自我が芽生えた者と王道でない者に祝福を! (シャイニングピッグEX)
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プロローグ

〈本当に一人で行くのかい?〉

 

「....あぁ、彼女にはもう.........傷ついて欲しくないからな....」

 

角を持つ者は様々なテレビが付けられ画面には誰の者かわからない人の目が複数映っていた

 

〈それが今の君の戦う理由かい?〉

 

「俺は見ての通り人型ってだけの機械だ。 Judas(ユダ)を抹殺して世界が平和になっても、この見た目の俺じゃ怖がられるだけだ。」

 

「だが、彼女は違う。 彼女は人間だ」

 

〈しかし、彼女には自我が芽生えていない〉

 

「どうだろうな。 すでに種は蒔かれ近いうち自我が芽生えるかもな」

 

〈それは、彼女次第だ〉

 

「わかっている。 さて、最終決戦だ」

 

〈準備はできてるかい?〉

 

「できてるよ...」

 

角を持つ者は己の背面に装備してあるタクティカルアームズⅡLをソードモードで持ち最後の戦い挑む

 

 

 

 

 

角を持つ者とJudasの戦いは激しいものだった

 

戦闘が起きているタワーは戦闘の余波により激しく揺れ

 

屋上の近くにあるビルも又余波により上層部分が吹き飛ぶ

 

地面は切り裂かれた跡や押しつぶした跡が残り所々に金属のような破片が散っている

 

 

 

 

 

「残る武器はこの刀一本と己の体のみか」

 

角を持つ者は武器の〈ガーベラストレート〉右手だけで持ち構える

 

左の角は中半から折れ、右の眼は潰れすでに見えていない。

 

左腕は肩から無くなり胴体と足の損傷も激しく体の至る所からスポークが発生している

 

 

「.....」

 

対するJudasも無傷とは程遠く機体の至る所からスパークが発生し動きが遅くなっている

 

「次の一撃で決める....!」

 

角を持つ者はJudasの攻撃を避け即座に切りかかる

 

だが、Judasはそれでは終わらなかった。

 

残っている足の二本を使い正面から角を持つ者にぶつける

 

角を持つ者はバーニアを吹かして進んでいたため避ける事が出来ず一本は胴体に、もう一本は右肩に刺さり胴体と別れる

 

しかし、ガーベラストレートはを持った右腕は例え胴体から離れようと刃は真っ直ぐ進みJudasを切り裂き地面に刺さる

 

ガーベラストレートが刺さった地面に近くから罅が発生し罅は徐々に広がる

 

「......Judasは.....殺した.....終わり....d.....」

 

罅がさらに広がりやがてJudasと角を持つ者がいる足場は完全に崩れ暴落する

 

「....アイ...シー...っ?!」

 

角を持つ者は落ちる寸前に入口に女性がいる事に気づき名前を呟きながら落下する

 

「....最後に...彼女の...顔を見れた...のは...儲け...もの...かな...」

 

Judasと角を持つ者は地面にぶつかると爆発を起こしjudasと角の持つ者の体を破壊する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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別れ そして彼に会うために

「ここは.....どこだ?」

 

角を持つ者は次目にした光景は目の前に誰も座っていない椅子以外何もない空間だった

 

「体が....直っている?」

 

角を持つ者は本来なら既に無くなっている左腕と見えないはずの右側が見えていることに気づく

 

「待たせてしまってすいません」

 

「ッ!!」

 

角を持つ者は座っていた椅子から勢いよく立ち上がり突如現れた銀髪の女性に警戒する

 

「お、落ち着いてください。 私は敵ではありません」

 

「お前は....誰だ? Judasの仲間か?」

 

「ユ、ユダ? 誰ですかそれ?」

 

「.......」

 

角を持つ者は女性が嘘をついていない事を心音と目で判断すると警戒を解かず椅子に座る

 

「ふぅ、やっと話が進めますね。 えっと....」

 

女性は手に厚い本を持ちページを捲る

 

「ん? すいません。 名前をうかがってもいいでしょうか?」

 

「名前? なんだそれは?」

 

「記憶がないのかなぁ? 相手から何て呼ばれてたかわかりますか?」

 

「.....角を持つ者と呼ばれていたな」

 

「角を持つ者....ですか....」

 

女性はもう一度ページを捲っていく

 

「あ! ありました! あなたのお名前はアストレイですね」

 

「アスト....レイ....?」

 

「はい、それで貴方の死因は.....っ!」

 

「どうかしたか?」

 

「貴方は.....人間ですか?」

 

「いや、俺は人間ではない。 機械だ」

 

「なぜ人間ではない方がここに?」

 

女性は読んでいたページから数枚戻りながら読んでいく

 

「なるほど....事情は分かりました」

 

女性は本を閉じ本は女性の手から消える

 

「この場合、アストレイさんは人ではないので転生はもちろん天国に行くこともできないので必然的に異世界になってしまうのですがよろしいですか?」

 

「異世界?」

 

「はい、今、異世界は魔王軍による危機に迫っています。 一度、世界を救った一人である貴方には酷ですがどうかお願いします」

 

「......わかった。 引き受けよう」

 

「本当ですか!」

 

「あぁ、ただ.....一つだけ臨みを叶えてくれ」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

「少しだけでいい....あいつに....アイシーに合わせてくれ」

 

「.....わかりました。 あなたは別世界とはいえ世界を救いました。 転生する特典とは別にその願いを叶えましょう」

 

女性は立ち上がり両手を広げるとアストレイのいる地面が光りだす

 

「今から一度だけ。 元の世界に戻しますのでじっとしていてください」

 

「感謝する....」

 

アストレイは頭を下げると光は一層強くなりアストレイは消える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所変わりモニターしかない部屋

 

〈アイシーを抹消する前に.....君には絶望してもらおう〉

 

Judas戦の後アイシーが常に大事そうに持っていた武器が勝手に浮き上がる

 

「ッ!!」

 

アイシーは手を伸ばそうとするが体が動かず伸ばせなかった

 

〈これは、彼の物だったな 確か彼には自我があったはず〉

 

「?」

 

〈彼は、君に惹かれていった。 だから彼はあの時君を先に行かせないために崩したのかもね。〉

 

〈そう、彼は君の事を愛していたからこその行動だろうね〉

 

「ッ!」

 

〈さて、話は終わりだ。 これで終わりだ〉

 

武器は歪みはじめあと少しの所で武器は何者かの手により歪みから抜ける

 

「まさか、最後にアイシーと話すために戻ってきたのにこんなことになっているとわな」

 

〈誰だ!〉

 

「よぉ、ナレーター」

 

〈君は! そんな、ありえない、なぜ君が〉

 

ナレーターとアイシーの前に現れたのはJudasと共に爆発したアストレイだった

 

そかし、アストレイの体は透けており目を凝らせば奥の壁が見えてしまうほどだった

 

「アイシーは動けず原因は不明。 そして敵は多数か.......」

 

アストレイは己の武器であるガーベラストレートを抜刀し構える

 

〈彼女を守りながら戦うことができるのかい〉

 

「できるできないじゃなくてやるんだよ」

 

アストレイはアイシーを庇いながら戦った

 

己の体を酷使し続けた

 

やがて敵は全滅する

 

〈ありえない 全滅させるなんて〉

 

「黙って」

 

〈うっ...うぐっ....う....〉

 

突然の女性の声と共にナレーターはしゃべれなくなる

 

「アイシー?」

 

アストレイは体に力を入れ立ち上がると前にアイシーが来る

 

「ありがとう」

 

「そばにいてくれて、ありがとう」

 

「守ってくれて、ありがとう」

 

「助けてくれて、ありがとう」

 

「私の気持ちを、あなたに伝えたい」

 

「貴方がいるからこそ、どんな困難でも乗り越えられた」

 

「あなたと一緒にいた時間は私の大切な記憶になった」

 

「でも、あなたの温度を感じる肌も 一緒にいたのにあなたの本当の名前も知らない」

 

アイシーはぽつりぽつりと話す

 

「アイシー君はもう戦わなくていいんだ。 これからは君の進む道を君自身が見つけるんだ」

 

アストレイの体は少しづつ粒子となり消えていく

 

「俺はもうこの世にはいないけど君は生きてる。 俺はこの世界とは別の世界でもう一度世界を救うよ。」

 

「もしかしたらそこでもう一度会えるかもしれないな」

 

アストレイの体が突如全身機械から変わり

 

白髪に赤色のメッシュが入り目は緑色をした人の体になった

 

「ここで、人の見になるか.....」

 

アストレイは特に驚くこともなく冷静だった

 

「アイシー、じっとしててくれよ」

 

アストレイは赤色の光るものを加工しチェーンに繋いだものをアイシーの首につける

 

「本当ならJudasを抹殺した後に渡すつもりだったんだがな」

 

アイシーは首につくれられたネックレスを持ち見つめた後にアストレイに向き直る

 

「俺は.....アイシー、君の事を愛している」

 

アイシーはアストレイの突然に告白に少しだけ固まり一気に顔が赤くなる

 

「今だから言える。 俺は君の事が好きだ.....」

 

アストレイは伝える事を終えたのかその場から完全に消えた

 

「ズルい.....ずるいよ....」

 

アイシーはただ一人膝をつきアストレイからもらったネックレスを握る

 

〈ならば。彼に会いに行けばいい〉

 

「っ?! 誰!」

 

〈僕はアストレイの方についていたナレーターだよ〉

 

「アストレイ? 誰それは」

 

〈おいおい、さっきまで君と話してたじゃないか。 まさか、彼は自分の名前を言わなかったのかい?〉

 

「アストレイ....彼の名前」

 

〈そんな沈むことかい? 君たちの会話を聞いていたが彼は消えたのではなくこことは別の世界に行った。〉

 

「それが何? もう、彼には....」

 

〈ならば彼のいる世界に向かえばいい。 幸いにももうここは救われた そして君も彼のおかげで自由の身だ〉

 

〈ならば、ここから先は君の道だ。 僕はまだアストレイと繋がりはあるけど弱い。 だけど君なら.....いや、君だからこそアストレイの所にたどり着ける〉

 

「....場所はわかるの?」

 

〈大体はね。 でも僕でも断定できない〉

 

アイシーの目の前に扉が現れる

 

〈その門を通ったらそのネックレスから発せられる光をたどればいい。 それは君が彼の事を思う気持ちが強いほどより正確に記してくれるはずだ〉

 

「貴方はどうするの?」

 

〈僕はここから動けない。 それに彼に僕は不要だ。 ただ、これを渡しておく〉

 

〈それは、ある条件を満たしたら現れるようになっている。 現れたらそれの中に入ってう音声を聞いてくれ〉

 

「.....わかった」

 

〈さて、それじゃあ、アストレイの元までごあんな~い〉

 

門は勢いよく開くとアイシーは門を通っていく

 

〈ふぅ......この世界も復興を目指して進むかな〉

 

ナレーターは独り言をつぶやき消える



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行き着く始まりの町 その名はアクセル

アストレイはアイシィと別れ再び女神のいる空間へ戻ってきた

 

「戻ってきたか....」

 

「すいません、私一人の力ですとここまでが限界です」

 

「いや、謝る必要はない。 むしろ感謝している 最後に....彼女に.....アイシィに合わせてくれたんだ。 ありがとう」

 

「そう言ってくれますと助かります」

 

「それで、今から向かうその異世界の状況はどうなってますか?」

 

「はい、現在は両者とも戦っているのですが落ちず落とされずの状況です」

 

「俺以外にも異世界に行った奴はいるのか?」

 

「はい、アストレイさんの前にも沢山の人が異世界に行きました」

 

「そいつら、チート?だったか?を貰ったんだよな?」

 

「はい、一人一つ与えてます」

 

「なのに、攻めきれないのか?」

 

「....はい」

 

「そいつら一体何をしているんだ....」

 

「殆どの人がチートを持っている俺強ぇと慢心して死んでます」

 

「他は....」

 

「始まりの町から殆ど動かない自称勇者と前の人は女神を連れて行きましたね!」

 

「女神を? それならすぐに魔王も倒せるはずだが?」

 

「それがその....女神様の頭に問題がありまして.....」

 

「......馬鹿なのか?」

 

「超が付くほどの.....」

 

「......俺が使っていた装備は持っていけるのか?」

 

「はい、ちゃんと持っていけます」

 

「わかった、俺をすぐにその異世界に送ってくれ」

 

「あの、特典の方は?」

 

「必要ない、この装備があれば十分だ」

 

「と言われましても。 決まりでして」

 

「ならば、お前が勝手に決めろ」

 

「わかりました。 では送ります」

 

女神との会話が終わるとアストレイの足元に魔法陣が広がる

 

「では、英雄 アストレイよ。 どうか、私達の世界を救ってください」

 

「.....わかった」

 

アストレイは魔法陣が眩い光を放ち消える

 

「さて、彼に与える特典を考えないと....ん?」

 

女神は特典が書かれている本を開くとある一ページに目をつける

 

「形態変化?こんな特典ありましたっけ?」

 

女神は形態変化の概要を読み進めていく

 

「こ、これは!.......これにしましょう。 いえ、これしかありえませんね」

 

女神は本を閉じすぐに作業を始める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが異世界か.....随分の活気があるな。 前線というより後ろの町といったところ 最初から前線に送らずある程度強くなってから行けということか?」

 

アストレイがその場で考えていると

 

「おい、兄ちゃん! あんたこの町に来たばかりか?」

 

「あ、あぁ、ついさっきここに来た」

 

「そうか! ならばギルドに行くことを進めるぜ! ギルドに行けば冒険者登録ができるからな! 場所はあそこだぜ」

 

「わかった、それではな」(まずは、ギルドに行き冒険者登録をすればいいのだな)

 

アストレイは男に指をさした建物へ向かう

 

 

アストレイは建物の中に入る

 

「いらっしゃいませ。 依頼はあちらに冒険者登録はこちらになります」

 

「すまないが冒険者登録をしに来た」

 

「でしたら千エリスいただきますがよろしいでしょうか?」

 

「ふむ、少し待ってくれ」

 

アストレイは今着ている服のポケットを調べると何も入っていないはずがなぜか硬い物がはいっていた

 

「これでいいか?」

 

「はい、ちょうど千エリスですね。 それではこの水晶に手をかざしてください。 現在のステータスが表示されます」

 

「わかった」

 

アストレイは水晶に手をかざす

 

「ななな、なんですかこれ?! 殆どのステータスが限界値を大幅に超えてる?! これなら全部の職業に.....あれ? 職業が表示されない? 特殊職業?なんでしょうこれ?」

 

受付は特殊職業の文字を押してしまった

 

「え? え?」

 

受付は特殊職業を見てしまった

 

特殊職業の先にはただ一つだけ職業が表示されていた

 

その職業の名は『英雄』

 

ただ一つであった

 

「え、英雄ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

受付の大きい声にギルドにいた冒険者は驚く

 

「英雄だって?!」 「英雄なんて職業あったか?」 「俺、聞いたことがある。 ある条件下でのみ表示される職業でその条件が世界を救ったという条件を達成した人だけがなれる職業だ!」

 

「えっと、それではあなたを我々冒険者ギルドは歓迎します」

 

「すまないが、すぐにクエストに出たい」

 

「はい、ではあそこのボードにクエストが張られていますのでそこからクエストをもってもう一度カウンターにお越しください」

 

アストレイはボードの前に移動する

 

「ふむ、だいぶ残っているな」

 

クエストボードには沢山のクエストが張られているが殆どが上位と呼ばれるクエストだった

 

「その、冒険者になったばかりの人にお願いするのはおかしいと思うのですがどうか上位のクエストをやっていただけないでしょうか?」

 

「お前は.....」

 

「あ、私、ルナっていいます。 それでお願いやっていただけませんか? あ、強制ではないので」

 

「ふむ、上位だろうが殺すのは変わらないが殺した後をどうするか迷っていてな」

 

「討伐した後は冒険者カードを見せていただければ大丈夫です。 冒険者カードには討伐したモンスターが数として表示されますので」

 

「わかった。 それでは期限が近い奴から見繕ってもらっていいですか?」

 

「あ、ありがとうございます! すぐに作ってきますね!」

 

ルナは小走りにカウンターに戻っていった。

 

「さて、この世界のモンスターはどのくらい強いかな」

 

アストレイは一人そうつぶやく



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