ラブライブ!サンシャイン!!~俺、参上!~ (さすらいの風来坊)
しおりを挟む

第0章 Aqoursと良太郎
プロローグ1


『ウルトラマンオーブ × ラブライブ!サンシャイン!!』を執筆している、さすらいの風来坊です。

この度、仮面ライダー電王との小説も執筆していきますが、メインはウルトラマンオーブで、こちらはサブみたいな感じです。
投稿頻度は気まぐれです。
と言っても、プロローグと第1章はきちんと描きますが、それ以降がかなり空いてしまいます。
ご了承ください。

それでは、始まりです!


ここは時の列車『デンライナー』の車内。

そこには4体のイマジンが乗車している。

 

「あーあ、戦いが起きなくて暇すぎるぜ。」

 

赤色の鬼のイマジン『モモタロス』が呟く。

 

「センパイ、戦いが無いのは平和なことだよ。」

 

水色の亀のイマジン『ウラタロス』が言う。

 

「せやけど、体は鍛えとかなあかんで。」

 

金色の熊のイマジン『キンタロス』が体を動かす。

 

「僕は外で遊びたいよー。」

 

紫色の龍のイマジン『リュウタロス』が駄々をこねる。

 

そのイマジンたちに声をかける女性が1人。

彼女はデンライナーの客室乗務員のナオミ。

 

ナオミ「皆さ~ん、コーヒーをどうぞ~!」

 

彼女の淹れたてコーヒーをイマジンたちは飲んで一息つく。

まったりした車内に、1人の男性が現れる。

彼はデンライナーのオーナーだ。

 

オーナー「皆さん、お知らせがございます。」

モモ「お知らせ?」

オーナー「とある世界の時間軸に異変を感知しました。我々はその世界に向かおうと思います。」

ウラ「時間を乱す存在ですか。」

キン「聞き捨てならん情報やなぁ。」

リュウ「ねぇねぇ、その世界ってどんな世界なの??」

 

モモタロス,ウラタロス,キンタロス,リュウタロスはオーナーの話を聞く。

 

オーナー「そこは...スクールアイドルが居る世界です。」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

季節は夏。

浦の星女学院スクールアイドル『Aqours』は、夏祭りで歌うための曲とダンスを練習している。

 

梨子「いよいよ1週間後ね。」

千歌「そうだね~。それに、果南ちゃん,ダイヤさん,鞠莉さんが入ってくれて良かった。」

曜「3人とも嬉しそうだね。」

 

練習に区切りがつき、休憩中だ。

Aqoursは、高海千歌,渡辺曜,桜内梨子の2年生が3人、国木田花丸,黒澤ルビィ,津島善子の1年生が3人、松浦果南,黒澤ダイヤ,小原鞠莉の3年生が3人の合計9人の女子高生グループだ。

 

と言っても、9人になったのは約2週間前。

果南と鞠莉がお互いを大切にしていたから故に起きた2年間のすれ違いが解決し、2人を気にかけていたダイヤと3人で、再びスクールアイドルを始めた。

 

それ以前には、春に千歌がスクールアイドル部を立ち上げ、幼少期からの幼馴染みである曜と音ノ木坂学院からの転校生である梨子が加入した。

 

また、体験入部を通じて花丸とルビィ、堕天使ヨハネとしての自分を解放した善子が加入した。

 

 

9人が休憩している場所は学校の屋上。

その屋上のドアが開く。

 

ガチャ

 

「皆、お待たせ。」

 

青年が1人やって来た。

 

彼の名前は『野上良太郎』。

年は20歳で、千歌の実家である『十千万旅館』でアルバイトとして働いている。

千歌,曜,果南,ダイヤ,鞠莉,ルビィ,花丸,善子の8人とは幼馴染みで、梨子に関しては良太郎が東京の高校に行っていたときに知り合った仲だ。

9人より年上なので、皆のお兄さん的存在だ。

 

花丸「りょうお兄さんずら!」

善子「やっと来たわね。」

ルビィ「りょうお兄ちゃん、待ってたよ!」

 

1年生の3人が出迎える。

 

良太郎「ゴメンね...。遅れちゃった...。」

 

遅れてきたためメンバーに謝る。

 

ダイヤ「りょうお兄様は悪くないですわ。」

果南「そうだよ。旅館の仕事は仕方ないよ。」

鞠莉「りょうは気にしないで。」

 

3年生の3人がフォローを入れる。

 

良太郎「3人ともありがとう。」

 

良太郎が練習に合流し、休憩もよく取ったので...

 

千歌「練習再開しよっか!」

曜「ヨーソロー!」

梨子「りょう兄さん、いつものお願いしますね。」

良太郎「任せといて!」

 

Aqoursのリーダーである千歌の一声で練習再開。

そして、梨子の言ういつものとは良太郎にダンスを指導してもらうこと。

 

良太郎は小学生の頃からダンスを習い、中学,高校とダンス部に所属していた。

また、ダンスの個人大会では毎年全国大会に出場するくらいで、必ず何かしらの表彰を受けていた。

 

 

千歌「りょうちゃーん、お願いねー!」

良太郎「準備OKだよ!」

果南「じゃあ配置について。」

 

9人が配置に着くと、良太郎は音楽をかける。

その音楽に合わせてAqoursは踊り、歌う。

 

 

一通り終わると9人は良太郎の前に整列する。

 

良太郎「皆座って良いよ。」

 

その一声に9人は座る。

 

良太郎「ミスが無かったから良かったよ。今のが本番でも通用するレベルだった。」

花丸「本当ずら?」

善子「天界堕天条令に誓って?」

良太郎「本当だよ。善子ちゃんの質問には、もちろん誓えるよ。」

善子「ヨハネよ!」

 

良太郎のお墨付きをもらえた。

 

鞠莉「やったわね!」

果南「りょう兄からそう言ってもらえるのなかなかないからね~。」

ダイヤ「1週間後も安泰ですわね。」

 

3年生はホッとした様子だ。

 

梨子「あっ...。曜ちゃんとルビィちゃんは、衣装の方はどう?」

曜「全員の衣装が完成しているよ!」

ルビィ「実は、明日皆に着てもらうつもりでいたんです。」

千歌「おぉ~! 楽しみ~!」

 

和気あいあいとした練習がAqoursの強みだ。

 

そのあとは3人組のユニットに別れて動きを確認する。

ちなみに、ユニットの別れ方というのは...

 

千歌,曜,ルビィの『CYaRon!』

花丸,ダイヤ,果南の『AZALEA』

梨子,善子,鞠莉の『Guilty Kiss』

 

その間、良太郎は時間を区切って各ユニットの指導に入る。

 

 

ユニット別の練習をしていたら、時刻は18:00となった。

 

果南「今日の練習はおしまいね。」

ダイヤ「皆さんで一緒に帰りましょう。」

良太郎「じゃあ僕は先に校門で待ってるよ。またあとでね。」

 

屋上をあとにした9人は制服に着替えるため、部室へ戻る。

その部室では...

 

曜「りょう兄から褒めてもらえて良かったね!」

鞠莉「嬉しい気持ちになるわね。」

 

善子「やっと褒めてくれたんだから...。ヨハネに惹かれるのが遅いわよ。」

花丸「そのわりには顔がにやけてたずらよ~。」

善子「にゃわ~~~!」

 

9人の笑顔の花が咲く。

 

 

一方、校門前で9人を待つ良太郎はというと、目の前に広がるみかん畑を眺めながら黄昏ていた。

 

良太郎「夏祭りもいよいよ来週かぁ。Aqoursのステージ、早く見たくなってきたな。」

 

そう呟いたら...

 

「お兄ちゃん、何を見たいの?」

 

制服に着替えて、1番乗りでルビィが良太郎と合流した。

 

良太郎「9人になったAqoursが初めて立つステージを早く見たいなぁってね。」

ルビィ「ルビィたちの?」

良太郎「そうだよ。」

 

千歌「りょうちゃーん! ルビィちゃーん!」

 

良太郎とルビィが話をしていると千歌の元気な声が飛んできた。

千歌と共に、他のメンバーも校門に集合したところで、バス停までの坂道を下る。

 

千歌「皆揃ったし、帰ろー!」

梨子「走ったら危ないよ。」

千歌「大丈夫大丈夫~!」

果南「相変わらず千歌は元気だね~。」

曜「それが千歌ちゃんの良いところだからね!」

 

坂道を先に行く4人と後方の良太郎と5人。

 

ダイヤ「ルビィ。」

ルビィ「なぁに、お姉ちゃん。」

ダイヤ「先程はりょうお兄様と何を話していたのですか?」

鞠莉「マリーも気になるわ!」

花丸「まるもずら!」

善子「確かに、気になるわね。」

 

女子高生の何気ない会話が始まる。

話を振られたルビィは、良太郎が夏祭りのステージを楽しみにしていることを伝えた。

 

良太郎「ちょっと恥ずかしいな...。」

 

すると...

 

千歌「何の話してるの?」

 

良太郎たちの前を歩く千歌たちがルビィの話に興味を示す。

 

鞠莉「さっき校門に居たときに、りょうとルビィが何の話をしてたのかって聞いてるの。」

曜「そういえば、ルビィちゃんとりょう兄が何か話してたよね。」

果南「どんなことか気になるかなん?」

梨子「私も知りたいなぁ。」

 

途中から千歌たちも話に加わったことで、話はヒートアップ。

ルビィが良太郎と話していたことを再び伝えると...

 

千歌「りょうちゃん、そんなふうに思ってくれてるんだ~。」

曜「私たちだって、りょう兄に早く見てもらいたいって思ってるよ!」

梨子「曜ちゃんの言う通りです♪」

良太郎「そうだったのか。それなら、夏祭り当日は楽しみに待ってるよ。」

 

話をしていたら、バス停に到着した。

5分もしないうちにバスが来たので乗車し、それぞれ帰宅した。

 

 

千歌「ただいま~!」

良太郎「戻りました。」

 

「あらぁ、千歌ちゃん,りょうちゃん、おかえりなさい。」

「2人とも、お夕飯できてわよ。」

 

千歌の家である旅館に帰ると2人の女性が出迎えてくれた。

おかえりと言った彼女は『野上愛理』。良太郎の姉である。

夕飯のことを言った彼女は『高海志満』。千歌の姉で、高海家の長女だ。

2人は同い年で幼馴染みでもある。

 

千歌「あれ、美渡ねぇは?」

志満「美渡ちゃんならもう少しで帰ってくるわ。」

 

「ただいま~。」

 

千歌に続いて、もう1人の女性が帰ってくる。

 

千歌「美渡ねぇおかえり~。」

良太郎「美渡姉さん、おかえりなさい。」

美渡「千歌に良太郎も帰ってきてたのか。2人もおかえり。」

 

千歌と良太郎に出迎えられた彼女は『高海美渡』。

彼女も千歌の姉で、高海家の次女だ。

 

志満「皆でお夕飯にしましょうか。」

 

5人で夕飯を食べ、そのあとは各自が自由時間を過ごした。

 

 

そんな普通の日常が突然壊れるなんて、誰も想像していなかった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

良太郎とAqoursが普通の日常を過ごしている裏で、暗躍する影があった。

 

「この世界にいる人間の時間と記憶を壊してやる。」

 

 

 

続く。




本編に、この世界の野上良太郎についての設定を描きましたが、後書きにもまとめておきます。
野上家についてもまとめておきます。


年齢:20歳
職業:大学生,仮面ライダー
特技:ダンス

Aqoursのサポートをしながら、十千万旅館でアルバイトをしている。
千歌,曜,ルビィ,花丸,善子,果南,ダイヤ,鞠莉とは10年来の幼馴染み。
梨子に関しては、良太郎が高校時代に生活していた際に住んでいたアパートのお隣さんだった。
この世界の特異点。
正義感が強く、『仮面ライダー電王』として戦うことを受け入れる。

Aqoursメンバーからの呼ばれ方
千歌:りょうちゃん
果南,曜:りょう兄
善子:良太郎
鞠莉:りょう
ダイヤ:りょうお兄様
ルビィ:りょうお兄ちゃん/お兄ちゃん
花丸:りょうお兄さん
梨子:りょう兄さん


家族は父,母,姉が居るが、父と母は海外で活躍する音楽家。
姉の名前は『野上愛理』。高海家の長女『志満』と同い年で幼馴染み。
良太郎と同じく十千万旅館で働いている。


ちなみに、原作の電王世界とはパラレルワールド的な繋がりなので、モモ,ウラ,キン,リュウをはじめ、オーナーとナオミさんの会話に原作の良太郎の話が出ます。
あとは、不運体質ではありません。


以上です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

プロローグ2

前回のプロローグ1で、この作品の主要な登場人物が揃いました。
あのメンバーでしばらく進めていきます。
ただ、電王への変身、及び、モモタロスたちが良太郎に憑依するのはまだ先になります。

ジーク,侑斗,デネブも今後登場してもらいます。
どこで出るかは未定です。


あれから日が過ぎて、今日は夏祭り当日。

Aqoursの出番は全ての催し物の最後。つまり、トリを務める。

ただ、出番前の集合時間は18:00。それまでは夏祭りを皆で回る予定だ。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

黒澤家Side

 

ダイヤ「この帯を締めれば...完成ですわ。」

ルビィ「花丸ちゃん可愛いよ!」

花丸「ダイヤさんありがとうございますずら!」

 

ちょうど花丸の着付けが終わったところだ。

夏祭りに行くにあたって、せっかくだから浴衣でという話になり、メンバーは浴衣を着ることになった。

 

花丸は黄色、ルビィはピンク、ダイヤは赤色を基調とした浴衣だ。

 

ダイヤ「そろそろ千歌さんのところに向かいましょうか。」

ルビィ「うゆ!」

花丸「ずら!」

 

 

 

十千万旅館Side

 

志満「梨子ちゃんの仕上げ終わりよ~。」

愛理「鞠莉ちゃんもこれで完成よ。」

 

千歌「おぉ~! 梨子ちゃんも鞠莉さんも可愛いよ~!」

果南「鞠莉はスタイルが良いし、梨子ちゃんは美人だから浴衣姿も映えるね。」

 

志満と愛理によって、梨子と鞠莉は浴衣に着替え終える。

 

鞠莉「千歌っちも果南もありがとう♪ けど、2人もかなり似合ってるわよ。」

梨子「鞠莉さんの言う通りですよ。千歌ちゃんも果南さんも可愛いですよ♪」

 

千歌と果南は先に浴衣に着替えていて、みかん色,ライトグリーンを基調とした浴衣だ。

それに、梨子は桜色、鞠莉は薄い紫色を基調とした浴衣だ。

 

4人が褒めていると...

 

良太郎「4人とも入っていい?」

 

外から良太郎が声をかける。

 

千歌「大丈夫だよ!」

 

許可が降りたので、良太郎は千歌の部屋に入る。

 

スーッ

 

ちかりこかなまり「ほぇ~...。」

良太郎「ど、どうかな?」

 

千歌,梨子,果南,鞠莉は感嘆の声しか出なかった。

なぜなら、青色を基調とした浴衣姿だったからだ。

 

良太郎「まじまじ見られると、なんか照れるな...。」

ちかりこ「カッコいい...!」

果南「イケメンすぎる...!」

鞠莉「Oh my god...!」

 

4人はK.O.寸前のようだ。

 

愛理「りょうちゃん似合ってるわよ~。」

志満「千歌ちゃんたちをよろしくね。」

良太郎「姉さんありがとう。千歌ちゃんたちのことは任せてください。」

 

美渡「千歌~、ルビィちゃん,ダイヤちゃん,花丸ちゃんが来たよ~!」

千歌「今行く~!」

 

美渡の声で現実に戻ってきた4人と良太郎は、最後の準備をして、ルビィ,ダイヤ,花丸と合流した。

 

 

 

津島家Side

 

ピンポ-ン

 

善子「は~い。」

 

ガチャ

 

曜「おはヨーソロー!」

善子「おはよう。曜は朝から元気ね。」

 

善子の家に曜がやってきた。理由は2つ。

1つ目は善子の着付け、2つ目はライブの衣装を預かってもらうこと。

善子の住む家は狩野川沿いのマンションで、夏祭りは狩野川沿いで開催されるため、善子から出番が来るまで家で預かると言ってくれたのだ。

 

曜「善子ちゃんありがとね。衣装を預かってもらって。」

善子「お礼はいいわよ。むしろお礼を言うのは私の方よ。浴衣の着付けをしてくれるんだから。」

曜「それでも言いたいの。じゃあ、早速着付けを始めよっか!」

 

 

曜の浴衣着付け教室が始まった。

制服やコスプレ好きな曜なので、浴衣の着付けは慣れた手付きで仕立てあげる。

10分ちょっとで善子は浴衣を着ることができた。

善子はグレーを基調とした浴衣だ。

 

善子「ありがとう。」

曜「どういたしまして! 次は私がやるから、ちょっと手伝ってね。」

善子「わかったわ。」

 

その曜も10分ちょっとで着替え終えた。

曜は水色を基調とした浴衣だ。

そして、2人で最後の準備をしていると...

 

prrrrr...prrrrr...

 

曜「私のだ。もしもし?」

千歌『あ、曜ちゃん? 私たち善子ちゃんの家の近くに来たよ!』

曜「そっか。私たちも準備大丈夫だから、すぐに向かうね!」

 

通話を終える。

 

善子「千歌からね。待たせるわけにもいかないから、行きましょう。」

 

2人は家を出て、千歌たちのところへ向かった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

千歌,梨子,花丸,ルビィ,果南,ダイヤ,鞠莉,良太郎は善子のマンションのそばにある祠で待機していた。

 

曜「おーい、皆~!」

 

そこに曜と善子が合流した。

 

果南「皆揃ったね。」

ダイヤ「それでは、今日の動きを確認しましょう。」

 

全員居るので、ダイヤによって今日のスケジュールを確認する。

 

~15:00 お祭りを回る

15:00~15:15 祠に集合

15:15~15:30 善子の家に向かい、衣装確保

15:30~16:00 楽屋へ移動

16:00~17:00 着替え&打ち合わせ

17:00~18:00 リハーサル

18:30~ 本番

 

ダイヤ「これでいきますから、忘れないでください。」

1年生&2年生&かなまり「はい!」

 

ダイヤ「りょうお兄様、私たちが着替えている間の打ち合わせをよろしくお願いいたしますわ。」

良太郎「了解。」

 

千歌「それじゃあ、時間までお祭りを楽しもう!」

 

9人は学年別になって散策しはじめた。

 

良太郎「(僕は僕でゆっくり回ろうかな。)」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

一方、時の列車が走る異空間では、デンライナーの車内でオーナーによる『スクールアイドル』の解説が行われていた。

 

・スクールアイドルは女子高生で結成された高校生アイドル

 

・夏と春の時期にラブライブという大会が開催されている

 

大きく2つのことを話した。

 

モモ「要は、女が活躍する世界か。亀にピッタリだな。」

ウラ「心外だなぁセンパイ。僕がナンパするみたいに言わないでよ。」

キン「前に旅した世界とは異なる世界か。」

リュウ「ダンスなら僕も負けないよ。」

 

4体のイマジンたちが感想など言っていると...

 

オーナー「それと...非常に重要なことを言いますよ。」

ナオミ「重要なことですか?」

モモ「あぁん?」

ウラ「一体どんなことです?」

キン「ふむ...。」

リュウ「なになに?」

 

全員が静かになる。

 

オーナー「スクールアイドルの世界にも『特異点』が存在しています。その特異点とは、『野上良太郎くん』です。」

モモ「なに!? 良太郎!?」

ウラ「良太郎...?」

キン「おもしろうなってきたな。」

リュウ「それって、良太郎に会えるってこと?」

ナオミ「並行世界の良太郎くんかぁ~!」

 

野上良太郎という人物に反応するイマジンたちとナオミさん。

かつてその同姓同名の人物とは、共に戦った仲間なのだ。

 

オーナー「スクールアイドル世界の時間軸で大きな災いが起きた場合、彼に手伝っていただくことになります。その時は近いうちになりそうですがね...。」

 

時の運行を乱さないよう、異変が起きてからしか干渉が許されないため、今はスクールアイドル世界の良太郎との接触はできない。

ただ、スクールアイドル世界は何者かが災いを起こそうとしている。

 

モモ「もしまた良太郎と旅が出来るってんなら、腕が鳴るぜ!」

ウラ「センパイ、今度は無茶しないでくださいよ。」

キン「モモの字、平等にやで。」

リュウ「良太郎に会えたら、何してもらおうかな~。」

 

ワクワクするイマジンたちだった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

夏祭りを堪能したAqoursと良太郎は時間通りに行動し、時刻は16:00を回った。

 

ちなみに、良太郎は屋台を回っている間に、3年生→2年生→1年生の順で再会し、時間を区切って一緒に行動した。

屋台では、食べ物の場合は2品ごちそうし、射的やおみくじなどの遊び系の場合はメンバーの欲しい物を狙った。

その遊び系では、メンバーの欲しい物を確実に当てたのだった。

 

今、9人はライブの衣装に着替えている。その間に良太郎が夏祭りの運営側と打ち合わせをする。

20分くらいすると...

 

千歌「りょうちゃん、お待たせ~。」

鞠莉「打ち合わせはどこまで進んだの?」

 

千歌と鞠莉が声をかけてきた。

2人の後ろには梨子とダイヤも居る。

 

この4人が良太郎と合流したのには理由があり、千歌はAqoursのリーダー、梨子は楽曲の説明をするため、ダイヤは旧網元の黒澤家の令嬢&浦女の生徒会長のため夏祭り主催者側とは顔が効き、鞠莉も世界のオハラグループの令嬢&浦女の理事長であるためダイヤと同じく顔が効く。

 

そうは言っても、千歌と梨子はライブの流れを打ち合わせする役目で、ダイヤと鞠莉は主に重役の人たちへの挨拶回りみたいな役目を担っている。

 

ここには居ないメンバーは、一足先に軽くリハーサルをしている。

 

ダイヤ「ここからは私たちが引き受けますから、りょうお兄様は果南さんたちのところにお願いしますわ。」

良太郎「リハーサルの様子見だね。わかったよ。」

梨子「30分くらいで合流しますね。」

 

役割チェンジして、良太郎はリハーサル場所に向かった。

 

 

 

良太郎がリハーサル場所に着くと、果南の指導の元で1年生3人と曜がストレッチを始めていた。

 

良太郎「リハーサルの様子見に来たよ。」

果南「ありがとう、りょう兄。」

良太郎「それと、千歌ちゃんたちは30分くらいで合流するって。」

 

果南のストレッチに付き合いながら、梨子の伝言を伝える。

ストレッチが終わると2人1組になり、動きを確認する。

 

その確認がちょうど終わったとき...

 

ダイヤ「ただいま戻りましたわ。」

 

打ち合わせに行っていた4人がリハーサル場所にやって来た。

 

良太郎「千歌ちゃんたち4人はストレッチをしておいて。それが終わったら全体リハーサルに入るよ。動きを確認していた5人は1度休憩してね。」

9人「はい!」

 

 

そのあとはあっという間に時間が過ぎてリハーサルは終了。

出番まで30分を切ったため、ステージ袖に移動する。

ステージ袖では、Aqoursの前にパフォーマンスをするグループが何組か待機していた。

そのグループも時間が過ぎるにつれてステージでパフォーマンスを披露し、観客のボルテージは上がっていく。

 

そして、Aqoursの出番が直前になると、良太郎の出番はここまで。

 

良太郎「それじゃあ、僕は関係者席に行くね。」

千歌「うん。」

良太郎「皆、応援してるよ!」

 

千歌「りょうちゃん。」

ようかな「りょう兄。」

善子「良太郎。」

鞠莉「りょう。」

ルビィ「りょうお兄ちゃん。」

花丸「りょうお兄さん。」

梨子「りょう兄さん」

ダイヤ「りょうお兄様。」

 

良太郎「ん?」

 

よしルビようちかまりかな「ありがとう!」

ダイりこ「ありがとうございます!」

花丸「ありがとうずら!」

 

9人の少女たちからお礼を言われた良太郎は笑顔で彼女達を送り出した。

 

 

ステージを見る観客席には、Aqoursの歌とダンスを待ちわびる浦女の生徒たち,メンバーの保護者(曜の応援には、従姉妹の月ちゃんも来ている。),愛理さん,Aqoursを応援する沼津市民や一般の人々などで埋め尽くされている。

 

Aqoursの前にパフォーマンスをしていたグループが下がっていき、ついにその時が来る。

 

「皆様お待たせいたしました! 沼津に生まれたスクールアイドル『Aqours』の登場です!」

 

良太郎「(いよいよだね。)」

 

司会者のアナウンスで9人がステージに登場する。

千歌を先頭に出てくると、観客席は今日1番の沸き上がりが起きる。

 

千歌「皆さん、こんばんは! 私たちは、浦の星女学院スクールアイドル...。」

9人「Aqoursです!」

 

曜「今日は私たちを夏祭りに招待していただき、ありがとうございます!」

 

梨子「皆さんにお礼の意味を込めて!」

花丸「精一杯頑張ります!」

 

ルビィ「そして、夏祭りの最高の思い出を!」

善子「作っていただけたら嬉しいです!」

 

ダイヤ「私たちAqoursが9人になって!」

果南「始めてのステージになります!」

鞠莉「温かく見守ってほしいです!」

 

9人が一言ずつ述べ終わると、配置につく。

一瞬の静寂が会場を包んだあと、曲が流れ出す。

 

 

『未熟DREAMER/Aqours』

 

 

浴衣をモチーフにした衣装をまとい、9人は歌い、華麗に踊る。

そのパフォーマンスに観客は引き込まれていく。

良太郎も同じだ。

 

良太郎「すごい...。」

 

言葉を失うほどの美しさだった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

このAqoursの様子を見ている影がある。

 

「面白いもの見つけたよ...。」

 

 

 

 

 

続く。




電王Sideの登場人物は、全員実際に演じていた方々をイメージしてください。
イマジンの声もそのままです。

敵に関しては、皆さんが想像しやすいキャラクターの声を当てはめてもらって大丈夫です。(今のところは...(^^;)。)


次回は『プロローグ3』で、パフォーマンスが終わった直後と、本格的に物語が動き出す予定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

プロローグ3

第0章のプロローグは今後の物語の展開に響くので、とうにかして完成させます。


オーブとAqoursの物語も進めるつもりですが、善子とガイさんの展開がなかなか苦戦を強いられています...。
もう少しで新年度になるし、ダラダラしてたら推しの曜ちゃんが誕生日を迎えるし...。

なので、4月中には投稿しますので、お待ちくださいm(_ _)m
『平成』が終わるまでに必ずやります!


『未熟DREAMER』を歌いきり、ダンスも踊りきった9人は整列する。

お互いに手を取り合って...

 

千歌「今日は本当に!」

9人「ありがとうございました!」

 

Aqoursが感謝を述べると...

 

パチパチパチパチ!!

 

観客席全体から拍手が起きる。

 

花丸「ありがとうございましたずら!」

ルビィ「皆さん、ありがとう♪」

善子「ギラン!」

 

果南「ありがとう! ハグしよ!」

鞠莉「Thank you very much!」

ダイヤ「皆さんの応援に感謝いたしますわ!」

 

曜「ヨーソロー! またね~!」

梨子「ありがとうございました!」

千歌「皆さ~ん! 家に帰るまでがAqoursのライブですからね~!」

 

9人それぞれがステージを捌けると同時に言葉をかける。

その間も拍手は鳴り続ける。

良太郎はというと、9人が捌けているうちに楽屋に向かう。

 

 

Aqoursが完全にステージから見えなくなると、お客さんたちは花火を見るために移動した。

楽屋では...

 

千歌「ステージ大成功だったね!」

ルビィ「今日のステージ、すごく楽しかったです!」

梨子「私も♪ それに、衣装が可愛い!」

曜「せっかくのお祭りだから、ルビィちゃんと浴衣みたいにしようって話してたんだ!」

 

善子「あれだけのリトルデーモンがヨハネに加護をくれたのね。」

花丸「善子ちゃんだけのファンじゃないずらよ。」

善子「わ、わかってるわよ!」

 

果南「ねぇ、ダイヤ,鞠莉...。」

ダイヤ「どうしました?」

鞠莉「ん?」

果南「6人の後輩も居るけど...やっぱり私は、ダイヤと鞠莉とまた一緒にスクールアイドルになれて嬉しかった! ありがとう!」

鞠莉「ありがとうを言うのは私よ...。私もschool idolを諦めないで良かったわ! それと...2人とも、私のワガママに振り回しちゃってゴメンね...。」

ダイヤ「私からも感謝しますわ。果南さんと鞠莉さんとの思い出が増えましたから!」

 

9人とも余韻に浸っていると...

 

良太郎「皆、お疲れ様!」

 

Aqoursのもとに良太郎が合流する。

 

ルビィ「あ! お兄ちゃん!」

 

真っ先に良太郎を見つけたルビィが駆け寄ってきて、抱きつく。

 

良太郎「ルビィちゃん、頑張ったね。」

ルビィ「えへへ~///。」

 

抱きついてきたルビィの頭を撫でる。

 

花丸「まるもして欲しいずら~。」

千歌「私にもやってよ!」

鞠莉「マリーも!」

良太郎「わかったわかった。全員順番にするからね。」

 

残る8人にも労いの言葉をかけて、頭を撫でた。

花丸,千歌,曜,鞠莉は笑顔を咲かせ、善子,梨子,ダイヤ,果南は顔を赤らめていた。

 

 

その後、9人は動きやすい服装に着替えて、荷物をまとめた。

ライブで使った衣装も各自で持ち帰る。

 

果南「忘れ物は無い?」

曜「大丈夫だよ!」

 

ダイヤ「ルビィ,花丸さん、帰りましょうか。」

ルビィ「うん!」

花丸「ずら!」

 

善子「気を付けて帰りなさいよ。」

千歌「そっか。善子ちゃんはすぐだもんね。」

梨子「ありがとう、善子ちゃん。」

 

鞠莉「明日はホテルで打ち上げするから、遅れないようにね!」

 

良太郎「もうすぐバスが来るよ。」

 

曜と善子は沼津の市街地に家があるが、内浦方面と淡島に家があるメンバーはバスで帰る。

「また明日ね~。」と言い、今日は解散した。

 

バス組も、淡島の船乗り場で果南と鞠莉が下車。

みとシー前で千歌,梨子,良太郎が下車し、案内所前ででルビィ,花丸,ダイヤが下車して、それぞれ帰宅した。

 

 

 

 

だが、これまで過ごしてきたスクールアイドルとしての時間が無くなるとは誰も想像していなかった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「さて...始めるとしますか。」

 

人々が寝静まった真夜中の沼津に謎の人物が現れる。

 

「それに、なかなか興味深い人間が居た。そいつらの記憶と時間を刈り取る。」

 

その人物は等身大に近い大きさの鎌を持っている。

そして、闇に紛れ、計画を実行した。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

敵が行動を起こした直後、デンライナーが走る時間軸の空間に異変が起きた。

スクールアイドル世界に繋がる路線が崩壊し、無惨な形になってしまった。

 

オーナー「向こうが動いたようですね。」

 

窓で様子を見ていたオーナーが呟く。

 

リュウ「ってことはぁ...。」

ウラ「僕たちもスクールアイドル世界に行くことになったね。」

キン「そんならやることは決まったな。」

モモ「その世界にいる良太郎と協力して、時間を守らないとな。」

 

イマジンたちも気合いが入っている。

 

ナオミ「それじゃあ...。」

 

オーナー「スクールアイドル世界に向かいましょう。」

 

オーナーの一声で、デンライナーは発車。

スピードをあげて走り、スクールアイドル世界へ向かった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

翌朝。

 

いつもと変わらぬ朝を迎えた十千万旅館。

浦女は今日から夏休みに突入。千歌はまだ寝ているが、志満と愛理は旅館の切り盛りをする。

良太郎も手伝う。

 

今日はAqoursと良太郎の10人で夏祭りの打ち上げをする予定だ。

ホテルオハラでやるため、淡島へ渡る船乗り場に集合することなっている。

 

現在の時刻は9:00。10:30に集合なのだが、千歌はまだ寝ている。

 

良太郎「(そろそろ起こしたほうがいいよね。)」

 

そう思った良太郎は千歌の部屋に向かう。

2階にあがり、千歌の部屋に到着。

 

良太郎「千歌ちゃん、入るよ~。」

 

襖を開けると、スヤスヤと寝ている千歌がいる。

 

良太郎「そろそろ起きて。」

千歌「うぅん...。」

 

体を揺すり、起こす。

 

千歌「りょうちゃん? おはよー...。」

良太郎「おはよう。あと1時間したら出かけるよ。」

千歌「はぁい。」

 

千歌がベッドから出たため、良太郎は部屋を出る。

ただ、良太郎は何か感じ取る。

 

良太郎「あれ? 梨子ちゃんの部屋のカーテンがまだ閉まってる...。まだ寝てるのかな?」

 

寝坊などしない梨子が9:00を過ぎても寝ているなんて珍しいと感じた良太郎だったが、深入りせず下の階に行った。

 

 

そのあと、千歌が下りてきて出かける準備をして、10:00を過ぎた。

 

良太郎「そろそろ船乗り場に行こうか。」

千歌「そうだね。」

 

2人はみとシー前のバス乗り場でバスに乗った。

 

千歌「あれ? 梨子ちゃん来ないね。」

良太郎「もしかしたら1本前のバスに乗ったのかも。」

 

特に気にすることなく、バスは出発した。

5分ちょっとで船乗り場に到着したが、千歌と良太郎以外のメンバーは居なかった。

 

千歌「梨子ちゃん居ないね。」

良太郎「そうだね。それに、曜ちゃんと善子ちゃんも来てない。あの2人、この時間に来てないと遅刻なのに。」

 

腕時計を確認すると10:20を過ぎていた。

しかし、曜,善子,梨子,ダイヤ,花丸,ルビィは姿を現さない。

 

千歌「もしかして...隠れてる?」

良太郎「そんなわけないと思うよ。」

 

自分たちにドッキリを仕掛けるつもりかと思う千歌であったが、それは考えにくいと良太郎は言う。

 

10分が経過し、10:30になった。

それでも誰も来ない。あろうことか、船で迎えに来るはずの果南と鞠莉も来ない。

 

良太郎「ねえ、千歌ちゃん。グループトークや個人トークで呼び掛けてみようか。」

千歌「うん...。」

 

待っても待ってもメンバーが来ないため、トークアプリを開いて呼び掛けようとするが...

 

千歌「えっ...。」

 

画面を何度もスクロールする。

 

良太郎「どうしたの?」

千歌「Aqoursのトーク部屋が無いの...。それに、曜ちゃんと果南ちゃん以外の連絡先が消えてる...。」

良太郎「そんなこと...。ちょっと見せて。」

 

千歌からスマホを受け取り、画面を確認したが、曜と果南以外の連絡先が見つからない。

 

千歌「りょうちゃんの方は?」

 

少し不安な様子と声で良太郎に聞く。

 

良太郎「調べてみる。」

 

自身のスマホを起動させ、トークアプリと電話帳を確認すると、こちらはメンバー全員の連絡先は消えていなかった。

だが...

 

良太郎「メンバーの連絡先は消えてないけど、トーク部屋は見つからない...。」

千歌「どうなってるの...?」

良太郎「わからない...。」

 

何が起きているのか検討がつかない2人。

夜に寝ぼけて連絡先を消したにしては複雑で、誤って消した覚えはない。

考えられるのは『スマホがおかしくなった』ということだが...

 

良太郎「千歌ちゃん...曜ちゃんと果南ちゃんに電話してみて。」

千歌「えっ...?」

良太郎「なんだか変な胸騒ぎがするんだ。千歌ちゃん以外のメンバーに何か起きたんじゃないかって...。」

千歌「わかった。」

良太郎「僕は他の6人に電話してみるよ。」

 

手分けして安否を問うことにした。

 

 

 

 

 

続く。




ついに物語が動き出しました。

千歌以外のメンバーに何が起きたのか...。
8人は無事なのか...。
良太郎が感じた胸騒ぎの正体は果たして何なのか...。


次回をお待ちください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

プロローグ4

プロローグとしてはいよいよクライマックスになってきました!

そして、モモタロスたちと良太郎が出会います!


本編をどうぞ!


千歌Side

 

良太郎に言われて、果南に電話をかける。

 

prrrrr...prrrrr...

 

千歌「(お願い! 電話に出て...!)」

 

祈るように待つ。

7回くらいのコールがしたあと...

 

ガチャ

 

千歌「っ...! もしもし! 果南ちゃん?」

果南『千歌? どうしたの?』

 

電話越しに果南が出た。

 

千歌「良かったぁ~。電話に出てくれて...。」

 

果南が出てくれたことに安堵のため息を漏らす。

 

果南『何かあった?』

千歌「何かあったじゃないよ! 時間が来ても船乗り場に来ないから心配したんだよ!」

果南『えっ? 今日って遊ぶ約束してたっけ?』

千歌「ちがうよ。今日は鞠莉ちゃんのホテルで打ち上げする予定でしょ?」

果南『何の打ち上げ?』

千歌「えっ...?」

 

通話をするが、千歌と果南の会話が噛み合わない。

 

果南『鞠莉からはそんな話聞いてないよ?』

千歌「そんな...。ゴメン...。ちょっと切るね...。」

 

想像もしていない回答を聞いてしまい、千歌は通話を切りスマホを降ろした。

 

千歌「(千歌がおかしくなっちゃったのかな...。でも、まだ曜ちゃんが居る。曜ちゃんなら...!)」

 

今度は曜に電話をかける。

 

prrrrr...prrrrr...prrr...ガチャ

 

曜『もしもし?』

千歌「曜ちゃん! 千歌だよ!」

曜『千歌ちゃんおはよ~。今日はどうしたの?』

千歌「えっ...? 曜ちゃん何言ってるの...? 今日は鞠莉ちゃんのホテルで打ち上げだよ?」

曜『打ち上げ? そんな予定初めて聞いたよ。あと、鞠莉ちゃんって誰?』

千歌「...!?」

 

果南の時と同じく、曜も打ち上げのことを覚えていない。

さらには、鞠莉のことを知らないと言い出した。

 

千歌「小原鞠莉ちゃんだよ!」

曜『小原...? 浦女の理事長さんがそんな名前だったような...?』

千歌「Aqoursのメンバーだよ!」

曜『アクア...?』

千歌「浦の星女学院のスクールアイドル Aqours! 私と曜ちゃん、鞠莉ちゃんも一緒にスクールアイドルやってるんだよ! 覚えてないの!?」

 

千歌は必死に訴えるが...

 

曜『ゴメンね千歌ちゃん...。何もわからないや...。』

千歌「そんな...曜ちゃんまで...。」

 

あまりの出来事に、千歌はスマホを耳から遠ざけて通話を切る。

果南も曜も今日の打ち上げを初耳だと言っていた。

スクールアイドルのこと,Aqoursのことを覚えてないと言っていた。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

良太郎Side

 

良太郎「どうなってるんだ...?」

 

善子,梨子,花丸,ルビィ,ダイヤ,鞠莉の6人に電話をしたのだが...

 

 

善子『打ち上げなんて聞いてないわよ?』『鞠莉って聞かない名前ね。』

 

 

梨子『そんな予定ありましたっけ?』『浦の星の理事長さんが小原さんだったような...。』

 

 

花丸『今日はお寺のお手伝いがあるずら。』『淡島にホテルがあるずらね。小原さんのホテルだったずらか。』

 

 

ルビィ『お姉ちゃん、今日お出かけの日だっけ?』

ダイヤ『今日はお稽古の日ですわよ。』

 

ルビィ『スクールアイドルってお姉ちゃん知ってる?』

ダイヤ『初めて聞きますわね。』

 

 

鞠莉『マリーがそう言ったの?』『マリーはロック以外は興味ないわね。』

 

 

と言われたのだ。

6人とも打ち上げとスクールアイドルのことを知らない話し方をしていた。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

良太郎「千歌ちゃん、どうだった?」

千歌「果南ちゃんも曜ちゃんも打ち上げのことを知らないって...。」

良太郎「2人もだったのか...。」

千歌「2人もってことは??」

良太郎「梨子ちゃんたち6人も知らないって。」

千歌「皆...どうしちゃったんだろ...。」

 

9人中、千歌以外の8人のメンバーが打ち上げとスクールアイドルのことを知らないという事実を突き付けられた。

 

千歌「うぅ...りょうちゃん...。」

 

涙を堪えていた千歌だが、我慢できず涙をこぼした。

良太郎は優しく抱きとめる。

 

良太郎「きっと夢なだけだよ...。」

千歌「夢...?」

良太郎「うん。僕と千歌ちゃんは変な夢の中にいるだけで、もう少ししたら終わるはずさ。」

千歌「それだったら早く覚めてほしいな...。」

 

 

 

「夢から覚めたいのがお前の望みか?」

 

 

 

千歌&良太郎「えっ?」

 

いきなり声をかけられたので、声がする方を振り向くと深々とフードを被った人物が居た。

 

「お前のその望み...今すぐ叶えてやるぞ。」

 

声からして男とわかったが、フードを深々と被ったまま、千歌と良太郎に近づいてくる。

 

良太郎「千歌ちゃん...。」

千歌「りょうちゃん...。」

 

何かを感じたのか、良太郎は千歌を庇うようにして立つ。

 

「さぁ、もう1度お前の望みを言え。夢から覚めたいと。」

 

歩みを止めない男は何も持っていなかった右手に鎌を出現させる。

 

良太郎「(このままじゃ千歌ちゃんが危ない...。僕が千歌ちゃんを守らないと...!)」

 

船乗り場の桟橋に居たため、逃げ場は無い。

さらには追い詰められている状況だ。

逃げるとするなら、正面突破のみ。

 

しかし、良太郎の体は動かない。

男に妙な圧をかけられているような感覚がして、硬直してしまっている。

 

「ま...言わなくても望みは叶えるけどね。」

 

男が鎌を振り上げた瞬間...

 

 

 

フワァ~ン!!

 

 

 

突如として、上空から列車が出現した。

その列車は千歌と良太郎に目掛けて走ってくる。

 

千歌&良太郎「うわっ!?」

 

それは一瞬の出来事だった。

千歌と良太郎に目掛けて走ってきた列車は男の目の前を通過して上空へ昇っていき、異空間へ消えた。

 

「なるほど...デンライナーか。」

 

そう呟いて、男は闇をまといながら姿を消した。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

良太郎「んん...。」

 

(リュウ)「まだ起きないみたいだよ?」

(ウラ)「起きるまで寝かせてあげようか。」

(モモ)「全く、こっちの良太郎も情けねぇなぁ。」

(キン)「待つのも体を鍛える一環と思えばえぇで。」

 

眠っている良太郎の耳に4つの声が聞こえてくる。

無邪気な声,落ち着いた声,ちょっと怒りっぽい声,太くずっしりした声。

 

良太郎「(さっき妙な男の人と話してたら、いきなり電車が現れて、それから...。)」

 

だんだん眠りから覚めてきて、意識と記憶がはっきりしてくる。

 

良太郎「ん...ふぁ~。それから...どうなったっけ?」

 

完全に目が覚めて、良太郎が真っ先に目撃したものは...

 

(モモ)「ようやく目が覚めたか、良太郎。」

(ウラ)「ずいぶんぐっすり寝てたよ。」

(キン)「おはようさん。」

(リュウ)「良太郎やっと起きた~。」

 

赤色の鬼,水色の亀,金色の熊,紫色の龍だった。

4体は良太郎の顔を覗きこんでいる。

 

良太郎「えっと...これも夢...?」

(モモ)「夢じゃねー。現実だ。」

良太郎「し...喋った...。」

(ウラ)「あれ? 驚かないの?」

良太郎「驚きを通り越してるかも...。」

(キン)「まぁこんな俺らを見たらそうなるわな。」

(リュウ)「良太郎だ良太郎だ~♪」

 

紫色の龍が良太郎の頭を撫でる。

良太郎は未だに夢を見てるかのような感じでいる。

 

「あ! 目が覚めたんですね!」

 

次は女性の声が耳に入ってくる。

 

ナオミ「私は『ナオミ』って言います。このデンライナーの乗務員です!」

良太郎「野上良太郎です。よろしくお願いします、ナオミさん。」

 

ナオミ「ほら! モモちゃんたちも自己紹介する!」

(モモ)「わーったから!」

 

ナオミに背中を押され、4体は良太郎の前に並ぶ。

 

モモ「俺の名前は『モモタロス』だ。よろしくな。」

ウラ「僕は『ウラタロス』。よろしくね、良太郎。」

キン「『キンタロス』や。よろしゅうな良太郎。」

リュウ「『リュウタロス』だよ。よろしく~。」

良太郎「モモタロスにウラタロス,キンタロス,リュウタロス...。よろしく。」

 

自己紹介が済み、良太郎はあることを思い出す。

 

良太郎「千歌ちゃんは!?」

ウラ「千歌ちゃん? この子のことかい?」

 

千歌の安否が心配になった良太郎がその場に起立する。

ウラタロスの言葉で良太郎からイマジン4体が1歩引くと、向かいの席に千歌が眠っていた。

 

良太郎「良かったぁ...。」

 

安心して椅子に座る。

 

モモ「そういやぁ良太郎を助けたとき、あの女を大事に守ってたな。」

良太郎「うん。千歌ちゃんは大切な子なんだ。」

 

千歌「んん...りょうちゃん??」

良太郎「あ、起こしちゃったみたいだね...。」

 

ちょっと賑やかになった空間になったため、千歌が目を覚ます。

 

千歌「あ! りょうちゃん怪我は無い!?」

良太郎「え? 大丈夫だよ。」

千歌「良かったぁ。」

 

起きてすぐに良太郎へ意識が集中したため周りを見ていなかったが...

 

千歌「あれ? ここどこ?」

ナオミ「ここはデンライナーの車内ですよ~。あ、私はナオミって言います!」

千歌「た...高海千歌です...。」

ナオミ「よろしくね千歌ちゃん!」

千歌「よろしくお願いします...。」

 

まだ脳内の処理が追い付いつかず不安なのか、千歌は良太郎の服の袖を掴んだままだ。

 

千歌「り...りょうちゃん...。」

良太郎「ん?」

千歌「りょうちゃんの後ろに居るのは何...? お化け? 怪物?」

 

今度はカラフルな4体を目にした千歌。

 

モモ「おい女。俺たちはお化けでも怪物でもねぇよ。俺には『モモタロス』って名前があんだ。忘れんなよ。」

千歌「モモタロスさん...。」

 

ウラ「僕たちも自己紹介したほうが良いね。僕は『ウラタロス』だよ。よろしくね千歌さん。」

キン「あっしは『キンタロス』や。よろしゅうな。」

リュウ「僕は『リュウタロス』だよ。よろしくね~。」

千歌「ウラタロスさん...キンタロスさん...リュウタロスさん...。よろしくお願いします。」

 

かくして、千歌と良太郎はモモタロス,ウラタロス,キンタロス,リュウタロスと出会ったのだった。

 

 

 

 

続く。




プロローグは次回の第5弾までとなります。
変身と憑依はもう少々お待ちください(>_<)。


さて、作者は明日の31日に

ウルトラマン ニュージェネレーションワールド

Super-pouvoir 昼の部 (あんちゃんのFCイベント)

まるごとりかこFM 夜の部

この3つのイベントをはしごします。
移動は、東京ソラマチ→八王子→横浜となります(笑)

ちなみに、私事ですが25日に誕生日を迎えました。
21日にはしゅかランドのイベントに参加して少し早いプレゼントになりましたが、今回のあんちゃんとりかこのイベントも誕生日プレゼントになりました(^^)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

プロローグ5

プロローグは今回で終結し、物語は本格的に動き出します。


デンライナーの車内で、モモタロス,ウラタロス,キンタロス,リュウタロス,ナオミと出会った良太郎と千歌。
そして2人はオーナーとも出会うが、オーナーから衝撃の事実が伝えられることに...。



千歌とモモタロスたちの自己紹介が終わり、千歌の警戒心がだいぶ解けた。

 

千歌「リュウタロスさんって絵が上手ですね!」

リュウ「僕、絵を描くの好きなんだ~。あ! 千歌ちゃんの似顔絵描かせてよ!」

千歌「うん! 描いてほしいな!」

 

ナオミ「はい、みかんジュースお待ちどうさま~♪」

千歌「ナオミさんありがとう!」

 

リュウタロスとナオミさんは完全に打ち解けあっていた。

 

良太郎「千歌ちゃん...良かった。」

ウラ「何が良かったんだい?」

良太郎「あの笑顔を見れたことだよ。モモタロスたちに助けられる直前まで泣いてたからさ...。」

キン「泣く? そういや誰かに狙われとったな。」

モモ「良太郎、何か心当たりはないのか?」

良太郎「全くの初対面だったよ。」

 

千歌の様子を、車内のカウンターテーブルに寄りながら見ている良太郎たち。

直後、車内のドアが開き、中年くらいのおじさんが入ってきた。

 

「ナオミくん、プリンをお願いします。」

ナオミ「は~い♪」

 

そのおじさんはプリンを注文すると、近くのテーブル席に座る。

 

良太郎「モモタロス、あの人は誰なの?」

モモ「デンライナーのオーナーだ。」

良太郎「オーナー...。」

 

オーナー「野上良太郎くん。」

良太郎「は...はい!」

オーナー「高海千歌さん。」

千歌「は...はい!」

オーナー「あなた方お2人に重大な話をします。」

 

いきなり名前を呼ばれ、緊張が走る良太郎と千歌。

さらに、重大な話もある。

 

オーナー「まず、あなた方の居た世界...スクールアイドル世界の時間が乱れています。」

良太郎「時間の乱れですか...。」

オーナー「身の回りで何か妙な出来事はありませんでしたか?」

 

ナオミ「プリンどうぞ~。」

 

オーナーの前にプリンが置かれる。

そして、すくいながら食べていく。

 

良太郎「妙な出来事...?」

 

自分がデンライナーに乗車する前のことを思い出す。

 

千歌「スクールアイドル...。」

良太郎「っ!」

千歌「千歌とりょうちゃん以外、スクールアイドルのことを覚えて無いんです...。まるで最初からスクールアイドルが存在していないかのように...。うぅ...グスッ...。」

 

悲しげな表情で千歌が答えるが、我慢ならず涙を流してしまう。

 

ナオミ「千歌ちゃん...。」

 

それを聞いたナオミさんは千歌に寄り添う。

 

オーナー「それは...『記憶と時間を狩り取られた』と考えられますねぇ。何か特殊な仕掛けを良太郎くんと千歌さん以外の人に施したのでしょう。」

良太郎「確か...鎌のような武器を持った男が千歌ちゃんを狙ってました。」

オーナー「なるほど。鎌ですか...。その鎌で記憶と時間を狩り取ったということですね。」

 

だが、この解説を聞いていたウラタロスは浮かない顔をする。

 

ウラ「ただ...1つだけわからないことがあるんだよね。」

良太郎「わからないこと?」

ウラ「千歌さんだよ。」

千歌「私ですか?」

ウラ「千歌さんのお友達は記憶と時間を狩り取られたのに、千歌さんだけは全てを覚えてる。敵が千歌さんだけ敢えて狩り取ってないのか、それとも、狩り取ったけど影響が出てないのか。どっちかわからないんだよ。」

 

ウラタロスの疑問は間違っていない。

 

モモ「ってことは...。」

キン「特異点か?」

リュウ「千歌ちゃんも?」

 

千歌「え?」

良太郎「特異点?」

 

初めて聞く単語が出てきた。

 

オーナー「特異点...。一部の人間だけが持つ、時間からのあらゆる干渉を受けない特性のことです。時の運行に変化が生じてもそれによる影響を受けません。もし千歌さんが特異点だとしたら、記憶と時間を狩り取られるような攻撃を受けても影響が出ません。」

良太郎「つまり、スクールアイドルのことを忘れない。」

オーナー「その通りです。それと...良太郎くんも特異点です。」

良太郎「ぼ、僕もですか!?」

 

オーナーの発言に目を丸くする。

 

オーナー「私たちは良太郎くんの力を借りたいのです。」

良太郎「僕の力をですか...?」

オーナー「デンライナーに乗車する私たちは、以前別の世界で野上良太郎くんと出会ったことがあります。彼もまた特異点でした。けど彼は、あなたと性格が全く違いましてねぇ。臆病で引っ込み思案、揉めごとが嫌いな感じでした。喧嘩も弱く、不運に見舞われやすい体質でしたから。」

 

この話に4体のイマジンとナオミさんは頷く。

 

オーナー「しかし、彼は他人の幸せや不幸には人一倍敏感で、自分を犠牲にしてでも『他人を不幸から救いたい』という想いが強かった...。まぁ、頑固と言われるほど強い意志を持ってましたよ。自分がやると決めたことは何があってもやり抜こうとする性格でした。」

良太郎「それがもう1人の僕...。」

オーナー「そんな彼が私たちと時の運行を守るために戦ってくれました。」

良太郎「戦う?」

 

車内は静寂に包まれる。

イマジンとナオミさんは次にオーナーが発言する内容に予想がついているみたいでハラハラしている。

良太郎と千歌は無言で佇む。

そして...

 

オーナー「はい。『仮面ライダー電王』としてです。」

 

ついにその言葉が発せられた。

 

良太郎&千歌「仮面ライダー...電王...。」

 

また初めて聞く単語が出てきた。

 

オーナー「電王は、乗客の時間旅行と時の運行を守る戦士です。憑依した『イマジン』を制御できる『特異点』の人物に変身の素質があります。」

千歌「それじゃぁ...りょうちゃんが仮面ライダーに...。」

 

全員が良太郎に注目する。

 

オーナー「今までの話から予想はできるかと思いますが...良太郎くん、仮面ライダー電王になって私たちと時の運行を守っていただきたいのです。」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

その日の夜、良太郎は部屋で考えていた。

 

良太郎「僕なんかにできるのかな...。」

 

ベッドに横たわりながら呟く。

その手には『ライダーパス』が握られている。特異点であるからデンライナーへの乗車が認められ、渡されたのだ。

 

良太郎「このまま何もしないわけにはいかないし...。」

 

昼過ぎに帰ってきてからずっと上の空だった。

志満と愛理から何かあったのかと聞かれたが、良太郎は何でもないと答えた。

旅館の手伝いも、手を動かすときは集中していたが、それ以外では遠くを見ていた。

 

夕飯の時には美渡からも暗い顔をしてることを指摘されたが、作り笑いで誤魔化していた。

 

すると...

 

コンコン

 

千歌「りょうちゃん今良い?」

 

襖の向こうから千歌が聞いてくる。

 

良太郎「入ってきていいよ。」

 

千歌は襖を開けて良太郎の部屋に入る。良太郎は体を起こしてベッドに腰かける。

その横に千歌も座る。

お風呂上がりのようで、柑橘系の匂いがふわりとした。

 

千歌「なんか、今日は疲れたね...。」

良太郎「そうだね。いろんなことに巻き込まれちゃった1日になったもんね。」

 

祭りの打ち上げを約束していたはずなのに、千歌と良太郎以外のメンバーは来なかった。なぜ来ないのかを不思議に思った2人が連絡を取ると、打ち上げどころかスクールアイドルのことを覚えていなかった。

 

さらには、怪しげな男に襲われそうになったところをデンライナーに助けられ、モモタロス,ウラタロス,キンタロス,リュウタロスという4体のイマジンに乗務員のナオミさん、デンライナーのオーナーと出会い、千歌と良太郎の周りで起きたことを教えてもらった。

 

千歌「私...これからどうしたら良いのかな...。Aqoursのことは覚えていなくても、曜ちゃんと果南ちゃんは幼馴染みだから私のこと知ってるけど、梨子ちゃん,ルビィちゃん,花丸ちゃん,善子ちゃん,鞠莉ちゃん,ダイヤさんは何も覚えてない...。」

良太郎「千歌ちゃん...。」

千歌「明日からラブライブに向けて9人で頑張ろうって...。ラブライブに出て学校を救おうって言ったのに...。」

 

まだ不安なのか、声が震えていて涙も我慢しているようだ。

心が弱ってしまった彼女を放っておくわけにはいかず...

 

良太郎「千歌ちゃん...今は辛い気持ちや悲しい気持ちが心にたくさんあると思う。もちろん僕もそう。」

千歌「...。」

良太郎「だけど、千歌ちゃんには今まで通り笑顔で輝いていてほしい。そして、スクールアイドル活動を続けてほしいんだ。」

千歌「どうして...?」

 

涙まじりの声で聞き返す。

 

良太郎「千歌ちゃんはAqoursのことやスクールアイドルのことを覚えてる。千歌ちゃんが忘れない限り、きっと皆が帰ってくる気がするんだ。ただ、皆が揃うまで簡単にいかないと思うけど...。」

千歌「りょうちゃん...。」

良太郎「でも、皆が帰ってくる場所は絶対に無くしちゃダメなんだ。僕たちが『おかえり』って迎え入れるためにも。」

千歌「うん...!」

 

何か決意ができたのか、涙を拭い顔つきが変わる。

 

千歌「今は私とりょうちゃんだけでも、私は諦めたりしないよ! ラブライブを目指して...廃校にしないため...Aqoursを復活させるため...スクールアイドルを続ける!!」

 

そう宣言した。

そして良太郎も...

 

良太郎「千歌ちゃんにそう言った手前、僕が何にもしないわけにはいかないよね...。」

千歌「りょうちゃん?」

良太郎「僕がどこまでできるかわからないし、危険で怖いし、千歌ちゃんにも心配かけちゃうかもしれない。でも、Aqoursの笑顔にパフォーマンス,ラブライブで優勝する未来を見てみたい。」

 

そう言う良太郎の目には決意が芽生えている。

 

良太郎「千歌ちゃんや幼馴染みの皆を助けられるのが僕だけなら...。僕がやらなきゃだから。...僕は戦うよ。仮面ライダーになって、皆の記憶と時間を取り戻すよ!」

 

千歌に続いて、良太郎も宣言した。

手に持っているパスを力強く握り、誓うように。

 

 

「その言葉を待ってたぜ。」

 

千歌&良太郎「えっ?」

 

いきなり声が聞こえた。

2人はあたりをキョロキョロするが声の主は見当たらない。

すると、床から砂がわきあがるような音をたてて、4体のイマジンが現れたが、上半身が床から生えて、下半身は空中に浮いていた。

 

千歌「うわぁ!」

良太郎「皆、体が半分になってるよ!」

 

デンライナーではちゃんとした体だったのに、目の前では上半身と下半身が入れ替わってるため、2人は驚いている。

 

モモ「驚く気持ちはわかるが、それは今度説明してやる。それより良太郎、さっきの言葉は本気なんだな?」

良太郎「さっき??」

ウラ「仮面ライダーになるって言ってたでしょ。」

良太郎「あぁ、そうだった。」

 

イマジンたちは肩を滑らせる。

 

キン「しっかりしいや良太郎。」

良太郎「ごめんごめん...。」

リュウ「でもでも、これでまた電王になれるんでしょ!」

良太郎「僕は初めてだけど、リュウタロスたちはそうなるね。」

 

ウラ「そのことについて、千歌さんは良いのかい?」

千歌「私ですか?」

 

ウラタロスが神妙な声で問う。

 

千歌「心配してくれてありがとうございますウラタロスさん。私は大丈夫です! りょうちゃんが頑張るなら、私も頑張るだけです!」

 

自信満々に答える。

それを聞いたイマジンたちは...

 

モモ「その意気だぜみかん娘!」

ウラ「どうやら心配無用みたいだね。」

キン「泣けるでっ!」

リュウ「千歌ちゃん一緒に頑張ろうね!」

 

千歌「うん! でも、モモタロスさん! みかん娘って何ですか!」

モモ「そのまんまだよ。」

千歌「むぅ~。」

 

全員「(笑)」

 

おこりんぼ大会になったが、最後は笑いが起きた。

 

 

 

そのあと、2人と4体は楽しい話で盛り上がった。

千歌と良太郎からはAqoursのこと、モモタロスたちからは前に共に戦った良太郎のことを話した。

 

ひとしきり話をし、時刻は23:00を回ったところでモモタロスたちは帰っていき、千歌も良太郎も床に就いた。

 

明日から2人とって大切なスクールアイドルを取り戻すための戦いがはじまるのであった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「実験成功。これで読み込めばイマジンを呼び出せる。人の記憶を媒介にしてね。」

 

男は8つの色のカプセルと読み取りの機械を携える。

 

「仮面ライダー電王...僕を楽しませてくれよ?」

 

 

 

 

 

続く。




31日のSuper-pouvoirにて、あんちゃんがdoaの『英雄』を歌ったことに衝撃を受けた風来坊です。
特撮好きからすれば感謝しかありません!

1回目のジャジャジャーンのイントロのギター音で「ん?」と思う。

次のジャジャジャーンでペンライト振る手が止まる。

3回目のジャジャジャーンで脳が理解する。

歌う前のジャジャジャーンで頭の中で『\パン/ヨッシャwwwキタァァァァァァァアアアアアwwwwwwwwwww(高い声で)ウワヤッタァァァァァァアアアアアア』


あんちゃんが歌い終わったあとは、「マジで!?」を繰り返し発言してました。
それと、おさげ髪にピンクのジャージの破壊力は半端なかったです。


あんちゃんのあとはまるごとりかこFMに行きました。
りかこマジで可愛かった!
格付けチェックをやったんですが、全問正解で『一流女性声優』でした。

イベント後はお見送りがありました(^^)
至近距離だと美しい。

あんちゃんの前はニュージェネワールド(グリージョとの撮影付き)、りかこのあとは横浜のウルトラマン&ゴジラの聖地巡礼しました。(赤レンガ倉庫、日本丸、ランドマークタワーなど。)
最高の1日でした!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1章 2年生編
#1


今回から第1章に入っていきます。
第1章の1話目になりますが、以降は戦闘とイマジンの憑依も描いていきます。

電王を知っている方なら大丈夫かと思いますが、初見の方のために良太郎がモモタロスたちに憑依された場合は、

M良太郎:モモタロスが憑依
U良太郎:ウラタロスが憑依
K良太郎:キンタロスが憑依
R良太郎:リュウタロスが憑依

と表記します。

また電王もイマジンによってフォームが変わります。

モモタロス:仮面ライダー電王 ソードフォーム
ウラタロス:仮面ライダー電王 ロッドフォーム
キンタロス:仮面ライダー電王 アックスフォーム
リュウタロス:仮面ライダー電王 ガンフォーム


千歌と良太郎がお互いに頑張ることを宣言した翌日。

浦の星女学院は夏休み前最後の1週間に入った。

 

千歌は登校のために乗るいつものバスを待つ。

5分くらいでバスが来たので乗車すると...

 

曜「千歌ちゃん、おはヨーソロー!」

 

幼馴染みの曜が1番後ろの座席に座っていた。

 

千歌「曜ちゃん...おはよう。」

曜「あれ? 千歌ちゃん体調悪い?」

千歌「えっ? そんなことないよ。元気元気...。」

 

いつもなら笑顔で挨拶を交わすが、今日はぎこちない挨拶になってしまった。

バスの中でもお話はするが、千歌は自然な笑顔が出せないでいた。

 

 

バス停に着いたら、浦女の生徒が坂を登っていた。

すると、千歌の視界に花丸,ルビィ,善子が入った。

 

千歌「ぁ...。」

 

3人とも仲良さそうに話をしていて、千歌は後ろから声をかけそうになったが、躊躇した。

 

千歌「(1年生の3人は私のこと知らないんだった...。)」

 

そのまま曜と歩き、校門にたどり着くとダイヤが立っていた。

生徒会長として、朝の挨拶を率先して行っていた。

 

曜「生徒会長、おはようございます!」

ダイヤ「はい、おはようございます。渡辺さんは朝から元気が良いですわね。」

 

千歌「おはようございます...。」

ダイヤ「高海さんもおはようございます。」

 

本当ならダイヤもAqoursのメンバーで、「ダイヤさん! おはようございます!」と元気に挨拶をしていたのだが、今はできない。

顔と名前は覚えてもらっているが、それだけの関係なのだ。

 

複雑な気持ちを抱えながら教室に入る。

千歌の座席の前には梨子が座っていた。

 

梨子「千歌ちゃん,曜ちゃん、おはよう。」

曜「おはヨーソロー梨子ちゃん!」

千歌「おはよう梨子ちゃん...。」

 

同じクラスで座席も近く、千歌と梨子は家が隣同士で何かと親交があるため、3人ともお互いを名前で呼びあっていたが、千歌だけは違和感を感じていた。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

時間は流れて放課後。

 

曜「千歌ちゃん,梨子ちゃん、一緒に帰ろ?」

梨子「うん。帰ろっか。」

 

スクールアイドル活動が無いため、放課後になれば帰ることになるのだが...

 

千歌「あぁ...私はちょっと居残りがあるから先に帰ってて。」

梨子「そうなの?」

曜「私たちも残ろうか?」

千歌「ううん、大丈夫だよ。帰りにはりょうちゃんが迎えに来てくれるから。」

 

千歌は1人で残りたいことを伝えた。

 

曜「りょう兄が居るなら大丈夫だね。じゃあまた明日ね。」

千歌「ごめんね曜ちゃん,梨子ちゃん。」

梨子「千歌ちゃん、また明日ね。」

 

 

2人と別れた千歌は体育館にあるスクールアイドル部の部室に向かった。

しかし...

 

千歌「部屋は綺麗だけど、Aqoursに関する物は無い...。」

 

浦女の先生か他の誰かが整理したのだろうか、部屋を使える程度には片付いていた。

 

 

次に来たのは屋上。

Aqoursが練習していた場所だ。

千歌は屋上の中央付近で立ち止まる。

 

千歌「皆とまたあの日に戻りたいよ...。」

 

ポツリと言葉を漏らす。

すると...

 

ガチャ

 

屋上の扉が開いた。

千歌は扉の方を見る。その扉から出てきたのは...

 

果南「あれ? 千歌?」

千歌「果南ちゃん...。」

 

幼馴染みの果南だった。

 

「果南のfriend?」

 

少し遅れてもう1人出てきた。

 

果南「私の幼馴染みだよ。ほら、1つ下の学年に居るって言ったでしょ。」

???「Oh,そうでしたぁ。あ、私は小原鞠莉よ。でも、理事長だから知ってるわよね。」

千歌「も、もちろんです...。」

 

本当なら「鞠莉ちゃん!」と言いたいが、それは叶わない。

なので、ただの先輩後輩の関係に近い挨拶を交わすだけになってしまった。

 

鞠莉「遅くならないうちに帰るようにね。」

千歌「はい。わかりました...。」

果南「また明日ね。」

 

2人が去り、千歌だけとなった屋上。

制服のままだが、軽くストレッチをしてからステップを踏む。

だが、1人でできる練習は限られてくる。30分したところでやるべきことは終えた。

 

千歌は屋上の隅に移動し、壁を背もたれ代わりにして座る。

 

ザザァ

 

ウラ「千歌さん。」

千歌「あ、ウラタロスさん...。」

 

正面にウラタロスが現れた。

と、同時に...

 

ガチャ

 

良太郎「千歌ちゃん。って、ウラタロスも居たの?」

ウラ「僕はついさっき来たところだよ。」

 

良太郎は千歌の隣に腰掛ける。

 

良太郎「1日どうだった?」

千歌「えぇっとぉ...変な感じだった...。梨子ちゃん,曜ちゃん,果南ちゃんとは普通に話せたけど、善子ちゃん,花丸ちゃん,ルビィちゃんにとって私は見ず知らずの先輩だし...、ダイヤさんと鞠莉ちゃんにとって私はただの後輩だった...。」

 

声のトーンが落ちる。

 

良太郎「そっか...。」

ウラ「なるべく早くに解決しないとね。それには、対象者とコンタクトを取らないと。」

千歌「どうやってやるんですか?」

ウラ「ちょっと失礼するよ良太郎。」

良太郎「えっ?」

 

ウラタロスは千歌と良太郎の前から1度消えて水色の光になると、良太郎の体に入った。

 

U良太郎「これなら、コンタクトが取れる。(えぇ! 何これ!)」

千歌「りょうちゃん...?」

 

千歌は頭が混乱している。

目の前にいる良太郎は、声がウラタロスで、青いメッシュの入った七三分けの髪と青い瞳をしていて、セルフレームの眼鏡をかけている。

 

U良太郎「僕は良太郎であって良太郎じゃない。簡単に言えば、体を借りている状態なのさ。」

千歌「じゃあ、りょうちゃんはどこにいるんですか?」

U良太郎「良太郎の意識はちゃんとあるよ。(千歌ちゃん聞こえる?)」

千歌「あ...りょうちゃんの声が聞こえる。」

U良太郎「ね。」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

モモ「なぁぁぁ!! カメのヤツ先に憑きやがったな!! くっそぉぉぉ!!」

リュウ「モモタロスうるさいよ~。」

キン「zzz...。」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

憑依ができることを確認したウラタロスは1度良太郎から離れて、砂状に戻る。

 

ウラ「早速だけど、誰から当たる? 8人居るからね。」

千歌「誰からってのは決めてあります。最初は曜ちゃんです。」

良太郎「もしかして、Aqoursに入った順番に?」

千歌「うん。」

 

計画はおおまかに決めているようだ。

 

ウラ「それじゃ、曜さんで決まりだね。あとで曜さんに関することを教えてもらえるかい?」

千歌「わかりました。夜に私がウラタロスさんを呼びますから、その時に曜ちゃんのこと教えますね。」

ウラ「ありがとう。」

良太郎「あとは家に帰ってから考えよう。」

 

かなり話していたようで、下校時間が迫っていた。

ウラタロスは姿を消し、千歌と良太郎は帰宅した。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

夜。

話の続きのため、良太郎は千歌の部屋に居る。

 

良太郎「ウラタロスを呼ぶよ。」

千歌「うん。」

良太郎「ウラタロス、来ていいよ。」

 

そう呼ぶと、ウラタロスは良太郎に憑依した。

 

千歌「始めますね。」

U良太郎「よろしく。」

 

千歌はウラタロスに曜との馴れ初めや幼稚園から今までの思い出などを話した。

また、Aqoursとして一緒に活動してきたことも話した。

もちろん、良太郎も持っている思い出を話した。

スクールアイドル以外の時間と記憶は消えていないため、アルバム写真が残っている。それも使った。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

場所は変わってデンライナーの車内。

千歌,良太郎,ウラタロスが話をしているのと同時刻。

 

リュウ「そういえば、カメちゃんなんであんなに熱心なのかな?」

キン「ん? 確かに気合い入ってる感じするなぁ。」

モモ「どーせまたナンパでも計画してんだろ。」

 

ふてくされながらモモタロスが予想を言う。

 

ナオミ「モモちゃん、そんなこと言わないの。ウラちゃんなりに考えがあるんだから。」

モモ「んなこたわかってるさ。」

キン「とりあえず、今はカメの字に任せるとしょーや。」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

千歌「曜ちゃんのお話はこれで全部です。」

 

時計を見ると約1時間くらい過ぎていた。

 

U良太郎「曜さんのことは把握したよ。明日直接会ってみよう。」

千歌「ウラタロスさん、明日の放課後にまたお願いします。りょうちゃんもお願い。」

U良太郎「了解。(うん。わかったよ。)」

 

明日の計画も決まり、今日は解散となった。

 

 

 

 

 

続く。




今回は短めです。
次回は、曜ちゃんとウラタロス(U良太郎)が直接対面します。

それから、オーブのほうに力を注ぎますので、次回まで期間が開きます。
ご了承ください(>_<)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

#2

いつ電王に変身するの?
今回です!


翌朝、良太郎は旅館の玄関でホウキを持って掃除をしていた。

ウラタロスと曜を会わせる作戦を朝から決行するためだ。

 

良太郎「掃除は終わりだね。あ、しいたけの朝ごはんがまだだった。」

 

しいたけとは高海家が飼っている大型犬である。大人しい性格で、人懐っこい。

 

良太郎「しいたけ、朝ごはんだよ。」

しいたけ「ワンッ!」

 

持ってきたドッグフードを食べるしいたけ。ちなみに、しいたけは雌犬である。

 

良太郎「しいたけはさ、Aqoursのこと覚えてるかい?」

しいたけ「ワン?」

良太郎「って聞いても、答えが返ってくるわけないか...。」

 

朝ごはんを食べるしいたけを観察していると、近くのバス停に1台のバスが停車して、1人の少女が旅館に向かってくる。

その正体は曜だ。

 

良太郎「ウラタロス、曜ちゃんが来たよ。」

ウラ「了解。」

 

ウラタロスが良太郎に憑く。

 

U良太郎「準備完了。」

 

曜「あ、りょう兄! おはヨーソロー!」

U良太郎「曜さん、おはよう。」

曜「しいたけもおはヨーソロー!」

しいたけ「ワンッ!」

曜「千歌ちゃんの部屋に行くね~。」

 

颯爽と現れて、すぐに居なくなった。

 

U良太郎「あれは気付いてないね。(うん。僕もそう思うよ。)」

 

お役目終了でウラタロスが離れようとした時...

 

「いってきま~す。」

 

隣の家から女の子が出てきた。

 

U良太郎「(あ、梨子ちゃんだ。)あの娘もAqoursのメンバーかい?(そうだよ。)」

 

新たなターゲットのため、ウラタロスは留まることにした。

梨子はこちらに向かってくるので、観察することにした。

 

梨子「りょう兄さん、おはようございます。」

U良太郎「おはよう、梨子さん。」

梨子「梨子さん??」

U良太郎「えっ...あぁこれはっ...!!」

 

ウラタロスは女性をさん付けで呼ぶため、その癖が出たのだ。

 

U良太郎「さ...さん...サンドイッチが食べたいなぁなんて...。」

 

咄嗟に浮かんだ言い訳をしてみた。

梨子の反応を待つ。

 

梨子「なぁ~んだ、そういうことなの。じゃあ、今度私が作ってあげるね!」

U良太郎「た...楽しみにしてるよ。」

 

そう言った梨子は千歌の部屋に行った。

 

U良太郎「ふぅ~...。(なんとかなったね。)ゴメンよ良太郎。」

 

朝だけでは相手を知るには情報不足のため、放課後にエンカウントを試みることにした。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ウィーン

 

ウラ「ふぅ...。」

リュウ「カメちゃんだ。おかえり~。」

ナオミ「曜ちゃんって子はどうでした?」

 

ウラタロスが戻ってきたので、成果を聞く。

 

ウラ「まだわからないね。僕が憑いてることなんか気付かなかったよ。」

モモ「鈍感すぎるだろ。」

ウラ「ただ、別の1人のメンバーとも会えたよ。」

キン「その子はどないや?」

ウラ「勘が鋭かったよ。って言っても、半分は僕のミスなんだけどね。」

 

一応、収穫した情報を共有する。

 

ウラ「今日の夕方、またアプローチする予定だよ。」

ナオミ「頑張ってね、ウラちゃん!」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「あいつらとあの娘たちが接触したか。こっちも行動開始かなぁ。」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

夕方、良太郎は浦女に向かっていた。

バイクを使っているため、10分ちょっとで着いた。

放課後のようで家に帰る生徒や部活をしている生徒が居る中、校門でダイヤに会う。

 

ダイヤ「あら? りょうお兄様?」

良太郎「やぁ、ダイヤちゃん。」

ダイヤ「なぜ浦の星に来られたのですか?」

良太郎「千歌ちゃんに迎えを頼まれたんだ。」

ダイヤ「そうでしたのね。それでしたら2年生の教室にご案内しますわ。」

 

経緯を話すとダイヤは了承してくれて、中に入ることができた。

しばらく歩くと、2年生の教室に着いた。

 

ダイヤ「ここですわ。」

良太郎「案内ありがとう。」

ダイヤ「私は生徒会室に居ますから、何かあれば言ってください。」

良太郎「うん、そうするよ。」

 

ダイヤを見送った良太郎は扉に手をかける。

 

ガラララッ

 

良太郎「失礼しま~す。......あれ?」

 

教室に入ったが、誰も居ない。

と思ったが...

 

曜「あ、りょう兄!」

 

突っ立っていたら、曜が教室にやって来た。

 

良太郎「曜ちゃんが来てくれて助かったよ。」

曜「そうなの? あと、なんでりょう兄がここに?」

良太郎「千歌ちゃんにお迎えを頼まれたんだけど、見事に居ないね...。」

 

すっからかんの教室を見渡す。

 

曜「じゃあ、千歌ちゃんを一緒に探そうよ!」

良太郎「ありがとね曜ちゃん。(ウラタロス、準備できてる?)」

 

ウラ「いつでも大丈夫だよ。」

良太郎「(僕が合図を出したら来ていいよ。)」

ウラ「了解!」

 

曜と並んで歩きながら、ウラタロスに確認を取る。

そして千歌を探し始める。

 

 

 

校内を探していると...

 

~~~♪

 

良太郎「ピアノの音...。」

曜「梨子ちゃんだね。音楽室に行ってみよう!」

 

2人は歩みを音楽室に向けた。

 

 

 

音楽室に着くと、廊下の窓から梨子がピアノを弾いている姿が見えた。

演奏が終わるまで外で待つ。

 

数分経って、ピアノ演奏が終わった。

外で待っていた曜と良太郎は音楽室に入る。

 

曜「梨子ちゃん!」

梨子「曜ちゃん? それにりょう兄さん?」

良太郎「ピアノ、素敵だったよ。」

梨子「そ...そんな~///」

曜「梨子ちゃんが弾く演奏、大好き!」

梨子「ありがとう...。」

 

感想を述べてから本題に。

 

良太郎「あ、梨子ちゃんさ、千歌ちゃんを見なかった?」

梨子「千歌ちゃん? 見てないわ...。」

良太郎「そっか。」

曜「どこに行ったのかな?」

梨子「2人は千歌ちゃんを探してるの?」

良太郎「うん。迎えを頼まれてここに来たんだけど、教室に居なくて。たまたま教室に来た曜ちゃんと一緒に探してるところなんだ。」

 

経緯を一通り説明した。

すると...

 

梨子「私も千歌ちゃんを探すの手伝うわ。」

良太郎「でも、ピアノ弾いてたんじゃ...。」

梨子「さっきの演奏で終わるつもりだったから大丈夫。」

曜「梨子ちゃんありがとう!」

 

梨子も加わり、千歌捜索隊(仮)は3人になった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

校舎内を隅々まで探したが千歌は見当たらず、残すは屋上か体育館かの2択になった。

 

曜「どっちに行く?」

梨子「そうねぇ...。」

 

屋上と体育館の距離はそこそこある。

どうするか決めかねているが...

 

良太郎「2手に別れようか。僕は屋上に行くから、曜ちゃんと梨子ちゃんは体育館をお願いしていい?」

梨子「そのほうが良いかもしれないわね。」

曜「ヨーソロー!」

良太郎「もし屋上に居なかったら体育館に行くから、僕が行くまでそこに居てね。」

曜&梨子「はい!」

 

良太郎の提案通りに行動する。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ようりこSide

 

梨子「まったく千歌ちゃんは...。りょう兄さんを困らせるなんて...。」

曜「千歌ちゃんのことだから忘れてるかもしれないね。」

 

体育館へ行く道中、梨子はお小言を発し、曜は苦笑いを浮かべながら歩いていた。

しばらく歩くと体育館に到着し、中に入る。

 

曜「あ、居た居た。千歌...ちゃん?」

 

先に中に入った曜が千歌を見つけるが、途中で千歌を呼ぶ声のトーンを落とした。

 

梨子「曜ちゃん、どうしたの?」

 

少し遅れて入った梨子が疑問を浮かべた。

 

曜「梨子ちゃん、ステージ見てよ。」

梨子「ステージ?」

 

曜の言う通りに目を向けると、ステージの上で踊る千歌の姿があった。

 

千歌「イチ...ニ...サン...シ...イチ...ニ...サン...シ...。」

 

梨子「近くまで行って声をかけてみる?」

曜「そうだね。」

 

完全に集中しているのだろうか、近づいてくる曜と梨子に気付かない千歌。

2人がステージの下にやってくる。

 

千歌「ふぅ...。」

 

曜&梨子「「千歌ちゃん。」」

千歌「曜ちゃん? 梨子ちゃん?」

 

声をかけられてようやく気付いた。

 

曜「何してたの?」

千歌「ダンスをちょっと...。」

曜「あれ? 千歌ちゃんってダンス始めたっけ?」

千歌「ちょっとやってみたいなって思ったんだ~。(スクールアイドルって言っても、曜ちゃんと梨子ちゃんには記憶が無いんだよね...。)」

 

ステージから降りた千歌は、それらしい理由を付けて曜の疑問に答えた。

隣に居る梨子は...

 

梨子「でも、誰か忘れてないですか?」

千歌「え?」

 

心当たりが無いような感じで、梨子はため息をついた。

 

梨子「りょう兄さんって言えばわかるわよね?」

千歌「あ.........あぁぁぁ!! 忘れてた!」

梨子「千歌ちゃん...。」

曜「あはは...。(^^;)」

 

完全に思い出した千歌は慌ててL○NEを確認すると、良太郎からの通知が何件も入っていた。

 

千歌「りょうちゃんは今どこ?」

梨子「屋上に居るわ。」

曜「屋上に千歌ちゃんが居なかったらすぐに体育館に向かうって言ってたから、このままで居てって。」

千歌「そっか。りょうちゃんが来たら謝らないと...。」

 

入れ違いを防ぐため、体育館に残る2年生3人。

しかしそこへ...

 

「取り込み中のところを失礼しますよ。」

 

2年生「「「...っ!」」」

 

明らかに良太郎ではない声がした。

2年生3人は抱き合いながら周りを警戒する。

すると、ステージに1人の男が現れた。

 

男「お前の望みを言え。どんな望みもコイツらが叶えてくれるよ。」

 

男の周りには黄色の浮遊体がたくさん存在している。

 

千歌「あの時の...。」

男「君とは久しぶりと言ったところだね。他の2人とは初めましてだ。」

 

いかにも怪しい雰囲気と男に対する恐怖で後退りする3人。

 

男「逃げられると厄介なんだよなぁ。ねぇ、ちょっと手伝ってよ。」

 

その一言で、数ある黄色の浮遊体の1つが男の体内に進入。

砂が巻き上がると、イマジンが1体現れ、即座に3人の背後を取る。

 

男「僕さ、君の記憶と時間が欲しいんだよね。」

 

千歌を指差す。

 

男「あの日、君以外のとある記憶と時間を奪ったけど、君だけうまくいかなかったからさ~。またこうしてやって来たってわけ。だからさ、頂戴。」

 

この説明に曜と梨子は着いてこれてないが、千歌だけは違う。

 

千歌「あなたが私と...私たちの大切なAqoursとスクールアイドルの記憶と時間を奪ったの...?」

男「そうだけど?」

千歌「返してよ...。」

男「ん?」

千歌「大切なものを返してよ!!」

 

勇気を振り絞って男に言葉をぶつけた。

 

男「はぁ...。なんか面倒臭くなってきちゃった。強引にでも君の記憶と時間を貰うから。」

 

すると男は水色と桜色のカプセル状のものを取り出した。

そこへ黄色の浮遊体が幾つも付着し、やがて実体を形成した。

 

敵イマジン「大人しくしていれば良かったのにな。」

水色イマジン「グウゥゥ...。」

桜色イマジン「ヒッヒッヒ...。」

 

2年生「「「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!!」」」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

良太郎Side

 

曜と梨子が体育館に行った裏で、良太郎は屋上にやって来たのだが...

 

良太郎「居ないね...。」

ウラ「当たりはあの子たちが引いたようだね。」

良太郎「じゃあ体育館に行こうか。」

 

体育館に向かっていると...

 

モモ「おい良太郎、イマジンだ。」

良太郎「イマジン...。場所は?」

ウラ「マズイな。体育館だよ...。」

良太郎「そんな!? 急ごう!」

 

体育館には曜と梨子、そして千歌が居る。

良太郎は走って体育館を目指した。

もうすぐ体育館というところで...

 

 

「「「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!!」」」

 

 

良太郎「今のは千歌ちゃんたちの悲鳴だ...。」

 

悲鳴を聞いた良太郎はさらにスピードをあげて走った。

入り口が見えたため、そこへ駆け込む。

 

良太郎「みんな!!」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ALL Side

 

良太郎「みんな!!」

 

千歌「りょうちゃん!」

曜「りょう兄!」

梨子「りょう兄さん!」

 

敵イマジン「チッ...特異点...。」

 

千歌,曜,梨子が体育館の隅っこに追いやられていたが、間一髪で良太郎は滑り込み、3人をイマジンから庇うように立っている。

 

男「あ~あ...もう来ちゃったの?」

良太郎「あの時の...。やっぱり君が犯人なんだね。」

男「そうだよ。君がこの世界の特異点...野上良太郎か。」

良太郎「そうだけど...。」

男「僕にとっては君は厄介な存在なんだよねぇ。消えてもらえるかな?」

良太郎「生憎とそれはできないよ。僕は戦う。千歌ちゃんたちを守る!」

 

そう宣言した瞬間、良太郎の左手に変身ベルト『デンオウベルト』が現れる。

それをかっこよく腰に装着する。

 

モモ「よっしゃあ! 俺様の出番d...。」

ウラ「ゴメンねセンパイ。今回は僕にやらせてよ。」

モモ「なっ! 亀! 美味しいところ取りやがって!」

 

良太郎「千歌ちゃん,曜ちゃん,梨子ちゃん。3人とも必ず守るから。」

 

優しい口調で、3人が抱いている恐怖を取り除くのに充分すぎる言葉をかけた。

3人は頷いて意思表示した。

 

良太郎「行くよ、ウラタロス。」

ウラ「待ってたよ、この時を。」

 

腰に巻いたベルトのバックル左側にある赤色,青色,黄色,紫色の4色のフォームスイッチがあり、青色のスイッチを押してフォームを選択する。

 

~~~♪ (←変身待機音)

 

良太郎「変身。」

 

《ロッドフォーム》

 

さらに、右手に持っていた『ライダーパス』を、中央部のターミナルバックルにセタッチ (Set and Touch) する。

すると、良太郎の全身は黒いオーラスキンと灰色のオーラアーマーをまとった。

直後にウラタロスが憑依し、新たなパーツが加わり、『仮面ライダー電王 ロッドフォーム』となる。

 

電王「お前たち、僕に釣られてみる?」

 

 

 

 

 

続く。




電王ストーリーは令和初投稿となります。
やっと変身しました!
モモタロスごめんね(^^;)
モモタロスにも美味しいところがあるからね。
それまでお待ちください!


それから、以前からご指摘が1件ありますので、ここで私の考えを述べさせていただきます。

現在、ウラタロスが『さん付け』でAqoursメンバーの名前を呼んでいますが、あえてそうしています。
ご指摘内容は「ちゃん付けのが良い」とありますが、今後のストーリー展開で『ちゃん付け』にしていくことをかねてより計画しています。

電王本編でも、「ハナさん」と呼んでましたよね。
現在はそれと同じです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

#3

YouTubeで無料配信されてた電王が最終回を迎えましたね...。


電王に変身してからもフォームがわかるように、

ソードフォーム:M電王 (モモタロスが憑依)
ロッドフォーム:U電王 (ウラタロスが憑依)
アックスフォーム:K電王 (キンタロスが憑依)
ガンフォーム:R電王 (リュウタロスが憑依)

と表記します。
良太郎に憑依したときと同じ書き方です。
ですが、アルファベットは目印なので、読まれる時は普通に『電王』で大丈夫です。

それと、今回は会話が多くて読みにくいかもしれないです。
ご了承ください。


U電王「お前たち、僕に釣られてみる?」

 

千歌,曜,梨子を守るため、良太郎は彼女たちの目の前で『仮面ライダー電王』に変身した。

 

男「もう飽きた。僕は帰るわ。」

 

電王が現れた直後、男は姿を消した。

 

敵イマジン「楽しませてくれよ?」

水色イマジン「グウゥゥ!」

桜色イマジン「ヒッヒッヒ!」

 

3体のイマジンが戦闘態勢に入る。

 

U電王「女の子たちを悲しませたこと、後悔したほうがいいよ。」

 

電王は腰にある『デンガッシャー』を槍のように組み合わせ、『デンガッシャー・ロッドモード』を起動。

3体の敵イマジンと戦う。

 

U電王「ハァァ!」

 

ジャキンジャキン

 

水色イマジン「グウゥゥ...。」

桜色イマジン「ヒィィ...。」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

2年生Side

 

曜「りょう兄が...。」

梨子「変身した...。」

 

今まさに、現在進行形で繰り広げられている展開に置いてきぼりな感じの曜,梨子と...

 

千歌「あれが...仮面ライダー電王...。」

 

事の経緯を知っている千歌が電王の戦いを見ている。

すると...

 

ザザァ...

 

モモ「よぉ、みかん娘。」

キン「おとといぶりやの。」

リュウ「やっほー。」

 

曜&梨子「「ひっ!!」」

千歌「モモタロスさん、キンタロスさん、リュウタロスさん...。」

 

2年生3人の目の前に実体を持たない状態で、モモタロス,キンタロス,リュウタロスが現れた。

千歌は面識があるが、曜と梨子は初対面で、突然のことに怯えてしまっている。

 

千歌「曜ちゃん,梨子ちゃん、モモタロスさんたちは悪い敵じゃ無いから安心して?」

曜「そうなの...?」

モモ「みかん娘の言葉は間違ってねぇ。俺たちはお前らに危害を与えるつもりは無い。」

梨子「信じて良いんですね...。」

 

千歌の後ろに若干隠れながらだが、モモタロスたちと話す。

 

千歌「モモタロスさんたちはどうしてここに?」

モモ「答えは目の前で起きていることだ。」

キン「後ろのお2人さんに話をせなあかん思てたんや。」

リュウ「オーナーから、後で良太郎と一緒にデンライナーに来てほしいって言われたんだ。」

千歌「そうだったんですね。」

 

曜も梨子もイマジンたちの話に耳を傾ける。

そして...

 

曜「あの...りょう兄は...?」

 

おそるおそると気になってる事を聞く。

 

リュウ「良太郎のこと?」

曜「は...はい...。」

キン「話すと長なってまうが、どないする桃の字?」

モモ「しゃーねぇな。簡単に話すと、良太郎は俺たちと一緒に戦ってるんだよ。仮面ライダー電王としてな。」

梨子「仮面ライダー電王...?」

モモ「今は名前だけ覚えてりゃ良い。」

 

そう言って、目の前の戦いを観察する。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ジャキンジャキンジャキン

 

水色イマジン「グウゥゥ...。」

桜色イマジン「ヒィィ...。」

敵イマジン「クソッ...なかなかの強さだ...。」

 

デンガッシャー・ロッドモードは、リーチの長さが特徴的な武器のため、その長さを活かした中距離からの槍術戦を得意とする。

さらにロッドフォームは戦闘技術が高く、敵を華麗に翻弄する。

 

U電王「どう? 僕の美しい戦いは?」

 

立ち姿もキリッとしている。

 

U電王「センパイ、後は譲りますよ。」

モモ「俺は残飯処理じゃねーっつの。」

U電王「(え? モモタロス居るの?)」

 

U電王は4色のフォームスイッチの赤色のスイッチを押してフォームを選択。

 

~~~♪(変身待機音)

 

中央部のターミナルバックルにライダーパスをセタッチする。

 

《ソードフォーム》

 

今度の電王は赤色の姿をしていた。

 

M電王「しっくり来るぜ。(ほんとに来てたんだね。)まあな。良太郎、ちょっと付き合え。(うん!)」

 

ウラタロスとモモタロスが入れ替わった。

 

M電王「俺、参上!!」

敵イマジン「姿を変えた...。」

M電王「言っておくが、俺に前振りはねぇ。最初から最後までクライマックスだぜ!!」

 

今度はデンガッシャー・ソードモードを展開。

M電王は荒っぽい戦い方で敵を切りつけていく。

 

M電王「行くぜ行くぜ行くぜぇぇ!!」

 

キーンキーンキーン

 

敵イマジン「グハッ...。」

水色イマジン「グウゥゥ...。」

桜色イマジン「ヒィィ...。」

 

U電王とはまったく違う戦い方に...

 

千歌「モモタロスさん凄いですね。」

ウラ「センパイはああいうスタイルなんだよね。」

キン「桃の字、気合い入っとるのぉ。」

リュウ「モモタロス熱い。」

 

曜と梨子は言葉を失っていた。

 

 

一方で...

 

M電王「もうそろそろ終いにするか。」

 

右手で持っている剣を右肩に乗せ、左手でライダーパスをターミナルバックルにかざす。

 

《フルチャージ》

 

かざしたらポイ捨て。

バックルから剣にエネルギーがチャージされていく。

 

M電王「必殺...俺の必殺技...パート3!!(パート3!?)」

 

『エクストリームスラッシュ』という技で、フルチャージによって強化されたデンガッシャー・ソードモードで敵を一刀両断する。

モモタロスは一貫して「俺の必殺技」と呼び、斬り方などの違いで技の名前や太刀筋に違いが見られる。

ちなみに、パート3は左右連続で敵を袈裟懸けに切り、最後に縦に斬り裂くスタイルだ。

 

M電王「オリャア!」

敵「「「グッ...!」」」

 

M電王「テリャア!」

敵「「「グハッ...!」」」

 

M電王「セイヤッ!」

敵「「「グワァァァ!!!」」」

 

ドガーン!!!

 

必殺技が決まり、3体の敵イマジンは爆発した。

 

M電王「(必殺技パート3って何?)細かい事は気にすんなって。(えぇ...。)」

 

ベルトを外して変身を解除。

良太郎とモモタロスは分離した。

良太郎は千歌,曜,梨子の元へ駆け寄る。

 

良太郎「3人とも大丈夫?」

千歌「私たちは大丈夫だよ。」

良太郎「良かったぁ。」

 

3人には目立った怪我も無く、ホッと一安心だ。

 

曜「りょう兄!」(ハグッ

梨子「りょう兄さん!」(ハグッ

良太郎「わわっ...!」

 

安心した束の間、曜と梨子が良太郎に抱き付いた。

 

曜&梨子「「怖かったよ...。」」

 

実際、曜と梨子は事情を一切知らない上で敵の襲撃に遭ったのだ。

恐怖はかなりあったようだ。

良太郎は優しく受け入れ、落ち着かせる。

 

ウラ「千歌さんは良いのかい?」

千歌「私は事情を知ってるし、怖くなかったと言えばウソになるけど...。でも、だからこそ曜ちゃんと梨子ちゃんを守らなきゃって気持ちが強かったから大丈夫です!」

キン「千歌は強いな。」

リュウ「千歌ちゃんカッコいい~。」

モモ「みかん娘にしては良い心掛けだな。」

千歌「モモタロスさん! 私には『高海千歌』って名前があるんです! 千歌って呼んでください!」

 

モモタロスに対し、千歌ご立腹のようです。

 

千歌「ん? あの光は...?」

モモ&ウラ&キン&リュウ「「「「ん????」」」」

 

さっき敵を倒した場所に、水色の光の玉と桜色の光の玉が浮遊しているのだ。

それを千歌は目撃した。

 

キン「なんやぁ? あの光っとるもんは?」

 

モモ,ウラ,キン,リュウと千歌は光のそばに寄る。

 

千歌「これなぁに?」

リュウ「綺麗だね。」

 

まじまじと観察するが、正体はわからない。

 

良太郎「みんな、どうしたの?」

 

そこへ良太郎と曜,梨子が合流する。

 

千歌「この光の玉なんだけど...えっ?」

 

曜&梨子「「っ...!!」」

 

なんと、水色の光の玉が曜に、桜色の光の玉が梨子に引き寄せられて、体内に吸収された。

 

リュウ「何が起こったの?」

モモ「そんなの知るかよ...。」

ウラ「センパイ、投げやりすぎるって...。」

キン「こりゃたまげたなぁ。」

 

良太郎「曜ちゃん,梨子ちゃん、大丈夫?」

 

イマジンたちは関心を持ったり持たなかったり。

良太郎は梨子を、千歌は曜を支える。

 

曜「あれ...? 夏祭り終わってから今まで何してたっけ...?」

梨子「家に帰って作曲していて、それから...?」

 

良太郎&千歌「「...っ!!」」

 

今度は良太郎と千歌が息を飲んだ。

 

ウラ「もしかして...2人の記憶と時間が戻った...とか?」

モモ「マジか?」

キン「ほんまか?」

リュウ「本当に?」

 

ウラタロスの推理を立証すべく、千歌は曜と梨子に質問をする。

 

千歌「曜ちゃん,梨子ちゃん、私たちの部活は何部?」

曜&梨子「「スクールアイドル部。」」

 

千歌「じゃあ、グループ名はわかる?」

曜&梨子「「Aqours。」」

 

千歌「夏祭りで歌った曲は覚えてる?」

曜&梨子「「未熟DREAMER。」」

 

2人の記憶と時間は元通りに戻った。

 

千歌「曜ちゃん...梨子ちゃん...うぅ...良かったよぉぉ!!」

曜「ち...千歌ちゃん!?」

梨子「いきなりどうしたの!?」

 

千歌はあまりの嬉しさに泣きながら曜と梨子に抱き付いた。

その時...

 

フワァ~ン プシュウゥゥゥゥゥ

 

浦女のグラウンド方向から汽笛が鳴ったのが聞こえ、何かが停まった。

 

良太郎「今の...もしかしてデンライナー?」

モモ「さっきのことでオーナーが話があるってよ。で、そこの2人に話してぇことがあるんだと。」

良太郎「え? てことは、曜ちゃんと梨子ちゃんをデンライナーに連れていくってこと?」

モモ「そういうことだ。」

 

モモタロスから事情を聞いた良太郎は曜と梨子に向き直り...

 

良太郎「曜ちゃん,梨子ちゃん、今の聞いたよね? 2人にはさっきのことを詳しく教えるために来てほしい所があるんだ。一緒に来てくれる?」

千歌「私も一緒だよ。」

 

曜,梨子はお互いに顔を見合わせて...

 

曜「うん、わかった。」

梨子「お...お願いね。」

 

デンライナーが停車しているグラウンドに向かった。

 

曜「す...すっごーい!」

梨子「電車が停まってる...。」

 

2人が驚くのも当然だ。

実際にデンライナーが居るのだから。

モモタロスたちは先に戻っているため、今は良太郎,千歌,曜,梨子の4人だ。

デンライナーに近付くと扉が開き、そこから乗車した。

 

 

 

 

 

続く。




あまり描いてはないですが、戦闘シーンを跨いじゃったため日が浅いうちに投稿しました。

最後は終わり方が雑になりましたが、あそこで1度切らないと次回の尺が短くなっちゃいそうなので、切りました。

編集難しいであります。(´・ω・`)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

#4

メインで執筆しているAqoursとウルトラマンオーブのストーリーが2期に突入しました!(^^)
ストーリーは絶賛展開中なので、ぜひ読んでいただければなと思います!



現在、デンライナーは異空間の荒野を走行している。

 

ナオミ「はーい! 2人ともみかんジュースをどうぞ~!」

曜&梨子「「ありがとうございます...。」」

 

良太郎と千歌、そしてモモタロスたちからデンライナーに来てくれと言われた曜と梨子は緊張していた。

 

良太郎「みんなで改めて自己紹介しよっか。」

 

良太郎が仕切り役を買って出た。

 

ナオミ「私はナオミです! デンライナーで乗務員をしてます! よろしくね!」

 

元気に自己紹介をしたナオミ。

 

曜「渡辺曜です。千歌ちゃんと同じ学年で、千歌ちゃんとりょう兄とは幼馴染みです。」

梨子「桜内梨子です。千歌ちゃんと曜ちゃんと同じ2年生です。よろしくお願いします。」

ナオミ「曜ちゃんに梨子ちゃん、よろしくね!」

 

良太郎「次はモモタロスたちの番だよ。」

 

良太郎に促される。

 

リュウ「僕はリュウタロスだよ! よろしくね、曜ちゃん,梨子ちゃん!」

キン「ゥン! あっしはキンタロスや。よろしゅうな。」

ウラ「僕はウラタロス。2人ともよろしくね。」

モモ「俺はモモタロスだ。言っとくが、鬼じゃねーからな。」

 

お互いの自己紹介が終わる。

曜と梨子は、目の前に居る4体のイマジンを不思議そうに見つめる。

 

千歌「2人ともどうしたの?」

曜「さっきは体が上下反対だったのに...今は普通の体をしてるから...。」

梨子「私も、曜ちゃんと同じこと考えてて...。」

良太郎「それも含めて話をしていくから大丈夫だよ。それよりオーナーは...?」

 

と噂をすれば...

 

ウィーン

 

食堂車の扉が開き、ステッキをついた男性がやって来た。

 

オーナー「皆さんお揃いのようですね。」

良太郎「あ、オーナー。」

 

曜と梨子をデンライナーに乗せた張本人が来たことで、関係者が全員集まった。

 

オーナー「渡辺曜さん,桜内梨子さん、はじめまして。私がお2人を招待したオーナーです。」

曜&梨子「「はじめまして...。」」

 

オーナーも自己紹介をした。

 

オーナー「早速ですが、何か聞きたいことはありますか?」

 

どうやら曜と梨子からの質問を受けることで現状を説明していくらしい。

 

曜&梨子「「...。」」

 

しかし、2人は顔を見合わせるだけで、何を質問すればいいかわからないようだ。

 

オーナー「では、質問を変えましょう。お2人は、先ほど何か違和感を感じませんでしたか? 例えば、最近何があったか思い出せない...とか。」

曜&梨子「「...っ!」」

 

どうやら、何かあるようだ。

 

曜「そういえば...夏祭りが終わったあと、家に帰ってから私が何をしていたのかわからないんです...。」

梨子「私も、家に帰って作曲していたのに気付いたら体育館に居て...。」

 

2人とも数日間の記憶が無いというのだ。

良太郎に千歌,ナオミ,モモ,ウラ,キン,リュウは静かに話に耳を傾ける。

 

オーナー「それは...夏祭りのあと、何者かがお2人と他のお仲間さんの『スクールアイドルとしての時間』が奪ったからです。」

曜「時間を奪う...?」

梨子「それに仲間ってまさか...!」

良太郎「1年生と3年生の6人も、奪われてるんだ。」

 

間に入る良太郎。

 

オーナー「本来、時の運行を乱すようなことなどあってはならないものです。しかし、あなた方から時間を奪った人物が居るため、私たちはその脅威から時間を守る役目を担っています。中でも、時の運行を守る戦士が『仮面ライダー電王』なのです。そして、電王になれる素質がある人物が、お2人がよく知る『野上良太郎くん』なのです。」

 

改めて、良太郎が仮面ライダー電王だということを明かされる。

 

曜「そうだったんですね...。」

梨子「私たち、スクールアイドルのことを記憶から消されてたんだ...。千歌ちゃん...ゴメンね...。」

曜「千歌ちゃんゴメン...。大切な事を忘れちゃって...。」

 

2人にとっても、スクールアイドルは大切なもの。

初夏になるくらいに、千歌,曜,梨子の3人は浦女の体育館でファーストライブを開催した。

Aqoursとして活動ができるか否かをかけた大事なライブは、3人の絆が深まった出来事だ。

 

千歌「2人とも謝らないで...。千歌も、曜ちゃんと梨子ちゃんがAqoursのことを忘れちゃったことには寂しかったけど...でも今の曜ちゃんと梨子ちゃんにはAqoursがある! 私はそれが嬉しい!」

曜&梨子「「千歌ちゃん...!!」」

 

3人はお互いを抱き締める。

 

ナオミ「あの3人の絆はすごいですね。」

キン「泣けるでっ!」

リュウ「クマちゃん泣いてる~。」

モモ「涙腺緩すぎだろ!」

 

ウラ「彼女たちのこと、救えて良かったね。」

良太郎「うん。」

 

曜と梨子の時間は修復された。

残るは1年生と3年生の6人。

 

オーナー「まだまだやらないといけないことがありますが、今日はせっかくですので親睦会でも開きましょうか。」

ナオミ「やりましょう!」

モモ「おぉ! 太っ腹だなぁ!」

 

オーナーの図らいで、賑やかな親睦会が開かれる。

ナオミ,千歌,曜,梨子がそれぞれ料理を作る。

ちなみに、4人が作る料理は...

 

ナオミ→チャーハン

千歌→金目鯛の煮付け

曜→ヨキソバ

梨子→サンドイッチ

 

4人とも手際よくこなしていく。

 

モモ「お? 旨そうな匂いだな。」

ウラ「梨子さんの作るサンドイッチは綺麗だね。」

キン「ヨキソバ言うんは豪快やな。」

リュウ「おさかなおさかな~♪」

 

4タロスは千歌,曜,梨子の料理に興味津々だ。

そして...

 

ナオミ&千歌&曜&梨子「「「「完成~!」」」」

 

4タロス&良太郎&オーナー「「「「「「おぉ~!」」」」」」

 

テーブルにチャーハン以外の料理が並べられて...

 

オーナー「さて、皆さん飲み物はありますか?」

 

全員、手に飲み物を持つ。

 

オーナー「楽しいひとときを過ごしましょう。乾杯。」

 

「「「「「「「「「かんぱ~い!」」」」」」」」」

 

モモ「ヨキソバうめぇじゃねーか!」

ウラ「ん~、サンドイッチは食べやすいよ。」

キン「煮付けは味が染み込んでて旨い!」

リュウ「千歌ちゅん,曜ちゃん,梨子ちゃんの料理、美味しいよ!」

 

オーナー「3人ともかなりの腕前ですね。感服いたしました。」

 

2年生の3人が作った料理はかなり好評だった。

だが1品足りないことに良太郎は気付く。

 

良太郎「あれ? ナオミさんの料理は?」

曜「そういえば...。」

梨子「一緒に作ってたのに、並んでないわね...。」

千歌「ナオミさんが作ったチャーハンは...?」

 

4人が疑問に思っていると...

 

ナオミ「お待たせしました~!」

 

超てんこ盛りのチャーハンが運ばれてきた。

 

「「「「えっ...。」」」」

 

良太郎,千歌,曜,梨子は目が点になったが、他の者たちは...

 

モモ「来たぜ来たぜ!」

ウラ「待ってたよナオミさん!」

キン「腕がなるで!」

リュウ「よ~し、勝つぞ~♪」

 

オーナー「久しぶりの対決ですね~。」

 

ワクワクした感じで居た。

 

良太郎「あの...今から何が始まるんですか?」

ナオミ「このチャーハンを外側から内側に向かって1口ずつ食べていって、中心の旗を倒したら負けというゲームですよ。」

良太郎「へぇ...。」

 

モモ「おい良太郎! ボサッとしてねぇで、お前もやるんだ!」

良太郎「へ?」

リュウ「ほらほら、ここに座って座って~。」

良太郎「え~!」

 

リュウタロスに引っ張られ、着席してしまった。

 

キン「これは漢の戦いやで。」

ウラ「初めてだからといって手加減はしないよ。」

オーナー「では始めましょうか。」

 

オーナーの合図に、ゲームはスタート。

 

オーナー「最初は良太郎くんが食べてください。」

良太郎「は...はい。」

 

チャーハンを1口食べる。

 

良太郎「美味しい!」

 

味は絶品のようだ。

そして、それを良太郎→モモ→ウラ→キン→リュウ→オーナーでローテーションしていった。

 

千歌「りょうちゃん!」

曜「りょう兄!」

梨子「りょう兄さん!」

 

「「「頑張れ~!」」」

 

彼女たちの応援を背に、どんどん食べ進めていき...

 

オーナー「これでどうでしょう。」

 

「「「「「おぉ~...。」」」」」

 

オーナーが旗の際まで攻める。

しかし旗は倒れない。

 

良太郎「どうしよう...。」

 

旗を支える米の数は残り少ない。

いつ倒れてもおかしくない。

なので、良太郎は慎重にスプーンを扱う。

 

「「「「「「「ゴクリ...。」」」」」」」

 

2年生と4タロスの7人は固唾を飲む。

 

良太郎「えい!」

 

米を掬った。

 

「「「「「「「あぁ!」」」」」」」

 

同時に旗が倒れかけたが、45度の角度で止まった。

 

モモ「あぁぁぁぁぁ!!!」

ウラ「次センパイの番だよ?」

キン「やるなぁ良太郎。」

リュウ「良太郎すごいすご~い!」

 

判定はセーフ。

続いてはモモタロスの番。

 

モモ「へっ! お前らに目にもの見せてやるからな!」

 

気合い十分で且つ慎重に目星を付ける。

 

「「「「「「「ゴクリ...。」」」」」」」

 

今度は2年生に良太郎,ウラ,キン,リュウが固唾を飲む。

 

モモ「ここだぁぁぁ!」

 

米を掬った。

旗は倒れ...

 

 

 

 

 

コテン

 

 

オーナー「勝負あり。モモタロスくんの負けです。」

 

結果、旗は倒れて勝負が着いた。

 

ウラ「センパイの負け~!」

キン「惜しかったなモモの字!」

リュウ「やった~、勝った勝った~!」

モモ「くそぉぉぉぉぉ!!」

 

一同「(笑)」

 

当然ながら、ゲームに負けたからにはアレも待っている。

 

ナオミ「負けたモモちゃんには罰ゲームで皿洗いをしてもらいま~す。なので、これを着てください。」

モモ「トホホ...。」(;´д`)

 

ナオミから白い布を受け取り、渋々とそれを身に付ける。

すると...

 

ウラ「ふふ...センパイ...とても...似合ってるよww。ふふ...。」

キン「アカン...モモの字、似合いすぎやでww。」

リュウ「モモタロスおもしろ~いww。」

オーナー「これはこれは...。」

ナオミ「赤に白。モモちゃん似合ってますね!」

 

千歌「ふふ...ダメ...千歌もう我慢できないよ...。」

曜「私も...ふふ...。」

梨子「2人とも...モモタロスさんに...ふふ...失礼よ...。ふふ...。」

良太郎「なんて言うか...本当にピッタリだね...。」

 

モモ「.........。」(`ヘ´)

 

なぜこんな反応をされてるかというと、モモタロスは『割烹着』を着ているからだ。

 

モモ「お前ら! 次は覚えていやがれコノヤロウ!!」

 

そう叫んでから皿洗いに取りかかった。

皿洗いの最中、笑いの我慢が限界になり、大爆笑の渦だった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

そんなこんなで親睦会は終了し、曜と梨子は4タロスたちやナオミ,オーナーとかなり打ち解けることができた。

 

ナオミ「もうすぐお時間になりま~す。」

 

車内放送で知らせが入る。

 

良太郎「3人とも、そろそろ降りる時間だよ。」

千歌「わかった!」

曜「モモタロスさんたち面白かった~!」

梨子「皆さん、今日はありがとうございました!」

 

4人が下車する準備をしていると...

 

オーナー「良太郎くん。」

良太郎「はい?」

 

オーナーに声をかけられる。

 

オーナー「残る6名のお写真をいただけますでしょうか? 彼女たちもいずれ我々と顔を合わせることになますから、前情報として共有しておきたいのです。」

良太郎「良いですよ。え~っと...。あ、これをどうぞ。」

 

その写真はAqoursが9人になったことを記念して撮った1枚。

 

良太郎「右側の3人が1年生、真ん中で座ってる3人が3年生です。」

オーナー「ありがとうございます。モモタロスくんたちも目を通してくださいね。」

 

「「「「はーい。」」」」

 

といったところで、デンライナーは現実世界に戻ってきた。

 

良太郎「じゃあ、僕たちは家に帰るよ。」

ウラ「気を付けてね。千歌さん,曜さん,梨子さんも気を付けてね。」

 

千歌「むぅ~。」

曜&梨子「「千歌ちゃん?」」

 

ウラタロスのさん付けに、千歌は...

 

千歌「ウラタロスさん!」

ウラ「どうしたんだい?」

千歌「私たちのことを『さん付け』じゃなくて普通に呼んでください! 私も『ウラタロスさん』から『ウラちゃん』に変えますから!」

ウラ「そう言われてもねぇ...。僕は女性をさん付けして呼ぶのがしっくり来るんだけど...。」

 

ちょっと焦るウラタロス。

 

千歌「お願いウラちゃん...。」

ウラ「うっ...。」

 

上目遣いでお願いすると...

 

ウラ「僕の負けだよ...。」

千歌「じゃあ...!」

ウラ「千歌ちゃん,曜ちゃん,梨子ちゃん。こう呼ばせてもらうよ。」

 

良太郎「(ウラタロスが釣られちゃった...。)」

 

曜「私もウラちゃんって呼ぶね!」

梨子「わ...私は...ウラさんでも良いですか?」

ウラ「どんな呼び方でも大丈夫だよ。」

 

ウラタロスは2年生3人を『ちゃん付け』に変更し、千歌と曜は『ウラちゃん』,梨子は『ウラさん』と呼びあうことになった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ウラタロスが見送りしている一方で、デンライナーの車内では...

 

キン「ん~...。」

リュウ「クマちゃんどうしたの?」

モモ「おいクマ、さっきから唸り声が出まくりだぞ?」

 

さっき良太郎から預かったAqoursの写真をキンタロスがずっと眺めていた。

 

キン「ちょいとこの3人が気になるもんでなぁ...。」

モモ「あぁん?」

リュウ「どの子たち?」

 

キンタロスが指差した3人は花丸,ルビィ,善子だった。

 

モモ「何が気になるんだよ?」

キン「それが、俺もわからへんのや。」

モモ「なんだよそりゃ...。」

 

リュウ「ん?」

 

その時、リュウタロスも何かを感じた。

 

リュウ「(なんだろうこの感覚?)」

 

 

 

 

 

続く。




2年生編は終了です!
次は1年生編に入っていきます!


嬉しいニュースが届きましたね!
仮面ライダージオウで、ついに電王編放送!(^^)
お馴染みのモモタロス,ウラタロス,キンタロス,リュウタロスに加え、侑斗(ゼロノス)にデネブまで登場は熱すぎます!

(↑このニュースを知ったため、急いで書き上げました。)

リアタイするぞ!って思ったのですが、6月9日はAqoursのライブで遠征中(^^;)
まぁ、車で行くのでカーナビで見ます(笑)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2章 1年生編
#5


5thライブ、最高でした!

主な感想はメインの鞠莉ちゃん誕生日ストーリーに書きましたのでそちらで確認していただけたらなと思います。


曜と梨子のスクールアイドルとしての時間を取り戻して2日が経過した。

あれから、千歌を含めた3人で放課後にダンスの練習をしている。

そこには良太郎も参加して、様子を見守っていた。

 

また、浦の星は1学期の終業式が近いため、学校は昼までしかなく、午後からは練習の時間がかなり取れた。

 

良太郎「はいそこまで。15分の休憩にしようか。」

 

7月で夏の真っ只中。

気温が高く、こまめに休憩しないと身体に負担をかけてしまう。

 

千歌「2人とも身体は大丈夫?」

 

なぜこの質問をしたかというと、曜と梨子は数日間ほどダンスをしていなかった。

その分のブランクがある。

 

曜「私は大丈夫だよ!」

梨子「私はまだ慣れないみたい...。」

 

元々水泳部に所属している曜は日頃から鍛えていたため苦にはならないみたいだが、梨子はブランクがあるようで、少し疲れ気味だ。

 

良太郎「休憩って言ったけど、やっぱり今日は終わりにしようか。」

曜「そうだね。しっかり休むのも練習だもんね。」

梨子「みんなゴメンね...。私にもっと体力があれば...。」

千歌「梨子ちゃんが謝ることじゃないよ。」

 

今日の練習に区切りを付ける。

 

良太郎「3人は部室に行ってて。僕は図書室に行ってくるよ。」

千歌「花丸ちゃんたちの様子を見てくるの?」

良太郎「うん。僕との記憶はあるだろうからね。」

曜「じゃあ、私たちも帰る準備ができたら図書室に向かうね!」

 

そう言って、良太郎と2年生は別行動を取った。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

良太郎が図書室目指して廊下を歩いていると...

 

キン「良太郎、ちょっとええか?」

良太郎「キンタロス? どうしたの?」

 

キンタロスに声をかけられた。

 

キン「俺も一緒に行ってええか?」

良太郎「良いよ。一緒に行こう。」

キン「ありがとな。」

 

ちょっと歩いて図書室に到着した。

 

ガララ

 

良太郎「失礼しま~す。」

 

入ってすぐのカウンターに人は居ない。

 

良太郎「あれ? それなら奥に居るのかな?」

 

花丸が奥の倉庫に居ると予想した良太郎はそのまま奥へ進んだ。

 

 

 

花丸&ルビィSide

 

一方、図書室の奥の倉庫では...

 

ルビィ「花丸ちゃん、こっちは終わったよ。」

花丸「ありがとずら。あとはこれだけずらね。」

 

図書委員として本の整理をする花丸とお手伝いをするルビィが居た。

残る本は同じ棚に片付けるため、ルビィが本を手渡しし、花丸が棚に片付ける役目に分かれた。

 

ルビィ「これが最後の1冊だよ。」

花丸「これは1番上だから、ちょっと大変だけ...ど...。」

 

台に乗り、背伸びして本棚の1番上に片付けようとするが...

 

花丸「ぐぬぬぬぬ...。」

ルビィ「花丸ちゃん大丈夫?」

 

花丸の伸長では届くか届かないかのギリギリみたいだ。

 

花丸「もうちょっとずらぁ...。」

 

つま先立ちでプルプル震えている。

この先に何が起きるかフラグが立つ。

そのフラグ回収はすぐに来た。

 

ガタッ

 

花丸「ずらっ!?」

ルビィ「ピギィ!?」

 

バランスを崩してしまい、花丸が台から落ちる。

 

ルビィ「花丸ちゃん!」

 

すぐにルビィが駆け寄るが...

 

グラッ

 

花丸&ルビィ「「えっ...。」」

 

本棚が2人目掛けて倒れてきた。

さらに、2人は判断が遅れて、逃げることが不可能。

 

ルビィ「ピギャアァァァァァ!!」

 

 

ドサドサドサドサ...

 

 

 

良太郎Side

 

奥に近付くにつれて、花丸とルビィの声が聞こえてくる。

だが、聞こえたのはルビィが花丸を心配するセリフだ。

 

良太郎「何をしてるんだろ?」

 

ガチャ

 

奥に続く扉を開けた瞬間...

 

「ピギャアァァァァァ!!」

 

目の前でルビィが悲鳴をあげた。

 

良太郎「危ない!」

 

一瞬の判断で、花丸とルビィの救助に入る。

 

キン「ここは俺の出番や!」

 

良太郎が駆け出すと同時に、キンタロスが良太郎に憑依したところで...

 

 

ドサドサドサドサ...

 

 

 

ALL Side

 

 

ドサドサドサドサ...

 

本棚が倒れてきて、絶体絶命かと思われたが...

 

花丸「あれ?」

ルビィ「ルビィたち助かったの?」

 

自分たちが本に埋もれずに助かったことを不思議に思っていた。

すると...

 

K良太郎「お2人さん、無事か?」

 

頭上から声がしたのでそちらを向く。

 

ルビィ「お兄ちゃん!」

花丸「りょうお兄ちゃん!」

 

背中で本棚が倒れくるのを防ぎ、2人を庇うようにして良太郎が立っていた。

 

K良太郎「ふぅ。よっこいせぇ。」

 

本棚を元に戻し、2人に向き合う。

 

K良太郎「ケガは無いか?」

花丸「大丈夫ずら!」

ルビィ「お兄ちゃんありがとう!」

 

2人は無傷だった。

ちなみに、キンタロスが憑依した良太郎は、金色のメッシュが入った長髪を後ろに束ねた髪と金色の瞳を持ち、服装も黒と辛子色の着流しを着ている。

 

とりあえず、2人が無事だったことですぐに崩れた本を元に戻した。

その最中にキンタロスも良太郎から離脱した。

 

良太郎「ありがとねキンタロス。」

キン「ええてええて。」

 

花丸「終わったずらぁ。」

ルビィ「ルビィクタクタだよぅ...。」

 

全部の本を戻すのに30分かかった。

少し休んだところで、ルビィが質問してきた。

 

ルビィ「お兄ちゃんはどうしてここに?」

花丸「まるたちに何か用事ずら?」

良太郎「2人の様子がちょっと気になっただけだよ。」

 

特に理由は無いとしながらも、本当の理由は2人が標的になっていないかを確認すること。

 

良太郎「ところで、善子ちゃんは?」

 

Aqoursに所属していた1年生は、ルビィ,花丸,善子の3人。

この3人は普段から仲が良く、一緒に居ることが多いが、今は善子だけ不在だ。

 

花丸「善子ちゃんは居残りずら。数学の宿題を忘れて、先生から居残りを言われてたずら。」

良太郎「相変わらずの不幸具合だね...。」

 

と噂をしていると...

 

ガラガラガラ

 

善子「うぅ...疲れた...。」

ルビィ「善子ちゃん? 大丈夫?」

 

顔が『(≡△≡)』こんな感じになりながら善子が図書室にやって来た。

 

良太郎「善子ちゃん、お疲れ様。」

善子「良太郎ぅ...癒してぇ...。」

 

そう言いながら善子は良太郎にすがる。

 

良太郎「善子ちゃんは頑張ったね。偉い偉い。」

 

良太郎は嫌な顔をせず、善子を受け入れ、頭をなでる。

 

花丸「善子ちゃんに堕天の力が無いなんて、余程の居残りずらね。」

ルビィ「そうみたいだね。」

 

すると...

 

ガラガラガラ

 

千歌「りょうちゃんおまたせ~!」

 

あとで図書室に来ると言っていた2年生がやって来た。

 

良太郎「着替え終わったんだね。」

曜「うん! りょう兄を迎えに来たよ!」

梨子「あっ...。」

 

梨子は1年生の3人と目が合う。

 

ルビィ「ピッ...!」

 

人見知りが発動し、ルビィは花丸の後ろに隠れる。

 

千歌&曜「「あっ...。」」

 

今の1年生にスクールアイドルをやっていた記憶と時間は無い。

まったくの初対面という状況だ。

 

良太郎「あの3人は僕の友達だから大丈夫だよ。」

 

間に入って取り繕うが...

 

梨子「私たちは先に帰ってるね...。3人とも驚かしちゃってゴメンね...。」

千歌&曜「「失礼しました~...。」」

 

2年生はそそくさと退散していった。

 

良太郎「千歌ちゃん...曜ちゃん...梨子ちゃん...。」

 

去り際、寂しげな表情をした瞬間を良太郎は見逃さなかった。

 

 

 

 

 

続く。




今回は文章がちょっと少なめになってます。
1年生編、どんな展開にしようか吟味中です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

#6

カラオケで『climax jump』を歌いたいです。
めちゃめちゃドはまりしちゃってます(笑)


その日の夜。

 

愛理「りょうちゃん、ちょっと話があるんだけど良いかな?」

良太郎「うん、大丈夫だよ。」

 

実の姉である愛理は話があるようで、良太郎の部屋を訪ねる。

 

愛理「最近何かあった?」

良太郎「えっ...。」

愛理「りょうちゃん、難しい顔して何か考えてることが多いから気になっちゃって...。」

良太郎「それは...その...。」

 

核心を突かれるような質問で焦る良太郎。

事実を言えないため、それらしい言い訳を考える。

 

良太郎「大学のレポート課題がちょっと難しくて...。それを考えてるんだ...。」

愛理「そうだったのね。でも、無理しないでね。」

良太郎「ありがとう。心配かけてゴメンね。」

愛理「助けが必要だったら言ってね。それじゃおやすみ。」

良太郎「おやすみ、姉さん。」

 

理由が聞けた愛理は部屋を後にする。

 

良太郎「危なかったぁ...。」

 

大きなため息を1つ吐く。

 

良太郎「なんとかして皆の時間を元に戻さないとね。」

 

決意を新たに就寝した。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

同じ頃、デンライナー車内では...

 

ウラ「そういえば、キンちゃんは千歌ちゃんたちとちがうメンバーに会ったんだって?」

モモ「いつの間に会ってたんだ?」

キン「夕方にちょっとな。」

リュウ「ねぇねぇ、どんな子だったの?」

 

キンタロスは良太郎に憑依した状態で花丸とルビィに会っている。

 

キン「結構可愛らしい子らやったなぁ。」

ウラ「その言い方だと複数いる感じだね。どの子たちなの?」

キン「この2人や。」

 

以前、良太郎が渡してくれた写真に写っている花丸とルビィを指差す。

 

キン「名前は...なんやったかな...。」

 

名前が浮かんで来ず、悩んでいると...

 

ナオミ「国木田花丸ちゃんと黒澤ルビィちゃんですよ!」

 

ナオミが教えてくれる。

 

モモ「あ、熊公、前にそいつら気にしてたみてぇだが、何かわかったのか?」

キン「わからん! あっはっは~!」

 

その回答にモモ,ウラ,リュウ,ナオミはコケてしまった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

翌日の放課後。

今日も花丸は図書委員の仕事があり、学校に残っていて、ルビィと善子も手伝っていた。

 

ルビィ「花丸ちゃん、こっちは終わったよ。」

善子「私も終わったわ。」

花丸「ルビィちゃん,善子ちゃんありがとずら。まるもちょうど終わったずら。」

ルビィ「じゃあ、3人で帰ろう♪」

 

3人ともやることが終わったため、ルビィから一緒に帰ろうと提案があり、花丸と善子は賛成した。

それから3人は自分たちの荷物をまとめて下駄箱まで来たところで、花丸は図書室の鍵を返すため職員室へ向かった。

下駄箱から職員室は近場にあるため、花丸は数分でルビィ,善子の元に戻ってきた。

 

花丸「おまたせずら~。」

善子「さ、帰るわよ。」

ルビィ「うゆ♪」

 

いつものように3人並んで帰ろうとしたが...

 

男「み~つけた~。」

 

花丸「ずらっ...!」

ルビィ「ピギッ...!」

善子「なっ...!」

 

3人の行く手を阻むようにして例の男が立っていた。

 

善子「ちょっとあんた、関係無い人の立ち入りは禁止よ!」

 

女子高に無許可で浸入している男に警告する善子。

 

男「はいはい。すぐ出ていくってば。だけど、君たちにプレゼントがあるから、それを渡してからだけどねぇ~。」

善子「プレゼント...?」

 

男が懐に手を入れた瞬間...

 

「善子ちゃん! ルビィちゃん! 花丸ちゃん!」

 

1年生の名前が大声で呼ばれた。

するとそこに3人の女子生徒が1年生を守るようにして男に向き合う。

 

男「特異点とその友達か。」

 

善子「先輩方...。」

 

1年生の目の前には、千歌,曜,梨子が居る。

 

千歌「何の用があるんですか!」

男「何の用って、君たちの後ろに居る子たちにプレゼントを渡しに来ただけさ。」

 

そう言いながら、男はもう1度懐に手を入れ、カプセルを3つ取り出した。

 

曜「あのカプセルまさか...!」

男「気付いたところでもう遅いよ。」

 

3つのカプセルに無数の黄色い光の玉が吸い寄せられ、体が生成されていく。

そして...

 

ピンク色イマジン「ビギィィィ。」

黄色イマジン「ズーラー。」

白黒イマジン「クックックッ。」

 

イマジンが現れた。

 

ルビィ「ピギャアァァァァァ!」

善子「な、なによあの怪物は...。」

花丸「怖いずら...。」

 

梨子「イマジンが3体...。」

曜「どうする...?」

千歌「りょうちゃんが来るまで、善子ちゃんたちを守ろう...。」

 

2年生は怖がって足がすくんでしまった1年生に寄り添う。

だが、そこに居るだけではイマジンの餌食になってしまう。

千歌は善子に、曜は花丸に、梨子はルビィに手を貸して3人を立たせて逃げようとするが...

 

白黒色イマジン「ウゥゥゥ!」

 

「「「「「「きゃあぁぁ!」」」」」」

 

白黒のイマジンが黒い翼のようなもので退路を攻撃した。

 

男「さて、あとは本命の特異点が来るのを待つとしますか。」

 

 

 

 

良太郎Side

 

浦女にイマジンが現れる少し前になる。

良太郎はバイクに乗り、浦女に向かっていた。

 

良太郎「今日は遅刻だぁ...。」

 

今日は大学で親しい教授と話し込んでいて、時間を忘れていた。

 

良太郎「3人とも怒ってるかな...?」

 

心配しながらバイクを走らせ、三津シーパラダイス前を通過したとき...

 

モモ「良太郎、イマジンだ。」

良太郎「えっ! 場所わかる?」

リュウ「学校だよ!」

良太郎「わかった!」

 

イマジンが現れた知らせを受け取ると、アクセル全開でバイクを浦女に走らせた。

 

 

 

浦女Side

 

3体のイマジンから執拗に追いかけられている6人だが、ついに校庭の真ん中でイマジンに囲まれてしまった。

 

男「もう逃げ場は無くなったね。」

 

ジリジリとイマジンが詰め寄ってくる。

 

善子「もうダメだわ...。」

 

小さい声でそう呟いたが...

 

ブーーーン...ブーーーン...

 

微かにだが、エンジン音が聞こえてきた。

その音は次第に大きく鳴り響き...

 

ブーーーン!!

 

開いていた浦女の正門を堂々とくぐり抜け、3体のイマジンに体当たりした。

イマジンを蹴散らしたバイク乗りは6人の前でバイクを止めて、ヘルメットを脱いだ。

 

ルビィ&花丸「「お兄ちゃん!」」

善子「りょう!」

 

バイク乗りの正体は良太郎だった。

良太郎の姿を見ると、1年生は良太郎に抱き付いた。

 

良太郎「3人とも怖かったよね...。」

 

抱き付いてきた3人の頭を撫でて落ち着かせる。

 

良太郎「千歌ちゃん,曜ちゃん,梨子ちゃん、遅れてゴメン。だけど、頑張ったね。」

曜「先輩ですから!」

梨子「ちょっと怖かったけど、大切な後輩を守りたい気持ちがあったから...。」

千歌「りょうちゃんが来てくれるって信じてた。」

 

イマジンから1年生を守った2年生にも言葉をかける。

 

男「やっと来た。野上良太郎。」

良太郎「君は何がしたいの?」

男「今日はプレゼントを渡しに来ただけだよ。気に入ってくれた?」

良太郎「どこがさ...。僕の大切な人たちを悲しませた君を許さない。」

男「あら~。怒られちゃった。」

 

1年生,2年生に向けた優しい口調ではなく、冷たく低い声を男に向けた。

そして、良太郎は1年生と距離を開ける。

 

良太郎「3人とも、ちょっと待っててね。」

 

1年生を2年生に預け、6人に背を向ける。

そして、3体のイマジンに向き合うと、左手に現れたデンオウベルトを腰に装着する。

 

モモ「よ~し。今日こそ俺が行くz...。」

キン「すまんモモの字! 俺がやる!」

 

ドカッ

 

モモ「痛ぇー! 熊のやつ突き飛ばさなくてもいいだろ!」

 

キンタロスは軽く弾いたつもりだったが、モモタロスはデンライナーの窓に吹き飛ばされた。

 

キン「良太郎!」

良太郎「うん。行くよ、キンタロス。」

 

ベルトのバックル左側にある黄色のフォームスイッチを選択した。

 

~~~♪ (←変身待機音)

 

良太郎「変身。」

 

《アックスフォーム》

 

右手に持っていた『ライダーパス』を、中央部のターミナルバックルにセタッチ (Set and Touch) する。

プラットフォームに変身直後、キンタロスが憑依し、新たなパーツが加わり、『仮面ライダー電王 アックスフォーム』となる。

 

K電王「フンッ!」ゴキッ

 

相撲の力士がやる四股踏みを1つ入れ、首を鳴らす。

 

K電王「俺の強さにお前が泣いた! 涙はこれで拭いときぃ。」

 

どこからともなく紙吹雪が舞う。

 

梨子「また新しい姿ね...。」

曜「すごく強そう...。」

 

善子「な...何...あれ...。」

花丸「りょうお兄ちゃん...?」

ルビィ「ピギィ...。」

千歌「りょうちゃんなら大丈夫だよ。」

 

梨子と曜は電王の新たな姿に驚いており、1年生は目の前の出来事に絶句してしまう。

 

男「今度はそれで来たか~。」

 

そう嘆くが、顔は笑っている。

 

K電王「さぁ、どっからでもかかってきぃ!」

 

黄色イマジン「シャシャシャシャシャ!」

ピンク色イマジン「ビギャァァァ!」

白黒色イマジン「ギギガガゴゴ!」

 

K電王「どすこい!」

 

お互いに正面からぶつかると思われたが...

 

K電王「フンッ! ハッ! もういっちょ!」

 

3体のイマジンに突っ張りをお見舞いし、吹っ飛ばす。

続いて、ベルトに備わっている4個のデンガッシャーを3つ組み合わせアックスモードにし、アックスフォーム専用の斧形態にした。

その武器を駆使し、ダメージを与えていく。

 

黄色イマジン「シャァァァ!」

白黒色イマジン「グゴォォォ!」

ピンク色イマジン「ギャァァァ!」

 

花丸「危ないずら!」

 

3体のイマジンが殴りにかかって来た。

それを見た花丸が危ないと声をかけるが、電王は避けず...

 

ゴーン!!

 

胸の辺りにパンチを受けてしまうが...

 

黄色イマジン「シャ?」

白黒色イマジン「グエ?」

ピンク色イマジン「ギ?」

 

K電王「...。」

 

電王は無言で仁王立ちしている。

まるで今のパンチが効いてないかのようだ。

 

K電王「まだまだ稽古不足やで。ハッ!」

 

斧を横一線に振って、3体のイマジンを凪ぎ払った。

アックスフォームは腕力等の上半身のパワー,防御力に優れており、パワータイプの戦いが得意だ。

また、高い防御力を活かして敵の攻撃を受け止め、真っ向から力押しで圧倒する戦闘スタイルが特徴なのだ。

 

K電王「ほなこれで終いにするで。」

 

《フルチャージ》

 

ライダーパスをベルトにかざすことで、エネルギーがデンガッシャー・アックスモードに注がれる。

 

K電王「オリャアァァァァ!」

 

それを持ったまま地上で回転し、遠心力で威力を増した後、イマジンを切り裂いた。

 

ドゴーン!!

 

K電王「ダイナミックチョップ・改。」

 

千歌「電王が勝った!」

梨子「これで1年生の記憶と時間が戻るわね!」

 

ルビィ「しゅごい...。」

善子「や、やるじゃない...。」

花丸「ずら...。」

 

誰もが電王の勝利を確信した時だった。

 

 

 

 

 

ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン!!

 

K電王「ウワッ!(攻撃された?)」

 

頭上から無数の何かで攻撃されたのだ。

 

曜「ねぇ、あそこ!」

 

上空に何か居ることに曜が気付いた。

千歌も梨子も1年生も上を見る。

 

K電王「(キンタロス、上だよ!)上やて?」

 

電王も上を見た。

そこには体の右半分が黒色,左半分が白色で、胸元には右にピンク色,左に黄色があしらわれている鳥獣型のイマジンが飛んでいた。

 

男「へ~。倒されたイマジンのエネルギーを使って変化したのか~。面白いのが見れたし、僕は帰ろうかな。ま、頑張ってね、電王。」

 

イマジンを呼び出した男は姿を消した。

 

 

鳥獣型イマジン「グゴォォォ!」

 

ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン!!

 

K電王「クッ...。」

 

「「「「「「きゃあぁぁ!」」」」」」

 

鳥獣型イマジンは自らの羽を分離、鋭利な形に変化させて、辺り1面に撒き散らす。

その衝撃で土埃が巻き上がる。

 

K電王「前が見えへんで...。(これじゃあ千歌ちゃんたちが...。)」

 

これでは千歌たちの位置も敵の位置も把握できない。

どんな攻撃をされるかもわからない。

何もできないでいると...

 

「きゃあぁぁぁぁぁ!」

 

K電王「どないした!(あの声は...。)」

 

誰かの悲鳴が響いた。

この悲鳴のあと、鳥獣型イマジンの攻撃が止み、土埃も落ち着いて視界が晴れた。

だが...

 

ルビィ「善子ちゃんが居ません!」

 

一緒に居たはずの善子が姿を消してしまった。

千歌,曜,梨子,花丸,ルビィは周りを見渡す。

電王も探すが近くに居ない。

 

K電王「良太郎...これはまずいで...。(えっ?)」

 

キンタロスがいち早く異変を教えてくれた。

その先に顔を向けると...

 

K電王「(善子ちゃん!?)」

 

「「「「「善子ちゃん!?」」」」」

 

千歌たちも気付いた。

善子は鳥獣型イマジンに足で鷲掴みされる形で囚われていた。

 

善子「ちょっと...離してよ!」

鳥獣型イマジン「グゴォォォ!!」

善子「ひっ...!」

 

上空に飛んだかと思いきや、今度は風おこしをされ、電王は思うように動けずに居た。

 

 

 

この戦いを浦女の屋上から見ている影が1つあった。

 

「何をしているのだお供その3。仕方ない...。この私が直々に成敗してあげようぞ。」

 

 

 

 

 

続く。




ようやく執筆できました...。
戦闘シーンは浮かんでたのですが、日常シーンから戦闘シーンに持っていく場面がなかなか浮かばずにいました。

補足で、敵として出ている男ですが、しゃべり方は電王本編に登場していた『カイ』と同じ口調で話していると思ってください。
あと、敵のイマジンですが、どんな形態かは自由に想像してもらって大丈夫です!

そして、次回...。
あのイマジンが満を持して降臨します!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

#7

皆さま、たいへん長らくお待たせ致しました!(土下座)
メインのオーブでも書きましたが、暑さで執筆意欲を削がれ、ダラダラとしてしまいました...。

メインとサブの両方とも、少しずつ立て直していきますので、今後ともよろしくお願い致します!


鳥獣型イマジン「グゴォォォ!」

K電王「(どうしたら善子ちゃんを助けられるかな...。)空飛ばれてると思うように戦えん...。」

 

上空からの攻撃が依然として続いている。

電王は防戦するしかなかった。

 

千歌「このままじゃ善子ちゃんとりょうちゃんが...。」

花丸「善子ちゃん...。」

ルビィ「お兄ちゃん...。」

 

 

モモ「くぅ~...熊代われ!」

ウラ「センパイが戦うとして、人質になってる子を気にしながら戦える?」

モモ「ぐっ...。」

リュウ「僕も自信ないかも...。」

 

ウラタロスの言う通り、人質になっている善子を庇いながら戦うのは難しい。

キンタロスと代わろうに代われないでいた。

 

 

鳥獣型イマジン「グォォ。」

 

電王を弄んでいるように上空を旋回しているイマジン。

 

K電王「どないしたらえぇんや...。」

 

善子の救出方法を考えていると、イマジンがとんでもない行動に出た。

 

K電王「何するつもりや!」

 

急上昇し、地面と垂直になる形で円を3回描き、一気に地面へと急降下してきた。

 

善子「いやぁぁぁぁぁ!」

 

「「「「「善子ちゃん!」」」」」

 

K電王「っ...!」

 

千歌,曜,梨子,花丸,ルビィの5人は涙を流しながら善子の名前を叫ぶことしかできなかった。

電王は落下点に潜り込もうと走ったが、スタートの反応が遅れてしまい、間に合うかわからない。

 

K電王「間に合えぇぇぇ!」

 

「「「「「っ...!」」」」」

 

電王が手を伸ばし、5人が目を閉じて善子が助かることを祈ったその時...

 

 

 

 

ファサー...

 

どこからか、白い羽が鳥獣型イマジンのまわりに舞い始めた。

 

K電王「(白い羽...?)まさか...。」

 

 

モモ「おいあれってよ...。」

リュウ「もしかして...!」

ウラ「もしかしてというか、間違いないね...。」

 

 

白い羽が舞った次には、その羽が善子を拘束している足に集中攻撃を開始した。

 

鳥獣型イマジン「キエェェェェェ!!!」

善子「きゃあぁぁぁ!」

 

集中攻撃でダメージが瞬時に蓄積し、イマジンは善子を離した。

おかげで善子は真っ逆さまに落ちるが...

 

 

 

 

 

善子「えっ...?」

 

白い羽が善子の全身を包み、落下を阻止して、ゆっくりと地上に降りた。

 

「怪我はないようで安心しました、我が堕天使様。」

 

K電王「(白いイマジン?)ジーク...。(知ってるの?)おぉ、まぁな。」

 

 

リュウ「やっぱり鳥さんだ~!」

モモ「なんで手羽野郎もここに来たんだよ!」

ウラ「理由はわからないけど、今回ばかりは彼に感謝だね。」

 

 

4タロスはジークの登場に驚いたり喜んだりしている。

その様子から、良太郎はジークが味方なのだと思った。

 

ジーク「野上良太郎、そして堕天使ヨハネ様のご学友。私があの敵を退治いたしましょう。」

 

K電王「(あ、ありがとう...。)」

 

曜「新しいイマジン?」

梨子「それに、何かプリンスみたいね...。」

千歌「でも味方みたい。」

 

ジークの独特な空気感に目が点になりかける。

 

ジーク「お供3、私に代わりなさい。」

K電王「ほな、任せたで。」

 

ベルトを外し、1度変身を解いた。

 

ジーク「野上良太郎、体を借りるぞ。」

良太郎「うん。」

 

そう言うと、ジークは良太郎に憑依した。

その姿は、白い羽根を編み込んだコーンロウに白色の瞳になり、首元に羽根ストールを装っている。

 

W良太郎「そこのイマジン。私が相手になってやるのだ。光栄に思え。」

 

言い終えると腰に『ウイングフォーム専用デンオウベルト』が出現。

他のフォームと異なり色が黒く、フォームスイッチが存在しない。

中央の「ウイングバックル」は翼を広げた鳥のような形状をしている。

 

~~~♪(変身待機音)

 

W良太郎「変身。」

 

《ウイングフォーム》

 

変身待機音はハープの演奏のような優雅な音楽だった。

ウイングフォームの姿は、金色のオーラスキンと白いオーラアーマーをまとっている。

電仮面は水色を基調にした白鳥のような形状で、首を折り畳むように変形して翼を象った形状だ。

 

W電王「降臨、満を持して。」

 

新たな電王が登場した。

 

 

リュウ「鳥さんやっちゃえ~!」

ウラ「今は彼に任せよう。」

モモ「気に食わねぇが、今回は認めてやる。」

 

キン「戻ったで~。」

 

デンライナーから様子を伺っていた。

 

 

鳥獣型イマジン「キエェェェェェ!」

W電王「私の美しさの前に倒れなさい。」

 

W電王はベルトに付いているデンガッシャーを組み合わせ、ウィングフォーム専用の武器『ブーメランモード&ハンドアックスモード』に変形させた。

両モードで飛んでいるイマジンに攻撃していく。

その攻撃は全て命中していた。

そのため、翼はボロボロになり、飛べなくなった。

 

W電王「さて、美しく最後を飾ろうか。」

 

ウィングバックルにライダーパスをセタッチ。

 

《フルチャージ》

 

フルチャージによって強化されたデンガッシャー・ブーメランモードとハンドアックスモードをそれぞれ時間差で投げ付け、戻って来たブーメランモードを取ると同時にハンドアックスモードで斬り付けた。

 

鳥獣型イマジン「ギィィ...。」

 

ドガァァァン!!

 

暴走状態の鳥獣型イマジンを倒し、ベルトを外すとジークも離れた。

良太郎は1年生と2年生の元に駆け寄った。

 

良太郎「善子ちゃん大丈夫? ルビィちゃんも花丸ちゃんも怪我は無い?」

ルビィ「お兄ちゃぁぁん!」

花丸「りょうお兄ちゃん!」

良太郎「よしよし。」

 

曜,梨子にくっついていた2人が良太郎の懐に飛び付き、泣いた。

 

善子「...。」

 

ルビィと花丸が真っ先に飛び付いたため、善子は黙ったまま佇んでいた。

 

良太郎「2人とももう大丈夫だからね。」

 

頭を撫でることで落ち着きを取り戻すルビィと花丸。

泣き止み、良太郎から離れる。

 

良太郎「さ、善子ちゃんもおいで。」

 

両手を広げ、ハグの体勢をとる。

 

善子「良太郎...。」

 

目尻に涙を溜めながら良太郎の元に歩みより...

 

善子「良太郎ぉぉ! 怖かったよぉぉ!」

良太郎「怖い思いさせてごめん...。」

 

善子が良太郎に抱きつくと、恐怖を一気に吐き捨てるように泣いた。

千歌,曜,梨子,ルビィ,花丸はその様子を見守った。

 

 

 

しばらくして善子も落ち着きを取り戻し、良太郎から離れる。

すると、白色,黄色,ピンク色の光が善子,花丸,ルビィにそれぞれ宿った。

 

ルビィ「ルビィ今まで何してたんだろ...?」

花丸「何か心にポッカリ穴が開いてる感じがするずら...。」

善子「大切な何かを無くしていた気がするわ...。」

 

千歌「ルビィちゃん! 花丸ちゃん! 善子ちゃん!」

 

ルビまる「「千歌ちゃん!」」

善子「ヨハネよ! って、千歌? 曜と梨子まで?」

 

曜「私たちを呼んでくれたってことは...!」

梨子「スクールアイドルの記憶と時間が戻ったのね!」

 

1年生は奪われていた記憶と時間を取り戻した。

Aqoursは6人に戻った。

 

良太郎「良かったぁ~。」

 

6人が談笑しているのを静かに見守る良太郎。

すると...

 

善子「そういえば、さっきの怪物と戦ってたのって良太郎なの?」

良太郎「まぁ、そうだよ。」

 

善子が突然聞いてきた。

事実のため、否定はしない。

 

良太郎「詳しいことは...。」

 

そう言いかけた時...

 

 

フワァ~~~ン

 

 

空からデンライナーが現れ、7人の元に向かってくる。

 

善子「電車が空を走ってる!?」

ルビィ「すっご~~い!」

花丸「未来ずら~~!」

 

浦女のグラウンドに停車し、扉が開く。

 

良太郎「乗って良いよ。」

千歌「それじゃあ、おじゃましま~す!」

善子「何で普通に乗ってるのよ!」

 

2年生は戸惑うことなくデンライナーに乗車する。

1年生は善子→花丸→ルビィの順に並んで、おずおずと乗車した。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ナオミ「は~い、みかんジュースお待たせしました~!」

千歌「ナオミさんありがとう!」

 

ウラ「ねぇ梨子ちゃん、今度僕と一緒に遊びに行かないかい?」

梨子「えぇっと...。」

モモ「ナンパしてんじゃねーよカメ公!」

 

リュウ「僕ね、曜ちゃんたちの服を描いてみたんだ!」

曜「リュウタロスくんの描いてくれた衣装可愛い!」

 

キン「zzz...。」

 

ジーク「ん~。やはりナオミ殿が淹れるコーヒーは格別だ。」

 

デンライナーの車内は賑やかな空間である。

 

「「「.........。」」」

 

しかし、初見でこんな空間を見せられても何と言っていいかわからない。

善子,花丸,ルビィは良太郎の背に隠れながら目の前の様子を見ていた。

 

モモ「んぁ? おう、良太郎!」

 

見た目は鬼のモモタロスが良太郎に気付き、近付くが...

 

ルビィ「ピギャアァァァァァ!?!?!?」

モモ「何だってんだよ!」

 

キン「ん? どないしたんや?」

 

ルビィが驚きと怖さで悲鳴をあげてしまった。

キンタロスは目を覚ました。

車内に居た全員がルビィに注目する。

 

千歌「モモタロスさん下がって下がって!」

モモ「だが俺は良太郎に...。」

千歌「今は下がってください!」

モモ「しょーがねぇな...。」

 

千歌の気迫に押され、モモタロスは引き下がり、2年生はルビィを落ち着かせる。

 

ウラ「良太郎、その子たちって...?」

良太郎「Aqoursの1年生たちだよ。」

 

ちょっと間を開けながら言葉を交わす。

なぜなら、花丸と善子も若干涙目になり、良太郎の服の裾を掴んでいるからだ。

 

良太郎「3人とも、1回あそこに座ろっか。」

 

1番近くの席についた。

 

ナオミ「はじめまして。私はナオミです。3人の名前を教えてくれるかな?」

 

まずはナオミが自己紹介して、1年生と距離を縮める。

良太郎と2年生3人を除けば、ナオミが唯一の人間である。

 

善子「津島善子です...。」

花丸「おらは国木田花丸ずら...。」

ルビィ「黒澤ルビィです...。」

良太郎「ナオミさんはデンライナーで乗務員のバイトしてるんだ。それから...。」

 

対角線上に固まって座っている5体のイマジンに目を向ける。

 

良太郎「あそこに座っている彼らは僕の友達なんだ。」

ルビィ「お兄ちゃんのお友達さん?」

良太郎「うん。見た目は怖いかもしれないけど、みんな優しいから大丈夫だよ。リュウタロス、ちょっと来て。」

 

リュウ「僕?」

 

指名されたリュウタロスは1年生3人の元に来てしゃがんだ。

 

リュウ「僕の名前はリュウタロスだよ。花丸ちゃん,ルビィちゃん,善子ちゃんだったよね。これからよろしくね!」

 

無邪気な口調と少し子供っぽい部分が当たりとなり、善子,花丸,ルビィの警戒心を解いた。

 

ウラ「流石はリュウタだね。」

 

次にウラタロスがやって来た。

 

花丸「水色の亀さん?」

ウラ「ちょっとだけ正解。僕はウラタロス。君たちのことは良太郎や千歌ちゃんたちから聞いてるよ。よろしくね。」

善子「千歌たちも知り合いなの?」

千歌「私たちもつい最近知り合ったけどね。」

 

苦笑いして答える。

 

良太郎「じゃあ次はキンタロスとモモタロス。」

 

言われて立ち上がったキンタロスはいつものように首を鳴らし、側に来た。

 

善子「熊...?」

キン「キンタロスや。よろしゅうな。それと善子やったか? さっきはすまんだ...。」

善子「え? どういう...。」

良太郎「善子ちゃんを助けようとして一緒に戦ってたのがキンタロスなんだ。危険な目に合わせてしまったから、会ったら謝ろうって決めてたんだよ。」

善子「あなたが謝ることじゃないわ。現に私は無事な訳だし。」

 

少しどぎまぎしているが、イマジンに慣れてきたのか会話できてきた。

そして最後は...

 

ジーク「はじめまして、堕天使ヨハネ様。私の名はジークと申す。直接会えて光栄だ。」

善子「えぇっと...。」

 

ジークのプリンスな振舞いや口調に再び戸惑う。

 

モモ「手羽野郎はいつもそんな調子だ。気にすんな。」

 

モモタロスがフォローを入れるが...

 

ジーク「決めた。私は今を持って堕天使ヨハネ様に永遠の忠誠を誓おう! ヨハネ様は崇高なるお方。そんな彼女に仕えるのが私の本望なのだ。」

 

ウラ「ありゃもう自分の世界に入っちゃってるね...。」

千歌「着いていけない...。」

梨子「似た者同士ね...。」

曜「あはは...。」

キン「こりゃまた賑やかやのぅ。」

リュウ「鳥さんおもしろ~い!」

 

さらに...

 

花丸「善子ちゃんの熱心なファンずら...。」

ルビィ「うゆ...。」

善子「私はまだ認めてないわよ! こいつが勝手に言ってるだけでしょ!」

 

良太郎「契約じゃないけど、契約成立なのかな...?」

 

人数が増えるにつれ、デンライナーの車内はますます賑やかに楽しくなるのであった。

 

 

 

 

 

続く。




ジークが登場しました(^-^)v
『プリンスと堕天使ヨハネ』
コンビにしたら売れそうな2人だと思いません?(笑)

次回は1年生編の最終回です。
と言いましても、2年生のときみたいに1年生にも現状を説明するって感じに仕上がります。

この作品が面白ければ、感想やお気に入り登録をよろしくお願いします!
では、また次回にお会いしましょう!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

#8

こちらもお久しぶりですの投稿です。
私の存在覚えてますか?(^_^;)
仮面ライダーゼロワンを毎週楽しみにしている風来坊です。
朝からバイトがあるため、リアタイはできていませんが、録画して見ています。


デンライナーの車内

 

良太郎「今から、1年生の3人に僕たちのことを説明するね。」

 

車内の椅子に座り、ルビィ,花丸と2年生はみかんジュース、善子,良太郎,4タロスとジークは珈琲を飲みながら話が始まる。

 

良太郎「事の始まりは、花火大会の打ち上げをする日だった。」

 

・打ち上げ当日、良太郎と千歌以外のAqoursメンバーはスクールアイドルとしての時間と記憶を何者かに狩り取られたこと

 

・その事実を知り、良太郎が『仮面ライダー電王』になることで元に戻すことができること

 

・敵の正体と目的は不明なこと

 

・残る3年生を元に戻すこと

 

・モモ,ウラ,キン,リュウ,ジークは共に戦う仲間であること

 

これらを丁寧に話した。

それから...

 

モモ「あぁ...なんだ...その...さっきはおどかして悪かったな。」

ルビィ「い...いえ。ルビィも大きな声を出してしまってごめんなさい...。」

 

ウラ「これで話はまとまったね。」

良太郎「そうだね。」

 

全てを話し、ルビィがモモタロスに抱いていた警戒心も解けた。

 

オーナー「おやおや。新しいお客様が増えましたね。」

良太郎「オーナー。」

 

「「「こんにちは。」」」

 

1年生はオーナーに挨拶した。

 

オーナー「こんにちは。これはまた愛嬌のある3人ですね。今日はAqoursの6人にお渡しするものがあります。」

千歌「私たちにですか?」

オーナー「はい。」

 

そう言って、オーナーは乗車券のようなものを6人に渡した。

 

梨子「これは...?」

オーナー「皆さんにお渡ししたのは、デンライナーの乗車券です。」

曜「乗車券?」

オーナー「皆さん、今後デンライナーを利用する頻度が高くなると思いまして。良太郎くんにはお渡し済みですが、皆さんにはまだでしたから。」

 

「「「「「「ありがとうございます。」」」」」」

 

揃ってお礼を言う。

これで良太郎の付き添いが無くてもデンライナーへの乗車が可能だ。

 

オーナー「しかし1つだけ注意事項がありますので、よく聞いていてください。その乗車券でデンライナーに乗るときは、時間の数字が全て同じ数字になったときにしか乗れません。」

善子「同じ数字...?」

オーナー「例えば、5時5分5秒や12時12分12秒といった時刻のことです。その時間にあらゆる扉を開けさえすれば、デンライナーの走るこの空間に繋がります。1度試してもらって構いませんよ。」

 

そう言ってオーナーは皆が集まっている食堂車から出ていった。

 

良太郎「さて、そろそろ帰ろっか。」

 

自分の腕時計を確認すると、時刻は17:00を指していた。

これを合図に、デンライナーが各メンバーの家に乗せていってくれた。

 

モモ「で、これからどうすんだ手羽野郎。」

 

Aqoursメンバーを降ろしたあと、良太郎は車内に残って今後について話しはじめる。

 

ジーク「私の主は崇高なるヨハネ様と決まっている。私は彼女に忠誠を誓っている。故に、私は彼女の盾となろう。」

ウラ「要するに、契約はしてないけど力を貸してくれるんだね。」

良太郎「それはそれで助かるよ。」

 

ジークもAqoursを守るために力を貸してくれるらしい。

その後、良太郎もデンライナーから下車し、家に帰った。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

数日後...

 

ピンポーン

 

「はーい。」

 

良太郎「ごめんください。」

ダイヤ「あら、りょうお兄様?」

良太郎「こんにちはダイヤちゃん。ルビィちゃん居るかな?」

ダイヤ「ルビィなら部屋に居ますわ。案内致します。」

 

ルビィに用事がある良太郎はダイヤに連れられ、部屋に通される。

 

コンコンコン

 

ダイヤ「ルビィ、りょうお兄様が来られましたわ。お話しがあるそうですよ。」

 

ルビィ「は~い。」

 

1つ返事があり、すぐに部屋の扉が開き、ルビィが出てきた。

 

ルビィ「お兄ちゃん入って入って♪」

良太郎「おじゃまします。」

ダイヤ「私は居間におりますので、何かあったら声をかけてください。」

 

ダイヤは引き返していき、それを確認したところで良太郎はルビィの部屋に入った。

 

ルビィ「それで、お話しって?」

 

部屋の真ん中に置かれた円卓を囲うように座り、話を始める。

 

良太郎「ダイヤちゃんのことなんだ。」

ルビィ「お姉ちゃん?」

良太郎「うん。ダイヤちゃん,果南ちゃん,鞠莉ちゃんは、まだスクールアイドルの時間と記憶を取り戻してない。その3人の中でダイヤちゃんの妹のルビィちゃんは一緒に生活してるでしょ。だから、2人はどう生活してるのかなって。」

 

スクールアイドルが大好きな黒澤姉妹。

姉妹揃って同じグループで活動ができた矢先に今の事件が起きた。

スクールアイドルの時間と記憶が消失し、ルビィはそれを取り戻したが、姉のダイヤを含め、3年生メンバーはまだだ。

 

ルビィ「...。」

 

ルビィはうつむき、女の子座りしている膝の上に置いた両手を握りしめる。

 

ルビィ「お姉ちゃんたちが仲直りする前の2年間に戻ったみたいで寂しいです...。」

 

その目からは涙が零れる。

 

Aqoursは先日開かれた沼津の夏祭り前に9人のグループになった。

千歌が部活を立ち上げ、幼馴染みの曜が加入。

東京から転校してきた梨子、スクールアイドルに憧れを抱いていたルビィと花丸、自分が輝ける居場所を探していた善子(ヨハネ)が続くように加わった。

 

そして、千歌が部活を立ち上げる前、3年生のダイヤ,果南,鞠莉が1年生だった頃に3人で『Aqours』を結成して活動していた。

だが、鞠莉は世界に名の知れたオハラグループの跡取り娘で、当時は将来のために留学の話が持ちかけられていた。

鞠莉はその話を断っていたが、ある日その話を果南が聞いてしまい、鞠莉の未来を奪ってしまっていると感じた彼女は東京で開催されたスクールアイドルのイベントを機に辞めてしまった。

Aqoursは解散。

鞠莉は留学に行ってしまった。

果南はスクールアイドルから離れ、ダイヤはスクールアイドルを嫌うようになった。

 

そんな期間が2年続いた。

その間もルビィはスクールアイドルを嫌いにはなれず、憧れを抱きながら、浦の星女学院に入学。

千歌,曜,梨子の3人で結成されたAqoursにも憧れたが、入部に躊躇していた。

姉のダイヤが入部を認めてくれるか不安だった。

そんな時、中学生のときから友達である花丸が背中を押してくれたおかげでダイヤにスクールアイドルがやりたいと打ち明けることができて、Aqoursに加入した。

 

6人になったAqoursは東京で『スクールアイドルワールド』というイベントに呼ばれて、それに参加した。

だが、結果は最下位で得票数はゼロ。

Aqoursに惹かれた人は居なかった。

 

沼津に戻ってきたAqoursを迎えたダイヤは、自分たちが過去にスクールアイドルをやっていたことを話した。

この話を機に、2年前に起きた果南,鞠莉,ダイヤの関係性が修復に向かいはじめる。

果南と鞠莉はお互いの心に閉まっていた本音を全部言い合って仲直りし、ダイヤは自分自身に言い聞かせていたスクールアイドルが嫌いというウソから解放された。

 

果南,鞠莉,ダイヤが再びスクールアイドルになり、Aqoursに復帰した。

9人体制で挑んだ沼津の夏祭りライブは大成功。

しかし、その直後に謎の敵により今に至る事件が起きた。

 

良太郎「ダイヤちゃん,果南ちゃん,鞠莉ちゃんは必ず助ける。それまでもう少し待っててほしい。」

ルビィ「うん...。」

 

服の袖で涙を拭い...

 

ルビィ「本当のお姉ちゃんが戻ってくるまで、ルビィはもう泣かない!」

良太郎「(ルビィちゃんは強い子だ。)」

 

その決心を聞いた良太郎は、ルビィの頭を優しく撫でた。

 

ルビィ「はぅ...。お兄ちゃん?」

良太郎「そのためには、僕が頑張ルビィしないとだね。」

ルビィ「ルビィもできることあったら手伝うね。」

良太郎「ありがとうルビィちゃん。」

 

ルビィに笑顔が戻ったところで、良太郎は黒澤家を後にした。

 

 

 

 

 

続く。




今回は文字数が少なめなのをお許しください...。
次回からは3年生編に入ります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。