ハーレムパーティー (早見 彼方)
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白金燐子の騎乗位ピストン

 俺が岩戸(いわと)勇希(ゆうき)として十六年生きてきたこの世界は、俺にとっては二度目の世界だ。物心つく頃から社会人の男だった前世の記憶を持っていて、いろいろと驚かされることが多かった。たとえば、この世界では男よりも女の方が性欲旺盛で、性犯罪は女が起こすものという認識があることなどだ。

 前世と似たような世界の、前世と同じ日本という平和な国で生まれ育ったのだが、細かな相違点は他にも挙げれば切りがないほどにある。アダルトビデオの大半は男ばかりが出演しているし、前世の女性専用車両は男性専用車両へと置き換わっていた。援助交際も女が金を払って男を求めるのが一般的という実情。

 簡単に言えばこの世界は、男と女の立場が置き換わっているのだ。この世界の女は美形が多いといった細かい点を考慮に入れれば説明の仕方は多少変わってくるが、概ね先の説明で間違ってはいない。

 ちなみにこの世界での俺は、女からすると格好の獲物。黒髪清楚系巨根美少年として欲望の対象とされているらしい。確かに小学校時代から女子生徒から告白されることは多かったが、まさか自慰ネタにされているとは思わなかった。

 その話を聞かせてくれたのは、同い年の幼馴染である白金(しろかね)燐子(りんこ)。癖のない長い黒髪を真っ直ぐ伸ばした大人しい性格の高校二年生だ。彼女こそ黒髪清楚系巨乳美少女の肩書きが相応しい外見をしているが、男の自慰ネタにはなっていないようだ。これは燐子のことを知っている俺の男友達から聞いた話だ。確かに可愛いと思うが、それだけで自慰の対象になるわけではないと言っていた。美少女である幼馴染で平然と自慰をする俺が変わっているようだった。

「どうしたの……? 勇希(ゆうき)君……。どこか、痛い……?」

 考えに耽っていた俺に向かって静かな声を掛けられた。

 四月上旬の休日の昼下がり。天候に恵まれた春の陽気に満ちた日だが、俺の自室である部屋の窓は閉ざされている。カーテンも閉め切られ、ついでに部屋の照明も消えていた。そうして薄暗く音が外へと漏れにくい空間となった部屋で、ベッドで横になって天井を見ていた俺は、声の聞こえた下半身へと視線を下げる。

 そこには当たり前のように燐子がいた。服を着ずに見事な巨乳と括れた腰を晒し、程よく肉付きのいい尻で俺の股間に座っている。勿論、ただ座っているわけではない。左右に伸ばした健康的な太股の付け根を見れば、俺の肉棒を根元まで食らっている綺麗な膣口が見えた。今も俺の肉棒をギチギチと引き締め、絶え間ない快楽を伝えてくる原因だった。

「いや、何でもない」

 俺が答えると、燐子はほっとしたように息を吐いた。

 そして、仕切り直しと言わんばかりに腰を振り始めた。最初はゆっくりだったそれは徐々に速度を上げ、激しいピストン運動に変わる。さらさらと揺れる黒髪とともに上下に動く胸は絶景の一言だった。

 この光景を目にできるのは、燐子の恋人である俺だけだ。柔らかく揉みごたえのある大きさの胸を両手で鷲掴みにしても文句を言われない。むしろ嬉しそうに口元を緩め、色の白い頬をほんのりと紅潮させている。燐子の興奮が余計に上昇したようで、ベッドが軋むほどの腰遣いで俺の肉棒は可愛がられてしまう。

 こんな攻めを受けて長時間耐えられるはずもなく、俺は容易く絶頂へ導かれた。

 どびゅるるるっ、ぶびゅるるるっ、ぶびゅーっ、びゅるるーっ、どびゅっ、どぷっ。

「んっ、ああぁっ……!?」

 俺の股間に尻を叩きつけるように腰を下ろした燐子は、俺の精液を膣内で感じたようだ。目を見開き、蕩けたような笑みを浮かべる。普段俯きがちで内気な態度の燐子とは思えない淫らな顔。俺は思わず息を呑み、射精欲求を増幅させられた。俺と二人きりの素の燐子は本当に淫らな子だった。何度も俺の体を求め、子宮で貪欲に精液を受け止める。この世界の女性の妊娠確率が低くて助かった。そうでなければ今頃、俺は燐子との間に子を授かっていただろう。

 この世界では子は宝。若い頃から性行為と妊娠出産を推奨している。学生時代から種付けセックスに励むことは決して悪いことではない。国が積極的に支援してくれるため、やろうと思えば妊娠した燐子であっても学校へ通うことが可能だ。

 とは言え、一児の父親になる勇気がまだない俺は、容易く妊娠しないと言われても生中出しを積極的に行う気はなかった。今日は特別だ。あまりにも燐子がせがんできたから仕方なく身を委ね、その結果が今の状況だ。

「出して……勇希君の赤ちゃん、妊娠させて……」

 孕む気満々の燐子。焦っているように見えるが、それは俺のせいだろう。

 俺は燐子以外の女にも手を出していた。肉体関係に至っている女性は少ないが、デートは数え切れないほどした。これは俺が望んでやっていることだ。なにせ、魅力的な美少女が俺から積極的に声を掛けなくても向こうから声を掛けてくれるのだ。前世で言えば美少女に群がる男共のように、この世界での俺は美少女達に求められていた。前世では到底出会えない美少女たちと親交を深められるこの世界はまるで天国だった。

 肉体関係に至るのも時間の問題だ。それを知っている燐子はおそらく、自分が本命であるという既成事実を作りたいのだろう。男の数が女よりも少なく、一夫多妻制が一般的なこの世界では、複数の女と肉体関係を結ぶ男は重宝される。世間的に歓迎されている以上、燐子も表立って文句を言えるわけもなく、あくまで正妻という立場を狙って俺の子種を求め続けているようだった。

 素直に燐子一人に愛情を注げばいいのだが、そうできるほど俺は大人しくない。もっとたくさんの美少女とセックスを楽しみたいと思っている。そうでなくては勿体ないだろう。前世の記憶を持つ俺だからこそ、この世界で有意義な生活を送れるのだから。

 時間をかけて俺の睾丸から燐子の子宮に精液を移動させ、燐子は熱い吐息を吐いて上体を倒した。俺の胸板に燐子の胸が押しつけられる。トクン、トクンという心臓の鼓動が伝わってきた。

 燐子の背に両手を回し、抱き寄せた。顔の正面には燐子の整った顔。俺はその顔がさらに近づいてくるのを見つめ、燐子の好きなように唇を委ねた。

「ちゅっ、くちゅっ、ぢゅるっ、ぐちゅっ、くちゅっ……!」

 俺の瞳を間近で見据え、鼻息荒く俺に口づけをする燐子。俺の口内で燐子の熱い舌が暴れ回り、唾液で濡らしていく。一方的な攻めを見せていた燐子だったが、お返しとばかりに俺が舌を絡ませ、今度は逆に燐子の口内に舌を入れると驚きの表情を見せた。しかし、すぐに愛しい人を見るような眼差しに変わり、俺は燐子の瞳を見つめたまま濃密な口づけを数分近くにわたって行った。

「ぷ、はぁっ……」

 口づけを終え、俺は燐子と同時に酸素を求めた。鼻で呼吸をしているとは言え、少々繋がりすぎた。互いの口の周りは唾液でべたべたで、口内には二人分の唾液が混ざったものが残っていた。嚥下をして飲み干して見せると、燐子の表情が再び欲望に染まっていくのを感じた。

 直後、俺に抱き着いたまま燐子は尻だけを器用に動かした。上へ引き上げた尻を、強く俺の股間へ叩きつける。いやらしい杭打ちピストン。従順で可愛い女を犯す男のような情欲の炎を瞳の中で揺らし、燐子は俺の顔を見つめたまま攻め続ける。

「ふふっ……。勇希君は、私の物、だよ……?」

 静かだが、強い意思を感じさせるその言葉。どうやら燐子の欲望に火がついてしまったらしい。こうなると鎮まるまで時間が掛かる。燐子の好きにさせておくしかない。そう思った俺は、燐子の喜びそうな言葉を囁いた。言葉一つでも、燐子の貪欲な欲望をわずかでも満たしてくれるのではないかと思ったためだ。

「大丈夫。俺の正妻は燐子以外に考えられないから」

 可愛い幼馴染兼恋人へのご褒美の言葉のつもりで、気軽に口にしたのがいけなかった。見る見るうちに、燐子の顔に浮かぶ欲望の色が濃くなった。やってしまった、と俺が思ったときにはもう遅かった。

「はぁっ、はぁっ、勇希君、好きっ、大好きっ……! 絶対に、妊娠するからね……!」

 燐子を余計に煽ってしまい、俺は肉棒を抜くことも許されないまま五連続膣内射精を求められた。精力絶倫の肉体でなければ、俺は途中で力尽きていたかもしれない。そんなことを考えながら、俺は股間を見た。

 体勢を変えた燐子は、俺の足元へ向かって上体を倒し、尻だけを俺に見せつけていた。上下に跳ねる傷一つない綺麗な楕円形の尻。鷲掴みにすれば指が沈み、若い弾力で跳ね返してくる絶妙な肉付き。それが上下に弾むように動き、俺の肉棒を膣で食らう光景をこれでもかと見せつけていた。

 そして、どぴゅどぴゅっと俺が六回目の射精をすると、燐子は亀頭にぐりぐりと子宮口を押しつけるように尻を左右に動かした。まだまだ精液が足りないらしい。どれだけ子宮で飲み干せば気が済むのか。燐子は本当に欲望に素直なようだ。

 やがて射精の勢いは弱まり、燐子の尻の動きが大人しくなった。そのとき、俺は結合部へと視線を向けた。膣口によって根元まで咥えこまれた肉棒に、膣内から溢れた粘着質な精液がどろどろと伝い落ちてきていた。精液が俺の黒い陰毛を濡らしていく光景を目にして、俺は射精直後にも関わらず膣内で肉棒を硬く反り立たせた。

「もう一回、する……?」

 燐子の声に、俺は小さく返事をした。すると、直後に燐子の尻がまた上下に動き、俺の股間にパンッ、パンッと肌の触れ合う乾いた音を響かせた。まだまだ燐子も俺もヤリ足りていなかった。今日は土曜日だから思い切り楽しむとしよう。明日の予定に影響が出ない程度に。

 俺は肉棒を貪る燐子の尻へと手を伸ばし、遠慮なく尻肉を鷲掴みにしながら笑みを浮かべた。



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白金燐子と入浴セックス

 尿道口に溜まった精液の残滓。何回射精したか覚えていないが未だに濃い白濁に染まるそれは、ベッドへと滴り落ちる前に俺の肉棒に口づけを放った燐子によって回収された。

「ちゅるっ、んっ……」

 ごくりと喉を鳴らす燐子。俺はベッドで両足を伸ばして座りながらその姿を見た後、右手側にある窓の外を見た。

 夜暗に沈む外が見える。燐子と昼過ぎにセックスをし、夕食兼休憩を挟んでからまたベッドでセックス。まともな高校生の生活ではないな、と思いつつも燐子という魅力的な女が側にいて手を伸ばさずにはいられなかった。

 それは燐子も同じことだった。夕食と食器の洗い物を済ませた直後はソファーに座って一緒にテレビを見ていたのだが、燐子の手でズボンの上から股間をまさぐられ、さらには唇を無理矢理奪われたことで流されるように性行為に至ってしまった。すぐに舞台を自室のベッドに移し、満足感を得るまで交わった。

 この爛れた生活を指摘する者は俺の家にはいない。高校生である俺は仮初めの一人暮らしをしているためだ。唯一の肉親である母さんは海外を拠点にして仕事をしている身のため、年に数回帰ってくる程度だ。その代わり電話は頻繁に掛かってきては、息子の身に何か変わったことが起きていないかを探ってくる。俺が口にしない限りは、俺が自宅に女を連れ込んでいることは伝わらないだろう。俺と燐子が俺の家で楽しんでいることを知っているのは燐子の両親くらいだろうか。

 そのため、俺と燐子の行為を邪魔する者はいない。

「んっ……」

 俺が愛しい恋人の頭を撫でると、燐子は気持ちよさそうに目を細めた。ずっと触っていたいと思える触り心地のいい髪。手に取った束を指先から滑り落とすと、流れるように揺れ動いた。

 少しの間、燐子の髪を楽しむ。昔から燐子の髪は大好きでよく触らせてもらっているが、一向に飽きない。胸も同じだ。燐子の胸を鷲掴みにし、指が埋没する豊かな胸を何度楽しんだだろうか。この幼馴染みに骨の髄まで魅了されていた。

 とは言え、俺の愛情は燐子だけに注がれるものではない。それは燐子も理解している。明日の日曜日に俺が別の女とデートをすることも、事前に知らせておいたために燐子は知っている。

「今日はもうこの辺にしようか」

「……うん」

 少し名残惜しそうな燐子だったが、一拍遅れて頷いた。明日に備えて早く寝ようという俺の意思を正確に汲み取ってこれ以上は手を出しては来なかった。手を出してきたら出してきたらで歓迎してしまうくらい俺は燐子には甘いのだが、燐子は聞き分けが良かった。

 俺たちはベッドから降りると、ティッシュを使って簡単に体の汚れを拭う。長時間のセックスで付着した精液や体液はなくなっていく。裸のまま歩いても汚れが床に落ちないことを確認してから、二階にある自室を出て一階へと向かう。

 階段を使って一階に降りた俺たちが向かったのは浴室だ。二人で一緒に入って体を順番に洗う。今日はこれ以上の手出しをしないと決めたらしい燐子が俺を襲うことはなく、俺たちは世間話をしながら入浴をするという健全な行為に努めた。

 湯の張った浴槽に一足先に体を浸す俺。俺の目には、シャワーを浴びる長い黒髪の女神が映っていた。完璧と言えるほどに均整の取れた肉体に湯が伝い落ちている。肌の色は白く、今は湯の熱によってほんのりと赤みを抱いている。いつ抱いても抱き心地の良さに惚れ惚れする燐子の肉体の感触を思い出し、湯船の中で肉棒が勃起してしまう。

 今日はもうセックスはやめておこうと自分から言い出した手前、俺から求めることもできずに悶々としてしまう。目前のご馳走にありつけずにいる飼い犬の心境だ。ただ欲望に耐えて、俺は勃起しているのが燐子に露見しないように浴槽に深く腰を預けた。

 心地いい。ほどよい湯の熱がじわじわと肌を通じて体中を温めてくれる。そんな中でも股間は特別熱いと感じるほどに体の内側から生じた熱を内包していて、発散することができずに完全に勃起を果たした。

 凶悪と呼べる長さと太さ。カリ首も高く、ひと度俺の肉棒を挿入されればどのような女も俺の虜になってしまうだろう。

 俺は思い出す。高校生になったばかりの頃に燐子から告白され、恋人の関係になったときのこと。まだ付き合い立てで、初体験を迎えた燐子は今と違ってまだ初々しかった。それが、回数を重ねるうちに俺の体に病みつきになり、今では淫らな微笑みを浮かべて主導権を握ろうとするにまでなった。

 まだまだ負けることはないが、いずれは燐子に屈することもあるのかもしれない。そんなことを考えていたせいで余計に勃起は押さえられず、俺はどうしようかと戸惑い始めた。

 蛇口を捻ってシャワーの湯を止めた燐子。長い髪を頭の上でまとめると、壁のタオル掛けに掛けていた白いタオルを頭に巻きつけ始めた。

 長くて大変だろうに、燐子は昔から同じロングストレートだ。小さい頃、燐子の綺麗な髪を誉めたためだろうか、燐子は髪型を短くするつもりはないようで、髪型をたまにポニーテールなどに変える程度だった。

 ふと、俺は近くにあった風呂の鏡に目を向けた。そこには当然俺が映っている。浴槽に入って頭だけを覗かせる黒髪ショートヘアの水も滴るイケメン。目鼻立ちが整っており、一目で格好いいと思える造形だ。格好よさの中にも可愛いと思える愛嬌もある。湯の中で温まっている中肉中背の体も合わせると、女からすれば喉から手が出るほどに自分の物にしたい男に見えるようだ。

 高校生となった俺を日本に残し、仕事のために海外へと行った母さんが過剰に心配するのが痛いほどわかった。前世で言えば、超絶美少女の一人娘を残して海外へと向かわなくてはならなくなった父親の心境だろうか。

「お待たせ……」

 いろいろと俺が思案に耽る中、燐子の声で我に返った。にこにこと微笑む燐子が浴槽へと体を沈ませ、俺の正面に座った。

 俺の体に背を向け、身を預けるような体勢で。いつもの習慣で両足を伸ばしてしまっていた俺は、股間に近づく燐子の尻に反応するのが遅れた。

「……あ」

 燐子の尻が肉棒に触れる。結果、燐子に股間の状態を悟られてしまった。少し驚いた反応を示した燐子は俺へと顔を向け、俺以外の人間には見せない悪戯っぽい笑みを作った。

 そして、燐子は徐々に俺へと体を近づけていく。燐子の尻という名の美しい壁によって押し退けられた肉棒が上を向く。裏筋は完全に燐子の体に触れていて、燐子は気がついているはずだった。だが、気がついていない振りをする燐子がわざとらしい身動ぎを行い、股間が刺激されてしまう。

 ときおり俺へと流し目を向けてくる燐子はとてもエロかった。今日はもう手を出さないと決めていた俺の両手が燐子の乳房に伸び、遠慮なく鷲掴みにしてしまうほどに。

「今日はもう、終わりじゃないの……?」

 くすくす、といった形容が相応しい燐子の小さな笑い声。してやったりといった様子に、俺は軽く羞恥を覚えた。

 何たる不覚。最近の燐子は攻撃力が増している。幼馴染みの成長を感じつつ、胸の感触を楽しみながら俺は燐子に屈してしまった。

「あと一回だけなら」

「うん、いいよ……」

 一つになろうね、と言って腰を上げた燐子。伸ばした片手で肉棒に触れて腰を下ろし始め、全く目視せぬままに肉棒を膣口で捕捉した。

 そして、膣口から奥深くまで肉棒を抱き締められるのは一瞬だった。まるで電車の座席に座るときのような気軽さで下ろした腰によって、俺の股間に燐子の重みがのし掛かった。

「う、ぁ……」

 柔らかく熱のこもった膣内に肉棒を締め上げられ、俺は思わず声を上げてしまった。俺の股間に座っている燐子の体が微かに震えたのを肌で直接感じとり、振り向いた燐子の気持ちよさそうな顔を見て、その震えが快感であることを理解した。

「気持ちいい……?」

 燐子の言葉に、俺は素直に頷いた。

 綺麗な丸みを抱く乳房の頂にある乳首を引っぱりながら、俺は顔を向けてきた燐子と伸ばした舌同士で戯れる。口づけではなく、舌づけだろうか。ときには熱く抱擁を交わし、唾液の交換を行う。

 性器は膣内に収納したまま大きくは動かさない。燐子の小刻みな体の揺れによって、普段とは違うじわじわと真綿で締められるように快楽が全身を蝕んでいく。入浴の度にこうして繋がりたいと思えるほどに、甘く優しいひと時だった。

 しばらく触れ合い、肉棒が我慢の限界を覚える。射精が近いことを悟ったのだろうか、俺と舌同士で戯れていた燐子は俺の舌にしゃぶりつく。まるで肉棒を咥えるかのような舌に対するフェラチオを受けた俺は、蕩けるような熱に襲われたまま溜めに溜めた欲求を淫らな幼馴染みの膣内で解放した。

 ぶびゅびゅびゅ、びゅるるるっ、どびゅー、びゅーっ、どびゅっ、どぷっ、どくっ。

「んっ……。たくさん、出してね……」

 舌フェラの間にそう囁き、俺を見つめながら再び舌にしゃぶりついてくる。どくっ、どくっと燐子の膣内で脈打つ肉棒は遠慮なく精液を放出し、燐子の子宮に新しい子種を収納させていく。

 頭がどうにかなってしまいそうだ。そう思えるほどの熱い時間を過ごし、俺は出せるだけの精液を燐子の中に置いていった。

「我慢する必要ないんだよ……? 好きなことを、好きなだけしよう……? 私が全部受け止めてあげる……」

 燐子は甘く囁くように告げた。この言葉は事実だろう。燐子ならば俺の全てを受け止めてくれる。身に宿す母性は俺を包み込み、快楽の海に沈めてくれるはずだ。

 母のような寛大さと淫らな恋人の顔を持つ燐子。俺は燐子のことを惚れ直し、膣内で射精をしながら燐子の胸を両手で乱暴に揉みくちゃにした。この女は、この胸は俺の物だ。絶対に誰にも渡さない。自身の胸の内側から生じたどす黒い欲望を燐子に叩きつけ、俺はしばらく浴室で燐子に甘え続けた。



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歌の練習

 逆上せ上がるほど熱気に満ちた浴室での出来事から一転して、俺は春とはいえまだ肌寒い外の空気に当たっていた。家の外に出て玄関の扉を背にする。

「それじゃあ、またね、勇希君……」

 俺の視線の先では夜道に立つ燐子がいた。普段見慣れた燐子の裸体は清楚な印象を抱かせる衣服で包み込まれ、入浴を経て濡れていた燐子の髪は既に乾き、夜風でさらさらと揺れていた。

 入浴後、燐子はドライヤーで髪を乾かすと、そう間を置かずに家へ帰る準備を始めた。燐子は燐子で、これから用事があるためだ。何と言ったか、確か『(エヌ)(エフ)(オー)』という一般向けのオンラインゲームに嵌まっていて、仲のいい女友達とこれから遊ぶとのことだ。

 燐子の友達。どうやら相手は年下のようで、明るく元気な子らしい。俺はその友達に会ったことはないからどんな子かどうかは燐子の口から語られる内容で想像するしかなかった。

 俺が軽く手を振ると、燐子も控え目に手を振って夜道を歩いていった。時折立ち止まって俺のほうを振り返り、何度か手を振ってから歩き出す。それを、すぐ隣にある白金家に入るまで行っていた燐子の律儀さに苦笑した後、俺は家に戻った。

 体の火照りはほどよく冷めていて、欲望も鳴りを潜めていた。燐子の中に散々精液を放出したおかげだ。普段はコンドームの中に出すことが多いため、たまに生身に注ぐとスッキリとする。それでもまだまだ射精は可能だが、ひとまず落ち着いているためこれ以上股間を刺激する行為は今日のところはやめておく。だからと言って寝るには少し早い時間帯だ。何か別のことで時間を潰そうと考え、いつも通りに趣味に使うことにした。

 部屋の廊下を歩いた俺は自室のある二階には向かわずに、地下へと続く階段へと降りた。

 階段の後に見えた重い扉を隔てた先には一つの広い部屋があった。いろいろと置かれている物は多いが、それらは全て音楽関連の代物で統一されていた。ステージピアノやエレキギター、ベース、ドラム、スピーカーや譜面台など。これらは全て、亡くなった父さんが趣味で集めた物だ。ここではよく、両親と友人の女性たちによって様々な曲が産み出され、演奏されたという。

 父さんが交通事故で亡くなってからは女性たちはこの地下室に集うことはなくなり、父さんの遺した楽器だけが寂しく置かれていた。母さんも掃除以外では地下にはあまり赴くことはなかった。ここは想い出が詰まった部屋なのだ。仕事とは言え母さんが海外へ行くことを決めたのも、楽しい想い出で溢れる地下室から卒業しようという意図があるのかもしれない。

 部屋にある棚の引き出しからクリーニングクロスを取り出し、楽器を簡単に拭いた後で俺は譜面台に向かった。そこには最近俺が作ったばかりの楽譜がある。それは俺が作ったオリジナル曲ではなく、この世界にはない前世で流行った曲の楽譜だ。記憶の中の音を探りながら少しずつ五線譜の上に音符を刻み、一つの曲としてこの世界に再現したもの。

 俺は歌を趣味にしていて、頻繁にこの部屋に赴いては歌の練習や楽譜製作に時間を注いでいる。前世から興味があった音楽に関して注いできた時間は長く、自慢ではないが歌唱力では大抵の人には勝てると思っている。これだけ聞くと世間を知らない井の中の蛙のように思われるかもしれないけど、それは違うと断言できる。俺にはそれなりの実績があった。

 スピーカーの近くにあったパソコンを起動し、椅子に座って向き合う。ログインを済ませると真っ先に開いたのは動画・音声共有サイトだ。大手の企業が運営するそのサイトにはネタのような動画からゲームプレイ動画やゲーム実況、音楽や政治の話題などまだまだ語りきれないジャンルの動画と音声が一つにまとめられている。

 そのサイトの音楽部門のランキングで首位を飾っていたのは、何を隠そう俺が投稿した音声だった。それは、パソコンで自作した曲に合わせて俺がこの部屋で歌った声を録音したものだ。このとき歌ったのは、前世の歌ではなく本当に俺が一から作ったオリジナル曲。他にもオリジナル曲や前世の歌も山程投稿していて、ランキングには俺が以前に投稿した歌も点在していた。

 一位となった自分の動画ページを試しに開き、再生する。このサイトでは動画を見た視聴者自身がコメントを投稿することができるのだが、相変わらず圧倒的な物量に少しばかり気圧された。

 コメントの中には当然辛口な内容もあったのだが、それ以上に称賛のコメントが多い。俺がこのサイトで投稿するようになった当初からのファンを名乗る人もいれば、初見の人もいる。動画のページをたまに更新する度に異様なほど増幅する視聴数とコメント数、お気に入り数に毎回驚かされつつ、俺は動画ページを閉じた。

 誰かに聞いてもらいたいという思いではなく、俺はあくまで練習のための参考に歌を投稿するようになった。歌うという行為に純粋に向き合うからこそ、自分以外の誰かの意見が必要になる。意見が聞ければどういう形でも良かった。

 それでも、こうして不特定多数の人に聞いてもらい、評価してもらえるというのは嬉しく思っている。父さんの年の離れた友人で、今でも俺と交遊のある女性も俺の動画を見てよく誉めてくれる。手コキされながら耳元で囁くように称賛されたのが一番新しい記憶だ。あれは脳が蕩けそうになるほど気持ち良かった。

 そう言えば、その人がスタッフとして勤めるライブハウスに、歌手として出演しないかと提案されている。いや、新人スタッフとして働いてほしいだっただろうか? そのときの俺は車の助手席でその人を抱いて腰を振るのに夢中になっていたからはっきりと覚えていないけど、確かそう言っていたはずだ。ちなみに、使用したコンドームの数は正確に覚えている。その人が、俺の精子が詰まったコンドームを両手の指で摘まんで嬉しそうに数を報告してきたからだ。あの人のいやらしい微笑みは忘れない。

 話が逸れたが、インターネットを通じて歌を聞いてもらうのと、実際に人前で歌うのとでは勝手が違う。積める経験も段違いで、俺は大きく成長することができるだろう。

 だが、顔を出すとなると勇気がいる。

 少し考えた後、まだ結論を出すには早いと判断した。結論を迫られているわけでもないため、考えるとしてももう少し先で良いはずだ。今は考えるのをやめておく。

 気を取り直して、俺はパソコンの中で音楽プレイヤーを起動させる。楽譜に合わせて再現した前世での歌だ。譜面台へと向かって立ち、数秒の猶予の後で遅れて流れるように設定した演奏がスピーカーを通じて部屋に満ちた。

 俺は投じた歌声を演奏と共存させる。歌と演奏。どちらも欠かせてはならず、どちらも引き立つように歌詞を紡ぎ、声に乗せる。人の体も楽器の一種だ。他の楽器による演奏を無視した歌い方では魅力が損なわれてしまう。

 俺以外に誰もいない部屋。俺の声を聞いてくれる人は誰もいない。だけど、俺の心は満たされていた。大事なのは自分の胸に溢れる素直な想いに従って、思いきり歌うことだ。この先どうなるかはわからないけど、今は一人きりのステージでもいいと思っていた。

 しばらく歌の練習をし、その後俺は床に就いた。眠る前に性欲を覚えて悶々としていたが、今さら起きて一人で性欲処理をするのも空しいと思い、諦めた。

 夢精しませんようにとささやかな祈りを捧げ、夢の中へと誘われた俺。まさか、起きたときには既に一人の少女のフェラチオによってたっぷりと搾精されているとは夢にも思わなかった。



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今井リサと甘やかし種付けプレス

「じゅぷっ、ぐぷっ、ぐぷっ、ぢゅぶぶぷっ、んぷっ、ぢゅるっ」

 温かい何かが肉棒を包み込んでいる。慣れ親しんだ感覚だと思いつつ、俺は疑問を抱いた。昨日は一人で眠ったはず。俺の肉棒をしゃぶっていると思われる人物に心当たりがなく、気になって目蓋を開いた。窓から差し込む日差しが温かい。朝にしては妙に日が高く感じた。

 今、何時だ?

 寝坊したのではないか。そう思って体を起こすより前に、股間にいる人物へと視線を投げ掛けた。

 そこにいたのは、今日俺が出会うはずの人物だった。

 緩やかなウェーブのかかった茶色の髪を後頭部で束ねた少女。持ち前の明るく社交的な性格が滲み出た顔は軽いギャルメイクを施されている。ピアスから下がる小さな兎のアクセサリーを揺らし、その少女は美味しそうに俺の肉棒をしゃぶっていた。根本までぱっくりと咥え、頬の内側で搾り取るように啜り上げている。

「ずぞぞぞそっ、ずぢゅぢゅぢゅ、ぢゅるるるっ」

「うっ……」

 朝からすごい刺激に、俺は成すすべもなかった。金玉を撫で揉みほぐされ、肉棒を相手のペースで管理される。あっという間に射精へと誘われてしまい、俺の精液は少女に飲み干された。

 びゅるるるっ、びゅーっ、どびゅーっ、びゅるっ。

「んっ、ごくっ、ごきゅっ、ごくっ」

 少女は俺の目を見たまま微笑み、喉を鳴らして精液を胃へと流していく。気持ちいい。射精中に尿道口に舌先を入れられ、堪らない快楽に襲われる。そうして長い射精の間攻められ続け、少しして俺はようやく解放された。

「んっ、ぷはっ……」

 少女は肉棒から口を離し、代わりに手で握った。残り汁を搾り取るように肉棒を扱く。尿道口から溢れ出た精液が垂れ、少女の手によってぬちゅぬちゅという卑猥な水音が響いた。

「おはよー、勇希」

 空いた手を軽く上げ、肉棒を握り続ける少女。

 その少女の名前は今井(いまい)リサ。俺が付き合っている少女で、同世代の高校二年生だ。付き合うようになったきっかけは、リサに町中で声をかけられ、ナンパされたことだ。リサは見た目通り社交的で、誰とでも打ち解けられる子だ。リサの世話好きで人を気遣える優しい性格に引かれ、付き合うようになった。

 今日、俺はリサとデートする約束をしていた。しかし、なぜ俺の家にいるのか。待ち合わせ場所はここではないし、まだリサには俺の家を案内したことはない。

「どうして家に?」

「遅かったから呼びに来ちゃった。この前住んでいる場所の話をしたじゃん? そこから推察して、なんとなくここら辺かなー、って近くを歩いていたら、写真で見せてもらった勇希の家を見つけてさ。鍵も閉まってなかったから、入っちゃった。……ごめんね?」

 申し訳なさそうに言ったリサを見た後、俺は枕元にある目覚まし時計を目にした。

 待ち合わせ時間よりも余裕を持って起きられるよう、目覚まし設定をしたはずの時計。しかし、目覚ましがなった覚えはなく、時刻は十一時近くを指している。本来の待ち合わせ時間は十時のため、一時間近く遅刻したことになる。

「寝坊してごめん」

 俺はリサに向き直って素直に謝罪した。どうやら目覚ましが上手く機能してくれなかったようだ。鳴ったらさすがに気がついてそのまま起きるだろうから。

「いいって、いいって。そんなに気にしないでよ」

 俺の顔が深刻そうに見えたのか、リサが慌てたように言った。相変わらず優しい子だ。ギャルっぽい外見とは裏腹に滲み出る育ちの良さ。母親にしたら、きっと子どもは幸せになれるだろう。

「アタシも性欲に負けて勝手に家に入っちゃったから、これでなかったことにしよう? ムラムラして家に押し入ったとか、めっちゃ恥ずかしいし……」

 リサは頬を赤く染めて視線を横に逸らす。そうしながらも俺の肉棒を扱き続けているのはまだ足りないということなのだろう。というか、何発搾り取られたのだろう。何か結構出したような気がする。

 恥ずかしそうにしながら、段々とリサは奉仕の手を止める。俺が起きたことで、手が出しにくくなったようだ。しかし、俺はまだヤリ足りない。ここは、俺のほうからリサを求めるべきか。

「いいよ、リサ」

 俺の足りない言葉に、リサは首を傾げた。この体に生まれ変わってからいろいろと前世と違うと感じた点はあるけど、一番はこの言葉の足りなさ具合だろうか。俺が清楚系と呼ばれる大きな由縁は、少し言葉数が少ない点にあるのだと思う。どうにもうまく言葉が出ないときがあり、大きな表情の変化も苦手だった。

「いいって、何を?」

 案の定、尋ねてきたリサに俺は言葉を続ける。

「好きなことしてもいいってこと」

 リサの奉仕によって朝からやる気が漲ってしまった。これで終わりにはできない。

 ごくり、とリサが息を呑む。そして、探るように俺の顔を覗き見た。

「……なんでも?」

「うん」

 俺は素直に答えた。リサのような常識人ならば、あまり無茶なことは要求してこないだろう。いや、性欲に負けて家に侵入してしまったようだから、どうなるかわからないか。それでも、何となく大丈夫なような気がした。いずれにせよ、俺にとっては気持ちいいことには変わりないはずだ。

 主導権をリサに委ねた俺に向かって、リサは口を開いた。

 生ハメ種付けプレス。それがリサからの要求だった。一瞬困ったが、自分から提案しておいて生は無理というわけにもいかず、俺はリサの提案を呑んだ。一応これから外へデートしに行く予定のため、汚れないように衣服は全て脱ぎ捨てて裸でベッドイン。

 そして、仰向けになったリサの上に重なり、一つになった。完全勃起した肉棒でリサの膣を穿ち、奥深くまで押し込んで完全結合。その状態でリサの両手と両脚はしっかりと俺に抱き着き、離してくれなかった。

「ふふ、捕まえた。しばらく離さないからね?」

 間近で笑いかけられ、吐息で耳をくすぐられる。リサの整った顔を間近に、俺は蕩けた表情を浮かべてしまう。燐子もそうだけど、高校生とは思えない包容力。リサの体から漂ういい匂いを嗅いでいると、欲望が煽られる。

 俺はゆっくりとリサの中に肉棒を出入りさせた。リサの両脚が抱き着く腰を上げ、一気に押し込む。そうするとリサは興奮しきった顔で、「うわぁ、最っ高……」と呟いていた。リサの心境を前世の価値観でたとえるならば、大人しい清楚系美少女に自ら腰を振らせている、といった感じになるのだろうか。リサはニヤニヤとした笑みを作っていた。

「ほら、頑張れ、頑張れ……」

 リサの囁きが耳に向かって放たれる。その応援の言葉に従って、俺は腰を動かす速度を上げた。

「もっと激しくしてみようか……? できるかな……? できるよね……?」

 身が震える甘い声。俺は抗うことができず、欲望のままに腰を振った。ベッドが軋むほどの激しいプレス。それに合わせてリサの表情がより一層の欲望に塗り替えられていくのがわかり、俺は余計に歯止めが利かなくなった。

「あはっ、すごいよ、勇希……。すっごくエロいよ……!」

 リサのおかげで我慢ができなくなってしまった。俺はガツガツといった勢いで膣内を肉棒で蹂躙する。膣内は肉棒にきつく絡みつき、膣内を動き回る度に蕩けるような熱と快楽が俺を襲った。

「このまま、出してっ、絶対に孕むからっ。逃がさないよ、勇希っ……!」

 リサの抱き着く力が強まり、より一層体が密着する。リサの程よい大きさの胸を胸板で押し潰し、肉棒を根元まで膣内へと沈ませる。子宮口に亀頭を押しつけた後、また腰を上げ、亀頭が膣口から抜けないような位置で止め、また押し込む。

 何十回と、それを行った。室内に響くのはベッドの軋む音と、俺を褒めるリサの声。優しくも厳しい母親から教育を受ける小さい子どもの心境で、俺はリサの大切な場所に亀頭の突きを放ち続け、臨界点に至った。

 びゅぶぶぶぶっ、びゅるるるっ、どびゅーっ、ごびゅーっ、びゅるるーっ。

 リサと限界まで繋がった状態で、種付けの儀式を行う。プレスによって高まった欲望の全てを放出しようと肉棒が脈打ち、金玉に溜まった精液をリサの子宮に注ぎ込んだ。

「んんっ、すごっ、勇希の精液が、アタシの中に……」

 気持ちよさそうなリサ。その顔を見ながら、俺はリサの子宮に精液を吐き出し続ける。燐子のおかげですっかりと中出しが癖になってしまった。妊娠する確率が低いとは言え、ゼロではない。リサが孕んだらどうしよう。でも、気持ちいいからもっとしたい。相反する想いを胸に、出してしまったのだから思う存分楽しもうという結論を下した。

「よしよし……。いい子だね、勇希は……」

 そう言いながらリサの舌が俺の耳へと伸び、舌先で耳の穴を穿られる。ぴちゃぴちゃと唾液の音が鼓膜を震わせ、興奮を覚え、子宮におかわりの子種を解き放った。

「本当、ナンパして正解だったなぁ……。こんな素敵な子が手に入るなんて……」

 リサの声を耳にしながら、俺はしばらくリサに抱き着かれたまま身動きが取れなかった。子宮を満たすだろう大量の精液が溜め込まれた膣内に肉棒で栓をしたまま、狂おしいほどの温もりに身を預けた。



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今井リサと外出デート

 朝からベッドで楽しんだ俺とリサは、しばらくして身を起こした。このまま肉欲を貪っていたい衝動に駆られるが、今日の予定は外でのデートだ。なし崩し的に予定を変更するのは駄目だろう。

「真面目だなぁ、勇希は」

 そこも好きなんだけどね、とリサは言いながら俺の耳に息を吹き掛けた。やはりベッドへ再び身を預けたい気持ちになりかけるが、我慢してベッドから降りた。

 服を着て簡単に身なりを整えて。リサも一緒に着替えていたのだが、何というか視線がいやらしかった。リサのことをチラチラと見ていた俺が言うのもなんだけど、視線に欲望が混ざっていた。

 俺が着替えたのはパーカーと締め付けの少ないチノパンというシンプルな服装。この服装は非常に安心感があり、リラックスできる。お洒落とはほど遠いけど、元の容姿がいいため無理に着飾る必要もなかった。着飾った暁には、街で声をかけられる回数がより一層増えてしまうだろう。

 そんな俺に対して、リサは露出度の多い格好だった。短いズボンからは魅力的な太股がはっきりと見てとれる。少し派手目なデザインのTシャツと緩めたベルトを腰に巻いてある。首からはネックレスを下げ、手にもアクセサリーをつけていた。

 今時の若者、という感想を抱くのは俺の精神年齢が実年齢よりも圧倒的に年上だからだろうか。とにかくリサによく似合っていて、何度見ても可愛いと思えてしまうから美少女というのは本当に素晴らしい存在だと思った。

「どうしたの、そんなに見つめて」

「いや、なんでもない」

「えー、本当にー?」

 リサは意地の悪そうな笑みを浮かべていた。俺がリサに見惚れていたことは、リサにばればれだったようだ。この体は割りと感情表現が苦手なのだが、リサの目には見抜かれているらしい。リサが他人のことをよく見ているということだろう。

「なんでもないって。それより、そろそろ行こう」

 これ以上の追及を避けるため、俺はリサを伴って部屋を出た。戸締まりをし、問題ないことを確認してから玄関から外へと出る。

 もう正午過ぎだから当たり前だが、日は高かった。俺の寝坊とその後の出来事で随分と予定が狂ってしまった。本当は昼食を済ませてから映画を見て、街を巡りながら買い物を楽しむ予定だったのだが、予定を修正する必要がありそうだった。

「映画は今度でもいい?」

「うん、いいよ。勇希と一緒ならなんでも」

 そう言ってリサは俺の手を取り、指を絡ませるようにして手を繋いできた。相変わらず積極的だな、と思いつつ、無事に予定を変更することができて良かった。映画鑑賞は持ち越しにして、今日は少し遅めの昼食と買い物をすることにした。

 正午過ぎとはいえ、今日は日曜日だ。外を出歩くと人の数は多い。目につくのは女ばかり。それに対して男の数は比較的少なく、女の男を見る目に特別な感情が宿っていることが窺える。

 肉食獣に狙われる獲物の気分になるが、今さらだ。この世界ではこれが普通。気にしすぎると身が持たない。女の数に対して男の数が少ないのだから仕方がないことだ。

 時折向けられる視線を受け流し、リサと手を繋いで街を歩く。目的地は決まっている。少し前にインターネット上で口コミを見て、行ってみたい思っていた珈琲店だ。そこへ向かいながらリサと世間話。俺たち二人の主な共通話は、互いの幼馴染みや学校の話だ。

「それで、友希那(ゆきな)がさー」

 リサの言う友希那という人こそ、リサの幼馴染だ。確か、名字は(みなと)だったか。少し前に写真を見せてもらったことがあったが、雰囲気のある美少女だった。あまり他人に感情をさらけ出さない性格なのか、写真に映る気難しそうな表情からクールな少女といった印象を受けた。

 湊さんはどうやら歌が好きなようで、よくライブハウスに赴いているとのことだ。インターネット上で活動している俺よりも本格的。どうやら内気な性格ではないようで、目的のためなら積極的に行動していく人のようだった。

 まだ湊さんと対面したことがないのに、リサによって湊さん情報が蓄積されていく。猫が好きという可愛らしい一面があることも密かに教えてもらったのだが、いいのだろうか。俺も燐子のことをリサに話してしまっているから人のことは言えないが。

 話しながら歩くこと数分。俺たちは商店街へと足を踏み入れ、視線の先に一軒の店を捉えた。

 羽沢(はざわ)珈琲店。口コミで評判のお店だ。珈琲は勿論のこと、ケーキなどのデザートやカレーライスなどの食事も人気だそうだ。口コミによると、カレーには隠し味が使われていて、是非とも一度食べてみて欲しいと書かれていた。

 店の前にはこの時間帯にも関わらずそれなりの行列があった。一人で並ぶときならば悩む長さだけど、今はリサもいるから苦ではない。

「そう言えば、勇希にモカのこと話したっけ?」

 リサといると話に間が空くことがないから助かる。

「モカ? 珈琲の話?」

「いや、違う違う。アタシの後輩なんだけどね。すごくよく食べる子でさー。いろいろなお店を知っているんだけど、この近くにあるパン屋がおすすめみたいだよ? 今度機会があったら行ってみない?」

 パン屋自体に今まであまり行ったことはないけど、おすすめと言われると無性に気になってしまうのはなぜだろうか。

「それじゃあ、また今度行こうか」

 次のデートの際に、胃袋に余裕があるときに顔を出してみよう。簡単に予定を決めつつ、話を続ける。新しい店の情報とは別に、また一人直接会ってもいない少女の知識を得ながら、商店街の至る場所から漂う食べ物のいい匂いに食欲を刺激させられる。今度商店街を散策してみようか。そう考えながらリサとの会話で待ち時間を潰した。

 やがて行列は進み、俺たちの後にまた新しい客が並ぶ。店内から出てくる客の満足そうな顔を何度か見ていると、俺たちの番が回ってきた。

「お待たせしました、お次のお客様どうぞ!」

「あ、はーい。行こう、勇希」

 店員さんに呼ばれ、入店した俺たち。席に案内され、店内を見回す。窓からも中の様子は見えていたけど、落ち着きのあるいい感じの雰囲気だった。店のエプロンをした店員さんは愛嬌のある顔をしたショートヘアの美少女で、こちらに見せてくれた笑顔が非常に眩しい。素朴で柔らかい雰囲気はこの店に合っていて、看板娘と言った印象を受けた。ただのアルバイトである可能性もあるけど。

「ご注文が決まりましたらお呼びください」

 水を注いだコップとメニュー表を置き、店員さんは頭を下げて別の客対応へと向かった。忙しそうだ。しかし、無駄のない動きによって、とても一人とは思えない仕事量をこなしていた。随分と慣れている。やはり、この店の看板娘なのだろうか。

「何見てるの?」

「うわっ」

 突然声がすぐ近くから聞こえ、俺はリサから逸らしていた視線を戻す。すると、テーブルから身を乗り出していたリサの顔が間近にあった。ジト目で見つめられている。俺が店員さんの働く姿を目で追っていたことはばればれだろう。

「いい感じの子だなって思って」

 リサの幼馴染みである湊さんもそうだが、手を出したい子が多すぎる。交際するにはどう行動するのがいいだろうか。たとえば、この店でアルバイトをしてお近づきになり、交遊を深めて美味しく頂くという方法などを考え、期待に胸を膨らませる。

「勇希って、本当にヤリチンだよね」

 少し呆れたように、しかし、どこか嬉しそうでもある顔でリサは言った。テーブルに座り直し、にこにこと微笑みながら俺の方を見ている。何か企んでいるようだった。

「何?」

「そんなに女の子に飢えてるんだったら、今度モカを紹介してあげようか。モカの食欲と勇希の性欲。どっちが勝つのか個人的にも興味あるし。それにモカも美少年で処女卒業したいって言ってたし」

 どうかな? とリサは言いながら目を細めた。あの目は、一緒に楽しむ気満々の目だ。美味しいご馳走を他の者と共有することに快楽を覚える牝の顔。社交的なリサであれば、俺が了承すればたちまち場を整えてしまうだろう。

「返答はまた今度で」

「ん、了解。そのときは、二人でたーっぷり搾り取ってあげるからね?」

 舌を覗かせ、唇を舐めたリサ。その妖艶な仕草に俺は食欲よりも肉欲を覚えそうになり、欲望から目を背けようと慌ててメニュー表を手に取って視線を走らせた。



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今井リサと立ちバック

 メニュー表を一通り見た後、俺は口コミで噂のカレーライスを注文した。リサも同じだ。他にも軽食はあったし、珈琲店なのだから珈琲も頼もうと思ったが、今回は止めておいた。次回以降来たときに飲んでみようと思う。

 しばしの間待っていると、店員さんがやって来た。

「お待たせしました」

 お盆に載せた皿には、盛り付けられたカレーライス。いい匂いが漂ってくる。俺とリサの前に皿を置き、店員さんはお盆を体の前に抱え持ったまま笑いかけてくれる。いい笑顔だ。営業用なのだろうが、心が安らぐようだった。

「ご注文の品は以上でよろしいでしょうか?」

「はい」

「それでは、ごゆっくりどうぞ」

 店員さんはそう言って、また別の客対応へと向かった。本当に忙しそうだ。声をかけてみたかったが、何となく気を使ってしまった。忙しいのに引き留めるのは失礼だろう。

「食べようか、勇希」

「うん、いただきます」

 リサに促され、俺は食事を始めた。

 見た目は至って普通の、いや、少し黒に近い深みのある色合いをしているカレーだった。スプーンで掬い、とろりとしたカレーを口に含む。唾液と溶け、舌に触れる。深く染み渡るような味が口の中に広がった。一口食べて美味しいとわかる味。カレーは手頃に作ることができて簡単だから、普段からよく作って食べている。しかし、自分の作った物よりも上質な味わい深さに、さすがはお店で出すカレーだと思った。

「美味しいね、このカレー」

 リサも美味しそうに口を動かしている。

「うん。なんだろう、この味」

 確か隠し味を使っていると口コミに書かれていたが、おそらくこの豊かで特徴的な味が隠し味によって引き立てられたものなのだろう。だが、すぐにその味に思い至らない。しかし、何かに似ていると認識はしていた。

「これは、珈琲、かな?」

「珈琲?」

 リサの言葉を聞いて、咀嚼する。言われてみれば確かに珈琲に似た味がする。決してカレーの風味を損なうことなく、見事に味が調和している。食欲をそそられ、食事の手が進んだ。

「ご馳走さま」

 気がつけば食べ終わっていて、二人してコップの水を飲む。ほぅ、と息をついて満足感を覚えた。まだ食べたいという欲求もあるけど、昼食としては少し遅い中途半端な時間のためこの辺にしておく。

「いやぁ、美味しかったね。アタシもこんなカレー作ってみたいな」

「リサはよく料理するの?」

「するよ。あとはお菓子作りもね。アタシが結構凝るから、家のキッチンが調理器具で充実しちゃてさ。あ、今度クッキー作ってきてあげるね。口移しで食べさせてあげようか」

「それじゃあ、お願い」

「あははっ、素直だなぁ。了解、じゃあ腕によりを掛けて作ってあげる。楽しみに待っててね。口移しも含めて、ね」

 またリサが目を細めて蠱惑的に笑う。それを見て、ゾクリと背筋が震えるような興奮を覚えた。燐子とはまた違う妖艶さ。身を委ね、甘い快楽に身を沈めたいという気持ちでいっぱいになった。

 食欲を満たされて、性欲が顔を出す。一度明確に抱いたその欲求は容易に振り払えるものではなく、むくむくと胸の内で大きくなった。

「勇希」

 リサに声を掛けられ、視線を合わせる。

 リサは笑っていた。いつもの無邪気な笑顔ではなく、獲物を前にして舌なめずりをする獣のような印象の微笑み。妖しく、獲物である俺の心に絡み付いてくる。

 それは、俺の心を簡単に屈服させた。

 しようか。言葉にせず、リサは口をそう動かしただけだった。だけど耳元で囁かれたようにさえ感じ、俺は素直に頷いた。

 会計を済ませ、店を出る。本当はこの後外を歩きながら近くの店を見て回る予定だった。それなのに、俺とリサは店に目もくれずに歩き進める。向かう先は俺の家。

 食事を外で済ませただけで家に戻ってきた俺は、念のために玄関の鍵を閉めると、その場でリサに襲いかかった。鞄を玄関横の棚に置き、扉に両手を突かせ、向けさせたリサの尻に股間を押しつける。服は脱いでいないため、服越しに盛り上がった股間が当たる形だった。欲望に急かされるあまり、暴走してしまった。

「はいはい、ちょっと待ってね」

 盛る俺をくすくすと笑い、リサはズボンを脱ぎ、ショーツを晒す。軽く桃色がかったそれはリサの綺麗な形をした尻を包んでいる。陰裂の膨らみまで確認できた。本当に、俺を喜ばせるいやらしい形をしている。

「それじゃあ、入れてみようか」

 リサはショーツのクロッチ部分に指を引っ掻け、横にずらす。そして、人差し指と中指で器用に陰裂を開き、綺麗なピンク色の粘膜で俺を誘った。

「いらっしゃい」

 もはや我慢はできず、俺はリサの細い腰を掴み、ズボンのチャックから取り出した肉棒を膣穴に向かった差し込んだ。

「んっ……。ふふっ、おかえり」

 奥まで一気に肉棒を挿入し、リサの膣が俺を歓迎してくれた。根本までしっかりと包み込まれ、きゅうきゅうと締め付けてくる。待ちわびたこの感覚に、俺は興奮を加速させ、腰を激しく動かした。

「はっ……あっ、ホント、可愛いなぁ……」

 扉に両手を突いて俺の顔を見ながら、リサは顔を赤くしていた。子宮口に亀頭を押しつける度に荒い声を漏らしているが、まだまだ余裕がありそうだ。むしろ余裕がないのは俺のほうで、リサによってじわじわと煽られた肉欲の発散を迫られていた。

 柄にもなく焦るように腰を振り、リサの尻に股間を何度も触れ合わせた。根本から亀頭までしっかりと膣に擦りつけ、快感にひたすら耽った。

 結合部からは愛液が溢れ、ぽたぽたと靴脱ぎ場に垂れた。その程度のことは気にならず、むしろもっと掻き回してやろうと尻を振る。強く子宮を突くとそれに合わせて反応を示すリサに乗せられ、俺はこの可愛くも妖艶な彼女を味わい尽くした。

 ペース配分を考えない行為は俺にとって自滅行為であり、まだ余裕そうなリサとは違い、確実に絶頂へと向かいつつあった。このままではまずい。そう思っても、腰は止まらなかった。

 リサはまるでサキュバスだ。男をその気にさせ、最後は美味しく頂く。俺の顔を見たまま、欲望に濡れきった笑みを見せている。

 それを見て確かに欲望が膨れ上がったのに合わせて、リサの膣がさらに締め付けられた。にやりと笑うリサ。偶然ではない。タイミングを狙ったんだ。俺の感情の昂りに合わせて膣を引き締め、そして追撃を放った。

「出しちゃえ」

 吐息を多量に含んだ甘い声。

 その声と同時に、俺は射精した。

 どびゅるるるっ、ぶびゅるっ、ぶびゅーっ、びゅるるーっ、どぷっ、ぶびゅっ、どくっ。

「はい、いらっしゃーい。会いたかったよ、勇希の子どもたち? ママの子宮に集まって、卵を美味しく味わってね?」

 どぷっ、どくっと射精は続く。その間もリサは言葉で攻め、俺の射精量を少しでも高めようとしてきた。射精中の俺はただリサの言葉に翻弄され、子宮を精液漬けにすることしかできない。

「その調子だよ、勇希。孕んでいつか母乳が出るようになったら、たくさん授乳して可愛がってあげるからね? そのためにも、今は種付けよろしく」

 学生時代から父親になることに抵抗があったけど、燐子とリサのせいで生中出しにすっかりと嵌まってしまった。これは、近いうちに妊娠報告があってもおかしくはないだろう。

 父親か。いい加減覚悟はしておいたほうがいい。

 ただ、今は父親としてではなく、リサの恋人として種付けセックスを楽しみたい。最後までしっかりと、リサを俺色に染め上げたい。俺は欲望を滾らせ、射精をしながら腰を前後に揺すった。



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白金燐子のディープフェラ

 社会人だった前世と違って、学生という立場で迎える平日の朝はそれほど苦ではない。単純に肉体年齢が若いということもあるが、それ以上にこの体は精力に満ち溢れているからだ。昨日はリサとたっぷり楽しんだはずなのに、朝になればもう性欲に悩まされるほどに。

「ぐぷっ、んぷっ、ぢゅぶっ、ぐぷぷぅっ、ぢゅぶ、ぢゅぶっ!」

 しかし、その性欲も一時的にではあるが解消される。それもこれも、朝から俺の家にやって来てフェラチオをしてくれる燐子のおかげだ。今日もベッドの傍に膝を突く燐子に肉棒を舐められながら目を覚まし、制服姿のドスケベディープフェラをする燐子と顔を合わせる。

「ずぞぞぞっ、ぢゅるるるっ、ずぢゅーっ、ぢゅずずずずっ」

「おはよう、燐子」

 俺が体を起こして声を掛けると、燐子は頬を窄めて肉棒を根元まで咥えたまま頷いた。誰が見ても清楚な黒髪美少女の燐子のエロい顔は股間に悪く、苛めてやりたいという思いがこみ上げてしまう。

 俺は燐子の頭に手を置き、手前に押しつけるように動かした。

「んぐっ、おっ、ん、ふっ……!」

 少し苦しげではあるが、嬉しそうに俺の陰毛に口元を埋める燐子。本当に燐子は俺の一物が大好きなようだ。

「ごめん、自分で動いていいよ」

 燐子の反応に満足し、俺は燐子の頭から手を離した。すると、燐子は激しく肉棒をしゃぶり始めた。俺の目から視線を逸らさず、口だけを使って俺を気持ちよくしてくれる。燐子の口から何度も現れる唾液塗れの肉棒が震え、俺は軽く身を反らせた。

 そろそろだ。高まっていく欲求に身を任せる。俺の興奮を正確に把握した燐子が肉棒への吸いつきを強めたことで、快感が一気に跳ね上がった。

「ぢゅぷっ、ぐぢゅぶっ、ぢゅぶぶっ、ぢゅーっ、ぢゅーっ!」

 燐子の深く、長い吸引は俺に抗いきれない興奮を与えた。根元から食われてしまいそうなフェラを受け、俺は体を震わせ、股間の奥からこみ上げてきた熱い猛りを燐子の口内にぶち撒けた。

 びゅるるるっ、どびゅびゅびゅっ、どびゅるるっ、びゅるーっ、どびゅーっ、びゅくっ、どぷっ、どくっ。

「んっ! んっ、くっ、んんっ、ごくっ、ごくっ、ごくっ……!」

 射精中も燐子は俺から目を離さない。喉を鳴らし、見つめる相手の精液を飲む。表情を緩ませる燐子はやはり非常にいやらしく、俺の精液をしっかりと最後まで搾り取ってくれた。朝からこれほど気持ちよくなれる幸福を噛み締め、しばらく俺は燐子の口内に肉棒を預けた。

 やがて満足感を抱き、俺は燐子の頭を軽く撫でた。これは合図だ。

「んっ、ちゅぷっ、ぬちゅちゅっ、ぷはっ……」

 俺に頭を撫でられた燐子は、ゆっくりと肉棒を口内から解放していく。精液が零れないように少しずつ肉棒を絞り上げられていき、唾液や精液で濡れた肉棒が少しずつ姿を見せていった。

「ぷちゅっ……」

 燐子は最後に亀頭に吸いつくような口づけをすると、亀頭を口から放した。

「あー……」

 精液に濡れ、びくびくと震える肉棒の近くで、燐子は口を開いた。口の中には、肉棒から絞り出した朝一番の精液がたっぷりと溜まっている。時折動く舌によって精液は掬い上げられ、精液のねっとりとした粘着性を見せつけられた。

 燐子の両手の指が俺の睾丸を揉む。ここに蓄えられていた精子は今、口の中にある。燐子からそう言われているように感じて興奮を覚え、燐子の眼前で肉棒が硬くなっていった。この子は本当に、どうしようもなくエロい子だ。

 臨戦態勢を整えつつある肉棒。燐子はそれを優しく扱きながら、俺の見ている前で精液を飲み始めた。淫らに微笑み、喉を鳴らす度に燐子の喉の奥へと精液が消えていく。

 燐子が精液を飲み干した時には、肉棒は期待に膨らんでしまった。いつもこうだ。性欲処理をしてもらっても、途中過程で興奮を覚え、次の性行為に備えてしまう。休みの日ならば構わないが、さすがに学校のある平日の朝には時間がない。

「もう終わり」

 肉棒に頬擦りしていた燐子は、見るからに悲しそうな表情をした。まるでご馳走を見せるだけ見せられて没収された小犬のようだ。もっとも、その本質は小犬というよりは飢えた猛犬と呼ぶのが適切なのだろうが。

 亀頭の裏筋や睾丸を舐めて求愛する燐子を見て、仕方ないと思って俺は手を動かした。

 燐子には触らせず、自分の手で肉棒を扱く。自慰だ。自慰ネタは、即座に目を閉じて開いた口から舌を軽く伸ばした燐子の顔。

 いつでも受け止められる、といった様子で燐子は顔の前に両手で器を作っていた。俺はそんな燐子を精液便所に使おうと、扱く速度を上げ、燐子の顔を見て欲望を募らせ、二回目の精液を放った。

 どびゅっーっ、びゅーっ、びゅるるっ、どぷっ、どぷっ、どくっ、どくっ。

 尿道口から飛び出した白濁液が燐子の顔に着弾する。位置が少しずれてしまったため、修正しながら射精を続ける。精液は燐子の顔に続いて口も汚し、時間を置かずに燐子の口内をまた白濁の海に変えた。

「あ、むっ、ん、くっ、ごくっ、こくっ……」

 待望の精液をよく味わい、食べていく燐子。顔に付着した精液を人差し指の腹で拭い、口に含んで飲み干していく。自身の指を肉棒に見立てて指フェラをし始め、指についた精液を即座に胃へと流し込む様を見せられ、俺は改めて思った。

 燐子って、精液が主食なんじゃないだろうか。

 今度、燐子にサキュバスのコスプレをしてもらおうか、俺は本気で悩んでしまった。

 結局二回射精をし、俺はようやく朝の準備に取り掛かった。顔を洗い、着替えを済ませて食卓へ。朝食は焼いたパンと目玉焼きという簡単なものだ。妙に活き活きとした様子の燐子を前にして食事を進める。

「燐子、朝ご飯は?」

「いつも通り、食べてきたよ……。それに、精液もたっぷりご馳走になったし……」

 やはりこの子はサキュバスなんじゃないだろうか。

 くだらないことを考えながら、パンに目玉焼きを乗せて咀嚼した。こんがり焼け目のついたサクサクとした触感と、ふんわりと柔らかい目玉焼きを同時に味わう。下手にアレンジをするよりもこうしたシンプルな組み合わせが舌に合っている。

 夢中になって食べる俺を、燐子は楽しげに見ていた。燐子は朝食を済ませているから何も食べる必要はないのだが、ただ席に座って見つめられても困る。まぁ、可愛いから視界に入って悪い気は全くしないのだが。

「美少年って、何をしても絵になるよね……」

 燐子が何かを呟いていたが、よく聞こえなかった。

 朝食と朝の準備を済ませ、俺達は一緒に家に出た。

 朝は燐子と登校している。通っている学校が違うため、途中からは別々だ。

「それじゃあ、行ってくる」

「うん、行ってらっしゃい……」

 話しているとすぐに分かれ道に差し掛かり、俺は手を挙げて燐子に別れを告げた。告げても、燐子は俺の姿が見えなくなるまではその場に立ち尽くして手を振って来るため、別れるまでもう少し時間が掛かる。

 住宅街の突き当りを曲がり、通学路へと入る。

 ここからは一人で通学だ。学校の友人の姿を見かけたら一緒に学校に向かうが大体は一人。鞄から音楽プレーヤーを取り出し、イヤホンを耳に嵌めて曲を流す。家にいても燐子がいて、休みの日は燐子か別の誰かと遊んでいるから一人の時間は貴重だ。登下校時と歌の練習をするときくらいだろうか。

 流れた曲は前世にはないものだ。歌っている男性歌手も前世にはいなかった。力強く感情を込めた歌い方が耳に心地いい。どこか切ない歌詞が、視界に映る曇った空と合っていた。どんよりとした天気だが、聞く歌によってはそれすらもいい光景と思えさせてくれるから不思議だ。

 歩調をゆっくりとしたテンポに合わせ、上機嫌に歩き進む。

 普段ならば、そうしているうちに何事もなく学校へ着いてしまうのだが、今日は少し違った。

 音楽とは別に、背後から足音が聞こえる。通学路なのだから他に人がいるのは普通だが、足音の間隔が妙だ。普通に歩いているわけではなく、まるで誰かを追いかけるかのように乱れている。数歩走って止まり、また時間を置いて地を蹴る音が聞こえる。現世の体は非常に耳が良い。

 自然さを装って足を止めてみると、背後で足音が止んだ。

 歩き出すと、また足音が聞こえてきた。

 まさかと思うが、尾行されているのは俺なのだろうか。ストーカーされた経験はなく、現実感を得られなかったせいか不思議と冷静だった。この体だからストーカーされてもおかしくはないと昔から思っていたが、意外とそう言ったことには見舞われず、比較的平穏に生きて来られた。そう言った加護というか悪い人に目を付けられないといった運の良さについても、この体は優れているのかもしれないと思っていた。

 しかし、やはりストーカーは現れるようだ。

 どうしようか。少し考えて、とりあえず相手の姿だけでも確認しようと思った。

 確認方法は簡単。

 俺は相手の足音が止まり、聞こえた始めた瞬間に振り向いた。

「うわわっ……!」

 動き始めたばかりの相手は俺の急な行動に対応できず、一瞬だけ姿を見せ、慌てて近くにある民家の塀に体を隠した。完全に姿が見えなくなってしまったが、一瞬だけでも十分に相手の姿を目に焼きつけることができた。

 俺は再び前を向いて足を進めながら、首を傾げた。

 俺を尾行していると思しき相手は、中学生くらいの少女だった。毛先がくるりと巻かれた髪をツインテールにした髪型と、驚きに目を見開いた幼い顔。隠れるときの行動が小動物のようだった。

 そして、着ている黒いブレザーの制服に見覚えがあった。あれは確か、俺が通う羽丘(はねおか)男子学園の近くにある羽丘女子学園中等部の制服。それを着ているということは中学生で間違いないということだ。

 女子中学生のストーカー。ストーカーと言えば大人だとばかり思っていたが、例外もいるようだ。前世で言えば、女子高生をストーカーする男子中学生という構図と同じになるわけだが、それほど犯罪臭はしなかった。むしろ、青春を感じた。

 少し泳がせてみるか。相手の目的は当然わからないため、少しだけ様子を見ることにした。



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下校とストーカー

「ストーカー?」

 友人である若林(わかばやし)が漏らした疑問の声に、俺は首を縦に振った。

 今は午前の授業を終えた後の昼休み。同じ二年A組であり、仲も良い俺達はよく昼食を共にしている。教室内で席が隣同士であるため、互いの席を正面に向かい合わせて食事をしていた。教室内には俺達のように仲の良い友人同士で食事を共にしており、室内に談笑する声が響いている。

 昼食時には、日常の話題が雑談の候補として挙がることが多い。そのため、今朝俺が体験したことは話の種にちょうどいいと思ったのだが、若林の反応は俺が想像していたよりも少し真剣味を帯びていた。

「やばくない?」

「そう? 相手は女子中学生だけど」

 購買で買ったチョココロネを食べながら俺が言うと、若林は首を傾けた。

「中学生。そうか、中学生か……。セーフなのか?」

「さぁ」

「さぁって、自分のことだろ……」

 呆れたようにため息をつく若林。確かに俺は自分でも危機意識が乏しいという自覚はあるが、ため息を吐かれるほどだろうか。燐子からは外出時の送り迎えをしたいと言われて断りはしたが、一応何かあったときのことを想定して一人で行動する範囲は考えてはいる。

 チョココロネを頬張りつつ、俺はストーカーの少女のことを考えた。

 様子見をすることにはしたが、行動がエスカレートするようならば対策も講じなくてならないだろう。しかし、どう対処すべきだろうか。こちらから接近して事情を聞くことで問題が解決すればそれでもいいのだが。

「それで、まだ女漁りしてるのか?」

 若林に聞かれ、隠すことでもないため俺は頷いておいた。

「本当に変わってるよな、岩戸って」

 またも呆れたような表情を浮かべ、若林は中断していた食事を再開した。弁当箱に詰まったおかずを箸で摘まみ、口へと運ぶ。大振りのからあげで、見ているこちらも食欲を覚える。たまには揚げ物もいいかもしれない。作るのは面倒ではあるけど。

 その後、他愛もない話題で会話をしつつ昼食を続けた。

 話していると昼休みはあっという間に過ぎ去った。

 羽丘男子学園はその名の通りに男子校であるため、話す相手は男しかいない。教師も男だ。前世では共学の学校に通っていて男子校には馴染めないかと思ったが、意外に過ごしやすい。男の数が少ないため、クラスも一つの学年に三クラスしかなく、同学年の殆どと知り合いだという状況が関係しているのかもしれない。

 しかし、共学もまたいいと思っている。この世界では共学は殆どなく、地方などで通学の関係上やむを得ず共学を許容しているといった場合が大半だ。それほど、男と女を同じ閉鎖的な空間に放り込むことの危険性があるということに他ならない。

 いっそのこと全て共学にすれば、恋人がたくさん増えるのではないだろうか。俺のような前世の価値観を持った者や飢えた女はそう思っているのだろうが、一般的な男としての立場を尊重した結果がこれだ。男子校と女子高で、明確に棲み分けを行っている。

 昼休みの後、午後の授業が始まって早々に、俺は左手にある窓の外を見た。

 曇り空の下に映る学園内の景色。豪華な施設が立ち並ぶ広い敷地内を囲うのは高い柵だ。柵の天辺は鋭く尖っていて、部外者が校内へと容易に侵入できないようになっている。その上、女性警備員による手厚い警備が行われている。

 世間ではこれだけ男を大切に扱っているということを考えると、やはり俺の危機意識は低いのかもしれない。

 前世で学んだ学習範囲を耳に入れながら、外の景色を見たりこっそりと楽譜を見たりして自由に過ごす。授業中は退屈だ。前世では割と勉学に励んでいたこともあって、高校で学ぶ内容など完全網羅している。今さら集中して授業を受けるほどでもなく、殆どの時間は主に音楽関連のことを考えている。楽譜を見て、歌う際の注意点やどういう気持ちを込めるべきかなどに思考を費やしていると、授業時間も短く感じられる。

「お前はどうしてそれで成績がいいんだよ……」

 抜き打ちの小テストであっても俺には問題はなく、自己採点は満点だった。俺よりも比較的しっかりと授業を受けている若林は不満そうだ。そこはまぁ、生きている時間が違うためだから仕方がない。逆にそこまで真面目でもない若林にテストの点数で負けるなんてことがあれば恥ずかしい。

 何だか突然やる気を出し始めた若林を他所に、俺は午後の授業を全て自分の趣味に使った。自由に生きることの大切さを今、俺は噛み締めている。空は相変わらず曇っているけど、俺の心は晴れやかだ。

「お前、今日ちゃんと授業受けてたか?」

「居眠りせずに席には座っていた。別のこと考えていたけど」

「それは授業を受けていたとは言わねぇよ……」

 またしてもため息。何か俺が悪いみたいに感じる。だが、俺は悪くない。誰だって、前世の知識があればそれを活用するだろう。俺は当たり前のことをしているだけだ。

 今日も有意義な時間を過ごせた。おかげでまた一曲、歌の配信を行える。

「それじゃあ、また明日」

 帰りのホームルームが終わり、そう言って通学鞄を肩にかけた若林に返事をする。教室を出て早々に帰宅し始めた若林を見送った後、俺も帰り支度を済ませて教室を後にした。

 一人での下校。俺を狙う者からすれば絶好の機会だろう。曇り空は少し解消し、茜色に染まる通学路をゆっくりとした歩調で進む。

 すると、背後から近づく者の足跡が聞こえた。今朝と同じだ。近くの壁に隠れて、俺にばれないようにしながら一定の距離感を保っている。必要以上に近づいてくることはなく、俺は背後にいるだろう少女に観察され続けた。

 学校帰りに立ち寄ったスーパーマーケットで食材を購入しているときも、少女の監視の目は緩まない。段々と慣れてきたのか、さり気なさを装って俺との距離を近づけるときはあったが、話しかけてくることはない。

 本当に何が目的なのだろう。俺の日常生活を把握して、何かを仕出かす準備を整えているのだろうか。それとも単純に照れ屋なだけで、俺に話しかけるきっかけを掴めずにいるだけなのか。

 気にはなるが、接触はまだ早い。俺は気がついていない振りを続け、そろそろ家に着こうという距離までやって来た。

 そんなときだ。後ろから声が聞こえてきた。

「ごめんね、あこちゃん……」

「え……」

 よく知った声が耳に届き、俺は足を止めて後方を振り向いた。

 そこで見た光景に、俺は一瞬だけ思考が停止した。

 ストーカーである少女の口元を押さえ、背後から少女を抱き締めるようにして立つ幼馴染。燐子の姿がそこにはあった。少し昏い目をして微笑む燐子に抱き締められる少女はなぜか意識を失っている。

 よく見ると、燐子の手にはハンカチが握られており、それを少女の口に押し当てているのだとわかった。

 あのハンカチはいったい何なのか。そして、少女はなぜ意識を失っているのか。止まっていた思考が回り始めたとき、燐子の視線が俺の方へと向いた。

「勇希君、気をつけないと駄目だよ……」

「あ、あぁ、ごめん……」

「相手があこちゃんだったから良かったものの、大人だったら大変だよ……? やっぱり、毎日送り迎えしてあげたほうがいいよね……?」

「いや、それはちょっと……」

 燐子の通う学校は花咲川(はなさきがわ)女子学園で、俺が通う学校とは距離がある。何か特別な用事があれば別だが、何もない平常時に毎日送り迎えを同世代の女にしてもらう気にはなれない。

「送り迎えしたほうがいいよね……」

「えっと……」

「したほうがいいよね……?」

「だから、その……」

「させて?」

「あっ、はい」

 短く強い言葉で告げられ、俺は押し切られてしまった。

「ふふっ……。それじゃあ、行こうか」

 燐子は楽しそうに言って、気絶させたストーカーの少女を抱き締めなおした。

 ストーカーの少女は、燐子からは『あこ』と呼ばれていた。その名前に少し覚えがあることに気がつき、俺が記憶を探っているうちに、燐子はあこを抱いたまま歩いて来ていた。

「勇希君にお願いがあるの……」

「お願い?」

 知り合いがストーカーをしていたことを知ったためなのか、今日の燐子は少し雰囲気が違っていた。妖しい色気すら感じさせる微笑み。悪巧みをしているとも取れる笑顔で、燐子は俺へとこう告げた。

「あこちゃんを、勇希君のおチンポで堕としてあげて……?」

 幼馴染からの提案に、俺は息を呑んだ。



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宇田川あこと乱暴種付けプレス

 宇田川(うだがわ)あこ。羽丘女子学園中等部三年。燐子の友人で、燐子が前々から遊んでいるネットゲーム仲間らしい。休みの日はもっぱら、俺を除けば宇田川さんと遊ぶことが多く、歳の差はあるが親友とも呼べる存在とのことだ。

 それで、燐子からそう紹介された宇田川さん本人はと言うと、

「ん……」

 俺のベッドで眠っていた。しかも、宇田川さんは今、服を着ていない。着ていた制服や下着は脱がされ、綺麗に畳まれて学習机の椅子に置かれている。唯一身に着けているものは黒いソックスだけだ。

 中学生のあられもない肢体が、ベッド傍で見下ろす俺の目に映る。慎ましい胸に咲く桜色の小さな乳輪。腰も細く、尻も小振りで全体的に華奢な体だ。軽く巻いた髪でツインテールにした髪型とあどけない寝顔を見ていると年齢以上に幼く見えた。

「勇希君、準備いいよ……?」

 声に釣られ、俺は視線を下げて自分の体を見た。

 宇田川さんと同じく、俺も服を着ていない。股間では勃起した肉棒が存在感を主張し、一人制服姿のまま床に跪いて肉棒を舐める燐子の奉仕を受けている。それによって肉棒は完全に準備を整えてしまい、抗えない欲望を抱いてしまっている。何らかの形で発散せざるを得ない状況に置かれていた。

 やがて、肉棒の表面をなぞっていた燐子の舌が離れる。やはり最後まで処理してくれるわけではないようだ。立ち上がって俺の下から離れると、ベッドへ上がって宇田川さんの傍へと近づく。

 眠り続けている宇田川さん。眠らせたのは燐子なのだが、いったい宇田川さんに何をしたのか。宇田川さんを眠らせた際に使ったハンカチは何なのか、聞きたいことはあったが聞かないことにした。世の中、知らないままでいたほうがよいこともある。

「ほら、見て……?」

 宇田川さんの股を開き、その中心に指を伸ばす燐子。言われた通りに見てみると、燐子の指は宇田川さんのぴったりと閉じた陰裂を開いており、隠れていた陰部が丸見えになっていた。まだ男を知らない未成熟な性器。綺麗なピンク色に染まるそこには、膣口の小さな穴があった。

 その穴からは、とろとろと愛液が流れ出ている。

 これも、燐子による準備のおかげだった。宇田川さんの膣は十分に解され、もう男を受け入れる態勢を整えている。今すぐにでも挿入できるだろう。

 ただ、繋がる相手はまだ昏睡状態にある。今までは同意の上で相手と交わってきたため、罪悪感を覚える。これは昏睡レイプではないだろうか。

 俺が悩んで立ち尽くしていると、燐子が再び俺へと近づいてきた。背後から抱擁し、背中に豊かな膨らみを押しつけてくる。そうして俺の耳元に囁くように言葉を放った。

「勇希君、大丈夫だよ……」

 燐子の手は、俺の肉棒へと伸び、それを握った。

「あこちゃんを堕としてあげて……? 勇希君だったら、できるから……」

 燐子の手で扱かれる肉棒。甘い囁きで脳を犯され、欲望が膨らむ。正常な思考ができなくなる。何だろう。今日はやけに頭がぼんやりとしていた。家に帰ってから、燐子に進められるままに飲み物を呑んだ頃からだった。ただの水とも違う、妙に甘いあの味が口の中に残っていた。

 あれは、どういう飲み物だったのだろう。

 気がつくと、俺はベッドに上がっていて、宇田川さんの股の間で膝立ちになっていた。

 怒張する肉棒。それは宇田川さんの陰部に突きつけられている。改めて見ると、宇田川さんの女性器と俺の巨根は不釣り合いに見えた。犯罪臭しかしない。眠っているロリっ娘に肉棒を近づけ、犯す。その行為は果たして正しいのだろうか。

「ゆっくりでいいよ……。まずはおチンポを近づけて……」

 宇田川さんに膝枕をしながら、陰裂を両手の指で開く燐子に誘導される。大きい亀頭が膣口に近づき、触れる。亀頭と膣口でキスをすると、宇田川さんの熱が感じ取れた。

 熱い。そして、吸いつくようだった。

「腰を前にゆっくりと突き出して……」

 言葉通りに行動し、亀頭が膣口に密着していく。濡れていた小さな穴は丸々とした亀頭の進行を受けて穴を広げていく。じっくりと確実に、穴は俺の亀頭へと馴染み、俺の肉棒を迎え入れようとしていた。

 亀頭が飲み込まれて、宇田川さんとの繋がる面積を広げていく。

 俺達は、一つになろうとしていた。

「もう少しで、勇希君の物になれるよ、あこちゃん……」

 眠る親友へ嬉しそうに声をかける燐子。

 どうしてこうなったのだろうか。ストーカーしていた宇田川さんを泳がせ、頃合いを見計らって問いただす予定だった。しかし、この短期間でストーカーである宇田川さんの存在に気がつき、仕留めた燐子。幼馴染の手際の良さと特殊な技術に驚くとともに、小さい頃に俺の後をついて回っていた頃の純粋だった燐子が懐かしくなる。

 昔を懐かしむのは後にしよう。状況は理解できていないが、俺の股間は限界だった。

 宇田川さんとの接触面積が増えていき、遂に亀頭が膣に侵入した。狭い膣は亀頭を強く引き締め、愛液で揺らしてくる。今まで繋がったどの女よりも熱かった。その熱に欲望は熱せられ、俺は燐子に言われる前に肉棒を深く挿入させた。

 その途中で、軽い抵抗感を覚えた。しかしそれは俺の亀頭で容易く踏破され、肉棒は問題なく進行を続けた。

 今の感触は、間違いなくあれだろう。

 俺は、遅れて膣内から垂れてきた少量の血液を見て、宇田川さんの処女を奪ったことを悟る。しかも、生挿入だ。どうして俺は生で挿入することを躊躇わなかったのだろうかという疑問が、今さら募って来る。だが、もう入れてしまったからどうでもいい。

 宇田川さんは、眠っている間に俺に処女を奪われて何と思うのだろうか。

 まだ起きない小さな美少女の反応を想像しながら、俺は奥深くまで肉棒を突き出した。

 俺の肉棒は宇田川さんの中学生マンコを制圧した。小柄故に強い締めつけが俺を襲う。根元から持っていかれそうなほど強烈で、しかし、解されているために痛いわけではない。あくまで快楽という名の範疇で、肉棒に強い刺激を与えてくれていた。

「処女卒業、おめでとう……」

 親友が大人になったことを喜ぶ燐子。

 そのときだった。果たしてこのタイミングは偶然か、燐子の狙い通りなのか。どちらなのかはわからないが、「うぅっ……」と声を漏らした宇田川さんの目蓋が震え、大きな眼がゆっくりと開いていく。

 最初は、ぼんやりとしていた宇田川さんだったが、徐々に意識が覚醒していったようだ。表情には驚きの感情が広がった。

「え、りんりん……? それと、えっ、な、なんで……?」

 裸の自分。それと、燐子と俺の姿を交互に見つめる。

 そんな宇田川さんに対し、燐子は優しく微笑みかけていた。

「おはよう、あこちゃん……」

 膝枕をしながら宇田川さんの頭を撫でる燐子。裸ということを除けば、まだ常識的な光景だったかもしれない。だが、視線を下半身に移動すると、宇田川さんと俺が繋がる光景が目に映る。

 俺が軽く身を震わせれば、その振動は宇田川さんの中に伝わる。それを宇田川さんが感じ取れないわけがなく、俺と性器同士で繋がっていることに気がつくのに、時間はそれほど掛からなかった。

「えぇ!? どうして、りんりんを騙す悪い人が……!?」

 幼いながらも肉棒をしっかりと咥え込む自分の体を見て、宇田川さんはさらに強く動揺した。

 当然の結果だろう。寝ている間に犯されていれば誰だって驚く。

 それにしても、りんりんを騙す悪い人という言葉が気になる。りんりんというのは、燐子の愛称のことだろう。燐子を騙す悪い人というのは俺のことに違いない。だが、騙すとは何のことだろうか。燐子を騙した覚えなどなく、俺は首を傾げた。

 事情はよくわからないが、今は考えている余裕はなかった。

 早く宇田川さんを犯したい。この身に滾る異常な欲望を発散するために、俺は動き出した。

 膣奥に留まっていた肉棒を、膣口まで引き抜く。カリ首で膣壁を引っ掻きながら、乱暴に動かした。

「ひぃっ!?」

 宇田川さんは悲鳴を上げた。体の内側で暴れる肉棒のせいだ。まともな声を出せないようで、悲鳴の後は口をぱくぱくと開閉させていた。妙に感度がいい。今日の俺もそうだが、何かがおかしい気がする。

 まぁ、いいか。それよりも、もっと気持ちよくなりたい。

「ふふっ……」

 俺と宇田川さんの様子を見て、燐子が笑っていた。それを目の端に捉えつつ、俺は宇田川さんの中で暴れまわった。

 肉棒を押し込み、膣口まで取り出す。その単純な動作を、荒々しい動作で行う。宇田川さんが逃げられないように太股を掴み、腰を動かして股間を宇田川さんの股の中心に押しつけるのだ。抜くときも、奥を突くときも並々ならぬ快感が全身に行き渡る。

 俺は夢中になって宇田川さんと交わった。

「あぅっ、あっ、り、りんりん……! た、助け、て……! あひぃっ!?」

 幼い膣を巨根で蹂躙し、子宮口に亀頭を宛がう。

「大丈夫だよ……。すぐ、勇希君の虜になれるから……」

「やだやだ! あこは、りんりんを助けたかったのにっ……! ん、あっ!?」

 あぁ、本当に狭い。精液が搾り取られそうだ。

「だから、それはあこちゃんの勘違いなの……。私は勇希君に騙されてなんかいないよ……? あこちゃんよりもずっと昔から一緒にいるし、私は昔から、勇希君と勇希君のおチンポに夢中なの……」

 宇田川さんと燐子が先ほどから何かを話しているが、正確にその内容を理解できなかった。俺の意識がセックスをすることだけに集中し、腰が止まらない。普段燐子とするよりも暴力的な肉棒の出し入れを繰り返しているうちに、俺は射精を予期した。

 肉棒が膨らむ。ただでさえ狭かった膣内がさらに狭く感じられ、俺は快感を味わった。

「あこちゃんにも、勇希君の凄さがわかるよ……」

「り、りんり――」

 助けを求めるように、宇田川さんが声を上げたときだ。

 熱い欲望の塊が肉棒の根元から登っていく。それに伴って生じた快楽に俺はぶるりと体を震わせながら、何の躊躇もなく子宮に肉棒を押し当て、女子中学生の大切な場所へと遺伝子を撒き散らした。

 どびゅるるるっ、ぶびゅぶぶぶっ、びゅるるるるっ、びゅぶっ、どびゅっ、どぷっ。

「あ、あぁ、出てる、これ、精液!? こんなに、いっぱい、びちゃびちゃって……」

 俺の精液を浴びて驚く宇田川さん。その表情が、蕩けたのを俺は見逃さなかった。

「勇希君の精液、濃くてとっても気持ちいいよね……? でも、まだまだこれで終わらないから……。それに、今日は増強剤の効果もあるし、あこちゃんの赤ちゃん部屋が精液でたぷんたぷんになるかもね……」

 一回出したことで、燐子の声が少しだけ聞こえてきた。ただ、内容はまだ理解できるほどではない。強い肉欲が正常な思考を奪っている。それは宇田川さんも同じで、半開きにした口の端からとろりと涎を垂らしていた。

 一回目の射精を存分に行い、宇田川さんの子宮にたっぷりと濃厚精液を置いてきた。

 しかし、肉棒はまだ萎えていない。であれば、これで終わりにするわけがない。

 俺は宇田川さんの小柄な体に覆い被さり、種付けプレスを行った。相手の唇を無理矢理奪い、舌と舌を絡ませながら腰を上下に振る。膣内を犯される度に宇田川さんが震え、表情には明確な快楽が浮かぶのがわかった。

 良かった。宇田川さんも気持ちよくなってくれているみたいだ。それなら、もっと激しくしてもいいかもしれない。俺は宇田川さんの体を強く抱き締め、もはや一切の手加減もなく犯した。

 いつの間にか燐子がいなくなった部屋で、俺は宇田川さんに何度も種付けした。女子中学生の体を自由に使う罪悪感。それ以上の背徳感に肉棒の勃起は収まらず、何百回も腰を振って、十数回も射精した。

 宇田川さんのお腹は、俺の精液で軽く膨らんでいた。宇田川さんのマンコが小さくて、俺の肉棒で栓をしているためだ。子宮にたっぷりと含まれている子種を想像し、俺は宇田川さんと舌先を触れ合わせながらニヤリと笑った。

 今日は何だか体が絶好調だ。宇田川さんの腹をもっと膨らませてあげられるかもしれない。

「んっ、ちゅっ、あっ、す、すごいっ……んっ、ちゅっ、れろぉっ」

 俺は、すっかりと雌の顔になった宇田川さんの積極的な口づけを受け入れながら、膣内に肉棒を擦り合わせた。宇田川さんの口から漏れ出る可愛い喘ぎ声を楽しみつつ、何もかもを忘れて宇田川さんとのセックスに時間を費やした。



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あこと燐子とローションプレイ

 宇田川さん、いや、あこと交わって数時間が経過した。俺達は一つのベッドで愛を育み、性交渉に及んだ。その結果、あこのことを少しだけ知ることができた。

 あこは俺のことを、親友である燐子を騙す悪い奴だと思っていたようだ。街中で偶然燐子を見掛けたときに、横にいた俺が燐子の尻に手を伸ばして服の上から揉みほぐす瞬間を目撃したらしい。そう言えば、そんなことをした覚えがある。確か、燐子に誘惑されて興奮を抑えきれずに手を出した。そのままその日は家に帰って、燐子を徹底的に犯したはずだ。

 翌日、キスマークを体中につけた燐子を見て、あこは俺に対しての不信感を強めたのだという。あこにとっての燐子は、穢れなき漆黒の天使、とのことで、燐子と淫らな行為がどうしても紐づかず、俺が燐子を無理矢理言いなりにさせているのではないかと疑ったようだ。

 穢れなき漆黒の天使って、何だ。

 たまにあこの口から漏れる中二病的な言葉遣いを受けて変わった子だなと感じながら、俺はベッドに乗せていた腰を突き上げた。

「あっ……!」

 膣奥まで一気に肉棒を押し込み、亀頭で子宮を突く。するとあこは幼い顔に淫らな笑みを浮かべ、体を震わせた。俺と指を絡ませて繋いだあこの両手から震えが伝わってくる。また達したのだろう。俺はあこの両手を握り返し、股間に跨るあこの小柄な体を腰ごと持ち上げた。

 あこの腹は俺の精液を貯め込んで膨らんでいる。擬似ボテ腹セックスだ。まだ孕むには成熟しきっていないあこを孕ませたかのような光景は背徳的な興奮を煽る。狭い膣で熱い抱擁を受け続ける肉棒が脈動し、新鮮な精液を子宮に提供した。

 どびゅっ、びゅるるっ、ぶびゅっ、どくっ、どくっ、どぷっ、どくんっ。

「くっくっくっ、我が血族の聖域に生命の息吹が、えーと」

「……吹き荒れる?」

「そう! さすがゆうゆう!」

 誰がゆうゆうだ。いつの間にかあだ名をつけられていたことに突っ込みを入れたくなるが、やめておいた。これがあこにとっての他人との距離の詰め方なのだろう。すっかり俺に気を許している証でもあるため、普通に名前で呼ばせるようなことをするのは無粋だろう。

 俺はあこと交わりつつ、親睦を深める。

 あこはやはり中二病を患った少女らしい。時折格好いい言葉を連ねようとする傾向にある。しかし、言葉選びに迷うことがあるようで、そうしたときに自分なりの助言をして手助けすると喜ばれる。

 俺もあこのことを気に入っていた。今まで付き合ってきた女の中では一番幼く、付き合ったことのない性格だった。小柄な体で一生懸命腰を振り、俺の子種を搾り取ろうとする姿もまた愛らしい。

 燐子と波長が合うように、俺とも波長が合ったらしい。

 あこはすっかり俺の虜だ。ストーカー騒動があっという間に終幕を迎え、このような結末が待っているとは思わなかった。これも早期終息の功労者である燐子のおかげだ。あこを捕獲するときの手際などは突っ込みどころ満載だが、たぶん聞いても答えてはくれないだろう。

 そう言えば、燐子はどこに行ったのだろうか。

 俺はボテ腹を揺らして俺の上で踊るあこと手を繋ぎつつ、部屋の中を見回した。

 部屋には俺達二人だけ。俺とあこを引き合わせた燐子の姿はない。

 別の部屋にいるのか?

 俺がそう思ってあことのセックスに再び意識を向けたときだ。

 部屋の扉が開き、燐子が現れた。何やらすごく嬉しそうだ。俺とあこを見つめながら歩み寄ってくると、あこに声を掛けた。

「あこちゃん、気持ち良さそう……」

「あっ、りんりん! うんっ、ゆうゆうとエッチなことすると凄く気持ちいいよっ!」

「そう、良かった……。これで、あこちゃんも勇希君の物になれたね……」

 そう言ってあこに微笑み掛けた後、燐子は俺のほうを向いた。

「勇希君、ちょっといい……?」

「なに?」

「今日、あこちゃんと私を家に泊めてもらえないかな……?」

 燐子からの急な依頼に俺は少しだけ思考を巡らせたが、特には問題ない。燐子は俺の家によく泊ることがあるし、他の女を家に泊めたことも当然ある。泊まる上で必要な物は用意してある。

「あこは家に帰らなくてもいいのか?」

「あこちゃんのご両親にはもう許可を取ってあるから……」

「それなら、俺は別にいいけど」

「勇希君、ありがとう……」

 燐子は俺に礼を言うと、腰を振っていたあこの耳元に顔を近づけた。その状態でぼそぼそと何かを呟き、それを聞いたあこの目が輝いた。何だろうか。燐子とあこの二人が俺を見つめ、ごくりと息を呑むのがわかった。

 そのとき俺は、二匹の肉食動物を前にした草食動物の気分を味わった。

 

 熱気に満ちた空間。浴槽に張られた湯から湯気が立ち上ぼる。その光景を仰向けになって見つめていた俺は、俺を見下ろして微笑む二人の少女に目を向けた。

 燐子とあこ。二人の全裸の美少女は今、浴室の床で正座をして向かい合うような形で座っている。両手には透明な液体の詰まった小瓶を手にしていて、何やらわくわくとした様子だった。

「何するつもり?」

 床に置かれたマットの上で横になった俺は、俺を挟むようにして左右に陣取る二人へと問いかけた。

「人身を堕落させる粘液の戯れ……!」

「ローションプレイだよ……」

「というわけで、だばーっと!」

 あこの手によって傾けられた小瓶から、粘度の高い液体がぬるりと溢れ落ちてくる。それは俺の体に落ちると、冷たい感触を俺の肌に伝えてきた。

 あこによって胸と腹を一気にローション塗れにされる中、燐子は自分の胸にローションを塗ると、それを俺の腕に押しつけてきた。ぬちゃぁ、と音を立ててぬるぬるとした感触が襲う。それとともにふんわりとした柔らかさも感じる。直接触るのとは違う不思議な感覚。

「ていっ、そりゃ!」

 あこの手が俺の体を這い、ローションを塗りたくっていく。たちまち俺の体はローションに包まれ、それに触れていたあこや燐子の体もぬるぬるになっていた。

「一度やってみたかったんだ、ローションプレイ……」

「さすがりんりん!」

 燐子を誉めるあこは、俺に添い寝するように横になると俺の右半身に体を押しつけてきた。さすがって言うけど、さっきは燐子のことを穢れなき天使とか言ってなかったっけ? 適応力が半端ではないようで、既に燐子のことをエロの師匠として崇めているかのようだった。

 あこと同様に、燐子も横になって俺の左半身に抱きついてくる。ローションに濡れた豊かな胸が俺の腕を左右から挟み、何とも言えない興奮を味わわせてくれる。

 横になった体を動かし、俺に擦りつける二人。浴室内には粘着質な音が響き、耳を犯す。

 これはいい感じだ。じわじわと侵食するような興奮に身を任せ、俺は二人の体との接触を楽しむ。まだ未成熟なあこの胸。すっかりと成熟した雌の体を持つ燐子。胸に貴賤なし。巨乳も貧乳も、どちらも素晴らしかった。

「どう? 勇希君……」

「気持ちいいでしょ!」

 ぬちゅ、ぐちゅ、と音が響く中、二人は俺の顔を覗き込んで聞いてきた。俺は素直に頷き、二人の体を抱き締めるように両手を伸ばした。俺に奉仕してくれる美少女の背中に腕を回し、両手に花状態だ。

「えへへー」

 あこは楽しそうに俺と密着し、空いている右手の指先で俺の肉棒を弄り始めた。完全に勃起した肉棒にローションの粘液が付着し、あこの手によって全体に広げられていく。

「ゆうゆうのおちんちん。硬くて、すごく熱いよ?」

 あこはごくりと息を呑み、荒い息遣いで肉棒を触り続けた。もうすっかり肉棒に夢中になったようだ。肉棒を見つめる瞳はキラキラとした好奇心の光を宿している。

 あこが肉棒と戯れる中、燐子は俺の睾丸を揉み続けている。宝石のように美しい瞳に俺を映し、俺の反応を見ながら攻め方を変える。

「おぉ……」

 俺が反応を示すと、燐子は表情を綻ばせた。穏やかに微笑みながら熱心に手を動かす。

 睾丸を燐子に、肉棒をあこに。どちらもローションで濡れた手で躊躇いもなく隅々まで触り、股間全体が温まってきた。

 股間の奥が熱い。今日は既に何回も出したというのに、欲望の底が見えない。気持ちのいい射精を求めて体が欲望に従順になり、俺は二人の美少女に弄ばれながら精液を吹き出した。

 どぴゅー、どびゅるるるっ、どくっ、ぶぴゅっ、どくっ、どくっ。

「あ、またいっぱい出た!」

「勇希君の、おチンポザーメン……」

 鈴口から勢いよく吹き出した精液は、あこと燐子の手を白濁に染める。よほど待ち望んでいたのか、精液を受け止めながら二人は喜んでいた。

 二人に見守られながら俺は射精を続け、快感を味わわされた。二人は予め打ち合わせしていたかのように息の合った動きを見せて、俺を攻める。

「ふぅー……」

「はぁー……」

 俺の耳に息を吹き掛け、二人で重ねた手で手コキをしてくる。精液とローションの混ざった特製粘液で根本から先端まで。耐えることなくそれは続き、にやにやと笑う二人の顔を見ながら搾り取られた。

 二回、三回、四回。射精の回数に連れて二人の行動は過激さを増す。

「ぐちゅ、ぷちゅ、ぢゅぶぢゅぶ」

「はぁ、ぴちゃ、ぐちゃ、ぢゅぶぶぶっ」

 耳穴レイプ。同時に手コキを行われ、俺は快楽に囚われた。擦れる二人の胸の温かさと柔らかさ。漂う甘い匂い。耳だけでなく脳まで犯す声。敏感な肉棒を攻め立てるすべすべの手。全ての要素が重なりあって刺激を相乗効果で高め、欲望が途切れることはなかった。

「作戦成功だね、りんりん!」

「うん。勇希君は耳が弱いから、ダブル耳舐めが効果的だと思ったから……。見て、あこちゃん。今の勇希君の顔、凄く素敵でしょ……」

「もう、サイコー! あこ、ゆうゆうのこともっと犯したいな。嵌めて嵌めて嵌めまくって、ゆうゆうの精子で元気な赤ちゃん作りたい!」

「そうだね。作ろうね……。私たちで、勇希君をもっと幸せにしてあげよう……?」

 燐子はそう言って、俺の首筋に口づけを放った。その口づけは優しいものではなく、ほんの少し痛みを伴うものだった。

 吸われている。そう思ったときには燐子の口は離れた。

「あこも、キスマークつけちゃお」

 燐子にならうようにあこも首筋に吸い付き、俺の首にキスの痕を残した。

 首にキスマーク。独占欲の表れだろうか。

 二人の雌は、強い欲望を瞳に宿しながら俺の体を味わった。あこが俺の股間に騎乗して腰を振る間、燐子が俺の上半身に胸を押しつける形でうつ伏せになってディープキスを行う。

 あこが精液を膣で搾り取ると、二人は場所を入れ替えてまた俺を犯した。あこの舌で口の中を好き勝手に掻き回されながら、燐子の膣内で肉棒を扱かれる。

「ふふっ……」

「あははっ」

 以前に燐子のことをサキュバスみたいだと言ったことはあったが、あこにも同じことが言えそうだ。

 俺は二人のサキュバスを相手に睾丸の精液を搾り取られ、夢のような夜を過ごした。夕食を取っていないために感じていた空腹が、どうでもいいと思えるほどの欲望のぶつけ合いに興じ、二人との時間は過ぎていった。



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氷川紗夜とディープキス

 ストーカー騒動から約一週間。俺の日常は平穏そのものだった。平日は学校へ通って授業を受け、帰宅すれば予定の空いている女とセックス。休日はデートやセックス三昧。主に相手は燐子で、次にリサやあこ、などなど。今までと何も変わらない欲望に満ちた生活を送っていた。

 しかし、そんな生活でも、新しい女を得ようという俺の欲求が潰えることはない。

「こんばんは、岩戸さん」

 落ち着いた声に、ベンチで本を読んでいた俺は顔を上げた。

「こんばんは、氷川(ひかわ)さん」

 夕暮れに染まる空。それを背景に立つ少女。腰まで届く綺麗な長い髪が輝いて見える。垂れ目ではあるが、いつも真剣そうな表情の影響で知的美人といった印象を抱く。声と同じく落ち着いた雰囲気と合わさって、彼女は同世代よりも少し大人びた魅力を持っていた。

 彼女は氷川(ひかわ)紗夜(さよ)。俺と同い年の高校二年生で、最近知り合いになった関係だ。氷川さんが通っている学校は花咲川女子学園。燐子と同じ学校で、学年も同じ。もしかしたら燐子と面識があるのかもしれないが、燐子の話題を出したことがないからわからない。

「隣、座ってもいいですか?」

「うん」

 俺が頷くと、氷川さんは制服の上から掛けていたギターケースを下ろし、俺の右側に座った。拳一つ分を間に空けた距離感。さらさらと揺れた氷川さんの髪から漂ういい香りが鼻に届く。

 乱れた髪を耳に掻き上げ、氷川さんは俺の方を向いて口を開いた。

「何の本を読んでいるんですか?」

「これ? これは」

 氷川さんに聞かれ、俺は素直に答えた。

 俺が読んでいたのは小説だ。主人公は、歌が大好きだった少女。小さい頃はそれこそ毎日のように歌っていたが、それを同級生の男子生徒に揶揄われたことをきっかけに、歌うことが苦手になってしまった。そんな少女が高校生となって素敵な仲間たちと出会い、再び音楽の魅力に惹かれていくという話。

 俺は普段本をあまり読まないのだが、音楽関連の本については別だった。歌や音楽に関する本で、特に個人の心情が描かれている小説などが好きだ。俺自身が歌の魅力にのめり込んでいるからだろう。この本の前は、全国大会出場を目指す吹奏楽部の少女たちの青春を綴った小説を読んでいた。

「岩戸さんは本当に歌が好きなんですね」

 氷川さんはどこか嬉しそうに言って、微笑んだ。その微笑みは傍から見ると本当に小さい感情の変化だったけど、氷川さんの本心から表出した感情だとわかった。やはり自分の好きな話題で共感を得られると嬉しく感じる。

 だから俺は、氷川さんの微笑みを受けて自然に笑顔を浮かべてしまった。

「うん、大好き」

「っ……!?」

 俺の顔を見た氷川さんは、慌てて顔を正面へと逸らした。夕焼けのせいだけでなく、その白い頬はほんのりと紅潮しているように見えた。

「氷川さん?」

「い、いえ、何でもありません……」

 氷川さんは慌てたように首を横に振り、何かを誤魔化すように咳払いをした。戸惑いを浮かべ、赤くなっていた顔は徐々に自然さを取り戻していく。感情の制御が上手いようだ。感情表現が苦手な俺と違う。

 俺は、自然な感情を表に出すのが少し苦手だ。先ほどの笑顔は偶然の産物。だから、感情表現が得意な人が羨ましく感じる。

 ちなみに、さっき俺が浮かべた笑顔を燐子の前で見せれば、まず間違いなく一晩中犯される。欲情した目で見つめられながらベロチューと杭打ちピストンで金玉が空っぽになるまで搾り取られるのは避けられない。

 その笑顔を見せたのだ。燐子ではないとは言っても、氷川さんの心も相当揺さぶっただろう。いつでも出せる笑顔ではないからこそ、その破壊力は相対的に高まり、女に俺を意識させることが可能だ。

 笑顔と言えば、ギターを演奏する氷川さんの表情もとても素敵だったことを思い出す。

 氷川さんの趣味はギターだ。それは、出会ったときから知っている。

 最初に出会ったのは一ヶ月ほど前。俺が偶然立ち寄ったこの寂れた公園で夕焼けを見たとき、唐突にインスピレーションが沸いてベンチで歌を歌った。人がいないのを良いことに高らかに。気持ちよく歌っていた。まさかそれを、公園の横を通り過ぎようとしていた氷川さんに聞かれていたとは思わず、すごく恥ずかしい思いをした。

『その歌、もう一度聞かせてもらってもいいですか?』

 今日と同じようにギターケースを背負っていた氷川さんに請われ、俺は歌を歌った。

 そのときから、俺は氷川さんと話すようになった。連絡先を交換して、公園で待ち合わせをして共通の話題で盛り上がる。俺がボーカルで、氷川さんがギターでジャムセッションすることもあった。本格的なものではないけれど、自宅にある地下室で歌っているときよりも、その時間は輝いていた。

 そして何より、演奏中の氷川さんの笑顔が魅力的で、俺の心を鷲掴みにした。

「そう言えば、氷川さんってどうしてギターを始めたんだっけ?」

 何気なく振った会話。俺と氷川さんの共通の話題で話を広げていこうと思ったのだが、俺の質問を受けた氷川さんの表情は、少し険しいものに変わってしまった。膝の上に置かれていた拳は軽く握られた。

「あの子に負けたくないから……」

 あの子? と深掘りして聞けるような雰囲気ではなかった。

 俺は氷川さんの横顔から正面へと視線を向けた。

 遠くに見える空の殆どが濃紺に浸食されていた。この辺りもすぐに暗くなっていくだろう。今から演奏をするには中途半端な時間で、俺は黙って正面の空を見続けた。

 ベンチに置いていた俺の右手に、氷川さんの手が置かれたのはそのときだった。

 少し驚いて俺が氷川さんのほうを向くと、氷川さんが不安げに俺を見つめていた。

「岩戸さん……。岩戸さんは、私のギター、どう思いますか……?」

 突然のことに、俺は言葉に詰まった。今まで見たこともない氷川さんの弱気な声。いつも綺麗に紡がれる声にわずかな震えが混ざっていることに、俺は少なくない動揺を覚えていた。

 何かあったのかもしれない。こういったとき、優しくしてあげるべきだろう。

 だけど、そんな下心とは別に、俺の口は思っていた言葉を勝手に漏らしていた。

「好きだよ」

 それも、一度だけでなく二度も。

「俺は氷川さんの音が好き。たとえ氷川さんよりも演奏技術の高いギタリストが現れても、氷川さんよりも楽しそうにギターを演奏する人が現れても、きっと俺の中で一番しっくりくるギターは氷川さんのだけだと思う」

 音楽のことになると、途端に饒舌になる俺。表情も自然な笑顔を浮かべてしまう。

 それが決め手になったのかもしれない。

 気がつくと、俺は、氷川さんに口づけされていた。

 氷川さんの柔らかい唇と、そこから伝わる熱。俺はそれを正面から受け止めた。

 ベンチに置いた俺の手に、氷川さんの手が強く絡む。そこから氷川さんの強い感情を感じ取れた。俺はそんな氷川さんを宥めようとはしなかった。ただ氷川さんのしたいようにさせ、受容する。

 いつまでそうしていただろうか。ゆっくりと氷川さんの顔が離れた。

「私も、好き……。あなたの音を、もっと聞かせて」

 再び重なる唇。今度の口づけは一回目よりも深く、濃密だった。

「んっ、ちゅっ、はぁっ、んっ、ちゅぷっ……」

 ここが公園だということも忘れて、俺と氷川さんは互いを求めた。正面から抱き合い、角度を変えて何度も唇を触れさせる。舌を絡ませ、唾液をブレンドさせて、くちゅくちゅと卑猥な水音を奏でる。

 目を開けると、氷川さんの綺麗な瞳が俺の顔を映していた。そこに宿るのは氷川さんらしからぬ強い情欲。氷川さんからこんなにも強い想いを向けられていることに俺は嬉しくなり、ズボンの股間部を大きく膨らませた。



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氷川紗夜と教育セックス

 本格的に欲情してしまう前に、俺は氷川さんを家に連れ込もうと考えた。手をしっかりと繋いで、氷川さんと肩を並べて歩く。たまに視線を向けると、氷川さんはどこか恥ずかしそうに頬を紅潮させた。

 外を歩く途中で、何度か足を止めて氷川さんとキスをした。夜に沈む住宅街にはひと気は少なくなっていたけど、通行人がいないわけじゃない。それでも誰もいない隙を狙って氷川さんと唾液を交換するのが気持ち良かった。

 自宅に入ってすぐに家の鍵を閉め、二階の自室へと向かう。ここまで中途半端に氷川さんの温もりを口で感じたためか、もっと濃密な繋がりを求め、俺は氷川さんの体を強く抱き寄せ、舌を伸ばした。

「口開けて?」

「は、い……んっ、あっ……」

 控え目に開かれた口の中に舌を入れ、中をくちゅくちゅと犯す。俺の唾液を流し込み、氷川さんの唾液とブレンドさせる。わざと湿った音を立てたことで氷川さんの顔がさらに赤くなるが、気にせずに味わう。そうしながら氷川さんの背中に回した右手を下へ移動させ、制服のスカートの上から尻を揉む。

「あっ、んんっ……!」

 ビクッと体を跳ねさせた氷川さんを強制的に落ち着かせようと、氷川さんの舌に俺の舌を絡ませた。ねっとりとした感触を味わいながら、氷川さんの尻の柔らかさに興奮を覚え、ズボンの内側で肉棒を膨らませた。いい加減、窮屈なズボンから出してくれと主張されているようだ。

「はぁっ、あっ、ふっ、あ、ぅっ……」

 氷川さんの目を至近距離で見つめ、口内の隅々まで唾液で汚し続けると、氷川さんは可愛い声で鳴き始めた。このまま力強く犯してしまいたい欲求を堪え、この可愛い女を骨抜きにしようと思った。

「はい、氷川さん。飲んで?」

 俺はキスを一旦止めて、氷川さんに向かって舌を伸ばす。そこには氷川さんと俺の二人分の唾液があった。

「の、飲むんですか……?」

 少し戸惑った氷川さん。これまで氷川さんと一緒にいたことで氷川さんが純情な人だということを理解していた。性知識もあまりないのだろう。異性を渇望するこの世界の女性にしては珍しい。

「うん、どうぞ」

 だが、俺が催促をすると、氷川さんはゆっくりと頷き、舌を伸ばした。俺はその舌の上に唾液を滑り落とす。ぬるり、と俺の舌から氷川さんの舌へ移動した唾液の塊は、氷川さんによってゆっくりと口の中に収められていった。

「んっ、こくっ……!」

 喉を鳴らす音。真剣そうな顔でいやらしいことをする様に、さらに欲望が募る。

「ありがとう、氷川さん」

 俺は頑張った氷川さんにお礼を告げるのを忘れない。氷川さんは他者から承認されることに喜びを覚える人だ。これまでしてきたように、俺は空いていた左手で頭を撫でてあげると、氷川さんは表情を緩ませた。眼差しに乗る熱の量が増えたのがわかった。

 しばらく見つめ合い、氷川さんに俺のことを認識させる。俺が傍にいる。俺が温もりを与えてあげる。言葉にしなくてもその想いは十分に伝わったようで、氷川さんはやがてゆっくりと口を開いた。

「名前……」

「ん?」

「名前で呼んで、勇希さん……」

 初めて俺の名前を呼んでくれた氷川さん。その衝撃は強く、俺の心を揺さぶった。

「紗夜……」

 俺は紗夜の名前を呼び、耳元に口を近づけた。

「ベッドに行こうか」

 言いながら紗夜の尻を強く握り締めると、紗夜は小さく頷いた。

 

 ベッドの上。何人もの女を食ってきたその場所で、制服姿の紗夜が座っていた。視線の先にはズボンを脱ぎ捨てて下半身半裸になった俺。股間を晒し、雄々しく屹立した肉棒を紗夜に突きつけると、紗夜はぼうっとしながら肉棒を見つめていた。

「紗夜、見えるよね。俺のチンポ」

 俺が肉棒を握って紗夜の鼻先に肉棒を接近させると、紗夜の目が大きく見開かれた。

「あっ、は、はい……」

 初めて生の女性器を見た少年のように、紗夜は見るからに興奮していた。その興奮が強すぎて、反応が鈍くなっている。ごくりと生唾を呑み、何度も瞬きを繰り返して俺の肉棒を瞳に映していた。

「これで、紗夜のことを犯してあげるから」

「これが、私の中に……」

「尿道口にキスしてみて」

「え……」

「大丈夫、怖くないから……」

 困惑する紗夜を落ち着かせるために優しい声で告げ、また紗夜の頭を撫でる。すると、強張っていた肩から力が抜けた。頭を撫でられるのが好きなようで、紗夜は素直に俺の言うことを聞いてくれた。

「ちゅっ……」

 目を瞑り、恐る恐る尿道口に口づけた紗夜。その様子に、昔の燐子の姿を重ねた。今の清楚系ドスケベ美少女の燐子ではなく、昔のまだ経験が浅いときの燐子。そのときも俺は、こうして肉棒に口づけを強要していたと思う。

「そのまま、舐めて?」

 紗夜の触り心地のいい髪に触れ、俺はさらに求める。

「んっ、れろっ……」

 舌を動かして、亀頭を撫でる。紗夜の顔は真っ赤だ。羞恥が限度を超えたのかもしれない。俺を見上げる目は潤みながらも、舌を止めずに俺の要望に応えてくれる。

「気持ちいいよ。次は、舌を伸ばして?」

 もう色々と感情が振り切ったのか、紗夜はすぐに俺の言うことを聞いてくれた。舌を伸ばし、俺をじっと待つ。その姿が主人の命令を健気に待つ小犬のようで、俺はもっと紗夜の純情な心を汚してみたい衝動に駆られた。

 伸ばされた紗夜の舌の上に、俺は肉棒を乗せる。裏筋に紗夜の舌が触れた。

「肉棒の裏を舐めながら、舌を左右に動かして?」

 俺の言葉に従い、紗夜はゆっくりと舌を動かす。左右に揺れるその舌が裏筋を刺激する。慣れない動きが逆に俺に興奮をもたらし、紗夜の舌の上で肉棒がビクビクと震えた。

「動画、撮ってもいい?」

 俺が言うと、紗夜は首を横に振ろうとした。しかし、その前に頭を撫でたことで動きが止まる。さらに苦手な微笑みを無理矢理作ってみると、紗夜は迷ったような素振りを見せ、首を縦に振った。

 紗夜の許可を得て、俺は携帯電話を取り出し、撮影を始める。

 撮影対象は、舌に肉棒を乗せて裏筋を舐める紗夜の姿。涙目でレンズ越しに俺を見る顔が非常に性欲をそそる。

「次は、金玉を舐めてみようか」

 俺の要求はさらにエスカレートする。肉竿を握って上に向けた俺は、携帯のカメラを向けたまま睾丸を紗夜に近づけた。やはり戸惑いを見せた紗夜だったが、俺が黙ってカメラを向け続けると、睾丸に口をつけた。

「ちゅっ、ぷちゅっ、ぬる、くちゅっ」

 舌を使って玉を転がす紗夜。少し慣れてきたのか、先ほどよりも舌の動きは淀みない。睾丸の玉を片方ずつ交互に味わう姿をしっかりと動画に収めつつ、俺は欲望によってじわじわと心を浸食されていくのを感じた。

 もうそろそろいいだろう。俺は撮影を終えて携帯電話をベッドに放り投げる。

「紗夜、ベッドに横になって」

「はい……」

 最後に睾丸にキスをし、紗夜はベッドの端から中央へと移動した。ゆっくりと仰向けになって俺が来るのを待つ。俺は着ていた制服を全て脱ぎ、紗夜の強い視線を感じながら全裸になった。

 ベッドに上がると、紗夜の足に手を伸ばした。

「ぁ……」

 紗夜の口から零れる声を聞きながら、紗夜の両脚を左右に開かせた。明るい茶色に染まる制服のスカートから覗く健康的な太股。さらにその奥を見ようと、脚を開かせ、俺の視界に白い布地が飛び込んできた。

 黒いソックスに生える白いショーツ。大切な場所を隠すそれに、俺は指で触れた。

 人差し指で下着の上から陰部の箇所を擦る。紗夜がどうしていいかわからない様子で口を開閉しているのが目の端に見えた。それに構わず、俺は指の本数を増やし、下着越しに大陰唇の柔らかい膨らみを感じ取る。

 そうして触り続けていると、下着の中心に薄っすらと染みが出来た。膣から愛液が溢れてきたのだろう。そのおかげで中は随分と解れ、その頃には紗夜の口から快感に耐えるような声が漏れてきていた。

 その声に肉棒が反応を示す。これ以上の我慢は体に毒だ。そう判断し、俺は紗夜の下着を捲って横にずらす。

「ゆ、勇希さん……」

 突然の行動に紗夜から声が掛かるが、もう止めることはできない。下着という壁が横にずれたことで、紗夜の陰部が露わになった。さらに中を見ようと、両手の指で陰裂を左右に開く。ピンク色に染まる粘膜。ヒクヒクと収縮する小さな穴から、とろとろと透明な愛液が垂れていた。

 俺は膣口に指を入れ、十分だと悟り、開いた紗夜の股の間に体を滑り込ませた。左手で太股を掴み、右手で握った肉棒を膣に向かわせる。

「入れるん、ですか……?」

「うん。これから、紗夜の中に入るよ」

 初めてのことに、紗夜は不安を覚えているようだ。

「大丈夫。優しくするから、俺と一つになろう」

 安心させるようにゆっくりと言葉を紡ぎ、肉棒を進ませる。

 膣口に亀頭を割り込ませ、ベッドに両膝を突いた状態で腰を前に動かす。ゆっくりと、着実に俺は紗夜の中に入っていった。粘膜が触れ合う面積が広がり、肉棒の表面に熱が広がった。

 膣穴を広げ、亀頭を飲みこませると、途中で動きが止まった。わずかな抵抗感。それを蹂躙するように腰に力を籠め、肉棒を進行させる。途中で止まることはあり得ない。紗夜の穴は俺が支配すると、もう心に決めてしまったのだから。

「っ……」

 ささやかな抵抗を肉棒で食い破ると、紗夜が声を上げた。その声の後、愛液とは違う温い液体が膣口から溢れてきたのがわかった。処女膜を裂いたことで溢れた血が結合部から流れ出て、ベッドのシーツを赤く汚す。

 紗夜の初めてを奪ったことで征服欲を満たしつつ、さらに深い欲望を得ようと、奥へ奥へと肉棒を挿入させる。亀頭が入ってしまえば後は順調で、俺は強い締めつけを味わいながら氷川紗夜という女の体を内側から制圧した。

「全部入ったよ」

 根元まで挿入し、紗夜に声を掛ける。紗夜は放心状態で俺を見つめていた。刺激が強すぎたようだ。俺をただ見つめ、声を漏らすことしかできない紗夜を見て、俺は紗夜にセックスの気持ちよさを早く知ってもらいたいと思い、腰を動かした。

 最初は少しずつ膣壁と肉棒を馴染ませるように。そして、段々と速度を上げる。紗夜の膣を俺専用のチンポ穴に変えようと、亀頭から根元までの全てを使って中を掻き回す。

「うっ、んっ、あぁっ……」

 紗夜は両手でシーツを掴み、両足を開いて俺を受け止める。俺は紗夜の太股から手を離すと、腰を動かし続けながら紗夜の胸元に手を移動させた。ワンピースタイプの制服の胸元にあるボタンを片手で外し、胸元を露出させる。

 現れたブラジャー。そこにできた綺麗な膨らみを、俺は手で覆った。柔らかい感触に、指が自然と動いてしまう。

「はっ、あっ、その、胸は、あまり……」

 乱れた呼吸を続けながら、紗夜は自信なさげに言う。自分の胸が小さいと思っているようだが、このくらいあれば十分だろう。俺はブラジャーをずらして紗夜の乳房を露出させると、直接胸を揉む。やはりいい形だ。色も綺麗で、思わず吸いつきたくなる乳首。後で存分に楽しませてもらおうと考え、今は指先でこりこりと乳首を摘まむだけに留めておいた。

 紗夜の胸を可愛がりながら、膣を犯す。段々と速度を上げたことで、普段他の女を食うときと同じくらいの荒々しさになっていた。紗夜の膣壁に肉棒を擦りつけ、俺という存在が膣を使用した証を残す。

「あっ、んんっ、あっ、はぁっ、あんっ……!」

 声を漏らすことに抵抗がなくなった紗夜を見て、もっと鳴かせてみせようと腰を強く前に突き出した。子宮口に亀頭が押し当てられた瞬間、紗夜が背を逸らして過敏な反応を見せた。

 膣内が強く引き締められる。いい具合だ。順調に気持ちが昂り、射精が迫りつつあった。本格的に紗夜の中を制圧しようと、俺は胸から手を離し、紗夜の腰を掴む。括れた腰は俺の腰振りを支えるのに相応しく、そこを支えに肉棒の攻めを繰り出した。

「あっ! ひっ、うっ、ゆ、勇希さ、あぁっ……!?」

 俺の中でカウントダウンが始まった。それに合わせて肉棒で子宮口に突く。一回、二回、三回と回数が凄まじい速度で積み重なる。もう俺の肉棒の臭いと形は紗夜の膣内に刻み込まれただろうか。

 それならば最後は味を覚えてもらおう。

 俺は自分の限界に合わせて腰を前後に揺する。紗夜が盛大に絶頂したちょうどいいタイミングを見計らって、子宮口に亀頭を密着させ、股間の奥からせり上がった欲望を紗夜の中で解き放った。

 どびゅるるるっ、どびゅーっ、どびゅるるーっ、ぶびゅっ、びゅるるっ、びゅーっ。

「ぁあああっ!?」

 ビクンと腰を浮かせ、声を上げた紗夜に精液を提供する。逃げられないように紗夜の両手を掴み、さらに奥へと肉棒を押しこませた。ドクッ、ドクッと脈動する肉棒からは精液が放出され、俺に得も言われぬ快感を与えてくれた。

 最近、燐子やリサのせいで習慣になってしまった膣内射精。女の大切な場所を自分の遺伝子で満たすことの気持ちよさの虜になった。コンドームもいいが、やはり女を犯すのは生チンポと中出しに限る。

 燐子たちに毒されてしまったなと思いながら、紗夜の子宮に種を撒く。その種が根を下ろし、紗夜の遺伝子と結びつくかはわからない。俺が父親になるかどうかは、運に委ねられていた。

 ドクッ、ドクンッ。紗夜の中で射精をしながら、俺はベッドの隅にある携帯電話を手に取った。それを撮影モードに切り替えて、先ほどからイキ顔を晒す紗夜を撮影する。俺が撮影していることに、紗夜は気づいていないようだ。

 長い射精の後、再び放心状態で胸を上下させる紗夜。精神的にも体力的にもかなり消耗したようだが、まだ夜は長い。明日は土曜日。今日を存分に楽しませてもらおうと、俺は精液でどろどろになった膣内を掻き回した。

 ぬちゅっ、ぐちゅっ、パンッ、パンッ!

 水音と卑猥な音が混ざり合い、室内に反響する。俺は紗夜の腰を掴んで立ちバックで犯していた。紗夜の正面にはわざわざ別室から取り出してきた三脚とビデオカメラ。それは今、紗夜の顔を映しているだろう。

「紗夜、笑いながらピースして」

 俺の指示で、紗夜は両手でピースをし、カメラを見つめた。

 このとき、俺は紗夜の笑顔を見ることはできなかったが、後から映像を確認したときは強い興奮を覚えた。純情だった紗夜が蕩けた表情でダブルピースをし、俺に背後から犯されて膣内に精液を注がれたときの様子は、自慰ネタに持ってこいの出来となった。



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氷川紗夜とイチャイチャ調教

 パシャリという音が響き、俺の手の中にある携帯電話に紗夜の顔が保存された。すっかり雌堕ちした様子で俺の肉棒を舌で撫でくり回す紗夜。普段真面目な少女が取る卑猥な行動に興奮を感じ、肉棒が強張った。

「勇希さん……」

「なに?」

「あまり、撮らないで……」

 ベッドに座る俺の両足の間で、紗夜が恥じらいを感じて体をもじもじとさせている。子宮に俺の精液を貯蔵したまま膣内に起動中の極太バイブで栓をしているのに、今さら何を恥ずかしいと思うことがあるのだろうか。

「可愛いよ、紗夜」

 正直に思ったことを伝えて紗夜の頭を撫でると、紗夜は気持ち良さそうに目を細めた。猫か犬みたいだ。紗夜はどちらかといえば犬に近いだろう。主人に忠実な番犬だ。

「さっき教えたこと、やってみようか」

「でも……」

「お願い」

 俺がダメ押しすると、紗夜は渋々ながらも首を縦に振ってくれた。そして、携帯のカメラ越しに俺をじっと見つめると、左手で肉棒を扱きながら口を開いた。

「私、氷川紗夜は、岩戸勇希さんとそのおチンポに屈服しました。これからの人生は勇希さんの妻の一人として、おチンポ奴隷として生きることを、この太くて逞しいおチンポに誓います」

 辿々しい言い方ではあるけれど、紗夜は最後まで言い切った後、扱いていた肉棒にキスの雨を降らせた。誓いのキスだ。忠誠を心に抱き、数十回に及ぶ口づけで男性器に想いを伝えてくれている。これではまるで、男性器と結婚するみたいだ。

 卑猥な紗夜の様子を撮影し、俺はついさっき作った携帯の中の紗夜専用フォルダの中身を充実させていく。当然、燐子やリサ専用フォルダにあるドスケベ画像、動画集にはまだまだ量も質も敵いはしないが、いずれは二人に並ぶかもしれない。

 最近あこからメールで届いた自宅でのバイブフェラチオと自慰の動画をあこのフォルダに移動させつつ、紗夜の顎を撫でてみた。何か喜ぶかなと何となく思ったからだ。

「ん、あの、猫ではないのでやめてください……。それより頭を撫でてくれませんか?」

 やっぱり犬っぽい紗夜だった。

 紗夜に言われるまま頭を撫でる一方で、紗夜には射精するまで肉棒を舐めてもらった。唾液と舌でいろいろな角度から弄り回され、欲望の塊が湧き上がるのに時間はそう掛からなかった。

「口開けて」

 俺が言った直後、開かれた紗夜の口内に精液が注がれる。紗夜は舌を伸ばして目を瞑り、素直に受け止めている。肉棒を近づければ精液の残滓をキスで吸いつくされ、手で扱いて残り汁を絞り出してくれる。

 紗夜はセックスの才能があるようだ。教えたこと以上のことをやってくれる。何も言っていないのに口に精液を貯めた紗夜に目で合図を送り、精飲させた。わざと音を立てて飲み干されていく精液を見送った頃には、肉棒は紗夜の眼前で完全体の姿を取り戻していた。

「ほら、チンポが紗夜と遊びたいって。返事は?」

「はい……。もっと、遊びましょう……」

 肉棒を突き出すと、紗夜は頬擦りをしてくれた。携帯電話を向けるとピースをして微笑むようになった紗夜。調教はまた少し進んだ。紗夜はまだまだエロくなるだろう。燐子やリサに負けないドスケベ女に仕立てあげて、他の女と一緒に味わってみようと思った。

 満足がいくまで撮影会を行った後、俺は紗夜と一緒に浴室へと向かった。交互に体を洗い、湯を張った浴槽に二人で肩まで浸かる。燐子以外とこうして風呂に入る機会は意外と少なく、俺は少し新鮮な気分で紗夜との入浴の時間を過ごす。

「こうして、好きな人とお風呂に入ることになるとは思いもしませんでした。親に連絡もせずに無断外泊もしてしまいましたし」

 俺と向き合う形で浴槽に座る紗夜は、感慨深そうに言って俺に視線を投げ掛けた。俺は紗夜の目を見た後、揺れる湯の表面から紗夜の裸体を観察しながら、紗夜の言葉に問いを放った。

「後悔してる?」

 鮮やかなピンク色の乳首。色白く、細身な体躯。美しいものを前にして肉棒はやはり勃起を抑えきれず、俺は口内に涌き出た唾液をごくりと飲んだ。

「いえ、それはありません」

 キッパリと答えた紗夜は、手で胸と下腹部を隠した。見えなくなったことで落胆の声が小さく漏れ出てしまい、それを聞いた紗夜に小さな声で笑われた。

「少し破廉恥ですが、素敵な人と出会えましたから。それに、無断外泊をしてそのまま大人の階段を昇るという貴重な体験もできました。女性としては、まさに夢のような出来事です」

 胸を隠していた手を、紗夜は俺の体へと移動させた。そのおかげで紗夜の胸を再び目にすることができたが、紗夜の行動が気になって手の進む先を目で追った。

 紗夜の手が俺の胸に触れる。いやらしさを感じさせるものではなく、何かを確認するような手つき。心臓の鼓動が紗夜の手の平に伝わっていくのを感じた。

「確かに、あなたはここにいるんですよね。こんな私を認めてくれて、愛してくれる人。そんな人と、出会えるだなんて」

 紗夜はそう言った後、表情を緩めた。その顔があまりにも綺麗で、俺の心臓が大きく跳ねるように鼓動した。紗夜に今の鼓動がばれてしまってはいないだろうか。少し羞恥を抱きながらも、俺は紗夜の視線と笑顔を正面から受け止めた。

 しばらくそうして見つめ合っていたが、さすがに我慢できず、紗夜に襲いかかった。浴室の壁に両手を突かせ、後ろから紗夜の膣に肉棒を帰還させる。紗夜を俺のチンポケースにしてからまだ時間は経っていないが、もうすっかり愛すべき穴になっている。

「俺のこと、好き?」

 紗夜の腰を掴み、前後に腰を揺らす。太ましい肉棒は紗夜の中を掻き分けて進み、奥に至ってその存在感で内側を制圧する。

「はっ、あっ、んっ、あんっ、んっくぅ!?」

「好きって言って?」

「あっ、す、好きっ……」

「聞こえない」

「ひっ、あんっ、あ、好きっ!」

「もっと言って」

 言いながら子宮口を亀頭で苛める。紗夜は背を仰け反らせて敏感に反応を示す。その間も紗夜を犯すことを止めず、肉棒で膣穴と戯れる。

「好きッ、好き、好き、好きぃっ……! っ、あぁっ!?」

 紗夜からの愛の言葉に気分を良くし、紗夜の綺麗な背中を見つめながら子宮に亀頭を宛がう。そして、気持ちよく膣内射精。紗夜の中に活きのいい精子を放つ快感に身悶えしながら、紗夜の尻を両手で揉んで柔らかい感触を心行くまで楽しんだ。

 入浴を済ませた俺たちは、髪を乾かしてから地下室へと向かった。一人で閉じ籠ることの多い地下の防音室に燐子以外の人を招くのは久しぶりだ。

 燐子が置いていった服を着て、肩から自分のギターケースを下げた紗夜が、興味深げに室内を見渡す。それなりの広さのある部屋にはバンドで使う楽器や機材で充実している。その目は端から見ても、きらきらと輝いているように見えた。初めて楽器店に入った子供のようだ。

「立派な部屋ですね……」

「うん。全部、父さんの趣味。昔はここにたくさんの人が集まって、すごく賑やかだった。父さんが死んでからは使われなくなって、殆ど俺専用の練習部屋になっているけど」

「そんな部屋に、私を……?」

 申し訳なさそうに眉尻を下げる紗夜。しかし、紗夜のように音楽を愛する人にこそ、この部屋を使ってもらいたいと思っていた。

「公園よりも、ここのほうが本気で音楽を楽しめる」

 戸惑ったままの紗夜を他所に、俺は譜面台の前に立つ。軽く喉の調子を確認するように声出しをした後、アカペラで歌声を響かせる。前世にいた有名な男性歌手の歌だ。公園で歌うときの比ではない声量で空間に音を響かせ、感情を乗せた詞を紗夜に届ける。

「す、ごい……」

 紗夜は立ち尽くし、目を見開いて俺を注視している。唖然とした紗夜の顔をもっと驚かせたくて、俺は音楽が好きだという気持ちと、持てる技術の全てを活かして歌い続けた。

 一曲を歌い終わった頃、目の前に立っていた紗夜がゆっくりと腰を下ろした。腰を下ろしたというよりかは、腰が抜けたといった感じだろうか。信じられないものを見たと言わんばかりの眼差しで、へたり込んだまま俺を見上げている。

「紗夜?」

 黙り混む紗夜に声を掛けると、紗夜は忘れていたらしい呼吸を再開し、大きく深呼吸をし始めた。冷静さを取り戻そうとしているのか、胸に手を当てている。俺も紗夜の胸に手を当てたい。

「勇希さん」

 やがて、紗夜は何かを決心したように口を開いた。

「あなたの歌声を、ステージで聞いてみたいです」

 紡がれた言葉は俺の予想もしていないことで、今度は俺の呼吸が一瞬だけ止まった。ステージというのは、ライブハウスのことだろうか。ちょうど、知り合いからライブハウスの出演依頼を出されていることを思い出す。まだ明確な返事をしておらず、保留にさせてもらっている。

「あなたの歌は、もっと多くの人に聞かせるべきだと思う。私は、大勢の人の前で音楽を楽しむあなたの姿を見てみたいです」

 俺を捉える紗夜の目は美しく、そして強い確信に満ちていた。



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氷川紗夜の朝フェラ

 ふと目を覚ました。暗い室内の天井が目に映る。ベッドに背中を預けたまま隣に視線だけを向けると、シーツを体に掛けて俺のほうに顔を向けた紗夜の姿があった。よく眠っているようだ。服の胸元を上下させ、聞こえないほど小さな寝息を立てている。

 紗夜の目元にかかる前髪を指で掻き分けた後、俺は紗夜に身を寄せた。

 強すぎない程度に正面から体を抱き締める。温かい。春の夜は少し冷えるから、これくらいがちょうどいい。紗夜の体温を感じながら目を瞑ると、傍に人がいることに安心したためか眠気が襲ってきた。

 意識が流れるように薄れた後、俺を待っていたのは懐かしい記憶を再現した夢だった。

 自宅の防音室で、父さんと父さんの友人の女性たちが演奏をしていた。ギター、ベース、ドラム、キーボード。父さんのボーカルを彩る華やかなサウンド。意識していなくても体がリズムを刻み、胸の鼓動が速まる。キラキラと輝くような音の洪水に身を浸す。音を楽しむという表現がこれほど似合う時はなかった。

 それは過ぎ去りし日の想い出。もう二度と訪れることはない。

 思えば、あの日から皆で音楽を楽しむということを避けていたのかもしれない。一人で音を紡いで満足する日々。でも、完全に一人にはなれなくて、顔も見えない誰かに聞いてもらいたいという思いからサイトに歌を投稿した。

 俺は女が好きだけど、それと同じくらい音楽も好きだった。

 そして、大好きな女を抱くときはいつも本気だ。それならば、大好きな音楽に対しても中途半端な向き合い方ではいけないのではないか。

『あなたの歌声を、ステージで聞いてみたいです』

 そう紗夜に言われてから、俺の中でイメージが膨らんだ。

 ライブハウスのステージに立って、誰かと一緒に音を作る。少し前までは自分にはあまり関係のない楽しみ方だと思っていたけど、紗夜の言葉をきっかけにして気持ちに変化が現れた。

 だから、俺は――。

「勇希さん」

 肩を揺すられ、意識は現実へと急速浮上した。

 目蓋を開くと、明るい光が瞳に押し寄せてきた。目を瞑るほどではない光量。

 その景色の中に、紗夜がいた。俺の顔を覗き込み、俺の肩に触れていた。

「おはようございます」

 穏やかな笑みを向けられ、心に温かな感情が広がる。俺も挨拶を返し、体を起こした。

「よく眠っていましたね」

 苦笑する紗夜。どこか意味深な口調と態度に、俺は自分の体を確認した。

 股間が熱い。綺麗にされているようだが、室内には情事の匂いが広がっていた。

「紗夜。もしかして、しゃぶった?」

 俺が聞くと、紗夜はうっと息を詰まらせ、顔を赤らめた。図星のようだ。

「いえ、別に、私は……」

 泳いでいる目線が口ほどに物を言っている。何もしていないというのなら、俺の目をしっかりと見てほしい。俺がそう言うと、紗夜は観念したように息を吐き、右手の指を三本立てた。

「すみません。三回ほど、飲ませていただきました」

 朝フェラ三回。昨日はそれ以上のことをしたというのに、未だに恥ずかしそうにフェラの回数を報告する紗夜が可愛かった。だから、自然と寝間着のズボンの内側を肉棒が押し上げてしまった。

「……でも、まだ元気みたいですね?」

「紗夜のせいだよ」

「そう、ですか」

「どうしてくれるの? 謝罪は?」

 俺が聞くと、紗夜の顔に明確な興奮が広がった。紗夜はスロースターターのようだ。少しもじもじとしていた紗夜だったが、その場でゆっくりと両膝を突くと、俺に向かって土下座をした。

 綺麗な土下座だ。興奮が募って、肉棒が震える。さらに膨らんでいく。

「申し訳ございません」

「土下座だけ?」

「いえ、精いっぱい処理をさせていただきます」

「処理って? 顔を上げて、言ってみて?」

 すると、紗夜はゆっくりと頭を上げた。

 そのときの紗夜の表情はもう、立派な雌だった。

「勇希さんの太くて硬いおチンポから、残った精液を搾り取らせていただきます……」

 やっぱり、紗夜にはMの素養があるようだった。これまでの調教を思い出し、再認識する。今まで味わってきた女の中でも紗夜はなかなかのマゾだ。本格的に調教を施したら、いったどれだけ俺を喜ばせる女になってくれるのだろう。

「おチンポ様。先ほどは失礼いたしました」

 ベッドの傍に座った俺の両脚の間で、紗夜は肉棒に話しかけていた。

「どうかお許しください。この体を使って、謝罪いたします」

 紗夜のキスが尿道口に放たれる。俺がその姿を当たり前のように携帯で撮影し始めると、紗夜はカメラ目線で肉棒を舐めあげた。興奮しているのか、紗夜の目が潤いを帯びて頬は朱に染まっている。

「ぢゅぶぅっ、ぐちゅっ、ぶちゅっ、ぢゅぶっ、ぐぶっ、ぐぼっ、ぐぽっ!」

 紗夜の本格フェラが始まった。喉の奥まで肉棒を頬張って、一生懸命動いている。垂れた前髪を耳に掻きわけ、俺の陰毛に口元を埋めるほど深いフェラをする紗夜の姿に撮影が捗る。誰に見せるわけでもない俺だけのお宝映像。今度これを紗夜に見せながら自分のいやらしさを自覚させ、紗夜の体を味わうのもいいと思った。

 上達の速い紗夜の高速フェラ。セックスの中で成長を続けているようだ。舐めて欲しいところ、敏感なところ、俺が求める理想のフェラとそう差異のない展開が続き、肉棒は紗夜の唾液と温かい口マンコに包まれながら高みに達した。

 ぶびゅるるるっ、どびゅるるっ、ぶびゅるっ、びゅるるーっ、どびゅーっ!

「んっ! んふっ! んんっ!」

 紗夜の表情に歓喜の感情が満ちた。自ら根元まで咥えて、精液をごくごくと飲み下している。その身から放たれるドスケベな雰囲気に中てられ、射精が止まらない。俺はもしかすると、とんでもない逸材を掘り起こしてしまったかもしれない。

 射精が始まった数十秒後。射精の勢いは弱まっていき、止まった。

 ぴゅっ、ぴゅっと紗夜の手コキに合わせて射精する肉棒。その亀頭が向かう先には、白濁液を溜めた紗夜の口内があった。口を開いた紗夜は手コキで射精を最後まで補助し、搾り出した一滴一滴を口内に収めている。

 射精完了後の肉棒に、紗夜の舌が這い回る。尿道口に残っていた精液もしっかりと舐め取られ、清掃が終了した。

 肉棒が手を離した紗夜は、そのまま待機状態に入った。両手で俺の睾丸をくにゅくにゅと揉みながら、口を開いてただ俺を見つめている。俺から何らかの合図があるまではこのままの体勢でいるつもりなのだろう。

「飲め」

 何もしていなくても待ち続ける忠犬に、俺は命令を下す。

「ごくっ、ごくっ、んっ、ぐっ、んっ、ごくっごくっ……!」

 すると、紗夜の口内に溜まった精液がゆっくりと喉の奥に流れ始めた。どろりとした精液の行く末がはっきりと見て取れる素晴らしい光景。思わず伸ばした手で紗夜の髪を撫でる。触り心地がよく、シャンプーの良い香りが漂ってくる。

 可愛い紗夜。こんなに献身的な彼女が望むことを、叶えてあげたい気持ちになった。

 俺は精液がなくなった口内を見せつける紗夜にお礼を言い、携帯電話を操作し始めた。

 そして、電話帳を開くと、そこに登録されていたとある人物へと電話を掛けた。

「おはようございます、まりなさん。今日、デートしませんか?」

 紗夜に金玉舐め手コキをさせながら、俺は知り合いの女性――月島(つきしま)まりなさんをデートに誘った。自分の前で別の女をデートに誘う俺を見ていた紗夜は、誤魔化しきれない嬉しそうな表情で肩を震わせていた。

 やっぱりその姿が可愛くて、電話が終わった後、俺は紗夜にご褒美セックスをしてあげた。ベッドに押し倒して逃げられないように覆い被さって、種付けプレスで子宮に子種汁注入。朝から紗夜のアヘ顔を拝み、俺は素晴らしい一日を迎えた。



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月島まりなとCiRCLE

 デートと一口に言ってもその形は様々だ。食事に行ったり映画を観たり、中には自宅デートというのもあると思う。形は違っても、どれも男女の関係をより親密にさせるという目的を達成できる、れっきとしたデートだ。

 では、果たして今の状況はデートと言えるのだろうか?

「いらっしゃいませ」

 正面にあるガラス扉が開き、中へと入ってきた客を店の制服姿でカウンターに立ったまま出迎える。今回の来客は俺と同い年くらいの四人の少女だった。四人中三人が楽器ケースを背負い、そのうちの一人が先頭に歩み出てきた。ふんわりとした髪をおさげにした子だ。

「あの、予約していた上原(うえはら)ですけど……」

 恥ずかしそうに言いながらもじもじとしている上原という少女。可愛い子だ。人懐っこそうな雰囲気と、ゆったりとした服の胸元を押し上げる豊かな膨らみ。燐子並みの結構なボリュームに視線が行ってしまうけど、すぐに軌道修正してカウンターに置かれたディスプレイを見た。

 今日、この時間に予約を入れている人の中に『上原ひまり』という名前があることを確認すると、俺は再び上原さんの顔を見た。

「はい、承っております」

 できるだけ愛想が良いと思える声を意識して出すと、上原さんの顔に赤みが広がった。うっとりという表現が似合う。俺と夜を共にする女がよく浮かべる雌の顔だった。

 食べてあげたい。騎乗させて腰を振らせれば、胸が上下に大きく揺れるいい光景が拝めるだろう。その乳房を手で鷲掴みにするのもいい。そのまま上下に扱かれて、金玉の精子を放出してスッキリとしたい。しかし、今はそのようなことができる状況ではない。

 今はアルバイト中なのだ。ここ、ライブハウス『CiRCLE』で、受付スタッフを任されている。

「場所はBスタジオになります」

「はい……」

「お時間になりましたらご連絡いたします」

「はい……」

「設備に不備等ございましたら、部屋に備え付けられている電話から受付へとご連絡ください」

「はい……」

 終始心ここにあらずといった様子で相槌を打つ上原さん。ちゃんと聞いているのだろうか。上原さんの肩越しに見える三人の少女たちは呆れたといった顔で上原さんを見ていた。

「ひまり、完全に骨抜きにされちゃったな」

「……意識しすぎじゃない?」

「そういう(らん)も何か目がぎらついてない?」

「はぁ? べ、別に、普通だから……」

「うーん、そうかなー? モカちゃんの目には、今の蘭は前にアダルトビデオを貸したときと同じ目をしていたような。あの、騎乗位高速ピストンで男の人の精液を延々と搾り取るやつ。他にも体に落書きとかしてさー、カメラ目線でダブルピースさせてたよね」

「モカ! こんなところで変なこと言わないで!」

「えー? 女子高生なんだからこれくらい普通でしょ」

「おーい、店内であんまり暴れるなよ?」

(ともえ)も、モカ捕まえるの手伝って!」

 上原さんの向こう側でじゃれ合う少女が二人。黒い前髪の一部に赤メッシュを入れた気の強そうな子。名前は蘭というらしい。彼女をからかうゆったりとした空気感をしたショートヘアの少女は、モカと呼ばれていた。

 そんな二人を楽しげに見守る長い髪の少女。巴という名前のようだ。大人びな顔立ちと雰囲気で、他の四人に比べると背も高い。姉御肌といった感じだ。

 どれも美味しく頂けそうな美少女たちだった。特に目の前で幸せそうに破顔している上原さんと、顔を真っ赤にしてモカさんを追いかける蘭さんがチョロそうだ。前者は言わずもがな、後者の蘭さんもチラチラと俺へ視線を向けている。ためしに頑張って微笑みかけてみると、蘭さんの顔がさらに赤く染まった。

「あの人に絶対誤解された……。最悪……」

 蘭さんはモカさんをようやく捕まえると、モカさんの口を手のひらで塞いでいた。もはや遅い。蘭さんが男に強い興味を持っているのがわかった。少し接触して誘惑すれば、すぐにベッドインできるだろう。

 食べたい子リストに新しい候補を加えると、ひとまず今は仕事に集中することにした。なぜか俺の手を取って握っていた上原さんの暖かな手を優しく振りほどき、普段働かない表情筋を働かせ、先程よりも明るい笑顔を振り撒いた。

「それではごゆっくりどうぞ」

 その瞬間、四人の身動きが止まり、強い視線が集中した。上原さんはその場でゆっくりと後方へ倒れ始め、他の三名と比べて早めに我に帰った巴さんが上原さんの肩を掴んで支えていた。冷静に見える巴さんも顔を赤くしていて、俺の顔を見た後でごくりと生唾を呑んでから上原さんを牽引していった。

「おマンコうずうずしてきた」

 蘭の手から逃れてモカさんが放った下品極まりない言葉。にやにやと笑みを浮かべてもいる。そんなことを言えば蘭さんに再び口を塞がれそうなものだと思ったが、蘭さんは叱責の声を上げず、むしろ首を縦に振っていた。

「犯したい……」

 モカさんよりも直球で犯罪的な言葉を口にし、欲望を湛えた瞳で俺を見続けていた。

 

「つぐは、今日来られなくて勿体なかったね」

「店が忙しいらしいから仕方ないよな」

「それにしても、あの人恰好良かったなぁ」

「いや、可愛い系じゃないか?」

「……あとでこっそり写真撮れないかな?」

「蘭のスケベー」

「別に、オカズに使うなんて一言も……」

「あたしも、そこまでは言ってないけどー?」

「あっ……」

 四人の少女が俺の前から離れ、部屋の奥へと向かっていった。

 それを確認して、俺は小さく息を吐く。

 前世で社会人としていろいろな経験を積んできた俺だが、そんなことは関係なく俺の今の体は少し接客が苦手だった。気を抜くとすぐに表情は普段の無表情に戻ってしまう。それはそれでクール系といった評価を客から得られるのかもしれないが、人によるだろう。俺のせいで客足が遠のくなんてことにはなってほしくない。

 誰もいないときを見計らってこっそりと顔を両手で覆い、顔面のマッサージをする。表情筋は決して衰えていないというのに、いざ人前に出ると無愛想になって、口数も減ってしまうのが不思議だった。

「やっほー、勇希君。ごめんね、遅くなって」

 顔のマッサージ中、背後から声を掛けられて少しビクリと肩を震わせる。軽く驚いてしまったことを相手に悟られないよう、俺は声の聞こえてきた後ろへとゆっくり向き直った。

「お疲れ様です。まりなさん」

 そこにいたのは、黒い髪を肩まで伸ばした優しい雰囲気の年上の女性、月島(つきしま)まりなさんだった。スレンダーな体つきによく似合った服を着ている。昔と比べると着る服にバリエーションが増えてきたはずだが、やっぱりあまりスカートは履かないようで、今日もジーンズだった。

 まりなさんと俺は昔からの付き合いだ。今は亡き父さんの年の離れた友人で、俺が小さい頃から知っている間柄だ。そして、燐子と同じくらい俺の体のことを知っている関係でもある。この人には性欲処理で何度もお世話になった。

「接客は順調?」

「はい」

「良かった。助かるよー。新人のスタッフが風邪で来られなくなっちゃってね。勇希君が声かけてくれなかったら、今ごろ一人でてんてこ舞いだったかも」

「本当はデートしたかったんですけどね」

 朝電話をかけたときもデートをしたいとはっきり言ったはずだが、待ち合わせをして連れてこられた先がここ、ライブハウス『CiRCLE』だった。誰か目をかけている出演者でもいるのかと思い、のこのこやって来た俺が状況に違和感を覚えたのは、このライブハウスの制服を手渡されたときだった。そう言えば、まりなさんがスタッフを務めるライブハウスが『CiRCLE』とかいう名前だったなということを思い出して。

『これに着替えてね?』

 更衣室でそう言われ、素直に着替えてしまった。さすがに気づくのが遅すぎたと思いながら今さら問い詰めるのも恥ずかしく、まりなさんの指示に従ってカウンターに立って客の出迎えを行っていたわけだ。

 今日は特にイベントはなく、楽器を嗜む人たちに練習スタジオを貸し出すだけだった。

 俺が客の案内をしている間、まりなさんは慌てて外へと出掛けていた。足りない備品の調達を急遽行っていたようで、その間の店番が必要だったようだ。そんなときに俺が電話をかけたものだから、ちょうどいいと思って俺をライブハウスに連れてきたらしい。

 やはり、この状況はデートではない。ただのお手伝いだ。もう少し早めに気がつくべきだったと、察しの悪い我が身が恨めしい。

「それでまりなさん、デートは?」

「あぁ、うん。そんなに怒らないで?」

 俺が詰め寄ると、まりなさんは少しひきつった笑みを見せながら後ずさった。そんなまりなさんを追いかけるようにさらに接近し、壁際に追い込む。そして、伸ばした左手をまりなさんのすぐ背後にある壁に突き、退路を塞ぐ。

「美少年の壁ドン……」

 まりなさんが何やら嬉しそうにしていたので、俺はまりなさんの下腹部に手を伸ばした。少し懲らしめてやろうと思っての行動だったのだが、その手は思わぬことを確認して止まることになった。

 まりなさんのズボンの股間部に手を這わせると、中で振動する何かを感じた。それの中心はどうやらまりなさんの体の外ではなく、中のようだった。

 もしかしなくても、そういうことなのだろう。

「まりなさん」

「うん。ローター二つ入れてるの」

 俺の反応を見て気がついたようで、まりなさんは俺の聞きたいことに答えてくれた。

 まりなさんの言う通り、二つのローターがまりなさんの膣内に入れられて、激しく振動している。今この瞬間も、まりなさんは快楽を得ているのだろう。思えば確かに、今日会ったときから普段よりも少しだけ顔が赤かったような気がした。

「どうして?」

「決まってるでしょ?」

 まりなさんは可笑しそうに笑って、俺の耳元に顔を寄せた。

「お仕事が終わった後、勇希君のお疲れおチンポをおマンコで寝かしつけてあげるためだよ」

 囁かれる声に、俺は身動きを止めた。普段繋がっている少女たちとは違う、大人の女が発することができる色気。それを間近で感じて、欲を刺激させられて俺は、まりなさんの口に向かって舌を伸ばした。

「んっ……んふっ、あっ、ちゅるっ……」

 そんな俺を舌で受け止めて、まりなさんは俺の目を見ながら舌を擦りつける。自分のために体の準備を整えてくれて、欲望を受け止めてくれる便利な雌。早く味わってやりたい。その気持ちを抑えて、今はキスだけで満足しようと舌を動かし続けた。



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月島まりなと癒されセックス

 前世で接客業のアルバイトをしたことはあるが、さすがにライブハウスでの経験はない。過去の経験を活かして来客対応しつつ、わからないところがあれば俺の隣で受付に立つまりなさんに聞いて少しずつ仕事に慣れていった。

 そうして受付の仕事の浅く広く覚え始めたところで、閉店時間になったようだ。店内に客の姿はなく、正面のガラス扉の向こうは暗闇。外に出たまりなさんが閉店の準備をしている。

 その姿を目にした後、受付にある椅子に座って手帳を取り出し、今日の仕事の内容をメモする。もしかすると手伝いは今日だけじゃないかもしれない。次がいつになるかわからないけど、この機会にしっかりと覚えておいたほうがいい。

「お疲れ、勇希君。はい、飲み物」

 少し集中してボールペンを手帳に走らせていると、左頬に冷たい感触が触れた。視線を向けると、炭酸飲料のペットボトルがあった。立ったままそれを俺の頬に押しつけたまりなさんは、にこやかに微笑んでいる。

「ありがとうございます」

 俺はそれを受け取って、中身を飲み始めた。サイダーの爽やかな味が喉を通り抜ける。昼休憩以外にも細かな休みを随所に挟んだとはいえ、仕事に夢中になっていた体は渇きを覚えていた。三分の一ほどを喉に流し込んだ辺りでほっと息を吐いた。

「どうかな、初めてのアルバイトは。初めて、だよね?」

 まりなさんが横にあった椅子に座る。距離が近い。肩と肩が触れ合う距離で、まりなさんが俺の顔を真っ直ぐ見つめている。その瞳にほんの少しの劣情が感じられたのは勘違いではなく、まりなさんの右手がズボン越しに俺の太股を撫でた。

「はい。難しかったですが、何とか」

 前世ではアルバイト経験はあるが、それを言う必要はない。未経験だということは否定せず、素直に思ったことを述べる。覚えることはいろいろと多いが、やれないことはない。あとは俺の表情がもっと感情表現豊かになってくれればいいのだが、こればかりは今後の成長に期待だ。多分無理だと思うけど。

「そっかぁ、良かった」

 まりなさんの指が太股をなぞる。ただのスキンシップとは思えない接触。こちらの気を引こうとする、そんな意思が感じられた。

「それでね、勇希君」

 はい、と答える間もなかった。

「んっ、くちゅっ、ぢゅるっ、ぐちゅ、くちゅっ、ぢゅるるっ、ぬちゃぁっ」

 俺の唇に自身の唇を押し当てたまりなさんが、そのままねじ込んだ舌で好き勝手に口内を舐め回す。瞳に欲望の火を灯し、頬を赤く染めて、自分の欲望を満たすことに終始している。試しに顔を引こうとすると、強引に舌が俺の舌に絡みついてきた。

 逃げられそうにないな。俺は諦めて、まりなさんと舌を擦り合わせる。鼻で呼吸をしてまりなさんのいい匂いを嗅ぎつつ、人のいない静かな店内に唾液の水音を響かせる行為に時間を費やす。

 数分が経過した。お互いの口内に二人の共同作業でできた唾液が残り、呑み下して体内に取り込む。相手の体液を取り込む姿を相手に見せつけ、互いの愛情を確かめ合い、俺たちは欲望を募らせた。

「私の家に来ない?」

 断る理由はなかった。俺が小さく頷くと、再びまりなさんの口が近づいてきた。

 

 店内で、夜道で、人目を避けながらキスを繰り返す。時間を掛けて向かった場所は、まりなさんの部屋があるマンションだった。まりなさんの案内でセキュリティの掛かった扉を通り、エレベーターで上階へと移動し、部屋に着いた。

「どうぞ、入って。お茶とか準備するから、ソファーに座って待っててね?」

「はい、お邪魔します」

 居間に通されて、鞄をソファーに置く。勝手知ったる他人の家、とまではいかないけど、慣れた動作でソファーに座る。まりなさんの家に来るのは久しぶりだが、通いつめたときの感覚が体に残っていた。この前来たときもこうしてソファーに座ってまりなさんを待っていた。

「お待たせ」

 湯呑みを二つ乗せたお盆をテーブルに置き、まりなさんが横に座った。

 あれほど道中で互いを求めていたというのに、俺もまりなさんもすぐに手を出すことはしなかった。熱がさめてしまったわけではなく、単純に時機を逸してしまったためだ。自分でも不思議だけど、こういうときもある。テレビを点けて二人でバラエティ番組を見て、お茶を飲みつつ会話を交える。気の置けない俺とまりなさんならではの空気感が室内に漂っていた。

 そうやって二人の時間を過ごして、番組の切れ間に室内に静寂が訪れた頃、まりなさんが行動に移した。肩に手を回されて、体を引き寄せられる。身を委ねた俺の耳にまりなさんの唇が近づいて、綺麗な声で優しく呟いた。

「そろそろベッドに行こうか……」

 心地いい気分を味わいながら、俺はまりなさんの誘いに乗った。二人で立ち上がって居間から寝室へと場所を移す。もう何度も繋がり合ったベッドを見て、条件反射のようにズボンの内側で肉棒を勃起させた。今日もここで、楽しい夢のような時間が始まる。期待と興奮で高鳴った胸の鼓動をそのままにして、俺はまりなさんと一緒に同じベッドに横たわった。

 照明の光を薄暗くした室内で互いに手を伸ばし、相手の熱を感じ合いながらゆっくりと衣服を脱がせていく。慌てる必要はない。まりなさんは俺の傍にいる。安心感に浸かりながら手を動かし、一枚、また一枚と肌を晒していった。

 やがて、俺たちは全ての布を脱ぎ捨てて、抱き締め合った。まりなさんの綺麗な形をした胸が俺の胸板に押し付けられる。太股が触れ合い、露出した肉棒がまりなさんの下腹部をぐりぐりと突いた。

「疲れたね、勇希君」

「はい」

 最小限の声量で言葉を交わし、相手の目を見つめる。

 どれくらいそうしていただろうか。満足したまりなさんが俺の体を仰向けにすると、俺に股間に腰を下ろしながら覆い被さるような体勢になった。直後、股間で反りかえっていた肉棒に手が触れる。「ゴムはどうする?」という声に俺は首を横に振ると、まりなさんの細い手が肉棒に優しく触れ、その先端の向き先を修正した。

「よいしょ……」

 気軽な声とともにまりなさんの腰が持ち上がり、その瞬間が訪れた。

 じゅぷん、と肉棒が膣内に根元まで呑みこまれた。仕事中もその後もローターで解していたまりなさんの膣内はちょうどいい塩梅で、愛液に濡れた膣壁が密着する。全方位を柔らかく温かい壁に囲まれ、思わず息が漏れた。

「気持ちいい?」

 頷くと、膣が嬉しそうに肉棒を強く抱擁した。嫌なこと、面倒臭いこと、あらゆる負の感情が洗い流されていく。少なくとも俺はこのとき無駄なことに思考を回すことはせず、月島まりなという女と繋がる幸福を噛み締めていた。

 俺とまりなさんは性器同士をかみ合わせたまま、無駄に動くことはしなかった。たまに肉棒を扱くようにまりなさんが腰を振るだけ。傍から見れば、折り重なって眠ってしまったのではないかと思われるに違いない身動きのなさ。燐子やリサとするような高速腰振り運動とは正反対の、落ち着きのある交尾。

「二人で温まろう? じっくり、時間を掛けて」

 言葉を返さず、まりなさんの体を抱き締める手に力を籠める。

「それにしても、珍しいね。勇希君がゴムなしでさせてくれるなんて」

 二往復ほど肉棒を膣で扱き、まりなさんが意外そうに口にした。

 最近になって、生挿入セックスをする機会が増えたせいだ。生でする気持ちの良さに嵌ってしまった。妊娠させてしまうことで父親になる不安よりも、目先の快楽を優先しまったわけだが、思っていたよりも後悔は少なかった。

「いろいろあって……」

「ふーん」

 興味深そうな視線を向けてくるまりなさんから少し目を逸らす。俺の気を引こうとしてまりなさんがゆっくりと動き始めた。激しさのない動きだけど、焦らすような接触によって高まった興奮の中では十分すぎる刺激だった。

「好き」

 鼓膜を震わせ、脳を犯すような囁き声。俺は少し驚いて視線をまりなさんに向け直すと、まりなさんは穏やかな笑顔を浮かべていた。

「好きだよ」

 嘘偽りのない感情の発露。まりなさんからの好意の言葉に、俺は柄にもなく翻弄された。弄ぶような腰の動きも、まりなさんの体から漂う甘い匂いも、優しい眼差しも、その全てが俺の心を揺さぶった。

 心の中で安心感と興奮がどろどろと混ざり合う中、俺は静かに絶頂を迎えた。

 どびゅるるるっ、どびゅーっ、びゅるるっ、どびゅっ、ごびゅっ、どぷっ!

 普段の若い情欲に頼ったセックスとは違う、身の底から温められるような交わり。それを経て排出された子種は普段よりも少ないどころか多いのではないかと感じられるほどで、まりなさんの凄さを再確認させられた。

「たまには、こういうのもいいでしょ?」

 俺がまりなさん以外の女と荒々しいセックスをしていることを、まりなさんはわかっているのかもしれない。見透かされたような視線を感じて、なぜだか少し恥ずかしくなった。

「優しくゆっくりと癒してあげるから、好きなときに射精してね。君の全部を受け止めてあげる」

 舌先で耳の穴を穿られ、湿った穴に声が通り抜ける。その声に含まれた母性に思考が停止し、俺はしばらく無心でまりなさんと交わった。根元まで繋がって、時折再開されるまりなさんの膣扱きで快楽を高め、射精する。

 まりなさんの言う通り、たまにはこういうのもいいかもしれない。

 俺は満足感を抱きながら、まりなさんの優しさを噛み締めながら膣内射精の気持ち良さに身を震わせた。震えながら放心した俺の顔を、まりなさんは頬を緩めながら見続けていた。



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月島まりなと種付けセックス

 ベッドの上で数時間に亘って、俺の肉棒はまりなさんに捕食された。太い肉竿に膣肉が密着し、温めながら搾っていく。その刺激によってじわじわと高められた興奮は射精という形で発散され、まりなさんの子宮に精液が貯め込まれた。

「勇希君の遺伝子、また食べちゃった……」

 まりなさんは俺の体に圧し掛かったまま、表情を喜びの色に染めた。その表情に見惚れて、射精の勢いが増す。どぷっ、どぴゅっと子宮に精液を注ぐ心地よさに意識が蕩け、吹き掛けられた息が敏感な耳を襲う。

「どんどん出してね?」

 俺は黙って頷き、まりなさんに体の主導権を託した。

「うふふっ……。たくさんエッチして、エッチな赤ちゃん作ろうね……」

 囁かれ、耳の中を舌で穿られる。「あ……」という言葉にならない声を漏らし、俺は震えながら快感に蝕まれた。全てを忘れ、この癒し空間にのめり込む。こんな場所に長時間いれば駄目になってしまう。そう思っても抗えない魅力があった。

 まりなさんの尻が動き、膣が肉棒をねっとりとしゃぶり尽くす。もしもこのまま死んでしまったとしても、俺は何も不満を抱かないかもしれない。全てを赦してしまえそうな、そんな気分だった。

「本当に可愛い。君と出会えて、幸せだよ……?」

「お、俺も……」

 まりなさんと熱い抱擁を交わし、伸ばした舌と舌で突き合う。そうした些細な接触でも興奮が得られるほどに体は敏感になっている。もう、何もかもが気持ち良すぎて、絶頂が短い間隔で押し寄せてくる。

「ほら、どぴゅ、どぴゅっ。赤ちゃんを作る部屋はここだよ……?」

 また射精し、新鮮な子種をまりなさんの赤子部屋に提供してしまう。本当に孕ませてしまう。まりなさんもそれを望んでいる。それなら、この人に俺の子供を産んでもらっても何も問題はないのではないか。

 一瞬、脳裏に燐子の顔が過った。少し寂しそうだ。そう言えば、最近燐子と交わっていない。他の女ばかりを相手にしていて話す機会も減った気がする。

 燐子も、俺の子供を欲しがっていた。俺の傍で、誰よりも俺を愛し、何回も精液を搾り取ってくれた。他の女もいいけど、やっぱり燐子の抱き心地が忘れられない。

「出して、出して。金玉に貯まった美少年高校生のおたまじゃくしちょうだい。しっかりと卵子と結合させて、二人の血を受け継いだ子を作っちゃおう?」

「う、あ……」

 根こそぎ奪い取られる。月島まりなという女の中に俺の子種が貯まっていく。気がつくと体を起こしていたまりなさんの腹が、丸々と膨らんでいるのがわかった。

 精液袋。孕ませ袋。そんな言葉を連想させるボテ腹になったまりなさんがくすくすと笑っている。その瞳に妖しい色香が滲み出て、俺の心を惑わす。

「一滴残らず、吸い付くしてあげる」

 まりなさんの腰が動く。最初はゆっくりと、徐々に速く、いつもの燐子やリサの得意とする尻叩きつけ高速ピストン。その熟練度は二人に勝るとも劣らず、俺は快楽の底に溺れた。

 指を絡めるように両手を捕まれ、膣で肉棒を味わい尽くされる。欲望に染まる双眸を細め、口を三日月型に歪めて暴走するまりなさん。尻が股間に押し付けられ、膣肉で肉棒を弄ばれ、精液を奪われる。そして子宮に精液が溜まり、まりなさんが舌舐めずりした。

「このまま君のこと、独り占めしたい気分。養って、甘やかして、望むことを全部叶えてあげたいな。子供もたくさん作って、幸せな家庭を作るの。ね、いいと思わないかな? 君が望めば、全部実現してあげられるよ?」

 紡がれた甘い言葉。想像してみると、それはとても幸せだった。この人に全部を捧げて、捧げてもらって、共依存の関係を築く。

 悪くはない。悪くはないが、それでは駄目だ。

 そこには燐子もリサも、あこも紗夜もいない。俺が手を出し、物にしてきた女たちがいなくては勿体ない。俺にはハーレムを作る立場も精力もある。勿体ないというだけではなく、俺が単純にハーレムを作りたい。好みの女を好きなときに、好きなだけ味わえる。

 賑やかで楽しい、そんなハーレム生活を送りたい。

「皆で、一緒に……」

 小さな呟きが口から漏れて、それを聞いたまりなさんが動きを止める。ほんの少し驚いたように目蓋をしばたたいた後、にこやかな笑みを浮かべた。

「そうだよね。勇希はやっぱり、皆と共有しないとね」

 腰を俺の股間に落ち着かせて、子宮口を亀頭にぐりぐりと押しつけてくる。ぎゅうぎゅうと膣の締めつけも合わさって、俺の精液が尿道口から漏れた。

 ぶびゅるるるっ、ごびゅっ、どびゅっ、びゅるるるっ、どびゅーっ、どぷっ。

「協力するよ」

 射精の快楽を噛み締めていると、まりなさんの声が降り注いできた。まりなさんは俺の両手から手を離し、代わりに俺の頬に両手を添えた。

「皆で、君に尽くしてあげる。今いる子と、これから勇希君の物になる子たちと一緒に、君一人のために生きてあげるね。だから、頑張ってね? パパ」

 その言葉を最後に、まりなさんは俺に襲いかかってきた。大人の落ち着いた振る舞いを忘れて、獣のような本能丸出しのセックス。口で口を塞がれて、舌で口内をかき回されて、腰をパンパンッと股間に叩きつけられる。

 乱暴なセックス。俺の得意領分だ。俺は減った体力の中でどうにか体を動かし、まりなさんに襲われるだけじゃなく、自分で襲いかかった。

「あんっ、あっ、はっ、んんっ……!」

 まりなさんを四つん這いにさせて、背後からガン攻め。相手を屈服させるような腰振りとチンポ突きを繰り返す。まりなさんにあのまま甘やかされ、ゆっくりと飼われていれば敗北を喫していたかもしれない。だが、ベッド上の激しい肉と肉のぶつかり合いはこっちの土俵だ。まりなさんもそれをわかっているのだろう。

 形成は逆転し始めた。まりなさんは初めて息を乱し、俺にされるがままになった。俺は括れた腰を掴んで遠慮なく膣穴にチンポをねじ込む。この穴に可愛がられるのではなく、この穴を俺が可愛がる。

 やっぱり俺は、攻められるよりも攻める方が好きだった。

 喘ぎ続けるまりなさん。俺は腰を振って、まりなさんの中を掻き回す。俺専用の精液タンクになった腹を揺すったまりなさんを見て笑みを浮かべる。この腹がいつか本当のボテ腹になったときを想像すると、肉棒が興奮によって大きく膨らんだ。

「あっ、まだ、大きく……。さすが、勇希君っ……」

 もはや俺の独壇場だった。まりなさんの膣を圧迫し、カリ首で中を擦る。その度にまりなさんは敏感に反応を示し、その体が盛大な痙攣に変わるまでに時間はそう掛からなかった。

 まりなさんが達したのを見計らって、俺も欲望を解放する。最後に力強い突きを子宮口に食らわせたのをきっかけに、準備していた精液をぶちまけた。

 びゅるるるっ、どびゅーっ、ぶびゅーっ、どくっ、ぶびゅっ、どぷっ、どぷっ、どくんっ。

「あっ、あぁぁあっ……!?」

 まりなさんが体を震わせながら背を仰け反らせた。バックで嵌めているためにイキ顔を見れないのが悔しかったが、またの機会にしよう。俺はまりなさんの柔らかい尻を握り、感触を楽しみながら射精の幸せを噛み締めた。

 雌を屈服させ、自分の種を大切な場所に撒く。これがやはり一番気持ちいい。もしもその種が芽吹き、子が育まれるのだとしたらどうだろうか。

 悪くはない。今まであまり前向きではなかったが、子作りというのもいいかもしれないと思い直した。好みの女に飽きずに何度も種付けして、全員に子供を産ませる。複数人の女のボテ腹を同時に眺めることができれば最高ではないだろうか。

 目標ができた気がする。

 そうだ。もっと素直に生きよう。欲しい女に片端から手を出して、孕むまで交わろう。俺が相手なら、女は喜んで股を開くだろう。接点を作るために多少努力はしないといけないが、問題はない。

「まりな、協力してくれる?」

 俺の呼び捨てに気分を悪くした様子もなく、まりなは俺の方へと蕩けた顔を向けた。何の協力なのかは詳細を伝えなくてもわかっている様子だった。

「喜んで」

 まりなは口角をつり上げ、続けた。

「勇希君の目に留まりそうな子、たくさんいるから、これから片っ端から堕としてあげようね。まずは、勇希君にお勧めの子がいるんだ。湊友希那ちゃんって言うんだけどね――」

 まりなの中に精を吐き出しながら、俺は耳を傾けた。



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CiRCLEでアルバイト

 まりなの協力を取りつけた俺はライブハウス『CiRCLE』で本格的にアルバイトをするようになった。平日は学校が終わった後に、休日は入れられる時間帯になるべくシフトを入れて、割といつでもいるアルバイト店員として客に顔を売り始めた。

 その矢先だった。

「勇希さん?」

 平日の夕方過ぎ、客として訪れた紗夜と出会った。格好は制服のままで、ギターケースを背負っている。学校からそのままライブハウスへと直行してきたようだ。ギターを趣味としているからその可能性はあると思っていたけど、まさかこのライブハウスを利用しているとは思わなかった。

 驚いた様子の紗夜と同様に俺も驚きを示したものの、即座に感情を抑える。そして、客の誰もが魅了される笑顔を意図的に作って、清楚で人当たりのいい店員として紗夜と接した。

「いらっしゃいませ」

「あ、はい。……って、そうではなく」

 主導権を無理矢理握ろうとしたが、やはり無理だった。紗夜は俺へと身を寄せ、周囲の視線を窺う。ちょうどいいことに受付ロビーには紗夜と俺しかいない。そのことを確認すると、俺の耳元で声を潜めて話しかけた。

「どういうことですか?」

「アルバイトしてる」

「それは見ればわかります。私が聞きたいのは、なぜライブハウスでアルバイトを? ということです。アルバイトするなんて一度も言っていませんでしたよね?」

「理由はお金が欲しくなったから。それに音楽は好きだし、ライブハウスでいいかなって思った。知人の紹介もあって、ここで働くことにした」

 俺とまりなの関係を敢えて伝える必要もないため、表向きの理由はこういうことにしている。本当は目当ての女を見つけて食い漁りたいというのが理由だ。まりな曰く、ここで俺好みの子と出会う機会が多いとのことで、その餌にまんまと釣られてしまった形だ。別に店員ではなくてもいいのではないか、と思いもしたが、押し切られてしまった。たまにスタッフ専用の場所でまりなとイチャイチャできるし、金も稼げるからこれでもいいかと思うことにした。

「本当ですか?」

 他意があるのではないか。そんな感じに紗夜から疑われていた。上目使いに睨み据えられているのだが、怖いという感じはしない。むしろ可愛らしく思えて、思わず両手を伸ばして紗夜を抱き締めたくなった。

「ここではやめてください」

 実際に伸ばされた俺の手は、紗夜が後ずさったことで軽やかに躱されてしまった。

 紗夜はメリハリがはっきりとしている。人目のある場所では清廉潔白な委員長タイプのクール系美少女。実際に学校では生徒会に所属しつつ、風紀委員も務めているという。だが、誰の目もない場所で俺が求めると、途端にその印象は激変する。

 全裸にソックス、そして首輪姿で俺とチンポに忠誠を誓う雌奴隷。ハメ撮り自由で、カメラに向かって積極的にピースや絶頂顔を披露してくれる程度には俺によって調教されている。玉舐めもディープフェラもお手の物だ。

「したくなったら、いつでも家に呼んでもらえれば、その……」

 俺の要望には何でも応えてくれるが、やはり外では頑なだった。紗夜は俺との行為を思い出して顔をほんのりと赤らめたものの、過剰な接近を赦しはしない。結局紗夜と接触できないままに終わってしまい、俺はお預けを食らった気分になった。

「今度、徹底的に調教してあげるから」

 俺が言うと、紗夜の口元がわずかに綻んだ。

 しかし、はっと我に返った紗夜が表情を引き締め、咳払いを一つすると、普段の真面目モードに切り替わった。すごい切り替えの速さだ。真面目な子だなと改めて思いながら、俺は話を再開する。

「欲しいものがあるからアルバイトをしているってことで」

 嘘は言っていない。

「そう、ですか……」

 紗夜はまだ納得が行っていない様子だが、深く追求してくることはなかった。

 紗夜は知っている。面識はないが自分以外の女が俺の傍にいることを。紗夜だけでなく、他の女もそうだが、そのことを知った上で俺と付き合っているのだ。なにせ、女に比べると男の数は少なく、俺ほどの恵まれた容姿の男となると滅多なことでは見つからない。そんな好条件の男が自分に愛情を向けてくれるというのだから、余程のことでない限りは許容してくれる。

「では、そういうことにしておきましょう」

 一応は納得してくれたようだ。

「それでは、受け付けをお願いできますか? 店員さん」

 ふっと柔らかく微笑む紗夜に向かって、俺は「はい」と言葉を返し、受付テーブルに置かれたディスプレイで予約状況を閲覧する。氷川紗夜という名前と電話番号、希望する部屋を確認した後、顔を上げる。

「氷川紗夜様。予約を確認いたしました。お部屋はCスタジオをご利用ください」

 取り繕った態度で話しかけると、なぜか紗夜が笑い堪えていた。何故だ。

「ありがとうございます」

 そんなに俺の敬語が変だろうか。最後まで笑いを抑えることはできず、紗夜はそのままスタジオへと向かった。

 一人残され、途端に静かになる受付ロビー。今日は予約を入れている数が少ないようだ。我がライブハウスでは学生の利用が多いため、平日はそこまで忙しくない。予約が集中しても日中であることが多く、学校終わりのこの時間に予約を入れてまで練習する熱心な者はそこまで――。

「……いた」

 思わず声を出し、俺はディスプレイを見直した。

 もう間もなくだ。ここでスタジオを借りる予定となっている者が直近で一人。

 予約をした者の名前を確認したのと、正面の扉が左右に開いたのはほぼ同時だった。

 灰色のブレザーとスカート。羽丘女子学園高等部の制服だ。ネクタイをきっちりと締めた少女は肩に通学鞄を下げたまま、癖のない長い髪を揺らして堂々とこちらへ近づいてくる。綺麗に整った顔には無駄な感情を乗せず、無表情といっていい眼差しで俺を見つめ、受付の前で止まった。

「……スタジオの予約をした湊です」

 湊友希那。まりなに勧められた少女。

 そして、リサの幼馴染でもある。以前から度々リサに聞かされていた親友である湊友希那の話。最初は偶然名前が一致しているだけかと思ったが、まりなに見せてもらったライブの映像に映る少女と、以前にリサから見せてもらった写真に写る少女は同一人物だった。そのとき、世間は狭いのだなと思った。まさか、こんなところで繋がりが生まれるとは思いもしなかった。

「はい、少々お待ちください」

 改めて予約内容を確認する。時間帯に間違いはなく、部屋の設備等に問題はない。そのことを確認し、視線を上げて湊さんに微笑みを向ける。すると、湖面のように穏やかな表情の中で瞳が軽く泳いだ。

 リサに聞いていた、いや、聞かされていた通り、男に免疫はなさそうだった。目に見えて顔を紅潮させることはないものの、明らかに動揺しているのが態度でわかった。どうしていいかわからない。そんな様子でさ迷わせた視線は結局、ゆっくりと俺へと戻ってきた。

「予約確認しました。Eスタジオをご利用ください」

「え、えぇ、ありがとう……」

 湊さんはそう言って、多少ぎこちない足取りでスタジオへと向かう。

 廊下の奥へと消えていく後ろ姿を見守っていると、途中で俺の方を振り返った湊さんと目が合い、慌てて視線を逸らしたかと思うと、速足で奥へと歩き去ってしまった。何というか、これまたリサに聞かされていた通り、まるで猫のような少女だった。興味があるのに、こちらから近づこうとすると途端に逃げ出してしまう感じが似ている。

 初めて会った第一印象は、脈ありだった。

 男に興味がありません、といった感じのようだが、興味があるのが見え見えだった。リサ曰く、友希那はスケベ、なのだそうだ。リサが入手したアダルトビデオや18禁ASMR、自慰目的のゲームである所謂抜きゲーを貸そうとすると最初ははっきりと断るのだが、最終的には必ず受け取るらしい。

 そして、リサが後日になって話題を振ると、恥ずかしがりながらも感想を返してくれるらしい。それも、深い内容までしっかりと把握している辺り、ビデオもゲームも隅々まで堪能したことが丸わかりだという。

 これは、いけるのではないだろうか。露骨な接触をすれば拒まれるだろうが、相手の懐に入るようなきっかけがあれば、攻略も容易い。後はそのきっかけをどうするかだが。まりなから受けた提案も考慮に入れつつ、俺は思案を巡らせるのだった。



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燐子とリサの授乳&騎乗位攻め

「それじゃあ、勇希君。また明日」

 日課となったアルバイト帰り。夜道は危ないからと言われ、まりなに家まで送り届けられた。車の運転席から手を振るまりなに手を振り返し、家の前を離れていく車を見送ってから玄関へと向かう。

 扉の取っ手に手を掛けて中へと入ろうとすると、鍵が閉まっていないことに気がついた。家を出る時にしっかりと施錠したはず。それなのに開いているということは、中に誰かがいるということだ。

 海外にいる母さん以外で、合い鍵を持っているのは今のところ燐子だけだ。頻度は高くはないが、何か用事のある燐子が俺の留守中に家にいることは以前から何度かあった。きっと今日も何か用事があるのだろう。

 特に身構えることもなく、俺は扉を開いた。

「あ、勇希お帰りー」

「おかえりなさい、勇希君」

 そんな俺を出迎えたのは、裸エプロン姿の二人の美少女だった。

 真っ先に俺に声を掛けてきたのはリサだ。純白のエプロンは布地面積が小さく、胸の谷間や太股など健康的な肌色が至るところから覗いている。特に視線が引き寄せられるのはフリルのついた裾から伸びる太股で、その魅惑の脚に俺は生唾を呑んだ。

 そして、リサの後方でもじもじと内股を擦り合わせている燐子。説明不要のドスケベボディに白いエプロンは暴力的でまさに鬼に金棒だった。男の欲望を駆り立てるために存在しているといっても過言ではないだろう。

 俺がズボンの内側で肉棒を膨らませながら立ち尽くしていると、悪戯大成功といった様子で愛嬌のある笑みを湛えたリサが、燐子の手を握って俺の方へと近づいてくる。リサに優しく手を引かれた燐子が俺のすぐ目の前に立ち、リサの「いくよ、燐子。せーの」という言葉の後に二人で声を揃えた。

「ご飯にする? お風呂にする? それとも――」

 リサが燐子の、燐子がリサのエプロンへと手を伸ばし、互いの裾を捲り上げた。

「生ハメセックス?」

 ヴヴヴヴ、と震えるピンク色のバイブをガッチリと包み込む女子高生の発情マンコが露わになる。俺のために準備を整えてくれていたようで、バイブの根元の方には膣から漏れた愛液の雫が溜まっていた。その愛液がぽたぽたと床に落ち、かなり前からあっただろう小さな水溜りに合流する。

 その光景を目の当たりにした俺は、しばらく感情を言葉にできなかった。

 やがて、頭の理解が追いつき、ある一つの感情が体を支配した。

「生ハメセックスで」

 ズボンの中でテントを張る肉棒。それをビクビクと震わせ、俺は二人へと近づいた。

 

 慣れ親しんだベッドで、俺は裸になってリサと燐子に可愛がられていた。添い寝するような形でエプロンを胸の谷間に寄せてずらし、露わにされたリサの乳房。それを口で受け止めて乳首を吸う。

「いいよ、勇希。好きなだけ味わってね? アタシのおっぱい」

 妊娠中でもないため母乳は出ないが、リサに頭を撫でられながらする授乳は捗った。

「勇希君のおチンポっ、あっ、気持ちいいっ、もっと、あんっ、あっ、あっ……!」

 リサと同じようにエプロンの前部分を胸の谷間に寄せた燐子が、俺の腹筋に両手を突き、乳肉を揺らしながら腰を振っている。燐子の膣ではバイブの代わりに俺の肉棒が収納されていて、ガシガシと扱かれている。

 久しぶりの燐子の中は強烈だった。貪欲に絡みつく膣肉と湧き出る愛液でゴシゴシと肉棒を洗われる。根元から亀頭までの隅々を熱と締めつけで襲われ、いつ射精してもおかしくなかった。

「いい子、いい子。今日はアタシたち二人で気持ちよくしてあげるからね?」

 リサに胸と声で甘やかされ、燐子に肉棒を絞られる。この組み合わせはやばい。ろくな感想が浮かばない程度には頭は快楽一色に染め上げられていて、俺は先ほど二人から聞いた話を思い出した。

 リサと燐子は今日出会ったばかりだ。きっかけはリサが俺の家に来たことから始まる。見知らぬ女が俺の家の前でうろうろしていることに気がついた燐子が、念のためにとリサと接触したらしい。すぐに警察を呼べるように準備をしていたとのことだったが、その必要はなくなったようだ。

 リサが俺の女の一人だと理解したからだ。

 その後、二人でどういう会話をしたのかは詳しくは聞いていなかったが、どうやら意気投合したらしい。おそらく、リサが並外れた社交性を駆使して燐子との距離を詰めたのだろう。俺という共通の話題で花を咲かせ、内気な燐子をその気にさせた結果、裸エプロンで俺を出迎えることになった。

 清楚系ドスケベな燐子と、ギャル系ドスケベなリサ。男を駄目にする母性たっぷりの二人が出会い、生まれたこの状況に感謝する。そして、もっと早めに互いを紹介しておいたほうが良かったと後悔の念を抱いた。

「んっ、あっ、あんっ、あはっ……」

 嬉しそうに笑いながら騎乗位高速ピストンで俺を攻める燐子。肉棒は凄まじい速度で燐子の膣を出入りし、愛液を掻き回す音がぬちゃぬちゃと室内中に響いた。それを聞きながらリサの胸と穏やかな笑顔、そして声で癒される。

「今日もお疲れ様。アルバイト始めたんだよね? 今度遊びに行くから詳しいことは後で教えてね? あ、そうだ。今日の夕食、アタシが作ったんだよ? 温めて、燐子と三人で食べようね? それと、この前約束した通り、クッキー作ってきたんだ。ちゃんと、口移しで食べさせてあげる」

 ゆっくりと、吐息を混ぜた声で耳を犯される。そのおかげで余計なことは何も考えられなかった。パンッ、パンッ、パンッと燐子の尻が股間に叩きつけられ、肉棒をしゃぶり尽くされる。その状態でリサの乳首を咥えながら二人の笑顔を向けられる。

 二人から向けられる愛情を強く感じ、肉棒が喜びに震えた直後、肉棒がさらに大きさを増した。もう出る。それを敏感に悟った燐子がラストスパートとばかりに攻める速度を上げた。

「燐子、凄っ……!」

 というリサの声が驚く声が耳に触れる中、リサに賞賛された燐子の杭打ちピストンが猛威を振るう。さすがの俺も燐子の本気を受けて長時間耐えることはできない。恍惚とした表情で一足先に絶頂しつつある燐子の膣内のうねりによって肉棒が強く抱き締められ、俺は湧き上がった快楽に身を任せ、欲望を解放した。

 ごぷっ、ぶびゅるるるっ、どびゅっ、ぶびゅーっ、どぷっ、どぷどぷどぷっ!

「ぁっ……」

 俺の股間に盛大に尻餅を突いた燐子が全身で痙攣した。絶頂と俺の射精のタイミングを見事に合わせ、快楽に酔いしれている。そんな燐子の様子を見ていたリサが息を呑んでいた。

 ドクンッ、ドクンッ。燐子の膣による抱擁を受けていた肉棒が脈動し、子宮目がけて精液を放出し続ける。俺もまた体をビクリと揺らしながら幸せいっぱいの射精を堪能し、リサの乳首を甘噛みした。

「んっ……」

 乳首を噛んだ俺にリサの視線が再び俺に向けられる。

「勇希、乳首もいいけど、次はアタシのおマンコも味わって?」

 燐子のセックス技術の高さを見て、リサも興奮を煽られたようだ。頬を紅潮させ、息を軽く荒らげている。

 リサの求めを拒絶するわけもなく、俺は視線を燐子に向けた。

 すると、俺と視線を合わせた燐子が小さく頷き、腰を上げた。

 ごぷっ、ごぼぉっ、どろぉ。粘度の高い精液が膣から逆流している。それは俺の肉棒に垂れ、燐子の膣扱きによって白く泡立っていた精液を纏う肉棒を、さらに白濁に染めた。そこからは雌を狂わせる雄の濃い臭いが放たれていた。

「どうぞ、今井さん。勇希君のおチンポ、いっぱい味わってください……」

 燐子にも勧められ、リサは堪え切れない様子で微笑みを浮かべ、舌なめずりをした。

「んっ、ぁっ、やっぱ、すごっ、勇希のチンポっ!」

 パンパンパンッ、と燐子を見習うように股間に尻を叩きつけるリサ。早くも達しそうになっているのか時おり腰振りを止めて小刻みに揺らしていたが、それ以外では終始俺の上で卑猥なダンスを披露しながら両手の指で乳首に弄ってくれた。よく締まった膣内も、乳首を嬲る綺麗な指先の感触も心地よかった。

 リサに場所を譲った燐子はというと、俺に膝枕をしてたわわに実った乳房を俺の顔に乗せている。こちらも先ほどのリサを見習っての行動だが、膝枕というアレンジが加えられている。俺は燐子の柔らかい太股を後頭部に感じながら乳房を口に含み、舌で乳首を舐め回していた。

「んっ、ぁっ、燐子には、敵わないかな……?」

 あっという間に達したリサが俺と燐子を行動に見る。あわよくば正妻の座を、と考えていたのだろうか。リサは全身を震わせつつも、熱いため息を吐いた。それを見ながら俺は自ら腰を浮かせ、絶頂するリサを下半身だけで持ち上げながら射精。

 ごびゅるるるっ、どびゅびゅーっ、ごぼっ、どびゅっ、ぶびゅびゅるっ!

「ぁ、あああっ……!? 来たぁっ……!」

 一足先に快楽を噛み締めていたリサに続いて、俺も欲求を昂らせた。びゅるるるっと子宮に精液を注いでいく。

 口の端から涎を垂らし、体を弛緩させてにやにやと表情を緩めるリサ。燐子には一歩及ばずではあるが十分淫猥な裸エプロンのギャルを股間に乗せ、俺は燐子の乳首に塗った唾液を母乳代わりに吸引した。

「美味しい……?」

 燐子に頭を撫でられながら、俺は首を何度も縦に振った。



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燐子とリサと裸エプロン立ちバック

 燐子とリサに甘やかされた後、俺たちは夕食をとることにした。裸エプロンのままの二人と食卓の席に着き、温め直した食事を堪能する。普段は燐子と静かに過ごすことの多い食卓は今日に至っては賑やかだった。

「勇希、あーんして?」

 リサに言われるまま口を開くと、すぐ左に座っていたリサから箸が伸びてくる。細い先端が掴むのは里芋の煮っころがしだった。それが口許へと近づいてきたため、俺は口を開いて受け止めた。硬すぎず、柔らかすぎず。ちょうどいい歯応えの里芋の甘味が口いっぱいに広がる。俺が夢中になって咀嚼しているとリサが嬉しそうに微笑み、俺の腕に胸を押し付けてきた。

「勇希、可愛い。ほら、燐子もやってみよう?」

 俺の右側で大人しく食事をしつつも、羨ましそうな視線を向けていた燐子にリサが声をかける。燐子はピクッと肩を揺らし、どうすべきか迷ったようだが、期待に満ちたようなリサの視線に根負けした。

「勇希君、あーん……」

 燐子は厚揚げを箸で掴み、俺の口許へ。俺は再び口を開いて燐子のおかずを受け入れる。口を閉じて厚揚げの感触を楽しんでいると、燐子も口を緩めて俺の右腕に抱きついた。

「可愛い……」

「ね、餌付けしてるみたいだよね」

 二人の胸を両腕に感じながらの食事は新鮮で、性欲と食欲のどちらを優先すればいいのかわからなくなった。そんな状態で二人から交互に与えられる食事によって少しずつ腹を満たされていき、俺は最後まで自分で箸を握ることはなかった。

「美味しかった?」

 二人から同時に耳元で囁かれ、俺は素直に頷く。自分で作るよりも美味しく、食欲も満たされた。しかし、その代わりに別の欲求がむくむくと膨らみ、肉棒がズボンを押し上げた。

 食後の後、三人で食器を洗い、片付けをする。予想していなかった燐子とリサの邂逅には驚いたが、上手くやっているようだ。リサが誰とでも仲良くなれる社交性の塊で、燐子も俺の女を快く受け入れてくれたことで今の関係が成り立っている。

「燐子」

「はい、今井さん……」

 てきぱきと食器を洗い、それを受け取った燐子が水気を拭っていく。殆ど俺の出番はなかった。手持ち無沙汰になってしまったため、二人の後ろ姿が見える位置に椅子を置いて座る。

 裸エプロンのため、二人の魅力的な背中や尻、足までもが丸見えだった。今すぐ襲いかかって後ろからガツガツと犯したい。俺の女たちの中に精液を注ぎ込みたい。そんな欲望を募らせながら携帯電話のカメラで二人を撮影する。

「んー? なーに撮ってるの、勇希」

 呆れたような口調で言うリサだったが、しっかりとピースをしている。それに気づいた燐子もピースをした。意外と乗りがいい。エプロンから乳房を露出させたリサに促され、燐子も乳房を見せつける。その状態でピースし続ける女神たちがエロくて、俺はもう我慢の限界だった。

 ズボンのチャックを下ろし、肉棒を取り出す。ベッドで散々射精したことも忘れたように勃起した肉棒を扱く。おかずは裸エプロンの二人。尻を左右にふりふりと揺らし、膣口を指でくぱぁと開いて俺を誘惑している。

「勇希、そんなにしたいんだったらしてもいいよ?」

「好きなほうに、入れてね……?」

 そんなことを言われては、自慰などで満足できるはずもない。俺は一足先に俺を誘惑したドスケベギャルの背後に立つと、細い腰に手を当てて肉棒を奥まで一気にねじ込んだ。

「んっ……。いらっしゃーい」

 リサの温かい膣に歓迎され、俺は腰を落ち着きなく振った。二人といると興奮が収まらない。突き出されたリサの尻を掴み、ガツガツと膣内を肉棒で味わう。

「エッチな旦那様だね、勇希は。こんなに格好よくて可愛いのにエッチとか本当に最高」

 男が喜ぶ言葉で応援してくれるリサ。腰振りが捗り、立ちバックでリサと繋がる水音が室内に反響する。それを見ていた燐子は自らの手で胸を揉み、膣穴に指を伸ばしてくちゅくちゅと中をかき回している。顔は赤く染まっていて、荒い息を吐いていた。

「っ、あんっ、ぁっ、いいよっ、んんっ」

 リサの喘ぎ声と燐子の自慰姿。二つを餌にして募らせた欲望が股間を熱くした。密着するリサの中を擦りながら最奥に突きを放ったと同時に、俺は新鮮な精液を子宮へと注入した。

 ごぷっ、どびゅーっ、ぶびゅーっ、どぷっ、ぶびゅびゅっ、びゅるっ!

「んっ、あぁっ……」

 リサの背が仰け反る。体の震えに伴って引き締まる膣肉の圧迫を受けて肉棒から精液が搾り取られていく。膝から力が抜けていくが力を入れ直してリサの奥に肉棒を押し込み直す。

「っ、ぁっ、んんっ……」

 俺と同時に絶頂を迎えたらしいリサが今度は台所の縁に突っ伏し、震える体を支え始めた。力が入らないのだろう。俺の精液を子宮で受け止め、俺が腰を引いて膣から肉棒を取り出すとその場にへたり込んでしまった。

「はぁっ……んっ、気持ちよすぎっ……」

 膣から漏れた精液をどろりと床に垂らし、リサは紅潮させた顔で笑みを浮かべて台所の引き出し部分にもたれ掛かっていた。

 旦那の精液を膣から垂らす卑猥な人妻。すぐに二回戦へと移行したいところだったが、その前にもう一人のドスケベボディの持ち主に襲いかかる。

「ゆ、勇希君っ……」

 燐子を押し倒して上体を台所の上に乗せる形にさせる。その体勢で燐子の尻に股間を近づけ、手を使わずに捉えた膣穴に肉棒を挿入する。

「あぁっ……!」

 そのまま腰を前に動かし、精液に濡れた肉棒で燐子の熱々マンコを制圧する。蕩けそうなその熱で頭がぼうっとする。ぬるぬるとしたそこで肉棒を前後に動かし、燐子を味わい始めた。

「逞しいなぁ……んっ……」

 今度はリサが俺と燐子の結合を見ながら自分を慰める。乳首を指で募り、精液で満ち満ちた穴に指を入れて引っ掻いている。

「あぁっ、勇希君っ、んっ、あっ……!」

 声を上げる燐子。綺麗なその声をもっと聞こうと体を近づけ、燐子の上にのし掛かる。台所の上に置かれていた燐子の両手を甲の上から掴み、指と指の間に絡ませた。

 その状態で、パンッ、パンッと肌の触れ合う音を響かせながらピストン。燐子の黒髪に鼻先を埋めて甘い香りを肺一杯に吸い込み、癒されながらいやらしい肉体の燐子を味わい尽くす。

 裸エプロン。思った以上の破壊力がある。他の女にもぜひ着せてみたい。そして、料理以上に隅々まで堪能してミルクを子宮に提供する。燐子にもしっかりと味わってもらおう。

 俺はそう思いながら動きを加速させる。何も考えず、快楽を求めて膣穴を肉棒で掘り続け、その瞬間がやって来た。肉棒が大きく膨らみ、膣穴を内側からギチギチに圧迫して固定。膣奥でさらに膨らんだ肉棒から精液が放出された。

 どびゅーっ、びゅるるっ、どくっ、ごぷっ、びゅびゅるっ、どくんっ、どくんっ!

「ぁ、はっ、んっ、勇希君の、温かい……」

 燐子の子宮も真っ白に染める。俺専用の精液袋だ。たっぷりと溜め込ませ、俺の精液を心行くまで味わわせる。少しの間そうして繋がったまま、俺は射精後の余韻に浸った。

「はい、撮るよー」

 リサの声とともにシャッター音が響く。顔を後ろに向けるとリサが携帯電話を俺たちに向けて撮影を行っていた。

「あぁ、いい感じ……」

 はぁはぁと呼吸を乱し、膣に指を二本入れて掻き回しながら俺たちを撮るリサ。リサにとって十分おかずになる絵のようだ。淫乱カメラマンと化したリサの被写体として、俺はしばらく燐子と繋がったままの体勢を維持した。

 

「へぇー、なるほどね」

 湯気が広がる浴室にリサの声が響く。俺は湯を張った浴槽に一緒に肩まで浸かり、燐子とリサの二人を両側に侍らせながら会話に花を咲かせていた。

 二人は俺の腕を胸の谷間に挟み込み、伸ばした手で肉棒を扱いてくれている。温かい湯船の中で肉棒はまだまだ元気に勃起していた。

「友希那目当てでライブハウスでアルバイトかぁ」

「湊さんだけじゃないけど」

「まだまだたくさん狙っている子がいるんだ?」

 俺は何も言わずに首を縦に振った。湊さんだけではなく、あのライブハウスには俺好みの子が結構揃っていた。まだ短期間であるため、これからも好みの女たちを見つけられることだろう。

 いろいろな女と手当たり次第に肉体関係を持ち、ベッドやいろいろな場所で味わいたい。気に入れば俺のハーレムに加えて他の女と一緒に頂く。まりなと紗夜、あこはもうハーレムのレギュラーメンバー決定だ。まずは近いうちに紗夜を燐子たちに会わせようと思う。調教を進めているドМな紗夜の痴女っぷりをぜひとも皆に見てもらいたい。

「応援するよ、勇希。アタシたちにできることがあったら何でも言ってね? 勇希のためならなんでもするから」

「勇希君、頑張ってね……」

 繋ぐように指を絡めた二人の手で扱かれ、肉棒が欲望を吐き出す。どびゅびゅ、びゅるるっと湯の中で白濁液が広がった。射精の快感を味わいながら二人の舌で耳穴を唾液でぐちゃぐちゃにされる。

「素敵……」

「さすが勇希」

「いっぱい出してね……?」

「ほら、頑張れ、頑張れ」

 耳の穴を舌で穿られ、囁かれ、射精中の肉棒を扱かれる。このまま眠ってしまいたいと思えるほどの心地よさに包まれ、俺は口許を緩めた。



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白金燐子とディープキス

 唐突に目が覚めた。目蓋を開くと、灯りの消えた暗い室内。ベッドを背にしたまま正面の天井から視線を右横に移すと、心地よさそうに眠る裸の燐子がいた。反対側へと顔を向ければ、同じく一糸纏わぬリサの姿があった。

 どうやら寝落ちしていたらしい。二人の美少女に挟まれていた俺は、再び眠りに就こうと目を閉ざした。しかし、一度冴えてしまった意識は鎮まらない。二人に抱き着いてみようか。温もりと安心感を得れば眠れるかなと思ったが、眠っている二人は実に気持ち良さそうで、起こしてしまいかねないことに少し罪悪感を覚えた。

 目を閉じて少し待ってみても結局眠れず、俺は諦めて起きることにした。二人を起こさないようにゆっくりと身を起こす。

「勇希……」

 名前を呼ばれて少しだけ驚く。起きたのか? 身動きを止めてリサを見たが、リサは目を閉じて表情を緩めていた。俺の精液が付着した乳房が呼吸によって規則正しく上下に動いている。

 寝言か。俺はほっと息を吐き、そのままベッドから降りた。

 下着と寝間着を身に着け、その足で向かったのは地下の防音室だ。重い扉を開き、中に入ってパソコンの置かれた机に向かう。椅子に座ってパソコンを起動させつつ、机に置いてあった楽譜を手に取る。現在作成中の曲だ。引かれた五線譜の上に音符が連なってメロディを形成しているが、それは不自然な形で途絶えている。

 眠れないし、続きでも考えるか。パソコンにログインし、実際に考えた曲を作曲ソフトに打ち込んで流してみる。元々決めていた音に新しい音を加え、ああでもないこうでもないと悩みながらも少しずつ作業は進行していった。

「できた……」

 作業から約二時間弱。時刻は三時半を過ぎていた。作業は驚くほどつつがなく進み、無事に曲が完成した。後はこれに合う詞を当てはめていけばいいのだが、今日のところはこの辺りで終わりにしよう。

 いい曲が出来上がったことで少し機嫌が良くなり、鼻歌を歌いながら俺は気分転換をすることにした。御用達の動画・音声共有サイトにログインし、新しいメッセージなどが来ていないか確認をしたところ、また随分とメッセージが溜まっていた。

 その多くは俺に対するファンレターのようなものだった。

『こんばんは、ゆうきさん。いつも素敵な歌を聞かせてくれてありがとうございます。ぜひともゆうきさんにカバーしてもらいたい歌があり、メッセージを送らせていただきました』

 こういった歌のリクエストも珍しくはなく、もう随分とリクエストを貯め込んでしまっている。ここらで一気に消化していきたいところだ。近いうちにまとめて歌を投稿しようか。貰ったリクエストを吟味しつつ、俺は自分一人の夜を過ごした。

 そうしていると段々と眠気が襲ってきた。目蓋が重く、うとうとし始める。もう駄目だ。作業を終えてパソコンを閉じた俺は、そのまま机に突っ伏して目を閉じた。

 押し寄せてきた睡魔。それに身を委ねていると、「勇希君……?」という燐子の声が聞こえた気がした。聞き間違いかそうではないのか。確認することもできず、俺は深い眠りの中に誘われた。

 そして、懐かしい夢を見た。

 

「勇希君、話があるの……」

 学校からの下校中、俺は桜の木の傍で燐子に呼び止められた。たった今まで横を歩いていた燐子は足を止め、顔を真っ赤にして俺を見つめている。燐子は元々真面目な性格だが、今まで以上に真剣な様子に俺は言葉もなく燐子と向かい合った。

 俺と燐子の間に沈黙が漂う。四月の暖かな風が吹き抜け、桜の花びらが風に乗って遠くの空まで舞上げられた。それを尻目に俺が燐子を見続けていると、花咲川女子学園の真新しい制服を来た燐子が、豊かな胸元に手を当てて何度も深呼吸していた。

 この流れは。燐子の真意を汲み取った俺は柄にもなく緊張し、燐子の言葉を待った。焦らせることはしない。いつまでも待つつもりで燐子の様子を眺める。

 程なく、決心がついたようだ。燐子は口を開くと、最後に大きく息を吸い、真剣な眼差しを俺に向けたままその言葉を投げ掛けた。

「その、私と、結婚を前提に付き合ってください……!」

「うん」

 予想通りの展開に、俺は首を縦に振って即座に返事をした。断る理由がない。俺も燐子のことが好きだったし、燐子をネタに自慰をすることが多かった。早く燐子を俺の女にして愛してあげたいと思っていたが、幼馴染という近すぎる関係ゆえに今まで躊躇していた。告白して万が一にも断られたときのことを考えてしまうと、踏み切ることができなかった。

 それができた燐子は俺などよりもよほど度胸がある。そんな燐子を羨ましく思い、少しだけ悔しさが募った。この世界では女からの告白が一般的とはいえ、俺の中身はこの世界とは貞操観念の異なる世界で生まれ育った男。俺のほうから燐子を手に入れたかったという思いが強かった。

 いや、今からでも遅くはないか。俺はそう思い直し、顔を赤らめたまま呆然とする燐子に向かって微笑みかけ、告白の言葉を捧げた。

「俺も燐子のことが好き。ずっと一緒にいよう」

 その直後だった。燐子が目を回して倒れたのは。

 懐かしい記憶だ。過去の記憶を夢として回想している不思議な状況。夢を夢と認識する明晰夢自体珍しいのに、その上過去の記憶の完全再現ときたものだ。あまり体験できない夢を俺は楽しんでいた。

 卒倒した燐子を背負い、自宅へと向かう。当然のように自宅に母さんはいない。ただ、今日は燐子も一緒に帰宅だ。軽い燐子の体を背負ったまま階段を昇り、二階の自室へと運ぶ。

 燐子は入浴中にのぼせたかのような状態になっていた。目を回し続ける燐子をベッドに寝かせると、介抱し始める。一階に降りて濡れタオルを用意し、燐子の額に乗せる。

「うぅっ……」

 燐子の口から声が漏れる。何か言いたいのかと思って耳を近づけたが、そういうわけではなさそうだった。結局燐子は次の言葉を続けず、そのまま静かな眠りに就いたようだった。

 確か、この後だ。俺は燐子に顔を近づけた。燐子の綺麗な唇に惹かれるように接近し、自分の唇をしっかりと燐子に当てる。

 燐子の唇から伝わってくる熱。柔らかい感触。それらを十分に感じ取った後に唇の間に舌を割り込ませ、燐子の口内に侵入した。

 ぬるぬると燐子の舌に舌を擦りつける。燐子の寝込みを襲うことに興奮を覚え、俺は燐子に覆い被さって本格的に唇を味わった。燐子は俺の女だ。独占欲を滲ませ、マーキングをするように唾液を注ぎ入れた。

「ちゅっ、くちゅ、ぷちゅ、ちゅるっ……」

 そんな風に激しく動いていて燐子が目を覚まさないはずがない。俺が燐子と舌を絡めていると、燐子の額に置いていたタオルがベッドに落ちると同時に、長い睫毛が揺れて目蓋が開いた。

「んっ……!?」

 燐子が目を見張る。そのまま慌てふためこうとしたようだが、俺はそれを即座に阻止した。より深く舌を押し込み、燐子の口内をぐちゃぐちゃに掻き回した。逃がさない。強い意思を目線で訴えつつ、唾液の量を増やす。

「んっ、ちゅっ、くちゅ、ぬちゅっ、ぁっ……」

 燐子の目がぼうっとした様子で俺を見つめる。自分から舌を動かし、俺と戯れる。このままずっと繋がっていたい。そう思えるような幸福の中にいたが、やはり息苦しさには耐えられず名残惜しい気持ちで唇が離れた。

 自分の舌も取り出し、燐子の中から出ていく。もっと繋がりを求めようとした燐子の舌が伸びてきたが、俺はそのまま顔を離した。

 俺たちの間に伸びる唾液の橋。それが重力に負けて崩れ、燐子の舌の上に落ちた。燐子は舌にへばりついたそれを嬉しそうに見た後、口を閉じて喉を鳴らした。

「んっ……飲んじゃった……」

 緩やかに微笑む燐子。その顔があまりにも可愛いものだから、俺はすぐにまた燐子と繋がった。鼻息を荒らげ、唾液をさらに混ぜ合わせる。誰の邪魔もない。静かな部屋で接吻の音と声を響かせて、俺たちは互いの中に育まれた愛情に何度も触れ合った。

 その愛情がどんどん膨らんでいく。俺たちはこの後このまま一組の男女としての繋がりを求め、互いの性器に手を伸ばすのだった。

 が、そこで俺の意識は現実に戻った。

「ん……」

 目が覚めると、机の木目が目に映った。視線を少し動かすと、午前六時と表示されたデジタル時計が視界に入った。もう朝か。夢の続きを見ることなく目覚めてしまったことが残念だったが、こればかりは仕方がない。夢を操ることなどできるわけもなく、俺は目覚めに従うことにした。

 机に伏せていた体を起こすと、肩に何かが掛けられていることに気がついた。毛布だ。それが背中までを覆い、俺の体を暖めてくれていたようだ。燐子とリサのどちらだろうか。一瞬考えたが、すぐに誰かはわかった。

 机の上に貼り付けられた四角い付箋。デフォルメした猫の絵柄が添えられたそれには、見慣れた筆跡で文字が書き記されていた。

『あまり無理しないでね』

「ありがとう、燐子」

 文字を指先で辿りながら、俺はこの場にいない燐子にお礼を述べた。



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宇田川あこと種搾りセックス

「あんっ、ぁっ、凄っ、んんっ!」

 燐子とリサを同時に味わった翌日の午前。二人が帰宅したのを見送った後、俺は自宅に呼び出したあこと交わっていた。

「はっ、あっ、ゆうゆう、気持ちいいよっ……!」

 ベッドで横になって携帯電話を弄る俺の上で、あこが先ほどからずっとツインテールを揺らしながら腰を振っている。未成熟な幼い裸身を晒し、俺自慢の肉棒をロリマンコでガシガシと扱いてくれている。きついその抱擁のおかげで俺は既に二回射精を済ませていた。あこの子宮には俺の子種がべったりと付着していることだろう。

「ねぇ、ゆうゆうも気持ちいいっ……?」

 その問いかけに俺は黙って頷き、あこのなだらかな胸を掴む。胸は大きいのも小さいのも好きだ。胸の大きさの違いで注ぐ愛情を変えることはせず、俺はあこの小さな乳首を可愛がるようにこねくり回した。

「んっ、そ、それ、好きぃ……」

 乳首を摘まんで引っ張ると、あこがだらしのない表情を浮かべた。その間も腰を動かすのを止めず、俺の腹筋に両手を突いて小柄な体を上下に揺する。すっかり騎乗位セックスに嵌ったようだ。幼い外見に見合わない種搾り高速ピストンを習得しつつある。中々の成長速度だ。

「あこ、好きだよ」

「あこも、大好きぃ……」

 素直な子だ。俺はあこの腕を引っ張り、体を前に倒させてそのまま唇を奪う。小さな口中を舌で舐め尽くす。その攻めのせいでさすがに腰の動きが止まりかけたため、あこの尻を軽く叩いて腰振りを催促した。

「ぁんっ、んんっ、ちゅっ、くちゅっ、れろぉっ……」

 ベロチューしながらあこの杭打ちピストンを受ける。いい感じだ。あこが今の燐子のような技術を身に着けるのもそう遠い未来ではないだろう。もっとも、そのときには燐子はさらに技術を磨いているだろうが。

 あこの唾液を飲み、あこに俺の唾液を呑ませながら相手の温もりを感じ合う。

 そうしてあこと楽しんでいると、手に持っていた携帯電話が震えた。もう連絡が来たのだろうか。先ほどまでやり取りをしていた相手から連絡が来たのだと思っていたのだが、実際に画面を見ると予想していなかった相手からの連絡だった。

『こんにちは、勇希さん』

 通知アプリのメッセージを送ってきた相手は、紗夜だった。メッセージとは珍しい。紗夜とは電話でのやり取りが多く、あまりメッセージは少ない。俺の声を電話でもいいから聞きたいというのが理由らしい。

 しかし、今回はどうしたのだろうか。疑問に思ったが、とりあえずは相手に合わせてメッセージを送ることにした。

『こんにちは、紗夜』

『こんにちは』

 また挨拶が返ってきた。やはり慣れていないようだった。送った瞬間に内容は見えているはずだが、返事が来るまでの間も長い。文字を入力するのに時間が掛かっているのか、それともいろいろと考えているせいなのか。

『今、お時間よろしいでしょうか?』

『うん、大丈夫。電話のほうがいい?』

 メッセージを入力しながらあこと舌を絡ませる。普通ならばとても電話できる状態ではないが、何とかなるだろう。最悪、ばれても相手が紗夜だから問題ない。呆れられてため息をつかれるかもしれないが。

『いえ、このままでいいです』

 電話しましょう、と返ってくると思っていたため、その返事は意外だった。何かあったのかもしれないが、紗夜のほうから事情を説明しないのであれば、たぶん詮索しても無駄だろう。何でもありません、と言われるのが想像できた。

『それじゃあ、このまま。どうかした?』

『その』

 短く告げ、迷ったように数十秒の間を開いた後、続きのメッセージが届いた。

『バンドを組んでほしい、と誘われました』

 パンッ、パンッ、パンッとあこの尻が俺の股間に打ち付けられる。俺はいい音を聞かせてくれたあこの頭を撫でながら、紗夜からのメッセージを何度も読み返す。

 紗夜がバンドを組む。相手が男ならば絶対にやめさせるところだが、相手は十中八九女だろう。紗夜が出入りしているのは俺のアルバイト先である『CiRCLE』で、あそこは殆どガールズバンドのような扱いだ。男子禁制というわけではないが、このご時世に飢えた女の集まる場所へ足を運ぶ男は滅多にいない。

 だが、念のために聞いておいたほうがいいだろう。

『相手は男じゃないよね?』

『はい、女性です。それで、引き受けるべきでしょうか。勇希さんの、敬愛すべきご主人様の指示を仰いだほうがいいと思いまして、ご相談いたしました』

 なるほど。それなら別に問題ないだろう。紗夜ほどの技術を持ったギタリストがいつまでも一人では勿体ない。紗夜が悩むということは相手もそれなりの実力を有しているに違いない。バンドを組めば、紗夜にもいい刺激になると思った。

『いいと思うよ』

 そう、何気なく返したその数秒後だった。

『本当にいいんですか?』

 今までよりも早い返答。なんだろう。もしかして怒ってる? 文面からでは紗夜の感情の機微を読み取るのは難しく、やっぱり人間の会話は声と声で行うのが一番だと思った。

 もしかして、紗夜は感情的になりたくなくて電話ではなく敢えてメッセージでの会話にしたのか? 一瞬そう思ったが、確かなことはわからない。そんなことを考えているよりも、今は紗夜を怒らせない方法を模索するべきだ。

 どうすればいい。

「ゆうゆう?」

 あこが小首を傾げて俺を見る。可愛い。いや、今はそれどころじゃない。俺は「ちょっと待ってて」とあこに告げて携帯を見た。

『いいんですね?』

 目を離した隙にメッセージが来ていた。やっぱり怒っているようだ。いったいなぜ? 何が紗夜の怒りに触れたのかわからず、俺は紗夜のメッセージを既読にしたまま返答できずにいた。

『わかりました。勇希さんがそういうのでしたら、バンドを組んでみます』

 何かまずい気がする。弁明の言葉を打とうと思うものの、気の利いた言葉が思い付かない。当たり障りのないことを言うべきなのか。それとも、もっと特別なーー。

『それと、調教の成果をお見せするのはしばらくやめておきます』

 どうしてそうなる。紗夜のメッセージに俺は目の前が真っ暗になったような心境だった。日々指示を与えて調教を施していた紗夜。その成果を見るのが楽しみだったのに、ここに来てお預けとは。だいぶお怒りのようだ。

『ごめん。それは辛い』

 俺は素直な思いを伝えた。今一番成長著しい紗夜とあこを観察するのが俺の密かな楽しみだ。俺が指示を出し、二人から送られてくる自慰動画などを見て、実際に会って昂った欲をぶつけるのに嵌まっていたというのに。

『我慢してください。用件は以上です。それでは』

『ちょっと待って』

 紗夜のメッセージに返信する。しかし、いつまでも既読にならない。意図的に読んでいないのだろう。紗夜は耳を貸す気がないようで、これ以上下手なことを言っても無駄だと思った。

 俺は携帯電話を呆然と見つめる。

「どうしたの?」

 あこがぱっちりとした大きな目で俺を見る。本当にどうしたと言うのだろうか。何かまずいことを言った自覚がないため、紗夜に何をどう謝れば許してもらえるのか予想をできない。

 俺はあこの体を抱き寄せ、細い体を抱き締めた。あこは嬉しそうに頬を緩め、俺を抱き返しながら尻を上下に揺らす。密着した膣肉が肉棒を温めながら擦る。絶え間のないその刺激に俺は、紗夜の件で茫然としながらも確かな快感に包まれた。

 出る。そう思った直後、俺は射精を迎えた。

 どびゅるるるっ、ぶびゅっ、どびゅっ、ぶびゅびゅるっ、ごぷっ、どくっ、どくん。

「あぁぁああーっ……」

 俺の股間に座り込み、表情を歓喜に染めるあこ。俺はあこの中で思う存分に射精する気持ちよさに目を細める。あこと繋がりながら他の女のことを考えるのは失礼だろう。あとで紗夜のことをじっくりと考えることにして、今はあことの交わりに集中することにした。

「まだ出そう?」

 あこの問いかけに、俺は頷いた。今日は昼からアルバイトがあるが、それまではあこのために時間を空けておいた。あこの都合が良ければこのまま密着種絞りセックスに興じるつもりだ。

「搾り取ってくれる?」

 俺が言うと、あこはなぜか得意気な表情を浮かべた。

「ふっふっふっ。闇に魅入られしわらわの体で、そなたを闇の眷属に堕としてくれよう!」

 闇の眷属ってなんだ。たまに見せるあこの中二病ワードを読解する知識はまだなく、俺はとりあえず黙って頷いた。満足そうなあこが肉棒を抜かないまま腰の動きを再開させるのを見つめながら少しの間目を閉じた。黙っていると自然に紗夜のことを考えてしまい、あこと交わりながらももやもやとした気持ちが晴れることはなかった。



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煩悶

紗夜からの不穏なメッセージを受けた日以降、俺の身の周りで変化が起きた。

「こんにちは」

「……どうも」

 ライブハウス『CiRCLE』に入店したのは、すっかり俺と顔なじみになった湊さんだった。相変わらず視線を合わそうとすると目を逸らされるが、最低限の会話をすることはできる。なかなか関係が進展できないのは俺に思い切りがないからだ。今までは割と向こうからぐいぐいと関係を迫ってくる女が多く、この手の子との経験が少ない。

 と、まぁ攻めあぐねているわけだが、今は正直それどころではなかった。

「こんにちは」

 当然のように湊さんの横に立っている少女、紗夜。微笑むでも怒るでもなく、澄ました顔をしているのが逆に怖い。まるで今まで築いてきた紗夜との関係がなかったかのように感じられ、だいぶ心が苦しい。試しに笑いかけてみたが、湊さんが顔を赤らめる一方で紗夜は視線をわずかに逸らした。

 駄目だ。やっぱり怒っている。しかし、未だに紗夜を怒らせた原因がわからない。

「勇希君、接客」

 黙したまま客を見つめる俺に気付き、背後から近づいてきたまりなが耳元で囁く。俺は我に返って接客を再開した。スタジオの予約確認。設備等に問題がないことも確認した後、部屋の場所を告げる。

「Bスタジオをご利用ください」

「ありがとう」

「ありがとうございます」

 湊さんと紗夜はそう言って、部屋へと向かう。横並びになっているものの、まだ二人の距離感はどこか他人行儀だ。二人の背中を呆然と見送りながらそんなことを考えていた俺は、ガラス扉の向こう側から歩いてくる少女たちの姿を見つけ、接客へと戻った。

 この日は結局、紗夜とまともに話すことができなかった。メッセージを送っても応答はない。どう謝るべきかについて本格的に悩み、もう直球でいいやと思って開き直った数日後のことだった。

「やっほー、勇希」

「あ、ゆうゆうだ!」

 なんか増えた。

 湊さんと紗夜、そしてリサとあこという面子。湊さん以外、俺の女で構成されたその集団に、俺はなにか引っ掛かりを覚えていた。世間は狭いというが、こんな偶然はあるのだろうか。いや、あるから今こんな状況になっているわけなのだが、それにしても奇妙だ。

「ご予約は?」

「してるよ。あ、ちなみにアタシは見学ね?」

 リサが受付のテーブルに身を乗り出し、楽しそうに告げる。どうやら今日、あこがオーディションを受けるらしい。直接音を聞いたことはないが、あこがドラムを嗜んでいることは知っていた。そのあこが湊さんに憧れているようで、湊さんと紗夜が結成したバンドに入れてもらおうとしているらしい。

 本当にそれだけが目的? 俺が湊さんを狙っていることを知っているリサ。いつも通り明るい笑顔を振り撒いている。あこはオーディションに期待半分緊張半分の様子でリサと賑やかに戯れている。あこのほうに裏はなさそうだった。

「リサとあこって知り合い?」

「そうだよー、言ってなかったっけ? アタシの後輩だよ」

 俺の問いにリサが答える。そう言えば、リサとあこは羽丘女子学園の生徒だったことを思い出す。その関連で面識があったのだろう。いずれも社交的な性格であるため、二人の関係は良好のようだ。

「今井さん、練習時間が減ってしまうので絡むのはやめてください」

「あ、ごめんごめん。紗夜」

 紗夜? リサが紗夜のことを名前で呼んだことに、俺は首を傾げた。リサの社交性ならば初対面に近い相手を名前で呼ぶこともあるだろう。だが、なんというか昨日今日知り合った関係とは思えない親密さを感じ取れた。

 これはいったい。俺の認識の外で、何かが始まろうとしている。そんな予感があった。

 リサに尋ねれば何かわかるだろうか。紗夜が怒っていることも何か関係しているような感じがしたが、もしもそれが本当ならばリサに聞いても答えてくれないだろう。用意周到な紗夜がリサに口止めをしていないわけがない。

 下手な行動はせず、俺は傍観に徹することにした。

 スタジオに入った湊さんたちは真面目に練習しているようだ。最初、見学と言っていたリサがベースの貸し出しを追加で求め、四人で音を合わせている。ボーカルの湊さん、ギターの紗夜、ドラムのあこ、ベースのリサ。結構いい組み合わせなのではないだろうか。本当に楽しそうだ。各スタジオにある監視カメラ越しの映像をバックヤードで一瞥し、俺は小さくため息を吐いた。

 皆が楽しそうなのはいいことだけど、俺もそこに混ざりたいという思いがある。しかし、ボーカル二人になるとバランスは一変するし、何より今の湊さんが受け入れてくれないだろう。それに、なんとなくこのバンドは俺のような異物を入れないほうがいい気がした。

 だから、状況が動くまでは俺は変わらず見ていることしかできない。

 紗夜たちが何を考えているのか。それがわかるまでは。

「勇希、また来たよー」

「今日はりんりんも一緒だよ」

「おはよう、勇希君……」

 燐子、お前もか。状況の進展を望んでいた俺だが、これはあんまりではないか。

 湊さんたち四人がライブハウスを訪れてからさらに数日が経った。今度はその四人に燐子が加わることになったらしい。五人となった彼女たちが受付に姿を現したとき、俺はぽかんと口を開いたまましばしの間硬直してしまった。

 一人、また一人と身内の女が湊さんに取り込まれていく。あれ、これって寝取られでは? まさか、と思いながら湊さんを見たが、男に免疫のない湊さんはいつも通り俺と目を合わせてはくれなかった。

 スタジオに入る五人組。もう立派なバンドだ。ベース担当のリサはブランクがあるものの、一人一人の技術は高い。そこに小さい頃からピアノを習っていた燐子がキーボードとして加入することになれば、レベルの高いバンドになるのではないだろうか。

 バックヤードで休憩中。俺は椅子に腰かけ、監視カメラ越しにスタジオの様子を俯瞰していた。先週のあこのオーディションのように、今回は燐子のオーディションなのだろうか。音声までは聞くことはできないため、演奏を始める五人の動きだけを目で追う。

「そこの寂しそうな勇希君。これを見たまえ」

 声を掛けられ、後ろを振り向くと何故だか楽しそうなまりながいた。何やらポスターのようなものを手に持って、俺に見せつけている。紙面に書かれていたのは、一ヶ月後にこのライブハウスで行われるライブイベント用のポスターだった。

「それがどうかした?」

「あれ、反応薄くない?」

 まりなに人差し指で頬を突かれる。俺は特に反応せず、されるがままの状態を受け入れる。それを良いことにまりなの指が俺の頬を弄りまくる。遊ばれているが、それも今はどうでも良かった。

「おーい」

「なに? まりな」

「それはこっちの台詞だよ。相当参っているみたいだね?」

 やれやれ、仕方ない。そう言ってまりなは改めて俺の眼前にポスターを掲げた。

「勇希君。一緒にこれに出てみない?」

「は?」

 どういうことだ? 話の流れが理解できない。そんな俺に、まりなは続けた。

「勇希君がボーカルで、私がギター。二人でいい音を作って、皆を嫉妬させちゃおう?」

 そうすれば、皆が勇希君の魅力を再認識できるかも。耳元で告げられたその言葉に、俺はなるほどと思った。向こうが俺に嫉妬を抱かせるような行動を取るのならば、俺もまた同じように燐子たちを嫉妬させればいい。それにもしかすると、音楽好きな湊さんの気を引くことも可能なのではないか。

「やる」

 俺は席を立つと、やる気を漲らせた。そうと決まれば早速行動だ。ライブで歌う曲の選別。練習時間の確保。ライブまでの日程を逆算し、スケジュールを立てていく。思考を巡らせる俺の前で、まりなが苦笑していた。

「……勇希君って本当に扱いやすいよね」

「え?」

「ううん、何でもないよ」

 小さく呟かれたまりなの声が聞き取れず、俺は聞き返した。しかし、特に重要なことではなかったようだ。にっこりと微笑むまりなを見て俺は再び思考に没頭する。湊さんたちをあっと言わせる。そのために、俺はステージに立つことを決めた。



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CiRCLEで初ライブ

 ここ最近、俺の生活は大きく変化した。

 俺とまりなの都合が合うときには必ず俺の家に集合し、ライブの準備をしている。燐子たちと会う機会も減り、必然的にまりなと顔を合わす機会が増えた。都合が悪いときでもまりなとは連絡を頻繁に取り合い、二人の音楽を少しずつ作り上げていく。

 燐子たちとセックスできない分、まりなと繋がる回数も増えた。自宅の防音室で、居間で、寝室で。他の子に注げない精液を全てまりな一人に提供した結果、まりなは精液塗れのまま幸せそうに気絶することが多くなった。

「はぁっ、はぁっ……」

 気絶したまりなの腰を掴み、膣奥まで肉棒を押し込む。精液でぐちょぐちょの中を掻き回し、膣口まで逆流していた精液を子宮まで戻す。結構な速度で子宮口をガツガツと突いてみたが、まりなはしばらく起きそうになかった。

 やはり、足りない。俺には複数の女が必要だ。俺はまりなに抱き着いて唇を奪い、種付けプレスを繰り出す。荒く息を吐きながらまりなの舌と唾液を貪欲に堪能し、ブルリと体を震わせて膣内射精。

 出したい、もっと出したい。

 欲望は満たされるどころか膨らんでいる。まりな一人では受け止めきれないほどに。

 燐子たちはどうなのだろうか。俺がいない状況で欲求不満になっていないのだろうか。俺ほどではないだろうが、この世界の女は性欲旺盛だ。我慢できなくなって、俺以外の男に手を出す。そんなことはないだろうが、想像するだけで辛かった。嫉妬心が煽られて、眠ったまりなを犯す速度が上がる。

 早く、全員取り戻さなければ。

 煮えたぎる欲望はそのままライブへの熱意に直結した。

 限られた時間で、最高のパフォーマンスを提供する。ライブハウスに来た観客全員を俺とまりなの音楽の虜にする。その思いを胸に、一回一回の練習に力を注ぐ。まりなのギターに支えられながら、自分の熱意を歌に変える。

「すごいね、勇希君……」

 マイクの前で歌い終えた俺を、ギターを手にしたまりなが息を呑んで見ていた。

 確かに今の一曲は良かった。だが、もっと改善できるところも多い。これではまだ駄目だ。観客はこれでも十分すぎるほど湧くだろうが、全員を虜にできるかと言われると好みが分かれるだろう。

 全員逃がさない。ライブを観にきた者全員を俺のファンにする。

 俺は強く意気込み、マイクを手に取った。

 一曲歌って、録音した音源を聞き、二人で改善点を出し合う。認識を擦り合わせた後で、もう一曲。

 愚直にそれを繰り返しているうちに、一日一日が過ぎていった。ライブの日程が近づくに連れて気持ちが逸っていく。焦りは禁物。焦ったところで意味はない、それよりも次に何をどうすべきかについて冷静に考えるべきだ。

 音程、リズム、声量、感情表現、などなど。言葉にすれば簡単でも、実際にやってみると簡単にはいかない。音楽は生き物だ。歌うたびに良くも悪くも想定外のことが起こることがある。その想定外をどれだけ想定の範囲に収め、いい結果に導くか。

 考え、実践する。

 音楽に近道なんてない。

 ただひたすら、努力するのみ。

 

 月日は巡る。一ヶ月という期間は凄まじく早く感じた。

 今日、ライブが行われる。幾つかのバンドが出場予定だ。

 その中に、俺の目を引くバンドの名前があった。

 Roselia(ロゼリア)。結成されたばかりのバンドながら、ライブハウス「CiRCLE」で今一番有名なバンドだろう。彼女たちが出演するということもあって、元々参加を予定していたが後になって辞退するバンドも少なからずいた。

 Roseliaの構成メンバーは、以下の五人。

 ボーカル担当、(みなと)友希那(ゆきな)

 ギター担当、氷川(ひかわ)紗夜(さよ)

 ベース担当、今井(いまい)リサ。

 ドラム担当、宇田川(うだがわ)あこ。

 そして、キーボード担当、白金(しろかね)燐子(りんこ)

 湊さんを除けば全員俺の女で構成されたガールズバンド。その実力は高く、少し前に行われた別のライブで華々しいデビューを飾った。元々知名度のあった湊さんと紗夜に加え、燐子たちという新しい面子の参入によって表現力を向上。今日のライブでも多くの観客が彼女たちの演奏に惚れこむことだろう。

 Roseliaも今頃準備を進めているはずだ。

 俺は一人、宛がわれた控室にいた。

 本当は今日もアルバイトとしてライブの手伝いをしようと思ったが、まりなに断られた。全力を出すためにも力を温存しておくように、とのことだ。それはそうだと納得した俺はこうして控室で最終確認を行っている。

 喉の調子、問題ない。むしろ絶好調だ。

 楽譜の再確認。頭に入っている。わざわざ見るまでもない。

 衣装。なぜかCiRCLEの制服であるため、見直すところもない。まりなが衣装に選んだのだが、やはりまりなは自分を飾り立てるのが苦手なのだと改めて思った。今度、また服でも買ってあげよう。目を離すとすぐ似たような服ばかり購入しているみたいだし。

 MCの心配をする必要はない。俺は何も話さないからだ。

 俺のコミュニケーション能力は最悪だ。だが、そんなこと今は関係ない。

 俺は音楽だけで勝負する。

 時計の針が静かな控室に響く。俺は目を閉じて、ただのその時を待った。

 今頃、Roseliaの一つ前のバンドが演奏を始めた頃だろう。Roseliaの演奏も楽しむ余裕もないだろうが、仕方がない。また別のライブイベントでじっくりと見させてもらおう。今は自分のライブに集中する。

 俺は控室を出て、地下にある会場へと向かった。

 観客たちが集う場所ではなく、出演者用の入口。

 薄暗い通路を抜け、ステージ袖へとたどり着く。

 そこにはRoseliaの姿があった。紫や黒。暗色の目立つ配色の優美なドレス。そして、黒い薔薇のついた髪飾りを身に着けた美しい少女たち。彼女たちは演奏が聞こえてくるステージの方を向いていた。

 表情は見えない。が、五人のうち数人からは緊張が感じ取れた。

 彼女たちに声を掛けることはしない。今、彼女たちは次の出番に備えている。邪魔だけはしてはいけない。

 俺は壁に設置された待合用の椅子に腰かけ、目を閉じた。

 やれることはやった。あとは意識を高めつつ、出番を待つだけ。

 演奏が終わったようだ。出演者が入れ替わり、Roseliaが舞台に上がる。

「え、やば……。このイケメン誰……?」

「出演者? でも、Roseliaの次ってCiRCLEスタッフの演奏だよね……?」

「何でもいいから、とりあえず連絡先聞いておかない……?」

 何かひそひそと話し声が聞こえるが、気にしない。

 やがて、Roseliaの演奏が始まった。それまで黄色い声を上げていた少女たちが黙る。

 他者を圧倒する力強く美しい歌声。それを支えるに相応しい、正確無比で思わず胸が熱くなるような音。一つ一つの音が重なり合って、聞く者の心を魅了する。いつまでも聞いていたい。そう思えるほどの演奏だった。

「勇希君。ごめんね、遅くなっちゃった」

 目を開けると、まりなが目の前に立っていた。

 見慣れた私服姿だ。青いギターを携えているが、それ以外はいつもと何も変わらない。

「今来たところです」

「ふふっ、嘘ばっかり」

 まりなが小さく笑う。いつの間にか前の出演バンドの少女たちはいなくなっていた。Roseliaの演奏が聞こえる中、暗いステージ袖に二人きり。まさか、まりなとステージに立つことになるとは思っていなかった。

 燐子たちの気を引くという不純な動機で出演を決めたわけだけど、まりなと一緒に練習をする日々は楽しかった。一ヶ月という短い期間。体感では一週間にも満たないような気さえする。

「緊張してる?」

「少しだけ」

 実力を遥かに超えた期待を抱く必要はない。実力よりも少し上、それくらいを目指せばいい。それだけで十分と思えるレベルまで高めた。もう少し期間があればという想いはあったけど、ない物ねだりはできない。

 これが俺の、俺たちの今の実力だ。それを今日、ここで伝える。

「終わったみたい、だね」

 悲鳴にも似た歓声が聞こえた後、Roseliaがステージ袖へとやって来た。ステージとそこに集う観客と音楽を通じて一緒に作った熱気を纏い、顔に汗を浮かべた少女たち。やり切った様子の彼女たちに後悔の色はない。

 俺はそんな彼女たちの横を素通りし、ステージへと向かった。

 照明の光が眩しいステージ。正面にあるマイクスタンドへと歩く。

 まりなもギターを手に準備を進める。調子は良いようだ。Roseliaに魅了された観客が驚くような超絶技巧を披露する。俺は俺でマイクの調子を確かめた。何も問題ない。これならば実力を発揮することができる。

 俺はまりなに視線を送った。まりなはにっこりと微笑み、OKのサインを出してきた。

 全ての準備は整った。立派なステージ、信頼できる相棒、体調も万全。

 そして、ステージの前に集まって、視線を俺に集中させる観客。

 始めよう。観客の心を魅了、いや、心を奪うための一声を放った。

 

 その日、その歌声が、Roseliaを含めた想定以上のバンド少女たちの心を奪うことになった。



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Roseliaと

 人生初の生ライブが無事に終わった。

 当たり前だけど、自宅の防音室で一人歌を収録するときとは何かもが違う、動画サイトに投稿した際に流れるコメントよりも強く、胸を打つような熱量を持った歓声は今も耳から離れない。思い出すだけで、体が震えるようだった。

 俺はどうやら、ライブという新たな舞台に嵌ってしまったようだ。

「勇希君、大丈夫?」

 誰もいなかったはずの控室の椅子に座って呆けていた俺の眼前で、まりなが手をかざす。そこで俺はようやく、まりなが部屋に入ってきたことに気がついた。我に返り、軽く頷き返す。

「疲れたけど、大丈夫」

「ふふっ、お疲れ様。はい、これ」

「ありがとう」

 まりなから差し出されたペットボトルのお茶を受け取る。蓋を開けて飲み始めると、中身の半分を一気に飲み干してしまった。思った以上に喉が渇いていたらしい。水分を摂取し、体に内包していた熱がほんの少し冷めてきた。

「初ライブはどうだった?」

 テーブルを挟んだ向かいの席に腰かけ、まりなが尋ねてきた。

 初ライブの感想か。一言でいえば最高だった。具体的に言おうとすると言葉が上手く纏まらないが、話すのが苦手な俺でもライブについて長く語れそうだ。そのくらい、今までにない刺激を味わえた貴重な時間だった。

「またやりたいと思えるくらい、楽しかった」

「そっか。良かった、勇希君が喜んでくれて」

 そう言って、まりなはにっこりと微笑んだ。

 また、まりなと一緒にライブがしたい。できれば他のメンバーも集めたい。二人だけでこれだけ楽しかったのだから、ちゃんとバンドメンバーを揃えればよりよいライブができるはずだ。

 誰か入ってくれる人はいないだろうか。Roseliaのメンバーは難しいだろうな。というか、既にバンドを組んでいる人を入れるべきではないだろう。紗夜のギターで歌いたいという思いもあったが、諦めるしかない。

 誰かいい人はいないか。まりなに聞こうと口を開きかけたが、ポケットから伝わってくる振動に意識が向いた。携帯電話だ。俺は携帯電話を手に取り、液晶画面に表示された相手の名前を目にする。

『燐子』

 名前を見てすぐに通話ボタンを押し、受話口を耳に当てた。

「もしもし」

『勇希君、お疲れ様……』

 燐子の柔らかい声。すごく懐かしい感じがした。

『今、大丈夫……?』

「えっと、今は……」

 俺が視線を向けるより先に、まりなは席を立っていた。扉を開けて廊下へ出ると、ひらひらと手を軽く振ってどこかへ行ってしまった。気を遣ってくれたみたいだ。

「大丈夫」

『良かった……。えっと、言いたいことはいっぱいあるんだけど……』

 前置きし、燐子は続けた。

『今日のライブ、すごく良かったよ……。感動して思わず泣いちゃって……。私だけじゃなくて、今井さんも、あこちゃんも、氷川さんも。それに、友希那さんも……。ライブ用の衣装のまま聞いて、他の人たちと一緒に声を上げて……』

 燐子にしては珍しく饒舌だった。それくらい良いライブだったということなのだろう。身近にいる一番大切な人に褒められることほど嬉しいことはなく、それを聞きながら俺もいつの間にか笑みを零していた。

『あ、ごめんね……。私ばっかり話しちゃって……』

「別にいいよ」

 もっと聞いていたい。

『……それでね、勇希君。急な話になるんだけど、今日予定空いてる……?』

 そう思った直後、燐子の声音がわずかに変わった。

「空いてるけど」

『良かった……。えっとね、勇希君にお願いがあるの……』

 普段の会話の時とは違う。この声は、男女として交わっているときに聞く艶を帯びていた。久しぶりの甘い声が耳に浸透し、脳を刺激する。この声を聞くことができて、体が喜んでいる。

『今から、勇希君の家に来てくれる……?』

 断る理由などなく、俺は了承し、なるべく早く向かうと伝えた。

 通話を終えた後、俺はすぐに帰宅の準備をした。仕事がないかどうか、まりなに確認を取ったが、ライブ後の片付けなどは何も手伝わなくていいとのことだった。あくまで今日の俺をライブの出演者として扱ってくれるようだ。

 CiRCLEを出た俺は家に向かって駆け出した。こんなに走ったのはいつ以来だろう。鞄を背負い、足をひたすら動かす。数分全力疾走した程度では呼吸も乱れない。この体に備わる体力はこの程度では動じない。

 暗くなり始めた道を辿ること、数分。

 俺は家の前に到着した。塀の上から家の中を覗いてみたところ、カーテンは閉め切られているが部屋の灯りは点いていた。燐子が俺の家にいる。夢ではないのだとわかると興奮が昂った。

 扉の前に立ち、取っ手を掴んだ俺は、扉をゆっくりと開いた。

「お帰りなさいませ、ご主人様」

 綺麗に揃った複数人の声に出迎えられ、俺は立ち尽くした。

 俺の前には、横並びになって丁寧に礼をする五人のメイドがいた。

 その身を包むのは、白いエプロン付きの黒いメイド服。胸の谷間がはっきりと確認できる。スカートの丈はギリギリまで短く詰めていて、少し屈んだり動いたりするだけで下着が見えてしまう。その一方で、スカートの下に伸びる健康的な太股は黒いソックスに覆い隠されている。

 やがて、ゆっくりと頭を上げた五人と視線が合う。

 右から順番に、リサ、燐子、湊さん、あこ、紗夜。

 今日、Roseliaとしてライブ出演した五人の少女が、ライブ時の着飾った衣装とは異なり、男に媚びたメイド服を着こなして立っている。緊張した面持ちで立つ湊さんとは対照的に、四人は興奮交じりの微笑みを絶やさなかった。

「今日一日、五人でご奉仕いたします……」

「ご奉仕いたします」

 燐子の声を皮切りに、リサとあこと紗夜が続く。

「ご、ご奉仕いたします……」

 最後に遅れて湊さんが口にする中、俺は別のことに気になっていた。

 湊さんを除く四人のスカートの中から微かに、機械の低音が響いてくることに。

 

「あ、あーん……」

 湊さんが手に持ったスプーンの先を恐る恐る差し出してくる。俺はスプーンで掬われたオムライスと湊さんの恥ずかしそうな顔を交互に見た後、スプーンを咥えた。ケチャップの深い味わいとふわふわとした食感の卵の甘み。

 料理担当はリサかな、と予想をしながら口を動かし、視線を左右に振る。

 食卓の席に座った俺の周りには、湊さんを含めた五人がいた。

 俺に餌付け、もとい、俺の口にオムライスを運ぶ湊さん。俺の肩を二人で揉む紗夜とあこ。俺の両手をマッサージする燐子とリサ。俺を出迎えた五人のメイドによって、俺は食卓で手厚い歓迎を受けていた。

 なんだこれ、と思っても声には出さない。変わった奉仕方法だが、快適なことに変わりはない。美少女メイドを侍らせ、美味しい料理に舌鼓を打つ。まるで王様になった気分だった。

「いいかしら?」

「うん」

「あーん……」

 湊さんは口数少なく俺に食事を勧めてくる。嫌がっているのかと思ったが、そうではなさそうだ。湊さんは終始俺から視線を逸らさず、熱の籠った視線を俺に投げかけてくる。見間違いでなければ、たまに湊さんの口角が緩んでいた。

 肩と手を揉み解されながら、食事は進む。

「どうですか、ご主人様」

「ご主人様、気持ちいい?」

「すごく気持ちいい」

 紗夜とあこに問われ、素直な感想を伝える。

 常に元気なあこはともかく、紗夜まで機嫌がいいのは意外だった。てっきり、まだ怒っているのかもしれないと思ったからだ。結局、紗夜が何に怒っていたのかわからないまま機嫌が直ってしまった。もし次怒らせることがあったら、すぐに頭を下げて謝罪しようという教訓だけは胸に刻んでおく。

 俺が湊さんと紗夜、あこに囲まれる中、リサと燐子は微笑んでいた。何も語らず、にこにこと。時折強い欲望を抱えた視線が注がれているのはバレバレで、この後に何かが待ち受けているのは容易に想像できた。

 ややあって食事が終わり、食器が片づけられる。さすがに洗い物くらいしようと思ったが、手は出さないように言われたため大人しく席に就いている。湯呑みに注がれたお茶を飲み、一息吐く。

「終わりました」

 紗夜の報告の声。五人掛かりでの洗い物はすぐに終わり、全員が俺の下に集う。

「それでは、ご主人様……」

 そして、燐子が話を切り出してきた。

「これから全員で、食後の運動でもいかがでしょうか……?」

 予想通りの提案に、俺は首を縦に振った。

「運動……?」

 湊さんの不思議そうな声が耳に残った。

 

「ぐぷぅっ、ぢゅぼぉっ、んぷっ、ぢゅぷっ、ぐぽぉっ、ぬちゅぅっ、ぢゅるっ!」

 全裸に剥かれてベッドで仰向けになる俺の股間で、紗夜は頭を動かす。口元に俺の黒い陰毛をつけたまま、窄めた口で肉棒をねっとりとしゃぶる。紗夜の顔は興奮しきっていて、ここ最近で一番卑猥だった。

 俺は携帯を構え、紗夜の許可を取らずに一枚撮影。

 被写体である紗夜は、金玉を揉む手とは逆の手で咄嗟にピースをしていた。もはや俺が指示出しする必要はない。教育を施した結果、自分で学び、練習し、主である俺に成果を披露する雌奴隷となった。

「はぁ、んっ、久しぶりのご主人様のおチンポぉ。硬くて、ぶっとくてぇ、とっても熱い。ご主人様、この間は申し訳ございません。ご主人様に逆らったこの卑しいおチンポ奴隷に、どうか心行くまでお仕置きしてください」

「うわ、紗夜、切り替えすごいね」

「勇希君――ご主人様の調教を受けたみたいですからね……」

 ドスケベメイドと化した紗夜を見て、リサと燐子が楽しそうに話し合いながら手を動かす。ぐいっ、と俺の両手首が左右からリサと燐子に引っ張られ、メイド服から露出した二人の生乳に押しつけられている。

 むっちり、むにゅむにゅの女子高生おっぱい。大きく広げた手の平が二人の乳房を掌握し、柔らかい肉に埋まっている。温もりも心臓の鼓動も心地よく、頻繁に指が動いて胸の感触を楽しんでしまう。

「ご主人様、こっち向いて口開けてー?」

 声に反応して顔を横に向けると、あこが俺の顔を覗き込んだ。俺は目の前に迫ってきたあこの前で口を開ける。

 あこの小さな口が開くと、とろり、と唾液が垂れてきた。俺はそれを舌の上で受け止めた。

 口内に溜まるあこの唾液。舌を動かして唾液を味わっていると、あこが俺と唇を重ね、押し込んだ舌で中をぐちゅぐちゅと掻き回してきた。鼓膜を震わす水音。幼くも、艶やかな笑顔で俺とのベロチューを楽しむ。

 肉棒は紗夜に、両手は燐子とリサの胸に、口はあこに任せている。

 献身的に俺に奉仕する四人のスカートからは、今も機械の駆動音が響いてくる。四人の膣内を満たし、震える紫色のバイブが音の発信源だ。燐子が用意したという俺の肉棒に近い大きさのそれが、四人の膣内の準備を整え続けていた。

 最初から俺と交わる予定だった四人に対し、一人だけ状況に取り残されている。

 湊さんだ。部屋の隅で棒立ちになっている。顔は真っ赤に茹っており、愛し合う俺たちを食い入るように見つめている。息遣いは荒く、ミニスカートを掴む手にきゅっと力が入っている。

「ご主人様ぁ。あぁ、雄臭くていい臭い。もっと、チンポの臭い嗅がせてください」

「ねぇ、紗夜。今日の目的は忘れてないよね?」

「あ、え、えぇ、も、勿論です!」

「忘れていたみたいですね……」

 暴走する紗夜と、それを嗜めるリサと燐子。

 そんな中、俺と口づけを交わしていたあこがベッドから降り、湊さんの下へ向かう。

「友希那さんもこっちに来て、ご主人様にご奉仕しましょうよ!」

「え、ちょ、ちょっと……!」

 湊さんがあこに手を引かれた。湊さんはたたらを踏んでしまい、体勢を崩しつつベッドへ近づいてくる。その足はベッドのすぐ傍で止まり、ベッドで奉仕を受ける裸の俺に目線を注いでいる。

 湊さんの反応を見ていると、今すぐがっつかれてもおかしくない。前世でたとえれば、5P中の黒髪清楚系ビッチな巨乳美少女で童貞を卒業し、気に入られれば今後も可愛がってもらえる絶好の機会を目前にした、思春期真っ盛りの男子高校生だ。

 しかし、湊さんはさすがに意思が固かった。

「こんな風に初めてを迎えるのは、その……。き、聞いていなかったし、シャワーを浴びていないから汗の臭いだって……」

「えー、大丈夫ですよ」

 というか、単純に踏ん切りがつかないだけなのかもしれない。今この瞬間も俺の体、特に股間にチラチラと視線を送っている。白い太股の内側をもじもじと擦り合せている。あのスカートの中身が濡れていてもおかしくはなさそうだ。

 あと一押しと思った矢先に、リサが俺の手を優しく胸から離し、腰を上げた。

「友希那」

「り、リサ、なにを……?」

 リサは湊さんの背後に素早く回り、後ろから抱き締めた。左手は湊さんの胸を、右手は下腹部を擦る。それに驚いた湊さんが身じろぎするが、リサの抱擁を振り解くことはできない。

 湊さんを拘束しながら、リサが耳元で囁く。

「素直になりなよ。勇希みたいに超絶イケメンで可愛くて、性格もいいし、セックス大好きな男なんて他にいないよ? おまけに、アタシたちと同じで音楽が好きだし。友希那は、勇希に歌のこととかいろいろ話を聞きたくて、勇希の家に来たんだよね? だったら、ちゃんと勇希が喜ぶ女になってあげないと」

 勇希に逃げられちゃうよ?

 リサがそう続けると、湊さんは目を見開いた。

 俺と湊さんの視線が合う。瞳を左右に揺らし、俺の体を視姦した。

 湊さんはおもむろに深呼吸をし出し、呼吸を整える。

 そして、決断したようだ。自分の意思で歩みを進める。

「岩戸さん……」

 湊さんから名前を呼ばれるのは初めてだ。それに、苗字で呼ばれるのも久しぶり。

「友希那さん、ご主人様、ですよ?」

「わかっているわ……」

 あこの助言に頷き、湊さんは緊張を抱えた面持ちで喉を震わせた。

「ご、ご主人様。私は湊友希那と申します。どうぞ、友希那とお呼びください。今日は、えっと、ライブ終わりで疲れたご主人様にご奉仕いたします。どうぞ、私の体で気持ちよくなってください……」

 事前に考えていた台詞を読むようなたどたどしさだった。湊さん、いや、友希那はベッドの傍で膝を突き、前屈みになって俺へと顔を接近させる。乱れる長い髪を整えるために耳に引っ掛けると、初めて嗅ぐいい香りが髪から漂ってきた。

 新しい女。狙っていた友希那が、今こうして俺の前にいる。

 燐子たちのおかげだ。燐子たちが友希那とともにRoseliaを結成したのは偶然だとしても、俺と少し距離を置くことで、俺が友希那に嫉妬に近い対抗心を抱くよう仕向けたのは燐子たち自身だ。

 今思えば、まりなの「勇希君って本当に扱いやすいよね」という言葉の意味がわかった。まりなはわかっていたのだろう。全ては、燐子たちの掌の上、だということを。もしくは、まりなも一枚噛んでいた可能性すらある。俺がライブに情熱を燃やし、友希那と真っ向から音楽と音楽でぶつかり合う状況を作った。

 正面から友希那の顔が迫る中、視界の端に捉えていた燐子が笑った、ように見えた。

「んっ……」

 俺と友希那の唇がついに触れ合った。ぷるぷるとした唇。体温も心地いい。何より瞳を潤ませる友希那の美麗な顔が素晴らしい。ファーストキスを捧げ、表情を綻ばせる友希那を目にして肉棒が震える。

「んっ、ご主人様のおチンポ、震えてる。私のおマンコに入れてあげたい……」

「我慢ですよ、紗夜さん。今は友希那さんが優先ですから」

 紗夜が肉棒を扱き、あこが金玉を手の平で包み込んで揉んでいる。

「うーん、初々しいなぁ」

「昔を思い出しますね……」

 リサと燐子は友希那の邪魔をしないよう、ベッドから降りて俺たちを眺めていた。母性ある二人は露わにした胸を弄ったり、スカートの中に手を突っ込んで下着に抑え付けられたバイブの先端を動かしたりして、思い思いに自慰に耽っているようだ。

 熱と欲望渦巻く美少女たちに中てられて、俺も気分が舞い上がる。

 唇を重ねるだけだった友希那の口内に、俺は舌を入れた。

「んっ!?」

 友希那が狼狽し、顔を離そうとした。俺は咄嗟に伸ばした両手で友希那の頭を抱え、逃げられない状態にしてから口内を舌で舐め回す。

「あ、ぅっ、んっ、ちゅっ、くちゅっ、ぬちゅっ……!」

 奥に引っ込む舌を捕らえ、強制的に舌先で握手。ぬるぬると擦って俺の唾液を提供する代わりに、友希那の唾液を頂く。啜って俺の口内に誘導すると、そのまま喉を鳴らして嚥下。美味い。お礼に俺の唾液をもっと塗ってあげることにした。

「んっ、んんっ、ちゅるっ、ぬちぃっ、ぐちゅっ、ぢゅ、ぐぢゅぐちゅっ!」

 友希那の長い髪に指を通し、梳いていく。もう片方の手で頭を撫で、友希那を落ち着かせるように促すと、友希那の目はとろんとしていた。キス一つで可愛い。俺は大勢の女を魅了する笑顔を友希那に向け、本格的に貪り始めた。

 湊友希那という女にマーキング。わざと水音を鳴らした激しいディープキスを繰り広げる。俺の両手で頭を抱えられた友希那は大人しくなり、徐々にではあるが積極的な姿勢を見せるようになった。

「ぐちゅっ、くちゅっ、れろぉ、ぢゅるるっ、んっ、ごくっ、ぬちゅっ、ぬちゅっ!」

 情熱的なキスに、周囲からの視線が強まった。

「いいなぁ」

「なんだか、寝取られている気分になりますね……」

「燃えるよねー」

「勇希君が楽しそうで、嬉しい……」

 それぞれの想いを抱く四人の声を聞きながら、舌を絡ませる。

「んっ、はぁっ……」

 自然と互いに口を離し、俺と友希那は視線を合わせる。開いた口から伸びる唾液。それは俺と友希那をしっかりと繋いでいた。やがて唾液の糸が切れそうになってしまうが、同じタイミングで伸ばした舌先が唾液を全て拭い取る。

 ぬちゅっ、と最後に舌先を擦らせた後、友希那がベッドの傍で立ち上がった。

「もう、我慢できないの……」

 友希那の手が撫でるのは、自身の下腹部だった。メイド服の生地に包まれた腹部はほっそりとしていて、挿入すればさぞ締まることだろう。俺は紗夜とあこのマッサージで準備万端になった肉棒をびくつかせ、友希那を求めた。

「一つになろう」

 そう告げると、友希那は「はい、ご主人様……」と快く返事をした。

 

 ベッドを背に、友希那が横になる。長い髪を枕元に広げ、黒ソックスに包まれた両足をM字に開脚している。短いスカートのため、純白のショーツが丸見えだ。隠された陰部は既に湿っているようで、下着はぐちゅぐちゅだった。

 俺は友希那のショーツに手を掛け、それを引きずり下ろす。

 わかり切っていた通り、閉じた陰裂の間からは愛液が垂れてきていた。割れ目に指を這わせ、両手の指でくにぃと左右に開く。色白い肌とは違うピンク色に染まる中身が披露され、横合いから伸びてきた携帯電話がパシャリとシャッターを鳴らして友希那の初物マンコを撮影した。

「あとで送ってあげるからね……?」

 燐子に囁かれる。俺は燐子へと顔を向け、軽く口づけした。

「ん、ありがとう……」

 そう言って離れる燐子を目で追うと、あことリサ、紗夜も各々の携帯を構えて俺たちを撮影していた。自慰をするときのオカズにするのかもしれない。携帯を持っていない方の手で既に股間やら胸を弄っていた。

「また、新しい快感に目覚めてしまいそうです……」

「二人とも絵になるね」

「しばらくオナネタには困らないかな?」

 小さく喘ぎ声を漏らす紗夜、あこ、リサの三人から視線を外し、正面の友希那を見遣る。

 今か今かと待ち侘びている友希那。桜色の乳首が確認できる綺麗な胸を眺めた後、俺は腰を動かし始めた。友希那の視線が向けられながら、肉棒が膣の割れ目に近づく。男の侵略を許したことのない清らかな性器。女とヤリまくった百戦錬磨のチンポが亀頭で割れ目をこじ開けた。

 ぷちゅっ、と膣口に亀頭が吸いつく。

 待ちに待った瞬間。これから、友希那の処女を貰う。そう思うと欲望が加速し、思いっ切り突き入れたくなってしまうが、それは我慢する。腰を動かす力を緩やかに強めていき、穴の中へと亀頭を入れていく。

 丸い亀頭が埋まるに連れて、小さな穴を広げていく。やっぱりきつい。亀頭を追い出そうとするかのような抵抗を受ける。俺はそれに抗い、友希那の太股を両手で掴んで腰の進行を継続する。

 亀頭はそのまま入口にあった膜を破き、友希那の処女を奪った。

「っ、ぅ……!」

 友希那が痛みを訴える。裂けた処女膜から破瓜の血が生じ、肌を伝ってシーツに染み込む。白い生地に赤い痕が残った。今も血を吸収し、血の痕を緩やかに広げていく。

「動くよ?」

 俺の声に、友希那はこくりと首肯した。

 亀頭が完全に穴に呑み込まれ、肉竿も後に続く。ギチギチと圧迫してくる膣肉の抱擁を浴びながらも止まることはしない。じわり、じわりと前に進み、亀頭は時間を掛けて膣の最奥へと至った。

 子宮に進路を塞がれ、挿入が終わる。

 膣奥までズッポリと満たされた肉棒。愛液で熱く蕩けた穴は肉棒を強く締め付けつつも、肉棒の大きさに馴染みつつあった。処女を制圧した達成感を抱き、俺は深く息を吐いた。

「熱い……。あんなに大きいものが、私の中に……」

 友希那は自分の下腹部に視線を這わせていた。強烈な異物感を抱いているだろう。呼吸を乱し、どこかそわそわしている。

 俺はゆっくりと肉棒を引き戻した。高く張ったカリ首が膣を引っ掻く。

「あぁっ……!」

 膣からギリギリ抜けるかどうかの位置まで亀頭を撤退させた後、敏感に反応する友希那の太股から腰へと両手を移動させる。ガッシリと掴んだことを確認し、再度膣内の攻略に戻る。

 ずぷっ、ずぷっと膣内で肉棒を前後に動かす。俺の我慢汁と友希那の愛液が混ざり合い、それを薄く広げていく。そのおかげで動きが滑らかになっていき、順調に速度を上げることができた。

「あっ、んっ、あぁっ、ぅ、ん……」

 俺が友希那の中を肉棒で掻き回すと、友希那の声が大きくなった。気分も高まってきたようだ。その声は俺の腰遣いを捗らせ、本格的な膣の調教を始める。この穴を俺専用のチンポ穴に変えるために。

 ガツガツと攻める。十分に引いた後、奥まで肉棒で押し込む。

「はぁっ、あっ、んんっ、あんっ……!?」

 膣を味わう一方で、伸ばした片手で友希那の乳房を揉む。お椀型のそれを五本の指で包み、ひたすら揉む。手の平で乳首を圧迫し、もっとその感触を楽しもうと思い、指で摘まんでこりこりと動かす。

「む、胸を、そんなに、あぁっ!」

 ちょうど子宮近くのいい場所に亀頭が当たったようだ。友希那の華奢な体が跳ねる。その振動は肉棒にも伝わってきた。うねるような膣肉の脈動が心地いい。もっと味わおうと、何度も膣奥を小突いた。

 二人だけの世界。残された四人はもう殆ど自慰に夢中になっていた。バイブの音が大きくなっている。より強い刺激を求めて疑似チンポを膣内で暴れさせているのだろう。切なそうな嬌声が俺の鼓膜を揺らした。

 可愛い友希那に興奮しっぱなしの俺は、友希那に覆い被さって口づけを始めた。

「むぅっ!? んんっ、んっ!」

 舌で友希那の口を、肉棒で膣をぐちゃぐちゃにする。身動きを制限するように両手で抱き締め、上から圧し潰すように腰を振る。ベッドの上で折り重なった俺たちは、生殖器が嵌め合わされる音を結合部から何度も響かせた。

 腰を振って、友希那の舌を味わって、また腰を振る。

 股間の奥から精液が昇ってくる。快楽の度合いも増していく。

「んちゅっ、んっ、ぁ、ふっ、んんっ、ぢゅるっ、ぐちゅっ、くちゅっ!」

 止まらない。さらに腰を加速させる。

 ぐちゅんっ、ずぷっ、ぢゅぶっ、パンッ、パンッ、ぐっちゅっ、ぬぷんっ!

 ぐぐっ、と肉棒が大きくなる。穴の中で一時的な膨張を果たしたそれを、ぢゅぷんっと奥深くまで入れる。ぐりぐりと腰を左右に振って亀頭が子宮口に嵌ったのを確認し、俺は快楽に呑まれた。

 どびゅびゅーっ、びゅびゅーっ、びゅるるっ、どびゅっ、ぶびゅっ、ごぷんっ!

 何もかも忘れて、友希那の子宮に子種を撒き散らす。ぼうっとしながらも幸せそうな友希那の顔を見ていると射精が捗る。次々に尿道から白濁色の粘ついた汁を吐き出し、友希那に男の味を教え込む。

「んっ……! っ、んんっ……!?」

 小刻みに痙攣を始める友希那。達したのだろうか。俺は抱擁する手に力を籠め、射精を続けた。十分に味わった友希那の口から顔を離し、舌を解放する。二人分の唾液をためた友希那が声もなく絶頂する姿を見て、白い頬を舐め上げた。

「好きなだけイッて?」

 俺が言った直後、友希那がビクンッと痙攣し、盛大に声を上げた。

 まだ足りない。いくらでも出せる。子宮を白濁の粘液でいっぱいにしても俺の興奮は収まらない。恍惚とした様子で快楽に酔いしれる友希那の顔を撫でた後、俺は後ろを一度振り向いた。

 そこには、十分すぎるほど準備を整えた極上の雌たちがいた。足元には膣から取り出した紫色のバイブ。イボイボの付いた偽物チンポは愛液に濡れている。それを咥え込んでいた雌たちの膣は、雌たちの手で左右に引かれている。

「ご主人様ぁ、もう我慢できません」

「友希那だけじゃなくて、アタシたちの穴も使って?」

「ご主人様のために、あったかくしておいたよ!」

「好きな肉穴を、好きなだけ使ってください……。たっぷり搾り取ってあげます……」

 くぱぁと見せびらかされた蜜たっぷりの膣を餌に、俺は容易く誘惑された。

 一台のベッドを舞台に俺は五人の少女と絡み合う。バックで紗夜と繋がる中、両手を使って燐子とあこのマンコを指で弄る。そうしながらリサと友希那の三人で舌を突き出し合い、舐め合う。

 どこもかしこも美少女ばかり。五人の喘ぐ声が混ざり合い、耳を犯す。一度射精してタガが外れたのか、自分を律することができずに荒い腰振りを繰り返す。念入りに解された紗夜の膣内で考えなしの行動をしていたせいか、俺はあっという間に限界を迎えてしまった。

「あぁんっ……! きましたぁ、ご主人様の優秀遺伝子、濃くて、すごく熱い……!」

 どぷっ、どぷっと紗夜の中に広がる大量の精液。気持ち良すぎる。紗夜は少しでも多くの精液を搾り出そうと膣を引き締め、顔を緩めていた。

 射精が終わっても、俺の肉棒が渇く暇は与えられない。

「ご主人様、食べ比べしてみて?」

「アタシとあこのおマンコ、どっちが気持ちいいかな?」

 横に並んで壁に両手を突いたあことリサ。二人に求められ、俺は変則的なセックスを行う。あこの穴に肉棒を突き入れて好きなだけ腰を振った後、一度取り出した肉棒を今度はリサへと挿入。中を犯し抜き、再びあこに挿入する。

 どっちも気持ちいい。あこのマンコはきつく締め付けてきて、リサのマンコはふわふわとした包容力が心地いい。どちらが上か、決めることなどできなくて、俺は二人に一発ずつ精液を注いだ。

「ご主人様、じっとしていてくださいね……?」

 リサとあこの尻で肉棒の精液を拭っていると、燐子にベッドへ押し倒された。一瞬のうちに騎乗され、舌なめずりをする燐子の膣が肉棒をずっぷりと根元まで呑み込む。そうして始まったのは、圧倒的実績を誇る燐子の騎乗位セックス。たわわに実った乳袋をたぷんっ、たぷんっと揺らしながら燐子が踊る。

 膣のひだひだでゴシゴシと洗われる。この穴に捕らわれた以上、射精をせずに引き抜くことなど不可能。後頭部に手を置き、両脇を見せながらスクワットのように燐子の腰が縦方向に揺れる。凶悪な尻の叩きつけをお見舞いされ、俺は燐子の歓喜に染まる眼差しに晒されながら達した。

 代わる代わる相手を入れ替え、思い思いの体勢で交わる。

 収まらない。肉棒は勃起状態から解放されない。まだ出したい。もっと出したい。俺の優秀な肉棒と陰嚢はここぞとばかりに性能の高さを発揮し、五人を相手にしていると思えないほど優位に立った。

 ここに来て覚醒か。まるで物語の主人公みたいだ。

 なんてことを思いながら、ベッドに腰かけていた俺は視線を股間に落とした。

 俺の肉棒に群がる、友希那とあこと紗夜。ライブ時に観客に見せていたであろうクールな雰囲気は微塵も感じられない。舌を伸ばし、隙あらば肉棒を舐めしゃぶっていくドスケベな少女たち。

「んっ、あーっ、舌で裏筋を擦ると、気持ちいいかしら?」

「ご主人様が精子たくさん作れるよう、あこの口でマッサージしてあげるね? はむっ」

「まだまだ硬いですね……。さすがはご主人様……」

 チンポに堕ちた友希那を中心に、あこと紗夜が左右を陣取る。互いに譲り合いながら肉棒に舌を這わせ、金玉を咥え、唾液を垂らす。三人分の唾液に包まれたそれはビクビクッと喜んでいる。

「んちゅっ、ぐちゅっ、ぐぷっ、んっ、次は、何をしようか?」

「ぢゅるるっ、ご主人様がしたいこと、ぐちゅぐちゅっ、なんでも言ってください……」

 リサと燐子は俺の左右に座り、乳首を指でなぞりながら耳穴をぐぽぐぽと掻き混ぜてくる。鼓膜は水音に終始犯され、楽園へ誘われる。俺の手が掴む二人の尻肉の感触もまた心地いい。

 何をするか。したいことはたくさんある。

 だが、慌てる必要はない。俺たちはまだ出会ったばかりだ。この五人に加え、まだ見ぬ美少女たちとも愛し合っていく。そうしてハーレムを少しずつ拡大し、ドスケベなパーティーを続けていこう。

 両耳を舌で犯されながら、俺は肉棒を脈動させた。友希那たちの顔や髪に精液がかかる。友希那たちは嫌がるどころか頬を緩め、噴き出る精液を開いた口で待ち構えた。美味しそうに、舌の上でどろっどろの精液を転がす。

 俺と友希那たちを見て、燐子とリサが視界の端で口角を吊り上げる。

「素敵だよ……」

「さすがは私の、私たちのご主人様……」

 そっと囁かれた声は俺の心を満たし、肉棒は即座にフル勃起した。

 パーティーは、まだまだ終わらない。




当初予定していた本編はここで終了です。


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苦悩

 六月に入り、衣替えによって学校の制服は夏用へと変わった。それを纏う学生たちの雰囲気も一気に変わり、新鮮な空気感を醸し出している。特に俺の周りでは飛び切りの美少女が多く、制服の変化だけでも俺にとっては一大イベントと言えた。

「あこ、一人で走りすぎよ。落ち着いて」

「はいっ、友希那さん!」

「燐子。あとで相談があるのだけど、いいかしら?」

「は、はい……!」

 ライブハウス『CiRCLE』の練習スタジオで、今日も少女たちは音楽に真剣に取り組んでいる。スタジオの端に置いたパイプ椅子に腰かけている俺は、その姿を真面目に眺めている振りをしながら頭の中では別のことを考えていた。

 ガールズバンド『Roselia』。俺の女五人で構成されるそのバンドは、全員が学生でありながら既にプロに近い演奏力を身に着けていた。それでも高みを目指す姿勢を変えることなく、今も演奏後の意見交換を行っていた。

「今井さん。先ほどよりも良くなりましたが、もう少し周りの音を聞いて」

「うん。わかったよ、紗夜」

 籠る空気を空調が循環させ、適切な室内温度を保つ。しかし、一人一人から発せられる熱は高く、半袖のブラウスとスカートから覗く少女たちの肌には薄っすらと汗が滲んでいるのが見て取れた。

 俺は少女たちを見て、ごくりと唾液を飲み下した。

 しなやかで色白い手足。露出が増えたことで少女たちの魅力が増し、俺の視線は落ち着かなかった。演奏中ならば、演奏を注意深く観察していたという言い訳が通用しただろうが、演奏後にも視線が定まらなければ周囲からも一目瞭然だ。

「勇希」

 友希那が俺へと視線を向け、俺の名前を呼んだ。その声は、少し呆れた様子だった。

「あなたの意見は後で聞くから、今は出て行ってちょうだい」

「あっ」

 という間に、示し合わせたように行動した友希那と紗夜に背を押され、俺はスタジオを追い出された。重い扉が背後で閉ざされる。扉にある星型のガラス窓から中を覗き込んでみるが、友希那たちは演奏に戻ろうとしていた。

 Roseliaは現在、今週末にある『FUTURE WORLD FES.』のコンテストに向けて最終調整を行っていた。このフェスにはプロやプロに相当する実力を持つバンドが多く出場する。予選であるコンテスト自体の競争率も高く、プロであっても本戦に出場することもできずに落選してしまうのは決して珍しいことではないそうだ。

 怒られてしまった。今は邪魔しないほうがいい。

 俺は大人しくスタジオから離れ、ロビーに向かうことにした。ところで、追い出されるときに友希那と紗夜に尻を触られたような気がしたけど、気のせいだろうか。

「ねぇ、今のって……」

「うん、やっぱりそうだよね……」

 練習スタジオの扉が並ぶ通路を歩いていると、背後から声が聞こえてきた。気になって顔を振り向けると、開いた扉から顔を覗かせる少女たちの姿があった。まるで芸能人を目撃したときのように高揚した様子でひそひそと話し合っていた少女たちだったが、俺の視線に気がつくと慌てて顔を引っ込めた。

 俺は、以前よりも多くの視線を感じるようになっていた。元々異性から注目を浴びることは多かったが、これは明らかに異常だ。

 原因ははっきりとわかっている。

 つい先日、CiRCLEで行われたライブイベント。実力のあるガールズバンドが出場したそのイベントで、俺はCiRCLEスタッフとしてまりなと一緒に出演し、まりなの巧みな演奏と俺の歌声で観客の心を射抜いた。

 だが、ここまで注目を浴びるようになった原因はこれだけではない。

 簡単に言うと、身バレした。

 俺は以前から、動画や音声を投稿、閲覧できる複数のサイトで歌を投稿していた。カバー曲もあれば、自分のオリジナル曲も。どうせならば他の人にも聞いてもらいたいと思って投稿を続けた結果、『ゆうき』という投稿者名はいつの間にかインターネット界隈では有名な歌い手として認識されるようになった。

 俺は『ゆうき』として活動する中で顔を晒してはこなかったのだが、先日のライブで全てが露呈した。ライブで俺を撮影していた者がいたらしく、俺の声と『ゆうき』の声が一致するという比較動画がライブ直後にインターネット上に挙げられた。ただ声が似ているからというだけでなく、歌い方の特徴も酷似している点などが考察され、信憑性が高いということで多くの人に知れ渡ることになった。

 そして、現状に至っている。

 別に顔がバレても問題はないのだが、こうも落ち着かないとなると話は別だ。

「本物だよ、本物……!」

「サインとか貰えないかな……?」

「声掛けられるの……?」

「無理無理……! イケメン過ぎてまず近寄れないって……」

 それほど広くないロビーで、席に座って飲み物を飲む俺を遠巻きに見つめる少女たち。十数人にも及ぶ人数のせいで圧迫感がある。受付を済ませた何人かが名残惜しそうに練習スタジオへと向かうが、それでも人数が多すぎる。

 この場に残っているのは、まだスタジオを使う時間ではない、もしくは野次馬だけだった。一人一人がひそひそと交わす声も、これだけの人数分の声が積み重なればそれなりの喧騒になる。

 ロビーで待っていようと思ったが、一度席を外したほうがいいだろう。

 俺は離席する旨を燐子たちにメールで連絡した後、CiRCLEを後にした。

 日が完全に沈もうとしていた。一定間隔で並ぶ街灯が点灯を始め、紺色に染まりつつある街並みを明るく照らし出す。俺はCiRCLEから少し離れた場所にある川沿いの土手に向かっていた。

 芝生で覆われた傾斜の地面に座り、静かな時間に身を委ねる。

 晩を迎えて冷えた空気が心地いい。だけど、日中は徐々に暑くなっていて、夏へと季節が移ろっていくのがわかる。

 高校時代で迎える二度目の夏。去年と、前世での高校生の時にはなかった悩みが今の俺にはある。

 携帯電話を夏服の制服ポケットから取り出す。

 そして俺は、動画・音声共有サイトを開き、ログインする。

 俺が『ゆうき』として開設しているチャンネルや、過去に投稿した動画などを確認する。元々俺のチャンネルの登録者数は多かったけど、昨日のイベント後から登録者数はさらに増えている。明らかに、比較動画によって顔バレした影響だろう。

 それが原因だと思うけど、今日の日中に、俺宛にメッセージが数件送られてきた。

 誰もが知っている歌手を擁する、日本の大手メジャーレーベル。

 テレビでよく見る女優やアイドルなどを多く抱える、有名な芸能事務所。

 他にも昔からのファンからや、以前から誘いを受けては断っている別レーベルからの連絡もあったが、前者の二つは今回が初めてだ。

 歌手、芸能人。前世でも経験のない立場が、手を伸ばせば届く場所まで来ている。

 現実味を帯びてくると、改めて思ってしまう。

 俺はいったい何になりたいのだろう。歌うのも趣味で、投稿したのも趣味の範疇だ。歌うことを職業にしたいと明確に思ったことはない。そうなれたら楽しそうだなと、深く考えずに思ったことはある。

「どうしようか……」

 可能性の道が広がったせいで、前世よりも悩んでいる。前世のこの時期はまだ将来のことなんて少しも考えていなかった。ただ毎日を楽しむ。それだけを考えて、その日その日を生き続けていた。

 考えても答えはすぐには見つからない。

 出口が見えずに迷い続け、過ぎていく時間の中で、俺を呼ぶ音が鳴り響いた。着信だ。携帯の液晶画面には『燐子』の文字。俺は通話ボタンに触れ、受話口を耳に当てた。

『勇希君、終わったよ……。家に帰ろう……?』

「うん、すぐ戻る」

 燐子の声を聞き、少し安心した気持ちになりながら俺は頷いた。

 焦りすぎてはいけない。でも、悠長に身構えてもいけない。時間は確実に過ぎていく。

 通話を終えた俺は少しもやもやとしつつも、CiRCLEで待つ五人の下へ戻った。



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湊友希那とケダモノセックス

 透明なグラスの中で積み重なった氷の一部が溶け、席に着く俺の眼下で音を立てて崩れた。異様な沈黙が漂うファミリーレストランのテーブル席にその音が響いた時、席に座っていたリサが苦笑気味に切り出した。

「飲み物ばかりじゃなくて、何か頼まない?」

 リサの視線の先、テーブルを挟んだ向かい側に座る友希那と紗夜は何も答えない。静かにコップを口元へと運び、飲み物を喉へと流し込む。落ち着いた様子に見えるが、二人の内心が穏やかでないことは、同席している俺やリサ、燐子、あこの全員がよく理解している。

 土曜日である今日、『FUTURE WORLD FES.』のコンテストが開催された。

 大勢の実力者たちが集い、音で鎬を削る大舞台。プロに相当する者でも振るい落とされる過酷な戦場で、友希那たち五人のガールズバンド『Roselia』は、フェス本戦出場への切符を手にすることができなかった。

 落選してしまったのは、決してRoseliaの実力が足りていなかったからではない。俺も観客席で各出場バンドの演奏を聞いていたけど、その中でもRoseliaの演奏は一、二を争う程だったと思っている。

 コンテスト終了後、大会運営側から各出場バンドにそれぞれ下された講評によれば、Roseliaが落選した理由は将来性の高さ故であったらしい。まだバンドを結成したばかりの五人。その実力は発展途上だ。これから格段に成長できる才能を見抜き、大舞台に立つのはこの瞬間ではないと運営が前向きに判断してくれたようだ。

 しかし、落選は落選。少なからず、五人は意気消沈していた。

 この場は一応反省会なのだが、会話が続かず、少し気まずい空気が流れる。

 さすがにそろそろ介入した方がいいだろうと思い、俺は口を開きかけた。

「と、とにかく、いっぱい食べて気を取り直しましょう!」

 と、あこが唐突にテーブルを叩き、立ち上がった。涼しげな表情をしていた友希那と紗夜も多少なりとも驚いた素振りを見せるのを他所に、あこの視線は手に持ったメニュー表へと向けられていた。

「これはどうですかっ?」

 あこが指差して見せてきたメニュー表を見ると、やたら長い名前のメニューがあった。

 Wハンバーグ&エビフライ&チキンソテーのプレート。名前の通り、カロリーの塊のようなメニューだった。既に日は沈み、夕食を取るにはちょうどいい時間ではあるけど、それにしたって過剰摂取だ。

「少し重たい気がしますけど、構いません」

「もう、それでいいわ」

「わかりました! それじゃあ、ご飯は大盛りでデザートも付けちゃいますね」

 紗夜と友希那の了承を得たあこが、店員を呼んで注文したのは六人前の食事。俺もあれを食べるのか。ちゃっかり俺の分も頼まれていることに戦慄する。さっきまで俺は自分で頼んだポテトの大盛りを食べていたのだが、俺の腹はこれ以上の食事を許容してくれるだろうか。

「大盛り……」

 ポテトをちょいちょいつまみ食いしていた紗夜の顔色が悪かった。

 しばらくして六人分の食事が運ばれてきて、俺たちは夕食を始めた。

 今日の鬱憤を晴らすかのように五人がナイフとフォークを動かす。

「結果的に落選しちゃったけど、アタシはいい経験になったと思うよ」

「本戦に出場できればもっと経験は積めるわ」

「でもでも、あこは楽しかったですよ!」

「私も、楽しかったです……」

「楽しめたことは否定しませんが、やっぱり悔しいわ……」

 食事をしているうちに気が緩んだのか、五人は感想を述べ合う。俺も手と口を動かしながら、反省会を行う五人の姿を眺める。これから先色々なことがあるとは思うけど、こうやって想いを伝え合える関係でいてほしい。

「ストレスとカロリー発散を兼ねて、一人で勇希さんを襲うという手も……」

「ん? 紗夜、今なんか言った?」

「いえ、何でもありません」

「えー? 本当かなぁ?」

「なんですか、その疑いの眼差しは」

「りんりん、今日NFOやらない? 今日はいろいろあったから、すぐ眠れそうになくて」

「いいよ。あこちゃん。そう言えば、そろそろ次のイベントが始まるね……」

「そうそう! 今のうちに準備もしておかないと」

 雑談へと移行する俺がぼうっとしていると、返ってくる視線を感じた。

 友希那だった。四人が意見を交わす横で、俺を見据えている。何か言いたいことがあるのだろうか。どうして黙っているのかはよくわからないが、美少女と見つめ合って悪い気分はしないから、ここぞとばかりに整った容貌を観察する。

 表に出る感情は控えめだけど、内に宿る強い意思を感じる。重大発表があるのかもしれない。しかし、随分と慎重だ。口はしっかりと引き結ばれ、開く気配はない。迷っているような素振りもなく、謎だ。

 いったい何を。俺の喉が緊張で乾き始めた頃、友希那はようやく口火を切った。

「勇希」

 俺を呼ぶ友希那。普段と何も変わらない落ち着いた声音が、俺の鼓膜を震わせる。

「このあと、一対一で夜通しハメてもらってもいいかしら?」

 その場の空気が再び静まり返ったのは言うまでもない。

 

 友希那の顔が間近に迫り、俺の唇を覆った。ぷるぷるとした感触と温もりを感じていると、舌が俺の口内に入ってきた。ぐちゅっ、ぬちゃっ、ぐちゅちゅっと唾液の絡むベロチューを求めてくる。

 俺はベッドに腰かけたまま、正面から抱き着いてくる友希那の背に両手を回した。ほっそりとした裸身は強く抱き締めると折れてしまいそうだ。優しく包み込み、裸同士で身を寄せ合う。

「んっ、はぁっ、ぢゅるっ、ぐちゅっ、れろっ、ぐちゃっ……」

 友希那は白い頬を朱に染め、俺の瞳を直視しながら接吻を堪能している。落ち着かせようと背中を撫でても逆効果であり、俺は迫ってきた友希那の体に押し倒されてベッドにそのまま倒れることとなった。

「ぐぢゅぢゅっ、んくっ、はぁっ、も、もっと、ぐちゅぐちゅぐちゅっ……」

 暴走し始めた友希那。雌の匂いを放って迫ってくる様は発情した猫だ。熱い吐息を吐き、俺の口内を隅々まで舌先が弄り回す。もはや俺の唾液の大半が友希那に舐め取られ、代わりに友希那の唾液が口内を満たしている。

「あー……」

 友希那は新たに溜めた唾液の塊を、俺の口内に落としてくる。

「飲んで、勇希。ほら、飲んで。そう、偉いわね」

 求められた通りに友希那の唾液を飲み込むと、友希那が笑みをこぼした。飲んだ証拠を見せようと口を開いて軽く舌を伸ばすと、色濃い欲望を湛えた友希那がもはや食らう勢いで俺にベロチューを強いてきた。

 ベッドで仰向けになる俺と、押し倒してキスで愛情を訴えてくる友希那。

 見ている感じではわからなかったが、だいぶ溜まっていたようだ。フェスに向けて考えることは多く、日課である自慰をしている時間もなかったのだそうだ。そこまでして完璧に仕上げたが、フェスでは落選。運営側の言いたいことはわかるが、それでも納得のいかない感情が心中を支配し、ストレスを覚えたのだろう。

 性欲を貯蔵していた体にストレスが加わり、友希那が暴走するに至ったようだ。

「あぁ、格好いい、ぢゅるっ、んっ、あぁ、ぐぢゅ、ぐぢゅるるるっ」

 可愛い子に欲望のまま求められる。抗う理由など皆無であり、俺は友希那の気が済むまで自由にさせた。友希那もそれをわかってか、より濃密な口づけを思う存分楽しみ始めた。

 数分間に及ぶ口づけの後、友希那の顔がゆっくりと離れる。

 散々触れ合った俺たちの舌の間には唾液の橋が架かり、俺の舌の上に落ちてきた。

「はぁ……はぁ……」

 酸素を求め、友希那が呼吸を繰り返す。友希那の髪が垂れ、毛先が俺の頬をくすぐっていた。何をするでもなく、口づけ合った相手を瞳に映し、余韻に浸る。

 少しして、俺は、俺たちは気がついた。

 キスばかりで焦らされて完全に勃起した肉棒から、我慢汁がだらだらと流れている。俺と同じように興奮し、ちょうど真下の肉棒へと愛液を滴らせる友希那の膣穴。両者ともに互いを求め、繋がるのを今か今かと待ちわびている。

 友希那は自身の下腹部へと手を伸ばし、膣に触れる。

 手の平にべったりと付着した愛液。それを見て、俺に微笑みかける。

「次は、勇希に攻めてもらおうかしら」

 そう言って身を起こした友希那はベッドの足元で四つん這いになった。背中に長い髪を乗せたまま、俺に向けた尻を左右にふりふりと揺らす。早く挿入して、という要求を言葉もなく伝えられた俺は我慢ならず、素早く起き上がって友希那の背後に陣取った。

 綺麗な尻に両手を添え、だらしなく涎を垂らす膣へ剛直を突きつける。こちらも早く入れろと求めるように震える肉棒に根負けし、腰を前へと押し出した。

 友希那の穴をこじ開け、亀頭が入り込む。既に攻略したことのある穴だ。征服者である肉棒を順調に呑み込んでいき、一番奥まで亀頭が届く。ギチギチと絡みつく膣肉。具合のいい友希那の熱々マンコに安堵の吐息をつきながら、手の位置を友希那の尻から細い腰へと移動させる。

 しっかりと腰を掴むと、俺は緩やかな抜き差しを始めた。

「あぁっ、あっ、んっ、はっ、あっ、あんっ……」

 最初は馴染ませるように、あとから速度を上げる。

「あんっ、あんっ、んっ、ふっ、はぁっ、あ、ぅっ……」

 そう時間を置かず、俺はいつもの腰遣いを繰り出した。膣壁をカリ首で擦り、亀頭で子宮口をノックする。十分に濡れていた俺たちの性器は見事に噛み合い、求めていた快感を二人で共有する。

 絡みつくような締めつけ。意識が蕩けてしまいそうな心地の良い熱。俺の精子を搾り取ろうとする気満々だ。すぐには出さない、と俺は抗いを見せ、セックス経験の差を見せつけてあげようと思った。

 一定の速度で挿入するだけでなく、寸止めや緩急も織り交ぜる。予想していない攻めを食らうと人間は脆いものだ。いつまで経っても入口付近を擦る亀頭を不思議に思った友希那が背後を振り向いたとき、最奥までぶち込んだ。

「くぅっ! んんっ、あぁっ! き、急にそんな、あっ……!」

 ご褒美のマンコ抱擁。友希那の震えも同時に浴びて、肉棒が歓喜している。そのせいでカリ首が妙な場所を引っ掻いたようで、それでまた友希那の背がピクリと跳ねた。

 敏感な場所発見。ここぞとばかりにため込んでいた力を解放し、俺は膣内を激しく掻き乱した。

「あ、あ、あ、あぁあああっ!?」

 動きを止めない。膣口から奥までの全てを味わう。果敢な攻めに友希那の震えが激しくなった。体を支える両手と膝から力が抜け、四つん這いを維持することさえ難しそうだ。

 苦しいのだろうか。少し手を抜いてあげようかと思ったとき、友希那の声に悦楽が含まれているのを感じた。バックから突いていて顔色は窺えないが、友希那の顔は快楽一色に染まっているはずだ。

 それなら、とこちらも畳み掛ける。

「ひ、ぅっ、んっ、あんっ! あぁんっ! あっ!」

 賑やかな声。膣の締まりも強くなる。これだけの締まりの中で肉棒を出し入れしていて長持ちするわけがない。俺は数十秒後に待っている射精に向け、加速する。

 友希那の声で股間を滾らせ、中を引っ掻いたときの喘ぎ声でまた欲望を溜め込む。言葉にも満たない呻きを口から垂れ流し、俺は何度も友希那の子宮に亀頭を密着させ、最後の一突きをお見舞いした。

「ひぃっ!?」

 急速的に膨れ、熱を高める肉棒。そこから濁り切った白濁液を放つ。

 どぷんっ、どぷっ、ぶびゅるっ、びゅるるっ、どくっ、どびゅっ、ぶびゅびゅっ!

「あっ! 奥で、たくさん、んっ、出てっ、あぁっ!」

 子宮を犯す精液を感じ、友希那の体が震える。達した様子だ。友希那のイキ顔を撮影できるようにしておくんだったと後悔したが、いつでも撮れるかと思い直して、余計なことを考えず射精の解放感に浸った。

 友希那の尻を手の平で存分に撫で回していると、射精が終わりを迎えた。たっぷりと出してそこそこの充足感を得る。だが、たった一回でこの俺が完全に満足できるはずがない。

 とりあえず、一旦肉棒を膣から取り出す。その後にすぐ、肉棒に犯されて口を開けた膣口からザーメンミルクがどろどろと大量に垂れ出てきた。足元のシーツを濡らし、濃い雄の臭いを部屋の中に広げていく。

「どうする?」

 すぐにフル勃起した肉棒を友希那の尻に乗せ、ぺちぺちとビンタをするように振る。叩きつける刺激によって、尿道から追加で漏れた精液が友希那の尻肉に掛かった。

「次はどんな体勢でしたい?」

 友希那の要求を全面的に呑んであげよう。そう思って俺が尋ねると、友希那は顔を俺へと向けた。「なんでもいいの?」と確認する友希那に、何の問題もない俺は特に深く考えることもせず首肯した。

「それじゃあ……」

 その俺に向けて、友希那は遠慮がちに告げた。聞かされた内容は俺の想像の外にあり、俺は一瞬だけ返答に困った。本当に一瞬だけだ。別に嗜好としては何もおかしくはない。むしろこういった趣味の人間は多いのではないか。

 友希那は、紗夜と気が合いそうだ。

 友希那の望みを叶えるために少し準備を行う。ちょうどいいものがクローゼットにあったはずだ。それも新品。せっかくだからこの機会に使おうと思い、俺はそれを友希那に着用してもらうことにした。

「んっ、これでいいのかしら……?」

 準備完了。床に立ったまま俺が左手で握った鎖をぐいと手繰り寄せると、鎖に繋がった友希那の黒い首輪も引っ張られた。首輪についた紫色の丸い鈴がチリンと音を立てる中、首輪をつけた友希那は当たり前のように床で四つん這いになっていた。

「まさか、私が猫の格好をすることになるなんて……。確かに猫は好きだけど……」

「ペットなんだから、猫の言葉で喋って」

「に、にゃあ……」

 と、愛らしく鳴く友希那は若干の羞恥と、多大な興奮を感じているように見えた。漆黒の毛でふさふさの猫耳カチューシャを頭に装着し、尻からは耳と同じ色の尻尾を伸ばしている。その尻尾はテープで体に張りつけるものではない。尻の穴にアナルビーズを挿入し、身に着ける大人向けのグッズだった。

 どうして友希那がこんな格好をしているのか。

 それは、俺が友希那の要望を叶えたからだ。

 ペットのように扱われたい。俺が調教したのがきっかけとはいえ、立派なドМに育った紗夜と似たような性癖。それに見合った格好をしてあげようと、俺の部屋のクローゼットに置いてあったアダルトグッズの品々から猫の簡易コスプレグッズを選んだ。

 このグッズは燐子とリサが独自に集め、俺の家に置いて行ったものだ。なぜか同じグッズが複数用意されているのは複数人を同時に相手するときを想定してなのだろうか。真意は不明だが、我が家のクローゼットはちょっとしたアダルトショップが開けそうな様相を呈していた。

「はぁっ、はぁっ、にゃあ……」

 頬を紅潮させ、期待の籠った目で俺を見上げる友希那。息が荒い。興奮しているのだろう。俺の股間で元気に反り返る相棒にちらちらと視線を送りつつ、右手を伸ばしてきた。

 肉球付きのもふもふとした猫の手を模した手袋。それで肉棒を優しく撫でるような猫パンチ。俺は友希那の次の要求を正確に理解する。友希那はただ本物のペットとして扱われることを求めているのではなく、性奴隷(ペット)としての生き方を求めているようだ。

 仕方がない。これも友希那の望みだ。なんて思いつつ、少なからず俺の趣味とも一致している。俺は結構乗り気のまま、友希那という雌猫へと手を伸ばし、その発情した体の疼きを鎮めてやることにした。

「にゃっ、にゃあ、あっ、あんっ、に、にゃあっ!?」

 飼い主として鎖を強く掴み、床で這う友希那を背後から犯す。逃げようとする友希那だが、鎖のせいでそうもいかない。空いている手で友希那の腰も掴んでいるため、力尽くでは逃げられないだろう。

 そもそも、友希那は本気で逃げようとしていない。そういうプレイだ。

「にゃんっ、にゃっ、にゃあっ、あっ……」

 友希那は楽しそうだった。クローゼットの前につけられた姿鏡には、猫のコスプレ姿で床を這い、俺に背後からガン突きされる友希那が映っている。当然、友希那も正面から自分の今の姿が見えている。

 友希那は笑っていた。さっきよりも羞恥の度合いは強いが、それでも興奮のほうが勝っている。自分の変態的な行為に興奮し、膣を肉棒で蹂躙されて盛大にイキ顔を晒す自分に酔っている。

 友希那にはやはりドMの素質があった。

 今度、紗夜と並べて調教を施してみるのも面白いかもしれない。

 友希那の新たな一面を垣間見た俺は、股間に響く声で鳴き続ける友希那にご褒美を与えた。逃げられない状態で子種汁を浴びせる。びゅるるるーっと友希那の膣を新しい精液が叩きつけられ、友希那の顔に歓喜の色が広がっていった。

 精液は全て友希那の中に溜め込ませたまま、射精後に抜くことはしない。さほど待たずに勃起してくると、また腰を動かしてぬるぬるとした肉穴を犯す。

「んっ、ちょっと、休ませて、あんっ!?」

「だから、猫の言葉で喋って」

 お仕置きとばかりに強く挿入し、首輪を引っ張る。首に首輪が食い込んで瞬間、「にゃあぁぁっ……」と言いながら友希那の表情が蕩けた。発言と様子が一致していない。

 ここに来て素直になれない友希那を調教しようと、俺は休みなく友希那を可愛がった。腰を振って膣内に精液を注ぎ入れる。たまに頭を撫でてやり、愛ある言葉を囁く。目に見えて喜ぶようになった友希那を念入りに従えるため、それを何度も繰り返した。

 夜通し、ケダモノセックス。

 朝を迎えた頃には、友希那は全身精液に塗れた格好で、幸せそうにベッドに沈んでいた。どぷ、こぽぉ、とうつ伏せになった友希那の膣からは粘度の高い俺の子種汁が次から次へと溢れ出ている。俺はたっぷりと愛情を注いだ卑しい雌猫を携帯電話で撮影し終えると、またムラムラしてきた。

「少しだけ」

 まだ元気な肉棒を友希那の膣に宛てがい、逆流する精液を子宮に戻すように肉棒を入れる。「ん……」と声を漏らしながらも目覚めることのない友希那をできるだけ起こさないよう、寝バックの体勢で体を動かす。少しだけと言いつつ、俺はしばらくの間友希那と繋がり、どぷどぷと精液を注ぎ続けた。



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青葉モカとデートの約束

 午前の授業を受け終えて、今は昼休み。休み明けの月曜日から空はどんよりと暗く、雨が教室の窓を叩いている。帰りには止んでいるといいけど。横目で窓の外を見て思いながら、俺は自分の席で食事を進めていた。

 今日の昼食は購買のメロンパン。クッキー生地の部分があまりサクサクしていないけど、味はそれなりに良い。大きさの割に値段は安く、お腹を満たすという目的を果たすのには十分だった。

 前世の頃から食事にあまり拘ってこなかったな。

 なんてことを考えながらメロンパンを頬張っていると、正面で卵焼きを味わっていた友人の若林が思い出したように口を開いた。

「この前の休日に、良さげなパン屋を見つけてさ」

「なんて名前?」

「悪い、忘れた」

「なんで」

「いや、通り過ぎただけだったから。昼飯食べ終わって出掛けたときにたまたま商店街に立ち寄ってみたんだが、行列ができていたな。匂いもいいし、たぶん人気店だろ。今度行ってみたらどうだ?」

「パンか」

 パン屋と言えば、おすすめの店が商店街にあるとリサが言っていたのを思い出す。リサ自身も後輩に紹介されただけでまだ行ったことはないらしく、今度行ってみようかという話になったのを思い出した。もしかすると、若林が通りがかったというのはその店のことかもしれない。

 食欲よりも性欲。パン屋から関連してリサのことを思い出し、俺は携帯電話を取り出した。若林は、俺が携帯電話でパン屋の名前を調べ出したと思ったのだろう。「店の名前がわかったら教えてくれ」と言って、ハンバーグを食べ始めた。

『今週の土曜日、デートしない?』

 通知アプリでリサにメッセージを送った後、俺は再びメロンパンに齧りついた。

「店の名前わかったか? 口コミとかはどんな感じだ?」

「残念ながらわからなかった」

 メッセージを送るのに満足して、調べること自体を忘れていたなどとは言えない。

「そっか。まぁ、今度気が向いたときに寄ってみればいいか」

 俺も、今週リサと行ってみよう。まぁ、予定が会えばの話だけど。

「ん……」

 制服ズボンのポケットにしまっていた携帯電話が振動した。もう連絡が来たみたいだ。俺は携帯電話を再び手にし、アプリを開いて返事を確認する。

『ごめん! 今週はアルバイトのヘルプを急に任されちゃってさ』

 悲報。気分は空のように曇ってしまう。

 そう都合よくはいかないか。別に急ぐ理由もないし、予定が合ったときにしよう。

 また今度行こう、と俺が文字を入力しようとしたとき、リサから連投があった。

『もしよかったらなんだけど、アタシとのデートの代わりにモカと会ってみない?』

 続くその言葉に、俺は文字を入力していた手を止めた。

 モカ、というのはリサの後輩のことだ。以前話に上がったきりで、結局どういう感じの子なのかまだわかっていない。食欲がすごいグルメのようで、リサにいいお店を紹介してくれている、ということくらいだ。

『勇希の承諾を得て少し前にモカに紹介してみたら、ぜひ会ってみたいって熱烈に頼まれちゃって。あの様子だと、勇希で処女を卒業するつもりかな? たぶん、出会ったら襲われると思うけど』

 リサから『どうする?』と再度尋ねられたときには、俺の意思は決まっていた。

『会わせてもらえる?』

『了解。それじゃあ、モカに返事しちゃうね? あとで連絡先も教えるから。アプリでやり取りできたほうがいいだろうから、勇希のIDも教えていい? モカのほうから連絡するように伝えておこうと思うんだけど。それと、写真や動画も送っていいかな?』

『全部いいよ。ありがとう』

 そこまで会話を続けて、俺はようやく携帯電話を机に置いた。

「長かったな。急な連絡か?」

「とても大事な連絡。今週の予定が埋まるかもしれない」

「あ、また女か……」

 理解した様子で、若林はそれ以上追求して来なかった。

「若林は彼女作らないの?」

 何気なく聞いてみると、「いやいや」と若林は表情に苦笑を滲ませた。

「女は狼だから、怖くて彼女なんて簡単に作れん」

 これが、この世界の男たちの一般的な認識だ。

「作るとしたら、見合いとかになるかな。いや、それはもう結婚まで直行か。何にせよ、気軽に出会う勇気は俺にはないな。悪い女に捕まって、欲望のはけ口にされたら堪らないからな」

 若林の意見は極端ではあるが、現実に起こっていることだ。

 前世とは違い、性犯罪は女が起こすものだ。その原因である女の性欲も、一般的な男が抱くそれと比べると桁が違いすぎる。俺がいい女に恵まれているだけで、相手のことも考えず、悪事に手を染めてまで男に欲望をぶつける者も少なからずいる。

「見合いとか、まだ真剣に考えるには早すぎるけどな」

 見合いか。俺にはそんな話が来るのだろうか。持ってくるとすれば、母さんしかいない。この家の娘さんと結婚しなさい、といつ言われてもおかしくはない。下手に一人身でいるよりは、認めた相手と結婚してもらったほうが、母さんとしては安心できるだろうから。

 勿論、俺には見合いをするつもりはないし、結婚するならば今付き合っている恋人たち全員とだ。それは絶対に譲るつもりはない。一夫多妻制が一般的なこの世界に産まれておいて、ハーレムを作らないなどという考えは最初からなかった。

 進路とか今後の将来のこととか、珍しく真面目に話し合いながら昼休みは過ぎていった。腹持ちのいいパンで腹を膨らませ、程よく眠くなった状態で午後の授業に突入する。復習をするまでもない授業に耳を傾けつつ、俺は教師に隠れて携帯を見ていた。

『初めまして。リサさんから紹介されました、青葉(あおば)モカちゃんでーす』

 午後の授業に入ってすぐ、通知アプリに届いた友達申請と一通のメッセージ。俺は申請を承諾してそれを確認しつつ、相手を示すアイコンを見る。そのアイコンには、どこか眠たげにぼうっとした表情をしたショートヘアの美少女、青葉さん自身の顔が映っていた。

 見覚えのある顔だと思って記憶を探ってみると、すぐに正体にたどり着いた。

 CiRCLEでよく練習をしている五人組のガールズバンドの一人が、青葉さんだった。

 世間は狭い。まさか、こうやって繋がりができるとは思わなかった。

『初めまして、青葉さん。岩戸勇希です。よろしくお願いします』

 返信してすぐ、俺のメッセージが既読状態になった。学校を休んでいるわけでなければ、青葉さんもこの時間は普通に授業中だろう。向こうも、隠れながら携帯を弄っているようだ。

『リサさんから顔写真を見せてもらったんですけど、岩戸さんはCiRCLEでアルバイトをしている人ですよねー?』

 他人ではあるが、完全に初対面の関係というわけでもない。それは青葉さんも認識しているようだ。特に隠していることでもないため、『はい』と肯定した。

『いや~。まさか、あのイケてるスタッフさんがリサさんの恋人だったとは』

『俺も、青葉さんが常連さんと知ってびっくりしました』

『敬語じゃなくていいですよ? あたしのほうが一学年下なのでー』

『わかった。モカ、って呼んでいい?』

『いいですよ~。あたしも、勇希さんって呼ばせてもらいますね? それにしてもその対応力。女性慣れしていますね~。話によれば、リサさんのバンドを侍らせているんだとか。いいな~、あたしもその中に入れてもらえませんか~?』

『いいよ』

『あたしが聞くのもあれなんですけど、即答していいんですかー? もしかしたらモカちゃんは、すごく悪いことを考えているかも』

『モカなら大丈夫だと思ってる。CiRCLEで見ただけだけど、友達を大切にしている子みたいだし。優しい子だと思う。それに、リサの後輩だから』

『まさかこうもはっきり言われるとは。照れますな~』

 言った後、モカは本題へと切り出してきた。

『誉められてますます勇希さんに会ってみたくなったんですけどー、今週の土曜日くらいに会うってことで大丈夫ですか?』

『うん、都合が良ければ今週にでも。詳しい待ち合わせ場所と時間はまた後で伝える』

『了解しました~。それではまた後で~』

 モカは最後にそう結ぶと、一旦会話は終了した。

 携帯電話をポケットにしまい、授業へと意識を戻す。同級生たちが教師の声に黙って耳を傾け、板書を続ける姿を一瞥した後、すぐ左手にある窓の外を見遣る。

 まだ雨が降っている。テレビで朝の天気予報を見たときは、今週は雨の日が多いようだ。土曜日は曇りとなっていたが、せめて小雨くらいに留まってほしいと思った。



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青葉モカと浴室セックス

 迎えた土曜日は生憎の空模様となった。

 午前十時前。行き交う人々を正面に捉え、俺は最寄り駅前のベンチに腰かけていた。たまに空を見上げては、変わらない曇天を目にして不満を抱く。せっかくのモカとの初デートの日なのだから、水を差さないでほしい。

 思いながら、俺はポケットから携帯を取り出した。まだ待ち合わせまで時間に余裕がある。モカを待っている間、エゴサーチでもしていよう。今週、新しい歌をサイトに投稿したばかりで再生回数や高評価も多かったから、多くの人がコメントを残してくれていると思う。

「ねえ、君。ちょっといいかな?」

 少しの間携帯を熱心に弄っていると、誰かに声を掛けられた。モカの声ではない。モカとはメッセージだけでなく電話でも話したから声は知っている。こんなにハキハキとした感じではなく、もっとゆったりとした話口調だ。

 咄嗟に俺は帽子を目深に被り直し、伊達眼鏡を掛け直した。最近知名度が上がってきた影響で、俺を歌い手の『ゆうき』と認識して声を掛けてくる人が増えてきた。その対策として、出掛けるときはこうして変装をするようになった。

 変装を整えて顔を上げた俺の前には、大学生くらいの女がいた。それも三人。

「うわ、あり得ないくらいイケメンじゃん……。アイドルとか……?」

「かなりの上玉……。味見は私がするからね……」

「いや、ふざけんなよ……。あたしが最初だって……」

 俺に話しかけてきた一人の後方で、二人がひそひそと話している。

 三人とも、前世であれば男に困ることがなさそうな美女だ。後方の一人は如何にも遊んでいる風貌のギャル系で、残りの二人は清楚系。だが、いずれもその後に変態という言葉が続くであろうことは、欲望を孕んだ視線でわかった。

 捕まれば食い漁られる。勿論、セックスで負ける気はしないけど、軟禁などされては堪ったものじゃない。そのまま強制子作りへ直行となることは目に見えていた。

「お姉さんたち、ここら辺初めてでね。良かったら案内してほしいんだけど」

 座っている俺と視線を合わせるように屈み、服から覗く豊かな胸の谷間を見せつけてくる。甘い香りがふわりと漂う。冷静さを装っているように見えるが、やはりその視線は俺を見定めるように揺れていた。

「猫被りすぎじゃない……?」

「予想以上のイケメンで舞い上がってるのが見え見え……」

 後方の二人は聞こえていないと思っているようだけど、俺の耳は正確にそれらを拾っていた。何となくこういった行為に慣れていない空気が女たちから感じられる。俺の逃げ道を塞ぐわけでもなく、爪が甘い。

 これなら、無理に逃げなくても諦めてくれそうだ。

「少しでいいから。ね? お願い」

 そう言って、俺の手を握ろうと女が手を伸ばした。

「こんなところにいたー。探しましたよ~?」

 女よりも先に、横から突然現れた少女の手が俺の手を掴んだ。

 モカだ。ぼうっとした様子の可愛い面持ちは自然体で、この状況を理解しているのかどうかわからない。俺はモカに引っ張られるままベンチから立ち上がり、そのまま手を引かれて女子大生三人の横を通り抜けた。

「ちょっと、待」

 女の一人が俺たちを呼び止めようとしたのを遮るようにして、

「あぁっ!?」

 モカは俺の手を引いたまま走り出した。女たちとその声を置き去りにする。モカの足は止まらない。追従する俺も足を止めるわけもなく、俺たちはその場から全速力で離れることになった。

 数分後、俺たちは女たちから逃げ果せた。元々、女たちは追いかけてまで俺を捕獲するつもりはなかったはずだから当然の結果だろう。俺に声を掛けたのはたまたまのようだったし。

「ふぅ。モカちゃんがいなければ、危ないところだった」

 ひと仕事終えたように、腕で額を拭う仕草をして息をつくモカ。

「うん、ありがとう」

 軽いナンパとはいえ、助けてもらったのは事実であるため、モカにお礼を言う。

「どういたしまして~」

 と、柔らかく微笑むモカ。普段はのんびりとしているように見えるけど、逃げるときの動作は機敏だった。咄嗟の判断力もある。

 モカの意外な行動力に驚かされていると、当の本人は辺りをきょろきょろと見回していた。

「どうかした?」

「走ったおかげで小腹が空いちゃって」

 と、視線をさ迷わせるモカの眼に留まったのは、有名なファーストフード店だった。

「あそこに寄っていきませんか~?」

 モカに言われ、俺は腕時計を見る。今日はショッピングモール内をぶらついてから、中にある映画館で映画を見る予定だった。その後に昼食を取る流れだったが、軽食くらいならば問題ないだろう。

「いいよ」

 俺は気軽にそう返し、モカと一緒にファーストフード店に入った。

「いらっしゃいませー」

 入店直後、店員の明るい声が耳に触れる。その声に誘われる形で、俺の視線がレジを担当する店員の少女二人に吸い寄せられた。髪を後ろで束ねた元気のいい少女と、穏やかな雰囲気のサイドテールの少女。店の制服や帽子を着用した二人は、いずれもかなりの美少女だった。

 どうする? レジに並ぶ客の姿はなく、どちらも空いている。どちらに並ぶか、俺は迷って足を止めた。「ご注文がお決まりでしたら、こちらへどうぞ!」と積極的に接客してくる少女を選ぶか、優しく微笑む少女のほうを選ぶか。

「何にしますか~?」

 悩んでいると、モカに聞かれた。

「エッグマフィンとコーヒーのコンビかな」

「りょうか~い」

 モカの問いに答えると、モカは入口から見て手前側の元気のいい少女のほうに向かった。どちらのレジに並ぶか悩む必要がなくなり、俺が遅れてモカの傍へと近づくと、既に注文は始まっていた。

「こっちの人がエッグマフィンとコーヒーのコンビセットで~」

「エッグマフィンとコーヒーのコンビセットが一つ」

「あたしは、これとこれと、あとサイドメニューの~」

「え? あ、えっと、ベーコンエッグマックが一つ、フィレオフィッシュが一つ……」

 片方が軽めのコンビセットならば、もう片方も軽めだろうと店員さんは思っていたのだろう。しかし、モカはバーガーとサイドメニューをそれぞれ複数注文したことで、店員さんは慌てて注文を取り始めた。

 すごくよく食べる子だと、リサは言っていたが、まさかこれほどとは思わなかった。細身ではあるが、胃袋の許容量ではモカは俺よりも圧倒的に上回っているだろう。

「お待たせしました!」

 会計後、揃った注文の品を受け取る。二つ並ぶお盆の上には、比べるまでもない物量差があった。圧倒されている俺の前で、モカは平然とお盆を手にして近くの空いている席へと向かっていた。

「いただきまーす」

「いただきます」

 何はともあれ、席についた俺たちは向かい合って食事を始める。

「むぐむぐ……」

 マフィンとコーヒーをゆっくり味わう俺の前で、モカがバーガーを頬張っていた。美味しそうだな。見ているだけでお腹がいっぱいになりそうな量を次々と平らげていくモカが、さらに可愛く見えた。

 コーヒーの残りを啜る俺に遅れて、モカが食事を終えた。残すことなく、むしろまだまだいけるといった様子に戦々恐々とする。モカの胃袋はどうなっているのだろう。人間の神秘を感じた。

「映画館のポップコーン、楽しみですね~」

 驚きのあまり、空いた口はすぐには塞がらなかった。

 ファーストフード店を後にして、俺たちは映画館へと向かった。映画館のあるショッピングモールは駅前にあるから、逃げてきた道を戻ることになる。ナンパしてきた人たちと鉢合わせになったら気まずいなと思ったが、そんな偶然が訪れることはなく、俺たちは映画館にたどり着いた。

 予約していたチケットを購入し、上映時間間近になってから入場。朝早い時間ではあるが、休日であるため場内の席はほぼ満員だった。ちょうど映画館の中心に位置する指定席に座り、上映が始まるまで待つ。

「美味しい?」

「いやー、なかなか」

 両手で抱えるように持ったポップコーンを、モカは早速食べ始めていた。さっきあれだけ食べたのにまだ入るのか。改めて驚かされる。

「食べますか~?」

 モカからポップコーンを勧められ、少しだけ頂いていると、映画が始まった。

 今日見る映画は、俺が以前読んでいた小説が映画化されたもの。歌が大好きだった少女が幼少期の出来事がきっかけで歌うのが苦手になってしまったが、高校生になって仲間たちと出会ってガールズバンドを結成し、歌と音楽の楽しさを思い出す物語。

 俺とモカの共通点は音楽だ。俺は一人で、モカはバンドを組んで活動している。まだ出会って日が浅いためにお互いのことを詳しくは知らないから、共通点を軸にして少しずつモカと距離を縮めていきたい。

 物語は佳境に入り、やっぱり泣けるな、と思いながら隣を一瞥する。

 ポップコーンを食べ切ったらしいモカは、隣で静かに涙していた。感情の起伏が人よりもわかりづらいと思っていたけど、そんなことはなさそうだ。モカよりも俺のほうが感情に乏しいほうだろう。どうにか感情豊かにしたいと前々から悩んできたが、やはりこの体は頑固だ。

 俺が別の悩みを抱く中、物語は進んでいった。一人だった少女の周りに徐々に仲間と呼べる少女たちが集い、やがてそれが当たり前の日常になっていく。みんなで掲げた夢へと向かう姿は、とても羨ましかった。

 俺もバンドを組んだら今よりももっと楽しくなれるだろうか。

 それとも、今まで通り一人で歌っていたほうがいいだろうか。

 一人で歌うにもいろいろな形がある。活動場所をサイト内に留めるか、いっそのことどこかの事務所に所属してしまうか。芸能事務所からのお誘いもあった。俺の要望を呑んでくれるとの話で、歌手でもアイドルでも、どんな形でもプロデュースしてくれるようだった。

 悩みが再燃し、胸中に渦巻く。

 気がつくと、スクリーンにはエンドロールが流れていた。

 後半は殆ど集中できておらず、勿体ないことをした。

「行こうか」

「はーい」

 場内が明るくなり、俺たちは席を立った。

「いや~、良かった良かった」

 ショッピングモールを出て、外を歩きながら映画の感想を言い合う。モカは随分と気に入ってくれたらしい。この映画を勧めた俺としては嬉しい限りだが、当の俺が映画に集中できなくて申し訳なかった。

「また見に来たいですね~」

「うん」

 デートはこの一回きりではない。また見に来ればいいか。

「それじゃあ」

 次の予定を決めようとしたところで、鼻先に冷たい何かが当たった。

 雨だ。黒雲からぽつりぽつりと降り注いできたそれは、見る見るうちに勢いを増していく。急な雨に鞄に入れていた折り畳み傘を開く余裕もなく、服を濡らしながらも近くで雨宿りのできるバス停に二人で駆け込む。

 結局、文字通り水を差されることになった。

「いきなりでしたね~」

 そう言うモカの服はわずかながらも濡れていた。ずぶ濡れというわけではないが、これでは風邪を引く可能性がある。

「どこかお店に行きましょうかー?」

 それも手ではあるが、バスを使えば多少遠くにもいける。

「今から俺の家に来ない?」

 誘った俺を見て、モカの目がわずかに見開かれた。

 

 降り注ぐ轟音のような雨音が聴覚を支配する。雨の侵略が及ばない軒下に入った俺は、玄関の扉を開いてモカを招き入れる。

「中に入って」

「はーい、お邪魔しまーす」

 モカの後に続いて俺も家に入り、扉を閉めると雨音は遠ざかった。

「いいご自宅ですねー。あ、傘はここに置いてもいいですか~?」

「うん」

 そう返した後、俺は先に家に上がり、脱衣所からタオルを持ってきた。

「どうぞ」

「どうも~」

 タオルを手渡すと、モカは頭に被って髪の毛を吹き始めた。

 雨も滴る美少女。濡れてしまったせいで肌が透けてみえる箇所も多い。シャツ越しにブラジャーが確認できた。半ズボンから伸びる白い太股に水滴が走る様を見ただけで、喉が鳴った。

「シャワー使って」

「ありがとうございま~す」

 水が垂れてこない程度にモカが体を拭けたのを確認し、俺はタオルを回収してモカを脱衣所へと案内した。

「着替え用意しておくから」

「わかりました」

「何かあったら、浴室にある呼び出しボタンを押して」

「あの~」

 洗濯機にタオルを突っ込み、そのまま脱衣所を後にしようとした俺を、モカが呼び止めた。なんだろう、と思って振り向いた瞬間、俺の思考はほんの一瞬だけ止まった。

「服が体に張りついちゃって上手く脱げないので、手伝ってもらえませんか?」

 シャツを脱ごうとした途中の格好。ほっそりとした腹回りとへそを晒したまま、モカは立ち往生していた。白いブラジャーがチラリと覗いていて、脱ごうと思えばあと少しで脱げるのではと疑ってしまう状態だった。

「あと、一緒にお風呂に入りませんか? 裸の付き合いで仲を深めていきたいなーと思いましてー。体の相性なんかも確認できて、一石二鳥だと思うんですけど。どうですか~?」

 さっきまでと変わらないゆったりとした話し方。しかし、表情は違う。隠しきれない下心が滲み出ている。俺を見つめる視線が上下に揺れ、俺の体を舐め回すように這っていくのがわかる。

「いいよ」

 断る理由がなかった。自宅に誘っておいて、期待しないわけがない。モカもそうだろう。リサから俺の話は聞いていただろうし、最初からそのつもりで俺の家についてきたのだろう。

 開きかけた脱衣所の扉を閉ざし、俺はモカの前に戻る。正面で向き合ってモカの衣服に手を伸ばし、上半身を中途半端に隠すそれを脱がせにかかる。

「両腕を上に挙げて?」

「はーい」

 一人で風呂に入れない子供の世話をしている気分になりかけたが、シャツを脱いでブラジャー姿になったモカを前に気分が改まる。

 端的に言うと、ムラムラしてきた。

「次は、下をお願いしま~す」

「うん」

 モカは完全に俺に任せるつもりらしい。真っ直ぐ立ったまま俺を観察している。俺は熱視線を感じながらその場にしゃがみ、モカの半ズボンに手をかける。

 ズボンのボタンを外し、チャックを下ろす。そのままズボンを引きずり下ろすと、ブラジャーと同じ純白のショーツが露わになった。

 髪や肌はしっとりと濡れ、下着は十分に雨を吸っている。ほっそりとしつつ女らしい柔らかそうな曲線を描く体に手を伸ばし、気が済むまで触りまくりたい。俺の考えが知らず知らずのうちに顔に出ていたのだろうか。

「女性に対してここまで欲情してくれる男性って、本当にいるんですねー。AVとか、エロゲーの中だけだと思ってました」

 モカが俺の右手を握ると、胸へと誘導した。ブラジャーに手の平を押しつけられる。濡れたブラジャーの中で、温かい膨らみが柔らかく形を変える。俺は自分の意思で乳房を揉み、モカの瞳と視線をぶつけ合う。

「これも外してもらえますかー?」

 今触っているブラジャーを指差し、首を傾げるモカ。

 俺はただ黙って頷き、モカの背中に両手を回した。指先でブラジャーのホックを見つけ、外す。モカの両腕からブラジャーを抜き取ると、綺麗なお椀型の乳房が視界に映った途端、俺は手を伸ばした。

 むにゅっと乳房を揉む。桜色の乳輪が前へと押し出される。

「ショーツも」

 段々と抑制が利かなくなってきた様子のモカに促され、ぐちゅぐちゅに濡れたモカのショーツに指を引っ掛け、膝の位置まで下ろしていく。隠れていた股間が表に出たとき、雨とは違う粘ついた体液が閉じた陰裂とショーツの間に伸びた。

「今日はまだオナニーしていないので、もう結構濡れてますね~」

 片手を下腹部へ移動させ、陰唇を指先で開いてみる。まだ触ってもいないのに、後から後から透明な露が溢れ出てくる。太腿に垂れていくそれからは、男を誘うような甘い匂いを放っているような気がした。

「モカちゃんは準備万端でーす。いつでもどうぞ~」

 欲望の籠った微笑みを見せつけ、頬を紅潮させる少女。俺を受け入れる気満々の姿を見て我慢できるわけもなく、俺のズボンの中で肉棒が大きく勃起した。

 早く外に出してほしい。その想いが通じたのか、モカの手が俺の股間に触れた。

「あぁ、すごい……」

 ズボン越しに揉みしだき、モカは吐息をつく。

「リサさんから、ノーハンドディープフェラで勇希さんの精液を延々と搾り取るリサさんの動画を貰ったんですけど、あんなに大きくなるんですか~。いやー、実物をこの目で見てみないと信じられないですね~」

 動画を送るとリサは言っていたが、まさかそれとは。確か、三十分くらいリサがジュポジュポと肉棒をしゃぶり続け、精液を飲み干してはまたすぐ高速フェラを始める動画だったはずだ。

「脱がしていいよ?」

「わーい」

 最初からそのつもりだったのだろうが、俺から許可を貰ってモカは堂々とズボンのチャックを指先で摘まんだ。俺の手の平に胸を任せながら、モカはズボンを下ろす作業に集中している。

 ジジジ、とチャックが下ろされた。ベルトも緩められ、ボタンを外し、ズボンに手を掛ける。太股から膝、足元へとズボンがずれる。片足ずつズボンから取り出し、下半身は下着だけとなった。

「おぉー、下着の上からでもこんなに……」

 先ほどよりもはっきりと手の熱を感じる。指先の動きが肉棒に鮮明に伝わり、下着の中で暴れ回る。窮屈そうに震えるそれを確認した直後には、モカの手は下着の中に滑り込んでいた。

「お互いぐちょぐちょの濡れ濡れですね」

 手の平で直接包まれ、可愛がられる。尿道から我慢汁が漏れてしまっていたようで、モカの手が動くたびにぬちゅっと音を立てていた。

「硬さも想像以上で、んっ……」

 俺がモカの乳首を摘まむと、モカは敏感に反応した。それが可愛くて、立て続けに乳首を弄りまわす。親指と人差し指の間に乳首を挟み、ぎゅっと軽く押す。「んひぃっ……」とさっきよりも激しく仰け反った。

「乳首弱い?」

「まさか、いきなり攻めてくるとは……。やりますね~……っ……!」

 普段通りの平静を装うモカの乳首に追撃を加え、調子を崩しにかかる。体勢を崩して倒れそうになったモカを支えようと乳首から手を離し、両手で細い肩を掴む。ついでに体の触り心地を堪能しようと、肩を撫でてみた。

「はっ、あっ……」

 モカは具合がいい。体を触っただけでも、股の中心から愛液の流出が止まらない。

 俺を見る目がますます妖しくなる。右手をモカの下腹部に向け、指の腹で濡れた陰部を一撫ですると、モカの顔は綻んだ。「それ、もっと……」とねだられたため、親指と小指を除く三本の指で激しく擦った。

「ぉっ、あぁっ、おぉっ……」

「すごい声出てるよ?」

「激しく、された、からぁ……」

「自分で求めてきたんでしょ?」

「んあっ……!?」

 皮を被った陰核にまで手を出すと、ビクンッとモカが震えた。遂には俺の肉棒から手を離し、両手で俺の腰を掴んだ。自力で立っていられなくなるほど、足腰に影響が出てきたようだ。

「続きは中でしよう?」

 モカの耳元で囁くと、モカは俯いたまま首を縦に振った。

 俺は帽子や伊達眼鏡、衣服を全て脱ぎ、全裸になった。ふらつくモカの肩を抱いて共に歩き、浴室への扉を潜る。

 浴槽の中は湯が張られていないが、暖房のおかげで温かい。モカを椅子に座らせた俺はシャワーを出して温度を確認した後、「掛けるよ?」と断りを入れてからモカの頭にシャワーを浴びせた。

「ふぅ~。生き返る~」

 冷えていた体を温められ、モカが緩んだ表情を見せた。乱れた髪を整え、体中にお湯を広げていく。俺もそれを手伝ってあげようと、シャワーを掛けてあげながら太股を撫で、下乳を持ち上げるように触った。

 お返しとばかりに、顔を赤らめたままモカが俺の股間に右手を伸ばす。

「生おチンポー」

 肉竿に手を掛け、シコシコと扱く。ぎこちなさはあったものの、触るごとにコツを掴んでいるのか、動きが良くなっていく。「確か、エロゲーだと……」と呟きながら、肉棒をフル勃起状態まで成長させてくれた。

 腹まで反り返る肉棒。裏筋をモカに見せつけ、ビクッと痙攣している。

「顔もトップクラスで、おチンポも最高とは。女の夢を体現したような感じで、蘭たちが知ったら羨ましがるだろうな~」

 金玉を指先で持ち上げ、モカは笑みを広げた。

 お互いにシャワーを浴び、体はひとまず温まった。

 シャワーを止めると、モカが椅子から立ち上がった。いったい何をする気なのか。見守る俺の前で、モカは浴槽の縁に尻を置いて座り、あろうことか大股を大胆に開いて股の中心を俺に見せてきた。

「見えますか? あたしのおマンコ」

 両手の指で、くぱぁと陰裂が開かれ、露わになったピンク色。尿道口も膣口も、はっきりと見える。膣がひくひくと動いていて、相も変わらず愛液を涎のように垂れ流していた。

「リサさんの動画を見た時から、ずっと我慢できなくて。学校でも休み時間のたびに勇希さんとおチンポを妄想しながら、トイレでオナニーしてましたー。そのせいで、勇希さんの顔を見ただけで、エッチなおつゆが止まらなくてぇー」

 とろり、と愛液が床に落ちる。学校のトイレで発情したように自慰に励むモカを妄想し、肉棒に力が入る。分厚い肉の表面には無数の血管が浮かび、体の血を集めてドクンッ、ドクンッと震えた。

「もしよければ、このだらしのない穴に、栓をしてもらえませんか~」

 モカの誘惑の後、一瞬間を置き、俺は口を開く。

「いいよ」

 モカへと身を寄せ、竿を左手で握ったまま腰を屈める。

 亀頭の向き先を膣へ変え、そのまま腰を前に押し出す。

 モカの股の中心に肉棒が突きつけられ、膣口に亀頭が触れた。モカの顔が期待に満ち溢れる。まるで、美少女で童貞を卒業することができる思春期の少年のように、口元は緩み切って、荒い呼吸を繰り返していた。

 モカの太股を右手で握り、そこを支えに股間を前に動かした。

 全貌を晒していた肉棒が、亀頭から少しずつ膣穴に埋まっていく。きつく、侵入を拒むような歓迎を受けた。亀頭に引っ掛かる、処女の膜。それを亀頭の進行で引き裂き、張ったカリ首までしっかりと肉穴に収まる。

 ツー、と膣から垂れる破瓜の血。モカが大人の女になった喜びで表情を染める中、俺は熱と愛液に満ちた穴へと肉棒全てをねじ込む。さすがに狭い。初物特有の容赦のない圧迫感に怯むことなく、中を俺専用に変えるために躾けていく。

 ズプンッ、とモカの最奥まで性器を嵌め合わせると、モカが盛大に背を反らした。後ろに倒れてしまわないよう、モカの背中に両手を回す。男女として一つになって、抱き締めて温もりを共有する。

「やったぁ~……、処女、卒業~……、っ、んっ……!?」

 ギチギチと絡みつく膣肉を押し返そうと俺が動くと、モカが声を跳ね上げる。中の具合もやはりいい。湯船に浸かっているかのように肉棒が熱で包まれながら、襲い来る膣圧。自然と俺の顔に笑みが描かれた。

「う、わぁ~……、その顔、まずいですよ~……」

 モカの口角がさらに吊り上がる。そんなに変な笑顔をしていただろうか。気がついて浴室の鏡に視線を送っても、意識したせいで無表情に戻ったいつも通りの俺しかいなかった。

 俺の笑顔を見たというモカは、明らかに興奮していた。

「これでもう離れない~……」

 モカが俺の体を抱き締め返す。背中に回った両手は組み合わされており、用が済むまで解放してくれなさそうだ。至近距離でモカと見つめ合うことになり、熱い吐息が俺の頬に吹きかかる。

 こそばゆさを感じながらも、俺は腰を揺すり始めた。

 纏わりつく膣肉。肉竿の表面を吸いつかれるような刺激が襲い、心が蕩ける。ぬぷっ、ぬぷっと肉穴に肉棒を嵌め込む動作を繰り返していくと、強すぎた締めつけが徐々に緩んでいく。あたかも、俺の反応を見てモカが膣圧を調整しているかのように、使い心地が俺専用に最適化されていく。

「あぁ~、んんっ、これがセックス、あっ、やばい~……あぁっ、ん、くっ……!」

 モカは喘ぎながらも俺を食い入るように見つめている。俺に触られただけで極端に感じていた少女とは同一人物とは思えない。計り知れない成長速度の速さ。性器が触れ合うごとに、セックスの仕方を学んでいる。初めてのタイプだ。

 膣で肉棒にむしゃぶりつき、俺の顔を眺めることに夢中になっているモカ。俺は見守られながらせっせと腰を前後に揺らし、膣の敏感な部分を探して責め立てる。モカの場合、表情がすぐに蕩けてくれるから、感じやすい場所を探すのは簡単だった。

「おぉっ、あ~、んっ、あっ、あぁああー、はぁっ、あぁあっ、んんっ……!?」

 遠慮なく喘ぐモカに顔を近づけ、唇を奪った。モカの眠たげな眼が見開かれるのを見ながら、口内に舌を押し込む。モカの舌にぬるりと舌を絡ませ、唾液を流し入れる。動揺を示すモカが完全に適応する前に、先ほど見つけた膣奥の敏感の場所へと何度も亀頭を押しつけてみせた。

「ぅっ、ぐぢゅるっ、くちゅっ、ぬちゅっ、ぢゅぶっ、ぬちぁあっ……」

 唾液たっぷりのベロチュー。一方で、下では男と女の大事な部分が離れては密着し、互いの体液で互いの性器を汚し合っている。摩擦によって体液が白く泡立ち、浴室のタイルに落ちて白く染める。

 肌がぶつかり、蜜でいっぱいの肉壺を掻き回す音が反響する。そこにモカの喘ぎが混ざって俺の鼓膜を震わせ、股間に快感を与える。

 むくむくとさらに成長を遂げる肉棒。迫る膣壁を押し退け、男の味や臭いを刻み付けていく。この穴は俺の物。隅々まで初物マンコにマーキングをした後、モカが生まれてからこれまで汚されることのなかった子宮に、熱い子種汁を注ぎ入れた。

 びゅるるーっ、どびゅーっ、どびゅーっ、びゅるっ、びゅるるっ、びゅくっ、どぷんっ!

「んっ!? ぢゅるっ、ぐちゅっ、くちゅっ、んんっ!?」

 モカの口内で舌を激しく絡ませながら、子宮口に亀頭で蓋をして密着射精。噴出する勢いで放たれた精液を子宮の底に叩きつけ、中に広げていく。モカが小刻みに体を動かし、これまで見たこともない反応を見せてくれた。

 俺の背中に回わされていた両手が強く抱き締めてくる。より密着したことで、モカの震えが段々と激しくなっているのがわかった。俺はそれを感じながら射精の快感を味わい、モカを強く抱擁し返した。

 そんな中、モカは絶頂に至ったようだ。ぎゅうっと膣が引き締まり、何度も盛大に痙攣する。視線も定まらなくなっていて、俺と口づけを楽しむモカの口から呻くような声が漏れた。

 頂点に達した感情は、徐々に時間を掛けて解けていく。

 どぷんっ、どぷんっ、と子宮に精液が注がれ続ける中、モカの両手から力が抜けた。

「ん……」

 モカとの口づけをやめ、俺は自分の舌を取り出した。

 唾液に塗れた口内。口の端から唾液の糸を垂らし、普段とは違う熱に浮かされたようなぼうっとした眼差しでモカは俺の顔を瞳に映す。

 モカの細い喉がごくりと音を立てた。口に溜まった唾液を飲み、口周りを汚していた唾液すらも舌を伸ばして舐め取る。瞬間、モカの顔が笑みに彩られ、俺に対して強い欲望を叩きつけてきた。

「もっと」

「ん?」

「勇希さんの唾液と、精液、もっと味わわせてくださ~い……。全部、モカちゃんのお口とおマンコで受け止めてあげます……。何でもしますから、お願い……。あたしの体を使ってくれませんか~……?」

 モカの誘いに、俺が返事をする前に肉棒が反応した。水風船のように精液を包み込んでいるだろう子宮の口を塞ぎつつ、新しい精子の補充を済ませていく。すぐに再開できる。数発どころではなく、数十発。精力溢れる雄の肉体は、目の前の雌の願いを叶えるために、本格的な活動を始めた。



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青葉モカと耐久セックス

 浴室の鏡に手を突いたモカの柳腰を両手で掴み、立ちバックで膣中を犯し抜く。腰を引くたびに膣に残っていた精液がカリ首によって掻き出され、どろり、どろりと浴室の床へ落ちていく。せっかく出した精液が勿体ないと感じたが、また膣で出せばいいかと思い至る。

 俺は突き出されたモカの桃尻に視線を落としながら、腰振りに励んだ。

「んっ、はぁっ、はぁっ、おぉー……、んっ、あっ、っ……!」

 深い前傾姿勢で鏡に映るモカに目線を移すと、ご満悦の様子だった。開きっぱなしの口から喘ぎと唾液を垂らしている。セックスのこと以外何も考えられないようだ。

 俺は体勢を少し前屈みにし、モカの腰から肌を撫でながら両手を乳房に移動させる。可愛い乳首が小さく主張するお椀型の胸を手の平で覆い、優しく揉む。

「んんぅっ……!」

 乳房に指を沈めて柔らかさを堪能した次は、人差し指と親指で乳首をコリコリと苛める。すると、モカの背が跳ねて顔が悦楽に歪んだ。

「っ、そ、そこ、は、だめな場所でっ……んっ!?」

 モカが言っている傍から乳首攻め。しかも、摘まみながら同時に子宮口に亀頭を食い込ませる。深々と膣内を満たし、ごりっ、ごりっと亀頭でも刺激を与える。モカの顔がまた一段とだらしなくなる。エロい顔だ。

 むくむくと興奮で膨らむ肉棒により、膣がより狭くなる。

「まだ、大きく、す、ごい、ですね~……んんっ……!」

 にやにやと余裕を取り繕った笑みを見せるモカだが、乳首をこねくり回すと可愛く鳴いた。本当に乳首が弱いみたいだ。反応が面白く、俺は手を止められない。

「はぁーっ……! はぁーっ……! あ、あ、あっ……!」

 モカは学習能力が高く、セックスの才能がある。それは認めよう。だが、それだけで優位に立てるわけではない。個人差はあるが人は誰しも体に敏感な部分があり、そこを攻められれば容易く崩れる。

 長期的にしつこく愛撫すれば、その影響は表出してくる。

「おっ……、おぉっ……、んっ……、あーっ……!」

 モカの膝が震え始める。負担の大きい前傾姿勢を保っていられなくなり、鏡を触れた手の位置が低くなっていく。伴って、俺に突き出されたモカの尻の位置も低くなり、俺は下から突き上げるようにして膣にチンポを出し入れした。

 ぱちゅっ、ぐちゅっ、パンッ、ぱちゅんっ、ずぷんっ、パンッ、パンッ!

「あぁああああ~っ……!」

 ガクガクと膝の震えを激しくし、モカが大きな声を上げた直後、その体がゆっくりと床に沈んでいく。床に両手と膝を突いたモカに倣って、俺も床に膝を突いて通常の後背位へと移行。達した様子のモカにここぞとばかりに襲いかかり、反応を確認しながら膣奥に肉棒をねじ込む。

 どちゅっ、ずちゅっ。亀頭で何度も突きを放っていると、さすがに限界がきた。

 ただでさえ温かい膣が体温上昇によって熱くなっている上に、愛液と精液でぐちょぐちょ。モカの絶頂で膣肉が締まりに締まって肉棒に絡みつく。これに抵抗できるほどの忍耐力はなく、俺はあえなく射精へと導かれた。

 びゅるるっ、ぶびゅーっ、びゅーっ、びゅーっ、どぷっ、どくんっ、どくんっ!

「あーっ……! あぁーっ……! 奥で、熱いのが、いっぱい~……!」

 快感が全身で暴れ回る。俺はそれを御することはせず、身を委ねた。凄まじい勢いで鈴口から吐き出された精液を子宮に直射させるために、子宮の口を亀頭で塞ぎながらぐりぐりと押し込んだ。

 モカの子宮はもう白濁一色だろう。掻き出された以上に量も質もいい精液が次から次へと詰め込まれていく。熱い体液が迸るのを感じているのか、モカは俯いて断続的な喘ぎをこぼしていた。

 またたくさん出した。しかし、まだこれで終わりじゃない。膣内に挿入されたままの肉棒は一向に萎える気配を見せない。

「まだしたい?」

 モカに問いかける。すると、モカは緩慢ではあるがはっきりと頷いた。

「したい、です……」

「場所はどうする? ここ? それとも……」

 続けて聞く俺へと、モカは振り向いてその顔を俺に見せた。

「ベッド、勇希さんのベッドで、あたしのおマンコにおチンポねじ込んでください……」

 いつもののんびりとした様子はどこへやら。性の悦びを知った雌がそこにいた。

 発情しきった顔と甘い声で頼まれては断れるわけがない。

 俺たちは風呂を出て体を拭いてから自室へと向かった。

 まだ髪が完全に乾き切っていない。しかし、乾かしている間すら我慢できない。

 俺たちはベッドインし、互いの体温を求めて体を重ねた。

「んっ、あっ、んふっ、ぢゅるっ、ぐちゅっ、ちゅぱっ、ぐぷっ……!」

 裸のままベッドで仰向けになるモカに覆い被さって、上から圧し潰す形で膣に肉棒を突き入れる。モカの両足がしっかりと俺の腰に巻きついて離れない中、俺たちは上の口でも唾液の絡む濃厚ベロチューセックスに夢中になっていた。

「ぐちゅっ、ぢゅるっ、れろぉっ、ぢゅぶっ、ぢゅるっ、ぬちゅっ、ぴちゃっ……!」

 舌を絡ませ、解き、また絡ませる。互いに擦り合わせて唾液をなすりつけ、ある程度溜まった唾液は二人で分け合って飲み合う。それでも唾液はなくならず、ぴちゃぴちゃと水音が響き続ける。

 ぐちゅっ、ずちゅっ、ずぶんっ、ぱちゅんっ、ぐぢゅんっ。

 肉穴に肉棒を収納すると、卑猥な音が鳴った。先までの交尾で出した精液の大半が浴室の排水口に流れていったと思ったが、膣内にザーメンがまだ随分と残っていたらしい。

 俺は休むことなく尻を上下に振り、新しい精液を与えた。

 どぷぅっ、ごぼぉっ、びゅるっ、どぷんっ、どぷんっ、どくっ、どくっ!

「んんーっ……!?」

 追加の精液を流し入れると、モカが呻きながら微笑んだ。ぎゅっと俺の腰を抱擁する足と、首に回った両手に力が入る。俺もモカを抱き締め返し、これ以上ないほどに深く繋がった体勢で子種の受け渡しを済ませていく。

 そのまま俺たちは動きを止める。再び動き出したのは、俺の射精が終わった後だった。

 モカの口から自分の舌を取り出し、顔を離す。

「あっ、も、もっと~、勇希さんのおチンポで、モカちゃんのおマンコ苛めて~……」

 正直、モカの性欲は想像以上だった。食欲が旺盛だからと言って性欲が強いわけがないと思っていたが、モカの場合はどちらも並外れている。

 普通の男が相手だったら、干乾びてしまうだろう。

 だが、俺は全く問題ない。

 その後も、俺は肉棒が勃起するとすぐにモカを求めた。

 種付けプレスだけでなく、別の体位も織り交ぜる。モカの両手を引っ張りながらバックで犯すこともあれば、モカが俺に跨って騎乗位でチンポを貪ることもあった。遠慮なく腰を振って膣内を掻き回し、根元まで挿入して遠慮なく中出し。モカの肉壺に子種をギッシリと敷き詰めていく。

 交わるうちに段々と口数が少なくなっていき、暇さえあれば接吻し、見つめ合った。

 熱を帯びたモカの視線。そこには明確な喜びが感じられた。

 これだけ強い性欲だ。相手がいた俺と違い、モカは自慰だけでは発散しきれなかったことだろう。より満足できる性生活を欲していろいろと模索していたようだが、やはり生身の相手に勝るわけもない。

 交わるうちに、モカの意識が突然解けた。

 俺の上で腰を振っていたモカが突然俺の体に倒れてきたのだ。驚きつつも俺がモカを受け止めた頃には、モカは目を瞑って小さな寝息を立てていた。

 寝顔でもわかる、満ち足りた表情。それを見て、開きかけた口を閉ざした。

 モカの顔に手を伸ばし、少し乱れた前髪を指先で整える。

「おやすみ」

 声を掛けてからその細い体を抱き締め、俺も目を閉じた。

 

 股間を襲う刺激に意識が引き上げられ、自分の状態を把握する。どうやら体は仰向けに、顔だけを横に向けて眠っていたようだ。正面には自室の窓が映り、窓の外はよく晴れた空が映っていた。

「ぐぷっ、ぢゅぼぉっ、ぢゅーっ、ぢゅーっ、ぶぢゅっ、ぐぽっ、ぢゅぶぶっ」

 音に釣られて股間に視線を向けると、ギンギンに勃起した肉棒を四つん這いになってしゃぶるモカの姿を捉えた。それはもう美味しそうに。どこか陶然とした面持ちで、窄めた頬の内側でチンポコキを繰り返す。もう何回か出した後のようで、モカの顔や口周りには精液の残り汁がついていた。

 俺が体を起こしにかかると、モカが俺の目覚めに気づいたようだ。

「ぢゅぽっ……!」

 音を立てて肉棒を口から解放したモカが、ぺろりと口周りを舐めて微笑んだ。

「おはようございま~す」

「おはよう……」

 俺は体を起こし、壁に掛けられた時計を一瞥する。午後五時前。妙な寝方をしてしまった。何をするにも中途半端な時間で、今からデートを再開するのは難しいだろう。ちゃんとしたデートはまた今後だ。

 今は、とりあえず食事だろうか。ちゃんとした昼食をまだ取っていない。

 モカはどうだろう。映画前から結構食べていたけど。

「モカ、お腹空いた?」

「んぐ、んむっ。そうですねー。お腹が空きすぎて、お腹と背中がくっついてしまいそうですね~」

 肉棒についた精液を啜りながらモカは答えた。モカの胃袋だったらそうだよなと納得する。それなら、早く食事にしたほうがいいだろう。この時間だと、夕食も兼ねることになるだろうけど。

「ご飯作ろうか?」

「やったー。何を作ってくれるんですかー?」

「揚げ物とか? 何か作ってほしいものがあればそれでもいいけど」

 揚げ物だと、いっぱい食べられて満足感もある。作るのが面倒で久しく作っていないけど、たまにはいいだろう。それに自分が食べるためというより、モカを喜ばせたくて作るわけだから、面倒臭さよりもやりがいのほうが強い。

「パン~」

「……揚げ物で」

 パンを作った経験も道具もないため、諦めてもらう。

 予想よりも激しい雨のせいでデートも途中で終わってしまい、寄ろうと思っていた商店街のパン屋にも行けなかった。いったいいつになったら行けるのだろうか。

「じゃあ、それでお願いします」

 モカはそう言って、舌先で尿道を弄った。肉棒がビクンッ、ビクンッと震える。

「その前に、一発出させてくれる?」

「りょうかーい」

 と言った直後、モカはぬぷぷっと肉棒を咥えた。

「ぶぢゅっ、ぐぷっ、ぐぷんっ、ぢゅぶんっ、ごぷっ、ぢゅぶっ、ぬちゅ、ぐちゅっ!」

 土下座のような体勢で頭を上げ下げし、モカの口内と肉棒が擦り合う。モカがうっとりと表情を緩め、窄めた頬で肉棒に高速フェラを仕掛ける様は見ていて征服欲を感じられる。

 俺はモカの頭を撫でた後、携帯電話を手に持って恒例の撮影に入る。前に撮ったリサと同じ構図だ。どちらが激しいフェラを出来ているか、同時試聴というのも面白いかもしれない。

「ぶぷっ、ぐぷぅっ、ぢゅーっ、ぢゅるるっ、ぐぷんっ、ぢゅぼぉっ、ぬぷぅっ!」

 モカの動きが加速する。撮影されて本気モードのようだ。カメラ越しに俺と視線を合わせ、リサと同じノーハンド高速フェラをしながら両手でピースを決める。いい絵だ。美少女が肉棒を食い漁る光景は何度見ても飽きない。

 強まる快感。撮影は続き、俺の股間周りはモカの唾液に濡れる。陰毛がぐっしょりと濡れた頃には、モカのフェラはさらに速度を増していた。

「ぐぷんっ! ぐぷんっ! ぢゅぶっ! ぢゅぶぶぶ! ぬぢゅっ、ぢゅるる!」

 熱に包まれた肉棒に向かって精液がこみ上げてくる。俺は緊張を解くように息を吐きながら、金玉に溜まった精液を勢いよくぶちまけた。

 びゅーっ、びゅるるーっ、どぷぷっ、どぷっ、ごぼぉっ、ぶびゅーっ、ぶびゅーっ!

「ご、ふっ……!?」

 モカの頬が膨らむ。にやぁと笑いながらカメラ越しに俺を見据え、肉棒を口から解放した。ぷるぷるとした濃い白濁液を溜めた口を大きく開き、脈打つ肉棒からびゅーっと迸る精液を受け止める。当然顔にも掛かる。

 モカは右手で肉棒を掴み、左手で金玉を揉んでくれる。よく出るようにと促され、思惑通りに飛び出た放射を顔中に浴びた。

 口の中も顔も精液で汚れてしまった。それでもモカは嬉しそうだった。

 びゅるっ、びゅるるっ。しつこく続く射精の追い打ちの後、ようやく勢いが弱まる。

「んぐっ、んくっ、んんっ、ごくっ……」

 モカが口を閉じて精液を飲み始め、あっという間に平らげた。顔に掛かった精液も指で拭って口に収め、肉棒に垂れていた精液すらも舐め取り、吸い上げる。それほど時間を要することもなく、あれだけ出した精液は見る影もなくなった。

 最後に残ったのは、モカの唾液でコーティングされた肉棒だった。

「お疲れ様です。どうでしたかー?」

「すごく良かった」

 素直に返すと、モカが「えへへ~」と言いながら肉棒に顔を寄せる。

「いえ~い」

 と、肉棒片手にモカがピースをしたため、それをカメラにしっかりと収めた。

「皆ー、見てる~? イケメン絶倫チンポ、羨ましいでしょー?」

 仲のいい友人に向けてなのか、モカがそう続ける。何に使うかは知らないが、後でモカに動画を共有してあげよう。ついでに、あられもない姿のモカと一緒にツーショットで記念撮影し、その写真も全て提供する。

 それが終わった後、俺たちはベッドから下りた。

「夕食作り始めるから、もう一回お風呂に入ってきて」

「はーい」

 モカは精液が垂れない程度にティッシュで体を拭い、再び浴室へと向かう。俺は服を着てから部屋を出ると、早速キッチンへと向かった。冷蔵庫の中に十分な食材があることを確認し、調理を始める。

 さすがに揚げ物は時間が掛かった。まだ作っている途中でモカが入浴を済ませ、湯上り状態で周りをうろちょろし始めたから、「座ってて?」と言って俺はモカにディープキスをお見舞いした。唾液をたっぷり与えると、モカは大人しく食卓の席に着いてくれた。

 跳ねる熱い油と戦い、とんかつやエビフライ、コロッケなどの定番メニューを仕上げて大皿に盛り、食卓に並べる。白米や味噌汁、サラダなども用意し、夕食の準備が整った。

「いただきま~す」

 少し張り切って作りすぎてしまった。なんて考えながらモカと一緒に食事を進めていくが、どうやらそうでもなかったようだ。お腹を空かせていたモカが幸せそうに白米と一緒に頬張っていき、揚げ物の山が小さくなっていく。

 俺がお腹を満たすのとほぼ同時に、倍速で口を動かしていたモカも食事を終える。

「ご馳走様でしたー」

 結局、作った料理をモカは綺麗に食べきってくれた。ちっとも膨らんでいるようには見えないお腹を服越しに擦って満足そうにしているモカを見ると嬉しくなる。作ってあげて本当に良かった。

「ついてるよ」

 モカの口元についていた米粒を指で摘まみ取り、自分で食べる。

「いやー、うっかりうっかり。お恥ずかしい」

 とモカは言いつつも、恥ずかしそうには見えない。

 俺ほどではないにしてもモカは少し感情が読み取りにくい。でも、とても自分に正直な性格だということがわかった。

 もっとモカのことをよく知りたい。女のことを知るには、ベッドでのセックスが最適だ。

「今日は泊っていく?」

 急な誘い。明日の予定もあるだろうからいい返事は期待しない。

「そうですね~」

 モカは口元に人差し指を当て、視線を宙にさ迷わせて思案を巡らせている。やはり無理そうだ。

「無理にとは言わないけど」

「いえ、せっかくだからお言葉に甘えようかと。でも」

 何か懸念事項があるのだろうか。小首を傾げる俺に向けて、モカは挑戦的な表情を浮かべた。

「次のセックスでは、モカちゃんが勝っちゃうかも~」

 モカから告げられたのは思ってもみなかった言葉だった。

 確かにモカの成長は著しい。だが、まだセックス経験一日にも満たない素人。

 ベテランに対する態度ではない。これはお仕置きをしてやらなくては。

「全部用事を済ませたら、ベッドに行こうか。セックスの仕方を教えてあげる」

「ふっふっふっー、返り討ちにしてあげますよ」

 売り言葉に買い言葉。大人げないとは思いつつ、俺はモカの挑戦を真っ向から受けることにした。

 その夜。ベッドにて、戦いが始まった。

「んんっ!? ぢゅるっ、ぐちゅっ、くちゅっ、んっ!?」

 先手必勝でモカをベッドに押し倒し、流れるような動きで即挿入。今日処女喪失したばかりの未熟マンコを百戦錬磨チンポで制圧し、最初からトップスピード。生意気な口が利けないように口と舌で塞ぎ、逃げられないように押さえ付けながら連続プレスを行う。

「ぁっ、ちゅっ、ぁんっ、あっ、ゃっ、ぐぷっ、ぢゅるっ、ぐちゃ、ぬちゃっ、ちゅぷっ!?」

 モカの感じやすい場所はわかっている。そこを亀頭で的確にじっくりと突く。

 突く、突く。乱暴にではなく、相手の反応を見ながら適切な速度を見極める。互いが一番気持ちよくなれる速度と角度、挿入の仕方を把握し、たまに緩急を入れながら体力にものを言わせて弱点を突いていく。

「んっ!? んんっ!? はぁっ! あぁっ、ぐちゅっ、ぢゅぶっ、ぐぷっ!?」

 モカの体が強張る。動揺に目を瞠る。早速、絶頂が訪れたようだ。しかし、そんな状態になっても俺は動くのをやめない。モカの体を抱擁して拘束し、膣に肉棒を出し入れさせ、絶頂の波がモカを襲ったその瞬間に肉棒を全て膣内にぶち込んだ。

「んんんん~っ!?」

 びゅるるるっ、びゅーっ、びゅーっ、どぷぷっ、ぶびゅるるるっ、どびゅーっ、ごびゅーっ!

 モカが痙攣を始めると同時に、俺は欲望を解放した。

 熱い子種汁をこれでもかと撒き散らし、快感に浸る。

 しかし、まだだ。これでは終わらない。

 射精が完全に終わる前に、精液塗れの肉穴を搔き乱す。

 驚くように呻くモカ。俺はモカの頬の内側を舌で舐めながら、腰を振り続けた。

 攻めて、攻めて、攻めまくる。

 そのうち、モカの体から力が抜けた。気絶したわけではない。俺に身を任せているようだ。

 モカの口内に唾液の塊を流し入れながら、俺はせっせと尻を振る。

 手は抜かない。完全に堕とす、そのときまでは。徹底的に、モカの体を愛し尽くした。

 

「ぎ、ギブアップ~……」

 モカが敗北を宣言したのは、その一時間後のことだった。



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青葉モカと寝起きセックス

長らく更新していませんでしたが、ゆっくりと更新していきます。


 目を覚ますと、全身がチョココロネになっていた。

「夢……」

 という夢を見た。

 体を起こし、窓の外に視線を移すと明るい空。時計が指し示す時刻は朝の六時。いろいろと奇妙な夢を見ていたが、体に疲れはない。軽く腕を回して体を解す。

「ん~……」

 すぐ横から少女の声。目を向けると、モカがぐっすりと眠っていた。シーツで体を隠しているが、中は全裸だ。チラリと覗く白い肩や胸元、太股に視線を吸い寄せられる。少し触っても起きないよな、と思いながら手を伸ばした。

 女子高生の柔らかい太股。滑らかな肌触りと、手の平に吸いつく感触。最高だった。

 頬擦りもしてみよう。

「変態みたいですよ~?」

 と思った矢先に、モカが起床した。むくりと起き上がり、面白いものを見た、とでも言うようにニマニマと笑っている。これから行おうとしたことがばれ、ばつの悪さを感じた俺だったが、欲求には逆らえなかった。

 太股に顔を近づけ、頬を擦りつける。柔らかい。そして、温かい。

「んむっ……」

 堪能していると、モカの足がゆっくりと上がり、俺の顔を両方の太股で挟み込んだ。ぐにぐにと太股の弾力をお見舞いされ、体温で包まれ、興奮した様子のモカに見下される。これは、なかなかいいかもしれない。

「格好良くて、女性に負けないくらい変態的で、本当に理想的な男性ですね~」

 モカはそう言って、しばらく俺を眺めていた。足を使って俺を攻め、ぞくぞくと身を震わせている。モカにはSな気質があるのかもしれない。攻めも受けもどちらも好きな俺は、モカをその気にさせる言葉を吐いた。

「俺のこと、犯してみる?」

 直後、予想通り挑発に乗ったモカが俺を襲った。

「お言葉に甘えてー、モカちゃんがたっぷり、犯しちゃいますね~?」

 仰向けにした俺に跨り、膣で肉棒を咥える。もう挿入は手慣れたものだった。ずぷぷっと膣肉に揉まれながら奥へと迎え入れられた肉棒が、ぬぷっ、ぬぷっと濡れた膣内で味わわれている。

 口角を吊り上げ、元気よく腰を振りながら俺を見下ろすモカ。

 いい構図だ。揺れる美乳を観察しながら、俺は大の字になってモカの好きにさせた。

 顔や首筋、そして口に何度もキスを放たれる。独占欲を示すように、首には吸いついた痕が残された。キスマークを作った張本人なのにモカは感情を昂らせたようで、俺の股間に尻を振り降ろす動作が荒々しくなった。

 たんっ、たんっ、ぐちゅっ、ずぷっ、ぱちゅっ、ぐちゅっ、ずぷんっ!

 賑やかな音と、降り注ぐモカの愛の囁き。

 どぴゅっ、どくっ、ぶびゅるっ、びゅるるっ、どくんっ、どくんっ、ぶびゅっ!

 セックスに嵌った美少女を眺めながらの射精は、骨の髄まで快感を運んだ。

 二発、三発と射精回数を重ねる。勢いよく噴き出した精液の全てをモカは子宮で受け止め、そのたびに表情を恍惚に染めた。昨日は散々俺と交わったはずだが、朝からこれほど元気とは、やはりモカの性欲は強いようだ。俺ほどではないが。

「ご馳走様でしたー」

 モカが迫ってきたかと思うと、俺の唇に再びキスを落とした。

 朝から軽く戯れ、俺たちは浴室へと向かった。順番にシャワーを浴び、途中で我慢できずに交わりつつも、昨夜からの性交による汚れを清めた。

「気持ちいい朝ですねー」

 食卓の席に着いたモカが頭にタオルを乗せ、マグカップに入ったホットミルクを喉に流す。ほぅっと息をついたとき、濡れた髪の毛先から水滴の一滴が食卓に垂れた。俺は席を立ってモカの背後に回り、タオルで頭を拭いてあげた。

「ああ~、そこそこ~」

 小さな子供の世話をしているような気分。

 子供ができるって、こんな感じなのだろうか。

「どうかしましたかー?」

「何でもない。痒いところはない?」

「耳の裏をお願いしまーす」

「うん」

 こんな風に子供を可愛がる。そんな未来が少しだけ想像できた。

 朝の緩やかな時間。二人でゆっくりと過ごしていると、モカが席を立った。

「そろそろお暇させてもらいますねー?」

「用事?」

「今日はバンドの練習があるので~。あと、あまり長居するのもご迷惑かと。って、あ」

「なに?」

「昨日の動画とか、送ってくれませんか~?」

「了解」

 モカに言われ、俺は携帯を取り出した。昨日取った動画や写真をモカに送る。モカがそれを確認し、「ありがとうございま~す」と言って携帯を操作し始めた。何をしているのか。気になったが、聞く前にモカが玄関へと向かった。

「それではまたー。予定が合えば、いつでも呼んでくださいね~」

「わかった」

「では~」

 モカは手を振り、開いた扉から外へと消えていった。

 静かになる家の中。

 さて、今日は何をして過ごそうか。やりたいことはいっぱいあるが、まずは音楽だろうか。一日中防音室に引きこもって作詞や作曲に没頭するのもいい。一人で外に出かけて美味しいものを食べに行くのもいい。

 とりあえず居間のソファーに座り、テレビを見ながら考えようと俺だったが。

 ポケットの中で携帯電話が突然着信を告げた。携帯を手にし、画面に目線を落とす。

『母さん』

 画面に表示された登録名を目にし、俺の中で時が止まった。

 しかし、ほんの一瞬だけだ。俺は通話ボタンに触り、耳に受話口を当てた。

「もしもし」

『もしもし。そっちは朝よね? おはよう、勇希』

「おはよう、母さん」

『休みだけど、ちゃんと起きているわね』

「うん」

『睡眠は勿論、食事もちゃんと取っているわよね?』

「うん」

『最近何か変わったことはあったかしら?』

 母さんの確認に、俺は少し思案した。

 母さんが前触れもなく連絡をしてくるのは珍しくない。そして、近況報告を促してくる。ただ、これはわざとなのか、母さんの聞き方は漠然としている。母さんが思う『変わったこと』と、俺にとっての『変わったこと』が一致するとは限らず、毎回悩んでしまう。

 毎週、複数人の美少女とベッドでセックス三昧。俺にとってそれは普通の生活であるため、報告する必要はない。そう思う一方で、普通ならば報告すべき事柄であることは自覚しているが、報告することでどうなるのかが怖い。

「特にない」

『毎回返事が妙に遅れるわね』

「気のせいだと思う」

『まあ、いいわ』

 俺の返答に、母さんは嘆息した。

『とにかく、元気みたいで良かったわ』

 母さんの定期連絡は短く、だいたいこれくらいのやり取りで終わる。

 今回もこれで終わりだろう。気を抜きかけた俺に、母さんの声が届く。

『それで、ここからが本題なのだけど』

 あれ? と思う俺を他所に、母さんはその本題とやらを切り出してきた。

『あなたに縁談の話が来たわ。実はもうお見合いの日程は決まっているの』

 予想もしなかった展開。俺の思考は遂に完全に停止した。

 

 昼過ぎ。昼食を終えた俺はパソコンを起動した。

 そして、お世話になっている動画・音声共有サイトを開く。このサイトは動画の投稿は勿論、生配信という形で視聴者に生の声を届けることができる。俺はいつも収録した歌を動画という形にして投稿することが多く、滅多に生配信はしない。

 だが、今日は動画という形ではなく、誰かに歌を聞いてほしかった。

 それくらい俺は不満を溜め込んでいた。原因は勿論、母さんだ。俺に確認もせずに縁談を受けた。既に日取りも決まっていて、相手方も準備を進めているはずだ。この段階になってしまっては、俺の一存で断ることもできない。

 行き場のなくなった感情を晴らすべく、今日はオリジナル曲もカバー曲も交えての長時間配信をする予定。初の試みだ。

 事前の告知もないゲリラ配信。しかも開始して数分で、まだ声も出していない待機状態だというのに、既に視聴者の数は数万人にまで昇っていた。俺のチャンネルを登録している人に配信開始の連絡が行き、それを見た人たちが続々と集まっているのだろう。

 配信で何を歌うのかなど、あらゆる準備が中途半端だ。整っているのは歌いたいという想いだけ。

「今日は長時間歌います。一曲目、聞いてください」

 マイクスタンドの前に立った俺は、流れるBGMに歌声を乗せた。



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燐子と友希那と紗夜と動物コスプレご奉仕

 月曜日の放課後。昨日母さんから縁談の話を伝えられた俺は今、ストレス発散に努めている。いや、努めるとは言っても、自分からは何もしていない。今この瞬間も勝手にストレスが頭から抜け落ちていく。

 俺は、右手に掴んだ鎖の先を視線で辿った。

 その先には、首輪を嵌めた二人の少女がいた。

 片方は猫のコスプレをした友希那。もう片方は犬のコスプレをした紗夜。どちらも乳首と秘所をコスプレ用の疑似体毛で隠しているが、そこ以外は素肌全開という格好だ。

 俺に首輪の鎖を託した二人は、部屋の中心に立つ俺の足元で膝立ちになって、怒張した肉棒を思い思いに奉仕していた。

「にゃっ、ぷちゅっ、ちゅぱっ、にゃあっ、ちゅっ、くぷっ、ちゅぷっ」

 左側に位置する友希那は金玉を口に咥え、舌と唾液を使って温めてくれている。長い髪と一緒に揺れた鈴がチリン、チリンと頻繁に音を立てるが、それ以上の音が自室に響いていた。

「ぐぽっ、じゅぷっ、ぐっぷ、ぶぢゅぢゅっ、ぢゅるるっ、ぐっぽ、ぐっぽぉっ!」

 友希那の左肩に触れる距離で、紗夜が肉棒に激しいディープスロートを行っている。口元に俺の陰毛を張りつけたまま、一心不乱に頭を前後に揺する。あまりの激しさ、淫らさに友希那が気圧され、負けてられないとばかりに金玉を舌で転がす。

 やばい。ストレスどころか、理性まで吹き飛びそうだ。

 普段クールな二人による動物コスプレ奉仕は予想以上の火力だ。提案者である燐子もここまでは想定していなかったのだろう。紗夜に触発された燐子が、俺のアナルを舌でぐりぐりと穿るのを止めない。同じ犬のコスプレをしている者として、負けられないという対抗意識を抱いていそうだ。

「ぐりゅっ、ぐりゅりゅっ、ぐちゅんっ、ぐちゅぐちゅっ、ぢゅるっ、ぐぷっ!」

 肉棒と金玉と、アナルの三点攻め。体が否応もなく弛緩してしまう。俺の尻に顔を埋める燐子がいなければ、俺は今頃体を支えることもできずに背後のベッドに倒れていたかもしれない。

 ストレス解消という目的は軽く達成した。だが、三人は止まってくれない。

「紗夜」

「ワンッ!」

「友希那」

「に、にゃあっ……!」

「燐子」

「わんっ……!」

 声を掛けても、自分たちの立場を理解して動物の言葉で返事をする。ある程度俺の命令に従ってはくれるけど、一旦手を止めて欲しいという願いは聞いてくれない。

「ぐちゅっ!」

 と、燐子の舌がアナルを掻き回る。未知の体験に背筋が震える。尻の穴よりも肉棒を舐めてもらったほうが気持ちいいだろうと思っていたのだが、受けてみるとフェラとはまた違った快感だ。こそばゆくもあるが、体内に直接舌の熱が伝わり、唾液でとろとろに解される感覚は筆舌に尽くしがたい。

 ぼーっと快楽に溺れていると、紗夜と友希那がニヤニヤと笑っていた。俺を攻める行為に興奮を抱いているようだ。これはいけない。今度、付きっきりで二人にはМとしての素質があるのだと再認識させよう。

 とか思っているうちに肉棒が大きく膨らむ。それを察知した紗夜が「あーん」と大きく開いた口で肉棒を限界まで含み、待機する。友希那も期待するような目で俺を見ると、金玉に吸いついてくる。

 出る、と感じた瞬間、射精が始まった。

 ぶびゅるるっ、びゅるるっ、びゅーっ、どくっ、どくっ、どぷんっ、ぶびゅるっ!

「ごくっ、ごくっ……!」

 瞳にハートマークが浮かんでいる。そう錯覚を覚えるような微笑みで紗夜が精液を飲む。ここまで精液を美味しそうに飲めるのは才能だろう。

 ある程度精飲し、口に精液を溜めた紗夜が肉棒から口を離す。すると、外に飛び出る精液を惜しむように友希那が即座に肉棒を咥えた。喉奥まで誘導し、脈動する精液から注がれる精液を呑んでいく。

「ごきゅっ、ごくっ、んんっ……!」

 軽く身震いした友希那の瞳にも、ハートが浮かんでいるように幻視してしまった。

 二人に見つめられ、精液を分け与える。その間も燐子にアナルを解され、射精はいつもよりも長く続いた。

「あ~」

「あー」

 紗夜と友希那が口を開き、見せつけられたのは白濁に染まる口内の精液ダム。あなたの精液を溜めています、と主張しながら二人は精液の海に赤い舌を泳がせていた。

 二人の精液ダムに俺の縮れた陰毛が浮いているのを確認できたちょうどそのとき、ダムは喉へと精液の放流を始めた。口を閉じ、ぷりぷりとした触感を楽しむように精液を噛み潰し、嚥下してから再び開かれた口内には精液は残っていなかった。

「ワンッ!」

「にゃあっ!」

 ご馳走してくれた俺に感謝を伝えるように、二人が肉棒を挟んで頬擦りする。

 立派に成長してくれた。特に紗夜は俺の期待以上の痴女に育った。今ではローターを膣内に挿入して登校し、学校のトイレで自慰をする動画を送ってくるまでになった。その痴女ぶりは他のメンバーにもいい影響を与えているようだ。

「にゃぁぅ、にゃぁっ」

 友希那が媚びた雌声を上げて裏筋を舐め、尿道に溜まった精液を舌で掬い取っている。

 その隣では、紗夜が金玉に向かって「はーっ、はーっ」と精液臭い息を吹きかけている。射精後の金玉を労わる目的ではなく、温めてもっと射精してもらおうという魂胆だろう。目論見通り、金玉が温められていく。

 まだ搾取するつもりだ。二人が満足するまでこれは終わらない。

 いや、三人か。ずっと俺のアナル舐めをしている燐子だが、しばらく大人しくなりそうもない。燐子の提案で始まったアナル舐めに一番はまったのは、ほかならぬ提案者の燐子だった。

 もう諦めて好きにさせるか。俺はそう考え、三人に向かって命令した。

「俺の体、好きにしていいよ」

 

 ぱんっ、ぱちゅっ、ぐちゅんっ、ぱちゅんっ、ぱんっ、ぱんっ!

 騎乗位ピストンに関しては一日の長である燐子指導の下、友希那が後背位騎乗位による杭打ちピストンに励んでいる。俺はベッドで横になり、肉棒を延々と狭い膣穴に出し入れされる光景を観察する。

 友希那のアナルに挿入されたアナルビーズタイプの尻尾が上下に弛み、俺の下腹部に叩きつけられる。ふさふさの毛が少し痒い。そう思って手を伸ばすと、犬の手を模した手袋をはめた紗夜が痒いところを的確に掻いてくれた。

「ワンッ、ワンッ……」

 少し前まで暴れまくっていた紗夜だが、今は燐子と一緒に友希那の支援に回っている。自分だけではなく、周りの技量も上げることで俺を喜ばせる算段のようだ。

 俺は、俺の乳首を舐め回す紗夜の頭を撫で、友希那の様子を眺める。燐子に体の動かし方を耳元で囁かれ、友希那は顔を赤く染めながら尻を器用に振る。どちゅんっ、ぶちゅんっと子宮口に亀頭が食い込む勢いだ。

「にゃんっ、にゃんっ、にゃっ、ぁっ、はぁっ……!」

 一方的に食われる肉棒。温かい膣肉でギチギチに締めつけられ、俺の体が弛緩する。

 自発的にすることもないため、ベッドを背に俺はこれからのことを考えた。

 次の土曜日、俺はお見合いをする。急すぎる話だ。いや、日程自体はだいぶ前から決まっていて、母さんが敢えて直前まで黙っていたみたいだ。どうにか俺に身を固めさせようと思ったのだろうか。

 初めてのお見合い。どうにか破談に持ち込みたいが、どうすればいいのかわからない。

 お見合いについては燐子たちにも既に共有済みだ。相談も兼ねて今日都合が合う三人をこの場に集め、この状況になっている。相談よりも、殆どセックスしてばかりだが。

 しかし、結局は自分の問題だ。自分で考えなくてはいけない。

 恋愛結婚はいいのだが、お見合いで会った相手との結婚は俺の予定にはない。だが、向こうの考えは違うようだ。母さんと顔見知りであるらしい相手方の親が、娘を是非、と俺に縁談を持ち込んできたらしい。

 親の考えは置いておいて、娘さんはどう思っているのだろうか。乗り気なのか、そうではないのか。おそらくは前者だと思うが、会ってみないとわからない。実は強要されているのかもしれない。

 美竹(みたけ)(らん)さん、か。

 俺の見合い相手の名前を頭に浮かべるが、これ以上の情報がない。もうお見合いはすぐだというのに、母さんから写真すら見せてもらっていない。我が親ながらなんて人だ。これも策略か。いや、母さんのことだから単純に忘れているという線もあり得る。

 いろいろと考え、頭を悩ませていると、下腹部が熱くなってきた。そろそろ限界だ。

 ぶちゅんっ、ずぽぉっ、ぬぷんっ、ずぶんっ、ぱんっ!

 友希那の膣に蹂躙され、気分が昂ってくる。俺はブルリと体を震わせた。

 どぷっ、ごぷっ、びゅるるっ、どびゅーっ、どびゅーっ、びゅるっ、びゅぷっ!

「にゃぁあああっ!?」

 甘い声で鳴く友希那の子宮に精液を噴き出し、精液袋に変える。友希那は恍惚とした様子で微笑み、燐子の指示に従って亀頭に子宮口をぐりぐりと押しつけてきた。モット深く、とでも言うように燐子が友希那の尻を下に押し込むと、友希那はわかりやすい挙動を示して絶頂した。

 友希那に膣内射精し、燐子と紗夜に優しく見つめられながら、俺は思う。

 どうなるかはわからないが、皆を幸せにできる未来にしたい。俺が求めるのはあくまでハーレム。一人の女性に向けるには俺の欲望は強すぎる。もしも先方が一夫多妻制の否定派ならば、はっきりと断ろう。

 俺はそう心に決めた。



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美竹蘭とお見合い

 放課後にCiRCLEでアルバイトをし、帰宅して夕食などを済ませた後。ソファーに座ってテレビで猫特集の番組を見ていた俺は、鳴り響いたインターホンの音を耳にした。

 予定通りの時間。時計を見てすぐに玄関に向かい、俺は扉を開いた。

 玄関の外には母さんが立っていた。キッチリとした黒いレディーススーツ。肩の上で揺れる短い黒髪。掛けた眼鏡の内側で、切れ長の双眸が俺の姿を捉えている。

「おかえり」

「ただいま」

 声を掛けた俺に母さんは一言告げ、キャリーケースを転がして家の中に入る。久しぶりの対面だが、俺たちの間で交わされる言葉は少ない。母さんも俺も口数が少ない人間だからだ。

 荷物を自室に置き、居間にやって来た母さん。ソファーに腰掛け、話を切り出す。

「話があるから、そこに座りなさい」

 俺は母さんに言われるままテーブルを挟んだ向かいのソファーに座った。

「予定通り、土曜日に美竹さんの娘さんと会ってもらうわ。場所は先方のお勧めの料亭よ。服装は袴で出席してもらうことになるけど、肩肘張る必要はないわ。気楽に対応しなさい」

 予定通りというのならば、その予定をせめてもう少し早く俺に伝えてほしかった。あと残り一週間もないんだけど。裏で準備を進め、後から俺に断れなくするという考えはわかるが、さすがに温めすぎだ。まさかこれほど直近に控えているとは思わず、俺も開いた口がすぐには塞がらなかった。

 ただ、俺だけに知らせていなかったというだけで、他の準備は母さんと先方のご両親との間でだいぶ前から進められていたらしい。

「気楽にと言われても」

 いろいろと想定外な上に初めてのお見合いだ。気楽にというのは無理がある。これで俺の人生が決まる可能性がある。そう考えると、何とかしなければという想いもあって、過剰に緊張してしまいそうだった。

「話は以上よ。何か質問はある?」

「袴を持ってないけど」

「レンタルするから大丈夫。もう手配済みよ」

「何を話せばいいのかわからない」

「聞かれたことを答えればいいわ。先方に任せなさい」

 何という他力本願。いや、元々は相手からの要望でお見合いすることになったから、別にいいのか? でも、あまり黙り込むのも失礼だから、俺からする質問を幾つかまとめておいたほうがいいだろう。

 そのためにも、もっと相手についての情報がいる。

「相手の写真とかないの?」

「あ」

 あ、って何? 俺が思っていると、母さんがおもむろに席を立った。そのまま居間を出ていく。どこに行くのか目で追い、待つこと数分。薄い冊子のような物を手に持った母さんが再び現れると、俺に冊子を差し出した。

「忘れていたわ。はい、これ」

「忘れないで」

 少し呆れながら母さんから受け取った冊子を開く。

 中には一枚の写真があった。

 写真に映っていたのは、鮮やかな紅色の着物を着た美少女だった。ショートにまとめた黒髪。前髪の一部に赤いメッシュを入れている。少し気の強そうな整った顔にぎこちない微笑みを作り、真っ直ぐにこちらを見つめている。

 写真の少女、美竹蘭さんを目にして、俺の脳裏に過ぎるものがあった。

 あの子だ。CiRCLEによく練習しにくる、モカと同じバンドメンバーの一人。前々からいい感じの子だなと思っていたけど、まだ接触したことはない。詳しくは知らないが、メンバー全員が幼馴染であるということだけは知っている。

 まさか、お見合い相手があの子だとは。世間は思った以上に狭いようだ。

 改めて美竹さんの姿を目に焼きつける。やっぱり可愛い子だ。素直ではなさそうな雰囲気もいい。ぜひともベッドで可愛がりたいが、お見合い相手となればそうもいかない。このお見合いを受ければいつかはそういう関係にもなれるが、身を固めてしまうことでハーレムが築けなくなってしまう恐れがある。

 どうするべきか。

「難しく考えなくていいわ」

 悩む俺を見て、母さん口を開いた。

「私は別に勇希に今すぐ身を固めてほしいわけじゃないの。今回の縁談も、向こうに何度も頼まれて仕方なく受けたものだし。結果はともかく、とにかく自分の娘とお近づきになってもらいたいようね。昔から回りくどいのよね、あの子は」

 それほど熱心に頼まれたと知っては簡単に断れなくなってしまうのだが。それに、今の口振りから察するに母さんは先方と昔からの知り合いのようだ。何だかさらに断りにくくなった。

「あなたに判断を委ねるわ」

 母さんはソファーから立ち上がると、自室へと向かった。お見合い写真を手に、一人残された俺。俺を見つめてくる写真の美竹さんは、俺が断ればどう思うだろうか。傷ついてしまうのではないか。意思が強そうに見える子ほど、実は繊細な場合が多いから心配だ。

 俺はしばらく考えてみたが、俺の中で答えはもう決まっている。その答えを今さら変えることはやっぱりあり得ない。

 俺は俺だ。これは俺の人生なのだから、俺らしく生きるべきだ。

 決心がついた。いや、改めて認識した俺は、お見合い写真を閉じた。

 

 お見合い当日の土曜日。場所は老舗の料亭。座敷の部屋の中央には大きなテーブルが置かれ、それを挟む形で正座する俺と少女の視線が合う。しかし、見合っていたのはほんの数秒だった。顔を赤らめた少女が視線を横に逸らす。

 釣られて視線を横に向けると、開かれた障子戸から見える廊下の向こうに、和を感じさせる広い庭があった。苔むす地面。配置された大きな石や石灯籠。地面から伸びた木々が伸ばす枝葉は綺麗に剪定されていて、それ一つ見ても芸術品のようだ。

 少しの間見惚れていたが、今の状況を思い出して慌てて視線を戻す。

「あ……」

 俺の横顔を見ていたらしい少女が声を上げる。今、明らかに表情が緩んでいたのだが、すぐに唇を引き締めて緊張した面持ちになる。だが、俯きつつもチラリと向けられる視線には熱い欲望を孕んでいるのは変わらない。

 淡い桃色の着物を着た少女、美竹蘭さんは、欲情していた。

 なぜ発情しているのかわからず、理由を探るために俺は記憶を遡った。

 今日、着慣れない袴姿で俺が母さんとともに見合い場所の料亭を訪れたときには相手は既に部屋で俺たちを待っていた。先方は随分と待ち侘びていたらしい。この部屋に入った瞬間、美竹さんから向けられた眼差しは既に、情欲に濡れていた。

 結論。理由不明だが、美竹さんの発情は最初からだった。

 俺は今、飢えた獣のような美竹さんと部屋に放置されている。

『お久しぶりです、岩戸さん』

『ええ、こうして直接会うのは本当に久しぶりね』

 と、出会って早々何やら因縁めいた会話を始めていた母さんと、奥ゆかしい上品な黒髪美女の美竹さんのお母様はこの場にはいない。俺たちの紹介を簡潔に終わらせると、あとは若いお二人でとでも言うかのように二人で別室へと移動した。

 それ以降、二人になったこの部屋は沈黙に包まれている。

 俺と美竹さんは口数が多いほうではない。たまに話を切り出してもうまく嚙み合わず、再び沈黙が流れる。二人の共通点である音楽の話題を出せば話は盛り上がるのかもしれないが、お見合いの場で音楽の話をしてもよいのだろうか。

 事前に考えてきた質問も空振りに終わり、そろそろ手札がなくなる頃合いだった。

「あの……」

 と、美竹さんから口火が切られた。

「うん」

 さすがにこれを逃す手はない。俺は姿勢を正し、続く言葉を待った。

 何を聞かれるのだろう。身構えた俺を待っていたのは、予想外の展開だった

「岩戸さんは、モカとセックスしたんですよね……?」

 何を言われたのかすぐに理解できなかった。硬直する俺の前で美竹さんは携帯を取り出し、再生ボタンが表示された画面を見せてきた。動画? と混乱しつつある頭で疑問を浮かべた俺は、直後に再生された動画を見せられた。

『皆ー、見てる~? イケメン絶倫チンポ、羨ましいでしょー?』

 見覚えのある肉棒を片手にピースをするのは、裸のモカだった。ニヤリと笑って、画面越しの相手に見せつけるように肉棒にキスをし、舌を這わせ、亀頭から竿まで口に含めてぐぷぐぷとしゃぶっている。

 その動画が途中で別の場面に切り替わる。ベッドで仰向けになるモカに覆い被さって種付けプレスをする俺が、片手に持った携帯で撮影したもの。激しい腰振りで映像は乱れているが、俺とベッドに挟まれて膣に精液を流し込まれるモカの蕩けた顔はしっかりと捉えられていた。

 動画はまだまだ続く。モカのノーハンド高速ディープフェラが卑猥な音を部屋に広げる。時折聞こえる気持ち良さそうな声は間違いなく俺の声だ。別の動画では俺の顔も体もはっきりと映っており、俺ではないと言い逃れるのは無理があるだろう。

 素直に頷いた俺を前に、美竹さんの表情は興奮の色を強めた。

「日曜日に、モカを含めたバンドメンバー全員でバンドの練習をしていたんです」

 美竹さんが言う。楽しげに、少し理性を失った瞳で俺を見つめる。

「途中で休憩していたときに、見せたいものがあるって言って、モカが急にあたしたち全員に見せてきたんです。この動画を」

 事情がようやく呑み込めてきた。

「幼馴染がセックスしている動画を見るのなんて初めてで、皆目を離せませんでした。しかも、よく見ると相手はあたしが気になっていた人で、その人が画面の向こうで本気のセックスをしていて……」

 モカが動画を求めてきたのは美竹さんたちに見せるからだったらしい。なぜ、そんなことをと思ったが、その理由は美竹さんの口から語られた。

「頭が真っ白になって、茫然としていたあたしの耳元でモカが囁いてきたんです。『蘭って寝取られる系の作品も大好きだったよね~。どう? 好きだった人があたしと生ハメガチ交尾しているのを見て、興奮した~?』って……」

 モカは美竹さんのために動画を見せたみたいだ。

 そして見事、美竹さんの興奮を煽ったらしい。

「動画を見せられて、当事者のモカに寝取り報告されて、いつの間にかあたしはオナニーしてました……。モカ以外の他の皆も全員……。胸を揉んで、おマンコをぐちゅぐちゅにして、興奮が鎮まるまでずっと、喘ぎ続けて……」

 でも、と美竹さんは続ける。

「まだ満たされないんです……」

 動画の横で見せた美竹さんの顔は、強い欲求に翻弄され、自分ではどうにもできずに苦しむ雌のようだった。大きく形のいい目が細められ、期待に濡れた瞳が俺の姿を捉え、視姦し、舌がぺろりと綺麗な唇を舐めた。

「お願いします。この縁談は断ってくれてもいいので、代わりに、岩戸さんを犯させてください……。モカが言ってましたよ。岩戸さんは頼めばヤらせてくれる最高の清楚系淫乱美少年だって……」

 母さんと美竹さんのお母様がせっかく用意したお見合いの場。俺と美竹さんの間で密接な関係を築いてもらおうという意図らしいけど、その舞台は美竹さん本人によって思わぬ形でちゃぶ台返しされつつも、望む形を叶えられそうだった。



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美竹蘭と愛撫

『美竹さんと出掛けてくる。帰りは朝になると思う』

 携帯電話を操作し、俺は母さんにメールを送った。すると、程なくして連絡が返ってきた。『わかったわ』という端的な返事。やはり、母さんは俺の周りで起きていることをわかっているのかもしれない。

 俺の杞憂だったようだ。思えば、母さんは海外にいる間も俺の身の回りで起きたことを知っているような節があった。おそらく情報源は燐子。というか、他にいないから間違いないと思う。

 俺のハーレム生活を築く上で一番の問題点が解決されそうだ。俺はほっと胸を撫で下ろしつつ、携帯電話を近くのテーブルに置いた。

 視線を正面に向けると、そこには窓から見える夜景があった。空を覆い尽くす濃紺。浮かぶ月が照らし出す街並みには人工的な光が点在している。キラキラと光ってみえる夜の景色に目を奪われてしまう。

 いい景色だ。セキュリティも万全で少し家賃は高いけど、このマンションの一室を別荘代わりに借りて良かった。一軒家の自宅とは違う良さがあり、女を連れ込んでイチャイチャするには最適。ここは今、まりな名義で借りてもらっているけど、母さんに事情を話して名義変更をしてもらう予定だ。ちなみに、家賃は全てアルバイトや配信活動で得た俺の収益で払っている。

 何もかもが順調。のはずだったが。

 俺は背後を振り向いた。脱衣所へと続く扉は固く閉ざされている。中には美竹さんがいる。俺の後に美竹さんがシャワーを浴び始めて随分経つが、一向に出てくる気配がない。女性だから身支度に時間がかかるのは仕方ないが、それにしたって時間がかかりすぎなように思えた。

 何かあったのか? さっき確認したときは『だ、大丈夫だから』と美竹さんは言っていた。本当にただ時間がかかっているだけなのか、問題が起きたのかがよくわからない。

 もう一度確認してみるか。

 そう思ったとき、見つめていた扉がゆっくりと開いた。

「お待たせ」

 おそるおそる。扉を開いて美竹さんが現れた。薄桃色のバスタオルで胸元まで隠しただけの格好。体の線が浮き彫りになっている。そんな状態で美竹さんは顔色を赤くしていた。湯で温まったためともとれるが、俺には美竹さんが羞恥を感じて顔を赤くしているようにも見えた。

「ごめん、時間かかって」

「別にいいけど」

 待つのは構わない。それよりも、美竹さんのことが心配だった。

「体調でも悪い?」

 であれば無理をさせたくはない。お見合いの後、各自家に戻って普段着に着替え直してから美竹さんをこの部屋に連れてきたが、日を改めてもいい。美竹さんの都合がいいときにまた会えばいいだけの話だ。湿って艶やかさを増している黒髪や、バスタオルを巻いた体から伸びるムチムチの太股のおかげで興奮しているけど、たまには一人で自分を慰めるのも悪くはない。

「また今度にする?」

 と俺が聞くと、美竹さんは逡巡していた。視線をさ迷わせ、葛藤している。だが、俺の体を舐め回すように見ると、喉を鳴らして決心した。

「いや、大丈夫……」

 そう言って、美竹さんが近づいてくる。俺の前で止まると、上目遣いに見つめてくる。その赤いままの顔から感じ取れたのはやはり、恥ずかしいという感情だった。もしかして、俺を誘ったはいいものの、冷静になって自分の行動を思い返してしまったのかも。しかし、俺に興味があるのは事実なようで、視線が逸れることはなかった。

「触ってもいい、ですか……?」

「うん。あと、敬語じゃなくてもいいよ」

 俺は一つ年上だけど、美竹さんはタメ口のほうが接しやすそうだった。

「あ、うん……。わかった……」

 言いながら美竹さんの両手が伸びてくる。細い指先が、バスローブを羽織った俺の体に触れた。最初は手、そこから伝って二の腕へと向かう。バスローブ越しに触られるのが少しくすぐったくて俺が反応すると、美竹さんも驚いたように手を引っ込めるのがなんだか面白かった。

「うわ……」

 俺の体を触る美竹さんは嬉しそうだった。段々と指先が大胆に俺の体に這い始めた。前世でたとえれば、美少女の体を触る思春期の少年といったところだ。自分の指で触れられていることに興奮し、笑みを隠しきれていない。

 やがて体を這い回っていた手は止まる。美竹さんの視線は俺の顔と、股間を交互に行き来していた。美竹さんの意図を汲み取った俺が「いいよ」と一言告げると、美竹さんの右手が慎重に俺の股間へ向かい、下から包み込むように握った。

「すご……。本当に、大きい……」

 美竹さんのニヤニヤが止まらない。まるで美少女の巨乳に初めて触った男子高校生のように、ぎこちないながらも手を動かす。「どう……?」と美竹さんが肉棒を揉み揉みと握りながら笑いかけてくるから、俺は素直に「気持ちいい」と頷き返した。

 でも、いつまでもバスローブの上からというのでは俺にとっても生殺しだ。目の前で発情している美竹さんにもご褒美を与えようと思い、俺は縛っていたバスローブの紐を解いた。

「ちょ、ちょっと……! 心の準備がまだ……!」

 俺の前で動揺し、後ずさりながら自身の目元を慌てて手で覆う美竹さん。それに構わず、俺はバスローブの前を開いてそのまま脱ぎ、近くにあった椅子の背もたれにかけた。

 全裸になった俺を見て、顔を覆う両手の指の隙間から美竹さんの視線が忙しなく動く。真っ赤に色づき、驚愕に染まる表情のまま、目の前の光景を少しでも早く自分の目に焼きつけようとしていた。

「エロ……」

 それが絞り出された美竹さんの感想だった。ゆっくりと両手は顔から離れ、ぼうっとしながら俺の体を視姦する。足の指先から頭の天辺まで視線で犯されているのがわかる。何度も生唾を飲み込む音が聞こえ、荒くなった美竹さんの息遣いが徐々に俺へと迫ってきた。

 美竹さんが俺との距離を再び詰めた。さっきよりも躊躇のない手付きで肉棒、そして金玉を握る。口元が緩んでいる美少女の美竹さんに見上げられながら性器をじっくりと揉みほぐされる。そんなことをされて黙っている肉棒ではなく、美竹さんの手の中で少しずつ大きくなっていく。

「まだ大きくなるの……!? 確かに、モカに犯されていたときはもっと大きかったけど。うわ、どんどん大きくなっていく……」

 一度始めた勃起は途中で止まることはなく、肉棒が上を向く。美竹さんの手が気持ちよく、握られながらビクン、ビクンッと痙攣して本当の大きさを取り戻した。

 その頃には、美竹さんによって肉棒は揉みくちゃにされていた。隅々まで指を這わせ、金玉の皺一つ一つに至るまで触られたのではないだろうか。そうして俺の肉棒を握った手を口元に運び、深呼吸をして匂いを嗅いで恍惚に震えている。

「雄の匂いだ……」

 初めての体験は全てが新鮮なのだろう。美竹さんは感情表現が苦手なように見えて、実際はそうでもない。少なくとも俺やモカよりは表情がころころと変わっている。

 可愛いと思って、俺は美竹さんに手を伸ばした。

「あ……」

 と美竹さんの声が耳に触れる。俺はその間に美竹さんの体を隠すバスタオルを脱がした。

 生まれたままの姿が俺の目に映る。着物や、CiRCLEで見掛けた私服姿では把握しきれない美味しそうな女体。メリハリがしっかりとしていて、胸や尻の膨らみは十分豊かだ。色の白い体と、小さな乳輪を染める淡い桃色。目の保養だった。

「あたしの体を見て、こんなに興奮するの?」

 美竹さんが肉棒を握りながら聞いてきた。この状況に少し適応し始めたようで、表情には余裕が感じられた。俺も美竹さんに触れようと伸ばした手で美竹さんの胸を揉み、その柔らかさと弾力を手の平で堪能しながら頷いた。

「興奮する」

「ふーん……」

 素っ気ない態度の振りをしているが、美竹さんは喜びを隠しきれていない。

「んっ……!」

 胸だけでなく美竹さんの股も指で触れると、美竹さんが過敏に反応した。まだ解れていないはずの陰部。陰裂が形成する縦筋に指を忍び込ませ、手探りで見つけた膣口を指で犯す。入口に少し指を埋めて擦っていくと、美竹さんの甘い声が連続して漏れた。

「っ、あっ、んっ、んっ……」

 美竹さんは身を捩らせ、刺激に耐えている。俺は反応を確認しながら弄り方を変える。膣口を開くように指を押し込むのがいいか、それとも、膣肉を撫でていくのがいいか。はたまた、皮を被った陰核を積極的に攻めるのがいいか。

 攻めながらとりあえず膣口付近を指で穿っていると、あまり時間を置かずに中からとろりとした液体が出てきた。透明で、指にねっとりと絡みつくそれは、紛れもなく愛液だった。随分と準備が早い。日頃からよく弄っている証拠だ。さらにこの状況下に置かれたために、体が素直になっているようにも感じられる。

「美竹さんは興奮しすぎじゃない?」

 俺が愛液に濡れた指を美竹さん自身に見せると、美竹さんは悪びれもせずに言った。

「悪い? 目の前にご馳走があって、我慢できるわけないでしょ?」

 美竹さんは肉棒を扱いていた手を止めると、いつの間にか肉棒から流れ出ていた我慢汁に濡れた指を見せてきた。同じことをそっくり返された。しかも、美竹さんは俺の手を握り、愛液と我慢汁をくちゅと触れ合わせた。

 指を絡ませて手を握り合った状態で、美竹さんの顔が迫ってくる。

「ん……」

 唇を美竹さんの唇で塞がれる。視界も美竹さんの可愛い顔で埋め尽くされた。赤い色に染まったメッシュの髪が視界の右端に揺れているのを捉えながら、俺は美竹さんの唇と舌で口内を味わい尽くされた。

「んちゅっ、ぷちゅっ、くちゅっ、ん、れろぉっ、ちゅく、ちゅぷっ、ぴちゃっ」

 幸せそうな美竹さん。開いた目を笑みで細め、舌を動かして俺の口の中で暴れる。俺の舌に絡み、何度もにゅるにゅると擦りついてくる。唾液も注がれ、口内で増えすぎたそれを俺は飲むことしかできない。

 俺が喉を鳴らすと、すぐに美竹さんの唾液が供給される。

 飲んで、注がれて、また飲む。にやつきながら欲望の限りを尽くして俺の口を目いっぱい味わう美竹さんを支えようと、俺は美竹さんを抱き寄せようとした。しかし、美竹さんの抱擁のほうが強く俺を締めつけ、乳肉を俺の体にむにゅと押しつけながら引き続き俺の唇は美竹さんの情熱的な口づけに襲われた。

 俺を犯したいと言っていたから、あくまでも主導権を握るのは美竹さんということなのだろう。俺を攻める美竹さんはさっきよりも明らかに欲望を滾らせていて、口づけの合間に漏れる息は既に乱れていた。

「ん、ふっ、ちゅっ、ぐちゅっ、ぶちゅっ、ぬちゅっ、ちゅるっ、ぬちゃぁっ」

 美竹さんにとってはこれがファーストキス。いい経験をさせてあげようと、俺は反撃をすることなく美竹さんの凌辱を受け入れた。それ幸いにと美竹さんの舌が暴れ、俺の歯茎をなぞり、頬の内側をねっとりと舐め、再び舌に唾液をなすりつけてきた。

 あなたはあたしのもの。そんな感情が、綺麗な瞳の奥に感じられた。



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美竹蘭と甘々教育セックス

 美竹さんとのキスは長引いた。生まれたままの姿で抱き合い、至近距離で見つめ合って唇を密着させる。悦楽に緩む美竹さんの顔をもっと見たいと思い、望まれるがままひたすら舌を絡ませた。

 美竹さんの目は蕩けていた。腰の力も抜けている。

 これ以上は立ったままでは危ないと思い、俺は口づけを止めた。「ぷ、はぁ……」と美竹さんが息を吸う。俺と美竹さんの唇の間には唾液の分厚い糸が伸びていて、完全に途切れて落ちるまでに時間がかかった。

「ベッドに座って」

 耳元で囁くと、美竹さんはこくりと頷いた。随分と解れたけど、まだ緊張しているようだった。恐る恐るベッドに上がり、座り込む。後に続いて俺もベッドに腰かけ、再び美竹さんに顔を近づけた。

「ん……」

 ぬちゃぁ、と舌先同士で握手する。今度はそれだけで終わり。美竹さんは名残惜しそうだった。キスが好きなようだ。それなら、と思い、俺は美竹さんの背後に回って抱き着いた。

「脚開いて」

「こ、こう?」

「もっと」

 控えめに開く足の太股に触れ、左右に開帳させる。知識はあるはずなのに、実戦だとまだ上手く動けないようだ。教え込む意味も込めて、今日はたっぷりと可愛がってあげようと思う。

 閉じられるべき股は大胆に開かれ、股間が露わになっている。綺麗な女陰。ふっくらと膨れた陰唇の縦筋に指を差し込み、中を確認した。さっき触ったときもそうだったが、十分に解れている。いつでも俺を受け入れる気満々の肉穴だが、美竹さんの緊張はまだ完全に解け切っていない。

「っ、あぁ……」

 美竹さんの首筋から頬にかけて舌で舐める。ゾクゾクっという美竹さんの震えが伝わってくる。その反応が可愛くて、俺は美竹さんの乳房を手で掴んだ。やっぱり大きい。張りもいい感じでいくらでも揉んでいられる。

 胸を片手に、もう片方の手では膣肉を撫でる。優しくそっと。もう少し強くてもいいと判断すると、指先を膣穴に入れて中を擦る。美竹さんの肩から顔を出し、横目で表情を確認しながら弄り、指に絡みつく愛液を使ってもっと解す。

「はぁ、ぁ、んんっ、き、気持ち、んぁっ、んむっ……!」

 まだ駄目だ。もっと骨抜きにする。俺は美竹さんと何度目かわからないキスを行いながら、陰核に被った皮をゆっくり剥いた。ツンと立った小さな芽のようなそれを愛液塗れの指先で挟み、慎重に摘まんでいく。

「ぁ、ふっ、んっ、ちゅっ、ちゅぷっ、ぬちゃっ、ぴちゃっ、くちゅっ!」

 ビクンと身じろぎする美竹さんをキスで大人しくする。舌で頬の内側を撫で回す。

 美竹さんと目が合った。目尻から一筋の涙を流す。その顔は幸せそうで、どうやら気持ちよくなってくれたのだとわかる。緊張と呼べるものは感じられなくなり、そろそろ頃合いだと思われた。

 美竹さんの背中から離れ、立ち上がる。ぽふん、と美竹さんがベッドに倒れて仰向けになった。股は下品に開いたままだが、ちょうどいい。俺はその足の間で膝立ちになり、美竹さんの陰部に手を伸ばす。

 ぬちゃぁ、と両手の指で開いた陰裂は愛液の糸を引いていた。かなり食べ頃だ。

 だいぶ我慢の限界だった肉棒を握り、亀頭を股の中心に突きつける。ひくひくと欲しがりな膣穴が収縮を繰り返して新しい蜜を垂らした。その蜜から漂う雌の匂いに惹かれた俺は、腰をぐいっと前に出す。

 膣穴と亀頭で軽くお見合いし、試しに口づけ合う。軽く互いの味や匂いを確かめ合った後、相性がいいことがわかると、もっとお互いの深い部分を知ろうとして親交を重ねていった。

 男根を締めつける女子高生の初物マンコ。入ってきた異物を押し返すような強い抵抗を感じたが、自身が出した愛液によってゆっくりではあるが繋がりを深めた。肉棒に美竹さんの熱を感じる。それは相手も同じようだ。俺の行動を黙って見守っていた美竹さんが「熱い……」と呟く。

 そんな美竹さんが、次の瞬間には表情を苦痛に滲ませた。

「っ……」

 亀頭が処女膜を破ったのだ。結合部から少量の血が流れ出て、シーツに染みていく。

「大丈夫?」

「う、うん、平気……」

 痛みは浅かったらしい。十分に解したおかげだろうか。

 美竹さんに許可されるまま、俺は徐々に美竹さんと一つになっていく。奥へ進むたびに接触面積が増え、ギチギチと膣肉の歓迎を受ける。それを受けながらも腰の動きは止めず、美竹さんの奥へとたどり着いた。

 新しい穴を開拓した。俺を受け入れた美竹さんは先ほどの痛みをもう忘れた様子だった。口から涎を垂らし、大きな胸を張って腰を軽く浮かせた。すぐにベッドに体を落ち着かせたが、緩んだ表情は変わらない。

「モカも、こんな気持ちに……」

 感動した様子のところ悪いが、俺は動くことにした。子宮口にぴったりと亀頭を馴染ませた後、腰を引いてカリ首で膣内を掻き乱していく。壁をカリカリと擦られて美竹さんは敏感に感じ入る。

「ん、あぁっ……!」

 極太の肉棒が膣から姿を現し、再び奥へずっぽりと隠れていく。

「あぁっ、んんっ……!」

 バンドのボーカルとしての魅力的な声で喘ぐ。奏でられた瑞々しい艶声に肉欲を煽られ、俺は速度を上げていった。

「こ、これ、すご、ぁ、あ、あぁっ……!?」

 美竹さんの腰を掴み、前後に腰を揺らす。膣口から奥までの道を肉棒に掻き毟られ、美竹さんがベッドのシーツを掴んで鳴き続ける。口から垂れる涎を拭う余裕もなさそうで、お椀型の乳房をぷるぷると揺らしていた。

 もはや覆い被さるような体勢で股間を美竹さんの股間に叩きつける。押しては引き、押しては引く。ぱちゅん、ぱちゅん、と分厚い肉棒が小さな穴を出入りするたびに淫らな蜜音が響く。

 その音をもっと大きくすべく、益々腰遣いが速まった。

 処女喪失したばかりの穴を蹂躙。誰がこの穴を開拓し、今後使っていくことになるのか。形と味、匂いを穴に教え込ませる。俺専用のチンポ穴へと育成するため、連続チンポ突きで教育を施した。

「ぁ、ああああ! いっ、くぅっ!?」

 その過程で美竹さんは数回達したようだ。そのたびに胸を突き出してきたため、俺は小さな乳輪の中心に立つ綺麗な乳首にしゃぶりついた。舌でこりこりと嬲ってあげると「あぁんっ!」と股間に響く声を上げてくれた。

 肉棒が喜び、血が滾った。抑えていた昂ぶりが弾け、理性を凌駕する。タガが外れて暴走した俺は他の女に食らわせるような荒々しい腰振りを行った。「駄目、駄目ぇ!?」という美竹さんの制止も聞かず、そのまま最高潮に届くまで興奮を高まらせ、最後に盛大に子宮口に亀頭をねじ込んだ。

 ズンッ、という重たい一撃を放ち、そして、膣内射精を行った。

 どびゅるるるっ、びゅるるるっ、どびゅーっ、どびゅーっ、ぶびゅっ、どくんっ!

「ぁ、ぇ、なか、ぁ、っ、んっ、あ、す、すごいぃ……!」

 いつも通り、逃げ場など作らせない種付け射精。子宮に遠慮なく白濁の子種汁を詰め込む。ミッチリと隙間などないように隅々まで行き渡らせ、どぷんっ、どぷんっと次々に新鮮な精子を提供した。

 美竹さんはまた絶頂していた。俺に対する忠誠を示すかのように二つの胸の膨らみを突き出してきたため、遠慮なく鷲掴む。ぐにぐにと手の中で弾力を楽しんだことで射精が勢いを増し、一滴も無駄にすることなく精液で胎をいっぱいにしてあげた。

 射精が落ち着いてもしばらく肉棒は抜かず、余韻に浸る。

「はーっ、はーっ、はーっ……!」

 そのうち瞳にハートマークが浮かぶのではないか。頬を緩ませて吐息と一緒に体内の熱を発散する美竹さんは、俺とのセックスに随分嵌ってくれたようだ。汗を滲ませた豊かな双丘を揉みしだくだけで、「あんっ……!」と鳴いて切なそうな眼差しを俺に向けてくる。

「ね、ねえ」

「なに?」

「勇希……」

 突然名前で呼ばれて少し驚いたが、俺はすぐに順応した。

「蘭」

「勇希……」

「蘭」

 互いに名前を呼び合うだけ。意味はないけど、心が落ち着く。

「抱き締めて、勇希……」

 両手を広げて求められ、俺もまた蘭を求めて抱き締める。生殖器を嵌め込ませ、蘭の胎に精液を貯めたままゆっくりとした時間を過ごす。たまに見つめ合い、舌と舌を擦りつける。相手の唾液を飲ませ合って愛情を深めていくと、肉棒がすぐに臨戦態勢を取った。

「動いていいよ」

 言われ、俺はすぐに腰を躍動させる。ベロチューをしながら好きなときに動き、好きなだけ膣穴にぬぽぬぽと肉棒を突き立てて射精をする。欲求が膨れ上がって激しいセックスをしたくなったら獣のように絡み、互いの体にキスマークを残す。

「もっと」

 蘭が言う。

「もっと、して……。あたしを満たして……」

 何度でも。

 要求を叶えるべく、俺はこれまで蘭では知り得なかった大人の世界を教える。俺を喜ばせる立派な雌に育てる。モカと横並びにしても遜色ない、俺好みのいやらしい変態へと覚醒させるために、俺は本気を出した。

「あんっ、あっ、あんっ、あんっ、んっ、んぁ!」

 前に聞いた、犯したい、という蘭の発言は終ぞ叶わなかった。常に俺が先導し、蘭の体に快楽を刻みつける。正常位から始まり、バック、立ちバックと続く。犯すよりも、犯されるほうが気持ちいいのだと知らしめる。

 蘭はイキ続けた。

「ん、おぉっ……!」

 一回。

「ひぃっ……!」

 二回。

「ぃっ……!? んんっ……!? んへぇ……!?」

 三回、四回、五回。出したこともない酷い雌声を出させ、雌の顔をさせた。どくどくっと精液を膣に流し込み、ご褒美に頭を撫でる。それを繰り返したことで、蘭は劇的な変化を迎えた。

「つ、次、何するの……? あたしのどこで、射精する……?」

 立ち尽くす俺の前に、蘭はへたり込んでいた。どろどろと精液を垂らす肉棒を顔の上に乗せ、幸福そうな顔で俺を仰ぎ見ている。膣穴には絶賛稼働中のバイブを挿入中だ。せっかく中出しした精液が極力漏れないようにという配慮で俺がつけるよう指示した。

 そろそろ別のプレイを教えてもいいか。俺は振動するバイブの先端を足の指でぐりぐりと押し込んだ。見事なアヘ顔を披露しながら奏でられた蘭の嬌声をBGМに、蘭の顔にチンポビンタをお見舞いしながら次のプレイを考えた。



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自慰

 パソコンに表示された日時を確認すると、そろそろ日付が変わろうとしていた。しかし、まだ眠気は来ていない。明日は日曜日で休みだし、夜更かしできる。しばらく起きていよう。俺は机に置いたパソコンに向かい、動画の編集作業に戻った。

 今やっているのは音楽関連の編集作業ではない。個人的に楽しむ目的の卑猥な動画の作成だ。

 題名は、ディープフェラ対抗戦。

『ぶぽぉっ、ぐぽっ、ぢゅるっ、ぶぷっ、ぐぽっ、ぬぽっ!』

『ぢゅぶっ、ぢゅぶっ、ぢゅるるっ、ぢゅぷんっ、ぐちゅっ、ぢゅるるっ!』

『ぐっぽぉっ、ぬっぽぉっ、ぢゅぶ、ぢゅぞぞぞっ、ぐぷんっ、ぢゅぶっ!』

 頬を窄め、カメラ目線で俺の肉棒を一心不乱にしゃぶる女たちが画面を八分割にする形で映し出されている。出演者は燐子、リサ、あこ、紗夜、友希那、まりな、モカ、蘭だ。それぞれ撮影時の状況は異なるが、どれもいい顔をしている。俺の肉棒以上に美味しいものはこの世に存在しないとでも言うように、蕩けた顔だ。

 これまで地道に撮影し、今日新しく俺のハーレムに加わった蘭の動画も先程撮影し、追加してある。八人分のフェラ音が重なって耳と頭がどうにかなってしまいそう。全部並べるのもいいが、一人一人焦点を当てて時間経過で切り替えていく見せ方でもいいのかもしれない。

 他所様に見せられないし、絶対に見せないドスケベなディープフェラ特集。他にも種付けプレス特集や騎乗位ピストン特集など、見やすく抜きやすいように編集してある。実際にこれを使って一人で自慰に励むこともあって、大変重宝している。

 もっとも、ハーレムの構成人数が増えて自慰の頻度が減って来ているのだが。動画を見なくても本人を見ればいいと女たちから怒られてしまうかもしれないが、それでもたまに集めた動画を見返して一人で気持ちよく達したいときもある。

 ディープフェラ特集を一通り形にした後、保存する。

 続いて俺は、今日撮ったばかりの動画を見返すことにした。

『ぁっ、あんっ、んんっ、こ、こんなの、撮らないで、んぁっ……!?』

 動画の女優である蘭が映し出された。ベッドで身をくねらせながらも震える手で目元を隠し、撮影を拒絶するように首を横に振った。しかし、撮影は続行だ。監督兼カメラマン兼男優は俺で、俺が満足するまで撮影は終わらない。

 撮影対象である蘭の綺麗な体には、黒いマジックペンで落書きがされているのが確認できる。

『淫乱赤メッシュ』

『処女卒業済』

『撮影OK』

『中出し専用チンポ穴』

『時間無制限精液詰め放題』

『絶倫巨根チンポに屈服しました』

『正正正』

 全部俺の仕業だ。以前、蘭は体に落書きされて正常位でガツガツ犯されながらカメラ目線でアヘ顔ダブルピースするプレイを体験するのが夢だと、モカが言っていた気がする。少し違う気がするけど、大きな違いはないはずだ。その話を思い出し、そんな蘭の夢を叶えてあげようと先ほど動画撮影に踏み切った。

『ダブルピースして?』

『普通、男がするものじゃ、んひぃっ!? そこ、奥、子宮突かれたら、うぅっ……!』

 子宮へのチンポ突きで催促すると、蘭は言うことを聞いた。両手でピースを作り、口角を上げる。少しぎこちない感じがした。もっといい顔を撮ってあげようと、膣穴を嬲るような強い突きを何度も行った。

『あぁんっ……!』

『もっと笑顔で』

『こ、これ以上は、おぉっ、あっ、あぁっ……!?』

『頑張って』

『んひぃっ!? ぁ、はぁ、あっ!? ひぃっ!? あんっ! あぁんっ!』

 少しの間ではあるが、蘭は見事なアヘ顔ダブルピースを披露してくれた。俺がご褒美にとまた子宮を攻めると、ダブルピースを続行してくれた。開いた口から舌を出し、涎をとろりと垂らす。だらしのない顔だ。

 我ながらいい動画を撮った。俺は堪らずズボンを脱ぎ、欲望に滾る肉棒を握る。画面に映る蘭をオカズに自慰を始めると、画面の中の俺が勃起した肉棒で狭い穴を教育し、奥へと押し込んだ。

『あ、んんっ!?』

 確かこのとき、蘭が仰け反ったことで膣が急激に肉棒を締め付けてきたのだった。強い圧迫を受けながらもカリ首で膣壁を引っ掻きながら腰を引き、亀頭が抜けるギリギリのところで動きを止め、ズプンッと奥へ挿入し直した。 

 そして、蘭の中を好き勝手に掻き回すように腰を振った後、画面の中の俺は一番奥で果てた。

『ん、ぁあああっ……!』

 びゅるるるっと放出される新しい精液。膣内射精回数は更新され、俺は近くに置いておいたマジックペンを手にし、蘭のムッチリ太股に黒線を一本引いた。新しい正の字の一画目だ。できればあと四回膣内射精して綺麗な正の字にしてあげたいと思っていた。

 俺は即座に肉棒を膨らませ、新鮮な精液を浴びて歓喜する貪欲なマンコを可愛がった。

 そうやって、残り四回分の射精に至る動画が続いた。その頃には俺からの指示は少なく、ただヤリまくる動画になっていた。それもいいが、これでは調教特集としては不向きだ。本格的な調教はまた今度時間を作って行おう。今の蘭にはまだそれに耐えるだけの余裕がない。

『あっ、んっ、あぁっ……!』

 パンッ、パンッ、ぬちゅっ、ぱちゅんっ、ぐちゅっ、ぬぷんっ。賑やかな音を立てて、四つん這いになった蘭が自分から体を前後に揺らして肉棒を食らっている。肉棒に深くギチギチと絡みつき、念入りにマッサージしてくれている。動画の俺はそれに身を任せ、蘭の背中にも落書きをしていた。文字ばかり書いていたから、今度は絵だ。俺の肉棒や精子など描いていた。

 そうして興奮を昂らせ、蘭の子宮に吐精する。

『ぁ、ん……』

 ガッチリと絡みつくマンコから肉棒を取り出すと、蘭がベッドに倒れた。揉み心地のいい尻から伸びる両足を左右に広げ、その中心からごぽぉっと精液が溢れてきた。俺はすぐに精液の逆流を阻止しようと、ディープフェラを撮影したときまで蘭に挿入していたバイブを再挿入し、膣に栓をした。

 バイブのスイッチを入れると蘭の口から震えた声が漏れてきた。

 しかし、蘭は起きない。この姿は、俺が部屋を出るときに見た光景と同じだ。全身淫らな落書きだらけで、うつ伏せになって精液塗れの膣をバイブで犯される蘭。蘭のいる部屋に移動すればすぐに生の姿を見られるというのに、パソコンの前に座った俺は動画を見ながら肉棒をせっせと扱く。

 事後の姿だけでも実用的だった。事後特集を作るのもいいかもしれない。どんどん欲求が膨らんでくる。もっといろいろなプレイを収め、いい動画に仕上げたい。ゆくゆくはこれを本人たちに見せてみたい。見せながら交わるのもいいだろう。

 肉棒を擦る手が速くなる。熱が昇ってきた。蘭の動画とは別に、精飲特集の動画を展開する。ディープフェラの中でもフィニッシュだけを集めたもの。燐子、リサ、あこ、紗夜、友希那、まりな、モカ、蘭が、咥えた肉棒から迸る精液を一斉に呑み始めた。俺のことだけを真っ直ぐ見つめ、ごくんっ、ごくんっと嚥下している。そのときの水音や呻き声が両耳を激しく襲った。

 破壊力抜群の映像を前に、俺にはこれ以上の我慢は無理だった。

 びゅるるるーっ、びゅーっ、どびゅーっ、どびゅーっ、ぶびゅっ、どくっ、どぷっ、ぶびゅびゅっ!

 勢いよく飛び出ていく精液。俺はそれをティッシュで受け止めた。気持ちいいことには違いないのだが、射精量が多すぎると自分一人では処理に困るのが自慰の難点だ。こういうときは自慰ではなく傍に誰かがいてくれると助かるのだが、そんな都合のいいことは言っていられない。

 セックスもいいが、自慰もまたいい。そんなことを改めて思いながら射精した。



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美竹蘭とイチャイチャ/路上ライブ

 日曜日の午前中。蘭と朝食を取った後にソファーでしばらく寛いでいると、隣に座っていた蘭が唐突に立ち上がった。面と向かう形で俺の膝に跨ってから抱きつき、顔を寄せてくる。服を通じて触れ合う肌が温かくて安心感を抱く。けど、距離が近すぎる気がした。蘭は少し惚けながら何も言わずにただじっと見つめてくる。

「どうしたの?」

 と聞くと、

「何でもない」

 と返ってくる。

 随分と懐かれたようだ。可愛い子に好かれて非常に嬉しいけど、少し締めつけが苦しかった。素直にそれを伝えてみたら「ごめん……」と言って抱擁する手を緩めてくれた。本人としては無意識の力加減だったらしい。

 手は緩めても、蘭は抱き着くのをやめなかった。

「ねえ、頭撫でて……」

 蘭が呟く。しかし、とっさに口を噤み、「やっぱり、何でもない……」とそっぽを向いた。願望がうっかり口から出てしまったらしい。なんて不器用な子なんだろうか。俺は蘭の頭に手を伸ばし、望み通りに撫でてあげた。

「ありがと……」

 蘭は頬を赤らめながら俺へと再び顔を向ける。眦がツンと上がった目の中で瞳が俺を映す。俺に撫でられるだけで体を震わせ、表情を緩ませる。可愛かった。きっと、ここまで油断しきった顔はモカたち幼馴染たちでも見られないものだと思うと余計に。

 蘭の息が頬に当たる。さらに顔が迫っていた。

「ん……」

 そう思っていたら、蘭が口づけてきた。目を閉じて、唇の感触を楽しんでいる。数十秒間しっかりと接触し合い、唇を離してまた俺の顔を眺める。

 そして、満足するとまたキスを始めた。

 今度は舌を使う。口の外に伸ばした舌同士を密着させる。動きは緩慢で、その分粘膜に相手の熱がじっくりと伝わってきた。意識が蕩ける。静かな部屋を支配していた時計の音も今は耳に入らない。夢中になって、俺たちは傍にいる相手の存在を確かめ合った。

「好き……」

「俺も」

「本当に……?」

「本当」

「じゃあキスして……?」

「もう何回もしてるけど」

「まだ足りない。ほら」

 蘭が舌を左右に動かす。俺からキスをしろということか。俺は促されるまま舌を舐め上げる。舌に優しく往復ビンタを放ち、唾液をつけた。そんなことをしているうちに蘭が我慢できなくなったのか、自分から舌を動かしてきた。

「ん、ちゅ、ぴちゃ、くちゅ、くちゅ、ちゅぷっ」

 蘭と口づけを交わし合い、途中で口づけを止め、見つめ合ってからまたキスを再開する。そんな風に朝の時間を過ごしていく。このままだと興奮が抑えられなくなる。そう思ったところで、蘭の携帯電話が鳴った。

「ごめん」

 俺の唇をぺろりと舐めて唾液を拭った蘭は、体を起こしてポケットから携帯を取り出し、何かを確認している。その様子をただ眺めているのもおかしいから、俺も自分の携帯を手に取った。

 ついさっき母さんから届いたばかりのメールを確認する。俺と蘭の縁談という用事を済ませたため、海外の拠点に戻るようだ。既に仕度を整えて家を出たらしい。さすがに今回はゆっくりしていくかと思いきや、相変わらずのフットワークの軽さだ。

 母さんは、俺がどのような決断をしようが応援してくれるようだった。今回の縁談は美竹家、特に美竹さんのお母様を満足させるためのものらしかった。男の競争率が高いこのご時世で、どうにか俺と蘭の間に関係を築こうという美竹家の思惑のようで、それは今こうして果たされている。

『あなたの人生よ。人に迷惑を掛けない範囲であれば、あなたの好きに生きなさい。何かあったら早めに連絡をちょうだい。仕事を調整して日本に戻るから』

 母さんからのお言葉により、俺のハーレム生活はこれで完全に容認された。今まで別に遠慮をしていたわけではないが、これで大手を振るって恋人作りに一層励むことができるようになった。

 と言っても、今までと何かが大きく変わるということはない。日常を楽しみながら好みの女とイチャイチャするだけだ。今日も蘭と時間の許す限り愛し合うつもりだ。

「勇希、ごめん。時間を忘れてた……」

「え」

 と思いきや、蘭のほうは都合が合わないようだ。

「今日、CiRCLEのスタジオでバンドの練習があるから」

「そっか」

 練習なら仕方ない。続きをしたいという欲求を飲み込み、俺は蘭から手を離した。蘭も名残惜しそうに俺を見ていたけど、ややあって俺の膝から床へと降りた。

 俺は蘭とともに玄関に向かった。

「忘れ物は?」

「大丈夫」

 靴を履き、蘭が持ち物を確認するが、問題ないらしい。

 帰り支度を済ませた蘭を見守っていると、蘭は扉に手をかけたまま俺のほうを見た。俺を見据え、何かを言おうとして口を開閉した。しかし、言いよどんでいる。恥ずかしそうに顔を赤らめて目線を一度逸らしたが、覚悟を決めたように俺を見た。

「ねぇ」

「ん?」

「また、来てもいい……?」

「勿論」

 俺が言うと、蘭の口元が微かに緩んだ。俺を映す瞳に欲望の色が滲み出て、蘭の視線が俺の体を這う。ねっとりと視姦されているのを感じていると、また携帯の音が鳴った。蘭はそれではっと我に帰ると、たった今の欲望丸出しな自分を恥じるようにして慌てて扉を開いた。

「それじゃあ、また……」

 ほんのりと赤みを残しつつ、無理矢理澄ました顔のまま、蘭は最後に俺を振り向いて言った。「うん」と俺が手を振って見送ると、蘭が外に出て目の前で扉がバタンと閉じ、室内が途端に静かになった。

 玄関前に立っているのもおかしいから、部屋に戻ってソファーに座る。しばらく携帯を弄ったりテレビを見たりしていたが、何か落ち着かない。さっきまで傍にいた蘭がいなくなって人肌が恋しくなったというのもあるが、今はもっと別の感情も渦巻いていた。

「練習か……」

 蘭はバンドの練習と言っていた。一人で音楽を完結させる俺とは違い、仲間たちの音を重ね合わせ、一つの音楽を作り出すのだ。それは今日も熱心に練習をしているらしいRoseliaも同じで、俺とは違う楽しみ方をしている。

 これまでバンドを組もうと思わなかった俺だが、皆が羨ましくなってきた。俺には友達はいるが、全員音楽に疎い。同じ学校内でバンドを組んでいる男子たちはいるが、メンバーは揃っているため、俺が入る余地もない。

 やるとすると一からメンバーを探す必要があるが、そこまではちょっと待てない。

 今、何かをしたい。歌の配信でもしようか。SNSで告知もせずとも、大勢の人が集まって俺の歌を聞いてくれる。しかし、と俺は思い直した。相手の反応を文章でしか確認できないインターネットでは満たされそうにない。

 たまには気分を変えてみよう。

 俺はソファーから立ち上がり、帰宅の準備を整えると、マンションを出た。

 真っ直ぐに足を運んだ先は自宅だ。母さんは既に家を出たため、施錠された家の鍵を開ける。中に入って最初に行ったのは、変装だ。帽子を普段よりもさらに目深に被り、黒縁の伊達眼鏡を掛ける。性別のわかりにくいユニセックスの装いに改め、洗面所の前に立つ。

 鏡に映っていたのは、中性的すぎて性別不詳の高校生だった。一見して性別を断定することは困難だ。おそらくはボーイッシュな少女だと思われるだろう。前回、モカとのデートで待ち合わせをしている際には男だとばれて軟派されてしまったが、今回はより中性的な服装にしたから大丈夫だと思いたい。

 変装を終えると、次は防音室に向かった。そして、中に置いてある楽器を順繰りに見回す。ギター、ベース、キーボード、ドラム。その他にもいろいろな楽器や機材がある。全て父さんが遺し、俺が引き継いで手入れを定期的に行ってきた。

 燐子にも言っていなかったけど、俺は密かに楽器の練習をしていた。一種類に限らず、様々な楽器に触れた。俺の体はスペックが無駄に高く、一通り弾けるようになってはいるが、一つの楽器を専門にした人にはさすがに技術は劣る。

 でも、誰かに聞かせるには十分な技量は既に有していた。

 俺はずらりと並びギターの中から、目についたそれを手に取った。

「借りるよ、父さん」

 尖ったボディが特徴的なギター、ランダムスター。その名前が表す通り、少し歪な星型のようにも見える。だが、星と違って色は金色ではなく白一色だ。ピカピカに磨き上げた表面には俺の顔が薄っすらと映っている。

 俺は白いランダムスターと手のひらサイズのミニアンプをギターケースに収め、家を出た。

 外は晴れている。七月も目前に迫りつつあるが、気温はちょうどいい。昼前の温かな陽射しを受けて歩いていく。駅前に近づくに連れて人通りは多くなってきていた。ランチタイムを目前とした飲食店からいい匂いが漂ってくる中、駅前の広場に辿り着いた。

 これからここで、路上ライブをする予定だ。

 路上ライブが禁止されている場所もあるが、あまり騒がしくしなければ、この区域での路上ライブは市から許可されている。ストリートミュージシャンや学生が小規模のライブを行っているのをたまに見かける。

 俺は人のいない隅のほうへと移動し、ギターケースを置いた。ギターを取り出し、シールドケーブルでギターとミニアンプと繋ぐ。ギターを肩から提げて構え、チューニングを兼ねて音を出す。ギターを触りたてのときにはチューナーを使っていたが、音を覚えてからは耳で調整している。

 試しに人気ドラマで聞き馴染みのある曲を奏でてみれば、ミニアンプから控えめに増幅された音が周囲に広がった。近くを通りがかった人たちの視線が集まる。この曲を知っている、もしくは単純に音に引かれた、はたまたランダムスターという変形ギターに興味を引かれた人たちだ。

 視線は集まるが、誰かが近づいてくることはない。今どき、路上ライブなど珍しいものでもない。余程の腕がなければ、道行く人の足を止めることなどできない。当然、ギター歴の浅い俺には人を惹きつける演奏はできない。

 いつかはギターだけでも観客を魅了したいと思うが、今じゃない。

 今日の主役は俺の歌で、ギターはその脇役だ。

 往来の喧騒を搔き乱さない程度の音量と、よく晴れた休日の昼下がりに相応しい穏やかで明るい選曲。せめて少しでも、聞いてくれた人たちを温かい気持ちにさせてあげられますように。俺はその願いを声に込め、歌い出す。できるだけ性別や正体がバレないように変装もしたし、普段とは少し声色も変えるつもりだが、バレたらバレたで別に構わない。今はただ音楽を楽しもうと思った。



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戸山香澄の相談

 アルバイトがない日は平日でも駅前で路上ライブをするようになった。学校から帰ってきてギターを手に取り、今日も駅前に向かって演奏を始めた。

 誰かの前で歌うことは楽しい。防音室に一人で閉じこもって自分の技術と向き合い、ミスなく完成された歌をサイトに投稿するよりも心が満たされた。その事実に気がついてしまうと、俺は自分の気持ちを抑えきれなかった。父さんが遺して鳴らなくなったギターの音色を代わりに奏でて、そこに俺の声を乗せて歌を作り上げる。それが楽しくて、嬉しく、つい夢中になっていた。

 ライブを重ねるごとに演奏の技術が上がっていく。伴って表現の幅も広がっていく。俺の歌を聞いてくれる観客も増えていく。

 演奏中の今も、俺を中心にして円を描くようにたくさんの人が集まっている。路上ライブを始めた当初から観客はそれなりに多かったけど、今ではちょっとしたステージと化している。帰宅途中の会社員。学校帰りの学生。子連れの親子。観客全員の表情には笑顔。それを見ていると、不器用な俺でも自然な笑顔を浮かべられた。

 観客から聞いた話によると、駅前ですごい歌手が路上ライブをしているという噂が流れているらしい。そんな噂が人伝いに広まってこうして人を集め、人だかりに引かれた人がまた足を止めてくれている。

 想定外の状況だ。でも、嬉しかった。

 元々は自分のために歌おうと思っていたのだけど、いつしか俺は集まってくれた人たちのためにも歌うようになった。皆が楽しめる。そんなライブがしたかった。

 毎日を楽しく生きている人にはもっと笑顔を。辛いことに直面して落ち込んでいる人にはそれに向き合える勇気を。それを伝えるために、俺の中にある感情を込められるだけ込めた。表現や技術は勿論大事だけど、歌に一番大切なのは想いだ。

 皆を元気に。溢れんばかりの想いを、俺は歌に乗せて皆に届けた。

 そんなときだ。俺が観客の中にいるその少女を見つけたのは。

 

「あの……」

 ギターケースを背負い、街頭の灯りもまばらな夜道を歩いていると、消え入りそうな声を耳が拾った。足を止めて後ろを振り返ると、花咲川女子学園の制服を着た少女がいた。茶色の髪を頭頂部の左右でまとめた髪型は猫の耳を連想させる。意図的なのか、そうではないのか。お団子ヘアとはまた違う初めて見る髪型をした少女は酷く不安そうな顔をしていた。

 その顔に俺は見覚えがあった。

 さっきのライブの時に見掛けた子だ。明るい笑顔の似合いそうな少女。俺のライブで笑みをこぼしてくれていたかと思えば、ふとした瞬間に何か思いつめたように俯いていたから記憶に残っていた。俺のライブに何か想うところがあったのかもしれない。

「こんばんは」

「こんばんは……。えっと、私、戸山(とやま)香澄(かすみ)と言いま……」

 声が途中で途切れ、戸山と名乗った少女が咳をした。辛そうだ。風邪とはどこか違う様子。声が出ないわけじゃなくて、出せない? なんとなくそう思って、俺は戸山さんの眼前に向かって手の平を突き出した。それに驚いた戸山さんが目を大きく見開いて言葉を止める。

「無理しなくていい。君の声、全部聞こえるから」

 俺は言ってから、通り過ぎようとしていた公園を指差した。

「話があるなら、そこで聞くよ」

 戸山さんは申し訳なさそうな顔をしながらも、小さく頷いた。

 俺は戸山さんを連れて公園に入った。俺たち以外に誰もいない。小さな灯りに照らされつつも、暗い青色に沈む静かな空間に足音を響かせ、ベンチに腰掛ける。「そこに座って」と促すと、戸山さんは俺の横に恐る恐る腰を下ろした。

 そのまま戸山さんは視線を下げ、黙り込んでしまう。言葉に迷っている様子だった。

「ライブ、見てくれてありがとう」

 とりあえず話しかけようと思って、俺は戸山さんにお礼を言った。

「え……」

「ライブ見てくれた子だと思ったけど。違った?」

「いえ、すごくよかったです……」

「ありがとう」

 勘違いじゃなくて良かった。あと、俺のライブは良かったと感じてくれていたらしい。

 でも、だとしたら、思いつめていたのはなぜだろう。俺のライブじゃなくて、戸山さん自身が抱える悩みが理由なのだろうか。それを俺から聞くのに躊躇いを覚えてしまい、何も言えずにいると戸山さんが口を開いた。

「さっきのライブ、すごくキラキラしていました……。見ているだけで、胸がドキドキして……。私もあんな風に歌いたいって思うんですけど、今ではそれができなくなって……。体はどこも悪くないのに声も出なくなって、どうすればいいのかわからなくなって……。皆に、迷惑をかけちゃって……」

 眉尻を弱々しく下げ、戸山さんは言葉に詰まりながらも心中を吐露していく。

 やっぱり、声が出せなくなってしまったようだ。話を聞くと、おそらくは心因的な問題だと思う。何かに思いつめられて、解決策も見つからない。そんなときに俺のライブを見て、もしかしたら現状を打開する糸口を掴めるかもしれないと思ったのだろう。

 それで俺に声を掛けた。

 声が出ないのは本当に辛いことだ。もしも俺が戸山さんの立場になったらと思うと、不安に駆られて心臓の鼓動が速くなる。今まであったものがなくなって、どうしようもなくて、戸山さんと同じように藁にも縋る想いになるに違いない。

 しかし、だ。それは俺が一人で歌っているからだ。戸山さんも俺と同じく一人で歌っているのなら、何か助言してあげられたかもしれない。

 だけど、戸山さんは違う。戸山さんは今、『皆』と言った。この子はバンドを組んでいるのだろう。バンド仲間がどういう子たちなのかはわからないけど、戸山さんは大切に思っている。だからこそ、迷惑を掛けたくないと思って一人で足掻いている。

「俺から言えることは何もない」

 俺の言葉に、戸山さんは顔を上げた。突き放されたような怯えた表情。少し罪悪感を抱く。でも、事実だ。そもそも戸山さんがこうして相談すべき相手は俺じゃない。仲間を差し置いて、会ったばかりの部外者の俺が何かを言うのも間違っている。

 俺はベンチから立ち上がり、ギターケースを背負って歩き出す。

「あ……」

 と戸山さんの声が聞こえてきて、俺は足を止めた。

 俺に言えることはない。それでも、これくらいは言ってあげてもいいだろう。

 俺は戸山さんのほうを向いて、言った。

「仲間のことを大切だと思っているのなら、迷惑掛けるとか考えないで、全部仲間に伝えてあげて。自分が何に悩んで、苦しんでいるのか、どうしたいのか。仲間だったら、きっと君のことを受け止めてくれる。嫌だなんて思わないはず。バンドはそうやって支え合って、皆で音楽を作りあげていくものでしょ?」

「皆で……」

「君は一人じゃない。一人で抱え込まないで」

 直後、戸山さんの目が涙で潤んだ。俺は咄嗟に視線を外した。

 俺にできるのはこれだけだ。あとはもう、戸山さんと仲間たちの間で解決していくしかない。他に俺にできることはない。いや、一つだけあるか。問題を解決することはできなくても、その一助になれるかもしれない。

「辛くなったら、ライブ見に来て。笑顔にして見せるから」

 言って、俺は戸山さんから離れるように歩き出した。「あのっ……!」と今日聞いた中で一番大きな声が聞こえてきたけど、俺は足を止めず、逆に駆け出した。

 顔が熱い。いろいろと恥ずかしいことを言ってしまった。思うだけならともかく、面と向かって誰かに想ったことを言うのがこんなにも恥ずかしいとは。

 誰もいない帰り道、暗くて誰にも見られないはずなのに、俺は顔を隠して家までひた走った。



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白金燐子と制服交尾

 金曜日の夜。すっかり嵌ってしまった路上ライブを終えて帰宅した俺は、ライブで高まった熱を発散するように燐子と物理的に繋がっている。

「あっ、はぁっ、んんっ、ぁ、ぁっ……!」

 花咲川女子学園の制服を着たままベッドで四つん這いになる燐子を、背後から犯し尽くす。休まずに腰を振って狭い膣内に肉棒を何度も出し入れし、子宮口に亀頭を押しつけ、子宮に溜まった精液をたぷたぷと揺らす。

「あぁんっ……!」

 燐子がいい声で鳴いている。それに釣られて俺は体を前に倒し、燐子の胸を制服の上から鷲掴みにして縦横に揉みほぐす。生乳もいいが、普段着ている可愛い制服越しに胸を揉みくちゃにするというのもいいものだ。

 スカートの裾をいつもよりさらに短くしたことで、黒い下着に包まれた色白い尻が殆ど露わになっているのもまた素晴らしい。膣奥まで肉棒を挿入すると、むにゅっと燐子の柔らかい尻と俺の股間がピッタリと密着しているのが見て取れる。

 奥まで繋がって燐子と一つになるだけで、疲れがごっそりと抜けていくような感じがする。脳は幸福いっぱいに満たされ、俺は肉棒から生じる快感の波をこの身に受け、獣のように単調で荒々しい腰遣いを繰り返した。

「んっ、ひぃっ……!」

 燐子は満足げだ。背を反らし、俺の両手に抱えられたずっしりと重たい胸を揺らす。ビクンッと震えて俺に振動が伝わってくる。さっきよりも膣壁の締めつけが強くなり、子宮口が亀頭に吸いついて離れようとしない。

 燐子の体が俺の精液を搾り出そうとしている。極上の雌に求められて反応しないほど俺は淡泊な人間ではなく、肉棒が大きさを増した。膣壁を押し広げ、カリと竿でズリズリと擦って対抗を示す。

「ぁ、あ、ああっ、んんぁあっ!?」

 俺が容赦のない高速ピストンを放っていると、燐子が体を激しく痙攣させた。肌伝いに振動を感じながら、俺は動きを止めない。絶頂へと駆け抜ける燐子の背を後押ししつつ、俺自身も十分な快楽を得て、股間の底から昇ってきた熱を吐き出す。

 どびゅるるっ、どびゅっ、びゅるるっ、どぷんっ、どぷんっ、どぷんっ、どぷんっ!

 子宮口に亀頭をピタリと嵌め、尿道口から濃厚ザーメンを吐精する。電流の如く全身を這う快楽に身を捩り、微かな呻きを漏らした俺は愛する女との生命の営みに没頭した。

 これで、燐子の子宮には三発分の精液がずっしりと溜まったことになる。

 しかし、俺も燐子も、まだ満足には至っていない。

「はっ、はっ、んんっ……。勇希君、まだ、出してくれる……?」

 燐子が物欲しそうな顔を背後の俺に向けてきた。小さく開いた口から熱い息を吐き、赤い舌を覗かせている。眦を下げて浮かべる微笑は艶やかで、黒髪が汗で頬に張りついている様が妙に色っぽく見えた。

「勿論」

「ありがとう……。久しぶりだから、隅々まで念入りに勇希君の精液を流し込んで……?」

 本当に久しぶりだ。新しい女の攻略を優先していて時間が取れなかった。それで我慢ができなくなってしまったのだろう。夜になって俺の家を訪れた燐子は、俺の家の玄関で制服のスカートをたくし上げ、こう言った。

『交尾しよう……?』

 直球すぎる誘惑。そして、本来隠すべき陰部を覆う生地がなく、全体的に透けた黒いショーツを履いた燐子。挿入しやすいように設計されたクロッチレスのエロ下着から淫裂を覗かせ、待ちきれないといった様子で愛液をぽたぽたと垂らす清楚な黒髪巨乳美少女は破壊力が高すぎた。

『勇希君の精子、わけて……?』

 追撃とばかりに放たれた言葉を受けて、俺も心を制御することができなくなった。

 燐子を連れて自室のベッドに駆け込み、押し倒してガチハメセックスを始めた。終始俺が燐子を攻めた。正常位、対面座位、そしてバックの順で体勢を次々に変えて欲望を発散し、煮えたぎった雄汁を燐子に提供した。

 随分と我慢していたようで、燐子はここぞとばかりに欲求を満たそうとしていた。俺が腰を止めれば、「もっとぉ……」と尻を左右に振って求めてくる。「子宮、苛めて……?」と言われ、俺がチンポの連続突きをお見舞いすると燐子はまた達した。

「もっと定期的にセックスする?」

 恋人が増えたことで燐子とセックスする頻度も少なくなってしまった。俺にとっての本命は燐子であり、燐子を苦しめるようなことをしたくはない。そう思っての発言だったが、燐子は前を向きながら首を左右に振った。

「大、丈夫っ……、あっ……、勇希君のハーレムが増えて、私も嬉しいから……! 私の大好きな勇希君を皆で共有して……、愛して……、愛されて……、もっと……、もっと皆で幸せになりたい……。気持ちよくなりたい……」

 燐子の熱い想いを伝えられ、ぎゅっ、ぎゅっと膣で肉棒を抱き締められる。俺が腰の動きを止めたことで燐子が再び俺へと顔を向け、にっこりと微笑んだ。瞳に俺だけを映し、開いた口から出した舌で唇をぺろりと舐める。

「それに、我慢したほうが、気持ちいいから……。だから、今日はたっぷり交わろう……?」

 燐子に誘われ、俺は頷き返してすぐに動き出した。

 燐子の着ている制服は、俺とのセックス用に追加購入したもので、汚してしまっても問題はない。俺は汗だくの体で燐子の背中に覆い被さると、本気のピストン運動を開始した。

「ん、ぉっ、ぁっ、あっ、はぁっ、ん、くぅっ、ぉ、ぉ、ん、あぁんっ!」

 多少残っていた手加減も今は存在せず、燐子を拘束するように抱き締めて犯す。燐子が嬉しいことばかりを言うからタガが外れてしまった。俺は燐子の耳元に乱れた吐息を送りながら、燐子の体を内側から制圧する。

 頭の中が真っ白になった。ただ目の前の可愛くてエロすぎる恋人を愛し、二人で肉欲を満たし合うことしか考えられない。燐子の耳元で愛ある言葉を紡ぎ、膣壁にギッチリと嵌った肉棒を前後に忙しく振り、子宮口に亀頭を密着させる。

 むくむくと肉棒が膨張する。出る、と思った直後には射精は始まっていた。

 びゅびゅびゅっ、びゅるるるっ、どびゅーっ、びゅーっ、びゅーっ、びゅるるるっ!

 全く萎えることを知らず、精液の量も濃さも変わりない。まるで今日初めての射精であるかのような濃い精液が燐子の子宮をどろどろと流れていく。俺の種付けを受けて燐子は声もなく枕に顔を埋め、激しく身震いしていた。

 突き出された燐子の尻と股間を接触させたまま、嵌め合わせた生殖器の奥で子種をどくどくっと撒き散らす。この瞬間が堪らなく気持ちいい。枕に顔を伏せたままの燐子に「愛してる」と伝えると、膣肉が嬉しそうに肉棒を圧迫した。

「このまま続けるから」

 誘惑をした燐子が悪い。俺は本気モードのまま、燐子を休みなく抱いた。

 今日はずっと俺が優位に立つ。体勢もバックや種付けプレスなどが多く、燐子の魅力的な女体を組み敷いた。手が寂しければ燐子の胸を掴み、下半身は終始稼働し続けた。まだセックスに慣れていない蘭たちがこの場にいれば、圧倒されていただろう。

 自分で言うのも変だが、それくらい俺のセックスは雄々しかった。雌を食らうことしか頭にない。汗に塗れても、涎や精液で体が濡れても構うことはない。自分が気持ちよくなって、相手も気持ちよくできればそれでいい。

 荒ぶる俺に犯されて、燐子は途中から気絶状態にあったようだ。覚醒してもすぐに快楽に沈み、子宮をチンポで殴ればまた目を覚ます。燐子は他人様には見せられない蕩け切った表情をしていて、言葉にならない声を漏らし、俺の枕に顔を擦りつけていた。

 五発を超え、十発に至る。それでもまだ足りず、俺は燐子の子宮に精液をびゅるるるっとぶちまける。膣内から逆流してきた精液がシーツを白く汚す中、新鮮な精液がまた子宮を白濁に染め上げる。

 俺が動きを止めたのは、燐子が完全に寝落ちしてからだった。

 

 俺は肉棒を膣から取り出し、横を向いて眠った燐子と向き合うようにベッドに体を預けた。燐子の安らかな笑顔を見つつ、たまに頬を撫でる。ピタリと当てた左手に伝わる心地いい体温。柔らかく、すべすべとしていて、触っているだけでも癒される。

「ん……」

 そうしていると、閉じていた燐子の目蓋が微かに開いた。

「ごめん。起こしちゃった」

「ううん……」

 燐子は言いながら、俺との距離を詰めて俺の背中に手を回した。燐子の顔が間近に迫る。互いの息が当たる距離で、じっと見つめ合う。俺が舌を伸ばすと、燐子も舌を出して対応してくれた。

「むちゅっ、ちゅっ、くちゅっ、れ、ろぉ、ちゅるっ、ぐちゅ、ぐちゅ……」

 舌と舌で撫で合い、突き合い、握手をする。また撫で合う流れに戻って、二人で作った唾液を同時にごくりと飲み干す。「もっと、する……?」と聞かれたから、また口にたっぷりと溜めた唾液を燐子に提供した。

 こんなことをしては勃起を抑えられるわけもない。いきり立った肉棒は今、燐子の太ももによって挟まれている。左右から圧迫され、擦られ、ビクビクと小刻みに動き続けている。その反応を感じ取った燐子は小さく笑った。

「太ももに出していいからね……?」

 吐息混じりの声で囁かれながら、太ももに扱かれ、俺は達した。

 びゅるるるっ、どびゅーっ、と太腿に埋もれた亀頭が熱く脈動する。口とも膣とも違うむちむちとした太ももの感触。あまり味わうことのない体験をし、足でするのも悪くないかもしれない、と俺は新たな発見をした。

「気持ちいい……?」

「うん」

「良かった……」

 そうして、再び見つめ合う。恋人と顔を突き合わせているだけで、どうしてこんなにも胸が満たされるのだろう。思考も解けて、安心感とともに眠気が襲ってくる。このまま眠ってしまおうと、俺も燐子の背に手を回して抱いた。

「ねえ、勇希君……」

「ん……?」

「あとで、勇希君のハーレムパーティー用のチャットを用意してもいい……? 恋人の人数も増えてきたから、お互いの自己紹介とか、交流とかに役立てていければいいなって思っているんだけど……」

「いいよ……」

 確かに、俺との繋がりだけではなく、同じ恋人という立場で交流を深めてもらうのもいい。いずれは俺がやるべきだと思っていたのだが、燐子がやってくれるようだ。それなら任せても大丈夫だろう。

「ありがとう……」

 さすがにもう起きているのも限界みたいだ。小さく欠伸をした後、俺は燐子が見ている前で目を閉じる。「お休み、勇希君……」と優しい声で言われ、唇に柔らかいものが押し当てられた。

 温かく、いい匂いのする燐子を抱いて、俺は眠りに落ちていった。



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蘭とモカとつぐみの目隠しトリプルフェラ

 黒い目隠しをした三人の少女が、横並びに身を寄せ合って床に正座をしている。靴下を履いてはいるが、それ以外の衣服はなく、三人の美味しそうな女体が晒されている。

 その光景をベッドに座って眺めていた俺は少しして腰を上げ、三人の目の前まで歩み寄る。少女たちと同じく俺も服を脱いでいて、股間では肉棒が鎌首をもたげていた。

 そんな肉棒の気配を察知したのか、三人のうち両脇にいる二人がほぼ同時に口を開いた。赤い舌をだらんと伸ばし、犬のように短く浅い呼吸を繰り返している。随分と興奮しているようだ。彼女たちの両乳首と膣口にテープで固定された小さな卵型のバイブが、いい感じに彼女たちの調子を整えてくれている。

 両脇の少女、蘭とモカは準備万端。膣から愛液をとろとろと垂らして待機しつつ、少しでもご褒美を得ようと舌を艶めかしく動かしている。この口にチンポを突っ込めば気持ちよくしてあげますよ、と主張をしているようだ。

 非常に魅力的だ。まずはこの二人から攻めようか。

 などと考えながら少女たちを順番に眺めていると、彼女たちの背後に回ってビデオカメラを持った燐子と目が合った。燐子も燐子で興奮気味だった。子宮には俺の精液を溜め、膣内にチンポ型の極太バイブを挿入して振動の刺激を味わっている。それも興奮の一要素なのだろうが、それ以上に俺が別の少女たちと交わろうとする様を見て息を荒らげているようにも見える。

 蘭といい燐子といい、性癖を拗らせている恋人は何人かいるみたいだ。

 見せつけてあげよう。俺は蘭でもモカでもなく、二人に挟まれて中心に座る少女の前に立った。「ぁ……」という小さな声は聞こえたものの、すぐに口が閉じて息と共に呑みこまれた。再び口を開こうとするが、その小さな桜色の唇は震えていた。

 ぱっちりとした目を黒い目隠しで完全に覆われ、視界は塞がれている。俺が目の前に立ったという事実を気配と匂いで認識し、何をされるのかと不安を抱いているようだ。茶色がかった短髪の少女は小動物のように怯えていた。

 羽沢(はざわ)つぐみ。以前、リサとのデートの際に訪れた羽沢珈琲店の看板娘にして、蘭とモカの幼馴染。そして、蘭やモカたち幼馴染との間で結成したバンド『Afterglow』のメンバーの一人でもある。

 俺との直接的な面識は珈琲店で見掛けたときの一度だけで、それ以降関わりはなかった。前に蘭たちがCiRCLEに練習をしに来たときにはその中に羽沢さんはいなかった。それ以降、彼女たちが練習をしに来たときにはそもそも俺がバイトを入れている日ではなかったのだろう。羽沢さんを見掛けることはなく、蘭たちの幼馴染であるという関係性をこれまで見抜けなかった。

 世間は本当に狭い。

 俺は思いながら、羽沢さんの細い鼻先にチンポを突き付けた。

「ぁ……ぁあ……」

 俺の恋人たちは皆、突き出した肉棒にすぐしゃぶりつくため、羽沢さんの反応が新鮮だった。ここまで男性器が接近した経験は初めてで、戸惑っている様子が見て取れる。これは楽しい。俺はしばらく、羽沢さんの顔に肉棒を擦りつけてみた。

「ぉ、大きい……ぁっ……」

 頬にピタリと肉棒を当て、軽くビンタをする。その後、さらに接近して金玉を顔に密着させる。見上げるように上を向いた羽沢さんの顔に金玉が乗っかって、その柔らかさと精子の急造に伴う熱が羽沢さんにしっかりと伝わっていると思われる。

 そうやって羽沢さんに構っていると、蘭とモカが見えないながらも俺のいる方向に顔を向け、乳房や膣を弄って自分を慰めていた。まさか、蘭やモカにとってはこれすらも寝取られ体験のように感じているのだろうか。羽沢さんを連れてきたのは自分たちだというのに。

 俺は思い出す。

 今朝、燐子の朝フェラを受けながらベッドで寛いでいたとき、モカからメールが届いた。俺に会いたいという子がいるとのことで、その子を紹介された。写真を見たときに羽沢さんだと知って、俺は快諾した。

 燐子にも伝え、新しい恋人候補が来るのを家で待っていると、モカと蘭に半ば強制的に引っ張られる形で羽沢さんが俺の家を訪れた。何でも、俺とモカのセックス動画を定期的にモカから提供されていたらしく、羽沢さんの我慢の限界を振り切ったそうだ。モカの悪魔の囁きに惑わされ、家の前まで来たはいいものの、直前になって羞恥が限界に達し、危うく逃げ出してしまうところだったようだ。

 とにもかくにも、こうして羽沢さんは俺の下に来てくれた。羽沢さんがどういう趣向を好むのかは知らなかったため、とりあえずは調教しながら考えようと思い、蘭たちも含めて全裸にして目隠しフェラチオ調教を始めた。

 この光景を動画にして、モカ経由で残りのAfterglowメンバーにも共有してもらう予定だ。他の子も美味しそうだったから、Roseliaのようにバンド丸ごと取り込んで全員俺の恋人にしたい。この動画はその足掛かりの一つだ。

 まずは、徹底的に羽沢さんを堕とそうと思う。

 俺は腰を引き、羽沢さんの唇に亀頭を押し当て、腰を前に出した。

「ぁ、ん……んむっ……!?」

 羽沢さんのさらさらとした髪の感触を楽しみながら頭を両手で掴み、俺の分身を羽沢さんの口内に押し込む。ぬるりとした温かい感触。蕩けるような熱が伝わり、非常に心地いい気分のまま根本まで快楽が包み込む。

「んぐっ、んっ、んんっ……!」

 羽沢さんは必死に鼻で呼吸を繰り返している。生暖かい息が俺の股間の陰毛に当たっているのがわかった。多少のくすぐったさを感じたが、このまま口内をチンポで支配していたかった。口内で唾液が急速に増え、滑り具合が増す。

 だが、やはり動いたほうがもっと気持ちいいだろう。

 俺は亀頭が口内から抜け出ないようにゆっくりと腰を引き、すぐにまた押し込んだ。

「ぐぷっ、ぁ、ぷっ!? じゅぷ! ぐぷっ! ぢゅるっ! んぷっ!?」

 唾液に満ちた羽沢さんの狭い口内は使い心地がよく、足繁くチンポを通わせたくなる。最初は慎重だった腰振りが徐々に速度を上げ、羽沢さんの限界を確かめながら恋人たちにお見舞いするのとさほど変わらない腰遣いへと発展していく。

 羽沢さんの両手が縋るように俺の足に伸び、控えめに触りながら震えを伝えてくる。目隠しをしている目元からは涙をこぼし、チンポを強制的にしゃぶらされる未知の体験を前にどうしていいのかわからない様子だ。

 そんな羽沢さんも、がっつくように腰をガクガクと揺する俺も、全てが燐子の手にあるビデオカメラに映像として収められている。この辺りで見せ場を作るべき、昂った気分をそのままに、俺はひとまず一回目の射精を行った。

 びゅるるっ、どびゅるるっ、ぶびゅーっ、ぶびゅーっ、どくっ、どぷっ、どくん。

「んーっ!?」

 羽沢さんの頭が後ろに引こうとしたのを両手で押さえ、喉奥に直接精液を流し込む。ごきゅ、ごきゅっと精液を飲む音が室内に響き渡る。発情しながら自慰活動に励む蘭とモカの喘ぎ声を消し去るように、羽沢さんの嚥下が続く。

「ごくっ! ごくっ! んんっ!? ん、ぐ、ごきゅ! ごくんっ!」

 俺の子種が羽沢さんの細い体の内側を流れ、胃に溜まっていく。しっかりと血肉にしてもらおう。滾った精子を吐き出し、俺を受け入れた証を羽沢さんの体内に直接送り込み続けること数十秒。ようやく射精が終わった。

 頬の内側や舌に肉棒を擦りつけ、精液を拭い落しながら肉棒を取り出していく。それでも落としきれない濃い精液に絡んだ肉棒が姿を晒し、ちゅぽんっと音を立てて亀頭も羽沢さんの口内を後にする。

「はっ……! はっ……! ん、ぁ……」

 後に残ったのは、口の中に残った精液をどうすべきか迷いながら、呆けたように顔を赤く火照らせた羽沢さんだった。俺は羽沢さんの顔面に精液塗れの肉棒を乗せ、俺の匂いを嗅がせる。これから羽沢さんを頂くことになる雄の匂いを。

「精液を飲んで、チンポについた精液も全部舐め取って」

 俺の直接的な指示に羽沢さんは困惑しているようだった。やはり、自分から動くのはまだ難易度が高そうだ。それならばと思い、俺は「蘭、モカ」と二人に呼びかけ、「手伝ってくれる?」と問いかけた。

「ん、わかった……」

「了解~」

 蘭とモカが座ったまま身を寄せ、俺の傍にやってくる。俺は二人の頭に手を置いて撫でながら、股間へと誘導してあげる。羽沢さんの口の前に肉棒が位置するように腰を引き、蘭たちに左右から肉棒を舐められるようにしてあげた。

 白濁液が絡む肉棒を中心に、三人の少女が囲む。羽沢さんが未だに踏ん切りがつけない中で、蘭とモカによる左右からの同時ディープキスがチンポによって捧げられた。

「ちゅっ、ちゅぅっ、んっ、ぁんっ、ふっ、ちゅっ、ぷちゅっ……」

「んちゅっ、ぢゅるっ、くちゅっ、あむっ、ぢゅるるっ、んっ、ごくっ、あーん……」

 キス多めの蘭と、精液を味わうことに夢中なモカ。二人の手は示し合わせたように俺の金玉に移動し、大切なものを扱うような丁寧な指使いで揉み解してくれる。美少女にそこまで応援されて雄の部分が反応しないはずもなく、肉棒をビクつかせながら金玉では新しい精液が急ピッチで製造され、ぐつぐつと煮えたぎっている。

「んっ、ぁあっ……。チンポ、大好き……。もっと、キスしてあげるから……。ちゅっ、ちゅっ、んんっ、ふふっ、ビクビク跳ねて、可愛い……。あむっ、ぢゅるるるっ、ぐちゅっ、ぢゅぞぞぞぉっ!」

「いやー、勇希さんの精液は相変わらず絶品ですな~。んむっ、ほら~つぐも食べないと、あたしと蘭が一滴残らず吸いつくしちゃうよ~? 特に蘭はもう制御できないみたいだし、早くしないと」

「も、モカちゃん……。で、でも……、私、こういうの初めてで……」

「勇希さんに認められれば、恋人として一生可愛がってもらえるよ~。都合が合えば、長時間セックスで意識が飛ぶまで犯してもらえるし、顔面偏差値の高すぎる顔で迫られて、いい声で耳元に向かって愛を囁いてもくれるし~、幸せになれるんだ~」

 モカの甘言に、羽沢さんは容易く引っ掛かっていた。俺に愛される自分を想像してか、口元がわかりやすく緩む。そんな羽沢さんの耳元にモカが口を近づけ、本格的に誘惑し始めたようだ。調教、屈服、乱暴、種付けプレスなどの用語が途切れ途切れに聞こえてくる。

 羽沢さんの興奮度合いが増していくのがわかった。

「そ、そんなことまで……」

「頼めばやってくれると思うよ~。ねー、勇希さん」

「俺にできることであれば」

 よくわからないけど、今はそう言っておくのが吉だと思われた。

 俺の返事を受けてか、羽沢さんが肉棒に正面から向き直った。乱れた髪を耳に掻き上げ、恐る恐る亀頭へ口を近づける。モカが蘭と同じように肉棒の隅々まで接吻をする作業に移る中、羽沢さんの軽く突き出された唇が、ちゅっと亀頭の尿道口に吸いついた。

「ぢゅるっ、ぢゅるるるっ……!」

 亀頭に付着していた精液が吸われ、羽沢さんの口に消えていく。羽沢さんは一度口を離すと、もぐもぐと咀嚼する仕草を見せ、飲み下した。それでは終わらず、羽沢さんの口は再び亀頭へと向かい、蘭たちを見倣って、キスを連発し始めた。

 踏ん切りがつくと、羽沢さんの愛情は濃厚だった。

「ちゅっ、ちゅぷっ、くちゅっ、ちゅぅっ、ぷちゅっ」

 キスの嵐。自分の行為で高揚し、さらに激しくなっていく。傍でキスを繰り返す羽沢さんに触発されてか、蘭とモカの奉仕も変化し始めた。ちゅぷっ、ちゅぽんっ、とわざとらしく音を立てて蘭が金玉の片方に吸いつく。モカは舌で持ち上げるようにして金玉を撫で、たまに金玉に向かって熱い息を吹き付けてくる。

 美少女三人によるトリプルフェラ。

 体験している俺もそうだが、ただひたすらカメラ役に徹している燐子もまた、感情を昂らせていく。このいやらしい雌たちを押し倒し、逃げられない体勢で子種を注ぎ込んでやりたい。理性が薄れるほどの情念に駆られ、俺は三人に向かって新たな命令を下した。



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羽沢つぐみとベロチュー種付けプレス

「ぁああ!? ひぅっ!? あぁぅっ!? ん、ぁあっ!?」

 ベッドの上で、目隠しをした羽沢さんが仰向けのまま細身の体をくねらせた。俺の手に握られた電気マッサージ器の振動を股間で受け、活きのいい魚のようにビチビチと跳ねている。あまりに激しくて逃げてしまいそうだが、そこは蘭とモカに任せてある。

「つぐみ、逃げちゃ駄目だよ。まだ始まったばかりなんだから」

「そうそう。しっかりと慣らしておかないと~」

「でもっ、でもぉ! ぃっ!? ぁああああっ!」

 羽沢さんの腕に抱き着き、足を絡めて逃亡を封殺している蘭とモカ。目隠しを外し、興奮に濡れた微笑みで羽沢さんの横顔を眺めている。一足先に男を知った二人は、大切な幼馴染も同じステージに上げようと、片手で羽沢さんの乳首に伸ばした。

 二人の手に握られているのは、カプセル型のピンクローターだった。

 その先端が、羽沢さんの小さな乳首を襲った。

「っ、な、なに、これ、ぁ、あ、あああっ!?」

「大人の玩具だよ。これで、つぐみの乳首を可愛がってあげる」

「ほれほれ~。三か所同時攻撃を食らえ~い」

 モカの間延びした声とは不釣り合いに、ヴヴヴヴと激しく振動するローターが乳首を攻める。撫でるように手を動かす二人によって強い刺激を浴びせられ、羽沢さんの乳首は目に見えて膨らんでいた。

 両方の乳首と、股間を攻められて身を捩る羽沢さんは、とても可愛らしかった。その様子を撮影していた燐子も、淫靡な空気に中てられてか、もじもじと内股を擦り合わせている。燐子の膣を埋めるバイブの振動をもっと感じようとしているようだ。

「いつでもイっていいよ。ほら、早く。イって?」

「つぐのイキ顔も見せてー。おぉ~、イク直前だね~?」

「ぁ、ぅ、ん、ぁ、あ、ん、ふっ、ん、んんっ!?」

 耳元で囁く蘭と、目隠しを外して羽沢さんの顔を確認するモカ。もうすぐ絶頂が訪れる。徐々に昂って、盛大に腰を浮かせて全身を痙攣させるまでの過程が全て、俺の目とカメラに収められた。

「ぃっ、くぅっ……!?」

 羽沢さんは顔を上に向け、大きく仰け反った。蘭とモカの拘束では抑えきれないほどの強い挙動で、羽沢さんを襲った興奮の度合いが見て取れる。見事なイキっぷりに俺はマッサージ器を離し、しばらく観察に徹した。

「ぁ、すごい、これ、体が、ふわふわして……」

 再びベッドに背を預けた羽沢さんは、うわ言のように呟いた。その顔はかなり蕩けていて、口から涎を一筋垂らしていた。それに気がついた蘭とモカがほぼ同時に顔を近づけ、目の前で美少女三人の口づけが始まる。

「ちゅぷっ、くちゅっ、れろぉ」

「ら、蘭、ひゃん、モカ、ひゃ、んんっ、ちゅるっ、ぷちゅっ、くちゅ」

「れろぉ、あむっ、ぢゅぶぶっ、ぬちゅっ、ちゅぷ、くちゅっ、ちゅうっ」

 舌を絡ませ合う三人。それは俺に酷く興奮をもたらした。

 股間で怒張する肉棒。それを右手で掴み、扱きながら羽沢さんに詰め寄る。俺の接近を察した蘭とモカが再び羽沢さんの脚に自身の脚を絡ませ、股を開かせて俺が侵入しやすいようにしてくれた。

「ぁ……」

 幼馴染でキスをし合う中、羽沢さんが正面の俺を見た。俺はそんな羽沢さんの可愛らしくも悦楽に緩んだ顔を見て、股間を突き出した。達したばかりの無防備なマンコが間近に迫った肉棒に怯えるように、陰裂からわずかに覗く膣穴をビクつかせている。

 伸ばした手で陰唇を横に捲ると、十分に解れて美味そうな肉の花びらが現れた。中心に見える穴から汁を垂らし、甘い匂いで男を誘う。こんな状態になった雌の器官を放っておくことなどできるはずもなく、俺は亀頭を詰め寄らせる。

 くちゅ、と接触音を響かせる膣口と亀頭。互いの体液で混ぜ合わせ、馴染ませる。

 そして、下半身を前に押し出した。

「ぁ……」

 亀頭が穴にめり込む。徐々に先端を埋め、丸みを描いた亀頭が入っていく。

「っ……っ!?」

 繋がっていく途中で、羽沢さんの表情に苦痛の色が走った。膣内に感じたわずかな抵抗感を踏み越えたのが原因だ。愛液とは違う温い体液が亀頭に触れる。構わず亀頭を穴へと呑みこませ、竿の中腹まで姿を隠したときには、膣と肉棒の隙間から破瓜の血が外へと垂れ流れてきていた。

 羽沢さんはこれで処女卒業だ。

「おめでとう、つぐみ……」

「これでつぐも竿姉妹~」

「ほ、本当に私、こんなに格好いい、男の人と……」

 本格的に羽沢さんと繋がりを深めていくと、熱を帯びた視線が向けられた。処女を捨てて、浮かれた様子。前世の構図で例えると、年上の美少女に筆下ろしをしてもらい、これまで我慢していた感情が溢れてしまった、といった感じだ。

 喜んでもらえて何より。もっと喜ばせようと、俺はぐいっと股間を突き出す。

「んんっ……。な、中、大きい、それに、熱くて……」

「つぐみ、力抜いて?」

「ここからが本番だから、気をつけたほうがいいかもねー」

「え? ん!? ぁ、なんで、まだ、大きく……!?」

 羽沢さんという新しい女を食って、肉棒がようやく最終段階へと移行する。食った女を繋ぎ止め、相手の意思では抜けないようにカリ首が膣壁にエラを引っ掛ける。そのせいで膣壁がごりっ、ごりっと刺激が駆け、油断していた羽沢さんを快楽の渦に叩き込んだ。

 しばらくは帰って来られない。

 ここからは俺の独壇場だからだ。

「頂きます」

 一言告げ、俺は羽沢さんの腰を掴んで自分の腰を振りはじめた。最初はゆっくり。徐々に勢いを乗せ、ただ雌穴と雄棒と絡ませ合わせることに注力する。

「ゃ、ぁっ!? ん!? あんっ!? ひ、ぅっ!?」

 膣奥まで亀頭が届き、羽沢さんが信じられないものを見たかのように自身の下腹を見下ろしていた。女の体は、ここまで男を受け入れるのか。おそらくはそんな驚愕だろう。俺が突き上げた肉棒が内側を押すたびに、羽沢さんは動揺した。

「ぉ、おぉっ、奥に、一番奥に、届いて、深っ、深いぃっ!?」

 ズンッ、と子宮口に亀頭を当ててみると、羽沢さんは悲鳴を上げた。痛いわけではないようだが、随分と敏感らしい。絡みつく熱い膣肉の具合はよく、犯しがいがある。俺は夢中になって羽沢さんを犯した。

 羽沢さんに覆い被さるように体を前に倒して、ベッドに両手を突き、腰を振る。

「は、ぁっ!? ぁっ! あんっ! あんっ!?」

「勇希、すごっ……」

「すごいでしょー。なにせ、モカちゃんの勇希さんだからね~」

「は? 何それ。モカのじゃなくて、あたしの勇希だけど」

「いやいや、モカちゃんのだよー」

「あたしの」

「モカちゃん~」

「あたしの!」

 何か言い合いを始めて取っ組み合う二人を置いて、俺は羽沢さんに圧し掛かった。唇を押しつけ、舌で口内をぐちゅぐちゅと掻き回す。目を白黒させる羽沢さんを徹底的に味わうべく、下半身を動かすのも忘れない。

「ぐぢゅっ! ぢゅるっ、ぐちゅっ、ぷちゅっ、れろぉっ、ちゅるっ、ぐぢゅっ!」

「んんっ!? んんんっ! ぢゅぷっ、ぷ、はぁっ、んんっ!? ぐちぃっ、ぬちゅっ!」

 逃げ場など作らない。唾液を送り込み、舌を絡ませ、とろとろにする。羽沢さんの大きな目を見詰めたまま、ガツガツとした勢いで膣内を肉棒で掻きまわす。押し潰したことでより深く結合し、俺の体の下で食い漁られる羽沢さんが震えた。

 羽沢さんの表情が緩んでいく。気持ちよくて堪らないようだ。

 こんなものではなく、さらに強い快感を与えよう。

 俺は羽沢さんとのベロチュー種付けプレスに、全力を注いだ。

「やばい……。勇希、それ、あとであたしにも……」

「いやー、客観的に見ると、こんなに激しいとは~」

「勇希君、すごい……」

 聞こえてくる声が遠くに感じるほどに、俺は羽沢さんを食う。やがて、室内には俺と羽沢さんの肌がぶつかる音と、濡れた生殖器を擦り合わせる音しか聞こえなくなった。

 他の三人が黙り込む勢いの中で、俺に食われている羽沢さんはというと、呆然としていた。意識を失いかけていた。しかし、直後には肉棒で膣内を掻き毟られ、目を覚ますものの、すぐに襲い来る快楽に呑まれた。

 腰を振って、振って、振りまくった。

 羽沢さんの舌を撫で、唾液を啜り、自分の唾液を直接送り込む。

 一方的。羽沢さんが俺の腕の中で、脱力した。

 パンッ! と大きく打ち付けた股間が羽沢さんの股間で密着する。

 波打つように膣肉が蠢き、肉棒に絡みつく。亀頭と口づけし合っていた子宮もまた、俺の精液を強請るように柔らかく包み込む。その優しい感触に俺は気を許し、羽沢さんのために用意しておいた濃厚な精液を、子宮に直射した。

 びゅるるるっ、どびゅびゅびゅっ、びゅるっ、どびゅーっ、びゅるるーっ、どぷっ!

 俺に口を塞がれた羽沢さんは、呻き声も出せなかった。

 俺に押さえつけられ、子宮に俺の体液を注がれ、ビクビクと小さく震える。突き抜ける射精の快感に身震いしながら俺は長い射精を続けたが、射精が終わるまでの間、羽沢さんを解放することはなかった。

「あ……」

 数分にも及ぶ射精の後、顔を上げた俺が見たのは、半ば放心状態に陥った羽沢さんだった。もうすっかり雌の顔をしている。緩んだ口元と柔らかそうな頬を舌で舐め、耳元で「これで羽沢さん――つぐみも俺の女だから」と囁くと、身震いしていた。

 さて次は、と体を起こし、手に入れた新しい女、つぐみの胸を揉みしだいていたとき。

「勇希……」

「勇希君……」

「勇希さん……」

 三人の声が聞こえた。

 なんだろうと思って視線を向ければ、そこには部屋の壁に両手を突いて、横並びになる美少女三人組。真ん中に燐子を据え、両脇を蘭とモカで固めた布陣。突き出された女子高生の美味そうな尻をふりふりと左右に振って、俺を誘惑している。

 そして、欲情し切った顔で、三人は異口同音の言葉を放った。

「犯してください」

 それは、俺の理性をブチ切るには十分だった。

 羽沢さんを犯したばかりの肉棒が膨らみ、再燃する。求められて手を出さない俺ではない。むしろ、相手が白旗を振る程度には求め返す。誰を誘惑したのかをよく理解させるために。身を以て教えてあげようと、俺は三人に襲い掛かった。

 

 日が暮れる。茜色に染まる窓の外を眺めていた俺は、背後を振り向いた。

 ベッドには、白濁液に濡れた四人の美少女が横たわっている。燐子、蘭、モカ、つぐみ。俺の恋人たちは息も絶え絶えで、足腰立たないようだ。全身もそうだが、特に胸と股の間が汚れている。散々挿入を繰り返されてまだ閉じ切っていない膣穴からは、ピンク色の部分が確認できないほどの濃い精液が垂れ流れていた。

 そんな四人の顔は、恍惚としている。

 一方で、四人を相手にした俺はというと、まだ肉体的、精神的な余力を宿していた。

 ここに来て、どうやら俺は成長してしまったらしい。やばい。自分のことながら、この体のスペックの高さにいよいよ恐怖すら覚える。この感じなら恋人全員をまとめて相手にすることも可能に思えた。

 そして、成長を迎えた俺の欲望は、さらに膨らんだように思えた。

 美少女が欲しい。もっと大勢の美少女に囲まれて、ハーレム生活を送りたい。

 目に染みるような眩しい夕日に、俺は誓った。

 もっと積極的に、女漁りに繰り出してみようかな、と。



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つぐみと紗夜と練習

 キーボードの音色を土台にして、ギターが音を奏でる。それらに支えられながら、俺は歌声を地下の防音室に響かせた。この場にいるのは演奏者だけ。観客はいない。でも、手加減をすることはない。練習であっても、本番のように臨む。

 マイクスタンドの前に立った俺は、高まってきた熱を歌声に乗せた。

 キーボードを演奏するつぐみと、ギターを爪弾く紗夜が演奏の傍らで俺へ視線を送っているのがわかる。じっと、固唾を呑むように。卓越した演奏技術のある紗夜はともかく、つぐみは余所見をしていて大丈夫なのだろうか。

 などと考えていると、キーボードの音が外れた。一度取りこぼすと、音は連鎖的に崩壊していく。ここから立て直すことはできるが、俺は声を収めた。紗夜もそれに従って演奏を止め、落ち着きを取り戻すように息を吐いた。

「ご、ごめんなさい……!」

 紗夜のため息を落胆によるものだと勘違いしたのか、キーボードの前でつぐみが深々と頭を下げた。「謝らなくていい」と俺はすぐに言ったのだが、つぐみは真面目な性格のようで、失敗した自分を恥じ入るばかりだった。

「そろそろ休憩にしましょう」

 そんなつぐみの様子を見ていた紗夜が切り出し、俺たちは休憩することにした。そう言えば、練習を始めてから一時間以上経つが、まだ休憩していなかった。俺と紗夜とつぐみという新鮮な組み合わせでの音合わせに、俺たちはつい夢中になっていた。外はもう真っ暗だろう。

 夕方頃まで俺の家にいた燐子たちは、俺とつぐみに親睦を深めてもらおうと思ったのか帰宅してしまった。残された俺たちは二人きりで過ごしつつ、ついでにつぐみに自宅の中を案内した。最後に防音室も紹介したのだが、そこに置かれているキーボードを見て、つぐみは思い出したように言った。

『今日はまだキーボードの練習してなかった……』

 Afterglowのメンバーとして、キーボードを担当しているつぐみ。努力家である彼女は練習をするために慌てて家に帰ろうとしたが、俺は呼び止めた。わざわざ家に帰らなくても、ここにキーボードと防音室という絶好の練習環境がある。

『ここで練習していけば?』

 という俺の提案に申し訳なさそうにしていたつぐみだったが、俺はつぐみの手を引いてキーボードの前に立たせた。練習用に使っていた有名なロックバンドの曲の楽譜を用意してあげると、ようやくつぐみも決心がついたようだ。

『すみません。少しだけ、お借りしますね?』

 いつでも真面目で、やる気に満ち溢れたつぐみ。

 頑張っている子を見ていると、応援したくなる。一人でも練習は可能だろうが、他の楽器もあるとさらにいい練習ができる。しかし、俺がまともに弾けるのはギターくらいだ。それも、誰かと音を合わせられる力量かと言われると、不安がある。

 そこで俺は、誰か来られる者はいないか、チャットで聞いてみることにした。

 燐子がついさっき用意してくれたばかりの、俺と恋人たち専用の交流サーバー。チャットだけでなく、音声でも交流が可能。『ゲーム部屋』と称されたページで燐子とあこが通話を繋ぎながらオンラインゲームをプレイしている一方で、『雑談部屋』のページでも俺の恋人たちが交流を深めているようだった。

『そろそろ白黒ハッキリつけませんか?』

『望むところだわ』

 売り言葉に買い言葉といった具合に、蘭と友希那がバチバチとやり合っている。まだ設立されたばかりの部屋でいったい何があった。過去のチャットログを遡って確認したい気持ちに駆られたが、仲良く喧嘩しているようだったので、放っておいた。

 今はつぐみの演習相手を募るが先だ。

 全体向けに連絡すると収拾がつかなくなりそうだったため、俺は個別にメッセージを送ることにした。そこで白羽の矢が立ったのが、確かな技術とストイックな性格を持つ紗夜だった。ログイン中だったため、メッセージを送るとすぐに返信があった。

『今からそちらに向かいます』

 という返事の後、俺の家にやって来た紗夜を迎え入れ、三人で練習することにしたわけだ。

 防音室に置かれた大きなソファー。つぐみを中心にして三人で腰掛ける。肩を落として気落ちしているつぐみの右横で、紗夜は自然体を保ちつつ、チラチラとつぐみを一瞥していた。紗夜は怒っているわけではないのだが、無表情に近いから勘違いされそうだ。

「気にしすぎないほうがいいと思う」

 練習でも本番のように挑む。それはあくまで俺が俺自身に言い聞かせている考え方であって、他の人にまで押しつける気はない。練習なのだから別に失敗をしても構わない。本番で同じ失敗をしなければいいだけだ。

「羽沢さん」

 と、紗夜がつぐみに声を掛けた。

「次、頑張りましょう」

「は、はい!」

 紗夜が表情を緩めて告げると、つぐみは良い感じに元気を取り戻したようだ。俺が言おうと思っていたのだが、まあいいか。俺はつぐみの頭に右手を乗せて、さらさらの髪の触り心地を楽しむように頭を撫でてあげた。

 休憩が明け、その後もしばらく練習を続けた。

 さっきは俺が突然ギアを上げたのが原因でつぐみを驚かせてしまったけど、もう大丈夫なようだ。ミスらしいミスは徐々になくなっていく。ボーカル、ギター、キーボードという変則的なスリーピースだけど、音を重ねるのは気持ちが良かった。

 それはつぐみたちも同じ。

「今日はありがとうございました!」

「ええ、とてもいい経験になりました」

 つぐみも紗夜も満足したようだ。年齢もバンドも、技術力も違う。出会ったばかりの相手との繋がりは、紗夜の言う通りいい経験となるだろう。俺も新鮮な気持ちで取り組むことができて、普段よりも高揚感を得られた。

 きっと、この気分のまま誰かと繋がれば、もっと気持ちよくなれる。

「紗夜」

 俺が呼び掛けると、俺の意図を汲んだ様子の紗夜はにっこりと微笑み、ギターを置いた。

 正面から向き合い、身を寄せ合う俺たち。つぐみは不思議そうに俺たちを見ていたが、俺たちが抱き合い、そのまま目蓋を閉じて唇を重ねたことで「えっ……」と微かに驚く声を上げた。

「ん、ちゅっ、ぐちゅっ、ぬちゅっ、ちゅるっ、れろぉっ、ぐちぃっ、ぬちゅ、ぐちゅっ!」

 口を塞ぎ合い、互いの舌を擦りつけ合う。口からこぼれた唾液が服に染みを作るが、構わない。たっぷりと溜めた唾液を紗夜に送り、紗夜からも送られた唾液を受け入れる。ぐちゅぐちゅと音を立てて混ぜ合わせ、二人でベロチューを堪能する。

 チラリと横目で窺うと、つぐみは顔を真っ赤にしていた。

 今日俺と交わって処女を卒業したとはいえ、まだ初心だ。これから経験を積めば薄れていく純朴さを今は楽しもうと、俺と紗夜はつぐみに見せつけるように舌を絡ませ、相手の体を求めて掻き抱いた。

「あ、んっ、ぐちゅっ、ぢゅるるっ、はぁっ、ぐぢゅ、ぐぢゅっ、ぬちゃっ!」

 背に回した手で紗夜の尻を服の上から掴み、握り締めると紗夜の細い背がビクンと震えた。もう片方の手で紗夜の綺麗な髪を撫で、指の間に通して梳く。ふんわりとシャンプーの甘い香りが漂ってくるのを感じた。

 甘く、濃密な時間。音楽に対するものとは別種の熱が膨らむ。

「ちゅ、ぷっ……」

 紗夜が俺の唇に吸いつくキスを放ち、俺の唇の間に唾液の糸を伸ばして顔を離していく。音楽と向き合っているときの紗夜とはまるで違う、俺に忠誠を誓う雌奴隷としての顔。呼吸を乱し、白い頬を赤らめ、垂れ眼がちな眦を下げて艶然と笑んでいる。

 紗夜の口から伸ばされた舌には、俺と紗夜二人分の唾液がべったりとついている。

「飲んで」

 俺が命じると、紗夜は舌を口内にしまい、ごくりと喉を鳴らした。

「ん、あー……」

 大きく開かれた紗夜の口内に俺たちの唾液はない。ちゃんと唾液を飲めた紗夜を褒めるために頭を撫でる。目を細めて嬉しそうにする紗夜を抱いていると、トスンッと小さな音が横から聞こえてきた。

「あ、ぅ……」

 つぐみがその場で崩れ落ちた音だった。床にへたり込み、股の間に指を這わせている。どうにか興奮を鎮めようとするが、それもままならない。熱に浮かされた様子で、俺たちに欲情の眼差しを向けていた。

 つぐみのその目は、紗夜が宿しているものに近い何かを感じた。

 だからだ。俺は、二人に向けてこう言い放った。

「二人まとめて調教してあげる」

 俺とチンポの前に平伏する雌奴隷。紗夜と同様に、つぐみにもそれが似合うと思った。



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つぐみと紗夜の調教

 部屋に立ち尽くす俺と、両足を開いて跨るように丸椅子に腰掛ける紗夜とつぐみ。全裸になった俺と同じく、二人の様相も防音室で演奏をしていた先ほどまでとはまるで違う。

 二人の目元は黒い目隠しで覆い隠され、その身には瑞々しい肌の殆どを露わにする生地面積の少ない布地を纏っていた。辛うじて乳首や陰部を隠すスリングショットと呼ばれる水着。着用前に俺の精液をたっぷりと擦りこんで濡らしておいたため、漂う精液の臭いが二人の鼻腔を刺激しているはず。

 そして、膣内にズッポリと収まるバイブ。水着と一緒に精液をぶっかけておいたそれは、激しく振動して二人を体の内側から攻め立てている。膣外にはみ出ているバイブの根元はスリングショットの布地と椅子の座面によって固定され、膣奥に深々と押し込まれている。

「あぁあああっ……!」

「ひぅっ、あ、ん、あぁっ……!」

 頬を緩ませて開いた口から喘ぎを漏らす紗夜と、どこか恥ずかしそうに鳴くつぐみ。つぐみは正直になりきれていないようで、感じた興奮を自身の内側に押し留めようとしている。それではせっかくの気持ちよさも半減してしまうだろう。

 俺は手に持っていたバイブのリモコンを操作し、振動速度を上げた。

「いぃっ!? ぁぁああああっ!?」

 つぐみは背を逸らしビクンッと全身を震わせる。可愛い声に、俺のチンポが過敏に反応する。今すぐつぐみたちを味わいたいところだが、もう少し我慢しよう。この機会につぐみを調教し、雌奴隷に堕とすためにも。

 俺はつぐみへと歩み寄り、耳元に顔を近づける。

「素直になれないみたいだから、罰を与える」

「そ、そんな、あっ!? んんっ! あ、あ、ああぁああぁっ!」

 言いながら、さらに振動速度を上げていく。ヴヴヴヴと振動音がはっきりと聞こえるほどで、つぐみの殆ど初物に近い膣内でバイブが傍若無人の限りを尽くしている。限界まで速度を上げたため、必要なくなったリモコンはベッドに放り投げた。

 逐一いい反応を見せてくれるつぐみが可愛くて、薄い水着から透けて見えるピンク色の乳首を軽く抓ってあげると、声もなく仰け反って痙攣した。絶頂したようだ。膣から大量の愛液が垂れ出て、椅子の上に広がっていく。

 着々と準備を進めていくつぐみの右隣では、紗夜が恍惚とした表情をしていた。目隠しをしているから目元は見えないが、ずっと口は開きっぱなし。よく通る声には甘さを多分に含んでいて、こちらも股間に響く。

「流石は紗夜。安定している」

 椅子を愛液で濡らし、準備万端な紗夜を褒める。

「ありがとうございます。ご主人様の雌奴隷として、日々研鑽を重ねてきた甲斐がありました。これに満足せず、日課の自慰の他に、バイブをおチンポに見立てた騎乗位セックスやフェラチオを練習に取り入れて、さらなる技術獲得に努めたいと思います」

 紗夜は声を明るくしてそう言った。

 真面目な子ほど、堕ちたときの反動は大きい。全員が全員ド変態になるというわけではないが、俺の見込み通りに紗夜は雌奴隷に堕ちた。そんな俺の勘から言わせてもらうと、つぐみにも紗夜と同じ素質を感じる。だからこそ、こうして調教に踏み切ったわけだ。

「楽しみにしてる」

 紗夜の乳房を掴み、むにぃっと指を沈めて掌握し、手の平いっぱいの弾力を楽しむ。

「あ、あぁ……。ご主人様の手が私の胸に……。ありがとうございます!」

 湧き上がる欲望のままに指先に力を込めてみても、紗夜から笑みが消えることはない。どこまで紗夜が喜べるのか試したい気持ちになるが、これ以上の攻めは俺の趣味じゃない。快楽を感じるギリギリの範囲で優しく苛め、快楽漬けにし、俺抜きでは生きられないような体にする。それが俺のやり方だ。

 せっかくだからと紗夜の胸や尻、体のラインに手を這わせて女体の素晴らしさを堪能していると、五分ほどが経過した。頃合いかなと思い、つぐみの様子を窺ってみれば、どうやらまた達してしまったようだった。

「っ、ぁ、ぁ、ぅ、ん、ぁっ……!」

 仰け反ったことで、スリングショットの布地が張った胸に食い込んでいる。若い乙女の乳肉がスケベ衣装によって形を歪める光景は、俺の肉欲を煽った。これを着ているのが大人しそうなつぐみというのが益々興奮をもたらし、俺の股間はより勇ましく反り立った。

 もう限界だ。

「紗夜」

 俺は傍の紗夜に声を掛けた。

「はい、ご主人様」

 俺がこれ以上何を言わなくとも、紗夜は椅子から降りて、床の上で正座になった。目隠しをしているが、手探りで俺の足に触れ、俺の立ち位置を正確に確認する。すぐに肉棒の近くまで顔を寄せたかと思うと、口元に笑みを広げてから亀頭に向けて口を近づけた。

「ちゅっ」

 尿道口に放たれるキス。一度だけで終わらず、様々な角度でキスが捧げられる。柔らかい唇が触れてリップ音を立てるたびに肉棒が震え、俺の中で興奮が広がる。

「それでは、ご主人様」

 チンポキスを楽しんでいた紗夜は至近距離で肉棒に熱い吐息を送りながら、続けた。

「これからおチンポを舐めさせていただきます。口いっぱいに頬張って熱で温めながら、舌と唾液で汚れをこそぎ落とします。そのまま気持ちよくなられましたら、金玉袋に詰まった濃ゆく粘ついた熱々お精子を、どうぞ遠慮なくどっぷりとお出しになってください」

 俺から紗夜に言うことはない。俺の考えなどわかりきっている様子の紗夜は、チンポに向かって舌を伸ばした。舌を艶めかしく動かし、亀頭にビンタを放つような動きで唾液を塗りつけていく。

 そして、ある程度濡れたのを確認すると、頬張るようにチンポを咥えた。

「ぶぢゅっ」

 と水音を鳴らし、頬を窄めて口内で肉棒を抱き締める。根元近くまで頑張って口内に収めていくと、紗夜の口内にチンポが全て隠れてしまった。股間が強い熱に覆い尽くされ、蕩けるような気分になりながら俺はその場にただ佇むのみ。

 そうしていると、直後にそれは始まった。

「ぐぷ、ぐぽぉっ、ぬぷっ、ぬぽっ、ぢゅぶっ、ぐぽっ、ぶぢゅっ、ぢゅるっ、ぢゅぷんっ!」

 目まぐるしい速度で行われるディープフェラ。両手の指先は俺の陰嚢へと伸びて、大切なものを扱うように優しくそれでいてじっくりと玉揉みを行っている。

 俺は身体の底から温められていく感覚を抱いた。精子の生産が活発になる。それに伴って、既に溜まっていた精子を吐き出したい欲求に駆られるが、もう少しだけこのまま紗夜のフェラを受けていたい。

 つぐみもどうやら、バイブに翻弄されつつも俺たちに意識を向けているようだし。

「この音……。め、目隠しがあるから、見えない……」

 つぐみは切なそうに、椅子の上でもじもじとしていた。

 この光景を見せてあげてもいいが、あえてお預けにしておこう。視覚を封じ、敏感になった聴覚だけで体験してもらう。俺の言う通りにしていれば、目隠しの向こう側の景色を拝めるのだと理解すれば、恥も外聞も捨ててつぐみも素直になれるだろう。

「紗夜、もっと音を立てられる?」

「ぢゅぶ! ぐぶんっ! ぐっぽぉっ! ぢゅぶっ! ぬぷぅ! ぢゅぼっ! ぐぽっ!」

 すぐに要求に応えてくれた紗夜によって、室内にじゅぽじゅぽとフェラ音が響き渡る。つぐみの耳にもしっかりと届いているようで、つぐみの呼吸が荒くなる。ついさっきまでバイブに弄ばれていたのが嘘のように、自らバイブの根元を椅子の表面に押しつけて膣奥に与えられる刺激を増やしていた。

 垂れ流しになって椅子から溢れるつぐみの愛液。とろりと垂れ落ちるそれと、望み通りの刺激を得て気持ちよさそうに頬を緩めるつぐみの顔。十分に解れてきたようだ。そろそろ食べ頃だろう。

 メインディッシュの前に、しっかりと抜いておこう。

 俺は余計なことを考えるのをやめ、紗夜の奉仕に全神経を集中させる。

 紗夜の細くすべすべとした指によって繰り出される、睾丸マッサージ。安心感と高揚が生じ、弛緩する体とは裏腹に芯を硬くしていく肉竿が、これまた紗夜の口腔によって隙間もないマッサージを浴びせられる。

 精子が昇ってくる。もはや抗える段階ではなく、抗う必要もない。

「飲め」

 紗夜に命令した五秒後、俺は射精した。

 びゅーっ、びゅーっ、びゅるるるっ、びゅぶっ、どぷっ、どくっ、どぷどぷっ!

「んっ……!」

 身構えていた紗夜は、口内に叩きつけられる精液を然程抵抗なく受け入れた。喉が一時的に詰まるだろう大量の精液を少しずつ処理しているのが、紗夜の喉が鳴らす音から容易に察することができる。

「ごくっ……! ごくっ……!」

 俺の陰嚢から紗夜の胃袋へ。精子の受け渡しが行われる過程で味わえる、至福の時間。突き抜ける快感にただ身を任せつつ、俺はつぐみの顔色を窺った。

 目隠しで目を隠していながらも、つぐみの興奮は色濃く感じ取れる。ベッドに組み伏せれば、いい声で鳴いてくれるだろう。だが、あとちょっとだけ苛めてあげようか。紗夜のおもてなしで多少の余裕を取り戻した俺は、ベッドの上に用意しておいた二人分の首輪へと目線を転じた後、軽く舌なめずりをした。



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つぐみと紗夜の調教②

「んっ、あんっ、あっ、あっ、あっ、んんっ……!」

 目の前で紗夜の綺麗な尻が弾んでいる。尻肉を波打たせる勢いで繰り出される杭打ちが、ベッドで仰向けになる俺の股間に浴びせられる。肌と肌がぶつかり合う音が立て続けに響き、俺の耳を楽しませてくれる。

「速度上げてくれる? あと、もっと前傾姿勢になって」

「はいっ、ご主人様!」

 右手で鎖を手繰り寄せると、鎖と繋がった首輪を引っ張られた紗夜がいい返事をしてくれた。要求通りに尻を振る速度を上げ、俺の足元へと上体を前に倒す。背面騎乗位で俺の生チンポを食らう膣の様子をよりはっきりと眺められるようになった。

 絶景だった。身に着けたスリングショットの背中の生地には使用済みのコンドームが五個括りつけてあり、俺の精液で膨らんだ先端が紗夜の動きに応じて揺れる。射精回数を示す正の字が紗夜の色白い尻肉に黒いマジックペンで刻まれているのも、いい感じに興奮を煽る要素になっている。

「つぐみ」

「は、はいっ……! なんでしょうか……!」

 左手に握っている鎖を引き寄せると、俺と紗夜の交わりを茫然と眺めていたつぐみが顔を近づけてきた。俺は顔を真っ赤にしたまま耳を傾けるつぐみに囁き、紗夜の体に卑猥な言葉を書くように指示を出す。

「わ、私が、書くんですか……!?」

「うん」

 そのために、つぐみにマジックペンを預けておいた。

「書きたくない? 嫌なら無理強いはしないけど」

 でも、無理にとは言わない。他人の体には勿論、自分の体にすら淫語を書くことなどなかっただろうから。だが、今後俺の女として生きていくのであれば、この程度のことはすんなりとやってもらわないと。

「書かなかったら、今日はもうつぐみを抱くのをやめるけど」

「え……」

 つぐみの表情が一変した。ここまで焦らしておいて、抱かれずに終わるという選択肢があるとは思っていなかったようだ。今もスリングショットに固定した状態で膣穴にガッツリとバイブが収まっていて、本番のときを待っている。

「俺の命令に従ってご褒美を貰うか、断ってご褒美なしにするか。選んで?」

 俺が言った後、つぐみは視線を俺の股間に向けた。

「別に性奴隷は紗夜だけでも十分だから」

「あぁ、ご主人様ぁ、褒めていただき、ありがとうございます。おチンポ、気持ちよくなれていますか? どんどん扱きますので、好きなときにお射精してくださいっ。また、至らぬ点がございましたら、どうぞお尻を平手打ちしてお知らせください。ご主人様専用のお精子吐き出し穴として、すぐに改善いたしますっ」

 俺の視界で激しく揺れ動く紗夜の尻。俺の性欲処理に徹する紗夜は、つぐみにはどう映っているのだろう。つぐみの表情から察した感じでは、羨望するような眼差しを紗夜に送っているように見える。自分もこんな風になれたら。そう思っているようだ。

「書き、ます……」

 ややあって、つぐみは手にしたマジックペンのキャップを外し、紗夜の背中にペン先を伸ばした。怖々と肌に触れ、文字を描いていく。一文字書いてほっと息を吐き、次は少しスムーズにペンを走らせる。

 やがて、卑猥な言葉が完成する。

「『淫乱風紀委員』だって、紗夜」

「光栄ですっ。普段学校で風紀の乱れを正している私ですが、ご主人様のご命令でしたらどんな淫らな行為も全うしてみせます。お尻を高速で弾ませ、どぴゅどぴゅとお精子を抜き抜きさせていただきます!」

 紗夜の尻振りが加速する。

「こんなに……。すごい……」

 性奴隷の先輩である紗夜の後ろ姿を見て、つぐみは隠し切れない笑みを浮かべた。取り繕うこともなく、欲望を露わにして性奴隷の在り方を目に焼き付けている。

 そして、さらに紗夜を淫らにしようと、俺の命令に従ってペンを動かす。

 紗夜の尻に描かれた雌記号。その穴を貫くチンポ型の雄記号。

『勇希様専用子種搾取穴』

『絶対服従』

『セックス大好き』

『中出しOK』

 段々とつぐみも盛り上がっていく。「羽沢さん、遠慮することはありませんよ?」と紗夜に促されたのもあって、つぐみの筆は止まらなかった。綺麗な文字と大きなギャップ差のある文字と記号が紗夜のキャンバスに書かれていった。

 キュッ、キュッと音を立てて尻に散りばめられるハートマーク。

 それを最後に、つぐみはペン先を離した。

「はぁっ、はぁっ……」

 激しい運動をした後のように、つぐみは荒い息を繰り返す。興奮一色に染まった顔で紗夜の姿を捉える。いずれは自分も紗夜のようになれる未来があるのだと理解したのか、真っ赤に色づく頬の近くで口端が持ち上がっていた。

 その手がバイブの根元に触れ、自身の膣内に押し込み始めた。

「ぃっ、ぁ、はぁっ……」

 気持ちよさそうな声。だが、それで満足した様子はない。チラチラと俺の顔を窺っている。自分から言い出すのは恥ずかしい。だが、命令をこなしたのだから、褒美が欲しい。そんな本心を物語るかのように、つぐみのほうから自身の鎖をぐいぐいと引っ張ってきた。

「紗夜みたいになりたい?」

 つぐみの呼吸が一瞬止まる。

「俺の性奴隷になって、便利に扱われて、俺に支配されたい?」

「はい……」

「聞こえない? なんて言った?」

「はい! な、なりたいです! 勇希さんの性奴隷に、ならせてください!」

 純情な少女による奴隷宣言は、俺のチンポによく響いた。ビクンッと震えたそれを紗夜にも悟られたようで、ズプンッと膣奥まで深々と満たされた後、尻を左右に揺らされてぐりぐりと亀頭に刺激を加えられる。

 ぎゅっ、ぎゅぅっと膣壁が締めつけを強める中、俺はつぐみに命令をした。

「それじゃあ、全裸土下座で忠誠を誓って?」

 告げてから五秒と経たず、つぐみは膝を突いて正座をし、首を垂れた。鎖を引っ張っても動じない。俺が頭を上げろというまで、その体勢を維持するつもりらしい。どこまで持つか試そうと思い、俺はさらに力を掛けた。

「んっ……!?」

 首輪が食い込んで息苦しいだろうに、つぐみは健気だった。

 これなら合格点だ。俺はつぐみの後頭部を見下ろしながら、ガシガシとチンポコキを続ける紗夜の膣圧に負けて射精を始めた。

「あぁんっ……!」

 今度はコンドームなしの生中出し。子宮に精液を直浴びして身震いする紗夜と一緒に、俺も快楽に突き動かされて気持ちよく腰を震わせた。びちゃびちゃ、と子宮に精液を撒き散らす幸福を味わいながら、つぐみに次の命令を下す。

「つぐみ。頭上げて? 紗夜と同じように、俺のために尻を振ってくれる?」

「はいっ」

 つぐみの口から出た返事は、今までで一番いい声だった。

「では、おチンポを取り出させていただきますね?」

 しっかりと精液が搾り出されたことを確認した紗夜が、尻を持ち上げる。最後まで俺を楽しませることを怠ることなく、尻を左右に振り動かすように肉棒を膣から解放していく。やがて、亀頭が膣穴から顔を出し、精液に濡れた姿を見せる。

「抜けました。精液袋から子種が漏れ出てしまい、申し訳ございません」

 直上にて停止する紗夜のマンコ穴からごぽぉと精液が溢れ出し、肉棒に垂れて白濁に染める。子種が絡む分厚く聳え立つ肉幹は、これから一体化する予定のつぐみを魅了するには十分だったようで、つぐみの口元が緩んでいた。

 白濁液をたっぷり垂らした後、紗夜は膣穴を引き締め、俺の上から離れる。ベッドを降りて、いつ動こうか迷っていたつぐみの背を優しく押す。性奴隷の先輩として、後輩を導こうとしているらしい。

「大丈夫。あなたにはドMとしての素質があります。自分に自信を持ってください」

「氷川さん……」

「紗夜でいいですよ。名字呼びですと、いずれ紛らわしいことになりそうなので」

「はい、紗夜さん……」

 紗夜に誘導され、つぐみがベッドに上がってきた。膣に埋まっていたバイブを取り出して電源を切り、愛液で温められたそれをベッドの端に置く。物が抜けて切なそうにしていたが、俺の肉棒を見るとすぐに期待を瞳に宿した。

 いい感じに、つぐみもチンポ狂いになってきたようだ。

 だが、まだ完全に堕ちたわけではない。仕上げが残っている。

「つぐみ。尻持ち上げて、俺に見せて?」

「はい……」

 俺の両足に跨る形で四つん這いになったつぐみが、尻を突き上げた。振動するバイブで直前まで掻き乱されていた膣穴は少しだけ大きく開いていて、中から肉棒へと愛液をぽたぽたと垂らし続けている。

 振り落ちる雨粒に当たって揺れる葉っぱのように、粘度の高い汁を浴びたチンポも反応をしていた。早くあの花弁の如く綺麗な穴に肉茎を押し込み、奥まで占領してやりたい。俺の欲求は膨らむばかりだった。

「入れて? 最後の仕上げをしてあげる」

「仕上げ……?」

「入れてみればわかる」

 俺の言葉の意味を掴みかねていたつぐみだったが、本人も焦らすつもりはないようだ。尻を下方へ移動させ、膣穴と亀頭の距離が狭まる。何の妨げもなく、両者はぬちゅっと口づけを交わし、亀頭がつぐみの中へと埋まり始めた。

「ご褒美あげる」

 つぐみはきっと、俺が初手で動くなど思っていなかっただろう。突然腰を突き上げた俺に意表を突かれ、瞬きほどの間に膣穴を奥まで穿られ、無防備な子宮口に全力のチンポ突き。衝撃が波のように伝わって、つぐみに襲い掛かったのがわかった。強い締めつけが肉棒を襲い、俺に甘美な快感を与えてくれる。

「か、ひゅっ……!?」

 息が搾り出るような声を漏らし、つぐみが背を仰け反らせる。腰を上げたままの俺がつぐみを股間に乗せて持ち上げる体勢。立ち上がって距離を取ることもできずに、つぐみの子宮に亀頭がぐいぐいと押し込みを続ける。

「つぐみ?」

 悶えるつぐみから応答はない。どうやら絶頂してしまったようだが、まだ俺からつぐみに向けたご褒美は終わっていない。俺の性奴隷になると誓ってくれた女には、それに見合う愛情でどろどろに蕩けさせてあげたい。

「次は優しくするから」

 俺はつぐみの腰を両手で掴み、つぐみの体を勝手に動かす。可愛らしい尻を股間からゆっくりと持ち上げて、亀頭が膣から抜けない位置で制止し、遅すぎず速すぎない速度で再びつぐみを股間に座らせる。

「愛してるよ、つぐみ」

 俺はつぐみへの愛を口にする。子宮口に亀頭が接触する瞬間を狙って。

「欲しいものがあれば、買ってあげる」

 前世と違って男と女の立場が入れ替わったこの世界では、男を支配したいという女のほうが多い。もしかすると、つぐみにも男を一方的に犯したいという気持ちがあったのかもしれない。俺の上で小悪魔のように笑い、腰を振って犯すつぐみ。大変魅力的で、いつかプレイの一環で試してみたいが、今はそれよりも見たい姿がある。

「俺が養ってあげる」

 男に支配され、性奴隷として飼われ、俺にだけ仕えるつぐみ。

 それを作るために、快楽と被支配欲求で包み込む。嵌れば二度と抜け出せない沼に沈める。

「愛してる」

「ぁっ、はぁっ、んぁっ……!」

「愛してる」

「んんっ、ぁぁっ……!?」

 肉棒が膣内を一往復するたびに、俺はつぐみにだけ愛情を注ぐ。ベッドの傍から俺へと惚れ惚れとした眼差しを向け、胸と膣を弄って自慰に耽る紗夜を視界の端に置いたまま、一人の女を堕とすために、自分の優れた声を最大限活用する。

「一生幸せにするから。誰の手にも渡さない。俺だけの女にするから。だから――」

 つぐみの体が震えた瞬間に、俺は普段よりも低い声で、口調も変えて、命令する。

「お前の残りの人生全部、俺に寄越せ」

 言い終わると同時に、チンポで子宮に殴りかかると、つぐみの体が跳ねた。

「ぁあああああっ……!?」

 控え目なつぐみから放たれたとは思えない声量。声に合わせて背を大きく仰け反らせ、膣肉が肉棒に押し寄せてくる。これまでで一番強い抱擁だ。決して離すまいとチンポを掴み、種を搾り取ろうと蠢いている。

 欲望に震える肉壺の中で、呼応した肉竿が熱い滾りを底から汲み上げる。ぐつぐつと煮えるような強い情熱を孕む精子が陰嚢から送り出され、精液に包まれて、尿道から勢いよく飛び出していった。

 ぶびゅるっ、びゅるるっ、びゅーっ、びゅーっ、どびゅーっ、どぷっ、どぷっ!

 脳が快感漬けにされる。ぶるぶると身震いして悦に入る俺をもっと喜ばせようと、立て続けに精液が放出される。自然と腰も浮いてつぐみに股間を押しつける俺に対抗するように、つぐみも上から圧し掛かってくるため、深く繋がっているのだという強い実感が得られた。

 手に入れた女に精液を送り込む幸福を、俺は黙しながら噛み締めた。

 つぐみもそうだろう。顔が見えなくても、それが伝わってきた。

 つぐみと紗夜の熱い息遣いが響く部屋で、俺とつぐみは何もせずに繋がった。精液を隙間なく詰め込まれて、子宮は満杯になっているはずだ。なるべくこぼれないように亀頭で蓋をし、女を食った余韻に浸る。

 数分して、つぐみの呼吸が整い始めた。

 自ら動き出さないつぐみの腰から手を離し、首輪から伸びる鎖を手前に引く。

「つぐみ」

 飴が終われば、再び鞭を与えてあげよう。

 そう思って口を開こうとしたとき、つぐみが動き出した。

 俺の足元に向かって上体を倒し、土下座の姿勢で尻を振る。背中や頭を殆ど隠し、尻を堂々と披露して弾ませる動きは、紗夜に倣ったものだ。横目で紗夜を見れば、つぐみの成長を見て顔を綻ばせながらオナニーを楽しむ紗夜がいた。

 性奴隷の先達に見守られながら、つぐみは動く。

「ぁっ、んっ、ぉっ、ぉっ、ん、ぁあっ……!?」

 喘ぎを漏らし、興奮に突き動かされて俺のチンポに高速膣扱きを繰り出すつぐみ。まだ挙動が安定しない部分はあるが、それでも優秀な部類だ。これから鍛えていけば、ますます磨きがかかるだろう。これは是非とも、成長記録の始めとして映像に残しておきたい。

「紗夜、カメラ取ってくれる?」

「かしこまりました」

 紗夜は自慰を中断し、机の上に置いてあったカメラを手に取り、俺に手渡した。俺はカメラを構えて絶賛杭打ちピストン中のつぐみを撮影する。画面中央に収まる、上下運動中の尻。これだけ見れば誰だかわからないが、喘ぎを聞けばつぐみとわかるだろう。

 後で皆に見せてあげよう。いい刺激になるかもしれない。

 燐子によって『ハーレムパーティー』と名付けられた交流サーバーに動画を投稿する予定を立てながら、つぐみの尻に平手を放つ。「ぁんっ……」と可愛く鳴くつぐみの尻に、じんわりと赤い手形が浮かび上がった。

「もっと速く」

「はいっ」

 元気よく応じ、つぐみは速度を上げた。いい眺めだ。

 天にも昇る心地で、俺はつぐみの尻に敷かれて性欲を発散した。一発、また一発と射精を重ねる。紗夜がお返しとばかりに、マジックペンでつぐみの尻に正の字を書き綴る。他にも卑猥な文字と絵を添えて。

『新人性奴隷』

『勇希様とおチンポに屈服しました』

『おチンポ中毒』

『全自動搾精肉オナホ』

 デフォルメされたチンポの絵を最後に描き終えて、紗夜は自身のスリングショットに括り付けていた使用済コンドームを外し、つぐみの背中や尻に置いていく。口から精液を垂らすコンドームは女体を彩り、動画映えする光景を作り出した。

「いかがですか? ご主人様」

「最高」

 紗夜は本当によくわかっている。紗夜がいれば、つぐみの教育も捗るだろう。

「紗夜。何かあったら、つぐみの相談に乗ってあげて」

「ええ。立派に育てあげてみせます」

 付きっきりで教育してほしいという意味ではないのだが、まあ伝わっているだろう。

 ともあれ、これでつぐみを俺好みに堕とした。真面目なつぐみのことだから、自発的な努力を欠かさず、俺のことを喜ばせられる女に成長してくれる。紗夜というお手本もいることだし、何も心配はない。

 現状が安定すると、新しいことに着手したくなる。

 つぐみの次は、どんな女に手を出そうか。

 できれば、このままAfterglowを制覇して、全員を横一列に並べてマンコの使い心地を比較してみたい。全く別のルートから新しい女に手を出すのもいいだろう。

 非常に悩む。選択肢が多く、嬉しい悲鳴だ。

 まあ、急ぐ必要もないから、ゆっくりと悩もうと思う。

「ご主人様、次はどんなプレイをお求めですか?」

 耳元で紗夜に囁きかけられる。綺麗な声で鼓膜を震わされ、全身が反射的に震える。そこへ畳みかけるようにつぐみが腰遣いを荒くし、俺は容赦なく精液を刈り取られた。つぐみの尻が股間にぱちゅんと叩きつけられると同時に吐精した。

「ご主人様専用の性奴隷である私たちに、何なりとお申し付けください」

 意識が蕩けそうになりながら、今はこの二人に肉欲を叩きつけようと思った。



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つぐみと紗夜と入浴

 紗夜とつぐみを招いた夜の翌日。朝を迎えた俺たちは浴室にいた。

 降り注ぐシャワーのお湯が頭を濡らし、全身へと伝っていく。ボディソープの白い泡が洗い流される中、両隣に立った紗夜とつぐみの手が俺の身体を這い回る。泡を洗い落とすのを補助しながら、片手で熱心に俺の肉棒と金玉を弄っていた。

「痒いところはありませんか?」

「金玉の下のほう。その辺り」

「カリ首の溝のところ、指でカリカリしますね?」

「うん」

 尋ねてきた紗夜に命じて金玉を指の腹で擦ってもらい、つぐみの提案を受けてカリ首を洗ってもらう。俺に奉仕しながら二人は頬を緩ませて俺の顔を覗き込む。蕩けきった表情の美少女を侍らせて全身を洗ってもらう。至れり尽くせりな状況にチンポは喜び続けていて、二人の前で硬さを増す。

「ふふっ……」

「あはっ……」

 二人の口から小さな笑いがこぼれ落ちる。

 紗夜がシャワーのお湯を一旦止めた後、身を屈めて俺の乳首へ舌を伸ばし、這わせる。ちろちろと舌先で乳首をこねくり回す様子を見て、つぐみもそれに倣って乳首舐め。チンポを洗いながらW乳首舐めを行う美少女は朝から見るには刺激が強い。

 すっかり目は冴えて、性欲に突き動かされた俺は二人の頭に両手を伸ばす。濡れた紗夜のロングヘアとつぐみのショートヘアを撫で、ご褒美を貰ったことで二人の舌が楽しげに左右に揺れる。

 それに合わせ、股間で動き回っていた二人の手が竿を掴み、シコシコと扱き始める。最初からトップスピードだ。情欲に駆られて荒い息を繰り返し、チンポコキ。止まらない二人の手によってぐちゅぬちゅっと音が浴室に反響する。

「いつでも好きなときに、私と羽沢さんの手の中で果ててくださいね?」

「逞しいおチンポから、熱いお精子がどぴゅどぴゅ噴き出すところ、見せてください」

『ご主人様』

 二人の声が揃って俺の耳を打つと、欲棒が膨張した。大きくなって二人を圧倒しながら、尿道から精液を解き放つ。びゅるっ、ごびゅっ、ぶびゅっ、びゅーっ、びゅーっ。放物線を描いて床に精液が落ちる。

「ぶぢゅっ、ぐちゅっ、ぢゅるるっ」

「れろっ、ちゅぷ、くちゅ、ちゅうっ」

 乳首に吸いつき、軽く引っ張りながら唾液を塗りつけてくる。

 射精しながら受ける奉仕は素晴らしく、何も考えられなくなる。絶頂の幸せを味わいながら、尿道から迸る精液で床を白濁塗れにしていく。

「お疲れ様でした」

「気持ちよかったですか?」

 すっきりとした俺に向かって笑い掛ける二人。

 俺はまた二人の頭を撫でながら、尿道に溜まった精液をどろりと足元に垂らした。

 また汚れてしまったので、俺は二人に改めて身体を洗ってもらった後、三人で湯船に浸かった。浴槽の縁に背を預ける俺を中心にして二人が左右から抱き着いてくる。吸いつくようなもっちりとした乳房が腕と密着してむにゅんっと形を変える。

 伝わってくる心臓の鼓動と、肩まで包み込む温かいお湯。

「幸せ」

「それはこちらの台詞ですよ? 勇希さん」

「私も、今とても幸せです……。幸せすぎて、頭がどうにかなってしまいそうで……」

 性奴隷から恋人モードに移行した紗夜とつぐみが甘えるように身を寄せてきた。俺だけが独りよがりに舞い上がっているわけではないのだと知って、少し安心した。見せつけるように舌を伸ばせば、二人は喜んで舌を伸ばし、舐めてきた。

 三人でベロチューをして愛情を深め合いながら、会話をする。

「んっ、二人は今日、これからどうするの?」

「ちゅぷっ……。さすがに勇希さんを独占しすぎたので、この辺りでお暇させていただきます」

「もっと一緒にいたいですが……。バンド練習とか、家の手伝いもあるので……。くちゅっ、ぢゅるっ……」

「そっか」

 残念だけど、仕方がない。また今度、二人を同時に楽しみたいものだ。

 でも、他にもいろいろな組み合わせでセックスしまくりたいとも思っているから、それが先になる。次は誰と誰を味わおう。複数プレイに拘らなくても、一対一でも全然構わない。とりあえず、大好きな美少女たちとイチャイチャできればそれでいい。

 などと考えていると、肉棒がお湯の中で反り立つ。巨根が直立すれば容易に二人に察知されてしまい、紗夜とつぐみの太腿で挟まれ、優しく圧迫される。

「本当に、凄い精力……。勇希さんには、もっと大勢の女の子が必要みたいですね?」

「誰かいい子いる?」

「いるには、います……」

 考え込み、少し複雑そうな顔をする紗夜。

「あの子の好みは私と酷似していますし、きっと勇希さんを好きになるはず……。いえ、間違いなく堕ちるわね……。でも、それで勇希さんの性奴隷第一号の立場を奪われでもしたら……。疑似寝取られ……。勇希さんによる寝取られ報告……」

 ブツブツと呟き紗夜。少し時間が掛かりそうだ。

「つぐみはどう? あ、つぐみの幼馴染は全員堕とす予定だから」

 場合によっては蘭やモカの手も借りて、Afterglowのメンバーを手に入れる。

「あ、そうなんですね。ふふ、楽しみだな。皆以外となると、私の家でアルバイトに入ってくれている子とかですね。元々はモデルさんで、今はアイドルとしても活動しているようで、勇希さんはきっと気に入ると思います」

 アイドルか。食べ応えがありそうだ。フリフリのアイドル衣装を着させて、俺の股間の上で躍らせて卑猥なプロデュースをする。アイドルは体力があるだろうから、精液をたくさん搾り取ってくれそうだ。

 いろいろと妄想を膨らませる。

「んぷっ……? ぐちゅっ、ぢゅぶっ……」

 すると、何故か興奮した紗夜に突然唇を塞がれた。口内で紗夜の舌がびたびたと暴れている。目の前で始まった濃密な接吻につぐみは少し驚いていたが、すぐに順応し、俺の頬を舌で舐め上げてきた。

「私も、頂きまぁす」

 紗夜に感化されてド変態に急成長を遂げつつあるつぐみは、そう言って、俺の耳穴に舌をねじ込んできた。「はーっ、はーっ」と熱い息を吐きながら、「ぐぢゅっ、ぐぽっ、ぬぶっ、ぐぢゅ、ぐぢゅっ」と耳穴を穿り回す。

 否応もなく、俺の邪な思考は中断させられ、俺はチンポをビクビクと震わせながら二人に可愛がられた。その後、歯止めの利かなくなった紗夜に跨られ、入浴しながら対面座位。波打つ湯の中で紗夜に種絞りされた後、今度はつぐみに跨られ、「大好き」コールを連発されながら子宮に精液を解き放った。

 

「それでは勇希さん。休日だからといって、あまり羽目を外さないようにしてください」

「お邪魔しました。あの、できれば後で、昨日の動画を共有してもらえますか?」

「うん。『ハーレムパーティー』に全体共有しておく」

「全体……!? あ、でも、見られると思うと、それはそれで……」

 玄関に立って、普段の真面目ぶりを取り戻した紗夜と、顔を赤らめつつもじもじと内股をすり合わせるつぐみ。つぐみはさっきまでとあまり変わりないが、紗夜はかなりメリハリがはっきりとしている。

 まあ、そんな紗夜もつぐみも、履いているスカートと下着の内側で、膣内にカプセル型のローターを仕込んでいるのだが。紗夜は以前にプレゼントしたものを持参していて、つぐみには今日俺がプレゼントした。耳をすませば、ヴヴヴヴという稼働音が聞こえる。

「スカート捲って?」

 真面目モードに戻った紗夜でも、公の場でなければ俺の命令も有効だ。

「仕方がありませんね……」

「見てください……」

 おもむろにスカートをたくし上げる紗夜とつぐみ。真っ直ぐ伸びる白い太腿が眩しい。何度でも触ってみたくなる程よい肉付きに夢中になっていると、焦らすように緩やかに、下着が露わになっていき――。

「ここまでにしておきましょうか」

「え?」

「あれ?」

 紗夜が手を止めて、スカートから両手を離す。このまま下着も見せるのだろうと思っていたつぐみも、わくわくとしていた俺も驚いてしまう。

「また今度、ということで」

「え」

「羽沢さん、帰りましょう」

「は、はいっ……。」

「あの」

 止めた甲斐もなく、紗夜は玄関の扉を開き、出ていってしまう。つぐみも後を追い、思わず手を伸ばした俺の前で扉が閉まる。

 突然どうしたのだろう。

 急に焦らされて不思議に思っていると、閉じたはずの扉が開いた。顔を覗かせたのは紗夜だ。

「また指名してくださるのであれば、どんなことでもしてあげますよ? 何せ、私はご主人様の一番の性奴隷ですから。これから恋人が何人増えたとしても、それだけは忘れないでくださいね?」

 男の気持ちを揺さぶる魅惑の微笑み。俺はちょっと不意を打たれ、立ち尽くしてしまった。

 さっき紗夜に女を紹介してほしいと言ったから、嫉妬させてしまったのかもしれない。

 また指名しよう。

 紗夜たちが去ってからそんなことを考えていたとき、ポケットに入れていた携帯電話が震えた。



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散歩

 携帯電話を取り出して画面を確認すると、母さんから電話が掛かってきていた。

「うわ」

 咄嗟に声が漏れてしまう。母さんから定期的に連絡は来るのだが、前回の連絡からさほど日数は経っていない。こんなに早く連絡をしてくるということは、重要な用件なのかもしれない。場合によっては、また俺を困らせる事態になりかねない。

 できれば出たくないけど、そうはいかないか。

 などと躊躇っていると、携帯電話の着信が鳴り止んでしまった。たぶん、もう一度掛かってくるだろう。

 次に鳴ったときに出ようと心を決めた俺だったが、幾ら待てども再度着信が来る気配はなかった。

「あ……」

 着信の代わりに、一通のメールが届いた。母さんか? 電話で伝えてこないということは、大事な用事ではなかったのか? 少しだけ気が楽になった俺は、何の警戒も抱かずに、メールを開封してしまった。

『勇希 食事会 友人の御令嬢と 日程未定』

 母さんのメールは、非常に簡潔に、俺の脳へと情報を刻み込んだ。

 何、このカレンダーに書き込んだ予定みたいなものは。俺の油断を誘っておいてからの、無駄を削ぎ落としすぎた連絡。こちらに返事など求めていない、一方的な伝達だ。この子にして、この親あり。俺ほどではないが、母さんはやっぱり人との会話能力に問題があると思われる。

 それなのに、母さんにはよくわからない人脈がある。

 友人の御令嬢って、言葉通りに捉えていいのだろうか。それとも、単純に相手の娘さんを敬った表現なのか。前にお見合いをした蘭の家はどうやら長い歴史のある華道の家元だったらしく、母さんは蘭の母親と親しげだった。それを考えると、母さんが普段使わない『御令嬢』という表現が特別なものに思えてくる。

 本当に困ったことになりそうだ。食事会という名目らしいけど、お見合いと何が違うのだろう。大差ない気がするのだが。俺がはっきりと断らなければ、そのまま崩し的に婿入りさせられてしまう可能性も捨てきれない。

『断ってもいい?』

 と俺がメールを送ると、

『たぶん無理よ。向こうから頼まれて一旦返事を保留にしたはずなのに、なぜか私が同意したかのように受け止めて母娘揃って盛り上がっていたから』

 と一分以内に返信が来た。

 たった今連絡を受けたばかりだというのに、もう打つ手はないらしい。なんか、毎回こんな気がする。今回は母さんが悪いわけではなく向こうの早とちりのようだから、責めるに責められない。

 途方に暮れていた俺はややあって再起動し、携帯をポケットにしまった。この短いやり取りで気疲れしてしまった。自然とため息を漏らしつつ、ちょっと気分を落ち着けようと、居間のソファーに腰を下ろした。

 テレビを点けてしばらく視聴しながら、俺は今日の予定を考えた。さっきのことがあったのもあるが、それとは別に今日は元々気晴らしをするつもりだった。ただ、どう気晴らしをするかまではまだ決めていなかった。

 いつもみたいに家で思いっきり歌うか。それとも、外出するか。

 ふと窓の外を見遣る。

 よく晴れている。これから昼にかけて気温も段々と上がって、暑くなるだろう。たまには汗を掻いて、街を散策してみるのもいいか。考えているうちに予定は決まっていき、早速準備をしようと部屋に戻って着替えを始めた。

 動きやすいように、格好は白いポロシャツと青いジーンズ。あとは、キャスケットの帽子と伊達眼鏡。やっぱり変装は欠かせない。でも、ポロシャツは半袖で肌が出ているから、長袖のときほど性別は誤魔化しきれない。ナンパはされるかもしれないが、そこはもう仕方がない。

 準備を整えた俺は、ボディーバッグを肩にかけて身軽な格好で家を出た。

 これまであまり通ってこなかった道を積極的に進み、マイペースに散歩を満喫する。見知ったはずの街だが、意外な発見があって面白い。自分の知らなかった個人のお店があったり、変わった趣の家があったり。目に留まった風景や、通りすがった猫を携帯のカメラで撮っていると、段々楽しくなってきた。

 歩いているうちに、徐々に人通りの多い場所へと出ていき、少しずつ人の数が増えてきた。

 日曜日の朝を優雅に過ごす美人な年上女性。部活動に向かう途中らしい、美少女中学生の集団。目に入る人は例外なく美人揃いで、いつも通り視線を奪われていると、見ていることに気付かれて顔を見られてしまう。帽子を目深に被って俯いても、既に顔を見られてしまった後で手遅れだった。

「ねえ、ちょっと。あの人、格好よくない?」

「あ、本当だ。すごいイケメン……!」

「この辺に住んでる人?」

「チンポは? 巨根?」

「ズボンの上からじゃわからないって」

「どっちにしても、あの見た目だったら休まずハメ倒せるよねー」

「組み伏せてマンコでチンポガシガシ犯して、無理矢理受精したい」

「あー、早く処女卒業したいなぁ……」

 思春期真っ盛りの女子中学生らしい、欲望ただ漏れの会話だ。今日も通常運転だなと日常を実感しつつ、足を進める。駅前や大型のショッピングモールからほど近い場所で、まだ行ったことのないところはないかと探索を続ける。

「ねえ」

 突然声を掛けられた。肩に手を置かれ、振り向くと、そこには先ほど擦れ違った女性がいた。年の頃は二十代半ばくらい。足はスラリと長く、背が高いためにモデルのようだ。毛先を緩く巻いた長い髪と、眦がツンと吊り上がった眼が大人の色気を醸し出している。衣服やアクセサリーも派手過ぎず、自分の魅力を引き立てるような品のある装いに統一している。

 前世ならば、男に一生困らないだろうその女性は、獲物を狙うような眼差しを俺へ向けていた。

「さっき、私のこと、見ていたわよね?」

 見ていたのは事実だが、俺はどう答えようかと迷った。

「誘われたのかと思ったけど、違った?」

 女性は言いながら、俺へと距離を詰めてくる。ふわりと香水の匂いが鼻に届く。それによって緊張感が緩み、その隙を突かれて距離を詰められる。身を寄せて頬に手を当てられ、撫でられてしまう。

 このまま大人の魅力に身を委ねてみるのもいいとは思うが、昔と違って俺を取り巻く環境は変化している。最近になって恋人が急激に増えたから、新しい恋人を作るにしても、彼女たちとの関係も考慮に入れなくてはいけない。

 目の前にいる女性は顔面偏差値の高すぎるこの世界の芸能界でも通用しそうな容姿をしているが、恋人たちと打ち解けられるかどうかはわからない。俺の恋人のうち大人はまりなだけで、他は全員女子高生。バンドや音楽に関わりがあるという共通点がある。この女性の趣味が一人だけ大きく違っていては、溶け込めないということもあるわけだ。

 それに、性格も全員いいから、人間関係も良好だ。友希那と蘭が事あるごとに衝突し合っているが、あれは仲良く喧嘩をしているといった感じだろう。

 この女性の性格はどうなのか。

「どうしたの?」

 考えていると、よりいっそう距離を詰められる。道の端へと追いやられる。公衆の面前で通りがかる通行人の視線に晒されているが、気にしていないようだ。今もぐいぐいと迫ってきた。

 乳房が俺の胸板に押しつけられ、形を歪めていく。

 この柔らかさと漂ってくる甘い香りに屈してしまいそうになる。どうしようか。一回くらい誘いに乗ってもいいだろうか。でも、そのまま流されてしまいそうで、一回で済まなさそうな気がする。

「二人になれる場所に行きましょうか?」

 潜めた声で囁かれ、脱力したところへ、肩を抱かれそうになる。

「待ち合わせ場所にいないと思ったら、こんなところにいたのね? 探したわよ?」

 そんなとき、横から誰かに声を掛けられた。

 聞いたことはないけど、耳当たりの良い声。俺は女性と共に視線を横へと振り向け、そこに立つ声の主の姿を捉えた。

 間違いなく俺を真っ直ぐ見据えていたその人物は、変装状態の俺と同じく眼鏡と帽子を身に着けた、女子高生くらいの少女だった。淑やかそうで、一般人にはない煌びやかなオーラを纏っている。見るからに只者ではない少女は、見ず知らずの俺の腕を引っ張った。



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散歩②

 穏やかな微笑みを見せる表情。小柄な体躯と幼さを感じさせる面立ちなのに、優美な魅力を放っている。帽子を被った頭から伸びる長い髪をさらりと風に流し、少女は淀みのない動きで俺の肩に手を回し、抱き寄せた。

「行きましょう?」

 何が何やら。戸惑っていた俺は少女に耳打ちされ、理解して頷いた。

「え、ちょっと、待って……」

 少女と共に歩き出そうとした俺へと、女性が慌てた様子で手を伸ばす。しかし、それが俺の体に触れることはなかった。少女が女性を軽く一瞥し、笑い掛ける。ただそれだけのことで女性が怯んだからだ。

「この人、私の男なので」

 少女の放った言葉が決定打となった。手を伸ばした体勢のまま硬直していた女性は、がっくりと肩を落とす。女性の中で諦めがついたらしい。よくわからないが、女同士でしかわからない何らかの勝負が決着したようだった。

 身長差のせいで多少無理している感じはあったが、少女は俺の肩を抱いたまま往来を行く。通行人の注目を否応なく集めている。ナンパから助けてもらった身であるために無下にはできず、俺はしばらく少女に身を任せた。

 通りを抜けて、俺たちは小路に入った。そこで少女は足を止めて俺へと向かい合う。

「困っていたみたいだったから助けたのだけど、迷惑だったかしら?」

「いえ、ありがとうございます」

 あのまま行けば誘惑に負けていた可能性があった。一時の欲に目が眩んで肉体関係を築き、ろくに考えずにハーレムを拡大すれば今後の生活に悪影響を及ぼすこともあるだろう。ナンパしてくる相手が皆、リサのように優しい相手とは限らないのだから。少女に助けてもらえて正解だったと思う。

「ところで、今日は一人で出掛けていたの?」

「はい」

「危険ね。女性は狼なんだから。あなたみたいな人が一人で出掛けていたら、簡単に食べられてしまうわよ?」

「俺、無防備でしたか?」

「そうね。もうちょっと自分のことを知ったほうがいいわ。あなたは特に人を惹き寄せる魅力的な容姿と雰囲気をしているから。女からすればご馳走ね」

 俺が自覚している自分の魅力と、周囲が感じる魅力には明確な差がある。わかっていたつもりだが、こうやってはっきりと言葉にされるとまだ認識が甘かったのだと実感する。

「まあ、私も人のことは言えないけれどね」

 少女は非常に目を惹く容貌をしている。帽子とフレームの厚い眼鏡をつけていても、それを完全に隠し切ることは不可能だ。俺と同様に、自分の意思に関わらず人々の視線を集めてしまうのだろう。たとえるならば、プライベートを楽しむ芸能人のような――。

「あ……」

 と、そこまで考えたところで、俺はこの少女に見覚えがあることに気がついた。

「どうかしたの?」

 落ち着き払い、気品を漂わせる整った風貌。直接会ったことがあれば、簡単には忘れることはないと思う。となれば、直接ではなくて、テレビとか動画とかで目にしたということになるのだけど。

 じっと見つめながら考え込む俺を見て、少女は何を思ったのかくすりと笑った。

「ああ、さすがにバレてしまったみたいね?」

 そう言うなり、少女は帽子を脱ぎ、眼鏡を外した。

 たった二つ。彼女の容姿を隠すものが取り払われただけで、魅力が跳ね上がる。俺が感じていたものはあくまで彼女を構成する断片であり、素顔を晒したことによってその全てが明らかとなる。

 キラキラと輝きを放つような華やかな容貌。肌に感じる洗練された空気感。

 彼女は『一般人』ではないと断言できる。

 間違いない。彼女は――。

「私は白鷺(しらさぎ)千聖(ちさと)――」

「人違いでした」

「えぇっ!?」

 俺の勘違いだった。実際には見覚えはなかったのだが、この人はきっと芸能人なのだろう。

「え、えっと、私のことを知っているわけではないのかしら?」

 白鷺千聖と名乗った少女は微かに動揺したようで、口元を引き攣らせていた。

「残念ながら」

「そう……。あなた、テレビはあまり見ないのかしら?」

「たまに見る程度で」

 居間で寛ぐときには見るけど、それ以外は動画サイトで動画とかを見ることのほうが多くなっている。テレビ番組より凝縮された短い時間で面白い動画がたくさん見られるし、番組よりも長い時間であっても、終始のめり込めるような動画もある。俺自身が歌の配信とかでもお世話になっているのもあって、着実にテレビ離れが進みつつある。

「今のアイドルや女優とか、全然わからなくて」

 たぶん、アイドルか女優のいずれかだと思われる白鷺さんに言い訳をすると、白鷺さんは顎に手を当てて何やら思案を始めた。

「やっぱり、Pastel(パステル)*Palettes(パレット)の活動に、そろそろ動画配信を取り入れたほうが良さそうね……。配信の内容や頻度は検討するとして……。まずは告知をしてから、アカウントを作ってもらいましょう……」

 呟き始めた白鷺さん。手持ち無沙汰になった俺は、周りに誰の目もなかったから、変装を解いた。変装は未だに慣れない。あまり帽子を被る人間ではなかったし、目も良いから眼鏡も掛けることもなかった。見た目で適当に選んだ伊達眼鏡だったけど、もっとつけ心地のいいものを選べば良かった。新しいものを買いに行こうかな。

 いろいろと検討していると、白鷺さんが呟くのをやめて俺の顔に目を向けていた。

「当たり前だけど、私が知っているからといって、向こうも私のことを知っているなんて都合が良すぎるわよね……」

「何か?」

「いいえ、何でもないわ」

 白鷺さんが残念そうに俺を見ていた気がしたが、気のせいだったようだ。

 白鷺さんはこほんと空咳を打った。気持ちを切り替えた様子で口を開いた。

「改めまして、私の名前は白鷺千聖。一応、子供のころから女優として活動しているの。今は事務所主導で結成された、Pastel*Palettesという五人組のガールズバンドグループに所属していて、ベースを担当しているわ。パスパレの知名度はまだ低いけど、ぜひ、この機会に覚えてもらえると嬉しいわ」

 ぜひの部分を強調されて、少し圧を感じた。

「どうも。俺は岩戸勇希です」

「なるほど……。それが本名なのね……」

「え?」

「ああ、気にしないで。こちらの話だから」

 ということなので、気にしないことにした。

 それにしても、Pastel*Palettesか。プロのバンドグループは全部網羅していたつもりだったけど、全然知らなかった。知名度が低いというのは本当かもしれないけど、もう少し広くアンテナを張っておいた良さそうだ。

「で、話を元に戻すけど、一人で外出をするんだったら、油断せずに変装はしっかりとすること。それに、女性をじろじろと見ないほうがいいわ。男に見つめられると、好意を寄せられているのだと勘違いする女は多いの」

「はい」

「一か所に留まり続けるのもよくないわ。すぐに声を掛けられるから。声を掛けられても、はっきりと断って、なるべく人通りの多いところへ移動しないと」

「はい」

「あとは――」

 説教が始まった。どれもわかっていることだったが、守れていないことだったため、反論の余地はない。さすがに正座するまではいかなかったが、俺は平身低頭の心境で白鷺さんの言葉に耳を傾けた。

「これくらいかしらね」

 話が落ち着いたのは、約五分後のことだった。白鷺さんはどこかスッキリとした表情をしていた。最後のほうは俺というより、男全般に対する不満だった。普段はガードが堅いのに夏になると途端に緩くなるとか、集団でいると警戒心が薄くなるだとか。

 口を酸っぱくして言ってくれるのを見て、白鷺さんは優しい人なのだと理解した。普通、初対面の相手にここまで良くしてくれる人はいない。

 それに芸能人で、バンド活動をしている美少女。俺のハーレムに組み込むのに適した人材だった。

 でも、話を聞いている感じでは、白鷺さんは軽い男が苦手なようだ。女に対して警戒心の高い男に好感を抱いているように感じられる。

 ここで連絡先を聞くのは得策ではないかもしれない。

 だからといって、ここで逃すには惜しい。ぜひともお近づきになりたい。

 どうしようかと悩み、食い入るように見つめてしまう。

「な、なにかしら?」

 相談相手になってもらうのはどうだろう。そこから徐々に親しくなって、頃合いを見計らって、家に誘ってみようか。

「ちょ、ちょっと……」

 そう心に決めたところで、俺はいつの間にか白鷺さんに詰め寄っていた。相手の息遣いが顔に当たるほどの距離感。白鷺さんはどぎまぎしつつも、顔を赤らめて潤んだ瞳に俺を映している。

 なんだかキスくらいはいけそうな感じだけど、さすがにそれは速まりすぎだ。

 落ち着くために一旦俺が距離を取ると、白鷺さんは「ぁ……」と声を漏らした。控え目に伸ばした白く小さな手が途中止まって、考え直すように引き下がる。両手を胸元に移動させてもじもじとしていた。

 今の仕草で確信できたけど、白鷺さんにも男への興味はありそうだ。だからといって詰め寄りすぎれば、一気に嫌われてしまいかねないから慎重にいかないと。

「ねえ……?」

 そう思っていたから、向こうからこんなお願いをされるとは思わなかった。

「ここで会ったのも何かの縁だし、もしよければ……」

 そっと、白鷺さんは携帯電話を差し出してきた。その行動の意味するところはつまり、連絡先の交換だろう。突然降って湧いた幸運に、俺は遠慮なく飛びついた。

 携帯電話を取り出して、連絡先を交換する。

 二人の間にできた繋がり。胸が沸き立つのを感じる。

「ありがとう」

 目線を上げて白鷺さんの顔を見る。

 何気ない行動のはずだったが、俺はちょっと戸惑った。

 白鷺さんは笑っていた。それは穏やかな笑顔とは呼べないものだった。

 内に秘めた黒い欲望が思わず滲み出て、美しくも妖しい笑みを象ったかのような。瞳にはさっきまであった光が失われ、陰りが差したように見える。白い頬は上気したままで、ピンク色の薄い唇から漏れ出る吐息は濃い熱を帯びていた。

「白鷺さん? どうかした?」

 思わず声を掛けた瞬間、一瞬の瞬きを挟むと、白鷺さんは元の表情に戻っていた。そのあまりにも急激な変貌は、逆に俺の見間違いだったのかと思わせるものだった。

「いえ、ちょっと、嬉しくて」

 恥ずかしそうに笑う白鷺さんからはもう邪念は消えていた。元の清楚な雰囲気を放っている。それはあまりにも自然で、さっきまでの様子が嘘のようだ。

 たぶん、見間違いか。

「ごめんなさい。この後用事があるから。そろそろこの辺で失礼させてもらうわね?」

「あ、うん」

 俺みたいに予定もなくうろついていたわけではなく、用事の途中でたまたま俺を見掛けて助けてくれただけのようだ。

「また今度、ゆっくりお話ししましょうね」

 白鷺さんは別れを告げた後、そそくさとその場を移動し始めた。途中で何度か後ろを振り返って、俺へと軽く手を振ってくれた。その白鷺さんに不自然な点はなく、表情はにこやかだった。やっぱり、さっきの表情は見間違いだったようだ。

 白鷺さんがいなくなってから、俺は変装し直した。帽子を目深に被って、眼鏡をしっかりと掛ける。白鷺さんの言われた点は特に注意しないと。それでもナンパには引っ掛かると思うけど、今度はちゃんと考えて対処しよう。

「ん……?」

 俺は歩き出して小道を出ようとした。そのとき、白鷺さんが歩き去った方向から視線を感じたと思ったけど、そこには誰もいなかった。

 少し気を張りすぎかもしれない。肩から余計な力を抜きつつ、俺は散歩を再開した。



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迷子と道案内

 帽子をしっかりと目深に被って、できるだけ人と視線を合わせないようにしたおかげで、ナンパされることはなくなった。誰の注目も浴びずに、のんびりと休日を過ごす。美少女だらけの生活もいいけど、たまには一人も悪くない。

 街の景色を撮影することにすっかり嵌ってしまった俺は、どんどん通りを外れ、見知らぬ道へと突き進む。俺は方向音痴ではないから大丈夫だけど、人によっては迷子になりそうな具合に直感だけに頼って行動していた。

 気がつくと、結構な距離を歩いていた。昼食には少し早いが、今から店を探すことを考えればちょうどいい頃合いだろう。

 携帯をポケットにしまい、キョロキョロと辺りを見回す。住宅が多く、この辺りには飲食店はなさそうだ。このまま大通りに向かって歩こうと、さっきから数台の車が向かっていく道へと足を進めた。

「ふえぇ……」

 なんか聞こえた。

 通り過ぎようとしていた十字路の隅で、先の声を発したと思われる少女が立ち往生している。辺りを落ち着きなく見回す動作に合わせて、花飾りのついた髪留めで束ねたハーフアップのサイドテールがゆらゆらと左右に振り回される。

 不安と焦燥。庇護欲を駆り立てるような可憐な容貌には、そんな感情が浮かんでいた。

 今日はこのまま一人で過ごそうと思っていたけど、なんだか放っておけない。きっと困っているのだろう。手伝えることがあるかはわからないし、自分から少女に声を掛けるとまた問題が起こりそうだけど、そうなったときに対処すればいいか。

「あの」

 声を掛けると、少女が今にも泣き出しそうな顔で俺を見た。

「何か困りごとですか?」

 意味ないかもしれないけど、少し高めの声で問うと、少女は驚いたようにぱっちりとした眼をさらに大きく開いた。

 男だと一瞬でバレた?

「お願いします! た、助けてください……!」

 と思ったけど、そんなことはなかった。少女は俺へと詰め寄って、頭を下げた。

 相当焦っているようで、俺は少しだけ狼狽えた。手伝えることがあればとは思ったけど、想定を超える問題が起きているのかもしれない。とりあえずは話を聞いてみないことにはわからないため、少女から詳しい事情を聴き出した。

「実は……」

 いったい何が。

「実は?」

「えっと……」

 口にするのも憚られるほどの何かが?

「迷子になってしまって……」

「迷子? ペットが逃げ出したとか?」

 それだと確かに不安になるのも無理はないか。

「い、いえ……」

 俺が言葉を待つ中、少女は恥ずかしそうにもじもじとした後、口を開いた。

「私が……」

 そこまで聞いて、俺は身構えていた体から力を抜いた。

 何かと思えば、ただの迷子だった。でも、良かった。ペットを探すよりもよほど簡単だ。迷子になってここまで必死になることがあるのかとは思ったけど、きっと大事な用が控えていて急いでいるのだろうと思う。

「じゃあ、道案内しましょうか?」

「はい、お願いします……」

 そうして俺は、同世代の少女と行動を共にすることになった。

 行動を共に、とは言うが、一時的なものだ。大通りに着けば、とりあえず大丈夫だろう。

 なんて思っていたのだが。

「大通りに出ましたけど、ここからはわかりますか?」

「あの、いえ、すみません、わからないです……」

 もう少しだけ案内したほうが良さそうだ。

「目的地はどこですか?」

「その、駅まで……」

 少女から聞き出した駅は、俺が普段使っているものだった。

 結構距離があるけど、道は単純だ。大通りを道なりに進んでいけばいい。

 それだけのはずなのだが。

「ふえぇ~……」

 ちょっと目を離すと、

「すみませ~ん……」

 少女は脇道に逸れて姿を消す。

「た、助けてぇ~……」

 道なりに進むだけでどうしてそうなるのだろうか。どうやら少女は方向音痴のようだ。それも、重度の。顔を見られないように少し距離を取って歩いていたので、また少女を見失ってしまいそうだ。

 もう勝手にどこかへ行かないよう、俺は少女の手を握った。

「えっ!?」

「行きましょう」

 そのとき、はっきりと顔を見られてしまったけど、もうどうでも良かった。引き受けた以上は、少女を無事に目的地まで送り届ける。それだけを考えて、もう素性を隠すことは諦めることにした。

「お、男の人、だったんですね……」

「ごめんなさい。驚かせてしまって」

「いえ、大丈夫です……。ちょっとだけ、子宮が驚いただけなので……」

 後半何を言っているのか聞こえないくらいに小さな声を発し、さっきまでとは別の意味で気恥ずかしそうに少女は視線をさ迷わせている。居心地が悪そうだ。でも、手を離すとまたどこかへ行ってしまいそうだから、諦めてもらうしかない。

 手を繋いだまま、俺たちは歩き続ける。

 二人の間に言葉はない。俺は口数が少ない人間であるため、少女が遠慮してしまった今では会話が発生しない。まだ駅まで距離があるから、このままずっと無言を貫くというのもなんだか嫌だった。

 何か会話をしないと。

 そんなことを思いながら、俺は顔を赤らめている少女の横顔を見た。

 改めて見ると、少女は可愛かった。

 さっき出会った白鷺さんもそうだけど、この人も女子にしては珍しく肉食系ではないようだ。純真そうで、非常に美味そうだ。落ち着きながらも女の子らしい装いを引き剥がして女体を隅々まで味わいたくなる。

 ナンパしてくる相手はよく見定めないと危険だけど、こういう子は手を出しても大丈夫なのではないだろうか。こちらから詰め寄ったところで手痛い目に遭うことはなく、決して毒にはならないだろう。

「名前」

「え……?」

「なんて言うんですか?」

 聞くと、少女は息を詰まらせ、俺から慌てて視線を振り外した。

「な、名前、聞かれちゃった……。え、どうしよう……? もしかして、このまま交際、とか……? 結婚できるのかな……。こんなに格好いい人と……。いいの……? 子作りたくさんできるの……? 赤ちゃんも、いっぱい……。あぁ、子宮が疼いて、下りてきちゃう……。赤ちゃん欲しい、赤ちゃん欲しい、赤ちゃん欲しい、赤ちゃん欲しい……」

 なんかすごく小さな声でブツブツ言っている。

「大丈夫ですか?」

「は、はいっ……! なんでもありません……!」

「あ、はい……」

 目がぐるぐると回っているように見えるけど、本人が言うのだから平気なのだろう。

「俺は岩戸勇希です」

「ま、松原(まつばら)花音(かのん)です……」

「松原さん。良ければ、連絡先交換しませんか?」

「連絡、先、ですか……?」

 戸惑っている松原さんを見て、ちょっと攻め方が雑だったかなと後悔する。白鷺さんのときみたいに相談を持ち掛ける体で連絡先を聞いたならばともかく、これでは何の脈絡もない。ただのナンパと何も変わらないだろう。

 焦りすぎた。もうちょっと話し合って相手のことを知ってからのほうが良かった。

 警戒されてしまったようで、松原さんはまたそっぽを向いてしまった。さすがの俺でも聴き取れないほどのかぼそい声だ。悪口を言われている気配はないけど、怖いと思われてもおかしくはないかもしれない。

 いや、でも、この世界の少女だから、そんなことはないのか?

 一旦足を止めて、俺は松原さんの出方を見る。

 自分で言うのもなんだけど、ここで立ち止まっていても大丈夫なのだろうか。急いでいるんじゃなかったのか。何やら考えを整理しているらしい松原さんの思考を遮ってまで声を掛ける気にならず、結局待ち続けた。

「私で良かったら、貰ってください……!」

 自分よりも圧倒的に立場が上の重役に名刺を渡すがごとく、松原さんは気負った様子で携帯電話を差し出してきた。なんか変わった子だけど、可愛いからいいか。自分の股間に従った俺は、松原さんをいずれ味わい尽くすために、まずは連絡先を交換し合った。



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松原花音のディープスロート

 松原さんと手を繋いで、俺は道案内を再開した。連絡先の交換を終えた直後、松原さんはじっと携帯電話の画面を見つめていた。何を確認しているのだろうか。覗くわけにもいかず、ただ黙って松原さんを待った。

「ご、ごめんなさいっ……」

「いいですよ」

 自分が会話を止めてしまったと思ったのだろう。謝られたが、気にすることはない。俺も会話が上手な人間ではないから。こうして黙って二人で歩くのも好きだ。

 ぎゅっと手を握ると、松原さんが顔を赤らめて狼狽えた。

「え、本当に……? これって、脈あり……? 夢じゃないよね……?」

 松原さんの発言を聞いて、俺は少し驚いた。たまに松原さんの声が聞こえないときがあるから、今度は聞き漏らさないようにしたのだが、正解だった。脈あり、夢じゃないよね、という言葉。そして松原さんの反応。

 たぶん、そういうことだと思う。

 俺はてっきり、松原さんは草食系なのかと思っていたけど、実態は違う。天然か、計算されたものか。おそらくは前者だ。たとえるならば、赤ずきんの格好をした狼。無防備に近づいてしまった雄を、本性を晒して逆に食い尽くすのかもしれない。この世界の男はそもそも自分から女に積極的にアプローチすることが少ないため、今までは成功してこなかったようだが、俺には普通に効果的だった。

 自制できなくなった大人しい美少女に襲われる。日頃からガツガツとした女もいいけど、いざというときに豹変したときのギャップが見られるのもまたいい。

「松原さん、公園に寄ってもいいですか?」

「公園ですか?」

「トイレに行きたくなってしまって。確か、公衆トイレがあったはずなので」

 言いながら、俺は空いている手を股間に伸ばし、上から押さえる。普段、こんな風に人前で股間を触ることはない。わざとだ。俺の股間に視線を誘導し、松原さんの出方を見る。俺の予測が正しければ、松原さんは。

「はい、いいですよ……」

 俺の股間を、ガン見していた。

 案の定だった。でも、もう少しだけ、様子を見ようと思う。

 俺は、さっきたまたま見掛けた公園へと進路を変えた。

 しっかりと松原さんの手を握って歩きながら、俺は半袖のポロシャツを摘まんでパタパタと動かし、服の中に風を送る。このとき、わざと肌が見えるようにするのを忘れない。

「暑いですね」

「そう、ですね……」

 返事をする松原さんの目は、俺の体へと向いていた。胸元に熱視線を送っていたかと思えば、俺がシャツの裾を上げて腹を見せる。すると、すぐに目線が転じた。なんだか面白い。松原さんはバレていないと思っているようだが、バレバレだった。

 前世で、女は男が胸を見ていることに気づいているという話があったが、同じ状況だろう。視線が動くタイミングと、一か所に留まる停滞時間。こちらが目を向けると、何事もなかったかのように目を逸らす突然の挙動。

 予想通りだった。

 となれば、このまま楽しめそうだ。

 俺は少しだけ足を速めた。

 記憶を頼りに歩き、やがて公園にたどり着いた。公衆トイレは公園の隅のほうにあった。俺が紗夜とよく会う公園とはまた別の場所だ。でも、どの公園も人がいなくて、寂れているという点はよく似ている。今の子供はもう、公園で遊ぶことも少なくなったのだろう。遊具も殆ど撤去されて、もはや広い空き地だ。

 だが、人がいないという点はありがたい。

 公園の前に着き、俺は公衆トイレに向かった。松原さんを連れたまま。

「え、あ、あの、トイレに行くんじゃ……」

「はい」

「はい、って……。え……?」

 不思議がる松原さんの手を引いて向かったのは、女子トイレだった。

「あの、そっち、女子トイレ……」

 構わず、俺は女子トイレの中に入った。

 中には誰もいなかった。個室の扉は全て空いている。人気のない公園の公衆トイレだから汚いのかなとも思ったが、全然そんなことはない。快適に使えそうだ。

 俺は奥の個室へ行こうとしたところで、松原さんが俺から手を離し、その場で立ち止まった。

 見ると、松原さんは内股を擦り合わせていた。程よく肉のついた太もも。押し付け合って、重ね合わせる。胸の前で両手の指を絡ませている。落ち着きなく動かしているそれに意味はなく、ただどうしていいかわからない心境を示しているようだった。

「あの……」

 整理がつくまで待ってあげると、松原さんは俺の顔を上目遣いに見た。

「間違っていたら、ごめんなさい……」

 前置きして、松原さんは続けた。

「もしかしなくても、誘って、ますよね……?」

 自分の言葉がスイッチにでもなったのだろうか。松原さんの雰囲気が変わったような気がした。落ち着きがないのは変わらないけど、羞恥とおどおどとした感情は薄れて、変わりの感情が表に出る。

「いいんですか……?」

 守ってあげたくなるような可愛い顔が高揚し、口元が期待に緩む。胸の前で両手の指を絡み合わせたまま、一歩、一歩と近づいてくる。俺は黙ってそれを待った。

「否定しないんですね……」

 松原さんが目と鼻の先で立ち止まって、俺の顔を見上げてくる。距離が近い。松原さんの髪からシャンプーの匂いが漂ってくる。普通の状況ならばほっと気が緩むようなそれだが、誘いに乗ってくれた雌が漂わせているものだと思うと、チンポがいきり立つ。

 ズボンと下着の内側で、バッキバキに反り返りつつあるチンポ。股間部を膨らませ、外からでも容易に目視できるほどに盛り上がる。それはちょうど、俺の体を足先から舐め回すように視姦していた松原さんにもバレてしまった。

 松原さんの手が、少し震えながら、俺の股間に伸びた。

 そして、ズボンに急遽作られたテントを、撫で撫でされる。

「これ、どうしちゃったんですか……?」

 スリスリと擦られる。

「男の人の、大切なところ、すごく硬くなってますよ……」

 手の平でしっかりと覆われて、むぎゅぅっと五本の指で揉まれる。密着具合が増したことで、俺の肉棒がイライラしているのがバレてしまう。そして、これは完全形態ではなく、まだ大きくなる余地がある進化途中であることも。

 ジー、とズボンのチャックが下ろされた。正面に空いた穴は、とてもではないが俺のチンポが出ていける大きさじゃない。でも、入る分には問題ない。松原さんの細くて小さい手だったら、さすがに全部は無理でも、指先を入れることはできる。

「嫌なら抵抗してくださいね……」

 松原さんが入ってくる。俺が止めない限り、手を止めることはないようだ。

 当然、俺は抵抗しない。だから、松原さんは指を這わせる。

 下着の上から、竿の形を確かめるように指を這わせて、裏筋を突く。その刺激を受けて、チンポがビクンビクンと跳ねる。それが楽しかったのが、松原さんは指でチンポを小突くことを止めない。

「駄目ですよ……。男の子の大事なところを女の子に触られて、喜ぶなんて……。もっと大切にしないと、悪い女の子に食べられて、大切な子種が奪われてしまいますよ……?」

 松原さんの息遣いは荒くなっていた。首筋に吐息が当たる。熱をたっぷりと含んでいるおかげで、首にじっとりと汗を掻き始めた。滲んだ汗は松原さんに気づかれて、そこから漂う俺の匂いを嗅ぐように、鼻ですぅーっと息を吸った。

「いい匂い……。男の人の……。男性専用車両から漂ってくる、雄の汗の匂い……」

 ズボンの中に突っ込んでいた手をごそごそと動かし、松原さんはしばらく握っていたが、それではもう限界だと悟ったようだ。俺の匂いを嗅ぎながら、ベルトを緩め始めた。少し手間取っていたようだが、どうにかベルトは緩められ、ズボンのボタンも外される。

 ストン、とズボンが足元に落ちて、下着だけになったときだった。

「えへへ……」

 しゃがみ込んだ松原さんが、下着の上から俺の肉棒に頬ずりした。柔らかくてぷにぷにした白い頬。その感触を俺に伝えながら、瞳にハートマークを撒き散らさん勢いで恍惚に緩む笑顔を見せた。

「おちんちん……。すごく硬くて、熱い……。子宮が疼いて、あぁ……。降りてきました……。この玉々でじっくり作られた、ねっとりザーメン……。子宮口で亀頭にかぷ、って甘嚙みして、ごくごく、ちゅーちゅー吸い上げるのを想像して……。卵巣から、卵が出てきそう……。松原家の淫乱卵……。岩戸家の精子と配合して……。可愛い赤ちゃんが、私のお腹の中で、元気いっぱいに育って……」

 これは、想像以上だった。妄想力がすごい。え、調教する前からこれ?

 松原さんは下着すらも捲って、ブルンッと跳ね出た肉棒に直接頬を当てる。気持ちいい。柔らかくて、温かくて。吐息も吹きかけられて、チンポが悦ばないわけがない。すっかり松原さんの不純な空気感に中てられて、肉棒が本性を現す。

「あ……」

 語尾を嬉しそうに跳ね上げた松原さん。その顔にはチンポが乗っている。小刻みに動くたびに、ペチペチと松原さんの額を裏筋で叩く。それはもう松原さんにとってご褒美であり、感情を暴走させるスイッチになってしまったようだ。

「れろっ、れろっ、むちゅっ、ちゅぱ、くちゅっ、れろれろぉー……!」

 上に向かって伸ばした舌で、下から肉竿に往復ビンタ。ぺちん、ぺちんと音を立てたかと思えば、音を響かせて接吻。それを繰り返して、どんどん松原さんは気分を高めていく。しゃがんでいた状態から、股を左右に開く。スカートが捲れ上がってしまい、中から白いショーツが曝け出された。

 自分の痴態を自覚してから、それとも、肉棒の臭いを嗅いだためか。

「はっ、はっ、はっ……」

 松原さんは発情していた。

 放っておけば、チンポにしゃぶりつくのだろう。しかし、ここはわざと松原さんを煽るべきだと思った。残っているかもしれない松原さんの躊躇いを奪い、心の狼がより一層剥き出しになるような。

 俺は少しだけ臆したように身を強張らせ、松原さんに告げた。

「優しく、してください」

 できるだけしおらしさを演出してみたのだが、松原さんには効果覿面だったようだ。

 松原さんは目をスッと細め、口を目いっぱい大きく開いた。覗かせた赤い舌をちろちろと揺らして、これから食われるのだということを俺に見せつけてから、吐息をはぁはぁと吹きかけながら竿にしゃぶりついた。

「あむっ!」

 まるで、ご馳走を味わうかのように一物を頬張って表情を明るくする松原さん。

「むちゅっ、ぢゅるっ、ぢゅるるるっ!」

 窄めた頬の内側を肉棒にピッタリと貼りつかせ、喜びの吸引。尿道口に溜まっていた我慢汁は簡単に吸い尽くされてしまっただろう。

「ふーっ……。ふーっ……。ぢゅぞっ、ぐぷっ、ぢゅるるっ!」

 蕩けきったフェラ顔を見て、俺は思わず松原さんの髪を掴んでイラマチオで口内レイプしてあげたくなったが、今回は俺から積極的に動くのはやめておく。松原さんを調子に乗らせて、隠れた一面を暴こうと思う。

「っ、ぁ、うぅっ……」

 俺は普段出さないような艶のある声を発した。すると、松原さんは少しだけ目を据わらせた。感情の光を失った瞳が俺を見つめる。そんな声を出して、襲われたいんですか? と思われていそうだ。

 鼻息を荒くし、松原さんは暴走した。

「ぢゅぶっ! ぐぢゅっ! ぶぢゅっ! ぐぷっ! ぢゅるるっ! ぢゅぶんっ!」

 俺を逃がすまいと尻に両手を回し、喉奥まで使って舐めしゃぶる。サイドテールが忙しく前後に揺れる。肉棒を咥えているという自身の行為に伴ってあけすけな歓喜を振り撒いて、松原さんは好き勝手に動き始めた。

「ぢゅぶんっ! ぐぶんっ! ぐぽぉっ! ぐっぽぉっ! ぢゅぞぞっ! ぢゅーっ!」

 口の中が肉棒に絡みついて、熱で溶かされるような心地よさ。だが、洗練さの観点で言えば、松原さんのディープスロートにはまだ経験が足りていない。男の俺と接したときの松原さんの反応から容易に察知できたが、やはり未経験だったようだ。

 しかし、磨けば光るものは多い。フェラ中でも松原さんはにやにやと笑みを絶やさず、自分主導で男を食らうことに興奮している。股間には松原さんの鼻息が当たり、松原さんの両足はさらに左右に開いていた。

「ぐちゃっ! ぶちゅっ! ぢゅぞっ! ぐぷんっ! ぢゅぞぞっ! ぢゅぶぶーっ!」

 俺の大好きなエロ蹲踞の姿勢を保ち、じゅぽじゅぽと音を立てるえげつないフェラに没頭している。もはやチンポのことしか頭にないのだろう。脳内真っピンク状態で高速フェラを続ける雌をしばらく眺め、俺は息を荒らげた。

 追い詰められているのを演出するように。

 少しだけ後ずさるように身じろぎしてみると、松原さんは俺の尻を抱擁する手を強めた。絶対に逃がさない。そんな強い意志が感じさせられる。それを見て俺が怯えた顔をすると、松原さんは長い竿をどうにか口に収納しようと限界に挑んでいた。

「んふっ……!」

 練習なしのぶっつけ本番で、窄めた口元を黒い陰毛に埋めるまで咥え込むことに成功した松原さん。燐子たちに匹敵する才能の持ち主かもしれない。これは是非ともいろいろと教え込ませて、俺のチンポなしでは生きられなくさせたい。

 今は本性を晒すのをやめておく。

 俺は最後まで女に翻弄された男を演じ、腰をガクガクと震わせ、無防備に達した。

 どびゅーっ、びゅるるーっ、ぶびゅーっ、びゅるっ、ごびゅっ、ぶびゅびゅっ!

「ん~~~~~っ!?」

 ここに来て松原さんの驚愕が見られた。さすがに精液の量までは手加減できない。女の想像を遥かに超える精液が、松原さんの口マンコに収納された巨根チンポを通じて喉奥に直接びちゃびちゃとぶちまける。

 気持ちよくて弛緩する俺の前で、松原さんは必死に精液を飲み下していた。あまりの量に狼狽し、目をぐるぐると回している。ちょっとだけ、暴走前に戻ってしまったようだ。どうやらさっきまでの下心全開のビースト松原さんは過度な興奮状態によってのみ、維持が可能なようだ。

 これも、今後経験を積ませればいつでも切り替えできるようになるはずだ。紗夜という一例がいい参考になる。表向きは自他共に認める厳しい風紀委員の紗夜も、俺とのセックス前になれば、どこに出しても恥ずかしいドM性奴隷に早変わりだ。全裸土下座で俺とチンポに屈服し、首輪から伸びる鎖を差し出してくる。

 一度、風紀委員としての紗夜を犯すプレイをしてみたい。教え子の弱みを握った鬼畜教師の俺、という設定で。きっと新鮮な体験ができるだろう。せっかくの現役女子高生なのだから、リアリティのある今のうちに味わい尽くしたい。

 少し思考が脱線したが、松原さんの将来に想いを馳せた。

 ベッドに組み伏せて、容赦なく種付けプレスをお見舞いする。そのままお望み通りに子宮にミッチリと精液を詰め込んであげたい。この世界における一般的な狼は女でも、世の中にはそれを上回るケダモノがいるということをよくわからせてあげながら、俺への敬意と永遠の忠誠を刻みつける。

 ぢゅるっ、と俺は舌なめずりをし、射精の快楽に浸った。

「ん、あぁっ……ふ、ふぇぇっ……」

 射精が終わった後、正気を取り戻してしまった松原さんが羞恥を感じながらも精液を吸い取りながら肉竿を取り出し、口いっぱいに溜まった精液を俺に見せた。どろどろだ。口の中の赤色を穢す白濁の粘液と、それが糸を引いて幾つかの白い橋を作る景色は絶景だった。

 手加減なしで犯して、雄と雌のどちらが優れているかを教えたい。

 膨れ上がったドス黒い欲望をどうにか抑え、俺は女に精を搾り取られた快感に震えるか弱い雄に徹した。それで松原さんが幾分か欲望を再燃させ、精液を飲み干して薄っすらと艶やかな微笑みを見せたから、このまま個室トイレに連れ込むように誘導しようと思った。

 が、そのタイミングで鳴り響いた松原さんの携帯電話によって、俺の目論見は断たれることとなった。



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月島まりなとカフェテリア

「え、電話……? あっ……!」

 思い出したかのように言って、松原さんは慌ててスカートのポケットから携帯を取り出した。画面に映る相手の名前を見たことで、動揺は強まる。表情は薄っすらと青褪めて、相手と通話を始めた頃には、出会ったときの松原さんの様子に戻ってしまった。

「もしもし、み、美咲(みさき)ちゃん……? ごめんなさいっ! 約束の時間過ぎちゃって……。うん……。うん、大丈夫。今から向かうから。うん、ありがとう。そ、それじゃあ、もう少しだけ待っててね? ごめんね?」

 どうやら、時間切れのようだ。俺も俺で、松原さんの予定があるのを途中で忘れていた。

 ちょっと反省しつつ、俺はまだ勃起したままの肉棒をズボンの中にしまった。正直ヤリ足りないけど、誰かと待ち合わせしているらしい松原さんの予定を狂わせることなどしたくはない。

 また日を改めよう。

「駅まで案内します」

「あ、ありがとうございますっ……」

 俺の言葉に松原さんは少し驚いた後、柔らかく微笑んだ。

 公衆トイレを後にした俺は、松原さんの手を引いて、駅へと向かった。松原さんの足取りに合わせつつ、できるだけ急ぐように小走りで。いつの間にかすっかりお昼時になっていて、人通りの多くなった道を十分ほど進むと、駅前が見てきた。

 ここまでくれば、さすがにもう大丈夫だ。

「それじゃあ、この辺で」

「はいっ……。今日は、その、いろいろと、ごめんなさい……」

 立ち止まって向き直ると、松原さんが頬を紅潮させてもじもじとしていた。道案内の途中で迷子になってしまったことよりも、トイレでの一件に対する謝罪のほうが強そうだ。今もちらちらと俺の股間を見ては、先の出来事を思い出したようで、目元が緩んでいる。

 俺もそうだが、松原さんも満足できてはいないようだ。

「都合が合うときにまた会いましょう」

 次こそは、松原さんの内側をチンポで征服して、ガッツリと中出しする。俺の物であるということを明らかにするためのマーキングを済ませ、ハーレムに加える。松原さんみたいな子ならば、他の恋人たちともやっていけるだろう。

 俺は松原さんへ顔を近づけ、口を開いた。

「松原さんに、俺の体、好きにさせてあげます」

「っ……!?」

 その一言は効果覿面だったようで、松原さんの細い肩が跳ね上がった。

「す、好きに……?」

「はい。一日中抱き放題です」

「中出しもいいんですか……?」

「はい」

「ハメ撮りとかも……? 拘束して、レイプしても、怒らないんですか……?」

「全く」

 松原さんが息を呑む。近くを通り過ぎた人が身を寄せ合っている俺たちを不思議そうに見つめているが、今だけは許して欲しい。前以って松原さんをその気にさせておいて、次に会う日までに欲望を溜め込んでもらう。煮詰めてどろどろに蕩かして、当日になって思いっきりぶつけてもらうつもりだ。

 松原さんも、自分の発言が周囲に聞こえないように俺の耳に口を近づけた。

 そして、横目で見てもわかるほどに欲に塗れた笑顔で、こう告げた。

「絶対に、犯します……。逃げられないように拘束して、エッチな写真もたくさん撮って、岩戸さんの反り立った巨根チンポを私の処女マンコでガップリ咥え込んで、好きなだけハメハメパコパコしちゃいますからね……? 作ったお精子全部、私が残さずぢゅるぢゅる吸いつくしちゃいますから、今から無理って言っても、遅いですよ……?」

 鼓膜を煽る囁き声。大人しそうな見た目からは想像もつかない下心剥き出しの言葉は、俺の肉棒を膨らませる。せっかく滾ったところで申し訳ないが、ここで欲を解消することはできない。俺も今のところはお預けだ。

 まあ、俺は普通に松原さん以外の相手ともセックスして、当日を迎えるつもりだが。

 俺を堕とす気満々の松原さんを、余裕で迎えて返り討ちにしてあげよう。

「じゃあ、また」

「は、い……。また、今度……」

 しばらく熱が冷める気配のない顔で、松原さんは返事をした。

 俺が松原さんから去る途中、後ろを振り向くと、松原さんが俺を凝視していた。スカートの裾をぎゅっと掴み、はぁはぁと息を荒らげている。見開かれた目の内側で、瞳が隠しようのない肉欲を孕んでいた。

 きっと、次に会う頃には、もっと色濃いものになっているのだろうな。

 楽しみだ。

 俺は前へと顔を向け、再び歩き出す。

「あ、いたいた。おーい。こっち、ここにいますよー」

 そのとき、待ち合わせをしていたのか、誰かへ向かって駆け出す黒髪の少女を視界の端に捉えた。一瞬だったけど、かなりの美少女だったと思う。釣られて後方に目を向けるが、人混みに紛れてしまって見つけることができなくなってしまった。

 何だか、すごく損をした気分だった。

「ご飯食べに行こう……」

 いろいろと気分を切り替えようと、俺は食欲を満たすことにした。

 松原さんの下を離れ、人通りの多い道を避け、食事ができるところを探し回る。しかし、どこもピンと来ない。誰かと一緒のときはともかく、一人で外食など久しぶりで、いつもどうやって店を決めていたかが曖昧だ。

 デートではないから、事前に下調べも当然していないわけで。

 女以外で、性的な意味以外で、今俺が食べたいもの。

「そう言えば……」

 だいぶ前に、リサに言われていたパン屋の話をふと思い出した。一緒に行こうと約束していたのだが、たびたび性欲が勝ってお家デートを繰り返しているうちに今まで忘却の彼方にあった。リサもおそらく忘れているだろう。

「リサとデート、噂のパン屋に寄る……」

 覚えているうちに、携帯にメモを残しておく。これでもう忘れない。あとは、リサと予定が合う日を確認しておこう。

 それまでは、パン屋もお預けだ。先に味を知っていたら、新鮮味に欠けてしまうし。

 少々思考が脱線しつつ足を進め、幾つもの店を通り過ぎているうちに、いつの間にか俺はCiRCLEの付近までやってきていることに気がついた。せっかくだからとそのまま真っ直ぐ向かい、CiRCLEを視界に捉えた。

 そこで俺はCiRCLEの前にある屋外のカフェテリアをざっと見渡した。時間帯が昼だから人はいるけど、回転率は良さそうだ。そう言えば、コーヒーとか飲み物の類は頼んだことはあったけど、ここで食事をしたことがなかった。

 せっかく立ち寄ったのだから、ここにしよう。

 俺はカフェの受付に向かい、順番待ちの席に座った。

 

「お待たせしました」

 テーブル席に座っていた俺の下へ、注文した料理が運ばれてくる。ミートソースパスタと、オレンジジュースだ。

「ごゆっくりどうぞ」

 女性店員さんににっこりと笑い掛けられた後、俺は早速フォークを手に取った。パスタを巻きつけ、口に運ぶ。口の中に広がるトマトの酸味と甘み。そして、ひき肉の旨味が絡みつくパスタはちょうどいい茹で加減で、食事が進む。

 オレンジジュースは、濃厚かつ酸味の爽やかな味わいで、すっきりとした気分になれる。

 もっと前からこの味を知っていれば良かった。ここのカフェではコーヒーばかり頼んでいて、料理も美味しいとは盲点だった。量も少し軽めだが俺としてはこれくらいがちょうどいい。食欲旺盛なモカとかになると、これだけでは絶対に足りないのだろうが。

 料理を楽しみながら、店内を見回す。

 やはりというか、バンド関係の客が多かった。ギターケースを横に携えた大学生くらいの女性二人。近くでは、女子高生くらいの少女三人組が、デザートを食べながら次のライブに向けた話し合いをしているのが会話の内容から察せられた。

 いいな、という羨望の感情が浮上する。

 俺の女性関係は順風満帆なのだが、音楽面ではまるで進展がない。結局、今後俺はどういった活動をしていきたいのか。以前から悩み続けてはいるものの、いたずらに時間だけが過ぎていく。

 まだ高校二年生の七月上旬。とはいえ、もたもたしていると時間はあっという間に流れていく。前世でも進路について悩んでいた時期はあったが、今ほどではない。可能性に溢れているからこそ、選択が容易にはいかない。

 いずれは、それなりの形に落ち着くのだろうが、それはいったいいつになることやら。

 ストローを咥えてジュースを啜っていたとき、俺の前に影ができた。

「ん……?」

 顔を上げた俺は、目の前に立つ相手の顔を目にし、瞠目する。

「こんにちは、勇希君。こんなところで珍しいね」

 目の前に立ち、俺の顔を覗き込んでいたのは、まりなだった。

「まりな」

「食事中? あ、席座っていい?」

「うん」

「ありがとー」

 俺に断りを入れてから、まりなは対面の席に腰掛ける。両手で頬杖を突き、顎を乗せるまりな。その表情は明るく、機嫌がいいことがわかる。

「楽しそうだけど、何かあった?」

「うん。すごく久しぶりに、勇希君に会えたからね」

「バイトの時に会ってるけど」

「それはスタッフとアルバイトとして、でしょ? それに、ここ最近は勇希君もバイトに入ってくれなくなっちゃったからね。まあ、それは、勇希君の顔と名前が大勢の人に知られちゃったから、仕方がないことだけど」

 まりなの言う通り、俺は最近、アルバイトをなるべく控えている。CiRCLEのライブで顔バレして以来、その影響が徐々に増している。俺目的でわざわざ遠いところからやってくる客もいるようで、普通に顔を出し続けていることが難しくなってしまった。

 でも、さすがに人手が足らないときは変装をしてでも手伝っている。だがそれも、新人のスタッフさんが仕事を覚えてきたことで、頻度が少なくなってきた。新人スタッフさんは無口だけど随分と有能な女性のようで、まりなも助かっているとのこと。

「ごめん」

「謝らなくていいよ。勇希君は別に悪くないでしょ? それに、こうして近くまで来てくれたし」

 今日はたまたまだったのだが、喜んでいるところに水を差すつもりはない。

 まりなは土日も普通に働いているから、学生である俺との時間が噛み合いにくい。予定が合わず、会えない日が続いていた。アルバイトがなくても定期的に顔を出すようにしよう。勿論、変装はした上で。

「何か悩んでることでもあるの?」

 と、まりなが突然そんなことを言ったものだから、俺は少し驚いた。

「わかるの?」

「うん。勇希君との付き合いも長いからね」

「そっか」

「一人で抱えてるくらいなら、お姉さんに話してみなさい。悩みやストレスと一緒に、私のおマンコの中で精液もどぴゅどぴゅ吐き出させてあげるからね? ベッドでも、お風呂でも、どこでも大歓迎。勇希君が望むのなら、CiRCLEの中でもいいよ」

 それは魅力的な話だ。年上の色香と甘い言葉に誘われて、ズボンの中で肉棒が反応する。ムクリと顔を上げてズボンを膨らませるが、テーブルの陰に隠れているから誰かにバレることはない。

 しかし、まりなにはバレてしまったようだ。

 靴を脱いだまりなの右足が、俺の両足の間に伸びる。内股を擦りながら動いていった先には、ズボンの膨らみ。靴下に包まれた足の指先が、膨らみを這い回り、指で揉むように動いている。

「勃起してるよ? こんな状態で、家まで帰れるのかなぁ?」

 無理だ。俺は言葉もなく、身を屈めた。松原さんとの本番を果たせず、不完全燃焼だった肉棒が煽られていく。とん、とん、と足の指で優しく叩かれ、それだけで股間に宿る熱が膨らんでいくようだった。

「CiRCLEの中で、私と一緒に休憩していかない?」

 ぐりぐりと足で股間を踏まれながら、そんな風に誘われる。

 今の俺に、その誘いを断る意志の強さはなかった。

 首を縦に振った俺を見て、まりなは口元を緩ませながら股間のテントを足の親指でゆっくり撫でた。



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月島まりなと進路相談

 衣擦れとリップの音。静かな室内に響くそれを耳にしながら俺は突っ立っていた。

 場所は、いつの間にかCiRCLEに用意されていたまりなの部屋兼休憩室。スタッフ用のちゃんとした休憩室は他にもあるのだが、前々から倉庫に使っていた一部屋をどうにか片づけて、新しく部屋を確保したらしい。まだ段ボールなどは幾つか残っているが、ベッドや机などは置かれていて、使用する分には問題なさそうだ。

「はい、足上げて?」

 正面に立つまりなの指示に従って動くだけで、服や下着が剥ぎ取られていく。俺の体を離れたそれらは近くにあった椅子の上に放り出され、まだ温もりを宿したまりなの服の上に重なって小さな山を作る。

「ちゅっ……」

 一足先に全裸になっていたまりなが腰を屈め、自らの手で裸に剥いた俺の胸に口づけを放つ。そのとき、舌で乳首を舐めるまりなの楽しげな眼差しを向けられた。ちろちろと舌先で乳首を擦られるだけで、俺は敏感に反応してしまう。

 血を滾らせ、熱を発して膨張する肉棒。血管を幾つも浮かばせた肉竿が斜め上を向いたまま、尿道から我慢汁を垂らす。しかし、それはまりなの指に掬い取られることはなく、初めて足を踏み入れた部屋の床にぽたりと落ちた。

「ん、くちゅっ、れろぉー……」

 胸板から首筋へ。まりなの舌が這い上がって、唾液を塗りつける。舐め終わった後、まりなは見せつけるように舌なめずりをした。俺の体を舐めて艶のある微笑みを見せるまりなの姿はそそるものがあり、俺はさらに勃起を強めた。

「ふふ、こーんなに大きくなっちゃった……」

 準備万端を通り越し、焦らされ続けていた肉棒にまりなの人差し指が触れた。裏筋をなぞるように動き回る。その度に肉棒はビクつき、その反応をまりなに見られてしまう。

「今日はすごく敏感なんだね。欲求不満になっちゃうことでもあったのかな? 女の子を抱けなかったとか」

 今日の出来事を素直に話すべきかどうか逡巡していると、まりなの顔が俺の首筋に埋められた。唇が接触し、軽い痛みが走る。吸いつかれたのだ。そう感じている間にも接吻の音が響き、俺の首にキスマークが幾つも残された。

「勿体ないよね。勇希君みたいな美少年、食べない手はないのに」

 首筋から頬を経て、耳穴にまりなの舌が這っていく。

「ぐぢゅ、ぷっ、ぐぷっ、にゅぷっ、ぢゅるっ、ぐちゃっ、ぶぢゅっ、ぐぽぉっ……」

 舌先がぐぷんっと耳の中に侵入して、中を掻き回す。密閉されて行き場をなくした音が外耳を反響する。水音で鼓膜を犯された俺は、膝から力が抜けて崩れ落ちそうになるのをどうにか食い止めながら、チンポをビクビクと震わせた。

「ん、ちゅっ、ぐぢゅぢゅっ、ちゅ、ぷ、もう、我慢できない……?」

 至近距離で囁かれ、俺は首を縦に振った。

 この部屋に連れて来られてから、俺はこうしてまりなに優しく苛められている。発情しきった雄というのは雌にとっては鴨が葱を背負って来るのと同義であり、部屋に入った瞬間、俺はまりなに抱き寄せられた。

 服を脱がされ、体中を愛撫され、じわじわと興奮を高めさせられた。

「挿入したい……? 他の子のために作った精子、全部私の中に出しちゃいたい……?」

 ふーっ、と耳穴に息を吹き掛けられ、俺はこくこくと頷いた。

 これ以上はもう、耐えられそうもない。

「抱かせて」

 俺が言うと、まりなは口を開いた。

「乱暴に求めてもいいんだよ……?」

「ヤらせろ」

「もっと乱暴に」

「ブチ犯す」

「よく出来ました……。それじゃあ、ベッドに――ぁっ……!」

 俺から離れてベッドに向き直ったまりなの背を、俺は軽く押した。前のめりになってベッドで両手と膝を突き、尻を突き出すまりな。程よい肉付きとしなやかさを感じさせるそれを俺は両手で掴む。

「形勢逆転だね。ここからは、勇希君が私を苛めていいんだよ?」

 言われるまでもない。まりなの陰裂から覗く桜色の粘膜に亀頭を押し当て、俺は鼻息荒く挿入を始める。腰を前に突き出すと、待ちに待った女の膣内。馴染みがありつつも、いつも新鮮な気持ちで肉棒を温かく包み込んでくれる膣肉を押し退け、奥へと進む。

「ん、ぁあああっ……」

 性器同士が繋がりを深め、まりなが気持ちよさそうに鳴く。それに背を押されるようにチンポを前進させ、俺はまりなのうねる膣道に竿を沈ませた。根元まで掴まれて、ぎゅっと抱擁される。亀頭に子宮口が当たる感触を覚えたのも束の間、俺は動き出す。

「ぁっ、んっ、あぁっ、んんっ、いいよ、その調子……」

 まりなの尻を掴んでせっせと肉棒を抜き差しし、快楽を得る。他の少女たちの魅力に中てられながらも十分に発散できなかった肉棒は普段よりも硬く、鋭い突きをまりなの膣内に放っていく。

「ん、ひっ、ぁあっ、ん、おぉっ……!?」

 まりなの声に変化が生じる。ここが責め時なのだと悟った俺は両手をまりなの腰に移動させ、しっかりと掴みながら腰の動きを激しくした。一撃一撃に欲望を乗せて、まりなの全てを食らい尽くさん勢いで、俺は交尾を始めた。

「ぁっ、はぁっ、ぁっ、すごっ、ぉっ、ぉっ、ぉっ、んぉっ……!?」

 ベッドが軋む。まりなの背中に覆い被さる勢いで前屈みになって、開きっぱなしの口から涎と熱を垂らす。まりなの白い背を涎で汚しながら、むっちりとした尻に股間を叩きつけ、内側を完全制圧する。

 まりなの言う通り、形勢は程なく逆転した。愛液とカウパーが混ざり合う膣内を肉棒で掘り返す音が、まりなの尻に股間を打ち据える音と一緒に室内を支配する。言葉はいらなかった。肌を接触させて、生殖器を嵌め合わせて、快楽を浴びる。

 そして、俺は溜め込んだ興奮を股間の先で暴発させた。

 びゅるるるっ、ぶびゅるるるっ、どびゅーっ、びゅーっ、びゅるっ、ごぷっ、ごぽっ!

「ぁ、あぁぁああっ……!?」

 膣の最奥で精液を吐き出す。熱を受けて声を震わせるまりなの背に圧し掛かって、抱きつく。細い腹周りに左手を回し、右手で乳房を握り締める。どちらの手にも力を目一杯込めてまりなを拘束し、どぷどぷと精を吐き出し続けた。

 溜め込んで、焦らされた欲求を一気に放つ幸福。まりなのうなじに顔を埋め、雌のいい匂いを嗅ぎながら、俺は悦楽を享受する。力が抜けてまりなの背中に体重が掛かり、ベッドに押し倒しても抱擁の手を緩めなかった。

 頭の中が一時的に真っ白になるほどの強烈な射精を体験しても、一分も経たずに俺の肉棒は活力を取り戻す。新鮮な精液を蓄えた子宮に栓をするように亀頭を子宮口に嵌め合わせ、膣内を太い肉竿で密閉する。

「まりな、休憩いつまで?」

「あと一時間ちょっと。今日は長めに休憩を入れるって、新人ちゃんに伝えてあるから……」

「わかった」

 一時間で、どうにかスッキリさせてしまいたい。

 性欲も、悩みも。

「それで、相談なんだけど」

 俺は寝バックの体勢でまりなを味わいながら、話を切り出した。

 これから俺がどうしていきたいのか。あらゆる選択肢は、たぶんどれも正解で、成功に導けるだけの実力は俺にはある。だけど、選ばなかった道を後に振り返ってしまいそうで、あまり思い切った行動に出られなくなっている。

「なる、ほ、どぉっ、んっ……!」

 子宮口を突かれながら、まりなが返事をする。俺を落ち着かせようと膣穴を引き締めてくるが、その拘束を無視してガクガクと腰を揺する。まりなが震えながらも俺の悩みについて考え、自分なりの答えを導き出そうとしてくれている。

 そんなまりなを、俺は犯した。

 一時間という制限の中で、気持ちよくなるために、好きなだけ暴れた。

「ぁっ、ん、し、失敗を恐れているというよりかは、選ばなかったことに対する後悔かぁ、ん、んんっ……!? 高校、二年生だし、進路にも関わってきそうだね……。っ、あぁっ……なかなか、判断が難しそうで、ぁんっ……!」

 チンポでまりなを苛めるのが楽しくて、話す合間を縫って腰を振ってしまう。どうにか自制しようと思いはするものの、欲求不満の上、目の前に愛する女がいて大人しくしていられるほど俺の性欲は貧弱じゃない。

「全部やる、なんてのは無理、だもんね……。っ、ぅ、ぉっ、あっ……」

 パンッ、パンッ、パンッ。

「そうなると、どれか一つを選ばないといけないから、んぁあっ……!?」

 夢中になって、股間でまりなの尻を叩く。肉棒を穴から取り出す際に離れてしまっても、すぐにまた密着させる。単純な動きなのに気持ちよくて仕方がない作業は、俺の全身から力を奪い、思考を単純化させた。

 ゆったりと寛ぐよりも、これが俺にとってのリラックス状態だった。

「って言ったけど、ぁっ、ぅっ……本当に一つに絞らないといけないのかは、考えたほうが、良いかも……。活動の仕方はいろいろあるし、やり方次第だと思って、んっ……! は、ぁっ……!」

 そして、まりなの言葉が俺に一つの案をもたらしてくれた。

 たとえば歌手になって事務所に所属することでいろいろな活動に制限がかかるのが嫌ならば、個人に近い形で活動すればいいのではないか。かと言って、完全に単独で活動するのも不安だから、後ろ盾というか支えてくれる場所が欲しい。勿論、支えてもらうばかりではなく、自分の活動によってその場所に利益を還元していきたい。

 都合がいいとは思うが、そんな関係を築けるところがあるのか。

 思案して、俺は答えに行き当たると同時に、絶頂した。

「ぁ、はぁっ、っ、んんっ……!?」

 まりなが声を上げて痙攣し、ぎゅっと膣壁で肉棒を締めつけてくる。精液が次々に持っていかれ、子宮に溜まった。さっきの精液よりも濃いのが出ている気がする。射精の解放感も比較にならない。

「まりな」

 快感に浸りながらも、俺はまりなの耳元に顔を近づけて、提案をした。

 まりなは俺へと顔を振り向けて少し驚いた表情をしていたが、すぐに頬を緩めた。

「勇希君が、それでいいのなら……。むしろ、こっちからお願いしたいくらい……」

 俺の子種を胎で受け止めながら、まりなは俺へと舌を伸ばす。それに応じて俺は舌を絡ませ、唾液を塗りつける。お互い、口の周りが汚れることなど気にもしない。繋がった証を残すことだけを考えた。

 これが、ひとまずの契約の証。舌同士で握手を交わした俺たちは、休憩時間が終わるギリギリまで繋がり合った。時間は少なかったが、人心地つくくらいには精子をぶちまけることができた。

 進路の悩みも、一時的な方向性を決めることができて少しだけ解消された。まだまだ考えるべきことは多いけど、これまでの膠着状態を考えると大きな進歩だ。やはり、一人で考えるよりは誰かに相談するほうが良いのだと、俺は思い知った。

 また何か別のことで悩んだら、恋人たちとセックスしながら解決策を探ってみよう。

 そんなことを思いながら、俺はまりなの首筋に吸いついた。相談に乗ってもらったお礼。俺の首に残されたキスマークよりも大きな痕を作ってあげると、まりなは嬉しそうにはにかんだ。



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Afterglowと邂逅

「ぶぢゅるるるっ!」

 俺の肉棒を咥えたまりなが、激しい吸引音を立てる。竿に垂れた精液を吸いながら、根元から亀頭に掛けて窄めた頬でずりずりと搾り上げていく。尿道に溜まっていた残り汁もしっかり奪い、楽しげに微笑んだ。

「ぢゅぽんっ!」

 という音を鳴らしてまりなの口から肉棒が解放される。唾液で濡れてはいるが、付着していたはずの精液は一滴も残っていない。それら全て、まりなの口の中に溜まっているのが、まりな自身によって見せつけられる。

「んぁー……」

 口内に溜めた粘々白濁ザーメンを嬉々として披露するまりな。俺はそれをしばらく眺め、「飲め」と命令を出す。応じたまりなはすぐに口を閉じ、ごくんっと喉を鳴らし、再び口を大きく開けた。

 そこには当然、精液は一滴も残っていなかった。

「ご馳走さま」

 まりなはぺろりと唇を舐め、最後に亀頭へ口づけを放つと、体を起こした。

「ごめんね。もう時間だから、これで終わり。また今度、時間があるときにしようね?」

 そして、着替えを始めてしまう。本当はもう少しだけ相手をしてほしかったが、時間が来てしまったのでは仕方がない。渋々俺も衣服を手に取った。

「さっきの件は、こっちでいろいろ準備を進めておくから」

「ありがとう」

 俺のほうでもできることはしておこうと思う。とはいえ、まだ計画段階に近いから、案を練ることに時間を使いそうだが。

「それじゃあ、私は仕事に戻るから」

 着替えを終えた俺たちは休憩室を出ると、扉の前で向き合った。

「うん」

「あ、この部屋は自由に使ってもいいからね?」

「自由って、具体的には?」

「そんなの、決まってるでしょ?」

 まりなは俺へと小声で囁きかけた。

「無料で使えるラブホテル、だよ。私だけじゃなくて、他の恋人たちや、気に入った女の子を連れ込んで、ハメまくっちゃうの。いろいろな場所に拠点があったほうが、交尾したくなったときに便利でしょ?」

 なるほど。確かに、ここには恋人たちも出入りするから、バンド練習が終わった後などに待ち合わせがしやすい。まりなもいるから、ちょっとした休憩時間でも軽いスキンシップくらいは楽しむことができる。

 俺が真面目に考え込むのを見て、まりなはくすくすと笑っていた。

「またね、勇希君」

「うん、また」

 まりなは手を振って、仕事に戻っていく。俺も手を振り返し、まりなを見送った後にスタッフ専用の区画を出た。お客がいるスタジオの扉が立ち並ぶ廊下を歩き、そのままCiRCLEを出て家に帰ろうと思ったのだが。

「あ」

「あ」

 ちょうど通りがかろうとしたスタジオの扉が開き、中から現れた少女と鉢合わせした。

 蘭だった。その後ろには、モカとつぐみ、そして、残りの幼馴染二人。

 俺と全員の目が、順番に合う。

 蘭もモカもつぐみも、皆嬉しそうだった。蘭は緩む口元を引き結ぼうとしているが、全然意味を成していない。モカは何か悪戯を考え付いた子供のようににやけた笑いを見せ、つぐみは昂揚の熱を頬に浮かばせている。

 まだ俺が味わっていない幼馴染二人はと言うと、緊張した面持ちだった。

 そんな二人の容姿を、俺は改めて眺める。

 毛先が肩に掛かる長さの髪を二つ結びにした、上原ひまりさん。Afterglowのリーダーらしい。いつも明るく、バンドのムードメーカーでもあるようで、モカたちに見せてもらった写真の彼女は、見る者に元気を与える笑顔を見せていた。

 もう一人は、宇田川(うだがわ)(ともえ)さん。真っ直ぐ伸ばした長い髪と、女性にしては高い背丈。手足もスラリとしたモデル体型。前にCiRCLEでチラリと見掛けたときも思ったが、少々男勝りな性格なようで、女子に好かれそうな人だった。

 モカたちから情報を貰った際に判明したのだが、宇田川さんはあこの姉だった。蘭たちはあこにとっても幼馴染であり、『ハーレムパーティー』のチャット上で自己紹介し合っているときに互いの存在に気がついて驚いていたのを思い出す。

 俺が思っている以上に世間は狭いのだということを、また思い知った。

 俺の視線を受けて、上原さんも宇田川さんもたじろいでいた。

 俺が、モカと蘭、つぐみの三人と関係を持っていることは知っているのだろうか。モカは動画を見せたと言っていたからわかっているけど、蘭やつぐみはどうなのか聞いていない。でも、二人の反応を見ていると、知らされていそうだ。

「お、おい、モカ……」

 宇田川さんの制止も振り切って、モカが俺に近づく。左腕に抱きついて胸を押しつけ、足を俺の左足に巻きつけようとしてくる。いつもの悪戯な笑みを幼馴染たちに向け、それを目にした蘭とつぐみも、俺へと足を進めてきた。

「モカ、それはさすがに密着しすぎ」

 蘭が右腕に両手を回し、服の上から胸の谷間に腕を挟む。反対側を独占するモカに向かって不満を飛ばしているが、腕に伝わってくる熱量は蘭のほうが上だ。

「え~、あたしよりも、蘭のほうがくっついてるでしょー」

「別に、そこまでくっついていてないから……」

「どうかな~?」

「まあまあ、二人共。ご主人さ――勇希さんを困らせちゃ駄目だよ?」

 蘭とモカを宥めるつぐみ。

 しかし、何を隠そう、そのつぐみ本人が一番俺と深く密着している。正面から俺に抱きついて、両手を背中に回している。その手は安定したポジションを探るように、背中を撫で擦るように動き続けている。

「み、皆……」

「本当につぐや蘭まで……」

 目を丸くする上原さんと宇田川さん。自分たちのよく知る幼馴染の大胆な行動が信じられないのだろう。だが、何度見てもその光景は変わらない。甘えてくる可愛い恋人たちを平然と受け入れている俺の姿を目の当たりにし、全てが真実なのだと理解したようだ。

「ねえ」

 俺が話し掛けると、二人の肩が同時に跳ねた。

 何を言われるのかと身構え、狼狽えている二人に、俺は滅多に見せない笑顔を向けた。すると、それだけで二人の顔に差し込む赤みが強まった。ごくりと息を呑み、俺の目を真っ直ぐ見つめて、ぼうっとしている。

「二人共、この後時間ある?」

「えぇえっ……!?」

「この後、ですか……?」

 互いに視線を交わし合う上原さんと宇田川さん。

「あるよね……? 巴」

「ひーちゃん、さっき暇って言ってたような。ね、つぐー?」

「うん。二人共、予定はなかったはずだよ」

 そこへ、幼馴染たちが畳みかける。二人の反応を見ていれば、拒絶される心配はなさそうだけど、念のために退路を塞いでおこうと三人は思ったのだろう。

 二人は答えに迷っていた。あと一歩、勇気が出せないようだ。

 もっと直接的に誘ってみようか。

 そう思って俺が口を開くよりも先に、二人に話し掛ける者がいた。

「巴ちゃん。ひまりちゃん」

 つぐみが俺に抱きついたまま、二人へと振り向いて、言葉を紡ぐ。

「勇希さんと、気持ち良いことしよう? 絶対に、幸せになれるから」

 残念ながら、つぐみの顔は俺からは見えない。だが、甘ったるく緩むその声と、つぐみを見たまま凍りついた上原さんと宇田川さんの反応から、つぐみの表情が察せられた。

「勇希さんに従って?」

 つぐみの降伏勧告に、二人は屈したようだ。俺が蘭たちを置いて二人に詰め寄っても、二人は俺から距離を取ることはなく、ぼうっと立ち尽くして俺の行動を見守っていた。

「ぁ……」

「っ……」

 二人の背中に両手を回し、抱き寄せる。俺を見上げる上原さんと、俺よりも少し下の目線で上目遣いに俺を見る宇田川さん。漏れる息が熱く、興奮しているのがわかる。上原さんのぱっちりとした眼と、宇田川さんの切れ長の目の内側で、瞳が潤いを帯びて綺麗に輝いているように見えた。

 食べ頃の美少女たち。早速まとめて頂いてしまおう。

「部屋に行こう」

 まりなから提供されたラブホ代わりの休憩室。そこでたっぷりと休憩するために、二人を両手に抱いたまま歩き出す。俺たちの背後を蘭たちがついてくる。三人にも、幼馴染を堕とす協力をしてもらう。

 攻略開始だ。

「んっ……!?」

「あっ……!」

 上原さんと宇田川さんの、スカートに覆われた尻を撫で、鷲掴む。ほぼ初対面に近い関係にしては直接的すぎるボディタッチだが、二人は震えるばかりで何も言わなかった。部屋に行くまでの間、俺は調子に乗って、女子高生の若く張りのある尻肉を好き勝手に揉みしだき、ズボンの内側でチンポをいきり立たせる。

 そして、部屋に入った直後、まずは宇田川さんの唇を奪おうと俺は彼女を近くの壁へと追い詰めた。



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Afterglowとディープキス

「ぇ、あの、ちょっと、待――んむぅっ!?」

 左手で壁を強く突いて、宇田川さんの顎を右手で軽く持ち上げ、上を向いた唇に吸いつく。宇田川さんの目が大きく見開かれるのを直視しながら、俺は唇のぷるぷるとした触感をじっくりと受け取ってから舌を伸ばした。

「壁ドン……!? そんな、男性からなんてっ……!」

 上原さんの声が聞こえる中、震える唇の間に舌を差し入れ、宇田川さんの口内を舌で擦っていく。

「ん、ふっ、ぁ、ん……!?」

 宇田川さんは終始圧倒され、俺から主導権を奪い返せなかった。頬の内側を撫でれば力なく目が細められ、舌を丁寧に撫でてあげると全身の力が緩んだ。上原さんの言う壁ドンの形から、距離を詰めて宇田川さんを壁と俺の間で板挟みにさせる。

 クールな印象の宇田川さんの顔がとろっとろに蕩けてきた。ここぞとばかりにディープキスをさらに深め、最大限伸ばした舌で口内を占有する。

 宇田川さんの大人しい舌と幾度も握手をして、唾液を塗りつけ、流し入れ、飲ませる。

 しばらくして、宇田川さんの顔が完全に惚けたタイミングで、俺はキスを止めた。

「ん、ぁ……?」

 名残惜しそうに宇田川さんの舌がじゃれついてきたが、その弱々しい拘束を解き、俺は宇田川さんの口から退場した。舌を取り出し、伸ばされた舌同士の間に二人分の唾液でできた分厚い橋が伸びる。

 顔を離し、天井の照明を浴びて銀色にぬらぬらと光る唾液の橋は中ほどで弛み、途中でプツンと切れて俺たちの間に落ちた。

「ぁ、ぁぁあっ……」

「と、巴ぇええー!?」

 壁を背に、ずりずりと膝から崩れ落ちる宇田川さんと、見守っていた上原さんの叫び声。

「トモちん大丈夫ー?」

「す、すごいね、勇希さんのキス……」

「うん、なんか明らかに上達してるような……。今のでも、今晩のオカズになりそう……」

 三人娘の会話を背に、俺は既に上原さんへ矛先を定めていた。

「次は、私も……?」

 俺の視線に気づき、上原さんがじりじりと後ずさる。その動きは逃げるというよりかは、近くの壁に移動する、という目的に沿ったものに見受けられた。そういうことなのだろう。俺は上原さんの誘いに乗って少し回り込み、正面から歩み寄る。

「されちゃうの……!? このまま……! ぁああ、ど、どうしよーっ……!」

 大変盛り上がっている。口元は緩み、瞳にハートマークを浮かべる勢いだ。誘い受けとは違うか。期待に胸を膨らませる上原さんの前に立って、お望み通り、少し勢いをつけた壁ドンをお見舞いした。

「きゃ――んんっ……!?」

 上原さんが黄色い声を上げるよりも先に、瑞々しい唇を塞ぐ。互いの熱が伝わるように。口からは息一つ漏らさせない。完全に触れ合って、見つめ合ってから、舌で上原さんの口内に押し入った。

「ぁっ、ちゅっ、ぬちゅっ、ちゅぅっ……!」

 始まって早々、上原さんが自分から求めてきた。だというのに膝は震えているようで、上原さんが途中で腰砕けになってもいいように、今のうちに背中に手を回しておいた。腕を背中に引っ掛けつつ、綺麗な丘を作る尻臀(しりたぶ)をむにゅんっと手で揉みながら、上原さんの口内を唾液漬けにした。

「ん、ぁ、はぁ、はっ、ごくっ、んくっ……」

 唾液を出せば出すだけ飲んでくれる。上原さんは俺を注視したまま、服の上からでもわかる大きな胸を俺の腹に擦りつけ、手で俺の尻を撫で回している。その手の動きを表現するならば、知識だけは豊富な童貞男子。忙しなく動いて、初めての感触を限られた時間で目一杯経験しようと必死になっている。

 そんな上原さんだが、舌をなぞり上げるだけで目の焦点が合わなくなった。上原さんを支えていた腕に軽い重みが掛かる。力が緩んだ隙に抱擁を強くした俺は、追撃とばかりに口内で舌をビチビチと暴れさせた。

「~~っ!?」

 俺の腕の中でただ震えるだけの美少女。徹底的に貪って、口内の唾液勢力が八対二で俺へと軍配が上がる状況にまでしたところで、キスを止めることにした。取り出して唾液に濡れた舌を見せつけながら、身長差故に上を向く上原さんから上方向へ顔を離す。

 俺よりも少し身長の低い程度だった宇田川さんのときと違って、俺たちの間に伸びた太い唾液の橋は、伸びきった後の崩壊を迎えても、床ではなく上原さんの開いた口の中に落ちて舌の上をぬるりと滑っていった。

 ついでにと、俺が口に溜めた唾液の塊も上原さんの舌の上に落とし、飲ませた。

「ぁあ、これ、すごいぃ……!」

 上原さんも宇田川さんのように、ゆっくりとその場で崩れ落ちた。

 俺はその姿を見守ってから、舌なめずりをした。

 美味かった。処女二人分のファーストキス。俺の唾液で徹底的にマーキングしてあげた。

 独占欲がそそられる。次は何をさせようかと思考が加速する。

「トモちん、轟沈中~」

「巴、クソ雑魚……」

「でも、あれを食らったら誰でもこうなると思うよ? 蘭ちゃん」

 放心した宇田川さんを、三人がかりでベッドへ運んでいる。俺はそれを確認すると、倒れたばかりの上原さんを抱き寄せ、両手で持ち上げる。

「ぉ、王子様抱っこの、逆バージョン……」

 前世ではお姫様抱っこが主流だったのだが、こちらの世界ではその辺も逆転している。何やら複雑そうに感激している上原さんを軽々と運搬し、ベッドの上で宇田川さんと並べる形で寝かせてあげた。

「これ、もう堕ちてない?」

 ぐったりとした二人を指差す蘭。

「まさか」

 俺は首を横に振って、ズボンを脱ぎ始める。それを見て、蘭たちが動き出した。横になっている宇田川さんと上原さんの服を脱がせていく。

「ごめんね、ひまりちゃん」

「ぇ、つ、ぐ、待って……」

 容赦なく服を脱がせにかかるつぐみと、その手にかかる上原さん。

「ってことで、巴、脱いで」

「無理なら、手伝ってしんぜよう~」

「わ、わかった、自分で、脱ぐから……」

 有無を言わせぬ態度で告げる蘭と、両手をワキワキとさせるモカを見て、身の危険を感じた宇田川さんがどうにか体を起こした。自分で服のボタンを外し、脱いでいく。俺も二人に合わせるようにして肌を表に出していく。

 隅に置かれていた透明な四角いテーブルを引っ張り出して、俺は畳んだ服を乗せていく。美少女が自分の意思で裸になって、脱ぎたての衣服をベッドに重ねていく。モカが回収したそれらをテーブルへ運ぶと、宇田川さんと上原さんの服の間に俺の服を挟み込んだ。

「美少女の服でサンドイッチー」

 そんなことをしてしまっては、俺の服に美少女の匂いが染み付いてしまう。非常にありがたい。俺はいい仕事をしてくれたモカを呼び寄せて、唇にキスを放った。舌まで伸ばしてきたから、少しだけぐちゅぐちゅと絡めてお礼に唾液を塗ってあげた。

 終わってすぐ、横から肩をぽんと叩かれる。

「ん」

「あ、私も、したいです……」

 キス待ち顔の蘭と、舌を垂らして左右に揺らすつぐみ。

「モカちゃんも~」

 そこへモカも合流した。

「ちょっと、モカはたった今やったばかりでしょ?」

「えー、何のことかな?」

「一回休み、って、つぐみ!?」

「ん、ぁ~……」

 顔いっぱいに幸福を添えて、正面に立ったつぐみが一歩歩み寄って、俺に舌を伸ばしてくる。俺が舌を差し出すと、勝手に舐め回して気持ちよくしてくれる。

「もう、勝手に始めないでよ……」

「つぐエローい」

 右側から蘭が、左側からモカが俺に抱きついて、俺の舌を左右から舐め始める。これでもかと顔を接近させた美少女三人が、俺の舌一本を取り合っている。つぐみが絡めようとしているのを蘭が阻止し、奪ったばかりのそれがモカによって取り上げられる。そしてまた、つぐみへと戻る。

 そんな不毛な争いを繰り返し、やがて三人で犯そうという結論に至ったようだ。

「はぁ、ぁ、ちゅっ、ぬちゅっ、くちゅ」

「ん、ぴちゃ、ちゅるっ、ぐちゅっ、にゅぷ」

「れろ、にゅちぃっ、くぷっ、にゅちゅ、ぐちゅ」

 蘭、つぐみ、モカによる三人同時ベロチュー。温かい吐息と、柔らかい舌の感触、そして美少女の匂い。頭がくらくらして意識が削り取られそうだった。当たり前のように俺の肉棒に三人の手が伸ばされていて、ゴシゴシと扱いてくれてもいる。

 満足感がすごい。これは嵌りそうだ。

 俺たちは口の周りを唾液で汚し、舐めまくった。四人で唾液を交換し、笑い合う。全員が、俺の魅力に堕ちた雌の笑顔を見せている。こんなものを見せられて、フル勃起するなというのが無理な話で、三人の手で撫でられた肉棒が仕上がってしまった。

 つぐみが舌を離し、身を引く。それに続いて、蘭とモカも。

 俺の視界が開け、その先の光景が目に入る。

 ベッドでへたり込む、裸の宇田川さんと上原さん。

 二人は興奮の熱でのぼせ上がった顔で、自らを慰めていた。上原さんは自分の手でも掴みきれなさそうな大きな乳房を揉み、擦り合わせる太腿の間で指をせっせと動かしている。宇田川さんはお椀型の綺麗な美乳の乳首を指で弄びながら、軽く足を開いて皮の被った陰核を擦っているのが見えた。

 俺と目が合い、二人は羞恥に頬を染めたが、自慰を止めることはなかった。

 俺とモカがハメまくる動画を事前に見せられた効果が、ここに来て出てきたようだ。もう何度か、俺をオカズにオナニーをしてくれたに違いない。本人を前にしてタガが外れているのがわかった。

 俺は二人のいるベッドの傍まで近づき、チンポを突き出した。

 美少女二人の視線を浴びせられる、猛り狂う肉棒。映像で見ているはずだが、それでも二人は息を呑んでいた。一般的な男の平均を軽々と超える逞しい生殖棒が二人を圧倒してしまっている。

「ぅ、ぁ……」

 瞳を動揺させる宇田川さん。

「はっ、はっ……」

 興奮を抑えきれずに俺のチンポに吐息を吹き掛ける上原さん。

「可愛いよ、二人共」

 そんな二人の頭へと手を伸ばし、優しく撫でながら素直に思ったことを伝える。女の子らしい魅力に満ちたキュートな上原さんも、格好いい雰囲気のクールな宇田川さんも、ずっと俺の傍に置いておきたい。

「巴、ひまり」

 俺は二人を名前で呼んだ。ここまでくれば、いいだろう。

「二人でチンポにキスしてくれたら、俺の女にしてあげる」

 俺からの提案を断ってもらっても構わない。それが可能であるならば、だが。

 無理だということはわかっている。俺も、本人たちも。

 巴とひまりが視線を重ねた。言葉はないが、それだけで通じ合ったようだ。

 やがて、二人は俺の股間へ顔を寄せた。長く、肉厚な棒を左右から挟み込む。

 右からひまりが、左から巴が。間にあるチンポに向けて、唇を寄せた。

「ちゅっ……」

「ちゅぅっ……」

 竿と接触して弾けるリップ音。これでいいのかと、期待と羞恥で真っ赤になった顔で、潤む瞳で見上げてくる処女二人。そんな二人によるサンドイッチチンポキスの破壊力は絶大で、二人の唇に挟まれたチンポはビクビクと喜びに震えた。



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宇田川巴と後背位

 キスを通じて巴とひまりの服従心を受け取った肉棒がこれ以上ないほどに盛り上がる。このままフェラをしてもらうよりも、先に二人の処女を奪いたい。渇望して熱を放つ肉棒に従って、俺は巴へと標的を定めた。

「え……」

 驚きを示す巴の体を抱き、ベッドで四つん這いにさせる。綺麗な尻を向けさせ、引き締まった腰を掴んだ。必然的に俺の股間は巴の尻に向けられ、ピタリと閉じながらも陰唇の間から愛液を垂らす秘所へと肉棒が突きつけられる。

 先端で陰裂を掻き分け、蜜を垂らす膣穴を探り当てる。亀頭でキスを捧げた後、力を軽く入れて掘り始める。初めて雄と交配する穴。まだ解れきっていないそれを生殖棒で徐々に広げて亀頭をねじ込み、最初にして最後の障害を見つける。

 膣内の浅い箇所に広がる処女膜。しかし、それは男の侵入を阻むためにあるのではない。男に犯され、破られるためにある純潔の証。メリメリと膜全体に圧倒的な大きさの亀頭が壁のように迫って、じっくりと引き裂いていく。

 ブチッ、ブチブチッ!

「っ、あぁっ、ぅっ……!?」

 処女卒業に伴う痛みを感じて、巴が声を漏らす。なるべく痛くないようにと肉棒の進行を緩やかに、けれども侵略の手は止めない。奥へ、奥へ。初めてを奪った穴の最深部まで攻略を進めようと焦る気持ちを落ち着けて、穴に棒を慣らしていく。

 纏わりつく膣肉。熱々の体温で包囲される気持ちのいい狭所に、俺は到達した。

「処女喪失おめでとう」

 震える巴の耳元で囁き、そのせいで震えが激しくなる。振動は巴と完全に繋がって一体化している俺にも伝わってくる。雌の内側を征服したものだけが受けられる感覚。膣圧という祝福をチンポ全体に浴びた俺は我慢を振り払った。

「動くから」

 一言告げて腰を引き始める。

「っ……!」

 傘を広げるエラが膣壁に引っ掛かり、擦っている。それだけで巴は痙攣した。背中に乗って広がっていた長い髪がさらりとこぼれ落ちる。現れた白い背中に視線を落としながら、俺はギリギリまで引き戻した腰を前に進める。

「ぅ、あっ……」

 大きな声が出そうになって、巴は慌てて片手で口を押さえた。

 この場に自分だけでなく、幼馴染たちがいることを考えての行動だろう。いくら気心の知れた仲だとはいえ、自分の喘ぎを聞かせたくはなかったようだ。別に構わないのだが、果たしていつまでその配慮は続けられるのか。

 巴が持つわずかな余力を奪おうと、俺は本格的なセックスを始めた。

「っ……!? っ……!?」

 巴の狭い穴に肉棒を押し込み、俺専用の穴に変える。男として最上級と呼べる肉棒の侵攻を受けて巴は無口ではいられない。片手では防ぎきれない声が漏れ出る前に、巴はベッドに両肘を突いて両手で口を覆う。

 うつ伏せるようにして上半身を低くし、両膝を突いて尻だけを俺に向けて掲げている。それまで腰を掴んでいた俺だったが、強調させる形となった巴の臀部に手を移動させた。俺の女の尻。誰が恋人なのかを教え込ませるために尻を鷲掴む。

 女子高生の尻を掴みながら、処女喪失直後の穴を掻き回した。

 前後に揺れ動く肉棒によって掻き出された破瓜の血がシーツを汚す。巴の純潔を奪った証が目に見えた形で現れることで、身体に力が入る。もっと巴を味わいたい。そう感じた俺が、盛った獣と化すまで時間は掛からなかった。

 腰を引いて、突き出す。

 やっていることを言葉にすると簡単に聞こえるが、突き出す速度や角度は違う。これまで培ってきた経験に基づいて、相手の反応を見ながら最適な攻撃を繰り出す。たまにフェイントも入れて、油断した瞬間に弱点と思われる膣奥に亀頭を接触させる。

 ここ最近の俺は成長著しい。恋人になった女たちは勿論、俺とヤリまくった燐子たちであっても動揺を抑えきれない。そんな猛攻をついさっきまで処女だった巴が受ければどうなるのか。そんなものは火を見るよりも明らかだった。

「っ、ぅ、ぁ、ぉおっ、ぉっ、ぉっ、ぉっ……!」

 巴は口を押さえることをせず、気持ちよさそうな声を上げていた。代わりにシーツを両手で掴んでいるが、その力は弱々しい。もっと追い詰めて、弱った姿を見せて欲しい。クールな雰囲気の巴が普段見せないだろうギャップのある姿をとことんまで披露してもらおうと、俺は腰振りを速めた。

 室内に弾ける俺たちの交尾の音。

 それを観客として聞いているのは、ひまりと蘭、つぐみ、モカ。

 元々裸だったひまりは何かに追い詰められるように膣穴を指で弄っている。目の前で繰り広げられる俺と幼馴染の生ハメセックスは刺激が強いようで、ひまりの顔は完全に熱で蕩けていた。

 それはひまり以外の幼馴染も同じだった。

 背後から衣擦れの音が聞こえる。背後を一瞥すると、蘭たちが服を脱ぎ始めていた。脱いだ服はテーブルに置かれた俺たちの服を囲むようにして積まれ、俺の服がメンバー五人の匂いを浴びる形となった。

 あとで着る時、すごくいい匂いがするのだろうな。そんなことを考えながら、ひまりを含めた四人分の自慰の音が響き始めた室内で、俺はさらに加速する。巴の尻から手を離し、巴の背に体重を預けるように覆い被さる。

 一人の男の体重。余裕のない巴がそれを受け、重さに耐えかねて上半身を完全にうつ伏せた。

「あぁっ、ぁ、んっ、ひぃっ!? ふっ、ぅっ、あんっ……!?」

 巴の口から甘く蕩けた可愛い声が放たれる。その声を聞きながら俺は興奮を高め、ドギースタイルで巴を犯し尽くす。もう手加減はしていない。目まぐるしい速度で膣内を肉棒が出入りし、亀頭で子宮口を小突く。

 巴のマンコと俺のチンポが擦れ合った回数が次々に更新されていく。それだけの交わりを経て膣肉が段々と理解をしてくれたようだ。誰が巴の恋人なのか。この肉穴を使う権利を得た男は誰なのか。

 理解し、俺の肉棒を悦ばせようと圧迫し、離すまいと絡みついてくる。

「んおぉぉっ!?」

 強い一撃を膣奥に放ち、膣圧がさらに強まった。

 抜くことも、進むこともできない。

 根元まで巴の中を穿ったまま、完全に停滞する。どこからが巴で、どこからが俺なのか。わからなくなるくらいに嵌め込み合った生殖器。しかし、そんな中でも雄の勇猛さを示そうと、チンポが竿の表面に血管を浮かばせ、膨張する。

 処女の血を吸い、また一人女を食らったチンポが熱を上げる。

「あぁぁあああっ!?」

 もはや隠そうともしない巴の快楽に染まった声。

 それを聞いた瞬間に、俺は意識が一瞬だけ弾けるような快楽を味わい、その隙を突いて精液が尿道口から放出された。巴の喘ぎ声が長く続く中、それに釣られるようにして肉棒が殆ど途切れることのない射精を続けた。

 びゅるるるるるっ、びゅるるるっ、どぷんっ、どくんっ、どくっ、どくっ、ごぽぉっ!

 俺の精液が巴の子宮を汚している。放たれた勢いに乗ってぐるぐると子宮を泳ぎ、そこを精液袋へと変えていく。たっぷりと中が俺の欲望に染まりきった頃合いになっても、巴の膣が精子を欲するように収縮するものだから、存分に飲ませてあげた。

「受け取って」

 精液による絨毯爆撃。あっという間に隙間を埋め、子宮も膣内も精液で溢れ、結合部から溢れ出てくる。

 制圧は完了した。俺の射精を初めて味わった巴は、沈黙していた。ベッドに頭を預け、横顔を晒す。犯される前の巴とはまるで別人のように目元は緩み、開いた口から熱い息を放つと共に唾液に濡れた舌を垂らしている。

 雄の魅力に打ちのめされた雌の顔。ここまで堕とせば十分だ。

「お待たせ。ひまりも、巴みたいにたっぷり可愛がってあげるから」

 じっとこちらを見つめて、終始圧倒されていたひまりを見つめ返す。唐突に矛先を向けられて肩を震わせたひまりだったが、その表情に恐れはない。強すぎる刺激を視覚から受けながら、幼馴染たちがひたすら自慰に耽るという非日常な環境に置かれ、発情状態にあった。

「ぉ、犯して、勇希さんの、ぉ、おチンポで、私を滅茶苦茶にしてくださいっ……!」

 その表情は欲望と歓喜に濡れ、見る者の興奮を煽ってくる。射精をしたばかりだが、巴の中で早速肉棒がそそり立つ。それを、二回戦が始まるのだと誤認識した巴の膣が甘えてくるが、ひとまずはお預けだ。

 ずりずりと膣穴から取り出し、亀頭が抜ける。

 尻を突き出すこともできず、巴がベッドに全身を委ねた。セックス最高、とでも思っていそうな最高の笑顔でうつ伏せになって、亀頭の栓が抜けて一時的に広がった膣穴から塊のような白濁液を垂れ流している。

 途切れる気配のない緩やかな濁流がシーツを汚す。

「し、幸せ……」

 巴の小さな呟きを耳にしながら、俺は精液に濡れたチンポを揺らし、ひまりに向き直る。

 何もせずにただ俺を待つひまり。その肩に触れ、仰向けに押し倒すのは簡単だった。



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上原ひまりとベロチュー種付けプレス

 ひまりがベッドで仰向けになる。頬を紅潮させ、潤んだ瞳で俺の動向を注視している。その視線は、俺が腰を前に出すことによって股間に注がれた。さっき自分でキスを捧げ、巴の処女を食らい、精液を滴らせた凶棒を。

 俺はひまりの両足を掴んで股を開かせる。既に視界に入っていたが、改めてひまりの股の間に見える恥丘の膨らみを見る。美味しそうな陰唇の縦筋からはピンク色の中身がわずかに確認できた。

 ひまりの足をM字に開かせ、さらに距離を詰める。

 ひまりが息を呑むのがわかった。雌を食らってなお、強烈な雄の臭いを発する肉棒がひまりの下腹部を越えてへその位置まで竿を伸ばしている。分厚くバキバキに怒張した肉の塊が膣内に収められればどうなるのか。期待以上の不安が入り混じった様子のひまりを前にして、俺はひまりに囁いた。

「優しくするから」

 労わる気持ちを声と微笑みの両方に含めれば、ひまりの肩から力が抜ける。それを確認してから、俺は腰を引いた。亀頭を膣穴に突きつける。これからこの穴を開拓し、奥まで俺の一物で蹂躙する。それをはっきりと認識させた上で、穴に入り始めた。

「ぅ、んっ……」

 ひまりが両手でシーツを握って身構える。ひまりの処女喪失をオカズに、背後で蘭たちの自慰が捗る音が聞こえた。蘭たちの顔を見ずとも、その表情がだらしなく蕩けているのがよくわかった。

 すぐにひまりも蘭たちの仲間に加えてあげよう。

 記念すべき初セックスをなるべく気持ちのいいものにしてあげようと、俺はゆっくりと穴を貫いていった。前屈みになって、ひまりと正面から見つめ合う。相手の反応を見ながら膣の狭い穴へと肉棒を少しずつ侵攻させる。

 その進行が阻まれる。亀頭に触れた、柔らかい膜。

 大した障害じゃないが、亀頭をじっくりと馴染ませてから押しつけていく。

 やがて、膜がブチッと破けて道を開けてくれた。

「く、ぅっ……!?」

 微かな痛みに震えるひまりに、俺は顔をさらに近づけた。ひまりの顔を挟むようにしてベッドに両手を突き、俺なりに快楽に染まった顔を見せつける。ひまりの女子高生マンコを食らうことが俺にどれほどの快楽と幸福を与えているのかを伝えてあげる。

「これでもう、ひまりは俺の女だから」

 何度も笑い掛けてあげることでひまりにも喜びが伝播する。初めて出会ったときから俺へのアプローチが凄かったひまりだからこそ、効果が目に見えた形でわかる。俺の顔を見て、独占欲丸出しの言葉を掛けてあげるだけで、ひまりは震え上がった。

「奥まで、来てくださいっ……」

 本人からの提案。それに応えないわけがない。俺は、絡みついてぎゅうぎゅうと押し寄せてくる膣肉に囲まれながら肉棒を進める。窮屈な穴の中をずりずりと這いずって俺の大きさに適応させ、臭いを覚えこませていく。

 繋がり合う生殖器。肉棒が強い熱に包まれて、互いの存在を感じ合う。

「ぁんっ……」

 そして、奥までたどり着いた。子宮を小突いた拍子に漏れたひまりの雌声。それをもっと近くで聞こうと俺は顔を近づけた。それに気づいたひまりが嬉しそうに口元を緩め、何かを待つように目を閉じて唇を少し突き出した。

 ベロチューで蕩かせてあげながらマンコを使い倒してあげよう。

 そう思ってひまりに顔を寄せた俺だったが、横から伸びてきた手に制された。

「ん……?」

 顔を横に向けさせられ、唇を柔らかいもので塞がれる。

「んふ……」

 俺の唇に宛がわれたのは、蘭の唇だった。巴に続いてひまりと一対一で絡み合ったことで、我慢できなくなったようだ。ぷるぷるした唇を俺に押しつけながら目元を緩ませ、ひまりの前で俺の口内に舌をねじ込んでくる。

「あー!?」

 キスされるはずだったひまりは、蘭に横取りされて驚愕していた。それを受けて蘭はチラリとひまりに目線を送るものの、舌の動きは留まることを知らない。

「ぐぽぉっ、ぐぢゅっ、ぐぢゅっ、ぬちゃっ、ぶぷっ、ぢゅぶ、ぬちゃぁっ!」

 俺の舌に舌を絡め、美味しそうに貪っている。こんなベロチューをされてじっとしてられるはずもなく、俺のほうからも蘭を求めた。ひまりの中で締めつけられるチンポをビクビクと震わせながら蘭と唾液を塗りたくり合う。

「ぴちゃっ、くちゅっ、ぬちゃっ、ぐちゅっ、ぬちゅちゅっ!」

 音を立てて俺を求める蘭が可愛くて、つい盛り上がってしまう。ひまりに覆い被さろうとしていた体を起こし、背筋を真っ直ぐ上に伸ばして蘭と向き合う。ここぞとばかりに俺の尻を掴んで揉んでくる蘭のスキンシップを受け入れた。

「ちょっと、ストップ!」

 またしても横から伸びてきた手によって俺の体が蘭から引き剥がされた。そのまま俺は起き上がっていたひまりに抱き寄せられ、ふっくらとしたものが俺の顔を覆い尽くした。

 深い谷間を形成している、ひまりのたわわに実った双丘だ。それは燐子並みの母性を秘めた温かい乳袋であり、俺の心を魅了する。鼻筋が左右の乳肉に挟まれる状態で息を吸えば、少女の甘い匂いが肺腑を満たす。

 性欲をそそられ、ひまりの膣内でチンポが元気に震える。

「もうっ、勇希さんを横取りしないでよ、蘭!」

「ちょっとくらいいいでしょ」

「駄目なものは駄目! 今は私の番なの!」

 ひまりが大事そうに俺の頭を抱え込み、手で撫でてくる。巨乳に顔を埋めて深呼吸しながら可愛がられる。こういうのもまたいいものだ。しばらくそうして母性に浸かっていたい気持ちになったが、すぐにひまり自身によって俺は顔を上げさせられた。

 俺を取り返し、改めてキスをしようともじもじしているひまり。余程俺とキスをしたかったようだ。美少女に求められて興奮しない俺ではない。この可愛い生物をもっと快楽漬けにしてあげようという考えが過ぎる。

「そ、それじゃあ、気を取り直して……」

「頂きます」

「え、ええっ――んんっ!?」

 恐る恐る接近してきたひまりの唇に、俺のほうから襲いかかった。

「ぐぷっ、ぐぢゅっ、ぢゅぶっ、ぐぽぉっ、ぢゅるっ、ぐぢゅっ、ぐちゃっ、ぶちゅっ!」

「っ!? ぢゅぶっ、ぐぢゃっ、ぁ、ふっ、んっ!? ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅっ!」

 開始早々、トップスピードでひまりの口内を蹂躙する。膣内と違って、ここで舌を暴れさせても痛みなど生じない。それがわかっているから俺は手を抜かない。ひまりの口内の隅々に舌を這わせ、怯えて震える舌に擦りつける。

 目を開き、ひまりの綺麗な瞳を間近で直視しながら欲望を叩き付ける。

「んひっ!?」

 上の口で繋がりながら下の口でもひまりを犯す。肉棒を引き戻してゆっくりと前に動かし、穴の使い心地を確かめる。遂にAfterglow五人の処女を奪うことに成功して勢いづいた肉棒がひまりの中を幾度も掘り返す。

「んっ! ふっ! んんっ! っ!? んんーっ!?」

 新しいチンポ穴。これからこの柔らかくも温かく締めつけてくるマンコが使い放題だ。他のメンバーを含め、いろいろなことをさせたい。いろいろなプレイをして骨抜きにし、俺の傍で可愛く喘いでもらう。

 抑えきれないほどに膨れ上がった想いをぶつけようと、俺はひまりを再びベッドに押し倒した。今度はしばらく起き上がるつもりはない。ひまりに抱きついて拘束し、ベロチューを続けながら種付けプレスの体勢で食らう。

「ぉっ、んっ、おぉぉぉっ!?」

 食らう。

「っ~~!? っ~~!?」

 食らう。ただひたすらに。

 破瓜の血を膣外に掻き出し、代わりに我慢汁を送り込む。熱々の愛液と混ざって肉棒を温かく濡らし、潤滑油となって抽送を支援してくれる。徐々に腰振りの速度を上げていく俺に合わせて激しい水音が鳴り響く。

「あぁ、勇希さん、そんなに激しく腰振って……。気持ちよさそう……」

「あ~、あれを食らったらもう、ひーちゃんもセックス大好きになっちゃうね~」

「勇希、格好いい……。さすがあたしの勇希……」

「前にも言ったけど、勇希さんはモカちゃんのだよー? 蘭?」

「あたしのだって、言ってるじゃん」

「モカちゃんのだって」

「あたしの!」

「モカちゃんの~」

「ぁ、あの、蘭ちゃんもモカちゃんも落ち着いて?」

 以前と同じ不毛な争いを繰り広げている三人を他所に、俺はひまりを味わい尽くす。もう手加減などしていない。十分に解れ切った穴に肉竿を擦りつけ、エラで引っ掻き、亀頭で子宮口を叩く。

「ぐぢゅっ、ぶぢゅっ、ぐちゃっ、ぬちゅっ、ぢゅるっ、ぐちゅっ、ぬちゅっ!」

 塞いだ口内でひまりが俺を求めてくる。モカの言う通り、セックス大好きな少女の顔だ。もうこれで、今日から俺を求めずにはいられなくなる。自ら股を開いて俺におねだりをし、膣内で精液を浴びて歓喜に打ち震えるだろう。

 ひまりはどんなエロ娘に育てていこうか。

 育成計画を立てながら俺が執拗に子宮口を亀頭で苛めていると、ひまりの痙攣が強くなった。俺に押し潰されている状態で背を反らす。激しい震動の殆どが俺に封殺されていたが、もしそうでなければ見事な海老反りを拝めたことだろう。

 絶頂しているひまりに合わせて膣内が収縮する。当然、中を穿りまわして往復していた肉棒が力強く抱き締められることになる。抱擁によってチンポの進行を妨げられそうになるが、それを力技で振り払って子宮口を突く。

 何回も、何十回も。

 これからひまりのマンコを使う男の逞しさを、チンポ突きを通じて理解させていくうちに、俺の興奮は押し留められないほどの大きなものになっていた。もっと腰を振っていたい。でも、早く気持ちよく射精したい。

 二つの欲望がせめぎ合って、目先の快楽に飛びついた俺は、そのまま中出しを始めた。

 どびゅびゅびゅっ、びゅるるるっ、どびゅーっ、ぶびゅるっ、びゅるるるるっ!

「んん~~っ!?」

 ひまりが目を見張った。熱い精液を子宮に浴びて体が驚いたようだが、俺がひまりへの抱擁を強めると徐々に大人しくなった。俺は顔を離してひまりの口から自分の舌を取り出し、柔らかい頬を舐め上げた。

 そのまま舌を這わせて耳元まで進み、小声で囁きかける。

「美味かったよ、ひまりの処女マンコ……」

 ひまりが喜ぶかなと思って低音を響かせ、穏やかに微笑みかける。すると、予想以上に効果覿面だったようだ。ひまりはビクッ、ビクッと絶頂しながらもさらに表情を至福に染め上げる。ここまで嬉しそうにされると気分が乗ってしまう。

「可愛いよ、ひまり……」

「ほ、本当に……?」

「うん……。滅茶苦茶にしてあげたいくらい……」

 言った後で耳に向かって息を吹きかける。

「ひぃんっ……!?」

 すごく嬉しそうな顔で、ひまりが跳ねた。それを優しく押さえつけて、俺はひまりの中に精子をどくどくと吐き出す。ひまりは抱き心地がよくて、いつまでもこうして抜かずのセックスをしていたくなる。

 でも、ひまりの相手だけをしているわけにはいかなくなった。

「ゆ、勇希さん、アタシも……」

 巴が起き上がって、俺に縋るように身を寄せていた。その顔は俺の女に相応しい、快楽に濡れた微笑だった。凛々しい面立ちに艶やかな空気を纏う巴もまた可愛くて、俺は上体を起こして巴の背に左手を回した。

 五本の指を大きく広げ、尻を掴みかかって揉みくちゃにする。

「ん、ふ、あぁっ……」

 巴の声はもう立派な雌のそれだった。俺が舌を伸ばせば、巴はそれに応じて俺の舌を舐めてくる。舌先同士で小突き合うだけで幸せそうで、俺が舌の上にたっぷりと溜めた唾液の塊も美味しそうに啜っていく。

「くちゅっ、ちゅるっ、ぢゅるるるるっ!」

 俺の舌から唾液をこそぎ取り、口の中でよく咀嚼して、ごくんと飲み干す。

「飲めた? 見せて?」

「はい……」

 口を開いて報告してきた巴の口内には俺の唾液はなかった。しっかりと飲めたことを確認し、俺は巴の頭を撫でてあげた。

「その、それは、恥ずかしいような……」

「あ、ごめん」

 頭を撫でられることに慣れていないようだ。落ち着かない様子で身じろぎをする巴から手を離すものの、今度は名残惜しそうな顔をした。なんというか、素直になれない大型犬を相手にしているような感じだ。

 撫でるのを再開すると、巴は恥ずかしがりながらも嬉しそうにそれを受け入れた。

「勇希さん、次は私も……」

「あたしも~」

「勇希、セックスしよう……?」

「おい、お前ら……!」

「もっと、エッチなことしましょう、勇希さ~ん……」

 巴を可愛がっていると、つぐみに続いてモカと蘭が集まってきた。それを見て驚く巴と、マイペースに俺を求めてくるひまり。一台のベッドに五人の美少女。すべすべの肌を擦りつけられ、視界に胸をちらつかせられて、俺の口の中に唾液が滲み出る。

 手を伸ばして全員の頭を撫でていく。

 右から順に、つぐみ、蘭、ひまり、巴、モカ。

 誰もが喜んで俺の手を受け入れるが、当然、それで満足している様子もない。何かに期待するような眼差しを俺一人に向ける。俺は全員を視界に収め、その瞳に宿る熱量を感じ取った後、改めて手を伸ばす。

「ふあぁっ……」

「ん、ふっ……」

 両端にいるつぐみとモカの胸を握り、こねくり回す。二人の口から漏れた声が俺の欲望を煽る。全員の膣から垂れ出る淫らな蜜から雌のフェロモンを発し、俺の鼻腔を通じて俺を誘惑してくる。

 好きなだけ食べて? と。

 誘われて断るわけがない。据え膳は残さず食べるのが男という生き物だ。

「頂きます」

 さっきはひまり一人に向けた言葉を、今度は五人に向けて告げる。

 そして俺は、Afterglow全員を相手にするために動き出した。



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Afterglowと

「んぁあっ、入ってきたぁ、ぁ、ぅっ、勇希のっ、ぶっとくて硬いチンポぉぉっ……!」

 床に立った蘭の両腕を引っ張りながら、突き出された尻に俺は股間を叩きつけた。血を滾らせて膨張する肉棒が蘭の膣穴を突き進み、奥まで届く。高熱と抱擁が気持ちいい。チンポを襲う快楽に震える俺と同じように蘭もまた身震いし、喜悦の声を上げていた。

「ぉおおっ、ぉっ、ぉっ、これっ、好きっ、勇希っ、大好きっ……!」

「うん、知ってる」

 蘭が俺にド嵌まりしていることは確認するまでもない。

 普段は素直になれない不器用な性格であることが多いようだが、蘭は俺に対しては逆に素直な一面を見せてくれる。笑い掛けてきて、甘えてきて、股を開いて俺を受け入れてくれる可愛い子だ。

 だが、そんな素顔は幼馴染たちであっても見ることのできないものだったようだ。

「あぁんっ、ぁ、ぁはっ、奥、ごりッて、苛められてぇ、んひぃぃっ!?」

 乱れる蘭の前で、ベッドに腰かける幼馴染四人が俺たちに見入っていた。

「蘭ちゃん、すごい……」

「ああ、あんなに、気持ちよさそうに……」

「いいよぉっ、蘭っ、んんっ、オナニーが捗るっ……」

「ひーちゃん、激しすぎぃ~」

 俺たちのセックスを観戦しながら、四人は各々のペースで自慰をしている。俺に見せつけるように股を開き、膣穴に指を差し込んで掻き回している。四人の股間からぐちゅぐちゅと音が鳴り合って部屋中を満たしていた。

 膣壁を指の腹で撫でるようにじっくり刺激を与えるつぐみ。

 二本の指を穴に入れて無造作に掻き回す巴。

 陰核を指で摘まみながら自ら高速手マンを行うひまり。

 ひまりに負けず劣らずの速度でありながら、膣内を的確に攻めるモカ。

 愛液や、俺が与えた精液を潤滑油にして自慰に励む四人。彼女たちは準備を進めている。蘭の次の相手に選ばれて、チンポで貫いてもらえるように。時折俺へと熱視線を送り、選んでもらおうと誘惑してくる。

 交尾待ちの少女たちを眺めながら、俺は蘭を食らい続ける。

 蘭の両腕から手を離し、上半身に抱きつくように両手を回す。右手を細い腰に巻きつけ、左手で乳房を握り締める。乳肉に指が沈み、跳ね返してくる弾力を確かめながら俺は蘭の耳元で囁いた。

「ダブルピースして」

「ぇ……? ぁ、んぁっ、こ、こう、これでいい、あっ、んんっ!? ぉおおっ!?」

 指示通りに両手でピースをしてみせた蘭を確認した直後、俺は腰を思い切り突き上げた。斜め上へと膣内を奥まで蹂躙するチンポ。膣口付近から一瞬で奥まで蝕まれたことで蘭は意表を突かれたようだ。

 横から覗き込んだ蘭の顔には、お手本のような見事なアヘ顔が浮かんでいた。

 チンポがイライラする。雌の魅力をこれでもかと撒き散らす蘭の女体をガッチリと拘束し、俺は鼻息を荒らげながら犯した。蘭の尻に俺の股間が叩きつけられる音が奏でられる。その音に惹かれ、奏者である俺へとモカたちの目線が釘付けになっているのがわかる。

「ひぃっ、ぉっ、おぉっ!? も、も、う、無理、ひっ、ぁ、あっ、くるっ、くるぅっ!?」

 盛り上がっている蘭を強く抱き締めたまま、俺も高みへと昇っていく。形も、味も、臭いも覚え込ませた膣内でチンポを膨らませ、蘭の胸を握り締める。

「ぁ、ぁ、ぁあああ……!?」

 ビクビクと痙攣する蘭のぎゅーっと絡みつくような膣肉の圧力に屈した俺は、一足先に絶頂した蘭に追従して達した。

 ぶびゅるっ、どびゅるるっ、ぶびゅっ、どびゅっ、どぷっ、どぷっ、どぷんっ!

 蘭の黒髪に顔を埋め、シャンプーの匂いを嗅ぎながら子宮に吐精。逃げることなんてないとわかっているのに、交尾相手である蘭を逃がさないようにし、熱せられた鉄棒のような肉棒を膣奥に嵌め込み続けた。

「勇希っ、勇希ぃっ……!」

 俺の腕の中で、愛する女が俺の名前を呼ぶ。求められたように感じて射精の勢いが増す中、観戦していた幼馴染たちは俺たちの交尾に圧倒されたようだ。自慰の手を止め、真っ赤に染めた頬を緩めている。

 蜜を垂れ流す彼女たちの膣。俺が見ているとわかると、無意識か、それとも意識的か、四枚の花弁を開かせた。普段は閉ざされた陰裂の先にある赤い花。膣からたっぷりと愛液を流し続け、俺を誘っている。

 次はどれにしようか。なんてことを考えながら、一回分の精液を蘭に注ぎ終えた。

 蘭の次に選んだのは、モカだった。

「いえーい。選ばれたのは、モカちゃんでした~」

 自発的にピースをするモカが、ベッドで仰向けになった俺に跨って尻を激しく振っている。煽るような言動をしているが、それに反応する者はいない。各々、俺の体に奉仕をするのに集中していた。

「ぢゅるっ、くちゅっ、れろ、れろ、れろっ……!」

 右の乳首を、巴の舌が這いまわる。熱い吐息と共に舌で撫でられながら、巴にじっと見つめられる。雰囲気はだいぶ違うはずなのに、甘えてくる姿はあこを彷彿とさせた。巴の長い髪を指で梳き、頬を撫でてあげると、表情がふやけた。

「ぐちゅっ、ぢゅぶっ、ぢゅるるるっ、ぢゅるるるっ……!」

 左の乳首に吸いついているのは蘭だ。俺の乳首を唾液でコーティングし、すぐに全てを吸い上げる。そしてまた舌で唾液を擦りつける。絶え間なく乳首を可愛がられて俺の体が跳ねるのを見て、ニヤリと笑った。

「乳首吸われて、気持ちいい……? ぶぢゅぢゅぢゅぢゅっ……」

「最高……」

「アタシも、負けてられないな……。ぐぢゅっ、ぐぢゅっ、ぬちゅっ、ぬちゃぁ……!」

 蘭に対抗するように、巴の舌が乳首に擦る。乳首と舌の間を唾液の糸が伸びる。

「勇希さんの、足の指、んっ、ぢゅっ、ぁあ、私の唾液でべとべと……」

「ぐぷっ、ぢゅばっ、ぢゅぶっ、ぐぷっ、ぢゅぶぶっ……!」

 俺の足の指にフェラをしているのは、ひまりとつぐみだ。右足がひまりの唾液で濡れそぼっていて、左足の親指はつぐみの口内にぐっぽりと咥え込まれている。あまりされたことのない奉仕に体が過敏に反応してしまう。両方の乳首を舐められている中での攻めもあって、俺は落ち着きなく足を動かしてしまう。

「隅々まで綺麗にしてあげますからね? れろぉ~~」

「ぁ、むっ、んんっ、勇希さんの足、おいひいれふよぉ……?」

 足の裏を舐め上げるひまりと、指を一本一本丁寧にぐぽぐぽとしゃぶり尽くすつぐみ。

 四人の美少女が奉仕に励むその中心で、モカはずっと暴れていた。体を少しだけ前傾姿勢にして、ニマニマと笑いながら振り上げた尻を俺の股間に叩き下ろす。

「んぉお~~……!」

 自分でやっておきながら、子宮に亀頭がぶつかった際の衝撃で呻いていた。だが、モカはその遊びに嵌ってしまったようで、遠慮のない尻振りをしては、幾度も仰け反りながら体をビクつかせていた。

「あぁ~~……ぉっ、んぁっ、お、んっ、ぁ、へぇ、ぁ、あー、おぉぉぉ~~……!」

 狭い肉鞘で俺のチンポを納刀し、笑みを絶やさず振り撒くモカ。その周りには、俺の体を舌と口で癒す美少女四人。こんな光景を眺めながら杭打ちピストンを繰り返されていつまでも我慢していられるはずもなく、俺はイッた。

 ぶびゅびゅびゅっ、びゅるるるっ、どびゅっ、ぶびゅーっ、どびゅーっ!

「ああぁあっ、ぁ、熱いのがぁ、一番奥で、出てますよぉ~~? ぁ、んんっ……!」

 俺の股間に着席し、股を左右に開いてモカが目を細める。ぎゅうっ、ぎゅうっと膣肉が精液を搾ってくる。吐き出されたそれを子宮に受け止めていたモカが痙攣し、より一層強い抱擁をチンポに浴びせてくれる。

 作られたばかりの新鮮な精液がモカの中に移動していく。

 だが、これで満足はしていない。軽い腰を上げたモカから取り出された肉棒は萎えることを知らない様子だった。モカの膣穴から垂れ落ちる精液を浴び、聳え立つ肉の槍。モカたちが戦慄し、次は誰にするかと話し合おうとしたところで、一人が手を挙げた。

「勇希さん……。次は、性奴隷である私のおマンコを使ってほしいです……。勇希さんの逞しいおチンポ様を奥までねじ込んで、亀頭で子宮をボコボコにして、溜まってしまったお精子様を吐き出すんです……」

 紗夜を見習って、俺の性奴隷として順調に成長を遂げつつあるつぐみ。

「性奴隷のおマンコを、乱暴にブチ犯してみませんか……?」

 将来有望なつぐみの提案にチンポが首を振った。

 下半身に従い、俺は動く。

「おっ、ぅっ、ぁぁっ、あっ、あんっ、あんっ……!?」

 ベッドで横になったつぐみの柳腰をガッチリと両手で掴み、開いた股の中心に股間を押しつける。狭い肉穴の奥までエラでガリガリと擦り、子宮に亀頭を密着させる。その後はすぐに引き戻し、再び膣壁を掻き毟りながら亀頭以外を膣外に晒す。

「あぁあっ……!?」

 また、肉棒を挿入する。

 単純な往復運動。しかし、俺に犯されるつぐみと、つぐみの周りに集まって再び見学をしている幼馴染たちは茫然としていた。

 強者と弱者。雄と雌。肉食動物と草食動物。

 貞操観念が逆転し、女の性欲の強さが男を圧倒的に上回る世界。多くの女たちにとって男は犯す対象であって、犯されるものではない。男の上に跨って好き勝手に腰を振って、精子を搾り取るのが女にとっての正常位に位置づけられる。

 だが、目の前の光景は違う。

「よく見ておいて」

 俺は全員に告げる。

「俺のセックスを」

 寝かせた女に股を開かせ、男が食らいつく。これが正常位だ。

 それを俺の女たちに教え込んであげようと、俺は本気を出した。

 普段よりも速く腰を振って、膣内に肉棒を押し込む。つぐみの腰を掴んでいるから抜き差しは容易だ。力任せに中を掻き回し、亀頭で子宮口に深いキスを捧げる。何度も、何度も、何度も。つぐみの華奢な体が震えても遠慮はしない。

 ただ黙ってつぐみを味わう。

 自分がどんな顔をしていて、どんな声を出しているのかは気にならなかった。狭窄した思考と視界の中で、正面の雌にだけ狙いを定め、腰を引き、一気に突き出す。単純な攻撃の全てがつぐみに叩き込まれ、その身が面白いように跳ね上がった。

「っ、ぁ、ぁあああああっ!?」

 絶頂するつぐみ。その声を聞いて股間が興奮に襲われる。じわじわと滲み出て、熱を発する。蕩けるような熱の発生に伴って気が緩み、精子が立ち昇ってくる。これは、抑えることはできなさそうだ。その意味も感じない。

 俺はつぐみに倒れ掛かって覆い被さる。つぐみの背中に両手を回し、俺は全体重を掛けてつぐみを圧迫した。

 目の前にはつぐみの顔。涎やら、涙やらで濡れた顔。セックスのことだけを考え、快楽を浴びることしか頭にないような顔。俺という主人に永遠の忠誠と愛を誓った、可愛い可愛い性奴隷だ。

 これから、どんどんエロくなってもらおう。

 ひとまずこれまでの成長を祝うべく、俺はつぐみにご褒美をあげた。

 びゅるるるっ、ぶびゅるるるっ、びゅるるーっ、びゅーっ、びゅーっ、どびゅっ!

「胎いっぱいにしてあげる」

「っ~~!? ぁ~~っ!?」

 悲鳴に近いイキ声を発し、強烈な悦楽に犯される雌。

 その顔をじっくりと観察しながら、俺は金玉から大量の精子を放出した。蘭が、モカが、巴が、ひまりが。俺たちのセックスに中てられて改めて興奮を持て余した女たちが無言で擦り寄ってくる中、気が済むまで射精を続けた。

 つぐみとの交わりを経てからも、俺は順々に全員を相手取った。チンポが乾く暇などない。射精を終えればすぐに目の前に穴が用意され、そこに嵌め込んだ。繋がっている間も他の女たちが俺に抱きつき、体中に舌を這わせ、愛を囁いてきた。

 生まれたままの姿で、汗だくになって、唾液や精液で体を汚す。

 ぐちゃぐちゃの体で抱きしめ合って、生殖器を嵌め合わせた。

 いつまでもこうしていたい。だが、何事も終わりの時はくる。

 ベッドで横になって呼吸を乱す美少女たち。右から順番に、モカ、巴、蘭、つぐみ、ひまり。全員が体中の至る所に精液を付着させ、下品に開いた股の間からごぽごぽと精液の塊を濁流のように吐き出し、シーツに粘ついた水溜りを作っている。

 ベッドの脇に立ってそれを見ていた俺は、携帯を手に取って構えた。

 五人の痴態をカメラに収めると、五人は示し合わせたようにおマンコを指で開帳し、もう片方の手でピースをしてみせた。何も言わなくても俺の喜ぶことをし、股間に響くような淫欲に濡れた微笑みを向けてくる五人は、もう立派な雌だ。

「Afterglowの攻略完了」

 宣言し、カメラのシャッターボタンを押す。

 パシャリと音を立て、新しい思い出の一ページが追加された。

 これで、二つのバンドが俺の物になった。意図してバンド関係者を狙ったわけではなく、あくまで横の繋がりを辿って交友関係を深めていったのだが、何か運命めいたものを感じる。今後も音楽に関わる子たちが俺の下に集まってくるのだろうか。

 既に狙いをつけている美少女や、まだ見ぬ美少女たちを想い、俺は肉棒を勃起させた。思わず手で握って扱き始めてしまうが、自慰で処理をする必要はない。だって、目の前には可愛らしい恋人がいるのだから。

「勇希。ほら、一緒に気持ちよくなろう……? あたしの内側で……」

「勇希さん、アタシにも、チンポを……。できれば、つぐにしたみたいに、荒々しく……」

「モカちゃんのおマンコで、パンのように柔らかく包み込んであげますよー?」

「勇希さん、こっち、こっちです。私の中で、たくさん抱き締めてあげますからっ」

「好きな穴を、好きなだけ使ってくださいね? ご主人様っ」

 両手の指で陰裂を開き、マンコを晒す五人。どれに入れてもいい。どれだけ出しても構わない。ヤリたい放題、ハメ放題。こんな環境で生きられる俺はとても幸せ者だと再認識しながら、俺は誘われるようにベッドに近づいた。




 これにてAfterglowの攻略完了。この後は、既出キャラの様々な組み合わせ(例:友希那と蘭)を試しつつ、少しずつ新しいキャラの攻略を進めていく予定です。


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宇田川あこの誕生日(前夜)

「ちょっと疲れた」

「ちょっとだけ!?」

 俺の小さな呟きに対して、ひまりが激しく動揺していた。

 Afterglowの五人を美味しく頂いた後のこと。俺たちは体の汚れを拭い、服を着直した。予想通り、俺の服は五人の服に囲まれていたおかげでいい香りが漂っていて、とても幸せな気分に浸ることができた。

 満足感を覚えつつも、まだ体力的に余裕があるなと思って先の発言をしたところ、隣に擦り寄ってきたひまりに聞かれて驚かれたというわけだ。自分でも内心驚いていて、俺の体力はここ最近急上昇中である。

 昔に比べて、恋人が増えた影響だろう。水槽が大きいと、そこで飼う金魚も場所に合わせて大きくなるという話があるが、あんな感じ。抱ける女の数に合わせて精力も成長し続けているようで、改めてこの体のスペックが尋常ではないと理解する。

「バク転だけで移動できるかもしれない」

「さすがにそれは……」

「できた」

「できるんですか!?」

 バク転なんて初めてやったけど、案外簡単に結構できてしまって困惑している。普通はこんなに簡単にできないはずだが、やはり俺の体はどこかおかしい。このまま延々と続けられそうな気がしたが、CiRCLEの中で暴れるのも迷惑なのでこの辺でやめておく。

「元気すぎない……?」

「アタシたち五人を相手にして、これって……」

 呆気に取られる蘭と巴。

「すごいですね、勇希さん」

「お腹空いた~」

 なんでも受け入れて褒めてくれるつぐみと、マイペースなモカ。

 個性的な女の子たちを手に入れられて、俺の心と股間は非常に喜んでいる。このままハーレムを拡大して、恋人たちの女体に埋もれたい。そんな妄想を膨らませていると、目の前に移動してきた蘭にジト目で見られた。

「スケベな顔してない?」

「わかるの?」

「少しだけだけど……」

 体と違って俺の表情はいつも通り柔軟さに欠けているはずなのだが、蘭にはわかるようだ。そういう蘭の顔も、まだ性交後の発情を残しているようで、眼差しや表情から強い欲望の熱を感じられた。

 じっと見つめ合い、触れ合って、再び距離を詰める。

「あー、切りがないから、そろそろお開きにしようか?」

 そう言って、巴が横から俺の左腕に抱きつき、蘭を俺から引き剥がす。その言葉とは裏腹に、巴の息遣いは荒い。スレンダーながらも確かに感じられる胸の膨らみを俺の腕にぐいぐいと押し付けて、足を絡めてくる。

 初めての彼氏に対する独占欲的なものを感じているのかもしれない。

「ちょっと」

 蘭がむっとした表情で頬を膨らませ、巴とは反対側の右腕を両手で抱きしめ、同じように胸の谷間に腕を挟み込む。むにゅっと形を歪めて熱を伝えてくる乳房が心地いい。

 両手に花。この瞬間がハーレムの醍醐味だと思う。

「あぁ~、蘭と巴に取られたー!」

「モカちゃんも混ざるー」

「ふふふ、ちゃんと皆で共有しようね?」

 正面からひまりが、背中にモカが張り付く。両手どころか、前後左右に美少女。斜め後ろにつぐみが余裕の笑みを湛えて控える布陣。移動もままならないのだが、幸せならばこれでいいと思えてくる。

「これからどうするの?」

 しばらく離れそうにない面々に向けて予定を尋ねると、この後はもう帰宅するだけだという。であれば、皆で食事でもと思って誘ってみたのだが。

「ごめん。本当は行きたいけど、今はお風呂に入りたくて……」

「あー」

 蘭に言われて、俺も同意見だった。ウェットティッシュで体を拭ったとはいえ、さっきまで汗や唾液や精液に塗れていたのだ。このまま食事に行くというのは可憐な女子高生にとっても、俺にとってもハードルが高い。

「それじゃ、解散で」

「また今度。良いお店知ってるから。二人で行こう? その後は、二人で――」

「勇希さん、そのときはアタシたちも一緒に行っていいですか?」

「いいよ」

「と、巴!」

 蘭と巴の独占欲がぶつかり合っている感じだ。とはいえ、仲良く喧嘩しているといった様子なので介入しないでおく。本当に喧嘩しそうになったら、ベッドで二人並べて犯して子宮にザーメンをどくどくと注いであげれば大人しくなるだろう。

 考えていたら、またムラムラしてきた。でも、せっかく着替えた蘭たちを今から抱くのは駄目だ。なので、帰ってから自慰で抜くことにする。今日の記念写真や、他の女たちのフェラやセックス動画を大画面に投影して贅沢に楽しむか、妄想を膨らませてじっくりと楽しむか。

 いずれにしても、帰ってから楽しみだ。

「帰ろう。今日はありがとう」

 俺の一声で、この突然の集まりは解散となった。

「勇希……」

「それじゃ、また。今日はありがとうございました……。蘭、帰るぞ」

「勇希さーん……」

「駄目だよ、ひまりちゃん」

「はい、撤収~」

 蘭とひまりがそれぞれ食い下がってきたが、巴たちによって引き剥がされた。

 俺は休憩室の前で、皆が廊下の突き当たりを曲がって姿が見えなくなるまで手を振った。

 そこから少しして、部屋に戻って休憩室の掃除を始めた。シーツとか精液で汚れたままだった。つぐみたちが残って掃除をしてくれると言っていたけど、これ以上引き留めるのも申し訳なかったので帰ってもらった。

 シーツを手で洗った後、洗濯機に入れる。

「あれ、勇希君、もしかして……」

 ちょうど通りがかったまりなに見られてしまい、早速休憩室を使ったことがバレてしまう。「ラブホとして使った」と答えると、まりなはにやにやと笑い、俺の耳元へ吐息混じりに囁いた。

「気持ち良かった……?」

「うん」

 美少女たちを並べて一気食いするのは本当に贅沢だ。飽きることもなさそうで、何度でもやりたい。次はバンド間の垣根を越えた組み合わせで抱いてみたい。相手の都合が合えばになるから、調整は難しいかもしれないけど。

「抱かせて」

「仕事中だから、また今度ね?」

 自慰で済ませようとしていた肉欲をまりなで発散したかったが、そう言えばまりなは仕事中だった。大人の余裕で軽く躱されてガックリとしてしまう。俺を焦らして、次の機会でしっぽりと味わうつもりなのだろう。

 シーツや休憩室の清掃を終えてCiRCLEを出ると、いつの間にか日が暮れていた。

 この後は、スーパーに寄って足りなくなった食材を買いつつ、家路に就こうと思う。

「ん……?」

 ポケットの中で携帯が振動した。取り出して確認すると、俺宛にメッセージが届いていた。

 送ってきたのは、あこだった。

「おぉ……」

 その内容を見て俺は驚いた。言われなければ気づけなかった。危なかった。これは、後で他の恋人たちにも確認しておく必要があるなと思いながら、あこに返事を送った。

 突然ではあるが、この後の用事ができた。

 時間を使い過ぎない程度に買い物を手早く行い、少し急いで家を目指す。しかし、着くのが早すぎたようだ。今のうちに歓迎の準備をしておこうと、買った食材で俺とあこ二人分の夕食を作る。あこの好きな食べ物が何かはわからないから、いろいろと揃えておく。

 こうやって考えると、俺はまだまだ恋人たちについて知らないことが多い。

 これからゆっくりと、お互いに対して理解を深めていきたい。

「来た」

 準備の途中だが、インターホンが鳴った。一旦中断して玄関へと向かい、扉を開く。

「いらっしゃい、あこ。明日だけど、誕生日おめでとう」

 明日の七月三日は、あこの誕生日だ。明日は平日であこは家族に祝ってもらうだろうから、俺は今日手料理でも振舞ってあげることにした。プレゼントは準備ができてないから、後日渡したいと思う。

「ふっふっふっ、我が生誕を目前に、魔力が滾っておるわ!」

 よくわからないが、キメ顔で格好よくポーズを決めるあこは楽しそうだった。

「改めて、誕生日おめでとう」

「ありがとう、ゆうゆう! ごめんね、直前に伝えて」

 居間にあこを招き入れて、料理の準備を終えてから食卓に着く。食卓には、ハンバーグやパスタ、野菜スープ、サラダなどの洋食を中心とした食事が並べてある。冷蔵庫には、帰ってくる途中で立ち寄ったケーキ屋さんで買ったケーキも入れてある。

「予定が空いてたから大丈夫。こっちこそ、来てくれてありがとう」

 あこ自身、本当は今日祝ってもらう予定ではなかった。来週辺りに一緒にいられる時間が欲しいと言われたのだが、ちょうど今日は暇で、あこも俺の家に来られそうだったからこうして突然来てもらった。

「いっぱい食べて」

「うんっ! 頂きまーす!」

 あこが手を合わせて、食事を始めた。

 ツインテールを揺らして美味しそうにハンバーグを頬張るあこを見ながら、俺も食事に手をつけた。もっと手の込んだ料理のほうが良かったかなと作ってから思ったが、あこの反応を見ていると問題なさそうだった。

 ただ、サラダに入っていたピーマンが皿の端に追いやられていた。

「ピーマン食べられない? アレルギー?」

「アレルギーじゃないけど、苦くて……」

 ピーマンは苦手らしい。そのことを心に留めて置く。今後あこに手料理を作ってあげる際にはピーマンだとわからないように加工し、巧妙に料理に混入させて知らず知らずのうちに食べさせようと思う。

 嫌いなもの以外は綺麗に食べてくれるあこを見ていると、作った甲斐があった。少しだけ作りすぎた感じがしたが、俺とあこでしっかりと浚えることができた。

「ご馳走様でした!」

「ケーキ食べられる?」

「食べるっ!」

 育ち盛りの少女の胃袋は、デザートも受けいれられるようだ。見ているだけで俺のお腹が満たされる。いろいろな味が楽しめるように小さなケーキの詰め合わせにしておいて正解だった。味の変化に伴っていちいち反応を示してくれるあこは可愛かった。

 お腹を満たした俺たちは、ソファーに座って一緒にテレビを見た。

「頭撫でて?」

 俺の膝に座ったあこが求めてくるものだから、そっと頭に手を置いて撫でてあげた。自ら頭を擦りつけてくるあこは小動物のようで、可愛がるのがやめられない。髪の触り心地を楽しみつつ、どうせならばとあこをとろっとろに甘やかしてあげた。

「ふぁ、っ、んっ、んんっ……」

 背中から抱きしめて、細い腰に左手を巻きつけて、右手で頭を撫で続けながら耳元で囁く。

「可愛いよ……」

「んあぁ……」

 耳の穴に低い声を響かせ、吐息を送り込み、耳たぶを甘噛みする。ビクビクと俺の膝の腕で跳ねるあこを大切に、けれども強く抱擁する。可愛がるという行為から、だんだんと愛し合うという行為に発展する。

「一つになろうか……」

 あこを乗せた股間はもう熱を孕んで硬くなっている。それをあこの尻にぐいぐいと押しつけて求めると、あこは無言のまま顔を真っ赤にして小さく頷いた。

 食休みをこの辺で終えて、俺はあこをお姫様抱っこで抱えて脱衣所へ向かった。小さな体に纏う衣服を俺の手で全て脱がし、ツインテールにした髪を解く。自分の服は手早く脱ぎ捨てて裸になると、あこの小振りな尻を掴みながら浴室へエスコートする。

 料理を食べさせ、甘やかし、蕩けたあこ。浴室の壁に追い詰めて、下腹部に俺の肉棒を宛がった。反り返ったそれはあこのへその上まで分厚い竿を伸ばし、ビキビキと血管を浮かべて怒張している。

「頂きます」

 今度は俺が美味しく頂く番だ。あこも期待していたようで、無垢な縦筋から愛液を垂らしていた。これならば挿入は容易いと思い、俺は腰を沈めて亀頭をあこのロリマンコに突きつける。

 そして、腰を上げて亀頭であこの内側を掻き分けていく。

「ぅ、あぁぁっ……!」

 小さな体で俺の巨根を呑み込んでいく。やってはいけないような背徳感を覚えつつ、ぎゅうぎゅうと絡みついてくる膣道を突き抜けて奥まで一気に挿入する。

「んおぉっ……!?」

 ごつん、と子宮口に亀頭が叩きつけられ、あこがつま先立ちになった。ビクビクと痙攣し、慎ましい胸をぷるぷると震わせる。その中心で桜色の蕾のような小さな乳首がツンと主張していた。

「ぃいっ!?」

 乳首を軽く抓って、同時に子宮をチンポで突き上げる。痛いのかなと思ったが、あこの顔は蕩けていた。悦びに緩む口の端から涎を垂らし、息を漏らしている。気持ちいいのならば良かったと安堵し、俺はあこの内側を掻き乱す。

「あぁっ、あっ、あんっ、ぁ、あ、あっ!?」

 腰を上げ下げして、膣内の隅々まで味わい尽くす。俺専用のハメ穴。チンポの臭いも、形も、味も好きに覚え込ませていい。あこが気持ちよくなれる範疇で傍若無人に攻め立てながらチンポを滾らせる。

 さっき、巴を食べたチンポで、妹のあこを食う。時間差の姉妹丼だ。

 いつか、横並びにさせて同時に食べてみたい。二人に同時に奉仕させたい。

「あこ、生まれてきてくれてありがとう」

 あこと、あこの親に感謝しつつ、狭い膣内で肉棒を膨張させる。より重たくなった一撃一撃があこの膣を容赦なく翻弄していき、それに負けじと穴が締まる。ただでさえ狭い場所に圧迫されてチンポが我慢できるはずもない。

「これからも一生よろしく」

 俺の傍でずっと幸せにしていくことを誓いながら、俺はあこの奥で精液をぶち撒けた。

 どびゅるるっ、びゅるるっ、ぶびゅーっ、びゅーっ、びゅるるっ、びちゃちゃちゃ!

「ぉぉおおお~~!?」

 壁を背にしたあこは俺のチンポで体を持ち上げられ、子宮口に亀頭を食い込ませたまま尿道から噴き出した精液を子宮に食らった。瞬間、顔を天井に向けて仰け反るあこ。またしても差し出された胸の乳首を俺は弄りながら、あこの子宮を真っ白に染める。

「いっぱい飲んで」

 ケーキの後には、追加のデザートのザーメンゼリー。奥に叩きつけたそれは、しばらく垂れ出てこないとわかる粘度を誇る。俺は膣内射精の快楽で体を弛緩させながらも、あこの胎いっぱいに精液を仕込むのを止めなかった。

 どくん、どくん。チンポの脈動と共に精液を浴びるあこが、至福に溺れていた。精液をご馳走して良かった。でも、まだまだ精液は残っている。食べ盛りのあこはまだ余裕がありそうだから、満足するまでご馳走してあげることにした。



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宇田川あこの誕生日

「ん、ぁ、ちゅ、くちゅっ、ん、ふ……」

 シャワーの温かいお湯が降り注ぐ中、俺とあこは向き合って熱い抱擁を交わしていた。忙しなく顔の角度を変え、互いの唇を貪る。口が常に塞がっているため、酸素を求めて荒くなる鼻息の音と、シャワーの水音にも負けない接吻音が浴室に反響する。

 二人の時間。相手の顔を瞳いっぱいに映し、夢中になって愛を育む。

「ぁ、は、ぁ、んっ、んんっ……」

 こんなに蕩けたあこの顔を、巴は見たことがないだろう。勃起して反り返る俺のチンポに下腹を擦りつけながら、ピッタリと閉じた陰裂から白濁汁をどろりと垂らす妹の姿を想像できないだろう。

「あこ」

 口づけの途中で、俺は一旦シャワーのお湯を止めると、あこの耳元に囁きかけた。

「なに?」

「今度、巴の前であこのことハメ倒してあげる」

「本当? えへへ、やったー。あこ、楽しみにしてるね?」

 あこにはさっき、今日俺が巴を食ったことを伝えた。てっきりあこは驚くかと思っていたのだが、返ってきたのは「やっぱり」といった反応だった。蘭たちを恋人にした時点で俺の手が巴にまで及ぶことは筒抜けであったようだ。

「あことおねーちゃん。ふたりまとめて、たっぷり味わってね? あこも、おねーちゃんも、ゆうゆうが喜んでくれるんだったら何でもするよ?」

 何でも。美少女にそう言われて、興奮しない男などいないだろう。俺は、俺とあこの下腹の間に挟まれて上を向くチンポをビクつかせながら妄想する。姉妹丼を頂くとき、どうすればより味わい深くなるのか。そのときの体位や格好に想いを馳せる。

 コスプレなどさせるのもいいだろう。なんとなく、燐子が前に作っていたナース服を着た宇田川姉妹が思い浮かぶ。艶やかな雰囲気の痴女ナースと化した二人に絞られるというのも乙でいいかもしれない。

「ねえ、ゆうゆう……」

「ん?」

 俺が妄想を続けていると、あこが切なそうに俺を見上げながら、自身の下腹部をさらにぐいぐいとチンポに押しつけてきた。へそよりも上に長く届く分厚い一物を受け入れるには、不釣り合いに見えるほっそりとした腹。そこに俺を招き入れたいようだ。

「ゆうゆうのおちんちん、あこのおマンコにそろそろ挿入し直してほしいな……。今度は手加減なしで思いっ切り……。それでね、おマンコの奥でびゅーびゅーお精子注入して……? 簡単に垂れ流れないように、粘々ザーメンを子宮にビッシリ、ミッチリ……」

 姉妹丼を想像して興奮していたのは、どうやら俺だけではないらしい。

 普段と違って髪を下ろし、シャワーのお湯に濡れたあこ。水も滴る良い女。まだ幼さの残る可憐な容姿ではあるが、将来美しく育つのが手に取るように判る。蠱惑的な微笑みを浮かべ、あこはゆっくりと言葉を紡ぐ。

「重たい金玉の中身がスッキリするまで、生ハメ交尾、しよ……?」

 色を知って魅力的な成長を遂げようとしているメスガキには、ご褒美を与えないと。

 俺は数歩後ろに下がると、肉棒を扱く。準備を進める俺の前で、何も言わずともあこは壁に両手を突いて尻を突き出してきた。小さくて可愛らしい桃尻。この時も陰裂の隙間から精液を垂らし続けている様がミスマッチだった。

「いっぱい食べて……?」

 くにぃ、とあこが右手の指で陰裂を開くと、膣穴からごぽぉと精液が勢いよく垂れてくる。ねっとりとした白濁液が床に広がるのを目にし、また代わりを注いであげようと小さな穴に亀頭の先を突きつける。

 あこの尻を掴んだ俺は、あこに言われた通り、手加減なしの交尾をしようと思った。

 だが、あこは知っているのだろうか。あこがいやらしく成長しているように、俺もまた成長を遂げていることを。今の俺が一人を相手に本気を出したらどうなるかなんて、俺自身ですらわからないのに。

 でも、ここまで誘われたのだから仕方がない。

 俺はビキビキと竿に血管を浮かべて硬さを増す肉棒を、前に突き出した。

 亀頭が穴にめり込む。尿道口が膣口に隠れ、丸みを帯びた本体で突っ込み、穴を拡げながら奥へと進む。続いて竿が入っていき、ぎゅうぎゅうと絡みつく膣肉によって伝わってくる熱が竿全体に広がっていく。

「んぁ、あっ……!?」

 挿入を一瞬のうちに済ませ、勢いに乗ったまま亀頭を最奥まで満たす。

「んぉおおっ……!?」

 どぢゅ、と膣奥に亀頭を叩きつける。あこが声を上げてブルブルと全身を震わせる中、俺はあこの柔らかい尻を掴む手に力を込めて、逃がさないように捕らえながら腰を前後に振り動かし始めた。

「ぉっ、ぉっ、ゆ、ゆうゆう、ま、待って、んぁっ、あっ、あぁっ!?」

 今さら待ってと言われても遅い。始めてしまった交尾を止める気にはなれず、俺はチンポを抜き差しする。一往復ごとにあこの尻へ股間を強かに衝突させ、接触音が賑やかに響く中、気持ちよくなることだけを考える。

「あぁっ、あっ、はぁっ、は、激しっ、んんっ、でも、気持ち、いぃっ、あぁあっ!?」

 壁に突いた両手と、全身を痙攣させるあこ。足にも振動は伝播しているが、あこはまだ自力で立っていた。しかし、余裕があるわけではなく、肉棒でズリズリと膣壁を擦られるだけで敏感に反応を示す。

 中学生の美少女を立ちバックで犯し尽くす光景。可愛い尻と、全体的に華奢な裸身を見ながら膣奥に凶暴なチンポをねじ込む。この何とも言えない征服感に浸りながら、俺は浴室に反響するあこの喘ぎ声を耳に入れる。

「あぁっ、あんっ、ぉっ、ぉっ、ぉ、ぉ、ぉぉおおっ!?」

 幼い声に含まれているのは、男を知った雌の色香。録音しておけば、それだけで自慰用のBGMに活用できるだろう。魅力的な雌声に触発されて余計にいきり立つ肉棒を変わらない速度で挿入し、膣壁を捲り返すように腰を引く。

 欲望一色の顔で、獣と見紛う交尾ピストンを繰り返す。

 そうしていると、先に限界が訪れたのは、あこのほうだった。立っていることが難しくなって、尻の位置が下がろうとしている。懸命に尻を突き上げようとしているのだが、その努力は実っていない。

 そんなあこを俺は支えてあげた。あこの両腕を羽交い絞めにし、俺の体に密着させる。

「あぁああっ!? あひぃっ!? んぁああっ!?」

 横の運動ではなく、縦の運動に変わる。挿入しようとすれば下から上に突き上げることになる。足腰が崩れそうになっていたあこを無理矢理立たせつつ、膣穴を存分に食らい尽くせる。多少乱暴ではあるが、小さな体を食らいたいという欲求が抑えられない。

 そこからは、俺の容赦のない攻撃が繰り広げられた。

 より一層大きくなった嬌声を響かせるあこを一方的に犯し、快楽を得る。小柄だけど、柔らかく、いい匂いのするあこの体に抱きついて、膣穴から子宮口までの道を開拓する。今まであこ相手にしたことのない速度と、攻撃力で以て、攻め立てる。

 あこは何度も気絶したようだが、すぐに起こされては喘ぎ散らす。

 その声は、だんだんと甘く蕩けていった。

「ぁっ、は、チンポ、チンポッ、好きっ、大好きっ、このセックス、大好きっ……!」

 心の底からチンポとセックスを愛するあこは、巴のいい手本になると思う。姉妹でいい影響を与え合って、俺の傍で卑猥に成長してほしい。そして、姉妹揃って俺とチンポに屈服し、永遠の忠誠を誓ってもらいたい。

「受け止めろ」

 命令口調で告げた直後、俺はあこの望むものを子宮に流し込んだ。

 ぶびゅびゅびゅっ、びゅるるるっ、どびゅるるるっ、ぶびゅっ、びゅるっ、どびゅっ!

 濃厚なザーメンミルク。子宮の隅々まで埋め尽くすには十分な量を提供する。しばらく子宮内に溜まったまま中を支配してくれるだろう。そして、俺の精子の味と臭いを刻みつける。

 独占欲を滲ませて、あこの体を締めつけるように抱く。

「まだ終わりじゃないから。俺の女なら、わかるよね? あこ」

 あこの耳に向かって声を送り込み、首筋から頬を舌で舐める。

「う、ん……。もっと、抱いてぇ……」

 横から覗き込んだあこは、色欲に狂った顔をしていた。セックスで気持ちよくなること以外考えられないのだろう。この顔を巴の前でもできるように、しっかりと体に覚え込ませてあげないといけない。

 あこの練習のためにも、その後も俺はあこを美味しく頂いた。

 体位を変えて、あこの胎がぽっこりと膨れ上がるほどの雄汁を注ぎ入れた。しかし、次第に腹に詰め込むには容量が足らなくなってしまう。そんなときにはあこの体外にもぶちまけて、あこの体を白濁に彩った。

 体が冷めない程度にじっくりと愛していると、風呂の壁にあるモニターに表示された日付がいつの間にか切り替わっていたことに気がついた。そのとき、俺はへたり込むあこの顔に肉棒を擦りつけ、臭いを覚え込ませている最中だった。

 精液に濡れた顔で、肉棒に啄むようなキスを放つあこ。愛情たっぷりのキスを何度も浴びせられて気分を良くした俺は、これが初めての射精のように精液を噴出させ、あこの顔を白濁でどろどろにした。

「今度こそ、誕生日おめでとう、あこ」

 言いながら俺はチンポであこの顔をペチペチと叩いた。

 それを受け止めたあこは、精液を纏った顔面に堪えきれないような笑みを滲ませ、俺からのプレゼントである精液を美味しそうにぢゅるぢゅると啜り始めた。肉棒に絡みついた精液も俺の陰毛も口に含み、ごくりと喉を鳴らして飲み干すあこは、とてもエロ可愛かった。



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ひまりと燐子とローションプレイ

 ここ数日、俺は何者かに後をつけられていた。登下校の時、どこからか視線を感じるのだ。最初はただのストーカーかと思っていたがそうではなく、こちらから接触することも叶わないなかなかの手練れだった。

 今のところ、視線の主に関して俺が握っている情報と言えば、黒スーツにサングラスという変わった格好をした女性、ということだけだった。それも、月曜日の朝に登校した際にカーブミラー越しに一瞬の間だけ確認できただけで、それ以降は影すら見せなくなった。

 見られている感覚は常に感じているが、嫌な感じはしない。ストーカーというよりは、まるで何かから俺を守ろうという気配を感じられた。何となく問題はなさそうではあるものの、俺は一応燐子にその旨を伝えておいた。

「うん、私のほうでも探っておくね……?」

 燐子も付き纏われる可能性があるから気をつけて、といった意味で相談したのだが、燐子は俺のボディガードとして暗躍する気満々のようだ。

 放っておいても大丈夫だろうか。

 違う意味で不安を覚えた俺だったが、そんな想いは一瞬にして薄れた。

 俺の視界に、二人分の乳袋が映った。透明で粘ついた液体、ローションをたっぷりと垂らし、谷間の間にもよく馴染ませてある。どちらも見事な大きさと、綺麗なお椀型。いや、丼型か。雄を惑わすのに十分な母性と魅力を秘めた巨乳は、ローションによって妖しい色気を纏っていた。

「はい、勇希君……」

「お待たせしました!」

 自宅の浴室に置いたエアーマットで仰向けになる俺へと、胸を主張して報告する二人。燐子とひまりだ。主に自身の胸元にローションを塗りたくった二人は俺の傍で正座をし、期待に満ちた眼差しで俺の顔色を窺ってくる。

 前にもあこと燐子にしてもらったが、ローションプレイは何度体験してもいいものだ。ローションに塗れた胸が見たいという欲望を込めたメッセージを『ハーレムパーティー』の雑談部屋に投稿したところ、今日が平日にも関わらず応募が殺到したため、行われた公平な抽選によってこの組み合わせが誕生した。

 左側に座る、Roselia最乳の燐子。

 右側に座る、Afterglow最乳のひまり。

 俺の視界を埋め尽くすように寄せられた乳袋の存在感は圧巻で、たぷんっと弾むたびに俺の股間でチンポが元気よく震えた。その気配を察知して燐子が金玉を、ひまりが亀頭を撫でてくれるおかげで肉欲が煽られる。

「おっぱい、滅茶苦茶にしたいよね……?」

「いいんですよ? 私たちのおっぱいは勇希さんのものなので、何をしても」

 蠱惑的に笑む燐子と、羞恥を抱きながらも嬉しそうなひまり。さらに左右から突き出された二人の胸が接触し、乳首と乳首を擦りつけ合う。やがて、柔らかい四つの球体がむにゅっと互いを押し潰し合った。

「おぉ……」

 二人の乳房が重なり合って、その間からローションがぬるりと垂れてくる光景。世界中の有名な滝を直接目にする機会があったとして、ここまでの感動は得られないかもしれない。俺は今それくらい興奮して、せめぎ合う乳と乳の隙間から垂れる温かいローションを顔面で受け止めていた。

 携帯の待ち受けにしたい。などと考えていると、胸が俺に迫ってきていた。

「ぁ……」

「ふふ、ちょっと疲れちゃったから、顔に乗せるね……?」

「えっと、苦しかったら言ってくださいね? すぐに退けますから」

 退けないでほしい。俺が満足するまで絶対に。

 視界どころか俺の顔面が乳房に埋もれた。人肌と、温められたローションを塗りたくった乳肉が顔中を優しく這い回る。もちもちとしていて、かつ、ぬるぬるとした感触。これはやばい、と俺が感嘆とした吐息を漏らすと、二人の胸がさらに暴れた。

 燐子が胸を持ち上げて、俺の顔面に軽く叩きつける。ひまりが体を動かして、顔だけでなく俺の顎や耳にも胸を擦りつけてくる。あっという間に俺の顔に隅々までローションを塗り広げられることになった。

「ここを、こうして……」

「はいっ。こ、こうですか? 燐子さん」

「上手ですよ、上原さん……」

「えへへ……」

 燐子に教えられながら、ひまりは俺の肉棒に指を絡ませ、手コキで的確に攻めてくる。竿をひまりに任せた燐子は金玉を解すことに注力するようになった。俺の顔に乳圧を与えつつ行われるチンポマッサージ。血が滾り、熱が勢いを増し、俺の股間で欲望が昇る。

 幸せ。

 二人の乳房に埋もれて、ローションに塗れて、漂ういい香りを楽しむ。ぐちゅぐちゅと手コキの音が激しく響き、「痛くないですか? 痒い場所はありませんか?」と俺に声を掛けてくるひまりの喜々とした声に俺は興奮を抑えられなかった。

 チンポがビクつく。それを手の平で察知したひまりが手コキの速度を上げる。

「いつでもいいですよ、いっぱい出してください!」

 離れた乳と乳の間に、一瞬だけ見えた二人の嬉しそうな顔。

 再び視界を乳肉で覆い尽くされた直後、俺は腰を跳ね上げた。

 ぶびゅーっ、びゅるるっ、ぶびゅっ、どびゅっ、びゅくっ、びゅくっ、びゅるるるっ!

 解放感を伴う至福の絶頂。俺は腰を浮かせたまま、この瞬間も扱かれる肉棒の先から白濁液を真上に飛ばす。それが真下に着弾して股間を濡らしていくのを感じながら、俺は口元にあった二人の乳首を同時に甘噛みした。

「んっ……」

「ぁぁっ……」

 燐子とひまりが同時に鳴く。可愛い声音で俺の鼓膜を喜ばせ、もっと聞こうと俺は乳首に軽く歯を立てて甘噛みしていく。俺専用のおっぱい。何をしてもいい。咥えても、しゃぶっても、唾液を擦りつけてもいい。

 俺は全てを行った。ローションとはまた違う粘り気が乳輪の周囲に広がる中で、じっくりと何度も精を投げ放った肉棒がようやく人心地つく。

 とは言っても、肉棒は全く萎えていない。白濁液で濡れた状態で二人の手コキを受けて、次弾の準備を急いでいるようだ。

「見て、勇希君……」

「こんなに糸を引いてますよ……?」

 乳の壁が左右に開いたため、俺は開けた視線を下半身に向けた。

 そこには、燐子とひまりが手コキをしていた手の指先を触れ合わせて、二人で一つのハートマークを作っていた。そのハートには俺の精液がよく絡んでいて、ひまりの言う通り、分厚い白濁液の糸がハートの間に幾つも伸びていた。

 それを見て、フル稼働していた金玉が精子を即充填させた。チンポに血管がビキビキと浮かび、次のプレイを待っている。それは二人にすぐ気づかれて、燐子は愛おしそうな視線を、ひまりは息を呑んで驚き混じりの微笑みを広げた。

「次は、その……」

 ひまりが物欲しそうに俺の生殖棒を見た後、燐子を見る。

「いいですよ、遠慮せずに……。勇希君を、食べちゃってください……」

「はいっ、ぃ、頂きます!」

 ぢゅる、とこぼれ落ちそうな唾液を啜ったひまりが勢いよく立ち上がった。胸が離れて右側の景色が開けてしまったが、まだ俺の顔面の左は燐子の乳房によって柔らかく圧迫されている。ひまりが移動する隙間時間を使って俺は右手を伸ばし、燐子の胸を根元から搾るように掴み、母性の象徴を揉みくちゃにした。

「っ、ぁあ、ゆ、勇希く、んっ……!」

 どうして女の胸は男をこんなに喜ばせてくれるのか。揉むことを止められず、このまま燐子の胸に甘えたくなったところで、ひまりの準備が整ったようだ。

「もうっ、私のことも、ちゃんと見てくださいね?」

 嫉妬した様子で頬をまん丸と膨らませるひまりは数日間監禁して種付けしたくなるほど可愛く、俺に跨ろうとしていたひまりの直下でチンポが苛立つ。ビクンッと催促するように跳ねる肉棒を目の当たりにし、ひまりは一転して口元をだらしなく緩め、ガニ股に足を開いたまま腰の位置を沈めていった。

「食べちゃいますよ? ほら、私の中に、少しずつ勇希さんが入っていって……」

 マットに両手を突き、開いた股の中心で亀頭を咥えていく。割れ目が開かれ、中に見えたピンク色の膣穴が亀頭を咥え、じっくりと呑み込む。

 ひまりの内側の熱が亀頭の先に感じられ、順番に先っぽから亀頭全体に広がっていく。ひまりが敢えてゆっくり捕食する光景がそこにはあった。食い漁りたいという欲求に満ちた表情ではあるが、我慢をしているようで、竿を少しずつ受け入れて吐息をついている。

「はーっ、はーっ、はーっ」

 甘く、発情した息遣いを繰り返し、瞳にハートを浮かべ、ひまりは穏やかな所作で肉穴に肉棒を嵌め込む。いったいいつまでその余裕が保てるのだろうか。ひまりの表情にはご馳走を前にして抑えきれない興奮が湛えられている。

 これでは陥落も間近だ。そう感じた次の瞬間だった。

「ぁあっ、ん、あっ!」

 亀頭と肉竿を根元まで迎え入れたひまりは挿入時に子宮へ亀頭の突きを食らい、それで耐えきれなくなったのかの踊り出した。マットに両手を置いたまま、前屈みになって尻を慌ただしく上下に動かす。

 ガニ股であるが故に結合部は丸見えで、尻振りに伴ってローションおっぱいも元気に揺れる。思わず掴みかかりたくなるような美巨乳を垂れ下げながらピストン運動に励む女子高生というのは凶器でしかなく、俺の意識は蕩けた。

「ぁんっ! あっ! はぁっ! あんっ! あんっ! んっ!」

 パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! パンッ!

 喘ぎとセックスの音を鳴らし、俺を気持ちよくしてくれるひまり。燐子がそんなひまりと、リラックスした俺へと目線を転ずる。そうして慈愛の籠った微笑みを見せると、俺の頭を撫でてくれた。

「んっ、くっ! あぁ、今日も、勇希さんのチンポ、凄すぎますっ! ぁあっ、軽く入れただけで、一番深いところまで引っ掻き回されて、頭おかしくなるぅっ、んっ、んんっ、ぉ、ぉおっ、いいっ、いいよぉっ、ぉっ、ぉっ、ぉおっ……!?」

 ペース配分など考えていないのだろう。俺のチンポを相手にそれでは身が持たないとは思うが、我慢させるのも酷だ。ただ本能の赴くままに俺というご馳走をひまりに食わせる。

「ぉ、ぉ、んぉぉっ、あ、ぅ、ぉ、ん、ひぃっ、あ、ぁあっ、あああっ!」

 俺の股間に跨って、下品に肉欲とチンポを貪る女子高生。高速で揺らされる尻と、抜き差しされる肉棒。浴室に反響する喘ぎ声。何もかもが俺の琴線をくすぐっていき、俺は覚えた昂りを到来するだろうひまりの絶頂に合わせて爆発させた。

 ぶびゅびゅびゅっ、びゅるるっ、どびゅっ、どぷっ、どくっ、ぶびゅっ、どぷんっ!

「んぉぉぉおっ、ぉぉっ、ぉっ……!?」

 最奥で中出し。射精の悦びが振動となって全身に伝わる。

 俺もまた緩む口元から歓喜の声を上げ、涎を垂らす。その涎は燐子の指先によって即座に拭い取られ、だらんと伸ばした燐子の舌で舐め取られる。そして、お返しとばかりに自身の唾液を燐子が俺の口内に注ぎ入れた。

「ごく……」

 と俺と燐子は喉を鳴らし、唾液を呑み合う。

 そんな俺たちに嫉妬を抱く余裕もなく、ひまりは背を仰け反らせて、ビクビクッと震え上がっていた。今もびちゃびちゃと膣奥に精液を叩きつけられている。それに合わせて震え、突き出される形となった胸を揺らす。

「ぁんっ……!」

 俺はもう我慢できずにひまりの乳房を鷲掴みにした。ぎゅうぅ、とボールを強く握るように指を乳肉に沈めていき、押し返す弾力とじわじわと伝わる体温、ぬるりとしたローションの感触を心行くまで堪能する。

 小さい胸も良いが、大きい胸も大好きだ。

 しばらく放したくない。ひまりの胸に俺が握った痕跡を一時的に残してあげようと、さらに掌握を強める。母性の塊を支配して弄ぶ遊びは実に背徳的で、俺はひまりの子宮に雄汁を贅沢に詰め込みながら乳房を掴み続けた。

「ぁ、ぅ、んんっ、こんなに揉んでくれるなんて……。胸が大きくて良かった……」

 自然とこぼれたひまりの声を聞いた俺は、胸を掴む指先とチンポを同時に力ませた。



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ひまりと燐子のダブルパイズリ

 雄々しく屹立する肉棒を、左右から挟み込む四つの乳袋。たぷんっ、たぷんっと上下に動いて擦りつけられる。たっぷりローションを纏った乳房によって行われるご奉仕は、にゅちぃ、ぐぢゅっ、と卑猥な音を奏でて俺を楽しませてくれる。

「ぉ、ぉ……」

 燐子とひまりによるダブルパイズリは夢のようなひと時だった。

「どうですか? 勇希さん」

「勇希くん好きだよね、これ……」

「控えめに言って大好き」

 美少女の母性いっぱいの巨乳に我が息子を囲まれて揉みくちゃにされる。こんな目に遭って喜ばないのは男としてあり得ない。

 間に挟まれた肉棒は熱を溜め、谷間から伸ばす竿と亀頭を硬くする。そうしてどろどろと我慢汁を垂らし、ローションと混ざって二人の胸をさらに濡らす。水音がより卑猥さを増す中で、二人は浴室の椅子に座って足を開く俺へと蕩けた微笑みを俺に向けてくる。

「したくなったら、いつでもパイズリしてあげますからね?」

 両手で抱え持った乳房を勢いよく弾ませ、肉棒を扱き上げるひまり。

「だから、我慢せずに好きなだけ射精していいよ……?」

 ひまりよりゆっくりと、俺の反応を確かめながら胸を動かす燐子。

 相反する奉仕に挟まれて逃げ場を失い、ずりゅ、ずりゅっと心地いい摩擦を浴び続ける肉棒。いつまでもこうして我慢してはいられない。燐子の言葉に甘えて俺はせり上がってきた情欲に押し上げられて高みへと至る。

 ぶびゅびゅっ、びゅるるっ、ぶびゅーっ、びゅーっ、びゅるるっ!

「ぁはっ……」

「ふふっ……」

 慈愛のこもった眼差しに晒されながら、二人の胸の間で直上に精液を放つ。強い快楽で反射的に浮きそうになった腰は二人分の乳袋の重みで押さえつけられた。椅子に尻をつけたまま精液を何度も放射して、二人の体に白化粧を施していく。

 髪も、顔も、胸も。極上の女体を精液で汚される俺の女たち。表情に浮かぶのは色濃くなった歓喜で、それを向けられた俺は口元が緩むのを抑えられなかった。俺の自然な笑顔を見ることができて二人は興奮を催したのか、射精中にも関わらず胸を動かす。

「私のおっぱいで、もっと、気持よくなってください……!」

 自分の胸に自信を抱くようになったひまりが懸命にパイズリをし、燐子がそれに合わせて速度を上げる。この瞬間にも尿道口から噴き出る精液を浴びながら、二人は早速次の射精に備えて俺の欲望を溜めようとしてくれる。

 俺は、絶え間のない快感に襲われた。

「頑張れ、勇希くん……」

「ファイトです!」

 二人に応援され、俺は幾度も絶頂へと導かれた。

 射精して、射精して、射精して、射精して、射精して。

 金玉の精液をこれでもかと搾り出され、その大半を浴びた白濁まみれの巨乳美少女が蠱惑的に笑む。経験値を得てレベルアップするように、二人のパイズリはより洗練されたものとなって、いつしか手で胸を抱えなくともパイズリが可能になっていた。

「勇希さん、次はここまでびゅるるって精液を飛ばしてみてください」

「勇希くんならできるよ……」

 頭上に位置する高さに持ち上げた手の平を、直下のチンポに向けるひまり。結構な高さなのだが、燐子に応援されるとできてしまえそうだった。俺は妙な好奇心と積み重なった興奮で暴走する二人に可愛がられながら、記録更新を目指した。

「あぁ、今のは惜しかったです!」

 何度も射精した。

「すごい……でも、もう少し……」

 二人の熱に乗せられて段々と混乱しながら。

「次こそ行けますよ!」

 二人の上半身が精液を受け止めすぎてすごい有り様になった頃に、俺が放った精液は真上にあるひまりの手の平にびちゃびちゃと叩きつけられた。それが跳ね返って二人の体に降り掛かるのだが、二人は顔について口元に垂れた精液を舐め取ってにんまりと笑う。

「り、燐子さん、勇希さんなら、もっといい記録を狙えますよね?」

「ぅ、うん、勇希くんなら大丈夫……。まだいけるよ……」

 よくわからない好奇心のスイッチが入って、二人ははぁはぁと息を荒らげていた。

「ちょっと落ち着こうか」

 玩具にされていると感じ始めた頃合いで、俺は止めに入るのだった。

 

 シャワーを浴びて体液を洗い流し、体を洗った俺たちは一緒に湯船に入った。浴槽にもたれかかって肩まで湯に浸かりながら、左右に燐子とひまりを侍らせる。伸ばした両手で弾力のある尻肉や湯船に浮く乳房を存分に揉みまくる。そうしながら燐子に頭を撫でられ、ひまりにキスを求められるのは最高に癒される時間だった。

「ちゅっ、くちゅっ、ぷ、はぁっ……」

 ひまりと舌を絡ませ始めて数分、俺たちはやっと唇を離した。俺とひまりの唇の間に伸びた唾液の糸がプツリと途切れて、揺蕩う湯に落着する。勿体ないと感じてしまったが、そんな俺の気持ちを察したように、ひまりが唾液をべったりとつけた舌を見せつけてきて、俺はまたディープキスを再開した。

 熱いお湯の中で、それにも負けない熱を宿した肉棒が二人の手で扱かれる。体を洗いはしたが、まだ俺たちの欲望は拭い落とされていない。隙あらば互いの肉体を求めて愛撫や求愛を行った。

 また本番行為に至ると長湯しすぎることになるため、自制したが、こうした軽い触れ合いだけでも十分だった。パイズリ奉仕を体験した俺はかなり満足し、ストレスも精液と一緒に外へと搾り出されたことでもはや欠片も残っていなかった。

「燐子、ひまり」

 舌をだらんと口から垂らして呼び掛けると、二人は無言で舌を這わせてきた。間近に迫る二人の可愛すぎる顔と、左右から愛される俺の舌を視界に収めながら、湯船の中でチンポをゴシゴシと擦られる。

 このままお湯に溶けてしまいそうな極楽気分に浸かっていた俺は、これだけ満たされた状況にも関わらず脳内では別の妄想を膨らませていた。

 今日はダブルパイズリを体験したが、さらに数を増やしたら果たしてどうなるのだろうか。ところで、友希那と蘭の小競り合いはどうなったのか。一度三人で裸の付き合いをしながら交友を深めてみるのもいいかもしれない。あと、紗夜からは教師と風紀委員の生徒というシチュエーションプレイでセックスをしてみないかと提案されていたが、いつにしようか。シチュエーションプレイで思い出したが、他の恋人たちとも一度してみたいプレイがあるのだった。いや、その前に松原さんと予定を合わせて会うのが先だろうか。縁ができて連絡先を交換した白鷺さんとも仲良くなっていきたい。

 などなど。ヤリたいことが多すぎて妄想ばかりが捗ってしまい、深く悩んでしまう。

 でも、贅沢な悩みだ。

「ん、ぁー……」

「ちゅっ、ぐちゅぅ、ぬちゃっ、ぴちゃ……」

「ぢゅるるっ、くちゅ、くちゅ……」

 口内に溜めた唾液を舌の上に乗せて差し出すと、二人によって次々に奪われていく。あっという間に舌の唾液が拭い取られ、口の中に残っていた唾液も舐め取られる。唾液を飲み干した二人が口内を見せつけてきたのに興奮して、再びブチ犯そうかと欲望を再燃させながら、俺は続く二人の耳舐めを受けた。

「ぐぷっ、ぐぽぉっ、ぬぷぷっ、ぐぷっ」

「ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅっ」

 少しずつ好きなことをやっていこう。慌てることはない。

 俺はこのとき、母さんが言っていた友人の御令嬢とやらとの食事会のことを忘れていた。日程は未定との話だったし、さすがに遅くとも数週間くらい前には予め日程の共有があるものだと油断していたからだ。

 が、当たり前と思っていた共有などは実際にはなく、サプライズという形でその日が唐突に訪れることになることを、俺は知る由もなかった。



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番外編:魔王ユウキ

番外編です。
ガルパで言うエイプリルフールイベント。


 それは、奇妙な夢だった。

 気がつくと、俺は天蓋付きのベッドで横になっていた。体には何も纏っておらず、肌を隠すのは純白のシーツのみ。それを捲って体を観察してみると、いつも通りに股間で肉棒が元気よく屹立していたのだが、肌の色が普段の俺と違って小麦色になっていた。

 日焼けした覚えはない。

 それに、俺が目覚めた西洋風の豪華な部屋に見覚えはない。

 これが夢だと判断するには十分だった。

「寝よう……」

 夢の中であっても眠気が襲い、俺は欠伸をしながら再び目蓋を閉じる。

 そのとき、扉をノックする音が聞こえた。

『ユウキく――魔王様……、おはようございます……』

 少女の声が扉越しに聞こえてきた。聞き間違いでなければ、燐子とよく似た声だった。応じてしまいそうになったが、少女が呼んだのは魔王様とやらで俺ではない。俺には無関係だと思い、そのまま心地いい眠りに意識を委ねていく。

 あと少しで眠れる。その段階になって、俺の意識は一気に引き上げられた。シーツを奪い取られ、股間に何かが圧し掛かり、肉棒を熱々の何かに包み込まれたことによって。

「んっ……! あぁっ……! んんぅ!? ぁ、おはようございます、魔王様……。ごめんなさい、魔王様のおチンポ、今日も元気だったので……。んっ……! こ、このまま、性欲処理をさせてもらえませんか……? 駄目、でしょうか……?」

 目蓋を開くと、俺の下半身に燐子が馬乗りになっていた。いつも通り慣れた様子で腰を振り、バキバキに反り返ったチンポを膣内に誘う。よく締めつけて絡みついてくるその膣の具合は燐子で間違いない。

 しかし、燐子の格好と様子が少しおかしかった。

 この燐子は赤茶色のとんがり帽子を被り、同じ色合いのローブを身に着けていた。傍らには先端に青い宝石を宿した長い杖まで置かれていて、さながらファンタジー世界の魔女のようだ。

「どうしました……? 魔王様……」

 燐子はさっきから俺のことを魔王と呼んでいる。

 ただのロールプレイかと思ったが、そうではないことが次の燐子の行動でわかった。

 燐子がベッドに置いていた杖を握り、それを軽く振った。すると、天井から吊り下がるシャンデリアに灯りが灯っていき、閉め切られていたカーテンが独りでに開いて窓の外から朝の陽射しを取りこみ始めた。

 灯りが点くのも、カーテンが自動で開くのも現実で再現は可能だが、これは素直に魔法によって引き起こされたものだと受け止めたほうがいいだろう。

 どうやら今回はファンタジー色の強い夢のようだ。

 しかし、そんな世界であっても俺と燐子がすることは変わらない。

「ふふっ……」

 燐子は杖をベッドに置くと、改めて腰を揺すり始めた。さらり、さらりと揺らす黒髪から甘い香りを漂わせながら俺の騎乗位ピストンをお見舞いする。足を左右に開いてたくし上げたスカートから覗く燐子の股間は生地がスケスケの黒いショーツを纏っていて、セックス用に開いた穴でぐぽぐぽと肉棒を抜き差ししている。

 いつもよりも色の濃い俺のチンポ。魔王と呼ばれるだけあって、今の俺は人間ではないという設定なのだろうか。あまり詳しくはないが、魔族という種族なのかもしれない。悪しき存在はそれに相応しく肌の色も浅黒い、といったイメージ故なのだろうか。

 まあいいか。褐色チンポが色白の燐子のマンコを出入りする様はエロいし。現実ではロールプレイはできても肌の色までは変えられないから新鮮だ。

「あぁんっ……! ん、はぁっ……! ま、魔王様、すごく気持ち良さそう……。もっと、気持ちよくなってください……。私、闇の大魔導士リンコは魔王様の忠実な下僕にして、魔王様の正妻……。ぁんっ……! ま、魔王様の子種を何度でも子宮で受け止め、魔王様の血を継いだ後継者を産み続けてみせます……。ですので、どうぞ、お好きなだけ中にっ……! んぁああっ……!?」

 チンポが悦ぶ言葉を並べ立てられ、俺は思わず燐子の腰を掴んだ。

「あんっ……! あんっ……! んぉお……! ぉ、ぉ、おぉっ……!」

 燐子の腰振りに、下から突き上げる攻撃を加える。上手くタイミングが嚙み合って子宮に亀頭が思いきり食い込み、燐子が仰け反った。谷間を覗かせるローブの胸元をぶるんっと大きく弾ませ、ビクビクッと痙攣している。

 今が攻め時と思った俺は畳みかけ、燐子の、いや大魔導士リンコの膣内を掻き回す。

「あぁあっ……! そ、そんなに、激しくっ……! あっ、あっ、あぁんっ……!」

 いちいちいい声で鳴いてくれるから手加減はできなかった。

 騎乗位という女が優位に立てる体勢であっても主導権は握らせず、俺は猛攻を続けた。リンコは白い喉を俺に見せて天を仰ぎながら喘ぎ散らし、自分が追い詰められるとわかっていながら自らの腰を動かすのを止めない。

 朝が訪れた寝室に弾ける水音と肌を打ちつけ合う音。

 徐々に加速していく音がやがて収まって、より大きな音が支配する。

 どびゅびゅびゅびゅっ! びゅるるるっ! ぶびゅーっ! びゅーっ! びゅるるっ!

「ひぃ……!? ぁ、あ……! ぁ、は……!」

 どぷんっ! どぷんっ! とリンコの子宮に精液が詰め込まれる音。大量の精液はリンコの子宮をあっという間に満たし、膨らませていく。熱い子種汁を子宮に直接浴びせられたリンコはこれまで以上に激しく身震いし、快楽に酔い痴れていた。

 現実と相違ない射精の快楽。現実では味わえない変わったシチュエーション。

 これは楽しまないと損だと思った。

 俺やリンコがいるということは、他の恋人たちもいるのだろうか。俺たちがそうであるように、立場とかが現実とは異なるのかもしれないけど、それもひっくるめて結構楽しむことができそうだ。

「ま、魔王ユウキ様、ばんざぁい……!」

 夢見心地。リンコは瞳にハートマークを浮かべ、うっとりと俺を眺めていた。そんなリンコの子宮にぶびゅっ、どびゅびゅっと精液を次々に送り込む。満たされる征服欲に伴ってほっと息を吐き、俺は射精後の余韻に浸った。

 だが、余韻が終わっても、それで終わりのはずがない。

「ぁんっ……! あっ……! んはぁああっ……!?」

 俺は四つん這いにさせたリンコを背後から犯していた。装備させた紫色の首輪から伸びる黒い鎖を引っ張りながらむっちりとした尻に股間を容赦なく叩きつけた。微かに臀部の肉が波打つほどの攻めを続けて、我慢できなくなったところで吐精。

「熱っ……!? 奥でビクビク震えてっ……! ま、魔王様の精液がまた、私の中に……!」

 より濃い精液が出た。だが、まだ全然足らない。

 俺は人心地つくまで射精しておこうと思い、リンコをハメ倒すことにした。

 そして、数時間が経過した。

 幾度かに及ぶ交尾の後、俺はようやくリンコを解放した。

「ん、ぁ、あ、ぅ……」

 放心状態のリンコがベッドを背に、ローブからこぼれ出た乳房を呼吸で上下させている。唾液や精液がべったりとついたその乳首の先にはピアスが嵌められていて、デフォルメした黒いチンポの形をした小さなアクセサリーが下がっている。

 夢の世界でどこまでできるのかと試したところ、魔法でリンコの体を弄ることに成功したのだ。どうやら他にもいろいろなことができるらしく、対象の年齢を変えることや、髪や瞳、肌の色すら自由に変えられる。たとえば、リンコを白髪褐色の悪堕ち仕様にすることもできるということもあって、いろいろと夢が広がる。

 全く終わる気配を見せない夢の世界。

 たまには、こういったファンタジーな世界も悪くはない。

 好きなだけ遊んでみよう。

「ぁんっ……」

 精液の塊を垂れ流すリンコの膣内にチンポをねじ込んだ。

「ぁ、あっ、あぁっ――ぶぢゅっ、ぐぢゅっ、ぬちゅっ、ぐちゅっ……!」

 リンコの唇を密閉し、口内を舌で掻き回しながらのプレスが捗ってしまい、そこから俺は抜かずの種付けを何度も繰り返した。放っておけば、昼まで休まずにセックスしていたことだろう。

「たのもー!」

 そんな俺の欲望を妨げたのは、勇者カスミ率いる少女たちのパーティーだった。



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黒服の招待

 その日は、偶然誰とも予定が嚙み合わなかった。土曜日なのに暇を持て余していた俺は、ここぞとばかりに朝から歌とギターの練習をし、投稿用の歌の収録もしまくって時間を使っていたが、そろそろやることに悩み始めていた。

 たまにはゲームでもするかと、少し前にこっそりとインストールしておいたとあるオンラインゲームを立ち上げようと思っていたとき、インターホンが鳴った。

 いったい誰かと思い、玄関を映すカメラが捉えた女性の姿を見て、俺は一瞬硬直した。思わぬ来客。まさか接触してくるとは露程も思わなかったのだが、幾ら瞬きをしてもカメラの前からその女性はいなくならなかった。

 なんか面白そう。

 そう感じた俺は、この退屈を凌ぐイベントがやって来たと思い、応対したのだった。

「初めまして、岩戸勇希様」

 玄関の扉を開けると、そこには黒ずくめの女が立っていた。

「我々は、弦巻(つるまき)家にお仕えしている使用人です」

 キッチリと整えた黒髪と、黒いサングラス、そして黒いスーツ。もう七月になって段々と夏が近づいている中では少し暑そうに見えるが、彼女たちは汗一つかいておらず、皆涼しげな表情をしていた。

 黒服の女は複数人いる。

 玄関の前に立っているのは一人だけだが、正面には黒くて長い高級車が停められている。その傍らにも目の前の黒服さんと同じ格好をした女が二人控えていて、俺がやって来るのを待っているようだった。

 彼女たちこそ、数日前から俺を監視している者たちで相違なかった。

 しかし、その正体は燐子でも掴みかねていて、とりあえず害はないということだけはわかっていたから放置していたのだが、まさかこんなに堂々と接触してくるとは。

 弦巻家。どこかで聞き覚えがあるような気がするが、そんな家の使用人がいったい何の用なのか。それにしても使用人か。ボディガードとかそういう類の職業の人かと思っていたのだが。

「事前のお約束もなく押しかけてしまい、大変申し訳ございません。本日は、岩戸様を弦巻家の食事会にお招きしたく、こうして伺った次第です」

「食事会……? あー……」

 忘れかけていた記憶が呼び起こされる。そう言えば、母さんから連絡を受けていた。友人の御令嬢との食事会、だったか。日程が未定とのことだったけど、こんなに早いとは思いもしなかった。事前の連絡もないし。

「突然で驚きました」

「はい。サプライズとのことでして、内々で準備を進めておりました」

 そういうことか。確かに驚きはしたけど、こういうサプライズって本人の都合が合わなかったときはどうするのだろう。今日はたまたま暇だったから特に問題ないけど、もしも俺が自宅に女を招いていたら。

 そこまで考えて、俺は思うところがあった。

 今日、恋人だけでなく最近知り合った子とも予定が合わなかったのは、本当に偶然なのだろうか。言葉にしていないし、表情にも変化がなくてわかりづらいが、黒服さんは今日の俺には予定がないはずと確信を抱いているようにも見えた。

 もしかすると、この状況は仕組まれたものかもしれない。そんなことが可能なのかとか、可能だとしても普通実行に移すだろうかとか、いろいろと思うところはあるが、全てが俺の想像通りだったとしたらなんて用意周到なのだろう。

「ご同行いただけますでしょうか?」

 と言われ、一瞬だけ躊躇いを覚える。

 素直に従っていいものか。車に乗れば、目的地に着くまで降りれない。

 どうしよう。

 悩む俺を、黒服さんは催促することなく、黙って見つめていた。

 しかし、五分近く俺が無言で、無表情のまま思案するのを見て、さすがに痺れを切らしたようだ。スーツのポケットに手を滑り込ませ、そこから一枚の写真を取り出すと、俺に向けて差し出してきた。

「これを。来ていただけるのであれば、お渡ししま――」

「行きます。ちょっと待っていてください」

 俺は迷わず手を伸ばし、写真を受け取った。

 その写真には、金髪の少女が映っていた。年齢は高校生くらい。眩しいくらいの笑顔と、キラキラとしたぱっちりとした眼。世の中は楽しいことで溢れている。そう信じて疑っていなさそうな純真無垢な美少女。

 写真の中の少女は、どこかの教会を背景に白いウェディングドレスに身を包み、手に持った花束を俺へと差し出している。その満開の笑顔と、少しタイトなウェディングドレスから確認できる女体の線が魅力的で、写真に手が伸びてしまった。

 とびきりの美少女。この子が御令嬢とやらなのだろう。

 可愛い子との食事会。断る理由はなかった。

 一度家に戻った俺は戸締まりをし、最低限の外出準備を整えると、家を出て黒服さんたちの下へと戻ってきた。どこか満足げな微笑みを見せる彼女に誘導され、俺は車へと乗り込んだ。

 

 車の中は広かった。ドラマとか映画とかで高級車の車内の様子を見ることはあったけど、実際に見られる機会があるなんて。体を預けるシートは俺の体を包み込むような安定感で、車の揺れは殆ど感じない。傍にはシャンパングラスなどが置かれたテーブルがあり、正面の天井には大画面の薄型テレビが取り付けられ、映画の上映が始まっていた。車内の上部に嵌められた大きくて広い窓は、時間帯が夜ならば夜空を眺めることができるだろう。

 もしも目隠しをされて車に乗り込んでいたならば、ここが車の中ではなく、どこかの部屋かと勘違いしていたに違いない。そう思える豪華な空間で、それなりのお金持ちであることを自覚しつつも一般的な生活を送っていた俺には場違いに思えた。

 沈むようなシートの端に身を預け、過ぎ行く車窓の景色を横目で眺める。

 のこのこと車に乗ってしまったわけだけど、今さら少しだけ後悔していた。

 手に持ったままの写真の少女を眺める。屈託のない笑顔。ウェディングドレスを着た彼女は、俺のことをどう聞かされているのか。ただのお見合い相手? それとも結婚相手? この様子だと後者のように思えるが。

 燐子よりも、他の少女のウェディングドレスを先に見ることになるとは。

 罪悪感が募る。そして、燐子のウェディングドレスが見てみたいという欲求が高まる。間違いなく見惚れるような美しさなのだと思う。俺の強い性欲が一瞬でも浄化されるほどの。頭で思い浮かべるだけでこれほど興奮するのだから、いざその燐子を前にしたとき、俺は果たして正気を保っていられるのだろうか。

 一度膨らんだ妄想はどんどん広がっていく。

 広い教会。燐子の横には、同じようにウェディングドレスを着た恋人たちが並んでいた。

 そこにはまりなやRoselia、Afterglowのメンバーも、まだ出会ったばかりで恋人ですらない少女たちも並んでいる。優しい笑顔を浮かべて俺を待つ彼女たちはまさに天使のようで、そのお腹は俺の子供を身籠って、出産間近のように丸々と膨らんでいる。

 ウェディングドレス姿で妊婦の恋人たち。

 俺は誘われるように彼女たちへ手を伸ばして――。

『なんであたしだけこの格好……』

 端のほうに立っていた、ウェディングドレスを着たピンク色の熊のような着ぐるみがぼそりと呟くのを聞いて、俺は我に返った。

「ん……」

 妄想に耽っているうちにいつの間にか眠っていたようだ。

 また変な夢を見ていたようだ。最近こういうことが多い。なんかファンタジーな世界観で生きる夢とか、現実だけど俺が生きる世界よりもどこかぶっとんだ設定の世界で生きる夢とか、自分や周りの人たちがデフォルメされた三頭身の体になった世界の夢とか、いろいろと変わり種が多い。

 まあ、楽しいからいいんだけど。

 今寝れば、また続きを見られるだろうか。どうせなら、エロい夢が見たい。

 窓の外で流れゆく景色をぼうっと眺め、窓から注ぐ柔らかな昼の陽射しを受けながら、目蓋をゆっくりと閉じた。そうしていると意識が引きずり込まれ、俺はまた、おかしくて、エロくて、気持ちのいい夢の世界へと誘われるのだった。



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番外編:魔王ユウキ②

「たのもー!」

 少女の快活な声が響いてきた。来客だろうか。それにしては何故か道場破りのような掛け声だが。俺が不思議に思っていると、種付けする俺を抱き締めながらリンコがくすりと笑いをこぼす。

「来たみたいですよ……。魔王様の新しい下僕候補の女の子たちが……」

 下僕候補?

 リンコの言葉に疑問を抱いていたとき、俺の思考を遮るように扉をノックする音が響いた。今度は何かと思う俺を他所に「入ってください……」とリンコが入室を許可し、扉が勢いよく開いた。

 現れたのは髪が長く、こめかみの辺りから黒い角を生やした少女。血のように濃い赤色の線が幾つも走る黒いバイザーを装着していて、目元を隠している。素性を隠す目的なのだろうが、確認できる範囲の顔立ちと女体は俺がよく知る少女のものだった。

「お楽しみ中失礼いたします」

 声を聞いて、少女が紗夜だと確信に至った。その身に闇色の騎士甲冑を装備し、剣を収めた鞘を腰に携えている。一見したところでは彼女の職業は黒騎士なのだろうと判断できるが、装備をじっくりと観察していると本当にそうなのかと勘繰りたくなる。

 紗夜の甲冑姿はやけに露出が多かった。可動域の関係で関節部分が甲冑に覆われていないのはわかるが、白くふんわりとした乳房や臍周り、秘所が肌を晒している。禍々しさすら感じさせる造形の甲冑であるのだが、所々大胆に防御を削ることで淫靡な雰囲気のほうが勝ってしまっている。

 悪堕ちした騎士。そんなイメージを紗夜に抱いた瞬間、俺の脳裏にあるはずのない記憶が過ぎった。

 それは、白銀に染まる全身甲冑を身に着け、俺やリンコと対峙する紗夜の姿。とある国の聖騎士として、俺が今いるらしい魔王城に部下を連れて乗り込み、剣と敵意を向けてきた勇敢な正義の味方。

 しかし、紗夜もといサヨは俺に傷一つつけることなく、リンコに敗れた。

 捕縛されたサヨは、リンコの魔法による洗脳と調教、俺による強制交尾を味わわされた。サヨにも最初、必死に抵抗し、俺たちを強く睨みつけるだけの気力と理性はあった。だが、日を追うごとに侵食する快楽に蝕まれて敵意は霧散していき、代わりに俺への忠誠心と仕える喜びを植え付けられ、サヨは堕ちた。

 身も心も悪に染まり、種族も魔族へと変えられ、彼女が纏っていた白銀の甲冑も闇色のドスケベなそれに変わったのだ。もう彼女は戻れない。人一倍正義感が強かった聖騎士だった頃の自分を過去のものとし、愛する故郷の国とそこに置いてきた聖騎士である双子の妹を捨てた。

 黒騎士として俺に仕え、喜んで俺に股を開き、俺に歯向かう人間と敵対する生き方を選んだ。

 そんなサヨの過去を、今の俺は実際に体験したかのように把握することができた。つまりはそういう設定ということだ。さすがは夢の世界。なんでもありだ。

「魔王様、リンコ様。勇者カスミと名乗る侵入者の一行が現われました。ご命令を」

 片膝を突き、ベッドで繋がったままの俺たちに報告をするサヨ。

 バイザーによって視線の向き先は確認できないものの、サヨの白い頬が紅潮し、吐く息は荒くなっている。ここに来るまでに走ってきたからというよりは、俺とリンコが絡み合う様を見て発情したといった様子だ。

 その証拠に、サヨの陰裂からとろとろと透明な蜜が垂れ、床に敷き詰められた絨毯に染みを作っている。それはリンコにも確認できているはずで、「ふふ……」と楽しげに吐息を漏らしたリンコが命令を下す。

「侵入者は全員捕縛しましょう……。大事な魔王様への捧げものですから……」

「はい」

「サヨさん以外の四天王の皆さんはちょうど出払っているので加勢は望めませんが、今回の相手はサヨさん一人でも対応できます……。私たちもすぐに向かいますので、それまでは足止めをお願いします……」

「かしこまりました。それでは、迎撃に向かいます」

 立ち上がったサヨはぷるっと弾ませた胸を張り、深々と一礼をすると、甲冑の金属音を立てて部屋を出て行く。その姿を見送って遠ざかっている足音を聞きながら、俺はリンコに耳元で囁かれた。

「後で、サヨさんにもご褒美の子種をあげてくださいね……? 魔王様……」

「勿論」

 今もリンコの膣内でぎゅうぎゅうと揉まれ、精子を搾り取られる肉棒がビクリと震えた。あの悪堕ち姿のサヨを抱くことが今から待ちきれない肉棒を宥めるように、リンコが俺の腰に巻き付けた足をぐいぐいと押し込み、チンポを深く挿入させた。

「もう一発だけ、発散してから行きましょうね……?」

 いいのかなと思いつつも、リンコに促された俺は腰を振り始める。ぬぷっ、ぐちゅっ、ぐぷぷっと精液まみれの膣内を掻き回す音を何度も響かせ、一発だけ精液をびゅーびゅーとぶちまけた後、ようやく俺たちは部屋を出たのだった。

 

「はぁッ……!」

 俺とリンコがエントランスに向かったとき、気合の入った少女の声が聞こえてきた。見れば、軽鎧を身に着けた少女が一人、サヨに向かって剣を振るっていた。サヨはそれを自身の手にある黒い剣で受け止め、軽々と押し返している。

 幾度かの剣戟によって、金属がぶつかり合う音が響く。最初は勢いに乗った攻撃を繰り返していた少女だったが、全く動じずに剣で受け止め、綺麗に払うサヨに対してたじろぐ様子を見せ始めた。

「この程度ですか?」

「うぅっ……! このままじゃ……」

 サヨと鍔迫り合う少女は、猫耳のような髪型をしていた。見覚えのある少女だと思っていたが、あの子は前に少しだけ話したことのある戸山香澄さんだった。勇者カスミというのは彼女のことのようだ。

「カスミッ! 一旦下がれ!」

「アリサ……! で、でもっ……!」

 エントランスにはカスミ以外にも複数人の少女たちがいた。今カスミに声を掛けたツインテールの気の強そうな少女。鍔の広い黒い三角帽子を被り、魔女を思わせるローブを羽織っている。見た目通り、魔法を使う後衛の役割を担っているのだと思う。

「いいからっ、立て直すぞ!」

 アリサが握っていた杖を掲げ、杖の先端に集まっていた火球が大きく膨れ上がりながらサヨに向かって放たれる。サヨが飛び退って回避したのを見て、カスミがアリサの傍まで後退していく。

 カスミとアリサを中心とし、そこへ三人の少女が集う。

「ごめんね、カスミちゃん……。私が対応できなくて……」

「ううん、りみりんは悪くないよ!」

 カスミからりみりんと呼ばれたショートヘアの少女は、申し訳なさそうに眉根を下げていた。気が弱く、心優しそうな感じだ。しかし、その体を覆う防具はカスミよりも重厚で、手には剣と盾を握っている。本来は、この少女が敵の注意を引きつける役割なのだろう。

「あの騎士の人、強いね。私が放った弓矢が全部弾かれちゃった」

「仕方ない。おたえはしばらく待機してくれ」

 ショートパンツとへそ出しの軽装をした、黒髪ロングの少女、おたえ。大きな弓と矢筒を携えている姿は紛れもなく狩人だ。獲物を狙う側のはずだが、どういうわけかその頭には兎耳のカチューシャが装備されている。何か特別な効果でもあるのだろうか。

「とりあえず、皆回復するよ」

 そんな彼女たちの最後方にいた白い修道服姿の少女が両手を伸ばした。すると、仲間たちの全身が柔らかな光で包まれた。体にできていた小さな切り傷などがたちまち治っていく。

「ありがとう、サーヤ!」

「どういたしまして」

 お礼を伝えるカスミに向けて、穏やかな微笑みを向けるサーヤ。

 いいパーティーだと思う。

 だからこそ崩して、パーティー丸ごと俺のハーレムに加えたくなった。

 俺はリンコを伴って、城の二階からエントランスに伸びる階段を下りていく。さっきまでは俺の存在は気づかれていなかったようだが、さすがにこうも堂々と現れれば、全員の注目を浴びることになった。

「おい、あれって……おたえ!」

「うん!」

 アリサに応じたおたえが矢を番えて弦を引き絞り、放つ。大気を切り裂いて突き進む矢が真っ直ぐ俺へと向かってくる。

「させません……」

 突然のことに俺は反応できず、ただぼうっと突っ立ってしまったが、そこは隣のリンコが対応してくれた。俺と自分を守るように透明な壁を作り出し、攻撃を防ぐ。

「駄目だよ、やっぱり私の矢は効かないみたい」

「マジか……。おたえの矢は大型の魔物も一撃で仕留めるっていうのに……」

 矢の一撃を受けても壁は無傷で、俺とリンコを守り続けている。如何なる攻撃も食らうことはないとわかりきっているのか、リンコは俺の腕に抱き着いてきた。胸の谷間に俺の腕を迎え入れてむにゅむにゅともてなしてくれる。

 そんなリンコを侍らせて戦場であるエントランスに立った俺は、全員の顔を順繰りに見回す。警戒心を滲ませる勇者一行。それぞれの武器を油断なく俺たちに向けているが、この場においてもっとも警戒すべき相手は俺たちではないはずだ。

「あなたがたの相手は魔王様ではありませんよ?」

「ぁ……くぅっ……!?」

 矛先を変えていたカスミ目掛けてサヨの振り下ろした一撃が襲い掛かる。寸でのところで剣身で受け止めるが、重い一振りを受け止めたことで剣の柄を握る手が震えている。ぐっと押し込むように前に踏み出したサヨに押されてカスミが後ずさる。

「カスミちゃん――きゃっ……!」

「な、なんで……」

「おい、嘘、だろ……」

 カスミに加勢しようとした仲間たちだったが、突然背後から伸びてきた光の鎖に全身を絡め取られ、その場から身動きが取れなくなっていた。

 背後からの奇襲。伏兵を予想していなかったこともあるだろうが、それ以上に彼女たちの表情は驚きに染まっていた。その一部始終を見ていた俺ですら状況を掴みかねているのだから、彼女たちの心中は酷く乱れていることだろう。

 なにせ、仲間たちを光の鎖で縛ったのは、他ならぬ彼女たちの仲間の一人なのだから。

「ごめんね、皆」

「サー、ヤ……?」

 サヨの攻撃を食い止めて余裕のないカスミが、それでも顔を向けて、その光景を目の当たりにする。

 仲間のはずのサーヤが、突き出した手の平の先に展開した魔法陣から無数の鎖を伸ばして、仲間たちを拘束している。これ以上攻撃できないように。

「でも、敬愛する魔王様に手を出した以上は、仲間でいられる自信がないから……」

 サーヤが呟いた瞬間、手元に展開していた魔法陣と鎖が黒く染まり、そこから浸食するように修道服が黒く染まっていき、形状を大きく変える。神に仕える聖職者の服装から、夜会に赴くような艶やかで妖しい漆黒のドレスに。白い肩は露わになって、束ねていた髪が解けて肩に掛かる。

 そして、ただの人にはないねじれた黒い角が、こめかみの辺りから伸びていた。形状は多少異なるが、サヨと同じ魔族としての証なのだろう。

 姿を一変させたサーヤは、仲間たちを嘲笑うように薄く冷笑を浮かべた。

「これが私の、魔王様直属四天王の一人、サーヤの本当の姿」

 どうやら彼女は俺たちの仲間だったらしい。俺の頭に今度はサーヤに関する記憶が広がっていく。サヨと同じく善良な人間だったサーヤもまた、俺とリンコによって悪の道に堕とされた者だったのだ。

「いったい、いつから……」

 思わず漏れてしまったようなアリサの呟き、サーヤは何てことないように答えた。

「うーん、いつからって言うのは、裏切ったタイミングのこと? 勿論、最初からだよ。私は皆と出会うずっと前から魔王様と、魔王様のおチンポに堕とされてたの。人間から魔族に生まれ変わって人間を裏切って、やがて魔王様にあだなすかもしれない新米勇者のカスミに同行して、仲間集めも手伝って。それで、皆がまだ未熟なうちに、魔王城まで送り届けることができた」

 そこまで言って、サーヤの鎖がまだ抵抗しようとする仲間たちを完全に捕縛する。

「あぁっ……!?」

 唯一サヨと張り合っていたカスミが弾き飛ばされ、床に倒れた隙を狙うように伸びた黒い鎖が手足を縛る。ギリギリと強く締めつけてカスミの手から剣を落とさせ、わずかな希望も奪い去らんと鎖で武器を雁字搦めにする。

「体の自由を奪われて、武器もなくして、これでもう本当におしまいだね。今まで冒険お疲れ様。これからは、魔王様の下で一生懸命働いてもらうから。魔王軍の戦力として、魔王様の肉奴隷として。身も心も捧げてもらうからね?」

 愉快げに笑うサーヤと、もはや敵なしと剣を鞘にしまったサヨ。

 安全になった戦場に俺が足を運ぶと、二人が揃って跪いた。

「魔王様。お久しぶりです、サーヤです。ご命令いただいた任務を無事に完遂いたしました」

「これで、将来的に邪魔になりそうな勇者の一翼を堕とすことができそうですね。もう少しちゃんと鍛えてからここに来ていれば、魔王様やリンコ様には勝てなくても、四天王全員を相手取るくらいにはなれたでしょうに。馬鹿な子たち」

 こうなるようにサーヤが扇動したのだろう。正面から堂々と城にやってきたのがその自信の現れだ。まんまと罠に嵌った勇者カスミ一行は皆、絶望した様子だった。四天王の一人にすら敵わぬ状況で、さらに仲間にさえ裏切られてしまっては無理もなく、もはや無駄な抵抗は起きなさそうだった。

「さあ、魔王様……。準備はできましたよ……」

 隣のリンコが俺に語り掛けると同時に、サーヤの鎖がカスミたちを宙に浮かせる。磔にされたような恰好で体を晒す美少女四人。怯えた視線が俺とリンコに集中する中、リンコはズボンに包まれた俺のチンポを揉むようにまさぐってきた。

「美少女勇者のパーティーを、丸ごと召し上がれ……」

 食べてもいいのだと悟ったチンポが震え上がり、俺は、欲望を晴らすために行動に出た。



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密室

「岩戸様。到着いたしました」

「んぁ……」

 聞こえてきた声で意識を取り戻すと、車のドアが開かれていた。眠っているうちに到着したらしい。口から垂れそうになっていた涎を慌てて啜ると、俺は快適すぎた車内に名残惜しさを感じつつ、外へと出た。

 そして、出てすぐに俺はまた放心することになった。

「すご……」

 目の前には宮殿があった。一般的な生活を送っていては到底縁のない巨大で派手すぎない華美な西洋建築。車が止められた建物正面の近くには噴水があって、周りには色とりどりの花々を咲かせる花壇がこの場を彩っていた。

「こちらは、弦巻家の別邸の一つです」

 田舎から都会にやってきたお上りさんのように、辺りをキョロキョロと見渡していると、傍に控えていた黒服さんが声を掛けてきた。

「別邸?」

「はい。本来であれば本邸にてお迎えするのが筋ですが、少々事情がございまして。誠に申し訳ございませんが、食事会の準備が整うまではこちらにてお待ちください」

 これが別邸と言われ、一瞬頭が混乱する。ということは、これ以上の建物がまだ控えているということか。規模が違い過ぎる。これがお金持ちの世界。俺の家も十分大きいつもりでいたけど、これと比較すれば物置同然だ。

「こちらです」

 黒服さんの案内に従い、俺は建物の中へと足を踏み入れた。意外なことに中は土足厳禁で、室内用の履物が用意されていた。こういうところは日本人らしくて、俺のいる場所が日本であることを思い出させてくれる唯一の点かもしれない。

 白亜の壁や天井が続く長い廊下。敷き詰められた絨毯。天井から吊り下げられたシャンデリア。壁には見ただけでは価値すらわからない絵画が飾られていて、やはりここが別邸として扱われているのが信じられない。

 黒服さんの後をついていき、廊下の向こう側から当たり前のように歩いてきたメイド服姿の女性に深々と頭を下げられた。別世界に迷い込んでしまったような気持ちが強まる中、俺たちはエレベーターに乗り込み、三階へ向かった。

 降りた三階には部屋が幾つかあるようだったが、黒服さんはその扉のどれにも足を止めずに素通りし、長い廊下の突き当たりにある部屋の前でようやく止まった。

「この部屋でお寛ぎください」

 開かれた扉の内部は、やはりというか俺をまた圧倒した。

 一部屋だけで、俺の家の部屋全部と広さがそれほど変わらないのではないか。走り回れる大きさの部屋には、ここだけで生活ができるだけの設備が整っていた。天蓋付きの巨大なベッドに、座り心地の良さそうなソファーと大画面のテレビ、冷蔵庫。などなど。浴室やお手洗いのある部屋とも隣接しているようだ。

 たとえば、ここで監禁されたとしても、しばらくは何不自由なく生活を送れそうだ。

「それでは、ごゆっくりとお楽しみください」

 どこか楽しげな声で言った黒服さんが扉を閉めた直後、ガチャリと音が鳴った。

「え……?」

 その音で正気を取り戻し、たった今開かれていた扉の取っ手を掴むが、全くビクともしない。念のため、何度か試してみたが、変わらず。重厚な扉は閉ざされたまま固定され、人の出入りを完全に拒んでいた。

「まさか……」

 鍵を閉められた? どうして?

 食事会の準備が必要で、それまで俺をこの場所に待機させたい意図はわかるが、閉じ込める必要は全くないというのに。これも何かの催し物なのだろうか。さっきの黒服さんが一瞬見せた楽しそうな反応は、これのことを匂わせていたのか。

 となると、声を掛けても部屋に来てはくれなさそうだ。言われた通りに寛ぐべきだろう。そう思った俺は、とりあえず部屋の中を散策することにし、遠目からでも興味を引かれていた大きいベッドへと近づいた。

「あ……」

 そこまで来て、俺はようやくこの部屋に先客がいることに気が付いた。

 枕に頭を乗せ、長い金髪を扇のように広げて気持ちよさそうに眠る一人の少女。目を閉じているが、間違いない。俺は黒服さんから貰い、ポケットにしまっていた写真を取り出し、その眠り姫と比較した。

 写真の中でウェディングドレスを着て、満面の笑みを浮かべる少女。彼女が俺の前にいる。手を伸ばせば届く距離で、ベッドに身を沈め、写真とは違って雄を誘うような魅惑的な衣装に身を包んだ状態で。

 すー、すーと静かに寝息を立てる少女。いい夢を見ているのだろう。眠っていても笑みを絶やさない彼女の体は、白く透けたネグリジェを纏っていた。品の良さを保ちつつ、少女の健康的に発育した体を淫靡な雌へと飾り立てる衣装。写真との対比もあって、よりエロさが引き出されていく。

 俺は自然と、履物を脱いでベッドに上がり、少女へと近づいた。

 何か、妙にドキドキする。何故だろう。誰かの寝顔を見るのはこれが初めてではないというのに。こうして傍にいて、少女の顔を見て、ネグリジェから曲線が確認できるお椀型の胸を見て、ズボンが膨らむ。

「ん……」

 ゆっくりと鼻で息を吸うと、甘い香りがした。てっきり少女の香りかと思ったが、そうではないことに気が付く。少女のものも混ざっているが、この部屋には、それとは別の甘さが漂っていた。

「っ……」

 何度か呼吸を繰り返していると、体が熱くなっているように感じた。気のせいだろうか。それとも、何か関係しているのか。正体不明の香りと体の発熱に関係があるのか判然としない。原因が定かにならないまま、俺は少女の魅力に嵌っていく。

 ただでさえ美しい少女が、より一層可憐に、美味しそうに感じる。寝息で上下する胸も、その頂でピンクに染まる乳輪も、たまに動いて擦れ合うしなやかな太腿も。見えそうで見えない秘所も。

 穢れなどとは無縁そうな無垢な顔と、小さく瑞々しい唇を俺はじっと眺めた。

 そんなとき、目蓋がパッチリと開き、宝石のように輝く金色の瞳が俺を捉えた。

「あら?」

 眠っている間に見知らぬ男に見下ろされていれば、普通は酷く驚くはずなのだが、少女はそうとは感じさせない軽い疑問を見せただけで、顔を覗き込んでいた俺と正面から視線を重ね合わせる。

「もしかして、あなたが勇希かしら?」

「え、うん……」

 何で名前をと思ったが、知っているのはおかしくないか。少女は誘ってきた側なのだし、俺の顔も名前も把握しているだろう。使用人である黒服に俺の生活を監視させていたことからも、それ以上の情報も得ているのだろう。何のためにそこまで念入りに俺のことを調べさせたのかは知らないが。

「やっぱり! 初めまして、あたしは弦巻こころ!」

 少女はガバッと勢いよく上体を起こし、俺へと距離を詰めてきた。

「お母様にお話を聞いてから、あなたと会える日を楽しみにしていたわ! うん、やっぱり写真や動画じゃなくて、直接会うのが一番ね。ねえ、勇希。あなた、あたしたちのバンドに入ってくれないかしら? あなたと一緒なら、皆をもっと笑顔にできるわ!」

「バンド……? 笑顔……?」

 少女、弦巻こころさんの口から予想もしていなかった言葉が飛び出し、俺は理解が追いつかなかった。俺の写真や動画というのは、CiRCLEでのライブで流出したときのものだろうか。それとも、ここ数日俺を監視していた黒服さん経由で得たものか。しかし、バンドの話が出るということは前者である可能性も高く――。

 あれこれ考えている俺の体に、弦巻さんが嬉しそうに抱き着いてくる。

 温かくて、柔らかくて、やっぱり甘い香りがする。チンポの勃起が止まらない。この香りが俺の体に何らかの影響を与えているように感じるのだが、弦巻さんが平然としているところを見ていると、定かではなかった。

「ん? 何だか硬いわね? それにビクビクしているわ」

「ちょ……」

 弦巻さんの膝が俺の股間に当たり、ぐいぐいと押し込んできた。何だかよくわからないことを言われたけど、結局は俺を食う気満々だったようだ。ネグリジェで待っていたのも、俺を欲情させるためだろう。

 俺は罠に掛ったのか。しかし、こういう罠ならば大歓迎だ。

 このまま素直に受け入れてしまおうか。悩む俺を他所に、弦巻さんは何故か不思議そうに俺の股間を膝で優しく弄っていた。

「膨らんでいるこれは何かしら? ボール? ズボンの中に何を隠しているの、勇希」

 そう問いかけてくる弦巻さんの顔は、純粋無垢な少女のものだった。いや、まさかそんな。急に湧いてきたとある可能性を、俺はさすがに否定したくなった。

 この世界の女は男よりも性欲が強い。前世で男女の立場が入れ替わっただけでなく、男の数が少ないこともあって、男を狙う女の欲は異常ともいえる。無防備な男が目の前にいて、食べてもいい状況に置かれていれば、真っ先に女は食らいつく。

 そんな世界だから、性交が可能な年齢でありながら性知識のない女などは存在しないはず。

 そう思っていたのに。

「見せてもらってもいいかしら!」

 弦巻さんは肉欲ではなく、純粋な好奇心を発露させて、遂には膝ではなく手で俺の股間を触り始めた。金色の瞳をキラキラと輝かせ、何か楽しいことが起こることを期待しているようにワクワクとしていた。

 間違いない。弦巻さんは、性知識に関して無知だ。だというのに扇情的なネグリジェ姿なのはきっと、誰かから言われて着ただけなのだろう。この分だと、この部屋に俺と二人で閉じ込められたことも知らなそうだ。

 密室で、エロい格好をした世間知らずな金髪お嬢様と一緒。ここまでお膳立てされて、手を出さないというのはあり得ない。

「いいよ」

 ごくりと唾を飲み下した俺は、ちょっとした後ろめたさを覚えたが、続けてしまった。

「ベルト、外してもらえる?」

「わかったわ!」

 明るく答えた弦巻さんが、俺のベルトに手を掛ける。そのときの弦巻さんは、宝箱を見つけて胸を躍らせる幼い子供のように見えた。だが、体のほうは幼いわけではなく、美味しく頂くことができる。

 ズボンの中の肉棒を取り出して目の当たりにしたとき、弦巻さんはどんな反応を見せるのだろうか。そんな弦巻さんにどんなことをしてもらい、どんなことを教え込もうか。無知シチュという美味しい展開に俺はチンポをビクつかせながら、期待感で股間を膨らませた。



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弦巻こころと性教育

 ベルトが外され、弦巻さんは俺の指示でズボンを下ろした。下着姿となったことで、股間の膨らみがくっきりと見えてしまう。でも、弦巻さんはそれを前にしてもまだ不思議そうな表情をしていて、本当に性関連の知識がないのだと感じさせられた。

「下着も下ろしてみようか」

「ええ! ところで、どうして携帯電話のカメラをこちらに向けているのかしら? なにかの撮影?」

「気にしないで」

 無知な少女が、俺との性教育で卑猥なことに触れていく。その様を映像に残しておきたかった。こんな機会はおそらく他にないだろうから。

「下着に指を引っ掛けて」

「こう?」

「そのまま下まで。そう」

 少しずつずり落され、ズボンと同じく膝下まで下がった。

 その瞬間、下着の締め付けから逃れた肉棒が、ブルンッと跳ねるようにして亀頭を持ち上げた。初対面の女ならば見た瞬間に呆然とするほどの、カリが高く、竿が分厚く、長い肉棒がその場に出現する。

「不思議な形をしているのね。なんだか亀の頭みたい」

 しかし、弦巻さんに動揺はない。抱いた好奇心は損なわれることなく、見せつけられたチンポを間近で観察している。わかってはいたけど、こうも無邪気に対応されると、ますますイケないことを教え込んであげたくなる。

「これはチンポだよ。おチンポでもいいけど」

「チンポ? おチンポ? 少し変わった名前ね」

「手で触ってみて?」

 こっちのほうがドキドキしながら、弦巻さんを誘導する。弦巻さんは何の警戒心も抱かず、言われたまま手を伸ばし、竿を手で掴む。

「とっても大きいわね! それに、硬くて温かいわ!」

 にぎにぎと竿を揉み、形を確認していく。触診するような手つきでエロさは欠片もないのだけど、知らず知らずのうちに男の生殖器に触れているという状況だけでも良い興奮材料で、肉棒が硬くなっていく。

「勇希、このボールはなあに?」

「それは金玉。そっちも触っていいよ」

 弦巻さんは空いた手を金玉に伸ばし、むにゅりと人差し指を沈ませる。その柔軟さに少しだけ驚いた後、手の平全体で包み込む。

 弦巻さんの柔らかい手の平と体温を受けて、肉棒がビクビクと跳ねる。

「また跳ねたわっ!」

 楽しそうに笑い、弦巻さんは何度も手で揉む。竿と金玉を一緒に揉むことで、肉棒の震えが大きくなることに気付いた様子だ。未知なるものに対する興味は薄れず、俺のチンポを可愛がってくれる。

 そんな弦巻さんを見ていると、ムラムラしてきた。

「弦巻さん。鼻を竿に触れさせて、思い切り深呼吸して?」

「こうすればいいのね?」

 小さくて細い鼻を竿にピタリと密着させ、弦巻さんは素直に深呼吸を始める。

「すぅうっ、はぁー……。すぅぅうっ、はぁー……」

 俺のチンポから発せられる雄の臭いが今、弦巻さんの体内に取り込まれている。してはいけないことをさせている気分だ。純粋無垢なものを穢すというのは、何故こうも背徳感と興奮を与えてくれるのだろうか。

「すぅううっ、はぁぁー……んっ、すぅううっ、は、ぁああっ……」

「弦巻さん、こっち向いて?」

 弦巻さんの初チン嗅ぎシーンを撮影する。

 そうしていると、段々と弦巻さんの表情に変化が訪れた。楽しそうなのは相変わらずだけど、顔がほんのりと赤く染まっている。まるでお酒に酔ったかのような。

 かく言う俺も、きっと同じような顔をしていると思う。部屋の中に広がる甘ったるい香りは心なしかさっきよりも濃く感じる。吸うたびに全身が、特に股間が発熱し、弦巻さんに対して強い肉欲を向けてしまう。

 早くこの子を無茶苦茶にしたい。ブチ犯して、チンポで喘がせて、俺の女にしたい。

「ゆ、勇希……。何だかお股がムズムズして、熱いわ……」

 間違いない。この部屋には人の欲望を促進させる香りが満ちている。黒服さんたちの仕業だろう。何故こんなことをするのかは定かではないが、おそらくは俺と弦巻さんに肉体関係を築かせて、そのままなし崩し的に弦巻家に俺を取り込もうという意図だと思う。透けたネグリジェを弦巻さんに着せたのも、少しでも俺を興奮させるため。

 これこそが本物の罠だ。

 罠だとわかっていながら、今の俺にはどうすることもできない。

 もじもじと内股を擦り合わせて真っ赤な顔で俺を見る弦巻さんが可愛くて、俺は弦巻さんの手を引いた。正面から抱き締めて細い腰と尻に手を回し、その曲線と弾力を目いっぱい楽しむことにした。

 ここまできて弦巻さんを俺の女にしないという選択はない。

「こころ」

 自分の物になる女の名を呼んで、指を大きく広げて尻肉にむにゅんと沈ませる。

 こころはくすぐったそうに、でも嬉しそうに俺を見つめて抱きしめ返してくる。体を擦りつけてくるのは、湧き出る興奮をどうにかしたいという表れだろうか。しかし、どうすれば解消されるのかを知らず、ただ本能的に雄の俺に縋っていた。

「これから、こころの体に気持ち良いことをたっぷり刻みつけてあげる」

「気持ち、いいこと?」

「そう。男と女がする、とっても気持ちいいこと。こころが感じているむずむずもきっと解消できる。ただ、これをするには、できれば俺とこころが愛し合っていたほうがいいんだけど。これは恋人同士の大切な儀式だから」

「勇希のことはもう大好きよ?」

「大好きよりも、もっと強い感情じゃないと駄目だよ」

 額と額が触れ合う距離感で、こころの煌めく金色の瞳を見つめる。穢れを知らない美しい瞳。見ているだけで元気が貰える。そんな太陽のようなこころを腕の中に収めて、俺の醜い欲望で包み込む。

「俺がじっくり教えてあげる」

 そう言って、俺はこころの唇に吸いついた。

「んん? んちゅっ、くちゅっ、ぐぢゅるっ?」

 ちょっとだけ驚いたように、でも、抵抗せずに俺を受け入れたこころ。無防備な舌に俺の舌を擦りつけ、流し込んだ唾液を塗りつける。こころの口内を舐め回しながら瞳を真っ直ぐ見つめ、口を犯し続ける。

「あ、ふ、んちゅ、ぁっ、んんっ、ぐちゅっ、ぬちゅっ、ちゅ、む」

 背中を優しく撫で、尻を熱心に揉みほぐしながら舌を絡ませていくと、こころの体がどんどん弛緩していった。とろん、と目が蕩けている。もっと気持ちよくしてあげようと、俺は舌先を隅々まで伸ばした。

「ぢゅ、ぷっ、ぐぢゅっ、ぬちゃぁ、ぐちゃぁ、ぐちゅっ、ぬちゅちゅっ」

「んぁ、あぅ、んっ、んふふっ、ぁー、ぁむぅ、ちゅっ、ぴちゃっ」

 交わりを繰り返しているうちに、こころのほうからも求めてくれるようになった。鼻から熱い息を吐きながら、顔の角度を何度も変えて唇を貪り合う。重なり合う口内では、相手のことを離すまいと舌が握手を続けている。

 そこから、約五分後のこと。

「ぇ、あ……?」

 俺のほうから口を離すと、こころが名残惜しそうに舌を伸ばしてきた。開かれた口内には俺とこころの唾液がたっぷり溜まっていた。たった今繋がっていた俺たちの舌の間には唾液の分厚い糸が伸びていた。

「もっとキスしてほしかったら、舌を動かしておねだりして?」

「ふぁ?」

 こころは口を開いたまま、舌を上下左右に動かす。舌にぐっちょりと絡みついていた唾液が飛び散っていく。それがすごくエロくて、俺はこころをベッドに押し倒しながらその勢いで唇をまた塞いだ。

「ぶぢゅぢゅっ、ぢゅるるっ、ぐぢゅっ、ぬちゅっ、ぶぢゅっ」

「ぁ、はぁ、んっ、んちゅぅっ、んふっ、ぁむっ」

 顔の横に投げ出されたこころの手に、俺は自分の手を重ねた。相手の温もりが感じられるように指を絡めていく。何度も握り直し、相手が傍にいるのだという実感を得ながら、唾液漬けのディープキスで愛情を深めていった。



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弦巻こころと性教育②

「はぁっ、はぁっ……」

 幸せ一色の表情で天井を見つめ、唾液に濡れた小さな口から吐息を漏らすこころ。俺とのキスは純粋なお嬢様には刺激が強かったようだ。いい感じに乱れたこころの姿が可愛くて、俺は滲み出てきた唾液をこころの口に垂らした。

「ぁ……」

 こころは舌を伸ばして俺の唾液を受け入れる。ぬるりと舌を這った塊が喉奥へと滑っていき、こころの嚥下によって体内に取り込まれる。これでいいの? と尋ねるように首を傾げていたため、頭を撫でてあげた。

 手触りのいい金糸の髪。じっくりと楽しむように撫でると、こころが目を細めて笑った。

「勇希の手、気持ち良いわ」

「そう? 良かった」

 自分から頭を擦りつけてくるこころは、甘えてくる小猫のようだった。もっと癒してあげたくなる。でも、今はそれよりもやりたいことがある。俺はこころの頭から手を離し、彼女の下半身に手を伸ばした。

 真っ直ぐ伸ばされたしなやかな脚を両手で掴み、左右に開かせる。俺はスペースができた足の間に移動し、膝を突いてこころの両足をM字に立たせる。

「今度は何をするの?」

 不安はなく、興味と期待を孕んだこころの声音。時間を掛けてディープキスをした甲斐があって、こころは俺に身を委ねてくれている。どうやらこころは俺のことを前から知っていたようだけど、それにしたって警戒心がなさすぎる。

 こういう無防備な子には、ちゃんと教えてあげないと。

「次は、こころの大事な場所を解してあげる」

「大事な場所? お股のことかしら?」

「うん」

 言いながら両手の指を移動させた先は、純白のネグリジェの裾。面積が少なく、丈も短いそれは太腿を露わにするだけでなく、下に穿いていた白いショーツをも完全に隠しきれていない。元より生地が透けているのもあって、ショーツの状態がよく見て取れる。

 ハート型に切り取られた生地の穴の内側で、何物にも遮られることなく陰裂が全貌を晒している。俺以外の男に触れられたことのない穢れなき領域。陰裂が描く柔らかい膨らみをふにふにと指でなぞり、そっと割れ目に指先を埋めて中を捲る。

 くぱぁ。と開くピンク色の花弁。既にしっとりと濡れているその原因を辿れば、今もとろりと愛液を垂らす膣穴があった。小さな穴の奥には処女膜が確認できた。これから俺が引き裂く予定の純潔の証。

「ぅ、ん……」

 股に熱い息をゆっくり吹きかけたとき、こころが身を揺すった。くすぐったいのかなと思ったが、どうやらそういうわけではなさそうだ。こころの息遣いがより熱を込めて乱れていくのを聞いて、俺は舌を這わせた。

「んぁああっ……」

 愛液だけでも十分濡れていた場所に、俺の唾液をべったりと擦りつける。穴の中にも入るように唾液を纏った舌先を膣口に軽く埋め、ぬちぬちと穿る。

「ふ、ぅ、あぁっ、勇希、なにか、変な感じ、だわ」

 こころはちょっと戸惑った様子だった。何となくわかっていたことだけど、こころは自慰の経験すらないようだった。この世界の女は、俺の前世の男たちを上回る性欲を持っているというのに、まさか高校生になるまで自慰をしたことがないなんて。

 ここまでくると、奇跡のような存在に思えた。

 これほど純粋培養された美少女を、本当に食べてもいいのだろうか?

 舌を動かして秘所を舐めながらも少しだけ躊躇する。しかし、そんな俺を誘うように膣穴から愛液が溢れ出てきた。ヒクッ、と収縮する穴の動きはまるで何かを求めているように思えて、その穴を埋める役割を担う肉棒が俺の股間で呼応する。

 悩む必要なんてなかった。

 俺は体を起こし、こころの股間に肉棒を突きつける。

「こころ。これから俺のチンポを、こころのおマンコに入れてあげる」

「おマンコ?」

「うん。この穴のこと」

 槍のように勇ましい剛直の先、傘を大きく広げた亀頭の先端を膣穴に密着させる。愛液と我慢汁で濡れた性器同士のキス。ぬちゅっ、ぐちゅっと接触のたびに音を鳴らす。

「おマンコにチンポを入れると、すごく気持ちよくなれるよ? 初めてはちょっと痛いかもしれないけど、安心して。俺のチンポでこころのおマンコを擦ってあげれば、痛みはすぐに引くと思うから」

 性器同士を嵌め合わせる意味を知らない子を騙す罪悪感。しかし、それを上回る興奮が俺の胸中で暴れまわる。早く処女膜をブチ破って、この穴を俺専用にしたい。そうして、行き着くところまで行って、高みへと昇りつめる。

 そんな俺の欲望に気付く様子もなく、こころは頬を赤らめたままにっこりと笑う。

「勇希が言うのなら安心ね。それじゃあ、あたしのおマンコに勇希のおチンポを入れてくれるかしら? あたし、勇希ともっと気持ちよくなりたいわ。わからないことだらけでちょっと驚くかもしれないけど、遠慮せずにおマンコを擦ってちょうだい?」

 わかっていて言っているのではないかと思えてしまうほど、こころの言葉は俺の感情を煽った。臨戦態勢にあった肉棒がさらに分厚く膨れ上がり、これから突き進もうとする小さな穴に不釣り合いな大きさになる。

 だからこそ、挿入したくなる。

 俺は少しずつ腰を前に出し、穴に亀頭を差し入れた。触れ合って熱くなっていた先っぽが、さらに熱い膣中に埋まっていく。押し返すような強烈な締めつけにも負けず、多少力を込めて強引に突き出した。

「っ……!? ん、ぁっ……!」

 微かな痛みを感じた様子のこころ。少量の血を垂らしながらも肉棒を咥える膣穴を見て、こころの処女膜を破った実感が湧いてくる。無垢な少女の純潔を手荒く散らした興奮は強く、俺は緩む頬を抑えきれなかった。

「こころの処女膜、破ってあげたから」

「処女、膜……? この、少し痛い部分のこと……?」

 残る痛みに震えながら、こころは不思議そうにしていた。あらゆる性的知識が欠如している彼女だからあり得ると思ったが、処女膜すらも知らないとは。これが弦巻家の教育方針なのか。それとも、こころが特殊なのか。

 いずれにしても、こころにはいろいろと教えてあげないといけない。

「処女膜は、大切な人に捧げるためのものだよ」

 細菌の感染から守るためのもので、普通に生活をしていても破けることがある、という知識は不要だろう。どうせもう俺が奪ってしまったのだから。

「これで、俺とこころは正式に恋人になったから。遠慮なくいくね?」

「ふ、ぁああっ……!?」

 こころの腰を掴み、ずにゅにゅと奥にチンポを進ませる。こころは可愛い声で鳴いて、ベッドから軽く背を浮かせた。その動きがまるで、俺に胸を揉んで欲しいと求めているように見えたから、俺は薄いネグリジェに包まれた胸を片手で掴んだ。

「んぅっ、む、胸、勇希の手の中で、いっぱい、揉まれてっ……! あ、んっ……!」

 じっくりと手の中でこねくり回し、指先で乳首を擦る。ネグリジェの滑らかな質感の中ではっきりと伝わってくる体温と肉の感触を体験し、段々と堪らなくなってきた。俺は体を前に倒して胸に顔を近づけると、乳首に吸いついた。

「は、ぁ、あっ……!?」

 唾液を吸ってぐちゅぐちゅになる生地。乳首を直接吸われているのとほぼ変わらない刺激がこころを襲っているのだろう。反射的にまた背を反らしてしまったようで、張られた胸を俺はまた吸引した。

 吸いながら、俺はこころの子宮口を亀頭で押す。手当たり次第というわけではなく、こころがどこで感じられるのかを確認する。そうして他とは明確に反応が大きい部分を探し当て、とりあえずはそこを集中的に苛めることにした。

「勇希の、おチンポで、中が凄く温かいわっ……。おマンコにおチンポを入れるのって、本当に気持ち良いのねっ……」

「今俺たちがしているのは、セックスって言うんだよ。好きな人同士はこうやって肌を重ねて、セックスをして愛情を深め合う。それで男が気持ち良くなると、精液っていう白く濁った体液を女の子の中にある子宮っていう袋に吐き出すんだ」

「袋に、精液……? ぁっ……! ふ、ぁっ……! それをすると、どうなるの……?」

「すごく低い確率だけど、俺とこころの子供ができる。二人の遺伝子を受け継いだ子がこころを通して栄養を得て、すくすく育っていく。そして、お腹の中で十分に大きくなったら、こころのおマンコから赤ちゃんが出てくるんだ」

「あたしと勇希の、赤ちゃん……。んぁっ……!」

 そう呟くように言ったこころの目は、キラキラとしていた。

 今何を考えて、期待に胸を躍らせているのだろう。もっとこころのことを知りたいと思った。もう、こころは大切な恋人だから。

「勇希……? ん、はぁぁああっ……!?」

 こころの体に覆い被さって抱き着くと、俺は本気で腰を振り始めた。

「ぁぁっ!? んぁっ! ぁっ! ぁっ! あぁあっ!」

 こころの体をベッドに押しつけ、上から肉棒を膣穴にねじ込む。腰を引いてエラで膣壁を引っ掻いた後、再び肉棒を挿入する。それを繰り返し、こころの乱れた可愛い声を間近で聞き入れる。

「勇希っ、ぁあっ……。勇希、好きっ……」

「もっと言って?」

「好きっ……。勇希のこと大好きよっ……」

 好意を至近距離で叩き込まれ、脳が喜ぶ。俺もこころに愛情をぶつけてあげようと、膣奥に何度も亀頭を接触させる。その刺激でビクつくこころの体を抱き締め、腕の中でガッチリ捕らえる。

 湧き上がる射精欲求に伴い、震え上がるほどの快感に襲われたときだった。

「あたしの子宮に、精液出してっ……? あたしと勇希の赤ちゃん、作りましょう……?」

 タイミングを見計らったかのように放たれた言葉に背を押され、俺は他の恋人を相手にするときのように思いきりのいい突きを放った。それはこころの膣奥にぶつかって思った以上の衝撃を生み出したようだ。

「んぅ!? ぁぁあっ……!?」

 未だかつてないほど、こころの表情がだらしなく緩む。

 そこには、無垢な少女はいなかった。俺とのセックスの快感を知ってしまった一匹の雌。幸福と快楽に濡れた顔のまま、開いた口から喘ぎをこぼす。快楽で上擦るその声を聞きながら、俺は精液を吐き出した。

 びゅるるるっ! どびゅるっ! どぷぅっ! どぷんっ! どくんっ! ぶびゅっ!

 頭の中を空っぽにし、快楽に酔い痴れて子宮に子種を撒き散らす。

 それを受け止めるこころもまた、セックスのこと以外何も考えられない様子で俺を見つめていた。そんな俺たちはまるで示し合わせたかのように顔を寄せ合って、舌を絡ませ合った。

「あ、むっ、ぢゅぢゅっ、ぐちゅっ、ぢゅるっ、ぢゅぶっ……」

「ん、ふ、ぁあっ、んんっ、ぁ、ふ、れる、くちゅ、ぬちゅ……」

 ガッツリ中出しをしながら、こころとディープキス。互いの視線を重ね合ったまま、唾液をひたすら塗り合う。こぼれそうになった唾液は二人で仲良く分け合って飲み干して、また湧き出てきた唾液を注ぐ。

 俺たちは夢中になって互いを求めた。

 気が付くとこころの両足は俺の腰に巻き付き、両手で俺の首に抱き着いていた。俺も負けじとこころの体に両手を回し、熱い抱擁を交わす。その体勢のまま、好きなときに腰を動かして膣穴に肉棒を抜き差しし、気持ち良くなったら我慢せずに絶頂した。

 互いに何回絶頂したのかよく覚えていない。

 部屋に満ちた甘い香りが俺たちの欲望を高め続け、休みを与えてくれなかった。俺はそれを知りながらも香りを吸い込み、こころを味わった。そんな俺にこころは圧倒されるでもなく、対等に渡り合ってきた。

 全身が汗に塗れ、体液に濡れていた。激しいセックスの末、こころのネグリジェも至るところが破けていた。それだけやっても全く落ち着くこともなく、俺たちは高められた性欲が鎮まるまで楽しむことにした。

 ここぞとばかりに、俺はこころをエロい子に育てようと教育を施した。

 淫らな言葉や卑猥な行動。どうすれば俺が喜ぶのかを伝えた。それを身に付ければ、俺はこころのことをもっと好きになると言うと、こころは積極的に学び、実践を経て着実に俺好みの女の子へと成長していった。

「んぁっ、ぉっ!? ゆ、勇希っ、これで、いい、かしらっ? ん、あぁっ! あたしのおマンコが、勇希のぶっとくて素敵なおチンポを出し入れしているの、見える? んっ、ぉっ!? ま、た、硬くなって、あぁぁ……! すごいっ、おマンコの壁、カリカリ擦られてぇっ、ぁあぁっ、んはぁああっ!?」

 ベッドで仰向けになった俺の股間で、こころが跨って尻を振っている。両手は俺の頭を挟むようにベッドに突いてあって、目の前で破けたネグリジェからこぼれ出た乳房がぷるぷると揺れている。俺に隅々まで舐め回され、軽く甘噛みされたそれは唾液で光っていて、乳首の先に伝って集まった唾液がとろりと俺の体に垂れていた。

「ねえ、勇希、もっといろいろなことを教えて? はぁっ、あぁっ! 勇希の悦ぶこと、たくさん知りたいわっ。んぅ、んんっ! 勇希に教わった子種搾り杭打ちピストン、んぁっ、こ、このまま速度を上げてもいいかしら? きっと、すごく気持ちいいと思うわ!」

 パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! と俺の股間に尻を叩き付けてはすぐに持ち上げ、精液が擦れて白く泡立つ肉棒を素早く出し入れするこころは、俺ににっこりと微笑み掛けた。それは、眩しいと感じる純粋な笑顔ではなく、セックスの魅力を知って色欲に彩られた笑顔。

 それを見て俺も口元を緩めて快楽を滲ませると、こころは嬉しそうにピストンの速度を上げていった。

 教育は順調みたいだ。この調子でこころをこれからエロい子に育てていきたい。

 とりあえず今は、時間の許す限りこころにセックスの仕方を教えてあげることにした。



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弦巻こころと性教育③

 好奇心旺盛でありながら無垢な少女、弦巻こころ。実践を通して彼女に欠けていた性知識を少しずつ埋めていき、俺好みの女に育成していくのは堪らなく興奮する。

「両手でピースして?」

「いえーい!」

 俺の指示に従ってこころはダブルピースをし、俺が構えるビデオカメラのレンズに満開の笑顔を向けた。その表情を捉えた映像であれば、第三者に見せても問題ない。しかし、少しカメラを引いて彼女の全身をカメラに収めてしまえば、途端に外部にはお見せできない卑猥な映像に変わる。

 ベッドでしゃがみ、両足を左右に開いてつま先立ちになるこころ。彼女の格好はさっきまで着ていたネグリジェではなく、純白のウェディングドレス。極限まで生地を薄くし、そもそも乳房や秘所を隠す部分が存在しないそれは神聖さの欠片もない。ドレスの至る所に何かを括りつけられる装飾があって、そこにはプレイの一貫で使用した色とりどりのコンドームの口を巻きつけてあり、精液で丸々と膨らんだ先端がだらんと垂れ下がっている。

 改造痴女ウェディングドレス。おまけに、膣内には俺のチンポとほぼ変わらない極太バイブが挿入されている。膣から垂れてきた精液をバイブの根元に伝わせ、ぽたぽたとベッドのシーツを濡らす様は、冒涜的と言える。

 この光景を、どこからか見ているのだろうか。

 俺はこうなるように仕向けた黒服さんのことを考え、その思惑を推察する。

 ついさっき、俺がこころとベッドで仲良く愛し合っていたとき、閉ざされていた扉が開いて黒服さんが顔を覗かせた。てっきり食事会の準備とやらが済んだかのかと思ったが、彼女は何かを告げるでもなく、そっと箱を部屋の中に置いてどこかへと去った。

 律儀にまた鍵を閉められた扉の前に置かれた謎の箱。気になって開けた中身を見てみれば、そこには改造ウェディングドレスやなぜか今さら与えられたコンドーム、バイブやビデオカメラなどが揃えられていた。

 つまりはこの撮影会は黒服さん主導によるものというわけだ。

 自分たちが仕えている家のお嬢様にこんな格好をさせたがる理由がわからない。この撮影会で得をするのは俺だけだと思う。黒服さんがいったい何を考えているのかは改めて推測しても真意は読めなかった。

 まあでも、せっかく用意してくれたものを使わないのも勿体ない。

 というわけで、俺はバイブと一緒に入っていたリモコンに触れ、スイッチを入れた。

「ぁ、ぁああ、あああっ……!?」

 こころがつま先を伸ばし、背筋をピンと立たせて嬌声を上げた。数秒前に映していた笑顔は一転して妖しく火照る。俺を見る目に熱が灯り、口元は快楽によって緩む。ダブルピースがアヘ顔ダブルピースに変わるのにそう時間は掛からなかった。

「ぉおおっ、ぉおおおっ……!」

 速度を最速するのに合わせ、バイブがヴヴヴヴヴッ! と中で激しく振動するようになった。ぐっぽりとマンコの奥まで挿入して膣肉で包みこんでいるために動きは大人しいが、その分ダイレクトな衝撃がこころの内側を蹂躙しているはずだ。

「こころ、今から言う言葉を復唱して?」

 俺はそう言って、こころの返事を待つことなく、今考えた言葉を言い放った。

 こころはそれを聞くと、唇を震わせた。

「あ、あたし、弦巻こころはぁ、岩戸勇希様に体の隅々まで愛され、ぶっといおチンポ様でおマンコの奥までほじくられてぇ、勇希様のおチンポ様のお嫁さんになりましたっ。ぁ、あぁっ、これから、性教育を頑張ってエッチな知識をいっぱい蓄えて、勇希様のおチンポ様に気持ちよくお射精してもらえるよう、頑張りますっ」

 バイブで翻弄されながらも最後まで元気よく言い切ったこころ。その健気な姿が可愛くて、俺はカメラを向けながらこころに近づき、チンポを顔に突きつけた。

 竿に力強く血管を浮かばせ、エラの傘を大きく開き、威圧感を発する雄々しい肉棒。それをこころの可愛らしい顔と一緒の画角に収め、命令する。

「結婚相手のチンポに誓いのキスを100回して?」

 こころは何の疑いも抱かず、俺が求めたことというだけで無条件で受け入れてくれる。

「ちゅっ、ぷ、ちゅっ、ちゅぅっ、んちゅっ、ちゅ、く、ぬちゅっ……」

「いろいろな角度からキスして。でも常にカメラに目線で。たまに舌で亀頭を飴玉みたいに舐めて。あ、舌には唾液たっぷりつけてね」

「ぬちゃぁっ、ぬりゅっ、ちゅぅっ、むちゅぅっ、ぐちゅっ、ぬろぉっ……」

 こころは上目遣いでカメラ越しに俺を見て、熱心にチンポにキスを放ちつつ、舌でねっとり愛撫してくれる。素晴らしい映像に俺は軽く息を乱し、衝動に駆られてこころの頭に手を置いた。

 こころは良い感じに育っている。さらにエロく育てて、いずれは俺と会うだけでおマンコを濡らし、二人きりになった途端にチンポとの交尾を卑猥におねだりしてくるような変態お嬢様にしてあげたい。

「あ……」

 誓いのキス100回を受けてチンポがますます元気になったところで、俺は体を横にしてこころの目元に竿を近づけた。こころの月のように輝くまん丸で大きな瞳をも隠してしまった巨大な肉棒が、こころの視界を遮っている。

「その状態で舌を伸ばして竿の舌を舐めて?」

「ぬろぉ~~、ぬちゃぁ、ぐちゃぁぁ、れるぅっ、れろぉっ、れろっ、れろぉぉぉ~~!」

 こころは舌を一生懸命伸ばして竿の裏をぬりぬりと撫でる。ねっとりと何層にも拭いつけられた唾液が糸を引いて落ちていくが、それをこころは舌で受け止め、また竿にぬちゃりと擦りつける。

「こころ、チンポ好き?」

「好きっ……!」

「俺のことは?」

「もちろん大好きよっ……! 勇希も、おチンポも、どっちも……! あたしを笑顔にして、気持ち良くしてくれるんだものっ……! ん、あぁっ、いい臭いっ、おチンポの臭いも好きっ……。おマンコをぐちゃぐちゃにされちゃうこの硬さも、火傷しちゃうくらいに熱いのも、柔らかくて大きな金玉もっ、全部好きっ……!」

 こころはすっかりチンポに夢中になってしまったようだ。自分から金玉に指を這わせ、優しくマッサージしてくれる。そうすればチンポがより硬くなることを理解していて、金玉の皺一つ一つに至るまで丁寧に揉んでくれる。

 そんな風にじっくりと弄られて愛情を注がれては我慢が続くわけもなく。

「出るっ……」

 どびゅっ、どびゅっ、びゅるるるっ、と尿道口から精液が噴き出す。射精の幸福と解放感が脳を良い感じに溶かす中、射精に導いたこころは間近でチンポを眺めたまま、ニッと白い歯を見せて笑い、手の平で作った器で精液を受け止めていた。

「勇希の美味しいおチンポ汁、びゅーびゅー出してちょうだい?」

 右手で金玉をじっくりと揉み解し、肉竿の裏筋を舐めながら左手で精液を受け止める。手に溜まったそれを直接口に持っていかず、こころはチンポの中腹に振り掛ける。竿を伝って落ちそうになった白濁液だったが、待ち構えていたこころによって的確に拭い取られていく。

「ぶぢゅるるっ、ぐぢゅ、ぶちゅっ、ぢゅるっ、ぢゅぞぞぞぞぞっ、ぢゅるるるるっ!」

 ザーメンまみれのチンポに吸いつき、美味しそうに白濁液を啜っていくこころ。その動きは大胆かつ丁寧で、たまに漏れる息遣いは幸福に染まっていた。

 処女喪失初日でここまでになるとは。俺はすごい才能の塊に出会ってしまったのかもしれない。

 思わず滲む笑みを抑えられず、俺は射精を続け、こころはそれを吸い尽くした。手で受け止めきれずにシーツにこぼしてしまった精液も、尿道に残ってしまった残り汁も。音を立てて吸われ、あっという間に肉棒はこころの唾液に包まれた。

「あむっ、むちゅぅっ、ぢゅ、ぢゅぢゅぢゅっ」

 亀頭を唇の先で啄み、精液を求めるように軽く吸ってくるこころ。まだ足りないらしい。精液をもっと作って欲しいと訴えるように金玉を弄る。ただ揉むだけでなく、爪で軽くカリッカリッと優しく引っ掻くような新しい刺激も交えていた。俺の反応を見て何が気持ちいいのか、何が喜んでもらえるのかを確認しながら。

 雄のためにせっせと奉仕に勤しむ雌。

 そんな愛らしい雌に報いるために、俺はこころをうつ伏せに押し倒し、バイブを一気に取り出して口を開いた膣穴にチンポをねじ込んだ。上から覆いかぶさって俺の体で圧し潰し、チンポで子宮口まで叩かれる感覚が味わえる寝バックの体勢で。

「あぁああっ! はぁっ! んんぁっ!? あぁああんっ!? ぉ、おぉおおっ!?」

 花のようにカラフルな使用済みコンドームたちに彩られ、殆ど女体を隠すことを諦めた改造ウェディングドレスを着た金髪お嬢様を、徹底的に喰らい尽くす。

 肌を擦り合わせ、熱を感じ取りながら、ひたすらチンポを膣内に擦りつけて気持ちよくなる。お互いの口から漏れる声は快楽一色。好きなだけ鳴いて、大好きな相手の名前を呼んで、好きなときに絶頂する。

「勇希っ……! 勇希っ……! ん!? ぁぁあっ! 出てるわっ! 勇希の濃くて重たい精液っ……! 奥で、びちゃびちゃって! はぁぁあっ、あぁああっ!? ぁ、熱いぃっ! んぁ、あぁあっ、気持ちいいぃっ……! いっぱい、いぃっぱい詰め込んでぇえっ!」

 言われるまでもなく、こころの子宮を精液でいっぱいにしてやった。それでも俺は満足せず、こころもまたさらなる繋がりを求めて膣肉を締めてきた。体力的に余裕のある一組の男女。密室でヤリ続けていいという環境にあっては、休むことなどあり得ない。

 俺はまた、こころを抱きまくった。

 寝バックで。

 駅弁ファックで。

 対面座位で。

 騎乗位で。

 いろいろな体位を試し、互いの全身が汗だくになっても腰を止めることができなかった。汗やら精液やらで全身がべたべたなのに気持ち良い。もっと肌を密着させていたい。生じる衝動に駆られて、俺たちは黒服さんが来るまでの間、イチャイチャ交尾を楽しんだ。



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食事会

食事会という名の別のなにか。
美竹ママと同じく、ほぼオリキャラ登場。


「こちらでお待ちください」

「はい」

 黒服さんに案内され、俺は指定された席に腰を下ろした。

 ここは、本邸にある食堂。弦巻家が家族で食事をする際に使用している場所だ。使用人が使用する食堂はまた別にあるようなのだが、とてもそうは思えないほどに広い。大人数が集って食事することを想定しているように食卓は長かった。

 純白のテーブルクロスを敷かれた食卓には、まだ何も置かれていない。これから料理が運ばれてくるのだろう。いったいどういう料理なのだろうか。この感じだと、テレビでしか見たことのない高級料理がズラリと並びそうだった。

 ちゃんと、俺の喉を通ってくれるのだろうか。

「勇希? どうかしたの?」

「何でもないよ」

 お金はあるけど、庶民的な食生活を送っている俺が少し心配に思っていると、隣の席に座るこころが首を傾げていた。俺の返事を聞いて安心したのか、改めて俺の左腕に両手を回し、むぎゅっと抱き着いてくる。

 こころはこうしてずっと、俺に引っついていた。ベッドでハメまくって人心地ついた後も、黒服さんがやってきて食事会の前に入浴を勧められたときも、泳げるほど広い風呂場で二人で入浴をしているときも。こころは片時も離れようとしなかった。

 ちなみに、こころの格好は赤いミニドレスで、俺は白いタキシード。俺の格好はともかく、こころの服装で抱きつかれれば、胸の感触を確かめるなど余裕であり、柔らかくて心地よかった。

「勇希」

「なに? こころ」

「いえ、何でもないわっ」

 今みたいに意味もなく俺の名前を呼んで、笑顔を咲かせている。

 これだけでも可愛すぎてやばいけど、こころは抱きつくだけでなく、腕にぐいぐいと胸を押しつけてきたり、耳に吐息を吹きかけてきたりと積極的だった。それらの知識は俺が教えたものではなくて、度々現れてはこころに耳打ちをする黒服さんたちの仕業だった。

「こころ様」

「何かしら? んん? ふむふむ。なるほど、それをすれば、勇希も喜ぶのね?」

 また一人の黒服さんが音もなく出没し、こころに何かの情報を授けたようだ。その場を素早く立ち去る黒服さんの後を追うと、出入口の扉が音もなく開かれ、そこに吸い込まれるようにして出て行った。見ていなければ扉が開いたことにも気づかないほどの小さな物音。

 改めて思うけど、あの黒服さんたちは何者なのだろうか。忍者の末裔とか? もしくは人間に見えて、その実態は超高性能AIを搭載した人型ロボットとか? 見れば見るほど謎が深まるばかりだった。

 黒服さんの生態調査をしてみたい気分になっていると、こころが顔を寄せてきた。

 そして、

「ぬちゅっ、ぐぷぷぅっ、ぢゅるっ、ぐぢゅぢゅっ、ぐぷぅっ、ぬぷぅっ、ぢゅぶっ!」

「ぅ、ぁ……?」

 突然、左耳に舌をねじ込まれた。

「ぐちぃっ、ぬちぃっ、ぢゅぷぅっ、ぬちゅっ、ぐちゅぅっ!」

 密閉された穴の中で反響する、唾液ミキサー音。意表を突かれて身を引きそうになるけど、腕を抱かれている体勢では意味もない。こころに縋りつかれ、柔らかい胸をふにふにと腕に宛がわれたまま、耳穴をぐぷぐぷとねぶられる。

 ひとしきり唾液で耳を温めると、こころが舌を取り出した。

「ゆぅ、う、きぃ……」

 すかさず送り込まれるウィスパーボイス。一音一音を区切ったそれは、予想以上に俺の脳をシェイクする。体から力が抜けて、目が蕩ける。その様子をこころは横から見ていて、畳みかけるように追撃を放ってきた。

「ふぅぅ~~っ……」

「ちょ、っと……」

 温められた耳の中に吹き抜ける微かに冷たい息。それが表面を撫でて、鼓膜を震わせる。

 どれもこころに教えた覚えのないことばかりだった。たった今、黒服さんに教わったことなのだろう。それを一回口頭で説明を受けただけで、こうも自分の技にまで昇華できるものなのだろうか。こころの才能に驚かされるばかりだ。

 というか、これから食事会なわけだけど、こんな風に俺を弄ってどうしたいのか。こころはただ黒服さんの言われたことをなぞっているのだとしても、黒服さんの意図がまるで読めない。

 さっき黒服さんに聞いたのだけど、食事会の参加者は俺とこころだけじゃない。

 あと一人。この場にやってくるわけで、その人に見られたら。

「勇希……。好き……。結婚しましょ……? ずっと一緒にいましょう……?」

 煮詰めてとろとろにしたカラメルみたいに甘ったるい声で脳が快楽に浸される。

 このまま頷いたら、俺はどうなるのだろうか。こころと黒服さんたちに囲まれて、飼われてしまうのだろうか。それも魅力的だけど、やっぱり俺はこころ一人だけじゃなくて、燐子たち全員と結婚して、賑やかなハーレムを作りたい。

 こころにそのことを素直に伝えようと思い、口を開きかけたときだった。

 扉が開く音がする。音の大きさ的に、黒服さんたちではない。

 こころにじゃれつかれながら目線だけを横に向けると、一人の女性がいた。曲線豊かな体にフィットした白いパーティードレスと、癖のない真っ直ぐ伸ばした金色の髪。外見は二十代くらい? 若々しい顔には、こころと同じく宝石みたいな金色の眼がぱっちりと形よく開いていた。

 少女の可愛らしさと、けれども大人の色香が混ざったような、不思議な魅力。

 こころが成長すれば、こんな感じになるのではないか。

 その女性は穏やかな微笑みを絶やさず、食卓を挟んで向かい側に立った。

「お母様!」

 と、その女性に気づいたこころが、嬉しそうに声を上げた。

 お母様。……お母様?

 その言葉は脳に浸透したというのに、上手く理解に繋がらない。

 こころに呼ばれて手を振っている目の前の女性は、どう見積もってもこころの年の離れた姉くらいにしか見えなかった。小さな子供ならばともかく、高校生の娘がいるようには思えない。こころと一緒に外に出掛けても、通行人には姉妹が仲良く買い物をしているとしか映らないだろう。

 こころのお母さん、弦巻さんは腰を曲げて一度会釈すると、にっこりと笑った。

「初めまして、勇希君! 弦巻家へようこそ! 自分の家だと思って、寛いでね?」

 よく通る声が響き、俺の耳をさっきまでと違う意味で震わせた。

 声、大きい。さすがにびっくりした。

 でも、今のでわかった。この人は間違いなくこころの母親であり、こころはこの人の遺伝子をたっぷり引き継いで生まれてきたのだということを。ちょっとだけ肩を震わせた俺に対して弦巻さんは白い歯を見せて笑ったまま、不思議そうに小首を傾げていた。

 そんな弦巻さんと、母親似のこころと、俺による三人の食事会が、幕を開いた。

 意外なことに、料理はそこまで物珍しいものばかりではなく、俺が見たこともあるようなメニューも取り揃えてあった。俺に合わせてくれたと理解して、少し安堵したのも束の間、話を進めていた弦巻さんが、あっさりと本題を切り出してきた。

「というわけで、勇希君にはこころと結婚してもらいたいの!」

 ここまでで、既に事の経緯は聞かされていた。

 弦巻さんは俺の母さんと友人、というのは母さんから聞かされていたから知っていた。どういう経緯で友人になったのかは知らないが、その縁で息子である俺の存在を知り、興味を持ったらしい。早速俺のことを調べ、いろいろと検討した結果、是非娘と食事会をと母さんに頼んだらしい。

 母さんはそこで返事を保留にしたと言っていたが、そこから認識の相違が発生したらしい。弦巻さんは母さんから了承を貰ったと勘違いしてしまい、とりあえず準備をして候補日を決める旨を母さんに通達。呆れた様子の母さんから俺へと連絡がきたという流れだ。

 そして、食事会が開かれた。

 今回ばかりは母さんに非はなく、やはり弦巻さんが発端ということがわかった。

「どうかしら? いつ結婚する? 明日かしら?」

「あの、まだ結婚できる年齢じゃないので」

 前世と違って、この世界はいろいろと異なる点は多いが、結婚できる年齢は今のところ前世と同じ十八歳だ。学生時代からの子作りや出産は推奨しているのに、結婚年齢の引き下げはまだ行えていないというバランスの悪い状態。子作り支援に関する新しい制度を導入するのはともかく、従来の法律の変更となると対応が遅くなるのは前世と変わりないようだ。

「そう言えばまだだったわね! それじゃあ、結婚できるようになったらいいの?」

「ええっと」

 ノリがこころと同じで、俺は少し振り回されていた。

 だが、ここでたじろいでいては駄目だ。母さんと同じように勘違いされて、向こうのペースに引っ張られてしまいかねない。年齢的に結婚できないはずなのに、民法上の問題すらも解消されて、いつの間にか結婚していた、ということになりそうだ。

「弦巻さん」

 一声掛けて、楽しげに話を進める弦巻さんと、隣でニコニコしているこころの視線を奪う。

 二人の視線が集まったところで、俺はゆっくりと切り出した。

「俺は、こころさんと結婚したいとは思っていますが、他にも結婚したい人が大勢いますし、正妻にしたい人も別にいます。なので、こころさん一人だけを愛するということはできないです。すみません」

 そう言って頭を下げてから、俺はゆっくりと顔を上げる。

 視線の先には、残念そうに眉尻を下げる弦巻さん、ではなく、変わらない笑顔を見せる弦巻さんがいた。

「勿論、それでいいわよ! 良かったわね、こころ!」

「ええ! ありがとう、お母様! 勇希も、これからよろしくね!」

 嬉しそうに両手を合わせる弦巻さんと、飛びついてくるこころ。

 二人の反応に、俺はちょっとだけ呆気に取られていた。

 黒服さんの用意周到さといい、割と強引に俺とこころを結びつけようとする対応といい、俺を弦巻家に取り込んで、独占しようという思惑があるのかと思っていた。けれども実際にはそんなことはなくて、ただこころの結婚相手として俺を望んでいるだけだった。

 こころが正妻ではないことに対する世間体とかも、全く気にならないらしい。

 すんなりと自分の要求が通って、俺はほっとしていた。

 油断していたとも言える。

「でも、その代わり、こちらからの要求も聞いてくれるかしら?」

「え……」

 自分の要求を通してもらっただけに、断ることは難しかった。

 そんな俺に向けて、弦巻さんは要求とやらを口にする。

 俺をそれを聞いて、少しの間だけ、空いた口が塞がらなかった。



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面会希望

 弦巻家での食事会が済んだ後、俺は車で自宅に送ってもらっていた。

 あの場で、いずれはこころと結婚する旨をこころ本人とこころのお母さんに確約した。先方にとってはそれを俺の口から聞けただけで十分だったらしく、こころが正妻でないことも、他にも大勢の恋人と結婚することも、全く問題ないようだった。

 その代わり、こころのお母さんから一つ要求をされてしまったが。

 元々は向こうからの結婚の要望だったはずが、俺が少し消極的な姿勢を見せた途端に、さらに要求を追加するという。その場では冷静に対応できず、要求を受けてしまったが、よく考えれば二つの要求をただ受けさせられたようなものだった。

 強かな人だと思う。終始ペースを握られて、手の平で踊らされていたような。

 向こうの要求は俺にとっても悪いことではないから、別に構わないのだけど。

 こころたちは、食事会の後もしばらく俺に弦巻家にいさせようと引き留めてきたが、長い時間滞在するのも申し訳ないし、あのまま弦巻家にいたらまた別の要求をごり押しされてしまいそうで怖くなったため、お暇させてもらうことにした。

 車での送迎までは断れなかったけど。

 行きと同様に流れ行く車窓を眺めながら、俺は考えに耽る。

 いろいろと考えるべきことが尽きない。

 でも、だからこそ楽しいのかもしれない。

 悩んで、自分の意思で決断して、そうやって人生を決めていく。一度は終えてしまった人生だけど、こうしてまた現世で命を得て思い悩めているのは非常に贅沢だ。今後も悩み苦しむことはあるだろうけど、悩んだ末に下した結論であれば最終的には自分の判断に納得すると思う。

 だから、後悔だけはしないように、考えることはやめない。

 移動時間を使って今後のことを考えていると、車が緩やかに速度を落とした。

「岩戸様。到着いたしました」

 行きのときと同じく、扉が開いて黒服さんが顔を覗かせた。

「ありがとうございました」

「こちらこそ、急なお呼び立てに対応してくださり、ありがとうございました」

 外に出て挨拶をすると、黒服さんは恭しく頭を下げてきた。

 俺が見送る中、黒服さんを乗せた車が弦巻家へと帰っていく。

 弦巻家にいた時間はそこまで長くないはずなのだが、なんだか随分と長い間、留まっていたようにも感じながら、軽く体を伸ばす。こころとあれだけセックスしてちょっとだけ感じていた疲労は、少し体を解すだけで抜けていくように感じた。

 相変わらずの体力お化けだ。それも、日に日に成長を感じる。

 自分の成長期に恐ろしさを感じつつ、俺は家に戻った。

 自宅には当然俺以外に誰もいない。誰とも予定も合わなかったため、これから誰かと会うこともない。そして、昼過ぎだけど、夕食にはまだ時間がだいぶ早い。歌やギターの練習なども朝にやったし、することに困る。

「どうしよう……」

 とりあえず、皆の予定にその後変更はないかを確認してみようと思い、『ハーレムパーティー』を開いてみた。皆、それぞれの予定があるために各チャットページでの発言は今日の午前中で止まっていた。

「ん……?」

 なのだが、全員が閲覧できるチャット上ではなく、個別メッセージが届いていた。

 俺と友希那と蘭。三名だけが集められたチャット欄で。

『勇希。今日の夜から明日の朝まで、時間ある? 家に行きたいんだけど』

『無理なら、また今度でも構わないわ』

 蘭と友希那の二人が、俺宛にメッセージを飛ばしていた。

 発言時間はついさっき。

 結構中途半端な時間からの夜のお誘い。それも、珍しい組み合わせの二人から。

 いや、以前にもこの二人はチャットで言い争いをしていたようだから、一応はある程度の関係はできあがっているのか。完全に険悪というわけではなさそうだったから放置していたけど、その後どうなったのかまではしっかりと把握していなかった。

 二人の間で何かやり取りがあったのかもしれない。

 そして、今日になって俺に話が回ってきた、といった流れか。

 でも、だとすると夜に俺の家に来るというのがよくわからない。朝までということは泊まる気満々だ。その意味を正直に受け止めるのであれば、三人で朝までセックスしたいけど、時間ある? ということになる。

 仲が悪いのに、3P?

 謎過ぎる。それとも、俺が勘違いをしているだけで、俺を仲介役に据えて朝まで本気の討論でもしたいのだろうか。そこまで仲が悪いのか。そもそもそれほど衝突する何かが二人の間にあるとは思えなかった。

「まあ、いいか」

 ちょうど暇していたし。悪いことにはならないだろう。万が一掴み合いをするほどの流れになったとしても、俺が止めればいいし。さすがにそこまではならないと思いたいけど、二人の関係が未知数だから絶対とは言えない。

『いいよ』

 とりあえず返事をしておいた。

 あとは、待っていればいいのだろうか。何か準備しておくものはあるのだろうか。

『夕飯はどうする?』

 と続けてメッセージを送ると、それほど時間を空けずに二人から反応があった。

『夕食は済ませてから行くわ』

『あたしも同じく』

『わかった。いつ来ても良いように準備だけしておく』

 そうして、突然の来訪が決まった。夜は何をしようかと悩む必要がなくなった。

 二人が来るまで、空いた時間に掃除でもしておこうと思った。日頃から綺麗にしてあるけど、やっぱりこういうことには気を遣う。

 自分の部屋は勿論、居間とかもこの際だから綺麗にしておこうか。

 ちょっと妙なやる気スイッチが入ってしまい、気がつけば割と大掛かりな掃除に発展していた。途中で手を抜くことができず、たまには良いかと思って各部屋をピカピカにし、二人ができるだけ穏やかな気持ちで話し合いできるようにしておく。

 それにしても、こんなにも早く恋人間で衝突が起こるとは。大勢の人間が集まればいずれは起こると思っていたけど。こういうのを対処するのは俺の役目とはいえ、初めてのことに多少なりともハラハラする。

 こういうことがあるから、今いる恋人たちとの相性を考慮に入れて、今後の恋人選びも慎重にならざるを得ない。いくら見た目が良くても、性格上に大きな難点のある人はそもそも恋人にはしないけど、本性を隠して接してくる人もいるだろうし。今まで以上に俺の観察眼が試される。あまり自信はないけど、これまで選んだ恋人たちを見ていれば、俺の目は決して節穴ではないと思いたい。

 掃除を終えた俺は、ちょっと近所のスーパーまで買い出しに行くことにした。足りなくなっていたお茶菓子とかを買い足そうと思って。外に出たついでに夕食を適当に済ませて帰宅し、後は二人がやって来るのを待つだけになった。

 そして、インターホンの音が鳴り響く。

 すぐに玄関へと向かった俺は扉を開き、やってきた二人のどちらかを出迎えようとして。

「あれ? 二人とも一緒?」

 扉の前に揃って立っていた友希那と蘭の姿を見て、首を傾げる。

 二人からの要望で実現した三人での面会だけど、わざわざ来訪時間まで合わせてくるとは思わず。たまたま鉢合わせて、一緒にやってきただけなのだろうか?

「こんばんは」

「入ってもいいかしら?」

「あ、うん。どうぞ」

 立ち話だと落ち着かないだろうから、とりあえず家に上がってもらうことに。

 二人を招き入れ、扉を閉める。

「どうしたの?」

 俺が玄関から家に上がっても、二人は靴を脱がずに立ち止まったままだった。

「ここまで来て、引き下がれませんよ……?」

「そのつもりはないわ」

 なぜか恥ずかしそうに蘭が友希那へと目線を寄越し、友希那が毅然と言い放つ。

 そして、友希那が私服に隠れていた首元を、蘭も遅れて首元を晒す。

 今日は涼しいとはいえ、七月も上旬になるというのに、首元が隠れている私服姿の二人に疑問を感じていたが、その理由がわかった。

 二人の細い首には、首輪が嵌められていた。

 友希那は黒い首輪。蘭は赤い首輪。

 それはファッション用ではなく、ペットプレイで使うコスプレ用の首輪だった。

「勇希」

「勇希」

 二人はほぼ同時に声を放った。

「私を」

「あたしを」

 そして、爆弾発言を口にした。

「またあなたのペットにしてちょうだい」

「勇希のペットにして」



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友希那と蘭とペットプレイ

 二人の口から放たれたとんでもない提案に、俺は驚きのあまり返す言葉を失っていた。

「……駄目かしら?」

 それを見て、友希那が微かに不安げな様子を見せた。いや、決して駄目というわけじゃない。美少女二人、それもどちらもクールな性格の子からの提案とは思えず、少しびっくりしてしまっただけだ。

「駄目じゃないよ」

 むしろ、ペット扱いしてほしいのなら望むところだ。純粋に愛玩目的で可愛がるのでもいいけど、わざわざ今日の夜から翌朝の時間を指定してきたということは、二人とも性的に可愛がってほしいのだろう。

「そう。良かったわ」

「ペットになった二人をベッドで徹底的に可愛がればいい?」

「え、ええ、そうしてもらえると助かるわ」

「……話が早すぎる。さすが勇希」

 詳しい事情を聞いていないのに乗り気な俺に、逆に二人のほうが圧倒されているようだった。友希那と蘭が互いの意思を確認するように、目配せし合っていた。

 そうして、二人は最終的な決断を終えたらしい。

「着替えるから、部屋で待ってて」

 やっぱり恥ずかしそうな蘭に言われて、俺は頷きながら股間を膨らませた。

 二人を脱衣所に案内し、俺は二階の自室に移動した。ベッドに腰掛け、少しソワソワする。風俗店で待っているときのような心境。初対面の相手と違って、相手は恋人だけど。一緒に部屋に入ってベッドインするときとはまた違った高揚を感じた。

 二人はどんな格好で来るのだろうか。ペットプレイといっても幅が広い。でも、友希那がいるからある程度は予想がつくが。いずれにしても、二人は攻められたいのだろう。クール系美少女を手玉に取ってベッドでアンアン鳴かせるのが楽しみで、股間に熱が集ってくる。

 待ちきれずに股間を弄っていようかと思ったところで、扉がノックされた。

「勇希、入るわよ?」

「どうぞ」

 友希那の声に応じると、扉がゆっくりと開かれた。

 廊下から部屋に入ってくる二人。

 その二人は、色違いのお揃いの衣装に身を包んでいた。

 ふさふさとした猫耳のカチューシャ。両手に嵌めた肉球グローブ。毛で覆われたオーバーニーソックス。おそらく、アナルに入れて装着するタイプの猫の尻尾。そして、首に嵌めた首輪と、マイクロビキニ。

 友希那は黒い首輪で、白猫のコスプレ。

 蘭は赤い首輪で、黒猫のコスプレ。

 以前に、友希那には黒猫のコスプレをさせたことはあった。だが、今回の衣装は自前で用意したのだろうか。マイクロビキニも含めて以前とは細部が異なっている。より雄に媚びるような衣装で着飾った二人は、破壊力抜群だった。

「にゃあ」

「え」

 猫の手で手招きしながら可愛く鳴いた友希那。それを、友希那とは比べ物にならないほど顔が真っ赤に茹で上がった蘭が驚愕の眼差しで見つめていた。

「え、じゃないわ、美竹さん。あなたもやるのよ」

「……本気ですか? 口調まで変えるなんて聞いてなかったんですけど」

「仕方ないわね。それなら語尾を変える程度でも構わないわよ。さあ」

「う……」

 友希那に促され、それでも踏ん切りがつかない様子の蘭。らしくなくもじもじし、俺のほうにチラチラと視線を送ってくる。

 俺はそんな蘭と、友希那の体をジロジロと観察する。普段服に隠れてわかりづらいけど、豊かな起伏のある蘭の女体。強く抱き締めれば壊れてしまいそうな、華奢な友希那の女体。身に着けたマイクロビキニからは二人の乳首や秘所が透けて見ることができる。それに加えて猫のコスプレだ。裸よりも恥ずかしい格好で、蘭は落ち着かなそうだった。

「逃げたいのなら、逃げても構わないわ」

「……は?」

 その言葉に、蘭が眉を顰めて友希那のほうを振り向いた。

「その場合、今回の勝負は私の勝ちということになるわね。じゃあ、事前に決めていた通り、勇希とのツインボーカルの交渉権は私たちRoseliaが得ることに――」

「何言ってるんですか? やってやりますよ」

 友希那に煽られた蘭がそう言い放った。なんという煽り耐性の低さだろうか。たった一言で羞恥をだいぶ振り払えたようで、蘭がズンズンと俺に近づいてくる。

 というか、ツインボーカルの交渉権ってなに? 初耳なんだけど。それでどうしてコスプレをすることになったのか。二人の間で起こったやり取りが本当に気になってきた。

 俺の前に立った蘭はまだ逡巡していたが、やがて決心したようだ。

「……にゃ、にゃあ」

 肉球グローブをつけた手で手招きをし、呟くように言う蘭。

 たったそれだけ。それだけで、俺の欲望が一時的に理性を振り切るのに十分だった。

「えっ……ちょ……!」

 俺は蘭の手を乱暴にならない程度に軽く引っ張り、ベッドに押し倒す。急なことに気が動転している蘭に覆い被さって、俺はがっつくように蘭の唇に自分の唇を押し当てた。

「むぅっ!? んっ! ぐぢゅっ! ぬちゅっ! ぐっちゅっ! ぬちゅぐちゅっ!」

 口の中に舌を入れて、蘭の舌と絡ませる。ちょっとだけ暴れていた蘭はすぐ大人しくなって、俺に舌を委ねてくる。気が緩んだように表情はぼうっとし、目はとろんとしていた。それを見て余計に肉欲が湧いてきて、唾液が溢れてくる。

「ぶちゅっ! ぐっちゅっ! ぢゅるぅっ! ぐちゃっ! ぐぢゅぢゅぢゅぅっ!」

 舌で擦り合い、唾液の音を響かせる。そうやって欲望を発散し、瞬間的に昂ってしまった興奮を鎮めると、蘭の顔が目に映る。

 これまでの俺との交尾で快楽を教え込まれた蘭。キス一つでスイッチが入って、酔ったように赤い顔に堪らない悦びを浮かべている。俺が口を離すと、蘭は大きく口を開けて唾液の溜まった口内を見せ、舌を伸ばしてくる。

「にゃぁぁ……」

 雌猫の媚びた声に我慢ならず、俺は再び蘭と舌を擦りつけた。

「く、ぷぅ、ぬちゃぁっ、ぐちゅっ、ぬぢゅぢゅっ、ぐっちゅっ、ぶぢゅぢゅるるぅっ!」

 自分から積極的に舌を絡ませてきて、蘭の猫の手が俺の肩を軽く掴む。

「ぢゅぢゅぢゅぅっ、くぷぅっ、ぬっちゅぅっ、くぷぷっ……!」

 俺の舌が蘭の口に咥えられ、舌を性器に見立てたフェラが行われる。

「ぬぢゅぅうっ、ぐっぷぅぅっ、ぢゅろろろろぉっ!」

 本当に幸せそうに舐めてくれる。俺と交わるときにしか見せてくれない、蘭のレアな素顔。コスプレという非日常な体験が後押ししているのか、いつもより甘えたがりなようで、蘭の手が俺の肩を撫でるように叩く。

「にゃ……勇希ぃ……んちゅぅっ、ぐぢゅぢゅ、ぢゅるるるぅっ!」

 俺の舌から唾液を根こそぎ奪い取って、唾液でいっぱいになった口の中を披露する。そこへ俺が舌を伝わせて唾液の塊をぼとりと落とすと、蘭は目を笑みの形に細め、口を閉じて咀嚼し始めた。

「ぐぢゅっ、ぬぢゅっ、ごっくんっ……。んぁぁぁ~、にゃぁあ……」

 嚥下し、唇を開いた蘭の口内には唾液はない。伸ばした舌も乾いていて、俺の前でれろれろと左右に揺れている。それがまたいやらしくて、俺はまだ残っていた唾液を落とし、蘭に舌の器で受け取らせた。

「私が後押しする必要はあったのかしら? ……そろそろ私も混ぜてちょうだい」

 そう言って友希那もこちらに近づいて、ベッドに上がってくる。

 這い寄ってきた友希那を、俺は優しく抱き寄せた。友希那もまた俺の体に両手を回してくる。尻を撫でられ、掴まれ、握られながら首筋に唇を当てられる。

「ちゅぅ、れるぅっ、くちゅ、くちゅ、ちゅぅうっ……!」

 首に吸いついて、舌で舐め回して、また吸引する。何か所もマーキングするみたいに。次々とキスマークが作られていく。明日、外出するときに人に見られてしまうくらいには、接吻痕が量産されていった。

「友希那」

「にゃ……ぁ、んんぅっ、ぁ、にゃぁあ……」

 お返しとばかりに、今度は俺が友希那の首にキスを放つ。くすぐったそうに、それでも嬉しそうに微笑む友希那。体から漂う甘い香りを吸い、指通りの良い長い髪を手で梳きながら、白い首に赤い痕を刻みつける。

「首にキス……。いいな……」

 蘭の呟きを聞きながら、独占欲を互いの体に塗りたくる。

 そうして、首回りだけキスマークだらけになった俺たちは、示し合わせたかのように舌を伸ばした。

「ぬちゃっ、ぬりゅっ、ぬちゅっ、ぐっちゃぁ……」

 舌先をコツンと何度も接触させてから、ぬるりと表面を撫でて握手をする。友希那と視線を正面から重ね合って、穏やかに笑い合って、相手の尻を揉み合う。友希那の尻尾の根元はやっぱりアナルに挿入するタイプらしく、奥に押し込んでみると、友希那は悦楽の吐息をこぼした。

「にゃぁぁあ……」

 熱を内包した声が耳に吹きかけられる。耳がかなり弱い俺は、友希那の声に鼓膜を揺さぶられると同時に、理性を揺るがされる。いよいよ抑制が利かなくなってしまい、蘭の横に並べるように友希那もベッドに押し倒す。

「にゃん、にゃん」

「にゃあ、にゃあぁあ……」

 随分と乗り気な白猫の友希那と、火照りきった顔を緩める黒猫の蘭。俺を誘うように揃って手招きしてくる。あまりの可愛さに俺は自然と携帯を取り出し、カメラのシャッターボタンを押した。

 色違いのマイクロビキニ猫コスプレをしてベッドに並んで仰向けになる二人。そんなレアな景色を撮影し、アルバムにまた写真が追加される。それを眺めて多少の満足感を得た後、被写体である二人に目線を戻す。

「それじゃあ、本格的に可愛がるから」

 誘ってきた二人を満足させてあげようと、俺は二人に向けて手を伸ばした。



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友希那と蘭とペットプレイ②

「にゃぁぁあ……」

「んっ、にゃ、んぁっ……」

 右手で友希那の胸を、左手で蘭の胸を掴む。乳首をギリギリ隠す程度の極小透け透けマイクロビキニでは何の妨げにもならず、生乳に指を食い込ませる弾力と女体の熱が直接俺の手の平に返ってくる。

 友希那の小振りだが形の良い乳房と、蘭のふんわりと膨らんだ乳房。どちらも優劣はつけがたい魅力があって、両手と頭が幸福に満たされる。そうして俺が母性の象徴を揉みくちゃにしていても二人は変わらず心地よさそうで、元気に猫パンチを繰り出してきた。

「にゃぁ、んぁっ……」

「にゃっ、にゃっ……」

 両腕を全く痛くない猫の手で小突かれ、その愛らしさに性欲が滾る。いい加減、押さえつけるのが限界になってきていた股間を自由にしようと、一旦二人の胸から手を離し、ズボンや下着と言わず衣服を全て脱いだ。

 全裸になってベッドで膝立ちになり、二人に見えるように股間を突き出す。

「ぁあ……勇希の、チンポ……」

「もうこんなに、大きく……」

 二人の眼差しが、俺の股間で威勢よく竿を斜め上に伸ばす肉棒に吸い寄せられた。クール系の美少女猫二匹の縄張り争いに巻き込まれた影響で竿が分厚く膨張し、表面にビキビキと血管が浮き出ていて、力強さを感じる。

 本当は、今すぐにでも二人と奥深くまで繋がって、二人は俺の物だという証を子宮の中に注ぎ入れてマーキングしてあげたいけど、もう少しだけ我慢だ。せっかく二人が張り切って猫のコスプレをしてくれたのだし、もっと可愛がりたい。

 そう思って、俺は友希那の股に手を向けた。

「んっ……はぁぁっ……」

 マイクロビキニ越しに陰裂に指を這わせれば、友希那が口元を緩めた。主人を信頼してお腹を見せる猫のように、自ら警戒を解いて股を開いてきた。俺は堂々と割れ目を撫で、マイクロビキニを引っ張って秘所に食い込ませる。

「んにゃぁあ……にゃぁんっ……」

 いつもより高い声で鳴き、嬉しそうに体を揺する友希那。

 その様子を目にして対抗意識を燃やしたのか、蘭がM字に足を開いた。

「勇希……あたしのおマンコも、撫でて、にゃ……」

 自分から陰裂に両手の指を添え、淫肉を開帳する。透けたマイクロビキニ越しに確認できる桜色のヴァギナは、中途半端に隠れているからこそのエロさを感じた。きゅっ、きゅぅっと収縮している膣穴によって肉欲をそそられた俺は、もう片方の手で蘭の膣回りを手で擦ってあげることにした。

「んっ……にゃ、ぁんっ……気持ち、いい、にゃぁ……」

 膣口をほぐす感じで指を這わせてあげると、蘭も体を弛緩させた。

 二人の可愛らしい声に急かされるように、俺は両手の中指を二人の膣穴に差し入れた。肉棒よりも細い指だというのに、膣肉がきゅうっと締めつけてくる。指が体の内側の熱で歓迎され、指使いに合わせて膣肉がうねる。

 指一本でこれなら、二本入れてみればどうなるのだろうか。早速試してみようと、一度取り出した中指に真っ直ぐ伸ばした人差し指を添えて、改めて二人の肉穴へと侵略を果たした。ずぷぷぅっと挿入した指で穴を搔き分け、指の腹で膣壁を撫でる。

「にゃっ、ぁ、あぁあ……」

「ぁっ、んぁっ、はぁ……」

 友希那と蘭はお腹を見せて両手足を体の前に上げたまま、俺の指に合わせて身じろぎをしている。その表情は気持ち良さそうに蕩けていて、膣内の具合が良くなって指の動きを速めていくに連れて、より淫靡な表情を見せてくれた。

 ぐちゅっ、ぬちゅっ、ぐっちっ、ぐっちゃっ、ぐちゅちゅっ!

 膣から滲み出る愛液が指に絡みつく。指だけに留まらず膣穴を満たし、穴から漏れ出てシーツに垂れる。甘い雌の匂いが周囲に広がって俺の鼻腔を癒し、性欲を煽られて余計に指使いが捗った。

「んっ、はぁぁっ、んぁぁっ……」

「ぁ、うっ、んぁ、ああぁ……」

 最近、自分でも体力が上がっているのは自覚できていたが、愛撫の技術も上がっていたようだ。両手の指だけで友希那と蘭を悦ばせることができている。これなら、肉棒も使えば同時に三人までなら満足させてあげられるだろう。

「可愛いよ、二人とも」

 柔らかく笑い掛けて囁くように言うと、二人はますます脱力した。他の人には決して見せることのない緩んだ微笑みを浮かべ、俺だけを見つめ、俺の手マンに合わせて熱を孕んだ鳴き声を響かせる。

「んにゃっ、にゃあっ、ぁああっ……」

「にゃん、にゃん、にゃ、ぁっ、んっはぁ……」

 雄に媚びた猫撫で声を垂れ流しにし、二人はぶるぶると身体を震わせる。そこに絶頂の予兆を見出した俺は、どうにか二人同時にイかせられないかと考え、指の動きをそれぞれに合わせて調節をする。

 どこが気持ち良いのか。どれくらいの触り方が良いのか。

 考えながら試行錯誤を繰り返し、徐々に二人を臨界へと導いた。

「イけっ」

 そして、指を一気に奥まで差し込み、引き戻しながら膣壁を指で引っ掻いた。

「ん、にゃぁああっ……!」

「ぁあああっ、にゃああっ……!」

 友希那と蘭による同時絶頂。隣り合ってビクビクビクッと全身を震わせ、イキ顔を晒してくれる。口角を吊り上げた口の端から涎を垂らし、幸せを訴えるような明るい声音を聞かせてくれる。

 我ながら、よくここまでタイミングを合わせられたものだ。あまりにも上手くできたものだから、撮影できなかったことを悔やんだ。いつか全員のイキ顔を撮影して、それを画面いっぱいに並べた観賞用の動画を作りたいなと思いつつ、イキ立て女子高生マンコに最高の瞬間を味わわせてあげようと、しばらく膣内を優しく擦った。

「ぁ、ぅ、ぁあ、ぁはっ……」

「ん、はぁっ、はぁっ……」

 悦楽で頬を火照らせ、満足感に浸っていた二人。けれども、それはほんのわずかな時間であって、直後には俺へと笑いかける。

「にゃぁっ、勇希っ、も、もう我慢できないわ……。早く、おチンポを……」

「勇希っ……。お願い、あたしのおマンコに、極太チンポぶち込んでっ……」

「み、美竹さん……。順番は守ってちょうだい……。私が先よ……」

「何言ってるんですか……。あたしが先です……」

 絶頂直後だというのに、横を向いて言い合いを始める二人。快楽の余韻がまだ十分に残った状態であるため、どちらもだらしなく緩みきっている。自分の表情に気づいているのかそうではないのか、二人は気迫などとは皆無の顔を間近に寄せ合って、俺との交尾の権利を主張している。

 言い合っていても決着はつかないだろう。

 ここは、俺から提案することにした。

「それなら――」

 俺の言葉に二人は耳を傾け、少し考えた後、顔を見合わせたまま頷いた。

「……それでいいわ。勝負よ、美竹さん」

「望むところです……」

 両者の同意が取れたところで、俺はベッドを離れてクローゼットに向かった。

 そこには、以前、友希那に着せた猫のコスプレグッズもあれば、セックスをサポートするありとあらゆるグッズも揃っている。如何なる方法かは知らないけど、燐子とリサ、最近では紗夜も加わってグッズをどこからか調達し、今も数を増やしている。

 グッズを手に取り、矯めつ眇めつ眺める。

 カプセル型のピンクローター。透明で長大なディルド。首輪や手錠やボールギャグなどの枷の類。パステルカラーのコンドーム。アイドルを連想させるようなフリフリの衣装や、多分アニメなどのキャラクターのコスプレ衣装。いろいろあるが、今回使うのはこれらではなく、奥にあった箱の中に収まったそれだ。

 俺はそれを取り出し、説明書を読んだ後、二人の下に戻った。

「……それ、使うの……?」

「うん」

 体を起こした蘭が素の口調で尋ねてきたから、俺は素直に返答した。

 蘭の表情が引き攣っている。その横で、むくりと起き上がった友希那もこちらを見てくる。

「……それでいいわ」

「え……」

 多少の躊躇いを見せつつも、承諾した友希那。蘭が驚いたように目線を振って友希那の横顔を眺めるが、友希那の返事に変わりはない。三人中二人がやる気であるため、蘭も拒否する気は起きなかったようだ。

「それなら、まあ……。いや、でも……」

 と、未だに少し抵抗感のある蘭と、友希那の手に乗せるように、俺はそれを手渡した。

 両端がチンポの形をした、双頭ディルド。これを二人の膣穴に挿入して腰を振ってもらい、先に絶頂した方を負け、耐え抜いた方を勝ちとする。勝った方から先に俺と本気交尾をする権利を得られるという勝負を、俺は二人に提案したのだった。

 まだ少しお預けされることになるけど、その分この後のセックスが気持ちよくなりそうだ。

「それじゃあ、始めて」

 俺は肉棒をいきり立たせながら、二人の可愛く乱れた駆け引きを見届けることにした。



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友希那と蘭とペットプレイ③

「ん、ぅ……ぁあ……」

「ぁ、ん……んぁっ……」

 四つん這いになって尻を向け合った猫コスプレ姿の二人が、自分の膣内にディルドを挿入していく。繋がっているために少々手間取っていたが、双頭ディルドの両端が少しずつ友希那と蘭の中に収納されていった。

 長いディルドが連結部分を残して膣に隠れたのを見ていると、女体の神秘を感じる。子供を産む穴なのだから、当然といえば当然なのだが。

「は、入った、けど……。んっ……」

「こちらも、ちゃんと奥まで届いているわ……」

 二人が報告してきた。確認してみれば、ディルドは片手で握れる程度の幅しか残っていない。確かにギリギリまでディルドを咥えられているようだ。本当は二人の尻が触れ合うくらいに寄せ合ってほしいけど、さすがにこれ以上は無理だろう。

「良い感じ。このまま動いてみせて」

「わかったわ……。準備はいいかしら? 美竹さん」

「大、丈夫です……」

「始めるわよ……」

 蘭の返事を受け、友希那がゆっくりと体を前へと移動させる。それに合わせて蘭も体を動かし、ディルドを膣から取り出していく。二人がそうして動くのを見て、ディルドの中心を持っていたほうがやりやすいと思い、俺はディルドを片手で握った。

「ぁあぁあ……」

「んっ……ぁあっ……」

 俺が握るディルドの両端を、友希那と蘭が動きを揃えてほぼ同時に食らっていく。しっかりと根本近くまで挿入し、俺の手が二人の尻にむにゅんと挟まれて気持ち良さを感じていると、すぐに尻が離れてしまう。

 美少女の膣内で出し入れされるディルドの表面は、透明な粘液がねっとりと絡んでいた。甘い雌の香りが立ち上って俺の肉棒を悦ばせてくれる。ますます交尾をしたくなるけど、もう少しだけ我慢だ。

「ちゃんと喘ぎ声を猫っぽくして」

「ま、まだ、猫の真似しないと、駄目……?」

「当然」

「ん、にゃ、ぁ、あぁんっ……」

「ほら、友希那を見習って」

「わ、わかった……。ぁあっ、にゃ、にゃぁあっ……」

 蘭は未だに羞恥心を抱いているようだけど、友希那に対抗意識を燃やすとすぐにやる気を取り戻したようだ。さっきまでの甘い猫撫で声を奏で、膣穴にズプリとディルドを受け入れては、抜け落ちない程度に尻を引いていく。

「にゃっ、にゃんっ、んにゃぁ……」

「にゃぁぁあ、んはっ、ぁ、んっ……」

 自分の意思で動けるとはいえ、さっきまでの指とは比べ物にならない大きさのディルドだ。おまけに、お互いが動いて振動が相手に伝わっていることで、一人で性玩具を使うのとはまた違った感覚を得られているようだ。

 ときたま、意図しない刺激が二人を襲っている様子があった。

「はっ……ぁあっ、にゃぁっ……!」

「っ……!? ん、ぉっ……にゃ、にゃ、ぁ……!」

 蘭が俯く。友希那は顔を上げているが、挿入した際に膣奥のいいところが当たったのか、身震いしていた。それを見た俺は頃合いだと思った。二人が互いにのみ意識が向いている隙に、不意を突く形で刺激を与えてあげることにした。

「ひぃっ……!?」

「んぁあっ……!?」

 両手の人差し指と親指で二人の陰核を同時に摘まむ。皮を被っているとはいえ、非常に刺激の強い場所だ。ぷっくりと膨れているそこを指の腹で優しく撫でるようにマッサージしてあげると、二人の体が震えた。

「っ……!」

「ひっ、うぅっ……!?」

 友希那が軽く、蘭が激しく。蘭が上体を支えていることもできなくなったようで、ベッドに肘を突いて顔をベッドに押しつけた。どうやら達したらしい。それを友希那が悟ったようで、背後の蘭を振り返りながらディルドを膣から外していく。

 ぬぽんと音を立て、現れ出たディルドの片方は夥しい愛液によって包まれていて、照明の光を浴びてぬらりと光って見えた。まだ震える蘭の中に収まっているディルドのもう片方も、同じような有り様だろう。

「友希那の勝ち」

 絶頂耐久勝負は、友希那に軍配が上がった。これで友希那には蘭よりも先に俺と交尾をする権利を得られた。とはいえ、攻め続けた直後だ。俺としてはこのまま相手にしたいけど、友希那にはほんの少しの休憩が必要かもしれない。

 そう思って見守っていたけど、それは不要な配慮だったようだ。

「ゆ、勇希……」

 蘭と尻を向け合っていた友希那は、ベッドを這って方向転換する。

 尻の向き先は俺。たった今ディルドを受け入れていた秘所に片手の指を這わせ、陰裂を自ら開いた。

「遠慮はいらないわ……。さあ、早く……」

 サーモンピンクの粘膜を晒し、ごぽりと蜜を垂らす雌穴。主人である友希那と同様に貪欲に雄を求めている。白い尻尾とともに左右に揺れるきゅっと締まった美尻が俺を不用意に誘惑し、これ以上はもう俺も我慢できなかった。

 友希那の誘いに乗って背後に近づき、尻を両手で掴む。濡れた秘所にチンポを軽く擦りつけた後に、腰を一気に引いて丸々と膨張した亀頭を膣穴に突きつける。

 そして、ギンギンに勃起した高校生チンポを、同い年の美少女の中に埋めた。

「ぉ、ぉお、ぉおおっ……」

 待ちに待った生ハメ。入れただけで熱々の膣肉が蠢くように纏わりついてくる。友希那も喜んでいるようだ。そんな熱烈な歓待を受けた俺も嬉しくて、身も心も友希那と一つになっていくような気がして脳が幸福に染め上げられる。

 快楽に背を押されて奥へと竿を押し込む。

 ギチギチに抱擁されながら最深部に行き着き、子宮口に亀頭を宛がった。

「んあっ、ぁあぁっ……!」

 入れただけだというのに、友希那はすごくいい反応を見せてくれた。じっくりと前戯をした甲斐があったというものだ。膣の具合も良くて、俺は挿入してすぐに腰を動かし始めた。

「ぁんっ、ぁっ、んぁぁっ……!」

 愛液に濡れて膣壁がぎゅうぎゅうと締めつけてくる穴に肉棒を出し入れする。友希那が気持ちよさそうに喘ぎ声を上げていると、横でぐったりとしていた蘭がおもむろに体を起こし始めた。

 今はまだ友希那の番は終わっていないから、チンポでは相手をしてあげられない。

 だけど、手であれば空いている。

 俺は蘭が完全に起き上がるよりも先に、ディルドに手を伸ばした。

「んはぁあああっ!?」

 ディルドの中腹を掴んで、蘭の膣内に深く押し込む。起き上がろうとしていた蘭は予期せぬ刺激にうつ伏せたまま背を反らした。蘭の反応も友希那に負けずに良かったから、俺はそのままぐりぐりと回すようにディルドを動かした。

「ぁぁっ、ぉっ、ぉ、んっ、ぉぉ~……!」

「っ……!? ん、ぁっ……ぁっ……ぁぁぁ……!」

 肉棒で友希那の内側を掻き乱し、左手で掴んだディルドで蘭を攻め立てる。二人の魅力的な尻を眺めながらの同時攻めは目でも楽しめる。当然、友希那と繋がって擦れ合う肉棒から快楽が絶えず送り込まれていて、脳が蕩けそうだった。

 自然と速まる腰遣い。友希那がさらに強く嬌声を放つ。

「ぉおおっ……ぉっ……ぉっ……んぉっ、ぉおおおぉおおっ……!」

 日頃、綺麗な歌声を響かせている声で、低く唸るように鳴く。そのギャップが股間に響く。俺の前でだけ奏でてくれる音色にチンポが盛り上がって、もっと大きな声を上げさせようと子宮近くの膣壁に亀頭をめり込ませた。

「んぉぉおおおおぉっ!?」

 良い一撃だったようで、友希那は盛大にわなないた。

 歌姫と称するに相応しい歌声で紡がれる下品なイキ声。ますます興奮を高められ、俺は肉棒を膨らませながら膣内を犯し尽くす。俺を逃がすまいと圧迫を強める膣壁と擦れ合うのが気持ちよくて、遠慮のない突きを放った。

「おっほぉおおぉぉおおぉっ……!?」

 再び漏れた品性を喪失した雌声と、迫りくる強烈な膣締め。ガクガクと全身と白い猫耳を震わせる友希那を見下ろしながら、俺は友希那に道連れにされるように、溜め込んでいた欲望を膣奥で一気に解き放った。

 びゅるるるるぅっ、どびゅるるるっ、ぶびゅびゅっ、どびゅびゅぅっ、びゅく、びゅるっ!

 白猫友希那に大量種付け。

「ぁあぁっ、ぁああぁっ……!?」

 同時に、ディルドを動かして蘭を鳴かせる。俺たちに引っ張られるように蘭もまた短時間のうちに達したようで、再びベッドに顔を押しつけて突き出した尻を震わせていた。

 友希那の胎に精液を貯め、射精が終わってもしばらく余韻に浸る。まだ元気な肉棒に子宮口が吸いついて尿道の精液を啜っていたけど、満足した俺はゆっくりと腰を引き戻し、じゃれついてくる膣穴から肉棒を取り返した。

 竿の後に、ぬぽんっと亀頭が膣から解放される。直後、ごっぽぉと塊になった精液が溢れ、シーツに垂れ落ちる。勿体ないと感じた友希那が膣をきゅっと引き締めていたが、大量に出された精液の流出は抑えられないようだった。

 しばらく精液を垂らしていた友希那を横目に、俺は早速次の獲物に手を伸ばした。

「交代。次は蘭だよ」

「ん、にゃぁぅっ……」

 蘭の尻を軽く平手で打つと、蘭が可愛く声を上げた。友希那のほうはすっかり素に戻って交尾を楽しんでいたけど、蘭はまだ猫としての演技を忘れていないようだ。尻尾を掴んで尻穴に深く押し込むと気持ちよさそうに震えた。

「どの格好で犯してほしい?」

「ぅにゃぁあっ……!」

 膣に埋まったままのディルドを外しながら尋ねると、蘭が鳴きながらごろんと寝転がった。仰向けになって自分から股を開く。

「上から、押し潰してっ……。種付けプレスして、ほしいにゃぁっ……!」

 もうセックスのこと以外考えられない。そんな欲望剥き出しのふやけた笑顔で、蘭が猫の手で招いてくる。愛液でぐちょぐちょになったディルドを外され、膣からどぽりと愛液を垂れ流す蘭を目にして、俺は自分を抑えられなかった、

「にゃぁっ! あぁあぁあっ!?」

 蘭に覆い被さって、早速おマンコにチンポを挿入していく。蘭はマイクロビキニがずれて乳首が完全に露わになった胸をぷるんと弾ませて震え、俺と一つになっていく快感に悶えていた。それでも猫の手をつけた両手を伸ばし、俺を抱き寄せようとしてくる。

 蘭によって懐に誘われた俺は、蘭を上から押し潰して抱き着いた。

「にゃぁあぁっ、勇希ぃ、全力交尾してぇえっ……」

 興奮状態にあるようで、コスプレする前の羞恥心は既になくなっているようだ。おねだりしてくる蘭がエロ可愛くて、俺は最初から最高速度でピストンを開始した。

「ぁはぁああっ、にゃぁああ、んにゃぁあああっ……」

 熱たっぷりの吐息を俺の顔に吹きかけてくる蘭。その熱に誘われて顔を間近まで寄せると、蘭が口から舌をだらんと垂らした。唾液を纏ったそれを俺に見せつけてくる。何をしてほしいか瞬時に誘った俺は、舌を伸ばして蘭の舌と重ね合わせた。

「んぢゅるっ、れるっ、ぬっちゃぁぁ……!」

 俺と蘭は舌を擦り合わせ、唾液を絡ませた。それがすごく気持ち良いのか、蘭は目を細めてニヤニヤと笑っていた。

「ぐぢゅるっ、ぬちゃっ、ぐぢゅぢゅぅっ……」

 美味しそうに俺の唾液を舐め取る蘭を見ながら、俺はせっせと腰を振った。

「んっ、ぁああっ、ぐちゅぅっ、んっぷっ……」

 舌舐めから自然と接吻に移行し、俺は蘭の口を塞ぎながら尻を上下に揺する。

「ぅっ、んんぅっ、ぁっ、ぶぢゅるるっ……」

 繋がった口内で舌を絡ませ、蘭の膣内を掻き回す。上と下で繋がっていると、体が蕩けてしまいそうだ。意識も蕩けて、もっと快楽を浴びたくなって、ひたすら蘭の内側を掻き乱した。

「んくっ、ごくっ、ぢゅ、ぶ、ぐちぃっ、ぐちゅちゅっ……」

 普段は澄ました表情をしている蘭が満面の笑みを浮かべ、俺の唾液を美味しそうに飲みながらも舌を絡ませてくるのをやめない。俺を逃がすまいと両手足で抱き着いてきて、ピストンを応援してくる。

 その応援を受けて、俺は思いっきり蘭を犯した。

「んんっ!? ぁぁっ! ぐっちゅ、ぢゅぶ、ぬちゅぅっ!?」

 犯されている蘭が動揺を示す。それでも俺は畳みかけるのをやめない。

 蘭の体を抱き締めて、舌をぐぢゅぐぢゅと擦り合わせ、高速で膣穴を耕す。亀頭が膣から抜けるギリギリまで尻を振り上げて、再び根元まで収めるために一気に腰を打ちつける。挿入するたびに、ぐちゅんっと音が鳴り響く。

 何度も音が響いて、段々と蘭の表情が恍惚に染まっていく。それがイキ顔と呼べるほどに緩みきって、蘭の体が痙攣を始める。抱擁された俺にもそれが伝わって、膣がむぎゅむぎゅとチンポを引き締めてくる。

 どこからが蘭で、どこからが俺なのか。境目が曖昧になるほど密着する中、俺は蘭の中に熱い塊を撒き散らした。

 どっぷぅっ! どびゅるるるっ! びゅるるっ! びゅーっ! びゅるぅーっ! どくんっ! どっくっ!

「んぅぅううぅうっ!?」

 大量の精液を子宮に提供され、ベロチューをしながら蘭が呻く。けれども大声を上げることはできない。蘭の声すらも独り占めにするように、俺は口で完全に密閉し、蘭と至近距離から視線を重ね合う。

 綺麗な瞳を見つめながら、腹の底から湧き上がる情動を蘭に与える。

 子宮を白濁に染め上げ、溜めきれなくなった精液が膣内まで上ってくるのがわかる。膣内と自分で出した精液の熱を肉棒に感じながら、俺は気が済むまで長い射精を続けた。

 ようやく人心地ついた頃、俺は肉棒を蘭から取り出した。

 逃がすまいと縋りついてくる膣肉の拘束を振り解き、膣穴から肉棒を取り返す。

 ごぽぽぉと流出してくる精液。

「はーっ……はーっ……はーっ……!」

 放心して乱れた呼吸を繰り返す蘭。

 見た瞬間に、肉棒は完全に臨戦態勢に入る。

 まだ気持ちよくなれる。もっと、二人を犯したい。

 休む暇なく荒れ狂う欲望を感じていると、俺の右耳に吐息が吹きかけられた。

「勇希……もっと可愛がってほしいにゃ……」

 休憩を終えた友希那が俺の右腕に抱き着き、耳元で囁いてくる。蘭の愛液と俺の精液で汚れた肉棒を猫パンチで軽く小突かれて、何度も何度も耳穴に息を送られる。

「はぁぁあぁああっ……」

 友希那の熱い息が鼓膜を震わせ、脳を蕩かす。一瞬にして理性を奪われ、欲望に染め上げられる。勃起していた肉棒がますます硬くなってしまい、俺は蘭を犯したばかりだというのに、すぐに友希那をベッドに押し倒した。

 友希那と蘭。片方が休んでいる間、もう片方と交尾を楽しんだ。

 俺が休む時間は殆どないけど、体力が有り余っているから必要はなかった。

 雌猫二匹とのじゃれ合いは、その後も長く続いた。

 白猫友希那にベロチュー種付けプレスをお見舞いした後、休憩を終えた黒猫蘭に騎乗位で犯され、携帯のカメラで顔を撮られた。蘭に対抗した友希那にもマウントポジションで圧し掛かられ、ハメ撮りされながら子種を搾り取られた。

 やり返すように俺が蘭と友希那を組み伏せて、自分の体とディルドを使いながら同時攻め。連続ピストンで攻め落とした末に晒した二人の絶頂顔を撮影していると、しばらく再起不能になった。

 その間に、俺はクローゼットから鎖を二本取り出して、二人の首輪につけた。

 雌猫二匹と繋がった鎖を片手で握っていると、二人がやがて起き上がった。

「にゃぁ……」

「にゃんっ……」

 可愛く鳴いた友希那と蘭。俺がベッドに立ってチンポを眼前に差し出すと、二人は喜んでチンポをしゃぶってきた。

「ぐぢゅるっ、ぢゅるるっ、ぶっぢゅぅ……」

「れろぉぉおおっ、ぬっちゃぁっ、ぢゅぅっ……」

 金玉をじっくりと手でマッサージしながら、一本の極太チンポを挟んで両側から舐めてくる二人。竿の隅々まで舌を這わせる二人にカメラを向けると、二人はにっこりと笑いながら竿に口づけを放った。

「ちゅっ、んちゅっ、ちゅぅっ……」

「んんっ、ちゅぅううっ、む、ちゅっ……」

 また対抗意識が湧いたのか、友希那と蘭は互いを見つめながら肉棒に口づけを何度も送った。けれどもその様子は仲良く喧嘩しているといった感じ。お互いをライバルとして認めたようだ。よくわからない対立から始まった謎の勝負だったけど、二人の仲を育むことができて良かったと思う。

 結局、ツインボーカルの交渉権って何?

 まだ詳細を知らない俺は、とりあえず今は二人の愛情と唾液でチンポを文字通り余すところなく癒されることにした。後で話を聞くことにしよう。そう思ってまたカメラを向けると、二人はチンポの傍で『にゃあっ』と仲良く同時に鳴いた。



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友希那と蘭と入浴

「さすがにやりすぎ……」

 蘭の呟きが、湯気で温まった浴室に響いた。俺に対する非難がほんの少し含んだそれは、しっかりと俺の耳にも届いている。その上で、俺は正面から向けられる蘭のジト目から逃れようと横に目線を逸らすが、蘭の顔が回り込んできた。

 互いの顔面が視界を埋め尽くすほどの至近距離だ。

「恥ずかしかったんだから……」

「ごめんなさい」

 続けて不満を口にしてきたから、俺は正直に謝ることにした。

 すると、蘭は俺に抱き着いて、じっと俺の顔を見つめてきた。

 お湯を張った湯船の中、向かい合う形で抱擁を交わす。蘭の体、特に胸が俺の胸板にむにゅっと密着してとても柔らかい。これだけでも十分なリラックス効果があるのだが、俺の肉棒は現在進行形で蘭の膣穴にて揉みくちゃにされている。

「まだ硬いし……」

 蘭が口元を緩めて呆れたように言ったかと思えば、舌を伸ばしてきた。れろれろと左右にゆっくり揺らされる赤い舌に目を引かれ、俺も釣られて舌を口から垂らすと、蘭がそこにじゃれついてきた。

「くちゅ、くちゅ、ぬちゅ、ぬちゃぁ、ぐっちゅ、ぬちゅぅっ……」

 じっくりと相手を感じ合うようなベロチュー。目を瞑ることなく相手を視界に収め続け、愛情を高めていく。数分前に膣内射精をし、蘭の子宮に新しい精液を注いだばかりの肉棒がますます強張っていき、膣肉に締めつけられる。

 幸せだ。愛し合っているという実感が強く湧いてくる。

「……私もいることを忘れないでもらいたいわね」

 夢中になって蘭と舌を絡ませていると、浴槽の横に立った友希那が無表情のまま俺たちを見下ろしていた。髪と体を洗い終えたらしい。タオルに妨げられずに晒された友希那の白い裸身が、浴室の光を浴びて輝いているように見えた。

「勇希、後ろのスペースを空けてちょうだい」

「うん」

 浴槽にもたれかかっていた俺が蘭と繋がったまま中心に移動すると、俺の背後に友希那が肩まで湯に浸かってきた。そして、すぐに俺の背中に体を寄せ、胸を押しつけてくる。前に蘭、後ろに友希那。水も滴る美少女二人に挟まれて、幸福度がさらに跳ね上がる。二人でもこれだけ幸せになれるのだから、もっと多くの恋人と一緒に入浴をしたら、いったい俺はどうなってしまうのだろうか。

 さすがに十人を超える人間を収容できるほど俺の家の浴室は広くないから無理だけど、男の夢ではある。予定なんて全くないけど、いつか皆で住むための豪邸を買うときになったら、大浴場を真っ先に検討すべきだと思った。

 ほっと落ち着く温かいお湯の中で、蘭と友希那に抱かれながら快楽を貪る。蘭の腰振りでぱちゃ、ぱちゃと水面が何度も揺れて、しばらくして再び射精に導かれる。にやにやと笑う蘭の表情をドアップで眺めながら、友希那の吐息を耳穴に吹きかけられ、大量の精液を蘭の子宮に詰め込む。

「まだ余裕はあるわよね?」

 射精後、蘭が俺の股から立ち上がってすぐに、友希那が俺との対面座位セックスを求めてきた。当然、肉棒はまだ元気いっぱいだ。性欲に突き動かされた俺は友希那を抱き留め、蘭と同じように正面から密着し、交合した。

「お腹の中、まだ熱い……。精液出し過ぎ……」

 さっきまでの友希那のように、できるだけ俺の背中と隙間なく肌を重ねた蘭が、乱れた呼吸音と共に悦びを伝えてきた。今、蘭がどんな顔をしているのか確認しようと思い、横を向いてそのまま後ろを振り向こうとしたとき、それよりも先に蘭に唇を塞がれる。

「むちゅぅっ、ぐっちゅっ、ぁ、ふっ、んぅっ、ぢゅ、ぷっ、ぐっちゅぅ……」

 さっきの続きが始まった。

「美竹さんばかりずるいわ……」

 そこへ、腰を振りながらも嫉妬した様子の友希那が顔を近づけてきた。

「ぬちゅっ、ぐちゅぅっ、ぁ、は、ぬちゃぁ、ぬっちゅぅっ……」

「くちゅ、ぬりゅっ、ぐちゃぁっ、ぬちゅ、はぁ、ぁっ、くちゅぅっ……」

 伸ばした俺の舌に、左右から蘭と友希那の舌が襲う。互いの唾液を俺の舌に塗って、自分の所有権を主張し合っているようだ。しばらくそれを続けているうちに、段々と境界が曖昧になって、俺たち三人の舌が一か所に集って戯れるようになった。

「んはぁ……」

「あぁ……」

 数分後、蘭と友希那が舌を離すと、俺の舌との間に二本の唾液の糸が伸びた。普段よりも分厚いのは、三人分の唾液だからだろう。途切れて俺の舌にべちゃりと落ちた唾液の塊を喉に滑らせて飲み下すと、それを見た二人がムラムラしたようだ。

「もう一回しましょう……」

「あたしたちの唾液、満足するまで飲んでもらうから」

 三人でするベロチューが、その後数回に亘って繰り返されることになった。

 その頃には、全員の体が芯まで温まっていた。

 あと少ししたら湯船から出よう。

「で、聞きたいことがあるんだけど」

 その前に、忘れないうちにと二人に聞くことにした。

「ツインボーカルの件なんだけど、あれってなに?」

 元々はそれが目的だったようで、二人は勝負をするために俺とのコスプレセックスを所望してきた。ただ、最終的には勝敗はあってないものになってしまったけど。蘭にやりすぎと言われてしまった通り、俺が猫になった二人を骨抜きし、ベッドの上で快楽と精液に沈めてしまったから。

「言われてみれば、ちゃんと説明していなかったわね」

 俺の首に抱き着き、膣で肉棒を咥えたまま友希那が話し始めた。

「今となってはきっかけがなんだったかは忘れてしまったけれど、最初は美竹さんとの言い争いがきっかけね。勿論、口頭ではなくチャット上での話よ」

 何となくそうかなと思ってはいたけど、やっぱりその件が関わってくるようだった。ただ、言い争いというよりはじゃれ合いという感じだと思っていたから放置していたけど、あまりにも長期的な争いに発展したようだ。

「経緯はともかく、話をしているうちにお互いに自分たちのバンドの優位性を主張するようになっていたわ」

 音楽性の違い、というやつなのだろうか。

「そして気がつくと、今度は勇希が入るに相応しいバンドはどちらなのか、という話に発展したのよ。それと、勇希にはボーカルを任せるべきだから、元々ボーカルの私たちと一緒にツインボーカルをしてもらうのがバンドにとって一番良いということになって」

「それでツインボーカルの交渉権っていうことに?」

「ええ」

「どうしてそこからコスプレ勝負に?」

 いくら白熱して冷静さを欠いていたとはいえ、この二人から猫のコスプレで勝負という謎の案が出てくるとは到底思えない。それに、このコスプレ衣装の調達先も気になっていた。

 この件に関しては二人以外の誰かが裏で手を引いていたのではないだろうか。自然とその考えに至ってすぐに、その黒幕の正体が蘭によって明かされた。

「白金さんが、猫のコスプレで決着をつけてきてください、って」

 うん。案の定だった。

 燐子は交流サーバーの管理者として、二人の動向を見守っていたのだろう。放っておいたら、バンド対バンドによる争いになって、どちらに俺を取り入れるのか音楽で勝負、という展開に繋がってもおかしくはなかったはず。

 そこへ燐子が機転を利かせたのだろう。より平和的に、かつ、最終的にどちらにも軍配が上がらずに勝負が有耶無耶になるように。白羽の矢が立ったのが俺で、燐子自身の趣味が大いに関わってきて、コスプレ衣装で俺とセックス勝負をするということになったようだ。

 燐子のおかげで、可愛い二人を見ることができたわけだ。

 あとで燐子にはお礼を言っておこう。

「結局、勝負はつかなかったけど……」

 蘭が俺の背中に張りついて、首元に吸いついてくる。既に何か所も刻まれた接吻痕を増やすように。それが終わると今度は耳元に口を移し、舌先で耳たぶを叩くように舐め、囁きかけてくる。

「勇希としては、どうなの? ツインボーカルの話」

「俺は……」

 ツインボーカル。非常に魅力的な誘いではある。恋人たちと一緒にバンドを組めたら、とても楽しいだろう。かつての父さんたちみたいに防音室に集まって、私生活でも、音楽でも、関りは今よりも深くなっていくのだろう。

 でもそれは、元々のバンドの良さをなくしてまで手に入れるものではない。RoseliaとAfterglow、どちらのバンドにもそれぞれの個性がある。その個性を崩してしまったら、俺はきっと気持ち良く歌えない。

「俺は、ツインボーカルはやらないよ」

 それに、そろそろ俺自身の方向性を模索する段階に来ている。以前、まりなに進路相談をしたときに思いついたことも、少しずつではあるけど進めている。それも含めてこれから本格的に活動をしていく腹積もりだった。

 その他にも、こころのお母さんから要求された件もある。まだどうなるかはわからないけど、実際にやってみたらいい経験になるかもしれない。

 いろいろとやるべきことが増えてきた。それに対する不安もあるけど、期待のほうが強いと感じる。これから先、今と立場が変わることはあるかもしれないが、こうして恋人たちとイチャイチャする生活だけは変わらないようにしていきたい。

 俺は腰を突き上げて、友希那の子宮口に亀頭を押しつけながら精液を送り込んだ。

「っ……ぅ、ぁあっ……!?」

 新鮮な精液を胎に仕込まれて友希那が背筋を伸ばし、悦びの声を上げる。それを羨ましがった蘭が横からがっつくように俺の唇を奪ってきた。幾度も角度を変えて、舌と唾液を擦りつけてくる。

 喘ぎ声と接吻音は、その後も浴室で長く響き続けた。

 二人の美少女を交互に抱き、快楽漬けにされながら、俺は今とは少し違う、この先の生活に想いを馳せた。



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活動

 作業に一区切りがついて集中が途切れたとき、蝉の鳴き声が聞こえてきた。何気なしに顔を上げると、閉めっぱなしのカーテンの隙間から日差しが入り込んでいた。

 最後に時計を見たときは、未明の暗い時間帯だった。そこからずっと没頭していたのだが、いつの間にやら日が昇っている。時間を忘れていたみたいだ。自分の集中力に驚くやら呆れるやら感じつつ、机の前に向かっていた俺は椅子から腰を上げた。

「ちょっと疲れた……」

 長時間座っていたせいで体が凝り固まっていた。少し体を解すだけで溜まっていた疲労が抜けていき、全身が気力に満ちていく。相も変わらない自分の肉体の異常性を認識しながらも、いつも通りのことなので今さら気にしない。

 窓の前に立ってカーテンを開く。

 外には雲一つない青空が広がっていた。絶好の外出日和だ。

 とは言っても、今すぐは出掛けられない。まだ作業が残っているから。

 窓から注ぐ朝の陽射しを受けて明るくなった部屋で、引き続き机の上のパソコンに向かう。立ち上げていた動画編集ソフトを使って、作成途中の動画を仕上げていく。

 それから小一時間ほどして作業が完了した。

 昨日から時間を掛けて作った一本の動画。それを俺は、まりなに共有した。

 あとはまりなに動画を確認してもらい、必要があれば修正を加える。

 今から共有しても、当然すぐには確認してもらえない。一旦、自分の手持ち作業はなくなったことになる。一仕事終えて解放された気分になって、俺はようやく外出することに決めた。まあ、昼前から別の用事が入っているから、ほんの少しの自由時間だけど。

 眠気覚ましにシャワーを浴び、念入りに洗顔をする。本当は徹夜するつもりは全くなかったけど、つい調子に乗って作業を進めてしまった。そのおかげで予定よりもだいぶ早く動画が作れたのはいいことだけど、目の隈が出来ていないか気になった。いつもは気にしないけど、今日はちょっとだけ普段とは違う予定が入っているから。

「大丈夫だった」

 しかし、そこは我が自慢の体。大丈夫だろうという楽観的な考えは的外れではなく、浴室の鏡に映ったのはいつも通りの血色の良い顔色だった。これならば、この後の用事で会う人にも文句を言われることもないと思う。

 シャワーを浴び終えて、髪を乾かしてから着替えをする。

 身に着ける服装は、七月下旬に相応しいポロシャツと、夏用のチノパン。それと、キャスケット帽を目深に被る。伊達メガネも忘れない。鏡の前で自分の姿を確認すれば、遠目からでは男だとはっきりわからないだろう。骨格とかは厚着のできない夏場では誤魔化しようがないから、これ以上の性別詐称は不可能だ。

 これでもナンパされるときはされるだろうけど、そのときには、以前出会って連絡先を交換して以来、交流を続けている白鷺さんの助言に従ってとにかく人目を避ける行動を心掛ける。

 必要最低限の物を詰めたショルダーバッグを肩掛けにして、俺は家を出た。

 外に出た瞬間、陽射しが照りつける。まだ朝なのだが、今日は随分と日が強い。

 七月上旬だった先々週、友希那と蘭とペットプレイをした日の夜はそこまで夏を感じなかったけど、これからは日が落ちても暑い日が続いていくのだろう。汗だくセックスがいっぱいできるということだ。

 涼しい部屋でのセックスもいいけど、汗を掻きながらのセックスもいい。

 妄想を膨らませながら、俺は駅から少し離れた場所にある喫茶店に向かった。

「いらっしゃいませ。お好きなお席にどうぞ」

 朝からやっているその店に入って、カウンターに立つギャルソンエプロン姿の老紳士然とした男性に声を掛けられた。落ち着きのある風貌からして、たぶん店主さんだ。他に店員はいない。

 窓際の席に着く。店内は落ち着いていて、今日が土曜日とはいえ朝だからか客は少ない。落ち着いたBGMが流れる店内では、数人の客がゆったりとした朝の時間を朝食と共に楽しんでいた。

 客の視線もなく、通りを歩く人の数もそれほど多くはないから気にしなくて良さそうだ。俺は帽子と伊達メガネを外すことにした。

「お冷やをお持ちしました」

「ありがとうございます。注文いいですか?」

「はい、承ります」

 お冷を持ってきてくれた店主さんに、サンドイッチと珈琲のセットメニューを注文した。

 待っている間、暇つぶしにと携帯を取り出す。

 そして動画サイトを開き、とあるチャンネルを開く。

 その名前は『CiRCLE』。名前から察せられる通り、ライブハウス『CiRCLE』のチャンネルだ。

 つい先日、作成されたばかりのチャンネルで、投稿されている動画は少ない。最初に投稿されたのがCiRCLEに関する紹介動画だ。最寄り駅から入店までの流れ、施設内部の紹介、スタジオの予約等の利用方法、機材の使い方なども網羅してある。

 これを見れば、バンドを組んで初めてライブハウスを使う人でも気軽に訪れて利用してもらえる、と思っている。

 ちょっと自信がない理由は、この動画を作ったのは俺主導によるもので、撮影から編集まで俺が全て行ったからだ。まりなにはOKを貰ったが、正直こういう動画の作成には慣れていないから不安だった。

 だけど、動画の再生数などを見ると、要らない心配だったかもしれない。あらゆる伝手を使って宣伝したおかげもあるとはいえ、作ったばかりのチャンネルの最初の動画とは思えない視聴回数の多さだ。実際にこれを見て初めてライブハウスに足を運んだ人からのコメントも寄せられている。

 そして、その後に投稿した動画も好評を得ている。

 それは、CiRCLEスタッフである俺による初心者向けのギター練習動画だ。ギター歴の浅い俺だけど、だからこそ苦戦したところや上達したきっかけなどを鮮明に覚えている。そういった点をまとめて、できるだけ初心者に寄り添った動画を作ったつもりだ。

 ちなみに、俺の顔は出していないし、説明も字幕で声は出していない。今のところ、動画内で『ゆうき』としての要素は出していないし、俺自身のチャンネル内でもCiRCLEの宣伝はしていない。俺のチャンネルの登録者は今となっては信じられないほど増加していて、その影響度がどれほどのものになるか見当もつかなかったからだ。

 だから、現時点では俺自身のチャンネルを除いて、俺の持ち得る人脈からCiRCLEのチャンネルの宣伝をしてもらうに留めた。もっとも、俺がCiRCLEのスタッフとして働いていることや、まりなと一緒にスタッフとしてCiRCLEのライブイベントに出演したことは一部の人間に既にばれているから、要らぬ配慮だったかもしれないけど。

 それはさておき、いずれの動画も最初の踏み出しとしては上々だった。

 これらは全部、まりなに以前、進路相談した際に思い至ったことだ。

 自分の活動場所の一つにもなったCiRCLE。今後も俺を支えてくれるだろうその場所を、俺の手でも盛り上げていきたい。これをきっかけにしてバンドというものに出会って、音楽の道を志す人が現れてくれたら嬉しい。そういった想いでまりなに提案し、専用のチャンネルと動画を作って認知度を上げていくことにしたのだった。

 俺は今後も、スタッフとして動画を上げていくつもりだ。さっき作ってまりなに共有したばかりの動画も、CiRCLEチャンネルに投稿する予定のものだ。

 これが、今俺がやっている活動の一つ。

「お待たせいたしました。BLEサンドイッチとオリジナルブレンド珈琲のセットです」

「ありがとうございます」

「ごゆっくりどうぞ」

 動画やコメントを見返していると、注文したサンドイッチと珈琲を店主さんが運んできてくれた。カップに注がれた真っ黒な珈琲から立ち昇る湯気と、心が落ち着くようなかぐわしい香り。夏だけど、ホットを頼んで良かった。店内は冷房が利いているから涼しいし、珈琲を飲むからにはできるだけ香りを楽しみたかったから。

 ベーコンとレタス、薄焼き卵を挟んだボリュームのあるサンドイッチに齧りつく。シャキシャキとしたレタスと、ベーコンのジューシーな味わい。パンに薄く塗ってあるマスタードと、塩気のある薄焼き卵との相性は抜群。

 そして、そこへ流しこんだ珈琲の苦味。全ての味が洗い流されるわけではなく、これまたサンドイッチと絶妙にマッチした味。

 リサとのデートで羽沢珈琲店に行く前は、俺はそこまで珈琲に興味がなかった。駅前にあるこの店も存在は知っていたけど、入店したことはなかった。こんなことだったらもっと前からこの店に来ていれば良かったと後悔した。

 でも、そんな後悔の味すらも美味に感じる。

 しばらく俺は、サンドイッチと珈琲に舌鼓を打った。

 そのときの俺はきっと、だいぶ頬が緩んでいたのだろう。普段の無表情からは考えられない明るい笑顔を見せていたのかもしれない。自分で言うのもなんだけど、その笑顔は異性を魅了するには十分な破壊力を持っている。

 夢中になってサンドイッチと珈琲を味わっていた俺は、後になって気づいた。

 さっきまで空いていた店内が、急激に混み始めていることに。いつの間にやら俺の周りの席には大勢の女性客が集い、遠慮のない視線を俺に集中させ、中にはこっそりと携帯のカメラを向けている人もいた。

「やっば、格好良すぎ……。マジ眼福……」

「かっこかわいい……。尊い……。食らい尽くしたい……。エロ同人みたいに……」

「一般人、なわけないか……。アイドル……? それともモデル……?」

「デビューしてたらすぐ気づくはずだけど……。私たちの情報網から逃れるとは……。顔覚えたからね……?」

「声、掛けてみよっか……」

「いや、レベル高すぎてさすがに声掛けられないでしょ……」

「だよね……。あー、あんな彼氏がいたらな〜……」

 それに気づいた瞬間、俺は声を掛けられてしまう前に慌てて席を立ち、帽子と伊達眼鏡をつけながらレジへと逃げるように向かった。

「是非、またお越しくださいませ」

 お会計を済ませた帰り際、レジ対応をしてくれた店主さんに満面の笑顔で渡されたのは、アルバイト募集中と書かれたチラシだった。この状況で渡されても困ってしまうけど、お客さんがたくさん来て嬉しそうな店主さんにチラシを返すことなどできるはずもなく、俺はチラシを握ったまま店を出ることにした。




今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。


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活動②

 店からこっそりと追いかけてきた数人の女性客を撒くために、十分ほど街を練り歩く。堂々と追われていたら撒けなかったかもしれないけど、相手に遠慮の気持ちがあって助かった。どうにか尾行を振り払うことに成功し、俺は駅に向かった。

 電車に乗って、数駅離れた場所へ移動する。今まで下車したことのないところだ。デートや買い物は最寄り駅周辺や他の駅近くで事足りているから、今回のように用事がなければたぶん訪れることはなかったと思う。

 駅前に出て、目的地に行く前に携帯を取り出す。念のために目的地の場所を確認してから歩き出した。

 見慣れない景色。通行人に不審に思われない程度に辺りを見回しながら、歩くこと数分。

 目的地に到着した。

 目の前にはそびえ立つ巨大なビル。手前には広い敷地があって、噴水や植え込み、ベンチ、不可思議なモニュメントなどが置かれている。正面に見える入口からは、土曜日であるというのにスーツ姿の人たちが出入りしていた。

 正面の自動ドアを通って、エントランスに入った。

 ふと頭上を見上げてみれば、解放的な吹き抜けの空間。一階から上階へと向かうエレベーターが透明なガラス越しに確認できる。都会のよくあるオフィスビルといった感じ。広々としたエントランスには待合用のソファーが多く、数人が座っていた。

 まだ待ち合わせまで時間がある。それまでソファーに座っていよう。

「こんにちは」

 エントランスを横切っている途中で、横から声を掛けられた。

 足を止めて横を見ると、灰色のパンツスーツに身を包み、首から社員証を下げた女性が一人立っていた。髪をひっつめにして、眼鏡を掛けている。表情は硬く、初対面ではちょっとだけ身構えてしまう。如何にも仕事ができる風の見た目をしたその人は、コツコツとヒールの音を鳴らしてこちらに歩み寄ってくる。

「岩戸勇希さん、ですよね?」

 名前を呼ばれ、俺はすぐに察した。

「はい」

「ああ、やっぱり!」

 俺が返事をし、帽子と眼鏡を外すと、彼女はわかりやすく笑顔を深めた。

「一目でわかりましたよ。やっぱり、普通の人とオーラが違いますね!」

 楽しげに話す彼女に、俺は少しだけ呆気に取られた。さっき見たときはちょっと冷たい雰囲気の人かと思ったのだが、こうして話してみると何とも気さくな感じだ。黙っているときとのギャップが激しい。

「あ、すみません、急に変なこと言っちゃって」

「いえ」

 俺が黙っているのを見て、驚かせてしまったのだと思ったようだ。確かに少しだけ驚いたけど、俺が黙ったのは単純にコミュニケーション能力に少々難があるためだ。

「口下手なもので」

「そうなんですね。なるほどなるほど、クール系ってことですね!」

 彼女は顔の前で両手の親指と人差し指を触れ合わせて四角い枠を作ると、その枠の中に俺を収めた。片目を閉じて、俺を捉える姿はカメラを構える撮影者のようだ。品定めするように、やや興奮気味に様々な角度から被写体である俺を捉える彼女は、明らかに変人だった。

「いやぁ、やっぱり素材が良いですね! これほどの原石と出会えるなんて!」

 俺が止めないのが悪いのか、彼女はしばらく暴走状態に入った。

 擦れ違う人から好奇の視線を向けられつつ、早く落ち着かないかなと思っていると、ようやく満足したようだ。額を手で拭い仕草をした後、大人しくなった。

「ふう、では早速、スタジオに行きましょうか!」

 早速と言うにはあまりに時間が掛かっているが、ツッコむのはやめておいた。

 歩き出す彼女。その後に続いて数歩歩いたところで、彼女が急に足を止めた。

「あっ!」

 と何かを思い出した様子で声を上げ、くるりとこちらに向き直る。

 そして、懐から小さなケースを取り出すと、そこから手の平サイズの薄くて四角い紙を引き抜いた。

「申し遅れました。私、こういう者です」

 軽く頭を下げ、彼女が両手で差し出してきたのは、名刺だ。

 書かれているのは会社の名前と部署、そこに在籍する女性の名前や連絡先。

 彼女はこれでも、大手出版社のファッション雑誌の編集長だった。

 

 カシャ、とシャッター音が鳴る。一回だけでなく、二回、三回と立て続けに。俺はその音を聞きながら、無言で向けられたカメラに目線を向ける。

「いいですね。では、次は右手で帽子を押さえてみてください」

 言われた通り、被っていたキャスケット帽を手で押さえる。

 今被っているのは自前の帽子じゃなくて、用意された衣装だ。帽子も衣装も全て秋用。冬ほど厚着ではないとはいえ、夏と違って肌の露出は殆どない。今は室内で冷房が利いているから問題ないけど、外だったら今頃全身に汗が滲んでいたと思う。

 ファッション誌では、実際の季節の数か月前から撮影を行うようだ。秋物のコーディネートだったら夏場に。そう考えると、モデルは華やかに見えていろいろと大変だ。などと思いながら、俺はカメラを構える女性の指示に従ってポーズを取った。

 俺は今、編集長さんに案内されたスタジオでモデルをしている。モデルといっても専属契約を結んでいるわけではないから、読者モデルだけど。それでも、俺を選んでくれたことには変わりはなく、真面目に取り組む。

 それに何より、これはこころのお母さん、弦巻さんからの要求でもあった。

 知人の出版社で発行しているファッション誌のモデルをしてほしい。弦巻さんからそう言われたときはどうしてそんなことを頼んでくるのかと驚いたものだ。

 どういった話の流れかは知らないけど、編集長さんに俺の写真を見せたところ、是非モデルにという話があったようだ。本人の与り知らぬところで写真を他人に見せるのはどうなのだろうかと思いはしたものの、後の祭り。弦巻さんと編集長さんの間で話が勝手に盛り上がってしまい、俺がモデルのアルバイトをすることがその時点でほぼ確定してしまったようだ。

 困った弦巻さんは、そうした経緯で俺に要求をごり押ししたようだった。

 傍迷惑な話だけど、結果的には何の問題もなかった。

 アルバイト代もしっかりと貰えるし、モデルという仕事に興味はあった。せっかく美少年として生まれたのだから、それを活かさない手はない。かと言って、アイドルとか俳優を志す勇気は湧かず、芸能事務所からの誘いはあっても全て断ってきた。

 読者モデルという、言ってしまえばアルバイトのような関係が今の俺にはちょうどいいのかもしれない。

「はい。一旦休憩入れましょう、お疲れ様です」

「わかりました」

 ポーズを取って身動きを止めながら被写体になるというのは、慣れないと結構疲れる。アマチュアである読者モデルなら尚更だ。それをスタッフさんたちは理解してくれているようで、小まめに休憩を入れてくれる。

 椅子に座って休憩する中、カメラさんと編集長さんが写真を見ながら話し合っている。このポーズがいいとか、このアングルがいいとか、次はこうしようとか。二人の顔は真剣そのもので、それを見ていると身が引き締まる。

 もっと頑張ろう。編集長さんの言うオーラというのはよくわからないけど、雑誌を見る人を惹きつけられるようになりたい。俺の気持ちでどうこうなるものではないと理解しているけど、表情の機微でも多少なりとも変わるはずだ。

「よし……」

 気合を入れて、俺は自分に言い聞かせる。

「そろそろ再開しましょう」

 その言葉で椅子から立ち上がった俺は、再びカメラの前に移動した。

 撮影中、俺はただ自分の役割に徹した。カメラさんの指示で、普段しないポーズや表情を作った。一度気合を入れたからか、日常生活では意図的に造れないような柔らかい笑顔も、アンニュイな表情も浮かべられた。

 俺を撮るカメラさんや、編集長さんが息を呑むのがわかった。

 自分ではまだ実感が湧かないけど、モデルらしい雰囲気作りができているようだ。

 別の衣装に着替えて、メイクも変えて、撮影は続く。何だか段々と編集長さんたちの熱が上がってきているようで、それが他のスタッフさんたちにも伝染していた。その渦中に俺も取り込まれて、より良い被写体になろうと意識が昂った。

 そんな想いに、俺自身の体に宿る才能とやらが応えたのかもしれない。なれる気がした。読者を釘付けにする理想のモデルに。できる気がした。この場にいる大勢のスタッフすらも魅了し尽くす表情を。

「で、では、次は寂しげに、笑ってみてくださいっ!」

 さっきまでは普通に喋っていたカメラさんが緊張した声音で言った。それに俺は素直に応えて、自分が思う寂しげな微笑を浮かべてみせた。

 直後、スタジオ全体が静まり返った。カメラさんの声も、物音一つしない。室内にいる女性スタッフ全員が見惚れたような視線を俺に送って、呼吸も忘れて硬直していた。

 遅れて聞こえてきたシャッター音。

「この子、最高の逸材だわ……」

 思わず漏れたような編集長さんの声が、静かな空間に響いた。



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今井リサと外出デート②

 モデルの初仕事を終えた頃には、正午を少し過ぎていた。土曜日であるため、往来を歩く人々の数は多い。きっちりと帽子を被って伊達眼鏡を掛け、変装をし直した俺は、それでも比較的人の少ない通りを選んで待ち合わせをしていた。

 仕事関係の待ち合わせじゃない。ここからは完全にプライベート。

 携帯を弄って暇潰しをしていると、数分後に彼女がやってきた。

「おまたせ~」

 遠くから手を振りながら近づいてきたのは、リサだ。もう少しで夏休みに入るとはいえ、既にその恰好は夏仕様。白く肉付きの良い太股が覗く青いショートパンツ。へそ出し、肩出しのオフショルダーの白いトップス。白い歯を見せて笑い、ウェーブの掛かった茶色い髪を揺らすリサに、より活発的な印象を与える。

「ごめんね、遅くなって」

「全然待ってない」

 実際、そこまで待っていない。必要だったら何時間でも待つけど。そもそもリサはその辺しっかりしているから、大幅な遅刻はないと思う。あっても、事前に連絡をくれるから安心だ。

「良かった。それじゃ、行こっか」

 俺の左手を握ったリサと肩を並べた俺は、ゆっくりと歩き出した。

 久々のリサとのデート。前回約束してから期間が空いてしまったけど、またこうして遊びに来られて嬉しく思う。

「さっきまで、女の人と会ってた?」

「うん。わかる?」

「勇希から知らない香りがしたから。もしかして、新しい恋人候補?」

「違うよ。もっと別件」

 まだ恋人たちには、俺がモデルの仕事を始めたことは伝えていない。仕事と言いながらも、読者モデルだからアルバイト感覚だし。何かのきっかけでバレたら話すだろうけど、読者モデルを始めたと自分から言うのにちょっとだけ気恥ずかしさを感じた。

「そっかそっか。また勇希のハーレムが拡大されたのかと思った」

「リサは嫌? 俺の恋人が増えるの」

「ううん、そんなことないよ~。むしろ、嬉しい、かな? 勇希のおかげで交友関係が広がっていくし、勇希っていう格好いい男の子の良さをもっと多くの女性たちに知ってもらいたいし。……それに、何より」

 リサが俺の耳に顔を近づけ、声を潜めて言った。

「女性に囲まれてセックスを楽しむ勇希、すごく幸せそうだし……。それを見ていると、アタシも満たされるんだ~……。もっとこの人が喜ぶことをしてあげたい……。いろいろなタイプの美女たちと一緒になって、勇希を幸福と快楽に沈めてあげたい、って思うんだ……。勇希が喜んでくれるならアタシ、どんなプレイだってしてあげるからね……」

 熱を帯びた声音で囁かれ、全身が震える。歩いているのに腰砕けになりそう。何とか膝に力を入れて歩く。けれど、股間が膨れて歩きづらくなって、そんな俺を見てリサはニヤニヤと笑っていた。

「ほんっとに、勇希は素直で可愛いなぁ~」

 俺の股間を見ながら、リサが目を細めて舌なめずりをした。ズボンに隠された俺のチンポを想像し、欲望を滲ませている。俺がそうであるように、リサも俺とのセックスを想像して軽く発情しているようだった。夏の暑さが原因ではない発熱によって、リサの頬はほんのりと赤く色づいていた。

 このままひと気のない場所に行くのも手だと思ったが、今日は目的地が定まっている。お互いに、交尾の準備を始めようとしていたチンポとマンコを不完全燃焼のまま何とか鎮め、その場所へと向かう。

 そうして、俺たちは商店街のとある店の前にたどり着いた。前回、気がつかなかっただけで、同じ商店街にある羽沢珈琲店とかなり近い距離に佇んでいた目的の店、やまぶきベーカリー。

 ここは以前、リサとデートをした際に話題に上がったパン屋だ。確か、モカのおすすめのお店だという話だった。前回のデートでは羽沢珈琲店で食事をしたために立ち寄ることはしなかったけど、ようやく訪れることができた。

 見た目は、よくある街のパン屋といった感じだ。小さすぎず、大きすぎず。店の名前が書かれたガラス窓から店内の様子が確認でき、中には大勢のお客さんがいて、ちょっとだけ待つ必要がありそうだ。

 店の回転率が良いのか、どんどん客が買い物を終えて出てくる。

「ここの店、一回来てみたかったんだ」

「評判良いからね」

「どこで食べよっか?」

「公園にしよ」

 パンの入った袋を手に、話しながら歩き去っていく女性二人組。他にも、家族連れやご老人など、様々なお客さんが買い物を終えて出ていく。そろそろ入っても大丈夫そうな人口密度になったのを確認して、俺たちは入店した。

「いらっしゃいませー!」

 元気の良い声が店内に響き、入ってきた俺たちを出迎える。声を発したのは、エプロンをつけてレジ打ちをしている女性の店員。高校生くらいだろうか。髪を束ねて短めのポニーテールにした、快活そうな少女。かなり可愛い。

「いらっしゃいませ」

 それと、少女の横でお客さんが買ったパンを袋にしまっている女性。少女とよく似た面立ちをしている。年の離れた姉、いや、だいぶ若く見えるけどたぶん母親だろう。落ち着いた雰囲気で、こちらに柔らかい微笑みを向けてくれた。

「鼻の下、伸びてるよ?」

「え……」

 リサに言われて慌てて鼻と口元を手で覆う。けれど、わかりやすく伸びてはいない。

「なんてね。冗談だよ」

 どうやら鎌を掛けられたみたいだ。これでは、店員の少女のことを可愛いと思っていたことがバレバレだ。まんまと引っ掛かった俺を見てリサはくすくすと笑っている。ちょっとだけジト目で見つめていると、リサはばつが悪そうに苦笑した。

「ごめんごめん。さ、パン買おう?」

「うん」

 俺たちの後にも店の外で入店の順番を待っている人がいるため、のんびりしていたら迷惑だろう。トレーとトングを手にした俺たちは、棚に陳列されたパンを見ながら、それぞれ食べたいパンを取っていく。

 パンから漂う良い匂いを感じながら、商品を見て選んでいく。パン屋に通った経験は多いわけではないけど、この時間は何だか楽しい。ついつい、匂いに食欲を促されて買いすぎてしまうのもよくあることだ。

 ウィンナーパン、カレーパン、ベーコンエピ、メロンパン、チョココロネ。などなど。そこまで大食いではない俺だけど、自然とたくさんのパンをトレーに乗せてしまった。食べきれなかったら、夕飯にでも食べよう。

 ちらりとリサの様子を見てみると、俺とは違ってだいぶ迷いながらも選別していた。

「いろいろ食べたいけど、悩むな~」

 カロリーを気にしているのだろうか。リサは全く太っていないように見えるけど、そこは男の俺が深く突っ込める部分ではないのだろう。女性は毎日体重計の数値と一進一退の攻防を繰り広げているという話だ。

「俺と半分こにする?」

「それいいね! そうしよう!」

 ここで俺が掛ける言葉は、瘦せてるからカロリーを気にしなくて良いよという否定的な言葉ではなく、相手の選択肢を増やしてあげること。俺もちょっと取りすぎてしまったから、リサと折半していろいろなパンの味を楽しむほうが都合が良かった。

 二人で食べられる分だけにして、どちらも食べたいものを選別する。

「これでいい?」

「うん、いい感じ」

 ちょっとだけ時間を掛けて、ようやく俺たちはレジに向かった。

「お会計お願いします」

「はい、ありがとうございます」

 少女がトレーを受け取って、レジ対応をしてくれる。いつの間にか、少女の母親はいなくなっていた。店の奥に行ったのだろう。陳列されたパンが少なくなっているから、補充用のパンを取りに行ったのかもしれない。

 買ったパンの値段を伝えられ、財布からお札と小銭を取り出す。その間に、少女は手際よく袋にパンをしまっていく。随分手慣れた様子。家族経営のようで、小さい頃から店の手伝いをしていた感じなのだろうか。

「はい、ちょうどですね。こちらをどうぞ」

 会計を済ませ、パンが入った紙袋を受け取る。

「ありがとうございましたー!」

 再び明るい笑顔を向けられ、ちょっとだけじっと眺めてしまう。うん、やっぱりいい感じ子だ。パンもそうだけど、こういう子も食べたい。さっき、リサのせいで湧いた性欲がちょっとだけ残っていたようで、そんな感想を抱いてしまう。

「どうかされましたか?」

 穏やかに笑いながらも、不思議そうに首を傾げる少女。

「あー、ごめんなさい、何でもないです。ほら、行くよ、勇希」

 リサに手を引かれて、俺はそこで正気に戻った。けれどもリサは俺の手を引いたまま、店の外へと連れ出していく。そんな俺たちを微笑ましそうに見送る少女の顔を見ながら、俺は店を後にした。



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