とある科学と仮面でヒーローアカデミア (タギィゴ・ルナティカ)
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はじまり
なお、〇〇のパクリ!とかは言わないでください。やりたかったんです。これ持ってきたかとか笑ってください。
夢をみた───
いつもとなんの変わりもない1日のようだった。
暇を持て余す僕はなんの違和感も感じず、ラジオをつける。
音楽番組だ。流し聞くには持ってこいで、僕はそのまま机に突っ伏した。
それからさほど間は無かった気がする。
突然番組が切り替わった。
「緊急速報です。たった今━━の大統領が緊急会見を開き、”地球は今日で終わり”などと耳を疑う話を泣きながら行う様子が、全世界に生中継されました。
この内容を受け、各国は大混乱を引き起こしています。
非常に残念な事ですが、本日地球は終わります───。」
「・・・は?」
終わりなのか?死んでしまうのか?
未だに信じられないけど、この混乱は間違いなく事実だ。
椅子に持たれ、窓の外を見る。そこには日中の三日月が出ていた。
バサバサバサッと鳥が飛び立つ。そのあまりの数に、今眺めていた月が隠される。
その偶然に躰が遂に震えを覚えた。
「音楽でも聞いて落ち着こう。」
手元に置いてあるヘッドフォンを着け、コードを携帯に差し込む。
急に画面が点いた。いつも音楽を流している画面だ。
再生された”不明のアーティスト”の項目の”タイトル不明の曲”が突然に話しかけて来た。
「生き残りたい?ひとつだけ、方法が無いことも無いよ?」
「本当に?!教えて!」
迷う余裕は無くなっていた。
「丘の向こう、世界の末端から飛び出すにはもう時間が無い。助かれるのは君1人だけだ。さぁ、なりふり構わず走るんだ。あと、20分だよ。」
僕は手近にあったパーカーを羽織り、外へと飛び出した。
外に出た僕は改めて世界の終わりを実感する。
街は巨大な生き物や宇宙からの侵攻で見るも無惨な光景と化していた。
泣き、喚き、祈り、怒号が響き渡り、何処へともなく逃げていく。
僕が向かわなければ行けないのはその巨大な二足歩行のトカゲのような生き物の近くにある登り慣れた丘の向こう側。
走り続ける。ただひたすらに。
怪我をした人や、死んでしまっている人を横目に見かけることも少なくなかったが、先程から明らかに欠損した死体を見かけるようになった気がする。
どこかの漫画で見た人を食べる巨人もいるのだろうか。見つからなければいいけど。
「あと12分だよ、この世界と一緒に消え去りたくは無いでしょ、がんばって。」
ヘッドフォンからは依然として淡々と告げられる。
こちらからは何を言っても聞こえてないのか、話の噛み合った返事は返ってこない。
交差点を曲がろうとした時、急に向こう側から女の子が出てきた。
当然のようにぶつかりそうになり、避けようとする。
次の瞬間に僕が見たのは、
───グルグルと回る世界と、首から上が紅い噴水と化した僕の躰だった。
この瞬間をもって、僕の世界は暗転した。
「うわぁぁぁ!!」
悪夢から醒めるように起き上がった僕は、頭と躰が別れを告げていない事を確かめると、頭を抱えた。
嫌な夢を見てしまった。シャワーでも浴びよう。
そう思った時、ある事に気付いた。
「ここ、どこだ?」
辺り一面真っ白な空間にいた事に。
今日は夢見が悪いななんて考えていると、後ろから声がかけられる。
「ごめんなさい!あの滅亡する街の中で唯一異世界召喚によって生き残れたはずが、出会い頭で驚いた勢いで間違って刈り取ってしまいました!」
夢の中で見た少女がいた。その手には大鎌が握られている。
・・・ん?
「僕せっかくの異世界召喚のチャンス逃したの?!」
少女は申し訳無さげにコクリと頷いた。
僕は膝から崩れ落ちる。
その様を見てか少女は慌て出す。
「あのっ、ですので今回は我らが神のご意向により、せめてもの謝罪として、貴方を転生させていただきます。もちろん、可能な限りご要望にお応えします。」
「チート転生...?」
「はいっ。どこの世界どんな能力どんな特典、お伺いしますよ。」
「じゃあ───。」
僕が希望したのは、
・転生先は僕のヒーローアカデミアの世界
・転生しても性転換しないこと
・個性として、とあるシリーズの能力、魔術の全て
・個性のために学園都市のレベル5以上の思考能力
・僕が生きてた世界とヒロアカの世界の知識が詰まった地球の本棚
・Fate/シリーズの英霊の能力、宝具
・如何なる状況に於いても個性は強奪、複製されない
最近ハマっていた作品をメインに色々と言ってみた。
僕の要望の書き連ねたメモを見ながら、少女は悩むように首を傾げる。
すると少女の隣に金色の瞳、ピンク色の髪の少女がふわふわと降り立った。
「わぁ、確かに可能な限りとは言ったけど、君って案外ワガママなんだね。」
聞き覚えのある声でピンク色の髪の少女は言う。
「ダメだった?」
「うーん、世界のバランスが崩れかねないから、さすがにこれ全部はダメかなぁ。
えっとね、まず思考能力だけど、レベル5以上にはしてあげられないかな、レベル5相当まで、それと英霊のの力まであげちゃうと世界の抑止力が黙っていられなくなっちゃうから、これもダメかなぁ。ごめんね。でも、あとはなんとかがんばってみるよ。」
む、Fate/ダメなのか、金ピカで慢心王したかったんだけど。
「んー、わかった、じゃあそれで。」
同意した事を告げると、足元に幾何学模様が浮かび上がる。驚いている僕を2人が見つめる。
「本当にご迷惑お掛けしました。」
「さぁ、君の新しい人生の始まりだよ。がんばってね。」
少しずつ光に包まれて行くなか、ふと一つ目の幽霊が頭をよぎる。
「あっ、ユルs───。」
白くなる視界に、僕は意識を手放した。
序章に当たるので本場まだです。
気ままに書いていきたいと思います。
使ったネタくらい、後書きで紹介すべきでしょうか?
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変身
(間違えて自分で1つつけてしまったのは内緒)
あれから10年ほどたった。
僕、
「ベースのシステムは見つけたけど、どうライダーまで昇華させるか。」
なんとか雄英入学までに3つか4つは作って起きたい。
しかしゼクターにギアにメモリに作るものがいっぱいだな、よし、がんばろ。
「あー、えーくんまたここいたー、あそぼーってやくそくしたのにー」
部屋の扉が開き気の抜けた声が聞こえる。
声の主は銀色の髪にアイスブルーの瞳を持つ少女、
「あ、もうそんな時間?すぐ行くー」
一度大人に成長してしまった僕の心には幸か不幸か子供心とやらが再び植え付けられたようで、前世での思考を残しつつ、子供として無邪気に振る舞う事が出来ている。
夜、裂の両親が仕事で遅くなるために、うちで一緒に夕飯を、食べていた。
「母さん、今朝やっと父さんが作ってた無個性向けのバトルスーツのデータの解析が終わったよ、出てきたのがゼクトルーパーとライオトルーパーって言うスーツ。ゼクトルーパーは戦闘能力に優れているけど携帯性に難がある、ライオトルーパーは逆に携帯しやすいけど長期の戦闘を苦手としてるって感じかな。どっちも母さんのIS程の性能には及ばなそうだけど」
母さんにあの研究室で見つけた事を報告する。研究室を使わせて貰う代わりにその日の事を全て報告すると約束だからだ。
ちなみに母さん、”
親子揃って転生者である事もあり、色々と話しやすい事もある。
「おぉ!見つけたんですか!例のスーツ!まぁISとは言ってもご主人のISは特異機体みたいな所もありますから、スペックが劣るのも致し方ないですよ。なんたって私も一緒に操作しちゃうたった4機の擬似複座式の機体ですから!」
そう言って唐突にテーブル横に現れる青髪青眼のホログラム女子【エターナリティネットワークサポートシステム】略して”エネ”母さんのISに搭載されたAIである。
「うん。それで、そのスーツをベースにして僕と裂のヒーローコスチュームを作ろうと思うんだ。」
「・・・じゃあ母さんも作るの手伝うわ。こう見えて開発
母さんは少し考えてから、僕の思ってもいなかった返事をした。
それからは僕と母さんとの協力で、少しずつ色々と進んで行った。僕が
そして完成した。2つのドライバー。
2人の個性を伸ばして使えるように新たに作り出したアイテムを使うそれぞれのドライバー。
既存のライダーをモチーフにしつつ、装備に変更する。
その結果として生み出される2体のライダー。
1,2年程かかってしまっただろうか。
でも、これから使うスーツなら仕方ないと思う。
「明日には裂にも渡したいな。」
「そうですね!お二人が動いているのも見てみたいです!」
「じゃあ今日はこのくらいにして、明日、学校から帰ってからにしましょう。」
僕達は研究室の片付けをして部屋を後にした。
翌日、僕達は学校が終わってから真っ直ぐ走って帰った。家では母さんが地下のテストルームで準備を進めてくれていた。
「早くやりましょう、ねぇご主人!」
「エネがはしゃいでどうするの。2人とも、一応システム自体はセーフティかけてるから大丈夫だろうけど、個性の抑制までは出来ないから、やりすぎちゃ駄目よ。いい?」
「「はーい」」
母さんがパネルを操作すると、2人の前にそれぞれのドライバーの乗った台が現れる。僕は左腰にカードホルダーを装着し、空色のディエンドライバーを手に取る。裂はブラッドレッドに染まったロストドライバーと、アイスブルーのガイアメモリを手に取り、ロストドライバーを装着する。
「さぁ、変身しちゃってください!」
エネの掛け声を聞いて僕はディエンドライバーにカードを装填、バレルを伸ばし空へ掲げ銃口を空へ向ける。
裂は右手でガイアメモリを顔の左下に構え左手で起動させ、そのままロストドライバーのスロットに差し込む。
「「変身!」」
〈カメンライド ディエンド〉
〈ザ・ミスト〉
僕はトリガーを引く、裂はメモリスロットを開く。
複数のホログラムが重なりシアン部分が空色になったディエンドに、足元から現れた霧に包まれて、腕の色がブラッドレッドになり、右腰以外のマキシマムスロットが無くなったエターナルブルーフレアに変身した。
「てかげんはなしだよ、えーくん」
「もちろん、テストだからって手は抜かないさ。」
お互いを見つめ合い、静寂に包まれる。
動きの描写が難しい。次回、名前発表します。本編たぶんまだ先。
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その名は
お気に入り2件増えて7件です。ありがとうございます。
「プロヒーロー”ミディアストール”の名において、個性の使用を許可する!」
母さんの言葉を皮切りに僕は銃を構える。裂はエターナルエッジを持ち走ってくる。
牽制のためにディエンドライバーで銃撃する。
「うわっ」
裂は足元に当たった弾で驚いて尻餅をついた。
よく考えれば当然だった。ヒーローに憧れたからといって、ヒーローと同じ事が出来る訳では無い。
ましてや初めての実戦訓練のようなもの、慣れているはずもない。
せめてデータを取れる程度には動いて貰おう。
接近戦で戦うには...こいつか
ディエンドライバーにカード読み込ませ、引き金を引く。
〈カメンライド アクセル〉
仮面ライダーアクセルの姿に変身した。
このディエンドライバーの一番の変更点、他ライダーに変身出来るようにしたのだ。
ちなみに従来のディエンドのように召喚も出来るが、使用するカードがカメンライドカードから新設したサモンライドカードへと変更されている。
左手にエンジンブレードを取り出し、ディエンドライバーを腰にマウントする。
「いたた...もう!ナイフあいてにピストルつかうなんてずるいよ!」
裂は立ち上がると、ベルトからミストメモリを抜き、エターナルエッジの柄の部分に増設したスロットに差し込む。
〈ザ・ ミスト〉
裂がトリガーを握りながらエターナルエッジを横に振ると、辺りを霧が包み込む。
「みえなければあてられないよね」
霧の中に消えた裂は、360゜様々な方向からナイフを投げる。
「やっぱり厄介だよね、その個性!」
裂の個性”切り裂きジャック”大量のナイフを精製する。現在の上限は180本。だが厄介なのはそこではない。
「アハハ、どうしたのー?わたしまだ50ぽんしか出てないよー?」
個性の力、出しておけるナイフの数を1/3にすることで半径100メートル以内のナイフを自在に操る事ができる。全方位から飛び続けている原因の1つだ。加えて霧によって視界が阻害されないので向こうからこっちが見えてもこっちから向こうを見ることは出来ない。
しょうがない、無理に終わらせにかかるか。
ディエンドライバーを取り出し、カードを読み込ませる
。
〈フォームライド アクセル トライアル〉
アクセルの赤いボディが青くなり、トライアルフォームへと変身する。原作知識を持ち、全方位からの攻撃、トライアルフォームとなればやりたい事はただ1つ。
「
床から風を吹かせ、半径5メートル程の霧をとばす。
それからはあらゆる方向から飛んでくるナイフを全て避けていく。アクセルが劇中、ウェザードーパント戦でやっていた再現である。
アクセルの
「ほらほら、全然当たらないよ。」
「ぜんぶよけるなんてずるい!こうなったらひっさつわざできめるんだから!」
裂はミストメモリを腰のマキシマムスロットに差し込む。それを聞いた僕はディエンドライバーにカード読み込ませる。
〈ザ・ミスト マキシマムドライブ〉
〈ファイナルアタックライド アアアアクセル〉
高速な連続キックで未だに飛んでくるナイフを片っ端から蹴り折って霧散させて行く。その最中、裂が真上からナイフを構えて飛び込んで来た。
読み通り、僕は下ろした脚を若干無理に身体を捻らせながら裂へ向けてほぼ真上に蹴り上げる。
これで僕の勝ち。そう思った刹那、裂の体が霧散した。
「えっ?!」
「えーい!」
飛び込んで来た裂にバランスを崩され、転んでしまう。
転んだ僕の上で、裂はナイフを僕の首筋に当たらないギリギリの位置に構えていた。
「そこまで!勝負は裂ちゃんの勝ちだね。」
「わーい♪」
「ミストメモリにそんな能力があったなんて、見事にやられちゃった。」
僕と裂は変身を解除する。裂は得意気な表情をしていた。
勝てると確信していただけあってかなり悔しい。
まぁ、性能の確認が目的なんだ。我慢ガマン。
そんなことよりこれからこのドライバーで使えるカードやドライバーを増やしていかないと。
「ところで、二人とも仮面ライダーっていうからには名前を決めなくちゃね」
裂が『名前?』と首を傾げる。
「僕は作っている時から決めてたんだ。怪盗でも破壊者でも無い。
「じゃあ私は、
「二人ともいい名前ね、立派なヒーローになるために、頑張るのよ。」
「「うん!」」
こうして、仮面ライダーディエンド・リベルと仮面ライダーミストが生まれた。雄英の入試まで、あと3年。
僕と裂はどこまで強くなれるかわからない。けど、出来ることを全力でやりたいと思う。
そのためには、まず”あのライダー”を作るところから始めよう。
そう思いながら、僕は眠りについた。
夢の中で、何時ぞやの神様のいる白い空間へ訪れていた。
「えへへ、久しぶりだね、今は影斗くんだっけ?
1度きりのアフターボーナスの時間だよ」
どうやら、ほとんどの転生者が経験するもので、転生特典に対する補填・修正のようなものらしい。
過去にあった例では、機体の強化をして自らの死の運命を覆したり、大切な人を失わないために時の迷路に迷い込んだり、自らの願いのために失った力が自我を持って世界を滅ぼそうとする運命を変えるべく、生まれ変わった命を対価にたった1度、失った力を行使したりと、人により様々な奇跡のような力が使われている。
が、これは極端な例で、人によっては世界中の料理を作れるようになったり、機体のエネルギー効率を上昇させたりと言った例もあるらしい。
死に近ければ近いほど強い力を発現できるらしいが、ただ寝ているだけの僕では大した事はできないだろう。ならちょっと無理して言ってみようかな。
「じゃあ─────。」
「うーん、ちょっと多い気もするけど、まぁいっか。
いいよ、その願い、叶えてあげる。」
足元にまた幾何学模様が現れ、僕は意識を手放した。
翌日、研究室に3つのアタッシュケースと数匹の昆虫がいた。
次回からディエンドの部分がリベルに、エターナルの部分がミストになります。※例:リベルドライバー、ミストエッジ
また、原作キャラとの関わりも無い予定なので次回、入試回です。
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入試
お気に入り10件になりました。ありがとうございます。
これからものんびり書いていきます。
ある晴れた日の朝僕は日の光を浴びて目を覚ました。
少し伸びをして体を起こす。
いつも通りに支度をして、忘れ物が無いか改めて確認する。
「よしっと、母さん、行ってくるね。」
「もう行くの?気をつけてね、影斗なら大丈夫だとおもうけど、頑張るのよ。」
母さんに見送られ家を出ると、丁度裂も出てきた。
「あ、えーくんおはよ、わすれものだいじょーぶ?」
「そっちこそ、消しゴム忘れたとかないよね?」
「とうぜん!いこ!」
それから僕達は雄英高校へ向かう、道では人が多いのが倍率の高さを改めて感じさせる。
しばらくして校門の前まで到着する。
「来たね、雄英。」
「おたがいにがんばろーね!」
「うん、入学式には、また一緒に来ようね。」
僕達は筆記試験会場へ向かった。
筆記試験は雄英と言えど特に変わった事は無かった。
雄英の講師であろう試験監督に見守られながら5科目の試験を受けた。
筆記試験を終えた後裂と合流し、実技試験のためのオリエンテーション会場へ向かう、ライブでも行うのかと言わんばかりの広大な会場いっぱいの受験者がざわつく。
先の試験結果を話しながら事前に用意されたプリントに目を通す。しばらくしてステージ上に1人のプロヒーローが現れる。
「今日は俺のライヴにようこそー!!! エヴィバデイヘイ!!!」
プレゼントマイクだった。唐突に喋り始めたからか、緊張に負けてか、誰もレスポンスをしない。
「こいつあシヴィー!!!受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!?」
「YEAHH!」と1人テンションの高いプレゼントマイク。
「入試要項通り!リスナーにはこの後!10分間の”模擬市街地演習”を行ってもらうぜ!! 持ち込みは自由!プレゼン後は各自指定の演習会場へ向かってくれよな!!O.K.!?」
返事の有無も確認せず、話が進む。
「演習場には”
「質問よろしいでしょうか!?」
いかにも委員長っぽい眼鏡の男子学生が立ち上がった。
「プリントには
言い終えると急に後方を指さして続けた。
「ついでにそこの縮毛の君、先程からボソボソと・・・気が散る!!物見遊山のつもりなら即刻
苛立った様子が見て取れた。
「オーケーオーケー、受験番号7111くん、ナイスなお便りサンキューな!四種目のは0
「ありがとうございます失礼致しました!」
プレゼントマイクの対応に直角の礼で返し、男子学生は着席した。
「俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校”校訓”をプレゼントしよう」
「かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!『真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者』と!! ”
その後、裂とは会場が違ったため、それぞれの会場に向かった。試験会場は街ひとつ持ってきたと言わんばかりの大きさだった。
周りを見渡せば、同じ会場の受験者が緊張を解したり、集中していたり、説教されてたり...なんで説教されてんのあそこ、説教してるのさっきの眼鏡くんだし、まぁ人に注意出来る余裕があるのはいい事なんじゃないかな。
「ハイスタートー!」
不意のプレゼントマイクのアナウンスと共に会場の門が開いた。呆然とアナウンスの流れたスピーカーの方を見る受験者を他所に、先に歩いて中に入り、門の裏手へ隠れる様に移動する。
「どうしたあ!?実戦じゃカウントなんざねえんだよ!!走れ走れぇ!!賽は投げられてんぞ!!?」
ハッと気付いた受験者達は個性を活かして会場へ飛び込んで行く。それを見ながら、僕はリベルドライバーを取り出し、カードを読み込ませ変身する。
「変身!」
〈カメンライド ディエンド〉
さらにライダーを召喚する。
〈サモンライドドレイク〉
〈サモンライド カイザ〉
「ボディに数字の書かれた機械エネミーの殲滅、お願いします!」
カイザとドレイクが散開する。僕も別のルートへ走り出した。
今回のターゲットのポイントはそれぞれ1,2,3ポイント
僕は実質3人でポイントを稼げるので、多少効率は悪いかもしれないが1ポイントターゲットを中心に稼ごうという作戦だ。
手始めに
〈カメンライド ダブル〉
〈フォームライド ダブル ルナトリガー〉
ルナトリガー その弾丸は神秘の力で軌道が曲がり、対象を追尾する。その特性を利用し、上空からターゲットを撃ち抜く。1ポイントのターゲットは早く動き回りはするものの、ルナトリガーの能力の前には無力だった。
ただ、空中に留まったり移動する能力が今の所無いので、撃っては空間移動を繰り返している。
ハードボイルダーかジェットコンバットガシャットでも作って置くべきだったと少し後悔した。
『あれ?そういえば0ポイントのターゲット見てないな。なんでだろ?』
実技試験も後半に入り、少し数が増えた気がするターゲットを撃ち破壊しながらふと思い出した。
そんな杞憂も束の間、遠くで
オリジナル解釈入れました。
はい、入試もうちょっと続きます。
ゆっくり待っていてください。
誤字報告、感想等、待ってない訳では無いので良ければお願いします。
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試験の続き/Rの暴走
走り出したビルは幾つかのビルと合体、変形し、超巨大なロボットとなった。某光の巨人と戦いそうなそのデカブツは街を破壊する。受験者が逃げ始める中、僕は近くのビルでリベルに戻った。
「流石に破壊させ続けるのは不味いでしょ。」
でもどう止める?下手に破壊して被害を拡大させる訳にも行かないし、倒すにしてももっと広い所に誘導...いや、こんなサイズ相手にやったことないけど、
僕は
両手を合わせ、目を閉じ、息を吐いて集中する。
落ち着いた所で目を開き、合わせていた両手をデカブツに付け、座標の計算を始める。
...行けるっ!
「届いてくれっ!
僕が張り付いていたデカブツの頭に横から衝撃が与えられたらしく、破壊され、倒れていく。
「このままじゃビルに倒れる!もう一度だ、
少し離れた所にある公園に移動させ、倒れさせる。
少し前に1度来ていて人がいないことも確認していた。
「つっかれたぁ〜」
僕は大の字になって横に倒れた。
それからは頭痛で頭がぼーっとしてしまい、あまり明確には覚えていなかった。
と言うのも、
そんなこんなで1週間程経ったある日、
「影斗ー、雄英から合格通知来てるわよー。」
そう言いながら研究室に入って来た母さんの手には未開封の手紙が握られていた。
いやいや、いくらなんでも期待し過ぎでしょ。
半ば呆れつつもその手紙を受け取り封を切ると、中から小さな機械が机に落ち、
「私が投影された!」
オールマイトがホログラムで投影される。ものすごくアップで
「「ブッハwwwオールマイトwww」」
あまりの唐突さに親子共々笑ってしまった。
映像なのでオールマイトは笑われたなどと思う素振りも無く、合格のこと、オールマイトも教師になること、激励の言葉を告げ、映像は終了した。
「良かったわね、影斗、おめでとう。」
「ありがと、母さん。」
静かに合格した事実を噛み締めながら、僕達は会話を交わす。すると、この空気を壊さんばかりにインターホンが鳴り響く。
母さんが応対に向かい、僕が手紙を片付けていると、裂が飛び込むように入ってくる。
「えーくんえーくん!わたしごうかくしたよ!ゆうえいいけるよ!」
「裂も!?僕も合格したよ!」
「やったー!じゃあまたいっしょにがっこういけるね!」
裂は飛び跳ねる様に喜んだ。
「ふたりでさいきょーのヒーローになろうね!」
その日は、うちの家族と裂の家族で、家族ぐるみで夕飯に焼肉を食べに行った。明日からまた色々頑張ろう。
それから数日経て、裂のサポートアイテムとしてガイアメモリを生み出している時意図せぬメモリが生み出された。そのイニシャルは〈R〉内包された記憶は
このメモリを見てから、ロストドライバーを作るまでにさほど時間はかからなかった。
次の日、裂のメモリの試験運用のために訓練室に来てもらった。昨日まではまたリベルとの実戦訓練のつもりだったが、
僕はロストドライバー、裂はミストドライバーを装着する。右手で顔の左下に構える裂と、右手でメモリ下側を持ち、そのまま前に出す僕。
お互いにそのままメモリを起動し、ドライバーに挿し、開くことで変身する。
「「変身!」」
〈ザ・ミスト〉
〈リベリオン〉
この瞬間、僕の意識は暗闇に沈んだ━━━━━。
気がつくと、僕は裂に抱きかかえられていた。
「...あれ...?」
「!えーくんきがついた?!よかったぁ」
そう言いながら抱き締める裂の顔は泣いていた。徐々に覚醒する意識の中、周りを見渡すと、ついさっきまで綺麗だった壁の至る所にクレーターとでも言えるようなヒビ割れが出来ていた。
「なに...これ...?」
「何をしたか、覚えて無いの?全て影斗がやったのよ」
母さんが怒った様子で立っていた。
どうやら
そのスピードとパワーを押え込む為に、裂も母さんも必死に戦ってくれたらしい。よく見ると母さんも裂もボロボロだった。
「まぁなんにせよ、無事で良かったわ。落ち着くまでゆっくりしてなさい。」
そう微笑んで母さんは部屋を出た。
僕は泣きついている裂の頭を撫でてあげるしか出来なかった。
それからこのメモリで変身しようとは思う事は無かった。
やっぱり専用ガジェットでも用意するべきか。
それからしばらくした4月の始め
「じゃあ言って来るね、母さん。」
「いってらっしゃい、気をつけてね、あんまり先生に迷惑かけちゃ駄目よ?」
「わかってるって、いってきまーす!」
僕の
雄英入学まで大分かかってしまいました。
サブタイ仮面ライダー風ちょっとやって見たかった。
これからも思いついたときだけやってみたいと思います。
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入学と自由と初日の試練
無事入学式を控える雄英高校の、1-A教室。
僕と裂は同じこのクラスでこれから学ぶ事になる。
僕達が話していると、入試で見かけた覚えのある生徒が近付いてきた。
「初めましてかな、同じクラスの飯田天哉だ、これからよろしく。」
「僕はどっちかと言えば久しぶりかな、僕は月見影斗、よろしく、飯田君」
「わたし、きりまさき、よろしくね。」
僕の返答に飯田君は首を傾げた。
「おや?どこかであっていたか?覚えていなくて申し訳ない。」
「実技試験の時さ、黄色半分青半分の銃持った人に1回ターゲット取られたでしょ?あれが僕。」
「! あの時の不思議受験生か!あの個性には驚いたよ、瞬間移動とはすごい個性だな、君は。」
それからしばらく話は盛り上がったが、飯田君は他の人にも挨拶すると行ってしまった。
「! 机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないか!?」
ふと飯田君の声が聞こえる。見ると不良地味たクラスメイトと口論していた。
「思わねーよ てめーどこ中だよ端役が!」
「ボ…俺は私立聡明中学出身 飯田天哉だ」
「聡明〜〜〜!? くそエリートじゃねえか ブッ殺し甲斐がありそだな」
「ブッコロシガイ!?君ひどいな 本当にヒーロー志望か!?」
言い合う二人のその向こう側で、緑色の髪の生徒が2人を見てオロオロしていた。傍目にながめていると、黄色い芋虫、もとい寝袋が現れる
「お友達ごっこしたいなら他所へ行け ここは…ヒーロー科だぞ」
その光景を見て誰もが傍観する。
「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限 君たちは合理性に欠くね。」
「担任の相澤消太だ よろしくね」
寝袋から出てきたその担任は続ける。
「早速だが、
僕達は足早に体操服に着替え、グラウンドに出させられた。
「個性把握…テストォ!?」
相澤先生が言うにはそういうことらしい。
「入学式は!?ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ」
「雄英は"自由"な校風が売り文句 そしてそれは"先生側"もまた然り」
クラスメイトは絶句していた。
「ソフトボール投げ・立ち幅跳び・50m走・持久走・握力・反復横とび・上体起こし・長座体前屈 中学の頃からやってるだろ?"個性"禁止の体力テスト。国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けている。合理的じゃない。まぁ文部科学省の怠慢だよ。ちなみに爆豪、中学の時ソフトボール投げ何mだった?」
「67m」
「じゃあ"個性を"使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい 早よ 思いっ切りな。」
話がどんどん進んでいく。
「んじゃまぁ」
「死ねえ!!!」
死ね?色々とこのタイミングには間違った掛け声だと思う。
「まず自分の「最大限」を、知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
相澤先生の端末には705.2mと表示されている。
「なんだこれ!!すげー
「705mってマジかよ」
「"個性"思いっきり使えるんだ!!さすがヒーロー科!!」
「………面白そう…か 」
「ヒーローになる為の三年間 そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」
「よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう。」
「「はあああ!?」」
相澤先生はとんでもない事を言い出す。まぁ、
「生徒の如何は
計測の準備の間に裂のところへ行き、ライダーの力は使わずにやろうと話をつけた。
そして始まった最初の競技は50m走。
いきなりだけどもう見せちゃってるネタだし、点数稼いでおくかな。
「位置について、よーい、」
パァンと号砲がなる、最初に目立ったのは飯田君だった。
飯田君の個性は"エンジン" 純粋に走る勝負であればまず負ける事は無いだろう。
叩き出したタイムは3秒04。周りからは驚き混じりの歓声が聞こえる。
それから二組程走って、裂の番、裂はナイフを構える
「位置について、よーい、」
号砲と共に裂はナイフを突き出す。
突き出されたナイフは勢いそのままにゴールへ向かい引き連れていく。
そのままゴールを突き抜けると、踏み込んでから2回転宙ひねりで姿勢を変え、両足揃えの横滑りで速度を落とす。
「2秒05」
その一連の流れを見て、周りからは拍手が起こる。
相澤先生も関心したと言う顔をしていた。
「今回は100mだけだからね、瞬間的に加速できる裂が有利だっただけだよ。もっと距離があれば持久力もある飯田君の方が早いよ。」
と、励ましの言葉を告げておいた。
それから数組走ってから、僕と常闇君の番、
「常闇君だっけ、よろしく」
「俺の
「そういうのは僕の
「位置について、よーい、」
パァン
「行けっ!
「
常闇君の影が伸び始める頃、僕はスタート地点を見ているクラスメイト達の視界から消えた。
無言の驚愕の中、ゴールラインの上に現れる。
「1秒00」
みんなの驚く視線が飛んで来るなか、僕は振り向いて左手を前に出し、Vサインを作る。
その後も各々が個性を活かして記録を出していた。万力を生み出しているのを見かけた時は流石に驚いた。
ソフトボール投げの時、緑谷君と爆豪君が何かあったみたいだけど、その辺はよく分からなかった。
「んじゃパパっと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する。」
順位を示す数字と名前が一覧になる。僕の名前が5位、裂が6位だった。
「ちなみに、除籍はウソな。君らの最大限を引き出す合理的虚偽」
「「「はーーーー!!!!??」」」
ほぼ全員が叫ぶ。中には分かっていたのか余裕の表情をしていた。僕は除籍にはならないと確信してた所にその話で、ついプッと笑ってしまった。
相澤先生は、そのまま教室の書類に目を通すよう告げて帰って行った。
教室に戻った時には、確かに書類が机に配られていた。
一通り目を通し、裂と一緒に帰る事にした。
次回、ヒーロー基礎学(仮称)、僕達が、ヒーローだっ!
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