転生姉妹が行くインフィニット・ストラトス (プルプルスライム)
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第1話 転生

「ごめんなさい!」

 

白い空間…其処にいる白いバスケットボールが唐突にしゃべりそして謝ってきた。

この良く分からない状況に私と妹は困惑した。

 

「私の手違いで貴女達を殺してしまいました!」

 

「ふぅん……大体分かった、つまりバスケットボール見たいなアンタは神様で私達を手違いって奴で殺したって事だろ神様?」

 

私がそう言うとバスケットボールは話が早いとばかりにぴょんぴょんと跳ねた。

 

「はっはい!そう言う事です!ですので」

 

「私達を転生させるんだよね?神様」

 

バスケットボールの言葉に被せる様に妹の『如月紗奈(きさらぎさな)』が言った、つまりこれはこの状況は紗奈が好きな『異世界転生』とか言う奴だろう。

 

「はい…何だか理解が早いですね二人とも、普通は自分が死んだって言われると大体困惑するのに」

 

「まぁ生憎、紗奈と私は死ぬ殺すって感じの事には慣れてるしな」

 

「ねーつまり困惑する意味がないって事、僕も姉さんも……そ!れ!よ!り!転生する場所とか教えてよ後転生特典とか!」

 

あぁそう言えば転生する話だったな、しっかしこう言う話には紗奈は頼りになるな…生憎転生系のアニメとかは合わなくてさっぱり分からない。

 

「あっはい、えーと転生する場所は『IS』インフィニット・ストラトスの世界に転生してもらいます、結構人気の転生場所なので他の転生者も居ると思いますけど貴女達二人なら大丈夫でしょう……あっ!転生特典に付いてはそうですね5つまで大丈夫ですよ」

 

「ふーん結構太っ腹?分からないけど…で特典どうする姉さん」

 

インフィニット・ストラトスの世界…確か女しか使えないパワードスーツ『IS』を扱う学園…IS学園で主人公 織斑一夏とそのヒロイン達が織り成すハーレム学園物のライトノベルだった筈。

そして、バスケットボールが言ってた様にインフィニット・ストラトスの世界は人気らしい、確かにこの話に登場するヒロイン達は皆が皆性格に難があるがそれを差し引いても、魅力的な子が多い。

そして、主人公織斑一夏の事を嫌いな人が多い…そして十中八九、私達以外の転生者は織斑一夏を蹴落として代わりにハーレムを築こうと考える筈。

 

まぁ…私自身物語に関わるつもりはさらさら無いが、元の世界同様何が起きるか分からない……ここは有り難く転生特典を貰おう。

 

「転生特典ね…紗奈は?私は決めたよ」

 

「僕も決めたよ」

 

「分かりましたでは教えて下さい」

 

 

そしてバスケットボールに転生を教え、何事もなく転生に成功してから数十年。

身寄りの無いストリートチルドレンとして紗奈…この世界での名前は『カーラ・アラーニャ』共々イタリア人として転生したが、私の転生能力『ほぼ尽きない金』のお陰で不自由なく生活を送る事が出来た。

 

そして、そこから第二の転生能力『篠ノ束と同等のIS製造能力とあらゆるアニメ機体の設計図』を生かす為、無尽蔵の金を充分に生かし新規IS製造会社 『アーサーカンパニー』を立ち上げた。

 

正直な所私とカーラが余りにも若い為、最初は他の人間達から馬鹿にされたが第二世代型歩兵支援IS『ヴァレンタイン』を発表した所。

それ以降そんな声は聞かなくなった、其からは幾つかのISを発表し、世間からは機体性能は高く実践的だが国家代表が乗る様な物ではない、陸戦を主とした風変わりな機体を開発する企業と言う評価になった。

 

 

 

そんなIS造りを楽しんでいたある日、私とカーラにちょっとした出来事が起こった。



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第2話 行き倒れの男の子

「んー…ボーノ!やっぱりこの店の料理はンウァマイ!」

 

海の近くにある景色の良い店の中で、私は目の前に置かれているパスタを食べながら破顔しながら言った。

対面の席に座っていて既に食べ終わっているカーラは呆れながら私を見ていた。

 

「いつもしかめっ面してるのにほんっとご飯食べてる時は幸せそうにしてるよね姉さんは……しかも食べるの凄く遅いし」

 

「飯って奴はさカーラ…娯楽なんだよしかも只の娯楽じゃない、飯の数だけそれはあるんだよ……それを楽しまなきゃ駄目だろ」

 

「太るよ」

 

「五月蝿い、良く噛んで食べるのは健康に良いから問題ない……堪能したしカーラ出るよ」

 

パスタを完食し終わりナフキンで口元を拭き、地面に足が届かない椅子から降り店の会計を済ませる…素晴らしい料理を食べさせてくれた事に対しせめてもの感謝に料金の倍の金額を渡した、当然釣りは貰ってない。

 

素晴らしい物には其に見合う報酬を支払うべきだと思っている。

 

「………?」

 

店を出て綺麗な海を眺めて居ると、近くをフラフラと今にも死にそうな日本人の男の子が歩いていた。

周りの怪訝な表情や、女しか使えないISの出現により現れた面倒臭い『女尊男卑』其を信仰する馬鹿な女がすれ違い様に「良い気味」や「とっとと死ね」等と罵倒されていた…明らかに自分より年下な相手にだ。

 

其を咎める人は居ない、咎めれば面倒に巻き込まれるからだ。

私はそいつらに蔑視の視線を投げ掛けながら、今まさに倒れた男の子に近づきしゃがんで声を投げ掛けた。

 

「大丈夫……じゃないな?どうしたんだ?」

 

その男の子は声を掛けられ顔を上げた、絶望と誰も信じないそんな目をしていた。

 

「……どうせお前も口だけだろ、お前見たいに聞くだけ聞いて助けない奴なんか腐る程いたぞ」

 

そう言いながら腹を鳴らしながらヨロヨロと立ち上がり歩きだそうとした所を私は肩を掴んだ。

 

「私を口だけとは対したってカーラ…何時まで店の中に居たんだ、次の店に行くぞ」

 

漸く店から出てきたカーラに文句を言いながら、抵抗をする男の子を頑張って押さえ付ける。

 

「やぁ姉さんまた店行くの?太るよ、ちょっとナンパされててね出るのに時間掛かったよ、姉さん見たくチビじゃないからねいやー美人は苦労するね……その子は?」

 

どや顔でそんな事を言うカーラ…確かにそこら辺のアイドルより整った顔をしているからナンパをされるのは仕方ない……例えこんな録でもない世界になってもナンパをするのは感心する。

 

「あぁ何か倒れてたから飯でも食わせようかなってな」

 

「ふぅん…それで何処に行くの?」

 

「ちょうど近くに上手いスイーツの店があるんだ、しかもパスタも旨い」

 

「またパスタァ?」

 

「ちょっと待て俺はお前らとは」

 

「良いから来い文句は飯を食ってから聞く」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中私のファンに囲まれ身動きが取れなくなったが、何とか男の子を連れ目的のレトロな外見の喫茶店に付き、言った通りにパスタを食わせると余程腹が減っていたのか物凄い勢いで食べ完食した、そして食い足りなかったのかお代わりを要求してきた、当然其を頼んだ。

 

「まぁ気が済むまで食えば良いさ…あぁデザートのティラミスを食える様にした方が良いぞ」

 

男の子は視線を合わせなかったが、こくりと頷きいつの間にか頼んだパスタを食べ始めた。

 

 

デザートのティラミスも食べ一通り満足したのを確認して本題に入った。

 

「さて……何であんなに死にそうになってたんだ?」

 

「殺されそうになったんじゃない?馬鹿な女に」

 

「カーラは黙ってろ」

 

可笑しそうに言うカーラに自分の食べ掛けのティラミスを押し付け黙らせる。

 

「……母さんに捨てられたんだ、アイツ俺が男なのが気に食わないから…日本人だから海外に置いてけば何も出来ずに野垂れ死ぬと思っただと思う…今頃此処を満喫してると思う」

 

「ほぉ?」

 

「ははははは!息子を捨てて自分はイタリア旅行を満喫するとかスッゴいねぇ!」

 

爆笑するカーラだが、目は明らかに笑ってなかった。 確かに最近ニュースとかで、自分の子供が男だったからと理由で捨てる親が社会問題になっている。

特に日本が酷いらしく、そのせいか結婚の出来ず独身が増えているらしい。

イタリアも例外では無く、日本より酷くは無いがそれでも捨て子が多くいる。

 

「……全く旨いティラミスが不味くなった、でだ一つ提案があるんだが「僕達と一緒に来ない?」」

 

「はぁ?」

 

カーラが遮る様に私が言おうとした事を言った、当然男の子は訳が分からない様な表情をした。

 

「どうせ行く宛も無いんでしょ?だったら僕達と来た方が良いじゃない?姉さんは案外御人好しだし何ならISの企業の社長だから君一人なら普通に何とかなるよ」

 

「社長!?はぁ!こんなチビが!?」

 

「チビは余計だし、なんならアンタと同年代だ…まぁカーラの言う通り私は結果な御人好しで家が無い子達の為に孤児院とか作る程度に御人好し何だ……言っとくけど本心だからな」

 

そう言いながら男の子に手を差し伸べた、すると少し戸惑いながらそれでも最終的に手を握った。

 

「よしこれからは私達は家族だ宜しくな」

 

 

これは余談だが、この男の子 夕霧優也(ゆうぎりゆうや)は今の名前はユウヤ・アラーニャは話を聞く限り転生者で、ISと言う物語は全く知らなかった。



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第三話 起動

主人公ちゃんに一夏君と面識をあるように編集しました。



ユウヤが私達の家族になってから一年後

 

『世界最初の男性操縦者二名現れる!』

 

私達三人はアーサーカンパニーの自室で朝食を取りながらそのニュースを見ていた、今回の朝食は白米に玉子焼き、きんぴらごぼうに油揚げと豆腐の味噌汁だ…久しぶりに作ったから心配したが思いの外上手くいって良かった。

まさか日本食よりイタリア料理の方が上手くなるとは思いもしなかった。

 

「それにしても……男性操縦者か」

 

ユウヤが少し羨ましそうに呟く、まぁ男の子だしIS見たいな浪漫ある機械に乗りたい気持ちはあるのかも知れない。

 

「しかも二人ね~案外他に動かせる人居るかもね」

 

「どーだが、この世界でISを動かせるのは動かした一人主人公の『織斑一夏』しか動かせなかった筈…なのにこの『織斑冬斗』は何故か動かせた、しかも織斑姉弟は世界最強と織斑一夏しか居ない筈なのにだ………要は転生者って訳だ」

 

それにしても…織斑一夏に冬斗か、懐かしい名前を聞くとは思わなかった。

確か…カーラ抜きで日本に行った時に会ったんだったな。

 

「つまり?転生者ならISを動かせるって事?」

 

カーラがそんな事を聞く

 

「さぁね、でも試してみる価値はありそうじゃない?早速試しに……っともしもし」

 

そんな事を言ってると仕事用の携帯が鳴る、着信者はイタリア政府。

 

一応私も『国家代表』の為、良く政府からの連絡が来る……当然企業の社長も兼ねてるので中々に大変だが…会社自体社員達が非常に優秀で、国家代表の仕事も必要な物しかやらない様にしてる。

私は二人に先にISがある、実験場に行くように言った。

今は…試作のISしか無いがまぁ大丈夫だろう。

 

「……『チッタ・ラピド』の件か?当然滞りなく、今度此方に来て性能確認でもしてみたらどうだ?……あぁ『イグニッション・プラン』?勿論完成してる、あぁ…あぁ……」

 

チッタ・ラピドとは直訳すると都市特急、そして政府に極秘で提供する第二世代型 『都市強襲核攻撃広域侵入型IS』の事だ、この機体は大型の高機動ブースターを使い敵首都に侵入し大型の核搭載型ロケットランチャーで攻撃し、その後核で被害の無い基地を豊富な武装で攻撃すると言うコンセプトとしている。

 

そしてこの機体メインこそ核ロケットランチャーだが、この機体は何も核だけが取り柄では無い、機体に武器をマウントする事で『拡張領域』を負担せずに武装を増やす事が出来た、その武器搭載量はフランスの第二世代型IS『ラファール・リヴァイヴ』より果てはそのカスタム機よりも多い。

 

武器の種類はイギリスより後だが、高出力レーザーライフルやレーザーバズーカや普通のバズーカ、ガトリングガンやミサイルやその他にも頭部・胸部バルカン、腕部ロケットランチャー等内蔵武器と高火力な武装が搭載されている。

それに政府が目を付け、これを改良し『第三世代型』にして統合防衛計画『イグニッション・プラン』に参加をする様に言われた…そして言われた通り第三世代型 IS『チッタ・ラピド・ドゥエ』を製造した。

 

「社長ー!社長ー!大変です!!」

 

次に国家代表の話になった所で、社員が慌てながら部屋に入って来た、何時もなら政府の話を優先するのだがどうにも様子が可笑しかった。

 

「ちょっと待ってくれ………どうしたんだ?」

 

「そっそれが……ユウヤ君が!動かしたんです!ISを!」

 

「……聞こえたか?こっちでも男がISを動かした、あぁそうだ記者会見を開く…あぁ切るぞ………全くまさか本当に起動させるとは」

 

「え?」

 

「いや…こっちの話だそれより、記者会見の開くから準備を私はユウヤを見てくる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私がIS試験場に着くと其処には、社員が言った通り第三世代型多目的機体換装IS『ブラスト・ランナー』の一つ『クーガーI型』に乗っているユウヤがいた。

 

「あっ姉さん!ユウヤが本当に動かせたよ!」

 

「やっぱりな……でISに乗って見てどうだユウヤ?」

 

「あぁ姉さん……俺IS動かせちゃったよ」



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