やはり俺が本物を求めるのは間違っているのかもしれない (ゼロ少佐)
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1話

桜舞い散るこの季節 北からの風が

俺の体温を奪っていく

 

いくら外が晴れているといっても、この時期の風はまだまだ冷たい。

 

なので俺はコートをはおり外に出た

 

普段なら家でゴロゴロするか、溜まったアニメを消化するのだが、今日はいつもとは違う

 

珍しく今日はお呼ばれされているのだ

 

そんなこんなで待ち合わせの場所に辿り着いた

 

「ふっ…約束の時間の20分前か…完璧だな」

 

冷たい風が吹き荒れる本日

体を温める為に近くにある自販機でマッ缶を買った

 

手に持つとじんわりとした温かさが腕を包み込む

 

「あら、貴方がこんなにも早く来ているだなんて意外だわ」

 

後ろから声が聞こえてきた。その声の主がいる方向に体を向けるとそこには、我らの部長様の姿がそこにはあった。

 

「こんにちは比企谷君」

 

誰もが振り向くような可憐な少女が

何処にでもいそうで凡才な俺に声を掛けてきた

 

「…よう、今日は何で呼び出したんだ?雪ノ下」

 

そう、数日ほど前11時に駅前に来てと言われ

理由を訪ねたが教えてはもらえかなった

 

「私が貴方を呼び出すのに理由は居るのかしら?」

 

彼女はクスッと微笑みながらそう言った

 

「は?」

 

おっと、頭に出てきた文字がそのまま口に出てしまった

 

「ふふっ…冗談よ」

 

「はぁ…特に用事が無いなら俺は帰るぞ」

 

俺は気だるそうにそう言って俺は後ろを振り返り歩き始めた

 

まぁ、ここまで来て帰るきなんて無いのだが、こうやって言うと彼女は面白いほどに慌て出す

 

「ま、待ちなさい!私が悪かったわ…だから待って!」

 

タタタッと涙目になりながら俺の前に回り込んできた

 

「はぁ…わかったよ 何処に行くんだ?」

 

頬をポリポリかきながらそう応えた。

そうすると彼女はパアァと表情が明るくなった

 

「ねぇ、比企谷君 恋人になってから私への扱いが酷くなってないかしら?」

 

確かにそうかもしれない。以前は俺の事を見下してるような接し方をしていたからな。

別にそれ自体は良いと思っている。彼女にとってそれはコミュニケーションの1つで俺は唯一こいつと言い合える仲だったから

 

それと扱いが酷くなったのは困った時の表情やからかった時の態度が凄く可愛いからだ。

 

以前は全生徒の見本のような凛々しい彼女に憧れていたが、俺は女の子らしい彼女の方が好きだ

 

「そうかもな…でもそれはお前が可愛い過ぎるからいけないんだ」

 

彼女は声になってない声を上げ頬を赤く染めた

 

全く…初対面の時は私かわいいから とか

可愛いだなんて言われ慣れてるから今更言われてもなんともないわって感じだったのにな

 

雪乃「比企谷君、今日はお願いね ついでに行くのはディスティニーランドよ」

 

ニコッと笑い歩き始める

本当は断りたい所だがアイツの笑顔を見ているとそれでもいいかと思えてくる。これが惚れた男の弱味って奴なのか…

 

八幡「はぁ…とことんお付き合いしますよ、お嬢様」

 

手を握り歩き始める

 

八幡「なぁ、いつもより周りからの目線が痛いんだが…」

 

雪乃「そうね、でも私は気にしないわ」

 

お前は慣れてるからいいだろうが俺にはキツいんだよ

 

電車に乗り目的地に向かい始める

昼前なので朝や夕方よりかは人が少ないが

それでも人が多い

 

雪乃「ねぇ、比企谷君…由比ヶ浜さん元気にしてるかしら?」

 

八幡「まぁ、ボチボチだな 最近は俺に話しかける位には回復してる」

 

雪乃「そう、良かったわ」

 

2年の終わり頃俺は由比ヶ浜と雪ノ下に告白された

こんな欺瞞に満ちた関係はもういらない

そう、話し合った結果だ

 

そして終業式の日俺は答えを出した

結果俺は雪ノ下と付き合う事になった

その時は

 

「おめでとゆきのん 悔しいけど…相手が、ゆきの、んなら祝…福できそう だよ」

 

泣きながら彼女は俺達にそう言った

そうして彼女は部室を去っていき

それから連絡が取れなくなった

 

3年に上がってクラス割りを見てみると

俺と由比ヶ浜は同じクラスだった

 

新学期が始まってすぐは物凄く避けられてたが

三浦が由比ヶ浜に「結衣そういうのやめてくんない?

見てるこっちがイライラすんだけど」

と言い 俺を無闇矢鱈避けることは無くなった

 

そして今週由比ヶ浜は俺に謝りに来た

避けるような事をしてごめん

もう大丈夫だからって

 

それでもまだ奉仕部に顔は出さなかった

俺と雪ノ下が一緒に居るのがまだ辛いそうだ

だから少しずつ時間を掛けて元の仲に

直して行こうと思っていると言っていた

 

八幡「なぁ、陽乃さんはどうだ?」

 

雪ノ下と俺が付き合い始めた事を報告したら

陽乃さんは祝福してくれた

だか、陽乃さんは俺に気があったらしく

そこだけは後悔しているようだった

 

最初の頃は面白いおもちゃと思っていたが

文化祭辺りから俺の事を気にしていたらしい

 

そして陽乃さんは俺より…誰よりも本物を求めていた

小さい頃から自分を偽り大衆にウケるようなキャラを作り自分自身すらも偽って生きてきたから

本物という物を否定しながらも1番求めていたのだ

そしてその自分の本心に気がついた時には失恋していたと彼女は俺に話してくれた

 

雪乃「元気になったわよ、貴方のお陰で姉さんとも分かり合えたし 今になっては仲良くやってるわ」

 

この姉妹の溝は物凄く深かった

妹の成長の為なら手段を選ばず

自分さえ嫌われてもいいと思うほどに雪乃の事を

溺愛する陽乃さん

 

憧れながらもコンプレックスを抱き続け

姉の事が嫌いな雪乃

 

この2人を分かりあわせるのは大変だった

 

八幡「そうか、なんか悪いな 俺のせいで色々引っ掻き回してしまって」

 

雪乃「いいのよ、私達が望んでなった事でしょ

姉さんは少し意外だったけど、由比ヶ浜さんのは覚悟していたわ…それに貴方とやっと通じ合えたのだから」

 

そんな恥ずかしい事をしれって言うなよ…

 

八幡「…そうだな」

 

沈黙が訪れた だが、気まずさなんてものはない

むしろこの沈黙が心地よいまでもある

 

雪乃「そんな事より小町さんをどうにか出来ないのかしら?あれだけ貴方と誰かをくっつけようとしていたのに、いざ恋人を作れば小町とお兄ちゃんの時間を奪わないで下さいって…」

 

まぁあいつも大概ブラコンだからな

特に雪乃と付き合い出してあんまり構って

上げなくなってしまったから寂しかったんだろ

 

八幡「すまんな…俺にはどうにも出来ん

俺のシスコンも大概だが、あいつのブラコンは

ちょっと度が過ぎてる」

 

そう、妹大好きな俺が少し引くくらいに

お兄ちゃん大好きっ子になってしまった

 

そうそう、言ってなかったが

小町は無事総武高に合格した

ついでに、か、川 川なんとかさんの弟も

あの頃はまだ雪乃さんと結衣さんと同じ学校に行ける!ってはしゃいでいたのに今になっては…

 

「お兄ちゃん!一緒にご飯食べよ!」

 

「お兄ちゃん!一緒に帰ろ!」

 

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」

 

学校ではいつもこんな感じになってしまった…

わざわざ3年のクラスまで来るなよ

周りからの視線が痛すぎる…

 

雪乃「そろそろ着くわね」

 

八幡「…そうだな」

 

電車に揺られて数十分

目的地に着いた

 

 




何となく試験中に暇つぶしで書いたSSを添削し
こちらに載せてみました

試験の合間に思いついた事をまとめて書いただけの作品なのでグダグダになるかもしれませんが
それでも良ければ次の話もご期待下さい


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2話

「ここに来るのも久しぶりだな」

 

電車をおりディスティニーランド内へ入った

春休みも終わり土日とはいえこの時期は

少し人が少なくなっている

 

「そうね、一色さんの告白の時以来だわ」

 

あれは…うん思い出すのはやめよう

何か恥ずかしくなってくるから

 

「ふふっ、一色さんに責任取ってくださいねって言われたのもここの帰りのようね」

 

なんで知ってんだよ!俺は誰にも話してないぞ

 

「…もういいだろ、こっちだって恥ずかしいんだから……恥ずかしいと言えば」

 

ゴホンと咳払いをし

 

「ねぇ比企谷君、いつか私を助けてね」

 

雪ノ下の声真似をし少し小さめの声で呟く

 

「わ、忘れなさい!」

 

はは、赤くなってる

 

「忘れねぇよ 絶対に

せめてお前を助け出せるまではな」

 

「比企谷君、そういう事を言う時はカッコつけずに素で言った方がいいわよ」

 

んなっ!こいつ! わざわざ恥ずかしいの堪えて言ってやったのに!

 

「でも、ありがとう 私も忘れないから… 「俺は、俺は……それでも俺は、本物が欲しい」どう?似てたかしら?」

 

「完璧だよ畜生 恥ずかしさよりお前の演技力の方が勝って何も言えねぇじゃねぇか」

 

本当にこいつ、なんでも出来るんだから

 

「あら、貴方私の真似もなかなか上手かったわよ…もしかしてストーカー?」

 

「ちげーよ!何でそうなるんだ」

 

「由比ヶ浜さんの真似」

 

「ぐっ…」

 

確かに俺は由比ヶ浜の真似…いや雪ノ下の真似以外は基本下手だ

 

「冗談よ さぁ行きましょ」

 

ギュッと手を握られて引っ張られる

行先は多分パンさんのアトラクションだろう

 

その後色々アトラクションに乗り夕飯を食べ

遊び尽くした

 

「パレードまであともう少しだな」

 

「そうね」

 

前回来た時は見逃してしまったが今回はそんな事にはならなかった

 

「ねぇ八幡、いつか私を助けてね」

 

「っ!あぁ必ず助けてやるからな雪乃」

 

2つの影が1つに重なった

 

「愛してるぜ雪乃」

 

「私も…愛してるわ八幡」

 

手のひらをギュッと握り肩を寄り添う

 

 

 

 

パレードが終わり帰路に着く

 

いつか私を助けてね…か

そろそろ準備を始めないとな…

対大魔王戦のために…

 

「ひ、比企谷君その顔今すぐ辞めなさい 気持ち悪いわ」

 

そんなドン引きするほどひどい顔してたのか?

 

「す、すまん」

「一体何を考えていたのかしら 変態谷君」

 

「そんなんじゃねぇよ!変なあだ名付けるな」

 

恋人になっても変わらないな

だけどこうしたやり取りも

楽しくて好きなんだがな

 

「雪乃、俺が何とかしてやるからな」

 

ハッと驚いたような顔をしていた

 

「えぇ、でも何をするつもりなの?あのお母さん相手に」

 

「まだ決まってない だが策はない訳では無い…」

 

「自己犠牲ね…」

 

「まだ、そうだとは決まってない」

 

そうまだ決まってない

 

「嘘よ 貴方は自分の事を卑下にしているけれど私から見ても中々の高スペックよ そんな貴方がなにかするとするならば自分を雪ノ下に売り込む としか考えられないわ」

 

「そうかもな」

 

「お願い、考え直して…貴方までも雪ノ下の犠牲にしたくないの」

 

無理なお願いだな 雪乃と付き合う事という事は雪ノ下と付き合うという事だ

いくら雪乃が雪ノ下を離れようとしてもその呪縛からは逃れられない

 

「俺は雪ノ下に縛られてもいい お前と幸せに暮らせるのなら…」

 

「比企谷君…」

 

彼女が俯いて喋らなくなった

雪乃には悪いが俺はこんな方法しか知らないんだ

お前の為なら自分すらも売るさ

 

まずはその為に陽乃さんを味方に付けなければ…



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3話

あれから雪乃を家まで送り自宅に帰った

もう時間は9時を超えており 体力もほとんど使い切ってしまった

 

「あれ、お兄ちゃん帰ってきたんだ」

 

妹よ家に帰ってきて開口一番その言葉とはお兄ちゃんは辛いぞ

 

「…ただいま 俺は泊まりに行くだなんて一言言ってないぞ」

 

「いやー雪乃さんと二人きりでディスティニーランド行くって聞いてたから 朝まで帰らないと思ってたよ あ!でも帰ってきてくれた方が小町的にはポイント高いよ!まだまだお兄ちゃん離れするつもりないしね!」

 

「そうか」

 

相変わらずのブラコンっぷりだな

俺が圧倒されてしまうとは

 

「雪乃さんと何かあったの?もしかして〜いい事でもあった?」ニヤニヤ

 

「べ、別に何もねーし」

 

「ゴミいちゃん、バレバレだよ」

 

なんで、こいつはこんなにも察しがいいんだ

 

「もしかしてキスでもした?」

 

え?なんで分かったんだ

 

「図星でしょ」

 

「あ、あぁ」

 

何こいつも俺の心読めるの?

雪乃に陽乃さんといい小町といい

俺にプライバシーなんてものは無いのか?

 

「お兄ちゃん雪乃さんの事を大切にしたいのは分かるけど 女の子をあまり待たせたらいけないよ」

 

そうだな…

 

「あぁ、それとお前雪乃が居ないところでは優しいんだな」

 

「そりゃあまぁ大切なお姉ちゃん候補ですから

でも小町とお兄ちゃんのラブラブタイムを邪魔されるのは嫌だけど」

 

ラブラブって…確かに周りから見たらそうなのかもしれないが兄妹なんだぞ

 

 

 

 

 

その後風呂に入りすぐ眠りについた

 

 

 

 

それから2日が経った

まだまだ外は寒いが

以前より少し暖かくなってきた

もうすぐGWが始まる頃だ

 

 

「ヒッキーやっはろー!」

 

元気な声が聞こえてきた

ピンク色の髪にお団子をつけた女の子がこちらに走ってきた。その豊満なものをたぷんたぷん揺らしながら…

 

「うす」

「ヒッキー今日部活行くでしょ?」

 

「あぁ」

 

「そっか、私も今日から復帰するね、もう私は平気だから」

 

その言葉とは裏腹に少し苦しそうな顔をしていた

 

「そうか、無理はするなよ」

 

「たはは、無理なんてしないよ 私ねゆきのんとヒッキーと3人で居る時間が好きだから だから戻るの」

 

そうかと俺は呟き歩き始めた

コイツは本当に強い子だ

振られた相手にもこうして仲良くしてくれて

その彼女とも上手くやっていこうとしているのだから

 

「由比ヶ浜、これからもよろしくな」

 

「うん!」

これで奉仕部の方は大丈夫だろう

 

 

 

今日にて

 

八幡「葉山、放課後少し時間取れるか?」

 

隼人「ヒキタニ君から話しかけてくるなんて珍しいな」

 

八幡「そうかもな、少し相談がある」

 

隼人「君が俺に?分かった時間作っとくよ」

 

八幡「すまんな」

 

 

 

遠くからハヤハチ来たー!とか聞こえるが聞かなかったことにしよう

 

戸塚「八幡、また無茶してるんじゃないの?」

 

葉山との話が終わり席に着くと戸塚がやってきた

戸塚わいい 癒される

 

八幡「無茶はしていない ありがとな戸塚」

 

戸塚「うん…困った時は僕をたよってね!友達なんだから」

 

八幡「あぁ」

 

友達か…もうボッチは名乗れないな

こんなにいい友達が居るんだから

 

 

 

放課後

 

隼人「やぁ、比企谷 話ってなんだい?」

 

放課後屋上に呼び出し二人きりで話をしている

由比ヶ浜には教室で待機してもらっている

 

八幡「用件は2つだ。1つは陽乃さんの連絡先を教えて欲しい」

 

その時ピクっと葉山の眉間が動いた

 

隼人「別に教えるのは構わないが、大丈夫なのかい?あまりあの人を頼ってたらろくな目に合わないよ」

 

そうかもしれない だけど俺はあの人の事を信頼はしている

 

八幡「そうかもな…だが今回はあの人の力を借りないといけないんだ」

 

隼人「…そうか、あまり無茶はするなよ」

 

葉山の目はどこか遠くを見ているようだった

 

隼人「もう1つは?」

 

八幡「用件と言うより報告だ 一応お前には言っておこうと思ってな」

 

八幡「俺と雪乃は3月の終わり頃から交際している」

 

隼人「っ、そうか…君は逃げなかったんだね」

 

八幡「あぁ」

 

隼人「それで、陽乃さんか。比企谷 雪ノ下は大変だぞ」

 

八幡「分かってる」

 

隼人「あの母親に何されるか…」

 

八幡「覚悟は出来ている」

 

隼人「そうか…それなら俺は応援するよ 君達の事」

 

八幡「サンキュ」

 

そうして葉山が屋上を出ていった

俺も由比ヶ浜に連絡をし屋上に出る

 

 

コンコン

 

「どうぞ」

 

「あら、八幡どうしたの?ノックなんてして」

 

「まぁ、少しな」

 

自分の席に座りバックから本を取り出す

 

「なんでドアを開けっぱにしているのかしら?」

 

「……」

 

「ちょっと、聞いているの?」

 

「すまん、もういいぞ」

 

雪乃はちょこんと首を傾げていた

 

「や、やっはろー!」

 

由比ヶ浜が部室に入ってきた

 

「ゆ、由比ヶ浜…さん」

 

雪乃は今にも泣きそうな顔をしていた

雪乃のそばに居き頭を撫でて

 

八幡「おかえり、由比ヶ浜」

 

結衣「うん!ただいま!ゆきのん!ヒッキー!」

 

彼女は涙を流しながらも元気に挨拶をし俺達に抱きついてきた

 

雪乃「おかえり…なさい由比ヶ浜さん」

 

気がついた時には雪乃も涙を流していた

どこか安心したような嬉しそうな顔をしていた

 

 



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4話

まずい…非常にまずい

何がまずいかって?

雪乃のお母さんに交際の件がバレてしまった

 

GW某日雪乃と2人でお出掛けしていた

朝雪乃のマンションに行き

昼前までゆったりしてご飯を食べ

昼過ぎからブラブラ買い物をしに行っていた

 

そう、それがまずかったのだ

たまたま何かの会合か何かで雪乃の母親が街に出ていたのだ、そして偶然見つかってしまい

そのまま雪ノ下家に連行されてしまった

 

ままのん「陽乃、出て来なさい」

 

ままのんはとある部屋の前で止まり陽乃さんを呼んだ

 

陽乃「なに?お母さん」

 

冷のドアが開くとそこにはTシャツに短パン姿の陽乃さんの姿があった

 

八幡「……」

 

陽乃「比企谷君!?どうしてここに居るの!!

それに雪乃ちゃんまで」

 

バタバタとしながらこちらに駆け寄ってきた

 

八幡「ははは…」

 

もう苦笑しか出なかった

 

その後応接室?みたいな所に連れていかれ

3人で話す事になってしまった

 

雪乃は違う部屋で待たされ俺と陽乃さんとままのんの3人だけになった

 

陽乃「えっと、これはどういう状況なのか説明してもらってもいいかな?」

 

陽乃さんが口を開いた

 

八幡「あ、はい」

 

ままのん「雪乃と楽しそうに手を繋いでデートしていたので連れてきました」

 

キリッとした顔で告げられた

 

陽乃「母さん…流石にそれはやり過ぎじゃないかな…」

 

陽乃さんがドン引きしている

そりゃそうだ俺も未だに何が何だか分かっていないのだから

 

ままのん「いいえ、これは必要な事です

それに貴方も無関係じゃ無いんでしょ?」

 

ビクッと肩が震えていた

 

陽乃「なんの事かな 確かに私は彼に恋していたけど、雪乃ちゃんとの交際に関しては私は何もしていないわよ」

 

そう、交際には何も関係していない

その前の依存の関係は壊したけど

 

ままのん「貴方も比企谷さんの事が好きだったの?」

 

陽乃「えぇ、彼は他の人にはない優れているものを持っていたから 私は惹かれたの」

 

ままのん「それは一体何かしら?」

 

陽乃「普通では思いつかない 斜め下からの考えかた

それに見ず知らずの人すらも助けたり

自分の身を犠牲にしてまで人を救済する程の

優しさ それを実行する行動力」

 

陽乃「それと1番面白いのが私を一目見ただけで私の本心を見抜いた洞察力かな」

 

ままのん「あなたにそこまで言わせるなんて

初めてじゃないかしら?」

 

陽乃「そうね、だって私の初恋の相手だもの」

 

初恋という言葉がグサッと来る

陽乃さんの初恋は誰にも気づかれずに終わってしまったのだから

 

ままのん「では、比企谷さん貴方に質問します

雪ノ下の為に何が出来ますか?」

 

雪ノ下の為…かまだまだ計画段階で

何も完成どころか 手をつけてない計画なのだが

言うしかないか

 

八幡「…そうですね、俺自身が何が出来るかは分かりませんが 雪ノ下の為になるアイディアなら出せますよ」

 

ままのん「続けて」

 

八幡「俺が今計画しているアプリがあるんですが

それのお話をします」

 

八幡「建設に関して過去のデータや顧客データ

その他にも色々な膨大なデータをファイルサーバで取り扱っていますよね」

 

ままのん「えぇ」

 

八幡「それをクラウドサービスを利用し

とあるアプリを開発 そして相手先での突発的に必要になったデータの取り出しを簡略化させようと思っています。その他にもこれからブレインストーミングし、そこから先に進んだらブレーンストーミングし 最終的に形が決まればロジカルシンキングして行こうと思っています」

 

八幡「使う開発環境はIaasSを考えております

そして、雪ノ下建設でのみ使うとするならばプライベートクラウドの利用も考えております

もし開発する人材が居ないのであればアウトソーシングすればいいと思っています」

 

言い切った 今だせる俺の切り札だ

 

ままのん「面白いわね、だけれどわざわざクラウドに乗り換える必要はあるのかしら?」

 

八幡「そうですね、強いてあげるなら業務の効率化ですかね」

 

ままのん「ふふ、気に入ったわ雪乃との交際を認めましょう」

 

八幡「い、良いんですか?」

 

ままのん「今の話が私達の利益になるかは分からないけれど そこまで考えてくれているのなら話は別よ

それと貴方には大学を卒業したら雪ノ下建設に就職してもらうわ」

 

八幡「はい」

 

そういい、大魔王さ去って行った

 

八幡「ふぅ…疲れた…」

 

陽乃「ひ、比企谷君…何処でそんな言葉覚えたの?アウトソーシングとかブレーンストーミングとかは分かるけど、クラウド技術とか勉強してないと分からないわよね」

 

八幡「えぇ、雪ノ下家の為に何ができるか考えました

そこで思いついたのがこれだったんですよ

そこから勉強しながら計画して 徐々に温めて来ていたんですよ まさかこんなに早く使わなければならなくなるとは思っていませんでしたが」

 

陽乃「でも。それって」

 

八幡「十中八九雪ノ下に縛られますね」

 

陽乃「君は…本当に変わらないね…でも今回は面白がれないや」

 

八幡「まぁ、仕方ないですよ」

 

 

 

その後雪乃が部屋にやってきたのだが

何か顔を抑えていた

 

八幡「どうしたんだ?」

 

雪乃「い、いえ あ、あまりにも可笑しか…ったから」フルフル

 

八幡「な、何が?」

 

雪乃「貴方、玉縄ってたわよ」プププ

 

は?玉縄ってた?…玉縄ってだと!?

 

八幡「まじ?」

 

雪乃「えぇw腕回してたわよ」ピクピク

 

マジか、無意識だったわ

 

雪乃「一応、録画取っておいたから 今度一色さんや由比ヶ浜さんでも呼んで見ましょう」クスクス

 

八幡「やめろ!いややめてください!アイデンティティクライシスしちゃうから!」

 

陽乃「ぷぷっ 比企谷君意識高い系になってるわよ」

 

雪乃「ご、ゴメンなさい も、もう抑えられないわ」

 

そこから雪ノ下姉妹に大笑いされた

 

ぁぁぁあああ!やめてくれぇえ!

 

こうして八幡の黒歴史が1つ増えたのであった



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5話

あれから数日が経ち俺は学校をサボってしまった…

 

学校に行くと由比ヶ浜に一色…平塚先生に

何故か葉山まで俺をいじってくるから

 

もうやだ…恥ずかしい…お嫁に行けなくなっちゃう

男だからお婿か…

 

まぁ家に居ても…小町が笑ってくるんだけどね…

 

布団の中で足をバタバタさせていた最中

電話が掛かってきた

 

「…もしもし」

 

スマホをとり誰からか見ると雪ノ下と書いていた

ので電話を出た

 

「おはよう、まだ寝ていたのかしら?

こんな時間にまでなって学校にこないだなんて

手回し谷君はお寝坊さんね」

 

ほら、それだすぐ玉縄ネタで俺をからかってくる

少しお灸を据えてやるか

 

「おい、あんま人を馬鹿にするのは辞めてくれないか?俺だって怒ることはあるんだぞ」

 

「ご、ごめんなさい 貴方だって人間だものね、言われて嫌な事くらいあるわよね…それなのに私…」

 

あぁ、少し言い過ぎたか?なんか自分の事を

卑下に仕出したぞ

 

「悪い悪い、言い過ぎた だけど俺が言いたいのは そっちもあまりやり過ぎるなって事だ」

 

「え、えぇ それでその今日は何で休んだのかしら?」

 

これでお前らがからかわれるのが嫌でサボったとか言えねぇよな…

 

「ちょっと、風邪ひいてな 熱はそんなに無いんだが

大事を取って休んだんだ」

 

こう言っておけば大丈夫だろう

朝に先生に連絡した時も

朝の寝起きボイスを利用し

風邪ひいたから休むと伝えたしな

 

「そうなの、放課後お見舞い行ってもいいかしら?」

 

「え、あ、あぁ いいけど」

 

「そう、なら放課後由比ヶ浜さんと其方に伺うわ」

 

え?由比ヶ浜も来るの?別にいいけど

風邪じゃないってバレたらどうしよ

 

その後2人がお見舞いにやってきた

 

「こんにちは、比企谷君」

 

「やっはろー!ヒッキー」

 

チャイムを鳴らされドアを開けると

2人が元気よく挨拶してきた

 

いや、元気がいいのは由比ヶ浜だけか

 

「わざわざすまんな」

 

風邪ひいてないのに

と少し罪悪感が湧いてきた

 

「いいのいいの!」

 

「そうよ、彼女として貴方の体調管理を徹底しないといけないから来ただけよ」

 

うわぁ、俺が風邪だと完全に信じてやがる

 

「とりあえず上がれよ…」

 

2人はお邪魔しますといい中へ入ってきた

リビングに行くとかまくらがソファで丸くなって

いたのを見た雪ノ下はかまくらに夢中になっていた

 

そんなに寝顔見るの楽しいか?

いや、可愛いけどね?そんなウフフってなるか?

 

「ヒッキーは寝ておかないと!体調悪いんでしょ?」

 

「…あ、あぁ」

 

生返事をし俺は部屋に戻ろうとする

 

「そうだ!私がおかゆ作ってあげる!!」

 

その言葉を聞いた俺と雪ノ下はビクッと体を震わせた

 

「由比ヶ浜、気持ちだけでいい…俺はまだ死にたくない」ガクガク

 

「由比ヶ浜さん、小粥に使う調味料を答えて頂戴」

 

由比ヶ浜はそれくらいわかるよ!

と威張っていたが

 

「砂糖でしょ!!」

 

「うっ、雪ノ下 後は頼んだ俺は部屋に戻る」

 

待って!逃げないでと言っていたが

あいつなら何とかなるだろう

 

そう思い俺は部屋に戻り眠りについた

いや、風邪ひいてないけど寝てないと

何言われるか分からないからね

 

 

 

……ガ……ン

ヒキ……ク……

 

「比企谷君!」

 

「あ、なんだ雪ノ下か どうした?」

 

雪ノ下から体を揺すられ

目を覚ました

 

「いえ、お粥出来たから冷めないうちに食べてもらいたくて」

 

そっか、作ってくれたんだな

できる彼女は違うな

 

「出来る彼女だなんね///」

 

やべ、声出てたか 体を起こし

ヘッドから下り立ち

体を伸ばす

 

「すまんな、何から何まで」

 

そういい下の階へ向かい歩き始めた

 

下に降りると無防備にソファで寝てる由比ヶ浜が居た

 

「いくら何でも人の家で寛ぎ過ぎだろ」

 

そんな由比ヶ浜の横を通り過ぎ

冷蔵庫にあるマッ缶を取り出した

 

「やっぱ寝起きはこれだよな マッ缶最高」

 

ゴクゴクゴクと飲み甘さを体に染み渡された

 

「お粥よそいだから こっちで食べなさい」

 

「サンキュー愛してるぜ」

 

「そういうのはいいから、早く風邪を治しなさい…」

本当によく出来た彼女だ

家事も学業も完璧で容姿もいい

性格に多少難ありだが、今は多少丸くなって

前よりは多分人当たりもいい

 

「いただきます…」あむっ

 

口に入れた瞬間暖温かくて柔らかい米に 丁度いい塩加減…それに真ん中にちょこんと置いている梅干しの酸味が口の中に広がっていった

 

「う、うめぇ!どうやったらこんな美味しいお粥作れるんだよ。」

 

風邪を引いていると言う設定を忘れて

ガツガツとお粥を食べていった

 

「んー、いつの間にか寝ちゃってた見たい

あれ?ヒッキー何食べてるの?」

 

由比ヶ浜が起きたようだ

寝ぼけているのか 目をゴシゴシしながら

こちらに歩み寄ってきた

「雪ノ下がお粥作ってくれたんだよ」

 

「由比ヶ浜さんも食べるかしら? まだ残ってるわよ」

 

それを聞いた由比ヶ浜は食べるー!と元気よく雪ノ下に抱きついていった、ゆるゆり眼福です

 

そんな中俺はひとつの疑問が出てきた

 

「あれ、小町はまだ帰ってきてないのか?」

 

「あら、小町さんから何も聞いていないの?

「友達の所で勉強会して、そのまま泊まることになって居るので兄の看病お願いします(๑>؂•̀๑)」とメールが来たわよ」

 

あいつ、元から雪ノ下に来てもらうき満々だったな

 

「もう夜遅いし そろそろ帰れよ 雪ノ下はまだしも由比ヶ浜は親御さんが心配するだろ?」

 

「それなら大丈夫だよ、ヒッキーの家に泊まってくるって言ったから」

 

そうか、俺の家に泊まってくると言っているのなら安心だな…俺の家に泊まる?

 

「はぁ!?何考えてんだよ!せめて友だちの家とかで濁しておけよ」

 

雪ノ下もアタマイタ-のポーズをしている

 

「私は元から泊まる予定だったし、着替えも持って来ているからいいのだけれど 由比ヶ浜さんはどうするの?」

 

由比ヶ浜があ!?と間抜けな声を出していた

ていうか、彼女持ちの人の家に泊まるって時点でアウトだからな 雪ノ下がここに居るからいいけど 普通なら浮気疑われるからな?

 

「分かった、分かった 小町の下着借りろ

上着は俺のジャージ貸してやるから」

 

「そうね、それが懸命な判断だと思うわ」

 

こうして、何故か3人のお泊まり会が始まってしまった

 

 



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