ドS(親切)とオーバーロード (低価格ハムスター)
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転生
拝啓お母さん、いかがお過ごしでしょうか?僕は今見知らぬ女性に抱かれています。そんな状況ではありますが僕は元気です。
…
あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!俺は昨日仕事から帰ってきて家で寝たと思ったら、いつのまにか見知らぬ女性に抱かれていた。な…何を言っているのか、わからねーと思うがとりあえず…
転生だこれ!!
◆
この世界に生まれて今年で25歳になる。性別も前世と同じく男のままで、容姿も別段優れているわけではない。そして、異世界とかに生まれたわけではないらしく、一応地球に生まれたらしい。そう100年後の地球に!
この時代は深刻な環境問題が起きていた。そして世界を巨大複合企業が掌握し、法律さえも変えてしまったため国が機能していない。さらに貧困層と富裕層があり、ほとんどの人が貧困層でしかも社蓄らしい。
まあ、幸い俺は富裕層なので、大学出たし就職も良いところに決まって会社はホワイト、そこで成果を出してそこそこの役職まで来た。仕事が終わって家に帰るとゲームをするのが俺の日課で、休日は一日中ゲームをしている。
ゲームといえば…突然だが、前世の俺はかなり重度のオタクだったと思う。アニメやらゲームのキャラクターのフィギュアやタペストリー、果てには抱き枕なども購入し、買ったDVDやゲームなどは最早数えられない程だった。特に東方projectのゆうかりんのグッズを失ったのはかなりショックだ…しかし、未来では技術が進化していて、仮想世界で現実空間にいるような体感ができるシステムが構築され、それを用いたゲーム《DMMO-RPG》が作られていた。
最初に知った時は嬉し過ぎて俺は叫んだ、具体的には親に煩いと怒られるくらい。だってそうだろう?前世では良くてもVRのゲームしか無かったからな。ゲームの中に入れるんだぞ?テンション上がるだろう!
そしてまだ新しくDMMO-RPGが出るらしく、今はそのゲームについて調べているところだ。
「えーっと…ユグドラシル?」
はて…?どこかで聞いたことがあるような気がする。どこだったか?まあ先を読んでいくか。
「九つある世界からなる広大なマップ……無限の楽しみを追求できるDMMOーRPG?…あっ」
どうやら転生したこの世界はオーバーロードの世界だったようだ!
…
ふふふ…やれる…やれるんだ俺は!おれ自身がゆうかりんになれる!そうと決まればやる事は決まっている!アインズ・ウール・ゴウンに入らないと。この世界なら理想のゆうかりんが作れる!そして、俺が、俺達がゆうかりんだ!!
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ユグドラシルの終わりと転移
ユグドラシルがサービス開始してからおよそ12年、俺は異業種を選択し、かなりの課金をして作った幽香のアバターでプレイしている。そして長い間続いたがついに明日でユグドラシルも終わりだ。俺は明日以降に向けて行動を開始する。
ユグドラシルは明日でサービスを終了する。なので結構なアイテムが売られていて、ゴッズなどの強力な装備や果てはワールドアイテムまで売っている場合もある。ワールドアイテムとはユグドラシルの中のアイテムでも頂点に位置するアイテムであり、総数200以上あるらしいが全ては見つかっていない。それらが売り出されていて、その中で欲しかったアイテムや装備を入手することができた。
1つはワールドアイテムのウロボロスだ。これは運営にお願いしてシステムを変更できるアイテムである。次に五行相克、これも運営にお願いするアイテムだが、変更できるのは魔法のみである。
俺は多少の魔法は使えるが基本的に戦士系の職業なので、牽制やチマチマ削るくらいにしか使えない。そこでこのウロボロスを使って魔法系の職業と、いくつかの戦闘系以外の職業を貰おうというわけだ。通常ならこんな要求は通らないだろうが、ユグドラシルは明日でサービス終了する。強力な魔法を使ってみたいとか、戦闘以外の事もやったみたいという要望くらい通ると思っている。どうせ明日で終わるのだから。
「まあ、試してみないとわからないけど」
ちなみに五行相克はこのウロボロスでのお願いが成功しないと意味がない。その場合は転移した後にモモンガさんにあげるのも良いだろう。
「よし、準備は整った」
ウロボロスをつかってみますか!
◆
結果から言うとウロボロスと五行相克両方とも上手くいった。五行相克ではオリジナルの魔法を貰った第10階位魔法で、効果は元祖マスタースパークだ。これでまた一歩幽香に近づいたぞ!
魔法の取得や試し撃ちなんかもだいたい終わったし、後は向こうに行ってからでもいいか。そろそろヘロヘロさんが来ているころだろうし、ナザリックに帰りますか。
◆
〜モモンガ視点〜
ヘロヘロさんがログアウトした後、俺はスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを持ちNPC達を付き従わせ王座の間へ向かっている。
「あら、モモンガ」
「あぁ、幽香さん」
彼女はアインズ・ウール・ゴウン至高の42人のうちの1人であり、植物系の異業種で課金によりそのアバターを変えている。幽香さんは、100年前に流行っていたシューティングゲームのキャラクターが大好きらしく、そのキャラクターを作りロールプレイしているらしい。少女と女性の間くらいの見た目でかなりの美少女であり。癖のある緑の髪に少しキツめの印象を受ける真紅の瞳。白のカッターシャツにチェックの入った赤のロングスカートとベストを着ている。首には黄色のリボンをしていて手には今はたたまれた日傘を持っている。
ちなみに中身は男性らしい。
「もうすこし早く来ていればヘロヘロさんがいらしていたんですが」
「そう、それは残念だわ…」
そういうと幽香さんはすこし残念そうな顔をした。
「それはそうと幽香さん、やりたかったことは終わったんですか?」
「ええ、上手くいったわ」
「何をしてたんですか?」
「最後だし、より幽香に近づくためにウロボロスと五行相克を使ってたのよ」
「ウロボロスに五行相克!?…たしかあれはシステムを変更するワールドアイテムでしたよね?…間に合ったんですか?」
ウロボロスと五行相克か…幽香さんは持ってなかったはず、サービス終了だから誰かが売りに出してたのか?
「まあウロボロスではそんなに難しいことは頼んでいないし、五行相克の方はギリギリだったけど間に合ったわ」
「それは良かったですね…っと、着きましたね」
重厚な扉に手を掛けると、その見た目に相応しいゆっくりとした動きで扉が開いていく。
「おぉ…」
「あまり来たことは無かったけど、凄いわね…」
「えぇ…皆で作り上げたナザリック地下大墳墓ですからね…」
俺はそのまま部屋の中へと進み、長い黒髪に黄金の瞳、そして純白のドレスをまとい蜘蛛の巣の様な黄金のネックレスをしているNPC…アルベドの元へ向かう。
「あら、ワールドアイテムを装備しているのね」
「えぇ…おそらく、メンバーの誰かが装備させたんでしょう。…こういうのは多数決で決めるものなんですが…」
「最終日なんだから、少しくらいいいじゃない」
それもそうか
「そうですね」
そのまま階段の手前まで行きNPCに命令を出す
「そこまでで良い……待機」
階段を登り王座の前まで移動する。幽香さんも後をついて来て俺の隣まで来た。そして俺はアルベドを見つめる。
「どんな設定をしていたかな?」
アルベドの設定を開くと膨大な量の文字で埋め尽くされていた。その文章を飛ばして、最後に書かれた文字を読む
【ちなみにビッチである。】
「……え?何これ?」
「これは…酷いわね」
若干、幽香さんの顔が引きつっている。タブラさん…これは無いでしょう…。
「そこだけ書き直しましょう」
「ええ、そうしましょう」
コンソールを操作して文章を変更する。
【モモンガを愛している。】
「うわ、恥ずかしい」
「へぇ、こういうのが好みなのかしら?」
幽香さんがニヤニヤして俺の事を見てくる…何か弁解しなければ…!
「い、いえ…こういうのは男の浪漫といいますか…ほら…」
何を言ってるんだ俺は!!
「まあ、大きいものねぇ…」
俺はわざと咳をして誤魔化す。
「そ、そろそろ時間です幽香さん」
「あら?もうそんな時間?」
「えぇ、名残惜しいですが…」
「そうね、もうすこしいじめたかったわ」
「やめてくださいよ、幽香さんアバターが女性なのでいろいろくるものがあるんですよ?」
そんな雑談をして…そしてついに終わりがやってくる。
「幽香さん、今までお疲れ様でした」
「えぇ、モモンガもお疲れ様」
-----0:00:00-----
1…2…3…
「ん…どういうことだ?」
この時計は正確だ、表示させている時間が狂っていることは考えられない
「…サーバーが延期になったのかしら…?」
コンソールを出そうするがコンソールがでない。他の機能やGMコールを試してみるが全て反応しない。
「どういうことだ!!」
「どうかなさいましたか?モモンガ様?」
幽香は転移について知らないふりをしています。
幽香の容姿ですが、大体原作の幽香で目つきを若干キツくした感じだと思ってください。そして絵柄をオーバーロードにして下さい。
幽香の喋り方などは一応原作ぽくしたいです。でも二次創作の幽香も好きなので、個人的にこんな感じがいいな…という幽香さんになると思います。
ワールドアイテムについて、そんなにすぐシステム変更出来るわけないだろ!と思われるかもしれませんが、運営が変態だったと考えてください。
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エロモモンガ(オーバーロード)
無事に俺も転移することができた。
「ふふ…」
おっと、いけないいけない…これで俺自身が幽香になれたと思うとつい笑ってしまった。モモンガさんにあやしまれてはいけない。だ…駄目だ、まだ笑うな…こらえるんだ…し…しかし…。
「失礼いたします」
俺がそんな事を考えていると、アルベドがモモンガさんの側まで移動する。
「何かございましたか?」
「いや……なんでもない…」
これは…あのシーンが見られるのだろうか?だとしたら是非見たい。そして揶揄いたい。衝撃的過ぎて俺の事を忘れているみたいだし完全不可視化を使って眺めておくとしよう。
◆
その後、GMコールなどのくだりが終わりセバス達に指示を出し、行動を開始させた後…俺の目の前でついにあのシーンが来た。
-----もにゅ-----
もみもみもみ…もし音にするとしたらそんな感じだろうか。恐らくアニメであったように必死に色々と考えているのだろう。が、揉み過ぎだろうエロモモンガ…よし、揶揄うならここだ。俺は完全不可視化を解除する。
「あら…やっぱりアルベドみたいな女性が好みなのかしら?…それにしてもモモンガ…私の存在を忘れるなんてひどいわ」
モモンガさんは時が止まったかのように固まり、エフェクトが発生する…あれが感情抑制のエフェクトか。そしてアルベドの胸から手を離すとこちらに振り向いて言い訳をする。
「いえ…これは…その………確認、確認してただけです!けしてやましい気持ちがあったわけでh「風見幽香様!」うぉっ!?」
俺はモモンガさんを意図的に無視してアルベドに意識を向ける。
「なにかしらアルベド?」
「モモンガ様の好みが私というのは本当のことなのでしょうか!?」
「えぇ、本当のことよ?」
そう答えるとアルベドは自分の世界に入っていった。
「モモンガ様が私の事を………くふーー!!」
「それにモモンガは貴方に愛して欲しいそうよ?」
「なっ…幽香さん!何を…」
「あら?欲望のままに設定を変えたのは貴方だと思ったのだけれど?」
「それは…」
ふふふ、モモンガさんが焦っている。原作ではここまで態度に出して狼狽える事はあまり無かった。…いや…アルベド関連は結構あったか?他にも守護者達が気づいていないだけで結構あったような…。
「愛して欲しい…モモンガ様が……私に……」
「まて、アルb「女性の胸を何の遠慮もなく触っていたのよ?当然モモンガは責任を取るわよね?」
俺は満面の笑みでモモンガさんを見つめる。モモンガさんもやってしまった事が事なため言葉に詰まっている。そんな感じでモモンガさんを揶揄って遊んでいるとアルベドが震えだす。
「くふーー!という事はモモンガ様と私は相思相愛ということ。つまりここで私はモモンガ様に捧げるのね……モモンガ様ぁ!!「うぉっ!?」あぁ…服は脱いだ方ががよろしいでしょうか?それとも着たままがよろしいですか?子供は何人欲しいですか?やはり私は男の子と女の子が2人ずつ…」
アルベドがモモンガさんに飛びかかり床に押し倒す。そして妄想を垂れ流している…実際に見ると迫力がすごい。目の前まで迫られてるモモンガさんはもっとすごいだろう。さて、見たいもの見れたし揶揄うのもこのくらいにしておこう。このままアルベドを放置しておくと話が進みそうにないし…止めるか。
「アルベド、そういうのはもっと雰囲気を大切にするものよ?…特に初めての時はね…それに今はあまり時間がないわ、そういう事はまた今度ゆっくりモモンガの部屋でやりなさい」
「雰囲気…そうですね、申し訳ありません…緊急事態だというのに私は自分の欲望を…!」
「気にしないでいいわ、元凶はモモンガですもの…ほらモモンガ、早く指示を出しなさい」
するとモモンガは咳払いをし話しだす。さっきの事は忘れようとしているようだ。
「…ゴホン……アルベド、各階層の守護者達と連絡を取り六階層のアンフィテアトルムまで来るように伝えよ。時間は今から1時間だ…それと、アウラとマーレには私から伝えるので必要はない」
その後アルベドが復唱して確認を取った後退出していった。
「…クソ…俺はタブラさんの作ったNPCを汚してしまった…」
原作でもずっと罪悪感を感じていたみたいだからな…どうしたものかな…放っておいてもそのうち立ち直るんだろうが…よし。
「モモンガ……あの設定は酷かったし…あのままだとアルベドが可愛そうだったわ、それに…タブラは確か寝取りも好きだった筈だから大丈夫でしょう」
まぁ、俺が知ってるアルベドはモモンガを愛しているし、ここで原作との変化が起きても俺が困惑するだけだしな…。
「そう言われれば………そうですね…今気にするほどの事ではないかもしれません」
俺の言葉を聞いて、モモンガさんは少し思い出すような仕草をしたあとそう言った。モモンガさんは落ち着きを取り戻したようで、ふと何かに気付いたように俺に質問をしてくる。
「そういえば、幽香さんはこんな状況なのに凄く落ち着いていますね」
「あら、そうでもないわよ?」
俺が落ち着いている?そんなわけはない。何故なら…
「好きで好きで堪らなくて、ロールプレイまでしてたキャラクターになれたのよ?落ち着いていられるわけないじゃない」
(あぁ、そういえばこの人こういう人だったな…ここまでとは思わなかったが)
む…その残念なものを見る目は許せんな。
「なにかしら?」
「いえ、それよりも私たちも移動しましょう」
「そうね、行きましょうか」
そんな事では誤魔化されないぞ、後でしっかりと幽香の魅力について語ってあげようではないか。
個人的にですが、モモンガさんはアウラやシャルティアをそう言う対象に見てなかったので、巨乳でかつ大人の女の人がタイプなのではないかと思ってます。
そして風見幽香(キャラクター)の魅力についてモモンガさんに語る風見幽香(主人公)…NPC達から見たらナルシストなんてレベルではないですね。
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階層守護者達、そしてお散歩
あの後、ゲームから現実へと変わった事による変化についてモモンガさんと少し検証を行った。その後円形闘技場に転移しアウラ達の戦闘を見た。実際にみてみるとゲームとは違って引き込まれる様な魅力があった。良いものを見せてもらったし、アウラとマーレにはサービス終了直前に料理で作ったクッキーをあげた。そしてその後集まった階層守護者達にモモンガさんが命令をして最後に、階層守護者達のモモンガさんと俺の評価だが、モモンガさんは原作とそれほど変わりはなかった。そして俺は…
「シャルティア、お前にとって彼女は一体どのような人物だ」
「素晴らしい美しさを持ちながらも、より美しくあろうとする。まさに美の神の様なお方あります」
「コキュートス」
「至高ノ御方々ノナカデモ高イ戦闘力ヲモツ、マサニナザリック地下大墳墓ノ支配者二相応シイオ方カト」
「アウラ」
「常にあたし達の事を考えてくれている、素晴らしいお方です」
「マーレ」
「す、凄く優しい方だと思います」
「デミウルゴス」
「聡明であり、如何なる状況でも狼狽えず己を強く持っている素晴らしいお方です」
「セバス」
「たっち・みー様と同じくワールドチャンピオンの職業を持っておられる、素晴らしいお方です」
「アルベド」
「モモンガ様と共に、このナザリック地下大墳墓に最後まで残って頂けた素晴らしいお方です」
うーん、この高評価はなんなんだ。NPCがどのレベルで俺の何を覚えているかわからないからな。それに、特に何をしてもいないのにここまで持ち上げられると言うのは…何とも居心地が悪いものだ。そしてマーレはモモンガさんの時と言ってる事同じじゃないか?…あれは後でアウラに怒られるんじゃ無いだろうか…。
「成る程、お前達の考えは理解した。それでは私の仲間達が担当していた執務の一部まで、お前達を信頼し委ねる。今後とも忠義に励め」
◆
モモンガさんの部屋に転移し、俺達の評価の高さに2人で戦慄した後、俺はモモンガさんが剣を扱えるかの検証しているのを眺めていた。まあ俺は結果を知っているから本当にただ眺めているだけだ。
「私はこれから少し出てくる…幽香さんもどうですか?」
「もちろん一緒に行くわよ」
「近衛の準備は既に終わっております」
俺達に近衛か、この世界の事を知っている俺からするとナーベラル達が盾になることもないし…そもそも俺達にダメージを与えられる奴なんて殆どいない。ナザリックの主要NPC全員が敵に回るとか、そんなレベルで無ければ俺とモモンガさんが負けることはないだろう。
「いや、そういう意味では無い…私と幽香さんの2人で見回ってくる」
「そ、それはお待ち下さい」
まあ、NPC達にとっては強さなんて関係なく俺達を守らないとという意識があるのかな?…もしかしたら、俺達がいなくなる事をおそれているのかもしれないな。
「…極秘に行いたいことがある」
「そういうことよ、近衛はいらないわ」
わずかな沈黙の後、ナーベラルが私達に頭を下げる。
「畏まりました、行ってらっしゃいませ。モモンガ様、風見幽香様」
その言葉を聞き、俺達は第1階層に転移した。
◆
転移して外に出ようとしたのだが…当然のようにそこにはデミウルゴスがいて仲間にして欲しそうにこちらを見ていたので、仕方なくデミウルゴスを共につけた。そして今俺は外にいる。
モモンガさんはもう我慢出来ないという様子でアイテムで空を飛びぐんぐんと上昇していく。俺も
「おぉ…!」
「これは…凄いわね…」
「えぇ…」
まず、前世や
「素晴らしいな…ユグドラシルでもこれほどのものは…」
「そうね…ブルー・プラネットさんに見せてあげたいわね」
あの人、自然とかそういうの大好きだったからなぁ…。
「えぇ、本当に…キラキラと輝いて宝石箱みたいですね」
こういう例えがすらすらと出てくるモモンガさんって何気に凄いな。
「もしかしたら…私達がこの世界に来たのは、誰も手に入れていない宝石箱を手に入れるためかもしれませんね…」
「私は宝石の類にあまり興味は無かったけれど…こんな宝石箱ならそれも良いかもしれないわね…」
景色が綺麗なんていう暇があるのは今だけだ。この光景を存分に心に焼き付けておこう。
マーレ君は幽香達が転移した後にアウラに蹴りを入れられました。
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現地人
ある村で村娘…エンリは妹の手を引き必死に走っていた。妹を助けようとする一方で、妹を見捨てれば自分は助かるのでは無いかという考えが浮かんでくる。そんな考えを振り払い妹の手をしっかり握ってエンリは走った。
「あっ!」
しかし妹が転んでしまった。それも当然だろう、もうかなり走り続けている。まだ幼い妹がその小さな身体で必死に逃げている相手は大人の訓練された騎士だ。妹は足が痙攣して走らないようで、エンリは妹を抱えようとする。しかしエンリのすぐ後ろで金属音が止む。
騎士が剣を振り上げる。エンリは咄嗟に妹を胸に抱き庇った。直後、背中に激痛が走る。しかしエンリはただの村娘とは思えない精神力で、妹だけでも…と妹を逃す決意をした。そして騎士が再び剣を振り上げる。
(ネムだけは…絶対…!)
◆
〜モモンガ視点〜
俺は幽香さんと
「おっ!」
幽香さんと
「やっと動かせたわね。」
「おめでとうございます。モモンガ様。風見幽香様」
「ありがとう、セバス。」
「長い間付き合わせて悪かったわね」
「何をおっしゃられますか。至高の御方々のお側に控え、命令に従うこと。それこそが執事として生み出された私の存在意義です」
NPCのこういう所がなぁ…もっと気楽に話せないものだろうか。彼らの様子を見る限りそんな事は不可能だろうが。俺は心の中で苦笑する。そして
「祭りか?」
「いえ、これは違います」
よく見ると全身鎧を着た騎士が剣で村人を切り裂いているのだ。それは蹂躙である。
「ちっ!」
不快だったため、光景を変えようとする…しかし。
「…!」
突如、強いプレッシャーに襲われ俺の動きが止まる。俺はその発生源…隣をみる。いつも余裕のある表情を崩さない幽香さんだが、今はその影もなく激しい怒りの表情を見せている。そして、おそらく姉妹であろう少女達の姉が妹を庇い、その身に剣を受けた時。
「〈
「なっ…!」
彼女はその場から姿を消した。
◆
〜幽香視点〜
俺は今とてつもない怒りを感じていた。俺も自分でどうしてこれだけ怒っているのかわからない。この出来事は知っていたし、心構えもしていた。このシーンではモモンガさんがセバスを見てたっち・みーさんの事を思い出していた。その後自らこの村を助ける判断をするのだ。だから俺は今までも出来るだけ原作と同じになる様にしてきた。今回もモモンガさんが動いた後に行動するつもりだったのだが…。
〈
「ひっ!」
もう1人の騎士が怯えて後ずさる。
「あら、私のことは追い回さないのかしら?」
その時私の後ろで〈
「〈
『幽香さん、一人で飛び出さないでください!どんな相手がいるかわかってないんですよ』
『ごめんなさい。少し、不快なものを見たせいで怒りが抑えられなかったのよ』
『本当に…次からは頼みますよ?』
「それにしても弱いな…」
「一般の兵士…騎士?ならこの程度じゃないかしら?」
「うーむ、そういうものでしょうか…中位アンデッド作成…
モモンガさんがそう命令すと
「守るべきものを置いていくのはどうなんだ?」
その時開いていた
「準備に時間がかかり、申し訳ありませんでした」
「いや、実に良いタイミングだアルベド」
「それで、この下等生物の処分はどうしますか?」
こいつらは本当に…そう作られているかもしれないし、人間種がほとんどいないナザリック、しかも基本的にカルマ値が低いやつらばかりとはいえ…人間がいたらとりあえず殺そうとするのはどうにかならないだろうか?セバスやユリ以外を外に出すのが怖いぞ…。
「アルベド、この子達は私とモモンガが助けたのよ?殺さないわ」
「…この村を助ける。敵はそこに転がっている鎧を着た者達だ」
「了解しました」
モモンガさんは姉妹に目を移す。
「怪我をしている様だな………飲め」
うわぁ、あれが治癒の薬だと知らなければどっからどう見ても血にしか見えないし。モモンガさんはもう少し優しい言い方を出来ないのか。
「の、飲みます!だから妹には…!」
「お姉ちゃん!」
まぁ、そうなるよね。アルベドが怒り出す前になんとかしよう。
「それは治癒の薬よ。決して血や危ない薬ではないから安心しなさい」
私がそういうと、恐る恐るではあるがエンリは薬を飲んだ。
「傷が…」
「痛みは無くなったな?」
「は、はい」
これで無事エンリを助けることができた。俺が飛び出す必要は無かったのだが…我慢できなかったのだから仕方がない。確か原作でモモンガさんはアンデッドになった影響で人の心をなくしたと言っていた。そしてモモンガさんのカルマ値は最悪だ。それに対して俺のカルマ値は+でそこそこ高い。もしかしてそれが理由か?…そんなことを考えてる間にモモンガさんが魔法をかけ終えて、アイテムも渡した様だ。
「あの、お名前を教えてもらえませんか!」
「……我が名を知るが良い、我こそがアインズ・ウール・ゴウン!」
カッコつけてたけど、そのあと俺も名前を聞かれたから俺は普通に答えた。たぶん今、俺がいることに気づいて恥ずかしいと思うからあとで揶揄う。
エンリって、普通の村娘なのに覚悟とか凄いと思います。とても好きです。
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王国戦士長
エンリ達姉妹を助けた後俺達は村を救い、その対価として村長夫妻が知る限りのこの世界の情報を聞いた。俺達…というか殆どモモンガさんが質問やら何やらして聞いてきただけなのだが。モモンガさんって少し抜けてるところもあるけど基本的に頭がいいからな。そして何よりもカリスマが凄い。
村長の話を聞き終わってからしばらく経ち、モモンガさんがそろそろ帰ろうかと言い出したところで、馬に乗った戦士風の者がこの村に向かって来ているという話を聞いた。なので俺達は村長と共に村の入り口付近でその戦士風の者達…まあ、ガゼフ・ストロノーフを待っていた。しばらく待つと彼らは村に訪れた。
「私はリ・エスティーゼ王国、王国戦士長ガゼフ・ストロノーフ。この近辺を荒らし回っている帝国の騎士達を討伐するために王の御命令を受け、村々を回っているものである」
「はじめまして王国戦士長殿、私はアインズ・ウール・ゴウン。この村が襲われていましたので助けに来た
その後は原作通りのやりとりがあった。そしてガゼフの部下からこの村が包囲されていると言う報告が入る。俺達は家の中から隠れて相手の様子を見る。本来は隠れる必要は無いが…まあ、村の中で戦闘が始まるとまずいか?
「ゴウン殿、雇われないか?報酬は望まれる額を約束しよう」
「……申し訳ありませんが…」
この辺りではモモンガさんはまだ今の状況がわかってないからな。仕方ない…。今思ったんだが、モモンガさんって結構頭いいし色々対応してくれそうだ。…そろそろ原作と違う動きをしてもいいか?どうせもうしてしまった後だしな。
「そうか…あの召喚された騎士を貸していただけるだけでも構わないが?」
「……それも、申し訳ありませんが…」
「なら、私が手伝いましょうか?」
「幽香さん!」
『何を言っているんですか!俺達はまだ周りの状況を知らないんですよ!』
『見た感じそれほど強そうな相手はいなかったわ。王国戦士長という役職についている人物に恩を売れるならいいじゃない。それに…さっきの騎士達を
「失礼だが、貴女は?」
「私は風見幽香、そうね…アインズが
俺は結構戦士長好きだったんだよな。その意思というか…かっこいいよな。…でも雇われるというのは自由に動けなくなると面倒だ。
「貴方に貸しひとつ…それでいいのなら、雇われるというのは嫌だから…手を貸してあげるわ。どうかしら?」
「ゴウン殿程の実力の戦士の手を借りれるというのは嬉しいが…構わないだろうか、ゴウン殿」
「はぁ…貴女という人は………えぇ、構いませんよ」
あぁ、モモンガさんがもうどうにでもなれーという雰囲気を出している。
『ありがとうモモンガ』
『どうせ言っても止まらないでしょう?…それに幽香さんの言う通りこの世界の人間はあまりレベルが高くないようですし…』
モモンガさんからも許可をもらったし派手にやるか。
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王国戦士長2
そして戦闘…戦闘?の描写が難しい。
今回も少なめです。
俺はガゼフと共に村を出て、帝国(本当は法国だが)の騎士達が死んで残った馬に乗り走っている。もう十分敵をこちらに引きつけただろう。
「戦士長、私が包囲網を崩すわ。貴方達はそこを走り抜けなさい。」
「しかしそれでは…」
「この程度の相手なら傷一つ負わないわよ。そんなに心配なら離れて見ているといいわ。みせてあげる、世界の名を持つ戦士というものをね」
俺はガゼフの返事を聞かずに馬から飛び降り、ガゼフの馬を魔法で操り妨害してくる敵の元へ〈
その後すぐにガゼフ達が通り過ぎる。そういえばここは敵を何人か生きて連れて帰って情報を抜き出したほうがいいんだったか?取りあえず相手の隊長クラスと何人かはゲートでナザリックに送ろう。
『モモンガ、情報収集用に何人かナザリックに送ろうと思うのだけど、どうかしら?』
『いいですね。お願い出来ますか?』
『えぇ、ナザリックに連絡するのをお願いしてもいいかしら?』
『わかりました、連絡しておきます』
「貴様、何者だ」
メッセージでのやり取りが終わった直後、ニグンがここにきた。こうして生で見ると思ったよりもすごい悪役顔だ。
「通りすがりの冒険者、と言ったところかしら?」
「冒険者だと…?…この女は私がやる。お前達はガゼフ・ストロノーフを追え」
「はっ!」
甘く見られたものだ、このレベルの敵程度なら一瞬で倒せるのにな。俺はスキルも魔法も使わずに通常の攻撃で、人間を2人だけ残してその他の人間と天使を全て斬り捨てた。
「なっ!」
「ひぃっ!」
そして目の前で仲間が全て殺され恐怖している敵に、殺さないように優しく腹パンする。そして〈
「な、何が起きた…」
「それで、貴方は私と戦わないのかしら?」
俺がそういうとニグンは正気を取り戻したようで、焦りながら懐から物を取り出しながら天使に指示を出す。
「
時間を稼いで
「ガッ!……」
よし、これで敵は全て倒した。取りあえずゲートでモモンガさんにニグンを渡しに行こう。そろそろ監視の魔法が飛んでくる頃だ。
「〈
「幽香さん!」
「お届けものよ、私は戦士長たちに終わったことを伝えてくるわ」
「わかりました、ここでは情報を抜き出せないので、後で私がナザリックに連れて帰っておきます」
「お願いするわ」
そう言って俺は〈
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ドSとオーバーロード冒険者になる。
ガゼフを発見し村に戻り少し話した後、俺達はナザリックに戻りNPC達に何があったかを教え解散し、それから数日経った。原作では殺してしまったニグンを生きたまま捉えているため、情報はかなり手に入っただろう。基本的に俺が知ってる事だろうから聞いてはいないが…。
俺が自分の部屋で花の世話(幽香っぽいこと)をしているとモモンガさんが突然来た。そして今色々と話をしている。
「えっ、ウロボロスで魔法系の職業を貰ってたんですか?」
「えぇ、それとオリジナルの魔法も手に入れたわよ」
「うわぁ…ワールドチャンピオンが魔法職も100レベルで、しかもオリジナルの魔法まで持っているとか何の冗談ですか……」
「仕方ないじゃない。幽香は魔法も使えたのだから…それよりも何が用事があって来たんじゃ無かったの?」
これまでの事について軽く話し出したら止まらなくなってしまった。こういうのって一度脱線するとなかなか戻らないよな。特に話が盛り上がった時。
「そうでした…幽香さん、俺冒険者になろうと思うんですよ。それで…ナザリックを幽香さんに任せても良いですか?…ダメですかね?」
「モモンガが頑張っているのはわかっているわ。息抜きも必要だと思うし、冒険者をするのに反対なんてしないわよ」
「じゃあ…」
「ただ、私も連れて行きなさい」
ここ数日で俺は原作のモモンガさんがどれだけ辛かったかが身にしみた。もはやNPCは狂信者だ。俺達至高の42人をどれだけ凄いと思っているんだろうか。あいつらが思っている三分の一もあれば良い方だろう。そのくらい俺達が凄いと信じて疑わない、そしてその信頼を裏切れないんだ。ここでは俺がいるからまだマシだっただろうが、原作だと1人だったもんなぁ…。
「しかし幽香さんは王国戦士長や兵士に顔が割れています。俺は
そう、その辺りは俺も現実世界でかなり悩んだ。しかし、ある課金アイテムのお陰でその心配もなくなった。
「心配ないわ、私にはこれがあるもの」
「それは…!かなり高かったんじゃないですか!?……たしかにこれなら……いや、でもそれではナザリックが…」
課金アイテムでアバターの見た目を保存、変更できるアイテムがあったのだ。そのため俺は冒険者用に、もしくは何かあった時用にいくつかの見た目を用意した。もちろん今の見た目の物も用意してある。
このアイテムの凄いところは何度でも使える所だ。まあ武器や防具は新たに作らなければいけないが、そのくらいの時間ならいくらでもあった。一応武器は
「これでどうかしら、武器や防具ももちろん揃えてあるわ……もちろん私も行っても良いわよね?」
俺は課金アイテムで見た目を変えてモモンガさんに見せる。
「ですが…」
「ナザリックの事ならデミウルゴス達に任せた方が上手く行くわよ」
俺がそういうとモモンガさんは少し考え、そして口を開いた。
「…わかりました」
「それじゃあ私の名前は蓬莱山輝夜…輝夜で行くから、よろしくね」
「俺は…モモンでお願いします。それでですね…お供なんですけど、誰が良いと思います?」
「思いつくのはナーベラルくらいね、他は…見た目的にほとんどアウトよ」
まあ、見た目以前の問題な連中は多いけど、セバスやユリを除いたほぼ全員が見た目関係なくやばいやつしかいないからな。そもそも外に出すのが不安だ。ここは原作通りナーベラルの方が何かとやりやすいだろう。
「ですよねぇ…」
それから少し話し合って俺達は解散した。
◆
さあさあ、やってきましたエ・ランテル。俺達は今エ・ランテルに来ていて冒険者になったとこだ。
輝夜ってお伽話になるくらい綺麗なんだもんなぁ…いやまぁ、俺が作ってるだけだから本来の美しさとかではないと思うが。ちょっと視線がうざいからフードを被っておこう。というか何故最初から被らなかったんだ俺。
「アインズ様。幽香様」
そんな事を考えているとナーベラルが話しかけてくる。
「違う、私の名前はモモンだ。そしてお前はナーベラル・ガンマではなく。ナーベだ」
「私は輝夜よ?間違えないようにね」
「あっ!…失礼しました、モモン様。輝夜様」
やはりNPC達的には一時的な物であろうとも俺達を呼び捨てにするのは無理なんだな。
「様もいらないわ、おかしいでしょう?」
「しかし…!」
「…はぁ……ナーベ、これは命令だ」
NPCたちは一部を除いて基本的に頭が固いからな。無理矢理にでもさせないとできないことが多い。
「……かしこまりました。モモンさ…ん。輝夜さ…ん」
妥協点だろうか、ナーベラルにはこれ以上は無理そうだな。ルプスレギナとかなら割とフレンドリーに接してくれそうだが…今度試してみるか。
「まぁ、それなら良いだろう」
その後も俺達は話し合いながら歩いていた。すると目的の場所を見つけたみたいでモモンガさんの足が速くなる。当然だがこの体格の差でモモンガさんに速く歩かれると、俺は小走りでついていかなければならない。その辺りの気遣い…と言いたいところだが。ステータスのお陰で辛くないのと俺も早く見たいものがあるので文句はいわない。そして俺達は店の中にはいっていく。
冒険者の時に誰にするかすごく悩みました。そして輝夜の身長はナーベラルより少し小さいくらいです。
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