東方影住録 (ツメナシカワウソ)
しおりを挟む

第1話『迷子のナニカちゃん』

初めまして。ツメナシカワウソです。如何せん初投稿なので生暖かい目で見て頂けると幸いです。


《無縁塚周辺にて》

「ふぁ〜。よく寝た〜。って、どこじゃいここ」

はい。ボクは千夜住(ちやずみ)虚(うつろ)。人とも妖とも神ともつかぬ、怪しいものだそうです。まぁ、知らん。そんなことより重要なのがこの場所。此処どこ?なんか昼寝して起きたら此処にいたんだけども。まぁ、所持品は無くなってないし、服も来てるし、身体もなんともないからいいけど。しかし困った。帰り道がわからん。当たり前だよ此処知らないんだから。取り敢えず、辺りを見渡そう。そう思いたって仰向けの状態から直立し、くるりと一回転。んで、見えたのがこちら。

・石

・瓦礫

・廃棄物

な ん だ こ れ は

死後の世界か何かなの此処は?でもボク割と生命力高いよ?手足もげてもすぐ生えてくるよ?脳みそ吹っ飛ばされても2秒で元通りだよ?とかなんとか言ってる内にボクは一つの結論を出した。

「夢だな。うん。夢だ」

ここで質問。どうすれば夢から覚めるでしょうか?答えは至極単純!頰をつねること!ボク天才!早速頰をつねって・・・

「・・・アレ? 」

夢が覚めない。ま、まぁ今のは予行演習だから!もう一度・・・

「・・・え?」

また覚めない。流石に三度目はやんない。二度あることは三度あるって言うし。

「・・・どーしましょ」

そうやってボクが途方に暮れたその時!

「どうするもこうするもないよ。よくわかんないけど、君は取り敢えず此処から出るべきだね。」

なんということでしょう!ボクが声のする方を向くと、ネズミを擬人化したような美少女が立っているじゃあありませんか!ボクも美少女だけど。いけないいけない。こんなことをしている場合じゃない。兎に角、このネズミ娘ちゃんとお近づきにならなくては!と、いうわけで早速口説く・・・訳にもいかず、ひとまず帰る方法を聞くことにした。ボクはこう見えて慎重派なのだ。

「えー、あー、どうやったら出られる?」

「此処は無縁塚。外の世界とこの世界の狭間と言ってもいい空間だ。あっちがこの世界の空間だよ。さよなら」

「ゑ?」

ネズミ娘ちゃんはすらすらとここについて喋ると、右側へ指さしてそのままどっかへ行ってしまった。なんということだ。

一緒についてって貰って道中ボクの魅力を十分にアピールしてネズミ娘ちゃんをgetする算段だったのに。

まぁ、過ぎたことは仕方ない。ボクはそう割り切ってさっさと歩く・・・のは面倒くさいので、能力を発動させた。

【何者でもない程度の能力】

するとボクの身体は薄暗い色の霧に包まれ、霧が晴れると共に、灰色の羽根を持った悪魔・・・今のボクの姿が現れた。

「ひゅー。そんじゃ、ひとっ飛び行きますかねー」

そう言ったのが先か羽根動かしたのが先か忘れたけど、取り敢えず無事に知ってる場所までたどり着いた。道中妖怪っぽいのいたけど、まぁ、敵じゃなかった。いやぁ、吠え掛かってきたもんだからさ。喉切るつもりで爪振ったらさ。そのまま首がポーンよ。ポーン。その後悲鳴が聞こえた気がしたけど、まぁ、知ったこっちゃないね。

 




はい。一話目です。最近東方のtrpgあるって知ったんでソレのpcの物語にしようと思います。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

いきなり番外編『キャラ紹介』

サブタイトルの通りです。


千夜住 虚(ちやずみ うつろ)

年齢:1万は超えてる 身長:140cm 性別:女(男) スリーサイズ:紳士な貴方の御想像にお任せします 体重:約10kg

いつからか幻想郷にいるナニカ。青と赤のオッドアイと、緑色のショートウルフと色褪せた青い男物の着物がトレードマーク。基本的に楽天家でうるさく、口調も頭が悪そうな喋り方だが、かの大妖怪でも読めない程の思考の深さを持つ。能力名は【何者でもない程度の能力】。自身についての定義を弄り、ありとあらゆるものになることができる。ただし使い過ぎるとストレスで人間になる時には白髪になり、それ以外のものでも全体的に外見が白一色となる。因みにレズであり、事あるごとに少女達を口説こうとする。

 

 

 

博麗 霊夢(はくれい れいむ)

身長:高いグループ(虚より高い) 性別:女 それ以外:原作と同じ

皆さんご存知博麗の巫女。大きな赤のリボンと、腋が露出する独特な意匠の巫女服がトレードマーク。危機感がない。ちょくちょく賽銭箱を覗き込んでは溜息をついているが、生活には困っていないらしい。かなり傍若無人。天性の才能を持ち、全てに対して努力を嫌い、敗北を知らない。それ故かありとあらゆる場面で絶対に本気はださない。能力名は【空を飛ぶ程度の能力】。一見するとそこまで強くはなさそうだが、場合によっては途轍もないチート性能になる。

 

 

 

霧雨 魔理沙(霧雨 魔理沙)

身長:霊夢と同じぐらい 性別:女 それ以外:原作と同じ

皆さんご存知普通の魔法使い。白黒の服と帽子がトレードマーク。「弾幕はパワーだぜ!」が決めゼリフ。捻くれ者だが真っ直ぐな性格で。霊夢とは対照的で影ながら努力して力をつけていくタイプ。以前(というか今も)は泥棒紛いの行動をして人を困らせていた。霊夢の天性の才能を妬むこともあるが、彼女がいなければ死んでしまう位の仲良しであり、ちょくちょく神社に遊びに来る。能力名は【魔法を使う程度の能力】。光や熱を使った破壊力の高い魔法の他、属性魔法も多少使える。人間としてはここまで魔法を扱える者はいないらしい。

 

 

 

 

アリス・マーガトロイド

身長:虚以上魔理沙未満 性別:女 それ以外:原作と同じ

魔法の森に住む魔法使い。薄い肌色と人形のような整った表情がトレードマーク。普段は強気だが臆病。人に会うことは殆どなく魔法に執着して生きてきた為か、人付き合いが下手。幻想郷で随一の器用さを持ち、多数の人形にそれぞれ異なる複雑な動きをさせるなどの離れ業もやってのける。元は人間であり、修行して「魔法使い」という種族になった為、人間に対しても友好的。




大体こんな感じです。アリスの紹介が少ないのはネタバレ回避の為です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話『戦うナニカちゃん』

初の戦闘描写でございます。


《魔法の森周辺にて》

さてさて。なんとかあのムエンズカとかいう所からボクの拠点がある魔法の森まで戻ってきたわけだけども。

「あ〜快適〜。眠〜い」

うん。ここまで快適だと眠くなっちゃうよね。程よい湿気と絶妙な温度。オマケにここに生えてるキノコの胞子が魔力を増強するときた。多分魔力カンストしてるけど。あとは瘴気が妖怪を寄せつけないこと。ここ重要。

「ふぁ〜。眠い・・・」

それにしても眠い。ちょっと前に作った拠点まで着くより先に多分ボクの睡魔が頭まで回るのが先なんじゃないかってぐらい眠い。いや、というかもう回りきってる。だってもう身体動かないもん。仰向けのまま動かないもん。ここまでくればもうどうでもいいや。ボクは自分の欲求に素直に答えてくーくー寝息をたてはじめた。ーーーと、思ったら。

「ん?なんか転がってんなぁ?」

ゲシッ

「ひゃう!?」

いきなり誰かに踏まれた!酷い!とーちゃんにも踏まれたことないのに!とーちゃんいたかどうかは別として。って今はそんなこと言ってる場合じゃない。ボクはやられたら殺りかえすタイプだ。すぐさま飛び起き、自分でも驚くほどの速度でボクを踏んだヤツに近づき、その子が女の子だってわかった瞬間抱きついた。

「うぉ!?重っ!?」

「失礼な!これでも10kgぐらいだ!」

まぁ人(?)を踏んだ時点で失礼だけどね。そんなことは置いといて、早速今日のエモn・・・失礼な人をじっくり見ようじゃないか。後ろからしか見れないけど。どれどれ・・・髪は金髪で長くて綺麗。白黒の服っていうセンスも良し。あとはヒラヒラしたスカートが大変魅力的でございまする。なんかいろいろ引っ付いてるのは別として。引っ付いてんの位置変わりやがれ。・・・ん?待てよ?能力使って引っ付いてんのに憑依すりゃいいじゃん!やっぱボク天才!美少女!最強!さて、善は急げだ。何?これは善ではないって?知らんな。

【何者でもない程度の能力】

瞬間ボクの身体は半透明になり、スカートに引っ付いてるよくわからんものに取り憑いた。さぁこれで見放題だ!と思ったのが先か取り憑いたのが爆発したのが先か、とにかく今ボクはとっても可愛い女の子と一緒に落下しているわけでございます。アレ爆弾だったのかよ。早く言ってよ。しかぁし!ボクは一瞬だが!確実に見た!彼女は白だ!何がとは言わん。敢えてだ。まぁ、そんなことは置いといて。

「うわぁぁぁぁぁ!落ちる!ヤバイ!」

もう悲鳴も可愛いよこの子。ずっと聞いてたい。あと顔も可愛い。欠点があるとすれば口の悪さと失礼なところだね。と、言うわけで、早速ボクにはたらいた失礼を償って貰おうじゃないの!ボクに惚れるという方法でね!

【何者でもない程度の能力】(本日二回目)

またまたボクの身体は変化を遂げ、今度は巨大な龍の姿となって、ふかふかの毛布みたいな背中に女の子を乗せて飛んでいた。

「うわぁ・・・すげえ」

よし。ここまでは完璧だ。ボクはゆっくりと彼女を下ろすと、薄暗い霧を纏って人の姿へと変わり、スタッとカッコよく宙返りして着地した。さて!ここまでの驚きの連続で彼女の心はガラ空きだ!ボクのイケボでダイレクトアタックすれば確実に落とせる!いくぜ!

「怪我はない?全く君は危なっかしいなぁ。でも大丈夫。ボクが守ってあげるから」

決まった。勝ったな(確信)。

「あれ?この辺にパチェから奪っ・・・借りた魔道書があった筈・・・あったあった」

「ゑ」

聞いてねえし!1mmたりとも耳に入ってなかったし!神様。なんて残酷な仕打ちをボクにするんでしょう?ひどい。

「あ、お前!さっき転がってた奴だろ!」

「え〜・・・あ〜・・・うん・・・」

やめて下さい。今話しかけないでください。か弱い乙女のハートが砕け散ってしまいます。

「私と勝負だ!お前が勝ったら私をこんな目に合わせたことを許してやらんでもない・・・かもしれない!」

「おあ〜。う〜ん。いい」

うん。はっきり言ってマジで辛い。失恋した男の子の気分。というか好きな子の前で盛大にイキって自爆した子の気分。

「よし!決まりだな!被弾は1回でスペルは3枚だぞ!」

「・・・ぬあ?」

え?この子今なんて?外国人だったの?よくわかんない言葉連発しましたよ?これはマズイ。さっさと逃げねば。ボクは外国の綺麗な金髪の女の子も捨てがたいけど言葉が通じないのは本末転倒だ。

「あ〜。Sorry.I can’t speak your language.good bye?」

「は?訳わかんないこと言ってないで始めるぞ!」

おーまいごっど。この子日本人だ。日本人だけど話通じない人だ。とかなんとか言ってたら、なんと話通じない子が空飛んで魔道書みたいなのから弾放ってきた。勿論当たったらヤバそうなので避けた。

「やれやれ・・・君みたいな血の気の多い子は嫌いだよ。可愛いけど」

まぁ、あっちがやってきたんだ。こっちも殺りかえさないと。

【何者でもない程度の能力】(本日三回目)

う〜ん。今回は何にしよう?多分あっちは遠距離攻撃を主体として戦う筈だから接近されたら多分弱い。ということは遠距離攻撃を無視できて近接攻撃が優秀なモノならいいかな?と、いうわけで。

「おいで。[黄金狂]」

またもやボクは霧に包まれた。けど、ボクの姿は全く変わってない。変わってるのは多分右腕だけかな?金色の目のようなのがゴージャスなガントレット。それがボクの腕をすっぽり包んでる。アレ?女の子も呆然としてて弾撃つの忘れちゃってるよ。まぁ、いいや。今までこれを人に振るったことはなかったけど、最悪の場合は医者に連れてけばなんとかなると思うし。

「じゃあいくよー」

ちょっと疲れてカッコよくない言い方になったか。って、今はそんなことを気にしてる場合じゃない。ボクが右腕の[黄金狂]を思いっきり投げると、そこから女の子へ繋がるワープゲートが開いた。と思ったらやっと女の子が我に返って弾を撃ち始めた。まぁ、今更遅いけどね。

「やっほー」

「うわぁ!?」

グシャ。

「・・・アレ?」

弱い。殴った感じが全然しない。ちょっと触っただけで内臓が吹っ飛んじゃった。どうしよ。まぁ、先にふっかけてきたのはあっちだけど、ここはこの子の可愛さに免じて復活させてあげよう!ボク優しい!慈悲の塊!と、言うわけで。

【何者でもない程度の能力】

今度のボクは蔦の生えたベッド。ふかふか度は多分龍の10倍ぐらいだと思う。つまり、寝心地抜群。オマケに蘇生機能付き。お値段なんと1垓円からになりまーす。なんつって。早速生えてる蔦の一部でさっき壊れちゃった女の子を優しく抱きかかえて、ベッドに乗っけた。うわぁ凄いコレ。この子の匂いとかすごい伝わってくる。こりゃいいや!とかなんとか言ってる内に女の子の傷は塞がり、寝息を立て始めた。うわぁ寝息もめっちゃ聞こえる。こうしてボクは女の子と初めて一緒に寝たのだった(強引)。

んにしても、やっぱりこの世界のものじゃない武器は取り出さない方がいいね。強すぎる。




急にクロスオーバーネタ思い付いたんで入れました。まさかのlobotomy corporationでございます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話『大富豪ナニカちゃん』

お気に入りに追加してくれた人が3人もいました。感激の涙でNintendo swi*chが水没しました。


《魔法の森周辺にて》

ふかふかで寝心地抜群のベッド。程よい湿気と快適な温度。そして隣に可愛い女の子。なんていいひと時なのでしょう!もうボク死んでもいい!死ぬかわからんけど。そんなことよりだ。ボクは今ある興味を抱いている。それは、『隣で寝ている女の子は一体誰なのだろう?』ということだ。え?お前ベッドに変身してるんじゃないのかって?分身で今や添い寝状態よ。まぁ、話を元に戻すと、今ボクは隣で寝ている女の子が誰なのかとっても気になっている。そりゃ能力使えば一瞬でわかるよ?でもさぁ、誰だってそんなことされても嬉しくないし、気持ち悪いし、怖いでしょ?だからボクはやらない。そのかわり、情報収集はさせて頂く。それでは参りましょう。

【何者でもない程度の能力】

さて、別に今回は変身する訳じゃない。だって既に女の子寝かせてるベッドになってるし。けど能力を変えた。【心理掌握(メンタルアウト)】にね!さぁてこれでこの子の記憶をボク一色に染め上げてやる・・・なんて鬼畜なことはしない。ボクの目的はあくまでこの子の記憶を見ること。なんでも知ってるgoog*e先生みたいに知りたいことを全部知るのはダメでも記憶から推理してくのはオッケーだよね?というわけで早速覗いちゃおう!

 

無 理 で し た (笑)

いやさ、頑張ったよ?頑張ったけどさ、この子の名前が『霧雨(きりさめ)魔理沙(まりさ)』ってことしかわかんなかったんだよ。どうしよ。未だに魔理沙ちゃんは起きない訳だし。・・・あ。困った時に頼れる人いるわ。

「・・・よし。飛ぶか」

早速ボクは能力で例の(1話参照)悪魔になり、魔理沙ちゃんを抱いて魔法の森を超えた。勿論お姫様抱っこで。

《博麗神社にて》

「おーい!霊夢ちゃーん!いるー?」

はい。ボクは取り敢えず迷ったら来るべきと教わった博麗神社に来ております。何故ならちょっと前寝かせた(物理)魔理沙ちゃんが全然起きてくれないからです。誰に貰ったかはさておき。んで、今はここの巫女さんである博麗(はくれい)霊夢(れいむ)ちゃんを呼んでる訳だけど、これまた出てきません。留守なのかな?いや、ちょっと前まではそんな忙しそうじゃなかったし・・・

「あ」

そうだ。お賽銭だ。お賽銭があれば出てくるかもしれない。よし。もうここは一つ両替機みたいにジャラジャラ入れてやろう。驚くこと間違いなしだぜ。そんなわけで1円札(現代では1万円ぐらいの価値があるよ!)を大量に投入。

「いっちまーい。にーまーい。さーんまーい。」

・・・うん。面倒だ。一気に100枚ぐらい入れちゃおう。

「そおい!」

いやー気分爽快。お賽銭は投げ込むに限るよね!え?無駄遣いなんじゃないのかって?えーっとですねぇ。お賽銭っていうのは神社が信仰を集める為の出資みたいなものでですねぇ。これは合理的観点に基づいた寄付なわけでですねぇ。要するに霊夢ちゃんに出てきてほしいだけです。・・・アレ?さっきからこちらを凝視している大きなリボン付けた子がいるんだけども、もしかして霊夢ちゃんかな?

「あ、どうも」

「・・・」

うわぁ。この子も唖然としちゃってるよ。え?どっちに?魔理沙ちゃん抱き抱えてる方?それともお賽銭大量に入れた方?何はともあれ、さっさと再起動してもらわねば。

「おーい。もしもーし?聞こえますー?おーい!」

「・・・あ」

「あ?」

「ありがとう!貴方はウチの神社の恩人よ!あんなに大量のお賽銭を入れてくれる人は良い人に違いないわ!」

そっちかい。もうちょい人を警戒した方がいいよ。マジで。

「んでー、えーっとぉ、貴方が霊夢ちゃん?」

「ええそうよ!私が博麗霊夢!」

「なら話が早い。あのね、この魔理沙って子が気絶(?)しちゃってさぁ、それをなんとかしてもらいたいんだよね」

まぁ本当は催眠(?)状態なんだけどね。

「なんだ魔理沙か。はぁ・・・こんな良い人に迷惑かけるだなんて。なんかごめんなさい?」

「えぇ・・・うん。いいよ!その子の霊夢ちゃんの可愛さに免じて許してあげよう!」

そうそう。言い忘れてましたが、霊夢ちゃんもとっても可愛いです。腋が出てる魅惑の衣装とか特に。両手に花ってヤツだねぇ!もしかしたらボクはこの世で一番の幸運でも持ってるのかもしれない!そんなことは置いといて。とにかく魔理沙ちゃんを霊夢ちゃんに預け、ボクはちょっと後悔しながら肩の荷降りたぁ!と安堵したりで大忙しなのだった。

 




ようやくレイマリが出てきました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話『警戒のナニカちゃん』

恐ろしいことに早くも閲覧数が三ケタとなりました。自分の作品が読まれていることが嬉しいやら怖いやらで。言い忘れてましたがシリアス注意です。


《博麗神社にて》

「むおぁぁぁぁ。あったけえええ」

はい。只今ボクは博麗神社の炬燵で絶賛リラックス中でございます。人の家でここまでダラダラするのは普通失礼かもしれないけど、まぁボクは霊夢ちゃん(というより魔理沙ちゃん?」に貸しがあるから全然オッケーなのだ。それにしても此処はいいとこだなぁ。あったかいし、美少女はいるし、広いし。ただ一つ気がかりなのは、さっきからボクの周りに妙な気配があることかな?うーん。魑魅魍魎とか妖怪の類なら能力で塵さえ残さず消え失せてもらうことになるけど、この世界特有のナニカだった怖いしなぁ。第一此処は神社だから『妖怪だと思って殺したら神さまでした。てへぺろ』とかになったら大惨事世界大戦だし。

「困ったなぁ・・・」

「あら?そんなに困ってるなら私が話を聞いてあげるわよ?」

「・・・ん?」

突然ボクの隣に黒い裂け目みたいなのが出来て、そこから女の人がでてきた。本当はすぐさま抱きつきたいけど、今回ばかりはその人が妙な気配の正体だったから我慢。取り敢えずこの人の思惑を探ろう。別にこの人の豊満なお胸様を堪能するのはそれからでも遅くはない。けど早めに終わらせて一刻も早くあの魅惑の谷間に顔を埋めたい。と、言うわけで、今回は魔理沙ちゃんのような回りくどい方法は行わない。正攻法でやったる。

【何者でもない程度の能力】

あ、ヤバイ。流石に一日に何回も使うと疲れる。が、今は関係ない。やっぱり使うのは・・・〈ピクチャレスク〉かな?簡単に言うとテレパシーだね。

(借りるよ。ブーメラン)

意味はないけどそう心の中で呟く。その間にボクの頭の中に目の前の女の人の思考がガンガン入ってきた。ちょっと頭痛い。えーっとどれどれ・・・『イレギュラーな存在』『いつからいるのかわからない』『危険性』『排除』・・・?なんかだんだん言葉が過激になってきてるぞ?こりゃ多分この人のボディを堪能するのは当分後になりそうだ。まぁ、交渉はしないとね?

「お姉さーん。ボクの困りごとを聞いてくれるのはありがたいんですけどね?その前にお姉さんが誰かわからないんですよー。ボク、知らない人は最低限の会話しかしないって決めてるんですよねー?」

「あら、自己紹介が遅れたわね。私は八雲(やくも)紫(ゆかり)。この幻想郷の管理人よ」

「ほーう?その幻想郷の管理人サマがわざわざ一般の正体不明な存在たる千夜住 虚の困りごとを聞いてくれるってことは、なんかしら只ならぬ理由がありそうですねー。で、どういうことです?」

「それは・・・貴方が此処にとって危険な存在かどうか判断する為よ」

ここで紫さんの目が真剣なものに変わった。普通の人だったら泡吹いて気絶してるね。多分。

「・・・ほーう?」

まぁ、真剣には真剣で応えないとってことでボクもちょっと目力をこめる。・・・うん。慣れない。

しばし沈黙。お互い時間止まってんじゃないかって思うぐらいピクリともせず、お互いを見つめ合う。なんだか恋人みたいだけど、今回は全然違う。だって思考の読み合いしてんだから。人の考えを読むには手つき、表情、僅かな心音のズレなど、まぁ色々あって、それを一切感知させないためにお互いピクリとも動かない。けど、ボクには紫さんの考えは筒抜け。何故なら今のボクには〈ピクチャレスク〉・・・心を読む能力があるから。借り物だけどね。まぁ、細かいことは置いといて。早速紫さんが何考えてるか見せて貰おうじゃないの。『この子は一度目は悪魔となって低レベルの妖怪を一撃で屠った。次に金色のガントレットで空間の裂け目を開いて魔理沙を殺し、更に奇妙な形のベッドになり蘇生させた?自分を触媒として空間を操って喚び出しているのか、それとも自分が変身しているのか・・・何れにせよ行動に辻褄が合わない。慎重に対処しなければ』・・・成る程成る程。要するにこの世界がボクによって支配とか破壊とかされないか心配なわけね。それだけならいいや。そんな物騒なことはするつもりないし。取り敢えず誤解を解かないと。

「えーっとですねぇ。別段ボクはこの能力使ってどうするとかは今初めて考えましたね。でもまぁ、此処には可愛い子達がいっぱいいますから、もしこの・・・幻想郷?の均衡が崩れるのなら直す方向で動きますよ。此処に住むのもアリですしね」

ボクは軽く背伸びをしながらそう言った。そう、動きながらね。当然紫さんはこの小さな動きでも嘘を言ってないかどうかなんてすぐ見抜くだろう。

「・・・そう。では、最後に。これからどうするか教えて頂戴?」

「そうですねぇ。ひとまずは魔法の森にある拠点を本格的に自宅に改造しよっかなぁって思います。あとは観光したり、昼寝したり・・・まぁ、スローライフってやつです」

「わかったわ。では、改めて・・・幻想郷にようこそ。千夜住 虚。」

その時、ボクの周りを何か暖かいものが包み込んだ気がした。




シリアス疲れた・・・シリアル食べたい・・・


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話『やめとけナニカちゃん』

はい。前回シリアスやったので大いに疲れております。が、頑張って書きます。


《博麗神社にて》

いやぁ参ったね。ボクはただ炬燵でぬくぬくしてただけなのにさ。突然綺麗でいろいろとおっきなお姉さんが現れてさ。ラッキーだとか思ってたら思いっきり警戒されててさ。一応警戒は解いたけども、こりゃもう何かしら行動起こさないといけない雰囲気だし。もうなんかここから大いなる冒険が始まる的な展開になっちゃってるし。ボク全然そんな気ないからね?普通にのんびり暮らしたいだけだからね?やだよ血で血を洗う戦争とか。だってボク絶対勝つし。まぁ、今はそんなことは置いといて。取り敢えずボクは今のんびり暮らす為の家がない。いや、完全にない訳ではない。ただ家っていうよりかは拠点って感じの方が強いからそれをリフォームして家にする。そうと決まれば早速実行に移すまでよ・・・という訳にもいかない。流石にボクは家の建築については専門外だし、知識までは能力を使ってもどうにもならない。あ、そうだ。

「紫さん紫さん。家建てるのとか得意な子っています?」

「え?まあいるにはいるけど、あの子はちょっと・・・」

ええええ。困った顔されたんですけど。問題児?問題児なんですかその子は?この世界の建築士は問題児なんですか?と、とにかくだ。聞いてみないとどこが問題なのかわからん。

「えーっとぉ・・・何か問題でも?」

「それがねえ・・・技術は凄いのだけれど、確実に求めていたものとは違うものが出来上がるのよ」

「・・・ファ!?」

まさかそこまでとは。でも一応造ってはくれると。てっきり職人気質で下手な設計図じゃ破り捨てられるのかと思った。でもなぁ、自分で造ったら目も当てられないものが完成しそうだし・・・

「因みになんですけど・・・見本とかあります?」

「うーん・・・アレとか」

と言って紫さんの指さした方向を向いてみると、お祭りとかでよくある屋台が建っていた。

「屋台?神社にってのはわかるけど、こんな奥地まで建てますかね普通?というか変な機械ついてるし・・・」

そう。この屋台、なんか色々おかしいのである。ところどころに変なパーツが付いてるし、ほぼ屋台の部分はハリボテみたいだし、もうおかしさmaxである。おまけに赤いスイッチまである。

「まさか・・・変形するとか?」

「「「あたり」」」

「ええ・・・」

いつのまにか戻ってきた霊夢ちゃんと魔理沙ちゃんにまで正解発表してもらえるだなんてボクは幸せ者だなぁ・・・いやいや。その前に屋台が変形すること自体がおかしいから。

「それで、アレってもともとなんだったんですか?」

「あの屋台ね。賽銭箱だったんだけど、賽銭泥棒除けとして弾幕の発射装置とレーザー、それでも駄目なら・・・きょだいろぼっと?とかいうのに変形する仕組みだって言ってたわ」

「・・・マジか」

「しかもせんさーとかいうのの故障で普通に賽銭入れようとしただけで死にかけたぜ」

うん。今霊夢ちゃんと魔理沙ちゃんが解説してくれた通り死ぬほど面倒くさい代物を完成させてくれるそうです。こりゃしばらく拠点のまま格上げはナシだね。・・・しかし巨大ロボットとは相当な技術だ。多分胴体が開いてレーザーとか発射するんだろう。気になる。非常に気になる。コレを作ったのはどんな美少女なのだろうと。

「そんでもってコレを作ったのは一体何方です?」

「あぁ。確か河城(かわしろ)にとりとかいう河童だったな。相当な捻くれ者だ。会わないほうがいいぞ?」

「ほえ〜。因みに何処に住んでるかはわかr」

「会いに行こうとしてるならやめた方がいいわ。アイツは妖怪の中でもタチの悪い部類に入るもの」

妖怪か・・・ちょっと前に見た吠えかかってきたヤツと同じ感じか?成る程確かに嫌ですわ。

「あ、そうそう。妖怪と言ってもある程度知性のある者なら人の姿をしているわ。現に私も妖怪だもの」

「・・・へ?」

衝撃の事実。紫さんは妖怪でした。・・・ん?妖怪といい人間といい、この世界には美少女しかいないのか?美少女パラダイスなのか?だったらもう止められても行くしかない。さあ行こう!まだ見ぬ美少女がボクを待っているのだ!・・・とその前に、流石に疲れたので拠点に帰ろう。うん。

「ではボクはそろそろ拠点に帰りますねぇ」

「おう!気をつけて帰れよ!」

「じゃあまたね」

「次会うときは最大限おもてなしするわ!」

ボクは三者三様のお見送りを受けつつ、にとりちゃんへの期待も膨らみつつ、拠点へ歩いて帰・・・たら遠いので能力使って飛んで帰った。




はい。突然ですが恐らく明日は更新出来ないと思います。本当に申し訳ない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話『おつかれナニカちゃん』

ついに昨日頼んでもいないのに新学期が始まりました。それの弊害で投稿も出来ない始末。怒りの投稿です。


《魔法の森内にて》

「あ〜。つかれたよ〜」

身体中が汗でベタベタの状態で、ボクは思いっきり拠点のベッドにダイビングした。

もふり。

入った瞬間、ボクを柔らかな快感が包み込む。別に変な意味ではない。

「ひゃあ〜。ベッド最高〜」

てなわけで、今はボクの拠点に帰ってきております。外側からは狭苦しいボロテントにしか見えないけど、内側は豪邸レベルに広い。でもテントに変わりはないから常に薄暗いし寒い。まぁ暗いし寒いってだけで風呂に入れたりとか便利なところはあるけど、疲れすぎてもはやそんなことをする気力さえ湧かないので明日にする。

「ふえぇ〜」

そのままボクは身体の赴くままに夢の世界に入り込んだ。

 

翌 日

マズイ。非常にマズイ。髪と肌の色が全部抜け落ちて真っ白だ。

「・・・使い過ぎちゃったかー」

あ、言い忘れてたけどボクの能力は使い過ぎると身体中の色素が抜けます。色素が抜けると日焼けで死にかけるわ電灯で目が焼けるわで散々な目に合います。今回は問題ある症状は肌だけだったからよかったけど、こりゃ当分は能力は使わないほうがいいね。少なくとも今日一日は。ただし!外に出ちゃいけないって訳じゃない!こうなるのも一度や二度じゃない!ローブさえ被ればなんとかなる!というわけで、早速テントから出て、別に理由はないけど博麗神社へ行こうとした・・・までは普通だった。

ぐらっ

「あれえ?」

突然、目の前が真っ暗になり、寒気が走る。身体も重くなり、ぱたんとその場で倒れてしまった。おまけに何も聞こえない。

「じゅうしょうだぁ。あはは・・・はは・・・」

なんとかいつものように笑おうとしたけど、まぁ無理だった。さて、本格的にマズイ。何回か倒れたことはあったけどこのぐらい症状が酷かったわけじゃない。せいぜい強い眠気程度だったはず。そうやって考え事をしている間に、ボクはとうとう意識がどこかへ行ってしまった。

 

《???》

「役立たず」

「こんなこともできないの?」

「うわぁ。マジゴミだよお前」

ちがう。ちがうよ?ボクは役に立つよ?なんでもできるんだよ?

「なにこの子。できて当然のことで喜んでるよ?

「コイツガイ●だろ。だからこんなことで喜べんだよ」

ちがうよ?ちゃんとみんなにできないこともできるよ?

「・・・サイッテー。アンタなんて死んじゃえばいいのよ。人殺し」

「人殺し」「ひとごろし」「ヒトゴロシ」「hitogorosi」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「違うよ!?・・・あれ?」

気づくとボクは、見慣れない天井の下で寝ていた。




一日書かなかっただけで著しく文章力が落ちてます。ヤバイ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話『動くなナニカちゃん』

はい。ネタバレ回避と銘打ってはぐらかしてきたアリスがやっと登場します。


うーん。困った。昨日の能力の使い過ぎでぶっ倒れたまでは良いんだけど、気がついたら見知らぬ場所で寝かされてました。どうしましょう。近くで人形飛び回ってるし。幻覚?遂に幻覚まで見え始めたのかなボクは?

「あ・・・目、覚めた?」

はい。幻覚ではありませんでした。こんな可愛い金髪の子が幻覚な訳ありません。顔が人形みたいなのも可愛い。ってそんなことは置いといて。

「んあぁ・・・あなた・・・は?」

ダメだ。全然声出ない。でも辛うじて言えた。誰か褒めて。

「え・・・私?私は・・・アリス・マーガトロイド。この森の住人よ」

ほえ〜アリスちゃんっていうのか〜。ん?なんかちっこいのがこっちに向かっt

「シャンハーイ!」

「ぐふっ」

なんだこいつ。いきなりちっちゃい人形の一つがボクに体当たりしてきたんだけど。

「あっ・・・ごめんなさい。駄目でしょ上海(シャンハイ)」

アリスちゃんはそう言いながらシャンハイとかいう人形をつつく。うわぁ癒される。心が。

「それで・・・貴方が千夜住 虚さん?」

「あ・・・うん・・・すが、た、違・・・けど」

「別に、無理して喋らなくても大丈夫。なんとなくだけど、わかる」

エェ・・・この世界の人って全員そういう能力得てんのかなぁ?じゃあボクも・・・って、そうやってホイホイ使ってたから今に至るわけだけども。

「でも驚いたわ。魔理沙に聞いていたときとはまるで姿が違うんだもの」

「あはは・・・そう・・だね」

・・・ん?この子魔理沙ちゃんと友達?だとしたら魔理沙ちゃんには悪いことしちゃったね。だって今こうしてボクがアリスちゃんに看病してもらってるから!

「でも、ここに迷子の人が来るのも久しぶり。貴方のように倒れてしまっている人も」

はい。他にも看病してもらってる人いました。現実は非常なり。しかしさっきから飛び回ってるこの人形達は一体なんなんだろう?見た感じ自由意志でも持って行動してるっぽいけど・・・もしやアリスちゃんが作ったのかな?

「あ・・・この子、指示し忘れてた」

ボクが考え事をしながら寝てるとアリスちゃんが時々手をクイッと動かす。そのあと指先をチョイチョイっとやったり、人形にハンドサインでもしてるのかと思ったけど、まぁ一目見ただけで20体近い人形が結構複雑な動きしてるし、それはありえないか。

「あ、こっちも・・・やっぱりいちいち指示しないといけないのは面倒ね」

嘘でしょ。今の言葉絶対嘘でしょ。流石にそこまでの芸当はボクでも無理だって。いや、でもさっきの言い方は嘘には聞こえなかったし・・・うん。知れば知るほど奥が深いよアリスちゃん。とかなんとか思ってると、さっきから扉をゴッツンゴッツン叩く音が聞こえる。やべえめっちゃ頭に響く。やめてください。マジで。

「はぁ・・・あいつか」

ほらアリスちゃんも困ってるし。というか顔怖くなってるし。美人な人ほどキレると怖いね。うん。

「ごめんなさい。しばらくいないけど、心配しないで?」

あ、はい。ここから先は聞かない方が良さそうだ。だからボクは寝る。狸寝入りだ。絶対動かん。




言い忘れてましたが昨日は何をトチ狂ったかシリアスを入れました。なんかすいませんでした。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編『その頃の博麗神社』

最近前書きに本文書きそうになって「ハッ!?」ってなりました。焦りは禁物ですね。


朝。柔らかい布団の感触の中で起きると同時に日の光が目に突き刺さる時間。博麗 霊夢は今日も賽銭箱を覗き込んでいた。が、いつもと違うことが一つ。

「・・・虚さん、きっといい人なんだろうな〜」

そう。昨日此処に訪れた人でも妖怪でもないナニカによって、途轍もない金額が賽銭箱には入れられていた。しかし、それを見ていた大妖怪、八雲 紫は顔を曇らせていた。

「ん?どうしたの紫?」

「いいえ。なんでも」

霊夢に話しかけられ紫は微笑みで返したが、依然として顔は晴れないのだった。

(悪魔になり、物に憑依し、記憶や心を見ることが出来る。どれもバラバラすぎて能力の全容が掴めないわ。悪いことをするつもりでないとは言っていたけど、この札束を見る限り、無自覚に誰かの不幸を招いてしまうかもしれない。それだけは絶対に避けないと)

そう。紫が案じているのは千夜住 虚のことである。というのも彼女はこの幻想郷の管理人のようなもので、もし何か危険があれば速やかに排除するのが役目と言ってもいい。彼女自身もそれに慣れており、その危険が例え人であったとしても、容赦なく消し炭にするだろう。しかし、無自覚の内に危険となっていた場合はどうにもいたたまれないものがあり、殺したとしても何処と無く後悔が残ってしまう。故に彼女は、力を持つものを入念に観測し、この世界の危機とならないように最大限善処する。例えば霊夢がいい例だ。霊夢は《空を飛ぶ程度の能力》を持っている。一見すると空中浮遊するだけの能力に聞こえるかもしれないが、その本質は『ありとあらゆるものから宙に浮く』ことにある。そうなれば霊夢は一種の無敵状態となり、彼女の相棒のような存在である霧雨 魔理沙に【夢想転生】と命名されていなければ、確実に彼女を倒せるものはいない。紫はそれを恐れた。何故なら、万が一霊夢が幻想郷に対して敵対行動を取った場合、まず紫では勝てないからだ。それはおそらく、今回観測している対象も同じだろう。結論から言うと、紫は勝てない存在が敵に回るのをなんとしても避けたいというわけだ。この美しき世界を守るために。

「おーい!霊夢ー!」

そうこうしているうちに霊夢の名を呼びながら魔理沙が大慌てでやってきた。

「そんなに慌てて。今度は何?またお宝?」

「なっ!?今回は違うんだよ!」

「・・・はぁ。お宝じゃないなら異変?正直言って面倒なんだけど」

「それがもうある意味大異変なんだよ!虚がぶっ倒れて!髪の毛とかめっちゃ白くなってて!」

「・・・どこにいる?」

「ゑ」

「虚さんがどこにいるかって聞いてるのよ」

「ま、魔法の森のアリスの家d」

アリスの家で看病されてる、と伝えたかったのだが、霊夢は目にも留まらぬ速さで神社から飛び、魔法の森の方角へ向かっていった。その後アリスの家のドアを盛大に叩き、眠っていた虚に大変不快な思いをさせたことは言うまでもない。




だんだん文章力が戻ってきた・・・


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8話『復活ナニカちゃん』

部活の先輩と話してたら「おおっと?彼女か?」とか言われたんで鳩尾に突きいれてやりました。慈悲はない。


「いやぁーよく寝たー!アリスちゃんありがとね!」

「えぇ。元気になったのなら、良かった」

はい。ボクは今能力の使い過ぎが原因でぶっ倒れたけど完全復活しております。髪の毛の色は治ってないけど。

「んにしても驚いたぜ!いきなりアリスの家に運び込まれてたんだからさ!」

「・・・ん?何故それ知ってんの?」

「いや〜。遊びに来たら既にお前が寝ててさ、すぐには気付かなかったけど2秒で気付いたぜ!」

ほえ〜。2秒で気付かれるとはボクも愛されてるね。絶対。

「うそつけ。私が虚だって教えなかったら気付かなかった癖に」

「いやいやいや!流石にここまで髪の色とか質とか変わってたら誰も気付かねえって!」

酷い・・・まさか魔理沙ちゃんが嘘をつくだなんて・・・しかし髪の質に気付いたのはベリーグッド。

「そうだねー。前は割と綺麗な髪だったけど今はちょっと女の子らしくはないかな?」

「うーん・・・わからん!気にしたことはない!」

「ええ・・・一度も?」

「一度もだ!」

「「「ない」」」

なんとここでボクとアリスちゃんと霊夢ちゃんの3つのないが魔理沙ちゃんを襲撃。『ぐふっ』っていう声を最後にぶっ倒れました。

「・・・アレ?そう言えば霊夢ちゃんが見当たらないようn」

「上よ上!」

「ぬ?・・・ってうわあ!?」

なんということでしょう!上を見上げると霊夢ちゃんが縛り上げられた状態でプランプラン揺れてるじゃあありませんか!

「早く外しなさいよアリス!」

「旧友の貴女と言えど、病人がいる家の扉を大きな音を立てて叩き、入ってくるなり虚を出せと怒鳴るのは許されることではない」

「うう・・・そうだけど!」

「はいはーい。喧嘩しないよー」

取り敢えずヤバイ空気を吹っ飛ばすべく、アリスちゃんと霊夢ちゃんの間に入り込んだ。喧嘩は良くないからね。

「あ、そう言えば虚!お前の能力ってなんなんだ?」

ここで魔理沙ちゃんもすかさず話題を変える。ナイス魔理沙ちゃん。

「えーっとねー。ボクの能力は《何者でもない程度の能力》っていうんだよ。自分の概念を弄って想像できる限りの全てを操ることができるんだけど、使いすぎるとこうなっちゃうんだよね。」

そう言いながら真っ白な髪をワシャワシャする。

「成る程。だから色々と妙な気配がするわけね」

「え?気配?なんの?」

「色々とよ。単純なものから、人やら悪魔やら、たまに神も混じってるわね」

「ほえ〜」

因みに霊夢ちゃんと話すときは必ずお互い上を向く構図になるので結構シュールです。んにしても、結局霊夢ちゃんの言ってた色々ってのは何があったんだろう。まぁいいや。今はお喋りを楽しもう。うん。




次で紅霧異変です。多分。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9話『異変だよナニカちゃん』

紅霧異変編です。構想練ってたら2日経ってました。さーせん。


《魔法の森内にて》

「おっす虚ー!遊びに来たぜー!」

「おー!魔理沙ちゃんじゃいか!どうぞどうぞ!」

はい。今ボクは絶賛魔理沙ちゃんとデート中でございます。しかも自宅で。因みにもう髪の色は白くない。寝たら治った。そんなことよりボクと魔理沙ちゃんは自宅(と言うより拠点?)でソファに座ってお喋りしてるわけです。最初は世間話に始まり、次に好きなものの話になり、今は何故か知らんが《霧の湖》とかいう場所に向かうことになってます。しつこいようだけど何故かは知らない。だって魔理沙ちゃんと話してるってだけで完全に舞い上がっちゃってたし。途中からどうやって会話で落としてやろうかとか考えてたし。

「よし!行くぞ虚!準備はいいか?良くなくても行くけどな!」

「確認する意味なくね?」

「細かいことは気にすんなよ!」

魔理沙ちゃんはそう言いながら外に出て、箒に乗る。すると不思議なことに箒が宙に浮き、魔理沙ちゃんがとんだ。見え、見え・・・ない・・・だと・・・!?

「ほら、ボケッとしてるとおいてくぞ?」

「うえ?あー、どうしても行くんね」

ボクも負けじと能力使って羽根を生やす。今回は悪魔の羽根ではなく、飛行特化のハーピーの羽根。全体的に虹色で、キラキラしてる。あとめっちゃゴワゴワしてる。触ったらわかる。速いやつや。

「んじゃ、行くよー」

「おう!」

取り敢えず魔理沙ちゃんに軽く合図すると、ボクは羽根に力を込めた・・・うん。それだけしかしてない。その筈なのに、一気に急加速し、一瞬で魔法の森を抜け、よくわからん巨大な水溜りと、悪趣味な洋館の前についた。

「うおおお!?」

これにはボクも焦って着地。危ねえ危ねえ。

「おーい!虚ー!」

「お、おーい!魔理沙ちゃーん!」

よかった。魔理沙ちゃんついてきてくれた。さて、この展開は確実になんか起こる。魔理沙ちゃんが箒から落ちるとか、羽根が暴走して魔理沙ちゃんとハグする感じになったりとか。でも、流石に突然空から赤い霧が出てくるとは思わなかったよ。

「・・・はへえ?」

「おお?なんじゃこりゃ?」

「なんかあっちから出てきたような気がする」

ボクが指差すと、そこには悪趣味な洋館。魔王?魔王でも住んでんのこの建物?

「おお!此処だよ此処!私が来たかった場所だ!」

「え・・・何しに?」

「魔道書を借りにだ!」

「ほえ〜」

成る程。確かにこういう建物に未知のスクロールとかありそう。でも入りたくはない。何されるかわかんないし。もしかしたら魔王に拉致られてあんなことやそんなことをされちゃうかもしれない。が、そこが燃える。

「よし。ボクもついてくよ」

「お前ならそう言うと思ったぜ!」

この時、ボクはまだ知らなかった。あんな面倒なことに首を突っ込むことになるとは。




はい。やはり1日でも書かないと文章力が低下するようです。ヤバイ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第10話『突撃ナニカちゃん&魔理沙ちゃん』

ようやく本格的に紅霧異変が始まります。あと時系列がちょっと違います。


《霧の湖周辺にて》

「さーて、入り口何処かなーっと」

「うーん。広すぎてわかんねえな」

はい。現在ボクは魔理沙ちゃんと共に悪趣味な洋館へ潜入しようとしてる真っ最中でございます。理由?ボクの場合は暇つぶしかな。魔理沙ちゃんと一緒に居る為ってのもあるけど。そんなことよりだ。その辺を歩いていると門っぽいのを発見した。黒い鉄製の格子状のやつ。もうなにからなにまで悪趣味だなこの洋館。

「なぁなぁ虚。アイツ起こしてきてくれよ。寝てるアイツ」

「んえ?」

魔理沙ちゃんが指差した先にはなんとチャイナドレスを身に纏った美少女。しかも紫さんと同じ、もしくはそれ以上にデカイ。

「ほああ・・・」

「目がヤバイぞ虚」

「うお!?そうだった?んまあいいや。どうやって起こす?普通に眠りから醒めさせられるけど」

「うーん・・・あ、そうだ!私達をめっちゃ強い奴って思わせてから起こそうぜ!」

「えげつな・・・まあいいよ。ほれほれ起きれー」

ボクが能力を使いながらチャイナドレスの子をつつくと、青い顔して目覚めた。ヤバイ、Sに目覚めそう。

「きゃああ!?あ、アレ?貴女達は・・・?」

お、いい感じに記憶が混乱してる。ちょっとからかってやるか。軽く目力入れて、声低くして・・・

「悪夢(ゆめ)の中から這い上がってきたのさ。キミを食べる為にね・・・ジュルリ」

最後に舌舐めずりまで入れてやった。これでさすがに怯えて逃げるだろう。泣いたら、ゴメン。

「・・・」

「アレ?動かない」

「多分気絶してんじゃないのか?」

アラー↑ まさかの気絶ですよ。そんなに怖かったか。

「まあいいや。行こうぜ」

「せやなー」

まぁ、気絶しちゃった子を気にもせず進んでいくわけだけどね。その先の扉とか普通に開いたし。

「あ、そうだ魔理沙ちゃん」

「ん?」

「さっきのボクって気絶するぐらい怖かったかな?」

「あー・・・結構ヤバかった。私まで怖くて足震えちまったよ」

「そっかー。んじゃ次はもうちょい怖くないヤツにしよっと」

「ゑ」

一瞬の沈黙。

「まさか・・・見たい?」

「うん」

うわあ好奇心って怖いね。でもなぁ、はっきり言ってアレ以上に怖くないヤツってないんだよね。まぁ、魔理沙ちゃんの期待に応えないわけにもいかないので、取り敢えず1レベル上がったヤツをやることにした。

「んじゃ行くよー」

「お、おう!いつでもこい!」

「キミ、美味しそうだね・・・細い腕に脂がのってて、お腹にはいっぱい内臓が詰まってて・・・食べt」

「わーわーわー!もういい!マジで!」

ここで魔理沙ちゃんから全力拒否。ちょっと涙目だし相当怖かったらしい。しかもその場に座りこんじゃってるし。

「ごめんね魔理沙ちゃん。まさかそんな怖いとは」

「お、お前ちょっとは加減ってものを覚えろよ!」

「ごめんってば。ほら、手貸して」

「お、おう」

魔理沙ちゃんの手を握って軽々と全身を持ち上げる。やっぱりお姫様抱っこで。

 




美鈴開始数秒で気絶


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第11話『ザ・ワールドだよナニカちゃん』

咲夜さん戦です。


《紅魔館内にて》

「あの〜。魔理沙ちゃん?怖がらせたのは悪かったからさ。一緒に行こうよ〜。ボク方向音痴だからさ」

「ええい知らん!勝手にしろい!」

はい。ボクは現在悪趣味な館に魔理沙ちゃんと突撃し、そこの門番を魔理沙ちゃんごと怖がらせちゃったので魔理沙ちゃんが拗ねてるのをどうにかしようとしてる真っ最中でございます。まぁ拗ねてるところも可愛いんだけどさ。それでもいざというときアレだからさ。

「・・・ん?」

ふと天井を見上げると、そこにはナイフが。悪趣味極まりないね。んでもって横へ移動しようとしたらそこにもナイフ。というか四方八方、見渡す限りがナイフに覆われてた。しかも突然。

「まずいな〜こりゃ。使うか」

【何者でもない程度の能力】

さて、今回は取り敢えず邪魔なナイフをどっかへやって魔理沙ちゃんの安全を確認したい。更に敵と遭遇し、奇襲された可能性もある。ということは、攻撃と防御を両立出来るヤツがいい。使えるかどうかは知らないけど、ひとまずやってみよう。

(攻性防壁、起動)

瞬間、ボクの周りに無数の緑の線が形成され、ナイフに触れた瞬間消し飛ぶ。

「ワオ。電脳空間の技術が使えちゃったよ。すごいなこりゃ」

「何を言っているかわからないけど、さっきのを突破できたのは褒めてあげるわ」

「ん?」

声のする方を向くと、そこにはメイド服を着た銀髪の子がいた。成る程そこは悪趣味ではないらしい。

「私は十六夜 咲夜(いざよい さくや)。此処、紅魔館のメイド長。そして、貴女を殺す者」

「ふ〜ん。じゃあボクも名乗るか。ボクは千夜住 虚。何者でもないね。でも、キミ程度じゃ殺せはしない存在」

お互いに睨み合いが続く。まぁボクはスカートから見えそうで見えないヤツを見ようとしてるだけだけど。

が、いつまでたっても見えないので飽きた。とっとと終わらせて頂く。魔理沙ちゃんもどっか行っちゃったし。

「んじゃ、終わらせ・・・ファ!?」

ボクが動こうとした瞬間、またもやナイフが大量に降り注ぐ。すかさず攻性防壁でブロックするも、これじゃあラチが明かない。というかなんの能力?時間でも停止してんのかそれとも・・・うん。面倒だ。

【何者でもない程度の能力】

能力使おうと思えばそういう信号が脳から出る筈。ならそれをおかしくするまでよ。さっきの攻性防壁の技術も使えたし、ハッキングも使えるだろう。その後は知らん。ボクに喧嘩売ったのが悪い。

「ホレ」

「うぐっ!?・・・一体、何を・・・!?」

「いやぁ、悪いね。まぁお休みよ」

あっけなく咲夜とかいう子が眠った。弱い。さあて、魔理沙ちゃんを探しに行かないとね。

 




マズイ。主人公がチートすぎて話にならない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

いきなり番外編『虚の使ったものリスト』

あまりにも現実が忙しくなってきたんで週一の投稿にします。ご了承を。あとゴッチャゴチャになってきたんでちょこっと整理する会になります。


《悪魔化》

オリジナルの力。破壊力に優れた悪魔に変化する。羽根が使いやすいので専ら羽根だけ生やしてあとは変化しないのが殆ど。手の爪はカミソリのような構造をしている。

 

《ハーピィ化》

オリジナルの力。飛行能力に優れたハーピィに変化するが、うまく操れずにいる。現に羽ばたいただけで魔法の森から紅魔館まで一瞬で吹っ飛んだ。

 

《物体憑依》

オリジナルの力。選択した物体に憑依し、操ることが出来るが、憑依したものが道具の場合起動してしまう弱点がある。第2話で爆発したのはコイツのせい。

 

《生命の揺り籠》

オリジナルの力。寝た者を蘇生、完全回復させるベッドを生成する。何故か植物が周りに生える。

 

《龍化》

オリジナルの力。背中が生命の揺り籠と同じ効果を持つ龍へと変化する。生命の揺り籠は精神的疲労を回復するため、心が揺らいでいる状態で惚れさせるという虚の画策が失敗した。自業自得である。

 

《黄金狂》

lobotomy corporationのキャラクターの一人、『貪欲の王』のe.g.oウェポンと呼ばれる武器。投げた方向にワープゲートを開く。元々の攻撃力も折り紙付き。

 

 

《心理掌握(メンタルアウト)》

とある魔術の禁書目録のキャラクターの一人、『食蜂 操祈』の能力。精神系に関することならなんでもできるという破格の性能を持つ。虚はその一つである記憶の読心を使った。元の世界では人間以外には通用しないが、幻想郷では人型のものならなんでも使えるようだ。

 

 

《ピクチャレスク》

ブギーポップは笑わないのキャラクターの一人、『ブーメラン』の能力。人の考えを読むことができる。紫の考えを知る際に使用した。《心理掌握》でもよかったのではとも思われるが、『人以外には効かない』という先入観があったためにこの能力にした。

 

 

《攻性防壁》

攻殻機動隊に登場する技術の一つ、ハッキングを感知した際、すぐさま攻撃を防御し、同時にハッキングしたデバイスに反撃して破壊する。元の世界では機械化された人間の脳でハッキングしていたため、これにハッキングを仕掛ける者は殺された。幻想郷では無数の線が網のように張り巡らされる形で展開され、物理、魔法、弾幕を消滅させるバリアへと変化した。

 

 

《ゴーストハック》

攻殻機動隊に登場する技術の一つ。機械化された人間の脳をハッキングし、脳の機能を奪うことが出来る。幻想郷では対象が機械化されていなくとも脳機能を奪えるようだ。

 

【これから使いたいもの】

《ワルプルギスの夜》

魔法少女まどか★マギカに登場するキャラクターの一人の力。虚に乗り移る形で現れ。身体や髪の色が反転する。本気を出せば幻想郷の一つや二つ簡単に潰すだろう。




ふぅ・・・


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第12話『迷宮だよナニカちゃん』

魔王魂さんの曲聴きながら執筆してます。オススメはハルジオンです。行かないで〜消えないで〜♪


《紅魔館内にて》

「うーん??」

はい。ボクは例によって例の如く迷子になってます。さっきメイドの人に聞こうとしたけど失神してたし、聞くあてもないです。なんちゅー理不尽じゃ。とかなんとか行ってる間にも進んでるんだけど、こういう建物ってほぼ同じ景色が続くから余計に迷うんだよね。

「・・・ん?」

ここで謎のちっこい人形の生物を確認。羽根生えてるし多分妖精かな?妖精って大抵優しいイメージあるから案外マップとかくれたりして・・・よし。そうと決まれば早速交渉タイムです。

「ねえねえそこの妖精さん」

「ん?なんだおまえ?しんにゅーしゃか?」

「違う違う。道に迷っちゃっただけだよ。と、言うわけで見取り図的なヤツない?」

「んー?まあいいやつっぽいし、みとりずってやつかはわかんないけどこれあげる!」

妖精さんはそう言いながら紙切れを渡してきた。なんじゃらほいと思って見たら見取り図だった。やったぜ。

「ありがとう!じゃあボクは帰るから(大嘘)、頑張ってねー」

「おーうー!」

この前倒したメイド長さんと違って妖精さんは可愛く手を振りながら見送ってくれた。いやぁ、メイド長さんも可愛かったけどさ。ナイフ使うわ時間止めるわで余裕なかったから瞬殺しちゃったからさ。あんまり良いイメージないんだよね。それはさておき、ボクは持ってる図を確認する。んで、図によるとこの先に地下室とか言うのがあり、立ち入り禁止なんだそうな。じゃあ行くしかないね。勿論移動はバッサリカット。

「ふい〜」

階段クッソ長かったです。正直辛かったです。そんなことは置いといて、今ボクはその地下室のドアの目の前にいるわけだけども、どっからどう見ても普通のドアなんだよね。まぁ流石にここで無警戒に突っ込むのは愚の骨頂だから能力使って索敵じゃ。

【何者でもない程度の能力】

さてさて、能力使って目にサーマルスコープ機能つけたことだし、覗いてみましょう。取り敢えずドアに顔を密着させて目を見開く。するとそこには、なんと、まさかの、美少女がいた。美少女って言うよりは美幼女が正しいんじゃないかって思っちゃうほど外見が幼いし、こんな子を立ち入り禁止区域に置いておくのも心苦しいのでお持ち帰rゲフンゲフン保護するためにドアを開けた。

「・・・お姉さん、誰?」

「はじめまして、ボクは千夜住 虚。君は?」

「フラン・・・フランドール・スカーレット」

「フランちゃんか〜。いい名前。よし、ここにいても退屈だろうからどっか遊びに行こうよ?」

「え・・・?」

え?何言ってるんだこの人みたいな顔されたよ今?引きこもりなの?引きこもりなのかこの子は?

「因みににさ〜・・・なんでここに?」

「・・・お姉様に閉じ込められてるの。私の能力は危険だからって」

・・・うん。これ聞いちゃいけないヤツだったかも。でもまぁ今更引き返せもしないよね。

「・・・ふーん。まぁいいや。それでいいならそこにいなよ」

「え?」

「一生そのお姉様の言いなりになって生きるならそこにいなってこと。まぁ、そんなことになりたくないならボクは手を貸すよ?」

「・・・」

一瞬フランちゃんは泣きそうな顔を浮かべたけど、すぐに頭をブンブン振ってこっちまで駆けてきた。

「よし。君は今日から自由だ」

まぁ、生きてりゃ不自由あるけど、閉じ込められてるよりはマシだから嘘は言ってないよね?

 

そんなこんなで、フランちゃんがパーティに加わった。




パーティと聞くとどうしてもレイドボスの集団リンチ思い出す今日この頃。そう言えばpso2アプデ来ましたね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第13話『救済だよナニカちゃん』

シリアス注意です。以上。


《紅魔館内にて》

「誰だおmぎゃあああああ!?」

「虐殺虐殺ー★」

「えいっ!」

はい。今ボクとフランちゃんは暇つぶしに妖精メイドを吹っ飛ばしてます。え?酷いって?これが意外と楽しいんだよ。それに妖精ならいくらでも湧いて出てくるイメージあるし。お、79体目発見。取り敢えず予め能力で出しといた黄金狂で殴る。

「あらよっと」

「きゃああああああああああ!?」

うわぁめっちゃ飛んだ。効果にばらつきでもあんのかな?今度試してみよ。さて、フランちゃんは何体吹っ飛ばしたかなっと。

「フランちゃーん。今何体目?」

「たぶんこれで100!」

そういいつつフランちゃんが両手をぎゅっと握ると、妖精はあっけなく弾け飛んだ。

「凄っ・・・フランちゃんの能力って一体何?」

「え・・・」

あ、ヤバイ。聞いちゃいけないヤツだったか。

「あぁー・・・辛かったら言わなくて良いよ?無理して聞いたら拷問みたいで嫌だし。アレ辛いし」

「・・・【ありとあらゆるものを破壊する程度の能力】」

その瞬間。ボクはなんとなくフランちゃんが理解できた。普段は無邪気だけど、何処かで闇を抱えている。多分そんな感じだろうな。それでその原因が能力にあるってことぐらいは今の重苦しい声からしてわかる。さて、困った困った。まぁ、今はこの紅魔館とかいう場所にいるであろう紅い霧を発生させたのを倒すのが先だね。だってこんな薄気味悪いのが四六時中かかってるとか嫌だし。

「・・・そっか。じゃあ、行こっか」

フランちゃんに声をかけて、そのままボクは歩いた・・・が、フランちゃんが立ち尽くしたままだ。

「どうしたの?なにかあっt」

「お姉様がね?もう少しで貴方を外に出せるから待ってろって言うの。でもね?駄目なの」

「・・・どうして?」

この時、もっと早くフランちゃんの異変に気付いていれば良かった。よく見たらおかしい所がかなりあったのに。次の瞬間、フランちゃんは何処からともなく出した剣らしきものをボクに振り下ろしてきた。

「それは・・・私が全部壊しちゃうから!」

「あぶねっ!?」

間一髪で避けたけど、肩の辺りにちょっと掠ったらしくヒリヒリする。流石にそんな軽傷と言えないものまで治療する必要は無いから能力は使わない。既に黄金狂は構えてあるけど、どちらかと言えば防御の意味合いの方が強い。

「さて・・・困ったなこりゃ」

ここで初めてボクはフランちゃんの弱点を見つけるべく注視する。そして、ようやく気付いた。

目がおかしい。

今までのフランちゃんなら、無邪気で可愛く、そして何処か悲しそうな目をしていた。けど、今は悲しさではなく狂気が宿っている。二重人格とかいうヤツなんだろうけど、これって二人としてカウントしていいんだったけか。

「もっともっと!もっと遊ぼ!」

「うおっ!?」

思考を巡らせている間にも、正気を失っているフランちゃんの攻撃は止まらない。寧ろ時間が経てば経つ程強くなってる気がする。このままではフランちゃんをどうにかする以前にボクが死んでしまうかもしれない。もう一か八かだ。

【何者でもない程度の能力】

次の瞬間、ボクの周りにの異形の武器が展開される。その数、11本。これらはe.g.oというもので、ある人曰く、『幻想を根元とし、骨には骨を、血には血をと物理的段階へ抽出したもの』だそうだ。つまり、かりそめだけど命がある。

「そんなのすぐ壊しちゃうよ?」

「残念!元々壊す為に出したんだなぁ。ボクがだけど」

ボクは更に行動を起こす。次の瞬間、ボクに天使の羽が6枚生え、金色の輪が頭上に現れる。

「『我が使徒達よ、目覚めよ。そして我を迎えるのだ。』・・・本当なら12本必要なんだけど、それはいらないし、いいよね?」

「じゃあ遠慮なく壊しちゃうね!」

「いや、それには及ばないよ」

「なんで?」

「お 前 が 1 2 “人” 目 だ か ら」

ボクは目を閉じ、右手を大きく横に振る。すると、手の軌道と全く同じように空間が裂け、何かが現れた。

そこに現れたのは、時計だった。

「さて、始めるか」

何処からともなく、鐘が鳴り響く。普通の人なら祝福の鐘の音だと思うだろうけど、ボクの敵にとっては死を告知する為のものでしかない。

時計の針が進み、その先には『フランドール・スカーレット』と書かれている。

「『フランドール・スカーレット。あなたは使徒である。この岩の上に教会を建てよう。死の門もそれには打ち勝てない』」

ボクがそう告げ終えると、敵が突然もがき苦しみだした。

「や、やめ・・・やめて、こ、われちゃ、う」

「残念だけど、“君”のせいでフランちゃんは辛い思いをしたんだ。ボクに倒してもらえるだけ幸福だと思いなよ」

やがて、フランちゃんの中から異形が飛び出る。身体の赤と白が筋肉を思わせるが、腰は歪み、その姿は壊れた天使を連想させる。古びたペストマスクを被り、灰色の羽を首に巻きつけ、ハイヒールの靴、輝く黒い目、大きな脚、長い鼻、鈍い歯を有する存在。使徒だ。

「さて・・・一応倒したし、全部使っちゃうのは勿体無いし・・・死ぬか」

更にボクは能力を使う。

そこに現れたのは、青白い光の柱。それがボクに向かって伸び、突き刺さる。

「あがっ・・・鎮圧完了・・・アハハ・・・」

そしてボクは、ここでの1回目の死を味わった。




打ち切りではないです。ハイ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第14話『リボーンナニカちゃん』

前回死んだ(自爆)と思えばもう生き返ります。


《???》

暗い。何も見えない。自分の身体の感覚すらない。今ボクは死んだ状態だ。何故ボクが死んでいるかと言えば、フランちゃんを止める為に【白夜】を使ったからだ。コレは命あるものを12体祝福すると、祝福されたものが【使徒】という異形の存在になる。本来ならほぼ虐殺に近い能力だけど、今回はフランちゃんの裏の人格だけを祝福したからいつものフランちゃんには一切害がない。むしろ身体が軽くなってるんじゃないかな?と言っても、【白夜】の能力は相当強くて、確実に残りの11体を【使徒】に変えようとしたからそうなる前に【終わりの螺旋】で止めた。普通なら【終わりの螺旋】は時計周りにレーザーが一周するまで止まらないけど、発動したボク自身がそれを食らったから一瞬で消滅したんだと思う。さて、早いとこ帰らないと、フランちゃんが泣いちゃうね。ボクは意識を集中させて、無理矢理に身体の感覚を戻す。途轍もなく痛いけど、もう慣れっこだ。その後は簡単なお仕事。

【何者でもない程度の能力】

ボクは死神の鎌のような禍々しい物を取り出し、暗闇を一閃する。その瞬間、周囲を取り巻く黒が一斉に消え去り、死ぬ前の廊下に戻った。

「ふい〜。さて、フランちゃんはっと」

ボクが辺りを見回すと、なんと足元にフランちゃんが寝ていた。

「あっぶね!?踏むとこだった・・・」

「・・・んう?」

あ、起きた。

「おはようフランちゃん。身体大丈夫?」

「あれ・・・あれれ?」

うん。やっぱり人格殺したから違和感はあるらしい。まぁ、慣れてもらうしかない。

「虚さん」

「ん?どしたの?」

「いないよ・・・いないよ!私の中の怖いの、全部いないの!」

フランちゃんは宝石が沢山付いてる翼のようなものをパタパタさせながら抱きついてくる。めっっちゃ可愛い。天使か。何はともあれ、喜んでくれてよかった。うん。ボクいいことした。

「さてさて、探索続けよっか?」

「うん!」

うわぁ笑顔可愛い。ボクが男だったら絶対この子ヤバかったよ。しかも手まで繋いでるし。幼女の手ぷにぷにしてあったかいし。・・・ハッ!?いけないいけない。気を取り直して、ボクとフランちゃんはこの館の探索を続けることにした。なんか忘れてる気がするけど。

✡️《一方その頃》

「来たな泥棒!盗んでった魔道書を返さないと、パチュリー様の大魔法にコッテンパンだぞ!」

「いやお前じゃないのかよ。まあいいぜ。そっちがその気なら、私はお前を倒して魔道書をぬs・・・死ぬまで借りてくだけだ!」

 




次からは魔理沙サイドになります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第15話『リボーンナニカちゃん(魔理沙ちゃんside)』

定期テスト期間に小説を書くという大罪を犯しております。


《紅魔館内にて》

「えーっと図書館は・・・あったあった。あいっかわらず散らかってんな〜」

そんなことを呟きながら、魔法の箒に乗って一面が本に囲まれた場所を悠々と進む者が一人。彼女は霧雨 魔理沙。普通の魔法使いである。普通と言っても能力が平々凡々な訳ではなく、『魔法を使う人間』としての普通である。というのもこの幻想郷では『魔法使い』といえば種族の一つとしての意味となるからだ。

閑話休題(そんなことはおいといて)

今彼女は何をしているかと言えば、泥棒である。目的はこの紅魔館の図書館、そこに乱立する魔道書の類である。そんなことを話している間に、魔理沙は魔道書と思しきものを袋にホイホイと入れていく。

「ふぅ〜。大漁大漁〜」

1秒間に2冊程のペースで魔理沙は袋に魔道書を詰めていく。やがて袋がパンパンになってくると、魔理沙はある人物を呼ぼうとした。

「よし!帰ろうぜ虚・・・アレ?」

そう、魔理沙と虚は見事にはぐれた。しかも十六夜 咲夜という思いもよらない刺客が現れ、虚はそれを倒し、道中でフランの暴走を止め、更に生き返るなりなんなりしていたのだからもうしっちゃかめっちゃかである。

「あちゃ〜・・・戻るか」

そう呟いた瞬間である。

「何 を し て い る の ?」

突然、地獄の底から轟くような恐ろしい声が耳元で囁かれる。

「ひぃっ!?」

一瞬恐怖でパニックになり、箒から落ちそうになるも、なんとか落ちずに済んだ。そして後ろを振り返ると、声に似つかわしくない可憐な女性が立っていた。否、浮いていた。薄い紫色のローブと帽子を被り、暗い瞳を持っている。身長は魔理沙と同程度だろうか。

「どうやら成功したようね。声を変える魔法。こあ。やっちゃっていいわよ」

さっきの声とは打って変って、消えいりそうなほど小さな声でそう言うと。何処からともなく何かが魔理沙の元に飛来した。

「おりゃああああ!」

「やべっ!」

間一髪避けたが、当たりどころが悪かったのか箒が思うように動かなくなる。

「え?マジかよ!どうしてくれんだ私の箒!」

「来たな泥棒!盗んだ魔道書を全部返さないと、パチュリー様の大魔法にコッテンパンだぞ!」

「いやお前じゃないのかよ。まあいいぜ。そっちがその気なら、私はお前を倒して魔道書をぬs・・・死ぬまで借りてくだけだ!」

「ちなみに私は喘息の調子が悪いから今日はもう動かないわ。本読んでるから邪魔しないでね」

「はい!さて・・・私こそ!この紅魔館の下っ端、小悪魔!」

「いきなり弾幕ごっこか・・・いいぜ!私こそ!普通の魔法使い、霧雨 魔理沙!」

かくして、この小説始まって初めての弾幕ごっこが幕を開けるのだった。




最後の最後でメタいという謎の現象


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第16話『弾幕ごっこ』

定期テストの季節ですが、皆さん如何お過ごしでしょうか。僕は明日がテストです。赤点は嫌なり。


「私こそ!この紅魔館の下っ端、小悪魔!」

 

 

「私こそ!普通の魔法使い、霧雨 魔理沙!」

 

お互いが十分に距離をとった状態で名乗る。今二人がやろうとしていることに必要不可欠な儀式のようなものだ。それは、弾幕ごっこ。何世紀も前、人間と妖怪が対等に戦う為に作られたスポーツのようなもので、妖力・魔力・霊力などからなる『弾幕』の美しさ、強さなどを競う。そのルールとして、『避けることのできる弾幕以外の使用禁止』などがあるが、全員周知の事実だ。もっとも、ある一人を除いてだが。

「被弾1回、スペル1枚だぞ!」

「わーってらぁ!」

瞬間、二人の周囲が弾幕が飛び交う危険地帯と化す。既に途轍もない密度となっているが、二人はそれを綺麗に避けていく。

「やるなお前!」

「泥棒に褒められても嬉しくはない!今日こそ勝つ!」

実は二人、以前にも何回か弾幕ごっこで勝負したが、結局魔理沙が全勝しているのだ。だからこそ、小悪魔は絶対に勝つという執念に燃えている。更にお互いの弾幕はそのパワー、スピードを増し、その光景は最早眩い何かをすり抜ける人型の物体としか認識できないレベルだ。

(絶対に勝つ!勝ってパチュリー様に喜んで貰うんだ・・・!)

そんな健気な思いを抱く小悪魔。

(勝ったら取り敢えず全部読んで研究だな)

弾幕ごっこそっちのけで今後のことを考える魔理沙。

この勝負にかける思いの違いは余りにも差がある。何より思いの強さは小悪魔の方が上だ。だが、思いの強さだけだ。(実力は全くない)

「これで終わりだ!恋符【マスタースパーク】!」

その叫び声とともに、小悪魔は敗北し、無残に散っていった。

 

 

 

 

 

 

かのように思えた。

 

 

 

 

「いやぁ危ない危ない。あとちょっとで君死んでたよ?」

「・・・え?」

そこに現れ、魔理沙のスペルカード、恋符【マスタースパーク】から小悪魔を守ったのは、赤と青のオッドアイを持ち、緑色の髪を揺らす男だった

「あ、魔理沙ちゃんだ。元気ー?いやぁ君とはぐれてなんやかんやして美幼女拾っちゃってさー!ボクってとんでもない幸運の持ち主だと思わない?」

「・・・いや、誰?」

「え?あー。そういうことね。千夜住 虚だよ。性別変わってるけどね」

 

 

「・・・はぁーーーーーーーーーーー!?」

 

 

はい、やっとボクがナレーションできるよ!皆大好き虚ちゃn・・・今は男だった。虚くんが戻ってきたよー!しっかし今日も今日とで凄い勢いで美少女に会うね。やっぱりここ(幻想郷)は美少女パラダイスだ。そうに違いない。もうここに来て3回目だよお姫様抱っこするの。小悪魔ちゃんだったっけ?本当に可愛いよねこの子の服とか羽とか。って、今はそんなこと言ってる場合じゃないね。

「えーっとさぁ。今さっきとんでもない音が聞こえるからそこにいる美幼女のフランちゃん連れて飛んできたら・・・えー、小悪魔ちゃんで合ってるよね?まぁこの子が死にそうだったから防御に適してる男の姿になって守ったわけだけど・・・」

さて、流石に魔理沙ちゃんは加減を知らないからちゃんと怒らないとね。絶対あのエネルギーの量は死んでたし。

 

「人の命は奪っちゃマズイよねぇ?」

 

「ひぃ!?」

 

 

このあとめちゃくちゃお説教した。




テスト頑張るぞー(震)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第17話『汚話しようよ★』

テストで良い点取ったってだけで死ぬほど浮かれて投稿忘れてました。こんな頭お花畑な僕ですが、何卒、何卒ご容赦くだせえ。


《紅魔館内にて》

「虚お姉ちゃんがお兄ちゃんになってる!」

「そうなんだよ!凄いでしょ?これなら女の子が出来ない色んなことが出来るんだよぐへへへへ」

はい。ボクは今とっても幸せです。何故なら周りを美少女に囲まれてるからで御座います。魔理沙ちゃんに小悪魔ちゃんにフランちゃんに・・・あと一人気配を感じる。きっと美少女だ。そうに違いない。今のテンションだと確実に問題起こしかねないけど、まぁそんなことはどうでもいい。男なんだからそんぐらいはいいでしょ。

【何者でもない程度の能力】

取り敢えず気配のする方へ向かうと、そこにはやっぱり美少女が。パジャマっぽい紫色の服と貧n・・・なんでもない。でも見てるとなんだか落ち着かなくなってくるので早速ちょっかい出してみる。多分もう気付かれてるから大丈夫でしょ。

「さーて・・・

そ こ に い る の は 誰 か な?❤︎

あ?

「ひゃうっ!?」

まさかちょっかいかけるとこまで読んでるとは思わんかった。しかも何故か知らんが男から女に戻ってるし。

「やれやれ。ちょっと威嚇しただけでそれだなんて。存外大したことないわね」

「声ちっちゃ!?あと失礼な!というかなんでボクのこと知ってんの?あー言いたいことが多すぎる!」

すっかり女に戻ったら同時に落ち着かない感覚も消えてる。多分アレだろう。アレの違和感だろう。決してアレについては言及しない。この小説をR-18にするわけにはいかないからね!閑話休題(まぁ、どうでもいいや)

「さて・・・まぁ色々言いたいことはあるけど、第1に。何故魔理沙ちゃんは小悪魔ちゃんを殺そうとしたの?」

「え?そんなつもりはなかったぜ?ただいつも通りマスパ撃ったらなんか反動と威力がいつもより多いなーって思っただけだぜ」

ええ(困惑)暴走?暴走でもしたのマスパとかいうのが?いやぁコワイコワイ。

「因みに私の見た限りだと明らかにルール違反よ」

「「ゑ」」

ボクと魔理沙ちゃんの頭の上に同時にクエスチョンマークが浮かぶ。

「アレってルールとかあったの?」

「当然よ。弾幕ごっこだもの」

なんじゃそりゃ。まぁわからんのでルール知ってるっぽいこの紫の子の記憶さえ覗けばいいや。

【何者でもない程度の能力】

な る ほ ど わ か っ た。

色々ルールはあるっぽいけどその中でも重要なのが『相手を殺さないこと』らしい。じゃあさっきのマスパって相当な威力あったしアウトやん。

「まぁ、アレだよアレ。本人にその気がなくても一回やっちゃったらアウトなものは気を付けることだよ魔理沙ちゃん」

「お、おう」

そんなことを言っていると、何やら謎の紫の飛行物体がこちらに飛んできた・・・




さぁて活動再開〜


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第18話『誤解だよナニカちゃん』

なんと朝起きたらGが身体を這い蹲るという世にも気色悪い夢を見ました。そんなことは置いといて、今週も投稿のお時間でございます。


《紅魔館内にて》

「「なんだアレ?」」

こっちに向かってくる飛行物体にボクと魔理沙ちゃんの考えがシンクロする。流石にフランちゃんと小悪魔ちゃんと・・・紫の子とはシンクロしなかったけど。

「小悪魔ちゃーん。アレ何?」

「あわわわ・・・おおお嬢様ですよお嬢様!大変だ・・・お嬢様がキレてる・・・」

「ふーんアレキレてんだー・・・って、今お嬢様だって!?ヤッベェ!初対面の女の子怒らせちゃった!」

とかなんとか言ってる間に、そのお嬢様から攻撃が飛んできた。・・・攻撃、だよね?

ちょっと遅すぎない?

めっちゃカラフルだしアレが弾幕とか言うヤツなんだろうけど、途轍もなく遅い。多分大砲の弾の方が速い。じゃあもう撃ち落とししていいよね。

【何者でもない程度の能力】

「攻性防壁、起動。あ、近付いたら灰になるからねー」

一応魔理沙ちゃんたちに忠告はした。あとはあの弾幕とやらを迎え撃つだけだ。まぁ、遅いから攻性防壁を前方に移動させて処理したけど。

「はぁ・・・これが弾幕ねぇ・・・もっと速いヤツ普通に知ってるよ?」

一瞬後ろを見たら魔理沙ちゃん達が全員唖然としてた。そんなに凄くはないと思う。けど、唖然としてたのはそこじゃなかった。

「神槍【スピア・ザ・グングニル】」

「あっぶな!?」

気がついたら、フランちゃんと同じくらいの美幼女がヤバそうな槍を投げつけてきた。コレは意外と速いし、なんかこっち追いかけてくる。ホーミングだろうね。

「でもまぁ、この攻性防壁の前では無力なんだなぁ!」

「そうでもないみたいよ」

「ゑ」

紫の子が突然なんか言い出したんでちょっと驚いたけど、別にどこも異常はない。手はある。足もある。腹は・・・

ウソダドンドコドーン

「いだだだだ!?刺さってる刺さってる!?」

なんかよくわからん間に攻性防壁が全部壊されて腹にぶっ刺さったらしい。めっちゃ痛い。取り敢えず引っこ抜き、その辺に投げ捨てる。

「さぁて・・・君がフランちゃんの言ってたお姉様って子かな?」

「ええそうよ。私がその子の姉であり、紅魔館の主人・・・レミリア・スカーレット!」

ほーん。紫色の髪とフランちゃんと同じような服ってのがいい。だが、ボクはこの子に対して色々とやんなきゃならないことがある。

「まぁいいや・・・まぁ、君もこの世界の住人なら、弾幕ごっこでケリをつけよっかね」

「ふざけているの?」

あ、この子マジでキレてる。多分理性も若干しか残ってないね。

「ここで、お前を殺す」

「まぁ恨まれるようなことはした覚えないけど、やってみれば?」

その言葉を皮切りに、弾幕ごっこも何も関係ない、殺し合いが始まった。




次回、遂に主人公がまともに戦います。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第19話『お嬢様のキモチ』

ようやく一瞬で終わらない戦いになりそうです。


《紅魔館内にて》

「殺す」

 

「あぶなっ!?」

どうも。いきなり紫の美幼女にキレられてる虚ちゃんです。どういうわけかは知らん。兎に角、今は攻撃をひたすら避けてる。まぁボクの・・・ではないけど、悪魔の羽根と同じようなものが背中についてても幼女に変わりないし、そのうち疲れてバタンキューするでしょ。と、言うわけで、更に避ける速度を上げる。

「ほらほら当たってないよー?エイムガバガバかなー?」

 

「黙れ!!」

 

「あ、サーセン」

取り敢えず素直に黙ってこの美幼女が疲れて倒れるのを待とう。そしてgetだ。男に変われるってわかったことだしアンナコトやコンナコトも・・・しないけどね。

 

《数分後》

なんでこの子全っ然疲れないの?

むしろボクが疲れてきたんだけど。もういいや。こっちも攻撃しよう。

 

【何者でもない程度の能力】

 

さてさて・・・今回はなるべく血が流れない方向に持ってきたいんだよね。疲弊させたところを精神揺さぶって堕とすっていう作戦だし・・・アレでいいや。

 

「邪魔ァァ!!」

 

「ほいほいっと」

紫美幼女が赤い槍を持って吹っ飛んできたタイミングで、ボクは指をパチンと鳴らす。するとなんということでしょう!ボクの背後から高圧洗浄機が30台も出てきたじゃありませんか!

 

「!!?」

 

紫美幼女も目を見開いて止まってくれてるし、これでトドメだね。なにせ中の液体は全部相手を疲弊させる成分含んでるんだし。

「ファイヤー!ウォーターだけどね」

そう言いながら紫美幼女を指差すと、その方向に液体が噴出された。

 

「!!?ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!?」

 

え。そんなに?オーバーリアクション過ぎない?

「どうー?痛いー?」

・・・へんじ が ない。 ただの しかばね の ようだ。

「うーん。大丈夫じゃなさそうだし回復しよっか」

そう言って液体の噴出が終わった後の高圧洗浄機を消して、紫美幼女に近づき、例の蔦の生えたベッドに変身し、幼女をそこに乗せる。そんでもって分身で魔理沙ちゃん達のとこへ行く。

「ふぃーー終わったー!魔理沙ちゃーん疲れたよー!」

そして魔理沙ちゃんのお胸にダイブ。とっても柔らk

ぺチッ

「痛っ!?なにもビンタはないでしょビンタは!」

「うるさい!いきなり強い奴倒したからってこんなことするヤツがいるか!」

「ボクがいるよ!・・・うん。まぁいいや」

取り敢えずボクは魔理沙ちゃんの胸から顔を戻し、紫美幼女の容体をみる。

「虚お姉ちゃん。お姉様はどうしちゃったの?」

「ゑ?この子フランちゃんのお姉さん?うわぁ似てるわぁ・・・ってそんなことは置いといて、命に別条ないから心配しなくて大丈夫だよ」

「うん・・・」

こうして、ボクは疲れ、倒れた。

「「「虚(さん)(お姉ちゃん)!?」

 

 




はい。皆さんなら気づいたはずです。どれだけ能力を使えば倒れるかをね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第20話『ボクの気持ち』

テストが終わって2週間してまた定期テスト期間に入るという地獄を味わいながらも投稿です。誰か褒めて。


《?????》

どうも。気絶して絶賛真っ暗な世界にいる虚ちゃんです。いやもう見渡す限り黒いから目開けてんのか疑ったよ最初。まぁ、じっとしてても何もないからさっさと脱出しよう。

【何◆でもない程度の能力】

・・・あれ?発動しない。全然発動する気配がない。一応もう一回やってみよう。

【何◆で◆ない程度の能力】

うん。もうコレ駄目なヤツだ。普通に発動しない。でも発動する時の感覚だけは残ってるから能力が消えた訳じゃなさそうだけど・・・

 

わかりません。

 

うん。細かいことはさっぱりわかりません。寧ろ誰か教えて?いやマジで。

 

「・・・」

「ん?」

ハテ。なんか聞こえたかな?

 

「・・・か」

「か?」

 

「お前なんか消えちまえ」

 

・・・what?おかしいな。あんな記憶はもう消した筈・・・

 

「消えろ」

「クズ」

「死ね」

「ゴミ」

「無能」

「役立たず」

「クソ野郎」

 

うるさい。

 

「アホ」

「間抜け」

「頭おかしい」

 

うるさい。

 

「カス」

「ドジ」

「人殺し」

 

黙れ

 

「私・・・俺・・・ボクは劣ってなんかない。無能なんかじゃない。違う。違う。違う・・・」

 

「でも結局そうだったじゃない?」

 

そこには、ボクと全く同じ姿の人がいた。

 

「自分が無能だから、他の人に頼って。自分が無能だから、他の人に憧れて。そんな奴よ。貴方は」

 

「違う・・・ボクは・・・ボクは・・・」

 

「もういいのよ?自分を隠さなくて。他の人になろうとしなくていいのよ?」

 

「でも、ボクは・・・」

 

「弱いよ?でも、貴方は他の誰より痛みを知ってるから、そこは強い。そうでしょ?」

 

「そう、かな?」

 

「そうよ。そして、貴方はその痛みを他の人に教える必要があるの」

 

「・・・そうなの?」

 

「だって、散々貴方を苦しめてきた人を苦しめないなんて、間違ってると思わない?」

 

「・・・そっか」

 

「そうよ」

 

「ボクは・・・認められたかったんだ。でも認められなかった。だって、ボクは彼奴らにとって玩具だったから・・・」

 

「じゃあ、貴方はどうするの?」

 

「同じように、玩具にしてあげる」

 

「いい子。じゃあまずは、あの魔女と吸血鬼から始めましょうか?」

 

「うん」

 

 

 

 

 

《紅魔館内にて》

「ちょっとこの人どうするんですか!?」

「わかんねえ!でも、心臓は動いてるから生きてる!」

「はぁ・・・おそらく其奴は自爆よ。放っておきなさい」

「そ、そんなこと出来ませんよ!だって私の命の恩人なんですから!」

倒れた虚を囲むようにして、魔理沙、小悪魔、そしてパチュリーの三人が立ち、フランが虚の顔のそばに座っている。そんな中、虚は目を覚ます。

 

「あ!起きましたよ・・・」

 

「んんえええあ?」

 

「ひっ!?」

 

そこで全員が感じたのは、恐怖。突然目を覚ました虚が、身体を有り得ない方向に曲げながら立ったのだ。

 

「あの・・・虚?だよな?」

 

「うううういいいいい!!」

 

突然、赤子のような奇声を発した虚が、魔理沙にどこからともなく出した黄金狂で殴りかかる。

 

「ま、待ってください虚さん!」

小悪魔の声が、虚の腕の速さよりも先に届く。

 

こうして、虚は狂った。

 




次回バッチリシリアスです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

いきなり番外編『bad end』

先の展開考えてたらバッドエンドしか思いつかなかったのであげときます。ついでにテストまで1週間のとこまできてしまったのも僕にとってはバッドです。


《紅魔館内にて》

 

「ああー!ああー!」

 

突然起き上がった虚は、赤子のような奇声を上げながら、どこからともなく取り出した黄金狂で魔理沙に殴りかかる。

 

「あぶねっ!?おい!どうしたんだよ虚!」

 

「ううううー!えあー!」

 

魔理沙の声がまるで聴こえていないかのように、今度は背に悪魔の翼を生やして飛翔し、全身を紫色の服で包んだ少女・・・パチュリーに飛びかかる。

 

「危ない!避けろ!」

 

そう魔理沙が叫ぶも虚しく、パチュリーは黄金狂にミンチにされる寸前で魔法を使う。

 

「チッ・・・流石にやばいかも。こぁ」

 

「は、はい!」

 

パチュリーの呼びかけに応じて、小悪魔が彼女の腕を支え、魔力を分け与える。

 

「いいいいいいいいいいいいい!!!」

 

なんとか虚の攻撃を防ぐことに成功するも、またも赤子のように急にそっぽを向き、全く別の方向に飛んでいく。

 

「ふぃー。なんとかなった・・・のか?」

 

魔理沙がそう呟いたのが先か、はたまた悲劇的事象が起こるのが先か。次の瞬間、おびただしい量の鮮血が飛び、その場にいた者の服を汚し、赤いカーペットに吸収されていく。

 

「あ・・・ああ、あ・・・」

 

「・・・そんな」

 

「うううああああああ!きゃああああ!きゃあああ!」

 

そこには、変わり果てた姿の、フランとレミリアが、虚に心臓をえぐられた状態で転がっていた。

 

そこには、血を浴びて欲しかったものを手にした赤子のように喜ぶ虚の姿があった。

 

「嘘だろ・・・?こんな・・・こんな・・・」

 

「お嬢様・・・妹様・・・」

 

「・・・みんな、これは夢よ。私達は夢を見させられてるんだわ」

 

ふと、パチュリーがボソボソと世迷言を吐く。

 

「でも、お嬢様と妹様は・・・」

 

「違う!だっておかしいじゃない!?レミィ達は吸血鬼、最も強く、賢い存在の筈なのよ!?じゃあやられるわけないじゃない!?」

 

「・・・」

 

あまりのパチュリーの変貌の具合に、残された二人が顔を見合わせる。今まで彼女達は、血の流れる戦いというものを、知識で知らなかったためだ。確かに弾幕ごっこなどでも怪我はするし、少しでも力加減を間違えればそれこそ死に直結するものだってあった。しかし、彼女達はこの『凄惨な死』という光景を知らなかったのだ。

遂に、残った二人も、狂気の世界に囚われ始める。

 

「あぁ・・・もう、終わりだ・・・ハハハ・・・」

 

「死んだらお嬢様に会えますように・・・会えますよね?」

 

そして、完全に現実から逃げた三人は、無残に首、腕、その他諸々を引き千切られた状態で紅魔館の跡地に捨てられていた。

 

そこからの幻想郷は終わったも同然であった。虚は手当たり次第に目に映ったものを殺して回り、僅かながら人間の住んでいた集落が幻想郷から消えるまでは二日もかからなかった。幻想郷中の力あるものが束になってかかったが、一瞬で肉塊と化した。挙げ句の果てには幻想郷の管理者ですら八つ裂きにされ、最後の希望であった筈の博麗の巫女まで全身の骨を折られて死んでいた。

 

もう、ここは、瓦礫の山の肉塊の海、そして訳の分からないものがあるだけのディストピアでしかなかった。




書いててボソって言ったこと
「最近病んでんのかねぇ・・・」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第21話『turning point』

この先の展開考えてたら1か月ぐらいたってました。すみません。マジで。


《博麗神社周辺にて》

いつもより赤い空。いつもより赤い霧。そして・・・いつもより異質な影に、博麗 霊夢は困惑していた。

 

「・・・誰、アンタ」

「あぁいやいや、そう警戒しなさんな。俺は普通にお前さんに忠告しにきただけさ」

 

目の前の異質な影は、その喪服の如き黒服をユラユラと揺らし、薄気味悪い笑みを浮かべる。

 

「この赤い霧の発生源さ、あの辺にある館なんだよね。んでまぁ、何が言いてえかって言えば、その館に俺の知人の千夜住ってのがいるから、ちょっと様子観てきてよ。あぁ、まぁ神社は護衛ぐらいはやってやるさ」

 

異質な影はその壊れた楽器のような聞きづらい声で、霊夢に提案する。

 

「・・・保証は?」

 

流石に霊夢も簡単に人を信じる訳ではない。虚は警戒されなかったが。しかし、霊夢の前に佇む影は、巧妙に警戒を解く手段を模索する。

 

「んじゃあこうしよう。お前さんの持ってる妙な道具の中に、人を監視するヤツがあるだろう。ソイツで俺を見りゃいい。な?あと、名前もついでに教えとこう。俺は灰徒(はいと)。お前さん方が名乗ってる上の名前はない」

 

「上の名前・・・?名字のこと?」

 

「あぁ!それそれ。それさ」

 

灰徒はそう言うと、ゆっくりと霊夢に迫る。

 

「・・・何をする気?」

 

「いやまぁ、千夜住に会ったら必要なモノをお前に入れるのさ。わかるだろ?アイツの強大な力に打ち勝つための力」

 

灰徒は更に歩を進め、いよいよその姿が明るみに出る。それは、ボロボロの革のコートに、老人のように白く、汚れた白髪。そして・・・何よりも異様な、背中から生えた二本の触手。

 

「ひっ・・・!?」

 

霊夢は思わず悲鳴をあげ、後退りする。

 

「あーあ。またコレだよ。全く・・・あのさぁ?実ぁ俺、千夜住と昔戦ったときに限界越えちまったからこうなったんだけどさぁ、アイツなら治せっかなぁと思って会おうとしたんだけどさぁ・・・あの野郎、今暴走してやがるぜ?だから、止めてくれ。俺ぁ生憎、その器じゃないんでね」

 

灰徒は一瞬、残念そうな顔をしたと思ったが、直ぐにさっきまでの異質な顔に戻り、背中の触手の一本を霊夢に突き刺した。

 

「かはっ・・・!?ゲホッ!ゴホッ!」

 

驚きの隠せない霊夢に、おぞましい激痛と苦しみが襲う。

 

(何これ・・・何か、私の中に入ってくる!?これが、彼奴の言ってた力・・・?でも、虚さんの為なら・・・)

 

「おーおー。意外と耐えるな。普通のヤツなら気絶してるから起こさねえとならねえが・・・お前なら大丈夫そうだな」

 

灰徒はそう言うと、刺した触手を無遠慮に抜き、どこからともなく出した包帯で傷口を塞ぐ。

 

「さて、と・・・んじゃ、千夜住の所まで飛ばすから、楽にしとけよ」

 

灰徒はそう言うや否や、霊夢を触手で包み、紅魔館へ飛ばすのだった。




これからはいつもと同じ感じで行きたいと思います。ハイ。因みにテストで赤点でした。チクショー。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第23話『昔話と魔王と憧れと』

夏期課題が鬼のように出されました。コツコツやってきます。投稿もコツコツやってきます。


《博麗神社周辺にて》

よぉ。お前さん方と千夜住の言うところの『新キャラ』の灰徒だ。俺は今知人の千夜住が厄介なことに暴走してるからソイツをなんとかするためにこの世界で力のありそうな霊夢とかいうヤツに止めさせることにした。

まぁ、その前にも紅い霧が出てたりしてたが、生憎ソッチを止めるのは俺の役目じゃない。というわけで、問題の千夜住がいるトコまで霊夢を運んでやったまでがお前さん方の言うところの『前回までのお話』。じゃあ、今回のお話を始めるぜ。

 

俺は能力で霊夢を千夜住のトコまで飛ばした後、力を貸してやるついでに仕込ませて貰った霊夢自身の妙な道具を起動する。

 

「あー。あー。聞こえるか霊夢?こちら灰徒だ。聞こえたら返事してくれ」

 

『灰徒!?なんでアンタの声が!?』

 

おーおー戸惑ってる戸惑ってる。が、からかっている場合じゃないことぁ常人ならわかるだろ。と、言うわけで、霊夢には悪いが詳しいコトはカットの方向で行く。

 

「細けえコトぁ気にすんな。それより、ソッチに千夜住がいるだろ?ソイツの眼と髪の色に注目しろ。千夜住は能力を使う時に一瞬眼の色が左右で同じになる。その隙に衝撃を与えりゃ、今度ぁ髪が白色になる。更にもう1発加えろ。後はその都度説明する」

 

『・・・わかったわ』

 

「ものわかりが良くて助かるね。じゃあ、頼んだ」

 

俺はそれだけ言うと、更に仕込ませて貰った監視カメラを起動する。只のカメラじゃない。見たい方向をしっかりと映してくれる有能なヤツだ。要は・・・アレだ。アレ。VR。まぁいい。兎に角、ソレを起動すると俺の視界が二つに割かれる。一つは今立っている場所。もう一つは千夜住とその他がいる場所。片方の目の前に千夜住がいる。予想通り赤ん坊の如くきゃあきゃあ言いながら馬鹿の一つ覚えみてぇに突進してらぁ。それに対して霊夢以外のヤツらは全員戦闘不能か。情けねえ。かくいう霊夢も劣勢としか言いようがねぇし、ここのヤツらは全員弱いのか?まぁ、アイツが強すぎるだけな気もするが。だが、流石にこれでは霊夢が殺される可能性があるから、サポートでもしてやるかな。

 

「ハァ・・・しゃあねえ」

 

俺は一瞬愚痴を零すと、霊夢にしてやったように千也住のトコまで飛んだ。じゃあ、俺は千夜住ほど器用じゃねえから、他のヤツに『ナレーション』とやらをやってもらうぜ。

 

 

《紅魔館内にて》

「ぎゃあああああああ!!ああああああ!!」

 

「よぉ霊夢さんよ。助けに来てやったぜ?」

 

「はぁ・・・はぁ・・・なんで、此処に?」

 

「あー。まぁ、強いて言うなら千夜住をなんとかしねぇと俺が面倒な生活をすることになるからだな。背中の触手ハッキリ言って邪魔だし、収納出来るようにアイツにしてもらう」

 

突如現れた灰徒に、赤子のように暴れまわる虚が気付き、悲鳴のようなものをあげる。

 

「おー。怖いか?俺が怖いか?怖いよなぁ?だってこんな姿なんだからなぁ?」

 

「からかってる場合じゃないでしょ!早く虚さんに攻撃を!」

 

そこまで霊夢が言ったところで、灰徒が腕で制す。

 

「まぁ待て。アイツの精神状態は子供そのものだ。今はアイツが新たに能力を使うのを誘発させることが優先だ。その為にはアイツを挑発し、消耗させんのが手っ取り早い。お前さんは後ろで待機だ。いいな?」

 

霊夢は黙って頷き、後方へ引き下がる。

 

「あ、そうそう。ついでに教えとくよ」

 

「・・・何?」

 

霊夢が聞くと、灰徒は残酷で、妙に美しさを感じさせる笑みを浮かべる。

 

「俺の能力さ・・・【魔王】ってんだ。危険だってのはわかったろ?巻き込まれねぇようにしろよ」

 

灰徒は次の瞬間、身体から黒い澱んだモノを放出する。

 

「IT’S・・・SHOWTIME‼︎!!」

 

部屋の隅々まで、灰徒の声が響き渡る。それは、これから始まる逆転の合図であった。灰徒は虚に向かって、彼女(彼?)と同じようにどこからともなく取り出した禍々しい剣で斬りかかる。

 

「!?あぐ、ぐうう!??!」

 

「ハハァ!痛えか!ガキがよ!さっさとくたばれぇ‼︎」

 

なんと、虚はそれを避けることが出来ず、肩に命中し、血のような赤いナニカが噴出する。それを見向きもせずに灰徒は攻撃を続ける。だが、この程度でやられる程虚も弱くはない。手にした黄金狂で剣を弾き、大きく後方へ跳ねる。

 

「バァァカ‼︎俺は全距離が間合いなんだよ‼︎」

 

だが、その抵抗も虚しく、灰徒が打ち出した火球に容赦なく焼かれる。

 

「【炎神イフリート】の地獄の業火を弾にしたが・・・成る程、悪くぁねぇ」

 

「いぎぎ!?ぎひいい!!!」

 

特に炎を受けた虚の右腕は最早原型を留めていなかったが、灰徒はそれを待っていた。

 

「ふー。ふー。ふー・・・」

 

虚が再生能力を使う。その一瞬を、霊夢は見逃さなかった。

 

「灰徒‼︎」

 

「ああ!やれ!」

 

灰徒の叫びが先か、将又それが先かはわからないが、霊夢の放った弾幕が虚を貫き、髪が白へと変わる。

 

「逃がさねぇ!」

 

灰徒がそこに追撃を加えると、二人は謎の光に包まれ、意識が無くなっていった・・・

 

 

《?????》

 

「うう・・・ここは?」

 

全てが闇に包まれた空間で、霊夢は目を覚ます。

 

「あー。やっと起きたよ。いいか?ココだと余り長い時間意識を手離すとヤバイコトになりそうだ。だからココでは絶対寝るな」

 

「・・・わかったわ。それで?一体此処は何処なの?」

 

寝耳に水なことを言われながら、霊夢は灰徒の話を聞く。

 

「多分だが、千夜住の頭ん中か心ん中のドッチかだな。いやぁコレぞ正に一寸先は闇だな」

 

「それはいいとして、なんで虚さんの心はここまで暗いの?あんなに明るい人なのに」

 

「あー。んじゃまぁ、アイツの事情でも話してやるとするかな。ソレ聞いてりゃ理解出来るさ。多分・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昔々のお話。一人の少女がいた。名を仮に『由奈(ゆな)』とでもしておこう。由奈は何をやっても人より劣り、それ故にいつも爪弾き者だった。だが、由奈は人には見せていない才能があった。ソイツぁ文才だ。彼女の書く小説はかなり面白く、俺も読んだが芥川賞・・・まぁ賞状ぐらい余裕なんじゃねぇかって思った。だが、それを周りは良しとせず、ついに由奈へのいじめ・・・集団での精神的、及び肉体的な被害を与える行為が勃発した。彼女はそれに耐えきれず、自分の書いた小説と共に、海へ落ちて死んだとさ・・・

 

ってのが、前の世界の千夜住 虚(アイツ)さ。そんで、気づいたら自分の書いた小説のキャラになってて、自分の知ってる幻想(二次元)の力が使えるようになってたってワケだ。でもまぁ、色々と精神的なダメージとか、環境の変化云々が重なって、暴走したんだろうよ。心か頭が空っぽなのは、衝撃で忘れたんじゃなく、俺らの攻撃で思いが流れ出たからだ。アイツの能力の源は

アイツの幻想(二次元)への憧れだ。だがソイツぁ自分がソレを使ってくごとに薄れていく。しかし強すぎる憧れはまたすぐ湧いてくるから、一瞬の間に二撃を負わす必要があったってワケだ」

 

「・・・成る程ね」

 

「さぁて。いよいよこれからだぜ。虚を救い出す」

 




さて課題の時間だ(絶望)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第23話『由奈とボクと俺と』

課題が終わらない・・・不幸だ・・・


《?????》

 

なにもない、暗い空間で、霊夢と灰徒は歩き続けていた。

 

「ねえ・・・本当に進んでるの?」

 

「黙れ。19、20、21今大事な31、33、35トコなんだからよ」

 

どこまで行っても暗い景色が変わらないので霊夢は灰徒に問いかけるも、肝心の灰徒は一歩足を踏み出すごとに数を数えるばかりで相手にしてはくれなかった。

 

「もう・・・なんなのよ」

 

霊夢が本音を吐き出すと、灰徒はそこで止まり、霊夢に顔を向ける。

 

「いいか?今俺がいちいち歩数確認してたのは歩数がパスワード・・・まぁ暗号になってるからだ。今丁度100歩歩いた。ここから横に一歩進めばあの野郎(千夜住)のトコに行ける。だから、一つお前さんに言っておく」

 

灰徒はそう言うと、今までに見たことがないほど真剣な目をする。

 

「もしアイツが元に戻ったら・・・お前さん、どうする?」

 

それは、霊夢にとっては単純な質問だった。虚とは会ってまだ日は浅いが、親しくなった。ならば、答えは一つ。

 

「決まってるじゃない・・・正座させてお説教よ」

 

「ハッ・・・そう言うと思ったぜ」

 

灰徒はそう言いながら、ぎこちない笑みを見せた。

 

「じゃあ、行くか」

 

そして、千夜住 虚の元へ霊夢を連れて行った。(右足を横に一歩踏み出した)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くらい。こわい。なにもみえない。

きこえる。きこえる。わたしをわらうこえが。

なにがそんなにいやなの?わたしがなにかしたの?わたしはあなたたちにとってのなんなの?

 

「虚さん!助けに来たわよ!」

 

きこえる。きこえる。わたしのこをわらうこえが。

わたしのこはなにをしたの?わたしのこはあなたたちにとってのなんなの?

 

「虚さん!」

 

「無駄だ霊夢。アレが千夜住 虚の本当の姿(由奈)だ。いいか?アイツは・・・」

 

なんなの?わたしはなんなの?何のりゆうもなくバカにされたの?何の理由もなく死んだの?何の理由もなく忘れ去られたの?もういい。もういい。いなくなれ。私をこんなことにした奴は全部いなくなれ。全部。全部。全部全部全部全部全部・・・

 

 

「違うわよ!」

 

 

「え?」

 

 

突然発せられた霊夢の声に、(由奈)は困惑する。

 

 

「貴方は・・・とっても素敵な人じゃない!」

 

「・・・でも、私には」

 

「貴方は優しいじゃない!魔理沙達を傷つけたけど、絶対に殺さなかった!貴方の力なら確実に殺せたのに!」

 

「でも、でも・・・」

 

「でもじゃない!言い訳なんて必要ない!」

 

(由奈)はその言葉を聞いて、絶望する。やはり自分は、誰からも理解されずに死ぬんだと思って。

 

 

 

 

 

 

「幻想郷は全てを受け入れる場所よ!貴方も幻想郷の住人になったんだから、絶対に誰も貴方を見捨てたりしない!だから・・・戻って来なさい!」

 

 

 

 

 

その言葉を聞いて、(由奈)は涙がこぼれた。こんな自分を、受け入れてくれる場所があると知って。

 

 

 

「うん・・・うん!」

 

 

そして、千夜住 虚は、真に幻想郷の住人となった。




多分これでシリアスは少なくなると思います。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

いきなり番外編『灰徒のプロフィールとその他諸々』

このところ暑すぎて家に引きこもってゲームor課題ばっかやってます。虚弱体質が更に悪化するぜ。


灰徒(はいと)

 

年齢:一億から先は数えてない 身長:175cm 性別:男 体重:43kg

虚が暴走してる最中に突然博麗神社に現れた恐ろしい者。ボロボロの革製のコートと帽子が怖いし、汚れた色の白髪が怖いし、顔も整ってはいるがどこかおぞましい。更に背中に触手生えてた。割と乱暴な口調とダミ声で喋る。虚のことになると若干イライラし始めるが、全く態度に出ない。能力名は[魔王]。虚と同じく別の世界の能力が使えるが、一切デメリットが無い代わりに、『悪』に偏った能力以外あまり使えない。因みに「トコ」「アレ」などの抽象的な言葉のアクセントが普通とは少し違う。

 

 

 

ガラッと話は変わって人間関係。

 

虚について

霊夢「複雑な過去を持った人だけど、ここではそんなの忘れて暮らしてほしい」

魔理沙「意外と良い奴かと思ったら暴走した。怖い」

フラン「怖いの(狂気)を取ってくれた人」

レミリア「フランと一緒にいた不審者。強い」

小悪魔「なんかよくわからん人。でも助けてくれた」

パチェ「研究対象としては危険すぎる。干渉しないでおこ」

紫「ここでは能力を悪用しないと言ってたから多少危険ではも悪人ではない筈」

アリス「偶然倒れてたのを助けた。不思議で危なっかしい人」

灰徒「バカのフリしてる由奈」

 

霊夢について

魔理沙「最高の親友」

アリス「旧知の仲」

紫「大事な子」

虚「可愛い!以上!」

灰徒「精神面も戦力面も幼い。成長は期待できなくもない」

 

魔理沙について

霊夢「信頼してる」

フラン「誰?」

レミリア「誰?」

小悪魔「魔導書泥棒。殺されかけてたらしい。許さん」

パチェ「魔導書泥棒」

虚「スカートの下に爆発物持ってた子。何故爆発したんや」

灰徒「弱すぎる」

 

フランについて

虚「超絶美幼女。なんか第二人格的なアレがいたから消した。多分それのせいでボクも暴走したんかね?てへぺろ★」

霊夢「誰?」

レミリア「大事な大事な妹」

小悪魔「妹様」

パチェ「レミィの妹」

灰徒「戦ってるトコ見てねえからわかんね」

 

灰徒について

虚「あんまり来てほしくなかった。まぁ賑やかになるしいいよね!」

霊夢「虚さんについて詳しく知ってるみたい。何者?」

紫「千夜住 虚と同じく幻想入りの瞬間が確認できなかった。彼らの力は計り知れない」

 

紫について

霊夢「信頼してる」

魔理沙「霊夢とよく一緒にいる大妖怪」

レミリア&フラン&パチェ&従者達「存在自体は知ってる」

虚「考え方がコワイ。だってボクを殺そうとしたし」

灰徒「まぁまぁ。強さと賢さは及第点だが、コノままじゃコノ世界に執着し過ぎて殺られるか、ココの為に働きすぎて勝手に死ぬかの二択だな」

 

 

 




ハイ。大体こんな感じです。何故紫が灰徒を知ってるかっていうと紫は幻想郷全体を見ているからです。以上。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第24話『異変解決(?)』

最近忙しく毎週水曜と決めていた投稿が遅れつつあります。お許しを。


《紅魔館内にて》

よぉ。灰徒だ。折角千夜住の野郎が正気に戻ったんだしアイツにナレーションやらせようと思ったら「気分が乗らない」だの「今回は譲る」だのと言ってその辺の負傷者の回復に行きやがった。まぁ正しい判断ではあるだろう。だが俺は気に食わねえ。こんな弱いヤツらなんざいくら回復させようが俺の知ってるヤツらなら一瞬で塵さえ残らず消えるってのに、何故ここまで慈悲をかける?とうとうアノ野郎も平和ボケして、挙句の果てにゃ暴走とは笑わせるぜ。ただ俺にとって重要なのは、何故コノ世界のヤツら、特に・・・霊夢とか言うのノが千夜住を信頼し、受け入れているのか、だ。場合によっちゃデリケートな話になるだろうから、ソノ辺は注意しとくか。さて、お前さん方にベラベラ喋るのはもう飽きた。丁度アノ野郎(千夜住)も周りのヤツらの治療が終わったらしいから、代わるぜ。

 

「オイ千夜住」

 

「ゲッ・・・な、何かなー?」

 

「・・・お前ソノ様子だと良からんコトを考えてたらしいな」

 

「なっ!!?ち、違うよー?べ、別にぐっすり寝てる魔理沙ちゃんにあんなことやこんなことしようなんてこれっぽっちも思ってないよー?」

 

「隠すの下手クソか平和ボケ頭がよ。さっさと代われ。あと早い内にコンナ悪趣味な場所から出るぞ」

 

「あいあーい」

 

「あとソコの羽根生えたガキ連れてきたら殺すからな」

 

「ひっど!?」

 

はい。みんなの虚ちゃんです。全く灰徒ってば酷いよね!よりによってフランちゃん連れてきたら殺すだってさ!鬼!悪魔!人でなし!まぁ背中に触手生えてる時点で人間じゃないけどね。あ。折角だからいじり倒したろ。

 

「でもさぁ?灰徒こそこんなに美少女がいるんだからあんなことやこんなことしたくない?」

 

「したかねえよ」

 

おーキレてるキレてる。面白いしもうちょい。

 

「へー?そんなこと言ってる割には背中のイチモツ(?)は随分元気だねー?あ、元からかー!そっかそっか灰徒って只のムッツリで実は24時間発j」

 

ぐさっ

 

「・・・」

 

「・・・ぎゃああああああ刺さってる刺さってる!?灰徒悪かったよ!謝るから!謝るから触手でお腹に穴開けるのはNGだyいだだだだ!?」

 

「・・・」

 

「なんか言ってよ!?何!?リョナラーなの!?女の子の身体グッチャグチャにして楽しんじゃう系のリョナラーなの!?」

 

「あぁもう五月蝿え野郎ダァ!ああそうだよ!俺はお前みてえな小生意気なクソ野郎を嬲り殺しにして悲鳴を聞くのが楽しみなのさ!だから鳴けゴルァ!」

 

うわぁ・・・ついに灰徒が壊れた。多分彼ボク以上にヘンタイさんだよ?まぁボクは元から純粋無垢だけどね!さあて、灰徒の性癖には驚いたけど、ボクとは趣味が合わないみたいなんで触手をさっさと切っちゃおう。丁度新しい能力も使いたいし。

【何者でもない程度の能力】

ああ。ボクの身体が真っ白になっていく。触手も驚いて引っ込んでいく。やがてボクの身体が全部白くなった時、ボクは空中に魔法陣を描き、そこから一振りの剣を取り出す。

 

「テメェ・・・やりやがったな」

 

「勿論。じゃあ行くよ」

 

ボクは剣を取ってゆっくり灰徒の所へ歩く。灰徒はなんかよくわからない物でガードしようとしてるけど、無駄だね。

 

「《真・斬鉄剣》」

 

「・・・参った。降参だ。今その剣を振るったらどうなるか俺でも察しがつく。だからやめてくれ。由奈()

 

「・・・よく気づいたね」

 

「へっ。今はそれよりやることあんだろ?だからとっととその剣仕舞って、寝てな」

 

「ok」

 

ボク・・・否、私は剣を放り投げると、剣は光となって消えた。そして私は意識を手放す。そして由奈()は、(ボク)になる。

 

「さて!なんか無駄にシリアスな雰囲気は置いといて!早く帰ろっと!」

 

「あれ・・・虚?私って何やってたっんだ?」

 

「あ!魔理沙ちゃーん!おはよー!」

 

「お、おはよう?」

 

うん。みんなも起きたし、さっさと帰ろう。とその前に。

 

「フランちゃん」

 

「ふああ・・・なあに?」

 

「ちゃんとお姉さんに怖いの(狂気)が消えたからもう大丈夫って言うんだよ?」

 

「・・・うん!」

 

いやあ。紫さんにどう説明したものか。あの人には能力使って人に云々って言っちゃったからな・・・どうしよ。

 

「ねー灰徒ー」

 

「・・・面倒事には関わんねえぞ」

 

「ここに灰徒くんの性癖暴露シーンを録音したボイスレコーダーがありまーす」

 

「・・・で?何事だよ?」

 

「よーしわかってくれたね灰徒君!いい子いい子!頭撫で撫でしてあげm」

 

「早くしねえとボイスレコーダーぶっ壊すぞ」

 

「ボクが暴走した事内緒にしといて」

 

「・・・ソレってさっきから見てる野郎(八雲 紫)にか?」

 

「まあねー」

 

「・・・いいだろう」

 

やったぜ。こうしてボクらは後に紅霧異変と呼ばれる異変を解決したのでした。え?ボクがもっと一大事にしたって?知らないね。




さああと二週間でテストだ(狂乱)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第25話『宴会だよ!

いきなりアイデアが降りてきたので消えない内に書いておこうと思います。不定期投稿ではない。断じて不定期投稿ではない(暗示)


《博麗神社周辺にて》

「霊夢ちゃーん!このお酒何処に置いとくー?」

 

「じゃあそこの台に置いといて。私は料理作っておくから」

 

「了解!」

 

どうもどうも虚です。今は霊夢ちゃんと宴会の準備をしてるところだね。え?なんで宴会かって?ボクもわかんないけど異変の後は皆で仲直りとかそういう意味でもあるんじゃないのかな?知らんけど。んにしてもこのお酒重いなー・・・灰徒に持ってもらおっと。

 

「灰徒ーこのお酒運んでー」

 

「はいよ」

 

うわあ優しい!あの灰徒が1発で言うこと聞いたよ!まぁあのボイスレコーダーがあるからだけど。

 

「隙アリィィィィ!!」

 

「ゑ」

 

いきなり灰徒がデザートイーグルでポケットぶち抜いてきました。怖い。

 

「・・・って!ボイスレコーダーが!」

 

「殺ったぜ。じゃあこの酒を運んで貰おうか」

 

この野郎卑怯な!超絶美少女のボクの持ち物を壊すだなんて!許せん!

 

「へーそっかそっかーそーゆーことするんだーふーん」

 

「スッゲェわざとらしいなオイ」

 

「ぬっふっふ・・・灰徒がそういうことするならー。ボクは灰徒の性癖を宴会の時に暴露しちゃうy」

 

「わかったよしゃあねえな」

 

どうだ参ったか。ボクに逆らうと不思議な力で(社会的に)死ぬことになるのだよ。とかなんとか言ってる内に宴会の準備が整ったらしいです。

 

「じゃあボクは皆を呼んでくるとするかな」

 

「ん?もう全員いるぞ?」

 

あら早い。異変に関わった人が勢ぞろい。あとよくわからん黒いショートヘアの羽根生えた美少女もいる。ん?なんかあの子新聞みたいなの持ってない?うわぁ新聞記者かぁ。しつこいタイプだなきっと。

 

「号外ー!号外ですよー!突然幻想郷に現れた二人の少年少女が我らが博麗神社の巫女と共に異変を解決し・・・」

 

・・・しつこい女の子確定だね★いや、決めつけたわけじゃないよ?でもあのテンションだもん。絶対絡まれたらヤバそうだって。

 

「あ!そこのお嬢さん!よかったら号外持っていきません?」

 

「うーん・・・今はちょっと」

 

「そう遠慮なさらずに!」

 

ほら面倒。もういいや。

【何者でもない程度の能力】

「気絶しちゃえ★【心理掌握】」

 

「あ・・・」

 

よし。鎮圧完了。じゃあボクも宴会に向かおっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、かんぱーい!」

 

「「「かんぱーい!」」」

 

いいよねこのカッチャーンっていうグラスの響き。聞くだけで雰囲気出るよね。もうそこからは騒ぎ倒した。メッチャ騒いだ。灰徒はどっか行ったけど気にせず騒ぎ倒した。霊夢ちゃんも気づいたらいなくなってたけど騒ぎ倒して、騒ぎまくって、全員疲れて、その日は全員気持ち良く眠れましたとさ。めでたしめでたし。

 

 




漸く紅霧異変が終わりましたね。長かった。非常に長かった。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第26話『巫女様強化計画』

最近急にシリアスが書きたくなったので書きます。


《博麗神社周辺にて》

月が輝き、草木も眠る丑三つ刻。霊夢は灰徒に呼び出され、宴会もそこそこに、博麗神社周辺の森に連れてこられた。月が出ているとはいえ光がほぼない分、相当歩きづらかったが仕方あるまい。

 

「・・・で、なんなのよ?こんな時間に呼び出して」

 

「あぁ。悪いな。ちょいと俺がやろうとしてることに関係あるんだが・・・その前に一つ聞こうか」

 

その言葉と共に、灰徒の不気味な笑みが消え、彼のまるで刃物のような眼光が霊夢を突き刺す。

 

「お前・・・何故アノ時本気を出さなかった?」

 

「あ、あの時って何よ?」

 

「とぼけんじゃねえ。千夜住の野郎が暴走した時だよ。俺が行かなかったら確実にアイツはお前を殺したぞ?なのにお前は本気を出さなかった。ソレは何故だって聞いてんだ」

 

確実にさっきまでとは雰囲気が違う、凍てつくような冷徹な声で灰徒は霊夢を問いただす。

 

「それは・・・虚さんをなるべく傷つけないようにするためで・・・」

 

「チッ・・・そうかよ。まぁいい。お前が嘘を吐くってんなら、こっちも手がある」

 

そう言うと灰徒は何処からともなく、妖しい光を放つランタンを霊夢に向ける。すると霊夢の後ろにランタンの光で影が出来る。その影はなんとも、なんとも醜い色をしていた。

 

「見ろ。コレがお前の隠し持っていた醜い部分だ。普通の人間ならココまで汚れねえが・・・まぁ、あとはお前らで話しやがれ。俺は見物する」

 

灰徒は三歩下がって霊夢の方を向いて胡座をかく。

 

「ちょっと!これは一体何・・・え?」

 

灰徒を呼び止めようとした霊夢が何かに気付き、振り向くとそこには、自分がいた。しかし、巫女服やリボンは黒く、その目は青かった。それ以外は、瓜二つだった。

 

「フフフ・・・」

 

「だ、誰よ。アンタ」

 

「私はアナタよ?アナタの醜い所はなんでも知ってるの。臆病者さん?」

 

「何ですって・・・」

 

「だって、自分の尊厳の為に本気を出さないで戦って死にかけるだなんて、臆病者そのものじゃない?それに、いつものお遊びじゃなくて殺し合いだって分かってた癖に本気で戦わないだなんて、なんてお馬鹿さんなのかしら?」

 

「なっ・・・違」

 

「違わないわ。本気を出さなかった理由も嘘。アナタは本気を出して負けると後がないから本気を出さないんでしょ?そうしなきゃ悔しいものね?でも、それが原因で大切な仲間を自分で助けられなかったじゃない?」

 

「・・・違う」

 

「違わないのよ!アナタは自分の手で人を救わないと気が済まない!でもその為には本気を出さなきゃいけないかもしれない!そうしたらプライドが傷つく!結果的にアナタは人なんかよりも自分のプライドの方を選んで死にかけた!なんてイイザマ!アハハハハハハハ!」

 

霊夢は絶望した。怖くて逃げていた事実を、他でもない自分自身に見せつけられて。口では必死に否定するが、全て本当なのだ。次第に霊夢の目の輝きが失われていく。

 

「もうアナタみたいな自己中心的なエゴイストは幻想郷にはいらないわ!その内アナタはまた自分のプライドを優先して仲間共々殺されるから!これからは私が博麗 霊夢として生きていくのよ!アハハハハハハハh」

 

高笑いを上げていた影は、突如として灰となって消える。

 

「ふぅ・・・やれやれだぜ。お前さん相当な捻くれ者だな」

 

「ええ・・・その通りよ。私はもう、こんな所にはいられない・・・」

 

そこまで言った霊夢を、灰徒が胸ぐらを掴む。

 

「お前、ふざけてんのか?」

 

「え・・・?」

 

「いいかよく聞け。一回自分の弱さを知ったぐらいで『自分は無価値だ』だの『他より劣ってる』だの言うんじゃねえよ!じゃあどうにかしてそこから変わろうとしろよ!お前が本当に仲間を自分の手で助けたいと思ってたんなら、そこまでの力を手に入れりゃいいだろうがよ!俺はいつまでもそうやって変わろうとしない人間がなぁ、大っ嫌いなんだよ!」

 

その言葉が、霊夢の目の輝きを取り戻す。それを見た灰徒は、霊夢を離す。

 

「・・・わかったわ」

 

「・・・そうかい」

 

「・・・一つお願いがあるんだけど、いい?」

 

「・・・なんだ」

 

「・・・戦う方法を教えてほしいの」

 

「ふむ・・・明日の早朝、ここに集合な」

 

こうして、灰徒による霊夢強化計画がスタートした。




いいこと書いた。多分。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第27話『訓練開始だ』

課題は終わった。レポートもやった。なのに悪友に必殺『宿題映させろ』を発動されて腹だたしいことこの上なしです。


《博麗神社にて》

やっべぇ。めっちゃ頭痛い。オマケに昨日の宴会の記憶が若干飛んでる。え?ボクそんなにお酒飲んだっけ?そりゃ宴会だから飲まなきゃ損でしょみたいな感じで飲みまくったよ?でもここまで頭痛いのは初めてだし・・・あとなんか・・・うん・・・魔理沙ちゃんの服がはだけてあとちょっとで見えそうになってるし・・・よし!周囲を警戒だ!キョロキョロ・・・しめしめ。霊夢ちゃんと灰徒は朝からどっか行ったのは知っているのだよ。どこ行ったかは知らんけど。そんでもって紅魔館の子達も寝てる。準備は整ったぜ!さぁ今こそ邪魔な服を取っ払って生まれた時の姿の魔理沙ちゃんを拝m

 

 

 

 

 

 

ドオオオオオオオン!!!

 

 

 

 

 

「はい?」

 

何今の?なんか尋常じゃない音したけど。え?戦争?異変の次は戦争ですか?懲りないねえ人間って。いつでもどこでも戦争するんだから。

 

「オイ霊夢!確実に相手に弾を当てることを考えろ!殺し合いでは少しでも手を抜いた野郎が一番最初に死ぬ!お前らがやってるお遊びで本当にコノ世界が守れると思ってんのか!?」

 

うわ。この声面倒な時の灰徒のじゃん。霊夢ちゃん目をつけられちゃったかー。可哀想に。南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏。

 

 

 

ドオオオオオオオン!!!ドオオオオオオオン!!!

 

 

 

 

二連続かよ。気合入ってるね灰徒。まぁこっちは魔理沙ちゃんの豊満なお胸を堪能するw・・・いねえ!さては忍者だな魔理沙ちゃんめ。このボクの目を盗んで逃げやがるとは。よっしゃ探してやるぜ!探しまくって捕まえておっぱい揉み揉みしてやる!

 

 

「オイ千夜住!バカなコト考えてねえでコッチ来いよ!」

 

神様。世界はなんて残酷なんでしょう?灰徒が美少女だったら行く気になったのにな。

 

「ハァ・・・霊夢。折角だからコノ阿呆に1発撃ってみろ」

 

「え〜?ボク標的役〜?絶対避けられると思うy」

 

 

ドオオオオオオオン!!!

 

 

「あへぇ・・・」

 

何今の?てっきり弾幕ごっこの弾速くしたやつだと思ったら思いっきりレールガン使ってきたんだけど。絶対灰徒の入れ知恵だ。もう許さん。

【何者でもない程度の能力】

(あとは頼んだよ。(由奈))

 

頼まれたよ。ボク()。でも私は灰徒のことはあまり傷つけたくはないんだよね。だから、まずは焦げた服を元に戻す。それから灰徒に話しかける。

 

「それで?どうかしたの?」

 

「やれやれ・・・厄介ゴトは全部お前さんか。面倒な同居人だなオイ」

 

「いいんだよ。彼女・・・まぁ、彼かもしれないけど、兎に角あの子はそういう子だから」

 

「あー。クッソ・・・まぁいい。霊夢を次の異変までに少なくともこの世界で最強の存在になってもらう」

 

灰徒はドヤ顔で言う。ちょっと戸惑ったけど、霊夢ちゃんの目も真剣だから本当らしい。

 

「じゃあ、私は霊夢ちゃんに何をしてあげればいいの?」

 

「お前さんには霊夢の能力面を強化してもらう。俺は武器の使い方を徹底的に叩き込む。そんでもって能力と併用させて、実戦だ」

 

「了解したよ。じゃあまずは・・・空を飛ぶ特訓かな?」

 

あ。霊夢ちゃんが不満そうな顔した。ちょっと刺激が足りないけど、やっぱり基礎が出来てないとどんどん応用についていけなくなるからね。かくいう私は以前は基礎さえマスター出来なかったけど。

 

「ねぇ、虚さん」

 

霊夢ちゃんが何か言おうとしてたけど、その前に色々と話しておかないとね。

 

「髪の色、真っ白になってるから聞こうとしたんでしょ?こういう真っ白な髪の毛の時は由奈って呼んでほしいな」

 

「わかった。じゃあ、由奈。何故今から空を飛ぶ特訓なの?別に私は充分出来ると思うけど」

 

あーあ。言っちゃった。こういうの聞くとすぐ灰徒が調子に乗るんだから。

 

「ほーう?じゃあお前さんは、コイツを避けれるってんだな?」

 

「え?」

 

灰徒は手を振りかざすと。まるで迷宮のように弾幕を張り巡らし、途轍もない速さでこちらに寄せてくる。

 

「さぁ・・・訓練開始だ」




これを書いてたら不思議な力で何回か意識が飛びました。疲れてるんでしょうかね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第28話『迷宮突破』

テスト終わったドン!


《博麗神社周辺にて》

 

みなさんはじめまして。こうやってきちんと挨拶するのは初めてかな?由奈です。今は霊夢ちゃんを幻想郷で最強の存在にするって灰徒が言うから私も手伝ってるんだけど、彼ってすぐ調子に乗るんだよね。現に霊夢が『空ぐらい自由自在に飛べる』って言ったら空中に迷路形成して『この通りに最高速度で飛んでみろ』だってさ。そりゃ小回りは効いたほうが良いし、速いに越したことはないんだろうけど・・・何より完全に迷路の壁になってる弾幕の密度と威力が桁違いなんだよね。

 

「ねぇ灰徒。流石に特訓で死んじゃったらダメなんじゃない?」

 

「あァ?死なねぇ為に死ぬ気で特訓するんだよ。それにお前さんがすぐ復活させそうだしな」

 

「あはは・・・」

 

駄目だ。灰徒はこうなったら誰にも止められない。仕方ないから霊夢ちゃんにアドバイスしよっかな。優しめのやつ。灰徒は厳しい方を担当してくれてるみたいだし。

 

「ねえ霊夢ちゃん?」

 

「何?」

 

「霊夢ちゃんの能力って確か【空を飛ぶ程度の能力】だよね?」

 

「そうだけど」

 

「じゃあ、あの弾幕を飛んじゃえばいいんだよ」

 

「え・・・?あ、そっか」

 

よかった。何か思いついたみたい。灰徒の迷宮って結構ゴールまで時間かかるからそれまで持つかだけど。

 

「オイ!作戦会議は済んだか?」

 

「オッケーだよー」

 

「じゃあ・・・行くぞ」

 

迷宮がどんどん霊夢ちゃんに迫っていく。こうしてみると霊夢ちゃんが小さく見えるけど、錯覚だと思う。そうこうしているうちに、霊夢ちゃん目に見えない何かに包まれてるみたいに滑らかに、素早く迷宮を駆け抜ける。ボク()がやった時は30分もかかったのに、霊夢ちゃんは凄いや。やっぱり才能があるんだと思う。きっとそれを過信しすぎた結果なんだと思うんだ。この状況は。それと、不安な部分があるから先にそれを片付けておこう。

 

「ねぇ灰徒」

 

「なんだ」

 

「今回は迷宮を作り変えるのはナシね?」

 

「ハァ?なんでだ」

 

「流石に霊夢ちゃんの心が持たないよ」

 

「ヘッ。そうかい」

 

不安は除かれた。あとは君の努力次第だよ。頑張れ霊夢ちゃん。

 

 

ーーーーー数分後ーーーーー

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

「お疲れ様〜。はいお水。しっかり水分摂ってね〜」

 

「ありがとう・・・」

 

結果は2分。被弾はナシ。灰徒は不服そうな顔してたけど、やっぱり最初はこんなもんだよ。

 

「ほら。灰徒もちゃんと飲まないと干上がるよ?」

 

「はいはい。お前さんは俺の母親かってんだ」

 

「あはは・・・」

 

さて、次からは灰徒のターンか。彼スパルタでもあるから霊夢ちゃんが泣かないか心配だな・・・




テストが終わったのと同時にネタがすっぽ抜けました。どうしましょ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第29話『タt・・・じゃなくて攻め』

テスト返されたドン!(前書きのネタ切れ)


《博麗神社周辺にて》

 

「よし霊夢。お前さんには兎に角弾を撃ちまくって貰う。由奈に当てられたら今回は終わりだ。わかったな?」

 

「ええ。でも、本当にいいの?」

 

「あァ?何がだ?」

 

「その・・・今由奈が貴方に殺気を向けてるけど」

 

流石は霊夢ちゃん。よく私の小さくした殺気を理解できたね。どうも皆さん。由奈です。何故私が灰徒に殺気を向けてるのかというと、彼は私を的にして霊夢ちゃんに撃たせるつもりだからです。そりゃ私も灰徒の癪に触ることはしたよ。でも報復でここまでするとは思わなかったんだよ。だって今の霊夢ちゃんの弾幕のスピードと威力は灰徒の訓練で段違いに上がってるんだし。

 

「あの〜、灰徒?謝るからそれはやめてくれると助かr」

 

「知るかバァカ。ほらやっちまえ霊夢!訓練開始だ!」

 

灰徒がそんなこと言いながら地獄の業火を連発する。絶対根に持ってるやつだこれ。でも私も疲れてるから、そろそろボク()に代わってもらおっと。

 

(や〜だ〜!霊夢ちゃんと戦いたくな〜い〜!)

 

(そんなこと言われても・・・私も疲れたよ)

 

(え〜?どうしても出なきゃダメ?)

 

(お願い!)

 

(じゃあ戻ったらおっぱい揉み揉みさせて!はい決定!行ってくる!)

 

(うわぁ・・・)

 

よっしゃやったるぞ!(由奈)のおっぱいのために!

 

【何者でもない程度の能力】

 

まぁ、変わった瞬間髪の色が一気に変わるから確実に灰徒にキレられるわけだけど・・・今回は対策済みだ!何故って?速すぎて目で追えないから絶対バレない!霊夢ちゃんも手当たり次第撃ってるみたいだし、大丈夫大丈夫!勝ったなこれは!

 

「にゃーっはっはっは!これでボクの勝tぶっ!!?」

 

痛い!めっちゃいきなり灰徒が悪質タックルしてきた!古いけど。

 

「なァにがテメェの勝ちじゃバカタレ!今だ霊夢!」

 

「ゑ?」

 

ボクが見た先には、超強力になった弾幕を撃つ霊夢ちゃんの姿があったとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《数分後》

 

「あ〜疲れた〜。灰徒も霊夢ちゃんも容赦なさすぎ〜」

 

「なんか、この人の性格が移ったみたいで・・・」

 

「確かにそうとも言える。お前さんはどうやら疲弊している時には人の影響をよく受けるらしい。注意しとかねえといずれ騙されるぞ」

 

はい。今ボクは見事に吹っ飛ばされて休憩中です。因みにおっぱいは揉み揉みできませんでした。ひどい!約束したのに!

 

(約束はしてn)

 

約束したのに!

 

(・・・じゃあ次勝ったら、その・・・させてあげるから)

 

よし。次は絶対勝つ。

 

「変なトコでやる気出してんじゃねえよ全く・・・」

 

なんか灰徒が言ってたけどまぁいっか。さて!ボクのバリタチテクを見せつけるためにも、次は確実に勝つとしますかな!




今日も終わったドン!(後書きもネタ切れ)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第30話『どこまでやれるかな?』

夏季課題に書いた作文が面白いからと言ってコンクールに出されることになりました。勿論清書しろと言ってきました。手が痛い。


《博麗神社周辺にて》

 

やっほー!皆のアイドル虚ちゃんだよ!今は霊夢ちゃんの攻撃を全部避けきることで精一杯だよ!何故なら全部避けたら由奈()のおっぱい揉み揉み出来る権利が貰えるからね!まぁ半分自分の身体なんだけど。それでも美少女のはなんとしてでも揉みたいんだよ〜!と、言うわけでもう能力使っちゃおっと。

 

【何者でもない程度の能力】

 

さて、今回は単純に避けることに専念したいからスピード重視だよね?スピード・・・う〜ん・・・あ。

 

「speeeeeeed!!」

 

いやぁ一回やりたかったんだよねvoltの超速ダッシュ!効果は短いけど灰徒の悪質タックルからは逃れられる!ボク天才!

 

「どうしたどうした霊夢ちゃん!?ぜ〜んぜん当たらないぞ〜?にゃはははは〜!」

 

まぁスピードが上がった分小回りが効かなくなるから注意しないといけないんだけどね。でも霊夢ちゃんの弾幕を避けることぐらいなら簡単だね。まだまだ修行がたりぬのう。ふぉっふぉっふぉ。

 

「ねぇ灰徒!ーーー」

 

「おう」

 

うわぁ。霊夢ちゃんと灰徒が作戦会議しちゃってるよ。絶対これでボクの勝率は50%ぐらい下がった。でも大丈夫!ボクのスピードはまだまだ上がる!まぁ能力の限界とか変わってるかもしれないから注意しないといけないけど。これ終わったら試してみよっと。では早速。

 

【何者でもない程度の能力(本日2回目)】

 

much rushを追加っと。止まった時にヤバイことになりそうだけど問題ないよね?うわ。流石に能力の使いすぎ&スピードの出し過ぎでクラクラする。でも知られたらマズイからハッタリでなんとかしよう。多分おバカな灰徒はひっかかるかな?

 

「やーいやーい!こっちは君達の動きがぜ〜んぶ見て取れるぞー!悔しかったらへなちょこな弾幕当ててみrへぶっ!?」

 

突然なんかにぶつかりました。何かと思ったら大理石でした。痛い。

 

「今だ!殺れ!」

 

うわぁ灰徒ってば無慈悲だなぁ。霊夢ちゃんも本気で撃ってきてるし。でもボクは諦めない!

 

【■■■もない程度の能力】

 

「・・・あれ?」

 

おかしいな。能力が発動できない。

 

「ちょっとタイム!能力使えない!」

 

「うるせぇえ!知らねえ!」

 

「ひどっ!?」

 

この後めちゃくちゃ蜂の巣にされました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《?????》

 

いやあやられちゃったよ由奈()ー!でも頑張ったよね?ボク頑張ったよね!

 

「うん。よく頑張ったよ。ゆっくり休んで」

 

わかった!じゃあおっp

 

「勝ってないからダメでーす」

 

意地悪!

 

「でも約束だもん。それじゃ、私出てくるから」

 

行ってらっしゃ〜い。

 

・・・ん?あ、どうも虚で〜す。今は精神世界にいるよ。めっちゃ快適だから此処で休憩したら灰徒から受けた傷も一種で元通り!いやぁ不思議だよね。んじゃ、後は向こう(現実)に出ていった由奈()に任せよっと。




頭も痛くなってきた・・・


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第31話『最終試験』

パソコン壊れたドン!(発狂)


《博麗神社周辺にて》

 

皆さんこんにちは。由奈です。最初は朝から3時間連続した霊夢ちゃんの訓練もようやく終わりそうです。長かったなぁ。

 

「よし実戦だ。由奈は霊夢に1発入れたら勝ちだ。逆に霊夢は由奈に30発入れろ。いいな?」

 

え?また私なの?そんなに根に持つタイプだとは思わなかったよ。それにしても私相手に30発は流石にパワーバランスがおかしいと思う。意外と灰徒ってそういうとこの計算できないのかな?まぁそこは置いといて、抗議しに行かなければ。

 

「ねぇ灰徒。30発は可哀想だから10発で勘弁してあげて?」

 

「やだね」

 

まさかの即答。でもよく考えてみれば霊夢ちゃんの弾幕は相当速いし正確だから30発でもいけるかもしれない。私って優しすぎるのかな?まぁいいや。

 

「じゃあ始めていい?」

 

「ああokだ。霊夢!準備は出来たか?」

 

「ええ!」

 

不意に霊夢ちゃんを見ると、完全に目に火がついていた。勿論比喩だけど。

 

「ではァ・・・始め!」

 

始まってしまったからには全力でいこう。

【何者でもない程度の能力】

一撃当てたらこっちの勝ちなら、必中必殺がいいよね?と、いうわけで。まずは黄金狂で霊夢ちゃんの背後に回った・・・けど即座に反応されて攻撃された。

 

「あれ!?」

 

「ッ!」

 

これで一回目。でも思った以上にまずい状況かもしれない。多分、今の霊夢ちゃんの反応速度だと黄金狂はまず使えないし、近付くだけでも一苦労だと思う。そこから攻撃と言っても避けられるだろうし・・・本当は使いたくなかったけど、やるしかないか。これで霊夢ちゃんの身体に何も起こらないといいけど。

 

「ごめんね霊夢ちゃん・・・《デス》」

 

「うぐっ・・・!?」

 

霊夢ちゃんが苦しんでるところを見るのは辛いけど、すぐ蘇生できるから許してもらおう・・・なんて思ってた。

 

「・・・」

 

「え?」

 

死なない。なんと霊夢ちゃんは即死する筈の魔法を喰らって死ななかった。そして次の瞬間、私は攻撃を受け続けてあっという間に30回を超えていた。何を言っているのかよくわからないと思うけど、私にもよくわからないんだ。これが霊夢ちゃんの力なのか、灰徒が何かしたのかもわからないけど、兎に角私が負けたことは事実。霊夢ちゃんは強くなったよ。

 

「オイ。何安らかに眠ろうとしてんだ由奈。起きろ」

 

「え?」

 

「起きろって言ってんだ」

 

「は〜い」

 

「ったくどいつもこいつも面倒くさい性格になりやがってよ・・・」

 

だってもう終わると思ったんだもん。いや、別に何がとは言えないけど。

 

 




因みに終盤のくだりは思いっきり1000字超えてると思ってましたが実際は超えてなかったので付け足したやつです。だって終わると思ったんだもん。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

いきなり番外篇『虚の暇つぶし』

リアルが忙しく投稿のことをすっかり忘れておりました。


《?????》

やぁやぁどうも!皆のアイドル虚ちゃんだよ!今は由奈が表に出てるからこっちは暇で暇でしょうがないんだよね。いや、別に此処精神世界だし何しようと勝手だけどさ?やっぱりR-18なことやろうとすればこの小説終わっちゃうしさ?どうしよっかなーって。まぁ、この世界の解説でもしてよっかな。さっきも言ったけど此処はボク達の精神世界だね。基本的に精神世界ってその人の性格やら何やらが色濃く出るらしいんだけど、ボク達の場合は精神世界そのものが能力みたいなもんだからこっちがなんにもないただの空間になっちゃうんだよね。しかもつい最近まで能力使いすぎると前世の記憶思い出して大パニックだったからね?いやぁ大変だったよ。主に由奈が。え?ボク?ボクは由奈に眠らせれてたからよくわかんないなー・・・あ。今「お前全然大変じゃねえじゃん」とか思ったやつ表出ろ。出れないけど。まぁいいや。暇だし幻想郷の今の様子でも見てこよっと。え?どうするのかって?幽体離脱って便利だよね。

 

【何者でもない程度の能力】

 

さて。今は多分博麗神社にいるだろうし・・・あ。昨日の紅魔館とかいう所に言ってみよっかな。んじゃ早速羽を・・・いや、幽体なんだからいらないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい。数十分そこらを飛び回ってやっと見つけました。いやぁ疲れた。んにしてもいつ見ても悪趣味な外観だこと。その割には内装は豪華だったけど。まぁいいや。取り敢えずフランちゃんを見つけよっかな?多分もう地下室には閉じ込められてないと思うけど。閉じ込められてたら内装反転させて姉ちゃんの方閉じ込めちゃうけど。

 

「お姉様ー!待って待ってー!」

 

「捕まえてごらんなさいフラン!」

 

お?外から仲睦まじい姉妹の会話が聞こえますぞ?追いかけっこでもしてるのかな?ボクも混ぜてもらいたいなぁ。幽体だから絶対捕まらないけどね。まぁいいや。窓から様子を見てみよっt

 

「妹様!それは流石n」

 

「禁忌【レーヴァテイン】!」

 

 

 

 

 

 

・・・はい?

 

 

 

 

いや、絶対今スペルカードとかいうの使ったよね?え?弾幕ごっこって姉妹でもやるの?あの下手すりゃ殺し合いになるやつを?ちょっと異常だと思います。まぁボクが見てきたのは結構イレギュラーなのかもしれないんだけどさ。とかなんとか言ってたら瓦礫が窓ガラス突き破ってきたし!絶対危険だ!主に周りの人が!ボク人じゃないけど。

 

「やったわね・・・神槍【スピア・ザ・グングニル】!」

 

駄目だこれ姉ちゃんの方・・・レミリアちゃんだったか。あの子までスペルカード使い始めたし一旦逃げよ。いやぁこうして思いっきり身体を動かして姉妹で遊ぶ(?)ようになったのも大きな前進かな。頑張れフランちゃん。ボクもこれから弾幕の雨を突っ切るのを頑張るからさ。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第32話『管理人vs魔王』

前回反省したかと思えばまたやってしまいました(土下座)。


《博麗神社にて》

ようお前さんら。灰徒だ。ついさっきまで由奈と霊夢を徹底的に強化するために特訓していたんだが、短時間で爆発的な強さをヤツは手に入れた。どうやら要領の良さと才能は十二分にあるらしい。逆にソレが原因で慢心してお遊びで満足していたんだろう。若しくは争い事は全てお遊びで解決する世界なのかココは?もしソウだとしたら相当平和ボケしてんな。まぁ、常に殺気立った世界よりかは幾らかマシだ。俺は確かに戦いや血は好きだが、毎日やってると飽きるんでね。それはさておき、今は神社で炬燵でリラックスしながら朝食代わりに蜜柑を頬張っている訳だが、さっきから訳わかんねえトコから変な視線を感じる。コレが虚の野郎が言ってた八雲とか言うヤツなのか?なら面白え。幻想郷の管理人とやらの実力を試す良い機会だ。だが、いつまでも異次元に引き篭もられてちゃラチが開かねえ。引き摺り出すか。ソウと決まりゃ話は早え。俺は背中からアノ忌々しい触手を生やし、ソイツで空間を裂いてやった。そしてそこに別の触手を突っ込んで中身を引っ張り出すと、女が出てきた。

 

「よう。人様の生活の様子を覗き見して楽しいか?管理人サンよ」

 

「・・・まさか、バレてたとは、思ってなかった、わ・・・」

 

傑作だなコリャ。俺の触手に巻かれて幻想郷の管理人サマが今にも気ぃ失いそうな顔してやがる。コノまま内臓破裂とかも楽しそうだが、神社を汚せば罰当たりになるからやめておこう。神なんざ幾らでも殺せるがな。ひとまず俺は触手を消し、女を降ろした・・・というより落とした。

 

「痛っ!?」

 

「ハハッ!ストーキングのツケが回ってきたんじゃねえのか?あ・・・あ?」

 

気が付くと俺の首には空間と空間の境目が触れていた。仮にコレで切られてもしたら俺の首から先は飛ぶな。やってくれるじゃねえか。

 

「何しにここへ来たの?千夜住 虚が絡んでいることには間違いなさそうだけど」

 

そう言うと思った。んにしても随分とご立腹だな。そこまでダメージを負うことが嫌いだったか。まぁいい。適当に挑発すればコウいうタイプは戦闘に持ってくだろう。ソウなりゃ俺の勝ちも同然だ。

 

「お前に話す必要性はないね。まぁ、俺に勝ったら教えてやらんでもない」

 

と言い終わらない内に俺の視界が一回転し、目の前に自分の身体が映った。コリャ首切られたな・・・許さん。

 

「幻想郷の敵意たりえる者はどんな者であっても排除する。ごめんなさいね?でも、貴方が悪いんだから」

 

ハッ。俺が完全に死んでると思ってやがる。まぁいい。如何に油断が命取りになるか教えてやるよ。俺は女が後ろを向いた隙を突いて首の断面から大量のパイルバンカーを射出した。本来は近接戦闘に使われる武器だが、俺なりのアレンジだ。そして見事に命中した。・・・いや、コイツ思ってたより弱くね?

 

「がは・・・!?」

 

「油断したなぁ幻想郷の管理人サンよぉ?首をぶった切ったのはいい判断だったが、どうせなら火口にでも沈めてみせろよ!まぁ、何があろうが俺は死なねえがな」

 

「貴方、一体何者!?」

 

「さぁな。俺にもわからん。詳しいことは千夜住に聞きな。アイツなら俺より良い答えを聞かせてくれるだろうよ。あ、そうそう。俺はアンタの実力がドンぐらいなのか知りたかっただけだ。別にココをぶっ壊そうとなんざ思っちゃいないさ。じゃあな」

 

あぁ。一気に喋ったから息があんま出来ねえな。ソノ辺で水でも飲んで家に帰るとするか。アレは家というより基地だがな。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第33話『湖にて襲撃されたんだが』

・・・すみませんでした(冷やし土下座)


《霧の湖にて》

ようお前さん方。灰徒だ。霊夢ん家の大家・・・アレは大家かどうが知らんが、兎に角強そうなヤツがいたんでちょっかいかけてたんだが、飽きたんで帰ることにした。だがその前に寄り道だ。丁度コノ世界に来てから設置した簡易的な基地の辺りに湖があってな。ソコから魚みてぇな匂いがするんで釣りに来た。そこまでは良かったんだが、とんでもねぇ霧の濃度だ。俺の経験だと霧っつーのは大抵ロクなもんがねぇ。例えばロンドンの霧からは相当際どい格好したナイフ持った殺人鬼の幼女が出てきたり、そうでないとしたら阿呆みてぇデカい左手から霧の刃飛ばすヤツが出てきたり、それ以外にも吸血鬼やらなんやらが死ぬほど出てくる。霊夢の戦闘能力を基準にするなら大したヤツは出てこねぇと思うが・・・油断は禁物だ。俺は右手で手刀を作り、そこに触手を這わせた。ひとまずはこれで対処できるだろう。そう思った矢先、予想は的中した。俺以外の存在を感じる。霧で前がほぼ見えねえが、その分視覚を抜いて四感で判別するまでだ。おそらく数は50かそこら。その中で一番強そうなヤツは・・・反応からして、ガキの人形レベルに小さい。俺がそう結論付けた瞬間、俺が判別した者はこちらに気付いたのか猛スピードでこちらに向かってきた。だが、無意味だ。霧に視界が覆われていても、触覚で霧の動きを感じて位置を割り出し、聴覚で敵の動きを聞き、嗅覚で敵の性質を知る。そして間合いに入った瞬間、最高速度で手刀を振り下ろした。

 

「ぎゃああ!?」

 

「・・・あ?」

 

一瞬悲鳴が聞こえたんで周囲を確認すると、そこには真っ二つになった氷の羽を持った妖精っぽいモノがあった。妖精と言えば能力は少なくとも人間よりは低かった筈。こんなヤツを警戒していたのか俺は。バカバカしい。さっさと帰るに限るぜ。

 

「待て!」

 

「チルノちゃんをよくもやってくれたな!」

 

ココでアクシデント発生だ。どうやらさっき叩き落とした妖精はココらで人気があったらしい。取り巻きみてぇなのがウヨウヨ出てきやがった。コンな雑魚どもには要はねぇ。消えてもらう。

【魔王】

 

「弱えヤツがガタガタぬかしてんじゃねえ!」

 

俺はそう叫び、背後から多面体のビットを展開する。それも一個や二個じゃねえ。百だ。ビットはゆっくりと回転しながら妖精どもに向けてテラフレアを放った。まぁ、流石にアレを喰らってマトモに生きてるヤツはコレまで虚以外に見た事がねぇ。死んだな。俺は確信し、さっさと湖を去った。あ?魚釣り?出直す。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第34話『ぅゎぁぅっろっょぃ』

ぅゎぁ(ネタ切れ)


《魔法の森周辺にて》

ようお前さんら。灰徒だ。昼辺りに基地周辺の湖に釣りでもしようかと思って行ったら妖精共に襲撃されてな。別に大した強さもねぇ連中だったが、釣りの最中に邪魔されちゃ困るんで、今対策を立てる為に基地へ戻ったところだ。内装はココらによくありそうな木造建築を採用させて貰ったよ。但し外装は難攻不落の要塞だがな。まぁ、今はソンな情報は重要じゃない。まず第一に、霧が邪魔だ。敵の位置さえわかれば葬り去れるから良いんだが、ソレができなきゃいつまでもあの鬱陶しい羽生やしたチビ共にピーピーピーピーと喚き立てられることになる。幸い霧レベルの水蒸気の塊なら竜巻かなんかで吹っ飛ばせるが、釣り上げる筈の魚まで巻き込んじまったら意味はない。ソレ以外にも方法は色々と考えたが、生憎俺が出来るのは霧が晴れるまで待つことしかなさそうだ。だが待つことは釣りの醍醐味だ。じっくりと獲物がかかるのを待つ。ソノ行程は水面に竿糸を垂らす前から始まっている。そして獲物への思いを馳せ、引っ掛かる寸前まで待ち、一気に釣り上げる。さて、お喋りはコレ位にして、霧が晴れたか見に行こうじゃねえか。一応、釣具以外にも必要そうな物は全部持っていく。

何があるかわからないからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《霧の湖にて》

「やぁ変態ロリコンリョナラー灰徒!白昼堂々妖精さんを蹂躙したんだって?」

 

 

 

 

 

ど う し て こ う な っ た。

 

 

 

 

 

待て。何故ココに奴がいる?アンな妖精野郎共とコイツに何の関係があるんだ?というかロリコンじゃねえし。

 

「テメェには関係ねぇ!さっさとどきな。俺は釣りをするんだ」

 

「にゃるほどにゃるほど〜?今度は湖の底にいる幼女を釣り上げて竿(意味深)で色んなことしちゃうんだ流石ロリコン鬼畜リョナラー灰徒!」

 

コイツ・・・さっきから言わせておけば根も歯もねぇことしか言わねえ。俺は純粋な釣りを楽しみに来たというのに始める前にとんでもねぇ大物が掛かっちまったよ。なら火炙りが得策だよな。

 

【魔王】

 

「殺れ!バハムート零式!」

 

俺が叫ぶと、背後から超巨大な龍が姿を現す。機械的な6枚の翼と2本の金色の角。バハムート零式だ。後は察しの良いお前さんらならわかると思うが・・・まぁ、簡単に言えばバハムート零式に星一つ消し飛ばすレーザーを発射させた。勿論虚だけに向けて放ったから魚は無事だ。遅かれ早かれ消える命だが、どうせなら俺がソノ命を奪ってやりたいからな。さて、邪魔者も消えたことだし、夜にはなっちまったが、釣りを始めるとするかな・・・

 

「いやー危なかった危なかった!死ぬかと思ったよ灰徒!」

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

 

 

 

何故だ。何故奴はまだ生きている。星を壊滅させる威力を持ったバハムート零式の攻撃を受けて、なぜ生きている!?

 

「残念だったけど、ボクには心強い円卓の騎士達がいるのさ!」

 

そう言った奴の後ろにいたのは、12体の鎧を纏った巨人だった。

 

「ふざけんなよ・・・横暴だろ!?このチート野郎!」

 

「チートがチートにチートって言うなし!」

 

かくして、俺の釣りは台無しとなった。マジで許さんぞ虚。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。