学戦都市の“元”ボッチ 外伝〜新たなる祭典 黄昏星武祭〜 (生焼け肉)
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始まりの朝


さて、新しい物語(IFですけど)の始まりです!!

物語の時効は2人が《王竜星武祭》が終わった1ヶ月後にしてます。


 

 

八幡side

 

 

《王竜星武祭》も終わり、俺たちの学園生活には本当の意味での平穏が訪れた。俺としてはやっとゆっくり出来るという心情でいっぱいだ。色んな事があったよなぁ………特待生として転入した途端、1ヶ月後には序列2位に決闘申し込まれたり、いきなりライブに入れさせられたり、《鳳凰星武祭》で界龍が準決勝独占しちゃったり、千葉でライブに出向いちゃったり、《獅鷲星武祭》でレギュレーション違反をする奴がいたり、序列1位を倒して4代目を継承したり、《王竜星武祭》で史上初の同時優勝をしちゃったりと、かなり濃厚な学園生活だった。

 

 

他にもまだまだあるが、それはまた今度話すとしよう。今はそんな事よりも、目の前の事の方が重要だからな。

 

 

八幡「………」

 

シルヴィア「♪〜……」(スヤスヤ)

 

 

そう、俺の彼女であるシルヴィア・リューネハイムが俺の腕を抱き枕にしながら幸せそうに眠っているから、動けない&幸せそうな表情を目に焼き付けて脳に保存中だからだ。まぁこれも日常だから慣れてるけどな。けど、また狐耳生えてくんないかなぁ……そしたら抱き締めて思いっきり優しく撫でてやるんだがなぁ。

 

 

ーーー30分後ーーー

 

 

シルヴィア「いやぁ〜ゴメンね八幡くん。やっぱり私、八幡くんと一緒に眠ると凄い熟睡しちゃうみたいでさ。」

 

八幡「いや、気にするな。いつもの事だからな。こんな事で一々気にしてたら神経質かっ!って言いたくもなるしな。それに彼女の行動に文句なんてあるわけねぇだろ。」

 

シルヴィア「流石八幡くんだねっ♪懐が深い!」

 

 

今起きた紫髪の長い髪をした美しい美女は、『世界の歌姫』まで言われている世界的なアイドル歌手、シルヴィア・リューネハイムだ。俺の彼女である。まぁ皆知ってるよな?

 

 

シルヴィア「それにしても、今日も大分寝ちゃったなぁ。7時は寝過ぎかなぁ?」

 

八幡「いや、いつもは6時とか6時半だからこれくらいが普通だろ。さて、朝飯でも作りながら今日どうするかを決めましょうか。」

 

シルヴィア「お〜♪」

 

 

これも俺たちの毎朝の情景。これが当たり前になってる。前までは少し違ったんだが、もう住んでいる感覚になってるから、他が考えられなくなっているのが現状だ。後、学院の奴から聞いたんだが、現役学生で他学園の生徒と一緒に住むのってやっぱおかしいか?

 

 

※おかしいです。ラブい貴方たちだからこそです。

 

 

ーーー朝食作り完了ーーー

 

 

シルヴィア「んん〜良い匂い〜♪」

 

八幡「今日は米風の朝食にしてみたんだが、どうだ?焼いたパンにスクランブルエッグとベーコン、ミニサラダにオレンジジュース。これが朝の献立だ。」

 

シルヴィア「アメリカンって感じのテーブルだね。うん、匂いだけでお腹が空いてくるよ。」

 

八幡「じゃあ食べるか。」

 

シルヴィア「うん!」

 

「「いただきま『『pipipi…pipipi…』』……?」」

 

 

何だ?こんな朝っぱらからメールなんて。しかも俺とシルヴィア同時に来やがった。

 

 

八幡「ちょっとメール見る。シルヴィは食べてていいぞ。」

 

シルヴィア「ううん、私も八幡くんと一緒に見るよ。何が綴られてあるか気になるしね。」

 

 

______________________________________________

 

 

六花全母体の幹部より決定通達

 

 

まずは前シーズンでは見事な闘いぶりを見せてくれた全生徒の皆様へ労いの言葉を送る。

今回このような形でお知らせする形になったのは、手間を省かせるためでもある。全生徒が一斉に知ってもらうためにはこの方法が一番だと考えた結果である。

 

先日の六花の学園を経営している母体幹部の全員で会議をした所、1つの案が出た。それは『個人戦、タッグ戦、チーム戦があるのなら、総力戦があっても面白いのでは?』という提案が出た。その提案に我々幹部は承諾する事にし、新たなる星武祭として正式に確立させる事にした。その星武祭の正式名称を《黄昏星武祭》に決定した。

 

開催日時は3月1日の1日だけである。故にこの年は星武祭が2回開催されることになる。だが、この《黄昏星武祭》が他の星武祭と違う点はステージがこの六花全域になるという事である。そして学園全生徒がこの星武祭の参加者であるということ。勿論棄権も可能である。

 

 

詳しくは学園に使者を送ったので、その者より説明がある。書面での説明は以上。

 

全生徒の諸君、健闘を祈る。

 

 

六花母体幹部より

 

 

______________________________________________

 

 

………なんだこりゃ?新しい星武祭?

 

 

シルヴィア「………八幡くん、これ……」

 

八幡「あぁ……だが情報が欲しい。これだけじゃあなんとも言えない。とりあえずは学院に行くか。」

 

シルヴィア「あっ、じゃあ私も行く!八幡くんと一緒にいたいから!」

 

八幡「本音隠さずに言ったね?いやまぁ嬉しいからいいんだけどさ。んじゃあ、飯食ったら早速界龍に向かうか。」

 

シルヴィア「うん。」

 

 

新しい星武祭……総力戦とか言ってたが、学園対学園って事なのか?だとしたら………ぶっちゃけこの六花の街が戦場になるぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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詳細説明

 

八幡side

 

 

ーーー界龍校門前ーーー

 

 

八幡「………」

 

玉緑(ユーシェン)「お待ちしておりました宗師、奥方様!この度の新しい星武祭の事ですね?」

 

八幡「あぁ。学園毎に使者が来ているって聞いているんだが、誰か聞いているか?」

 

帆季(ファンジー)「はい、界龍諜報工作機関のトップ、初代【万有天羅】の春麗蘭(チェン・リーラン)様です。冒頭の十二人のお部屋で皆様待機しておられます。どうぞ行ってください。」

 

八幡「あぁ、すまない。」

 

 

麗蘭さんが来てるのか………まぁあの人なら此処にも偶に来る事あるから引き受けたのだろう。

 

 

ーーー冒頭の十二人・会議室ーーー

 

 

ガチャッ

 

 

八幡「すまない、遅くなった。」

 

 

中には既に現冒頭の十二人が揃っていた。

 

 

2位 茫星露(ファン・シンルー)

 

3位 武暁彗(ウー・シャオフェイ)

 

4位 梅小路 冬香(うめのこうじ ふゆか)

 

5位 セシリー・ウォン

 

6位 趙虎峰(ジャオ・フーフォン)

 

7位 黎沈雲(リー・シェンユン)

 

8位 黎沈華(リー・シェンファ)

 

9位 宗然(ソン・ラン)

 

10位 羅坤展(ルオ・クンザン)

 

11位 呂永成(ルー・ウィンシン)

 

12位 徐銀梅(スー・インメイ)

 

 

星露「本当じゃ。主役は遅く来るものじゃが、遅すぎじゃろうて。じゃが何故歌姫殿も居るのじゃ?」

 

八幡「一緒に聞いた方が早いと思ったからだ。」

 

シルヴィア「そういう事だから、私のことはあまり気にしなくてもいいよ。」

 

 

そして俺は1番奥の真ん中の席へと向かった。あと虎峰、今から会議するんだからそんな目で俺を見るな。文句なら今抱き着いてるシルヴィに言ってくれ。

 

 

八幡「……では説明をお願いします、麗蘭さん。その為に此処に来たのでしょう?隠れていても分かりますよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

麗蘭「……流石は八幡さんです。その慧眼、お見事と言わざるを得ませんね。」

 

八幡「それはいいですから、説明を。」

 

麗蘭「分かりました。では、簡単に説明をさせて頂きます。六花の全運営母体幹部によって新たに制定された星武祭、名を《黄昏星武祭(ラグナロクス)》と言います。この星武祭は簡単に言うと、学園対学園の総力戦。ですが、1学園対1学園の対決ではありません。全ての学園が始まりと同時に敵同士となります。つまりは最初から1対5の対戦になるという事です。」

 

虎峰「……つまり、1度に全ての学園と戦わなくてはならないというわけですか?」

 

麗蘭「その通りです。ですがその中にもルールはあります。この星武祭「関しては《同盟》というルールを追加しています。それは1学園に対して1学園にだけ同じチームで戦うことができるという制度です。それによって1対5だったのが、2対4になるという事です。」

 

 

ほう……そのルールはありがたいな。それならクインヴェールと組める。

 

 

麗蘭「脱線しましたので話を戻します。戦う場所はこの六花の街という事になっております。皆様が懸念しておられる町の安全ですが、それに至っては心配ございません。アルルカント・アカデミー屈指の技術者が街の至る所に障壁を作ってくださりますので、町が壊れる恐れはございません。」

 

八幡「……大体は理解出来ました。だが星武祭優勝特権の願いについてはどうするんですか?優勝したとしても、学園の生徒全員にその権限を渡すんですか?」

 

麗蘭「不参加の方にはその権限は与えられません。そして願いにつきましても、より優勝に対して貢献した方をこちらで選び、10名にその権限を与える事になっております。」

 

 

上位10人か……そうなったら同盟を組むと自分がもらえる可能性も低くなるってことか。いやもういらないんだけどさ、願いなんて無いし。

 

 

麗蘭「これにて説明は以上になります。何か質問はございますか?」

 

八幡「いや、俺は特にありません。それよりも早くクインヴェールと同盟を組みたいのですが、方法はどうするんですか?」

 

セシリー「まぁ八幡ならそうするよねー。なんたって未来の奥さんがいる学園なんだもーん。」

 

銀梅「今1番友好を持っている学園はクインヴェールといっても過言ではありませんからね、妥当でしょう。」

 

麗蘭「あっ……その、大変申し上げにくいのですが、言い忘れていた注意事項がありました。」

 

 

ん?注意事項?

 

 

麗蘭「その、同盟するにあたって界龍第七学院とクインヴェール女学園の2校による同盟については禁止なのです。」

 

シルヴィア「えええぇぇぇぇ!!?何で!!?」

 

 

おいおい母体幹部の皆さんよ、それはないだろ。

 

 

麗蘭「前年度のシーズン結果では界龍が圧倒的だったのは皆様もご存知ですね?そしてクインヴェールが脅威の2位という成績に伴って、この2校に同盟を組ませてしまったら勝ち目がなくなるということなので、界龍×クインヴェールの組み合わせだけが無しになったのです。」

 

シルヴィア「そんなの横暴ですよ!」

 

麗蘭「私もそう思って抗議をしたのですが、界龍とクインヴェールの2校を除く幹部の皆様が口を揃えて『勝率が〜』とか『可能性が〜』と言うので、全く取り入ってもらえなかったのです。はぁ……非人間的な彼らですが、数字には細かいようです。」

 

シルヴィア「むぅ〜!」(プク〜!)

 

 

おぉ〜シルヴィが膨れてる。だがそうなると俺たちはクインヴェールとは対立しなければならないというわけか。恋人とまた戦うのは少し気が引けるな……だがだからといって棄権するのもなぁ………なんかいい方法ないかねぇ〜。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっ!良いこと思いついた!

 

 

 

 

 





八幡が思いついた方法!それは?


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最強コンビ結成

 

八幡side

 

 

あっ!良いこと思いついた!

 

 

八幡「麗蘭さん、その同盟っていうのは界龍とクインヴェールの学園同士がダメなんですよね?」

 

麗蘭「?はい、その通りですが?」

 

虎峰「八幡、一体何を聞いているんですか?それはさっき麗蘭様が説明してくれたではありませんか。」

 

冬香「他に何かあるのですか?」

 

八幡「まぁ、その通りだ。けどこれには他学園どころかここも敵になる可能性がある。」

 

 

全員「?」

 

 

やっぱ全員唖然としてるな。そうだよな、俺が今から言おうとしているのは自滅行為みたいなものだからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「シルヴィ、俺と2人でチームを組んで出ないか?それなら構わないだろ。」

 

シルヴィア「えっ!?私と八幡くんだけで!?」

 

麗蘭「……成る程、この2つの学園の同盟が結べないのなら、結べる方法を探せばいいという解釈をしたのですね?八幡さん。」

 

八幡「単純ですけどね。だってルールの中に()()()()()()()()()()()()()()()、なんてルールは書かれていないんでしょう?なら他学園の奴らと徒党を組んで参加するのもアリなんじゃないですか?」

 

麗蘭「ふふふ、常識破りな事を致しますね。ですが理に適ってますね。」

 

シルヴィア「そんな事思いつきもしなかったよ!うん、勿論八幡くんと組むよ!最初で最後のペアになれるチャンスだもん!」

 

麗蘭「では、私は報告に行きますのでこれで失礼致します。八幡さん、それとシルヴィアさん、お2人の同盟については私や界龍の幹部で全力を持って抗議いたしますので。」

 

八幡「よろしくお願いします。」

 

シルヴィア「あっ、なら私もペトラさんに報告しておきます!力になってくれると思いますので!」

 

麗蘭「それは心強いです。では皆様、失礼致します。ご武運をお祈りしております。」

 

 

そして麗蘭さんは会議室を出て行った。

 

 

八幡「……よし、帰るか。」

 

虎峰「帰るか、ではありません!!」

 

八幡「何だようるせぇな……」

 

虎峰「八幡、本気なのですか!?我々と敵対するなんて!!?」

 

八幡「まだ仮定の話だが、選択肢があるのなら、俺はシルヴィと戦うよりお前らと戦う方を選ぶぞ。」

 

星露「正気に戻らんか八幡!!」

 

八幡「あっ、なら俺と戦う滅多にない機会が無くなるけど、いいのか?なら別に構わないが。」

 

星露「八幡よ、頑張って勝ち抜くのじゃぞ!」

 

虎峰「師父!丸め込まれてます!」

 

 

コイツ、そんなに勝ちたいのか?

 

 

シルヴィア「虎峰くん、もし我慢してくれるのなら今度お弁当作ってあげようと思ってるんだけど……」

 

虎峰「八幡、僕と戦うまで負けないでくださいよ!」

 

 

チョロッ!!虎峰チョロッ!!

 

そしてよく考えろよ!確定じゃないからね?思ってるんだけどって言ってるだけだからね!思ってるだけだから!

 

 

八幡「まぁ成立したらの話だけどな。学園同士の同盟から生徒同士の同盟に変えただけの案だからな。もしかしたらダメっていうかもしれない。だって元を辿っても俺とシルヴィだからな。」

 

宋「ですが、我が学院の生徒は宗師の提案には賛成する者が多いと思われます。合法的に宗師と戦うことが出来るのですから。」

 

永成「確かにそうですね。戦うといっても模擬戦ですからね、私たちのやっている鍛錬は。そう思うと敵同士の方がちょうどいいのかもしれません。」

 

 

そうか……確かに普段は模擬戦という形でしか手合わせをしたことないからな。この期に本気で戦うのも良いかもしれないな。

 

 

八幡「受理してくんないかねぇ〜。」

 

シルヴィア「成立して欲しいなぁ〜。」

 

 

頼みますよ?麗蘭さん、ペトラさん。

 

 

八幡sideout

 

麗蘭side

 

 

麗蘭「………という事なのですが、皆様はどう思われますか?」

 

 

学園同士がダメなら生徒同士で。八幡さんの発想は悪くありません。この突破口は無駄にはしません。

 

 

「だがなぁ……よりにもよってその2人が組むとなると、また別になってくる。」

 

「その通りだ。その2人が組むのなら前と同じではないのか?」

 

 

はぁ………また始まりました。

 

 

麗蘭「でしたらその2人を組ませることに限定すればよかったのではないのですか?なぜ最初からそうしなかったのですか?」

 

「そんなのこう来るとは思っていなかったからに決まっているだろ!この提案をした比企谷八幡、彼は何故こんな非常識的なことを思いつくのだ!?よりにもよって学園から生徒に置き換えるとは!」

 

ペトラ「なら制限をつけたらどうです?」

 

「「制限?」」

 

ペトラ「はい。あの2人が規格外だというのなら今後2人の同盟に入れる人数は8人まで。つまりは比企谷八幡とシルヴィア・リューネハイムを入れた10人の同盟で戦わせるという事です。集まらなければ不参加扱いという事にする、どうです?」

 

「ふむ……悪くはないな。」

 

 

っ!良い流れに変わりました!

 

 

ペトラ「(一気に畳み掛けましょう。)そして残りの8人ですが、2人がスカウトをして集める、という事にしてはどうでしょう?人材確保も自分たちでやる。その方が同盟を組むリスクも高くなるというものですから。そして1学園につき2名が最高人数とします。なので最低でも4つの学園からは2名選出しなければならないという事になります。戦う前から戦わせるという事でも2人の人脈も試されるということです。」

 

「おぉ!それならばいいでしょう。ハイリスクの中で戦わせるという事ですね?それなら私は合意しましょう!」

 

「私もです。それなら良いです。」

 

ペトラ「ではそのように致します。」

 

 

ーーー会議終了後ーーー

 

 

麗蘭「すみませんペトラさん、とても助かりました。私1人ではどうにも………」

 

ペトラ「いえ、私も結局は2人の立場を危うくさせる事になりました。ですが、これで何とかこじつけられました。あとは2人の努力次第でしょう。」

 

麗蘭「えぇ、そうですね。」

 

 

八幡さん、頑張って下さいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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スカウト ①

 

シルヴィアside

 

 

昨日《黄昏星武祭》の説明を聞いて、八幡くんと2人で同盟を組んでから1日が過ぎた。そしたら特集コーナーに《黄昏星武祭》についての追加事項が記載されていた。その内容は、生徒と生徒の同盟について記されていた。

 

 

参加条件はこんな感じ。

 

 

・10人同盟のメンバーを集める事。

・1つの学園につき、2人までのスカウトとする。

・リーダーは必ず決める。

・10人集まらなければ不参加扱いとする。

 

 

まぁこんな感じだね。でも後8人かぁ……やってくれそうな人いるかなぁ?

 

 

八幡「あと8人必要って事だよな。どの学園もやるかやらないか分からないっていう状況でスカウトしなきゃいけないってのがなぁ………」

 

シルヴィア「私たちには厳し過ぎるくらいのハンデだね。なんでこんな事するんだろうね?」

 

八幡「余程俺たちを組ませたくない奴らがいるんだろう。昨日麗蘭さんが行ってたけど、細かいことを気にする奴もいるみたいだからな。」

 

 

その幹部、本当に母体の幹部なのかな?幹部補佐とかじゃなくて?

 

 

八幡「まぁ取り敢えず、俺が信頼出来そうな奴にスカウトかけに行ってみるわ。シルヴィはやってくれそうな奴、クインヴェールにいるか?」

 

シルヴィア「うーん……ゴメン、協力してくれそうな子はいなさそうかな。」

 

八幡「そうか……俺は3人くらい当てがあるからそこに行こう。向こうが不参加ならありがたいんだが、まぁそう上手くいかないだろうな。」

 

 

3人も候補がいるんだ………さすがは八幡くん、人脈あるなぁ。

 

 

八幡「んじゃあ早速、候補3人の学園に向かうか。シルヴィ、来てくれるか?」

 

シルヴィア「勿論♪」

 

 

ーーーレヴォルフ黒学院ーーー

 

 

シルヴィア「うん、途中から予想してた。八幡くんが言ってた候補3人の1人ってオーフェリアさんでしょ?」

 

八幡「あぁ。あいつは学院外の生徒の中では1番交流のある奴だからな。組んでくれると嬉しいんだが……」

 

 

私たちはレヴォルフの通行許可証を見せてから(あってもあまり意味はないけど)中に入った。うん、やっぱり雰囲気は良くないけど、前よりかはマシになってるね。オーフェリアさん、ちゃんと会長をやってるみたいだね。

 

 

ーーー生徒会室ーーー

 

 

八幡「難なく来れたな。よし、早速呼び出すか。」

 

シルヴィア「ねぇ八幡くん。提案なんだけどさ、扉から少し離れない?なんか嫌な予感がするから。」

 

八幡「?よく分からないが、お前のいう通りにしておこう。」

 

 

八幡くんも私の言うことに従って後ろに下がった。そして中に呼び出しをかけた。

 

 

プリシラ『はい、こちら生徒会室。どちら様……って比企谷さんにシルヴィアさんっ!!?』

 

八幡「あぁ、すこし相談ーーー」

 

 

バタンッ!!

 

 

八幡「があって来たんだが………」

 

オーフェリア「来てくれて嬉しいわ、八幡にシルヴィア。中に入って座って頂戴。」

 

 

八幡くんと知った途端、目の前の扉がもの凄い勢いで私たちの方に開いた。そこからは予想通り、オーフェリアさんが登場して八幡くんの腕に抱き着きながら中に入って座るように促していた。

 

ちょっと慣れたからあまり突っ込まないけど、人の彼氏に密着しないで欲しいよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーフェリア「………それで、一体なんの相談なのかしら?」

 

八幡「お前さ、交渉される立場の人間なんだから向こう側座れよ。何で俺の隣に座るんだよ?」

 

オーフェリア「………私は八幡の隣が1番落ち着くんだもの。」

 

八幡「そうだった……オーフェリアってこういう奴だった。」

 

 

私も突っ込みたいけど、話が進まなくなっちゃうよね。私が進めよっと。

 

 

シルヴィア「えっとね、オーフェリアさん。相談っていうのは《黄昏星武祭》の事なんだ。今朝の特集は見たかな?」

 

オーフェリア「………えぇ、見たわ。」

 

シルヴィア「実は私と八幡くん、その同盟で組む事にしたんだけどね、まだ私たち2人しかいないんだ。だからオーフェリアさんが組んでくれたら凄く助かるんだけど……どうかな?私たちの同盟に組んでくれないかな?」

 

八幡「そういうわけだ、一緒のチームとして戦ってくれないか?」

 

オーフェリア「………八幡と同じチーム、八幡と一緒に居られる時間が増える、八幡に甘えられる、八幡に抱き着ける。」(ブツブツ)

 

 

………あれ?なんか1人でブツブツ言い始めた?

 

 

オーフェリア「………喜んで組ませてもらうわ。」

 

八幡「随分悩んでいたみたいだが、いいのか?」

 

オーフェリア「………悩んでいたわけではないわ。私のメリットを再確認していただけよ。」

 

八幡「そ、そうか。だがレヴオルフとして出なくてもいいのか?」

 

オーフェリア「………元々出るつもりはなかったから不参加を決めていたのよ。この学院が連携なんて取れるはずがないもの。」

 

 

まぁ確かにね。レヴォルフは《鳳凰星武祭》2回、《獅鷲星武祭》1回、タッグやチーム戦での成績は酷いからね。出ないのは何となく読めてたよ。

 

 

オーフェリア「………だから貴方たちのチームに入るわ。八幡、シルヴィア。」

 

八幡「あぁ、よろし「比企谷。その同盟、俺も混ぜてくれねぇか?」……ん?」

 

 

そこにいたのは元レヴォルフの序列1位だった男の荒屋敷兵吾(あらやしきひょうご)だった。

 

 

荒屋敷「話は聞かせてもらったぜ、困ってんだってな?なら俺も暴れさせてもらうぜ。暇つぶしにはちょうどいいしな。なぁいいだろ比企谷?」

 

八幡「まさかお前程の実力者が自らとはな……あぁ、頼む。」

 

荒屋敷「そう来なくっちゃな。まぁよろしくな。」

 

 

凄い!一気に新旧序列1位が仲間になっちゃった!オーフェリアさんは予想してたけど、まさか【無頼漢】も仲間になってくれるとは思ってなかったよ!凄く頼もしいよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

荒屋敷「あっ、ちなみに俺、女は殴らねぇからな?戦うのは男限定だから。」

 

 

………まぁ八幡くんも女の子は殴らないからいいよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オーフェリアと荒屋敷兵吾が仲間に加わった!

総合戦力が10700上がった!(何のこっちゃww)


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スカウト ②

 

八幡side

 

 

さて、オーフェリアは予想通り組んでくれた。そしてオマケに荒屋敷まで組んでくれるとは予想外だった。だがこちらの戦力は飛躍的に高まったな。さて、残る候補はあと2人。界龍にはあいつに頼むからいいとして、問題はこのあと行く所の奴が引き受けてくれるかどうかだ。俺も正直受けてくれるかは分からん。

 

 

シルヴィア「八幡くん、候補の2人目って誰なの?私オーフェリアさんは予想出来たんだけど、後の2人は予想できないよ。」

 

八幡「まぁそこまで俺たちと親睦を深めた仲ではない。俺が個人的に関わりを持っていた人物だ。」

 

シルヴィア「………浮気じゃないよね?」

 

八幡「俺女って言ったっけ?言ってないよな?女だったとしても、シルヴィがいるのに浮気する意味が分からん。お前以上の女なんているわけねぇだろ。」

 

シルヴィア「………う、うん///」

 

 

けどまぁ、これは相手の気持ちとか運次第だろう。俺も次行く奴の交渉にはあまり自信はない。

 

 

ーーー聖ガラードワース学園ーーー

 

 

シルヴィア「ガラードワースにそんな人が居るの?もしかしてアーネスト?」

 

八幡「フェアクロフさんもできれば仲間に加えたいが、多分ガラードワース側で参加するだろうし、中心的な役割とかしているだろう。何にせよ、フェアクロフさんの説得はムズイだろうな。」

 

シルヴィア「じゃあ誰を?」

 

八幡「それは出会ってからのお楽しみだ。」

 

 

ーーー生徒会室ーーー

 

 

pipipi…pipipi…

 

 

エリオット『どちら様ですか?』

 

八幡「界龍の比企谷とクインヴェールのリューネハイムだ。少し用があって尋ねたんだが、入ってもいいか?」

 

エリオット『……少し立て込んでいますが、それでもよければ。』

 

八幡「すまない、失礼する。」

 

 

そして扉を開けた。中には現生徒会メンバーが居て、書類や戦略の立て方等の本や文献が大量に置いてあった。

 

 

エリオット「ようこそ生徒会へ。大したおもてなしは出来ませんが、歓迎致します。それで、今回はどのようなご用件ですか?」

 

八幡「あぁ、実はガードナーに用があってな。」

 

パーシヴァル「私に……ですか?」

 

八幡「あぁ。できれば少し話せないか?ここじゃマズいから応接室を借りてもらう形になるが。」

 

パーシヴァル「……分かりました、ご用件を伺いましょう。応接室まで案内致します。」

 

 

ーーー応接室ーーー

 

 

八幡「済まないな、急に押し掛けてこんな事までさせちまって。」

 

パーシヴァル「いえ、お気になさらないでください。比企谷さんとリューネハイムさんはお客様ですから。」

 

シルヴィア「流石はガラードワースって感じの対応だね。」

 

 

ガードナーが紅茶と茶請けを持って来た。うん、美味そうだ。

 

 

パーシヴァル「それで、ご用件は何なのですか?」

 

八幡「あぁ、《黄昏星武祭》の事で相談だ。今ガラードワースの学園として参加すると思うんだが、もしお前さえよければ俺たちのチームに入って欲しいんだ。」

 

パーシヴァル「……今朝のニュースの事ですね?」

 

シルヴィア「うん、私たちと一緒に戦ってくれる8人をスカウトしてるんだ。さっき2人参加してくれる事になったからあと6人なの。お願い出来ないかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーシヴァル「まさかこんな形で叶うとは思いもしませんでした………比企谷さん、それにリューネハイムさん。その申し出、喜んでお受けいたします。」

 

八幡「っ!いいのか?」

 

パーシヴァル「はい、元々私自身この星武祭には乗り気ではなかったのですが、もしも叶うのなら比企谷さんと組めたら、っと思っていましたので。」

 

 

あらやだ、そんな事思ってたの?なんか変な気持ちになるな。

 

 

パーシヴァル「喜んで末席に加えさせて頂きます。星武祭の間、よろしくお願いします。」

 

八幡「よし、これで3人!後半分だ。」

 

シルヴィア「この調子で集めたいね!」

 

 

その後、フェアクロフさんにも声を掛けたが、やはり中心人物になっているためもあって断られた。まぁ最初から予想はしてたが、少しキツイな。

 

 

ーーー商業エリアーーー

 

 

シルヴィア「八幡くん、後1人は何処の学園にいるの?教えてよ〜!」

 

八幡「星導館だ。あいつなら引き受けてくれると思っている。」

 

シルヴィア「それってやっぱり天霧くん?」

 

八幡「いや、違う。」

 

シルヴィア「え?違うの?じゃあ誰だろう……」

 

 

そう簡単には分からないだろう……シルヴィは恐らく直接の面識はあるが、友好的ではないだろうしな。むしろその逆だし。

 

 

シルヴィア「うーん……思いつかない。本当に誰?」

 

八幡「まぁそれは着いてからのお楽しみということで。星導館に行く前に飯にしないか?少し腹が減ってきたし、時間的にもちょうどいいかと思うんだがどうだ?」

 

シルヴィア「賛成!ご飯にしよっか!どこかオススメなお店はあるの?」

 

八幡「ならこの前のイタリアンの店はどうだ?」

 

シルヴィア「おっ、良いね〜!じゃあそこで昼食にしよう♪」

 

八幡「よし、じゃあその店に向かうか。エスコートは必要か?」

 

シルヴィア「お願いします♪」(ダキッ!)

 

 

シルヴィアは当たり前のように俺の腕に抱き着いてきた。全く嫌じゃないから気にならない。さて、目的地に向かいますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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昼食会議

 

シルヴィアside

 

 

これで3人目が仲間になったから、残りは半分の5人。ガラードワースからも2人欲しかったけど、仕方ないよね。総力戦だもん。でも、私たちがチームを組んでいる同盟の総力ってどのくらいになるんだろうね?今の所3校の序列1位にレヴォルフの旧序列1位、ガラードワースの序列5位がいるけど………メンバーが凄いよ。

 

でも、私たちの学園からも1人ずつは確保できるかもしれないから、8人は今の所固いよね。そうしたら残りはアルルカントの2人とガラードワースの1人と星導館の2人で人数的には大丈夫かもだけど、全て断られたらどうしよう………特にアルルカントはその可能性が高いよね。受けてくれなさそう。

 

 

八幡「腹減ったぁ〜……何食うかなぁ。」

 

シルヴィア「八幡くんってば余裕だね?早めになんとかしようとは思わないの?」

 

八幡「確かに思う。けどそれを実行して断られ続けたら、どうしようどうしようって慌てふためくのが容易に想像できるからな。だから、のんびりとまではいかなくても気楽に行こうと思う。それに第1、確かに俺もシルヴィと組みたかったって気持ちはあるが、別に優勝を狙ってるってわけでもないからな。組めればそれで良いみたいな感じだ。だって優勝しても何をお願いするんだよ?もういらねぇよ。母体から半分くらい資金貰うとか?」

 

シルヴィア「八幡くん、その願いはちょっとないよ……でもそうだね、私も八幡くんと組みたいって思ったから参加しているだけであって、別に優勝を目指してはいないから。これが《鳳凰星武祭》みたいなタッグ戦だったらまだ力が出るんだけどなぁ〜。」

 

 

そしたら八幡くんと2人で出られることは確定なのに。でもまた母体から邪魔が入りそう………

 

だって界龍とクインヴェールの同盟を邪魔するくらいだもん。きっと八幡くんと私のタッグもダメっていうかもしれない、ううん、するよきっと。

 

 

八幡「まぁずっと話しているのもアレだから、注文するか。メニュー見ようぜ。」

 

 

そっか!ここにはご飯を食べに来たんだった!いつまでもお話をしていたらちょっと迷惑かもだよね。私も食べるのを決めて注文しちゃおっと♪

 

 

ーーー10分後ーーー

 

 

「失礼します、こちら○○です。以上でご注文の品はお揃いでしょうか?」

 

八幡「はい。」

 

「ありがとうございます。ではこちらに伝票置いておきますね。ごゆっくりどうぞ。」

 

 

わおっ、美味しそう!私と八幡くんは生パスタにしたけど、別の品名だから食べさせ合いっこも出来る♪サラダも程よい香りがあって良いね。こういう所で閃いちゃったりするんだよね、何の品を出すかっていうのが。

 

 

シルヴィア「八幡くん、自分たちの学園からも1人はスカウト出来るから、今日解散したらお互いの学園に1度戻って生徒をスカウトしない?その方が効率も良いと思うんだけど………」

 

八幡「そうだよなぁ……けど俺たちのチームに加わってくれそうな奴は……いるか?」

 

シルヴィア「八幡くんなら選びたい放題だと思うけど?星露を除いてね。」

 

 

だって八幡くんと戦うの、凄い楽しみにしてたもんね。そう考えたら星露がチームに入るのはまずあり得ないね。

 

 

八幡「まぁ星露は最初から誘う気はない。だって入れても指示に従わなさそうだし、勝手に突っ込んでいきそうだからな。そもそも言うこと聞かなさそう。」

 

シルヴィア「あはは……それはあるね。」

 

 

星露、八幡くんに散々言われてるよ。でもゴメンね、全部本当に起こりそうな事だから全く否定出来ないの。

 

 

八幡「取り敢えずは受けてくれそうな奴には声を掛けてみる。受けてくれたらその時点で連絡する。」

 

シルヴィア「OK♪じゃあ先にその連絡をした方が、今日の晩御飯当番ね!」

 

八幡「かなり急ぎになる確率大じゃねぇかよ。何作ろうか考えてよっかな………」

 

シルヴィア「八幡くん、お願いだから同盟の事も考えてね?私も今晩の献立はどうしようかって思ってたりはすると思うけど、出来れば同盟をメインに考えてね?」

 

八幡「けど、俺にとってはシルヴィに美味しく食べてもらうために晩御飯を創意工夫したいから……」

 

シルヴィア「その気持ちは嬉しいけど、今は同盟!それに、もしかしたら私かもしれないんだから。」

 

 

……けど考えちゃう。今日の晩御飯はどうしようかって。美味しく食べてもらいたいし、栄養バランスとかもしっかり考えたいし……でも同盟も大事だし、もう!永久ループになっちゃうよ!

 

 

八幡「まぁとりあえず、今は目の前のパスタやサラダを食べよう。晩飯で悩んでも仕方ないからな。」

 

シルヴィア「……そうだね、このお昼ご飯を食べ終わったら星導館だけど、その後は?」

 

八幡「そこどうしようかって思ってる。そのままスカウト続けるか、ここまでにしてお互いの学園に行ってスカウトしてから帰るか、その両方で迷ってる。」

 

シルヴィア「じゃあ星導館が終わったら学園に戻ってスカウト!そして晩御飯にしよう!アルルカントは明日!そうしない?ねっ!そうしよう!」

 

八幡「………なんか張り切ってないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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スカウト ③

 

八幡side

 

 

飯も食ったし、早速星導館に向かうか。そういえば俺たちってまだあの学園のパスポートって貰ってなかったな。エンフィールドにでも言えば発行してもらえるのか?その学園の生徒でしか発行出来ないからな。

 

それにしても………慣れたとはいえ、周りからの視線が痛い。

 

 

八幡「はぁ……もう4年経つというのに、この状況は変わらないんだな。いつまで経ってもこの視線は消えねぇな。そんなに珍しいかね?」

 

シルヴィア「仕方ないよ、私たちが有名になり過ぎちゃったんだから。八幡くんだって分かってるでしょ?」

 

八幡「分かってはいるが、流石にこれが続くとなれると思うんだが?俺は。」

 

シルヴィア「きっとまだ目の当たりにしてない人が見てるんだよ。そう思おうよ。」

 

 

なんて無茶を返しやがる。かなり改善されたとはいえ、そういう視線が敏感な俺にとっては少し嫌だ。

 

 

ーーー星導館学園ーーー

 

 

シルヴィア「着いたね!学園祭以来かな?」

 

八幡「そうだなぁ……去年何やったっけ?一昨年は射的と喫茶店に行ったけど。」

 

シルヴィア「去年は戸塚くんの所で喫茶店行ったから一昨年と同じだね。後は八幡くんが連続パンチ選手権っていうか独創的な催しに参加したよね。」

 

八幡「あぁ〜やったな。あれは割と楽しかったな。」

 

シルヴィア「八幡くん2位と3倍くらい差をつけてたんだよ?覚えてないの?」

 

八幡「いや、やった事は覚えてるぞ。メチャメチャ連打してたよな俺、うん。」

 

 

俺たちの影響もあるとは思うが、かなり客が集まってた。それに俺の連打が始まった途端になんか場が白けたし……俺なんかおかしい事したか?って思ったよ。

 

 

八幡「まぁそれはさておき、エンフィールドに連絡「もうしてあるよ。」……え?いつやったんだ?」

 

シルヴィア「八幡くんが学園祭浸りをしている時に♪」

 

八幡「いけない口を働かせる頭はこれか?」(ワシャワシャ)

 

シルヴィア「キャー!」(≧∀≦)

 

 

………この『キャー!』っていう時のシルヴィ、すげぇ楽しそうだよな。

 

 

その後、エンフィールドが校門前まで来てくれて、俺たちのパスポートを発行してから中に入れてくれた。要件は何かと聞かれたが、多分知っていて聞いているのだろう。だから正直に答えたら………

 

 

クローディア「綾斗は渡しませんよ?」

 

 

などと返ってきた。いや、あんたん所の序列1位には用ないんで。俺が目をつけたのは他の奴だよ。

 

 

ーーーとある教室ーーー

 

 

八幡「失礼しまーす。」

 

シルヴィア「おじゃましまーす!」

 

 

シルヴィ、間違ってはいないけど、それだとなんかおかしいぞ。

 

 

「えっ!?【万有天羅】に【戦律の魔女】!!?」

 

「えっ!!?本物っ!?」

 

「何で何で何で!?」

 

八幡「あー突然の訪問で悪い。実はこのクラスにいるって聞いたんだが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪ノ下雪乃さんはいるか?」

 

 

俺の目的の人物、それは去年の《王竜星武祭》で戦った相手、雪ノ下である。

 

 

「えっと……雪ノ下さんは今教室に……あっ。」

 

雪乃「比企谷くん?それにリューネハイムさんも……どうしたの?」

 

八幡「おぉ、教室外にいたのか。ちょっとお前に用があってな、少しでいいから時間取らせてもらえないか?」

 

雪乃「それは構わないのだけれど、話の内容はもしかしなくても《黄昏星武祭》かしら?」

 

八幡「正解だ。」

 

雪乃「分かったわ。じゃあ応接室に行きましょう。遮音も設定してお話をした方がよさそうね。」

 

八幡「済まないな、突然来てこんな頼み。」

 

雪乃「いえ、気にしてないわ。」

 

 

ホント丸くなったよな、昔はあんなに刺々しかったっていうのに……成長してくれちゃって……オラ涙が出てくる。

 

 

雪乃「………貴方、変な事を考えてない?」

 

八幡「なんでそう思う?」

 

雪乃「何だか含みのある表情だったから。ふふっ、分かりやすいところは変わっていないのね。」

 

シルヴィア「あっ、雪ノ下さんもそう思う?八幡くんってば凄く分かりやすいんだよ!私の作った料理だってクールな対応してるけど、ものすごく食べたそうにしてる顔してるんだから!」

 

雪乃「ふふっ、効果音にウズウズって出てそうね。」

 

 

………本当に丸くなっちゃってるよ。総武高の頃だったら間違いなく罵倒されてんのに、もうそれがない。それどころか笑顔で返されちゃったし………本当にあの雪ノ下雪乃なのん?

 

 

ーーー応接室ーーー

 

 

応接室に入るなり、雪ノ下は紅茶を淹れてくれた。こういう所は前と変わらんな。あっ、美味い。

 

 

雪乃「それで、ご用件は?」

 

八幡「お前分かってるんじゃなかったっけ?」

 

雪乃「それは表面的な事であって内容は分からないわ。《黄昏星武祭》の件についてなのは分かっているけれど、その内容までは聞いてみないと分からないもの。」

 

 

………そうですよね。

 

 

シルヴィア「実はね、今朝のニュースを見たのなら知ってると思うけど、生徒間での同盟チームについてなんだ。私たちは今それで仲間を集めているの。今の所私たちを含めて5人、だからあと半分必要なの。」

 

雪乃「……それってつまり私をチームにスカウトしているということ?」

 

八幡「端的に言えばな。《王竜星武祭》が終わって少しした後に陽乃から聞いた。かなり鍛錬を積んでいるらしいな。それに陽乃さんとも偶に模擬戦してるって?」

 

雪乃「えぇ……姉さんのアドバイスは的確だから分かりやすいというのもあるから、アドバイスを貰うついでに自分の動きの評価もしてもらっているのよ。」

 

シルヴィア「へぇーなんか師弟関係みたいだね。」

 

雪乃「間違ってはいないわね。」

 

八幡「それで、どうだ?俺たちの仲間に加わってくれないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪乃「えぇ、分かったわ。貴方のチームに入れて頂戴。微力ではあるけれど、お力添えするわ。」

 

八幡「そうか……ありがとな。」

 

シルヴィア「いやったぁ〜!!これで半分は超えたね!後は4人!」

 

雪乃「とても大変そうだけれど、幸運を祈るわ。今の私にはこれくらいしか出来ないから。」

 

八幡「いや、充分だ。よろしく頼む、雪ノ下。」

 

雪乃「えぇ、こちらこそお願いするわ。」

 

 

よし!今日のノルマは達成だな。後は学院戻ってうちに来てくれそうな奴に声掛けだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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シルヴィアのスカウト

 

 

シルヴィアside

 

 

さて、八幡くんに良い報告が出来るように、私も学園でも上位クラスの子をスカウトしなきゃ!でも、私からしてみれば、どの子も光る原石だからなぁ……どれも良い感じに見えてしまうのがお悩みだったりします。

 

でもどの子をスカウトしようか……1番は遠距離からの攻撃とか支援ができるタイプが良いなぁ……所謂遊撃みたいなポジション。八幡くんはオールラウンダーでオーフェリアさんは中距離メインで、

優騎士(アグレスティア)】は後方支援タイプかな?《獅鷲星武祭》の戦いぶりを見るからにね。雪乃さんは……まだ何とも言えないかな。もしかしたらオールラウンダーかもしれないしね。【無頼漢(ぶらいかん)】は近接戦一筋。そう考えたらもう1人は欲しいんだよねぇ。誰かいないかなぁ………

 

 

???「会長?どうかしたんですか?」

 

シルヴィア「ん?あぁマフレナちゃん、ちょっとね……今少しだけ悩んでるんだ。」

 

 

目の前に来て私の様子を見に来てくれたのは、ガールズロックバンドチーム《ルサールカ》のキーボードを担当しているマフレナちゃんだった。

 

 

マフレナ「そうなんですか……もしよければ聞きますよ?楽になるかもしれないですから。」

 

シルヴィア「ありがとう。《ルサールカ》の皆もこれくらい気が利いてくれると嬉しいんだけどなぁ。特にトゥーリアが。」

 

マフレナ「あはは……あれがトゥーリア先輩の持ち味でもありますから。」

 

シルヴィア「実はね……」

 

 

私は今悩んでいることをマフレナちゃんに打ち明けた。1人で悩んでいてもしょうがないから、少しだでも知恵を借りようと思ったから。

 

 

シルヴィア「………ていうわけなんだ。だから今少し悩んでいるんだ。誰にしようかなぁって。」

 

マフレナ「そうなんですか……すみません、私もそのようなタイプの方はちょっと分からないですね。お役に立てなくてすみません。」

 

シルヴィア「ううん、気にしないで。聞いてくれてありがとう。私も自分で探し……て………ん?んん?」

 

マフレナ「?どうかしたんですか?」

 

 

待って?ちょっと待ってね?私の思い浮かべてた条件を思い浮かべてみよう。

 

・遠距離がメインのタイプ。

・後方支援や遊撃が出来る子。

 

 

そして目の前にいるのは?マフレナちゃんだよね?この子ってさ………全部当てはまってるよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

決めたっ!!この子にする!!

 

 

シルヴィア「マフレナちゃんっ!!」

 

マフレナ「は、はいっ!?」

 

シルヴィア「私たちのチームに入って!!」

 

マフレナ「え、えぇっ!?わ、私がですか!?」

 

シルヴィア「そう!マフレナちゃんが!!私は今脳の中でビビッて来たよ!遠距離メインで後方支援も出来る子、その2人を両立出来ているのは君しかいないよ、マフレナちゃん!!」

 

 

というかもうこの子しか目がないよ、今の私は!もうこの子しかスカウトしない!断られても諦めないんだから!!

 

 

マフレナ「で、ですが……私に出来る事はそれくらいなので、他にお役に立てることなんて何も……」

 

シルヴィア「それが良いんだよ!それがあるからこそ私は君をスカウトしてるの!勿論、他のところも評価してるよ。この前の《獅鷲星武祭》は参考にならなかったけど、ちゃんとメンバー全員の動きを見て、的確な指示や陣形の修正なんかをちゃんとしてる。だから司令塔としても大きな役割を担ってくれると思うんだ!」

 

 

マフレナ(ど、どうしよう……すごく嬉しい。私普段は皆の陰に隠れてるから目立つ事なんてあまり無いのに、こんな風に見てくれる人がいるなんて思いもしなかった……しかもそれが憧れの会長だなんて……しかもその会長からチーム加入のスカウトまでされてる。こんなこと絶対にない……でも、私みたいな日陰者が入っていいのかって思ってしまう。)

 

 

シルヴィア「マフレナちゃん、何を思っているか分からないけど、自分を卑下するような事を思ってちゃダメだからね?」

 

マフレナ「っ!」

 

シルヴィア「確かに君は他のメンバーに比べると見劣りする部分が多いけど、戦闘ではそれを補って有り余るほどの指揮能力の高さと修正や対応力を持ってる。それに、ちゃんと見てるんだよ?君がメンバーの子たちにどのタイミングで強化を入れるべきか考えているところを。戦闘もしなければいけない中で、仲間への配慮や支援、戦闘状況に応じた陣形の崩壊修正、これだけの仕事をたった1人でこなしてるんだから、君は間違いなくチーム1番の功労者だと思うよ。だから君はもっと自分に自信を持つべきだと思う。」

 

 

マフレナ(………こんな風に思ってくれてたなんて。やっぱり会長は凄い。)

 

 

シルヴィア「それに君は自分が日陰者だって思ってるかもしれないけど、そうじゃないよ。君を除いたあの子たちが特殊過ぎるだけだから。もっと酷く言うと異常なの!」

 

マフレナ「ぷっ!何ですかそれ?」

 

シルヴィア「だからさ、この六花の中でも高い指揮力を持つ君の力を私たちのチームに貸してくれないかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マフレナ「………シルヴィアさん、私決めました。私もそのチームに入ります!微力ではありますが、よろしくお願いします!」

 

シルヴィア「やった!!これで7人目だね!ありがとうマフレナちゃん!!」

 

マフレナ「いえ……」

 

 

マフレナ(お礼を言うのはこちらの方です。私の事をこんなに見てくれて、評価してくれてありがとうございます!)

 

 

 

 

 

 

 

 





何だろう?スカウトの話しているのに、前がボヤけて……水?汗か?


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八幡のスカウト

 

 

八幡side

 

 

さてと、学院に戻って来たはいいが、誰をスカウトすればいいか分からん。あっ、星露は論外なだから。だとしても、冒頭の十二人のスカウトは少し難しそうだな。ああ見えて連携が取れる連中ばかりだからな。黎兄妹に虎峰とセシリーのコンビ、宋と羅に永成に銀梅の《鳳凰星武祭》コンビ。それだけでなく、日頃から鍛えている奴らばかりだから、他の学園とも対等以上に渡り合える奴らばかりだ。

 

 

出来れば接近戦に長けた奴が良いんだよな……近接戦闘が出来る人材が今の所俺と荒屋敷くらいだから、もう1人くらい欲しい。だとすれば暁彗に虎峰と宋と銀梅がめぼしいが、どう説得していいか分からない。あいつらの目の前で敵になるって言っちまったから、あの場所に居なかった奴に声をかけたい。

 

 

八幡「さて、誰にすっかなぁ……」

 

沙希「随分大きい独り言だね、周りにも聞こえるよ。」

 

八幡「ん?おぉ川崎か。そんなにデカかったか?」

 

沙希「あたしが注意するんだから大きいって事。気を付けな。」

 

八幡「じゃあ、今の俺の独り言をずっと聞いていたのか?」

 

沙希「あたしはそこまで悪趣味じゃないよ。それに、私が聞いたのは『誰にすっかなぁ……』の所だけだから。」

 

 

いや、その独り言くらいはさせてくれよ。

 

 

八幡「ん?そういや川崎って空手やってたよな?」

 

沙希「何突然?まぁやってたけど?」

 

八幡「今って序列何位だっけ?」

 

沙希「31位だけど?興味ないからそこまで戦ったりはしてないけど。」

 

 

あれ?もしかして川崎って、意外と強い?

 

 

八幡「なぁ川崎、俺のチームに入ってくれないか?」

 

沙希「……なんの事?」

 

八幡「あぁ説明してなかったな、悪い。近々新しい星武祭が開催されるのは知ってるな?今俺はそのチーム作りをしているんだ。本当なら学園VS学園の戦いなんだが、界龍とクインヴェールの同盟が禁じられていたから、個人的に同盟を結んだ結果、10人集めないと出られないって事になってるんだ。だから俺とシルヴィは他学園を回ってスカウトして来たんだ。そして残りは4人。お前が受けてくれたら3人でシルヴィも成功したら2人。かなり大きいステップになる。どうだ?来てくれないか?」

 

沙希「でも、あたしには京華の世話とかあるから……ちょっと難しいかも。」

 

八幡「そうか……まぁそれなら仕方ないな。他を当たって「その必要はありませんよ!宗師っ!!」……ん?」

 

柚珠奈「私が京華ちゃんの面倒を見るので、どうぞサキサキを連れて行ってください!それに、シスコンのサキサキに妹離れさせる良い機会ですから!」

 

 

こいつは……いつも川崎とけーちゃんとよく一緒にいる奴だ。名前は確か……椎橋だったな。

 

 

八幡「だがいいのか?そしたらお前は星武祭に出られないぞ?」

 

柚珠奈「元々不参加にしようと思っていたので丁度いいですよ。それに京華ちゃんもお姉ちゃんの戦っているかっこいい所を見たいんじゃないかなって思いまして。」

 

沙希「けどいいの?」

 

柚珠奈「いいのいいの!気にしないでチームに入りなって!宗師からのお誘いなんてこれまでもこれからも一生に一度あるかどうかなんだから!今受けておかなきゃ損だって!」

 

 

………何だろう、何故かかなり説得力のある言い方だ。

 

 

柚珠奈「なら京華ちゃんに確認を取ってもいいしね!京華ちゃんならきっと、『さーちゃんの凄い所見たーい!』って言うに決まってるよ!」

 

八幡「……って言ってるが?」

 

沙希「………じゃあ京華を少しの間お願い。比企谷、私もあんたのチームに入るから。どれだけやれるか分からないけど。」

 

八幡「いや、充分だ。よろしく頼む。悪かったな、急な誘いで。」

 

沙希「ううん、もう気にしてないから。」

 

八幡「じゃあ詳細とかは10人面子が揃ってから紹介とかするから、それまでは待機しててくれ。」

 

沙希「ん、分かった。」

 

 

よし、俺の方は成功だ。後はシルヴィが成功しているかしていないかだが、そんなに慌てる必要もないだろう。シルヴィなら良い人材を確保してそうだしな。

 

 

メールくらいは送信しておくか。

 

 

柚珠奈「そういえば宗師、この時間にこの場所にいるという事は、今日はこちらで寝食をするという事ですか!?」

 

八幡「いや、ちゃんと家に帰る。さっきまで一緒に居たシルヴィとスカウトが成功したら家に帰るって約束してるからな。だからもう行く。」

 

柚珠奈「そうなんですか……少し残念です。ほんの少しでも宗師とお話がしたかったのですが……ねぇサキサキ。」

 

沙希「はぁ……何度も言うけどサキサキ言うな。これセシリーにも言ってるんだけど聞かないんだよね。そんなに呼びやすいわけ?」

 

柚珠奈「良いじゃん、サキサキ。」

 

沙希「そんな軽いノリで呼ばれてたんだ、あたしのあだ名って。」

 

 

まぁ……うん、あまり意味ないが、頑張ってこう。

 

 

八幡「なら俺も呼んだ方が「殴るよ?」……すいません、嘘だからやめてください。」

 

 

ユニークな冗談なんだから受け取ってよ!

 

 

沙希「まぁ取り敢えずよろしく。リューネハイムさんにもよろしく言っといて。」

 

八幡「あぁ、分かった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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今日の報告?

 

シルヴィアside

 

 

♪〜♪〜ふふっ、マフレナちゃんが仲間に入ってくれたから、八幡くんにすごく良い報告ができるよ!まさかあんな所で私の欲しい人材が私に話しかけてくれるなんて誰も予想してなかっただろうしね!八幡くんは誰をスカウトしたのかな?八幡くんの思考から考えたら、冒頭の十二人の面子には声を掛けていないと思う。掛けるとしたら、星武祭に参加する気のない人や、どちらでもいいっていう人を選ぶんじゃないかなって思う。でも界龍の生徒でそんな人いるかなぁ?皆向上心ありそうな人たちばかりだと思う。だっていつも真面目に練習してるから。

 

 

シルヴィア「この分だと、私が夕食を作った方が早いかな。八幡君はまだみたいだし。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「シルヴィ〜。」

 

 

……ん?八幡くんの声?でも何処から……あっ。

 

 

八幡「ようシルヴィ、今来たばっかか?」

 

シルヴィア「八幡くん、飛んで来るなんてずるいよ。」

 

八幡「いやだって……お前と一緒に飯作りたかったし。シルヴィ1人に面倒ごと押し付けるのもアレだったから、早く着くように飛んできたんだよ。」

 

 

………うん、許します!

 

 

シルヴィア「でも八幡くん、帰って来たってことはスカウトには成功したって事?」

 

八幡「あぁ、スカウトは成功だ。そういうシルヴィも聞くまでもなさそうだな。」

 

シルヴィア「うん♪良い人材を確保できたよ!夕食がてら報告会にしようよ!勿論、夕食作りは一緒にねっ!」

 

八幡「あぁ。」

 

 

ーーーキッチンーーー

 

 

よし、もも肉を焼いて3分くらい経ったからそろそろタレを作らなきゃだね。えぇと……

 

 

八幡「ほい、醤油とみりんと砂糖に酒な。」

 

シルヴィア「さすが八幡くん!じゃあ私はお返しにこれをあげるね。」

 

 

私は八幡くんにお茶碗と受け皿を渡した。

 

 

八幡「よく分かってるな、流石は未来の副店主様だ。サポートは完璧だな。」

 

シルヴィア「えへへ、ありがと♪」

 

八幡「シルヴィ、サラダは?」

 

シルヴィア「済んでるよ。八幡くんから見て左のボウルに入れてあるから。後のトッピングは任せるね。」

 

八幡「了解だ。」

 

シルヴィア「それと八幡くん、アレ作ってある?」

 

八幡「あぁ、今ちょうど出来たところだ。」

 

 

うん、今日の連携もバッチリだね!流石は私と八幡くんだね!息ピッタリの時間内で料理完成も達成だね!

 

 

ーーー食卓ーーー

 

 

さて、皆様にご紹介する今日の夕飯は白ご飯にお味噌汁、具材は卵とほうれん草。照り焼きチキンのマヨネーズ合わせにサラダのトマトチーズ和え。うん、美味しそう♪

 

 

八幡「それじゃあ食べるか。行儀は良くないが、食べながら報告をしよう。」

 

シルヴィア「うん、分かった。じゃあ八幡くん、お願いします。」

 

八幡「あいよ。じゃあ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いただきます。」」

 

 

八幡「あむっ………うん、流石シルヴィだな、味付けも肉の焼き加減も絶妙だ。」

 

シルヴィア「八幡くんこそ、トマトとチーズの相性も抜群だし、特製ドレッシングで風味も味も良くなってるよ。でも、これでもまだなんでしょ?」

 

八幡「あぁ、まだ粗さがある。まだまだ研究しないとな。次はリキュールかワインビネガーかバルサミコ酢のどれかを使ってみるか。」

 

 

※今の3つは作者の思いつきですので、本当に合うかどうかは分かりません。

 

 

シルヴィア「じゃあそろそろ始めようか。私がスカウトしたのは、チーム《ルサールカ》の1人のマフレナちゃんだよ。八幡くんも見たことあると思うけど、1番後ろにいるキーボードの子だよ。」

 

八幡「あぁ、あのチーム脳筋の中の唯一の癒しか。だがこう言っちゃ悪いが、何か役立つ能力はあるのか?」

 

シルヴィア「八幡くんが知らないのも無理はないよね。だって八幡くん、《獅鷲星武祭》で瞬殺だったもんね。面白い方法で倒したよね。」

 

八幡「あいつを傷つけちゃいけないってお告げがあったんだよ。」

 

 

どんなお告げだろう?

 

 

シルヴィア「話を戻すね。彼女の長所は指揮能力の高さと陣形の修正の速さと正確さ、そして味方に身体能力強化の能力をつけることが出来るの。だから遠くからでも攻撃と支援の両方をすることが出来るの。」

 

八幡「………やっぱりそいつを《ルサールカ》から外すべきなんじゃ?」

 

シルヴィア「縁起でもないこと言わないの。じゃあ八幡くん、君は?」

 

八幡「あぁ。俺の方は川崎沙希を選んだ。あいつは元々参加する気は無かったんだが、友人からの推しもあって参加してくれた。奴自身特に特化したところはないが、バランスの取れた戦いが出来る。そこが長所だな。それに序列31位だから実力もある。川崎自体、そんなに序列には拘り持ってなさそうだから、多分だがもっと上の実力はあると思う。」

 

シルヴィア「じゃあお互いに好カードを引けたって事だね。残るはあと2人だけど……残された学園で参加してくれそうな子って八幡くんいる?」

 

八幡「いや、居ないな……アルルカントにはそれほど交流のある奴はいないし、星導館とガラドワースにももう居ないな。」

 

シルヴィア「そっかぁ………明日になってみないとだね。まだ時間はあるからゆっくり確実に行こっ?」

 

八幡「あぁ、そうだな。」

 

 

私も考えなくちゃね、ほか他に参加してくれそうな人を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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エサ釣り

 

 

八幡side

 

 

さて、昨日は目標ノルマを達成出来た。問題は今日だ。昨日と違ってスカウトする当てはないし、したいと思える奴もいない。正直に言えば手詰まりという奴だ。その中で誰を誘って仲間にできるかが俺たちの今日の目標&達成条件だ。残りは2人、アルルカントで同時に獲得するか、1人ずつ選抜で選ぶか、どちらかだ。だが、どの学園にももう関わりのある生徒はいない。え?戸塚?戸塚は戦闘職じゃないから却下。だって倒されたら俺たち終わりじゃん。なら最初から回復頼りなしの方がいいだろ?

 

 

シルヴィア「………どうしよっか?」

 

八幡「………あぁ、マジでどうしよ。」

 

シルヴィア「その言い方だと八幡くんの方もスカウトして受けてくれる人は居なさそうだね。」

 

八幡「あぁ……昨日ので全部だ。今だから言えるが、レヴォルフではイレーネを誘おうと思ってたんだが、荒屋敷が来てくれたから省かれただけだ。あいつに叶えたい事があるとは思えないんだがな……」

 

シルヴィア「それはいいよ。今は目の前の事を片付けるべきだよ。本当にどうしよっか……私と八幡くんとレヴォルフは学園はもうダメだし、残っているのはあまり交流のない3校だけ。しかも星導館とガラードワースに至ってはもう人も纏めてるみたいだから、スカウト成功はかなり難しいよ。アルルカントは……そもそもこの星武祭に興味を持っているのかも怪しいしね。」

 

 

左近にでも聞いてみればいいと思ったんだが、奴の連絡先を知らない。それにアルルカント自体とは全く交流なんてない。あるとしたら獅子派の奴らだけだ。シオンの武装の関係で少し関わったくらいだからな。その中でマシといったらパレードくらいだが………ん?待てよ?

 

 

 

………

 

 

………………

 

 

………………………………

 

 

そうか!その手があるか!!

 

 

八幡「シルヴィ、今すぐアルルカントに向かうぞ!この方法ならあいつに協力を求められるかもしれん!」

 

シルヴィア「え!?ちょ、八幡くんっ!?」

 

 

ーーーアルルカント・アカデミー校門前ーーー

 

 

シルヴィア「もうビックリしたよ〜急に走り出すんだから……それで、八幡くんが協力を求めている人って誰なの?」

 

八幡「あぁそれな。《獅子派》筆頭のカミラ・パレートだ。他にもその中の派閥の奴を引き入れたいと思っている。」

 

シルヴィア「《獅子派》を?何で?」

 

八幡「この前の試合でシオン出したろ?その時の武器やら義手やらをまあ改造したいって俺に直接言ってきてな、それをダシに使って星武祭に協力してもらおうってわけだ。」

 

シルヴィア「成る程……利用の仕方がちょっとアレだけど、確かにそれなら協力してくれそうだね。」

 

 

いいだろう別に。脅迫しているわけじゃないんだから。お願いしようとしているだけだ。

 

 

八幡「まぁとりあえず入るか。パスポートはパレートに作ってもらってるしな。」

 

 

ーーー《獅子派》研究所ーーー

 

 

pipipi…pipipi…

 

 

カミラ『パレートだ。どちら様かな?』

 

八幡「比企谷だ。今日は少し頼みたい事があってきた。入らせてもらってもいいか?」

 

カミラ『あぁ君か……分かった、入ってくれ。』

 

 

カミラがそう言うと目の前の厳重そうな扉が開いた。俺たちはその中へと入っていった。

 

 

カミラ「よく来てくれた。それに【戦律の魔女】も。大したおもてなしは出来ないが、歓迎するよ。それで、今回はどうしたんだ?彼についてか?」

 

八幡「いや、まぁそれに近いんだが別件だ。」

 

カミラ「何やら訳ありのようだね。分かった、応接室で話そうじゃないか。」

 

 

ーーー応接室ーーー

 

 

応接室に入ってから、俺とシルヴィは《黄昏星武祭》のチームについて説明をした。そして、パレードにチームに加わって欲しい事も。

 

 

カミラ「……話は分かった。だが私たちにはなんのメリットがある?優勝しなければ私の参加は無意味だ。何かメリットがあるのであれば参加しようじゃないか。」

 

 

よし来た!ここでシオンだ!

 

 

八幡「参加してくれるなら、俺の式神のシオンの武装のメンテナンスを頼む。一応こいつにも出てもらう予定だからな。お前ともう1人選抜で俺のチームに入ってくれれば、その間だけシオンの所有権をお前に譲渡しようと思っている。その間はシオンの武装や身体は自由に扱ってもいいことにする。無論シオンの了承はとってある。だが本人の嫌がる事はしないで欲しい。それだけは約束してくれ。」

 

カミラ「シオンくんの武装を私たちで、か………確かに魅力的だ。私たちの思うようなカスタマイズが出来るというわけか………」

 

 

……やはり考えるか。技術者にも損得の考える余地はあるだろうからな。

 

 

カミラ「………よし、その条件で君のチームに加わろう。残りの1人だが、シオンくんの武装のメンテナンスをした私の腹心に頼んでおこう。」

 

八幡「……本当か?」

 

カミラ「あぁ、嘘は言わない。君のチームに入ろう。私の力、シオンくんに余す事なく振るうことを約束しよう。」

 

シルヴィア「やった!!これで全員揃うかもだね!!」

 

八幡「あぁ。残りはお前の腹心が受けてくれるかどうかだな。」

 

 

その後、腹心の男であるパルソーム・レビテートは二つ返事でOKしてくれた。しかもシオンの武装のメンテナンスを聞いた時点でやる気があったように見える。

 

 

何にせよ、これで全員だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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会議と疲労ほぐし

ーーーーーー

 

 

星導館幹部「こんな同盟があっていいはずがない!!」

 

星導館幹部2「そうだ!!このチームは今すぐ解体すべきだ!!」

 

 

現在、母体幹部会議会では《黄昏星武祭》の現在状況を含めた会議をしている。その1つが問題となっていた。言わずもがな八幡とシルヴィアで作り上げた同盟だった。

 

 

《黄昏星武祭》同盟メンバー

 

リーダー:比企谷八幡(現序列1位)

 

シルヴィア・リューネハイム(現序列1位)

オーフェリア・ランドルーフェン(現序列1位)

荒屋敷兵吾(旧序列1位)

パーシヴァル・ガートナー(現序列5位)

川崎沙希(現序列31位)

雪ノ下雪乃(序列外)

マフレナ(序列外)

カミラ・パレート(序列外)

パルソーム・レビテート(序列外)

 

 

 

 

ペトラ「何故解体する必要があるのです?あの時これでいいと言って可決したではありませんか。」

 

麗蘭「その通りです。私も解体する意味が分かりません。理由をお聞かせしてもらっても?」

 

「そんなの当然だろう!このような面子を揃えるなど、他の学園に負けてくださいと言っているようなものだ!チームの半数以上が序列上位ではないか!」

 

「それに元とはいえ序列1位が4人もいるではないか!」

 

ペトラ「その事に関しても問題視されていなかったではありませんか。今更そんな事を仰っても意味がないと思われますが?それにそこまで言うのでしたら、何故序列の制限をかけなかったのですか?そうしておけばこのような事は起きなかったでしょう?」

 

「ぐっ……た、確かにその通りだが……」

 

麗蘭「私はいいバランスだと思いますが……相手は学園なのです。それに対してこの同盟は10人だけ。ならば序列上位が半分を占めていることくらい、目を瞑ってあげてもいいのでは?」

 

 

反対派の幹部を次々と論破するペトラと麗蘭。2人の言う事には他の幹部も逆らえないでいた。何故なら全て正論だからである。序列の制限をかけていなかったのも自分たちであるからだ。

 

 

ペトラ「レヴォルフとアルルカントは不参加を提出していますので、このメンバーは当たり前と言っても過言ではありません。他学園のメンバーは同盟リーダーの比企谷八幡くんと副リーダーのシルヴィア・リューネハイムの選出によって選ばれたメンバーに違いありません。この2人のスカウトにおいては2人でスカウトしなければならないルールでしたから。なので私はこのチームで参加する事に賛成です。というより反対する余地があるのでしょうか?」

 

麗蘭「私も賛成です。」

 

星導館幹部「反対、やはりやり直すべきだ。」

 

レヴォルフ幹部「参加しない学園が口を出しても意味がねぇだろうから、俺は何も言わねぇぜ。」

 

アルルカント幹部「私も控えさせて頂きます。」

 

ガラードワース幹部「………私は賛成だ。」

 

 

意外にもガラードワースは賛成意見だった。

 

 

ガラードワース幹部「序列の制限をかけなかったのはこちらの落ち度でもある。それに、今同盟チームを解体させるよう命令するのは酷だ。ならばそれを受け入れるしかないと思う。この失敗は次に活かせば良いのだと思う。」

 

 

ペトラ「では同盟については可決という事でよろしいですね?」

 

 

ガラードワースとその前のペトラと麗蘭の説明もあったからか、反論する者はいなかった。

 

 

ペトラ「では、この通りに進めましょう。次に六花街のスタート配置やその他諸々についてですが………」

 

 

ーーーーーー

 

八幡side

 

 

シルヴィア「ちゃんと通ったかなぁ?」

 

八幡「後はペトラさんと麗蘭さんを信じるしかないな。あの2人だけは俺たちの味方だからな。他の学園幹部がどうするか分からない以上は、あの2人を信じるしかないだろう。」

 

シルヴィア「……そうだよね。あのままで通る事を祈るだけだね。でも通らなかったら、凄く我が儘な幹部だってことになるよね。」

 

八幡「そうだな。」

 

 

こっちは10人、敵は300以上も居るんだ。ならそれくらいの譲渡はしてもらわないと困る。なんなら20人でも構わないと思っている。

 

 

八幡「取り敢えずは明日の発表を待つしかなさそうだな。さて、次の話だが……」

 

シルヴィア「うん、アレだね?」

 

八幡「あぁ、アレだ………行くぞ?」

 

シルヴィア「うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人「「最初はグー、じゃんけんポンッ!!」」

 

 

俺がチョキでシルヴィがグーで俺の負けだった。

 

 

シルヴィア「やった〜!!私の勝ちー!!」

 

八幡「シルヴィが先かぁ……よし、とことんやってやろうではないか。」

 

シルヴィア「お手柔らかに♪」

 

 

ーーー寝室ーーー

 

 

シルヴィア「ん……んんっ///ふぅん……ふぅーふぅー……んんっ!///」

 

八幡「どうだ?」

 

シルヴィア「う、うん……すっごく気持ち良いよ///やっぱり八幡くんはテクニシャンだよ……///」

 

八幡「そいつは何よりだ。一昨日と昨日は歩いたからな、ずいぶん足にも溜まってるだろう。」

 

シルヴィア「んあっ///そ、そこぉ……痛気持ちいいよぉ〜///」

 

 

そう、俺が今やっているのはマッサージだ。かなり歩いたから、筋肉の疲労をほぐすために足を揉んでる。その度にシルヴィがエロい声を出すもんだからもっと気合が出てくる。

 

 

八幡「まだ始まったばかりだからな?まだまだ行くぞ?」

 

シルヴィア「お願いしまぁ〜す♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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界龍の戦術練り

 

 

星露side

 

 

八幡め、いきなり突拍子も無いことを言ったと思うたら、まさかそれで通ってしまうとはのう。おかげでこっちはお主を倒そう、お主と手合わせしようと躍起になっておる童が多くてしょうがないわい。学院の皆が鍛錬に打ち込んどるから何処も貸切状態じゃ。お主の道場以外はじゃがな、八幡よ。

 

おかげで妾も弟子たちの手合わせで忙しいわい。特に暁彗は今、妾としか相手出来ない故、妾が相手を出来ない時はかなり不完全燃焼な様子や雰囲気を出しておるのう。

 

 

星露「ふむぅ……やはり1日に何度も手合わせをすると疲れるのう。じゃが………楽しいわい!!」

 

虎峰「相変わらずですね、師父。それよりも師父、八幡以外の冒頭の十二人の全員集まりました。」

 

星露「うむ……皆集まってもらって悪いのう。相談なんじゃが、《黄昏星武祭》の攻め方や守り、戦術についてじゃ。何分始めての総力戦星武祭じゃ、妾も勝手が分からん。だれか案はあるかえ?」

 

セシリー「でもさー師父、そんな戦術を知ってる人ってこの中にいなくないですかー?1対多数の戦い方ならまだしも多数対多数の戦い方を知ってる人なんていないと思いますよー。」

 

 

むぅ、やはりそうか………こういう時八幡がおるとかなり楽なんじゃがなぁ。あやつはいつも意外な作戦や戦術を使ってくる。それも相手の意表を突くような作戦や、予想していた作戦の斜め上の攻め方をしたりするからのう、こんな時に八幡の頭脳が欲しいわい。

 

 

冬香「師父、不躾ながら提案させて頂きます。この学院の生徒数は六花の中でもトップです。そこで、人数を半分に分けて他学園に攻め入るというのはいかがでしょう?八幡様のチームは後回しにして、まずは潰せるところから潰すという事です。八幡様たちと戦う頃には戦力も減少しているとは思いますが、日頃八幡様から鍛錬を受けている私たちであれば、最後まで残れる可能性は高いと思います。」

 

銀梅「成る程……梅小路先輩の仰ることも一理ありますね。先に本命以外を倒してから、宗師を潰しにいくというわけですね。」

 

虎峰「ですが人数を半分に割いてしまったら、その分だけ1人で戦う人数が増えます。1人につき何人も相手するとなるとやはわり厳しいのでは?」

 

冬香「その点も考えてあります。前衛には木派に戦ってもらい、後衛は星仙術や陰陽術、式神等でサポートしてもらいます。私は式神でサポートできますので。」

 

 

成る程のう……それならば前衛の者たちもカバー出来そうじゃのう。

 

 

星露「では他に何か提案のある者はおらんか?」

 

 

会議室の中は静寂に包まれていた。

 

 

星露「うむ、では梅小路の案を採用する!もし何か提案があるようであれば、梅小路本人に言うがよい。戦術の細かな部分の修正や追加等も頼むわい。では、これにて解散じゃ!」

 

 

ーーー5分後ーーー

 

 

星露「はぁ……八幡が居らんとこうも戦術に困るとは思いもせんかったわい。あやつなら良い戦術を知っておるんじゃろうなぁ。」

 

虎峰「それを言っては仕方ないではありませんか。今や八幡は敵なのです。それに………シルヴィアさんまでも!!!」

 

 

お主の今の敵対意識はどうなっておるのじゃ?

 

 

冬香「しかし、師父の言う通りでもあります。私が提案したのもあくまで定石、定番中の定番。八幡様であれば2手3手上の工夫をされているでしょう。」

 

暁彗「………………敵にするとこうも厄介とはな。」

 

虎峰「ですが、八幡のチームは10人集まったのでしょうか?10人集まらなければ星武祭に参加できませんが、その辺りは大丈夫なのでしょうか?」

 

セシリー「八幡の事だからきっと大丈夫でしょー。ていうよりも心配するのは逆だよ逆ー。」

 

冬香「どういう事ですか?」

 

セシリー「だって八幡ですよー?他学園からスカウトした奴がとんでもない奴だって可能性だってあるんですからー。八幡って意外と他学園にも顔広いしー。」

 

星露「そうじゃったのう。あやつは偶に六花園会議に参加しておるんじゃったな。」

 

 

※あんたがグースカピーの状態だからです。

 

 

虎峰「八幡はどんなメンバーを集めたんでしょうね?気になります。」

 

セシリー「大会本番になってからでないと分からないのが痛いよねー。教えてくれてもいいのにね。」

 

冬香「完全フェアにするためでしょう。でなければ八幡様たちが不利になるだけですからね。今回は星武祭の運営委員会ではなく、六花母体の幹部が主体となって動いていますから。」

 

 

じゃが相手のメンバーを知りたいというのも確かじゃのう。どうにかして八幡のチームメンバーの情報を得られればいいのじゃが……

 

 

星露「まぁ今悩んでも仕方ない事じゃのう。さて、妾たちも飯にしようではないか。して虎峰よ、八幡はまだ学院には帰ってこんのか?」

 

虎峰「そんなの僕が知るわけないじゃないですか。どうせ八幡の手料理が食べたいだけなのでは?」

 

星露「……最近あやつの料理を食べておらんからのう。久しぶりに食べたいって思うのじゃが、あやつがあちら側に住んでからというものの、機会が激減してしまったのじゃ。虎峰よ、作ってくれんか?八幡と同じ物を。」

 

虎峰「無理です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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同盟メンバーの会議

 

 

八幡side

 

 

シルヴィア「ダメッ!!私が八幡くんと一緒になって戦うのっ!!」

 

オーフェリア「いいえ、私が八幡とペアになるのよ。」

 

シルヴィア「もう!オーフェリアさんの分からず屋!」

 

オーフェリア「シルヴィアの欲張りさん。」

 

2人以外「…………」

 

 

………皆さんどうも、比企谷八幡です。なんか冒頭から騒がしくて申し訳ないです。その理由も過去を振り返りながら説明していきたいと思っています。大体はメンバー内のチーム分けで起こりました。

 

 

ーーー回想ーーー

 

 

本当なら界龍に集まりたい所なんだが、今やあの場所は敵地になっている。だからあの場所で会議は出来ない。他に出来る場所といえば、アルルカント、レヴォルフの2学園に加えて俺とシルヴィの家だ。だが俺たちの家は無しだ。もし俺たちの家で会議なんてやってみろ、オーフェリアなんか俺に会いに毎日来るぞ。その度にシルヴィが不機嫌になりそうだから家は無しだ。

 

残るは2つだが、この場合はレヴォルフかもな。許可証もいらんし、何よりすぐ入れる。前なら屯してる奴らが突っ掛かって来てるんだろうが、今はオーフェリアが調きy……んんっ、教育しているからそんなことも起きていない。

 

そんなこんなで今はレヴォルフの会議室に集まっている。勿論全員揃っている。

 

 

八幡「よし、全員揃っている訳だし会議を始める。だがその前に、2人は俺の腕を解放しなさい。」

 

オーフェリア「………まだ堪能していたいわ。」

 

シルヴィア「オーフェリアさんだけずるいっ!」

 

八幡「じゃあ2人には後で執事の刑「シュバッ!」な………変わり身早過ぎるだろ。」

 

 

そんなに嫌か?

 

 

八幡「まぁいい、取り敢えず始めるぞ。今の所どの学園からも情報の開示はされていないが、アルルカントとレヴォルフは不参加の形を取っている。参加するのは星導館、ガラードワース、界龍、そしてクインヴェールと俺たち同盟チームだ。スタート地点だが、自分たちの学園からスタートすることになっていて、俺たちはレヴォルフからスタートすることになっている。」

 

パーシヴァル「それが妥当ですね。中央からスタートしてしまっては最初から囲まれてしまいますから。」

 

八幡「そこでだ。まず始めに偵察から行いたい。俺の分身偵察に向かうからその点は問題ない。次にグループ分けだ。今のところでは何処かが同盟を組んだという話はない。だから今のところのチーム分けはこんな感じにする。

 

 

チーム1:荒屋敷、シオン(パレート、レビテート)

 

チーム2:パーシヴァル、八幡、

 

チーム3:シルヴィア、オーフェリア

 

チーム4:雪ノ下、川崎、マフレナ

 

 

八幡「このチームで行こうと思っている。このチーム分けでなんか質問あるか?」

 

シルヴィア/オーフェリア「八幡くん(八幡)と一緒が良い(良いわ)っ!」

 

 

はぁ………やっぱり突っ掛かってきたか。

 

 

八幡「あのね、これは星武祭なの、遠足じゃないの。駄々をこねるんじゃありません。」

 

シルヴィア「でも私と八幡くんのペアならすぐに1学園を倒す事だってできると思う!」

 

オーフェリア「私とだって可能な筈よ。」

 

シルヴィア「それに【優騎士】、平気な顔を装って八幡くんに紅茶の入れ方とかを教えて貰う気なんでしょう?わかるんだからね!」

 

八幡「おいコラ、他人を巻き込むな。」

 

パーシヴァル「そんな事は……少しは考えましたが。」

 

 

考えてたのかよ………

 

 

オーフェリア「八幡、シルヴィアとはいつも一緒なのだから私と組むべきよ。一緒に組んで敵を倒してから遊撃に向かえばいいわ。良いと思わない?」

 

シルヴィア「ダメッ!!私が八幡くんと一緒になって戦うのっ!!」

 

オーフェリア「いいえ、私が八幡とペアになるのよ。」

 

シルヴィア「もう!オーフェリアさんの分からず屋!」

 

オーフェリア「シルヴィアの欲張りさん。」

 

2人以外「…………」

 

 

そして冒頭に戻るのだが、なにこの2人?どんだけ俺と一緒に戦いたいんだよ。

 

 

雪乃「……序列1位同士が比企谷くんの取り合いでケンカしているなんて前代未聞だわ。」

 

川崎「だね。あたしも初めてだよ。」

 

カミラ「彼も苦労しているみたいだね。」

 

パルソーム「こ、こんな光景初めて見た……」

 

荒屋敷「ガハハハハッ!!相変わらずモテモテだな比企谷っ!!」

 

 

そう思っているのなら止めて欲しい。あと荒屋敷、お前はゲラゲラ笑ってんじゃねぇ。

 

八幡「……チームは変えない。このままで行く。尚、チーム1はガラードワース、チーム2が界龍、チーム3がクインヴェール、チーム4が星導館だ。もしも同盟チームがあったら、そのチーム同士が1つのチームになって攻めていけ。そして学園を倒したら報告してもらうんだが、その際はサウンドオンリーで報告してくれ。戦闘中かもしれないからな。今の所はこんな感じだ。じゃあ何か質問はあるか?出来る限りで答える。」

 

マフレナ「えっと、制圧した場合は何処へ向かえばいいのでしょうか?」

 

八幡「界龍の所まで来てくれ。六学園の中で1番数が多いし、個々の能力も高い。人が欲しいところだ。俺とガードナーで時間稼ぎはするが、あの人数相手でまともにやり合ったら俺はいいが、ガードナーは持たない。時間稼ぎをするだけだ。もし終わったら俺が指定した場所に行ってくれ。そこで奴らの見張りをしてくれればいいから。そして他の学園が全て潰れたら総攻撃をかける。」

 

マフレナ「ありがとうございます。」

 

八幡「他に何かあるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

荒屋敷「ねぇよ。何なら片っ端から叩き潰しに行くまでだぜ。」

 

八幡「女もか?」

 

荒屋敷「それはシオンとかいう奴に任せる。」

 

八幡「押し付けじゃねぇか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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2人の空飛ぶデート

 

 

八幡side

 

 

シルヴィア「………」

 

八幡「……はぁ、まだ膨れてるのか?」

 

シルヴィア「だって八幡くんとのペアが良かったんだもん。オーフェリアさんが嫌ってわけじゃないけど、何で私たちをペアにしなかったの?」

 

八幡「バランス的な意味もあるが、1番は連携だな。考えてもみろ、あの中の面子でオーフェリアと荒屋敷どちらでもいいが、その2人のチームに望んで入りたいって思える奴はいると思うか?まず居ないだろう。今じゃだいぶマシになって来たレヴォルフだが、まだまだ不良校っていう印象はついたままだ。だからこそあのチーム分けをしたんだ。シオンなら荒屋敷と組んでも問題なさそうだし、シルヴィならオーフェリアと組んでも問題なさそうだと思ったからだ。もしレヴォルフとガラードワースを一緒にしてみろ、3分も持たないぞ。」

 

 

大体はこんな理由だ。強力な面子だが連携は取れない。何せよせ集めだからな。

 

 

シルヴィア「……うん、分かった。ゴメンね、ワガママ言って。」

 

八幡「気にするな、俺も気にしてないから。だがお前とオーフェリアなら多少の連携は取れると思ってる。会ったら俺の事で話し合ってるお前らだ、出来るだろ?」

 

シルヴィア「ちょっと自信はないけど、うん、頑張ってみるよ。」

 

 

ふぅ……なんとか納得してくれたな。オーフェリアもこんな感じで納得してくれればいいんだがな。

 

 

シルヴィア「チーム4はマフレナちゃんが2人をひたすら強化して、相手を倒していくっていう感じかな?もう1人人材が欲しいけど、そこまで人を割けられないもんね。」

 

八幡「できれば俺も行ってやりたいが、流石に無理がある。分身も使えなくはないが、多過ぎればその分弱くなる。冒頭の十二人のレベルに合わせるのなら、分身の数は5人が限界だ。」

 

 

シルヴィア(それって充分過ぎるんじゃないの?)

 

 

八幡「それにあの2人なら問題無いだろ。川崎も序列31位だから冒頭の十二人の何人かとは互角に戦えるだろうし、雪ノ下も陽乃から鍛錬や手解き受けてんだ、そう簡単にやられはしないだろう。」

 

シルヴィア「……そうだよね、それにマフレナちゃんからの援護や支援もあるから大丈夫だよね。」

 

八幡「その筈だ。荒屋敷とシオンのチームは……まぁ問題ないだろう。荒屋敷は女に手は出さないが、そこはシオンに任せればいいだろう。俺とパーシヴァルは隠密&時間稼ぎって所だ。」

 

 

時間を稼ぐって言ってもどうやろう?玄武の憑霊で道に壁を作るとか?

 

まぁそれはこれから考えるか。

 

 

八幡「それよかシルヴィ、これからどうするよ?帰ってもする事はないぞ?」

 

シルヴィア「そうだね〜……あっ、八幡くん!一緒に空のデートしない?」

 

八幡「空のデート?」

 

シルヴィア「うん!空を飛びながら六花を見て回るの!どう?面白そうだとは思わない?」

 

八幡「確かにろっかを空から眺めた事は一度もなかったな。よし、じゃあ行くか。」

 

シルヴィア「やった♪天羽(フィエロ)!」

 

八幡「憑霊……夜宴(よるうたけ)大闇鴉(おおやみからす)。」

 

 

シルヴィは星辰力で白い翼を、俺は憑霊で黒い翼を出してから手を繋いで一緒にそれへと飛び立った。

 

 

シルヴィア「わぁ〜綺麗っ!」

 

八幡「夕方だが今は冬だからな、灯りがつくのが早いんだろうな。確かに綺麗だ。」

 

 

今は午後5時だが、辺りはすっかり暗い。そのおかげもあってか六花の街灯やビルや家などといった灯りが灯されているため、夜の帳と化していた。

 

六花に移り住んでから4年も経ってるのに、この景色は初めて見る。シルヴィがあんな事を言わなければこの景色は見られなかっただろうな。

 

 

シルヴィア「……ねぇ八幡くん。」

 

八幡「ん?どうした?」

 

シルヴィア「八幡くんはさ、この星武祭をどうしてやろうって思ったの?八幡くんはもう叶えたい事とかないんでしょ?なのにどうして出ようと思ったの?」

 

八幡「そんなの簡単だ。シルヴィと一緒に出たいって思ったからだ。俺はシルヴィと一緒に暮らしたり過ごす事は出来ても、一緒に戦ったりすることは出来ないのかって思ってた。だが、そんな時にこの星武祭の話が出て来た。これは出ないとって思った。最初で最後のシルヴィと共闘できるチャンスだって思ってな。だからだな。」

 

 

これを逃したら次はもうないって思ってたのかもしれない。もしも《鳳凰星武祭》が他学園とのタッグ有りなら俺は当然シルヴィを選ぶ。選ばない理由がないからな。

 

 

シルヴィア「そっか……そんな風に考えてたんだね。実は私も一緒。八幡くんと戦えるなら出ちゃおうって思ってたんだ。そう思ったのは麗蘭さんの話を聞いている時かな。でもあの時はすごくビックリしたよ。」

 

八幡「あぁ、何しろ界龍とクインヴェールの同盟が禁止だったからな。おかげでこんな形で参加することになっちまった。まっ、後悔はしてないけどな。というより、俺は楽しめればそれでいいと思ってる。」

 

シルヴィア「あっ、八幡くんも?私も楽しめばそれでいいかなって思ってるんだ。だって優勝しても……ねぇ?お願いなんてもう何もないし。」

 

八幡「まぁ、気楽に行こうか。」

 

シルヴィア「うん、そうだね。」

 

 

 

 

 

 

 



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《黄昏星武祭》の説明

 

 

ーーーーーー

 

 

簗瀬『さぁー皆様!!!ついについにこの日がやって参りました!!異例中の異例!!新星武祭である学園対学園の総力戦バトルの《黄昏星武祭》がついに開幕します!!ご存知ない方の為に簡単な説明を致します!《黄昏星武祭》とは、先程言いました通り学園の総力をあげて戦う星武祭の事です!細かな内容は他の星武祭と同様です。尚、この星武祭は全員が参加権を持っていますが、戦いに参加しない生徒もいます。さらに1学園につき他の学園と同盟を組むことも出来ます。なので、優勝する学園は1つだけではありません!!』

 

チャム『そして今回は特例で学園ではなく、生徒同士での同盟が認められてるっス。生徒同士の場合は合計10名が入っていれば参加可能っス。ただし、1学園につき2名までなので、最低でもほぼ全ての学園に回らなければならないというきついルールがあるっス。今回は1チームだけ居るけどね。』

 

簗瀬『皆さんが気になっている優勝した際のお願いのことですが、これは星武祭中に活躍した上位10名までが得られます。流石に優勝した学園の全生徒に与えてしまっては多過ぎるからとの判断です。そしてこの星武祭では校章を完全に破壊しなければ倒した事にはなりません。例え意識消失(アンコンスシャスネス)だっとしても、大会中に意識を取り戻していれば、戦いに参加可能ですので、参加される生徒の皆さんは校章の壊し忘れに注意して下さい!』

 

チャム『いやーでも楽しみっスね〜!この前にシーズン最後の《王竜星武祭》が終わったと思ったら矢先に新しい星武祭が開かれるんだから驚いたっスよ!しかも《鳳凰星武祭》も通例通り行うみたいだから、今年出場予定の選手はかなり忙しい上半期になりそうっスね。』

 

簗瀬『全くですね!!さて、では最初に出場する学園の紹介をしていきましょう!!まず最初は前年度の総合成績第1位、圧倒的な実力を見せつけ、その強さを六花中に知らしめた生まれ変わった龍!《界龍第七学院》です!!リーダーは3代目【万有天羅】であり、現序列2位の茫星露が務めます!』

 

チャム『単純な戦闘力ではこの学院が1番だね。それに規模が大きいだけあって生徒も多いから間違いなく優勝に1番近い学院っス。』

 

簗瀬『続いては麗しき女学園です!昨年は総合2位の成績!界龍に続いて輝かしい実績を収めた学園、今回も勝利の女神は微笑むか!?《クインヴェール女学園》です!リーダーは序列2位のネイトネフェルです!』

 

チャム『界龍や他の学園に比べたら存在感や迫力は今ひとつだけど、個人の実力や連携では負けてないから、コンビや連携で攻めたら、間違いなくこの学園にも勝機はありそうっスね!』

 

簗瀬『王座からは退きましたが、まだその栄光は落ちたわけではありません!この場で優勝して、栄光を勝ち取れ!《聖ガラードワース学園》!リーダーは現序列1位、エリオット・フォースターです!そしてここでお知らせです!聖ガラードワース学園はクインヴェール女学園と同盟を組んでいます!』

 

チャム『全シーズンはまさかの結果もあって最下位だったけど、見限られるような学園じゃないっスよ。それに何と言ってもチーム戦にはめっぽう強い学園だから、もしかしたら界龍とも渡り合える可能性があるっス!』

 

簗瀬『前年度では勝ち星は上げられませんでしたが、今年1番の星武祭ではどうだ!?前年度成績3位の《星導館学園》!序列2位のクローディア・エンフィールドが学園を引っ張ります!』

 

チャム『特色の無い学園だけど、その分バランスのよく取れた学園ともいえるから注目の学園っスね。さらに隠れた実力者も多くいる学園であり、タッグ戦やチーム戦も得意方面だから、この学園にも期待っス!』

 

簗瀬「尚、レヴォルフ黒学院、アルルカント・アカデミーは不参加との表明が出ていましたので、今回の星武祭には不参加という形になります!そして、注目すべき所がもう1つだけあります!それは何と言っても独自で作り上げたチームです!自身を合わせた他学園の生徒、合わせて10名でおよそ1,000人もの生徒と戦います!チーム名は【月影】!界龍第七学院序列1位、比企谷八幡がチームの指揮を執ります!』

 

チャム『10名揃ってはいますが、僅か10名でどれだけ戦えるのかが鍵になってくるっスね。そしてこの中には3名の序列1位がいて、1名が元序列1位っス。他にも序列入りしているのが数名いるから、善戦はできると思うっス。』

 

 

簗瀬『さて、今回出場するのはこの4つの学園と1チームです!試合開始は12時ちょうど!!皆様、それまでの間にジュースとポップコーンを忘れずに買っておいてください!!忘れたら食べたいとき飲みたい時に食べられないので、買っておいた方がお得です!!』

 

チャム『因みに私たちも試合の合間を見ながら食べて実況と解説をしていくから、そこの所よろしくお願いするっス。』

 

簗瀬『では、大会開始の合図までしばらくお待ちください!』

 

 

 

 

 

 

 

 







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開会式前のリーダー邂逅

 

 

八幡side

 

 

さて、残り30分もすれば星武祭の始まりなんだが、1つだけ物申したい。

 

 

八幡「なんで開始前直前に開会式なんてやるんだ?時間の無駄だろ。しかもチームリーダーをシリウスドームに集めるなんて疲れさせる気満々だろ。」

 

シルヴィア「まぁまぁ抑えて八幡くん。召集かけられてたんだから仕方ないよ。」

 

エリオット「こんな事で文句を言うなんて、意外と懐が浅いんですね。」

 

八幡「あん?じゃあお前は何の意味もない、なんの進展もない会議に参加してても平気なのか?」

 

エリオット「それとこれとは話は別です。開会式なんですからしっかりやるべきでしょう。それよりも、僕は貴方に言いたいことがあるのですが、いいでしょうか?」

 

八幡「何だ?」

 

エリオット「パーシヴァル先輩の事です。あの人は我々ガラードワースの主戦力とも言っていい人物です。なぜ彼女を選抜したのですか?」

 

 

いやいや、そんな答え決まってるだろ。

 

 

八幡「何故って……役に立つ、チームに入ってくれたら心強い、そんな理由だからだよ。それに俺は強要なんてしてないからな。」

 

エリオット「えぇ、それは彼女本人から聞きました。ですが気に食わなかったのです。我々よりも貴方の味方についたことが。」

 

八幡「あっそう。」

 

 

成る程ねぇ……フェアクロフさんを見ているから思える事だが、こいつにはまだ【白濾の魔剣(レイ・グラムス)】は早い。こんな事でとやかく言うようではフェアクロフさんの足元にも及ばないな。まぁこれ言ったら戦闘に支障が出るから言わないでおくけどな。

 

 

ネイトネフェル「そういえばシルヴィア、【ルサールカ】の面々も、特にトゥーリアが怒っていたわよ。何でマフレナを引き抜いたんだって。」

 

シルヴィア「そんなこと言われてもなぁ……彼女の能力が私たちのチームに役立つって思ったからなんだけど。それに、学園の誰を誘っても反感を買うことくらい分かってたからね、なら私が思う最高の子を誘った方が良いと思っただけだよ。」

 

ネイトネフェル「そう……私は別に何とも思わないけど、【ルサールカ】は貴方と【万有天羅】を狙いながら動くと思うわよ。私でも命令はしておくけど、彼女たちが止まるとは思えないから一応言っておくわ。」

 

シルヴィア「なんで敵にそれを言うのかは敢えて聞かないけど、分かったよ。注意しておくね。」

 

 

あぁ〜マフレナって奴は【ルサールカ】の一因だったな。確かに反感は買うわな。チームメンバーの1人を引き抜いたんだからな。こりゃシルヴィは狙われるだろうな。

 

 

八幡「けどお前ら、同盟組んでたんだな。」

 

エリオット「今の僕たちガラードワースでは、界龍には勝ち目がないと思いましたので。同盟の発表があってから、クインヴェールに協力を持ちかけようと思ってたんです。少しでも勝率はあった方がいいですからね。」

 

ネイトネフェル「でもこの子残念がってたわよ。私の所に来た時なんか、『え!?リューネハイムさんがリーダーではないのですか!?』って見るからに落ち込んでたもの。」

 

エリオット「なっ!!?そ、そんな事はありません!!比企谷さんを出し抜けると思っていたのが失敗したので落ち込んだだけです!そういう理由ではありません!」

 

 

………ほほぉう?

 

 

八幡「残念だったなフォースター、シルヴィは俺の永久予約が入っていてな。お前じゃ無理だ。」

 

エリオット「だから違います!それよりもさっきから気になっていたのですが、何故リューネハイムさんが此処に?リーダーなのですか?」

 

シルヴィア「私はサブリーダーだよ。此処にいるのは八幡君と一緒にいたいからだけど、迷惑?」

 

エリオット「い、いえ!そういう訳ではありません!ただの疑問なので気にしないでください!」

 

 

………こいつって女に弱いのか?なんかこの前もシルヴィの前で口説こうとしていたようなないような……まぁいっか。

 

 

クローディア「あら、それなら私も綾斗を連れて来ればよかったでしょうか?【戦律の魔女】が来られるのなら、私も綾斗を連れて来ればよかったです。」

 

八幡「天霧の事か……」

 

シルヴィア「彼もモテモテだね〜。」

 

 

確かにな……別に羨ましくはないどな。俺にはシルヴィがいればそれで良い。」

 

 

シルヴィア「も、もぉ〜八幡くん、そういうのはあまり人前で言わないでよ///」

 

八幡「……え?声に出てたか?」

 

シルヴィア「う、うん///」

 

八幡「わ、悪い。けど本音だから許してくれ。」

 

シルヴィア「はい、許します♪」

 

 

流石はシルヴィアだ。

 

 

ネイトネフェル「私たちがいる前でイチャイチャしないでもらえるかしら?胸焼けしそうだわ。」

 

クローディア「流石というべきの仲ですね。私もそのようなお付き合いをしてみたいです。」

 

エリオット「も、もも、もう少し慎みというものを弁えて下さい!!」

 

 

俺たちからしてみれば普通のやり取りなのだが、他人からの視線のこれは少し過激なのだろうか?なら少しセーブしないとな。

 

その後は開会式も滞りなく進み、俺たちはチームのスタート地点へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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開幕!

 

 

八幡side

 

 

………よし、全員集まってるな。

 

 

八幡「よし、じゃあ作戦会議するから、全員1度集まってくれ。」

 

荒屋敷「おいおい比企谷よぉ、今更会議なんか必要か?ただ目の前の敵を片っ端からぶっ潰すだけなのによ。」

 

八幡「お前はそうかもしれんが、俺は慎重派でな。俺の考えを全員に伝えなきゃ気が済まなくてな。」

 

荒屋敷「そうかよ。まっ、リーダーはお前だ。お前の好きにしな。」

 

八幡「言われなくてもそうするつもりだ。じゃあ始めるぞ。此処にいる全員もう知ってると思うが、ガラードワースとクインヴェールが手を組んだ。チームは変えないが、俺は分身を作って各チームに1人ずつ付くことにした。俺の分身が敵の偵察を行ってから、相手に攻めるか待ち伏せするかを決めてくれ。俺の分身も戦闘には加わるが、実力は他学園の冒頭の十二人くらいだって事を覚えておいてくれ。」

 

雪乃「……つまり、相手の戦力や士気を伺ってから攻めるか待機するかを選んでほしいというわけね?」

 

八幡「そんな感じだ。分身なら念話が出来るから、俺にも情報が入るしな。そしてガラードワースとクインヴェールを攻める2チーム。お前らは特に作戦を立てるに当たっては慎重に動け。独自で攻めてくる可能性もあるし、合流して攻めてくる可能性もある。だからもし攻めるのであれば、冒頭の十二人に集中しろ。その方が相手の士気はグンッと下がるだろうしな。」

 

 

クインヴェールはシルヴィアとオーフェリア、ガラードワースは荒屋敷とシオン。前者の2人なら大丈夫だと思うが、後者が心配だ。特にシオンの心労が。

 

 

八幡「星導館の3人はこの前の会議通りにやってくれればいい。もし何か変な動きがあれば、すぐに退散しても構わない。」

 

 

マフレナ「一理ありますね。相手の幹部陣を倒せば、こちらの士気も上がりますからね。ですが攻め過ぎも厳禁ですね。こちらは10人しかいないのですから。」

 

八幡「あぁ。だから星導館を攻めるチームの中で指揮の出来て、サポート能力の高いお前にこの2人の強化兼支援とサポートを頼む。それに、ただただ勇んで戦ったとしても、勝てない戦いに挑むのは匹夫の勇と同じだからな。」

 

マフレナ「ひ、ひっぷのゆう?」

 

オーフェリア「………匹夫の勇とは何かしら?」

 

雪乃「匹夫の勇は思慮深く考えず、ただお盛んで血気にはやるだけの勇気の事よ。 思慮も分別も無く、ただ腕力に頼るだけのつまらない勇気という意味もあるわ。もっと砕いて言うと猪武者ね。」

 

 

雪ノ下、それは日本人しか分からんと思う。

 

 

シルヴィア「取り敢えずは、私とオーフェリアさん、【無頼漢】とシオンくんは相手学園の様子を見ながらって事でいいんだよね?」

 

八幡「あぁ。もしいけるようだったらそのまま攻めても構わない。」

 

シルヴィア「じゃあ攻めよっかオーフェリアさん!早く八幡くんの所に行くためにもね!」

 

オーフェリア「………そうね、八幡の所に早く行く為にも、クインヴェールを1秒も早く倒して八幡と合流しましょう。」

 

 

他のチームに加勢しようとは思わないの?相手は同盟してるんだからそっちを手伝ってあげてよ。

 

 

沙希「けど比企谷、あんたはこの前時間稼ぎをするって言ってたけど、あんたたち2人だけで界龍を止められるの?比企谷は兎も角、ガードナーはキツイと思うよ?」

 

八幡「何も動きながら時間稼ぎをするわけじゃない。相手を威圧しながら止めるっていう方法もあるだろ?」

 

雪ノ下「はぁ……貴方らしい考えね。」

 

カミラ「私からも1つ問おう、比企谷八幡。シオンくんの事だが、何か不具合が起きたらどうする?我々は彼の事を充分には理解していない。その場合はどうする?」

 

八幡「あぁ、それについては心配ない。こいつ自己修復機能持ってるから。不具合や異常が出た時は一瞬で解析して一瞬で治すから問題ない。流石に人体部分の不具合は治せないけどな。」

 

カミラ「そうか、分かった。」

 

 

これで一通りは終わったか?

 

 

荒屋敷「にしてもよ、こんなちっこいのが俺のペアか?随分と頼りねぇな、おい。」

 

シオン「安心しろ、すぐにお前の評価をひっくり返してやる。」

 

荒屋敷「ほう、言うじゃねぇかよ。そんじゃ少しは期待してるぜ。」

 

シオン「その台詞、そのまま返す。俺も少しはお前を期待するとしよう。」

 

カミラ「シオンくん、何かあれば私たちにすぐ言いたまえ。できる限りのサポートはする。」

 

パルソーム「俺も頑張ります!」

 

 

 

 

 

シルヴィア「よぉ〜し!オーフェリアさん、早く倒して八幡くんの所に向かおうね!」

 

オーフェリア「………えぇ、八幡の所に行くのは最優先事項だわ。」

 

 

 

 

 

マフレナ「で、では、よろしくお願いします!」

 

雪乃「えぇ、こちらこそお願いするわ。」

 

川崎「まさか雪ノ下と組む日がくるなんて思わなかったよ。今日はよろしく。」

 

雪ノ下「えぇ、こちらこそ。」

 

 

 

 

 

八幡「悪いなガードナー。お前には1番嫌な場所で組ませる形になっちまってよ。だが一人いるだけでも安心感は違うもんだから我慢してくれ。」

 

パーシヴァル「いえ、元から受け入れていますので。それに、比企谷さんと組めるだけでも貴重な体験です。精一杯努めさせて頂きます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

簗瀬『それでは、時間になりました!!!第1回《黄昏星武祭》!バトルゥ〜……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタアアアァァァァァトオオォォォォ!!!!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 



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動き出す学園

 

 

ーーーチーム《月影》ーーー

 

 

八幡「よし、お前ら散れ!いきなり校章破壊なんてされるなよ!」

 

パーシヴァル「お伴します!」

 

シルヴィア「マッハで倒そっ、オーフェリアさん!」

 

オーフェリア「………校章だけを狙うわ。」

 

荒屋敷「連れてってやるよ!ガキのままじゃ遅くて仕方ねぇだろ?」

 

シオン「大人になれるんだが………まぁいい。」

 

カミラ「私とレビテートはこの場所でサポートをする。遠慮なく言ってくれ、シオンくん。」

 

パルソーム「カミラさん、僕も出来る限りのアシストはします!」

 

沙希「あたしたちは星導館だね、じゃあ行こっか。」

 

雪乃「えぇ、まずは様子見ね。」

 

マフレナ「強化なら任せてください。」

 

 

ーーー星導館学園ーーー

 

 

クローディア「始まりましたか……皆さん、これから進行をします!周りに警戒しながら進んで来てください。特に感知系の皆さんはよろしくお願いします。」

 

ユリス「クローディア、私たち遠距離組も辺りを警戒しておいた方が良いのではないか?」

 

紗夜「リースフェルトの言う通り。少しでも人数を増やすべき。」

 

クローディア「いえ、そうしてしまうと戦闘に支障が出ます。此処は感知系だけでいきます。」

 

ユリス「……そうか、分かった。」

 

 

ーーー聖ガラードワース学園ーーー

 

 

エリオット「では、進行します!アーネスト先輩、そちらはお願いします!」

 

アーネスト「任されたよ。じゃ僕たちは敵を叩きに行こうか。」

 

「「「おぉ〜〜〜!!!」」」

 

エリオット「僕たちはクインヴェールと合流しに行きます!合流に成功次第、アーネスト先輩の班と合流します!」

 

 

ーーークインヴェール女学園ーーー

 

 

ネイトネフェル「じゃあ私たちはガラードワースと合流を目指して進むよ。周りの警戒は怠らないようにしなさいよ。」

 

トゥーリア「ネイトネフェル!!オレたちをシルヴィアとマフレナの所に行くのを許可してくれよ!!」

 

モニカ「そうよ。シルヴィアにはきっちり借りを返さなきゃ気が済まないわ。」

 

ネイトネフェル「借りも貸しもないでしょ……とにかくダメよ。あんた達がいなくなったら、私たちの戦力は大幅にダウンするんだから。我慢しなさい。」

 

トゥーリア「行かせてくれよー!!シルヴィアさえ倒してくればちゃんと戻ってくるから!!」

 

パイヴィ「……トゥーリア、もう無理。リーダーの言うことを聞く。」

 

ミルシェ「私たちのやるべきことをやってから倒しに行こうよ。今は我慢!」

 

 

ーーー界龍第七学院ーーー

 

 

虎峰「師父!なぜ進行しないのですか!?」

 

セシリー「そうだよー!私早く戦いたーい!」

 

星露「ほっほ。妾たちはここで暫く待機じゃ。妾たちはのう。まずは第一陣を攻めさせ、次に第二陣、第三陣に妾たち第四陣が波のように攻める、波状攻撃と言ってのう。相手に休む暇を与えず、妾たちは連続して攻撃を繰り返す戦法じゃよ。そしてこの戦法の大きなポイントは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陣が高くなる毎に強さが増すという事じゃ。」

 

 

ーーークインヴェール女学園ーーー

 

 

???「皆〜!!にらめっこしな〜い?」

 

 

誰かの一声でクインヴェールの生徒全員が後ろを振り向いた。

 

 

「か、会長……会長です!!シルヴィアさんが後ろから現れました!!」

 

シルヴィア「私だけじゃないんだけど、取り敢えずは攻めさせてもらうよ!」

 

 

シルヴィアは煌式武装も装備せずに素手だけで戦うつもりだった。そしてそのままクインヴェールの生徒がいる方向へと歩いて行った。

 

 

「っ!会長を近づけさせないで!」

 

「ここで食い止める!」

 

 

クインヴェールの生徒たちも持っている煌式武装でシルヴィアに向けて発砲しているのだが、何かのシールドに遮られているせいか、全く届いていなかった。

 

 

シルヴィア「うーん、狙いは良いけど火力が足りないね。じゃあ今度は私がやるよ。愛の聖歌(セロ・ホーリックス)。」

 

 

シルヴィアの周りには大きな五線譜が現れて、次々とクインヴェールの生徒に向かって行った。その際にもシルヴィアを狙う生徒はいたのだが、五線譜が守っているからか、全く届かなかった。そしてシルヴィアが歌い終わると、その五線譜は一気にクインヴェール生徒へと襲いかかった。

 

 

『校章破壊×43』

 

 

シルヴィア(43人撃破っ♪この調子で行こう!)

 

 

そして建物の陰に隠れている2人は………

 

 

オーフェリア(………この戦い、私必要かしら?)

 

分身(俺の来た意味もないのでは?)

 

 

ーーーガラードワース学園ーーー

 

 

荒屋敷「ストップだぜ、ガラードワースの皆さんよぉ〜。俺たちと遊んでくれや。」

 

「なっ!?比企谷八幡にあいつはレヴォルフの元序列1位、【無頼漢】です!!」

 

荒屋敷「へぇ、俺を知ってんのかい?嬉しいねぇ。けどよ、こっからは口でのお喋りはいらねぇぜ?拳と剣で語り合おうぜ?」

 

アーネスト「……戦闘態勢を取るんだ。彼らは侮れない。一瞬の油断も命取りになる!」

 

荒屋敷「あっ、伝え忘れた!ちょい待ち!」

 

 

ガラードワースの面々は面食らったかのように動きを止めた。

 

 

荒屋敷「おい、お前らの中で自分が男だと思う奴はそこにいろ!女だと思う奴はこのガキのいる方に集まれ!」

 

 

すると荒屋敷はシオンを自分の横へと投げ飛ばした。その距離約50Mであった。

 

 

荒屋敷「俺は女には手を出さない主義でな。男ならタイマンでも集団でも相手になってやるよ。」

 

シオン「結局はこうなるのか……まぁいい。」

 

アーネスト「……レヴォルフにこんな紳士的な人がいたなんてね、意外だったよ。皆、男女に分かれるんだ。男子は彼の前に、女子は比企谷くんとあの少年の前に。」

 

 

アーネストが指示を出すと、すぐに分かれた。

 

 

荒屋敷「嬉しいねえ……俺の提案をこうも飲んでくれるなんてよ。あんた話が分かるじゃねぇか。」

 

アーネスト「その言葉は素直に受け取っておくよ。でもここからは言葉は不要。」

 

荒屋敷「あぁ。こっからは……拳と剣だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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攻める同盟チーム

 

 

ーーーーーー

 

 

ーーー聖ガラードワース学園ーーー

 

 

『校章破壊』

 

 

「く……そぉ……」

 

「何なんだよあいつ、化け物かよ……」

 

「たった一撃で……しかも校章を的確に狙ってくる。それにカウンターで仕掛けてくるなんて……」

 

荒屋敷「おいおいおいどうしたんだよ?歯応えが全くねぇぜ?最初の威勢はどうしたんだよ?ありゃ飾りか?もう50人倒したぜ?」

 

 

荒屋敷とガラードワースが戦いを始めてから早10分、たったこれだけの時間でガラードワースは約50人もの生徒が戦闘不能(校章破壊)になっていた。実力差という理由もあるが、荒屋敷は無駄な動きを一切取り除いて、校章を壊すためだけに専念した動きをしていた。

 

 

アーネスト(成る程……【無頼漢】という2つ名は伊達ではないというわけか。それにしても、たったこれだけの時間でここまでやるなんてね……)

 

 

荒屋敷「さて、お次は誰が相手してくれるんだ?何だったら【聖騎士】でもいいぜ?あんたが1番骨がありそうだからな。」

 

アーネスト「ご指名とはね……でも、現役の頃のようには行かないかもしれないよ?僕は今、序列1位じゃないからね。」

 

荒屋敷「ンなの関係ねーよ。お前の強さってのは序列でしか測れねぇのかい?元1位同士なんだからよぉ〜………本気でやり合おうぜ?」

 

 

荒屋敷がアーネストにそう言うと、周りの空気が一変して重々しい空気がのしかかった。明らかに荒屋敷がアーネストを威圧している。だがアーネストはそれを介さず普通の状態を保っていた。

 

 

荒屋敷「ほう……流石は【聖騎士】だな。こんくらいじゃあ動かねぇか。ま、当然だな。」

 

アーネスト「でもご指名を受けたからね。その勝負、受けて立とうじゃないか。」

 

荒屋敷「よっしゃ!そう来なくっちゃあな!」

 

 

今、レヴォルフとガラードワースの元序列1位同士の戦いが始まろうとしていた。

 

 

一方、シオンとガラードワースの女子グループはというと………

 

 

シオン「………まだだろうか?」

 

「ちょっと待って!後もうちょっと!」

 

 

シオン(その言葉はさっきから繰り返し聞いているんだが、いつになったら戦いを始めてくれるんだ?)

 

 

この10分の間で戦闘は全く行われておらず、それどころか女子は大人数で何かの話し合いをしているのだった。

 

その会話はシオンには聞こえない声量で今も行われている。

 

 

「ねぇ!どうするのさ!」

 

「どうするも何も戦うしかないんだけど、あんな小さな子と戦うなんて私には無理だよ〜!」

 

「で、でもさ、《王竜星武祭》で見た時は大きくなかった?青髪のイケメンじゃなかったっけ?」

 

「そうなんだけど!そんなんだけどぉ〜!」

 

 

シオン「………この時間は一体なんなのだろう?」

 

 

シオンの戦いはまだ長引きそうである。

 

 

ーーー星導館学園ーーー

 

 

マフレナ「雪ノ下さん!奥に行き過ぎです!もう少しで囲まれてしまうので後退しながら敵を倒してください!私も援護します!川崎さんはそのまま敵を倒していって下さい!比企谷さんも敵を倒していって下さい!」

 

雪乃「分かったわ!」

 

沙希「了解!」

 

八幡「分かった。」

 

 

星導館側でも既に戦闘が行われており、マフレナの指示を聞きながら戦いに応じていた。

 

 

分身「雪ノ下、右側はお前がやれ。左は俺が引き受ける。ただ、無駄な動きはするなよ?校章がある部分を集中的に狙え。それが難しかったら、能力で校章の場所を凍らせてから砕いてみろ。」

 

雪乃「分かったわ。」

 

分身「そういうわけだマフレナ、お前はそのまま後方支援と指示を続けろ。俺が援護に回る。」

 

マフレナ「は、はい!分かりました!」

 

 

マフレナ(凄い……比企谷さんがいるだけで凄く指示が出しやすい。私がやりたいと思った事を先に動いてくれる……まるで私の予想を先読みしているみたいに。)

 

 

分身「川崎、俺たちの方に来れるか?」

 

沙希「……ちょっと無理。敵の数が多くなって来たからこのまま倒してそっちに行くのは厳しい。」

 

分身「そうか……よし。雪ノ下、掴まれ。」

 

雪乃「え?」

 

分身「憑霊、夜宴・大闇鴉。」

 

雪乃「っ!その姿は……」

 

分身「喋るなよ?舌噛むから。」

 

雪乃「え?きゃ!」

 

 

八幡は雪ノ下の手を掴んだまま、空を飛んだ。そして川崎のいる所へと向かった。

 

 

八幡「よし、着いた。」

 

雪乃「驚いたわよ、突然空を飛ぶんだもの。」

 

沙希「でも合流出来たね。で、どうするの?」

 

八幡「いいか、お互いに背中を任せながら戦うんだ。目の前の敵だけを倒せ。後ろは気にするな、俺の能力で守る。」

 

雪乃「貴方は大丈夫なの?」

 

八幡「心配ありがとよ。だが心配ない。」

 

沙希「無駄に説得力あるね。」

 

八幡「よし、んじゃあ突っ込め!目の前にいる奴の校章、容赦なく叩き割ってやれ!」

 

 

マフレナ(うわぁ〜凄いなぁ……あんな風に合流させるなんて思っても見なかった……やっぱり比企谷さんは凄い。よしっ、私も負けてられない!)

 

 

星導館へ向かったチームは士気も高く、2人の指揮官がいるため、バランスよく動くことができている。陣形の構築や強化をするマフレナ、攻め方や動きの最適化を支持する八幡、2人がいることによって川崎と雪ノ下の動きが数段鋭くなっているのは紛れもない事実だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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最強魔女の圧巻劇

 

 

オーフェリアside

 

 

………本当に私と八幡の分身がここにいる意味ってなんなのかしら?シルヴィア1人でクインヴェールを倒せそうな勢いだわ。もう半分以上の生徒が校章を壊されて戦闘不能になっているもの。少しだけど怖いわ。

 

 

オーフェリア「………八幡、シルヴィアが圧倒的すぎて怖いわ。シルヴィアって今本気なのかしら?」

 

分身「……どうなんだろうな?けど、なんかシルヴィの背中に鎌を持った絶世の美女が見えるんだが、気のせいか?しかも微笑んでるのに、目が全く笑ってねぇ……」

 

 

………きっと気のせいじゃないわ、本当に見えているんだと思うわ。

 

 

オーフェリア「………この状況、下手に出て行ったら邪魔になるかもしれないわね。ここで待とうと思うのだけど、どうかしら?」

 

分身「いや、正解じゃね?俺もそうするべきだと思う。それと、抱き着いたりするなよ?多分だけど今のシルヴィ、それを見ただけでも俺たちをギロリと睨みそうな雰囲気もあるから。」

 

 

………そうね、私はまだ死にたくないわ。後でシルヴィには飲み物でも買ってあげることにするわ。

 

 

オーフェリアsideout

 

シルヴィアside

 

 

『校章破壊×5』

 

 

「つ、強い。束になっても勝てないなんて……」

 

「連携もできていたはずなのにどうして……」

 

「流石は会長だわ………界龍の比企谷八幡さんと《王竜星武祭》互角の試合をしただけはあるってわけね。もう最強夫婦じゃない。」

 

 

おぉ、今とっても良い褒め言葉を貰っちゃったよ♪夫婦は余計だけど、今は許しちゃう!それにしても歯ごたえ無いなぁ……これで残り何人?もう後ろ見えて来たよ?

 

 

シルヴィア「さて、次は誰が相手を「オレたちが相手するぜ!」……おっ、やっと出て来たね?」

 

 

私の前に出て来たのは、総員数が1人欠けたチーム《ルサールカ》だった。まぁその1人は私が同盟チームにスカウトしたんだけどね。

 

 

トゥーリア「シルヴィア、よくも私たちを出し抜いてくれたね?驚いちゃったよ、マフレナを引き抜いちゃうなんてさ。」

 

シルヴィア「あっ、そう思う?そうなんだよね〜。マフレナちゃんの強みがチームに欲しかったからさ、お誘いしたらOKしてくれたんだ!良い子だよね〜あの子。」

 

ミルシェ「シルヴィア、だからって私たちに相談もなしに引き抜かないでくださいよ。」

 

シルヴィア「え?なんで相談が必要なの?」

 

モニカ「決まってるじゃない。あの子はチーム《ルサールカ》の一員よ?それを勝手に「それならもうダメって声でも掛けておけば良かったんじゃないの?今更そんな事を私に言っても意味なんてないよ?」っ……」

 

 

それに、そういう意味で責められるのなら、コンビで組んでる子たちに一々許可を得ないとダメってことになっちゃうよね。それって凄く面倒だよ。

 

 

シルヴィア「それで?愚痴はもう終わり?だったら早く掛かってきてよ。私今急いでるんだ。早く八幡くんの所に行きたいから君たちを早く倒したいんだ。」

 

トゥーリア「はっ!それならあんたから来ればいいじゃん!そうすれば手間が省けるんじゃないの?」

 

シルヴィア「え?それってもしかして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなに早く倒されたいの?」

 

 

4人「っ!!?」

 

 

《ルサールカ》シルヴィアから放たれた異常なまでの威圧感を感じ取っていた。何も装備していないシルヴィアなら余裕だと思っていたのだろうか、その姿が逆に今までにない程の圧倒的強者の雰囲気を感じさせる程の空気が4人を震わせていた。

 

 

シルヴィア「そんなに倒して欲しかったのならそう言ってよ〜。私ならいつでも準備万端なんだからさ。じゃあ早速……戦おっか。」

 

 

トゥーリア(っ!早く煌式武装を展開しないとーーっ!?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「相手が目の前にいるのに今から戦闘準備?凄く余裕なんだね〜。」

 

 

ドゴォ!!

 

 

トゥーリア「かはっ!!」

 

 

私はトゥーリアの校章目掛けて星辰力を纏った拳で殴りつけた。勿論トゥーリアはそのまま吹っ飛んで気絶しちゃった。

 

 

『校章破壊』

 

 

シルヴィア「いつもなら君たちの前では優しい生徒会長シルヴィアちゃんなんだけど、今目の前にいるのは君たちの敵だよ?そんな悠長にお話をしている場合?相手が目の前にいるのなら武器くらい構えるのが普通でしょ?今の私をいつもの私と思わない方がいいよ?」

 

 

ミルシェ(………はははっ、本当にそうだ。今のシルヴィアをいつものシルヴィアと同じって考えたらダメだね。私たちを殺しに来そうなくらい怖いもん。)

 

パイヴィ(……何アレ、最早別人。あんな風になるなんて聞いてない。)

 

モニカ(これは………この星武祭が終わっても生きているわよね?私たち。)

 

 

シルヴィア「さぁて、じゃあやろうか。掛かっておいでよ、まとめて相手をしてあげるから!」

 

 

シルヴィアsideout

 

八幡side

 

 

八幡「……まさかお前らと鉢合わせるとはな、これから何処に向かおうとしていたんだ?よければ教えてくれないか、暁彗。」

 

暁彗「………………無論、貴殿の所に向かっていたところだった、比企谷八幡。」

 

八幡「俺ん所かよ、そりゃタイミングが良かったな。俺たちもお前らを探しにここに来たんだよ。なぁ、1つ提案があるんだが、聞いてくれないか?

 

暁彗「………………聞こう。」

 

八幡「サンキュ。このまま俺たちが戦ってもいいんだけどよ、何なら俺たちのチームが他学園倒すまで待ってくんないか?総力戦だから、全部の戦力が集まって戦った方が面白いだろ?」

 

暁彗「………………師父に連絡する。」

 

八幡「おう、頼むわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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最強魔女の無双劇

 

 

シルヴィアside

 

 

ドゴッ!!

 

 

ミルシェ「うぐっ!?」

 

シルヴィア「ふぅ〜……やっぱり歯ごたえが無いなぁ。少しは期待してたんだけど、君たちの実力はこんなものなのかな?手加減しているとはいえ、私に武器すら装備させる事も出来ないの?」

 

モニカ「て、手加減?どういう事?」

 

パイヴィ「……シルヴィア、私たちの校章を壊してない。それが手加減の理由。今のシルヴィアなら、私たちくらい余裕で倒せるから。」

 

シルヴィア「流石の観察力だねパイヴィ。」

 

ミルシェ「手加減されてるのに手も足も出ないなんて……その規格外の強さ、やっぱり比企谷八幡さんに似たんじゃないの?」

 

シルヴィア「ふふっ、そうかもね♪」

 

 

シルヴィア以外(そんな嬉しそうに今のを肯定されても困る………)

 

 

規格外の強さかぁ……それなら八幡くんの方がやっぱりすごいと思うんだけど、私そんなに強いかなぁ?なんかあんまり他人と自分を比べた事ないから分からないよ。

 

 

※六花最強の魔女が何言っとんの?

 

 

シルヴィア「まぁいいや。それじゃあそろそろ決着でもつけようか。八幡くんに会いたいし。」

 

ミルシェ「やっぱりその理由は外さないんだね。でも、勝てないと分かっていても、一矢報いる!」

 

パイヴィ「一太刀は浴びせる!」

 

モニカ「行くわよ、シルヴィア!」

 

 

ーーー10分後ーーー

 

 

シルヴィア「………さて、どうする?後は君だけだよ、ネイトネフェル。」

 

 

その場に立っているのは私とネイトネフェルだけだった。クインヴェールの生徒たちは全員横たわっているか、座っていた。

 

 

ネイトネフェル「貴女、《王竜星武祭》が終わって間もないっていうのに、更に強くなってない?なんか貴女と私の間に凄く分厚い壁を感じるのだけど?」

 

シルヴィア「そう?私には見えないから分からないかなぁ。それで?戦う?それとも投了(リザイン)?」

 

ネイトネフェル「戦うに決まっているでしょう。そうじゃなきゃ貴女に戦って負けた仲間に申し訳ないもの。足掻いて見せるわよ。」

 

シルヴィア「それを聞いて安心したよ。もし投了をしていたら、迷わず君を思い切り殴るか蹴っていたもの。

 

 

ネイトネフェル(本当にやる気だったようね。シルヴィアの雰囲気を見れば分かるわ。)

 

 

シルヴィア「じゃあ始めようか。君の得意な体術なんだから少しは粘ってよ?」

 

ネイトネフェル「言われなくてもそのつもりよ!」

 

 

ネイトネフェルは私に向かって飛び出して来た。彼女は体術の中でも足技が得意。踵落としなんて受けたらひとたまりもないだろうね。でも………

 

 

ネイトネフェル「はぁっ!ふっ!」

 

シルヴィア「………」

 

 

受ける、攻める、また受けて攻める。

 

 

ネイトネフェル「くっ!はぁー!!」

 

 

ネイトネフェルは私に向かって足の連続攻撃を打ってきた。多分だけど攻撃をさせないつもりだろうね。でも私からしてみれば、それはただの自殺行為。

 

 

シルヴィア「フッ!」

 

 

私は彼女の足の腿を1蹴りするごとに2回ずつ攻撃した。すると彼女の蹴りのスピードや足の切り返しがみるみる遅くなっていった。

 

 

ネイトネフェル「うっ!……貴女、私の腿を集中的に狙ったわね?」

 

シルヴィア「痛みで分かるよね、その通りだよ。腿を攻撃してダメージが蓄積すると、足が使えなくなってくるからね。君のはまだ軽傷だけど、続けるのならこれだけじゃ済まないからね。」

 

ネイトネフェル「……そんなことを言われて……終われるわけなんて、ないでしょ!!」

 

 

正面から右足での上段蹴り………ここまでかな。

 

私は彼女の左膝を足裏蹴り、右膝を思い切り肘鉄した。すると彼女を支える足が途端に崩れて倒れた。

 

 

ネイトネフェル「う、ううぅ………」

 

シルヴィア「今のは膝だよ。大きなダメージを与えれば与えるほど支える力はなくなって立てなくなるんだ。今の君が実例だよ。」

 

ネイトネフェル「……何よ貴女、人体の構造まで調べてたの?」

 

シルヴィア「ううん、これは八幡くんの知恵の賜物。人体の急所を教えてもらったからこうやって出来たの。でも凄いよね、こんなに沢山人体に急所があった事に驚きだよ。」

 

 

ネイトネフェル(つまり私はあの連続攻撃をしていた時点で負けていたのね。シルヴィア、貴女あの時から強くなっていたとは思っていたけれど、とんでもないわよ。もう六花の現役女子生徒じゃあ貴女に勝てる人なんて存在しないんじゃないかしら?)

 

 

ネイトネフェル「………もう無理ね。シルヴィア、早く校章を壊しなさい。今日は本当に驚きの連続よ。まさか貴女1人にクインヴェールが全滅だなんて。」

 

シルヴィア「皆まだまだ修行が足りないよ。これじゃあ私に勝とうだなんて100年どころか200年300年も早いよ?」

 

 

本当にまだまだだなぁ。私が鍛えてあげよっかな?

 

 

そして私はネイトネフェルの校章を取って壊した。

 

 

『校章破壊』

 

 

シルヴィア「はぁ〜終わったぁ〜!よしっ!早く八幡くんのところに行〜こおっと!八幡くんも待っているだろうからね!オーフェリアさ〜ん、終わったよ〜!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーフェリア「………今日のシルヴィア、なんだか怖いわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





シルヴィアが凄いことに……


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ガラードワースの鼓舞

 

 

シルヴィアside

 

 

シルヴィア「あっ、もしも〜し!八幡くん、皆聞こえる?今さっきクインヴェールを倒したから、八幡くんの所に向かいま〜す!なのでチーム4にはオーフェリアさんを向かわせるから、頑張ってね!」

 

シルヴィア「ふぅ……というわけでオーフェリアさん、頑張ってね♪」

 

オーフェリア「………あそこでチョキを出していれば私が八幡の所に行けたのに……」

 

 

クインヴェールを倒した後、私たちは八幡くんの所に行こうという話になったんだけど、2人で行って待たされても意味がないと思ったので、どちらかがどこかのチームに加勢しに行こうという話になったの。そして一発勝負のジャンケンで私が勝ったから、オーフェリアさんが星導館へ行く事になりました♪そして私が八幡くんの所に向かう!うん、とっても良い筋書きだね!

 

 

オーフェリア「………勝負とはいえ貴女を恨むわ。日頃から一緒に居るのに、また一緒になるなんて。少しは譲って欲しいわ。」

 

シルヴィア「なんとでも言いなよ〜だっ。勝負は私の勝ちだもん!」

 

オーフェリア「………シルヴィアなんか、八幡の執事の刑に遭わされちゃえばいいんだわ。後でそうしてもらうように連絡しておくわ。」

 

シルヴィア「ちょ、ちょっと!?それは止めて!あの破壊力は知ってるでしょ!?1人じゃ無理!」

 

オーフェリア「………行ってくるわ。そして連絡もしておくから安心してちょうだい。」

 

 

まったく安心できないよ!やめて本当に!!

 

 

シルヴィアside

 

荒屋敷side

 

 

おいおいマジかよあの嬢ちゃんたち………もう倒しちまったのかよ。最強の魔女とはいえ早過ぎねぇか?

 

 

荒屋敷「よぉそっちの大将さんよ。良いニュースと悪いニュースがあるんだが、聞きたいか?」

 

エリオット「何ですかそれは?」

 

荒屋敷「いいから答えろよ。」

 

エリオット「……では悪いニュースから。」

 

荒屋敷「中々良い方を選んだじゃねぇか。じゃ言うぜ、お前らが同盟を組んでいたクインヴェールだがな、たった今全滅したって連絡が入った。最強魔女2人によってな。」

 

エリオット「なっ!!?」

 

 

おーおー驚いてんな。けど事実だぜ?けど驚いてる暇なんてねぇぜ?

 

 

荒屋敷「そして良いニュースだが、俺たちの所に援軍には来ねぇってだけだ。良かったなマジで。あんな2人が来られたらお前ら絶対勝てねぇもんな。俺がお前らだったら大人しく校章切られてらぁ。」

 

アーネスト「エリオット、君が動揺してはダメだ。リーダーの焦りがチーム全体の士気に関わる。君は堂々としているんだ。」

 

エリオット「ア、アーネスト先輩。ですが……」

 

アーネスト「君が今この学園のリーダーなんだ。君が引っ張らずして誰がこの学園を引っ張るんだい?君はチームを鼓舞させ、この星武祭に勝つように皆に呼びかけるんだ。そして時には戦い、援護をしたり、指示を出す。今の君に必要なものだ。彼の相手は僕に任せて、君は今言った事を実行に移すんだ。いいね?」

 

エリオット「……はい!」

 

アーネスト「うん、じゃあ行くんだ。」

 

 

………なんかこそこそ話してんな?ん?金髪坊主がどっか行ったな。ん?今度は【聖騎士】が相手か?

 

 

アーネスト「悪いけど、選手交代させてもらったよ。エリオットにはやるべきことがあるからね。」

 

荒屋敷「良いぜ別に。あの坊主よりもお前の方が強いしな。それに【聖騎士】とやりあえるんだ、この機会に感謝しねぇとな。」

 

アーネスト「僕も君程の実力者と戦える事を光栄に思うよ。じゃあ早速、始めようか。」

 

荒屋敷「あぁ、やろうぜ。」

 

 

荒屋敷sideout

 

シオンside

 

 

ガキィン!!

 

 

シオン「………強いな、流石は序列2位の座にいるだけの事はある。」

 

レティシア「素直に受け取っておきますわ。貴方も中々の腕前ですわね、私の光の攻撃を一度も受けずにここまでやり過ごしたのは貴方が初めてです。」

 

シオン「八兄との鍛錬に付き合わされてるから、これくらいの動きにはついていける。八兄の鍛錬かなりキツイから俺も疲れるけど。」

 

レティシア「八兄……もしかして界龍の比企谷八幡ですか?」

 

シオン「あぁ。俺の主だ。」

 

 

この女のタイプからして、挑発するようなことを言えば本気で攻撃してくるタイプだから下手な事は言わない。相手を褒めながら攻めた方がやりやすい。

 

 

レティシア「そうですの……ならその強さも納得ですわ。さて、お話もこれくらいにして、再開してもよろしくて?」

 

シオン「あぁ、構わない。」

 

 

シオンsideout

 

八幡side

 

 

暁彗「………………そちらはどんな感じなのだ?」

 

八幡「たった今シルヴィから連絡があって、クインヴェールは落ちた。後の敵は星導館とガラードワースとお前ら界龍だな。今オーフェリアが星導館に援軍に向かってるから、そのうちしたら終わるだろうな。」

 

暁彗「………………【孤毒の魔女】か、酷な事を言うが、星導館学園は全滅するだろうな。」

 

八幡「まぁあいつを倒せそうな奴なんて限られてるからな。ウチの学院では俺と星露くらいだから星導館じゃ無理だろうな。まぁシルヴィが行っても同じ結果だろうけどな。」

 

暁彗「………………」

 

八幡「にしても、お前の淹れるお茶って本当に美味いな。何杯でもいけそうだ。もう一杯もらってもいいか?俺の作った茶菓子も食っていいからよ。」

 

暁彗「………………ありがたく頂戴する。」

 

 

パーシヴァル(……何故こんなにも和んでいるのでしょう?私たちは敵同士だというのに。【覇軍星君】から『………………師父から許可は得た。』という言葉を聞いてから、比企谷さんはこの状態です。しかも相手側も座って休んでいます………何故でしょう?戦いに来たはずなのに気が抜けてしまいます。)

 

 

八幡「ガードナー、お前も座れ。今のあいつらに戦意はないからよ。というか暫くは無い。」

 

ガードナー「我々のチームが界龍以外のチームを倒すまでは休戦状態という事ですか?」

 

八幡「その通りだ。だからお前も暁彗の淹れた茶でも飲んでみろ、美味いから。」

 

 

………やはりあなたは不思議な人です、比企谷さん………本当に美味しいですね、このお茶。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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拮抗する戦い


昨日はすみません!ちょっと忙しかったので書けませんでした!


 

 

ーーーーーー

 

 

荒屋敷「オラァ!!」

 

アーネスト「っ!フッ!」

 

 

この2人の戦いは一進一退と呼ぶに相応しい戦いだった。まだ互いに1度も致命傷は受けておらず、完璧に相手の攻撃を避け切ったり、受け流したりしている。そしてその後には必ず反撃をしている。2人の力量はほぼ互角と言ったところだろう。

 

 

荒屋敷「……流石は【聖騎士】だな。5代目の最強剣士、【剣聖】に一番近い人物って言われるだけはあるな。」

 

アーネスト「いや、僕は単に5代目に近いというだけさ。歴代の【剣聖】の方々に比べたら足元にも及ばないさ。君も武器を持っていないのに、よくそこまで戦えるものだよ。」

 

荒屋敷「そりゃこれが俺のスタイルだからな。1番戦いやすいし、安定する。しっかしまぁ、お前も勿体ねぇ事したな。最後まで序列1位にいりゃ良かったものをよ、何であの坊主に譲ったんだ?」

 

アーネスト「いつまでも僕が学園の会長をしているわけにも行かないからね、新しい世代に役目を渡すのも良いと思っただけだよ。それに彼にはまだ伸び代があるからね。」

 

荒屋敷「……そうかい。まっ、あんたがそれでいいならそれでいいんじゃねぇの?俺にはあんま関係ねぇしな。」

 

アーネスト「本当に君みたいな人がレヴォルフにいる事に驚きだよ。」

 

 

2人は再び構え直して、攻撃できる態勢に入った。

 

 

ーーーーーー

 

 

シオン「………」

 

レティシア「………」

 

 

こちらの2人も膠着状態だった。ガラードワースの攻略にはまだ時間がかかりそうである。元序列1位と序列2位の実力は本物であり、荒屋敷とシオンとも互角に戦える程の戦闘力故に、まだ1度もダメージを受けていない。

 

 

レティシア「やりますわね、流石は現役最強の……式神だったかしら?剣の腕も一流ですのね。」

 

シオン「ほぼ我流だがな。だが、そろそろ決めさせてもらうとしようか。」

 

レティシア「っ!何かして来ますのね?」

 

シオン「まぁな、チェンジ・バスター。」

 

 

シオンがそう言うと、義手だった腕が変形して小さい大砲のような形になった。

 

 

シオン「あまり使いたくはなかったがお前を倒すためだ、仕方なく使うことにした。」

 

 

シオン(それに、もうお前1人だしな、出し惜しみする理由もないから、もうこれで決める!)

 

 

レティシア「………鈍重そうな武器ですわね。それで私に勝てるとお思いで?」

 

シオン「あぁ、行くぜ。それと最初に言っておく、防御することをオススメする。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シオン「プラズマキャノン砲!!」

 

 

シオンの義手型キャノン砲は雷を帯びたレーザービームを放っていた。それは見ただけでも高威力、高出力なのは一目瞭然だった。レティシアはシオンの言っていた通り、目の前に光の壁を作って防御に徹していた。

 

 

レティシア(かなりの威力ですわね………でも、受け切れない威力ではないですわ!)

 

シオン(……まさか引っかかってくれるとはな。)

 

 

シオンの砲撃が終わり、辺りは静けさを増した。

 

 

レティシア「………中々の威力でしたわ。ですが、私の防御を破るまでではなかったようですわね。」

 

シオン「、あぁ、そのようだ。だが目的は達成出来た。俺には文句無しだ。」

 

レティシア「?それはどういう『校章破壊×7』っ!?まさか後ろの仲間を「トドメだ!」っ!!?」

 

 

シオンは油断したレティシアの懐へと飛び込み、もう片方の生身の腕につけてある剣でレティシアの校章を切り裂いた。

 

 

『校章破壊』

 

 

シオン「ふぅ………」

 

レティシア「……まさか後ろの仲間も狙っていたなんて思いもしませんでしたわ。そのための防御をしろというわけでしたのね?」

 

シオン「これでお前が防御をしなかったら、戦いはもっと長引いていただろうな。だがお前は防御してくれた。被害は数人で済んだ。万歳だな。」

 

レティシア「よく言いますわ、私を倒しておきながら。ですが、仲間を数人守れたというのであれば悔いはありませんわ。」

 

 

シオン、ガラードワース女子制圧!!

 

 

ーーーーーー

 

 

雪乃「はぁ……はぁ……倒しても倒してもキリがないわ。人数の圧倒的不利は仕方ないとしても、少し疲れて来たわ。」

 

分身「疲れたか?なら少し休んでてもいいぞ。俺が防壁張っておく。」

 

雪乃「いえ、遠慮しておくわ。仲間が戦っているのに、自分だけ休むなんてできないもの。」

 

分身「そうか……なら俺の後ろにいろ。俺の後ろを任せてもいいか?」

 

雪乃「っ!………えぇ、任せてちょうだい。」

 

 

おそらく初めてであろうこのコンビは、誰もが見ても何故か意外としっくりくるものだったという。

 

 

沙希「はぁっ!!」

 

「ガフッ!」

 

 

『校章破壊』

 

 

沙希「……まだいるんだね、休む暇もないよ。けどこれも覚悟の上だけどね。」

 

マフレナ「川崎さん、援護します!強化弾を打ち込みますね!」

 

星導館チームはいつの間にか二人一組(ツーマンセル)になっていた。だが、これが逆にちょうどいい戦術となっていた。全員がバラバラにならない為、背を任せあいながら戦えるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーフェリア「………着いた、早速貴方たちに問うわ。私の相手をしてくれるのは誰かしら?」

 

 

星導館学園は驚いていた。それと同時に絶望もしていた。それもそうであろう。目の前には六花最悪の魔女【孤毒の魔女】である、オーフェリア・ランドルーフェンが立っているからである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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それぞれの戦い

 

ーーーーーー

 

 

オーフェリア「………私は誰と戦えばいいのかしら?それとも虱潰しに校章を破壊していけばいいのかしら?」

 

 

星導館はその場で固まっていた。その場でいれば倒されるというのは分かっているのだろうが、誰も彼女の相手をしたくないからであろう。【孤毒の魔女】という最悪の魔女を相手にすれば自分がどうなるかなんて、想像なんてしなくても分かる。故に彼女の相手を進んでしようとする者は誰1人としていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と思っていたが、1人だけいた。

 

 

ユリス「………オーフェリア。」

 

オーフェリア「………ユリス、やっぱり貴女が1番乗りね。予想通りだわ。」

 

ユリス「あぁ、他の者はお前を怖がって目の前に立とうともしないからな、なら私が相手をしても問題はないだろう?」

 

オーフェリア「………えぇ、問題ないわ。」

 

 

オーフェリア(………ユリスは傷つけたくないから、魔法を使うのはやめておきましょう。)

 

 

ーーーーーー

 

 

マフレナ「敵の動きが止まっています。今がチャンスです!」(ボソッ)

 

沙希「了解。」

 

 

沙希はオーフェリアに気を取られている星導館生徒の校章を次々と破壊していった。

 

 

???「うおおおおおぉぉぉぉ!!!」

 

沙希「っ!」

 

 

沙希は突然振り下ろされて来た大斧型煌式武装を腕をクロスさせてガードした。その人物は星導館の中でも上位に食い込む相手だった。

 

 

沙希「序列9位……【轟遠の烈斧(コルネフォロス)】のレスター・マクフェイル。」

 

レスター「ほう、俺を知ってんのか?」

 

沙希「一応、序列上位にいる人は調べるようにしてるからね。」

 

 

沙希は大斧を振り払い、レスターに向かって回し蹴りをするが、レスターはそれを難なく回避。

 

 

レスター「さて、お相手頼むぜ。」

 

沙希「いいよ。」

 

マフレナ「川崎さん!」

 

沙希「マフレナさん、援護は任せたからね。」

 

マフレナ「っ!は、はい!」

 

 

ーーーーーー

 

 

分身「……相手がオーフェリアに呑まれてるから、俺たちも自動的に休めるな。これは少しだけラッキーだったな。」

 

雪乃「そうね、体力の不十分な私にとってはありがたい時間だわ。」

 

 

さて、雪ノ下が休んでいるうちにでも、俺はそこら辺のボーッとしてる奴らを倒しt「やあぁぁぁぁ!!」……なんか聞き覚えのあるアホな声がすごく近くで聞こえる。

 

 

ガキィン!!

 

 

分身「お前が来るとはな……2週間前に関わるなと言ったはずなのに、もう忘れちまったのか?本望にアホなのかお前は?由比ヶ浜。」

 

由比ヶ浜「うるさい!!私と勝負するし!!」

 

分身「瞬殺するけどいいか?お前の顔も見たくないから超手短に終わらせたい。」

 

雪乃「比企谷くん、由比ヶ浜さんの相手は私にさせてもらえないかしら?私が彼女に引導を渡したいわ。」

 

 

八幡の隣から雪乃が現れた。それに驚いている由比ヶ浜は思わず声をあげた。

 

 

由比ヶ浜「な、何でゆきのんがそっちに居んの!?」

 

雪乃「私が彼のチームに入ったからよ。生徒同士での同盟があったでしょう?それで比企谷くんのチームに入らせてもらったのよ。」

 

由比ヶ浜「………ヒッキー!何で私を誘わなかったの!?」

 

分身「いや、だってさ……どんな言い方したとしても、お前って弱いじゃん。そんな奴をチームに入れても仕方ねぇだろ。しかも嫌いな奴をチームに入れるとかバカにも程があるだろ。」

 

 

八幡のこの言葉に由比ヶ浜は完全に怒りを覚えた。遠回しに自分が使えないと言われたのが、余程腹立たしかったのだろう。

 

 

由比ヶ浜「ゆきのん!!私と勝負して!!」

 

雪乃「元からそのつもりよ。いつでもかかって来なさい、由比ヶ浜さん。」

 

 

ここに来てついに、本気でやり合う奉仕部同士の対決。2人の闘志は今までにないくらい燃え盛っていた。

 

 

ーーーーーー

 

 

八幡「………どうやら来たみたいだ。」

 

シルヴィア「八幡く〜ん!!」

 

 

八幡の場所まで一直線に向かって来たシルヴィアは八幡を見つけると、そのまま八幡に抱き着いた。やっと八幡に会えたのだ、シルヴィアは一気に解放的な気持ちになっていた。

 

 

シルヴィア「えへへ〜八幡くんだ〜。」

 

八幡「おいおい、休戦中とはいえ一応敵も目の前にいるんだからな?」

 

シルヴィア「大丈夫だよ!私たちの邪魔をするようなおバカな生徒は界龍には居ないはずだからね!だよね〜!」

 

「「「勿論でございます!!」」」

 

八幡「ノリで言ってるわけじゃないんだよな?心の底から思ったことを言ってるんだよな?信じてるからな?」

 

シルヴィア「自分の門下生は信じないとダメだよ八幡くん!」

 

八幡「俺は誰1人として弟子は取っていない。」

 

 

軽口を叩き合いながらも、2人は仲睦まじくしている。それを羨ましそうに見ている人もいるが、この2人がラブラブ過ぎるだけである為、世の中のカップルが全員これだという事ではないということを知ってもらいたいと思っている暁彗だった。

 

 

暁彗「………………【戦律の魔女】、茶が出来た。よければ一口飲んでも構わない。」

 

シルヴィア「あっ、ありがとうございます!じゃあいただきますね!」

 

八幡「シルヴィ、こっちに座る場所作ったからこっちに来い。」

 

シルヴィア「うん♪」

 

 

こうしてシルヴィアもお茶会?に参加するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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動く大波

 

ガラードワースside

 

 

シオン「……荒屋敷兵吾、こっちは全部片付いたぞ。まだ手こずりそうなら手を貸すぞ?」

 

荒屋敷「あぁ?……おいおい、そりゃねぇだろうが。男と男のタイマンに茶々入れるんじゃねぇよ。何時間掛かろうとも、俺とこいつの戦いはずっとタイマンだ。」

 

アーネスト「………そうだね、これは僕と彼の戦いだ。手出しは無用だよ。」

 

シオン「………分かった。」

 

 

シオン(冗談で言ったつもりだったんだが、まさか2人から返されるとは思ってなかった。それだけ本気だという事だろう。)

 

 

荒屋敷「よぉ……この坊主も待ちきれなくなってるみたいだからよ、ケリつけようぜ。」

 

アーネスト「………そうしようか。」

 

 

2人は構えを取らずに睨み合いながら前に歩いた。1度も瞬きや目を反らそうともせずに、ただ睨み続けていた。そして互いに距離が3m程になると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

荒屋敷「オラアァァァァ!!」

 

アーネスト「はぁぁぁぁ!!」

 

 

切っては殴られ、殴っては切られるの繰り返しの戦闘が行われていた。なんとも泥臭い戦い方だが、2人の目は真剣そのものだった。

 

 

荒屋敷「せいやぁっ!!」

 

アーネスト「ぐっ!」

 

荒屋敷「もらったぁ!!」

 

アーネスト「せいっ!」

 

荒屋敷「がっ!?」

 

 

荒屋敷がアーネストの腕を掴んで一本背負いで転ばせると、好機と見て交渉を狙うが、アーネストはそれを煌式武装の頭身で荒屋敷の頭部を攻撃した。間一髪で攻撃を防いだ。

 

だが、それで止まる荒屋敷ではない。一度怯んだが再び攻めて来てアーネストに襲いかかる。アーネストもそれに答え、剣を構えて荒屋敷に襲いかかる。

 

 

荒屋敷「オオオオォォォォォ!!!」

 

アーネスト「ハアアアァァァ!!!」

 

 

ドゴォ!!

 

ズバッ!!

 

 

両者共に傷を負ったが、どちらが勝ち、どちらが負けたのかというと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『校章破壊』

 

 

 

 

 

荒屋敷「……引き分け、か。まぁ俺としてはお前みたいな強え奴と戦えたから満足だぜ。」

 

アーネスト「ははは、僕も満足だよ。これほどの実力者と剣を交えられたんだからね。けど、これでガラードワースも終了だね。僕たちの戦闘が長かったんだろうね。」

 

荒屋敷「はっ、ちげーよ。お前んところの奴らが坊主よりも弱かったからすぐやられちまったんだよ。仮にもあの坊主は比企谷八幡ん所の式神だぜ?並みの奴らじゃ敵わねぇよ。」

 

アーネスト「……それもそうだね。じゃあ僕たちも撤収するよ。取り敢えず比企谷くんに伝えておいてくれないかい?健闘を祈ると。」

 

荒屋敷「あぁ、伝えとくぜ。まっ、俺はもう戦えねぇけどよ。」

 

 

こうしてガラードワースの戦いも幕を閉じた。

 

 

ガラードワースsideout

 

沙希&レスターside

 

 

レスター「やるじゃねぇか……だがお前は冒頭の十二人の中には見た事がねぇ。序列は?」

 

沙希「あたしは31位だよ。そこまで序列には興味がないから偶に序列戦をする程度。」

 

レスター「勿体ねぇ事をするな。お前くらいの実力なら冒頭の十二人も取れるだろうによ。」

 

沙希「そうかもだけど、界龍の12位から1位は本当に化け物揃いだから。あたしが入ったらどうなるんだろうね?」

 

レスター「想像もしたくねぇな。だからこそ、ここでケリをつけるぜ!オオオォォォォ!!」

 

 

レスターは全身から星辰力を漲らせる。沙希は一応何処からでも攻撃を受け流せるように構えを取っている。

 

すると、レスターの持っていた大斧型煌式武装の刃部分が巨大化していた。

 

 

レスター「食らえっ!!ブラストネメアッ!!」

 

 

レスターは斧を地面に振り下ろした。斧から放たれる衝撃波が沙希に襲い掛かっていく。

 

 

沙希「……震脚ッ!」

 

 

沙希はそう言うと、右脚に星辰力を溜め込んでから地面に思い切り踏み込んだ。すると衝撃波は無くなり、消滅した。そして沙希はそのままレスターへと突進していった。

 

 

沙希「ハアッ!」

 

レスター「なにっ!?」

 

 

沙希ははレスターの校章を攻撃すると見せかけて、斧の持ち手に足を掛けてそのまま自分の方へと引いた。態勢の崩れたレスターは取る手段がなくなり、そのまま沙希の攻撃が校章へと吸い込まれていった。

 

 

『校章破壊』

 

 

沙希「ふぅ……」

 

レスター「負け、たのか………くそっ、まさかこんなに早く負けちまうなんてな。本当に界龍の奴らは強いな。」

 

沙希「あたしは違うけど、殆どの生徒が比企谷から鍛錬を受けてるからね。その辺の生徒じゃ界龍の生徒には手も足も出ないと思うよ。」

 

レスター「そうだろうな。お前のさっきの戦いを見ていたら分かる。何人も倒していたからな。お前からしてみれば、俺たち学園の攻撃は遅過ぎたんだろうな。」

 

沙希「まぁね。けど、流石は序列9位だけはあったよ。じゃああたしはまだ相手が残ってるから。」

 

レスター「あぁ。」

 

 

こうして沙希とレスターの戦いも幕を閉じた。

 

 

沙希&レスターsideout

 

界龍side

 

 

冬香「師父、ガラードワースが全滅致しました。」

 

虎峰「思ったよりも掛かりましたね。やはり元序列1位の【聖騎士】が圧倒的に強かったのでしょう。」

 

星露「そうじゃろうな……して、残るは星導館のみ、か。お主らそろそろ妾たちも出るぞい。支度せい。」

 

 

「「「御意っ!!」」

 

 

そして、界龍本隊も動き出すっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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それぞれの戦い ②

 

 

オーフェリアside

 

 

ユリス「くっ……私もナメられたものだな、魔法1つ使ってこないとはな。」

 

オーフェリア「………ただユリスの苦しむ顔をもう見たくないと思っているだけよ。いくら戦いとはいえ、あの顔はもう見たくないもの。解毒すればいいと貴女は思っていると思うけど、私はこの能力が嫌いだから。」

 

ユリス「………そう言われては納得するしかないではないか。しかしその武器なのだが、その見た目からとってその武器は純星煌式武装なではないのか?」

 

 

………流石ユリスね、鋭いわ。

 

 

オーフェリア「………よく分かったわね。」

 

 

ユリス「やはりそうか……では、その能力は使ってはくれないのか?」

 

オーフェリア「………この武器で凍らせた箇所には、氷と一緒に毒も付与してしまうの。だからこの武装の能力も使いたくないのよ。」

 

ユリス「何故そんなにも融通が効かないんだ!?お前の魔法と煌式武装は!」

 

 

………そんな事言われても仕方ないじゃない、調整しても少しの毒は残ってしまうんだもの。でもあの時は調整してもらって本当に良かったわ。もしあのままの状態で八幡に当たっていたら………考えるだけでも悍ましいわ。あの時進言してくれたイレーネのおかげね。

 

 

オーフェリア「………時にユリス、貴女は好きな人っているのかしら?」

 

ユリス「な、何故そんな事を聞く?」

 

オーフェリア「いえ、ただの興味本位よ。因みに私はいるわ。」

 

ユリス「何年か前に服選びに誘ってくれた時に言っていた相手だな?どうなのだ?あれからは?」

 

オーフェリア「………2番目でもいいから頑張るわ。」

 

ユリス「ちょっと待て。何やら不穏な言葉が聞こえたのだが?2番目?」

 

オーフェリア「………えぇ。シルヴィアが正妻というのはもう認めるわ。だから2番目は私のものにするわ。」

 

 

ユリス(シルヴィア………恐らく【戦律の魔女】の事だろう。という事は………ま、まさかっ!!?)

 

 

ユリス「オ、オーフェリア、お前が行っている相手は界龍の比企谷八幡ではないだろうな?」

 

オーフェリア「………正解よ。」

 

 

ユリス「な、何イイィィィィ!!!?」

 

 

………急にどうしたのかしら?

 

 

ユリス「オーフェリア!本当なのか!?あの……あの比企谷八幡が好きだというのは!?」

 

オーフェリア「えぇ。」

 

ユリス「そ、そうか………」

 

 

ユリス(ど、どうすれば良い?素直に応援してやりたいが、この応援してはダメな感じは!?)

 

 

オーフェリア「………次はユリスよ。貴女の好きな人は?」

 

ユリス「な、何だと!?」

 

オーフェリア「………私は言ったのだからユリスも答えてちょうだい。貴女の好きな人は?」

 

ユリス「そ、そんな者はいない!!」

 

オーフェリア「………嘘ね、今声が上ずっていたわ。」

 

 

ユリス(ええい!嫌に鋭い奴め!)

 

 

ユリス「もうこの話は終わりだ!今は戦闘中だ!さぁ、再開するぞ!」

 

 

………恥ずかしがらなくてもいいのに。

 

 

2人の戦いはまだ続きそうである。

 

 

オーフェリアside

 

雪乃side

 

 

由比ヶ浜「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

雪乃「………また続けるつもりかしら、由比ヶ浜さん?もうこれ以上は無駄だと思うのだけれど?」

 

由比ヶ浜「は、はぁ!?そんなの……やってみなきゃ……はぁ……分かんないし!」

 

雪乃「分かるわよ。今の状況が分からないの?貴女は虫の息で私は息一つすら乱していない。貴女の実力や作戦では私を倒せないわ。」

 

 

由比ヶ浜さん……どうして分かってくれないの?もう実力差は分かった筈なのに、どうして向かって来るの?比企谷くんがそんなに恨めしいの?

 

 

分身「……雪ノ下。」

 

雪乃「っ……比企谷くん。」

 

分身「もう一思いにやっちまえ。頭の悪いあいつには身体で覚えさせろ。私には……雪ノ下雪乃には勝てないってよ。」

 

雪乃「………」

 

分身「お前は辛いだろうが、もうお前とあいつは相入れないと俺は思う。」

 

 

………………………

 

 

雪乃「……分かったわ。もう彼女とは友達でいられないと悟ったのは《王竜星武祭》の頃からだもの。辛いけれど、やるしかないわね。」

 

由比ヶ浜「何コソコソ話してるし!!」

 

雪乃「もう終わったわ、ごめんなさいね。彼と話してもう手加減はしないと決めたの。ここからは本気で行くわよ、覚悟はいいかしら、由比ヶ浜さん?」

 

由比ヶ浜「そんなのもう出来てるよ!!早くしてってさっきから言ってるでしょ!!」

 

雪乃「………そう、じゃあ行くわね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さようならね、由比ヶ浜さん。

 

 

雪乃sideout

 

ーーーーーー

 

 

雪乃「生成、刀剣。」

 

 

雪乃は氷の刀を2つ生成して両手に1本ずつ持つと、そのまま由比ヶ浜に突っ込んだ。由比ヶ浜はあまりの速さについていけなかったのか、雪乃の蹴りをまともに食らってしまった。

 

その後は雪乃の踊るような二刀流の演舞とも呼べるような動きで由比ヶ浜を切りつけていた。それはただ切りつけるだけではなく、蹴りや殴打といった様々な攻撃も取り入れていた。

 

 

由比ヶ浜「うぅっ!?ま、まっ……て。や、やめ、て……ゆぎのん!!」

 

雪乃「今更何かしら?私は言ったはずよ、本気で行くと。何か文句でもあるのかしら?」

 

由比ヶ浜「も、もぉやめでぇ……」

 

雪乃「………もういいわ、相手にする意味もないわね。そしてもう一言、さようなら。」

 

 

最後にかつての友人にそう告げると校章を切りつけ、真っ二つにした。

 

 

『校章破壊』

 

 

分身「……お疲れさん。」

 

雪乃「まだ戦いは終わってないでしょう?感傷に浸る暇はないわ。」

 

分身「そうだな。まぁ、後で胸くらいは貸してやる。」

 

雪乃「……えぇ、ありがとう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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最強、動く!


昨日はすみませんでした。実は現在進行形で風邪気味でして………昨日は勝手ながらお休みしてしまいました。本当にすみません。




 

 

八幡side

 

 

………ふぅ、やっぱ美味いな。何杯飲んでもいけそうな気がする。暁彗の奴、どこでこんな淹れ方を教わったんだ?茶の淹れ方なら知ってるが、俺にはこんな味は出せない。

 

やっぱ何か工夫があるんだろうな………

 

 

パーシヴァル「あの……比企谷さん、少しよろしいでしょうか?」

 

八幡「ん?何だ?」

 

パーシヴァル「私たちはここで何をしているのでしょう?ただお茶を飲んでいるようにしか思えないのですが………」

 

八幡「?敵の足止めだろう?今やってるだろ?」

 

シルヴィア「そうだよ。今私たちがこうやって向こう側に向かわせないようにしてるでしょ?」

 

パーシヴァル「い、いえ、それは理解しているのですが、他の界龍の部隊が動いているとは考えないのですか?界龍は比企谷さんが鍛え上げた精鋭揃いと聞いています。そんな彼らが星導館に攻め行ったら、あちらにいる仲間が無事では済みません。」

 

八幡「確かにそうだな。俺たちの目の前にいる奴らは恐らく先発隊、あるいは囮かもしれない。だがそれ以上に本隊には星露がいる。そっちを足止めしようものならこいつらが先に行っちまうから、それも抑えないといけない。だから俺たちはこいつらを止めたほうが効率が良い。それに星露が待ってくれてんだから好都合だろ。けど、そろそろ動き出すだろうな。」

 

パーシヴァル「?」

 

八幡「ガラードワースが全滅したんだ。そろそろ動いてくれなきゃな。」

 

暁彗「………………師父ならもう動いている。真っ直ぐここへ。」

 

パーシヴァル「っ!?」

 

八幡「やっぱりな。ガードナー、お前は星導館に行って加勢してこい。ここは俺とシルヴィだけで充分だ。」

 

パーシヴァル「で、ですが!」

 

シルヴィア「大丈夫だよ。私たちに任せて。それとも、私たち2人を信用できないのかな?」

 

パーシヴァル「っ!!?」

 

 

おいおいシルヴィ、ガードナーを威圧し過ぎだ。

 

 

八幡「止せシルヴィ。まぁお前は星導館に向かって1分でも早く制圧してこい。そうでなきゃ俺たちは板挟みだ。頼むぞ。」

 

パーシヴァル「は、はい。」

 

 

パーシヴァルは急いで星導館側へと向かった。

 

 

八幡「さて、こっからは骨の折れる戦闘の始まりだな。さて、お前らがどれだけ強くなっているのか、俺が見てやる。まずは……暁彗、お前から来な。3年ぶりの真剣勝負と行こうぜ。」

 

暁彗「………………いいだろう。」

 

八幡「シルヴィは他の奴らの相手を頼む。お前なら楽勝だろ?」

 

シルヴィア「うん、任せて♪クインヴェールの子達と比較してどっちが強いか見てみるよ!」

 

 

いやそれ完全にクインヴェールを見下してるだろ。幾ら何でも言い過ぎじゃね?言いたくはないが、界龍の方が強いに決まってるだろ。

 

 

シルヴィア「そうだなぁ………適当に5人単位でかかってきなよ。1人ずつだったら面倒だからね。」

 

 

「さすがは奥方様だ。仰ることまで宗師と似ておられる。強さもやはり宗師と肩を並べるのだろう。」

 

「あぁ、油断しないようにしないとな。」

 

「またとない機会だ。奥方様に我々の実力を見てくださるなんて事、絶対にない事だ。」

 

 

シルヴィア「それじゃあ、始めよっか!」

 

 

八幡「んじゃ、俺たちもやろうか。」

 

暁彗「………………参る!」

 

 

八幡sideout

 

ーーーーーー

 

 

『校章破壊』

 

 

雪乃「そろそろ良い頃合いかしら?」

 

分身「あぁ、交代する。お前は俺の後ろから離れるなよ?」

 

雪乃「えぇ、そのつもりよ。」

 

 

 

 

 

沙希「流石に疲れてきたよ。大勢と相手するのは覚悟していたけど、援護ありでも流石にね。」

 

マフレナ「はい……私も少し休みが欲しいです。ぶっ続けですから。」

 

 

 

 

オーフェリア「………そろそろ倒させてもらうわよ、ユリス。」

 

ユリス「くっ、ここまでか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シオン「プラズマキャノン砲!!」

 

 

突然、誰も意図しなかった方向から巨大なビーム光線が飛んできた。避けられた者もいるが、受けて戦闘不能になった者もいた。

 

 

『校章破壊×24』

 

 

シオン「同盟チーム、チーム1のシオン!ガラードワースを制圧した為、今から星導館チームに助太刀する!」

 

カミラ「やれやれ、やっとの思いで修理したと思ったら即使用するとは……君は生粋の技術者殺しだよ、全く。」

 

パルソーム「すぐに使われるとは思いもしませんでしたね。流石は【万有天羅】の式神、といったところですね。」

 

シオン「済まない、すぐに使ってしまって。予備のパーツで構わないから腕をくれ。」

 

カミラ「言われなくてもそのつもりだ。」

 

 

シオンは貰った義手をすぐに取り付けると、星導館に向かって走って行った。

 

 

沙希「少しだけあいつの近くに行こっか。その方が安全かもしれないし。」

 

マフレナ「は、はい!」

 

 

 

 

 

分身「やっと来たか……よし、俺たちも出来る限り敵を減らすぞ。」

 

雪乃「えぉ、分かったわ。」

 

 

 

 

 

オーフェリア「………八幡の式神ね。やっぱり八幡は便利なのを色々と持っていて羨ましいわ。」

 

ユリス「よそ見をしている場合ではないぞ!」

 

オーフェリア「………もう大丈夫なのね?なら教えてもらうわ、貴女の好きな人は?」

 

ユリス「その話はもういいと言っているだろう!!」

 

 

 

 



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星導館の最大戦力

 

 

シオンside

 

 

シオン「さて、最初に俺の相手をしてくれるのは誰だ?誰からでも相手になってやる。」

 

 

とは言っても、さっきの攻撃を見せたせいで誰も俺に挑もうとする奴がいないんだけどな。まぁあの攻撃は、『今の攻撃を見ても、俺に向かってくる度胸のある奴は出てこい。』っていう遠回しな挑発でもあるがな。

 

 

紗夜「なら、私が相手だ。」

 

綺凛「私たち2人が相手です。」

 

シオン「ほう……いいだろう。戦う前に名を聞いておこう。そちらの青髪から名乗れ。俺は比企谷八幡が式神のエリュシオン・C・タービンだ。」

 

紗夜「沙々宮紗夜、星導館大学部1年。」

 

綺凛「刀藤綺凛、星導館高等部3年です。」

 

シオン「その名前、覚えておこう。ならば早速始めるとしよう、戦闘開始だ。」

 

紗夜「綺凛、右を頼む。私は左を攻める。」

 

綺凛「分かりました!」

 

 

ふむ、挟撃という事か。その戦術敢えて受けてやろう。だが、その程度で俺を倒せると思うなよ?

 

 

シオンsideout

 

雪乃&分身side

 

 

雪乃「やっぱり楽になったわね。このまま相手を倒していけば、楽になっていくわね。」

 

分身「あぁ、だが気掛かりがある。この学園の冒頭の十二人は何をしている?さっきから全く姿が見えない。まさかとは思うが、俺たちの体力が消耗するのを待っているとかか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クローディア「あらあら、流石ですね比企谷さん。全くその通りです。」

 

 

おいおいマジかよ……殆どの冒頭の十二人が集結してんじゃねぇかよ。少しは分散させてくれよ。

 

 

クローディア「貴方たちのチームの中で1番厄介な相手は比企谷さんですから、我々冒頭の十二人は体力を温存させて頂きました。そのおかげで万全の体制で臨むことが出来ます。」

 

雪乃「成る程……確かにそれなら、こちら側の疲れたタイミングで出て来れば丁度いいものね。」

 

綾斗「そういう訳です。疲れたところを狙うようですみませんが、ここで倒させてもらいます。」

 

 

どうしようかしら……比企谷くんらまだしも、私はこの中にいる中でどれだけの人を相手できるか分からない。私のせいで比企谷くんに迷惑はかけたくないのだけれど、どうすればいいか分からないわ。

 

 

分身「雪ノ下、お前は序列12位から順番に相手していってくれ。俺は天霧からやっていく。」

 

クローディア「私たちが素直に1対1を受けるとお思いですか?こちらにいる全員と相手してもらいますからね?」

 

分身「ほう?ならこちらにも考えがあるぞ?」

 

 

俺は印を結び術を発動させた。その場には俺が10人現れた。勿論分身だ。

 

 

分身「今なら俺の分身が相手をしてやってもいいぜ?【万有天羅】が直々に相手するんだ、お前達からしても願ったり叶ったりだろ?」

 

 

………比企谷くんがそう言った瞬間、彼らが固まったわ。そこまでは想定していなかったようね。でもこれは私たちにとっても有利な状況ね。これを受けてくれれば私たちも楽ができるわ。

 

 

クローディア「………仕方ないですね、ここは1対1で戦いましょう。皆さん、お願いしますね。」

 

分身「物分かりが良くて助かった。さて、俺たちも戦うか。」

 

雪乃「私の相手は貴方のようですね、ファンドーリン先輩。」

 

ネストル「俺を知ってるのか?」

 

雪乃「えぇ、この学園の序列4位ですから。それに、同じ能力使いとして興味もありましたので。」

 

ネストル「そうか……だが、だからといって手加減はしないからな。」

 

雪乃「望むところです。」

 

 

雪乃&分身sideout

 

オーフェリアside

 

 

『校章破壊』

 

 

ユリス「くっ、ここまで、か……」

 

オーフェリア「………ユリス、貴女もしかして接近戦相手の対処はあまり得意ではない感じかしら?」

 

ユリス「ぐっ………」

 

オーフェリア「………だからなのね?私が懐に入ろうとすると、途端に逃げるように距離を取るのは。」

 

ユリス「し、仕方ないではないか!私のスタイルは主に遠距離だ!」

 

オーフェリア「………貴方の近くに接近戦のエキスパートが2人もいるじゃない。何故お願いしないの?」

 

ユリス「あぁ、綾斗と綺凛か。あの2人にも頼んださ。だがどうしても上手くならなくてな……」

 

 

………これはお手上げと言っていいのかしら?

 

 

オーフェリア「………ユリス、1度八幡に教わってみてはどうかしら?八幡なら良い対処法を教えてくれると思うわ。」

 

ユリス「……そうだな、一度頼んでみるとしよう。オーフェリアはその手の手解きは受けた事はあるのか?」

 

オーフェリア「………えぇ、この短剣を使いこなす為に1日教えてもらったわ。そのおかげでこの動きができるのだもの。1日でこの成果は凄いと思うわ。」

 

ユリス「私と同じ遠距離メインのお前でも、たった1日それほどの腕にするとは………本当に常識外れな男だな、あの男は。」

 

オーフェリア「………あげないわよ?」

 

ユリス「いらない!!」

 

オーフェリア「………それは八幡に魅力がないと言いたいの?」

 

 

ユリス(どう答えるのが正解だというのだ!?)

 

 

オーフェリア「………まぁいいわ。それと、まだ聞いていないのだけれど?」

 

ユリス「………お前もしつこいぞ。なぜ何度もそれを聞いてくるのだ?」

 

オーフェリア「………応援したいからに決まっているでしょう?それ以外の何があるの?」

 

ユリス「いや、その気持ちはありがたいが、教えるつもりはない。」

 

オーフェリア「………そう。でもその答え方をするという事は、いるという事なのね。良いことを聞けたから良しとするわ。」

 

ユリス「はぁ……もうそれでいい。今後の戦いも頑張れ。友として応援している。」

 

オーフェリア「………えぇ、ありがとう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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覇軍VS天羅


あの戦いが再びっ!!


 

 

八幡side

 

 

暁彗「っ………やはりもう、私程度では止められないか。近くで見ていたから知っていたとはいえ、途轍もない成長速度だ。3年でここまでとはな、比企谷八幡。」

 

八幡「お前も知ってるだろ?俺の師匠とお前の元師匠は超厳しい人だって事。課題は完璧にこなさないと達成条件にはならない、聞いた事ないか?」

 

暁彗「………………懐かしい言葉だ。確かにその言葉、私も言われた覚えがある。」

 

八幡「俺もよ、その言葉を信じて鍛錬積んできたが、行き詰まった時期があったんだよ。その時はどんな鍛錬してもまるで成長するような意識がなかった。そしてある時ふと思った。課題達成って何だってな。お前はなんだと思う?」

 

暁彗「………………そのままの意味ではないのか?」

 

 

やっぱそう答えるよな。いや、これも正解の1つだ。だが、スランプだった俺が導き出した答えはそうじゃない。

 

 

八幡「……答えは、その課題をさらにアレンジして達成する事だ。俺は今までの鍛錬では成長できないと思ったから、小苑さんに頼んで今までの課題の付け足しを頼んだ。そうしたら、やっぱり感覚が違うんだわ。今までとは違う動きや柔軟性が現れたり、できなかった動きが出来るようになってたりする。これに気付けたからこそ、今の俺がいる。」

 

 

暁彗(………………何という探究心と強さへの貪欲さだ。だが何故だ?【万有天羅】になったにも関わらず、何故ここまで強くなろうとする?)

 

 

暁彗「………………1つ、問いたい。」

 

八幡「何だ?」

 

暁彗「………………何故そこまで強くなろうとする?もう十分過ぎるくらい強くなっていると思う。歴代最強の【万有天羅】とまで呼ばれ、史上最強とも呼ばれているにも関わらず、何故そこまで?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「そんなもん、全部シルヴィを守るために決まってんだろ。」

 

 

暁彗(………………たったそれだけ?それだけの為に強くなれるというのか?)

 

 

八幡「俺はお前の過去を1度聞いてるから知ってるが、自分を信じてくれる奴が1人いるだけでも、かなり違ってくるものだ。お前には俺みたいに何が何でも守りたい奴が見つかっていないからこういう事は思わないだろうが、見つかったら必ず思う事だ。特に………シルヴィにあんな思いは2度とさせないし、させたくない。」

 

 

 

あんな思いはもうたくさんだ………シルヴィのあの涙はもう見たくない。

 

 

暁彗「………………【戦律の魔女】が誘拐された時か?」

 

八幡「あぁ……あの時は自分の無力さを呪った!門番をしていた玉緑(ユーシェン)帆季(ファンジー)が居なければ、俺は大切な人を守れなかった。だから俺は誓った!2度とシルヴィにあんな思いはさせない為に、2度とあんな事は起きないように、もっと強くなると!」

 

 

暁彗(………………そうか、何故これ程までに強さを求めるのか、ようやく分かった。全ては《愛する者の為》というわけか………確かに今の私には分からぬ事だな。)

 

 

暁彗「………………良いことを教えてもらった。確かにそれは今の私には持っていないものだ。私も持てば分かるのだろうか?」

 

八幡「きっと分かると思うぞ。お前がそいつを命をかけて守りたいと思えているのならな。」

 

暁彗「………………そうか。経験者が言うのだ、その言葉を信じよう。」

 

八幡「そう言ってくれると嬉しい。さて、じゃあそろそろ始めるか。」

 

暁彗「………………時間を取らせてしまって悪かった、始めるとしよう。」

 

 

八幡「憑霊………颶風・天翔龍神。」

 

八幡「龍神の加護。」

 

 

暁彗なら、このスピードにも辛うじて着いて来られるだろう。お前を試させてもらうぞ。

 

 

八幡「行くぞ。」

 

 

八幡sideout

 

ーーーーーー

 

 

八幡は真っ直ぐ暁彗に向かって突進した。そして暁彗に正拳突きを放った。ただ見ただけであれば暁彗は殴り飛ばされて後ろの壁に激突している。

 

 

だが、暁彗は八幡の拳を受け止めていた。片手で。

 

 

八幡「………」

 

暁彗「っ〜………」

 

 

八幡「思い出すな、この状況。3年前と全く一緒だ。ただ立場が変わっただけだ。」

 

暁彗「………で、あるな。だが、お前の拳はあの時に比べて、重く鋭い。比較にもならない位にな。」

 

八幡「んじゃ最初は……拳で勝負、だったか?」

 

暁彗「………………よく覚えている。」

 

 

そう言った瞬間、2人の姿は消えて打ち合いの衝撃だけがその場で残っていた。

 

 

八幡「………」

 

暁彗「クッ!」

 

 

だが、その差は3年前とは明らかに違っていて、徐々に暁彗が押され始めていた。

 

 

八幡「ムンッ!」

 

暁彗「グッ!!」

 

 

暁彗(………っ!!忘れていた。比企谷八幡は数多くの武術を会得している。詠春拳だけではなかった!それを忘れるとは……不覚だ!)

 

 

攻撃を受けた暁彗はそのまま吹き飛び、壁まで激突した。周りからは多くの土煙が出ていて、暁彗の様子は窺えない。

 

 

八幡「どうした?まさかこれで終わりじゃないよな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁彗「………………まだ、倒れるわけにはいかない!」

 

八幡「そうだ、来い。それで倒れるお前じゃないってのは、俺がよく分かってるからな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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覇軍VS天羅 ②

 

 

暁彗side

 

 

………………まさか3年でこれ程の差がついているとは思わなかった。特に武術。私も日頃の鍛錬を怠っていたわけではない。だが比企谷八幡は鍛錬に改良を加えただけでこれだけの力を得た。武術の力比べでは私の完敗だ。全く勝てる気がしない。

 

 

八幡「……さて、次はどうする?」

 

暁彗「………………急急如律令。」

 

 

八幡の周りには6つの雷で生成された柱が出来ていた。

 

 

暁彗「九天応元雷声普化天尊。これ即ち、雷柱と合わさり6柱の天轟く雷となれ!」

 

 

八幡(……考えたな。元々は小さい力の陰陽術だが、それを強い技によって書き換えている。だが根本的には変えてない。雷最高峰の陰陽術を術に組み込ませることによって、威力を向上させたんだろう。)

 

 

八幡「東方(とうほう) 阿迦陀(あかだ)西方(せいほう) 須多光(しゅたこう)南方(なんほう) 刹帝魯(さつていろ)北方(ほっぽう) 蘇陀摩(そだまに)

 

 

八幡が雷除けの呪法を唱えたことによって、6つの柱はすぐに消えてしまった。だが、暁彗の狙いはここにあった。

 

 

暁彗「(くら)め 封 閉ざせ 急急如律令」

 

八幡「っ!」

 

 

八幡(拘束の呪法………暁彗がこんな術を使うとはな。少し意外だ。)

 

 

暁彗「………………一本!」

 

 

ドコォ!!

 

 

暁彗の強力な一撃が八幡の腹部へと直撃した。流石に八幡とはいえど、今まで序列2位だった男の拳は無傷では済まされないであろう。

 

 

暁彗「………………付け焼き刃ではあったが、しておいて損はなかった。これで卿に一太刀浴びせられた。」

 

八幡「………暁彗、お前に1つ質問をする。夜になっても太陽が沈まない現象のことをなんていう?」

 

暁彗「………………白夜。」

 

八幡「正解、その通りだ。もう分かるよな?ここは今、陽が沈んでいない夜も同然。つまりだ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「俺があの時と同じ方法で切りにかかってくるという事だ。」

 

暁彗「っ!!?」

 

 

目の前の八幡は黒い靄となって消えてしまった。気付いた時には八幡は真後ろにいた。刀を納めて握った状態で。そして居合の構えだった。

 

 

八幡「影切・月下無双・白夜。」

 

 

『校章破壊』

 

 

暁彗「………………また、私は、破れたのか。」

 

八幡「中々に良い作戦だったが、詰めが甘かったな。俺の能力のことを忘れていただろう?俺は影を扱う魔術師でもあるんだぞ?」

 

 

………………やはり勝てる気がしない。だが何故だろう?圧倒的なまでな差で負けたにも関わらず、なぜか追いかけるのをやめようと思う自分がいない。むしろ食らいついていきたいとまで思えてくる。

 

 

八幡「しかし、本当に間一髪で分身と入れ替えといてよかったわ。あのタイミングで替わってなかったらマジでお前の拳を生身で受けてたわ。星露と戦う前にそれはキツイからな。」

 

暁彗「………………どのタイミングで入れ替わっていたのだ?」

 

八幡「お前が雷の詠唱をした時にだ。あの雷結構デカかったろ?あれの影になることができたから、その隙にってわけだ。」

 

 

…………………雷の大きさが仇になったというわけか。

 

 

暁彗「………………比企谷八幡、またしても完敗した。再び学園で会おう。」

 

八幡「あぁ、お疲れ。」

 

 

………………私もまだ修行が足りないな。一層の事比企谷八幡に教えを請おうか?いや、恐らく無駄だろうな。

 

 

暁彗sideout

 

シルヴィアside

 

 

『校章破壊』

 

 

シルヴィア「ふぅ〜……これで30人目。やっぱり私の学園と違って強いね〜。毎日八幡くんに扱かれているだけはあるよ。」

 

「そ、そう言って下さるのはありがたいのですが、今までのように簡単に倒されてしまっては説得力が欠片も感じないのですが……」

 

シルヴィア「そりゃあ私だって負けるわけにはいかないからね。それに八幡くんにかっこいいところを見せたいからね!」

 

 

(((この状況でも宗師オンリーなんだ……)))

 

 

シルヴィア「そういえばなんだけど、貴方達が言っている奥方様って誰が考えたの?今はもう平気だけど、昔は恥ずかしかったんだからね?」

 

「奥方様を考案したのは誰か、ですか?私は存じませんが………誰か知ってるか?」

 

 

ザワザワしてるけど、居なさそう。いたらその子から倒したかったんだけどなぁ。

 

 

「ですが、なぜそのような事を我々にお聞きに?」

 

シルヴィア「ん?その子を真っ先に倒してあげよっかなぁって思っただけ。」

 

 

(((ストレートに言った!!)))

 

 

(よ、良かったぁ……もう倒されてるぅ〜!!あっ、でも結果オーライですよ!私、1番目に倒されたので!)

 

 

シルヴィア「まぁ居ないならいいや。門番の2人がいつもそういうからその2人なのかなぁって予想はしてるけど、なんかそういう事をしそうな2人じゃないから。」

 

 

「奥方様、私からもお1つよろしいでしょうか?」

 

シルヴィア「ん?どうしたの?」

 

「奥方様と宗師はどのようにして出会ったのでしょうか?私たちは宗師と奥方様がお付き合いしているところは知っているのですが、その馴れ初めは知らないのです。」

 

シルヴィア「あぁ〜そうだよね。過去に記者会見をやったんだけどね、そこで発表してるんだ。まだ見れると思うから見てみるといいよ。私からの口じゃ言えないかな。八幡くんの許可もいるからね。」

 

 

私たちのプライバシーは勝手に開けるものじゃないもんね、八幡くん♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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終わった戦いと続く激戦

 

 

星露side

 

 

さて、もう少しで着く頃じゃが、暁彗たちは上手くやっておるかのう?妾たちが向かったら全滅、なんてことにはなっておらんとは思うが……

 

 

虎峰「……し、師父。たった今大師兄から連絡がありました。『現在、私を含め32名が戦闘不能。残り18名は交戦中。しかし、全滅の色濃し。』との事です。」

 

星露「ふむ……暁彗を倒せる者となると限られておるな。八幡、歌姫殿は確実に倒せよう。可能性がある者としては、レヴォルフの【孤毒の魔女】に【無頼漢】といった所じゃろう。」

 

冬香「しかし師父、調べたところ【無頼漢】は既に戦闘不能の様です。恐らくですが、八幡様とシルヴィア様、もしくはランドルーフェン殿の3人が交戦している可能性があります。此処は隊を分けずに進んだ方がよろしいかと存じます。」

 

セシリー「私もそう思うー。無駄に分けるよりかは皆で行った方が勝率は高いしねー。」

 

 

うむ、妾も皆と同じ意見じゃ。よし、ではこのまま進むとしようかのう。分けて他の隊が全滅じゃあシャレにならんからのう。

 

 

星露「このまま正面で行くとするかのう。お主ら、今のうちに話しておいた隊列になっておくのじゃ。戦闘が始まればそれどころではなくなるから、今の内じゃ。」

 

「「「「「はっ!!」」」」」

 

 

さて、再戦といこうではないか、八幡よ。

 

 

星露sideout

 

シルヴィアside

 

 

『校章破壊』

 

 

シルヴィア「試合終了〜!これで全員だね。」

 

「ま、まさか本当にお1人で49人倒されてしまうなんて、流石は奥方様です。御見逸れ致しました!そして、ありがとうございました!!」

 

「「「「「ありがとうございました!!」」」」」

 

 

……八幡くんっていつもこんな挨拶に囲まれながら鍛錬をしてるんだ。うん、悪い気はしないけど、少し暑苦しいかも。

 

 

「しかし我々もまだまだと痛感致しました。誰も奥方様に一撃すら与えられませんでした。これからはもっと鍛錬に励み、少しでも宗師に追いつきたいと思っております。」

 

シルヴィア「頑張ってね、きっと八幡くんも心の中では君たちを応援していると思うから。でもやりすぎには注意してね?たまにはお休みも必要なんだから。」

 

「はい、心得ております。宗師からも週に1度は休むようにと厳命を受けておりますので。」

 

 

厳命って……八幡くんは命令しないよ。多分。あっ、戦い終わったから八幡君のところに行かなくちゃ!八幡くん終わってるかなぁ〜?

 

 

ーーー八幡&暁彗の場所ーーー

 

 

シルヴィア「八幡く〜ん、終わってる〜?」

 

八幡「あぁ、シルヴィか。おう、もう終わってる。今は茶を飲んでいるところだ。」

 

暁彗「………………【戦律の魔女】よ、お主もどうだ?」

 

シルヴィア「あっ、頂いてもいいですか?」

 

暁彗「………………なら待っているといい、今淹れる。茶菓子はない。」

 

シルヴィア「そんなに要らないですよ。」

 

八幡「にしても、案外早かったな。」

 

シルヴィア「一応1対10とかやってたからね、だからかも。でも界龍は本当に強いよ。クインヴェールと戦われたら、クインヴェール一瞬でやられちゃうよ。」

 

八幡「そこまで言うか?少しは戦えるだろ。」

 

 

ううん、界龍のレベルが段違いだからすぐにやられちゃうよ。パッとやってペッっていう感じだよ。今、自分でも何言ってるんだか分かんなかったよ。

 

 

八幡「まぁ取り敢えずは勝ち終わったからいいか。後は星導館の奴らが早く終わってくれればいいんだが……」

 

シルヴィア「大丈夫だよ、彼女たちを信じていれば、きっと此処に来るよ。オーフェリアさんだっているんだから、絶対に大丈夫だよ。」

 

八幡「………あぁ、そうだな。」

 

 

シルヴィアsideout

 

星導館side

 

 

一方で星導館側の戦いは、徐々に同盟チームが優勢になりつつあった。援軍の到着もさる事ながら、冒頭の十二人が全て比企谷八幡(分身)によって相手されている為、他の者の援護に回れない状況だったのだ。そしていつの間にか、残っているのは冒頭の十二人のうち5名と沙々宮紗夜、刀藤綺凛の序列外数名だった。

 

 

紗夜「まさか、1人にここまで苦戦するとは思わなかった。」

 

綺凛「……はい、相当の手練れです。流石は比企谷さんの式神です。圧倒的な動きです。」

 

シオン「お褒めに預かり光栄だ。そちらも中々良い動きをする。相当な鍛錬を積まなければそのような動きはできない。」

 

紗夜「だが、そろそろケリをつける。41式甲型粒子双砲・バルデンホルト。」

 

綺凛「私もこの刀を使わせて頂きます。」

 

 

2人共奥の手を使うようだった。これにはシオンも余裕を感じてはおらず、いつも以上に目を鋭くして次はどう出るか、様子を伺っている。

 

 

 

 

 

 

沙希「あたしたちはあともう少しだね。星辰力は大丈夫?まだ残ってる?」

 

マフレナ「はい、大丈夫です。そこまで消費も大きくないので。」

 

沙希「そっ……でも、残りの人たちは倒せそうだから撃たなくていいから。私でやる。マフレナさんは援護をお願いしたいんだけど……」

 

マフレナ「はい、まかせてください!」

 

 

 

 

 

雪乃「やっぱり氷の扱いに慣れておいでですね。」

 

ネストル「そりゃあ俺の専売特許でもある魔法だからね。君に遅れを取るわけには行かないよ。」

 

雪乃「私も、《王竜星武祭》から何も学んでないというわけではありません。この勝負、勝たせてもらいます。」

 

ネストル「大きく出たね。それじゃあ再開しようか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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成長の芽

 

 

ーーーーーー

 

 

『校章破壊』

 

 

東「くっ、ここまでか……」

 

分身「さて、これで粗方片付いたな。残るは天霧とエンフィールドだな。あの2人は冒頭の十二人の中でも特に強い。やられてなけりゃいいんだがな。」

 

東「いくらあの2人でも、あんたなら楽勝だろ?何をそんなに悲観しているんだ?」

 

分身「いや、俺は本体じゃなく分身体でな。分身だとオリジナルの力よりも少し弱いんだよ。そして分身体の分身はそれよりもさらに弱い。だから無事に勝ててるかどうか心配でな。」

 

東「俺はそのさらに弱い分身に負けたっていうのか……自分の実力にな自信が持てなくなってきた。」

 

 

分身(あっ、言わないほうがよかったかも。少し気の毒だが、本当の事だしなぁ……さて、俺も消えるか。やる事も終えたしな。)

 

 

分身「んじゃ俺は消えるな。いつまでも残ってても仕方ないからな、お疲れさん。」

 

東「あぁ、この後も頑張ってくれ。」

 

 

 

 

 

雪乃「はぁ……はぁ……」

 

ネストル「はぁ……はぁ……な、なかなか強いな。何で序列外だったんだ?これなら冒頭の十二人なんて簡単に入れるだろう。」

 

雪乃「強くなってきたのが最近なものでして……少し前の《王竜星武祭》までは本当に弱かったのです。まさか現序列4位と張り合えるまでとは思ってもみなかったです。」

 

ネストル「つまり、《王竜星武祭》から自分を鍛え上げてここまでになったというわけか……とんでもないね、その成長速度は。」

 

雪乃「いえ、これも姉のおかげです。」

 

ネストル「姉………あぁ、界龍の元序列4位の。確かにあの人も強かったな。成る程、ならその強さも頷けてくる。接近戦での戦いも見事だったから。」

 

雪乃「ありがとうございます。さて、そろそろ始めませんか?」

 

ネストル「そうだな、ケリもつけたいところだから再開しようか。」

 

 

2人は星辰力を練り上げ、自身の周りに冷気を放っていた。雪乃は自分の手に氷で生成した槍を持ち、周りには尖った氷を浮かせていた。

 

一方ネストルはまだ何も生成しておらず、ただ星辰力を練り上げているだけだった。

 

 

雪乃「では、行きます。」

 

 

雪乃はネストルが目に見えないほどの速度でネストル目掛けて突進して行った。ネストルも咄嗟の事だったからか、反応が遅れてしまった。

 

 

ネストル「っ!?は、早い!」

 

雪乃「はぁっ!!」

 

ネストル「チッ!くそっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『校章破壊×2』

 

 

雪乃の槍はネストルには届かなかったが、浮いていた氷がネストルの校章を砕いた。ネストルもただでは終わらないと思ったのか、地面から氷柱を生成して雪乃の校章を砕いた。相打ちによる引き分けだった。

 

 

雪乃「……引き分け、ですか。」

 

ネストル「いや、今の勝負は君の勝ちだ。俺が君の攻撃に当たったのは、君の攻撃が当たった後だった。これがもし公式の模擬戦だったら俺は負けている。やられたけど、不思議と清々しい気分だ。こんな戦いも久しぶりだったからね。」

 

雪乃「私も貴方が相手で良かったです。」

 

ネストル「それは嬉しいね。この星武祭が終わったら、君が序列4位に繰り上がるようにエンフィールドに言っておくよ。」

 

雪乃「え……ですが、」

 

ネストル「いいんだよ。僕は同じ系統の魔法使いの君に破れたんだ、君が4位の椅子に座るべきと思っているし、そうするべきだと思う。」

 

雪乃「………」

 

ネストル「じゃあ、また学園で。今度は模擬戦でもしよう。その時は最初から全力でやろう。」

 

雪乃「……はい、是非。」

 

 

引き分けという形で終わった雪乃だったが、雪乃は大きなものを得られたようだった。

 

 

 

 

オーフェリア「………八幡の分身ね?」

 

分身「ん?オーフェリアか、どうした?今戦闘中なんだが?」

 

オーフェリア「………さっきまで戦闘をしていたのだけど、それが終わって退屈なのよ。だから【叢雲】の相手を代わってくれないかしら?」

 

綾斗「俺としては代わって欲しくないんだけど……」

 

分身「………だそうだが?」

 

オーフェリア「………じゃあ代わるわね。」

 

分身「人の話聞いてねぇなこいつ。」

 

オーフェリア「何を言っているの、ちゃんと聞いたわ。代わって欲しくないから代わったのよ。だって敵の嫌がることをした方が効果的じゃない。」

 

分身「正論だが、どこかエゲツなさを感じるな。」

 

綾斗「あの……比企谷さん、もしかしなくても?」

 

分身「あぁ、選手交代だ。」

 

綾斗「……最悪です。」

 

 

分身(悪いな天霧、今度プリン作ってあげるから許してくれ。)

 

 

オーフェリア「………さぁ、始めましょう。星導館の序列1位の実力を見せてちょうだい。」

 

綾斗「まさか貴女と相手することになるなんてね、本当に最悪だよ!」

 

オーフェリア「………最悪最悪って、貴方はとても失礼な人ね。」(ムスッ)

 

 

分身(ごめんなオーフェリア、今度手作りシフォンケーキ作ってあげるから許してくれ。)

 

 

 

 

 

沙希「ふぅ……何とかあたしたちは片付いたね。」

 

マフレナ「えぇ、そのようです。」

 

沙希「じゃああたしたちも「す、すみません!」……ん?あんたは確か……ガードナーさんだったっけ?」

 

パーシヴァル「は、はい。遅れながら加勢に来にたのですが、手遅れでしたか?」

 

マフレナ「はい、残っているのは殆どが冒頭の十二人で八幡さんの分身が相手をしておられます。それが終わり次第、合流という事になります。」

 

パーシヴァル「そ、そうですか……」

 

マフレナ「………先程雪ノ下さんが戦闘不能になってしまったようです。なので今は8人ですね。まぁ実質は6人なのですが。」

 

沙希「まぁ今は他の人たちが合流してくるのを待つのが良いね。あたしたちも体力を温存したいしね。何せ、次の相手は界龍なんだから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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星導館、制圧!

 

 

シオンside

 

 

綺凛「はぁ……はぁ……どうして、なぜ攻撃が届かないのでしょう?連携もちゃんと取れているのに……」

 

紗夜「確かに。無駄なところなんて一切なかった。なのに何故、私たちの攻撃は通らない?そればかりかこちらは受けてばかり……」

 

シオン「………」

 

 

奴らも良い感じに体力を消耗しているな。それもそのはずだ。俺は奴らの攻撃を受けていないし、最小限の動きで対処している。そして奴らには攻撃を与え続けて、俺を攻撃させるよう、()()()に動かしているからな。

 

動けば疲れるものだが、動かされるというのはもっと疲れるものだからな。剣を振るのと振られる、これの差と同じようなものだ。操るのと操られるのとでも違ってくる。この状況は俺が奴らを動かして、奴らが俺に動かされているという状況に近い状況だ。だからあの2人は体力の消耗も激しいし、身体の疲労感もいつも以上に増している。

 

 

シオン「………さて、そろそろ決めさせてもらうぞ。俺も他の所に行って戦わなくてはならないからな。いつまでも足止めを食わされるわけにはいかないからな。」

 

紗夜「っ……たとえ勝てないとしても、道連れにはする。綺凛!」

 

綺凛「はい!ふぅー………」

 

 

……なんだ?刀を鞘にしまって深呼吸?まさか八兄の言っていた抜刀術か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

綺凛「刀藤流抜刀術、折り羽。」

 

シオン「っ!?」

 

 

何だ!?斬られた!?いや、違う!これは幻影だ!

 

 

綺凛「はぁっ!!」

 

シオン「フッ!!」

 

 

間一髪、シオンは綺凛の太刀を剣で受け止めた。

 

 

シオン「……まさか幻影の抜刀術とはな、驚いた。こんな技もあるとは思わなかった。」

 

綺凛「……この技を見破られたのは貴方で2人目です。1人目は貴方の主人である比企谷さんです。」

 

シオン「まぁ八兄ならこのくらい余裕だろう。多分だが、剣に殺気が篭ってないとか言うだろうな。」

 

綺凛「……そのまんまの事を言われました。」

 

シオン「………そうだったのか、すまない。」

 

 

なんか、少し悪いことを言ってしまった。

 

 

綺凛「ですが、これで私たちの勝ちです!紗夜さん!」

 

紗夜「任せろ、バースト。」

 

 

上空で紗夜が構えていたバルデンホルトをフルバースト状態でシオンと綺凛目掛けて発射した。

 

 

シオン「まさかこれのためにお前まで道連れに!?」

 

綺凛「これなら逃げられないはずです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………まさかここまでするとは思ってなかったが、お前らも詰めが甘いな。

 

 

シオン「アンカー射出!」

 

 

シオンは右腕の義手を飛ばしてアンカーを出した。どこかに掴まったのを確認すると、すぐに移動した。

 

 

綺凛「なっ!?」

 

シオン「俺を嵌めたつもりだろうが、詰めが甘かったな。俺の右腕はアンカー式でもあるから、こういう緊急時には脱出用にも出来るんだよ。という事で、倒させてもらう。」

 

 

俺は右腕のパンチで刀藤綺凛の校章を砕いた。

 

 

シオン「……次はお前だ。」

 

紗夜「くっ……(次のチャージまで数分は掛かる。誰かにカバーしてもらわないと、チャージに専念できない。今はオーバーヒートしてるから、逃げるくらいしかできない。)」

 

シオン「変形、ライフル。」

 

紗夜「っ!別の銃、だと!?」

 

シオン「驚いている暇はないぞ。」

 

 

シオンは紗夜の校章め狙い撃ちをしようと考えているが、それではあの腕の機械砲が邪魔だった。

 

 

さて、どうするか……流石にあれは邪魔くさすぎる。かといって他に方法がないわけでもないが、決定打に欠けるからな……っ!これならいけるかもしれないな。

 

 

シオンはライフルに変形させた腕を元に戻して紗夜に向けて伸ばしていた。

 

 

紗夜(……何のつもりだ?)

 

 

シオン「アンカー射出。」

 

紗夜「っ!?」

 

 

シオンが取った行動は、バルデンホルトに捕まるだった。目論見は成功してバルデンホルトの翼の部分に捕まる事ができた。

 

 

シオン「捕らえた!」

 

 

そして片手に剣を装備して、アンカーを縮めながら、紗夜に近づいていった。紗夜もなんとかしようにも、バルデンホルトはオーバーヒート状態。手を打ちようがなかった。

 

 

シオン「……チェックメイトだ、沙々宮紗夜。」

 

紗夜「………降参だ。」

 

 

シオンは紗夜の校章を剣で切った。こうしてシオンは2人に勝利した。

 

 

シオンsideout

 

オーフェリアside

 

 

綾斗「はぁ……はぁ……まさか貴方が、ここまで……武術に精通してい、るなんて……はぁ…思っても見ませんでした。」

 

オーフェリア「………これも八幡の賜物だわ。そしてこの子にも感謝しないといけないわね。切りつけたその箇所、凍傷になった状態だから動き辛いでしょ?そして寒気もあるから、貴方の自慢の素早さは奪わせてもらったわ。」

 

綾斗「作戦勝ち、というわけですか………はぁ…まんまとハマって、いたんですね。」

 

オーフェリア「………えぇ。貴方の校章、切らせてもらうわ。抵抗しても苦しいだけだから動かないことを勧めるわ。」

 

綾斗「そう言われても、ただでは終われません!」

 

オーフェリア「………動きが遅いのに、私から逃げられると思っているのかしら?」

 

 

オーフェリアの言う通り、綾斗の動きは最初の動きとは見違えるほどの遅さであり、接近戦を得意としないオーフェリアでもすぐに捕まえてしまった。

 

 

オーフェリア「………どうやら貴方で最後みたいよ、星導館学園で生き残っているのは。」

 

綾斗「……流石は比企谷さんが編成しただけはあるよ。まさかたった5人と比企谷さんの分身だけで倒されちゃうんだからね。」

 

 

………【叢雲】は八幡の良さを理解しているようね。良かったわ。

 

 

オーフェリア「………では、切るわ。」

 

 

オーフェリアは綾斗の答えを聞く前に校章を切った。これにより、星導館学園は完全に制圧された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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界龍が来るまで


今日で平成最後の投稿になります。明日からは令和ですね。年号は変わりますが、これからもよろしくお願いします。


 

 

八幡side

 

 

しかし星露の奴遅いな……本当にこっちに向かって来てるのか?人を待たせるのも大概にしてほしいものだ。いや、まぁ勝手に待っているだけなんだけどな。それと、さっきオーフェリアから連絡があって、星導館を制圧したからこっちに来るみたいだ。今残っている面子は、俺、シルヴィ、オーフェリア、川崎にマフレナ、パレートにレビテートは非戦闘だから除外にしてシオンで合計で6人か。6対およそ200〜300も相手するのかよ………骨が折れるなんて話じゃねぇなこれ。

 

 

八幡「暁彗、界龍の参加人数ってどれくらいいるんだ?不参加にした奴らもいるんだろ?」

 

暁彗「………………無論いるが、それをおいそれと教えるわけにはいかない。学院は同じとはいえ、今は敵同士だからな。」

 

八幡「そうか……まぁ、敵に情報を与えるわけねぇよな。百の位でもダメか?」

 

暁彗「………………」

 

 

今度はノーコメントか。まぁそんなに期待はしてなかったからいい。

 

 

八幡「なぁ、これくらいはいいだろ?リーダーって誰だ?やっぱ星露か?」

 

シルヴィア「八幡くん、そんな当たり前なこと聞いてどうするのさ………」

 

暁彗「………………その通りだ。界龍のリーダーは師父が務めている。」

 

八幡「まぁだよな。だからこんなに遅いのかもしれないぞ。」

 

シルヴィア「え?どういう事?」

 

八幡「あいつの歩くスピードに合わせているから、って奴だよ。言ってもあいつは初等部だからな?まぁもうすぐ中等部だけどよ。歩幅が小さいから歩くのも遅いんじゃないか?高等部や大学部の奴らからしてみれば。」

 

シルヴィア「あぁ〜それは盲点だったよ。確かに初等部中等部の歩くスピードは高等部大学部からすれば、かなり遅いだろうしね。」

 

 

それに後ろの奴らが詰まるだろうしな。

 

 

暁彗「………………こちらからも聞いていいだろうか?」

 

八幡「ん?何だ?」

 

暁彗「………………比企谷八幡と【戦律の魔女】は普段どのように過ごしている?」

 

シルヴィア「普段?うぅ〜ん……起きて、朝ご飯食べてからデートをするかのんびり過ごすかを決めてから行動して、お昼ご飯を食べたらどうするかを決めてから行動。夕方になったら晩御飯の支度をして、完成したら食べる。食べ終わったら少しのんびりしてからお風呂に入って、髪を乾かしてからお休み、かなぁ。そんなところだよね、八幡くん?」

 

八幡「そうだな……まぁそんな所だな。これが俺たちの普段過ごしている生活だな。学院がある日とかはデートはしないが、その分晩飯とか風呂とかで爆発するけどな。言っておくが夜はないからな?」

 

暁彗「………………そうか。」

 

シルヴィア「後さ、私たちすごくのんびりしてるけど、いいのかな?」

 

八幡「いいんじゃね?だって星露たちが遅いのが悪いんだし。いや、進行の遅い星露が悪いんだから。」

 

シルヴィア「八幡くんって星露のせいにするの、好きだよね。何か恨みでもあるの?」

 

八幡「日頃の行いの仕返しだ。」

 

シルヴィア「………うん、それなら納得だよ。」

 

 

さすがはシルヴィだ、よく分かってらっしゃる。星露ならそう思われても無理はないからな。主に食関係とかで。

 

 

シルヴィア「オーフェリアさんたち、どれくらいでこっちに着くかな?」

 

八幡「制圧したのがさっきだからな。界龍の方が先に着くかもな。そんときは俺たちで食い止めるしかないだろうな。かなり厳しいけど。」

 

シルヴィア「流石に私も大人数を相手に生き残っていられる自信はないよ?相手は界龍の本隊なんだから。」

 

八幡「俺もだ。いつもは稽古しているからそんなに厳しくはないが、これはもう実戦だから手加減なんてない。校章壊したらすぐにはい、次の方どうぞ〜だからよ。」

 

暁彗「………………大変なのだな。」

 

シルヴィア「そうなんですよ。私も界龍の先発隊を倒す前はクインヴェールの相手を1人でしてたんですから。相方は何故か出てきてくれなかったんですよ?酷いと思わないですか?」

 

八幡「いや、その理由はお前にある。」

 

シルヴィア「え?なんで?」

 

八幡「シルヴィが早く俺の所に行きたいっていうちょっとどす黒いオーラが出てたもんだから、オーフェリアも援護に行きたくても怖くて行けなかったみたいだ。」

 

シルヴィア「そ、そうだったんだ……後でオーフェリアさんに謝らないと。でもそんなに酷かったの?」

 

八幡「俺の分身もいたから一応様子は俺も知ってるが、確かにあれは戦いに混ざっても大丈夫な感じではなかったな。あの時のシルヴィなら多分『援護?邪魔だから隠れててくれないかな?私1人で充分だから。』とか言いながらすごい目つきで睨んできそうな感じだ。」

 

シルヴィア「そんなに!?私そんなに怖かったの!?いつもの私は皆に優しいけど、その時の私ってそんなに怖かったの!?自分でも信じられないよ!」

 

 

いや、あの時のシルヴィアは本当に怖かったと思う。もし敵に回っていたら、俺もやられてると思う。

 

 

暁彗「………………比企谷八幡、女性というのは時に恐ろしいものだな。」

 

八幡「………あぁ、そうだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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界龍との頂上決戦!


某海賊王のアニメみたいなタイトルですが、気にしないでください。




 

 

八幡side

 

 

オーフェリア「………八幡、全員来たわ。それで、界龍の生徒は何処かしら?目の前にいるのは倒しているのでしょう?」

 

八幡「あぁ、それなんだが……まだ到着していないから待ち惚けてる。流石にちょっと待ちくたびれた。」

 

シオン「何だ、まだ来ていないのか。言えた口ではないが、相手を待たせるとはどういうリーダーなのだ?」

 

パレート「だが丁度いい。君の腕ももうすぐ治る。これが修復したら私たちはまた下がらせてもらう。」

 

シオン「あぁ、済まない。」

 

八幡「パレートとレビテートも済まないな。」

 

 

いや本当に。これだけの為に参加してもらって本当にゴメンな。

 

 

沙希「でも流石に遅いね。」

 

オーフェリア「………考えてみれば、あのチビがリーダーなのだから遅いのも頷けるわね。後ろを歩いている仲間が可哀想だわ。」

 

 

オーフェリア、そんなドストレートに言うなよ。本人がいないからいいが、聞いたらお前のこと集中攻撃間違いなしだぞ?

 

 

シルヴィア「マフレナちゃん、どう?戦えてる?」

 

マフレナ「は、はい!川崎さんのサポートも並行してやってます!上手くやれているかどうかは分かりませんが……」

 

沙希「凄く助かってるからそんな卑下しなくてもいいよ。界龍でもあってくれたら助かるよ。」

 

マフレナ「は、はい!!」

 

シルヴィア「ふふっ、上手くやっているみたいだね。」

 

八幡「……っ!そろそろみたいだな。」

 

オーフェリア「………来たのかしら?」

 

八幡「あぁ。お前ら、今までの学園と思って油断するなよ?界龍とガラードワース、星導館とは強さが根本的に違う。一応言っておくと、序列20〜40位に入ってる連中は他学園の冒頭の十二人クラスだ。序列外でも気を抜いて戦ったりするのは厳禁だ。締めてかかれよ。」

 

シルヴィア「勿論だよ八幡くん。君が途中からとはいえ、半年だけで星武祭準決勝まで残しちゃうほどの実力者になっちゃう程なんだから。」

 

オーフェリア「………気を抜く方がおかしいわ。」

 

 

八幡sideout

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ついに、同盟チームと界龍第七学院が対面した。先頭には現【万有天羅】の2人が立っている。

 

 

八幡「よぉ星露、随分待たせてくれたな?おかげでこっちは待ちくたびれたくらいだ。」

 

星露「ほう?その言い方から察するに、随分早く暁彗を倒したようじゃのう。にしてはあまり消耗しておらんようじゃのう?」

 

八幡「自惚れるわけじゃないが、俺を誰だと思ってんだ?六花最強の生徒だぞ?」

 

星露「その存在が2人もおるのはおかしいとは思わんか?」

 

八幡「俺に負けた奴が言う言葉とは思えねぇな?」

 

星露「碌に自身の中に憑いておる霊も使役出来ん奴に言われとうないのう?」

 

 

2人の軽い口喧嘩から始まっているが、それに似合わないくらいの闘気と殺気が溢れていた。2人は平然としているが、周りはその殺気をまともに浴びているため、身体が震える者、冷や汗を流す者、たじろぐ者、仕草は様々だが明らかに2人から発するあまりに強力な気迫に呑まれていた。

 

 

沙希(……こんなの、比企谷がリューネハイムさんを誘拐された時以来だよ。身体中の鳥肌が止まらない。)

 

マフレナ(な、何なんですか?このあまりに強烈なオーラは……身体が言うことを聞きません。)

 

シオン(流石は八兄だ……この前よりも濃密になってる。まだ強くなるなんてな。)

 

オーフェリア(………これが最強と言われている2人のオーラのぶつかり合いなのね。間近でいるだけでも分かるわ、肌がビリビリするわ。)

 

シルヴィア(……星露もそうだけど、八幡くんも凄いやる気だよ。顔は無表情だけど、心の表情が戦いたくてしょうがないって言ってるみたい。私もだけどね。)

 

 

虎峰(何というオーラでしょう。これが頂点に立つ者同士の覇気……僕には到底真似出来ません。)

 

セシリー(こりゃすごいねー……流石に冷や汗が止まんないよ。立っているのがやっとだなんて、どんだけなのさ2人共。)

 

冬香(強大にして濃密……これ程とは思いませんでした。お2人の力は底が知れません……)

 

銀梅(凄過ぎる……これが、これが私の目標にしている人のオーラ。追いつこうって思っているのがバカらしく思えてくるよ。)

 

永成(師父も宗師も凄いなぁ……2人の力が嫌という程伝わってくる。後ろの皆も震える人がいるくらいだから当然か。)

 

宋(私たちと戦った時よりも、遥かに凄まじいオーラを放っている。それも当然だが、まさか師父よりも強烈に感じるとは………流石は常識をことごとく破ってこられた方だけはある。)

 

羅(後ろの者たちが気圧されるのも当然だ。俺も1対1であれを受ければ、逃げ出したくなる。それ程までに強大すぎるオーラだ。)

 

沈雲(出会った頃に比べるのも烏滸がましいくらいだよ、比企谷くん。君がそんな風になってしまうなんて、今更だけど本当に驚きだよ。)

 

沈華(一目見た時の印象は、野暮ったそうな感じだったけど、今は違う。私たちの上に立つ存在にまでなったわ。完全に追い越せないし、追いつけない。そんな存在になっているのよね。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「さて、こんなのぶつけ合っても意味ねぇから始めようか。」

 

 

八幡は印を結ぶと、自身の分身を20人作り上げた。

 

 

星露「そうじゃのう。久々にお主と本気でやり合えるのじゃ、体が疼いて仕方ないわい……早う戦おうぞ!」

 

八幡「言われなくてもそのつもりだよ!」

 

 

こうして同盟チームと界龍の決戦が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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別次元の戦いと相手選び

 

 

ーーーーーー

 

 

2人のオーラが消えた瞬間、界龍の生徒の殆どが我先にと言わんばかりに八幡へと突っ込んでいった。

 

 

八幡「最初が星露かと思いきや、お前らか。まぁいけどよ、相手してやる。」

 

シルヴィア「八幡くん、お供するよ。皆はそこで待っててね。」

 

マフレナ「えっ!?2人だけでやるんですか!?無茶です!私たちも「手出し無用だよ。」っ!」

 

 

マフレナはシルヴィアの言葉に思わずたじろいだ。そして八幡とシルヴィアは界龍に向かって走り出した。流石に2人だけではすぐに囲まれて突破口なんてなくなる、そう思っていたのだが、むしろ2人はその中でかずをものともせずに圧倒しながら戦っていた。シルヴィアが蹴り、八幡が拳をメインに使いながら戦っていた。狭い空間の中で確実に校章を破壊しながら相手を倒している。

 

 

2人が界龍の生徒と相手をして5分ほど経過しだが、たったこれだけの時間で界龍の生徒を30人戦闘不能にしていた。

 

 

マフレナ「す、凄い………」

 

沙希「ホントだね。私たちと同じ星脈世代なのか疑いたくなるよ。」

 

オーフェリア「………シルヴィアまで八幡に悪影響を受けているわね。」

 

 

戦っている内に背中合わせになり、互いに目配せを送った。そして互いに後ろに方向転換して、目の前の相手に照準を合わせた。

 

 

八幡「ほらどうしたその程度か?俺に攻撃を当ててみろ。そんなんじゃ日が暮れても当てらんねぇぞ。」

 

シルヴィア「動きがなってないぞ〜。それじゃあ私にも当てられないぞ〜!」

 

 

余裕綽々の2人に界龍の生徒はさらに燃え上がった。次々と2人へ襲い掛かっていくが、逆にそれが仇となっていた。考える力がなくなり、ただひたすら攻撃するだけになってしまうからだ。それではすぐにやられてしまうのは一目瞭然だった。

 

 

虎峰「まさかあれ程いた界龍の生徒が……たった2人だけで2割近くも倒すなんて。しかもそれを止まる事なく、しかも倒す速度を上げていってる。」

 

冬香「作業の効率化を図ったのでしょう。八幡様とシルヴィア様は相手を挑発することによって、攻撃を止める事なく、ただ攻めることだけを考えさせるように仕向けて、自分たちが一番倒しやすいようにしているのです。今、生徒の皆さんはその術中に見事にハマっています。」

 

 

界龍の生徒数はみるみる減っていき、今現在2人が倒した数は50人を超えていた。それでも2人の動きは衰える事なく攻め続けていた。

 

 

八幡「シルヴィ、そっちは大丈夫か?苦しかったら言えよ?いつでも援護する。」

 

シルヴィア「八幡くんこそ、攻め過ぎて疲れてない?私がいつでもサポートするからね♪」

 

八幡「俺がそんなに早くバテるわけねぇだろ。シルヴィアがバテてるんじゃないのか?」

 

シルヴィア「まっさかぁ〜!いつも八幡くんと激しい運動してるんだから、この程度楽勝だよ!」

 

八幡「言い方を変えような!模擬戦って言え!」

 

 

戦闘中にも関わらず軽口を叩き合う2人に、戦っている界龍の生徒たちも舌を巻いていた。余裕なんてない自分たちとはまるで違う、相手にすらなっていないと自己解決する者までいる。

 

 

星露(界龍の序列外と下位とはいえ、攻撃を一切受けておらなんだ。流石は現役最強じゃな。これだけの相手を顔色変えずに相手しておる。八幡はそう予想しておったが、まさか歌姫殿までついてくるとはのう……予想外じゃ。)

 

 

戦いが始まった頃から10分が経過して、倒した数はおよそ100超え、受けた攻撃は0だった。

 

 

八幡「シルヴィ、そろそろ終わるぞ。」

 

シルヴィア「うん、分かった!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人「瞬雷!」

 

 

八幡とシルヴィアが白いオーラに包まれた。そして次の瞬間、界龍の生徒の前から消えたと思って次に現れたのは、界龍の包囲網の外だった。そして2人を纏っているオーラが消えると、機械の声が戦闘不能の合図を唱えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『校章破壊×184』

 

 

一瞬の間に界龍の殆どが戦闘不能になってしまった。突然過ぎる出来事に誰もが状況を飲み込めなかったが、自身の校章を見てすぐにこう悟った。

 

 

(((あぁ……手も足も出なかった。)))

 

 

八幡「さて、これで心置きなく戦えるな。んで、誰が誰の相手をするんだ?俺はもう決まってるけどよ。」

 

シルヴィア「……私は出来れば冬香さんと戦いたいなぁ。どうですか?」

 

冬香「他ならぬシルヴィア様からのご指名です。お受けいたします。」

 

 

虎峰「では私は川崎さんと戦わせてもらいたいです。いいでしょうか?」

 

沙希「いいよ。」

 

セシリー「じゃああたしはクインヴェールの子かなー。いいー?」

 

マフレナ「……受けて立ちます!」

 

 

沈雲/沈華「じゃあ僕たち(私たち)は……君と相手をさせてもらうよ、【孤毒の魔女】。」

 

オーフェリア「………いいわ、相手してあげる。」

 

 

宋「では宗師の式神よ、君は私たちと相手をしてもらうが宜しいだろうか?流石に4対1は分が悪いと思うのだが、どうだろう?」

 

シオン「俺は現役最強の式神だぞ?4人でたじろぐと思うか?纏めてかかってこい。」

 

羅「ふっ、流石は宗師の式神だな。そう答えると思っていた。」

 

銀梅「相手にとって不足なし!私はいつでもいけるよ!」

 

永成「だからって1人で突っ込んでいかないでね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





戦闘描写の下手さがヤバイ………



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星仙術VS魔法

 

 

ーーーーーー

 

 

沈雲「さて、僕たちの相手は【孤毒の魔女】になったけど、勝算はあると思うかい?沈華。」

 

沈華「そうね沈雲、相手は私たちの戦術を知ってはいても対処法は知らないはずよ。比企谷が相手だったら手も足も出ないのだけど、【孤毒の魔女】ならまだ勝機はあると思うわ。」

 

沈雲「ふむ……なら、ここはスタンダードに攻めてみようか。近距離戦闘なんて僕たちの戦い方じゃないからね。」

 

沈華「分かったわ。じゃあ私は先に潜んでおくことにするから呪符は任せたわよ、沈雲。」

 

 

沈雲と沈華は作戦会議を終えたと思ったら、沈華がすぐに消えてしまい、沈雲は大量の呪符を周りに放った。その呪符は全て自動で浮いたと思ったら透明化してしまった。

 

 

オーフェリア「………もういいのかしら?」

 

沈雲「あぁ、待たせてしまって悪かったね。さて、じゃあ始めようか。」

 

沈華「私たちの戦いを。」

 

 

オーフェリア(………この2人の戦い方は《鳳凰星武祭》で見ていたから知っているけど、かなり厄介ね。私は呪符なんて見えない。透明化した物をどうにかする手段なんてないわ。どうしようかしら?)

 

 

沈雲「おや?どうやらお困りのようだね。どう動いていいか分からないと見えるよ。」

 

オーフェリア「………そうね、下手に動けば呪符の餌食になるし、動かなければ貴方の妹に攻撃をされる。最初から圧倒的に不利な状況ね。」

 

沈雲「それにしては随分落ち着いているように見えるけど、何か勝算があるのかい?」

 

オーフェリア「………どうかしらね?」

 

 

沈雲(迂闊には近づけないね。それに相手は【孤毒の魔女】だ、下手な攻撃では返り討ちにあうからね。此処はもう勝負を早々につけたほうがいい。)

 

 

オーフェリア「………死者を裁く7人の裁判官(ヴォム・トットゥ・ギフティヒ)。」

 

 

オーフェリアは自身の周りから星辰力を溢れさせると、そこから7人の人形のような形をしたものが現れた。それぞれが神官のような服装をしている。

 

 

オーフェリア「………消毒(デスインフェクション)。」

 

 

オーフェリアがそう言うと、1人の神官が手をかざした。すると途端に呪符が姿を現した。そしてオーフェリアはあろうことか、その呪符に触れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、何も起こらなかった。

 

 

沈雲(な、何?まさか……呪符に仕込んだ術を打ち消したというのか?)

 

 

オーフェリア「………流毒(フェビフトン)。」

 

 

今度は違う神官が手をかざすと、全ての呪符が紫色に変色した。そして禍々しいオーラを漂わせている。

 

 

沈雲「………まさかとは思うけど、僕の呪符を全て毒化したのかい?」

 

オーフェリア「………そうよ。初めに貴方の呪符に書き込んである術を消毒してから、新しく毒を流し込んだの。だから貴方たちが触れれば、たちまちに毒に侵されるというわけよ。」

 

 

沈雲(有利に運んだつもりが、まさか最初から逆転されるなんてね。予想外だったよ、まさかあんな戦い方も出来るなんてね。)

 

 

沈雲「沈華、隠れても意味はなさそうだよ。どうやらこれは、僕たちが全く動けない状態になったみたいだよ。」

 

沈華「………そうみたいね。辺りには毒化した呪符、その本人を攻めようにも、ボディーガードが7人も居るわ。とても勝てる見込みがないわね。」

 

沈雲「こうなったらとことん攻めるしかないね。沈華、僕は爆雷球で彼女を攻める。その隙に校章を狙うんだ。僕の術に気を逸らさせるから、その隙にね。」

 

沈華「分かったわ。」

 

 

オーフェリア「………終わったかしら?だとしたらさらに攻めさせてもらうわ、死の国(ヘル・ヘイム)。」

 

沈雲「っ!急ぐんだ沈華!もう始める!!」

 

沈華「えぇ!」

 

 

沈雲は慌てたように指示を出した。当然もう爆雷球の準備に入っている。既に死の国の侵食は始まっているが、本人はそれを無視している。

 

 

沈雲「食らえっ!【孤毒の魔女】!」

 

 

爆雷球は沈雲の手動により、オーフェリアの方へと向かっていった。そして爆雷球はオーフェリアに直撃した。

 

 

『校章破壊』

 

 

沈雲「やった……ぐっ!くぅ……毒が回ってきたみたいだね。でも、勝ったからこれで「………それはどうかしら?」っ!!?」

 

 

煙が徐々に晴れていくと、そこには無傷で立っているオーフェリアが居た。校章も砕けていなかった。そして側に倒れているのは妹の沈華だった。

 

 

オーフェリア「………さっきのだけど、あれは貴方の妹の校章が破壊されたという事よ。あなたは聞いていなかったでしょうけど、7つあるうちの3つ目の毒、麻痺毒(パラリティスシェス・ギフト)で動きを止めてから倒させてもらったわ。」

 

沈雲「バ、バカな……」

 

オーフェリア「………信じられないとは思うけれど、そろそろ終わりにさせてもらうわ。」

 

 

オーフェリアは7人の神官を消滅させた。

 

 

オーフェリア「………王水蛇(ヒュドラ)。」

 

 

オーフェリアの後ろからは巨大な蛇が現れた。だが、ただの蛇の方がありがたかった。毒を持っているだけではなく、9つの首を持った胴体のある蛇だった。

 

 

オーフェリア「………行きなさい。」

 

ヒュドラ『シャー!!』

 

沈雲「くっ!毒で身体が……」

 

 

毒が身体中にれ回ったのか、沈雲は動けなかった。そしてヒュドラの1つの首が沈雲の校章向けて頭突きをした。

 

 

沈雲「ぐはっ!!」

 

 

沈雲は壁に激突して気絶した。

 

 

『校章破壊』

 

 

オーフェリア「………終わったわね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 





なんか、星仙術見せる間も無く終わってしまった……



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拳と拳のぶつかり合い

 

ーーーーーー

 

 

ドゴッ! ガッ! ドッ!

 

 

沙希「ふぅー………」

 

虎峰「……成る程、序列31位というだけのことはあるとは思っていましたが、本来はそれ以上ですね。貴女なら冒頭の十二人に入れてもおかしくはない実力です。何故序列に拘らないのですか?」

 

沙希「妹の世話があるからね、初等部になったとはいえ不安なのは今までと一緒だから。初等部の子を1人にさせるわけにもいかないでしょ?」

 

虎峰「……成る程、然るべき理由があるのであれば納得です。確か、京華さん……でしたっけ?よく師父と一緒におられる可愛らしい方ですよね。」

 

沙希「うん。会長がお気に入りみたいだからよく行くんだよね。」

 

虎峰「今度僕ともお話をさせて下さい。どんな子なのかは知っているつもりですが、話した事は1度もないので。」

 

沙希「うん、分かった。」

 

虎峰「ではそろそろ始めさせてもらいますよ。準備はよろしいですか?」

 

沙希「あたしはいつでもいいよ。」

 

 

沙希(とは言ったものの、虎峰の動きが速すぎて目で追うのがやっとだよ。あたしじゃこいつの動きにはついていけない。一瞬でも気を抜いたらそれでおしまいだね。どうやって戦おう?)

 

虎峰(先程の戦いで分かったのは、彼女は僕のスピードにはついてこられないみたいですね。ですが動きは見えているみたいなので、受けや流しはしていました。ここはパワー重視でいってみますか。)

 

 

虎峰「金剛たる鉄身もって災悪を防がん。急急如律令」

 

沙希「………」

 

虎峰「では、参ります!」

 

 

沙希(……こうなったらカウンターを狙う!)

 

 

虎峰は正攻法、沙希はカウンター狙いの戦法を取った。だがこれだけでもかなりの差があった。何故ならカウンターというのは本来、相手の攻撃を見切って攻撃する戦法。沙希は目で追うのがやっとの相手にカウンターで挑もうと言っているのだ。これは自殺行為にも等しかった。

 

予想通り、虎峰のスピードとパワーを兼ね備えた攻撃に沙希は防戦一方になっていた。攻撃をしようにも、虎峰の攻撃が速すぎるのだ。速すぎるスピードに目が慣れるには多大な時間が必要になる。沙希には虎峰の動きに着いて行くにはその時間が足りな過ぎるのだ。

 

 

虎峰「どうしました?その程度ですか?先程は僕の攻撃を受け流していたり、止めたりしていたのに、何故それが止んだのですか?」

 

沙希「くっ……(速すぎる……流石にあの動きにカウンターは無理。リスクは大きいけど、あたしのとっておきを使うしかない。)スゥーーハァーー……」

 

虎峰「答える気はないと?ならば貴女を倒しに掛かります。」

 

 

沙希は深呼吸をして目を閉じながら、その場で直立していた。ただそれだけだった。

 

 

沙希「………」

 

虎峰「……だんまりですか。ならば終わりです!」

 

沙希「………無の型ーーー」

 

虎峰「はああぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沙希「仁王殺(におうごろ)し!!」

 

ドゴォッ!!!

 

 

虎峰「ぐはっ!!」

 

 

校章が当たるスレスレのタイミングで、沙希は身を引いてからの虎峰の鳩尾に星辰力を圧縮させた正拳突きを放った。油断をしていなかったとはいえ、攻撃を全く予測していなかった虎峰は大ダメージを受けた。

 

これもいわばカウンター技である為、威力も高い。虎峰は壁まで吹き飛ばされ、激突した。

 

 

沙希「……ふぅ、何とか一撃。でも、この技は教えてもらって良かった。ハイリスクハイリターンだからね、この技は。」

 

沙希「でも、放送がならないって事は校章は砕けてないのか……もし虎峰が気絶していたらラッキーなんだけど、あたしそこまで強運じゃないから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虎峰「………驚きましたよ、まさかあんな技を隠していたなんて。おかげで呼吸が苦しいです。」

 

沙希「自分の力を一気に相手にぶつける技だからね、簡単に言うと、玉砕覚悟のカウンターみたいなものだよ。校章を狙ってくるのは分かってたからね。」

 

虎峰「だからあんな無防備だったんですね。ですが、もうやられる事はありません。次で仕留めます!」

 

沙希「………」

 

 

ダダダダダッ!

 

 

そこからは互いに拳と蹴りの打ち合いになっていた。驚く事に沙希は虎峰の動きが見えているかのように攻撃を捌いていた。

 

 

虎峰(この短時間で僕の動きを………やはり貴女は31位に収まる器ではありません。ですが………)

 

 

虎峰「まだ甘いです!」

 

沙希「なっ!?」

 

 

虎峰は沙希の両腕を外側へと弾き、身体を無防備な状態にした。これには沙希も手の出しようがなかった。

 

 

虎峰「これで最後です!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムニュン。

 

 

虎峰「……………あ。」

 

沙希「……………え?」

 

 

虎峰は確かに校章は捕らえていた。だが、別のものまで捕らえてしまった。それは沙希の胸である。

 

 

虎峰「あ、あの………これは………/////」

 

沙希「な……な………/////」(プルプル)

 

虎峰「え、えっと……僕は校章を狙って……」

 

沙希「………さ、さっさと離せこのど変態ー!!!」

 

 

バチイイィィィィン!!!

 

 

虎峰「ブフウゥゥゥゥ!!!?」

 

 

再び壁に激突した。虎峰は気絶し、そして顔から激突したせいか、その影響で校章が粉々に砕けてしまった。

 

 

『校章破壊』

 

 

こうして川崎沙希は勝利を得たのだが、途轍もなく納得のいかない勝利だったのは当の本人であろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




うわぁ……虎峰、やらかしちゃいましたか。



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戦おうと思った矢先に

 

 

ーーーーーー

 

 

セシリー「《獅鷲星武祭》でぶつかったけど、あの時は八幡の1人勝ちだったからねー。だからこうやって戦うのは初めてだよねー。」

 

マフレナ「そ、そうですね……確か、序列5位のセシリー・ウォンさん、ですよね?」

 

セシリー「そーだよー。そして君はクインヴェールの………誰だったっけー?」

 

マフレナ「ご存知ないのも当然です、私は序列外ですので。クインヴェール女学園所属のマフレナといいます。バンドチーム《ルサールカ》のキーボードを担当しています。」

 

セシリー「あぁー確かガールズロックバンドチームだったんだっけー?5人組のだよねー?」

 

マフレナ「はい、それで合っています。」

 

 

戦闘中にも関わらず、2人は戦闘を開始する雰囲気ではなかった。それどころか、自己紹介を終えてまた何かを話し始めようとしているセシリー。

 

 

 

セシリー「でもよくこの同盟チームに入ろうって思ったよねー。なんか言われなかったのー?」

 

マフレナ「えっと、そのお話はチーム内には話していなかったので。それに、シルヴィアさんが直々にオファーをして下さったので、最初は断ろうと思っていたんですが、私を選んでくれたシルヴィアさんのためにも頑張ろうって思ったので、入りました。でも、これが終わった後はチームメンバーに物凄く言われると思います。」

 

セシリー「あっははは!だよねー!それで言われない方がおかしいもんねー!でも、言われても気にしなくていいと思うよー。だってそれが君の選択なんだからさー。」

 

 

マフレナ(この人、凄く正直な人なんだな……思ったことを口にしてる感じだし、何より裏表を感じさせないような人柄みたい。)

 

 

セシリー「んじゃあさー……そろそろ始めよっかー!いつまでもこの状態だったら、なんか変な野次とか飛んで来そうだからねー。人なんて飛んできたら、それこそ溜まったものじゃないからねー。」

 

マフレナ「は、はぁ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴオォォォォォン!!!

 

 

マフレナ「きゃあ〜!!」

 

セシリー「うわっ!?えっ、何!?」

 

 

突然2人の左隣にある壁が爆発した。始めようとした矢先に起きた出来事に2人は驚き、爆破した壁を凝視していると、そこには………

 

 

セシリー「う、嘘!?あんた虎峰!?」

 

マフレナ「え?もしかして、【天苛武葬】ですか?序列6位の!?」

 

 

セシリーの言ったことが現実となってしまった瞬間であった。だが、2人は序列6位の猛者が飛ばされてきた事による驚きの方が優っていた。

 

 

セシリー「あんたどうしたのさ?ていうか左頬すごい腫れてない?紅葉みたいになってるよー?」

 

虎峰「………」(チーン)

 

マフレナ「………気絶、してますね。」

 

セシリー「気絶、してるねー。ありゃりゃー、虎峰を倒しちゃうなんてねー。しかも……ぷぷっ!虎峰の左頬、紅葉みたいになってて……ぷぷっ!!」」

 

マフレナ「ですが驚きです。あの【天苛武葬】がこんなにも簡単に倒されてしまうなんて。一体誰がやって………あれ?川崎さん?」

 

 

マフレナが壁に激突している虎峰の反対側を見ると、顔を真っ赤に染めながら右手に星辰力を漲らせている川崎沙希がいた。

 

 

セシリー「どしたのサキサキー?なんか顔赤いよー?虎峰になんかされたー?」

 

沙希「……………そいつに胸を揉まれた/////」

 

マフレナ「………え?」

 

セシリー「………え、今なんて言ったの?」

 

沙希「に、2度も言わせんな!/////」

 

マフレナ「あの、セシリーさん。川崎さんは【天苛武葬】に胸を揉まれたんじゃないかと思います。経緯は分かりませんが、あの様子を見る限りでは嘘ではないんじゃないかと思いますよ?」

 

セシリー「虎峰がー?いやいや、流石にそれはないでしょー。だって虎峰だよー?虎峰にそんな甲斐性あるわけ………」

 

沙希「………/////」

 

セシリー「あるわけー……」

 

虎峰「………」(チーン)

 

セシリー「え、えっとぉー……」

 

沙希「………/////」

 

セシリー「………」

 

虎峰「………」(チーン)

 

 

セシリーは顔を赤く染める沙希と虎峰を交互に見てからこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリー「うわぁー虎峰それはないよー。流石にあたしもフォローできないよ………ドン引きしちゃうわそれはー。人のおっぱい揉むのはないよー。言い逃れできないからねー?どう責任取るのー?ねぇねぇどうするのー?」

 

 

虎峰には聞こえていないが、罵りの応酬だった。

 

 

セシリー「サキサキー、目が覚めたらガンガン言っちゃっていいよー!あたしもサポートするからー!人のおっぱい触っておいてお咎めなしだなんて許せないからねー!まだ誰にもおっぱい触らせてないんでしょー?だとしたらもっと許せないよー!サキサキのおっぱいに謝れー!」

 

サキサキ「そんなに連呼するなー!!」

 

マフレナ「………すみません、流石に私も何も言えません。フォローも出来そうにないです。」

 

 

虎峰が気絶している間に、敵はどんどん増えていっていた。おそらくこの後、虎峰は説得にかなり時間がかかりそうな予感がしそうなのは、気のせいではないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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百鬼夜行避け

 

ーーーーーー

 

 

冬香「何やらあちらが騒がしいですが、何かあったのでしょうか?」

 

シルヴィア「戦いは騒がしいものだと思いますけど、違った騒がしさですもんね。何があったんでしょう?気になりますけど、私は目の前の人に集中しないといけないので。」

 

冬香「ふふ、そうですね。私も目の前の方に意識を向けなくてはいけませんね。」

 

 

セシリーたちが虎峰の事で騒いでいる一方で、こちらはシルヴィアと冬香が対峙しようとしている。

 

 

冬香「それにしても、まさか八幡様の奥方である貴女からのご指名なんて大変光栄なのですが、なぜ私をお選びになったかのか、理由を聞かせてもらってもよろしいでしょうか?」

 

シルヴィア「えっと、私が一度も戦ったことがないタイプの相手だから、でしょうか。式神を使っての戦闘なんて経験がないので。」

 

冬香「……そうなのですね。」

 

シルヴィア「戦ったことのあるのは、八幡くんの式神のシオンくんだけだったので、妖怪の式神とはまた別じゃないですか。だから冬香さんの魔法で召喚している式神で1度戦ってみたいなぁって思ったんです。」

 

冬香「確かに八幡様と私の式神はタイプが全く異なりますからね。シルヴィア様が今まで見てきたのは八幡様の式神である人型で、私は妖怪が主体となっておりますので、別といえば別ですからね。」

 

シルヴィア「そして、何よりも《王竜星武祭》で由比ヶ浜さんと戦った時のあの妖怪が凄く印象に残ってたから………今でも覚えているけど、凄く怖かったです、あの式神。」

 

 

冬香(……あの式神は私の中でも人を恐怖させる妖怪の類ですからね。そう思うのも当然ですね。)

 

 

冬香「人喰いの妖怪ですから、恐怖するのも当然ですね。私も最初は怖かったです。」

 

シルヴィア「やっぱりそうなんですね……あの、その妖怪は出さないでくださいね?出来ればあんなのとは戦いたくないので。」

 

冬香「ふふっ、さてどうしましょうか?」

 

シルヴィア「お願いします!」

 

冬香「承知しておりますよ。流石に八幡様の奥方である貴女にトラウマを植え付けるなんて真似は絶対に致しません。」

 

 

シルヴィア(………本当にしないよね?)

 

 

冬香「では、始めましょう。妖怪たちによる、百鬼夜行の演舞を!」

 

 

冬香が星辰力を練り始めると、周りからは禍々しく、不気味なオーラが漂い始めた。そこには人の顔のようなものが浮いていたり、青白い玉のようなものが浮いていたりしていた。

 

そしてその球や顔が次第に形を成して行き、妖怪の姿になっていった。

 

鬼火、妖鬼、輪入道、1つ目鬼、山姥、他にも多々いるが、冬香の後ろには様々な鬼の妖怪が大量に召喚されていた。

 

 

冬香「百鬼夜行・鬼行列。妖怪といえば最初に思い浮かべるのは鬼の類でしょう。その鬼を百鬼の群で召喚致しました。これでも私の式の中では可愛らしい方ですよ?」

 

 

シルヴィア(これで可愛いの?私には不気味にしか見えないよ……)

 

 

冬香「では、お行きなさい!」

 

 

鬼の軍が一斉にシルヴィアに向かって走って来た。流石のシルヴィアも1対1でやろうと思う程、バカではない。シルヴィアは即座に煌式武装を展開して、銃型の武装で対処していた。だが、先頭の敵は倒せても、後ろの敵までは倒せなかった。

 

 

シルヴィア「これが数による戦い方……もし冬香さんが最初から私たちのチームに攻めてきていたらと思うと、酷い状況になってそうだね。でもどうしよう……こんな数を一気に打ち消す技なんて持って……あっ!八幡くんのあの術!私も少しだけだけど呪符は貰ってあるから、やる価値はある!!」

 

冬香「……?シルヴィア様の動きが止まった?一体何を?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「東海の神、名は阿明(あめい)。西海の神、名は祝良(しゅくりょう)。南海の神、名は巨乗(きょじょう)。北海の神、名は禺強(ぐきょう)。四海の大神、百鬼を(しりぞ)け、凶災を(はら)うっ。急急如律令!!」

 

冬香「百鬼夜行避け!!?こんな高等呪法、何故貴女が使えるのですか!?」

 

シルヴィア「好奇心っていうのは尽きないものですから。八幡くんに色々と教えてもらったんです。大抵の術なら使えるんですけど、貰った呪符はあまりないので、こういう時に使おうって思ってたんですよ。」

 

 

冬香の目の前にいた鬼の百鬼夜行がシルヴィアの百鬼夜行避けにより、全て打ち消された。その光は金色に輝いていて、次第に空へと却っていった。

 

冬香はシルヴィアが使った百鬼夜行避けに驚いていたが、今は別の事で胸がいっぱいになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬香「………美しい。」

 

 

冬香(………美しい。とても綺麗な……いえ、それだけでは表現できない程のお姿。シルヴィア様のお召し物が狩衣だったら、どれだけ………)

 

 

目の前にいるシルヴィアの姿に見惚れていた。虹色に輝く百鬼夜行除けの術式の奥には術者であるシルヴィアが右腕を前にかざしている。

 

 

シルヴィア「………貴女の百鬼を私の百鬼除けで滅します。」

 

冬香「………っ!どうやら手加減は出来ないようですね。分かりました、では私も本気でいかせて頂きます!シルヴィア様、お覚悟を!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




シルヴィアがまさかの百鬼夜行避け!?八幡色々とシルヴィアに教え過ぎ!!



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上位互換された結界

 

 

冬香side

 

 

あの百鬼夜行避け、八幡様がお作りになられている呪符の影響があってか、通常の呪力よりも大きな力を感じます。恐らくですが、並大抵の妖では近寄ることも出来ないでしょう。此処は1つ大きな妖でも出さなければ突破口はありませんね。

 

しかしシルヴィア様の百鬼夜行避けにも対応できる妖となると………やはり強力なものでないとダメですね。

 

 

冬香「………シルヴィア様、1つお見せ致しましょう。私の式の中でも強力な妖の1つを。」

 

 

冬香の後ろから現れたのは和服を着た巨大な女性のような姿をした妖怪だった。姿を完全に表すと、角が生えていて顔が鬼そのものだった。刀を持っているといわれてもおかしくない程の長い爪は血塗られていた。

 

 

冬香「ご紹介致します。これは妖怪《鬼女(きじょ)》です。人間の女性が怨念によって鬼と化したものです。若い女性の場合はこう呼びますが、老婆が鬼科すると《鬼婆》と名称が変わります。」

 

シルヴィア「……顔が怖いです。あの顔ってお面じゃないんですか?」

 

冬香「自前ですが?」

 

 

シルヴィア(聞くんじゃなかったよ。あれで自前?お面って言われた方がもっと納得できるよ。)

 

 

冬香「では、攻めさせて頂きます!行きなさい鬼女、かの者を攻撃するのです!」

 

 

すると鬼女は叫びながらシルヴィアの方へと走って行った。シルヴィアは展開している百鬼夜行避けを自身の持っている剣型煌式武装に纏わせた。そして鬼女の方へと向かって行った。

 

 

鬼女「アアアアアアアアアァァァァァァ!!!」

 

シルヴィア「光の交響曲(ルーチェ・シンフォニー)!」

 

 

シルヴィアの周りからは6本の光の剣が現れた。

 

 

シルヴィア「悪いけど、ここでやられるわけには行かないんだ!一気に決めさせてもらうよ!」

 

鬼女「アアアアアアアァァァァァ!!!」

 

 

鬼女はシルヴィア目掛けて5本の長い爪を振り下ろした。シルヴィアはその爪を剣で受け止めた。

 

 

シルヴィア「これで私の勝ちだね。行っけぇ!」

 

 

光の剣がシルヴィアの合図と共に鬼女の身体のあちこちに刺さったのだが、当の鬼女には効いた様子はなかった。

 

 

冬香「鬼女にその程度の攻撃は通りませんよ?もっと強力な術や技でなければ倒す事は不可能です。」

 

シルヴィア「そうですよね。なので私はこうします。急急如律令!」

 

 

すると刺さっていた6本の剣が突然光り出し、鬼女の周りを虹色の壁が覆っていた。

 

 

冬香「っ!?直接百鬼夜行避けを!?そんな術は存在していないはず!一体どうやって!?」

 

シルヴィア「八幡くんが考案した技です。通常の百鬼夜行避けは五芒星、つまりは星型です。でもそれをより強力にするにはもっと強い呪力を込める必要があります。ですが私にはその術はありません。なので、1度戻した百鬼夜行避けの呪力をそのままにしてながら、もう1枚の呪符に力が均等になるようにすれば、六芒星の結界が出来上がります。このやり方なら私でも可能なので。1度百鬼夜行避けを武器に纏わせたのはこれのためです。」

 

 

冬香(このような新術まで編み出していたなんて……八幡様はやはりお凄い。しかもシルヴィア様が使用できるようにアレンジまで加えてある。もし八幡様が使われるとしたら、これよりももっと展開が早いのでしょう……)

 

 

シルヴィア「六芒星に捕らわれし邪なものを討ち滅ぼせ、急急如律令!」

 

 

六芒星に囲まれた鬼女はもがいていたが、結局滅せられてしまった。今のところシルヴィアが優勢に見られるが、実際にはシルヴィアは少し焦っていた。

 

 

シルヴィア(どうしよう……幾ら強い妖怪を倒したところでも、これじゃラチがあかないよ。このまま持久戦に持ち込んだら、必ず私が負ける。早く勝負をつけないと!)

 

 

冬香「……お見事です。まさか鬼女をこれほど簡単に滅せられてしまうなんて思ってませんでした。」

 

シルヴィア「八幡くんに陰陽術を少し教わっといて良かったよ。出ないと今頃頑張って妖怪たちと戦っている最中だと思いますし。改めて八幡くんに感謝しないといけないですね。」

 

冬香「しかし困りました。鬼女が滅せられたとなると、私の出せる式の中で1〜3番の中でないとシルヴィア様には対抗できないということになります。鬼女はとても強力な妖だったのですが……それをいとも容易く倒してしまうんですから。」

 

シルヴィア「ならそれを出される前に、倒さないとマズイですね!」

 

 

シルヴィアは冬香に向かってまっすぐ走り出した。当然冬香は近づけさせないために式を出すが、シルヴィアが武器に纏わせている百鬼夜行避けのせいもあってか、すぐに消されてしまっていた。近距離攻撃の不得意な冬香にとっては致命的なミスだった。

 

 

冬香「っ!しまっ「終わりです!」」

 

 

スパッ!

 

 

『校章破壊』

 

 

冬香「………負けてしまいましたか。お見事でした、シルヴィア様。最後の最後でとんでもないミスをしてしまいました。」

 

シルヴィア「妖怪を出した事ですよね。」

 

冬香「癖というのはなかなか治りませんね。百鬼夜行避けがあることが分かっておきながら、障壁用の妖を出してしまうなんて……私もまだ修行が足りませんね。」

 

シルヴィア「良い勝負でした。」

 

冬香「こちらもとても有意義でした。シルヴィア様、健闘をお祈りしています。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





シルヴィアの勝利!!もう、さらにチート化されちゃってるじゃないの!



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セシリーのお説教

 

 

マフレナside

 

 

皆さんこんにちは、クインヴェール女学園所属のマフレナです。あっ、もしかしてご存知でしたか?でしたらすみません。少しだけあらすじをお話しますと、私と相手のセシリーさんが戦おうとした直後に別の場所で戦っていた虎峰さんが私たちの所まで飛ばされてきました。

 

なぜ飛ばされてきたかというと、相手をしていた川崎さんの胸を揉んだからとか………正直に言いますと、彼がそのような事をするような人ではないと思っていたのですが、川崎さんのあの顔を見る限りでは嘘はついていないようなので、少し戸惑っています。因みに虎峰さんは気絶しているのですが、セシリーさんはそんな虎峰さんに向かってあれこれ言っていました。なんだか戦う雰囲気ではなくなってしまったのが、1番の戸惑いではあります。

 

………誰かセシリーさんを止めてください。

 

 

セシリー「虎峰ー、早く起きないとサキサキのビンタがまた飛んでくるよー?いいのー?ねぇいいのー?頬の紅葉が1つ増えちゃうよー?あっ、もしかしてそれが狙いー?虎峰ってばドMー!ちょっとキモいよー?」

 

マフレナ「あ、あのぉ〜……セシリーさん?そろそろ戦闘開始しませんか?かれこれもう10分くらい経ってますし……」

 

セシリー「んーちょっと待ってー、この変態バカ起こしてからでいいー?」

 

マフレナ「は、はぁ………」

 

 

一体どうやって起こすのでしょう?取り敢えず乱暴な起こし方だけはしないように祈っておきます。

 

 

セシリー「起ーきーろー虎峰ー!!」

 

 

ドゴォッ!!

 

 

虎峰「グハァッ!?」

 

 

………あれは痛い奴です。思いっきり鳩尾に入りました。私だったら耐え切れません。セシリーさん、一応相手は怪我人ですよ?よくそんなことが出来ますね?

 

 

虎峰「だ、誰がこんな事を………」(プルプル)

 

セシリー「虎峰ー、あんたビンタされる前に何したか覚えてるー?あっ、ちなみに覚えてないなんて言ったらあたし許さないからねー?」

 

虎峰「………っ!!/////」

 

セシリー「その様子だと覚えてるみたいだねー?だったらやる事は分かってるよねー?はい、相手があそこにいるから行っといでー。」

 

虎峰「わ、分かっています!」

 

 

セシリーさんに促される虎峰さん……あっ、やっぱり川崎さんの所ですね。というよりも、それ以外に誰がいるのか分かりませんけど。

 

 

虎峰「えっと……先程は本当に申し訳ありませんでした。戦闘中とはいえ、その………胸を触ってしまって……本当にすみません/////」

 

沙希「……別に、もういいよ///あたしも思いっきり叩いちゃったから///」

 

虎峰「本当にすみませんでした。」

 

セシリー「うんうん、これでよし!所で虎峰、揉み心地どうだったー?」

 

虎峰「言うわけないじゃないですか!!もし答えたら川崎さんに失礼です!!」

 

セシリー「えーいいじゃーん!あたしにだけでもいいから教えてよー!」

 

沙希「虎峰……言ったら今度は反対側の頬にたん瘤が出来るから。」(パキポキ)

 

虎峰「大丈夫です!言いません、言いませんから!!なので指を鳴らすのをやめて下さい!!」

 

セシリー「で、本音は?」

 

虎峰「だから言いません!!」

 

セシリー「あっ!もしかして自分だけの秘密にしておくつもりだなー!?虎峰ってば変態だー!意外とムッツリかー?」

 

虎峰「ち、違います!お答えする義務がないと思っているだけです!それとセシリー、気になるのなら貴女が触ればいいじゃないですか!」

 

セシリー「え………虎峰ってもしかして、そっちの趣味があるの?」

 

虎峰「何故そうなるのですか!?僕が答えたら男としての威厳が無くなります!なら一層の事、セシリーが川崎さんの、む、胸を触ればと勧めたんです!」

 

 

虎峰さん、少しだけ変態みたいなこと言ってます。

 

 

セシリー「いやいや虎峰ー、それは無いってー。本当に無いよー。おねーさんちょっと幻滅だよー。」

 

虎峰「な、何でですか!?」

 

セシリー「じゃあ例え話するよー?八幡以外の他の誰でもいいから【戦律の魔女】のおっぱい触った人許せるのー?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虎峰「誰ですかそのクソッタレの命知らずは?今すぐ僕の前に差し出して下さい。両手足の爪を引き剥がしてから全ての毛を処理して、最後に去勢させますので。」(ハイライトオフ)

 

 

怖い!!虎峰さん怖いです!!目の光がお仕事していません!!しかも物凄く口が悪くなってますよ!!

 

 

セシリー「でしょー?だから同性でも触るのはダメだからねー。分かったー?」

 

虎峰「よく分かりました。心に刻んでおきます。」

 

セシリー「うんうん、それで良し!サキサキもゴメンねー、あたしは男が好きだからさー。」

 

沙希「何であたしが振られたみたいになってんの?あたしだって普通に男が好きだから。」

 

セシリー「そうだよねー!さて、一件落着した事だし、そろそろあたしたちも戦いを再開しよっかー!思わぬ所で邪魔が入ったしねー!」

 

 

いえ、どちらかと言うと戦う前に邪魔が入ったような気がしますが、ここはスルーしましょう。

 

 

マフレナ「……そうですね。では早速始めても?」

 

セシリー「うん、いいよー!」

 

マフレナ「では……行きます!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





………何だこれ?


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勝者と敗者

 

 

ーーーーーー

 

 

ようやく始まったセシリーとマフレナの戦い。だが、マフレナは集団戦は得意であっても個人戦では自身の長所を生かすことが出来ないでいた。マフレナの長所は高い指揮能力と陣形の修正の速さと正確さ、そして何と言っても身体強化弾を打てる事。この3つのうち1つしか出来る状況にしかいない為、セシリーに圧倒されていた。

 

 

マフレナ「はぁ…はぁ……やっぱり個人戦だと能力を生かしきれない。でもこれは私が受けた戦い、私1人でなんとかしなきゃ!」

 

 

自身に強化弾を撃っている為、セシリーの攻撃やスピードには辛うじてついていけてるが、それだけであり、攻撃に耐え切れているかというと、微妙な所である。

 

 

セシリー「んー凄くついてこれてるけど、やっぱり無理してるねー。そのキーボード、対象者に向けて撃ったら強化されるみたいだけどさー、君はそれでも私には及ばないよー。」

 

マフレナ「はぁ……はぁ……確かにそうです。私は貴女には勝てません。ですが、私にも意地があります!シルヴィアさんがこのチームに入れてくれたから、少しでも役に立ちたいんです!少しだけでも貴女の体力を削ります!」

 

セシリー「……そっかぁー、なら私も削られない内に早く決着をつけないとね!」

 

マフレナ「っ!」

 

 

マフレナはセシリーが接近してくると持っている銃でセシリー目掛けて発砲していた。だがセシリーにはその弾が見えているみたいで、難なく躱していた。あっという間に接近されたマフレナは体術で対応するも、元々それ程得意ではない為にセシリーには効果が無かった。

 

 

そしてマフレナが距離を取ろうとすればセシリーが詰め寄りの繰り返しだった。

 

 

マフレナ「くぅ!」

 

セシリー「勝負アリだよー!」

 

マフレナ「っ!最後に!!」

 

 

マフレナはセシリーに攻撃される前に銃を発砲した。その弾はセシリーの左頬を掠った。そしてセシリーの蹴りが校章に当たってしまった。

 

 

『校章破壊』

 

 

マフレナ「……負けましたか。やっぱり凄い実力です。流石は界龍です。とんでもない強さでした。」

 

セシリー「褒めてくれてありがとねー。でも、あたしより強い人なんてまだ4人もいるから、それに比べたら見劣りするよー。」

 

マフレナ「そうだとしても、やっぱり凄いです。私ももっと強くなります!」

 

セシリー「そうしなよー。そしてチームの皆を見返してやりなよー。」

 

マフレナ「はい!」

 

 

マフレナVSセシリーの戦いはセシリーに軍配が上がった。一方その頃、シオンと宋たち他の三人はというと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀梅「はぁ……はぁ……連携は出来ているはず、なのに……はぁ……どうして攻撃が通らないの?」

 

宋「ふぅー……俺の八極拳も軽くいなされる。それに見たか?俺の全力の肘鉄をあいつは片手で受け止めやがった。流石は宗師の式神といったところだな。」

 

永成「ですが、私たちが不利なのは変わりないですね。どうしましょう?

 

羅「高火力の武器はいまだに使っていないから、脅威だな。あいつがどのタイミングで使ってくるのかも分からない。攻めきれないな。」

 

シオン「来ないのか?ならこちらから攻めるぞ?」

 

宋「羅と永成で迎撃、俺たちはさっきと同じだ。やつを攻めて攻めて攻めまくる!」

 

銀梅「はっ!!」

 

 

シオン(あまり時間をかけてはいられない。もう一気にカタをつける!)

 

 

羅/永成「はあっ!!」

 

シオン「甘いな、それはもう見切った。」

 

 

シオンは棍と旋棍がクロスされているその間に剣を突っ込んで切っ先の向きを下にした。

 

 

羅「な、何っ!?動かない!?」

 

シオン「武器を交差させていたのが仇になったな。ふっ!」

 

羅「ぐおっ!」

 

 

シオンは武器を固定したまま羅の顔の側面を蹴った。羅は堪らず地面に倒れてしまい、隙だらけになった校章はシオンが操っている自身の棍によって砕かれた。

 

 

永成「くっ!」

 

シオン「次はお前だ。」

 

永成「簡単にはやられないよ!」

 

銀梅「私達がいることを忘れないで欲しいね!」

 

宋「羅の敵、取らせてもらう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シオン「流旋回。」

 

 

シオンは銀梅と永成の武器を掴んで、自身を交差せるように旋回した。そして手を離すと、2人の武器が互いの校章に直撃して砕けた。

 

 

銀梅「う、嘘っ!?」

 

永成「そんな……どうやって……」

 

 

シオン「残りはお前だけだ。すぐに決める。」

 

宋「………」

 

シオン「いくぞ。」

 

宋「来いっ!」

 

 

シオンと宋はそのまま武術での勝負をし始めた。シオンは詠春拳、宋は八極拳と南派武術と北派武術の戦いだった。

 

 

宋「はぁっ!!」

 

シオン「ムンッ!!」

 

 

攻めては防ぎの繰り返しだが、攻撃では宋が押していた。非常に攻撃力が高い武術の為、詠春拳では受け切るのには少し強過ぎるのだ。

 

 

シオン「……流石は序列9位だ、腕は一流か。」

 

宋「いや、まだまだ宗師には届かない。この学院の中では八極拳を極めし者なんて呼ばれているが、それも宗師に比べたら小さき物だ。」

 

シオン「だが、そんな風に呼ばれているんだ。よほどの努力をしなければそのようには言われるまい。」

 

宋「ふっ……その言葉、受け取っておこう。提案なのだが、最後は1撃でケリをつけたいのだが、構わないか?」

 

シオン「………いいだろう。」

 

 

互いに少し離れたところまで行くと、正面を向いた。

 

 

宋「合図は「この弾が落ちたらスタートでどうだ?」……あぁ、じゃあそれで頼む。」

 

シオン「じゃあ、投げるぞ。」

 

 

ピンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カンッ!

 

 

2人「はあああああああぁぁぁぁぁ!!」

 

 

ドガッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『校章破壊×2』

 

 

宋「引き分け、というわけか。」

 

シオン「みたいらしい。取り敢えずは序列9位レベルという事か。」

 

宋「そうなるな。今度宗師に頼んで、お前と鍛錬でもしたいと言ってみるか。」

 

シオン「その時は負けないぞ。」

 

宋「あぁ、俺もだ。」

 

 

シオンVS序列9〜12位の戦いは、ひきわけにおわった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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贖罪の錐角


昨日は投稿できずすみません。色々と立て込んでいまして……言い訳っぽいですよね。

今日はこれともう1つ投稿する予定です。
※(あくまでも予定です。確実ではありません。)




 

 

セシリーside

 

 

んー不完全燃焼だなー。クインヴェールの子もサキサキも倒したけど、やっぱりなんか物足りなーい。誰か私と良い勝負してくれそうな強い人いないかなー?あっ!【戦律の魔女】に【孤毒の魔女】や八幡の式神くんもいるじゃーん!選びたい放題じゃん!じゃあまずは「今、お時間はありますか?」……もう、こんないい時に誰さー?

 

 

セシリー「……あんた誰ー?」

 

パーシヴァル「申し遅れました、私はガラードワース所属のパーシヴァル・ガードナーといいます。先程の言葉を繰り返すみたいで申し訳ないのですが、お時間はありますか?」

 

セシリー「ないって言ったらー?」

 

パーシヴァル「申し訳ないのですが、時間を作ってもらいます。私だけ戦闘に参加しないというのは疎外感がありますので。より端的に申し上げますと、私と戦いませんか?」

 

 

へぇー………

 

 

セシリー「随分余裕だねー【優騎士】?一応あたし序列5位なんだけどー?」

 

パーシヴァル「ご安心下さい。貴女もご存知だと思いますが、私も5位ですので。」

 

セシリー「他学園の5位と界龍の5位じゃ、話にならないと思うけど、それでもやるー?それなら相手が相手だから手加減なんてしないからね?」

 

パーシヴァル「えぇ、望むところです。むしろ手加減されては困ります。」

 

 

ふぅーん……なら安心だねー。

 

 

セシリーsideout

 

ーーーーーー

 

 

セシリー「ならあたしも本気で相手するねー。後で後悔しても知らないよー?」

 

パーシヴァル「しませんよ。」

 

 

セシリーは脚に雷を纏わせ、パーシヴァルは銃型煌式武装を展開した。

 

 

パーシヴァル「ちなみに聞きますが、体力の方はどうですか?まだお休みになられますか?」

 

セシリー「全然大丈夫だよー。今すぐ始めても大丈夫だから心配しなくていいよー。」

 

パーシヴァル「そうですか……であれば、すぐに始めても問題ない、という訳ですね?」

 

セシリー「そういう事になるねー。あたしも撃たれないうちにドンドン攻めちゃおうかなー。」

 

パーシヴァル「それは困りますね……なので、反撃しながら攻めていきますね。」

 

 

パーシヴァル(【雷戟千花】は私が【贖罪の錐角(ゴート・アマルティア)】の所有者という事は知らないはず……だからそこを突きます。完全に油断した所を【贖罪の錐角】の能力で意識を飛ばしてから校章を壊す。これなら余程のことがない限りは負けはしません。ただ、それまで相手の攻撃を出来るだけ受けずにいられるかも問題になってきます。中々にハードルの高い作戦ですが、1番勝算の高い作戦です。)

 

 

セシリー「来ないならこっちから行くよー!」

 

パーシヴァル「っ!」

 

セシリー「せいやあぁぁぁ!!」

 

 

ドゴオォォォォンッ!!

 

 

パーシヴァル(なんて威力……あれを食らったらひとたまりもありませんね。これは絶対に受けないようにしなくては………)

 

 

セシリー「あんたは遠距離派みたいだからずっと距離を詰めさせてもらうよー!」

 

パーシヴァル「やはりそうきますか!」

 

 

パーシヴァルが銃で応戦しようにも、セシリーが攻撃した後、すぐに接近してしまう為、中々攻撃が出来ないでいた。だがパーシヴァルにとってはこれも好都合だった。

 

 

セシリー「ほらーどうしたのー?さっきから避けてばっかで全然攻撃が来ないよー?」

 

パーシヴァル「くっ……」

 

 

だが不利な状況には変わりなかった。自身が思うように行動出来ないというのは、裏を返せば相手のペースに事が運んでいるという事であるからだ。

 

 

セシリー「ふぅ……中々にすばしっこいねー。なら攻撃パターンを増やそうかなー。邪符を焼き払えっ。喼急如律令ー。」

 

 

セシリーが呪符を取り出し呪詛を唱えた後、足に呪符を取り付けた。すると足から燃え盛るような炎が現れた。

 

 

パーシヴァル「っ!?」

 

セシリー「驚いたー?陰陽術って言ってねー、まぁ限定的な魔法みたいなものかなー。じゃ、行くよー。」

 

パーシヴァル「っ!今なら!」

 

 

パーシヴァルはセシリー目掛けて銃弾を4〜5発発砲した。ようやく攻撃らしい攻撃ができた。だが……

 

 

セシリー「火雷刃(ひらいしん)!」

 

 

セシリーは炎を纏った雷の槍のような物をパーシヴァルに飛ばした。パーシヴァルが発砲した弾は全てそれに打ち消されてしまった。

 

 

パーシヴァル「っ、避けきれない!」

 

 

咄嗟に星辰力を練り、目の前に壁を作った。

 

 

パーシヴァル「くぅっ!〜〜!」

 

 

セシリーの攻撃は打ち消せた。だが星辰力が不十分だった為、腕には火傷の痕があった。

 

 

セシリー「あたしは別にドSじゃないから人が苦しんでいるところを見ても楽しくないから、そろそろ終わらせるねー。雷光炎魔!」

 

 

セシリーの右足に纏ってある雷が左足に移り、炎を纏った雷と化していた。そしてその足を纏ったセシリーがパーシヴァルに迫っていた。

 

 

セシリー「これで最後ー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーシヴァル「贖罪の光っ!!」

 

 

眩い光が辺り一帯を照らしていた。

 

 

セシリー「な、何っ!?」

 

 

セシリーもこの光の正体は分からなかった。そしてセシリーはまるで力が抜けたかのような、魂がそこからなくなったかのように動かなくなってしまった。左足の雷と炎も消えている。

 

 

パーシヴァル「……ギリギリでした。ですが、勝負ありです。」

 

 

パーシヴァルはセシリーの上体を起こして校章を取ると、それを銃で撃ち壊した。

 

 

『校章破壊』

 

 

パーシヴァル「さて、後は比企谷さんだけですね。あとはお願いします。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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最後の戦いと罰ゲーム

 

 

八幡side

 

 

全員が終わるまで待ってるとは言ったが、まさか界龍が星露以外全滅とはな………いやまぁ殆ど倒したの俺とシルヴィなんだけどさ。だが、全員進歩はしてあるみたいだ。動きも洗練されている。教えている身としては鼻が高いな。後はこれで星武祭で成績を残せばもっと良いな。

 

 

星露「まさか全員やられてしまうとはのう……」

 

八幡「残るはお前だけだ。どうする?大人しくやられるか?それとも投了(リザイン)か?」

 

星露「何を戯けた事を言うておる。お主ともう一度戦えるのじゃぞ?こんな機会滅多にない事じゃ。存分に楽しむに決まっておろう。」

 

八幡「まっ、そう言うだろうとは思ってた。さて、じゃあ俺たちも始めるか。」

 

星露「そうじゃな、そうするべきじゃ。界龍はもう妾しかおらんからのう。はよう戦って決着をつけようぞ。」

 

 

星露はやる気満々のようだな……身体中から闘気が漲ってやがる。まぁ、かくいう俺もやっとこいつでこの星武祭も終われるって思いでいっぱいだから、やる気充分だ。

 

 

八幡「んじゃ、行くぞ。」

 

星露「うむ、いつでも来るとよい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴオオォォォォォ!!!

 

 

俺の蹴りが星露を捉えたが、当たったのは腕。ガードされた。だが………よし、これならいける。

 

 

星露「お主、また成長しおってからに……ただの蹴りで妾をここまで移動させるとはのう。ざっと50cmというところじゃのう。」

 

八幡「1度も鍛錬を落としてないからな、そのおかげだろう。しかも蹴りはこの学院ではかなり重宝されてるからな。陽乃とセシリーのおかげで。」

 

 

俺もそのおかげでかなり動かされたもんだなぁ……特に陽乃には。

 

 

星露「ならば妾もお主に返さんとのう。妾の蹴りじゃ、お主も腕で受けよ!!」

 

 

星露も俺と同じで蹴りを放ってきた。俺はそれを腕でガードした。

 

 

星露「お主、少しは何か反応したらどうじゃ?反応なしでは少し傷つくではないか。」

 

八幡「いや、別になんともなかったから。」

 

 

星露(……嘘じゃろ?妾は本気で蹴ったのじゃぞ?それを何ともなかった?はぁ………とことん規格外な奴じゃわい。もう人間辞めたかのう?)

 

 

八幡「まぁこれで五分か。さて、次はどうするか……星露はなんかあるか?」

 

星露「妾に振られても困るんじゃが……そうじゃのう、であれば打ち合いでもせんか?先に攻撃を当てた方の勝ち、というのはどうじゃ?」

 

八幡「お前にしては普通過ぎて逆に疑うな……もっと破天荒なお題を出すかと思ってたんだがな。」

 

星露「妾とてこの戦いを楽しみたいのじゃ。それを意味もなくただ暴れるだけの戦いではつまらんじゃろ?ならば何か条件付きで戦った方がお主も妾も楽しいではないか。」

 

 

戦闘狂め……俺はこの戦いを楽しみたいなんて思ってねぇよ。むしろ早く終わらせてぇよ。

 

 

星露「では、始めるとするかのう!」

 

八幡「負けても泣くなよ!」

 

 

そして再び俺と星露の蹴りが繰り出された。

 

 

八幡sideout

 

シルヴィアside

 

 

シルヴィア「ねぇ皆、私たちってまだ生き残ってるけど、こんなにのんびりしてていいのかな?」

 

オーフェリア「………八幡とチビが戦っているのだから良いのではないかしら?それに、あの戦いに茶々を入れたら、どっちにも怒られてしまうもの。チビなら別に受け流せばいいのだけど、八幡には怒られたくないもの。」

 

シルヴィア「うん、それは同感だね。」

 

冬香「シルヴィア様、付かぬ事お聞きしますが、八幡様は怒ると怖いのですか?」

 

シルヴィア「うぅ〜ん……どうなんでしょう?実を言うと私も八幡くんが怒ったところを見た事はないんですよね。私自身、八幡くんに怒られた事ありませんから。」

 

セシリー「へぇーでもあたしと師父なんてしょっちゅう怒られてたよー。何ならハリセンで頭叩かれてたくらいだからねー。『勝手に部屋に入るな!』とか『菓子を全部食うな!』とか叫びながら叩かれてたなー。いやー懐いねー。」

 

 

あぁ〜……確かにそんな事もあったなぁ。八幡くんの寮の部屋に行ったらそういう事あったもんね。

 

 

虎峰「確かに八幡が怒る所はあまり見受けられませんね。でも、彼が簡単に怒りそうな条件は僕は知っています。」

 

冬香「それは誰もが知っている事でしょう。もしシルヴィア様を傷つけたら………考えたくもありませんね。恐ろしいです。」

 

 

わ、私?

 

 

沙希「普段あまり怒らない奴が怒ったら凄いからね。戦いでも何でもないのに、リューネハイムさんにかすり傷でもつけたら……マジ切れしそうだよ。」

 

シルヴィア「い、幾ら八幡くんでもそれはないと思うんだけどなぁ……それに、そんなに怒りっぽくはないんでしょ?」

 

虎峰「そうではありますが、シルヴィアさんに関しては別だと思います。本当に大切にしているのが分かりますから。」

 

 

八幡くんが私を………えへへ〜♪

 

 

オーフェリア「………此処で幸せオーラを出さないでほしいわ。それと忘れないで頂戴。貴方には執事服の刑があるというのを。」

 

シルヴィア「……ねぇ?それまだ引きずってるの?しかもそれって本気なの?」

 

オーフェリア「………本気よ。私、貴女と八幡には嘘をつかないもの。」

 

シルヴィア「ねぇお願いだからやめてよ!あの姿の八幡くんは本当にダメなんだってば!」

 

冬香「それはなんの話なのですか?」

 

オーフェリア「………八幡がメイド喫茶で執事になった姿でご奉仕をしてくれたのだけど、あまりに衝撃的だったのよ。だから2人であれを罰ゲームにする事にしたの。」

 

冬香「……少しだけ興味ありますね。八幡様の執事姿……それはシルヴィア様に同行すれば見られるのでしょうか?」

 

オーフェリア「えぇ、もう刑執行は決まったもの。」

 

シルヴィア「オーフェリアさん!?」

 

冬香「分かりました。では日時が決まりましたら私にもご連絡を頂けないでしょうか?勿論その時はオーフェリアさんも連れて行きますので。」

 

シルヴィア「………うん!それならいいよ!!皆で一緒に行こう!!」

 

オーフェリア「………よくも私を図ってくれたわね、【神呪の魔女】。」

 

冬香「なんのことが分かりかねます。」

 

 

冬香さんグッジョブだよ!これでオーフェリアさんも逃げられないんだからね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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成果と親バカ

 

 

ーーーーーー

 

 

八幡と星露が戦闘を始めて10分近くが経った。2人はまだ相手にダメージを負わせることが出来ないでいた。蹴りや掌底などは繰り出せてもガードされてしまうのだ。しかもその攻撃を常人では目で終えない程のスピードで出し続けたていた。

 

両者互角の戦いをしている為、戦況は膠着状態になっていた。余りの速さに殆どの者がキョロキョロと目を泳がせているが、序列上位の生徒は辛うじてついていけているようだ。冒頭の十二人は目が早さに慣れているのか、完全に見えているようだった。

 

 

八幡「……星露、いい加減当たってくれねぇか?出ないと俺の勝ちにならないだろう。」

 

星露「お主こそ早う当たらんか。」

 

八幡「やなこった、お前にはまだ負けられないんだ。この勝負も勝たせてもらう。」

 

星露「ならばこの勝負、妾が勝てば4代目は返上かのう?ちょっと燃えてきたわ!」

 

八幡「はっ、出来るもんならやってみろ!」

 

 

八幡と星露は再び拳をぶつけ合った。1撃1撃が余程強力なのか、衝撃波が飛んでくる程であった。

 

 

八幡(流石は【万有天羅】だ、攻撃すら簡単に入れさせてくれない。それに防御も一流だな。だが、徐々に見えてきた。次で入れられるな。)

 

星露(全く、何故あんなにも強くなっておるのじゃ?前に戦ったのは半年前じゃというのに、ここまで早く強くなれるものかのう?少し自信をなくすわい。)

 

 

八幡「憑霊……颶風・天翔龍神。」

 

八幡「龍神の加護!」

 

 

八幡の身体から紅いオーラが現れ、瞳の色も黒から瑠璃色へと変化した。『龍神の加護』の強化された証拠である。

 

 

八幡「さて、やるか。」

 

 

星露(……不味いのう、八幡の雰囲気が一気に変わりおった。しかもあの技は……攻撃と速度を上げる技じゃったな。だとすると、妾があの動きについていけるかどうかに腕が掛かってくるのう。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星露「ん?なんじ……ぐはっ!!?」

 

 

ドゴォッ!!

 

 

八幡「おいおい、何やってんだ?もう戦いは始まってんだよ、油断は命取りだぞ?」

 

星露「ガハッ!!?」

 

 

ドンッ! ドゴッ! ドガッ!!

 

 

星露は油断していたわけではなかった。八幡の拳の速さが見えなかったのだ。現に八幡の拳が当たった後に強い衝撃が現れていた。星露はこの速さと強さに耐え切れず、後ろに飛ばされ壁に激突した。そしてその威力は、星露の身体を通して威力が落ちているとはいえ、障壁に亀裂を作る程の強大なものだった。

 

 

八幡「急急如律令。」

 

 

八幡は4つの札を取り出して手足にくっつけてから唱えると、手足が鉛色になった。

 

 

八幡「こんなものか?まだやれるだろ?俺は憑霊を纏って技を出しただけだぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星露「はぁ…はぁ……当たり前じゃ。勝負はここからじゃ。妾を楽しませてくれるような演出をしてくれるのう、八幡よ。」

 

 

星露は煙の中から出て来たが、頭からは血を流しており、拳が当たった腹部を押さえていた。

 

 

星露(何じゃ今の拳速は?妾でさえも見えないんだ。まさか音よりも早く拳を当てるとは………こんな技術、妾には到底真似出来ぬ。じゃが……何とも楽しませてくれる!!期待以上じゃ!何故そこまで妾を昂ぶらせてくれるのじゃ、八幡!!)

 

 

八幡「流石のお前でも、いきなりこの速度は無理だったか。まぁ当然だな、この速さを出したのはお前で2人目だからな。」

 

星露「……ほう?その前は歌姫殿かえ?」

 

八幡「いや、その時はまだこの速さは実現出来ていなかった。この速さを出せるようになって、最初に手合わせしたのは麗蘭さんだ。今はあの人に色々と教えてもらっていてな、おかげで拳速もこの通りだ。お前でも見えないくらいの速さになったってわけだよ。」

 

星露「……まさか初代に弟子入りしたとはのう。」

 

八幡「違う、弟子入りしたんじゃない。技術を教えてもらっているだけだ。俺の師は汪小苑ただ1人だ。他の誰もいない。」

 

 

星露(その言葉、あやつが聞いたらさぞ喜ぶじゃろうな。ここにいないのが残念じゃのう。)

 

 

八幡「さて、無駄口はここまでにするか。そろそろ始めようぜ。」

 

星露「そうじゃのう。早うその早さに慣れんと妾もかなりマズイしのう。」

 

 

八幡sideout

 

小苑side

 

 

八幡め、中々嬉しいことを言ってくれるではないか。そうか、お前の師匠は儂だけか……ほっほっほ。自分でも分かっておるが、ニヤケが止まらんわい!

 

 

麗蘭「随分と嬉しそうですね、小苑。感情が昂ぶっているようにお見受けしますが?」

 

小苑「当たり前ではないか!八幡が師は儂だけだと言ったのじゃぞ!これほど嬉しい事はないではないか!本当にあやつは良い弟子にして良い息子じゃわい!儂には勿体無いくらいじゃ!」

 

麗蘭「なら私が貰いましょうか?勿体無いのであれば引き受けますよ?」

 

小苑「誰が譲るものか!八幡はずっと儂の弟子じゃ!幾ら初代のお主でも譲らんわい!」

 

 

麗蘭(……八幡さんと出会われる前の小苑とは大違いですね。見事なまでに親バカになってしまわれたものです。目が見えない私でも、彼女の嬉しそうな表情が目に浮かびます。)

 

 

麗蘭「嬉しそうで何よりですよ、小苑。」

 

小苑「うむ、全くじゃ!折角じゃから今晩は妾がご馳走でも作ろうかのう?じゃがシルヴィアとの時間を邪魔しないじゃろうか?うぅむ……迷うのう。」

 

 

麗蘭(………以前お会いした時よりも、親バカには磨きがかかっているようですね。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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試合終了!!

 

八幡side

 

 

ドォンッ!!

 

 

星露「うぐぅ!!はぁ……はぁ……とんでもなく強くなりおってからに。本当に半年前に妾に勝った奴かえ?強さがまるで別人じゃ。」

 

八幡「そりゃあそうだ。俺には何がなんでも守りたい奴がいる。あんな思いはもうたくさんだ……だからあの時の公式序列戦が終わった後は自分を追い込み続けた。師にも手合わせをしてもらったし、麗蘭さんにも偶に稽古をつけてもらった。だから今の俺がいる。」

 

星露「………デタラメな強さじゃのう。もう妾はお主には勝てん。どんな小細工をしようにも勝てる気がせんわい。」

 

八幡「……そうか。」

 

 

こいつからこう言われるのは意外だな……『まだまだ負けとらんわ!』とか言いそうな奴だと思っていたんだが、やけにしおらしい対応だな。

 

 

星露「にしても、何か攻略法とかないのかえ?お主ばかり攻撃をしているから妾が攻められん。何かあるのなら教えて欲しいのじゃが……」

 

八幡「教えねぇよ。そんな大層なこと教えたらお前が有利になるだろうが。俺はそんなに甘くはねぇよ。教えるとすれば、シルヴィくらいだな。」

 

星露「やれやれ、相変わらずラブラブじゃな。」

 

八幡「褒め言葉をありがとよっ!」

 

 

だが流石は星露だな、徐々に俺の動きに慣れてきてやがる。まだ全体の4割くらいだが、ガードができるようになってやがる。これは完全に慣れる前にカタをつけねぇとな。じゃないと俺がマズイ。

 

 

八幡「悪いが、もう決めさせてもらう。影分身。」

 

 

俺は影分身を作り、全員を星露に向けて攻めさせた。まぁ陽動にも近いが、それ以外にも理由がある。コイツの発動には俺と分身全員の息を合わせなきゃ意味がない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星露「ぬうぅ〜……すばしっこい奴らめ!流石は八幡じゃ!地味に嫌な戦術を練りおる!本体は何処じゃ!?」

 

分身「教えると思うか?」

 

星露「であろうな。じゃから虱潰しにお主らを殴るまでじゃ!」

 

 

星露は分身たちの動きに慣れたのか、既に攻撃を予測に反撃できるようにまでなっていた。分身もやられたものから消えていなくなり、最終的には全員が消えてしまった。

 

 

星露「ふぅ……残るはお主だけじゃぞ八幡よ。出て来んか!1対1で勝負せい!」

 

八幡『今からそっちに向かってやるよ。相手をするから上を見てみろ。』

 

星露「何じゃ?上に何か……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星露が目にしたのは、倒した筈の分身体が復活した状態で宙に浮いているからだ。

 

 

八幡『さて、お前には本物が当てられるか?行くぞ!朧分身・飛翔天下(ひしょうてんげ)!!さぁ当ててみろ!!」

 

 

7人の八幡は地上の星露に向かって一気に急降下した。星露露も驚いているだけでなく、状況を打破するべく本物を探している。

 

 

星露「考えたのう、八幡よ!!じゃが7分の1、それを当てれば良いだけじゃ!もう一度勝負じゃ!」

 

 

星露も地を蹴り、八幡たちへと向かって行った。全員を攻撃するのならまだしも、そんな道具を持っていない星露が圧倒的に不利な状況にあった。

 

だが星露はそれを物ともせずに向かって行った。そして………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星露「本物はお主じゃ!!」

 

 

ドゴッ!

 

 

1人の八幡を攻撃。星露は確かな手応えを感じていた。

 

 

星露(よし、手応えありじゃ!)

 

 

八幡「お前なら真ん中を狙ってくれると思っていたぞ、星露。んじゃ、今度はこっちの番だ。行くぞお前ら。」

 

星露「な、なんじゃと!?」

 

 

星露の周りの八幡は星露へと狙いを定めていた。そして空中で取っているその構えは居合の構えだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「影切・月下無双……六堂閃(ろくどうせん)!!」

 

 

6人の八幡が星露を中心に交差した。その交差は六花の形を象っているようにも見える。

 

 

星露「ガバァッ!!?」

 

八幡「複数の敵がいる時はもっと用心するものだぞ、星露。今回も俺の勝ちだな。」

 

 

『校章破壊』

 

『End of duel』

 

 

星露の校章は6当分に綺麗に切られていた。そして、試合が終了した瞬間だった。

 

 

梁瀬『試合終了〜!!勝者、同盟チーム!!!なんという事でしょう!!数という圧倒的な不利を受けながらも、勝利を収めました〜!!!』

 

チャム『攻め、守り、連携、全てにおいて順序よく事を運べていたっス!メンバーも4人が生き残って大勝利っスね。』

 

 

………勝ったか。漸くだな。

 

 

シルヴィア「やった〜!やったよ八幡くん!!私たちの優勝だよ〜!!」

 

八幡「あぁ、そうだな。」

 

オーフェリア「………最後の攻撃、凄かったわ。私たちの優勝ね。」

 

パーシヴァル「ご苦労様でした、比企谷さん。」

 

 

梁瀬『生き残った同盟チームの4人で優勝の喜びを分かち合っています!!いやぁ〜それにしても、こうやって見ると比企谷選手はモテモテですね〜。六花の中でも美少女の中に入る女性に囲まれて〜!1人だけ幸せ者ですね〜。』

 

チャム『学院だけではなく、他学園の生徒とも仲が良いとは驚いたっス。だからこれだけの面子を集められたんだって納得ができるね。しかもメンバーだって、男:3の女:7だったっスからね〜。もしかしたらハーレムを狙ってたんじゃないっスか?』

 

 

うん、それは絶対にないな。俺はシルヴィ一筋だから他の女には興味ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ようやっと試合が終わりに出来た!!



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戦績発表

 

 

シルヴィアside

 

 

ふふっ、八幡くんが星露を倒してくれたおかげで私たちが無事《黄昏星武祭》を優勝する事が出来ました!でもでも、これは皆の勝利でもあるよね!力を合わせて他の学園を倒したんだもん!これは皆のおかげだね!

 

 

八幡「さて、じゃあとりあえずは戦績を見ていこうと思う。表彰式では、良い成績を収めた順に沿って並んで行こうと思っている。何か異論はあるか?」

 

オーフェリア「………八幡、ここには貴方の意見に対して口を出すようなおバカはいないと思うわ。」

 

八幡「いや、おバカってお前よ………んんっ、あー続けるぞ。じゃあ戦績順な。取り敢えずリザルト見ていくからな。」

 

 

そして八幡くんは《黄昏星武祭》の結果ページの学園別成績一覧を開いた。すると早速私たちのがあったからそこを開いた。

 

 

ここからはざっくり行くね!

 

 

最優秀戦績者:シルヴィ

・クインヴェールを単体で制圧。

・界龍の半数を撃破。

・界龍序列4位を撃破。

 

 

優秀戦績者:カミラ&パルソーム(シオン)

・ガラードワース生徒を30名以上撃破。

・星導館学園生徒を30名以上撃破。

・界龍序列9〜12位を撃破。

 

 

以降戦績順

 

 

沙希

・星導館生徒を50名以上撃破。

・星導館序列11位、9位、6位を撃破。

・界龍序列6位を撃破。

 

 

荒屋敷

・ガラードワース生徒を半数以上撃破。

・ガラードワース序列1〜12位内の男子を撃破。

 

 

八幡

・界龍生徒を半数以上撃破。

・界龍序列2位、3位を撃破。

 

 

オーフェリア

・星導館序列1位、5位を撃破。

・界龍序列7位、8位を撃破。

 

 

雪乃

・星導館生徒を30名以上撃破。

・星導館序列4位を撃破。

 

 

マフレナ

・星導館生徒を30名以上撃破。

・星導館序列12位を撃破。

 

 

パーシヴァル

・界龍序列5位を撃破。

 

 

まぁこんな感じかな。私が1番多く敵を倒してたんだね。全く意識してなかったよ。

 

 

八幡「シルヴィ……お前すげぇな。オーフェリアから聞いてはいたが、本当に1人で倒してたのか。」

 

オーフェリア「………あの時のシルヴィアは少しだけ怖かったわ。八幡に会いたい気持ちが強くて、クインヴェールの生徒を手当たり次第という感じだったわ。」

 

シルヴィア「ちょっと!人聞きの悪いことを言わないでよ!ちゃんと戦ったもん!」

 

荒屋敷「しかし意外だな、俺が比企谷より上だなんてよ……お前何してたんだよ?」

 

八幡「あぁ、序盤は界龍の先鋒隊の足止めをしてた。後半は界龍と戦争ってところだ。まぁ1学園だけ集中してた点はお前と同じだが、俺の時はチームが集まってたから冒頭の十二人をメンバーに任せられたからだろうな、俺がお前よりも下って事は。」

 

荒屋敷「成る程な……にしてもお前の式神坊主、中々強かったぜ?今度手合わせしてくれって頼んでくれよ。少し興味がある。」

 

八幡「いうだけだからな。」

 

シルヴィア「でも皆凄い成績だね!特に星導館チームは凄いよ!必ず冒頭の十二人を1人は倒してるんだからさ!」

 

沙希「集団戦法を比企谷から教わっといて良かったよ。それがなければあたしは星導館で終わってたかもしれないからね。」

 

雪乃「私も比企谷くんのおかげでなんとか30人以上は倒せたって感じね。まだ鍛錬が必要そうね。」

 

マフレナ「指示や援護はちゃんとできたとは思います。後はそれに見合うだけの実力をつけたいと思いました。」

 

 

うんうん、マフレナちゃんも成長したみたいで何よりだよ。やっぱり誘っておいてよかった。

 

 

八幡「ガードナーに関しては済まない。なんか伝令役みたいなことをさせちまって。おかげで戦闘なんて全く出来なかっただろう?」

 

パーシヴァル「………えぇ、まぁ。ですが最後に【雷戟千花】を倒せましたので。」

 

カミラ「それにしても比企谷八幡。君の式神は本当に技術者殺しだね。直した武装はすぐに使ってダメにするし、無茶な使い方をするからガタがくるのが早い。とんでもない式神だよ。」

 

八幡「あぁーじゃあもっと丁寧に使うよう言っておこうか?」

 

カミラ「いや、もっと頑丈な武装を作ればいいだけだから気にしなくて構わない。」

 

八幡「ん、了解。そんで表彰式の並びだが、戦績順でいいな?」

 

シルヴィア「八幡くんの隣がいい!」

 

 

八幡(おい、予想はしていたけど早速かよ!シルヴィ、此処は一番の戦績を出した奴を建てたいんだから我慢してくれ!)

 

 

シルヴィア「だってリーダーは1番最初だもんね!その後は副リーダーでも良いと思うんだ!もしくは戦績順でも良いと思わない?」

 

オーフェリア「………シルヴィア、我儘は良くないと思うわ。八幡の、リーダーの提案なのだから大人しく受け入れるべきだと思うわ。」

 

シルヴィア「オーフェリアさんは八幡くんの隣だから文句が無いだけでしょ!私は八幡くんの隣がいいの!八幡くんが隣じゃなきゃ嫌!」

 

八幡「……シルヴィ、俺は1番の成績を出したお前の顔を立ててやりたいって思ってるんだ。だからここは堪えてくれないか?」

 

シルヴィア「うぅ〜……」

 

 

やだよぉ〜。一緒のチームなのに八幡くんと別々の離れて表彰されるなんてやだよぉ〜………

 

 

マフレナ「……あんなしょんぼりした会長、初めて見ました。あんな顔をするんですね。」

 

雪乃「本当に意外ね。それ程までに比企谷くんに惚れているということかしら?」

 

 

結局その後、戦績順というのは覆る事なく決定しました。うぅ……八幡くんのけち!

 

 

 

 

 

 

 



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それぞれの願い

 

八幡side

 

 

表彰式も無事に終わり、俺たち同盟チームはシリウスドームの控え室に集まっている。もう集まる理由は特にはないんだが、一応仲間として戦ったからな、少しばかりの交流は必要だ。

 

 

シルヴィア「そういえば皆はさ、どんなお願いするか考えてた?私と八幡くんは相談したんだけど、何もなくてさー。八幡くんなんて終いには母体から半分くらいお金を搾り取る、なんて言ってたくらいだから。」

 

八幡「だってよ、マジで何もないんだぞ?碌でもない願いだが、こうでもしなきゃ浮かばないだろ。家はもうあるし、将来やりたい事に関しての必要最低限な事も準備したし、他に何を望めと?」

 

荒屋敷「家って何だよオメェら、まさか同棲してんのか?」

 

八幡「ん?あぁ、もう4年になる。」

 

「「「「「「「4年!!?」」」」」」」

 

 

そんなに驚く事か?まぁオーフェリアと川崎は知ってるから驚かないだろうが、リアクション高過ぎやしないか?

 

 

雪乃「貴方、そんなに長く同年代の人と同棲して大丈夫なの?」

 

八幡「どういう事だ?」

 

シルヴィア「それは私も気になる!どうして?」

 

雪乃「その、同年代同士での同棲って、何かしらの不満だとか要求があったりすると思うのだけど、その辺りで喧嘩することが多いと思うのだけれど、貴方たちはどうなの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「いや、不満なんてないし喧嘩もした事ない。というかシルヴィがいつも気を利かせてくれるから助かっているくらいだ。」

 

シルヴィア「それは八幡くんがいつも鍛錬で帰るのが遅いからだよ。皆の鍛錬頑張っているのに『ご飯は自分で用意してね。』なんて私には絶対出来ないもん!一緒に食べたり、一緒に過ごしていた方が絶対に良いに決まってるからね!」

 

八幡「いつもあったかい飯と風呂をありがとな。後、あったかいお出迎え。」

 

シルヴィア「これから毎日してあげるからね♪」

 

 

((((((((………もはや夫婦だ、こいつら。))))))))

 

 

荒屋敷「オメェらよ、夫婦とかって呼ばれてね?」

 

2人「よく言われる。」

 

荒屋敷「………だよな。」

 

カミラ「あぁ。この2人で夫婦と呼ばれないのなら、他の夫婦(めおと)の関係にある人たちをどう呼べばいいのか分からなくなる。」

 

パルソーム「ホント、噂に違わぬアツアツっぷりですね。見てるこっちも胸焼けしますよ。」

 

 

………事実を言ったのに何でだ?俺たちなんか間違ってるか?正常だよな?

 

 

雪乃「話は逸れたけれど、私もこれといって欲しいものは特にないのよ。」

 

八幡「そうなんだよなぁ……勝つのはいいんだが、このお願いってない人にはどうするかっていうのが適当だよな。1年間は有効ってあるが、1年でできるもんじゃねぇだろうに。だって俺はシルヴィが居るだけで生活は満たされてるし。」

 

雪乃「本当に仲が良いのね………でもそうね、お願いがない時の状態は困るわよね。」

 

八幡「お前らはどうなんだ?」

 

 

皆に聞いたところ、こんな回答だった。

 

 

荒屋敷…とりあえず金。

 

マフレナ…めちゃめちゃ高い音楽の機材。

 

川崎…生活に余裕が欲しいからお金。(実家にも送るからかなりの大金になるかも。)

 

カミラ…煌式武装を作るために必要な費用。もっと簡単に言えば金。

 

レビテート…自分専用の研究室。

 

ガードナー…最高級茶葉セット。

 

雪乃…特にない。

 

オーフェリア…八幡。

 

 

金っ!!殆ど金!!お前らちょっとがめついよ!?お金の執着心強ない?もっと物理的なのないの!?ていうか最後!それもう人間だから!俺を要求してどうする!!

 

 

ガードナー「やはり皆さん、それぞれの考えをお持ちのようですね。」

 

雪乃「貴方は少し欲が無さすぎではないかしら?」

 

ガードナー「いえ、普段はこういった買い物が出来ないので、こういう時に一番の物を手に入れなくてはと思っていたので。」

 

マフレナ「私も、同じ考えです。出来ればお願いする機材は私だけで使いたいので。あの人たちに使わせたら絶対壊しそうですし………」

 

 

うん、分かる。それ分かるよ。あの脳筋共だったらやりかねないから君だけで使いなさい。

 

 

カミラ「しかし、君たちの願いは本当にないのだな。金銭の要求はないのか?」

 

八幡「いや、考えてもみろ。《世界の歌姫》の収入ナメんなよ?金いると思う?」

 

カミラ「………失言だった。」

 

 

むしろ何もしなくても暮らしていけちゃうくらいあるよ。この子1人で荒稼ぎしちゃったもんだから大変なんだわもう。

 

 

オーフェリア「………それで八幡、いつから私の寮で暮らすのかしら?」

 

八幡「え?お前あれ本気だったの?」

 

オーフェリア「………」(コクッ)

 

八幡「いや頷くなよ。行かねぇよ?行かないからね?何来るのが当然みたいな感じかまし出してるの?俺ちょっと君が怖い。」

 

オーフェリア「っ!?」

 

八幡「いや驚くなよ。今のお前の反応の方が驚きだわ。そういうのはシルヴィに聞きなさい。」

 

オーフェリア「………シルヴィア。」

 

シルヴィア「ダメ!」

 

オーフェリア「………ケチ。」

 

シルヴィア「ケチでも何でもいいよ〜。オーフェリアさんは人の彼氏を欲張り過ぎ!」

 

オーフェリア「………いいわよ、執事服の刑をシルヴィアにしてもらうんだもの。」

 

シルヴィア「その時はオーフェリアさんと冬香さんも一緒だよね♪楽しみだね♪」

 

オーフェリア「………今になって【神呪の魔女】を恨むわ。」

 

 

………こいつらなんの話してるの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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三つ巴の会議

 

 

オーフェリアside

 

 

………シルヴィアったら酷いわ。いつもいつも八幡を独り占めして。少しくらいは私に分けてくれてもいいと思うわ。シルヴィアは欲張りさんなのね。でも、そうなるのも無理はないと思うわ。八幡はカッコいいもの。

 

………ごめんなさいね、始まってすぐに愚痴を聞いてもらって。今私たちはドームを出てそれぞれの学院や寮、家などに帰宅するところよ。当然私も寮へと帰るわ。でもその前に私にはやることがあるから、八幡とシルヴィアと一緒に界龍に向かっているわ。理由は【神呪の魔女】って言えば分かるかしら?彼女が八幡の執事服を見てみたいと言って、シルヴィアと行くように勧めたのだけど、何故か私も同行する流れになっていたから、本当はどうなのかを問い詰めるために界龍に向かっているわ。

 

 

シルヴィア「ねぇオーフェリアさん、シリウスドームの控え室で言っていたお願いって本気?」

 

オーフェリア「………そうね、3割冗談で7割本気というところかしら。」

 

シルヴィア「そこは冗談って言って欲しかったよ、私は………」

 

八幡「他に何かないのか?1年間商業エリアの全店舗フリーパスとか、1週間俺の執事の刑とか色んなのあるだろ?」

 

オーフェリア「………後者のは遠慮しておくわ。悶え死にしそうだもの。」

 

八幡「遠慮なんてしなくてもいいんだぞ?」

 

 

………遠慮なんてしてないわ。むしろ受けてしまったら凄いことになってしまうもの。

 

 

シルヴィア「でも私も執事の刑は遠慮したいかなぁ……八幡くんかっこよくなり過ぎて直視出来ないんだもん。どうにかならないの?」

 

八幡「無茶言うなよ、あの時はただ燕尾服を着て、髪を少しだけいじっただけだぞ?」

 

シルヴィア「それが余計にダメなの!」

 

オーフェリア「………」(コクコクッ)

 

 

………全くその通りだわ。八幡がカッコ良過ぎるのがいけないのよ。私たちのせいではないわ。八幡がカッコいいからいけないのよ。

 

 

八幡「……何だ?理由もなく俺が悪いみたいに言われている気がするんだが、気のせいか?」

 

 

ーーー界龍第七学院ーーー

 

 

八幡「うし、着いたな。ここにいると思うんだけどな、小苑さん。」

 

オーフェリア「………と【神呪の魔女】。」

 

シルヴィア「ふふっ♪そうだったねぇ〜。確かオーフェリアさんも執事の刑に行くことになっていたんだっけ〜?その打ち合わせかな?」

 

オーフェリア「………シルヴィア、私がそんなことをしに来たと思っているの?」

 

シルヴィア「まぁ理由は分かってるけど、からかわずにはいられなくてさ。」

 

 

………少し性格が悪いわよ、シルヴィア。

 

 

八幡「じゃあ俺は小苑さん所に行ってくるな。オーフェリアは分かるが、シルヴィはどうする?」

 

シルヴィア「私はオーフェリアさんについていくよ。不正をしないかちゃんと見ておかなくちゃ!」

 

オーフェリア「………私はそんな事しないわ。不正をするのは元ガラードワースの金髪の自惚れでクズの自意識過剰男だけで充分よ。」

 

 

2人(間違いなく葉山(くん)の事だな(ね)……)

 

 

八幡「じゃあ後でな。」

 

シルヴィア「はーい♪」

 

オーフェリア「………ええ。」

 

 

ーーー待ち合わせ場所ーーー

 

 

冬香「お待ちしておりました、シルヴィア様、オーフェリアさん。」

 

シルヴィア「先に待っていたんですか?すみません、お呼び立てしたのはこっちなのに……」

 

冬香「構いませんよ。シルヴィア様からお話は伺っております。オーフェリアさんがメイドカフェでの執事服の刑についてお話があるとか。」

 

オーフェリア「………えぇ。貴女はあの時、私も一緒に連れて行くと言っていたけれど、あの言葉、本気なのかしら?」

 

冬香「そうだと言ったら、如何なさいますか?」

 

オーフェリア「………連れて行くのはシルヴィアだけで我慢して頂戴、とだけ言うわ。」

 

冬香「私もできるのならそうしたいのですが、私とシルヴィア様だけではどうにも心細いので……それなら一度体験しておられるオーフェリアさんに来ていただければ心強いと思ったのです。」

 

オーフェリア「………別に私でなくてもいいじゃない。貴女の学院にいる女子を誘えばいいわ。」

 

冬香「……もしかしてオーフェリアさん、八幡さんが怖いなんて言いませんよね?」

 

オーフェリア「そんな事は絶対にありえないわ。」

 

シルヴィア「オーフェリアさんが即答する時って、すっごく早口なんだよね。」

 

 

私が八幡を怖がっている?冗談も大概にしてほしいわ。何故私が恩人である八幡を怖がらなくてはいけないの?むしろ尊敬して崇める方にいるわ。でとそれは極端だからしないわ。

 

 

冬香「オーフェリアさん、そこまでなのですか?八幡様の執事姿というのは。」

 

オーフェリア「………あれを見たら誰もがそう思うわ。きっと1週間一緒に過ごしても慣れないと思うわ。シルヴィアでも直視出来ないんだもの。」

 

冬香「そうなのですか………」

 

オーフェリア「………だから【神呪の魔女】も命を削る行為はやめておいたほうがいいわ。」

 

冬香「八幡様の執事姿は命すらも削るのですか?」

 

 

その後、あれやこれやと話し合いをしていたが、結局はオーフェリアも同行する事に変わりはなかった。シルヴィアは勝ち誇ったような笑顔を出し、冬香はいつも通り、オーフェリアは……読み取りにくいが、そんなバカな……という顔をしていた。

 

 

 

 

 

 



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罰ゲーム(?)の譲り合い

 

 

八幡side

 

 

八幡「では、失礼します。」

 

小苑「うむ、今回の星武祭も大儀であったぞ。」

 

麗蘭「お疲れ様でした、八幡さん。ゆっくりお休みください。」

 

 

小苑さんとの話も終わった事だし、シルヴィとオーフェリアと合流するか。さて、今はどこにいるんだ?少し探すか………ん?俺の部屋?シルヴィが他人の部屋を勝手に入る真似はしないと思うが……オーフェリアの差し金か?何にせよ、俺の部屋に向かうとするか。

 

 

ーーー八幡の部屋ーーー

 

 

はい、お久しぶりですね、俺の部屋さん。掃除は偶にしてるけど、ここ最近は少し忙しかったからしてなかったんだよな。まぁ、それはまた今度にするか。今はシルヴィとオーフェリアを待たせているからな。早く行ってやらねぇと。

 

 

八幡「シルヴィ、オーフェリア、中にいると思うが、入ってもいいか?」

 

 

俺の部屋とはいえ、中にいるのは女だ。取り敢えずノックと声掛けは必要だよな。

 

 

シルヴィア『八幡くん?用事はもういいの?』

 

八幡「あぁ、もう済んだ。それで入ってもいいのか?それともまだ待ったほうがいいか?」

 

シルヴィア『あっ、うん、大丈夫だよ〜!どうぞ入ってください!』

 

 

許可が出たから俺は中に入った。そこにはシルヴィとオーフェリアが居たのだが、何故か格好が変わっていた。そう、ウチの学院の制服を着ていた。

 

 

八幡「何でウチの制服着てるんだ?」

 

シルヴィア「ちょっと着てみたいな〜って思って聞いてみたら、『他でもない奥方様の頼みです!見繕ってきますので少々お待ち下さい!』って言って着せてもらったんだ♪」

 

八幡「成る程な。しかし、あんま違和感ないな。シルヴィはチャイナドレス式の制服でオーフェリアが道士の制服のようだな。似合ってるぞ。」

 

シルヴィア「えへへ、ありがとう♪」

 

オーフェリア「………ありがとう、八幡。でもこの制服、着て初めて分かったのだけど、すごくダボダボなのね。手を取り出しにくいわ。」

 

八幡「直裾は長いからな、俺も最初は苦労した。けどオーフェリアはチャイナドレスよりもそっちの方が似合ってる気がするぞ。」

 

オーフェリア「………そうよね、私はシルヴィアと比べると胸がないからこっちの方が良いわよね。」

 

 

俺って胸の話したっけ?

 

 

八幡「いや、そういうわけじゃないんだが……オーフェリアはチャイナドレスのイメージがあまりないんだよな。というか、そういうセクシー系っていうのか?そういうのは想像できないってだけだ。お前普段から素肌出さないだろ?」

 

シルヴィア「あぁ〜言われてみればそうだね。いっつも手袋履いてるし、足もストッキング履いてるもんね。でも、履かなくても大丈夫なんだよね?」

 

オーフェリア「………えぇ。八幡に作ってもらったアクセサリーがあれば素肌を出しても問題はないわ。」

 

八幡「……なら、1度履かずに生活してみたらどうだ?少しは快適かもしれないぞ?」

 

オーフェリア「………八幡はそんなに私の生足が見たいのかしら?」

 

八幡「ちょっと待て、ねぇ待って。なんで俺変態扱いされてんの?勧めただけなのにどうして?」

 

 

むしろなんでそういう解釈しちゃったの?俺は別に足フェチじゃねぇぞ?

 

 

オーフェリア「………違うの?」

 

八幡「よしシルヴィア、俺ってサービス精神が大事だと思うんだ。例のメイド喫茶行ったら、オーフェリアにもサービスしないといけないと思うんだが、どう思う?」

 

シルヴィア「うん、凄く良いことだと思うよ!星武祭の戦績だって八幡くんより上だったんだから、ご褒美も必要だよね!」

 

八幡「そうだよな。と言うわけでオーフェリア、その日は目一杯ご褒美をやるからな。」

 

オーフェリア「………八幡、今はダメかしら?」

 

八幡「いやいや、楽しみは後に取って置くものだろ?今はダメだ、我慢しなさい。」

 

オーフェリア「………シルヴィア、助けて頂戴。八幡が私のこと襲いたいって。」

 

シルヴィア「オーフェリアさん、日本にはこういう諺があるんだよ、『身から出た錆』。意味はね、自分の犯した言動が原因で、苦しんだり災いを受けたりすることなんだって。」

 

 

………まんまじゃねぇか。オーフェリアがやった事まんまじゃねぇか。

 

 

オーフェリア「………シルヴィア、貴女は私を見捨てるのね?いいわ、なら私もそれなりの方法があるのだから。」

 

八幡「なぁ、お前は何張り合おうとしてるんだ?」

 

シルヴィア「へぇ〜……それはどんなかな?」

 

オーフェリア「………八幡、その日のシルヴィアへのご奉仕は中止して私にご奉仕をして頂戴。」

 

八幡「……は?」

 

シルヴィア「え?」

 

オーフェリア「………シルヴィアには私と八幡がイチャイチャしているところを遠くの席で見てもらうわ。シルヴィアは執事服の刑を受けたくないって言っていたから、私が仮に受けようと思うわ。」

 

 

おぉ……こいつ切り返したぞ。まさかこんな返しを思いついていたとはな、少し驚いた。

 

 

シルヴィア「ち、ちょっと!元は私が受けるんだからそんなことしなくてもいいよ!」

 

オーフェリア「………でもシルヴィアは執事服の刑を受けたくないのでしょう?星武祭の最中あんなに拒絶していたんだもの。私にその立場を譲ってくれるわよね?」

 

シルヴィア「ううん!やっぱりそういうのは責任を持って受けるべきだと私は思ってるんだ!だから私は受けるよ!オーフェリアさんが遠くから眺めてなよ!その方がいいでしょ!?」

 

オーフェリア「いいえ、私がーーー」

 

シルヴィア「ううん、私がーーー」

 

 

ワーワーキャーキャー

 

 

八幡「………どう収拾つけりゃいいんだ、これ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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願いと修行


昨日はすみませんでした!!

実はアレ(仕事)がアレ(1日中だったの)でアレ(書く余裕がない日)だったから投稿できませんでした!!




 

 

シルヴィアside

 

 

もうっ!オーフェリアさんったら!まさかあんな風に切り返して来るなんて思ってもみなかったよ!そりゃあ私だって八幡くんの執事姿を受けたくないって言ったら嘘になるけどさ、独占をさせる程じゃないもん!!それなら私が独り占めするもん!!

 

しかも言い争ってたら八幡くんが『あまり喧嘩するようだったら1人ずつ丁寧に奉仕するぞ?徹底的に。』その言葉を聞いた瞬間、私たちは意気投合!一緒に受けることを選択しました!だってあんなのを1人で受けちゃったら………死んじゃうよ。

 

 

そして今はお家に帰って晩御飯の準備をしています。でも帰る時にもあの現象がありました。優勝おめでとうお祝いの商業エリアでお世話になっている人たちから、沢山の食材を貰いました。私たちの為にくれるのは嬉しいんですけど、経営大丈夫ですか?危なくないんだったらいいですけど、無理しちゃダメですからね?

 

 

八幡「……シルヴィ、その鱈はバターを使ってポワレをしてくれ。鱈が充分焼きあがったら、その後に醤油をフライパンに入れてソースを作って鱈にかけてくれ。」

 

シルヴィア「うん、分かった。八幡くんの方は大丈夫?何かあるなら手伝おうか?」

 

八幡「じゃあミートソースを作ってくれ。トマトの風味が欲しいからこのトマトケチャップを使って、そこにある挽肉も一緒に入れて作ってくれ。」

 

シルヴィア「はーい♪」

 

 

見ての通り、作業をしながらお互いの料理のサポートもできます!やっぱり共同作業は良いよね!その人を支えられているって感じるからね♪

 

……でも、八幡くんが作っているのってチキンライス?チーズもあるし、何故かパン粉まである………何だろう、何を作ってるのかな?

 

 

ーーー30分後ーーー

 

 

八幡「さて、じゃあ食うか。」

 

シルヴィア「驚いちゃったよ………まさかチキンライスの中にチーズを入れてそのチキンライスに小麦粉、卵、パン粉を満遍なくつけてから油で揚げるなんてさ。全く分かんなかったよ!」

 

八幡「驚いてくれたようで何よりだ。シルヴィが作ってくれたミートソースも俺が想像していた通りに作ってくれたから助かった。それにしても、シルヴィの作った鱈焼きも美味そうだな。」

 

シルヴィア「でもかなり慎重に焼いたよ。鱈は身が崩れやすいからね、少しでも力を加えて摘んだら、バラバラになっちゃうもんね。だからお皿に乗せる時はフライ返しを使いました!」

 

八幡「それは慎重過ぎないか?」

 

シルヴィア「だってまだお箸を完璧に使える自信ないんだもん!それに菜箸だと絶対崩れちゃう!」

 

八幡「なら、完璧に作ってくれたシルヴィに感謝だな。ありがとな。」

 

シルヴィア「どういたしまして♪」

 

 

……うん、今日の晩御飯も美味しそう♪流石は八幡くんの料理だね!星露が居たら誰よりも早くがっつきそうだよ。あっ、そうだ!

 

 

シルヴィア「ねぇ八幡くん。今度さ、界龍の八幡くんの部屋で料理しようよ!そしてその匂いに誘われてきた星露の前で私たちが美味しそ〜うに食べるのっ!どう?良いと思わない?」

 

八幡「ほほぉう?それ、あとで詳しく頼む。」

 

シルヴィア「了解!」

 

八幡「んじゃ、食べるか。頂きます。」

 

シルヴィア「頂きます!」

 

 

さて、八幡くんの作ったライスコロッケ、どんな味かなぁ〜?実食!

 

 

ーーー40分後ーーー

 

 

シルヴィア「ふぅ〜……ご馳走様でした!」

 

八幡「お粗末さん。食器は流しに頼む。洗ってからゆっくりしようぜ。その後に作戦会議だ。」

 

シルヴィア「OK〜♪洗ったの私に頂戴、拭いてあげるから。」

 

八幡「あぁ、悪いな。」

 

 

八幡くん1人にやらせるわけにはいかないからね。それに、このくらい何ともないよ。

 

 

八幡「シルヴィ、ここで話す内容でもないが、願い何にするか思いついたか?」

 

シルヴィア「サッパリだよ。何があるのか教えて欲しいくらい。聞くって事は八幡くんもお願いは思いついてないみたいだね。」

 

八幡「あぁ、お願いの“お”の字すら無い。さて、何にすっかなぁ〜。1年以内に要求しないと権利がパァになるからな〜。とは言っても他に何もねぇし、したいことも欲しいものもない。俺たちって意外と欲が無い?」

 

シルヴィア「欲しいものをもう全て手に入れちゃってるからじゃないかな?私も殆どは手に入れちゃってるから。」

 

八幡「殆どはって事は全部は手に入れてないってわけだ。それってもう分かってるのか?」

 

シルヴィア「うん、今一番欲しいもの。今でも貰えるんだけど、卒業しないと手に入れられないんだ。約束だから。」

 

八幡「それは?」

 

シルヴィア「……婚姻届/////」

 

八幡「………あぁ、成る程な///」

 

2人「………///」

 

 

ど、どうしよう……本当の事とはいえ、話題がなくなっちゃったよ!!ただ食器を拭くだけになっちゃった!正直に言うんじゃなかったかな!?

 

 

八幡「……まぁ、後1〜2年の辛抱だからすぐだろ。それまでは花嫁修行って事にしてくれ。」

 

シルヴィア「八幡くんのお眼鏡に叶うお嫁さんになるからね!」

 

八幡「ふっ……もう叶ってるよ、俺にはもったいないくらいの花嫁(仮)にな。」

 

 

後数年したら、その(仮)も取れるよね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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罰ゲーム? ①

 

オーフェリアside

 

 

………ついにこの日が来てしまったわ。シルヴィアと私と【神呪の魔女】は今、例のメイド喫茶に来ているわ。八幡は今、執事になる為に化粧室に行っているわ。でも何故かしら?今日に限って女性客が多いわ。此処は女性にとって無縁な場所な気がするのだけど………まぁいいわ。

 

 

シルヴィア「あわわ、あわわわ……ど、どどどうしようオーフェリアさん?もう八幡くん着替えに行っちゃったよ!?もう逃げられないよ!?」

 

オーフェリア「………落ち着くのよシルヴィア。まずは深呼吸をしてから此処にあるちり紙で折り紙をすれば落ち着けるはずよ。」

 

冬香「お2人が1番落ち着くべきかと思いますが……それ程なのですか?八幡様の執事姿というのは?」

 

 

………貴女は何も知らないからそんな事が言えるのよ。経験したら分かるわ。どれほど恐ろしいのかを。

 

 

シルヴィア「もう、あの日のことは忘れられません。それくらい強く記憶に残ってます。」

 

オーフェリア「………私もよ。きっと貴女も耐えられないと思うわ、【神呪の魔女】。」

 

冬香「後悔するとは言わないのですか?」

 

2人「後悔なんてしないよ(わ。)!むしろ幸せな時間だよ!(よ。)」

 

冬香「でしたら何故あの場ではあれ程譲り合っていたのですか?」

 

シルヴィア「………この罰ゲームを1人で行ける程、私の心は強くないから。」

 

オーフェリア「………これを耐え切るほどのメンタルを持ち合わせていないわ。」

 

 

………これに関しては恥なんて捨てるわ。だって八幡の執事姿にご奉仕よ?それをどうやって耐えろというの?耐えられるのなら教えて欲しいわ。

 

………何だか騒がしくなってきたわね……と思ったら静かになったわ。もしかして、来たのかしら?

 

八幡「お待たせ致しました、お嬢様方。」

 

シルヴィア「い、いえ、待ってません/////」

 

オーフェリア「………時間通りよ///」

 

八幡「左様でございますか。所で、そちらのお嬢様はご気分が優れないようですが?」

 

 

………私の正面を見ると、【神呪の魔女】が固まっていたわ。それもそうよね、この格好でこの喋り方の八幡は反則だもの。

 

 

冬香「………っ!し、しし失礼致しました!!と、とてもよくお似合いだと思います、八幡様/////」

 

八幡「恐悦至極でございます。ではこちらがメニューとなります。オススメはこちらのオムライスでございます。ご注文がお決まりになりましたら、私をお呼びください。では、失礼致します。」

 

 

………八幡が向こうに行ったから、漸く心臓のバクバクが平常になったわ。

 

 

冬香「お、奥方様、オーフェリアさん。あれが執事服を着た八幡様の威力なのですね?想像以上です……こちらの評価が過少すぎた事をお詫びします。申し訳ありません。」

 

シルヴィア「気にしないでください。私たちも最初は全く予想外だったんですから……だよね、オーフェリアさん。」

オーフェリア「………えぇ、私たちはとんでもない兵器を生み出してしまったわ。」

 

 

その後、少しだけ談笑をしてから注文を決めた。八幡を呼ぶのに5分くらい時間が掛かったのは私たち3人だけの秘密よ。

 

 

八幡「お呼びでしょうか、お嬢様方。」

 

シルヴィア「は、はい!えっと、私が執事特製オムライスと執事の搾りたてオレンジジュースで……はい、オーフェリアさん/////」

 

オーフェリア「………私が執事の手捏ねハンバーグと執事のブドウジュースをお願い……します///最後よ、【神呪の魔女】。」

 

冬香「は、はい!で、では私は八幡様のオススメのオムッ!?」

 

 

………【神呪の魔女】が注文を言おうとした途端、八幡が人差し指で彼女の口を押さえたわ。

 

 

八幡「今の私とお嬢様の関係は一目瞭然。ならばそれに相応しい呼び方がありましょう?私に様付けなど不要です。どうか呼び捨てでお願い致します。」

 

冬香「//////////」

 

 

………この反応も納得だわ。私もこうなるもの。

 

 

八幡「さぁ、どうぞ。」

 

冬香「………は、はち……まん。」

 

八幡「はい、そのようにお願い致します。ご注文の途中でしたね、止めてしまい申し訳ございません。ご注文をどうぞ。」

 

冬香「………は、八幡のオススメのオムライスとオレンジジュースをお願いします/////」

 

八幡「はい、ご注文承りました。少々お時間を頂きますが、よろしいでしょうか?」

 

3人「はい/////」

 

八幡「ありがとうございます。では、ご注文が来るまで少々お待ち下さい。失礼致します。」

 

 

………私たちが注文したものを作る為に八幡は厨房へと姿を消したわ。さて、これで1つ目の話題ができたわね。早速問い詰めるわ。

 

 

シルヴィア「ふ、ふふふふ冬香さん!!ど、どうでした!?どうでした!!?八幡くんからの喋っちゃダメだよ攻撃は!!?」

 

オーフェリア「………落ち着きなさいシルヴィア。それでどうだったのかしら?八幡からの人差し指で押さえられた感想は?」

 

冬香「あ、あの……えっと……正直、それどころではありませんでした。まさかあんなことをされるとは思っていなかったので、全く記憶にありません。ですが、私の目の前に八幡さんがいたのだけは覚えています/////」

 

シルヴィア「わ〜羨ましい〜!!私だってそんなことされた事ないのに〜!!!」

 

 

この時、メイド喫茶のホール内は女性陣の黄色い声で物凄かったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 



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罰ゲーム? ②

 

シルヴィアside

 

 

ふぅ〜やっと冷静になれた………それにしたってずるいよ冬香さんは!私だって口を人差し指で抑えられた事なんて無いのに!なんか初めてを奪われた気分だよ!ま、まぁ?こういう雰囲気だから仕方ないけどさ?どうせなら私にやってほしかったなぁ〜!

 

 

オーフェリア「………【神呪の魔女】はシルヴィアと同じメニューにしたのね。どうしてかしら?」

 

冬香「シルヴィア様は以前こちらにきた時に、このメニューにされたとか?なら私もそのメニューにしてみようと思っただけです。」

 

オーフェリア「そう………それで本音は?」

 

冬香「執事姿の八幡が来て、本当のメニューをド忘れしてしまったので、シルヴィア様と同じのにさせて貰いました。」

 

 

オーフェリアさん、何で誘導尋問してるの?

 

 

冬香「申し訳ございません、シルヴィア様。」

 

シルヴィア「い、いえ、全然気にしてませんから大丈夫ですよ。あの八幡くんを見れば、誰だってそうなりそうですし。前来た時なんてオーフェリアさん、『八幡をください。』なんて言ってたんですから。」

 

オーフェリア「………シルヴィア、やめて頂戴。」

 

シルヴィア「あの時なんて言われたのか教えてよ〜!私気になってるんだからね!」

 

オーフェリア「………私と八幡だけの秘密よ。」

 

シルヴィア「もう!そうやって隠すんだから!」

 

冬香「私も気になりますね。教えては頂けないのですか?オーフェリアさん。」

 

オーフェリア「………ダメなものはダメよ。」

 

 

オーフェリアさん、八幡くんの事になると口が堅いなぁ……どうやって聞き出そうか………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「失礼致します。ご注文の品をお持ちしたのですが、お取り込み中でしょうか?」

 

シルヴィア「いえ全然全く大丈夫です!」

 

オーフェリア「問題ないわ。」

 

冬香「お気になさらずにどうぞ!」

 

 

………3人同時に言ったからなんて言ってるか分からないや。

 

 

八幡「では先ずシルヴィアお嬢様から。こちら執事特製オムライスと執事の搾りたてオレンジジュースでございます。」

 

シルヴィア「あ、ありがとうございます///」

 

八幡「次に冬香お嬢様、こちら執事特製オムライスと執事のしぼりたてオレンジジュースでございます。」

 

冬香「ありがとうございます、八幡さ………ん///」

 

 

冬香さん、なんとか耐えたね。此処で言ってたらまた人差し指が口に当たってたよ。

 

 

八幡「最後にオーフェリアお嬢様ですね。こちら執事の手捏ねハンバーグと執事のブドウジュースでございます。」

 

オーフェリア「………ありがとう///」

 

八幡「ではシルヴィアお嬢様と冬香お嬢様のオムライスにはケチャップを。オーフェリア様のハンバーグには特製ソースをおかけ致します。」

 

 

八幡くんは私たちのオムライスの上にケチャップで名前を書いてくれた。しかも筆記体で。そしてオーフェリアさんには何故かソースの入った入れ物を用意していた。

 

 

八幡「では、失礼致します。」

 

オーフェリア「っ!?」

 

八幡「では注ぎますよ。ご自分のタイミングでいいと思ったらお声掛け下さい。」

 

 

八幡くんはオーフェリアさんを包むような態勢をとりながらソースを注いでいた。

 

 

オーフェリア「………い、いいわ/////」

 

八幡「はい。ご注文の品は以上でよろしかったでしょうか?」

 

 

私たちはもう声も出なかった。だから頷くくらいしかできなかった。

 

 

八幡「では御用がありましたら、何なりとお申し付けください。私はあちらで控えております。では、失礼致します。」

 

シルヴィア「あ、あのっ!」

 

八幡「はい?何か?」

 

シルヴィア「よ、よろしければ、よろしければ何ですけど!此処に居てくれないかと………/////」

 

八幡「勿論構いませんよ。お嬢様のお隣に行けばよろしいのですか?それですと、あまりスペースがないのですが………」

 

冬香「大丈夫です!奥に詰めますので!」

 

シルヴィア「なので隣にどうぞ!」

 

八幡「…かしこまりました。では失礼致します。」

 

 

わ、わぁ………八幡くんがこんなに近くに。いつもなら平気だけど、今の八幡くんは全く余裕になれないよ!

 

 

オーフェリア「………八幡、前は私にあーんをしてくれたから、今度はシルヴィアと【神呪の魔女】にあーんをしてあげて頂戴。

 

シルヴィア「ちょっ!?」

 

冬香「っ!!?」

 

八幡「それは全く構わないのですが、オーフェリアお嬢様はよろしいのですか?」

 

オーフェリア「………私は一度経験しているから今回はいいわ。それよりも、一度も体験していない2人にやって頂戴。不平等は良くないもの。」

 

 

オーフェリアさん、1人だけ逃げようったってそうは行かないんだからね!

 

 

八幡「ふむ………ですが私はやるならばお嬢様皆様にご奉仕させて頂きたいと思っております。なので、オーフェリアお嬢様も受けては下さらないでしょうか?私事の頼みなのですが、どうか。」

 

オーフェリア「………い、いえ、私は「勿論良いですよ!受けます!」シ、シルヴィア……」

 

シルヴィア「良いじゃん、やろうよ!前は前!今は今なんだから!ねっ!」

 

八幡「ではお嬢様方、宜しくなったらお声がけください。それまで私はお待ちしておりますので。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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罰ゲーム? ③

 

 

冬香side

 

 

シルヴィア様とオーフェリアさんの仰っていた意味がよく理解出来ました。確かにこれは凄い破壊力です。それに先程の……唇に指を当てられたのは驚きましたが、それ以上に心臓の鼓動が何百倍も早く脈打っていた気がします。今は少しだけマシになっていますが、いつも以上に早くなっているのは確かです。シルヴィア様を挟んでいるからとはいえ、近くにいるものですから、落ち着けません。

 

 

八幡「お嬢様方、お味の方は如何でしょうか?全て私が1からお作りしたのですが、どこか改善点でもお申し下されば、今後の参考とさせて頂きますので。」

 

オーフェリア「………悪い所なんてどこもないわ。貴方が作った品はどれも美味しいわ、八幡。」

 

八幡「お褒めの言葉預かり光栄でございますが、やはり一個人としてはどうしても気になってしまうものでして……」

 

シルヴィア「でも、改善点って言う程酷いところは無いと思いますよ?オーフェリアさんのハンバーグだって見るだけでも美味しそうですし。」

 

冬香「シルヴィア様の言う通りでございます、八幡さ……ん。どれも素晴らしい味付けがされていると思います。不満や改善点は私にはございません。」

 

 

むしろ、この味で改善点を要求する人はどうなんでしょう?少しだけ味覚がおかしいと思います。

 

 

八幡「1度にお嬢様方全員から改善点なしのお言葉を頂けるなんて、とても嬉しいです。ありがとうございます、お嬢様方。私としては是非お礼をさせて頂きたいのですが、あーんではダメでしょうか?」

 

 

シルヴィア「私はそれで大丈夫ですよ!(むしろこれ以上の事をされたら、意識が飛んじゃうよ!)」

 

オーフェリア「………私もあーんで大丈夫よ。それ以上のことは望まないわ。」

 

八幡「遠慮なさらなくてもいいのですよ?オーフェリアお嬢様。」

 

オーフェリア「………遠慮なんてしてないわ。貴方の奉仕は充分過ぎるくらい行き届いているもの。」

 

 

オーフェリア(こうでも言わないと八幡は誰かにやらせたがるわ。だから最初に釘を打っておけば大丈夫よね。大丈夫だと信じたいわ。)

 

 

八幡「冬香様は何かされたい事などはございますか?あれば何なりとお申し付けください。」

 

冬香「そ、そんな!?八幡様にお願いなど滅相もありません!!(あっ!?)」

 

八幡「冬香お嬢様?」

 

冬香「な、何でしょうか、八幡さん?」

 

八幡「いえ、何もございませんよ?シルヴィアお嬢様、大変申し訳ないのですが、この位置では冬香お嬢様だけ奉仕活動がやりにくいと思われます。私が真ん中の席にお座りしてもよろしいでしょうか?勿論それ相応のお礼はさせて頂きますので。」

 

シルヴィア「大丈夫ですよ、移動くらいでお礼なんて求めたりしませんから!どうぞ!」

 

 

シルヴィア様、どうしてそのような事を!?

 

 

八幡「ありがとうございます。では早速、冬香お嬢様から順にやらせて頂きたいと思います。スプーンを拝借いたします。」

 

 

八幡様は私のスプーンを取ると、オムライスを丁寧に掬い取り、私の前に出してきました。

 

 

八幡「はい、冬香様。あーんしてください。」

 

冬香「あ、あ……あーん/////」

 

 

味なんて分かりません。全く分かりません。八幡様からのあーんで頭がいっぱいです。それ以上何を感想にすればいいのかと思います。

 

 

八幡「如何ですか?」

 

冬香「と、とても美味しいです/////」

 

八幡「それは良かった。もう一口如何ですか?冬香お嬢様。」

 

冬香「い、いえ、時間もありますので、シルヴィア様にさせてあげて下さい。お待たせするのも申し訳ありませんので/////」

 

八幡「畏まりました。ではスプーンをお返し致します。ありがとうございました。」

 

冬香「い、いえ、こちらこそ貴重な体験をさせて頂きました///」

 

 

心臓の音が聞こえていないか心配です///それに、あーんなんて初めてされました。何故かは分かりませんが、心が満たされたような感じがしました。

 

 

八幡「ではシルヴィアお嬢様………もしかしてお飲み物の口移しをご所望でございますか?」

 

シルヴィア「ち、ちちち違います!!今たまたま飲んでいただけであって、そうして欲しいわけではありませんので!!ス、スプーンをどうぞ!」

 

八幡「ありがとうございます。ではシルヴィアお嬢様、あーんしてください。」

 

シルヴィア「あ、あぁ〜ん/////」

 

 

シルヴィア(あぁ〜冬香さんの感じが分かったかも。これ味なんて全くしない………それ以上のことでお腹と胸がいっぱいだもん。)

 

 

シルヴィア「………八幡くんから食べさせてくれると、どれも倍美味しく感じます///」

 

八幡「それは良かったです。もう一口如何ですか?シルヴィアお嬢様。」

 

シルヴィア「う、ううん大丈夫!それよりもオーフェリアさんにやってあげてよ!」

 

八幡「左様ですか?では前を少しだけ失礼致しますね、お嬢様方。」

 

 

八幡様は影に潜って向こう側の席に移動しました。お見事です。これが普通の形なのでしょう。ちょうど2対2ですからね。

 

 

八幡「さて、お待たせして申し訳ございません、オーフェリアお嬢様。」

 

オーフェリア「………いえ、そんなに待っていないから大丈夫よ。」

 

八幡「そのお詫びとして少し趣向を凝らそうと思っております。」

 

 

?八幡様は一体何をする気なのでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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罰ゲーム? ④

 

シルヴィアside

 

 

…………………………

 

 

八幡「オーフェリアお嬢様、お待たせ致しました。続きを致しましょう。」

 

オーフェリア「………あ、あの、八幡?」

 

八幡「はい、何でございましょう?」

 

オーフェリア「………流石に恥ずかしいわ/////」

 

八幡「恐れ入りますが、お待たせしてしまったオーフェリアお嬢様にはこれくらいの奉仕をするべきだと私は考えに至りました。なのでこのような形ではありますが、お詫びの形という事なので、受け取っては下さらないでしょうか?」

 

オーフェリア「………/////」

 

 

………今、私の目の前ではオーフェリアさんが八幡くんのお詫びを受けているんだけど、つくづくこれを受けているのが自分じゃなくて良かったと思っている。何故ならその方法が、八幡くんの膝にオーフェリアが乗っている状態だからなの。しかも逃げられないように八幡くんが腰を抑えている。

 

 

普通の姿をした八幡くんなら耐えられるかもしれないけど、今の格好をした八幡くんでこんな事をされたら、本当に恥ずかしい以外の何もないよ。オーフェリアさん、私たちのために本当にありがとう。

 

 

オーフェリア「………この体勢であーんをするのは難しくないかしら?」

 

八幡「大丈夫です。私はオーフェリアお嬢様がちゃんと食べてくれることを信じていますから。」

 

オーフェリア「………ちゃんと食べるから普通にしてもらってもいいかしら?」

 

八幡「それではお詫びの意味がないです。」

 

オーフェリア「………私は待たされたなんて思っていないわ。順番だから仕方ないわ。だから私だけこんな風にされても困ってしまうわ。」

 

 

オーフェリアさん………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心の声がちょっとだけど聞こえるよ?

 

あともう少しで説得出来るって思ってるでしょ?顔は真顔で若干赤いけど、そんな顔してたもん!

 

 

冬香「八幡さん、ここはオーフェリアさんの言葉に耳を傾けてはいかがでしょうか?」

 

八幡「……そうですね。従者でありながら出過ぎた真似をしてしまいました。申し訳ございません。」

 

オーフェリア「………構わないわ。じゃあ八幡、降りるわよ。」

 

 

オーフェリア(………やったわ。これでどうにかこの恥ずかしい体勢から逃れられたわ。)

 

 

八幡「ではオーフェリアお嬢様、あーんの続きをしますね。はい、どうぞ。」

 

オーフェリア「………あーん///」

 

 

……普通でもやっぱり恥ずかしいよね。

 

 

オーフェリア「………美味しいわ、八幡。貴方が食べさせてくれると、もっと美味しく感じるわ。」

 

八幡「それは何よりでございます。オーフェリアお嬢様、口元にソースがついておられます。拭き取ってもよろしいでしょうか?」

 

オーフェリア「………お願いするわ。」

 

 

八幡くんはテーブルに常備されてあるちり紙でオーフェリアさんのソースがついてある口元へソースを拭き取ろうと手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

けど八幡くんは手を途端に止めて顔を近づけた。そしてそのソースを八幡くんは舌で舐め取った。

 

 

オーフェリア「っ!!?/////」

 

八幡「取れましたよ。」

 

オーフェリア「は、は、八幡。い、今、一体何を?」

 

八幡「?ソースを拭き取っただけですが?」

 

オーフェリア「で、でも今、私の顔を舐めなかったかしら?」

 

 

すると八幡くんは再びオーフェリアさんの顔に顔を近づけた。今度は耳元だった。

 

 

八幡「先程のお詫びを回避したので、ちょっとした意趣返しにございます。こちらの方がよろしかったでしょう?」(ボソッ)

 

オーフェリア「っ!!………/////」

 

 

わぁ……何を言ったのかは分からないけど、オーフェリアさんの白い肌が真っ赤になってるよ。これはもうとんでもない事を言ったみたいだね。

 

 

そしてその後もあーんをされながら食事をした。そしてサービスも終了した為、八幡くんは食器を持って更衣室へと向かって行った。

 

 

シルヴィア「あぁ〜……やっと終わったぁ〜。」

 

冬香「お2人の仰っていた意味がわかりました。確かに凄まじい破壊力でした。」

 

シルヴィア「ですよね。私もまだクラクラしますよ。まぁ次に会う八幡くんはいつもの八幡くんだから大丈夫だと思いますけど。」

 

オーフェリア「………執事八幡の耐性もつけないとダメかしら?これではいつまで経ってもやられっ放しだわ。」

 

 

そうだよね……私たちがメイドの姿をした時だって、八幡くんはあまり意識しているようには見えなかったからね。八幡くんの弱点を探さなきゃ!

 

 

八幡「ふぅ……取り敢えずは終わったな。どうだった冬香、執事の俺は?執事としては失格だろうが、まぁまぁ奉仕はしてただろ?」

 

冬香「………はい、奉仕はしておられました。そして、お2人の仰っていた事がよく分かりました。まぁ仰っていたことは秘密ですが。」

 

八幡「そうか……まぁいい。その事は帰ってからシルヴィに根掘り葉掘り聞くからな。」

 

シルヴィア「ちょっと止めてよ!別に何でもないから!執事の八幡くんは凄いってだけだから!」

 

 

もう、八幡くんってば!私とオーフェリアさんをなんだと思ってるのさ!私も帰ったら八幡くんに色々聞き出してやるんだから!オーフェリアさんに何を言ったのかとかね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 





罰ゲーム編はこれで終了です!

あとはもう少し書いてから終了します。


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界龍に帰省?


この後の話は今後起こった出来事ですかね〜。それが済みましたら、新しい作品を作りますので。


 

 

八幡side

 

 

………最近は俺たちの家(俺の家でもあるのか分からないが)でばかり料理していたから忘れていたが、界龍にある俺の部屋でも料理を偶にはしたいな。けど、そこにはあのうるさい2人がいるんだよなぁ……今はどうしているか分からないが、前は部屋に勝手に入って菓子を食べるという泥棒でもしそうにないことをやっていたからな。

 

 

八幡「久しぶりに1度、寮に戻ってみるか……この家での生活に慣れすぎて、あっちの生活感覚忘れちまったし。少しだけ戻るか。」

 

シルヴィア「何処に戻るの?」

 

八幡「おぉ、シルヴィ。実は少しの間だけ寮に戻ろうと思っててな。この家から学校に通うって習慣がもうついちまってるから、また前みたいに生活をしてみようと思ってな。」

 

シルヴィア「………それじゃあ暫くは八幡くんと会えないって事?」

 

八幡「んー……別にシルヴィが学院に来てもいいんだが、それだとお前がクインヴェールに通うには遠過ぎるだろ?」

 

シルヴィア「でも八幡くんはいつもそのくらいの距離を行き来してるよね?」

 

 

確かにこの家はクインヴェールに近い。そりゃあクインヴェール付近の外縁居住区に建てたからな。だが女子がこの距離を通うには距離がありすぎる。

 

 

八幡「無理は言わないがやめといた方がいいぞ?俺は鍛錬も兼ねてやってるからそんなに苦でもないが、女子がやるとなるとなぁ………学校着いたらへばってそうだ。」

 

シルヴィア「……いつまで?いつまであっちにいる予定なの?」

 

八幡「そうだなぁ……取り敢えずは1週間を考えてる。手頃な期間だと思うが……」

 

シルヴィア「1週間!?そんなに!?そんなに長いと私死んじゃう!!」

 

八幡「1週間会えないだけで人は死にません。それに俺たちはもっと長い期間離れてただろう。それに比べれば短いなんてレベルじゃないだろ。」

 

シルヴィア「それは……そうだけどさ………あの時は八幡くんとの愛がまだ未成熟だったから!!今は完熟してるから八幡くんとは出来るだけ離れたくないの!!」

 

 

………嬉しいよ?嬉しいんだけどさ、貴女俺の事好き過ぎない?

 

 

八幡「もしかしたら別々になって暮らすことが起きるかもしれないだろ?ならそれも踏まえて「起きないもん!そんな自体絶対に起きないもん!!」………どれだけ俺に行って欲しくないんだ?あーじゃあ3日間でどうだ?3日間だけ寮の生活をしてくる。どうだ?」

 

シルヴィア「………1日じゃダメ?」

 

八幡「それじゃあ生活した内にも入らないだろう。ただ宿泊しただけだろうが。3日だ、これ以上は譲らない。シルヴィも学園の寮に戻って生活をしたらどうだ?以外にも充実するかもしれないぞ?」

 

シルヴィア「…………………………分かった、3日間だけ我慢する。でも3日間だけだからね!それ以上は絶対に待たないからね!!」

 

八幡「あぁ、分かってる。」

 

 

………というやり取りがあった。その為、俺は1度界龍に戻っている途中だ。しかし、シルヴィがあんなにゴネるとはな………少し意外だった。

 

 

玉緑「おぉ、宗師!おはようございます!!」

 

帆季「おはようございます、宗師!!」

 

八幡「あぁ、おはよう。」

 

玉緑「所で、なぜ今日はそのようなお荷物をお持ちなのですか?」

 

八幡「あぁ。3日間だけ寮に戻ろうって話になってな。だからこれは生活用品ってわけだ。」

 

帆季「………喧嘩、ではないのですよね?」

 

八幡「逆に1日で戻ってきて欲しいって言われたくらいだ。怒るよりも帰る方を優先させられたよ。」

 

 

まだ喧嘩した事ないんだよなぁ………というか、喧嘩をする為の火種すら起きない。

 

 

ーーー教室ーーー

 

 

虎峰「え!?今日からまた寮暮らしですか?」

 

八幡「違う。3日間だけ一時的にだ。本当は1週間を予定してたんだが、シルヴィがゴネてな。3日で妥協したってわけだ。」

 

沈華「でも、なんで急にそうなったのよ?寮に来るなってわけじゃないけど、今の生活でも暮らしていけるのよね?なら戻って来る必要なんてないとも思うわ。」

 

沈雲「沈華の言う通り、別に今更戻って来る理由がないと思うんだけど………」

 

八幡「寮の生活サイクルを忘れちまったなぁって思ったから戻って来ただけだ。特にシルヴィと何かあったってわけじゃない。」

 

セシリー「やったー!そしたらまた八幡と晩御飯食べられるんだー!!」

 

八幡「言っておくが、変な期待はするなよ?お前やあのチビが部屋に入っていようものなら、晩飯は学食決定だから。」

 

セシリー「分かってるってー!あれからあたしと師父は1回も八幡の部屋には入ってないからー!」

 

 

………こいつのこういう時の言葉はどうも信用ならないな。

 

 

八幡「虎峰、セシリーが言った事は本当か?」

 

虎峰「確かにここ数年のセシリーと師父は八幡の部屋に向かうところを見かけませんね。というよりも僕と大師兄、冬香殿に沈雲と沈華で一緒に食事をしているので、その可能性はないと思いますよ。」

 

 

虎峰の証言なら、間違いなしだな。

 

 

八幡「よし、じゃあ虎峰の言葉を信じるか。今日は久しぶりにお前らに作ってやる。嫌ならいいけど。」

 

セシリー「八幡ー!!あたし絶対に八幡の寮部屋に行くからー!!」

 

 

こういう時のお前は本当に元気良いな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





生焼け肉「シルヴィアさん………1週間って長いかな?」

シルヴィア「長いよ!!長いって思わないの!?もしかして作者さんって病気?」

生焼け肉「いや、至って正常だよ?八幡くん、1週間ってそんなに長いかな?」

八幡「いや、そこまでは……何かを待つのは長く感じるから、それのせいじゃないか?」

生焼け肉「あぁ〜なんとなく理解したよ。」



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シルヴィアの暴走?

 

 

ーーーーーー

 

 

ーーークインヴェール女学園・教室ーーー

 

 

八幡とシルヴィアが互いの学園に一時帰省してから1日が経った。八幡側の様子は今置いておくとする。今回はシルヴィア・リューネハイムの様子を伺ってみることにしよう。そう、今の彼女はこんな感じである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「うぅ〜………」

 

 

机に突っ伏しながら気弱そうに唸っていた。

 

 

シルヴィア「八幡くん成分が足りないよぉ〜……もう1日も会ってないよぉ〜。」

 

 

 

 

1「ね、ねぇ。なんかシルヴィア、昨日よりも凄いことになってない?」

 

2「うん。昨日はまだ落ち込んでいる様子だったからまだ良い方だったけど、今日のは一段と凄いね。まさか机に伏せる程だなんて。」

 

3「何か元気付けてあげた方がいいのかな?例えば、比企谷さんの話題で盛り上げるとか?」

 

4「やめておきなさい。多分逆効果になると思うわ。余計に会いたくなると思うわ。」

 

1「でも、あんなシルヴィ見た事ないから、なんか可愛いと思わない?」

 

 

2、3、4「「「……確かに。」」」

 

 

ネイトネフェル「はぁ……貴女昨日からその調子じゃない、いい加減戻りなさいよ。クラスの皆も心配してるじゃない。」

 

シルヴィア「だって八幡くんに会えないんだもん。八幡くん成分がないと元気が出ないよぉ〜。」

 

ネイトネフェル「何よその訳の分からない成分は?兎に角、シャキッとしなさいよ。そんなんだと、《ルサールカ》に後ろから刺されるわよ?」

 

シルヴィア「むしろやれるものならやってみなよ。私からしてみればあの子たちはお茶の子さいさいささいのさいなんだからさ。」

 

 

ネイトネフェル(……シルヴィア。貴女今、《ルサールカ》に喧嘩売ったの分かってるの?)

 

 

シルヴィア「……ねぇネイトネフェル。何か暇潰しになりそうな事ない?できれば八幡くんのことを思い出させずに集中出来そうなの。」

 

ネイトネフェル「いきなり無理難題を言わないで欲しいわ。そんなのあるわけないじゃない。だって貴女絶対彼の事考えるじゃない。」

 

シルヴィア「考えないようにするってば〜!だから聞いたんだよ〜!」

 

ネイトネフェル「そうね………私は興味ないけど、映画とかアニメを観るとかどうかしら?まぁこれは放課後として、学校で出来そうなのは………恋バナをするとかかしら?」

 

シルヴィア「恋バナって言ったけどさ、ネイトネフェルを入れて皆は今、恋してるの?」

 

 

シルヴィア以外(((((うわぁ……かなり失礼。)))))

 

 

今のシルヴィアには言葉に棘がありすぎる状態のようだ。本人は無自覚だろうが、周りからしてみれば喧嘩を売っているようにしか思えない言い方だった。

 

 

ネイトネフェル「………恋バナはやめましょう。恋する乙女の事情を聞きすぎるのも良くないものね。他には……そうだわ、貴方作曲してたじゃない。それをやってみたらどう?」

 

シルヴィア「それは昨日やったよ。でも何度も何度も八幡くんのことを思いながら書いちゃうから、結局ラブソングみたいになっちゃうんだ………」

 

ネイトネフェル「そ、そう………」

 

 

ネイトネフェル(想像以上に面倒臭いわね。早く2日後になって引き取って欲しいわ、【万有天羅】。)

 

 

そんなこんながありながらも、今日も無事に学園の授業を終えたシルヴィアだったが、頭の中は八幡の事でいっぱいだった。

 

 

シルヴィア「八幡くぅ〜ん………」

 

ペトラ「貴女ねぇ、いくら八幡くんに会えないからって、ここに来る必要なんて無いじゃない。如何してここに来たのよ?」

 

シルヴィア「だって寂しいんです〜!いつもは八幡くんと一緒だったから幸せで楽しい時間があったんですけど、寮に帰っても誰も居ないし静かだし………つまんないし寂しいんです〜!」

 

ペトラ「全くもう……貴女は一体どんな病気にかかってるのよ?」

 

シルヴィア「八幡くんと一緒にいないと死んじゃう病です。」

 

ペトラ「それもう死んでる事になってるわよ?」

 

シルヴィア「今は八幡くん成分というものが代わりになってくれているので大丈夫なんです。でもこれがなくなったら本当に死んじゃいます。」

 

ペトラ「絶対に死なないから安心しなさい。そんな不可解な病気、あるわけないじゃない。」

 

 

ペトラは最早呆れていた。世界の歌姫ともあろう女性が、まさか彼氏と3日間会えないだけで、こんなにも弱ってしまうのだから。

 

ペトラ自身もシルヴィアが八幡と会えなくなると、少しだけ落ち込むというのは知っていたが、まさか初日でこんなにも変化が起きるとは考えてもいなかったのだろう。

 

 

ペトラ「あと明日だけなのでしょう?それくらい我慢しなさい。それに八幡くんも中々良い事をしたと思うわよ?普段から一緒にいる事が絶対に良いとは限らないもの。」

 

シルヴィア「………じゃあ八幡くんは私と距離を置こうと思ったのかな?私のことが少しだけ嫌いになったから?」

 

ペトラ「何でそんな解釈になるのよ?思考がぶっ飛び過ぎよ。そうじゃなくて、少しだけ個人で過ごしてみようって事だと思うわよ?プライベートな時間も必要だもの。貴女だってプライベートな時間は欲しいでしょ?」

 

シルヴィア「それはそうですけどぉ〜……」

 

ペトラ「なら八幡くんの意図も汲んであげなさい。それが出来るようになるのも、良い女になる秘訣よ。覚えておきなさい。」

 

シルヴィア「はぁ〜い。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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暴走?


ちょうどいい話数なので、これで外伝編は終了にします。




 

 

八幡side

 

 

今日で3日目か。シルヴィの奴どうしてるか……まぁ、1〜2日目は確実に唸っているだろうな。今日あってどうなっているか分かる。まぁその前に学院の授業と鍛錬が残ってるけどな。今となっては割と暇なんだよなぁ………大学部って専攻した科目と元からある科目しか受けらんねぇから。もう全部単位取ってあるから受ける必要もない。鍛錬をするのもいいが、それが終わったら本当に暇だからな。

 

 

………また学食の手伝いでもしようか?その方が暇も潰せるし、将来の役にも立てるしな。

 

 

八幡「……なぁ、お前らの中で全部単位取った奴はいるか?まぁこの時期だ、取ってないと流石にヤバイけどな。」

 

虎峰「八幡、流石にとっていない人はいないと思いますよ?僕でも3ヶ月前に取ったんですから。」

 

沈雲/沈華「僕(私)も取ってあるよ(わよ)。」

 

セシリー「あたしも取ってあるよー。ていうかなんでそんなこと聞くのー?」

 

八幡「いや、まだ取っていない奴がいたら笑ってやろうかなぁって思って。」

 

虎峰「八幡、貴方は鬼ですか?」

 

 

笑うのもダメかぁ……まぁ分かってたけどね。

 

 

八幡「今から鍛錬するっていうのもなぁ……時間的に俺たち大学部の奴らしか暇してないから、ちょっとつまんないよな。」

 

セシリー「八幡さー、もしかしたら頭の中でつまんないとか暇とか連呼してないー?」

 

八幡「………何で分かった?」

 

沈雲「君は顔に出やすいからね。僕らでも分かるくらいに。」

 

 

そうなのか?それならそれを悟られないようにポーカーフェイスの練習でもしとくか。

 

 

ーーー鍛錬ーーー

 

 

「「「ご教授、お願いします!宗師!!」」」

 

 

今日もかなりの人数にるなぁ………にしても、

 

 

八幡「……毎回思うんだが、俺は別にお前らの師匠やってるわけじゃないからな?そんな丁寧口調にならなくてもいいんだぞ?中には年上もいるし。」

 

1「何を言われるのですか宗師!?私たちにとって宗師は師も同然のお方!!3代目様は弟子にしか教授されません!ですが宗師は我々序列外の者をもご教授して下さいます!そんな寛大なお方を、宗師と呼ばずなんと呼べと!?」

 

八幡「苗字か名前を呼び捨てで良いんじゃね?」

 

2「そんな恐れ多いことできません!私たちの日頃の鍛錬の成果は全て宗師による賜物!そんなお方を苗字か名前で呼び捨てだなんて!!」

 

 

あぁ……こいつら梃子でも曲げない気なんだな。

 

 

八幡「………まぁいい、呼び方はもう任せるわ。そんじゃ鍛錬始めるぞー。」

 

「「「お願いします!!!」」」

 

 

………できれば敬語もやめて欲しいんだがな。年上からそんな風にされるのはむず痒い。

 

 

ーーー鍛錬中ーーー

 

 

八幡「……何とかこいつらも在名祭祀書の中には入れそうって感じにはなってきたな。」

 

冬香「お疲れさまでございます、八幡様。本日も見事なご鞭撻でございます。」

 

八幡「やめろ冬香。それと、俺も敬語に戻ってもいいか?慣れては来たが、どうにもなぁ……」

 

冬香「いえ、八幡様程のお方ならば、年上であっても呼び捨てで呼ぶのは当然のことです。この学院では名実共に八幡様が頂点なのですから。」

 

八幡「じゃあそれを星露に返上しても?」

 

冬香「ダメです。卒業までは八幡様が4代目なのですから我慢して下さい。」

 

八幡「なりたくてなったわけじゃないんだけど?」

 

冬香「星露様に序列戦を挑んだからとしか、言えません。そして完全に継承の儀を終えましたから、いくら返上したとしても肩書きは一生ついてくるかと存じますよ。」

 

 

うわぁ、何その面倒な肩書き。俺もう【夢幻月影】のままでいいわ。前に戻りたい。

 

 

ーーー帰路・家付近ーーー

 

 

………シルヴィの奴、暴走してないだろうな?家の扉開けたらすぐにキスとか洒落にならないからな?そしたらそのままベッドイン確実だろうし。いや、これ以上は言わないよ?言ったらRで18なのが出来ちゃうから。

 

 

八幡「ただいまぁ〜……」

 

 

うん、聞こえてきた。奥から物凄い勢いで近づいてくる足音と、紫色の髪をなびかせている美女が俺に近づいて来ている。

 

 

シルヴィア「八幡くんっ!!!」(ダキッ!!)

 

八幡「あぁ、ただいま。」

 

シルヴィア「八幡くん八幡くん八幡くん!!ふわぁ……この匂い、抱き心地、本物だぁ〜。」(ギュー!)

 

八幡「3日間どうだった?」

 

シルヴィア「退屈だった、面白くなかった、八幡くんといた方が100億倍楽しい。」

 

 

それ、俺が居ない普段の生活が非常につまらないって言っているのも同義だよ?

 

 

八幡「凄えな、俺の存在で100億倍かよ。まぁ取り敢えず中に入ろう。」

 

シルヴィア「うん♪」

 

 

その後もシルヴィは俺を離そうとはしなかった。いや、いいんだよ?いいんだけどさ、流石にトイレには1人でいかせてくれって。それ以外なら良いからさ!貴方の2つの希望が遠慮なしに当たりまくってるからちょっとだけヤバいの!ちょっと自重して!

 

 

シルヴィア「ねぇ八幡くん、これからはずっと一緒にいてくれるんだよね?」

 

八幡「ん?あぁ、余程の事がない限りはな。」

 

シルヴィア「約束だからね?私、八幡くんと離れるの、すっごくやだ。ずっと側にいたい。」

 

八幡「学園は仕方ないとしても、それ以外では極力そうする事にする。約束だ。」

 

シルヴィア「うん……約束だよ?それと、そんな私を3日間も寂しい思いをさせたんだから、3日間分の八幡くんを感じさせて欲しいんだけど……いいよね?ダメだなんて言わないよね?私待てないからね?八幡くんは優しいから、私の愛を受け止めてくれるよね?」

 

 

………どうやら今日の俺の就寝時間はあしたに延長になるみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





取り敢えず外伝編は終了です!この後は新作品に入るか、途中で終わっていた六花生活に手をつけると思います。

ご拝読、ありがとうございました!!



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