戦姫絶唱シンフォギア 守護獣の鎧 (光機)
しおりを挟む

第一話 覚醒

携帯が変わって前のデータでログインできないので、新しく登録しました。


 

 

真っ白な部屋。

 

何もない部屋。

 

いるのは俺一人。

 

でも見られてる。

 

いや、看守観察されてる。

 

ここで死ぬのかな?

 

何もなさないままに

 

そんなとき、歌が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「・・・またか。」

 

 

 

どこかの街の路地裏。一人の少年がボロボロのマントを羽織って座っていた。ゆっくりと立ち上がり、歩きだした。

 

 

 

 

 

?「腹へった。」

 

 

 

 

 

 

 

場面は変わり、夕暮れの街を二人の少女が歩いていた。制服を着ているから、学校帰りなのか、仲良く歩いていた。

 

 

 

 

 

響「入学してから未来と初めてのお出かけだね♪」

 

 

 

未来「お出かけって、夕飯のお買い物だけどね。」

 

 

 

二人の少女。見たとおり元気一杯な少女、立花響。落ち着いた対応をする、小日向未来。

 

二人は幼なじみで、今年から私立リディアン音楽院に入学した高校生。

 

今は二人で寮に住んでいるため、二人で買い物に来たのだ。

 

 

 

響「私は未来とならどこでも嬉しいんだよ。」

 

 

 

未来「もう、仕方ないな。」

 

 

 

響「あれ?」

 

 

 

未来「どうしたの響?」

 

 

 

響が指差す方には川辺があり、そこに先ほどのボロマントの少年がいた。焚き火をしていた。

 

 

 

響「あの人どうしたんだろう?」

 

 

 

未来「体格から見て私達と同い年くらいかな?響もしかして?」

 

 

 

響「もちろん助ける!きっと何か困ってるに違いないよ!」

 

 

 

未来「もう、人助けもほどほどにね。」

 

 

 

響「ありがとう未来。」

 

 

 

二人は少年に近づいていった。

 

 

 

響「ねぇ?どうかしたの?」

 

 

 

響が問いかけるも、振り向こうとしない。

 

 

 

響「ねぇってば、何焼いてるの?」

 

 

 

焚き火を見ると、そこには木の枝で串刺しにされ焼かれていたイモリだった。

 

 

 

未来「きゃあ!?」

 

 

 

響「ちょっ!?何焼いてるの!?」

 

 

 

?「触るな!俺の飯だ!」

 

 

 

響「ご飯って、お腹壊しちゃうよ!」

 

 

 

響が少年の肩を掴むと、少年は怒りを露にし。

 

 

 

?「俺に触るな!」

 

 

 

響の手を振りほどくように腕を振った。その際に響の顔をビンタする形になった。

 

 

 

未来「響!?」

 

 

 

?「俺に構うな!」

 

 

 

未来「あなた!」

 

 

 

未来が言い寄ろうとしたが、響が未来を止めた。

 

 

 

未来「響?」

 

 

 

響「大丈夫だよ未来。それよりも手伝って!」

 

 

 

未来「! もう、仕方ないな。」

 

 

 

響は腕捲りし、未来は何かを察した。そして二人で少年の両サイドをホールドし立ち上がらせた。

 

 

 

?「言ったはずだぞ!俺に・・・」

 

 

 

響「困ってる人がいれば助ける!当然のこと!」

 

 

 

?「俺は困ってなど!」

 

 

 

響「どこか悲しそうだから、ほっとけないよ!」

 

 

 

?「!?」

 

 

 

図星だったのか、力が抜けてしまい。引きずられながら連れていかれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少年は二人の住まいに連れてこられた。

 

 

 

響「いやー、女子寮に男の人を連れてくるのは苦労したよ。でも君、ワクワクもんですな~。」

 

 

 

?「帰る。」

 

 

 

響「ちょーと!待てってばもうすぐできるから。」

 

 

 

?「知るか!」

 

 

 

未来「はいはい、準備できたから二人とも座った座った。」

 

 

 

そこに未来が料理を運んできた。

 

 

 

響「待ってました。さすが未来、美味しそうだよ♪」

 

 

 

?「何だこれは?」

 

 

 

響「ご飯だよご飯。お腹いっぱいになったら幸せになれるよ。」

 

 

 

?「だから何故俺にそこまでする?俺は他人だぞ?」

 

 

 

響「関係ないよ!私は絶対手を伸ばす!」

 

 

 

?「馬鹿なのか?」

 

 

 

未来「こうなった響は絶対に退かないよ。さぁ温かいうちに食べて。」 

 

 

 

響「いただきます 」

 

 

 

響はご飯を食べ始めた。少年は呆然としたが、ゆっくりと食事を口に運んだ。

 

 

 

?「美味しい・・・」

 

 

 

響「でっしょ♪未来の料理は絶品だからね。」

 

 

 

未来「もう響たら。いっぱい食べてね。えーと。」

 

 

 

響「あぁ、そういえば自己紹介してなかったね。私は立花響。」

 

 

 

未来「私は小日向未来。あなたは?」

 

 

 

レイジ「レイジだ。」

 

 

 

響「レイジっていうんだ。じゃあレイって呼ぶね♪ささ、食べよ食べよ。」

 

 

 

その後、警戒を解いたのかもくもくと食べ進めるレイジ。

 

 

 

 

 

レイジ「旨かった。」

 

 

 

未来「はい、お粗末様。」

 

 

 

響「レイジはこれからどうするの?」

 

 

 

レイジ「俺は・・・」

 

 

 

レイジが答えようとした時に、インターホンが鳴った。

 

 

 

未来「誰だろう?」

 

 

 

響「私でるよ。」

 

 

 

響が玄関を開けると

 

 

 

響「あ、寮長さん。」

 

 

 

寮長「すまないのだけど部屋を見してもらうわね。」

 

 

 

響「えぇ!?どうしてです!?」

 

 

 

未来「どうしたの響?」

 

 

 

響の驚きに未来もやって来た。

 

 

 

寮長「実はこの部屋に男子が入ったのを見たと聞いてね。不本意だけど調べさせてもらうわよ。」

 

 

 

寮長は部屋に入っていった。

 

 

 

響「どうしよう未来!?」

 

 

 

未来「素直に謝るしかないよ。」

 

 

 

二人もリビングに戻ると、

 

 

 

寮長「うん、誰もいないわね。どうやら勘違いみたいね。ごめんなさいね二人とも。」

 

 

 

響・未来「え?」

 

 

 

リビングを見るとレイジが消えていた。ただ窓が開いていることを除いて。

 

 

 

 

 

 

 

その夜。付近の山奥で戦闘が行われていた。人同士の戦いではない。

 

ノイズ。人類共通の脅威とされる認定特異災害。人が触れれば炭となってしまう。ただ人を襲う存在。従来の兵器ではノイズに打ち勝てない。

 

現在も自衛隊が応戦するも、まるで効果がない。

 

 

 

「駄目です!まるで効果がありません!」

 

 

 

「だが退くわけにはいかん!これ以上進めば、街に着いてしまう!」

 

 

 

絶望の中、歌が聞こえてきた。

 

 

 

「歌?」

 

 

 

次の瞬間。ノイズの群れに雨が降ってきた。否、無数の剣が雨のように降っているのだ。

 

そして自衛隊とノイズの間に一人の少女が降り立った。

 

 

 

弦十郎『翼、炎矢もまもなく到着する。』

 

 

 

翼「無用です。私一人で。」

 

 

 

弦十郎『翼!?』

 

 

 

翼という少女は一人で戦い始めた。剣を使い無数のノイズを蹴散らしていく。周りにいたノイズを片付けた。

 

更にノイズが向かってきた。構える翼だが、矢が空から降ってきてノイズを全滅させた。

 

 

 

翼「!!」

 

 

 

炎矢「全く、無茶が過ぎるといつか躓きますよ。」

 

 

 

そこに赤い鳥の鎧のようなものを纏った少年が近づいてきた。

 

 

 

翼「援護は感謝する。しかし、無用な心配だ。」

 

 

 

翼は一応の礼を述べ、その場を後にする。

 

 

 

炎矢「やはりまだ気にしてるですね、無理もないですが。だからこそ僕は・・・」

 

 

 

 

 

 

 

次の日。夕方ごろ立花響は走っていた。

 

 

 

響「CD♪特典♪」

 

 

 

彼女は今、トップアーティスト、風鳴翼の新曲CDを買いに向かっていた。

 

昨晩戦っていた少女、風鳴翼は歌姫と言われるほど人気のアーティスト。元はツヴァイウィングというユニットだったが、今から二年前。ツヴァイウィングのコンサートが行われた会場にノイズが襲来した。その際に多くの人々と、翼のパートナーの天羽奏が命を落とした。

 

そして響も関わっている。二年前、彼女もその場にいたのだ。重症を負うものの、運よく助かった響。その時薄れいく意識の中で、ノイズと戦うツヴァイウィングと、歌が聞こえた。

 

その事を確めたく、響は風鳴翼が在籍している私立リディアン音楽院に入学した理由のひとつである。

 

 

 

そんな響は、風鳴翼の大ファン。CDの発売日ははずせないのだ。

 

走って角を曲がり、一度止まり一息ついた。その際に周りの景色がおかしかった。周りには炭が多くあった。

 

 

 

響「! ノイズ!?」

 

 

 

周りを見渡すと建物の影からノイズが現れた。すぐに逃げようとした響だが

 

 

 

「きゃあああ!!」

 

 

 

叫び声が聞こえた。見てみると小さな女の子がいた。響は迷うことなく女の子の元に走った。

 

 

 

響「こっち!」

 

 

 

響は女の子を連れて走った。ノイズから逃げるため。たがノイズは二人を標的にし、しつこく追ってくる。響も必死に逃げようとするが、女の子が倒れてしまった。響はすぐに駆け寄ったが、ノイズが二人に向かって突撃してきた。響は女の子を庇うように抱きしめ、目を閉じた。

 

だが、何かに動かされた。目を開けると。

 

 

 

響「レイ!?」

 

 

 

ノイズと衝突する寸前にレイジが二人を抱き抱え、攻撃を避けたのだ。

 

 

 

響「あの後どうしたのさ!?」

 

 

 

レイジ「今は逃げるぞ。」

 

 

 

響「この子も!」

 

 

 

レイジ「・・・勝手にしろ。」

 

 

 

レイジは響と女の子を立たせて、再び走り出した。勝手にしろと言ったが、女の子を抱えて走るレイジ。

 

 

 

 

 

 

 

必死に逃げて、工場のタンクの上に逃げてきた三人。

 

 

 

響「こ、ここまでくれば。」

 

 

 

レイジ「いや、だめだな。」

 

 

 

響「え?」

 

 

 

響が後ろを振り向くと、ノイズの群れが待ち構えていた。

 

 

 

響「こんなところにまで!?」

 

 

 

レイジ「(力を使うか?だが・・・あれが覚醒すれば)」

 

 

 

「ねぇ、死んじゃうの?」

 

 

 

女の子は泣きながら響に問いかけた。響は優しく抱きしめ、

 

 

 

響「大丈夫、お姉ちゃん達が守るから。だから、生きるのを諦めないで!」

 

 

 

レイジ「!! その言葉は?」

 

 

 

響「(あれ?何だろう、知らないはずなのに、歌が、歌える?)」

 

 

 

響は突然歌を口ずさんだ。すると響の体は光だし、苦しみ出した。次に響の体から機械のようなものが飛び出しては戻って、響の姿を変えた。

 

 

 

レイジ「何だ?立花から力を感じる。これは、聖遺物? ん?」

 

 

 

響の変貌に驚くレイジは、懐から黄色の勾玉を取り出した。こちらも強く光だしていた。

 

 

 

レイジ「やっとお目覚めか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻。どこかの基地の指令室のような場所で、何かを感知していた。

 

 

 

藤尭「ノイズとは違うエネルギーを感知。」

 

 

 

了子「このフォニックゲインは?」

 

 

 

画面にはガングニールと表示された

 

 

 

弦十郎「ガングニールだと!?」

 

 

 

翼「!!?」

 

 

 

弦十郎「すぐに状況を確認しろ!」

 

 

 

炎矢「司令。」

 

 

 

弦十郎「どうした炎矢?」

 

 

 

炎矢「これを。」

 

 

 

炎矢は先ほどレイジが持っていた勾玉の色ちがいの赤い勾玉を取り出した。何か呼応するように光っている。

 

 

 

弦十郎「これは、まさか!?」

 

 

 

炎矢「あそこに、ガングニールだけじゃなく、守護獣もいるかもしれません。それも、恐らくは。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイジは勾玉を握り叫んだ。

 

 

 

レイジ「聖なる大地の守護獣よ、今我がもとに現れいでよ、黄龍!!」

 

 

 

その叫びと共に、天から龍の叫びがこだました。

 

 

 

 

 

 





特撮ネタはバンバン使いたいです。
今回は仮面ライダー龍騎を使いました。

主人公イメージはガンダムOOの刹那で、声のイメージも宮野真守で。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二話 説明

第二話 説明

 

響の姿が変わったのと同じく、レイジの元に金属製の龍が現れた。それが分離しレイジに鎧の形で装着された。

 

 

 

響「えぇー!!?なんなのこれ!?それにレイも何その格好!?」

 

 

 

レイジ「お前なのか?」

 

 

 

響「え?」

 

 

 

レイジ「お前なのか!?二年前のあの言葉は!?」

 

 

 

響「二年前?なんのこと?」

 

 

 

「お姉ちゃん、お兄ちゃん、かっこいい!」

 

 

 

レイジ・響「!!」

 

 

 

響「よくわからないけど、今はこの子を守らなくちゃだよね。」

 

 

 

レイジ「仕方ない、立花響、そいつを守ってろ。」

 

 

 

レイジはノイズに向かって拳を放った。一体のノイズに直撃すると、ノイズは炭となって崩れ落ちた。

 

 

 

響「レイジすごい!」

 

 

 

「お姉ちゃん!」

 

 

 

少女の声で正面を見ると別のノイズが襲ってきた。驚いて少女を抱えながら下に落下した。

 

 

 

響「ひゃあー!?」

 

 

 

しかし足から落ちても、普通に着地できた。

 

 

 

レイジ「何やってるんだあいつは?しかしあの力、ノイズと戦えるのか?まさか聖遺物?ん?」

 

 

 

レイジは疑問を抱きながら戦っていると、響の方にバイクが突っ込んできた。バイクは大型のノイズに衝突したが乗っていた人物は歌を歌い、響と似た姿になった。

 

 

 

レイジ「何だあいつは?」

 

 

 

炎矢「ノイズと戦う防人です。」

 

 

 

レイジの背後から声が聞こえ見てみると、ノイズが無数の矢で消滅して、その背後から赤い鳥の鎧を纏った少年がいた。

 

 

 

炎矢「しかし、反応があったから来てみれば、まさか黄龍だったとは。」

 

 

 

レイジ「お前、朱雀か?」

 

 

 

炎矢「ええ。朱雀の適合者、鳳炎矢(おおとりえんや)です。反応があったので来てみれば、まさかガングニールと黄龍だったとは。」

 

 

 

レイジ「くだらない説明はいい!何が目的だ?」

 

 

 

二人はそんな会話を戦いながら行っていた。レイジは拳で、炎矢は弓でノイズと戦っていた。

 

 

 

炎矢「いえ、ただ話がしたいので一緒に来てくれませんか?」

 

 

 

レイジ「お前何処かの組織に属してるのか?だったら断る!俺は他人は信じられん!ましてや組織に属してる奴等なんて!」

 

 

 

周りのノイズを片付けたら、レイジは拳を地面に叩きつけ地面を崩壊させた。結果屋上の床は崩れ落ちた。炎矢はそれをジャンプで回避したものの、レイジは姿を消していた。

 

 

 

炎矢「他人を信じられないか、それでも人は守る。悪い人物ではなさそうだ。無理に連れていくのはやめておきましょう。今回は彼女に話を聞きましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイジはあの場から離れた場所にいた。事故のあった方を少し見て歩き出そうとしたら、周りをみて

 

 

 

レイジ「ここは、立花響が暮らしている場所まで逃げてきたのか。」

 

 

 

いつの間にか、昨日世話になった場所まで逃げていた。ふと玄関を見ると、未来が出てきた。

 

 

 

レイジ「お前」

 

 

 

未来「あ!レイ!?昨日は急にいなくなってびっくりしたんだからね!?」

 

 

 

レイジ「迷惑になると思ってな、それよりこんな時間にどうした?」

 

 

 

未来「そうだ!実は響が帰ってこないの!?CDを買いにいってから携帯にも繋がらなくて!?ノイズも出たっていうし!?」

 

 

 

レイジ「・・・あいつなら見かけた。」

 

 

 

未来「本当に!?」

 

 

 

レイジ「声が大きくてな。売り切れてたとかいって、隣街までいくっと叫んでいた。電車もノイズの影響で停まっていたし、なかなか帰ってこれないんだろう。」

 

 

 

未来「そうなんだ、まったく、連絡くらい寄越してほしいな。ありがとうレイ。」

 

 

 

レイジ「いい。じゃあな。」

 

 

 

 

 

 

 

レイジ「らしくないな。他人を庇うなんて、だがあいつあの言葉。」

 

 

 

レイジは闇の中に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日。あれから機動二課に同行し、メディカルチェックを受けてから自宅に帰り、普通に学校にいったが、全然心ここにあらずだった。結果そのまま放課後になっていた。

 

 

 

 

 

響「はぁ、私ってば呪われてる。」

 

 

 

?「ビッキー!」

 

 

 

机にうつ伏せている響に声をかけてきた四人。未来以外の三人、安藤創世、寺島詩織、板場弓美。響の友達だ。

 

 

 

弓美「ねぇねぇ、これからフラワーに行かない?」

 

 

 

響「フラワー?」

 

 

 

詩織「駅前にあるお好み焼き屋さんです。」

 

 

 

創世「めっちゃ美味しいんだよ。」

 

 

 

響「あー今日は。」

 

 

 

創世「予定ありだった?」

 

 

 

未来「手伝おうか?」

 

 

 

響「大丈夫、未来は行ってきなよ。」

 

 

 

未来「でも・・・」

 

 

 

響「本当に大したことないから、大丈夫。」

 

 

 

響は誘いを断り、教室に一人になった。

 

 

 

響「やっぱり私呪われてる。」

 

 

 

炎矢「そう捨てたものでもありませんよ。」

 

 

 

後ろを見ると、翼と男子生徒がいた。

 

 

 

響「翼さん、それと確かテスト生の?」

 

 

 

炎矢「ええ。テスト生の鳳炎矢です。申し訳ないのですが、またご同行願います。」

 

 

 

響「え、何でーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

リディアン音楽院の遥か地下、そこに二課の基地はあった。そこで司令の風鳴弦十郎と、科学者で、できる女(自分で言ってる)こと櫻井了子。それにオペレーターの藤尭 朔也と友里あおいも集まり医療室に集まった。

 

 

 

了子「メディカルチェックの結果発表☆チェックの結果、響の身体に異常はありませんでした。」

 

 

 

響「はぁ。でも。」

 

 

 

了子「そうよね。知りたいのはその事じゃないわよね。」

 

 

 

了子達が説明したのは、聖遺物の欠片を用いて作られたシンフォギアついてだった。そしてそれを起動できるのは歌。その歌を歌える人物を適合者と呼んでいる。

 

 

 

了子「どう?わかってくれた?」

 

 

 

響「あの!全然わかりません。」

 

 

 

周りのメンバーも、そりゃそうだと納得した。

 

 

 

響「でも私はその聖遺物でしたけ?それを持ってません。」

 

 

 

了子はレントゲン写真を見せた。

 

 

 

弦十郎「これが何なのかわかるはずだ。」

 

 

 

響「はい。私も二年前にあそこにいたんです。」

 

 

 

二年前。ツヴァイウイングのライブで、胸に大きな怪我をした為できたものだ。

 

 

 

了子「心臓付近にあって、手術でも摘出不可能な破片。調査の結果、この欠片はガングニールの欠片と判明したわ。奏ちゃんの置き土産ね。」

 

 

 

その結果を聞いて、ふらつきながら部屋を後にする翼。

 

 

 

響「あの、それじゃあレイジのもシンフォギアっとものなんですか?」

 

 

 

炎矢「いえ、違いますよ。」

 

 

 

その疑問に炎矢が答えた。

 

 

 

炎矢「あれは守護獣です。」

 

 

 

響「守護獣?」

 

 

 

炎矢「元々ノイズは遥か昔から存在したとされています。かつての人々はそれに打ち勝つ為に、伝説の生き物の鎧を作りました。それが守護獣です。纏ったものはあらゆる攻撃を防ぎ、その一撃は一騎当千の力と言われています。僕が持っているのは、四聖獣の一つ、南方を守護する朱雀です。」

 

 

 

響「へーじゃあ無敵ですね。」

 

 

 

弦十郎「そういう訳でもないんだ。」

 

 

 

了子「多くの守護獣は眠ったままなの。仮に目覚めても誰にでも纏えるものじゃないの。」

 

 

 

炎矢「しかも、選ばれたからといって、纏えるのは15分までなんです。」

 

 

 

響「そんなにですか!?」

 

 

 

了子「でも最近の調査でフォニックゲインが高い場所で戦うと、時間が延長できるのよ。」

 

 

 

響「?」

 

 

 

弦十郎「つまりはシンフォギアと共に戦えば、長時間戦えるということだ。人類ではノイズに打ち勝てない、対抗できるのはシンフォギアと守護獣のみ。改めて、立花響君。君のその力を対ノイズ戦に役立てくれまいか。」

 

 

 

弦十郎は頭を下げて頼み込んだ。

 

 

 

響「私の力で、誰かを助けれるんですよね?ならやります!私の力で誰かを助けれるなら!」

 

 

 

弦十郎「感謝する。それともう一つ、黄龍の少年のことを教えてはくれまいか?」

 

 

 

響「黄龍?もしかしてレイですか?」

 

 

 

炎矢「彼はレイというのかい?」

 

 

 

響「いえ、名前はレイジと言ってました。教えるも何もまだ会ったのが二回目だったので詳しくはわからないんですけど。」

 

 

 

弦十郎「そうか。」

 

 

 

響「あ!でももしかしたらレイも二年前のライブにいたのかも。奏さんから言われたあの言葉を知っていたから。」

 

 

 

弦十郎「二年前の・・・か。」

 

 

 

響「あの、私。翼さんに改めて挨拶してきます。」

 

 

 

響は翼の後を追って部屋を出た。

 

 

 

炎矢「まっすぐでいい子じゃないですか。誰かさんにももう少し素直になってもらいたいですが、しかし司令、レイジという人物。」

 

 

 

弦十郎「ああ。二年前の生存者にレイジと言う名前はなかったはずだが。」

 

 

 

炎矢「それなのに彼は奏さんの言葉を知っていた。やはり無理にでもつれてきた方がよかったですかね?」

 

 

 

弦十郎「そんな気ないくせによく言う。彼の警戒心は非常に強い、しかも組織というグループがひどく。無理に連れてきてよけいに警戒されてはたまらん。時間をかけてわかりあうしかないだろう。それと」

 

 

 

了子「気になることもあるわよね。最近翼ちゃん達以外でノイズの反応を消失させてる存在は、十中八九彼よね。」

 

 

 

炎矢「しかし反応があったのは過去三回。でも黄龍を感じたのは昨日の一回。別の人物という可能性も低い。」

 

 

 

そんな考えをしているとアラームがなった。全員は司令室に集まった。

 

 

 

朔也「ノイズの反応を検知!座標でます。」

 

 

 

弦十郎「近いな。翼と炎矢を向かわせろ。」

 

 

 

その命をうけ、二人は出撃した。向かった現場では別方向から来ていたノイズが合流しようとしている状況だった。その片方ですでに戦っているものがいた。

 

 

 

翼「あれは、黄龍か?」

 

 

 

炎矢「無茶してますね。どこかの誰かさんみたいに。」

 

 

 

翼「誰のことかは知らないが、そちらは任せた!」

 

 

 

翼は反対の方のノイズに向かった。

 

 

 

炎矢「まったく。少しは頼ってほしいかな。」

 

 

 

炎矢はレイジが戦っている方に向かった。

 

 

 

炎矢「聖なる大地の守護獣よ、我がもとに現れ出でよ。朱雀!」

 

 

 

金属製の紅い鳥が現れ、分裂し鎧となり、炎矢に纏った。そして弓をだし、ノイズに向かって矢を放ち始めた。

 

 

 

レイジ「!!」

 

 

 

炎矢「加勢しますよ。」

 

 

 

レイジはなにも気にせず戦い続ける。炎矢はそんなレイジを攻撃しないようにうまく矢を放つ、そしてすべてのノイズを倒した際に、炎矢はレイジに近づいた。

 

 

 

炎矢「僕達は人の命を守るために戦っている。できれば一緒に戦ってくれないか?」

 

 

 

ゆくっり近づきながら手を差し出すが、次の瞬間、レイジは炎矢を殴り付けた。その拳を炎矢は受け止めた。

 

 

 

炎矢「なんの真似かな?」

 

 

 

レイジ「言ったはずだ!俺は組織ってのがきらいだと!それに、人は信用できん!」

 

 

 

レイジはさらに攻撃していく




炎矢のキャライメージは、コードギアスの枢スザクで、声は櫻井孝宏で
最後の戦うシーンは仮面ライダーカブトを参考にしました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三話 不協と課題

攻撃を仕掛けるレイジ。

 

しかし、炎矢は反撃することなく、受け流す形で防御する。

 

 

 

レイジ「何故戦わない!?」

 

 

 

炎矢「必要ないからね、敵じゃないし。」

 

 

 

レイジ「ほざけ!」

 

 

 

更に攻撃を繰り返すレイジ

 

 

 

炎矢「(この子もどうにかしたいけど、あっちも何とかしないとな。)」

 

 

 

炎矢が横目で見る方には、翼が響に刃を向けていた。

 

 

 

炎矢「(気持ちはわかりますが、止めないとな。でも、この子、手加減できなさそうだ。)」

 

 

 

レイジ「考え事をしてる場合か!!」

 

 

 

炎矢「しまっ!?」

 

 

 

隙をついて拳が炎矢に迫るが、届かなかった。間に別の手がそれを止めた。その人物は

 

 

 

炎矢「司令!」

 

 

 

風鳴弦十郎だった。

 

 

 

レイジ「何!?」

 

 

 

弦十郎「どりゃーー!!」

 

 

 

弦十郎はレイジをそのままぶん投げた。レイジは飛ばされた場所に倒れた。すると雨が降ってきた。炎矢は弦十郎に近づいた。

 

 

 

炎矢「司令!」

 

 

 

弦十郎「まったく、どちらも何をやっている?」

 

 

 

炎矢「どちらもって。」

 

 

 

隣を見てみると、大きなクレーターが出来ており、そこにはギアを解除し、座り込んだ翼と、あたふたしている響がいた。雨だと思っていたのはクレーターができた為、地下の配水管が吹き出した為だった。炎矢も鎧を解除した。

 

 

 

 

 

炎矢「相変わらずとんでもない人だ。あの一瞬で二つの喧嘩を止めるなんて。」

 

 

 

弦十郎「さてと。」

 

 

 

弦十郎はレイジに近づいた。レイジはまだ警戒している。

 

 

 

 

 

弦十郎「そう警戒するなって、俺は風鳴弦十郎。早い話があの三人の上司だ。」

 

 

 

レイジ「あんた、何故だ?」

 

 

 

弦十郎「何?」

 

 

 

レイジ「生身のあんたが何故間に入った!?怪我じゃすまないんだぞ!」

 

 

 

弦十郎「・・・ぷ、はははははは。」

 

 

 

レイジ「?」

 

 

 

弦十郎「なんだお前さん。聞いてたよりもいい奴じゃないか。」

 

 

 

レイジ「何だと!」

 

 

 

弦十郎「人は信用できない。でも他人を心配している。他人を思える奴はいい奴さ。さっきの答えだが、子供がバカな喧嘩してたら、止めるのが大人って奴だろう。」

 

 

 

レイジ「(こいつ、本気で言ってやがる。)付き合いきれるか。」

 

 

 

レイジは警戒を解き、鎧を解除した。

 

 

 

弦十郎「ああ、炎矢もいいな?」

 

 

 

炎矢「もとより争う気はありません。」

 

 

 

弦十郎「よし、後は」

 

 

 

響「私!一生懸命頑張ります!頑張って奏さんの代わりになります!」

 

 

 

弦十郎が響と翼の問題を聞こうとした時、響が翼に意思表示をしていた。その言葉を聞いた翼は怒ったように近づき響にビンタした。弦十郎と炎矢は顔に手を当てた。レイジは何か思いながら響を見て、その場を去ろうとしていた。

 

 

 

 

 

弦十郎「待ちな。」

 

 

 

弦十郎に呼び止められた。

 

 

 

レイジ「仲間にならならんぞ。」

 

 

 

弦十郎「わかっているよ。ほれ。」

 

 

 

弦十郎はレイジに何かを渡した。

 

 

 

レイジ「何だこれは?」

 

 

 

弦十郎「通信機だ。」

 

 

 

レイジはへし折ろうとした。

 

 

 

弦十郎「発信器とかはないから安心しろ。お前さん食うものに困っていると聞いてな、それには限度額までならクレジットとして使えるんだ。持っときな。」

 

 

 

レイジ「・・・物好きな奴だぜ。」

 

 

 

通信機をしまい、今度こそその場を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その場を去ったレイジはいつの間にか、リディアンの寮の前にいた。

 

 

 

レイジ「何で俺ここに・・・」

 

 

 

すると玄関から未来が出てきた。

 

 

 

未来「あ、レイジ。」

 

 

 

レイジ「小日向未来。」

 

 

 

未来「未来でいいよ。そうだ!響を見なかった!?まだ帰ってきてないんだけど!?」

 

 

 

レイジ「(前も似たようなことがあったな。)さっき見かけた。もう少しで帰ると言っていたな。」

 

 

 

未来「そっか、よかった。でも響ったら、レイジにまで迷惑かけて。まぁ、いつもの人助けだと思うけど」

 

 

 

レイジ「あいつ何なんだ?」

 

 

 

未来「え?」

 

 

 

レイジ「人なんて、結局は自分のことしか考えてないんだぞ。なのにあいつは見ず知らずの俺を助けたり、他人の為に必死だったりと、何故ああなれる?」

 

 

 

未来「うーん、なら響をよく見てみて。」

 

 

 

レイジ「え?」

 

 

 

未来「今の答えを知るんだったら響を見て理解して。それと、できたら助けてあげて。多分だけどレイジは響の事情に関わってそうだから。」

 

 

 

レイジ「見て理解するか・・・努力する。」

 

 

 

未来「うん、頑張って。」

 

 

 

レイジがその場を去ろうとしたが、止まった。

 

 

 

レイジ「立花響に言っておいてくれ。お前は誰だと。」

 

 

 

未来「え?」

 

 

 

質問を聞き直そうとしたがすでに歩き始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから一週間は経過した。

 

響は出動するも、素人がいきなり戦える訳がなく、炎矢がフォローを入れるも、翼は翼で響を認めておらず。連携が取れずにいた。

 

本部にて。

 

 

 

響「はぁー、私ダメダメだ。」

 

 

 

炎矢「お疲れ様です、響さん。」

 

 

 

響「あ、炎矢さんと・・・えーと。」

 

 

 

緒川「そういえば詳しい自己紹介はまだでしたね。」

 

 

 

緒川は名刺を差し出しながら自己紹介した。

 

 

 

緒川「機動二課の情報収集担当で、表向きは風鳴翼のマネージャーをしています。」

 

 

 

響「ああ、これは御大層なものをどうも。」

 

 

 

炎矢「ついでに言いますと、僕と翼の兄のような人です。」

 

 

 

響「え?ということは翼さんとは?」

 

 

 

炎矢「幼なじみのようなものですね。もっとも、特殊なですが。」

 

 

 

緒川「私も似たようなものですが、翼さんと炎矢君の方が付き合いは長いですね。」

 

 

 

炎矢「ええ、大切な存在です。」

 

 

 

響「わわ、すごい発言しましたね///」

 

 

 

炎矢「僕は先生に会いに行くところに、マネージャーモードの緒川さんと会ったわけです。」

 

 

 

響「先生?」

 

 

 

緒川「櫻井女史ですよ。炎矢君は科学者を目指さしていますから、尊敬しているんです。」

 

 

 

響「炎矢さんって科学者なんですか!?」

 

 

 

炎矢「まだ卵ですよ。よくて薬品調合程度です。栄養剤のサンプルなんですが、飲んでみます?」

 

 

 

響「あ、いや、また今度にします。は! 科学者を目指さしているということは成績もいいんですか?」

 

 

 

炎矢「まぁ人並みには。たからって課題は手伝いませんよ。」

 

 

 

響「うっ!?ばれました?」

 

 

 

炎矢「独り言が聞こえたので、慣れない戦闘で大変なのはわかりますが、今後のためになりませんしね。実際僕も、翼に至っては歌手として働きながらですしね。」

 

 

 

響「はぁーやっぱり翼さんはすごいです。私も早く奏さんの代わりになれるように頑張らないと。」

 

 

 

炎矢「・・・響さん。君は誰ですか?」

 

 

 

響「え?立花響ですが?そういえばレイからも似たことを言われたなー。」

 

 

 

炎矢「彼からも?」

 

 

 

響「直接ではないんですけど、親友の未来から伝言なんですけど、なんだからレイからも課題を出されたみたいです。どう思います?」

 

 

 

炎矢「そうですね。残念ですがこれは響さんが自身で気づかないといけません。ですがヒントを一つ。あなたは立花響、それはこれからも変わらないというところです。」

 

 

 

響「私は立花響・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日にちは変わり、次の日の夕方ごろ。

 

人々が帰り道を歩いていくなかで、レイジは座りながら持っていた袋の中を見ていた。

 

 

 

レイジ「不思議だ。何故おでんが缶に入っている。不思議なのは俺もか、何故あんならしくないことを言ったんだ。」

 

 

 

おでんを食べようとした時、何かを感じたレイジ。

 

 

 

レイジ「ノイズ・・・近くと離れた場所にいるな。近くのを叩くだけだ。」

 

 

 

レイジは地下鉄に降りた。そこにはノイズが徘徊していた。

 

 

 

レイジ「来い!黄龍!」

 

 

 

黄龍を纏いノイズに向かっていく。蹴散らしながら前進していくと、反対側から煙があがった。

 

 

 

レイジ「あれは?」

 

 

 

そこにいたのは響だった。だが普段の響と何かが違った。

 

 

 

 

 

レイジ「立花響?」

 

 

 

響「ん?あ、レイ!」

 

 

 

レイジ「(気のせいか?まるで獣のような感じをしたが)お前も来たのか。」

 

 

 

響「うん、あのさ!あの言葉なんだけど・・・」

 

 

 

レイジ「話は後だ。今は奴を追うぞ。」

 

 

 

レイジは上を見た。地上まで続く穴が出来ており、葡萄のようなノイズが逃げていった。

 

二人もすぐに後を追いかけた。そこで見たのはノイズを倒していた翼だった。

 

 

 

翼「・・・」

 

 

 

響「あの!皆に言われて何となくですがわかりました!私は、まだまだです。でも皆を守りたいのは本当です!だから私は!私として認めてほしい!だから!」

 

 

 

レイジ「立花響、お前。」

 

 

 

?「だから、どうしたって?」

 

 

 

三人とは違う声がした。声のした方を見ると、月明かりで照らされたその人物が纏っていたのは、翼にとって因縁めいたものだった。

 

 

 

翼「ネ・・・ネフィシュタンの鎧!?」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四話 落涙

翼「ネフィシュタンの鎧!?」

 

 

?「へー、あんたこの鎧の事知ってるんだ?」

 

翼「私の不手際で奪われた物、なおかつその不手際で失った多くの命を忘れるものか!」

 

そう言い翼は刀を構えた。それを見てネフィシュタンの少女も構えをとった。そこに。

 

響「やめてください!相手は同じ人間なんですよ!」

 

翼・?「戦場で何をバカなことを!!」

 

翼「! あなたとは気が合いそうね」

 

?「なら仲良くじゃれあうかい?」

 

レイジ「はあああ!」

 

そこにレイジが割って入って、ネフィシュタンの少女に殴りかかった。攻撃はかわされ、地面に叩きつけられた。

 

?「なんだいきなり!?」

 

レイジ「お前!お前が身に付けている物だ!それが俺の中を欠き乱す!」

 

?「お前が黄龍か?生憎今回あんたには用はねぇ!」

 

レイジ「何を訳のわからないことを!」

 

レイジは攻撃を繰り返していく。しかしネフィシュタンの少女は全く相手にしていない。

 

?「しつこいと嫌われるぞ!」

 

レイジ「ふざけたことを! !?」

 

突然レイジの動きが止まった。

 

レイジ「何だ!?体が動かない?」

 

翼「あなたは引っ込んでなさい。」

 

レイジ「お前の仕業か!早く解放しろ!」

 

翼「これは私の戦いだ!」

 

翼はネフィシュタンの少女に向かって歩き出した。

 

翼「待たせたわね。」

 

?「私はいいんだぜ、二人がかりでも。」

 

翼「あの時の汚名、正せるのは私のみ、いざ、参る!」

 

 

 

 

 

 

 

 

響達が戦っている反対方向に位置する場所。

炎矢は翼達と別れてノイズと戦っていた。ノイズをすべて倒した所に。

 

炎矢「これで全部ですね。しかしまさか二ヶ所同時に出現するとは。響さんが言ったように何か異常ですね。」

 

弦十郎『炎矢!聞こえるか!?』

 

通信が入った。

 

炎矢「司令、どうしたんですか?」

 

弦十郎『翼達の方にネフィシュタンの鎧が現れた!』

 

炎矢「!! ネフィシュタンの鎧が!?」

 

弦十郎『俺は今現地に向かっている。お前も出来る限り合流してほしい。』

 

炎矢「了解しました。ですが」

 

言葉の途中で朱雀の鎧が解除された。

 

炎矢「すみません、時間切れです。」

 

弦十郎『わかった。無理はするなよ。』

 

炎矢「了解しました。・・・・・無理はするな、か。翼、あの歌は歌うな。」

 

 

 

 

 

 

こちらは激戦が続いていた。翼は攻めていくも完全聖遺物のポテンシャルと鎧を纏っている少女の力も計り知れない。

響も参戦しようとするがまだ戦い慣れしておらず、参戦できずにいた。

 

?「お前はこいつらと遊んでな!」

 

ネフィシュタンの少女は杖のなものを取り出し光を放った。光が放たれた場所からノイズが現れ、粘液のようもので響を拘束した。

 

響「ノイズが操ってる?」

 

レイジ「あの杖!それにあの鎧!あれが俺の中のアレを騒がせる!少しづつ動けるようになったが!」

 

少しづつ拘束が解けてきたが、時間切れで黄龍が解除された。

 

 

レイジ「ちっ!時間切れか!?」

 

レイジも見るしかできなくなった。

翼は隙をつき攻撃しようとしたが、逆に反撃されてしまい。頭を踏みつけられた。

 

?「お高く止まるな人気者!この場の主役と勘違いしてるようだから言ってやるよ!狙いははなっからあいつをかっさらう事なんだよ!」

 

響「え?私?」

 

?「鎧も仲間もあんたには過ぎたもんだろう?」

 

翼「!!」

 

空から無数の剣が雨のように降ってきた。ネフィシュタンの少女は攻撃をかわした。翼は立ち上がり。

 

翼「すべては私の弱さが起こした事、だがそれも今日まで!今日私は汚名を注がせてもらう!」

 

?「へ!やれるもんなら・・・!?」

 

ネフィシュタンの少女の動きが止まった。背後の影に短剣が刺さっていた。

 

?「これはさっき黄龍に使った!?」

 

翼「月が出てる間に、けりをつけましょう。」

 

?「まさか!?歌うのか?絶唱を!?」

 

辺りが不思議と静かになった感じになった。そして翼は歌い始めた。美しさを感じるも、どこか力を感じる歌を。

 

レイジ「この歌は?」

 

歌いながらネフィシュタンの少女に近づき歌い終わった。すると凄まじいエネルギーが放たれ、周囲のノイズをも吹き飛ばした。レイジと響は辛うじてま逃れた。ネフィシュタンの少女は吹っ飛んだ。鎧もボロボロになった。

 

?「ぐっ!?」

 

鎧は少女に侵食するように再生しはじめた。ネフィシュタンの少女は逃亡した。

歌い終わった翼の辺りはクレーターができていた。その中心で翼は立っていた。

 

響「翼さん?翼さーーん!!」

 

響は翼の元に近づいて行った。それと同時に弦十郎と了子が到着した。

 

弦十郎「翼!?」

 

翼「私とて人類最後の砦、」

 

翼が振り向くと、目や口とあらやる所から血を流していた。

 

翼「ここで倒れる剣ではありません。」

 

翼は倒れた。弦十郎はすぐに駆け寄った。そこに

 

レイジ「何で?何でお前があの歌を?」

 

響「レイ?」

 

レイジは翼を無理に起こそうと動いたが、それに気づいた響が全体を使って止めようとした。

 

響「レイ!!やめて!!」

 

レイジ「何でお前があの歌を歌える!?お前なのか!?二年前に歌ったのは!?」

 

響「レイ!!」

 

響はレイジを引っ張ったいた。

 

レイジ「!!?」

 

レイジは響の顔を見ると涙を流していた。レイジは何も言えずフラフラとその場を後にしていった。

 

 

 

 

いろいろと考えながらふらついているレイジ。気が付くと。

 

未来「レイジ?」

 

声を掛けられて前を見ると、気が付くといつの間にかリディアン女子寮の門の前にいた。そこには未来がいた。

 

レイジ「俺、何でまたここに?」

 

未来「どうしたの?何だか考えていたみたいだけど?」

 

レイジ「お前こそ何で外にいる?また立花響を心配してか?」

 

未来「え?あ、うん。」

 

レイジ「あいかわらずか。じゃあな。」

 

その場を後にしようとしたが、立ち止まった。

 

レイジ「一つ聞きたい。」

 

未来「何?」

 

レイジは未来に今日あったことを相談した。もちろんノイズとシンフォギアなどは伏せて。

 

未来「それはレイジが悪い!」

 

レイジ「そうなのか?」

 

未来「普通はケガしてる人に無理やり聞こうとしないよ。響だって怒るよ。」

 

レイジ「だが聞かないと、俺は前に進めない。だが、あいつの顔を見たとき、何も言えなくなった。他人なんてどうでもよかったのに。」

 

未来「それは、レイジが思ってるほどレイジは優しいんだよ。」

 

レイジ「優しい?俺がか?」

 

未来「結構人助けしてるしね。響といい勝負かもね。」

 

レイジ「馬鹿馬鹿しい。」

 

今度こそレイジが去ろうとしたが、

 

未来「あ、待って。」

 

未来は持っていた手荷物を渡した。

 

レイジ「またおにぎりか?立花響のじゃないか?」

 

未来「いいの。たまには心配させてる罰を与えないとね。でもね、できればレイジに響を助けてほしいな。」

 

レイジ「何で俺が?」

 

未来「本当は私が助けたい。でもきっと今近くにいるのは多分レイジだと思うから。だから、お願い。」

 

未来は頭を下げた。

 

レイジ「(同じだ。立花響と同じ目だ。)」

 

答えることなくレイジはその場を去っていった。

 

 

 

 

 

炎矢は今病院にいた。

あれから翼は命を繋げたが、いまだ予断を許さない状態で集中治療室にいる。ガラス越しに翼を見る炎矢。

 

炎矢「翼、無茶をして。いや、本当は僕が支えなくちゃいけないのに。僕はまだ無力なままなのか。」

 

その場で拳を握る炎矢。

 

 

 

 

 

 

響「たのもーー!!」

 

翌日の朝、響は弦十郎の自宅の門を叩いた。

 

弦十郎「朝からどうした?」

 

響「私に戦い方を教えてください!」

 

弦十郎「俺にか?」

 

響「私このままじゃあダメダメなんです!大切なものを守るためにも強くなりたいんです!司令なら武術を知っていそうなのでお願いします!」

 

弦十郎「うーん、修業は厳しいぞ!」

 

響「! はい!」

 

弦十郎「それでお前さんはどうするんだ?」

 

響「え?」

 

後ろを見てみると、近くの電柱に隠れているレイジがいた。

 

響「レイ!?何でここに!?」

 

レイジ「あの時お前に叩かれたのがよくわからん。だから近くでお前を見ることにした。だから俺も鍛えろおっさん。」

 

響「レイ。」

 

弦十郎「まったく、世話のかかる奴ばかりきやがる。まとめて面倒見てやる。時にアクション映画などは見るほうか?」

 

レイジ・響「え?」

 

こうして二人は弦十郎の弟子となった。一人は守る強さを手に入れるため、一人は答えを見つけるために。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五話 覚醒の暴走

響とレイジが弦十郎の所に弟子入りしてから何日かが過ぎた。着々と力をつけていく二人。

今日もサンドバッグにうち込みをしていた。

 

弦十郎「稲妻をくらい!それを拳に乗せて打ち込むんだ!」

 

響「言ってることよくわかりません!」

 

レイジ「だけど大体わかった!」

 

二人はサンドバッグに拳を放った。サンドバッグは吊るされていたロープを切れて、庭の池まで飛んでいった。

 

弦十郎「よし!」

 

修行を終えて休憩中。

 

響「ねぇレイジ?」

 

レイジ「何だ立花・・・」

 

響「ひ・び・き」

 

レイジ「立花」

 

響「折れないな、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」

 

レイジ「内容にもよる。」

 

響「二年前、ツヴァイウィングのライブにレイジもいたの?」

 

その質問には弦十郎も反応した。

 

レイジ「ツヴァイウィングのライブ?何だそれは?」

 

響「翼さんが奏さんと組んでたユニットだよ。二年前のライブにノイズが現れて大勢の人と奏さんが亡くなったの。その時私もそこにいて、ガングニールの適合者だった奏さんに助けてもらって、奏さんからガングニールを受け継いだんだ。この胸に受けた傷と一緒に。」

 

レイジ「まさかお前。」

 

レイジはいきなり響の服をめくり、胸の傷を見た。

 

響「ひゃぁー!?」

 

レイジ「そうか、お前も俺と同じ。」

 

響「え?」

 

驚いた響だったが、レイジのセリフに動きが止まった。

 

弦十郎「うほん!そういうことは保護者代わりとしては見過ごせんぞ。」

 

響「へ? ! きゃああ!」

 

レイジ「?」

 

響は急いで服を戻した、顔を真っ赤にしている響に対して、何故叫ぶんだと首をかしげるレイジ。

 

響「レイジは、そういうの好きなんだ。」

 

レイジ「そういうのって何だ?聞きたいことはそれか?」

 

響「なんだか納得できないけど、私が聞きたいのはあの場にいなかったのにどうして奏さんの言葉を知ってたの?」

 

レイジ「言葉?」

 

響「生きるのを諦めないで。瀕死の私に奏さんが言ってくれた言葉。それに翼さんがこの前歌った歌にも反応してたよね。」

 

弦十郎「絶唱だな。確かに普通なら聞くことのない歌だな。」

 

レイジ「・・・歌っていた所を見たわけじゃない。ただ、感じた、夢の中で。諦めるなと言う言葉も聞いた。赤い髪の女だった。」

 

響「やっぱり奏さんだ。でも何でレイの夢に?」

 

レイジ「それを知りたくてお前に問いただした。今話せるのはこれで全部だ。帰る。」

 

レイジは玄関からではなく、塀を登って風鳴邸から出ていった。

 

 

弦十郎「別に捕まえないから、普通に玄関から出ていけ。」

 

 

 

 

 

 

 

屋敷を出たレイジは街中を歩いていた。すると。

 

未来「あ、レイジ。」

 

レイジ「小日向未来。」

 

未来「どうしたの?何だかアザだらけだけど?」

 

レイジ「何でもない。」

 

未来「もしかして響も関係してる?最近響もアザだらけで帰ってくるんだけど。」

 

レイジ「ノーコメントだ。」

 

未来「それ、ある意味イエスって言ってるもんだよ。・・・」

 

 

レイジ「どうした?浮かない顔してるぞ。」

 

未来「! レイジも人の心配してくれるんだね。」

 

レイジ「気になっただけだ。」

 

未来「・・・最近響が遠くに行っちゃう気がして。レイジに頼んだのは確かなんだけど、段々と響がわからなくなってきちゃって。」

 

レイジ「お前とあいつの関係性は知らない。たが、あいつが動いているのは誰かを助けるためだと思う、その中にはきっとお前もいる。」

 

未来「レイジ・・・レイジに慰められるとは思ってなかった。」

 

 

レイジ「バカにしてるのか?」

 

未来「ううん、ありがとうレイジ。」

 

レイジはその場を後にした。

 

 

 

 

 

二課の一室。炎矢がパソコンに向かい資料をまとめていた。

 

炎矢「ここ最近のノイズの出現率は明らかに以上だ。本来災害単位で現れるはずなのに、最近は一週間で3回のペースだ。更に紛失したネフィシュタンの鎧を纏った少女、更にはノイズを操る聖遺物まで所持している。 その狙いが響さんの捕獲。同じ奏者で熟練の翼ではなく、奏者になりたての響さんを狙った。 二人の違いといえば、やはり響さんの体に埋め込まれたガングニールの破片。 これにより響さんは希な奏者になっている。 それを踏まえて出された結論は、今回の事件、やはり何者かが仕掛けたものと思われる。更には司令が言っていたように二課内部の人間が高い。 こちらの情報が知られているなら、次に狙われるのは・・・」

 

その時通信機が鳴った。

 

炎矢「はい、こちら炎矢。」

 

弦十郎『炎矢、広木防衛大臣が殺害された。』

 

炎矢「何ですって!?資料の受け取りに行った了子さんは!?」 

 

弦十郎『連絡を続けているが返答がない。今から緊急ブリーフィングを行う、すぐに指令室に来てくれ。』

 

炎矢「了解しました。敵が動き出したのか?こんな大胆に?狙いは予想どおりディランダル。」

 

 

 

 

その後、無事が確認された了子も合流し、響も集まりディランダル移送作戦が決定した。作戦開始まで寮で待機する響。そんな響に未来は。

 

未来「響、最近何か隠してるでしょう?」

 

響「ふぇ!?そ、そんなことないよ!?」

 

未来「嘘が下手すぎ、まぁどうせいつものお節介だと思うけどね。」

 

響「あはは、ごめん。」

 

未来「まぁ今に始まったことじゃないけどね。あんまり無茶はしないでね。」

 

響「もちろんだよ!やっぱり未来は優しいな。」

 

未来「おだててもなにもありません。」

 

響の電話が鳴った。それは作戦開始を知らせる知らせだ。

 

響「ごめん、未来。ちょっと出てくるね。」

 

未来「また?理由は教えてくれないんだろうけどね。」

 

響「本当にごめんね。行ってきます。」

 

未来「うん、行ってらっしゃい。」

 

気丈に送り出したが、その顔はうつ向いたままだった。

 

 

 

 

 

 

作戦はシンプルだ。

櫻井と響が乗った車にデュランダルを積み、移送先まで移動。

その際数台車でガード、ヘリは三機、一機は弦十郎が指揮をとるために、もう二機の内一機は炎矢が空から援護を、もう一機はサポートに。

作戦開始が始まってからしばらくしてから、予想通りノイズが現れた。

更に下水からも攻撃を仕掛けてきて、響達が乗った車以外の車がやられた。

 

炎矢「予想よりもノイズが多い!やはりこちらの作戦が漏れていたのか!?」

 

炎矢は上空から攻撃を仕掛ける。

しかし、ノイズも触手のように攻撃してきた、一機はやられてしまい、炎矢の乗っていたヘリも負傷し墜落したが、なんとか乗組員をつれて脱出したが、その場に足止めになってしまった。

 

炎矢「足止めか。嫌な予感がする。」

 

 

 

響達が乗った車はノイズの出現により、工場地に誘導された。そこには大量のノイズとネフィシュタンの少女がいた。

車にも攻撃をしてきた。二人は何とか脱出した。

 

響「了子さん大丈夫ですか!?」

 

了子「何とかね。」

 

響「やっぱりデュランダルを狙ってるんですかね。」

 

了子「じゃあ置いていっちゃう?」

 

響「いや、ダメでしょう!」

 

了子「やっぱり?」

 

そんな二人にノイズが攻撃してきた。突然の事に響は対象しきれなかった。

しかし攻撃は通らなかった。

了子が光の壁のような物を出し攻撃を防いだ。

 

響「了子さん?」

 

了子「まったく仕方ないわね。あなたの胸の歌を信じて戦いなさい。」

 

響「了子さん、はい!」

 

響はガングニールを纏った。ノイズと戦闘を開始した。しかし、どこか動きずらそうだ。その隙をついてノイズが攻撃してきた。

 

 

レイジ「はぁーー!」

 

響「レイ!」

 

レイジ「訓練した意味がないぞ!」

 

響「ヒールが邪魔になってて」

 

響はヒールを折った。そしてレイジと背中合わせで戦い始めた。お互い戦い始めた。

 

?「なんだあいつら?戦いなれてきてる?しかも連携がとれてるだと?」

 

その時、了子の近くにあったデュランダルが光だした。

 

了子「これは、まさか?」

 

デュランダルは箱から飛び出し、更に光を放ち宙に浮いた。

 

レイジ「なんだあれは?いや感じがする。」

 

?「まさか覚醒したのか?だがちょうどいい!」

 

ネフィシュタンの少女はデュランダルを奪おうと飛び上がった。しかし誰かに踏み台にされた。

響だ。響はデュランダルをつかみとった。

 

響「!!?」

 

デュランダルをつかみとった響の様子がおかしい。

響は黒い影のように黒に染め上がった。

 

レイジ「立花響?」

 

?「力を見せつけようとしてるのか?ふざけんじゃねー!」

 

響に向かっていくネフィシュタンの少女とノイズが迫っていく。響はデュランダルを振りかざそうとしている。それを見たレイジは感じた。

 

レイジ「違う、いつものあいつじゃない。あいつのやりたいことじゃない!」

 

レイジは両方の間に割り込み響を見る。そしてレイジから光があふれでた。

響はデュランダルを振りかざした。その威力は前方にいたノイズ、建物をすべて破壊する威力だった。

だが消えたのはノイズだけだった。

ネフィシュタンの少女は危機を感じ回避した。

周りの被害はレイジが発した光に総裁されたかのように、消滅した。

 

 

 

 

 

響「ん・・・」

 

了子「気がついたみたいね。」

 

響が気がついたのはしばらくしてからだった。すでに他の職員達による事態収拾が行われていた。

 

響「私確か、デュランダルを掴んでそれから頭が真っ黒になったみたいになって。」

 

了子「まだまだ調べなくちゃいけないわね。どのみち作戦は中止ね。」

 

響「すみません。」

 

了子「仕方ないわよ、今は休みなさい、あなたも彼も。」

 

響「彼?」

 

ふと見るとレイジが気を失っているようで担架で運ばれていた。

 

 

響「レイ!」

 

響はレイジに走って向かった。

 

了子「(デュランダルの力を相殺して被害を抑えた。黄龍の力、いや、別の力、この子も興味深いわね。)」

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第六話 知られた事実

デュランダル移送作戦から3日。

とある山中にある豪邸、その付近にある湖畔に一人の少女がいた。

あのネフィシュタンの少女だ。

 

?「あいつ、戦いに慣れただけじゃなく、あの場で聖遺物を覚醒させやがった。私でもソロモンの杖を覚醒させるのに半年はかかったんだぞ。それをあいつは!私の前で力を見せつけやがって!」

 

?「クリス」

 

ネフィシュタンの少女が声をかけられ後ろを見る。そこには帽子を被り顔は見えないが、体格や声からすると大人の女性だ。

女性からネフィシュタンの少女の名前がクリスと判明した。

 

クリス「あんたに言われた通りすれば争いはなくなるんだろう?だったら今度こそ成功させてやるさ!こんなもんに頼らなくてもな!」

 

クリスは持っていた杖のような物を女性に渡し、その場を去る。

 

 

 

 

 

 

 

機動二課の本部にて

響はある部屋の前に来て、扉を開けようとしていた。そこに。

 

炎矢「響さん。」

 

開けようとしたら炎矢に声をかけられた。

 

響「炎矢さん」

 

炎矢「やはり彼が気になりますか?」

 

響「いちよう私のせいですし、炎矢さんも?」

 

炎矢「まぁそれもありますが、いろいろと聞きたいこともありますし。」

 

響「あ、」

 

すると扉があいた。そこにはレイジがいた。

 

響「レイ!」

 

レイジ「立花響か。また来たのか?」

 

響「当たり前だよ!心配なんだから!」

 

炎矢「また勝手に出ていこうとしてましたね。」

 

レイジ「当然だ。人は信用ならん。」

 

弦十郎「とか言いながら結構人助けしてるけどな。」

 

レイジの頭を背後から掴む弦十郎が現れた。どうやら先に中でも話をしていたらしい。

 

炎矢「司令。いらしたんですか?」

 

弦十郎「ああ、こいつからいろいろ聞かないといかんしな。」

 

レイジ「だからおれはもう大丈夫だ!」

 

弦十郎「それでいろいろ聞いてるんだよ。」

 

 

それはレイジが搬送された日の事。

重症だったはずのレイジだったが、病室に運ばれた時点で殆どの傷が塞がっていた。

その後かなり暴れるので弦十郎に眠らされた(力強くで)

 

 

 

響「そうだよ!あれだけの傷だったんだよ!塞がったっていってもなんかあるかもしれないじゃない。だからおとなしくしててよ!」

 

レイジ「・・・」

 

レイジは無言でベッドに腰かけた。

 

炎矢「響さんの言うことは聞きますね?」

 

弦十郎「口は悪いけど信頼してるんだよ。お前はあの回復力は黄龍の能力だと思うか?」

 

炎矢「難しいですね、伝承的にはどちらかと言うと僕の朱雀の方が回復の話を聞きますが、」

 

弦十郎「やはり別の力か。」

 

炎矢「調べたいですが、彼響さんと司令以外はまだ信用されてないみたいで。傷事態は完全に回復してるみたいですけど。」

 

弦十郎「これ以上はここにとどめることはできんか。了子君が残念がるがな。」

 

炎矢「まぁ響さんと同じで最近のお気に入りでしたからね。(あるいは)」

 

二人がレイジ達に聞こえてないくらいの会話をしているなか、響がレイジの世話を焼こうとしていた。

 

響「だから横になんなきゃ!」

 

レイジ「だから俺はもう大丈夫だっていってるだろう!俺よりもお前が気にしないといけない奴がいるだろう!」

 

響「え?」

 

レイジ「お前を心配してるんだ。たまにはほっとさせてやれ。」

 

 

響「未来・・・」

 

弦十郎「おい、レイジ。お前を釈放してやる。」

響「え?」

 

レイジ「やっとか。」

 

響「レイジ大丈夫なの?」

 

レイジ「だから大丈夫だと言ってる。だからお前は」

 

響「うん。わかった。」

 

響は走って向かった。

 

弦十郎「炎矢、送ってやれ。」

 

炎矢「わかりました。」

 

炎矢はレイジを連れて出口まで歩いていく中ふとレイジが

 

レイジ「・・・あの女は大丈夫なのか?」

 

炎矢「! 確かに、司令の言うとおりですね。君はいい人だ。」

 

 

レイジ「そんなんじゃない!ただ気になっただけだ。」

 

炎矢「意識は戻りました。今必死にリハビリ中です。ただ。」

 

レイジ「ただ?」

 

炎矢「前に比べて少し何かが抜けたような感じがします。」

 

レイジ「そうか。」

 

炎矢「奇跡的に回復できたからよかったですが。絶唱とは恐ろしい力です。だから君も制限時間を過ぎないように。」

 

レイジ「・・・」

 

炎矢「それともう少し心に素直に。」

 

レイジ「はぁ?どういうことだ?」

 

炎矢「いずれわかるさ。」

 

二人は出口まで歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

次の日レイジは町を歩いていた。

 

レイジ「心に素直にだと、わけのわからんことを。・・・心・・・か。」

 

未来「レイジ?」

 

考えながら歩いていると、目の前に未来がいた。

 

レイジ「小日向未来。」

 

未来「レイジも何でここに?」

 

レイジ「特には。」

 

未来「・・・だったら付き合ってくれる。」

 

レイジ「?」

 

二人が来たのはお好み焼き屋フラワーだった。

 

レイジ「何で飯?」

 

未来「いいから付き合ってよ。私だって本当は響と来る予定だったんだから。」

 

レイジ「立花響と?あいつと約束してたのか?」

 

未来「・・・」

 

レイジ「あいつ、言った側から。」

 

未来「最近は私よりレイジの方が響のこと理解してるんだね。私は最近わからないよ。」

 

レイジ「だったらぶつかる勢いで話せ。」

 

未来「え?」

 

レイジ「あいつはお前の優しさに甘えてるだけだ。お前だからきっと理解してくれると、俺から言わせれば話もしないで理解なんてできない。だったら悩んでるよりなら話し合え。それで何か変わる。」

 

未来「レイジ」

 

レイジ「とりあえず飯の礼だ。」

 

未来「素直じゃないな。」

 

レイジ「皆に言われるがそんなに素直じゃないのか?」

 

未来「自覚がないんだね。」

 

レイジ「言われたよ、心に素直にって言われたが、どうしたらいいのか?」

 

未来「それだったらいい見本がいるよ。すぐ側に。」

 

レイジ「なるほど。参考にする。」

 

 

 

 

 

 

 

一方炎矢は翼の病室を訪れていた。ノックをして扉を開けたが誰もいない。だが驚いていた。

 

炎矢「翼の部屋なのに片付いてる!?何かの予兆か!?」

 

翼「失礼ね。」

 

炎矢の後ろに翼が松葉杖をつかい立っていた。

 

炎矢「翼!?一体どうしたんだこの部屋は!?緒川さんもいないのにこんなに片付いて!?」

 

翼「はぁー、炎矢はほんとに私に対して容赦ないわね。」

 

翼は事情を伝えた。

 

炎矢「なるほどいり違いで響さんが来ていたのか。通りで。」

 

翼「炎矢も意地悪だ。」

 

炎矢「!! 何だかすっきりした感じたね。」

 

翼「そ、そうかな?」

 

炎矢「ええ、いい顔してます。」

 

翼「炎矢にもいろいろ心配させてたわね。」

 

炎矢「もちろんそれはそうです。昔からね。」

 

翼「うっ、」

 

炎矢「だけど、嫌と思ったことはない。翼のことを理解しているから。きっと翼はまた飛べると。」

 

翼「炎矢。」

 

その時、炎矢のアラームがなった。

 

 

 

 

 

 

レイジと未来は帰り道を歩いていた。

 

レイジ「なんで俺が一緒に行かないといけないんだ?」

 

未来「提案したんだから、見届けて。」

 

レイジ「はいはい。 !?」

 

未来「どうしたの?」

 

レイジ「この感じは!」

 

未来「あ、響!」

 

道の反対側に響がいた。何か急いでいる様子だ。

 

未来「あのね、私響に話が!」

 

レイジ「止まれ!」 響「駄目だ!」

 

クリス「食らいやがれ!」

 

未来が響に駆け寄ろうとしたのを響とレイジが止めようとしたが間に合わず、クリスの攻撃に巻き込まれてしまい吹き飛ばされた。

 

クリス「しまった!あいつ以外にもいたのか!?」

 

吹き飛ばされた未来に同じく吹っ飛んだ車が迫る。目を瞑る未来。だが何も起きない。目を開けるとそこには。

 

未来「響?レイジ?」

 

ガングニールと黄龍を纏った響とレイジがいた。

 

響「未来、ごめん。」

 

レイジ「・・・」

 

二人は未来から離れた場所に向かい、クリスと戦い始めた。

 

未来「どうして?」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第七話 すれ違い

未来から離れた場所で戦い始めた響とレイジ。

 

クリス「どんくせぇのが生きやがる。」

 

響「どんくさいなんて名前じゃない!」

 

クリス「!?」

 

響「私の名前は立花響!誕生日は9月13日生まれ、趣味は人助け、好きなものはご飯&ご飯、身長はこの間の測定で157センチ、体重はもう少し仲良くなったら教えてあげる、後彼氏いない歴は年齢と同じだけど、最近気になる人がいるかも!」

 

クリス「突然何言ってやがる?」

 

レイジ「わからないか?」

 

響「私達は話ができるんだよ!だから争う前にちゃんと話し合おうよ!」

 

クリス「うるせいよ。話し合いで解決なんてするもんか!」

 

クリスはネフィシュタンの鞭で二人を攻撃してきた。しかし飛んできた鞭をお互い一本ずつ掴み、同時にクリスを引き寄せた。

 

 

レイジ・響「はぁーー!」

 

同時に拳を叩きつけた。クリスは吹き飛んだ。

 

響「お願いだから話し合おうよ!」

 

クリス「なめやがって、私を、雪音クリスを!」

 

響「クリスちゃんっていうんだね。」

 

クリス「! やっぱりお前むかつくんだよ!アーマーパージだ!」

 

クリスは着ていたネフィシュタンの鎧をはじき飛ばした。二人は避けたが、辺りが煙に包まれた。

 

レイジ「無事か立花響!」

 

響「大丈夫! ん?」

 

レイジ「歌?この歌は、立花達と同じ?」

 

煙の中から光が放たれていた。煙が晴れるとそこには響達と同じシンフォギアを纏ったクリスがいた。

 

響「クリスちゃん、私達と同じシンフォギアを?」

 

レイジ「あの鎧とは違い、やな感じがしない。」

 

クリス「歌わせたな、私に歌を歌わせたな!」

 

クリスは射撃系の武装を出しぶっぱなしてきた。

 

クリス「私はな歌が大嫌いなんだよ!」

 

レイジ「無茶苦茶やるな。」

 

響「うわ!」

 

銃弾が響に直撃し、煙に包まれた。

 

レイジ「立花響!」

 

クリス「へ!」

 

煙が晴れるとそこには巨大な壁があり、響を守った。

 

クリス「こいつは壁?」

 

翼「否!剣だ!」

 

それは剣を巨大化させた翼だった。

 

クリス「くそ!」

 

クリスは上にいる翼に砲撃した。しかし赤い光が横切り砲撃は相殺された。光が来た方を見ると、そこには炎矢がいた。

 

炎矢「翼、まだ完治してないんだから無茶はだめだよ。」

 

翼「炎矢が支えてくれれば問題ない。」

 

炎矢「まったく、たまに言うから反則だよ。」

 

翼は隙を見逃さず、素早くクリスの懐に入り込み、首もとに刃を突きつけた。

 

響「翼さん!」

 

響はクリスに対する攻撃を止めようと声を出そうとしたが、肩を叩かれた。

 

響「炎矢さん?」

 

炎矢「大丈夫、翼はわかっています。」

 

翼「(戦うべき敵を間違えることはもうしない。)」

 

レイジ「(前に感じた迷いと怒りがない。これもあいつの影響かなのか?)」

 

レイジは翼とクリスの戦いを見ながら響を見た。

 

レイジ「(俺も変われるのか?いや、変わりたいのか? !!なんだ!?)」

 

戦いが続くなか、翼とクリスにノイズが攻撃してきた。それを見た響は二人を助けた。

 

クリス「お前何で?」

 

響「クリスちゃんが危ないと思ったら、体が動いちゃって。」

 

クリス「バカかお前!」

 

翼「まだ来るぞ!」

 

再びノイズが迫ってきたがレイジと炎矢が三人を助けた。

 

レイジ「誰だ!?」

 

響「誰?誰がいる?」

 

一同がレイジの視線の先を見ると女性がいた。その手にはソロモンの杖があった。

 

クリス「フィーネ?」

 

翼「フィーネ、終わりの名を持つものか。」

 

クリス「フィーネ!こんな奴ら私一人でできる!手を出すなよ!」

 

フィーネ「クリス、あなたはもう用済みよ。こんなこともできないなんて。」

 

フィーネはクリスにそう告げると、杖を持つ反対の手に光が集まり始めた。それは先ほどクリスが吹き飛ばしたネフィシュタンの鎧だった。

 

クリス「用済みってなんだよ?フィーネ!」

 

フィーネはさらにノイズを放ってきた。一同は難なく撃破できたが、その隙にフィーネは姿を消した。

 

クリス「待てよ!フィーー―ネーーーー!!」

 

クリスもその後を追いかけた。

 

 

 

 

その様子を見ていた指令室でも。

 

友里「対象の反応ロストです、イチイバルの反応もロスト。あ!黄龍も遠ざかっています。」

 

弦十郎「奏者には深追いするなと連絡。黄龍に関しても追わなくていい。」

 

藤尭「こちらもヒットです。」

 

藤尭がモニターを操作して画面を変えた。そこには先ほどまでいたクリスが映っていた。しかしその画面に映っていたのは何年か前の新聞の記事で、今よりも幼いクリスだった。

 

弦十郎「あの子だったのか。」

 

 

 

 

 

 

その後、響、翼、炎矢は指令室まで戻ってきた。

 

響「クリスちゃんが元奏者候補?」

 

弦十郎「両親は共に音楽家で奏者になりうる素質があった。しかしご両親が紛争地域に赴いた際紛争に巻き込まれ、それ以降ずっと捕虜になっていたが、二年前に保護されて我々が引き取ろうとしたが、帰国してすぐに消息が絶った。まさか第二号聖遺物、イチイバルと共に現れるとわ。」

 

炎矢「やはりあのフィーネと呼ばれる女性が原因でしょうか?」

 

弦十郎「今回の事件にも関与している可能性が高い。」

 

響「でもクリスちゃん大丈夫かな?裏切られたみたいになってたけど。」

 

翼「心配か?」

 

響「あ、すみません。」

 

翼「謝る必要はない。響はそれでいい。」

 

響「翼さん。」

 

炎矢「ずいぶん丸くなったでしょう?」

 

翼「炎矢!」

 

響「あはは。あ、あの未来は?」

 

弦十郎「見てしまったからな、話せる範囲で説明して、契約もして今は帰宅している。」

 

響「見られちゃったな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、響は部屋に戻った。そこには課題をやっている未来がいた。どこかピリピリした雰囲気だ。

 

響「未来、入っていいかな?」

 

未来「どうぞ、あなたの部屋でもあるでしょう?」

 

響は未来と向かい合うように座り、意を決して話しかけた。

 

響「あのね、未来。」

 

未来「何?また嘘つくの?」

 

響「え?」

 

未来「隠し事しないって言ったのに。嘘つき。」

 

未来はその言葉を最後に二段ベットに入り込みカーテンを閉めた。

 

響「未来・・・・」

 

未来「私、響と友達でいられるか不安だよ。」

 

その言葉を聞いて、響はフラフラと洗面所まで来て涙を流した。

 

響「嫌だよ、私。未来と離れるなんて嫌だよ。」

 

 

相手を思うからすれ違ってしまった二人。その行く末は

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8話 すれ違いまじ合う

風鳴邸。

 

レイジ「はぁ!」

 

弦十郎「ふん!」

 

レイジが弦十郎に鍛錬してもらっていた。いつもなら響もいるが、今はここにいない。

 

 

がむしゃらに古武士を放っていたレイジだが、あっさり受け流されてしまった。

 

 

 

地面に横たわるレイジ。そこに弦十郎が声をかけてきた。

 

弦十郎「随分と荒れてるな。」

 

レイジ「余計なお世話だ!」

 

弦十郎「響君のことか?」

 

レイジ「・・・・・正直わからない。前だったらこんなことに気にしなかったんだが、今のあいつらの状況を考えるともやもやするんだ。」

 

弦十郎「・・・・お前は実力的にはかなり強くなったが、真の強さにはもう少しってところだな。」

 

レイジ「真の強さ?なんだそりゃ?」

 

弦十郎「それはお前自身が見つけないとな。」

 

レイジ「映画見てもわかないのか?」

 

弦十郎「ふっ、お前も冗談が言えるようになったか。気になるならまずは会って話してみろ。」

 

レイジ「・・・・・・」

 

 

 

 

 

レイジはあれから商店街を歩いている。さらに雨も降ってきた。

 

未来「レイジ?」

 

声がしたので前を見ると未来がいた。お互い気まずそうだった。さきに声を出したのは未来だった。

 

未来「ねぇ?レイジは知ってたんだよね?ううん、むしろ関わってるんだよね?何であんなことになったの?響のことお願いって言ったのに。」

 

レイジ「・・・・・その言葉でなんとなくわかった。お前と立花は・・・・。」

 

その時路地裏で音が聞こえた。その音を聞いて二人はそちらを見た。そこに一人の少女が倒れていた。

 

未来はすぐに駆け寄った。レイジもゆっくり近づいた。

 

レイジ「! こいつ!?」

 

その顔を見てレイジはびっくりした。そこで倒れたのは今まで戦っていた雪音クリスだった。

 

 

 

 

 

雪音クリスは逃げた。信じていたはずのフィーネの真意を聞いて殺されそうになった。もう訳が分からなくなり必死になって逃れた。その際についに倒れてしまった。

 

倒れてしまったクリスが見たのは両親が生きていた頃の記憶、そして理不尽にそれを失い、大人たちに奴隷のように扱われた記憶。

 

クリス「うっ・・・・」

 

未来「あ!気が付いた?」

 

クリスが目を覚ますと未来が目の前にいた。どうやらどこかの布団で眠っていたらしい。

 

クリス「!! なんだお前!?」

 

クリスが立ち上がったが、未来が顔を赤めた。下を見ると、未来の体操着の上着だけで、下は何も履いていないことに気が付いて、すぐに布団にくるまった。

 

クリス「な、なんでだ////」

 

未来「ごめんなさい!雨で服が濡れてて、さすがに下着の替えだけは。」

 

レイジ「気が付いたのか?」

 

クリス「お前は!?」

 

レイジ「小日向未来に感謝することだな。俺はほっておこうとしたが、小日向未来が絶対助けると聞かなくてな。」

 

未来「あたりまえでしょう!まったく。あ、ここは行きつけのお店なんだけど、心よくここを貸してくれたんだ。」

 

クリス「・・・・何のつもりだ?」

 

未来「え?」

 

クリス「そこにいる奴にとって私は敵なんだぞ。そんな奴を助けて何の得があるってんだよ?」

 

レイジ「少なくとも小日向未来は俺と違い、人を助けるのに損得は考えてないみたいだがな。立花響と同じだ。」

 

未来「響と同じ?」

 

レイジ「そんな奴らと関わっていたせいか、お前を助けたことに関して悪い気はしない。」

 

レイジは一旦部屋をでた。

 

 

 

 

 

 

 

そのころ響は学校の屋上で悩んでいた。すれ違ってしまった未来のことである。

 

響「全部私が悪いんだ。」

 

炎矢「そう自分を責めるのは感心しませんね。」

 

そこに炎矢と、松葉杖をつき炎矢に支えられながら翼がやってきた。

 

翼「炎矢から聞いたけど、あなたもよく悩んでいるみたいね。」

 

響「すみません。」

 

炎矢「謝らなくていいですよ、翼も似たようなもんですから。」

 

翼「炎矢!」

 

響は自分の悩みを話した。

 

翼「なるほどね。確かに戦士ならぶつかる問題ね。」

 

響「私が隠してきたことが問題なんです。隠し事しないって約束したのに、私がそれを破ったから。」

 

炎矢「それで響さんはどうしたいんです?このままさよならしますか?」

 

響「嫌です!そんなの私は嫌です!」

 

翼「なら答えは決まってるわね。あなたがいつもやってるように信じた手で。」

 

炎矢「つかみ取っていきましょう。」

 

響「あ、あははは。」

 

翼「何故笑う?」

 

響「やっぱりお二人は仲がいいですね。」

 

翼「共に戦う仲間だから。」

 

炎矢「仲間っか。(なんだか複雑だな)_」

 

響「ありがとうございます、私ちゃんと気持ちを伝えてみます!」

 

piiii

 

響「!! はい!ノイズですね。わかりました。」

 

炎矢「行きましょう響さん。」

 

翼「私も。」

 

炎矢「けが人なんだから待機してください。」

 

翼「しかし。」

 

響「翼さん、ここは私たちに任せてください!」

 

翼「立花、任せたぞ。」

 

響「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響たちが現場に向かう少し前。

レイジはフラワーのカウンターに座っていた。そこに未来が近づいてきた。

 

レイジ「あいつは?」

 

未来「うん、今着替えてるところ。」

 

レイジ「そうか。」

 

未来「改めて聞いていいかな?」

 

レイジ「何で立花響を戦わせていたか?」

 

未来「それに関してはごめん。レイジを責めるのはお門違いだよね。聞きたいのは私の響が似てるってこと。私なんかは響とは似ても似つかないよ。」

 

レイジ「・・・・やっぱり似てるな。」

 

未来「え?」

 

レイジ「立花響もお前も、お互いを心配しあってる。今回のことも自分が悪いとお互い思ってるからすれ違ってる。」

 

未来「よく見てるんだ。」

 

レイジ「お前が言ったんだろう?立花響を見ていてくれと。」

 

未来「私との約束を守ってくれたの?」

 

レイジ「最初はそんな約束どうでもよかった。だけどお前たち二人と関わっていくにつれて俺もわからなくなった。そういう意味ではお前たち二人とも、ある意味人に影響を及ぼすみたいだな。」

 

未来「・・・・・・私は・・・・。」

 

その時アラームが鳴り響いた。その音を聞いて二人は外に出た。そのあとすぐにクリスとフラワーのおばちゃんも出てきた。外では人々が逃げ回っていた。

 

クリス「何なんだこのサイレンは?」

 

未来「知らないの?ノイズが現れたんだよ!」

 

クリス「!! 私がここにいるから。」

 

レイジ「・・・・」

 

未来「とにかく非難しないと。」

 

しかしクリスは皆が非難する反対方向に走り出した。

 

未来「え?クリス!?」

 

レイジ「あいつは俺が追う。お前は逃げろ!」

 

レイジもクリスの後を追っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未来たちから離れたクリスは

 

クリス「私はここだ!もう関係ない奴らに手をだすんじゃねー!」

 

そこにノイズが集まってきた。クリスはイチイバルを装備しようとしたが、疲れがここで出てしまい、声がでなかった。もちろんその隙をノイズが見逃すわけもなく。クリス目がけて突撃してきた。

しかしクリスに届くことはなかった。クリスの目の前にいたのは風鳴弦十郎だった。

足の踏み込みの力で道路を壁のように出現させてクリスを守った。そのままクリスを抱え建物の屋根の上まで飛んだ。

 

クリス「何だあんた!?」

 

弦十郎「俺はかつて君の保護を名乗り出たもんだよ。今はシンフォギアや守護獣達の指令をやってる。」

 

クリス「だったら今更私を助ける通りなんてないだろう!」

 

弦十郎「ひねくれてんなお前。子供を助けるのが大人ってもんだろう?」

 

クリス「今更そんなこと信用できるかよ!私はいいからさっさとほかの奴らを助けることだな!」

 

レイジ「随分な言い方だ。」

 

そこに黄龍を纏ったレイジが、それと同時に炎矢もやってきた。

 

クリス「追ってきやがったのか。」

 

レイジ「あいつらを知るのに、おせっかいをしてみようと思ってな。それにしてもおっさん、本当に人間かよ?」

 

弦十郎「お前も随分失礼な奴だな。」

 

炎矢「それに関しては僕たちも思ってます。」

 

クリス「どいつもこいつもボケてんじゃね!こいつらの狙いは私なんだ!こいつらのあいては私がする!その間に救助でも何でもやってろ!」

 

クリスはイチイバルを装備してノイズたちを引き離した。

 

炎矢「彼女は僕が追います!指令は非難をお願いします!」

 

レイジ「待て、俺も!」

 

炎矢「君は響君のほうに行ってくれ、どうやら彼女の友達に何かがあったらしい。」

 

レイジ「!!」

 

二人は互いの場所に飛んだ。残った弦十郎は拳を握った。

 

弦十郎「俺はまたあの子を救えないのかのか?」

 

 

 

 

 

響の方に飛んだレイジは、二人を探した。

 

レイジ「何でここまで俺は焦ってるんだ?でも不思議と嫌な気分じゃない。。 ん!」

 

レイジが見つけたのは未来がクラゲ型のノイズに襲われそうになっているところだった。

一気にそこに飛んだ。ノイズに向けて拳を放った。ふと隣を見ると響も同時に拳を放っていた。

 

レイジ「お前!?」

 

響「レイ!?」

 

二人の攻撃でノイズを撃破したが。

 

未来「きゃああ!」

 

ノイズが消滅した衝撃で未来が吹き飛んでしまった。

 

響・レイジ「未来!」

 

吹き飛んでしまった未来を二人は再び飛んで、未来をシッカリと掴み、そのまま近くの川に落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後川から上がった三人。

 

響「よかった。未来が無事で。でも無茶しすぎだよ!」

 

未来「信じてたから、絶対に響が助けてくれるって。それにレイジも助けてくれたし。」

 

響「未来」

 

レイジ「どうやら仲直りできたみたいだな。」

 

響「うん!って二人ともひどい顔だよ!」

 

未来「そういう響だってひどい顔だよ。」

 

響「ええ!?本当に!?鏡とか持ってない!?」

 

未来「鏡はないけどスマホなら。」

 

響「じゃあ写真で未来とレイも一緒に!」

 

レイジ「いや、俺はいい。」

 

響・未来「いいから。」

 

レイジのそれぞれの手を引っ張り近くに寄せて、三人で写真を撮った。

 

響「ひゃあー。これは完全に呪われてるレベルだよ。」

 

未来「ふっ!なにそれ!?」

 

二人は写真をみて笑顔で笑った。レイジは声を出さなかったが、口元が少し緩んだ。

 

 

 

 

 

 

その後、弦十郎に合流した響と未来。

 

響「というわけで、またもや未来に見られてしまったんですが。」

 

未来「響は悪くないんです!私を助けるために!」

 

弦十郎「・・・まぁ、情況的には仕方あるまい。」

 

その言葉に安どする二人。

 

弦十郎「そういえばレイジはどうした?」

 

響「さっきまではいたんですけど、師匠の姿を見つけたら、姿を消しちゃって。あ!けっして師匠が悪いわけではなく!」

 

弦十郎「わかってるよ。まぁ、いまのあいつなら問題なかろう。」

 

その言葉にも二人は笑顔になった。ふと未来が。

 

未来「あの、実は友達とはぐれてしまったんです。雪音クリスっていうんですけど。」

 

炎矢「その子なら無事ですよ。」

 

クリスの名前が出てきて反応する弦十郎だが、そこに炎矢もやって答えた。

 

未来「炎矢先輩!?もしかして先輩も関係者何ですか!?」

 

炎矢「ええ、ですけどこのことは秘密で。先ほど別の避難場所に保護されたと報告がありました。」

 

未来「よかった。」

 

そう答えたあと、弦十郎に近づき小声で。

 

炎矢「すみません、ノイズと戦闘中に見失ってしまいました。」

 

弦十郎[ふむ」

 

そのクリスは今だ一人で歩いていた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9話 聞こえた歌

響と未来の和解から何日かした日。

あれから未来は響の民間協力者という立ち位置になり、二課の基地にも来ることを許されていた。

 

未来「響が大変お世話かけています。」

 

響「ちょっと未来!?」

 

炎矢「はは。まるで響さんの保護者ですね。」

 

翼「立花と違いしっかりしているな。」

 

響「お二人ともひどいですよ!?」

 

炎矢「まぁ別の意味でしっかりしてほしい人もいますがね。」

 

炎矢はそこで翼を見た。

 

翼「何だ人の顔を見て?」

 

炎矢「いえいえ、もう少し自覚があればと。とはいえようやく纏まってきましたね。」

 

響「そうですね、後はここにレイとクリスちゃんがいれば完璧ですね。」

 

翼「・・・それは難しいかもしれないな。レイジの方は少しは丸くなったが、なぜ戦うのかもわからんしな、それに彼女に関してはもっと難しいかもしれんな。」

 

炎矢「まぁそれには一理はあります。こちらに敵意がなくなったのは感じますが。」

 

響「そんなことありませんよ!わからないなら私が直接聞いてきます!」

 

未来「あ!響!」

 

響はそう宣言し走り出した。未来も響を追いかけた。

 

炎矢「あ、行ってしまった。」

 

了子「あらあら青春しているわね。」

 

そこに入れ違いで了子がやってきた。近くには緒川もいた。

 

翼「櫻井女史がその様なことをいうのは珍しいですね。」

 

了子「まぁ乙女はいくつになってもロマンを求めるものなのよ。」

 

緒川「乙女って、ぐはっ!」

 

しれっとツッコんだ緒川を了子が蹴り飛ばした。炎矢は近づいて介抱した。

 

炎矢「し、しかし興味ありますね。先生がどのような青春をたどったか。」

 

了子「それはね・・・・やめたわ。女は秘密を知られると価値が下がっちゃうもの。」

 

緒川「自分から言っておきながら、ぐはっ!」

 

再び蹴られた緒川を後に了子はその場を去っていった。そんな了子を真剣な目を見る炎矢。

 

炎矢「・・・・それより緒川さん、翼に用があったんじゃあ?」

 

緒川「あ、はい、そうでした。翼さんそろそろ。」

 

翼「あ、ミーティングですね。」

 

炎矢「もしかして復活ライブのことですか?」

 

翼「ええ、色々あったけど。私はやっぱり歌が好きなんだと思う」

 

炎矢「少なくとも、答えが出始めたってところだね。応援しているよ。」

 

翼「それより?」

 

炎矢「前よりいい顔になった。」

 

翼「ありがとう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイジは河原に座りそこで遊ぶ子供達や周りの景色を見ていた。

 

響「やっぱりここにいた!」

 

そこに響と息が切れかかっている未来がやってきた。

 

レイジ「立花響、小日向未来。」

 

響「だから呼び捨てでいいってば。」

 

未来「響、強引すぎるよ。」

 

響「いやーこういうのは勢いかなって、ところで何してたの?」

 

レイジ「人を見ていた。」

 

未来「人を?」

 

レイジ「不思議だと思ってな。ノイズがでてきた時と随分と違うと思ってな。すぐそこに死があるのに、あんな穏やかな表情をしている。」

 

未来「皆生きてるからね。」

 

響「きっと生きてる実感を感じてるんだよ、だからこそ生きてるって素敵なんだよ。」

 

レイジ「生きるか・・・」

 

レイジは少し考え、何か決意したかのように二人を見た。

 

レイジ「お前達を見ていて、人ってのも悪くないように思えるようになった。その中でもお前達は特に信用できる。だからこそ話してやる、俺のことを。」

 

響「レイのこと?」

 

レイジ「俺は、普通に生まれた人間じゃない。」

 

未来「え?」

 

響「どういうこと?」

 

レイジ「俺はある組織によって人工的に造られた存在だ。」

 

響「ある組織?」

 

レイジ「名前はわからない。ただ髑髏に蛇の紋章があった。俺を造った目的は、聖遺物との融合体を創り出すこと。」

 

響「聖遺物の融合って、それじゃあ?」

 

レイジ「ああ、俺の体には聖遺物がある、しかもお前の欠片と違い、完全聖遺物の片割れが。なんの聖遺物かまでは知らんがな。もちろん、そんな実験が一回で成功するはずがない。俺の前には何人もいた。」

 

未来「そんなひどいことが。」

 

レイジ「俺は培養液の中にいた。意識もまばらな状態で、どういうわけか基本的な知識はあった。とはいえ考えもないただの人形だった。そんなある日声が聞こえた、今から二年前くらいに頭に響いた一言、生きるのを諦めるなっと。」

 

響「それって、あの時奏さんが私に行ってくれた言葉。」

 

レイジ「その一言で俺に心ができたみたいだった。それに呼応したように俺の中の聖遺物が活発して培養液から解き放たれた、俺は必死に逃げて今に至る。ちなみにこいつは脱出するときにくすねた。」

 

レイジは黄龍の勾玉を見せた。

 

レイジ「逃げた俺は途方もなく彷徨った。ただノイズが出たときは俺の中の聖遺物がざわついて、それを抑えるため戦った。デュランダルとかもそうだ、あれも俺をざわめかせる。」

 

未来「人を信用しなかったのはやっぱり」

 

レイジ「ああ。組織の人間しか知らない俺は、どうしても信用できなかった。お前達に会うまでは。気持ち悪いだろ?」

 

響「そんなことないよ!」

 

響はレイジの右手を握った。

 

響「そんな境遇にあって人を助けてるんだから立派だよ。」

 

未来「そうだよ。」

 

未来は反対の手を握った。

 

未来「それに造られたなんて言わないで、レイジは生まれ方は違うけど、ちゃんとした人間だよ。」

 

レイジ「お前等。」

 

響「それに私も同じだよ、レイジとお揃いだよ。」

 

レイジ「ふっ、やっぱりお前達に話してよかった。ありがとうな、響、未来。」

 

未来「あ、今私達のこと。」

 

響「名前で呼んでくれた!」

 

レイジ「ただの気まぐれだ。」

 

満足そうにレイジはその場を去ろうとした。不意に止まり。

 

レイジ「さっきの話、他の連中に話しても構わないから。」

 

響「駄目だよ。」

 

レイジ「え?」

 

響「そういう大事な事は自分の言葉で話さなくちゃ。」

 

レイジ「! 気が向いたらな。」

 

レイジは二人に手を振り、その場を去っていった。

 

未来「あ、響。聞きたいことあったんじゃ?」

 

響「ああ!?忘れてた!?」

 

 

 

 

 

日は変わり。今日は風鳴翼の復活ライブ。もちろん響達も招待されているのだが。

 

炎矢「それで例のごとく立花さんは寝坊なわけですか?」

 

未来「すみません。」

 

炎矢「一緒に来なかったのは意外でしたけど。」

 

未来「寮は一緒に出たんですけど、レイジを探してからいくから先に行っててっと。」

 

炎矢「立花さんらしいですね。それにしても彼も来るとは意外でしたが。」

 

未来「話したいことがあるから、だそうです。」

 

炎矢「話したいことっか、それなら翼も。」

 

未来「翼さんがですか?もしかして移籍の件ですか?」

 

炎矢「それもあるんですが、まぁ似たようなことかな?」

 

未来「確かに翼さんくらいだと世界中が欲しがりますね。」

 

炎矢「まぁ確かに・・・」

 

炎矢は考え始めた。

 

未来「どうしたんです?」

 

炎矢「すみません、少し思い当たる事があるのでこれで。」

 

炎矢は未来と離れてその場を去っていった。

 

未来「え?でもライブが?」

 

 

 

 

 

一方、響はレイジと共に走っていた。

 

レイジ「お前、予定ではもっと早くくるんじゃなかったのか?」

 

 

響「いやーなんと言いますか?」

 

レイジ「寝坊か・・・ふっ」

 

響「今笑ったでしょう!!」

 

その時無線が鳴った。

 

弦十郎『ノイズの反応だ。奏者はすぐに急行してくれ。』

 

響「師匠、そのこと翼さんには?」

 

弦十郎『いや、緒川を通してこれからだ。』

 

響「ならここは」

 

レイジ「俺達でやる。」

 

弦十郎『!! いけるか?』

 

レイジ・響「いける(ます)!!」

 

弦十郎『それと炎矢はいるか?連絡がつかない。』

 

響「こちらにはいません。どうしたんだろう?」

 

レイジ「考えがあってのことだろう、信じてやれ。」

 

響「レイジからそんな事言うなんてね。」

 

レイジ「俺自身もびっくりだ。」

 

二人が現場に向かう時、炎矢は無線機を切っていた。

 

炎矢「お願いします、二人共。」

 

 

 

 

ライブが始まった時と同じく戦闘が開始した。

二人の実力なら遅れはとらないが数が多い。そこにミサイルが飛んできた。

 

レイジ「あれは!?」

 

響「クリスちゃん!来てくれたんだ!」

 

クリス「別にお前等のために来たわけじゃね!ノイズは私にとって敵だからな」

 

レイジ「なんでもいい、片付けるぞ。」

 

クリス「お前が仕切るな!」

 

三人はノイズを撃破した。

翼のライブも成功し、改めて自身の夢を語り、世界へ羽ばたく事も発表した。

 

 

 

 

 

 

そのころとあるマンションの一室、そこは炎矢の家でパソコンとにらめっこしていた。

 

炎矢「最近のノイズの大量発生はフィーネと呼ばれている存在が原因だ。さらには立花さんの誘拐やデュランダルの強奪を企てたり、そう考えるとまさか二年前のライブも彼女の仕業か?ここまで僕達の動きを把握しているとなるとやはり内通者が・・・しかし単体だけではこんなことは不可能。そう考えると日本以外の国家が関わっている可能性がある。そして国家がもとめる利益は、例えば科学力。日本でそんな科学力を持っている人物といえば。」

 

?「相変わらず考え事するときは、音信不通になるわね。」

 

炎矢「!!?」

 

後ろから突然声がして振り向いた。

その直後部屋が爆発した。



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。