夕立のヤンデレに挑戦しただけ (生活リズム)
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夕立のヤンデレに挑戦しただけ

あらすじ通りです。
艦これ本編とは若干違う部分があるかもしれません。


提督というものは厄介なものだ。

執務は良い。元々私はそういう事が苦にならない性分である。寧ろ今では執務こそが私の心の拠り所だ。

問題なのは指揮だ。私なんぞが彼女たちの命を背負っていいのだろうか。この事は重く私にのしかかってくる。

出撃はもちろんのこと、演習や果ては日々のコミュニケーションまで、そのどれか一つを考えただけでも胃がキリキリと締め付けられる。どのどれか一つに不備があったらと思うと...。

ああ、もうダメだ。胃薬を飲まなければ。ああ、化学は素晴らしい。こいつがなければ今頃私は自殺していたに違いない。

何よりも彼女だ。私の胃痛の大きな原因である、夕立という名の彼女。美しい見た目をしていると思う。絹のような金髪、整った顔、赤い、紅い目。いわゆる美少女というやつだ。改になってからは少女らしさは薄くなって、大人っぽさが増したが。

性格の方も一般的に見れば良い子だと思う。スキンシップが過剰で、褒められるとオーバーに喜ぶ。忠実で、仲間思いで、何というかこう、忠犬いう言葉がふさわしい。

だから大抵の人間は彼女に欲望を抱くだろう。それでも私は彼女を好きになる事ができない。彼女が私に好意を持っているとしても、だ。

 

朝が来た。来てしまった。私の数少ない安らぎでもあった夜は終わり、無慈悲に太陽は登ってしまった。仕方がないので身支度をして着替えることにする。どうせ夕立が用意しているだろう。していなければ万々歳だ。

扉が開いて夕立が入って来た。今日こそはと期待していたのだが。

「提督さん、おはようっぽい!」

ああ、おはよう。

「着替え持ってきたっぽい。」

サンキュー。

「ゆーあーうぇるかむっぽい!」

...夕立。

「どうしたっぽい?」

毎度のことだが、私が着替えている時には部屋にいないでくれないか。

「どうして?」

私も一応男でね。着替えを見られるのは流石に恥ずかしい。

「そんなことなら大丈夫っぽい!提督さんと夕立の仲ならセーフっぽい!」

そうかい。

「そうっぽい!それじゃ、提督さん。夕立はお仕事に行ってくるっぽい!」

 

危なかった。彼女があのぽい口調ではなくなるのは怒っている時だ。彼女を怒らせたらどうなるかは私が一番よく知っている。かつてのことをもう一度繰り返すようなバカな真似はしない。してたまるものか。

 

朝食である。1日のスイッチを入れる大事な時間でもある。なので私は朝食を欠かしたことは一度もない。たとえ昼食と夕食を抜かそうともだ。夕立のお陰でそんなことはなくなったが。

食堂につくと時雨がいた。

「おはよう、提督」

 

時雨。夕立の姉妹艦であり、私とは適度な距離を保って接してくれる数少ない艦娘だ。彼女の存在は私の中でかなり大きい。

 

「今朝も夕立が...?」

ああ。

「ごめんね。僕が不甲斐ないばかりに。」

そんなことは無い。君のお陰で私は助かっている。礼を言いたいぐらいさ。

「ふふ、そう言ってくれたら嬉しいよ。」

いつだったからだろう。夕立がおかしくなってしまったのは。

いつからだろう。時雨の存在感が私の中で大きくなっていたのは。

いつからだろう。

 

間宮さんお手製の朝食は今日も絶品だった。




人気があったら続けると思います。(続けるとは言ってない)


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