東方幻想最速伝説 (白狐のイナリュウ)
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始まりの道
Act,1 幻想ドリフト


幻想郷に新たな山。幻想峠、妖怪の森峠、紅魔専用道路、魔法の森峠、色んな峠が幻想郷に存在した。妖怪や人間達は峠を使いドリフトをしどんなRegulationでもバトルし誰が最速か決めるそれが幻想郷の新たなルールとなった。


幻想郷(げんそうきょう)、何処にも存在しない村に幻想峠という国道峠があった。深夜0時には、一般車は愚か地元の"走り屋"も走らない。

しかし、その静寂の中現れた1台の車が。

下り坂の峠を猛スピードで走っていた。するとコーナーに差し掛かると、ブレーキをかけドリフトをはじめた。ドリフトをするとその車はガードレールギリギリまで寄せ、当たるか当たらないかの境目のままコーナーをクリアした。

その車は紅く、オープンカー。そしてエンジン音は太く甲高い音を出し夜の峠にスキール音とエキゾーストノートがときめきを与えた。

朝、博麗神社と言われる神社から1人の巫女が現れ賽銭箱を見た。

???「はぁ~…今日も賽銭箱の中身は0…。」

???「いっつもそうなんだけど、どうしてこうウチには参拝客が来ないのかしら…。」

???「しかも今週は金欠だって言うのに…。」

彼女は、博麗霊夢(はくれいれいむ)神社の巫女をしており妖怪退治している。昔は"博麗の巫女"と呼ばれていたが、今では霊夢と皆は呼んでくれる。すると、甲高い音を出した黄色いリトラクタブルの車が博麗神社の前に止まった。

リトラクタブルとは、リトラクタブルライトの略で開いたり閉じたりすることが出来るライト。夜間以外は基本開くことはなく、いつもは閉じている。夜間になればライトを開き走ることが出来る。昔のスポーツカーなどによく使われていた機能だ、霊夢が持っている車もそういう機能がついている。ライトが閉じている車がいたり開いたりする車を見かけたら、リトラクタブルの車だ。

???「よっ、霊夢~来てやったぜ~。」

霊夢「まぁ嬉しい、じゃないわよ…何しに来たの?」

???「大神が今夜やる祭りに出るみてーでよ一緒に見に行かないか?」

霊夢「あの大神が…ていうか今日祭りなんてあったっけ?」

???「今回が初の祭りで紫が認めたらしいんだ。」

霊夢「なんの風の吹き回しかしら?」

彼女の名前は、霧雨魔理沙(きりさめまりさ)魔法使いで霧雨商店という店を開いている。霊夢とは昔からの中で幼馴染みだ。

そして、霊夢の妖怪退治を手伝っており霊夢の神社によく来る。

魔理沙「さぁな、でも大神が言うには"車のレース"みたいでなんか時間測るらしいぜ?」

???「Time Attack Race(タイムアタックレース)さ。」

2人「大神…。」

大神「んだよ、俺が来るのがそんなにやだったか…。」

魔理沙「いやびっくりしただけさ。」

霊夢「タイムアタックレースって何?」

大神「限られたコースでどれだけTime(時間)を縮められるか競う競技なんだ。」

大神「車にもRegulation(規定)があるんだけど、今回出るのは1000馬力クラスに出るからよろしくな。」

魔理沙「せ、せせせ1000馬力~!?」

霊夢「1000馬力って…馬鹿みたいな数字ね。」

大神「確かに聞いただけで馬鹿みたいな数字だと思うだろうが、タイムアタックには打って付けWTAC(ワールドタイムアタックチャレンジ)っていう競技では1000馬力が当たり前なんだ。」

魔理沙「だから高馬力で挑むって…そもそも操れるのかよ…。」

霊夢「まぁとにかく、今日はその祭りがあるのなら私もアンタの走り見せてもらおうじゃないの。」

と話し大神はそういう事だからっていい会場の方へ向かった。

魔理沙はしばらくしたら私の車で行こうといい、時間になるまで待つことにした。

霊夢「そういえば魔理沙…"FD"だっけ…ちょっと変わった?」

魔理沙「ちょっとエアロパーツ変えただけさ、前MAZDASPEED(マツダスピード)のフロントバンパーだったろ…それがボロボロになっちまってさ…雨宮エアロに交換したんだ。」

霊夢「知らないわよ会社名なんて…でも確かに前に一般車避けようとしてガードレールに刺さっちゃったからバンパーボロボロだったものね。」

FDとはMAZDA RX-7 FD3Sの略の事で、皆はセブンかFDと呼ぶことが多い。RX-7は歴史が数多くある車である。1978年、初代RX-7のSA22Cはほとんどの車好きに魅力を与え人気があった。そして世代を1985年に登場したFC3SからFD3Sえと移し、FDがマツダスポーツカー史上、初のターボ搭載車となった。

そして、FDにはロータリーエンジンと呼ばれたおにぎりみたいな形をした三角形がエンジンの代わりになり、普通のスポーツカーよりも迫力を見せた。そのロータリーエンジンは当時ロータリーエンジン搭載車初の車、コスモスポーツからRX-7とRX-8にそのエンジンは搭載されている。

しかし、そのFD3Sは2002年の8月に生産を終了。RX-8以来、ロータリーエンジンを搭載した車はなくなってしまった。

魔理沙「あれはもう昔の話だろ、それにしてもあの大神がタイムアタックレースに出るのか~、正直以外だったな。」

霊夢「そうね、大神ってそういうの得意そうじゃなさそうだしね。」

4時間後、日も暮れ走り屋と思われる車が次々と走り去るのを霊夢たちは確認した。

魔理沙が、そろそろ行こうといい幻想峠に行くことになった。霊夢は魔理沙のFDに乗り幻想峠へ行くと、駐車場には色とりどりの車が多くほとんどは改造された車ばかりだった。

車のトランクには、大きいコンポみたいなものが乗っかっており皆はそれをウーファーと呼んでいた。

魔理沙は空いている駐車スペースを探していた。

魔理沙「今日はやけに混んでるなぁ...やっぱタイムアタックレース見るほど価値があるってことなのか?」

霊夢「そうなんじゃないの、まぁどういうレースするかあんまりピンとこないけど。」

魔理沙「なんだよそれ、大神に説明してもらったじゃねーかよ…それでもわかんないのか?」

霊夢「わからなくないけどさ、なんだかピンとこないのよね~。」

1時間後、やっと空いていた駐車スペースを見つけFDをそこに停めた。

魔理沙「やっと停められたぜ~、まさかこんなに混んでるなんてな…後で観戦出来る所探さなきゃな。」

霊夢「どこ行くのよ魔理沙?」

魔理沙「大神の所、大会に出るってことは何処かしらテントとか立ってると思うから探してんだよ。」

霊夢「でも探すまでも無いんじゃない、あそこのテント居るのどう見ても大神だし。」

魔理沙「マジで?」

すると霊夢が言った通り、大神が黄色いテントの方に立っていた。

二人が大神の方をよく見ると、自分のエンジンのmaintenance(メンテナンス)をしていた。

大神が乗る車はかなり改造されており、見るだけで軽く1000馬力は越しているなと思わせる姿だった。大神がタイムアタックに使う車はNISSAN(日産)GT-R R35の2018年モデル、GT-Rは昔SKYLINE(スカイライン)GT-Rと呼ばれていた。初代GT-Rは2000GT-R(KPGC10)と呼ばれ人々を圧倒させた。車好きにはハコスカと呼ばれていた。

さらに、ケン&メリー通称ケンメリという名で発売されたスカイライン2000GT-R(KPGC110)。そしてR30、R31と登場したが残念ながらR30とR31はGT-Rでは無かったが、グループAと呼ばれたレースにシークレットスカイラインと呼ばれたレースカーが登場し人々に歴史を与えた。

さらに、SKYLINE GT-R BNR32というGT-R至上初めての4WD(四駆)シャーシ、ATESSA(アテーサ) ETS SYSTEMと呼ばれるCPUとRB26DETTと呼ばれたエンジンを搭載。

初期馬力で280馬力と当時馬力規定の280馬力ぎりぎりでとどめた車になり、人々に感動を与えた。

しかし、SKYLINE GT-R BCNR33と呼ばれた車が登場し新しくATESSA ETS PRO SYSTEMを追加した伸びたシャーシと伸びてしまったホイールベースが仇となり、コーナーがかったるいなど車が重たいなどでR33を手放す人が増えていった。それを人々はGT-Rの失敗作と呼ぶものがいた。だが、その車が良いと思う人も多くおり日産社は残念な結果でR33の生産を終了した。そして時は1999年、SKYLINE GT-R BNR34が登場R33に搭載されていたATESSA ETS PRO SYSTEMを改良し搭載した。

さらに、R32よりもR34の人気が多くあの大神でさえ惚れた一台。SUPER GTのJGTC(全日本GT選手権)と呼ばれた日本で行われるレースでとてもよい活躍を見せ、人々の記憶に残るレースとなった。

しばらくして、2007年スカイラインから独立しGT-Rと言う名前で登場した。

エンジンは、VR38DETTのV型6気筒ツインターボを搭載し馬力の規定が無くなったため馬力は500馬力から600馬力へとパワーアップした。

4WDなのは変わらず様々の機能を変更、R32からR34まで搭載されていたATESSA ETS SYSTEMを搭載せず、レーシーな走りを自分で切り替えることが出来るようになった。

時速は320km/hオーバー加速力と最高速そしてコーナリング力で人々に刺激を与えた。

現在ではSUPER GTで活躍、さらにはドリフトグランプリや数多くのサーキットで使われるようになり大神の愛車である。

魔理沙「よっ、大神!」

大神「魔理沙達か、悪い今忙しいんだ後にしてくれ。」

魔理沙「R35か…もっといい車に乗ってるのかと思った。」

大神「これもいい車だぞ、四駆で高馬力…パワーもある。」

大神「重量が重たいのは痛いが、俺が死ぬほど愛してる車なんだ。」

霊夢「それにしても、綺麗な作業してるのね。」

大神「まぁ、店も始めたし前々からエンジンのこと勉強してたからな…。」

霊夢「へぇ~。」

魔理沙「無関心だなぁ、お前も車持ってんだから自分でタイヤのひとつ自分で出来るようになれよ…」

霊夢「だってわかんないんだもの。」

大神「うちに来ればいろんなこと教えてやるよ、今度来いよ。」

霊夢「そのうち行くわ、そろそろオイル交換の時期だしね。」

霊夢「でも、めんどくさいから整備講習とか私に覚えさせるのなしね。」

大神「相変わらず俺と似てめんどくさがり屋だな~。」

大神「まぁいいか、さてともうエンジンメンテナンスも終わったしどこにいくか俺のおごりだから遠慮せずいってな。」

というと霊夢と魔理沙は目を光らせこういった。

霊夢「屋台の料理!!」

魔理沙「雨宮フルエアロ!!」

大神「…屋台の料理くらいなら1日2杯程度なら出せなくないが、雨宮フルエアロはちっと無理(汗)。」

魔理沙「んだよ…大神のR35めちゃくちゃカッケーのに私のはほぼノーマルなんだぜ?」

大神「お前はまだその車になれてないだろ、俺のRは前から乗りなれてる車だからこんなにカマしてもいいんだよ。」

大神「それに、知らないようだから言っておくけどエアロパーツひとつ変えるだけで"速さ"も変わっちまうんだ…慣れてないのにいきなりフルエアロ欲しいって言われても今のFDより操作しにくくなるぜ?」

魔理沙「それは困るのぜ…エアロパーツひとつで速さが変わって操作しにくくなるってことは事故になりかねないからな。」

大神「そうさ、だから相当慣れてなきゃエアロパーツ変えさせない…いいな?」

魔理沙「わーったよ。」

すると大神当てにアナウンスが流れ、スタート位置に配置してくださいと言われてしまう。大神は悪い終わってからなといい自分の車の方に走っていった。

2分後、魔理沙達は絶好の観戦スポットを見つけ大神が来るのを待っていた。スタート地点では、大神が大きく深呼吸をしていた。これが大神のルーティンとなる。すると南か大神の車の窓ガラスをノックし大神に話しかけた。大神が窓を開けるとこういった。

南「相当深呼吸するのね、貴方なんだかはしゃいでるみたいだけど。」

大神「ったーりめよ、この気持ちはしゃがずにいられねーだろ。」

南「熱くなるのはいいけど、無理はしないようにね…まぁ私に勝てたら褒めてあげる。」

大神「ほざいてろ、すぐに優勝だ。」

と大神は笑みを浮かべエンジンを吹かし始めた。

スタートゲートに取り付けられた信号が点灯しカウントをはじめた。

1つ目がつき、2つ目、3つ目と信号が点いた。そして4つ目がつき、信号が全部青がつけばスタートだ。大神はそれを待っていた。

大神は、さて思いっきり楽しみますかといいハンドルを強く握った。

信号が全部青色に点灯、5000回転まで回していたパワーを一気に出しホイールスピンを最小限に抑え走り出した。

大神の車は直線で200km/h越え、およそ300km/h近くのスピードが出た。ほとんどの人は耳を抑え大神の走りを見ていた。

400km/h近くのスピードが出ると大神がいかにまともに運転できているかわかってしまう。1つ目のコーナーに入るとブレーキをかけドリフトをせずグリップで入っていった。コーナーの侵入から出口も他の車よりも速く大神が走っている幻想峠の下り坂が平坦な道に思えてしまう。

次々とコーナーをクリアして行きV6エンジンが迸る、大神をさらに本気にさせ減速をさらに最小限に抑え、コーナーを曲がった。人々はそれはOVERSPEED(突っ込みすぎ)だと思いヒヤヒヤしたが大神の操作は完璧。まさにGT-Rに乗る為に生まれた狐、キチンとアウトインアウトで車が流れていく方向を読みながらコーナーをクリアして行った。

そして中間地点、魔理沙が絶好の観戦スポットだと言っていた所だ。

もうすぐ魔理沙達がいる所にやってくる。

大神は絶好調と思ったが、想像以上にタイヤの消耗が激しく、滑ってしまいそうになっていた。大神が使っているのは東洋タイヤではなくピレリタイヤのロゴ入りハイグリップタイヤ履いていた。それだけでグリップ力を損なう訳では無いが前半に思いっきりタイヤを使い切ってしまっていたのが原因でいつも使っている東洋タイヤより消耗が激しくなっていた。

路面はドライ、普通なら消耗は少ないが大神はタイヤのことを考えずに走ってしまったため予想以上にタイヤの消耗が激しくなってしまっていたのだ。大神は仕方ないと思ったのかドリフトをし始めた。だが、大神の走りは少し違った。大神の走りは"魅せるドリフト"ではなかく"速いドリフトでコーナー"を曲がっていたのだ。

魅せるドリフトと速いドリフトの違いは、操作舵角と横に向けた時の角度の違いによる。角度が大きい程それは魅せるドリフトになってしまう。角度が大きすぎると操作舵角の範囲を超えてそれはドリフトではなくスピンもしくは一回転したい時はハーフスピンと言われている。

そして、魅せるドリフトにはもう1つ操作舵角だ。操作舵角が大きければドリフトの仕方も変わる。ドリフトにもいくつかのやり方がありサイドブレーキドリフトやゼロカウンタードリフト、そしてブレーキングドリフトとパワースライド。さらに高度な技術、慣性ドリフトがある。大神はカウンターを当てドリフトをするブレーキングドリフトであるが速いドリフトは角度が小さく、並べく減速をさせないように滑らせ操作舵角も小さくなる。

そうすれば速いドリフトと魅せるドリフトの違いがはっきりする。他にもアクセルワークひとつで速いドリフトと魅せるドリフトとの違いが出来るが、知っておくべきことは操作舵角と角度である。

大神のセッティングではあまりドリフトさせないグリップよりのセッティングだったので、なかなか魅せるドリフトが出来ないのだ。

だが大神は、滑っていきそうな車をきちんと操作し速いドリフトでコーナーをクリアするのだ。

大神が魔理沙達が観戦している箇所にやってきた。

魔理沙「お、近づいてきた…ってすげぇ音だな…大神のR35の回転数って10,000回転まであるわけ?」

霊夢「知らないわよ…でもまだ全然経ってないのにこんなに速く来るのって凄いわ…並の人ならそんなに速く来ないのに。」

魔理沙「そりゃ、1000馬力ある車なんだ速く来るに決まってるだろ?」

大神のGT-Rが1コーナーを抜け横に向けたまま曲がって行った。

そんな中霊夢は何故か感動し、目を光らせていた。

大神のGT-Rが次のコーナーを曲がり消えていくと、霊夢はボーッとしていた。

魔理沙「うっひょー、すげぇわやっぱ…あれで四駆から前輪駆動に切り替えてあるんだろ?」

魔理沙「いや~、やっぱ大神の車恐るべし…FRと4WDをCPUで切り替え可能だし、それでいて1000馬力オーバーで…あー…私の車も馬力上げてもらえねぇーかな!?」

魔理沙「って霊夢…霊夢~?」

霊夢「え、ごめん何?」

魔理沙「何じゃねーだろ、折角霊夢と話してたのに無視かよ。」

霊夢「ごめんって、なんか感動しちゃってあんな普通に走ってあんな風に見せられちゃうとちょっとうずうずするのよ。」

魔理沙「お~、お前もついに走り屋デビューか?」

霊夢「それになんか見えちゃったのよ…。」

魔理沙「何が?」

霊夢「翼が…。」

霊夢(そう、白くて黄色く濁っていた翼と狐の九尾が…。)

と霊夢達が話している間にも大神は終盤に差し掛かったいた。

だが大神のタイヤは限界。滑っていかないようにしても、車の重みのせいでパワースライド気味になる。しかし、大神のGT-Rはかなり軽量化されておりノーマルのGT-Rは1710kgなのに対して大神のGT-Rは1100kgと610kg軽量化されている。だが、それでもおよそ100kgの重みがハンドルに伝わり操作が難しい物となってしまう。

大神(くっそ…右の二駆半分アンダーか…左二駆はアンダーはあるがまだ余力はある。)

大神「ゴールはもうすぐなんだ、確実に高タイムを叩き出してやる!」

大神はアクセルを全開に踏み、タイヤがバーストさせるほどホイールスピンをさせコーナーとストレートを全開に踏んだ。

次々とコーナーを抜けるがやはりタイヤのせいでハンドリングが激しくなっていった。

しかし、ここぞという所で大神は盛大なカケに出た。

なんとABSとトラクションコントロールを切り電子制御に頼らず全て自力でコーナーをクリアしようと考えたのだ。

あと残り1コーナー、電子制御を切ったおかげでなかなか操作しやすくなったが滑って行ってしまって制御が効かなくなって行った。

大神(まだタイムには余裕はある…でもタイヤには余裕はない…でもやってやる!)

大神「こんな所で南に負けてたまるか!」

大神はアクセルを踏み続け、ゴールゲートが見えてきた。

ラストのストレートホイールスピンをさせながらも300km/h以上のスピードを出しゴール。

タイムは2:00:012だった。幻想峠の自己ベストを更新更には以前の大神のタイムを更新した。だが、大神のタイヤはバーストバラバラと音をたてながら自分のテントへ向かった。

雷電「全く…無茶しすぎよ…。」

大神「あはは、でも自己ベストは更新したぜ?」

雷電「一応ね…でもタイヤが終わっちゃってるけどね、もうちょい上手く使いなさいよ…タイヤの扱い雑なんだから。」

大神「さてと、タイヤ全替えしねーと…でもまさかこのタイヤがこんなに直ぐに消耗するとは思わなかったな…。」

雷電「相当上手く使えてなかったって証拠よ。」

大神「そうだろうな…走り方考えとかなきゃな。」

雷電「ホントにそうよ…さてと次は南ね。」

大神「ああ、なんか前よりアイツの"車"入れ込んでたみたいだけどよ、なんか入れたのか?」

雷電「さぁ…でも以前よりかは変わってるはずだし…少なくとも普通の"車"じゃないことは確かね。」

大神「だろうな、でもあいつが自分の車改造中の時に聞いたけど今度の馬力のこと聞いてそしたら600馬力か500馬力だって言ってたぜ…前は300馬力ちょっとしか無かったからタイムアタックの為に馬力上げたんだろうけどよ。」

雷電「お互いどちらが勝つか…良い勝負を期待しておくわ。」

 

続く




初めましての方は初めまして。
TwitterやPixivと幻想転生物語から来てくれた方はようこそ、イナリュウです。
本来ならPixivに出す予定だった小説だったのですが…。
PC(パソコン)で書かないと載せることが出来ず、スマホで載せられないかなと色々試してみたのですが。
ムリでした(汗)。
本当ならPCで書けよとかありますがうちにはそんなWindowsのWordやExcelなどありません。
のでハーメルンを使って、書いていこうと思いこの小説を書いてみました。
誤字脱字が多いので、上手く初心者の方にも伝わればいいなと感じております。
これわからねーやってなった方はご質問等をよろしくお願いします、質問やコメントを頂けると僕の小説を書く励みになります。
(逆に中傷コメントが来ると傷ついてしまいますが…。)
それと、もしかしたら自分も車のことに対して間違っている事もあると思いますのでその時ご指摘を頂くと幸いです。
僕も不定期更新という形にはなりますが、暖かい目で見守ってください。
小説の方で出てくる狐妖怪の電龍大神くんは多分わかる通り、私でございます。
今後もどんどん出てくるのでよろしくお願いします。


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Act,2 天才ドライバー

大神が幻想峠で自己ベストを更新。しかし、南も負けてはいなかった。幻想峠に現れた謎の車、南の大神以上の最速とその謎の車一体。


南の車がスタート位置に付くと、南は妹を呼んだ。

その妹の名前は、七色狼 電(なないろおおかみいなずま)。幻想峠のコ・ドライバーとしては最適だった。

コ・ドライバーとは、WRCで行われる際ドライバーともう1人ナビ役のコ・ドライバーが存在する。コ・ドライバーがコースのコーナーや状況を報告し、それに応じてドライバーが走る。言語は自由だが南は外国でラリーをしていた為フランス語が彼女の中で覚えやすいのだ。WRCとはWorld Rally Championshipの略で日本語に訳すと世界ラリー選手権だ。

市販の車達を使い設けられたコースでSS、スペシャルステージラリーと呼ばれたタイムを行い順位を決める競技だ。アスファルトは勿論砂地や雪道は当たり前、次のSSへの移動は一般車と混じり交通法を守り走っている。夜間や早朝競技をする事が当たり前だ。

南が乗る車はSUBARU IMPREZA WRX STi 22B Version GC8型だった。IMPREZAは1992年に登場、ファミリーカーとしては実用性があり前輪駆動ながらも人々に良い印象を与え1993年にWRCに参加し1994年にセダン型のIMPREZA WRX STiが登場した。

しばらくし、1995年にIMPREZA初のクーペ、インプレッサ リトナが登場した。さらにセダン型のバージョンⅡやバージョンⅢが登場し1996年WRCにインプレッサ リトナが参加、クーペモデルのIMPREZA WRX TypeR STiが登場し 1998年に姿形をWRCで使っていたパーツをそのまま持ってきたのが南が乗っている IMPREZA WRX STi 22B Versionが誕生した。S201という車もあったがそれはおいおい話すことにする。

生産台数は400台、500万円ちょっとで売れ息をつかぬ間に全車完売した。今ではIMPREZA史上最高の1台となった。

そして、2000年。

新しく、IMPREZAは新たな車を作ることにした。姿形をも全て変え、SUBARU IMPREZA WRX STi GDBが発表された。当時は丸目なライトで出したSUBARUだったがあまりにも不評だったため、SUBARUはIMPREZAをマイナーチェンジし丸目ライトから涙目のライトに変えられた。さらに年月を重ね、2006年にマイナーチェンジ。

IMPREZAのライトが涙目から鷹目へと進化した。それと同時期にRA-R誕生した。2008年にSUBARU IMPREZA WRX STi GRBのワゴンタイプが登場した。ワゴンタイプのIMPREZAは、昔から造られていたがIMPREZA Wagon WRXは2006年頃に廃止され現在のGRBになった。さらにマイナーチェンジを重ね、2010年にSUBARU IMPREZA WRX STi GVBのセダン型が発売され、2014年頃にSUBARU WRX STi VABが発売された。IMPREZAの名前が消えたのが惜しいが、IMPREZAの中では良い歴史を作った。今ではファミリーカーとしてIMPREZAは売られているが、現在VABはIMPREZAのちょっとした車だと言えるだろう。

エンジンは水平対向エンジン、EJ20を使っており初代IMPREZAが現れた当初からこのエンジンを使い続けている。

四駆ということもあり、まさに南にピッタリな車だと言える。

スタートの仕方は大神の時と変わらず、信号が全て赤に点灯し全て青になったらスタートだった。

信号が秒差で点灯していく。南はタコメーターを見ていた。

タコメーターとは回転数を表すメーターで、現在どれだけエンジンのピストンが回転しているかわかるのだ。

南は回転数を5000回転くらいに抑え、スタートの合図を待っていた。

青に点灯すると南はアクセルをベタ踏みで踏んだがホイールスピンを最小限に抑え走り出した。

南のIMPREZAの音はとても太く、加速が速い。大神の1000馬力あるR35の約5倍もの差を縮めた。馬力の差はあるものの約500馬力もの差を縮められたのは大神も予想はしていなかった。

下りだからか、それともIMPREZAの加速力がいいのか。大神はこうも予想していなかったことが起こり、必死にテントに置いてあったモニターを見つめた。

1コーナー目に入ると南はブレーキをあまり掛けずにコーナーを曲がり出した。最初から速いドリフトで走り続ける予定だったのだ。

南は電のコースの読み上げに応じ、ドリフトで全てクリアして行った。

大神は改めて感心した。

WRCドライバーは、どんな状況でも車のさらに上の限界を知っていると。全てドリフトでクリアしていく南。

気が付けば中間地点、南のIMPREZAはどんどんと加速を続ける。

右や左へとコーナーを曲がり続けているうちに霊夢と魔理沙が箇所まで来ていた。

霊夢「今度は凄い太い音が聞こえる…。」

魔理沙「南のIMPREZAだな、めちゃくちゃ速くねーか?」

霊夢「いや、いくら何でも速すぎるわ…大神の2倍は速いんじゃないかしら。」

魔理沙「そんな、有り得ねぇぜ…だって大神のRは1000馬力、南のIMPREZAはたったの500馬力しかないんだぜ!?」

と話しているうちに南が霊夢達がいるところに現れた。

最初のコーナーを綺麗にクリアしそのまま繋げたままコーナーをまたクリアして行った。霊夢達は驚きを隠せなかった。それもそうだ四駆であそこまで走らせるのはかなりの度胸とテクニックが必要となる。しかし、南はWRCの経験がある為度胸とテクニックついては必要なかったのだ。

すると霊夢がこう言い始めた。

霊夢「あれがIMPREZA…あんなに踏んでも乱れないなんて、プロの走りってこういう事だったのね。」

霊夢(それに…あのIMPREZAから桜の様なものが見えた、なんて言うか春の季節を感じさせる程のオーラを感じた気がする。)

魔理沙「南がWRCで活躍してたって言うのはホントだったんだな…あんな動き本物のラリーを見てるみたいだったぜ。」

ストレートに入るとすぐに300km/h以上ものスピードが出たが、ミッションのギア比ミスかすぐにレブに当たってしまう。

南は必死に、ハンドルと格闘していた。

終盤に入ると、タイヤは既にズルズル。タイヤが熱ダレを起こし南に苦戦を強いられた。しかし、南はプロそのもの。

南はアクセルを踏み続け、次々とコーナーをクリアして行った。

完璧な走りにほとんどの人達に、刺激を与えた。

そして最終コーナー、南は必死にアクセルとハンドルと格闘していた。

南(誤算だったわ…まさか終盤地点で急にタイヤのグリップが落ちてしまうなんて。)

南(でもまぁ、まだタイヤには余裕がある…自己ベスト更新して大神に勝つただそれだけよ…頑張って私のGC8!)

南がそう思うと同時にIMPREZAはそれに応えるかのように加速して行った。最初コーナーを終える頃にはストレート、必死にアクセルを踏みゴールラインを通過した。

タイムは1:58:962と少し4秒遅れていたら大神に負けていた。

しかし、ギリギリのタイヤであっても結果大神に勝つことが出来た。南はそれで良しとした。

予選が終了し8位までの選手が決勝戦の権利を受け取った。

決勝戦は後日に回されたが、南は大神に勝てただけでも嬉しかったので決勝戦の事はまるで忘れていた。

しばらくし、1台の車が幻想峠を下っていた。

それは魔理沙のFDだった。

どうやら大妖精とチルノで一緒に峠を走っていたらしい。

だが、大妖精とチルノは追いついてこなかった。

魔理沙「んだよ…私が本気出すとついてこれないのかよ、アタイと勝負しろなんていいやがって全く…仕方ないし待ってやるか。」

といい魔理沙はアクセルを緩めた。

すると、ライトが近づいてきた魔理沙はやっと来たかと言ったがそれは全くの勘違いだった。

ライトが近づくと共に音がチルノ達の車の音では無いというのがわかった。すぐ様リトラクタブルだと気づいたが車種までは分からなかった。

魔理沙「チルノ達の車じゃねーな、リトラクタブルの車だ…MR-2か180(180SX,240SXの事)か?」

魔理沙「いや、まさか…FC、FDか?」

魔理沙「いやだったらロータリーエンジンが聞こえるはず…なんなんだ一体。」

後ろの車が前を追い越そうとした。

すると魔理沙が上等じゃねぇかといいアクセルを名一派踏んだ。

後ろの車はストレートではFDに置いてかれて行った。

しかしコーナーに入ると、すぐに差が縮まり魔理沙のFDへと詰め寄った。瞬間魔理沙は後ろの車がなんだと思い右を向いた。

なんとそれは、MAZDAの紅いユーノスロードスターだった。

初期型のロードスターにFDが詰められてしまうなんてことは有り得ず、1コーナーでそんな事が起こるとは思っていなかった。

魔理沙「ロードスター!?」

魔理沙「ふざけんな!」

魔理沙はアクセルをベタ踏みし、ロードスターを必死に離そうとした。

しかし、コーナーに入る度に差が縮まる一方。

信じられないことだった。FDがロードスターに追い回されることは絶対にありえないこと、魔理沙は必死にアクセルと格闘していた。

魔理沙「旧式のロードスターごときに…このFDがちぎれないなんて、悪い夢でも見てんじゃねーのか!?」

魔理沙「いくらロードスターだからとは言えど…パワーがあるとはいえる車じゃないはずなのに、この私に食いついてきやがる…どうなってんだ!?」

魔理沙は必死になって、逃げていたが一向にロードスターは離れていくことを知らなかった。そして連続したコーナーに入ると、ロードスターは前に行きありえないスピードでコーナーに飛び込んだ。

魔理沙(こいつ…行き先を知らねーのか、きつい右の後次は左だぜ!)

魔理沙(減速しないと谷底に真っ逆さまだぞ!?)

するとロードスターは減速するどころか、ターボでも積んでいる訳でもないのに逆の方向へパワースライドし次のコーナーに飛び込んで行った。

魔理沙「言わんこっちゃねーぜ、スピードが乗りすぎてる!」

魔理沙「減速して、立て直せるスペースは何処にもねぇぜ!」

するとロードスターはブレーキを踏み不思議な動きをした。

その瞬間左に曲がり、コーナーをクリアした。

魔理沙「か…慣性ドリフト…!?」

そう、そのロードスターはなんと高度な技術とも言われる慣性の力を使った慣性ドリフトを使ってみせたのだ。

そのロードスターは暗闇に消え、音が聞こえなくなった。

魔理沙はなんとも出来ないと判断したのかわざとハーフスピンをし路上で車を横にしてハンドルを顔に当てた。

魔理沙「腹立つくらいの完璧なスーパードリフト…普通の人間なら出来るはずがねぇ…まさかこの私に慣性ドリフトをやってみせるなんてな。」

魔理沙「ありえねぇぜ、あのロードスター…ナニモンだ?」

次の日、魔理沙はハーフスピンしたおかげでリアバンパーの下を割ってしまったので大神が店をやってる所までやってきた。

破損状況は特に酷い所はなく、自走は可能だったためパテで盛って治す作業をした。しかし、魔理沙は何となくピンと来ない顔をし何かを考えていた。

大神「どうしたよ、浮かねぇ顔しちゃってさ。‪」

魔理沙「いやさ…リフトに乗ってる紅いロードスターなんだけど、どこかで見たことあるなって思ってよ。」

大神「いっぱいいるだろロードスターなんて、ただの勘違いかもしれないぜ?」

魔理沙「いやそうなんだけど、幻想峠の下りで物凄い速いロードスターがいて連続するコーナーで慣性ドリフトをして私を抜いて行った奴がいたんだよ。」

大神「慣性ドリフトをするロードスターか…相当幻想峠を走り慣れてるやつだな…。」

大神(多分"アイツ"だろうけど。)

魔理沙「なぁ、名簿見してくれよ…絶対どっかで見たことあるんだよ…それにこの前抜かれた仮も返してぇし。」

大神「名簿なんて見たって、なんかわかることあるんか?」

魔理沙「いいから見してくれよ〜。」

大神「わかったよ、ただちぎって持っていくことはしないでくれよ?」

魔理沙「わーってるって。」

と話すと大神が予約名簿帳を取り出し魔理沙に渡した。

色んな人の名前が書いてあったが、魔理沙があることに気づいた。

MAZDA UNOS ROADSTAR NA6CE博麗霊夢と書かれた部分があった。その瞬間魔理沙は驚きを隠せず大神に説いた。

魔理沙「お、おお、おい、ま、まさかこの名前!」

大神「どうした?」

魔理沙「この"博麗霊夢"って言う名前ってまさか!?」

大神「どうしたよ、落ち着けよ魔理沙。」

魔理沙「"博麗霊夢"ってあの霊夢か!?」

霊夢「そうよ私よ?」

霊夢「オイル交換終わった?」

大神「オイル交換は終わったがブレーキパッドが非常に減ってたから、良いのに変えといたぞあとタイヤも。」

霊夢「それはありがたいんだけど、無駄にお金かけてるでしょ…辞めてよねただでさえ今年金欠だって言うのに。」

大神「大丈夫、パッドとタイヤはおまけしとくよ。」

霊夢「ありがと。」

霊夢「魔理沙昨日、私と勝負したでしょ。」

霊夢「あれ私気分じゃなかったから譲ってもらいたかったんだけど。」

魔理沙「マジかよ…最大の汚点だった…まさかあの霊夢がAE86とかに乗ってるかMAZDAの旧式のデミオくらいで苦労してるのかと思ったのに…ロードスター乗りがあの霊夢だったとは…。」

霊夢「なにブツブツ言ってるのよ、あの時凄く邪魔だったんだから。」

魔理沙「な、なんだよ突っかかってきたのはそっちだろ!?」

霊夢「さっき言ったでしょ気分じゃなかったって。」

魔理沙「だからってあんな凄技出来るか普通!?」

霊夢「凄技?」

魔理沙「したじゃねーか慣性ドリフト!」

霊夢「大神、慣性ドリフトって何?」

魔理沙「おいマジかよ、ホントに車の事とか知らねーのかよ…なのになんであんな高度な技術習得できんだよ。」

紅いロードスター乗りはあの霊夢だったが、霊夢がどれだけ速く走れるかそれは大神も見てみないとわからなかった。次の日に霊夢を呼び出し幻想峠を走らせることにした。

大神は愛車のR35ではなく、R34で幻想峠に来た。

魔理沙はいつものFDで幻想峠に来たが霊夢はまだ来ておらず、魔理沙達はしばらく待つことにした。

しかし、1時間経過しても一向に現れる気配はなかった。

そしてまた1時間待つとようやく霊夢のロードスターが現れた。

魔理沙「おせーよ。」

霊夢「ごめん寝坊した…。」

大神「それじゃ、エンジン開けてくれないか?」

霊夢「いいけど、何するの?」

大神「魔理沙にロードスターのエンジンを見せるのさ。」

霊夢「あ〜、わかったわ。」

すると、霊夢は大神に言われた通りエンジンフード(ボンネット)を開けエンジンの中身を見せた。

しかし、魔理沙の反応は薄く何だか落ち込んでいた。

魔理沙が言うにはもっとスペシャルなパーツがついているのかと思ったのにほとんど純正品で拍子抜け、少しガッカリしたといった。

だが大神は、これでも下りで走れる程のパワーはあるといいボンネットを閉めた。

それでも魔理沙は、何かスペシャルなパーツがついていないか調べたがビルシュタイン製の足回り(サスペンション)とNOPRO製のマフラー以外特に変わった所はなかった。ただシートがRECAROのフルバケットシートなのに魔理沙は驚いたがそれ以外は特に反応がなかった。

魔理沙「マジかよ…ホントにマフラーと足回り以外ノーマルなんだな。」

大神「変更したのはマフラーと足回りとシートベルトとシートだからな。」

大神「まぁ、まずは乗ってみないとわかんないし魔理沙乗ってみな?」

魔理沙「え、私!?」

大神「勿論だ、なんの為に魔理沙をここに連れてきたかわかんないじゃないか。」

霊夢「いいわ、丁度新品タイヤの感じも確認したかったから横に乗りなさい魔理沙。」

魔理沙「わーった、わーったって!」

魔理沙は霊夢の車に乗り込みメーター類も確認したがメーターも純正のMAZDASPEEDモデルのメーターだった。追加メーターもなくただただ、極普通のロードスターだった。

魔理沙と霊夢がシートベルトを閉めると霊夢は魔理沙に言っておくけど軽く流すだけだから期待しないでねといいシフトを1速に入れホイールスピンをさせずにゆっくり前に進んで行った。

魔理沙はどんな動きをするかワクワクしていたが、どんどんと加速し続けるロードスターに少し恐怖心を覚えた。1コーナー目に差し掛かると魔理沙はここで減速すると思っていたが霊夢は1コーナー目が見えているのにもかかわらずブレーキをなかなか踏まなかった。

その瞬間魔理沙の思いが一変した。

魔理沙にはガードレールが近づいてきていると錯覚していたので魔理沙は必死にブレーキ掛けろと霊夢に説いた。

しかし、一向にブレーキを掛ける気はなく魔理沙は死を悟った。

だがようやくブレーキを掛けドリフトをし始めた。

その瞬間ガードレールがリアバンパーのギリギリに近づき、魔理沙は冗談だろと言葉を発した。

魔理沙(な、なんなんだよこいつは…ガードレールギリギリでコーナー攻めて行って。)

魔理沙(それに、なんでオーバースピードなのにコーナーで安定した走りができんだよッ―!)

魔理沙は必死に霊夢の顔を見た。すると霊夢の顔は、妖怪退治の霊夢と変わらない程の恐ろしい顔をしていた。

軽く流すだけでも魔理沙はここまで恐怖しありえない程のコーナリングで曲がっていく。

霊夢の才能は天才そのもの、まだ車を持って数週間しか経っていないのにも関わらず霊夢には速く走らせる能力があるのだ。

それどころじゃない、他にもタイヤマネージメントもきちんと行ってコーナーを攻めクラッチを労りながら走らせている。何処をどう走ればいいのかを体で覚えており、頭でどうするべきか一瞬で判断する。

霊夢の才能は凄いものだった。

霊夢「うーん、ざっとこんな物ね…タイヤとしてはなかなか食いついていってくれるしいい感じ。」

霊夢「魔理沙もそう思うでしょ?」

魔理沙「あ、ああ…そ、そうだな。」

魔理沙(なに平然と話してんだよ…ただでさへ横Gに耐えるのに必死だって言うのにッ!)

幻想峠、頂上。

大神は霊夢達が戻って来るのを待っていた。すると見慣れない黒色のNISMO S-Tune仕様のR32が大神の前に現れた。

大神がR32を見ていると大神のR34の横に停め、ドライバーが出てきたのだ。

???「ほ~、NISSAN SKYLINE GT-R BNR34 SpecVⅡNurですか…生産終了時期に1000台限定で売られた車で何処を探しても絶対手が入らない車、まさかあなたがその車を持っているとは思いませんでした。」

大神「ブン屋のか…まぁ、幻想郷は旧車や限定車まで外の世界で忘れ去られた車とかスクラップにさせられた車が入ってくるから車社会に優しい世界だよなここ。」

文「ですね、私のR32もなかなか手に入れるの難しいて言われてたのに紫さんはなんでも持ってきてくれるので紫さんには頭が上がりません…。」

大神「にしても、いつエボⅢGSRからS-Tune R32に変えたんだ?」

文「ついこの間です、まだライトチューンなので大神さんとの勝負は完成まで持越しですね…。」

大神「あれ、文のR32って初期馬力いくつだっけ?」

文「400馬力程度ですね、今はCPUを書き換えてタービンを小型の物にしたのでざっと517馬力くらいですかね。」

大神「南のGC8より17馬力上か…でももし南と勝負しようと考えてるんだったら馬力だけじゃ勝負にならないぜ?」

文「大神さんや南さんはドリフトでバトルしてるのでグリップの速さがわかってないんです。」

大神「ほ~…んじゃ言ってみ?」

文「大神さんはドリフト勝負する時は基本FR、四駆で勝負する時はホント時々でドリフトも四駆で勝負しているじゃないですか。」

文「南さんは、ラリーの経験があって四駆でもどんな路面でも対応してドリフトしている…しかし、南さんや大神さんはドリフトしかしなくグリップでバトルをしたことが無い。」

文「だから、ドリフトばっかりしている皆さんにグリップの素晴らしいさをお教えしようと思ったんです。」

大神「だから、南や俺と勝負したいと?」

文「ええ、そうです…だから私は四駆しかこだわらずに、ランエボやGT-Rしか乗ってこなかったんです。」

大神「確かにグリップは速い…がドリフトも場合によっては速いこともあるんだ、だからと言って人にその考え方を押し付けるのは良くない。」

大神「人には人の乗り方がある、だから俺はドリフトで―。」

文「でも、グリップは勝負する時には絶対必要的な存在です…だから口で教えるより、行動で教えるべきなんです。」

大神「…そこまで言うんだったら、これから来るやつにソレを証明して見せろ。」

すると、霊夢のロードスターが戻ってきた。

魔理沙が車からフラフラになりながら出てきて立ちくらみが起こってしまいその場でしゃがみこんでしまった。

文たちは少し魔理沙のことが心配になったが、魔理沙は大丈夫といいすぐに立ち上がった。

霊夢が車から出てくると、大神がどうだと答えた。霊夢はまぁまぁと答え魔理沙の様子を見に行った。

しばらくすると、文が霊夢に勝負を挑んだ。

文は少し疑問に思った。

非力なロードスターに文のRでは勝負にならないでは無いのかという理由だったからである。しかし、大神が霊夢と勝負させるのには何か訳があるはずだと文は思い文は車に乗り込んだ。

霊夢「ねぇ、大神?」

大神「どした?」

霊夢「あのクルマなんて言うの?」

大神「日産 スカイライン GT-R BNR32さ、グリップとかならもうめちゃんこ速いが…お前のテクならRだろうと余裕に抜かせるさ。」

霊夢「そう…それじゃ気楽に行くわ。」

と言うと霊夢も車に乗り込み大神が車が並んでいる間に達こう言い出した。

大神「勝負は下り1本、どちらかがちぎれ前に出たやつが勝利だ。」

大神「カウント、始めるぞ!」

大神「5,4,3,2,!」

大神「1!」

大神「Go!」

カウントが終わると霊夢のロードスターと文のRが走り始めた。

文は霊夢の車に抜かされることは無いと思い前に出た。

しかし、どんな走りをするのかと気になったのかペースは最小限に抑え霊夢のロードスターがちぎれないようにいつもよりスピードを落としていた。

霊夢(文のやつ…本気でアクセル踏んでないわね…まるで私を待つように…。)

文(ストレートで離したら勿体ないでしょう、本当なら後ろではっきり見ておきたかったのですが…前なら確実に勝負になります…貴方の走りがとても気になったのでその走り…見させてもらいますよ。)

第1コーナー、文はきちんと減速しコーナーをグリップで曲がって行った。ATTESAが効いているのか、コーナーではきちんと安定した走りができアクセルワークも綺麗に扱っていた。

それと逆に、霊夢の車はコーナーではドリフトでガードレールギリギリで曲がり綺麗に四輪ドリフトをしている。

文は霊夢の走りを見て驚いた。

ドリフトでこんなに追いついてきているのは驚くどころ逆に喜んだ。

文はアクセルをめいいっぱい踏み、霊夢のロードスターをぶっちぎろうと考えていた。だがそこに落とし穴があった。

魔理沙「なぁ…大神、なんで文とバトルさせよう考えついたんだ…いくらなんでも無謀すぎやしねーか?」

大神「確かに、RとNA6CEでは勝負にならない馬力の差で考えれば無謀な勝負かもしれない…なんたって向こうはATTESA ETSが入っていてグリップなら尚更だ、文のは霊夢の後輪駆動とは違って四輪駆動だからな…。」

魔理沙「じゃあ、なんで霊夢を走らせようと考えたんだよ!」

大神「まぁ落ち着け、勝負にはならないかもしれないが…それは"サーキット"での話、"アップダウン"が激しいこの峠なら、その馬力の差を埋めることが出来るんだ。」

大神「馬力がものを言うのは、高速やサーキットでの話…峠なら馬力もパワーも必要ない…試されるのはテクのみ、下りならいくらターボ車でもパワーが落ちる…コーナーが多いこの峠なら霊夢には勝機はあるって事なのさ。」

大神「さらにここには排水用の溝があるんだ、霊夢はその溝を引っ掛ける技が出来るんだ…つまり理論的には霊夢のロードスターは下りなら有利…有利な条件しかそれっていないんだ。」

魔理沙「なんだよそれ幻想峠ならなんでもありかよあいつ…で、でも、いくらなんでも足回りとか変えないとその有利な条件が破綻しちまうんじゃねーのか?」

大神「それはあくまでもドノーマルのロードスターで勝負したらの話しになる、霊夢のロードスターは足回りとマフラー…そしてハンドル等は変えてはあるんだ。」

魔理沙「ビルシュタイン製の足回りだろ、それってスペシャルパッケージなら純正としてついてるやつだろ?」

大神「本当はな、実は元々ついてたやつはボロボロでノーマルで峠を攻めさせるのはとてもじゃーねけど可哀想だったからな…もうちょいいい足回りに変えておいたんだ。」

大神「少し車高が下がってる分、ドリフトをする時の切れ角と舵に必要となるスタビライザーを変えてあるんだ。」

大神「コーナーを曲がる時は、速いドリフトで攻めていける…スタビライザーをドリフトしやすいように少し伸ばした。」

大神「ドライブシャーシとサスペンションを変えたおかげで今の霊夢はRでも抜かせるはずだろう。」

中間地点、文は焦っていた。

何故焦っているのか、霊夢は一体文に何をしたのか。大神は霊夢が勝つという確信だけしかなかった。

 

 




東方幻想最速伝説の、幻想ドリフトを見てくださった皆様誠にありがとうございます。1話ながら早速コメントを頂きました、とても嬉しいです!これからもどんどん書かせていただきますので、これからもよろしくお願いします。2話の天才ドライバーなのですが、紅いロードスター乗りが誰なのか、わかってた方もいるかもしれませんが霊夢があのロードスター乗りでした。もうちょっと話伸ばそうかなと思ったんですが…流石にそこまで話を伸ばせるほど考えてませんでした。
ロードスターの事に軽く説明を。
MAZDA ROADSTARは1987年頃に登場した車で、頭文字Dのセリフ通り人馬一体というキャッチフレーズでロードスターはかなり人気がありました。初期のNA系(NA6CE,NA8C)には当時ABSやトラクションコントロール等はついておりませんでしたが、直列4気筒の1.6Lながら、とても面白い1品だといえるクルマで1.8LのNA8Cなどがあり外国でもMX-5と呼ばれ。ライトはリトラクタブルライトでしたが人々に人気がありました。
昔うちの親も青色のNAロードスターに乗っていて僕も気に入った1台でした。
そして1998年にマイナーチェンジ、NB系(NB6C,NB8C)が誕生。リトラクタブルライトを廃止、丸め型のライトになった。ロードスターは元々オープンカーだったためNAロードスターは布式でリアウィンドウガラスはビニール式で直ぐに気泡が入ってしまうのだがNBロードスターになったロードスターはガラス式に変更され気泡が発生して見えないという状態は無くなりました。
エンジンは直列4気筒なのは変わらないもののAT車にはABSが搭載されていました。ロードスタークーペと言う車も登場し、2005年にNC系(NCEC)が登場しました。
NA〜NBは大体120馬力から130馬力程度で170馬力のロードスターはあったものの、NCでは160馬力から170馬力へとパワーアップしました。エンジンはNAからNBではB型エンジンを搭載されていたがNCからL型に変わり縦置きエンジンに変更されました。
布式のオープンルーフから、電動式のオープンルーフが登場しカーオブザイヤーを受賞しました。
そしてロードスターのスピリットが登場し、2015年に新型のND系(ND5RC,NDERC)が登場ししました。
ロードスターRFと呼ばれたロードスターも登場し変わったオープンルーフで人々にさらなる注目を浴び再びカーオブザイヤーを受賞。スポーツカーが減った今、ロードスターはオープンスポーツカーとして車好きには嬉しい誕生でした。
色々と長くはなりましたが、次はさらに霊夢達に刺客が来ます。
誤字脱字や、意味不明や間違ってる所がなどがあると思います、その時はぜひご指摘をよろしくお願いします。
中傷コメは禁止ですのでご理解のことよろしくお願いします。


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紅魔郷編
Act,3 爆走VTEC


紅いロードスターは博麗霊夢だった、射命丸文がR32に乗り霊夢達にグリップの素晴らしいさを教えようと霊夢とバトルすることになった。グリップVSドリフトで霊夢は文のGT-Rに勝てることが出来るのか。そして霊夢がチルノに対してガチギレ、果たして勝負の行方は。


文はとても焦っていた、それどころか集中力を切らし余裕をなくしていた。それは何故か、それは丁度中間地点に差し掛かった連続コーナーまで遡る。

文はコーナーを綺麗に攻めていた直後、霊夢はイン側に寄せずアウトに寄せコーナーを曲がろうとしていた。そう、霊夢は文を抜きにかかろうとしていたのだ。ガードレールと接触しそうなギリギリな間を通り、後輪が芝生に乗っかっていてもコーナーを綺麗にクリアして行った。

文「なっ…外から!?」

文「ふざけるな、外から行かすかッ!」

文のRはそうはさせないと、必死にアクセルを踏みコーナー曲がったが左コーナーに入った時には先ほど霊夢がやったとおり外から抜きにかかり苦戦を強いられていた。

文「そんなに突っつかれると目障りでたまんないわ!」

ロードスターが後ろに居ることで文はどんどん焦れていった。ストレートに入ると、文のRはどんどんと加速し続けた。そのとたん霊夢のロードスターが離れていく。しかし、コーナーが近づくと文はふと思った。いちいちインに付こうとするから突っ込みが甘くなる、少しアウト寄りに攻めれば進入スピードが上げられると考え文はバックミラーを見た。

すると、霊夢のロードスターはアウト側に行こうとしていた。それを見た文はブロックしようと外側に寄った。その瞬間、文は気づいたのだ。霊夢のロードスターがバックミラーの後ろに映っていないことに。

まさかと思った文は左側を向いた。すると、そこにロードスターが居た。しかし、どうやって細いコーナーを外側から内側に移動出来たのか文には理解できなかった。だが、これだけは理解できた外に行こうとしていたのは見せかけのフェイント、相手が油断している時にイン側に寄りRの横に並ぶ。しかし、文のRは少ししか幅をあけていなかった。だが、霊夢は狭い幅をも余裕に攻めた。片輪は芝に乗りギリギリなコーナリング。コーナーの半分を過ぎると、片輪が溝に落ちジェットコースターのようにコーナーを攻めていった。

文がアクセルを踏むのを躊躇ったが立ち上がりでアクセルを踏み霊夢より先に前に出ようとしていた。しかし、文のRの後輪はホイールスピンしストレートに入った瞬間文のRはスピンして回ってしまった。

文のRがその場に止まり、文はそっと息を吐いた。

文「…負けちゃった、やっぱりまだまだですね…私も。」

幻想峠、頂上。

大神達は文と霊夢の帰りを待っていた。すると黒色のNISSAN SILVIA S14 K'sの後期型が大神達の目の前に止まった。魔理沙はドライバーは誰かとよく見てみると、ルーミアが運転席に乗っていた。

ルーミア「お~、大神と魔理沙じゃないか〜。」

大神「ルーミアか、お前がS14に乗ってるとは思わなかった。」

ルーミア「そーなのだー、前はRも考えたんだけど…コツコツ貯めて350Rみたいなカッコにしようかなと思ったのだ。」

魔理沙「結構弄ってるみたいじゃん、どれくらいパワーでてんだ?」

ルーミア「にとりによると大体260馬力程度だって、下りならなかなか速く走れるよ~。」

魔理沙「ほぉ~、まずまずって所か…S14の最高チューン計画頑張れよ!」

ルーミア「うん、それじゃぁ!」

と言うとルーミアは幻想峠を下っていった。

ルーミアが乗っているSilvia S14は、1965年にNISSAN SilviaのCSP311型が誕生し、美しいフォルムで人々をあっと驚く物にさせたが120万と高く商業的には良い結果を得られず1968年に554台のみで生産を終了した。しばらくして1975年S10型が誕生、初期のシルビアはR型のOHVエンジンを搭載。直列4気筒ながら馬力は90馬力を出した。それと違いS10型のエンジンはL型エンジンを搭載、最高出力は約115馬力を発生させCSP311の乗車定員は2名程のクーペだったが。S10から5名へと増えた。CSP311は4速MTしかなかったものの、S10から5速MTと4速ATが追加された。そして1979年にS110が誕生、エンジンはE型(イグニッションエンジン)が搭載された。さらに1982年にWRCで活躍していたS110のグループBのホモロゲモデルのシルビアが誕生しエンジンはFJ20エンジンを搭載されていた。

形はS10の姿はハードトップであったが、S110からハッチバックモデルが追加された。そして1983年、シルビアS12が誕生。リトラクタブルライトに変更されクーペ型とハッチバック型が現れた。米国仕様は別名200SXと名前がついたが国産として売られたS12と一緒でエンジンの仕様はCA18エンジンのDOHCエンジンが搭載された。FJ20エンジンは自然吸気エンジンとして扱われるようになり、新しくFJ20Tエンジンが搭載されたS12はターボ車として扱われるようなった。登場人気だったスカイラインのDR30エンジンではインタークーラーが追加されており205馬力を発生した。

S12は採用が見送りになり1部世に生産された。

1988年には生産を終了、新たな世代へと受け継げられると同時に1988年にシルビア S13が誕生した。

S13にはS12に搭載されていたCA18エンジンが搭載された。

昔から前輪駆動で生産してきたシルビア、クーペ型とコンバーチブル型が誕生した。出始めの当時はQ'sとK'sシルビアはどれもCA18エンジンだけが搭載されていたが、中期型になるとCA18エンジンをQ'sシルビアに新たにSR20エンジンがK'sシルビアに搭載されていた。

しばらくしてK'sとQ'sシルビアにダイヤセレクションが登場し走り屋達に人気あり、購入する人は少なくなかった。ドリフトがしやすく初心者にはおすすめな車であったが、1993年に生産を終了してしまった。

他にも180SXやシルエイティ、ワンビア等があるがそれは後程。

1993年シルビアS14が誕生した、Q'sシルビアとK'sシルビアなのは変わりないがエンジンはSR20エンジンが搭載された。

前期型はとても丸くあまり人気がなかった。だがしかし、S13と同等な値段で安く買えることから走り屋達にはとても人気があった。後期型にマイナーチェンジ後、人気が増え米国仕様の名前は200SXと240SXと言う名前がついた。そして生産終了と同時に、270Rが台数限りで売られ今ではとてもレアな車だ。ルーミアが乗っているのは後期型のS14のQ'sであった。エンジンは河城にとりという河童にオーバーホールさせ、足回りをHKSに替えマフラーは柿本マフラーに変更されていた。だがQ'sは自然吸気仕様、それなのにルーミアのエンジンには小型のタービンが搭載されたインタークーラーが前置きに置いてあった。

ルーミアが言うには上りにも匹敵するように作ったと言うらしい。

話は逸れてしまったが、1999年にシルビアS15が誕生した。コンバーチブルモデル、シルビアヴァリエッタやターボ車のシルビアが登場した。

Q'sモデルのシルビアとK'sモデルのシルビアは廃止となり、SpecSが自然吸気仕様となりSpecRがターボ仕様車となった。エンジンはSR20エンジンが搭載されており、SpecSは165馬力、SpecRは250馬力だったがそれはMT車とAT車で出力馬力が大きく異なったおりMT車の方が5馬力から25馬力程違いがあった。なお、ヴァリエッタの出力馬力はSpecSの馬力と同じ数字である。S15はサーキットを走る人々にはとても人気があり、ドリフトするには持ってこいな車でもあった。とても人気があったS15は次々と新しくモデルが登場したが、2002年に生産終了となった。しかし、未だにシルビアの人気は絶えず愛好家達にはシルビアを乗り続けている者が多い。今後のシルビア復活に期待が持てる車だと言っていいだろう。

大神(ルーミアか…あいつ"車2台持ち"だったとはな…大人になったルーミアが"あのR"を買ったのか?)

大神(良く考えれば…あいつが霊夢と匹敵する程のテクを持っているとは正直思わなかった。)

魔理沙「大神、何気難しい顔してんだよ。」

大神「ああ…ごめん、ちょっと考え事してたんだ。」

大神が考え事と嘘をついたが、本当は少しガッカリしていたのだ。

ルーミアは本当はなシルビア以外にも車を乗り回していて、その事は紫と南、後は大神以外は知らない。ルーミアが乗っている車はNISSAN SKYLINE GT-R BCNR33のNISMO GT-R LMモデルだった。世界で1台しかない車で走行している所は見たと言うものはいない。NISMO 400RというR33があるが、それよりもっとレアな車だと言える。馬力は400Rより劣るが、約300馬力ありル・マン24時間耐久レースのために製造された1台だ。最低でも同じ車を1台以上は製造しなくてはならないため、ホモロゲ取得用の1台だけ製造された。同一車種の中に4ドアモデルの存在の車両はエントリー除外という理由で4ドアモデルのR33は除外された。そのため、規定をクリアする為に独立車種として生産された事もあり現在では幻のロードカーであった。しかし、市販でアニバーサリーカーとして4ドアモデルのR33が登場した。だが、台数限りで生産終了した。

そのルーミアが533馬力へとパワーアップさせ、足回りを完璧にル・マン仕様に改造されており、そして車高上げ激しいオフロードでなければきちんと走ることが出来、完全に何処でも速く走れることが出来るオールグラウンドカーとなっていた。

幻想郷、連絡通路の環状線。

大神は、自分の愛車のR32に新たにCPMのROMを書き換えたのでちょっとした慣らしをしていた。大神のR32には大神が持っている刀の力を少し加えており、電光 光(でんこう  ひかる)の魂を宿していたのだ(幻想転生物語〜始まり〜を参照)。

なので、大神以外はエンジンを掛けることすら出来ないのだ。

エンジンを掛けようとしても、エンジンが掛からず全く動かないのだ。それどころか、ボンネットを開けエンジンを弄ろうとしようとしても激しい頭痛に見舞われ弄ることすら間がならない。ただ、助手席に乗り見ることは出来るが、エンジンを見ることは出来ない危険な車である。R32の挙動はグループA時代の動きとほぼ似ており、他のドライバーが動かせたとしても事故だけは間逃れない。誰も制御することも出来ず、大神以外はとてもじゃないが手が出すことは出来ないらしい。そんな車を大神は運転をしている。

すると、後ろから甲高い音が聞こえ大神はバックミラーを確認した。そこにはR33 GT-Rがおりパッシングをしてきた(パッシング:点滅させること、煽ってパッシングをする時はバトルサインを意味する)。

大神「…R33か、今の馬力は400ちょっとあるし遊んでもバチは当たらねーだろ。」

大神「ちょっくら遊んでやるよ。」

といい、アクセルを踏んだ。しかし、そのR33は大神のR32の倍速くストレートであっという間に置いてかれてしまった。

黒色のR33のドライバーはルーミアで大神はどうしてそんな車もってるんだと聞くと買ったのよと言った。大神は大人のルーミア(暴走ルーミア)の事をよく知っていたが、まさか黒のR33でLMを乗っているとは思わず驚きを隠せなかった。だが、ルーミアはS14Q'sに乗っており普通のルーミアと大人のルーミアと比べると似ても似つかない。あのR33を運転出来るほどのレベルがあると流石に厄介だと大神は確信した。

次の日、大神は霊夢の神社に行き霊夢の車のエンジンを見ていた。

霊夢「私のロードスターなんて見て、どうしたのよ大神?」

大神「いや…今回のR32…余裕だったろ?」

霊夢「ええ、なんか普通に追いつけちゃった。」

大神「でも、今度来る相手は相当厄介なやつかもしれないんだ…例えばルーミアとか…。」

霊夢「ルーミアが強敵だって言うの?」

大神「あ…ああ、あいつ車2台持ちでなS14とR33GT-Rに乗ってるんだよ。」

霊夢「?」

大神「ああ…霊夢はFDとロードスターとGT-RのR35とR32しか知らなかったな。」

大神は写真を見せ、S14とR33の事を説明した。

霊夢は納得し、理解したがルーミアがそれほど強敵とは思えず思わず疑問が生まれた。

だが、そんな事をさせまいと階段を下った先から甲高い音が聞こえた。その音はとてもうるさく、霊夢を困らせた。

下へ下ってみると、そこに居たのは妖精のチルノと大妖精がいた。

チルノ「現れたな、博麗霊夢!」

大妖精「どうも、霊夢さん、大神さん。」

霊夢「何よ…あんた達、バトルなんかしないってこの間から言ってるでしょ?」

チルノ「なんだよ、このアタイが誘ってるんだぞ…まさか負けるのが怖いのか?」

大妖精「チルノちゃんその辺にしといた方が…。」

チルノ「なーんだ、博麗の巫女は腰抜けか〜!」

霊夢「なんとでもお好きに呼びなさい、でも頼まれたってバトルなんかしないわよ…めんどくさいし。」

チルノ「ちぇ…せっかく出し抜けたと思ったのになぁ〜。」

大神「ちょっと待てチルノ。」

大神(…"あいつら"からバトルの誘いも来てるし無視する訳には行かねーから普通ならほっとくけど…もしかしたら"あのチーム"に勝てる材料が生まれるかもしれない。)

大神「異変解決見たいなもんさ、この際バトルしてやったらどうだ?」

霊夢「嫌よ、ガキの遊びに付き合わなきゃ行けないなんて…私も暇じゃないのよ。」

大神「まぁまぁ、そう言わずに…。」

チルノ「ホント、やったぁ!」

幻想郷、紅魔館ガーデンサーキット。

紅魔館の目の前に作られたコース、峠を再現しており対向車線も追加されている。だが、上ってくる車や下ってくる車はおらず、もはや貸切状態。サーキットでもあり、コースを一周する形となる。

高速コーナーが多く、チルノ達にとても有利なコースと言える場所だった。チルノ達が乗っている車は、HONDA CIVIC TypeRのEK9型だった。ホンダの改造にはうってつけの会社SPOONのステッカーにホイールやタイヤの会社のADVANステッカーが貼っており、なんちゃって環状族仕様の車に仕上がっていた。

HONDA CIVICは1973年に誕生した車、ちっちゃなコンパクトカーでかなりの人気を収めた車でありセダン型シビックにも当時はとても人気があった車だ。しばらくして1987年EF1シビック、通称グラウンドシビックまたはワンダーシビックと呼ばれていた。エンジンはB16Aエンジンを搭載されておりほとんどの人はよく知るVTECエンジンを搭載されている。エンジンは普通の直列気筒エンジンではなく水冷直列気筒エンジン、EF型が初となるVTECエンジン搭載車となった。馬力はたったの105馬力しかないが、グループAのレースにも登場しとても人気がある車であり走り屋達には目を引く1台となった。

1991年、EG6という車が登場しVTECエンジンなのは変わらないものの、レースに活躍。走り屋にはとても人気がある車だった。SiSと言うシビックも登場し1995年にはEK型シビックが登場した。

初期はEK4でSiSシビックでは少し変わった車、EK9によく似ているが少し形が違うので勘違いしないように。1997年に登場したEK9 TypeRは足回りとレーシーな走りが出来る車、2000年代にはEP3 TypeRが登場。

エンジンはKA20Aエンジンを搭載された、ますますサーキットで走るのには最適な車でもあった。2007年には、セダン型で発売したFD2が登場。それと同時にHONDA MUGEN RRシビックが登場しシビックはついに200馬力を超えたのだ。FN2シビック TypeR Euroも登場したが、それは日本では台数限定で販売。2010年にはFD2の生産終了し、2012年ではFN2の販売を終了した。

しばらくしFK2、FK8が誕生し、なんと昔から自然吸気仕様前輪駆動で販売していたHONDAはFK2で初となるVTECTurboを搭載。馬力は300馬力を超え、ギアは5速MTから6速MTに変更された。

FK2はハッチバックシビックで4人乗れる車でFFながら安定した走りを見せてくれる。ドイツ北西部にあるサーキット、ニュルブルクリンク。時々民家の人々が国道として使っているコースで、ある日北コースを使ったタイムアタックが行われた。ニュルブルクリンクでのタイムは7:50:063を叩き出し、ルノー メガーヌRS トロフィーRよりも4秒早いタイムだった。その点最高速は約270km/hだが、コーナリングでは安定した走りをしアスファルトのコースならなんでも対応出来る車だ。

FK8はセダン型に変化し、FK2は310馬力程度だったがFK8は320馬力と10馬力アップしたのだ。さらに、良いことにFK8にはコーナーに入った時のアクセル操作を必要としない。なのでシステムが回転数を合わせアクセル操作を必要としないのだ。しかし、シビック TypeRは台数は限定せず通年販売で売られている。だが、FK8は日本ではあまり見たことがない車なのでFK8が走っている所を見かけたら相当ラッキーだと言えるだろう。

チルノはあたいのこのEK9を見てきっと驚愕するだろう、驚けよといい車を並べた。霊夢はあまり気乗りはしなかった。ただ確実に言えることは霊夢は紅魔館ガーデンサーキットを走ったことがない上に、EK9とNA6CEとの差ははっきり言ってかなりある、とてもじゃないが不利な状況。

だが、大神はこう思っていた。

大神(高速コーナーが多いこのコースだが、バンピーに跳ねるコースだ…EK9ならその点は余裕かもしれないが…ロードスターには不利な条件しか揃っていない。)

大神(だが、霊夢達が走るコースは下りだ…途中に連続するコーナーがある、霊夢のロードスターにはそこが勝負の分かれ目だろう。)

ロードスターがチルノのEK9に並びスタート位置についた。

大神がカウントを始めようとした時、EK9はエンジンを吹かした。その瞬間大神の声が聞こえなくなった。チルノのEK9には社外マフラーが着いており、直感型マフラーだったためとてもうるさい。大神はメガホンを持ちカウントを始めた。霊夢のロードスターのエンジン音がEK9のエンジン音

にかき消され、霊夢は少しイライラし始めていた。

チルノ「はっはっは〜、どうだアタイのEK9は霊夢のエンジンをもかき消す環状族仕様なんだぞ〜!」

霊夢(五月蝿いわね…集中出来ないじゃない…。)

大神(うるせ〜…いい音なのに、ここまでうるさいと車検に引っかかるんじゃねーのか?)

大神(全く、もう少し控え目にすりゃいいのに…やっぱり馬鹿だな…音だけ出しても速くはならない。)

大神がカウントをし終え、スタートした瞬間EK9前についた。大神は少し笑みを浮かべそのまま待つことにした。

チルノのEK9は下りのストレートはかなり速く、霊夢のロードスターがあっという間に離されそうになっていた。霊夢は、必死にチルノのEK9に食らいついた。だがストレートが速く話にならなかった。すると第1コーナーに入り、チルノが減速した。

高速コーナーではFFが有利、後輪駆動のFRでは不利ではあるがチルノは何故かブレーキばかり踏んでいる。その瞬間霊夢のロードスターはEK9に追いついた。しかし、チルノのEK9は立ち上がりとストレートが速く再び霊夢のロードスターが置いていかれてしまった。

霊夢は何かに気づき始めた。

霊夢(そうか…そういうこと…。)

霊夢「あの子直線は速いけど、カーブは何故かブレーキをめいいっぱい踏んで…そのあとはブレーキをちょくちょく掛けて少しづつ減速してる…そのせいかよく追いつける…。」

霊夢「多分、チルノのやつビビってブレーキ踏んでるんだ…それはカーブの曲がり方が下手くそだってこと!」

それに気づいた霊夢はチルノの後ろについた、コーナーに入った瞬間チルノは3速でコーナーを曲がったのに対して霊夢は4速トップエンドでコーナーを曲がって行った。チルノが気がつく頃には霊夢のロードスターが追いついていた。

チルノ「何故だ、アタイのEK9が速いに決まってる…同じ1.6Lだけどこっちは316馬力…圧倒的に馬力の差が大きい筈なのに…なんで霊夢がそこにいるんだ!?」

チルノは必死になって霊夢のロードスターから逃げようとした。しかし、霊夢のロードスターは負けていない。霊夢はチルノのEK9を追いかけ勝負を仕掛けた。

チルノは徐々に焦り始め、アクセルと必死に格闘していた。

だが、チルノは何か思いついたのかニヤリと笑いブレーキを踏んだ。しかし、そこはコーナーを曲がっている途中で急ブレーキを掛けサイドブレーキ(パーキングブレーキ)を引き車を横に向けた。

その瞬間霊夢は逃げ道が消え、霊夢もブレーキを必死に踏んだ。チルノが体制を立て直すとチルノは必死に逃げていった。

霊夢はギアを落とすのを忘れていたため速度が一気に落ちてしまった。1速に入れ直すと霊夢はイライラを爆発させ、ついにキレてしまった。

霊夢「ムカついた…わざと危ない事したわね…許さない!」

霊夢「あんたみたいなやつ…絶対に負けない!」

霊夢は死ぬ物狂いでチルノのEK9を追っていった。

霊夢はガードレールを1cm近くまで寄せ、芝生に乗ってしまった。だがそんなのはお構い無し、膨らんでいた芝生があっても構わず真っ直ぐ進み飛んでしまった。しかし元の位置に戻りオーバースピード気味にコーナーを攻めた。フロントフェンダーが当たっても乱れずその反動で逆ドリフトをし始めた。

気がつくと徐々にチルノに近づいていた。チルノはどうなってしまうのか、そして霊夢はチルノ対してどう勝負するのか。




Act,3 爆走VTECをご覧頂きありがとうございます。
2話より面白く書けてれば嬉しいなと思います。
今回は射命丸文とルーミアとチルノが出てきましたが、いかがでしたか?正直な所この3人は車をどうするか非常に迷いました。
文はMITSUBISHI LancerEvolution3 GSRか、NISSAN SKYLINE GT-R BNR32 S-Tuneするか。ルーミアはS14かそのままR33を出すか迷い、結果ルーミアは2台持ちという設定でチルノはEK9に乗っている設定にしました。次回は霊夢がブチギレ、チルノが痛い目を見てしまいます。誤字脱字等があるとは思いますが皆様にわかりやすいように書かせて頂きますのでよろしくお願いします。
あと、引き続きこれが抜けてるなどのご指摘を頂ければ幸いです。中傷コメは禁止ですのでご理解のことよろしくお願い申し上げます。


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Act,4 紅魔館レーシング

チルノに妙な動きをされ、ブチ切れた霊夢。キレた霊夢はチルノに勝つことが出来るのか。そして霊夢達に更なる刺客が現れる。
霊夢はチルノに勝てるのか、そして霊夢達に現る刺客の正体とは。


霊夢「ムカついた…わざと危ない事してくれたわね…。」

霊夢「あんたみたいなやつ、絶対に負けない!」

霊夢はチルノにキレ、全速力でチルノのEK9を追いかけた。

しかし、チルノはストレートが速く50m以上も離されてしまったらもはや勝ち目がない状況だった。だが、霊夢はその展開を逆転した。霊夢はガードレールとの幅をわずか1cm程寄せ、ガードレールギリギリで曲がって行った。コーナーを抜けるとストレートなのだが霊夢はアウトにより芝生に乗った。普通ならタイヤを労るのだが、今の霊夢にはそんなのは関係なかった。ただ霊夢の頭の中にあるのは勝つ事のみ。再びコーナーが迫ると、オーバースピード気味でコーナーに侵入。コーナーを抜けるとアウト側によりフロントフェンダーをガードレールに当てた。その反動で逆ドリフトをし気が付けばチルノに追いついていた。

???「…霊夢さん相当怒ってますね…。」

???(普通の人間なら、キレたらミスばかりで正確に車をコントロールすることが出来ない…そこで勝負が分かれるけど。)

???(霊夢さんは違う、キレたらキレる程速い…パワーの差がデカくても場数の差とテクの差が全然違うんだ…。)

???「チルノちゃん、今に知るよ…FRの恐ろしさを…FRの凄さをね。」

チルノは動揺していた。それはそうだ霊夢がここまで走るとは思わず、どうして追いつかれたのか理解できなかったのだ。

チルノ「嘘でしょ…ロードスターがどんどんと差を詰めてくる…。」

チルノ「そんな…バカな…!」

霊夢のロードスターはチルノのEK9を抜こうとしたがチルノは必死にそのポジションをキープしようとし抜かされないようにブロックした。

しかし、霊夢のロードスターはぶつかりにかかろうとした。その瞬間チルノのEK9がふらつき霊夢に隙を見せてしまった。

すると、霊夢は溝に引っかけコーナーを曲がって行った。その瞬間チルノは霊夢に抜かれてしまった。

チルノ「な、何今のコーナリング…インベタでスコーンと行った!?」

チルノ「なんなんだよ…さっきのコーナリング…ふざけるな!」

チルノはこのまま負けるのが悔しいのか、必死に霊夢のロードスターに食らいついた。だが、後ろに着いた時には霊夢のロードスターのフロントバンパーに当たりそうなくらい張り付いていた。ブレーキをかけコーナーを曲がる時には霊夢のロードスターのフロントバンパーが当たっていた。

霊夢は必死に逃げるもチルノはもう既にスリップストリームを使い前に出ようとしていた。だが霊夢は減速した。

チルノ「なんで霊夢…減速したんだ?」

チルノが疑問に思う前にチルノは次のコーナーに差し掛かっていた事に気が付かなかった。コーナーに入った時にチルノはようやく気づきブレーキを踏んだが、それはもう遅かった。リアバンパーの左側を打ってしまい、その反動でスピンしてしまった。

チルノは唖然とするしか無かった。だが何故負けたか等はチルノにはなくまず、EK9のバンパーを壊してしまったことにチルノは悲しくて仕方なかったのだ。すると、霊夢のロードスターはチルノが心配になったのかEK9がスピンした所まで戻ってきた。

霊夢「チルノ…大丈夫?」

チルノ「…うん…。」

霊夢「こりゃ派手にやったわね…大神なんて言うんだろ。」

チルノ「あたいの…EK9…。」

霊夢「私…少しやり過ぎたわ…悪かったわ。」

チルノ「あたいも…負けたくないからって危ない事してごめんなさい。」

霊夢「いいのよ、これでおあいこじゃない。」

霊夢「また治して、リベンジしに来なさいよ…またバトルしてあげるから。」

チルノ「うん…。」

次の日、霊夢は大神の店に車を持って行っていた。

大神「うわぁ…。」

霊夢「ど、どう?」

大神「こりゃ、フェンダーもろとも全替えかな。」

大神「フェンダーが完全に凹んでて叩いて治すかしないと自走は不可能だ…それにオープンルーフが完全にぶっ壊れてる…新しいNB用のオープンルーフにするか、MAZDASPEEDの固定式のオープンルーフにするかだなこりゃ…。」

霊夢「お願い、安くして!」

大神「無理。」

霊夢「馬鹿なァァァァァァァァァ!」

大神「…でもまぁ、どっちみちこいつをレベルアップしようと考えてんだ…それ考えたら板金は安くしてあげようかな〜。」

霊夢「マジで!?」

大神「嘘です、板金代は取るからな…。」

霊夢「ケチ。」

紅魔館、門の外で赤い車のエンジンのメンテナンスをしている中国人がいた。その車は、MITSUBISHIのFTO GP VersionR Aero Seriesであった 。

三菱、FTOとは1994年に発売を開始したノッチバックスポーツカークーペである。ノッチバックとハッチバックの違いはルーフとトランクの形状の違いから来ている。トランクごと丸くなっている車をハッチバック、リアガラス(ルーフ)だけが丸くなっていることをノッチバックと呼ばれている。エンジンは4G63型直列4気筒と6A12型V型6気筒がある。彼女の車はその6A12型のMIVECが搭載されている、4G63型エンジンの出力馬力は125馬力6A12型エンジンは170馬力ある。しかし、彼女が乗っているFTOは出力馬力が200馬力ある、それに更なる改造を加え約300馬力とパワーアップさせた。

FTOが出た当時はそれなりの人気があり、カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。そしてMITSUBISHIのGTOと違い駆動方式はFFであったため、4WDのGTOよりの性能はなかったが旋回性能が高く他より優れたボディ剛性を確保していた。プロレーサーによると「ドリフト競技でFF車部門であれが一番」とコメント、ホンダ インテグラタイプR(DC2)が現れるまでは最速の車と呼び声もあったが2000年の冬に生産を終了さてしまい、短い販売人生をを送ってしまった。さらに、人によるが、出た当初はなかなかの人気があったものの徐々に不人気車両に落ちていき人々にFTOの存在が忘れ去られることになる。

現在ではFTOが走っていること自体珍しく、ほとんど街中で見かけることは無くなった。

すると、紅魔館の中から一人のメイドと吸血鬼が出てきた。門を開けると彼女の名を呼びこういった。

???「あら、美鈴(めいりん)…こんな時でもメンテナンス?」

美鈴「はい、昔の車って結構壊れやすいんでこうしてメンテすることで壊れにくくしてるんです。」

???「あなたに前から聞きたいことがあったんだけど、なんであまり人気がないFTOを選んだのかしら…以前はMRのAW11(MR-2)かMR-Sが欲しいって言っていたじゃない、なのになぜ前輪駆動のFTOにしたのかしら?」

美鈴「はじめは、そんなことを考えました…しかしにとりさんの工房の中にポツリと置かれたFTOがあって近いうちに廃車なんて、なんだか可哀想だなと思いこうして愛情深く乗ってるだけです。」

美鈴「別に何言われようと自分がこれで良いと決めた車、大切に乗るだけなんです。」

???「そう、貴方は本当に優しいわよね…咲夜が貴方を気に留める理由も分かる気がするわ。」

咲夜「メンテナンスが終わったらすぐに遠征にいくわよ、準備しておきなさい?」

美鈴「承知いたしました咲夜さん、丁度終わったばかりなのでいつでもいけます。」

???「わかったわ、さぁ行きましょう…幻想峠へ。」

次の日、紅魔館チームが幻想峠に訪れたという噂は大神の店にも届いていた。

大神は少し悩んでいた、霊夢のロードスターをライトチューンにすることは決まったが魔理沙のFDをどうするかを。なぜそう考えていたかと言うと。

もともと魔理沙に紅魔館チームのメンバーと勝負させようと考えていたのだが、プロ級のドライバー何人もいるという噂を聞くと今の魔理沙には勝負にならないと考えFDのパワーアップを考えていた。

だが、何時何処で現れるか分からない今大神は魔理沙にどう説明するかと悩み少し頭を抱えていた。

しかし、幸運にも魔理沙が大神の店に現れた。

魔理沙「よぉ、大神~タイヤ交換してくれよ~。」

大神「お、良いときに来たぜ…お前車のパワーアップ考えてたよな。」

魔理沙「そうだぜ、エアロパーツも変えたいくらいなんだぜ…お、てことはやってくれんのか!?」

大神「まぁ、な…でも最初からフルチューンという訳にもいかないんだ。」

魔理沙「なんでだ?」

大神「こいつは、2ローターで約700馬力以上のパワー…いやそれ以上の馬力が出ても可笑しくはない3ローターでも800馬力以上、787Bに搭載されている4ローターエンジンはチューンすると1000馬力はくだらない。」

魔理沙「1000馬力…大神のR35もそうだよな…。」

大神「ああ、俺はRをよく知りエンジンの特性や足回りの質感などを確かめた上でRをいじってる。」

魔理沙「えーと…つまり?」

大神「Rがどのように動いてくれるか考えたり、どうしたら言うことを聞いてくれるかを頭で考え行動する…それを俺は毎日やり続けて車の改造をしてるんだ。」

大神「魔理沙はまだ、その車のことは知らないし…その車にある特有の"癖"も把握してないだろ?」

大神「だから、最初は軽く400馬力ちょっとにしてその車の"癖"を見抜く必要がある。」

魔理沙「その癖を把握し車の特性を知れば、フルチューンにしていいって事だな?」

大神「まぁ、そうなるが…"ただ"その車の特性を知る事だけじゃ意味がない、"車にそれ以上の愛情を与えていれてるか"なんだ。」

大神「ただ、"移動手段が欲しくて車を買う"…それも悪くない。」

だが、大好きな車で、絶対これがいいと思った車は大切にするか大切にされる。好きな車を大事にしない人はいない、ただ安さに溺れて車を大切に思っていない者が思い出が無いまま車を手放してしまう。

車に傷を付けてしまう、車を壊してしまう。それは仕方ないさ、人間誰しも車を傷つけずに走れる者はいない。絶対事故らないと自信を持っていても、必ず事故をしない訳でもないんだ。

いくら車が安くても大事にすることが、もしその車が限界に達した時、手放す時、必ずその車で良かったなと思える。だから南や俺は"車は動物の用に大事にしろ"と言ってる。

大神「いくら、ただの機会だからと言って造られたものは必ず意思を持つ…俺が動物以上に家族当然のように車愛しているのは当然なんだ。

大神「愛した車だから大切扱ってる、大事だから俺はこういうんだ。」

魔理沙「なるほどな…確かに大神の言ってることは正しいな…でも私もこのFDを家族当然に扱ってる、大丈夫さ。」

大神「いい心構えだな、でも慢心は気をつけろよ?」

魔理沙「分かってる、心配ありがとな大神。」

魔理沙「さぁて、どういう風に私のFDをレベルアップしてくれるんだ?」

次の日、霊夢の神社に手紙が届いた。それは紅魔館に居るレミリア・スカーレット宛からの手紙だった。

手紙にはこう書いており。

『拝啓博麗霊夢様、貴方に車のドリフトバトルを申し込みたいと思います、勝負の相手は紅・美鈴場所は紅魔館ガーデンサーキットで開催しようと思っております。』

『時間は21時、サーキットの方は貸切にしておきますので21時前までお好きに使用して構いません。』

『車は三菱のFTOです、良い勝負になることを期待しておきます、紅魔館・当主・レミリア・スカーレットより。』

その手紙を見た霊夢はすぐさま大神の店に向かった。だが、その店には大神の姿は無かった。

ただ、霊夢の赤いロードスターが大神の店のガレージに置いてあった。窓には置手紙がありそこには。お前の車の第一段階は終了した、受け取ってくれと書いてあった。

18時、魔理沙は大神と霊夢を待っていた。すると、霊夢が大神より先に来て魔理沙にこういった。

霊夢「あれ、先に着てるの魔理沙だけなの?」

魔理沙「あ、ああ…ってなんだか霊夢のロードスター変わったな。」

霊夢「大神が今日の為に改造してくれたのよ、なかなかいい動きするわこの車。」

霊夢のロードスターは中身だけでなく外見も変わっていた。エアロパーツはGT300で使われていたNOPRO製のエアロパーツを装着、ウイングは純正のオプション用のMAZDASPEEDはそのままだったがホイールはワタナベホイールのエイトスポークF8も変わらないがインチが14から16インチに変わっていた。エンジンはBPエンジンをオーバーホールし、約170馬力から200馬力前後へとパワーアップされていた。

しかし、FTOに勝てるかと言えばあまりにも不利な事には変わりなかった。だが、霊夢は自信満々で美鈴と勝負を挑んだ。

霊夢「言っておくけど、私本気で行くからね。」

美鈴「…いいでしょう、何しろ勝負を挑んだのはこちらです…私も本気で行かせて頂きます!」

魔理沙「それじゃ、カウント始めるぞ!」

魔理沙「5,4,3,2!」

魔理沙「1!」

魔理沙「Go!」

霊夢達は最高のスタートを決め、短いストレートを180km/h以上まで上げて行った。しかし、パワーはFTOの方が高く霊夢のロードスターが後追いになった。第1コーナー、緩いコーナーが続き美鈴には余裕のコーナリングで霊夢にプレッシャーを与えた。だが、霊夢も美鈴に反撃、ガードレールギリギリのコーナリングを見せ余裕の表情を見せた。

しかし、このコースでは美鈴のFTOの前輪駆動が有利となる。いくら緩いコーナーが多いとは言えど馬力の差、駆動方式の違いで美鈴に30m程差がついてしまった。きついコーナーはまだ先、これでは勝負が着いたも当然かと思われる程魔理沙に失望させて行った。

すると遅れて、大神が紅魔館ガーデンサーキットへ到着した。

大神「霊夢は?」

魔理沙「もうとっくにスタートしてるぜ?」

大神「そうか…良かった、徹夜でロードスターの"第1段階"を仕上げて置いてよかった。」

魔理沙「なぁ、霊夢のロードスター…どういうセッティングにしたんだよ。」

大神「ああ…簡単な話さ、足回りのバネを少し硬くして馬力を200馬力程度上げたくらいさ。」

大神「あとは操作性の向上の為にスタビライザーを変えたり、速度向上の為にエアロパーツ変えたりしただけ…特にスペシャルなパーツはついてない今まで通り自然吸気のままさ。」

魔理沙「それでも相当変わってんじゃねーか、たったそれだけでも速くなったのには変わりねぇし。」

大神「とりあえず、これなら美鈴に勝つことは出来る…でもストレートのパワー勝負…もしくは伸びの勝負なら完璧に美鈴が勝つ。」

魔理沙「でも、あいつはコーナーで勝負して走る癖あるよな。」

大神「ああ、それで文に勝ってるわけだからな…アイツを後ろにしたら勝てた奴はいない。」

大神「霊夢と勝負する時は必ず先行を選ばない事を俺はオススメするよ。」

紅魔館ガーデンサーキット、中間地点。

美鈴はまだ先行を走っていた、だが徐々に差が詰まってきているのは明白だった。次のコーナーをクリアする時には美鈴の車が目の前にいた。

しかし、美鈴は霊夢のロードスターが真後ろにいることを気づいてはいなかった。美鈴は慢心し切っていた、自分は速い、あの下りで2回も勝負して連勝している博麗霊夢より速く走れていると。

それが今後仇になり、美鈴にミスを生んでしまう。

美鈴「今日の私はノれてる…今日は絶好調!」

美鈴「博麗の巫女、アンタの不敗神話も今日で終わりだ!」

美鈴「この私が、霊夢さんの不敗神話を止めてやるんだ!」

美鈴は後ろから眩しい光が来ると目を細めた。ドアミラーを見てみると霊夢のロードスターが美鈴の真後ろにいたのだ。

美鈴は驚きを隠せず、動揺してしまった。

美鈴「嘘でしょ…!?」

美鈴「まだ、本格的なコーナーが増えてきてから…数えられる程しかコーナーを抜けてないんだ!」

美鈴「こんなに呆気なく…紅魔館ガーデンサーキットで…私のホームコースのダウンヒルで追い詰められるなんて…。」

美鈴は動揺し、思わずハンドル操作を誤り外側へ膨らんでしまった。

霊夢はその隙をつき抜かすことが出来るのか、そして美鈴は霊夢を抜かさずに勝つことが出来るのか。

 

続く

 




どうも皆様この小説を読んで頂きありがとうございます。
作者、電龍 大神役をしている白狐のイナリュウです。
投稿からかなり期間が開きました、最近部活などが忙しくさらに小説の投稿が遅くなる可能性がありこの間まではGWだったのもあったので、なかなか投稿出来ませんでした。皆様投稿が遅れてしまい申し訳ありません。でも出来る限り、早目に小説を投稿できるよう努力致しますのでご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
ここでちょっと余談なんですが、皆様GWはどこに行きましたか?
家族がいる故郷、または遊園地などに行った人も多いかもしれません。自分はGWの最後に筑波サーキットの筑波サーキット・カーフェスティバルに参加させて頂きました(見に行ったが正しいか…)。
Lotus EuropeやPorsche 964Turboなど良い車を沢山見れて楽しかったです。コースの全体も知れて最後は、筑波サーキットを走行する事が出来て良い思い出になりました。そして良い勉強になった気がします。またこういうイベントがあれば行こうと思っていますので、自分の思い出自慢になってしまいますが、ネタに困った時にこうして語って行きたいと思います。
次は美鈴戦の後編と小悪魔との勝負となります、果たして霊夢は勝てるのか…。
大神(主)「勝てる…よね?」
霊夢「あんたが書くんだから、勝つかはアンタの設定次第。」
大神(主)「いや…勝ってよ?(困惑)」
霊夢「無茶言うな!」


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Act,5 チーム紅魔ドリフト

ついに始まった紅魔館チームとの勝負。美鈴のFTOは他よりも速い仕様で霊夢のロードスターに勝負を挑むも、開いていた差があっという間に縮んでしまう。そして魔理沙のFDのパワーアップ。この勝負どうなってしまうのか。


美鈴は霊夢に追いつかれ、しばらく唖然としてしまった。しかし、まだ負けたわけじゃないと思い美鈴はペースをあげ必死に霊夢から逃げていった。だが霊夢も遅れまいと美鈴に食らいつく、美鈴のFTOのタイヤに異常が発生した。

美鈴「な…曲がってくれない!?」

霊夢「馬鹿、危ない!」

美鈴「まさか…タイヤか…タイヤが熱ダレ起こして曲がってくれなくなっているのか?」

美鈴「なら、ウデでカバーすればいい…私だって紅魔館の門番の端くれとしてはそのくらいまで練習してきたんだ。」

美鈴「霊夢さんには悪いけど、勝ちを譲る訳には行かないのでね…タイヤが熱ダレ起こしてもどうだっていい、勝つことが私に出来ること。」

美鈴「レミリアお嬢様、貴方にこの勝利を捧げます!」

コーナーではオーバースピード気味に突っ込み、曲がりきることが難しかった。それでも美鈴はきちんと減速し熱ダレ気味のタイヤを無理矢理曲げて行った。しかし、それは霊夢に弱点を知られてしまう。

霊夢「カーブの攻め方が甘い…ひょっとすると次の連続したカーブで勝てるかも?」

霊夢「多分タイヤがもうズルズルって事なら仕掛けるポイントを探さないと、仕掛けるの待ってるとそのままゴールしちゃうな…。」

霊夢「よし、次で仕掛けよう。」

美鈴も霊夢も必死になりながらコーナーも攻めて行った。徐々にコーナーの数が増え、緩いコーナーが減って行った。キツいコーナーや連続したコーナーが増えれば、霊夢に勝機を与える美鈴はゴールまで霊夢のロードスターをブロックし続けた。

だが、それはもう無駄になった。インに着く前に、霊夢にインを刺されてしまったのだ。美鈴は再び唖然とし、コーナーを抜け立ち上がった時には霊夢のロードスターはもう見えない程遠くに行ってしまった。

美鈴は必死に追いつこうとしても、追いかけることも出来ずに呆気なく霊夢に負けてしまった。

美鈴「馬鹿な…こんなに呆気なく…ちょっとの隙で私を抜かすなんて…!?」

美鈴「くッ―!」

美鈴(認めない、こんな結末…いつかまたリベンジさせてもらいますよ…霊夢さん!)

紅魔館ガーデンサーキット、ピット。魔理沙達は霊夢の勝利の報告を待ち遠しにしていた。すると魔理沙に電話が入る。

大神「あれ、いつガラケーからスマホに変えたんだ?」

魔理沙「ああ、ついこの間…スマホが幻想郷に入ったって聞いたから速攻スマホに乗り換えたわけさ。」

大神「なるほど…、俺もそろそろ外の世界から持ってきたスマホを充電したいなと思ってた所だったんだにとりには感謝しきれないぜ…。」

魔理沙「もしもし、私だぜ。」

大妖精『私です大妖精です、下で霊夢とのバトルチルノちゃんと見てました。』

魔理沙「そうなのか、んでどっちが勝ったんだ?」

大妖精『霊夢さんです、美鈴さんぶっちぎりにして圧勝でしたよ。』

魔理沙「よっしゃ、霊夢が勝ったぜ!」

大妖精『もう、勝負は着いたみたいなので私達はもうピットの中に入ろうかと思っています。』

魔理沙「お、じゃ私達まだ霊夢が来るまで待ってるから、大神のR35が見えてきたら電話してくれ。」

大妖精『分かりました、霊夢さんが勝ててホントに良かったです。』

魔理沙「ああ、じゃあな。」

大神「大ちゃんなんて言ってたんだ?」

魔理沙「霊夢が勝ったってよ、FTO相手なのによくやるぜ。」

大神「霊夢はチルノのEK9とバトルしてるからな、FFの弱点はもうわかってんだよ…だから隙をついて美鈴の前に出た、前輪駆動はコーナーを攻めた時にホイールスピンをさせないようにコーナリングを安定させ立ち上がり等の力は前輪駆動が速いが、デメリットを言えばドリフトもしにくい吹かすことも出来ない車なんだ。」

大神「まぁ、出来たとしてもFD2は5,000回転くらいしか吹けないがな。」

魔理沙「え、なんで?」

大神「レブリミッターさ、リミッターのせいで回転数を抑えられてしまう…不便ではあるけど前輪駆動ははっきり言って楽しい所があって好きだよ。」

魔理沙「へぇ〜…四駆一筋の大神が、FFを好むなんてな。」

大神「別に四駆一筋ってわけじゃないよ、ただ四駆が俺の相性とピッタリだっただけさ…本当なら後輪駆動…FRやMRも好きなんだから。」

大神「勿論RRもだけど、ポルシェのRRは前輪がリフトして上手く走れないんだよね…これが結構痛い…。」

魔理沙「でも大神はポルシェのGT3とか好きだよな?」

大神「RRでも目をつぶればマジでいい車なんだ。」

大神「だから嫌いになれない…むしろ好きで好きでたまらない。」

魔理沙「お前の愛情はいつ聞いても以上だぜ…。」

大神「それより、お前のFD完成したぜ。」

魔理沙「おお、どんな感じになったんだぜ!?」

大神「エアロパーツはお前の要望通り雨宮エアロにしておいた、ライトも固定ライトしておいたぜ。」

大神「あとは足回りを変えて、タービンはツインターボに変えて約400馬力アップ、さらにCPUのROMを書き換えて15馬力アップ。」

大神「マフラーを変えて、ボンネットはカーボンのやつに変えて…ボディも軽量化、1100kg以下の重量まで軽量化に成功しメーターやバケットシートとかも全部お前の好みなものに返させてもらったよ。」

大神「あとはお前のウデ次第、困ったことがあったら言ってくれ。」

魔理沙「ありがとな、大神!」

次の日、魔理沙は幻想峠で出来上がったFDの慣らしを行っていた。

軽く流していても横に滑り、すぐにケツが出てしまうため魔理沙はとても苦労をしていた。大神はケツ出てると何度も問いかけたが、魔理沙は必死にアクセルワークを多用し続けコーナーをクリアして行った。

麓まで降りると、魔理沙の足はもうパンパンに浮腫んでしまっていた。

今までと違うセッティング、紅魔館ガーデンサーキットや幻想峠に合わせた足回りとは言えど、425馬力ある魔理沙のFD。軽量化されたボディ魔理沙にはそれが、ハイパワーマシンと錯覚させるほどの車だと錯覚させた。どんなに攻めてもアクセルをベタ踏みで攻めていけないイラつきと、踏んでも踏んでもふらついてしまう焦りで、魔理沙は追い詰められて行った。

魔理沙「な、なんなんだよこれ…セッティング1つでこんなに変わっちまうもんなのかよ!?」

大神「ほらほら、ふらついてるぞ!」

大神「ほらケツ出た、アクセルワークで対応しろ!」

魔理沙「んな事言われなくても、わかってるよッ!」

大神「大丈夫か魔理沙、熱くなりすぎると事故るぞ?」

魔理沙「大丈夫だぜ、こいつの乗り方さへわかれば―。」

大神「もう辞めとけ、そう何本も走っても車に負荷がかかるだけ…魔理沙も相当疲れてるみたいだし無理しすぎると本当に事故るぞ?」

魔理沙「ッ―!」

魔理沙「…。」

魔理沙「そうだな…少し…疲れた。」

大神「さぁ、帰ろう魔理沙。」

魔理沙「ああ…。」

魔理沙はようやく諦めがつき、必死になっていたアクセルを緩めクーリング走行に入った。しばらくすると大神の店に到着し、魔理沙は大神が立てた小さい2階建てアパートを借りてそこで就寝した。

次の日になると、魔理沙が止まっていた部屋に1つの手紙が届いていた。

それには、紅魔館にいる動かない大図書館の管理人パチュリー・ノーレッジからの手紙だった。手紙にはこう書いてあった。

『先日は美鈴が世話になったわね、今度は魔理沙に勝負を挑むわ。』

『霊夢には同じ手紙を送ったから霊夢には伝わってるはずよ、言っておくけれど私のDC1…自然吸気だからって甘く見ないでよね。』

と書かれていた、小悪魔も参加すると書かれており小悪魔の車はHONDA INTEGRA TypeR DC5だった。小悪魔のDC5にはセカンダリータービンが組んであり、FFながら後付けターボとちょっと変わった車であった。

HONDA INTEGRAとは、映画Back To The Futureの主人公マーティー・マックフライ役をやったマイケル・J・フォックスがHONDAのコマーシャルで気持ちインテグラという通称で人々にインテグラの名を残した車である。初代インテグラ(AV,DA1,2型)が登場したのは今から1985年からである。リトラクタブルのインテグラではあるものの、当時は珍しいDOHCエンジンを搭載されておりクーペとセダンとバリエーションが豊富だったためキャブレターエンジンも開発されていた。

アメリカのブランド、アキュラもインテグラがアメリカ史上2弾目として発売された車でもあった。

そして1989年、DA5型とDB型が登場した。先程言った通り、マイケル・J・フォックスがHONDAのコマーシャルで気持ちインテグラや調子インテグラなどの通称が付けられた車である。当時ではインテグラでVTECエンジンを搭載されるのは珍しく、B17Aエンジンが搭載された。

1993年、DC1型とDB6型にマイナーチェンジ。クーペ型のDC1は北米モデルとして登場し、日本ではあまり見かけることは無かった。しかし、DC2では丸目型ライトから少し伸びたランプに変更された。

さらに、DC1,DC2に初めてタイプRが追加されスポーティーに走り前輪駆動でコーナーを安定させるVTECのB16Cエンジンを生かした、スポーツカーへと変貌した。2001年(DC5型)になるとインテグラのセダン型は廃止、クーペモデルだけ生産するようになりタイプSとタイプRと分かれた。エンジンはK20Aエンジンを搭載、さらに仕上がったタイプRはコーナーでの安定域も改良され前輪駆動ながら、更なる進化を遂げた1台となった。アメリカのアキュラはこのインテグラの名をRSXに変え、アメリカで販売されたが2006年に生産終了となった。

大神はこの手紙を見て、どうするか悩んだ。それは魔理沙が、小悪魔とパチュリーとのバトルを受けるとわかっていたからである。しかし、2戦も勝負していてはパチュリーに隙をつかれてしまう可能性があると大神は確信していた。そこで大神は、知り合いの女の子を誘って勝負させようと考えていたのだ。それが誰なのかはその時でないとわからなかった。

次の日、大神は魔理沙にパチュリーからの挑戦状を見せた。

魔理沙はやる気になっていたが、小悪魔は別のヤツと勝負させると言っていた。魔理沙は少しガッカリしたが、パチュリーとの勝負を心待ちにしていた為そんな事は関係なかった。

大神が霊夢にパチュリーとの勝負をどうするか聞いてみたが、勝負しないといい大神は少し驚いてしまった。だが、2日続けてバトルだった事を考えると霊夢には休みが必要だと大神は考えた。

翌日、紅魔館ガーデンサーキットに足を運ぶと小悪魔とパチュリーがそこにおり美鈴が小悪魔のDC5のメンテナンスをしていた。小悪魔もパチュリーのDC1をメンテナンスしており完全にレースチームと言わん程の準備だった。

だが、戦闘力が高まった魔理沙のFDは既に準備万端な状態。いつでも勝負出来る仕様だった。大神も愛車のR34に乗って霊夢を連れてきていた。

しかし、まだ皆は誰かを待っているようだった。"そいつ"が現れるまではバトルは行うことが出来ないからだ。

すると、甲高いエンジン音が聞こえパチュリー達がいる所にやってくる。

その車は、桃みたいな薄いピンク色ドアには桜のバイナルが貼ってあった。その車は、MITUBISHI LANSER EVOLUTION ⅧのGSRであった。

ドライバーが降りてくると、魔理沙は驚いてしまった。

魔理沙「さ…桜!?」

そう、そのランエボ乗りのドライバーは大神や南の下で働いていた潮風 桜(しおかぜ さくら)だったのだ。ウイングはVARISのGTウイングに、VARISのエアロパーツが付けられておりフロントグリルにはRALIIARTのグリルが搭載されていた。追加メーターが6つほど付いており、BRIDEのフルバケットシートが助手席と運転席さらにリアシートにも搭載されていた。シートベルトもTAKATAの4点式のシートベルトも取り付けてあった。見たところカッコを良くしたランエボⅨにも見えたがエンジンを見てみると小悪魔と大神そして知識がまだ浅い魔理沙でも驚きを隠せない凄い車だと確信させられたのであった。本人が言うには、社外パーツだけでも軽く100万は行くと言っており。馬力は大体630馬力ほどあるという。しかし、潮風は小悪魔のDC5の馬力に合わせるように言われていたため420馬力へと抑えられていた。ボンネットもピンク色に塗られているが、熱抜きダクトつきのカーボン製のボンネットだった。

MITUBISHI LANSER EVOLUTIONは、1992年に誕生した四輪駆動の車である。もともとはランサーという車から来ているがエボはかなり歴史がある車であった。

1992年に誕生したエボⅠは、WRCの出場資格を取得するために出来た車でもある。馬力は当初でも始めてのインプと同じ250馬力を発生させた。

エンジンは4G63型のエンジンが搭載されていた。しかし、当初のランエボには改善点が多くコーナーが曲がれないという不評された。原因は、異常なフロントヘビー傾向を持っておりさらに駆動系にも配慮が足りておらず、ほとんどの四駆でみられるアンダーステアに頭を悩ませコーナーで曲がることが出来ないと不評だったからである。

生産する時には、ホモロゲカーということもありコマーシャルやディーラーでの告知を一切しなかったという。僅か2,500台という限定的に売られ、予約が殺到。

約3日で完売、それを受けさらに同じ数で再び追加販売された。

そして1994年、エボⅡが発売。

これも限定的に販売され、エボⅠの問題点をエボⅡで改善。LSDを採用されホイールベースなどが見直された。馬力は260馬力と10馬力アップしWRCではエボシリーズで初勝利を飾った。

1995年、エボⅢが登場。形の変更点はあまりないものの、エボⅡよりも大きいリアスポイラー。ダクトが異常に大きいフロントバンパーによりエボファンにとって最高に痺れる車だと言える。それは外見だけではなく、エンジンをも改良を重ね270馬力へとアップした。当時流行っていたミスファイヤリングシステム(をエボⅢにつける人も多く、今までターボラグがあった時間を解消しカッコもいい最高の車となった。

1996年には、エボⅣが登場した。形を変えLSDの代わりにAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)が搭載された。そのため、エボⅢをはるかに超える旋回性能を見せたが異音と頭文字Dの東京の2人組が言っていた通り曲がらない止まらない直線バカ速など言われていた。馬力は規定基準値の280馬力に納め、IMPREZAと対抗し続けた。

1998年、エボⅤが登場。馬力はエボⅣと同じく280馬力に納めたがラリーカーに対抗すべく、3ナンバー仕様に変更され車幅1,770mmと大きくなった。またビデオ雑誌のベストモータリングでは筑波サーキットでエボの評価が高かった。また、映画TAXi 2では黒色のエボⅤが3台登場している。またアニメ湾岸ミッドナイトでは神谷 英次(かみや えいじ)がエボⅤに乗っておりエボⅤを深く評価している。

1999年、エボⅥになるとフロントバンパーにフォグランプが小さくなり少しコンパクトになった。さらにラジエーター関係の問題により、中央から左側にナンバープレートが変更。ウイングは、二段階構造になっており空力が改善された。しかし、足回りがエボⅤより硬めのセッティングだったためか街乗りには不向きな車と不評を受けた。さらに言うとAYCがエボⅥにも追加されており、エボⅣであった異音は改善された。

アニメ湾岸ミッドナイトでは、神谷 マキ(かみや まき)がエボⅥのRSに乗って阪神高速、環状線で兄である英次と一緒に走行している。

2000年では、エボⅥのトミマキエディションが登場。トミマキエディションとは。ラリードライバー、トミー・マキネンが4連続優勝した事を記念し特別仕様車として登場した。フォグランプは廃止となりさらにクールなカッコになった仕様となった。ギア比が高速寄りのターマックラリーを意識して造られた車であり、足回りは110mm車高を低くしたターマック仕様のサスペンションを搭載した。カラーリングも特殊な仕様を用意しドアにスプライトを入れたレッドカラーが人気がありRSとGSRは純正カラーではあったがGSRスペシャルカラーリングパッケージは先程説明したスプライトが入ったレッドカラーである。

2001年になると、エボⅦが誕生。大人しめなフォルムでAYCの代わりにACDを搭載。また映画ワイルドスピードX2では、エボⅦが登場している。搭乗者は映画の主人公のブライアン・オコナー役を演じた、ポール・ウォーカーである。2002年代になると、少しフォルムを変えたエボⅦが登場。名前はランサーエボリューションⅦ GT-Aである。エボⅦ GT-Aはなんとセダンスポーツカー初のATでエボを生産した。馬力は12馬力ダウンしたがクールな旋回性能でステアリングはMOMO会社のステアリングを使っており変速ボタンを組み合わせた自社製に変更された。

ATということでオイルクーラー通風口が設けられナンバープレートが中央に戻った。純正として大きなウイングを取り付けられているGT-Aもあった。ちなみに余談ではあるが主はエボⅦのGT-Aを地元で見たことがあるらしい。

2003年、エボⅧが登場しフロントバンパーのデザインが大きく変更された。潮風 桜が愛用し姉妹である潮風 鴉(しおかぜ からす)も乗っている。エボⅧの芋紫ので椛の葉のデカールを付けた色違いを乗っている。

エボⅦでは5速MTだけだったのだが、エボⅧでは5速MTと6速MTと分かれら、GSRとRS 6速仕様とRS 5速仕様となっていた。エボⅧではACDではなくAYCを搭載、AYCの改善点を見直しスーパーAYCと名ずけられた。フロントバンパーのグリルに富士山型のグリルが採用され富士山型に三菱のマークと少し面白味を残したクールな車となった。

2005年、エボⅨが登場した事で更なる人気を施した。

エンジンは4G63型なのは変わりないが、連続可変バルブタイミング機構MIVECを搭載し低回転域のトルクと高回転での性能が向上した。さらに新しくGTというモデルが登場、GSRエボより役20kg軽くなった。

エボⅧでは不評だったブーレイ顔が廃止されスーパー耐久仕様を似せた仕様となった。AYCとADCは変わらないが、ディフューザーを搭載しリアの車高を5mm程落としてある。ウイングは更なる改良が加えられ、エボⅧよりも空力が良くなった。

年は1年空き、2007年。エボⅩが誕生。ギアは6速のセミATと5速MTと分けられた。エボⅦからエボⅨまで採用されていた6速MTは廃止され、6速のセミATが採用された。そしてなんとエンジンは、4G63型ではなく4B11型が搭載された。フォルムは以前のエボより外見が変わり丸くなったボディではあるがエボファンにとって良い登場と言える。2008年にはマイナーチェンジされ、エンジン出力は280馬力から馬力に規定が無くなり300馬力オーバーと出力がアップした。

またBBSホイールやRECAROシートは純正化され街中では静かに、サーキットでは楽しくと良い仕上がりとなった。さらにクルーズコントロール等をが搭載されたが、2014年に生産終了が発表され2015年から2016年まで限定的に売られた、ランサーエボリューションⅩ ファイナルエディションが登場した。性能面ではあまり変わりはないものの、213馬力とアップした。ルーフ部分を黒くし、これが最後の車とは思えない車であった。WRCで活躍したインプとエボのライバル同士の火は未だに消えずに残り続けるであろう。

桜「それで、今回の相手はDC5なんですよね?」

大神「ああ、FFターボだから速いぞ。」

桜「自然吸気前輪駆動にターボですか…。」

小悪魔「ええ、確かにFFにはターボは邪道と思われていますがとても癖がある速く走ることができる1台だと私は思っています。」

小悪魔「そのランエボでは低速コーナーでは不利なのでは?」

桜「ならお聞きします、エボは低速域で遅いと思われがちなのですが…どうしてこう皆さんはエボの悪い点しか言わないのでしょうか?」

小悪魔「…。」

桜「問題は簡単です、答えを言いましょう…最初に登場したエボⅠは曲がらない止まらないという難点を残しつつ生産され生産終了前にはそれはきちんと改善された。」

桜「エボはいい点を言えば、曲がるし止まる…そして低速域の加速力も良くなりました…今からその良くなった点をお教え致しましょう。」

小悪魔「エボが私のDC5に勝てますか?」

桜「勝てますね、その為に仕上げた車なんですから。」

大神(両者とも、相手を煽りお互いのことを把握しようとしている…ピリピリした中あいつらはなにか凄いことを見つけるに違いない。)

両車共スタート位置に着くと、大神が2台の間を通りその場で立ち尽くした。すると手を挙げカウントを始めた。

桜はレースはカートの経験しかないがセミプロ並の腕は持っている。小悪魔はFFワンメイクレースのみの経験しかない。しかし、小悪魔はパチュリーに教えられたことを生かし桜に勝負を挑む。

一体この勝負は誰が勝つのだろうか。

 




5話を読んでいただきありがとうございます。イナリュウです。
今回少し長く書いてしまった…反省。今回はエボの解説に力を入れてしまって長くなってしまいましたが、長くまた詳しくわかりやすく書かれば嬉しいと思っています。さらに車が好きだけど知識が浅くてまだわからない方にわかりやすく書けていれば嬉しいなと思っております。再び余談ではありますが実は私はIMPREZA大好きというかSUBARUが大好きで、GRBの絵やGT300のBRZ61号車とニュルブルクリンクタイムアタックレースのVABのトミカを箱に入れて飾っています。最近ではノーマルのVABではありますが試乗しに行ったこともありました(運転できない)。とにかく言葉じゃ言い表せない程好きです。
霊夢「どうしたうp主…ついに壊れた?」
大神(主)「アッイヤナンデモナイデス…。」
えと、もしかしたら南以外にもIMPREZAやLEGACYなど出るかもしれませんので期待していいと思います(何目線…?)。
次は小悪魔VSオリキャラの桜ちゃんとの勝負です。魔理沙の勝負はその後になりますがよろしくお願いします。
最近生活が忙しく部活に専念しており活動投稿が比較的に遅くなると思いますが、頑張って書き進んでいきたいと思いますのでよろしくお願いします(2回目)。


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Act,6 最速マイスター

小悪魔と潮風 桜とのバトル。小悪魔が仕掛けるトラップとは?
そして、魔理沙の覚醒。果たしてこのバトルどうなってしまうのだろうか。


両者ともピリピリした表情で車に乗り込んだ。

桜のエボと小悪魔のDC5が並ぶと、大神が出てきてカウントを始めた。

カウントを数え終えると、エボとDC5がスタート。滅多に見れるものでは無いこの勝負、瞬間魔理沙に再び刺激された。DC5が先行されるとすぐにVTECターボサウンドが耳に入る。それは桜に嫌味を与える。しかし、前半はまだ緩いコーナーばかり桜は必死になって追いかける必要はないと思い余裕な表情を見せた。

だが、桜はまだ知らなかった。自分が"罠にはまっている"ことに。

桜(まだ余裕だ、全然ついていける下りだとパワーがない車の方が速くなるって聞いてるけど緩いコーナーばっかりだとそうでも無いのか…。)

桜(でも、もしテクで置いてかれたら…いや、だったらもう逃げられてもおかしくないはず…。)

桜「何を待っているの…全然逃げる素振りもない…一体。」

桜は徐々に疑問に思い始めていた。それは、もうすぐ前半区間が終わりきついコーナーの勾配に突入するからである。それでも小悪魔のDC5は全く動く様子がない、それどころかペースも一定。きついコーナーに入る前にペースが上がりきついコーナーで逃げるのが桜の中では理論的にそう考えると思ったのである。しかし、小悪魔の考え方は違った。これから起こる事が裏目に出る。

前半最後のストレート区間に入ると、突然小悪魔がブレーキをかけた。

桜は驚き、瞬間ブレーキペタルに足を置いた。だが桜はふと気がついた、これはフェイントだと。そう小悪魔がやっているのはチルノがブレーキフェイントをした応用だった。チルノはブレーキを踏んで急ブレーキをしてしまったおかげで危険なフェイントとなったが、小悪魔のブレーキフェイント攻撃は減速しないようにブレーキを踏み相手を罠にかける。それが小悪魔が今やっている比較的に安全で罠にかけやすいフェイントである。

しかし、その攻撃は破綻してしまったが小悪魔には別のフェイント攻撃があった。

小悪魔「鋭いですね〜、流石です大神さんが目を置いているのもわかります。」

小悪魔「ですが、次のフェイントはFFだから出来ることなんですよ。」

小悪魔「ついて来れますかね、私のインテRに?」

桜「まさか…こんな所でフェイント攻撃をするなんて、もしフェイント攻撃だと気が付かなかったら今頃ブレーキを踏んで罠に引っかかってた所だった。」

桜「でも、絶対前に行く…NAターボなら弱点があるはずなんだから。」

ストレートが終わり、きついコーナーに入る。すると小悪魔のDC5は信じられない速度でコーナーに侵入、左足ブレーキで対応しきついコーナーをクリアする。桜は信じられないコーナリングで入った小悪魔を見て、少し驚いた。だがエボでも行ける速度だと思いコーナーに侵入。ドリフトでコーナーをクリアしようとした。だが、桜のエボには限界だった。オーバースピードで外側に膨らんで行った。

桜(まずい、相手のペースにのせられた!?)

桜「やばい、戻って!」

桜は必死にアクセルとハンドルとの格闘をした。だがエボはさらにアウト側に膨らむ、瞬間ドリフトのバランスが崩れた。コーナーの出口が見えてきたが、エボにはそれは限界。外に膨らむエボをどうやって元の進路に戻せるか、桜はそれが頭に過ぎった。ただ無我夢中でエボを元の位置に戻そうと必死になりながら、他のことを忘れとにかくエボの事しか頭になかった。すると、幸運なことにエボは体制を立て直すことが出来た。コーナー出口から出た瞬間ガードレールの幅はおよそ1cm弱。下手をすればガードレールを突き破って森の中に落ちていた所だった。

小悪魔「なっ!?」

桜(ら…ラッキー…とにかくエボが無事でよかった。)

桜「…よし、今度はこっちのターンだよ…逃がしはしない!」

小悪魔(あのトラップは二段構えのトラップだったのに…まさか、あんな所からクリアするとは思わなかった。)

小悪魔「でも運が悪かったですね…もうすぐゴールですよ?」

桜「1つ私からトラップを。」

小悪魔が左コーナーに入ると、桜は左リアバンパーをこついた。

その瞬間DC5が少しふらつきブースト圧が急激に落ち込んでしまった。

立ち上がるまで時間がかかる、その瞬間を見計らって桜は短いストレートで横に並ぶ。右コーナーに入ると桜が前に出た、AYCの効果を使い小悪魔に一瞬の隙をつかせないように抜け道をなくし道を塞いだ。

コーナーを抜けるともうすぐゴール、前に出た桜はもう勝ちを確信しゴールまで突っ走った。小悪魔も必死に追ったが、ゴールラインを超えた時にはアクセルを緩め負けを認めた。紅魔館ガーデンサーキットのピットに戻ると、2人は車から出て面を合わせた。

小悪魔「負けてしまいました…今日は私の日じゃ無かったという訳ですね。」

桜「いえいえ、まさか二段構えのトラップを仕掛けていたとは思いませんでしたし…こんなに熱くなったの久しぶりですよ。」

小悪魔「私もです…この車に出会えてから色んなことがありましたし、今回は負けてしまいましたが…今度こそ負けません。」

小悪魔「それと、バトル前に挑発してしまいすいません…嫌味を言うつもりは無かったのですが…。」

桜「私もです、私からも謝ります。」

小悪魔「そんな、悪いのは私なのに。」

大神「まぁ、挑発してきたのはそっちだしお互い様だろ。」

大神「よくやったな、桜…成長したな。」

桜「ありがとうございます。」

小悪魔「すいません…パチュリー様。」

パチェ「貴方は悪くないわ、今回は技量の差で負けたわけだし…きちんとした走りも出来てたから。」

パチェ「いい勝負が出来たのならそれでいいわ、あとは私に任せて…貴方の分まで頑張ってくるから。」

小悪魔「パチュリー様、無理をなさらないようお気をつけて。」

パチェ「わかったわ、魔理沙との勝負だものね…思う増分楽しんでくるわ。」

次は、パチュリー対魔理沙の勝負。魔理沙はまだ完全にFDを乗りこなしてはいない、だが大神は何を思ったのか行けると確信していた。

パチュリーのDC1はNAの割にはとてもパワーがある車に仕上がってある。魔理沙のFDはウイング以外は雨宮エアロだがパチュリーのDC1はVARISのエアロパーツにノーマルのスポイラーだったがホイールはRAYSのVOLK RacingのTE37V MarkⅡを装着していた。ホンダファンなら惚れ惚れするような車だった。大神のRなどについているTE37SLやTE37SL BLACK EDITIONⅡと違いリムが深くとてもクールなホイールであるカラーはガンメタリックカラーということもありそれがDC1をさらにクールに見せていたのだ。

エンジンの出力馬力は約455馬力だと本人は言っていた。魔理沙のFDより40馬力差があったのだが、上りのコーナーなら差は縮まると魔理沙は踏んでいた。2台が並ぶと、大神は2台の間の前に立ちカウントをし始めた。数え終えると2台はスタート。2台が一斉にコーナーに入る、先行は魔理沙のFDだった。だがパチュリーは走る前に後追いでは無く先行を選択していたのだ。何故先行では無く後追いを選択してのか、それはたった一つの単純な答えだった。

パチェ(小悪魔は最初、先行を考えていた…確かに悪くない考えだしこれが正しいと言えば正しい…。)

パチェ(でもそこに落とし穴があった、私が教えた二段構えのトラップも破綻した…前にいると後ろの動きばかり気にしてしまい、自分の出来る走りが出来なくなる。)

パチェ(だから最初は後追い、きっとどこかで隙を見せるはずそこで仕掛ければ…それを成功出来れば私は既に勝っているわ。)

魔理沙「な、なんて正確なドライビングなんだ…。」

魔理沙(いやいや、落ち着け…まだ始まったばかりだろ…いくらパワーに差があってもコーナーなら向こうにも弱点はある。)

魔理沙「逃げ切ってみせるぜ!」

魔理沙はとてもやる気になり緩いコーナーではあるが、綺麗にクリアしていった。前半区間を過ぎるがパチュリーに動きはない、それが魔理沙にとっては不気味に思えた。無駄にくっついたり、余計に離れたりもせずただ一定のペースで魔理沙に合わせながら走っている。それが魔理沙には不気味で仕方なかったのだ。仕掛け所を探しているのだろうかと魔理沙は思うが中間地点を過ぎてもパチュリーは一向に動く様子はない。ただただ少し速めなペースで魔理沙に合わせながら走っている。

一方パチュリーは、無表情のまま相手の様子をずっと伺っていた。

それは相手が隙を見せるのを待っているのか、それとも相手が動くのを待っているのかそれは謎だがパチュリーはとにかく何かを探していた。

ピットで待っている大神達は、狐火を空に打ち上げ皆に見れるようにした。もう1つ狐火を出すと、そこに映っていたのは魔理沙に合わせながら走っているパチュリーと仕掛け所を探している魔理沙がそこに映っていた。

大神「…上手いな。」

桜「へ?」

大神「パチェを見てみろ、ある程度だけど少しづつ仕掛け始めている…抜く所を探してるんだ。」

桜「でも、しばらくこのまま来たってことですよね…てことはこのままゴールしちゃうってことありませんよね?」

大神「それはわからんが…有り得ることを1つ言うぜ。」

大神「1つ目、パチュリーは何者だ?」

桜「大図書館の管理人では無いのですか?」

大神「それもそうだが、他にもある。」

小悪魔「パチュリー様はS級ライセンス持ちです、それにワンメイクレースで連続1位という経歴もあります。」

大神「そう、あいつはほぼプロに近い…DC1の走らせ方を知ってる。」

大神「でも、あの状態で何も仕掛けないまま行くのはそれがパチェの実力にすぎないだろうが、俺が思うに―。」

小悪魔「まさか…。」

大神「そうだ。」

2人「後半区間の連続コーナーで仕掛ける。」

大神「だろうな…俺がパチェならそうするだろう。」

桜「そんな…まさか魔理沙さん負けちゃうんですか!?」

大神「まさか、まだ負けるとは言ってないしこういう公道レースとかは時の運だ勝ち負けはゴールしないとわからないんだ。」

大神「ただ、まだFDを乗りこなせていないし…あいつはまだアクセルワークを得意としていない。」

大神「でも、FDの乗り方さえわかれば、あとは運だ。」

魔理沙達は後半区間に入る、長いストレートを過ぎると、連続したコーナーに差し掛かった。そこでパチュリーが動いた。

パチュリーはアウト側に行き、一世一代の勝負を行うつもりでいた。

2台ともブレーキをかけ、コーナーに侵入。アウト側はイン側と違って抜きやすいが、上手く曲がらないと苦しい勝負を強いられる。それに紅魔館ガーデンサーキットではコーナーがとても狭く、2台並べるかどうかだったのだ。しかし、パチュリーは紅魔館ガーデンサーキットの走り方知っており、マージンを削ってリスクを背負いながらコーナーで抜かすことが出来るのだ。魔理沙は、そのようなことは一切予想できずただただ驚くことしか出来なかった。だが必死にコーナーを抜けようとするが外側に膨らんでしまい、パチュリーに当たりそうになる。パチュリーは驚きもせず繊細な走りをし冷静に対処した。

コーナー出口に差し掛かると、パチュリーはもう前に出ていた。

前輪駆動のDC1はさらなる戦闘力になる、それは大神が1番知っていた。

短いストレートに入るとパチュリーが前に出た。魔理沙は動揺していた心を落ち着かせ、冷静にパチュリーを追いかけた。先行されてもVTECサウンドが迸る、魔理沙のFDのロータリーエンジンをかき消すようにパチュリーのDC1はとても調子がよかった。しかし、パチュリーは必死になって逃げていくうちに息が切れてしまい集中力もかなり落ち込んでしまった。

パチュリー「はぁ…はぁ…こんな時に…発作なんて…。」

パチュリー(この連続コーナー、を、クリアしたらゴールなの、よ…必ず、逃げ、切て…みせる…!)

魔理沙「さっきより隙が出来始めてきた…パチュリーの奴軽度の発作起こしてるな。」

魔理沙(もしかしたら次のコーナーで仕掛ければ行けるか?)

魔理沙(躊躇ってる暇はない、次のコーナーで仕掛ける!)

魔理沙「…ふと思い出したけど、確か大神のやつ言ってたな…。」

パチュリーとのバトルの1週間前。

大神は魔理沙と一緒に、練習に付き合っていた。その時はまだFDの乗り方を熟知しておらず、ただひたすら焦るだけしか出来なかった。

麓まで降りると、2周目に入ろうとしていた。そこで大神が魔理沙を止めさせた。車から降りると大神から"ある物"を渡された。

それは、何も変哲もない"ただのノート"だった。魔理沙はなんだこれなにか役に立つのかと言ったが、大神がノートを開いてみろと言うと音符が書かれた楽譜だった。魔理沙は私はピアノの授業なんてしてないんだぞ、もっと真面目にアドバイスしてくれよと大神に怒鳴りかけたが、大神はFDのリズム練習に使えるだろう。最初は幻想峠の走り方のリズムにしてあるから、慣れたら自分なりにアレンジしてみろ。と大神が言った。

魔理沙は必死に大神に渡された楽譜通りにやってみると、綺麗にドリフトし速いドリフトも出来るようになった。しばらくすると自分なりにアレンジするようになったが、上手くアレンジ出来ずにいた。

魔理沙は今パチュリーとのバトルで、その大神に渡された楽譜通りにそして自分なりにアレンジした通りに勝負をしようとしていた。

大神「どうやら気づいたようだな。」

桜「え?」

大神「実は1週間前に魔理沙に俺が作った楽譜を渡してたんだ。」

桜「え、でも…魔理沙さんまだ乗り慣れてないんじゃ…?」

大神「ああ、でも無策でパチュリーとバトルさせる訳には行かないだろ?」

大神「俺だってそこまで意地悪なやつじゃないよ。」

大神(さぁ、自分が経験したことをそこにぶつけろ…そして勝ってこい!)

大神(それが第1段階での最後の宿題さ。)

魔理沙はこう思った。絶対にパチュリーのやつに勝ってやると。

その瞬間を魔理沙に闘志が湧き、パチュリーを追いかけて行った。残りコーナーの数も少なくなってきたが。魔理沙は必死にパチュリーのことを追いかけ、次には魔理沙はパチュリーの横に並んでいた。

パチュリーは驚きこう思った。馬鹿じゃないかと。確かにパチュリーが言うような状態ではある、魔理沙のFDは前輪駆動でもなければ四輪駆動でもない後輪駆動。

コーナーでは安定と加速力があるが外側ではあまり効果がない。だが魔理沙は行けると信じていた。それはFDがそうさせていたからだ。FDが行けると教えてくれていたからである。

だが、2台とも信じられないスピードでコーナーに侵入する。その瞬間FDの後ろの方輪が、段差に乗り上げてしまう。しかし、魔理沙は冷静に対処しコーナーを抜ける。コーナーを抜けると乗っかっていた方輪は直ぐに元の路面に戻り立ち上がりでパチュリーを引き離そうとしていた。だがパチュリーは一向に引かない。だが僅かながらFDの方が立ち上がりで前に出た。FDの加速はまだ続き気がつけば車幅半分ほど差が開き、両者ともゴールした。そこでギャラリーをしていた妖怪達は魔理沙の勝ちだと確信ししばらく魔理沙の歓声は止まなかった。

パチュリー「…はぁ…はぁ…こんなに熱くなれた初めてこの車を買った時と貴方との勝負が始めてね。」

魔理沙「私もマジで無我夢中でお前のこと追いかけてたからな、楽しいバトルだったぜ。」

パチュリー「そう、ね…ただ発作を起こすとは思わなかったけれど…楽しかったわ。」

パチュリー「これはお礼よ、また一緒に勝負出来るためのね?」

魔理沙「ああ、私も腕磨いとくわ。」

といい共に強い握手を交わした。パチュリーにとってはこれは一生忘れられないバトルになったと言えるだろう。それは魔理沙も同じだ。こんな形でFDを熟知出来るとは思わず、アクセルワークに特化できて良かったと深く感じている。小悪魔も桜と勝負してわかった点がいくつかあった、桜もここまで楽しいバトルは無かったと心からそう思った。

熱い友情、そして熱い勝負。彼女達には良い勝負が出来ていたと言えるだろう。すると、行かないと言っていた霊夢がこちらにやってきた。

霊夢は魔理沙の走りとても痺れたと言い体が震えていた。大神が行かないんじゃなかったのかと聞くとどうやら八雲 紫に連れてこられたらしい。

だが、スキマから連れてこられた訳ではなく紫の車で連れてこられたらしい。車はTOYOTA 2000GTに乗っているらしい。

大神は驚き、霊夢の両肩を掴んだ。大神は必死に問い掛けたが痛いと言われ腕を振り払われてしまう。それに気がつくと大神は熱くなっていたことに気づき霊夢に悪いと謝った。

これも彼女の思い出になったとは言うまでもない。

次の日、紅魔館では少しピリピリした様子だった。

咲夜「小悪魔とパチュリー様が負けてしまったようです。」

???「あら…パチェに関してはやる気満々で魔理沙と勝負したのに負けてしまうなんて…。」

咲夜「ですが、パチュリー様はとても清々しい気持ちで帰ってきましたので自分の納得が行く勝負が出来たんだと思われます。」

???「そうでしょうね、本人はみんなに気が付かれてないと思ってるみたいだけど…パチェは魔理沙想いだからね。」

咲夜「次は私が勝負してきますね、魔理沙と霊夢に勝てれば私達は偉大です。」

???「3回負けてるけどね、でも私は諦めたわけじゃない…咲夜朗報を期待しているわよ。」

咲夜「はい、全ては仰せのままに。」

???「フランも準備しておいた方がいいわよ。」

フラン「え、う…うん。」

???「いいわね?」

フラン「わ、わかったよ。」

フラン(…ホントはやりたくない…こんな勝負。)

フラン(ただ…私は、楽しくないバトルなんてするより楽しいバトルがしたい。)

咲夜は、紅魔館のガレージに向かい自分の愛車であるNISSAN SKYLINE GT-R BNR34 SpecVに乗り込んだ。エアロパーツはZチューン仕様のエアロを装着しておりホイールはTE37SLのホワイトカラーのホイールを装着していた。ウイングは純正のウイングでRのカラーは純正のブリリアントブルーであった。これが咲夜の愛車であり、相棒である。この車で霊夢と魔理沙に勝負に挑む。




6話を読んで頂き誠にありがとうございます、作者のイナリュウです。
投稿がかなり遅れてしまったと思いますが生活が落ち着くまではしばらく遅くなるかもしれませんのでご理解のことよろしくお願いします。最後に「???」の人物がいたと思いますが、皆さんは多分わかる通りかと思います。ネタバレするとレミリア・スカーレットが黒幕であります。ただ車は何に乗っているかはお楽しみです。
ここで少し2000GTについて余談を。
TOYOTA 2000GTは1967年に出来た歴史ある1台です。実はこの車LEXUS LFA同様、YAMAHA発動機と共同開発して車なのです。そこで2000GTの出力馬力はなんと150馬力と一般道や高速など走ることが可能です。現在だとたったの150馬力と思う方も多いかもしれませんが当時では150馬力で200km/h以上出たと好評だったのです。さらにサーキットなどの参加がとても多く、人々に刺激を与えた1台だと言えます。エンジンはDOHCとOHC仕様の車が存在しており5速MTと3速ATが売られておりました。
今では2000GTが走っていること自体珍しく、一般道で見れた時は感動モノです。2000GTは車業界の歴史に深く残り続けると思います。
自分も1度でいいから2000GTに乗ってみたいくらいです。
さて、次は咲夜と霊夢そして魔理沙とのバトルです。
果たして勝負はどっちが勝つのでしょうか。次回にご期待ください!


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Act,7 プロの走り

大神は第2段階の改造を考え、更なるパワーアップを考えていた。しかし、ロードスターもFDも更にパワーアップさせるとエンジンブローの危険までありエンジンの積み替えを余儀なくされる。
咲夜の走りとフランの想い、一体咲夜は勝てるのだろうか。そしてフランはバトルを受けるのだろうか?


次の日、大神は霊夢と魔理沙の車のエンジンを見ていた。そう新たに2段階目の改造を考えていたのだ。しかし、大神が考えていた事はとても恐ろしい計画であった。霊夢のロードスターには、スーパーチャージャーにターボ付きの仕様にしようと大神は考えていたのだ。だが、それはあまりにも現実離れしており最後の改造はエンジンをも載せ替えを考えていたのだ。魔理沙のFDは少し大きめのタービンに替え、エンジンは2ローターから3ローターに変えようと考えていたのだ。霊夢のロードスターも同じように3ローターにすることも考えていたがスーパーチャージャーにタービンを付けて走ることは理論的には難しい、ツインチャージャー仕様でなければ。さらに3ローターというのも、幻想郷で手に入るかも難しかった。最終段階では2台とも4ローターにする、無理矢理な改造だと大神は薄々思っていた。

大神「…やっぱり頭おかしいだろこの改造。」

大神(でも、出来ることならスーチャかNAの出力を落とさないようにタービンでも…いやだったらスーチャでも…。)

南「なーに悩んでるの?」

南は大神の肩を叩きつっかえ棒をした。久しぶりに南と会えて嬉しく思った。だが基本、南は何か理由がないと大神の店にはやってこないのだ。大神がそんなにニヤニヤしてどうしたよと聞くと。ついてきてと言われ、南にGC8に乗せられた。南はニヤニヤしたまま何処に行くか言わずに黙ったまま、それが大神にとってかえって不気味で仕方なかった。怒っているのかそれともただいい事があったからニヤニヤしているのかそれはわからなかったが明らかに普通に一般道で制限速度を待って走る速度ではなかった。大神は何も知らないまま妖怪の山の峠に連れてかれると、南はいきなり上りでペースアップした。

コーナーをいくつも曲がり、WRCみたいな綺麗な動きをしながら繊細なアクセルワークで走る。それが大神にとっては少々恐ろしく感じた。

ただ、大神が知っている南の走り方ではなく余裕がある走り方をしていたのに気づき南にこういった。

大神「お前まだ…本気で走ってないな?」

南「そう、これでも私本気よ?」

大神「嘘だな…だっていつもなら命が幾つあっても足りない程だし、いつもブォオオオオオってくらいな走りしてるじゃねぇか。」

南「いやどんな走り方…。」

大神「いやそうだろ、ブルァアアアアアってくらい攻めてるだろ?」

南「貴方の例え方意味わからないんだけど!?」

大神「とにかく、まだお前本気じゃないよな…なんか表情にも余裕あるし。」

南「まぁね、ちょっと貴方にいいものを見せたくて。」

大神「いいもの?」

南「行ってからの、お・た・の・し・み♪」

大神「なんだよそれ…。」

妖怪の山を越えると、休憩所が見えてきた。車を止めると、南は降りてといい大神と南は車から降りた。南に連れれられて行くと、河城にとり(かわしろ)犬走 椛(いぬばしり もみじ)が木のテーブルの前に座り将棋をしていた。南が声をかけるとあと1戦で決着つくから待っててくれと言われしばらく将棋の勝負を見ていた。

順に駒を進めると、気がつけばにとりは不意をつかれてしまい椛が勝ってしまった。にとりが負けてしまうことはよくあるが今回は調子が悪いらしい。するとにとりは立ち上がり、南達に例のやつまで案内するよと言われた。

大神「そういえば、椛ってワンエイティーに乗ってるんだな。」

椛「ワンエイティー…180SXの事ですか?」

大神「ああ、まさか中期型に乗ってるとは思わなかったけどな。」

椛「文さんやはたてさんはR32やMR-Sに乗り換えてしまって…でも思い出がある車なのでずっとこの車に乗ってるんです。」

大神「ああ…そうか、はたてと文は最初S14Q'sとS13K'sだったよな…。」

椛「私も乗り換えた方がいいのかな…自分の好みの車に…。」

大神「思いれがある車なら、乗り換えなくてもいいと思うな…俺は。」

椛「どうしてです?」

大神「それはね、もし自分が大事にしてきた車を突然手放すと後悔する事が多いんだ。」

大神「"どうしてあの時手放してしまったんだろう"ってね、それじゃかえって辛くなる。」

大神「もしその車が寿命だったら乗り換えを考えるのも悪くないが、そうでも無ければ乗り換える必要はないよ…乗り続けたいのならそのまま乗り続ける、愛した車を無理に手放そうとしちゃ行けないんだ。」

椛「…わかりました、それじゃこれからもこの車を大事に乗り続けます!」

と話しているうちに、にとりの工房についた。

今日は休日ということで、工場に置かれていた機材は動いていなかった。しかし、ポツリとシーツだけがかかったままの"物"がそこに置いてあった。さらにそのシーツは2つかかっていた。南はこのシーツ少し上にあげてみなさいよと言う。大神は言われた通りにシーツを上にあげると目が飛び出そうになった。それはなんだったのかはわからないが確実にエンジンだというのはわかった。ただ"とんでもないエンジン"だと言うのがわかり南がニヤニヤしていた理由がようやくわかった。南はこの"とんでもないエンジン"を見せる為だけに何も言わずにニヤニヤしていたのだ。

大神がもう一度"そのエンジン"を見るとこう口にした。素人ができる技じゃない、並の構造じゃないからなといい、まさに本物のプロでしか出来ない職人技だと大神は言い続けた。

大神は、そっとシーツをかけた。大神が見たエンジンはとてもじゃ声にならないほど凄まじい物があった。だがそれと同時に悪寒が背筋に走った。

そのエンジンは誰かに見られているような気がしたのだ。ただめまいや立ちくらみもなく、ここに居るもの全員には大丈夫そうに見えたが。

にとりは時よりこいつをバラしてるといつも疲れないのに酷く疲労している事が多いらしい。エンジンを弄っている以上、疲労するのは当たり前だと南や大神は思ったが。にとりが言うには、次の日酷い高熱を出し呼吸が出来ずにしばらく生死をさ迷いかけたと言った。

にとり「とにかくエンジンはとにかくやばいぞ…非公式なルートで送られてきたとは言えどいわく付きのエンジンの可能性があるぞ?」

南「いわく付きね…もしこのエンジンを載せ替える時このエンジンがあの子達を受け入れるといいけれど。」

大神「それは1度やってみないとわからないな…とは言えど俺のRのエンジンもいわく付きエンジンさ、俺のRは他人が弄ろうとするとぶっ倒れる程度だからな…きっと大丈夫だろ。」

南「いやいや、生死さ迷いかけられるエンジンとかどんだけよ…。」

大神「うちのも大してわからないさ、他のやつに俺のR頼んだら辛いの我慢してエンジン組んで次の日永遠亭で入院で昏睡状態…しばらく意識不明だったからな。」

にとり「やっぱりあんたの車怖すぎるよ…。」

大神「まぁ、それが嫌ならお祓いするしかないさ…死ぬとかゴメンだしな。」

南「貴方他人事みたいに言うわよね…良くないわよ下手すれば死んでたかもしれないのに。」

大神「それ言われるとマジで怖い…それに俺その時家の前でぶっ倒れたって聞いた時はマジで仕事どころじゃなくなって直ぐに永遠亭に駆けつけたからな。」

大神「だから他人に俺のR32弄らせるのやめたからな…もう二度と他のやつに自分のR32弄らせないよ。」

南「でも、2ヶ月で退院出来て良かったわよ…。」

大神「ああ、マジで死んでたと思うと…。」

椛「この話やめにしましょうよ…ちょっと…。」

大神「あ…ごめん良くない話したな。」

南達は工房の隣にある建物に入り。皆で茶をした。大神達は話をエンジンの話に戻し、エンジンの事で色々話した。ただこのエンジンをいつどうするかを考えていた。

南「それで、大神いつこのエンジン載せるのよ。」

にとり「もちろん今すぐだよな?」

大神「いや…流石に今すぐとは言えない…。」

南「どうしてよ?」

大神「あいつらはまだエンジンの本当の有難味っていうがわかってない。」

大神「ただ馬力とトルク性の等でよく思っているだけさ…でも大事なのは車に載せられているエンジンの事さ。」

大神「それが本当に良いか悪いかそれを自分でわからなきゃいけない。」

にとり「つまり…どういうことだ?」

大神「つまり…1度バトルで負ける事だ。」

2人「!?」

大神「ただ今じゃない、今負ける必要はない…それに何回も負ける必要性もないんだ。」

大神「たった1回、紅魔館チームの勝負の後…エンジンブローでも起こせばエンジンの本当の有難味って言うのがわかるんだ。」

南「何それ…そんなの私許さないわよ…?」

大神「でも、霊夢はメカの事マジでわかってない…だからエンジンの有難味って言うのがまだまだわかってないんだ。」

大神「魔理沙はいいさ、基本的部分は知っているみたいだし…でもいつエンジンブローを起こすかわからないが、これは1番大事な気がするんだ。」

南「…。」

にとり「そんなのあまりにも勝手すぎる気がするけど…大神の判断は正しいのか?」

南「…いや、もしそのエンジンが寿命ならその判断が正しいかも…。」

南「でも、もしあの子がエンジンブローで負けたらしばらく立ち直れないわよ?」

大神「それは承知の上だ…魔理沙は早めに作るが霊夢にはちょっとした"課題"を作ろうと思ってるからしばらくは計画に時間がかかる。」

椛「なんですか、その課題は?」

大神「それは秘密だ、エンジンが出来上がり次第お前に教えてやる。」

次の日、霊夢達は誰かと勝負したくて仕方なかった。だが、ロードスターは大神の所に持って行っており何をするか考えていた。しかし、何も思いつかずただ時間だけが過ぎていくばかりだった。

すると、魔理沙が珍しく箒に乗り、霊夢の神社へとやってきた。だが、何か話そうとしたが話題が出てこなくただ2人で途方に暮れることしか出来なかった。それを見た、八雲 藍(やくも らん)は紫に報告した。

その報告は、南や大神に伝わり早めに車を仕上げようと努力した。

だが、"例のエンジン"は時期が来るまで受け取らないといい引き取らずこのままのエンジンでチューンした。チューンした内容オーバーホールしさらに燃料のストロークの線を太くし、イグニッション化させた。

魔理沙のFDは少し気圧が0.5kg出せるように大きめのタービンを搭載し汚れていたローターをオーバーホール。馬力を上げるためにエキマニ(エキゾーストマニホールド)と触媒(ストレートパイプ)さらにマフラーを交換し、全てPANSPEED(パンスピード)が作り上げたパーツを取り付けた。それと同時にボンネットをカラー付きのカーボンのボンネットに変えた。ウイングは魔理沙のFDはTypeR バサーストの2002年モデルという事もあり変えようか迷っていたが、RE雨宮が制作したカラー付きのカーボンGTウイングを取り付けた。ロードスターの外見はそのままだがウイングを取り付けるか大神はまだ悩んでいた。そこで次の日に霊夢を呼ぶ事にした。

霊夢「車で来た?」

大神「いや、完成形ではあるがまだまだだ…お前にどのようなセッティングなら速く走れるか決めて欲しいんだ。」

霊夢「私が?」

大神「そうだ、ただ難しく考えなくていいさただ思ったことを言えばいいだけなんだから。」

霊夢「わ、わかったわ。」

大神「ここに置いてある2つのウイングで決めて欲しいんだ。」

そこには真っ直ぐそして上に上がっていてボディと一体化できるダックテールとドライカーボンを使ったGTウイング、そしてNOPRO製の一体化GTウイングが置かれていた。1番最初はダックテールから取り付けで慣らして走るという所から始まった。取り付け終わると、霊夢は早速車に乗りウイングがどのような効果があるか確かめた。

コーナーを曲がる度ブレるが霊夢はこのダックテールが使いやすく感じた。だが、ゼロヨン等で使われるダックテールははっきり言って加速と最高速重視なウイングなため少しのコーナーで振られてしまうことがよくある。次に、GTウイングを取り付けるとコーナリングが安定し綺麗にドリフト出来るようになったがストレートに入ると加速がイマイチ伸びなくやってしまった。そして、一体化のGTウイングを取り付けると少し空力が低くなった分コーナーの安定感が増し、ストレートでの伸びも安定した。

霊夢は最初に付けたダックテールよりこの一体化のGTウイングがよく感じ、これを付けて欲しいと大神に言った。

次の日には、霊夢が頼んだウイングが取り付けられ霊夢に引き取られて行った。魔理沙には雨宮のGTウイングを付け、魔理沙に引き取られた。

一方咲夜はと言うと。

咲夜は、R34の調子を見ていた。咲夜のR34はZチューンのエアロパーツが取り付けられており少し車高が低かった、ホイールはRAYSのTE37 Ultra Large P.D.Cのブライトニングメタルダーク(シルバー)が取り付けられていた。ウイングはR34 SpecV純正のウイングが付けられていたが、防音剤と内張りが剥がされており、あるのはドアノブだけ。あとはフルバケットシートとロールケージのみだった。何故その仕様にしているのか。それは、サーキットでは規定内ギリギリで軽量化しタイムアタックするのがレミリア達の基本であるからだ。なのでレミリアの車やフランの車も咲夜と同じように防音剤と内張りが剥がされているのだ。

だが、最大でも2名乗車がレミリアが義務付けられているのでシートがふたつある。咲夜が車に乗り込もうとするとレミリアが私も連れてってと言われ一緒に買い物に行った。

咲夜「今日は珍しいですね、お嬢様が私の車に乗りたいと仰った時驚きました。」

咲夜「お嬢様が私の車に乗りたいと仰られたのは私が初めてこのRを買った時以来です。」

レミィ「そうかしら…でも確かに久しぶりに咲夜のGT-Rに乗った気がするわ。」

咲夜「それにしても今日はどうされたのですか、私のRに乗ることなんて滅多に無いはずのお嬢様が私のRに乗られるなんて。」

レミィ「実は、貴方はこれから霊夢と魔理沙と勝負するでしょう?」

咲夜「ええ、霊夢の車は初代のNAロードスターと聞きましたが…。」

レミィ「そこで、貴方の走りをこの目で見ておきたくなったの…霊夢のロードスターはあの大神が弄ってるって噂もあるし…戦闘力はかなり上げてきているはずよ?」

咲夜「そんなに霊夢は速いのですか?」

レミィ「1度霊夢の走りをこの目で見てるからね、霊夢は他と違って冷静で頭がキレし恐ろしく速いわ…。」

咲夜「しかし、私の走りはドリフトでもグリップでも速く走れます。」

レミィ「そうね…貴方は両方の技を多様する事が出来るし私の車にもついてこれる…でも車に乗せられているんじゃないかとふと思うのよ。」

咲夜「だから、車に任せて走っていないか見てみたいと?」

レミィ「そうよ、これは紅魔館当主の命令でもなければレミリア・スカーレット個人の命令でも無いわ…。」

レミィ「これは監督としての命令よ、私に貴方の…"十六夜 咲夜"という走りを見せて頂戴、メイド長だからとかそんな意地は要らないわ…咲夜という人物の走りを見せて欲しいのよ…!」

咲夜「承知致しました、それではサーキットまでお送りします。」

咲夜は紅魔館ガーデンサーキットに向かい、自分の車をスタートラインに止めた。深呼吸をした後、咲夜は行きますと言いアクセルを踏んだ。Rは鋭い加速をし、Rがいかに速いかそれをレミリアに見せつけた。だがそれはRの凄さに過ぎなかった、ここから咲夜の速く走れるテクニックがレミリアに更なる刺激を与える。最初の緩いコーナー、咲夜は一切アクセルを緩める素振りを見せず信じられないスピードでコーナーに侵入した。他人から見ればそれはオーバースピードだと感じられる程だったが。アクセルワークのお陰で、コーナーをクリアすることが出来た。それはRのATEESのおかげなのか、それとも咲夜が凄いのかそれはレミリアが1番わかっていた。レミリアが思うに緩いコーナーでは車のお陰だと感じ取ったが、アクセルの微調整、ハンドル操作の舵角、それを考えれば並のR乗りでは出来るはずのない芸当だとレミリアは感じた。

そして次々の緩いコーナーをクリアしていくと、長いストレートに入った。その長いストレートはRを更に加速させる装置、咲夜のRはグイグイと加速し続け気づけば200km/hを超えていた。キツイコーナーに近づくと、咲夜はブレーキを遅らせた。サーキットでは勝負やタイムアタックをする時はこういうコーナリングをレミリアは教えていた。それを生かし咲夜はギリギリまで我慢し、コーナーを綺麗に曲がった。少しのロスも無く重たいガタイのR34を正確に綺麗にコーナーを攻めていく。軽量ボディとは言えど約1300kg以上あるR34、ブレーキやタイヤが激しく消耗するのは時間の問題なのだが、咲夜の走りは正確でブレーキやタイヤの労り方を知っていた。次のキツいコーナーでは、ドリフトで侵入し速いドリフトでレミリアを圧倒させた。Rにただ乗せられているような感じではなくRが何処をどう行きたいかを手に取るようにわかり、感じた通りに走らせアクセルとステアリング操作で咲夜とRとの相性が良いことをレミリアに教えていた。最後のコーナーでは、魅せるドリフトに変わってしまったが綺麗にコーナーをクリアしゴールラインを通過した。

レミィ「お疲れ様、良い走りだったわ…ただRに乗せられてるような運転じゃなくて良かったわ。」

咲夜「有難いお言葉…恐縮です。」

レミィ「あとは霊夢と魔理沙との勝負だけね。」

咲夜「はい、全力で行かせて頂きます!」

レミィ「その意気よ、ただ無理はしないで冷静にね?」

咲夜「承知致しました。」

一方フランドール・スカーレットはと言うと。フランは紅魔館ガーデンサーキットでFDをずっと見つめていた。まだ不安となんとも言えない気持ちでいっぱいになっていた。

それもそうだ、レミリアから聞いた話によると貴方は魔理沙と一緒に勝負するかもしれないから用心しておきなさいと言われたからである。

フランは、それを聞き少しショックだったがそれと同時に嬉しい気持ちでいっぱいになったがどうすればいいかわからなくなっていたのである。

フランが乗っている車はFD3SのtypeRだった。エアロパーツはVeilsideのフルのfortuneエアロでホイールはADVAN RacingのRZのRACING HYPER SILVER(シルバー)を付けてあった。そのホイールはリムが深くカッコをも重視したサーキットモデル、車内は防音剤と内張りが剥がされウインドとドアノブ以外は原型が無い。フランのFD外装はつい最近黒に塗られたのか、まだ綺麗だった。ロールケージが付けられており基本的に4シーターであるtypeRは狭く体操座りの体制でないとダメなのだが、フランのFDにはリアシートが外されており、リアシートがあった所には大燃料のNOSが3本積んであった。ステアリングはMOMOのMOD.30Bボタン付きステアリングを装着されておりNOSとスクランブルブーストを使いたい時に使える少し危険なチューンであった。そしてエンジンにも小さめなNOSを搭載されており、魔理沙のFDが540馬力だとするとフランのFDはNOS1本で約750馬力でスクランブルブースト0.5kgで800馬力はくだらない。ドリフトとグリップを合わせたモンスターマシンだ。だが魔理沙とのバトルがある為、FDを580馬力から最大640馬力へとデチューンさせた。更にフランのタービンは少し変わったタービンを装着されていた。FDにはデジタル系のMoTeC C125カラーディスプレイロガー(レーシングメーター)が装着され完璧なサーキットモデルに仕上がっている。

レミィ「やっぱり…そんな所に居た。」

と言いながら物陰からレミリアが出てきた。

フラン「お姉様…。」

レミィ「気持ちはわかるけれど、勝負事は絶対なの…弾幕ごっこだってそうだったじゃない?」

フラン「でも、困るよ…そんなすぐにバトルだなんて簡単に言わないでよ…。」

レミィ「まぁ、やるかやらないかは貴方次第だから…やるならそれでいいし嫌なら辞めてもいいそれだけよ。」

フラン「…。」

レミィ「あっ…そうだ、前から聞きたかったのだけれど。」

レミィ「何故貴方、赤色から黒に変更したのかしら?」

フラン「えとね…夜って暗いじゃん…だから。」

レミィ「夜は暗いし黒色が似合うからこれにしたって口ね、以前から言ってたけど黄色にすれば良かったのに…赤から黒にしちゃうなんて…。」

フラン「お姉様は、なんでも私に指図し過ぎだよ…せめて車くらいは私の自由にさせて。」

レミィ「…悪かったわ、ちょっと言い過ぎたのかもしれない。」

レミィ「でも、自分で何でもかんでも決められる程じゃないわ。」

レミィ「だから頼りたい時はいつでも頼ってほしいのよ…1人としての姉、スカーレット家の一員なんだから。」

フラン「お姉様…やっぱりズルいよ…。」

と言うと車に乗り込み、紅魔館ガーデンサーキットを後にした。

バトル当日、咲夜は霊夢やレミリアより先に紅魔館ガーデンサーキットに足を運んでいた。それはコースの下見をする為に。今回のバトルの為にタイヤを多く新調してきた。タイヤはグリップが高い東洋タイヤを履かせていた。まだ誰も居ないおかげかブーストメーターとノーマルメーターが綺麗に輝いている。マフラーから出る音は、まるで狼の唸り声。RB26サウンドが咲夜を本気にさせた。そして咲夜は車の中に乗り、しばらく目を閉じていた。霊夢と魔理沙が遅れて着くと、咲夜は瞑想を辞め車から降りてきた。レミリアがパチュリーのDC1に乗りやって来た。レミリアが降りると一瞬にして雰囲気ががらりと変わってしまった。それが霊夢達に今回のバトルが本番だと思わせる程に。

咲夜「ようこそおいで頂きました、霊夢、魔理沙。」

霊夢「あら、貴方いつから私達から敬語を使うようになったのかしら?」

咲夜「敵の前では礼儀正しく、これが私の基本よ?」

魔理沙「そんな堅いこと言うなよ、私達はただバトルをしに来ただけだ…F1レースでもGT500でもやる訳じゃねーんだから。」

咲夜「今回のバトルはそれに似た勝負よ?」

大神「今回ここを指定したのはレミィとフラン…あとは咲夜しか完走不可能っていうコースか?」

咲夜「左様でございます、ここのコースは旧紅魔館ガーデンサーキット。」

咲夜「今まで走っていたのは新・紅魔館ガーデンサーキットに過ぎません…ここのコーナーはとてもキツくトリッキーです。」

咲夜「それどころか、道幅も狭くコーナーで抜かせる箇所は4箇所…ストレートで抜かせる箇所は2箇所しかありません。」

咲夜「短いコースではありますので、ゴール地点にパイロンを置かせていただきました。」

大神「なるほど…パイロンを回ってスタート地点まで逆走するって訳か。」

咲夜「はい、更に言うとここのコースはアップダウンが激しいコースです。」

大神「ほー、それじゃ霊夢のロードスターは不利ってことか…?」

咲夜「まぁ理論上そうなりますね、ですが…貴方が戦闘力を上げずに来る訳がありません。」

大神「おっ、わかってんじゃん。」

霊夢「今回のロードスターはスーパーチャージャーらしいわ…パワーがある分上りはついていけるはずよ。」

レミィ(ロードスターにスーパーチャージャー…確かに自然吸気エンジンのロードスターならスーチャーは有り得るか、でも何故霊夢のロードスターにスーチャーを?)

レミィ(それに、以前見た時よりエアロパーツの変更点も多い…一体化ウイングがついているのは空力関係なのはそうなのだけれど何故馬力が低いロードスターにウイングをつけるのかしら…ひょっとしたらエンジン以外にも足回りもセッティングされていてウイングがないとドリフト域で安定しないから?)

レミィ「大神の奴…何か企んでいるわね。」

咲夜「それでは始めましょう、今夜は長いです。」

霊夢「そうね。」

咲夜と霊夢は車をスタートラインに止め、エンジンを吹かした。

大神は霊夢のロードスターと咲夜のR34の間に立ち、カウントを始めた。

R32やR33よりもパワーがあるR34に対して、下りならその速さを見出すロードスター。難点が多いこの旧紅魔館ガーデンサーキットをどう攻略するのか。そして咲夜の本気の走りは何処まで速いのか。

それはこれから起きる事が全てとなる。

 

 




7話を読んで頂き誠にありがとうございます。そして、皆様お久しぶりです。イナリュウです。
少し生活が落ち着いてきたので、早めに早めに小説を書き進めていましたが少し厳しい状況で小説の投稿は今しばらく遅くなります。
ですが、必死に書き進めて行きたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。
あと、タグ追加しました…流石にカオスになっちゃうかなと思いましたが話を進めるためには、これが妥当かなと思い追加しました。もしファンの方々にお気に障ってしまったのなら申し訳ありません。ですが、キャラクター自体に変更点は無いので頑張って書かせていただきます!次は咲夜とフランとの勝負です!次もぜひよろしくお願いします。


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Act,8 GT-Rの本気

咲夜と霊夢とのバトル、そしてフランと魔理沙との真剣勝負。
フランの伝えたい思いと、咲夜の全力疾走がどう勝敗に響くか。


咲夜と霊夢は、自分の車に乗り込み魔理沙がカウントを始めた。数え終えると。2台は一斉にスタートした。咲夜のR34が先行し、上りの第1コーナーへ侵入した。霊夢のロードスターは必死ひ咲夜のR34を追いかける。

だが、トラクションが良いのか咲夜のR34は霊夢を立ち上がりで置いていく。しかし、霊夢のロードスターも負けておらずスーチャが上りのものを言った。

だが、霊夢は不思議に思った。

霊夢「やっぱりスーパーチャージャーは不思議な感じがする…。」

霊夢「NAと言えばそうなんだけど…音もなんか変だし…不思議に変なところからパワーが出てくるから、ホントに不思議な車に変わっちゃったのね…。」

そう、スーパーチャージャーは全力でバックする時に鳴る音が甲高く出るのだ。そしてターボ車に負けないくらいのパワーが出てくるのだ。

しかし、コーナーは安定する。この不思議な力が車の加速力を激的に変えていくのだ。そしてターボ車に比べ加給圧はあるが、車によっては加給圧が0のままでもターボ車並に早く走ることが出来る。

アメ車のカマロやコルベット、マスタング等がそのスーパーチャージャーと呼ばれる過給機を組んでいる。だがスーパーチャージャー搭載車じゃなければ組むことが出来ないという訳ではなく、自然吸気エンジンにも対応しており、上りでターボ車に遅れてしまうという心配もなく簡単に上りで追いついてしまうのだ。

なので咲夜のR34の後ろをベッタリとついて行くことが可能なのだ。

咲夜「やるわね…腕もいいけれど車がいいみたい。」

咲夜「ロードスターにスーチャは邪道だと思ってたけれど…こうも上りで私のR34を追いかけるなんてね、コーナーで徐々に差を詰められていくけれど立ち上がりならこちらの方が上よ…さらに軽量化したボディ、私のR34は純正より400kg軽いのよ!」

霊夢「やっぱり立ち上がりで置いてかれる…カーブなら追いかけることできるけどカーブを抜けたらすぐに早くなる…。」

霊夢「でもまぁ、追えないほどじゃないし…下りに入ったら行けるかも。」

頂上まで上るとすぐに下りに入る。ゆるいコーナーに差し掛かると霊夢のロードスターの本領が発揮された。

咲夜のR34は四駆ではあるが、下りではターボの本領が発揮できなくなる。さらにストレートが短いコースさらにRがきついコーナー、はっきり言って序盤の上りのコーナーはまだ序の口だったのだ。

コーナーをクリアすると、すぐさまコーナーに差しかかる。咲夜のR34は軽量化したボディでもコーナーはきつそうだった。それは霊夢のロードスターも同じだった。再びコーナーをクリアすると霊夢がアウトから抜きにかかった。2台に並ぶが、咲夜は譲らず思わず霊夢は譲ってしまった。そして再びコーナーに入る、また抜かそうとするが連続したコーナーには抜かせるセクションはほぼないと言える。咲夜も譲る気もなく霊夢はピンチを悟った。咲夜も譲る気はない。しかし、霊夢はフェイントを使いアウトからインへと入っていった。

咲夜が後ろに霊夢のロードスターが居ないことに気づくと、すぐ様左を見た。それは今攻めているコーナーが左コーナーだからだった。

左を見ると、そこには霊夢のロードスターがいた。片輪だけ、芝に入っており、咲夜がイン側に寄っていたため車体がグラついた。

その瞬間後輪がホイールスピンをし、パワースライドしてしまう。

ロードスターは芝から離れ、片輪を溝に引っ掛けた。グリップでクリアすると立ち上がりでロードスターは突き放した。

これでようやくドリフト同士のストリートバトルらしくなったと言える。咲夜も自分が正統派ドライブを霊夢にぶつけすぎてはいないかと気がついた。霊夢には正統派ドライブは通用しない、ましてはクリーンなレースをしても霊夢には無意味だった。そこで咲夜は余している引き出しを全部出そうと考え、アクセルを思いっきり踏んだ。

ストレートが長引く、パワーの差は圧倒的だが咲夜は横に並ばずに霊夢の反応を伺っている。コーナーが近づくと霊夢はブレーキを踏んだが、咲夜は霊夢よりさらにブレーキをギリギリまで抑えコーナー入口近くになりようやくブレーキを踏んだ。

霊夢「嘘でしょ…ありえないわ…。」

霊夢(咲夜のやつブレーキを踏むのが遅かった…一方間違えれば、オーバースピードなのにギリギリまで抑えコーナーを曲がった。)

咲夜「R34はABSも全くないロードスターと違って電子制御がちゃんと着いてる…アテーサに4WDといい所取りした完璧な車なのよ。」

咲夜「だから、コーナーでギリギリまで踏めるし、ブレーキもコーナー入口まで近くなってもきちんと効いてくれるのよ。」

咲夜(それだけじゃない、並のR乗りなら良くこう言われたりすることもある…"ただ車に乗せられてるだけでしょ"と、笑わせてくれるわ。)

咲夜「テクニックさえあれば、どんな車でもどんなコンセプトでもそれをモノに出来れば"乗せられてるだけ"じゃなくなる…自分の手足のように動かすのだからこれが当たり前なのよ。」

霊夢「もうすぐゴールなんだ…逃げ切ってみせる。」

咲夜「無駄な事を…このまま2本目に持ち込んでやるッ!」

二人とも物凄いプレッシャーをかけながら、追いかけは逃げの繰り返しをしている。コーナーの数も徐々に増え、連続したS字では度々1速と難しくなっていく。コーナーをクリアしていくと、立ち上がりでロードスターが勝るがR34も負けておらずアクセルを踏んでいく。そしてゴール地点が見えてくると、2台とも熱いプレッシャーが目に見えるほどに格闘していた。お互い立ち上がりで加速していく、R34の方が立ち上がりでは上を行く。しかし、霊夢も負けてはいない。

2台ともドリフトでコーナーをクリアしていく、一気にトラクションが掛かりやすいRそれとは逆のロードスター。すると、咲夜のR34に異変が起きる。

咲夜「なっ、ブレーキが!」

咲夜(ここに来て熱ダレ、一気にブレーキをかけすぎたか?)

咲夜(いえ、そんなこと気にしても…意味無いわ…次のコーナークリアしてみせる!)

咲夜はR34のブレーキが熱ダレを起こしてブレーキが効かなくなっていることに気づき、サイドブレーキでコーナーをクリアしようとした。

しかし、霊夢のロードスターは正常のためコーナーで僅かに差が開き始めた。さらにブースト圧が徐々に落ち始め、最終的にバキュームメーターの表示を指す針が0に回ってしまった。

吹けずに立ち上がりがかったるくなってしまった。落ち込んでしまったブースト圧は立ち上がるまで時間がかかる、よってタイムラグ現象が起こる。そしてゴールが近づいてきた。咲夜のR34は立ち上がることが出来ず、おまけに四輪のお陰ですぐに立ち上がれるはずの回転数がなかなか上がらないのだ。それは何故かと言うと、咲夜のR34のエンジンは熱ダレを起こし立ち上がることも難しくなってしまった。

ストレートに入るとやっと立ち上がることが出来たが、それもつかぬま霊夢のロードスターがゴールラインを通過した。勝負は霊夢の勝ちだ。

咲夜は驚くことしか出来なかった。

2台とも頂上のピットに着くと、ドアを開け咲夜と霊夢は面を合わせた。

咲夜「申し訳ございません…お嬢様、負けてしまいました。」

レミィ「いいわよ、貴方の好きな走りが出来たんだから。」

咲夜「…ありがとうございます。」

咲夜「霊夢、今回は負けてしまったけれど…次は必ず勝つわ。」

咲夜「今回は私もまだまだって事なのがわかったし…いい勉強になったけれど、腕を上げて必ず貴方にリベンジを挑んでやるわ。」

霊夢「それは楽しみね、待ってるわよ咲夜。」

レミィ「けれど、替えのタイヤは持ってきたけれど…替えのブレーキパッドが無いから2本目は無理ね…。」

大神「パッドないのか?」

レミィ「ええ、流石にここまで消耗しないだろうと踏んでたからね…私とした事が…やってしまったわ。」

咲夜「いえ、私がしてしまった失態です。」

???「私、魔理沙とバトルしたい!」

と言うとみんなは一斉に"そいつ"の方に向いた。そこに居たのは黒いFDの隣に立っていたフランドール・スカーレットだった。

レミリアがフランが来たことに驚き、どうしたと答えた。するとフランは、魔理沙には恩があるから勝負してその借りを返したいと言い出しのだ。そう以前フランは1人でFDを走らせていたのだ。

その時はまだ魔理沙が第1段階のセッティングでFDに苦戦しているときだった。フランはいつもの様にFDを走らせていたのだが、突然ブースト圧が落ち込んでしまい加速しなくなってしまった。

暗い旧・紅魔館ガーデンサーキットのなかエンジンフードを開け、作業用ライトを照らした。だがフランはあまりメカに詳しくなかったためエンジンを見ても何が原因なのかわからず、足止めを食らってしまった。

そこに魔理沙の黄色いFDが現れた。魔理沙にどうしたかと言われフランが症状がいつ出たかやエンジントラブルと伝えると魔理沙はガッカリした表情でこう言った。

魔理沙「なんだ…もうちょい良い走りしてくれるんだろうなと思ったけど、エンジンの1つもメンテ出来ないなんてな…ガッカリだぜ…そんな奴と走ってもちっとも楽しくねーぜ。」

フラン「ッ―!?」

魔理沙「それじゃぁな、私は課題があるからよ。」

と言い、魔理沙は去っていった。

そう、フランのFDはチルノと霊夢が勝負している時には調子が悪い事に気づいていたのだ。だが、魔理沙にそんな事を言われてしまいフランはショックを受けてしまった。魔理沙がもうフランの事を振り向いてもらえないと思うと涙が込み上げ泣きそうになった。すると誰かがサーキットを下ってくると、再び魔理沙のFDが現れた。魔理沙はまだ動かせるんだろと答えるとフランは縦に頷いた。フランは魔理沙に言われるがまま自分のFDに乗り込み、ピットまで自走で行った。着くと早速魔理沙はFDのトランクを開け工具箱を取り出した。それを隣に乗っていた大神に渡し、フランの車のエンジンフードを開けた。

大神「…あんまり目立った外傷がないな、タービンも正常だ…多分エアーのすっぽ抜けだろ。」

フラン「じゃ、じゃあ…!」

魔理沙「すぐ治るってよ。」

大神「ああ、きちんと正常に治せば前みたいにブーストがかかるようになるはずだ、それでも不調が出るようなら早めにショップとかに見てもらうのをオススメするよ。」

フラン「ありがとう、な…なんてお礼すればいいか…。」

魔理沙「礼なんていいさ、そういうのは走りで返してくれ。」

と言い魔理沙は大神の整備を手伝いながら言った。

フランはそれまでの礼が返せずにおり何とかして返したいが、魔理沙と相手なのがあまりにも気が進まなかったのだ。

だが、フランが魔理沙の前に来たということは決心した事になる。借りを返したい思いと、今までの走りを見てもらいたい気持ちでフランは魔理沙にバトルを申し込んだ。

もちろん魔理沙は引くはずもない、魔理沙はバトルを引き受けた。

魔理沙の黄色いFD3SはtypeRバサーストモデルだ、色は純正の黄色いなのだがエアロパーツはRE雨宮に固定ライトだ、GTウイングも早いドリフトがしやすいように少しダウンフォースを下げている。その点高いドラテクを要求されるが、今の魔理沙にはそんな事は関係ない。

そして、フランの黒色のFD3SはtypeRZだ、以前は純正の赤色だったのだが黒色に染めてある。その点リトラクタブルライトのままにしてあると言うのもフランなりのこだわりらしい。エアロパーツはFEED(藤田エンジニアリング)のエアロパーツを装着しており、ウイングも魔理沙が装着している雨宮製のGTウイングではなくFEED特注のウイングを装着している。これも早いドリフトが出来るようダウンフォースを下げてある。

さらに2台の違いはタービンにも違いがハッキリしている。

大神「いいか、相手はそこそこ速い奴だぞ…スカーレット家の妹だどんなテクを繰り出してくるか分からない。」

魔理沙「ああ、わかってるぜ。」

大神「それとふと思った時に思い出せ、相手の車は"シングルターボ"だってな。」

魔理沙「はぁ?」

大神「まぁとにかく頑張ってこい。」

魔理沙(なんだよそれ…答えになってないぜ…。)

レミィ「ホントにいいの、後追い与えちゃって。」

フラン「うん、今は先行を走りたい気分なんだ…それで何か分かる気がするから。」

フラン「とにかく、一本目で方をつけるよ。」

レミィ「わかったわ、それじゃお姉ちゃんはこれ以上何も言わないわ。」

咲夜「よろしかったのでしょうか…妹様に先行を与えてしまっても。」

レミィ「これで気持ちが収まるならいいわよ、あの子はあの子なりのやり方があるんだから。」

咲夜「しかし、フランお嬢様は―。」

レミィ「あの子のやりたいようにやらせましょう、口出しばかりしても勝負で勝てるわけじゃないわ…。」

レミィ「勝てたとしても、あの子は納得いかないと思うの…以前私が指示した通りにサーキットで走ってくれたけれど…あの子は納得いかないって言ってワガママ言ってたけど、ようやく分かったの私の方がワガママ言ってたことをね。」

咲夜「お嬢様…。」

レミィ「まぁ、とにかくどちらが勝つか負けるか…それはこれから起こるあの子達に委ねましょう。」

大神が並んでいるFDの間に立つと、カウントを始めた。カウントを数え終えると2台ともホイールスピンをさせストレートをかっ飛ばした。

先行したのはフランのFDだ、直線がとても速く魔理沙のFDが少し置いてかれる。2台ともドリフトでコーナーをクリアして行くと、ブースト圧の掛かり具合が違うのかパワーの差がとても激しくなった。コーナーの安定感もフランのFDの方が上だった。

魔理沙(おいおい、何処が"そこそこ速い"だよ…速すぎてコーナーの立ち上がりで負けてるじゃねーか。)

魔理沙(いやいや、焦るなまだ始まったばかりじゃねーか…雨も降ってない乾いた状態なんだ…流石にこれ以上の差は生まれないはずだ。)

と思うのもつかぬま、魔理沙のFDはどんどんと置いてかれていく。馬力もほぼ同じはずなのに、何故かコーナリングの立ち上がりで差が生まれてしまう。アクセルワークは完璧なのだがどうしても差は縮まらない。

徐々に魔理沙は焦り始めた。

フラン(ただ見て欲しいの、私の走りを…私の走りを全てを!)

と思いを伝えようと先行を走っている。コーナーを次々とクリアしていく。中盤に差し掛かると魔理沙はようやくフランのFDがシングルターボということに気づく。

魔理沙「なかなかやるぜホント…マジでほんのちょっとの差で置いてかれる。」

魔理沙(ていうか、アイツの車シングルターボだったな…そのシングルターボの"弱点"って言うのがわかんねぇ…ツインターボとシングルターボ何が違うんだ…。)

魔理沙「くっそ…考えれば考えるだけ分からなくなってきやがった…。」

フラン(凄い、今魔理沙は私のことを見てくれてる…私の意識を独占出来てる!)

フラン(いま魔理沙とこの追いかけっこで、タメで走れてるんだ!)

すると後輪が跳ねてしまい、少しふらついてしまう。

そこで魔理沙は、シングルターボのことについてようやく理解し始めた。

魔理沙「分かったぞ、シングルターボの"弱点"!」

魔理沙(情けねぇ、なんでそんな簡単なこと今まで気が付かなかったんだ!)

そう、大神は魔理沙にヒントを与えていたのだ。理由や答えを適当に言っていたのではなかった。シングルターボはツインターボと違いタービンが1個しか無い、ツインターボは2個のタービンが付いている為、そのうち1機のブースト圧が落ち込んでも、もう1機が生きていれば多少だがタイムラグを抑えることができる。しかし、シングルターボは。

魔理沙「少し小突いてしまえば、ブースト圧は一気に落ち込む…シングルターボはピーキーなタービンなんだぜ!」

シングルターボは、1機しかない為加速などは良いのだが。ブースト圧が落ちてしまえば立ち上がるまでのタイムラグが大きい。ツインターボとシングルターボのメリットとデメリットの差が大きいのだ。

そして、シングルターボはツインターボと違い、落ち込んでしまったブーストをもう一度元に戻すのに数十秒もブーストのかかりが遅いのだ。

フラン「ッ―!」

フランのFDと魔理沙のFDが2台とも並ぶ、並んだままコーナーに入るとちょっとした差がフランのFDに大きな影響を与える。

立ち上がりで魔理沙のFDが勝つ、フランのFDは立ち上がりをしている途中なので加速が驚く程かったるく勝負の矛先は魔理沙の方へ向いた。

コーナーを抜けると魔理沙のFDが前に出た、フランのFDが徐々に魔理沙に置いてかれてしまう。

どう踏んでも、どう足掻いても魔理沙には追いつくことは消してなかった。ただ、フランは置いて行って欲しくない気持ちでいっぱいだった。

フラン「やだ…置いてかないで、もっと続けたいよぉ…終わらせたくないよぉ…!」

フラン「置いてかないでぇ!」

どんなに魔理沙に必死に言っても、魔理沙は減速もせず足速にフランの視界から消えてしまった。勝負は魔理沙の勝ち、フランはただただ泣くことしか出来なかったが。いい勝負が出来たと魔理沙に伝えた。

魔理沙も借りは走りで返してくれればそれでいいといい、また改めてフランと魔理沙は仲良くすることが出来たのであった。

 




皆様お久しぶりです、イナリュウです。
8話、GT-Rの本気をご覧頂きありがとうございます。
しばらく小説を出せずに申し訳ありません。言い訳になってしまいますが、多忙とネタ切れが多く小説がまともに書けない状態だったのでこの場をもって謝罪致します。これからも忙しい日々が続くと思うので、更新ペースが遅くなると思います。しかし、出来る限り更新できるように努力していきますのでよろしくお願いします。
余談にはなりますが、最近僕は一眼レフを買いました。
CanonのEOS Kiss X5と型落ちのカメラですが、始めたばかりなので古くても安くて初心者に優しいカメラと言うことでこのカメラを購入しました。何枚か猫の写真を撮りましたがデジカメと違い映り方が変わりますね、世界観がガラリと変わりました。オートサロンの時は車を撮る時あんまり困ることが減りそうです。
まだまだ初心者で、一眼レフの使い方をようやく理解し始めた僕ですがこれ置きにグングン小説のネタの幅が広がるので買ってよかったと思っています。趣味で始めた小説もこれでネタに困ることは少なくなると思います。一眼レフってやっぱ素晴らしい!!まさに今僕は頭文字Dの武内樹が言っていた「買って良かったよオレのレビン!」状態です。こんなに嬉しいことはn(ry ゲフンゲフンw
すみません、とにかく一眼は凄いです。
話は戻りますが次は霊夢とレミリアとの勝負です。
レミリアは一体なんの車で霊夢と勝負するのか、そして霊夢のロードスターにさらなる改造。勝負は一体どうなってしまうのか。
次も是非よろしくお願いします!


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Act,9 カリスマロータリー始動

ついにレミリアと霊夢との最終戦、勝利は一体誰の手に?


次の日、1台の白い車が紅魔館の中に入っていった。その車は輝かしく、見た者も心打たれる仕様の車だった。

にとり「レミリア、完成したぞ"例の車"。」

にとりがそう言いながらレミリアに車の鍵を渡す。レミリアが車に乗り込むと、早速エンジンを掛ける。するとエンジンの迸るサウンドがレミリアの耳に入っていく。ロータリーエンジンなのかとても甲高い音が聞こえる。エンジンは2ローターエンジンから3ローターエンジンに切り替えたらしく足回りなどしっかりしている。

インパネは追加メーターが1つ着いておりメーター類はメーターボートの中にMoTeCのデジタルメーターが収納されていた。それだけではなくラジオオーディオなどを外し、水温と油温そしてブーストメーターとミサイルスイッチが取り付けられていた。メーターボードの上に付けられているメーターもブーストメーターなのだが、ステアリングはMOMOのCommand2と言う変わった柄の赤色のステアリングにSPARCOのボタンキットがホーンボタンと一緒に付けられている。ボスはMOMOの少し長めのボスを使っている。ハンドルを外せるようにラフィックスのクイックリリースが取り付けてあった。シートベルトはSPARCOの4点式シートベルトの白と言いたいところだが、SPARCOには白色の4点式シートベルトがない為グレーとなっている。

シートはRECAROのPRO RACERと言うまさにプロが選ぶシートを搭載している。リアシートや内張り等を取り外し、インパネ以外原型がなかったロールケージも本格的な物が取り付けられていた。もちろんレミリアはカリスマ性を強調出来るような車を作って欲しいと言う要望から、車やロールケージ等が白く塗られている。整ったインパネにシートまさにレーシングカーその物の車。

その車は、ロータリーエンジン搭載車のRX-7。そうMAZDA RX-7 FC3S SAVANNA GT-Xだ。エアロパーツはRマジックのフロント・リアフェンダーにサイドステップそしてリアバンパーにデフューザーにフロントバンパーが装着されている。そして、ホイールはRAYSのVR GT TypeCのインゴットカラーを取り付けてあった。ライトは雨宮の固定ライトなのだが、レミリアが好きで見ていた某映画のFC3Sがとてもクールに見えたためそれにしたかったらしい。

レミリアは自分の車を動かし咲夜を付き添いさせた。

咲夜がレミリアの横に乗ると、旧・紅魔館ガーデンサーキットで早速シェイクダウンを始めた。ドリ車プラス競技用の車とはいえかなりパワーがある車に仕上がっている。馬力はおよそ900馬力オーバーとオーバースペックだが、競技用をする時は500馬力程度に落としている。だが、今回の相手はロードスターなのだからさらに馬力を落とすことになる。

1コーナーに入る瞬間、咲夜はFCの究極の軽さに驚愕する。

咲夜(な、何この動き…まるでF1に乗っているみたい…これがにとりが言っていた究極の軽量化…。)

咲夜(これで1000kg切ってるって信じられないわ…でも霊夢のロードスターはさらに純正重量でもおよそ1000kgいくかいかないか位の重量…重量差はかなりあるけれど、お嬢様ならきっと勝てる。)

レミィ「ドリフトで5000回転くらいしか回してないのに、まだ横になるわ…。」

レミィ「にとりは、ホントに面白い車を作ってくれるわね。」

咲夜「全くその通りですね…お嬢様のFCかここまで速くなられるとは思いませんでした。」

レミィ「そうね、私も貴方と同意見…これで霊夢を負かすことが出来るわ。」

一方、霊夢のロードスターはと言うと。

エンジンを2ローターエンジンに切り替えていた。それは何故かと言うと霊夢のBPエンジンを搭載したロードスターはフランと咲夜とのバトルが終えた時、大神の店の前に止めておいたのだが次の日にエンジンが動かなくなってしまったのだ。原因は無理に負荷をかけすぎたせいでクランクが真っ二つに折れてしまい、クランクも2気壊れてしまっておりその衝撃でセルモーターも回らなくなってしまったのが原因だった。だがそれを解決しなくてはいけないのが大神。しかし、エンジンはもう使い物にならない程の破損状況。これではエンジンを治しても回るかどうかと言ったところだった。そこで霊夢にロータリーエンジンの特性を知ってもらおうと大神は一肌脱いだ。

大神「エンジンは、積み終わった…RX-8の13Bエンジンを積んだのはいいが、これにスーチャを載せてきちんとぶん回るかが問題なんだよな…。」

大神「あとはセルモーター治さないとだな…リビルト品のセルモーターどっかに無かったかな…。」

といい、店の倉庫の方へ向かうと施錠されていた倉庫の鍵が何故か開けられていたのだ。だが、大神は鍵をきちんと持っておりスペアキーもマスターキーも盗まれた形跡がなかったのだ。しかも施錠されていた南京錠の鍵は無理矢理こじ開けられた形跡もなく普通の鍵で開けられていたのだ。

一体誰が大神以外取れるはずもない倉庫の鍵を使い、倉庫のドアを開けたのか全くわからなかった。だが中に入るとそこにはレミリアが立っていたのだ。大神が後ろを振り返るとそこにはレミリアのFCが止まっていたのだ。

大神「レミリアの運命を操る程度の能力…か。」

レミィ「あら、よくわかったわね…やっぱり能力やスペルカードをコピーする事が出来る程度の能力の持ち主の貴方には全てお見通しって訳ね。」

大神「白々しいな…俺は"必要な物"を取りに来ただけさ。」

レミィ「あら、その必要な物って言うのは"これ"の事かしら?」

するとレミリアの手にはロードスターのセルモーターがあった。

セルモーターの事もレミリアは先を読まれており、手には手袋がはめてあった。

大神「なぁ、そのセルモーターは大事なもんなんだよ…それが無いと―。」

レミィ「エンジンがかからないかしら…返してもらう前に取引しましょう?」

大神「取り引き?」

レミィ「ええ、簡単な取引よ…セルモーターを返す代わりに来週、満月になる日に霊夢と私の一体一の勝負をする。」

大神「…なるほどな…確かにいい取引かもしれんが、答えは霊夢に聞いてみないとわかんないぜ?」

レミィ「あらそう…ならこのセルモーターは一生戻ってこないわよ?」

大神(強引だな…素直に勝負がしたいって言えばいいのに…。)

大神「分かったよ、でも少し時間をくれ…まだロードスターは改造途中、シェイクダウンの必要もあるし再来週の満月になる日にしてくれ。」

レミィ「わかったわ、それじゃ再来週ね。」

次の日、エンジンか組み終わりセルモーターもきちんと回るものに変更された。そして、足回りなどのリセッティングが大神の手で行われた。

マフラーは基本的にリアパンパーの下に付いているものなのだが、大神は霊夢のロードスターに付いているマフラーを片側のサイドステップに取りつけ、とあるGT300車両みたいな見た目になった。

足回りはグリップよりにセッティングされ、ブレーキを聞きのいい物に変更した。オープンルーフはカーボンの固定式に替えられ、艶のある黒色のカーボンの固定式ルーフだ。ホイールはワタナベRSF8からBBSのRS-GTが付けられた。タイヤはブリジストンタイヤから東洋タイヤに替えられ、グリップの効く一番いいタイヤを履かせた。

ボンネットは熱抜きダクト付きのカーボンボンネットに変えられた。

ミラーはGTなどでよく使われるミラーを使い、ワイパーも1本に統一化された。ライトはリトラクタブルのままだが、これでもボディの軽量化を合わせ900kg以下の重量。まるでレーシングカーその物と言える、これでレミリアのFCと下りで勝負が出来る。

どちらが勝利の女神が微笑むのか、あの紫でさえも気にしてならなかった。レミリアとの勝負の当日。

皆はピリピリした熱いプレッシャーを感じていた。

大神「あれ、紫来てたのか。」

紫「ええ、今日はみんなピリピリしてるわね…珍しく貴方グループA仕様のR32まで持ってきてるし…。」

大神「ありゃあ、フルチューンして無理矢理走らせてるだけだからよ…ただでさえサーキットでは600馬力にしても滑っていく危ねぇ車なんだからよ。」

紫「でも、あの外の世界では有名の"噂のZ"みたいに優しく繊細な動きで走らせてるのに暴れ馬みたいに言って…そんなに危ない車には見えないわよ?」

大神「そう思ってんの多分お前だけだよ…それとお前もちゃっかりイグニッション仕様のKPGC10のHTセミワークス仕様乗ってきてんじゃねーか。」

紫「懐かしくて引っ張ってきたのよ、他にもS30のナンバーのついたレーシングカーとかいっぱいあるわよ?」

大神「エンジンはL20型からL28にレストアして、オイルクーラーの有線とオイルクーラーを外付けしてイグニッション化させたHTセミワークスの最終形…ゼッケンが15番なのがまた渋いが、流石のこの車…渋いものを持ってきてくれる。」

紫が乗っている車は、以前紹介したハコスカGT-Rと呼ばれるNISSAN SKYLINE 2000GT-R KPGC10なのだがサーキット仕様のハコスカは、市販で売られていた仕様と全然違う。まずはS20からL20に変わった事、そしてイグニッション化をし当日強かったサバンナRX-3を打ち負かす為に作られた1台でもあり、GT-Rの中では誇りである。

ホイールはワタナベRSのRタイプを履かせており、ABSやトラクションコントロールが無い中雨の日などは苦戦を強いられた車である。シートはフルバケットシートが付いている、ただしメーカーは不明だ。

片側サイドステップから出ているマフラーとリベット止めのサイドフェンダーが昭和の時代を物語っている。そして純正で取り付けられたダックテールスポイラー等がとてもクールに見え、当日は純正で取り付けられたあった銀メッキも取り外されている。白に青のスプライトがついているのもその証拠だ。

ただ大神が乗っている車はNISSAN SKYLINE GT-R BNR32のspecVだ。大神のR32はグループAで使われていたレーシングカーを偶然見つけ自分で改造を重ねた。しかし、この車はデカールが貼っておらずあるのは当時のnismoステッカーだけだった。だが、ホイールやバケットシート等の仕上がりもよくシートベルトは6点式だがそれもとても素晴らしいボディ剛性もしっかりしており、エアロパーツもグループAで使われる市販のままだった。馬力は約550馬力と高スペックな車に大神はそこに惚れた。その車は売れ残りで走る事すらなくなってしまった車、そのまま朽ち果てていく車を大神はもったいないと思い、車をすぐ様ガレージに入れた。すぐ様車の色を黄色に変え、ホイールのTE37ULTRAのガンメタを付けた。

エンジンはオーバースペックの1000馬力オーバーにし、サイドステップについていたマフラーをかなりパワーの出るHKSマフラーに変更。

タイヤは東洋タイヤを取りつけ、店にあったメーターを全てつけた。エアロパーツはそのままだが、ロールケージを黄色に染め出来ることを何でもした。その車が大神のR32だ。

霊夢が最後のシェイクダウンを終え、旧紅魔館ガーデンサーキットにやってくるとレミリアは待ち侘びた顔をして待っていた。

レミィ「あら、私からのお誘い遅れてくるなんて何たる無礼…いえひょっとして余裕なのかしら?」

霊夢「さあね、ただ大神に言われた事をしてきただけよ?」

レミィ「あらそう…ならば自己紹介を。」

レミィ「改めまして、紅魔館当主…全国選手権大会Sライセンス第1位のレミリア・スカーレットでございます。」

霊夢「博麗霊夢よ。」

レミィ「今日はいい夜ね、私のFCが綺麗に見えるわ。」

霊夢「さっさと始めましょう、決着を付けましょどっちが速いかを。」

大神が2台の間に立ちカウントを始めた。

しかし、カウントを数える前にレミリアのFCはいきなりバーンアウトを始めた。煙が周りに立ち上る、それを見ていたギャラリーが盛り上がる。

レミィはこの勝負の為に色々な物を用意したのだNOSやスクランブルブースト勝てると思う勝負は何でも改造を施したのだ。

レミィ(どう霊夢、これが俗に言うギャラリーサービスって言うやつよ?)

霊夢(何がしたいんだか…そんなことしても余計にタイヤを消耗するだけ。)

バーンアウトをしを終えると、すぐ様カウントを始めた。

カウントを数え終えると、2台一斉にホイールスピンをしスタートした。

スタートすると、霊夢のロードスターが先行を取ったがこれは霊夢にとって致命的なミスだった。

これはレミリアがわざと先行を譲り相手を観察するという卑怯な勝負に出たのだ。離されればレミリアの負けなのだが、レミリアが後ろについたことで後ろから伝わるプレッシャーは大きくなる。先行を取ったにせよ先行逃げ切りが出来るのは時間の問題だ。

もし逃げ切れずに抜かされてしまえば、落ち込んだやる気を戻すのに時間がかかってしまうのだ。それをどう回復させるかは霊夢次第である。

大神「え、霊夢のやつ先行してるのか?」

桜「はい、第1コーナーからのお知らせです、このまま逃げ切れれば霊夢さんの勝ちかと…。」

大神「いや、無理だな…霊夢はずっと後追いで勝負を仕掛けてきたんだ、霊夢は先行して勝負を仕掛けたことが全くない。」

桜「え?」

大神「言っておくが、後ろにいる時は前にしか車がいないからプレッシャーを全くとは言えないが感じずに走ることが出来る。」

大神「しかし、先行を選んだとなれば後ろから伝わるプレッシャーは5倍以上に感じるんだ…プレッシャーを感じずに先行逃げ切りは余程余裕がなければ出来ない…今の霊夢にはそれが出来ない。」

桜「そ、それじゃ…。」

大神「霊夢が選択ミスしたのか、レミィの思惑に引っかかってしまったのかだな。」

大神の言う通り、その通りに霊夢はプレッシャーに押し負け息を切らしていた。集中は多少は出来ているがそのプレッシャーは例えるならば背中に20kg以上あるリュックサックを背負い1000km自転車で乗り続けているような辛さ、この世の物では無いものを初めて見たような恐怖心そんな感じ方である、それは少し大げさではあるがだいたいそれくらいの似たプレッシャーが後ろから感じるとなると、当然極度の緊張へ陥る。

抜かされないよう心掛けても、後ろのプレッシャーはエスカレートする。

霊夢のハンドル操作が徐々にミスが出るようになってきた。ガードレールを掠めても、アクセルワークミスも増え徐々に隙がではじめるようになってきた。

レミィ「驚きね。」

レミィ(後ろでじっくり見物してみるとよくわかるわ…アクセルワークが上手いしゼロカウンターでコーナーを曲がるのは前と変わらないけれどカウンターステアの舵角が小さくなってる。)

レミィ(あの子徐々に進化して行ってるわね。)

霊夢のロードスターはレミリアのFCと違い操作性は低いが楽しめる車、それ以上に霊夢は攻める時にハンドル操作を少なくし荷重移動、そしてアクセルワークがきちんとしており素早く綺麗に走れているのだ。

だが、プレッシャーを受け続けている霊夢にとってこれはとても恐ろしくコーナーで僅かにレミリアのFCがリードしているのだ。

次のきつい左コーナーに差し掛かると、レミリアは減速を始めた。しかし、霊夢のロードスターは減速を全くしない。これが致命的なミスだった。

レミィ(オーバースピードね、判断を誤ったわね。)

霊夢「くっ…曲がって私のロードスター!」

霊夢のロードスターは遅れて減速したがそれはもう遅かった。確実にオーバースピード、アンダー出しながら外に膨らんでいくロードスターを無理矢理曲げて行った。上手く曲がると、霊夢のロードスターは後ろに後退してしまう。その瞬間、レミリアのFCのペースが上がった。

レミィ(無茶な奴ね…ビックパワーのある車ならパワーオーバーで無理矢理コーナーを曲がる事は出来るけれど、まさかロードスターでやるなんてね…。)

レミィ(もう少し手の内を見せない作戦だったのだけれど、もうその必要も無くなったわね…全力で逃げさせてもらうわよ。)

レミリアのFCはさらに加速していく、徐々に差がひらき始め霊夢はもうダメかと絶望した。しかし、レミリアのFCは徐々に差が広がらなくなった。コーナーは確実に軽さのおかげでかなり速いがそれ以外は離れたり追いついたりせず一定のままで一向に何も起きない。

そこで霊夢はある事を思いついた。

霊夢(逃げられると思ったけど…思ったより差がつかない、パワーや軽さで言えば向こうの方が上なのに…。)

霊夢(でも、これ逃したら立ち直れなくなる…そういえば大神の奴なんて言ってたっけ?)

大神は霊夢にある秘策を教えていた。

大神は一応元GT300からGT500ドライバー、さらに南は元ラリードライバーだそこからサーキットで走るコツなどを教えてくれていた。

そして、霊夢がときより使う溝落とし。それの応用版がある。

それを霊夢に教えていたのだ。ただ溝に引っ掛ければいいそれだけの話じゃない、やろうとしようとするのも簡単な話ではないが。溝に片輪だけ引っ掛けてからのその先の話。

霊夢「思い出した、"あの技"ね!」

霊夢はハンドルを右に曲げ、右コーナーにある溝に引っ掛けた。溝落としをするつもりではいたが、レミリアも溝落としを得とくしており綺麗にクリアしたが霊夢は何故かレミリアの真後ろにおり張り付かれていた。

レミィ「あいつ、一体何を!?」

レミィ(何をしてきたの…まさか溝落とし?)

レミィ(いえ、溝落としと言ってもいくらなんでもコーナーの立ち上がりを利用して来るものなの?)

そう、霊夢がやった溝落としは立ち上がり重視のコーナリングの溝落としだったのだ。連続したコーナーで赤ラインのさらに奥にあるその溝を使いコーナーをクリアしたのだ。

コーナーの数も少なくなり、2台縺れる形でコーナーに侵入する。

しかし、レミリアのFCのタイヤはもう限界だった。思っていたより消耗が激しく熱ダレを起こしていた。

レミィ(ッ―、熱ダレか…合わして走っていたのが裏目に出たのかしら。)

レミィ(…フッ、タイヤがへたろうと私のテクに乱れはないわ。)

レミィ「勝つのは私よ…!」

霊夢(コーナーの残りの数も少なくなってきた、そろそろタイヤもズルズル…全然曲がっていかなくなってきた。)

霊夢「でもそれを言い訳にはしないわ、勝ってみせるレミリアにッ!」

2台ともかなりの疲労がある中、とんでもない闘志を見せ次の最終コーナーに差し掛かる。

一方、魔理沙はというと。

萃香「ほんとにここでいいのか魔理沙ぁ?」

魔理沙「ああ、ここら辺が絶好のスポットだ…ギャラリーに紛れて見てるよりかはここで見る方が得さ。」

魔理沙「それに今日はここら辺で勝負が着くと思うんだ。」

萃香「そうなのかぁ?」

魔理沙「ああ、相手がレミリアだからかな…とにかく相手はFC…その不利を承知で乗っているロードスターは本物だぜ。」

スキール音が聞こえてくると、魔理沙は来たぞと言った。2台とも縺れているのか少し時間がかかった。

コーナーを抜けると、レミリアのFCが頭を取っていた。

魔理沙「霊夢、このままなら確実に行けるぞインにいけぇ!」

萃香「アウトなんて絶対にありえない、インの方が確実なんだ!」

しかし、霊夢のロードスターはアウトに行った。どうしたというのかインが確実だと思われた勝負がアウト側によってしまったのだ。

2人はアウトだとと叫ぶと、少しガッカリした。だがまだ霊夢のロードスターは負けた訳では無い。2台同時にコーナーに入りドリフトを始める。

道が広く感じる区間、レミリアのFCは無理矢理インに入れていた。しかし、徐々にインから離れアウトに膨らんで行った。

魔理沙「レミリアのFCが外に膨らんでいく!」

萃香「出口の方がキツいのに、スピードが乗りすぎているんだ!」

すると、霊夢のロードスターとレミリアのFCの並びが入れわかる。

魔理沙「ラインがクロスするぞ!」

霊夢のロードスターはインに寄り、レミリアのFCはアウト側に膨らみ出口で霊夢のロードスターが頭を取った。

短いストレートでゴールゲートを通過すると、レミリアは気が抜けたのかアクセルを抜いた。それと同時に霊夢もアクセルを抜いたのだ。

霊夢が勝利した瞬間、旧紅魔館ガーデンサーキットにいたギャラリー達は一斉に静まり、静寂を保ったまま紅魔館と霊夢と魔理沙との勝負は幕を閉じた。

レミィ「負けた負けた…何だかそこまでされると悔しいと思う前に何故か笑みを浮かべてしまうわ。」

霊夢「ねぇ、1つ聞きたいのだけれど。」

レミィ「なに?」

霊夢「なんで途中から私の事待っててくれていたのかしら、普通なら私の事気にせずに逃げれたはずなのに。」

レミィ「それはとんだ勘違いよ。」

霊夢「え?」

レミィ「私は貴方のこと全く待っちゃいなかったし、タイヤが熱ダレ起こしてたから最小限の余力を抑えて走っていたのよ…まぁできる限り全力で走ったつもりだけれどね。」

霊夢「そうだったんだ…なんか私勝った気がしないな…。」

レミィ「そう思ってたらダメよ、それに貴方はホントに速かったわ。」

霊夢「…。」

レミィ「小さなスケールで満足しなでね、霊夢…また会いましょう、それではごきげんよう。」

というと霧の湖の駐車場に止めていたFCに乗り込み、レミリアは霧の湖を後にした。霊夢はしばらくそこにただ立っていることしか出来なかった。ただただ時間だけが刻々と過ぎていく中、レミリアには言われた"小さなスケールで満足しない"というのがまだ耳に残っているのだ。

今回の勝負は確実に忘れることは無いだろう。

 

 




Act,9 カリスマロータリー始動を見ていただきありがとうございます。現在夏休みに入りかなり期間が空いてしまいました。申し訳ありません。今僕は受験生でとても忙しくしばらく他の小説や今現在行っている小説を休止させていただきます。夏休みが明けしだい、小説を書き進めていきたいと思いますのでよろしくお願いします。


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妖々夢編
Act,10 アメリカンパワー


レミリアと霊夢とのバトルを終えしばらく休戦していたのだが、魔理沙と霊夢達にさらなる刺客が訪れることになる


レミリアとの接戦の後、霊夢の"紅い流れるようなロードスター"という名はすぐに噂が流れ幻想峠では霊夢は恐れられる存在となった。

魔理沙も同様、"雨のように流れるFD"という通り名で峠の走り屋には恐れられていた。だが2人は満足はしなかった。

だが大神は満足だった、それは大神が改造したロードスターやFDが世に知らしめることが出来たからだ。そのおかげで店は大繁盛。大神は南と協力しながら店を継続していたのだ。

しかし、何故客が大神の店の事を知ることが出来たのかそれはフロントガラスに大神の店名が書いたステッカーが勝手に貼らされていたからである。魔理沙や霊夢は反発しステッカーを取ってもらうように言ったが、大神の口取りに踊らされ今に至る。

次の日の夜、大神は久々に自分の愛車NISSAN GT-R R35に乗り少しばかりドリフトをしていた。すると後ろから物凄い勢いで迫ってくる車がやってきた。暗くヘッドライトが照らしているため、車種まではわからなかったがV型8気筒のスーパーチャージャーエンジンだと言うのがわかった。

大神(なんだ、この車…いつの間に張り付かれたんだ?)

大神(Egからして、きっとV8だ…コルベットかカマロ辺りだろうか。)

大神(けど、ずっとケツ見せてる訳にも行かねーよな…来いよ。)

大神はめいいっぱいアクセルを踏み後ろにいる車を振り切ろうとした。

しかし、コーナーで詰められなかなか逃げられない。そして大神はあることに気づく。

大神(馬鹿な、俺のRは1000馬力以上あるんだぞこのスピードとコーナリングではついてこれるはずないんだ!)

大神(なんて改造力だ、そしてなんてパワーだ…動きにくい車を無理矢理動かすテク、相当並外れた車に乗り慣れてる証拠だ。)

大神(それに車種が割れた、まさかFord Mustang RTR仕様だったとはな。)

大神は必死に逃げるが、高馬力のマスタングに逃げることが出来ずにいた。次のコーナーに入ると、マスタングの切れ角がおかしいことに気づく。なんとそのマスタングは切れ角度が90度近く切れているのだ。

普通ならある程度の角度をつけるとあるとスピンする、普通の車ならそうだがあの白色のマスタングは違った。

なんとあのマスタングは、おかしな角度で突っ込んでも綺麗に曲がってしまうのだ。そのマスタングを作った人はマスタングの限界領域も熟知した奴だと大神は確信する。次のコーナーに入った時には白色のマスタングに抜かれてしまった。大神は今までそんな角度で曲がるはずのないマスタングを目の前にアクセルを抜いてしまった。高馬力のエンジンとシャシーに切れ角がおかしい足回り、いくら新型のマスタングでもそこまでの角度がつく車はこの目では信じられなかった。しかし、確信したことは冥界の妖怪というのに気づいたことだった。

Ford mustang、1964年から出た出た車である。エンジンはV型8気筒エンジンを搭載、映画「ワイルドスピード」のX3 Tokyo Driftというシリーズに登場した1台でもある。1969年では、Ford mustang BOSS 429というモデルとしてモデルチェンジ。さらに、Ford mustang Mach1という車がレース用ホモロゲとして登場した。またBOSS mustangには少し種類があり、BOSS302とBOSS429モデルがあった。エンジンは変わらずV8ではあるがHEIMIエンジンが搭載されており、カタログ値では375馬力なのだが実際には600馬力というパワーがある。またフォード・モーターの協力会社である、シェルビー・アメリカンが作成したFord mustang BOSS302 エレノアが映画「60セカンズ」に登場し人気を収めた車でも。(正確にはバニシングイン60という1974年出た映画をリメイクしたのが2000年に出来た60セカンズなのだ、Ford mustang BOSS302 シェルビーが主人公役 ニコラス・ケイジがエレノアと呼んでいた事からその名がついた。)

1974年、マスタングはフルモデルチェンジし当初はV8エンジンの設定もなかった為ハッチバックとクーペの2種類が設定され1977年にはTバールーフが追加された。そして1979年、マスタングは形を変えハッチバック型とクーペ型が存在している。形は以前あったFord Sierra RS コスワースとFord エスコート RS コスワースによく似ている。また、マスタングに初めてターボチャージャー搭載された。しかしエンジンは直列4気筒エンジンのみにだけ搭載されている。

そして時代は変わり1993年、マスタングはさらに形を変えたエンジンはV6 OHVとV8 OHVエンジンに変更したが1996年には、V8 OHVからV8 SOHCに変更された。また2003年に出た映画「ワイルドスピードX2」では、Ford マスタング BOSS302 シェルビーが登場したが主人公 ブライアン達がトラックの間を通った後に通ろうとした為、不可抗力でトラックに衝突そしてトラックの荷台に空いていた隙間に入ってしまい悲惨な事故を遂げるワンシーンがあった。

そして時代は2005年、マスタングはさらに進化を遂げ3.8L OHVエンジンから4.0L V8 SOHCエンジンに変更されマスタングにはGTとBOSSが追加されることになる。また2005年から出たマスタングはオーバルコース、NASCARで使われる事が可能になりまた、アメリカのドリフト競技Formula Drift(フォーミュラ・ドリフト)マスタングがエントリーしている。2009年にはシェルビーがスーパースネークという名前でマスタングを売りに出したパワーはかなりあり普通のマスタングより高パワーな車と言えるだろう。そして2015年、先程言ったマスタングはこの型になる。

シェルビーはまだ、350R程度しか出してはいないがマスタングGTと50周年アニバーサリーカーが登場している。あの有名なエナジードリンク、MONSTER ENERGYがフォーミュラ ドリフトで使っている1台でもある。また白色のマスタングはRTRというドレスアップ会社であり、あのMONSTER ENERGYもあのRTRのエアロパーツを使っている。

今でもマスタングの制作が進められている。

次の日、大神は南に昨日いた白色のマスタングの事を話した。

南「白色の新型フォード マスタング?」

大神「ああ、馬力は約900馬力あるモンスターマシンだ…エンジンはスーチャのV8エンジンだった。」

南「そんなハイチューンな車幻想郷にいるなら噂になると思うけれど…特徴はどんな感じなのその車。」

大神「なんて言うか、緑のRTRホイール履かせててRTRのエアロパーツ付けたやつ。」

南「RTRのフルエアロか…ちょっと心当たりあるかも。」

といい、南は南の愛車のIMPREZAに大神を連れてにとりの工場へと向かった。南が車を停めると、早速南は車から降りにとりに大神が知っている事を全て話した。

にとり「白色の新型マスタング?」

にとり「それならうちでモンエナ マスタング号の設計図見ながら作ったよ、RTRの人って凄いよね角度が異常な程つく足回りを開発してくれたからね。」

南「その話もっと聞かせて。」

にとり「お、今日の南は食い付きがいいな特別に教えてあげるよ、エンジンをオーバーホールしてスーチャをドでかいヤツに変えてやったのさ、それでマフラーもシャシーも全てやり直してとんでもないパワー出す仕様に改造してやったのさ。」

にとり「それで限界以上の走りができるように足回りをモンエナ マスタング号通りに作ったのさ、車内にあるのはマスタングのインパネとバケットシートだけさ。」

大神「ロールケージとバケットしかない…これで約100kg以下の軽量化が出来る…。」

南「あら、でもなんでシートふたつあるのかしら…?」

大神「それは乗る人がいるからだろう…トランクは防音剤と内張りは剥がしていないらしいしな、それにリアシートを外した理由はNOSを搭載してあるからだろう。」

南が大神とにとりが持っていた資料を確認するとNOS 3本搭載と書いてあった。軽量化とパワーを載せたじゃじゃ馬だ。そして可愛らしい幽霊の黒色のステッカーがサイドガラスに貼るように指示してあることから関して大神はあることに気づく。

大神(これってやっぱり…。)

すると、にとりが依頼書を取ってきてくれた。その依頼書の名前の欄を確認すると驚くことに気づく。

南「ねぇ、これって…。」

大神「やっぱり…。」

大神「魂魄妖夢(こんぱくようむ)の車だったのか…どうやら中古で買ったらしいな、ハズレくじ引いたからマスタングの足回りのリセッティングとエンジンオーバーホールだけは頼んでるが…にとりが勝手やるからどうせならと思って思い切って改造したんだろうな…金額やばい事になってっけど…。」

南「うわ、1000万ってどんだけお金かけてるのよこの子…。」

大神「まぁ、理由はわかった…まさかあんな所で交わされたとは思わなかったが…これが"答え"だったんだな、しかも妖夢以外にも改造依頼をしたやつもいるみたいだしな。」

一方冥界では、妖夢は自分の愛車をじっと見つめていた。そう妖夢はこう思っていたのだ。非力なロードスターやFDにこのアメリカン・マッスルカーに勝つことは不可能、これであの二人の不敗神話もここまでと。

そしてもう1台車が止まっていた。その車は誰の物だろうか、ただ灰色でスプライトのバイナルが貼ってあるのは確かではある、ホイールは黒色のRTRでエアロパーツもRTR専用のエアロパーツだ。マフラーはサイドエアロ1本出しで、スーパーチャージャーがボンネットから剥き出しになっている。それで熱を逃がすダクトがついていることから、妖夢のマスタングよりパワーがあることがわかる。エンジンはV8HEIMIのSOHCエンジンだ。そう Ford Mustang BOSS302 エレノア風RTRモデル、モンスターエナジー風シェルビーだ。

しかし、何者の車かはわからない。だが、とてつもなく凄腕なドライバーなのは確かなのだ。

次の日、魔理沙アリスに家に来るように呼ばれアリスの家に行くようになった。家に行くと、アリスの家に無いはずの車が何故かそこにあるのだ。

アリスは車には興味が無いと自分で言っていたらしいが、その車があると言うことは魔理沙は何かを察した。

アリス「来たのね、魔理沙。」

魔理沙「来たけど、なんだよ"見せたい物"って。」

アリス「それはガレージに行ってからよ。」

アリスと一緒にガレージに行くと、先程あった車を目の前にしてこう言った。

アリス「買ったのよ、あなたが言う自動車って奴をね?」

魔理沙「BMW M3か、E92って奴か?」

アリス「そう、多分そうよ…中古で安く買ったのよ。」

魔理沙「何万で買ったんだよ…しかもMスポーツモデルだし。」

アリス「300万ちょっとしたけど?」

魔理沙「うわ…高っけ…。」

アリス「あなたのも変わらないじゃない…。」

魔理沙「私のは150万から50万までまけてもらったんだよ、いっこ型落ちのM3なら安く済んだかもしれねーのに。」

アリス「いいじゃないの…私が欲しくて買ったんだから。」

魔理沙「まぁいいけどよ、ちょっと運転させてくれよ。」

アリス「ダメよ、あなた絶対車壊すじゃない!」

魔理沙「おいおい、私を甘く見ちゃいけねぇ…これでも上手くなったんだからよ。」

と言いながらアリスからキーを取り上げM3に乗り込んだ。アリスも心配そうだったがM3に同乗した。すると、魔理沙はあることに気づく。

コーナーを曲がると何故か外に流れアンダー気味になる。ペースは約140km/h程度、減速をしアウトインアウトで攻めても外でしか攻めていけない感じが何故か残る。そして、上りになると加速がかったるくなり足回りに変な異音が聞こえ始めた。今までアウトインアウトで攻めていけれたコーナーが突然アウトでしか行けなくなってしまった。原因はタイヤかと思ったがアリスが言うには、消耗しにくいエコノミーのミシュランの新品タイヤに変えたと言っているらしいがグリップ力が一向に変わらない。

むしろどんどん悪化していっている。タイヤが問題ではなくボディ面でも問題点があるとわかった。エンジン質力もノーマルのM3より馬力がない。だいたい200馬力ロスしている感じが取られる。メーターの走行距離は1万キロちょっとしかないのだが、どこにも異常が見られずエンジンの確認マークも出ないオイル確認マークすら出ないとなると原因がわからない。そう思った魔理沙はアリスにこう言い出す。

魔理沙「なぁ、アリスちょっとこれ大神の所に持って行っていいか?」

アリス「え、どうして?」

魔理沙「いいから。」

そう言うと、魔理沙は大神の店に持っていった。大神の店に行くと大神に、M3のエンジンや足回りを見て欲しいとお願いし車を預けた。

大神「うわ…なんだこれホントにこれ直6かよ…ヘッドがボロボロで歪んでるし、ピストンとかクランクとかズタズタじゃねぇか…。」

大神「それに、足回りのサスも前と後ろ入れ替えて入れてるみたいだけどセッティングがめちゃめちゃ…なんでこれトー角がおかしなことになってんの?」

大神「ボディもガタが来ててやばいし、配線はめちゃくちゃ…メーターに何も表示しないの違う配線からコード引っ張ってきたからだろ。」

大神「こんな欠陥車初めて見たわ…まだアリス手つけてないんだろ?」

アリス「まだ買ったばっかりだもの…何もしてないわ。」

大神「アリス…ハズレ品引いたみたいだな…こんな欠陥車初めてだわ…普通オーバーホールしてから出すだろ…。」

大神「これどこで買ったよ。」

アリス「正邪からよ、安くていい車紹介してやるって言われたから…。」

魔理沙「正邪は口取りは上手いからなぁ…欠陥車を拾ってきてはいい車だのなんだの言ってくるやつだからよ。」

大神「まぁ、普通は騙されないんだがな…流石にアリスは目の欲しさのせいで買っちまった車…車選びはもっと慎重に選ぶべきだよ。」

大神「って言っても遅いか…。」

大神「可愛そうだしおまけしとくか、ボディ補強とエンジンをV8ターボに載せ替えて足回りを良い奴に変えよう、キャリパーはProjectuを使ってタイヤはミシュランのまましてホイールはBBSにしてやる…それからエアロパーツはGT300やニュルで使われるGTR専用のフルエアロを付けてやるよGTウイングも特別だ。」

アリス「え、いいの?」

大神「魔理沙と走りたいのならこれがいいだろう、シートやロールケージは俺が選ぶぞ。」

魔理沙「そんなにしていいのかよ…幻想郷でも一応車検規定ってあるんだぜ?」

大神「大丈夫大丈夫、バレなきゃ犯罪じゃないんですよ…ぐふふふ。」

アリス(悪人かな?)

アリスがそう思っている間に、大神が早速作業を始めた。今まで灰色カラーだったM3が白色にボディカラーが変更され、スポット増しやボディ補強を行った。エンジンは直列6気筒エンジンはもう使い物にならないほどボロボロでオイルとガソリンがピストンの方まで漏れ出ていた下手をすればエンジンブロー所かアリスは死んでいた。なのでエンジンはV8ターボ仕様のエンジンを搭載した。シャシーを馬力に耐えられるように補強し、エンジンの出力馬力が300シャシーで200で約500馬力のパワーが上がった。ロールケージはレース限定のものを使いコックピットはRECAROのレーシングフルバケットシートを設置、フルフェイスヘルメットをして頭まで守られるほどのシートでアリスが事故っても安全に走れる仕様だ。

メーター類はMoTeCのデジタルメーターを装着しエアコンとナビのみ車内に残しフルバケットシートとレーシングフルバケットシートを搭載した。トランクと車内の防音剤と内張りは剥がしドアノブのみ残したあとはカーボンを貼り付け完璧なサーキット仕様のBMWが完成した。

それがその、BMW M3 M Sports E92 アリスGTRモデルだ。そのうち青に塗り替える予定であるが恐ろしい事に見た目がごつくなり魔理沙のFDやパチュリーのDC2の様な姿と比べるとクール差と言うより空力系統に買っている感じがある。それが大神と南の車と肩を並べるほどの車になってしまったことに魔理沙は少し腹を立て私にもこんなごついエアロパーツつけろよと言ってきた。大神は了承し、そのうち2人のエアロパーツはクールにサーキット仕様になるぞと魔理沙に言い聞かせた。

すると、突然白色の新型マスタングが大神の店にやってきた。そしてその車は大神には見に覚えがあり、この間の夜にぶち抜かれたマスタングだと言うのがわかった。そしてその顔に既読感を覚え大神はあることに気づいた。

大神「なっ…お、お前!」

???「すいません、タイヤ交換とオイルマネージメントお願いします。」

???「ってあれ、ここ大神の店だったんだ…知らなかった。」

そうあの魂魄妖夢があのマスタングから降りてそう言い出したのだ。

あの依頼書に書いてあった魂魄妖夢が大神の店に来てあのマスタングのタイヤ交換とオイルマネージメントをお願いしてきたのだ。

大神は堪らずこう言った。

大神「なんでうちに来たんだよ…。」

妖夢「いや、たまたま店があったから…タイヤ交換とオイルマネージメントだけでもお願いしてもらおうかなと思って来たんだけど。」

大神「そうなのか…それじゃあの黄色いR35に見に覚えは?」

妖夢「黄色いR35?」

妖夢「なんのことでしたっけ?」

大神「いやいやだから、この間の水曜日の夜黄色いR35ぶち抜いていったろ!」

妖夢「あ~…あの時のR35かぁ、独特なエアロパーツ付けるのやっぱり大神しかいないよね…。」

大神「だからそうなんだって…。」

妖夢「あれはただ急いで買い物行って、幻想峠が近道だったから通ったら大神にあって自力で振り切っただけだよ。」

大神「それにしてもあんなモンスターマシン…よく振り回せたな。」

妖夢「簡単だよ、マスタングはノーマルでも剛性がいいから私とマスタングは相性がいいんだ。」

大神「なるほどな、だからあんなにパワーを出しても乱れる事もなく早く走れる事が出来るのか…。」

妖夢「まぁ白楼剣同様、私のモットー"斬れぬ物などあんまり無い"だから!」

大神「とかいって俺にやられたって言うのは野暮か?」

妖夢「アスイマセンケンデハカテナイデス。」

大神「とりあえずオイルマネージメントとタイヤ交換ね。」

大神は早速タイヤを変えようとしたが、どのタイヤを付ければいいのかわからなかったがNITTOタイヤという事がわかりNITTOタイヤに変更した。オイルマネージメントをする時は慎重にオイル線を上に引き上げなければならない、その為慎重に作業をしなければならないのだ。妖夢はその作業を見ていて、とても刀のように繊細に素早く引き上げ布にオイルを付けオイルの色を確認した。大神が特に問題がないとわかるとすぐにオイル線を拭き取り元の位置に戻した。

大神「特に異常は見られない、とりあえずオイル交換もしておくよ…タイヤは異常に減りが早いみたいだな、高馬力な車に乗ると必ずタイヤは無駄に消耗するから仕方ないが…とりあえずNITTOタイヤを付けといた、これで今まで通りの走りはできるだろう。」

妖夢「そうなんだ…ありがとう大神、なんか時々オイルランプがつくようになって気がついたらオイルランプがずっとついたままになっちゃってて。」

大神「あ~、それ確認してみたけどスイッチが接触しててずっとつくようになってたんだ。」

大神「配線系統はタイラップとかで止めておくのがいいぞ、接触して電装系統が使えなくなるよりかはマシだからな。」

妖夢「わかった…私そこまでやれる暇ないから暇がある時にやっとくよ。」

大神「いや暇ないなら俺の所でやった方が早い、オイル交換が終わったらナビとかに繋いでる配線全部まとめておくよ。」

妖夢「そこまでしてもらわなくても…。」

大神「人生の中で1番覚えておかなきゃ行けないことは遠慮と遠慮なくだ、遠慮はしなくてもいい…主人の世話で忙しいみたいだしな、あまり無理はしない方がいい。」

妖夢「そこまでしてもらって悪いなぁ…。」

魔理沙「大神は困ったやつはほっとけないタチだからな遠慮すんなよ。」

アリス「私もわざわざM3のエアロパーツ、全てやってもらったからねやって貰っといて損はないわ。」

妖夢「あれ、アリスっていつから"E92"に乗るようになったの?」

アリス「つい最近よ。」

妖夢「じゃ…そこまで"E92"の事は知らないみたいね。」

アリス「何…その"E92"っていうの…?」

魔理沙「M3の型式だぜ、FDだってRX-7って言ってたってどっちのRX-7かわかんねぇじゃん。」

アリス「まぁ…そうね。」

妖夢「だからみんなは型式で呼んでるわけなのよ、でも私達のは型式がないから普通にマスタングって呼ぶしかないんだけどね。」

大神「正確には、フォード・マスタングGTのシェルビー350Rなんだけどな、それをRTRっていう改造屋のパーツをフルに使った車が妖夢の車ってわけ。」

大神「配線系統とオイル交換は終わったぜ。」

妖夢「ありがとう。」

と言うと、妖夢は金を払い大神の店を後にした。大神は魔理沙に、もしかしたら妖夢から挑戦状が来るかもなといい店内へと戻って行った。魔理沙はその大神が言った言葉に衝撃を受け、妖夢がいつも使っている冥界へ通れる道。異界の峠、白玉楼線専用道路へと向かった。思った通り、エキゾチックカーやアメ車のクラシックカーが多くいた。マスタングやカマロまたはコルベットやチャレンジャーやチャージャーなど、アメ車と呼ばれた車達が多くいた。

魔理沙「アメ車ばっかりだな…大排気量やビッグパワーカーばっかりだ…。」

魔理沙(ここはマジでアメリカかよ…妖夢がアメ車にこだわるのもわかる気がするわ、V8やV10エンジンの奴らばっかりだ…こんなの歯ごたえありすぎるヤツらばっかりじゃん!)

走り屋1「おいおいマジかよ、ガキのおもちゃがやってきたぜw?」

走り屋2「日本車とかしかもロータリーエンジンのFDじゃねーかw。」

走り屋3「なぁ、それ何処の菓子で貰える特典だぁ?」

魔理沙(馬鹿にしやがって…今に見てろよ日本車でしか得られない品質を今から教えってやっからよ!)

一方大神の方では、自分の店で霊夢と話をしていた。あれからレミリアと一緒に追走をしているらしい、楽しいからレミリアと勝負することは無いと言っていたのだが突然桜が大神の店に入店し大神に冥界の事を報告した。

大神「え、魔理沙のやつ冥界に居んのかよ…。」

霊夢「どうしたの?」

大神「魔理沙が冥界にいるらしい、あそこにはV8エンジンのアメ車やビッグパワーのクラッシックカーが多く居るんだ…。」

大神「V8とV10、V12エンジン以外が行くとほぼ泣きをみる場所だ…俺もあまり行く気になれん所だ。」

霊夢「V8?」

桜「V8というのはV型8気筒の事を言うんです、V型の形をしたエンジンに8気筒あるピストン…気筒数が増えるだけ回転数などが変わっていきます。」

大神「そう、馬力が上がればエキゾーストサウンドはF1みたいな音が出るようになる、V8は物によるが音が少し低くなる。」

霊夢「その音に何か関係があるの?」

桜「特にはないですが…やはりV型はパワーとトルクが違いますね、排気量が大きい分日本車は目じゃ無いほどです。」

大神「アメリカと日本の平均排気量が全然違うからな…それにしても何で魔理沙が冥界に―。」

というと大神はある事に気づいた。そう大神は魔理沙に言った言葉を思い出した。そうすると大神は大量の汗をかき始め自分が言った言葉を真に受けたのではないかと思ったのだ。

大神「エ…マッテ、オレノセイヤン…。

霊夢「はぁ!?」

桜「魔理沙さんに何か言ったんですか?」

大神「魔理沙に"妖夢から挑戦状来るかもな”とか言っちゃった…。

霊夢「魔理沙そんなことで真に受けたの!?

大神「そうだと思います…。

桜「とりあえず、変えのタイヤとブレーキパッドと工具持って行きますよ!」

霊夢「私もロードスターで付いていくわ。」

一方、魔理沙の方はと言うと。魔理沙はV8エンジンのアメ車を前に余裕な顔をしていた。それらそうだ、魔理沙はもう10連勝以上もしアメ車を蹴散らしてきたのだ。それを見た奴らは、言葉を失い魔理沙を警戒していた。V8が最強と思っていた事が完璧に崩れ去った事、アメ車以外にも子供のおもちゃのように思っていた日本車のロータリーエンジンのFDに完璧に負けてしまった。まさに兎とカエル状態だ。

すると、妖夢がたまたまその峠に現れ魔理沙に勝負をふっかけた。

魔理沙「ようやくお出ましか…半霊!」

妖夢「良くもまぁここまで派手にやってくれたわね…まぁ所詮ここにいる奴らはV8信者の集まり…雑魚に過ぎないわ。」

魔理沙「お前もそのマスタングのV8エンジンは飾りじゃねーんだろ?」

妖夢「どうやら口だけは達者なようね…今に見せてあげるV8エンジンの本性を!」

???「ちょーっと待ったぁ!」

妖夢「誰かと思えば大神じゃない、何しに来たの…?」

走り屋1「おいおい…V6エンジンのGT-Rが来たぜ。」

走り屋1「あんなのガキのおもちゃと同類だぜ。」

走り屋2「おい馬鹿、あいつ知らねぇのかよ!?」

走り屋1「なんだよ…ただのイキリ野郎じゃねーのか?」

走り屋3「あいつは幻想峠で"噂の黄色いR35"だぜ…通り名が"稲妻"って言うあの!」

走り屋1「え…マジで…!?」

大神「人気者は辛いね…俺の事きちんと知ってもらえてるなんてな。」

桜「さぁ、タイヤなどの交換しますよ!」

大神「さて、魔理沙と勝負するなら条件付きだ。」

妖夢「条件…成程、霊夢もバトルさせろって言う奴ね。」

大神「正解、上りと下りの一本勝負だ…それで意義はないな?」

妖夢「勿論、霊達にも替えのタイヤを用意させるよう言っといたからこれで平等ね。」

大神「そうだな。」

すると、魔理沙のタイヤ交換とブレーキパッドの交換が済み2台スタート位置に並んだ。魔理沙の車のロータリーサウンドが峠に響き渡るが、それ以外にV8サウンドが峠にいた霊や人を盛り上がらせた。V8は改造しだいではかなりうるさく、そして化け物じみたパワーを発揮する凄い車なのだ。大して魔理沙のFDは周りに取ってはしょぼく感じうるささを感じさせない静かなサウンドに変わってしまった。

魔理沙「うわ…超うるせぇ…あれが妖夢のマスタングかよ、バケモンだぜやっぱり妖夢の車はよ。」

妖夢(こんなの簡単に倒せるわ…。)

大神「それじゃカウントはじめるぞ!」

桜「カウント私にやらせてくれませんか、1度やってみたかったんです。」

大神「いいぜ、そろそろ喉が痛くなってきたぜ。」

桜「カウント5秒前!」

桜「5,4,3,2!」

桜「1!」

桜「Go!」

2台一斉にロケットスタートを決めた、一体誰が勝利を掴むのかそして旧式マスタングのドライバーは一体誰なのか。




皆様お久しぶりです、Act,10アメリカンパワーを見て頂き誠にありがとうございます。今日から夏休みが終了し学校が始まりました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?僕は明け方の4:00まで必死に課題と見つめ死ぬ物狂いで書いていました(汗)。おかげで寝れた時間は約2時間半、フラフラな状態でした。しばらく小説の投稿頻度を低くし完全休止してた事を誠に申し訳ないと思っております。
しかしこれから、どんどん書いていこうと努力して行きたいと思います。ですがもしかしたらまた、忙しくなり投稿頻度が少なくなったり休止してしまう時があるかもしれませんがその時はちゃんと報告し出来る限り投稿出来るよう努力して行きたいと思います。


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Act,11 VS V8

白色のマスタングの正体は妖夢だった。
魔理沙と妖夢勝負が始まる


魔理沙「…妖夢のやつ後追いを選びやがった…。」

2台が一斉にスタートすると、妖夢は魔理沙のFDに合わせ後ろに着いた。

そう、FDを追いかけ回すつもりでいたのだ。それに妖夢の車は魔理沙のFDよりかなりパワーがあり、トルクもある上上りでも下りでも有利なスーパーチャージャーを付けている。ここまで凄みを帯びたマスタングは妖夢の車しかありえない。さらにコーナーでは、スタビライザーなども信じられない仕様な為コーナーを攻める時はいつも角度90度気味で突っ込むことが出来る。それだけでも妖夢に勝機があると思われた。

魔理沙「ちっ…やっぱり序盤は離れて行かねぇか…そりゃそうだよなあんなにパワーあるんじゃ抜かれるのも時間の問題だぜ。」

妖夢「そう簡単には逃がさないよ、言っとくけど馬力は魔理沙の馬力に抑えておいたけど上りでもグイグイ回っていくこのマスタングには"逃げられない"んだから。」

妖夢「"自然吸気エンジン"というのを逆手にとって、この"HEIMI"の回る回転数…"V8"でしか得られないこの加速力上りでもこんなに速く走れる"心臓"をこの子は持ってる。」

妖夢「FDはロータリーエンジンにターボ車…でもね格というのが違うのよ。」

妖夢「FDなんかただの"おもちゃ"よ、そんな"おもちゃ"が私に通用するとでも?」

妖夢「ヒルクライムは"パワー"だよ!」

魔理沙「…はえー、やべぇないくらコーナーで逃げても向こうは妖夢のマスタングだ…そう簡単に逃がしてくれないのはわかってるけどストレートだけ踏もうって作戦だな?」

魔理沙「コーナーでは、私のFDに追いつけないと判断してストレートではめいいっぱい踏む…確かに正しい選択かもしれねぇけど。」

魔理沙「私はそう甘くはないぜ?」

魔理沙はギアを入れ替え妖夢を追っていく、しかしパワーの違いに魔理沙のFDは置いてかれる。コーナーで差がつまり、ストレートでは差が広がり。それを繰り返した末、魔理沙はあと残りのコーナーの数が15個くらいになったあたりで抜きにかかった。

だが、妖夢がブロック。コーナーでは抜かさない作戦で行き勝とうという汚い戦い方だ。しかし、ストレートの世界ではなんでもありのタイマン勝負。勝てなかった奴が負けなのだと妖夢の中で思いつつあった。

妖夢が最後のコーナーに入ると、魔理沙はリアバンパーをこつき妖夢のドリフトの体勢を崩した。その瞬間妖夢のマスタングがよろめいた。

妖夢「ッ―!」

魔理沙「アクセル踏むんだったら、"馬鹿"でも出来るぜ…お前の弱点見切ったぜ!」

妖夢「まさか…この姿勢崩しを利用して!?」

魔理沙「妖夢のマスタングは、コーナーに入る時綺麗に入るしカウンターも綺麗だけど…1度ストレートになると姿勢直しにいつもふらつくんだ。」

魔理沙「それが癖なのか…ビックパワーを扱う上でホイールスピンしすぎてふらついてしまうのか…それは今の私には理解出来ねぇけど、コーナー出口で体勢を立て直した瞬間…妖夢のマスタングはよくふらつくそれがお前の弱点だぜ!」

妖夢「クッ―、まだ…終わらない、コーナーを抜ければストレートに入りゴールするそこを利用すれば私の勝ちは確定的…そんな"おもちゃごとき"に負けるわけには行かない!」

と言い、妖夢はアクセルをめいいっぱい踏む。魔理沙は勝ちを確信したが。妖夢の強烈なサイドバイサイドで抜かれてしまったのだが。

魔理沙「バカ、突っ込みすぎだ!!」

妖夢「マズッ―!」

妖夢が立て直す時にはもう遅かった。妖夢がスピンすると、魔理沙は隙間を見つけ全力で妖夢がスピンしている間を抜けた。

しかし、踏みすぎたせいかオーバースピードでガードレールに突っ込みそうになる。ガードレールが左サイドに当たりそうになる。

だが、俊敏なアクセルワークですっ飛んで行きそうなFDを立て直した。

妖夢が体勢を立て直した時には魔理沙のFDは遥か向こうへと向かっていた。そして魔理沙のFDが先にゴールし妖夢のマスタングは遅れるようにゴールした。

その瞬間ゴールにいたギャラリー達はざわめき始め、V8エンジンを載せたアメ車がFDごときに負けたと直ぐにスタート地点にいたギャラリー達にも伝わった。

大神「魔理沙が勝ったか…結果パワーに頼ってばっかりだと成長しない…腕が大事だと思うバトルだったな。」

霊夢「妖夢に勝つなんてね…きっとアメ車に乗ってるヤツらメンツ丸潰れね。」

大神「別にV8を撲滅したいからここに来たわけじゃない…V8が好きならそれに乗ればいい、好きな物に乗り自分の乗りたいように乗る。」

大神「今回の勝負はV8を撲滅したいがゆえバトルしたように思えるが…ただ魔理沙は純粋に速い走り屋を求めここに来ただけだ。」

霊夢「まぁ、魔理沙が満足すればそれでいいのねあなたは。」

大神「霊夢もそうだろう…俺はただ勝負の結果を見に来ただけだからな。」

霊夢「貴方らしいわね…。」

大神「さて、次は霊夢だ下りならお前の専売特許だガツンとお見舞いしてやれ。」

霊夢達が妖夢とバトルする前、南はミスティアの店に行きヤツメウナギを食べていた。だがいつもの南はヤツメウナギではなく焼き鳥を頼むことが多くヤツメウナギを食べるのは非常に珍しい。それに酒ではなく烏龍茶を飲んでいた。そう南は誰かを待っていたのだ。1人の人物、幻想郷の管理人の1人八雲 紫(やくもゆかり)を待っていたのだ。

ミスティアの店はコンビニ程の広さがあり、駐車場も広々と使えるように改装されてあった。しかし、走り屋達が走る時間帯はミスティアの仕事が少ない。南はその時間を測ってよくミスティアの店に行く。今回は紫を誘ったのは他でもなかった。紫はミスティアの店に止まっていたWRC仕様の22Bインプレッサの隣に車を止めた。

紫が車から降りると、ミスティアの店に入り南が座っているカウンター席の方へ行き南の隣に座った。

紫「あら、珍しいわね…あなたがヤツメウナギを食べているなんて。」

南「たまにはね、私も肉以外のもの食べたいもの。」

南「まぁ、紫も紫よね…あなたがA20GT(セリカ)に乗ってくるなんてね、それも1600のやつ。」

紫「外の世界で放置されてたセリカをにとりに頼んでレストアしてもらった1台よ、流石に2T-GはブローしてたからS型にスワップしたんだけどね。」

南「S型か…S20?」

紫「S20のイグニッション仕様。」

南「渋いわね。」

紫「それよりも、霊夢のロードスターのパワーアップについてかしら?」

南「ええ、大神のやつ…もしかしたらブローさせる気でいるはず…。」

紫「ブローって、2ローターエンジンを?」

南「そうよ、1度レミィにお願いしたのだけれど大神が持ってるエンジンを管理している倉庫に資料を取りに行かせたのよ。」

紫「"あの頃"ね…貴方も悪質なことするのね…。」

南「大神に言ってもなかなか渡してくれなくてね、それで調べた結果こんなものが出てきたのよ。」

南が取り出してきたのは1枚のA4サイズ程の紙だった。そこにはエンジンの製造番号や型式など詳しい事が書いてあり。エンジンはどの車に積んであったかなどなかなか細かく書いてあった。

紫「これ13BMSPって…RX-8のエンジン?」

南「そうよ、でも13Bって書いてある隣を見て…これ中古品なのよそれもかなり使い込まれたエンジンでこれ以上の改良を加えると不可に耐えられなくなっているため、大神が積んだエンジンは寿命だったエンジンを積んでいることになるの。」

南「それとこのあと2枚霊夢用って書いてあるやつ。」

紫「…20Bと26Bって…3ローターと4ローターエンジンってことよね、大神は一体何を考えているの?」

南「それは私も知りたいところだけど…きっと大神はとんでもない"バケモノ"を作る気でいるのよ…。」

紫「…そろそろ霊夢が走る時間よ…それにしても、大神の考えていることはよくわからないわ。」

とその時、スタートする寸前になって幽々子が現れ妖夢にこういった。

幽々子「妖夢、"シュミレーション3"で行きなさい。」

妖夢「気は確かですか幽々子様、ロードスター相手に"シュミレーション3"を!?」

幽々子「私には何かわかるのよ、電気みたいのが走ったわ…もしかすると彼女相当やばいかもしれないわ…。」

大神「カウント始めても?」

幽々子「カウントやらなくて結構よ、その代わり私達のルールでやらせてもらうわ…ここに来たからにはルールに従ってもらわないとね。」

大神「それで?」

幽々子「馬力の低い車が好きなタイミングでスタートし、馬力の高いものはその馬力の低い車より後にスタートする。」

幽々子「これを私達はハンディーキャップ方式って呼んでるの、どう当然やるわよね?」

大神「…乗った、霊夢の好きなタイミングで出れるんだな?」

幽々子「そのロードスターの馬力が低ければね。」

霊夢「それじゃ私から…。」

といい霊夢はギアを1速に入れ真っ先にスタートした。妖夢も後を遅れる形でスタートした。当然多少差ができるが、妖夢のマスタングはかなりパワーがある車。霊夢が追いつかれるのも時間の問題だった。

いくつかコーナーを霊夢が抜けると妖夢のマスタングがすぐ後ろにいた。

ストレートでは妖夢のマスタングが有利、霊夢のロードスターは妖夢のマスタングにもてあそばれていた。

妖夢「幽々子様は基本、3つのシュミレーションを用意し考えている…シュミレーション1は余裕勝ちできそうな時に先行しぶっちぎりで行く場合と少し慎重にいくシュミレーション2がある、その中で相手が最も強い場合後追いを選ばなければならない"シュミレーション3"。」

妖夢「私にはわかりません幽々子様、何故"非力なおもちゃ"相手にシュミレーション3なんでしょうか…。」

ロードスターはマスタングより馬力が低くトルクもあるがストレートが速い訳では無い、なので妖夢のマスタングは張り付いてしまった場合はアクセルを少しづつ離さなければならない。そんな中妖夢のフラストレーションは溜まりに溜まっていく。

妖夢「ッ―、流石にこう遅いとちょくちょく離さないとぶつかりそうになる…油断はできない相手だけど、いくらなんでも無茶苦茶…流石にフラストレーションが溜まっていくわ。」

妖夢「コーナーではちょっと置いてかれるけど立ち上がりでは勝てないわけじゃないからいいけど…流石にこうもずっと後ろにいるのも尺ね…幽々子様ならどこから抜くか、だいたい相手の手の内はわかってきた。」

妖夢「…幽々子様お許しを!」

妖夢「しかし、私は勝ちますこんな"非力なおもちゃ"なんかに負けやしません!」

と言うと妖夢はアクセルを全開にし霊夢のロードスターをパス。オーバーテイクしていくとジェット機のように加速をやめない。

霊夢(はや〜…。)

妖夢「どうよ、霊夢…でもここからよ、ここからマスタングの全開走カマしてロードスターをぶっちぎってあげるわ。」

妖夢「貴方の不敗神話も今日でここまでよ。」

と言うとマスタングは素早い速度でコーナーをクリアしストレートではありえない加速をして行った。その場面はまるで海外で有名なモンスターと呼ばれたドリフト動画のようだ。

ロードスターもあとから遅れて来たが必死なのか、いつもよりスピードをあまり落とさずコーナーに侵入した。

しかし、少し差が詰まってもそれでも差は縮まらない。

霊夢「"速い"、やっぱり速いわ!」

霊夢「なんて速い"車"なの…。」

妖夢のマスタングはまだ加速をやめない、もはや勝負は明白。妖夢のマスタングはパワーでは、かなりなもの勝負ならないそう思わせるほどだ。しかし、それはもう"前の話"となってしまった。

妖夢「もう流石にここまで来れば―。」

そう、霊夢のロードスターはマスタングの真後ろにピッタリ張り付いていた。今までマスタングが勝負の分かれ目を左右していたのだが、それも崩れロードスターが勝つかマスタングが勝つか分からないものになった。

妖夢「なっ…離れるどころか張り付いている…そんな馬鹿な!」

そう妖夢のマスタングのアクセルは全開だ、しかし下りでここまで走るとなると相当な技術を持たなければならない。霊夢のテクは神の手に等しかった。だが、妖夢のマスタングも負けてはいない。

ストレートで一気に離す、ストレートでは妖夢のマスタングが有利なのだ。しかし、コーナーに入ると妖夢のマスタングは一気に遅くなっていく。妖夢それに気がついた。

妖夢「…わかった…わかりましたよ幽々子様、何故ムカムカしてしまうのか…ロードスターの後ろについてアクセルを全開で踏めないフラストレーションなんかじゃない…本当は薄々気がついていたんだ…私の方が"コーナーでわずかに遅い"って事だと!」

妖夢「流石にここまでロードスターが走ると思わなかった…ディープね、ダウンヒルってやつは…ここまでロードスターが走るとなると逆に気味悪いわ。」

妖夢「とにかくグリップで稼げばこっちのものよ、前に出ている以上霊夢の負けは"確定的"なのよ!」

妖夢も全開で踏んでいたものの、さらなる本気をここではあまり見していない。タイヤのグリップを考えてのものだ。しかし、もうそれも必要ない、勝つ為には余していた余力を全て使う妖夢は思った。勝負に勝ったものが勝者と。次々とコーナーをクリアし麓まであともう少し。妖夢は必死に逃げ、ロードスターを振り切ったそう思っていた。

妖夢「勝った、もうこの先はない!」

妖夢「なっ…!?」

ロードスターが横っ腹をさしていた、霊夢が抜きにかかった。オーバーテイクすると妖夢は驚きを隠せなかった。最後のコーナーに差し掛かる。

妖夢「インに付かれた…!?」

妖夢「なんなの、ただの非力な自然吸気エンジンの"おもちゃ"なクセしてその速さはなんなの!?」

妖夢は抜かれ、霊夢は勝った。妖夢はしばらく驚きを隠せなかった。わかっていたのに相手の走りや手の内を理解していたのに抜かれてしまったのだ。しかし、何故どうやって追いついたのか。それは少し溯る必要がある。

妖夢が本気になった時。

霊夢(やるか"溝落とし"…。)

霊夢は右輪だけ溝に落としドリフトでクリアして行った。だが、妖夢のマスタングはまだ加速をやめず逃げられてしまう。

霊夢「ダメか、直ぐにコーナーで追いついても立ち上がりで置いてかれる…やるか…溝落としパート2、立ち上がり重視のコーナーで。」

霊夢は今度は左輪だけ溝落としドリフトでクリアしていく、しかし先程やった溝落としと違いコーナーで立ち上がる。そして、妖夢に追いつきスリップで妖夢のマスタングを抜いたのだ。

幽々子はあまり納得がいかなかったが、今度は幽々子の"車"勝負すればいい話だと楽観的に考えた。

ミスティアの店では、南と紫がなんとも言えない状態になっていた。

南「どう、霊夢の走りは。」

紫「ぶっ飛んだわね…ここまで速くなるなんて思わなかったわ。」

南「でしょ、このままだとロードスターのエンジンも寿命が来るのも時間の問題ね。」

紫「そうでしょうね…あんな走りしてれば…エンジンにかなりの負荷がかかってるはずだから、相当よね。」

南(大神…貴方は一体何を考えているの?)

南は大神に大して疑問に思う点が多い。大神は一体何をしようと言うのか、また幽々子の車は一体どんな車に乗っているのか。




皆様お久しぶりです。長らくお待たせしました。ほぼ台本形式ですが…。最近教習所通い始めました、合宿は流石に出来ませんでしたが。MTですが頑張って受けてきます。
なかなかネタが浮かばずに数ヶ月ほど放置してしまって申し訳ありませんでした。私も出来る限り素早く投稿できるよう心がけていきたいと思っております。これからも私のこの小説をよろしくお願いします。


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Act,12 終わりを告げる音

終わりを告げる音が近づいていく、霊夢のロードスターはどうなってしまうのか。霊夢の怒涛の走り、幽々子の車は一体。


妖夢達の勝負が終わったあと、大神は真っ先に自分の店に戻り霊夢のロードスターのエンジンを見た。大神はやはり、目の色を変えエンジンのアイドリングを見ていた。

???「大神はん、なんか企んでるやろ。」

と呼ばれガレージの外の方へと振り向くとそこには潮風 鴉(しおかぜ からす)がいた。

大神「鴉、最近ランエボⅦ RSの調子はどうだ?」

鴉「ええで、それよりも南はん心配してましたで大神は何考えてるかわからんて。」

大神「時期にわかるさ、それに忘れてると思うけど霊夢は"負ける事"が必要なんだ"バトルに負ける事"がな。」

鴉「南はんはその意味がわかっとらんみたいですけど?」

大神「そのままの意味さ、エンジンをどんなに整備してもこいつは寿命さだから最後の最後まで走らせ、エンジンの本当の限界点まで引き出してそれでも勝てない思いをさせる。」

大神「そうすればエンジンの本当の有難みがわかるんだ、だからしばらくはエンジンを載せ替えたりしないようにしてたんだ。」

鴉「なんだか、霊夢はんが可哀想になってきますな…。」

大神「これは仕方ない事なんだ、南に伝えといてくれ…霊夢に必要なことなんだと。」

鴉「わかりました、大神はん…南はんのことも気にかけてください。」

大神「…。」

と言うと、鴉は大神の伝言を受け取りどこかへ行ってしまった。とにかく大神はロードスターを出来る限り整備して行った。

一方魔理沙はと言うと、ようやくドリフトができるようになったアリスに呼ばれ冥界の連絡道路になる峠に向かった。

アリス「なんだか、ここ凄いワインディングロードね…。」

魔理沙「そうか、私には走りがいがある所だと思うけどな?」

アリス「貴方はFDに走り慣れてるからいいわよね…私なんかまだE92乗りなれてないのよ?」

魔理沙「練習だぜ練習、練習していけばそのうちこのコースにもなれるって。」

アリス「そうかしら、そういえばここの峠ってV8、V10のアメ車以外邪道って所じゃなかったっけ?」

魔理沙「V8ならお前のM3なら大丈夫だろ?」

アリス「そうだけど、ここはアメ車限定よ?」

魔理沙「大丈夫だろ、だってV8なら何したって―。」

と走っていると、何か道路に不自然に流れている水を見かけた。

しかし、その水は透明ではなく黒く濁っていた。そうそれがオイルだと言うのを魔理沙達は気が付かなかった。

魔理沙(お、オイル!?)

魔理沙「止まれ、アリスその先オイルが流れている!」

アリス「え!?」

アリス「ダメ、止まれない!!」

魔理沙が気がついた時にはもう遅かった、オイルを完全に踏んでしまいブレーキをかけたがスピン。アリスが車の軌道を読みハンドルを左右に曲げるが止まれずにガードレールに接触、それでも止まらないM3は木にぶつかりフロントバンパーは完全にぐちゃぐちゃになってしまいフロントガラスは粉々に吹き飛んだ。ボンネットも勢いがついていたのかへの字に曲がっており凄い衝撃だったことを物語っていた。

アリスと魔理沙は幸い意識はあるがアリスは重症だった。しかし、ロールケージとバケットシートのおかげでアリスは残機を失わずに済んだ。

魔理沙は軽傷だった為、直ぐに永琳の病院に電話した。電話を済ませると道路の方へと向かい、道路状況を確認した。すると、道路には大量のオイルが流れており、対向車線と普通車線にベッタリとオイルがあった。魔理沙は怒りを覚えたが、あとから脳に深い痛みがやって来て魔理沙はその場から倒れてしまった。

その時大神は、霊夢のロードスターを仕上げてロードスターの様子を確認していた。そして、永琳から電話が入る。

大神「もしもし、"ライトニングデビルズ"―…ってどうした永琳、まだ"例のパーツ"は届いてないぞ?」

永琳『そんな事じゃないのよ、魔理沙とアリスが事故ったのよ早く来て頂戴!』

大神「何!?」

と言うと直ぐに大神は自分のR35を走らせ霊夢の神社へと向かった。神社に着くと、直ぐに霊夢に事情を話し直ぐに病院に向かった。

霊夢「魔理沙の病室は何処!?」

大神「少し落ち着け霊夢、病室は何処にある?」

優曇華「魔理沙さんの病室は107号室です、アリスさんもご一緒です。」

大神「ありがとう、って霊夢!?」

霊夢は必死に走り1階にある107号室に向かった。そこには包帯を巻いて横になっていた魔理沙と看病しているパチュリーがそこにいた。

霊夢「魔理沙!!」

パチュリー「声が大きいわよ、霊夢…。」

霊夢「そんな事はどうだっていいのよ!」

大神「いたいた、少し落ち着けよ霊夢…気持ちはわかるからさ。」

大神「怪我の方は大丈夫なのか?」

魔理沙「脳しんとうを起こしてたらしく、もう大丈夫らしいけどしばらくは検査があるって言われた…足の方は捻挫と打撲だけだ。」

魔理沙「腕はただの打ち身だったから良かったけどよ…。」

大神「アリスの方は?」

魔理沙「意識が戻らないらしい、強く頭を打ったらしい…でもしばらくすれば目を覚ますだろうって言われた…足は酷い骨折で、事故の衝撃でブレーキを強く踏んでたからそのせいだろうけどな…片腕はただの捻挫らしいが。」

パチュリー「とにかく2人が無事でよかったわ、特に魔理沙が死ななくてよかった…。」

霊夢「…そうね…ちょっと心配して損した。」

魔理沙「おい、損すんなよ。」

大神「それにしても、アリス達が事故するなんてよっぽどだな…アリスは人形使いだから器用に車動かしてたのにな。」

魔理沙「実は、私達…冥界の連絡道路用の峠に行ったんだ…そしたら誰かが道路に大量のオイルをぶちまけやがったんだ!」

大神「お、オイルだって!?」

魔理沙「ふざけた話だよな、有り得ねぇ話だろ!?」

魔理沙「いたっ…。」

パチュリー「魔理沙、冷静でいないと…。」

大神「…でも誰がやったかわからない今、キレても仕方ない…。」

パチュリー「それに、ひょっとしたら整備不良とかでオイルが出ちゃったとかじゃないのかしら?」

大神「いやそれはありえない、オイルが大量に漏れ出てるってことはエンジンも止まるはずなんだ、オイルなしじゃどうしよも出来ないからな。」

大神「しかし…一体誰がこんな…。」

すると、霊夢は病院のドアを強く叩き病院を出た。大神はもしやと思い霊夢を追いかけた時には霊夢は行方をくらましていた。

大神「クソっ、霊夢の馬鹿!」

霊夢は急いで大神の店に向かいすぐ様ロードスターに乗って行った。

霊夢の怒りは頂点にたしっていた、もはや誰も止めることが出来ない"怒りの暴走"。勿論霊夢が行先はたったひとつしかない。

"冥界"だ。

冥界に着くとそこには幽々子が居た、妖夢も一緒にいたが何か雰囲気が違かった。だがそんな霊夢にはお構い無し、霊夢は真っ先に勝負に挑んだ。

幽々子「あら、霊夢じゃない…それにロードスター仕上がったばっかりじゃないのかしら?」

霊夢「そんなのどうでもいいわ!」

幽々子「!?」

幽々子「何をそんなに怒っているのかしら、私が何かしたかしら?」

霊夢「しらばっくれないで、道路に流れてたオイル…あれあんた達がやったんでしょ!?」

幽々子「え?」

妖夢(この間あったオイルの事ですね、あれは信者達が腹いせにとやったイタズラ行為です。)

幽々子(あの事ね…後できつく行っておかないと…。)

幽々子「…ふふ、悪いけれど私はそんな卑怯なことしないわよ…道路にオイルを流してなんになるの?」

幽々子「それに、上ってくる車や下ってくる車に大迷惑だと思わないかしら?」

霊夢「その迷惑が、魔理沙達を大事故に追いやったのよ!」

幽々子「魔理沙が事故を起こしたの?」

霊夢「そうよ、アリスの車で止まりきれずに正面衝突だったのよ!?」

幽々子「それはお気の毒に…そんなことが…。」

霊夢「それにいかにもあんたがやりそうな手口じゃない、しらばくれるのもいい加減して!」

幽々子(飛んだとばっちりね…あの犯人私じゃないけれど…仕方ないわ。)

幽々子「私のせいじゃないと言っても信じないと思うし…私の"マスタング"と勝負しようじゃない?」

霊夢「その為に来たのよ…。」

幽々子「いいわ、私の旧式マスタング…"エレノア"がどれだけ速いかそれを証明してあげるわ!」

幽々子「そして解らせてあげる、私が犯人じゃ無いってことを。」

そして、幽々子の旧型マスタングとロードスターが2台に並んだ。カウントは始めず妖夢とバトルした時の通り、ハンデキャップ方式でスタートだ。

霊夢が先に飛び出す、それに合わせ幽々子のマスタングも飛び出して行った。当然少し離されるが、幽々子のマスタングもなかなかパワーがあるそう思っていた矢先にもう後ろに付いていたのだ。

幽々子のマスタングは妖夢のマスタングよりかなり馬力があり、1000馬力以上もあるのだこれでは全く勝負にならない。それに霊夢にとってはとても不利な先行だ。

霊夢「ッ―!」

幽々子「ほ〜、なかなかやるわね霊夢も…噂で聞いていたけれど"キレればキレるほど速い"らしいけれど、それが見て取れるわ…ガードレールをギリギリで攻めて完璧とも言える四輪ドリフト…流石ね。」

霊夢は必死に幽々子のマスタングから逃げるが、逃げるどころかコーナーも速いせいなのか追いつかれてしまう。

霊夢「速い…しかも何かと視線がやばい…"弾幕勝負"なら勝てるけど…車の競争になると幽々子は別人に変わる、まるで"ハンター"ね…私が狙われている獲物みたいじゃない…。」

霊夢「それにコーナーやストレートでも普通に追いつかれる…これじゃ逃げきれない…。」

一方中間のS字コーナー、そこには潮風姉妹がそこにいた。

桜「大神さんの指示で冥界に来たのはいいけど…頂上まで行かなくてもよかったの?」

鴉「大丈夫や、それに私達は"それを見る義務がある"…今から止めに行ったってもう遅いんやここで黙って見とくべきなんや。」

桜「でも、今の霊夢さんのロードスターのエンジンを考えればこの状況…とても不利なんじゃないの?」

鴉「せやで、いくらコーナーで差を開いてもストレートがこのコースにはある…どう攻めてもマスタング相手じゃとても不利や、これじゃ埒があかん…でも、大神はんがそれを選んで"最後のひと絞りが出来るようなエンジン"にしよったんだ…不利でも勝負するのが走り屋なんや…私らはちょっとしたチューナー壊して壊してプロになっていくんや…。」

桜「それだったら、私はまだ半人前だよ…。」

鴉「ん、来たで?」

2台ともやってきた瞬間、幽々子のマスタングはアウトに行った。グリップ勝負でサイドバイサイドをするマスタング左コーナーに入った瞬間、霊夢のロードスターの負けが確定した。

桜(覆い被さるようにマスタングが前に出ていく…まずい…ロードスターがやられる!)

そしてロードスターが抜かれてしまう、だが霊夢も負けてはいない。必死にマスタングを追うがここであることに気づく。

幽々子「ここからがエンジン全開、一瞬のうちにケリがつくわ…見せてあげるわ"西行寺幽々子流"のホンモノの勝利の方程式を!」

幽々子がブレーキングでコーナーに侵入その時、幽々子の走りが変わりドリフトの全開走に変わった。

霊夢「走りが…変わった…!?」

そしてコーナーで置いてかれる霊夢のロードスター、ここまで来ると霊夢の車ももはや限界。

霊夢「1つコーナーが抜ける度に差が開く…追ってもおっても逃げられる…これが"パワーの差"ってやつなのかしら…。」

霊夢「ダメ…ストレートで離される…勝てないの…どうしても…?」

突然。

ロードスターのエンジンが爆発した、ボンネットから大量の煙が吹き何とか制御不能になったロードスターを立て直そうとする。しかし、エンジンは無理に回ろうとする、とにかく霊夢は必死に車を止めるべくクラッチとブレーキを踏み続けた。タイヤがロックする。そしてロードスターは後ろへと反転、たまたま空いていた砂利道があったためそこに避けたが。それが仇となった。タイヤがロックしている中砂利道に入れば当然滑っていく。霊夢は必死にそのロードスターを止めようとしても止まらず。このまま事故る運命だと感じた。

だが奇跡が起きた。ガードレールギリギリの所で霊夢のロードスターは止まった。しかし、オイルが下に漏れ出てボンネットからは大量の煙。ボンネットからフロントサイドフェンダーに漏れ出たオイルがロードスターのエンジンが"終わりを告げたのだ"。

制御ができない中エンジンが終わりを告げていく音、霊夢はハッキリと聞いていた。エンジンにどれだけ無理をしていたのか、それを思うと辛い気持ちになった。ボンネットを開けてみるとさらに煙が出てきた。

いくらエンジンをかけても動かない、いくらクラッチを繋げてアクセルを踏んでも動かない。サイドブレーキを下ろしても、1足にしてもバックギヤにしてもロードスターは一向に動かない。動く気配どころかエンジンすらかからない、後に残るのはロードスターという抜け殻だけ。負け無しと呼ばれたロードスターが敗北に終わる。すると幽々子が戻ってくると霊夢は窓を開けた。そして幽々子はこう言い出した。

幽々子「…エンジンブローね、気の毒だけれどその車はもう動かないわ…いくらパワーがあっても日本車…気を悪くしないで欲しいけどその車はもう寿命よ、良ければパワーがある車に乗り換えるべきね。」

幽々子「言っておくけど、エンジンブローは負けなのよ?」

霊夢「…。」

幽々子「また改めて挑みに来なさい、私は待っているわ。」

といい、幽々子はその場から立ち去った。後に残ったのは霊夢とロードスターの抜け殻のみだった。

1時間後、1台のキャリアカーがやってきた。キャリアカーはロードスターの前に止まり、誰かが車から降りてきた。それは南だった。

狐火を手から出すと周りを見えるようにした。

霊夢「…南…?」

南「あらあら、もし良ければ乗ってく?」

と言いながらキャリアカーに乗り車を反転させた。

キャリアが地面に降りていく、そしてロードスターをフックに引っ掛けいつでも乗せれる状態にしておいた。

南「霊夢、ボンネット開けてちょうだい。」

南(そういえば、エアロパーツ以外ボンネットは純正のままだったわね…。)

霊夢がボンネットを開けてみると、そこにはオイルで汚れたロータリーエンジンがあった。そう霊夢のロードスターはBPエンジンではなく2ローターエンジンが積んであったのだ。しかし、ここまで壊れてしまった以上どうすることも出来ないのだ。

霊夢「直せる…?」

南「…無理ね…。」

霊夢「え?」

南「かなりの負荷がかかったみたいね、2つのローターが真っ二つに折れてるしエキマニも焼けきっちゃって使えないわ。」

霊夢「そ、そんな…。」

南「細かいことは着いてから見ましょう、載せるから手伝って?」

霊夢「う、うん。」

ロードスターをキャリアカーに載せると、南はキャリアカーへと乗り込んだ。霊夢は助っ席に乗り何かが抜けた感じがした。

霊夢「…ねぇ、私がなんとかして直すからそれじゃダメなの?」

南「ダメなの、また改めてパーツ買ってやってもローターを支えるマウントも1個折れてるし…動かせたとしてもまたローターが折れて使えなくなってしまうわ。」

南「あのエンジンは"死んだの"…霊夢が最後の最後に勝ちたいと望んで必死に走ってくれたのよ。」

霊夢「…。」

南「あのエンジンは処分するわ。」

霊夢「え!?」

南「最後まで愛情を注いでいたエンジンなのは分かるわ…でも、でもこの子はもう生き返らないわ…新しいのに載せ替えるしか方法はない…とにかく今まで使っていたエンジンはこれで最後。」

霊夢「…私のせいだ…無理に踏んだから…。」

霊夢「ごめんロードスター…私、身勝手だった…。」

南「…。」

すると南は霊夢の頭を触ったまるで母親みたいに。霊夢は驚き、思わず霊夢の方へと振り向いた。

南「…霊夢のせいじゃないわ、ミスで壊した訳じゃないんだしね…。」

南「泣きたければ思いっきり泣いておくこと、これは私からの宿題…ロードスターは私達が全力で生き返らせてあげるから。」

霊夢「な、泣いてなんかないわよ…これは外が雨なだけよ…。」

霊夢「それにエンジン載せ替えなんて…乗り心地悪くなりそうで嫌だな…。」

南「そこは大丈夫よ、霊夢が驚くほど凄い車にしてあげるから。」

といい、南達は大神がいる店へと向かった。

敗北は敗北だが、エンジンが壊れてしまった以上霊夢の乗る車が消えてしまった。しかし、大神や南達はここで諦めてはいなかった。




12話を読んで頂きありがとうございます。イナリことイナリュウです。
…言うことがない(汗)。ロードスターが壊れてしまいましたが次は大神と幽々子が勝負する予定です。そして、西行寺 幽々子が乗っていたマスタングはフォード シェルビー マスタング Boss302のRTR仕様です。幽々子が"エレノア"と呼んでいるのは、映画60セカンズのフォード シェルビー マスタング GT500が出ていた名前を取って言っていると本人が言っておりました。実際フォード シェルビー マスタング GT500 エレノアが存在するので(映画の為に作った車だと思われますが…。)そのエレノアに憧れて乗っているという設定にしております。主な理由として紅魔館組は日本車がほとんどなので白玉楼組はアメ車かなという理由もありますが、幽々子は旧車とかだったらABSもないしトラコン(トラクションコントロール)もないからまじで速いんじゃねと理由に至りました。(紫や幽香も同じ理由です)
次回も頑張って書きますのでよろしくお願いします!


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Act,13 大神の本気

霊夢のロードスターがエンジンブローをしてしまった今、大神は動いた。果たして大神は幽々子に勝てるのだろうか。


大神は店に置いてあった霊夢のロードスターをじっと見つめていた。オイルが下からサイドフェンダーの方まで漏れ出ていた跡がそこら中に残る。エンジンも燃えたようにボロボロになっていた。かなりの負荷がかかったことがよくわかる。大神は一肌脱ぎ昔の愛車に乗り出した。

一方幽々子は、霊夢のロードスターがエンジンブローしたことが気に食わなくもう一度勝負したいと後悔していた。

その時。

???「あら、どうしたのかしら亡霊さん浮かない顔して。」

幽々子「…電光 光(でんこう ひかる)…。」

光「そうそう、真面目な顔してる貴方の方が亡霊らしくて良いわぁ…。」

南(ついてきたのはいいけど…まさか霊夢の敵討ちとはね…大神も呆れるわ…。)

幽々子「何故、今の貴方はR32を乗る資格なんてないはずでしょ?」

光「あら、何勘違いしてるのかしら…別にRは私の事見てくれているし、私は大神の事を認めたのよ?」

幽々子「けれど数年前に事故を起こして貴方は死んでいると記憶しているけれど?」

光「そうね…確かに死んだわ、でも私は私…西行寺幽々子、貴方にバトルを挑ませてもらうわよ!」

幽々子「…。」

と言うと2人は車に乗りこみ、車をスタート地点に並べた。

南が2台の間に立つとカウントを始めた。

南「それじゃ、カウント始めるわ!」

南「5,4,3,2!」

南「1!」

南「Go!」

2台とも一斉にホイールスピンするが、立ち上がりではRの方が上だ。

光のR32はなんと1000馬力以上ある峠と首都高と両立できるセッティングだ。Rが先行した、幽々子のマスタングは後追いへと後退した。

ストレートをすぎるとコーナーに侵入、幽々子のマスタングは凄い角度でコーナーに侵入するが光のRも負けてはいなかった。

幽々子「流石ね…普通のRじゃないのはわかっていたけれどここまで四輪ドリフトを決めてくるとはね…R乗りは伊達じゃないって事かしら?」

幽々子「けれど、私が後ろに来れば余裕…エレノアはそこまでのどの峠でも速く走れるのよ、こんな暴れ馬を抑えれる人は私くらい。」

光「まだまだ勝負はこれからよ、でもまぁなかなかって所かな…マスタングも速いし暴れ馬な車なのにきちんと制御出来てる…でも。」

光「私のRもそれなりの暴れ馬なのよ、暴れ馬同士どれだけ持つか試してみましょ!」

2台ともドリフトで流していく、だが速いドリフトながら上手く対応していく幽々子。それを見計らって光も追いかける。

一方妖夢達はと言うと、周囲の状況を確認しバトルの行方を待っていた。

妖夢「南、光って実は大神なんじゃないの?」

南「さぁね、ただ光は私の親友だからついてきただけ。」

妖夢「でも、"1度死んだ"ってなんなの?」

南「そのままの意味よ、あの子は1度車と一緒に死んでいるわ。」

妖夢「あの車って…R32の事?」

妖夢「その光のR32ってどれだけ速いの?」

南「誰も勝てた事がないって噂されてる程よ、ただあのグループA R32…ちょっとわけアリでね。」

妖夢「いわく付きの車っていうのかな…確かに霊力は感じられたけど、どちらかと言うと妖力を感じたんだよね。」

南「そう、元々はあのR32はテストカー第1号として出てた車なの…でもドライバーは事故って死亡、あれ以来事故を重ねては人を殺して言った車なの。」

南「今は電光家である光が所有しているのだけれどね。」

妖夢「それって危ないんじゃ…誰も乗りこなせてないどころが人が死んでるんでしょ?」

南「ドライバーが死んでいってるわ…当時のR32はとんでもなく高かったって話だけどね。」

妖夢「…もっとその子の事聞かせて。」

南「わかったわ…あの子は当時首都高や峠とかでめちゃくちゃ速かったって有名で当時の通り名は"稲妻の狐"だったの。」

妖夢「大神と通り名一緒なんだね。」

南「大神は2代目だから。」

南「それでライバルから恐れられていた…ある時首都高でイベントがあって公道を閉鎖した公式レースに彼女は参加した、でもそれが行けなかったのね…。」

南「付喪神がそう言い聞かせたのか…それともR32の独断なのか…彼女はR32の思いを背負いながらガードレールにぶつかり宙をまい、死んでいったわ。」

妖夢「そんな酷い事が…。」

南「今じゃあのR32は彼女の体の一部に過ぎないのよ…だから、彼女は今あのR32から振り下ろされてないのよ。」

光は幽々子から必死に逃げるが幽々子も追いかける、今まであったマージンも既に無くなっていた。だが、両者は一歩も引かない。

4WDのグループA R32と魔改造された初期型マスタング エレノア、そして、幽々子が勝負に出た。

幽々子「見せてあげるわ、西行寺流の勝負の方程式を!」

幽々子「横に並んで伏せてしまえば、貴方のR32でも四駆のトラクションは生かせないはず。」

光「流石は幽々子が改造したマスタングね…ここまでやられるとは…舌を巻くわね。」

幽々子「ここからよ、これから見せるドリフトはアグレッシブな動きをする…一瞬にしてケリがつくわ。」

幽々子が離しに行く、ストレートでは差が詰まるがコーナーで徐々に離されていく。だが差ほど差は開かなく、チャンスを伺っていた。

幽々子が油断する程のチャンスを。

幽々子「差は開かなく、寄っても来ない…貴方のR32なら余裕なはずでしょ?」

幽々子「何か伺っている?」

幽々子「まさか、負けた!?」

幽々子「いや、そんなはずはないわ…必ず何か仕掛けてくるに違いないわ。」

コーナーが多いセクションに来た、幽々子は逃げる、だが光も追いかける。そして、光はなにかに気がついた。

光「何か欠点があるはずなのよ…ジムカーナの経験がある幽々子なら何かボロを出すはず…。」

光「何か欠点が…。」

光「ッ―!」

いよいよゴール地点Sコーナーに入った、左コーナーR32がマスタングの横に並ぶ。

幽々子「!?」

光「あなたの欠点は右コーナーで無理にインに寄せる習性があるわ…つまり…。」

光「"右コーナーが下手くそだ"って事よ!」

右コーナーに入った、すると光のR32は右コーナーになるとイン側へと変わる。インに入られてしまっては幽々子も打つ手は無い、もはやゴールは目前だ。

幽々子「やられた…これじゃスーパーチャージャーの力もドリフトのトラクションの力も発揮出来ない!」

立ち上がりで幽々子のマスタングと並ぶ。しかし、ストレートでは光のR32が物を言っていた。ついには半車身分前に出ていた。

ゴールし勝ったのは光だった。

しばらくし、2人は車のボンネットに座り話していた。光はR32のボンネットがカーボン仕様のためフェンダーに座るほかなかった。

幽々子「ふぅ…完敗ね、それにしてもあんな所からどうやって?」

光「簡単な話しよ、貴方はジムカーナ慣れしてるからあれだけど…下りの時貴方はおよそ数センチ僅かに隙間をあけているのよ。」

光「ジムカーナなら対向車は来ないけど、峠なら対向車が来ると思っていたから貴方に僅かに弱点を与えていたってだけの話しよ。」

幽々子「なるほど…つまりは私は対向車にビビってイン側に寄りすぎてたって話しってことでしょ?」

光「いや、少しアウト側によってたのよ…左コーナーの時は対向車が来た時良けれるかもしれないけど普通車線にいる車が来ても良けれるように貴方は少しアウト側にね。」

幽々子「…そういうこと…それは負けてしまうわね…。」

幽々子「霊夢に伝えておいてくれるかしら…"もう一度勝負'がしたいって。」

光「わかったわ、伝えておく。」

幽々子「ありがとう…"大神"。」

次の日、大神は霊夢のロードスターのエンジンを引き上げ別のエンジンに載せ替えた。ボンネットやトランクなどをカーボンにしFRPパーツに来てあるバンパーやフェンダーをカーボン仕様に変更。ボディもさらに軽量化を加えボディ補強も行った。リトラクタブルも純正の物からカーボン仕様に変更。ウイングはNOPRO製のウイングをそのまま使うが少しウイングを斜めにしダウンフォースを稼げるようにした。そして峠へ。

南がロードスターのテストドライバーになり大神がロードスターの記録を取った。

南「これ…結構凄い車ね…こんなんじゃ足がついて行かないわ…。」

大神「ああ、マジですげぇけど問題は足回りか…NOPROの足回りから良い奴に変えないとマジですっ飛んで行きそうだしな…ついでにスタビライザーも変えないと…所々曲げられてないところがある。」

南「それは、足回りがついてきてないのもあるんじゃないの?」

大神「だからだよ、ところでお前の足大丈夫か…さっきからぶつけてるぞ?」

南「痛い。」

大神「でしょうね。」

南「これは"フルバケ"入れないと霊夢の足骨折するわよ…。」

大神「ついでにロールケージも入れないと、もしもの時があったら…。」

南「そうね。」

といい1度大神の店のガレージに戻り、ロールケージとフルバケットシートを追加した。ロールケージは赤に塗装されており防音剤と内張りを剥がした。そしてフルバケットシートはブリッド製のZETAⅢを使い霊夢の背丈に合うように調節した。もちろん助っ席のシートもフルバケットシートだ。

シートベルトはスパルコの物を使うがこれで前よりも良くなったと言える。そして足回りはBlitz製のDamper ZZ-Rを使い前だけキャンバー角を付けた。ショックアブソーバーやアーム類、メンバーもかなり良いものに変え完全に即ドリ仕様になった。そしてスタビライザーは赤色に塗装してしまったがCUSCOのスタビライザーを使った。エンジンは競技用に組まれた20Bの3ローター仕様のロータリーエンジンで。最高でも300〜450までは出ると大神は判断した。現在は200馬力ちょっとあるがそれでもまだ改造の見込みは沢山ある。あと残すのはメーター類のみだ。

南「あとはメーターのみね…タコメと水温、油温あとはバキューム計も必要ね。」

大神「ああ、メーターはどっかで探せばあるし…ここまで来たら1万以上はぶん回るはずだ、ノーマルスケールのタコメじゃダメだな。」

南「そうね、明日から探す?」

大神「そうだな…でもとりあえずこれで一応完成だ…霊夢に持っていく。」

南「え、これで完成なの?」

大神「ボディやエンジンと足回りは完璧に仕上がったしロールケージやフルバケも入れた、あとはメーターを残すのみだが…これは霊夢に必要な事だ。」

南「ノーマルのメーターで走れってこと言ってるの大神?」

大神「そうだ、あいつには色々と頭使って欲しいからな。」

南(ここまでする大神も始めてね…。)

次の日、霊夢は何も知らず大神の店で席に座り茶を飲んでいた。だが霊夢の後ろ姿はとても哀愁漂う姿であまり気が進まない感じであった。

南「お茶飲んで少しは落ち着いたかしら?」

霊夢「…ええ…。」

南「それは良かったわ、まだロードスターの事気にかけてる?」

霊夢「…。」

南(あら…ド直球過ぎたかしら…。)

南「…ついてきて、貴方にプレゼントを上げるわ。」

霊夢「お金?」

南「お金になるとすぐ飛びつくわね…違うわよ。」

霊夢は南に連れられ、大神の店のガレージの方まで歩かされた。しかし、プレゼントというものは何も無くシャッターが閉まっており車どころか人もいなかった。

霊夢「…これの何処がプレゼント?」

南「お楽しみはここからよ?」

霊夢「からかってるんだったら私帰るわよ?」

大神「からかっちゃいないさ。」

と言うとガレージの中にいた大神はガレージのシャッターを上げ、霊夢に車を見せつけたのだ。霊夢の目には治った赤色のロードスターが映っていた。そう、ロードスターは完璧に治ったのだ。それも進化して霊夢の元に戻ってきたのだ。

霊夢「え…これって…。」

霊夢「ど、どうしたのよこれ…治ったの、この子もう―。」

南「走るわ、言ったでしょ?」

南「"生き返らせてあげる"って。」

大神「エンジンは載せ替えたがな…ほら、自慢の愛車が戻ってきたんだボケっとしてないで乗ってみろよ。」

霊夢「う、うん。」

霊夢はロードスターに急いで乗り込んだ。だが霊夢はあることに気がついた。

霊夢(ドアが軽い…簡単に開けられる…。)

そして霊夢はナビシートに乗るとフルバケットシートのせいでセミバケットより目線が低くなったことに感じた。ハンドルを触ってみると前よりハンドルが重たくなったことを感じた。車の中を見渡すと、見たことがない棒が乗っかっておりそれがロールケージだと気がつくのに数分以上もかかった。さらに、覆いかぶさっていたカバーが外されたことに気がつくとうるさそうだなと霊夢は感じた。そしてクラッチを入れ1足に入れるとクラッチの固さが前より感じるようになり、クラッチを離そうとした時霊夢は何かを感じた。

霊夢「!?」

霊夢はロードスターを発進させ、幻想峠へと向かった。

大神(わかるやつにはわかるんだよなぁ、クラッチを繋いだ瞬間…なんとも言えない違和感って言うのが。)

南「あの子しばらくスランプになりそうね。」

大神「あいつが何処まで気づき、何処まで速く走れるかだろうな…。」

そして霊夢の不敗神話が再び始まろうとしていたのだが、霊夢にはある問題に立ち向かうことになる。




皆様13話、大神の本気を読んでいただき誠にありがとうございます。
最近教習所に通っており、ちょっと暇が無くなってきました。しかし、皆様にいち早く小説が出せるよう努力していきますのでよろしくお願いします。


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萃夢想編
Act,14 再始動


霊夢のロードスターのエンジンは治ったが何故かエンジンの馬力は前より無くなっていた。魔理沙の課題、橙が乗ってきた車。果たしてどうなるのか。


霊夢はしばらく、峠を上ったり下ったりしドリフト練習をしていた。しかし、現実は思ったより良くなく1番難題な問題に立ち向かっていた。

それは、エンジンが思ったより回らないことだ。レブリミットでは8000回転まで回してシフトアップしたり減速しているのにも関わらず、あまりにもパワーが低くなっており乗りずらい車になっていたのだ。

霊夢(な、なにこれ…乗りずら…。)

霊夢(ドリフトしても乱れるし、エンジンパワーが無いせいなのか回転数がぐっと落ち込む…。)

霊夢「いくら攻めても、全然上手くいかない…。」

そして、魔理沙も退院しFDでドリフトし練習をしていた。だが、魔理沙も流石にパワー不足に悩まされていた。さらにさらなるアクセルワークの課題が見つかり少々苦戦していた。飛ばしても飛ばしても、なかなか理想の走りが出来ないことに魔理沙は困惑していた。

魔理沙「ダメだ…もっと素早く、もっと丁寧にやらねーと!」

魔理沙(霊夢だって走り込んでるんだからな、以前の私はまだ雑なところが残ってた…私だってやる時はやるってところ見せてやるぜ!)

魔理沙「ッ―!」

魔理沙(何ビビってんだ、ここでアクセルワークの見せ所だろ…今度は丁寧に!)

だが魔理沙は綺麗にアクセルワークをしようとしてもFDは言う事を聞かずスピンしてしまった。

魔理沙「クソっ!」

2人共、共に苦戦し一人一人の課題があった。

次の日、魔理沙は大神に再びアクセルワークの練習に付き合って欲しいと頼みFDのパワーアップも頼んだ。

大神「アクセルワークとFDのパワーアップねぇ…。」

魔理沙「頼むよ、このままじゃいつ何時バトルになるかわかんねーんだ。」

大神「まぁ、魔理沙のいうこともごもっともだし…パワーアップねぇ…。」

大神(って言っても2ローター仕様のロータリーエンジン…これ以上パワーアップの見込みねーぞ…。)

大神「わかった…とりあえずエンジンスワップっていう手はどうだ?」

魔理沙「エンジンスワップ…載せ替えか?」

大神「ああ、うちには2ローターどころか3ローターや4ローターエンジンがごろごろあるんだ、それなら―。」

魔理沙「ダメだぜ、400馬力あるこのFDだぜ…2ローターでもまだチューンできるはずだぜ?」

魔理沙「大神、ひょっとしてだけどよ…ちゃんと私のFD見てねーな?」

大神「アッヤッパリー?」

魔理沙「おいこら。」

大神「ごめんなさい…本当はめんどくさいだけです…。」

魔理沙「全く、忙しいのはわかるけどよ…私のFDとかちゃんと見て欲しいのぜ…。」

大神「わかったわかった、それは悪かったって。」

大神「うーんまぁ、アクセルワークに関しては俺じゃなくて南に頼んでみるのは?」

魔理沙「え、南のやつアクセルワークに詳しいのか!?」

大神「まぁ、時よりFDやFCとかチューンする時は仕上げに南が乗って仕上げてるからアクセルワークには詳しいはずだぜ?」

南(私に振るか…普通…。)

大神(頼むよ、俺もそこまで詳しい訳じゃないんだ…。)

南(仕方ない…わかったわよ。)

そして、大神と南はテレパシーを送りながら話し南が了承した。

FDがどれだけ速くなり、上り最速を狙えるかは魔理沙次第だ。

早速、魔理沙達が峠へ行こうとした瞬間霊夢が店のドアを開け入ってきた。

霊夢「大神、タイヤ交換お願い。」

大神「おっ、入れ込んでんな…どうだ?」

魔理沙「お、ロードスター治ったのか!?」

霊夢「ええ、治ったわよ。」

大神「流石にエンジンスワップしたがな、あのエンジンはもう使えない。」

魔理沙「そうなのか…それでどんな感じなんだよ?」

霊夢「うーん…どうかな…。」

魔理沙「なんだよ、もったいぶらねーで言えよ?」

霊夢「うーん…遅いんじゃないのかな…パワーないのよあの車。」

文「なんですと!?」

霊夢「文じゃない。」

大神「どっから湧いてきた…。」

文「それより、パワーないってそれは無いと思いますよ…だってあのエンジンは…。」

魔理沙「ん、なんかお前知ってんな?」

霊夢「車仕上げる時に一緒に乗ったの?」

文「それは―。」

文は口を開けると、唯ならぬ目線を感じ文黙りその場を濁した。

魔理沙が峠へ行くと、霊夢は休憩室に行き椅子に座ってロードスターがタイヤ交換から帰ってくるのを待っていた。

文は大神に連れられガレージの方へ向かった。

大神「文、お前いつから見てた…エンジンの事も知ってるわけなんだろ?」

文「エンジンを載せ替える時ですかね…心配ないですよ新聞のネタにはしていませんので。」

大神「そうか…文いいか、これだけは約束しろ。」

文「はい。」

大神「霊夢がエンジンの事をはっきりわかる時まで秘密にしておいてくれ。」

文「霊夢さんにも、課題が?」

大神「ああ、あいつは早くロードスターに乗りたいというのは分かっていたんだ…でも、すぐにきちんと出来たエンジンを渡しても…まだエンジンのありがたみがわからない、それがわかるまでの課題を与えてやってるんだ。」

文「大神さんもなかなか鬼ですね…。」

大神「可哀想だが、これはちょっとした壁を乗り越えなきゃ行けない材料なんだ。」

文「しかし、何故霊夢のロードスター…パワーがないのですか?」

大神「んん、R乗りのお前ならわかるはずだぜ…いやわかってれば誰だってわかるはずだ、ちょっと考えればわかる事だぜ?」

文「うーん、私にはわからないですね…。」

大神「いや、わかんねーならいいや…わかったら俺に言いに来いよ。」

大神「答えはシンプルで超簡単だぜ?」

文「そんなに簡単な問題…大神さんは一体何をしたのかしら…?」

次の日、霊夢は再び幻想峠へと向かった。魔理沙は南にアクセルワークをしごかれ断続的に続くアクセルワークに必死に対等していた。

しかし、霊夢のロードスターは言う事を聞かずパワーとスピードが落ち込む。8000回転まで回しても今ひとつパワーの上がらないロードスターに霊夢は苦戦、だんだんスランプになっていき今まで出来ていたことが出来なくなっていた。魔理沙は完璧なアクセルワークでクリアしていくがいまいち納得がいかず繰り返しドリフト練習をし続けた。

魔理沙「ダメだ、もっと…もっといいアクセルワークが必要なんだ…!」

南「魔理沙、今のあなたは完璧よそれ以上求めてもそれ以外の走りはこのFDには出来ないのよ?」

魔理沙「そんなことないぜ、私のFDにできないことは無いはず…私が成長しない限り、勝ちは絶対ありえねーんだ!」

南「魔理沙!」

魔理沙「!?」

南「これ以上の追求は今の貴方に負担を抱えてしまうわ、それに貴方のアクセルワークは完璧よ…教えることなんか全くないわ。」

南「今の貴方はFDに負担をかけてしまっているわ、今のままの貴方がいいのよ…その先はあったとしても、人によっては今ここの限界点の壁がある。」

南「貴方が乗り越えられる先は長いかもしれないけど、今はその限界点を糧にして走り込みをするしかないのよ…さらに上のアクセルワークを伝授しようたって覚える事が多すぎるもの…。」

魔理沙「…それを乗り越えればいい話じゃねーのか…?」

南「確かにそうだけれど、さっき言った通り限界点という"壁"があるの…その壁はとても簡単に乗り越えられるものじゃないの、とにかく走り込みしかないわけ。」

魔理沙「…わかったぜ、ちょっと冷静さを失ってたな…私。」

といい、幻想峠の頂上にある駐車場に車を止め休憩していた。

魔理沙は難しい顔をし、しばらく飲み物を口にしなかった。南は、魔理沙の顔を見たまま黙ることしか出来なかった。完璧なアクセルワークにこれ以上のテクニックはとても難しい、なかなかできるものでもない。

いくらFDが2ローターエンジンでアクセルワークが必要な車でも、FDにも限界がある。足回りをいい感じにセッティングしてもエンジンの馬力をどれだけ上げても車の限界点が必ず存在する。それは車の大きさや車の重さが関係している訳では無い、いや関係していたとしてもボディの状態やヤレ方、それぞれの状態によっては車の限界点が増えたりもする。

今のFDは馬力を上げ足回りを完璧に仕上げたため、そのパワーを支える為のボディが限界に来ていた。それだけじゃない、魔理沙の今のテクニックではさらに上を望んでも悪い結果しか出ないからだ。

ここは普段練習していることをするしか無かった。

しかし、魔理沙が店に戻ると大神に車の鍵を渡された。

魔理沙「なんだよこれ…。」

大神「FDをパワーアップするんだろ、だったらしばらくはうちでお預けだ。」

魔理沙「なんだよ、今日やるのかよ…前もって言って欲しかったぜ。」

大神「悪い悪い、でもお前が好きなマツダだ…悪くない車だろ?」

と大神が言うと、ある車に指を指し魔理沙にこう答えた。

大神「さらなるアクセルワークの答えが見つかるはずだぜ…?」

そこには大神が作ったデモカー用の黄色いFD3Sだった。型的にスピリットRの最終型だったため、とてもレア級の車を改造したと言える。

エアロパーツはRE雨宮のバンパーにロケットバニーのサイドフェンダーが取り付けられていた。GTウイングはドリフト、サーキット用でどこでも対応できる仕様だった。ホイールはRAYSのTE37UltraのTrackEditionⅡでホワイト塗装がされていた。水温計と油温計、そしてブースト計はGReadyのデジタルメーターだがタコメーターとスピードメーターは純正のメーターのままだったが、よく見ると自作の1万回転まで振ってあるタコメーターに320km/hまで振ってあるスピードメーターが取り付けられていた。あとは電気計と温度計はメータボードの中に埋め込まれていた。

シフトノブなどは純正だがシート系は運転席はRECAROのPro Racer RMSで助手席はPro Racerだった。ベルトも5点式でサーキット仕様の車だとわかった。ロールケージも普通のロールバーと違いとてもごつくNOSも大容量ボンベ3本ある、そして正しい取り付けがされていた。エンジンは3ローターだが足回りは完璧ドリフト仕様の車だ。ステアリングはCommand 2RにSparcoのボタンキットが取り付けられはね上げ式のハンドルだった。ライトは固定ライトだ。

ペダルもメタル仕様でクラッチもとても固かった。

魔理沙「お、おい…これって…。」

大神「今日からお前にはこの"代車"乗ってもらうことにした、パワーはだいたい700以上ある…とんでもないじゃじゃ馬だから気おつけて走れよ?」

魔理沙「でもこれ、大神のデモカーだろ!?」

魔理沙「いいのかよ!?」

大神「大丈夫だ、魔理沙は並のFD乗りより比にならないし…魔理沙ならこいつにぴったりさ。」

大神(それに、たまに走らせないと可哀想だし…あと忙しくてシェイクダウン魔理沙に任せるなんて言えないし…。)

魔理沙「なんだよ急に黙り込んで。」

大神「アッイヤナンデモナイデス。」

魔理沙「変なやつ、まぁありがとよ…これでまたひとつ速くなれるぜ!」

そして、魔理沙は真っ先に幻想峠へと向かうと。大神が作ったFDに驚愕する事になる。

ドリフトする時角度が凄いことになり、必死にアクセルワークで対応する。しかし、半端なアクセルワークではFDは言うことを聞かなかった。

アクセルを踏むと一気にパワーが溢れ出る。ハンドルから伝わるパワー、それを支える足回りとボディ。そして吸い寄せられてもそれを抑えるバケットシート。大神が言った通りのじゃじゃ馬だった。

回転数は大神に言われたとおり1万まで回していいと言われ1万まで回しているが、速すぎてストレートが短く感じる。ドリフトする時の凄さは比にならない。ブレーキもきちんと効き、ダイレクトに伝わるステアリング。トラクションがとても効くFDに魔理沙はもはや驚くことしか出来ない。

ABSとTCSが切れているせいか、とても速い。魔理沙の中にあった思いは完全に吹き飛んだ。そうFDはハンドリングマシンではなければコーナリングマシンじゃない。ハイパワーマシン。とんでもないじゃじゃ馬。魔理沙の中に余裕という文字はすっかり消えていた。

魔理沙「な、なんだよこれ…速すぎるぜ…コーナーもすげぇ入り方で侵入できるし、ストレートも私のFDより比にならないぜ…。」

魔理沙(これが…アクセルワークの頂点か…こんなに難しいとは思わなかったぜ…ディープだぜ…ヒルクライムは…。)

魔理沙「やっぱり大神のやつやってくれるぜ…。」

なかなかパワーのあるFD、魔理沙にとってはこれが理想の車だと信じ走り込みを続けた。走り屋たちには稲妻の狐と勘違いされることが多いが、魔理沙の走りは何処と無く大神よりの走りになりアクセルワークもだんだん出来るようになってきた。

しかし、霊夢はこれ以上やっても上手くならない。多少走り方を変え下りが速くなったとしても、それでもなかなかパワーが上がらず速くならない。

すると、霊夢と魔理沙は幻想峠の頂上でばったりあってしまう。

魔理沙「よぉ、どうよ走り込みは?」

霊夢「随分難しい車ね…どう走っても以前できてた走りが出来ないのよ…。」

魔理沙「やっぱりノーマルエンジンに載せ替えちまったのかな…?」

魔理沙「でもそれならギアやクラッチ良い奴に変えたりしねーもんな。」

霊夢「さぁね、それよりも随分入れ込んでるみたいね。」

魔理沙「大神のFDは最高だぜ、これならいい練習が出来るんだ霊夢にも代車出してやりゃいいのにな。」

霊夢「代車、ね…自分の車以外は運転する気ないし代車なんていらないわよ、大神にもその事伝えてあるし。」

魔理沙「なんだよそれ、金かかるからか?」

霊夢「ぶつけたりしたら保証出来ないし、第一ガソリン代が飛んでいっちゃうわ…。」

霊夢「ただでさえロードスターのガソリン代とローンで日々追われてるって言うのに…確か…あとローンが58回以上あるから…。」

魔理沙「も、もういいぜこっちまで辛くなっちまう。」

と言うと、幻想峠に1台の車がやってきた。車は黄色いMR-2でSW20型だった。幻想峠ではあまり見かけない車で、そもそもSW20を乗ってる人もそんなに居ないと言っても過言では無い。MRエンジンに、初心者ではなかなか扱いにくい車だ。リトラクタブルライトで自然吸気仕様だ。

いざドリフトしようとしても簡単に出来る車ではない。

すると、SWは霊夢達がいる駐車場へと向かい魔理沙が乗っている代車の隣へと止めた。

???「にゃにゃ、霊夢さんじゃないですか?」

霊夢「橙じゃない、珍しいわねいつもはチルノ達と一緒にいるはずじゃない?」

橙「それは寺子屋組達ですよ、たまにフランさんと一緒に走ったりもするんですよ。」

魔理沙「橙、あのSW20はお前のやつか?」

橙「ああ、あれは藍しゃまが特別にと言って貸してもらってる車なんですよ。」

橙「MRエンジンなんで操作はしずらいですけど、そんなの私にかかればおちゃのこさいさいです!」

霊夢「SW、何それどこのメーカーの?」

橙「ええ、霊夢さんこの子のこと知らないんですか!?」

魔理沙「こいつ車のことに関してはかなり疎いからな…それなのにすげぇテクニック持ってんだぜ?」

橙「不思議な人ですね…TOYOTA MR-2 SW20 トヨタが初めてミッドシップエンジンに挑戦した1台です。」

橙「正確には最初に出たのがAW11という車なのですが、その後にモデルチェンジしたのがこのSWなんです。」

霊夢「ミッドシップエンジンってなんなのよ?」

魔理沙「車の後ろにエンジンが乗っかってることを言うんだ、基本前にあるボンネットの中にエンジンが入ってるだろ、それをトランク部分にエンジンを載せてボンネットはトランク代わりにしてるんだ。」

魔理沙「当然エンジンが後ろにあるからドリフトはしずらいがFRよりコーナリングの限界点は高い、だからFR以上のコーナリングフォースを得ることが出来るんだ。」

橙「そうです、馬力はCPUを書き換えしてマフラーも交換したのでだいたい300馬力ってところですね。」

魔理沙「なぁ、ちょうどいいし私と上りで勝負しようぜ?」

霊夢「ちょっと魔理沙、貴方の車代車でしょ…それにかなりハイチューンされてるFDよ?」

魔理沙「それは大丈夫だぜ、どうやらこのFDはブーコン(※ブーストコントローラー)とかスロコン(スロットルコントローラー)とかついてるから300馬力程度なら普通に落とせるぜ?」

橙「ノリますよ、それ!」

霊夢「でも、大神に叱られるわよ?」

魔理沙「大丈夫大丈夫、傷つけなければいいんだろ?」

と言い魔理沙は車に乗り込んだ、橙も車に乗りこみ2台でゆっくりと下っていった。麓に着くと魔理沙が5回アクセル吹かしたらスタートだといい、2台並んだ。魔理沙がアクセルを1,2回吹かす。橙は少し緊張気味だが5000回転まで回して、魔理沙がスタートするのを待っていた。

5回目でスタート、橙は飛び出して行ったが魔理沙はスタートで出遅れた。しかし、それは魔理沙にとっていい事だった。

魔理沙は後追いを選ぶため、また橙の走りを見るためにわざとスタートダッシュで出遅れたのだ。

橙が先行、魔理沙が後追い。一体どちらが勝つのか。

 




14話を見て頂き誠にありがとうございます。むしろこんなので読んでいただける人がいるのにここまで頑張らなきゃと思う所存でございます。各種設定②を作成したのでそちらを参考程度にどうぞ。
もうすぐ2019年も終わりに近づいてきていますね、皆さん年明けはどうお過ごしになりますか?私は年によってですがテレビ見て年明けしましたね(ほとんどの人がそうだと思うぞ)。今度はどっかのイベントで年明けを過ごしたい(汗)。
今回から萃夢想編が始まります。橙は本当は妖々夢編のキャラクターなのですが、萃夢想編に出すことにしました。果たして紫もバトルするかな…?(汗)
これからも頑張って書かせて頂きますのでよろしくお願いします。


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Act,15 理解と違い

急遽橙に勝負を掛けた魔理沙。大神の借りたFDで橙に勝ち何かを得ることができるのだろうか。もしくは何かを失ってしまうのか。魔理沙が橙の速さの違いを見抜けるか、また理解できるのだろうか。


魔理沙がスタートダッシュをわざと遅らせ後ろに着いた。しかし、魔理沙には後ろに着いたのにはわけがあった。それは橙の走りを見ようとも思っていたが他にも彼女には考えがあり、それはいつか言った大神の言葉を思い出し後ろについたのだ。

大神「お前はお調子者だからな、先行を選んではかっ飛ばして先行ぶっちぎりで勝ってきたが。」

大神「1度後ろを走ってみろ、どれだけ相手が早くてもどれだけ相手が遅くてもしばらく後ろを走ってみて相手がどんなに速いかどんなにコーナーを速く攻めれているかがわかる。」

大神「やってみるといいぞ。」

魔理沙「なんでだよ、前走ってればミラーだけで相手の速さがわかるはずだろ?」

大神「それはミラー越しでしかわからないことだ、後ろに着けばさらにわからないことがそこでよくわかるようになる。」

大神「前で走っていたらいつかは抜かれる、相手にそれだけの戦闘力を見せつけてるんだから当たり前だ。」

大神「後追いで走ってみればわかることがある、前ではわからないことも沢山あるだからよ。」

橙のSWと魔理沙のFDは第1コーナーに入る。減速しドリフトで駆け抜けるが、魔理沙は早速あることに気づいた。

そう、橙はドリフトをせずグリップでコーナーをクリアしたのだ。さらに、橙のSWは魔理沙のFDよりブレーキングが遅く減速も浅かった信じられない速度でコーナーに侵入するがブレーキランプはついたままでコーナーをクリアした。

魔理沙(あいつ…まさか左足ブレーキでコーナーをクリアしたのか?)

左足ブレーキはサーキットなどで使われる高テクニックで、当然左足をブレーキペダルに置き左足でブレーキをするがオートマ車と違いMT車では当然初心者がやるとエンストを起こす。いかにクラッチとブレーキを使いこなすかが肝になる。橙はカート上がりでよく幻想峠を走ることがあるため左足ブレーキを軽々とこなすことが出来るのだ。

相手にはオーバースピードで侵入しブレーキランプを焚きながら走るので勘違いされがちではあるが左足ブレーキはとても難しい高度なテクニックだと言える。

魔理沙「なるほどな、橙の走り方はすげぇな…でも勝負はこれからだぜ。」

橙「魔理沙さんには悪いですけど、負けにゃせんよ!」

一方、霊夢の方はと言うと。魔理沙の帰りを待ちながら自動販売機で買ったお茶を飲んでいた。だが魔理沙が上りを指定のは珍しくなかったが橙相手に上りで勝負はとても驚く事態だ。大神から借りているデモカーに上りと言うのは橙にはあまりにも考えられなかった事態であり、わざわざ魔理沙がSW相手に借りたFDを使い自分のテクを試しに勝負する。霊夢はそれだけで魔理沙が成長していると思いつつあったのだ。

霊夢(魔理沙が上りの一本勝負をしてさらに後追いを選ぶなんて…考えられなかったなぁ、私…魔理沙より遅れてるな…早くロードスターの特性を掴んで魔理沙に追いつけるように―。)

と思っていると見慣れない車が1台やってきた。それはミッドナイトブルーの日産 フェアレディZのZ240(S30)だった。しかし、乗っているドライバーが紫だとわかると霊夢はジト目で紫を見た。

霊夢「やっぱりあんただったのね…。」

紫「あら、霊夢相変わらず苦戦してそうね…そのロードスターに。」

霊夢「まぁ…ちょっとね。」

霊夢「それにしても貴方今までハコスカっていうのに乗ってたじゃない、なんなのこの車。」

紫「日産のフェアレディZ S30型ってやつよ、昭和はこれが人気な車でもあったのよ。」

霊夢「へぇ…、それじゃ"こいつ"に霊力…いや妖力があるのは何故かしら?」

紫「これは意志を持って危ない車なの。」

霊夢「意志を持つ車ね…それって付喪神とかそういうのかしら?」

紫「いえ、違うわ…詳しくはわからないけれど…この車は自らドライバーを選んでる車なのよ、外の世界ではこう呼ばれてるのよ。」

紫「"その車はまるで、狂おしく…身を攀じるように走ると言う"てね。」

紫「それで、この車は何度も事故を起こしてるのよ…同姓同名な子を選んでね。」

霊夢「確かにそれは危険ね…下手したら人が死ぬわ。」

紫「実際ドライバーが死んでるわ…2回くらいね。」

霊夢「!?」

紫「最初の事故は"この子"を可愛がってた子でね、明け方に黒いポルシェと勝負してクラッシュ…ドライバーは病院に運ばれた時には既に死でいたらしいわ…。」

紫「そして、その数年後…そのZに選ばれたドライバーも同じように事故で死亡…可哀想な話よね…それで炎上しZは幻想郷にやってきたの。」

霊夢「そんなに危険な車が幻想郷に…。」

紫「幻想郷でも被害は出せないから流石に私が引き取ったわ…この子外の世界では"悪魔のZ"とまで呼ばれた恐怖の車なの…だから私がこのZの"朝倉アキオ"という役を取って私はこの車の本当の命が尽きるまで走らせようと思ったのよ。」

霊夢「つまり、その"朝倉アキオ"っていう走り屋が事故で死んで貴方がその代わりをしてるってわけね。」

霊夢「それでちゃんと成仏するまで走らせてあげたいと…。」

紫「そうよ、そうしないと彼が浮かばれないからね。」

と会話をし、しばらく黙り込むと紫は自動販売機へ向かいコーヒーを買いに行った。"悪魔"とまで呼ばれた謎の妖力持ちのZ、見ただけで速そうな車だと言えるそのカラーリングと状態。外装パーツはオーバーフェンダーに昭和の時代に居そうなフロントエアロパーツにアルミ純正リアバンパー、霊夢が以前つけてたワタナベホイールのより深リムで8スポーク仕様ではあるが黒とシルバーのツートンカラーだとよくわかる。

怪しくも濃く夜の都会に似合う青色、小さめなダックテールスポイラー。車内を見てみると細かいメーターはひとつも無く、ただ320km/hまで振ってあるスピードメーターがメーターボードに収納されていた。それ以外は純正パーツのみで、スペシャルなパーツは特にはなかった。シートはブリッド製のフルバケットシートで霊夢のより違うタイプとわかる。それも運転席だけではなく助手席にも同じフルバケットシートが付けてあった。ベルトはどうやらスパルコ製の5点式シートベルトではあったが、ロールケージはレーシングカーそのものだと言えるだろう。霊夢はエンジンに詳しくなかった、いやメカに詳しくなくエンジンやメーターの事はよくわからなかったがどれだけ速いかは一目見て物凄い車だと理解する。

霊夢はそのZに徐々に惹かれていった、だが首を横に振り自分のロードスターを見た。危険とわかっているその車に手を出せば自分は自分でなくなってしまうんじゃないかと恐怖したからだ。Zそのような力があると霊夢にはそう感じられたからだ。紫はその身を捨てても大丈夫だと思いそのZを乗り続けていると確信するほどだ。霊夢はその"何か"を捨ててしまえば、きっと自分は消えてしまう。霊夢はそう思いあのZに関わらないようにしようと考えた。

一方魔理沙の方は、未だに魔理沙は後ろについていた。だがまだ中間地点、魔理沙は勝負をかける場所を考えしばらく橙のSWを泳がせておこうと思ったのだ。

魔理沙「車の性能のせいなのかはわからねぇけどコーナーは速く左足ブレーキでクリアしてく…でも立ち上がりはこっちの方が上だな。」

魔理沙「ストレートはこっちの方が上だ…多分このバトル…勝てる!」

橙「なかなか離れない…いくら"魔理沙さん"のFDでも速すぎじゃにゃいの!?」

橙「でも、コーナーはこっちの方が上…コーナーに入れば僅かに離すことはできる!」

橙「MRの底力見せてやるにゃ!」

といいアクセルを全開に吹かした。ストレートでは魔理沙に分がある、コーナーでは僅かに遅れをとる。そんな繰り返しをしていると魔理沙が勝負に出た。

橙「にゃ、にゃにぃ!?」

魔理沙「ストレートでアクセル踏むなら馬鹿でもできる、確かに速いけどまだまだだぜ、橙!」

橙「魔理沙さん…この先知らないの?」

橙「この先はキツい右、2台ならで抜かすセクションなんて無いよ!」

2台は減速しコーナーに入る。アウト側にいた橙は必死に外に膨らむのを抑える。魔理沙はインを取っているが魔理沙も外に膨らむのを必死に抑えていた。すると魔理沙は気づいてなかったが、知らず知らずのうちに自分が思った通りのアクセルワークが出来るようになっていた。それは偶然なのか、それが成長なのか今の魔理沙には知る由もなかった。

長く続くコーナー、その時魔理沙のFDが前に出た。しかし、橙のSWのフロントバンパーに接触してしまい傷がついてしまったが魔理沙はお構い無し。次はきつい左、だが魔理沙のFDは前に出ている以上巻き返しは効かない。もうすぐゴールなのだから。

橙「なんで…なんで!?」

橙「こっちはFRより限界の高いMRなんだよ!?」

橙「コーナリング性能ならこっちの方が上なのに…ピーキーなFD相手に負けちゃうなんて!」

橙「冗談でしょ…!?」

と言うと橙はアクセルを抜いた。それは完全なる敗北を意味する。橙は負けを認め自分のできる限りの全力を出しても魔理沙に勝てなかったのだ。魔理沙は真っ先にゴール地点である駐車場へと向かい確実なる勝利を感じた。しばらくすると、魔理沙達は霊夢のいる幻想郷の麓にある駐車場へと向かった。

着くと、霊夢と紫が仲良く楽しそうに話していた。

橙「紫しゃま、いらしたのですね!」

紫「まぁね、少し気分転換にここに来ただけよ。」

魔理沙「いやいや、橙はなかなか速かったけどまだSWのこと全部わかってねーだろ。」

橙「あはは、バレちゃいましたか…最近藍しゃまが乗っていいと認めてもらったばっかりだったので、まだまだ慣れてないんです。」

紫「それでもかなり成長したと思うわよ、時々貴方の運転見せてもらってるけど綺麗にコーナーも攻めれてるし、ドラテクも以前より上手くなってると思うもの。」

橙「本当ですか、嬉しいです!」

霊夢「まぁ、自分の実力がわかった以上いいトレーニングになったんじゃない?」

魔理沙「まぁな、それになんとなくだけど私の理想な走りが出来たと思うし…このまま走れば十分に成長する気がするんだ。」

霊夢「そう、それはいいんだけどさ…あんたどっかでぶつけてきたでしょ…橙のフロントバンパーも傷ついちゃってるけどさ、ドアに傷がついてるわよ。」

魔理沙「え?」

と言うと魔理沙は大神から貸してもらったFDのサイドドアを見ると助手席側のドアに僅かに傷がついており黒ずんでいた。それどころかアルミドアな為凹みが大きく目立つほどの傷つき方だった。

魔理沙「う、うわぁ!!」

魔理沙「やべぇ…やべぇよ…これやべぇよ…大神にバレたらやべぇ…。」

紫「あらあら…きっと橙とぶつかったのね…これ藍に怒られるわよ…?」

橙「わ、私は悪くありませんよ、魔理沙さんがぶつかってきたんですから!」

魔理沙「ヤメロォ!」

魔理沙「ほ、ほら、拭けば傷なんて取れるだろ?」

霊夢「やめなさい魔理沙、何したって取れるわけじゃないんだからそれ。」

魔理沙「う゛そ゛だ゛!!」

霊夢「…。」

次の日、魔理沙が大神にこっぴどく怒られたのは言うまでもないが成長を大神も感じられる物だと実感した。

大神(全く…魔理沙のやつはどんどん先へ行こうとするな…これじゃ俺遅れ取りそうだな。)

大神「俺も練習しなきゃだな。」

大神(ところで…このアルミドア…ピンキリで治すとしたらいくらすんのかね…まずはドア制作からで材料集めると…うわぁ…これからの出費考えるとますます気が重い…。)

と頭を悩ませると店のドアが開く音が聞こえ、大神はレジの方へと向かった。するとそこには紫と藍がそこに居た。

どうやら藍は魔理沙に当てられたSWのフロントバンパーを治して欲しいとの事だった。SWのフロントバンパーを見てみると、傷がついており黒ずんでバキバキに割れていた。

大神(こりゃ…派手にやったな魔理沙のやつ…まぁ小破だけだったからよかったんだろうが…流石にこりゃひでぇわ。)

藍「どうでしょうか、あの魔法使い大神様に借りたFDでぶつけてしまったので許して欲しいと申しておりましたが…あれで許せるとでも…橙と同じように愛していた私のMR-2をここまでされて黙ってられませんよ…。」

大神「まぁな、それは自分の自慢の愛車をぶつけられちゃあれこれ黙ってられねーよな…でも魔理沙の肩持つようで悪いけど、俺のFDはそこまで傷が凄いもんでもないんだよ…だから少しの傷で返してくれたあいつなりに成長してるんだと俺は思うね。」

藍「何がですか、魔理沙が苦労してるのはわかりましたがこれは酷すぎます!」

大神「ま、まぁな…。」

大神(GReadyのエアロパーツ取り寄せんのめんどくさいんだよな…あの手のエアロパーツはあんまり出回ってないし…。)

大神は面倒くさそうに考えていると、あることを思いつき藍に提案してみた。

大神「なぁ、藍…俺とバトルしてみねぇか?」

藍「は?」

大神「ちょっとした懸けさ、お前が勝てばGReadyのフロントバンパー取り寄せてやる。」

藍「それで貴方が勝てば?」

紫「私の車を上げるのは?」

大神「なら、Porscheを貰おう…黄色の930カレラ。」

紫「OK、決まりね。」

藍「え、よろしいのですか紫様?」

紫「大丈夫よ、負けてもポルシェはいくらでもあるしね。」

大神「車は下り専用の車用意しておく、楽しみに待ってな…場所は後程伝える。」

藍「わかりました。」

バトル翌日、場所は幻想峠を大神は指定した。

だが本人はまだ来ない、来ていたのは紫と藍と橙のみだった。

だが紫は楽しみに今回のバトルを待っていた。そう大神が八雲家と勝負するのはこれが初めてではない、あの外の世界では"迅帝"とまで呼ばれたドライバーに勝負をし勝利した獣人なのだから。

するとエンジン音が聞こえてきた、それが大神だとわかる。

2人の目の前に止まると藍達は驚いた。

紫「あら、日産のシルビアじゃない。」

大神「日産シルビアS15のスペックSだ、紫は旧型のシルビア数台持ってたよなS10とかS12とか。」

紫「旧車はいいわよ…クラシックていうのがいいのよ。」

大神「うんそれ言えてる(棒)。」

藍「S15とは…少し反則なのでは?」

大神「そうでも無いぜ、ただこいつはFRの自然吸気なだけでなんのレギュレーション違反な所はない。」

大神「それともお前は同じMR-2みたいなMRの車と勝負しかしてないのかな?」

藍「面白い…私のSWを馬鹿にしますか…。」

大神「それじゃ証明してみろその速さをな。」

啀み合う2人、FRという自然吸気のS15とMRというSW20といったコンセプトの違い。そして理解出来るのは2台とも同じ約300馬力ほどある事だ。

果たして藍は大神に勝てるのだろうか、それとも大神は藍に屈してしまうのだろうか。

 




昨年はお世話になりました…大神です数日すぎてのこの言葉です。流石にあけおめは言えないのが辛いですがお久しぶりです。
皆さんもうすぐ受験ですね、僕も免許を取るために教習所に通っております。あまり理想通りに上手くいかず狙ったとおりの状態でなかなか上手く言ってる感じはしませんがとりあえず頑張っております。
これからもどんどんと出していきたいと思います。是非ともこの小説と私をよろしくお願いします。
あ、あとPS4とNFSHEATゲットしました、なかなか楽しくて冬休みついついやりこんでしまいましt(ry
こうしてると投稿遅れるんですよね、わかります。頑張って書かせて頂きますのでよろしくお願いします。


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Act,16 コンセプト

白い九尾と黄色い九尾との対決。大神はMR(ミッドシップ)相手にどう勝負に出るのか。
また、幻想郷では普段出動しない極珍しいパトカー。
果たして…。


大神は早速車を並べたが、紫がこう提案し始めた。

それは、低馬力の車が先に出て高馬力の車が後追いかけるハンデキャップ方式のスタートの事だった。当然大神は理解したが、藍は大神の馬力を把握しておらずハンデキャップ方式はやめた方がいいと言った。

しかし、大神のS15の方が僅かに20馬力上なのだ。それを考えれば藍に圧倒的な勝敗がつく、藍はSWを並べ車に乗りこみベルトを付けた瞬間スタートした。大神は当然準備が出来ていたため遅れて出た。

藍「まさか紫様がハンデキャップ方式を提案するなんて思いもしなかったけど、これなら余裕ね長めのストレートなら追いつかれちゃうのも無理ないけどコーナーに入れば私の専売特許だ。」

大神「なかなか余裕にスタートしたけどそれが仇とならなきゃいいな。」

大神(それにしても藍がSWに乗ると素早くなるな…それなりにSWの走らせ方を知ってるってことなのかもしれないな。)

大神「だとしたら結構厄介なやつと勝負してることになるな…ちょっと不利だったかもな。」

と言いつつストレートでは圧倒的な加速をみせ藍のSWに追いつく。しかし、コーナーの突っ込み勝負ではSWの方が上だとわかった。

さらに、藍は橙より左足ブレーキが上手くMRでドリフトをするというバトルを相当慣れていると考えられる。

ブレーキングでは大神の方が有利だが、コーナーでは馬力とテクかものを言う。藍は流石に大神のテクニックには少々劣るが馬力が低い為立ち上がりは遅いがコーナーでの速さはピカイチと言えるだろう。

大神(これ結構厳しいかもな…ストレートは余裕なんだが、コーナーで抜くのは諦めよう…ストレートでオーバーテイクして勝負に出るカッコ良さなんてこの際関係ない。)

大神(サーキットでは、カッコ良さなんて通用しない全ては"結果"と"勝負"を掛けたやつが前に出れる…これが鉄則だ。)

大神「でも…肝心な仕掛け所を見誤ったら負けは確定だ、どういう風に出るかそれが肝だろ。」

と考えていると藍は真っ先に勝負に出た。コーナーで僅かにペースを上げたのだ。勿論大神は追いかけるが、ストリートらしい走りとも言える走りは大体タイヤに来るのは大神は知っての事。大神はタイヤを労りながら藍を追いかけに行く。ストレートで200km/h以上出る2台の車、コーナーで圧倒的なブレーキングで攻める。藍はカートの実績もありサーキットでの速さは橙をも超える。だが今の藍はストリートを深くこだわりブレーキングは遅く素早いコーナリングで大神を引き離そうとする。

しかし、大神は藍のブレーキングより遅めにかけコーナリングも藍以上だ。ブーストがかかっている圧はおよそ1.0気圧かかっている。今まで大神は0.8で走っていた、だが今大神はその今出るS15の最大のパワーを使いコーナーやストレートを攻めている。大神は間違いなくタイムアタックレースをやっていた頃より素早くなっていた。それどころか大神の本気はタイムアタックレース以上のものだと言える。

次のコーナーではS15はドリフトなどせずグリップでコーナーをクリアしていた。少し長めのストレートに入ると大神は勝負に出た。しかしまだ、中間区間流石に勝負に出るのは速いと大神は思ったがそんなのもう頭の中には無かった。

ストレートに入ると立ち上がりでSWの横に出る。ストレートではギア比と加速力がものを言う、大神はアクセルを踏み藍のSWの横っ腹を抜いた。

左コーナーに入ると大神は外側で突っ込むことになる。しかし、今の大神にはお構い無しだ。大神のS15がアウトに膨らむ。しかし、次の右コーナーでは大神のS15はインを取った。再びストレートになると大神のS15は圧倒的な加速をみせ逃げに入った。若干下り坂になっているストレートで大きくジャンプを見せる。藍もジャンプするが、気づけば大神のS15は50m離れていた。

藍(そ、そんな…こんなに呆気なく勝負がつくなんて…しかも長めの直線であんなに簡単に抜かしていくなんて…。)

大神(マジになりすぎたかな…もうちょい余裕を持って走ればよかったな、まぁここまでさせた藍には感激だな。)

藍は戦意喪失したのかアクセルを抜き、大神のS15を見守った。

次の日、藍は大神の店に再びやってきた。

どうやら今回の勝負で相当悔しく来ていたらしく勝つまでGReadyのフロントバンパーをつけてもらえないと思っていたからだ。しかし、大神はもういいといい藍の車をガレージへと持っていった。

藍「いいのですか、私は大神様に負けた身ですよ。」

大神「あーなんていうかな、あの時はやってて楽しかったし…あの時の条件はチャラって事でさ。」

大神「治さないっていうのもSWに悪いしな。」

藍「あ、ありがとうございます…!」

藍「所でFD修理中ですか、確か傷はサイドドアのみだったのでは?」

大神「ああ、修理がてら新しいエアロにしようかなと思ってな結構こき使ってたしそろそろいいかなって。」

藍「そういう事でしたか。」

大神「ちなみにBNsportsのフロントバンパーとロケバニサイドフェンダーを買ったんだけど…加工がちょっと必要でさ、なかなかハマらなくてね。」

藍「ロケットバニーのサイドフェンダーにBNスポーツのフロントバンパーじゃ大きさ異なりますし厳しいのでは?」

大神「まぁ、頑張って加工するよ。」

次の日、大神は魔理沙のFDのチューンを終え自分のFDのエアロパーツを加工していた。魔理沙が大神の店にやってくると真っ先に自分のFDへと向かった。

魔理沙「おお、ウイングとボンネット以外変わってねぇ!」

大神「そりゃそうだろ、ウイングを別のやつに変えてボンネットも別のカーボン製のやつに変えたんだから。」

魔理沙「え、カーボンなのかこいつ?」

大神「まぁ、カーボン用にカラー付け足しただけなんだけどさ。」

大神「これで数キロ軽くなるはずだ、でも俺のFDの修理代払ってからだけどな。」

魔理沙「スンマセン。」

魔理沙「それで思ったんだがカーボンのボンネット付けてなんか変わるんか?」

大神「剛性が変わるかな、あとカーボン製のボンネットに変えると数キロ軽くなるんだよ…その分コーナリング速度が変わってくるしね。」

魔理沙「へぇ〜、つまり約数キロの軽量化でコーナリング速度とかが上がったりするってことか…。」

といい車のドアを開け、車に乗り込んだ。勿論大神に修理代を払って。

車内も防音剤と内張以外は特に変更点はなかった、しかしエンジンをかけるとエンジンのうるささに魔理沙は心を再び惹かれ酔いしれていた。

基本車内はエンジンサウンドがあまり聞こえないよう防音剤が入っておりその車内のデザインに繋がる内張りが着いている。

しかし、防音剤と内張りを剥がせば5,6kgも軽くなりコーナーの侵入速度も限りなく向上する。湾岸線のような直線だけのコースではパワーを活かすことは難しい、だが魔理沙のFDは峠では有名だ。さらに魔理沙は峠にしか行かないため、パワーを充分に活かせる。

つまりFDのチューニングは峠向きにセッティングされた車に仕上げたのだ。だが魔理沙が課題としていた更なるアクセルワークが出来なければ大神がチューニングしたFDは完全に乗りこなせない。そういう仕様だ。

大神「よし、お前がどれだけその課題としていたアクセルワークを素早くできるようになったか俺に見せてみろ。」

魔理沙「はぁ、お前も乗るの!?」

大神「はい?」

魔理沙「いや差もなく乗ろうとしないでくれ。」

大神「ナンデヨ、ワタシダッテノリタイジャナイ。」

魔理沙「あ、単にこいつの速さ見たいだけか…。」

大神「それにお前まだ"それ"に慣れてないんだから、チューンした本人が乗らないでどうするよ…まさかシェイクダウンせずに峠攻めようとしてたんじゃねーだろうな…トラブったらどうするつもりだったんだよ。」

魔理沙「シェイクダウン?」

大神「シェイクダウン、つまり慣らしだ…お前慣らし無しに峠攻めれるわけねーだろ…ていうか今までお前慣らし無しで峠攻めてたのかよ。」

魔理沙「そうだぜ、速く走らせたくてたまらなかったからな。」

大神(こいつナニモンだよ…。)

妖怪の山、魔理沙達はそう呼ばれた峠へと向かった。

初めて走る峠でもありシェイクダウンに持ってこいのコースであった。

大神の言う通りコーナーの侵入速度が以前より変化していた。それどころかストレートの速さも前より速く鋭くなった。

魔理沙(すげぇ…コーナーだけじゃねぇ、馬力とトルクが上がったことでストレートも速くなってやがる…!)

魔理沙「これなら、どんな奴が来ても負ける気がしねぇ!」

大神「お気に召したようで何よりだよ、それならアゲーラと勝負してみる?」

魔理沙「マケルキシカシネェ…。」

大神「あはは、冗談だよ冗談…流石に400km/h以上ある車峠に持ってくるようなもんじゃねーしな。」

と大神と笑い話をしていると1台の車とすれ違うことになった。それは日産のフェアレディZ Z33だ。そのZは下りを攻めていたためとても素早かったがそれは今の魔理沙には無意味な事だとわかった。

数時間後、魔理沙は大神に本気で攻めていいと許しが出たため早速下りを攻めることにした。魔理沙のFDが路駐場から出ると再びあのZとすれ違った。だが、あのZはすれ違うと同時にそのZはサイドブレーキを引きホイールスピンをさせUターンし魔理沙のFDを追いかけていった。

大神(さっきのZ33か…確実にペースを上げて俺達を追いかけてきてるな、色は赤か。)

大神(この辺の赤いZ33と言えば…勇義…いや萃香のZか?)

魔理沙「なぁ、大神…あのZ…。」

大神「ああ、萃香だ…噂の"赤鬼"だ。」

萃香「悪いね魔理沙、あまりにも"おいしそうな獲物"だったから自動的に魔理沙に切り替えさせてもらうよ。」

萃香「可愛がってやるから覚悟しておけよ。」

といい魔理沙のFDを煽り続けていた。魔理沙は勝負する気になりS字などが続くワイディングコースでアクセルを踏んだ。コーナーでは魔理沙のFDが有利だが立ち上がりでは萃香のZが勝っている。

次のコーナーでも同じようなことが繰り返されちょっとした駆け引きが続いていた。Z33の車重は約1490kg、約1500kgある事となる。それでいてV6エンジンの自然吸気とは言えど下りでは圧倒的なパワーを見せる。FRながら重いが自然に動いてくれる信用出来る車だと言えるだろう。だが、FDの重量はなんと1260kgしかなく全体的に軽量な車だ。それにさらに大神が軽量化を加えたことにより重さは約1190程軽くなっている。コーナーでは有利なのは確実にFDだ。

そして妖怪の山の峠は妙義山に非常に似ており勝負の掛けどころが考えものである。また妖怪の山は天狗が支配しており6時から8時は基本規制してある時間。しかし、萃香はその時間を無視し妖怪の山によく来ている。魔理沙はその時間を知らず来てしまったため今の現状に至る。

次のコーナーで何か黒い車両が止まっているのが見えた。緩いコーナーに入ると大神は他に別の音が混じっているのに気がついた。ミラーを見るとZ33しか映っておらず、どこにもそのそれっぽい車は見当たらない。しかしその音は確実に聞こえてくるのだ。V型8気筒エンジンの回る音が。

そしてライトが光るのが見えミラーを見るとその車はなんとも信じられない車だった。

大神(なっ―!)

大神(欧米版コルベットパトカー!?)

大神「魔理沙、全力で逃げろやべぇ奴と出会っちまった!」

魔理沙「はぁ?」

大神「信じられねぇ…幻想郷にはいたとしても日本のパトカーだろ、なんでアメリカのパトカーがここにいんだよ…しかもあのエアロパーツからして外の世界では有名な特殊車両車…有り得ねぇ!」

魔理沙「だからどうしたんだよ!?」

大神「四季映姫だよ、四季映姫、あいつが俺たちを追いかけてきてんだよ!」

魔理沙「マジ!?」

大神「迂闊だった…この時間帯大体にして規制時間、四季映姫が追いかけてくるわけだわ。」

魔理沙「ど、どうすればいいんだよ!」

大神「とにかく逃げろ、あのコルベットパトカーはボディ強化していて少しでもぶつけられると俺達が吹っ飛ぶぞ!」

魔理沙「つまり…?」

大神「俺達が死ぬか、大怪我して一生運転できなくなるかだ…俺は死なないけどよ…。」

魔理沙「こういう時にお前不死身発言は良くない。」

大神「とにかく逃げるしかない、四季映姫がいる時点で勝機はない。」

魔理沙「わ、わかったぜ!」

四季映姫に追われる中、大神は焦り魔理沙は必死に四季映姫のコルベットから逃げるしか無かった萃香も当然四季映姫が来た時点で勝負所ではないと考えコルベットパトカーから逃げた。

魔理沙と萃香はこの先どうなってしまうのか。

 

 




皆様お久しぶりです。16話をご覧頂きありがとうございます。
少々遅れ気味の投稿ですが最近再び忙しくなってきたのであまり時間が無く小説を出す頻度もさらに落ちてしまう可能性がありかなり時間がかかってしまいました。時間が空いた時間には小説を出していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
皆様オートサロンへ行きましたでしょうか。私も一眼と一緒に行きましたが今色々と問題が起きており大変な状況、なんとか来年もオートサロンやって欲しい一心です。楽しくそして色々な形やチューニング、エアロパーツなどが見れて美しいのでぜひ来年はよろしくお願いします!
(ホントに…。)

次は魔理沙と萃香がどうなってしまうのか…このまま四季映姫に捕まってしまうのか、それとも全力で逃げることが出来るのか。
次回もぜひ!


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全キャラ各種設定一覧
各種設定①


こちらは各人物と車両設定です、現在のお話とは全く関係ありません。


主人公

 

博麗霊夢(19)

二つ名 楽園な素敵な巫女/赤星の流れ星/紅いロードスター

搭乗車種 MAZDA Eunos Roadster NA6CE

Color クラシックレッド

Eg 13B Rotary Engine(natural aspiration)164.5ps

wheel Watanabe RS Eight Spoke Matt Black/BBS RG-F Gold

Aero Parts メーカー不明バンパーリップ/NOPRO(GT300仕様)

天才的な高テクニックの持ち主、普段はボケっとしており博麗神社の巫女をしている。夜に車に乗りハンドルを握れば別人に変わる。どんなクルマにも負けた事がないが、西行寺 幽々子にエンジンブローで敗北をしてしまう。ロードスターは買った当初からロータリーエンジンが搭載されており下りでも素早いパワーを発揮するがアクセルワークを必要とする。

普通のロードスターはBP(水冷直列4気筒DOHC)エンジンが搭載されておりABSはついていない。リトラクタブルライトが印象的で可愛らしさがある車ではあるが、運転するとドライバーの気分を損ねない運転が出来る。"人馬一体"というキャッチコピーがあるがまさにそれだと言える程の車であろう。オープンカーながら良い車だと言える1台だろう。

 

霧雨魔理沙(18)

二つ名 普通の魔法使い/ロータリーの魔法使い/黄色いFD3S etc

搭乗車種 MAZDA RX-7 FD3S TypeR Bathurst R

Color サンバーストイエロー

Eg 13B-REW Rotary Engine(Turbo Engine) 350ps

wheel Enkei PF05 White/RAYS TE37 SAGA(ホワイト塗装仕様)

Aero Parts EUROU/RE雨宮

博麗霊夢と一緒にいる霧雨魔理沙だが、面白いことがあれば直ぐに飛びつく。車を好きになりすぐにFDを買い、ドリフトを猛勉強した。上りではとても素早い動きをしかなり頭脳派で勝負で長い事勝ってきた。アクセルワークを必要とするFDを難無くこなし今では霊夢と同等に張り合えるかもしれない。FD3Sは初代からロータリーエンジンを搭載されており、コーナリングマシンとしてはとても良い車だと言える。しかし、FDが出た頃の初期は非常に乗りずらい車で直ぐにリアが流れスピンしてしまうという現象がよく起きていた、中期型からではその現象は消えFD乗りがますます増えた。今でもFDは世界から大スターと言う位置におり、今でもFDファンは消えないだろう。

 

紅魔郷編

 

チルノ(年齢不詳)

二つ名 氷の妖精/JDM妖精

搭乗車種 HONDA Civic TypeR EK9

Color アイスブルー(塗装)

Eg B16B VTEC Engine (natural aspiration) 209.9ps

wheel RAYS TE37 Gravel

Aero Parts SPOON

大妖精と仲が良いチルノだが、たまたま高速に行く機会があり環状族の走りを見ていたら憧れたらしくEK9を買ったらしいがエアロパーツやステッカーなどに金をかけ借金をしている。しかし、腕は申し分はないが調子に乗りすぎたり集中力を切らしたりすると運転が雑になり油断しやすくなる。

 

大妖精(年齢不詳)

二つ名 なし/JDMな大妖精

搭乗車種 HONDA Civic SiR EF9

Color ライムグリーン(塗装)

Eg B16A VTEC Engine (natural aspiration) 230ps

wheel WedsSport RN-05M

Aero Parts J's Racing

チルノと仲が良い大妖精、チルノが「シビック買う」の一言で人生がガラリと変わったらしい、多少シビックというモータースポーツに興味を持ち自分グランドシビックを購入。出光EF9に憧れているらしくいつかは出光EF9の助っ席か運転席に乗り凄さを体験したいらしい。

 

紅 美鈴(20)

二つ名 華人小娘/芳華絢爛

搭乗車種 MITSUBISHI FTO GP Version R

Color ドラゴンレッド(塗装)

Eg 6A12 V6 Engine (natural aspiration) 340ps

wheel Enkei RPF1 Matt Black

Aero Parts Veilside

レミリアの意向によりストリートレーシングチームに参加した美鈴、たまたま廃車場に止まっていたFTOがこれから廃車になるということをにとりに聞き可哀想に思ったためFTOにしたらしい。メンテナンスは自分で行いFFながら素晴らしいコーナーワークで攻めレミリアに目を置かれている。

 

小悪魔(年齢不詳)

二つ名 なし/白い小悪魔

搭乗車種 HONDA INTEGRA TypeR DC5

Color チャンピオンホワイト

Eg K20A VTEC Engine Turbo Tune (natural aspiration) 385.1ps

wheel Enkei NTO3RR Matt Dark

Aero Parts C-WEST/J's Racing TypeS Sideskirt&Bonnet Carbon

パチュリーの下に着く小悪魔だが、パチュリーが同じインテグラタイプRに乗っていることから型式は違うが同じインテグラを買ったらしい。しかし、彼女はVTECには邪道だと言われているターボを取り付け上りでも速く走れるようにチューンしたらしい。FFとのバランスはとてもよく並のR(GT-R)なら普通に追いつける程だ。

 

パチュリー・ノーレッジ(19)

二つ名 動かない大図書館/ロイヤルフレア

搭乗車種 HONDA INTEGRA TypeR DC2

Color チャンピオンホワイト

Eg B18C VTEC Engine(natural aspiration) 430ps

wheel ADVAN Racing GT Premium Version Racing Gross Black

Aero Parts VARIS Solid Joker BodyKIT(Carbon)/SPOON Bonnet(Carbon)

パチュリーは基本図書館で本を読んでいるのだがレミリアの意向によりレーシングチームに参加、そのためDC2を買ったらしい。しかし、本当に欲しかった車はDC2ではなくDC1が買いたかったらしいが、なかなかDC1のエアロパーツが見当たらないとにとりに言われた瞬間DC1の購入を諦めた。パチュリーのテクニックはレーシングドライバー並のテクニックの持ち主だが喘息はなかなか治らないため、喘息の薬を飲んではDC2を運転している。

 

十六夜 咲夜(18)

二つ名 完全で瀟洒なメイド/ルナクロック

搭乗車種 NISSAN SKYLINE GT-R BNR34 SpecV Ⅱ

Color ベルサイドブルー(M)スーパーファインコート

Eg RB26DETT (Turbo Engine) 500ps

wheel VOLK Racing RE30(シルバー)

Aero Parts Z-Tune

完全で完璧な従者でメイド長の咲夜、レミリアの意向でレーシングチームに参加。レミリアに目を置かれている存在。エンジンやエアロパーツなどは純正のままだが魔理沙や霊夢と同等に張り合える程のテクニックと車だと言える。基本Zチューンのイメージはシルバーというイメージがあるのだが青色に塗装してある。理由としては以前映画で見た青色のR34に憧れて青色にしたらしい。

 

フランドール・スカーレット(495)

二つ名 悪魔の妹/ロータリー姉妹/レーヴァテイン

搭乗車種 MAZDA RX-7 FD3S TypeRZ

Color 設定変更前ヴァンテージレッド 設定変更後ブリリアントブラック

Eg 13B-REW Rotary Engine(Turbo Engine) 359.8ps

wheel RAYS VOLK Racing GT-C(シルバー)

Aero Parts FEED(藤田エンジニアリング)

魔理沙と同じ車に乗りたいと思い買った車がFD3Sなのだが、設定前は赤色のFDにする予定だったが。頭文字Dの岩瀬恭子と高橋啓介のFD同士のバトルシーンでこんなのがあったなと思い黒色に変更。タービンは魔理沙のと違いシングルタービンを装着、コーナーワークやアクセルワークなど完璧な走りができるフランだが、魔理沙にシングルターボの弱点をつかれ抜かされてしまう。

 

レミリア・スカーレット(500)

二つ名 永遠に紅い幼き月/かりちゅま/カリスマ王女/ロータリー姉妹/スピア・ザ・グングニル

搭乗車種 MAZDA Savanna RX-7 FC3S GT-X (∞)

Color クリスタルホワイト

Eg 13B-T Rotary Engine(natural aspiration) 450ps

wheel RAYS VOLK Racing GT-C(ゴールド)

Aero Parts R Magic

カリスマ性が高くレーシングチームのリーダーであるレミリア・スカーレット。かなりロータリーにはうるさく、FCの事をよく熟知している。テクニックもサーキットでプロ相手に遅れを取らないほどのテクを持っている。ただし時にそのカリスマ力がコケてしまう所もある。

エアロパーツがR☆マジックなのかは、某映画で主人公が乗っていたFCに憧れ同じ前期型のFCに乗りエアロパーツやエンジンなど手を入れるところまで入れタービンも取り付け、本家と同じ仕様に相当なマニアだと言えるだろう。

 

妖々夢編

 

アリス・マーガトロイド(18)

二つ名 七色の人形遣い/不思議の国のアリス

搭乗車種 BMW M3 E92

Color インテルラゴス・ブルー

Eg S65B40A V8 Engine (natural aspiration) 462.4ps

wheel 変更前 純正 変更後 BBS RN Diamond Silver

Aero Parts 変更前 純正 変更後 GT3仕様自作FRP

魔理沙がFDに乗り出したという噂を聞きアリスも車を買ったのだが、まさかの欠陥品だった。そのため大神の店で全て直してもらったのだがなんと改造させてくれるというおまけ付きで、近いうちパチュリーと勝負したいと思っている。

 

魂魄 妖夢(18)

二つ名 半人半霊の庭師/V8の庭師

搭乗車種 Ford Mustang GT 2014

Color オックスフォードホワイト

Eg V8 Engine SuperCharger Tune(natural aspiration) 950ps

wheel RTR Tech 7 Wheel (モンスター・ライトグリーン)

Aero Parts RTR BodyKit

半人半霊の庭師の妖夢だが、唯一V8に魅せられた走り屋だ。ヴァン・ギットンの走りをみて自分も新型マスタングにしたらしい。圧倒的なパワーと圧倒的な排気量で日本車やドイツ車などをおもちゃのように見下していた妖夢なのだが、魔理沙と霊夢との勝負に敗れ今では見下すようなことはしなくなった。しかし、テクニックは申し分ないのだが、霊夢の仕様の時に油断をしたのが仇となった。

 

西行寺 幽々子(年齢不詳)

二つ名 冥界楼閣の亡霊少女/亡霊

搭乗車種 設定変更前Mustang Boss 302 設定変更後Ford Mustang 1964

Color ディープインパクトブルー

Eg V8 Engine TurboCharger Tune (SuperCharger) 852.3ps

wheel Fifteen 52 Tamac R43(インゴット)

Aero Parts Hoonigan仕様自作カーボン

本編でマスタングのBoss302を書いてしまいましたが変更しました、理由はケンブロックは一個上の型のマスタングに乗っていると思ってしまい、もう一度確認すると全然違う初期型のマスタングに乗っていることがわかったため初期型にしました、申し訳ありません。本編の方は問題がない場合そのままに致します、2台持ちと考えてくれれば幸いです。

映画に出ていたマスタングに憧れ自分もマスタングを買ったのだが、ケンブロックの走りを見て初期型のマスタングを買った幽々子、ABSやトラクションコントロールすらない時代の車を軽々と扱い圧倒的なパワーで見ている人達に刺激を与える。またサーキットやジムカーナの経験があるらしく、霊夢が負けた要因でもある。しかし、霊夢がエンジンブローで勝ってても納得いかない幽々子は再び霊夢との挑戦を待ち望んでいる。

 

重要人物

 

電龍 大神(年齢不詳)

二つ名 白い九尾/稲妻の狐

搭乗車種 NISSAN GT-R R35 BlackEdition

Color マスタードイエロー(塗装)

Eg VR38DETT V6 Engine (Turbo Engine) 1000ps

wheel RAYS TE37 ULTRA M-SPEC(ホワイト塗装)

Aero Parts GReady/自作Carbon Bonnet

主です。僕の愛車はいっぱいありますが一応R35にしました。霊夢達にアドバイスとチューン内容などを教えたりしますが時々敵に回る時もあるので要注意人物という設定です。あと元GT500、元GT300ドライバーで南と同じく2年で辞めたドライバーの設定です。あと獣人です。

 

七色狼 南(年齢不詳)

二つ名 水を操る狼/蒼い一匹狼

搭乗車種 SUBARU IMPREZA WRX 22B STi Version WRCテストカーモデル

Color WRブルーマイカー(ソニックブルーマイカ)

Eg EJ20 WRC Tune (Turbo Engine) 500ps

wheel Speedline Type2108 Comp2

Aero Parts WRCチーム仕様

私の獣人の妻です(設定)。元ラリーストで2年でラリードライバーをやめてしまった伝説的な存在、走りに対してはとても知識があり霊夢や魔理沙にきちんとしたアドバイスやチューン内容を教えてくれる。また大神の店の客人や南の店の客人など優しくする事が多く、車にかなり熱がある女性だと言える。また、車には感情があると理論的に考え車との会話または対話をし車のことをよく知っている。だが、南は大のエボ嫌いでインプレッサしか愛さない。

 

八雲 紫(年齢不詳)

二つ名 幻想郷の管理人/夢見る少女

搭乗車種 NISSAN・DATSUN FaireadyZ Z240 S30

Color ミッドナイトブルー

Eg L28 Full tune(natural aspiration) 600ps

wheel Watanabe RS Eight Spork Matt Black

Aero Parts メーカー不明FRP

幻想峠や里峠などを作った創設者でもある、道路の状況を見ては愛車のS30でドリフトや湾岸線を走る。だが紫が乗っているS30はかなりいわく付きの車らしく、紫が持っている車達はいわく付きの車ばかりなので紫も相当物好きだと言える。だが、彼女は新型の車には興味がなく旧車しか愛さない。

 

潮風 桜(23)

二つ名 春に臭うネズミ/桜

搭乗車種 MITSUBISHI LANCEREVOLUTION Ⅸ GSR

Color ローズピンク

Eg 4G63 S耐仕様 (Turbo Engine) 455.8ps

wheel Enkei NTO3RR Matt Black

Aero Parts VARIS S耐/純正ウイング

獣人ではあるが大神や南の下についている桜、南や大神が車に乗っている事が羨ましくエボを買ったらしい。時々南にエボの事で少々口論になるが気にせず乗っている。また、桜はS耐やジムカーナの経験もありエボを軽々扱うテクを持っている。彼女にエボを乗らせたらなんでも振り回せてしまうだろう。

 

潮風 鴉(25)

二つ名 秋に臭うネズミ/秋

搭乗車種 MITSUBISHI LANCEREVOLUTION Ⅷ RS

Color カメレオンパープルアンドイエロー

Eg 4G63 タイムアタック仕様 (Turbo Engine) 453.6ps

wheel SSR GTX01

Aero Parts VARIS Time Attack Ver/純正ウイング

獣人なのだが大神や南の下についている鴉、自分も妹、桜にエボを買えばと言われたため桜と同じくエボを買った。大阪弁ばりばりに話すのだが、実はまだエセ大阪弁なため時々標準語を話す。また、鴉はタイムアタックレースに時々参加し高タイムをたたき出した事もあり、桜とは対象的な走り屋だが車を走らせる技術はむしろ鴉の方が上かもしれない。

 

????

二つ名 初代稲妻の狐

搭乗車種 NISSAN SKYLINE GT-R BNR32 SpecV ll GroupA Version

Color マスタードイエロー(塗装)

Eg RB26DETT Tuned by GroupA(Turbo Engine) 1600ps

wheel RAYS TE37 SAGA (ホワイト塗装)

Aero Parts GroupA仕様/NISMO スポイラー

名の知らないドライバー、だが何処か大神に走りが似ている。首都高や峠で負けなしと呼ばれた稲妻の狐だが、数年前に事故で死んでいる。ひょっとしたら幽霊の可能性が…。

 

 




紅魔郷編と妖々夢編をまとめました、まだ出たていないキャラクターが後ほど出てきます。
車などを細かくまとめましたので本編をご覧になる方は主な仕様はこの各種設定に乗っておりますので参照しながらだとすごくわかりやすいと思います。
次は萃夢想から地霊殿までのシリーズを出したいと思います、出ていないキャラクターなどが出ていた場合は先読み程度になってしまいますがぜひご覧下さい。

読み方に困った場合は。
名前 (年齢)
二つ名(通り名)
車種名

エンジン・馬力
ホイール
エアロパーツ
詳細
となっております、ご理解頂ければ幸いです。


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各種設定②

こちらは各人物と車両設定です、まだ出ていないキャラはいますが。またこの小説は本編のお話と全く関係ありません。


博麗霊夢(19)

二つ名 楽園の素敵な巫女/復活した流星

搭乗車種 MAZDA Eunos Roadster NA6CE

Color クラシックレッド

Eg 20B Rotary Engine(natural aspiration) 247.7ps

wheel BBS RG-F Gold

Aero Parts NOPRO(GT300仕様)

幽々子との勝負でエンジンブローをしてしまった霊夢、そこで大神は裏でエンジンスワップしていた。ロードスターが戻ってくるとエンジンその物が変わったせいか驚きを隠せなかった、しかし霊夢のロードスターはわずかなパワーしか出ず戸惑ってしまう。

 

霧雨魔理沙(19)

二つ名 普通の魔法使い/ロータリーの魔法使い

搭乗車種 MAZDA RX-7 FD3S TypeR Bathurst R

Eg 13B Rotary Engine(Turbo Engine) 435.5ps

Color サンバーストイエロー

wheel RAYS TE37 SAGA(ホワイト塗装)

Aero Parts RE雨宮

事故で入院していた魔理沙だが、ようやく退院する事が出来た。必死になり霊夢に負けないよう必死に練習をしていたのだが、新たな刺客と課題が生まれる。

 

橙(年齢不詳)

二つ名 目にも止まらない化猫

搭乗車種 TOYOTA MR-2 SW20 G Limited

Color ベージュマイカメタリック

Eg 3S-GE (natural aspiration) 300ps

wheel SSR GTX03 Gun Metal

Aero Parts TRUST GReady

紫の下についている式なのだが、時々藍のSWを借りてドリフトをしている。カートの経験もあり、左足ブレーキを常に多用している。だが、まだまだ半人前できちんとSWを走らせられてはいなかった。

 

八雲藍(年齢不詳)

二つ名 スキマ妖怪の式

搭乗車種 TOYOTA MR-2 SW20 G Limited

Color ベージュマイカメタリック

Eg 3S-GE (natural aspiration) 300ps

wheel SSR GTX03 Gun Metal

Aero Parts TRUST GReady

紫の下についている式で、時々橙に貸しているSWで峠を攻めている。整備や改造は自分で行いMRの走り方を完全に知っている。しかしテクでは、紫に劣る場面も。

 

伊吹萃香(年齢不詳)

二つ名 小さな百鬼夜行

搭乗車種 NISSAN FaireadyZ Z33 VersionST

Color プレミアムレッド

Eg VQ35HR V6 Engine (Supercharger) 340ps

wheel ADVAN Racing RG-D2 Matching&Black Gun Metallic

Aero Parts Veilside 350Z Ver.3

萃香は霊夢の神社で時々話しているのだが霊夢が車を持ち始めた為、勇儀に貸してもらっているZ33でドリフトをしている。しかし、酒をよく喰らう萃香は四季映姫に見つかっては長い説教を受けている。

 

リグル・ナイトバグ(年齢不詳)

二つ名 闇に蠢く光の蟲/ホタル

搭乗車種 SUZUKI Cappuccino EA12R

Color ダークダーコイズグリーンメタリック

Eg K6A (natural aspiration)106ps

wheel SSR Formula Mesh FM GOLD

Aero Parts NRF

皆が車に乗っているという噂を聞き自分も試しに乗ってみたらしい、想像以上に車というものがどれだけ楽しいのかがわかり軽自動車だが軽スポーツカーとも呼ばれていてABCトリオともかつては呼ばれていたカプチーノに乗っている。まだまだ初心者なため、遅めなドリフトだが勝負になればグリップ勝負でなんとかしている。

 

ミスティア・ローレライ(年齢不詳)

二つ名 夜雀の妖怪/コーラスドリフター

搭乗車種 DAIHATSU Hijet S210

Color クリスタルホワイト

Eg EF-SE Turbo Tune (natural aspiration) 115.3ps

wheel フロントSSR Performer SP1R Black リア Enkei Apache 2 Matching Gold

Aero Parts BROSTAR/メーカー不明GTウイング

自分の店や祭りの屋台などを営んでいるミスティア、食材を仕入れに行く時は峠を使うため馬鹿らしい改造をしているハイゼット、いわゆる軽トラに乗っている。しかし、峠を攻めている時はとても早くFFながら上手くFドリを使えている。馬鹿らしい改造をしているのにそれがとても魅力的に見える時はミスティアだと言うのがよく分かる。

 

ミスティア・ローレライ(年齢不詳)

二つ名 夜雀の妖怪/本気になったミスティア

搭乗車種 DAIHATSU Copen Active Top L880K

Color DC・シャイニングレッド

Eg JB-DET Turbo Tune (Turbo Engine) 250ps

wheel VOLK Racing TE37 KCR BZ Edition

Aero Parts EUROU

屋台や店を休みにした時やバトルで本気で勝負したい時は、自分の愛車のコペンに乗り峠を攻めている。FRの軽自動車ではあるがドリフトする時はかなりの高テクニックを見せつける。彼女を本気にさせた時は勝負はついている。

 

上白沢慧音(30)

二つ名 知識と歴史の半獣/先生!!

搭乗車種 NISSAN March 12SR Nismo

Color パシフィックブルー

Eg CR12DE (natural aspiration) 330ps

wheel BBS RI-A GOLD

Aero Parts Garage Berry/Impul WING Ver.3

学校(寺子屋)の教師をしている慧音なのだが、夜になると自分の愛車のマーチに乗り峠を攻めている。FFだが、彼女は並のFF乗りなら簡単にぶっちぎりだ。しかし、なぜ彼女はマーチを選んだのか。理由としては生徒の身に何かあったら直ぐに駆けつけれるような車でマニュアルな車、最低でも4人で広々と乗れる車が欲しくマーチを選んだらしい。

 

因幡てゐ/鈴仙・優曇華院・イナバ

二つ名 幸運の素兎/狂気の月の兎/インパクトラビット

搭乗車種 MITSUBISHI LANCEREVOLUTION Ⅳ GSR

Color スコーティアホワイト

Eg 4G63 (Turbo Engine) 428ps

wheel SSR GTV02 Flat Black

Aero Parts 純正RallyArt

てゐと鈴仙は薬を売る時などは常に一緒にいる。たまにてゐの悪戯でエンジンを改造されたり、追加メーターをつけられたりしているが。鈴仙は逆にありがたい気持ちでいる。エボを大事にしていて、対象的な2人だがバトルは素晴らしいタッグだと言えるだろう。

 

八意永琳(年齢不詳)

二つ名 月の頭脳

搭乗車種 MITSUBISHI LANCEREVOLUTION Ⅵ GSR

Color ランスブルー(ソリッド)orアイセルブルー(パール)

Eg 4G63 (Turbo Engine) 450ps

wheel Speedline Type2110 Challenge ホワイト

Aero Parts GP Sports

医者をやっている永琳、ラリーの世界に憧れてエボ6を買ったのだがやむなくジムカーナで大会に出る程度なのだが。峠では素早い走りをする。また正確的な走りをし魅力を見せつける。だが南や大神に負けてしまう。しかし、永琳の車はラリーカーその物。ミスファイヤリングシステムがついているため(鈴仙のエボ4にも同じ機能付き)うるさいがとても速い。

 

蓬莱山輝夜(19)

二つ名 永遠のお姫様/クイーン

搭乗車種 MITSUBISHI GTO Z15A TwinTurbo MR

Color パッションレッド

Eg 6G72 V6 Engine (Turbo Engine) 550ps

wheel WedsSports TC 105X

Aero Parts BOZZ SPEED

きちんとした礼儀と作法で有名な輝夜だが、裏ではゲームばかりしている。ゲームで常に使っていたGTOを現実でも買い、ゲームと同じような仕様にした。ゲームのように扱う輝夜は怖いもの知らずで自分が最速だと言い世間を甘く見ていた。

 

藤原妹紅(19)

二つ名 不老不死の竹林案内人/ファイヤーバード

搭乗車種 TOYOTA SUPRA RZ JZA80

Color スーパーレッドV

Eg 2JZ-GTE (Turbo Engine) 600ps

wheel ADVAN Racing GT Semi Gross Black

Aero Parts Varis Ridox

輝夜にライバル心を燃やしている妹紅。車でも燃やしており愛車として買ったスープラを改造し峠でキレキレな走りをする。常に輝夜と妹紅は峠に行っては下ったり上ったりと勝負をしている。そしてこれまでに輝夜と妹紅はバトルに勝ったことがない。普段は慧音と同じく教師をしているのだが夜になれば峠の走り屋と化す。

 

射命丸文(18)

二つ名 伝統の幻想ブン屋/最速のスクープハンター

搭乗車種 NISSAN SKYLINE GT-R BNR32 S-Tune Nismo

Color ブラックパールメタリック

Eg RB26DETT (Turbo Engine) 変更前517.8ps 変更後520ps

wheel ADVAN Racing GT Premium Version Racing Gold Metallic

Aero Parts S-Tune

新聞やネットでドリフトをしている写真や記事が乗っている時は文が撮っているからなのだが、最近では首都高が盛んらしく自分で首都高用のライバルがどこに居てどのような戦闘力なのかを把握出来るホームページを解説した(首都高ランキングネットというホームページらしい)。ネタに尽きれば自分の愛車に行き峠をグリップで攻める。以前霊夢と勝負した。文は速いには速いのだがプレッシャーに弱く、油断しては負けてしまう。

 

メディスン・メランコリー(年齢不詳)

二つ名 小さなスイートポイズン

搭乗車種 NISSAN Silvia S15 SpecS

Color スパーリングシルバー

Eg SR20DE (natural aspiration) 340ps

wheel ADVAN Racing RF-DF シルバー

Aero Parts Origin Labo Stylish

毒の能力を持っているメランコリーだが、暇な時に自分の愛車でドリフトしに行っている。しかし、ドリフトを始めたばかりであまり有名な方でもなくどのくらいのテクニックの持ち主かは知られていない。

 

風見幽香(年齢不詳)

二つ名 四季のフラワーマスター

搭乗車種 NISSAN SKYLINE 2000GTX-E C110

Color ミッドナイトブルー

Eg SR20DET (Turbo Engine) 500ps

wheel Watanabe RS Eight Spork Matt Black

Aero Parts City auto

花がすきで、荒らしたりしなければ花畑で花見して良いなど言っている幽香。車はスカイラインのケンメリに乗っている、紫と2人で時々オフ会をしているが旧車はあまり乗っている人が少なく寂しい気持ちでオフ会をしている。

 

小野塚 小町

二つ名 三途の水先案内人

搭乗車種 Dooge Charger R/T Patrol Car

Color 白黒パトカー

Eg V8 SuperCharger Tune (SuperCharger) 700ps

wheel CEC C884 Forged Matt Black

Aero Parts フロントガードバリケード/パトランプ

四季映姫の判断で警察(まがい)の事をしている、そのため改造は中身のみという制限がなされ小町も少々困っている。時々サボると四季映姫に怒られてしまうので峠に行ってはドリフトをして犯罪者や走り屋を捕まえている。

 

四季映姫・ヤマザナドゥ

二つ名 地獄の最高裁判長

搭乗車種 Chevrolet Corvette ZO6 ZR1 Patrol Car

Eg V8 TurboCharger Tune (SuperCharger) 900ps

wheel Bregden Spirit Ⅱシルバー

Aero Parts NFS自作エアロ/フロントガードバリケード/パトランプ

四季映姫の判断で白黒ハッキリつけようと警察を実施、無線が入れば直ぐに駆けつけ車を押収する。悪いことをすれば説教または外の世界(日本の法律)法律で裁かれてしまう。ほとんどの走り屋は四季映姫にあったら面倒事に巻き込まれると思われているため、とても恐れられている存在だ。

 

秋 静葉

二つ名 寂しさと終焉の象徴/メープルスモーク

搭乗車種 NISSAN Silvia S14 Q's 前期型

Color スーパーレッド

Eg SR20DE (natural aspiration) 400ps

wheel ADVAN Racing RGⅡGold

Aero Parts Origin Labo Racing Line

秋姉妹と呼ばれている静葉、鴉とは仲がいい。下りではとてつもないスピードでコーナーを抜けほとんどの走り屋からはその走りはキレていると言われている。

 

秋 穣子

二つ名 甘い香りのする神様/グレープスモーキー

搭乗車種 NISSAN Silvia S14 K's 後期型

Color レッドパープル

Eg SR20DET (Turbo Engine) 480ps

wheel AVS Model F7

Aero Parts Origin Labo Racing Line

秋姉妹と呼ばれている穣子、静葉とは対象的で、意見が合わず喧嘩する場面も。上りではとてつもない走りをするほとんどの走り屋からは姉妹揃ってキレてると言われている。そして鴉とはかなり仲が良い。

 

鍵山 雛

二つ名 神秘流し雛

搭乗車種 TOYOTA MR-2 AW11

Color スーパーレッドⅡ

Eg 4-AGELU (natural aspiration) 150ps

wheel Watanabe RS Eight Spork Matt Black

Aero Parts 純正

にとりと仲が良くいつも自分の愛車AW11をいじってくれている。AW11に乗った瞬間人が変わる。そのテクニックは天才的なものだと言える。

下りなら負け無しだと言われていた。

 

河城 にとり

二つ名 水の中のエンジニア

搭乗車種 SUBARU IMPREZA WRX Wagon GGA

Color WRブルーマイカー

Eg EJ20 (Turbo Engine) 350ps

wheel Speedline Type2108 Comp2

Aero Parts WRCレプリカ

にとりはかなりのWRCオタクでWRCカーに憧れている。しかし、金が足りずGDBとGC8を諦め泣く泣くGGAを購入した。南が元ラリーストということもあり、彼女のGC8のエンジンなどをよく観察している。そのためがラリーストらしい走り方をする。彼女に勝てるドライバーと言えば南くらいだろう。因みに彼女が乗っているGGAは涙目型のGGAだという。

 

犬走椛

二つ名 山のテレグノシス/真夜中の白狼

搭乗車種 NISSAN SKYLINE GT-R BCNR33 SpecV

Color クリスタルホワイト

Eg RB26DETT (Turbo Engine) 420ps

wheel ADVAN Racing TCⅡ

Aero Parts Top Secret

文のR32に憧れ自分もエボ3からR33に乗り換えた椛、色々と良い評価が無く批判されたRではあるがその車を難なくこなし。失敗作と呼ばせない走りをする。もはやR33は失敗作では無い、GT-Rとして良い事をしたと誇ってもいいほどだ。また、上りでは四駆の力を見せつけてくれる。

 

姫海棠はたて

二つ名 初々しいスポイラー記者/偽最速のスクープハンター

搭乗車種 NISSAN Silvia S14 K's 後期型

Color スーパーブラック

Eg SR20DET (Turbo Engine) 500ps

wheel WedSports TC 105X (ゴールド塗装)

Aero Parts EUROU

文と新聞の視聴回数で争っているはたて、現在では少しネットのほうで協力的だが2人がGT-Rにしていることに気に食わなく自分はFRでやっていくといいS14に乗っている。乗り換える気は全くないようだが、ドリフトでは人目を奪うほどだ。しかし、どうしても文に勝ちたいらしく時々文と勝負している。

 

東風谷早苗(18)

二つ名 祀られる風の人間/リーフグリーン

搭乗車種 MAZDA Efini RX-7 TypeR

Color リーフグリーン(塗装)

Eg 13B Rotary Engine (Turbo Engine) 420os

wheel RAYS TE37 (ホワイト塗装)

Aero Parts RE雨宮GReady5仕様

彼女は外の世界からやってきた人間だが、ある時FDに目を付け初期型のFD3Sに乗るようになった。エアロパーツはVeilsideのエアロパーツにする予定だったがそれだと車種がわからなくなると思いGReady仕様の雨宮エアロを装着している。そして魔理沙やフランより速いと噂されており首都高でも負け無しと呼ばれているらしい。しかし、実際に魔理沙と勝負したことがないらしく自分では自覚がないらしい。

 

八坂 神奈子(年齢不詳)

二つ名 山坂と湖の権化/クライムロータリー

搭乗車種 MAZDA Savannah RX-3 GT

Color クラシックレッド

Eg 12A Rotary Engine (natural aspiration) 200ps

wheel Watanabe RS Eight Spork Matt Black

Aero Parts Liberty Walk(LB★ワークス)

神奈子は紫の口取りに遊ばれRX-3を買ったが、とても速いと噂されている。F1レーサーがよくやっている左足ブレーキを多用しまるでプロのレーシングドライバーみたいな強さを持っている。まだ神奈子に誰も勝てたことがないらしい。

 

洩矢諏訪子(25)

二つ名 両生類の神様/レインダンサー

搭乗車種 MAZDA Roadster NB8C RS

Color ハイランドグリーンマイカ(塗装)

Eg BP-ZE Turbo Tune (natural aspiration) 250.2ps

wheel SSR Reiner Type6 Prism Dark Gun Metal

Aero Parts NOPRO TypeR

諏訪子はGT300ロードスターに憧れNBロードスターを購入、ドッカンターボチューンながらとてつもなく速い。また霊夢のロードスターのエンジンがどれだけ普通のエンジンじゃないかをも知っている。そのためライバル心を強く抱いている。雨を得意とする諏訪子は狭く視界が悪い峠でも余裕で走れてしまうほどだと言えるだろう。

 

 




まだ出ていないキャラなどいますが、流石にここまでしないと出来ませんでした。次は緋想天から星蓮船までのキャラクターと搭乗車種をご紹介致します。


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