狙撃手の少年は (サンコン(マウントベアーの山の方))
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1冊目 (A.D.2058〜)
第1話


完結してない作品があるにも関わらず新しいものを投げていくスタイル()

最近流行り(?)の日記形式にチャレンジしてみました。


4月6日

 

気持ちの整理をつけるのと、俺が生きていた証……どんな風に生きていたのか知ってもらう為にこうして日記をつけることにしてみた。

似たような事をしている人は多分たくさんありいそうだ。

なんせ、こんないつ死ぬかわからない世紀末みたいなご時世だ。

 

まぁ、俺が書いたところで読むやつはいないだろうが。

 

今日、俺の住んでいた地域がE.L.I.Dの襲撃を受けて壊滅した。

 

街の外周部にあたる場所だったから他より危険度が高いことはわかっていたが……

 

爺ちゃんは去年死んだ。父さんとも連絡がつかない。

 

今の俺に家族と呼べるのは数年間本当の家族のように過ごしてきた2人の自律人形だけだ。

 

思い出の溢れる実家はもう無くなった。

 

……書いてて涙が止まらなくなってきた。

今日はもう寝る事にしよう。

 

テントや寝袋は持ってきているから準備しなければ……

 

4月7日

 

とりあえずというか……俺の家族を紹介しよう。

 

俺の姉さん…戦術人形のスプリングフィールド。俺はカーラ姉さんと呼んでいる。

 

そして、いつの間にか俺の寝袋に侵入してるこの子は妹…戦術人形のRFBだ。ケイティと呼んでいる。

 

ガッチリ抱きつかれているせいで動けない…

 

というかケイティもいい加減自分がどれだけ魅力的な容姿をしているのか自覚して欲しい。

 

俺も年頃の男子なのだ。耐えるのは色々ときつかったりする。

 

しかもお兄ちゃんなら良いとか言いおる。俺が良くないんだよなぁ。義理とはいえ妹襲うとかお兄ちゃん社会的に死んじゃうからね。

 

駄々をこねられてなかなかつらかった。

 

最終的に奥の手のカーラ姉さん呼びつけをしたらすぐに部屋にもどってしまった。

 

名前を呼んだ瞬間に逃げていくとは、どれだけ姉さんが怖いんだか……

 

とりあえず寝袋とテントを片付けて移動の準備をしよう。

 

自分を雇ってくれるようなPMCあるかな……

 

4月8日

 

やはり自然で生きるのは辛いのだと実感させられた。街近くの林に身を潜めて過ごしているが、水はとてもじゃないがそのままでは飲めないから持ってきた水でなんとかするしかない。

 

ここらへんも濃度がそれ程高くないとはいえ、あまり長時間居座れるわけではない。

 

なにが最悪って時折E.L.I.Dが湧く事かな。

初期段階の脆い奴だけど。

 

だから夜も安心して眠れない。カーラ姉さんが見張っててくれるけど。

 

そういえば途中で倒れている鉄血製の人形を見つけた。

名前を聞いたらアーキテクトと言うらしい。

どうやら甘いもの不足?でたおれていたようだ。

 

チョコを1枚あげたらすごく喜ばれて名前まで覚えられた。

 

……なんかケイティに感じ似てるな。

 

その後は少しの間会話をして別れた。

 

早く安全な所に行きたいもんだ。

 

4月9日

 

行く宛もなくフラフラと歩いていると近くで戦闘が起きていたらしく、銃声が鳴り響いていた。

 

カーラ姉さんが双眼鏡で確認したらグリフィンの人形部隊とE.L.I.Dが戦っているらしい。

 

接触するちょうどいいチャンスだと言うことでグリフィン側に加勢することにした。

 

影に身を潜めて狙撃をしてグリフィンの部隊を援護してE.L.I.Dを全滅したのはいいんだけど、今度は俺らが警戒対象になってしまった。

 

まぁ、当たり前か。

 

とりあえず大人しく拘束されて前線基地に連れて行かれることにする。

 

4月10日

 

なんかかの有名なPMC、G&K(グリフィン&クルーガー)社の入社試験受ける事になった。

 

色々面談などをしたりした結果、危険性はないということで戦力として迎え入れたいらしい。

 

この会社はいくつも大きな地区を持っていて、自律人形を戦力の中心として活動をしている。

 

護衛や対テロ戦、救出など内容は幅広い。

 

実戦部隊は人形が多いが人間ももちろんいる。

例えばヘリのパイロットだったり補給担当だったり。

 

これ以上書くとグリフィンの紹介紙みたいになりそうだからやめておく。

 

それはそうとカーラ姉さんもケイティも元から戦術人形だった上に父さんの教育も相まってかなり優秀な戦闘員なので即採用されたらしいのだが、部隊編成の指示の時にケイティが俺と一緒じゃないと嫌だと駄々をこね始めて、本来止めるべき立場のはずのカーラ姉さんまで俺が心配だから一緒じゃないと…と言い始めたそうだ。

 

おかげで俺の試験官でも合った上級代行官の……えーと……あ、思い出した。

 

ヘリアントスさん?にも迷惑をかけてしまった。本人は気にするなと言っていたけど…もし試験を突破できて入社することができたらお詫びになにか奢ろう。

 

4月12日

 

や っ た ぜ

 

なんとかグリフィンに受かる事ができた。

 

ヘリアントスさんも激励の言葉をかけてくれた。頑張らねば。

 

自分は本部の緊急即応部隊に所属になるらしい。

 

メンバーはWA2000とNTW‐20とSV‐98だそうだ。

 

これからの職場に高揚感を抑えきれない。まぁ、狙撃になったら落ち着くけど。

 

グリフィンから支給された戦闘服と制服を見てみることにした。

 

上下共に真っ黒。これ逆に目立ちそうだな……

 

あ、マントを更に着込むのか。

ちゃんと全部にグリフィンのロゴが入ってる。

 

部屋で試着をして、歩き回ったりしているとドアから誰か入ってきた。

 

見た者を魅了しそうな真紅の瞳、美しい金髪。

思わず見とれちゃった。

 

お互いにじっと見つめ合うような形になっちゃって、しばらくしてからお互い真っ赤になって目をそらした。

 

…………ラブコメかな?

 

どうやらその子は俺の愛銃を持ってきてくれたらしい。

 

M110 SASSとバレットM107

 

どちらも父親から譲り受けたものだ。

 

てか良く見たらどっちにもグリフィンのロゴが……

 

なんか調整までされてるし…………

合わなかったら大変だから後で試射しておこう。

 

なんて思いながら銃を見てたら視線を感じたから見たらさっきの子が興味深そうに見ていた。

 

名前を聞いてみたら……なんと驚き、チームメイトになる子だった。

 

軽く言葉を交わすと意気投合して色々と話し込んでしまった。

 

カーラ姉さんが呼びに来てくれなかったら多分夕食の時間になっても気づかなかったと思う。

 

だけど……いくら近い距離で話してたからって直ぐにカップルに仕立て上げてニコニコと微笑ましそうな視線を送るのはどうかとおもう。

 

SV‐98も真っ赤になってるよ。

 

4月13日

 

今日は部隊の顔合わせだ。

どんな人たちか楽しみだな〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて思っていた時期が俺にもありました。

 

まぁ、NTW‐20…ダネルさんとSV‐90は良かった。WA2000さん……いきなり毒を吐かれて俺のメンタルはボロボロだ。おっふ…

 

そしてなぜか勝負を仕掛けられた。

 

なんでや…………




子供に狙撃術を仕込む親って…………()

作者は飲むたびに襲われる指揮官や元軍人のおじさん指揮官がお好き。

この作品が続くならコラボとかやってみたいものである。

・下垣智樹(18歳)

高校を卒業したばかりの青年
特にこれと言った特技はなく、強いて言うのであれば影が薄かったため隠れるのは得意である。

フツメン。軍人だった祖父と父親に鍛えられたため、格闘はそこらの一般人にはまず負けないレベル。

よく射撃場に連れて行かれて狙撃のレクチャーを受けていた

E.L.I.Dの襲撃を受けて家を失う。

現在は姉と妹のような存在のスプリングフィールドとRFBと、グリフィンの兵士として生きている。

とりあえずこの子はフリー素材なので自由に使ってください。

4月20日変更、スナイパー部隊→緊急即応部隊


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第2話


遅くなってしまった……

お気に入り登録してくれた読者さん、ありがとう御座います‼


・4月14日

 

つ、疲れた…

昨日は結局3時間以上VR空間で狙撃対決だった。

 

あらゆる状況を想定してのスコア勝負。

1000m先の鶏のトサカを撃ち抜けなんて言われた時には流石に驚いて変な声を出してしまった。

 

10羽撃つ中で6羽のトサカを撃ち抜けたからまぁ、良いかなって。

 

え、他の4羽?……………ほ、ほらあれだよ。

 

その〜……お、お頭に命中しちゃって…その、首から盛大にトマトジュース(意味深)が…

 

WA2000さんは5羽だったよ。

 

と言っても他のもので勝ったりしてるから引き分けなんだけどね。トータルスコアは。

 

なんかめっちゃ悔しそうな顔で

『一応は認めてあげる』

って言われた。

 

ツンデレなのかな?言ったら叩かれそうだから言わないけど。

 

まだ任務もないし、疲れて銃の試射をする気になれなかったから少し寝ることにした。

 

起きたら毛布が掛かってた。自分でかけた記憶ないから首を傾げているとベットの脇でケイティがうたた寝していた。

 

どうやら彼女がかけてくれたようだ。

 

お礼代わりに頭をなでてから布団を出た。

さて、試射しますか……

 

・4月14日

 

今日は俺とカーラ姉さんとケイティの入社式だ。

 

と言っても3人しかいないから社長室で静かに行われるけど。

 

姉さんとケイティは製造時に着ていたものを、俺は支給された制服を着ている。

真っ赤だね。

 

てかヘリアントスさんのを見る限り丈の長い上着だと思ってたけど幹部じゃない人は普通の赤い6つボタンダブルブレザーのようだ。

 

いや〜こんなしっかり着込んだの高校の卒業式以来だね。

まぁ数ヶ月前だけど。

 

とりあえずぺえぺえのぺへぺへで直ぐに入社式は終わったからその後はせっかくだから姉さんとケイティを連れて食堂に。

 

栄養摂取用のスティックを貰おうとしたらなぜか一緒についてきたヘリアントスさんに止められて入社祝いという名目でパンを奢ってもらった。

 

こんなに良くしてもらって逆にプレッシャーになってきてしまった。

 

それを察してくれたのか食事中に高校時代の事とかを色々と聞かれたので話してたら緊張は抜けていた。

 

感謝。

 

ただ、話している時にやたらと視線を感じたのは気にしないでおこう。

 

今日も着替えたら射撃場に行って撃とう。

今回はバレットで良いかな〜

 

部屋に帰ったらベットでケイティが寝ていた。

自分の部屋があるんだからそっちで寝なよ……

 

・4月15日

 

チームメイトがささやかな歓迎会を開いてくれた。

 

飲み物を飲みながら会話しただけなんだけどね。

 

ケイティと俺はジュース、他のメンバーはアルコールを摂取していた。

 

まぁ……あれだ、酒は飲んでも呑まれるなってやつだな。

 

最初は良かったんだ。アルコールが入ってダネルさんもいつもより陽気になって話しやすくやったしWA2000さんもツンデレのツンが取れて楽しく話せたし……

 

問題はその後だ。

 

ダネルさんもWA2000さんも結構良い勢いで飲んでたもんだから暴走し始めて……

 

ダネルさんは笑い上戸、WA2000さんは泣き上戸だったようでダネルさんは些細なことで爆笑を始めて俺のことバシバシ叩くわWA2000さんは号泣し始めるわでカオス極まりない空間へと変わってしまった。

 

幸いというかケイティは事前に察したカーラ姉さんが避難させてくれていたから巻き込まれることはなかったけど、俺はガッツリと絡まれてしまった。

 

流石に未成年だから酒を飲まされるわけにはいかないのでそこはなんとか死守したが、叩かれるわ不用意に抱きつかれるわでメンタルは死亡した。

 

後で唯一まともだったSV‐98に慰めてもらった。今度なんかお礼しなきゃ

 

・4月16日(映像データ付き)

 

今日は初の出撃だった。なんでも強力なE.L.I.Dが紛れ込んでいたらしい。

 

それで今日出張ってた小隊が追い込まれたようで俺達緊急即応部隊にお呼びがかかったってわけだ。

 

俺達ともう1つの小隊が出動する。

俺達は後ろから狙撃で援護、もう1つの小隊が前に出て直接援護だ。

 

直ぐに装備を整えて待機していたブラックホークに乗り込む。

 

関係ない話だけど1世紀近く前に初飛行の機種なのに未だに使われるって相当な傑作機なんだと思う。

 

もちろん情勢に対応するために低燃費化などの改良は加わっているが。

 

救出対象のいる場所から3キロほど離れたところに降ろしてもらう。

 

そして速やかに移動を開始した。

 

市街地での戦闘だ。

 

自分達は建物に入って救出小隊の援護をする。

 

俺の1発が作戦開始の狼煙となるから少し緊張したが、カーラ姉さんが背中に手を当ててくれたおかげで適度な緊張で撃つ事ができた。

 

作戦自体はうまく行って、特に自分達に損害を出すことなく撤退を終了することができた。

 

初陣としては上出来だとヘリアントスさんからのお褒めの言葉も頂いてテンション上げ上げだ。

 

ただ、1体だけ妙にゴツいやつが居てそいつの頭を撃ったんだけどめり込んだだけに留まって少し驚いた。カーラ姉さんもびっくりしてたし。

 

多分あれが強力なE.L.I.Dとか言うやつ何だろうな。

 

だとしても7.62mm弾を止める頭蓋骨って……

近距離で戦ったらヤバそう(小並感)

 

今日はもう寝るんだよ〜

 

……ケイティは自分の部屋で寝るべし

 

・4月17日

 

いや、いつかやる時は来るだろうと思ってたけどね。

 

今日はVR空間で人を撃つ訓練をやった。

トマトジュース(意味深)や白子(意味深)もバンバン飛び散るやつ。

 

オフの日だったにも関わらずチームメンバー全員が立ち会ってくれた。

 

いい人達だなぁ。

 

んで早速訓練を始めた。

 

当然人を撃った事なんてないから手が震えちゃったんだけどね。

 

みんな励ましてくれるからなんとか落ち着いて自己暗示かけまくって撃ったんだ。

 

弾けたね、言葉通り。

 

設定としては数人のテロリストを全員無力化する訓練だったんだけど1人撃った時点で強烈な吐き気が来ちゃって。

 

慌ててVR機器を取り外して洗面台に行って情けない事に泣きながら吐いてしまった。

 

吐いている間はSV‐98さんが背中をさすってくれていた。

 

ありがたい。

 

なんとか落ち着いて戻ったらみんなが慰めてくれた。

 

あのWA2000さんまでもが飲み物をくれたりと気に掛けてくれた。

 

言ったら叩かれそうだから言わないけど。

 

…PMCに所属する以上人を撃つ機会も出てくるだろうしいつまでも甘えているわけにはいかない。

 

これからは徐々に慣れていかなくては。

…人を撃つことに慣れるっておかしな話だけど。

 

改めて今の世の中のきびしさを実感させられた1日だった。





まぁ、いくら射撃の技術があっても人を撃つことになれるのとは別問題だよねって

感想お待ちしています


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第3話


やっぱり3000文字以内だと毎日更新も夢じゃないっ⁉

感想とかくれたら嬉しいな〜|ω・)




・4月18日

 

落ち着く事は出来たので、今日も今日とて殺人慣れのための特訓だ。

 

カーラ姉さんが悲しい目で見てくるけどこればかりは仕方ないね。俺だって好き好んでやるわけじゃないけど仕事柄どうしてもね。

 

さっさと朝食を済ませてレッツゴー

昨日と同じ設定で狙撃を開始する。

 

……うん、やっぱり嫌な感じだね。直接殴ってるわけじゃないのに手に感触残ってる気がするし。

 

まぁ、さっさとやらないとこっちがやられるからやるしかないか。

大人しく戻ってくれる…わけないよなぁ

 

仕方なしと残りを狙撃してその設定は終わらせた。

 

悲しきかな、思ったよりも精神的にダメージを受けなかったので更に訓練を増やす。

 

市街地だったり砂漠だったり森林だったり。

 

人数、武装。シュチュエーションには全く困らない。

 

途中からなぜか乱入してきたWA2000さんとのスコア勝負になってた。

 

え、人を撃つことには慣れたのかって?

 

さぁ?あくまでここはVR空間だしね。実際に撃ったらどうなるかなんてわかんないよ。

 

ただまぁ、機械的に撃っていたとだけ。

 

今回は流石に負けた。

そんな積極的に撃ちに行くなんてまだできなかったよ……

 

・4月19日

 

今日はこの前救出した人形部隊のE.L.I.D狩りの援護だ。

 

今回はこの前みたいなつおいやつは確認されていないとの事だが、万が一の事を考えてバレットの方を持っていこうと思う。

 

射程十分、威力十分。安心と信頼の12.7mmだ。

 

まぁ、唯一の欠点というか難点を挙げるならば発砲音が大きくマズルフラッシュも目立つから見つかりやすいところか。

 

とはいえクラスが上に行けば行くほど変態的に硬くなっていくから7.62mm弾なんて通らないんだけどね。

 

いたら困るから俺はこいつでやりますよっと。

と言ってもチームメイトのダネルさんのライフルは14.5mmの弾薬使ってるんだけどね。

 

20mmは高クラスのE.L.I.Dが確認された時のみにしているそうだ。

 

特に異常がないままパンパカE.L.I.Dの頭を撃ち抜くこと数時間。

 

といっても頻繁に来るわけじゃないし下にもう1個小隊が待機してるから撃つことなんてほとんどないんだけどね。

 

まだ9発くらいしか撃ってないし。

一応マガジンは交換したけど。

 

下の小隊の弾薬残量が乏しくなって来たらしく、その日は撤退する事となった。

 

順調にE.L.I.D狩りも進んでいることだし次くらいには前進できるだろう。

 

帰ったら久しぶりに姉さんが淹れたコーヒーを飲もう…

 

・4月24日

 

いや〜何もないと書くことがないね。

ついついサボってしまった。

 

まぁ、ほんとはこんなのんびりと日記書いてる暇なんかないんだけどね。

 

数日ぶりに今度は偵察小隊としてこの前お掃除したポイントの様子を見に行くことになった。

 

なんでも最初はドローンを飛ばしていたらしいのだが、急に何者かに落とされてしまったらしい。

 

その後2回ドローンを送ったが、2機とも落とされたんだそうだ。

 

で、2回目の時に人影が映り込んでいたらしくて…要はそれの確認みたいなものなんだとか。

 

それってE.L.I.Dなんじゃないのかと思ったけどどうも違うらしい。

 

銃を構えて居るように見えた…となんとか。

 

そんな不確かな情報で出撃させるのはどうかと思ったけど、ヘリアントスさんがめちゃくちゃ申し訳なさそうな顔をしてたからなんだかいたたまれなくなって大人しく出てきた。

 

んで出てきたはいいんだけど…居たよ。

 

テロリストが。

 

まぁ、今の御時世物騒だしグリフィンだってきっと裏でなんかやってるだろうし(失礼)

 

まぁ、うん。

 

奴ら、撃つだけ撃って俺達を牽制して足止めしたと思ったら一目散に逃げ出して行った。

 

したら四方八方からE.L.I.Dの群れが……

 

ヌゥ………クォれはキツイですよクォれは…

 

幸いなのは偵察だと言う事で、バレットの他にSCAR‐HとベレッタM9を装備していることか。

 

え?スナイパーライフル以外撃てたのかって?撃てるよ〜仕込まれたから(遠い目)

 

まぁ現実逃避は程々にして……

 

幸いといっても、やっぱり偵察が目的だったから弾の数が多くない。

 

ベレッタもSCARも予備マガジンは1つづつ。

バレットは今つけているやつしかない。

 

もっと持ってこいって?

重くなるじゃん。

 

とりあえずなんとか第1派を凌ぎ切った俺達は少し頑丈そうな建物を見つけてそこに立てこもっている。

 

救援を呼ぼうにも辺り一帯にジャミングがかかっていて呼び出せなくなっていた。

 

準備がいい事で。

 

いつテロリストが襲ってくるかわからない上にE.L.I.Dもいつ湧いてくるか判らないから一晩ここで過ごすことにした。

 

寝てるうちに撃たれたらおっかないから起きていたかったんだけど姉さんに無理やり寝かしつけられた

 

…………恥ずかしい。

 

・4月25日

 

太陽がのぼり、視界が確保できたから移動を開始する事に。

 

SCARの銃口にサプレッサーを付けて発砲音を抑える。

 

どこまでジャミングが続いているかわからないけど、結構な距離を歩く事になりそうだ。

 

E.L.I.Dだけでも大変なのに、テロリストにも警戒しなきゃいけないとか…

 

やだやだ。どうしてこう人類滅びかけなのに団結できないかねぇ……

 

小走りで本部のある都市の方向に向かう。

先程から遭遇するのは最低クラスのE.L.I.Dばかりだ。

 

まぁ、弾無駄にならないしバレット使わないで済むならそれに越したことはないけど。

 

小休止を挟みながら走ること数時間。

 

再び太陽は傾き始めてあたりが暗くなってきた。

 

走れるところまで走ってできるだけ距離を縮める。

 

やがて真っ暗となり移動は困難となった。

 

今度は民家に隠れて一晩を過ごすことに。

 

このペースで行けば明日の昼頃には都市のゲートを通る事が出来るようだ。

 

やったね。ようやくふかふかの布団で寝ることが出来るよ。

 

この日記もこんなに忙しなく書かなくて良くなるわけだ。

 

おんおん、早く懐かしの部屋に帰りたいよ〜

 

なーんて馬鹿な事を考えながらふと窓を見ると

 

ロケットランチャーの弾頭がこっちに向かって飛んできていた。

 

コース的にガラスぶち破ってWA2000さんに直撃かね〜

 

急いでWA2000さんを突き飛ばして遠くまで離す。

 

本人は凄く驚いてた。ごめんなさい、帰ったら謝るから。

 

他のメンバーは違う部屋にいるから大丈夫だろう。

 

自分も両腕で顔を塞ぎながらできるだけ離れるように塞ぎながら離れる。

 

少ししたら目の前を弾頭が通過。

 

後ろの傘みたいのが開いてたからパンツァーファウスト3かな?随分古いものを

 

チンポポの花〜

 

直後、爆発して身体を凄まじい衝撃が襲う。

そして…顔の左半分に何か衝撃を感じてそのままひっくり返った。

 

……あれ〜おかしいな〜

めちゃくちゃ熱いな〜

 

あれ〜見えないな〜

 

あ、WA2000さん無事っぽい。

 

やったね。

 

なんでそんな泣きそうな顔してるんだろうな。

 

てか熱い、眠い

 

………眠い





主人公3話目にして死す⁉
そんな馬鹿な。

活動報告にリクエストボックスみたいなものを置いておきました。
書いてほしいシュチュエーションなどがあったらぜひぜひ。

コラボも受け付けてますよ⁉(期待に満ちた目)


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第4話

そろそろ感想が欲しいなぁ……なんて……

第4話です、どうぞっ


・4月30日

 

なんとか生き残る事が出来たようだ。

あの後、回収に来たヘリと協力してテロリストを一掃して帰還したらしい。

 

んで、俺はというと飛び散った金属片が左眼にざっくりと刺さってひどい出血&失明。

 

それと数日の昏睡をしていたようだ。電子カレンダーの日付も進んでたし。

 

てかよくわかんない部屋にいるし。

 

とりあえず金属片は取り除いたけど目は駄目だったようだ。

 

まぁ、戦闘は身体を張るものだしね。

 

仕方ないといえば仕方ないよなぁ。

 

それに片目でも見えないことはないしね。

ずっと眼帯つけてると思えば

 

なんてひとりでボソボソ言ってたらケイティが入ってきてベットの横で泣き始めてびっくりした。

 

心配をかけちゃったみたいで申し訳ないな。

……ハグって気持ちを落ち着かせる意味合いもあるんだっけ(にわか)

 

とりあえず抱きしめて頭をなでてあげることにした。

 

小さい頃に姉さんに同じことをやってもらったのを覚えている。

 

懐かしいなぁ。

 

最初はびっくりしてたかみたいだけど落ち着いたのか最終的には大人しく撫でられていた。

こうしてみるとほんとに可愛いよなぁ。

 

しばらくそうしていたけどそろそろ他のメンバーが来そうだから離すか………

 

え、ちょっと待て離して。見られたら恥ずかしいから。

見せつける?

ごめん、お兄ちゃん何言ってるかわかんない。

 

ああああああ、WA2000さん来ちゃったよ。

離して〜HANASE‼☆

 

・5月1日

 

結局ケイティを離す事は叶わずWA2000さんに見られてしまった。

 

恥ずかしいから忘れてほしいけどあの様子だと忘れていないだろう。

 

ニヤニヤしながら退室して行ったし。

というか本当にここどこの病院何だろう。

 

本部にこんな真っ白な病室なかったと思うし。

 

キョロキョロと挙動不審にしていたら急にドアが開いた。

 

声を上げそうになったけど入ってきたのはヘリアントスさんと、ヨレヨレの白衣を着たクマが酷い女性だった。

 

てか大丈夫かあれ。一体どれだけ寝不足になったらあんな事になるんだ。

 

やっぱブラックな職場は駄目だなって。

 

ここはI.O.Pという自律人形を研究、生産している会社でグリフィンとは懇意にしているところなんだそうだ。

 

で、話を戻すけど何やら俺の潰れた目の事についてらしい。

 

何やら今開発中の戦闘補助システムなるものがあるらしく、それを組み込んだ義眼の被験者を探しているんだとか。

 

………つまりそれあれだよね。俺に実験台になれってことだろ?

 

もちろん報酬は弾む?

うん、弾んでくれないと困る。流石にボランティア感覚で協力できるほどトチ狂ってないし。

 

んで手術は………は?今から?ちょっ…

早すぎますよ‼待って待って

 

アーーーーーーーーーーっ‼‼‼

 

・5月2日

 

手術は無事成功したとさ。

 

でも数日は神経に馴染ませる為に起動しないのとまだ治りかけなのもあってふたたび包帯ぐるぐる巻きの刑にあった。

 

1回姉さんに鏡を持ってきて貰って自分の顔を見てみたんだ。

 

顔の左側にザックリと縦の傷が入っていた。しかも治りかけだからかカサブタみたいなものでエグい事になっててちょっとドン引きである。

 

幸いにも首から下は擦り傷や軽い打撲程度だから明日には退院できそうだ。

 

といっても、目が馴染むまで出撃は禁止されたからな。

 

銃のクリーニングでもしようか。

 

なんて考えてたら姉さんに大人しくしてろとベットに押さえつけられた。

 

暇なんだからそれくらいやったっていいダルぉ⁉

 

あ、だめですかそうですか。

 

やることが無い…………

端末に保存した書籍でも読もうとしたらケイティが携帯ゲーム機を2つ持って部屋に入ってきた。

 

久しぶりにケイティとゲームをしたけどなかなかに楽しかった。

 

というか相変わらず強スギィ‼

 

反応が良すぎでこっちが反応する前に攻撃してくる。

 

こ、このゲーマーめっ

 

結果としては俺の惨敗で終わった。

まぁ、楽しかったからいいけど。

 

ちなみにプレイしたゲー厶はメタル○アだった。

 

・5月3日

 

ようやく退院することができた。まだ包帯は取れないけど。

 

取れるのは明日かそれくらいだと。ちょうど明日頃には左眼も起動できるようになるらしいからちょうどいい。

 

今日は激しい運動も制限されてしまっているから銃の手入れと散歩だ。

 

銃は戦場だと自分の命を左右する大事なツールになるから手入れは時間を掛けて丁寧にする。

 

今は生きてるかわからない父さんから貰った形見でもあるし。

 

分解をして汚れをふいたりなんなり………

 

1時間以上掛けてじっくりとやった。

 

とはいえ1時間かけたところで1日のほんの少しの時間が潰れただけだ。

 

暇を持て余してついついベレッタM9も丁寧に手入れしてしまった。

 

30分くらいで終わったけど。

 

今度こそやる事がなくなったから着替えて寮から出て本社に入り、ラウンジをぶらぶらとする。

 

本社ビルに入るにはグリフィンの制服でないといけない決まりがあるからな〜…

 

ふとショップが目に入ったから寄ったらオレンジっぽい髪に青い瞳のなかなかキレイな人がめちゃめちゃ買わせようとしてきた。

 

カリーナさんと言うらしい。

 

猛烈な買ってくださいアピールだ。執念が凄い。結局根負けしてベレッタに使う9mmパラベラム弾をいくつか買ってしまった。

 

…というか弾薬を売ってるショップって。

 

まぁ、PMCだからだろうか。

 

後カリーナさんと連絡先を交換した。年も近いしなんか友達を得た気分だ。

 

5月4日

 

遂に包帯から開放される日が来た。

I.O.Pまで足を運んで、この前のヨレヨレ白衣の女性……ペルシカさんに包帯を取ってもらう。

 

やはり傷跡は残ってしまったけど、こればかりは仕方ないだろう。

 

左の瞼を開けようとすると止められた。

起動してからにしてほしいって。

 

ペルシカさんはコードを取り出したかと思うと、パソコンにつなげて俺の方に持ってくる。

 

え?俺ロボットじゃないんですけど、近づけられても繋げるところなんてないですよ。…近いです。…うぉお、クマ酷いけどそれでも美人だからドキドキ………って

 

えええええええええええええ⁉

 

ちょ……なんか左目の横にプラグ付いてるんだけど‼

 

皮膚ずらしたら出てきたぁ⁉

 

う、うわ〜繋がったよ。まるっきりロボットだな、これじゃ。

 

なんとも言えない気持ちでコードを眺めている間にもペルシカさんはキーボードを叩き続ける。

 

準備が終わったらしく、起動するよと声を掛けられた。

 

頷くとエンターキーが押された。と同時に目の奥に鈍い痛みを感じた。

 

でもそれは少しの間で直ぐに痛みは引いた。

 

恐る恐る目を開けてみると、きちんと見えた。

 

試しにいろんな方向に眼球を動かしたりして馴染んでいるか確認した。

 

というか、なんか目の色がライトグリーン…ケイティと同じ色なんですけど。

 

え?色は何色でも良かったけどケイティにねだられたから?

 

えぇ〜…………

 

……まぁいいか(適当)

 

反応が意外と薄いとペルシカさんに笑われたけど、視界を失ってからそんなに経ってるわけじゃないから喜びというより安心のほうが大きかった。

 

というか説明を受けてて思ったのが ……

 

なんでこんなにハイテクにしたのかな…

 

なに、望遠機能に暗視機能…サーモグラフィ?

いやまぁ役に立つけどさ………

 

呆れながら聞いていると今度はヘッドセットのようなものが渡された。

 

左目部分に透明なグラスが付いている以外はただのシンプルな骨組みだ。

 

聞くと、これも戦闘を補助してくれる装置なんだとか。開発中途中。

 

司令部から送られてくるデータを表示したり、通信装置の役割を果たしてくれたりとなかなか便利だ。

 

んで、これも試せと。

 

でもまだ戦闘には行けないしどこで使えと…

 

え?紙を預かってる?

 

なになに?

 

うーん?

 

“下垣智樹をヘリアントス上級代行官の補佐に命じる”

 

??????

 

ふぁっ⁉




ふぁっ

あ、ヘッドセットは映画 アイアンマン3でトニーがスーツを遠隔操作する時に付けていたものをイメージしています。


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第5話


感想と評価をしてもらえてテンションの高いマウントベアーですw

やっぱり嬉しいですね‼モチベーションも上がります。

これからもできるだけ毎日更新で頑張ろうと思います。

第5話です。どうぞっ


 

・5月5日

 

今日から正式にヘリアントスさんの補佐として本部で働く事になった。

 

ちなみに姉さん達は普通に実働部隊として待機している。ケイティは駄々こねたに違いない。

 

……いや、ほんとなんでこの役職に任命されたのかがわからないよ。

 

俺、実働部隊として試験受けて入社してるからデスクワークのほうはあんまりできないんだけどなぁ。

 

話を聞くに、俺の役割はグリフィンの人形部隊の支部でよくやっている副官の仕事をこなすらしい。

 

書類の仕分け、各部隊の出撃、帰還報告を受けたり飲み物を出したり……

 

要は簡単な雑用から連絡係まで、比較的多種に渡ってヘリアントスさんのサポートをすればいいんだな。

 

真っ赤な制服を着込んで早速ヘリアントスさんの執務室へと向かい、入室して仕事を始める。

 

ヘリアントスさんはあまり気負わなくて良いと言ってたけど、上級代行官って社内じゃだいぶ肩書き上な方だし緊張するなという方が無理な話だ。

 

言うなれば、社会人になって間もない新人が短期間だけ部長の秘書をやれと言われているようなもんだ。

 

しばらく緊張は取れそうにないですって言ったら苦笑いされたけど。

 

そういえば、昨日ペルシカさんから貰ったヘッドセット。あれ拡張現実……とはまた違うのかな?

 

目の前に半透明なスクリーンが展開されてそこに情報やらなんやらが載る仕組みだった。

 

操作はなんと脳波。つまり指とかを動かさなくても操作できる。

 

いやぁ、便利便利。

 

映像通信も楽々だね。

 

で、仕事だけどたしかにそんなに大変な仕事ではなかった。

 

書類作成仕分けは難なくこなせたし、報告は部隊長が直接来る前にすべてヘッドセットに送信されて来るから事前に支持を仰いでおいて来たら直ぐに伝えることができるからスムーズだったし。

 

まぁ、紅茶を入れるのだけは下手くそだったけど。

 

……仕方ないだろ、おれはコーヒー派なんだ。

 

・5月8日

 

少し間が空いてしまった。まぁ、書いていたとしても変わらない内容になるだろうし良いかなって。

 

そんな事は置いといて…だ。

 

副官業務にある程度慣れてきたかな〜なんて思ってたらヘリアントスさんがとんでもない提案をしてきた。

 

“今日も小規模なE.L.I.D掃討任務があるんだが、出撃する小隊のうちの1つを指揮してみないか?”

 

だって。

 

鬼 か な ?

 

なんかここ1、2週間の出来事が濃すぎて忘れかけてたけどついこの前まで俺学生だからね?

 

いくら親達が変わってて戦闘に関して教育受けていたとしてもまだ20行ってない若造だからね?そこのとこ分かってる?

 

指揮するのはショットガンとスナイパーライフルの高火力な混成部隊。

 

メンバーはKSGとM590とJS05にモシン・ナガン。

 

もう思い切りE.L.I.D対応だよ。

 

どうするんだよ、めっちゃ練度高そうだよ。

 

え?皆優しいから大丈夫?君ならできる?

 

そうじゃないんだよなぁ。

 

まぁ、文句を言っていても仕方ないしとりあえずやりますかね……

 

・5月9日

 

うん、まぁうまく言ったと思う。せっかく長射程のライフル持ちがいるんだからとできる限り離れて殲滅。時折出てきた足の速いE.L.I.Dの処理をショットガン組に任せる。

 

無難だな。

 

幸いにもハイクラスのE.L.I.Dは来なかったし、テロリストの襲撃もなかったから損害もゼロ。

 

運が良かった。

 

それにこのヘッドセット。これ戦術人形の目とリンクしてその場にいるような視点で指揮できる。ドローンにもメリットはあるだろうけど現場で戦ったことのほうが多い俺からしたらこっちの方がやりやすい。

 

ヘリアントスさんからの評価も良かったようで安心した。

 

ん?これなら教育課程を終えたら任せられる?

 

なんのことだろ。

 

……今は仕事に集中しよう、まだ仕事はある。

 

と思いきや午後から休みを貰った。

なんでも、昨日指揮した小隊と交流して来いとの事。

 

まぁ、話はしたかったしちょうどいいと言うことで午後はバーに来ていた。

 

もちろん俺はジュースだけど。

………そういえば前回交流会した時とんでもない目にあったけど今回は大丈夫だよな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事なのはKSGだけだったよ()

 

うーん、この。

俺は酒が絡むと精神的にダメージを負う運命にでもなっているんだろうか。

 

死にそう。

 

最後の最後で助けてくれたからいいけど。

ただ、いくら酔っていたとはいえ俺の部屋で寝るのはどうかと思う。

 

ケイティも怒りだすし。

ちょっと、なに当然のように人の布団に侵入してんだ。

 

帰れよ、部屋あるだろ。ケイティも余計なことしなくていいから、お前も帰るんだよ。

 

ああっKSGを床に落とすな‼帰れ‼

 

ケイティも帰れって‼

 

あ~もうめちゃくちゃだよ。

 

・5月10日

 

酷い目にあった。

ダネルにからかわれるわ、姉さんもまた生暖かい目で見てくるし。

 

KSGも意味深な目で見てきて……ケイティは引っ付いて離れないし。

 

………なんか胃袋がキリキリする気がするから今度胃薬を処方してもらおう。

 

それにしても、KSGのこれからよろしくってどういう意味なんだろ?

 

いま気にしても仕方ないか。

 

今日はI.O.Pまで来ている。

目的はもちろん目を見てもらうためだ。

 

今の所鈍い痛みがあったりとかの異常はない、視界も良好だ。

 

ペルシカさんいわく、そろそろ戦闘をしても構わないとの事。

 

データも順調に取れているらしい。

 

続けても問題ないかと聞かれて俺は首を縦に振った。だって断る理由ないし。

 

ペルシカさんはデータが取れて嬉しい、俺はお金がもらえて嬉しい。

 

まさにwin-winだ。

 

検査やらなんやらが終わってラボから出ると真っ赤な服を着た戦術人形と出くわした。

 

本部でも見かけないからおそらく新型の人形だろう。赤が好きらしく、俺の制服を見て嬉しそうにしていた。

 

……なんかまるで俺が赤色好きでこの制服着ているみたいに思われてるけど残念ながらこれグリフィンの公式制服なんだよね〜

 

これを言ったらもっと喜んでたけど。

変わった子だ。

 

すこし話し込んでいたら護衛のケイティが戻って来たからそのまま帰った。

 

彼女は数日後に本部に来る予定なんだそうだ。

 

また会える日を楽しみにしていよう。





今回はちょっと短めですね。

あと、ポロポロとフラグを落としていくスタイル(((

意見等があればリクエストボックスまで
感想お待ちしています


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第6話 前編 (修正済)

遅くなってしまった()
急いで書いたから誤字があるかもしれません。

第6話です。どうぞっ


・5月12日(映像付き)

 

久しぶりに即応部隊としての仕事だ。

ヘリアントスさんの補佐はしばらくしなくて良いらしい。

 

相変わらずブラックホークで移動だ。

まぁ、乗り慣れてきて安心感があっていいけど。

 

今日はライオットシールド付きのヘルメットも装備している。

 

もともとヘルメットは貰えるように申請は出していたけど、また顔にダメージを負う事を心配して姉さんがショップでヘルメット対応のライオットシールドを買ってくれたんだ。

 

感謝

 

それに即応部隊のメンバーは全員俺と同じヘッドセットを装着している。

 

何でもこの前取ったデータで最適化を施して戦術人形も使えるようにしたらしい。

 

仕事速すぎぃ‼

 

今回の任務はI.O.P新型人形の救出だ。

輸送中に何者かの襲撃をうけたらしく、護衛小隊が応戦しているが苦戦中とのこと。

 

俺達は戦闘現場までヘリで移動して周辺をブラックホークのミニガンで掃討したあと、ヘリボーンで降下して撤退を援護。

 

1キロ先にある広間まで誘導して護衛対象と共に離脱だ。

 

なかなかに難易度の高い任務な上、下手したら携行ミサイルでヘリが落とされる危険性もある。

 

生きて帰ることができるんだろうか……

 

★★★★★★★★★★

 

「降下地点まで5分…多数の敵を視認」

 

いよいよ作戦が始まる。俺は即応部隊としてはそこまでたくさんの任務をこなしてきたわけではないが、この任務の危険度は最高クラスだ。

 

横を見るとカーラ姉とケイティも少し緊張しているように見える。

 

無理もない、WA2000さん達と違って記憶のバックアップは取っていないのだ。

 

といっても本人達が嫌がって途中から取らなくなったのだが。

 

すでにテロリストの勢力圏内に入っている今、どこから携帯ミサイルが飛んできてもおかしくない。

 

「救出対象を視認‼ドアガン、やれ‼‼」

 

パイロットの叫び声を合図に左側のドアガンが発砲を開始する。

 

俺達もドアを開けて敵ミサイル持ちを排除する為にライフルを構えた。

 

ビィィィィィと銃のものとは思えない音とともに大量の鉛球がテロリストに向かって吐き出される。

 

20人近くいたいたテロリストがまたたく間に無力化されていく。

 

ミニガンの攻撃をまともに受けたんだ、おそらくミンチと化しているだろう。

 

ふと俺は自分達に向けて何かを構えている人影を見つけた。

 

咄嗟にライオットシールドをヘルメット上にずらしてM110のスコープを覗く。

 

そこにはアパートの上でパンツァーファウストを構えているテロリストの姿が。

武器が同じだけなので正直断言はできないが、パンツァーファウストなどという古い武器を使っている組織など殆どない。

 

どうやらこの前E.L.I.Dをけしかけてきた連中と同じらしい。

 

直ぐに照準を頭に合わせてトリガーを引いた。

 

パァンという乾いた音と共に弾丸が発射されて、男の頭に命中。

 

男は頭を吹き飛ばされた衝撃でアパートの屋上から落下。パンツァーファウストは発射されることなく屋上に取り残された。

 

「よし、到着だ‼もう連中の追加が来たぞ、急いで降りろ‼」

 

ヘリボーンをする暇もないと判断したのか少し乱暴な着陸をしてパイロットが怒鳴った。俺達は急いでヘリから降りて向かってくるトラックに発砲をする。

 

俺は再びM110を構えてドライバーの頭を撃ち抜いた。

 

ドライバーがいなくなったトラックはコントロールを失って近くの建物に激突した。

 

敵が混乱しているスキに救出対象の元へと走っり合流をした。

 

ギリギリの戦いを長いこと続けているせいか全員ボロボロだった。

 

アサルトライフル持ちが2人だった。

ツインテの元気っ子が97式、どことなくケイティに似ている子がK2というらしい。

 

で、肝心の護送対象が見当たらない。

と思ったら倒れているすぐ後ろに倒れているI.O.Pロゴの入った荷台の中でうずくまっていた。

 

ちなみにだが、戦術人形は製造されてから1週間程教育期間を挟まないとまともに戦闘をすることができない。

 

護送途中と言うことは製造されて間もないと言うこと。

 

つまり戦闘行動は無理だ。いきなり戦闘現場に放り出されたせいでトラウマになってしまっているかもしれない。

 

とはいえ出て貰わないことには移動もできないので俺はカーラ姉に1言断ってから荷台の中に入っていく。

 

荷台の中は暗くてよく見えないので目でスキャンしてヘッドセットにデータを呼び出す。

 

……驚いたことにこの前会った赤い子だった。

 

ライオットシールドを持ち上げて顔を晒す。

 

「よう、この前ぶり。助けにきt……ぐえっ」

 

急に飛びつかれて変な声が出てしまった。

よっぽど怖かったのかカタカタと震えながら泣いている。

 

この子の名前はPM-06と言い、銃種はサブマシンガン。

 

I.O.Pが最近開発した新型戦術人形だそうだ。

ヘリアントスさんからも絶対に救出を成功するように言われているからよほど大事なんだろう。

 

まぁ、来たからには絶対に成功させる気でいるが。

 

なんとか落ち着いたのを見計らって荷台からでる。

 

外では統率を取り戻したテロリストとの激しい銃撃戦が展開されていた。

 

しかしこの任務は救出で敵の殲滅じゃない。

だからいつまでも仲良く撃ち合っている必要はない。

 

「スモークなげるぞ‼」

 

声を掛けて了解を取ると、スモークグレネードを取りだして敵に向かって投げた。

 

「ぐ、グレネード‼」

 

敵のど真ん中に落ちた瞬間凄まじい量の煙が噴き出し、敵の視界を奪った。

 

下垣達は煙が晴れる前に物陰から飛び出して広間に向かって走る。

 

もう少しで広間に到着というところで横からテロリストが襲撃をしてきた。

 

ここで時間を取られるわけには行かないのでWA2000さんとカーラ姉をつけて救出対象を先に逃し、俺達はテロリストを抑える。

 

ヘリが来たのを確認すると再びスモークを投げて逃げ出す。

 

カーラ達はすでにヘリに乗り込んで俺達を待っていた。

 

俺達ももう少しで乗れる。

 

そんな時に、先程スモークで撒いた連中が復活したのか合流してヘリに向かってくる。

 

その中の一人がヘリに向かって携行ミサイルを発射した。

 

ヘリは慌てて機体を浮かせて待避して、俺達も離れる。

 

ミサイルはヘリに当たることなく真っ直ぐに飛んでいき、遠くで着弾した。

 

残念だが、こんなにテロリストが群がってしまっては俺達が乗る時間はない。

 

必然敵に置いてけぼり確定だ。

それをわかっているのか、パイロットは一瞬気の毒そうに俺達を見たあと機体を操作して離脱させようとする。

 

「ま、待って‼まだあの人たちがいるのに‼」

 

見ると、PM-06が必至な形相でヘリから身を乗り出しながらとめようとしていた。

 

「ちょ、落ちたらどうするのよ‼」

 

「で、でも!」

 

「仕方ないことよ‼行って‼」

 

それを羽交い締めにしたWA2000さんが悲痛な表情でパイロットを急かす。

 

ヘリはグングン上昇して離脱していく

 

「お兄ちゃん……お兄ちゃん‼‼お兄ちゃん‼‼‼‼」

 

後ろからケイティの叫び声が聞こえてくる。

 

あ~あ、またこのパターンか。

ケイティには何回も心配を掛けて申し訳ないなぁ。

 

さて、今回は生きて帰れるかね。

ウルトラハードなサバイバル開始だ。




日記が進まなかった件

そして再びピンチな主人公、不幸体質かな?()

前回より敵は多い、しかしこちらの人数は前回より少ない

……大丈夫かこれ?()

感想お待ちしています


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第6話 中編 (修正済)

遅くなってしまいました‼
申し訳ない……
そして1話じゃ終わらなかった()

それでは中編、どうぞっ


・5月12日 続(映像データ)

 

さて、ヘリを見送ったはいいけど……

 

こちらのメンバーは俺、ダネル、SV‐98だ。

敵は……20〜30人ってところかな。

 

また戦いながら撤退だろう。

しかし、俺達だけでなんとかしなければならないならない。

任務自体は成功したため、グリフィンとしてはこれ以上部隊を動かす必要がないからだ。

 

仮にまだ対象が現場に残っていて、対象の救出が現戦力では困難と判断されればすぐに増援がすっ飛んで来るんだが、取り残されたのが即応部隊隊員なら来る可能性は低いだろう。

 

うーん、フルメンバーて残ってたらまだ可能性あったかもしれないけどあの場面だとあれが最良の判断だったしなぁ。

 

「しかし…どうする。このメンバーでアサルトライフルを持っているのは下垣だけだ。私ら即応部隊の人形はちと特殊な訓練受けてるから撃てないこともないんだが、あいにくと今日は持ってきていなくてな……」

 

「なるほどな…」

 

ダネルさんが申し訳なさそうに言った。

よりによってアサルトライフル持ちだったWA2000さんを帰しちゃったしな……

 

うーん、これはもしかしなくても俺の責任では…?

 

「あ、別に下垣君の責任とかじゃないですからね?誰も悪くないですよ。それよりどうやって現状を乗り切るか考えましょう」

 

悶々としているとSV‐98さんに諭されて余計なことを考えるのはやめた。たしかに変な事を考えている暇はない。

 

今も大量の弾丸がこっちに向かって飛んできている。もうすぐ盾にしている壁が崩れそうだ。

 

「うーん…それにしてもなにか手立てがないものかな。このままじゃ本当にまずいぞ」

 

「あ、ジャミング……」

 

望みは薄いけどやらないよりはマシだから本部に連絡して応援を要請しようとした瞬間に敵がジャミング装置を起動してしまった。

 

お前ら俺に嫌がらせして楽しいのか、と内心で半ギレ状態になる。

 

「ちっ繋がらないぞ」

 

ふと、銃撃が止んだ。

おそらくリロードか様子を見に近づいて来ているのだろう。

どちらにせよ移動するチャンスだ。

 

「ダネルさん、フラッシュバンある?」

 

「ああ……投げたら移動だな?」

 

コクリと頷く。ダネルは腰のポーチからフラッシュバンを取り出してピンを抜き、敵に向かって投げた。

 

俺達は爆発を待たずに影から飛び出してその場を離脱する。

後ろではフラッシュバンの凄まじい音が鳴り響いていた。

 

これでどれだけの牽制になるかはわからないが、少しでも追跡が遅れてくれれば…

 

走って角を曲がった所にたまたまマンホールがあったから、素早く蓋を取って、下に降りる。

 

最後はダネルさんが降りて蓋を閉めた。

 

「ふ〜……運が良かったな。多分これで見つからないだろう。というかここを通って行けば安全に本部まで行けるんじゃないか?」

 

たしかに。

 

マップはこのヘッドセットが表示してくれるしテロリスト共にもまず見つからないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と思っていたが次の瞬間、銃声が響きダネルさんの右腕が撃ち抜かれた。

 

「ぐぅ⁉」

 

「ダネルさん‼」

 

見ると先程のテロリスト共が。

マンホールの中まで探そうとするとはよほど執念深いのかそれとも俺達を見つけるなにかがあるのか……

 

ボスらしい人物がニタニタしながらこちらを見ていた。

 

「へっ手こずらせやがって……なんで見つかったかって顔をしているな?冥土の土産に教えてやるよ」

 

そう言って取り出したのは1つのタブレット。

そこにはマップが表示されていて、3つの光点と自分達の名前が書かれていた。

 

「……識別信号」

 

「そう、識別信号だ。俺達がグリフィンや他のPMCの人形共を正確に襲撃できたのはこいつのおかげだぁ……いやぁ、I.O.Pの連中も金を積めばこういうものも作ってくれるとはねぇ。皮肉なもんだなぁ‼もしもの為のものが自分の命を脅かしてるんだからよぉ‼」

 

ペルシカさんはありえないだろう。あるとすれば、金に目のくらんだ腐った社員だろう。

今頃そいつはどうなっているかわからないが。

 

撃てるから今すぐ撃ち殺したいが、ダネルさんが負傷している上に前後で挟まれてしまっている。

 

はっきり言って、詰みだ。

 

ボスがライフルを取り出して俺に突きつけた。

 

「てめぇももう終わりだ。……今までで一番長かったぜ」

 

そいつが引き金に当てている指に力を入れたタイミングで……

 

ヘッドセットがテキストメッセージを受信した。

 

★★★★★★★★★★

 

時は少し遡るーーー

 

「部隊を出すことはできないってどういう事ですか‼‼‼‼‼‼」

 

ヘリアントスの机に手を叩きつけてカーラ…スプリングフィールドが激昂していた。

 

弟を戦場に残してしまい、今すぐにでも救出に向かいたい。

だけど自分達だけでは危険だから出撃は許可できない。しかし、だからといって他の部隊を出すこともできない。

 

つまり自分達は識別信号の光点を見守ることしかできない。

 

その事実に怒り狂っているのだ。

 

WA2000は壁に寄りかかってじっとしている。

 

「すまない……だが、各地で同じようなことが起きている。任務遂行中の人形部隊が襲撃を受けているんだ。おかげで即応部隊は全部出払ってしまって、本部にはいない。戦闘可能な部隊がいないわけじゃないが本部を空にするわけにはいかない」

 

「ですがっ……‼」

 

「すまない…わかってくれ」

 

スプリングフィールドはなおも食い下がろうとするが、どうしても無理だと言われて黙り込んでしまった。

 

臨時司令室の中を沈黙が支配する。

スプリングフィールドは俯いたまま、何も言葉を発しない。

ヘリアントスは席を立つとドアの向こうに消えた。

 

「……あんたはどうするの?」

 

WA2000は沈黙に耐えられなくなったのか、スプリングフィールドに問う。

 

「……ここで、弟の動向を見守っているつもりです」

 

「…そ、私は銃の整備をしてくるわ。終わったらまた戻ってくるから」

 

そう言い、WA2000も部屋をでた。

 

1人取り残されたスプリングフィールドは祈る気持ちで画面を見続けた。

 

ーーーーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

そして時間は現在ーー

 

臨時司令室にはWA2000達チームメンバーと救出したPM-06が集結していた。

 

全員が完全装備をしていつでも出撃可能な状態にある。

 

PM-06はまだ初期状態だったのだが、下垣達を救出したい一心で戦闘データ…作戦報告書と最適化プログラム…強化カプセルを大量に使うという、電脳に相当負荷をかけるやり方で戦闘可能な状態になった。

 

全員、出撃許可が出るのを待ちながら画面の光点を見守っている。

 

そしてヘリアントスが入ってきた瞬間、全員の表情が喜色に染まった。

 

ようやく助けにいけると。

 

「出撃の許可が降りた。上層部でテロリストの掃討が決定された。君たちの作戦はまさに前哨戦となる。では、これよりブリーフィングをーー」

 

言おうとして誰かの気の抜けた声で中断された。

 

「……ケイティ?」

 

発したのはケイティだ。

しかし、目を見開いてあり得ないものを見ているような状態で固まっている。

 

流れるように全員がスクリーンに目を向けると……

 

下垣達の反応がなくなりかけていた。

この識別信号は生命活動が弱まると点滅をする。

 

危険であればあるほど早く点滅するようになっているのだ。

 

スクリーンに写っている光点は点滅どころか薄くなって消えかけていた。

 

「待って……嘘………嘘………‼」

 

ケイティが崩れ落ちそうになるのをWA2000が支える。

 

スプリングフィールドは放心していた。

 

「やだ……嫌だよ………」

 

ケイティは縋るようにつぶやく……

 

しかし、全員が見守る中下垣含む3人の反応は消失した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い………いやぁぁぁあぁぁああああああ‼‼」




なんだこれ()

テロリスト強し‼下垣達生死不明‼絶望のケイティ‼

やば(やば

感想お待ちしています‼


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第6話 後編 (修正済)

ふう、とりあえずできた……

今回は短めで内容が薄いです。

後編どうぞっ


・5月12日 続々(映像データ)

 

視点は再び下垣達へーー

 

ボスが引き金を引こうとした瞬間だった。

 

「て、敵だ‼」

 

部下の1人がボスの後ろから慌てふためいて走ってくる。腕を負傷したのか押さえながら走っていた。

 

「なっ…!マンティコアだと⁉」

 

ボスが振り返るとそこには鉄血工造製の多脚自動戦闘車、マンティコアがノシノシと歩いてきていた。

 

車体の下に50ミリ機関砲を装備。本来ならそれだけなのだがこのマンティコアは特別性なのか、12.7ミリ重機関銃を2門装備していた。

 

「クッ……撤退用意‼応戦しながら下がるぞ‼」

 

もう俺達の事は眼中にないのか、必至に逃げようとしている。まぁ、いくら人数がいたところで5.56ミリや7.62ミリの装備じゃマンティコアの装甲を抜くのは難しい。

 

ましてやここは地下の下水道。

安易に爆発物を使用しようものなら崩れて自分達も生き埋めだ。

 

俺はこのタイミングでメッセージの内容を実行に移した。

 

「よし、全員識別信号を切るんだ。これでレーダーは潰せる」

 

もちろんグリフィン本部にある作戦室スクリーンからも反応が消えてしまうので、もっと増援は期待できなくなるがこの際仕方ないだろう。

 

「あれ〜?なに逃げようとしてるのかな〜?」

 

テロリストが必至にマンホールを登ろうとしているところに女性のものであろう高い声が響く。

 

テロリストの動きがピタリと止まった。

 

コツコツと靴の音が響き、だんだんとその人物のシルエットがハッキリとしていく。

 

「逃がすわけないじゃん?」

 

「………アーキテクト?」

 

鉄血工造製ハイエンド戦術人形アーキテクト。

少し前に俺が助けた人形だった。

 

「あ、やっぱりお菓子くれたお兄さん‼久しぶり〜‼メッセージちゃんと受け取ってくれたみたいだね‼」

 

ニコニコとしながら彼女は俺に向かって手を振る。

 

相変わらずJK感が半端ない。

 

というか敵を目の前にしてこの余裕。

考えあってのことなのか、それともただのアホの子なのか……

 

なんにせよヘッドセットに割り込んでメッセージを残したのは彼女のようだ。

 

なんでわざわざそんな事をしたのか理由はわからないがもう少しで殺されるところを助けて貰った。

 

1つ貸しができてしまったな。

 

「ほう、お前が」

 

また声がしたかと思うと、彼女の隣にもう一人人形が現れた。

 

「私の名前はゲーガーだ。この前はこのバカを助けてもらったこと感謝している。こんなでも仲間だからな」

 

「こんなって何さー‼」

 

どうやら彼女の同僚?らしい。

見た感じ、アーキテクトが割と適当やってゲーガーがそれを抑えているって感じか。

 

いわゆる苦労人のポジションだな。

 

「はぁ、こいつを入れる為の穴を開けたのは私だぞ。全く……」

 

まともかと思いきや、なんてことしてるんだ。結構めちゃくちゃやりおる。

 

「くそが……無視してんじゃねぇ!」

 

テロリストのボスが突然叫んだかと思うとライフルをアーキテクトに撃つ。

 

自分から逃げ出そうとしたのに無視された瞬間激昂して発砲し始めるとは……

ちょっとでもできるやつかと思った俺が間抜けだったようだ。

 

しかし構えた瞬間に間に割り込んだマンティコアが、そのライフルの弾丸を弾いた。

 

「煩いなぁ……“ゴンゾウくん”やっちゃって」

 

え……名前あったの……………

 

てかゴンゾウくんて……

 

唖然としていると急に何かに抱えられて一瞬でマンティコアの後ろまで運ばれていた。

 

見るとダネルさんもSV‐98さんもいる。どうやらゲーガーさんが運んでくれたようだ。

 

俺達がいなくなるとマンティコアが発砲を始めた。流石に50ミリは使わないが備え付けの12.7ミリでテロリストを次々に射殺していく。

 

連中はやけになったのか脱出を断念してマンティコアに向けて応戦し始める。中には手榴弾を投げようとするやつまで出てくる始末。

 

まぁ、投げる前に死んでいたが。

 

結局、下水道に降りてきていたテロリストは一人残らず死体となった。ボスもまとめて蜂の巣である。

 

「お掃除完了‼……お 兄 い さ〜ん‼」

 

「グハッ⁉」

 

アーキテクトは死体など目もくれずに俺に抱きつく。いや、抱きつくというよりはタックルに近いが。

 

今日はよくぶつかられる日だな〜と現実逃避していると、アーキテクトが上目遣いでこちらを見上げた。

 

アーキテクトに限らず戦術人形は皆美人なもんだからドキッとしてしまった。

 

「ねぇ…………………お菓子ある?」

 

知 っ て た

 

俺みたいな地味めがモテるわけないよね〜

 

地味にダメージを受けつつもポーチから甘い味付けがされた栄養補給ゼリーの入ったスティックを取り出して渡す。

 

「おいおい、大丈夫なのか。それ結構大事なんじゃ……」

 

「ん?一本くらいならな。危ないところ助けてもらったしこれくらいはいいさ……」

 

ダネルがゲーガーに応急処置をしてもらいながら心配そうに声をかけてきた。

 

でも実際このくらいなら問題ない。

そんな事よりさっさと移動したほうが良さそうだ。

 

「よし、とりあえずここを離れよう。アーキテクトが開けたっていう穴のあるところまで行こうか」

 

「良いよ〜都市の関所に近いところに開けたからすぐに帰れるよ‼」

 

ナイスだ。

実に最高のタイミングだ。

 

ダネルさんも負傷して正直これ以上の戦闘はリスクが高すぎるから安全に帰ることができるならそれに越したことはない。

 

「よーし、早速行こう‼」

 

「ちょっ…⁉」

 

何を思っての行動なのかはわからないが、アーキテクトがいきなり俺を持ち上げて担いだ。

 

「早く帰りたいからね。人間の速さに合わせてたら結構時間かかるから担いだ‼」

 

あれ〜?なんだろう。

とっても嫌な予感が…………

 

「よーい………ドン‼」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉」

 

次の瞬間、アーキテクトは猛烈なスピードで走り出す。

 

当然風圧も凄まじく、捕まっていないと振り落とされそうな程だ。

 

てかこんなペースで走っていたらゴンゾウくんことマンティコア置き去りになるんじゃ……

 

って追いつくんかい‼

車輪内蔵してるのかよ‼

改造し過ぎぃ‼

 

俺の心の叫びを知らないであろうアーキテクトはハイテンションで走り続ける。

 

「はい到着ぅ‼」

 

荒々しく急ブレーキを掛けて停止する。

慣性でふっとばされるかと思った。

 

上を見るとたしかにゴンゾウくんが通りそうなスペースの穴がポッカリと開いていた。

 

アーキテクトはジャンプして外に出るとゆっくりと俺をおろす。

 

穴を見るとゴンゾウくんとダネルさん達も這い上がってきていた。

 

この穴どうするつもりなんだろう…

 

見た感じ関所……ゲートまで5キロってところだろうか。

 

近いには近いがもう少し近かったら良かったんだが……

 

ちらりと横を見ると当の本人は先程渡したゼリーを呑気に食べていた。

 

それを見たら気が抜けて座り込んでしまった。

 

ふと、顔を上げて前を見ると前方で砂埃がたっていた。

 

自然の風でのものじゃないな……

 

そう思い、俺は義眼の望遠機能を使って拡大する。

するとそこには先程のテロリストの残党と思われる連中がテクニカルに乗って向かってきていた。

 

「うわ、しつこいなぁ」

 

アーキテクトも気づいたのか露骨に顔をしかめる。

 

まぁ、それに関しては激しく同意だ。

奴ら、逃げても逃げても追っかけてけるからなぁ。

 

「ゴンゾウくん、また出番だよ」

 

アーキテクトに命令されたゴンゾウ君は俺達の前まで出ると機関砲を僅かに動かしてテクニカルに向ける。

 

「あ、50ミリ撃つね。お兄さんは耳塞いだほうがいいよ」

 

慌てて耳を塞いだ瞬間轟音とともに50ミリが発射される。

 

再び望遠でテクニカルを見ると50ミリが直撃して乗っていた戦闘員ごと粉微塵になっていた。

 

ヒェッ……

 

「ふふん、破壊☆粉砕☆大喝采‼流石ゴンゾウくん‼一生懸命魔改ぞ…ゲフンゲフン。手をかけて作ったかいがあるぞ〜‼」

 

こいつ今魔改造って言ったよな……

 

なんかアーキテクトと関わってから口調が荒くなったような気がする。

 

……いや、疲れているんだ。

そうに違いない。

 

色々あったが、ようやく帰ってくることができた。

時間にしたらそんなに長くないけど取り残されたり何なりで疲労がすごい。

 

ジャミングもないことだし、話すのも疲れて面倒だからテキストメッセージで済ませてその場に横になる。

 

迎えが来るまで少しでも身体を休めようと俺は瞼を閉じた。




突貫で第6話全体の人称を3人称から下垣視点に変更しました。
後日しっかりと修正をする予定です。
修正が終わったら、目次のタイトル後ろに(修正済)と書いておきますので修正後のものも見てくれると嬉しいです‼

あと、地味にUAとお気に入りが増えて嬉しい限りです‼
ありがとう御座います‼
これからも頑張ります

感想と評価、お願いします


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第7話

どうも。地味にお気に入りが増え続けて嬉しいマウントベアーです。

今回は大人しめ。特に波のない平凡な話です。

それではどうぞっ


・5月13日

 

昨日はどうやら地面に横になったあとそのまま寝てしまったらしい。

 

ほんと短時間の出来事だったのにここまで疲れるとは……

 

俺の事はケイティが運んでくれたようだ。

毎回のように心配をかけて本当に申し訳ないと思う。今度給料が出たら甘いものをプレゼントしてあげよう。

 

そういえば‥

 

なぜかアーキテクトが横で寝ていた。

 

気付いたらTシャツ短パン姿で俺の横で丸まって寝てるという。

 

猫のようだった。

 

さらにベッドの横には装甲偵察ロボのタランチュラが待機しててびっくりした。

まぁ、どうせこいつもまともじゃないんだろう。

 

聞いてみたら、スタンガンに毒付きナイフを内蔵しているというビックリ仕様。

 

某潜入ゲームに出てくるD○ックを連想してしまった俺はきっと悪くない。

 

それはそうと、本当になぜ俺の部屋で寝ていたのか…

 

自分のお家に帰りなさいよって言ってやりたかった。

 

しかし聞いてみたら、もともとどこにも所属していないやら、好き勝手しすぎて鉄血工造のサーバーから切り離されたハグレだという衝撃の真実が。

 

そんなことがあったからグリフィンに来ることにしたらしい。

 

まぁ、流石にチームは違うだろう。

とりあえず宜しくと言っておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

その数時間後にヘリアントスさんの部屋に抗議しにいった。

 

ヘリアントスさんチーム変えてくださいお願いします。うちのチームにマンティコアなんて手に余ります。

 

って

 

却下された。

胃に穴空きそう。

 

・5月14日

 

ヘリアントスさんの部屋に呼ばれたからまた補佐かと思ったらなんかわけのわからない紙をもらった。

 

“下垣 智樹を現在所属している即応部隊の隊長に任命する。3日以内にチーム名を決定し、提出するように”

 

意味がわからなかったです

 

なんでいきなり部隊長に任命されたんだか。

 

即応部隊に所属している戦術人形は優秀だけど最終的には人間の指揮が必要だからという理由らしい。

だからってなんで俺になんだか。

 

拒否なんてできるはずもなく、結局引き受ける羽目になってしまった。

 

それにしても、チーム名を決めなければならなかったのはなかなか大変だった。

 

聞くと、チーム名が決まっていないのは俺の所属するところだけらしい。

まぁ、部隊長決まってない状態だったし仕方ないといえば仕方ないが……

基本的に俺が行動方針とか決めたりしてたけど。

 

とりあえず、俺の一存ではどうにもならないからチームメンバーを集めてアンケートを取ってみた。

 

結果…

 

アーキテクト

ゴンゾウくんと仲間たち

 

ゲーガー

忍殺部隊

 

WA2000

アサシン

 

ダネル

E.R.F

 

SV‐98

リーパー

 

カーラ姉さん

パンサー

 

ケイティ

ガーディアン

 

と言ったように、とても個性の出る結果となった。

 

どこから突っ込めばいいのかわからん。

唯一まともなのダネルとカーラ姉さんとケイティだけっていう…

 

ゴンゾウくんと仲間たちってなんだ。

子供が見る番組に出てくるような冒険者かな?

 

忍殺部隊とか……忍者みたいな事ができるのはゲーガーさんだけです。

 

WA2000さんは何を目指しているんだろうか。まぁ、暗殺もする事はあるかもしれないが……

 

ダネルさんは緊急即応部隊の英訳の頭文字を取っただけだな。

 

SV‐98さんは……死神。まぁ、間違ってないな。

 

カーラ姉さんは絶対好きな動物の名前取った。

 

ケイティは……意外とまともだな

 

結局ダネルさんとSV‐98さんとカーラ姉さんとケイティのものに絞り込み、投票を行うことに。

 

最終的にE.R.F.T.Rとなった。

SV‐98さんとダネルさんのを合わせたものだ。

 

緊急即応部隊チームリーパー。

 

微妙だが、速攻でかえるようなものでもなかったからとりあえず採用した。

 

・5月15日

 

チーム名が決まってもすぐに任務があるわけじゃない。

即応部隊は緊急時に備えなければいけないから最低2チームは待機する必要がある。

 

E.R.F.T.Rは今日待機の日だ。

呼ばれる可能性はあまり高くないいだろう。なにせ、この前の連中…人形部隊に襲撃を仕掛けているテロリスト集団の掃討作戦が行われている。

 

順調に行けば午後には本部を制圧する予定だという。

 

あるとすればヤケになった連中が本部に特攻してくるくらいか。

まぁ、ここにたどり着く前にゲートの所で全滅するだろうが。

 

各々が待機室で自由に過ごす。

アラートがいつ鳴っても良いように武装は済ませた状態だ。

 

俺はSV‐98さんとグリフィンの社内報なるものを見ていた。

 

どこで何が起きただとか、戦績ランキングとか人気投票等々……

 

名前の割には雑誌のような感じだったけど。

 

巻末にメイド衣装を着たダネルさんの写真が乗ってた。

 

普段はキリッとしているからギャップがすごくて思わず、可愛いと口に出して言ってしまった。

 

ダネルさんは顔を赤くして固まってしまった。

やらかした……

 

とりあえずお詫びとしてココアをあげたら許してもらえた。やったぜ。

 

1日の後半に差し掛かるといよいよやることがなくなる。暇で死にそうになるのだ。

 

結局眠気に耐えられず、下垣は机に突っ伏して寝息を立て始めた。

 

いつの間にか横に来ていたアーキテクトも一緒になって寝ている。

 

もちろんアラートが鳴ればすぐに起きることはできるが。

 

その日はアラートが鳴る事はなかった。

 

・5月16日

 

珍しく1日休暇だったからアーキテクトの服を買いに行くことにした。

 

ゲーガーの服も買いに行こうと思ったけど本人が、グリフィンから支給されたもので十分だと断ったからアーキテクトだけを連れてきた。

 

ああ、もちろん姉さんもいるけど。

 

俺は女子の服の事なんて全くわからないから全部姉さんまかせ。

できる事と言えばせめて飲み物を買っておいて待機することくらいだ。

 

あと荷物持ち。男子が荷物持ちになるのはいつの時代も変わらないんだな……

 

久しぶりに買い物ができて姉さんもハイになっているのか、アーキテクトをきせかえ人形にしていた。

アーキテクト本人も楽しそうだが。

 

男っぽい格好から妙にキャピキャピとしたJK丸出しの服装まで……

 

それにしても長い。わかっていた事とはいえここまで長いと疲れる。

 

すでに3時間は経過していた。

 

さすがに待ちくたびれて、魂が抜けたような状態でしぼんでいるとようやく店からアーキテクト達が出てきた。

 

見るとアーキテクトの格好が変わっていた。

 

てか、俺とおそろいだった。

 

俺の現在の格好は襟付き白シャツとデニムにティアドロップサングラスだ。

 

 

アーキテクトは完全にそれを真似している。

 

……いや、似合ってるよ?うん。まさか同じ格好してくるとは思わなかっただけで。

 

え?アイス食べに行く?その後ケーキ?

 

 

………はいはい。

 

 

この日、膨らんだフグのようだった俺の財布は金と言う名の水を吐ききりシオシオになった




女子の買い物って長いよね……(殴蹴

感想、評価、お願いします‼‼


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第8話(コラボ)①


今回からサマシュ様の「傭兵日記」とのコラボです。

あの素晴らしい作品とコラボするという禁忌を冒してしまった以上頑張らねば……

それではどうぞっ


・5月20日

 

最近また都市外周部付近にE.L.I.Dが増え始めているようだ。

 

狩っても狩っても出てくるから正直きりがないようにも思える。

 

ゲート前を防衛している正規軍もだんだんと苦しくなってきているという。

それならもっと人数増やせば良いだろうと言いたいところだけど、この辺にいるような奴らよりも遥かに強力なE.L.I.Dの相手で忙しいから来れない。

 

こればかりは仕方のないことだ。

 

それに正規軍だけでは対処できない事態が起こるからこそPMCが儲かる。

 

皮肉なもんだ。

 

それにしても、この様子だとまたすぐに出番が来そうだ。

 

本当なら争い事は好きじゃないし人殺しも進んでしたくはないけど仕事だから割り切るしかない。

 

アラートがなって即応部隊が駆り出される。

 

今回は俺達は行かなくていいけどもう一度鳴ったら行かなければならない。

 

まぁ、そんなことになれば俺達どころか本部に待機中の部隊も出撃することになる。

 

さすがにそこまで大量のE.L.I.Dが湧いないものだと思いたい。

 

また、かつてのようなE.L.I.Dパーティーはご免葬る。

 

あんな見た目ゾンビに好かれても嬉しくもなんともないからな。

 

・5月21日(映像付き)

 

今日は俺ともう一人チームメンバー&『武器庫』というPMCの社員と合同での任務だそうだ。

 

任務内容は先日から起きているE.L.I.Dの異常発生についての調査。

 

正直わざわざ即応部隊からメンバーを選出しなくてもいい気がするんだが、この前の防衛戦の際にハイクラスのE.L.I.Dがちらほらと混ざっていたらしい。

 

都市周辺は汚染が少なめだからそんなE.L.I.Dがいることなどあり得ないので、誰かが人為的に作り出した可能性があるからそれを調べてこいと言うことだろう。

 

で、チームメンバーのうち誰を連れて行こうかって話になって……じゃんけんの結果アーキテクトがついてくることになった。

 

と言うことはゴンゾウくんがセットか。

まぁ、彼女自身も高火力な武器をメインとしているから心強い。

 

武器を用意して車に乗り込む。

今回はバレットとSCAR‐HとベレッタM9…と、いつも通りだ。

 

キーを差し込んでエンジンを掛けて、集合場所であるゲート前に向かった。

 

★★★★★★★★★★

 

ゲート前に到着すると、一人の男がSCAR‐Hを持って突っ立っていた。

 

同じ銃だ。いい銃だからなこれは。

 

傍らには鉄血工造製のロボ、ダイナゲートが大人しく座り込んでいる。

 

おそらく彼が所持しているものだ。

 

「あの人…かな。とりあえず確認してみよう」

 

「あい〜」

 

車のエンジンを切って鍵をかけて男の所に向かう。

 

アーキテクトも今回は初めて会ったときのような奇抜な格好じゃなくてきちんとグリフィンから支給された戦闘服を着ている。

 

もちろん即応部隊所属の証であるワッペンもつけていた。

 

近くに来て改めて感じるが、この人は俺とは比べのものにならないくらいの修羅場をくぐり抜けてきたのだろう。

 

いや〜畏れ多いというか……こんな歴戦の人と一緒に任務する様な実力ないはずなんだけどな

←即応部隊隊長

 

でもなんだろ、なんとなく苦労人…ゲーガーと似たような雰囲気が(失礼)

 

「すみません、『武器庫』の傭兵の方ですか?」

 

「ああ、あんたらは……グリフィンの傭兵か」

 

どうやらビンゴだったようだ。

てかイケメンだな。この容姿だ、さぞかし持てるのだろう。

 

うらやまけしからん

 

「はい、グリフィン即応部隊『E.R.F.T.R』の隊長の下垣 智樹(しもがき ともき)です。よろしくお願いします」

 

軽く自己紹介をして少し頭を下げると驚いた様な表情になっている。

 

多分こんなチビで成人もしてないガキが部隊長とかあり得ないって思われてるんだろうなぁ

 

知ってた(悲観的)

 

「…『武器庫』から来たジャベリンだ。こちらこそよろs「ねぇねぇこの子なんて名前⁉」……」

 

ちょっ、おまっ……なんてことしてくれてんだぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉

 

自己紹介してたでしょ⁉ねぇ⁉

 

これから協力して任務に当たらなきゃいけないのに印象悪くしてどうするのさぁぁ‼

 

クソッどうする……これでほんとに印象悪くなってたら目も当てられないぞ……

なんとかしなければ

 

えーと、えーと

 

「あ、私アーキテクト‼お兄さんと同じチームなんだ‼」

 

ほぁぁぁあああああ‼

 

聞いてねぇえよぉぉ!

 

こ、こいつぅ

なんてGoing my wayなやつだ‼

 

ひ、人の気も知らないでっ

 

フザケるなぁ‼

 

「……ポチだ」

 

「ポチって言うんだ、可愛いね〜‼」

 

アーキテクトはにこにことしながらダイナゲート…ポチを持ち上げたりしている。

 

てかこころなしかジャベリンさんも表情が柔らかいような……

 

ふむ、ポチが好きなのか?

 

「むふ〜…あ、せっかくだし私のペットも紹介するね‼ゴンゾウくーん‼」

 

そっちを呼ぶのかよ‼てっきりタランチュラ呼ぶのかと思ったわ‼

 

てか、いきなりトラック並みの大きさの戦闘兵器見せられてどう思うのかとか考えないのかこいつは⁉

 

内心カオスな俺の横をゴンゾウくんがノシノシと歩いて行き、アーキテクトの横で止まった。

 

案の定ゴンゾウくんを見て唖然としている。

 

「ゴンゾウくんて……これ?」

 

「そうだよ‼とっても硬くてとっても強い、私の自慢の子‼」

 

いや確かにそうだけどさぁ……見ろよ、ポチもビビってひっくり返ってるじゃん。

 

ジャベリンさんの顔も引き攣ってるし。

 

「そ、そうか……」

 

あ、もう俺シラネ(なげやり)

 

「ハハッ………うちの隊員がすみません……とりあえず早速調査始めましょうか」

 

「お、おう…」

 

きっとこのときの俺の表情は死んでいたに違いない。

 

そうなる原因をつくった本人であるアーキテクトは後ろでポチとゴンゾウくんと戯れていた。

 

クッソぉ………任務中のおやつは抜きにしてやる……

 

精神ダメージで涙目になりながらも、調査任務を開始した。

 

「ねぇねぇ、ドローンでタランチュラ連れてきていい?」

 

や め ろ





ちゃんとジャベリンくんとポチを書けているだろうか…まだ1回目だけど

誰でもマンティコアをいきなり持ってこられたらビビると思うの()
つまりジャベリンくんは正常

感想、評価お願いします‼‼


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第8話(コラボ)②

コラボ2話目‼
傭兵日記で紹介されてからお気に入りがすごく伸びた‼
ありがとうございます‼

これを機に読んでくれる人がもっと増えてくれると嬉しいな‼

それではどうぞっ


・5月21日 続(映像付き)

 

下垣達はハイクラスのE.L.I.Dが発生したと思われる廃工場を訪れていた。

 

ここの汚染濃度は高いわけでも何でもないから本当にこんなところから出たのか疑わしいが、防衛戦の時に飛ばしていたドローンがここの工場からのそのそとE.L.I.Dが出てきたところをバッチリ捉えているんだそうだ。

 

実は汚染濃度が〜みたいな事が全く無いとも言えないので一応口元だけを覆うマスクをつけた。

 

「ん?ここは汚染濃度低いって話じゃなかったか?」

 

「念の為ですよ。あ、それとジャベリンさんこれつけてください」

 

俺は腰のポーチからヘッドセットを取り出してジャベリンさんに渡した。

 

ヘッドセットを渡されたジャベリンさんは訝しげにそれをみている。

 

「これは?」

 

「I.O.P製の情報共有装置みたいなもんです。拡張現実の技術で、目の前にホログラムで作戦情報やターゲットの情報などを閲覧できます。あと、これは俺か戦術人形限定ですが目とリンクして映像を出すこともできます。こんなふうに」

 

実際に映像を出してみせると関心したような表情をしていた。その気持ちとてもわかる。

 

I.O.P凄いよなぁ。

 

「そういえば、何で下垣の目とリンクできるんだ?」

 

「ああ、それは俺の左目が機械だからですよ。最近の任務でつぶれたんです」

 

「……そうなのか」

 

「まぁ、そのおかげというか…やたらハイテクな義眼になりましたが。とりあえずこれは渡すのでつけてください」

 

「わかった」

 

ジャベリンさんがヘッドセットをつけている間、俺は空気となっていたアーキテクトのところに向かう。

 

アーキテクトは任務に来ているという自覚があるのかないのか……ゴンゾウくんとタランチュラと戯れていた。

 

「アーキテクト、お前は俺とジャベリンさんが突入している間入り口で警戒をしていてくれ。ゴンゾウくんとタランチュラ達もフル活用してな」

 

「ラジャー‼気をつけてね‼」

 

「ああ」

 

これで大丈夫だろう。アホの子だから忘れそうになるけどアーキテクトは鉄血工造のハイエンド戦術人形だし、ゴンゾウくんにタランチュラもいれば並のテロリストやE.L.I.Dであればまず突破されることは無いはずだ。

 

話を終えてジャベリンさんの所に戻るとヘッドセットをつけて顔の前で手を動かしたりして色々試していた。

 

まぁ、脳波コントロールって最初慣れないよなぁ。

 

だから四苦八苦する気持ちはよくわかる。

 

「これ、どうやって操作するんだ?」

 

「ああ、それ脳波コントロールなんですよ。ようはどの資料呼び出したいか…とかを頭で考えれば実行されるわけです。慣れないうちはボソボソとつぶやきながら操作すると良いですよ」

 

「なるほど」

 

準備が整ったところでSCARを構えて、入り口から工場の中に入った。

 

中は薄暗く、視界は良くなかった。

壁の隙間から風が漏れて音を立てて不気味な雰囲気をかもしだしている。

 

俺もジャベリンさんも周囲を最大限警戒しつつゆっくりと奥に進む。

 

「……ポチに別のところを探させよう」

 

「……了解。あ、そのタブレットとヘッドセットリンクつなげます?」

 

「多分できる」

 

「なら、お願いします。俺のヘッドセットにもデータか来るようにしたいので」

 

「わかった」

 

ジャベリンさんは小声でブツブツと言いながらヘッドセットを操作してタブレットとリンクをつなげている。

 

少しすると、俺のヘッドセットにポチからのデータが送られてくるようになった。

 

「……それにしても気味悪いところだ」

 

「ですね……」

 

ほんとにそれには同意だ。非科学的な話しになるが、今にも幽霊が出そうな雰囲気だ。

 

「だ、ダイナゲート⁉どこから‼」

 

突然、近くから叫び声が聞こえた。

俺とジャベリンさんはその方向に急いで向かう。

 

ヘッドセットに現在のポチの位置を表示。

 

それを頼りに移動して到着した。

 

そこにはポチとポチに驚いている白衣の男。そしてその後ろには、廃工場のものとは思えない真新しい部屋のようなものがあった。

 

「……ビンゴ…ですかね」

 

「まだ確信は持てないが情報を見る限りここは怪しさ満点だな」

 

「な、なんだお前達は‼」

 

白衣のハゲ散らかした男が喚く。

もう怪しすぎるんだよなぁ。

 

うろたえ過ぎだし、目が泳ぎまくってるし。

 

「…ん?そのマーク…グリフィン⁉こんなガキが⁉それにこっちは武器庫⁉…………くそっ」

 

「動くな‼」

 

咄嗟に銃を向けたが、既に部屋の中に入られてロックまでされてしまった。

 

怯えまくっていた割には随分とすばしっこいやつである。

 

「ちっ……壊すか」

 

ジャベリンさんがSCARを撃って鍵を壊そうとするが頑丈なはもので7.62ミリをくらっても壊れることはなかった。

 

なぜこんなにも頑丈に………

 

「……バレットでやってみますか。流石に12.7ミリなら壊れるでしょう」

 

「……それでも壊れなかったら?」

 

「……ゴンゾウくんの50ミリでやりますか」

 

「……それ多分あいつごと吹っ飛ぶぞ」

 

「………………………………さ、とりあえずやってみましょう」

 

はぐらかしたって?ハハッ聞こえんなぁ。

 

別に生け捕りにしろとは言われていないしなぁ。

まぁ、もしかしたらなにか有益な情報が出てくる可能性がないわけじゃないが…

 

てかよく考えたら俺もすっかり傭兵に染まったなぁ。

 

“マスターキー”……ショットガンがない現状では仕方ない。

 

12.7ミリの弾丸で壊れない鍵にショットガンの弾丸が有効とは思えないけど。

 

少し距離をとって床において自分も寝そべり、鍵に照準を合わせる。

 

そして引き金を引くと轟音が工場内に響き、12.7ミリの大きい薬莢が床に投げ出された。

 

鍵は火花を散らして大きくひしゃげて壊れた。

 

『お、おい、私は生みの親だ‼私の言う事を聞け‼…よせ…よせっ………うわぁぁぁぁぁぁ‼』

 

壊れたはいいが、中からやつの叫び声が聞こえた直後にぐしゃりとなにかが潰れる音がした。

 

『グ…オオ……オオオオオオオオオ‼‼‼‼‼‼』

 

そして明らかに人間のものとは思えない雄叫びが。

 

「え、ちょ……冗談きついんですけど」

 

「だよな……」

 

銃口を向けつつもジリジリと下がる。

ポチはジャベリンさんの後ろに隠れていた。

 

ゴォン‼

 

扉が殴られてひしゃげる。

そうとう頑丈なはずなんだけど、やつのパワーはとんでもないらしい。

 

そのあと続けて数発の打撃が加えられて扉はさらにひしゃげる。

 

バギィ‼‼

 

ついに完全に扉がふっとばされて姿が顕になった。

 

サイズだけを見たらハイクラスのE.L.I.Dだが、黒い硬質そうなものに覆われていて腕が異様に太かった。

 

「特異種か?」

 

「少なくとも今まで確認された中では同じやつはいない……つまり新種…というか完全に人工的に造られたものですね」

 

「で、俺らはあれと戦わなきゃいけないと」

 

「………………えぇ、まぁ」

 

「勘弁してくれ…」

 

まったくもって………

 

「グォォォォォ‼‼‼」

 

勘弁してほしいもんだ………

 

 

 

 

 

 

〜続く〜




主人公の不幸体質はコラボあいてをも巻き添えにする……

シャレにならんな()


か、感想と評価を、どうかっどうかお願いします‼
そ、そろそろ感想&評価エネルギーが切れそうなんだっ(意味不明)


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第8話(コラボ)③ 完


どーも、昨日は投稿できなくてすみませんでした……

あと、評価欄を見てて☆1がついててすこし驚きましたw
まぁ、まだ至らない点もたくさんありますし仕方ないですね!
それにどんな評価であれ見てもらえていることに変わりはありませんから‼
これからももっと文書力をつけていかなければっ

コラボ最終回です。どうぞっ


・5月21日続々(映像付き)

 

「こいつめちゃくちゃだな⁉」

 

「とにかく離れますよ‼」

 

俺達はあの真っ黒E.L.I.Dから絶賛逃走中だ。

あいつはやばい。

 

SCARの7.62ミリを平然と弾く。

だから大口径のバレットを撃ちたいが、あいつやたらと動きが速いせいで床に置いて伏せる事もできない。

 

立ったまま撃てない事もないがそんなことをしたら100%腕が逝く。

 

なんとかして隙を作りたいが………

 

「グォォォォォ‼‼」

 

暴れる暴れる。

腕をひと振りすれば周りにある朽ちた機材がゴミのように吹き飛んでいく。

 

あいつから逃げるのと、あの宙を舞っている機材を避けるので精一杯だ。

 

「フラッシュバン投げるぞ‼」

 

そう言ってジャベリンさんはピンを抜き、暴れまわっているクリーチャー(笑)に向かって投げた。

 

俺達は左右に別れて目をつぶる。

 

直後に凄まじい音と光があたりを包み込んだ。

それが収まったのを見計らって物陰から顔を出して様子を見たが……

 

「グ…ウウウウウウウウウ‼‼」

 

身体から蒸気をだして震えている。

あれは……

 

「怒ってるなぁ」

 

しかも俺の方に向かって来ている。やっぱり俺の身体にはなにか憑いているに違いない。

 

とはいえ少しだけ距離をかせげたので構える時間はしっかりと取れる。

 

バイポッドを起こして床に置き、身体を横たえて人工E.L.I.Dの首を狙う。

 

息を吐き出して少し肺に残るくらいで止めて引き金を引いた。

 

マズルフラッシュが辺りを一瞬照らし、12.7mmの弾丸がE.L.I.Dの首に命中した。

 

「グギャアアアア⁉」

 

首にダメージを負ったE.L.I.Dは首に手を当ててのたうち回る。

 

暴れまわっている間、俺とジャベリンさんはさらに後退して後ろからE.L.I.Dの様子を見ていた。

 

「殺ったと思うか?」

 

「そうなってることを願いますけどね……」

 

しかし俺の願い虚しく、E.L.I.Dは死ぬどころか傷がふさがり始めていた。

 

「うわぁ……」

 

俺は顔をしかめつつまたバレットを構えて連続で引き金を引いた。

 

首、頭、左胸などなど考えうる急所にどんどん弾を撃ち込んでいく。

 

1マガジン分を撃ち終えて、今度こそ倒れたかと思ったが……

 

変わらず、再生してどしどしと俺達に向かって走ってきていた。

 

「あ〜何なんだあいつ⁉どこの○ェイソンだよ⁉」

 

「俺からしたら○ェイソンのほうがまだ可愛いですよ‼」

 

ふざけたことを言いながらも全力で逃げる。

バレットが有効じゃないなら今の俺達にあいつを倒すことはできない。

 

表で待機しているゴンゾウ君の大火力で粉砕するしか方法はない。

 

「アーキテクト‼聞こえるか⁉」

 

『はいは〜い、こちらアーキテクト』

 

「俺とジャベリンさんは今特異種のE.L.I.Dに追われている‼手持ちの火器じゃ効果がないからゴンゾウ君で援護頼む‼正面入り口から出るから‼」

 

『りょーかい‼ゴンゾウ君の大火力とくとご覧あれ〜‼』

 

通信を終えると一目散に入り口に走っていく。

時々後ろを見ないと瓦礫が飛んできたりするのでそこのところは注意が必要だ。

 

正面に出ると、すでにゴンゾウくんが銃口を向けて待機済みだった。

 

俺とジャベリンさんは急いでゴンゾウの後ろへと隠れる。

 

すぐに真っ黒のE.L.I.Dが工場の壁を破壊して出てきた。

 

相変わらずパワフルなやつだ。

 

「ぎゃああ⁉気持ち悪いいい⁉」

 

えぇ………

 

見るなりアーキテクトが女子が出したとは思えないようなえげつない悲鳴を上げて手をワタワタとさせている。

 

気持ち悪いのは同意するけどその反応の仕方はどうなんだろうか……

 

「ゴンゾウくん‼粉々にしちゃえ〜‼」

 

アーキテクトが指示を出した瞬間、ゴンゾウくんの2丁の12.7ミリ重機関銃が火を吹いた。

 

先程のバレットとは比較にならない量の弾丸を受けて、さすがの化け物E.L.I.Dもだんだんと後ろに下がり始める。

 

文字通り蜂の巣にしたあたりてゴンゾウくんの射撃がやんだ。

 

周りには大量の薬莢が散らばっている。

 

「うーわ……すご…」

 

となりで見ていたジャベリンさんも唖然としている。

まぁ、重機関銃2丁の射撃はなかなか迫力あるよなぁ。

 

しかしこれでも死んでいない。

流石にすぐには再生できないようで、うめきながらグネグネとしている。

 

気持ち悪さが先程の数倍になった。

 

「気持ち悪いいいいい‼ゴンゾウくん50ミリ‼」

 

「ちょっ⁉」

 

俺とジャベリンさんは急いでゴンゾウくんから離れる。

流石に50ミリを近くで発砲されたら溜まったもんじゃない。

 

離れたと同時に50ミリが撃たれた。

直後に重厚な音を立てて薬莢が落ちる。

 

大口径の攻撃をもろに受けたE.L.I.Dは流石に耐えきれなかったのか、上半身が消し飛んでいた。

 

「さっすがゴンゾウくん‼頼りになる‼でも下半身だけでも気持ち悪いからこれ喰らえ‼」

 

そう言ってアーキテクトは腰につけてたRPG弾頭を発射機につけて下半身だけのE.L.I.Dに向けて発射。

 

着弾とともに跡形もなく消し飛んだ。

 

「お仕事完了‼ね、兄さん私頑張ったよ‼ご褒美ちょーだい‼」

 

「ったく…ほんとはご褒美上げたかったけど危ないことしたからだめ」

 

「ええ〜‼‼」

 

「えーじゃない!もう少しであいつの身体だけじゃなくて俺達の鼓膜も消し飛んでいたわ‼少し注意しろ‼」

 

「……はーい」

 

少し小言を言うとしゅんとなって俯いてしまった。心苦しいけど言うところはきちんと言わないとな……

 

命張って任務に来ているわけだし。

 

「さて、あの研究室に行ってみよう。なにかあるかも」

 

ジャベリンさんの提案でさっきの研究室に行くことに。

 

もちろんアーキテクトはさっき同様、敵が来たときのために外に待機してもらう。

 

人工E.L.I.Dが撒き散らした瓦礫を避けながらなんとか研究室へとたどり着いた。

 

「よし、入りますよ……」

 

「ああ……」

 

俺とジャベリンさんはSCARを構えて研究室に侵入した。

 

汚れていた外壁とは違い、中は真っ白でいかにも研究室と言った感じの見た目だ。

 

ただ、さっきのE.L.I.Dが暴れまわったせいでいろいろな機材が破壊されて散乱していたが。

 

奥には巨大な円柱状の培養装置のようなものがたくさんおいてあった。

 

いくつか割れているのを見るにあそこのうちのどれかから出たんだろう。

 

「ん、資料があるな。とりあえず片っ端から見てみよう」

 

「わかりました」

 

俺とジャベリンさんは机においてあった研究資料を読みあさる。

 

もちろん俺は義眼に記録してヘッドセットで暗号化して保存するのを忘れない。

 

あらかた読み終えて、ひとまず椅子に座る。

 

「……資料に関しては素人の俺らからしたらE.L.I.Dになにか細工したってことくらいしかわからないが…どこかの企業が絡んでるな」

 

「ですね……と言っても資金提供をしているだけみたいですが」

 

「とりあえずこの事は上に報告したほうが良さそうだ」

 

「ですね。さて、残りを探索しましょうか」

 

まぁ、残りといっても培養室だけなのだが。

 

破壊された扉を通って中に入るとそこには培養器に入れられた数十体のE.L.I.Dがいた。

 

「うわ…これ全部あんなフルアーマーみたいになるのか」

 

「ほっといたらいつかなるんでしょうね……今のうちに破壊します?」

 

「本当なら取っとくべきなんだろうが、流石にな……画像として残して、あとは破壊しよう」

 

「了解」

 

俺の義眼で全部のE.L.I.Dを撮影してからアーキテクトが持っていたC4を研究室のあらゆるところに設置。

 

距離をとって爆破した。

 

任務を終えた俺達は帰路についていた。

 

「今回はありがとう御座いました」

 

「こちらこそ。有意義な時間だった」

 

ゲートの前で握手を交わす。

本当に……

 

この人がいなかったらなかなかやばかった場面がいくつもあった。

 

まだまだ自分は未熟だと知るいい機会になったと思う。

 

「あ、そうだ。このヘッドセット……」

 

「あ、持って帰って良いですよ。プレゼントってことで。あと、充電ケーブルと……はいこれ」

 

充電用のコードとともにUSBメモリを渡す。

 

「これは?」

 

「ポチがもっと犬らしくなるプログラムですよ。よかったら使ってみてください」

 

「え…お、おう…………」

 

「それでは……今はまだ未成年だから飲めませんがいつかお酒一緒に飲めるといいですね」

 

「そうだな……」

 

それを最後に、今度こそ俺達は別れた。

 

想定外の事は起きたが、なんとか無事に調査任務は終了した。

 





余計なもの(ヘッドセット、ポチのプログラム)を渡してコラボの種を撒いていくスタイル(殴

なんとか書き切れました。本当はもっと長くなる予定だったのですが、あまり他所のキャラを出し続けるのもアレかと思ったので()

改めてサマシュ様、ジャベリン君を貸していただきありがとう御座いました‼



感想、評価お願いします‼


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第9話


遅くなってしまった()
いや〜毎日更新はなかなかきつくなってきますねw
それでも最低2日に1話は頑張るつもりでいますが。

今回は日常回です。
キャラぶっ壊れ


・5月22日

 

まさか寝ているときに人工E.L.I.Dの夢を見ると思わなかった。

意外とトラウマになっていたらしい。

 

夢にまで出てくるとかしぶとすぎて泣けてくる。もしかしたら亡霊かなにか憑いてるかもしれないから今度の休暇にお祓いでもしにいこう……。

 

それはそうと何やら話があるとかで、俺はヘリアントスさんの部屋に来ていた。

 

というか今更ながら上級代行官だけあって執務室はなかなかに豪華だ。

 

ソファもすごくふかふかそうだし執務用の椅子も柔らかそうで…

 

まぁ、それは置いといてだ。

 

呼び出した理由は自分達の部隊がヘリアントスさんの預かりになったからだった。

 

今までは本部直属だったが、これからはヘリアントスさん個人の部隊になるとのこと。

 

と言ってもいままでもなんだかんだヘリアントスさんから指示を受けていたからこっちとしては変わった感じはしないけど。

 

ただ、自分達専用のヘリが与えられるそうだ。

どんなヘリかと思って期待したけど安定のブラックホークだった。

 

まぁ、乗り慣れてるからいいか。

 

で、実物を見たら全然違ってて笑った。

なんでもアーキテクトが手を加えてステルス性、静音性、耐久性、馬力が向上している…らしい。

あと、少しサイズが大きくなっている。

 

見た目は完全にステルスホークだな。

 

操縦はなんとアーキテクトのダミーがするという。ヘリの操縦までできるようになるとかどれだけハイテクなんだ。

 

また、さらに驚きな事に自分達に専用の部隊章が与えられるらしい。

 

ただ……その前に猛烈に厳しい訓練を受けなければいけないようだが。

 

それに備えて1週間の休暇が与えられた。

 

さて、どう過ごそうか。

 

・5月23日

 

アーキテクトまじ許さん。

 

あいつ人が寝ているスキに顔面に落書きしおった。

 

閉じてる瞼の上に油性ペンで目を描くとかネタが古すぎて怒る気にもなれなかったわ。

WA2000さんは爆笑してたけど。

 

案外笑いのツボ浅いんだな。

 

お湯と洗剤で油性ペンのインクを落とすのはなかなかに苦行だった。

ゲーガーに手伝ってもらってなんとか落とすことができた。

 

まじ許さん。

 

仕返しをする為にアーキテクトのお菓子が保存してある冷蔵庫を開ける。

 

そして中に入っていた食べかけのアイスの中に小さな粒状のデスボールなるものを混ぜてやった。

 

せいぜい辛みに苦しんでのたうち回るがいい。

 

ケケケ………と悪魔のように笑いながら部屋に戻って銃の整備をした。

 

少し経って、アーキテクトの絶叫がフロアに響き渡る。

俺ニッコリ

 

しょーもないイタズラをするからひどい目に合うんだ。

少し反省しなさい。

 

なーんてニマニマしながら余裕ぶっこいて整備を続けていたら自室のドアが何かにふっとばされた。

 

唖然としているとそこにはゴンゾウ君とむくれ顔のアーキテクトが。

 

え?ちょっと?ドアふっとばすとか何考えてるんだよ。

 

ねぇ、俺のプライベートは?

 

知らないとかそんな無責任な。

 

………罰として俺にとってもアーキテクトにとっても嬉しいことをする?

 

言葉がおかしくてちょっと何言ってるか理解できn……

 

おっと、顔が近いぞ?というかなんでそんなににじり寄って来るんだ?

 

おいおいおい、そんなに身体をくっつけるな。俺も年頃なんだからそんなことされたら辛いです。離れて。

 

ねぇねぇねぇ、顔が近いって…はっ⁉お前まさか‼

 

や、やめろぉ‼‼頬を染めるな背中に手を回すなそんな目で見るなぁ‼

 

俺達ただの部隊仲間だろうが‼

落ち着け深呼吸しろ自分が何しようとしてるかわかっt

 

 

ああああああああああああああああああ‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼

 

 

 

・5月24日

 

(大人な事はして)ないです。

 

このやろぉ……幸せそうな顔してすやすやと寝やがってぇ…

 

人の初キス奪っておきながらぁ………

 

ちくしょう‼こんなの認めないぞ‼‼

寝てる時はガッチリ腕掴んで離さないし‼

おかげでしびれて動かせないわ‼

 

お前3時間も密着キスとか、地獄でしかなかったわ‼

 

あ〜…錯乱してしまう。

水飲んで落ち着こう。

 

ん?アーキテクト起きてたのか。

 

………ねぇ、なんでそんなに頬が膨らんでる?

 

ちょっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は内心激怒した。なぜこんなにも性的に襲われなければならないのかと。

 

確かにデスボールはやりすぎたかもしれない。

だが、もとをたどればあいつが落書きをしてきたのが悪いんだ(小学生感)

 

なぜわかって貰えない。まともなのは俺だけか⁉

 

 

 

 

 

そうだ、引っ越しをしよう。

人の布団にダイブして匂いを嗅いでる変態は放置して荷造りをしなきゃ。

 

姉さんだ。姉さんの部屋だ。

あの安らぎを再びっ

 

そうと決まれば早速行動だ。

仕方がないからこの部屋はくれてやる。

 

さぁ、荷造り開始。目指すはオアシス

 

荷物は少ないすぐ終わる。

 

ユートピアへいざゆかん

 

・5月25日

 

久しぶりに姉さんと一緒に寝た。

姉さんは久しぶりに俺と寝ることができて嬉しかったのか終始優しく俺の事を抱きしめてくれていた。

 

あぁ〜これだよこれ。

 

姉さんの優しい抱擁、これほんと安心するんだよなぁ〜ついつい俺も抱きしめ返してしまった。

 

一瞬驚いた顔をしていてけどすぐににヘラと笑って胸に顔をうずめてきてめちゃくちゃ可愛かったですはい。

 

 

………あれ?もしかして俺って結構シスコン?

 

ま、まぁいいんだ。うん。

 

特にやることもないということで1日中姉さんに癒やしてもらっていた。

 

抱き合いながら

 

昔話で盛り上がったり、最近よんだ社内報なるものの話題を話したりと久しぶりにのんびりと過ごせた。

 

夕食は部屋の小さなキッチンで二人で作った。

 

俺の好きなポトフを作ってくれたんだが、昔を思い出して少し泣いてしまった。

 

夕食後にまた癒やしてもらったけど。

 

いや〜こんな時間は久しぶりだ。そういう意味ならアーキテクトに感謝してもいいかもしれない。

 

まだ俺の部屋にいるであろうアーキテクトに感謝して、姉さんと抱き合いながら寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、背中にアーキテクトがひっついていた。

 

 

俺は泣いた。





どうでしたか?
皮膚についた油性ペンは凶悪。はっきりわかんだね()
良い子は真似しないようにw

感想、評価があればとても励みになるのでぜひお願いします‼

あと、アンケートの協力お願いします


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第10話

気づけばこの時間がデフォルト化()
バイトやら勉強やらで忙しくて中々早い時間に書けないんです。ごめんなさい。

今回から一気に時間が飛びます。あと、本編に入るまでの間何回か急に時間が飛ぶことがあります。

それでは最新話どうぞっ


第10話

 

・10月10日

 

………やぁ、みんな。久しぶり、ハハッ

 

あろう事か5ヶ月程日記を放置してしまった。

まぁ、多目に見てほしい。

 

なんせ、いままで旧米軍特殊部隊がしていたような訓練をずっと受けていたからね。

 

基礎体力訓練から始まって格闘訓練、射撃訓練、潜水、空挺、破壊工作……などなど

 

一体何を目指しているんだと聞きたくなるような内容だった。

 

睡眠時間もあまり与えられなかったから人間の俺はヘロヘロだ。

他のメンバーは戦闘のノウハウをさらに吸収できたおかげか動きが前よりも洗練されたものになっていた。

 

帰ってきたのは夜。

真っ先に寝たいが我慢して風呂に入って汗を流す。

 

明日は修了式があるから早めに寝て備えないといけない。

 

もう心身共に疲れ果てて身体を洗うのもダルい。

 

なんとか身体を洗い終えて流し、風呂を出てベッドに向かうといつの間に侵入したのかアーキテクトが既に寝ていた。

 

本当なら追い出したいところだが、そんな気力も残っていないからもう諦めてそのまま寝ることにした。

 

ど真ん中を陣どっているアーキテクトを端っこにずらして自分も布団に横になる。

 

久しぶりのふかふかな布団に感動しているとすぐに眠気が襲ってきた。

 

やっぱり想像しているよりもずっと疲れていたらしい。

 

瞼を閉じる寸前、後ろからスルスルと腕が絡みついてきたような気がしたが気にすることなく直ぐに寝入った。

 

・10月11日

 

今日はいよいよ修了式だ。

この地獄の日々がようやく終わる。

 

そして…自分達の部隊はヘリアントスさん直属、緊急即応部隊チームリーパーとして新たに活動を開始する。

 

活動内容としては今まで通りの救援任務に加えて、テロ発生時の第1陣担当、本部襲撃時の迅速なテロリスト排除等々多岐に渡る。

 

が、救援任務に関しては他の部隊では対処不可能と判断された危険度がより高いものに限定される。

 

なお、今まで緊急即応部隊と名乗っていた他部隊は名前を変えてトライアングルフォースと改名。

 

役割は今までと変わらない。

名前の由来は3部隊いることから辺が3つある三角形からとっている。

 

入社した時のように、式は社長室で静かに行われた。

 

まずは、緊急即応部隊の証となる黒ベースの制服。そして黒いベレー帽。

 

どうやら制服はクルーガー社長のものに近づけて作られたようだ。

 

新しい戦闘服も一緒に渡された。

中には、リーパーチームの部隊章ワッペンが一緒にはいっていた。

 

ワッペンには部隊指定武器のSCARとコンバットナイフに、ドクロ、ステルスホーク、そしてツバメが描かれていた。

 

ツバメはおそらく速さを強調しているんだろう。

 

 

【挿絵表示】

 

 

それらが渡されたあとに社長から激励の言葉を頂いた。

 

“君たちはグリフィンの最精鋭部隊だ。その事を誇りに思い、より一層職務に励むように”

 

『最精鋭』と言うワードにプレッシャーを感じたけど、あれだけの訓練をくぐり抜けて来たのだから自信はある程度ついている。

 

あと、明日から勤務地が本部からS05地区へと移動になる。

 

ちょうどあそこはグリフィンが保有している全地区の中央に当たる場所だからどこの地区にも迅速に展開が可能だからということだ。

 

俺達は自室に戻ったあと、荷物整理をしてステルスホーク(改)に乗って新たな勤務地に向かった。

 

社長曰く、プレゼントもあるとか。

 

どんなプレゼントなのかワクワクしながら到着を待った。

 

・10月12日

 

うーん…………うーん?

 

これは果たしてプレゼントと言えるんだろうか。

 

結局俺達は昨日到着したあと、部屋決めや荷物整理に時間を費やして終わってしまったから今日社長の言っていたプレゼントとやらを見に来たんだが……

 

俺の目には埃をかぶって所々錆びついて、まともに動くとは思えない《オスプレイ》があるようにしか見えないんだが。

 

横では改造魂に火がついたのかアーキテクトが目をランランと輝かせていたが。

 

早速改造してもいいかとアーキテクトが急かしてくる。

 

まぁ、自分としては別に錆びついて使い物にならないオスプレイなど改造くらいいくらでもどうぞと言いたいところだけど一応グリフィンの持ち物らしいからヘリアントスさんに連絡をして確認。

 

案の定、許可は出たのでアーキテクトにそれを伝えると飛んで跳ねて喜び、わけのわからない機械をつれて早速改造に取り掛かっていた。

 

あの様子だと今日1日は格納庫に篭りっぱなしだろう。

 

ということで俺達は今日1日は軽くトレーニングなどをして、待機することにした。

 

スナイパー組で狙撃勝負をしたり、格闘訓練をしたりとなかなかに楽しい時間になったと思う。

 

社内報に早速俺達の部隊の事が書かれていた。仕事早すぎると思う。

 

で、確か昨日の日記で多岐に渡る任務内容が云々って書いた気がするけど俺達はほんとに緊急性高い任務でしか動かないことになっているから、ぶっちゃけ前のほうが忙しい。

 

間違いなく出撃の回数は減ることになる

まぁ、難易度と危険度が高いのにそんな頻繁に要請来たら溜まったもんじゃないが。

 

結局アーキテクトは格納庫から出てくることは無かった。

 

・10月13日

 

オスプレイの修理、改造が終わったと朝にもかかわらずアーキテクトがハイテンションでさわいでいた。

 

1日いっぱい作業をしていたにもかかわらずあれだけ騒げると言うのは正直凄い。

 

人形だから疲れを感じないのかもしれないけどだとしてもなぁ。

 

同じ鉄血製の人形のゲーガーですら呆れ返ってるし。

 

なんだかこのまま放置していてもいつまでも騒いでいそうだからみんなで格納庫に向かうことに。

 

そこには黒に塗り替えられて、グリフィンとチームリーパーの部隊章がペイントされたオスプレイが鎮座していた。

 

昨日のボロさなど面影もない。

 

アーキテクト曰く、ステルスホークと同じような改造をしたようで耐久性やら最高速度やらを向上させたようだ。

 

ただ、地区内に展開するだけなら空挺を前提としない限りステルスホークだけで十分だそう。

 

わざわざ引っぱりだす必要はないそうだ。

 

あらかた説明をして満足したのか、格納庫内にいつの間にか設置されている仮眠ベッドに横になって寝息を立て始めた。

 

どうやら疲れるには疲れていたらしい。

 

まぁ、いくらテンションが高かったとはいえ、あれだけボロかったものを1日でここまで修復するのはなかなか大変なはずだ。

 

俺はアーキテクトの身体にそっと毛布をかけて頭をなでて離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めた後のアーキテクトはやたらとキラキラしていた。




・社内報&CM

命の危機に瀕しているそこの貴方、安心してください。

満を期して誕生したグリフィン最精鋭部隊、チームリーパーが貴方の命を救います。

彼らの売りはなんと言っても速さ。
連絡をいただいた後、グリフィン管轄の地区内であれば1時間以内に駆けつけます。

でも速さだけではありません。例え山の中海の中。どんな過酷な場所でも問題なし。

とにかく早く助けて‼
そんなあなたはグリフィンまで、お電話を‼

↑このネタは自由に出してもらって構いません。

あまり上手ではありませんが挿絵を描いてみました

アンケートの結果ですが…圧倒的ヒロイン‼(意味不明)

やっぱり癒やしは必要か…というわけで新たなアンケート。
こちらも協力お願いします。


あと、感想と評価……どうかお願いします。


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第11話 ①

どうも、マウントベアーです。
今回は少し頑張って地の文を書いてみましたw

あと…また1話じゃ終わらなかった()

それではどうぞっ


・11月2日(映像付き)

 

また期間が空いてしまった。

いや、ごめんよ?だって、あまりにも変わりない日常だったもんだから書くことがね……

 

珍しい事にアーキテクトも大人しかったからハプニングも無かったしな。

 

時折俺のベッドで寝てたけど特に害はなかったから(感覚麻痺)

 

今日は俺達の初任務だった。

ぶっちゃけると俺らの任務はない方がいい。

平和な証拠だしね。

 

まぁ、お呼びが掛かったからにはきちんとやるんだけど………相手がなぁ

 

★★★★★★★★★★

 

いつものように待機室で自由に過ごしていると、室内にあるランプが緑色から赤色に変化してブザーが鳴り響いた。

 

なり始めた瞬間、全員跳ねるようにして立ち上がり防弾チョッキや武器を準備し始める。

 

緊急出動の訓練も腐るほど受けたからすっかり慣れたもんだ。

 

互いに武装やチョッキのチェックをして異常がないか確認。

 

すべて終えて基地の外のヘリポートまで向かう。ここまでで約3分

 

外に出ると既にステルスホークがアイドリング状態で待機していた。

 

今回はゴンゾウ君を連れて行く必要がないのかアーキテクトはタランチュラ数体だけを引き連れている。

 

全員が乗った事を確認して扉を閉めた。

エンジン音が高くなり機体が上昇を始める。

 

「さて、今回のターゲットは……」

 

ヘッドセットを起動して任務詳細のデータを呼び出した。

 

目の前に数枚のスクリーンが浮かび上がって情報が表示される。

 

「どれどれ……うわ、人が相手かぁ」

 

よりにもよって新しい部隊での初任務が人間相手とは。

 

やっぱり不幸だ。

 

相手は武装した反戦団体。

戦争反対という建て前で軍事工事を襲撃しているらしい。

 

規模が今までにないレベルで元々いたPMCの警備兵は射殺。

 

作業員も殺して周り、工場内を荒らして回っているようだ。

 

「……反戦活動と言いながら武力行使とはこれいかに」

 

「そんなもんよ。口では戦争反対とか言いつつも結局は目的の為には人殺しも躊躇しない……もはやテロリスト以外の何者でもないわ」

 

WA2000が冷めた目で言う。

なにか過去にあったのかそれともただ単に見限っているだけなのか……

 

どちらにせよ排除することに全く抵抗はなさそうだ。

 

というか、嫌な顔をしているのは俺くらいなものだ。他は全員いつもどおり。

 

まぁ、もしかしたらプログラムで無理やり感情を押さえ込んでいるだけかもしれないが。

 

だとしてもこういうところは本当に便利だと思う。

 

「降下ポイントまで後5分‼」

 

アーキテクトが機内にいる全員に聞こえるよう大きめの声で叫んだ。

 

全員の表情が引き締まり武装の最終チェックを済ませて降下に備えた。

 

人間相手だが……殺害許可は出ている。

無力化ではなく、完全な排除だ。

 

「到着したよ‼」

 

ヘリが着陸してすぐに扉を開けてヘリから降りる。

 

全員降りて、ヘリの扉がしまった瞬間影からアサルトライフルを持った人物が飛び出した。

 

「敵が来たぞぉ‼…がっ」

 

叫んだ敵をとっさにSCARで射殺する。少し離れたところに降りたはずなんだが、こんなところにまでいるとは。

 

元気が有り余っているな。

え、余裕そうだって?

 

余裕そうに振る舞っているだけさ。そうでもしないとね。人間射殺に慣れたくなんてないけど。

 

「早速バレましたね」

 

「想像以上に規模が大きかったか」

 

「バレた以上一気に攻めるしかないな」

 

相手はざっと30人以上はいるはずだ。

さっさと片付けないと弾もいつまで持つかわからない。

 

アーキテクトにタランチュラを先行させるように指示を出して、少しの間銃撃が止むまで物陰に隠れる。

 

地面の至るところで土が舞い上がっている。

 

数が多いから飛んでくる弾の量も凄く、今飛び出したら蜂の巣確定だ。

 

「ぐぁっ‼」

 

「ぎゃぁ⁉」

 

と、次々に悲鳴が聞こえてくる。おそらくタランチュラが殺っているんだろう。

あんな小熊みたいに愛らしい行動をするとはいえやはり兵器なんだと嫌でも思い知らされる。

 

悲鳴は次々と聞こえてくるが、まだ銃弾の雨は凄まじいものだ。

 

まだ出るには早い。

 

少しして銃撃の激しさがマシになったタイミングを見て俺達は飛び出した。

 

「Go‼」

 

全力疾走で次の遮蔽物まで移動をする。

マシンガンやアサルトライフルだと、走れば意外と当たらないものだ。

 

流石にガトリングクラスになると話は別だが。

 

牽制にアーキテクトにマシンガンで弾をばら撒いてもらいながら遮蔽物へ滑り込んだ。

 

何回かペイント弾を使って似たようなシュチュエーションでの訓練はやったが未だに慣れない。心臓は今にも破裂しそうな勢いで鳴っている。

 

「大丈夫?」

 

ケイティが心配そうに声を掛けてくる。

そんな心配されるほど顔に出ていると言うのだろうか?

 

「大丈夫、顔が強ばっているだけよ」

 

WA2000さん……いや、もう呼び捨てでいいか。

 

WA2000がそんな事を言ってくるが、それのなにが大丈夫なのかぜひとも聞きたいもんだ。

 

「これはベテランでも緊張する場面だから心配いりませんよ」

 

姉さんが励ましてくれた。流石癒やし枠。

 

再びタランチュラのカメラに接続してあたりを見渡すが、新しく出てきた敵はいないようだ。

 

やるなら今だ。

 

「アーキテクト。入り口近くに固まってる3人組をRPGで吹っ飛ばせ。着弾と同時に俺達も射撃開始、一気に制圧だ」

 

軽く指示を出しておいてアーキテクトがRPGを発射機にセットするのを待つ。

 

ふと後ろに目をやると物陰から敵が出たのを確認した。

 

囲んで前後からやるつもりだったのかもしれないが、俺達が見逃すとでも思っているのだろうか。しかもSV-98が見ていたし。

 

案の定、SV-98に頭を撃ち抜かれて物言わぬ骸に成り果てた。

 

それと同時にアーキテクトのRPGのセットが終わったようだ。

 

「いつでも行けるよ‼」

 

「ok、3カウントで撃てよ。その後一斉射撃だ。………3、2、1…今だ‼」

 

アーキテクトが遮蔽物から身を乗り出して敵に向かってRPGを発射した。

 

「うわぁぁ‼」

 

「がぁぁ⁉」

 

「⁉クソ、グリフィンの犬が‼」

 

アーキテクトは正確な狙いでしっかりと3人にダメージを与えてくれた。

 

「今だ、撃て‼」

 

全員で陰から身を乗り出して残りに向かって射撃をする。

 

いくら武装していると言っても、ろくな訓練を受けたこともない素人集団。

 

ゲーガー以外のメンバーのSCARの一斉射撃を受けてなすすべもなく死体に変わった。

 

 

 

戦闘開始から約7分。

工場の外にいた武装集団は全滅した。




アンケートですが……みんな意外とクール&ツンデレが好きなんですねw

お気に入りが地味に増え続けて嬉しい限りです
感想と評価があればもっと嬉しい‼(殴

それと、アンケート第2回をやるのでこちらもお願いします。


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第11話 ②


唐突に朝投稿、昨日書き終わらなかったんだ()




・11月2日 続

 

正面を制圧した俺達は工場入り口で突入準備をしている。

もしかしたら入り口に爆弾が仕掛けられているかもしれないからアーキテクトに確かめてもらっている。

 

「……うん、爆弾はないね。このまま突入しても大丈夫だよ」

 

アーキテクトが問題ないと判断。

それを聞いた俺は先程のように3カウントで突入するように伝える。

 

タランチュラに中を確認させて工場内入り口付近に敵がいないことは確認済みだ。

 

「行くぞ……3、2、1…Go」

 

ドアは蹴破らずにそっと中に侵入する。

入った瞬間に工場内の電灯が一気についた。

 

囲まれているのかと思い、警戒をするが特に人は見当たらなかった。

 

といっても障害物が多くてどこに潜んでいるかわからないから油断はできない。

 

タランチュラも徘徊させているが未だに敵は見つからない。

 

不気味なほど静かだ。

本当に敵がいるのか疑いたくなる……が、そこら辺の機械が手当たりしだいに破壊されている。しかも破壊されてから時間が経っていないように見えるからまだ敵はいるのだろう。

 

それからしばらく。

 

タランチュラが人を捉えるのと、物陰から敵が姿を現すのは同時だった。

 

すぐに狙いを定めて引き金を引いて息の根を止める。

 

…たまに特殊部隊と言っても撃たれたら死ぬし一般兵と変わらないんじゃないかと言う人がいるが、こういうところで差が出ると思う。

 

一般兵より速く正確に射撃し、一般兵よりも格闘が強く、一般兵よりたくさんの言語を話し、一般兵よりもたくさんの技能を持つ。

 

一般兵とは比べ物にならない。

まさに一騎当千だ。

 

と、解説したはいいがちょっとまずい。

現在位置は大体工場の真ん中あたり。先程の銃声が合図になったのか四方八方の物陰から敵がワラワラと姿を現していた。

 

大した技能はないが、待ち伏せをして囲む程度の知能はあるらしい。

 

「武器を捨てておとなしく投降しろ‼我々は不要な殺しはしない‼」

 

さっきまで殺意マシマシで撃ってきておいてよく言う。

 

それに警備兵や作業員を何人も殺している。彼らが一体なにをしたというのか。

 

そんな事をいきなり言われて信用すると思っているのだろうか。

 

「そうですか……なら、あなたの足元で亡くなっているその男性は何故殺されたんですか?」

 

あ、これは姉さん怒ってるな。

まぁ、言ってることおかしいしなぁ。

 

所詮建て前を免罪符代わりにして自分たちがやっている事を正当化したいだけだ。

 

「こいつらは争いの元になる武器を製造していた。害虫は巣を叩かないといつまでも沸いてくるだろう?それと同じさ」

 

ならお前らが使ってるものは一体何なんだと言いたくなるのを必死にこらえる。

本当にめちゃくちゃだ。

 

それに……害虫ねぇ………………

 

俺からしたら民間人を手当たりしだいに殺戮して回ったこいつらのほうがよっぽど害虫だ。

 

「そうですか」

 

姉さんは冷めた目で男共を見ている。

これは完全にキレたな。

 

「……話は通じそうにないな。俺らもあんたらを殺すのは心が痛むが…悪く思うな。そこの男に利用されてかわいそうに」

 

なんか言ってる。というか、なんで既に勝った気でいるんだろうか。

 

もしかしてたかだか10人で全方位を囲って既に勝ち気なのだろうか。

 

まぁ、たしかに俺達だけならばダメージは覚悟しなきゃいけないが心強い味方がいる。

 

偉そうに演説していた男の隣にいた男がゆっくりと歩いて近づき、構えた。

 

「来世に期待しな……がぁ⁉」

 

引き金を引こうとした瞬間、頭から血を撒き散らして絶命して倒れる。

 

動揺が広がったスキに一気に周りの男を射殺した。

 

ほんと、偉そうにしている割には技能のほうがてんで駄目だ。

 

まぁ、口だけの元一般人に戦闘技術を求めるのも酷な話だが。

 

「あなただけになってしまいましたね」

 

SV-98が鋭い目つきで男を睨みながら言う。

男は先程までの余裕はすっかりなくして、引き攣った表情をしていた。

 

「………ちっ‼」

 

舌打ちをして腰に手をやるとグレネードらしき物を俺達の方に向かって投げてきた。

 

形状からして破片手榴弾ではないだろう。

スモークかフラッシュバンだ。

 

どっちにしろ至近で炸裂すればただじゃ済まないから遮蔽物に身を隠す。

 

次の瞬間、あたりは強烈な音と光に包まれた。

それが収まったのを見計らって物陰から身を出すと既に男の姿はなかった。

 

タランチュラのカメラに接続してみると、裏口から逃げ出す男の姿を捉えていた。

 

自分たちも急いで外に出たが、男は車で逃走を開始している。

 

しかし、他の仲間が乗ってきたであろう車がそのまま放置してあったからそれを拝借して男を追いかける。

 

運転はゲーガーだ。

 

「こういうものを使える状態にしたまま逃げるあたりがもう素人丸出しだね」

 

「素人だからな」

 

RFBが呆れたように言ってダネルがツッコミを入れる。

 

運転もあまりうまくないようであっという間に追いついてしまった。

しかし急に止まったかと思うと、飛び出して空き家に姿を消す。

 

意味のわからない行動にさすがに少し困惑したが、すぐに気持ちを切り替えて俺達も車から降りた。

 

すると、再び余裕ぶって男が出てきた。

 

「そういえば……お前らが来る前に正規軍が攻めてきた。規定のせいでいつも使ってる武器じゃなくて俺らも買えるような武器を持ってな。

あいつら民間人を盾にしたらろくに攻撃できない。一瞬で潰せたよ」

 

こいつはとことんクズのようだ。

 

やはりただのテロリストで間違いない。結局心の底からの反戦思考など元から存在しないんだ。

 

「で……だ。1人捕まえたんだよなぁ。別に情報を引き出そうと思ってたわけじゃないからどうしようかこまってたんだが…まさかこんなところで役に立つとは。おい、つれて来い」

 

建物の中にまだ仲間がいるのか偉そうに指示を出している。

 

少しして中から1人の軍人が出てきた。その人は縄で縛られて手足の自由を奪われている上に、殴られたのか顔が腫れていた。

 

俯いているせいではっきり見ることはできないが。

 

「おら、下向くな」

 

「うぐっ……」

 

そう言って強引に上を向かせる。

 

その顔を見て、俺は目を見開いた。

 

姉さんやケイティも似たような表情をしているはずだ。

 

なんせ…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「父さん…‼」

 

今まで連絡が取れず生死がわからなかった父親だからだ。





なんでこうなった(すっとぼけ)

さて、この先どうしよ()
とりあえず感想くだちい((((((

それとアンケート……みんなわーちゃんとダネル好きだねw
最後のヒロインアンケート置いておくのでこっちも頼みます


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第11話 ③

禁忌の1日2話投稿()
どうも、再び☆1評価がついてしまい少し凹んでいるマウントベアーです。
くっまだまだってことだなぁ……だがまだだ、まだ折れんよ‼

てなわけで最新話どうぞ


・11月2日 続々

 

「ん〜?そういえばどことなく雰囲気が似てるな……もしかして親子だったり?だとしたら悲劇だなぁ……目の前で父親を喪う事になるからな‼」

 

「………てめぇ」

 

「とりあえず銃を降ろせ。じゃないとすぐにこいつを殺す」

 

本当なら今すぐ射殺したいところだが、こいつは降ろさないと本当に射殺するだろう。

 

あいつが父さんを殺す前に撃つ事はできる……が、あいつは父さんの首に手を回して自分の顔に近づけている。

 

やつとの距離は10m。

 

「降ろせ‼こいつが死んでもいいのか⁉」

 

「……ちっ」

 

どっちにしろホロサイトを覗き込む暇はなく、下ろす他無かった。

 

「後ろの連中もだ、武器をおろしてこっちに蹴飛ばせ。今すぐにだ」

 

WA2000は屈辱に顔を真っ赤にしながらSCARと半身でもあるWA2000ライフルを男の方に蹴飛ばす。

 

父さんは申し訳無さそうな表情で俺達を見ていた。とはいえ、最近の正規軍はE.L.I.Dの相手ばかりをしているせいか少し対人は弱くなっているという話はある。

 

まぁ、民間人を盾にされたのならスナイパーとかが後ろで待機でもしていない限り迂闊に手は出せない。

 

横に転がっている装備を見るに、父さんは今回ただのライフル兵として出撃したらしい。

 

「……よし、いいぞ。おいそこのお前、両手を頭の後ろに回して跪け」

 

おっとこれは……あれかね、早速殺されるか?

やつのニヤニヤをした顔を見ると腸が煮えくり返りそうになる。

 

しかし、どうにもならない。今腰についているハンドガンを抜こうものなら構える前に父さんの頭がふっとばされて終わりだろう。

 

悔しいが従うしかない。

 

言われた通りに手を頭の後ろで組んで、跪く。

 

「そう、それでいい……手間かけさせやがってよ…オラッ‼‼」

 

「がっ‼‼」

 

跪いた途端、男は父さんの首から腕を離して俺の方に来て顔を思い切り蹴飛ばしてきた。

 

靴の先がもろに頬に当たって、口の中に鉄の味が広がる。

どうやら口の中が切れたらしい。

 

「お…お兄ちゃん……‼」

 

ヘッドセットからケイティの怯えたような声が聞こえてくる。

心配してくれるのは嬉しいけど任務中は動揺したら駄目だって訓練受けたろうに。

 

やつは今度こそ優位を取れて気分がいいのか気持ち悪い笑みを浮かべて俺を見ている。

 

「どうだ?特殊部隊サマがド素人にいいようにされる気分は?えぇ?なんとか言えよゴルぁ‼」

 

「うぐっ……‼」

 

今度は正面から顎に膝蹴りをくらってそのまま足で頭を踏みつけられる。

脳がゆさぶられたのか、視界が歪みバランス感覚がおかしくなる。

 

耳元からギリィ…と歯ぎしりをしている音が聞こえた。

 

後ろを向いているから誰が鳴らしたかはわからないが、とにかく今は余計なアクションを起こさないでほしい。

 

ここで父さんが殺されたらやられっぱなしになっていた意味がなくなる。

 

「へへっ最高だなぁ‼お前らの屈辱そうな顔を見るのは最高に楽しいぞ‼オラァ‼」

 

ハイになっているのか嬉々としながら俺を殴り、蹴る。

 

しかし、うんともすんとも言わずに黙って暴行を受けている俺を見て気に入らなくなったのか

 

襟を鷲掴みにして持ち上げてきた。

 

「黙って殴られて詰まんねぇなおい…悲鳴の1つくらい上げたらどうだ」

 

「……………………おととい来やがれ」

 

「クソがっ‼」

 

挑発が気にくわなかったらしく、顔を真っ赤にして頬を殴ってきた。

 

「クソッタレが、もういい。親子もろとも殺しt」

 

「ごぁっ⁉」

 

「ぐっ……ふん、油断したな。仮にも軍人が大人しく縛られたままだと思ったか」

 

父さんがいつの間にか縄を解いて相手から奪った拳銃で立っていた男を射殺した。

 

そして、俺のことをいたぶっていたやつに拳銃を向けている。

 

「銃をこっちに投げろ。……おっと、変な気は起こすなよ?お前が俺を撃つのが速いか、俺がお前を撃つのが速いか…………実際にやらなくても分かるだろう?」

 

「ちっ……」

 

男は忌々しそうに拳銃をホルスターから出して父さんの方に投げた。

これでこの男も丸腰だ。

 

「その男もこっちに寄越せ。雑な扱いはするなよ」

 

男は俺を立たせて父さんの方に差し出した。

 

「さて……お前は正規軍で捕獲して警察に引き渡すことになっている。どんな罰が待っているかはわからんが…せいぜい苦しみながら償うんだな」

 

あまりの屈辱に男の顔は真っ赤になり血管がうかびあがっている。

ほんとすぐに感情が顔に出るやつだ。そして耐え性もない。

 

よくこんなんで団体のボスなんか務まっていたもんだと言いたいくらいだ。

 

ふと、父さんの身体がぐらついた。

 

「智樹……あとは頼んだぞ。父さんは……もう駄目そうだ」

 

よく見ると先程の撃ち合いで一発貰ったのか、腹が真っ赤に染まっていた。

とうとう耐えきれなくなったのか、崩れ落ちた。

 

「え、あ、お、おい。嘘だろ?ちょっと待ってくれよ。父さんまでいなくなったら俺……」

 

「何弱気になってんだ……カーラにケイティもいるじゃないか………」

 

「そういう問題じゃ……‼」

 

そういう問題じゃないと言い掛けて、父さんに口を塞がれてあるものを渡された。

 

手を見るとロケットが握られている。

開けると中には父さんと母さん、じいちゃん、俺、カーラにケイティが写った写真があった。

 

「それ、お前が持ってろ。……形見だ。それと……俺の代わりに任務…たのんだ…」

 

「待ってくれよ……お願いだから……」

 

しかし、俺の願いは届かず父さんはゆっくりと目を閉じて息絶えた。

 

唯一の肉親を喪った俺は呆然とする。

完全に思考が停止してしまっていた。

 

「……は、天罰だ。軍人はみんな死に絶えろ、家族もろともな。俺は軍人に家族を奪われた。だから軍人は殺す。みんなおれと同じ目にあえば良いんだ」

 

頭が真っ白になる、心の奥底で1つの感情がグツグツと煮えたぎる。

 

『落ち着いて智樹……復讐目的で殺すのだけはだめよ……』

 

ヘッドセットから聞こえたWA2000の声で現実に引き戻され、頭が少し冷える。

 

しかし……

 

「はは、いい気味だ。家族を喪った気分はどうだ?俺はこの先も殺し続ける。生きている限りな。そのうちお前も…」

 

この先の言葉は銃声でかき消された。

男は頭に風穴を開けて倒れている。

 

俺の手には拳銃が握られていて銃口から煙が上がっていた。

 

俺はそのままその場に座りこむ。

 

他のメンバーはなんと声をかけたらいいかわからないそうにしていた。

 

多大な犠牲を払い、任務は達成された。




不幸体質ここに極まれり()

てかこれ不幸体質で片付けられるのかな(((((

あと、サマシュ様の『傭兵日記』でコラボしていただきました‼
ありがとう御座います‼

あ、感想・評価お願いします‼

アンケートは明日までおいておきます。みんなわーちゃん好きなんだねw


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第12話


なんだか話がへんな方向に向かいだしているきがしてならない()
なんでこうなったんだろ(すっとぼけ)

まぁ……なんとかなりますよねw
それでは最新話どうぞっ


・11月3日

 

何を書くべきだろうか………

昨日任務から帰ってすぐに部屋に戻った。

本当なら早く報告書を書かなきゃいけないんだけどそんな気力は全く沸かなかった。

 

いいや、生きる気力がなくなっていると言っていい。

 

なんとか日記を書くことはできるが………

父さんに最後に託された任務も達成できなかった。

 

WA2000に諭されたにも関わらず感情に流されて相手を殺した。

 

俺に、隊長を務める資格はない……

 

・11月4日

 

ろくに眠る事もできない。昨日は寝ている最中に家族の夢を見て、気付いたら泣いて起きてた。

 

眠ろうとしたけど眠れなかった。

 

今日は部屋にこもってた。

 

・11月5日

 

もう……数日飲まず食わず…少し意識が朦朧としてきた…いっその事このまま家族の元に行くのも有りかもしれない…

 

・11月6日

 

今日は1日寝てた…

 

・11月7日

 

……

 

★★★★★★★★★★

 

WA2000は気が気でなかった。

あの出来事があってから智樹が自室から出てこない。

 

何回か心配になって部屋に訪ねてみたが、曖昧な返事をするばかりで顔を出すこともしない。

 

というか1日のどの時間帯でも基地内で智樹を見かけない。

 

「……ちゃんと食事しているのかしら?」

 

さすがにおかしいと思い始めるだろう。

異変は他のメンバーも感じ取っているらしく、急遽、会議が開かれた。

 

「んで、智樹の様子だけど……」

 

「ここ数日誰も見ていないそうだ……」

 

ダネルの報告にWA2000はやっぱり…とつぶやき険しい表情になる。

 

「智樹の部屋に水とかはあるのかしら?」

 

「水道ならありますけど……飲料水の備蓄は……」

 

「……まて、そうなるともう3日以上水分を取っていないことになるぞ‼」

 

珍しくゲーガーが軽く取り乱す。

 

人間は大体3日水分を取らないと生きることはできないとされている。

もちろん多少個人差はあるだろうが、大体の目安だ。

 

仮に……仮に智樹が何も口にしていないとするならば…相当弱っているはずだ。

 

「大変……‼」

 

スプリングフィールド…カーラが勢い良く立ち上がり、智樹の部屋まで駆けていく。

 

他のメンバーも大騒ぎだ。

 

「医務室から医者を‼」

 

「了解‼」

 

カーラとついてきたケイティは智樹の部屋のドアを開けようとするが、内側から鍵が掛かっていて開けられなかった。

 

しかし、命の危険があるかもしれないということで戦術人形のパワーを活用してドアを素手で破壊した。

 

「お兄ちゃん‼‼」

 

ケイティがベッドでぐったりとなっている智樹のもとに向かう。

 

顔色は悪く、呼吸にも力が無かった。

 

「医者を連れてきたぞ‼」

 

ダネルが医者を連れて、部屋に入ってくる。

医者はグチャグチャに破壊された扉を見てドン引きしていたが、智樹を見るとすぐに表情を引き締めた。

 

「これは…まずい。すぐに点滴の用意を‼」

 

医者の指示の元部屋に器具が持ち込まれ、智樹に処置が施される。

 

おおよそ5分ほどでとりあえずの処置は完了した。

 

「あの……智樹は大丈夫なんですか?」

 

カーラが心配そうに聞く。

いつもの優しいお姉さんの姿はどこにもなく、今にも泣きそうになっていた。

 

「…肉体の方はおそらく大丈夫だろう。ただ……目を覚ますかはわからない」

 

「ど、どうして……?」

 

今度はアーキテクトが震え声で問いかける。

相当ショックなのか、手は震えている。

 

「目の前で最後の肉親をなくされたんだよね?おそらくだが精神に相当のダメージを追っている。心身喪失による昏睡状態だ。……場所を移して目を覚ますまで見守るしかない」

 

「そ、そんな……!」

 

アーキテクトはその場にへたり込んでしまった。

 

部屋が重苦しい雰囲気に包まれる。

 

WA2000は表情にこそ出していないが、胸が締め付けられるような思いだった。

 

ケイティはもう悲壮な表情で俯いて固まっていた。

 

「……とりあえず、精神病患者を入れる為のロッジがちょうど1つ空いているから、そこに移動させよう」

 

医者の提案で智樹を移動させる事に。

点滴の予備やシーツの替え、服を準備してステルスホークに乗り込む。

 

もちろん、いくら普通のステルスホークより大形と言ってもベッドを載せるのは無理なので担架にのせかえているが。

 

アーキテクトがいつも以上に慎重にヘリを操作する。

 

おかげで今までで1番の乗り心地だ。

 

WA2000は移動中、ヘリアントスに連絡をしていた。

 

「そうよ……智樹はしばらく戦えないわ」

 

『そうか……こんなことになるとはな…』

 

ヘッドセットのホログラムスクリーンに映るヘリアントスの顔は苦虫を噛み潰したような状態になっていた。

 

『ううむ……とりあえず隊長代理はWA2000に命じる』

 

「それはいいけど……私達がいない間、護衛はどうするのよ」

 

『ああ、そのへんは心配しないでくれ。ちょうどいいのが1人いるからな。1週間は任せることができるはずだ』

 

「そ……ならいいわ。……とりあえず切るわ」

 

通信を終えて、智樹を見る。

ぐっすりと眠って目を覚ます気配は全く無かった。

 

もしかしたら本当にこのまま目を覚まさないかもしれない。

不安だ。

 

さきほどから電脳がぐるぐると余計な思考処理ばかりするせいで変な予想ばかりが浮かんでくる。

 

こうなったらいっその事、寝てたほうがましだ。

 

そう結論づけたWA2000は強制的にスリープモードに入った。

 

★★★★★★★★★★

 

「ああ、そうだ。依頼内容はとある重要人物が療養しているロッジの護衛。期間は一週間だ、

報酬は弾む。ああ…では、頼んだぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャベリン」





今回は短めですね……
まぁ、あんまり書くことなかったですし……

感想、評価お願いします。

アンケートですが……このまま行くとWA2000に決定しそうですw
うまく書けるか不安ですががんばります。

あ、一応まだ置いておきますねw


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第13話 ①

どうも、マウントベアーです。

1日2話投稿はネタがつきそうになるからもうやらない()

あと、少しの間下垣君はおやすみです。

それでは最新話どうぞっ


・12月1日(WA2000)

 

智樹がまだ目を覚まさないから代わりに私、WA2000が日記を書くわ。

 

最初の頃は皆悲観に暮れていたけど、さすがに少し慣れて来たのかいつも通りに戻っているわ。

任務も何回かあって出撃もした。

けど、やっぱり智樹がいたときの方がやりやすいわね。

 

今日は私は1日ロッジで智樹の面倒を見ていた。1ヶ月近く眠り続けているせいか、だんだんと痩せてきている。

 

点滴を打っているから栄養失調の心配はないけど、これだとリハビリが大変ね。

 

それと、面倒を見ている間に必ずやっている事。智樹の手を握って、話題は何でもいいからとにかく話しかけること。

 

これはチームメンバー全員がやっている。

効果があるのかはわからないがこうしていれば、いつか目を醒ましてくれると信じている。

 

握る手に力を込めれば智樹のぬくもりが感じられて安心できた。

 

ちゃんと生きていると実感できるから。

 

本来ならしっかり看病したいけれど立場上どうしてもそういうわけには行かない。

 

こうして1日、2日くらいしかみれないのだ。

 

最後に部屋の花瓶の水を入れ替えて窓際に置いて看病は終わる。

 

部屋を出る前に智樹をの手を握るのも忘れない。

 

明日は目覚めているといいなーー

 

★★★★★★★★★★

 

・12月2日(映像付き)(WA2000)

 

「グリフィンの前線基地をテロリストが占拠。本部のエリート部隊サマと合同で指揮官の救出任務に当たれ……ねぇ」

 

私はそうぼやいて窓の外を見る。

自分たちチームリーパーの乗るステルスホークの側には4機のブラックホークが随伴していた。

 

指揮をしているのはこれまた本部配属のエリート思考の強い指揮官。

 

まぁ、最低限本部配属でも恥ずかしくない程度の指揮能力は有しているがそれだけだ。

よほど自分は素晴らしいと思っているのかいちいち言い方が上から目線な上に完全にこちらを見下している。

 

とはいえ、随伴部隊のひとつ。FN小隊はあくまで今回に限り貸し出されているようだが、それも自分の実力あってこそと言いふらしているらしい。

 

鬱陶しいことこの上ないが、命令書の上では救出を行うのは自分たちチームリーパーなので気にしなければ問題ないが。

 

「はぁ……やだなぁ。あ、ランディングゾーンまであと5分だよ」

 

アーキテクトは嫌そうな顔を隠そうともしない。本部の指揮官がアーキテクトとゲーガーを見るなり馬鹿にしたような目で見ていたから無理もないが。

 

『あーあー……聞こえているかね?今回は我々エリート部隊の実力を知らしめるまたとないチャンスだ。たかだかテロリストごときにやられ捕虜になっている出来損ないの救出など本来ならやりたくないがね……』

 

また始まった。いちいち余計な一言を挟むのをやめてほしい。こっちの士気が下がる。

 

『で、コネで最精鋭部隊の称号を貰ったリーパーの諸君、せいぜい足を引っ張らないようにな。……それでは健闘を祈る』

 

言いたい放題言って通信は切られた。

 

「ねぇ……帰っちゃだめ?今からでも引き返そうよ」

 

「気持ちはわかるけど我慢よ。流石にそんな理由で引き返す事はできないわ」

 

「わかってるよー…わーちゃんは真面目だなぁ」

 

「わーちゃん言うな。……真面目というよりも、智樹の顔に泥を塗るような事をしたくないだけ」

 

これは本心だ。彼が目を覚ますまでの間は自分が隊長。

 

彼が目を覚したときに胸を張っておかえりと言ってあげられるように自分がしっかりとしなければいけない。

 

「前から思ってたけどさ……わーちゃんって他の人に聞くに典型的ツンデレで他人を寄せ付けないオーラあるってイメージだったんだけど、お兄さんにあってからパッタリなくなったよね」

 

「だからわーちゃんって……は⁉誰がツンデレよ‼…いや、そうね。一時期そんなこともあったわ。でも……智樹に会ってからはね。あいつと会話してたら馬鹿らしくなったのよ。弟ができた気分だった。…………正直今はそんな感情じゃないのは確かね」

 

「惚れた?」

 

「かもね………」

 

「うわぁ‼わーちゃんが素直だ‼今日は崩壊液マシマシの雨が降るに違いない‼‼」

 

「あんた帰ったら覚えておきなさいよ……っと、到着したようね」

 

姦しく、恋話(?)に花を咲かせているうちにランディングゾーンに到着したようだ。

 

ドアを開けて着陸に備える。

 

ヘリはゆっくりと降下していき、軽い振動とともに地面に降りた。

 

すぐにヘリから降りて基地に向かう。

基地周辺には武装したテロリストが既に何人もいて、警戒をしていた。

 

事前の打ち合わせでは4部隊が激しく撃ち合っているスキにチームリーパーが裏口から侵入して捕らわれた指揮官を救出する事になっている。

 

『おっと、チームリーパーにはFN小隊も着ける。自分たちだけ美味しいところを持っていけるとは思わない事だ』

 

流石にこの命令には怒りすら湧いてこない。

なんだろう、やはりこの指揮官はこの救出作戦は上層部へ実力をアピールするためのイベントだとでも思っているのだろうか。

 

「指揮官、申し訳ないけどそれは了承しかねるわ」

 

『なに……?命令無視でもするつもりか?』

 

FN小隊の隊長、FALが指揮官の指示を突っぱねる。

 

「なにを勘違いしているか知らないけど私達の指揮官は貴方じゃないから。ま、一人くらいならつけてあげるわ」

 

『ふん……』

 

やがて会話が終わるとメンバーに淡々と命令をしだした。

 

「さて、一応言われたからには仕事するわよ。FNCとFN49は私と正面。Five‐sevenはリーパーのサポートをしてちょうだい」

 

「ハイハイわかったわよ……というわけで宜しくね?」

 

「えぇ宜しく」

 

私はFive‐sevenと握手を交わす。

 

優秀な副隊長だと風の噂で聞いているが実際のところどうなのか……

 

「あ、貴方達と同じようにできるかはわからないけど足は引っ張らないわ」

 

どうやらこっちの考えていることはお見通しだったようだ。

 

その場で軽く打ち合わせをすると、チームリーパーはメイン部隊と分かれて基地の裏口に回り込む。

 

裏口にも敵はいたが正面よりは少なく、問題なく突破できそうだ。

 

「そういえば……皆同じロケットをつけてるけど、中には写真が入っているの?」

 

ふと、Five‐sevenがそんなことを聞く。

ロケットは智樹が倒れる原因となった任務が始まる3日前に注文したもので、任務後に届いたものだ。

 

「写真入ってるけどドッグタグよ。開けたら中に名前が刻んであるわ」

 

「へぇ……ねぇ、一瞬見せてもらってもいい?」

 

「…今任務中よ」

 

「お願い」

 

「はぁ……ちょっとだけよ」

 

そう言ってFive‐sevenに中身をみせた。

中にはいい笑顔のチームメンバーがヘリを背に写っていた。

 

「あら?この男の人は……?随分若いみたいだけど」

 

「うちの隊長よ。訳あって今は昏睡中」

 

「そう……」

 

それ以降は特に会話らしい会話はなく、メイン部隊から合図があるまで待機をしていた。

 

じっと身を潜めて合図を待つ。

 

『作戦開始‼』

 

指揮官の声がヘッドセットから聞こえるのと、銃声がなり始めるのは同時だった。

 

チームリーパーも影から飛び出して見張りを一気に片づける。

 

救出作戦が開始された。




いかがでしたか?

アンケートの結果ですが……
大差をつけてWA2000に決定。がんばって書いていくつもりです‼
ご協力ありがとう御座いました‼

よかったら感想と評価お願いします‼


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第13話 ②

どうも。
毎日更新は絶望的だと言う現実に直面し、1日おきに変更したマウントベアーです()
不甲斐ない作者を許してください()

それでは最新話どうぞっ


第13話 ②

 

・12月2日 続(WA2000)

 

基地内に侵入すると、ありとあらゆるところから敵がでてきた。

 

「敵‼」

 

ただ、基地の狭い廊下での会敵だから出てくる数も多くて3人ほどだから余裕で対処できる。

 

頭を出した瞬間に風穴を開けることができるくらいには。

 

情報ではここの基地の指揮官は執務室に捕らえられているとのこと。大体執務室は基地の中央部に存在するから、奥まで入っていく必要がある。

 

他の4部隊が抑えているとはいえどれだけのテロリストがいるかわからないから可能な限り迅速にだ。

 

「こっちにいt…がぁ⁉」

 

「ぐうぅあ⁉」

 

進むたびにモグラのように頭を出してくる敵をさっさと片付けながら進む

 

やがて、曲がり角を曲がると食堂の入り口に着いた。

 

「……フラッシュバン投げますね」

 

カーラがポーチからフラッシュバンを取り出して食堂に放り込んだ。

 

ゴンっとゆかに落ちる音がした一瞬後に炸裂する。

 

「Go‼」

 

光が収まってから侵入して統率を失った敵兵を一気に片づける。

 

フラッシュバンの影響でふらついている敵を一気に片付けるのはキルハウスで高速タイムを出すより簡単だ。

 

「クリア…」

 

「クリア」

 

食堂をパッと見て脅威となりそうな敵がいないことを確認すると、一旦ヘッドセットのマップを呼び出してルートを再確認した。

 

このまま順調に行けばすぐに執務室に到着する。

 

「執務室の前はT字状の廊下なのね。奇襲を受けないように注意する必要があるわ」

 

「了解、しっかりと見張っておきますよ」

 

私のつぶやきにSV‐98が返す。

小休止を終えた救出チームはすぐに執務室に向けて出発をした。

 

「……入口前に2人。それ以外は見当たらないな。流石に油断し過ぎじゃないか?」

 

「ま、少ないほうがやりやすいわ。ゲーガー、ナイフキル頼める?」

 

「構わないが、もう一人くらい欲しい」

 

「あ、なら私が行くわ」

 

ゲーガーのパワーなら一瞬であの二人の元まで行って殺害できるが、大事を取ってもう一人連れがほしいらしい。

 

そこにFive‐sevenがついていく事になった。

こう見えて、Five‐sevenもハイクラスの戦術人形だからゲーガーのスピードについていく事も可能だろう。

 

「3カウントで行くぞ」

 

「りょーかい」

 

「3、2、1……Go」

 

一瞬で…2人のところに到達し、コンバットナイフで首を掻っ切る。

 

男達は自分たちの身に何が起きたのか理解できないまま絶命した。

 

「さてと……中に人はいるかしらね…」

 

私は聴覚センサーの感度を最大に引き上げて中から声がしないか確かめる。

 

『………だ。……と⁉』

 

『‼……………っ‼』

 

何やら言い争っているようなようす。

指揮官がここにいるのは間違いなさそうだ。

 

アーキテクトにC4を仕掛けてもらって、離れる。

 

スイッチはWA2000が使うことになった。

 

「それじゃあ……いいわね?」

 

全員がコクリと頷くと、私はスイッチをおした。

 

破裂音とともに扉をロックしていたものが破壊される。

 

SV‐98とケイティが扉を蹴破って中の敵に向けて発砲、またたく間に制圧された。

 

中の指揮官は顔に痣を作っているものの、命に別状はなさそうだ。

 

「き、君たちはグリフィンの……」

 

「救出部隊よ、自分で歩けるかしら?」

 

「ああ、問題ない」

 

「そ、なら行くわよ。こちらチームリーパー、荷物の回収に成功。これより脱出する」

 

基地から出る前に一応の連絡はする。

報告、連絡、相談は基本だからだ。

 

『ああ、もしかしたらだめかと思っていたのだがね……まぁ、冗談はこの辺にして。そろそろ本隊のほうが厳しくなってきている。なんとか戦闘ヘリ2機の要請はできたから君たちはFN小隊を連れて脱出したまえ。君たちのヘリなら乗せることができるだろう?』

 

「……了解。本当に良いんですね?」

 

『構わない。私の部隊はそこまでやわじゃないからな。さっさと行き給え』

 

相変わらず嫌味っぽいやつだが、戦闘ヘリも呼んだのならとりあえずは大丈夫なはずだ。

 

正面は任せて自分たちはさっさと脱出するとしよう。

 

「さて、行くわよ。アーキテクト、ヘリは?」

 

「今向かわせてるよ。あと数分で裏口に到着する」

 

「上出来ね。……構わないわね?」

 

「ああ」

 

救出対象の了承も取れたところで、私達は移動を開始した。

 

しかし、別の部屋にでも待機していたのか敵兵が再び出てきて私達の行く手を阻む。

 

救出対象がいるからできる限り交戦は避けたいのだが、敵はそうさせてくれないらしい。

 

「くっ……一体どれだけ…‼」

 

「じ、自分も手伝うか⁉」

 

「余計なことしないで引っ込んでなよ」

 

私がグチると救出された指揮官が加勢しようとするが、アーキテクトの容赦ない一言であっけなく撃沈する。

 

まぁ、実際に守るべき人物が前に出て戦って殺されたら元も子もないからどっちにしろ手伝いは拒否していたが。

 

ようやく裏口に到着。少し扉を開けて敵がいないことを確認して建物の外に出た。

 

「アーキテクト、ヘリは?」

 

「今ついた」

 

上を見るとグリフィンのロゴとチームリーパーの部隊章がペイントされたステルスホークが建物の上から姿を表した。

 

ステルスホークは格納されていたタイヤを展開してゆっくりと地面に機体を下ろす。

 

「乗るわよ」

 

ドアを開けて救出した指揮官と共にヘリに乗り込む。あとはFN小隊の合流を待つだけだが…

 

『こちらFN小隊隊長FAL。想定外の事態発生よ。新たなお客様がわざわざおもてなしをするために新たに30人ほど追加されたわ。本隊の方は戦闘ヘリが支援しているから大丈夫でしょうけど私達は身動き取れないわね。

対戦車ミサイル持ちがいるから下手に近づいたら落されるわよ』

 

どうやら敵は自分たちが想像していた以上に大量の戦闘員がいるようだ。

 

「アーキテクト」

 

「はいはーい」

 

ヘリはふわりと浮かび上がり、低空を飛行する。

 

そしてFAL達が足止めを食らっているという基地側面に回り込んだ。

そこには無数のテロリストと、瓦礫を盾にしてテロリストから奪ったであろうライオットシールドを構えながら反撃しているFN小隊の姿があった。

 

「皆はドア開けて銃撃宜しくね‼私はミニガン使うから‼」

 

アーキテクトは小窓を開けて格納されていたミニガンの銃身を外に出し、テロリストに向けて発射した。

 

やはりというか人数がいるとある程度密集するわけで、ミニガンの掃射を受けてバタバタとドミノのように倒れていく。

 

そこに、私達のアサルトライフルの射撃も受けて敵は一気に混乱状態に陥った。

 

そのタイミングで少し離れたところに着陸してFAL達が来るのを待つ。

 

スモークを炊いて視界を塞ぐと、FAL達はすぐにステルスホークに乗り込む。

 

機内に全員入ると少々荒々しく上昇して戦闘現場を離脱した。

 

「ふぅ……任務完了ね」

 

私は一息ついて座席に腰を降ろす。

 

支部は失われたが、当初の目的である救出は成功という形で終わることができた。




戦闘描写の地の文がなんだかワンパターンなってきている気がする()
語彙力がないからか(((((((

それにしても……一応流れは決めてるんだけど、大きく動き出すのが2060年から……んで、今は2058年……
2059年の分のネタが辛い((((

というわけで(どういうわけだ)
再びリクエストボックスを起きます。
2059年、チームリーパーが動きそうな事態で何かやってほしい事件?
出来事?があれば書き込みお願いします。

遠慮なく書いてくださいねw
できるだけ実現させます。

今回も読んでくれてありがとう御座いました‼
感想、評価お願いします‼




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第14話

どうも、他の作者さんのドルフロ小説を見て自分の文才の無さに凹んでいるマウントベアーです。
いや、ほんとなんでみんなあんなに上手に書けるんだ()

ま、それは置いておいて……

それと、お気に入り100件突破‼UAも6000超え‼本当にありがとうございます‼これからも「狙撃手の少年は」を宜しくお願いします‼

最新話、どうぞっ




・12月3日(WA2000)

 

基地に帰ったら見知らぬ鉄血人形がいた。

見た感じハイエンドモデルではなさそうだけど………

 

アーキテクトに聞くと、どうやらアーキテクトオリジナルの戦術人形らしい。

もちろんモデルはあって、量産人形のブルート(色白)とドラグーンを元に作ったんだとか。

 

というか量産型まで美人とか鉄血工造のエンジニアには変態しかいないんだろうか。

 

まじまじと眺めていたら流暢に喋りだして飛び上がりそうになってしまった。

 

なんせ、販売されている鉄血の量産人形は簡単な事務連絡をする程度のAIが搭載してあるだけでまともな日常会話などできるものじゃないから、突然目の前でにこやかに挨拶されてペラペラと話し始めたら驚くのも仕方ないというものだ。

 

AIはこれまたアーキテクトが数カ月かけて育てたものを使っているらしい。

相当高度なAIだと言っていた。

 

ちなみにこの2体にはまだ名前がないという。

名前を与えないのかと訊いたら智樹に名付けてほしいんだそう。

 

もともとこの人形は智樹の護衛兼身の回りの世話をさせるための人形だからだそうだ。

自分たちが会いに行けてない間も身体を拭いたり部屋の掃除をしたりといろいろやってくれているそうだ。

 

何かほしいものがあったりしないのかと聞くと、いつか目を覚した智樹に名前をもらいたいらしい。

 

……これだけ尽してもらっているのだから早く目を覚ましなさい。

 

それに皆会いたがっているわよ。

 

……………………も、もちろん私もね。

 

・12月4日(WA2000) (映像付き)

 

今日はすっかり忘れ去られていたオスプレイ改を使って空挺の訓練をした。

グリフィン本部が占領されたと想定して空から強襲、制圧するというもの。

 

まぁ、実際にそうなったら空挺じゃなくて普通にステルスホークでの移動になると思うけど。

 

実際にグリフィン本部数フロアを貸切ってこの訓練は行われる。

ちょうど定期的に行われる防衛訓練と日程が重なったから実現したことだ。

 

一応ごんぞう君も吊り下げて持っていく。降下ポイントで切り離して落下傘で落とす予定だ。

 

「降下ポイントまであと2分‼」

 

アーキテクトはそう叫ぶと後部ハッチを開ける。

開ける前よりも大きなエンジン音が聞こえて、風が機内に入ってきた。

 

チームメンバーはハッチ前に並んで降下に備える。

 

「……ごんぞう君切り離し完了…降下5秒前…3、2、1…降下‼」

 

合図と同時に先頭の私からどんどん降下する。

前を見れば、先に切り離されたごんぞう君が落下傘を開いてなかなかの速さで降下している。

 

着地をすると落下傘を切り離して地面に伏せる。

 

そこら辺に敵をイメージした的が立ててあるからそれを撃つ。もちろん万が一があったら大変だから使う弾はゴム弾だ。

 

あらかた制圧をすると走って入り口まで向かう。ごんぞう君はもちろん入り口で待機だ。

 

1階ロビーに立ててある的を一瞬で排除して次の目標へ。

左側は他の部隊がやるから自分たちは右だ。

 

廊下の制圧、ドア横をキープ、空いていればフラッシュバンを投げてから突入。

空いていなければ爆薬でドアをふっ飛ばして突入、制圧を手早く行いこれを繰り返す。

 

あ、ドアはもちろんふっ飛ばしたフリだから。

中にいる担当の人が鍵を開けてドアを開いてくれることになってる。

 

流石に訓練とはいえ本当にドアを壊したら修理代が悲惨な事になる。

 

順調に制圧を勧めて、参加した突入部隊の中で一番に3階までたどり着いた。

自分たちは下に降りて他の部隊が終わるまで待機だ。

 

「なーんかな〜育成部隊の時の方がきつかったよね〜」

 

ふと、アーキテクトがそんなことをこぼした。

まぁ、たしかに今回の訓練と比べると前の育成時の訓練の方が厳しかった気はする。

 

こんな訓練で大丈夫なのだろうかとちょっと不安ではある。

 

「考えあってやっているんでしょ……私達が口を挟む事じゃないわ」

 

「ま、そうなんだけどね〜……グリフィンもある程度ちゃんとしてくれないと結局私達即応部隊にしわ寄せ来るじゃん」

 

「気持ちはわからなくもないけどそこまでよ。私達はたとえしわ寄せが来ようとも確実に任務を遂行するために訓練を受けてここにいるの」

 

「はーい……」

 

とはいえほんとに頭おかしい難易度の任務が来たら結構困るわけで……

 

考え事をしているうちに他の部隊も終了したのかロビーに集まっていた。

そして上級代行官からの話があり、それが終わると訓練は終了した。

 

帰りのオスプレイの中で次の訓練からもっと厳しくしてもらえるように社長に直審判しようと私は決めた。

 

・12月11日(WA2000)

 

今日はいつも通り訓練の日だったのだけれど、夕食の時に料理対決をする事になるというおかしなことになった。

 

チームメンバーは全員サバイバル訓練の時にある程度の料理を作れるように訓練を受けているから漫画で出てくるような失敗料理を作る人形はいない。

 

で、なんで対決する事になったかというとアーキテクトとケイティが限られた食材から作る料理でどれだけ美味しいものを作れるかという張り合いを始めた事が原因だ。

 

まぁ、サバイバル料理と言っても自分たちの食料が無くなった時に敵から押収した食料を使って作る前提だったから知識が生かされることはあまりないとは思うけど。

 

大体レーション、もしくはスティック・ゼリー。

 

ほんとにダメそうなら汚染の少ない場所に住んでいる生き物を狩って食料にする。

 

と、実態は置いておいてだ。

私達は目の前の食料とにらめっこしながらメニューを考える。

 

作る品目はこうなった。

 

対決料理

 

WA2000→簡単バンバンジー

 

カーラ→たまごのみチャーハン

 

ケイティ→ポテトサラダ

 

アーキテクト→親子丼

 

それぞれが食材を手に取り調理を始めた。

正直アーキテクトの親子丼とかサバイバル時に作れるか疑問だ。

 

2時間弱で全員の料理が完成、試食をする事に。

 

これで、誰かの料理が超不味いとかそのへんのプチイベントでも起これば多少は楽しかっただろうけど、そんなことは一切起こらなかった。

 

ちなみに、一番美味しかったのはカーラのたまごのみチャーハンだった。




やばい……ネタが…(

なんとかして考えなければw
あ、読者の皆さん気軽にネタ箱に放り込んでいいんだよ……?
|ω・)

感想、評価お願いします!


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第15話


どうも、マウントベアーです。
今回から2059年に突入ですよ‼

(ネタが)ないです

それでは最新話、どうぞっ


・12月25日(WA2000)

 

今日はクリスマスというイベントがあるらしい。

もともとはイエス・キリストの誕生を祝う日らしいのだけど、今はもはやお祭り騒ぎをする口実のようになっている。

 

あとは……恋人と仲良くする日?

 

あんまり詳しくないけどそういうことらしい。

 

で、アーキテクトが

 

“せっかくだからプレゼント交換しよう‼”

 

とか言い出したから街まで買いに行くことになった。

幸いな事に、チームリーパーは今日1日休みだからゆっくりと選ぶことができる。

 

選ぶとしたら……無難にマフラーだろうか?

クリスマスだから赤で……

 

案外あっさりと決まって早いとこ基地まで帰り、プレゼント交換があるまで自室でのんびりと過ごした。

 

定期的に変な任務が舞い込んでくるせいでここまでのんびりとしたのは割と久しぶりだったりする。

 

首に下げてるロケットを手元で開けたり閉じたりしながらぼんやりと考え事をしたりして時間をつぶした。

 

銃の整備をしてもいいけど流石にこう言う日くらいは銃から離れたい。

戦術人形がこんなことを言うのも変な話ではあるけど。

 

しばらくしたらお呼びがかかったから食堂に向かった。

 

いよいよプレゼント交換だ。

何が回ってくるか少し楽しみだ。

 

・12月26日

 

久しぶりにみんなで智樹の眠っているロッジにお見舞いにいった。

アーキテクトが作った人形が掃除やらなんやらの世話をしてくれているおかげでロッジの中は適温・清潔に保たれているし智樹の世話もしてくれているから汚れが酷いなんてこともない。

 

とりあえず一人ずつ、智樹の寝るベットの側に座って話したいことを話すことになった。

一人あたり30分。

 

私は1番最後にしてもらった。

特に理由はない。ただ、なんとなくそうしたかっただけ。

 

いよいよ私の番になり、智樹の側に座っていざ話し始めようと思ったが言葉が出なかった。

 

話す内容は事前に決めていたはずなのに言葉が浮かんでこない。

 

眠る智樹の顔をじっと見つめる。

1ヶ月以上も眠り続けているせいか少しやつれて来ているように見える。

 

そっと智樹の手を握る。

 

 

暖かかった。

たしかに生きているんだと実感できる。

 

それからポツポツと最近の話しをし始める。

任務のこと、みんなの様子…自分のこと。

 

こんな事を一人の人間にするなんてツンツンしていたときじゃ考えられなかった。

 

何故か知らないけど、側にいると安心できる。

 

ーーこの気持ちはなんだろうか?

 

・1月1日(WA2000)

 

あけましておめでとう。

 

2058年も終わり、いよいよ今年から2059年だ。

今年もできれば自分たちの出番がないのが1番だけど、こんな世の中だ。確実に来ることだろう。

 

ちなみに今回は智樹のロッジで新年を祝うパーティをやっている。

 

といってもささやかなものだが。

ジュース片手に談笑しているだけだ。

 

アーキテクトとケイティが一発芸をやったり、ダネルとゲーガーが腕相撲を始めたりとなかなか賑やかなものだった。

 

私はカーラとずっと話をしていたけど。

雰囲気が柔らかいから話していて楽しいのだ。

 

彼女と同型の人形……スプリングフィールドとは何回かあったことはある。

 

もちろんそのスプリングフィールドも穏やかだったのだが、智樹という弟と過ごした影響だろうか。

 

他のスプリングフィールドにはないものを持っている。

 

パーティも終わりに近づき片付けをしている間、私はカーラに智樹を任されたから様子を見ていた。

 

もういつもの事となっているが、智樹の手を握る。

 

本当にいつまで眠っているつもりだろうか。

智樹がいたほうが、部隊の雰囲気もいいのに……

 

祈るような気持ちで握っていた。

 

 

 

 

ふと、握り返される感じがして智樹の方を見ると…………

 

 

智樹が目を開けて私の方をみていた。

 

・1月2日(WA2000)

 

昨日は大騒ぎだった。

まぁ、当たり前よね。なんせ1ヶ月以上眠っていた智樹がようやく目を覚ましたんだから。

 

ケイティは泣いてしがみついていたし。

 

まぁ、私も泣きそうになったけど。

昨日パーティをやったばかりなのに早速お祝いパーティが開かれた。

いきなりお祭り騒ぎで智樹もはじめは困惑していたけど最終的には楽しんでいたように思える。

 

みんなから今まであったことを聞いたりして談笑していた。

 

やっぱりまだ身体は動かしづらいようで立ち上がったりするのに苦労していた。

まぁケイティがつきっきりで補助していたから大丈夫だろう。

 

ふとカーラの方を見ると何かを心配するような目で見ていた。

でも気持ちはわかる。

 

私も違和感を感じていたところだ。

 

なんで………………

 

 

なんでそんな、貼り付けたような笑みをみんなに向けているのだろうか。

 

あれじゃあ、安心させるためだけに作り笑顔をしているだけだ。

 

一体何が……

 

・1月3日(WA2000)

 

やっぱり、昨日感じた違和感は間違っていなかったようだ。

智樹から……表情が消えた。

というより感情がなくなったというべきか。

 

もちろん話しかけたら最低限の反応はしてくれるし無視をしたりとかそういった事があるわけでもない。

 

常に真顔。

それに感情の起伏がない。

 

怒るわけでもなければ、笑うわけでもない。不愉快そうに顔をしかめる事もしない。

 

まるで………まるで前時代の人形のようだ。

人形よりも人形らしいとはおかしな話だ。

 

それと、前にも増して苛烈なトレーニングをするようになった。

もうリハビリとかそんなレベルじゃない。

時間が許す限り自分を痛めつけているようにも見える。

 

さすがのアーキテクトもそんな様子に違和感を感じたのか心配そうに見ていた。

 

やっぱり……最後の肉親を目の前で失ったせいで心が壊れてしまったのだろうか。

 

ずっと前から智樹と過ごしているカーラやケイティでさえ、智樹の心を癒やす事はできないのだろうか………

 

このまま…自身を痛めつけ続ける智樹を何もできずに見続けることしかできないのだろうか。

 

 

私は……どうすれば…





おや……?
下垣君の様子が……?

次回からまた下垣目線に戻ります。

感想・評価があるととても作者は喜びます‼


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第16話 ①(修正済)

間にあわんかった……


・1月20日(映像つき)

 

今日から任務に復帰する事になった。

流石にまだ完全に筋力が戻ったわけではないが、戦闘自体は問題なくできるから良いけど。

 

今回はグリフィン管轄の都市の一部にE.L.I.Dが侵入したらしい。

自分の家も似たようなシュチュエーションで潰されているからか少し力が入る。

 

まぁ、実際に戦闘になったら自然体でいる事ができると思う。

 

今は移動のためにヘリに乗っている。

 

「間もなく到着だよ、みんな降りる準備をしておいてね」

 

いつものようにアーキテクトのアナウンスが入る。

俺はバレットを背負いなおして、SCARの状態を軽くチェック。

 

腰に装備しているベレッタもチェックをして、すぐにでも戦闘ができるようにした。

目的地に近づくにつれて着陸のためにヘリが高度を下げる。

 

「うわっ⁉」

 

「……どうした?」

 

「着陸ポイントに大型E.L.I.D多数‼このままじゃ降りられないよ‼ミニガンで処理できなくもないけど硬いから時間かかる‼その間にさらにE.L.I.Dが寄ってきて悪循環だよ‼」

 

「……ミニガンでの掃射はやれ、スナイパー組は扉から狙撃支援。俺もバレットを使う」

 

「ちょ、バレットを持ち上げて撃ったりなんかしたら身体が……」

 

「パワータイプの外骨格をつけてるから問題ない」

 

それだけを言うともう話すことはないとばかりに弾倉を取り付けてコッキングして、弾を装填する。

 

全員から心配そうな視線を受けるが、本当に問題ないんだ。

それに多少の無茶もしないといけない。

甘くしてもいいことはない。

 

ケイティは悲しそうにうつむいてしまう。

任務中じゃなかったら泣いてしまっていることだろう。

 

「……ドアガンスタンバイ完了」

 

「ファイヤ」

 

アーキテクトがドアガンを構えるのと同じタイミングで俺もバレットを構える。

 

そして俺の合図で射撃を開始した。

轟音と共に12.7mmの弾丸が銃口から発射されて1体の大型E.L.I.Dの頭を粉砕した。

 

その次にミニガンの砲身が回転する音がして、超連続射撃が始まる。

 

バレットよりも有効射撃は少ないとはいえ数がある分、やはりE.L.I.Dも粉々になっていく。

 

俺のバレットの2つめの弾倉が空になる頃には着陸地点をうろついていたE.L.I.Dは1体残らず物言わぬ肉の塊と成り果てていた。

 

「はい、着陸‼」

 

「行くぞ」

 

移動しようとしたタイミングでヘッドセットに通信が入った。

相手はヘリアントスさんのようだ。

 

「こちら下垣」

 

『どうやら無事に降りる事ができたようだな』

 

「ええ、これから移動しようと思ったのですが……」

 

『1分待て。今チヌークが足を乗せてそちらに向かっている。移動はそれを使ってくれ。なんせ今回は行動範囲が広くなるから徒歩じゃきつい』

 

「了解」

 

E.L.I.Dを警戒しながら待つこと1分。

ローター音と共に、ヘリのシルエットが大きくなっていく。

 

“足”を積んだチヌークだろう。

チヌークは先程俺達を降ろした場所に静かに着陸すると、中身を降ろした。

 

「野戦バイクか」

 

中から出てきたのは最近開発された高性能バイク。防弾性能、馬力、地形踏破力。

 

どれをとっても文句の付け所のない素晴らしいマシンだ。

 

まぁ、当然その性能を活かし切るには運転する人の技量が高くないといけないが。

 

もちろん訓練は受けているから乗りこなすことは出来るからなんの問題もない。

 

バイクには跨り、エンジンを掛ける。

 

『よし、準備はできたな。そこから東に5キロの地点に市民が孤立している。E.L.I.Dが集結していて長くは持ちそうにない。チームリーパーは急行して市民の救助に当たれ』

 

「了解」

 

ヘリアントスからの指示を受けてバイクのエンジンを吹かし、市民のいる場所まで移動する。

 

数分して、だんだんと様子が見えてきた。

市民は建物に閉じこもっているらしい。

その建物の周りにE.L.I.Dが群がっている。

 

幸いなことにヘリの着陸地点にいたような大型のE.L.I.Dは見当たらない。

 

だからこそ今まで耐えることができたんだろう。

 

とはいえ標準サイズでもE.L.I.DはE.L.I.D。

 

人間より硬く、力も強い。

このままだといつか建物を崩されてしまう。

 

「よし、スナイパー組はE.L.I.Dの排除、それ以外は周囲警戒だ」

 

「了解」

 

俺達はバイクから降りてバイクを横にして伏せて、建物を攻撃しているE.L.I.Dを撃ち始める。

 

数体撃ち続けていると俺達に気がついたのかこちらにノロノロと向かってくるが、カーラやWA2000達の容赦ない射撃でことごとく無力化される。

 

E.L.I.Dは次々と無力化されて、見える範囲でのE.L.I.Dは全部倒しきった。

 

『大方処理が終わったようだな。そこから4キロ先に地下シェルターが存在する。そこまで護衛をしてくれ』

 

「……了解」

 

正直に言うと護衛はやりたくないが、雇われの身である以上命令には従わなくてはいけない。

 

怯えきってしまっている市民をなんとか誘導してシェルターに入ってもらう。

中には助けがおそすぎると文句を言ってきた輩もいるが、これでも最速で向かってきたのだ。

 

ようやく最後の一人の収容が終わり、次の地点に向かおうとしたときだった。

 

「人類の敵がいるぞ‼」

 

「人形だ‼」

 

「殺れ‼」

 

今度は人権団体の残党とやらがわらわらと出てきた。

さっきから聞こえていた銃声はこいつらのか。

 

全くE.L.I.Dで溢れているときにご苦労な事だ。

 

『こいつら……』

 

ヘリアントスが明らかに面倒そうな表情になる。

 

まぁ、こいつらの相手はめんどいよなぁ……

 

「そこの君‼人形たちをこちらに引き渡せ‼そうすれば命は助ける」

 

ほーん……

 

「だが、渡さなかった場合は……がっ‼」

 

「⁉」

 

言ってる途中で言葉が途切れる、というか俺が途切れさせた。

 

一瞬で抜いたベレッタでベラベラと演説していた男を射殺しただけの話だ。

 

隣でWA2000が目を見開いていたけど知ったことじゃない。

 

「貴様……‼」

 

「テロリストとは交渉しない事に決めたんで」

 

「ちっおまえた……ち?」

 

後ろを振り返っても絶命した仲間の姿があるだけ。

 

ゲーガーが静かに処理していた。

 

「な……な……」

 

「残念だったな」

 

「き、貴様〜‼」

 

「どうにもできないだろ。大人しくしてろ」

 

屈辱で真っ赤になっている男を武装解除してから椅子に縛り付けた。

 

それから尋問を始める。

 

正直こんなことは時間の無駄でしかない気がするが、もしかしたら他の残党の活動場所がわかるかもしれないという淡い期待の元、尋問を続けたが……

 

この男からは特に有益な情報を得ることはできなかった。

 

「クソッタレが……」

 

叩かれたりしていた男が悪態をついている。

 

クソッタレはこっちのセリフだ。

弾を無駄に撃った上に、情報も出てこないとくれば完全に無駄しかない。

 

「はぁ……とりあえず手足を縛って本部に…何をしているの?智樹」

 

WA2000が言い終わる前にベレッタを抜き、男の額を撃ち抜いた。

テロリストは頭から血を流しグッタリとして絶命する。

 

WA2000は唖然とした様子で俺を見ている

 

他のメンツを見ても信じられないような表情になっている。

 

カーラなど口元を手で被っていた。

 

WA2000は険しい表情で俺の方によって来た。

これは面倒な事になりそうだ。




下垣君冷酷な人間になってしまったんですかね……?

良ければ感想、評価お願いします‼

4月16日 修正


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第16話 ②


遅くなりました〜

いや〜この前感想でなかなか厳しいコメントを頂いたものですから、改善するべきところをまとめたりいっそのことこれを止めて別の作品としてリメイクするか悶々としてたらこんなに遅く……

ただでさえ時間ないのにそんなことしてたから書く暇がなかったです()

あ、結局続けることにしました。

どうかこの先も『狙撃手の少年は』を宜しくお願いします


・1月20日(映像つき)

 

「自分が何をしたかわかっているの⁉」

 

「わかっているもなにも、テロリストがいました、尋問しました、終わりました、殺す。これだけの事だろ」

 

言った途端、WA2000は俺の服を掴みあげて持ち上げた。装備を含めたら相当重量があるはずなんだが、それを軽々と持ち上げるあたり流石戦術人形と言ったところか。

 

くだらない事を考えているうちにも、WA2000の説教はつづいている。

 

「確かにテロリストは犯罪者よ、だからこそきちんと捕まえて然るべき罰を受けさせるべきでしょう‼」

 

「テロリストに死以外の罰が真っ当だと思えないけどな」

 

「それは私たちが決めることではないわ‼‼」

 

しつこいな……時間がもったいない。テロリストをそこまでして生かしておこうとする意味がわからない。

 

……いや、以前までの俺であれば同じようにしていたかもしれない。

生かしておいたせいで、また誰かしら喪っていたかも。

 

『……口論の最中にすまないが、まだ任務が残っている。今からヘッドセットにデータを送るからその地点まで向かってE.L.I.Dを排除してくれ』

 

「了解」

 

「……了解」

 

ヘリアントスの指示にWA2000は嫌々応じる。俺はあくまでもただ機械的に応じた。

 

他のメンツも気まずそうに見てくるがどうでもいい。

今は任務に集中するだけだ。

 

俺はバイクに跨り、エンジンをかけて次のポイントに向かう。

もちろん他のメンバーもつれてだ。

任務中なのだから勝手な行動は許されない。

まぁテロリストは殺すけど。

 

しばらく進むと奇妙な声を出しながら集団で移動するE.L.I.Dの姿が目に入った。

 

正直どうしていきなり大量のE.L.I.Dが湧き上がってきたのか気になるところではあるし、壊れた外壁の穴を塞がないことには際限なく入ってきてしまう。

 

さっさと塞いでほしいがE.L.I.Dがいすぎて作業もまともにできないんだろう。

 

ある程度近づいたところでバイクを止めて横倒しにしてバレットを構える。

 

1体のE.L.I.Dに狙いを定めて引き金を引いた。

 

狙ったE.L.I.Dの頭が弾け飛んだのを合図に再び戦闘が始まった。

 

こう言う殲滅戦だとやはり大火力のアーキテクトがいると助かる。

ゲーガーは射撃があまり得意じゃないみたいだからライトマシンガンで弾をバラまいてもらっている。

 

幸いなのはハイクラスE.L.I.Dがいないから攻撃が通らないなんてことがないことだ。

 

数は多めだがなんとかなる。

 

フラフラと歩いてくる的をうちつづけること40分。

 

ようやく最後のE.L.I.Dを撃ち終えた。

 

「ふぅ……残弾数報告」

 

全員のヘッドセットからそれぞれのデータが送信されてきた。

見るにもう残弾は底をつきかけていると言ったところか。

まぁ、俺のバレットも残弾はあと1マガジン分しかないが。

 

そろそろ引き時だろう。

 

通常の人形部隊もそろそろ到着するはずだ。

 

撤退する旨を伝える為にヘリアントスを呼び出した。

 

『どうした?』

 

「弾もなくなってきたのでそろそろ撤退しようと思うのですが……」

 

『ふむ……いいだろう。通常人形部隊の展開も進んで残党の殲滅が始まっている。撤退を許可する』

 

「わかりました……アーキテクト、ヘリを」

 

「はーい」

 

あとはヘリに乗っかって帰るだけなんだが……

 

「さて智樹、お話しましょうか」

 

面倒なイベントが待ち受けている。

俺の目の前では野蛮な笑みを浮かべWA2000が腕を組んで立っていた。

どうせさっきのテロリスト殺しの事を言われるんだろう。

 

「まさか、貴方がそんな軽々しく人を殺せるような奴だとは思わなかったわ」

 

「はっ……なに意味のわからないことを。任務の度に人殺しをしてるだろ。そいつらは同じテロリストだぞ?それともあれか?大人しくお縄についたやつの命だけ重くなるのか?」

 

「無力化したやつの命を奪う必要はないって言ってるの」

 

「そうやって中途半端にテロリストを生かしておくから父さんは死んだ」

 

実際、父親が目の前で殺されてから躊躇というものがなくなった。

事情がどうあれ相手が敵であれば迷い無く引き金を引いて命を奪う。

 

そこに罪悪感など存在しない。

敵だから殺す。

 

ただ、その価値観に従って動くだけだ。

 

「だからって………」

 

「うるさい、俺はもう誰に何を言われようとやり方を変えるつもりはない」

 

場が………静まり返った。

あれだけ怒っていたWA2000さえ、なにを言われたのか理解できずに固まっている。

 

カーラとケイティは沈痛な面持ちでうつむいてしまった。

 

はっきりと拒絶したのだ。

あれだけ家族のように過ごしたチームメイトを。

 

それをようやく理解したWA2000はうつむく。

 

「そう……わかったわ」

 

涙声で1言つぶやいたのを最後に、黙りこくってしまった。

やがてヘリが到着して全員乗り込み帰路につく。

 

ヘリの中での会話は一切無かった。

 

★★★★★★★★★★

 

・1月30日(映像つき)

 

俺は今ヘリアントスの執務室に一人で呼び出されていた。

チームリーパーとしてではなく、俺個人が呼ばれたようである。

 

まさかヘリアントスまでもがWA2000のように説教をしてくるのだろうか。

だとしたら面倒なことこの上ない。

 

訓練に時間を当てていたほうがよっぽど有益だ。

 

「怒られるんじゃないか……そんな事を考えているなら安心しろ。そんなことはしない。ただ、今から言う任務が終わったら一応ペルシカのところに行ってもらうがな」

 

遠回しに頭見てもらえと言われた俺はジト目をヘリアントスに向ける。

 

「別に心配……していないわけではないがそれよりも任務に支障がないか確認するだけだ。お前も嫌だろう?」

 

まぁ、確かにそれは最もだ。

また長期間ベットのお世話になるなど勘弁してほしい。

 

「さて、早速任務の話に移ろう。君には極秘任務を請け負ってもらう」

 

「極秘ですか。相手は?」

 

「テロリストだ」

 

「なるほど」

 

よくまぁこれだけ飽きずにテロを起こそうと思うもんだ。人類滅びかけで団結するべき時にまで殺し合うとは恐れ入る。

 

人間って怖い。

 

……あ、俺も人間だったわ

 

「グリフィン管轄地区で粘り強く活動しているテログループが近々行動を起こすらしい。情報によれば、奴らは1週間後に行われるフェスティバルでライトマシンガンを使用しての虐殺を計画しているそうだ」

 

なるほど。

 

何を考えてそんな事をするのかはわからない。だが、そういう事をするやつに限って自分は正義なんだと勘違いをする。

 

「で、自分は何をすれば?」

 

「このあとすぐに出発して本部に潜伏。当日は連中に混ざって殺戮をしろ」

 

「…………………は?」

 

俺の耳がおかしくなったのだろうか?

俺には奴らと一緒になって市民を殺せといったように聞こえる。

 

「……俺もやれと?」

 

「………………そうだ、これは委員会命令でもある」

 

なんでそんな《無駄な》ことを……

素直に狙撃とかはだめなのだろうか。

 

「狙撃はなぜか事前に察知されてすべて失敗している。だからいっそのこと後ろから撃ってしまえという頭の悪い作戦だ」

 

「理解しました。それでは準備に移ります」

 

一体どれだけの弾薬を持っていけばいいのやら………

 

俺は内心ぼやきながら執務室を出た。

 

だが、俺は自覚できていなかった。

これからやろうとしているのがどういうことなのか。

感情が麻痺してたなどという言い訳は通用しないような、大犯罪に手を染めようとしている事にーーー

 

 

「…………すまない」

 

 

1人、執務室に残ったヘリアントスは悲痛な声でそう零した。





哀れ作者にいじめられる主人公。この先どうなってしまうのか⁉

ちなみにこちらの作品は『ライト版』として投稿継続、いま一生懸命プロットを練っている作品をリメイクとします。

いや〜いろんな意味で重くなりそう()

いつ投稿か?いつかだよ()←クズ作者の鏡

ほんとにしっかり慎重に練ってるのでだいぶ時間かかります。気長に待っていただけると嬉しいです。

忙しいのでこの作品も不定期になりがちですが、最低限週に1回は投稿できるようにがんばります

良ければ感想、評価お願いします‼


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第17話 ①


どうもサンコン(マウントベアーの山のほう)です。
すっかり遅くなってしまい申し訳ない。

さてさて、ここからシリアス続きになりますよ〜

……なるはずw


・2月5日(映像つき)

 

俺は今、私服にバラクラバという格好にM249を装備してテロリスト共のアジトにいる。

 

現在アジトから5キロほど離れた所でフェスティバルが開催されているが、そこに襲撃をする。

一体何人の犠牲者が出るのかちょっと想像ができない。

だがどんなことがあったとしても自分はこいつらを殺すという任務を完遂するだけだ。

 

そこに思うところなどない。

 

目の前では危ないクスリをキメてハイになった連中が、銃を片手に雄叫びを上げていた。

 

「さぁ、いよいよだ‼神のメッセージを無視し続けた挙句、同志を亡きものにした愚か者共に神罰がくだる‼我々はその使命を賜った神の使徒である‼‼」

 

「「「「「うぉぉぉぉぉぉ‼‼‼‼‼」」」」」

 

痛々しい事を言っているもんだ。

あとでメンタルにダメージをうけないのだろうか。

 

それより……先程からモヤモヤとした感覚がしていた。

この場にいるだけでそれは感じるが、任務で大量に人を殺すと意識をするといっそう強くなる。

 

この感覚は一体なんだろうか。

決行時間が近づくにつれてさらに感覚は強くなる。

 

今はまだ問題ないが、あまりに強すぎると任務に支障が出てくる。

 

酷すぎるなら俺も危ないクスリをキメる必要があるかもしれない。

 

「ハッハー‼全く最高の気分だぜ‼なぁお前もそう思うだろ、アンドレイ?」

 

ラリったメンバーのうちの一人がアンドレイこと俺に話しかけてきた。

 

「はぁ……ハイになるのは結構だが体力は残しておかないとパーティが楽しめなくなるぞ」

 

「おぉっと、それもそうだな‼忠告ありがとよ‼‼お前も楽しめよアンドレイ‼」

 

「ああ」

 

最高の気分になっているのは今お前が現在進行形でキメてるクスリの影響だというツッコミはとりあえず置いて、演技の作り笑いで反応を返す。

 

アンドレイというのはこの極秘任務の間だけ使われるコードネームだ。

任務が終了したら二度と使うことはないだろう。

 

流石に本名を極秘任務で使うわけにはいかない。

 

やがて決行時間が近づき、馬鹿騒ぎしていた連中も弾薬の準備を始める。

 

「そうだ、バラクラバじゃなくて仮面にしないか?ちょうど良いものが手に入ったんだ」

 

そう言いながらメンバーが取り出したのは不気味な笑みを浮かべた仮面だった。

 

「いいねぇ〜‼最高にクールだ‼」

 

「覆面なんかよりずっといいぜ‼」

 

クスリで頭の逝った連中がまともな判断ができるはずもなく、流れるままに俺も仮面をつける羽目に。

 

ダサいことこの上ない。

まぁとはいえ今この瞬間だけつけていればいいだけの話なので我慢してつけていよう。

 

そういえば今更だが俺は変装をしている。

いつもより肌を白くして鼻を高くし、目は両方青くなっている。

 

任務前にペルシカのラボに連れて行かれてこうなった。

すぐに着脱できるタイプだから楽ではあるが違和感が凄い。

 

それにしても……

顔の形を把握するからといろんな機械に突っ込まれて身体をスキャンされたりしたけどなんの意味があるんだろうか。

 

というか1つ明らかに脳波スキャナーあったしな。

意味わからん。

 

まぁ、今となってはどうでもいいが。

 

「さぁ、そろそろ時間だ。全員準備はいいな⁉」

 

「「「「おう‼‼」」」」

 

威勢よく返事をして軽トラックに乗り込む。

ただの軽トラックではなく、重機関銃を取り付けたテクニカルだ。

 

まずは手始めにコイツを弾の許す限りぶっぱなすらしい。

 

これから大量殺戮をするというのに鼻歌を歌ったりとお気楽ムードのままだ。

やっぱりクスリってすごいな。

 

「さぁ〜……見えてきたぞ」

 

その言葉に釣られて運転席側を見るとたくさんの人が歩き回り、祭りを楽しんでいるようだった。

 

中にはまだ小さい子供もたくさんいるように見える。

 

ーーほんとうにいいのか?

ーー任務だ

ーーWA達はどうなる

ーー任務が優先だ。

 

ーーほんとうに…いいんだな?

ーーああ

 

まだ少しの良心が働いたのか、自分で自問自答を何回か繰り返す。

だがそれでも……引き返す気はなかった。

 

「パーティの始まりだぁ!!」

 

まず手初めに、人の集中力しているところにスピードが出た状態で突っ込んだ。

 

これだけで10人は死者が出る。

 

「ふぅ〜〜〜‼いいねぇ‼‼‼‼」

 

そして軽トラが止まると、荷台に座っていた一人が重機関銃を操作してやたらめったらに撃ちまくる。

 

当然逃れるすべもなく、人々は12.7mm弾の餌食となっていった。

華やかだった会場がまたたく間に血と硝煙の臭いで満ちていく。

 

「ふぅ〜‼最高ダァ!おい、車動かせ‼逃げた奴ら始末するぞ‼」

 

こっちは最悪な気分だ。おそらくだが、もうこいつらはもともとの目的など忘れてしまっているだろう。

 

今やただ大量に人を殺すだけのマシーンだ。

本当ならアジトにいる時点で殺してもいい。

だが、殺戮が終わるまでメンバーは誰も殺すなとの命令だ。

 

逆にこいつらに敵とバレないためなら何をしても良いとも言われている。

 

まぁ、殺し過ぎたら問題だから当たりそうで当たらない絶妙な位置に撃ち込んで置こう。

 

俺は目の前で逃げ惑う人々にライトマシンガンを向け……

引き金を引いた。

 

等間隔で5.56ミリの弾が発射される。

一応当たらないように配慮しているが、パニック状態の人々はあらゆる方向に逃げている。

 

当たらないように。撃ってもどうしても当たってしまう。

 

まぁ、こんなことしておいて配慮もクソもないが。

 

たった今も逃げ惑う若い女性の腹部に命中したところを義眼がバッチリと捉えてしまった。

 

拡大するように設定した覚えはないんだが……

意識させるためなのだろう。

 

「ぐっ……」

 

被弾して倒れ込んだ女性を見た瞬間、強烈な頭痛が襲ってきた。

思わず膝をついてしまうレベルだ。

 

「ヒャ……アンドレイ?」

 

俺が膝をついたところを見た仲間が声をかけてきた。

一応仲間意識はあるんだな……

 

「大丈夫だ……ちょっとめまいがしただけだ」

 

「ならいいが……もし本当にヤバそうならお前もクスリをキメれば万全になるぞ‼」

 

「ああ」

 

なぜすぐにクスリをキメようとするのか。

まぁ、中毒患者に言っても仕方ないが。

 

男が去り、誰も見ていないことを確認してからペルシカに予め手渡されていた錠剤を飲む。

 

詳しい効能は聞かされていないが、おそらく精神安定剤と似たようなものだろう。

 

ようやく体調がもとに戻ったところで立ち上がり仲間のところに行く。

仲間は何かを取り囲んでケラケラと笑っていた。

 

「なんかあったのか?」

 

「お、アンドレイ遅かったな。たった今お遊びを終えたところだ」

 

見ると、男達の足元には表現するのも躊躇われるほど無残な死体となった親子の姿があった。

 

ああ……イカれてやがる。

 

 

もっとも任務とはいえこんなことに加担している俺も十分イカれているが。

 

「さて、ここらは処理終わったな。次のポイントに……」

 

途中で男は言葉を止めて空を見上げる。

それに釣られて他の男も空を見上げた。

 

ヘリのローターの音が聞こえる。

 

「おい、早いところ引き上げないとまずいかもしれん」

 

「どうしてだよ?」

 

「グリフィンのイカれ部隊がお出ましだ」

 

智樹にとっては聞き慣れたヘリの音だ。

 

上を見上げると、そこには1機のブラックホーク。いや……ステルスホークの姿があった。

 

その機体にはグリフィンのロゴと……チームリーパーのロゴがあった。





いやぁ外道外道()
主人公も堕ちたねぇ。読者さんに止められてたのにやらかしちゃって←諸悪の根源が何か言ってる

この先どうするんでしょうか?

良ければ感想、評価お願いします‼

あとアンケートがあるので協力お願いします


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第17話 ②


遅くなりました〜
最新話完成です!


・2月5日続 (映像付き)

 

全くもってツイていないと思う。

これだけの事をグリフィンの管轄区域でやらかしているから何かしら部隊は出てくると思っていたが、よりによってリーパーが出てくるとは。

 

もはや殺意しか感じない。実は俺の事を始末するための任務だったんじゃ?

 

と疑った俺はきっと悪くない。

 

「おいおいおい、どうするんだよ‼ヘリに追いかけられちゃ逃げ切れねーぞ‼」

 

「ヤバイんじゃないのぉ⁉」

 

相変わらずのイカレテンションだが危機感は持っているのか、上を見上げながら騒ぎ立てている。

 

もっとも騒ぎ立てているだけだが。

それよりも……

 

リーパーと鉢合わせてしまったのはかなりまずい。一応顔は変えているが、多分バレるんじゃないだろうか。

 

どうであれ、今更逃げることはできない。

ここをどう乗り切るかが勝負だ。

それに、今は奴らの視界に俺は写っていない。

殺るなら………今だ。

 

即決した俺はライトマシンガンの弾倉を付け替えて弾を装填すると、テロリストにむけて発砲した。

 

民間人に向けて撃ったときとは違い、直撃コース。大した距離もなく遮蔽物もない中で外れる要素がない。

 

撃った弾は狂い無く、ほぼ全弾命中した。

 

「ぐぁぁぁぁ‼」

 

「ぎゃぁぁぁ⁉」

 

「うわぁぁぁぁ⁉」

 

先程まで民間人をいたぶっていた連中が血しぶきを上げながら悲鳴をあげてのたうち回る。

当たりどころが良くなかったやつはほぼ即死のような状態で息絶えた。

 

弾倉の中身の半分ほどを撃ち終えたところで引き金から手を離す。

 

ほぼ全員が無惨な屍を晒して居る状態になっていた。以前の俺であれば、感情的になっていたかもしれない光景だな……

 

ふと、倒れ付していた連中のうちの一人が僅かに動いているのを見つけた。

 

俺は側まで寄って顔を見ると、年中クスリをキメてハイになっていたやつだった。

 

そいつは震えながら俺の方を見た。

 

「あ……………アンドレイ……なぜ……」

 

必至に力を振り絞って言葉を発するそいつを俺は冷めた目で見下ろしていた。

 

こんな光景を見てなにも感じないあたり、俺はもう壊れているんだろう。

 

「アンドレイ……あんど……⁉」

 

何度も俺の偽名を呼び続けるそいつに対して腰に装備していたコルトSAAを抜いて顔に銃口を向ける。

 

「任務なんでね……悪く思うな」

 

そして、そいつが何かを発する前に撃ち抜いて絶命させる。

 

これで一応任務は達成された。

そう……………俺は……俺は任務を達成した。

 

それだけの事だ。

 

さて、これから帰投だが………

 

先程からグルグルと上空を旋回しているだけのステルスホークは一体何がしたいんだろうか。

 

まぁ大方俺がいきなり仲間(仮)を全員射殺したから様子を見ているんだろうが。

 

顔を合わせるわけには行かない上、回収してもらえるとは思えないからさっさと身を隠そう……

 

なんて考えていると窓が開き、そこからガトリングの銃身が姿を表す。

 

「……まじかよ」

 

明らかに捕まえる気がない。

むしろ肉片1つ残さないと言わんばかりの殺意マシマシなチームに冷や汗が吹き出る。

 

俺は慌てて走り出し、近くのビルの瓦礫に身を隠した。

 

次の瞬間、あたりに弾幕の嵐が降り注いだ。

今までは撃つところを隣で見ている立場だったが撃たれるとなると凄まじさが改めてわかる。

 

「って、やばい‼」

 

身を隠していた瓦礫さえも粉々になり始めたので次の遮蔽物に身を隠そうと全力で飛び出す。

 

「ぐっ⁉」

 

途中で左肩に一発もらいながらもなんとか退避に成功した。

 

肩を見ると一発命中した跡があり、そこから血が流れ出ていた。

 

このままだまずい。

しかし、止血する暇もなさそうだ。

ヘリからロープが垂れてきてチームメンバーが降り立っている様子が見える。

このままトドメを指しに来るんだろう。

 

隠れていたとしてもヘッドセットの機能でバレるからある程度交戦したら逃げるしかない。

服をやぶって簡易止血帯にすると、傷口に巻く。

 

「ぅ……ぐ……」

 

強烈な痛みが襲うがこればかりは仕方がない。

 

なんとか巻き終えると、腰からスモークグレネードと……ペルシカ製新兵器、『対人形用高電圧パッチ』を取り出す。

 

名前からわかるように、これを人形に貼り付けたらしばらくの間こいつから発生する高電圧に寄って機能不全を引き起こし、行動不能にするものだ。貼り付けなくても近くに落とせば効果があるスグレモノ。

 

物陰から様子を伺うとやはり位置はバレてるのか、まっすぐこちらに向かってきている。

 

俺はスモークのピンを抜き、チームに向かって投げた。

 

「っ……グレネード‼」

 

いち早く気づいたWA2000が仲間に警告わする。全員が離れて身を伏せた瞬間、白い煙があたりを覆い尽くす。

 

そこで俺は義眼のサーモグラフィを起動する。

そして立ち上がったばかりのチームにむけてパッチを投げた。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ‼‼‼‼‼」

 

「ケイティ‼っあああああ‼」

 

「なにこれっああ‼」

 

よし、効果は抜群のようだ……クソ……なんだってこんなに胸が苦しんだ……

 

ん?そういえば一人足りないような……

 

「動くな、テロリスト」

 

頭に何か突きつけられる。

声からしてWA2000だろう、いつの間に抜け出していたんだ。

 

「上からは可能であれば捕獲するように言われているわ。言う事を聞くなら命だけは助けてあげる。両手を上げなさい」

 

本当ならそうしたいところだが、捕まると色々とまずい。

 

申し訳ないが抵抗させてもらおう。

 

両手をあげるふりをして……突きつけている拳銃を弾く。

 

「なっ……⁉このっ‼」

 

一瞬動揺したWA2000だが、すぐにコンバットナイフを抜いて応戦体制に入る。

 

そのままお互いにジリジリと詰め寄って……俺が仕掛けた。

 

「ふっ……‼」

 

顔を狙った右ストレートをWA2000は躱す。そしてナイフでおれを切りつけてくる。

 

その腕を掴んで一瞬止めている間に思い切り先程は外したストレートを顔面に叩き込んだ。

 

よろけたところを見逃さずに人形の弱いところ……関節部を何度も殴りつける。

 

そして手に持ったナイフを蹴り飛ばした。

 

トドメにパッチを貼り付けようとしたタイミングでWA2000がキックを繰り出してくる。

 

身を乗り出していた俺は躱す事ができずにもろにそれを食らった。

 

そのせいで付けていた仮面が外れる。

 

「……ちっ」

 

「ぐぅ……あんた……やってくれ……⁉」

 

親の敵のように俺を睨んでいたWA2000だが、顔を見た途端目が見開かれる。

 

「ぇ……?とも……き?」

 

まじかよ。なんのための変装かわからんな。

 

「な……なんで……嘘よ……」

 

よほどショックなのかフラフラと俺の方によってくる。そして目の前に来ると俺の頬に手を当てた。

 

「智樹……よね?」

 

「……誰だそいつは」

 

「ぇ……あっ」

 

俺は一瞬で距離をとり、WA2000の身体にパッチを貼り付けた。

 

「人違いだ……残念だったな」

 

電圧で動けなくなっているWA2000に冷たい目で吐き捨てる。

 

ああ……胸が痛む……

 

俺は武器を拾ってその場から離れる。

 

「待って………智樹……お願い……だから……」

 

瓦礫だらけのビルには、仲間の苦しむ声と涙混じりのWA2000の声だけが響いていた。





あ~あ、やってしまいましたなぁ
智樹の今後は一体どうなるのか⁉

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