再会した彼女は婚約者だった件について (ゼロ少佐)
しおりを挟む

1話

比企谷八幡19歳

1年と半年程前に高校を卒業し、地元の国立文系大学に

進学した。奉仕部の面々は全員違う大学に進学して

行ったが今でも関係は続いている。

 

高校を卒業してからは一人暮らしをしている

親父が社会経験積めだとか言ってたが小町を独り占めしたいだけだろ…あのクソ親父

 

まぁ言うまでも無いだろうが大学でもぼっちライフを

満喫している。

 

「戸塚ぁ会いたいよ」

 

そんな事を呟くが叶うはずもなく虚しく空に消えていく

 

この前由比ヶ浜経由で知ったんだがやっと

葉山と三浦が付き合い始めたらしい。

葉山の奴雪ノ下の事が諦めついたんだな

 

多分気になっていると思うが奉仕部の面子では

そんな色恋沙汰はない

 

2年の終わりに雪ノ下と由比ヶ浜に告白されたが

どちらとも付き合わなかった。

二人とも泣いていたな…せめてどちらかを

選んで欲しかったって

あいつらの言い分は分かる

俺の憶測だが、この人なら大丈夫だとかって

思っていたんだろう。

 

そういえばって訳ではないが一色にも1度告白された

3年に入ってすぐ頃にいつもの振る流れをしてる時に

別に勘違いしないから気にするなと言ったら

勘違いして欲しいって言い出した。

あの時は驚いたわそこからめっちゃアピールして来て

最終的にデート(買い物荷物係り)した日の夜に告白されたな。

勿論と言うのもおかしいが一色の告白も断った

 

俺はどうして誰とも付き合おうと思えないのか

分からなかった。中学時代なんて告白して玉砕していたのに。

 

1度由比ヶ浜からこんな事を聞かれたな

「ヒッキーって好きな人居るの?誰とも恋人にならないけど…べ、別にヒッキーに好きな人が居るからって諦めたりしないんだからね!」とか訳の分からない事を言ってた。

好きな人は居なかった。だけど恋人を作っては行けない気ならしてた。理由は分からないが。

 

そんなこんなで高校を卒業し、今に至るわけだ

 

昔の事思い出してたらマッ缶飲みたくなったな

 

「マッ缶〜 マッ缶〜」

 

リズムに乗りながら口ずさむ

 

「げっマッ缶のストックがない」

 

仕方ない買いに行くか…

 

時刻は夕方を過ぎもう夜に差し掛かっている

 

スマホと財布を持ち家を出る

家の近くにコンビニがあるから歩きでいいだろう

 

薄くらい街頭に照らされながら歩道を歩く

人通りは少なく 人の気配もしない

 

もうすぐコンビニに着くって時に

歩道の端で座り込んでいる女性?を見かけた

流石に無視して通り過ぎるわけにもいかないので

話しかける

 

八幡「あの、大丈夫ですか?」

 

「はい、大丈夫です。少し靴擦れで脚を痛めただけなので」

 

八幡「そうですか…あの近くにコンビニがあるのでそこで休んだらいかがですか?そこまでなら付き添いますよ?」

 

優しく話しかける。怖がられて怯えられないように

 

「すみません お願いします」

 

彼女が頭を下げこちらを向く

綺麗な顔だな スタイルもいいし

歳も俺とあんまり変わらない位か

 

「あ、あの」

 

八幡「何でしょうか?」

 

もしかして目を見て怖がられたか?

少し驚いたような顔してたし

 

「間違ってたらすみません、もしかしてはーちゃん?」

 

はーちゃんその単語には聞き覚えがある

だけど俺をそう呼ぶのは川崎の妹の京華ちゃんだ

だが、昔…呼ばれていたような気がしなくもない

 

八幡「はーちゃんと呼ばれた事はありますが

どこかで?」

 

「はーちゃん!!」

 

目をぱちくり開け胸に飛びついてくる

 

八幡「うぉっ!?」

 

重心が後ろに行き倒れてしまう

だけど彼女はそんな事お構い無しに

抱きしめる力を強めてきた

 

「はーちゃん!会いたかったよぉ…」グスッ

 

泣き出してしまった

どうしようこれ?このまま帰る訳にも行かないし

 

「はーちゃん…はーちゃん…やっと会えたよ…」

 

八幡「えっと…ここじゃあれだし家来るか?」

 

「うん」

 

あんなこんなで見知らぬ?女性をおんぶして

家に招いてしまった

向こうは俺の事を認知しているし大丈夫だろう

 

八幡「その、俺とどっかで会ったことあるのか?」

 

「そうだよ、もう覚えてないか…」

 

「私の名前は神薙神奈(かんなぎかんな)よろしくね比企谷八幡君」

 

やはり俺の事を知っているみたいだ…だが何処で?

 

八幡「お、おう、よろしくな」

 

 

神奈「私達の関係性気になるよね?」

 

いきなり本題に入ってきたな

 

八幡「あぁ 正直お前みたいな可愛い女の子が

知り合いに居たら覚えている筈だと思うが

全然思い出せないんだ」

 

もし可愛い女の子が知り合いに居ないとか口が滑ってでも言ってしまったら 由比ヶ浜と雪ノ下に殺されそう…

 

神奈「私達ね婚約者なんだよ?」

 

八幡「は、はぁ?婚約者?」

 

間抜けな声が出てしまった

それもそうだろういきなり婚約者とか言われたら

誰だってそうなるだろう

 

神奈「それに私とはーちゃんは恋人なんだよ?」

 

え?俺に彼女居たの?

もし本当だとしたら俺は彼女の事を忘れていたと言うことか?

 

八幡「すまん、思い出せない」

 

神奈「そっか…」

 

悲しそうな顔をしている

そりゃそうだろ彼氏に再開したと思ったら

覚えられて居ないのだから

あれ俺最低な屑野郎じゃん

 

神奈「私ね小四から高校卒業までね海外に居たんだ

私とはーちゃんが恋人になったのは小三の終わり頃からなんだよ」

 

もしかしてこいつはそんな昔の恋をずっと信じて

生きてきたのか?いくらでも出会いはあったろうに

すごく罪悪感に襲われる

 

八幡「それで婚約ってのはどういう事なんだ?

おれら本人だけじゃ決められないだろ」

 

神奈「親も了承済だよ。私が留学する前にはーちゃんと私の両親の合意してくれてる

だから、この部屋だってこんなに広いでしょ?

これって2人で住む為に用意されたんだよ?」

 

なんだよそれ全然知らないんだけど…

どうしよ…

 

八幡「まさか、この辺を歩き回って居たって?」

 

神奈「そうだよ、この家を探していたんだ。

サプライズしたくて連絡せずに来たんだけど

迷っちゃって…スマホを充電切れてるから

物凄く辛かったんだ」

 

まさかそんな事だったとは

俺は…俺は

 

神奈「ごめんね、こんな話になっちゃって」

 

八幡「いや、いいんだ」

 

神奈「今日はもう寝よ?私疲れたし…」

 

八幡「そうだな」

 

あれ?何処で眠るつもりなんだろ?

 

神奈「その前にシャワー借りるね」

 

ささっと部屋を進みシャワーを浴びに行ってしまった

いいや、今日くらいソファで寝よ

まず明日朝起きたらクソ親父に連絡するか

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2話

神奈「おはよう!はーちゃん!」

 

八幡「おはよう」ゴキバキ

 

まだ朝の7時だ…眠い二度寝しようかな

ソファで寝たせいで体が固まってる

結構寝れたけど疲れは取れないな

 

神奈「ごめんね、ベッド使っちゃって」

 

八幡「おぉ、気にするな 俺はベッドでもう一眠りするから…おやすみ」

 

そういいベッドに向かう

この時は寝起きで神奈が使った後など特に

気にしてなかった

 

神奈「おやすみ♪」

 

 

 

二度寝して起きたら朝の10時だった

まだ早い時間だが親父にも確認したい事がたるから

体を起こす

 

リビングに行くと置き手紙があった

 

ーーー

家に荷物取り行くから一旦帰るね

昨日言い忘れたけど今日からここに住むから

それと朝ごはん作ったので食べてください

PS.合鍵貰いました♪

ーーー

 

手紙を読み朝ごはんにありつく

 

ん、美味しいな俺もそこそこ自信あったんだが

こんな上手いの雪ノ下と料理以来だわ

 

朝食を取り終わると

スマホを取り出してクソ親父に連絡する

 

「もしもし、どうしたまさかもう進展があったのか?」

 

八幡「おい、どういう事だよクソ親父。何の連絡もしないで許嫁がやってくるとか。俺がたまたまコンビニに行かなかったら神薙のやつ最悪野宿だったぞ。」

 

「な!?俺はちゃんとお前にメールを!送れてなかったわすまん」

 

反応的に許嫁の件は本当だろう ただ記憶が無い…

その事を話したら

 

「無理もない、俺もお前が卒業するまで忘れていたからな。」

 

このクソ親父…

 

「それでお前はどうするんだ?好きでもない相手と暮らすのはさすがに嫌だろ」

 

そう言われると困る

 

八幡「嫌ではない…だけど色々問題がある」

 

「そうか、嫌でないならお前らでほかの問題は解決しろ、次連絡とる時は結婚報告にしろよー!じゃあな」

 

切りやがった…結婚とか気が早すぎだろ

 

八幡「何か思い出せるきっかけでもないか?」

 

そんな事を考えていたら

 

ピンポーン

 

誰だ?神奈は合鍵持ってるし、まさか荷物の宅配か?

 

八幡「はーい」

 

ドアを開けるとそこには雪ノ下雪乃の姿があった

 

雪乃「早く家に入れて欲しいのだけれど」

 

八幡「お、おう 家に来るなら連絡くらいしろよ」

 

雪乃「嫌よ何で貴方ごときに連絡なんてしなくては

ならないの?だいたいいつも家でゴロゴロしてるから

たまには気分転換にと来てあげたのだけれど

お礼位ないのかしら?」

 

八幡「いや、頼んでねーし 余計なお世話だ」

 

本当に何故こいつといい由比ヶ浜といい俺の部屋を

好き勝手使うんだろうか。由比ヶ浜は女子高の

寮生活だからそうそう来ないが雪ノ下は住んでる所も

近いので ちょこちょこ遊びに来る

 

そんなこんなで会話をしていると

鍵が開く音がした

 

神奈「ただいま〜はーちゃん!荷物取っ…て

ねぇ、はーちゃんそこの女誰?」

 

八幡「こいつは雪ノ下高校を時代の友人だ」

 

神奈「そういう事じゃないの分かって言ってるよね?」

 

雪乃「貴方こそ誰なのかしら?私の比企谷君の家に

勝手に入ってきて 一体何様のつもりなのかしら?」

 

神奈「わたしの?どういう事かな 私とはーちゃんは婚約してるんだよ?それなのに私のってどういう事?」

 

Ohこれが修羅場ってやつか

 

八幡「お前ら落ち着け、それに雪ノ下オレはお前の所有物じゃねぇ」

 

雪乃「うっ…」

 

八幡「神薙あんまり煽る事を言うんじゃありません」

 

神奈「ごめんなさい」

 

その後2人に自己紹介させ丸く収まった

 

雪乃「比企谷君これだけは言っておくわ、婚約者や彼女が現れようともわたしは貴方のことを諦めないわ。だって貴方のことが好きだから。貴方以上に私のことを理解出来る人なんて居ないから」

 

八幡「そうか、それでこそ俺が好きだった雪ノ下だ」

 

雪乃 神奈「「えっ!?」」

 

ん?何か変な事言ったか?

 

雪乃「そ、その今私の事を好きって?」

 

八幡「あ、やべ忘れてくれ」

 

失語だった

 

雪乃「い、いつから?」

 

八幡「高二の秋にはもう…」

 

雪乃「何で私が告白した時応えてくれなかったの!?」

 

八幡「誰とも付き合う気無かったし…多分心のどこかで神薙の事を覚えていたのかもしれない」

 

雪乃「そ、そう…」

 

神奈「ねぇはーちゃん私の事はいいからさ

ちゃんと雪ノ下さんと向き合ってあげて」

 

八幡「良いのか?」

 

神奈「私のせいではーちゃんの恋を邪魔したくない…

はーちゃんの事好きだけど…我慢させたくない」

 

八幡「分かった」

 

八幡「雪ノ下…」

 

雪乃「はい…」

 

八幡「オレはお前の事が好き何だと思う

だけど付き合う事は出来ない。それ以上に神奈の事が好きなんだ…さっきお前らが言い争ってる時に思い出したんだ」

 

雪乃「そう…それは残念ね、思い出さなかったら私に勝機はあったのに」ポロポロ

 

雪乃「でも、もういいのありがと比企谷君…」

 

八幡「雪ノ下…」

 

雪乃「ただこれだけは貰って行くわ」チュッ

 

雪乃「私のファーストキスよ有難く思いなさい」

 

八幡「はは、俺も初めてだったんだがな」

 

神奈「あ、あああああ」

 

神奈が口をパクパクさせている

 

雪乃「厄介な事になる前に私は帰るわね」

 

八幡「あ、おい!逃げるな!」

結局雪ノ下に逃げられ

神薙のフォローするのは大変だった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3話

これは八幡と神奈の回想会です


同じクラスに1人だけ雰囲気の違う女子が居る

その子は転校生で最近近所に引っ越してきたらしい

 

その女の子はお人形さんの用に可愛いかった

性格も大人しめで仕草1つとっても凄く綺麗に見えてしまう。

 

転校してきて暫くはいろんな人と話したりしていた

たが、気がついた時にはもう彼女に話しかける女子は誰も居なくなっていた。

 

気になって少し聞き耳を立てているとこんな声が聞こえてきた。

 

「あの子また告白断ったらしいよ、それも相手は隣のクラスの○○君」

 

「うそっ!あのイケメンで人気者の?私なら絶対付き合うのに」

 

「本当よね、断るなんて何様だよって感じ」

 

はぁ…頭の悪そうな会話が聞こえてくる

他の所では

 

「A子ちゃん○○君の事好きだったよねー可哀想

まじ神薙さん意味わかんない」

 

なるほどそういう事か

クラスどころか男子の殆どが神薙さんに好意を

持っているので嫉妬しているのか

 

今は無視だけぽいけど、いつかいじめが始まりそうだな

 

だが、俺が出来ることはない。せめて俺が女子なら

辞めるように言えるが

俺が言ったところでどうせあんたもあの見た目に惹かれてるだけだとか言われそうだ

 

実際その通りだった。見るに見かねた委員長タイプの人がそういうの良くないよって言ったところ

イチャモン付けてどっか行ってしまった

 

 

 

それから数ヶ月が経ち冬になった

 

うぅ寒いさっさと帰ろ

先生に放課後呼び出されて皆より少し帰るのが遅くなってしまった。ぼっちだから一緒に帰るやつ居ないけど

 

あれは神薙さん?何してるんだろ

 

八幡「神薙さんどうしたの?」

 

神奈「グスッ ひ、ひきがや君?」

 

八幡「あぁ こんな所でどうしたんだ?」

 

彼女の手を見ると片方しかない靴の姿があった

 

八幡「靴…」

 

神奈「私ね…虐められてるの。だから関わらない方がいいよ。比企谷君にも迷惑かけちゃうから」

 

その言葉を聞いた時無性にイライラした

こんな事をやってる馬鹿な奴

そしてこんな事になっても動かない大人の愚かさに

 

八幡「そんなの関係ない!俺も一緒に探す」

 

そう啖呵を切り探し始める

 

八幡「あった!」

 

数分が経った頃植木鉢の後ろに隠れてあった靴を見つけた

 

神奈「あ、ありがと…」

 

八幡「ちょっとここで待っててね!」

 

そう言い残し走って職員室に向かう

 

八幡「○○先生!直ぐに来てください!」

 

「え!?比企谷君!どうかしの?」

 

八幡「いいから!」

 

ろくな敬語も使わずに先生を急かす

俺の予想なら 犯人達が今頃神薙さんに突っかかっているだろう。遠くから見て多分嘲笑っていただろうし

 

八幡「下駄箱の方です!早く!」

 

先生を先行させ

下駄箱に着く

 

「あんた本当に生意気なのよ!○○君の告白断るとか何様のつもり!」

 

パチンと音が聞こえる

もう手を出してしまったか

 

先生「こら!何をしているの!!」

 

「せ、先生!?どうしてここに」

 

神奈「グスッヒッグ」

 

八幡「俺が呼んだんだ、そろそろだろうと思ったからな」

 

「は!?ふざけんなし!チクリやがって!」

 

その後神薙さんを虐めていた2人の女子は連れていかれて、神薙さんのご両親を呼んだ

 

俺の話を聞きたいと神薙さんの父親が言っていたらしく、学校に残っている

 

神薙さんの父親が学校に着き

先生と今話している

その後俺と二人きりで話したいと言われ

空き教室で2人で話している

 

神薙父視点

 

神薙父「それで君はタイミングを見計らって先生を呼びに言ったと言う訳か」

 

八幡「だいたい合ってます、すみません自分には何の力も無くて…本当にこんな自分が惨めで腹ただしいです」

 

驚いた今の時代にこんな少年が居るとは

今の子は周りに合わせてばかりで自分というものを持っていない、それに対してこの子はクラスメイトを救うだけではなく…

 

神薙父「私はね君のような子が居てくれて本当に嬉しいんだ。神奈はそんじゃそこらの子より可愛い。

だからこそ苛めの対象になりやすい。

だから一年毎に学校を転々とさせていたんだ。

だけど君のような子に出会うのは初めてだ。」

 

八幡「じゃあもうすぐ転校するんですか?」

 

神奈父「あぁ、来年…4年になるのと同時に海外に行く」

 

八幡「そう…ですか」

 

少し寂しそうな顔をしていた

もしかして彼は神奈の事が好きなのだろうか

 

神薙父「君は神奈の事が好きなのかな?」

 

少し驚いたような顔をする

こういうのを見るとこの子が子供だということを再認識する。普通に話していると高校生、いや大学生位の子と話してる気分になる。それだけこの子が大人びて居るのだろう

 

八幡「分かりません。ただ周りにいる馬鹿なヤツらよりかは全然マシだと思います。可愛いとか関係なく神薙さんは周りに流されずに生きて行くようなきがするので」

 

はははははッ!

と大笑いしてしまう

なんなんだこの子は!素晴らしい!本当に面白い!

 

八幡「へ、変な事言いましたか?」

 

神薙父「すまない、すまない君があまりにも滑稽だったもので」

 

顔が少しムスっとしている

 

神薙父「君はこの生活心底つまらないだろ?

周りの奴らはガキしか居ない。自分を持ってないヤツらばっかだ。そんな奴らと仲良く好きなんて更々ない

そんな感じがするよ」

 

八幡「その通りです。早く高校生になりたい…」

 

高校生か…この子は本でも好きなのだろうか?

この歳で高校生に憧れるだなんて

 

神薙父「君に少しアドバイスをやろう、高校生になっても本質は変わらないよ、ただ少し今よりマシになるだけだ君のような子は居ないと言っても過言じゃない」

 

そんな…って顔をしている

この子を離しておくのは惜しい

なんとかして手懐ける事ができないだろうか…

そんな悪い事を考えてしまう

 

神薙父「そろそろ先生の所に戻ろうか またいつかお話でもしよう」

 

八幡「もう、貴方とは話したくありません…」

 

ははっ随分と嫌われたものだな

 

神薙父「もし、君が神奈と結婚したらまた会うだろ?」

 

彼の顔を見ると赤面している

やっぱこの子は手に入れたいな

 

彼と別れ帰路に着く

 

それから数日が経ち彼のご両親にお礼をしに家へ向かい

彼のお父さんとお話をする

 

彼ほどじゃないが、この父も中々面白い人だった

だが、あの少しひねくれた性格はどこから来たのだろう

少し気になってしまった

 

そんなこんなでももう2月になってしまった

 

神薙父「神奈ちょっとこっちにきたまえ」

 

神奈「お父さんどうしたの?」

神薙父「神奈、あの子比企谷君は最近どう?」

 

少し神奈の顔が暗くなる何かあったのだろうか

 

神奈「あのねお父さん 比企谷君私を庇ったから

苛めを受けてるの…でも私は何も出来なくて」

 

そうかやはりそうなってしまったか

だが彼は多分何も行動しないだろう

彼の行動原理は他人が困ってたら助けるの筈だと

自分の事なんてどうでもいいとでもいうふうに

 

神薙父「そうか、神奈は彼の事が好きなのか?」

 

神奈「うん、好き…でももうすぐ海外に行くんだよね」

 

神薙父「そうだ もし神奈がずっと彼の事を好きでい続けると約束できるなら彼に告白するがいい。それで付き合えたら教えてくれ、その時には許嫁になれるように彼の親と相談してみるよ」

 

神奈「いいの!?ありがと!」

 

神奈が嬉しそうに自分の部屋に戻っていく

ニヤリと顔が綻ぶ

彼を手に入れることができる

そう考えるだけで楽しくなってしまう

彼をこんな所で潰されてしまうなら私が育てよう

 

神奈視点

 

明日比企谷君に告白しよう!

想いを全部ぶつけるんだ!

そう決心し眠りにつく

 




次回で回想は終わりです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4話

回想会2


明日学校で告白すんるんだと誓い眠りにつく

朝起きて学校の準備をする

今日はいつもより身支度に時間をかけ、学校に向かう

学校につき 自分の席に座り どう、告白するかを考える

 

そうそう学校では何人かだが友達が出来た

 

神奈「おはよ〜」

 

「おはよー神崎さん」 「おはよ あれ今日いつもより可愛いねどうしたの?」「確かに今日何かあるの?」

 

と聞いてくる私はなんでもないよといい誤魔化す

 

いつ、何処で告白するかをが決まらない

時間は放課後がいいだろう

でもどうやって呼び出すか…

 

そんな事を考えていると彼が…学校に来た

誰とも話す事もなく自分の席に座り

読書を始める

 

彼ってどういう本読んでるんだろ?

少し気になり彼の所に聞きに行く

 

神奈「比企谷君っていつも本読んでるよね

どんな本読んでるの?」

 

八幡「今は太宰治 少し前は宮沢賢治とか」

 

名前は聞いた事あるけど、全然分からない

 

神奈「へぇ〜面白いの?」

 

八幡「まぁ、面白いとは思う」

 

歯切れの悪い返事をしていた

多分彼の中でも善し悪しがあるのだろう

 

神奈「ねぇ、比企谷君今日の放課後暇?少し前付き合ってもらえないかな?」

 

出来るだけ自然に誘ってみる

 

八幡「…あぁ いいよ」

 

神奈「ありがとね〜」

 

手を振り自分の席の方へ早足で戻っていく

 

 

 

八幡side

 

放課後になりいつもなら帰る所だが、今日は神薙に付き合って欲しい事があるって事で教室に残っている

 

神奈「ごめんね、日直の仕事終わったよ

それで、えと…屋上行こっか」

 

屋上に連れ出される

 

八幡「風気持ちいいな」

 

少し冷たいが、気持ちいい風が吹いている

これが春一番とかなら違う感想になっていたのだろう

 

神奈「比企谷君、学校楽しい?」

 

八幡「…いや、義務教育だから来てるだけ

特に楽しいなんて思った事ない」

 

神奈「それは、私のせい?」

 

コイツは何を言ってるんだ…いやコイツのいじめを庇ったから、俺が標的になった

標的というより、ハブられるようになった

 

八幡「違う、元々ここには俺の居場所なんてねーんだ」

 

神奈「そっか…」

 

神薙が黙り込む

 

八幡「…それで何の用だ?こんな話がしたかったんじゃないだろ?」

 

神奈「うん… えっとね比企谷君」

 

神奈「私と付き合って下さい!比企谷君は否定するだろうけど、助けてもらった時ね物凄く嬉しかったの

そんな優しい君が好きです」

 

俺の事が好き…物好きな奴もいるんだな

でも、面と向かって言われるのはすごく嬉しい

 

八幡「嘘とか、お前の親父さんに言われてとかじゃないんだな」

 

彼女はこくりと頷く

 

八幡「その、なんだこれからよろしくな」

 

神奈「うん!それじゃあこれからはーちゃんって呼ぶね!」

 

これで2人は付き合い始めた

だが海外に留学するのはもう1ヶ月後の事だった

そこからの展開は早かった、うちの親と神薙の親で

話し合いをし許嫁という形に収まった

 

その時は中学になったら戻ってくるという事だったが

 

中学になっても彼女は戻って来なかった

そして、俺は彼女が帰ってこない現実を受け入れられずに 昔の事を忘れようとしていた

 

ーーーーーー

 

これが全てだ

 

八幡「という事だ、神薙は覚えてるだろうが

雪ノ下には一応言っておこうと思ってな」

 

全てを思い出した俺は 2人を呼び出し

事の顛末を伝えている

 

雪乃「貴方昔からそうだったのね、変わった所といえば目が腐った所くらいかしら」

 

神奈「あの頃からはーちゃんは優しかったもんね」ダキッ

 

抱きついてくるな 雪ノ下が見てるから

 

雪乃「ねぇ比企谷君、神薙さんに飽きたら私の所に来るのよ。絶対に幸せにしてみせるわ」

 

神奈「私の方ができるもん!」

 

また始まった この2人はどうかして仲良くできないものか…根本的な所は似てるのに…同族嫌悪?

 

八幡「ほら2人ともやめろ、あんまりそうしてると

陽乃さん所に逃げるぞ」

 

この言葉は雪ノ下にとても効く

陽乃さんは1年前に想いを明かしてくれた

それからも偶に連絡を取ったりしている

今はただの友人?としてだが

 

雪乃「姉さんには敵わないわ…」

 

自分の胸を見る雪ノ下…哀れなり

 

神奈「陽乃さん?」

 

八幡「雪ノ下の姉だ」

 

神奈「へぇ〜」

 

八幡「説明するの面倒だからもし気になるなら会ってみろよ、凄い人だから」

 

そういい話を終わらせる

こいつらがいつか仲良くなれますようにと願いながら

2人を見る

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5話

結局同棲する事になったのは別にいいんだが

神奈が無防備過ぎて困ってる

男としては嬉しいのかもしれないが

俺としては我慢するのが大変なので少し気にして欲しい

 

神奈「はーちゃんただいまー」

 

八幡「おう、おかえり」

 

靴を脱ぎスタスタと家に入ってきた

直ぐに洗面所に行き顔を洗い出した

 

神奈「ふぅーやっぱ外暑いね」

 

八幡「7月下旬だからな、仕方ねぇよ

冷凍庫にアイスあるけど食べるか」

 

神奈「食べるー!さっすがはーちゃん!愛してるぅ」

 

八幡「はいはい」

 

最近ではもう慣れたもんだ

恋人として付き合い始めてから

2人に壁なんてものはなくなった

 

1度雪ノ下から言われたが本当に夫婦みたいだ

 

神奈「ねぇはーちゃん」

 

八幡「なんだ?」

 

神奈「はーちゃんの高校時代…奉仕部の事教えて〜」

 

急になんだよ 奉仕部か…色々あったな

何やかんやで楽しかったし 雪ノ下はよく会うが由比ヶ浜は元気にしてるだろうか?

 

八幡「……あぁ、いいぞ」

 

そうして過去に起きた出来事を話し始めた

入学式の事故に奉仕部入部、由比ヶ浜のクッキーに平塚先生の独身、川崎のスカラシップ それに千葉村

文化祭に体育祭、修学旅行、生徒会選挙にクリスマスイベント

年越し、トップカースト…バレンタイン本当に色々あったな

 

神奈「そんな事があったんだ…私とは違って充実とした生活だったんだね…少し羨ましいかも」

 

八幡「神奈はどんな生活してたんだ?」

 

神奈「私?私はね…普通に友達と遊んで 勉強してってくらいかな。はーちゃんみたいな面白い事は無かったよ」

 

神奈「私も…奉仕部入ってみたかったな」

 

 

 

雪乃「そうね、貴方が居たらそれはそれで楽しかったかもね」クスッ

 

八幡「ぉう、雪ノ下」

 

神奈「え!?何で雪ノ下さんが居るの!!」

 

いや、お前が帰ってくる前から居たんだけど…

お昼ご飯作るから厨房借りるわねって、言って出てこなかったが

その前に玄関に雪ノ下の靴があったろ

 

雪乃「あら、私は比企谷君に手料理をご馳走しようと思って来たのだけれど何か問題でも?」

 

神奈「問題あるよね!?」

 

八幡「落ち着け、とりあえず腹減ったし飯にしようぜ 雪ノ下が作る飯は美味いからな」

 

神奈「う、うん…」

 

 

 

雪乃「比企谷君、明日空いてるかしら?」

 

八幡「忙しいぞ家でゴロゴロしたり、アニメ見たりするからな」

 

雪乃「そう、なら11時に私の家に来てちょうだい」

 

八幡「おい、俺の話聞いてたか?」

 

雪乃「聞いてたわよ」

 

八幡「なら」

 

雪乃「暇よね?」

 

八幡「アッハイ」

 

雪乃「じゃあ明日ちゃんと時刻通りに来るのよ」

 

八幡「ワカリマシタ」

 

神奈「ねぇ!ちょっと待ってよ!何で彼女の前でそんな堂々とデートに誘えるの!?」

 

雪乃「え?でーと?なんで私がこの男と?」

 

八幡「違うぞデートじゃない」

 

神奈「いやいや!男女2人でで出掛けるのはもうデートでしょ」

 

ん?2人?

 

雪乃「何か勘違いしてるようだけれど 二人きりではないわ 3人よ」

 

その時パァアと神奈の顔が明るくなった

多分こいつ私も!とか思ってるだろう

 

八幡「あ、お前じゃないぞ」

 

ほら、ガーンってなってる

ちょっと面白いかも

 

雪乃「私とは比企谷君に由比ヶ浜さんの3人で集まるのよ 奉仕部の同窓会として」

 

神奈「ぁーなるほど…ってなるか!由比ヶ浜さんって人もはーちゃんに恋心抱いてるのよね!?そんな中に男一人のはーちゃんを連れて行けるわけないじゃん!」

 

こいつ元気だなー

それに表情も豊かだ 俺と違うな〜

 

八幡「ボ-」

 

雪乃「はぁ…分かったわ由比ヶ浜さんに連絡してみるわそれで許可が降りたら貴方も来ていいわよ」

 

雪乃「もしもし、由比ヶ浜さん 少しいいかしら?」

 

雪乃「明日の同窓会の件なのだけれど、比企谷君の彼女が心配だからついて行くって話を聞かないの、それでーーー」

 

「ヒッキ-ニカノジョ!?ドウイウコト!?」

 

雪乃「貴方、由比ヶ浜さんに言ってなかったのね」

 

八幡「あぁ あんまり連絡とる事ねぇしな」

 

雪乃「そう、そうよね…」

 

雪乃「えぇ、分かったわ誠に遺憾ながら比企谷君の彼女さんも連れていきましょう えぇ、本当は2人で比企谷君を…」

 

ちょっと今物騒な事言わなかった?

 

雪乃「えぇ、また明日ね」

 

雪乃「許可降りたわよ」

 

神奈「ぁうん…それよりさっきの会話どういう事!?比企谷君に何するつもりだったの!?」

 

雪乃「女子にそれを言わせるのかしら?

べ、別に酔った勢いで比企谷君を襲おうだなんて考えてなかったわよ」

 

おい、このまま行ったら危なかったじゃねぇかねぇか

 

雪乃「冗談よ、由比ヶ浜さんにそういうように頼まれたのよ」フフッ

 

全くタチの悪い冗談だ

 

八幡「とりあえず明日の11時に神奈連れてお前の家行くわ」

 

雪乃「えぇ、じゃあそろそろ私はお到まするわ」

 

雪ノ下を見送り部屋に戻る

神奈は未だに固まったままだが放置して自分の部屋に戻った



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

6話

神奈を起こし出かける用意をし

家を出る

 

今日は半年ぶりの奉仕部の同窓会だ

奉仕部じゃないやつも一人いるけどね

 

神奈「はーちゃんって普通にイケメンだよね…」

 

珍しく伊達メガネを掛け、オシャレをし

雪ノ下の家に向かっていたら

神奈が突然そんな事を言ってきた

 

八幡「…俺がイケメンだったら世の中にいる男殆どイケメンになるぞ」

 

昔初めてコーディネートされたとき実際自分でも誰?となった。雪ノ下と由比ヶ浜、ついでに小町も唖然としていたな。やっぱ陽乃さんスゲーわ こんな俺ですらもイケメンにできるとか。

 

神奈「そんな事ないと思うけどなー

はーちゃんモテるし」

 

否定はしない…したら誰かに刺されそうだし

 

実際高校時代に奉仕部の2人と一色、その他にも川崎にも告白されたからな…

 

大学入ってからも 大学帰りに雪ノ下と遊びに行く時とかにオシャレして行ったら告白とかされたしな。

 

知らない人からいきなり声を掛けられて

告白されるのって驚くよね

 

八幡「否定は…せん」

 

他愛ない話をしていたら、雪乃が住んでいるマンションに辿り着いた。

 

俺が今住んでいるマンションから徒歩5分位の所に

雪ノ下が高校時代から住んでいるマンションがある

 

まぁ、雪ノ下がよく俺の家に遊びに来る理由はこれだ。圧倒的に距離が近い

 

雪ノ下に鍵を開けてもらい

マンションに入っていった

 

雪乃「いらっしゃい比企谷君、神薙さん」

 

神奈「こんにちはー雪ノ下さん」

 

インターホンを鳴らすと

いつもより少しオシャレをした雪ノ下が出てきた

いつも化粧しているのか?と思うほど薄化粧な雪ノ下がしっかりとおめかしをしていた

 

八幡「よう…あ、その服」

 

雪乃「ふふっ、気がついたのね」

 

八幡「まぁな、俺がプレゼントしたやつだしな」

 

雪ノ下の白い体は白のワンピースに身を包んでいた

 

八幡「そ、そのよく似合ってるぞ///」

 

雪乃「あ、ありがと」

 

互いに顔を赤くしながら微笑んだ

 

神奈「ちょっと待って!!どうしていきなり私置いていかれてるの!?」

 

悲痛の叫びを上げる神奈をあやしながら

部屋に入っていった

 

雪乃「比企谷君、今日は何の日か分かる?」

 

今日?8月8日…

 

八幡「俺の、誕生日か」

 

雪乃「えぇ、そうよ 誕生日おめでとう比企谷君」ニコ

 

神奈「え!?そうだったの!」

 

そっか、俺も忘れてたし なんなら誕生日教えてなかったな

 

雪乃「これ、私からのプレゼント…本当は彼女が居る貴方に渡すべきではないのかもしれないけれど、私からの気持ちよ」

 

雪ノ下から小さい箱を渡された

 

八幡「開けてもいいか?」

 

雪乃「えぇ」

 

箱を開けるとそこには

 

八幡「男物のネックレスか…サンキュな」

 

正直プレゼントを貰って涙が出そうになったが

なんとか堪えた

 

雪乃「そ、それと これ私と由比ヶ浜さんで選んだのだけれど」

 

雪ノ下が持ってきたのは写真立てだった

 

八幡「これは?」

 

雪乃「貴方と私に由比ヶ浜さんの写真が入ってるわ」

 

高校時代に撮った数少ない写真のひとつだ

平塚先生に頼み 奉仕部の部室で撮影してもらったものだ。

 

八幡「雪ノ下、ありがとな…本当にうれしい」

 

涙が頬をつたっていた

嬉しくて嬉しくて 涙が溢れてきた

 

雪乃「貴方、卒業してから涙脆くなったわね

そろそろ人からの好意に慣れるべきよ」クスッ

 

八幡「そうだな…俺はもう一人じゃないんだよな」

 

昔の名残でどうしても俺はボッチで人から嫌われていると考えてしまう

誰も俺を認めようとしなくて

誰も俺の事を知ろうとしてくれない

 

そんな事を無意識に思ってしまう自分がいた

だけれどコイツらがそんな俺の心を壊してくれた

ここに俺の居場所があると

 

神奈「はーちゃん!良かったね 分かり合える友達が出来て!」

 

八幡 雪乃「「友達じゃない」」

 

神奈「え?……やだなー嘘つかないでよ!」

 

八幡 雪乃「「嘘じゃない(わ)」」

 

あれー?おかしいな

友達じゃなければどういう関係なの?

 

雪乃「私達の仲を友達だなんて曖昧なものにしたくないの。あんな脆くていつ壊れてしまうか分からないような関係に」

 

んん?過去に何かあったのかな?

でも友達じゃなかったら 他人?

知り合い?何になるの?

 

八幡「あれだよな、言葉にできない関係ってやつ」

 

雪乃「そうね、互いが互いと異性として好きなのだから…比企谷君私と恋人になりましょ」

 

神奈「ちょっと待って!どうしてそうなるの!!

確かにはーちゃんも雪ノ下さんも両想いかもしれないけど、私はどうなるの!?」

 

八幡「神奈が居なかったら恋人になってたな

それくらいには雪ノ下の事を好きだが却下だ」

 

将来はーちゃんが浮気しないか心配になってきた…

八幡「浮気なんてするかよ、そんな度胸なんてない」

 

シレッと心読まれた!?

 

雪乃「比企谷君やるわね、やっと人の心が読めるようになったのね」

 

八幡「雪ノ下と陽乃さんのおかげだよ

それにまだ神奈位しか分からん(コイツわかりやすいし)」

 

神奈「わー何だか私だけ違う世界にいるなー

ここなんてラノベ?」

 

八幡「ついに現実逃避し始めたぞ」

 

雪乃「仕方ないわ、私もあなたも姉さんも世間一般的には天才の部類に入るのだから」

 

え?俺も入るの?

 

雪乃「入るわよ、だいたい私が数学の勉強を教えただけで学年最下位が2位まで上がるだなんてどういう事なのよ…要領もいいし 覚え早いし…」

 

そ、それはあれだ雪ノ下の教え方が上手いだけだ

とは言えなかった…由比ヶ浜が居るから

 

何なの?どれだけアホの子なの?

あんなにわかりやすく説明してくれてるのに

全然分かってないし、どうやって総武高に入学したの?

 

神奈「はーちゃん、私ね1つ思う事があるんだけどね」

 

お?復活したか今回は早いな

 

神奈「どうやったら強くてニューゲームできるの?」

 

壊れたままだった!それに出来るなら俺が知りたいわ!!

 

八幡「その、なんだ 神奈も頭良いし 容姿もいい 料理出来て、家事も出来る それだけで充分過ぎるほど魅力的だと思うぞ」

 

我ながら恥ずかしいセリフをよくもサラッと言えたものだ

 

神奈「3点」

 

うぇえ!?厳しすぎじゃないですか!!

 

八幡「ちなみに後の97点は?」

 

神奈「雪ノ下さんと比較した所」

 

確かにしましたよ!だって完璧超人ですもの!

なにやらせても100点近くできる雪ノ下さんだよ

比べたくもなっちゃうよね!

 

そんなこんなで夕方近くまで3人でワイワイ

話をしていたら由比ヶ浜がやってきた

 

 




次回由比ヶ浜轟臨!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

7話

3人でワイワイお話しをしていたら夕方になった

 

ピンポーン

 

八幡「おっ、来たか?」

 

雪乃「そのようね」

 

ドアを開きその先に居たのはアホの子で有名な由比ヶ浜結衣だった。

 

結衣「やっはろー!!久しぶりゆきのん!ヒッキー!」

 

俺と雪ノ下で出迎えに行ったら 二人揃って由比ヶ浜に抱きつかれた

 

雪乃「ゆ、由比ヶ浜さん、は離して」

 

久しぶりに見た照れのん やっぱ由比ヶ浜には弱いな

 

八幡「離れろ、由比ヶ浜…当たってるって」

 

そう、あの男の夢と希望を詰め込んだ

2つの双丘が当たってるんだ

あぁ…柔らかいし…雪ノ下も由比ヶ浜もめっちゃいい匂いする…

 

結衣「ヒッキー!」

 

八幡「ん?」

 

結衣「当たってるんじゃなくて当ててるんだよ!」

 

おい、ドヤって言うもんじゃないだろ

 

結衣「あれ?ヒッキーってネックレスとか付けてたっけ?」

 

八幡「あーこれなさっき雪ノ下から誕プレで貰ったんだ」

 

結衣「へーゆきのんって結構大胆だね ネックレスなんて」

 

ん?大胆?……そうかそうだったな

 

八幡「そうだな、まさか貴方を縛りたいだなんてな」

 

確か意味は支配欲とかそういうものだったはずだ

 

雪乃「///」

 

結衣「冗談だって〜 それじゃお邪魔します〜」

 

神奈(私また空気だ……)

 

結衣「あっ、貴方がヒッキーの彼女さんかー私由比ヶ浜結衣よろしくね!」

 

優しい人…私の事に気がついてくれた…

 

神奈「うん!神薙神奈ですよろしくね」

 

結衣「うわぁ凄い美人さんだ…」

 

神奈「えっ!?そ、そんな事ないよ〜雪ノ下さんや由比ヶ浜さんに比べたら…」

 

うわぁ、由比ヶ浜の胸めっちゃ見てるよ

それに雪ノ下さんはどうして舌打ちしてるの?

怖いよ?

 

八幡「確かに1つの点で突出したものはないが、色んな物を満遍なく持ってるのもすごい事だと思うぞ」

 

ポンと神奈の頭に手を乗せ慰める

 

神奈「うん…」

 

結衣「うわーヒッキー変わったね〜 私達にそんな事してくれた事ないのに〜」

 

変わったというより…元々小町にしかするつもりは無かったしな

 

雪乃「あら、私はされた事あるわよ?」

 

八幡「うぇ!?」

 

あれぇ!?そんな記憶ないんだけど!いつした!?

 

結衣「ピキッ どういう事?ヒッキー!私された事ないんだけど!」

 

八幡「落ち着け!俺だって記憶ないんだ!」

 

雪乃「あの時は…あんなにも激しく…///」

 

何で顔赤く染めてるんですか!?

俺が一体なにをしたっていうんだ!

 

神奈「はーちゃん!」

 

その後正座をさせられ怒られた

いや、本当に記憶無いんだけど…

 

雪乃「(私が風邪引いた時あんなにも優しくしてくれて…熱心に看病してくれて…)」ポッ

 

八幡「教えてくれ!俺が何をしたって言うんだーー!!」

 

雪乃「比企谷君…大好きよ」ニコッ

 

ヒッキ-!! ハ-チャン!!

 

ヒッッ!

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

8話

少しHな話もあります
そういうのが苦手な方はブラウザバックしてください


あれから外に食べに行き 食事を済ませたら

スーパーでツマミやお酒を少し多めに買って

雪ノ下の家に向かった

 

雪ノ下に関してはまだ未成年だから外では飲めないが宅飲みくらいいいだろう…という事で人生初のお酒を体験しようとお酒を買い込んだ

 

なんやかんやで飲み会とかずっと避け続けた俺や雪ノ下はもちろん、そういうのに参加したことある由比ヶ浜や神奈もお酒は初めてらしい

 

俺の家か雪ノ下の家どちらがいいか話し合ったところ 雪ノ下の家に決まった。理由は馬鹿みたいに部屋が広いからだ。

 

八幡「なんで俺が…飲み物全部持たなきゃ行けないんだよ…はぁ…」

 

当然男の俺は荷物持ちとして 買った酒全てを持たされた。というか誕生日になんでこんな目に遭わなきゃ行けないんだ

 

神奈「まぁまぁ、男の子なんだから」

 

そう言いながら頭を撫でてくる

頭を撫でられるのって気持ちいいよな

誰だよ、子供扱いされてるみたいで嫌とか言ってる奴。1度でいいからちゃんとされてみろ…めっちゃ落ち着くから

 

雪乃「お疲れ様比企谷君 ごめんなさいね…私体力ないから」

 

そう言って日用品とかの荷物をテーブルに置き一息ついた

 

八幡「あんま、気にすんな…倒れられた方が困るからな」

 

結衣「あーヒッキーが捻デレてる!」

 

捻でれってなんだよ…初めて聞いたわ

 

 

 

「「「「かんぱーい!」」」」

 

カチンとグラスを当て初めてのお酒を1口飲んだ

 

何から飲んだら分からなかったから 一応みんなビールから飲んでみた

八幡「うげっ…苦い…」

 

初めてのお酒の感想は苦いだった

でもこれが良いって人もいるんだよなー

 

結衣「確かに苦いけど こう喉にク-ッと来る感じ良くない?」

 

神奈「分かるかも、最初は苦いけど 慣れたらやみつきになりそう」

 

雪乃「うっ……」

 

みんな多種多様な反応を示した

由比ヶ浜と神奈には好評だったが

俺は酷評したい…多分雪ノ下も

 

八幡「おい、雪ノ下…無理して飲まなくてもいいんだぞ?」

 

雪乃「む、無理なんてしてないわ……べ、別に苦くなんてないのだから」

 

苦いんですね…

 

とりあえず皆1杯を飲み終わりつまみを解放した

 

つまみを食べながらチューハイや焼酎、日本酒など色んなお酒を飲んでいた

 

八幡「もう、無理…これ以上飲んだらお腹下す…」

 

俺は途中でギブになってしまった

お酒に酔ったというより、冷たいものを飲みすぎてお腹が痛くなりそうだった

 

神奈「私も…大分飲んだからそろそろ」

 

少しフラフラしながら神奈がこちらにやってきた

こいつなんやかんやで1番飲んでたからな…どんだけ酒強いんだよ

結衣「私もそろそろやめておこうかな…大分酔いも回ってきたし」

 

由比ヶ浜はまだ元気そうだった

なんやかんやでゆっくり飲んでいたから

飲んでいる量は俺とあまり変わらない

 

雪乃「ゴクゴクゴクゴク」

 

八幡「雪ノ下、そろそろやめとけ…後で後悔するぞ」

 

吐いたり倒れたりしたらあいつ……

 

その場をたち雪ノ下の隣に座り飲むのを辞めさせるためコップを掴んだ

 

なんやかんやでこいつ…2番目に多く飲んでるしな

 

雪乃「ふぇ?ひきぎゃやきゅん?」

 

おい、呂律回ってないじゃねぇか…飲みすぎだろ

 

八幡「由比ヶ浜、水持ってこい」

 

結衣「あ、うん!分かった」

 

俺の一言で雪ノ下がだいぶん酔いが回ってることに気づいた由比ヶ浜はトテテテテとキッチンに向かっていった

 

八幡「こら、飲みすぎだ」

 

雪乃「んーー」

 

何こいつ駄々をこねる子供のような顔して…可愛いじゃねぇか

 

八幡「飲みすぎて後で後悔しても知らねぇぞ」

 

雪乃「えへへ〜比企谷君だー」ダキッ

 

八幡「うぉっ!?」

 

いきなり雪ノ下に抱きつかれ

後ろに倒れて 押し倒される体勢になってしまった

 

雪乃「比企谷君〜好き〜」スリスリ

 

俺の上に寝そべり 頬にスリスリしてきた

 

やべ、マジでいい匂いするし、柔らかい…

 

神奈「はーちゃん!大丈夫!?」

 

押し倒された俺を心配し、神奈がこちらにやってきた

 

雪乃「やっ、比企谷君コッチを見て」

 

顔をギュッと固定され…そして

 

雪乃「んっ」チュッ

 

キスをされた

 

それから何度も何度も口内を蹂躙された

俺は何をされたか分からず ただただ放心状態になっていた

 

神奈「ちょっと!雪ノ下さん!!」

 

雪乃「はぁっ、んっ チュッ ふふ、比企谷君好き…」

 

結衣「水持って来たよーーうえぇええ!?ゆきのん何してるの!?」

 

八幡「た、助け んっ」

 

またキスをされ

今度は舌を口の中に入れられた

 

結衣「ふぇえ!?」

 

やばい、もう理性が……

 

八幡「雪ノ下!」

 

雪乃「ふぇ !?」

 

1度強く雪ノ下を抱きしめ こちらからキスをし

雪ノ下の力が弱まったところ

神奈が雪ノ下を引き剥がし…俺は解放された

 

八幡「はぁ…はぁ… やへぇ…収まらねぇよ」

 

俺はすぐに座り股間のところを抑えたが

俺の剛直は大きくなったままだった

 

すごくムラムラし、今でも精を吐き出したい気分だが無けなしの理性で抑えつけた

 

その頃雪乃は由比ヶ浜に水を飲まされて

神奈と由比ヶ浜により、とりあえずソファで横にならされていた

 

八幡「はぁ……はぁ……」

 

チラッと雪ノ下や神奈に由比ヶ浜が居るほうを向くと余計に俺の興奮は高まってしまった

 

言うことを聞いてくれない自分の体を戒めながら俺はできるだけ意識をしないようにした

 

神奈「はーちゃん大丈夫?」

 

八幡「すまん、無理そうだ…」

 

神奈も流石にずっと両手で押さえつけていたから察したようだ

 

神奈「流石に初めてが 他の女の人に欲情したからってのは嫌だから…ごめんけどトイレで済ませて貰えると嬉しいかな?」

 

八幡「友達の家のトイレでか………」

 

神奈「まぁ、はーちゃんが我慢出来るならそれが1番いいんだけどね」

 

どうやら、それは無理そうだ

由比ヶ浜に気づかれないようにトイレに行き

鍵を閉め 溜め込んだ精を吐き出した

 

 

 

八幡「はは…」

 

終わった後俺は物凄く惨めな思いをした

虚無感や、倦怠感…罪悪感などに襲われた

 

なんやかんやで同級生どころか知人をおかずにするなんて初めてだったしな

 

それに、俺…絶倫かよ…3回目でやっと収まりやがった

 

スプレーをかけ 匂いを残さないようにしてトイレを出り、手をよく洗い 3人のところへ戻っていった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

9話

八幡「戻ったぞ…」

 

少し疲れたような声で

由比ヶ浜と神奈に声をかけた

 

結衣「おかえり、ヒッキー まさかヒッキーがお腹弱いだなんて知らなかったよ」

 

神奈「だねー」

 

神奈が由比ヶ浜にはお腹を下していたと

説明してくれていたようだ

良かった……いや、いいのか?

 

八幡「雪ノ下は?」

 

神奈「雪ノ下さんなら、部屋でぐっすり寝てるよ」

 

結衣「今度から飲む時は気をつけないとね〜」

 

神奈はうんうんと頷き

俺も「そうだな」と肯定した

 

少し神奈の方を観察していたが

雪ノ下が俺にキスしたりしていたのは

特に気にしている節は無さそうだ

至っていつも通りであった

 

神奈「はーちゃん、どうする?そろそろ帰る?」

 

八幡「…いや、今夜は泊まろう

明日俺か神奈が飯作ってやらないと

あいつ、何も食べないかも知れないしな」

 

神奈「あ、そっか…二日酔いで動けないだろうしね」

 

まぁ、由比ヶ浜を除外したのは言うまでもないだろう…

 

結衣「あれ!?私は!」

 

と声は聞こえてきた…お前が作った方が雪ノ下発狂するぞ…

 

一応神奈には由比ヶ浜の料理のひどさは伝えてある

奉仕部の思い出話している時に話したからな

 

八幡「んじゃ、俺はリビングで寝るから」

 

神奈「あれ、私達はどこで寝たらいいの?」

 

八幡「あっちに陽乃さんが来た時に使う為の部屋があるだろ…その部屋使えよ」

 

えーいいのかなー?とか声が聞こえてきたが

ま、いいだろう…最悪俺が頭下げるし

 

あ、寝る前に布団1枚貸してもらお…風邪はひきたくないな

 

そう思い陽乃さんの部屋のドアを開けた

 

八幡「おーい、布団1枚貸してくれー」

 

部屋をあけた先には

体を拭いたり、ブラを外したりしている二人の姿があった

 

結衣「ちょっ!ヒッキー!見ないで!」

 

神奈「はーちゃん!!」

 

2人の姿は目に焼き付けてしまったが

すぐに扉を閉めたためものを投げつけられることは無かった

 

 

 

神奈「はーちゃん、布団だよ」

 

数分ほどしたら神奈がリビングに布団を届けてくれた

 

八幡「サンキュ…さっきは悪かった…由比ヶ浜にも謝っておいてくれないか?」

 

神奈「うん、伝えとくね それと、乙女の部屋に入る時はちゃんとノックする事!」

 

そう言い残し部屋に戻っていった

 

明日ちゃんと謝ろうと決意し俺は眠りについた

 

 

 

翌朝

 

俺は1人朝早く目が覚めたため4人分の朝飯を作った

 

二日酔い対策としてしじみの味噌汁に梅粥、キャベツとしめじの野菜炒めの3品だ…

あまり多すぎると食べられないかもしれないからな

 

朝ごはんを作り終わると時刻は9時を過ぎていた

 

神奈「ふぁーあ あれ、はーちゃんもう起きてたんだ」

 

八幡「おう、なんなら朝飯作り終わったぞ 由比ヶ浜はまだ寝ているのか?」

 

神奈「うん、まだ寝てるよ…」ゴシゴシ

 

八幡「それなら、起こしてきてくれ…俺は雪ノ下起こすから」

 

彼女は眠たそうに「はーい」と欠伸をしながら部屋に戻っていった

任せて大丈夫なのか?二度寝したりしないだろうな

 

そう思いながら俺は雪ノ下の部屋の前にたち一応ノックをして入った

 

雪乃「スー スー」

 

綺麗な寝顔だな…

ふとそう思い頬や髪を撫でてしまう

欲情とかそういうのは一切ない

ただ本物の妹や娘を触るかのように

そっと触れた

 

八幡「……俺は何をしているんだ…おい、起きろ雪ノ下」

 

彼女の肩に触れ 体を揺すった

 

雪乃「ん、んー まだ眠いの…」

 

こいつ朝弱いのか?

何度も部屋に遊び来たことはあるが

流石に泊まったことは無かったからな

 

八幡「朝ごはん出来てるぞー」

 

雪乃「んっ、ごはん?」

 

可愛いこいつ……俺もこんな娘か妹欲しいな

つい、そんな事を思ってしまった

小町は最高で最強の妹だが

雪ノ下とはまた方向性が違う

 

八幡「ほら、起きろ」

 

ペシペシと頬を軽くたたくと

うつろうつろとした目でこちらを見た

 

八幡「おっ、やっと起きたか」

 

雪乃「……え?比企谷君?どうしてここに……」

 

八幡「後で説明してやるから ちゃんと目を覚ませ」

 

雪乃「(これは夢かしら?比企谷君が私の部屋で私の目の前に座っているのだけれど…もし、夢なら覚めないで欲しいわね)」

 

雪乃「比企谷君…うっ…」

体を起こそうとしたら激しい頭痛に襲われた

それに気分も悪いし…吐きそう…

 

八幡「大丈夫か?ほら背中に乗れ 洗面所まで連れて行ってやる」

 

彼はベッドの前で軽くしゃがみ 私を洗面所まで運んでくれた

 

雪乃「その、比企谷君… できれば遠くに行っていて貰えないかしら…貴方にこんな姿は見せたくないの」

 

洗面所に着くと私は身勝手ながら比企谷君にそんなお願いをしてしまった。彼は分かったと顔色ひとつ変えずに去ってくれた。好きな人にこんな姿を見せたく無かったし、私のプライドが…

 

そんな事を思いながら洗面所で吐いた

 

結衣「ヒッキーおはよー…」

 

八幡「ん、おはよ」

 

神奈「雪ノ下さん、やっぱり二日酔いだったか…」

 

八幡「そのようだ…何かあったらいけないから 近くにおってやろうと思ったが突き返されてしまった…」

 

いや、それ雪ノ下さんがこんな姿見られるのが恥ずかしいからだよね…察してあげようよ

 

結衣「あはは、ヒッキー鈍感すぎ…」

 

由比ヶ浜さんも軽く引いてるし…

どうしてはーちゃんってこんなにも鈍いんだろう

 

 

 

雪乃「ごめんなさい…迷惑かけてしまって」

 

そうしていると洗面所から雪ノ下が戻ってきた

 

八幡「気にすんな、それに…困った時はお互い様だろ」

 

雪乃「その事もなのだけれど…私の記憶が正しければ…えっと…うぅ///」

 

顔を赤くし手で隠してしまった

 

八幡「どうした?」

 

雪乃「き、昨日貴方に何度もき、キスをしてしまって///」

 

八幡「あっ.......///」

 

次は俺の顔が茹でダコのように真っ赤になってしまった。昨日の激しいキスを思い出し…あの魅力的な表情で求めてくる雪ノ下を…

 

八幡「あ、あれは酔った勢いだろ、き、気にすんなよ///それより、飯作ったから食べようぜ」

 

雪乃「え、えぇ///」

 

結衣「ねぇ、なっちゃん あの初々しいカップルみたいな二人見てたら殺意が湧いてきたけど、どうしたらいいかな?」

 

神奈「奇遇ね由比ヶ浜さん…私も少しカッチーンと来てしまいました.......ん?なっちゃん?ジュース?」

 

結衣「えっとね、神奈だからなっちゃん

流石にかーちゃん、とか変だからなっちゃんなの」

 

えぇ、由比ヶ浜さんのネーミングセンスどうなってるの…そう言えば雪ノ下さんのゆきのんはまだ可愛くていいけど はーちゃんのヒッキーは完全に違う意味になってるよね…

 

かっちゃんとか呼ばれるよりはマシよね…

 

そんな事を考えていたら はーちゃんが盛りつけを全部済ませてくれていた。何この彼氏…有能すぎる

料理スキルも高くて家事もできるし頭もルックスもいい…完璧じゃん

 

席順ははーちゃんの隣に雪ノ下さんはーちゃんの目の前で由比ヶ浜さんの隣が私…

少し違和感は感じるけれど、いつ雪ノ下さんの気分が悪くなるか分からないからこれの方がいいよね…

 

雪乃「そ、その比企谷君」

 

八幡「なんだ?」

 

雪乃「あ、あーん?」

 

八幡「あーん」

 

え?何ナチュラルにあーんしてるの?私だってしたことないのに

 

八幡「ほら、雪ノ下 あーん」

 

雪乃「あーん」

 

由比ヶ浜さんは普通にその光景を見てるし

おかしいのは私だけ!?

 

結衣「なっちゃんは初めてだから知らないよね…あの2人兄妹見たいに凄く仲良いの…」

 

えー、何それすごく初耳なんですけど…

というか、普通それ私がされるべきよね

 

「「ご馳走様」」

 

4人全員食べ終え 俺は全員分の食器を下げ

洗い物を始めた

 

神奈「あ、はーちゃん手伝うよ」

八幡「ん?おぉサンキュ」

 

神奈「さっきのあれさ…何だったの?」

アレ?あぁあーんってしたやつか

 

八幡「あれな…あれはなんつーか 兄妹ごっこみたいなものだ…俺は雪ノ下みたいな妹も持ってみたかったし、 雪ノ下は兄は居ないけど お兄ちゃんに甘えたりしてみたかったって言ってたからな。 それで俺が擬似的なお兄ちゃんをしてやってるんだよ…それに互いに得してるしな」

 

神奈「そうだったんだ…」

八幡「あいつ、育った環境もあってさ素直になれないし、なんでも1人で背追い込もうとするから…こうやってたまに あいつの甘える対象として お兄ちゃんしてやってるんだよ」

 

神奈「はーちゃんってさ雪ノ下さんの事実際どう思ってるの?」

 

八幡「……」

どう思っている…か

俺にもよくわからない

妹にしたいだとか部活仲間とかで

はぐらかしてはいたが

実際のところどうなのかよく分からない

 

神奈「黙っちゃうんだ…」

 

八幡「心配すんな…浮気だとか不倫だとかそういうものは絶対にしないから」

 

丁度洗い物が終わり 手を拭き神奈の頭の上にぽんと手を乗せた

 

神奈「今の時点でこれだけ女の子侍らしておいて、説得力ないよ」

 

八幡「うっ」

 

神奈「でも、信じてあげる」

 

八幡「...あぁ サンキュな」

 

思った以上に雪ノ下は元気そうだったので

昼過ぎくらいまでお邪魔させてもらって

そこから各々自宅に帰っていった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

10話

「雪ノ下さんの事実際どう思ってるの?」

 

この問いをかけられ俺は応えることが出来なかった。俺にとって雪ノ下はかけがえの無い友人?みたいなものだが、俺は恋心とも友情とも何か違う よく分からない感情を雪ノ下に対して芽生えている

 

それは、神奈と付き合う前から感じていた

どこか特別な何か…それが何なのか俺には分からない。ただ少なくともこの気持ちを恋だとは思わなかった

 

八幡「はぁ…どうしてこう上手くいかねぇんだ…」

 

俺は神奈のことが好きだ…それはどうしようもない事実だ。だからあいつを本気で困らせるようなことはしたくない…だけどもし神奈が雪ノ下や由比ヶ浜との関係を切れと言われたら俺はどうするだろうか…

 

多分どちらも選べない…

もしかしたら不倫のように

こっそりと雪ノ下や由比ヶ浜と会うのかもしれない

それ程に俺はアイツらの事を…

 

首を横に振り頬をパンと叩いた

 

八幡「雪ノ下の事を任せれるやつが出てきてくれたらな…」

俺はそんな奴は知らないし出会ったことすらない

あの雪ノ下雪乃を本当に任せてもいいと思える人に

 

本物の妹でもないのに…どうして俺はこんな気持ちになってんだ

 

頭をクシャクシャと掻き

溜息をついた

 

 

 

神奈「ただいまー」

 

大学にレポートを提出しに行っていた

神奈が家に帰ってきた

 

八幡「おう、おかえり 飯作ってるけどもう食べか?」

 

神奈「その前にシャワー浴びてくるね

汗かいて気持ち悪いし」

 

今日は夏の中でも特に熱い日だった

朝から日光もガンガンと照り

それに、昨日は雨だったので湿気を含んだ最悪な気候だった

 

しばらくするとシャワーを浴び終えた神奈がリビングにやってきた

 

神奈「あぁ…クーラー最高…」

 

おっさんかって思うくらいにだらしない声を出していた

 

八幡「本当にな…俺も朝からトイレとか以外はこの部屋から出てねぇし」

 

神奈「ずるーい」

 

八幡「それじゃ、飯食うか」

 

今日は特別暑いから冷や麦にしてみた

実家から送られてきた時はこの量どうすんだよ…と思ったが神奈も居るし最悪雪ノ下と由比ヶ浜は来れるか分からないが誘って食べればいいだろう

 

ご飯を食べ2人でソファに座り

適当にテレビを見ていた

 

八幡「あんま、くっつくなよ…暑くなるだろ」

 

神奈「いいじゃん、冷房つけてるんだし」

 

はぁ…冷房代だって無料じゃないんだぞ

 

神奈「ほら、胸だって触り放題だぞ〜

ってはーちゃんが触るわけないか ヘタレだしね♪」

 

八幡「んぉ、柔らけぇな」

 

神奈「ひゃっ!?」

 

下から持ち上げるとむにゅっと手がくい込んでいった

 

神奈「ほ、本当に触るだなんて…本当にどうしたの?」

 

八幡「いや、ちょっとどんな感触か気になってな」

 

家に帰ってシャワーを浴びてからブラはしてないようで物凄く柔らかかった…

 

神奈「そんな軽い気持ちで触らないでよ〜」

 

いや、触っていいって言ったの貴方ですからね

 

 

 

 

 

神奈「なんだろうね、久しぶりだねこういうの」

 

最近俺が意識しすぎてろくな会話もできて無かったからな…本当に頭が上がりませんよ

 

八幡「…すまなかったな 考え事があって…最近上の空だった」

 

神奈「知ってる、その原因作ったの私だし」

 

八幡「別に、遅かれ早かれぶつかる問題だった…それが早まっただけだしな…気にしてねぇよ」

 

神奈「それで、何か結論は出たの?」

 

八幡「妹にしたい…」

 

神奈「は?」

 

そんな冗談(本気)をいうと冷たい目で見られた…

 

ふぇぇ神奈さんそんな低い声出るの?怖いよ

 

八幡「…ごめんなさい冗談です。できれば友達?じゃないけど そういう仲が良くて互いを信頼し合える関係でいたい」

 

結局本物なんて分からないままだしな…

もしかしたら今が俺にとっても本物なのかもしれないし、違うかもしれない。

 

由比ヶ浜と雪ノ下とは仲良すぎてがいいままで彼女とも上手くいっている…そんな調子のいいものかもしれない…だけれどもしそれで雪ノ下と由比ヶ浜が悲しんだり神奈を傷つけてしまうのならそんな本物ないらない…

 

つまり何が言いたいかと言うと

俺は自分の周りのやつらだけでいいから、幸せになって欲しい…それだけだ

 

神奈「はーちゃん…声出てるよ…」

 

何処か呆れたような声を出しながら伝えてきた

 

え?声出てたって?まさか?え?

 

神奈「「自分の周りのやつらだけでいいから、幸せになって欲しい」キリッ! ぷふっ!はーちゃんのキャラじゃないよ〜」

 

うっわ、恥ずかしい…死にたいよ〜

アイデンティティクライシスしちゃうよー!

 

 

 

よし、仕返ししてやる…

 

八幡「よーし、分かった…今日から1週間お前の分の飯作らないから」

 

神奈「え!?謝るから!せめて私が学校の時位作ってよ!」

 

八幡「えー…」

 

神奈「お腹ぺこぺこで死んじゃうよ?」

 

八幡「………冗談だよ」

 

神奈「その間なに!?冗談に聞こえないんだけど!!」

 

八幡「死なれたら寂しいしな 学校の時は作ってやるよ 学校の時は」

 

俺は案外根に持つタイプなんだ…

まぁ、本当は3日くらいで作り出すけど

 

でもかんなって弄られてる時が1番生き生きしてるしな…本当に1週間してみるか?

 

と考えていたがさすがに可哀想なので実行はしなかった

 

そのおかげで疲れ果てて帰ってきた神奈からは大好きと暑い抱擁をされたのであった

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

11話

夏休み…それは学生にとって至福のときである。

だが、夏休みは休みが多い分余裕があると思う人が多い。

だけれどそれは幻想だ…人間、余裕があると思ったら最後、いつの間にかその余裕は終わってしまうそれは小学生だろうが大学生活だろうが変わらない。

 

まぁ…俺が通ってる大学は9月の中旬まで夏休みがある訳ですが、とっくにそんなもの過ぎてしまい、もう時期は冬になってしまった

 

雪ノ下との一件があったあとも特になんの代わりもない生活が続いた

 

神奈と2人で暮らし たまに雪ノ下が遊びに来て

予定が合う時だけ由比ヶ浜も参加する

 

そんな感じでちょくちょく集まったりするくらいだった。

 

ついでに、あれから雪ノ下がお酒を飲む事は無くなった。いや、もう一度陽乃さんが飲ませ…そしてみんな後悔する羽目になったのだ。

 

雪ノ下ももうお酒なんて飲まないと涙目になり、陽乃さんは雪乃ちゃん怖い…ってトラウマを埋め込まされたようだ。

何があったかって?

率直に言うと雪ノ下は酒に酔うとキス魔になる

女男関係なくキスを迫り

唇を奪っていった

 

こう、説明してる俺も陽乃さんと神奈がへばってる時に無理やり何度もされた…

 

気持ちいいから役得のはずなんだけど なんだろ、物凄く疲れる

 

そんな事があったりもしたが、今までと変わらない関係のまま過ごしてきた

 

神奈「はーちゃんどうしたの?考え事?」

 

隣に腰かけていた神奈がこちらを覗き込むようにこっちを見てきた

 

顔と顔との距離が物凄く近く、少し顔を前に突き出すだけでキスができてしまいそうだ

 

八幡「…別に、ぼーっとしてた」

 

神奈「はーちゃんってたまにそうやって固まってるよね〜」

 

悪かったな元々1人でゆっくりするのが好きだったからな

 

八幡「その、なんだ クリスマス予定空いてるか?」

 

神奈「逆に空いてると思う?」

 

え?マジっすか?予定あるのか

えーー…んな殺生な

 

八幡「あ、予定あるのか…」

 

ちょっと予想外過ぎて肩を落としてしまった

いやーだって一応恋人でしょ?

一緒に居たいと思うわけじゃないですかー

 

神奈「あ、ごめんごめん!そういう事じゃなくてね はーちゃんと一緒に居るから予定ないって意味で言ったの!」

 

彼女は慌てて横に手を振りながら訂正してきた

 

八幡「そ、そうだったのか…すまん//」

 

頬をポリポリと掻きながらそういった

多分俺も神奈も顔を真っ赤にしているのだろう

恥ずかしくて確認も出来ないがな

 

暫くして、この雰囲気が気まずくなったのか神奈が口を開いた

 

神奈「私、待ってるからね…何年経っても、ずっと、ずっと…はーちゃんの事待ってるから」

 

八幡「…分かった 出来るだけ早く決着をつけるから待っててくれ」

 

そう言い、俺は神奈の頭の上に掌をポンと乗せ

自分の部屋に戻っていった

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

12話

クリスマス

それは、多くのリア充どもが外でイチャイチャし、非リアはそれを眺め、妬むイベントだ

そういう俺も去年まではリア充爆発しろとずっと思っていたわけで、今の俺はそのリア充の部類に入るわけだ

 

この前久しぶりに会った葉山には、刺されろとか言われたしな……なんだよアイツめっちゃ怖いじゃねぇか

 

神奈の写真を見せて 彼女が居るのに雪ノ下と由比ヶ浜がアプローチしてくるという事を愚痴ったら 流石の葉山隼人も頭にきたらしい

 

つーかあいつの好きな人はイニシャルYとか言ってたけどやっぱ雪ノ下だったのか…

だが残念ながらお前は雪ノ下に嫌われてるし

雪ノ下姉がまず許さないだろう

 

アイツ自体も雪ノ下に嫌われてるのも自覚してるらしいし、なんなら小学校の時にしてしまった事をものすごく後悔してるらしい

 

葉山自体は家の関係以外で絡む気は無いらしいし、それはそれでいいと思う

 

っと…つい葉山の話になってしまったが

今は12月24日 俗に言うクリスマスイブだ

 

普段なら家にいるのだが 今日は午前のみ神奈が大学に行っているので 帰りの時間の少し前から神奈が通う大学の前で待っている

 

さっきからチラチラと視線を感じるが特に気にする事はないだろう

ただ、駅とかなら 逆ナンに会うから 絶対に目立つ場所には居ないがな

 

キャー!メガネかけてる俺カッコイイー!!

 

……自分で言ってて悲しくなってきたわ

葉山とかどうやってかわしてるわけ?

教えて欲しいんだけど

 

あれ、ここの大学って陽乃さんが通ってた場所だよな?ま、まぁ 大学も去年卒業しているし…会うことなんて……ないよな?

 

そんなことを考えていると 一人の女性の声が聞こえた

 

「あれー?比企谷君じゃん!!久しぶりー!」

 

スーツを身にまとった綺麗な女性が後ろから抱きついてきた

 

八幡「うおっ!? は、陽乃さん!」

 

噂をすればなんとやらって奴か…いや、いくらなんでも早すぎだろ…

 

陽乃「えへへ、温かい〜」

 

頬をスリスリしてきた

 

ちょっ、胸も当たってるしいい匂いするし…

やべぇクラクラする

 

八幡「は、離れて下さい!!」グイッ

 

陽乃さんの肩を掴み引き剥がした

 

陽乃「あー!もっとくっ付いて居たかったのに〜」

 

少しわざとらしく残念そうな顔をしていた

この人には毎度毎度こうしてからかってくる

お世話になったから文句は言えないがそろそろやめて欲しい…

 

八幡「なんで、陽乃さんがここに?」

 

陽乃「えっとね、ここの教授に少し呼ばれててね

あ、でももう用事も終わったから お姉さんフリーだよ?」

 

八幡「生憎と俺はフリーじゃないので…というか陽乃さん 俺が神奈を待ってるの分かってていじってるでしょ?」

 

陽乃「うん!そうだよ♪ それとあわよくば私と不倫してくれないかな〜とか」

 

いや、それは冗談にならないのでマジで勘弁して下さい

 

確かに陽乃さんはスタイルもいいしお金持ちだし…性格はあれだけど優しいところもあるし頼りがいもあるし、慌てた時とかめっちゃ可愛いし…守りたくなるし……あれ?超優良物件じゃん

 

八幡「陽乃さん、結婚しましょう」

 

やべ、口が滑ってしまった

今の聞こえたよな?絶対きこえてしまったよな?

恐る恐る陽乃さんの顔を見ると茹でダコのように顔が真っ赤になっていた

 

陽乃「だ、ダメだよ…君には彼女い、居るでしょ、そ その私となんて…で、でも比企谷君がい、いいのなら///」

 

あれー?おかしいぞ?てっきり罵倒が飛んでくると思ったのに…つーか今いいって言わなかったか?

………やべぇめっちゃ可愛い

 

八幡「す、すみません!い、今のは忘れてください!」

 

陽乃「あ、うん……もぉ〜ダメだぞ〜お姉さんをからかうだなんて」

 

もう持ち直したのかいつもの笑顔に戻っていた

でも、こうして取り繕ってるのを見ると…どうしてもからかいたくなる…俺って大分ドSだな…

 

陽乃「それじゃ、私はそろそろ行くね♪ちゃんと神奈ちゃんの事エスコートしてあげるんだよ」

 

八幡「勿論です、今度予定が合えばどこか飲み行きましょ」

 

陽乃「うん!楽しみにしてるね」

 

そう言って陽乃さんは手を振りながら去って行った

 

なんやかんやで陽乃さんに会うのは3ヶ月振りくらいだったな…

 

そんな事をふと思っていると後ろから脛を蹴られた

 

八幡「っっ痛ってぇ!」

 

しゃがんで脛を抑え、後ろに居た人物を見ると

 

神奈「……」ニコニコ

 

物凄く怖い笑顔をしていらっしゃる神奈様がいらっしゃっていた

 

八幡「よ、よう 遅かったな」ダラダラ

 

神奈「そうだね、でもはーちゃんと陽乃さんがイチャイチャしてた時はもう居たんだよ?」

 

やっぱ見られてたか…

 

八幡「そ、その…すみませんでした!!」

 

神奈から冷たい目で見られ、我慢の限界が来た俺は頭を直角に下げ謝った

 

神奈「ん、今日はこれくらいで許してあげる、クリスマスだしね」

 

八幡「サンキュ……」

 

二人並んで歩き出すと 神奈の方から手を繋いできて、そのまま恋人繋ぎのまま街へ向かっていった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

13話

元々千葉県はあまり雪の降ることの無い気候だ

だけれど今日は珍しく雪が降っていた

地面は綺麗な白色に染まり

外でイチャイチャしているカップルを彩らせていた

 

そういう俺も周りから見れば妬む対象の中に入ってしまってもおかしくないわけで、リア充爆発しろと言われても何らおかしくない状態なのであった

 

八幡「お、おい…少しくっつきすぎじゃないか?」

 

学校を出て、電車に乗り

街へ出てきたのだが、終始神奈は俺の腕を離さず

仕舞いには腕に抱きついてきた

 

神奈「…やだ、今日は離さないから」

 

そう言い、神奈は抱きしめる力を更に強めてしまった。まだ、どこか不機嫌そうな顔をしながら

特に会話をすることも無く

目的地に向かって歩いて行った

目的地は神奈には知らせておらず

楽しみにしておいてくれとだけ言っておいた

 

神奈「ここって……」

 

八幡「あぁ…二人で来たこと無かったからな」

 

俺達がやってきたのはディスティニーランドだった

クリスマスなので、人はそれなりに多いが

ちゃんと予約はとっているので安心だ

 

神奈「チケット代…高かったでしょ?」

 

八幡「まぁな、でもお前と来たかったし、別に大したことじゃねぇよ」

 

陽乃さんにスマホで連絡して短期バイトとか紹介してもらったりしてたんだけどね

 

神奈「…そっか、ありがとね」

 

今までしがみつくかのように抱きついていたのに

気がつくと腕を離し、その代わり手を握ってきた

 

八幡「行くか」

 

神奈「うん!」

 

そうして俺達はディスティニーランドの中へ入っていった

 

 

ディスティニーランドの中では色々な遊具に乗ったり

食べ物を食べたり、パンさんや可愛いキャラクターを眺めたりしていた。気が付いた時には外は暗くなりパレードが始まる時間だった

 

神奈「はーちゃん、そろそろ帰らないと モノレール乗れなくなるよ?」

 

パレードを見たそうな顔をしながらも帰りの心配をしていた。それもそうだ、パレードが終わったあとは、一気に人が出ていき、モノレールに乗って帰る

 

これが王道のパターンだ

だけれど今日は

 

八幡「ホテル…予約してるから」

 

神奈「えっ………///」

 

一瞬固まったがその後の顔を赤くし俯いてしまった

俺も、そういう意味で言ったし

仕方ないと思う…

 

だけど俺も男なわけで、ひとつ屋根の下こんな美人な女性と過ごしていると性欲も溜まるわけで……って何言ってるんだよ俺……まぁ予約したのは普通のホテルですはい

 

神奈に関しては完全に勘違いしてるっぽいけど面白いから放置しよう

 

そうして、俺達はパレードを楽しみ、閉園した後

 

夜の街へ消えていった

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

14話

説教…それは自分が何か悪い事、又は失敗などした時にされる事であって、決して理不尽な事でされていい事ではない。

 

それは人間関係でも同じことだ。だけれど現実は自分は何もしていない、何も悪くないのに説教される事もある、俺はそんな理不尽を許してはいけないと思う

 

「聞いてるの!はーちゃん!!」

 

今現在、俺は恋人であり、婚約者である神薙神奈に説教されているわけで、別に俺はなにかした訳ではない。むしろ何もしなかったから怒られている

 

八幡「はい…聞いています」

 

昨日のデートが終わりホテルに泊まって家に帰ってきた。そして、リビングに着くと説教が始まってしまった。絶賛俺は正座中である

 

「普通あそこまで、期待させておいて何もしないってどういうことなの!」

 

昨日ホテルに行き、風呂に入り、俺は……先に眠ってしまった。その事に対して神奈はご執心のようだ

 

八幡「ヘタレで、すみません……」

 

昨日ディスティニーランドで神奈にホテルを予約していることを伝えた後から 少し上の空になっていたのは気づいてはいたけれど…普通のホテルだぞ?ラブホじゃ無いんだから……

と心の中では何とも言えるが 実際は謝ることしか出来なかった

 

神奈「もう、ヘタレだとか小心者とかそういうレベルじゃないよね!昨日あんなにさり気なくホテル予約してるとか言ってきたから、凄く期待してしまったんだからね!……それに…そ、その私にだって 性欲は…あるわけだし……」

 

最後の方はごにょごにょ言っていて聞き取れなかったが だいたい何を言いたいのかは分かった

 

やっぱ朝から不機嫌だったのはそういうことだったんだよな…そんな気はしてたけど

 

八幡「その、なんだ…このタイミングで渡すべきじゃないのかもしれないが…これ……」

 

バックから小さな箱を取り出し

それを神奈に渡した

 

神奈「なにこれ?」

 

箱を受けとった神奈は首をキョトンと横にかたむけた

 

八幡「クリスマスプレゼントだ…」

 

軍資金からチケット代を引き、余ったお金で買ったものなのだが…

 

神奈「プレゼント?私に?」

 

八幡「…あぁ 本当は昨日渡したかったんだが…恥ずかしくてな……」

 

神奈が箱を開けると驚いたようなそして

嬉しそうな顔をしていた

 

神奈「わ〜ピアスだー!今までした事なかったんだよね!ありがと〜」

 

八幡「おぉ、喜んでもらえてよかった」

 

神奈「でも、何でピアス?」

 

八幡「お前に似合いそうなものとか探しててな…それで着けてる所見たこと無かったからな」

 

神奈「ありがとね!はーちゃん♪」

 

彼女は機嫌良さそうにその箱をしまい

俺に抱きついてきた

 

神奈「大好きだよ」

 

彼女は俺の唇にそっとキスをし微笑んだ



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

15話

バレンタイン…それはモテる奴は女子から大量のチョコを貰い、モテないやつは家族からしか貰うことの出来い……そして、お菓子会社が儲けるためだけに作った 汚い大人達の欲が垣間見得るイベントだ

 

ただ、貰えるやつ羨ましいってイベントでは無いことを先に言っておこう。貰ったやつはお返しに3倍の価値で返さなければいけないという世にも理不尽なルールが存在する。そのルールのせいで、バイトを始めるやつが居るとか居ないとか……いや知らねぇのかよと思った君、まず俺には殆ど友達が居ない、なんなら大学ではいつもボッチだ。そんな俺に他人の情報が入ってくるはずもない。

 

やべ、自分で言ってて悲しくなってきた……

でもそういう俺も今年は少し…いやかなりワクワクしている。だって今は彼女が居るから

 

まぁ、2月14日って普通に学校あるから萎えるんですけどね……

 

今日は一限から授業があったので朝から家を出ていき、神奈と特に会話も出来ぬまま夕方になってしまった

 

八幡「ふぁ…やっと帰れる…」

 

大学が終わり、学校を出ていこうとすると、疲れが溜まっていたのか大きなあくびが出た

 

「比企谷君!待ってー!」

 

玄関を出て校門に向かっていると後ろから見知らぬ女性に名前を呼ばれた

 

八幡「…え?俺?」

 

「あ、うん!…えっとねこれ…バレンタインチョコ!その…一応本命の 受け取って貰えるかな?」

 

前言撤回…バレンタインサイコー

俺にもこんな青春イベントが待っていたのかよ

 

八幡「…あぁえっと…俺、君の事知らないんだけど…こういう時どうしたらいいのかな?」

 

少し記憶を遡ってみたが

やっぱり、今まで大学で話したことのある人の中にはいない。つーか話したことあるやつが少なすぎて覚えてしまってるとか俺やばすぎだろ

 

「あはは…そうだよね 私も一応大学二年生なんだけどな…」

 

八幡「すまん…」

 

少し気まづい雰囲気になったが

それは直ぐに彼女が打破してくれた

 

「えっと、私今井リカといいます。その、比企谷君に一目惚れしました!クールな所とか、実は優しい所とか!メガネ外すと目が濁っている所とか全部好きです!良かったらチョコ受け取って貰えませんか?」

 

唐突の告白とツッコミどころ満載なセリフ

 

いや、なんで、目の事は置いておけよ

触れるなよ…泣いちゃうだろ

 

八幡「チョコはいいなら貰うけど…俺婚約者居るから…すまん」

 

「そう…だったんですね…あ、それなら私と友達になってください!」

 

それならってなんだよそれならって

 

 

八幡「別に…今更友達だなんて、俺は好きで一人でいるだけだ…同情とかそういうのは辞めろ」

 

俺は、どうしてこんなやり方しか出来ないのか…本当に自分の事が腹正しくなる

 

「ごめんね、同情とかじゃないんだけどな… あ、それと比企谷君が酷いことを言う時は相手の為の時って私知ってるから無駄だよ 私、比企谷君と同じ総武高の卒業生だから、一方的だけど君の事はある程度知ってるしね。 といっても大学で君を見かけてから調べたんだけど……あはは」

 

マジか…俺の黒歴史知ってるのかよ

 

「やっぱり雪ノ下さんと交際しているの?」

 

周りから見たらやはり雪ノ下と俺ってそういう関係に見られやすいんだな

 

八幡「アイツじゃねーよ…俺には小学生の頃から許嫁が居たんだよ」

 

まぁ、俺も親父も忘れてたけど

 

「そうだったんだ…奉仕部の面々とはどうしてるの?」

 

八幡「今でも友達としてちょくちょく集まったりしてる」

 

「いいなー そういうの。私には本物の友達なんて居ないから…その学校にいる間だけ、友達として振舞って

卒業したらそこで終了…そんなのの繰り返しだったから」

 

本物か……俺にとってあいつらは本物だったのか分からない。だけれどあいつらと過ごす時間は充実してて、すごく楽しかった。

 

八幡「俺で良かったら、友達になってやるよ

ま、まぁボッチで会話とかそんなん盛り上げたりできねぇーけどさ」

 

「本当!?ありがと!」

 

彼女は嬉しそうに笑った

もし、神奈と出会ってなかったらこの子と付き合う未来もあったのかもな…俺の事を調べ尽くし、それでも俺の事を好きと言ってくれたこの子と

 

「はい、チョコ!本命のつもりだけど 友チョコって所でいいよ!それじゃ私行くからまたね!」

 

チョコを渡され、その子は機嫌良さそうに走っていった

 

今井リカか…

 

 

 

 

 

 

雪乃「比企谷君、随分と今井さんにデレデレしていたようだけれど、これは浮気の証拠として神奈さんに提出してもいいかしら?」

 

結衣「そうだよ鼻の下伸ばして!ヒッキーデレデレし過ぎだし!!」

 

校門をくぐると雪ノ下と由比ヶ浜が立ちふさがった

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

16話

前回のあらすじ

 

可愛い女の子と友達になってチョコ貰って喜んでたら雪ノ下と由比ヶ浜に見られてました!(ノ≧ڡ≦)☆

 

おわり

 

 

 

 

誰だよバレンタイン最高とか言ったやつ……俺か

いやいや、でもなんで修羅場みたいになるの?俺悪いことしてないよ?どうして雪ノ下も由比ヶ浜も激おこなの?顔膨れちゃってますよ、少し可愛い…

 

雪乃「貴方がどこでどういう友好関係を広げようがあなたの勝手なのだけれど、なんでまた女子なのかしら?」

 

雪ノ下さん怒ってますねー

イライラしているのが物凄く伝わってくるわー

 

結衣「そうだよこのタラシ!神奈ちゃんは置いとくとしてもヒッキーの周りの人って殆ど女子ばっかじゃん!私にゆきのん、いろはちゃんにサキサキ、陽乃さんに城廻先輩それにさっきの子まで……」

 

いや、タラシは酷くね!?

 

八幡「いや、ちょっと待て、一色はまぁ偶に会うことはあるけど城廻先輩は半年くらい会ってねーぞ 連絡先は持ってるけど…まぁ川崎は同じ大学だから会うこともあるけど あんま話さないしな」

 

雪乃「それでも貴方はそれだけの女性と関わりを持っていて、男子は戸塚君と材……何と君と…だけじゃない」

 

おーいそこ態と葉山除けただろ

俺もあいつのこと嫌いだからいいけどさ

 

八幡「ってもなぁ、気づいたらこうなってたんだから仕方ねぇだろ…まず男子とか俺の事嫉妬とかそういう風にしか見てこないから友達出来ねぇし」

 

いやぁ、嫉妬って怖いわー

だからって今更メガネ外して髪ボサボサにして大学行くのもな…

オシャレとかは興味無いけど 最低限の身嗜み位って陽乃さんに叩き込まれたし

 

雪乃「あなたの事を理解してくれる人が増えるのは嬉しい事なのだけれど、それが女の子ばかりというのも複雑ね」

 

雪ノ下は頭を抑えながらやれやれと首をふった

 

八幡「それで、どうしてここに?」

 

結衣「それは、バレンタインチョコ渡そうと思って、本当は家に行くつもりだったんだけど なっちゃんも居るしね」

 

なっちゃん?ジュース?こいつのネーミングセンスはよくわからん

 

八幡「そうか…サンキュな」

 

結衣「はい!手作りではないけど、本命だよ!」

 

ここで手作りじゃないものを持ってくるあたり由比ヶ浜も成長したな…俺まだ死にたくないし

 

八幡「おう、サンキュな」

 

雪乃「私からもこれ、本命チョコ…一応手作りよ」

 

マジか雪ノ下料理上手いから楽しみだな…

 

八幡「わざわざありがとな、大切にするよ」

 

結衣「いや、食べろし!」

 

由比ヶ浜さーん口が悪くなってますよー

あーしさんみたいになってるからねー

 

八幡「分かった分かった、ちゃんと食べるから

2人ともありがとな」

 

雪乃「ちょっと待ちなさい、これもよ」

 

そうして雪ノ下がカバンの中から3つチョコを取りだした

 

雪乃「たまたまさっき小町さんに会って ついでに渡してくださいと頼まれたの」

 

結衣「これとこれはいろはちゃんと陽乃さんのだよ

当日会いに行けないから代わりに渡しとってって頼まれたの」

 

マジか……こんなに貰えるの初めてなんだけど

 

結衣「ヒッキー!?何泣いてるの!!」

 

八幡「は、はぁ?な、泣いてなんかねーし」

 

雪乃「ふふっ、強がらなくてもいいのよ」

 

八幡「べ、別に強がってなんか……いやマジで嬉しい本当にありがとか」

 

そうしてチョコを受け取り

久しぶりに3人で並んで帰宅した




あと1話バレンタイン続きます


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

17話

八幡「ただいまー」

 

雪ノ下と由比ヶ浜と別れ、家に帰ってきた

あの二人はこれからどこか遊びに行くようで

俺はお呼びではなかった

とあいつらは言ってるけど

俺と神奈に気を使っての事だろう

 

いくら俺でもそれくらい分かるっての…

 

神奈「おかえりー……わーすごい荷物」

 

神奈が俺がかるっているリュックと別に持っている紙袋を見ると怪しいめでこちらを見つめてきた

 

神奈「はーちゃんモテモテだねー 何個貰ったの?」

 

あの神奈さん?目が笑ってないんですけど

 

八幡「6個です」

 

神奈「あれ?6?予想よりひとつ多いね」

 

予想とかしてたのかよ

まぁ、多分5個は俺も貰えるかなーとか思ってたけどさ…

 

八幡「あー…学校帰りに知らない子から告白された」

 

神奈「どんな子?美人系?可愛い系?」

 

性格じゃないのかよ…

どんな子かーまぁ清楚系な感じの子だったな

 

八幡「まぁ、可愛いかった」

 

神奈「へぇー 良かったじゃん」

 

八幡「怒ってるのか?」

 

神奈「怒ってない……ただ心配なだけ」

 

心配?俺が好意を持たれることが?

 

神奈「はーちゃんモテるから……そんな人じゃないって分かってるけど少し不安になるの」

 

そういう事か 本当に心配性なんだからこいつは…

 

八幡「毎度毎度不安にさせて悪いな」

 

ポンと肩に手を置き

俺は部屋に向かって歩き始めた

 

神奈「もう、本当だよ………バカ」

 

 

 

リビングに戻りとりあえず貰ったチョコを冷蔵庫になおした。

さすがにこの量を一気に食べると吐きそうなので…

 

八幡「もういい時間だし、俺夕食作るわ」

 

リビングでテレビを見てた神奈に声を掛け

俺は厨房に向かった

 

神奈「何か手伝う事ない?」

 

八幡「俺が帰る前に米を炊いてくれてたしな、晩御飯位俺が作るよ」

 

神奈ははーいと言いソファに戻って行った

 

 

晩御飯を作り飯を済ませ

2人でリビングで寛いでいた

俺は本を読み、神奈は俺の肩にもたれ掛かりながらテレビを見ていた

 

そんな時神奈が無言で立って部屋に向かい

部屋に入り、しばらくすると

そしてまたソファへ戻ってきた

 

神奈「はーちゃん、これ…バレンタインチョコ」

 

八幡「お、おぉサンキュな」

 

神奈「ごめんね、ムードもへったくれも無くて 渡すタイミングを見計らってたらいつの間にか明日になってそうだったから」

 

彼女恥ずかしそうに謝っていたが

俺にとっては…いや男にとってバレンタインチョコを貰えると言うだけで嬉しいものなんだ

 

八幡「んな事ねぇよ、すげぇ嬉しい」

 

神奈「そっか、良かった……ねぇはーちゃん食べてみて」

 

八幡「…分かった」

 

箱を開け、中身を見てみると

小さいチョコがたくさん入っていて

一つ一つ違うチョコで彩られていた

 

神奈「驚いた?これ手作りなんだ」エヘ

 

彼女は小さく微笑み

恥ずかしそうに頬をかいていた

 

八幡「神奈が作ったのか?スゲークオリティだな…めっちゃ美味そう」

 

一つパクッの食べてみると それはミルクチョコだったのかほんのりと甘くて上品な味が口の中に広がった

 

八幡「すっげぇ美味い…こんなの作れるとか流石だな」

 

それから他のもパクパクと食べていった

中にはトリュフやウイスキーボンボンも入っていた

 

ウイスキーボンボンはさすがに買ったらしい

でもほとんど手作りで構成されていた

 

神奈「満足してもらえて良かった…」

 

八幡「本当にありがとな」

 

神奈には本当に感謝している

バレンタインチョコを貰ったからとかではなく、日頃から…素直にありがとうって言えばいいんだけど 普段は中々言えないからここで違う意味も含ませて言ってしまった

 

神奈「もう、そんなに改まらないでいいのに…私だってはーちゃんのお世話になってるんだから」

 

神奈「(正月なんて本当は実家に帰る予定だったのに、私が風邪引いてしまい、はーちゃんが正月につきっきりで看病してくれたり、私が料理当番の日なのにも関わらず遅く帰ってしまった時に、文句一つ言わず…それどころかご飯作って待っててくれたり…本当に色々迷惑かけてしまったのに…どれも何一つ文句言わなく、それどころか私のことを心配してくれて……本当に優しいんだから)」

 

八幡「どうした?黙り込んで」

 

神奈「ううん、何でもない」

 

神奈「私、明日一限からあるから風呂はいってから寝るね」

 

八幡「おう、おやすみ」

 

神奈が来てからもう半年か……あっという間だったな

今までも雪ノ下や由比ヶ浜と一緒に遊んだりしてたから 退屈ではないし、寧ろ楽しかったけど…やっぱ好きな人と過ごす時間は格別なんだろうな…

 

珍しくそんな事を思い耽りながら部屋に戻って行った



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

18話

「私達の関係、そろそろはっきりさせるべきだと思うの」

 

 

雪ノ下から1人で家に来てと言われたので行ってみると、いきなりそんな事を言われた

 

だけれどそれは俺も思っていた事だ

ずっとこのままでは居られない

何かしら変わらないといけない

そう思っていながら行動に移すことができなかった

 

八幡「そうだな…お前としてはどうなりたいんだ?」

 

俺は敢えて分かりきっている質問をした

俺は鈍感でもないし…むしろそういうのには敏感な方だとは思う…高校時代は勘違いだと言い訳をし、逃げていた訳だが…今では違うのだ

 

雪乃「そうね、恋人かしら?それとも貴方の妻になるのが私の夢かしら」

 

分かっていたし覚悟はしていた…だけどここまで真っ直ぐ好意をぶつけられると躊躇ってしまう

 

本当に今の選択が正しいのか

これで本当にいいのか?と

 

八幡「そうか……」

 

雪乃「貴方はどうなりたいの?」

 

俺は……か

 

俺は雪ノ下とも由比ケ浜とも変わらずやっていきたいと思っている…だけれどそれで彼女らが傷つくのなら捨ててしまうとお思う……

 

八幡「分からない…だけどお前とは付き合えない…いや、神奈以外の女性と交際するつもりはない…」

 

ここで素直にお前らと変わらず仲良くしたいと言えればどれだけ楽か…

 

でもそんなものが本物と呼べるのかは分からなかった。どちらかが妥協したり、合わせたりするのは“本物の友達”と呼べるのか…

 

雪乃「そう…貴方らしいわねそういう所」

 

八幡「俺らしい?」

 

雪乃「そう、だって私が貴方のことを好きでいることが 私にとって不利益になってしまうのなら…とかそういうことを考えているのでしょ?」

 

ははっ…こいつには本当に頭上がらねぇわ

ここまで完璧に俺の事を分かってくれるやつなんてそうそういない

 

互いの相性がいい事は分かってる

だけれど…それでも俺は……

 

八幡「何も変わってねーな俺は…」

 

見た目やコミュ障などは治ったが、根本的なところは何も変わってない…雪ノ下と初めて出会った高校2年の頃から

 

雪乃「そうね、でも私は……」

 

雪乃「貴方のそういう所が大好きなの」

 

 

 

 

 

 

 

 

ザーザー

 

帰り道…通り雨に見舞われとある喫茶店で雨宿りをしていた。天気予報では今日は雨は降らないはずだったのに…

 

わざわざ神奈に向かいにこさせるのよなんだったので、喫茶店によることにした

 

まぁ少し感傷に浸りたかったというのが本音である

 

2名ようのテーブル席に案内され…注文をし

俺はスマホを片手にさっきの事を思い出していた

 

「貴方のそういう所が大好きなの」

 

その言葉が俺の耳から離れないでいた

その時の雪ノ下の表情、声音全て思い出せる

それだけインパクトが大きかった

 

今までどれだけ告白されようが揺れることはなかったのに…一度振った相手からもう一度告白された…それだけなはずなのに……

 

それだけな訳がない!

それからもずっと変わらずに接してくれた

いつまでも俺の事を好きでいてくれた…

 

それがたまらなく嬉しくて…その気持ちに応えられないのが辛い

 

 

 

コーヒーを啜りながら俺は下唇を噛んでいた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

19話

どこにでもありそうな平凡な喫茶店。存在自体は知っていたけど、店内にはいるのは初めてだった。

 

雪ノ下の家からの帰り道にあり、いつも行き帰りこの店の目の前を通っていたのだが、こんな落ち着いた雰囲気というのは初めて知った。これならたまに通ってもいいかもと思わせるような落ち着く店内であった

 

雨に濡れ、物思いに耽っていると目の前に一人の女性が立ち止まった

 

「相席してもよろしいでしょうか?」

 

人もそんなに多くないはずなのに相席を頼んできた女性の方を見ると。見覚えのある顔がそこにあった

 

陽乃「ひゃっはろ〜!比企谷君がこの店にいるなんて珍しいね」

 

そこには陽乃さんの姿があった

雪ノ下陽乃。雪ノ下雪乃の姉にして、俺らにとっては恩人みたいな人だ。まぁ、手段はあれだったけれど…陽乃さんのお陰で奉仕部の関係はより強固なものになった

 

ある意味こうして3人で集まれるのも陽乃さんのおかげなのかもしれない。それと俺が住んでいるマンションも陽乃さんがかなり割引してくれたし…つーか雪ノ下建設ってどこまで顔広いんだよ

 

八幡「お久しぶりです、陽乃さん」

 

陽乃「ほーら、これで頭少し拭きなさい、折角この私がいい男にコーディネートしてあげたんだから」

 

陽乃さんからハンドタオルを受け取り少し濡れた頭を拭いた。陽乃さんのこういう所を見ると、やはりお姉ちゃんなんだなと思う。普段の姿からはあまりイメージ出来ないけれど陽乃さんはかなり姉属性を持っている

 

八幡「洗って返します」

 

濡れた頭を拭き終わりバックになおそうとすると陽乃さんにとめられた

 

陽乃「ううん、次いつ会えるか分からないし 私が持って帰って洗うよ、それとも比企谷君はお姉さんのタオルを持って帰っていやらしい事でもするつもりだったのかな〜?」

 

カラカラと笑いながらからかってきた。この人のこういう所はいつまでも変わらない。だけれど俺は陽乃さんのこういう所は案外嫌いではない。むしろ好きまでもある

 

八幡「しませんよ、そんな事するくらいなら陽乃さんに告白して振られてきますよ」

 

陽乃「えぇ〜つまんないなー でももし君に告白されたらお姉さん本気になっちゃうかも」

 

八幡「俺も…もし本物の陽乃さんともっと早く出会っていたら あなたの虜になってましたよ」

 

軽い冗談で返事をした。

陽乃さんのおかげか…少し気が楽になった。今まで思い詰めた感じだったが、今は大分マシだ

 

その後軽く雑談をし、

 

陽乃「雪乃ちゃんと何があったか知らないけど、もし逃げたりしたら許さないからね〜それと!前に言った約束!今度2人で飲みに行くよ」

そう言い陽乃さんは立ち上がり店を出て行った

 

八幡「全くあの人には適わねぇわ」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

20話

あれだけ降っていた雨もすっか止み、太陽が雲の隙間からひょっこりと顔を出してき出した。一瞬だけ雨が降り、直ぐに晴れたおかげか珍しく虹が掛かっていた。

 

ふと、時計を見ると時間はもうお昼をすぎていた。俺は会計を済ませ、喫茶店を出り、自宅に向かった。その間、容赦ない陽射しが俺に突き刺さり、目を眩ませてきたがそれも束の間 また雲がかかり太陽は顔を隠してしまった。

 

そんな事を考えながらてくてくと歩いていると、家に着いてしまった。バックから鍵を取りだし、家の鍵を開けるとリビングの方から香ばしい匂いがしてきた。きっと神奈が昼御飯を作っているのだろう

 

八幡「ただいまー」

 

神奈「おかえり〜遅かったね」

 

リビングに入るとトテトテとこちらに歩いてき、もうすぐご飯できるから待っててねと言いに来てくれた。

もう、この反応から分かると思うが、神奈には雪ノ下に会ってくるとは言ってなかった。心配させたくなかったから…

 

八幡「途中雨が降ってきたから喫茶店よってた」

 

神奈はそうなんだーとあまり興味なさげに言っていた。暫くすると料理を作り終えた神奈がこちらにお皿を並べだしたので、俺もお茶や箸など、食事する準備を始めた。それから2人で黙々とご飯を食べた。

 

神奈「ごちそうさま〜」

 

八幡「ごちそうさまでした。美味かったぞ」

 

神奈と自分の分の皿を下げリビングに戻ると…

 

 

 

神奈「はーちゃん、さっき雪ノ下さんの所に行ってたの?」

 

神奈は自分ののスマホをこちらに見せつけるように掲げ、怒っていた。神奈のスマホには雪ノ下からのメールが一通送られてあった。その内容は……

 

「雪ノ下雪乃です。突然のメールすみません。先程比企谷君が家に来ていたんですが、その時に言ってしまったセリフのせいで彼が思い詰めているかもしれません。もしそういう素振りがあれば彼を支えてあげて下さい」

 

と丁寧な文章で書かれてあった。

 

神奈「なんで言ってくれなかったの?」

 

八幡「心配…掛けたくなかったんだよ」

 

嘘ではない本心だ。だけれど今更考えてみると何も言わずに他の女の人と会ってくるって知った方が不安になるよな。何でそんなことも気が付かなかったんだ俺は…

神奈「言ってくれない方が心配になるよ、どうしてはーちゃんは基本なんでも分かるのにそういう所は鈍感なの」

 

痛いところを突かれた…

 

八幡「悪い…」

 

神奈「悪いじゃないよ!!」

 

初めてだった神奈に怒鳴られたのは。今まで一緒に暮らしてきて、たった一度の喧嘩も起きなかった。それは互いに譲歩したりしていたからかもしれない。だけれど今回は完全に俺が悪い

 

神奈「はーちゃんが雪ノ下さんと由比ヶ浜さんの事を大切でかけがえのない存在だと知ってるから、会うことも何も言わなかったけどさ…こうして隠し事みたいにされるとさすがの私だって辛いよ」

 

神奈は今にも泣きそうな顔で俺に訴えかけていた。俺が神奈を悲しませた。俺のせいで神奈は傷ついた。こんな表情させたくなかった。俺が馬鹿なばっかりに……それだけでもう充分だった。

 

八幡「神奈、別れよう」

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

21話

朝布団から起き上がると妙な倦怠感に襲われた。そうか、今実家に戻だてきてるんだった。

 

 

 

あれから俺と神奈は別れ、神奈は今まで2人で暮らしていたマンションに一人で住み、俺は実家に戻ってきていた。小町には最初物凄く怒られたが、ごみいちゃんらしいと、なんやかんやで許してくれた。

 

八幡「案外平気なもんなんだな…」

 

 

もう2週間も神奈と会ってない。俺は自分自身が許せず、神奈に別れを告げた。こちらに帰ってきてすぐはストレスや自身への嫌悪感などに襲われ夜も眠れなかったが 2週間も経つと何も感じなくなっていた。

 

そんな事を考えているとドタドタと階段の方から足音が聞こえてき、その後俺の部屋の前で音がとまった

 

小町「おはよー!あれ、お兄ちゃん起きてたんだ。朝ごはん出来てるから降りてきて〜」

 

小町が勢いよくドアを開け中に入ってきた。

そして小町は要件だけ伝えすぐにリビングに戻っていってしまった

 

八幡「騒がしい奴だな…」

 

とりあえず着替えて、顔を洗いリビングに向かった。リビングに入ると何故か雪ノ下の姿があった。

 

雪乃「おはよう、比企谷君」

 

彼女はあの頃となにも変わらない笑顔でこちらに振り向き、挨拶をしてきた。

 

あまりにも自然な感じに振舞ってきたので、俺は戸惑いが隠せなかった

 

八幡「……うっす」

 

雪乃「とりあえず、座ったらどうかしら?そんな所でボケーッと突っ立って居られても困るわ」

 

八幡「あ、あぁ」

 

雪ノ下にそう言われ、取り敢えず席に着いた。目の前のテーブルを見ると2人分のご飯が並べられてあった。多分ひとつは俺の分、そしてもうひとつは…

 

小町「それじゃ小町は自分の部屋に居るので何かあったら呼んでください」

 

小町はもう朝ごはんは済ませたらしく、部屋にタタタと早歩きで向かった

 

小町が居なくなり、俺と雪ノ下が2人きりになった。昔なら2人きりになっても気まづく感じることは無かったが、今は物凄く気まづかった。双方とも話そうとせず、ただただじっと時間が過ぎていった

 

雪乃「…比企谷君、ご飯食べましょ」

 

唐突に立ち上がったと思ったらご飯を食べるように催促してきた。俺としてはさっきの雰囲気は気まづ過ぎたので行動してくれたことはありがたいのだが、まだぎこちなさが残っている感じだった

 

八幡「そうだな…」

 

とりあえずご飯を食べたのだが、食事中雪ノ下と特に何も話さなかった。流石に我慢の限界が来たので雪ノ下に尋ねることにした

 

八幡「なぁ、雪ノ下…何がしたいんだ?」

 

雪乃「別に、あなたの様子を見に来ただけよ」

 

八幡「そうか、俺なら元気だしこれでもう十分か?」

 

どうして俺はこんなことしか言えないんだ

 

雪乃「そうね、体調面は大丈夫そうだけど…精神面はどうなのかしら?」

 

彼女はニヤっとした顔をし、こちらを見てきた

 

雪乃「ずっと誰かと一緒に居たのに、急に1人きりになるのはいささか不安ではないかしら?」

 

こちらにゆっくり近づいてき、目の前で立ち止まった

 

八幡「おい、なんのつもりだ」

 

雪乃「今まで神奈さんが居たからあまり手を出さなかったけれど、私だって貴方のことが…」

 

この時雪ノ下は俺の頬に手を添え…キスをしてきた

 

雪乃「好きなのよ」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

22話

雪ノ下にそのまま押し倒され、ひたすら貪るかのように唇を奪われた。今すぐ逃げ出さなきゃいけないのに、膝には力が入らず惚けている自分が居た。雪ノ下から香る甘い匂いにクラクラし俺は…俺は

 

八幡「やめてくれ、雪ノ下」

 

理性が決壊する寸前…俺はなんとか意識を保ち雪ノ下を制止することに成功した。

 

雪乃「ごめんなさい…私我慢できなくて…」

 

正気に戻ったのか雪ノ下も大人しくなりなんとか難を逃れることが出来た

 

そういえば最後にキスなんてしたのどれくらい前だっけ?

ふとそんな事を考えてしまった。こんな脳内麻薬がドパドパでるほどのキスをしたのはいつだろう……

 

多分、神奈と初めてした時だ…あの時は初めてのキスという感覚と他の色々な感情が合わさり、物凄い幸福感に襲われていた

 

雪乃「比企谷君、どうして神奈さんと…別れたのか聞いてもいいかしら?」

 

もし、本当のことを言ったら雪ノ下は自分のせいだ、自分の責任だと考えるかもしれない…と以前な俺なら思っていた。だけれど、この前知ったのだ。下手な嘘ほど人を傷つけるものは無いって。その人を守るため、下手な嘘をつき、見破られ、そして傷つけてしまった。もう、俺はそんな事を繰り返したくない。だから真実を伝えることにした。

 

八幡「あの日、雪ノ下の家に行った日の事だ…神奈には少し出掛けてくると言っただけで、雪ノ下に会いに行くとは言ってなかったんだ…理由は何個かあるんだが、1番大きかったのは心配を掛けさせたくなかったから。おれはいつか雪ノ下との今の関係を決着をつけなきゃいけないと思っていた。だから、言えなかった。自分のせいで俺と雪ノ下と縁をきることになるかもしれない。そんな心配をさせたくなかったんだ!」

 

雪乃「そう、だったのね」

 

八幡「でも、俺は間違えた…1番心配なのは連絡もせず他の女に会いに行ったりされる事。1番辛いのは相談もしてくれない事。そんな当たり前のことが俺は分かってなかった。だから神奈を傷つけてしまった。そして俺は自分が許せなくなった。」

 

雪乃「ごめんなさい……これじゃ全て私のせいじゃない。何が比企谷君の事が好きだからよ…比企谷君に迷惑掛けてその上近づこうだなんて虫が良すぎるわ…」

 

雪ノ下は声を震わせながら謝ってきた。雪ノ下の方をむくと頬に一滴の涙がつたっていた。ポロッと地面と落ちると同時に無数の涙が流れてきた。

 

八幡「お前のせいじゃねぇよ…俺がちゃんとしていればこんな事にはならなかったんだ」

 

雪ノ下の頭を優しく撫で落ち着かせるように優しい言葉をかけた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

23話

雪乃「貴方、神奈さんとこれからどうするつもりなの?」

 

雪ノ下を落ち着かせとりあえずソファでくつろいでいると雪ノ下がこれからの事に質問をしてきた。

 

八幡「分からん…ただあいつに合わせる顔が無い…というよりどういう面してあいつに会えばいいか分かんねーからな」

 

雪乃「そう……ねぇ比企谷君。彼女は…今どういう心境なのかしら」

 

彼女というのは神奈の事だろう。神奈が今どういう心境なのかか…浮気性の彼氏が居なくなって清々してるとかであってくれればいいけれど、あいつの性格上そんなことを思ってる確率は低いだろう…いや、皆無とも言っても過言じゃない。

 

再開してまだ半年強だけれど、一緒に暮らしている間に神奈の事を色々知ることができた。例えば案外ドジっ子属性を持っていたり、嫉妬深かったり、表では平気そうな顔して裏ではものすごく頑張る子だったりと。言い出したら切りのないほどたくさんのことを知った。

 

八幡「分からん…」

 

雪乃「分からない?嘘ね」

 

俺は正直雪ノ下が言っている意味がわからなかった。まるで俺が神奈が今何を考えているか分かるかのようじゃねえか

雪乃「貴方はまた逃げるの?」

 

逃げる?何から

 

雪乃「あの時、私たちの気持ちに気づいていながら 気付かないふりをしていたあの頃と同じように」

 

あの頃…なんやかんやで楽しかった高校生活…

 

雪乃「私も由比ヶ浜さんと貴方も…姉さんによって色々考えさせられ、そして結論を出し変われたと思っていたのだけれど、貴方は何も変わっていなかったのね」

 

変わる…か

 

八幡「…変わってない…か……確かにそうかもな 言われなきゃなにも気づかねぇ どうでもいいことはよく知ってるのに大切なことは何も分からない そんな所は何も変わってない…だけど、すこしは相手の事を考えてもいいかなと思えた。お前たちに出逢えたおかげで大切なものを取り戻せた。人を信用できるようになった」

 

雪乃「あら、今更そんなことを思い出したのかしら ノロマ谷君」

 

八幡「なんだよノロマ谷ってなんでも谷付ければいいと思ってるだろ」

 

雪乃「あら、そんな減らず口が叩ける体力があるのならさっさと行きなさい 本当にノロマになってしまうわよ」

 

八幡「言われなくてもさっさと行きますよ」

 

俺は直ぐに家を出る準備をした。身支度をさっさと済ませた。そしてリビングに戻り雪ノ下にお礼を言い家を出た

 

八幡「すまん…ありがと」

 

雪乃「本当よ…バカ」

 

雪ノ下の呟きは誰にも届く事無く空気に溶け込んでいった。

その日比企谷家のリビングから泣き声が聞こえたのはまた別のお話



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。