皆の理想のICHIKA君 (いえーい)
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VSブリカス代表候補編

・自分の立場を自覚しろ
・試合前に訓練機を借りろ
・自分の武器を理解しろ


俺の名前は織斑一夏、趣味は家事、特技は剣道です。

大体そんな当たり障りのない自己紹介をした、我らがIS主人公。

担任が姉だったり、幼馴染と再会したり、なんやかんやで何時ものテンプレ。

そしていつものクラス代表選出、いつものように推薦される一夏君。

だがいつもと違って、彼は勢いよくビシッっと手を挙げた!

 

「異議あり!興味本位で物珍しさから素人を推薦するより、社会的、客観的に実力が認められている、代表候補生のオルコットさんの方がクラス代表に相応しいと思います!」

 

「あら!どうやら日本では女性よりも男性の方が見る目があるようですわね!」

 

一夏が推薦した瞬間、待ってました!と言わんばかりに立ち上がるオルコットさん。

そんなになりたいなら、自分で立候補しろよ、という視線が多数向けられるも、オルコットさんは華麗にスルー!

一夏ばかりが推薦されている間、日本の猿へのヘイトを貯めまくっていたブリカスも

当の一夏から推薦された瞬間、そんな思いも霧散霧消してドヤ顔である、チョロい。

当人たちのモチベーション的に、もうオルコットさんが代表でいいのでは?と言う気がしなくもないが

推薦した奴と立候補しない奴が悪いという、千冬先生の鶴の一声により「ならば決闘だ」という流れになった。

 

だがしかし、ちょっと待ってほしい、試験で一回ISを動かしただけの素人と、国家の庇護を受けて訓練しまくりの代表候補生、普通に考えて勝負になる訳が無い。

それでもやるからには全力だ、IS訓練頑張るぞい!

 

「と、いう訳で訓練機を借りたいのですが」

 

「訓練機は全て予約済みです・・・というか、一年はこの時期には貸出許可は出ないと通達があったと思うのですが」

 

借りれて当然!そんな顔で事務受付にやってきた一夏に対する無慈悲な正論!

何せこの日は入学初日、一年生は当然誰も実技訓練なんて受けていない!

若干女尊男卑の気がある受付嬢は、そんな奴らにISを貸し出せるかっての、馬鹿じゃないかコイツ?という顔を隠さなかった。

 

「話を聞いてなかったんですか?俺は来週には代表候補生と戦わなきゃいけないんですよ」

 

「聞いてましたよ、(無駄だと思うけど)頑張ってくださいね」

 

「訓練できなきゃ、頑張りようがないでしょう?ここで俺が負けたら、どうなるか解ってるんですか?」

 

「多分、クラス代表にはなれませんね」

 

だから何だよ、別にそれで人生が終わる訳ではなかろうに。

そんな適当な返事を返す受付嬢に、一夏ははぁ~っとクソデカため息を漏らした。

 

「あのさぁ・・・俺が誰だか解ってる?」

 

「一年一組の織斑一夏さんですよね」

 

「そうだよ、世界で唯一の男性操縦者で、ブリュンヒルデの弟だ、つまり・・・解るだろ?」

 

「解りません」

 

つまりどういう事だってばよ。

だから貸せ、と言いたいのは解るが、今のどこに訓練機を貸す理由があったのか。

 

「あぁもう!つまり、ここで俺が負けたりしたら、その弱みを突かれて研究だ解剖だの言いだす奴が出てくるかもしれないだろ!だから千冬姉の権力を使って、訓練機を一つ都合しろって言ってるんだよ!」

 

「はぁ・・・?」

 

何言ってんだコイツ?妄想逞しすぎない?こんな学園行事でもない、クラス内でのマウントの取り合いとか誰も気にしてないし

遅くても一月以内に専用機が与えられる身分の癖に、たかが一週間の使用権のためにそこまでする意味あんの?

完全に馬鹿を見る目になったウケツケ・ジョーの視線に耐えかねたのか、一夏はもういいと憤然冷めやらぬ様子で去っていった。

 

そして一週間後!

一夏は箒ちゃんと剣道の特訓をしつつ、並行してISの勉強も進めていた!

そして専用IS白式を試合当日搬入という舐めた真似をしてくれる倉持技研だが、ちょっと待ってほしい

むしろお前らこそなんでいきなり試合してんの?こっちは5月の学年別トーナメント

早くても、この翌週以降の代表戦が公式デビューだと思ってたんですけど?

そんな倉持の怒りをスルーしつつも白式に乗り込む一夏、一次移行は試合中で済ませろという無茶ぶりを受けつつもいざ出撃!

20数分に渡る回避の末に、セシリアのビット攻撃の癖を見抜いた一夏は

ティアーズ・ビットを次々と撃墜し、セシリアに肉薄!

だがこれは罠だ!セシリアが一夏を陥れるために仕組んだ罠だ!実弾型のティアーズビットを隠していたのがその証拠!

ミサイルが直撃!しかし、その時不思議な事が起こった!

白式が一次移行を果たし、シールドエネルギーが回復したのだ!

そして、白式に装備されていた特殊ブレードが、その真の姿を現す。

その名は雪片弐式!纏う輝きの名は零落白夜!織斑千冬を世界王者へと導いた、最強のワンオフアビリティーだ!

光の剣を高々と掲げた一夏は、アリーナ全域に向けて宣言した!

 

「この試合、棄権します!」

 

「はぁ!?」

 

ここからが本当の勝負だ!という展開になると思っていたセシリアもこれには驚愕!

そう!零落白夜の特殊能力とは、バリア無効化能力!

ISの安全神話の根拠であり、学生がミサイルやビームをスポーツ感覚でぶつけあうという

冷静に考えて頭おかしい行為の前提を完全にひっくり返す、素人に持たせちゃいけない武器なのである!

こんなん一本で戦えとか正気か?生徒を斬って加減を覚えろと?

開発者への抗議を胸に、一夏はピットへと帰って行った。

セシリアは一夏の冷静で的確な判断にメロメロになった、やったぜ。



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VS酢豚パンダ編

・チート機体を使って恥ずかしくないのか
・鈴の気持ちに気づかないのか
・ヒーロー気取りで出しゃばるんじゃない


クラス代表対抗戦!

それは学食スイーツ無料券と訓練機レンタル権を賭けた仁義なき戦い!

イレギュラーさえなければ、学年唯一の専用機持ち代表候補生のセシリア・オルコットが無双して全てを奪い去っていくはずだった

他クラスに配属された生徒からすれば、ふざけんなボケと言いたくなるような理不尽なイベントである!

だがしかし、今は違う!他のクラスの面々にも一筋の希望が差していた!

織斑一夏は零落白夜の危険性を訴え、武装の変更を要求するも

雪片には特殊なロックがかけられ、武装を追加・変更することが出来ないという。

ならば、機体そのものの変更を。

出来なければ、倉持と学園の安全管理に関する怠慢をマスコミに漏らすと訴えた結果

専用機が最新式の白式から、前世代機の打鉄へと変更されたのだ!

そして、強大な力に溺れない一夏の姿にメロメロになったオルコット代表候補生は

強い心と冷静な判断力を持つ一夏こそが代表に相応しいと、素人の彼を代表に推薦したのだ!チョロい!

 

「せっかくの最新型が、企業の思慮不足のせいでパァか・・・まぁ、あの仕様じゃ、どうせ勝ち抜ける気はしなかったけどさ」

 

「ですが、他のクラスの代表も、代表候補生や専用機持ちは居ません。有利な要素はなくなりましたが、不利な要素は増えていませんわ」

 

「うむ、代表戦ではこれからの努力や意気込みが勝負の決め手になるはずだ。男の見せ所だぞ、一夏」

 

機体や経験の差が無い分、純粋に己の力量だけが試されるのだ!

これから毎日放課後にアリーナを借りて、特訓特訓!また特訓!

そう決意を新たにする一組一同の前に、突如現れる謎の影!

 

「その情報!古いよ!」

 

彼女の名は鳳 鈴音!一夏の幼馴染である!小五からって幼馴染か?まぁとにかく付き合いは長い奴だ!

 

「鈴!お前鈴か!?なんでIS学園に!?」

 

「本当は学園に来る気は無かったんだけど、一夏がIS学園に入学するってニュースを見て、無理矢理転校させて貰ったの!一夏、私、中国の代表候補生になったのよ!専用機だって貰ったんだから!」

 

そういいながら、一夏に飛びつく鈴!一夏は鈴を抱きとめると、そのままの勢いでグルグルと回り始めた!

 

「そうか、俺のニュースを見て・・・別にもし俺が入学してなくても、IS学園に来てくれれば、しょっちゅう会えたんじゃ?俺の実家ここから近いし」

 

「え?あ、言われてみれば・・・」

 

鈴ちゃんはちょっと頭が残念だった!

 

「い、一夏、その娘は一体・・・?」

 

「お二人はどのような関係なのでしょうか?ずいぶんと親しいご様子ですが・・・」

 

一夏は割と平然とスキンシップを行う方だが、それにしても、これはちょっと積極的すぎた。

 

「俺と鈴の関係は、恋人・・・いや婚約者かな・・・」

 

「もうやだ一夏ったら!本当の事だからってそんな平然と!」

 

顔を真っ赤にしてキャーキャー叫ぶ鈴、それとは対照に、箒とセシリアの顔は真っ青だった!

そんな二人を無視して二人の惚気は続く!婚約に至った概要はこうだ!

 

『一夏・・・私の料理が上達したら、毎日酢豚を食べてくれる?』

『それはちょっと栄養バランスが偏るから勘弁して欲しいかな』

『そんな・・・』

『麻婆だったら毎日食べるよ、四川の人は毎日の活力を朝の麻婆で得ている(って中華一番で言ってた)し』

『じゃあ麻婆が上達したら・・・!』

『あぁ、結婚しよう!』

 

てな具合である。

 

惚気により完全に魂が抜けた箒とセシリア、彼女らが正気に戻った時には、既に放課後だった!

 

「ハッ!一夏はどこに行った!?」

 

「おりむーなら、リンリンと一緒にアリーナに行っちゃたよ~。『あんな敗北者より、私がISを教えてあげるから!』だって~」

 

「はぁ・・・はぁ・・・敗北者ですって?」

 

「貴様・・・取り消せよ!取り消せ!」

 

「えぇ~私に言われても~」

 

しかしながら、鈴ちゃんは敗北者宣言を取り消す事は無かった!

二人のイチャラブ・訓練フィールドは箒とセシリアを弾き飛ばし

クラス代表戦のその日まで、二人きりの猛特訓を続けたのである!

 

そして試合当日!それはそれ、これはこれ!鈴の猛攻に一切の加減無し!

恋人相手でも・・・いや、恋人だからこそ!試合の遺恨は残らないと信じて

全力で攻撃を繰り出していた!

一方の一夏!原作よりも機体の機動性が低い事に加え、銃がある事で下手に反撃の機会がある分

回避に集中しきれず、少しづつだが確実にエネルギーを減らされて行っていた!

このままでは、ジリ貧で確実に負ける!その瞬間、アリーナのバリアを突き破り

空から降り注ぐ謎のビーム!

 

無人機ゴーレムのエントリーだ!

 

鳴り響くアラーム!叫び惑う観客たち!試合は中止!生徒たちは即座に避難せよ!

 

「鈴!俺達も逃げるぞ!」

 

撤退を促す一夏!だが鈴はそれを拒否!何故なら彼女は国家代表候補生!

彼女は無責任で自分勝手な大人が嫌いだった。

ロクに義務も果たさない癖に、偉ぶるような人間にはなりたくなかった。

今、自分には国家代表候補生としての義務がある、専用機という力もある。

ならば、少しでも生徒たちが安全に避難できるよう、ここに留まり謎のISと戦わねば、自分はいったい何のためにISに乗っているのか!

 

一夏は鈴の決意に感動した、何を以てしても、彼女が退くことは無いと理解した。

 

「鈴・・・

 

 

わかった!じゃあ俺は先に避難するから、あとは頼んだぞ!

 

 

                                        」

 

なんという冷静で的確な判断力!自分が居ても足手纏いになる事を悟った一夏は、戦いを鈴に任せて

自らはスタコラサッサとピットへと逃げて行ったのだ!

身の程を弁えず救援に向かおうとして、千冬から突っ込みを受けたブリカス代表候補生とはエラい違いだ!流石主人公!さすしゅじ!

やっぱり一夏って素敵だわ!彼の聡明さにメロメロになった鈴ちゃんは、ラブラブパワー(ソロ)でゴーレムを粉砕した、やったぜ。



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さらばアザトイン編

解決策も無く時間稼ぎとか無いわ
自分で考えろ、人に頼るんじゃない



一年一組に転校生がやってきた!

貴公子然とした金髪少年シャルルと、スペックだけ抜き出せば完璧に踏み台オリ主の銀髪ロリっ子ラウラのコンビである!

そして銀髪オリ主は一夏に対して激おこプンプン丸だった!

一夏がテロリストに誘拐されたせいで、千冬が世界大会決勝戦を棄権する羽目になったからだ!

一夏も激おこだった!だって自分が誘拐されたのって、ドイツ軍の職務怠慢のせいじゃん!なんで世界大会にテロ屋が潜り込んでるんだよ!

 

それはそれとして、一夏のテンションはアゲアゲだった!

念願の男子との同室!一夏は別にホモではないが、ハーレム願望もないため

男が皆無の生活は結構きつかった!てかハーレム願望あっても多分キツイ!

 

だがしかし!その平穏?はあっさりと破られた!

自身の秘密を守ろうとしていたシャルルだが、一夏がこんなホモみたいな勢いでガンガン攻めて来るとは思っていなかった!

シャワーを浴びてるシャルルの元の容赦なく差し出される替えシャンプー!

なんでドアを開けるんだよ!男の裸なんか見るのも嫌だろ!お前ホモかよ!

そんな彼の思いを余所に、シャルルもといシャルロットの裸体は一夏の前に曝け出された!そう、シャルルの正体は男子ではなく女子だったのである!

 

「じ、実は朝起きたら突然女の子になってて・・・」

 

「ねーよ」

 

シャルロットの言い訳は即座に却下された!なんでだよ!一夏があさおんする時は皆喜んで受け入れるじゃん!

 

世の理不尽を嘆きながらシャルロットは自らの境遇を語りだした。

細かい事は原作かWikiでも読んでもらうとして、要は経歴詐称してスパイして来いって事である。

バレたら、詐称行為等の責任は全てシャルロットに押し付けられてブタ箱行き!人生終了のお知らせである。

 

シャルロットの話を聞いた一夏は熟考した。

どう考えても、一介の男子生徒の手に余る問題である。

シャルロットはフランスの国家代表候補生、健康診断を始めとした身体検査も受けているだろうから

普通に考えて、国家ぐるみの陰謀だ、自分が考えてどうこう出来る問題ではない。

IS学園には、そういった大人の汚い陰謀から生徒を守るため、あらゆる国家の干渉を受けないという特権があるが

それだって完璧な防壁では無い・・・例えば、シャルロットが何らかの理由で学費を払えなく成れば

彼女はIS学園の生徒ではなくなり、特権で守られる事もなくなってしまう。

一時しのぎにはなっても、相手が本気になれば、シャルロットをフランスに連れ戻すのは容易であろう。

 

ならば、頼れる大人、例えば姉である千冬に頼るか・・・いや駄目だ

こんな厄介ごとを人に押し付けようとするなんて、まともな人間のすることじゃない。

 

意を決した一夏は、メモ帳を手に電話へと向かった。

そこに記されていたのは、日本政府の役員から、もし自身の体質が問題で、ISに関する厄介ごとに巻き込まれた場合の窓口として提示された番号である。

 

「もしもし?織斑一夏ですが、フランスの国家ぐるみと思われる陰謀についてお話が・・・」

 

翌日!シャルロット・デュノアは誰にも知られずにIS学園から姿を消した!

一夏の冷静で的確な判断により、スパイ行為を目論んだフランス政府の陰謀は打ち砕かれたのだ!やったぜ。

 




いや時間稼ぎも人に頼るのも禁止とか言われると、マジで話の広げようがないわ。
通報しか選択肢ないですもん


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