英雄が人間なんて嘘だ! (AZAZERU)
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1話
皆さんはアニメや小説を見て、こう思ったことは無いだろうか?
゛コイツ重傷の癖になんで普通にしてられるんだよ?゛
゛なんでちょっと前まで一般人だったのにこんな適応できてるんだ?゛
と。
これはよくある転生ものの二次小説とかでも思うと思う。
もちろんこんな話をし始めたのには理由がある。
この度、インフレ&変態で有名なハイスクールDxDに転生致し申した。……不安しかない。
しかも
まあ自分の名前的に原作が近いわけじゃないみたいでよかったと思う。原作じゃ魔獣創造はレオナルドって子が持ってたからね。彼の最後には同情したなぁ。
ちなみに俺の名前は暫定的にナナシって名前にしてる。理由はアレだ、なんて言ったっけ……、アクセラさんみたいな感じの人のこと……!そうそうアルビノだ。それだったから捨てられちゃったわけよ。両親外国人っぽかった(俺は前世日本人)から宗教的に殺されるかもしれなかったけどよかったわ。あ、捨てられたのは滅茶苦茶自然豊かな山でした。
あと自分で選んだ転生特典やらなんやらで色々能力が高くなってるけどとりあえず生き残るために魔獣を創造しようと思います。やり方わからんけど神器は思いに応えるらしいので願ってればでいけると思う、多分、メイビー。……出来なかったら餓死か何かの獣に食われて死ぬんだろうなぁ。実感湧かないけど。
まあ結構簡単に創造出来たんですけどね。やっぱ2次元は偉大だった!ありがとう2次元、これからも頼りにしてます。
創造力が足りないのか、それとも神器の熟練度が足りないのかマネキンっぽいのになってしまったけど、母乳も出るし獣を撃退できる程度の力は付与できたみたいだ。力の方は1回寝起きした時に犬?の死体があったので確認できた。この時赤子の目の悪さに感謝したね!俺は前世が田舎だったから時々動物の死体も見たけどそんなにグロくないのばっかだったし。うっすら見えてた死体の周りの赤さ的に相当グロそうだったよ……。
あとは冷えたりしない様に温度調節の能力を持った布みたいな魔獣を作って温度変化で死なないようにもした。……さっき1回寝起きしたって言った時冗談抜きで寒くてやばかったからね。
そんでモグラもどきを作って穴掘って仮の住居を制作すれば、衣食住が一応用意できたので一安心ってところまで持っていけた。
そんなこんなで生き残れる準備も整ったし転生した時の回想でもしようかな?
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2話
あれは高校を卒業して社会人になった2週間目のことだった。その日の研修が終わって、未だ慣れないながらも疲れの溜まりがマシになっていたのがいけなかったのかもしれない。少し急げば定時より早い電車に乗れるので横断歩道が点滅してる時に、止まらず渡ろうとしたんだ。そしたらよくある信号無視で轢かれて死亡よ。親に申し訳なかったね、マジで。これから今まで世話になった分返していこうと思ってたのに、親より先に逝くっていう親不孝をしたんだから。
次に目を覚ましたのはなんかパソコンっぽいやつだけがポツンとある白い空間だった。で、当然調べるよね?2次元知ってたら。
調べると最初に、
《ここはランダムに選出された死者を転生させる空間です》
と出たので、゛こんな所でもデジタルになってんのか。゛と思いながら続きを読んでいく。
《この機材にて4つの特典を選択してください》
《また、転生先の世界はファンタジー系統の転生者の記憶にある世界からランダムに選ばれます》
そこから下は特典の一覧がズラっと出ていた。この時点で何某槍使いの小説っぽいな、と感動しながら制限時間があったりするか確認して、無かったので時間をかけてじっくり選んでいこうと思った。
初めに選んだのは何某槍使いをリスペクトして〈
次はよくある「光と闇が合わさって最強に見える」をするために〈
3つ目は結構真面目に〈
最後に直感で〈異神進成〉と選択。効果は神性の獲得と、進化、成長能力に異常補正、及びその効果の付与。また
そこまで入力し終えると、
《この特典は変更できません》
《本当によろしいですか?》
《はい/いいえ》
もちろんはいを選択する。すると、
《それでは世界を選出します》
《・・・》
《世界が決定しました》
《転生先はハイスクールDxDとなります》
《なお、転生する種族は人間の血が含まれる人型の内でランダムに決定されます》
《また、確率で世界特有の能力を獲得することができます》
《それでは良い来世をお祈りしております》
そこで機材が光を放ち意識は暗転した。
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3話
あとブレブレ楽しィィ!!
そんな感じで回想なんてしてみたものの出来る事なんて無いんだけどね。動けるならともかく今は目も不自由な赤子だからなぁ。多分特典のおかげで成長は早いと思うけど、それでも数日数週って速さで成長するわけじゃないだろうしね。出来る事といえば魔獣を作ることぐらいだと思う。転生した主人公が魔力とかをすぐに感じて修行する、なんて事がよくあるけどそんなすぐに出来たら苦労しないし、前世で気とか感じれる人だったらイけるのかもだけど生憎俺は空手をかじったことがあるインドアオタクだったからな。余計無理って話だよ。
考えてみたけどやっぱり魔獣作ることしか暇を潰せないので早速やっていこうと思う。ただ赤ん坊の時は直ぐに寝てまうからな、多分創る途中で寝て変なの出来そう(確信)。なので簡単なやつを創っていくぅ↑。
創っていくのはファンタジーの定番、つまりイメージがしやすいスライムにしようと思います。多分五感が発達してない関係でドラ〇エなスライムは無理だと思うからぐちょぐちょなスライムから創っていきます。
創った結果、予想よりはるかにドロドロの、もはや水たまりレベルのスライム?ができてしまった。ただその体のおかげで、吸収や蒸発させられる以外では死ぬことがないという、結構強い奴になってしまった。ちなみに攻撃手段は相手の内側に入り込んでパンッ、と弾けさせることである。ヤバい。
そんなグダグダした感じで色々創りながら暇を潰していた時に、そういえば特典の〈異神進成〉の異界常識を再現可能、ってなんなんだろうな?って思ったわけよ。他の特典は結構わかりやすいやつばっかりだったからな。
なので検証してみた結果、どうも異世界の常識というのか法則というのか、まあそんな感じのやつが再現できるみたいだった。例えばハイスクールDxDでは魔法は悪魔の力を解析したものらしい(嘘くさい)けど、俺はドラ〇エとかと〇るとかの呪文や魔術を使えるってわけよ!強くね?
いやぁ正直成長補正とかばっか気にしてたから嬉しい誤算だったわ。しかもこれ魔獣創造にも応用できるみたいだし、夢がひろがりんぐ。
そして悲報もあります。幽霊見えました。
急にどうしたって思ったと思うけど聞いてくれ。特典の成長補正が多重で掛かってるからかもう(意識が復活して3日目)目が見えてきたんだよ。そんでスライム見て感想持ってたらさっき言った殺し方してたんだ。で、死んだそれからふっと出てきたわけよ!しかも直ぐに昇天するわけじゃないみたいだし。コワイ。俺そういうの信じる人だったからなぁ。·····でもずっと見えるってことは多分意外と早くなれると思う。俺はそういう奴ダ!
そろそろ眠くなってきたな。成長補正あるとはいえはよ寝た方がいいよな、うん。
··········zZZZ。
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4話
転生してから1年ぐらい経った。曖昧なのは森から出なかったのと不定期に寝ていたから何日経ったのか分からなかったからだ。
あれから結構体も成長して大体だけど8歳(130cm)ぐらいまで成長した。身体能力も爆上がりで垂直跳びで5mぐらいまで跳べる。魔獣創造とかの魔的能力も(それ以外することがないので)頑張っていたおかげか軽く魔力投げるだけで山を消せるレベルだと思う·····、怖くて試してないけど。
これ出来るようになって思ったのは、やっぱ主人公勢ってまともじゃないわって事なんだよ。だってリアスは山に結構被害出そうだって分かっていて一誠に魔力撃たせたし、一誠も一誠で威力が分かってないとしても山(自然)にブッパはおかしいって気付けよ!せめて空だろ!ってことでした。周りも止めてなかったから同罪だ仕方ないネ。この事で、俺はそうならんことを俺に誓ったね!
後はなんか魔獣創りすぎて森が異界化した事が大きな出来事かな?
異界化って言っても原作の裏京都みたいに別位相に出来た森を元にした空間に俺に関係した奴が移ってしまった、って感じかな?ちなみに分かった理由は目が見えるようになって使えるようになった鑑定能力のおかげだったよ。これ便利だわぁ、分からんかったこといっぱい分かるようになったし!
それ以外は特に何も無いんだよね、ホントに。異界化してからは森に侵入してくるやつもいないし、まだ俺はこの森から抜ける気もないし。
あ、そういえば最近はもう魔獣を
·····そういえば今っていつの時代なんだろうか?神器がある時点で三大勢力の戦争は終わってるだろうけど、原作からどれぐらい前なのか知りたい。·····戦いたくは無いけど状況を知ってないと対策も取れないからな。確かヤベー奴筆頭のオーフィスは結構前からグレートレッドを倒そうと動いていたはずだけど、まあ俺のとこには戦力的に来ないだろうから放置でいいかな。
うーん、わからん。偵察で魔獣を何体か放ってみるか。自分からは襲わないように言い付けていれば問題も起こさないでしょ(慢心)。見た目もそんな凶悪そうな奴にはしないしね。
さぁて、今は何時なのかねぇ?
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5話
結果としては、結構昔だと思う。とりあえず日本を探してどんな状況かで時代を見ようとしてたらまだ鎖国中ぽかったので、多分200〜300年ぐらい前だと思うんだよ。原作は確か2015年ぐらいだったと思う。·····多分、きっと、メイビー?
なので特に何をする訳でもなく過ごせそうだ。もう最近は同じ感じの日常が続いてる。前世にはなかった魔力や魔法を使って楽しんでたけど、それも飽きてきた。でも森は出たくないんだよなぁ、この自由な引きこもり生活を続けていたいし。まあ飽きたって言ってもあと1年ぐらいなら続けられそうだからまた魔獣を創りながら過ごしていようかな·····。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
外の時代を確認してから1年ぐらいすぎてそろそろ出てみようかなって思い始めていた時に、アレが来たんだ。
「ここが噂のダンジョンか?」
そう言ってアレは堂々と俺の世界に入って来やがった。見た目は赤毛で気の強そうな男だった。俺もかじったことしかないからハッキリとは言えないけど、多分武術を学んでるようなやつじゃないと思う。
「どーも普通の森にしか見えねぇな、しょうもねえ。早く魔獣っつったか?来ねぇかなぁ、ぶっ殺してやるからよぉ!」
何時からか知らないがここの事が外にバレていたらしい。確かに時々異界の外に出ていく魔獣もいたから、それでバレたのかもしれないけど、それなら元の森に行くはずだ。
「にしても陰気な場所だな!ここの場所を教えてた魔法使いの爺は危険だなんだって言ってたけど、俺にかかれば魔獣とやらもどうってことねぇしなぁ?」
まさか自分から情報を出してくれるとは思わなかった。確かに魔法使いならここの場所に勘づいてもおかしくはない。……おかしくはないだけで怪しくはあるのだが。ホントにそいつはただの魔法使いか?あとコイツ油断しすぎだろ。
ちなみに魔獣には外層(異界は外から外層、中層、深層、最奥と分けて呼んでいる)の中程付近まで下がるように言いつけてあるので、まだ出会っていないだけである。まあ気づけというのも酷か、と自分でも思う。
「しっかし来たはいいが魔獣もいねぇし、爺が言ってた"主"って奴もいねぇ。もし嘘だったらどうしてくれようか。ブツブツ……」
なんか他にもぶつくさ言っているがそんな事はどうでもいい。この場所がバレてるだけじゃなくて俺がバレてるだとッ。……いや、決めつけるのはまだ早い。もしかしたらココの魔獣のどいつかをそう認識してるだけかもしれない。…正直コイツからもっと情報が取れそうだけど、もうすぐ魔獣達がいる付近に辿り着く。ココで自然発生した魔獣は基本的に食物連鎖、つまり自然な形でいることを尊重しているので、今回のように命令することは珍しい。ただコイツは特に強そうには見えないので何かしら命令しようとは思っていない。
「……お?やっとか。パッと見た感じは普通の犬っぽいけどどうなんだろうな…。ま、さっさとぶち殺すかね。」
やっぱりコイツ危機感が薄いな。なんでこんなに自信を持ってるか知らないが早く死んで欲しいな……、あ。
「
……なるほどな、神器か。しかも赤龍帝とは。面倒なやつが来たな。まあ白龍皇よりはマシかもしれんな。…いや一緒か。ちょっと危ないかもしれないから強いやつを応援に出すか。
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6話
どの子を応援に出そうかな?外層は群れで行動する魔獣がほとんどだから数でなぶり殺す統率系能力持ちの子を送ろうかな?それとも単独でぶち殺せる単体最強系の子にしようかな?どっちも送ってもいいけど今の生態系がなぁ、壊れそうだ。
……よし、単体最強系の子にしよう。そうと決まれば ど の 子 が い い か な っと。
……決めた、今襲われてる狼系の子にしよう、外層出身の。
早速連絡しよう……。
"ああ、来てたヤツが神器持ちで赤龍帝だったんだ。……うん、行ってくれないか?ありがと。どうも強そうに見えないけど油断はしないようにね。……わかってるって、一応だよ。じゃあ頼んだ。"
多分大丈夫だろうけど少し心配だなぁ。
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「ハッハァッ!雑魚共が死に晒せやゴラァ!」
この異界への侵入者である彼はやっと出会った魔獣に対して観察もせずに攻撃を繰り出していた。その様子からは自身が負けるはずがないという自信が溢れ出ていた。
「ハァー、やっと見つけた獲物が雑魚だとはテンション下がるぜ。もっと強ぇのか主とやらが出てこねぇかなぁ?そしたらそいつもぶっ殺してやるのによ!ギャハハッ!」
未だ異界の中にいるというのにまるで警戒した様子を見せない彼がこうなったのは必然だったのだろう。
「ハハハッ、そんじゃもっと奥に行っtボト……、ハァ?」
彼は何かが足下に落ちた音と急に右手の辺りが軽くなったことに疑問の声をあげ、下を見た。
そこにあったのは、肘から先が無くなった腕と、見覚えがありすぎる地面に落ちている手であった。
「……ッ、ガァァアアアアァァアァア!?!?」
それを認識した彼は獣の叫びのような悲鳴をあげ右腕を抑えながらその場に
しかし、その痛みを脂汗を浮かばせながらも無視した彼は、状況を確認しようと周りを見渡した。
するとすぐ先程までいなかったはずの体長3メートル程の、口元を血で赤く濡らした茶色い毛色の狼がいた。その狼は大きな傷を与えたというのに油断することなくこちらを観察していた。
(クソがッ、どうする……この状態で俺が勝てる相手か?接近されたことに全く気が付かなかったのに?……この俺がッ、こんな所でッ)
「こんな所で死んでたまるか!俺はまだ死ねない、まだまだやりたい事があるッ!そうだ、死ねない、死ねないんだッ」
意外にも狼は彼が再び立つのを待っていた。その眼はなんの感情も浮かばせず、ただじっと彼を見詰めながら待っていた。
「……グッ、なんで何もしなかったのかは知らねえが、俺が生きる残る為に、死に物狂いで、俺はお前を殺すッ!
「グルルッ、ウォォォォン!」
その言葉へ返事のような遠吠えを発した後、狼は動き出した。
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7話
戦闘回終了。
先に動いたのは狼の方であった。
狼はその圧倒的俊敏性によりその場を離脱し、野生の経験を元に姿を隠し一撃離脱を繰り返す戦法のようだ。
侵入者にして赤龍帝である彼は腕を失った痛みに喘ぎながらも、姿を隠した狼を見つけるために全神経を集中させて警戒していた。そして落とされた失った腕を器用に足で蹴り上げ、左手で取り右腕にくっ付けた。どうやら倍加の力で再生力を底上げしたようだ。完全にとはいえないが腕を取り戻した彼は
そこからは持久戦であった。
野生の獣は基本的に獲物が油断するをじっと待ち、した瞬間に全力で狩りに行く。この狼も同じように、彼が気を緩めるまで隠れ、時に脅し、精神を疲弊させる。
そのようなことを知らない彼は、いくら警戒しても風の音や
どちらも容易には動かない、動けないといった状況の中で先にシビレを切らしたのは侵入者の彼だった。
「クソがッ、何処にいやがるッ!?隠れてないで出てこいよ!出てこないっていうならここら一帯吹き飛ばしてやるッ!!」
未だ僅かにしか時間が経っていないというのに彼がヤケを起こしたのは、彼が今まで神器に頼って戦ってきた者だったからだ。武人は相手の出方を読み、潰し、誘い込むといった心理戦もこなすが、彼にそんな経験はなく、ほとんどの場合倍加に頼った蹂躙であった。
故に追い詰められてきた思考は、今までと同じように力押ししか考えられなくなっていたのだ。
もちろん一帯を吹き飛ばす程の大技にはタメが必要で、狩人たる狼はその隙を逃さない。
完全に死角となっていた上空から、音もなく彼の首を噛みちぎろうと強襲した。
が、どうやらそれは彼の作戦通りだったようだ。
「引っかかったなこの野良犬がッ!」
狼が上空から飛来してくることは予想外だったが、死角から攻撃してくるだろう、と彼は考えていたのだ。だからこそやる気もない大技を出し、隙を作った。
しかし先程言ったように彼は駆け引きに慣れていない。そのことを作戦を考えている間に自覚した彼は、このように思った。
だからこそこの攻撃は自爆に近かった。
狼が自身へ攻撃を届かせる前に倍加によって大きく上昇した魔力を指向性を持たせず爆発させたのだ。
だが野生を生きる狼は、彼が狼を罵る前にそのことを察知し、回避行動を起こした。
結果、ほぼ無傷で攻撃を躱した狼はしかし彼を見失っていた。それは、砂煙で視覚嗅覚が使えないことも理由ではあるが、それ以上にもう近くに彼がいないという証明でもあった。彼程度の実力では狼の察知能力から逃れることは
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「ふッ、ふッ、ふッ、……ふぅぅぅ。なんとか生き残ったッ!」
彼は、彼にここのことを教えた魔法使いから緊急用に、転移で異界の端へ飛ぶことが可能な転移札を渡されていた。貴重な転移札を渡されていた理由は、今回の依頼が内部の調査だったからであった。
つまり彼は依頼内容と忠告を無視して行動していたのだ。その結果、異界内部をロクに調査しておらず、このまま帰ったとしても何も報告できなかっただろう。
「クソがッ、とんだ災難だったぜ……。早く宿に帰って女で遊ぶかな……ッ、?」
彼は気づいていなかった。たとえ気づいたとしても同じように油断していただろうが。
この異界で、
その油断と不注意のツケが彼の命をもって払われた。
それは美しい鳥であった。鮮やかな緑色をした蒼い瞳を持つ小鳥だ。
普段であれば黄色い嘴は、今は紅く染まっている。
彼の心臓を突き穿ったが故であった。
「ガバッ、グブッ、バ、カなッ、こ、こんな、所で、死にたくッ、ねぇッ!
俺は、まだ、やりゴフッ、だいが、あるんだッ……!」
膝をつき、穿たれた胸から血を垂れ流す、もうすぐ息絶えるだろうその姿を、鳥は感情を浮かばせた目で見ていた。
それは食欲であった。
それは達成感であった。
そして何よりも……、歓喜であった。
この鳥は、異界の主であるナナシの目として彼を監視していたのだ。そしてもし、彼が狼から逃げる、または狼を倒すことがあれば彼を殺すように命令されていた。その命令を完遂し、これで主に褒めて頂くことができる!ついでに食料ゲット!っと喜んでいるのだ。
「嫌、嫌だ。こんな、こんな終わりなんて……ぃ……ゃ……」
「ピヨピヨ、ピ、ピヨッ!」
彼が完全ぬ息絶えたことを確認した小鳥は、その体躯に見合わぬ力で彼の死体を持ち上げ飛び去って行った。
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8話
この間に4話ぐらい投稿したいなぁ
……やっぱり人型のヤツを殺した後味は悪いな。
別の後悔してるわけじゃない。
それでも自分が生きる為に、つまり食料とか縄張り争いとか以外で殺すのは……なんだかな、心にしこりが残るというか、な。
たぶん転生前なら殺したのを見た時に吐いてたかもしれないけど、特典と野生生活のおかげでそういうのには慣れた。ついでに前世では死ぬほど嫌いだった虫も普通になった(白目)。
話がそれた。
結論だけ言えば、気分が悪い、でも後悔はしてない!って感じかな。さっきも言ったみたいにもっといいやり方があるんだろうけど、特典で頭が良くなったって考え方が変わるわけじゃないから俺じゃこれが限界だ…。
……さて、そんなことより
……来たな、おかえり
「ピヨピヨ」
ああ、ありがとう。偶然とはいえ、これで赤龍帝の因子が手に入ったから龍/竜を創る時にできることが増える。
それじゃご褒美だ、何が欲しい?
「ピヨ、ピッピヨ」
そうか、名前か。うーむ、簡単なのでもいいか?俺にネーミングセンスはないからな。
「ピッ」
そか、じゃあ……翡翠とミドリどっちがいい?
「……ピヨッピ!」
わかった、これからお前は翡翠だ。
よし、これですることはなくなったな。
今回のことを反省して、とかいってなんか対策取れればいいんだけど、どうすればいいのかわっかんねぇんだよなぁ。異界の壁を作ればいいのか?でもそれすると魔獣が外に出れなくなるし、出れたとしても帰ってくるのが難しくなる……、却下だな。
判別とか出来るといいけどそんなこと俺には(まだ)無理だし、どうしよ。
……とりあえず放置でいいか。原作の赤龍帝とかの
アイツ程度の奴らなら中層の子達で蹂躙できるから問題なし。
……それでも怖いから真面目に修行でもしようかな。特典の力を重点的に使って殺されないように、もっといえば痛い思いをしないようになろう。
……わからないことも多かったし、ちゃんと調べないといけないし。
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9話
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
真面目に修行し始めて(正確にはわからないけど)3年ぐらい経った。
ほぼほぼ特典も使いこなせてきたし、
……よく
……まあ俺も人のこと言えるような奴じゃないんだけどさ。特典だって貰ったし、正直痛いし苦しい修行もしたけど何回かで痛覚遮断出来るようになったし。怪我だって一番ヤバイので両腕骨折と全身に裂傷を負った(この時には痛覚遮断は出来るようになってた)ぐらいで、命を失いそうになったことは無いし。
それでも禁手になるのに大体5年ぐらいかかってるんだぜ?
……やっぱ
でも
まあさっき例に出したサイラオーグとかの、マジで運に関係せず自力で殺してくる強者には勝てないかもしれないけど、それもハマれば殺せる。
慢心かもしれないけど、俺はどいつだって
例 え
ま、カッコつけたところで殺す覚悟が決まるまでなんも出来ないんだけどね!ビビリだから仕方ないネ。
そんで、修行中に次何するか考えてたんだけど、前に侵入してきた赤龍帝から因子を捕ったみたいに、他の因子も集めに行こうかなって思ってんだ。
理由は色々できるようになるからかな。
例えば、因子が増えればそれをわざわざ一から造らなくても良くなるから、時短と魔力体力の節約になる。
他にも単純に創れるモノが増えるっていうのもある。
まだ他にもあるけどそんな感じで集めようかなって。
もちろん俺は戦わないよ?バレないように剥ぎ取ったり、バレないように毟り取ったり、バレちゃっても抉り取ったり。
……うん、まあそんな感じで極力バレないようにして、バレたら取って逃げるって感じかな。
そういえば滅んだ奴でもこの世界じゃ魂で生きてるんだよな、確か。邪龍とかが特にそうだって書いてあった希ガス。うーん、覚えてない。特典の効果はこっちに来てからの分しか発揮できてないから、一回でも思い出してたら覚えてられたんだけどな。
そんな訳でこっちに生まれて初めての外に
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10話
令和に突入しましたね!
字数少ないっす。申し訳ないです
バトルに行きたい!論破したい!ミョルニルかわいい
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あれから100年ぐらいたった。回想はしない。
正直こんなにやばくなるとか思わなかった。考えてた以上にバレるし、直ぐに攻撃されるし(当然)、あと二つ名が【盗人】になってしまった(涙目)。
いや悪いことしたと思うけどさ!実物は盗ってないじゃん!因子だけじゃん!それがあれば創れるけども!
まあいい、それよりも聞いてくれよ。自分でも誰に言ってるかわからんけど聞いてくれ。
とりあえず自分が思いつく限りの因子を収集し終えた。これが早いといえばいいのか、遅いといえばいいのか。俺的には遅かった!感覚普通の人だから仕方ないネ。
取りに行った中でフェンリルとかの因子を取りに行く時めっちゃ怖かったんだけど!
アイツらって獣らしい速さがあるクセして神速(移動時間の短縮能力)も使ってくるからな。牙とか爪も超強いし。俺じゃなけりゃ喰われてたね!
逃げ方は簡単、初めに周りを闇で包みます。この闇は概念的な効果を持たしているので知覚能力をほぼ封じることができます。もちろん俺はわかる。そこに光をぶち込むと、はい完璧。
こんな感じでトンズラこくのが基本的逃走方法だった。闇に包む前に爪で脇腹を切られたけどね!(泣)
痛覚切ってなかったから泣き叫びそうになったよ、マジで。
あとは主神クラスの奴らもこっちに気づいてたのが多かったけど、そこは交渉かスキをついて取るか普通にくれるかだった。普通にくれた神にはお礼の品を持っていったわ。
まあそんな感じで収集終わったからやりたかった事をやり始めようと思います!
やりたかった事っていうのは、俺自身の進化?みたいなことなんだよね。俺って因子集めたじゃん?それを俺にぶち込むじゃん?
つまり切り札が増える。切り札が増えると危険が減る。危険が減ると精神的に余裕ができる。
完 璧 じ ゃ な い か !
ちなみに因子のおかげで武具も創れるようになったぜ!これを
なので原作が始まるであろう100年後まで、適合と制作なんかで時間を潰していこうと思います。
……魔剣に殺されたりしないよね?よく考えたら俺やばいかもしれない?……いや、とりあえず夢にまで見た魔剣を創るのだッ!
……死にそうになったら逃げよう。うん、そうしよう。
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11話
四度目は嫌な死属性魔術師が面白くて
次戦闘回(主人公はしない)です!
期待せずに待っていてください(白目)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
……最近時間が過ぎるのが早い気がする。気の所為だろうか?
いや、そんな事より、今、生きていることが嬉しいッ!
あの後苦労して魔剣や魔獣を創って、自分の切り札を完成させようとして自我が消えかけて、なんとか戻ってこれたら体が死にかけてて……。
……まあ何とかなったから生きてる。今までで一番死ぬかと思った、冗談抜きで。
あ、ちなみに死ぬかもとか思ってた魔剣には特に嫌われたり、殺されたりはしなかった。きちんと
そんなこんなでそろそろ原作らへんだと思うんだけどそうなんだろう?一応駒王町はあったし、
·····確か
で、そいつはいい悪魔で領地経営をちゃんとやってたけど、教会の戦士の·····八重垣!八重垣正臣と恋仲になって粛清されるはず。
·····いい奴らっぽいから助けたいなぁ、悪魔に嫌がらせできるし。粛清される理由が他にあったはずだけどなんだったか忘れちゃったんだよな。
とりま行って、生きてたら助けるように動けばいいか!うん、そうしよ。
そうと決まれば異界を意識的に
よぉし、何某魔法少女の代名詞!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこは普段であれば穏やかで静かな時が流れる教会であった。
しかし、今はそのような雰囲気はなく。むしろ血生臭く激しい戦いが巻き起こっていた。
戦っているのはどちらも教会の戦士である八重垣正臣と紫藤トウジだ。彼らはお互いの譲れないもののために戦っているのだ。
八重垣正臣は愛しい
紫藤トウジは
今優勢なのは紫藤トウジであった。
元から技量が上であることに加え、八重垣正臣は、重傷を負い一刻も早い治療が必要な
それでも戦えているのは、自身が死ねばクレーリアは助からないという確信があるが故の、絶対不変の覚悟であった。
焦りはある。心は乱れ、剣先は鈍り、体に傷を負う。それでも、
まだだ、勝つのは俺だ。
たとえどれほど傷を負おうとも、たとえ体の力が抜けようとも。
最 後 に 勝 つ の は 俺 な の だ と
その粘り用に紫藤トウジの心は揺れていく。
彼はこの任務にあまり乗り気ではなかった。それは八重垣正臣がよき後輩であり、その人となりを知るが故にであった。更にいえば今回の作戦には悪魔と協力もするという話ではないか。それでも自身の信仰のために任務を受け、しかし任務が終了すれば現役から降りようと決めていた。
初めから不安定であった心は、彼の意志を見続ける度に揺れる。
私行っていることは本当に正しいのか?
悪魔と協力など神は本当に認めたのか?
彼を殺して何になるというのだ?
揺れる心は剣に現れ、
そんな膠着状態に陥っている中、何かが割れるような音が教会に響いた
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12話
アンケートにご協力お願いします。
お互いに注意しながら音のした方へ意識を向けると、何も無い空間に亀裂が入っていた。
その異常事態にどちらも動きが止まってしまう。
その間にも空間のヒビは広がっていき、一際大きな音とともに砕け散った。その先にはなんとも形容しがたい景色が広がっていた。
しかし、変化はそれまでであった。何かが出てくるだとか、吸い込まれてしまうだとかはなく、ただそこにあるだけ。
そんな中、先に正気に戻ったのは
彼はいまだ固まっている紫藤トウジに一切の容赦なく攻撃を再開した。
眼前に八重垣正臣が迫ってきたことでやっと意識が動き出した紫藤トウジは、反射的に防御しようとした。
結果、防御自体は成功したものの体制を崩し、流れは完全に八重垣正臣へ傾いた。
しかも
しかし、それでも紫藤トウジを押し切れない。確かに流れは彼に向いた。調子も良くなり攻撃は今まで以上に激しい。
だが紫藤トウジは歴戦の戦士である。たとえ心に迷いがあり、流れが
そして条件的に有利なのも紫藤トウジなのだ。
確かに八重垣正臣は優勢だ。だが時間をかければ
もちろんその事を認識している双方は、焦りと余裕を互いに抱く。
もはや結果は決まったと言わんばかりの状況に、しかし異変が起きた。
八重垣正臣の動きが一瞬止まり、彼から圧迫感が溢れ出す。
紫藤トウジは直感した。今ここで決着をつけなければ取り返しのつかないことになる、と。
しかし彼が動き出す前に八重垣正臣は動いた。
「創生せよ、天に描いた星辰を────我らは煌めく流れ星」
それはこの世界ではないどこかの法則を宿した
その効果は直ぐに現れた。それまで傷を負うことのなかった紫藤トウジが血を流し始めたのだ。それ量は剣を交えるたびに増えていく。
だが、元から体へ負荷をかけながら攻撃していた八重垣正臣はさらに血を吹き出させていく。しかし攻撃はとどまることを知らないように更に更にと激しくなる。
このままでは勝ったとしても瀕死か、共倒れになってしまう。
アンケートによってルートが分岐します。
→紫藤トウジ死亡ルート
条件???
→紫藤トウジ生存ルート
条件???
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13話
ルートは死亡ルートです。
あっ、そうだ。
クレーリアさん、
それはとある世界で
「巨神が担う覇者の王冠。太古の秩序が暴虐ならば、その圧制を我らは認めず是正しよう
勝利の光で天地を照らせ。清浄たる王位と共に、新たな希望が訪れる」
彼は
しかし今の彼には覚悟があり、守るべき
「百の腕持つ番人よ、汝の鎖を解き放とう。鍛冶司る独眼ひとつめよ、我が手に炎を宿すがいい
大地を、宇宙を、混沌を────偉大な雷火で焼き尽くさん」
故にこそ彼は
「聖戦は此処に在り。さあ人々よ、この足跡そくせきへと続くのだ。
約束された繁栄を、新世界にて齎もたらそう」
さあ今こそ己の全てをかけて目の前の
「
それから戦いは本当に呆気なく終わった。
当然だ、紫藤トウジは
欠片の躊躇いもなく紫藤トウジを
やけに長く感じたその距離も十数秒でたどり着ける程度。直ぐに着いた。
だが、最早彼女は虫の息であった。誰よりも何よりも彼女を救いたかった
彼が近くの来たことで彼女は僅かに目を開き、微笑んだ。
彼女に喋る力は残っておらず、しかし目で意思を伝える。
"私のため戦ってくれたのに、そんな体になってまで勝ってくれたのに、先に逝ってしまってごめんなさい。
それでもあなたが生きていてくれてよかった。
私は貴方に会えて幸せでした。
愛 し て る "
そう目で伝えた彼女は、最後まで彼に愛を抱きなが目を閉じた。
すると彼女の遺体が魔力の粒子となり彼の周りを巡り出す。そしてその粒子は彼の身体に溶け込むように消えていった。
それは彼女の最後の願い。
彼 の 力 に な り た い
その想いを[魔力によって体を変えることは出来る]という
今の彼はクレーリア・《ベリアル》の力を継承したということ。
ベリアルの力である〈無価値〉を手にした彼は、まさしく
そしてそのことを本能と直感で理解した八重垣正臣のすることは決まっていた。
「教会も悪魔も何もかも皆殺しにしてやる・・・・・ッ!」
これでまた投稿の頻度は下がります。
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14話
あ れ は 嘘 だ !
あと主人公の視点に戻ります
そして文章ぐちゃぐちゃ。作者がいつもこんな感じで考え事してるせいです(白目)
いやー、正直に言っていい戦いでしたな!
……いや、うん。言わなくてもわかってるよ?助けに行ったのに見殺しにしてんじゃん、って言いたいのはわかる。
確かに俺はクレーリアを助けることが出来た。気付かれずにこっちに引きずり込んで治療することも、あんまりしたくないけど死者蘇生も《頑張れば》出来る。
でも、だ。それはなんか違うくないか?って思ったわけよ。
俺が着いたときには結構死にかけてたし、助けようかなぁって思ったよ?
でも俺は、それよりも八重垣正臣の戦いを応援したかったんだ。
彼は俺には無い《誰かの為に命を掛ける覚悟を持てる人間だ》。だからこそ彼に少し細工をした
そしたら彼はなんとヴァルゼライドの力を借りているじゃありませんか!
俺のした細工っていうのは、彼が現状一番近い精神状態の人物の
つまり彼はあの瞬間だけだとしても
まさに主人公だと思わないか?
そんな彼を見たいと思った俺はおかしいだろうか?
しかも彼は俺が付与を解除したあとに
もう一度言う。
まさしく主人公だ!
原作のふざけた
だから彼に干渉するのはやめた。
彼の軌跡がどうなろうと干渉しない。
なぜなら申し訳が無いからだ。俺は自分の興味を優先した。その結果、
な?何も言えない、言っちゃいけない。
もし彼が俺の事を殺しにくることがあったら、死にたくはないから抵抗するが、魔獣やらなんやらで殺すことはせずに、俺自身が俺自身の体で抵抗することにする。
それに彼は異界常識を一部とはいえ取り込んだ事で、この世界の存在から少し外れてしまっている。
彼もまた、
ちなみに俺は殆ど
……そういえば俺の魔獣もこの世界から外れてるけど、それ大量に喰ったやつは
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15話
次から原作に入れるといいなぁ。
自然発生した魔獣を食べ続けると世界から外れ始める。
外れる幅は食べた質と量によって変化する。
同系統の魔獣の方が外れ方が大きい。
直接創造した魔獣は基本、五割前後の外れ方をしている
ぐらいしかわからなかった。
世界から外れた後の影響は分かってるから、主要人物殺しをすることにした時、直接やらなくても良いかもしれなくなった。……特にこれといった意味は無いけど。
とにかく疑問もある程度解消できて良かったけど、原作までの時間が余ったんだよなぁ。後何年くらいだろ?5年ぐらいか?まあいいや。
……そういえば最近修行とかしてないんだよねー。あれだよ。勉強と一緒で、やばいと思った時はずっと続けられるけど一回気を抜いたらやる気無くなるやつ。妥協を覚えるっていうの?
ぶっちゃけやる気出ないんだよネ。なんで自分から辛いことせにゃならんのだ。そんなもんできるのはドMか変態だけだ。俺はどっちかと言うとハッキリSの方だからな、面倒くさくなったんだよ。
まあいいや。最悪負けた時に自殺(無痛)できるようにしとこう。(ほぼ無いけど)悪魔に捕まったりしたらただの素材にされるからね!天使と堕天使も同様。
それはそうと、とりあえず暇だ。ストーリーはもう原作までなんも知らんに等しいし、あってもわざわざ外に出ていくのもダルい。
ここはレイジィ・スロータードールズの
ちなみに俺の特典の能力って東方みたいに解釈で能力の幅を拡げられるんだよね。その筆頭が〈異神進成〉で異界常識の異界を《自分の世界以外》って風に解釈すれば誰か(世界問わず)の常識を顕現させられる。
さらに常識の意味をその人物の普通と考えれば、体格、能力、思考など全部引っ括めて普通だって解釈で《その人になれる》んだよ!
まあこれのさじ加減をミスって、顕現させた人格に乗っ取られそうになったのが前に言ってた自我が消し飛びかけた事件なんだけど!
それも過ぎた事だし、もう完全顕現なんて絶対しないから問題なし。……あれ?自殺ってこれを使えばいいのでは?痛みないし、っていうか意識無くすから分かんないし、俺が勝てなくても極端に言えば波旬を顕現させれば全部滅ぼせんじゃん!最終手段として考えておこう。
また話が逸れた。まあホントにすることないし考えてた通りに寝て魔力を溜めるとしますかな!……途中で起きそうだから自分に睡眠の魔法をかけとこう。
フンッ( `д´)σ =・
( ˇωˇ )…zzZ
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16話
申し訳ないです。
それをきちんと見ることができる者にとってはタダの茶番であった。
そこは
現在の時刻は夜。戦場となる学園周辺にはソーナ・シトリーとその眷属による結界が貼られているが、その強度はお察しである。
敵は聖書に記されし堕天使コカビエル。
堕天使の組織
対するは未だ高校生でしかないお飾りの領主リアス・グレモリーとその眷属。その中には赤龍帝もいるが、神器の覚醒が最近である事と、悪魔に転生する前に武術や何やらを押している訳では無い性犯罪者であることを考えると戦力とは言い難い。
この時点でもはや勝敗の結果は見えているが、戦いが始まって幾らか時間が経ったが勝負はついていない。
コカビエルが手を出していないこともそうだが、彼が連れてきているケルベロスが雑種であることも大きな理由だろう。
そもそもケルベロスは冥界と地上を繋ぐ道の番犬である。故に侵入者を退けるための力と知恵を持っている。更に神代において侵入者足り得るのは英雄や神である。ならばそれ相応の能力を持っているのが普通である。
しかしこのケルベロスは先程も言ったように、タダ高校生をしていただけと言っても過言ではないような者達に苦戦している。それだけ能力が劣化しているのだ。
ちなみに原作ではここにいるはずのフリードはおらず、バルパーは天閃、夢幻、透明に
ケルベロス(雑種)と戦い始めて数分後、苦戦の末倒した
「さあ、次はあなたの番よコカビエル!」
と言い放った。
その姿はまさに『彼女はキメ顔でそう言った』と言いたくなるほどである。
そんな彼女達を見ながらコカビエルは気付かれないようにため息を吐いていた。
そもそも、彼は口では戦争を起こすと言っているが、単独ではそんなことは不可能に近い事を理解しているし、理解出来なければ戦争を生き残れていない。
そんな彼がこの様な事件を起こしたのは、
現在の三大勢力は内輪の戦争によって数を大きく減らしている。どんな状況で他神話勢力に攻め込まれれば負けるのはわかりきっている。
だからこそ和平に踏み切る切っ掛けが必要だった。
それが出来るのが普段から戦争狂と認識されている彼だったのだ。
彼はこの後、自身が死ぬか封印されるだろうと分かっている。それでも親友の考える未来が良い物だと信じているから、躊躇い無くその身を捧げるのだ。
そして彼は三大勢力の上位陣が隠していることを暴露する。阿呆な彼らがそれを拡散するだろうと予想して。
「そういえば貴様らは知らないんだったか?戦争を再開させるのだ、別に言ってもいいだろう。
神は先の戦争で死んだよ」
普通に考えて考え無しの戦争狂が、旧魔王はとの争いだとか神が死んだことで増えることが出来なくなった天使だとかを見逃すわけないよな?
それをしない時点でただの戦争狂じゃないのはわかりきってるよな!
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17話
「そっ、そんなこと聞いたこともないわ!どうせ私達を混乱させるハッタリでしょう!?」
「お前たち程度の者にそんな事をしてどうするというのだ。
そもそも疑問に思ったことは無いのか?
どうして天使が増えないのか。
どうして完全な敵である堕天使や悪魔に攻撃を仕掛けてこないのか。」
「··········ッ!」
今まで一度も疑問に思ったことが無かったことでも、そこまで言われれば自然と考えてしまう。
考えた結果、どこにも矛盾はないと思えてしまう。
「で、でも証拠なんてないわ!」
「証拠ならばソコにあるさ。
今禁手に覚醒した騎士。ソイツの禁手は聖魔の融合·····。
これは聖書で魔を司る四大魔王が死んだと同時に、聖を司る神が死んだ事で、その両方のバランスが崩れたが故に起きたものだ。
そら、いい証拠だろう?」
その言葉を否定する材料は、無い。
知識が足りず、経験も無い彼女等ではそれが嘘か本当かの区別がつかない。つけられない。
「仮に!仮にそれが本当だとしても何故貴族である私も知らないのかしら!?」
「·····そんなこともわからんのか?
例えば会社の社長が自分の家族親戚だからといって機密情報を教えるわけがないだろう。
そもそもこの事は三大勢力の上層部で隠蔽することが決まっていたのだからな。
それはそうと、良いのか?こんなに話し込んでも。魔法陣が起動するまであと10分程しかないぞ?」
「ッ、皆まずはコカビエルを倒すわよ!」
例え現状の危険さに気付いたとしても彼女等では油断の無いコカビエルを倒す事は不可能に近い。
それこそ御都合主義に覚醒を繰り返すか、代わりに倒してくれる者が現れるかだけである。
しかし今のコカビエルは死ぬ為にここにいると言っても過言ではない。
友の為、種族の為、そして勢力の為である。
ならばどんな最後も受け入れようと、覚悟を決めてここに来ていた。
しかし、この様な無様な無能に殺されるのは戦争を生き残った幹部としてのプライドが許せなかった。
せめて、せめて彼女等が貴族として、領主としての責務を全うしていればどれほど弱くても殺されてやれただろう。
しかし、なんだ奴らは。
戦闘中に乳繰り合い、敵の言葉を間に受けて隙をさらし、普段では侵入してきたはぐれ悪魔の討伐すら大公から連絡が来なければ行わない。
こんな者に殺されるなどありえない。
それならばこの場で殺してシトリーの方に殺されてやろう。
そうコカビエルが決めた時、結界内の空間が塗り潰された。
「くぁ〜ぁぅ、ちょっとだけ寝すぎたな。まあ間に合ったしいいかな。
えー、あんたがコカビエルでいいんだよな?」
「·····そうだ。貴様、何者だ?
空間を塗り潰すことなど出来るものは限られている。俺が知っている者の中にお前はいないぞ。霧が出ていなかったから違うとは思うが
「うーん、まあ言ってもいいかな!
俺は名前が無いからナナシ!
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18話
ほぼ進んでない。
「
·····そういえばここ数百年確認されていなかったな。」
「ふっふっふー、その数百年はずっと俺が持っていたのであった!驚いた?ねぇ驚いた?」
「·····いや、予想はしていた。
「ケッ、つまんないなぁ。もうちょっと驚いてくれると思ってたのに·····。」
先程までリアス達を殺そうと決めていた雰囲気はどこへやら、和やかに見える会話を始めた。
もちろんそう見えるだけで、コカビエルはナナシの事を分析しようとしている。
(奴はおそらく俺より強いだろう。
俺が奴の力を量れないのは俺よりも圧倒的に強いからだな。
問題は此奴の目的だ。ここで死ぬ事は変わらんとしても会談に持って行けるような決着にしなければならない。例え魔獣創造を持つとはいえ部外者同然の此奴に殺されるわけにはいかん。)
「それで?何が目的でここに来た。貴様ほどの強さを持つならばこんな場所に来ないだろう。」
「·····あー、そのだな、えっと、なんて言うか·····。」
(此奴は何を躊躇っている?言えないような目的か?だがそれこそ俺を殺せばそんなことに悩む必要などない。つまり俺を殺すために来た訳では無い?
·····情報が足りん。決めつけるのは早計か。)
「ナナシよ、何を躊躇う。他の者に言えない様な目的か?」
「いや、そうじゃないんだけどさ?あー、怒らないか?いや怒られても気にしないけど!」
「·····いいだろう。どのような目的でもお前に怒りを向けん。そら、話せ。」
「お、おう。あのだな、その·····、たまたまだったんだよ。」
「何?」
「だからたまたまだったの!
自分の世界で5年ぐらい寝てて、起きたら力加減間違えて世界の壁壊しちゃって出てきちゃったの!」
コカビエルは呆然とした。
今の話が本当ならなんと間の悪いことだろうか?
確かに自分は犠牲を出すかもしれない事をしている。過去には多くの敵を殺した自分は悪だ
だが、だからこそこんな自分が最後に友の役に立とうとしてみれば自身より圧倒的に強い者が《偶然》現れるなど·····。
そんなコカビエルを見ていたナナシは、
「あのー、別にアンタを殺そうとか考えてないよ?」
「なん·····だと·····?」
「だって俺戦うの嫌いだし。」
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19話
公開はしていない。
「俺さっきも言ったけど寝起きなんだよね。別に『森』の中ならそんなこと言わないんだけど、ここはまだそうはなってないし、そもそも俺は必要な戦い以外しない派だ。戦争狂な堕天使幹部に言ってもわからんかもだけど。」
「·····そうか、そんなことを言っていたな。」
「そうそう、だからそこにいる奴と戦ってるのを邪魔しないよ。元の空間にも戻そう。どうも自爆の魔法陣書いてたみたいだしさ。」
「·····感謝する。」
「あんたは死のうとしてたみたいだけど、どうするんだ?」
「··········そうだな、お前と話していて少し落ち着いた。
このままリアス・グレモリー共に殺されれば目的通りアザゼルの助けになれるだろう。だが俺のプライドが、捨てる覚悟を決めていたプライドが致命的なまでに傷付く。
逆にリアス・グレモリー共を殺してサーゼクスを待てば俺のプライドは傷付かず、満足して死ねるだろう。だがシスコンで有名なサーゼクスの事だ。三大勢力全体の事も考えずに会談を蹴るに違いない。それでは俺の目的も果たせない。」
そこで彼は苦虫を噛み潰したような、けれども覚悟を決めた顔で宣言した。
「俺は当初の予定通り此奴らに殺されようと思う。どちらにしろ死のうとしているのだ、プライドなど考えなくても良いからな。」
「·····そっかー。話しててあんたのこと気に入ってきたのになぁ。まぁもう決めきってるみたいだし止めることも邪魔もしないよ。」
「そうか·····。」
「じゃあ元の場所にそこの気絶してるヤツらと一緒に戻すからね?」
「ああ。だが此奴らが目を覚ますのを待たねばならんのか·····。」
「ああ!それは考えてなかった。じゃあ元の場所に戻ったら意識を取り戻すようにしておくよ。」
「そんなことも出来るのか、有り難い。」
「それじゃああんたの最後が良いものになるのを祈ってるよ。」
「ふっ、ついさっき会ったばかりの奴に祈られるとはな。」
「·····そうだ、名前教えてよ。」
「何?」
「いや、勿論知ってるけどさ。あんたの口から名乗りを聞きたい。最後だからな。」
「·····そうか、そうだな。いいだろうよく聞くがいい!
我が名はコカビエル!
人間に天体の兆しを教えし堕天使幹部!
そして友の為に命を捨てる戦争狂である!」
その名乗りには強い覚悟と意思が込められていた。常人であれば容易く呑まれる程の想いが。
「·····ならばコカビエルよ!改めて言おう。
我が名はナナシ!
魔獣創造を宿せし者!
そして汝の最後が良いモノであることを祈る者!
さらばだ、コカビエル!」
「応!逝ってくるとしよう!」
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20話
「·····ハッ!いつの間に気を失っていたのかしら。確かコカビエルと戦っている最中に何かが割れるような音が·····」
「気が付いたようだなリアス・グレモリー?」
「·····ッ!」
「立ったまま急に気絶するとは情けなさすぎて笑わせてもらったぞ?その礼に魔法陣への力の供給は止めておいてやった、感謝するがいい。」
(ナナシは約束通りにしていたようだな。問題はこの後此奴らが違和感を覚えないように死ななければいけないのだが·····)
「せっかく待ってやったのだから精々足掻いて見せるがいい!」
そして茶番劇が始まった。
コカビエルは相性的に圧倒的有利でありながら、いや有利だからこそ攻撃を直撃させる事はせず、いかにも油断して遊んでいますよ、といった風に見せている。
少しの間戦いが膠着していたが、そこでゼノヴィアという聖剣使いが合流し手加減をしているコカビエルに意味のある攻撃出来始めた。
「そんなものか
「言ってくれるじゃない!貴方程度の者に負けるはずないでしょう!舐めないで欲しいわね!」
彼女達は誤認していることに気付かない。自分が負けるわけがないと思っているから。
彼女達は誤認していることに気付かない。今まで自分以下の雑魚としか戦ったことがないから。
彼女達は誤認していることに気付かない。この世界から加護を受けている事に無意識に気付いているから。
そしてコカビエルはこの世界に属している人外である。世界の意思に大きな影響を受けてしまう。だからこそ筋書きが違っても最終的な結果は変わらないのだ。
それを《意識的には》知らない両者はどちらにしろ結果の見えている
「そろそろ飽きてきたな。どうもお前たちは俺を魔法陣にエネルギーが溜まりきる前に殺さなければならないことを忘れているようだな。
まあいい、俺は貴様らが爆発で吹き飛んでもどうとも思わんが、それではしょうも無いからな。そろそろ遊びは終わりにしよう。」
そう言った後コカビエルは少しだけ手加減を緩め、攻撃し始めた。
(この中で俺を殺しうる可能性があるのは赤龍帝だけか·····。神器は想いに答える、ならば奴が一番心動かされるモノを刺激なければならんな)
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21話
(これまでの此奴らの行動を見れば、
となれば·····)
「そうだな、いいことを思いついたぞ!今、お前達が俺に抵抗し続けられているのはそこの赤龍帝がいるからだろう?だが赤龍帝を殺しては面白くない。だから赤龍帝の心を折ってみようと思ってな。」
「なっ、なんですって!?そんなことはさせないわ!」
「そうか、止めてみせるといい。でだ。今代の赤龍帝は性犯罪者だとわかっているんだが、それ関係で責めれば心は折れるのかな?
例えば·····、グレモリーとバラキエルの娘の胸を抉りとってみる、だとかな?」
「·····部長と朱乃さんのおっぱいを抉るだと?」
「そうだ。ああ、そこの気絶している元聖女も同じようにしよう。殺さないように丸ごと抉るのは面倒だが、お前たちが嘆くほどサーゼクスが戦争に踏み切る可能性が高まるからな!」
(よし、ここまで煽ればキレて一時的に禁手に至ったりしないか?今代の赤龍帝は見たところ直情的な性格。神器とは相性がいいはずだ。)
「·····せねぇ、そんなことテメェにさせねぇぞ!俺に答えやがれ!
『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!!!!』
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!!!!!!』
(よしよし、これで俺が倒されたとしても言い訳が経つ状況に持ってこれた。後は此奴らに重傷を負わせることなく倒されてしまえば万事解決。アザゼルも会談を行えるだろう。)
「さあ、赤龍帝よ!せいぜい俺を楽しませてくれ!」
「テメェは絶対に許さねぇ!!」
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22話
ちょっと疲れてて投稿するのを忘れていました。
ブチ切れた赤龍帝とコカビエルの戦いは、それまでと余り変わらなかった。
確かに赤龍帝は禁手によって能力は上がった。だが上がったのは能力だけなのだ。
攻撃の仕方が素人で、攻撃のタイミングが単調で、攻撃の手段が乏しい。
コカビエルは歴戦の戦士だ。当然自分よりも能力が上の者と戦ったこともある、技術が上の者と戦ったことがある。
だが赤龍帝は能力も技術もコカビエルを上回っていない。能力は高く見積って互角、技術は比べるまでもない。
それでも赤龍帝に禁手させてからは、自身の予定通りに負けて終わろうとしていたのだがが·····。
結界の外に白龍皇の気配がしてからはある程度互角になるよう調整していた。
ここで赤龍帝に負けるよりも「
実際、そのまま赤龍帝に負けていれば何かと要求され、それを受け入れざるを得ないだろう。
そうならない為に良い戦いを演出し、最後のトドメ大きなタメを作りそこを攻撃させる、という事を
そして、ついにコカビエルが倒される時が来た。
「ふん、禁手してもその程度か?赤龍帝。ならば塵も残さず消えるがいい。」
(さあ白龍皇よ、今この隙を突き俺を殺すのだ!)
そしてコカビエルの予想通りに、結界を破って降ってきた白龍皇にコカビエルは攻撃された。
攻撃されたということは半減を受けたということ。当然この事も自分の考えに含んでいたコカビエルは、わざと十秒ほど隙を作り自身の力が半減するまで待っていた。
(ここまで弱れば負けても違和感はあるまい。俺の役目は全う出来そうだ·····。)
「コカビエル、あなたの羽は薄汚い黒をしているな。アザゼルの羽は綺麗な濡れ羽色をしていたのに。まあアザゼルの頼みもある、殺しはしないさ。」
(アザゼルめ·····、まあいいさ。どうせコキュートスに封印すんだろうが、死んだのと変わらんからな。
さぁ最後の演出だ!しっかり決めてやろう!)
「アザゼルゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」
(こんな戦争狂が友の為に役立てるとは·····。いい最後じゃないか!
あとは頼んだぞ、アザゼル·····)
「··········たな」
「うん?なにか聞こえなかったか?アルビオン。」
『ああ、何かが喋っているな。』
「·····お前、俺の友を侮辱したな!」
はっきりとその声が聞こえた瞬間、再び世界が塗り替えられた。
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23話
この文才よ(呆れ)
「なんだっ、何が起こった!?アルビオン!?」
『これは·····、おそらく異界に取り込まれたな。』
「異界だと?結界とは違うのか?」
『違うといえば違うが、最たる違いは強度と規模だろうな。結界は精々国一つ覆うのが限界と言っていいが、異界その名の通り世《界》レベルの規模だ。それを簡単に維持するならば強度はお察しだろう。
だからこそヴァーリ、無理矢理の脱出は不可能だと考えておいたほうがいい。』
「なるほど、人間界と冥界のような違いか。だが何故脱出出来ないんだ?人間界も冥界も普通に転移出来るじゃないか?」
『ヴァーリ、それは簡単だ。この異界には主がいる。人間界は元々主なんぞ無く、冥界は聖書の神と初代四大魔王が死んだ事でバランスが崩れている。まあ崩れているのはそれだけではないが·····それは置いておこう。
冥界は、と言うより悪魔は昔から魂を契約の対価として受け取る事も少なくなかった。だからこそ出入りする事はそこまで難しいことではない。
「そうか·····。」
「なぁ、状況は理解したか?したよな?もう待たなくていいよな良しいいなコロス。」
「ま」
「待つ訳ねぇだろこのボケがッ!」
「グボァッ!」
ヴァーリは状況を理解しきる前にナナシに殴り飛ばされた。勿論全力では無い。ナナシはヴァーリを殺す気は無い。殺したいが殺してしまうとコカビエルのやろうとしていた事を妨害してしまうからだ。
だから半殺しを何度かやろうと思ってる。コカビエルはそれこそ緊急事態に陥らなければコキュートスから出てこれないだろう。それは死んだも同然。ならそれに匹敵するほど痛めつけなければ、と考えたのだ。
「とりあえず殺しはしない。たぶん、きっと·····。」
「ふっ、つまり君は敵という事だな?それに強そうだ。さあ、楽しもうか!
『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!!!!』
「こんなしょうもないので呼んで悪いが、来てくれバハムート。」
ヴァーリは
それに対してナナシは黒を基調とし、大きく鋭い爪と赤い宝珠を備えた魔拳を呼び出した。
「バハムート?あれは確かサーゼクス・ルシファーの眷属だったはず·····。ならばその名を冠しているだけか?」
「あぁ!?なんでお前なんぞにそんなこと教えなきゃならんのだ?殺さねぇけど殺すぞ!?そもそも喋ってんじゃねぇぞ!」
転生して初めての友を侮辱されたとはいえ、酷いキレ方である。
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24話
「君は一体何に怒っているんだ?」
「·····は?わかんねぇのか!?このタイミングで!?嘘だろ·····。」
「·····まさかコカビエルか?」
「コイツめっちゃ殺したいっ。そうだよ友達だったんだよ!·····なって半日経ってないけど。」
「そうか、君は俺がコカビエルを貶したことが許せないのか。」
「そうだよ!アイツは親友のために命を張ったんだ。自分の誇りを汚してでも、親友の想いを叶えたいと!なのに何でお前なんかに貶されなくちゃいけないんだ!」
「·····確かにそう言われると貶す理由は無かったのかもしれないな。だが俺は君に謝るつもりは無い。何故なら俺は白龍皇だからな。」
「·····それはアレか。「俺は強い力を持っている龍だから自分勝手にして何が悪い」みたいな考えか?」
「まあ概ねそうだな。強い奴が弱い奴を貶す、
「そうかそうか。お前はお前が俺より強いと思っているから、こうやって俺と話しているし、口だけの謝罪もしないと·····?」
「事実だろう?
確かに君が出したその篭手からは強い龍の気配がするが、君からは何も感じない。つまり君が俺の感じ取れない程オーラの隠蔽が上手いか、圧倒的に強いか、弱いかだ。
おれが感じ取れない程の隠蔽能力は無さそうだし、俺より強いようには見えない。つまり君は俺より圧倒的に弱いことになる。」
「·····ふふ、ふふふふふっ。
こんなに馬鹿にされたのは何十年ぶりだろうな?なんか逆に冷静になったわ。
とりあえずお前は半殺しになるまでしばく事にした。」
「ふっ、君にできるとは思えないが、やって見るといい。」
「そうですかそうなんですかそうなんですねの三段活用!」
「グハッ!」
「お前がッ、死にかけるまでッ、殴るのをッ、止めないッ!」
そしてそれから20分後·····
『お、おい。そこまでしなくてもいいんじゃないか?
確かにヴァーリも言い過ぎたかもしれないし、そこまで殴られれば反省もするだろう!だから許してやってくれっ!』
「はぁ?まだ許す訳ねぇだろ!お前アレか?何も知らん弱い奴が
『確かにそうだがッ、ソレとコレとは·····いやそんなことよりこのままだとヴァーリは死んでしまうぞ!半殺しにするんじゃなかったのか!?殺さないんだろう!?』
「·····ハッ、完全に忘れてた。コイツ殺したらコカビエルの献身が無駄になってしまう所だった。危ない危ない。」
『(ふぅ、何とかヴァーリの命が助かったな。歴代最高の宿主だったのだ、これからの成長を見て見たい思いがあったし、良かった。)』
「とりあえずまた気絶してやがった奴らと一緒に記憶を消して、元の場所に送り返そう。
『(俺の記憶は残しておくのか·····。ヴァーリには敵にしないように言って聞かせなければ!)』
戦闘などなかった!
油断してる所に腹パン→顔面殴打→全身殴打の順で痛め付けていました。
股間は攻撃してませんよ?
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25話
三巻終了
「·····クッ、なんだ?いつの間に寝ていたんだ、俺は·····。」
『おお、目が覚めたかヴァーリ!大丈夫か?体はなんともないか!?』
「ああ、大丈夫だアルビオン。心配させてしまったようだな。しかし目覚めるまでの記憶が無いな·····、何か知らないかアルビオン?」
『·····ヴァーリ、お前はどこまで覚えているんだ?』
「そうだな·····。
アザゼルの頼みでコカビエルを捕縛した後、赤龍帝少し話してみようとしたところまでは覚えているんだが·····。」
『そうか·····。ヴァーリ、お前はとある奴のしっぽを踏んだのだ。まあ軽くと言ってもいいレベルだが。』
「ほう、とある奴·····か?」
『お前が目覚めるまでに奴のことを思い出した。何代か前の白龍皇を殺した奴だ。
その時は確か
「なんで竜関係のヤツは戦闘狂だったり自己中だったりの人格破綻者ばかりなんだ。本竜なら兎も角面倒な·····。ついでだから赤龍帝の因子は取ってるし白龍皇のも取っとくか。」
と言って今回のお前のように一方的に叩き伏せていたな。他に知っていることはソイツの二つ名が『盗人』だということだ。』
「っ!·····俺は何も出来ずに負けたのか?」
『·····ああ。奴はお前に手加減をしていながら一方的に、な。』
「·····先代の白龍皇も同じか?」
『そうだ。少し気落ちするようなことを言うが、殺された先代は今のお前よりも強かったよ。それでも何も出来ずに、いや、何もさせて貰えずに負けた。
ヴァーリ。お前は過去現在未来において最強の白龍皇になるだろう。だがそれは未来の話だ、今ではない。』
「分かっているさ。そんな奴が歴代最強を超えるのならもっと時間がいることぐらい。今の俺はアザゼルにも勝てていないんだからな。」
『分かってるならいい。だがあえて言っておくぞ、ヴァーリ。
今は負けてもいい。だが折れるな、曲がるな、腐るな。
俺達は竜だ。誇り高く、自由気ままに、自分勝手に生きる生物だ。
だが、力が無ければ何も貫けない。誇れるものも無く、自由に動く力もなく、自分の意思を貫けない。
そんな惨めなやつにはなるなよ、ヴァーリ。』
「ああ、ああ!分かっているさ。俺は慢心していたよ。俺は上から数えられる強者になったのだと。
なんだそれは!?なぜそんなもので満足した!上から数えられるからなんだ!まだ上がいるだろう!
この体たらくでは『真なる白龍神皇』など成れはしない!
俺は決めたよアルビオン。もはや慢心などしない。たとえ油断しても勝てる相手でも本気で戦う。
何故なら俺が気配を感じないということは、相手が圧倒的に弱いか強い、または俺が見抜けない程の技量をいるということだからな。」
『その意気だヴァーリ。お前は最強の白龍皇に成れるのだから!』
「·····ところで、何故赤龍帝達は気絶しているんだ?」
『·····放っておけ。そんな事よりコカビエルをアザゼルの元に連れていったらどうだ?』
「··········そうだな。」
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26話
ふぅ、特に問題なく終われたな。
ああ、ありがとうバハムート。おかげで手加減なんかも上手くいったよ。俺だけだったら殺しちゃってたかもしれなかった。
さて、これからが問題だな。
白龍皇が覚えているならヴァーリも知ってることになるし、アザゼルもそのことを報告されるだろう。で、会談でそのことも報告されると思うから天使と悪魔にも俺のことが知られる。
·····ちょっと白龍皇の記憶消さなかったの後悔してきた。でも、神器の中のヤツに干渉するの難しいんだよねぇ。こう、柵の隙間から奥にある玉を2本の棒で掴もうとする感じ?柵が封印で、玉が中のヤツの魂ね。
まあそれは置いておいて、三大勢力でも知ってるヤツは知ってるし、他神話は言わずもがな因子収集の時に知られてる。それに知っててもここに来るのは結構難しいから問題無い·····と思う。前に侵入されてるから自信はちょっと無い。
まあ、ね!大丈夫だと思うんだよ!
·····あれ?何の問題もなくね?イェーイ!問題解決っ。
じゃあ次のこと考えよう。
三大勢力はこれから会談(笑)をするだろ?そこを旧魔王派の·····何とかレヴィアタンが襲撃しに来るんだよな?で、ヴァーリが裏切ってアザゼルがどっちかの腕を奪われて、赤龍帝がアザゼルから貰ったリングで禁手になってヴァーリと戦う·····はず。
ただ赤龍帝はもう禁手に覚醒したからリングは貰わない可能性があるし、そのことに不都合はない、かな?うん。
·····特に手を出す所がないんだが。
下手に手を出すと変な事になるし、原作通りに進んでくれた方が色々楽なんだよなぁ。流石に細かい所は忘れたけど。
うーん、この考えの足りなさよ。特典で頭が良くなっても、思考自体は変わってないから思いつく事が貧相すぎるなぁ。さすが俺。
いかん、話が逸れてきた。くそぅ、この癖も直せないのかなぁ。
とりあえずまた様子見ってことになるのかな。特に集める因子もないし·····。
あ、そうだ。確か会談の後にパーティーやらなんやらした後、オーディンが会談しに来るはず。
それを見越して挨拶しに行こうかな。まあ早すぎてもアレだし準備だけしておこう。
·····そういえば因子収集の時、ロキにフェンリル
よし嫌がらせしよう!
何がいいかな、何がいいかな、何がいいかなテレレレレン。よし、ロキって色んな姿になって子供作ってたはずだから、女体化させて固定しよう。·····ふっ、やばい笑うわ草生えるwww
楽しくなってまいりましたァ!
主人公は最後の方のは最初らへんの考えてたことを忘れています。
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27話
エタりそうになってきた。
ロキにちょっかいを出すのは確定したけどそれまでどうやって時間潰そう·····。
候補としては、
寝る
会談を見に行く(現場判断で戦闘)
遊ぶ
ぐらいしかないんだよなぁ。
もう原作が始まってるから色々と動き始めてくるんだよなぁ。寝るのはあれだけど、他の二つは
いや多分勝てるよ?原作でサマエル程度の竜殺しで有限に落とせるならやりようは普通にある。
ただ今って幼女じゃん?おっさんだったら別に戦えたんだけど幼女って·····、アレじゃん?
しかも俺って普通に勝つか、封印するか、殺すかしか選択肢がないんだよね。勝ちの選択肢はだよ?普通に逃げもするし、(特典を使わない時は)負ける時もある。
で、オーフィスぐらいになると封印か殺すかしかないから、幼女のオーフィスとは戦いたくない。ストーカーされるし。
最近思い出したんだけど、グレートレッドってこの世界では最強だけど、異世界の機械の神には普通に負けるらしいじゃん。でもグレートレッドのおかげで次元の狭間が保てて、その異世界勢がこっち来ないとか何とか。
だから勝てて殺せてもやりたくない。
必然グレートレッドを排除しようとしてるオーフィスにも目をつけられたくない。
ただ、よく考えるとオーフィスって二天龍の事なんだかんだで(興味の対象として)気にかけてたじゃん?
で、この間ヴァーリの事しばいたじゃん?アルビオンの記憶消してないじゃん?ヴァーリ
これ詰んでね?
詰んでるか詰んでるな詰んでるよ、の三段活用が出来そうだ(白目)。
くそぅ、こんなこと気付きたくなかった·····!
でもマジでどうしよう·····。襲撃される前に会いに行った方が準備も出来ていいのかもしれないな。
オーフィスは静寂が欲しくて、それは次元の狭間にあって、でもグレートレッドが邪魔で、だから戦力が欲しい。
·····静寂って何だ?何も無くて聞こえない、みたいな事か?それって次元の狭間じゃなくても良くね?
よし、戦いが避けられなかったら封印しよう。たぶんガチで何も無いようにした封印なら破らないでそこに居てくれるでしょ。
話し合いで終わればそれでいいし、もしかしたら眼中に入れてないかもしれないからね(希望)。
ふふっ、ふふふふふ。テンションの下がりが半端じゃないわぁ、マジで。
戦いにならなければいーなー·····。
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28話
そういえばオーフィスって何処にいるんだろうか?確か今の時期は動き回るか、
俺、禍の団の拠点どこも知らないんだけど、どうやって乗り込めばいいんだ·····?
あれか、適当に力を放出して感知させればいいのか?でもそれだと他の奴も寄ってくる可能性があるんだよなぁ。どないすればええんじゃ·····。
·····あ、いや無理か?うーん行けそうではある、か?微妙過ぎる。
とりあえずやってみたらいいか·····?
初めにある程度中身がわかるように強度だけの結界を作ります。
次に魔力を貯める用の魔石を創ります。
そこに魔力をぶち込んでいきます。
溜まりきったそれを放置します。
するとその魔力に釣られたオーフィス=サンが結界内に出てきます。
一方的に封印について言い放った後、既に作ってある結界ごと三重ぐらいの虚無結界を張る。(虚無結界は前に考えた何も無い結界。結界の境目自体も無いに等しい。扉を壊した精○と時の部屋のようなもの)
以上。
正直無理な気がするんだよね。
オーフィスって世界最強じゃん。だから感知能力もそんなに高くないはずなんだよね。人にはミジンコが肉眼では見えないみたいな?そんな感じだけど、感知してくれるかわかんないし、感知しても来てくれないかもしれない。来たのが違うやつかもしれない。
一応魔石に魔力貯めるまでは実行中だけど、来てくれんだろうか?
たまに思うんだが、何故原作のオーフィスはあんなに無知なのか?ウロボロスって確か錬金術の無限の象徴でしょ(にわか知識)?なのに何も知らないってのは無いでしょ。作者の都合だろうか?
まあだから思うわけよ、「あいつ普通に色々知ってるはずだ」ってさ。
だから俺は半信半疑なんだ、自分の考えだけどさ。
俺の
だから隠れながら待ちます。
八極拳の圏境を真似た圏境もどきで自然に溶け込んでおります。尚、現在人間界の山奥で行っております。周りには万が一の為に時間逆行系の修復術と地脈や龍脈を直す為の調律術を仕込んで、元いた動物は避難済みですぜ。
さぁ来るなら来いや龍神様よ!ワンチャン負けるかもしれないけど絶対死なないように立ち回ってやるぜ。
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29話
ヒロイン枠·····かな?
結論から言います。
封印はした、封印は·····ね!
ちゃんと説明する、うん·····誰に説明するんだろうか?
待て、落ち着け!深呼吸だ!
ス---、ファ---。
良し、ちょっと落ち着いた。じゃあ改めて説明しよう。
───────────────────────
あの封印の仕掛けにはちゃんとオーフィスが引っかかってくれた。こう空間を割って出てきて、
「強い力を感じる·····何?」
とか言って出てきたんだよ。
で、予定通り結界の強度をガン上げして、
「オーフィスさんよ、俺は今から俺の(精神的)平穏の為にあんたを封印する。
あんたは静寂を手に入れたいんだろ?だから用意してやったぜ!感謝して封印されろやっ!」
って格好つけた後、これまた予定通りに三重の虚無結界を展開して様子を見守りました。
でだ。その後出てこなかったから、
「コレは勝った!犠牲無し、消耗無し、戦闘無しの完全勝利だぜっ!!」
って感じで喜んでその場で隠蔽の結界を張って、爆睡を決め込んだわけ。
そんで起きてみると·····、オーフィス結界から出てきてて、こっちのこと覗き込んできてたわけ!
意味わかんなくね?
壊されたんじゃなくて、ただ出てこられたんよ·····?
しかも感覚的に寝てたのって3日間ぐらいなんだよ。·····何時出てきたのか分かんないんだよねぇ。
敵意や害意なんかを持ってたら俺も気づけたと思うけど、そういう悪意って感じの感情を発してないから気付けなかったんだよ·····。
こうして混乱から落ち着こうとしてる間もオーフィス=サンは、じっとこちらを見続けている。
今のオーフィス=サンは美幼女だけど目が死んでるからホラーでしかない。
「·····あのー、オーフィスさん?」
「ん、何?」
「何故俺の事を凝視して·····、いや、どうやって結界を壊さずに出てこれたんですかねぇ?」
「我、結界に包まれた後、結界壊した。そしたら何も無かった。我の求めた静寂、次元の狭間じゃないけど手に入ったと思った。
でも我は、我をここに封じたお前に興味を持った。
だから結界を壊して出ようとしたけど、結界の壁が見つけられなくて困ってた。とりあえず動いてたら眠くなって、それでも歩いてたら出れてた。」
「·····なるほど?」
あれか?結界の区切りを曖昧にしてたから、意識が曖昧な状態で曖昧な結界の壁に近付いたから出れた·····のか?
そういえば俺って封印対象を指定したっけ?·····してなかった気がする。結界の起点を最初の結界にして、その結界が破壊されると、強度はそのままに壁が曖昧になるよう設定した。·····うんしてないな!
「我、お前に興味ある。一緒にいていい?」
「駄目です。一緒にいたいなら封印されて下さい。」
これで勝ったな!
作戦はポカミスしたけど、これで断れば近付いて来なくなるだろうし、受け入れれば放置でOK!精々様子を見に来るぐらいだ。
「ん、じゃあお前の中に封印される。ドライグやアルビオンみたいに。」
「ファッ!?」
───────────────────────
こんな感じで現在、俺の中にオーフィス=サンが封印中です。
ドウシテコウナッタッ!
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30話
オーフィスを封印してから少し時間が経った。
その間、オーフィスと色々?話したり、オーフィスを封印した結果を確認したりしてますた。
例えば、
「なぁオーフィスさんや。どうして静寂、というか次元の狭間に戻りたいんだ?」
「·····元の居場所に戻りたいから?」
と、疑問形で返されたので深く考えずに帰ろうとしたがっていたらしい。それを自覚してからより一層俺に住む気のようだ。笑えてくる(白目)。
まあそんな感じで聞いていって、マジで何にも知らない状態だった。正確には知識としては知ってるけど経験はしてないから分からないって感じ。
後、俺自身に封印した結果、オーフィスの『無限』を使えるようになった。これは素直に有り難かった。今後、燃料切れになることは無くなったから出来ることも増えるだろうし。
ただ、自分以外の誰かが、それも俺が創ったような眷属と言えるやつじゃなく、完全なる他人が体内?にいることで、一部の人物の常識を顕現出来なくなった。
例えば波旬、アイツの根底にある渇望は『独りになりたい』。なのでオーフィスという異物がいる状態でコイツの常識を顕現させると、どれだけ僅かでもその僅かに含まれた渇望によって、不快感でオーフィスを吐き出した瞬間に滅尽滅相してしまうだろう。
まあ、成れないので思い付くのは波旬ぐらいのもので、俺も波旬になろうとは滅多に思わないだろうしほぼ被害は無いに等しい。
それはそれとして、この確認作業をしていたら会談終わってたんだが。
いや、それ自体には何も思わないけど、原作との差異を確認しときたかったんだがなぁ。まあそんな具体的な内容は覚えてる自信ないけどね。
でも知らない事って不安じゃん?いや普段なら気にしないけど、原作が始まってる現状じゃあ世界の修正力があるからなぁ。まあそれもある程度、最終的にそうなればって感じで過程は結構適当にしてくれるけどさ。
多分このオーフィスも俺がいるから力は削られないけど、前に作ってた『蛇』からリリスは作られるだろうし、
·····まあいいか、うん。最終的に俺に被害がなければ別にどうでもいいし。あとはリゼなんちゃら・ルシファーと会わずに、会っても何かされなければ大丈夫なはず。
じゃあそろそろオーディンの爺様がこっちに来るはずだから、お礼の品持って行こうと思います。
爺様は戦、魔術、勝利などの神だからそれ関係がいいよね?
··········うーん、『
効果は次回?
まあとある分かればだいたい·····ね?
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31話
三人称視点?です。
ここは冥界のレーティングゲーム会場。
そこに北欧の主神にして魔術の神として有名なオーディンが訪れていた。彼は悪魔が行う『
そんな彼であるが、現在機嫌がいいようだ。
その様子を見て、彼の会話相手をしていた堕天使総督のアザゼルはこう問い掛けた。
「おいオーディン、なんでそんなご機嫌なんだ?何かいい事でもあったのか?」
「全く、相変わらず生意気な小僧じゃのうアザゼル。まあいいわい、儂が機嫌がいい理由じゃと?そうじゃのう、最近出来た友からいつかの『お礼』が来たからの。それが嬉しくて年甲斐もなく喜んでおったのよ。」
「あんたが喜ぶっていうと魔術関連の品か?しかも相当いい品か·····。どこかの魔導書か?」
「いいや、自作の品らしい。そうじゃのう·····、当てて見せてみよ。もしも当てられたらこれを譲ってやろう。」
「!?·····いいのかよそんな事しても。送ってきた奴が怒るんじゃないか?」
「フォッフォッフォッ、心配は要らん。「もし壊れたりしたなら改良するので言ってください」と言われておるのでな。それぐらい許してくれるわい。それにお主に当てられるとは思えん。」
「·····そうかよ。だったら遠慮しねえぞ?」
「うむ、よいぞ。ヒントは出さんからの。」
(さっきオーディンは『壊れたら』と言ったな。つまり消耗品、ないし壊れる可能性があるモンだって事だよな?じゃあ魔導書なんかの本系は無しだな。·····触媒か?オーディンは魔術の神として知られているし、『最近友になった』とか言ってたから深い関係ではなさそうだ。だからこそ相手のわかりやすい趣向で物を贈るはず。
クソッ、情報が足りねぇ。まあ合ってなくてもいいからそこまでムキになる必要は無いんだがな。そうだな·····)
「·····杖かなにかか?」
「ふむ、不正解ではあるが魔術そのものでは無いと気づいたか。まあ間違っておったからこれをくれてやる事は出来んのう。」
「·····まあ悔しくはないけどよ、何なんだ、それは?」
オーディンが持っていたのは何かの金属で出来た板であった。その板には緻密な魔術式が隙間なくと言っていいほど張り巡らされ、わずかに発光していた。
「時にアザゼルよ、
「あ?ああ、錬金術の奥義だろ?確か『卑金属(鉛)を貴金属(黄金)に変換する』だったか。」
「うむ、そうじゃ。じゃが他にも意味があるのじゃ。『鉛のようにくすんだ人の魂を、黄金のごとき天使の魂へ昇華させる』術、つまり『神の力を横取りできる』という物じゃ。そして『神』とはなにかという所で神=世界という風に解釈し、世界を自在に
「はぁ?人外ならまだしも、そんなこと人間に出来るわけねぇだろ。」
「·····はぁ、これだから聖書はダメなんじゃ
まあこれがわかっておれば良い。この黄金板はこの二つ目の意味の黄金錬成を小規模に、多少劣化した精度ながら行使出来るようにする霊装じゃ。」
「·····マジで言ってんのか、オーディン?そんな代物普通に神滅具レベルのもんじゃねぇか!?」
「じゃから機嫌が良かったんじゃ。それも分からんか、阿呆。」
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32話
まだ三人称視点です。
主人公でない。
「にしても、俺が正解してたらマジでそれくれてたのか?」
「うむ、そこは約束通りにしておったよ。ただし、お主が使えるとは言っておらんがな。」
「はぁ?どういう事だよ。」
「これには所有者を限定する術式が刻んであるからの、儂以外ではほぼ使えん。使おうとするならば、術式に介入し自身を登録せねばならんのじゃ。ちなみに儂でもこの術式に介入するのには時間がかかるのぅ。」
「そんなの無理ゲーじゃねぇか!どっちにしろ使えねぇとか·····、ソレがマジで使えるなら研究したい。滅茶苦茶好奇心が疼くんだがなぁ。」
「ちなみに彼奴は基本的に聖書が嫌いじゃぞ?『キリストやモーセのような人間は好きだが人外はダメだ。彼処はギリシャレベルで人間を家畜扱いしてやがるからな』とか言っておったしの。」
「マジかよ·····。」
「まあ日頃の行いじゃな。」
そこで話は一旦途切れ、『
「さてと、相手さんはどのタイミングで動くかねっと、早速かよ!」
「まあそうじゃろうな。実戦経験がない素人が作戦を成功させようとすれば、一番精神的に余裕ができる速攻戦を仕掛けるのは予想できるじゃろう。」
「まあそうだが、バックにいるだろう旧魔王派がそれを許したってのが予想出来なかったんだよ!」
「言い訳はよい、それよりもはよう動かんかい。若手を殺られても知らんぞ?」
「チッ、分かってるよ!オーディンには彼奴らの救援を依頼したい。」
「ほう、仮にもこれから同盟を結ぼうとしている勢力の、しかも主神であり国賓であるこの儂に、聖書の問題の解決を依頼するのか?」
「っ、ああ、そうだ。」
「ならばそれ相応の対価が必要というのもわかっておるな?」
「·····ああ。何が欲しいんだ?」
「そうじゃのう·····、『悪魔の駒』の正確な資料、神器の安全な摘出方法、聖なる武器を幾つか、この3つの
「·····わかった、じゃあ頼んだぞ!?」
「分かっておるわい。」
そしてオーディンは結界の中に転移していった。
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33話
理由としては、投稿してると思っていたらされていなかった、という間抜けな話です。
今後はこのような事がないように注意します。
オーディンがレーティングゲーム用の異空間に転移してすぐの事。
オーディンが出てきたのは神殿らしきものを模した建築物の外、だだっ広い荒野であった。
もちろん既に旧魔王派の悪魔達が空と地上に展開していた。だがそんな彼らは今、転移してきたオーディンに気付かず、対戦相手兼裏切り者であるディオドラ・アスタロトがリアス・グレモリーの僧侶の眷属を攫う演説に集中しているようだった。
そして演説が終わり、ディオドラが転移した後、戦闘が始まったがオーディンからすればどちらも雑魚の雑魚、小指も使わずに殺せる程度でしかない。
オーディンがアザゼルに依頼されたのは、旧魔王派の殲滅とリアス・グレモリーの救助。殲滅は片手間でも十分にこなせるが、感情的に動くガキであるリアス達の救助が面倒臭い。どうせ「攫われた眷属を助けに行きたい!」とか我儘を言うに違いない。その時は見捨てよう、そこまでの責任を持つ理由はほとんど無い。
「ほれ、何をやっておる。お主らのような子供は早う逃げんか。」
「うおっ、なんだ爺さんこんな所にいたら危ねぇぞ!」
「貴様の様な輩に爺さんなどと呼ばせる許可は出しておらんのだか·····、まあ子供の戯言として流してやろう。
儂はアザゼルに頼まれてここに来ておるんじゃ。子守りなんぞ儂はしとうないのでな。さっさと逃げるがいい。」
「·····!もしやオーディン様でいらっしゃいますか?」
「やっと気付いたか。
そうとも、儂はオーディン。北欧の主神にして魔術の神よ。まあ他にも色々あるんじゃがの。
ほれ、そんなことよりはよ逃げんか。全く何度言わせるのか·····。
ああ、先に言っておくが攫われた小娘を助けに行きたければ勝手に行くがいい。そこまでの面倒は見ておられんからの。」
「ッ、みんなアーシアを助けに行くわよ!」
「けど部長、こんな数の敵を前にいくら有名なオーディンと言っても1人じゃ厳しいんじゃ。」
「聞こえとるぞガキが。貴様の様な若造の心配されるほど老いてはおらんわい。こんな雑魚なんぞ小指で十分じゃ。
ほれ『グングニル』」
そんな軽い言葉と共に小指で投げられた槍は、敵悪魔達を多数巻き込みながら、目の届く範囲を直線状に消し飛ばした。
「スゲェェェェェ!」
「ほれ、分かったじゃろ。ここに居られてはむしろ邪魔じゃ。さっさと行かんか。」
そしてリアス・グレモリー達はディオドラのいる神殿もどきに向かっていった。
「さて、邪魔なガキ共は離れていったが、この数を虱潰しは面倒じゃのぅ。
·····そういえばこれの効果をきちんとは試しておらんかったの。
確かこれを持ち、明確なイメージを描いて、それをこれに叩き込むイメージで力を込めれば、最低でも儂の出来ることは出来ると言っておったの。言葉にすれば間違いないとも。
そうじゃのぅ·····、『グングニルを一時複製、敵『禍の団』所属悪魔、自動追尾、装填、発射』」
その言葉が発された直後、オーディンの背後に大量のグングニルが発生し、発射されていった。それらは複雑な軌道を描きながら敵を殲滅していった。
その頃遠くの方でとある貴族悪魔が話をしている最中に飛んできた槍に消し飛ばされたそうな。
時同じく、攫われた元聖女を次元の狭間に飛ばそうとしていた貴族悪魔が、隠れていた小さな異空間ごと槍に消し飛ばされたそうな。
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