!

 クレイジーダイヤモンドの顔面に青い拳が

 突き刺さる。

 仗助「何だと!?」

 情華は体育館の壁を高速で走り抜けて仗助の

 頭上に到達した。

 仗助「なに!?」

 サマーソルトキックが仗助の頭上に

 落下する。

 ズパァン!!

 仗助(す、スタンドとの併用戦闘だと!?)

 腕で防ぐも骨が軋む音がする。

 仗助「ぬおおおおおおおお!?」

 青いスタンドはクレイジーダイヤモンドの

 攻撃を回避しながら、間接部をぶん殴り

 顔面と人中をぶん殴って戦闘力をを殺していく。

 ズパァン!!ズパァン!!ズパァン!!

 ダメージが仗助の体に染み込んでいく。

 仗助(まずい......クレイジーダイヤモンド

 が押されている!!だからといって戻せば挟み撃ちに合う

 このままじゃやられる.....!!なんなら!!)

 拳を振りかざした情華に脱いだ制服で顔を隠して

 その上から殴りにかかる!!

 仗助「捉えた!!ドタマに来た俺の目一杯の

 アドレナリンの一撃を食らいやがれ!!」

 情華「残念逆効果です。」

 仗助の体に衝撃が走る

 コォォォン!!バチバチ!!

 仗助「!?体が動かねえ!?なんだこの熱くてバチバチ

 してるもんは!?」

 情華「貴方の父親やひいお祖父さんのこれを

 継承してないとは呆れます。」

 承太郎「あれは....波紋か。」

 スピードワゴン「目隠しをするはずの服に波紋を

 流して動きを封じる....基本中の基本だぜ。」

 情華「震えるぞHeart!!燃え尽きるほどbeat!!

 くたばれゴロツキ野郎!!」

 仗助「おい、まさか....。」

 『山吹色の波紋疾走!!』(サンライトイエローオーバードライブ!!)

 ボコボコボコボコボコボコボコボコ!!ズパァン!!

 仗助「ぬぁぁあああああ!!」

 クレイジーダイヤモンドがスタンド同士の

 戦いで封じられた状態での肉弾戦でも

 情華に圧倒され、吹き飛ばされた。

 情華「どーしました?この程度ですか?

 その頭のUFOは飾りですか?」

 仗助「まだだ....この東方仗助は..簡単にゃあ

 やられるわけにはいかないんでねぇ!!」

 立ち上がった瞬間仗助の落ちていた上着が後ろから

 浄雅崎 情華の足を絡めとる。

 情華「!!」

 仗助「予め腕のボタンを引きちぎっておいたのよ~

 こうやって倒すために....俺の怒りの渾身の

 一撃を食らえよぉてめえええええ!!」

 クレイジーダイヤモンドの『治す』能力

 制服の腕のボタンを引きちぎり、手の内に

 待機させて制服を『元に戻す』事で引き寄せる。

 拳に制服の腕ボタンを持っている為渾身の一撃を

 制服でからめとった相手を確実に拳に命中させる

 しかし、浄雅崎 情華の判断はそれを凌駕した

 空中で腰を素早くひねって足に絡まった制服を外し、

 クレイジーダイヤモンドの一撃をスタンドの腕で

 上空から両手で一回転して乗り越え仗助の衿を掴むと

 波紋を流して動きを封じる。

 コォォォン!!バチッ!!

 仗助「なにぃいいいいい!?」

 そこから衿を掴んで全力で地面へぶん投げる

 情華「うらぁあああああ!!」

 ズパァァーーーーーン!!

 仗助「くはっ!!」

 そこから反動を利用して仗助を跳ね上げて浮かせ

 もう一度....!!

 ボコボコボコボコボコボコボコボコ!!ズパァン!!

 『山吹色の波紋疾走!!』(サンライトイエローオーバードライブ!!)

 仗助「うわぁああああああああ!!」

 東方仗助 KO

 上空に投げたストップウォッチを受け止める情華

 情華「47秒。やっぱり大したこと無かったです。」

 康一「すごい....仗助君があっという間に....。」

 奥泰「おおぉ....やべえよあの娘!1分経たずに仗助を!!」

 仗助「まだ....まだ俺は....。」

 フラフラしながら立ち上がる仗助

 情華「お?」

 『山吹色の波紋疾走!!』(サンライトイエローオーバードライブ!!)

 ボコボコボコボコボコボコボコボコ!!ズパァン!!

 容赦が無かった。

 仗助「ぐばぁ!!」気絶....ちーん♪

 康一「もうやめてあげて!!仗助くんは

 もう戦えないってばぁ!!」

 承太郎「なあ、どうしてあいつあーなったんだ?」

 スピードワゴン「人生の紆余曲折の結果だな。

 それに高校時代のあんたも大概だぞ条太郎さん?」

 承太郎「まあ....な。」

 

 三人で飛行機に乗る仗助

 仗助「....おれ....産まれて初めて喧嘩で

 女に負けた....。」

 奥泰「気にすんなよ仗助、ありゃあ俺でも無理だ。」

 康一「彼女は討伐課上位クラスの調査員で本来

 調査担当なんだけど大半調査のついでに犯人を

 倒しちゃうシリアルアタッカーだって。

 ついでに中学、高校、大学を全て飛び級で卒業

 あの会社で年収500万稼いでいるんだって。」

 仗助「畜生!!実力つけたら....

 絶対倒してやるからなぁ!!」

 ぼやく仗助を無視して

 情華は去っていく。

 

 東方仗助 英国へ強制留学 奥泰は西欧料理の研究留学

 康一君は結婚は済ませてあるため出張へ。 End

 

 浄雅崎 情華

 流用キャラデザ

 シャーロットの友利奈緒

 元は内気な読書少女だったが

 条太郎との出会いで性格が激変し

 冷静かつ冷徹、悪に対して容赦がない性格に変貌した

 優しい所もあるが心を開いた人間でなくては

 あまりお目にかからない

 スタンド名※※※※※※※※

 破壊力C スピードA 射程C 持続力A 

 精密動作性A 成長性B

 



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第二話 阿寒湖 逸

東方仗助は英国で医科大学へ留学

 その後多少スパルタな英才教育や

 波紋を少し教わりながらも着実に成績を上げた。

 仗助「ひぇぇ~遊ぶ暇がねぇ~。

 奥泰は自分の勉強で手一杯で教えてもらう

 どころじゃねえし、康一は家族養う為に暇なし

 だしよ、毎日疲れるなぁ。友達欲しいな~。」

 ここは一部で焼け落ちたジョースター邸を

 スピードワゴン財団が再生し寮に改築したものである

 仗助「ここが自分のルーツって言われてもピンと

 来ねえな~。吸血鬼に人生台無しにされるわ

 究極生命体と戦うわってなんかおとぎ話みたいでよお

 現実味を感じねえんだよなあ。」

 仗助は友達になった宇宙人の事や億泰の

 父親の事を思い出して訂正した。

 仗助「.....いいや、一族揃って大変だったんだなぁ。

 親もしょっちゅう殺されたり.....その因縁で仲間が

 死んだり.....俺はまだラッキーな方かも知れねえな。」

 ジョナサン・ジョースターの絵画の近くにのっかかり

 物思いにふける仗助だったがその平穏をちょっとだけ

 乱す知らせが届く。

 りりりりりりりりり!!

 仗助「補習の電話か?はい、ジョースター邸です。」

 康一「こんばんわー仗助君。」

 仗助「おう康一か、どうした?」

 康一「じつはこの辺りで髪の毛がお化けに

 取られるって被害が続出しててスタンド調査の為に

 奥泰君と仗助君と一緒に調査に行こうってお誘い話。

 会社の任務なんだけど一人じゃ心細くってねえ。」

 仗助「いいぜ、いいぜ康一。

 最近補習ばっかりで死にそうだからたまには

 息抜きがしたかったんだ。」

 康一「承太郎さんから高額のバイト代も出るってさ。

 一人100ドルだよ100ドル!!交通費全額支給で

 飯代全額負担!!」

 仗助「高いな!!勉強勉強で死にかけてたんだ心の空気を

 フレッシュに入れ換える為にも絶対行くぜ!!で

 集合時間は?」 

 

 英国ロンドン

 康一「この辺りで髪の毛が奪われる事件が多発

 してるんだってさ。何も痛みもなく根っこから

 スポンとワインの蓋が空くように丸ごと

 取られてお化けみたいに消えちゃうらしい。」

 奥泰「髪の毛を奪うスタンドかー。」

 仗助「吉良吉影みたいな凶悪なやつ

 じゃなきゃいいがしょうもねえスタンド使いも

 いるもんだ、今のところ人命は

 奪われてねえみたいだが。」

 奥泰「話は別になるけどよぉ、俺のヘアスタイルと

 お前のヘアスタイル、どっちがカッコイイって

 言われるかこのイギリス賭けをしようぜ?

 掛け金10ドルでどうだ?」

 仗助「いいだろう、だが絶対俺がカッコイイと

 言われる勝算がある。この際どっちのヘアスタイルが

 いいか決着つけようぜモブ頭。」

 奥泰「へっへっへ、シンプルオブベストって

 言葉ぁ教えてやるぜぇ?」

 康一(どっちもどっちの気がするんだけど。

 イギリス英語で聞こえてくるのは全部嘲笑だなぁ

 やっぱりこの国じゃ二人は合わないなぁ。)

 仗助「どっちがカッコイイって言ってた?康一?

 お前なら言葉わかるんだろ?(まだ英国英語に

 慣れてない)」

 英国女性「※(英語)随分貧相な靴の裏を

 頭に張り付けてるわね?」

 英国女性「※(英語)あらあれ、ボトルでも真っ二つ

 にして張り付けたの?マリーアントワネットの頭

 縦斬りしたような時代錯誤の髪型プゥー(笑)」

 康一「いやぁ....珍しい格好だなしか....

 言われてないよあははは((^o^;))

 そうだ、せっかくだから英国で美味しい日本食

 レストランあるから寄らない?」

 奥泰「いいねえ、英国料理ってなんかぱっとしないの

 多くてよぉ....。」

 ?「あぁぁ!!あのリーゼント凄く形がいい!!」

 その言葉を聞いて3人は振り替える。

 康一より背丈が高めの目のくりんとした男だった。

 康一「に、日本語?」

 仗助「ほれみろ俺の勝ちだ。」

 奥泰「チッ....あれ?日本人か?」

 ?そそくさそそくさ。

 康一「どっかいっちゃった。」

 仗助「ほら、とっとと10ドルくれよ奥泰、賭けに

 勝ったのは俺だぜ?」

 スポン!!

 リーゼントが気持ちいい音を立てて抜けてふわふわ

 逃げていく。

 仗助「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!おれーのあたまー!!」

 リーゼントが一目散に逃げていく。

 その方向を見て康一が叫ぶ。

 康一「あの男だ!!あの男がスタンド使いだ!!」

 奥泰「追いかけろ!!」

 ???「うわぁぁああああああ!!」

 …ーーーーーーーーーー!!

 そいつの姿がはっきり見える。

 リーゼントが妖精みたいに彼を追いかけている。

 康一「凄い逃げ足早い!!逃げられちゃうよ!!」

 奥泰「任せろ!!空間を削りとる!!」

 その時偶然落っこちた植木鉢が奥泰の顔面に

 削り取った空間ごと食いついて来たのだ。

 バリン!!

 奥泰「ぐぼぇ!!」

 勢いがついていたのか命中した億泰の意識は

 ホットケーキの上に乗せたバターのように

 溶けてしまった。

 チーン(※д‘※)♨(気絶)

 康一「奥泰くーーーん!!」

 仗助「てめえ!!よくも奥泰を!!」

 ???「僕何もやってないよぉ!!」

 その男は壁を素早くよじ登る。

 屋根をぴょんぴょん飛び回り逃げる。

 ???「ははは!!僕の逃げ足には誰も勝てないもんね!!」

 康一「すごいスピードだ!!逃げなれてるよこの人!!」

 仗助「いいや、こういう手があるんだぜ!!

 待てごるぁぁああああ!!」

 そこにはバイクに乗って屋根を渡り歩く仗助がいた。

 ???「馬鹿な!?どうやって持ち込んだの!?

 どーして重たいバイクなんて屋根の上に!?」

 屋根がバイク着陸時に破壊されたものがみるみる

 修復されていく。

 バイクが屋根から屋根を伝って走り、跳んで

 スタンド使いの小柄な男を追いかける。

 ???「僕みたいに能力を保有してるのか!!つまり

 スクラップの部品を屋根の上に持ち込んでバイクを

 再生し起動させた!!物質修復!!これが彼の能力!!」

 仗助はバイクのジャンプがたどり着かない

 場合、バイクを蹴って高く跳躍し

 クレイジーダイヤモンドでバイクを破壊して

 部品を屋根に投げて座席に着地と同時にバイクが

 修復されて再稼働という芸当を見せる。

 ???「だけど僕にだって手段がある!!マリモ!!」

 すると大気中の毛が集まって点火プラグと燃料を

 結んだ紐を編みだし一気にガソリンが染み込み

 高速で引火燃焼し、バイク爆発させる。

 モリモ モリモ モリモ パチパチパチ

 どぱーーーーん!!

 仗助「ぬあああああ!!」

 仗助が爆発で吹き飛ぶ。

 少年が高いところから降りるとき突如毛布の滑り台が

 大気中から毛と埃が編まれて出現し

 ツルツル滑ってやんわりと着地する。

 ???「やった!!え!?こっちに来る!?....

 ああ!!行き止まりだぁ!!」

 仗助は100点の着地を完了させ追い詰めて行く。

 仗助「つくづく運がいいな俺は、

 爆風のお陰ででお前の所に追い付けた。

 さあ返してもらうぞ俺の大事な大事な頭をよお。」

 ツルツル頭の仗助を見て笑い出す首謀者

 ???「.∵・(゚ε゚ )→(*≧∀≦)わっはっはっはっは!!」

 仗助「笑うんじゃねえ!!てめえがやった

 ことじゃねえか!!今すぐ髪を返さねえとぶち殺すぞ!!」

 ???「....宣言するよ、君はもう一回呼吸をした

 瞬間僕に負けると宣言しよう。」

 仗助「は?もう一度呼吸をした瞬間俺が負けるって?

 偉そうなこと言うな、なめてるのか?いいだろう

 もう一度思いっきり深呼吸してぶちのめ....

 え?....!!!!!あ....がががが....げほっげほっ....一体

 何が....呼吸が....!!」

 酸欠で顔が赤くなっていく。

 どうなってる!?

 パニックに陥る仗助は一気に窮地に立たされる。

 仗助は気がついた。

 仗助「は、鼻毛が....!!もりもり育って....!!

 鼻と気管を....!!塞ぐだと....反則だろこれ!?

 クレイジーダイヤモンド....!!頼む....かき出して

 くれ....!!」

 ブチフチブチブチブチフチブチブチヌチ!!

 仗助「いてぇぇぇぇよ....ぐべぇぇ!!」

 必死に呼吸を塞ぐ毛を引きちぎるもすぐに

 気管を元通り塞いでしまう。

 もがき苦しむ仗助。

 ???「無駄無駄無駄無駄ぁ!!僕の能力は毛に

 エネルギーを与えて育てたり増殖させたり

 操ったりすることができるマイクロ単位の能力だ!!

 一度呼吸困難に陥ったら気絶するまで毛は増殖を

 やめなぁぁぁいいい!!

 僕は昔いじめられる側だったけど今は

 いじめる側がニッコリできなくなるほど成長した!!

 捕食者が獲物を食べたと思っていたら

 食べられていたのさ!!君のようにね!!」

 呼吸困難に陥り仗助の意識が薄れていく

 仗助「くそっ....こんな....負けかたなんて....

 俺らしくもねえ....畜生....。」

 東方仗助は意識を失った。

 ???「よし、気絶した。死んじゃいけないから解除。」

 鼻毛が元の長さに戻っていく

 東方仗助はピクリとも動かない。

 ???「大丈夫!!脈はある。生きてる。さあ、帰ろう。」

 ズドォォォォン!!

 ???「ふぁ!?体が重く!?動かない!?」

 「act3!!スリーフリーズ!!」

 そこに居たのは康一のスタンドエコーズact3だった。

 康一「やれやれ、君は本当にやばい人だなあ

 奥泰君は自爆だけど仗助君を倒すのは純粋に

 凄いと誉めてあげよう。」

 ???「馬鹿な!?きみは僕並みに身体能力が

 あるようには見えないし屋根をショートカットして

 いったから徒歩で下を走っただけじゃ到底

 追い付けないはず!!どーして!?」

 康一「仗助君が僕の分までバイクをスクラップ

 から治してくれたんだよ。ついでに奥泰君の

 分までね。これ免許。」

 ???「なにぃいいいいいい!?」

 奥泰「さあ、今度はヘマしねえぜおちびさんよぉ?」

 ???「うわぁぁぁ....に、逃げ。」

 奥泰「空間を削り取る!!はい捕まえた。」

 ???「うわぁあああああ!!」

 奥泰「この距離なら下手な事をする前に倒せるぜぇ!?」

 康一???「あぁぁっぁああああ!!」

 奥泰「なんだ康一まで変な声出して....あ。

 あぁぁぁぁぁぁ!!仗助の頭を削り取っちまったぁ!!

 まるで真っ黒い辛子明太子みたいに

 なっちまったよお‼」

 仗助から分離したリーゼントが真ん中の空間を

 削り取られて細くなっていた。

 ???「あああ!!僕のコレクションがぁぁ!!」

 康一「仗助君の大事な髪が!?」

 奥泰「どーしよ!?戻さねえと厄介な事に!!」

 ???「治さなきゃ。」

 もこもこもこもこ

 毛が増殖して元の形に戻り、ワックスを付けて

 ???「よし、元通り!!」

 奥泰「すげえ器用だなおめえ!!」

 康一「じゃあ....連行。」

 ???「あ!!!」

 康一「大丈夫警察にはつき出さないからこっち来て。」

 奥泰が髪を仗助に戻す。かぽん。

 

 スピードワゴン財団英国支部。

 スピードワゴン「康一君よくやった。

 みんなもよくやってくれた。報酬は1000ドルだ。

 三人分あるぞ?」

 仗助「やれやれ、死ぬかと思ったぜ。」

 康一「仗助君も油断は危ないよ?」

 奥泰「いやぁバイクまで手に入ってなんか悪いなぁ。」

 スピードワゴン「この人物の名前は阿寒湖 逸

 仗助の故郷付近で誰かに矢を射られて逃げたところで

 この能力を持ったようだ。出身地は北海道で

 英国で仗助が今通っている医学大学に通っている。」

 奥泰「兄貴....。」

 仗助「不思議な気分だぜ....。」

 スピードワゴン「こいつは実力も知数も高い

 一人も人を殺めなかったのが救い

 新たな人材として育成する予定だ。」

 仗助「えええええええ!?正気ですか?」

 スピードワゴン「きちんと説得すればわかる

 性格だ、今後髪はまるごと奪うんじゃなくて

 数本奪って地道に育ててコレクションしろと

 言っておいた。これでいいのさ。脱毛に使ったり

 ヘアスタイルアーティストにしても

 十分使える人材だ。それとお前と同じ医大に

 通ってるんだから勉強も見てもらったらどうだ?」

 

 阿寒湖 逸「いやあ、まさか僕の才能や家庭事情を

 考慮して学費をくれたりこの寮に住まわせて

 くれるなんて申し訳ないなあ本当。」

 役目は東方仗助の監視と勉強の指導である。

 仗助「友達欲しいっていったけどよお....

 このコレクション夜見るとマジ怖いんだけど。」

 阿寒湖 逸は元ジョースター邸にて

 寮生徒として入り、様々なヘアスタイルの

 コレクションを作りメイキングに勤しんでいる。

 逸「仗助君、お菓子食う?後で一緒に勉強

 教えてあげるよ」

 仗助(ドン引き)

 逸「呼吸困難にしたことは謝るからそんな

 怖がらないの、さ、さ。いいリーゼント造ったから

 見てよ。」

 出来が見事なリーゼントが目の前にあった。

 逸「暇があったら頭のメイキングしてあげるからさー」

 仗助「......まあいっか。」

 仗助成長の旅は続く

 end

 

 マリモ

 

 破壊力D スピードB 射程A 持続力A 

 精密動作性A 成長性B

 

 ススワタリの形をしたマイクロ単位のスタンド

 破壊力は無いが汎用性は高く

 大気中や体内の毛を操って毛布や布を形成したり

 埃を混ぜて綿を形成したり成長させたり

 できるスタンド。

 本気を出せば鼻毛を増殖させて窒息に追い込んだり

 できる。

 スタンドは完全遠距離型のためか消し飛ばしても

 燃やしても消滅させても阿寒湖 逸自体に

 ダメージはない。

 

 使用者 阿寒湖 逸

 小柄で逃げ足が異常に早い。

 だが頭はキレッキレッの大学生

 性格は社会常識をきちんと守る優秀な

 日本人留学生である。

 綺麗な髪や個性豊かな髪を標本にしたり

 メイキングしたりするのが趣味。

 仗助の暴走を止めるお目付け役に任命される

 パワーD スピードB スタミナA 知力A 



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第三話 レギエンド・E・O・スピードワゴン

それは、レギエンドEOスピードワゴンが

 大学院を卒業した日だった。

 この日、財団を率いるのに必要な最終教育を

 自宅で受けていた。

 スタンド対策護衛会社『スターダストウォール』

 を設立したのは大学へ入ってすぐ、

 スピードワゴン主導で設立し、空承条太郎、

 浄雅崎 涅白、フェリシアン・ツェペリ

 ジョセフ・ジョースターが

 初期メンバーとして会社を設立し

 今後世界で頻発するスタンド使いによる

 犯罪対策を模索していた。

 

 スピードワゴンの両親はレギエンドへの

 プレゼントを買いに数ヶ月自宅には不在で出ていた。

 

 教育長「今日をもって最終教育を終了しました。」

 スピードワゴン「いやあ楽しかったよ。

 会社の経営も財団の経営も実に面白い。

 だが人間は思ったようには動かないし難しい。

 これからが本当の問題だ。運営で無能って

 言われるのが一番怖いからな。」

 教育長「ははは、スピードワゴン君は本当に

 ハングリー精神が長けていて教えがいがあった。

 教育は終わるが今後ともよろしくお願いするよ。」

 スピードワゴン「おっ、先生ありがとうございます!!

 ......やけに静かだな。警備員仕事してるのかな?」

 玄関へ向かうと......。

 スピードワゴン「教育担当の皆様!!全員部屋を出るな!!

 鍵を締めろ!!な......なんだこりゃ!?

 玄関が......溶けてる!?そして燃えてる!?

 全員奥の緊急退避ルートに従って逃げてくれ!!

 俺はやつを止めてくる!!」

 スピードワゴンは自分の部屋に入ってショットガンを

 取り出した。

 スピードワゴン「話に聞いてたスタンドってやつか....

 でもスタンド持ってない俺にはあれはあまりに

 ベリーハード過ぎんだろ!?だが先生方を逃がす

 ためにも逃げるわけにはいかねえ!!」

 棚を慌てて倒すと。

 スピードワゴン「いってぇええええええ!!

 日本から回収された小包ふんだぁ!!」

 by条太郎 杜奥町から必着

 中身はスタンドの弓矢と言われる財団の調査

 アイテムだった。

 スピードワゴン「壊さねえように所持して....

 どうする?銃で対応できるなら狙撃でぶっ殺すしか..。」

 「ここにいたか....メインターゲット!!」

 ドアが溶けて犯人が現れる

 スピードワゴン「うらぁ!!死ねえ!!」

 ショットガンをぶっぱなす。

 だが、そのどす黒いパープルヘイズがより真っ黒に

 凶悪になったような見た目のスタンドに全部弾かれて

 しまった。

 キンキンキンキン!!

 スピードワゴン「き、効かねえ!!この臭いはヤバイ!!

 これは酸だ!!しかも硫酸並みにヤバイやつだ‼

 壁が....化学反応で溶けて燃えている!!やべえ!!」

 「俺の名前はオルバディオ・グリーズ。

 お前を殺すように依頼されたスタンドヒットマンだ。

 どーして名乗るかって?ここの生存者は今からゼロに

 なるからだ。俺のことを誰も話す人間は

 この世に居ないんだからな。」

 スピードワゴン「ぬぉおおおおおおお!!」

 脆くなって燃えた天井をショットガンで破壊して

 瓦礫を落とす。

 だが、溶けた天井をスタンドが瞬時に振り払い。

 シャンデリアが弾かれた後液体となる

 スピードワゴン「うらぁ!!」

 椅子を投げても棚を投げてもベットの毛布を投げても

 瞬時に腐食して朽ち果てる。

 オルバディオ「無駄だ!!溶けた瓦礫を俺に

 浴びせようにもこの『ダーティフェイス』には

 通用しない!!逃げ道も何処にもない!!

 お前も溶けて無くなれ!!」

 高濃度の王水の大気がスピードワゴンに

 襲いかかり化学反応で服を燃やし溶けていく。

 スピードワゴン「ぐわぁああああああ!!」

 オルバディオ「任務完了....。どろどろと

 服と肉が溶けて生物は死体すら残らない。さらばだ。」

 ドバン!!

 その音と同時にオルバディオの足元が崩れ、

 オルバディオ「しまっ!!」

 ドバン!!

 オルバディオの背後から拳が突き出る。

 オルバディオ「ぐぐぐっっぐばっ!!」

 スピードワゴン「上手い演技だろ?役者になる気に

 なればいつでもマジシャンにも名俳優になれるんだぜ?

 お前が溶かした俺は帽子かけとハンガーと

 タオルをかけて作った偽物!!

 お前の天井を崩したのは視界を塞いだ

 一瞬のうちにベットの地面をぶち壊してすりかわる為

 だったのさ!!お前は酸の大気を散布しておきながら

 床が溶けていなかった!!それは床には酸が

 とどかなかった!!仮にとどいていたらまともに

 移動できねえからな!!

 そして俺は目覚めた....条太郎さんから送られた

 矢を踏んで足に刺さり目覚めた!!その

 スタンドの名前は....『ブラック・オパール』!!」

 その黒い人形のスタンドはオルバディオの顔面を

 ウッルルルルルルルルルルルルルルルルァ!!

 ボコボコボコボコボコボコボコボコ!!

 めちゃめちゃに砕き、全身の骨を粉砕した。

 オルバディオ「ばか....な。」

 スタンドヒットマン

 オルバディオ.......絶命

 駆けつけた条太郎。

 条太郎「こ、これは!?」

 

 スピードワゴン「はい条太郎さん。」

 幸い教育担当の方々は無事だったが警備員達は

 死体すら残らない殺され方をして行方不明と

 なっていた。

 条太郎「やれやれ、苦労して手にいれたこいつを

 足で踏むとか理解し難い所業だがお陰で助かったな。」

 スタンドの矢を持って苦言する条太郎。

 スピードワゴン「辛辣ですよ条太郎さん、

 おれすっげえ怖かったんですよ一応。」

 父「レギエンド!!大丈夫か!?」

 スピードワゴン「ごらんのとおりピンピンしてるぜ、

 しかし、警備員の皆様は次の誕生日が

 迎えられなかった事が遺憾でしかたないぜ....

 誕生日プレゼントは無しでいいから

 葬儀代を全部負担して遺族にも保険金をあげて

 やってくれ。」

 父「それが、金じゃ買えない最高のプレゼント

 を持ってきたんだ。」

 そこにいたのはスピードワゴンと変わらない身長の

 丹精な顔立ちの黒人女性だった。

 母「この娘は純潔を重んじて家庭を護る伝統を

 持った家から貰ってきた貴方のお嫁さん

 子供は沢山産めて病気ひとつしないいい娘よ。」

 顔はいまひとつ美人と言い難い。

 黒人女性「えっと....私でいいかしら?たいして....

 美人じゃないよ?」

 スピードワゴンはにっこり笑って言った。

 スピードワゴン「神様からいただいたこの上ない

 バースデープレゼントだぜ。」

 

 その後条太郎と一緒に貸しきった体育館に行き

 対面した。

 条太郎「スタンドが目覚めた以上お前の

 スタンド能力を把握しておきたい。」

 スピードワゴン「こいつですか?」

 真っ黒い筋肉隆々のスタンドが現れる。

 条太郎「『ブラックオパール』って言ったな

 お前の実力を見極めさせてもらう。」

 ...................................................。

 沈黙が続く。

 条太郎「スタープラチナ!!」

 スピードワゴン「ブラックオパール!!」

 二人の近接パワー型のスタンドがぶつかり合う。

 

 夕方。

 条太郎「やれやれ....ここまでズタボロになるとは

 思わなかったぜ....。」

 全身打撲にまみれて二人は帰っていた。

 スピードワゴン「条太郎さんも人が悪い、

 ズルして倒そうとしやがって。」

 条太郎「お前の能力の方がよっぽどずるいぜ....

 やれやれ....ここまで頼りになる仲間を持つのは

 花京院以来だぜ。」

 スピードワゴン「ちょっとは寛容になってくださいよ

 この負けず嫌いが。」

 条太郎「お前のようなひよっこには負けたくねえ

 からな。」

 スピードワゴン「なんだと、この。」

 条太郎とスピードワゴンは馬鹿笑いしながら

 仲良くアメリカの住宅街の中を帰っていった

 

 スタンド

 『ダーティフェイス』

 破壊力A スピードA 射程C 持続力A

 精密動作性E 成長性E

 アメリカのスタンドヒットマン、

 オルバディオが使うスタンド

 スタンド対策会社を設立するスピードワゴン財団の

 動きを察知して独断行動で殺戮しに来たスタンド

 王水の大気を展開してなんでも溶かす

 ただし足場まで溶かしたら本体が移動できないため

 足元の大気はクリアである。

 近接戦闘もスタープラチナに負けないぐらい強かった

 しかし、勝利を確信し油断したところを

 パワーとスピードで並ぶ

 『ブラックオパール』に本体を奇襲されて死亡した。

 

 『ブラックオパール』

 レギエンド・E・O・スピードワゴン

 破壊力A スピードA 射程D 持続力A

 精密動作性B 成長性D

 能力???

 

 

 

 



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第四話 シータ・サファイア

スタンド使いを運用する株式会社スターダストウォール

 スピードワゴン財団職員も含めて従業員数は1200人

 分野としては

 悪のスタンド使いを調査し討伐、逮捕を担当し

 未解決事件の犯人逮捕を行う

 『討伐課』

 スタンドや波紋も含めた医療分野の研究をしている

 『医療課』

 あらゆる工業系の依頼をこなす

 『工業課』

 人々を癒す娯楽を提供する

 『芸術課』

 等に別れ、その仕事の依頼の書類整理を行うのが

 上層の『統合整理課』である。

 ただしこれは便宜上分けられているが

 社員が別の課目のサポートに回り別の稼ぎを

 貰うこともある『責任果たせば自由』な

 職場なのだ。

 

 その『討伐課』の女性チーフが

 セーラム・スタン・フラワーという銀色の髪の長い女性

 男性チーフがフェリシアン・ツェペリという青髪の男

 入社してきて全員はアメリカの国旗に向けて

 国歌を歌うと一旦解散して

 依頼がびっしり映ったモニター前に並ぶ

 これは、悪質でない依頼を『統合整理課』で選別し

 調査を行い、真実に基づき可能な依頼を社員が選んで

 請け負うという形なのだ。

 時々チーフリーダーや社長に依頼されることも

 あったり、工業課グループは指定で依頼を受ける事も

 ある。

 浄雅崎 情華「さてと、これとこれとこれとこれ。」

 社員証を手元のパネルにかざして請け負う任務

 コードを次々と入力する情華。

 那珂村 梨弓「相変わらず躊躇いもなく危ない任務を

 金持ちが車大人買いするみたいにそんなにほいほい

 取って大丈夫なの?」

 情華「無理のないフローチャート組んで

 きちんと選別してやってるんで問題無いです。」

 梨弓「体大丈夫なの?未知のラスボスに当たったら

 死んじゃうわよ?」

 情華「大丈夫です、グループ単位の相手は

 情報を整理して対策練られる前に一日で

 全滅させればいいですし、あくまでもメイン任務は

 調査です。情報を得れたら逃げてもいいんですよ。」

 梨弓「どーせ大半倒しちゃうんでしょ?知ってる

 どーしてこうなっちゃったかなーこの娘。」

 情華「憑いてきたのはあんたでしょう?那珂村 梨弓」

 梨弓「人を悪霊見たいにいうなー!!」

 情華「で、貴方はどうするんですか?」

 梨弓「誘拐犯探索及び女子高生の保護の任務

 難易度C-81を取るわ。」

 情華「こいつは確か条太郎さんが戦ったことある

 スタンド使いですね。ただし位置の予測だけは

 あなたじゃできないから私が無償で予測を手伝って

 あげましょう。」

 梨弓「じゃあお願い。」

 会社内には探索担当部がいてスタンド能力で

 大概依頼主の探している要人や犯人のおおまかな位置を

 割り当てるための部署である。

 情華は、探索担当部・討伐員・調査員等を兼用している

 情華が鉛筆と紙を取り出すと

 犯人たちの基礎情報に目を通すと数式を片っ端から

 書き並べ始めた。高速でちんぷんかんぷんな

 数式がズラズラズラズラ並んでいく。

 情華「解、午後11時きっかりにグランドキャニオン

 入り口15km地点ですね。」

 梨弓「どーして数式書いただけで犯人のいる

 位置と時間がわかんのよ?」

 情華「私が尊敬する数学者に数学を用いて犯人の

 行動を心理学も踏まえて次々と解き明かした

 数学者がいます。私はその人から直接指導を

 受けて式をアレンジして精度を上げています。

 じゃあ後は貴方の仕事です。じゃあ私は任務が

 あるので、じゃ。」あの日から運命は始まっていた

 私も情華も

 

 回想

 那珂村 梨弓は小学6年生の頃

 弟たちを犯人から笑いながらなぶられるように目の前で

 皆殺しにされ、警察が来た頃には犯人は逃亡し

 生き残った自分は泣き叫ぶ事しかできなかった。

 梨弓「絶対....許さない....!!」

 

 その執念の深さは中学一年に犯人二人を見つけ

 人気のない隠れ家にナイフを持ち込み復讐を

 果たそうとした。

 しかし、犯人に気付かれ捕まってしまう

 梨弓「うっ....畜生....ころしてやる....。」

 犯人A「ガキの癖にいいからだしてるな

 殺さなくて良かったぜ、ここにわざわざ来て

 俺のおかずになってくれるんだからよぉ!!」

 その時ドアが開く音がした。

 犯人B「誰だ!!」

 犯人がドアの方向を向いた瞬間窓ガラスが割れて

 同年代の髪の白い少女が飛び込んできた。

 その少女は窓の真下で梨弓を押さえつけている

 犯人の脳天に向かって手に持っていた

 硬い百貨辞典の角を全体重かけて直撃させる。

 犯人A「かぁっ!!」

 犯人Aは意識を失った。

 犯人B「何!?」

 情華「うぉおおおおおおおおおお!!」

 少女は辞典を左片手に持って全力疾走で突っ込む。

 犯人B「このクソガキィ!!この距離なら絶対外さねえ!!」

 拳銃を構える犯人。

 梨弓「ダメ!!逃げてぇぇぇぇ!!」

 立ち向かう少女の脳裏に昔助けてくれた男の言葉が過る

 「悲劇のヒロイン面してなにもしないやつは嫌いだ」

 突っ込む少女は辞典を盾にしようとしない。

 辞典であくまでも犯人をぶったおす武器という

 認識の攻めの構えだ。

 銃がどれだけ怖いかなんて十分本を見て知っている。

 犯人Bが発砲する前彼女は....自分のスタンドの名を叫ぶ

 情華「『シータ・サファイア!!』」

 彼女の初期のスタンド能力は....あらゆる物理現象を

 数式で分析し、リアルタイムで力加減や角度を

 調整できるように脳裏に教えるデジタル地球儀のような

 形をした青いスタンド。

 そのスタンドのもうひとつの能力。

 射程15m以内の指定したものの物理法則の波数を

 数式・解を当てはめて少しだけねじ曲げる事ができる。

 しかし、今銃弾にやっても微量に反れた程度で

 は自分は守れない。

 だから法則をねじ曲げる指定の物は『拳銃の劇鉄』

 そこの『衝撃値』を『少し増やす』

 するとどうなるか。

 犯人の慣れ親しんだ拳銃の反動のクセが急に変わって

 銃弾の起動が....劇鉄の衝撃の上がった

 値の分だけ照準のブレが強くなり。

 『おもいっきり頭上に反れる!!』

 犯人B「外れただと!?」

 銃を撃った反動で腹ががら空きになる。

 そこで硬い辞書の角を犯人の股間に向けておもいっきり

 全体重をかけて振り下ろす!!

 情華「うぉおおおおおおおおお!!」

 ぐっしゃぁああああああああ!!

 犯人B「ぐぁああああああああああああああ!!」

 犯人が転げ落ちたところで拳銃を少女が取り上げ

 犯人B「しまっ....。」

 少女は躊躇う事なく奪った銃の引き金を引く。

 

 梨弓「どーして....どうしてあいつら殺さなかったの?」

 帰り道叫ぶ梨弓。

 梨弓「どうして弟たちを殺した奴らに情けなんて

 かけたの!?あいつらのせいで....あいつらのせいで....

 私は家族を失ったのよ!?」

 少女はクールにこう返答した。

 情華「貴方の家庭事情も聞いていますしあいつらは

 指名手配犯ですから何をやったかも大体知ってます

 情けをかけた?違いますよそれ、生きる辛さを

 思う存分解らせるために両手両足を使えなくして

 放置したんですよ?」

 梨弓「!!!!!!」

 あの後連中の手足を銃弾が残る限り撃ちつくし

 両手両足を銃弾でズタズタにして放置したのだ。

 もう一人の分と思える拳銃の中身まで空にしつくして

 情華「あのまま早期治療をせずに放っておけば

 下手をすれば一生ベットの上です。

 そっちの方が断然辛くないですか?

 欲求満たしたくても動けないが何十年も何十年も

 ずっとずっと続くはどれだけ物が食べれても

 地獄でしかありません。何ですか?

 私にあいつらの苦痛を和らげるために

 さっさと楽にしてあげた方が良かったとでも?

 あいつらは全身付随で一生辛い思いをして

 自殺に追いこんで上げてこそ.....じゃあないですか?」

 ゾッとした。

 悪を許さないという潜在意識はこの娘の方が高いことを

 思い知らされた。

 発砲した拳銃は後で海に捨てた。

   

 その後数ヶ月した後その少女はアメリカへと渡った

 情華「やれやれ....あの後しつこく図書室についてきて

 話しかけてくるわわざわざ隣に座るわで

 うるさかったです....でもお出迎えに来なかった所を

 見ると寝坊してくれているようでよかっ....。」

 梨弓「えっと....どこ行ったら岸に上がれるかな....

 お礼を言おうとしてもいないしどうしよ....。

 あ、情華。あの時助けてくれたこと感謝して

 クッキー頑張って作って来たよ♪どうもあっち

 いってもこっちいっても陸に上がれないんだけど

 どこへ行ったらいいかな?」

 情華「.................この船、アメリカに直行中ですよ?」

 梨弓「.................しまったあああああああ!!」

 

 梨弓(こうしてアメリカに渡った私は仕方なく

 スピードワゴン財団に育てられて今日に至り

 スタンドが使えるようになったわけだけど

 アメリカの闇は深く一日2000人もの誘拐事件が

 発生していて、会社も含めた私もその解決の為に

 協力する事にした。

 このマフィア含めたあらゆる組織的誘拐事件が

 後を断たないアメリカで、私はその犯人逹を

 ひとりでも多くやっつけ、誘拐された人々を

 保護するために走り回っている。)

 そして、ターゲットが地点を通過したのを確認して

 私は追跡を開始する。

 

 『シータ・サファイア』

 数理を司るスタンド

 第一形態クイックモード 

 青いデジタル球型のスタンド

 指定したものの物理係数値をわずかに変化させる

 射程は15m 演算能力の強化補助も行う

 破壊力E スピードA(演算速度) 射程C 持続力A 

 精密動作性A 成長性A

 その時の情華の状態;読書少女時代の状態 発展途上

 



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第五話 那珂村 梨弓

グランドキャニオン入り口15km地点。

 那珂村 梨弓「ここらへんかしら。」

 車を隠せる所において道路を見張る。

 梨弓は双眼鏡片手に車を発見する。

 梨弓「あれかしら?確証持てないけど....追跡開始。

 『インファイト・ルビー』

 近接戦闘型の紅い機械の人型スタンド

 スピードとパワーはそこそこ

 能力は『人間以外の触ったものを機械に変える

 スタンド』ただハイパワーの出せる機械を

 扱う場合は『燃料』、パワーある銃は『火薬』の

 類いが必要ね。

 『燃料』や『火薬』は精製できないから『燃料』抜きで

 造る場合最大でパワーウィンドウかマクソンモーター

 程度の出力しか出ない。けど電池やバッテリーは

 生成できるわよ。」

 グランドキャニオンの岩からバッテリーを

 精製してP1哨戒機のやや大きめのラジコンレプリカを

 形成して探索開始。

 紅い大型車の中には目隠しして縛られた女性逹を

 哨戒レンズにて確認。

 梨弓「あいも変わらず酷い連中、絶対とっちめて

 やらないと....あれ?」

 グランドキャニオンの岩の影に入った瞬間

 車が消えたのだ。

 梨弓「あれ?消えた?」

 哨戒機で回り込んで様子を見るとグ

 ランドキャニオンの岩にでかい穴が空いていた。

 梨弓「ふぁっ!?あの車岩の中掘り進めるの!?

 最近の車って岩の中まで砕いて運転できるのね~

 技術の進歩って凄い......ってんなわけあるかーーー!!

 スタンドよ!!どー見てもスタンドでしかあり得ないわよ

 哨戒機械で追跡!!一体何処に行くつもりかしら?

 まさか逃げるつもり?」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ......。

 梨弓「へ?」

 「探す必要はねえぜお嬢ちゃんよぉ!!

 どーしてかって?お前の背後に来るんだからよお!!」

 隠れていた梨弓の背後に車が現れた。

 梨弓「はあああああぁぁぁぁぁぁ!?

 『インファイトルビー!!』」

 まさかの奇襲にすぐさま応戦する

 『インファイトルビー』

 おらおらおらおらおらおらおらぁ!!

 ズパァン!!

 梨弓「くぉぉっ!!」

 不意打ちにパワー負けして吹き飛ばされる梨弓。

 ズィーズィー「いやぁ~べっぴんな女の香りが

 してよぉ、このスタンドは敏感に匂いも

 感じられるんだぜ?

 せっかく売春街の依頼主へ売り付ける

 いい商品を追加して金をガッポリいただこうって

 わけよ!!」

 『ホゥイール・オブ・フォーチュン』

 3部でDIOに金で雇われて条太郎逹を襲ったスタンド

 その後道中の人間に助けてもらうも全く改心せず

 アメリカ誘拐業者達は自分達の誘拐金づるビジネスを

 根底から破壊しかねない株式会社

 『スターダストウォール・討伐課』の連日の

 襲撃を受け、海外から元DIOの

 部下に大金で依頼し、ズィーズィーは

 受けるという手に走ったのだ。

 ズィーズィー「へっへっへっへ!!あとで女つまみ

 食いするために体全体たっぷり鍛えてきたもんね!!

 お前もとっとと負けて俺の遊び道具になるがいい!!

 さあ上等な車を改造しパワーアップした俺の

 スタンドにぃ!!食われるがいい!!」

 スタンド化した赤い大型車両の前が開いて

 えげつない形をした口になる。

 ズィーズィー「あれ!?動かねえ!?あぁぁぁ!?」

 いつの間にか強化ブレーキが前輪勝手に追加され

 動けなくなっていた。

 ズィーズィー「小賢しい!!切り捨ててしまえば

 どのみち俺のスタンドで再生できる!!」

 勝手につけられたブレーキを分離して

 追いかける『ホゥイール・オブ・フォーチュン』

 梨弓はすぐさま目の前に地面に坂のジャンプ台を形成し

 自分の真上に素通りさせる。

 だが、前回のボロ車ではなく高級バンに

 切り替えているためスピードもパワーも上がっていて

 この上なく厄介になっていた。

 地面を高速リフトに作り替えて奴のドリフト

 暴走運転から次々と回避する梨弓。

 梨弓「どーしたの?猪みたいに突っ込む事しか

 脳が無いの?」

 ズパァンズパァンズパァン!!

 梨弓「あぁぁっ!!」

 体に弾圧がかかり、転げ回る梨弓。

 ズィーズィー「ぶはははは!!ガソリンの見えない弾丸は

 やっぱりかわせねえようだな!?」

 梨弓「このぉ!!」

 靴を能力でモーターローラースケートに変えて

 逃げる梨弓。

 ズィーズィー「はっはっはっは!!逃がさねえぜ!!

 てめえは見たところ条太郎よりもパワーもスピードも

 ねえひよっこだな!!そんなお前にはワイパー

 ブーメラン!!」

 梨弓「あぁぁっ!!」

 ワイパーブーメランが地面に刺さって梨弓の足を

 引っ掻けて転ばす。

 ズィーズィー「わはははは!!食らえ食らえ!!」

 ガソリンのステルス弾が次々と梨弓に着弾する。

 梨弓「あっ!!ぐぁぁっ!!」

 ズィーズィー「よええよええ!!それでもスタンド

 使いか?じゃあ万が一弱りきっていなかったら

 反撃されちまうから.....電気系統でスパーク!!

 大人しく眠りな!!」

 その時異変が起きた。

 ズィーズィー「あれ?エンジンが動かねえ!?スパークも

 起きねえ一体どうなって。」

 梨弓(ニヤリ)

 すると突然ズィーズィーの運転席がジェット噴射を

 起こして車の天井を貫通しはるか彼方へと

 吹っ飛ばしたのだ。

 ボボボボボボボボボボボボ!!

 ズィーズィー「くぁぁぁああ!!がががががががががが!!

 なぁぁぁぁぁにぃぃぃ!?」

 梨弓「あんたが近くを通ったときに既に

 ガソリンタンクとバッテリーに

 『インファイトルビー』の拳を当てて仕込みは

 済んでた、ジェットエンジンを形成して運転席を

 作り変えたの。そりゃガソリンもあるからハイパワーで

 よく飛ぶわね~。あなたが食らわせたダメージは

 厚手の服を機械に変えてあるからほとんど無い。

 そして......あなたが食らわせたガソリンと機械にした

 服を繋ぎ合わせて....シースパロー!!

 いけやぁあああああ!!」==================

 誘導ミサイル『シースパロー』20分の1スケール

 が形成され、形成された二本が右肩から発射される。

 ズィーズィー「ぬああああああああああ!!」

 ドコォォオォオオオオオオオオン!!着弾

 ズィーズィー、リタイヤ。

 スタンド化してた大型ワゴン車がスタンド状態から

 元に戻っていく。

 梨弓「さて、スタンド使いは倒したし誘拐された方々を

 助けに....。」

 「動くな!!さもないとこいつらを殺すぞ!!」

 監視役と思われる男が機関銃を人質に向けていた。

 梨弓「うわーやっぱりもう一人いたかー。

 別にいいわよ?じゃあ試しに私を撃ってみる?」

 自分を指差して笑顔を見せる梨弓

 「そうだな、そうした方が手っ取り早いな!!」

 パァン!!ガチャガチャガチャガチャ!!

 機関銃が暴発して悲鳴を上げてガタガタ壊れ崩れていく

 「なにぃいいい!?」

 梨弓「機械で蚊やハエを造って機関銃の

 隙間という隙間に入れておけば自慢の機関銃が台無しね

 じゃあ遠慮なく!!」

 踏み込んで突っ込む梨弓

 「ま、待て!!」

 梨弓が蹴りを、『インファイトルビー』が拳を構え

 「おらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおら

 おらおらぁ!!」

 ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ!!

 「くぁぁぁああ!!」

 誘拐の監視役をボコボコに吹き飛ばして凛々しい

 顔をして上を見上げ。

 梨弓「ミッション、クリア!!」

 『任務完了』

 誘拐された女性達は帰るべき家へと無事送り

 どどけられた。

 

 『株式会社スターダストウォール』朝礼

 討伐課チーフ セーラム・スタン・フラワー

 「誘拐犯達は最近なりすましやお目付け役と

 言った形で誘拐した人間逹を監視している

 スタンド使いを倒したからと言って油断せず

 できるだけ危険を最小限にするために最低2人から

 3人チームで動くように。以上。」

 

 梨弓(きつい仕事なのは間違いないでも私の魂は叫ぶ

 どんなに過酷でも多くの家族が笑顔でいられるよう

 に、体が持つ限りこの理不尽な現実に立ち

 向かうことを。そう....私には....。)

 梨弓「情華、安く手伝ってあげるからチーム

 組まない?」

 情華「いいですよ?ついてこれるならね。」

 end

 

 スタンド『インファイト・ルビー』

 人間以外のものを機械にできるスタンド。

 よりパワーある機械を使うためには『燃料』

 よりパワーある銃を造るためには『火薬』を

 準備しとかなくてはならない。

 服を機械にして鎧やパワーアームにしたり

 靴を機械にしてモーターシューズにしたり棒を

 機械化してソードチェーンソーを製造したりと

 汎用性に富む

 破壊力B スピードB(演算速度) 射程B 持続力A 

 精密動作性A 成長性D

 

 使用者

 那珂村 梨弓

 代用デザイン ゆりっぺ

 ※掛け声は条太郎を真似たのではなく元々

 こんなんだったらしい。

 性格はゆりっぺをそのまま踏襲している

 

 



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第六話 セーラム・スタン・フラワー ★★

ラバーソール、スティーリーダン、アレッシー

 の3人はアメリカの誘拐ギャングに歓迎されて

 アメリカに来ていた。

 承太郎との戦闘後何の反省もせずに殺人を繰り返し

 アメリカから子供を誘拐して運送する護衛を

 高額で以来を受けたのである。

 彼らはエジプトへの道のりで承太郎と

 戦った面子であり、性格は凶悪な連中ばかりだった。

 夜、車に乗って3人は誘拐ギャングと合流して

 予め組織は誘拐しておいた子供たちを護衛し港へ

 運ぶ算段であり今合流地点に到着する予定なのだ。

 アレッシー「やれやれ、やっぱりDIO様に勝って

 もらうべきだったなあ。」

 運転席にスティーリーダン、助手席にラバーソール

 後部座席にはアレッシーという編成である

 スティーリーダン「承太郎は会社を立ち上げて

 スタンド専門の警備会社を立ち上げたそうだ。」

 ラバーソール「けっ、この人数ならたかが承太郎

 ごとき簡単に殺せる。今思えばおごらずに

 全員でぐちゃぐちゃにリンチにすればよかったなあ

 金を山分けする前提で。」

 スティーリーダン「油断は禁物だ、この前女の

 スタンド使いにズィーズィーがやられたって話を

 聞いている。油断をせずに常に人質を大勢

 殺せる状態を作らなければ俺達もどうなるか

 わからない。そもそもDIO様を倒したあの

 承太郎だぞ?」

 ラバーソール「ふっ、そんな連中はおれの

 『イエローテンパランス』で食い潰してやる。

 女だったら感触確かめながら押さえつけてたっぷり

 もてあそんで....。」

 アレッシー「いいよなお前強力なスタンド

 持っててよぉ。」

 スティーリーダン「人数はいるに越したことはない。

 本当に承太郎現れたら手加減せずに殺すしかない。

 そうだな....あいつは妻子持ちだから情報つかんだら

 誘拐してもいいかもな、会社員なら家をずっと

 守れる訳がない。」

 ラバーソール「はっはっはっは!!そういうの

 嫌いじゃないぜ!!」

 アレッシー「けっけっけっけ、承太郎と女が

 あっつあつセックスして作った子供をとことん

 踏みつけるって悪くねえ趣向だ

 この任務終わったら押し掛けようぜ!!」

 彼らの前のトンネルの上に銀色の長髪をした

 女性が立っていた。

 スターダストウォール討伐課チーフ

 セーラム・スタン・フラワーである。

 その女性はストンと音を立てずにトンネルの上から

 車の屋根にのった。

 アレッシー「おい、俺のスタンドの射程圏内に

 誰か入ったぞ?車の真上だ。」

 スティーリーダン「構うな、殺せばいい。」

 アレッシーの能力『セト神』が発動して

 大人から可愛らしい少女になっていくセーラム。

 アレッシー「俺の影に入ったらスタンドも若返り

 弱体化して使い物にならなくなるんだ。

 おいラバーとっととこいつを殺....。」

 ドピュン!!ブッシャァアアアア!!

 そんな音がした。

 頑丈なアメ車の天井を貫いて細い液体金属のような

 ものが伸びてアレッシーの体を天井から心臓と

 脳をガッツリ貫いていた。

 ザクバァッ!!

 アレッシー「あぶぁ!!....ぶぶぶ....。」

 無惨な姿になって即死したアレッシーに恐怖を感じて

 スティーリーダンは大声で叫んだ。

 スティーリーダン「わぁあああああああああああ!!

 おい、てめえラバー!!何をやっていた!?どうして防御

 してなかった!?」

 ラバー「防御していたさ俺だって、でもまさか

 貫通してくるなんてよぉ....空承条太郎の

 『スタープラチナ』でも貫通できなかったこの

 『イエローテンパランス』をよぉ....。」

 元の大人の状態に戻ったスターダストウォール

 チーフの女性セーラム・スタン・フラワーが口を開く。

「『オリハルコン・シンフォニー』」

 立ち上がった女性の両手手の内にメタリックブルーの

 スライムが現れる。

 それがあふれでるように車のように展開されて

 スタンド使い達の車の上を侵食する。

 ラバーソール「まずい!!『イエローテンパランス!!』」

 黄色いスライム状のスタンドを車の上に分厚く展開

 して防御する。

 通常金属だろうがなんだろうが侵食して

 食い潰せるスライムスタンド『イエローテンパランス』

 しかしその『イエローテンパランス』に異常が発生

 していた。

 ラバーソール「食えない....それどころかこっちが

 食われている....!!」

 スティーリーダン「どう言うことだラバー!!

 お前のスタンドはなんでも食えるんじゃあ

 無かったのか!?」

 ラバーソール「正直に言うと未知すぎるんだよこいつ!!

 俺のイエローテンパランスをすり鉢みたいに

 流動金属のスタンドでゴリゴリゴリゴリ

 って歯医者のドリルの回転並みの感覚で

 すげえスピードでぐちゅぐちゅに磨り潰して

 殺すすげえパワーのスタンドだ!!やべえ、下手すると

 条太郎よりやべえ!!」

 ギュィイイイイイイイイイイイイイイン!!

 金属を削るような金斬り音が車の中に響き渡る

 スティーリーダン「うわぁあああああああ!!

 『ラバーズ』!!」

 体内に侵入して自分本体がが食らったダメージを

 何百倍に返すミクロサイズのスタンド。

 こいつが脳に入ったらかなり厄介だ。

 ジョセフジョースターも苦戦した凶悪なスタンド。

 そのミクロのスタンドがセーラムの頭に迫る。

 後40cm、30cm、20cm、10cm.....。

 ピュッ!!パシッ!!

 スティーリーダン「何!?」

 流動金属が触手のように伸びて『ラバーズ』が

 捕まれた。

 ラバーズ「あっ!!しまっ.....!!」

 セーラム「なにこれ?」

 ぶちっ。

 なんのためらいもなく潰した。

 スティーリーダン「ぬぁああああああああ!!」

 ダメージが直接体にもろに受けて血まみれとなる。

 スティーリーダン 死亡

 スタンドを殺されて自分の命まで葬られてしまった。

 ラバーソール「おいこら!!どいつもこいつも勝手に

 死にすぎなんだよ!!クソッこのままじゃ.....俺まで!!

 『イエローテンパランス!!』」

 運転席に乗っていたスティーリーダンが死んだことで

 ラバーソールは黄色の大型アメーバのスタンドを操り

 器用に運転をこなした。

 天井は黄色いアメーバで防御している。

 空条承太郎のスタープラチナのラッシュさえ簡単に

 防いだ『イエローテンパランス』にゴリゴリと

 高速の流動金属が音を立ててラバーソールの

 頭上のボンネットに侵入を試みている。

 侵入を許せばアレッシーの二の舞だ。

 ラバーソール「ぬぉおおおおおおおおお!!」

 ラバーソールは『イエローテンパランス』を

 車の窓周辺とボンネットを開ける付け根に展開し

 その部分をスタンドで食いちぎると

 ラバーソール「落っこちろクレイジーメスガキ

 ピッチがぁ!!」

 ガバッ!!

 車の上部構造物をセーラムとスタンドごと

 切り離した。

 セーラム「わーーーー。」

 カンカンカンカン!!

 車の外装と一緒にスタンドで自身を守りながら

 転げ落ちるセーラム。

 ラバーソール「よっしゃあ生き延びたぜ!!

 死体のお前らにはすまないがこの先の試練に向けて

 俺のスタンドの栄養になってもらう。

 車がひでえことにはなったが命には変えられん!!」

 むしゃむしゃむしゃむしゃ

 黄色いアメーバはアレッシーとスティーリーダンを

 食べる。

 ラバーソール「はっはっはっは!!あんな重たい

 スタンドで追い付けるわけがねえ!!俺の勝利だ!!」

 ラバーソール(いいや.....冷静に考えてこの様子だと

 誘拐護衛の任務そのものが罠なのかそれとも

 この任務を既に連中がリークしてしまっているのか

 .....とにかく今後のハイウェイルートを

 どうするか考えるべきだな.....。)

 セーラムは『オリハルコン・シンフォニー』を

 使って綺麗に着地すると流動液体金属をフルアーマーの

 大型バイクに変形させると、

 流動金属の超速流動をモーターのように

 カン高い音を立てて追いかけてくる。

 その最高速度時速300km/h

 

 バックミラーを見たラバーソールが驚愕する

 ラバーソール「はっ!?追いかけてきた!?

 しかもすんげえはええ!!あの水銀野郎バイクにも

 なれるのか!?」

 ボディーが剥げてエンジン丸裸になった車の運転席から

 後ろを向きながらラバーソールは拳銃を全部ぶっぱなす

 キャン!!キャン!!キャン!!キャン!!キャン!!

 命中は8発中4発

 しかし無論弾き返す。

 ラバーソール「なんだあのスタンド!?おれの

 『イエローテンパランス』より汎用性が高い!?

 俺でもあんな速度でねえぞ!?」

 セーラム(私のスタンド、

 『オリハルコン・シンフォニー』は防御力の

 高さのみならずハイパワーハイスピードを

 誇る液体流動金属のスタンド。

 流動金属での陸上運転は最高速度300km/h

 はゆうに出せるしその気になればスケートボードでも

 車の代用でもローラースケートだって形にできる。)

 ラバーソール「わぁあああああああああああ!!

 追い付かれるぅ!!.....とでも言うと思ったかマンカス

 ピッチが!!」中指を立てて笑うラバーソール。

 その時セーラムの足元のアスファルトが急に崩壊した。

 セーラム「ーーーー!!」

 ラバーソール「わるぃなあ!!これ以上お嬢ちゃん

 相手にするほど暇じゃ無いんでな!!この高速

 ハイウェイロードのアスファルトに

 『イエローテンパランス』の欠片を仕込んで

 内部から食い潰し足場を崩壊!!お前は何十メートル下で

 大人しくオナニーでもしてな!!」

 落下するセーラム。

 しかし、汎用性の高い『オリハルコン・シンフォニー』

 の本当の恐ろしさはこれからだった。

 流動金属がバイクからバトルスーツに、

 そしてイカロスを思わせる翼を形成し飛翔する。

 セーラム「悪人は絶対逃がさない。」

 キュゥヴァァアアアアアアアアアアン!!

 翼から凄まじい金属音が響く。

 翼の表面の液体金属の高速流動による

 エアロホバリングによって空を飛ぶ。

 地面スレスレから一気に跳ね上がる。

 ラバーソールは上空を見て唖然とする

 ラバーソール「(;゚Д゚)嘘.....だろ.....質量の

 塊が難なく飛んでやがるだと.....どんだけ

 汎用性あんだよ!!」

 セーラムはボディー真っ裸の車の先回りをして着陸し

 液体流動金属を左手に纏って大型ドリルを形成し

 セーラム「ファイナルベント。」

 大型ブーツとサイドサポートを展開してドリルを

 支え、凄まじい金属音を立てて時速300kmで突っ込む

 ギュゥヴァアアアアアアアアアアアアアアン!!!

 ラバーソール「うわぁあああああああああ!!

 くっ!!『イエローテンパランス』!!」

 イエローテンパランスでガソリンタンクを破壊して

 爆発させ爆風からスタンドで身を守りながら脱出する

 ラバーソール。

 その後に車の残骸がミキサーされて粉々になる。

 ラバーソールを見失うセーラム。

 セーラム「.....逃がさないわよ。」

 

 ラバーソール「はっはっはっはっはっはっ!!

 くそぉなんなんだよあのスタンドわぁ!?

 アメリカになんぞ来るんじゃなかった!!

 なんだあのスタンド、承太郎の仲間か何かか?」

 息を切らせながら必死に逃げるラバーソール。

 どうにか海岸のコンテナ捨て置き場に逃げ込んだ。

 ラバーソール「やれやれ.....全くなんだあの

 メタリックシンドロ.....。」

 パァン!!

 のっかかっていた廃コンテナの上のコンテナが

 思いっきりずれたかと思うと頭上に落ちてきた。

 ラバーソール「わぁあああああああ!!」

 『イエローテンパランス』の黄色アメーバで間一髪

 落ちてきたコンテナを防御すると

 防御するとのっかかった後ろのコンテナが凄い

 音を立てて前方に押し出された。

 ギギギギギギギギギギギギギ!!

 ラバーソール「おわぁあああああ!!なんてパワーだ。

 このままじゃ前の壁ごと押し潰される!!」

 横に逃げるとすかさず銀色の触手が何本も高速で

 貫きに来る。

 パシュッパシュッパシュッパシュッ!!

 黄色いアメーバを流動させて防御し攻撃軌道を

 防ぐラバーソール。

 液体金属に付着した黄色いアメーバはすぐに金属の

 中に取り込まれチェーンソーのミキサーのように

 ぐちゃっと潰されてしまう。

 その中の二発が肩と左腹をかすってラバーソールを

 追い詰める。

 ラバーソール「ぐぉおおおおお!!」

 ラバーソールはでかい下水道管に逃げ込む。

 セーラム「.....放流時間ね。くっ.....。」

 どばぁああああああああああ!!

 セーラムは無理に追わず放水している下水管を

 見つめて立ち止まる。

 ラバーソールは下水と一緒に海中へと逃げる。

 ラバーソール「そうか、やつは流石に水中には

 入ってこれねえか。俺はついてるぜ.....

 皮肉だな.....承太郎に負けた海中で死中に活を

 見いだせるとはな。おっ.....?」

 さっきの流血に引き寄せられて。

 サメがいっぱいラバーソールによってきた。

 

 セーラムは海の上を飛びながらラバーソールを探す。

 その時巨大な黄色い触手が海中から伸びた。

 セーラムは高速で空中で回避する

 何本も何本も。

 セーラム「!?」

 巨大な黄色いアメーバの塊が海中から姿を現す。

 ラバーソール「成長したぜ.....鮫を食べて思う存分

 成長したぜ?いくら金属野郎でもこの

 『イエローテンパランス・ザ・モンスター』」

 を倒すことは不可能なんだよビート板バスト!!

 パワーアップした俺のスタンドは敵を食い潰す

 速度を加速させお前の切削ミキサーに負けねえぐらい

 食い潰すんだぜ!?お前が貫こうとしても

 パワーアップした俺のスタンドはてめえの金属の

 槍を食い潰す自信がある!!来いよくそピッチ!!

 てめえをドロドロプレイして食ってやる!!」

 セーラムの『オリハルコン・シンフォニー』の

 翼に黄色い雫が削られながらも金属を食い潰そうと

 音を立てて収縮している。

 だが気にも概さない彼女は別の言葉に反応していた。

 セーラム(ビート板まな板バスト...怒(#*゚-゚) プッツン!!)

 彼女の中で何かが弾けた。

 セーラム「貴方が私のスタンドを食べ尽くすことは

 決してないわ。ここで貴方は1分もせずに私に

 負ける。」

 セーラムは今にも絞め殺しそうな目をして

 大空へ高く、高く、さらに高く飛翔する。

 雲の中をくぐって一気に超高速で急降下して

 黄色い大型アメーバに『オリハルコンシンフォニー』

 を纏って突っ込む。

 キィイイイイイイイイイイイイイイン!!

 『ドッッバァアアアアアアアアアン!!』

 凄まじい衝撃と波が海中と『イエローテンパランス』に

 のし掛かる。

 ラバーソール「ぬぉおおおおお!!すげえ衝撃だ!!

 ものすげえ衝撃だ!!だがパワーアップした

 『イエローテンパランス』には耐えられる!!

 計算違いだったな!!お前は自分から俺に食われに来た!!

 まさかこのミサイルみてえな一撃に耐えるなんてぇ

 想定外だったなあ!!お前は大人しく俺の餌に.....。」

 セーラム「そんな暇一秒たりともあげないわ。」

 ピッシャアアアアアアアアア!!

 ラバーソール「ぎいやぁああああああああ!!」

 雷のような衝撃が.....いいや雷それ自体が

 ラバーソールと『イエローテンパランス』に

 降りかかる。

 セーラム「衝撃波で倒すのも計算の内だけど

 私は飛翔したさいに『オリハルコンシンフォニー』の

 組成構造を半導体と絶縁体に近づけていわゆる

 構造上の『電池』を作り上げ雲の中で充電した後に

 貴方のスタンドに『保険として』電撃を直撃させた。

 貴方のスタンドは.....電気に対して耐性なんて

 あったかしら?いいえ、答えは聞くことは二度と

 ないわね。」

 ラバーソール「ぐばばばばばばばばばばば.....。」

 ラバーソールは雷撃に気を失い海中へと

 イエローテンパランスと一緒に沈んでいく。

 『イエローテンパランス』を踏み台にして翼で飛翔し

 電話を手に取る。

 セーラム「こちらセーラム・スタン・フラワー。

 任務完了。」

 承太郎「了解、子供の保護は済んだ。後は警察だな。」

 

 港で子供たちを保護した承太郎は呟く。

 承太郎「血統型スタンド使い。

 古来からスタンドはあった。日本じゃ陰陽道や

 式神と呼ばれ欧米だと錬金術や魔術と呼ばれていた

 どういうわけか『弓と矢』が関係していないにも

 関わらずスタンドが血統を通じて発現する

 彼女は英国の元公安に当たる役職を代々一族で

 運営してきた一人かたスピードワゴンがスカウトした

 やれやれ.....あいつは.....時を止める能力が無かったら

 ろくすっぽ俺でも対抗できねえぐらいつええってん

 のによお.....やれやれ.....不幸な連中だぜ。

 クライアントに救助成功を報告しろ。

 俺もそっちに向かう。」

 

 ラバーソール

 『イエローテンパランス・ザ・モンスター』

 【破壊力 - C / スピード - B / 持続力 - A / 射程距離 - C

 / 精密動作性 - E / 成長性 - E】

 いっぱいよってきたホオジロザメを食して

 成長した『イエローテンパランス』

 承太郎ですら弱点がないと言うほどの防御力に

 侵食能力の強化や射程の延長などさらに強敵と

 なったが、電撃耐性までは有していないことが

 見破られて倒されてしまった。

 

 セーラム・スタン・フラワー

 『オリハルコンシンフォニー』

 【破壊力 - A / スピード - A / 持続力 - A / 射程距離 - C

 / 精密動作性 - A / 成長性 - E】

 冗談抜きでスペック上では弱点がない液体高速

 流動金属のスタンド。

 防御力はもちろんのこと精密動作性やスピード、

 探知能力とヤバイレベルに扱える化け物。

 汎用性の高さも圧倒的。能力を見てなんかカーズっぽい

 ハンドソニックを再現できるスタンドと

 考えてfate/zeroのケイネスを参考にしたら

 えぐいことになった。

 キャラクター転用デザインは

 英国製の立華 奏 年齢21歳

 英国オックスフォード大学卒業生の女性

 



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第七話 噴上裕也

サマポケをジョジョ風味にアレンジしてみた


アメリカワシントンDCに本社を置く

 スピードワゴン財団の率いる

 スタンド使い対応株式会社スターダストウォール。

 アメリカ・ワシントンDC

 スピードワゴン「一向に誘拐事件が減らない。

 予めどんなスタンド使いかを情報不足の中で

 先に知っておく必要がある。そこで探索科の

 人員を増員することにする。まずは

 聖成 羽白さんだ。」

 羽白「よろしくお願いします。

 聖成 羽白と言います.....ぶ、不器用ですけど.....

 よろしくお願いします。」

 長い白い髪の高卒したての女子高生という

 印象の彼女が入社していた。

 スピードワゴン「この娘のスタンドは.....。」

 女性がパソコンを触ると。

 パチパチパチパチパチパチパチパチ!!

 一堂!?

 火花が散ったかと思ったらCDが出てきた。

 羽白「私のスタンドはコンピューターでは

 わからない情報を暗号として検索してデータを出力

 できるスタンドです。コピー機を触ると.....。」

 シュコシュコシュコシュコシュコ!!

 びっしり暗号が書かれた紙が大量に印刷されて

 出てきた。

 羽白「こうなります。」

 スピードワゴン「暗号はよほど賢いやつじゃないと

 解くことは難解だが的中率100%だ。

 是府ともよろしく頼むぜ。そうだな、すまないが

 あそこのトースターに入っているトーストを

 持ってきてくれ。」

 羽白「はい。」

 すると

 バチバチバチバチバチ!!

 『シュコシュコシュコシュコシュコ!!』

 ポーンポーンポーンポーンポーンポーンポーン

 羽白「きゃぁああああああ!!」

 トースターに入っていたトーストが極薄になって

 両面に焦げ目で暗号が書かれたトーストが12枚

 が噴水のように飛び出してきた。

 羽白「あわわわわわわ.....!!」

 なんか自分の能力でパニックに陥っている羽白

 そこで見かねた情華は全部鮮やかに指で取って

 一枚もぐもぐと口に咥えると「社長~後でもう二枚

 焼いときますね、暗号解いときます。」

 スピードワゴン「お、おう.....頼んだ。」

 スピードワゴン(あれ?おかしいな?トーストは

 2枚しか入れてねえ筈なのに.....?まあいっか。)

 『シルク・ロード』

 破壊力D スピードD 射程A 持続力C 

 精密動作性E 成長性A

 巫女っぽい服を着た人型のスタンド。

 パワーはマイン・ザ・ミラーとあまり変わらない

 電子機器に触れると、普通では検索できない

 情報を暗号化して排出する。

 時々すこし怪奇現象じみた事を暴発することがある。

 summer pocketの鳴瀬しろはを

 スタンド使いにしてみた裏設定だったりする。

 

 スピードワゴン「次の侵入社員の方どうぞ。」

 噴上裕也「康一の紹介で来ました噴上裕也でぇす!!

 就職先に困っちまって.....康一に勧められて入社

 しました!!よぉろしくお願いします!!」

 スピードワゴン「ナルシストで頭の痛い性格だが

 悪い奴では無いし、かなり高い嗅覚を持った

 スタンド『ハイウェイ・スター』を保持する。

 探索課での活躍を期待している。

 チャラそうだがセクハラはすんなよ?

 うちの女性社員は怖いぞ?」

 裕也「心配御無用!!うちにはきちんと大事な女は

 いる!!それ以外に手を出すやつは最低ってやつだ!!」

 康一(まだ.....あの三人と続いているのか.....。)

 

 『ハイウェイ・スター』

 破壊力C スピードB 射程A 持続力A

 精密動作性E 成長性A

 

 スピードワゴン「次の新入社員の方どうぞ。」

 「花京院 沖鴇です。空条さんに親辺を調査されて

 見つかりここに配属されました。

 スタンドの名前は『アプリケーション』

 私の携帯(緑色のスマホ?)で電話を

 かけて相手に電話をかけると.....。」

 プルルルルル。

 

 フランスで料理修行で休憩中の奥泰

 奥泰「はい?もしもし?」

 プツッ

 奥泰「なんだいたずら電話かよ?

 おまけに非通知か嫌がらせだな誰だぁおい?」

 

 スターダストウォールに戻る

 沖鴇「こうしていたずら電話に出た相手の

 脳内情報を.....。」

 スマホ(?)をくるっと回すとタブレットになる。

 ※(この時代にはまだスマホは無かったはず?)

 沖鴇「こうやって取って対応した人間の記憶情報を

 アプリとして読み込むことができます。」

 奥泰の場合

 『Enjoy gallery』(楽しい記憶)

 『under memory』(辛い記憶)

 『cooking list』(料理を作ろう)

 『pink book』(最近見た薄い本)

 『Face book』(親しい人々)

 『stand skill』(スタンド能力)

 『デブリ リスト』(記憶の片隅にあるもの)

 沖鴇「こういう風に相対した人の記憶や体験を

 閲覧することができます。運がいいときは

 彼らの特技がゲームとして表示されプレイできます。

 ちなみにこのスタンドで電話をかけると全てが

 非通知扱いになり切られると読み込めません、

 ですので耳に受話器を持っていって貰わなくては

 読み込めないのです。

 逆探知は僕のスタンド相手では不可能となります。」

 情華(こんな電話絶対に取りたくないな。

 そんなことより国際電話でも可能っていうのが

 情報収集においては強みだな。)

 沖鴇「というわけで僕の仕事は疑わしい一般人

 全般に悪戯電話をかけて怪しい人間の脳内データを

 リポートし報告すること、犯罪者も見つかりさえ

 しなければただの一般人ですからね。」

 『アプリケーション』

 破壊力E スピードE 射程A 持続力B

 精密動作性A 成長性D

  

 スピードワゴン「.....というわけで新人紹介は

 終わりだ。羽白と沖鴇はデスクワーク役でも

 問題ない、噴上裕也!!」

 噴上「はぁぁぁい!!」

 スピードワゴン「お前は最前線での情報収集役で

 ある以上危険が多い。英語習得も大変らしいが

 戦闘力もなくちゃならない。

 というわけで情華、こいつを指導してやれ

 フェリシアンチーフが波紋指導で不在だから

 手短に教えてやってくれ。」

 情華「yes.Mr.president。」

 

 ビルの地下にはサッカーやバスケもできる大型の

 スペースがある。時々資材や銃機材等が

 置いてあったりする。

 浄雅崎情華、那珂村梨弓、噴上裕也の

 三人はこの『地下訓練場』に来た。

 噴上「ここで何をするんだ?」

 情華「ここで、貴方の骨を埋めます。」

 噴上「はぁ!?」

 情華「嘘です。ここで模擬戦闘を行います

 ここのフィールドは特定の12パターン、遮蔽物を

 設置してスタンドによる模擬戦を行うために

 私の余った給料で造っていただきました。」

 噴上「へぇ~えっ?」

 余った給料で?

 気になるキーワードがあったが思考が追い付くまもなく

 説明される。

 情華「このアメリカには日本以上に凶悪な

 殺人鬼、誘拐犯、強盗、強姦魔、スタンド使いが

 入り交じっているのが現実の世界。

 スタンドあっても銃で狙撃されて死亡.....なんて

 普通にありうる世界で生きていくためには

 『成長』しなくちゃいけません。」

 噴上「あ、あぁあぁ.....それはわかったし彼女達を

 全員社長さんが勧めるアメリカの安全な町に移住

 させてくれたっていうのはいいけどよぉ.....

 そういえば仗助はどうしてるんだ?

 康一の話によれば一応入社してるって聞いたけど

 どうしてるんだ?」

 情華「仗助?誰ですか?」

 噴上「東方仗助だよ!!まさか.....会社があんまりに

 ブラックでやめちまったぁなんてこたあねえよなあ?

 何て言うか.....何処にも見かけなくて...どこ行った

 のかなーって。」

 情華「ああ、そいつなら英国で波紋と医学の勉強

 で強制留学でジョースター邸で指導を受けています。」

 噴上「へぇ~あいつ留学したのか~。

 確かにクレイジーダイヤモンドで体治して

 貰ったことあるけどよぉ~.....どちらかっていうと

 討伐課で働いてるもんかと.....。」

 情華「いいえ、彼は別適正を伸ばす方向で

 訓練を決定されたって言うのと.....討伐課の

 面接試験で47秒も持たずに.....負けました。」

 噴上「負けた!?.....いやいやいや...確かに空承

 条太郎相手なら仕方ねえけど.....。」

 情華「相手になったのは条太郎さんじゃありませんね

 誰とは.....言いませんが。」

 不気味な薄笑いを浮かべる情華。

 噴上「.....まさかあんたがかぁ?いやまさかなあ?」

 情華「スタンドのスピード・パワーはありましたが

 本体が貧弱すぎて話になりませんでしたよ?

 ま っ た く も っ て ね 。」

 噴上「はっはっはーあんたのような女に

 仗助が負けたぁ?冗談も.....程々にしようぜ?」

 噴上裕也は仗助をかつて追い込んだスタンド使い

 だからこそ仗助の実力は知っていた。

 だから聞いた限りでは信じられなかった

 こんな女ごときに負けるなんて。

 情華「そこに全身防護用のブロデクターが

 あるでしょう?全部着けて模擬戦を行って

 いただきます。賭けをしませんか?

 スタンドを使わない私が5分以内に貴方のスタンドに

 触れられると私の負けで20万円を賭けましょう。

 ただし私がスタンド抜きで100ヒット貴方本体に

 食らわせたら1万円払っていただきます。」

 噴上「お、おお.....。」

 内容があまりにアレ過ぎて断るという感情すら

 忘れる。

 目の前の給食が嫌いなものばかりで教科書を

 忘れていることがどーでもよくなるぐらいの小学生の

 ように『賭けで損をする』という思考が

 知らず知らずのうちに消えていた。

 反応に困っていた。

 情華「では賞金つきの演習として模擬戦に同意したと

 判断してよろしいですね?」

 噴上(頭がついていかねえ.....だがわかることは

 スタンド討伐の会社に勤めている以上不可避な

 試練であるっていうことは確かだ.....。

 この女がどれ程かわからないが俺の

 『ハイウェイ・スター』を生身でかわせるとでも

 思っているのか?5分間?100ヒット?

 舐められたもんだな...。)

 噴上「いいだろう.....俺の実力を先輩方に

 見せるいい機会だ.....全力で相手になってやるぜ?

 ハンディキャップなんて気にしねえでよぉ!!」

 

 ステージ設定は『コード1 無設』

 隠れる遮蔽物も何もないステージ

 開始時の互いの距離は100m

 5分のバスケ用の大型ストップウォッチを起動させる

 那珂村梨弓「ポチットな。」

 ピィイイイイイイイ!!

 『演習開始』

 噴上「遮蔽物もねえこのステージならこの

 『ハイウェイ・スター』に取って圧倒的有利だ

 あんたを瞬殺して俺の実力を知らしめてやるぜぇ!!」

 情華「圧倒的有利?笑わせないで下さい。

 それは相手の力量もわかろうとしていない

 ど素人の台詞ですね。」

 人型の紫のスタンドが出現する。

 情華は全力疾走で噴上裕也に突っ込んでいく。

 噴上「捕まえろ!!『ハイウェイ・スター』!!」

 捕まえようと立ちふさがる。

 触れば岸目露伴や東方仗助同様養分を吸われて

 干上がってしまう。

 即座に最低限の動きで回避して紙一重で右にすり抜ける

 噴上「はええ!!しかし.....スタンド抜きで人間が

 時速60km/h出せる訳がねえ!!」

 裸足の足跡に分裂して足場に先回りする。

 情華は左右に高速ステップを踏んでサッカーボールを

 回すように『ハイウェイ・スター』を回避する。

 シャッシャッシャッシャッシャッ!!

 噴上(はええ!?だが俺の『ハイウェイ・スター』は

 匂いを頼りに『瞬間移動』もできるんだぜ!!)

 『ハイウェイ・スター』を先回りさせて

 足を掴もうとする。

 しかし足がするすると鰻を掴もうとする漁師の手のひら

 のようにかわされていく。

 情華「確かに時速60km/hは出るようですね。

 しかし野球ボールの最高時速200km/hよりは遅いです

 いくらピッチャーが最高速度200km/h出そうが

 300km/h出そうがコントロールが音痴だったら

 ストライクは出せないわデッドボールでバッターに

 当てることさえできないわ精密機動性の無さは

 致命的ですね.....再び追うモーションの時の

 初期挙動で大体動きがわかってしまいます。」

 拳の射程に噴上裕也を捉える浄雅崎情華。

 噴上「くっ.....スタンドを一切使ってねえのに

 やべえ奴だ.....だが.....!!」

 『ハイウェイ・スター』の分裂状態を自分の体に

 張り付ける。

 噴上「残念だな!!これならてめえは俺を攻撃.....。」

 情華「馬鹿ですか?隙間だらけです。

 オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ

 オラオラオラオラオラァ!!」

 噴上「くはばばばばばばばばばばァ!!」

 なんと分裂した『ハイウェイ・スター』の

 隙間に指の突きで突きまくって吹き飛ぶ噴上裕也

 情華「まずは20ヒット。」

 噴上(ぶ.....ブロデクター抜きだったら穴だらけで

 死んでるぜ.....やべえ.....まさかマジで仗助を.....

 まさか.....まさか.....!?いいやまだまだだ!!

 『ハイウェイ・スター』を分裂させて追撃に来る

 こいつに網を張るようにして突っ込ませれば!!)

 情華「だから雑だっつってるんでしょ!!」

 空中でくるりと体を丸めて隙間を縫うように回避して

 なおも突っ込む。

 噴上「はやい!!やべえ!!だけどこれならどうよ!?

 トンネルにも入れねえ的絞りのモデルスタイル

 シィールド!!俺と同じ形に目の前で

 『ハイウェイ・スター』を展開すればよぉ!!

 隙間なく俺はガードできぃる!!」

 ところが浄雅崎情華は.....殴った!!

 『ハイウェイ・スター』を!!

 噴上「馬鹿か!?直接触ればお前の賭けも養分も.....!!」

 情華「いいえ、触っていません。

 私はスタンドを使わないとは言いましたが

 これは使わないとは言ってません。」

 ボコッ!?

 噴上「!?これは!?『ハイウェイ・スター』を

 すり抜けて拳が!?」

 透明な真っ赤な拳が噴上裕也の顔面に食い込む。

 情華「紙一重で触っていません。

 『スタンド』を使わないからって油断してると

 死にますよ?拳銃ありだったら尚更終わってます。

 『スタンド』も使っていないのにね!!

 『幻影拳波紋疾走(イリュージョンブレイクオーバードライブ!!)』」

 ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ!!

 紙一重で触れていない拳から真っ赤な拳が

 次々と『ハイウェイ・スター』をすり抜けて

 噴上裕也に命中していく。

 情華「これで37発」

 噴上「いてえいてえいてえいてえいてえいてえ!!

 くっ!!『ハイウェイ・スター』!!至近距離なら

 てめえも危険に.....。」

 接近しようとする『ハイウェイ・スター』

 しかし。

 焦りのあまり股を抜かれてしまった。

 噴上「あっ!!」

 情華「馬鹿。うらぁ!!」

 股抜きから背中へのオーバーヘットキックを

 加えて肘で太股を殴って上へ跳ねる情華。

 噴上「ぐぎゃぁあああ!!」

 噴上(ブ.....ブロデクター有りでも十分いてえ.....!!

 やべえ.....仗助が負けた理由がわかってきたぜ.....

 こいつの未知のスタンドと常人を遥かに越えた

 判断力と身体能力!!もし.....もしこれが殺しあい

 だったら.....!!)

 情華は頭上から肩を蹴り倒す

 『ハイウェイ・スター』で応戦しようとするも

 至近距離で、回避されまくって食らいまくる。

 焦って命中する所か萎縮してボコボコに

 されていく。

 スピーディーに、鮮やかに、ボコボコになっていく

 噴上裕也。

 那珂村梨弓「うーん好みでは無いとは思っていたけど

 女三人囲ってるわりには大したこと無いわねー。

 こんなカッコ悪いやつどうやってモテたのか不思議で

 しかたないわー。」

 傍観している梨弓も欠伸をしている。

 噴上(くそお.....これじゃ5分所か1分持つのか

 持たないのかの世界だ.....!!1分1秒マジで長く

 感じる.....ヤバい.....!!どうしたらいい!?)

 焦ってコントロールを失い食らい続ける

 もし.....こんなスタンド使いが....暴漢が.....

 ギャングが.....俺の彼女たちを襲ったとき

 護ることも.....できねえんじゃ.....俺は

 かっこわりいじゃあすまねえじゃねえか!!)

 情華「もう90回.....残り2分半。仗助より難易度が

 very easyでしたね。終わりです。」

 噴上「ざけんな.....ふざけんなぁ!!」

 情華「!?」

 いきなりの敵のスタンドの変化に危機を感じて飛び退く

 情華。

 そこにあったのは.....。

 『ハイウェイ・スター』を全身にアイススケートの

 スーツのように纏った噴上裕也の姿があった。

 噴上「ふざけんなっつたのは俺自信にだ。

 俺は交通事故を起こしたトラウマで時速60km/h

 しかあれ以降車もバイクのスピードも出せない

 まんまだ。だが大切な女が.....家族が.....

 死にそうになったら時速60km/hの制限速度護って

 駆けつけるか?いいや.....最高速度MAXで

 飛ばすだろうさ!!どれだけ代償を払ってもなあ!!

 この『ハイウェイ・スーパースター』で

 心の枷を外させて貰うぜ!!」

 ここに来て噴上裕也は『恐怖』に打ち勝とうと

 成長し始めた。

 情華「ほぉ?面白い事になりそうですね?」

 噴上「これなら触れる隙間はどこにもねえし

 時速60km/h所か200km/hは出せるぜ!!

 行くぜ『ハイウェイ・スーパースター!!』

 うぉっ!?」

 ブゴォッ!!

 スタンドを起動させると速度を扱いきれず

 出鱈目な方向に飛んで壁に食い込む噴上裕也。

 情華「あちゃー.....反応できる基礎体力が

 全くないって問題点を考えるべきですね。

 期待はできても完成はしてないって訳ですか.....。」

 噴上裕也「ふごぉ.....」

 スタンドを扱いきれず 全身打撲にて気絶。

 本日の訓練 『勝手にリタイヤ!!』

 無様すぎて情華もやる気を失い賭けは無効になった。

 

 『ハイウェイ・スーパースター』

 破壊力B スピードA 射程A 持続力C

 精密動作性E 成長性B

 トラウマを克服し成長した『ハイウェイ・スター』

 スピードも上がり、遠距離への追尾と

 嗅覚強化、スピード60km/hから200km/hに

 レボリューションしスーツモードも追加された。

 しかし訓練抜きで扱いきれる代物では到底無く

 ギアッチョのように扱いきれるようになるまで

 時間がかかりそうだ。

 スーパースターへの道は.....遠い



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第八話 クレイド・アンパー・ヘルシュート★★

キャラ流用デザイン解説
情華=友利奈緒
梨弓=ゆりっぺ
セーラム=立華 奏


アメリカ・ワシントンDC

 対スタンド対策株式会社

 『スターダスト・ウォール』

 浄雅崎 情華「さーて今日も仕事仕事、

 誘拐犯何人検挙できますかねえ?探索課の増員で

 効率上がっているので先に敵情報を知れるのは

 強みですね。さて今日は何件解決できますかねえ?」

 株式会社『スターダスト・ウォール』

 アメリカ『ワシントンDC』とイギリスの『ロンドン』

 に本社を置く対スタンド対策警備会社である。

 アメリカとイギリスではここ数年で誘拐事件が

 毎日4桁という凄まじい数で増加しており

 その解決の専門をメインに行い

 さらには警察で対象不可能な一級スタンド犯罪者の

 討伐に乗り出すのもこの会社の特徴である。

 那珂村 梨弓「まったく...こんなにも多くの人々が

 被害に遭っているのを考えるとどうすれば根底的に

 終わらせることができるのか悩むわね.....。」

 情華「ここが暇になってお仕事が無くなってこそ

 平和って言える日が来るといいですね。

 もっとも、謀略で潰されるっていうのはまっぴら

 ごめんですけどね。このアメリカじゃあ司法でも

 会社を潰そうとしてくるから対策をいくら練っても

 足りないということはない。

 対策不足で満足してるのは日本の無能政治

 ぐらいでしょうに。」

 梨弓「自分の国ぐらいもうちょっと大事に

 考えなさいよ。」

 情華「パスポートもないのに間違えてアメリカに

 来てしまったアホは何処のどいつでしょうか?」

 梨弓「ま、まあ....あのときは物心も整理

 出来てなかったし.....。」

 弟たちを殺した犯人を憎悪する物心はあったろうに

 と、思ったが心の傷を抉る事は言えないので。

 情華「それでよく日本に帰りませんでしたね.....

 そこは誉めてあげるべきか...呆れるべきか.....。」

 梨弓「もう!!これでも両親に仕送りはしてるんだから

 人をアホ扱いしないの!!」

 情華「アホ扱いはしてません。真っ直ぐすぎて

 扱いに悩むだけです。」

 悩ましい表情をして言う情華。

 梨弓「もーーーー!!私は子供じゃない!!

 それって結局アホ扱いみたいなもんじゃない!!」

 セーラム・スタン・フラワー

 「ちょっといいかしら二人とも。」

 情華・梨弓「あっチーフ?」

 

 セーラム「二人ともまだ依頼は選択してないわね?

 時間空いてる?」

 情華「はい、これから選ぶ所です。」

 梨弓「そんなに.....おしゃべり長かったですか?」

 セーラム「いいえ、むしろ早急に依頼選ばれてたら

 こっちの話が通らないからこっちにしては好都合よ。」

 情華「話とは?」

 セーラム「とあるH級凶悪スタンド使いを

 倒す協力をお願いしようと思ってね

 そいつは裏で多くの誘拐捜査していたFBIを

 原因不明の裂傷で惨殺している

 クレイド・アンパー・ヘルシュートっていう男。」

 『スターダスト・ウォール』では

 討伐するスタンド使いのランクがある

 危険度

 無害....例トニオトラサルディー

 C級.....戦闘慣れしていないゴロツキ

 隙を突けば一般人でも倒せる

 例 オインゴ・ボインゴ・小林玉美・アレッシー

 B級.....やや戦闘慣れ一般人での対処が困難

 例 ラバーソール・イギー・ホルマジオ

 A級.....かなりの強敵複数の警官すら殺傷できる

 例 ポルナレフ・ンドゥール・シーラE

 K級.....ケミカルタイプと呼ばれ感覚的に

 攻撃をしてくる、物理法則と呼べない強い法則性を

 持っている

 例.....ビットリオ・カタルディ

 アンジェリカ・アッタナシオ

 ウラディミール・コカキ

 H級.....ヘル級一歩対応を一歩間違えたら即死

 しかねないタイプ

 ギアッチョ・リゾット・クリーム・吉良吉影

 D級.....通称DIO級 空間制圧級とも呼ばれ

 空間を制圧するボスクラスの戦闘力を誇る

 DIO・ディアボロ

 

 セーラム「こいつは私が相手にしても非常に危険な

 ポリスキラーで殺す.....いいや倒すのに貴方達の

 力が必要なの。」

 情華「あ、本音でいいっす。」

 セーラム「わかったわ一緒にぶっ殺して。」

 梨弓「ほんわかした声でなんてことを!?」

 セーラム「無理もないわ、彼の犯行で善良な

 アメリカの家族が5組も皆殺しになっている

 妻も子供も含めて皆殺しになっている以上.....

 どうすべきかわかるわね?」

 梨弓「酌量の余地は無い悪党って事ですね?」

 セーラム「やつを倒すには情華と梨弓の力が必要。

 協力して頂ける?」

 

 海岸付近に大型車両に乗って移動する3人

 梨弓「移動がタンクローリーってカッコ悪く

 無いですか?」

 セーラム「いいえ、燃料は多いにこしたことは

 無いでしょう?特に貴方は。あいつは射程内に

 捉えられたら即致命傷、おまけに射程は1km。

 かすっただけで毒が回って致命傷になりかねない。」

 梨弓「何それ怖い!!」

 セーラム「アウトレンジで上空から監視をお願い。

 無論地上1500メートルから。」

 梨弓「了解です。」

 情華「それでは哨戒行ってきます。」

 

 奴はこの住所にいる。

 離れた人気の無い潰れた酒屋。

 情華のスタンド『シータ・サファイア』

 第二形態『イージスモード』

 自分の体の表面にICチップと回路が出現し

 胸と肩と背中に喫茶店のコースターのような

 三次元レーダーが展開される。

 スタンドの反応やスタンド使いの反応

 地形を『イージス艦』のレーダーのように

 探知できる。

 三次元なら射程は5km。

 こいつの攻撃は届かないが油断はできない。

 店に接近して反応が一つ。

 

 「誰かこっちに来たのか?」

 監視カメラを見てスタンドを構えるそいつ

 ごつい髭の生えた白人のスタンド使い

 「ほお、珍しいなこんな誰も来ないのにわざわざ

 来るのはポリス.....ん?いいや日系ポリスって

 アメリカにそうそういたか?あの見るからに貧弱そう

 だが何しに来たんだ?」

 情華は立ち止まって連絡を入れる。

 携帯で電話を入れる。

 情華「ぽーん。」

 「は?あいつ気の抜けた声で何を言って。」

 情華「そのままでいいっすよ。中央で。」

 「仲間を突入でもさせる気か?」

 梨弓「了解。」

 建物の上になんか落っこちる音がした。

 カン。

 『パーーーーーーーーーーーン!!』

 上空には『インファイト・ルビー』の能力で

 タンクローリーから製造したCH-64E(軍用ヘリ)から

 投下された爆弾。

 軍用ヘリの中にはセーラムと梨弓が乗っている。

 無論バーは吹き飛んだ。

 その時瓦礫がいくつも飛んできた。

 これは爆発で発生したものではなく

 敵が投げてきたもの。

 情華はステップを踏んで全て避ける。

 焼けた建物から声がした。

 というかもう瓦礫しか残らないぐらい爆発で

 吹っ飛んでいた。

 「俺一人ぶっ殺すのに空軍でも雇ったのか.....

 正気か.....はぁ!?」

 そこには無傷の殺人鬼

 クレイド・アンパー・ヘルシュートがそこにいた。

 焦る表情もなく薄笑いを浮かべていた。

 情華「そのわりには無傷っすね。やはりチーフが

 警戒する訳です。」

 クレイド「俺はこれでも米国陸軍だろうが虐殺できる

 だけの実力がある。てめえのような命知らずの

 アマガキに負けるほど落ちぶれちゃいねーんだよ!!

 まずはあの邪魔なヘリからカタをつけてやる!!

 『キリングフィート!!』」

 掌からノコギリのような歯を持った1kmもの長い

 赤い鞭を展開して空中で何度も振るう。

 梨弓「奴の攻撃射程は1km.....2kmあれば余裕で

 .....!?」

 バキバキバキバキ!?

 軍用ヘリにいくつも切り込みが入りプロペラが

 破損して飛行能力が失われて墜落していく。

 バキッ!!ギャン!!ジャン!!

 ヘリに何かが命中する金属音が聞こえる。

 梨弓「馬鹿な!?真空波!?」

 セーラム「やつはあの鞭で竜巻を起こして真空波を

 起こして飛行機を.....射程を伸ばして.....!!」

 どこかへ墜落していく軍用ヘリ

 情華「ひさしぶりにいい運動ができそうですね。」

 クレイド「俺の『キリングフィート』は

 誰であろうと確実に殺す.....たとえ何処へ

 逃げようとな.....。」

 地面から鞭が透過して情華に襲い来る。

 ベルトチェーンソーを思わせる凶悪なベルト鞭は

 ぐるぐると襲い掛かる。

 情華はスタンドの『イージスモード』で

 敵の挙動計算をして高速で動くベルト鞭を

 シャッシャッとかわしていく。

 情華(近接戦闘を挑むと逃げ場が無くなる.....

 かといって拳銃だとさっきのベルトムチで

 爆風を防いだように防御される。

 あのベルトムチは実体化と透過を使い分ける

 遠距離の奇襲に向いた凶悪なスタンド!!)

 クレイド「おい、射程ギリギリなら追い付かねえって

 内心見下してんだろ?だがこの『キリングフィート』は

 よぉ!!」

 空中でレールのように『キリングフィート』を展開して

 ベルトムチで自らを宙に飛ばして

 ジェットコースターのように両足で滑り出しスピードを

 出して情華を追う。

 情華「くっ!!こいつ応用力が高い!!」

 新体操選手さえびっくりの動きでくるくる回避していく

 情華。

 だが相手の射程の中に入り込めば入り込むほど

 回避が困難になり、赤いノコギリムチの応用範囲が

 広がってしまう。

 クレイド「がっはっはっはっはっは!!今までの

 獲物の中で飛びきり活きがいいぞぉ!!

 今まで殺した連中はウサギみたいに逃げ回る前に

 このスタンドに追い付かれてみんな死じまうから

 面白くなくってよぉ退屈していたぜぇ!!

 おらおらおらおらぁ!!逃げろ逃げろ!!パワーだって

 いっちょまえにあるんだぜぇこのムチはよぉ!!」

 情華(速い!!こいつは.....強敵!!この長距離では

 銃は愚か波紋さえも通用しない!!)

 クレイド「ほらほらほらほら!!瓦礫も刃も

 飛んでくるんだぜ!!」

 『シータ・サファイア』の『イージス』で

 瓦礫もスタンドもスタンド使いも地中に隠れている

 スタンド全てを三次元で全てスキャンし演算し

 最適の回避回答解を割り出して回避していく。

 瓦礫さえも全て足場にして、砕かれても三次元に

 演算し直してホイホイかわして行く。

 だがこいつの刃はピンポイントで瓦礫の裏から

 刃の鞭が透過したりしなかったりして襲ってくるため

 『シータ・サファイア』の早期警戒能力が無ければ

 とっくに終わっている。

 死角になっている部分さえも全てスキャンと演算で

 回避の最善最短コースを割り出して回避しつくす。

 クレイド「やべえやつだな.....近接戦闘を挑むのは

 危険なやつだ.....だけど遊びがいがあるぜ

 こいつぁよぉ!!」

 ノコギリのムチの挙動がどんどん回避が

 難しくなっていく。

 情華の防弾スーツの所々に傷が入っていく。

 情華(くっ!!一方的アウトレンジは実に不快ですね!!)

 クレイド「お遊びは終わりだ!!行けぇ!!」

 ついに回避の限界に来て体が真っ二つに

 切られそうになる情華。

 その時

 情華「ぐはぁ!!」

 なんと情華の展開した青い人型のスタンド

 『シータ・サファイア第三形態バトルモード』

 が情華を蹴飛ばして刃を回避させて瞬時に引っ込んで

 消える。

 クレイド「なにぃ!?」

 回避しきれないタイミングでの攻撃を

 『バトルモード』を蹴っ飛ばしたり殴られたりしながら

 何度も何度も無理矢理回避しつくす。

 

 『シータ・サファイア・第三形態バトルモード』

 戦闘少女に変貌して成長を遂げた

 情華のスタンド。

 青い人形のペプシマンガールを思わせる容貌と

 顔なし状態ののっぺらぼう

 機動隊みたいな鎧も纏っている

 一見すると近接パワー型のスタンドだが.....。

 破壊力B スピードA(演算・攻撃速度) 射程B 

 持続力A 精密動作性A 成長性A

 

 クレイド「ぶははははは!!おもしれえ!!おもしれえぞ

 こいつは!!そこまで俺のベルトの刃に命中したく

 ねえってか!!マゾヒストもびぃっくりだぜぇ!!」

 シュッシュッシュッシュッとかわす情華に余裕の笑みを浮かべる

 シリアルキラー。

 巻き付けようよすれば『シータ・サファイア』

 を踏み台にして瞬時に脱出する。

 クレイド「だがなぁ自由自在なのはベルト

 だけじゃなくてよお.....。」

 回避した先でノコベルトの刃が氷の氷柱のように

 直角に曲がって情華を追尾してきた。

 情華「!!!」

 クレイド「毒つきの刃も自由自在なんだぜぇ!!

 一度皮膚にかすろうもんなら細胞を破壊する

 スズメバチのような毒が体に回ってマジ激痛

 だってよぉ!!命に関わるレベルでなあ!!」

 ドコォォ!!

 情華「くぉぉおおおおお!!」

 背中を思いっきり自分のスタンドに蹴らせて

 刃の回避を強行して自分のスタンドにぶん投げられて

 一気に回避する情華。

 クレイド「すげえ!!あれを回避するってよぉ!!

 犬がフリスビー5つ全てをキャッチしたぐれえ

 驚いたぜえ!!いつまでも.....ん?」

 別方向から液体金属の楕円の塊が凄まじい

 スピードで迫ってくる。

 セーラム・スタン・フラワーのスタンド

 『オリハルコン・シンフォニー』だ。

 時速300km/hという速度で迫ってくる危ない

 液体金属。

 クレイド「この移動速度.....やべえな始末しねえと!!」

 赤いノコベルトがセーラムに迫る。

 セーラムは楕円球場の液体金属の中で

 アーチェリーに加速増幅器具のついた

 金属を構えてまっすぐクレイドに向ける。

 ブゥゥン!!ブゥゥン!!ブゥゥン!!ブゥゥン!!ブゥゥン!!ブゥゥン!!ブゥゥン!!

 流動金属で造ったアーチェリーから発射された流動弾

 対物ライフル級の破壊力はあるであろうその

 弾丸が楕円形の中央に空いた穴から7連射される。

 楕円形が水鉄砲を吐くように発射する攻撃をクレイドは

 クレイド『キリングフィートォォオオ!!』

 その弾丸にノコベルトを内部中央まで入れて実体化

 させて

 パチン!!パチン!!パチン!!パチン!!パチン!!と全てを

 遠距離の時点で破裂させて弾く。

 クレイド「やべえなお前.....だが!!これはどぉぉだぁ!?」

 セーラムが内部にいる『オリハルコン・シンフォニー』

 の液体金属の防御を透過、突破して切り込んでくる。

 セーラム「対策は取ってある。」

 内部を二重構造にして一重目で透過された感覚を

 知って二重目の内部を回転させて自分本体を回避させる

 という二段構えでずいずいかわしていく。

 クレイド「俺を二対一で倒そうってか!?甘いんだよ!!」

 地面を割って壁にして二人を一気に追い返し

 距離を広げさらにノコベルトで追尾して追いかける

 せっかく縮めた間合いが一気に広がっていく。

 やつに攻撃が届かないまま.....。

 回避に没頭するしかない二人。

 スタンド『キリングフィート』は文字通り『強敵』

 暗殺のみならず近接戦闘や真っ正面からの

 戦闘でも十分すぎるほど強い。

 情華「くっ.....私だけでも.....。」

 セーラム「私だけでも駄目....梨弓....期待してるわ。」

 クレイド「いずれ体力切れで二人ともアウトだ!!

 楽しかったぜぇ死ねえ!!」

 ごぉぉぉぉ!!

 その時上空の音に気がつくクレイド。

 上空から巨大なジェットボードに乗って

 那珂村 梨弓が迫る。

 那珂村 梨弓「あの程度の損傷で墜落したと思った?

 残念修理して上昇してましたー☆

 あんな程度『インファイト・ルビー』で機械を再構築

 すれば簡単に治るのよ!!」

 クレイド「残念だがてめえがミサイル飛ばそうが

 機銃を放とうが俺に傷一つ負わせることはできねえ!!

 突っ込んでこようが刻んでバラバラにしてやる!!」

 梨弓「じゃあやってみなさいよ!!

 バラバラにできるもんならね!!」

 梨弓がジェットボードで急降下して加速をつけて

 スタンド能力を『解除した』。

 ジェットボードから足を離して浮き上がる。

 クレイド「.....!!?」

 クレイドは自分の直情に来たジェットボードを

 破壊しようとして驚愕する。

 ジェットボードから元に戻った物体の正体は.....

 梨弓「タンクローリーだごらぁああああ!!」

 クレイド「なにぃぃぃ!?」

 クレイド(なんだと!?中には大量の液体燃料が!!

 破壊したら爆発は勿論の事液体燃料が広範囲に

 ぶっかかり逃げられない!!くっ!!)

 クレイド「回避する!!俺をはね飛ばせ

 『キリングフィート』!!」

 ジャンプ台のように自分を安全範囲へ逃がすクレイド

 クレイド「ぶははははは!!スタンドの俊敏性を

 生かして逃げる!!それも選択肢よぉ!!」

 セーラム「キーーィッック。」

 ふわっ。

 スパァアアアアン!!

 セーラム・スタン・フラワーは蹴飛ばした。

 自分をクレイドのいる場所から行く手を

 邪魔していた地面の壁を

 『オリハルコン・シンフォニー』を纏わせて

 翼を展開し軽く旋回して

 パワーを強化した自分の足で蹴った壁が.....

 タンクローリーをクレイドの方向へ

 ぶっ飛ばして破壊する。

 バッッキャアアアアン!!

 クレイド「なぁにぃいいいいい!?」

 『パァアアアアアアアアアン!!』

 爆風と液体燃料がクレイドにぶっかかる。

 クレイド「残念!!卵の殻みたいに展開して防御

 してやる!!」

 自分を『キリングフィート』で護って防御する

 クレイド。

 クレイド「ぶっはっはっはっはっはっは!!

 誰も俺を止められない!!全員皆殺しだ!!

 ムカつくやつも女子供俺の安全脅かす警官も

 これからも楽しいからぶっ殺すそれがおれだぁ!!」

 爆風を『キリングフィート』が吹き飛ばそうとする。

 その時。

 クレイド「へ?」

 パァァァアアアアアアアン!!

 『キリングフィート』の隙間から爆風が入り込む。

 『もう一度爆発したのだ。』

 一回目で防御して爆風ごと吹き飛ばそうとして

 振るおうとした瞬間

 『キリングフィート』の開けた隙間からもう一度

 『爆発したのだ』

 クレイド「くぁあああああああ!!もう一度.....爆発!?

 馬鹿な!?何が起こって.....!?」

 セーラム「『ハイドロプレーン現象』

 一度目のタンクローリーの爆発時に私の

 『オリハルコン・シンフォニー』で貴方の周囲を

 包んで密室での燃焼酸素喪失を再現し

 その空間は酸素を求めて内部の気圧が下がり

 そこに穴を開けて酸素を一気に補充してあげると

 爆発するわけです。」

 クレイド「わぁあああああああ!!ぐるるる!!

 貴様きしゃま貴様きしゃしゃしゃまぁああああ!!」

 クレイドの体が炎上する。

 セーラム「化学の勉強不足ね。それが貴方の敗因」

 セーラムが一気に飛行して引くとクレイドの真ん前から

 情華が迫る。

 拳銃を撃ちながら接近する。

 パァンパァンパァンパァン!!

 クレイド「舐めんなよガキィ!!」

 銃弾をキンキンと『キリングフィート』で弾いて

 今度は回避できないようにノコベルトで

 大きな壁を造って迫る。

 クレイド「ここまで接近するということはよお!!

 こいつの至近距離での『キリングフィート』の使用

 できるベルトの量は最高量!!回避なんてできねえぜ!!」

 情華「じゃあ本体をずらします。」

 クレイド「!?」

 後ろの地面の中から飛び出て現れた青い

 ペプシマンガールのような人型のスタンド

 『シータ・サファイア』が

 ズパァァン!!

 思いっきり右顔面をぶん殴った。

 吹き飛ばされるクレイド。

 クレイド(なにぃぃ!?まだあいつとの距離は

 300mは空いてるぞ!?どういうことだ!?

 あいつは近接パワー型じゃねえのか!?)

 すると情華に迫っていた壁が右に思いっきり反れて

 情華は左から思いっきり走って突破する。

 情華「私の『シータ・サファイアバトルモード』は

 射程10kmまで『自立行動』できるんですよ。

 その古いバーの古い地下インフラを発見したので

 チーフにお前の目隠しをしていただいた隙をついて

 別行動させていただきました。

 どうやら上に気が行ってて地下への警戒が

 手薄になっていたようですね。

 そのスタンドで警戒できるにも関わらず。

 まあ『シータ・サファイア』が食らっちゃったら

 もろダメージ自分に来ちゃいますけど。」

 クレイド(こいつぅ!!)

 情華「じゃあ『シータ・サファイア』。

 私からじゃあ距離が遠いので.....

 やっちゃってください。」

 シータ・サファイア「YES!!HEYHEYHEYHEY

 HEYHEYHEYHEYHEYHEYHEYHEYHEY!!

 HEEEEEEEEEY!!」

 ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ

 ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ!!

 機械声を立ててクレイドをラッシュでぶん殴っていく

 『シータ・サファイア』

 クレイド「ぎぃやぁあああああ!!」

 吹き飛ぶクレイド。

 情華「『シータ・サファイア』、そこは『オラオラ』

 でしょう?」

 『シータ・サファイア』はちらっとクレイドを見ると

 足を振り上げてクレイドを踏みまくる。

 シータ・サファイア「ORAORAORAORAORAORA

 ORAORAORAORAORAORA!!」

 ヽ( ・・)ノ┌┛┌┛┌┛┌┛┌┛┌┛┌┛┌┛

 クレイド「ひぃややあああああああ!!」

 グギッバキッ!!

 最後にクレイドの『キリングフィート』を

 持っていた手をへし折る『シータ・サファイア』

 情華「たいへんよくできました。さてと止めを.....。」

 クレイド「くぉぉぉおおおおおお!!」

 クレイドは『キリングフィート』を両足で掴むと

 那珂村 梨弓の心臓にノコベルトを透過させて

 突き刺す。

 情華「しまっ.....!!」

 クレイド「ぶっはっはっはっは!!俺はプロの殺人鬼

 だぜぇ!!あいつがスタンドで盾にしようにも

 無意味なんだよお!!俺の『キリングフィート』の

 殺害新記録は更新しなくちゃならねえ!!死ねよ!!

 おんなぁああああああああ!!」

 梨弓「大丈夫。」

 梨弓は軽く

 恐れず

 心配させず

 にっこりと笑うと心臓中央で半分実体化しかけた

 『キリングフィート』を『インファイト・ルビー』

 で弾いて体外へ排出する。

 その時間0.1秒以内の戦い。

 クレイド「完全に実体化して効果を発揮する前に

 出しやがっただと!?しかぁし!!『キリングフィート』

 後ろから首をかっ切れ!!防御しても無駄だ!!」

 もう一度彼女を殺しに『キリングフィード』が

 強襲する。

 だが、近接パワー型の『インファイト・ルビー』が

 腕で防いでそのベルトノコは透過しなかった。

 容易く防御できた。

 そしてスタンドの手に絡まって止まった。

 クレイド「なんだと!?」

 梨弓「私のスタンド『インファイト・ルビー』は

 触ったものをなんでも機械に変えるスタンド。

 もっとも生身の人間は機械にできないけど

 スタンドは機械にできるのよ...そう...こんな風に。」

 梨弓は指を鳴らすと機械化してベルトノコから

 モーターチェーンに変貌した『キリングフィート』

 が元の持ち主のクレイドの身体中にに巻き付いて

 キリキリと締め上げる。

 グルグルグルグルフル!!

 クレイド「なんだと!?『キリングフィード』!!

 言う事を聞け!!」

 キリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリ

 ゴキゴキゴキゴキホキゴキゴキ!!

 クレイド「ぎぃやああああああああああああ!!」

 肉に、骨に、チェーンが磨り潰すように圧力を

 全身にゆっくりかけていく。

 梨弓「苦しかったでしょうね.....平和に

 過ごしたかった.....家族や子供達.....貴方に

 人生を奪われた人たちに向かって.....。」

 梨弓は握りこぶしから血を流して奥歯を強く噛んで言う

 梨弓「懺悔しろ.....そして.....

 地獄に落ちろ。」

 クレイド「あっ.....あぁあああああああああ!!」

 グッッシャアアアアアアアアア!!

 断末魔の叫びを上げて四散するクレイドの身体。

 情華「ほっ.....。」

 終わった。

 強敵のスタンドシリアルキラーを倒した。

 梨弓「ごめーん心配かけた?」

 情華「ふう.....やれやれ梨弓.....あんたって人は。」

 情華は目を反らした。

 梨弓の右目に浮かぶ小さな滴を見てらんなかったのだ。

 セーラム「ごめんなさい.....一歩間違えたら.....。」

 梨弓「いいえ、チーフ。これが私が選んだ道です

 過去の私を救うための.....儚い偽善みたいなもんです

 でも私はここに来て良かったと思います

 泣いてる人の数を少しでも減らせるなら。」

 情華(やれやれ.....だからあなたは真っ直ぐすぎて

 扱いに困るんですよ.....那珂村 梨弓。)

 シリアルキラー

 クレイド・アンパー・ヘルシュート 死亡

 

 その後破壊したタンクローリーは

 セーラム・スタン・フラワーが全負担して

 二人は少量の報酬を貰い明日も戦う。

 すこしでもこの国の影で涙を減らすために。

 

 クレイド・アンパー・ヘルシュート

 『キリングフィード』

 破壊力A スピードA 射程A 持続力A

 精密動作性A 成長性E

 ステータス上弱点がほぼほぼ無い強敵

 赤いベルトノコのスタンド

 射程は1kmあらゆる遮蔽物をすり抜けたり破壊したり

 できる。透過して物体の中央で実体化させれば

 強度関係無しで断絶できる。

 刃にはスズメバチと同レベルの毒が塗ってある。

 

 



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ネオ・キングクリムゾン編 1章 スティッキー・シャーク

何故か始まるディアボロアフター
はっじまるよー


舞台はイタリア。

 100万回死んだ猫と言う話がある。

 この話にある意味酷似した男がいた。

 それはディアボロだった。

 ジョルノに永久死亡地獄に閉じ込められてから

 あれから二年。

 とうに100万回死んだんじゃないのかと疑問を

 思うレベルである。

 そんな彼に転機が訪れる。

 「これが『ゴールドエクスペリエンスレクイエム』

 の力か。」

 何処の馬の骨かわからないやつの言葉が聞こえた。

 そういうと世界がディアボロを殺さなくなった。

 ディアボロ「.....なんだこれは?」

 ディアボロは数日間死んでない事を肌で感じて叫ぶ

 ディアボロ「終わったのか.....?悪夢が?」

 エンリコ・ブッチ「おや?迷える子羊かね?

 そんなに震えて何をしているのか?」

 死に疲れてよっぽどやつれていたのか

 神父が話しかける。

 エンリコ・ブッチ「私には壮大な計画がある。

 貴方も一緒に協力をお願いしたいのですが.....。」

 ディアボロ(俺の目撃者生かしておくことはまずい。

 ジョルノ・ジョバーナの耳に入ってしまえば

 追われ、イタリア中に正体をばらされてしまう

 ここで殺したほうがいいのか?)

 エピタフでエンリコ・ブッチを(数秒先の未来)見る。

 そこにはスタンド『キングクリムゾン』を

 使っている最中に頭からディスクが飛んでいって

 自分が衰弱して死ぬ姿である。

 ディアボロ「い、嫌だ.....いやだぁああああああ!!

 もう死にたくない!!『キングクリムゾン』!!」

 時間をすっ飛ばして一目散に逃げた。

 相手が協力してくれる存在かどうかも判断できない。

 まだ『ゴールドエクスペリエンスレクイエム』の恐怖から

 意識が覚めていない。

 そのためディアボロには全てが敵にしか見えない。

 エンリコ・ブッチ「.....残念だ.....理想を実現する

 仲間にしたかった。

 研究対象としても申し分も無かったのに

 .....残念だ。」

 エンリコ・ブッチは残念そうにぼやきながら

 去っていった。

 

 一方こちらは豪華な官僚の宿舎。

 デブできつそうな人相をした官僚が

 弁護士と刑事と秘密で話あっている。

 官僚「パッショーネのボスを刑事告発するために

 金をばらまいておいた。あいつがいつまでも

 トップにいると新型ハーブや新型のお薬を

 売れないからな。牢屋にぶちこんで表向きは

 わしの活躍によって麻薬撲滅、その実態は

 私がイタリアのボスになるためよ!!」

 刑事「効果は凄いのですか?」

 官僚「ああ、体への負担を減らして快楽を

 ギュンギュンに詰めた最新のやつ!!

 依存力も増量!!税関でも

 タバコで誤魔化せる成分となっている

 ベスト・オブ・チャイナブレンード!!まあ最後には

 どいつもこいつもボロボロになって死ぬけどな!!

 これでイタリアの金は俺のものだ!!」

 弁護士「金を払えばどうにでもできるが蔓延

 させて大丈夫か?間違って自分の子供が

 吸ったりでもしたら.....心も体がくさっちまうぜ

 俺は降りる。」

 官僚「正義ぶんじゃねえ!!請け負わなきゃ

 家族を消すぞこのやろう!!」

 弁護士「ふざけんなまるでギャング

 そのものじゃないか!!」

 官僚「うるせえ!!世の中は金が全てだ!!万民が

 ゾンビになろうが骸骨になろうが関係ねえ!!」

 刑事「そうだ、どんなに頑張ったって

 入ってくる金には限りがある。

 文句はダメだぜ.....クライアントに対してよお.....

 冤罪で牢屋にぶちこむぜ?」

 弁護士「このくそ野郎どもが!!ぶん殴ってやる!!」

 机をぶっ叩いた弁護士が立ち上がると

 いつの間にか赤いケチャップの染みが官僚の腹に

 ついている事がわかった。

 官僚「.....?」

 また一つ、また一つ赤い染みが増えていく。

 どんどん赤い液体の量は増え気がつく。

 ケチャップじゃない。

 これは自分の血なのだと。

 官僚「ここここ.....これは!?」

 無尽蔵に増える血溜まり。

 目と意識が明後日の方向に向かう

 刑事「わっ!?わっ!?わぁああああああああ!?」

 官僚「ほぉぉぉぉ.....。」

 官僚と刑事がわめき声を上げて死亡した。

 それを見た弁護士もあまりの恐怖に声をあげた。

 弁護士「わぁあああああああああああああああああ!!」

 

 官僚の宿舎の外で男はぼやく。

 そいつはブローノ・ブチャルティによく似ていた。

 服装はブルー多めのジッパーアレンジスーツ。

 そいつはため息をつくとこう言った。

 「やれやれまたジョルノの口車に乗って依頼

 受けちまった.....だが善人だったら生かして

 やるつもりでいたのにこれじゃあ殺すしか

 無えじゃねえか。良かったな弁護士殿。

 あんたが道を踏み外せば容赦なく殺すつもりだった

 心しておけ、パッショーネにちょっかいをかけたら

 家族も無事じゃすまない.....って

 プリントアウトした置き手紙をあの部屋のダーツで壁に

 ぶん投げておいたが.....まあいい結構だ

 弁護士殿の冤罪は監視カメラのテープでも

 提出すれば簡単に晴れるだろう。」

 そういうと白い手袋と拳銃をもってその男は去っていく

 弁護士は密室で起きた怪奇現象にカタカタ歯を

 震わせながら冷や汗をどっぷりかいてその場に

 崩れ落ちた。

 目の前にはどこもドアも窓も空いていないのに

 いつの間にかダーツが刺さっていた。

 

 朝 通学路

 徒歩で歩くブチャラティ(?)に金髪のコロネを3つ

 くっつけたような同級生がバイクから話しかけて来た。

 ジョルノ「やあブチャラティ。」

 「..........。」

 知っている。こいつは俺の所属するギャング

 パッショーネのボス ジョルノ・ジョバーナだ。

 ジョルノ「昨日の仕事は見事だったねえ。

 弁護士を生かしておいて目撃証言取られそうな

 気もするけど仕事は100点だったから報酬は

 振り込んでおくよ。」

 「俺は人の善悪をきっちり把握してから刃に

 かける。チンピラとは違うんだ。」

 ジョルノ「そういう所は高く評価している。

 だから君を仲間に入れたんだよ。

 弟妹が暴力振るわれてるのにキレて危うく君が

 人を殺しかけた時に貸しをつくってからね。」

 「あのなジョルノ。」

 ジョルノ「なあにブチャラティ?」

 「俺 は フ ル ー ト だ っつってんだろ!!

  誰 が !!ブチャラティだこの野郎!!」

 フルート・ルチャルティ

 どういうわけかハイスクールでジョルノに興味を

 示されてパッショーネに入れられてしまった

 同級高校生である。

 まさか同級生がイタリアのちまたで有名な

 ギャンググループ『パッショーネ』のボスとは

 未だに信じられない。

 フルート「やれやれブチャラティブチャラティ

 ブチャラティって何回間違えたら気がすむんだ

  お 前 と ミ ス タ は!!

 貸しが無かったら脳味噌が詰まっているのか

 ヨーグルト詰まっているのか力ずくて見てやる所だ!!」

 ジョルノ「ごめんごめん♪怒っちゃダメだよ♪

 フルート♪(ヾノ・∀・`)」

 人差し指を左右に揺らして気さくに笑うジョルノ

 フルート「毎回腹の立つ野郎だ。

 勉強教えてやらねえぞこの野郎!!」

 ジョルノ「いやあ勉強なんて正直どうでも

 いいんだけど君との交流時間が無くなるのは困る。

 ごめん教えて(o・ω・o)」。」

 フルート「だーかーらー!!そうやって俺のストレスを

 マッハで増やすんじゃねええ!!」

 

 その様子を影から見ていたディアボロは

 復讐心に満ちていた。

 ディアボロ「おのれ泥棒ドブネズミめが。

 ボスの座を奪ってから図に乗りやがって.....

 殺してやろう.....だがその前に大事な仲間を

 大勢殺してからだ。」

 

 帰り道。

 フルート「やれやれ.....ジョルノのせいで

 また遅くなった。」

 ドッピオ「ごめんなさい!!」

 少年がぶつかって来た。

 フルート「気をつ.!?(この異様なエネルギーの臭いは?)」

 ドッピオ『キングクリムゾン!!』

 ドバン!!

 フルート「!!!」

 背後から赤い人型のスタンドに腹をぶち抜かれた。

 ドッピオという少年から裏返ったディアボロが

 背後で薄笑いを浮かべていた。

 ディアボロ「まず.....一人!!運が悪かったな

 ジョルノ・ジョバーナの仲間になったばかりに

 命がダストシュート送りとは不幸だな.....。」

 一人殺したと確信した。

 フルート「おいおい、勝手に勝った気に

 なってんじゃあないか?」

 ディアボロ「!?」

 そいつはなんともないように振る舞った。

 たしかに腹をぶち抜いているのに。

 その時だった。

 パチィン!!

 ディアボロ「ぬぁあああああああああああああ!!

 『キングクリムゾン』!!」

 エピタフの未来視にははっきり見えていた。

 確かにこいつの背中を貫通できた未来が。

 しかし.....結果は.....。

 『キングクリムゾン』で必死に手を引き抜いたが

 遅かった。

 ディアボロ「あ.....あああ.....!!」

 手が切断されていた。

 フルート「最近子供に化けて暗殺を依頼される

 アホを何人か駆除していてすっかり警戒しちまってな

 物騒な世の中よ、子供に自爆テロやらせるやつが

 いるもんなあ。本当マジで許せねえよなぁ。

 一歩間違えたら即ブッスリかドカンだ。」

 ディアボロの右手が.....ジッパーでボロボロに

 味噌汁に入れる豆腐のようにぶつ切りになっていた。

 ディアボロ「貴様あああああああ!!」

 フルート「おいおい、先に手を出して逆ギレは

 ワンパターンじゃ.....。」

 ディアボロ「『キングクリムゾン!!』」

 時間をすっ飛ばして背後に回る。

 ディアボロ「今度は脳天に一撃だ。エピタフで

 確認した。今度は脳味噌えぐれて首が折れる!!

 死ねえ!!ブチャラティ!!」

 ブチャッ!!

 脳味噌をえぐるように左手を背後から突っ込む

 すると。

 フルートの頭がやけに柔らかいと思ったら

 手がのっかかる壁を失ったようにスコーと

 手応え無く貫通したのだ。

 いいやちがう。

 手が頭に収用されていく.....!?

 ディアボロ「!!?手応えが.....無い!?」

 そこにはジッパーに突っ込んだ手が見えた。

 フルート「びっくりか?俺もだ。やれやれ.....

 俺が感覚する間も無く攻撃できるって

 あんたもヤバイな.....策を一秒遅く実行してたら

 間違いなく俺は死んでいる。

 だが死角に見えないように『移転』させて

 お前の部位をじっくり料理する。」

 左手で脳天ぶん殴られたら右後ろ腹から手が出てきた。

 見えない死角のフルートのジッパーから

 潰すべき内容物を探してうろうろしている間抜けな手

 すると手のひらが一気にジッパーまみれになって

 バラバラに分解されてしまう。

 パッチャン!!

 ディアボロ「ぐぁあああああああああ!!!

 『キングクリムゾン』!!」

 遅かった。

 結果が出てしまった後だった。

 バラバラになってしまった腕の結果は覆らない。

 ディアボロ「貴様.....蹴って足をへし折ってやる!!」

 長年死に続けてカンが鈍っていたのか

 既に手を打たれていることに気がつかなかった。

 そう、フルートはピンポイントで自分の影とかの

 ディアボロの見えない位置に、

 ジッパーの落とし穴を既に設置していた

 ブチャラティと違ってどうしてここまで念入りに

 仕掛けを仕込んでいるのか動機は不明だが

 エピタフ使っていても死角は見えないのは致命的だった

 つまづいた。

 ディアボロ「なにぃ!?」

 その落とし穴に引きずり込まれる。

 『キングクリムゾン』の最中だ。恥ずかしい。

 時間をすっ飛ばしてすっとぼけた真似なんて

 洒落にならない。

 キングクリムゾン経過

 攻撃を回避する過程をすっとばして

 何故かディアボロの足がフルートの目の前の地面のに

 空いたジッパーから出現する。

 フルート「.....。」

 自分で策を労した結果とはいえ過程を何度も

 すっ飛ばされて結果が見えるとシュールに感じる。

 ディアボロ「『キングクリムゾン』!!」

 あわててもう一度無かった事にする。

 ディアボロ「はぁ.....はぁ.....。」

 フルート「いい能力だが死角は見えないようだな。」

 ディアボロ「調子に乗るなよ小僧.....今度こそ

 ブチャラティと同じ場所に送りつけてやる.....

 死ぬときと瓜二つの有り様でな!!」

 フルート「おいおい、お前は何か大切なものを

 忘れてんじゃあないのか?産まれたときから

 くっついてるあれを。」

 ディアボロ「?」

 ピチャッ。

 ディアボロは下半身から液体が垂れた。

 少しずつ増す激痛。

 フルートが右手に持っているブツ。

 肉塊

 ディアボロ「おぉぉぉぉ.....。」

 悟った。

 ディアボロの息子が袋ごとごっそり根元から

 ジッパーで切り取られている。

 ディアボロ「ぬぁああああああああああああああ!!」

 フルート「おいおい、気がつくの遅いぞ?

 馬鹿なのか?」

 クッシャッ!!

 スタンドの腕が現れて握りつぶした。

 激痛。取れた両腕で下半身を押さえることもできない

 哀れな姿だった。

 フルート「じゃあこっちのターンでいいか?」

 学生服を捨ててゆっくりと迫るフルート。

 エピタフで読んでもわからないこいつの行動。

 ディアボロ「何故.....ブチャラティ以上の実力を.....?

 どうなっている⁉俺は悪夢に閉じ込められた

 ままなのか!?」

 フルート「そりゃあ10手20手考えても勝てねえ

 ようなやつと毎回喧嘩を挑んで負けて負けて

 負けてストレスだもんなあ.....お前にゃ理解

 できねえよなぁ.....あんな腹立つやつに

 連日連日勝てねえ俺のストレスをよお!!

 来いよ.....相手になってやる。」

 こいつはあろうことかパッショーネの現ボスと

 毎回喧嘩を挑めるだけの実力があるということ。

 ディアボロ(勝てん.....こいつには.....勝てん!!)

 エピタフでこいつの負ける未来が全く見えない。

 冗談抜きでヤバイ。

 ディアボロ「おおおおおおおおおおお!!

 『キングクリムゾン』!!」

 逃げた。

 幸いフルートには追撃能力はない。

 逃げた場所がわからなければ『亜空間ジッパー』を

 展開しても徒労に終わる。

 フルート「逃げやがった。ジョルノに報告だ!!」

 しかし、ディアボロは腐っても元パッショーネのボス

 簡単に五体満足で終わらせるわけがなかった。

 急に目の前数ミリの所に大型バイクが出現して

 フルートに激突したのだ。

 フルート(!!!!あいつ.....残った両足でバイクを

 ぶん投げて.....感覚をすっ飛ばしたのか!?)

 フルート「ぬぉおおおおおおおおお!!」

 このままエビ反りポーズで潰されそうになるフルート。

 フルートの体の生中線にジッパーが出現し

 ジッパーにバイクが吸い込まれる。

 フルートは無傷で立ち上がる

 フルート「ふう.....ふう.....やれやれ.....びっくり

 したじゃあないか。」

 その直後さっき投げ捨てた宙をヒラヒラ舞う

 学生服にジッパーが出現し、

 『ガッシャァアアアアアン!!』

 真下に空いたジッパーから大型バイクが飛び出て

 駐車してあった無人の車に直撃し大爆発を起こした。

 フルート「しまったぁああああ!!一般市民の

 貴重な通勤手段がぁあああ!!

 ってんなことをいってる場合じゃない!!

 ジョルノに連絡だ!!あんな通り魔の暴走を

 許していたら犠牲が何人でるか

 たまったもんじゃない!!」

 携帯電話ですぐにジョルノに連絡するフルート。

 プッ!!

 0.1発で出た。

 ジョルノ「受話器を取って、もぉーしもぉーし。」

 フルート「誰の真似だ!!ふざける場合かぁ!!

 それよりジョルノ!!緊急事態だ!!」

 俺との会話がよっぽど楽しみなのかすぐに受話器を

 取りやがった。

 腹立つ。

 だが言うべき事を言おう。

 フルート「今俺でないと対処できないようなやつと

 戦闘をしたが逃亡された!!能力は感覚を

 すっ飛ばすような不振な能力!!両腕と下半身に

 ダメージを与えた!!スタンドは赤い人型で

 脳天にも頭がついていて本体人相はピンクの長髪の男!」

 その言葉を聞いてジョルノの態度が変わった。

 ジョルノ「わかった!!今すぐそいつを殺しに行く!!

 仲間を複数と固まって離れるな!!子供が近づいても

 警戒を怠るな!!奴は子供にも変身できる!!緊急事態だ!!」

 フルート「何だジョルノ!!そいつと面識があるのか!?」

 ジョルノ「後で話す!!そいつは危険だ!!

 君は無事なのか!?」

 フルート「ああ、ピンピンしているが初見だと

 危ないって事は理解した!!」

 ジョルノ「仲間と結束しろ!!俺が来るまで動くな!!」

 

 ディアボロは暗い路地でうなだれていた。

 ディアボロ「俺の時代は.....終わったのか?」

 ジョルノ・ジョバーナでもないブチャラティもどきに

 両腕はちぎられるわ、男は握り潰されるわ

 散々だ。

 あんな人材がジョルノの側近という絶望。

 これぐらいなら死んで楽になった方が良かった。

 ディアボロ「うぅぅぅ.....。」

 涙が出てきた。

 栄光は永遠と思っていた時代が懐かしい。

 未来さえ見えているならばどうにでも乗り越えられる

 と自信に満ちたあの黄金時代は二度と帰ってこない

 今の自分を見て凄く嫌になる。

 そんなとき。

 「どーした?」

 薄いベージュの髪。廃れた服装の

 褐色肌の女性がこっちを見ていた。

 スタイルはそこそこいい女性である。

 「だっせえなあ.....こんな男とは寝たくもねえなあ。」

 

 ディアボロ

 【キング・クリムゾン】

【破壊力:A / スピード:A / 射程距離:E /

 持続力:E / 精密動作性:B/ 成長性:B】

 

 フルート・ルチャルティ

 【スティッキー・シャーク】

【破壊力:A / スピード:A / 射程距離:C/

 持続力:A/ 精密動作性:A/ 成長性:C】

 ジョルノから矢の力を受けてフルートに宿った

 人型のスタンド。

 スティッキー・フィンガーにヒレがまとわりついた

 ようなデザインのスタンド。

 ジッパーの能力が二つあり

 拳で当たった相手をジッパーだらけにして

 バラバラにする『近接ジッパー』と

 半径30m以内で自分と遠距離の空間を繋げる

 『亜空間ジッパー』を使い分ける。

 『亜空間ジッパー』は空間を固定じて空間を繋げる

 トンネルを作って存在するため自分や相手を

 亜空間ジッパーではバラバラにすることはできないし

 ジッパーの裏を見てもジッパーが存在しない。

 ただし相手の服の裏に展開することで暗殺にも

 使えるため圧倒的汎用性に富んでいる。

 ちなみに亜空間を通過した物体にジッパーを

 キャンセルすることで空間ごと切断もできる。

 



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ネオ・キングクリムゾン編 2章 ヴァサーゴ

そのベージュの髪で片目を隠した褐色肌の女性は

 哀れんだ目でディアボロを見ていた。

 こんなホームレスに相手をするつもりも無かった。

 だがそいつは彼女と接点はあった。

 なんか似ていた。

 ただそれだけだ。

 「こんな哀れでダサイ男とは寝たくも無いな。」

 そう思った。

 しかし、足が進まない。

 じっとディアボロを見る女性。

 ディアボロにはもう目撃者を殺す気力も

 生きる気力も無い。

 女性はディアボロの肩に触れるとディアボロの

 傷が治っていく。

 ディアボロは感じた。

 わずかな温もりを。

 体を全部治された。

 無論あそこも。

 ディアボロは不思議な気持ちで聞いた。

 ディアボロ「どうして.....俺を.....助けた.....?」

 女性「助けたってどーせ襲う気力も見えねえからだよ」

 持っていた缶コーヒーの一つを想いっきり脳天に

 ぶつけて去っていった。

 ディアボロはそのコーヒーを飲む気になれなかった。

 そのコーヒーは自販機で何処でも買える代物。

 ホットのカプチーノ。

 腐っているわけでもなければ

 プレミアがついているわけでもない普通のコーヒーだ。

 飲めなかった。

 ジーンズのポケットにそいつを入れると

 少しだけ歩いてみようという気になった。

 

 あいつの後を追う。

 理由は何も浮かばないがついていく。

 なんの感情もわかないのにも関わらず

 足が動く。

 

 そこらのチンピラと警官を女とは思えないパワーで

 殴り殺して女性は金を漁る。

 女性は金を手にするとため息を漏らす。

 女性「あーあ。」

 そこにディアボロが来る。

 女性「さっきのくたばりぞこないか。何か用?」

 するとディアボロはローストチキンを差し出して言う。

 さっき盗んできたやつだ。

 ディアボロ「食え。」

 女性「.....。」

 女性は受けとると。

 かじった。

 女性「何処で奪った?」

 ディアボロ「昔行きつけだった店から奪った。

 昔は正規料金で食ってた高いやつだ。」

 ガツガツとゆっくり二人で食べながら少し時間が経った

 女性「私はヴァサーゴっていう。」

 聞きもしてないのに言葉を出した。

 ヴァサーゴ「昨日までは金持ちの官僚の

 娘だった。親は遊び呆けるわ汚職はするわで

 微塵も相手にしてもらえなかった。

 だが金だけはあった。つまらないけどそこそこ

 楽しくはあった。どれ程横暴を働いても

 金があればどうにでもなると教わった。

 だけど.....親がこの前殺された。

 そのあと親の隠していた汚職がボロボロ判明するわ

 麻薬組織との関係もバレるわ白い目で見られるわ

 バイクも車も一緒に暴力を働き友達と思っていた

 連中も寝る場所も居場所も全部失うわ

 散々だった。絶頂って儚いな。いいや

 一時で消えてしまうってわかってはいたんだ

 心の奥では。目をそらしていただけさ。

 まあ歪んで育ったこの私は

 なーーーーーーーーーーーんにも

 変わんないけどな。」

 .....。

 似ているってもんじゃねえ。

 同じだ.....。

 俺と。

 なにもかもあるように感じたあの絶頂の時代。

 だが蓋を開けたら空っぽだった。

 失うときは一瞬。

 こいつはどこかそれをわかっていたのか。

 俺はどうにでもできると思っていた落とし穴は

 避けられない行き止まりだった。

 .....。

 不思議な気持ちだ。

 一度女とは寝たことはあった。

 だが所詮は遊びだったんだ。

 .....こんな気持ちになったことはない。

 なんなんだ。

 感じたことのないこの心は。

 そうか。

 俺は絶頂に居るつもりが.....こんな思いを

 共有できる人間なんて一人も居なかったのか。

 ディアボロ「.......。」

 何故?

 こいつには全てを知ってほしいと思うのか?

 過去なんて邪魔でしかないのに

 こいつには全てを打ち明けたいと思った。

 なんで.......。

 わからん。

 その時だった。

 スピードワゴン「お前か?......最近何人も殺している

 連続殺人犯は。」

 声が聞こえた。現れた。

 髪がふさふさのシルクハットを被った

 紳士っぽいおっさんと

 異質な空気を備えた白い服装の一人の男。

 防止にJOJOと書かれている。

 空条承太郎「官僚の親にひた隠しされてきたが

 殺人暴行の余罪まみれ、現在だと隠蔽すらできず

 監視カメラにダダモレ状態。仕事終了後の

 ついでの任務でお付き合いしてみたが.......

 オーバーな面子だったかもな。」

 スピードワゴン「お前はこれから更正する気が

 あるのか?歪んだ道を正さないとこの先平和な

 生活をしている多くの家族を不幸にする。

 だからこっちに来い。正しく教育しなおしてやる。」

 ヴァサーゴ「やなこった。」

 女は断った。

 ヴァサーゴ「正しく教育してやる.......?

 はっ!!三流教師も同じことを言っていたな。

 私の生き方が間違ってる間違ってるって?

 ふざけんじゃねえぞ!!どいつもこいつも

 人を踏み台に生きてることに代わりねえのに

 どうしてその踏み台に人権があるなぞと考えなきゃ

 いけねえんだ!!訳がわからねえ!!

 どう最後は死んで骸骨になる連中にどうして

 一生気を使わなきゃいけねえんだ!?

 そんな人生はごめんだね!!私は

 好き勝手ぶっ殺して

 好き勝手奪って

 好き勝手食って

 好き勝手生きる!!

 これが私よ!!温室育ちのじじいどもはどうせ

 私に敵わねえ癖に.......黙ってろよゴラア!!」

 想像以上に狂暴な女だった。

 彼女の腕が変化する。

 筋肉と骨が凶悪な形に膨れ上がる。

 『セルローズ!!』

 彼女は凶悪な手足に体を変貌させると一気に

 襲いかかる。

 それは女とは到底思えない速さだった。

 このまま攻撃を食らえば紳士(笑)二人は

 吹き飛ぶだろう。

 その時。

 なにも見えずに彼女は吹き飛ばされる。

 ヴァサーゴ「!?」

 困惑する。

 何が起きたのか!?

 ディアボロ「この挙動は!?」

 ディアボロはその攻撃を見て表情を変えた。

 時間が消えたような攻撃。

 エピタフではっきり見えた。

 ヴァサーゴの動きが相手への攻撃直前にストップして

 青いスタンドにぶん殴られている姿を。

 ヴァサーゴ「ぬああああっ!!」

 承太郎「予め言っておく。警告する。

 攻撃を止めないなら今度は殺す。」

 承太郎(やれやれ、シアハードアタックじゃあるまいし

 なんて硬い奴だ!!)

 ヴァサーゴは決して無策で突っ込んだ訳じゃなかった

 細胞を操る体の黄色いライン模様のスタンド

 『セルローズ』は体のカルシウムと筋肉を

 増殖させてギチギチに強化してある。

 ただし『人間のDNAを越えた細胞変身』はできない

 例を出すと筋肉や骨の形を変えたり増殖させる

 事ができても鳥のように翼を生やして飛ぶことも

 できなければ、魚のようにヒレを生やすことは

 できないしカマキリのような材質の鎌を持つことも

 バッタのような内臓構造への変化もできない。

 だが防御もかなり高く全身を白筋にすることで

 圧倒的スピードを出すこともでき、赤筋を増やせば

 24時間走れる。

 ヴァサーゴ「こんのやろおおおおおお!!」

 更なる力を込めて承太郎を殺しにかかる

 ヴァサーゴ。

 しかし今度攻撃をしたのは

 スピードワゴンの方だった。

 ブラックオパール「ぎぇい!!」

 怪獣のような声を上げて黒い人型のスタンドは

 ヴァサーゴの腕を破壊した上でその右パンチは

 心臓まで貫通した。

 ヴァサーゴ「ぐばぁ.......!!」

 ディアボロ「ヴァサーゴぉぉぉおおおお!!」

 

 ヴァサーゴ

 『セルローズ』

 破壊力C スピードB 射程D 持続力A 

 精密動作性A 成長性A

 細胞を操るスタンド。

 体に走る何本もの黄色いラインがスタンドである。

 吸血鬼の能力とは別ベクトルで優れた再生能力を持ち

 相手の細胞さえ変質させることができる。

 ただし人間のDNAの範疇に無い変化は不可能である

 簡単にいうと魚のヒレはつけられないし

 昆虫の羽や手足は再現できないし

 ましてや究極生物や吸血鬼のようなぶっ飛んだ変化は

 できない。

 ただし筋力や骨の増強や容姿の変化、分泌液の

 変化等は自由自在である。

 

 



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ネオ・キングクリムゾン編 3章 スタープラチナ

ディアボロ「ヴァサーゴぉおおお!!」

 手を伸ばすがスピードワゴンの人型スタンド

 『ブラックオパール』に腕ごと心臓を貫通された彼女は

 ヴァサーゴはドサリと吹き飛ばされる。

 承太郎「やったか?」

 ヴァサーゴ「うぅぅ.......化物なの?お前ら.......何者?」

 スピードワゴン「!!」

 彼女は立ち上がった。

 承太郎「こいつ.......ぶっ壊した腕とぶち抜いた心臓

 が再生じてやがる.......!!やれやれ.......野郎は吸血鬼か

 何かか?」

 ヴァサーゴ「私のスタンド『セルローズ』は

 意識が残ってる限り脳だろうが心臓だろうが

 破壊されても無尽蔵に再生する。

 不老不死じゃないのが残念だけど

 お前の得体の知れない能力がなんだろうと

 私は死なない.......!!」

 スピードワゴン「どうやら俺じゃなきゃだめ

 みたいだな、安心しろ今すぐ楽にしてやる。

 ちょっとグタるが罪をこれ以上重ねずに

 この世を去れるぜ?」

 ヴァサーゴ「ぬかせクソジジイ!!今度こそ死ねえ!!」

 ディアボロはエピタフで未来を見た。

 それは彼女が宙に浮いて腹を貫通されて

 肌から完全に命が消えた姿が。

 ディアボロ(ダメだ....!!今度こそ無茶をすれば

 あいつは死ぬ...!!)

 放っておけばいいのに。

 そう思っていたのにディアボロの体が動いた。

 ディアボロの何かがそうさせた。

 ディアボロ『キングクリムゾン!!』

 『キングクリムゾン』で彼女の近くに行くと

 時間をすっ飛ばして彼女はキングクリムゾンに

 体当たりされて別方向に吹き飛ぶ。

 スピードワゴン「何!?」

 ヴァサーゴ「なに邪魔すんだよ!?」

 ディアボロ「馬鹿者!!今度あいつの得体の知れない

 攻撃をうけたら確実に死ぬ!!再生できずにだ!!」

 ヴァサーゴ「何ふざけたことを抜かすんだよ!!

 お前に未来でも見えているのかよ!!」  

 ディアボロ「見えているから言っている!!

 悪いことは言わない!!お前は逃げろ!!

 ここは俺がやる!!」

 ディアボロは前へ出る。

 承太郎「仲間か?」

 スピードワゴン「わからねえ。だがこいつから

 仕止めなきゃならねえようだ!!」

 ヴァサーゴ「おい!!ナイト気取ってなにやって

 くれちゃってんだよ!!邪魔すん.....。」

 ディアボロ「いいから黙って見てろ.....あいつらは

 お前の勝てる相手じゃない。」

 釈然とせずにディアボロを睨み付けるヴァサーゴ。

 ディアボロはゆっくりと間合いを計って.....

 左に寄って走り出す。

 承太郎「『スタープラチナ・ザ・ワールド!!』」

 時が止まる。

 一気に迫る承太郎。パンチの射程圏内にディアボロを

 捉える。

 スタープラチナ「オラァ!!」

 一発目の拳が『キングクリムゾン』に着弾する寸前。

 ディアボロ「今だ!!『キングクリムゾン!!』セェイ!!」

 止まった時間が吹き飛び、承太郎の動きがスローになる

 ディアボロ「『エピタフ』で貴様の能力は

 見切っている!!たとえ時が止まろうと認識できれば

 我が『キングクリムゾン』でも十分対応できる!!

 そして、この『キングクリムゾン』の中では

 例え時間が止まっていようがこの我が射程距離内なら

 無力なのだ。」

 背後に回るディアボロ。

 ディアボロ「まず一人.....。」

 とんとんとん。

 背後から肩を誰か叩いた。

 ディアボロ「え?(゜.゜)」

 振り向くと

 黒いシルクハットの紳士と黒いマッチョなスタンドが

 こっちを見ていた。

 スピードワゴン&ブラックオパール

 「(・ω・)(・ω・)」→「(・∀・)(・∀・)ニィー」

 ディアボロ「え?(゜.゜;;)」

 (°o°C=ズパァアアアアアアン!!

 ディアボロ「なにぃいいいいいいいいい!?」

 思いっきりぶん殴られた。

 吹き飛んだ。

 すっ飛ばしたはずの時間のなかで

 奴は普通に動いていた。

 ディアボロ(なにぃ!?どういうことだ!?すっ飛ばした

 時間の中で優々と何故動ける!?どうなっている⁉)

 吹き飛んで尻餅をついているディアボロが

 恐怖のあまりに叫ぶ。

 ディアボロ「き、貴様『すっ飛ばした時間の中を

 動く能力』でも持っているのか!?」

 スピードワゴン「そんな複雑な能力じゃあねえよ。

 シンプルよ、想像以上にシンプルな能力よ。

 まあ、初見だとやっぱり恐怖するかも

 しれねえけどよぉ.....さて、あんたまで始末する

 羽目になっちまったけど。」

 承太郎「すまないプレジデント.....相手の能力が

 異次元で想定外だったぜ.....。」

 スピードワゴン「承太郎さん、妻子がいるなら

 帰るためにもちったあ気をつけて下さい。」

 ディアボロ「くっ.....くそお.....。」

 ヴァサーゴ「え?何が起こった?感覚が.....

 すっ飛んで.....一体どうなってんの?」

 ディアボロは立ち上がって走り出す。

 そこらにあった大型車を『キングクリムゾン』で

 スピードワゴンにぶん投げる。

 キングクリムゾン「セェイ!!」

 ブゥン!!グルグルグルグル!!

 ブラックオパール「デアァァ!!」

 ズパァン!!

 ブラックオパールは難なく車を地面に叩きつける。

 スピードワゴンは頭上を見上げる。

 スピードワゴン「こいつ!!投げた車を踏み台にして!!」

 ディアボロ「お前は生半可な奇襲では到底仕止めきれん

 だから俺はまず安易にぶちのめせる方をまず葬る!!」

 飛び上がったディアボロの行く方向に

 空条承太郎がいた。

 スピードワゴン「承太郎さん!!そいつの処理は

 あんたじゃ.....!!」

 上にはディアボロ、下には承太郎。

 二人は向かい合い激突する。

 承太郎「俺も舐められたもんだな.....

 『スタープラチナ・サ・ワールド』!!」

 ディアボロ「『キングクリムゾン』!!」

 この激突の勝敗は.....ディアボロに軍配が上がる。

 ディアボロ「時を止めた時間をすっ飛ばし、

 時を止められず俺に止めを刺された結果だけが残る!」

 スピードワゴン「空条承太郎ーーーーー!!」

 グチャッ!!

 ディアボロは背後から承太郎の心臓を握りつぶす。

 リアルタイムでスピードワゴンが走っても

 間に合わなかった。

 ディアボロ「やった!!まずは一人殺った!!

 次はお前.....。」

 承太郎「この空条承太郎には悩みがある。」

 ディアボロ「!?」

 どういうわけか余裕をかましているのか

 淡々と愚痴をこぼし出す承太郎。

 承太郎「会社を立ち上げて紆余曲折を経て

 安定してきたのはいいが、俺より有能なやつが

 ほいほい入ってきて嬉しい事ではあるが

 俺の立場上では少し肩身の狭い思いをしている。」

 ディアボロ「ハァ!?」

 承太郎「別にあいつらを嫌っている訳じゃない。

 だがこのまま実力不足のまんまじゃあ面子も

 連中にも申し訳も立たないまんまだ。

 だからこの空条承太郎はもうちょっと成長

 しなくちゃあならないなあ.....もう少し威厳を

 保つためにも。」

 ディアボロ「なにを訳のわからない事を言っている!!?

 お前は心臓を握りつぶされて死んだ!!

 お前には成長する余裕も時間も何処にも.....!?」

 右の手のひらを覗くと.....。

 ディアボロ「心臓が.....消えている.....!?

 握りつぶしたはずの心臓が!?」

 承太郎「だからこの空条承太郎はお前を踏み台にして

 成長すべきだと思っている.....

 だ か ら こ う す る 。

 『スタープラチナ・ザ・クリムゾン!!』」

 ディアボロ「!!」

 『スタープラチナ』オラァ!!

 スタープラチナの額にプラチナ色の宝石が現れる。

 ディアボロ「まさか.....!!この感覚は.....!!」

 承太郎『てめえが心臓を握り潰した過程をすっ飛ばして

 .....俺の心臓は握り潰されず.....

 テメエをぶちのめしたって言う.....結果だけが残る!!』

 至近距離に接近されて戦慄するディアボロ。

 ディアボロ「なにぃいいいいいいいいい(;゚Д゚)!!」

 まさかの時間消滅返し。

 ズパァン!!(°o°C=オラァ!!

 回避できるはずもなくラッシュを食らっていく

 ディアボロ。

 ドカ=○)´ドカ=○=○)°o°C=ドカC=(C=ドカ

 オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ

 オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ

 オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!

 ディアボロ「ぐぁぁああああああああ!!」

 ディアボロは吹き飛ぶ。

 ズパァン!!

 壁に食い込むディアボロ。

 ディアボロ「そんな.....。」

 まさか『キングクリムゾン』をパクられるとは

 思わなかった。

 承太郎「あのとき別の波長と感覚を感じ取った。

 これはやれるかと思ったら案の定可能だったな。

 『時間をすっ飛ばす』とはなかなか面白いものだ。

 だが.....やれやれ.....あのアマ殴った時に拳が

 少し割れちまったせいで止めを刺すほどのクリーン

 ヒットが出なかった事が残念だ...

 いいや残念じゃねえな.....これからもう一度

 殴ればいいだけなんだからな。」

 スピードワゴン「承太郎さん....心配しててなんですが

 主人公補正にしては酷すぎじゃあねえかな?」

 承太郎「そんなことより任務を済ませるぞ。

 殺人鬼達を野放しにはできねえからな。

 念のためこれで決める

 『スタープラチナ・サ・ワールド』。」

 時が止まる。

 承太郎「周りに追い抜かれないために今では最大20秒は

 時を止められる。仕事の合間にちょくちょく

 練習している。」

 スピードワゴン「お陰でパソコン端末がイライラ

 するほど使えなくて仕事の整理が影響を受けない

 書類一択っていう迷惑を俺は被っているけどな。」

 承太郎「すまないな。さあ、終わらせるぞ。」

 迫る二人。

 ディアボロは絶望していた。

 もう自分の時代は完全に終わりきったのだと。

 もう、パッショーネのボスに戻る以前に

 チンピラ以下の自尊心に落ち込んでいる。

 いい気になっていたライオンが自分より遥かに強い

 象と北極熊に挟まれて萎縮してるような気分だ。

 ディアボロは時の止まった世界で虚ろに空を見上げた。

 いずれはこうなる運命だったのだろうか。

 どんなに何処より輝く一等星もいずれは寿命を

 終えて消えていく。

 そんな儚い現実に心が空虚に空いていく。

 ああ

 俺がもうだめだと諦めきった状態で

 止めを刺そうと迫ってくる空条承太郎

 もう『キングクリムゾン』を使っても

 オウム返しされて俺は殺されてしまう。

 詰みだ。

 目を反らして視線を移す。

 !!!

 クシャァアア!!

 自分では無い方向に肉がえぐれた音がする

 ディアボロはそっちを向くと。

 ディアボロ「!!!.....ヴァサーゴ!!」

 スピードワゴンのスタンド『ブラックオパール』が

 が時の止まった世界でヴァサーゴの胸を貫通して

 そのまま中に持ち上げている。

 ヴァサーゴの胸から時が止まっているにも関わらず

 流血が止まらない。

 ヴァサーゴ(.....なにこれ.....!?)

 どういうわけか止まった世界で

 彼女・ヴァサーゴは意識が覚める。

 胸から血が流れ落ちていく。

 ヴァサーゴ(さ.....再生しなきゃ.....できない!?)

 『ブラックオパール』の手は潰した心臓をしっかり

 握ったままだ。

 ヴァサーゴ(心臓の代替フォローで動脈を.....

 ダメ.....形成できない!!)

 止まった時の世界で何の抵抗もできず何故か流血が

 滴っていく。

 止まっている世界で滴る筈の無い流血が

 公園にある水飲み場が壊れたように滴る。

 スピードワゴン「悪いな.....お前がこの先

 多くの善良な市民の家族の命を奪うなら野放しに

 できねえ。なぶり殺しみたいで気が引けるが.....

 すまねえ.....安らかに眠ってくれ。」

 ディアボロ(やめろ.....。)

 ヴァサーゴ(やめろ.....死にたくない....誰か.....

 助けて....このままじゃ...何もできないまま.....あ.....。)

 ヴァサーゴから涙が落ちる。

 命が胸からこぼれていく。

 時が止まっているのに何故か胸の流血が止まらない。

 体から正気が消えつつある。

 このままじゃ確実に死ぬ。

 ディアボロ(やめろぉおおおおおおおおおお!!!)

 手を伸ばすも残酷に止まった時はディアボロを

 鎖のように縛り付ける。

 ディアボロ(何故そんなに会って数分しか話していない

 俺同様のクズの事をそんなに気にかけるのか。

 いいや、内心クズだと思っていない。

 ようやく見つけた.....俺の一部を失うぐらい

 辛くなっていく。

 失いたくない。

 やめろ。

 俺は殺されても諦めがつくが....そいつだけは....やめろ)

 ディアボロ「やめろ.....!!」

 別の『恐怖』が心を支配する。

 その恐怖もいずれ消えた。

 それは『怒り』だった。

 スピードワゴン「俺だって女に手をかけたくなんか

 ねえ.....だがお前を生かしておいたらもっと多くの

 平和に暮らしている家族が涙を見ることになるんだ

 お前が殺人や犯罪を押さえられないばっかりに.....

 すまねえなお嬢ちゃん.....神よ.....この罪故の俺を

 お許し下さい.....。」

 ディアボロ「やめろぉおおおおおおおおおお!!!」

 承太郎「!!?」

 その時ディアボロが承太郎の眼前から消える。

 ディアボロは限界を突破して止まった時間を

 空間を二度すっ飛ばして『キングクリムゾン』が

 『ブラックオパール』をぶん殴って彼女を奪還する

 スピードワゴン「くっ!?」

 彼女をスピードワゴンからひっぺがして

 やや離れた場所にお姫様抱っこして

 逃げたのだ。

 時は静かに動き出す.....。

 ディアボロ「これは.....この力は.....成長したのか

 .....俺の『キングクリムゾン』が.....この土壇場で

 成長したのか.....!!」

 ヴァサーゴ「どう.....して?」

 

 ディアボロ

 『ネオ・キングクリムゾン』

 破壊力A スピードA 射程C 持続力E

 精密動作性B 成長性D

 時間と空間を二回連続ですっ飛ばせるようになった

 パワーアップしたキングクリムゾン

 射程距離が2mから10mに跳ね上がっており

 空間をすっ飛ばして『跳躍』することで

 一回の射程を2mから5mに伸ばしている。

 

 



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ネオ・キングクリムゾン編 4章 ブラックオパール

ディアボロ「成長した.....俺はこの土壇場で成長した!!」

 自分の思わぬ躍進に心を震わせるディアボロ。

 ディアボロ「『ネオ・キングクリムゾン!!』

 時間と空間を二回すっ飛ばす事で止まった時の

 空間をすっ飛ばして『瞬間移動』のように

 『跳躍』する!!」

 まずは敵から距離を開ける。

 手の内にいる彼女を安全な場所へ置いて敵に対峙する

 ディアボロ。

 ヴァサーゴ「どうして.....?」

 その光景にヴァサーゴは息を飲んだ。

 さっき知り合ったばかりの玉無し男が

 ディアボロ「体は大丈夫か?」

 ヴァサーゴ「ああ.....流血が.....酷いけど.....

 ギリギリ.....再生できる.....。」

 自分を命懸けで守ってくれている現実に胸が揺れ動いた

 ヴァサーゴ(危なかった.....あと10秒遅かったら

 手遅れだった。なんで.....どうして?)

 ヴァサーゴ「はぁ.....はぁ.....はぁ....。」

 彼女の胸の穴と心臓が再生していく。

 だが血を失いすぎたのかすぐには立てない。

 ディアボロ(いける.....!!この成長した

 『キングクリムゾン』なら.....!!奴等を

 簡単に倒せることは勿論の事.....パッショーネへの

 復権も夢ではない!!いける.....いけるぞ!!)

 ディアボロは驚愕する二人に向かって対峙する。

 ディアボロ(この『ネオ・キングクリムゾン』の

 射程は10m.....この距離間合いならば

 二度使えば相手は何も抵抗できずに

 死ぬ.....ここで終わらせてやる.....お前らの命を.....!!)

 ディアボロ『ネオ・キングクリムゾン!!』

 ブッ!!

 ノイズロックでもがかかったようにその能力は

 発動しなかった。

 ディアボロ「何故!?何故だ!?何故発動しない!?

 呼吸が合わなかったのか!?それとも体力切れか!?」

 スピードワゴン「俺が能力を封じた。

 『アンチ・ヴァー・フィールド!!』

 目にも見えねえし肌にも感じられないこの

 見えないフィールドは『ブラックオパール』の

 発するスタンドロック!!

 予めスタンドをしまっていたら最後出すことも

 発動させることもできねえ、既に出していても

 スタンドパワーを下げるから敵スタンドは

 弱体化する!!」

 ディアボロ(なにぃいいいいいいいいい!?

 そ.....そうか.....こいつの能力は...『すっ飛ばした

 時間を動ける』とか『止まった時間の中を動ける』

 とかそんな複雑な能力じゃない!!.....『無効化能力』!!

 だからエピタフで見えなかったのか.....

 スタンド能力で中に浮かせて殺したんじゃ無く

 『あいつだけが映らなかっただけ』!!

 『無効化』されていたからレーダーに映らない

 ステルス戦闘機のように見えなかったのか!!

 そしてあいつに心臓を捕まえられたままにされたら

 最後『再生』さえも無効化されて確実に死に至る

 .....なんてシンプルかつ恐ろしい能力だ.....!!)

 ついでに言えば『スタープラチナ』より

 『ブラックオパール』の方がスピードワゴンが

 精神鍛練を欠かさずやっている関係上パワースピード

 は上だがそれだけではない、ヴァサーゴを殴って

 拳が割れた『スタープラチナ』に対して

 『ブラックオパール』は殴った先から能力を

 『無効化』して元の女性の強度の腕や腹に戻していた為

 外から見ると『スタープラチナ』の一撃が

 圧倒的貧弱に見え、『ブラックオパール』の一撃が

 圧倒的に強力に見える『錯覚』が発生する。

 力の『差』はあるとはいえ精々30kg位しか差違はない。

 ヴァサーゴ(傷が.....途中から再生しない.....!!

 やばい.....こいつは.....本当にやばい.....!!)

 承太郎「これで詰みだな。てめえがどんな能力に

 目覚めようとこいつの前では無力だ。

 やれやれだから反則だって言ってんだ.....俺を

 差し置いてよお.....。まあ俺も多少影響は

 うけちまうが...ボロボロのテメエ相手なら

 『時を止める』必要もねえなあ!!」

 ディアボロ(詰んだ.....今度こそ本当に詰んだ.....

 こいつらどいつもこいつも狂ってやがる!!

 運と采配が.....あまりにも悪すぎた.....。)

 腰をガックリ落とすディアボロ。

 スピードワゴン「今度こそ逃がさねえ.....待ってろ

 貴様ら!!」

 こっちに来る二人。

 今度こそもうだめだ。

 その時だった。

 ヴァサーゴ「ねえ、どうして私を助けたの?

 こんな救いようも言うことも聞かないようなクズな

 私を.....何人も殺して好き勝手生きて

 生き方も変えられないような女を助ける価値は

 あったの?。私を見捨てて一目散に逃げるって

 道はあったはず.....どういつこいつもそうだったのに

 .....なのに.....あんたはなんで.....?」

 話しかけてきた。

 ちょっと戸惑ったが

 どうせ死ぬなら本音ぐらい言おう

 そう思った。

 ディアボロ「.....お前はクズじゃない.....昨日の俺で

 俺の失いたくない『過程』なのだ。

 なんというか.....そうとしか言えない。

 全てを失った俺がようやく見つけた温もりなのだ。

 お前は俺に似ている。俺は俺を捨てられるが

 俺はお前を捨てられない。どう言ったらいいか.....

 お前がどれだけ罪を重ねようが知ったことではない。

 だが.....俺には似合わない言葉だが.....どんな形であれ

 お前は幸せに生きればいい。逃げるんだ。

 俺はどういうわけかそうしてやりたい気分なんだ。

 逃げろ.....そして.....笑ってろ。」

 ヴァサーゴは少し涙ぐんだ。

 ヴァサーゴ「口説いてるつもりかよ.....おっさん。

 へったくそな口説き文句だな.....笑えねえよ。

 だけど気分が変わった。一緒に逃げよう.....そして

 一晩ぐらい.....付き合ってやるからさぁ!!」

 ヴァサーゴが動く。

 ディアボロの腹を掴む

 スピードワゴン&承太郎「!!!」

 ヴァサーゴ「後ろに飛んで!!一緒に!!」

 ディアボロ「!!」

 一緒に後ろに飛ぶ二人。

 承太郎「何を.....!?」

 ドキャアアアアアアアアアン!!

 夜道を急いで猛スピードを飛ばしていた

 トラックに二人は吹き飛ばされた。

 スピードワゴン「なにぃ!?」

 彼女がクッションの役割をするような位置で

 吹き飛ばされた。

 ヴァサーゴ「くぁぁっ!」

 ディアボロ「お前.....!!」

 思いっきり痛々しく宙に舞うふたり。

 その先は.....猛スピードで移動する列車の上に

 着地した。

 ヴァサーゴ「ざまあねえわね.....

 出し抜いた.....わよ。この距離なら.....

 あいつの.....能力の射程外.....これで再生できるし.....

 貴方も助かる.....急いで再生しないと.....貴方も.....。」

 ディアボロ「無理をするな.....俺は命までは消える

 ダメージではない、お前の方が深刻だ。

 早く治すんだ.....俺はいいから.....お前の方を.....!!」

 ヴァサーゴ「優しいわね.....あんた.....。」

 スピードワゴン「頼む承太郎さん!!

 『アンチ・ヴァー・フィールド』解除!!」

 承太郎「おおぉ!!『スタープラチナ・ザ・ワールド』!!」

 時が止まった。

 高速で動いていた筈の列車も止まった。

 止まった時の世界で意識を持てるようになった

 ヴァサーゴが胸の奥で嘆く。

 ヴァサーゴ(ふざけんなよチート野郎共がぁ.....!!

 ズルい.....ズルいわよぉ!!せっかく逃げ切れると

 思ったのにぃ(`;ω;´).....もう流血処刑は

 嫌なのよぉーーーーエックエック(つд;)

 時を止めるなんて反則じゃなぃぃ~~!!

 ご丁寧に嫌なおっさんの方を先頭にしてこっちに

 来ないでよぉーーー!!胸にドーナツの穴を

 開けられるのはもいういやぁ!!

 こっちに来ないでよぉーーーー!!)

 止まった世界でこっちに走ってくる化け物二人。

 ディアボロ「大丈夫だ。」

 ヴァサーゴ(えっ?)

 耳でささやく優しい声。

 ディアボロ「必ず無事逃げ切って見せる。

 お前の作ったチャンスは無駄ではない。」

 ディアボロの心は変化していた。

 本当に心の奥で渇望していたなにかを手にいれた

 男は強い。

 ディアボロの胸には『希望』に似た強い力が

 湧いてくる。

 勝敗なんぞ気にしない程強いエネルギーが

 ディアボロの胸から湧いてくる。

 ヴァサーゴ(きゅん.....なんだろう.....なんか.....

 胸の奥が凄いどきどきする.....なんだろう.....

 自分の血液の流れる音が聞こえてくるような.....。)

 ディアボロは止まった世界で彼女を抱き

 抱えて立ち上がる。

 スピードワゴン「!!!」

 承太郎「こいつ.....動けるのか!?止まった世界で!?」

 ディアボロ「逃げ切って見せるさ...彼女と一緒に.....

 これからもなあ!!」

 ズバァァン!!

 電車のアンテナ部分を右横に蹴り飛ばす。

 遠目の距離でそれは『止まった時』に固定される。

 ディアボロ「『ネオ・キングクリムゾン』!!

 止まった時の世界でもインターバルタイム挟んで

 発動させる!!二回連続で空間と時間をすっ飛ばして

 このアンテナを踏み台にして.....逃げ切るのさ.....

 あの中に!!」

 ブゥッ!!ブブブッ!!ブゥゥッ!!

 空間の途切れる音が連発する。

 承太郎「まずい!!あれは!!」

 ユーロスター。

 帰宅ラッシュのイタリア人がいっぱいつまった

 欧州新幹線である。

 あれに乗られたら逃げられてしまう。

 それよりも帰宅する人間に密集した列車内部で

 下手に流血沙汰もできない。

 近くの列車ならまだ対処できたがあそこに

 逃げられてしまえば対処できない.....!!

 その後ディアボロ達は部車内に瞬間移動し、

 承太郎「ダメだ!!間に合わねえ!!」

 20秒経過。

 時は動き出す。

 ブゥゥウウウウウウウウウウウウン!!

 列車の音が夜空に響き、新幹線が承太郎達の

 届かない距離へ去っていく。

 スピードワゴン「逃げられたか.....!!」

 承太郎「クソッ.....俺としたことが.....!!」

 

 ユーロスターのトイレ内部に隠れた二人は

 一息ついていた。

 ディアボロ「体の調子はどうだ?」

 ヴァサーゴ「ああ、お陰さまでどうにか回復できた

 あんたのお陰さ。」

 警官とチンピラから奪った金で食料を補給し

 ヴァサーゴの体の黄色いラインのスタンド

 『セルローズ』の細胞操作・追加増殖で回復が

 完了する。

 ディアボロ「念のために変装しよう。

 連中の仲間に見つかったら事だ。」

 奪ってきた一般人の服を着て変装する二人。

 列車の窓の外を覗いたディアボロは戦慄する。

 慌ててしゃがみこむ。

 ヴァサーゴ「どうしたの?」

 ディアボロ「やばいな.....嗅ぎ付けて来やがった.....

 ジョルノ・ジョバーナが.....!!まずい.....どうする!?」

 ディアボロの宿敵かつ元パッショーネボス

 ジョルノ・ジョバーナが.....ディアボロを確実に

 始末すべく高級車で駅へと向かっていた。

 ジョルノ「どうやら『ゴールドエクスペリエンスレクイエム』じゃあ

 生温かったみたいだね.....確実に殺す。

 アバッキオ.....ナランチャ....そしてブチャラティ....。」

 安寧を脅かす強敵はいまだかつてより強力で

 強大になっていた。

 

 レギエンド・E・O・スピードワゴン

 『ブラックオパール』

 破壊力A スピードA 射程C 持続力A

 精密動作性B 成長性C

 スタンド無効化能力

 近接パワー型の人型マッチョなスタンド。

 『ザ・ワールド』と『クレイジーダイヤモンド』に

 酷似しモチーフが『ダークヒーロー』と呼べる

 容貌である。

 触ったスタンド能力の無効化は勿論のこと

 探知系スタンド相手ならば映らなかったり

 『時を止める』『時をすっ飛ばす』等の

 能力が発動してもその『拘束』から

 『取り残される』。

 『アンチ・ヴァー・フィールド』の射程は25m

 とわりと長く、相手スタンド能力の封印・

 弱体化効果があり、相手が引っ込めた状態で

 使えば出すことさえできなくなる。

 

 



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ネオ・キングクリムゾン編 5章 ジョルノ・ジョバーナ

続きがまさかのR-18という


ジョルノ・ジョバーナ

 17にしてパッショーネのボス。

 財界、政界等にも影響を及ぼすパッショーネの

 『ギャング・スター』である。

 そのジョルノが『ゴールドエクスペリエンスレクイエム』の

 呪縛から切り離されたディアボロを殺すため

 スピードワゴン財団からの情報筋で

 ディアボロがユーロスターに乗っていることを

 突き止めたのだ。

 ジョルノの側には新入り側近のフルート・ルチャラティ

 クイード・ミスタ、バンナゴッタ・フーゴ

 シィラ・カペッツート、ナランチャ(?)、

 薄い金色の髪のジョルノもどき。

 と、信頼できる面々が揃っていた。

 ミスタ「フーゴ、仲間に戻ってからの初仕事の

 感想はどうだ?」

 フーゴ「ああ.....なんとも奇妙な気分だ。

 あのときは会わずに済んだけど結局こういう形で

 対面する羽目になるんだなって。」

 ミスタ「ああ、まったくだ。しかし厄介なのは

 あのまんまでも仲間4人葬ったっていうのに

 パワーアップなんて考えたくもないぜ。

 スピードワゴン財団の情報によると空間と時間を

 二回もすっ飛ばすし仲間にベージュ色の髪の毛を

 した褐色肌の女もいる。前回より厄介だが

 情報が判明してる分すげえマシだ。

 おまけにパワーアップしてんのはやつだけじゃねえ、

 こっちもだぜ?」

 ジョルノは大きな威厳と殺気を纏って列車に現れる

 ギャングのボス・ギャングスターの輝かしい

 威光と威圧感を纏った空気が流れ込んでくる。

 ミスタ「どうする?ひょっとしたら既に列車の

 外へ逃げてるかも知れないぞ?おまけにこの

 帰宅ラッシュの人数、探すのは容易じゃないし

 あんたのスタンドで奇襲を防げるにしたって

 やつ一人殺すのに乗客全員生け贄というわけにも

 いかない。どうする?」

 ジョルノ「その通りだミスタ。ギャングスターとして

 乗客皆殺しは絶対にやりたくないしかといって

 奴を見過ごすわけにもいかない。

 ここでフーゴの能力を使わせて貰う。と、その前に。」

 全員の胸にチクッという痛みが走る。

 全員「!?」

 ジョルノ「万が一に備えて血清を撃っておく。」

 フルート「それって.....お前の自分のやってること

 わかってるのか!?『パープルヘイズ』なんて

 使えばどうなるかを!?」

 ジョルノ「わかっている。だから関係の無い

 人間を殺さないためにこうする。」

 ジョルノが小さな注射器をいくつも出す。

 ビーカーには血が溜まっている。

 ジョルノ「君が回収してくれたこの奴の血液を

 まず注射器に入れる。」

 『パープルヘイズ』「ぐるるるるるるるるるる。」

 ジョルノ「次に。」

 見えない早さでカプセルに注射器を抜き差しする。

 ジョルノ「パープルヘイズのウイルスを少量

 調合して.....『ゴールドエクスペリエンス』。」

 すると注射器に生命が吹き込まれ複数の蚊に

 変わっていく。

 ジョルノ「こうして奴の匂いとDNAだけに反応する蚊

 ができたわけだ。これで一般人を巻き込まずに

 奴を始末できる。」

 フルート(まあ.....まだマシなレベルだが

 憎悪がやべえ.....奴はどれだけジョルノの

 怨みを買うことをやったんだ⁉

 いつもライトなスナック菓子感覚の空気が

 毒蛇のどっさり入ったザル並みに重たい.....!!)

 ジョルノ「さあ、盗聴機やカメラも蝶や蟻にして配備

 不振な挙動をすれば確実に.....殺す。」

 フルート「.....ごくり。」

 ナランチャ(?)「じゃあ俺は偵察機飛ばしてまーす。」

 F6Fヘルキャット、F9Fコルセア、ヘルダイバー

 含めた小型のラジコンサイズのレジプロ航空機を

 20機展開する。

 エアロスミス単体では火力で劣るらしいがこいつは?

 しかし探せど探せど奴等はいない。

 ジョルノ(化けているのか?老人.....子供.....別人.....

 あるいは壁の中かトイレの中か窓の外か?)

 ミスタ「おいおい、もういないんじゃあないか?

 用心深すぎてとっくに外へ逃亡してるんじゃねえか?」

 ジョルノ(?)「いいえその確率はゼロです

 僕の能力で外を全部探しましたが形跡はおろか

 化けたと思わしき陰も見えません。」

 ミスタ「じゃあこの列車に.....。」

 ジョルノ(?)「ほぼ確実に乗ってる.....でしょうね。」

 しばらく渋滞した車内をタイミング見計らって

 移動する一同。

 ミスタ「ジョルノ!!あれを!!」

 座席に座って寝ている二人がいる

 ディアボロとヴァサーゴが。

 ミスタ「総員構えろ!!奴がいるぞ!!」

 フルート「待て!!ミスタ!!そいつらからスタンドの

 匂いがしない!!別人だ!!」

 ミスタ「そんなことをいってる余裕は.....。」

 ジョルノ「いいや.....全然違う.....。

 蚊が反応していない、それどころか.....。」

 座席を見ると子供たちが「ママ.....パパ」と呟いて

 幸せそうに膝で寝ている。

 ミスタ「.....確かに出会ったばかりの男女が

 妊娠という時間をすっ飛ばして子供がうまれていた

 結果だけが残るとかはそんなわけがねえけどよお....。」

 フルート「母子手帳にも記載がある。別人だ。」

 ミスタ「じゃあ何処にいるんだ!?ババアに

 化けているのか!?それとも子供に化けているのか!?

 なんなら機関室の内部か!?何処にいるんだよ連中は!?」

 ジョルノ(全然引っ掛からない.....何処に.....

 何処にいるんだ?DNAや匂いまで誤魔化せる

 スタンドなんてこの世に存在するのか!?)

 「ワァアアアアアアアアアアアアア!!」

 女の声がする。

 全員が走ってトイレに行く。

 ミスタ「どうした!?」

 トイレをこじ開けると

 そこには.....長髪赤毛の女性がクリーム色のイケメン

 男にズボンを引っ張られてる光景だった。

 女性「やめろ!!ちょっと待て!!私はまだそんな覚悟

 できてない!!」

 男性「綺麗で可愛い君が悪いんだ.....大人しく

 初めてを僕にくれないか?」

 .................。

 一同沈黙。

 フーゴ「あの.....強姦だったらお助けしますけど。」

 女性「やかましい!!こっちを見るなぁああ!!」

 フルート「その目は!!」

 女性「はぁ!?」

 フルート「嘘をついてる目じゃ無いな.....。」

 女性「やかましい!!あっち行け馬鹿野郎!!

 お前らがみていい現場じゃねぇーんだ!!」

 バタン!!

 トイレを閉められた。

 ミスタ「ふざけやがって.....!!」

 フルート「やれやれ呆れたやつもいるもんだ。」

 一同は去ろうとする。

 ミスタ「.................。」

 ミスタが立ち止まる。

 ミスタ「個人的に気に入らないからあのカップル

 撃ち殺していいか!?」

 フルート「どーしてそうなるんだ!?

 わけがわからないぞ!?くだらない嫉妬を抱える

 ぐらいならさっさと次だ!!」

 次の車両へ行く。

 するとそこに蚊が集まっていた。

 脱ぎ捨てた服と血溜まり。

 その近くにはより大きな血溜まりがあった。

 ジョルノ「.....間違いなくこの車両にいるんだ.....

 何処に.....何処にいるんだ.....ディアボロ.....!!」

 ミスタはどうもさっきのリア充どもが気になった。

 ミスタ「同行している女性もスタンド使いだってな?

 ジュノー?」

 ジョルノ(?)=ジュノー「ええ、スピードワゴン財団

 の情報によると.....細胞を操るスタンドだそうです。」

 ミスタ「.....ジョジョ.....ちょっと来てくれ。」

 トイレからあえぎ声が聞こえる。

 そこに向かって銃を構えるミスタ。

 フルート「何を考えてるんだミスタ!?

 彼女いない歴の怨みをこんな下らない形で晴らす

 意味は.....!?」

 リアルにトイレでヤっている最中にピストルを

 撃つ洒落にならない光景。

 しかしミスタの目は明確に確信を持って睨んでいた。

 ミスタ「いいや確信はあるね!!確かに思いっきり

 目立っちまえばまさかこいつだとは思わねえよな!?

 あの殺人事件のニュースがまさか飲酒運転の事件と

 同じニュースだとは方向性が違いすぎると考えもしない

 ように.....一か八かのカンだ!!発射するぜ!!

 『セックスピストルズ・ザ・マスター』!!

 ファイヤァアアアアア!!」

 パァンパァンパァンパァンパァンパァン!!

 サイレンサーのついた拳銃で

 トイレのドアに6発撃ち込む。

 トイレを開けると脳天と心臓を貫かれた二人の死体が

 あった。

 フルート「.....無関係の人間を撃ったのか?」

 ミスタ「あれ?おっかしいなあ?あいつは未来を

 見れる筈だから反撃来ると思ったんだけどなぁ?

 あれれ?」

 フルート「なにやってんだミスタ!!無関係の人間を!!」

 ジョルノ「いいや許してやってくれ。」

 フルート「だがなジョルノ!!」

 ジョルノ「奴を殺さなければ後100人は犠牲が出る。

 無関係でも5人殺すこと程度は許容範囲内だ。

 その責任は後で本人に取ってもらえばいい。」

 ミスタ「そうだぜフルート!!

 奴には俺の仲間を3人も殺されているんだ.....

 その中にお前とお前の家族が頭数に

 入っちまうかも知れないんだぞ!!

 俺だって殺すときは責任を取るさ.....多少の復讐や

 怨念を受ける覚悟をなぁ!!そうでなきゃ

 ギャングはやってらんねえぜ!!」

 フルート「けどなぁ!!」

 ジョルノ「フルート、後でミスタには話をつける。

 責任は取る。だから今は奴の探索に集中するんだ。」

 フルート(解っているさ.....あんなスタンド使いを

 野放しにしちゃいけねえ理由だってよくわかる。

 けどよぉ.....!!)

 ジョルノ「他の車両を探そう。まずはそれからだ。」

 

 ミスタ「おいおい次の駅に着いちまったぞ。

 下手したら逃げられちまうんじゃ.....。」

 フーゴ「随分と乗客の人数も減りましたね。」

 ナランチャ(?)→ミランチャ

 「おい!!ジョジョ!!大変だぁ!!おれのヘルキャットの

 7番とコルセアの3番がやられたぁ!!

 4両目のトイレ付近だぁ!!」

 両目をスコープで包んだナランチャより髪が緑色の

 短髪の16歳が自分のスタンドが破壊されたことを叫ぶ。

 ジョルノ「なっ.....なにぃ!?」

 ミスタ「そ.....それって.....。」

 フルート「さっきミスタが拳銃をぶっぱなした所だ!!」

 走って総員がトイレに行く。

 ドアを開けると生々しい血と精液の跡が。

 ミスタ「.................いやぁ.....まさか

 あんなバカみたいに盛っている連中が

 スタンド使い.....もしくは奴とは限らな.....。」

 フルート「違う!!そうじゃない!!どうして死体が

 消えているんだ!?脳天と心臓を撃ち抜かれて!?

 駅員が片付けたにしては騒ぎが無さすぎる!!」

 フーゴ「液体の匂いが...なんか変質してるような...。」

 ジュノー「汚いことをいってる場合じゃ.....!?」

 蚊が液体に集まっていく。

 それはさっきまで『奴』がここに居たことを示す

 メッセージだった。

 ミスタ「おいおいおいおい.....まさか奴がここに

 隠れようとでもしたからどけられたって事か!?」

 その時

 「ルルルl ブッ!! lルルルl ブッ!! l車します!!」

 音が途切れて聞こえる。

 ミスタ「こ、この感覚はぁ!!」

 ジョルノ「『キングクリムゾン』.....しまった!!

 まずい!!今すぐ出なくては.....逃げられてしまう!!」

 ジョルノとフルートが列車から駆け込みで駅内に走る。

 フルート「ジョルノ!!」

 駅の外へ逃げた瞬間.....空の旅客機の音が

 響き渡る。

 

 一方列車の中に取り残された方々。

 ミスタ「おぉぉおいいジョジョ!!ちょっと待ってくれ!!

 奴が車内に残っていたらどうするつもりだぁ!?」

 フーゴがトイレの中を見つめる。

 『パープルヘイズ』のウイルスを持った蚊が

 液体に群がっている。

 フーゴ「......................。」

 いいやまさかな。

 元パッショーネのボスというものが

 まさかこんなところで変なことしてるわけないよな?

 フーゴ「アバッキオはもうこの世にはいない。

 だが謎解きができる優秀な人材はここにいる。

 シィラ、頼めるか?」

 この前麻薬グループ討伐に共に参加した仲間に

 調査を頼むフーゴ。

 シィラ「あんたのウイルスの入った蚊の周辺を?」

 フーゴ「ドアの表でもいい、それでも一応

 ジョジョが血清を打ってくれているから

 大丈夫の筈だ。」

 シィラ「.................。」

 フーゴ「どうしたシィラ?」

 シィラ「いいや...何でもない。」

 ミスタ「なんだぁ?俺より先に初体験でもでも

 済ませて...。」

 シィラ「『ヴードゥー・チャイルド』!!」

 その言葉を遮るように凶悪化したリスっぽい

 近接パワー型のスタンドがトイレのドアと壁を叩く。

 すると唇が無数に現れてこの空間の記憶を喋り出す

 



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離島調査編 前編 『ブラックボックス』

サマポケをジョジョ風味にアレンジしてみた


イギリスで医学大に留学し疲れた仗助が

 帰省で帰って来た時に.....残酷な現実が

 待ち受けていた。

 再婚し家庭を持った母の家には居づらく

 杜王町にいた多くの仲間は大半町から移住しており

 かつての友は自分との時間を割く時間は無く

 大半は家庭を切り盛りするので手一杯。

 仗助は今新幹線にて英国から夏休みの期間を

 利用して特別任務を会社から受けている。

 仗助「時間って残酷ですね.....条太郎さん。」

 条太郎「そうだな。俺は高校時代にはろくに

 親友いなかったから別に困らなかった。

 大学も好きな分野を好き勝手調べて論文を書けば

 簡単に終わった。」

 仗助「さすがですね条太郎さん。

 俺英国で卒業できるかわからないんですけど.....。」

 条太郎「だが.....家庭を持ってからそこからが

 大変だった本当に大変だった.....。」

 仗助(闇が深いっ!!)

 咳き込んで気を使って話題を変える。

 仗助「故郷に帰って出迎えてくれたのが

 岸目露伴と億康のオヤジとトニオ・トラサルディ

 しかいない絶望感...どーすりゃいいんだよぉ.....。」

 情華「だったら少ない親友の家に泊めて貰って

 遊ぶとかしたらいいじゃないですか?

 火事で家を燃やした訳じゃあるまいし

 わかだまりが無ければいくらでも過去話を互いに

 話せたはずでしょう?」

 仗助「キリキリキリキリキリキリキリキリ!!」

 ピンポイントで傷口に泥を突っ込む声に

 胸をキリキリ痛めた仗助。

 

 回想

 露伴「仗助ぇええええええええ!!」

 うん燃やしたね。不注意で知り合いの家燃やしたね。

 

 仗助「それはそうとよぉ...どうして

 浄雅崎情華!!てめえがどうしてここにいるんだよ!!」

 情華「私は今回の任務の島に知り合いが何人も

 いるので今回会いに行くついでにそこで発生した

 事件の調査に来てるんです。」

 条太郎「ああ、最近不審者は誰も入島していないにも

 関わらず行方不明者が多数出ている。

 今回はそれの調査に来ている。」

 情華「しけた青春してますねえ、友達なんて

 職場とか留学した先で作ればいいでしょう?

 そのウミウシ撤去すればザラに親友なんて

 いくらでもできるでしょうに。」

 仗助「ピキピキピキピキ(# ゚ω゚)怒」

 条太郎「仗助、ここでは勘弁しろよ?」

 仗助「は.....はい。」

 怒りに声を震わせながら目的地へと3人は向かう。

 

 その島は.....ゲーセンも無ければコンビニも無い。

 だけどどこか懐かしい。

 故郷よりは空気が綺麗。

 都会の遊びがいくらでもできる場所とは

 正反対だが病んだ心にはかなり染みる気がした。

 ゲームは無いが駄菓子屋はある。

 仗助「うぅぅん!!いい場所ですねここ!!

 ここで一生昼寝しても後悔無さそうですね!!」

 ラムネを呑みながら古い軒先から浜辺を見る。

 仗助「ここに水着のナイスバディでもいたら

 100点なんだがなぁ.....ほぼほぼ居ないもんなぁ。」

 条太郎「ゴミは捨てるなよ?島の持ち主が

 うるさいからな。」

 仗助「誰ですか?」

 条太郎「スピードワゴンだ。

 きっかけは俺の海洋調査だった。

 この島が別の国に買収されそうになった。

 情華がその時海洋調査に協力していてな

 何人かスタンド使いに出会った。

 さらに島の価値もわかったスピードワゴンに

 話を持ちかけて買収を阻止し、今の島の所有主は

 スピードワゴンだ。

 沢山の優秀な人材や資源を抱えたこの島を

 護る契約をして今に至っている。」

 仗助「へぇー。」

 条太郎「スピードワゴンに社会常識を

 指摘されるたんびに頭痛が酷くなってな.....。」

 情華「それぐらいで頭痛起こさなくても.....。」

 仗助「よし、行きましょうよ。

 その行方不明の現場ってやつに。」

 

 行ってみた。

 その道中。

 手を捕まれたかと思ったら暗黒な何かに

 引きずり込まれた。

 仗助「うわぁあああああああああああああ!!」

 

 仗助「いてててて.....。」

 条太郎「やれやれ.....手荒い歓迎だぜ。」

 情華「全く 対馬籠芽.....バスガイドみたいに

 ご丁寧に入れてくれるって言えばいいのに

 奇襲を仕掛けるなんて.....危うく二人で始末

 仕掛けましたよ。」

 黒い長髪の女性が車の中でハンドルを握って

 わははと笑っていた。

 え?車の中にしてはやけに広い。

 ホテルみたいに部屋がいくつもある。

 車の中というよりはスペースは船に近い大きさ。

 なんかガタガタデコボコという振動が

 伝わってくる。

 条太郎「良かったな、俺が時を止めてなかったら

 識別せずに殺していたのかも知れないぜ?」

 籠芽「いやいやいや~恐縮ですよ~社員の皆様~。

 冗談ですよ~冗談~サプライズですよサプライズ、

 ちょっとしたちゃめっけだよ~。」

 条太郎「その言い回しをやめろ。」

 この女の子が言うと可愛いがあのクソ野郎を思い出して

 しまう。

 情華「運転代わりましょうか?ご飯持ってきたんで。」

 籠芽「え?いいの?じゃあ遠慮無く。」

 もぐもぐと持ってきた弁当を頬張る対馬籠芽。

 仗助「条太郎さん.....このホテルやけにぐらついて

 いませんか?土台大丈夫なんですか?欠陥住宅なんじゃ

 .....。」

 籠芽「失礼だね、これはホテルじゃなくて

 私のスタンドだよ?」

 仗助「は?スタンド!?これが!?」

 籠芽「そうそう、正確に言うと私の全地形

 対応型のスーツケース型移動スタンド

 『ブラックボックス』!!

 今凸凹の山道を越えて事件現場に向かっている

 最中なの。」

 スーツケースが直角にくっついて崖をよじ登ったり

 川を鮭のように水上を登ったりとシュールな光景が

 外にあった。

 条太郎「このスタンドは耐熱性、耐寒性、防御力

 移動地形対応能力を生かしてあらゆる場所を

 調査する特集調査員として活躍している

 人間のいけない場所の生態系調査を高額で引き受け

 その場所から根こそぎデータを取ることは

 お安い御用ってやつだ。」

 

 対馬籠芽

 『ブラックボックス』

 破壊力E スピードB 射程E 持続力A

 精密動作性C 成長性E

 スーツケース型のスタンド

 ジョジョ5部でいう『ココ・ジャンボ』に

 似ているスタンドである。

 元キャラはsummer pocketの久島鴎

 移動は最高で180km/h

 高い耐熱・耐寒・防御力に優れている。

 弱点は『ココ・ジャンボ』と違って

 隠れるのが苦手。

 と思いきや他の鞄に化けたり背景に溶け込めるよう

 カモフラージュができる。

 内装は全部自分でセッティングしなくてはならない

 らしい

 

 籠芽「えーもうすぐ現場付近です。」

 スーツケースから外が見えるハンドルの近くの

 複数の全方位モニターが見える。

 すると.....そこには。

 大森林の中で行方不明になった人達が

 野山の中で雑魚寝してすやすや寝ていた。

 行方不明の人を探しに行った現地の人達だ。

 仗助「これは!?」

 条太郎「チッ.....こんな短期間でこんなに

 ミイラ取りがミイラになっているのか!!」

 情華「こいつは.....不穏な空気ですね.....。」

 条太郎「おい!!外の外気にはスタンドのエネルギーを

 感じるか!?」

 籠芽「いいや、感じない!!外気成分異常なし

 温度20度!!何の異常も感知できない!!.....蝶?」

 外では見たこともない様々な色の光る蝶がチラチラ

 飛んでいる。

 条太郎「情華!!お前の『イージス』でなにか

 探知できるか!?」

 情華「何も.....見えない.....外にはこんなに

 見た事も無い不穏な蝶が.....こんなに飛んでいるのに

 影ひとつ映らないなんて.....!!」

 条太郎「外に出るぞ!!対馬はこの中から出るな!!

 何かヤバイ!!」

 籠芽「了解、連絡あるまでしばらく私は退散するね。」

 三人はスーツケースがちょっと開くと

 外に出る。

 スーツケースが足早にすたこらさっさと逃げていく。

 すっげえシュール。

 なんか生き物みたいに逃げていく。

 三人はゆっくりと獣道に足を踏み入れる。

 条太郎「様々な色の蝶が沢山飛んでいる。

 形とサイズが一定で同じという共通点がある。

 この蝶はスタンドなのかわからないが

 下手に触らずに本体を見つけ出すのが無難だ。

 ちょくちょく時を止めて進もう。

 先行して調査する。二人は悪く思うなよ?」

 仗助「ちょっ.....おれは時をとめたら動けな.....。」

 言うことを聞かすに時を止める条太郎。

 しかし条太郎は驚愕した。

 まさかその蝶が止まらない等と思っていなかったのだ

 条太郎「何!?この蝶は.....止まった時の影響を

 受けない!?どうなっている!?スピードワゴンの

 ように『無効化』しているのか!?違う.....これは!?」

 色の失われた時の止まった世界で、ヒラヒラと動く

 蝶がまるでカブトムシが腐葉土を食べて穴を

 形成するかの如く.....削れている!?.....止まった時が

 色が....蝶の移動した挙動の分...元の時間に戻っている!?

 条太郎「おいおい.....まさか.....この蝶は.....。」

 時は動き出した。

 いいや止めていても何のメリットも無い以上

 いざしかたがない。

 仗助「条太郎さん?どうしたんですか

 顔色悪いですよ?先に行くんじゃ無かったんですか?」

 情華「.....まさかこの蝶は思った以上に不吉な

 ものなんですか?」

 条太郎「聞いてくれ.....最悪の仮説が立った。

 これが正しければ.....この蝶は...決して触っちゃ

 ならねえ.....そしてこの状況は仗助にしか

 解決できねえかもしれない。」

 仗助「どういうことですか条太郎さん?」

 条太郎「いいか、俺に何か異常が起きたら

 仗助、すぐに俺の体を治せ。」

 仗助「え?」

 周りでいくつも飛んでいる透明な蝶の一つに狙いを

 定める条太郎.....そして。

 スタープラチナ「オラァ!!」

 蝶を全力で倒すため『スタープラチナ』の

 両手で蚊を潰すように挟んだ。

 しかしパンという音がしない。

 条太郎「まさか.....。」

 スタープラチナの手のひらが薄く消えて

 蝶が無事だった。

 条太郎「マジか.....これは.....!?」

 仗助「条太郎さん!!『クレイジーダイヤモンド!!』」

 治すと蝶の色が抜けて『スタープラチナ』の

 手のひらと条太郎の頭に絵の具が飛び散るように

 エネルギーが戻っていき蝶が消える。

 情華「条太郎さん!!大丈夫ですか!?」

 条太郎「ああ.....完全に理解した.....

 このスタンドは『精神エネルギー』と『記憶』を

 吸い込む特性を持っている。

 情華の探知能力で探知できなかったのは

 ステルス戦闘機の材質にはレーダー波を

 吸収して反射しないことで『反応』を見えなく

 できる.....これと同じことをこの蝶が行っている

 だから探知できなかった...止まった時の

 世界でも動けていた.....こいつに触れると

 スタンドを『吸収』される。

 さっきまで覚えていた娘の顔が『食われた』

 気がした.....記憶まで食うんだ.....この蝶は!!

 おまけに眠気までつけてくれるとは.....眠気までは.....

 こればっかりは『クレイジー・ダイヤモンド』でも

 どうにもできそうにない。」

 情華「大丈夫なんですか!?条太郎さん!?」

 条太郎「ああ、一回二回では精神力で目を開けて

 いられるが.....5回以上はヤバイ.....10回だと

 おそらく.....昏睡に陥るだろう.....。」

 ゾッとした。

 このヒラヒラと舞うハイスピードを出す訳でもない蝶が

 今はとてつもなく恐ろしい。

 条太郎「距離を取ればどうってことはないと.....

 思いたいな。」

 情華「.....!!そんなことを言ってる場合じゃ

 ないようです.....!!」

 なんといつの間にかこの蝶の群れに囲まれていた。

 情華「おいおい.....速度が無いからってこんなに

 おられると私でも動けませんよ.....なんですかこれ!?」

 アメリカにはオオカバマダラという蝶の大量発生

 現象が見られるという地域があり、その蝶は

 触ったところでなんともないが実は毒持ちという

 特性を持っている。

 ここは日本だがもしそれほどの数の蝶全てが触ったら

 眠りに陥る成分を含んでいたとしたら.....それは感嘆

 から恐怖へと変わる。

 蝶に包囲されて背中合わせになる3人。

 条太郎「くそっ.....仮にスタンドパワーや記憶を

 戻せる前提だとしても『眠気』ばかりはどうにも

 ならねえ!!何より.....仗助ってカードを失えば

 この問題は解決しない気がする.....!!」

 情華「だったらの群れを木の上から飛び越えていけば

 蝶は必要高度以上は基本あまり飛ばない.....

 こうやって気をつけて登っていけば.....!!」

 木の上を垂直に走って登っていく情華。

 条太郎「情華!!迂闊に動くんじゃあねえ!!」

 木の上から森の様子を見ると三途の川を

 描くように光る蝶々がチラチラ続いている。

 情華は確認して降りると伝える。

 情華「条太郎さん!!蝶はこの先に道を作るように

 ずらずらいます!!」

 条太郎「ショートカットでどうにか行けないか!?」

 情華「行こうと.....思ったんですけど.....。」

 仗助「!!靴に!!」

 光る蝶々がいくつも情華靴の横に引っ付いていた。

 情華「大概の人間や動物の物理挙動は.....

 予測.....できます.....ですが.....こんなに遅くて

 挙動も不安定で.....数があって.....神経も使い.....

 心眼レーダーでも影が映らず.....

 おまけにときたま葉っぱに紛れて保護色になってたら

 かわすのが.....。」

 ドサリ。

 情華は為す術無く倒れてしまった。

 仗助「おいおいおいおいマジかよ!?」

 自分をあっさり倒した情華が倒されたのを見て恐怖した

 条太郎「仗助.....俺を背負って盾にしながら.....

 対策を考え.....ろ。」

 仗助「!!.....まさか.....条太郎さん!!」

 条太郎の体の所々に既に光る蝶が留まっていた。

 条太郎「仗助.....お前が習った知識全てが.....

 この事件を.....解決する.....鍵.....だ。」

 ドサリ。

 仗助を蝶から護るように覆い被さる条太郎。

 『クレイジー・ダイヤモンド』が顔真っ青で

 条太郎の体を支える。

 仗助「おいおいおいおい!!どうしろって言うんだ!?

 この東方仗助に.....!!」

 



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離島調査編 後編 『メモリーカード』

サマポケをジョジョ風味にアレンジしてみた
書いててわかった
仗助が6部に出たらディスクが簡単に戻せてしまうし
昏睡死体もどきが増えても展開に困るだけ
話が成立しなくなるから仗助が6部に出れなかったんだと


深い大森林の奥で条太郎と情華が光る蝶に『眠気』

 を叩き込まれて眠ってしまった。

 残された仗助は。

 

 仗助「はぁ.....はぁ.....。」

 条太郎を背負って蝶の盾にしながらクリームパンと

 おにぎりを食べてラムネを飲んで

 落ち着いて判断力を研ぎ澄ました。

 もう日が落ちはじめている。

 光る蝶は気ままに大量に回りをホタルと一緒に

 仲良く漂っているが.....こっちは気が気じゃない。

 仗助「まとめると.....この蝶は触れたら記憶も

 スタンドパワーも奪われて10羽以上止まられたら

 昏睡.....『クレイジー・ダイヤモンド』の能力

 は有効だが触れることが危ない.....俺が使える手段は....

 会得したての『波紋』...鞄にあるのは緊急用の

 医療器具と.....強炭酸コーラと.....宿で使う用の

 携帯洗面用具...美味しい水...懐中電灯.....携帯電話.....

 いろいろ試してみるか。『波紋カッター』!!」

 赤い光の波紋カッターが蝶に迫るも

 スカ。

 すり抜けて有効打にすらならない。

 仗助「役に立たねえ!!後.....俺が会得したのは....。」

 

 回想 英国の波紋訓練所

 仗助「こいつは奥の手で一応威力はあるが.....

 なんで.....シャボン玉なんだ?まあ.....。」

 指でパッチンすると周辺に展開したシャボン玉が

 破裂して赤い光が花火みたいに破裂する。

 仗助「.....わりと面白いっすね先生!!

 エンターテイメントとしては悪くないです!!」

 紳士服を着た黒髪の短髪イケメンが答える

 フェリシアン・ツェペリ

 「それは君のお父さんのライバルが究極生物

 を倒すために編み出した技だ。」

 仗助「シャボン玉で究極生物を?.....なんか

 反応に困りますね.....。」

 フェリシアン「ああ、僕は血縁が無いけど

 君が笑っているその技には思いが籠っている

 これを編み出した人間は必死だったんだ。

 あらゆる可能性をかけて.....解決しようとしたんだ。」

 

 仗助「あらゆる可能性をかけて...解決しようとした...

 あの言葉の意味を...当人たちの気持ちを...

 ここで理解してしまうことになるとはよぉ...

 溺れるものは藁も泡も掴むってか.....。」

 洗面具にあったシャンプーの液体を水で少し割る。

 シャボン玉を飛ばして蝶に当てる。

 乗っかって遊んでやがる。

 仗助「...無論無意味だ...。だが...この光る蝶には

 『クレイジー・ダイヤモンド』の能力は

 通用する...しかし触れない...じゃあ...この

 シャボン玉に...『クレイジー・ダイヤモンド』の

 エネルギーを乗せることができれば...。

 遠距離攻撃で...この蝶を...『記憶』と

 『精神エネルギー』に『戻せる』.....?

 やってみる価値はあるな。」

 『クレイジー・ダイヤモンド』のエネルギーを乗せて

 シャボン玉を一つ光る蝶にぶつける。

 条太郎さんという盾を背負いながら。

 すげえシュールな構図だ。

 すると光る蝶がシャボン玉に触れて割ったかと思うと

 エネルギーに分離して何処かに帰っていく。

 仗助はニヤリとした。

 仗助「希望が.....少し見えて来たぜ.....すいません

 条太郎さん...もう少し盾に使わせていただきます。」

 仗助と『クレイジー・ダイヤモンド』は仙道の構えをして

 光る蝶に向かって...。

 仗助『クレイジー・ダイヤモンド・シャボンランチャー!!』

 周り一面にシャボン玉を展開した。

 『クレイジー・ダイヤモンド』のエネルギーを纏ったシャボン玉

 が次々と光る蝶をエネルギーに戻して還していく。

 仗助「うぉおおおお!!いいねいいね!!こりゃ道理で

 この東方仗助でしか解決できねえって言うわけだ!!

 大活躍じゃないっすか仗助くぅ~ん!!

 よし.....この調子で.....。」

 その時光る蝶が何を思ったのか雪崩のように

 右から風のように寄ってきた。

 仗助「もう、これでちっとも怖くねえぜぇ!!」

 パチン!!

 仗助が指パッチンするとさっき蝶々を始末した

 シャボン玉が再生して周りに展開された。

 仗助「この戦いでしか利用方法は無いが

 お前たちはこの東方仗助に傷ひとつ

 つけらんねえんだぜ!?『シャボン・リメンバー』!!」

 シャボン玉が襲い来る光る蝶をエネルギーに分解

 していく。

 仗助「油断は禁物だ.....草の根に隠れた蝶も

 全部全部シャボン玉を広範囲に落っことして

 エネルギーに戻しちまっておけば

 もう安心だ.....さて.....この奥のスタンド使いを

 見に行ってやるとしますか.....条太郎さん、

 しばらくここで寝てて下さい、スタンド使いを

 ぶちのめしたらまた報告しますんで。」

 ぐったりと寝た条太郎さんを木陰に置いて

 先に進む。

 

 進めば進むほど行方不明者が倒れて寝ている。

 みんな心地良さそうに寝ている。

 一人のマッチョな日焼けしたおっさんに

 『クレイジー・ダイヤモンド』で記憶と精神エネルギーを

 戻すが.....。

 仗助「起きねえか...やっぱりスタンド使いを

 倒さないと...起きねえみたいだな.....。」

 蝶をシャボン玉で撃退しながら先へ進む。

 古い神社だ。

 だが木製の大きな神殿みたいな作りで

 大理石が張られていて綺麗な場所だ。

 所々に苔がついているがなんともかぐわしい。

 光る蝶が彩っているがこの蝶は今は敵だ。

 仗助は周囲を見渡すと多くの現地の方々が倒れている

 寝ている。

 仗助「この中のどれかに.....スタンド使いが.....

 まずはこの蝶を全部消してから。」

 蝶をシャボン玉で全部消す。

 すると辺りが真っ暗になった。

 仗助「しまった!!明かりが消えたら奴の思う壺だ!!

 暗闇から奇襲なんてされたら..懐中電灯...懐中電灯。

 いいや.....どうやらその必要は無いな。」

 神社の頂上にでかい灯りを灯した.....でかい黄色の

 縁の青と緑を主体とした大きな蝶。

 フィールドを一気に明るくするほどの輝きを放つ。

 近代戦闘機位大きさはあるんじゃあるまいか。

 仗助「ご丁寧に灯りを灯して正体表すとは

 親切な奴だ.....お前が本体か。」

 こっちに来る。

 仗助は懐中電灯とバックを地面に投げると構える。

 仗助「食らえ.....シーザーツェペリ直伝、

 『クレイジー・ダイヤモンド・シャボンランチャー!!』」

 再生エネルギーを乗せたシャボンランチャーが

 ボス蝶を強襲する。

 ボス蝶の体からエネルギーが散っていく。

 仗助「よし!!効いてる!!このまま一気に.....!!」

 するとボス蝶がおもいっきりはばたいて

 シャボンランチャーを吹き飛ばした。

 仗助「なにぃ!?いいや当然こうなるか.....こいつには

 『シャボンランチャー』が効かねえか.....じゃあエネルギー

 奪われるのが先か.....戻すのが先か.....近接で

 ガチ勝負もアリか!!?」

 すると蝶が羽ばたいた羽から鮮やかな色な燐粉

 が砂を巻き上げるように降りかかる。

 仗助「こ、これは!?」

 燐粉が降りかかり一気に睡魔が襲ってくる。

 仗助「この燐粉には.....条太郎さんと情華を

 眠らせた『睡魔』が詰まっているのか!?

 ヤバイ!!シャボンランチャーで追い返さねえと!!」

 クレイジー・ダイヤモンドで燐粉を『元に戻し』ても

 燐粉が大量に放出され続ける。

 シャンボンランチャーの勢いより蝶の羽の風の

 勢いが強く追い返されてしまう。

 全身に疲労感が走りどんどん体への体感

 重量が増えていく。

 仗助「くっそお!!どう考えても近接パワーだったら

 奴より上なのに殴れねーわ射程足りねえわ

 遠距離だと勢いが足りねえわ.....くそっ.....

 奴の燐粉で...眠気が...限界に...やべえ...

 このままじゃ....!!。」

 仗助の膝が落ちる。

 仗助が地面に手をつく。

 ボス蝶が凄まじい光を放ちながら仗助の

 頭に接近する。

 後数センチで触れる。

 その時だった。

 仗助が飛び起きて右方向に飛んだ。

 仗助「いやあ...医学の勝利っすねえ...まさか

 こんな単純な方法でてめえの眠気を攻略できるとは

 考えもしなかったぜ....。」

 手元にあるのは『強炭酸コーラ』と書かれたガラス瓶

 仗助「コーラっていうのはなあ、元来疲労回復用の

 ブドウ糖とカフェインに水で解く筈が

 炭酸水で割って旨かったから誕生したんだってよぉ...

 そして...このコーラにはとびきりの炭酸とカフェイン

 がぶちこまれている...接種したカフェインを

 波紋を使って脳内でグイグイ循環させることで

 てめえの与えた眠気を吹き飛ばす!!」

 ハチッ!!

 仗助の目は眠気を全て殺し、どどめを差す目をして

 ボス蝶を睨み付ける

 仗助「そしててめえにはもうシャボン玉を使う

 必要はねえ...てめえに使うのは俺の習った全てだ!!」

 仗助はジョセフ・ジョースターから引き継いだ

 波紋呼吸法を使ってエネルギーを溜める。

 コォォォォオオオオオオオオ♪

 仗助「どうして行方不明の人々が多少日にち

 経っているのに干からびた様子もねえのか.....

 寝ていても人間はエネルギーを消費するのに

 どうして消費した形跡が無いのか...答えは

 この膨大な温かく.....優しく.....膨大な.....

 大自然のエネルギーが.....雑魚寝している

 人間にもたっぷり循環しているからだ.....

 『陽』の波紋を足の裏に循環させて呼び水にし

 『陰』の大地のエネルギーをグッと.....

 引っ張る!!」

 木の根っこが地面から水を引っ張りあげるような

 音が仗助の脚から響く。

 コォォォォオオオオオオオオオオオオオ!♪

 仗助「覚悟しな.....これからてめえをデカイ

 蝶のバターフライにしてやる!!この距離なら

 もう逃げられねえぜ.....東方仗助の.....『波紋!!』

 『クレイジー・ダイヤモンド!!『大自然波紋疾走!!』

 (ネイチャーストームオーバードライブ)!!』」

 再生エネルギーを混ぜ混んだ波紋と大自然の

 エネルギーを一気にボス蝶にぶつける。

 緑色の竜巻のような奔流が両手から放出される。

 ボス蝶が物凄いスピードでエネルギーを放出し

 縮んで消えていく。

 パァァン!!

 ボス蝶が光の粒子になって消え、周辺に残っていた

 光る蝶も全部消えた。

 朝日が登った。

 仗助の勝利を祝うように。

 仗助「この東方仗助...久々にグレードに

 勝利したぜ.....カフェイン脳に回しすぎたせいか

 フレッシュなエネルギー体に回したせいか

 疲れが吹き飛んで全然眠くねえ。

 久々に全身が雲のように軽い

 すげえさわやかで気持ちいい気分だぜ。」

 

 対馬籠芽「頼まれたカフェインだよー。」

 仗助「ご苦労様。」

 条太郎の携帯から対馬籠芽を呼び出して

 医療用カフェインを持ってきてもらい

 寝ている人間の精神エネルギーと記憶を

 『クレイジー・ダイヤモンド』を使って元に戻して

 注射でカフェインを微量に体に入れて

 波紋で脳に高速で循環させて起こす。

 条太郎「.....終わったようだな。」

 条太郎が目を覚ます。

 情華「え?嘘っ!?」

 情華も目を覚ます。

 仗助「いいや、まだスタンド使いが見つかってねえ

 寝ている人を運ぶにもスタンドを見つけるにも

 まだ手伝っていただいていいっすか?」

 

 例のボス蝶がいた古びた神社へたどり着いた。

 寝ていた大半の人間を起こして保護して

 対馬籠芽に持っていって貰うと

 仗助「さて.....肝心なのは.....残り一人。」

 神社の片隅に眠っている長い藍色の若い女性

 情華「『シータ・サファイア』の『イージス』モード

 で確認しました。この娘がスタンド使いです。」

 

 『シータ・サファイア』

 第二形態『イージスモード』

 情華のスタンド『シータ・サファイア』の第二モード

 情華の背中・肩・胸中央に三次元レーダーが出現し

 体のあちこちにマイクロチップ回路が出現し

 全方位の物体・スタンド・スタンド能力を

 『イージス・アショア』のように広範囲索敵ができ

 正確な座標で見つけることができる。

 ただし『第三形態』に目覚めなかったり

 展開していない場合は事実上『索敵能力』しかない。

 三次元索敵では範囲5km

 二次元索敵では範囲10km

 直線索敵では15km

 破壊力E スピードA(演算速度)身体能力に依存する

 射程A 持続力B 精密動作性A 成長性A

 

 仗助「よーし本体かわかれば後はカフェインなんざ

 いらねえ.....。」

 頭をガッツリ捕んで、流す。

 仗助「『朝の目覚の波紋疾走

 (モーニングフレッシュオーバードライブ)!!』」

 バチバチバチバチバチ!!!

 「ひきゃああああああああああああ!!」

 寝ていたスタンド使いと思われる蒼髪の女性が

 悲鳴を上げて起きた。

 「えっ!?なになになになに!?」

 あわてふためくスタンド使い(?)。

 仗助「おい、何が目的でみんなを眠らせた?

 どこぞの野郎みたいに養分でも吸いとっているのか?

 どう言うことだおい!!」

 怒り気味で聞く仗助。

 「はぁ?私が何をしたって言うの!?養分すいとるとか

 私は宿り木か何か!?訳がわからないんですけど!?」

 仗助「てめえが展開した蝶のスタンドのせいで

 多くの方々が探し回って何週間も眠らされた

 何が目的でやったのか言え!!」

 「なんなのよ.....スタンドとか私が犯人とか

 訳がわからないわよ!!中二病的な言いがかりも

 いい加減にしなさい!!私が極悪人に見えるの!?」

 仗助「野郎.....一発ドタマにぶちかまさねえと

 わからねえようだな!!」

 『クレイジー・ダイヤモンド』の拳が女性に迫る。

 「!!!!」

 その時拳を止めたのは。

 条太郎の『スタープラチナ』だった。

 条太郎「待つんだ仗助。」

 仗助「何を言ってるんですか条太郎さん!!

 こいつとぼけてばっかり.....。」

 情華「冷静に見ろ東方仗助!!確かに彼女はスタンド使い

 ですが、あんたのスタンドの拳が後1mmの

 距離なのにスタンドさえも出せていない!!」

 仗助「えっ?」

 女性は二つのマッチョな幽霊を見てガタガタ震えていた

 蝶のスタンドも出せない状態で半泣きになっていた。

 「なに.....これ!?」

 条太郎「確かに彼女は原因だ。

 だが、悪意を持ってやったんじゃない。

 事故だ。スタンド能力が全く上手く使えない

 所かコントロールや存在さえもわからない。」

 情華「今日の日付わかりますか?」

 「8月2日.....?」

 情華「いいえ8月30日です。」

 「嘘.....私そんなに寝ていた?」

 条太郎「あそこの神社は本来誰でも立ち入れる

 場所だが行方不明者が8月2日多数でてから

 緊急で立ち入り禁止になって本来使わなくてもいい

 『ブラックボックス』まで呼んで調査に来たんだ。

 仗助、あそこの場所で他に変わった事は無いか?」

 仗助「なんか.....寝てる人間も干からびねえぐらい

 フレッシュなエネルギーが満ちて.....。」

 条太郎「それが原因だ。それほど強くもないスタンド

 でも過度なエネルギー接種で時には危険な存在となる。

 俺の母親もそれで命を落としかけた事がある。

 彼女は無意識に出した蝶のスタンドが過度に

 エネルギーを大地から吸って暴走

 蝶のエネルギーが体に流れて昏睡し、

 スタンド使いの彼女が最初の被害者になった。

 行方不明者のな。」

 仗助「そんな.....!!」

 情華「じゃあ試しに目を閉じて下さい。」

 「こ.....こう?」

 情華「大きくて綺麗な蝶をイメージして手に降ろして

 .....。」

 「...........。」

 情華「目を開けて下さい。」

 「......!!」

 彼女の掌に黄色い縁の蒼と緑の光る蝶が掌に出てきた。

 「えっ......これは....私の中から......。」

 条太郎が蝶に触ると。

 電流が流れたように体制を崩した。

 尋常じゃ無い汗をかいて。」

 すると彼女の脳内に条太郎の記憶が映る。

 

 それは女の赤ん坊を抱いて悩む

 条太郎と、笑う女性の記憶。

 それとその人が自分の蝶の能力と

 対峙している。

 全てが本当の事だと。

 

 女性は理解した。

 仗助が慌てて条太郎の記憶と精神を『元に戻す』

 「あっ......あぁぁ......ああああああああああああ!!」

 頭を抱えてその女性は震えて泣き出した。

 全てが自分のせいだと。

 事故でも自分が起こした事実に胸が

 締め付けられそうだった。

 

 英国への帰りの飛行機までの新幹線。

 一人帰りに増えていた。

 この女性の名前は天門 爽。

 あの島出身でどういうわけかスタンド能力を

 持っていた。

 条太郎「あの島は巫女の末裔が多くて

 そのせいか優秀なスタンド...日本古来から

 いた存在は『式神使い』....血統型スタンド使い

 と呼ばれている、俺の旧友花京院やアブドゥルも

 それに該当していた。」

 爽「私は......これからどうなるんですか?」

 条太郎「事故だったとはいえ...野放しにもできん

 多少波紋の才能もあるようだ。

 これからセーラム・スタン・フラワーに

 頼んでコントロールできるようにする。

 お前の力で人を守ることも救うことも自由だ

 ただし...多少義務はつくがな。」

 仗助「条太郎さんやけに優しいですね。

 なんか思い入れを感じるつーか。」

 条太郎「仗助.....もし俺の母親の能力が

 暴走してお前の友達を殺してしまったとしたら

 すぐに俺は母親をこの手にかけるべきか?」

 仗助「それは.....。」

 条太郎「事故だった時に被害者に必要な事は

 故意で無い以上、加害者と加害者家族を許す

 勇気が時にはいるんだぜ.....未来があり

 善人であるかぎりはな.....。」

 仗助「それもそうですが.....波紋って.....こんなに

 使えるんですね.....仙道で古くさいと思ってましたが

 違う.....新しい時代にも応用できる.....

 『あらゆる可能性を見いだし必死に解決しようとした

 魂の遺産』だったんだとね。」

 仗助はこの一件から波紋と医療に心血を注いで

 勉強する原動力を得ることとなる。

 

 天門 爽

 『メモリーカード』

 触ったらスタンドエネルギーを吸収し

 記憶とスタンドエネルギー

 を吸いとる蝶を展開する。

 蝶に触れると睡魔を体に入れられるた

 触れすぎると昏睡に陥る。

 かなりの数の蝶を展開できる

 遠隔操作型スタンドで蝶を倒しても

 本体にダメージがない。

 いや、蝶を消せるスタンドは唯一

 『クレイジー・ダイヤモンド』のみである。

 他人の記憶を吸った蝶を触ると記憶を共有できたり

 スタンス能力を吸った蝶にさわると

 能力がわかったりする。

 キャラクターモデルはsummer pocketの

 空門 蒼

 破壊力E スピードE 射程A

 持続力A 精密動作性E 成長性A

 

 



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第九話 ジョースター邸

流用デザイン解説
爽=空門蒼
葵=空門藍


 イギリス、特別指導学級

 仗助「うぉおおおおおおおおおおおおおおお!!

 助けてくれえええええ!!」

 億康「いやああああああああ!!頭が割れそうだぁああ!!

 知恵熱で脳みそが溶けちまうううう!!」

 阿寒湖 逸「そんな叫び声上げなくてもいいでしょ?

 きちんと調べて解けば出られるし無理難題でも

 なんでも無いでしょ?」

 天加護 爽「なんであんただけ平気なの?」

 5人中3人が悲鳴を上げて頭を抱えて苦しんでる。

 先生「皆さんハングリー精神が足りませんねえ.....。」

 先生がそれぞれ個室で隔離された5人に向かって

 モニター講義をしてる。

 先生「私のスタンド『イエス・スタディ』の

 能力はシールを張った部分の空間を固定する能力

 つまり出られないと言う事。このシールに張った

 単語をきちんとフルで意味を理解して発音しないと

 消えないんだ。」

 生き物みたいに動くプリンターがペタペタと

 シールを張って『問題』を出している。

 この先生は浄雅崎 涅白。

 情華の父親で英才語学教育のエキスパート

 スピードワゴン社長や空承条太郎の語学教育

 を担当していたそうだ。

 『イエス・スタディ』

 破壊力E スピードA 射程A 持続力A

 精密動作性A 成長性E

 

 仗助「こ、この長文を全部読まなきゃ...理解しなきゃ

 出られない.....発音ちょっと違ったらブーって

 鳴ってて腹立つんですよ!!『クレイジーダイヤモンド』で

 戻そうにも『ザ・ハンド』で削り取ろうとしても

 爽のスタンドで吸収しようとしても

 全然消えないし出られないとかなんすかこれ!?」

 先生「君達の心に勉強への『拒絶心』が有る限り

 私の能力を攻略できるスタンドでも攻略できないん

 です。スピードワゴンさんはうきうきして

 2ヶ月でクリア、情華は3ヶ月その友達は8ヶ月

 条太郎君は半年でクリアしたあと吐血していたな。

 『スタープラチナ』が壁を殴りすぎて血まみれに

 なってたりしてな.....。」

 仗助(条太郎さーーーーーん!!)

 やばすぎるこの先生。

 仗助「地面だ!!地面を掘れば.....!!」

 地面を一枚剥がすと。

 単語シールがびっしり張られていた。

 よく文房具、机を見ると.....単語シールで出来ている。

 発狂して狂い死にそうだ。

 仗助「いやああああああああああああああ!!」

 先生「人が外国語を覚えるのに一番いい方法は

 『覚えなくては生きていけない状況』にいることだ

 そうして生存本能を呼び覚ました状況での

 勉強は勉強嫌いにとって一番最短で言語を習得

 できる近道なのだ。」

 仗助「にしたってきついっすよ.....日本語

 忘れちまいそうで.....ヤバイですよ.....。

 しかもノルマクリアしないと昼食抜きとか

 マジ勘弁っすよ.....!!」

 先生「やかましい!!楽しいと思えばうちの娘達や

 スピードワゴン君にしてみればさざ波程度の

 試練だ!!補習中は絶対に逃がさないから

 覚悟しろおまえらぁあああ!!これを覚えたら

 次はフランス語ドイツ語ポルトガル語

 中国語韓国語ロシア語etc......。」

 特別学級から悲鳴が響き渡る。

 

 夜ジョースター邸に戻る一堂。

 仗助「やべえ.....疲れた。」

 逸「あれぐらいの勉強量は覚悟しなきゃ留学

 しようって考えられませんよ仗助君。」

 仗助(勉強狂ってやべえ.....波長が会いづらい

 ようやく波紋と医療に情熱沸いたのに語学はきつい。)

 爽「今日から私のお姉ちゃんも泊まるから

 入ってこないでよ?」

 仗助「いつまでいるんだ?」

 爽「私が心配だって勝手に来たのはいいんだけど

 帰りのチケットやパスポートを盗られちゃって

 帰れないの。」

 仗助(海外はやっぱり離島の田舎者が来ていい

 場所じゃない。俺のように.....危険を知った人間でも

 辛いのに準備無いやつが来ていいわけではない。)

 仗助「学力ついていかないなら帰っていいんだぞ

 俺とは違ってちやほやしてくれる親族もいっぱい

 いるんだろ?」

 爽「いいや.....その.....この機会逃したら.....。」

 仗助「目標が無いならここに来なければいい

 じゃないか。」

 逸「特大のブーメランだね。」

 仗助「うるせえ。今は違う。成長しなきゃ.....

 俺の居場所が造れねえ.....今の俺の居場所は

 故郷にも.....ねえ。俺だけにしかできねえ事が

 できるようにならなきゃ.....東方仗助が.....

 東方仗助として尊敬できねえ。

 それに.....ここに来てようやくわかってきた。

 俺がどうしてここに来るしか無かったか.....

 俺が産まれたのは偶然かもしれない。

 必然かもしれない。だが.....いずれはルーツに

 帰って来るもんだ.....人間ってもんは。」

 東方仗助は全ての始まりの地を見つめて

 その記録にふけることなく.....故郷のような

 懐かしさだけが仗助にあった。

 しかし.....過去からの呼びたくもない来客が

 来ることになる。

 

 仗助「これは.....!?」

 ジョースター邸の近くで女子高生の乗ったバスが

 炎上していた。

 逸「この辺り部活帰りが多くて遅いから.....。」

 仗助「『クレイジー・ダイヤモンド』!!」

 ドラァ!!

 仗助が急いで駆けつける。

 仗助「バスの壁を一気に破壊してガソリンタンクを

 治す!!これ以上の爆発炎上を阻止する!!こ、これは!?」

 運転手は首を切られて死んでいた。

 仗助「後部バスのガラスは割れている。

 死後数十分.....あのときは.....。」

 自分を溺愛してくれたお爺ちゃんは助けられなかった。

 だが。

 仗助「今は蘇生率7割のこいつがある!!

 全身に波紋を循環させて『クレイジーダイヤモンド』!!

 こいつで心臓をマッサージする!!」

 運転手は蘇生した。

 運転手「ううう.....。」

 仗助「気がついたっすか!!」

 運転手「おれは.....殺されたあと.....何も

 覚えてない.....み、見ろ!!」

 プッ.....プシャッ!!

 倒れた女子高生の身体に傷が勝手に入っていく。

 仗助(どうなってんだ!?スタンド攻撃か!?

 俺も.....攻撃を受ける可能性が.....いいや!!

 躊躇っていたら誰も助けられねえ!!)

 『クレイジーダイヤモンド』で治して頭に波紋を流して

 意識を覚まさせる。

 仗助「大丈夫か、おい!!」

 女子高生「きゃああああああ!!頭に巨大トリュフがぁ!!」

 言語を理解できるようになってしまったことが

 裏目に出てしまった。

 仗助(プッ.....いいや待て!!)

 仗助「片っ端から.....。」

 『クレイジーダイヤモンド』がバスの椅子を片っ端から

 引きちぎり、バスの外壁を壊す。

 ドラララララララ!!

 仗助「外に手っ取り早く全部出してやんよ!!

 全員治した後でよお!!」

 椅子を全部外にぶん投げた後で女子高生を

 一人一人ガラスの破片を抜いて治して

 波紋で意識を覚醒させてぶん投げる。

 『クレイジーダイヤモンド』「ドラララララララララララ!!」

 ポイポイポイポイポイポイポイポイポイ!!

 女子高生達「キャアアアアアアアアアア!!」

 意識を覚めさせてぶん投げているから

 重力が自分の身体から消えた恐怖が気絶明けの

 全員の意識にもろかかる。

 爽「めっちゃくちゃだぁああああああ!!」

 警官「君!!ちょっと乱暴なんじゃ.....。」

 仗助「大丈夫っすよ、むち打ちとかガラスの破片とか

 全部取って治してあるんでノープロプレム!!

 椅子のクッションに一人残らず正確に投げたんで

 二次災害は無し!!それよりも.....。」

 バスを振り返る。

 仗助(俺が治している最中.....攻撃は来なかった

 ずきだらけだったのに.....。)

 仗助は炎上中のバスへ向かう。

 警察「おい!!君!!」

 そのなかには空の垢のこびりついたスーツケース。

 仗助(この中から運転手を襲ったのか.....

 だが何で自分のスタンドも使えたのに.....

 何でナイフで襲撃したんだ?

 バス事故、死傷者は無し。

 運転手に聞いても犯人の顔も見えない。

 殺人やテロだけなら高齢者の乗ってるやつとか

 混合とか襲ってもよかったはず.....

 犯人が女ならともかく運転手の話だと男

 そんなにすぐバレるリスクを背負ってなぜ

 女子高生のバスなんだ?

 仗助の謎は解けないまま.....一堂はジョースター邸で

 寝ることにした。

 その夜.....。

 月夜に光る一人の影がこっちを見ていた。

 ジョースター邸

 ジョースター邸には多少なりとも使用人はいる

 夜寝ている人間の人数は使用人除くと5人

 東方仗助、阿寒湖逸、虹村億康、天加護 爽

 その姉天加護 葵がそれぞれ個室で寝ていた。

 その夜.....。

 

 夢の中。

 自分はジョースター邸に立っている。

 仗助「ここは.....?」

 DIO「ハロー!!仗助ぇえええ!!」

 DIODIODIODIODIODIO「ハロージョジョーー!!!」

 仗助「なんだこいつら!?」

 仗助はDIOは初見だった。

 いいやあちこちに7人いる。

 仗助「こいつら敵か!?」

 DIO「ロードローラーだぁ!!」

 DIODIODIODIODIODIO「ロードローラーだぁ!!」

 ゴーカートのようにロードローラーに乗り込んだ

 DIOが大量に襲ってくる。

 しかも速度が速い。

 仗助「『クレイジーダイヤモンド!!』

 ドラララララララララララ!!」

 DIODIODIODIODIODIODIO『無駄無駄無駄無駄無駄

 無駄ぁ!!』

 全く傷一つつかない。

 仗助「やべえ!!逃げるしかねえ!!」

 一目散に逃げる仗助。

 葵「いやああああああああ!!何このマッチョ達ぃいい!!」

 仗助「あいつも!?なんで!?」

 「ラリホー!!よくも邪魔してくれたな馬クソ頭!!」

 ロードローラーに乗ったDIOが円形を囲んで

 包囲しているなか

 黒人の男が死神みたいな道家みたいなスタンドを

 連れて宙に浮いている。

 仗助「だれが馬クソ頭だって?」

 マニッシュボーイ「俺が運転手ぶっ殺して

 バスが衝突した衝撃で気絶した女子高生を

 全員に俺の息子を埋め込んでやろうって思ったのに

 .....東方仗助!!貴様が全員助けたせいでDNAは

 取られるわ女達の意識を全員覚ましたせいで

 何もかもが台無しだ!!せっかく俺の袋に溜まった

 欲望を埋め込んでやろうって思ったのによぉ!!

 やっぱりジョセフの息子.....ぶっ殺さねーと

 気がすまねえ!!」

 爽「マジ最低.....でも覚めてしまえば所詮夢よね?」

 マニッシュボーイ「はぁ?何を寝ぼけたことを言って

 んだ脳内ピンキー野郎!!」

 釜を足に突き刺して引き抜く。

 爽「いたぁああああああ!!何このリアルな痛み.....

 これって.....!?」

 マニッシュボーイ「俺のスタンドを食らって

 生きて帰ったやつは条太郎、花京院、ジョセフ

 ポルナレフだけだ!!俺のスタンドは夢の中じゃ

 無敵.....ここで死ねばリアルで死ぬんだぜぇ!!」

 仗助「マジかよお前.....条太郎さんと

 何かあったのか!?」

 マニッシュボーイ「うるせえ!!思い出したくもねえ!!

 お前のせいで大量のピチピチ女子高生を犯たのに.....

 てめえのせいだ!!てめえのせいだぞ馬クソ頭!!

 お前のせいで全員阻止とか聞いてねえ!!

 てめえのそのきたねえ頭は.....。」

 仗助「あっち!!」

 仗助頭から熱いお肉が落ちて髪が消えた。

 マニッシュボーイ「けっけっけっけっけっけっけ!!

 お前の髪があんまりにもきたねえからよぉ!!

 あっつあつのステーキにしてやったんだぜ!!

 頭油まみれでてっかてか!!似合うぜぇ~!!」

 爽(やめて~あっち見てたら笑っちゃう~!!)

 仗助『プチプチプチプチプチプチカッ!!』

 仗助はプッツン来た。

 仗助「てめぇ.....そこから降りてこい.....高いところで

 突っ立ってねえでよお!!」

 マニッシュボーイ「いいぜ?ただし.....。」

 『クレイジーダイヤモンド』が仗助を後ろから押さえる。

 仗助「!!!」

 マニッシュボーイ「お前のスタンドに

 押さえてもらって思う存分切り刻んでやる.....

 ぶっ殺してやるぜ.....ウンチマーン!!」

 仗助「てめえ見つけたら絶対に殺してやる.....。」

 目に般若の5倍のシワが生えた仗助の

 頭から怒りの熱あまり油が全部蒸発する。

 マニッシュボーイ「ラリホー!!無駄無駄無駄!!

 てめえの手足を切り刻んでやる!!」

 葵「東方!!」

 刃が迫った瞬間.....仗助が排気ガスの

 白い水蒸気のように消えた。

 マニッシュボーイ「はっ!?嘘だろ!?どうして夢から

 脱出できた!?夢で激痛与えても夢から脱出は.....。」

 

 仗助「やれやれ.....よほどひどい夢を見たのか

 アドレナリン吹き出過ぎてよぉ.....

 目が覚めちまったぜ.....。」

 マニッシュボーイ(なんだってぇえええええええ!!)



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第十話 過去からの襲撃者

 仗助はジョースター邸を徘徊する

 仗助「まずトイレだな.....いやあ頭に

 よっぽど来すぎたのか眠気が全然ねえな。」

 マニッシュボーイ「くけけけけけ.....俺のスタンド

 『ヘル・サーティン』はたとえ夢から覚めても

 覚えていない.....つまり俺本体を見つけると言う

 意識さえも起きないのだ!!さあ.....予定は狂ったが

 さっきバスで犯せなかった分.....払って貰うぜ!!」

 爽「いやぁあああああ!!東方の馬鹿野郎ーー!!

 お前だけ逃げ出すなんて聞いてないぞぉーーー!!

 卑怯者ーーーーー!!」

 爽(ヤバいヤバいヤバいヤバい!!夢の中でも

 マジで嫌だ!!女だったら誰でも抱くようなクズは

 仗助よりも嫌!!)

 夢の中DIOに腕に固定されてあいつが迫る。

 マニッシュボーイ「げへへへ.....まえふりなんて

 いらねえ.....ダイレクトにシュートだ!!」

 爽「いやぁああああああああ!!」

 

 現実

 「あぁああああああああああ!!」

 仗助「この声は!?一人は天加護!!もう一人は.....

 聞きなれねえ声だったな.....誰だ?」

 

 夢の中

 マニッシュボーイ「てめえ.....アマァ.....よくも俺の

 体を.....!!固定しやがったぁ!?」

 爽「私は最近物騒なことがあるからお姉ちゃん

 護らなきゃって思って蝶を寝る前に5羽展開して

 護衛しておいた.....夢の中からでも操作できるように

 これは.....条太郎さんが私の蝶を初めて発見した

 『記憶』.....一部だけほんの20秒は固定できる。」

 マニッシュボーイの足の間に1羽蝶をくっつけて

 時を一部だけストップさせている。

 爽「それとその見苦しいものはスタンド?

 それとも実体?」

 マニッシュボーイの袋たっぷりの息子が消えた。

 蝶に吸われてスタンドとしてのそいつの息子が

 消えたのだ。

 マニッシュボーイ「ああああああああああああ!!

 貴様ぁあああ!!よくもおれの

 ゴットウインナーを!!許せん.....ぶっ殺して.....。」

 

 現実

 仗助「なんか使用人でもねえ叫び声が聞こえたな....。

 もしかして.....この家にいるのか.....あのバスで

 殺人未遂をしたやつは.....。」

 マニッシュボーイが声を聞いて驚異を感じる。

 マニッシュボーイ(ま、まずい.....!!このアマァ.....

 俺に声を出させやがった.....まずい!!

 見つかったら現実世界じゃスタンドで

 自分の身を護れない.....ヤバイ.....息を

 殺さないと.....殺されるっ!!)

 仗助「使用人の皆さんは御夜番おつかれさまです。

 で、侵入した不審者は居ないと?」

 使用人「ええ、家のなかには不審者一人

 入っていません。」

 仗助「天加護の悲鳴も聞こえた。おれがなんにも

 ヤバイことをやっていない証人になってくれ。」

 

 爽「くああ.....あああああ.....!!」

 マニッシュボーイ「よくもおれのゴットウインナーを

 これじゃ夢の中で犯れねえじゃねーか!!

 このまま絞め殺せば悲鳴を上げずに殺せる.....

 おれのウインナーも再生できるよなあぁ?」

 爽(仗助.....とっとと見つけないと.....私は

 本当に殺されてしま.....。)

 釜の柄で首を閉められて意識を失いかけの爽。

 

 仗助は爽と葵が一緒に寝ているが片方が

 呼吸を失いそうに苦しんでいる。

 布団を見ると右足辺りが赤く血が滲んでいる。

 仗助「間違いない.....バスのやつと同一犯だ。」

 仗助「医者を.....時間がねえ、ランプを貸せ。」

 使用人「電気はつくのに何故?」

 

 仗助は二人から枕と布団を奪い去って

 壁に歩く。

 使用人「風邪を引きますよ?」

 仗助「命に関わる事態だ.....今は黙ってろ。」

 ドラッ!!

 仗助は『クレイジー・ダイヤモンド』で壁を破壊する。

 使用人「あーーーー!!後で修理がーーー!!」

 使用人「誰も居ないじゃ無いですか?」

 仗助はそこに布団を放り込む。

 仗助はランプを見つめて言う。

 仗助「今はLEDとか電灯とかあるけどよお

 ランプもいいよなあ.....割ったら火が

 つくんだからよお.....。」

 全力で壁の穴の中にランプをぶちこむ仗助。

 ポーン!!

 パリィィン!!

 壁の奥から炎が上がる。

 

 夢の中

 マニッシュボーイから煙が沸いてきた。 

 爽「!!?」

 マニッシュボーイ「な、なんだ!?お、俺の位置がバレ

 .....逃げなければ.....。」

 ドスッ!!

 マニッシュボーイ「うわああああああ!!ああっ.....

 ああっ!!」

 音がしたかと思ったら悲鳴を上げてる。

 夢が歪んで.....。

 

 爽「え?いたっ!!」爽が起きた。

 右足から血が出るのを感じて壁を見ると

 壁の向こうが燃えてる。

 爽「あああああああああああああああ!!

 なにやってんのぉおおおお!!火事になっちゃうよ!?

 東方!!あんた頭の外も中身も狂って.....。」

 仗助「はぁ?火事にならねえよ?英国の古い家を

 再現したこの家の壁の向こうが何かも解らねえのか?」

 爽「え.....?燃やしても火事にならな.....まさか.....

 煙突の中.....ということは...この下は.....一階の暖炉!!」

 仗助「ああ、きちんと整備してある暖炉だったら

 扱いを間違えない限りは火事にならない。

 煙突の中腹でテントでも張っていれば

 壁ぶち壊してもわからねえよな?上でも見ない

 限りは.....このまんまだとあいつは一酸化炭素

 中毒になりかけて.....。」

 『クレイジー・ダイヤモンド』「ドラァ!!」

 壁をぶっ叩く。

 「わああああっ!!」

 声がしたかと思ったら『クレイジー・ダイヤモンド』が

 壁からそいつを引きずり出す。

 ポーン。

 ドゲッ!!

 マニッシュボーイ「わぁあああああ!!」

 仗助「落ちてくるって事だ!!」

 使用人達「だれええええええええええええ!?」

 爽「こいつは!?」

 黒い肌の青年が落ちてきた。

 仗助「煙突の掃除だったらよお、

 煙突の掃除道具を持ってるしよお

 聖人か知り合いならよお.....煙突から侵入なんて

 しないよなあ?」

 マニッシュボーイ「くっ.....!!待ちな.....動くんじゃ

 ねえ。」

 ブチッ!!

 爽の姉葵の首筋から血が出た。

 爽「あんた.....なにを!?」

 マニッシュボーイ「動くんじゃねえ!!おれの

 『ヘル・サーティン』はお前の同僚全員は夢の中に

 入ってんだよ.....お前が一歩でも俺に手を

 出したら.....殺すぞ.....俺を逃がせ。」

 仗助「駄目だね.....お前が犯人とわかった以上

 手加減は不要だな?」

 マニッシュボーイ「おい、お前のスタンドの

 射程圏外の連中も死ぬんだぞ.....いいのか!?」

 仗助「やってみろよぉ.....やれるんならよぉ.....。」

 爽「あんた.....人の命に対して無責任にも程が.....」

 仗助「無責任ぃん?今後こいつが被害を拡大させたら

 お前の方が無責任じゃぁねえか?黙ってろ。」

 マニッシュボーイ「いいだろう.....まずはそいつを

 見せしめに.....殺してやる!!」

 ブシャブシャブシャブシャ!!

 葵の体が何も無いのに切り刻まれる。

 爽「お姉ちゃん.....!!」

 仗助「大人って言うのは.....自分の発言に

 責任を持たなきゃな。」

 『クレイジー・ダイヤモンド』から赤い玉が投げつけられる。

 すると玉に当たった葵が治っていく。

 全てが元通りに。

 マニッシュボーイ「ふぁあああああ!?」

 仗助「波紋に『クレイジー・ダイヤモンド』の能力を

 乗っけて投げつければ遠距離でも壁越しでも

 人を治せるんだよ.....波紋サーチで全員の位置も

 距離も把握できるし.....この距離程度なら

 簡単に治せるんだぜぇ.....試してみるか?

 この東方仗助...もう手の届く範囲内で

 誰も死なさねえ.....だからここで波紋と

 医療の勉強をしている.....お前ごときに

 もう負けたりできねえんだよ!!」

 爽「こ、これがこいつの.....スタンド能力.....

 見た目は要らないけど能力は欲しい.....。」

 マニッシュボーイ「うわ.....あっあっあっあっ.....。」

 仗助「逃がさねえ。」

 『クレイジー・ダイヤモンド』「ドラァっ!!」

 マニッシュボーイ「ぎぃやあああああ!!」

 壁にぶち当てられて貫通して外へ飛んでいく

 マニッシュボーイ

 マニッシュボーイ「くっ.....くそっ.....。」

 そこに来る仗助。

 仗助「そういえばお前夢でなんて言ったんだっけ

 .....そうだ思い出した.....顔も台詞も.....俺に

 なんて言ったんだっけなあ.....。」

 マニッシュボーイ「かっ.....カッコいい頭ですねえ!!

 最高級レストランで出すステーキみたいな.....。」

 仗助「.....もういい.....てめえは死刑だ。」

 マニッシュボーイ「わああああああああああああ!!」

 『クレイジー・ダイヤモンド』「ドラララララララララララ

 ララララララララララ!!ドラララララララララララ!!」

 久々のドラララッシュ。

 マニッシュボーイ、後で条太郎に回収されて

 その後は不明。

 

 休日朝のジョースター邸

 葵「ひどい事件もあるもんね。」

 爽の姉と今後の相談をしている。

 仗助「悪いことは言わない。条太郎さんに言って

 すぐにパスポートも金も用意する。

 スタンド扱えるようになったら帰っていいんだぞ?」

 爽「.....いいや.....まだ.....ここにいる。

 ここで学ぶべき事がたくさんある.....それに

 お姉ちゃん解ってるんでしょ.....島が平和じゃ

 無くなるかも知れないって。」

 ここ数年で日本の離島を外国人が占拠してデモ活動や

 車両妨害、あまつさえは治安さえも破壊する

 事件が多発していた。

 爽「島に帰って.....平和に過ごせる.....でも.....

 いずれは.....必ず試練は来る....だから...私は.....。」

 葵「無理しなくていいのよ.....!?」

 コンセントから電気を纏ったチキンが.....これは!?

 葵「爽!!危ない!!」

 ガチッ!!

 捕まった。

 爽「!!!」

 「くははははは!!久しぶりだな東方仗助!!

 音石明!!脱獄せいこおおおおお!!」

 仗助「てめえ.....『レットホットチリヘッパー』!!」

 レットホット「ようやく逃げ出せたぜぇ!!

 いい女だ.....てめえの彼女か?どっちにしろひんむき

 がいのあるいいボディだ。」

 『レットホットチリヘッパー』

 億康の兄貴含め数々の犯罪を繰り返して来た

 4部の電撃を操る強敵スタンド。

 レットホット「がっはっはっはっはっはっは!!

 心配するな!!一回ヤったら返してやる!!俺の

 好みだぜこの体!!」

 葵「爽ちゃんから手を離しなさい!!さもないと.....!!」

 レットホット「さもないと?俺のスピードに

 ついていけねえ一般人の癖して.....。」

 仗助「心配なのはてめえの安否だ音石明、

 欲なんて出さねえ方が幸せだったのによぉ.....。」

 レットホット「はっ?この俺を馬鹿に.....。」

 爽「馬鹿は貴方よ.....人質を間違えてくれて

 ありがとう.....お姉ちゃんに手を出さなかったことは

 評価してあげるわ。手足も指も力も使える。

 心配しないでお姉ちゃん。」

 レットホット「はぁ!?てめえなめてんのか!?」

 爽「自分の身の心配でもしたらどう?

 腐ったチキンラーメン野郎。」

 レットホット「.....!?なにぃいいいい!?

 俺の両手が.....左足が.....!?消えてるだと!?

 うわあああああああああああ!!」

 蹴り飛ばして背中をぶち抜く。

 着物が焼けて姿を現したのは.....刺青

 みたいに美しく背中に張り付いた大きな蝶だった。

 レットホット「あ、足が.....吸いとられて.....!!

 かぁあああああああ!!」

 電撃を飛ばすも展開された無数の蝶が『スタンド能力』

 の電撃を全て吸収する。

 レットホット「なんなんだこのアマァ!!ヤベエ!!」

 爽「あなたの好物のおかずだと思った?残念

 豚ユッケよ。」

 レットホット「に、逃げなくては.....

 今すぐ逃げなくては!!覚えてろアマァ!!

 後で必ず殺してやる!!」

 コンセントに逃げ込んで消えていく

 『レットホットチリヘッパー』

 爽「貴方に次はない。」

 『レットホットチリヘッパー』は驚愕した

 それはコンセントじゃなかった。

 レットホット「な、なにぃいいいいいいいい!?

 これは.....コンセントに保護色で化けた奴の

 蝶のスタンド!!ヤベエ.....逃げ切れねえ!!

 消えちまう!!俺の力が.....能力が.....。」

 『レットホットチリヘッパー』というスタンドが

 呆気なく消滅してしまった。

 葵「爽.....貴方.....!!」

 爽「ここで強くならなきゃ.....帰っても誰も護れない

 だからここで修行するし勉強する。

 人を殺すためにするんじゃなくて.....

 当たり前の日常を守るために強くならなきゃ

 いけないの。」

 葵「.....わかったわ爽.....じゃあ私も付き合う。」

 仗助「へ?そんなお金どうやって高免するんですか

 パスポートもビザも.....。」

 条太郎「いいだろう出してやる.....ただし.....。」

 条太郎がドアから出てきた。

 仗助「条太郎さん!」

 条太郎「いざというときの協力が必要となる

 『ヘル・サーティン』のスタンド使い回収のついでだ

 訓練についてこれるならな。」

 

 その後.....力を失い.....絶望した音石明が

 セーヌ川で自殺したことが発見された

 

 東方仗助

 『クレイジー・ダイヤモンド』(医大時)

 破壊力A スピードA 射程D 持続力A

 精密動作性B 成長性B

 波紋で治す射程が延び精密動作性も向上した。

 

 天加護 爽

 『メモリーカード』成長中

 破壊力E スピードD 射程A 持続力A

 精密動作性C 成長性A



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第十一話 波紋修行

爽=空門蒼
葵=空門藍
修正急ぎます


冬が過ぎ、春が来ようという季節の境目

 東方仗助、天加護爽とその姉葵達3人は

 大学の休暇を利用してイタリア

 エア・サプレーナ島で波紋修行の仕上げをしていた。

 ここはジョセフの母リサリサが波紋修行

 専用の島として改造した島である。

 昔のように究極生物と戦う訳でもないので

 必死に訓練する人間以外はそれほど命懸けの

 トレーニングはやっていない。

 仗助「ふぅ~ハードなトレーニングが続くなあ.....。」

 爽「波紋...楽しいのは良いんだけど基礎体力やっぱ

 欲しくなるわね...それはそうと...葵がどうして

 一番楽しそうなの?」

 爽の双子の姉・葵はイキイキストレッチして

 フレッシュな息を吐いて生き生きしていた。

 葵「ほ、ほら...島で打ち込めるスポーツとか

 娯楽とか勉強とか...あんまり無くて卓球水泳釣り

 だけだとやっぱり飽きるじゃない?

 っていうかヨーロッパって

 日本と空気違ってなんか...別のスッキリ感が

 あるっていうか...えへへ...。」

 葵は元気そうに細いがマッチョな人間の腕ぐらいは

 ある木に向かって。

 葵「波紋カッター!!」

 ジュバッ!!

 ドコーン!!

 波紋カッターを飛ばして斬り倒した。

 葵「これ.....凄い楽しい.....私才能あるかも.....。」

 爽「『私の姉がやばすぎる件について』って

 本でも書こうかしら。」

 それを目の当たりにした仗助は焦っていた。

 仗助(どーして部外者が滅茶苦茶熱心に

 トレーニングしてるんだ!?

 片手間でやってるんだったらこっちも気が楽なのに...

 ヤベエ...東方仗助...女に二度目の敗北は御免だぜ...

 抜かれないように...鍛えねえと...男の面子が...!!)

 仗助は必死だった。

 同時期に入ってきた姉妹二人が思ったより

 頑張るので気を抜いたら抜かれかねない。

 フェリシアン・ツェペリ

 「よく頑張りました皆さん。それではヘルクライム

 ヒラーへ案内します。」

 

 エレベーターで連れて来られたのは24mの大きな穴の底

 柱を中心に大量の油が滴った場所。

 仗助「こんな風呂には入りたく無いなあ.....。」

 フェリシアン「ここは君のお父さんも乗り越えた

 波紋の高レベルの試験場だ。

 通称『ヘルクライムヒラー』

 この油滴る柱を登りきるという試練だ。

 ただこれを義務過程にしてしまうと死者が

 続出するから波紋を極限まで鍛えたい挑戦者

 だけが挑む場所にしたんだ。

 こんなの義務化したら現代人ほとんどついていけない

 にしてもジョセフ・ジョースターを最後にクリアした

 のは俺とスピードワゴンさんと....浄雅崎 情華。」

 仗助「えぇぇっ!?これあいつ登りきったんですか!?」

 フェリシアン「ああ、びっくりしたよ。

 あんなに大人しい少女が意地でも登りきるどころか

 何回も何回も往復して鍛えていたなあ。

 スピードワゴンさんや俺でも登り降りをして

 楽しんでいたが、一般人は微塵も楽しめないからな。」

 仗助「.....マジですか.....。」

 仗助(生理的には受け付けない場所だが.....

 あいつもこれをクリアしたのか。

 圧倒的だと思ったあいつの身体能力も含めて

 ここで鍛えていたのか...挑むつもりは微塵も

 無かったが....どうやらこれも....ジョースターの

 血筋つーか.....運命なのかもな.....よし。

 この二人に格の違いを見せつけて引き離すチャンスだ

 もう二度と抜かれねえ為にも.....俺はここを越える!!)

 

 修行一週間後

 東方仗助はヘルクライムヒラーに挑戦した。

 仗助「ぬぉおおおおおおおおお!!頭を滅茶苦茶に

 けなしたあいつだけは.....あいつにだけは

 ぁああああああ!!」

 指先に波紋を全力を注いで高速で登っていく。

 爽「貞子かあんたは!?」

 フェリシアン「速い!?何処からそんな力が!?」

 仗助「ぬおおおおおおおおおお!!」

 目が血走って夜のバイクを四つん這いで追ってくる

 白衣の女性みたいな体制で登っていく。

 フェリシアン「登りきったぞ!!流石ジョースターの

 御氏族とだけは.....へ?」

 仗助「ふぐぅううううううう!!」

 登りきって.....爽に飛び襲いかかる。

 爽「えええええええ!?そんなに私が憎いの!?」

 葵「このケダモノ.....私が殺.....。」

 仗助は横を通りすぎて

 爽「へ?」

 仗助「てめえだけはてめえだけはてめえだけは!!」

 ボコボコボコボコボコボコボコ!!

 岩を素手で殴りまくって壊している。

 仗助「浄雅崎 情華.....頭をけなしたことを後悔

 させ.....。」

 フェリシアン「おい、試練はクリアできたぞ。」

 仗助「え.....わはははは!!すいません見苦しい

 所をお見せして.....大丈夫っすよ、私的な

 過去ですから。」

 フェリシアン「君は一体情華君と何があったんだ....?」

 仗助「.....後できちんと説明するんで勘弁.....

 いっ.....いってぇええええええええええ!!

 手足がぁ!!手足がぁ!!」

 フェリシアン「あーあ。全身の筋肉が180km/h

 しか出せない車を感情論で300km/hまで出して

 大幅にすり減ったような状態になってるぞ.....

 試練を速くクリアできたのは誉めるべき事だが.....

 やれやれそもそもあそこは普通感情論でクリアできる

 所じゃないぞ?」

 爽「頭を貶したらなんでもできる人みたいになってる

 .....。」

 葵「ぷすっ。(不機嫌)」

 仗助「やった.....すげえ自信ついた.....代償が

 でかいが.....。」

 腕脚の筋肉痛にしばらく見舞われたが波紋でさっさと

 治した。

 だがその後夜.....。

 

 葵「頭の悪そうなあいつでもクリアできたなら

 私でもできるはず.....。」

 なんとこっそり爽の姉葵はあろうことか

 ヘルクライムヒラーをクリアしに行っていた。

 フェリシアンが手動でエレベーターを

 設置したせいかセキュリティガバガバだった。

 まあこんなところに金目のものはないし

 侵入しても損しかしない。

 葵「ぐぐぐ.....。」

 やっぱり波紋があっても腕力もない女性には

 ヘルクライムヒラーは辛い。

 葵「くそっ.....。」

 柱をぶっ叩く葵。

 一歩も登れない。

 そんなに甘い所じゃない。

 仗助は何だかんだでコツを掴むのが早かったのだ。

 葵「絶対クリアしてやる.....!!」

 

 それから毎日の修行の夜にヘルクライムヒラーに

 葵はこっそり立ち寄って.....。

 登れなかったら風呂で油を洗い流して

 それから睡眠不足覚悟の上で寝るを繰り返した。

 

 あらゆる波紋は習得できた。

 だがなんだかんだで仗助も覚えがいい。

 葵は意地でもあいつにだけは

 ふざけたヘアスタイルしたあいつにだけは負けたくない

 と、必死に体を鍛えた。

 だがヘルクライムヒラーだけは.....どうしてもクリア

 できなかった。

 

 最終日 夜

 葵「今日しか残ってない.....。」

 必死に鍛えた。

 波紋で身体能力は大幅に上がった。

 それでもクリアできていない。

 葵「柱の中腹のボタンを押すと凄い圧力で油が

 吹き出る事もわかった.....チャンスは一回。

 疲れちゃったらもう登れない.....よし。」

 意を決して登る。

 

 12.5mまで登る。

 指に波紋を込めてじっくり登る。

 葵「これで半分.....。」

 その時。

 つるっ。

 あ。

 滑って。

 落ちる。

 高さが高さだ。

 このままだと無事じゃすまない。

 その時葵の脳裏に何かが過る。

 波紋を使って水遊びした記憶が.....。

 葵「!!!」

 その時頭に電流が走る。

 葵「私にしかできない.....攻略法.....これだっ!!」

 

 くるっと空中で回転して油の湖に着地すると

 油の中に波紋を大量に流す。

 油の質を波紋で変える。

 トランポリンのように油の質を変えて

 ドォーン!!

 落下した一回の勢いを殺さず上に跳ね上がる。

 勢いを生かして上に足二つで柱をかけていく。

 吸い付く波紋の響く音が響く。

 トットットットッ。

 葵「はっ!!」

 カチッ。

 あえてスイッチを押す。

 刃物のような強力油の噴出口をあえて開ける

 その瞬間刃物の油の上に既に彼女はいた。

 油の刃物の中央に飛んでぎびすをかえし

 勢いを溜めて外側に。

 シュン!!

 一気に走る!!

 波紋を全て足にかけて走る。

 葵「とどけぇえええええええええええ!!」

 あと少しのところで腹筋を使って

 壁に食いついて.....登りきる。

 葵「できたーーーーー!!」

 ヘルクライムヒラーを登り切って達成感溢れる葵。

 爽「葵.....なにやってんの.....?」

 フェリシアン「おいおい.....勝手にこんな危険な

 試練を教官抜きでやるって.....まあ昔はみんな

 やってたけどさあ.....。」

 葵「あはは.....ごめんなさい。」

 フェリシアン「君を探したせいで飛行機出発が

 延期になったよ.....一言言ってくれればいいのに。」

 仗助「それはそうとこれはどういうことだ?」

 そこには鞄を持った仗助がいた。

 葵「こら!!人の鞄を勝手に開けるんじゃ.....。」

 仗助の手元には二枚のパスポートと島の家族写真入り

 の財布、中身はきっちり入っている。

 葵「((( ;゚Д゚)))!!」

 仗助「パスポート無くしたって言ってなかったか?

 それと帰る金も島の写真もあるこの財布

 まさか盗まれたにしちゃ全部入ってるな。

 パスポートもう一枚はスピードワゴン財団に再発行して

 貰った分だな。」

 爽「どういうこと.....?」

 葵「それは.....その.....爽ちゃんと一緒に居たかった

 から.....(モジモジ)。」

 爽「嘘.....ついてた?」

 葵「ごめん.....だって爽ちゃん帰らないって

 言うかもしれないし.....悪気は.....無かったの。」

 仗助「どうしますか先生、条太郎さんに

 言いつけますか?」

 フェリシアン「ああ、言いつけよう。ただし.....

 貴重な人材だから丁重に扱うことにする。」

 仗助「え?帰さないんですか?」

 フェリシアン「確かに経緯はどうであれ少なくとも

 極悪人じゃない。騙された側にも責任はある。

 それに彼女もスタンドが使える。」

 仗助「え!?」

 フェリシアン「僕が侵入者に化けて彼女を奇襲したら

 スタンドを出した。ここ最近で発現したそうだ。

 確かに欺いた事は罰則に値はする。

 しかし、こっちも人手がたりていない。

 多少危険だが、任務に協力してもらう。

 それで全部チャラにする。」

 

 英国へ戻った一堂。

 スターダストウォール英国支部

 条太郎「緊急調査だ、各地で爆破事件が多発している

 そこで俺と情華を倒した実績のある君にも

 同行して調査してもらう。」

 爽「それは事故です事故!!お願いだから許してぇ!!」

 条太郎「そんなつもりはない。むしろ協力と

 同行を頼んでいるのは俺だ。

 そっちの姉にも同意が得られれば協力を得たい。」

 仗助「大丈夫ですか条太郎さん、俺は戦闘経験が

 あるからいいとしてこいつらド素人ですよ?

 足手まといになりませんか?」

 条太郎「その時は俺と仗助でフォローする。

 監視カメラや暗号追跡、情報収集に一切

 引っ掛からない連続爆弾事件だ。

 遠隔操作型でも賢いやつは下見をするのに

 下見の形跡さえも無い.....言うなれば手がかりが

 掴めないんだ。この俺ですらな。」

 仗助「条太郎さんでも手掛かり一つ掴めないって...!!」

 条太郎「そこでだ、日頃から茶を出すアルバイトを

 やってもらっている上で天加護爽にお願いしたい

 連続爆破事件の犯人を見つけてきてくれ。」

 爽「その『茶を出すアルバイト』って取引相手が

 詐欺師が信用できるか見極めるやつですよね.....

 あれ人間不振に陥りそうなんですけど.....。」

 条太郎「逆だ、信用できる相手を見極める

 事ができるっていうのはわりとリスクを分散できて

 便利だと思うんだが...まあこんな危険な任務を

 頼んだ側が椅子に腰掛けたままっていうのも

 気に入らないだろ?」

 仗助(条太郎さん同行ってことはすっげえ危険な

 任務じゃないっすか.....あのネズミハンティング

 以来っすね.....。)

 葵「だめ、爽ちゃんが危ないから私が行く。」

 爽「.....要は相手のスタンドを吸って記憶を

 見れば終わるんですよね?だったら....行ってみます。」

 葵「爽ちゃん!!」

 爽「爆弾魔をこのままにしていたら私じゃ

 無くてもいずれ誰か巻き込まれる。だから私も行く。」

 葵「爽ちゃん.....。」

 仗助「気をつけろよ、離れすぎて木っ端微塵は

 俺でもどうにもできないかもしれないからな.....。」

 条太郎「了解した、報酬は日本円にして

 援助金で200万、解決で500万だ。行くぞ。」

 

 ロンドン事件現場周辺、女子高付近。

 仗助「条太郎さんでも女を囲いたいとか(小声)

 願望あるんですか...女性二人護衛とかキツイっしょ?」

 スタープラチナ「オラァ!!」

 ゴツッ!!

 仗助「いてえ!!」

 拳骨を食らった。

 条太郎「仗助...俺が妻以外の女と一緒にいるときはな

 そいつらの助けが無いと事件が冗談抜きで解決

 できないときだけだ.....俺もこの事件の真相が

 解けずに今はすっげえ気が立ってるんだ.....。」

 仗助(そんなに焦って.....!!)

 爽は蝶を展開して周辺を散策している。

 爽「今の所何処にも異常は.....。」

 条太郎「!!」

 スタープラチナ「オラァ!!」

 スタープラチナが石を爽に向けてぶん投げた。

 爽「え!?」

 葵が素手で石を防ぐ。

 葵「貴方爽ちゃんに何を.....。」

 仗助「馬鹿はてめえだ!!天加護葵!!今すぐそこを退け!!」

 ピッ.....。

 葵のかかとに何かが当たった

 葵「えっ?地面から.....ヒレ.....?」

 パァアアアアアアアアン!!

 二人が爆発した。

 葵・爽「!!!」

 仗助「『クレイジー・ダイヤモンド』!!」

 ドォラッ!!

 赤い波紋の玉を二人に二つ投げ当てて

 『元に戻す』

 葵「嘘.....何これ.....。」

 爽「え!?何々!?」

 仗助「条太郎さんはあのヒレが二人に触れる前に

 遠距離の時点でぶっ潰すために石を投げたんだ。

 気を付けろ.....選択を間違えたら俺でも助けられるか

 ....わからねえぞ.....今回は.....!!」

 葵「ご.....ごめんなさい。」

 条太郎「仗助.....あそこを見ろ。」

 地面から出てきている魚のヒレがバイクに

 エンジンをかけて乗ろうとしている男に群がっている

 仗助「あぶねえ!!」

 パァアアアアアアアアン!!

 ヒレがバイクに触れて爆発する。

 葵・爽「.....!!」

 条太郎「おい、大丈夫か?」

 気がつくとバイクから少し離れた位置に男がいた

 男「え?あぁああああ!?俺のバイクが!?」

 条太郎「爽、ヒレを見つけたら蝶で吸いとって

 能力を教えてくれ、そしてスタンド使いの

 位置を.....そうしないとこの町は常にこの

 恐怖に見回れる。」

 爽「こ、怖い.....怖い.....!!」

 涙目で震える二人。

 条太郎「頼む、見つけてくれ.....!!」

 爽は勇気を持って地に蝶の高度を落として探す。

 爽「怖いよぉ.....怖いよぉ.....!!」

 泣き出して震える爽。

 葵「大丈夫.....私がついてる。」

 小さなヒレを発見する。

 仗助「この小さなヒレ.....まるでサメみたいっすね....

 爆弾スタンドは吉良吉影と億康の兄貴以来か.....。」

 条太郎「いいや、仗助。これはサメじゃない

 もっとヤバイやつだ。」

 仗助「そんな海洋生物いましたっけ?」

 条太郎「.....あのヒレの形はマンボウだ。」

 仗助「マンボウ?なんだ可愛いじゃ無いっすか。

 人は食べないしとぼけた顔可愛いし.....。」

 条太郎「これは爆弾スタンドだ...マンボウは産卵で

 生物界史上最多の3億の卵を産む.....このスタンドは」

 『単体』じゃあ無い...意味がわかるか?」

 仗助「え...まさか...この爆弾スタンドが卵を産んで

 .....3億に.....増えるとでもいうんすか...じょじょ

 冗談っすよね.....?」

 条太郎「流石にそこまで増えないと思いたい.....

 だが地面の中を自由に移動する爆弾スタンドが

 卵で無数に増えるなんてことになれば...ロンドンが

 消えてなくなっちまうかもしれねえ.....。」

 仗助「条太郎さん...だから気が立ってたんですね

 ...この事件の解決には一刻の猶予も.....!!」

 スタンドのマンボウのヒレが蝶に吸い込まれる

 蝶を回収して爽が触る。

 その記憶を見た爽が体を震わせて叫んだ。

 爽「嫌.....嫌.....ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 条太郎「どうした!?」

 爽「どうしてやることみんないっぱいあるのに

 ずっと.....ずっと.....ずっとずっとずっとずっとずっと

 ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと」

 葵「しっかりして!!どうしちゃったの!?」

 爽「ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと

 ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと

 どうして私を殴るの...いじめるの...死んでよ...

 私が辛い思いをしてあいつら笑って生きてるのが

 気にくわ.....!!」

 条太郎「マズイ!!仗助!!止めろ!!」

 仗助が『クレイジー・ダイヤモンド』で頭に触れて

 その記憶を『持ち主』に戻す。

 爽「はっ!?今の.....。」

 葵「爽ちゃん!!大丈夫!?」

 条太郎「すまない.....俺が軽率すぎた。

 ここまでリスク高い記憶を見るのは計算外だった

 ある程度情報を教えてくれたら帰っていい。

 これ以上は本人にとって負担過ぎる。慰謝料も

 後で渡す...それでこのスタンド使いは何処にいる!?

 教えてくれ!!」

 爽「.....死んでる。」

 仗助「え.....?」

 条太郎「おい、今なんて言った...もう一度ゆっくり」

 爽「この娘...死んでる...いじめを6年間執拗に

 受けすぎて...自殺して...その報われない怨みが

 ...このスタンドを...死んだ瞬間発現させた...。

 スタンドの名前は.....『マンボー.....ファイブ』。」

 条太郎「ふざけるな...それが本当だとしたら....。」

 パァアアアアアアアアン!!パァアアアアアアアアン!!

 わあああああああああああああああ!!

 ロンドンのあちこちに火の手が上がり爆発が連続して

 起こる。

 条太郎「全部.....ぶっ潰す以外倒す方法がねえだと!?」

 仗助「どうすりゃ.....いいんだよ!?」

 

 『マンボー・ファイブ』

 破壊力A スピードE 射程∞

 持続力A 精密動作性E 成長性A

 

 



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第十二話 マンボー・ファイブ

イギリス首都ロンドン

 スタンド『マンボー・ファイブ』によって

 今まさに壊滅の危機に瀕していた。

 あちこちでヒレがちょっとした衝撃で爆発して

 テロリスト真っ青の大惨事となっていた。

 条太郎「こいつらはどこで卵を産んでいる?

 そこまで解らないか!?爽!!」

 爽は半泣きになりながら女子高の体育館に指を指す。

 入ると体育館の中は何もない。

 爽「ラクロスは.....先生となら楽しめたって.....。」

 仗助「ここはやつの母校か!?ということは

 用具入れに....。」

 横でスタープラチナが体育館の入り口のドアを

 ひっぺがすと用具入れから離れた位置で

 地面に叩きつけ始めた。

 オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!

 仗助「なにやってるんですか!?」

 パァアアアアアアアアンドコォオオオオン!!

 体育倉庫が大爆発した。

 条太郎「やつのスタンドはちょっとした衝撃で

 ニトログリセリンのように爆発する。

 一刻を争う状況ではあるが卵がおそらく大量に

 あるであろう体育倉庫に近づくのは危なすぎる。

 時を止めて見てみたが...見たら真っ青になるぜ...

 こんなの全滅できるのか...不安になる数だぜ....

 まるで青い砂粒をびっしり詰め込んだような絶望的な

 卵の数だぜ.....!!」

 仗助「.....!!大量にこっちに来た!!」

 マンボウのヒレが仗助達を包囲して迫ってくる。

 100はあるんじゃないかっていう小さなヒレ。

 葵「何これ...怖い!!」

 爽「数が.....多すぎる.....逃げ道が.....!!」

 条太郎「既に孵化済みか...手遅れとは言いたくは

 無いがこれはやばいぜ.....。」

 仗助「脱出しましょう、このドアを使って!!」

 金属製の体育館の入り口を

 『クレイジー・ダイヤモンド』で治して

 くっつける。

 条太郎「全員乗れ!!逃げるぞ!!」

 くっつけたドアに4人乗っけて

 『クレイジー・ダイヤモンド』『スタープラチナ』が

 ドラッ!!オラァ!!

 下から押し上げて飛ばす。

 爽「上に屋根って盖ついでるんですが、

 こんなんで逃げ切れるんですか!?」

 条太郎「黙って見てろ。」

 飛ばした後の二人のスタンドが思いっきり

 地響きするような衝撃を地面に与えるように

 両手を振り下ろす。

 『ドラァ!!』『オラァ!!』

 パァアアアアアアアアン!!

 振動に反応して体育館が大爆発を起こす。

 下から爆風に押し上げられて上へ飛ぶ4人

 爽「いやああああああ!!やねえええええ!!」

 屋根が目の前に迫る。

 条太郎『スタープラチナ・ザ・ワールド』!!

 時を止めて屋根を破壊する『スタープラチナ』

 オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!

 条太郎「時は動き出す。」

 ポォオオオオオオン!!

 屋根の穴から彼方へ吹き飛んでいく4人

 爽「いややあああああああ!!おちるぅうう!!」

 仗助「いやあ、命の保証のあるフリーフォールって

 楽しくないっすか!?」

 葵「馬鹿なのあんた!?死ぬわよ!?高いわよ!?

 地面アスファルトよ!?」

 仗助「馬鹿じゃ無いですよ、俺は条太郎さんを

 信じてるんですから!!」

 地面に激突寸前。

 すっ。

 

 爽「激突ぅううう!!.....あれ?」

 葵「れれれ?」

 アスファルトに4人とも落っこちたのに

 衝撃がない。

 なんともない。

 条太郎「やれやれ、お前の方が落下の衝撃より

 強敵だったんだぜ?しっかりしろよ?」

 爽「何やったの?.....あ!!」

 思い出した。

 蝶が止まった時を削った記憶を。

 条太郎「これで終わってくれてハッピーエンドで

 .....あればいいが....。」

 条太郎が腰の鳴った携帯電話を取る。

 条太郎「やっぱりな...まだ他の所で爆発してる。」

 爽「えぇええええええ!?そんなぁ!?」

 条太郎「....頼みづらい願いだが....もう一度

 奴のスタンドを吸収して名前を割り出せないか?」

 爽「やだ.....怖い.....。」

 仗助「別に頼まなくていいっすよ条太郎さん。

 こんなとき最近いじめで自殺した女子高生で

 会社にに調べてもらえばいい話っすよ。

 後は俺達がそいつの手掛かりを掴んで解決しに

 いけばいいだけの話だ。」

 爽「あんた....怖くないの?こんなに死ぬかもしれない

 状況なのに怖くないの!?...どうしてそんな飄々と

 立ってられるの!?」

 仗助「俺がやらなきゃ...別の誰かが死ぬ。

 それだけだ。俺は手の届かねえ場所で3人も知り合いを

 殺されてる...自分が殺されるより...治す間もなく

 助けられずに誰かが死ぬ方がよっぽど怖い。

 だから立たなきゃいけねえんだ...東方仗助はよぉ

 これ以上誰も死なさねえ為に、恐怖なんか後回しに

 して探さなきゃいけねえんだ!!これを止める

 手掛かりをよぉ!!」

 爽は目をふくと立ち上がって言う。

 爽「あんたの能力で助けられなかった人は...いるの?」

 仗助「ああ、三人もだ。しげちー、美容院のお姉さん

 そしておれの爺ちゃん...それも全員病死じゃねえ....

 殺されたんだ.....。」

 爽は歯を食い芝ってふらふらしながら立ち上がる。

 爽「私が死ななくても...泣かなくても...誰かが...

 肩代わりして死ぬ...泣く...そんなの...もっとやだ!!」

 パンパン!!

 半泣きになりながら顔を叩いて立ち上がる爽。

 葵「爽ちゃん!!大丈夫なの!?」

 爽「私が...一番この事件の真実に近い人間...

 私がやらなきゃ...誰ができるの...しっかりしろ...

 あーまーかーどーそーーーーーー!!」

 叫んでしっかり立ち上がる。

 仗助「.....!!マズイ!!周りに.....マンボウのヒレが!!」

 いつの間にか周りにうじゃうじゃマンボウのヒレが。

 条太郎「スタープラチ.....。」

 爽「大丈夫。」

 展開された多くの青い蝶がそのスタンドのヒレを

 次々と取り込んでいく。

 爽「破壊したら...手掛かり...掴めないでしょ?」

 指に蝶を乗っける。

 蝶から6年間ものいじめの辛い記憶が自分に

 流れ込んで来る。

 葵「爽ちゃんやめて!!貴方が壊れちゃう!!」

 爽「自分が苦しんでるからって...他人に危害を加える

 ようなやつに...私は.....負けない!!」

 歯を食い芝って記憶を受け入れる。

 爽「この娘の名前は.....アニュー・メーレ・フレヒト。

 ラクロス部女子高生3年学校は※※※※※※。」

 条太郎「わかった、今調べてもらう!!」

 

 条太郎「わかった!!とある病院で自殺したそいつが

 植物状態で眠っている!!死亡後蘇生したが意識が

 覚めないままだそうだ!!今すぐ行くぞ!!」

 4人は走っていく。

 カチッ。

 爽・葵「あ。」

 二人はヒレを踏んだ。

 パァアアアアアアアアン!!

 仗助「しまっ.....!!」

 爆発に巻き込まれたと思いきや

 条太郎「やれやれ...助ける側の身にもなってみろ。」

 スタープラチナが二人の胸ぐらを掴んで背負っていた。

 爽「あはは.....。」

 仗助「うわわ!!こっちくんな!!シッシッ!!」

 マンボウのヒレに道中苦戦しながら病院へ走る4人。

 

 アニュー・メーレ・フレヒトの病室に到着する一同

 条太郎「こいつだ!!やれやれ両親さえ側にいないんじゃ

 どうしてこうなったって言うのが手に取るように

 わかるようだぜ.....。」

 顔は普通でツンデレの臭いがする容姿をしている

 女子高生が植物状態で眠っている。

 仗助「どうします?本体を倒しますか?」

 条太郎「逆だ仗助、こいつの魂を『元に戻し』て

 昏睡から起こす。死んだら発動するなら本人起きたら

 スタンド....精神エネルギーは元に戻るはずだ。」

 仗助「そうとわかればまずは

 『クレイジー・ダイヤモンド』で治して

 体と脳の隅々まで波紋を流し.....高速で循環させて

 起こす!!」

 心臓が動き始める。

 植物状態から回復し始める。

 しかし.....。

 仗助「.....起きないっすね。なんでだ...やり方を

 間違えたのか!?」

 爽「そりゃ目覚めたくないもの...目を覚ませば

 同級生からの執拗ないじめが待ってる...。」

 仗助「本人の潜在意識が拒否してるって事か!?」

 条太郎が携帯をとって話を聞いている。

 条太郎「ある程度減ったそうだがスタンドの爆発が

 沈静化してないとフェリシアンから連絡が入った。」

 仗助「まじっすか.....。」

 爽「だったら...彼女の意識に入れたら起こせるかも....」

 仗助「そんなことできんのか?」

 爽「えっと確か『ヘル・サーティン』.....。」

 スタンド『メモリーカード』で能力を吸い込んだ

 蝶を取り出して『記憶』を呼び覚まし...今使用.....。

 記憶蝶『あぁあああああ!!俺のゴットウインナーがぁ!!』

 爽「...................。」

 嫌なのを思い出した。

 顔を思いっきり落胆にしかめる。

 爽(この記憶を消耗できるから良いことに...しよう。)

 条太郎「どうした?やっぱり気分が優れないなら

 俺がこいつを物理で起こすしかないか.....。」

 『スタープラチナ』がポキポキ拳を鳴らしている。

 爽「待って!!待って!!今すぐやります!!

 起こしますってば!!.....『メモリーカード』!!

 スタンド!!『ヘル・サーティン』!!」

 彼女を起こすため天加護 爽は夢へ飛び込む。

 

 彼女の意識に入り込んだ爽

 爽「あれ?ここは?」

 自分の故郷の海。海岸、店。

 爽「あーそっか。」

 スタンド『ヘル・サーティン』は

 本来遊園地の姿を型どるが、裏を返せば

 『スタンド使いの意識が一番安定する』空間に

 引きずり込むため使う人間によって展開される

 空間に差異が産まれる。

 爽「さてと...何処にいる...本人...。」

 「もぐもぐ...何これ美味しい。」

 爽のいた島の駄菓子屋でガブリチュウしゃぶってる

 イギリス人女子高生がいた。

 爽「コラーーーー!!勝手に食うなぁあああ!!」

 「あ、ごめんなさい.....あれお金持ってない。」

 爽「あ.....ごめん食べていいわよ。」

 「どっち!?」

 爽(そうか...ここは夢の中だから私が思わない限り

 この世界には彼女と私しかいないのか.....。)

 爽「名前、何て言うの?」

 「アニュー」

 爽「私は.....天加護爽。」

 二人はもくもくと駄菓子を食べて

 食べ終えて語り出す。

 アニュー「どうしてこんな残酷な世界に私は

 産まれたんだろう.....。」

 爽「..........。」

 アニュー「焼けたらもうちょっとマシになるかな.....

 いじめをしてる連中に何も仕返しできなかったな.....

 悔しい....どうして私は泣き顔で...あいつらは笑顔

 なんだ...私だって笑顔でいいじゃない...どうして

 私を生け贄にでもしないと笑えないの?」

 言葉が浮かばない。

 何て言えばいいのかわからない。

 彼女の苦痛の記憶は重くて.....

 何を言えばいいのかわからない。

 そうか。

 自分のスタンドのせいでロンドン火の海なんて

 知らないんだ。

 怨みが外で暴走して他人も家族も巻き込んでいるのを

 この娘は知らない。

 誰にも言えずに溜め込んだ怨みが死んで爆発した

 爽「じゃあ起きてここに来てみよう。

 私がつれていってあげるから。ここは私の故郷。

 駄菓子は.....お金払って食べることになるけど

 都会のような荒んだ空気の無い田舎もいいよ?」

 アニュー「いじめは無い?」

 爽「無いわよ、そんなに気の強い男も酷いぐらい

 気丈な女性も居ないしいいところよ?」

 アニュー「でも...言葉がわからなかったら

 どこも地獄じゃない?」

 爽(くっばあ!!(吐血))

 アニュー「それにゲーセンも無ければ本屋も無いし

 ラクロスも.....場所無さそう。スイーツの店も

 無さそうで.....。」

 爽(憎い!!都会がァァァ憎いっ!!)

 アニュー「もう.....目は覚めなくていいかなって.....。」

 爽「ぬああああああああああああ!!都会っこぉおお!!

 私の故郷にケチつけんなあああああああああ!!

 起きろ起きろ起きろ!!頭に来た!!力付くで起こす!!」

 アニュー「やだ!!現実戻ってもお父さんもお母さんも

 こっち見ない!!戻ってもいいことなんて一つも無い!!」

 爽「ぬああああああ!!強情めぇええええ!!ネガティブな

 くせして都会楽しみやがってぇええ!!

 絶対起こしてやる!!」

 必死に意識を引っ張るもなかなか戻らない。

 

 条太郎「まずいな.....。マンボウが.....病院内に!!

 仗助!!内部で爆発はマズイ!!波紋で治して遠距離から

 消していけ!!」

 ヒレが病院の床壁天井に侵入してきている。

 仗助「またシャボンランチャー使う羽目になるとは

 思いませんでしたよ.....『クレイジーシャホンランチャー!!』」

 『クレイジー・ダイヤモンド』のエネルギーを

 乗せたシャボンランチャーで『マンボーファイブ』

 を『元に戻して』消していく。

 仗助「蝶より数多いし.....万が一病院の一階で

 衝撃ドカンなんて洒落にならないっすよ!!」

 条太郎「急いでくれ爽!!時間が無いぞ!!」

 人口肺にヒレがいくつか侵入する。

 仗助「やへえ.....破壊できねえとこまでヤツが.....

 このままだと.....マズイ!!」

 

 爽(うわぁあああああああ!!時間がない!!

 どうすればこの娘の意識を引きずり出せる!?)

 爽「ぬあああああああああ!!おきろぉおおおおお!!」

 拳でアニューをぶん殴りにかかる爽。

 アニューが頭を護と。

 ピトッ。

 蝶を乗せられた。

 するとアニューの目の前にリーゼントの男が

 現れ、リーゼントが美味しそうなお肉に変わって

 ベロンと落ちていく。

 アニュー「.....くふ。」

 リーゼント落っことした男がしろっぽいマッチョに

 固定され褐色の男に頭を笑われて血眼で

 『ぶっ殺してやる』と叫ぶ。

 最後に突如。

 「うわぁあああああ!!俺のゴットウインナーがぁ!!」

 アニュー「ぐふふふふ.....。」

 そう、これは『ヘル・サーティン』と戦った記憶。

 最後に特大のオチが待ち構えていた。

 

 これは爽の昔の記憶。駄菓子屋でバイトしていて

 突然駄菓子屋の着替えの部屋を開けられたかと

 思うと

 「うわああああああああああああ!!」

 開けた男が驚いて着替えの最中の爽に

 かき氷ぶっかけて逃げていったのだ。

 爽「うわあああああああああああああ!!乙女の下着に

 かき氷ぶちこむやつがあるかぁあああああ!!」

 

 アニュー「ぶはははははひゃひゃひゃひゃ!!

 もうダメ腹痛い!!」

 その時、彼女の意識が思いっきり緩んだ。

 爽「今だァああああああああああ!!

 おおおおーーーきぃーーーろぉおおおお!!」

 アニュー「ちょとま.....ままま...くふ.....

 ぶははははははは!!もぉーだめぇだぁ~ー!!」

 強制的に緩んだ意識を昏睡から引きずり出す。

 

 仗助「消えた!!ヒレが消えていきます!!

 条太郎さん!!」

 ロンドン各地から爆破を起こしていた

 『マンボー・ファイブ』が消えていく。

 条太郎「やれやれ.....ようやく.....収まったか。」

 空承条太郎は解決の知らせを聞いて地面に

 寝込んでしまった。

 仗助「そりゃ疲れるっすよ.....条太郎さん.....。」

 アニューが目を覚ます。

 爽「おはよう...アニュー。」

 アニュー「貴方.....どうして疲れてるの?」

 葵「お、終わった。」

 この事件の解決で.....4人全員はほぼ疲れでくたくた

 だった。

 『マンボー・ファイブ』

 本体復活により活動停止・消滅。

 

 その後彼女は爽と葵の通っている別の女子高に

 転校し二人にカウンセリングを受けている。

 ジョースター邸にまた一人住人が増えた。

 

 元の女子高に行く爽、葵、アニューの3人

 アニュー「本当に行くの?」

 爽「当たり前、6年もいじめたやつらをとっちめて

 やらないと.....。」

 葵「あそこまで怨みを溜めさせた以上私も言うべき

 事がある、行く.....あ。」

 女子高が空襲にあった防空壕みたいな事に

 なっていた。

 爽「しまったぁああああ!!仗助に治してもらうの

 忘れてたァ!!」

 アニュー「なんか.....斬新な気分♥」

 爽「はぁ!?.....まあ6年もいじめられてたらそりゃ...。」

 

 爽達はいじめの主犯グループの元にいったが

 全員魂が抜けたみたいになって落ち込んでいた。

 爽「どういうことかしら?」

 蝶を使って記憶を見てみると.....。

 どうやら家を『マンボーファイブ』に半壊にまで

 破壊されたらしい。

 アニュー「にへへ.....すっきり。」

 爽「そりゃ.....6年もいじめられてたら....あ、あれ

 いじめって.....なんだろう?」

 殴る気を失せる程の惨状を経験したのが自分達だけでは

 無いことを実感する姉妹だった。

 

 『マンボー・ファイブ』

 地面をすり抜ける爆弾マンボウを産み出すスタンド

 死んでから怨みの力で発動するため

 射程は無限大でともかくちょっとした衝撃で

 爆発する。繁殖力も恐ろしいため本体を目覚め

 させるか、全部倒さなくてはならない。

 破壊力A スピードE 射程∞

 持続力A 精密動作性E 成長性A

 



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第13話 フルートの奇妙な料理店

イタリア

 ジョルノと出会って1年。

 スタンドを矢で目覚めた日から大分文句もいいづらい

 任務をこなして大分家族への送金も金にも

 ある程度余裕が出てきた。

 まあ、その前から苦学生の時から親友の世話に

 なりながら趣味で店を時々手伝い.....

 趣味でメニューを考え、今に至る。

 これは世界の何処にもない奇妙な料理店のお話

 

 ソリッド「美味い店だ。」

 パッショーネ新ヒットマンチームサブリーダー

 ソリッドはこの店を時々仲間と戯れたり

 一人で優雅な時を楽しんだりしている。

 彼が初めてこの店に食べに来た日は

 それは.....とあるよく晴れた日だった。

 

 初めてとある店に尋ねた

 「情報によるとここにボス一押しの実力ナンバー2が

 いるらしいが.....。」

 店名『ristorante piccolo ragazzo』

 直訳 レストラン キチガイ

 「へっ、店の名前まで脳ミソぶっ飛んでやがるぜ!!」

 「ふつうじゃねえなあ!!店の名前からしてもよお!!」

 「ちょっと遊んでやろうぜ?」

 ソリッド「おいおい、マナーぐらい守れよ。

 それでも社会人か?」

 「店名がそもそもマナー違反じゃねえか!!」

 「知るかよ!!次期ボス候補の顔ってやつを

 拝むんだ油断は禁物手加減なしだ!!」

 「くっくっくっくっくっくっ!!」

 「ねえこの店食べログ星5つだってさ。」

 「うっそだろおい!!」

 ぞろぞろ来る新鋭ヒットマンチーム。

 フルート「いらっしゃいませ。」

 店長の風格で店の店頭に現れるフルート・ルチャルティ

 ソリッド(多額の報酬貰ってる癖に店でバイトか.....

 気になるな.....。)

 「おい!!まずお茶をよこせお茶を!!とびきり美味い

 紅茶をだ!!」

 フルート「では、メニューからお選びください。」

 

 ソリッド「美味いな.....喫茶店より工夫が凝らして

 あるのか.....。」

 そんなことを思って店に物思いにふけっていると

 仲間が紅茶入れになにかを入れている。

 ソリッドは溜め息をついて言う。

 ソリッド「マナー違反所か人間としてどうなんだ?

 それは。」

 簡単に言えば仲間がアバ茶リクエストのような

 馬鹿げたことをやっている。

 「俺様特性の健康ドリンクだ、嫌だとは言わせねえ。」

 ソリッド「お前がリーダーだということに

 軽蔑しそうだ.....。」

 「おい!!ティーカップ落としたぜマスター!!.....!?」

 ティーカップをわざと落っことしたが

 気がつけばテーブルの上にあった。

 フルート「どうかされましたか?」

 「いや.....いつ戻ったんだ!?....音さえしなかったぞ!?」

 「うわあ!!グラスを.....!!(わざとじゃない)」

 バラバラとグラスとナイフとフォークを落っことす。

 ところが突然テーブルの上に落下音なく戻っている。

 「ふぁっ!?」

 (こいつのスタンドか.....?)

 「あんたの紅茶に敬意を評してこれを飲んでくれ

 俺からの誠意の印だ。」

 ソリッド(くそが.....。)

 そいつはアバ茶リスペクトの入ったお茶の入った

 お茶入れとティーカップをフルートによこす。

 黄色いお茶から湯気が上がっている。

 フルート(こいつらの誘いを受けつつ俺の

 『スティッキー・シャーク』で誤魔化せなくはない。

 喧嘩もできない訳じゃない。

 この中身の正体も連中の正体も俺は知っている。

 だがそれだけじゃ.....面白く無いじゃないか!!)

 「ぎっひっひっひっっひっひっひ♪」

 薄笑い浮かべる新鋭パッショーネヒットマンチーム

 その時。

 ニィヤァリ!!

 フルートの表情が一瞬不気味に笑った気がした。

 ソリッド(ゾゾゾッ!?)

 一瞬背筋が凍った。

 お茶の臭いをかいで叫ぶ。

 フルート「なんだこのくせえお茶は!?

 どんな焙煎方法をしたらこんなド下手なお茶が

 出来上がるんだ!?焙煎したやつの顔を見てみたい

 ものだなあ!?」

 「おお!?俺たちに喧嘩を売ろうっていうのか!?

 そのお茶を入れた俺様にかぁ!?」

 ソリッド(馬かなのかこいつ!?仮にもこいつら

 全員凄腕のスタンド使い!!喧嘩を売ったらマジで

 死ぬぞ!?わかっているのか!?)

 フルート(ここにはジョルノも居ないし助けも来ない。

 だから.....俺がこの客を捌く!!(ニッコリ!!))

 フルート「いいだろう!!このお茶を絶品のスープに

 作り治してやる!!ちょっと待ってろ!!」

 「 ! ! ! ! ? ! ? 」「え?」「は?」「ぶぅ!?」

 なんとお茶入れもティーカップもなんのためらいなく

 回収すると持っていった。

 フルート「待ってろ無料で絶品のスープに

 つくりかえてやるから....是非お待ちくださいませ...。」

 「お、おい待てそんなこと誰もは頼んでな.....。」

 パタン!!

 厨房に入るフルート。

 気になってヒットマンチームが厨房を覗く

 フルート「♪♪♪♪♪♪」

 「こいつ鼻歌歌ってやがるぞ.....?」

 「おいおい、どうせ捨ててスープにすり替えるんだろ

 嘘つくんじゃねえぞこのタコが.....!?」

 鼻歌を歌いながら奇妙な行動を繰り返すフルート。

 「信じられねえ!?鍋に.....入れたぞ!?確かに

 入れやがったぞ!?何を考えてるんだあいつは!?

 そんまま出して喧嘩を売るつもりか!?」

 フルート「くふふふふふ♪(不気味にニッコリ)」

 「いいや待て!?見ろ!?コンソメを入れてるぞ!?」

 「おいマジかよ!?まさか!?本気で調理して飲ませる

 気じゃあ無いのかあれは!?」

 「やめろブイヨンを入れるんじゃねえ!!

 見てるこっちが気持ち悪くなるだろ!?」

 「スパイスと調味料で味を調えてるぞ!?

 嘘だろ.....マジかよ.....やべえ.....やべえよ.....

 あいつは本当にスープにして俺たちに飲ませる気だ!!

 あいつはマジなんだ!!」

 フルート「ぎっひっひっひっひっひ......たっはっはっ

 はっはっはっは♪」

 「嫌だもう見てらんない!!」

 「黙ってろ!!.....なんてやべえ感性の持ち主だ.....

 関わりたくねえ.....!!」

 「待てよ!!俺達はヒットマンチームだぞ!!

 こんな命もかかってねえような光景でビビるんじゃ

 ねえ!!」

 フルート「ゴクッ.....ニヤリ。」

 「あ、あ.....味見してニッコリしたぞこいつ。」

 「不気味すぎる.....キチッてる.....イッてるぞ

 あいつぅ!!もう嫌だ帰るぜ俺は!!」

 「おい、待て.....。」

 「本気で飲ませる気だ!!俺も帰る!!」

 「おい、お前ら!!置いていくなっていうかビビって

 んじゃあねえ!!」

 ソリッド「おい!!紅茶の代金支払わずどっかに

 行くんじゃねえ!!お前らどうした!?」

 テーブルで一人くつろいでいたソリッドが

 去っていく仲間を呆然と見つめる。

 ソリッド「一体何をしたんだ?」

 フルート「お待たせ致しました.....あれ?皆様は

 何処に?」

 ソリッド「いや.....何処かへ去っていっちまって。」

 フルートはソリッドを見つめて気の毒そうな内心をした

 フルート(なんだと!?こんなんで逃げるなよ!?

 せっかく手塩にかけて作ってやったのに逃げるなよ!!

 仲間を一人残してなんなんだあいつら!?

 死闘する覚悟はあるのに俺のスープも飲めねえのかよ!?

 くそっ.....感想.....聴きたかったのに.....!!)

 ソリッド(そこじゃねえよ!!)

 ※フルートもどこかぶっ壊れていた。

 ソリッド「えっと.....なんだか悪いな。」

 フルートはスープの入ったスープカップをテーブルに

 3つおくと一つをぐいっと飲み干した。

 ソリッド「!?」

 フルート「私は連中がどんなことをしたのか

 どんな連中なのかは全部把握している。

 だが俺は自分の作った料理には絶対の誇りがある!!

 シェフとして絶対にしてはならないことは

 自分が口にできない料理を客に出すことだ!!

 俺は料理で暗殺をしろと言われたら依頼主の

 顔面を叩き割る。断言する!!

 .....飲みたくないなら私が全部飲んで差し上げますが

 どうされますか?」

 ソリッド「.....。」

 スープから食欲を誘う香りが漂う。

 ソリッド(原材料は俺が一番把握している。

 このスープには.....わかっていても手が.....勝手に

 求める.....魔力が.....凄味がある.....!!)

 手がスープカップに触れる。

 口に少し入れる。

 ゴクッ!?

 自分でもビックリした。

 ソリッド(なんだこのスープ!?ちょっと味見

 するはずが気がついたら全部飲んじまった!!

 腹が余計空くし全然イケる!!これは.....これは!?)

 気がついたらカップ二つあったスープが全部

 無くなっていた。

 ソリッド(なんだと!?俺が俺を理解できない!?

 自分がどうして飲んだかも理解してない!?)

 フルートはニッコリ笑うと

 フルート「お気に召したでしょうか?

 ちょっとした口直しに一品だけ無償でどうですか?」

 ソリッド「え!?いいのか!?」

 フルート「お見苦しい所をお見せしたお詫びです

 どれでも好きなものをどうぞ。

 表メニューも裏メニューもありますが

 どうなさいますか?」

 裏メニューにはなんとも変わり栄えの無いメニューが

 書いてある。

 いいや多少変わり栄えはするが印象は強くないだけだ

 だが表メニューには料理とも言えない名前が

 並んでいた。

 『髪の毛』『鳥の骨』『芋虫盛り合わせ』

 『秒殺スープ』『油糸』『人間の腕』『蝶と蛾の刺身』

 『絶品肉ゼリー』『ドルチェの天ぷら』『食える蝋燭』

 『ベイクアイスケーキ』『果実のようなナマコ』

 『燃えるシャーベット』

 ソリッド(いいや普通逆じゃ無いかな?

 別に裏.....いいや表....なのか?これ食欲を

 減衰させる名前の料理とは斬新すぎる.....普通の料理店

 ならアウトじゃないかな.....なんだこの料理名は?

 いいや、無難に普通のメニューから選べばい

 馴染みのあるイタリア料理食べたくは

 そっちを選べばいい.....だが.....気になって

 仕方がない!!じゃ.....じゃあここは.....無難に.....

 シェフの腕を信じて.....。)

 ソリッド「秒殺スープを。」

 フルート「かしこまりました。ただしお客さん、

 ひとつ約束をしてください。

 名前が奇妙な料理を食べるときは、

 名前で外見は大体察しがつきます。

 ですからどんなものが出ても食べる『覚悟』が

 出来ていると判断しますので.....

 どんな外見の物が出てきても.....断る前に必ず一口.....

 お口に運んでいただくことをお願いします。」

 ソリッド「.....ごくり。」

 

 出てきたのは澄んだ綺麗な少し具がちらほら入った

 スープだった。

 ソリッド「かなり量があるな.....秒で飲める量じゃ

 無いが.....大盛のラーメンの汁位あるぞ?」

 スプーンですくって一口飲む。

 すると。

 ソリッド「!!グブッ!!ゴブッゴブッゴブッゴブッ!!」

 なんと自分も訳がわからずスプーンを置いて

 器ごと一気に飲んでしまったのだ。

 ソリッド「なんだこれは!?旨すぎる!!しつこくなく

 一気にぐいっといってしまう!!さっきのスープ

 以上だ!!これだけ飲んでも腹を下さないし

 気がついたら器ごと俺は飲み干していた!!」

 フルート「それは中国のスープをベースに

 作ったオリジナルのスープです。

 中国のとあるスープは様々な材料を入れて

 何週間も蒸して滲みでたやつをスープとして

 出すやつがあり、それをイタリア人向けに

 臭みの無いように改良したのがこれです。」

 ソリッド「自分でも信じられん.....あれだけの量が

 無くなってしまった.....凄いぞこれは.....他も

 金を払うから試していいか?」

 フルート「どうぞごゆっくり。」

 

 フルート「『髪の毛』です。」

 ソリッド(思わず頼んでしまったがかつらをそのまま

 皿に盛ったようなこの見た目.....普通じゃない.....

 いいや、どうせ髪の毛と言っておきながら極細の

 イカスミパスタだ。大概そうに決まっている。)

 スルルルルル.....。

 食べてみる。

 ソリッド「!?これはイカスミパスタじゃあ無い!!

 これは.....サラダだ!!極細に食感を重視して

 髪の毛のように極細に切り刻まれた野菜たちだ!!

 滑らかな舌触りと喉ごしなのにしゃきしゃきして

 食べやすく止まらない!!それをイカスミとオリーブ

 オイル主体のトロリとしたタレと隠れたチーズが

 混ざりあって互いに引き立てるっ!!

 一体どうやってこんなもの作っている!?

 マジでヤバイぞこれはぁ!!」

 フルート「食べれる花やチーズを加えながら

 パスタのように食える極細食感サラダとして

 仕上げました。高級料理店のサラダというものは

 極めて美味しく作ることもそうですが

 本来その食材が苦手な人間さえもペロリと平らげる

 ことができる『工夫』が凝らしてあるんです。

 それがこれです。」

 ソリッド「凄く美味いのは素直に称賛したい。

 だが.....見た目はどうにかならなかったのか.....

 後メニュー名。」

 フルート「それじゃあ面白くないじゃあ無いですか。

 それに味のわかるお客さんだけ来ればいいし

 キャパシティ越える数の客が来てもクオリティ維持が

 難しいし捌ききれない。

 親友と相談して作ったし、なによりも普通に作っても

 『他ならより安価で美味いのが食える』と言われたら

 意味がない!!ここでしか食えない!!味わえない!!

 どこも売ってない!!そうじゃなきゃおもしろく

 ないし誰もここを選ばないじゃあないか。」

 ソリッド「確かにその通りだ.....そういう考え方も

 アリなのか.....わかった。勘定は俺が全部払っておく

 だから.....また来るな。」

 

 数日後

 「うめえぞこの髪の毛!!」

 「うめえよこの人の手!!」

 「おい!!マジで鳥の骨来たぞ!!」

 フルート(またぞろぞろ来やがった.....。)

 ソリッド「ひとりで来ると言ったのにどうして

 来たんだお前ら?」

 「い、いやあ気になるじゃないか?お前が気に

 入ったって.....。」

 ソリッド「よく言うぜ.....全くマナーは守れよな.....。」

 フルート「まあ.....行儀よく食べてくれるなら

 別にいいか。一人良識人がいるだけで

 安心感がちが.....。」

 ジョルノ「ここが君の店か.....。」

 フルート「!!!」

 ソリッド「ぼ、ボスっ!!」

 ざわ...ざわ...ざわ...ざわ...。

 ジョルノ「この店評判良さそうだから来てみたよ

 おすすめは何かある?」

 フルート「鶏肉がおすすめです、七面鳥と

 ウズラと鴨とアヒルとリンゴで茹でたやつが

 ありますがどうされますか?」

 ジョルノ「もう、フルート。親友が現れたら

 露骨に僕が嫌いなものを勧めて追っ払おうとしないの

 気持ちはよくわかるけど.....じゃあ.....

 『芋虫盛り合わせ』と『油糸』と

 『果実のようなナマコ』を頼むよ。」

 フルート「まあいっか、かしこまりました。」

 内心(やれやれ.....まあ普通に対応すればいいか。)

 END

 



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第14話 暴走する好奇心

「ノックして、もぉしもぉ~し。」

 フーゴ「おい.....ちょっと待てシィラ.....

 スタンドでドアを叩き割るんじゃない.....。」

 ベットから起き上がりフーゴが顔を洗って服を

 整えていると

 シィラ「まったく、部屋ぐらい自分で片付けられないの

 かしらフーゴは?」

 待ち時間が余程暇だったのかフーゴの室内を

 掃除していた。 

 フーゴ「おい.....ドアを叩き割るなって.....。」

 シィラ「鍵ぐらいおとといスッとられた事ぐらい

 気がつきなさいよ。」

 フーゴ「え!?いつの間に!?」

 シィラ・カペッツート17歳

 スタンド『ウードゥー・チャイルド』

 2年前麻薬チーム討伐の際に共闘したスタンド使いの

 少女。

 あの後病院送りだったが、しばらくやることも

 ないからとちょくちょくフーゴがお見舞いに

 来ていたのを期になついたのか部屋をちょくちょく

 掃除に来たり無理にピアノをフーゴから教わりに

 来るなど、腐れ縁というやつかそんな関係が

 今も続いて.....あろうことかついこの前互いに初めてを

 捧げあったとは仲間にも誰も言ってない。

 後日ヘビが家に侵入してきて焦ったが花束に

 変わったのを見てジョジョには既に

 ばれているんだなと悟った。

 シィラ「付き合う女も予定も無いんでしょ?

 じゃあたまには食事位付き合ってよ?

 一線.....こえちゃった.....し.....えっと。」

 いつもの戦闘スーツより乙女っ気のある清素な

 服装で来ていた。

 フーゴ(力入れすぎ.....というか.....どう声を

 かけたらいいんだ?)

 昔は2歳年下の妹分としか見ていなかったが

 復讐の目標も無くなって年を経て女性として感じる

 成長感した感を感じる。

 フーゴ「に.....似合って.....いるよ。

 というか.....他にもいい男いるはずなのに.....

 どうして僕なんだ.....?。」

 シィラ「いくわよ、今日ぐらい私が料金持って

 あげるからついてきなさいよ。」

 フーゴ「おい、ちょっと.....ちょっとま.....。」

 有無も言わさず腕を引っ張られて行くフーゴ。

 自宅の施錠をシィラの『ウードゥー・チャイルド』が

 済ませると.....フーゴとシィラはこれで

 何回目かわからないデートへと向かう。

 

 二人は普段の服装とは違い、自分達がいつもは着ない

 きっちりした服装で外へ出る。

 ムーロロやミスタにいじられたくは無い。

 いや、無駄な努力でどーせバレることはわかっちゃ

 いるがこの時間を侵食されたくはない。

 今日は世間でも休日なのかあらゆる喫茶店や

 レストランは満員だった。

 シィラ「どこもかしこも気が効かないわねぇ.....

 こんなにお客さん多いと入りづらいじゃない.....。」

 フーゴ「いつもみたいに混んでるとき外しているが

 今日は難しいな.....。」

 シィラ「あ、あそこのレストランわりと空いているわよ?

 行ってみ.....。」

 店名『ristorante piccolo ragazzo』

 直訳 レストラン・キチガイ

 フーゴ・シィラ「............................。」

 どうしよう。

 やや混んでなさそうな店はここしか無さそうだが。

 店名が酷い。ここから見る限り内装には問題は無いが。

 フーゴ「まあ....飲み物だけ頼めば気にならないし

 ....嫌だったら出ればいい。なんならこの店の評判を

 『ウードゥー・チャイルド』で見てみれば

 地雷を踏む危険性は防止できるはずだ。」

 シィラ「そそそそそうおねーフーゴ!!じゃあ

 入ってみよう!!」

 はにかんでおどおどする様子に可愛いと思ったら

 僕の負けかなとも思ったフーゴだが

 シィラと一緒に奇妙な料理店へと入っていく。

 

 フルート「いらっしゃいませ、お客様2名様ですか?」

 フーゴ(開幕知り合いじゃないか!!)

 フーゴ「ああ、2名で。」

 フルート「かしこまりました、オープン席と

 個室席がありますがどうされますか?」

 フーゴ「へぇ~気が利く店だな~じゃあ個室席で。」

 フルート「かしこまりました、こちらにどうぞ。」

 

 案内された席は天井から光は差し込むが壁に窓の無い

 ソファー有の個室食事スペースだった。

 フーゴ「雰囲気はいい場所だな。」

 フルート「お客様、表メニューと裏メニューが

 ありますが表メニューの表記がお気に召さない場合

 裏の普通メニューも楽しめますのでどうかゆっくり

 お楽しみ下さい。」

 フルート「へぇ~裏が普通で表メニューが....え?」

 コーヒーや紅茶と言った飲み物やドリンクの表記は

 至って普通だった。

 だが表メニューの表記が....奇妙過ぎた。

 表メニュー

 『髪の毛』『鳥の骨』『芋虫盛り合わせ』

 『秒殺スープ』『油糸』『人間の腕』『蝶と蛾の刺身』

 『絶品肉ゼリー』『ドルチェの天ぷら』『食える蝋燭』

 『ベイクアイスケーキ』『果実のようなナマコ』

 『燃えるシャーベット』

 フーゴ(なんじゃこりゃぁあああああ!!

 どうしてこんな食欲の失せる料理名前を

 こんなにいともたやすく並べる事ができるんだ

 この料理店!!やはり地雷だったのか.....!?)

 フーゴ「.......いいや裏メニューは至って普通の

 イタリア料理だし何処にも問題はないから

 裏頼もうよ裏を。」

 シィラ「......気になるわね.....この店はゾンビでも

 飼ってるのかしら.....あのフルートって奴は

 ボスの親友であり実力者であるとは聞いてはいるけど

 いまいち.....わからないわね.....私やフーゴやミスタより

 ジョルノ様との関わりは長くは無いはずなのに

 何故かジョルノ様は気にかける.....正体を掴む

 必要があるわね。裏で人間を食材にしてるようなら

 この店を潰す必要があるわね.....。」

 フーゴ「ジョジョがそんなことを許す奴じゃない事は

 僕も一応理解はしているつもりだ。

 きっとハロウィンの衣装を着たような感覚の

 料理なんだろう、気になるなら

 『ウードゥー・チャイルド』で確認してみたら

 どうだ?もしかしたらこの店一押しの料理が

 わかるかも知れない。」

 シィラ「そうね、そうしてみるわ。

 『ウードゥー・チャイルド』。」

 エリエリエリエリエリエリエリ.....。

 キツツキが突っつくようにスタンドで

 コツコツテーブルを突っつくといくつもの

 唇が現れて喋り出す。

 『ウードゥー・チャイルド』は殴った場所から

 唇が出てその場所から人間の話した言葉をリプレイ

 したり、人間を殴れば本音や深層心理からの

 罵倒を吐き出す。

 「うめえよこの髪の毛!!」

 「がっはっはっは絵面ひでえ!!」

 「この人の腕!!中身がカリカリホクホクだ!!」

 「いかれた見た目だが旨いぞ!!」

 「ナマコもっと食べたい!!」

 「キモ旨い!!」

 「シェフ!!芋虫もっと頂戴!!」

 「肉ゼリーなんて表現がもったいないわ!!

 ベストオブジャストミートよ!!」

 「蝶と蛾を食べてる構図がおもしれえな。」

 「手のひらうっまあ!!」

 「とーりーのーほーねー!!」

 フーゴ(このスタンドでおすすめメニューを

 聴くはずが.....食欲が失せるダメージを受けたのは

 俺達だった!!)

 シィラ「なにこれ.....客狂ってんの.....!?」

 フーゴ「落ち着くんだ.....注目すべきは表メニューを

 頼んだ連中は誰も『味に関して不満』を述べていない

 .....だが.....表メニューを頼んだ場合グロテスクな

 物が出てくるのか.....絶品料理が出てくるのか

 全くわからない.....どうして誰も普通に食えるはずの

 『裏メニュー』をほとんど選んでないんだ?」

 シィラ「.....逆に興味が沸いてきたわね.....裏で

 人間を食材にしてるようなら.....この店を潰す!!」

 フーゴ「落ち着け、あのフルートが働いているんだ

 そんな店だったら彼の性格上真っ先に潰している。

 ジョルノがそんな残忍な奴をそもそも側近に据える

 筈が無い。」

 「もう、フルート。親友が現れたら

 露骨に僕が嫌いなものを勧めて追っ払おうとしないの

 気持ちはよくわかるけど.....じゃあ.....。」

 フーゴ・シィラ「!!?」

 フーゴ「この声は!?」

 シィラ「ジョルノ様!間違いなく!ジョルノ様だわ!!」

 フーゴ「ジョジョも.....こっそりこの個室で食いに

 来ていたのか!?」

 【リプレイ】

 「『芋虫盛り合わせ』と『油糸』と

 『果実のようなナマコ』を頼むよ。」

 フルート「お客様は何名様でしょうか?」

 ジョルノ「ミスタとミランチャとジュノーには

 仲良くするように別の店で交流して貰っている。

 いつもの店なら僕らの態度には慣れているけど

 ストレス源は一人の方が気が楽だろう?

 気になるんだよ.....君の料理が。ここは一人で

 優雅に吟味して楽しみたいんだ。

 今日はそういう気分なんだ。」

 フルート「一応気を使ってはくれているのか

 すまなかったな、飲み物はいつもおまえが

 気に入ってるいつものを出せばいいんだな?」

 ジョルノ「わかってくれているじゃないか。」

 

 フーゴ「そうだ!!ジョジョの感想ならどういう

 料理を選べばいいかの参考になる!!

 誤魔化しようがない!!」

 シィラ「ジョルノ様は.....料理を食べてなんて

 言うかしら(ごくり.....)。」

 

 【リプレイ】

 ジョルノ「この芋虫は素晴らしいね、後2皿追加で

 頼もうか?」

 フルート「かしこまりました。」

 ジョルノ「このスープパスタもいい、他の店じゃ

 味わえない食感と味。beautiful!!

 ジョルノ「ナマコって書いてあるけど絶品の

 デザートじゃあないか。こういうの嫌いじゃないよ。

 もう一度食べたくなるね.....。」

 

 ざわ.....ざわ.....ざわ.....。

 フーゴ(どうするっ!?カルボナーラとかマルゲリータ

 とかペペロンチーノとか普通に頼める料理

 はいくらでもあったはずだ!!どうしてそれなんだ!?)

 シィラ「覚悟を決めた.....私はジョルノ様の勇姿を

 見習い.....この表裏が裏返ったエグいメニューを

 注文することにするわ!!」

 フーゴ(まずいぞ.....シィラはなんだかんだで

 今は普通の女の子.....構図的にそれは色々とマズイ!)

 フーゴ「わかった.....どれでも頼んでいい.....

 僕が味見する.....無害ならいくら食べてもいいし

 ショックを被るのは僕でいい.....無理をするな。」

 シィラ「わかったわ.....でも私だってこれでも

 パッショーネのメンバー.....これしきの...事...

 これしきの...こと...。」

 手が震えている。

 やっぱり...ギャングの一員とはいえ女の子には

 生理的にきついようだ。

 オーダーを呼ぶ。

 シィラ「『芋虫盛り合わせ』を.....一つ。」

 フーゴ(無理をするなぁあああ!!一緒に食べてやるから

 顔を真っ青にしてオーダーしなくていいからぁあ!!)

 フルート「かしこまりました。ただしお客様、

 ひとつ約束をしてください。

 名前が奇妙な料理を食べるときは、

 名前で外見は大体察しがつきます。

 ですからどんなものが出ても食べる『覚悟』が

 出来ていると判断しますので.....

 どんな外見の物が出てきても.....断る前に必ず一口.....

 お口に運んでいただくことをお願いします。

 不味ければお代は受けとりません。では.....。」

 フーゴ(何を出すつもりなんだぁ.....フルートぉ!!)

 

 フルート「お待たせしました『芋虫盛り合わせ』

 でございます。」

 フーゴ(うぉぉ.....想像以上にリアルだ.....

 大きなモンシロチョウの幼虫のような8匹の芋虫

 色は黄緑・茶色・白色・紫....4色2対。

 二匹には鰹節がまぷしてあったり

 ある二匹にはごつめに衣をまとってあったり

 毛虫をイメージしたのだろうか?

 ご丁寧に青野菜とトマトのサラダの上にリアリティーに

 乗っかってる!!何を思ってつけたのか

 蝶のサナギがサラダの脇に緑、茶色2つ。

 繭が一つ添えてある.....。

 添え物はケチャップとマスタード.....

 やばい.....食える自信が無い.....!!どうしてこんな

 リアルに作っちゃったのか!?)

 ピクピク.....ピクピク.....。

 フーゴ(う、動いたぁああああ!!)

 シィラが震えている。

 楽しいデートが我慢大会みたいになってしまっている。

 フルート「ああ、それは練り込んだ芋に適度に

 空気を入れて揚げる事で空気の収縮の割合によって

 揚げたてにピクピク動くギミックが

 再現できるんです。」

 フーゴ「どうしてそういう方向に力を入れたんだ

 君はぁああ!!食欲を破壊することしか考えてないのか

 お前はぁあああ!!」

 フルート「てへ。」

 小さく舌を出してとぼけるフルート。

 シィラ「覚悟とは....暗闇の荒野に進むべき道を切り開く

 事であるっ!!ジョルノ様が食べれて私が食べれない

 筈が無い!!」

 ザクッ!!

 シィラはフォークで茶色い芋虫をぶっ指して

 フーゴ「まてぇええええええ!!シィラぁあああ!!

 それはそこで使う台詞じゃあないぃいい!!」

 カプッ。

 食べた。

 モグモグモグモグ..............。

 シィラ「........................................................

 うまぁあああ!!」

 フーゴ「!?」

 シィラ「これポテトよポテト!!練り込んで空気を

 入れてフワッと揚げたポテトに練り込まれたお肉の

 詰め物がじゅわっと染み出る!!

 なにこれ!!見た目を無視すれば美味しい料理じゃない!!」

 フーゴ「なんだと!?そんなに旨いのか!?」

 勇気を出して芋虫を噛ってみるバンナゴッタ・フーゴ

 カリッ。

 フーゴ「うまぁあああああい!?なんだこれは!?

 確かにこれはポテトだ!!揚げたての練りポテトだ!!

 空気が入っていてふっくらカリカリ!!

 芋虫の中には、ひき肉、バジルソース、

 ホワイトソース、うま煮ソース!!

 芋の衣はじゃがいも、さつまいも、むらさきいも

 野菜ソースを染み込ませたじゃがいも!!

 カシューナッツとマカダミアナッツの衣で

 さらに香ばしさをかもし出す!!」

 二人は気がつけば芋虫を美味しく頬張っている。

 フーゴ「これは旨い!!サラダの葉っぱにくるんで

 食べれば更に絶品マスタードやケチャップとも合う!!

 添えてあるトマトと食べればスッキリする!!」

 シィラ「サナギのオブジェはルイペやクエの旨味を

 閉じ込めた魚のムニエル、糸はメレンゲで出来ている!!

 凄い!!気がついたら食べきっちゃった!!」

 フルートはにっこり笑って持論を語る。

 フルート「どんなに食欲が壊滅する見た目であろうと

 一口食べれば180度評価を覆す。それが俺達の料理だ。

 人間はいくら表面は飾り立てても内面が弱ければ

 いずれボロボロに崩れていく。

 俺達の料理がわかるのは、『本質をわかる覚悟』を

 備えた奴だけでいい。それだけよ!!それが満足よ!!

 『本質で圧倒し勝利する!!』それが俺の座右の銘だ!!」

 フーゴ「確かにあれだけ食欲を破壊する見た目

 だったのに一口でそれが吹き飛んでしまった.....

 これが.....君の料理.....え?俺達?」

 フルート「俺と同等の腕を誇る若いシェフが後

 3人はこの店で控えているってことさ。」

 フーゴ「今の料理でちょっと気が楽になったな。

 じゃあ僕は.....高いな.....この『絶品肉ゼリー』

 を頼むよ。シィラ、高い分は僕が出すからいいよな?」

 シィラ「そう.....じゃあ私は『人間の腕』

 と『果実のようなナマコ』をお願いするわ。」

 フーゴ「え?『人間の腕』を頼むのか?」

 シィラ「この料理は絶品だったけどこの人をまだ

 完全に信用してるわけじゃないわ。

 それに『油糸』の正体が『スープパスタ』だって

 事はジョルノ様の感想でわかっている。

 後は得体の知れないメニューの正体を解き

 明かせばいいの。」

 フルート「有り難き幸せ....その姿勢によりやりがいを

 感じますよお客様。さあ、料理を続けましょう。」

 と、そこに『ウードゥー・チャイルド』の

 展開してあった唇がジョルノの声でしゃべる。

 フーゴ「ん?」

 

 【リプレイ】

 ジョルノ「この芋虫のいいところは香ばしくて

 食べやすいって言うのはあるけど...。」

 フーゴ・シィラ「?」

 ジョルノ「僕の嫌いな鶏肉が使われていないのが

 一番嬉しいポイントかな?」

 フルート「好き嫌いすんじゃねえ!!言うべき料理の

 感想はそうじゃあねえだろ!?」

 ジョルノ「わははははwコンビニの弁当でも

 嫌いなものも大概一緒に入っていて萎える事

 無いかなって例えだよ。嬉しいじゃないか好物

 だけ入ってる弁当って。テンション上がらない?」

 フルート「それはお前だけだぁーーーー!!」

 

 シィラ・フーゴ「スコーーーーー!!」

 二人の気持ちは盛大にずっこけた。

 

 フルート「『人間の腕』です。熱いうちにお召し上がり

 下さい。」

 フーゴ・シィラ「じぃぃ.....。」

 ほっかほかの湯気を立てているごつい男の腕

 これが女性の腕ならば吉良吉影が大喜びしたであろう

 見た目である。

 フーゴ「やっぱりな、フルートの本質を現してる

 と考えれば気楽に解るもんだ。」

 もう騙されないぞという空気でフーゴがフォークで

 掌を突っつく。

 フーゴ「皮膚や指の部分をよく見たらイセエビを

 揚げたり焼いたりして加工してパリパリに再現

 している。爪はベーコンの上にぺろんと薄い形状の

 パスタを張り付けてある。断面は.....。」

 パリっ。

 フーゴ「..............。」

 腕の断面が無駄にリアルに出来ている。

 よく見たらチーズとひき肉と生地とソースのラザニア風

 詰め物なのだが....リアルなデザインゆえに食いづらい。

 シィラの目がさっさと食べて感想をくれという目で

 こっちを見ている。

 芋虫はOKで人間の腕はNGなのか。

 あ、そうかこっちはジョルノは食べてないのか。

 だから無理にシィラも食う必要が無い。

 フーゴ(いいだろう....ここで覚悟を見せなくては

 男が廃る。食うぞ.....食うぞ.....食うぞ!!)

 カリッ!!

 皿に乗った指をナイフで切ってフォークを刺して

 食べる。

 フーゴ「旨いっ!!イセエビの衣と甘いプリプリした

 あっつあつの汁を含んだ身の部分中央から染み出る

 クリーミーなソースが絶妙にマッチしている!!

 腕の部分は.....。」

 切り分けて食べてみる。

 フーゴ「んんん!!まい!!これはパリパリの特性クレープ

 の二重構造に特製のラザニアとイセエビのパリパリの

 衣が皿に食間と旨さを引き立てるっ!!

 こんなに旨いラザニアがあったとは!!

 他の店より断然旨いぞ!!」

 シィラもフォークでつんつんして食べ始める。

 シィラ「見た目のインパクトのわりには.....

 美味しい只の料理.....全力で警戒していた

 私は一体.....。」

 なんかどんよりしていた。

 フーゴ「君は悪くない。見た目が悪趣味な方が

 問題だ。絶品料理なら普通に....綺麗に

 盛り付けられなかったものか?」

 シィラ「ほんとそれ!!」

 

 フルート「メインディッシュ『絶品肉ゼリー』!!」

 でかい皿に不思議な色合いのステーキが乗っかってる

 所々半透明の黄色い模様が柔らかい高級肉に

 まだら模様にちりばめられている。

 フーゴ「今までの料理で一番まともな見た目だ。

 果たして.....。」

 湯気が立つ中柔らかい高級牛肉ステーキとは

 別の良い香りが漂う。

 嗅いだことの無い肉の匂いだ。

 フーゴ(.....純粋に.....旨そう.....!!)

 フルート「お客様、フォークよりスプーンの方が

 この料理はおすすめです。」

 言われるがままにスプーンを使って肉を切る。

 まるで肉がプリンのようにプルンとすくえる。

 フーゴ「ごくり。」

 バクッ。

 食べる。

 フーゴ「..............!!デリシャス!!グレートだぁこの

 肉わぁ!!口の中で適度に繊維を残して肉の食感を

 残しつつ柔らかい高級肉のステーキにまだらに

 組み込まれたこの肉が口の中に旨味を放出して

 さらりと溶ける!!なんなんだこの肉は!!

 食ったことも無い食材だ!!なんだこれは!?」

 フルート「それは、スッポンメインの濃縮スープの

 煮こごりに多少スッポンの肉を浮かべて予め

 柔らかく調理して焼いた肉を型で組み込んで

 軽く冷やして固めて、客に出す前に炭火で

 溶けてしまわないように全体に軽く熱を通す。

 こうして絶品の食感が出来上がります。」

 フーゴ「スッポンだと!?そんなものイタリアには

 ほとんど無いぞ!?」

 フルート「親友に数限定で仕入れさせて

 頂いています。」

 フーゴ「値段に十分見合うだけの味..............。」

 シュパッ!!

 シィラが『ウードゥー・チャイルド』で

 肉の半分を吹き飛ばして自分の取り皿に乗っけて

 がっつく。

 シィラ「んんんんんんんんっ♥」

 凄くお気に召したようだ。

 フーゴ(素直にくれって言えよ.....。

 そんな嬉しそうな顔するんなら.....。)

 フルート「ちなみに材料も貴重なので一日10皿

 限定なのでお気をつけて。

 まあ大概売り切れてしまうわけですがね。」

 

 フルート「デザートは『果実のようなナマコ』です。」

 紫色の大きめのナマコが皿にドンと置かれている。

 フーゴ(デザートはもっと見た目がいいやつが

 いくらでもあった気がしたが、今までの傾向を

 見るに見た目と味が合致していない為

 全く味が予想できない。)

 フーゴが味見でナマコの尻尾を切る。

 すると中から虹色のソースが出てきた。

 どろっ。

 グロい。

 フーゴ(デザートにまで覚悟を決めなくてはならない

 とは.....いいやここまで来たら食うしかない!!)

 ぱくっ。

 フーゴ「..........おお!?これはナマコじゃない.....

 ブドウとチューイングキャンディの中間のような

 固めのもちもちとろりとしたブドウ味の生地にミックス

 フルーティーな甘さ控えめのソースがスッキリ締める!!

 立派なデザートだ!!」

 シィラ「よし全部没収ー。」

 皿を丸ごと自分側に寄せてもぐもぐ食べ

 はじめるシィラ。

 なんだかんだこの料理店を一番たのしんでいるのでは

 なかろうか?

 ちょっと寂しい気持ちを払拭すべく別のデザートを

 頼む。

 

 フルート「『ドルチェの天ぷら』です。」

 フーゴ(本当にドルチェショコラケーキを天ぷらに

 してやがる!!いいや世の中にはアイスクリームの

 天ぷらもあるのだ!!もう料理に外れが無いと

 わかった以上がっつり食べさせていただく!!)

 シィラ「いただきます!!」

 カチン!!

 フーゴ(どうしてこっちにフォークを!?

 いいや食べ終わるのが早い!!あれそれ相応に量は

 あったろ!?)

 シィラ「それも今すぐよこせぇえ!!」

 フーゴ「ちょっ.....全部は無いだろ全部.....。」

 パァン!!

 フルートがフーゴのドルチェからフォークを外すと

 シィラにドルチェの乗った皿を飛ばす。

 シィラ「やったー♥」

 フーゴ「おい、これ僕が頼.....。」

 コトッ。

 もう一個同じものを置いてくれた。

 フーゴ「あっ.....。」

 フルート「売り切れじゃ無い限りお作り

 いたしますんで喧嘩は控え目に。」

 フーゴ「あっ.....すっ.....すまないなぁ.....。」

 グロい料理を作るシェフの精神は

 想像以上に紳士だった。

 

 フーゴ「いい店だったな。」

 料理の見た目はともかく味は最高だった。

 シィラ「まあ、怪しいのはシェフの感性だけ

 だったわね。」

 否定はしない。

 だが十分一流名乗っていい腕だ。

 一時はどうなるかと思ったデートだったが

 無事最高の思い出として胸に残る事となった。

 シィラ「あの.....フーゴ。」

 フーゴ「どうした?今日の肉は旨かったとか?」

 シィラ「それもそうだけど...................くふっ.....

 できちゃったみたいなの。」

 フーゴ「........................................................

 え?」

 どうやらグロい見た目の料理を食べる以上に

 人生ってやつに『覚悟』を決めなくては

 ならない事態らしい。

 パッショーネ初の独身卒業がまさか自分になろうなど

 とは.....思いもしなかった。

 

 『ristorante piccolo ragazzo』

 料理の見た目の破壊力A 料理の味A

 料理の出来上がりのスピードC

 射程距離 イタリアのとある現地

 リピート力A 集客の数C 精密動作性A 成長性A

 

 清潔感ある店内とは裏腹に

 食欲を破壊するグロテスクな料理が

 出てくるが、一口食べれば食欲が一気に溢れる。

 一月に一度季節メニューの変更もあり

 ジョルノリスペクトの『てんとう虫のパフェ』や

 『カミキリムシのソテー』

 『タランチュラのショコラケーキ』

 等もお目にかかれる。

 なお飲み物は普通に旨い。

 一応普通のメニューも食べさせていただけるが

 スリルの欲しい客は表の奇妙な料理を積極的に

 注文する風潮がある。

 



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第15話 これで終わりじゃなかった

イギリス

 スタンド防衛株式会社

 スターダストウォール英国支部

 ここで集まってスタンドについての新情報が

 入っていた。天加護 爽によって、

 新たな局面に入ろうとしていた。

 空承条太郎「つまり、『マンボーファイブ』の

 一件は終了してないと?」

 そこには仗助、爽、葵が執務室で条太郎の

 前の椅子に座っていた。

 あの一件終了後『マンボーファイブ』の持ち主を

 爽達姉妹がカウンセリングしている最中いじめの

 主犯の連中に会いに行ったが大半の連中の

 自宅がスタンドで半壊していた一件。

 爽「はい、あの『マンボーファイブ』の持ち主を

 虐めていた女子高生達の中に.....スタンド使いが

 います。」

 蝶を取り出し条太郎の指に当てる。

 条太郎は少しビクッと震えると蝶を受けとる。

 まだ出会いの時のショックを覚えているのだろう。

 だが覚悟を決めて条太郎は蝶を受けとる

 

 【蝶の中の記憶】

 「私の言うことを聞かないならぶん殴るわよ?」

 「いやぁ!!私たちだって時間があるし先生からの

 評判下がっちゃう.....。」

 「自分でやればいいじゃない!!」

 「ガタガタいってると肌を麻疹よりブックリさせて

 やるぞ!!黙ってやれ!!」

 自分の手を汚さずにとにかく複数はいるであろう

 女子を脅して率いている。

 女子高生の目線では何が起きているか見えてないが

 見えない拳でボッコボッコ殴られてる?

 

 条太郎「つまり虐めてる側も被害者だった.....

 本丸は.....自分の手を汚さず弱者を辱しめ

 自分は評価の下がらない優等生を演じている

 ということだな?」

 爽「はい、個人的に.....許せません。

 6年間も.....そんなことを.....力があるからって

 そんなことをやる神経の人間の気持ちが

 わかりません。そいつの名前は

 ギネヴィア・ルー・ソームっていうブラウンの

 ロングヘアーの女、今は高校3学年ラクロス部です。」

 歯軋りして拳を握りしめる。

 前回の『マンボーファイブ』による連続爆破事件

 原因は虐めによる負の感情を死と同時に

 スタンドで『爆発』させた事であった。

 その記憶の痛ましさを実感した爽には他人事で

 片付けたくとも片付けられなかった。

 条太郎「野放しにもできないな.....そいつの

 スタンドで重大犯罪でもされたら困る。」

 爽「その一件は私が解決にいっていいですか?

 一応ことわりは取っておこうかと思って。」

 条太郎「やれやれ.....だったら報告せずに自分で行け

 と内心では言いたい所だが.....よく報告してくれた。

 実は別に気になる情報があってな。

 俺たちは水面下で誘拐犯マフィアの討伐を

 行っている。アメリカ・イギリスで多発する

 誘拐事件は一日で件数は100件~1000件

 多いときは2000件にのぼる。」

 爽「そ、そんなに!?危ないにも程がありませんか!?

 警察は何をやってるんですか!?異常です!!」

 条太郎「ああ、これは組織的犯罪やその市場が

 無いとどう考えてもあり得ない異常水準だ。

 日本では全く無いがもっと多い国もある。

 それに関わる重鎮やスタンド使いの討伐に

 俺達は動いてはいるが焼け石に水だ。

 そのスタンド使いがその女子高周辺に出没する

 という情報がこっちに入っている。

 人数は3人と思われ資料を見る限りかなり手慣れた

 凶悪犯だ。」

 爽「つまり危険だと?」

 条太郎「この誘拐グループのスタンド使いの

 目的がその君の察知したスタンド使いを自分達の

 人員に組み込むことだとしたら

 君達が巻き込まれる可能性がある。

 連中は水面下で人員を多数失っているからな。

 この一件はあまりに危険すぎる、関わるな。

 今後狙われるリスクがつきまとう。

 というのが俺の.....会社としての判断だ。」

 爽「じゃあ放置するんですか!?そんな卑怯で

 凶悪なやつをそいつらに渡して.....。」

 条太郎「するわけがないだろう?

 凶悪なやつが揃いも揃ってぞろぞろ出てきているのに

 一括処理しないわけにはいかない。

 無論一括でぶっ潰すチャンスだ

 できれば俺が行きたかったが連日の仕事で疲弊していて

 おまけに社長が家族を大事にしろっていうから

 泣く泣く娘に面を見せに戻らざるをえないって

 状況で有給を2週間強制的に取らされる羽目に

 なっている、というわけで万が一

 『マンボーファイブ』の一件が解決しきれない

 事を見越して緊急でアメリカから二人を呼んでいた。

 本来『マンボウ』をサーチして片っ端から

 死滅させるつもりで緊急で呼んだうちの会社の

 対スタンド戦闘部門のフォワードとも呼べる二人だ。」

 浄雅崎 情華「お待たせしました条太郎さん。」

 セーラム・スタン・フラワー「『マンボーファイブ』

 の一件に間に合わなくて申し訳無いこの上です。」

 仗助「てめえ!!っていうかもう一人.....誰だ?」

 そこに来たのは白い髪のセミロングの日本人女性と

 白い壁のロングのイギリス人女性だった。

 爽「あ、貴方は確か.....。」

 情華「お、お久しぶり.....ですね天加護さん?」

 額に汗を浮かべて爽を見る情華。

 セーラム「爽ちゃん、お久しぶり。忙しくて

 最近指導させてあげられなくてごめん。」

 爽「いえいえ!!セーラムさん恐縮ですって!!

 私そんなに.....。」

 実は時間あるときにスタンドの指導をセーラムから

 爽は受けているため事実上いい先生と生徒みたいな

 関係である。

 仗助「条太郎さん、情華の隣にいる女は誰ですか?」

 条太郎「セーラム・スタン・フラワー。

 情華より強いスタンドを使う討伐課のチーフだ。

 俺も苦戦するぐらい強い。」

 仗助「えぇぇ!?あいつより強いんですか!?」

 条太郎「ああ、時を止めても練習でかなり苦戦した

 相手だ。仗助が相手なら勝率はゼロに近い。」

 仗助「そんなに!?」

 セーラム「条太郎さん、お久しぶりです。」

 条太郎「ああ、せっかく飛行機てすっ飛んできて

 もらったのに別の案件で本当に申し訳ない

 しばらくイギリス支部の俺の仕事の穴埋めと

 この案件の処理を頼む。

 敵想定スタンド使いは3人、学生含めたら4人

 想定外の事も起こるかもしれないが頼む。」

 セーラム「了解。」

 情華「喜んで!!あ、でも条太郎さん。

 やっぱり二人には協力を仰ぎたいと思っています。」

 条太郎「それは何故かな?俺はあまり戦闘経験も

 覚悟も無いやつを戦場に送りたくない。」

 情華「そうですが彼女は今回の『マンボーファイブ』

 の一件で実績が一応あるのもありますが

 私たちはスタンド使いの討伐はできても

 人数不足だとターゲットの確保が出来ません。

 ですからお二人に同行を.....。」

 条太郎「ダメだね.....一歩間違えれば命に関わる。

 どうしても行くならお前とセーラム二人で

 『凶悪犯』の討伐だけをメインに行うか

 仗助の医大レポートの提出終了まで待ってから

 仗助と5人で行くのが望ましい。」

 情華「えぇぇ.....それじゃあ手遅れに.....。」

 条太郎「別に虐めの主犯をわざわざ同時進行で

 捕まえる必要はない。時間差でいいんだ。

 そいつは別に海外へ逃げたり隠れたりする

 訳じゃない。だから逃げ足も早く、危険度の高い

 やつから先に始末しろ。それでいいんだ。

 すまないな、今は危険なんだ天加護。

 だから今回は待つんだ。後日でいい。

 予想外の事態に対処出来なきゃ命が危ないからな。

 仗助は保険になるぐらいは実力はある。

 いるに越したことはない。」

 爽「..............。」

 歯軋りするように悔しさを滲ませる爽。

 葵「条太郎さんの言う通りよ爽。

 スタンドとの戦いはあまりに危険すぎる。

 私だって.....爽ちゃん護って一緒にいってあげたい

 でも....見るからに頭が悪そうな

 あの軍艦うに頭が憎い.....あいつは傷や重症を

 治せるのにどうして私じゃダメなんだって.....。」

 仗助「誰が軍艦うに頭だこらぁ!!条太郎さん

 レポートの一枚二枚どうってこと無いので任務を....。」

 本気で悔しい気持ちの籠った台詞だが仗助には

 ただの悪口にしか聞こえない。

 条太郎「駄目だ!!お前がやっているのはただの学業

 じゃない、お前を完成させるために必要な学業なんだ!

 それを任務を理由に早期卒業ができない方がきついんだ

 こっちとしては一時も早く完成して欲しいんだ仗助!!

 お前はきちんと医大を卒業してくれ。」

 仗助「くっ.....わかってる....わかってるけどよお....。」

 条太郎「任務をするなとは言ってない。

 学業を疎かにして急ぐなって言ってるんだ。

 理解してくれ.....。」

 仗助「くっ.....。」

 情華「仕方ありませんね。条太郎さんを命令違反で

 悩ませちゃったら本末転倒です。

 チーフ、私たちだけでまずは危険な3人から

 始末するとしましょう。」

 セーラム「わかった。そうしましょう。」

 条太郎「それじゃあ久々の休暇に行ってくる。

 後は頼んだぞ。」

 情華「はい!!条太郎さん!!(にへ~♪)」

 セーラム「既婚者にばっかり心かけていると

 後で後悔するわよ?」

 情華「いいじゃないですか.....アイドルの顔は

 見るだけは只みたいなもんですし.....。」

 セーラム「はぁ.....まあいいわ。二人とも(爽と葵)は

 私達の任務が終わるまではしばらく待っててね。

 そのあと時間を取ってでも協力してあげるから。」

 爽「はい.....。」

 葵「お願いします。」

 情華「じゃあ.....下準備して.....任務開始です。」

 

 それは夕方、虐めの中枢主犯のスタンド使い

 ギネヴィア・ルー・ソーム含めたラクロス部部員が

 終了後帰宅しようと体育館から出たとき。

 「え?」

 「何か音が........。」

 カン!!ピシャッ!!

 金属音と液体が飛び散る音がする。

 巨大な鉛の塊みたいなでかい塊が背後に現れて

 部員を食べたのだ。

 もぐもぐもぐもぐもぐ。

 「え?ミーア?」

 血が大量に滴り落ちて部員達はパニックに陥る。

 「きゃあああああああああああああああ!!」

 その鉛の塊が拳をいくつも作っていろんなものを

 殴りながら追ってくる光景に

 女子高生達は恐怖して逃げていく。

 

 一方、一般車両に乗った誘拐マフィア所属の

 3人のスタンド使いが女子高に向かっていた。

 構成は女性一名男二名である。

 エヴァ「やれやれ、どうしてたかが女子高生

 一人入手に3人も人員割く必要あんたよどう考えても

 過剰人員だぞ!!田舎のコンビニの深夜バイトを

 4人も配置するのと同じぐらい余計なことだ!!

 理解に苦しむ!!」

 リークーフン「いいや、最近スターダスト・ウォール

 という警備会社と公安が手を組んでこっちの誘拐の

 下っはやスタンド使いの人員をゴリゴリ削って

 きやがる。相手をぶっ殺さねえと俺達の立場と

 利益が危ないからな。人員も足りないし。」

 ディロン「まったくだ....特にクウジョウには

 相当苦労させられたからな。もしそいつ一人

 いる場合難易度がグッと上がって任務どころじゃ

 無くなる。」

 クーフン「そいつが現れ次第俺がぶっ殺してやる。」

 目を鷹のように吊り上げている金髪のガタイの

 引き締まった男。

 ディロン「冷静になれ、俺達はこれから人員を

 回収しにいくんだ。協力してくれる見込みのある

 やつらをな.....。」

 剣士風の空気を纏った紳士服の男

 エヴァ「はぁ.....さっさと仕事終わらせて

 明日になったら新しいブランドもののバッグでも

 買いますか。」

 クーフン「中に子供でも積めるのか.....いい趣味

 してるなぁ。」

 エヴァ「はぁ?そっちの『商品』なんか

 詰め込まないわよ、あんたは何人も公安の

 女性をいたぶって殺した残忍なイケメンさん♥」

 クーフン「うるせえなあ.....やめられねえんだよ。」

 気持ち悪い表情を浮かべて笑う。

 ディロン「もうすぐつくぞ、ミッションだ。」

 拳銃に手慣れた空気のキャリアウーマン

 その3人が女子高へ向かっていた。

 

 到着して体育館へ向かう3人。

 クーフン「まだ部活の最中か体育館には明かりが

 ついているし自転車も大量に停めてある。

 体育館の中でまだ部活の真っ最中のようだ。」

 エヴァ「この学校、体育館でもラクロスできる

 施設を置いてあるとは言ってたけど本来部活

 終了時間の筈なのに.....外に誰の気配も無いわね。

 中から音はするのに。」

 ディロン「確かに妙だな.....。」

 クーフン「油断せずに入ってみるぞ。総員構えてろ。」

 体育館の中に入る。

 するとそこには。

 白い長髪をした女性が立っていた。

 セーラム「ようこそ、クーフン。久しぶりね。」

 クーフン「てめえは.....誰だ?」

 セーラム「そうよね、殺した友達の親友の顔

 なんて覚えてないわよね。面識も無いし。」

 その目は憎悪と怒りに染まっていた。

 クーフン「何処かで俺の反抗を見ていたと?」

 セーラム「ええ、誘拐から子供を護ろうとした

 親友を棒で殺した所を。」

 クーフン「ああ、焼死体だからおれじゃあねえわ

 撲殺で炎で苦しむわけねえだろ?」

 エヴァ「嘘つけ(小声)。」

 ディロン「部活動の音は後ろのサウンドに録音を

 流したやつか。なんのつもりだお嬢さん。

 我々はただの人間じゃない。痛い目どころか

 いい値段をつけて売る生業だ。喧嘩を売ったら帰れない

 多少心も体も傷物に.....。」

 セーラム「じゃあ今すぐ.....。」

  こ こ で 死 ね 。

 体育館の扉の額縁が落下する。

 クーフン「!!『ポルノグラフィティ』!!」

 骸骨二つを中心に黒い棒が男の掌から展開された。

 その棒で額縁を振り払った。

 だがその上からフォークが一面振り下ろされたように

 鋭い先端の液体金属が襲いかかる。

 クーフン「ぬぉぉぉぉぉ!!お前ら下がれぇ!!」

 ヴェアアアアアアアアアアアア!!

 一発どころが大量の流動金属のフォークの先端が

 襲いかかる。

 だがクーフンはその群れさえも棒で、棒術で

 吹き飛ばす。

 相当な腕だ。

 スタープラチナでも苦労しそうな液体金属の

 ラッシュ攻撃を達人の棒術顔負けの速度で

 全て防ぎきる。

 残った二人は後ろへ引く。

 ディロン「いいや、どうやら後ろにはいけない

 ようだな。」

 エヴァ「!!私のスタンドが通用しない!!こいつ

 ヤバすぎる!!」

 いつの間にか後ろから液体金属が回り込んでフォークを

 突き立てて来る。

 ディロン「『カーペン・ターズ』!!」

 フッシャァアアアアアア!!

 ポルナレフではないが下半身の無いマントの剣士の

 スタンドがロングソードで高速で襲ってくる

 流動金属を弾く。

 エヴァ「なにこれヤヴァイ!!私の天敵じゃない!!

 どうしてこんなやつがここにいるのよ!!

 コンビニバイトを4人雇ってもグルズリーの処理なんて

 できるわけ無いじゃないこれ!!」

 ディロン「こ、これは.....!!体育館が.....

 管理人を失って時を経てボロボロになった気味の悪い

 洋館のように.....!!」

 ボロボロに焼け焦げた体育館から流動金属は

 溶け落ちて焼け焦げた体育館が正体を現した。

 セーラム「先日ここでスタンドが爆発して破壊した

 事も知らないようね。だけど最近のラクロスは

 晴れであれば一部グラウンド使えば明かりをつけて

 夕方も部活が出来るのよ。

 最近の女子は女の子取り込んで血糊潰しただけで

 逃げ出すから人払いが楽だわ。

 自転車忘れて置いていっちゃうぐらい。

 あなた達の下見不足ね。

 してれば初見でわかった筈なのに。足元から.....貫け!!」

 『オリハルコン・シンフォニー』を仕込んだ下の床から

 細い金属の剣山が伸びて貫かんと高速で襲ってくる。

 その時二人は貫かれず空中に浮いた。

 エレベーターでも乗ったような感じで一緒に

 そいつらは浮いた。

 セーラム「!?」

 上からの流動金属のフォークウェーブも

 見えない壁に阻まれて防がれる。

 ディロン「言ったろ?俺たちだってよ.....スタンド

 使いなんだぜ!?」

 セーラム「こいつら!!」

 足元の針が見えない壁に阻まれて持ち上げる形で

 二人は上へ動く。

 ディロンのスタンド剣士は両手の剣を

 奮って宙を切り刻む。

 ディロンは空中の見えない階段をかけ上がるように

 空中へ走って逃げる。

 セーラム(このスタンド.....剣で切った軌跡を

 空中で固定するスタンド.....既に戦うときには全方位に

 壁のように展開して防御していた.....解除も

 自分の思うタイミングで使うことができる!!)

 エヴァ「おい、レディを置いていくな!!」

 ディロン「へっ!!」

 クーフン「よそ見すんなよ!!おんなぁ!!」

 ヴェアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

 シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン!!!

 金属音が学校に鳴り響く。

 セーラム「ぬぉおおおおおおおおおお!!」

 クーフンは猛スピードで棒を振り回して吠える。

 棒『ポルノグラフィティ』を振り回してセーラムと

 『オリハルコン・シンフォニー』に挑むクーフン。

 だが、棒術のスタンドが思ったより破壊力Aと

 スピードAのスタンド相手に互角以上に戦える違和感

 セーラム「決着をつける!!」

 二人は逃したが危険度がどう見ても高い一人は

 絶対に殺す。 

 『オリハルコン・シンフォニー』を収束させて

 大型ドリルにして高速で突っ込む。

 ギュィイイイイイイイイン!!

 クーフン「はっ!!負けるのはてめえの方だ!!」

 クーフンは棒に全力を込めて構える。

 棒が掌の中でモーターのように高速回転で回り始める。

 キュィィィィィィィイイイイイイイイ

 クーフン「俺のスタンド『ポルノグラフィティ』を

 フレミングの法則を生かして電磁波によって高速回転

 させてよお.....電気・電磁波を纏って.....超高速で

 回転して溜めて.....放つ!!しねぇええええええ!!」

 ギャァアアアアアアアアアアアアアン!!

 レールガンのような破壊の足跡を残して全力で投擲され

 高速で発射された『ポルノグラフィティ』は

 『ズッキャァアアアアン!!』

 『オリハルコン・シンフォニー』の大型ドリルを

 貫いて、破壊した。

 

 クーフン

 『ポルノグラフィティ』

 破壊力A スピードA 射程A

 持続力A 精密動作性B 成長性D

 骸骨の噛んだ持ち手を中心に黒い棒が左右に

 伸びている棒状のスタンド。

 電気エネルギーを纏ってあらゆるものを焼き払い

 吹き飛ばす。

 電磁波で高速回転させて発射することで

 絶大な火力で射出もできる。

 



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第16話 『カーペン・ターズ』

セーラムとクーフンが体育館で金属音響かせて

 戦っている最中

 空中の見えない階段へと逃げる二人。

 エヴァ「待てよディロン!!」

 ディロン「うるせえ!!あいつ以外相手は無理だ!!

 それよりあいつらを探すことが優先だ!!

 ここいらで探すか、自宅へ行くか.....。」

 一見紳士の服装の剣の達人は三十路を回りそうな

 女を置いてさっさと固定した『斬撃軌道』の

 階段を駆け上がる。

 その時、ディロンの直感に危険信号が鳴り響いた。

 ディロン「!?『カーペン・ターズ』!!」

 左剣をふるって防御した。

 しかし、その結果。

 パァァァァァァン!!

 ディロンの左肩ごと吹き飛んだ。

 普通の銃弾なら瞬発的に防げたが破壊力が桁違いだった

 エヴァ「なにぃいいいいいいい!?」

 ディロン「くぉぁああああああ!!こ、これは.....!?」

 エヴァが見えない階段で伏せて双眼鏡を取り出す。

 エヴァ「!?近接戦闘用のスタンドが.....バレットM82

 対物ライフルを.....!?なんたあのキチったスタンドは!?

 こっちまで見えているのか!?」

 ペプシマンガールのような容貌をした人型スタンド

 『シータ・サファイア』が米軍で使用されている

 対物ライフル・バレットM82を構えて学校の屋上から

 こっちを見ている。

 隣にはその本体・浄雅崎 情華もいる。

 二人ともバレットM82を構えて狙っている。

 情華「うっはぁああ!!いいっすねえ!!この衝撃

 この射程この硝煙の香りたまんないっすねえ!!

 銃マジ大好きっす!!もし生物に生まれ変われない縛り

 あるんだったら迷わず対物ライフルを選びますねぇ!!

 おらぁ!!吹き飛べ悪党!!」

 パァァァァァァン!!パァァァァァァン!!

 ディロン「くっそぉおおおおお!!」

 シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン!!

 右手に残ったロングソードを振り回して

 『斬撃の壁』を張って防御する。

 シータサファイア『fire!!』

 情華「fire!!」

 パァァァァァァン!!パァァァァァァン!!

 機械音の様な声を出して引き金を引く

 『シータ・サファイア』

 サイレンサー式だが一撃が凄まじい対物ライフルを

 二人して容赦なく撃ち込む。

 その命中制度は1mmのズレ手ブレ無し。

 エヴァは一目散に校舎の中へ逃げる。

 エヴァ「畜生!!なんて日だ!!狂ったスタンド使いに

 二度も会うとかついてねえわ!!レディにどんなきつい

 プレイ強要してんのあのブラック企業!!

 警備会社の皮を被った軍隊か何かなの!?」

 エヴァ(!!あそこに非武装の女子が!!よし、人質兼

 商品として確保!!)

 背の低い女の子が心配そうにうろうろしている所を

 後ろから捕まえて拳銃を突きつけて地面に押し付ける。

 女子校生「きゃぁぁっ!!」

 エヴァ「どうしてほとんど人がいないか知らないが

 運が良いわ、私。」

 不気味な顔をした誘拐キャリアウーマンは勝利の

 笑みを浮かべていた。

 

 パァァァァァァン!!パァァァァァァン!!

 パァァァァァァン!!パァァァァァァン!!

 ディロン「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 対物ライフルの破壊力ある弾丸相手に『斬撃軌道』

 の固定で踏ん張るディロン。

 左腕が奇襲で吹き飛んでしまったのが痛い。

 キィンパリッパリッパリッパリッパリッ!!

 ディロン「このままじゃ射程距離不足でアウトレンジ

 でやられる!!二方向からでも厄介だが

 避けるモーションを下手に取れば体制を崩して

 あっという間にやられる!!こうなれば.....!!」

 左手から落ちた剣をディロン本体が右手に

 握ってぐるぐるピザ生地のようにぐるぐる回し始める。

 ブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブン

 @@@@@@@@

 スタンドの方は連続して来る対物ライフルの銃弾の

 応戦に力を注ぐ。

 だが、対物ライフル一発の破壊力はスタープラチナの

 拳の約3倍位の破壊力がある

 いくら斬撃軌道固定能力が仮にスタープラチナの

 ラッシュを防ぐ防御力があったとしても

 対物ライフルの一撃を防ぐには何枚も張らなければ

 破壊され尽くしてしまう。

 しかも二人がかりの対物ライフル連射は片手でどうにか

 なる問題じゃない。

 スタンドの左手の剣がボロボロになり始める。

 パァァァン!!パァァァン!!パァァァン!!パァァァン!!

 パァァァン!!パァァァン!!パァァァン!!パァァァン!!

 容赦なく撃ち込まれる2丁のバレットM82。

 人間では防ぎ用はないし物理反射して返そうにも

 距離に限界がある。

 情華「ちょっと逃げようものなら逃がしませんよ!!

 何mm動いても命取っす!!観念して焼く前の

 ハンバーグみたいにしてやるっす!!さあ観念して

 あきらめろぉおおおお!!」

 ディロン「俺は逃げるつもりなんてさらさら

 ねえんだぜ?」

 情華「!!?これは.....!?」

 情華の体に浮き上がった3次元レーダーに何かが映る。

 『シータ・サファイア』の『イージス』に

 いくつも飛んでくるスタンドの反応を察知する。

 あの剣を持ったスタンド使いから

 いくつも何かがこっちに飛んでくる。

 情華「なんだこの反応!!」

 対物ライフルを空に向かって放つ情華と

 『シータ・サファイア』。

 パァァァン!!パァァァン!!パァァァン!!パァァァン!!

 だが、その反応は思ったより多い。

 情華「回避っ!!」

 すると空から降り注ぐもの。

 それはいくつもの見えない刃だった。

 情華「うぉぉぉ!!バレットM82ぃいいい!!」

 刃は対物ライフル一丁をぶつ切りに壊されていく。

 ディロン本体が振り回していた剣から派生された

 風に乗って襲ってきた『固定された斬撃軌道』だった。

 ディロン「距離が遠くて苦労したが届いたな。

 俺は逃げるんじゃねえ!!てめえを殺しに行くんだぜぇ!?

 対物キチガイ野郎!!」

 左手を失ったマントの騎士スタンドがロングソードの

 右手を前に出して敵を指差す。

 ディロンは足場を剣の軌道で造りながら屋上へ走る。

 情華「なんのもう一丁!!」

 パァァァン!!パァァァン!!

 構えて対物ライフルを再び撃ち込む情華。

 「フッシャアアアアアア!!」

 応戦する両者

 ディロン「『固定斬撃軌道』を盾にすると同時に

 ブーメランやフリスビーの群れのように

 本体とスタンドの右手で放ち続ける。

 情華「ちぃぃっ!!」

 装填速度で情華が負け始め、回避に集中することになり

 ディロン優勢になっていく。

 ディロン「攻防一体完璧な構えだ!!今度は全方位から

 襲いかかってくるぜぇメスガキ!!

 ぶつ切りにしてピチピチ臓器を売ってbankに

 ぶちこんでやる!!身の程を知りなお嬢ちゃん。

 終わりだ.....!!」

 全方位から斬撃がブーメランの群れのように

 襲いかかる。

 勝利を確信したディロン。

 それに対して情華は

 「攻防一体の完璧な構えぇ?寝ぼけたこと

 いってんじゃねえですよじじい.....『防』の一文字

 消えてますよ?まぬけさん。」

 ディロン「!?」

 パパパパパパパパパパァァァァン!!

 爆弾みたいな音が空中から降り注ぐように鳴る。

 ディロン「なんの!!防げばどうってことは.....!!」

 パパパパパパパパパパパパパパパパパパパ!!

 その時小さな金属の粒が次から次へとディロンを

 貫いていく。

 ディロン「ぐぁぁぁあああああああああ!!」

 ディロンの張った『固定斬撃』を掻い潜って

 金属の破片たちが全方位から体を

 貫いていくではないか。

 情華「『波紋クラスター!!』」

 情華は見えない『固定斬撃』に波紋の粒子を撃ち込んで

 可視化して足場のように回避してフェンスに着地する。

 情華「あのとき空に銃弾ぶっぱなしたのは

 斬撃を迎撃するためじゃあないですよ。

 MRSI(marutibple rounds simultaneo impact)

 多数砲弾同時着弾の射撃コースに基づき

 落下時にダムダム弾をこの瞬間に来るあなたに

 同時着弾させる為に撃ったんですよ。

 まあご自慢の防御を攻勢に回して穴だらけに

 なっちゃあそこに入り込むしかありませんねえ?」

 ディロン「くぁぁっ.....くぁぁっ!!」

 全身をダムダム弾で貫かれたディロンは血まみれで

 ふらふらしていた。

 情華を睨んで走り出すディロン。

 ディロン「貴様ぁあああああああああ!!」

 フェンスからバックして飛ぶ情華。

 追いかけるディロン。

 剣二本を一直線にぶん投げる。

 このままならば情華に刺さる。

 だが、情華の目の前で剣二本が砕け散る。

 ディロン「くっ.....!!。」

 フェンスの真下で真上にバレットM82を構えた

 『シータ・サファイア』が待機していた。

 パァァァァァァン!!

 真下からの弾丸の直撃で

 スタンド使いディロンは絶命した。

 

 情華「わりと.....強敵でしたね。やれや.....。」

 プッッシャアアアアアア!!

 情華「!?」

 背後から水流に襲われてぎょっとする情華。

 フェンスわきでわたわた慌てる情華

 情華「あいつ!!最後の最後で『斬撃軌道の固定』を

 ぶん投げて水タンクに穴を.....!!おっと落ちませんよ!!

 こんな程度の水で落下するわけが.....。」

 パチッ!!

 情華「あうっ!?」

 足元から何か別の力を受けて足を滑らせて

 屋上からまっ逆さまに落ちる浄雅崎 情華。

 情華「うそっ!?」

 

 

 ふさぁ。

 木の枝に引っ掛かった上に『シータ・サファイア』

 をクッションにして事なきを得た。

 情華「忘れてましたね.....我ながら。

 そういえばいましたね.....まだ複数人.....敵が

 いるんでしたねえ。」

 

 一方夜の学校内で女子高生を捕まえたエヴァ

 エヴァ「大人しくついてきな.....無関係な人間を

 傷つけるのが嫌いな人間だったら人質にできるはずだ

 できないときは盾にするまでだ。」

 女子高生「..........。」

 動揺が一切この背の低い女子高生から感じ取れない事に

 違和感を感じるエヴァ。

 エヴァ「おい、もしかして私を舐めてるのか?

 選択肢間違えたら即楽園行きなんだがぁ.....

 そんなに行きたいか?」

 女子高生「..........。」

 表情には動揺が全く感じられない。

 エヴァ「おい、まさかこの銃が見えないのか?

 穴を開けられねえと自分の立場がわからないのか?」

 女子高生「う、撃っちゃダメ!!」

 エヴァ「おやぁ?ようやくわかったのか自分が

 どういう状況に置かれているのか.....。」

 女子高生「血を見たくない!!.....血を見たくないんです!!

 お願いですから!!その拳銃を放して!!」

 エヴァ「やかましい!!てめえの体で試してやろうか

 このメスガキがぁああああ!!」

 カチッカチッカチッ.....。

 拳銃から銃弾が出てきた。

 エヴァ「へ?」

 スライド式の銃から確かに弾は出てきた。

 だが2発とも炸薬が起動せずにポロポロ出てくる。

 エヴァ「なんだぁ?銃でも壊れ.....。」

 カチッ.....。

 パァアアアアン!!

 突如銃が暴発してびっくりするエヴァ。

 右の人差し指が吹き飛んで悲鳴を上げる。

 エヴァ「きゃああああああああああああ!!

 指がぁ.....指がぁ!!まさかてめえの仕業か!?てめえの!?」

 女子高生「うわぁああああああああ!!」

 一目散に逃げ出す女子高生。

 無駄に速い。

 エヴァ「逃がさないよ馬鹿が.....!!。」

 突如何もないのに女子高生がこけた。

 女子高生「わぁぁぁっ!?どうして!?つまづくものは

 何もなかったはずなのに!!どうして!?」

 エヴァ「やれやれ鼻の中にまで嫌がらせは止めなさい

 デリカシーのない人.....。」

 女子高生は信じられないという目でそっちを見る。

 エヴァ「どうやら.....研究の中をいじくったのも

 貴方のスタンドがどんなものか知らないけど

 スタンド使いと知ったからには手加減せずに

 仕留めなきゃね。」

 ナイフを取り出して切りつけにかかるがエヴァ。

 女子高生「わぁぁぁっ!!」

 ぶにゅっ。

 首筋を切りつけたつもりが.....。

 何かに阻まれている。

 クッションみたいな何かが.....。

 胸じゃない。

 何かが女子高生の胸に引っ付いてる。

 黒い虫みたいな何かが。

 カブトガニぐらいのサイズがある。

 それはナイフを引っ張り突如飲み込んだ。

 エヴァ「!?.....なんなんだ.....お前は誰だ?

 私たちが回収しようとしたターゲットは.....お前

 なのか?」

 女子高生「知らない人についていくほど.....

 私は馬鹿じゃ無い。」

 エヴァ「そうかそうか.....じゃあ完封して

 捕まえてやる!!私の『ライン・リバー』で!!」

 

『カーペン・ターズ』

 破壊力C スピードA 射程C

 持続力A 精密動作性B 成長性B

 両手二刀剣士のスタンド。

 上半身剣士で肩から下がマントのスタンド。

 ロングソードで

 切った斬撃軌道を固定するスタンド

 振るった剣の斬撃を飛ばしたり

 一部壁のようにして防壁に使ったり

 固定して空中で足場にしたりできる。

 



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第17話 『ライン・リバー』

セーラム・スタン・フラワーvsクーフン

 (勝)浄雅崎 情華vsディロン

 女子高生(?)vsエヴァ

 スターダストウォールvs誘拐マフィアグループの激突

 その中で.....

 女子高生「知らない人についていくほど.....

 私は馬鹿じゃ無い。」

 謎の自信に満ちた背丈の低い女子高生と

 キャリアウーマンの容貌の誘拐スタンド使いエヴァ。

 エヴァ「そうかそうか.....じゃあ完封して

 捕まえてやる!!私の『ライン・リバー』で!!」

 女子高生「『ライン・リバー』.....それが.....

 おっと(小声).....あなたのスタンドの名前は

 そういうんですね?」

 エヴァ「スタンドを知っている.....お前は.....

 まさか.....。」

 女子高生「悪党にプライバシーばらすほど

 私は頭悪くありませんから。」

 エヴァ「そう.....じゃあ麻薬でも注射してでも

 従わせてあげる.....。」

 女子高生「え!?なに.....?この全身に入ってくる

 ような.....ノイズというか.....雑念みたいなものは.....

 !?思うように体が言うことを.....聞かない!?」

 体がよくわからない方向へピクピク動く。

 女子高生「なにこれぇ!?気持ち悪い感覚の能力は!?

 .....!!壁に.....地面にうっすらと線の群れみたいな

 ものが.....!!」

 エヴァ「私のスタンド『ライン・リバー』は

 建物の中にピアノ線程の電線とでも言うべきものを

 展開して相手の体に『雑念』や『別命令』を

 連続して放つことで相手の体の動作を誤作動

 させるスタンド。はまるとすごいわよぉ.....

 昼間だったらこの校舎を時間をかけてたくさんいる

 生徒教師全員に動作に誤作動送りまくって

 面白い事になるわねえ.....今の時間はシケシケだけど

 まともにこの雑念に対処できるのは難しいでしょうね」

 女子高生「!!」

 自由の利かない体に接近される。

 エヴァ「さあ~お注射の時間ですよ~動かない

 体に一滴注いだらもう普通の人生にもどれまちぇん

 よ~♪」

 女子高生「や、やめろーー!!」

 エヴァ「やめろ?ダメ。あなたはこっち側の人間に

 なるのよ!!」

 注射器が腕に突き立てられる。

 ぐっと注入される。

 エヴァ「やった!!.....あれ?」

 注射器の先端がいつの間にか折れている。

 女子高生「やれやれ.....逃げてばっかのこの

 僕でも.....許せないね.....貴方は.....。」

 エヴァ「!?」

 目付きが変わった。

 いいや口調が一気に女子高生から離れる。

 ????「本当聞いてて頭来てたんだよね.....

 頭悪いしモラルもないし.....倒さなきゃダメだね。」

 エヴァ「お前は.....誰だ!?」

 「いったろ.....プライバシーは明かす趣味は無いって」

 女子高生の声だが別な誰か。

 エヴァ「へっ!!正体現した所で私に勝てると.....。」

 女子高生(?)が握りこぶしを作ると

 プチプチプチプチプチ

 という音が響き渡る。

 エヴァ「きゃああああああああああ!!」

 エヴァの股間から血が流れる。

 「痛いよね.....男女関わらず.....股間の毛が万力の

 ようにプチプチプチって結んで引きちぎられたら

 そりゃあ痛いよねえ.....僕に何をしようとした!?」

 そう、こいつの正体は.....阿寒湖 逸であった。

 条太郎から予め、仗助が間に合わなかった時

 情華にアポイントを取って爽、葵の監視と保護を

 頼まれていた。

 別ベクトルの実力ならば仗助よりも強い。

 さらに水面下のバイトや捜査協力でちまちま

 実績を重ねていた。

 この連中をより早く倒していじめを行っていたスタンド

 女子高生を捕まえなくてはならない。

 かつていじめられる側だった逸も無下にはできないし

 仗助より単位も取れていて成績も優秀

 レポートなんてとうの昔に終わらせている医大生である

 なお、仗助は今補修でヒーヒー言っている。

 エヴァ「てんめぇええええ!!」

 阿寒湖 逸(いやあ.....声は喉の毛を調整して低音に

 して髪の毛はコレクションから転用して伸ばして

 メイクしてそれっぽくして女装で変装して

 仗助君の頭をお守りがわりに持ってきたんだ。

 いやあご利益あるなあ.....仗助君の頭。

 鼻毛に命令連打されて解除されたときは焦ったけど

 仕組みがわかれば怖い相手じゃあ無い!!)

 注射器は先端にゆっくり毛を入れて増殖させて

 念を入れて麻薬が入らないように。

 先端には毛紐を絡めててこの原理でへし折る。

 拳銃は内部からこそこそ毛で操作して細工した。

 阿寒湖 逸は下手をすれば仗助以上の強敵であった。

 エヴァ「てめえ!!絞め殺す!!」

 首を絞められる阿寒湖逸

 このまま絞め殺す気だ。

 逸「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!!」

 エヴァの睫毛眉毛が全力で伸びて.....目に突き刺さる。

 くさっ!!

 エヴァ「ぎぃやあああああああああああああ!!」

 目を押さえて転げ回る。

 逸「君が自分を捕食者だと思っていた。

 僕を餌だと思っていた。

 でも気がつけば立場はすでに入れ替わり.....君が餌に

 なってたんだよ!!」

 エヴァ「ふざけやがってぇえええ!!」

 ライターで眉毛を焼いてナイフで切り取る。

 エヴァ「今度こそぶっ殺してやる!!」

 エヴァが拳銃を取り出す。

 エヴァ「あんたが私のスタンドの特性を

 わかったように私もあんたのスタンドの特性を

 理解した.....。私の体の毛に.....持ち物に

 侵食させないように『ライン・リバー』で

 信号を送り続ける事で貴方のスタンドの動きを止める

 もうこの拳銃には小細工はさせない!!

 貴方を確実にぶっ殺す!!」

 逸「不可能だってだけは教えてあげるよ。

 君のスタンドは本来高速戦闘を得意とする相手に

 抜群の効果をもたらす。

 スピードで一分一秒争う集中した状況で雑念や

 命令を受けた場合冷静に処理したとしても

 体の誤作動は動きが速ければ速いほど跳ね返る

 ダメージは大きい。でも.....僕のようなスタンドには

 相性は最悪のようだね。せっかく使用範囲も広いのに

 台無しだよ。」

 エヴァ「言いたいことはそれだけ?貴方をも逆に

 本体を動かすこともかわすこともできない癖に.....

 死ぬがいいわ。」

 手ぶらで突っ立ってにらむ逸と拳銃を構えるエヴァ。

 ..............。

 タッ。

 逸は踏み込み、

 カチッ!!

 エヴァは撃つ。

 だが拳銃は発砲できなかった。

 エヴァ「!!!」

 逸「注射器の中身は返してあげるよ、平和的利用でね」

 エヴァ「これは!?麻薬を炸薬に染み込ませて使い物に

 .....!!」

 逸は走って踏み込む。

 エヴァ「じゃあ奥の手の情報を貴方の脳に送って

 あげるわ...『死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね

 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね

 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね』!!」

 脳に雑念や別命令を送る上でタブーレベルの攻撃

 これは脳への情報を処理しきれなければ冗談抜きで

 寿命を縮めて死にかねない。

 逸「残念だね、ナイフで挑むとか、体術で挑んだ

 方がマシな結果になったのに...スタンドを使って

 しまった。貴方の....負けです。」

 逸とエヴァの間の蛍光灯が外れて落っこちる。

 落っこちた蛍光灯が割れた瞬間....エヴァに

 異変が起きた。

 パチパチパチ..............ピッシャアアアアア!!

 エヴァ「キヤァアアアアアアアアアアア!!

 何で!?一体何が....!?」

 頭から電気が回って血が吹き出るエヴァ。

 逸「人間の脳は電気信号で体を動かしている。

 つまり君のスタンドの電気信号のパスが働いた

 瞬間に電気系統を触れさせてしまえば

 本来情報を僕に送るべきパスに強い電気信号が

 逆流して君に返ってしまう。

 スタンドはスタンドでしか倒せない。

 だが仕組みを知ってしまえば倒せる相手もいるって

 ことさ。あとこの僕の大事なこの御守り。」

 仗助の頭がもこもこ成長して髪の毛で形成された

 リーゼントマッチョに代わる。

 逸「いざというときは近接パワー型にもなるんだ。」

 リーゼントマッチョが突如しゃべる。

 『オレノコノアタマノコトナンテイッタ!?』

 エヴァ「何も言ってねえよぉ!?なんなんだこの

 モコモコ野郎ーーーーーーーー!!」

 『ドララララララララララララララ!!』

 ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ!!

 エヴァ「きゃぁああああああああああああ!!」

 仗助そっくりの髪の毛の人形が徹底的に殴り付ける

 逸「僕のスタンド名はスピードワゴンさんから

 『カシミアコート』ってつけてもらったんだ。

 あ、君にはもう聞こえないか。」

 阿寒湖 逸、エヴァの討伐に成功。

 逸「さーてと、身柄も確保したし持っていくか。」

 エヴァ「ビチクソ..............が。」

 リーゼントドールがエヴァをかるって捕縛する。

 

 一方セーラムスタン・フラワーとクーフン。

 クーフン「この程度が?」

 貫かれたドリルの断片に

 砕け散るセーラムの姿があった。

 

 『ライン・リバー』

 体に張り巡らされたピアノ線のようなスタンド

 生物に雑念や誤作動を起こす信号を線を使って

 発動させる為、高速で動けば動くほど途中の誤作動が

 致命傷になりかねないスタンド。

 最大範囲で建物内部すべてに張り巡らせる事ができる。

 破壊力E スピードA 射程B

 持続力E 精密動作性E 成長性D

 

 『マリモ』→『カシミア・コート』

 パワーと速度、毛を練ればそこそこパワーの

 ある近接パワー型のスタンドを製造できる

 毛を操るスタンド。相手の毛も操ることが

 できるため応用範囲が広い。

 スピードワゴンから名前をもらった。

 破壊力C スピードB 射程A

 持続力B 精密動作性A 成長性B

 



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第18話 『ポルノグラフィティ』

セーラムは果たして殺られてしまったのか?
誘拐スタンドグループの強敵クーフンに
どう立ち向かうのか
キャラデザ流用
セーラム=立華 奏
情華=友利奈緒


[18話ポルノグラフィティ]

 

 大型の流動金属ドリルで突っ込んで来た

 セーラムの『オリハルコン・シンフォニー』を

 真っ正面から電磁波を纏った棒を投擲してぶち破った

 クーフンのスタンド『ポルノグラフィティ』

 クーフン「呆気ねえな。」

 筋肉質の黄色い髪の男はもの足りなさそうな溜め息を

 吐いて右肩から心臓まで貫通されたセーラムの

 死体を見て言う。

 血塗れでとても生きてないだろう。

 崩れていく流動金属のスタンド。

 まさに命が消えていくように。

 クーフン「まあ、親友の復讐にしちゃあっけねえなあ

 しかたねえ、もの足りねえがどこかでディロンと

 エヴァが戦闘してるだろうから加勢.....。」

 トトトトトトトトトトトトトトトトト!!

 クーフン「!!!!!!」

 セーラム「............................。」

 クーフンのすぐ近くの背後から機関銃の音が鳴り響く。

 体育館通路の屋根に隠れていたセーラム本体が機関銃で

 クーフンを撃ち抜きに行く。

 クーフン「くぉっ!!」

 手に電磁波を纏った棒『ポルノグラフィティ』を

 緊急に展開して振り払い、電磁波の刃で

 機関銃を破壊し叩き落とす。

 セーラムは天井に足を張り付けて逆さまの状態で

 高速で距離をとって着地する。

 クーフンの体の所々に機関銃の弾が着弾している。

 セーラム「残念、致命傷に遠く当たって7発

 運がいいわね。」

 クーフン「ちっ.....あっけなさ過ぎるとは思ったが

 見事騙されちまったな.....人払いに使った血糊を

 流動金属で作った人形にべっとりつけりゃ偽装できる

 って踏んでたわけか。

 だが.....てめえのミスはこの時点で俺を

 仕留めきれなかった事さ.....。」

 全身に電気エネルギーをまとって骸骨が

 二つついた棒から電気が猛烈にバチバチいってる。

 クーフン「俺は弱いものいじめも好きだがよお.....

 強いものいじめの方が断然カッコイイと思わねえか?」

 セーラム「理由無く善人を奇襲で殺すのは

 いただけないわね.....卑怯もの。」

 殺気満々で向かい合う二人。

 クーフン「ヒャッハーーーーー!!」

 突っ込むクーフン。

 セーラム「何か忘れて無いかしら?」

 突如アスファルトの壁が突っ込んだクーフンの

 顎の下に現れる。

 それが顎に直撃する。

 クーフン「ぶっ!!」

 セーラム「私のスタンドが死んだふりをして

 地中にスタンバイしてることを。」

 顎を跳ねられてのけぞるも体制をすぐに直して

 突っ込むクーフン。

 クーフン「アジな手を使ってんじゃあねえ!!」

 足元から大量のアスファルトの突起が出現する。

 高速で動く人間にとっては足場の悪化は好ましくない。

 クーフン「ヒャッハーーーーー!!じゃあ自分で足場を

 ならすことにするぜ!!」

 棒を地面に突き立てて棒高跳びのように飛び上がると

 足元に電磁波を纏った棒をスケボーのように着地し

 一回転して足場をスライスして破壊しセーラムに

 向かって高速で迫る。

 セーラムは手をバランスを取るように構えると

 流動金属の道を造り出して高速で

 『ポルノグラフィティ』の移動速度に追従するように

 エスカレーターのように移動し回避行動を取る。

 クーフン「はっ!!全然つええじゃねえか!!

 本当はクウジョウって奴と戦うつもりだったが

 これはこれでいいねぇ.....本気で殺す。」

 真剣な目付きの誘拐マフィアチームのスタンド使いは

 足場にした『ポルノグラフィティ』をぐるぐる回して

 コマのように高速で迫るクーフン。

 セーラム「スーツモード・アクセル。」

 セーラム・スタン・フラワーは体に流動金属を

 纏って高速体型になる。

 セーラム「スタート!!」

 ブゥンブゥンブゥンブゥン!!

 バイクのような稼働音を立てて戦闘を開始する。

 クーフン「!!」

 消えたかと思ったらアスファルトの破片の群れを

 大量に投げつけられる。

 クーフン「ウッシャアアアア!!」

 手に棒を戻して振り回して振り払う。

 その瞬間セーラムの拳がクーフンの腹を捉えた。

 クーフン「速い!!」

 しかしその時。

 ブワッ!!

 セーラム「!!」

 クーフン「なんてな!!」

 拳が反れて別方向に行ってしまう。

 ギャァァァン!!

 電気を纏った棒を真下に降り下げて

 流動金属を纏ったセーラムの肩をかする。

 セーラム「!!」

 セーラムの肩から鮮血が散る。

 セーラムは急速に距離を取る。

 クーフン「金属を纏ったのが逆に間違いだったな

 俺並みのスピードを確保するにはお前のスタンドじゃ

 そうするしかないなあ.....だが!!

 俺の『ポルノグラフィティ』の発する電磁波

 相手じゃあ軌道を反らされてしまうなあ!!」

 容赦なく電気を纏った棒を振り回すクーフン。

 攻撃を幾度も回避するもセーラムの流動金属のスーツ

 を何度も削られて傷を負っていく。

 セーラム「くっ....!!」

 クーフン「知ってるか?ゴミから金属を

 取り出すために磁力をフル回転させて吹っ飛ばして

 分別する機械があるってことをよお!!

 つまりお前の最速の流動金属の攻撃が絶対に

 俺に当たることはねえ!!銃弾は厳しいがお前の

 スタンド攻撃ぐらいは全て防御できる!!」

 高速戦闘で劣性に追い込まれるセーラム。

 高い火力の棒の振り下ろしで学校の校舎が

 その余波で物凄い削れた後が形成される。

 セーラム)確かに『オリハルコン・シンフォニー』

 本体の攻撃が電磁力で反らされてしまうが

 絶縁体の類いなら!!)

 ボコボコボコォッ!!

 地面の石を吹き飛ばしてダメージを与えに行くセーラム

 クーフン「甘い甘い甘い甘い甘いぃいいいい!!」

 高い火力の一撃が辺り一体を破壊する。

 吹き飛んだ石を足場にして空中をひょいひょい

 移動し、流動金属を加速装置つきのアーチェリーに

 変形させて流動金属弾を連射する。

 パァン!!パァン!!パァン!!パァン!!パァン!!

 クーフン「無駄だっつってんだろ!!」

 ギャンギャンギャン!!

 全てを一瞬にして弾き、吹き飛ばす。

 なおも距離を詰めて殺しにかかるクーフン

 高速戦闘で必死に回避に徹するセーラム。

 クーフンの火力の余波で女子高のあちこちが

 破壊されていく。

 情華「なにぃぃいいい!?」

 ディロンと戦い終えた情華が屋上のフェンスから

 落っこちる。

 クーフン「てめえをとっとと倒して他のやつも

 さっさと始末してやんよ!!これで終わらせてやんよ!!」

 電気を帯びた棒を回避するセーラム。

 だがその時バックの木々が爆発した。

 パァァン!!パァァン!!

 セーラム「!?」

 急に起きた爆発反応に一瞬動きを止める。

 そして目の前にクーフンが棒を振りかざして

 止めを刺しにかかる。

 クーフン「俺の『ポルノグラフィティ』の電磁波は

 生卵を電子レンジに入れてチンするように

 水分を含んだ木々を爆発させる事もできる!!

 金属を纏っているお陰でお前は爆発しねえけどよお

 これで終わりだ。」

 その怯んだ一瞬を見逃さず距離を積めるクーフン

 クーフン「勝ったぁあ!!これでマシンガンで

 食らった分をチャラにしてやる!!このタイミングならば

 確実に俺が先手を取れる!!お前は防御しても

 貫通され回避しても体がもげる!!

 突っ込んできても死ぬ!!バックには爆風で動けん!!

 チェックメイトだ!!死ね。」

 クーフンとセーラムが交錯する。

 その時。

 刹那の瞬間を制した

 セーラムはクーフンの後ろに通りすぎていた。

 クーフン「..............!!」

 セーラム「馬鹿な?俺のスピードはお前以上で

 どう頑張っても間に合わないから何が起こったか

 わからないって顔をしてるわね。」

 クーフン「てめえ.....俺に何をした!?」

 セーラム「勉強不足ってやっぱり致命傷ね

 チェックメイトと思ってたら自分のキングが消えていて

 びっくりしてる?貴方が負けた原因ぐらい振り返って

 確認したらどう?」

 クーフン「こ、これは!?電信柱!?」

 根本が切られて倒れかけのケーブルに宙ぶらりんの

 電信柱がクーフンの真後ろ5m近くにあった。

 セーラム「知ってる?電信柱同士の距離は

 法律で決まっていてそれ以下の距離間で立てた場合

 電磁力で引き合って曲がってしまうそうよ?

 その電磁力に引かれてご自慢の

 スタンドが数秒動きを奪われたのね。

 あら残念、貴方ご自慢の電磁力が

 仇になるってどんな気持ち?ついでに言うと

 どこぞの演奏者みたいに指揮棒に刺さって死ぬって

 .....どんな気持ちかしら?」

 クーフンの心臓に指揮棒がぶっ刺さっている。

 そう、さっきのセーラムのアーチェリーが

 狙っていたのはクーフンだけではなく

 電信柱を倒しかけて一分一秒争うタイマン勝負で

 数秒相手から奪うトラップとしてセット

 するためだったのだ。

 指揮棒は木製。

 下見のついでにポケットにしまっていたのだ。

 指揮棒に刺さって死んだ演奏者の逸話曰く

 クーフンの心臓にぶっ刺さっている。

 セーラム「貴方の負けよ、このまま大人しくあの世に

 いってらっしゃい。」

 クーフンはにっこり笑みを浮かべると笑い出す

 クーフン「くっふっふっふっふ.....はははははは!!

 てめえをぶち殺すまで死ぬことは絶対にねえ!!」

 クーフンは指揮棒を心臓から引き抜いたかと思うと

 『ポルノグラフィティ』を心臓の穴に立てると

 バチバチバチバチバチバチバチバチ!!

 クーフン「ヒャッハーーーーー!!」

 セーラム「こいつ.....狂ってんの?自分の心臓を

 電気の棒で焼いて出血を無理やり焼き止めた!?

 下手したら心臓止まるのに!?こいつ.....

 悪党の癖に.....覚悟は一人前.....!!」

 クーフン「いったはずだぜ?てめえら皆殺しに

 するまではこのクーフンは死なねえ。」

 クーフンは電気の棒『ポルノグラフィティ』を

 構えるとニヤリと笑って言う。

 クーフン「第二ラウンドだ.....ぶっころ.....。」

 パァァァン!!

 クーフン「!?シャァァ!!」

 凄い衝撃の対物ライフルの弾丸が上空から直撃するも

 防御するクーフン。

 その真横から一人の女性が近接戦闘するために

 死角から高速で接近して迫る。

 情華「よくも人を屋上から落っことして

 くれましたねこの野郎!!今すぐぶちのめしてあげます!!」

 セーラム「情華!!」

 さっきディロンとの戦闘を終えた

 拳でインファイトを挑んでクーフンの

 『ポルノグラフィティ』を回避して恐れずに

 折れた対物ライフルの銃口で攻撃を

 挑む浄雅崎情華。

 折れた対物ライフルの部品を破壊するクーフン。

 クーフン「そんな程度のもんで俺に勝てると

 思ったか!?」

 ブッシャァアアアアアア!!

 突如流血して驚くクーフン

 クーフン「なっ!?」

 情華「あんたを攻撃できるオプションなんて

 こっちにはいくらでもあるんですよ!!」

 どさくさに紛れて波紋カッターの攻撃を盛大に

 食らってしまうクーフン。

 クーフン「ディロンもエヴァも何をやってんだ!?

 このざまかよ!!邪魔だ!!」

 高い出力の電気ロットを真横じふって振り払うも

 情華は地面に体を仰向けでペタンとして回避する。

 クーフン「バカが!!その状態では次の回避はできん!!」

 情華「回避ぃ?いいえ、攻めですよ?」

 パァァァン!!

 クーフン「!?」

 上空から対物ライフルが発射されて

 『ポルノグラフィティ』が男の掌から

 強い衝撃で叩き落とされた。

 クーフン「なっ!?」

 後上を見ると拳を振り上げた青い女性人型スタンド

 『シータ・サファイア』が拳を振り上げ

 『シータ・サファイア』「HEEEEEEEEEY!!」

 ボコッ!!

 顔面を殴り付けた。

 クーフン「かっ!?」

 『シータ・サファイア』「HEYHEYHEYHEYHEY

 HEYHEYHEYHEYHEYHEYHEY!!」

 ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ!!

 拳のラッシュがクーフンを襲う。

 情華「『竜巻波紋疾走!!(トルネーディオオーバードライブ)』」

 仰向けの状態から挟み撃ちでクーフンをボコボコにする

 情華。

 だが想像以上にクーフンはタフだった。

 両手で防御しながら真剣な目で見ている。

 伊達に肉体を鍛えていない。

 クーフン「ぬぉおおおおおお!!戻ってこい

 『ポルノグラフィティ!!』」

 クーフンの手元に『ポルノグラフィティ』を戻す勢いで

 情華の背後から鉄の電磁棒が帰ってくる。

 情華は一気に姿勢を低くして棒をかわす。

 クーフンは掌に戻った『ポルノグラフィティ』を

 後ろに振り回してスタンド『シータ・サファイア』

 の始末にかかろうと振り回す。

 情華「戻れ。」

 『シータ・サファイア』が突如姿を消して

 クーフンの持ってる鉄の棒が空気を切る。

 クーフン「!!」

 情華はさっきセーラムが指揮棒をぶっ指した

 心臓に向かって右拳を撃ちにかかる。

 だが。

 がしっ!!

 左手で掴まれて止められた。

 クーフン「捉えた!!もう逃がさねえ!!ぶっ殺す!!」

 棒を振りかざして勝利を確信するクーフン。

 だが情華は舌をちろっとだして「ばーか。」

 というと

 『パチン!!』

 手のひらからボール2つがくるくる回って

 掌が弾けたと思った瞬間

 クーフンの心臓に衝撃が走る。

 クーフン「髪.....止め!?」

 情華の拳に仕込まれていた波紋を纏った

 ポンポンのピンクの髪止めが

 クーフンの指揮棒の刺さっていた古傷に直撃したのだ。

 くしくもジョセフ・ジョースターの使った

 アメリカンクラッカーのように。

 情華「やれやれですね、あっつい電気棒で傷と

 心臓を焼いて穴を塞いだ度胸は認めます。

 ただ、そんな雑な応急処置の所に強めの波紋の

 直撃なんて食らったら.....心臓.....パーンです。」

 パァァァァァン!!

 クーフン「ちきしょう.....この.....アマ.....。」

 心臓の古傷が爆発して絶命するクーフン。

 クーフン・スタンド『ポルノグラフィティ』

 浄雅崎情華の攻撃により、死亡。

 情華「実に.....いい気分です。」

 

 クーフン

 『ポルノグラフィティ』

 破壊力A スピードA 射程A

 持続力A 精密動作性B 成長性D

 骸骨の噛んだ持ち手を中心に黒い棒が左右に

 伸びている棒状のスタンド。

 電気エネルギーを纏ってあらゆるものを焼き払い

 吹き飛ばす。

 電磁波で高速回転させて発射することで

 絶大な火力で射出もできる。

 あらゆる応用も利いて速度も火力も

 『レットホットチリヘッパー』にも

 負けず劣らずの実力だった。



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第19話 襲撃の『再現』

情華、セーラム、阿寒湖逸は誘拐スタンドグループ
3人を倒し、女子校内部の戦いは終わった。
その同時刻、爽と葵はいじめを6年行った
スタンド使い生徒の確保へ向かう
しかし....敵は....!!

キャラデザ流用
天加護爽=空門蒼
天加護葵=空門藍
情華=友利奈緒
セーラム=立華奏




 それは数年前、セーラムが英国公安に勤めていた時の

 話だった。

 誘拐事件が多発し、捜査関係者が不審死を遂げる事件が

 頻発した。

 セーラムは仲間の犠牲を元にクーフンという男が

 捜査関係者殺害の犯人だということを突き止めたが

 司法と捜査の限界に絶望を感じた。

 そう、『対スタンド』に司法も捜査も

 全く適応しておらず証拠不十分で犯人が釈放

 されてしまったのだ。

 セーラムは憎悪を燃やし、最早スタンド使いによる

 殺人鬼、誘拐犯は『殺す』以外対処ができない事を

 思い知らされたのだ。

 そんなとき

 追っていた誘拐グループを皆殺しにするために

 追跡をしていると、既に誘拐グループは打撲で

 重症を追い気絶していた。

 セーラム「..........。」

 

 条太郎「やれやれ依頼完遂も楽じゃあない

 もしもし?警察?ああ、誘拐犯人はここにいる

 早くしてくれ、殺さない程度にのめしたから

 下手したら逃げちまうじゃあないか。

 急いで来てくれ。」

 携帯を切ると後ろにはセーラムが拳銃を突きつけていた

 セーラム「貴方は何者?警察には電話したけど

 警察関係者には見えない。日本人?貴方は一人で

 銃持ちを20人ものめせるような男には

 見えないんだけど?...武器無しでどうやってやったの?」

 条太郎「俺は通りすがりの人間だ。

 現場を見て通報しただけさ。

 一般人に銃を突き付ける警察はあまり感心しないな。」

 セーラム「殺さないようにのめしたって自分で

 言ってたわよね?貴方は何者なの?」

 条太郎「おいおい、俺はそんなスーパーマンに

 見えないだろ?見栄を張っただけだ。

 そういう人間だということでその拳銃を

 しまってもらえないか?」

 カチッ。

 セーラム「!?」

 引き金を引いた拳銃が消えた。

 気がついたら腰に戻っている。

 条太郎「素直にしまってくれて嬉しい限りだ

 このまま帰らせて貰う。」

 いつの間に後ろに!!

 セーラム「待て!!」

 振り返るとその男は消えていた。

 

 スピードワゴン「お仕事御苦労です条太郎さん。」

 条太郎「やれやれ、性別関係なく血の気の多いやつは

 いるもんだ、前ぶれなく肩に鉛弾ぶちこもうと

 しやがった。」

 スピードワゴン「それ本当に警官ですか?」

 条太郎「身元をちらっと見たが公安に所属している。」

 スピードワゴン「そうですか、後は依頼主に

 合流するだけですね。」

 時計を見て移動するスピードワゴン。

 セーラム「見つけた!!」

 条太郎「何?どうやってここを?」

 セーラム「不審な挙動の足音を聞けば簡単に

 わかるわよ。ありもしない場所を駆け足で走る

 貴方ほどの大きさの足音がね。」

 条太郎「足音だと....?あれほど離れた距離で

 足音を探知するにせよ人も車も大量に通っているのに

 何故俺の足音だけが聞こえるのか全く理解できないね」

 セーラム「そうね....貴方から同じ臭いがする....

 感じがする....同僚を殺した人間と類似した何かを

 持つ臭いが....!!」

 条太郎は足を何かに捕まれた感覚を感じた。

 条太郎「こ、これは!!」

 マンホールから染み出た液体の金属が条太郎を

 捉えていた。

 目の前の警官がどろどろ溶けて服だけ残して消える。

 条太郎「こいつ!!スタンド使いだったのか!?

 『スタープラチナ・ザ・ワールド』!!」

 時を止めて足に絡みついた液体金属を高速で剥がす。

 スタープラチナ「オラオラオラオラオラオラオラァ!!」

 スピードワゴン「条太郎さん!!上!!」

 上を向くとナイフと銃口を構えて飛来するセーラムの

 姿があった。ただし止まっていた。

 スピードワゴン「どんだけ度胸あればこんな真似が

 できるんだ!?この女性警官ただもんじゃねえ!!

 条太郎さん!!こっちに!!」

 条太郎「おお!!」

 時は動き出す。

 セーラム「!!」

 地面だけが残った場所に自身のスタンドの液体金属に

 キャッチしてもらい逃げた二人を追いかける。

 セーラム「逃がすか!!」

 追いかけた先に居たのは....。

 上官「セーラムか、どうしたそんなに急いで。」

 セーラム「!!」

 信頼していた上官と合流している例の二人の姿があった

 スピードワゴン「俺たちはこの人の依頼を受けて

 スタンドによる事件の解決を行っている。

 どうか話だけでも聞いてくれないか?」

 セーラムは戦闘体制を解除して睨み付ける。

 最初は凶悪なマフィアの捜査のつもりで潜入捜査目的で

 入社したが、スタンドを取り締まることができる組織が

 事実上『スピードワゴン財団』直下民間企業

 『スターダスト・ウォール』しか居ないことに気がつき

 スピードワゴン社長の誠実な人柄もあって

 気がつけば自身の第二活動舞台として共に働き

 チーフとして活躍することとなった。

 そして今....。

 

 仇であるクーフンを後輩に始末されているという

 奇妙な状況に出くわしている。

 セーラム「..........。」

 情華は最初は条太郎やスピードワゴンの秘書として

 大人しくも気品溢れる立ち振舞いで仕事をこなしていて

 入社歴だけならセーラムより先で

 警察・公安での仕事歴を含めるとセーラムが先輩という

 奇妙な上下関係であった。

 気がつけば大人しくて可愛いインドア系女子が

 どうしてこうなっちゃったのという

 バトルガールに育った浄雅崎 情華。

 クーフンは心臓部と腹部の傷を破裂させて

 驚愕の表情でこっちを見ている。

 クーフン「てん....めえ....ぶっころ....。」

 最後の力を振り絞って鋼鉄の電導棒スタンド

 『ポルノグラフィティ』を振り上げて情華を

 ぶっ叩こうとするも。

 情華は左手からピンクのポンポン髪止めを

 ぐるぐる回してパチン!!とクーフンの手首に当てる。

 クーフン「くぅぅぅ!!」

 棒を落っことすクーフン。

 

 グルッ....バキッ!!

 情華の後ろ回しが顔面に決まって倒れかけた所を

 ズガン!!

 かかと落としで顔面をえぐられ後頭部を

 石畳に打ち付けて絶命するクーフン。

 情華「よし、後はもう一人ぶちのめせば終わりです

 ..........ね。」

 ちょっとだけ不機嫌なセーラムがぷすっと

 こっちを見ていた。

 情華「あ..........あはははははは!!す、すいませんねえ

 先輩!!....空気読まずにやっちゃいました。」

 乾いた笑いを浮かべて気まずそうに両指先

 くるくるして焦る情華。

 セーラムはため息をついて答える。

 セーラム「いいのよ、私が無傷で勝てなかったのが

 悪いわ。仮に....失敗して死んだりしたら....

 しかり....つけることも....できないもの。」

 悲しそうな声色に変わっていくセーラムの言葉に

 反応に困る情華。

 セーラム「よく無事に勝てました。さて残り一人....。」

 

 エヴァ「むぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ!!」

 髪の毛みたいな毛でぐるぐる巻きにされた

 敵の最後の一人が校舎玄関にいた。

 ついでにメッセージカードが刺さっていた。

 情華「こいつはラインを引きまくって脳の電気信号に

 妨害信号や誤命令を体に発するスタンドの為

 形成逆転されて危険な目に会うかもしれないので

 気を付けてください、社員コード....と阿寒湖 逸より」

 セーラム「新人にしてはやるじゃない。さて....

 後片付けについて....報告しなきゃ。」

 所々ニュースで大騒ぎされそうな大きな破壊の後が

 のこっていた。

 焦げまくった壁、根本からポッキリいきかけた電信柱

 体育館への廊下の屋根は穴だらけ。

 セーラム「あーフェリシアン?後片付けできる人材

 いない?」

 ため息をしながら携帯電話で会社に報告する。

 だが....もうひとつの戦いは....始まろうとしている。

 

 ギネヴィア・ルー・ソーム

 高校3年生。

 アニュー・メーレ・フレヒトを6年間も虐めていた

 優等生。

 一人虐めるならまだしも裏番長みたいに影で

 女子高生達を脅して女王のように君臨し振る舞っていた

 そんな女は、自分では勝てない存在に遭遇し

 恐怖で一目散に校舎から逃げた後

 自宅への帰路で息を切らせながらぶつくさ

 言いながら帰っていた。

 ギネヴィア「なんなの!?連続爆破の一件といい

 スライムゴーストの一件といい、

 いつからここ一帯はゴーストタウンになったの!?」

 そこに

 ウィロー「久しぶりねギネヴィア。」

 ギネヴィア「なあに?迎えにでも来てくれたの?

 姉さん。」

 姉のウィロー・メー・ソームが

 車で迎えに来ていた。

 ウィロー「最近物騒だから迎えに来たのよ。」

 ギネヴィア「ええ....本当物騒な世の中。」

 車に乗って移動する二人。

 ギネヴィア「まったく....あれがただのゴーストで

 あることを願うわ....私の能力が全く通じない

 能力持ちなんて....いるなんて信じたくないわ。」

 ウィロー「そうね、でも悲しいかなそういう能力者

 って....世の中いくらでもいるもんよ....私とか....ね。」

 車が自宅とは別方向に向かっている。

 ギネヴィア「なあに?買い物にでも誘ってくれるの?」

 ウィロー「いいえ、貴方は自身の能力を自覚した以上

 こっちの世界に足を踏み入れるべきだと私は思うわ

 ....学校の裏で好き勝手楽しんでたでしょ?私もよ。

 弱者を虐げる事に喜びを感じる私たちはこのままだと

 将来、職場でそれを続けたらボロが出たとき

 追い詰められてしまう....だから価値観の共有できる

 人間の世界でしか生きていけなくなる。」

 ギネヴィア「え?何処につれていくつもりなの?」

 ウィロー「さあね....少なくとも貴方と同じ能力を

 持ったお友達がいっぱいいる場所にいくわ。」

 パァァン!!

 車の後部トランクルームが突如爆発した。

 ギネヴィア「!?何!?」

 ウィロー「ちっ....感づかれたか!?降りて逃げるわよ

 この車が連中に追われている!!」

 ギネヴィア「もーーーーー今日はなんて日なのよ!!」

 パァァン!!

 今度は車の屋根が吹き飛ぶ。

 ギネヴィア「ファアアアアアアアアアアアア!!」

 裏返った声で悲鳴を上げるギネヴィア。

 車を人気のない所に止めて姉のウィローが叫ぶ。

 ウィロー「力を展開して防衛しなさい!!敵は

 近くにいる!!」

 ギネヴィア「なんなの!?何が起こってるの!?」

 背中合わせで周辺を見回す。

 だが怪しい人影はいない。

 ギネヴィア「警察に連絡して助けを求めてもらった

 方がいいわ!!こんな意味もわからない事態に

 私ら単体で適切に対処できるわけがない!!」

 『できないでしょうね。』

 そんな声が何処からか聞こえた。

 電子音の女性の声がこっちに喋りかける。

 ギネヴィア・ウィロー「!?」

 『盲点だったわね....誘拐グループのスタンド使いが

 揃いも揃ってどうして3人も人員を割く必要が

 あったのか....そう....2人を迎えに行くのに

 3人必要だったから....誘拐グループの息のかかった

 お姉さんが迎えに来るなんて本当盲点ね。

 別に警察に連絡しちゃっていいわよ?

 貴方が誘拐に協力していた87件を警察に証拠つきで暴露

 してあげるわ....そう....この前は8歳のミレイっていう

 男の子をさらって売ったんでしたっけ?

 ウィロー・メー・ソーム23歳!!』

 ウィロー「まさか!!携帯が!!いつの間にか

 操作されている!!どうやって遠隔操作されたの!?」

 いつの間にか携帯が通話スピーカーモードに

 なっており女性の声で叫んでいた

 『いやあ....人気のない場所に逃げてくれて本当に

 ありがとう。こっちとしてはやりやすいわね....

 こっちとしては。』

 パン!!

 バババババババババババババババババババババ!!

 びっくり箱のように大量の光る蝶がボンネットと

 トランクルームから飛び出してくる。

 ウィロー「なにぃいいいいいいいいいい!?

 どうやって侵入したの!?いつの間にか

 入り込んでいた!?」

 『逃がさないわよ!!おまえらぁあああああ!!』

 ギネヴィア「何々!?今度は何のゴーストなの!?」

 

 市営バスの中に乗って追跡している

 天加護 爽・葵姉妹。

 携帯電話を持って話しかけている爽がいた。

 爽(メモリーカード・マンボーファイブ』

 爆発させて車の動きを止める程度はできるし

 蝶を壁抜けさせて車内に侵入させることもできる。

 携帯のボタンを押す程度のパワーなら

 無いわけでもないし、番号やあなたたちの向かう

 位置なら、蝶で記憶を少し覗けばあなたたちの向かう

 方向や目的が手に取るようにわかる。後は

 蝶に接触させて眠らせて捕縛するだけ。

 目的地を把握すれば道中でストップさせることは

 お手のもの....!!)

 

 光る無数の蝶は瞬く間に包囲網を形成する。

 ギネヴィア「完全に囲まれちゃったじゃない!!

 なんなのこの得体も知れない光る蝶は!!」

 ウィロー「『ヘビー・ローテーション』!!」

 スズメガのスタンドを取り出すウィロー。

 高速で動き、高速で口のワイヤーを伸ばして蝶に

 突き刺す。

 しかし、蝶にスズメガの口のワイヤーを吸収されて

 焦りを見せる。

 ウィロー「駄目だこの蝶!!スタンドを吸収する!!

 ヤバイ!!素手で触れたらいったいどうなるんだ!?」

 ギネヴィア「『オレンジ・レンジ』!!」

 5匹の蛾のスタンドを展開して圧縮空気弾を発射

 して対応を試みる。

 ちょっとだけ動くが30羽以上はいるのか囲まれて

 打開策にならない。

 ギネヴィア「駄目....数が多すぎる!!

 くそっ....!!こんな蝶ごときビビってどうすんのよ....!!」

 ウィロー「馬鹿!!得体の知れないものにむやみに

 触れるんじゃあない!!」

 ギネヴィアは手で振り払おうとして触れた

 その瞬間

 ギネヴィア「うっ....!?」

 触れた瞬間強烈な睡魔が自身を襲った。

 ギネヴィア「なに....これ!?」

 ウィロー「言わんこちゃない!!相手が無策で

 こんな弱そうな蝶を展開するわけがない!!

 はっきり意識を持ちなさい!!やられちゃうわよ!!」

 

 市営バスで追跡中

 爽「さてと....どうするかな?上も右も左も無いから

 地面でも掘って逃げるのかしら?」

 

 ウィロー「ギネヴィア!!今すぐ貴方の

 スタンドで空気弾をあの車にぶつけなさい!!」

 炎上している車を指差すウィロー。

 ギネヴィア「でもどうやってこの状況を....。」

 ウィロー「いいから!!ありったけぶつけろって

 言ってるんでしょ!!」

 5匹の蛾のスタンドが体の中央に空気を圧縮して

 連射して弾を放つ。

 ポンポンポンポンポンポンポンポン!!

 

 爽「残念だけど引火しない場所をピンポイントで

 壊しているから爆発はしないわよ~。」

 

 ウィロー「いいや、爆発させるのは..私のスタンドだ!!」

 スズメガのスタンド『ヘビー・ローテーション』が

 ストローのような口を針を撃ち出すように高速で

 発射するとガソリンタンクを撃ち抜き破壊する。

 バァァァァン!!

 爆発を起こす車。

 ウィロー「空気弾を撃ち出したのはこっちに残骸が

 飛んでこないように爆風を中和させる為だったのよ。

 あのスッとろい蝶のスタンドは破壊できなくとも

 爆風で吹き飛ばすことはできる!!」

 

 吹き飛んで包囲網が崩れる光る蝶。

 ギネヴィア「姉さん!!車あんなことして大丈夫なの!?」

 ウィロー「大丈夫さ、奴等に捕まるよりはマシだ!!」

 走って爆風で空いた包囲網の穴に向かって走り出す姉妹

 ウィロー(蝶のスタンド使い本体の言ってることが

 本当だとしたら....誘拐の証拠を掴んでいるとしたら

 ここで警察に捕まるのはマズイ....

 私の誘拐人数から誘拐したガキの人数までピタリと

 当てやがった....見つけたら絶対に始末しないと

 確実に私は牢獄行きになる!!

 警察を撒きながらまずは仲間との合流地点に

 逃げなくては!!)

 ギネヴィア「姉さん!!ここは警察と消防に

 逃げるべきよ!!それに走ってる方向が自宅とは違....。」

 ウィロー「やかましい!!黙ってろ!!それができりゃ

 苦労しな....そうか!!自宅に逃げれば....!!」

 ウィロー(親を人質にして盾にできる!!)

 ウィロー「よし、自宅に向かうぞ!!

 えっと....ちくしょう迷っちまった!!」

 電話音『ああ、いいわよ?自宅に案内してあげても

 ....警察が自宅を警護してくれているから

 安心して向かうがいいわ....シニー・フェメルちゃんと

 メリー・セリーちゃんの一件で

 話はあるみたいだけど?』

 ウィロー(ぞぞぞぞっ!!こいつどうして私が

 誘拐したガキの名前を知ってるんだ!?)

 携帯を握って確認すると驚愕した。

 ウィロー「こいつ....ストラップに化けてやがった!!」

 光る蝶が携帯のストラップに張り付いて隠れていた

 ギネヴィア「それってどういう意味なの!?」

 ウィロー「後で説明する!!」

 ウィロー(ヤバい....このスタンド想像以上にヤバい....

 スタンドを吸収した瞬間吸収した私のスタンド情報も

 おそらく、さらにはそれを通じて人の記憶まで

 読み取り、睡魔まで伝染させる....これがこの蝶の能力!!

 こいつ本体を野放しにしていたら下手をすれば組織が

 芋づる式で崩壊する!!)

 ウィロー「自宅は駄目だ!!奴等に先回りされている!!」

 ギネヴィア「マジで!?」

 ウィロー「仲間と合流するしかない!!ともかく

 学校へ戻るぞ!!」

 ギネヴィア「なんでゴースト今いっぱい出る学校

 なぞに戻らなきゃいけないのよ!?」

 ウィロー「別の仲間が学校へ迎えに行って私と

 合流するはずだったがお前の部活が予想より

 早く終わっちまって想定外の連続なんだ

 今一番近い学校へ逃げるのが得策だ、

 第二合流地点までは距離があまりに遠すぎる!!」

 ギネヴィア「嫌よ!!あんな人食いスライムが

 襲ってくるような学校!!明日にでも投稿拒否

 しそうな位嫌なんだから!!」

 ウィロー「人食いスライム?」

 ウィロー(私たちの仲間にそんなスタンド使いは....

 居なかった気がする....つまり....連中に既に

 先回りされて仲間が交戦している可能性もある!!

 くっそ....じゃあ残る最後の選択肢....!!)

 ギネヴィア「いやあああ!!あの光る蝶!!追っかけて

 来たわよ!?」

 道の前から後ろから光る蝶がひらひら迫ってくる。

 ウィロー「じゃあ残る選択肢は....!!」

 スズメガのスタンドの口で自分と妹を吊り上げて

 空に一気に引っ張るウィロー。

 ウィロー「空に....逃げる!!」

 グググググググググググ!!

 ロケットにでも引き上げられたように二人の足元は

 地面を失い、三半規管から重力を失ったような

 感覚に陥る。

 ギネヴィア「ひゃぁああああああああ!!こんなの

 聞いてない!!」

 ウィローのスタンド『ヘビー・ローテーション』

 そのスズメガのスタンドは見た目に似合わぬ超パワーと

 ハチドリのように高速で動くスピードを誇る

 単体遠隔操作型スタンド。

 誘拐グループ出身の姉貴の遠隔パワー型のスタンド

 である。

 ウィロー「空を空けておくとは間抜けなやつめ!!

 お前には私のスタンド程のスピードも命中率もな....!!」

 『オラァ!!』

 ボコォッ!!

 ウィロー「は!?」

 夜空の何も無い場所から野太い声と共に

 突如拳が出現してウィローとスタンド

 『ヘビー・ローテーション』をぶん殴ったのだ。

 ウィロー「何もないところから拳が....!?」

 目を凝らして見るとそのシュールな光景に目を疑った

 ウィロー「夜闇に紛れたクロアゲハに化けた

 蝶のスタンドから腕が....!!」

 バスから外に出ている天加護姉妹

 爽「『メモリーカード・スタープラチナ』!!

 条太郎さんの中からうっすら消えかけた

 貰って影響の無い記憶から『再現(リプレイ)』

 させてもらった!!少女をテニール船長から

 奪い返すとき、水に潜られる前にぶん殴る『記憶』!!

 食らいなさい!!逃げる前に仕留めるラッシュを!!」

 青い両拳の生えた蝶

 『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ

 オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!』

 ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ

 ボコボコボコボコ!!

 ウィロー「くっはぁ....!!なんじゃこりゃ....!!」

 両腕の生えたシュールな蝶にボコボコにされる

 ウィロー。

 ギネヴィア「お姉ちゃん!!や、ヤバいっ!!」

 ウィロー「こっ....のぉ!!やろろろろろろろろろろろ!!」

 ピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシ

 ピシピシピシピシピシピシピシ!!

 スズメガのスタンド『ヘビー・ローテーション』

 がスタンド蛾姉妹をどこかへぶん投げると

 これ以上攻撃を好き勝手食らわないように

 ストロー口のムチでラッシュを相殺して防御する。

 爽「こいつ....思ったより器用!!」

 

 ギネヴィア「『オレンジ・レンジ』!!」

 5羽の蛾が空気弾丸を真下に発射して上昇気流を

 産み出し衝撃を緩和させてふわっと着陸する。

 爽「よくわかったわね....私たちが本体だって。」

 あの時ウィローは適当に自分と妹をぶん投げた

 訳ではない。

 ギネヴィアがきっちり着地サポートしてくれると言う

 期待も含め、地上から強い眼差しでこっちを

 睨む瞳を察知して投げたのだ。

 ウィロー「そんな目で見てれば誰だってわかるわ。」

 爽と葵は攻撃体制に構えて二人を睨む。

 爽「誤算と言えば誤算ね、本当は家に来たところを

 両親にあんたのいじめによって命を断ちかけた娘の

 話をして土下座させるつもりだったけど....

 まさか....姉が妹以上に真っ黒な奴だとは

 思わなかったわ....歯ぎしりするぐらいに....!!

 妹に誘拐の手助けさせて....そうまでしてお金が

 惜しいの!?」

 ウィロー「あなた達は例の目障りな警備会社の

 手先だと思ったけど....まだまだあまちゃんな

 ひよっこみたいね...でも...野放しには絶対にできない!!!

 私たちの生活と安心の為に!!お前を殺す!!」

 ギネヴィア「姉さん....どういうことか教えて?」

 ウィロー「端的に言うわ....こいつらを野放しにしたら

 私たちの生活から安心が完全に消えるわ。

 貴方の胸のやましい記憶を根掘り葉掘り

 引きずり出し、証拠を逆算して発見し通報する能力を

 持っている。」

 ギネヴィア「!!」

 ウィロー「わかったわねギネヴィア?こいつらを

 殺さなきゃ私たちに明日は無いわ?

 こいつ....仲間に通報できないようにさりげなく携帯

 を蝶で引っ張り出して落下粉砕させてくれやがってる」

 遠距離にバラバラになった二つの携帯が転がってる。

 ウィロー「あんたたちの最大のミスはわざわざ

 遠隔捜査型のスタンドなのに本体を露呈させた

 これであの蝶は殺せなくても貴方達をぶっ殺せるぅ...」

 葵「殺す?できるかしら....この日の為に波紋を鍛えた

 私に調子乗ったこと言ってくれるわね。

 かかってきなさい!!のめしてあげる!!」

 爽「ええ、ぶん殴ってやるわ....かかって....

 こいやーーー!!」

 

 スタンド

 『ヘビー・ローテーション』

 破壊力B スピードA 射程A

 持続力C 精密動作性A 成長性D

 

 『オレンジ・レンジ』

 破壊力C スピードC 射程A

 持続力A 精密動作性C 成長性C

 

 

 

 

 

 



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第20話 『ヘビー・ローテーション』

キャラデザイン流用
天加護爽=空門蒼
天加護葵=空門藍


夜のロンドン市内で4人が睨みあっていた

 天加護 爽&天加護 葵vs

 ギネヴィア・ルー・ソーム

 &ウィロー・メー・ソーム

 の姉妹スタンド対決の構図となっていた。

 

 対面直前・回想

 葵「爽ちゃん、あいつらがどんなスタンドを

 使って来るかわかる?」

 爽「うん、ブラウンのロングの女性が妹のギネヴィア

 6年間アニューや女子生徒をいじめてきた

 いじめ常習犯。スタンドは5匹の蛾のスタンド

 『オレンジ・レンジ』。

 もう一人の栗色セミロングの女性がが誘拐グループの

 息のかかった姉のウィロー。

 ウィローの『ヘビー・ローテーション』は

 スピードもパワーもあるスズメガのスタンド。

 想像以上に凶悪だから注意して。」

 

 葵(爽ちゃんが頑張って敵の前情報を調べてくれた

 ここは姉としてビシッと魅せてあげなきゃ。)

 葵の両拳から二重螺旋の透明なオーラが葵の拳を

 腕を包むように回る。

 睨み会う4人。

 カサカサカサッ!!

 風が木葉を揺らした瞬間攻撃が始まる。

 ギネヴィア「『オレンジ・レンジ』!!」

 ウィロー「『ヘビー・ローテーション』!!」

 爽「『メモリーカード』!!」

 葵「『シリアル・パス』!!」

 一斉にスタンドを展開する4人。

 ギネヴィアが5匹の蛾で空気弾を連射し

 ウィローはスズメガのスタンドの口を高速で伸ばして

 爽に攻撃を仕掛け、爽は光る蝶を一斉に展開して

 スタンド攻撃を防ぐ壁を造り、葵は爽の壁となって

 前に出る。

 ギネヴィアの空気弾は多少蝶を動かす効果はあっても

 完全に吹き飛ばすことはできない。

 しかし、それで十分だった。

 ウィロー「ノロイノロイ!!そんなんじゃ首筋に

 撃ち込んだだけで簡単に殺せちゃうわ!!」

 無数の蝶の間を縫って爽の首筋に向かって

 スズメガの口のワイヤーを伸ばして撃ち込む。

 ピシャッ!!

 首筋に命中する。

 しかし。

 爽「想定の範囲内ね。あなたがピンポイントで私の

 首筋を狙う事は容易に予想できた。

 だから何処を狙われてもいいように下着と皮膚の

 至るところに私の蝶のスタンドを張り付けて

 防御している。掴んで!!葵!!」

 ウィローは舌打ちする。

 せっかくの攻撃が『蝶』に『吸収』されてしまっていた

 葵「任せなさい!!」

 スズメガの口を掴んで引っ張る葵。

 ウィロー「馬鹿ね、貴方!!」

 ギュィイイイイイイイイイイイン!!

 スズメガが電動カミソリりみたいに超振動を

 口に伝える。

 ウィロー「私の『ヘビー・ローテーション』は

 超振動と高パワーを武器とするスタンド!!

 車を爆破させたのもガソリンタンクを超振動させて

 爆発させた!!そのスズメガの口から

 超振動を食らって脳をミキサーみたいに揺らして

 パンチ食らいすぎたボクサーのように脳をボロボロに

 してやる!!」

 葵「なめんなよ私を!!」

 うらうらうらうらうらうらうらうらうらうら!!

 掛け声と共に掴んだスズメガのワイヤーを

 前後左右に小刻みに揺らして応戦する葵。

 ウィロー「くはぁ!!」

 振動を食らってダメージを受けたのはウィローの方

 だった。

 ウィロー(攻撃を食らって返されたのは私の方だった!?)

 ギネヴィア「食らえぇええ!!」

 全方位から5匹の蛾で空気弾を放ってくるギネヴィア。

 だが蝶に阻まれて空気弾が天加護姉妹に直撃しない。

 パンパンパンパンパンパン!!=○=○=○=○=○

 葵「波紋カッター!!」

 やや大きめの波紋カッターの群れがソーム姉妹を襲う

 ウィロー「なめんなよ!!やろろろろろろろろろろろお!!」

 ピシピシピシピシピシピシピシピシ!!

 波紋カッター全てを高速の口のワイヤーで弾き飛ばす

 『ヘビー・ローテーション』

 葵「想像以上に対応と速度が速い!!超振動、

 超スピード、高い精密攻撃を可能としたスズメガの

 口!!これが敵の能力!!」

 爽「!?体がヒリヒリ....段々痛くなって....!?

 うぅぅぅううううう!?」

 爽の皮膚のあちこちが炎症を起こし始めていた。

 ギネヴィア「ただの空気弾と思っていたの?

 これは毒蛾の燐粉を織り混ぜて発射させた

 炎症毒の燐粉よ。女の子には怖いわよね~

 お肌が見るも無惨にボロボロになっちゃうもの

 どんなに密封性高いエプロンしてても小麦粉の

 ように粉は皮膚に付着しちゃうんだから。

 オンオフも可能!!このまま激しい炎症が広がって

 動くのも苦痛になってくるわ。」

 爽(女子高生が記憶のなかで食らっていたのはこれ....

 近接パワー型に見えていたのは蛾の撃ち出す

 毒燐粉入りの空気弾....しかし....。)

 ズガン!!

 ギネヴィア・ウィロー「!?」

 葵「うらうらうらうらうら!!」

 ボコボコボコボコ!!

 突然葵が爽を殴り始めた

 ギネヴィア「こいつ血迷ったの!?妹を!?」

 爽「ありがとう....葵....♥」

 ギネヴィア「やべえ....この妹ドMなのか....

 いじめたらいじめるほど喜ぶような....!!」

 ウィロー「違うわね....よくみなさいギネヴィア。」

 ギネヴィア「.............!!体の炎症が消えてる!!」

 ウィロー「やつは『吹っ飛ばした』んだ

 あいつは能力を体術で『吹っ飛ばす』能力なんだ

 お前の『毒の燐粉』の効果を『吹っ飛ばした』んだ。

 確かに脅威っていやあ脅威だが威力が

 『自身の体術依存』っていうのが欠点に見えるわね

 私達はあの蝶を出す妹の方を殺したら逃げることが

 最優先任務よ....あの記憶を覗き見る『蝶のスタンド』

 あれがいる限り私たちの安息は無い

 なんとしても殺すんだ....あいつを....!!」

 ウィローは口にタバコを咥えてライターで火をつけて

 天加護姉妹を睨んだ。

 ウィロー(見る限りあまり戦歴を経ていない....

 確かにスタンドはスタンドでしか倒せない....

 こいつらにはスタンド攻撃は効かない。

 ただし....本体の位置と場所さえはっきりわかれば

 ....。)

 ぺっ

 火のついたタバコを吐き出した瞬間

 スズメガのスタンド『ヘビー・ローテーション』

 が動き出す。

 ウィロー「気合いを入れなギネヴィア。

 いじめを行う以上に手加減をするな...

 こいつらを殺さなきゃ....私たちに明日はない....!!」

 爽「記憶を見てわかっていたけど....あいつは

 戦歴を経た誘拐のプロフェッショナル....超外道....

 人間の情なんて考慮してたら本当に殺される....

 葵....油断しないで!!私のスタンド『再現』は

 『記憶』を消費して呼び起こして『展開』する

 つまり回数制限があるからあの『スタープラチナ』は

 もう使えない....だからそんなに有利に戦いを

 展開できるかわからない....でも....教わった全てを

 使って奴等を倒す!!なんとしても!!」

 葵「了解!!アシストお願い!!」

 スズメガのスタンドが道路標識をストローのような

 口で超振動で切り取り、先端の鋭い刃物を形成し

 掴んで待機する。

 毒蛾の5匹のスタンドは引き続き毒の燐粉つきの

 空気弾を使用して全方位から攻撃してくる。

 爽「展開できる数ならこっちが上!!包囲しなさい!!」

 毒蛾のスタンド自体は爽の『メモリーカード』と

 スピードは変わらない。

 つまり数で押されてしまえば5vs30以上

 圧倒的に不利である。

 ギネヴィア「いやっ....こっちに....来るな....!!」

 毒蛾が光蝶に追い込み漁されてる光景になっている

 触れたら最後スタンドが蝶に吸われて奪われる

 ウィローがライターを5つ取り出してギネヴィアの

 毒蛾のスタンド『オレンジ・レンジ』に

 『ヘビー・ローテーション』のワイヤーのような口を

 使ってぶん投げて渡す。

 ウィロー「コンビニのタバコの付録で沢山貰ってな

 これで状況は打破できるんだろ?」

 ギネヴィアはこくりと頷くと空気弾を圧縮したやつに

 火をつけ、毒の燐粉に引火させて粉塵爆発を起こして

 光る蝶を追っ払う。

 ボーン!!

 光る蝶は物理攻撃で破壊はできない

 だが爆風で吹き飛ばすことはできる

 どうにか囲んでいた蝶を粉塵爆発で吹き飛ばして

 退路を確保するギネヴィア

 ギネヴィア「囲め『オレンジ・レンジ』!!」

 毒の燐粉を纏った圧縮した風の弾丸を連射する

 しかし蝶が煽られながらも防御する。

 その間を超高速で縫って『ヘビー・ローテーション』

 が猛スピードですり抜け

 爽「速い!!」

 葵「この!!」

 ウィロー「私のスタンド『ヘビー・ローテーション』

 はな....。」

 葵の拳を高速で迂回して道路標識の鉄パイプの

 先端を尖らせて造った凶器を爽の首側面に突き刺す

 ウィロー「スピードとパワーと精密動作性は

 Aなんだよ!!」

 ガィイイイイイン!!

 ウィロー「!?」

 金属に当たったような感触にビビるウィロー

 爽「物理攻撃は確かに前までは脅威だったわね......

 セーラム先輩にこっぴどく何度もやられたわ....

 だから....蝶に波紋を流して実体化させて

 皮膚にはっつけておけば銃弾だって防げるのよ!!

 そんな凶器でもね!!」

 ギィイイイイイイイン!!

 超振動で火花を散らして突破を試みるも通らぬ凶器

 カンカンカンカンカンカン!!

 全方位から高速ラッシュで突破を試みるが

 展開された波紋入りの光る蝶が満遍なく覆っていて

 全く通らない。

 ウィロー「こっちなら!!」

 爽から葵にターゲットを変えて鉄パイプの尖った

 先端を高速で全方位から突き刺しにかかるも

 カンカンカンカンカンカンカンカンカン!!

 葵「ええいうっとうしい捕まれこのやろう!!」

 葵にも波紋入りの光る蝶が張り付けてあって

 全く通らない。

 が、速度は圧倒的に『ヘビー・ローテーション』に

 分があるため捕まえきれない。

 ウィロー「わかった諦めるよ....じゃあこれは?」

 鉄パイプの先端の穴から火がぼうぼうと燃えたタバコが

 5本、爽の目の前に飛び出す。

 爽・葵「!?」

 周りには目視できるほどのパラパラと舞う

 茶色の粉塵。

 ウィロー「『オレンジ・レンジ』の毒の燐粉は

 既に全方位に展開されているこれに引火すれば

 粉塵爆発でお前ら粉々に吹き飛んでくれるよな?」

 爽「葵!!手を貸して!!」

 葵「わかった!!」

 二人がぎゅっと抱き合ったかと思うと

 ドッッカアアアアアアアアアン!!

 粉塵爆発で辺り一体が吹き飛ぶ。

 ギネヴィア「やった!?」

 ウィロー「いいや....。」

 そこには大きな波紋入りの2羽の蝶が天加護姉妹を

 向き合って羽で包んでぴったりと合わさり守っていた

 彼女達は無傷だった。

 ギネヴィア「おいおいおいおい....無敵にも

 程ってやつがあるじゃない....。」

 二人は包容を解くと相談する。

 葵「爽ちゃん、このままじゃ攻め手に欠ける

 どうするよ?」

 爽「このまま逃げられるのも厄介ね....

 私の能力を組織にチクられても困るし

 一応....追跡手段はあるとはいえ....別々に動けば

 戦力は半減するし好ましくない....。」

 ウィローが睨んで言う。

 ウィロー「逃げる?逃げられたら困るのはこっちの

 方だ....仮に私が逃げて組織にチクったとしよう

 だがお前には私のやったことを記憶から逆算して

 証拠を引っ張り出す能力がある。

 そうされて仲間の情報まで流されたら消されるのは

 私だ....お前たちをここで殺さなきゃ私に明日はない

 無論学校を裏で牛耳ってきたギネヴィアも....。」

 一歩踏み出して言うウィロー。

 ウィロー「だからお前らを必ずぶっ殺す。

 証拠を消すためなら多少の犠牲はやむを得ない。

 ギネヴィア、やれ。止めは私が刺す。」

 ギネヴィア「OK....任せる!!」

 ギネヴィアの5羽の毒蛾スタンドが持ってるライターで

 毒の燐粉の詰まった空気弾に点火して炎の弾丸を

 打ち出す。粉塵爆発を利用したファイヤーキャノン

 全方位からひたすら飛んでくる炎の弾丸。

 ギネヴィア「熱中症でも一酸化炭素中毒でも爆風でも

 いい!!なんとしても死にやがれええええええ!!」

 ドッカン!!ドッカン!!ドッカン!!ドッカン!!

 ドッカン!!ドッカン!!ドッカン!!ドッカン!!

 炎に包まれる二人。

 ギネヴィア「はぁ....はぁ....酸素不足か....熱中症か

 ....それとも....。」

 葵「それとも....?」

 炎が葵の掌で巻き込まれるように

 竜宮城で踊る乙姫の振り袖のように巻き込んで

 葵「こーんなふうに高出力の波紋を使って

 リボンを作り出し炎全てを巻き込んで....。」

 両手の平で巨大な炎の台風が形成される。

 葵「全部返されちゃうとか?」

 ギネヴィア「嘘でしょ....そんな....漫画やアニメじゃ

 無いんだから....無理よ....そんなこと....。」

 天加護葵が波紋修行で編み出したオリジナルスキル

 波紋リボンが炎を風と取り込んで渦を作り出す

 葵「巻き込め波紋リボン....吹き荒れろ炎の台風!!

 『『炎台風波紋疾走』フレアルビーオーバードライブ!!』」

 ギネヴィアとウィローの元に炎の台風が撃ち込まれる

 ギネヴィア「ああぁぁっ!!」

 いくら『オレンジ・レンジ』の空気弾でも弾き返せない

 だが姉のウィローは呑気にタバコをふかしていた。

 ウィロー「よくやった....ギネヴィア。」

 その時。

 ギネヴィア姉妹たちの前に三角形の大きな

 コンクリートの壁が縦に落下して地面に

 2つ突き刺さり、炎の台風に全部溶かされながら

 砕けた。ウィロー達の盾となるように

 葵・爽「!!?」

 葵と爽の背後の空間にも巨大な三角形の

 コンクリートの壁が3枚ぐらい地面に突き刺さる。

 ウィロー「よくやったギネヴィア、時間稼ぎと

 相手の位置誘導、よくやった。約束通りこいつらに

 止めを刺してやる。既に仕込みは煙草を使って

 粉塵爆発を起こしたときから始まっている。

 お前らは気にならないか?

 このコンクリートの壁がどこから飛んできたのか

 正直この壁があんまりにも邪魔でねえ、

 仮に命中してもあの波紋の蝶に軌道を反らされる

 かもしれない....だから....お前たちには....。」

 チュィィイイイイイン!!

 スズメガのワイヤー口の超振動を使ってコンクリートを

 ともかくチェーンソーのように高速でカットしていく

 スタンド『ヘビー・ローテーション』。

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

 爽「何!?この地響きみたいな音は....!?」

 二人が上を向いた瞬間驚愕した。

 ウィロー「『屋上のパーキングエリアをプレゼント

 してやる!!車つきでなあああああ!!』」

 車を収容している大型駐車場の土台が傾いて

 車の群れと巨大コンクリートがガラガラと爽と葵の

 頭上へと落下していく。

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!

 爽・葵「!!!!!!!!!!!!!!!」

 驚愕しすぎて声も出なかった。

 巨大なコンクリートが頭上に降り注ぎ

 車たちが次々と爽姉妹達の頭上から落下していく。

 ウィロー「いくら防御力あってもよぉ!!

 1t単位の物体がこんなに降り注いだら防げるわけ

 ねぇぇだろ!!」

 爽(この三角形のコンクリートは....

 駐車場を滑り落とす為に土台を三角形に削って

 引っ張り出したの!?あのスズメガのスタンド....

 なんてパワーなの!?証拠を隠滅するためならば

 どんな手段も選ばず....犠牲を問わずに私たちを

 殺そうとする....これが誘拐マフィアってやつなの!?)

 『ヘビー・ローテーション』のワイヤー口で

 車一台を横向きに自分たちの前の地面に埋め込み

 防壁を形成して次々と落下する車を地面に叩きつけて

 爽達をペシャンコにし、大爆発させてぶっ殺す。

 ギュィイイイイン!!ギュィイイイイン!!ギュィイイイイン!

 ボッコォォン!!ガッシャァアアアアン!!

 辺り一面が無惨な姿となる。

 ウィロー「はぁ....はぁ....やっとぶっ殺したわ....。」

 ギネヴィア「お....お姉ちゃん....。」

 ウィロー「騒ぎになる前に逃げるわよ!!」

 『ヘビー・ローテーション』のワイヤーに引っ張られて

 二人は空へ逃げる。

 

 ウィロー・ギネヴィア「はぁ....はぁ....はぁ....。」

 二人は一目散に安全地帯へ逃げてきた。

 あれだけの事を起こせばいくらなんでも

 警察がぞろぞろ来る。

 ギネヴィア「こんなに....やったら....いくらなんでも

 ヤバイでしょ....。」

 ウィロー「スタンドが行った犯罪は警察じゃあ

 証拠を掴むのは不可能だから大丈夫よ。

 それに....貴方も....人を殺してもなんとも思わない....

 貴方はこっちの世界の人間の目をしてる....

 だから....こっちにおいでギネヴィア....

 あんな連中に追われ続けるのは苦痛でしょ?

 こっちに来れば金が山ほど入るし....私が貴方を

 守ってあげる....。」

 ギネヴィアは姉の目を見つめて考え込む

 爽「へぇ....つくづく最低の姉貴ね....。」

 ぞくっ!!

 ウィローの背後から声が聞こえる。

 殺したはずの女の声が....。

 爽「自分一人だとそんなに不安なんだー

 誘拐グループも大変ね....容認は絶対に

 しないけど....。」

 ウィロー「まさか....!!」

 がじっ。

 背後からうなじを持たれるウィロー。

 ビィバババババババババババババババ!!

 ウィロー「ファアアアアアアアア!!」

 電気を浴びせられて気絶するウィロー

 ギネヴィア「な....なんで....。」

 電気を纏った爽がそこに立っていた。

 さっきコンクリートと車に無惨にペシャンコにされた

 筈の彼女が。

 ギネヴィア「なんであんた生きてんのよーーーー!!」

 

 スタンド

 『ヘビー・ローテーション』

 ウィロー・メー・ソーム

 破壊力B スピードA 射程A

 持続力C 精密動作性A 成長性D

 

 超振動と鋭い超ロングワイヤーを使い

 高速移動が自由自在のスズメガのスタンド。

 速度と精密動作性は『スタープラチナ』に匹敵し

 車やブルドーザーでさえも持ち上げられるパワーを持つ

 超振動を使ってチェーンソーのようにコンクリートも

 切断できる

 

 『シリアル・パス』

 天加護 葵

 破壊力C スピードC 射程E

 持続力C 精密動作性A 成長性B

 

 オーラ状のスタンド

 『能力』を体術で『吹っ飛ばす』能力

 効力が体にへばりついていても一括で吹き飛ばし

 破壊力Aでもスタンド攻撃であれば

 効果発揮を優先して圧倒的に『吹き飛ばせる』

 ただし、時間を全体氷結させるような『ザ・ワールド』

 には対処できず、『キングクリムゾン』の

 ように時間を暴風のように吹き飛ばす能力の場合

 何故か効果を吹き飛ばせるという謎の特性をもつ。

 物理的破壊力は本体の身体能力に依存する。



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第21話 『オレンジ・レンジ』

キャラデザイン流用
天加護爽=空門蒼
天加護葵=空門藍

『展開変更』


ギネヴィア「あぁぁぁぁぁ....なんで....

 なんであんた生きてんのよぉ!?」

 姉のウィローが感電して気絶し

 目の前には殺したはずの天加護 爽がいた。

 

 回想

 上から落下する巨大コンクリートの板と車の群れ

 爽(どうする!?あんなのいくら私の波紋蝶の防壁でも

 1t2t相手じゃペシャンコじゃない!!

 どうする!?どうする!?このままじゃ私だけじゃなくて

 葵まで死んじゃう!!何か....何か『記憶』は....!!)

 その時、脳裏にコンセントから出てくるチキン野郎

 スタンド『レット・ホット・チリペッパー』が浮かぶ

 爽(そうだ!!これでどこかの電線とかバッテリーに....)

 もうすぐ迫る物体を見たり周辺を振り返っても

 爽(コンセントも電線も電源もなぁああああい!!

 車のバッテリーに隠れようにも....迫ってくるのは

 降ってくる初手がコンクリートぉおおお!!他に....他に

 隠れる場所は....電力がなかったら壁を破壊できる

 ろくなパワーも出ない....残るは....。)

 掌を見る。

 爽(これだ!!)

 姉の葵に抱きついて一緒に隠れる。

 葵「爽ちゃん!!何を....!!」

 爽「『メモリーカード!!

 レット・ホット・チリヘッパー』!!」

 バジジジジジ!!

 電気のスタンド能力を『リプレイ』して

 隠れた場所は....。

 携帯電話のバッテリーの中だった。

 バン!!バキバキバキバキバキ!!

 歩道と車道の境目、車道側の段差の隙間に携帯電話を

 落として見事にコンクリートの板は段差を斜めに

 した状態で落下する。

 ウィローが止めに車を大量に落下させて

 爆発させて止めを指したかのように見えた。

 しかしそれは、そのままだとコンクリートの壁が

 携帯電話の置いてある溝を覆っているまんまのため

 このままだと姉妹二人は出られない。

 くしくも『車を止めの爆薬』に使ったつもりが

 『彼女達を段差の溝に閉じ込めていたコンクリート

 の壁を破壊』し『脱出の手助け』をしてしまったのだ。

 

 爽「本当私は今日はついているわね~歩行者と車道の

 段差の溝にピンポイントで攻撃が当たってたら

 本当に死んじゃってたわよ。

 バッテリー切れまであそこでコンクリに

 閉じ込められてもアウト。

 本当に助かったわよ~悪党のお姉さん♪

 さあ、覚悟しなさい。貴方にはアニューをズタボロに

 した分を思い知らせてあげなきゃいけないの。」

 ギネヴィア「くっ....。」

 自身が所持するラクロス部のスティックを抜き出すと

 ギネヴィア「うあああああああああああああ!!」

 振り下ろして爽をぶっ叩きにかかる。

 スカッ。

 ギネヴィア「え?」

 外した。

 爽は避けてない

 動いていたのは....。

 葵「天誅ぅうううううううう!!」

 爽の姉、葵だった。

 ギネヴィアの足の真下からいきなり出現し

 肩車した上で両腕を固定し、プロレス技

 『ジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・

 スーフレックス・ホールド』を食らって

 大ダメージを受けた。

 ギネヴィア「ぐはぁぁぁぁ!!」

 ギネヴィアの足元には携帯電話が

 姉のウィローを感電で気絶させた上で

 足の間から投げ込んでいた。

 爽「いやあ、便利なチキンラーメンねこのスタンド

 脱出に成功したときついでに電線伝いであなたたち

 探し回ったら案外早く見つかって電柱から降りてきて

 あげたの。」

 ギネヴィア「こほっ....。」

 地面に背中を打ち付けて動けないギネヴィア

 必死に逃げようと軋んだように体を動かす。

 爽「覚悟しなさい....お姉さん程ではないかも

 しれないけどあんたにも言いたいことが山程....。」

 葵「爽!!危ない!!」

 爽「!?」

 葵が爽の後ろから抱き締めて庇う。

 パァンパァンパァンパァンパァンパァンパァンパァン!!

 ...........................。

 銃声が8発鳴り響く。

 キンキンキンキン....パラパラパラパラ。

 銃弾が血の一滴も残さずに全部落下する。

 葵「起きていたの?貴方?」

 ウィローがよろよろと立ち上がって拳銃を全弾

 撃ち込んでいた。

 ウィロー「咄嗟に....『ヘビー・ローテーション』の

 口をアースに使っていなかったら本当に失神

 してたわね.....折角奇襲したのに弾丸を一発も

 通さないって.....貴方の体は超合金でも

 埋め込んであるの?。」

 葵「髪の毛に波紋を通せば防弾もできる

 ジョセフ・ジョースターが潤いの足りてない髪の毛で

 防弾バリアーを張ったように、潤いの足りてる

 私の綺麗な髪なら....さぞかしいい防御力が

 叩き出せるでしょうね。」

 紫色の長い髪が鮮やかに暗闇の中でキラキラしている

 弾丸は全部髪に命中していた。

 波紋の修行にのめり込んでいた彼女は

 ジョセフやシーザー・師範やツェペリ男爵の

 技等ほぼほぼ全部使えるというリサリサに匹敵する

 努力を波紋修行に注いでいたのだ。

 葵「まだやるつもり?これ以上妹に手出しをするなら

 大人しい私もさすがにプッツンいくわよ?」

 怒りに燃えた瞳でウィローを見つめる葵

 ウィロー「言った筈よ....お前らはなんとしても

 ぶっ殺すって....これでも誘拐マフィアの幹部として

 プライドがあるのよ....一度狙いを定めた人間は

 絶対拐う....絶対殺す....絶対逃がさぬ....。」

 ギネヴィア「くっ!!」

 ギネヴィアがよろよろしながら逃げ出す。

 葵「こら!!待ちなさい!!」

 追いかける爽。

 葵「ちょっと爽!!」

 ウィロー「待てって言うのはよお....

 私の台詞だごらぁああああああああ!!!

 お前のような記憶のカンニング野郎は....。」

 ウィローの声を聞いて振り返った爽が上で見たもの

 爽「ちょ.........!!」

 ウィロー「パワーーーーーショベルだぁああああ!!」

 巨大な重機が爽の上に振りかざされる。

 スズメガのスタンドがワイヤー状の口で

 サイズ不相応な物体を持ち上げている。

 ウィロー「てめえは脱出に成功したみたいだが

 トン単位の物体を防御できねえって弱点は

 無くなってねえわけだ....今度こそぶっ殺してやる....

 死にやがれぇええええ!!カンニング野郎がぁああ!!」

 巨大な重機を振り回して爽に向かって振り下ろそうと

 する。

 爽「!!!!」

 いくら波紋の蝶でも何tも越える物体を防御できない

 携帯電話は距離の遠い所に置いてしまった

 敵は今度は外そうとしない。

 その時

 葵「動かないで....爽。」

 波紋を足に通して電灯を垂直に走って

 パワーショベルに乗り移り、かけあがり

 重機を振り落とそうとした瞬間の

 『ヘビー・ローテーション』の口を

 ふん捕えてちょっと自分に寄せると

 肘と膝でスズメガを挟み込んで上下から

 『能力を吹き飛ばす能力』の洗礼を浴びせる

 破壊力Aは物理相手では駄目でもスタンド相手なら

 吹き飛ばせる葵のオーラ状のスタンド

 『シリアル・パス』。

 つまりスタンド相手ならAクラスのダメージを

 上下から挟み込んで与えることができる。

 クシャァァアアアア!!

 ウィロー「くはぁあああ!!」

 スタンドのダメージが本体にもろに来る。

 てっきり妹を護る方に走ると思ったら想像できない

 速さでこっちを潰しに来た。

 口から吐血して肋も何本も折れた。

 もう....戦えない。

 ウィロー「いいのかしら....私を戦闘不能に

 したのはいいけど....このままじゃあいつは死....。」

 葵「死なせないわよ....私....。」

 右手でスズメガを捕まえたまま

 グッと腰を入れるとパワーショベルの挙動が動き

 葵「優秀だから。」

 ゴッ!!

 するとパワーショベルの落下した円形の隙間の部分に

 爽を置くように重機の重心を動かした。

 葵「波紋は元々仙道....つまり自分や相手の重心を

 拳法として扱うことを訓練されるの。

 こんなでかいものの重心程度動かせなくて

 どうするの?」

 爽「葵....。」

 ちょっとだけかっこいいと思ってしまった。

 ブン!!

 スズメガのスタンドを爽へぶん投げる葵

 爽「おっと!!」

 でかい光る黄色い縁の青い蝶を指先から出す爽

 その『メモリーカード』本体にスズメガのスタンド

 『ヘビー・ローテーション』が吸収されていく

 ウィロー「やめろおおおおおおおおおおお!!」

 シュッ!!

 『ヘビー・ローテーション』が完全に

 『メモリーカード』に吸収される。

 爽「ふう....いじめっこ捕まえるつもりが思いっきり

 ラスボス戦になっちゃったじゃない....。」

 葵「さてと、波紋で気絶させてセーラムさんの

 元に連れていって処分を決めてもらいましょう

 多分終身刑でしょうけど。

 あのいじめっこはどうするの?」

 パチッ!!

 ウィロー「うぉぁぁ....。」

 スタンガンにやられたように意識を落とされる

 姉ウィロー波紋を首筋に当ててしれっと

 気絶させておく葵。

 

 ウィロー・メー・ソーム 敗北 その後回収

 スタンド『ヘビー・ローテーション』

 爽の『メモリー・カード』に奪われ消滅。

 

 爽「後日にするわ、ここまでやっちゃうと

 疲れちゃうし。どうせ逃げ場は自宅だから

 場所がわかっていればいつでも....。」

 ポンポンポンポンポンポン!!

 炎を纏った空気弾が二人に襲いかかる

 葵「危ない!!」

 うらうらうらうらうらうら!!

 葵がラッシュで炎の空気弾を弾いて前を見据える

 爽「逃げて....無い....?あんなに怖がっていたのに?」

 5羽の毒蛾のスタンドを引き連れて

 逃げたと思っていた妹ギネヴィアが戻ってきていた

 ギネヴィア「お姉ちゃんは....確かにクズよ....

 社会から見ても....誘拐はするわ....殺人はするわ....

 今の行動を見てそれは凄い理解できた....でも同時に

 ....どれだけ汚れていても私を捨てようとしなかった..

 私を組織の駒に使おうとしたかもしれない....

 でも....それでも私を護ろうとしたかっこいい

 お姉ちゃんよ....私よりスケールでかくてかっこいい

 お姉ちゃんよ....あなたたちぶっ殺せば....

 お姉ちゃんにスタンドが戻るんであれば....。」

 葵「これは....!?」

 5羽の毒蛾のスタンド『オレンジ・レンジ』が

 合体して人間の大人サイズはあるであろう

 巨大な蛾に変貌した。

 葵「バカな....!!どんなに感性がクズでも....

 成長したと....歪んだ『勇気』をてにいれて

 成長したと!?」

 ギネヴィア「いっけぇええええ!!私の

 『オレンジ・レンジ』!!」

 巨大な毒蛾のスタンドが凄まじい風と毒の燐粉

 を撒き散らして吹き荒らす。

 爽・葵「くぅうううううう!!」

 身体中に激痛が迸る。

 爽「毒の燐粉がパワーアップしてる....炎症通り越して

 膿を皮膚から出すほどに....!!」

 葵「くっ!!能力の効果を吹き飛ばせても....

 これじゃあ....際限なく皮膚をやられていく....!!」

 葵が前に出て波紋リボンで風を巻き込んで

 再び台風を編み込み始める。

 ギネヴィア「バカね....私の成長した

 『オレンジ・レンジ』に同じ手が通用すると

 思ってるの?バカね....身の程を思い知れ....!!」

 大きく成長した『オレンジ・レンジ』が空気を

 圧縮し始める。

 今度はどれ程ヤバいのかわからないぐらい空気が

 集まって....。

 葵「爽!!電気のスタンドの『記憶』はまだ使える!?」

 爽「大丈夫使える!!スタンド使いが今まで

 使ってきた回数分自由に使える!!」

 葵「じゃあ電気で点火して!!もう一度粉塵爆発で

 奴に炎を食らわせる!!」

 爽「わかった!!」

 粉塵爆発で勢いをつけてもう一度『炎の台風』を

 ギネヴィアにぶつけにかかる葵。

 爽「『メモリーカード・レット・ホット・

 チリヘッパー』!!」

 バチッ!! ボワァアアアアアアア!!

 電気で火花を散らして粉塵爆発で『炎の台風』に

 勢いと炎を産み出す。

 葵「『炎台風波紋疾走』フレアルビーオーバードライブ!!』」」

 ギネヴィア「もうなにもかもふきとびやがれえええ!!」

 巨大な毒蛾も強化された巨大な圧縮空気を発射する

 ボコォオオオオオオオオン!!

 風と炎

 二つのエネルギーがぶつかり合って轟音が響く

 そして....炎が負けて吹き飛ばされる。

 ギネヴィア「よし!!押し勝った!!圧縮空気弾の一撃

 だけでも十分勝てるのに身体中が炎症してるんじゃ

 フルパワーが出るわけがない!!このままあなたたちも

 吹き飛んで....?」

 押し勝ったと思ったその時

 その勢いに負けずそいつは飛んできた

 大きく黄色い縁の青い光る蝶

 スタンド『メモリーカード』の本体だった。

 その本体は猛スピードで一直線に

 ギネヴィアの元に向かっていく

 爽「『能力を吹き飛ばす能力』の『記憶』を

 共有して『私の拳』と『葵の拳』

 蝶の背中に『リプレイ』した

 『能力を吹き飛ばす』能力の3点を..!!」

 葵「息を合わせて....!!」

 爽・葵『同時にぶっ飛ばす!!』

 どこぉぉん!!

 大きな美しい光る蝶は決着をつけるべく

 ギネヴィアに迫る。

 ギネヴィア「これが!!奴のスタンドの本体!!

 生憎、風が強ければそいつは吹っ飛ぶ!!

 もう一度圧縮空気を発射すれば....!!」

 ギネヴィアはもう一度大きな毒蛾から

 大型の圧縮空気を発射する。

 だがギネヴィアは忘れていた。

 蛾も羽ばたくなら蝶も羽ばたくことを

 光る大きな蝶は羽ばたいて空気弾を避けるように

 真上に、ひらりと飛ぶ。

 ギネヴィア「!?」

 再び蝶がふらりと降りたところを

 葵「これも....『能力』って扱いでいいわよね?」

 爽「じゃあこれも一緒に....!!」

 迫ってきた空気弾に向かって葵と爽は

 息を合わせて。

 爽・葵『ぶち抜く!!』

 ボッコォオオオオン!!

 圧縮した大型空気弾の『能力』を全力で

 ぶん殴り、

 『吹き飛ばし』

 蝶の追い風に一気に変える。

 キュィイイイイイン!!

 巨大な蝶がさらに加速し、弾丸のように迫る

 ギネヴィア「来るなぁあああああああ!!」

 もう一度空気弾を撃とうとするが間に合わない

 黄色い縁の大きな青い蝶が大きな毒蛾と重なった瞬間

 スタンド『オレンジ・レンジ』は『メモリーカード』

 に吸収され....ギネヴィアは....スタンドを

 失った。

 ギネヴィア「....負けた....。」

 ギネヴィア『オレンジ・レンジ』

 スタンド『メモリーカード』に吸収され....消滅

 

 爽「痛い痛い痛い!!お姉ちゃん!!はやくこれ

 吹き飛ばして!!」

 葵「ごめんちょっと待って爽ちゃん!!

 自分から先に叩き落とさないと痛くて上手く

 動けないのぉ!!」

 全身を叩いてスタンドの『炎症効果』を

 吹き飛ばして必死に治癒する二人。

 ギネヴィアは呆然として声が出なかった

 力が奪われたショックで....しばらく声も出なかった。

 ギネヴィア「ずるい....あんなに沢山能力使えるし

 人の記憶も覗き見れるって....スタンドも奪えるって

 反則じゃない....この....力依存のチート野郎!!

 その能力さえあればもっと好き勝手できるのに!!

 神ってやつは何て不公平なんだ!!」

 爽は歩み寄って言った。

 爽「この能力....本当に羨ましい?」

 ギネヴィア「羨ましいに決まってるじゃない!!

 どこから見てもチートで圧倒的で独裁者そのもの....。」

 爽「じゃあ....見せてあげる....この能力の

 『代償』を。」

 掌から黒い蝶を取り出して頭に留まらせる。

 それは....ギネヴィアが6年もいじめ続けた

 アニューの記憶だった。

 ギネヴィア「いやぁああああああああああああああ!!

 何これぇええ!?やめろ!!」

 生残な記憶。

 自分が悪魔に見え、自分が自分に苦痛を与えて

 心が壊れそうになる感覚が全身を襲う。

 ギネヴィア「やめろっつってんだろ!?

 こんなもの押し付けて....こんなものを見せてお前は

 ....何が楽しいのかおまえはぁあああ!?」

 爽「それは....私も感じている世界なんだよ。

 それはほんの一部....。この能力はね....

 他人の苦痛、他人の罪、他人が何かを失った記憶

 を全部自分のもののように体感できる事が

 本当に幸せだと思う?こんな能力に依存して

 生き続けたらね!!私は自分も誰も信じられなく

 なっちゃうんだよ!!自分が誘拐してるかのような

 罪悪感や....やめてっていっても書き換えられない

 現実のリプレイが....記憶の映像が見ていて

 どれ程苦しいのかお前にはわかるか馬鹿野郎!!

 そんなにこの能力欲しかったら向き合って見ろ!!

 みんなが抱える心の闇に全部向き合ってみやがれ

 ぇええええ!!どれぐらい死にたくなると思ってんだ!?

 お前には覚悟があるのか!?他人を傷つけて一目散に

 逃げ出したやつによおおおお!!」

 ギネヴィアに鬼の形相で胸ぐら掴んで泣き叫ぶ爽。

 力無くギネヴィアは崩れ落ちた

 自身の行いを自分が受けて....今はもう何も

 考えられなかった。

 『メモリーカード』はある意味では最強の能力だ。

 他人の能力を奪い、吸収し、記憶を覗き見れる

 だが....その代償の重さは....本人以外誰もわからない

 

 ギネヴィア・ルー・ソーム 精神を病ませ

 女子高生達へのいじめをやめ、大人しくなる

 

 破壊されまくった女子高

 仗助「だからよお....どうせいろんなものをこわして

 こうなっちまうんならよお....最初から戦いに

 参加させてくれよぉおおおおお!!」

 敵スタンドの破壊した跡を補修終わった直後に

 会社に呼び出されて『クレイジー・ダイヤモンド』で

 『治し』に行く東方仗助。

 深夜になっても補修作業が終わらず、

 仕方なく疲労で明日の授業を休まざるをえなかった。

 爽「いやあ....本当ごめんね?」

 情華「いやあこんなに役に立つスタンドなんですか

 さすが呼んだ条太郎さんはお目が高い。」

 セーラム「ごめんなさい....建物の破壊が思ったより

 多くて....ニュースになる前にはやく片付けなきゃ

 いけないの....。」

 億泰「だったらよお、俺も『ザ・ハンド』で

 手伝おうか?」

 仗助「いいややっぱり俺が全部やる。」

 余計仕事が増えそうなので断った。

 こんなに飯の不味そうな国で

 億泰は全員に美味しい朝食を調理して提供するという

 わりと重要な任務を請け負っている

 爽「羨ましいわね~その能力....。」

 ため息をついて仗助を見る爽。

 爽「あんたの能力見ていて羨ましいわね~。」

 仗助「なんだよ唐突に。」

 爽「人が傷つくことも自分が傷つくことも

 無いんだから。」

 億泰「いいや、そんなことねえよなあ仗助。」

 仗助「ああ、そうだ。うぇぇぇぇ....金より

 休日がほしいよぉおおおお!!」

 仗助は自身の過去を振り返りながら

 爽の悩みなど全くわからずにいるのだった。

 

 ジョースター邸に夜遅く帰宅する二人。

 爽「ふあぁぁ....夜無理しすぎたわね....。」

 葵「まあ、あんな戦闘は一晩だけで沢山よ

 地肉は踊るぐらいウキウキしたのはいいけど

 爽ちゃん巻き込まれたら悲しくなっちゃうの

 私なんだからね?」

 爽「う....そんなことより眠い....。」

 情華「じゃあ私は先輩と同じ部屋で寝ますね....。」

 セーラムは仗助と片付けの手伝いで残業

 ジョースター邸が女星邸に変わってしまいそうなぐらい

 今日は大にぎわいで仗助はまだ帰れない

 アニュー「お帰りソー。」

 爽「ただいま....アニュー。」

 コツン....コツンコツン。

 爪先になにかが当たってる。

 爽が下を向くと小さなマンボウが爪先をツンツン

 突っついてる。

 爽「............きゃぁああああああああ!!」

 アニュー「えぇえええええ!?そんなに驚くの!?」

 どうやら彼女のスタンドらしい

 爽はつんつんマンボウを突っついてみる。

 蝶をちらっと出して能力を解析する。

 爽「......なんだぁ......。」

 ショック与えても爆発しないのか。

 アニュー「ソー、ムカデでもないのに

 過度にびっくりしすぎるのは失礼じゃ無い?」

 爽「あはは......ごめん......。」

 葵「爽ちゃん!!どうしたの!?ひっ......

 きゃあああああああ!!」

 アニュー「もう!!二人とも!!反応が酷いよーー!!」

 アニューは知らない。

 一回自分が死んだとき自分のスタンドが

 『グリーン・デイ』さえも凌駕する恐ろしい

 スタンドに変貌していたことなぞ

 全く知らない。

 

 『オレンジレンジ』成長前

 ギネヴィア・ルー・ソーム

 破壊力C スピードC 射程A

 持続力A 精密動作性C 成長性A

       ↓

 成長後

 破壊力B スピードC 射程A

 持続力A 精密動作性C 成長性E

 

 5羽の毒蛾のスタンド

 成長したが基本能力は同じ

 炎症性の毒の燐粉を纏った空気弾を

 発射するスタンド。

 ライターと併用することで粉塵爆発により

 強力な炎の弾丸も撃てる。

 成長することによりバイクさえも吹き飛ばす程の

 空気弾が撃てるようになった。

 

 『メモリーカード』

 天加護 爽

 破壊力C スピードC 射程A

 持続力D 精密動作性B 成長性A

 

 スタンドや記憶を吸収するスタンド

 スタンド使いの『記憶』を『リプレイ』して

 消費することでそのスタンド能力が使える

 スタンドを奪った場合はそのスタンド使いが

 使った回数分使用できる

 蝶自体は物理攻撃が効かないが1t級の

 大型の物理攻撃からスタンド使い本体を防げない

 蝶に波紋を流すことで防弾できるほどの強度で

 実体化する。

 蝶は強風にも流されやすい。

 代償としては人の記憶を覗けるが

 自身の受けた『体験』のように感じるため

 極度の辛い記憶の閲覧を続けた場合

 精神が破綻する危険性を秘めている

 

 『マンボー・ファイブ』(生存版)

  アニュー・メーレ・フレヒト

  破壊力E スピードC 射程A

  持続力A 精密動作性A 成長性A

 

  生存しているアニューが展開した

  小さいマンボウのスタンド

  死亡発動の時のような爆発性は無く

  壁抜けで他人の様子を見れる程度に落ち着いている

  なお、マンボウを潰しても本体は傷つかず

  一匹ずつなら何度でもリトライ展開できる。

 

 

 



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第22話 パッショーネ親衛隊

イタリア 

 ジョルノ・ジョバーナはパッショーネのボスに

 なったのちにすぐさま新規人材の確保に移った

 魂の形が仲間に酷似しているものから

 孤児院出身や親を失ったものや

 精神的に扱いやすく、義に従いやすいもの等を

 選び、ディアボロの時代以上に立派な組織を

 作らんとして奔走し......そして......アーサー王の

 円卓の騎士を彷彿させるが如く、人材は揃った。

 

 親衛隊第一番

 フルート・ルチャルティ

 スタンド『スティッキー・シャーク』

 近距離パワー型

 ジョルノの親友で暇があればジョルノにスタンド戦闘の

 練習を挑むが未だにゼロ勝利。

 しかし、戦闘力以外の人望や手腕、経理等

 ジョルノに勝る部分も多い。18歳

 弟たちが暴走族にリンチにされそうになった所を

 ジョルノに助けられた後にスタンドの矢で

 スタンド使いとなった。

 組織の人材たちをまとめたり悩みを聴いたり

 組織のメンバーのスタンド能力を体当たりで

 全て把握しに行ったりと

 ブローノ・ブチャルティの再来とも次期ボス候補とも

 言われている。

 

 親衛隊二番

 ディーザスト・ローランド

 スタンド『エンド・オブ・ワールド』

 近距離パワー型

 暗殺チームリーダー

 実力とジョルノへの忠誠心は突出しているが

 チームでの人望は微妙。

 身長は高く海賊の船長の臭いが漂う18歳

 15の時、パレスチナで仲良く遊んでいた

 パレスチナ人の女の子と家族が戦争の流れ弾で

 死んだのにブチキレてスタンドが発動し

 大勢の死者を出した。

 イランの毒ガス兵器と思われたりして戦火が広がり

 さらに心が傷つき散々な境遇で孤独な所をジョルノに

 拾われ暗殺チームの監視まとめ役をしている。

 

 親衛隊三番

 パンナコッタ・フーゴ

 スタンド『パープルヘイズ・ヘルストーム』

 近距離パワー型

 臆病者のパープルヘイズ以後多数実績と秘書や

 補佐の実績を重ねた上でフルートに

 スパルタ訓練を受けて実力を向上させ

 ここまでのしあがった19歳

 現在一児の父親。

 

 親衛隊四番

 ミランチャ・ニミット

 スタンド『アクィラ・ミッド』

 遠隔操作型

 カジノで全てのイカサマを見破り

 持ち帰ったプラモを暴力グループに壊され

 ブチギレして全員を半殺しにして帰りかけた所を

 ジョルノに引き留められたプラモとカードゲームを

 こよなく愛する少年。

 イタリア人とアメリカ軍人とのハーフ。

 作っている最中のプラモを壊されるとプッツンいって

 破壊力A級パンチを本人が繰り出す

 現在ジョルノにカードゲームカジノの営業を

 許され、大学生ながら楽しく経営している19歳。

 カジノや経理運営能力が高く重宝されている。

 

 親衛隊五番

 ジュノー・ジュペーネ

 スタンド『レボリューション』

 近距離パワー型

 13の時両親が交通事故で死に

 孤児院でめげずにいい子に頑張っていた

 後に里親として15の時にジョルノに引き取られた

 どうしてパッショーネにこんなやつがいるんだ?

 という疑問が沸くほどの純粋無垢さを持つ17歳

 

 親衛隊六番

 クイード・ミスタ

 スタンド『セックスピストルズ・ザ・マスター』

 遠隔操作型

 新入りが入ってから順位を一気に落としてしまった

 ラッキーガンマン。戦闘の勘は健在。

 

 親衛隊七番

 テンピィ・アンティーキ

 スタンド『ロストスフィア』

 遠距離操作型

 孤児院から引き取られたいたずらっ子

 青髪短髪の17歳。

 『グリーン・デイ』の一件で両親と兄弟を

 皆殺しにされている。

 だがその一方では仲間思いのおちゃらけたキャラクター

 ミスタとつるむことが多い。

 

 親衛隊八番

 ミルフィーユ・アパッキオ

 スタンド『マイケルジャクソン』

 近距離パワー型

 凄腕刑事なのだが潜入捜査の時

 ジョルノにあっさりバレ、思惑まみれて

 腐った警察署よりも居て過ごしやすいパッショーネに

 安着してしまった。

 アバッキオに容姿だけは似てるが、凄腕刑事なのに

 スタンドを使い出すと突然すごく残念になる。

 23歳6児の父。

 

 組織のスケジュール発表はスタンド

 『ミスター・プレジデント』こと

 亀の内部ココ・ジャンボで行われた

 ポルナレフ(ジョルノ・ジョバーナ......現在パッショーネ

 のボス18歳......DIO並の人望と人を見る目を持つ男......

 イタリアはもちろん欧州進出も計画してると

 言われている男......まあ、倫理的にはかなりマシで

 不義を行う権力や党員、麻薬は許さないという

 黄金の精神を持つ男......わずか3年でパッショーネの

 規模をディアボロ以上に立て直した......

 あーあ......条太郎に会いてえなあ......あいつ今

 どうしてるかなぁ....魂が亀にいる間に会いてえなあ....)

 全員の実績報告を聴いてジョルノは言う。

 ジョルノ「総員、みんなよく頑張ってくれた

 フルートとフーゴは組織整理、

 ディーザストは暗殺チームの管理と権力者への威圧と

 上納金の徴収、ミランチャはカジノの利益管理、

 ジュノーとテンピィとミスタは農業事業での

 最新開拓事業、アパッキオはイタリアの治安管理と

 違法薬物や外道刑事組織の調査報告、

 みんなよくやってくれた。今月のスケジュールだが

 ゲストが明日こちらに立ち寄ることと、

 2週間後にはスピードワゴン財団、スタンド対策

 警備株式会社スターダストウォールとの

 総員集合の合同会議がある。全員可能な限り参加

 するように。」

 ミスタ「帰ってくるのか....明日が楽しみだな。」

 ディーザスト「ボス、そのゲストって誰ですか?

 権力者だったら脅しのため俺が控えておきますが?」

 ジョルノ「今回来るのは権力者じゃない。

 僕たちが昔から関わりのある親友、トリッシュ・ウナ

 だ。」

 トリッシュ・ウナ。現在歌手として現在も

 ヒット作品を出しながらお忍びでお礼を言いに来ている

 ミランチャ「なーんだ。おれはアイドルなんかに

 興味はないな。」

 フルート「国民的アイドルみたいなやつか......

 まあジョルノの申し付けなら本人に興味が無くとも

 料理ぐらいは用意すべき......。」

 ディーザスト「なんだそんな話か......サインぐらい

 もらっていいか?」

 ミランチャ「ガッツリドルオタじゃねえかお前。」

 アパッキオ「下らねえ話だ、俺の永遠のアイドルは

 生涯のパートナーである妻ただ一人よ。

 生涯付き添うわけでもない女にうつつは感心

 できないな。」

 フルート「ジョルノ、そいつは恋人って訳じゃ

 無いんだな?」

 ジョルノ「うん、彼女は二人きりより昔の旧友含めて

 話ができた方が彼女は喜ぶから。」

 フルート(まあ、恋愛感情は俺にもジョルノにも

 無いみたいだな。まあいい料理と宿を手配すれば

 それでいいか?)

 ジョルノ「フーゴも来るんだよ?」

 フーゴ「えっ?いや僕は......。」

 ジョルノ「何人も男が周りにいる以上別に

 気にしなくていいよ。」 

 フーゴ「じゃあ僕が別に来なくても......。」

 ジョルノ「ボスの命令だ。」

 フーゴ「ぞのタイミングでそれはずるい!!」

 ジョルノ「生きている中で関わった人間は僕と

 ミスタと君だけなんだ。話し相手ぐらい

 我慢してほしい。」

 フーゴ「ぇぇぇぇ......。」

 フルート「まあ嫌なら黙っていればいい。

 そういうときは内心ウキウキしてるディーザストの

 様子を見て楽しめばいい。」

 ディーザスト「きこえてっぞ?」

 ジュノーとテンピィはあくびをしながら会議を

 聴いていた。

 

 帰り道

 アパッキオ「やれやれ......スケジュール発表と

 会議はどこでも退屈だぜ......俺は子育てで

 忙しいのに。」

 ジュノー「アパッキオさん、嫌なら欠席しても

 良かったのでは?テンピィだって。」

 アパッキオ「社会人だったらそうもいかないんだよ

 それにクソ上司の多すぎる職場よりこっちのほうが

 空気もいいしゆったりできる。」

 テンピィ「欠席ばっかりしてたらボスに要らないって

 言われんの俺はやだよ!!捨てられたおれ達

 拾ってくれて優しくされてんのに仇で返せねえだろ?」

 ジュノー「みんな我慢強いな~。」

 テンピィ「それよりお前どう見てもギャングに

 見えないし似合わないのにどうしてここにいるんだ?」

 ジュノー「よく言われます。でもこれも運命の一部

 ということで受け入れています。」

 アパッキオ「運命の一部ねえ......。」

 もじもじ......もじもじ......もじもじ......。

 アパッキオがもじもじしだす。

 ジュノー「アパッキオさん?」

 テンピィ「おい、まさか......!?」

 アパッキオ「我慢できねえ....スタンドで....

 運試しをするぞぉおおおおお!!」

 ジュノー「ダメです!!へんなスタンド出たら

 どうするんですか!?」

 テンピィ「ここでやる意味あるぅ!?せめて模擬戦とか

 ......ボスやミスタさんの前とか...!!」

 アパッキオ「やるねぇ!!使うたんびに謎の面白さを

 味わえるスタンドを俺は使ってやるぅ!!その名も...

 『マイケル・ジャクソン』!!」

 『マイケル・ジャクソン』

 破壊力B スピードB 射程E

 持続力E 精密動作性E 成長性B

 見た目は『ムーディー・ブルース』に似ているが

 左右胸板と胸中央がスロットマシン、

 額が引き当てたスタンドの名前と

 最大稼働時間となっている

 既に死んだこの世には居ないスタンドを

 再現するスタンド。最大稼働時間は3分。

 ただし何が出るかはランダムで

 本人も使い方もやり方も把握できてない。

 

 全身をハードゲイよろしくくねくねダンスさせながら

 胸の三つのスロットマシンを回し出す。

 アパッキオと『マイケル・ジャクソン』

 アパッキオ「何が出るかな♪何が出るかな♪

 チチチチンチンチチチチチ♪」

 テンピィ「あーもう知らないよ!!この人!!」

 ジュノー「後片付け僕たちがやることに

 なるんですけど......どうして普段は鮮明なお父さん

 なのにスタンドを使い出すとここまで残念に

 なるかなぁ......。」

 スロットマシンが《7》《7》《7》とそろう。

 アパッキオ「おお!!これは実に縁起がいい!!

 さあ!!俺に新しい力を見せてやれ!!

 スタンドの名前は......。」

 スタンドの頭の液晶画面に再現させるスタンドの

 名前を映し出す。

 『Angel beat』

 その文字を最後にアパッキオは意識を失った。

 

 パッショーネ司書室。

 ジョルノ「ふう、一通り仕事は終わった。

 ありがとうフーゴ、ミスタ。」

 ミスタ「いいってことよ、それにしてもギャングの

 トップって暴力だけじゃあ勤まらないなあ......

 団員への実績費用、麻薬生計無しでカジノ生計の増進

 新事業や政治家へのバックアップと圧力......

 こりゃ一人じゃ確かに難しいぜ......。」

 フーゴ「いいえ、戦闘よりは実に楽です。

 未知の相手じゃないぶん、正確にぱっぱと

 終わらせてしまえばいいんですから。」

 ミスタ「いいよな、そのおつむすこしでいいから

 わけてくれよ。」

 フーゴ「いいや、ミスタも十分頭いいじゃないか。」

 ミスタ「え?そうか?」

 フーゴの指にかかっている銀色のリングを見て

 少しにんまりするジョルノ。

 フーゴ「どうした?ジョジョ?」

 ジョルノ「なんでもない。それにしても平和ばかりと

 いうのもなにか物足りない気がする。

 こんなときに刺激的な出来事でもあればいいが......。」

 ミスタ「な~に?トリッシュとの再開が暇?」

 ジョルノ「うーん......物足りないかな。」

 ミスタ「それ正直言ったら怒られるぞ?」

 フルート「こっちの仕事も片付いた。」

 ディーザスト「やれやれ、明日はVIP中のVIPと

 ご対面だ。手筈整えるのが大変だぜ。」

 フルート「ディーザストの手伝いもあってこっちも

 終わった。あとの四人は最近働きづめだったから

 たまには早く帰ってゆっくり休みながら

 ペペロンチーノでも作って食べてれば

 いいんだが......。」

 ピピッピピッピピッピピッ。

 フルート「なんだ?電話か?はい、もしもし?」

 ジュノー「大変ですフルートさん!!

 アパッキオさんが!!僕のスタンド能力使っても

 治らないんです!!」

 フルート「アパッキォオオオオオオオオ!!

 またかあいつはぁあああ!!この前は

 『ハイエロハントグリーン』引いたかと思ったら自分の

 体内に引っ掛かりまくって自分の内臓や

 脳の血管引きちぎっちゃうわ

 回想

 アパッキオ「あれ?引っ掛かったやつ引っ張ったら

 何かがちぎれて目の前が真っ暗に......。」

 フルート「アパッキォオオオオオオオオ!!」

 

 『イエローテンパランス』引いたかと思ったら自分の肉

 もしゃもしゃ食べちゃうわ

 回想

 アパッキオ「自分の肉を食わせてパワーアップ!!」

 フルート「馬鹿やろぉおおおおおおおおお!!」

 

 『クリーム』引いたかと思ったら地面掘り進み過ぎて

 時間切れで出られなくなるわ

 

 回想

 アパッキオ「よし、地中に隠れればどこから来るか

 わかるまい......あ、時間切れ......おおおおおおおお!!

 出られねぇええええええ!!」

 フルート「あああああもうしらねええええええええ!!」

 

 模擬戦10戦闘中7回不戦敗....ルーレット使わなきゃ

 格闘能力のセンスだけで十分戦えるのに余計なこと

 ばっかりしやがってこんやたああああああ!!」

 ディーザスト「同情するぜフルート......。」

 フルート「ジョルノ......どうしてあんなやつを

 スタンド使いにしようと思ったのか

 聞かせてくれないか?」

 ジョルノ「いやあ......アバッキオと同じ人相で

 全然違うギャップまみれの性格が面白くて

 スタンド能力使えるようにしたら...

 こうなっちゃってさ......((;^∀^))。」

 ディーザスト「ボスゥウウウウウウウ!!(゚Д゚#)」

 フルート「頭に来た!!後始末手伝えジョルノ!!」

 ジョルノ「わかった、わかったからちょっと待って!!」

 フルート「ボストシテオマエガセキニンヲトレェエ!!」

 フルートに肩引っ張られて行くジョルノ。

 ミスタ「まーたアパッキオか......。」

 フーゴ「せめてフルートみたいにアバッキオと魂の形が

 類似したやつを選べなかったものだろうか......」

 ミスタ「よし、仕事も大体かたしたし、

 ついていくぜ。」

 フーゴ「お、おう。」

 

 テンピィ「ボス!!フルート!!こっちですこっち!!

 ジュノーがさっきから治してるんだけど

 目を覚まさないし動かないし治らないんだ!!

 もうかれこれ10分は経ってる!!」

 フルート「何だって?アパッキオの

 『マイケル・ジャクソン』の能力持続時間は3分

 どうして持続時間超過してスタンドが

 解除されてない?」

 ミスタ「こっ......これは......どういうことだよこれ!?」

 『!!!!!!!!!!!』

 アパッキオの全身が透明で昏睡状態に陥り

 隣には透明な布で出来た中身のない巫女のスタンドが

 漂っていた。

 

 

 



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第23話 『エンジェル・ビート』前編

ここはイタリア

 帰り道で透明化して昏睡しているアパッキオを

 見て困惑している新生パッショーネ一堂。

 ジョルノ「見たところ....『マイケル・ジャクソン』

 で既に死んだスタンド能力を発現させたら

 こうなったみたいだな......。」

 隣には透けた布服だけの巫女のスタンドが見える。

 ミスタ「『マイケル・ジャクソン』の持続時間3分を

 とっくに超過してもうかれこれ15分......どうする?」

 テンピィ「ジュノーの『レボリューション』で

 傷を治そうとしたり生命力与えたり、俺の

 『ロストズフィア』で試しにぶん殴ってみたけど

 なんにも起きねえんだよ......このまんまでなんにも

 変わらねえんだ!!」

 ジュノー「この再現したスタンドの名前......

 『Angel beat』って書いてあります。

 ですがどんなスタンドなのかさっぱり検討が

 つきません。」

 フルート「......どうするジョルノ?アパッキオには

 6人の子供と妻もいる。早めに状況を把握して

 連絡しないと大騒ぎになるぞ?」

 ジョルノ「わかった......じゃあ試しに......

 『ゴールドエクスペリエンスレクイエム』!!精神力と行動する意思を

 ゼロにしてスタンドを強制解除させる!!」

 ジョルノから異様な空気の人型のスタンドが

 現れる。『キングクリムゾン』を破った

 現『パッショーネ最強のスタンド』である。

 しかし、そいつが出てきたにも関わらず

 何も起きない。

 ジョルノ「何!?既に精神エネルギーと行動する意志が

 ゼロになっているから解除できないのか!?ならば!!」

 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!!

 アパッキオとスタンドを『ゴールドエクスペリエンスレクイエム』で

 殴る。

 ジョルノ「生命力をスタンドとアパッキオに与えた。

 これでなにか変わるはずだ......。」

 すると、

 「ほぁ?」

 すると気の抜けた声で日本人の女性が出てきた。

 成人はしてるが背が低めの女性だ。

 総員「は?」

 見た目的に戦闘力は皆無そうだ。

 「あれ?ここはどこですか?」

 ミスタ「得体の知れない言葉を喋ってるぞ!?」

 ※そういえばここはイタリアです。

 ジョルノ「落ち着け、これは日本語だ。

 僕は一応空条条太郎と万が一交渉をするときに

 備えて欧州圏の言葉と日本語英語は頭に入れてある

 興味本意で言語は習得しているが、

 この中で日本語が喋れるメンバーは僕を覗いて

 皆無だ、僕が聞いてみる。」

 ジョルノ「ここはイタリアのネアポリスだ。

 まず端的にお聞きしますが、あれは貴方のスタンド

 ですか?」

 「ほえ?スタンド?」

 横に顔を移すと答えた。

 「えっと......私がどうしてイタリアに居るのかは

 わかりませんし...イタリア語でスタンドって

 言うかもしれませんが...私は式神って呼んでいます。

 でもどうして私の式神が...関係ない人の魂を

 借りてしまってるのでしょう?」

 ジョルノ「借りている?貴方の......能力......って

 呼び方で合ってるんですね?」

 「はい、私の式神の名前は『天女の心音』って

 言います。」

 ジョルノ「イタリア語か英語訳を当てたら

 『エンジェル・ビート』にでもなるのか......

 名前と生い立ち...そしてこの能力の正体は?」

 来神 毬乎「来神毬乎って言います。来神神社

 47代目神主です。私は死んだ人を24時間だけ

 生き返らせて対面させることのできる式神を

 継承してきた神主です。」

 ジョルノ「どういうことだ......でも誰も

 生き返ってないじゃないか?」

 来神「この能力はまず会いたい人を3人お札に書いて

 それを巫女の式神に奉納することで、

 式神の継承者....いわば持ち主を透明な昏睡状態に

 して、魂を3等分して神様に貸し出すことによって

 会いたい人を3人を呼び出し24時間この世に

 現界させます。この人は......どうやって私の式神呼び

 出したんでしょう?それにどうしてお札奉納前から

 昏睡状態になってるんでしょう?」

 ジョルノは顔を覆う。

 ああ、そうか。

 彼女の空気から醜悪なものを感じないし嘘も言って

 無さそうな所を見ると、またなにか使い方を

 アパッキオ本人が間違えたのかという結論に至った。

 ジョルノ「つまり...そのお札...を奉納して

 死んだ3人を24時間この世に呼び出して

 その呼び出した3人が現界時間が過ぎて消えた時

 昏睡が解ける......ということか?」

 来神「はい、そうなります。ちなみに心の底から

 満足を蘇らせた人に味わせてあげると24時間

 現界時間が増えます。その分昏睡が長引いて

 しまうんですけど......

 それは『満腹になった』とか『人を殺した』

 とか『復讐を果たした』はこの延長能力の

 『満足した』に含まれないので注意してください。」

 ジョルノ「へぇ~。じゃあそのお札は何処に?」

 来神「ここですね。」

 透明な巫女のほっぺをつねって引っ張ると

 ぺりっと白い紙が3枚出てくる。

 ミスタ「ジョルノは一体何を喋ってるんだ?」

 来神「この状況もそうですけどどうして私は

 ここにいるんでしょうか...?私は40歳で

 夫と子供たちに囲まれて.....病室で死んで

 何故ここにいるんでしょうか?」

 ジョルノ「僕の能力『ゴールドエクスペリエンス』で

 生命エネルギーを注げば死んだ人でも最大一週間は

 現界できます。被検体は僕の元親友です。

 ただし、一度きりですけど。」

 来神「すごいです~私なんて敵いませんね~。」

 ジョルノ「い、いいや....コホン....その後の

 家族の行方は?」

 来神「わかりません......この死者への再会の

 能力は、生計を立てやすい能力で

 時には1億とか1000万円とかかけてまで死んだ

 お母さん、お父さん、大切な人に会いたいって

 人もいます。でも...この能力を継承した人は

 長生きできないんです。最大生きて50歳以上

 生きれません......使いすぎると体の負担が大きくて......

 私が死ぬとき、夫が......金を積んでも

 会えなくなるならお金なんていらないって

 叫んで泣いていたのを覚えています。」

 ジョルノ「......子供はいるんですか?」

 来神「はい、4人元気で産まれて育ってくれました。」

 ジョルノ「わかりました......。」

 お札を3枚受けとるジョルノ。

 ジョルノ(ここに名前を書けば......ブチャラティ......

 アバッキオ....ナランチャに会えるのか......

 束の間の時間....会えるのか......死んだ仲間たちに.....

 わかるんだ...あの女性は嘘をそもそもつけないし

 言ってることは本当だって感じるしわかるんだ......

 いいやダメだ....死んだ人は生き返らない....

 そうじゃないか......だったら僕より辛い思いをしている

 仲間に書かせるべきだ......。)

 ミスタ「なんだジョジョ、その白い封筒みたいな

 紙は?」

 ジョルノはこのことを仲間に話した。

 

 フルート「つまり死人に会える能力って事か?」

 ミスタ「なら迷うことはねえ!!俺はナランチャと

 ブチャラティとアバッキオに会いてえ......。」

 ジョルノ「ダメだミスタ。」

 ミスタ「なんでだよジョルノ!?」

 ジョルノ「僕達以上に大切なものを失った

 仲間がいるだろう?」

 ジョルノは新しい仲間に目を向ける。

 ディーザスト「......俺はいいですぜボス......俺は

 幼馴染みを殺されてブチキレたせいで......

 その親族も......民間人も......自分のスタンドの暴走で

 殺しちまった......俺にその恩恵に預かる資格も

 対面する勇気もない....あんたが使ってくれ

 こんな俺を受け入れてくれたあんたが使えばいい。」

 ジョルノ「ディーザスト......。」

 ジュノー「僕もいいです。今お父さんお母さんに

 出会ったら......謝ることしかできません。

 事故で助けられなくてごめんなさいって。」

 テンピィ「俺も......帰ってきたらカビに粉々に

 されて両親が殺されてた......死んだ

 家族の顔が怖くて......会う勇気がねえ......。」

 ジョルノ「お前ら!!本当にそれでいいのか!!

 会いたかったら遠慮しなくていいんだぞ!?

 僕だって......ここまで道を作ってくれた仲間に

 会いたい!!でもこの機会を逃したら本当にお前達の

 会いたかった人に今度こそ会えなくなるんだぞ!?

 本当にそれでいいのか!?」

 ジュノー「ファーザー(ジョルノ)のお気持ちは

 ありがたいです、でも駄目なんです。

 僕達はもう、会えないって覚悟を決めて

 歩いてるんです....対面させて貰ったら....

 歩いていた足が止まってしまう気がしてならないんです

 僕達にはもうお父さんとお母さんは居ないんです!!

 おはようといって....ご飯をつくって...愛情を投げかけて

 どんなに欲しがってももう戻って来ないんです!!

 ファーザーは友達に会っても十分歩けます

 僕達の心配はしないでください......。」

 ミスタ「おまえら......。」

 ジョルノ「本当に......いいんだな?」

 ディーザスト「俺たちはもうそんなに子供じゃねえ

 歩いて立てるんだ、わかってくれ。」

 ジョルノは渡そうとしていたお札を引っ込めて頷く。

 ジョルノは......ゆっくりとペンを握って札に

 名前を書く。

 『ブローノ・ブチャラティ』

 『ナランチャ・ギルガ』

 『レオーネ・アバッキオ』

 お札をスタンドに差し出すとお札が天に昇る。

 透明な巫女のスタンドの胸と肩にひまわりが3つ

 生える。

 オーロラが降りてきたかと思ったら

 そこには......死んだはずの男達がそこにいた。

 ブチャラティ「俺は...どうしたんだ?」

 ナランチャ「え?あれ?」

 アバッキオ「どうした?終点から帰れないんじゃ

 無かったのか....?」

 ジョルノ「この......スタンド能力......本当に嘘偽り

 がない......確かに『生命力』を感じる...魂が...

 肉体がある!!本当に...こんな能力がこの世に

 存在するなんて!!」

 ミスタ「おい....まさか....本当に...お前ら....

 うぉおおおおおおおおおお!!!」

 ミスタが泣きながら3人に抱きついてきた。

 ナランチャ「うわぁ!?ミスタ!?」

 アバッキオ「どうした!?お前気でも狂ったのか!?」

 ミスタ「どうしたもこうしたもあるか!!

 気軽に話せる人間が激減してどれくらい俺が

 寂しかったと思ってんだよ!!馬鹿野郎!!」

 ブチャラティ「俺は......死んだ筈じゃあ......。」

 ジョルノ「みんな、お久しぶり。」

 

 ブチャラティ「にわかには信じがたいが......

 つまり俺たちは24時間だけここにいるって

 事でいいんだな?」

 ジョルノ「ああ...半信半疑だったが、アパッキオの

 『マイケル・ジャクソン』は世界中で死んだスタンド

 使いの中で天文学的に滅多に当たらない大当たりを

 引いたことになる。」

 アバッキオ「ジョルノ...その...俺たちをここに

 呼ぶために昏睡した奴には悪いんだが......

 アパッキオって呼ぶのは...止めてくれないか......

 なんか鳥肌が立つわ...気が抜けるわ...妙にいやーな

 感じがする。別に名字とかあるんだろ?」

 ジョルノ「彼はミルフィユ・アパッキオ。

 君に容姿はそっくりだけど性格に個性的なギャップが

 あって面白い僕の新しい仲間だよ。」

 アバッキオ「その個性的なギャップって響きに

 悪意を感じるのは俺だけか?」

 フルート「感動の再会の所悪いんだが、アパッキオの

 家族になんて連絡したらいいんだ?」

 ジョルノ「今から僕が直接連絡を入れる。

 三日間、急な重大事件が起きて家に帰れなくなった

 必ず帰るからちょっと待ってくれってね。」

 ブチャラティ「こいつは......誰なんだ?」

 フルート「お前が...俺がよく勘違いされて呼ぶ人間の

 オリジナルってわけか...。」

 ナランチャ「あ!?ブチャラティが二人!?いいや

 そっくりぃ!?」

 アバッキオ「なんだ!?ジョルノ!?お前は生命力で

 クローンでも作れるようになったのか!?いいや

 服装が青と白で差はあるが本当に瓜二つって

 いっていいほどそっくりだ...トヨタの社長が本気で

 フェラーリを模造したかのようにそっくりだ!!」

 フルート「すまないジョルノ今すぐこいつら

 黙らせていいか?」

 ジョルノ「ごめん、我慢して☆じゃあ僕は

 アパッキオの家族に連絡を代理で取ってくるから

 フルートはそれが終わるまで君の料理店で

 この3人をごちそうを振る舞ってくれないか?」

 札束を受け取ってため息をつくフルート

 フルート「しょうがねえやつだな......。」

 ジョルノ「ミスタ、重要任務だ。お忍びで

 こっちに来ているトリッシュに連絡を取って

 今すぐ連れてくるんだ。」

 ディーザスト「俺でも勤まりますがどうしますか?」

 ミスタ「駄目だディーザスト。この任務は絶対に

 譲れねえしトリッシュとはマブダチの俺なら

 あいつは警戒心を解いてすぐにアポイントが取れるし

 30分以内にトリッシュを連れてくる自信はあるね!!」

 ジョルノ「ミスタも成長しているんだ。

 ここはミスタに任せてほしい。顔見知りなんだ。」

 ディーザスト「わかりましたよぉ......ちょっと残念。」

 テンピィ「よぉ~しよぉしよぉしよぉしよぉしよぉし」

 ボコッ!!!

 テンピィ「くはっ!!」

 ディーザスト「下手なからかいかたするとぶっ殺すぞ!」

 テンピィ「わはは......冗談冗談......。」

 ジョルノ「ジュノーは出来る限りの英語能力で

 来神さんを日本へ送り届けてくれ。交通費は全部出す

 家族に会えるように今すぐ移動できる航空機の手配を」

 ジュノー「お任せ下さいファーザー。誠実かつ

 迅速に任務を遂行してきます。」

 来神「いいですか!?旅費が......。」

 ジュノー「全額負担するってファーザーが言ってる

 大丈夫だ。さあ!!今すぐ!!」

 フルート「不満ならディーザスト、お前にも

 料理振る舞ってやるから......来るか?」

 ディーザスト「......お前...人望あっていけすかねえ

 やつだと思っていたがいいやつなんだな......。」

 フルート「何を今さら......とにかく来い。

 全員に新作メニュー食わせてやる。」

 

 レストラン『piccolo ragazzo』

 ブチャラティ「つまり今パッショーネの

 ボスはお前って事で、ディアボロは倒したんだな?」

 ジョルノ「ああ、だが完全には仕留めきれていない

 奴は権威を失墜した状態でアメリカに逃げた。

 確かな情報筋によるとスピードワゴン財団

 の責任者と空承条太郎、

 そして僕とフルートと交戦して自信を完全に喪失し

 アメリカに逃亡、今は水面下でスピードワゴン財団

 専属のスタンド対策警備株式会社

 『スターダストウォール』が行方を追って監視

 現在ゴールドラッシュ跡地とセントラリアを

 右往左往しているそうだ。そこにいるフルートは

 ディアボロを半殺しに追い込んだ頼れる右腕だよ。

 君に似て正義感も強く理解が早い。」

 ナランチャ「マジで!?あのディアボロを!?

 あのブチャラティそっくりさんのコックが!?」

 アバッキオ「あのフルートって男は元ボスに

 匹敵するほどの実力者なのか......!!」

 ジョルノ「彼だけじゃない、一応『キングクリムゾン』

 対策で何人も人員を増員している。

 新規親衛隊メンバーとしてフルート、ディーザスト

 テンピィ、ここにはいないけどアパッキオとジュノー

 もいる。みんな癖は強いけど十分頼れる人員だ。」

 今この店は貸しきっておりそれぞれの机に

 4人ずつ。

 ジョルノ・ブチャラティ・アバッキオ・

 ナランチャ。

 ディーザスト・フーゴ・テンピィ・の3人が別れて

 座っている。

 1人離れてミランチャがテーブルの上で

 プラモを造っている。

 ミランチャ「♪」

 ミスタはトリッシュの迎えに、ジュノーは来神さんを

 日本へ送り届けている。

 ミスタ「それにしても見かけない店だな?

 いつものリストランテじゃないのか?」

 ジョルノ「ここは僕の一押しの隠れた名店でね

 ここ気に入っちゃってさ、予想外の感動を

 僕に教えてくれる面白い店なんだ。

 下手をすればリストランテより美味しいよ?

 断言する。」

 ブチャラティ「そんな名店なのか?」

 ナランチャ「へぇ~楽しみだな~ブチャラティ

 そっくりさんが何をつくるか俺ワクワクしてきた。」

 アバッキオ「やれやれ......生き返って最初の

 メニューは一体なんだろうな?」

 ジョルノ「この店の味を堪能するためにあえて

 量を少な目にして品目を増やして貰ってる

 楽しみに待っててくれ。」

 ディーザスト「いやあ実に楽しみだぜ、いわくつき

 名シェフの料理は。」

 フーゴ「みんな驚くだろうな......。」

 テンピィ「あはは......フルートさんの料理は特殊

 だから?」

 アバッキオ「......?何か不穏な台詞が聞こえた

 気がするが......?」

 ブチャラティ「もしかして常連なのか?」

 ジョルノ「うん、僕もみんなもこの店は大好きだよ?

 病み付きになるぐらい。」

 ヴィッ!!

 チュイィィン!!

 するとテーブルからいくつもジッパーが現れて料理が

 一斉にジッパーから飛び出し料理が現れる。

 ナランチャ「うわぁ!!」

 アバッキオ「!?」

 ブチャラティ「これは!?『スティッキーフィンガー』!?」

 ジョルノ「『スティッキーシャーク』彼のスタンド

 だよ、ジッパーで射程30mまで空間を繋げる

 スタンド。彼と出会ったあと弓と矢でスタンドを

 発現させたんだ。」

 フルート「本日の前菜は『鳥の骨』『芋虫盛り合わせ』

 『秒殺スープ』『蝶と蛾の刺身』となります。」

 ナランチャ「え?......なにこれ?」

 アバッキオ「えっと......これは......ずいぶんと

 個性的な料理だな?」

 ブチャラティ「えっと......これは?」

 ジョルノ「さあ、トリッシュが来るまで召し上がれ♪」

 

 スタンド

 『エンジェル・ビート』(天女の心音)

 来神 毬乎 流用デザイン神北 小毬

 

 破壊力E スピードE 射程距離 不明

 持続力C(24時間+a) 精密動作性A 成長性E

 

 透明な布でできた巫女人形のようなスタンド

 ほっぺをつねると3枚お札が出現し、書いて奉納すると

 同時に3人まで死んだ人を24時間現界させる

 スタンド。自分の魂を神に担保として貸し出し

 死人を蘇らせるため、このスタンドが稼働している

 間は本体が透明になって精神エネルギーがゼロになり

 昏睡状態となる。どういうわけか3分しか再現できない

 『マイケル・ジャクソン』のスタンド再現持続時間を

 無視してこっちの『エンジェル・ビート』の持続時間が

 優先されてるため、『明確で変えようの無い強い

 持続力のある』スタンドの場合例外と見ることが出来る

 

 



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