やはり俺の青春をR6Sに費やすのは間違っているのか (二代目山勘)
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いつものように、比企谷八幡はR6Sをプレイする。

ノリで書いちゃったぜ。





「証券、ヒバナ入ったわ。スパ、ハッチ開けれる?」

『おけおけ、キンフィカバー頼む。』

『了解。見とく見とく。』

 画面を見ながら、マウスに自然と力が入る。

 チームメンバーの報告する声を耳にしながらエイムを合わせていく。

 

 ロックしていた部屋に上から降りてきた敵に対してマウスの左ボタンをクリックする。

 同時にヘッドセットから銃声が鳴り響き敵をキル。

 

 イン、強オペレーターの一人、これは味方にとって大きなアドバンテージになる。

 

「イン、キルした。ニトロ投げて俺引くよ」

『ナイスカット。』

『ナイス、ミュート余ってるならこっちにくんね。』

リロードを入れながら一階に降りてキンフィことキングフィッシャーの下に向かう。

「おk、いまいく」

 

 

俺こと比企谷八幡、プレイヤーID「Owl88.gh」

が今、プレイしているのはRainbow six siege

通称R6S

ユービーアイソフトが発売した世界中の特殊部隊をテーマにしたFPSタイトルだ。

このゲームの大きな特徴は特殊部隊ならでは個性的なオペレーター、そしてオペレーター固有のガジェット。

そしてFPSタイトルならではのリスポーンと呼ばれる復活システムがないこと。

 

もっとも大きな特徴として壁や床が破壊可能なオブジェクトに入っていること。

 

これらにより緊迫感とスリルが他タイトルよりも数倍濃縮されて味わえる。

 

そして俺は青春をこれに使ってしまおうと考えていた。

なぜかって?

 

理由は簡単だ。

 

それ以外に時間を使うということが現在ないからである。

読書も好きだが、それよりもエイムの精度を上げることに時間を使いたくなる。

友人?友達? それ聞いてる奴の友達の定義ってどんなものか聞きたくなるわ。

 

 

適当に付けたIDが所以で仲間に入らないかと言ってきたクランに入ってしばらくたつ。

クラン「GloRy HwaKs」

全員が鳥の名前をユーザーIDに使用しているという変わり者クラン。

 

 メインのフラッガー、スパことSpa11ow.gh

現在使用中のオペレーターはミラ

 IGL(In Game Leader)を担当するモッキ―ことMoCKingbird.gh

情報系のオペレーターをメインに使い、今のマッチでもヴァルキリーを使用している。

 遊撃担当、キンフィことKin6fisHeR.gh

 現在バンディット使用中

 サポートをメインとするシュラことShri3k.gh

 現在エコーでドローン見てたらヘッショされてカメラにて情報共有中

最後に加入した俺、オウルことOwl88.gh

ミュート使用中、音声オフにしてるわけじゃないぞ。

 

 現在プレイ中のマップは銀行、この防衛フェーズを取れば勝利だ。

 

こいつらがいるから俺は戦える。

本当に「友達」と呼べるのはこいつらしかいねぇ

 

 

だから

 

 

 

 

 

 

だからこそ

 

俺は「本当の友達」が欲しいのかもしれない。

 

 

 

そんなことを考えている間にも仲間たちは次々とキルしていく。

 

残るは一人。

 

俺の使う「ミュート」の手に握られたMP5Kに付けられたサイトを覗き込みながら廊下を進んでいく。

 

キルされたシュラ、キンフィがカメラを通して敵の位置情報を伝えていく。

他のメンバーもそれぞれの位置からエイムを固定してロックする。

 

 

見えた!

 

 

すかさずマウスを押し込む。

 

 

軽い破裂音がヘッドセットから聞こえる。

相手のラスオペはアッシュ、撃ち合いでこちらが不利になるところだった。

俺らの勝ちが確定した。

 

『ナイスカット!』

『つんよーーーーーーーー!』

『オウル強すぎぃぃぃぃぃ!』

「あー、心臓飛び出るかと思った。」

 知らず知らずのうちに息止めてたわ。

 全身の筋肉から力を抜いて、ゲーミングチェアに体重をかける。

『勝ったし、そろそろ解散するか。学生組は学校あることだし。』

 時計を見ると深夜二時に針が届きそうになっている。

『了解、お疲れっす。』

『おつでーす。』

「おkです、お疲れ様っす。」

 

 みんなが抜けていくのを片目に 

 ボイチャを切ろうとするとちょっといいか?と声をかけられる。

 

「どしました?モッキ―さん。」

『いや、普通だったら学校の話とかするんだろうけど、ほらスパとかシュラはするけどお前さんは一切しないからな。ちょっと気になったんだよ。』

「そすか。」

『今確か二年だろ。高校生としては一番いい時期なんじゃないかとも思ったんだが。』

「いや、俺学校では特に親しい人間作らないようにしてるんで。」

『それでいいのか?俺らは特にガチでやって大会とかも出れるまでやってるつもりだけど。』

「いんすよ。」

 

 総武高校に入って早一年。特に親しい友達はいるかと言われれば「いない」としか答えることが出来ない俺。

 画面の向こうにいる三歳年上の先輩は心配してくれる。

 

 

『わかった、だけどな。』

「はい?」

『自分一人で抱え込むな、助けを求めるときは求めろ。』

「あざっす。」

『とにかく、お疲れ。』

「お疲れ様です。」

 

 あぁ、この人は本気で俺のことを心配してくれるのだな。

 

 そう考えると、ベットに潜り込む。

 明日ってか、六時間後には学校か。

 一時間目担当誰だっけ。

 

 そう考えている間にも意識が闇に吸い込まれていく。

 

 あー、めんどくせぇ

 

 ぷっつりと意識がそこで途絶えた。 

 

 

 




書き終わって一言


八幡じゃねえな……。
時期的には合いませんがY3S2
を終えたぐらいにしたいと考えています


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このように、比企谷八幡は日常生活を過ごす。

「っでさ-、やべーのなんのって。」

「それ、マジ面白そうだけど」

 

うるせーな、朝っぱらからそんなに騒いでなんか意味でもあんのか?

 

朝、ホームルーム前の喧騒。

俺は朝読書用の本と共に数枚のプリントを机の上に並べる。

そのプリントにはパソコンから印刷したR6Sのマップが回数ごとに分けられている。

そこにはどこの壁が抜けられるのか、どこにトラップドアがあるのか。

というものがすべてカラー版で印刷されている。

爆弾解除の際に設置される二つの爆弾。

その二つがどこに察知されるのかというのもすべて印刷されている。

 

今やらなければいけないというものでもない、だけどやりたいからやっているのだ。

腕時計をチラリと見るとプリントをしまって突っ伏す。

チャイムが鳴る、担任が入ってきてHRが始まる。

今日も一日が過ぎていく。

 

あぁー、だり。もう一生家にいたい。

 

 

 

放課後になった、家帰ってすぐテロハンやってエイム合わせしてぇ。バッグに入れてあるカギを探り駐輪場に向かおうと動く。

 

机の中に忘れものをしてないかと覗き込むと

『二年F組比企谷八幡君、職員室平塚のところまで。繰り返します……』

クラスに残っていた奴らはそんな奴いたっけと顔を見合わせる。

 

俺は深いため息をつく

 

めんどくせぇ

 

 

足を進めると職員室の扉が見えてくる。

平塚先生の机どこだっけなと思いながら失礼しますと軽く断りを入れて扉を開ける。

こっちに来いと手招きをするスーツの上に白衣を重ねた姿

平塚静、総武高校の国語教師、携帯灰皿を持っているほどのヘビースモーカーという印象。

 

俺にとってはそれぐらいの印象でしかない。

「なんですか。俺、なんかやらかしましたか?」

 

「比企谷、このあいだの君のクラスに出させた宿題を覚えているか」

 

 えーと、なんだっけ

 

「高校生活を振り返ってというテーマで君らに書かせた作文だ。」

 

 

 そんなのあったな。めんどくさかったから終着点決めずに適当に書いた気がする。

 

「君の作文はなぜあんな犯行声明文になっている。青春とは悪であり、嘘である?」

 

「ありましたね、そんなの」

 

あー、そういやそんな風に書いたな。

あまりにもリア充とかスクールカーストとかに嫌気がさして深夜に書いたんだった。

 

「こんなもん、出されてたまるか。君には再提出を命ずる。来週の月曜日放課後までに私の所に持ってこい。」

「うぃす。」

再提出用の原稿用紙を受け取り、ファイルにしまう。

そして

「まだ比企谷終わっとらん。ふざけた態度への罰として奉仕活動を命じる。罪には罰を与えないとな。」

 

うわっめんど。

 

その言葉がそのまま顔に出ていたようで頭を軽くはたかれた。

 

俺は早く帰りたいだけのなのに



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そして、比企谷八幡は彼女に出会う

 特別棟、音楽室の物置や生物室、図書室の予備書庫がある普段なら生徒が全く使わない棟。

「着いたぞ。」

 カツカツとリノリウムの廊下に足音を響かせてたどり着いたのは、プレートに何も書かれていない部屋。

 

 からりと戸が開けられると教室の中には使われなくなった椅子や机が無造作に積み上げられ、倉庫代わりとして使われているいたって普通の教室だと感じた。

 

 

 

 違ったのは少女がそこで文庫本を読んでいた

 一瞬、時を忘れて見とれていた。

 

 そこからふっと周りを見ると端の方には使われていないデスクトップタイプのパソコンが一台、置かれていた。

 

 平塚先生と彼女が言葉を交わしている間に教室に俺は足を踏み入れる。

「彼は誰なんですか?先生」

 冷たい声が耳に響く

「比企谷八幡、入部希望者だ。」

 

 彼女を俺は知っている。総武高校に特設されている国際教養科の中でもその頭脳と容姿から注目を浴びている。

 この学校の中でも有名人だ。

 

「二年F組の比企谷八幡。部活ってなんすか?」

「さっき言ったようにペナルティだ。君にはここでの部活動を命じる。異論反論抗議は認めない。反省してろ」

 そして雪ノ下の方を向き

「見てわかると思うが、彼はこのように根性が腐り、そして孤独に愛されたかわいそうなやつだよ」 

「孤独に愛されているんじゃないんです。俺が孤独を愛しているんです。」

「そんなのはどっちでもいい」

 俺の抗弁に対して、容赦なく切り捨て

「人との付き合い方を学ばせてやればまだまともにはなるだろう。ということで彼のひねくれた孤独体質の更生が私からの依頼だ。」

 

「お断りします。彼の下心に満ちた目を見ている目を見ていると身の危険を感じます。」

 おいっ、そこまで俺の目はひどいのかよ。そして睨むな。

「安心したまえ、その男は目と性根のみ腐っているだけであってリスクリターンの計算と自己保身に関してはなかなかのものだ。彼の小悪党ぶりは信用していい。」

「なるほど、小悪党……」

「小悪党って、しかも納得するなよ。」

 

 

雪ノ下の了承を聞くとま、後は頼むというと平塚先生はさっさと帰ってしまう。

 

うーあ、何すればいいの俺。

いや、まじで

 

 

この美少女サマと二人きり、何すればいいの?

「何か?」

「いやどうしたものかとも思ってな。」

「何がかしら」

「訳の分からない説明しかない状態で連れてこられたもんだからな」

 そういうと雪ノ下は勢いよく読んでいた文庫本をパタンと閉じ

「ではゲームをしましょう」

「ゲームか?」

「その様子からすると、ここが何部か聞いていないようね。だから」

 人差し指で俺をさして

「さて、ここは何部でしょうか?」

 

 

 雪ノ下がやるとものすごい様になっているそのポーズを見て、その後教室の中にあるものを見ていく

 机、椅子、パソコン。

 

「文芸部か?」

「その心は?」

 

「特殊な環境、特殊な機器を必要としていない部活、そのうえあんたは本を読んでいた。」

「はずれ」

雪ノ下は口にわずかに笑みを浮かべる

 

「降参だ。答えは?」

 雪ノ下はこちらを見ながら

「比企谷君、女子と話したのはいつぶり?」

「あ?」

「答えて」

「二、三か月ぶりだ。あの時のも業務連絡みたいなもんだけどな。」

 

 はぁとため息をつくと

「……困っているものには救いの手を差し伸べる。それがこの部の活動」

 雪ノ下は腕を組んでこちらを見下ろす。

「ようこそ奉仕部へ、あなたを歓迎するわ」

 

「そりゃどーも、それよりあのパソコンは使えるのか?」

 

「電源を入れれば。ある程度のスペック、確か学校基準のスペックは満たしているはずよ。」

 そうか、おれは携帯を取り出してとあるものを調べ始める

「比企谷君、あなたは何をするつもりなの?」

 

「いや、何でもないさ。」

 八幡の顔には悪い笑みが浮かんでいた。

 

 



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そして比企谷八幡は練習を重ねる。

 奉仕部に入部した次の日

 八幡は教科書を入れたバッグとそれよりも大きなバッグを持ち込んでいた。

 

 さっそく放課後になりバッグを床に下ろすと中から取り出したのはキーボード、マウス、そしてマウスパッド。パソコンを起動して、設定にアクセスする。

 ネットに接続できるのか、セキュリティソフトがどれだけ固いのかを調べるとたいして固くもなくゆるいことが判明。

 

 ならいけるわ

 

 そこから開くのは反射神経をテストするサイト。

 ゲームをする際のようにブルーライトカットの眼鏡をかけてイヤホンで好きな音楽をかけながらマウスのカーソルを指示通り合わせてクリックしていく。

 

 手首をしっかりと動かして普段テロハントをしているような感覚でエイムを合わせていく。

 部室にはカチカチというマウスの音だけが響いている

 

「いったい、何をしているのかしら」

 真横で聞こえてきた声に驚き、数センチは飛び上がるかと思うぐらい心臓が跳ねそうになった。

 

 横から雪ノ下がパソコンの画面を覗き込んでいた。

 

 その顔の近さ、体の近さに八幡は驚く。

「比企谷君、あなたが何のためにこの部活に入ったの?」

「うるせぇな、眼球運動のトレーニングだよ。」

「あなたのその性根の曲がった眼を直そうとしているのを見て、私は少しだけあなたが性根を直そうとしているのが見えてうれしいわ。」

「うるせぇな、なんなら勝負してみるか。この速度勝負。」

 ふっと笑いながらイヤホンを外し、雪乃に席を譲る。

 この反射神経を鍛えるゲーム自体は難易度が低い、しかしレベルが問題だ。

 俺がプレイしているモードは最速に設定している。

 

 

 これはメインのフラッガー、スパことSpa11ow.ghが俺にエイム練習の話をしたときに教えてくれた。

 テロハントを何回も回すのもいいが、自分の反射神経を鍛えたり動体視力をつけるのもいい。

基礎的な力をつけるのも大事だ。

 

と本人談。

始めてみると地味に難しく、慣れが必要だった。

慣れれば難しくはない、集中力も上がるし授業中での切り替える力がついた。

 

 

ただ、集中していると体に力が入るのか肩が凝る。

 

首をグルリとまわして立ち上がり、場所を移る。

 

 

雪ノ下が同じようにマウスを握ると

「特殊なマウスなのね。これ」

「そうだ。見慣れないマウスだろうな。」

俺が使っているのはlogitech G403、、マウスパッドは同じlogiのG440、滑りやすく視点操作をしやすくしている。

 

雪ノ下がスタートボタンを押してモードを始める。

簡単に言うならば赤点が点滅した瞬間にクリックするというもの

二度押さないと、消えない。

 

「うそでしょ、この速度。」

FPSにおいて反応速度は重要視されている。

このためにプロ選手は30が限界ともいわれている。

 

雪ノ下が失敗しているところを見ていると少し面白くなってくる。

考えてみろよ、あの完璧少女が何回も失敗しているところ。

 

軽く笑みを口に浮かべているとこちらを雪ノ下が冷たい視線で睨む。

「やめてちょうだい、こちらをじっと見てニヤニヤするの。気持ち悪い。」

「別にいいだろ、今ぐらい。」

 

 

 

 

 

今週の日曜には大会だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気合を入れてかなければ。



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このように比企谷八幡はスクリムを始めていく

 

 

深夜になり、皆がdiscordに集まったのを確認して、いつものように練習を開始する。

再来週にはオフラインでの大会がある。

このメンバーで参加する大会としては初だ。

 

俺はもちろん初参加だ。

リーダーのモッキーがお願いしたクランと大会形式で対戦する。

対戦相手はオフライン大会にも出場している強豪チーム「Clockworker」

対戦経験は二度、一勝一敗。

 

相手が集合したことを確認しスクリムと呼ばれる試合に近い練習を開始する。

 

こちらの「GloRy HwaKs」側のメンバー

Spa11ow.gh

MoCKingbird.gh

Kin6fisHeR.gh

Shri3k.gh

Owl88.gh

 

相手チーム「Clockworker」側メンバーは

Hooootei.Cer

Cookiep4p4.Cer

AngrymomongA

akatsuki.Bstyle

Bandog.Cer

 

いつものメンバーだ。

そしてカスタムゲーム用の専用サーバーに招待を受け、全員が揃っていることと音声の不具合がないのかを確認すると、相手の選択した「領事館」スタートだ。

スクリムとはいえ気は抜けず本気でやらなければやられる。

 オペレーターのBanフェーズが開始される。

 ブルーチームのこちらスタートだ。

「ヒバナとか割り職にする?」

『どーしよ、ぶっちゃけ俺ブリッツの方が脅威高いと思うけど。』

『向こうの盾あんまり見ないからさ。盾いらなくね?』

「ならカピタオでもBanする?」

『んー、カピタオBanして様子見るか。』

「おk」

『了解』

定番の割り職とよばれる壁を破壊することのできるオペレーターをBanするのか盾持ちの強力なオペレーターをBanするべきなのか話は進み、結果カピタオという酸素を燃焼させ相手を窒息させる矢と煙幕を発生させる矢を切り替えて発射できるクロスボウを持ったオペレーターをBanした。

競技シーンにおけるこのキャラクターはよく使用され、向こう側の攻め方でも多用されることから今回は選択する

対して相手がBanしてきたのは……ライオンだった。

 

そして次に防衛側のオペレーターのBanに入る、相手がBanしてきたのはヴァルキリー、小型の設置型カメラを投擲し監視カメラを増設出来るオペレーターだ。

『こっちはミラでいい?』

「おk」

ミラは「ブラックミラー」という補強された壁に防弾性のマジックミラーを設置できる。外側から中の様子を見ることはできないマジックミラーとなっており、敵に悟られずに外の様子を観察する事が出来、しかも武器も強力なオペレーターをBanする。

『エコーがBanされてないだけでも良かった。』

『んじゃ早速。』

 

 

 

 

 リーダーの「行くぞ」という声で皆が動き出す。

 

 防衛からのスタート、スパがパルス、モッキ―がドクに、シュラがエコー、キンフィはイェーガー、そして俺はミュート。

 

大会ルールでプレイヤーの名前は見えないが相手の編成は見える

 相手は、グラズ、テルミット、アッシュ、サッチャー、ジャッカル

『マエストロにシュラ変更できる?』

『りょーかい』

「それか俺がスモークにした方がよくね?」

そこからSixピックという一人だけが他のオペレーターに変更できるシステムを使う。

このシステム使って選択したオペレーターは相手にはわからない

『いや、この編成ならオウルにミュート担当してもらった方がいい』

「おk」

 

 

 防衛場所は二階、補強壁を会議室内のトラップドアに貼り、ミュートのシグナルディスラプターをドア横においてドローン対策をしていく。

『オウル、こっちにもミュートもらえる?』

「おk、キンフィ、展開シールドこっちにもらえるかな」

 爆弾横の壁をシュラが、マエストロがサブで持てるBailiff 410で抜いていき、長めの射線を確保していく。

 壁を補強して非常階段からの射線を防いでいく

 モッキ―のドクがMP5でミュートのジャマーに引っかかったドローンを破壊していく。

 

 短い準備時間が終了し、試合開始。

 

 会議室にキンフィのイェーガーのみが残り、トイレからモッキ―のドクが射線を通している。

 スパが下からパルスの固有ガジェットの心拍センサーを使い敵の位置をチェックしていく。

 

『敵、真上、真上。ピンたてるわ。』 

『ラぺってる敵、二人。管理事務に二人。』

『俺行く、俺行く。』

 あっという間にキルログが流れて管理事務に入ってきた二人の敵はマエストロのLMGに貫かれる。

『ジャッカル、アッシュ。キルした。キルした。』

「ナイス」 

『ナイスカット。』 

『ナイス』

 

『やられた、グラズ。オフィス外から見てるわ。』

 キンフィのイェーガーがやられて、報告を入れる。

「カバー、行く」

『半分は削ったからワンタップで溶かせる、溶かせる』

 味方の報告でラぺリングしているのはわかっている。ならばおそらくあのグラズがロック係で残り二人の内片方がプランターと呼ばれるディフューザー設置係だ

「スパ、突き上げ出来る?」

 

『ニトロセルまだ残ってるから……入った、入った。とばすよ!』

 爆発音と共に床の一部と敵のオペレーターがはじけ飛ぶ。

 ディフューザーを敵が落とした

 R6Sの特徴であるオブジェクト破壊を利用した爆破によりダメージが入りプラントしようとしたオペレーターが吹き飛んだ。

「ナイス!」

 ディフューザーが落ちているであろう場所をロックする。

 残り時間20秒弱

 俺はジッとロックし続ける。

 見えた! 

 

 MP5Kの乾いた音と同時に敵が崩れ落ちる。

「サッチャーやった」

『ナイス!』

『うめぇ!』

「残りグラズだけ、グラズだけ。」

 撃ち合いになるとこちらが撃ち負ける可能性が高い。

 

 ニトロセルを手に構えた状態で待機する。

 残り10秒。

 

 音を慎重に聞いて、入ってきたタイミングを掴む

 オンラインだからこそできる技だとみんなに言われた。

 

 モッキ―もシュラも皆ロックして周りの情報を伝えてくれる。 

「入った!」

 ニトロセルが放物線を描くように飛んでいく

 

 

 起爆

 

 

 ラウンド勝利の表示が画面に出て、リプレイが再生される。

 

『ナイス!』

『つんよーーーーーーーー!』

『ナイスオウル!』

 

 周りがほめているがありがとうと素直に伝えられず

「次のラウンドの準備しようぜ。」

『おk』

『このまま行こう。このままいけば防衛とれる』

 

 防衛側が勝利すると強制的に次のラウンドは別の場所に移されてしまう。

『地下守りやる?』

『モッキ―、俺ら地下守り苦手だけどどするの?』

『だから、こないだ話し合った対策が刺さるかどうなのかを試したい。向こうもそういう目的で今回はスクリム組んでるから。』

『了解』

「わかった、なら俺アリバイ使用していいか?こないだ思いついたの試したい」

『任す。』

 

 こうして夜をすごしていく、俺が加入してから初めての大会まであと少し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さぁ楽しんでいこうぜ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにこのスクリムは8-6で負けた。

 



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比企谷八幡は初めてのオンライン大会に挑戦する。

 

全部が準備できている。

マウスパッドもマウスもモニターも

土曜日の家で大会の予選のために俺は待機していた。

GloRy Hwaksの一員として臨むはじめての大会。

明らかに緊張しているのは自分でもわかっていた。

 

最初の相手はあえてみない、余計緊張するからだ。

今のうちにテロハントで自分のAIMを整える。

 

ただひたすら壁撃ちを続け、銃の反動をコントロールするリコイルコントロールの練習。

 

マップBANはリーダーのモッキーがボイチャをしながら決めていく。

互いによるBAN、こちらはオレゴン、国境、領事館、相手はヴィラ、クラブハウス、銀行。

試合が行われるのは海岸線となった。

カスタムゲームが開始、プレイヤーが全員集合。システムが開始されていく。

オペレーターBANが始まる。

こちらは防衛、向こうが攻撃。

こちらは、ブリッツ、エコー。向こうはインにマエストロ

ま、平常運転でいこう。

そう心に決めつつ俺はミュートを選んだ。

 

 

 

 

『グラズカット!!、グラズカット!!、ッ!すまんやられた!』

「ナイス!!」

防衛サイドラスト5ラウンド目、4:1。

今回の大会ではこのラウンドと次の攻撃1ラウンドを取れば勝てる。

 

現在はビリヤード・フッカー守り

しかし相手はその状況に危機を覚えたのか、フィンカとライオン、モンターニュにグラズ、カピタオというラッシュスタイルで突っ込んできた。

こちらはこちらでリージョンなどの設置系オペレーターを投入したがことごとくごり押しにやられ現在俺のヴィジルとモッキ―のヴァルキリーのみ。

ここは引くべきなのか、それとも俺は攻勢に出るべきなのか。

イヤホンから聞こえる仲間たちの声

 

「ヴァルカメ、残ってる?」

『まだ残ってる。残りモンタ、ライオン、カピタオやろ。ライオンのドローンも2回使われたからもう使い切ってるはず。』

「おk、なるべく引いて叩くか?」

『それでいくk』

『外階段上がってる!モンタ、カピタオ!ピンつける!』

シュラの緊迫した報告により一気に状況が加速する、残り時間後30秒。

相手も一気に攻めるべきだと考えたのだろう。

貼りなおしたバリケード越しに見えるモンターニュ、俺はフルマガジンを叩き込む。

モッキ―は廊下を走り抜けてそのまま現地に戻る。

 

カピタオの火矢が来るかもしれないという恐怖は無かった。

モンタの目の前でリロードモーションを一瞬だけ見せる。

相手はすぐにハンドガンを取り出すために全身を覆う盾を解除する。

 

その瞬間にサブで持っていたC75を取り出して全弾撃ち込む。

スモークを打ち込んでプラントの準備を使用していたのだろう。

射線上にいたカピタオもそのままヘッドショットする。

「モンタ、カピタオ抜いた!ラスワン、ライオン!」

 皆の語気が強くなる。

『ナイス!』

『ナイスゥ!』

『全員待機、あとロックしてるだけで勝てる!』

「おk!」

思わず語気が粗くなる。全身が、火が通ったように暑い

あつい、熱すぎる。

いける!、いける!

ラストの攻撃フェーズに移行し、オペレーター選択画面に移る。

俺はゾフィアをピックし、海岸線で戦う時の組み合わせが整う。

 

 

BO1形式の大会、初戦vsoRA 6-2 二回戦vs3rdC 6-4 三回戦vsRsN 6-1 四回戦vsLAs 6-5

ふと気づけば明日の準決勝にまで残っている四チームに入っている。

 

 

緊張する。今回加わってからはじめての大会。

いつものクランでおこなっているランクマッチよりも調子がいい、

なんでなんだろうか、わからない。

配信されているからなのだろうか、それかいつもの調子でやっているからこそみんなが敢えて緊張をほぐしてくれているんだろうなと感じた。

 

終わった後に簡単な反省会を行う。

マップの確認やBANするオペレーター、BANされた場合のロースター。

それを終えると通話を切り、明日の準備を簡単にして部屋の外に出る、時間は夜の七時。

コンビニぐらいだったらやってるだろうなと思いTシャツの上にパーカーを羽織り、小町がいないことを確認。

家の外に出る。

軽く肌寒く感じる。

 

ここまで自分がやってきているんだな、俺行けたんだな。

負けた試合は自分たちのミスが明確に出ていたなと感じた。

行ける、自分も行ける

 

勝ちたいと明確に感じた

 

 

 

 

 

勝ちたい



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