俺ガイル短編集 (ゼロ少佐)
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Belive

とある平日の朝

 

いつも通り登校していると、

 

1人で泣いている少女が居た

 

 

 

流石に放置するわけには行かないので 道の端に自転車を止め少女の所に駆けつける。

 

 

 

八幡「どうしたんだ?」

 

 

 

そう呼び掛けると少女はこちらの方を見た

 

見た目的には川崎の妹と変わらない位だな

 

 

 

少女「グスッ お母さんとはぐれたの」

 

 

 

迷子かこの子の母親は何をしているんだ

 

 

 

八幡「どの辺でお母さんとはぐれたか分かるかい?」

 

 

 

あっちの方と指を指す

 

指を指した方は大通りで人が多く、手を繋いでなければ

 

こんな小さな子ではすぐにはぐれてしまうだろ

 

 

 

八幡「そっか、じゃあ一緒にお母さん探しに行こっか」

 

 

 

手を繋いであげ、大通りの方へ出ていく

 

 

 

八幡「君のあ母さんってどんな服来ていたの?」

 

 

 

できるだけ優しい声を出し 少女に母親の事を聞き出す

 

 

 

特徴を纏めるとロングスカートを履いていて

 

上は黒っぽい服を着ているとの事だ

 

これだけでは特定するのも難しいな

 

 

 

人混みの中を歩き 交番が近くにあるのでそこへむかう

 

先生には先に遅刻する旨を伝えてある

 

 

 

交番の前に着くと

 

 

 

少女「ママ!ママーー!!」

 

 

 

お母さんを見つけたのであろう

 

走ってお母さんの元に駆けつけて行った

 

 

 

隣にはお巡りさんがいて、探す手伝いをしてもらっていたようだ。見つかって良かったな

 

 

 

ママ「貴方が!この子を連れていったのね!!」

 

 

 

は?と声が漏れる 俺はこの子が心配で

 

一緒に貴方を探していただけなのに

 

 

 

ママ「お巡りさん!この人を捕まえて頂戴!」

 

 

 

八幡「ちょ!ちょっと待ってくださいよ!俺はこの子が1人で泣いていたから交番に連れてこようと思って!」

 

 

 

声を遮られた

 

 

 

ママ「そんな言い訳はいいわ!何よその目は

 

犯罪者みたいな目をして!その目が証拠よ」

 

 

 

は?目が腐ってるから悪いのか?

 

なんだよそれ…俺はただ…助けたかっただけなのに…

 

 

 

涙が溢れてきて俺はその場を逃げ出した

 

そして、自転車を放置した場所に戻ってきた

 

 

 

警官「ちょっと待ちなさい!」

 

 

 

八幡「何ですか、俺はもう学校に行かなければならないので」

 

 

 

警官「君は、あの子を助けようとしただけなんじゃないのか?」

 

 

 

分かってくれる人はいた

 

 

 

八幡「そうですよ…それなのに何なんですか…

 

目が腐ってるだけで悪いんですか!それだけで悪人になるんですか!善行をしただけなのに…俺は…」

 

 

 

その場を逃げ出した

 

誰にも会いたくなかった

 

何も信じたくなかった

 

 

 

そしてそんな中、学校に着いた

 

 

 

教室に行くと丁度国語の授業中で、休み時間に

 

平塚先生に呼び出された

 

 

 

平塚「比企谷、どういう事だ 何故そんなにも遅刻が多いんだ」

 

 

 

八幡「すみません」

 

 

 

平塚「何か言い訳はあるか?」

 

 

 

八幡「いえ…」

 

 

 

そんな時に他の先生がこちらにやってきた

 

 

 

先生「君が比企谷君だね、ちょっと来なさい!」

 

 

 

平塚「先生、待ってください 今は私と話をしている最中ですよ」

 

 

 

先生が静止しようとする

 

 

 

先生「平塚先生は生徒指導でしたよね、ならここで本題に入ります」

 

 

 

先生「実はさっき苦情の電話が来た

 

総武高の生徒がうちの娘を誘拐しようとした

 

特徴は猫背で目つきが悪い アホ毛の生徒だと

 

言っていた」

 

 

 

平塚「どういう事だ!比企谷!」

 

 

 

ビクッ体が震える

 

 

 

八幡「俺は…何も」

 

 

 

先生「しらばっくれるな!お前が登校してきた時間

 

それに特徴も全部一致してるんだよ!」

 

 

 

八幡「違います…俺はただ」

 

 

 

先生「ただ?なんだ お前がやった事は犯罪なんだぞ!!」

 

 

 

強く怒鳴ってくる

 

そんな時にプチんと何かが切れた

 

 

 

八幡「あなたもそうやって何も聞かずに決めつけるんですね!あの子の母親と同じだ 俺はただ1人で泣いている少女を助けたかっただけだ…それがどうして俺が悪人扱いされなきゃならないんだ!」

 

 

 

そういい、部屋を飛び出す

 

 

 

平塚「待て!比企谷!」

 

 

 

教室には戻らず1人で屋上で黄昏れる

 

人なんてもう信じない…

 

もう誰も助けない 関わらない

 

 

 

そんな時に1人の生徒がやってきた

 

 

 

めぐり「久しぶりだね、比企谷君」

 

 

 

八幡「何ですか、用がないなら出ていって下さい

 

今は誰とも話したくありません」

 

 

 

めぐり「あはは、ごめんね でもさっきの会話聞いちゃったから そういう訳にはいかないかな」

 

 

 

さっきの会話…

 

 

 

八幡「貴方も俺を貶しに来たんですか 帰ってください どうせ俺は目付きの悪い犯罪者なんですから」

 

 

 

近づいてくる先輩を拒絶し丸くなる

 

 

 

 

 

めぐり「ううん、君はそんな子じゃないよ」

 

 

 

優しく髪を撫でていく

 

 

 

めぐり「その子を助けたかったんだよね?放っておけなかったんだよね」

 

 

 

めぐり「正しい事をしたんだよね」

 

 

 

今優しくされたら、また涙が…

 

 

 

グスッ ヒッグ

 

 

 

嗚咽を漏らす

 

 

 

めぐり「今はいくらでも泣いていいよ」

 

 

 

そういいギュッと抱きしめてくる

 

 

 

俺は彼女に身を任せ大泣きする

 

 

 

 

 

屋上のドアの前

 

 

 

平塚「先生、こういう事ですよ…後でちゃんと比企谷に謝って下さい それに私も…」

 

 

 

先生「私は…なんて事を…1人の生徒を信じる事もできずただカッとなって怒鳴りつけ、真相も明らかにせずに」

 

 

 

平塚「誰だって間違いはありますよ

 

だからそれを治していけばいいんです」

 

 

 

先生「はい…」

 

 

 

 

 

 

 

めぐり「もう、落ち着いた?」

 

 

 

八幡「…はい、すみません城廻先輩」

 

 

 

めぐり「いいの、気にしないで 君はいい事をしたんだから本来は感謝されるべきなんだしね…それに辛くなったら私の所においで いつでも慰めてあげるから」

 

 

 

八幡「はい ありがとうございます」

 

 

 

教室に行きバックを部室へ向かう

 

もう時刻は放課後を迎えており

 

 

 

八幡「うす」

 

 

 

結衣「ヒッキー!どこ行ってたの!?」

 

 

 

雪乃「あら、遅刻谷君今まで何処をほっつき歩いていたのかしら」

 

 

 

いつもならどうもない言葉だが

 

今の俺には少し辛かった

 

 

 

平塚「雪ノ下、その辺にしておけ

 

比企谷は何も悪くない」

 

 

 

雪乃「どういう事ですか?」

 

 

 

平塚「比企谷、話していいか?」

 

 

 

好きにしてくださいといい

 

部屋を出る マッ缶でも買いに行こう

 

 

 

帰ってきたら物凄くシーンとしていた

 

 

 

八幡「どうした、お前ら」

 

 

 

雪乃「比企谷君…その見少しだけ直したわ

 

貴方にもそんな良心が残っていたのね

 

ではなくてその、比企谷君今回は良くやったと思うわ

 

奉仕部部長として誇りに思うわ

 

貴方のそういう所好きよ」

 

 

 

結衣「ヒッキー!凄いね!」

 

 

 

い、いきなりなんだお前ら

 

びっくりするじゃねぇか

 

 

 

めぐり「良かったね、比企谷君

 

君には分かってくれる仲間が居るんだよ だから君は1人じゃないよ」

 

 

 

八幡「城廻先輩…

 

そうですね 俺には奉仕部がありましたね」

 

 

 

その後その苦情の件は

 

俺に駆けつけてきた警官の方と

 

先生で対処してくれた

 

 

 

そして全てが片付いた今日…俺は城廻先輩に告白する

 

助けてくれたあの人に…一緒に寄り添いたいと思う先輩に



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それでも葉山隼人は雪ノ下雪乃に認めて貰いたい

春休みが終わり俺らは3年生になった

 

クラス分けがあり 周りの環境も少し変わった

 

そんな中1番変化をしたやつが居た。

 

 

 

俺が大嫌いな葉山隼人だ。

 

 

 

あいつは新年度になってからトップカーストもバラバラになってからというもの みんなの葉山隼人をやめた

 

 

 

勿論三浦は反抗したし 海老名さんはトップカースト軍団を去って行った。

 

男子達は普通に絡んでるようだが、三浦グループに

 

居た奴らは葉山とあまり絡まなくなった。

 

由比ヶ浜はこんなの間違ってるよ!って言ってたが

 

葉山は聞き入れなかった

 

 

 

何で俺がこんな事知ってるかって?

 

嫌な事に葉山と同じクラスでなんと隣の席だからだ

 

 

 

こいつ妙に俺に絡んでくるし

 

競ってくるしうざってぇ

 

 

 

だけど、去年のみんなの葉山隼人よりはマシだ

 

 

 

あ、そうそう俺がいつも本を読んでたせいでこいつも

 

本を読み出した ある日俺に

 

 

 

隼人「比企谷、俺にも読めるようなおすすめの本はあるか?」

 

 

 

とか聞いてきやがった

 

ぼっちの俺に人の本選べってか

 

ハードル高くてそんなの無理だ!

 

と心の中で考えてたが

 

 

 

八幡「お、おぅお前でも読める本か 少し探してみる」

 

 

 

突然の事で了承してしまった

 

俺のバカぁ!どうするんだよこれ!

 

取り敢えず家に帰ってだいぶん前に映画になっていた

 

良作品を渡してみた結果 どハマりしやがった

 

それからというもの、どの本がいいか?だの

 

この本のこれいいよなだの

 

うざったい程絡んでくるようになった

 

 

 

いや、読書仲間が増えるのはいいんだけどね

 

ぼっちの時間を奪わないで

 

それから約1ヶ月が経った現在

 

あいつ…葉山隼人は俺らの部長事雪ノ下雪乃に

 

告白しに行った

 

 

 

即断られたがあいつ執拗に迫った

 

 

 

隼人「どうして僕じゃダメなんだい!僕は雪乃ちゃんに好かれる為に変わった…やっぱり比企谷か?」

 

 

 

雪乃「比企谷君は関係ないわ。それと確かに貴方は

 

変わったわ だけど貴方のことは生理的に無理なの…

 

いえ、無理になったのよ大分昔にね」

 

 

 

隼人「そんな!ならどうしたらいいんだ!」

 

 

 

雪乃「知らないわよ、あ…でももし私が貴方と

 

付き合ってもいいと思えたならいいわよ

 

だから一旦この話は保留にしましょう」

 

 

 

その時雪ノ下が何を考えていたのかはわからない

 

だけど、少し柔らかい表情をしていたような気がした

 

 

 

え?何で俺が知ってるかって?

 

たまたま屋上に居たらあいつら2人が来て

 

出られなくなったのだ

 

 

 

雪乃「さぁ、話も終わった事だし出歯亀谷君出てきなさい」

 

 

 

隼人「えっ!?」

 

 

 

チッバレてたのか

 

 

 

八幡「すまんな…覗くつもりはなかったんだ」

 

 

 

雪乃「あら、犯罪者はみんなそう言うのよ?」

 

 

 

八幡「そうですか、悪うござんした」

 

 

 

雪乃「えぇ、本当によ」

 

ここで葉山が俺に突っかかってきた

 

 

 

隼人「比企谷!どうしてこんなことを?」

 

 

 

八幡「仕方ねぇだろう 屋上でのんびりしてたら

 

お前らが来て出られなくなったんだから」

 

 

 

隼人「そ、そういう事だったのか すまん…」

 

 

 

雪乃「ねぇ、比企谷君、比企谷君は私と葉山君が

 

お付き合いしたらどう思うかしら?」

 

 

 

何聞いてやがるんだ 本人が居る目の前で

 

 

 

八幡「そうだな…考えた事ないから少し待て」

 

 

 

真剣に考えてみた

 

雪ノ下と葉山が交際する姿を

 

 

 

八幡「まぁ、一般論からなら似合ってるんじゃねえか?家柄も学業も容姿も互いに優れてるからな」

 

 

 

この時葉山の顔が凄く明るくなった

 

わかりやすいなこいつ

 

 

 

雪乃「では、比企谷君個人としての意見は」

 

 

 

八幡「嫌だ…胸が物凄く締め付けられた

 

俺にも分からないが吐き気までしてきた

 

どうしようもないこの気持ちをどこかに

 

ぶつけたくなった」

 

 

 

雪乃「ふふっ、比企谷君その気持ち教えてあげましょうか?」

 

 

 

八幡「なんだ分かるのか?この気持ち悪い程の痛みの正体を」

 

 

 

雪乃「それはね」

 

 

 

隼人「待ってくれ!それは自分で見つけるべきだ!

 

俺だってその気持ちの正体位知っている」

 

 

 

羽山が途中で割り込んできた

 

 

 

八幡「そうか…ならたまには向き合ってみるか…」

 

 

 

八幡「じやまあな…俺は今日帰るわ」

 

 

 

そういい俺はその場を去った

 

 

 

雪乃「貴方…やっぱり最低ね」

 

 

 

隼人「あぁ…あのまま行ったら彼は雪乃ちゃんを好きになってたかもしれないからね」

 

 

 

雪乃「やっぱり貴方のことは嫌いよ 私の前から失せなさい」

 

 

 

隼人「今日の所は帰るよ だけどいつか振り向かせて見るからね」

 

 

 

そういい葉山隼人は去って行った

 

 

 

雪乃「はぁ…比企谷君…早く私の気持ちに気がついてくれないかしら…」

 

 

 

そう、どうして奉仕部の両方とも関係が進歩してないかと言うと

 

由比ヶ浜と2人で話し合った結果

 

比企谷君が告白するのも待つってなったのだ

 

アプローチはいいが、自分から告白するのは禁止

 

 

 

ただそれだけの取り決めだ

 

だけど今ほどその約束が煩わしい事はないだろう

 

せっかく彼が自覚するチャンスだったのに

 

 

 

そんな事を考えながら部室へ向かった




今回は少しクズな葉山を書いてみました


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お酒の力

冬のとある日

 

私は先生に放課後に呼び出され

 

珍しく奉仕部に行くのが遅くなってしまった

 

もう、比企谷君は部室に来ているだろうか

 

 

 

由比ヶ浜さんは…確か今日は三浦さんと約束していたわね

 

 

 

久しぶりの彼との二人きりの時間

 

何故だか少し期待してしまう自分が居る

 

彼の事が好きだと気がついてからずっとそうだ

 

特に何の進展もないのに期待してしまう

 

 

 

もし、私が比企谷君の彼女になれたら…

 

 

 

私…いつからこんな恋する乙女みたいになったのかしら…ううん比企谷君のせいよ これは責任取ってもらわないとね

 

 

 

1人でそんな事を考えながら奉仕部に向かう

 

 

 

 

 

 

 

陽乃「ひゃっはろー! あれ?比企谷君1人かな?」

 

 

 

ドアが凄い勢いで開かれたと思ったら

 

陽乃さんが来た。ちなみに雪ノ下はまだ来ていない

 

 

 

八幡「うす 雪ノ下さん今日はどうしたんですか?」

 

 

 

陽乃「もう、陽乃でいいのに…今日はね近くによったから遊びに来たんだ」

 

 

 

本当だろうか…この人は暇なら来そうなきがする

 

 

 

八幡「そうっすか」

 

 

 

陽乃「何その反応冷たい〜」

 

 

 

陽乃「あ、そうだこれ比企谷君にあげるよ」

 

 

 

そう言って取り出されたのはチョコと烏龍茶

 

が取り出された

 

 

 

八幡「…何故この組み合わせ?」

 

 

 

陽乃「私がたまたま持っていたから?」

 

 

 

多分これ貰い物だろうな…未開封だし

 

 

 

八幡「…いただきます」

 

 

 

チョコを開封し1つ食べる

 

 

 

八幡「…美味い!」

 

 

 

陽乃「でしょ!それ苦手な人居るけど

 

美味しいよね」

 

 

 

八幡「えぇウイスキーボンボン初めて食べましたがこれは美味しいです」

 

 

 

陽乃「うんうん、比企谷君が喜んでくれてお姉さんは嬉しいな」

 

 

 

ぱくっぱくっと食べていく

 

 

 

八幡「陽乃さんは食べないんですか? さっきから俺だけ食べて」

 

 

 

陽乃「うん、いいの比企谷君に食べて欲しかったから」

 

 

 

八幡「そうなんですか…ありがとうございます」

 

 

 

烏龍茶を開け1口飲む

 

 

 

八幡「雪ノ下さんこれ?烏龍茶ですか

 

何か違和感があるよう」

 

 

 

もう一口飲む

 

 

 

陽乃「ごめん、ちょっと私にも飲ませて」

 

 

 

陽乃「んっ!?これ!烏龍茶じゃなくてウーロンハイじゃん!」

 

 

 

あぁなるほどだから体がぽわぽわしてるのか

 

 

 

陽乃「比企谷君!大丈夫!?」

 

 

 

八幡「ら、らいじょうぶですよ」

 

 

 

呂律が回ってない

 

ウーロンハイを飲みウイスキーボンボンを食べたから酔っているわ

 

 

 

八幡「陽乃さん…こんな俺の為に用意してくれてありがとうございます」

 

 

 

えっ!名前で呼んでくれた!あの比企谷君が

 

 

 

陽乃「う、うん///」

 

 

 

八幡「陽乃さん…」

 

 

 

こっちにゆっくり近づいてきた

 

お酒のせいなのか分からないけど

 

ほんのり顔が赤い

 

 

 

陽乃「ひ、比企谷君…どうしたの?」

 

 

 

目の前に立ちギュッと抱きしめてきた

 

 

 

八幡「俺、嬉しかったんですよ…」

 

 

 

陽乃「え?」

 

 

 

八幡「俺が頑張って依頼をこなしても…誰も俺の事を認めてくれませんでした…だけど陽乃さんだけは違った…それだけで俺には心の支えになっていました…」

 

 

 

陽乃「比企谷君…」

 

 

 

この子も普通の男の子なんだな…

 

誰かに甘えたいし誰かに甘えてもらいたい

 

そうなんだよね

 

 

 

陽乃「いいよ、今日くらいはお姉ちゃんにいっぱい甘えて」

 

 

 

片手で比企谷君の頭を撫でながら抱きしめる

 

 

 

八幡「グスッ…陽乃…さん」

 

 

 

陽乃「今日くらいは素直になってもいいんだよ」

 

 

 

八幡「はい…」

 

 

 

自分の感情を全て陽乃さんにぶつけた

 

奉仕部の関係やあの二人に対する想いも

 

そして、この関係を壊したくないけど

 

どちらかを選んだら壊れるかもしれないと

 

 

 

陽乃「君は色んなことを背負ってたんだね…

 

それに2人のことちゃんと考えて上げてたんだね」

 

 

 

八幡「……はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪乃side

 

 

 

どういう事なの、部室の前に着いたのはいいのだけれど何か姉さんと比企谷君が話しているわ

 

少し気になるから外から聞いてみましょ

 

 

 

え、え?何で比企谷君が姉さんに抱きついているの!?それにお酒?

 

 

 

そこから比企谷君は語り始めた

 

 

 

雪乃「(ごめんなさい…比企谷君そこまで追い詰めていたなんて気が付かなかったわ…)」

 

 

 

でも、どうして姉さんなの?何で私じゃないの?

 

胸がズキズキした

 

 

 

陽乃「そろそろ出ておいで雪乃ちゃん」

 

 

 

雪乃「!気がついていたのね」

 

 

 

陽乃「バレバレだよ それで比企谷君の気持ちを聞いた雪乃ちゃんはどうするのかな?」

 

姉さん最初からこういうつもりだったの?

 

いえ、多分予想外だったはず

 

 

 

雪乃「ど、どうって言われても困るのだけれど…」

 

 

 

八幡「…雪ノ下俺は今の関係性を気に入ってる

 

だから、無理に変えようとしなくていい

 

ありのままのお前でいいんだ」

 

 

 

でもそれじゃ今までと何も変わらないじゃない

 

いや、彼は変わって欲しくないのかもしれない

 

 

 

陽乃「今日は帰るから2人でたっぷり話し合いなさい、じゃあね♪」

 

 

 

姉さんが帰っていった すれ違い様にありがとうって囁いたら一瞬びっくりしたような顔して すぐ笑顔になりながら帰っていった

 

 

 

雪乃「ねぇ、比企谷君」

 

 

 

八幡「は、はい…」

 

 

 

雪乃「好きよ」

 

 

 

八幡「え?」

 

 

 

雪乃「あら、こんな時まで難聴系を発揮しないでくれるかしら?それともわざとなの? 鬼畜谷君」

 

 

 

八幡「い、いや、えっとだな ちょっと信じられなくて 雪ノ下が俺の事をす、す好きってのが」

 

 

 

雪乃「あら、察しのいい比企谷君なら気付いて居るのだと思っていたのだけれど、まさかの鈍感谷君だったのね」

 

 

 

八幡「す、すまん…」

 

 

 

雪乃「いいわ、比企谷君…貴方の事が好きなの

 

その、捻くれた性格も 誰かのために自分を犠牲にしてまで救ってしまうほどの優しさを持つ貴方が好き

 

だから、えっと…私と付き合って下さい!」

 

 

 

人生で初めて受けた告白だった

 

今にも涙が出てきそうなほど嬉しかった

 

酒のせいであんな事を言って

 

しまった自分を褒めてあげたい

 

 

 

八幡「……俺も雪ノ下の事が好きだ

 

いつからかは分からないが気がついたらお前の事を目でおってた。雪ノ下の在り方に惹かれていたんだ

 

だから俺と付き合ってくれ」

 

 

 

雪乃「…ありがとう比企谷君」

 

 

 

八幡「あぁ」

 

 

 

雪乃「比企谷君…大好き」

 

 

 

八幡「あぁ、俺も雪ノ下の事が大好きだ」

 

 

 

雪ノ下の背中に手を回し顔を近ずけ、キスをした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教室の外

 

 

 

陽乃「あーぁ、初恋実らなかったな…

 

でも比企谷君…雪乃ちゃんを選んでくれたんだね

 

お姉ちゃん的には…グスッ うれーしいのに

 

本当に、駄目なお姉ちゃん…だな私」

 

 

 

涙を流しながら彼女はその場を去って行った



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比企谷君の心の声が聞こえてくるのだけれど

季節は冬

 

頭の悪いカップル達が外でイチャイチャして

 

問題を起こす季節だ

 

 

 

比企谷君ぽく少し考えてみたのだけれど

 

少しきもいわね やめましょう

 

 

 

冬休みが終わり学校が始まって

 

数日程が経った

 

学校があろうが、なかろうが私には関係ない事なのだけれど 奉仕部の2人と会えるのは少し楽しみな私が居る。

 

 

 

由比ヶ浜さんとお話して、比企谷君と噛み付きあう

 

日常を私はそれなりに気に入っている

 

 

 

その点を踏まえるとやはり学校がある方が

 

私としては楽しいと思う

 

 

 

そんなどうでもいい事を考えながら

 

部室に向かった…

 

部室の鍵を開け、部屋に入り暖房をつける

 

 

 

高校の教室は冷暖房完備なので有難い

 

夏は暑く 冬は寒い中過ごさずに済む

 

 

 

いつもの自分の席につき 一息つく

 

 

 

ピロン

 

 

 

由比ヶ浜さんからメールが来た

 

今日は三浦さん達とカラオケに行くから

 

部活を休みらしい

 

 

 

という事は久しぶりに比企谷君と二人きり

 

になるという事ね…

 

 

 

ガラガラ

 

 

 

八幡「うす」

 

 

 

比企谷君がやってきた。

 

いつも見たく背を曲げ腐った目でこちらを見てくる

 

 

 

雪乃「こんにちは、比企谷君 相変わらず目が腐っているのだけれど、また何かやらかしたのかしら?」

 

 

 

八幡「何もしてないし、むしろデフォルトだ」

 

 

 

雪乃「そう言えばそうだったわね…この世の中を象徴するような腐った目をしているけれど比企谷君にとってはいつも通りだったわね」

 

 

 

いつも見たく毒舌を吐き

 

彼の返答を待つ、別に私はドSという訳では無いのだけれど 彼とこうやって言い合う時間は中々に楽しいものだ

 

 

 

八幡「はいはい、そうでしたね」

 

 

 

(ったくそんなに言わなくても良いじゃねぇか…俺だって少しは気にしているんだから…)

 

 

 

え、今のは何?

 

 

 

雪乃「ご、ごめんなさい 貴方がそんなに目の事を気にしているだなんて 思ってもなかったから」

 

 

 

八幡「あ、え?今口に出てたか?」

 

 

 

(うっわ、恥ずかしい…雪ノ下に気にしてる事がバレてしまった…)

 

 

 

また聞こえてきた…これは一体何なの?

 

 

 

雪乃「あ、えぇ あまりにも気持ち悪かったから つい聞き取ってしまったのよ、あんまり怪しい事ばかりしていると通報するわよ」

 

 

 

嘘をついてしまったわ…でもどうしてあんな声が

 

聞こえてきたのかしら?

 

それとも本当に比企谷君が口に出してしまっただけ?

 

 

 

八幡「す、すまん…」

 

 

 

(やっぱり俺嫌われてるのかな。まぁ、俺みたいな生きてても認知すらされないようなやつを雪ノ下が好きになる訳無いよな…自分で言ってて悲しくなってきたわ)

 

 

 

こ、これは比企谷君の心の声なの?

 

でも普段の彼と全然違うわ…

 

 

 

 

 

雪乃「いえ、私も言いすぎたわ ごめんなさい」

 

 

 

八幡「お、おぉ」

 

 

 

(雪ノ下が謝っただと!?もしかして調子でも悪いのか?さっきだっていつもより棘が強かったし…)

 

私の心配をしてくれるのは嬉しいのだけれど

 

私が謝るのってそんなに不自然かしら?

 

 

 

 

 

 

 

そこから特に話すことも無く

 

本を読んでいた

 

 

 

八幡「……どうした?そんなチラチラ見てきて」

 

 

 

(さっきから様子へんだし 体調悪いのか?

 

こいつすぐ無理するから心配なんだよな…)

 

 

 

っ!!比企谷君が私の事を心配してくれている

 

べ、別に嬉しくは無いのだけれど

 

悪い気はしないわね

 

 

 

雪乃「い、いえ何でもないわ…」カァァ

 

 

 

意識しては駄目よ

 

比企谷君には悟られないようにしないと

 

 

 

八幡「あんまり無理するなよ」

 

 

 

(また体調でも崩されたら 由比ヶ浜が心配するだろうしな…俺もだけど)

 

 

 

 

 

 

 

雪乃「きょ、今日はこれまでにしましょ」

 

 

 

八幡「そうだな」

 

 

 

(今日はこのままだったけど、明日はいつも通りだったらいいな…ったく俺らしくねぇな)

 

 

 

本当に貴方らしくないわよ…そんな不意打ちばっか

 

 

 

八幡「そ、そのなんだ、もし困った事があったら頼ってくれよ?」

 

 

 

彼が照れくさそうにそう言った

 

心の声は聞こえなかった…

 

多分本心なのだろう

 

 

 

雪乃「えぇ その時はよろしくね」

 

 

 

いつか話さないといけない時が来るかもしれない

 

でも今はこの状況を楽しんでみてもいいと思う

 

だって私は比企谷君の事が好きだから

 

比企谷君の事をもっと知りたいから



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八幡と雪乃が大人になってのお話

大人八幡と大人ゆきのんの日常回です


八幡「はぁ…疲れた」

 

忙しかった仕事も終え明日からは2連休

1週間働いて無くなってしまった英気を養う時間だ

 

そんな事を考えながらコンビニでお酒を幾つか買い自宅へ向かう。今は実家を出て千葉のマンションで一人暮らしをしている。

駅からそこまで遠くなく、利便性も良く中々に優良物件だ。

 

家の前につき鍵を取り出し家の鍵を開けた

 

ガチャ

 

ドアを開けると自分のでは無い靴が1足あった

今まで見た記憶もない新品の靴だった

 

リビングの方を見ると電気が着いており

その方向から足音がドタドタ聞こえた

その音が少しずつこちらに向かってき

 

そしてリビングのドアが開かれた

 

「おかえりなさい八幡」

 

そこには俺の愛しい彼女雪ノ下雪乃の姿があった

 

八幡「おう、ただいま雪乃」

 

そう返し靴を脱ぎ家に上がった

 

雪乃「もうすぐご飯出来るから待ってて」

 

部屋で着替えを済ませリビングに戻ると雪乃からもう飯が出来るから待っててと言われた。

 

八幡「おう、つーか来るなら言ってくれれば良かったのに 酒も追加で買ってきたし」

 

雪乃「それなら大丈夫よ私も少しだけれど買ってきたから」

 

八幡「そっか、サンキュな」

 

そう言い終わるとキッチンへ戻って行った

 

本当に気が利く彼女だ

高校を卒業と同時に付き合い始め

大学も卒業し社会人になり

互いに働いている

 

そんな長い年数をずっと2人で過ごしてきた

多少の喧嘩もあったりしたが ちゃんと仲良く

やっていけていると思う

 

1度大喧嘩した時は由比ヶ浜が仲裁してくれたな…今考えれば由比ヶ浜が居なかったら俺たち別れて居たかもしれないし…あいつ元気にしてるかな?

 

由比ヶ浜は大学を卒業し保育士になったと聞いた

年に一度の程奉仕部同窓会で由比ヶ浜や一色などと顔を合わせてはいるが前回は俺は風邪を引いてしまって欠席したから かれこれ2年ほど会っていない

 

雪乃「ご飯できたわよ」

 

八幡「おー美味そー 流石雪ノ下だな」

 

雪乃「貴方こそ人並み以上には作れるでしょ」

 

八幡「それでも雪乃には到底及ばねぇよ」

 

少し照れたような表情を見せ

食べ始めた

 

 

 

食事シーンはカット!

 

 

 

ご飯を食べ風呂に入りリビングに戻った

 

八幡「風呂入るか?今日泊まるだろ?」

 

雪乃「えぇ…覗かないでよ?」

 

八幡「覗かないからさっさと行け」

 

風呂場に雪乃が去っていく時に貴方なら覗かれてもいいのだけれどと聞こえたが無視しておこう

 

 

 

 

 

雪乃「本当に来ないだなんて…」

 

風呂から上がった雪乃が俺のところへ来て不満そうに小さく呟いた

 

八幡「んな事いいから飲もうぜ」

 

ソファにもたれ掛かるように座り

お酒を机の上に置く

 

雪乃も渋々とこちらに来て人ひとり分位開けた所に座った

まだ拗ねてるのか?

 

八幡「んじゃ乾杯」

 

雪乃「乾杯…」

 

最初に二人揃ってビールを開けたのだが…

 

雪乃「んくんくんくんく プハッ」

 

いきなりビールを一気飲みし次の缶を開けやがった

 

八幡「あんまペース上げるなよ 倒れられたら困る」

 

そう言うと少しペースを落としたがそれでも飲むペースは早かった

 

雪乃が3缶飲み終わった頃に冷蔵庫の方に行き

何か袋を持ってきた

 

雪乃「つまみ買ってるから…」

 

机の上にツマミをのせまた新しい缶を開けた

 

1時間後

 

八幡「な、なぁ飲むペース早すぎじゃないか?ペース落とすかそれともそろそろ辞めとけ」

 

雪乃「……」

 

八幡「雪ノ下さーん聞いてますか?」

 

雪乃「んくんく……」

 

雪乃「…」サッ ピトッ

 

さっきまで拗ねてずっと離れていた雪乃がくっついてきた。肩と肩が触れ合う距離まで来て重心をこちらに寄せる形になっていた

 

八幡「………」プイッ

 

雪乃「ふふっ」

 

急にくっついて来るなよ…ビックリしたじゃねぇか///

 

雪乃「ねぇ、比企谷君」

 

八幡「なんだ雪n」

 

雪乃「んっ」チュッ

 

八幡「///」(顔真っ赤)

 

雪乃「愛してるわ比企谷君」

 

八幡「俺も愛してる雪ノ下」

 

その後めちゃくちゃ(ry



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キスの日に起きた奇跡

キスの日なので
キスを題材にした八陽ものを書きました!




キス…それは恋人通しが愛を確かめるためにする行動である。唇と唇を合わせて相手の体温をまじかで感じ、相手の心を支配するとてもロマンチックなものだ……いや最後の一言で台無しだな

 

何故今こんなことを言っているのかと言うと

今日、5月23日はどういう訳かキスの日と言われているのだ。確か由比ヶ浜辺りが理由を言っていたがもう忘れた…俺にそんなラブコメなんて起きるわけがないからな!とさっきまでそう思っていた

 

 

 

そう、ラブコメクラッシャーことこの俺…比企谷八幡はキスの日にまさかファーストキスをしてしまうだなんて思っていなかったから

 

 

 

学校が終わり放課後に奉仕部の活動(読書)をし何事もなく終わるはずだった。

 

部活が終わり…俺は久しぶりに本屋によろうと思い駅前に来てしまった。駅前に着くと人集りができていて、その中心に見覚えのある人物が立っていた。

 

その女性はあの雪ノ下雪乃を彷彿とさせる程の美人でその豊満な胸にスラーっとした脚…そしてあの怖くて怖くて仕方が無い仮面をつけていた

 

ここまで特徴を言えばみんなお察しだろう

そう雪ノ下陽乃だ

 

その雪ノ下陽乃に男が二人言いよられていた

筋肉質で身長も180cm以上ありそうな

強面のモロヤンキーと言えるだろう人達から

 

陽乃「だから、人を待っていると言ったでしょ。貴方達と出掛ける時間なんて私にはないの」

 

機嫌悪そうに雪ノ下さんは言葉を吐き捨てた。

 

多分そんな予定は無いだろう…何せあの人いつもブラブラ街を徘徊してるし…妙にエンカウント率高いし…

 

でも、そんなことを知らない男達に言うのなら少し位は効果があるだろう…とそう思っていたが

 

「えーでもさっきからその待ち人は全然来ないしさ、俺たちと遊びに行こうぜ〜」

 

「そうだよ、俺たちの方が絶対楽しませてやれるからさ」

 

そんな何の信ぴょう性の無い言葉を吐き

雪ノ下さんの腕をつかもうしていた

 

八幡「チッ」

 

その時俺は走り出していた

陽乃さんの怒っているようで、不安で怖くて仕方なさそうな表情を見ていられなくなった

 

八幡「おい、何人の彼女に手を出してんだ」

 

ドスをきかせ男共に言葉を浴びせた

もちろん彼女でも無いし、助ける義理もないのだが、どうしてだか分からないが怒気を孕んだ声が出た

 

「おい!なんだテメー」

 

「おい、ガキが調子乗ってると痛い目見るぞ

もし、嫌なら大人しく家に帰るんだな」

 

八幡「さっき向こうで警察呼んでる奴いたけど…それでもいいならやれよ」

 

態と挑発するような言葉を吐き

意識を雪ノ下さんから俺に誘導した

 

「あぁ!?そのふざけた面潰してやる!」

 

そう言い男の1人は腕を振るいあげた

 

あぁ、こいつに殴られて俺助かるかな…

 

その時もう一人いた男が殴りかかろうとしている奴の腕をつかみ止めた

 

「やめようぜ、動画取られてるし…それに本当に警察来たらヤバいし」

 

もう1人の方は俺が警察という言葉を出し

正気に戻ったようだ…助かった

 

そうして2人は駅の方に消えていった

 

八幡「…大丈夫ですか?雪ノ下さん」

陽乃「比企谷君…怖かったよ……」

 

服の袖をそっと掴み

体を震わせていた

 

このままじゃ目立ってしまうので

近くのベンチに移動し雪ノ下さんをなだめた

プルプル震える雪ノ下さんはもの凄く新鮮でイケナイ気持ちになりそうだった

それから暫くして

 

 

 

陽乃「比企谷君、本当にありがとね…助かっちゃった」

八幡「いえ、俺は当たり前の事をしただけなので」

 

陽乃「当然では無いよ…比企谷君しか出来なかったし」

 

そう言い俺はその場に立ち上がった

 

八幡「も、もう、大丈夫そうですし俺は行きますね」

 

俺は照れくさそうに話を終わらせ

その場を去ろうと歩きだそうとすると

服をグイッと引っ張られた

 

八幡「うおっ!?」

 

陽乃「んっ」チュッ

 

びっくりして振り返ると雪ノ下さんからキスをされた

 

陽乃「えっと…さっき助けてくれたお礼…それと私の気持ち」

 

惚けていた俺に雪ノ下さんは首の後ろに手を回し抱きしめ、自分の胸に俺の顔を押し付けた

 

ドクドクと心臓の鼓動が聞こえてくる

それも物凄く早い

雪ノ下さんも緊張しているのだろう

 

八幡「ゆ、雪ノ下さん!?」

 

陽乃「ほら、私ねこんなにもドキドキしてるんだ…」

 

少し恥ずかしそうに顔を赤く染めながらもこちらに語りかけてきた

 

陽乃「今こうしてるのもすごく恥ずかしいけどね、それ以上に君とこうしてくっついていられるのがすごく幸せなの……比企谷君、私をこんなにもさせた責任取ってくれる?」

 

その時の雪ノ下さんはどんな表情をしていただろうか?ものすごく魅力的で妖美な色気を出していたのか、はたまた断れるのが怖くてビクビクしていたのか…俺には分からない

 

俺は直ぐに応える事が出来なかった

今までの雪ノ下さんのイメージは怖いお姉さんだとか、強化外骨格を付けて人を弄ぶ人だとか、雪ノ下や俺を困らせて引っ掻き回すような人だったから。

だけれど今俺の目の前にいる雪ノ下陽乃は外骨格だとかそういうものは無い、本物の雪ノ下陽乃だった。

実は弱くて普通に恋をしてしまう乙女な雪ノ下陽乃だった。

俺は…そんな雪ノ下さんの事を考えていると

どんどん雪ノ下さんの事をもっと知りたくなった

どんな風に笑うのだろうか…どんな風に照れたりするのだろうか…どんな風に怒ったりするのだろうか…

そう考えているうちに俺は雪ノ下陽乃と言う人物に吸い込まれていった。そうして俺は

 

八幡「………はい…俺でよければ」

 

陽乃「…ふふっ、これで恋人同士だね…比企谷君」

 

2人は見つめ合いそして笑った

 

八幡「そうですね、雪ノ下さん」

 

雪ノ下さんは俺の拘束をとき

俺は雪ノ下さんの隣に座った

 

陽乃「こんなあっさり人の事好きになるだなんて思って無かったな〜でも比企谷君からなんだろうな…前から気になってはいたし」

 

八幡「そうなんですか?」

 

陽乃「だって、興味ない人に約1年もちょっかい掛けると思う? まぁ、今日まではおもちゃとしか見てなかったけど」

 

八幡「いや、おもちゃって…」

 

陽乃「でも、そのおもちゃも今は私の彼氏なんだから♪」

 

八幡「そうっすね」

 

はぁ…とため息をついた

 

陽乃「ねぇ、八幡…本当にありがとね」

 

八幡「だから、俺は当然の事をしただけだと」

 

陽乃「その事もだけど…私を選んでくれて」

 

そう言っている彼女を見ると

恥ずかしそうに目を瞑り

唇をこちらに少し突き出した

 

八幡「大好きですよ、陽乃さん」

 

そっと自分の唇を近づけ そして

ふたつの影はひとつに重なった



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雪ノ下陽乃は○○に溺れる

「んぁっ、ゆ、雪ノ下…さん ちょ、離してく、ださい」

 

「いやっ、まだ全然足りないの…もっと もっとさせて」

「ちゅっ、んっ んぁ…………」

 

どうしてこんな事になってしまったのだろうか

雪ノ下さんから体を押さえつけられ、貪られるかの如くキスをしてくる

 

いや、思い当たる節はある…それはあの時の事だ

 

 

 

 

 

 

 

とある天気の良い日

俺は休日にも関わらず珍しく外に出ていた

理由はまぁ言わなくてもわかると思うが、新作の本を買いに行く為だ

 

まぁ、運命だったのかどうなのかは知らないがその途中に雪ノ下さんと偶然出会った訳だが…ここで出会ったのが一環の終わりだったのだ

 

 

 

駅前に本屋に向かっている途中、俺は新作の小説がどんな内容か内心ワクワクさせながら歩いていると

聞いたことのある人の声が聞こえてきた

その人はこちらに向かって歩いてき、

こちらまでやってきた

 

「あれー?そこに居るのは比企谷君じゃん、久しぶりー!」

 

「うっす」

 

面倒なことになりそうな予感がしたので俺は短く返事をし、出来るだけ気にしないようにしていたのだが

 

「もー折角こんな美人なお姉さんが話しかけたんだから、もう少し喜ぶなり反応してよー」

 

ツンツンと頬をつつきながらこちらに着いてきた

 

「いえ、そういうのうちの妹だけで間に合っているので」

 

うん、小町が居れば俺はそれだけで生きていけるくらいまである

 

「それじゃ、雪乃ちゃんでも駄目なのかな?」

 

一瞬この場の気温が2、3度ほど下がった気がした

雪ノ下さんの素の声、何度聴いてもなれない

その冷たい声は、俺を警戒させるには十分であった

 

だが、その時

 

「きゃっ!?」

 

後ろを歩いていた大柄の人が雪ノ下さんの肩とぶつかり、雪ノ下さんは体制を崩してしまった

 

ぶつかった人はごめんと、こちらを確認もせずに去っていってしまった

 

「雪ノ下さん!」

 

俺は雪ノ下さんを正面から抱きしめる形で支え

そして、地面に倒れた

でも幸い頭を打つことも無く、雪ノ下さんも無事そうだ

 

「ん〜〜〜〜///!?!?」

 

抱きしめられてるからか雪ノ下さんは声にならない悲鳴を上げていた 俺の胸の中でジタバタし、その豊満な胸が俺の体に……

 

ここで異変に気がついた、「大丈夫ですか?」と声を出そうとしたが 声が出なかった

 

そこで違和感を感じたおれは目を開けた

するとそこには

 

目の前にある、雪ノ下さんの赤面した顔

そしてあまりにもくっつきすぎて、見えないが

互いの唇が重なっていた

 

その感触は物凄く柔らかく、少し落ち着くような、気持ちよすぎて蕩けてしまいそうな程のものであった

 

実際俺はその感触に酔いしれて、じつくり堪能してしまった

しはらくすると雪ノ下さんが俺から離れ

モジモジしていた

「えっと、助けてくれて…ありがと」

「いえ、こちらこそ、無事でよかったです」

 

 

雪ノ下さんは顔をあわせることなく、俯いてしまった

そりゃ好きでもない男とキスしたんだ…心にくるものもあるだろう

 

「あの、さっきは事故とはいえ…すみませんでした」

俺が雪ノ下さんに謝ると何故か申し訳なさそうな声で話しかけてきた

 

「こちらこそ、私があんな事してなかったらまずあんな事態にはならなかったのだから」

 

雪ノ下さんがここまで消極的なのは珍しい

あれだけ人を引っ掻き回してきたのに…

 

「その、比企谷君…今日の事は気にしなくていいからまたね…」

 

そうして彼女はその場を去って行った

 

 

 

 

この時が事の発端だ

だけれど、雪ノ下さんのタカが外れたのはもっと先のことだ

 

 

 

 

学校を終え、部活も終了した後真っ直ぐ家に帰宅すると

この前のお礼という事でお菓子を持ってきた雪ノ下さんが家に来ていた

 

小町には 倒れそうになったのを助けて貰ったと説明したようで 特にあの件については触れてないようだ

 

「ではでは〜小町は受験勉強がありますので ごゆっくり〜」

 

俺が帰ると小町は自分の部屋に逃げていき

俺と雪ノ下さんの二人きりになってしまった

 

「比企谷君の部屋見てみたいんだけどいいかな?」

 

突然雪ノ下さんがそんな事を言い出した

俺としては断る理由も無かったので

部屋に連れていくと、雪ノ下さんは感心したかのような声を上げた

 

「そんな気はしてたけど、本多いね〜それに部屋も綺麗に片付けられてる」

俺は二人分のお茶を机の上に置き、一息ついていると

雪ノ下さんがこちらにやってきた

 

俺はコップを机の上に置くと

雪ノ下さんに肩を捕まれ…そしてベッドの上に押し倒された

 

「えっ?」

 

「雪ノ下さん、な、何をしていらっしゃるのでしょうか?」

 

何かに取り憑かれたかのような鋭い目付きでこちらを見ている雪ノ下さんに恐る恐る声をかけたが

返事はなかった

 

「ごめん、もう我慢できないみたい」

そう雪ノ下さんは呟き、俺の唇を奪ってきた

前とは違う、激しいキスだった

 

 

 

 

 

 

「なんで、こんな事したんですか?」

 

1時間ほど時間が経ち、少し落ち着いた雪ノ下さんに質問をした

どうして、なんてそんなのは予想がつく

俺だってあれから悶々とした日々が続いていた

 

雪ノ下さんとしたあのキスの感触が忘れられずに

またしたいという欲求が己の中で膨れ上がっているのには気がついていたから

 

「最初は気のせいだと思ってたんだけどね…私…君とのキスにハマってしまったみたい

いくら忘れようとしても…自慰行為をしても私の心は満たされなかった…」

 

最初のあの1回…たったあれだけのことで

俺も…雪ノ下さんもキスの快楽に溺れてしまったようだ

 

そこからは酷いものだった 週に一度、どこかで待ち合わせをし

キスをしていた…恋人でもないのにただひたすら互いの快楽のために求めあった

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっ…はぁっ…」

 

キスを終えた俺達はベッドに横になり

息を整えようとしていた

 

「比企谷君、そろそろ私たちの関係もハッキリさせよっか」

 

先に息を整え終わった陽乃さんが

今の関係を終わらせようと言ってきた

 

「はぁ……そうですね、こんなのは間違ってますし」

 

こんなのは間違ってる

それならその間違いを正せばいい

 

「雪ノ下さん……俺は雪ノ下さんの事が好きです…きっかけはかなり残念なものだけど、雪ノ下陽乃という女性に溺れるほど、貴方のことが好きです」

 

「私も…比企谷君の事が好き……最初はいいおもちゃだと思ってたけど、気がついた時には君のことしか考えられなくなってた だから貴方の彼女にして下さい」

 

 

こうして彼等は今まで以上に互いの存在に溺れていくことになったのは別のお話し

 




こんにちは、お久しぶりの投稿です

今作のタイトル雪ノ下陽乃は○○に溺れるというタイトル何ですが

この○○の中には2文字の言葉が3種類入れるようになっています!皆さんは分かったかな?


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七夕の前夜に起こる奇跡 〜雪ノ下陽乃誕生祭〜

もう、私の出番なんてないと思っていた…比企谷君には嫌われているし…ガハマちゃんも私の事は苦手そうだし…雪乃ちゃんに関しては言うまでもないけれど…

 

無事に3人の関係は修復し…各々自分の進路の為に進み始めた。雪乃ちゃんに関してもしっかり成長をし、もう姉として何かをしてあげる必要もなくなった

 

少し違うかな…雪乃ちゃんには自分の道を歩いて欲しいから

私が母さんを何とかしないといけなかったわね

 

だけれどあの2人とは赤の他人でしかない

だから、私があの子達に関わるのはもう終わりだと思っていた

 

私が雪乃ちゃんの為に利用し、壊そうともした

そんな酷いことを平然とするような私を許容してくれるだなんて自惚れるつもりもないし

 

 

そうして彼女らと距離を取ってもう3ヶ月の月日が経った。明日は私の誕生日…だけどちゃんと祝ってくれる人なんて誰もいない…

 

どうせ、パーティは違う日にやるし

 

 

陽乃「つまんないなー」

 

自分でもこんな低い声が出るなんて思って無かった

多分雪乃ちゃん当たりが聞いてた物凄く警戒しそうね…でもそれ程に暇なのであった。変わらない日常、つまらない玩具共…退屈な大学生活…そんなものに私はうんざりしていた

 

「…なんで貴方がここに居るんですか」

 

後ろから見知った声が聞こえてきた

その声の主は物凄く気だるそうに、こちらを向き面倒くさそうな顔をしていた

 

陽乃「あ、比企谷君だ!ひゃっはろ〜!」

 

八幡「どうもっす」

 

もう出会うことすら無いだろうと勝手に決めつけていたけど、まさかこんな簡単に再会できるなんて…と言っても彼は雪乃ちゃんのものだから、手を出したりする気は無いんだけどね

 

陽乃「奇遇だね〜どう?一緒にお茶でもしない?」

 

まぁ、彼ならまず断るだろうけど 私の暇つぶしに付き合ってもらおうかな。明日は誕生日だから〜とか言って無理やり連れていけばいいしね

 

八幡「いいですよ」

 

陽乃「まぁまぁ、そんな事言わずに……え?」

 

八幡「行かないんですか?それならそれで…」

 

彼からの予想外な返答に正直私は困惑してしまった。普段の彼なら「俺なんかが居てもつまらないでしょ」とか言って何とか逃れようとする筈なのに今日に限って乗り気だったからだ

 

陽乃「う、ううん!行こっか!」

 

彼の考えが読めないいつもなら、嫌な顔して断るくせに

 

だが、そんな深読みをしていたのも束の間

 

その後私のお気に入りの喫茶店に入り2人で

ケーキやコーヒーなどを飲みながら雑談していた

 

最近の奉仕部の事や静ちゃんの事進路についてなどの受験生らしい内容

 

私からは基本愚痴であった。母親や私の友達…下僕の事とか…でも彼はそんな愚痴を嫌がらず親身になって聞いてくれた

 

 

 

陽乃「あ、そろそろいい時間だね 帰ろっか」

 

八幡「そうですね」

ついつい話し込んでしまい、周りはもう暗くなっていた

 

私としたことが…でも比企谷君と話すのなんだか楽しかったな

そっか、今までこんな風に本音で話せる人が居なかったから…

 

陽乃「ふふっ」

 

八幡「どうしたんですか?」

 

もういいや、雪乃ちゃんの為とかそういうのは

だって私だって女の子だもん

 

陽乃「明日、誕生日なんだ という事で比企谷君!デートしよ」

 

彼は少しポカンとした顔でこちらを見ていた

 

八幡「え、いや、お誕生日なら普通家族と…」

 

陽乃「うちの家族がイベントがある日に休みがあると思う?」

 

八幡「あっ…去年も花火大会に雪ノ下さんも来てましたし…」

 

そう言えばそんな事もあったわね。あの時は比企谷君とガハマちゃんの2人で来てたわね

 

八幡「まぁ、誕生日に1人というのも可哀想ですし、明日は貴方について行きますよ」

 

これが噂に聞く捻デレというやつなのかな?可愛い所あるじゃない。お姉さん的にポイント高いよ

 

陽乃「明日は最高の誕生日になりそうだね!」

 

八幡「大袈裟ですよ」

ううん、少なくとも私にとっては最高の一日になるよ



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俺のゆきのんがこんなに可愛いわけがない

桜舞い散るこの季節…俺はリア充になりました!!

 

いきなりこんな事を言っても「は?」となるだろうが、先日俺はこの学校1の美少女であり、奉仕部部長の雪ノ下雪乃の恋人になったのだ。

 

本当に突然の事だった。数日前由比ヶ浜が風邪で珍しく学校を休んだ日の事…

 

 

 

 

 

雪乃「あの比企谷君…紅茶淹れようと思うのだけれど、貴方も飲むかしら?」

 

なにかソワソワしながら雪ノ下は俺に話しかけてきた。いつもなら罵詈雑言と呼べるとのもついてくるのだが、今日は少ししおらしいというか、落ち着きがない感じだった。ココ最近…もう何ヶ月になるか分からないが俺と雪ノ下が一緒に居る時は由比ヶ浜も一緒に居た。だから、今までそんなに2人きりになる事が無かったから緊張しているのかもしれない。

 

八幡「あぁ、頼む」

 

俺はパタリと読んでいた本を閉じ、雪ノ下が淹れてくれた紅茶に手を付けた。元々猫舌だったが、今年の冬の間温かいまま飲むことが多かった為、熱さには少し慣れてきたのだ。俺が紅茶を飲んでいる間、雪ノ下はじっとこちらの事を見つめていた。向こうは気づかれてないと思っているのか、飲み始めるまでは心配そうな表情をしたり、飲み始めると安堵したような…嬉しそうな表情をしていた。

 

八幡「雪ノ下」

俺が名前を呼ぶとピクっと体を反応させた

 

雪乃「な、何かしら?」

 

八幡「美味い、いつもサンキュな」

 

いつもは照れくさくてあまり言えてないのだが、雪ノ下が淹れてくれる紅茶は凄く美味しい、あまり紅茶を飲まない俺でもわかるほどのいい物を使用し、その上品な味を最大限引き出せるように取り扱っている。もしコイツと出会わなかったら1度も出会うことの無かった味だと思う。

 

雪乃「え、えぇ///」

 

顔を紅潮させながら雪ノ下は返事をした。その姿はいつもの可憐な感じと違い初々しさがあり物凄く可愛かった

 

その日はそれ以上進展はなかったのだが、その次の日俺は雪ノ下に呼び出された。いや、呼び出すというのは些か語弊がある。頼まれ事をされたという方が正しい。

 

内容は明日の土曜日買い物を手伝って欲しいというものだった。俺は面倒だったが、雪ノ下のうるうるとしたその表情にやられ即OKをしてしまった。

 

 

 

 

 

土曜日

 

俺は朝早くから家を出た。小町や親からは俺が朝から起きてる事。そして外出する事に驚かれた。だが俺今の俺にはそんな事どうでもいいと思えるほどにテンションが上がっていた。

電車に揺られ、文化祭の時のお見舞い以来 久しぶりに雪ノ下の家にやってきた。

 

雪乃「いらっしゃい、比企谷君」

 

チャイムを鳴らしロックを解除してもらい、ドアを開くと目の前には私服姿の雪ノ下が立っていた。

 

八幡「おはよ、その…服似合ってるぞ」

 

雪乃「えぇ、知ってるわ…私だもの」

 

先日とは違い、いつもの雪ノ下が戻ってきた感じだった。だけれど表情はすごく柔らかくとても魅力的だった。

 

雪乃「さぁ、上がって頂戴 もうすぐご飯もできるから」

 

俺が珍しく朝早くから家を出た理由はこれだ。雪ノ下が付き合わせる代わりと言って朝ごはんを作ってくれると申し出てくれたのだ。

 

八幡「なんか、悪いな」

 

雪乃「私がやりたくてやった事よ…それに……」

 

八幡「それに、なんだ?」

 

雪乃「な、なんでもないわ!」

 

八幡「そうか」

 

一連の会話を終えると雪ノ下は黙ってしまった。この時点で俺はもう薄々…いや確実と言える位雪ノ下の気持ちに気がついていた。

 

八幡「雪ノ下…こんな時で悪いんだが、俺…雪ノ下の事が」

 

俺は勇気を振り絞って告白をしようとした。今まで散々人に裏切られ、もう誰も信じないと決めていたが、それは雪ノ下と由比ヶ浜か壊してくれた。こいつらなら信じてもいい。そう思えた。だけど実際こうなってみるとかなり怖かった。もし、もしもだ。こいつらに拒絶されたら俺はもう誰とも関われなくなる気がした。

 

それでも俺は勇気をだして告白をしようと決意した

 

雪乃「待って!!」

 

だがそれはたった一言の言葉で中断された

 

雪乃「ダメなの…」

 

八幡「……」

 

雪乃「私からじゃないと」

 

俺はその時頭の中に?が浮かんだが俺が問う間もなく雪ノ下は話し始めた。

 

雪乃「私は貴方の優しさにずっと甘えていたわ…心のどこかであなたが何とかしてくれると思っていた。その結果貴方は心に深い傷を負った」

 

きっと文化祭や修学旅行の時の事だろう…あのやり方か間違っているとは言わないが他にもやりようがあったかもしれない…

 

雪乃「その貴方に甘えていながら私は貴方を拒絶してしまった…そんな私がこんな事をいう資格はないと思っているのだけれど、それでも私は貴方のことが好きなの…」

 

八幡「俺も雪ノ下の事が好きだ…だから、恋人になってくれないか?」

 

雪乃「はい!」

 

こうして俺達は恋人同士になったのだ

 

 

その後はご飯を食べ一緒に買い物に行きと普通にデートをし解散した

 

 

 

 

 

そこまではかなり良かった。物凄くよかった

 

 

 

 

だけど次の月曜日

 

雪乃「八幡〜〜」ダキッ

 

朝学校に着き自分の席に着くと雪ノ下がやってきた。そして…クラスの中に人が居るというのに なりふり構わず抱きついてきた。それも物凄く幸せそうな顔で

 

チラッと周りを見てみるとクラスの中は完全に凍りついていた。そして由比ヶ浜はと言うと心ここに在らずという感じだった。

 

八幡「雪乃、離れろって ほら、通りすがりの独神が倒れてるから!」

 

雪乃「や〜昨日会えなくて寂しかったから」

 

なんか精神年齢下がってないか!?それともあれか!?今まで甘える対象が居なかったから甘え方がわからずに暴走してるのか!?

 

八幡「雪乃、もうチャイム鳴るぞ 教室まで早く戻れ」

 

俺が学校に来るのは大抵ギリギリの時間なので、そんなゆっくりするような時間はない。そして雪乃は正気に戻ったのかいつも通りの凛々しい雪ノ下雪乃に戻った

 

雪乃「んっ、ゴホン…それでは比企谷君、昼休みに会いましょ」

 

そう言い残し彼女は教室を出ていった

 

 

 

そうしてその後先生がやって来てHRが始まったのだがクラス中ザワついていた。1部の奴らは悲鳴にも聞こえるような感じに雪ノ下さんが〜と、喚き、また1部の奴らは俺の悪口を含んだ なんであんなやつがみたいな事を言っていた。葉山や戸部などの所謂トップカースト集団はクラスが違う為、このザワついた状況を止められるやつは居なかった。

 

その話は直ぐに学年どころか学校中に広まり一躍有名になってしまった。由比ヶ浜は一限後の休み時間に色々質問され その後と昼休み以外、色んなヤツらが俺の所へ訪問してきた。つーか葉山…自分が嫌われてる事知っててもなお雪ノ下の事が好きだったのかよ…ある意味尊敬するわ

 

昼休みになり教室を出ようとすると雪ノ下が迎えに来てくれた

 

雪乃「それじゃ行きましょうか」

 

勿論行くのはベストプレイスではなく奉仕部の部室であった。いつもは雪乃と由比ヶ浜が一緒に食べているのだが、雪乃が由比ヶ浜に頼んで2人きりで使えるようにしてくれたらしい。

 

八幡「悪いな、わざわざ弁当作らせて」

 

雪乃「いいのよ、ひとつ作るのもふたつ作るのもあまり変わらないから」

 

雪乃が作ってくれた弁当を食べ2人で時間ギリギリまで寛いでいた。椅子ではなく床に座り、壁に背もたれし、手を握りあっていた。

 

八幡「なぁ、雪乃」

 

雪乃「なにかしら?」

 

八幡「愛情表現下手すぎ」

 

雪乃「うっ」

 

図星を突かれて雪乃は冷や汗をかいていた。いつもは完璧超人のコイツだが、いやだからこそなのかもしれない。コミュニケーション能力が人よりかなり劣り、そして愛情表現となると比類出来ないほどに下手くそであった。

 

八幡「それと、そりゃ抱きつかれたりするのは嬉しいけど人前では恥ずかしい」

 

雪乃「そ、それは寂しくて…つい」

 

あー誰だもうこんな可愛く育てた人は……はぁ…これはこれですごくいいんだけどね

 

 

 

雪乃「ねぇ、八幡」

 

八幡「なんだ?」

 

雪乃「」ギュッ

 

雪乃「これくらい…ならいいかしら?」

 

片腕に軽く抱きしめるような形でくっつき、頭は胴体にもたれ掛かるような形でくっついてきた。

 

八幡「あ、あぁ…」

 

何とか返事は出来たが、鼓動は物凄く早くなり、ドキドキが止まらなかった

 

俺はこの可愛い生物に慣れる日は来るのだろうか?



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